環境・建設委員会速記録第十号

平成二十五年九月二十七日(金曜日)
第九委員会室
午後一時二分開議
出席委員 十四名
委員長上田 令子君
副委員長桜井 浩之君
副委員長河野ゆりえ君
理事小林 健二君
理事山内れい子君
理事相川  博君
米倉 春奈君
舟坂ちかお君
高椙 健一君
大西さとる君
小磯 善彦君
高橋かずみ君
林田  武君
こいそ 明君

欠席委員 なし

出席説明員
環境局局長長谷川 明君
次長石野 利幸君
環境政策部長吉村 憲彦君
環境政策担当部長須藤  栄君
都市地球環境部長山本  明君
環境都市づくり担当部長谷上  裕君
都市エネルギー部長松下 隆弘君
都市エネルギー推進担当部長久原 京子君
都市エネルギー技術担当部長石川 裕通君
環境改善部長木村 尊彦君
環境改善技術担当部長島田 光正君
自動車公害対策部長山内 和久君
自然環境部長笹沼 正一君
緑施策推進担当部長臼井 郁夫君
廃棄物対策部長齊藤 和弥君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務山根 修一君
建設局局長横溝 良一君
次長前田 敏宣君
道路監邊見 隆士君
総務部長佐藤  敦君
用地部長今村 篤夫君
道路管理部長今村 保雄君
道路建設部長加藤 昌宏君
三環状道路整備推進部長長谷川金二君
公園緑地部長滝澤  達君
河川部長中島 高志君
企画担当部長相場 淳司君
総合調整担当部長梅田 弘美君
道路保全担当部長川合 康文君
道路計画担当部長横井 純夫君
公園計画担当部長五十嵐政郎君

 本日の会議に付した事件
意見書について
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
建設局関係
契約議案の調査
・第百七十六号議案 中川護岸耐震補強工事(その二十五)請負契約
・第百七十八号議案 若潮橋鋼けた製作・架設工事請負契約
・第百七十九号議案 古川地下調節池換気設備工事(その一)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百七十号議案 東京都風致地区条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都通称道路名検討委員会報告書(中間のまとめ)について

○上田委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○上田委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。
平成二十五年九月二十六日
東京都議会議長 吉野 利明
環境・建設委員長 上田 令子殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。

1 調査議案
第百七十六号議案 中川護岸耐震補強工事(その二十五)請負契約
第百七十八号議案 若潮橋鋼けた製作・架設工事請負契約
第百七十九号議案 古川地下調節池換気設備工事(その一)請負契約
2 提出期限 平成二十五年十月八日(火)

○上田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑並びに建設局関係の契約議案の調査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例の報告及び承認についてを議題といたします。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○上田委員長 次に、報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○上田委員長 これより建設局関係に入ります。
 契約議案の調査を行います。
 第百七十六号議案、第百七十八号議案及び第百七十九号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐藤総務部長 去る九月十七日の当委員会におきまして、契約案件二件に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 お開きいただきまして、目次の次の一ページをお開き願います。中川護岸耐震補強工事(その二十五)請負契約における入札経過でございます。
 この資料は、中川護岸耐震補強工事(その二十五)請負契約につきまして、その落札者、落札金額、開札日、入札経過等をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。若潮橋鋼けた製作・架設工事請負契約における入札経過でございまして、一ページと同様に、本請負契約につきまして、その落札者等をあらわしたものでございます。
 以上で、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○舟坂委員 百七十六号議案の中川七曲がり区間の耐震対策についてお伺いをしたいと思います。
 契約案件のその二十五付近は私の地元なわけでありますが、葛飾全体が川が大変に多く、この地域も、綾瀬川の合流部分に上平井水門があり、地域はいわゆるゼロメートル地帯になっております。それだけに、大地震による万が一の損傷、浸水という可能性から、地域では不安が大変大きい地域であります。それだけに、この護岸の耐震対策が早急に望まれる箇所でございます。
 そこで、七曲がりの耐震対策のこれまでの整備状況についてお伺いいたします。

○中島河川部長 中川の七曲がりは、周辺地盤高が低く軟弱な地盤が多いことから、早期に護岸の耐震対策を行う必要がございます。
 このため、上平井水門下流の外郭堤防の整備に引き続き、平成十九年度から、鋼管矢板や地盤改良による耐震対策を水門から上流に向かって順次進め、護岸の安全性を高めているところでございます。
 七曲がり区間、約九・七キロメートルにつきまして、二十四年度末までに約三キロメートルで整備が完了しており、二十五年度も引き続き、四カ所、約〇・四キロメートルの整備を実施中でございます。

○舟坂委員 耐震対策が進んでいることはわかりましたが、東日本大震災を受けて、平成二十四年十二月には、最大級の地震に対する新たな耐震対策として河川施設整備計画が策定され、中川の七曲がりの区間に対しても、その対策実施箇所に位置づけられているようであります。そこで、一層強固な堤防を、中川周辺ではなく葛飾全体の安心・安全なまちづくりになることを望みます。
 そこで、二十四年十二月に策定された新たな耐震計画に基づく本工事の概要と、今後の耐震対策の進め方についてお伺いいたします。

○中島河川部長 新たな耐震計画では、将来にわたって考えられる最大級の地震が発生した場合においても護岸の機能が失われないよう耐震対策を進めることとしております。
 本工事区間の耐震対策といたしましては、耐震性能の照査結果に基づき、既設護岸の川側での鋼管矢板と地盤改良による根固めに加え、コンクリート護岸本体の補強が必要でございます。
 そのうち、本工事では、本奥戸橋下流右岸、約〇・五キロメートルにおきまして、平成二十五年度から二十七年度にかけて根固め工事を先行して実施いたします。護岸本体の補強につきましては、護岸沿いの生活道路や近接する民家への影響等を考慮した施工方法を検討し、別途実施していく予定でございます。
 今後の他の区間の耐震対策の実施に当たりましては、根固め工事と護岸本体の耐震補強の同時施工の可能性の検討など、効率的な発注方法を工夫し、七曲がり区間全体の平成三十三年度の完成に向けて整備を進めてまいります。

○舟坂委員 三十三年度までに耐震対策工事を確実に完了することを望みます。
 また、耐震化とあわせてテラス部分の整備も行い、区民に遊歩道として開放され、ことしの八月には中川奥戸展望デッキとして、地元にも大変喜ばれております。今後とも、新たな施設をつくるときに、このような施設を設置していただくことを望みます。
 そこで、中川テラスの整備の状況と今後の予定についてお伺いいたします。

○中島河川部長 護岸前面の根固め工事の実施箇所では、人々が散策できる幅約四メートルのテラスをあわせて整備しており、これまでに、上平井橋から平和橋上流までの両岸、約二・五キロメートルの区間を開放しております。
 テラスの整備につきましては、都が階段、転落防止柵、ベンチ兼用の植栽帯などを、葛飾区が照明、植栽などを分担して施工しております。
 引き続き、地元葛飾区と連携してテラスの整備を進めるとともに、七曲がりの特徴を生かした眺望のよい箇所を選定し、新たな展望デッキの設置を検討するなど、今後とも、安全で水辺に親しめる中川の整備を着実に進めてまいります。

○舟坂委員 わかりました。川の工事と同時に、これからは本体の工事を進めていただけるということですが、本体の工事となりますと、いわゆる民間側にも、何かと地域の皆さんの協力をいただかなければなりません。
 その辺を十分考慮して、全ての工事が三十三年度には終わるように、そして地域の皆さんのご理解を一層いただけるように希望いたしまして、私からの質問とさせていただきます。

○米倉委員 第百七十六号、中川護岸耐震補強工事契約議案について質問いたします。
 先日、現地調査を行いまして、東京都の河川施設の元設計者の方や地域の方から、中川の七曲がりと呼ばれているこの地域の耐震工事の必要性について話を伺いました。
 現地調査を踏まえて質問いたします。
 この護岸は、東京都の元設計者が強調されるに、豆腐のようにやわらかい地盤の上にあり、液状化、沈下対策が待ったなしだといわれました。
 また、この中川の下流にある上平井水門は、地震や大型台風のときには、津波や高潮を防ぐために閉鎖されます。そうすると、中川の方の川の水位はどんどん上昇しますので、そのときに護岸が破損していたら大きな被害をもたらしてしまう、それを防ぐためにも護岸の強化が不可欠であると強調しておられました。
 さらにいえば、護岸建設当時の昭和五十年代には、費用が莫大になるため、液状化や沈下に耐え得る対策が不十分だった、だから、この耐震補強工事を大いに進めてほしいと激励されました。
 今回の中川護岸耐震補強工事の議案は、このように重要な工事であるとともに、去年十二月、東京都が発表した東部低地帯の河川施設整備計画に基づいて耐震基準を引き上げて以降初めての契約ですので、想定される最大規模の地震に耐え得るふさわしいものになっているか確認する立場で幾つか質問させていただきます。
 工事に当たって大切なのは、どのくらいの強さの地震に耐えるか、その設計の基準となる水平震度の大きさだと思います。
 今回の案件で想定している地震の規模と設計水平震度の大きさについて、これまでの護岸耐震工事との比較で明らかにしてください。

○中島河川部長 耐震設計についてですが、これまでの工事では、構造物の供用期間中に発生する確率の高い地震に対して損傷しないよう、河川砂防技術基準に基づき設計水平震度〇・二四、すなわち、地震により構造物に加わる揺れの強さを重力加速度の〇・二四倍として設定し、構造計算を行っておりました。
 今回実施する工事では、これに加えて、東京都防災会議が被害想定において示した海溝型地震や直下型地震を想定し、将来にわたって考えられる最大級の地震に対しても護岸としての機能を保持するよう、国の指針に基づき、設計水平震度を、海溝型地震では〇・四として、また、より震源が近い直下型地震では〇・六として照査を行っております。

○米倉委員 設計水平震度が〇・二四ということは、建物にかかる力をはかる指標となり、地震の強さをあらわすときに用いられます加速度、ガルでいうと、おおむね二百四十ガルということになります。
 関東大震災が三百から四百ガルといわれています。設計水平震度をこれまでの一・七倍、二・五倍に引き上げ、マグニチュード八の関東大震災クラスの海溝型地震や、首都直下地震、マグニチュードは七・三ですが、震源が浅いため、揺れは関東大震災よりも大きくなる地震に対応するということですから前進だと思います。
 東京都は、これまでの護岸を含む河川施設の耐震化の取り組みを、関東大震災レベルの地震に対して一定の安全性を有するといってきましたが、日本共産党都議団は、東京都が基準としている設計水平震度〇・二四は中規模地震相当のものであり、首都直下地震や関東大震災クラスの地震に耐えられるふさわしい基準を定め、対応するよう求めてきました。
 一昨年から行われた東京都の新しい調査では、護岸、防潮堤の四割が損傷、三割が浸水の可能性があることが判明し、やはり以前の基準では不十分であることが明らかになりました。二〇二二年度までに、首都直下地震、関東大震災に耐えられるよう堤防の耐震化を行うとする対策を日本共産党都議団は歓迎し、遅滞なく計画を進めることを求めます。
 それでは、今回の契約になっている地点の護岸について質問いたします。
 この地点の耐震照査はいつ行いましたか。その基準と結果はどのようなものだったでしょうか。

○中島河川部長 今回の耐震設計でございますが、国が定めた河川構造物の耐震性能照査指針に基づき、平成二十四年度に実施しております。
 その照査におきまして、今回の工事内容である護岸前面の根固めに加えて、最大級の地震に対するコンクリート護岸本体の強度不足により、本体の補強が必要となっております。
 なお、先ほど関東大震災のお話がございましたけれども、今回の耐震設計におきましては、将来にわたって考えられる最大級の地震に対しても護岸としての機能を保持するということで設計しておりますが、先ほど舟坂委員のお話にありました、これまでやってきた護岸工事を実施した箇所につきまして、この条件に当てはまるかどうか照査したところ、基準としては合致する、すなわち最大級の地震にしても護岸としての機能を保持しているということでございます。
 したがって、今までやった工事における耐震工事が全部新しい基準に対して合致しないということはなくて、合致する場合もあるということは申し上げたいと思います。

○米倉委員 この地点でも、新しい基準では、大地震で起きる液状化によって護岸の躯体が流動したり、また護岸本体も損傷すると判明し、対策を進めていることだと思います。
 それでは、今回の計画で、矢板三十メートル超え、地盤改良は二十七・三メートルの深さまで進める、この深さの根拠は何でしょうか。

○中島河川部長 今回の工事箇所において、地質調査により確認した土の性状や液状化層の厚さなどの地盤条件を考慮し、国が定めた河川堤防の液状化対策工法設計施工マニュアルや道路橋示方書などに基づき構造計算を行い、必要な地盤改良の範囲や鋼管矢板の長さを決定しております。

○米倉委員 護岸の耐震補強は、今回の契約工事とあわせ、かみそり堤防ともいわれるコンクリート護岸本体を耐震補強してこそ完了すると思います。
 中川の護岸本体の耐震補強のめどはどう進めていく計画ですか。

○中島河川部長 今後、コンクリート護岸本体の耐震補強の設計を進め、関係機関との協議や近隣住民の方との調整を行った上で必要な対策を実施し、安全性を確保してまいります。

○米倉委員 地元区や住民の皆さんと丁寧な協議、調整を進めつつ、護岸本体の耐震工事についても速やかに着手されることを求めておきます。
 東京都の整備計画では、残り八十六キロの堤防を二〇二二年までに耐震補強工事を完了するとしています。ここ数年、年一キロペースで進めていますが、残り九年で完了するには、一年に十キロペースということで大幅なペースアップが必要となります。大変な事業になると思いますが、切迫する首都直下地震に備え、前倒しも含め、着実に進めていただきたいと思います。
 もう一点、意見を申し上げます。
 百七十六号議案、中川護岸耐震補強工事(その二十五)請負契約、百七十八号議案、若潮橋鋼けた製作・架設工事請負契約ともに、予定価格に対して七一・八八%、七二・二七%です。契約金額です。
 低価格入札について、これまでも日本共産党都議団は、低価格入札は工事内容の質を落とす、二次、三次の下請中小建設業者や現場労働者へのしわ寄せなどの心配があることを指摘してきました。そのようなことがないよう、品質保証、工事の安全、労働者の処遇などについて都の努力を求めまして、質問とさせていただきます。

○上田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○上田委員長 付託議案の審査を行います。
 第百七十号議案を議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○河野委員 東京都風致地区条例の一部を改正する条例について質問いたします。
 一九二六年、大正十五年に明治神宮内外苑付近が風致地区に指定されてから、現在、都条例の風致地区は二十七カ所ということであります。水辺や緑など良好な自然景観を保持することにより都市環境の保全を図る、この目的に沿った役割を果たしてきたと認識しています。
 一九七〇年、昭和四十五年に都条例が制定されていますが、今回の改正により、二十七地区のうち、条例の制定主体が東京都に残るのが七地区、許可権限の主体はすべて区市町村長に移譲されることになります。
 東京都は、「二〇二〇年の東京」で、緑のネットワークをつなげ、自然豊かな東京を次世代に継承するとの考えを明らかにしていますし、その他さまざまな形で緑をふやす、保全する、こうした方針を示しています。
 今回、都の風致地区条例が改正になることによって、これまでの緑の育成や保全など良好な環境を維持するための取り組みが継承されていくのかということについて、都民も関心を持っています。この問題について、東京都はどのような判断をされているか、お伺いしておきます。

○滝澤公園緑地部長 都市の風致を維持する目的についてでございますが、まず、都市計画法第五十八条におきまして、風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採、その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができると定められております。
 この目的に沿いまして、都の風致地区条例では、第一条で、都市の風致を維持するため必要な事項を定めることを目的とすると規定しております。
 区市の条例につきましても、今後、同様の目的で制定されることになりますので、都市の風致を維持する目的が変わるものではございません。

○河野委員 もう一点お伺いしておきます。
 風致地区は本来、開発を凍結するものではなく、自然的な景観と建築物の調和を図ることを狙いとするということも聞いています。
 この間の状況を振り返りますと、風致地区内の千代田区紀尾井町南地区地区計画では、容積率が三〇〇%から六〇〇%に緩和されました。また、九月二十三日付、先日の東京新聞に出ましたが、新宿区霞ヶ丘の国立陸上競技場建てかえ計画と関連して、神宮内外苑地区の高さ制限が十五メートルから七十五メートルと五倍に緩和されたということが報じられています。
 開発に伴う大幅な緩和がされている、特に都心区で行われていることに問題意識を持たざるを得ません。
 詳しくは述べませんけれども、明治神宮内外苑付近地区が大正十五年に指定された後、二十三区で七地区が、昭和五年とか八年とか、かなり古くから風致地区に指定されています。長い歴史を持つ都心部の風致地区が、これから区市に許可権限が移譲されて守られていくのかどうか、大変関心を持っています。
 風致とは、人との生活のかかわりを持つ自然状況が美しい様子ともいわれています。これまでの歴史を重んじ、とりわけ東京都が積み重ねてきた努力を生かすことが大事だと思います。
 良好な環境を保全する、そのための方策の一つとして、今後、区市に権限が移譲された後も、区市との連絡会を開催したり、環境保全に向けての意見交換を行うなど、東京都がまさに広域行政としての主導的役割を果たしていくことが大事じゃないかということを感じているんですけれども、この点ではいかがお考えでしょうか。

○滝澤公園緑地部長 都は、平成二十四年七月以降、区市との風致地区連絡会を延べ七回開催しておりまして、権限移譲の趣旨、スケジュール等の説明を行ってまいりました。
 区市に権限を移譲いたしましても、二以上の区市にまたがる風致地区につきましては、引き続き都条例が適用されることになります。
 都は、条例を所管する立場から、区市において風致地区に関する事務が円滑に運用されるよう、必要に応じまして連絡会を開催してまいります。

○河野委員 では、要望を込めて意見を申し上げます。
 風致地区は、地球温暖化防止のための水辺環境や緑の保全と拡大、そして、すぐれた景観を維持していく、文化財の保護などの点で重要な役割を果たす地域地区の制度だと思います。
 都が広域行政ならではの役割を発揮して区市町村と連携を強め、風致地区の保全に努められることを要望いたしまして、質問を終わります。

○上田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○上田委員長 次に、報告事項、東京都通称道路名検討委員会報告書(中間のまとめ)についてに対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いします。

○大西委員 それでは、私の方から、通称道路名について若干お伺いをいたします。
 東京都では、今回、三十年ぶりに、道路にわかりやすく親しみやすい名称である通称道路名を設定していくということでございますが、今回示された通称名の多くが、何々街道とか何々道路といったものとなっています。
 まず、この通称名の最後に用いられております街道及び通りという言葉の定義についてお伺いいたしたいと思います。

○今村道路管理部長 今回の通称道路名の設定に当たっての基準におきましては、その末尾に道路または通りを付することを原則としておりまして、街道という名称は、歴史的に由緒あり、現在、一般に広く知られているものに限り使用することとしております。

○大西委員 何々通りや何々街道という名前をつけている都市は、東京のほかにも日本各地で見られます。
 例えば大阪や名古屋、札幌など、こういった他都市ではどのような名前をつけているのか伺います。

○今村道路管理部長 大阪市では、昭和四十五年及び昭和五十八年に合わせて三十三路線、さらに、平成七年に十四路線の幹線道路に愛称をつけております。その中には、御堂筋、中之島通りなどがございます。
 名古屋市では、昭和五十九年に、久屋大通り、若宮大通りなど二十四路線について愛称を設定しているところでございます。
 札幌市におきましては、明治時代に導入されました町割りの仕組みに基づき、東西方向に条、南北方向に丁目として通り名がつけられているものがございまして、北一条通り、東三丁目通りなどがございます。

○大西委員 ただいま、ほかの大阪や名古屋、札幌といったところの例を出していただきました。
 今、出ましたように、大阪というのは、御堂筋、中之島通りというように、南北の道路を基本的に筋、東西の道路を通りと呼んでいます。これにより、地域にふなれな人、余り大阪に行っていない人でも、その通りと筋をいえば、大体の場所が想像つくという大きな利点があります。
 これは、特に東西南北の通りが碁盤の目のようになっているところでは大きな効果が出ると思います。例えば京都に関しては、京都は下の方から九条、八条、条がずうっとついて、その上の一条までいくと、そこから丸太町だの北大路通りだの、こういうのがあって、あと縦がわかれば、大体どこにあるというのがわかります。
 通りの名前を聞いて、場所、ある程度の雰囲気を、あの辺だなというのがわかれば、これはやっぱり便利なことこの上ないとは思います。
 そこで、都においても、このような例を参考に、よりわかりやすいものとするため、設定ができないのかと思いますが、いかがでしょうか。

○今村道路管理部長 東京の場合、その発展の歴史におきまして、道路がまず放射方向、次いで環状方向に整備されてきております。
 したがいまして、大阪や京都のような道路名称の設定は難しいものと考えております。

○大西委員 都市の発展の歴史により、道路の成り立ちが違うということもわかります。
 ただ、やはり城下町とか、そういうところでもたくさんの放射線道路が出ているところもございます。また、東京では、環七、環八といったところとぶつかるところはわかりやすくなります。全て通りでは、ちょっと芸もないのかなと、やはり何か工夫が大切なような気もするところでございます。私はそういう意見を持っています。大阪の筋と通りみたいな、わかりやすくした方がいいんじゃないかなと思います。
 ところで、一方で、ご存じのように、東京は二〇二〇年のオリンピックの開催が決定し、今後、多くの外国人が訪れるということが予想されます。それに対してでしょうが、最近、メディアで標識の英語表記について報道されています。
 そこで、都では通称道路名の英字表記というものをどのように考えているのか、ほかの国内の都市の事例も含めてお伺いいたします。

○今村道路管理部長 通称道路名等の道路案内標識につきましては、国等とともに、国会周辺におきまして英語表記への改善を試行しているところでございますが、今回の中間のまとめにおきましては、外国人向けに英語などでの名称の併記を想定しているところでございます。
 なお、政令指定都市における英語表記の事例でございますが、北九州市など三つの都市で試みが行われております。

○大西委員 英語表記については、他都市の事例が三カ所ということで、余りないということではございますが、今よく使われているのは、ストリートやアベニュー、ロード、ブルバード、リュといったのが中心かなと思いますが、例えばこれにしても、アベニュー、ブルバードやリュというのは、もともとはフランス語から発生をしているところでもございます。
 また、それをアメリカなどでも、ご存じのように、ニューヨークなどはアベニューとストリートを使ってわかりやすく表現をしている、そういう例もありますし、また、アメリカの中でも、西と東では若干使い方が違う、そういうところも見られます。
 東京の名づけというのは、これを東京が真剣に考えて名づけをすれば、多分これは日本全国に波及していくと思います。これだけ大切なことですので、ぜひ慎重に検討していただいて、いいのを使っていただきたい。
 一方で、外国人にとっても本当にわかりやすい表記になるように検討をお願いしたいと思います。
 最後に、今回設定する通称道路名が、利用する人全てに親しまれるということを期待いたしまして、質問を終わります。

○上田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十分散会

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