環境・建設委員会速記録第九号

平成二十四年九月十三日(木曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長上野 和彦君
副委員長桜井 浩之君
副委員長中村ひろし君
理事柳ヶ瀬裕文君
理事高橋かずみ君
理事尾崎 大介君
松葉多美子君
かち佳代子君
山田 忠昭君
原田  大君
こいそ 明君
吉田康一郎君
石毛しげる君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長大野 輝之君
次長紺野 秀之君
環境政策部長吉村 憲彦君
環境政策担当部長松下 明男君
都市エネルギー推進担当部長久原 京子君
都市地球環境部長山本  明君
環境都市づくり担当部長谷上  裕君
環境改善部長中村  豊君
環境改善技術担当部長島田 光正君
自動車公害対策部長山内 和久君
自然環境部長高橋 宏樹君
緑施策推進担当部長臼井 郁夫君
廃棄物対策部長木村 尊彦君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務山根 修一君
建設局東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
次長野口 宏幸君
道路監横溝 良一君
総務部長東  了一君
用地部長佐藤  敦君
道路管理部長今村 保雄君
道路建設部長佐野 克彦君
三環状道路整備推進部長長谷川金二君
公園緑地部長町田  誠君
河川部長邊見 隆士君
企画担当部長中島 高志君
総合調整担当部長今村 篤夫君
道路保全担当部長加藤 昌宏君
道路計画担当部長野崎 誠貴君
公園管理担当部長滝澤  達君
緑化推進担当部長五十嵐政郎君

本日の会議に付した事件
 理事の互選
 環境局関係
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
陳情の審査
(1)二四第四六号 根方谷戸の自然と絶滅危惧種「トウキョウサンショウウオ」の保全に関する陳情
 建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・妙正寺川鷺の宮調節池工事(その四)請負契約
・トンネル本体築造工事及び擁壁築造工事(二十四 四-放三十五)請負契約
陳情の審査
(1)二四第四三号 都立舎人公園へのバスケットボールコート新設に関する陳情
(2)二四第四九号の二 大泉ジャンクション地域における外環の二の事業概要及び測量説明会の開催に関する陳情
(3)二四第五一号の一 「外環の二」の一部事業認可等に関する陳情

○上野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○上野委員長 次に、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る九月五日付をもって、笹本ひさし議員が本委員会から文教委員会に変更になり、新たに吉田康一郎議員が厚生委員会から本委員会に、また、去る九月十二日付をもって、柳ヶ瀬裕文議員が厚生委員会から本委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 吉田康一郎委員です。

○吉田委員 よろしくお願いいたします。

○上野委員長 柳ヶ瀬裕文委員です。

○柳ヶ瀬委員 よろしくお願いします。

○上野委員長 紹介は終わりました。

○上野委員長 次に、笹本議員の所属変更に伴い、理事に欠員が生じましたので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○原田委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○上野委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認めます。よって、理事には柳ヶ瀬裕文委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認めます。理事には柳ヶ瀬裕文委員が当選されました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○上野委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、環境局関係の報告事項の聴取並びに環境局及び建設局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承をお願いします。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により幹部職員に交代がありましたので、環境局長から紹介があります。

○大野環境局長 去る七月一日付及び同月十六日付で異動となりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長の紺野秀之でございます。環境政策部長の吉村憲彦でございます。環境政策担当部長の松下明男でございます。都市地球環境部長の山本明でございます。環境都市づくり担当部長の谷上裕でございます。自動車公害対策部長の山内和久でございます。緑施策推進担当部長の臼井郁夫でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○上野委員長 紹介は終わりました。

○上野委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○吉村環境政策部長 東京都債権管理条例第十三条に基づき、環境局が平成二十三年度に実施した私債権の放棄につきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料1、私債権の放棄についてをごらんください。
 平成二十三年度に放棄した私債権は、公害防止資金貸付金の一件、金額は十八万六千三百七十円でございます。
 当該債権は、東京都公害防止資金に係る貸付金で、昭和三十九年度に貸し付けし、昭和五十四年度から債務の返済が滞っている債権でございます。
 債務者の法人は、返済期間における大半の支払いを行ったものの、その途中において会社更生法の適用を受け、更生計画に基づく支払いを行いましたが、休業、倒産状態となりました。
 一方、連帯保証人に対しては、催告、交渉を行うなど、債務を分割納付させ、徴収に向けて鋭意努力を重ねてまいりました。
 しかしながら、当該債権は、消滅時効に係る時効期間が平成元年度に経過しており、また、連帯保証人の死亡により、その相続者から時効の援用が行われたことから、平成二十四年三月に放棄を実施したところでございます。
 以上、私債権の放棄につきましてご報告申し上げました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○上野委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○上野委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二四第四六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高橋自然環境部長 お手元にお配りしてございます資料2、陳情審査説明表一ページをお開きください。
 整理番号1、陳情番号二四第四六号、根方谷戸の自然と絶滅危惧種「トウキョウサンショウウオ」の保全に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 陳情者は、稲城市の稲城の里山と史蹟を守る会代表市村護郎さん外二百四十六人の方でございます。
 陳情の要旨でございますが、根方谷戸に生息する絶滅危惧種トウキョウサンショウウオが守られるよう、環境省、林野庁、東京都が協議を行い、適切な対応を求めるものでございます。
 現在の状況でございますが、一、南山東部地区には、貴重な自然地が残り、希少動植物が存在しておりますことから、区画整理事業に際しましては、東京における自然の保護と回復に関する条例に基づき、事業者から都知事に対して開発の協議がなされたものでございます。
 二、都知事は、事業者が実施した当該地区の自然環境調査の結果や、事業者が立案した自然環境保全計画書の内容などを確認した上で、平成十八年三月に開発に同意いたしており、当該保全計画の中に、トウキョウサンショウウオを根方谷戸から別の谷戸に移殖するという保全策が記されております。
 三、都知事は、保全計画の実施状況について定期報告を求めるとともに、モニタリングを行っておりますが、事業者は、首都大学の草野先生の指導のもとで、移殖先の谷戸に仮設池を設け、地元ボランティアと連携して、トウキョウサンショウウオの移殖を着実に進めているところでございます。
 四、上陸個体の移殖のほか、卵のうは、水生個体の段階まで室内で飼育してから仮設池に放逐しております。また、使用する水は、草野先生が著していらっしゃる「トウキョウサンショウウオは生き残れるか?」において、くみ置き水等で十分と記されておりますことから、移殖先の谷戸の仮設池では、雨水に加え、くみ置き水を活用して水量供給、確保を図っております。
 五、平成十九年から始まりました移殖は本年で六年目となり、既に上陸、水生個体合わせて千三百個体以上を移殖しておりますほか、本年も移殖先の谷戸の仮設池において産卵も確認されるなど、移殖は順調に進んでおり、東京都も現地を訪れ、仮設池において水生個体を確認しております。
 六、なお、本区画整理事業は、自然災害等による崩壊で下部地域に被害を及ぼしてきた急峻な箇所などを造成し、抜本的な安全対策を講じることもこの事業の目的となっております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○こいそ委員 それでは質問させていただきたいと思いますが、当該の陳情につきまして、私の地元でもあります稲城市の矢野口周辺で進められている南山東部土地区画整理事業に関する陳情でもありますので、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 もともとこの地区は、山林、田畑、大変豊かな緑が展開している、すなわち多摩丘陵の一隅、一角のところなんですね。ところが、昭和三十九年ごろでしたでしょうか、東京オリンピックが開催された、その年と若干前後いたしますけれども、ここで山砂が採取されたんですね。その山砂が採取されたんですが、どうも聞くところによると、北側なんですけど、その会社が倒産してしまったということで、極めて中途半端な状態にがけ地が置かれてしまったんですね。その後、北側については有効な手だてが加えられなかったんです。これは非常に--近くには京王線も走っておるわけでありますけど、鉄道は走っていますけども、特に至近は京王線ですけれども、また、時代とともに、そのがけ地、下の方は民家が張りついてきているんですね。
 ご案内のように、近ごろは特にそうですけれども、集中的なゲリラ豪雨が降る。大変な百二、三十ミリぐらいの、それ以上の集中豪雨、それは危険だと。それとともに地震ですね。
 これらのことの中で、地元及び地元の住民の皆さんの間でも、大きな問題、課題となってきた北側でありました。
 全体にこの区画整理地域の中で、さまざまな問題を、あるわけでありますけれども、一つ一つ解決をするという中で、都市としての安全性、利便性、快適性をより高める必要性もあるのではないかということの中で、市民や市議会の、地元市議会、稲城市議会でありますけれども、さまざまな議論がなされたというふうにも聞いています。
 この区画整理事業がそのような経過の中で決まったというふうに受けとめているわけでありますけれども、事業実施に際しては、自然環境の保全について必要な手続を今まで行ってきたというふうに聞いていたわけでありますが、実際どうであったのかということですね。
 そこで、改めて、今までどのような手続が行われてきたのかということを教えていただきたいと思います。

○高橋自然環境部長 区画整理組合は、東京における自然の保護と回復に関する条例に基づき、事業区域の自然環境調査を実施した上で、緑地や希少動植物などの保全策を策定し、都知事に協議をしており、それを受けて都知事が同意しております。

○こいそ委員 組合は、条例に基づいて、自然環境の調査をした上で保全策を講じてきたということですね。
 その調査の結果、保全策の概要はどのようなものだったのか教えていただきたいと思います。

○高橋自然環境部長 専門家の意見を踏まえ、地元の自然保護団体などのご協力のもとで自然環境の調査を行った結果、事業区域には、多様な植物の生育や、希少な猛禽類が過去に営巣を試みた箇所があることが認められたほか、トウキョウサンショウウオについては、根方谷戸で成体二個体、幼生三個体、卵のう十二個が発見されました。
 こうした結果を受け、組合は、条例基準以上の緑地を確保することにしたほか、専門家に相談して、希少猛禽類の行動を調査することや、トウキョウサンショウウオの移殖を進めることなどを盛り込んだ保全策を講じました。

○こいそ委員 トウキョウサンショウウオは、移殖をするという保全策をとられたわけでありますけれども、どうして生息地である根方谷戸で残せていけなかったのかということですね、これを教えていただきたいと思います。

○高橋自然環境部長 自然保護条例に基づく協議に際して、組合に対して、根方谷戸を残すことの可否について確認いたしましたが、根方谷戸は急峻な箇所があり、降雨による侵食などで土砂が崩れてきているため、砂防堰堤が設けられておりましたが、地元からさらなる安全対策を求める声もあり、区画整理事業全体の中でも、同地をそのまま残すことが難しいということでございました。
 そのため、トウキョウサンショウウオについては、区画内で残された豊かな樹林を生かして公園とする別の谷戸へ移殖することで、その生息環境の維持向上を図る保全策に至ったものでございます。

○こいそ委員 安全面などから生息地を残せないため、万やむを得ず移殖という手段に至った、今そういう経緯の説明がなされました。
 しかし、この事業が始まってから、既に数年が経過をしています。陳情の内容を見ると、移転先はプラスチックの水槽であるということのようであります。このことも心配されておられるようでありますが、都は、移殖が適切に行われているか、現状がどのようになっているか、これらのことを把握しているかどうか伺いたいと思います。

○高橋自然環境部長 毎年、組合から自然環境調査報告書が出されており、トウキョウサンショウウオの移殖についても報告されております。
 平成十九年度から始めた移殖は、陳情にも記載されております「トウキョウサンショウウオは生き残れるか?」の著者、首都大の草野先生のご指導のもとで、環境影響評価書に記載された保全措置を満たしたプラスチック製の池を移殖先の谷戸に二カ所整備して、地元ボランティアとの連携によって実施されております。
 移殖に際しましては、毎年、根方谷戸で採取した卵のう及び水の中にいる幼生を持ち帰り、室内でふ化させて、幼生または上陸できる段階まで飼育してから移殖しております。
 これまでに幼生を五百六十二個体、上陸できる段階まで成長したもの七百七十個体、合わせて延べ千三百個体以上を移殖してきたところでございます。
 平成二十三年には、トウキョウサンショウウオが、整備した池に産卵していることが認められている上、二十四年は、産卵された卵のうの数がさらにふえていることから、移殖は順調に進められております。

○こいそ委員 移殖が、専門家の指導のもとで、地元ボランティアも参加して順調に進んでいるということのようでありますが、しかし、陳情に述べられている移動先は、移殖先ですね、雨水が補給されているだけだと。移殖する場合の最低条件である湧水がないという点について、実際どうなのかということですね、実態的にどうなのか。
 また、現在、仮設池ということでありますけれども、最終的な保全策を考える中で、現状は今説明がありましたけど、そういう状況がこれからずっと続くとは当然思えないので、最終的な保全策というのはどのようになっていくのか、あわせて伺いたい。

○高橋自然環境部長 「トウキョウサンショウウオは生き残れるか?」におきましては、くみ置き水でも十分と記されております。現在の池も、著者である首都大の草野先生のご指導のもとで、雨水を主として、くみ置き水を補助的に活用し、水量の安定的な供給確保を図り、組合が毎週一回は点検しているほか、その他にボランティアの方々も確認をいただいております。
 最終的には、産卵も確認されるなど順調に移殖が進んでいる現在の池付近に、全体工事の進捗に合わせて人工池を複数増設し、多様な産卵、成育環境となるよう整備することとしております。
 その際、卵を水中の小枝などに産みつけることが多いため、池の中に木の枝などを沈めておき、産卵しやすい環境とするほか、成体や幼生が隠れられるよう、池の底は落ち葉が堆積した状態を維持し、石なども配置してまいります。

○こいそ委員 答弁がありましたけれども、心配されていた水は確保されているんだと、組合やボランティアの方が定期的に確認しながら適切に進められている状況のようであります。
 今後、仮設池付近に人工池を整備するとのことでありますけれども、その場所でトウキョウサンショウウオが産卵を始めているということが、先ほど答弁でもありました。現状として、その産卵状況も考えると、良好な環境も確保されているのかなということを思うわけでありますけれども、今後、人工池の整備に当たっては、これまでの成果を生かして、自然と調和した、トウキョウサンショウウオにとってよりよい生育環境を創出するとともに、地域住民と共生していけるように、ぜひ地元と一緒になって見守っていく必要性があるのではないかと考えるところであります。
 東京都も、事業期間が平成三十二年までということになっておりますので、引き続きしっかりと組合を指導していくべきだというふうにも思います。
 今回の陳情の内容である希少種保全に関連いたしまして伺いたいと思いますが、そもそも都内の希少種は、報告を求め、報告いただく中で、極めて減っている状況であることがわかります。都は、こうした希少種の保全に、より力を当然入れていくべきだと思いますけれども、その中でも、やはり実態調査、保全に関してどのように取り組みを続けておられるのか、このあたりを教えていただきたい。

○高橋自然環境部長 昨年度から、都内の保全地域内の希少種等の実態を把握するための調査を順次進めているところでございます。さらに、今年度は、全国でどのような希少種の保全策が行われているかを調査しており、今後、都においても活用可能な対策の検討を行う予定でございます。
 こうした調査や検討を踏まえ、地域とも連携をすることにより、実際に効果のある保全策につなげていきたいと考えております。
 また、民間の開発に際して実施する自然環境調査や保全対策につきましても、しっかりとした調査や保全が図れるよう指導してまいりたいと考えております。

○こいそ委員 ぜひともしっかりした取り組みをより強めてほしいと、これを要望させていただきます。
 最近も、実は、この稲城市の隣、これも私の地元でありますけれども、多摩市内のある地域で、それは開発予定地でありました、ミニ開発ですね。そのいろいろな経緯、経過もあるんですが、この予定地に非常に希少なカタツムリ、カタツムリといっても、まあ小さいんですね。極めて小さい。このカタツムリの仲間が発見された、種が発見されたということが地元で話題になっております。
 東京都として、環境局として、実際、そのような極めて希少な種が生存している、生育している、こういうような状況をどう把握されているのか、伺いたいと思います。

○高橋自然環境部長 委員ご指摘のとおり、多摩市内の開発予定地におきまして事業者が自然環境調査を実施したところ、体長一から二ミリくらいの希少な陸生貝類、いわゆるカタツムリの仲間が発見されたとの報告がございました。そのため、都として陸生貝類の研究者に調査を依頼したところ、国のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅰ類に指定されているキバサナギガイ、同じく絶滅危惧Ⅱ類のナタネキバサナギガイという陸生貝類、ミズコハクガイという淡水性貝類であることが確認されたと、一昨日、報告がございました。
 なお、このうちナタネキバサナギガイ及びミズコハクガイは、都内では初めて生息が確認されたことになります。

○こいそ委員 都内で初めて陸生貝類が発見された、この種が発見されたということなんですね。日本全体を見ても、これは極めて絶滅危惧種なんですね。絶滅がより心配されている。
 しかも、これまで国の調査はどうであったのかと思うんですね。東京都で発見されたわけなんだけれども、専門家の方々のさまざまな知見だとか、これからさらなる調査ということも当然あるでしょう。しかし、いずれにしても、今部長がお話しのように、その二種は、日本全体から見ても極めて希少。そして、東京では初めて発見されたということですね。そういう中で、東京都と環境局だって、これはどう調査してきたのかなと思わずにはいられないんですけれども、それは置いておいて、専門家の方々がよく調査して、初めてそのように確認されたということ、私も、地元の皆さんもそうですけど、大変驚いているところであります。多摩市内から突然として見つかったと。本当に突然見つかったという感じがするんですね。
 何とも不思議であるような感じもいたしますし、これこそまさに生命の、何というんでしょうか、まだまだ我々が見ていない、また守らなきゃいけないさまざまな種があるわけでありますけれども、そのようなものは、極めて私どもの身近で、このように神秘的なものまで感じるような発見があったということなのでありますけれども、環境局としても、今後どのようにしていかれるおつもりなのか、このあたりをお願いします。

○高橋自然環境部長 当該地は民有地であるため、それらの希少種の保全には、事業者や地権者などのご理解とご協力が不可欠でございます。
 都としては、今後、事業者などと保全策を協議してまいります。

○こいそ委員 ここは私有地、民間の土地であります。事業者などの協力が前提になってきておりますけれども、都内で初めて生息が確認された、いわゆる認知、認められたという、その希少種でありますから、東京都としても、国にとってもそうでしょうけど、また地元の希少な財産というんでしょうか、財産でもあるかもしれません。地元多摩市とも十分連携して、これらの保全をどのようにしていくか、これをしっかりとこれからも進めていってほしいなと思います。これは要望です。
 局長、何かありますか。もしあったら……。

○大野環境局長 今お話しいただいたとおり、非常に希少なものが見つかったということで、まだ具体的にどういうふうにするかということはこれからの検討でございますが、いずれにしましても、保全できるように最大限努めてまいりたいと、このように思っています。

○こいそ委員 地元市と連携して、ぜひやってください。

○かち委員 私からも、根方谷戸の自然と絶滅危惧種「トウキョウサンショウウオ」の保全に関する陳情について質問をさせていただきます。
 この陳情が出たということもありまして、この夏、私は現地を訪ねてみまして、地元の方に案内されて行ってまいりました。
 トウキョウサンショウウオというのは見たことがありませんし、どういうところで生息するのかということで、根方谷戸の下流の方ですけれども、民家の後ろ側にあったところを見ました。きれいな、清水が本当にちょろちょろと流れていて、小川というような状況じゃないんですね。草がいっぱいあって、その上を水がさらさらと流れているような、こういうところに生息するのかということを感じてきました。
 それから山へ登って、本当に緑豊かな自然環境のいい稲城市ということを実感しながら、林をくぐり抜けて展望的なところに行きますと、そこに開けていたのが南山の開発をしている地域でした。八十七ヘクタールという広大な区画整理事業をやっている最中で、山肌が大分削られて、谷の方に埋められているという、そういう状況を見てきたわけですけれども、こういう中で、この希少、絶滅危惧種のトウキョウサンショウウオが本当に生き残れるのかどうかということも改めて感じさせられてきました。
 それで、先ほどから紹介されています、草野先生が書いている「トウキョウサンショウウオは生き残れるか?」という本を私も読ませていただきました。これを見ますと、一九九八年に東京の多摩地域でトウキョウサンショウウオの生態調査を行い、まとめられたものなんですね。
 「トウキョウサンショウウオは生き残れるか?」というこの報告書ですけれども、それによると、多摩地区のトウキョウサンショウウオは、主に標高百メートルから三百メートルの丘陵地帯の落葉広葉樹林または混交林内に生息し、その林の中の谷部の水深十五センチ程度の浅い水たまりや、それに接する休耕田の湿地を主な産卵場にしている両生類ということです。
 しかし、トウキョウサンショウウオの生息地が近年大幅に減少していると。過去には二百平方キロメートル弱に生息していたものですけれども、七〇年代には百五十平方キロメートル、そして、その二十年後には五〇%の百平方キロメートルまで縮小しているとのことです。
 トウキョウサンショウウオが絶滅危惧種に指定されるに至った要因はどのようなものなのか、所見を伺います。

○高橋自然環境部長 生息地が関東地方の比較的狭い範囲に限定されており、地域的に孤立している上、また、種の繁殖場所である水田の減少や耕作放棄により個体数が減少していると推定されるため、都のレッドリストで絶滅危惧種となっております。

○かち委員 この本では、トウキョウサンショウウオの減少を続けている原因は、住宅地や道路やゴルフ場などの大規模開発による人為的な生息環境の破壊が主な原因だといっています。このままでは、近い将来、東京からトウキョウサンショウウオが消えるのは確実である、特に武蔵野台地と接する丘陵地末端部に絶滅した地域が集中しており、都心から伸びてきた開発の波がじわじわとトウキョウサンショウウオの生息地を脅かしている様子がはっきりわかると書いています。
 現在、南山東部地区では区画整理事業が行われていますけれども、その開発工事の進捗状況、及び根方谷戸の現状と今後の計画について伺います。

○高橋自然環境部長 本区画整理事業は、平成十八年から平成三十二年が計画期間であり、現在は、第一期工事として、南側、公益施設用地及び北西側、住宅地の造成を進めております。根方谷戸は未着工であり、組合からは来年以降の予定と聞いております。

○かち委員 計画でいうと、現在はちょうど半ばぐらいかなというところでしょうか。
 この開発に際し、東京都の自然保護条例に基づき、事業者から開発の協議がなされて、当該地区の自然環境調査の結果や環境保全計画を確認した上で、平成十八年三月に同意をされています。
 根方谷戸に生息するトウキョウサンショウウオは、近隣の公園内に移殖するということを確認しているわけですけれども、開発工事前、根方谷戸におけるトウキョウサンショウウオの生息状況についての調査や量的把握はされているのでしょうか。

○高橋自然環境部長 平成十二年に自然環境調査を実施した結果、根方谷戸では、成体二個体、幼生三個体、卵のう十二個を確認しております。

○かち委員 今お答えがありましたけど、成体が二個、大人が二個、幼生、子どもが三個、卵のう十二個、これ、対なので六対ということになるんでしょうかね、確認されたということですけれども、これだけであったとすれば、まさに絶滅寸前という状況だと思うんですけれども、成体は落ち葉などに隠れる習性があって、なかなか見つけにくいものだとも聞いております。たまたま見つかったのが、これだけだったのかなというふうにも思いますが、その後の卵のうや幼生の採取状況からすると、正確な実数、実態ではなかったかと思います。もっと生息はしていたんだろうとも思われます。
 南山開発計画に当たっては、平成十四年に提出された環境影響評価書には、このサンショウウオの保存に関して、事業者としてどのように記載されているでしょうか。

○高橋自然環境部長 トウキョウサンショウウオを含む両生類の保全対策については、過去の移殖事例を参考に、計画区域内においてまとまった緑の残る別な谷戸の公園内に産卵のための池をつくり、移殖を行うこととするとされております。

○かち委員 根方谷戸のトウキョウサンショウウオの保全対策として、計画区域内においてまとまった緑の残る別の谷戸に産卵のための池をつくり、移殖を行う、池の造成に当たっては、計画区域内において揚水された地下水を用いて常時湛水、満たされた水がある環境とすると記されており、対策時期は工事着手前となっています。
 平成十九年から移殖が始まっているのですが、別の谷戸に移殖したトウキョウサンショウウオは、実際にはどのように移殖完了しているのか、もう少し具体的にお聞きします。

○高橋自然環境部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、専門家のご指導のもと、地元ボランティアの方々と連携して移殖を進めております。
 根方谷戸で採取した卵のう及び幼生を持ち帰り、室内でふ化、飼育してから移殖しており、これまで幼生を五百六十二個体、上陸できる段階まで成長したものを七百七十個体、延べ千三百個体以上となります。
 移殖先の谷戸には池を二カ所設置し、雨水を主として、くみ置き水を供給し、水質及び水量を維持しております。点検は、組合が週に一回実施しております。

○かち委員 先ほどの質疑にもありましたけど、池を用意してといわれましたけれども、それは、約一平方メートルぐらいのプラスチックの容器で、深さが二十センチ足らずの水槽ですね。それが段違いで置かれているというものが二カ所あるということです。
 そのためには、水は水道水を置き水にして、二トンずつ毎週運び上げて管理しなければならない。こういう中で、市民ボランティアの方々の大変な努力もあって今日に至っているとは思います。
 しかし、評価書では、工事着工前に、仮設ではなく池を造成し、揚水された地下水で常時湛水された環境とするとなっていますけれども、なぜ六年間も仮設池のままなのか、今後もこのまま続くのかどうか、お聞きします。

○高橋自然環境部長 仮設の池とはいえ、専門家のご指導のもとで、環境影響評価書に記載された保全措置を満たしたものであり、結果として移殖は順調に進んでおります。
 なお、本設の池は、今後、工事の進捗に合わせて仮設池付近に整備する予定と聞いております。

○かち委員 飼育の仕方というのはこの本にも書いてありまして、プラスチック容器だとかペットボトルでもできるんだというようなことは書いてありますけど、それは一時的なものだろうと思うのですが、六年間、これ以上、まだ続きそうな状況なんですよね。しかし、種を保存、繁殖させるためには、可能な限り移殖前の環境に近づけることが重要なのではないでしょうか。だから、事業者も、着工前に池をつくって、地下水で満たすことを計画したんだと思いますけれども、なぜいまだに水槽暮らしを余儀なくされているのか、ちょっと理解できません。本当にこれで今後定着するといえるのでしょうか。
 六年間で千三百個体を残したというモニタリングの結果ですけれども、どれだけの定着状況なのかお聞きします。

○高橋自然環境部長 トウキョウサンショウウオは土の中に生息するため、専門家でも正確な数の把握は困難でございますけれども、先ほどのご答弁のとおり、移殖先の池では、平成二十三年、二十四年と連続して着実に、産卵された卵のうが確認されており、順調に定着しているものと考えております。

○かち委員 二十三年、二十四年で産卵を確認したというだけで安定的に定着したとは、余りにも楽観的ではないでしょうか。トウキョウサンショウウオの幼生は共食いもするという、どうもうなところもあります。実際の定着状況を把握するためには、モニタリングは最低でも六年から十年の経過を見なければわからないと、この本書でも書いています。
 報告書では、東京のトウキョウサンショウウオの個体群の保全のためには、第一に、生息環境の保全が重要である、生息地域の環境をできるだけ維持し、これ以上、生息地域を縮小させない努力が必要だと書かれています。一日も早く新天地でも根方谷戸と同様な地下水の池をつくり、自然の環境に戻してあげるべきです。
 移殖による個体群の復元や導入は、これまでにもいろいろ行われてきましたけれども、必ずしも十分な計画のもとで行われていたものではなく、移殖後のモニタリングなどはほとんど行われていないので、移殖後の成否も明らかとなっていないため、移殖方法の検討のための情報は、残念ながら蓄積されていない。だから、今回の移殖方法についても、試行錯誤の中で行われているというのが実態です。
 さらに、都は、本区画整理事業の一環として、自然災害等による崩壊で下部地域に被害を及ぼしてきた急峻な箇所を造成し、抜本的な安全対策を講ずるために、根方谷戸の谷埋め盛り土を進めようとしていますが、昨年の東日本大震災時に起きた埋立地の崩壊は、谷埋め盛り土によるものが大変多くありました。谷埋め盛り土は、川、谷底に流れていた地下湧水が地震動によって液状化を起こし、崩壊するメカニズムがあるということを京都大学の釜井教授などが警鐘を鳴らしています。
 これらのことを踏まえ、根方谷戸に生息するトウキョウサンショウウオを保全するための対応を、改めて国や関係機関等も含めて検討すべきであるということを申し上げ、よって、本陳情は趣旨採択を求めて質問を終わります。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○上野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二四第四六号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。

○上野委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により幹部職員に交代がありましたので、東京都技監建設局長兼務から紹介があります。

○村尾東京都技監 去る七月十六日付で異動がございました当局幹部職員をご紹介いたします。
 道路管理部長の今村保雄でございます。道路建設部長の佐野克彦でございます。河川部長の邊見隆士でございます。企画担当部長の中島高志でございます。総合調整担当部長の今村篤夫でございます。道路保全担当部長の加藤昌宏でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いします。
   〔理事者あいさつ〕

○上野委員長 紹介は終わりました。

○上野委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○村尾東京都技監 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、妙正寺川鷺の宮調節池工事(その四)など契約案二件でございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明いたします。

○東総務部長 引き続きまして、第三回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 資料1をごらんいただきたいと存じます。契約案につきましてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。
 今回提出を予定しております契約案二件の件名は、目次に記載のとおりでございます。
 一ページをお開きください。妙正寺川鷺の宮調節池工事(その四)でございます。
 本工事は、鷺の宮調節池において人工地盤を設置するものでございます。
 工事場所は、中野区白鷺一丁目地内、契約の相手方はエム・テック・大雄建設共同企業体、契約金額は十一億七千二百三十二万五千円、工期は平成二十六年二月二十五日までとする工事請負契約を、東京都技術力評価型総合評価方式(試行)案件として、一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 二ページをお開きください。本件の施工場所の案内図でございます。
 案内図の中ほど、丸で囲いました箇所が工事場所でございます。
 三ページをお開きください。構造物の形状は、平面図及び標準断面図のとおりでございます。
 四ページをお開きください。トンネル本体築造工事及び擁壁築造工事(二十四 四-放三十五)でございます。
 本工事は、環状第八号線との立体交差部において、トンネル本体及び擁壁部を開削工法で施工するものでございます。
 工事場所は、練馬区早宮二丁目地内から同区北町七丁目地内、契約の相手方はフジタ・西武・あおみ建設共同企業体、契約金額は二十一億八千二百八十四万五千円、工期は平成二十七年三月十三日までとする工事請負契約を一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 五ページをお開きください。本件の施工場所の案内図でございます。
 案内図の中ほど、環状第八号線と交差するあたりに細かい網かけで表示してあります箇所が工事場所でございます。
 六ページをお開きください。構造物の形状は、平面図、側面図並びに標準断面図のとおりでございます。
 以上で平成二十四年第三回定例会提出予定案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○かち委員 妙正寺川鷺の宮調節池工事とトンネル本体築造工事及び擁壁築造工事の入札の経過をそれぞれお願いします。
 それから、東京都技術力評価型総合評価方式について、わかるようなものをお示しください。及び、これまでの実績についてお願いします。
 以上です。

○上野委員長 ただいま、かち委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○上野委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二四第四三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○町田公園緑地部長 資料2、陳情審査説明表の整理番号1、陳情二四第四三号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、都立舎人公園への屋外バスケットボールコート設置に関する陳情で、足立区の舎人公園にバスケットボールコートをつくる会代表伊藤寿庸さん外四百十四名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、都において、都立舎人公園に屋外バスケットボールコートを設置していただきたいというものでございます。
 この要旨に対する現在の状況をご説明いたします。
 舎人公園は、足立区北部に位置する計画面積六十九・五ヘクタールの総合公園でございます。昭和四十八年度に、東京都公園審議会から、公園の西部を運動公園地区、東部を森林公園地区とする答申を受け、昭和五十一年度から公園整備事業に着手いたしました。
 現在約六十二・九ヘクタール、計画面積の約九〇%を供用しております。
 公園の西部は、陸上競技場、テニスコート、野球場等を整備し、運動施設の整備は完了しております。公園北東部には、池、流れ、キャンプ場、ソリゲレンデ等を整備し、現在、公園南東部において、自然観察園やバーベキューサイト等の整備を進めております。
 公園管理者である都は、これまで、都立公園内に陸上競技場、テニスコート、野球場等の運動施設を整備してきておりますが、屋外バスケットボールコートの整備は行っておりません。
 バスケットボールコートにつきましては、区市等に設置を許可した都立公園内の体育館において、現在、九公園二十二面の利用が可能でございます。
 唯一、屋外に設置された代々木公園のバスケットボールコートは、スポーツ用品メーカーの寄附によるものであり、当該メーカーが維持補修も行っているものでございます。
 このため、舎人公園に屋外バスケットボールコートを整備する考えはございません。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 よろしくお願いいたします。
 今回の舎人公園にバスケットボールコートを新設してほしいという陳情でございますけれども、スポーツ施設は、都立公園のみにおいて整備するものではなくて、さまざまな専門の体育館とか、あるいは区市町村もいろいろスポーツ施設というのは整備しているわけですが、そもそも都立公園内の運動施設が東京都全体に占める割合というのはどれぐらいのウエートなのかお伺いいたします。

○町田公園緑地部長 都内における学校教育施設以外の公立スポーツ施設のうち、建設局所管の都立公園内の施設の割合を算出いたしますと、陸上競技場では四十一面のうち十二面で約二九%、テニスコートでは千四十四面のうち百七十一面で約一六%、野球場では五百九十一面のうち六十六面で約一一%となっております。

○吉田委員 わかりました。都立公園における運動施設というのは、東京都全体で、陸上競技場だと三割ぐらい、テニスコートだと一割半、野球場では一割ぐらいと。そのほかは、区市町村で整備したり、あるいは民間で整備したりという状況。しかし、重要な供給源であるということが確認できました。
 それでは、都立公園においてどのように運動施設を設置していく、どういう物差しでこれを決めていくのか、考え方について次にお伺いします。

○町田公園緑地部長 都市公園は、自然環境の保全機能のほか、防災機能、景観形成機能、レクリエーション機能など多くの機能を有しており、さまざまな世代の都民が利用する都立公園におきましては、公園の立地特性等に応じて、これらの機能を適切に発揮させるよう施設計画を行う必要があります。
 これらの中で運動施設は、広く都民の多様なレクリエーション活動や健康増進を支える場としての役割を果たしており、子どもから大人まで気軽に利用できる施設として計画しております。
 これまで、公園管理者である都は、陸上競技、テニス、野球などの屋外スポーツのグラウンド等を設置してきており、屋内スポーツに供される体育館等につきましては、設置許可を受けて区市等が設置してきております。

○吉田委員 考え方はわかりました。
 そういう中で、いろいろと陸上競技、テニス、野球などの屋外スポーツのグラウンドを設置しているということですが、本件の陳情にありますバスケットボールコートの設置数というか、供給の状況は、テニスコートや野球場、あるいはサッカー場とか、そういうものに比べて充足しているのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○町田公園緑地部長 足立区内には、バスケットボールの利用可能な体育館が十カ所ございます。
 しかしながら、テニスや野球などのスポーツ種目別の潜在的なものも含めた需要者数の把握ができないため、施設の充足について比較することは困難な状況となっております。

○吉田委員 今はバスケットボールというのは、正式には床でコート、木かな、床がきちんとしているところでやらなきゃいけないということで、近年は体育館などの屋内競技として供給すると。東京都としては余り、屋外でバスケットコートというのは、みずから整備しないと。それは、ある一定の説明力があることだと思いますが、テニスや野球など種目別の潜在的なものも含めた需要者数の把握ができないというのは、おやっと思うわけであります。
 一般論でいえば、運動施設、スポーツや武道の施設というのは、どれぐらいの人がその競技をやるか、それに応じて供給していくというのが普通の考えなんじゃないかなと。競技人口に対しての割合で計画していくというのが合理的な考えなのではないかと思いますが、所見をお伺いします。

○町田公園緑地部長 都立公園における運動施設は、気軽にスポーツを楽しめる身近な施設であることを基本としております。
 また、種目別の競技人口の把握が困難なことから、競技人口に対する割合では運動施設を計画してございません。

○吉田委員 現状、そうだということはわかりました。
 これはスポーツ振興局さんの方にも問い合わせているんですけれども、種目別の競技人口というのはどれぐらいなんですかとお聞きをしているのですが、まだお返事が来ないまま、きょうに至っているんですね。なかなか競技人口を把握するというのは、なるほど、現状は難しいのかということを私も今回思ったわけですけれども、そういう状況の中で、東京都は営々と運動施設を設置してきているわけで、では、どういう考え方に基づいて、例えばゴルフ場じゃなくてサッカー場、サッカー場じゃなくて野球場と決めているのか、その決定のあり方についてお伺いします。

○町田公園緑地部長 運動施設の検討に当たりましては、自然環境や景観の保全などに配慮するとともに、計画公園周辺の運動施設の設置状況を調査し、あわせて、地元自治体の要望や意見等を聞きながら、設置する施設の種類や規模を決定しております。
 運動施設を含めた公園全体の整備計画につきましては、公園審議会に諮問し、答申を得て決定しており、中間のまとめ段階でパブリックコメントを実施し、広く都民の意見を聴取しております。

○吉田委員 今そういう決め方をしておられると。私も、この陳情が上がってから、当然、御局とも、また他の局ともいろんなことをお聞きしながらいろいろと考えているんですけれども、やはり、都民の税金を使って、都民の利用に供する施設をどんな種目のものを整備していくのかということを決める上で、どれぐらいの利用が見込めるのかというのは大変大事であります。
 これまでの考え方では、例えば篠崎公園のときなんかでは、運動施設の規模などの検討の充足度というところで、東京都全体、二十三区、江戸川区の三区分で、各施設の合計面積割る総人口により一人当たりの施設面積を算出、比較し、充足度を把握する。あるいは、上板橋公園の場合も、東京都全体、そして二十三区、次に練馬区と板橋区、この三区分で、同じく各施設の合計面積割る総人口により云々と、こういうふうにやっておられて、つまり、当該種目、野球場なら野球場が、都内全体の平均に比べて、ここの地域では多いか少ないか、こういうことを基準に考えていらっしゃる。多ければ別の施設にしましょう、少なければ野球場にしましょうと。
 しかし、そもそも、野球場とサッカー場、あるいはバスケットコートと、どの需要が、都内で今、需要に対して供給が足りないのかとか、そういうことがなかなか数量では把握しにくい。これを、今、地元自治体の要望とか、そういうような意見を聞きながら決定してきているわけであります。
 この都立公園を計画した段階、整備計画をつくる段階で公園審議会に諮問をして、それで、ある一定の説明をするわけですが、例えばパブリックコメントを実施して広く都民の意見も聴取するということを今はやっていらっしゃるわけですが、例えばこの舎人公園の場合は、かなり古い公園でありまして、これは昭和四十八年三月の基本計画の策定でありました。このときの調査内容は、敷地条件、立地条件、都内、区内の公共の運動施設の設置状況。昭和四十八年の段階ですね、パブコメはまだやらない、そういう制度がない時期にやったことであるわけであります。
 過去の計画あるいは現在の計画も含めて、なかなか--もちろん、いろいろな情報を収集しながら検討、判断していただいているのはわかります。しかし、いま一つ、例えば今の考え方ですと、都内にアイススケートリンクというのは今一つもないわけです。そこで、今、フィギュアスケートというのは、日本の本当にすばらしい世界に誇る種目になっていて、メダリストも輩出していると。しかし、東京の競技者も、名古屋に行って一生懸命練習しているわけですね。これ、都内の平均に対して当該地区での過不足というと、もともと一個もないから、一個もなくても別に平均ですということになって、そういう判断基準で、未来永劫アイススケートリンクというのはできないわけですね。
 いろいろなことを考えますと、都立公園だけでそういう施設を整備するわけではありません。ですから、他局ともよく相談していただきながら--そして、もう一つ問題がございました。各都立公園の、例えば運動施設を整備する、その他のことを考える上で、民間に委託調査をされます。民間に委託調査をされた調査会社の調査項目ですね、例えば半径八キロ以内にプールはあるし、何もあるし、だけれども何々はない、こういう調査が、それぞれ別の業者が別の都立公園について調査されて、その項目が標準化されていないということを私はお聞きしております。
 ですから、単純にそれぞれ民間で委託調査した結果を突き合わせて、都内全体の状況がどんどんわかっていくという状況ではないんだと。単純に数量的に比較ができるような調査内容になっていないということでありますので、そういうことも私は改善の余地があるんだと思います。
 本件について、だから、バスケットボールコートが足りる、足りないとかいう、なかなか判断がしづらい。しかし、屋内でやるべき正式種目としては、そうだと。しかし、最近ストリートバスケットが盛んだとか、でも、どれぐらいの競技人口でニーズがあるのか、それもちょっとよくわからない。
 こういう状況で判断に苦しむわけでありますが、今後、都立公園における運動施設の整備ということを考える上で、今、私が申し上げたような点もちょっと酌んでいただいて、より具体的かつ詳細な調査を行い、あるいは少しでも競技別の人口が把握できるような努力を都全体で、その中心はもちろん御局じゃないと思うんですが、しながら、それでも都民の税金を使って委託調査を御局でもかけているわけですから、そのデータの蓄積や有効利用ということがもっとしやすいような、例えば調査項目にするとか、さまざまな改善というか、検討をすべきだと考えますけれども、所見をお伺いします。

○町田公園緑地部長 地域性も考慮したスポーツ種目別の潜在的な量も含めた需要者数の把握や、これに基づく施設の需要量の算出、また、官民の役割分担も含めた管理者別のスポーツ施設の必要整備量の算定などについて、関係部局とも相談しながら研究してまいります。

○吉田委員 やや、一歩前進ですね。前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ今後、皆さんが本当に、数値で、ああ、なるほど、この競技の施設が足りないんだと理解しながら、コンセンサスを得ながら、都民みんなが納得できるような進め方ができるようになると思いますので、期待をしたいと思います。
 質疑を終わります。

○かち委員 私からも、舎人公園へのバスケットボールコート新設に関する陳情について質問をいたします。
 今、吉田議員から、かなり厳密な需要調査のもとに配置すべきだというようなお話がありましたけれど、すべての公園でできるわけではないし、需要というのは、もっとそういう条件があれば、そこにもっとスポーツ人口がふえていくという、そういう関係もあるので、なかなか潜在的な需要だけで把握するというのは難しいかなと思います。
 私はすごくアバウトなんですけれども、本陳情は、舎人公園の中にバスケットコートを設置してほしいというものですけれども、私は陳情者の方から直接お話を伺いました。この四百十四名の署名は、中高生が自分たちで集めたものだといわれました。
 今は、中高生が身近な公園などでスポーツを楽しめる場所が充足しているとはいえない状況です。都立公園での屋外バスケットコートに至っては、ただ二つある代々木公園も駒沢オリンピック公園も、民間企業の寄贈ということです。また、都立公園内にある屋内バスケットコートも区市が設置したものということです。
 現在、舎人公園は九〇%まで整備が進み、供用しているとのことですが、今後の予定はどのようになっているでしょうか。

○町田公園緑地部長 舎人公園の西部におきましては、陸上競技場、テニスコート、野球場などの運動施設を整備し、また北東部におきましては、池、流れ、キャンプ場、ソリゲレンデなどを整備しており、計画面積六十九・五ヘクタールのうち六十二・九ヘクタール、約九〇%を供用しているところでございます。
 現在、南東部におきまして、自然観察園やバーベキューサイトなどの整備を進めており、スポーツと自然を満喫できる水と緑豊かな都立公園とすることとしております。

○かち委員 七十ヘクタール弱の総合公園ということでありまして、今、整備中の最後の仕上げにかかっているところかなと思います。
 また、広い舎人公園の中には、多目的広場、こういうスペースもあるわけですけれども、都が整備してきた運動公園でも、屋内、屋外でのバスケットコートは皆無ですけれど、バスケットコートの必要性についてはどのようにお考えでしょうか。

○町田公園緑地部長 公園管理者であります都は、これまで、陸上競技場、テニスコート、野球場などの屋外スポーツのグラウンド等を設置してきております。
 バスケットボールコートにつきましては、設置許可を受けた区市等の体育館が利用されております。

○かち委員 バスケットボールのコートというのは、小中学校以上の学校体育館には必ずあって、子どもから中高生、大人まで、幅広い年齢層で楽しめるスポーツです。欧米ではストリートバスケットが盛んで、公園の身近なところにバスケットゴールがあり、五対五でなくても、三対三、あるいは一対一など、ゴールのわざを磨いて、ストリートバスケットからNBAに入団した人もいるとのことです。
 正式なコートは一定のスペースを必要としますけれど、スリーオンスリーやシュートの練習ができるバスケットゴールの設置は可能ではないかと思いますが、バスケットゴールの設置は都立公園でも幾つかあります。その現状はどのようになっているでしょうか。

○町田公園緑地部長 バスケットボールのゴールにつきましては、騒音ですとか他の公園利用に配慮をしつつ、多目的広場等にレクリエーションの施設として設置してきております。
 公園の改修ですとか再整備などの際に設置したものが十三公園で二十八基、スポーツ用品メーカーから寄附を受けたものが三公園で十二基、合わせて十六公園に四十基のバスケットボールのゴールが設置されております。

○かち委員 都立公園内に都が設置したバスケットボールのゴールが十三公園で二十八基あるということでした。都立公園の中にバスケットゴールの設置は、既にこれだけの実績があるわけですから、舎人公園内に設置することも可能だといえると思います。
 五対五の正式なコートは一定のスペースが必要であり、これまでは屋内スポーツと位置づけられてきたと思いますけれども、屋外でもできるスポーツであることは、既に代々木や駒沢オリンピック公園などでも明らかです。今後、新しい試みとして検討していただきたいと思うのと同時に、これまでの実績もあるバスケットゴールの設置については、身近に楽しめるスポーツレクリエーション施設として、中高生たちの願いにこたえていただきたいと思います。
 よって、本陳情は趣旨採択を求めます。
 以上です。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○上野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二四第四三号は不採択と決定いたしました。

○上野委員長 次に、陳情二四第四九号の二及び陳情二四第五一号の一は内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○長谷川三環状道路整備推進部長 それではまず、資料の2、陳情審査説明表の整理番号2、陳情二四第四九号の二をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、大泉ジャンクション地域における外環の2の事業概要及び測量説明会の開催に関する陳情で、練馬区ハチドリ町会会長安田大介さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、都において、外環ノ2の一部区間のみを事業化することに関し、まず、外環本線計画区域内を通る都道の整備は国が担当すべきことであるから、外環本線と外環ノ2とは明確に分けて、都の計画のわかりやすい住民への説明を行うこと、また、事業認可以前の段階にある外環ノ2のための用地買収は、時期尚早であることから行わないことというものでございます。
 現在の状況の説明に先立ちまして、外環本線と外環ノ2について、資料3、「外環本線」と「外環の2」の位置関係を用いて説明させていただきます。
 このたび、外環ノ2のうち、都市計画事業認可を申請した箇所は、資料の右手の目白通りから資料の左手の練馬主要区道三三号線の約一キロメートルの区間でございます。
 この区間のうち、赤い線が外環本線の都市計画線、青い線が外環ノ2の都市計画線でございまして、外環本線と外環ノ2の都市計画線が、ごらんのとおり錯綜しております。
 なお、外環ノ2の都市計画線が外環本線よりも外側となる区域を斜線で示してございます。
 また、茶色い線が外環本線事業により分断される都道の土支田通りと井草通りでございます。
 それでは、この要旨に対する現在の状況をご説明いたします。
 東京都市計画道路幹線街路外かく環状線ノ2、通称外環ノ2は、世田谷区北烏山五丁目の東八道路から練馬区東大泉二丁目の目白通りに至る延長約九キロメートルの都市計画道路であり、昭和四十一年に、東京都市計画道路都市高速道路外かく環状線、通称外環本線とともに都市計画決定されました。
 外環本線については、平成十九年四月に構造を高架方式から地下方式に都市計画変更し、平成二十一年度に事業化、平成二十二年度から用地取得を行っております。
 外環本線の大泉ジャンクション地域は、関越道との連結路や一般道路との出入り口が整備されるため、事業区域内にある土支田通りと井草通りの二つの都道がその機能を失います。現在の土支田通りと井草通りは、幅員四メートル程度の一方通行で、歩道がないことから、外環本線事業による当該都道の機能復旧に加えて、地域の円滑な交通や歩行者の安全性の確保を図る必要があります。
 このため、外環ノ2のうち、目白通りから練馬主要区道三三号線までの約一キロメートル区間を事業化し、歩道や往復二車線の車道を整備することとしました。
 また、当該地域では外環本線と外環ノ2の都市計画線が錯綜しており、多くの権利者が二つの計画にまたがっている状況でございます。そこで、二つの都市計画にまたがる関係権利者の生活再建を図るためにも、外環本線事業にあわせて、外環ノ2のうち、大泉ジャンクション地域の約一キロメートルの区間について事業化することといたしました。
 平成二十四年三月二十五日、二十六日の二日間、地元において外環ノ2の事業概要説明会を開催し、事業化の理由や事業スケジュールなどについて説明を行いました。説明会では、当初の予定時間を越え質疑応答を行い、説明会終了後も会場において個別に説明するなど、丁寧に対応いたしました。
 このような状況及び経緯を経て、外環ノ2のうち、目白通りから練馬主要区道三三号線の約一キロメートルの区間について、平成二十四年九月七日をもって認可を取得し、九月二十七日に官報に告示される予定でございます。
 今後は、用地補償説明会などの機会をとらえ、外環ノ2の事業について関係権利者等への説明を行うなど、引き続き地元の理解と協力を得ながら事業を推進していきます。
 続きまして、陳情審査説明表の整理番号3、陳情二四第五一号の一をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、「外環の2」の一部事業認可等に関する陳情で、練馬区元関町一丁目町会町会長須山直哉さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、都において、目白通りから前原交差点までの外環ノ2の一部事業認可の申請を撤回することでございます。
 現在の状況につきましては、先ほどの陳情番号二四第四九号の二と同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 本件についてご発言願います。

○大津委員 今回の陳情対象となっています外環ノ2の目白通りから練馬区道前原交差点までの事業については、事業区間にある既存都道の土支田通り及び井草通りの現況や、当該地域で進められている外環本道整備事業での用地買収の状況等にかんがみ、丁寧で公平な住民説明会等による地元の理解と協力を得ながら、誠実に、着実に進めていくべきであると考えています。
 その上で、この外環ノ2の事業区域内に存在している八の釜のわき水について、その現状や環境保全措置等に関して質問をいたします。
 平成二十一年四月、外環本線の事業着手に当たりまして、外環沿線地域が持つ各課題に対して、国と都の考え方を対応の方針として取りまとめ、公表されました。この中で、この八の釜のわき水に対しても、外環本線の事業者である国が、その環境保全措置について、地下水や地質の状況等の詳細な調査を実施しながら検討を進めていくこととなっています。
 そこで、これまでの調査状況及びその結果について、また、地質や水の道の調査及びヒアリング調査等の状況及びその結果について、まずはお伺いをいたします。

○長谷川三環状道路整備推進部長 外環本線の事業者である国は、これまで、八の釜のわき水の周辺を含む外環の事業区域などにおいて、ボーリング調査や物理探査、地下水位観測による現地調査を行いました。これらの調査により、八の釜のわき水は、台地と低地の境界付近に位置し、その周辺の低地部には、武蔵野れき層と沖積層が分布していることや、浅層地下水の水位が、低地部では地表から約三メートル、台地部では約五メートルから十メートルの深さにあることなどが確認されました。
 あわせて、国は、八の釜のわき水に関する調査などに当たり、その調査方法やわき水の仕組み、環境保全措置の検討などに関し、例えば地下水の流れや、わき水に生育するカワモズクについては、大学や民間研究所の有識者にヒアリングを行いながら進めています。

○大津委員 練馬区の大泉は、八の釜のわき水、そして稲荷山公園のわき水、また、カタクリの花の咲く清水山憩いの森の、東京都の名湧水五十七選にも指定されている、冬は湯気の立つわき水、そして弁天池のわき水と続き、この天然の長い水辺が地域の人々の心を和ませています。
 特に八の釜の魅力は、一つ、一年じゅうかれることのない天然の豊かなわき水、二つ、歴史的に語りつがれている練馬伝説が多く残っていること、三つ、自然の原風景が宿っていること、そして、平成四年には練馬区の天然記念物に八の釜のわき水が登録をされました。ミドリカワモズク、アズマヒキガエルがわき水には生息をし、首都東京の生物多様性の観点からも非常に貴重な自然区域です。
 この八の釜のわき水の環境保全措置については、現地調査とともに、このわき水の周辺の緑等の自然と親しんでいる大泉かいわい地域の人々からの意見を直接聞いて、それを踏まえて検討を進めていくべきと考えています。その対応状況についてお伺いします。

○長谷川三環状道路整備推進部長 国は、八の釜のわき水を含む八の釜憩いの森について、地元住民の意見を聞きながら検討を進めるため、平成二十二年十二月七日及び平成二十三年十二月二十一日の二回、意見を聞く会を開催しました。
 そこでは、外環をつくってもわき水等の自然を残せるのか、子どもの遊び場として水辺や広場をまとまった形でつくってほしいなどの意見が出されています。
 また、国は、平成二十一年五月の事業着手以降、これまで五回、八の釜のわき水への対応などを含む外環本線の事業説明や情報提供を行うため、オープンハウスを開催し、地元住民の意見収集や把握に努めています。

○大津委員 確かに、子どもたちが八の釜のせせらぎ部分でたくさんのザリガニをとったり、にぎわいや、親子連れ、人々のいやしの場にもなっています。加えて、自然環境学習の効果もあると思います。
 わき水といいますと、水は山から生まれてくるもので、八の釜の親でもあります憩いの森も、この水を生み続けることのできる自然の親としての摂理を残していくことも大切です。
 例えば、工事においてシールド工法に入っておりますけれども、こうした約四十メートル地下を掘るシールドの道で、またシールドの初めの段階の立て坑の縦の道などで、水の道や親の山の道などを貫通してしまうことがないよう、そんな心配も数多く聞かれます。また、シールド工法の裏込め材などを心配する声もあります。
 このようなさまざまな心配も、やはり丁寧な住民説明会等で誠実に、着実に進めることであると思いますが、このような現地調査や地元住民の意見等を踏まえた八の釜のわき水の環境保全措置に関する現在の検討状況はいかがでしょうか。

○長谷川三環状道路整備推進部長 国では、現在、八の釜のわき水でできた池の周辺について、外環本線の構造物工事による地形の改変が極力少なくなるように、その構造や工法の変更を検討しています。
 具体的な検討内容としては、大泉ジャンクションにおける地下トンネルの構築に当たって、山どめ工事などによるわき水の水路などへの影響が考えられる開削工法から、地上部の改変面積を少なくすることができるシールド工法への変更などが挙げられます。

○大津委員 公共工事におきましては、首都東京の道路やまちづくりは、やはりそこの土地の文化や土地の歴史や、また、そこに住む人々、そして生活、人間の思いをビルトインした環境に配慮した公共工事を進めることが肝心です。
 天然のわき水や池、これらのものは、天然のメンテナンスで持続が可能なものです。天然の宝でもあります八の釜のわき水や水の道を、変に人工的に移動したり、壊してまた復元したりと、人工的な手をいたずらに加えることなく、ありのままの自然を最大限に生かしていく公共工事が、これからの東京におけるまことのまちづくりではないかと考えています。
 環境に配慮したまちづくりを進めることで東京の環境をより改善し、都民の生活環境をより豊かに向上させることができるはずです。地下水やわき水や、そして雨水や川、海、土や風や太陽、そうした都市の水循環や生態系を尊重した息の長い都市づくりがこれからは重要です。
 東京は世界ナンバーワンの都市であると思っています。常に一歩一歩先を行く質の高い都市づくりについて、三月の委員会でも村尾技監に質問をしましたように、これまで何度もこの委員会で繰り返して質問をしてまいりました。
 今回事業化をする外環ノ2の事業者でもあります東京都としては、その事業区内にある八の釜のわき水をどのように認識し、そして、ここは延伸のスタート地点でもある大泉ジャンクション、これは生物多様性ジャンクションとしても大きな位置づけとしまして、その環境保全措置に対してどのように対応をしていくのかお伺いします。

○長谷川三環状道路整備推進部長 外環本線及び外環ノ2の事業区域内にある八の釜のわき水は、その周辺の八の釜憩いの森とともに、地元住民が常日ごろ自然と触れ合う場であると認識しています。
 この八の釜のわき水の環境保全措置については、外環本線の事業着手に際し、国と都が公表した対応の方針に従って、国が、練馬区や専門家の意見に加え、地元住民などの意見を聞きながら検討を行い、適切な措置を講じていくこととなっています。
 都はこれまで、市街地における緑豊かな道路整備とともに、潤いのある水辺空間の形成を進め、都内に残された自然の継承と人々に親しまれる新たな都市空間の創出を図ってきました。このような経験や実績を生かし、都としては、国が行う環境保全措置と整合を図り、地元の八の釜のわき水に対する思いを十分に尊重しながら、外環本線の地上部に外環ノ2を整備していきます。

○大津委員 事業者であります東京都としましては、もっともっと国を動かしながら、また区とも連携をしながら着実に進めていっていただけますよう、また地元の思いを酌みながら進めていっていただけますよう要望をいたします。
 以上です。

○高橋委員 今月五日、外環の関越から東名間の着工式が東名ジャンクション予定地で行われ、私も出席をさせていただきました。
 外環は、ご案内のとおり、昭和四十一年の計画決定以来、約半世紀を経て、ようやく本格的な工事が始まろうとしております。
 外環は、首都圏に集中する放射状の道路を連絡し、交通の分散を図るなど、首都圏の交通渋滞の緩和、これによるエネルギー消費の抑制や排出ガスの削減等の効果も期待されております。
 昨年の三・一一東日本大震災において、被災地への救急活動に高速道路が大変重要な役割を果たしましたが、そのことを改めて多くの国民が再認識したと思います。外環は、日本の東西の分断を防ぐかなめであります。
 このように、外環は、災害時における救援活動や首都機能の維持、交通渋滞の解消や環境改善、国際競争力の強化などを図る上でも、最も重要な道路として早期完成が求められております。
 また、東京都が二〇二〇年のオリンピック招致を目指していることを踏まえ、オリンピック開催までに是が非でも完成させるべきであると考えます。
 そこで、外環の整備の現状と今後の予定についてお伺いいたします。

○長谷川三環状道路整備推進部長 外環本線は、平成二十一年五月に国の直轄事業として事業化され、さらに本年四月には、NEXCO東日本、NEXCO中日本が事業主体に加わりました。
 用地取得については、平成二十二年度から、大泉、中央、東名の三つのジャンクションにおいて、生活再建のための買い取り要望に対応した用地取得を行ってきました。今年度からは本格的な用地取得に取り組んでいます。
 着工式の会場となった東名ジャンクションでは、事業主体であるNEXCO中日本が、シールドマシンを発進するための立て坑工事の契約手続を進めており、今月中に請負業者を決定する予定です。

○高橋委員 事業主体も決まり、本格的な工事の段階に来ているということがわかりました。
 外環は、その大部分が大深度地下構造でありますが、一方で、ジャンクション部は地下の本線と地上の高速道路を接続するため、全体の工程において用地取得が非常に重要であります。中でも大泉ジャンクションは、高架の関越道や掘り割りとなっている既存の外環と接続し、地上から大深度地下へ移行する区間であります。そのため、地上からの開削工事に当たっては用地取得が必要な箇所となります。
 また、外環は延長約十六キロメートルあり、その最南端の東名ジャンクションでシールド発進のための立て坑工事の準備が進められておりますが、二〇二〇年の完成を目指すならば、最北端の大泉ジャンクションからもトンネル工事にできるだけ早く着手する必要があると私は考えます。
 このように、外環全体の事業進捗にとって大変重要な大泉ジャンクションでありますが、現在の用地取得の状況について伺います。

○長谷川三環状道路整備推進部長 大泉ジャンクション地域では、密集市街地での用地取得の経験とノウハウを生かし、平成二十二年度より、都が国から用地事務を受託しています。権利者の方々へのきめ細かい対応を実施し、円滑に用地取得を進めるため、現地に外環大泉事務所を構え、鋭意、用地取得を進めています。
 用地取得が必要な面積は、用地取得対象区域から道路などの公共用地を除いた約四・六ヘクタールです。そのうち約一・三ヘクタールの用地を取得済みで、残る用地取得面積は約三・三ヘクタールとなります。

○高橋委員 大泉ジャンクション地域での用地取得の状況は、現在、三割程度とのことであり、これからも一層の推進が必要と考えます。
 そこで、昨年十一月及び本年三月の本委員会でも私が質問をしましたが、大泉ジャンクションの事業進捗に向けた課題の一つとして、外環と外環ノ2の両方の計画線にまたがる方々への対応があります。両方の計画線にまたがる方々は、外環事業による早期の譲渡を望んでいたとしても、用地の一部を買収された後に、再度、外環ノ2の事業での買収となるようでは、生活再建のめどが立たないと不安を抱いております。
 そこで、このように両方の計画線にまたがる敷地のうち、外環に係る面積と取得実績を伺います。また、外環ノ2にまたがる敷地の用地取得の進め方について伺います。

○長谷川三環状道路整備推進部長 外環本線と外環ノ2の両方の計画線にまたがる用地は、一件も取得できておりません。また、両方の計画線にまたがる用地のうち、外環本線に係る部分の面積は合計で約〇・八ヘクタールです。これは、残る用地取得面積約三・三ヘクタールの約四分の一を占めています。
 このように、二つの計画線にまたがる関係権利者の方々の円滑な生活再建を図るとともに、外環本線の着実な整備促進のため、今月二十七日に予定されている外環ノ2の事業認可告示後、用地補償説明会を実施し、関係権利者の理解と協力を得て、用地取得をより一層進めてまいります。

○高橋委員 このような方々が抱いている不安を払拭し、安心して生活再建を図っていただくためには、大泉ジャンクション地域では、外環ノ2の一キロメートル区間について、外環の事業とあわせて、着実に用地取得を進めることが必要であると考えます。
 一方、用地取得を進めている大泉ジャンクション地域には、都道の土支田通りと井草通りがあります。この区間の土支田通りと井草通りは、大部分が大泉街道に向かう一方通行で、歩道がありませんが、外環の大泉ジャンクションを利用する車などの通過交通も多く、歩行者、自転車、自動車にとって非常に危険で使いにくい道路となっております。
 そこで、土支田通りや井草通りの交通量や、この大泉ジャンクション地域の課題に対する都の取り組みについて伺います。

○長谷川三環状道路整備推進部長 お尋ねの土支田通りや井草通りは、近くにある三原台中学校や泉新小学校の通学路となっていますが、幅員は四メーター程度で、歩道もない状況です。
 平成二十二年に都が実施した交通量調査では、朝七時から八時までの一時間に、土支田通りで約三百二十台、井草通りでは約二百四十台となっています。これは、平均して十秒から十五秒に一台、車が通過している状況です。
 都としては、外環本線の事業により影響を受ける土支田通りや井草通りを、単に現状の狭隘な一方通行の道路に復旧させるのではなく、往復二車線で緑豊かな歩道を有した安全で快適な道路に改良していきます。
 加えて、大泉ジャンクション地域における外環ノ2の整備に当たっては、国や地元練馬区とともに、外環本線の地上部を活用して八の釜憩いの森の緑を回復するとともに、八の釜のわき水の保全による水辺環境の整備を図っていきます。
 このような次世代に継承できる都市基盤整備を進めることにより、この地域に、道、水、緑が調和し、利便性とゆとり、潤いが共存する新たな都市空間を創出してまいります。

○高橋委員 外環の事業進捗のためには、大泉ジャンクション地域での用地取得の進展が重要であります。そして、大泉ジャンクション地域での用地取得を促進するためには、外環と外環ノ2の二つの計画線に係る権利者の用地を円滑に取得することが必要であります。また、現在の土支田通りと井草通りは、一方通行で歩道がないなど危険な状況であり、外環の整備にあわせて改善が必要であります。
 このような状況を踏まえれば、今回事業認可を取得した外環ノ2の目白通りから練馬主要区道三三号線の約一キロメートル区間については、外環本線の事業進捗を図るためにも、地域の課題を改善するためにも、早急にこの事業を進めていくべきであると考えます。
 また、事業を進めるに当たっては、本年三月に都が実施した事業概要及び測量説明会のように、地権者や沿線にお住まいの方へ丁寧な説明を行うことは当然のことと考えます。引き続き、わかりやすい丁寧な対応をお願いさせていただきます。
 そもそも練馬区内の都市計画道路の整備率は約四八%と、二十三区平均の約六〇%と比べ、低い状況にあるわけであります。特に、練馬区内でも外環ノ2が計画されている西部地域の整備率は、私の試算では約二七%と、東側の約六七%と比べ、著しくおくれている状況であり、狭い道路に車が入り、歩道が整備されていないなど、同様の課題を抱えています。
 そこで、外環ノ2については、今回事業認可を取得した大泉ジャンクション地域約一キロメートル区間はもちろんでありますが、さきに申し上げた練馬区内の道路の整備状況をかんがみれば、是が非でも青梅街道までの練馬区内の約四・五キロメートルの整備を積極的に進めていくべきであると考えており、これを強く要望し、私の質問を終わらせていただきます。
 よろしくお願いします。ありがとうございました。

○かち委員 私からも、「外環の2」の一部事業認可等に関する陳情及び大泉ジャンクション地域における外環の2の事業概要及び測量説明会の開催に関する陳情について質問します。
 まず、外環ノ2の質問に入る前に、外環本線の着工に関して一点お聞きします。
 先日、外環本線の着工式が東名ジャンクションで行われましたが、その隣接の準備工事の場所から鉛の検出があったわけです。その場所は、かつて産廃の投棄地だったことが住民からも指摘をされていたものです。
 ここから基準値を超える鉛の検出を受け、国交省はどのような対処をしているのかお聞きします。

○長谷川三環状道路整備推進部長 着工式が行われた立て坑建設予定地の隣接地では、国がことし三月から施工ヤードの整地工事を行っています。
 国は、整地に当たり、撤去する盛り土部分の土砂の調査を行い、七月に、その調査結果や工事の進捗について周辺住民に説明しました。その際、盛り土については、今後撤去し、撤去処分後は飛散防止対策を行うと説明しました。
 また、国は、撤去後の地盤面の状況について追加調査を実施し、その結果を住民にお知らせする予定です。

○かち委員 このような特定有害物が検出された場合、土壌汚染対策法十四条に基づいて、自主的に要措置区域などへの指定申請を行うことができるとされており、申請に当たっては厳格な調査が必要とされています。環境省は、土壌汚染の拡散を防止する観点から、この申請を積極的に促すことが望ましいと都道府県に助言をしています。環境局も、それを受けて積極的な申請をするよう勧告していると聞いていますが、国交省の外環建設事務所は、住民説明会などでそういう話は聞いていないなどと不誠実な態度をとり続けており、住民の不安や怒りを広げています。このような態度を改め、速やかに要措置区域の申請を提出するよう、ともに外環事業に取り組む建設局として、国交省に進言することを求めておきます。
 外環本線地下化に伴い、その地上部については、外環ノ2として、そのあり方を各自治体ごとに今話し合いを続けているところです。知事自身が、大深度にすれば立ち退かなくても済むのだという認識で外環ノ2の計画を承知していなかったことは、これまでの記者会見を通じても明らかです。
 昨年十二月の記者会見でも、本年一月二十日の記者会見でも、近々、もう一回現場に行って確かめるといい、三月予算議会での我が党の質問では、都市整備局長が、知事から現場を見ると指示を受けておりまして、公務の予定を見まして適切に対処すると答弁しているにもかかわらず、いまだに現地視察をされていません。知事の認識が明確に、また公にされていない中で、事態は着々と進められているというのが実態です。
 外環ノ2、九キロメートルのうち、大泉ジャンクションから一キロ区間については、地下化導入部として国が用地買収を行っている地域であり、大深度地域とは切り離して、この区間を一部事業化するということを都として決定したということで、三月には都の事業概要の住民説明会が行われました。
 三月二十五、二十六日に行われた練馬区での外環ノ2の事業概要及び測量説明会への参加人数と、そこでの主な質疑と概要についてお聞きします。

○長谷川三環状道路整備推進部長 二日間合計で、地域の関係権利者や周辺住民の方々等、約二百六十名が出席されました。今後のスケジュールや補償などについて質問があり、地元の皆様のご理解を得るため、丁寧な説明を行いました。
 引き続き、地元の皆様のご理解とご協力を得ながら事業を進めてまいります。

○かち委員 私もその状況の会議録を読みました。参加した方からもその様子も伺いましたが、参加者の皆さんは、外環ノ2は、都市計画として残っている九キロメートルについて、どうしていくのかを各地で話し合いをしている最中に、突然この大泉ジャンクションの一キロについてだけ切り離されて事業化するという話になり、その計画図面も初めて示されたものであり、驚きと戸惑いが隠せない状況だったということが実態であったようです。二カ所で説明会は行われたものの、時間も限られており、十分な理解と合意が得られたとはとても思えません。
 この区間を急いだ理由は、国の用地買収と都の買収区域とに若干のずれが生じ、当該区域に該当する地権者の方々は、国と都で時期がずれると二度手間になり、将来設計が立たないという声にこたえるものだとの説明を受けてきました。
 本線と外環ノ2の幅のずれが最も大きいところで、どのぐらいの差があるのでしょうか。

○長谷川三環状道路整備推進部長 外環本線と外環ノ2の計画線の間の距離が最大となるところは、大泉街道との交差部で約十六メーターです。
 都としては、この都市計画道路幅員を生かして、安全で円滑な交通の確保、快適でゆとりある歩道や自転車道の整備、さらには緑地空間の確保などを総合的に勘案し、当該区間の外環ノ2を整備することとしました。

○かち委員 本線と外環ノ2の最大の差は十六メートルということで、本線の計画区域が三十五メートル、都の計画区域が五十一メートルということです。
 この区間で、本線による用地買収件数、外環ノ2による用地買収件数はどれくらいであり、費用の概算はどれぐらいでしょうか。

○長谷川三環状道路整備推進部長 大泉ジャンクション地域の外環本線の用地取得件数は約二百九十件です。用地費については公表されておりません。
 外環ノ2は、現在、用地測量中ですが、用地取得件数は約九十件と見込まれ、用地費は約四十七億円です。

○かち委員 外環ノ2の九十件というのは、本線に係るものが四十件、外側に係るものが五十件とのことです。
 きょう、図面を出していただいて、その青い斜線のあるところが外環ノ2に係るところです。本区間には、都市計画道路の土支田通りと井草通りの復元、確保という問題もあります。先ほど伺ったように、外環本線用地と外環ノ2の用地で最も大きい差が十六メートルであり、三十五メートルは確保されています。外環ノ2の平均は四十メートルですから、おおよそ満たされています。外環ノ2を本線よりも広くしなければ、都が用地買収をしなくてもよいわけです。九十件の方々への買収も、四十七億円の用地費も必要なくなるわけです。井草通りと土支田通りの復元についてはどうすべきかも含めて、外環ノ2全体の検討の中で決めていくべきだと考えます。
 事業認可が七日におりたとも聞きましたが、告示はまだされていません。また、外環ノ2については、都市計画無効確認などを求める訴訟中でもあります。
 よって、二つの本陳情については趣旨採択を求めて、質問を終わります。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二四第四九号の二を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○上野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二四第四九号の二は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二四第五一号の一を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○上野委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二四第五一号の一は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上をもちまして建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十七分散会

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