環境・建設委員会速記録第四号

平成二十四年三月二十一日(水曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長上野 和彦君
副委員長桜井 浩之君
副委員長中村ひろし君
理事高橋かずみ君
理事笹本ひさし君
理事尾崎 大介君
松葉多美子君
かち佳代子君
山田 忠昭君
小宮あんり君
原田  大君
こいそ 明君
石毛しげる君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長大野 輝之君
次長藤原 正久君
環境政策部長紺野 秀之君
環境政策担当部長吉村 憲彦君
都市エネルギー推進担当部長坂巻政一郎君
都市地球環境部長和賀井克夫君
環境都市づくり担当部長山本  明君
環境改善部長中村  豊君
環境改善技術担当部長島田 光正君
自動車公害対策部長高橋 英次君
自然環境部長高橋 宏樹君
緑施策推進担当部長谷上  裕君
廃棄物対策部長木村 尊彦君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務谷川 哲男君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百四号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第百五号議案 東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例
・第百六号議案 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東日本大震災を踏まえた今後の環境政策のあり方について(答申)
・廃棄物等の埋立処分計画について

○上野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分、第百四号議案から第百六号議案まで、及び報告事項、東日本大震災を踏まえた今後の環境政策のあり方について(答申)外一件を一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○紺野環境政策部長 去る二月十六日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。右側の目次のとおり、六項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成十二年度から平成二十一年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量を記載しております。表の最上段には、京都議定書の基準年である平成二年度の数値を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況(平成二十二年度)でございます。
 まず、(1)、大気汚染では、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況について、それぞれ表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の状況を記載しております。
 次に、(2)、騒音では、道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、保全地域の指定状況でございます。
 最近指定した保全地域名、指定年度、指定内容及び指定面積を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、一般廃棄物の廃プラスチック類資源化率の推移でございます。
 平成十八年度から平成二十二年度までの各年度における区部、多摩地域及び区部と多摩地域を合わせた地域における一般廃棄物の廃プラスチック類資源化率の推移を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、事業系一般廃棄物の処理量の推移でございます。
 平成十八年度から平成二十二年度までの各年度における区部、多摩地域及び区部と多摩地域を合わせた地域における事業系一般廃棄物の処理量の推移を記載しております。
 最後に、六ページをお開き願います。6、建設泥土の排出量等の推移でございます。
 平成十七年度から平成二十一年度までの各年度における建設泥土の排出量等の推移を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○大津委員 廃棄物の問題、出口から入り口でもあります、天然資源、そして製造、途中の生産過程へ廃棄物の出口から情報発信をして、製造から廃棄まで一貫して物づくりのあり方を考えるための廃棄物資源行政の使命について質問します。
 本会議でも触れました旧ライターを事例に挙げますと、東京都は、ライターの火遊びによる火災事故が起きたことを大変憂慮しまして、この危険の芽を摘み取るために、おととし十一月に、いち早く国に対し、法による安全規制を提言しました。そして、おととしの十一月、去年の九月という二段階で法が整ったわけです。日本では、子どもの火遊びによる火災の七割以上がライターに起因をしていたからです。
 国の決定が検討されている間も、練馬区では、押し入れでライターによる火災事故で幼児二人が死亡、他地区でも連続しました。ようやくおととしの秋、法が整備をされ、旧型ライターの製造、輸入が禁止され、そして、昨年の九月二十六日からは旧ライターの販売が禁止をされました。
 ところが、この二月十四日でさえも、板橋区で、旧ライターの火遊びによる火災で、大変とうとい子どもの命が犠牲になってしまいました。せっかく法律が整備されたといっても、やはりその法律という土をしき、水をかけていかないと、法律をつくっただけのことになってしまいます。
 旧ライターの対策を、消費者保護行政の点からは、被害救済の間口を広げるための条例改正を予定し、機能強化を図ることになりました。
 消防庁は、過去五年の救急車両搬送現場からのデータをもとに、さまざまな広報活動で注意喚起を行っています。旧ライターのように、最初から危ないものは最後まで危険なのです。
 ちょうど二年前、消防庁が特別に調査をしてくれました、ライターの不燃ごみまたは有害ごみの清掃工場の清掃車の火災の分析をしてくれました。そのときの件数を見ると、二年前の最新で、平成十八年から二十年の三年間で五百件も清掃車が火災を起こしていました。その内訳は、ライターによる火災が一〇・八%も占めています。清掃車の主な出火原因の一番は、エアゾール缶の爆発四三・八%、カセットボンベ二七・二%、そして、三位がライターであったことが消防庁の統計でわかっておりました。
 やはり出口から入り口に対して物をいい、警鐘を鳴らし、提案をしていく、これは大切な廃棄物行政かと考えています。
 なおかつ、私の地元では、平成二十年、スクーターがぼやを起こしました。これは、運転手がヘルメットを運転席の台の下に入れたときに、自分のライターを席の下に置いてあったために、ヘルメットのへりが自動的にライターに接触をして、ヘルメットがライターを着火してしまったことによるぼやでありました。
 このように、最初から危険なものは、途中段階も、最後までも危ないのです。したがって、一番早い有効な解決方法は、廃棄物現場からの対策です。家庭から旧ライターを排出しやすくすること、この際は、丁寧で粘り強い排出指導や、わかりやすい周知が必要です。
 一方、ヨーロッパでは、この安全対策が非常に早い国です。デンマークでは、託児所、保育園の段階から、家庭でも、ライターやナイフや溶接剤やドアは危ないものだということを具体的に教育を徹底しているそうです。そして、市場には安全なものだけが販売をされて当然だ、この思想が強く、例えば介護ベッドについては、国立補助器具センターで、国産も輸入製品も同様に実験を徹底的にした上で製品が市場に出回る。食べ物についても同じことで、国立食品管理局が、輸入品も含め、常に実験している内容を報告書で消費者に提供している等の仕組みづくりがしっかりしています。つまり、安心して生活をしていられるんですよと。デンマーク国民は、国や政府をとても信頼しているので、高い税金も払っているんですということを在住の方から聞きました。
 この日本がものづくりの技術立国として世界の中で存在感を発揮するためにも、人の命と安全、環境への配慮を置き去りにしては業界の成長はないに等しいのです。業界団体への規制をちゅうちょしていることにより、製品や食品や、こういったライターの事故など、次々と人命を失うことは、行政の失態と業界団体、ビジネス界の失墜にもなりかねません。安全性のグローバル規格からも、世界から取り残されてしまうことになります。安全で良質なものを適正な価格で都民、国民へ提供する理念が、この企業のまことの繁栄にもつながってくるはずです。
 そのための廃棄物行政の役割も非常に大きいと考えます。廃棄物という出口から、改めて、都民の命と安全を守るために、製造段階までさかのぼり、生産、処理、処分、リサイクルまで一貫したものづくりから考えていくことで、技術立国日本の力が発揮できるのです。
 廃棄物は出口ではなく、入り口であるエネルギー供給拠点でもあるのです。清掃工場は、ごみ焼却発電施設でもあり、清掃工場の屋上や壁面をすべて太陽光パネルをはめ込み、太陽光発電所にすることもできますし、また、清掃工場内に風力発電を取り入れることもできます。
 商店街の入り口のアーケードの小さな細い柱の上で小さな羽をつけた風力発電にするなど、そういうエコ商店街に対して補助金を出し、奨励もしているところです。
 東京の夢としては、発電と送電を分離して、都内の清掃工場や産廃工場など公共施設でつくった電力エネルギーを、地元の区や東京都が直接購入できるような仕組みをつくり、都市力をアップさせていくことです。これが私の夢でも、東京の夢でもあります。都が積極的に区市町村や関係業界をリードできる、そんな廃棄物行政であってほしいと考えます。
 そこでお伺いします。大量生産、大量消費、大量廃棄型社会から循環型社会への転換を図る中で、3Rの推進など一定の成果が見られるものの、廃棄物の多様化や、アスベストのような処理困難なものも次々と増加をしています。発生抑制の面から見ても、都の一般廃棄物、産業廃棄物全体の量はどのようになっているのでしょうか。都の現状認識と、さらに、循環型社会を一層進めるための課題をどのように整理されているのでしょうか。
 加えて、私はもう一つ、廃棄物の側からものづくりのあり方を変えていく安全性の問題を取り上げたいと思います。
 廃棄物の現場、出口から、製造現場、入り口へ、危険の潜む製品について情報発信をしていく、製造から廃棄まで一貫したものづくりに波及をさせるための安全の仕組み等を含めた具体的な行動は起こしているのでしょうか。
 さらに、製造段階、消費段階、廃棄の段階まで一貫した、全体のCO2排出削減も考えた環境負荷の少ない資源循環型の社会であるべきと考えます。例えば、清掃工場はエネルギー供給拠点として位置づけることも可能です。また、処理、処分、リサイクルの段階でも、温暖化防止へと結びつけることも重要です。
 こうした総合的な意味で、循環型社会を実現していくことに向けての東京都としての基本的な考えと、具体的な課題に対するチャレンジについて、環境局長から所見をお伺いします。

○大野環境局長 東京都は、東京の環境行政の最も根本的なあり方を決めるものとしまして、二〇〇八年三月に東京都環境基本計画を策定しております。
 その中で、施策の主要な柱として提起しておりますのは、一つには、気候変動の危機と資源の供給制約が深まる時代において、これに立ち向かう新しい都市モデルをつくるということでありますし、もう一つは、最も基本的な取り組みとしまして、健康で安全な生活環境を確保するために、環境の負の遺産を克服するということでございます。
 お話の資源循環型社会への転換を進めるに当たりましても、これらの総合的な知見をもって施策展開することが必要だと考えております。
 具体的に幾つかの指標や施策を申し上げますと、まず、お尋ねの廃棄物の発生量ですが、都内の一般廃棄物の発生量は、過去五年間で約六十万トン以上、一二%減少いたしました。ただ、産業廃棄物の方は、景気変動等によりまして増減があって、明確に減少傾向には至っておりません。
 このため、今後とも、九都県市では共同して、製造事業者に対して、減量化やリサイクルの促進、CO2削減ための容器包装ダイエット宣言に参加するよう働きかけるなど、3Rの取り組みを一層強化していく必要があると思っております。
 また、廃棄物対策を構築して進めるに当たりまして、CO2削減の観点をより一層明確にしていくということは、今後ますます重要になっていくと考えておりまして、来年度は、ごみ発電やバイオマス利用の促進を目的にしまして、エネルギーセンターとしての廃棄物処理施設の調査を行うこととしております。
 さらに、廃棄物行政の中で、安全の確保という観点を持つことも大変重要でありまして、製造事業者は、製品や容器等が廃棄物となった場合における処理の困難性をあらかじめみずから評価して、安全で適正な処理が可能になるように、製品、容器等の開発を行う必要があると考えております。
 この観点から、都は今年度、水銀による環境汚染をなくすという新しい取り組みを開始しております。学識経験者や製造事業者等も含めた検討を重ねまして、水銀に関しては、廃棄物になった段階からの施策だけではなくて、製造事業者に、水銀血圧計から電子式血圧計への転換、それから水銀使用量の少ない蛍光ランプの技術開発を求めるなどを行いまして、事業者側におきましても、こうした取り組みを進めていくということになっております。
 以上、申し上げましたように、都は、循環型社会及び低炭素社会の形成に向けまして、製造現場から廃棄物処理の現場まで全体を見据えまして、3Rや適正処理の促進、地球温暖化防止、さらには安全性の確保の観点も含めて、具体的で実効性のある取り組みを一層進めてまいります。

○小宮委員 あの大震災から一年がたちました。しかし、被災地の復興はまだ道半ばです。
 特に問題なのが瓦れきの処理です。被災地の膨大な瓦れきを被災地だけで処理するには、一体どれだけの時間がかかるのか、見当もつきません。だからこそ、日本じゅうの自治体が協力をして、瓦れきの処理に当たらなければならないと思います。しかし、広域処理はなかなか進みません。放射能の心配のない岩手、宮城からの安全な瓦れきの処理にもかかわらず、住民の理解がなかなか得られないからです。
 そんな中、東京都は、石原知事のリーダーシップにより、全国に先駆けて、岩手県及び宮城県の災害廃棄物の受け入れを進めています。都民の不安を払拭するために、万全の検査体制もしいています。まさに知事のリーダーシップと都民の心意気を全国に示すことのできたすばらしい決断だったと思います。この流れが全国に広がっていくことを強く希望しています。
 さて、今回の災害廃棄物の受け入れは、都で管理する自前の埋立処分場があればこそ実現をできたものといっても過言ではないと思います。今回の計画にも反映されていますが、この埋立処分場は、被災地の岩手、宮城両県のために、そして都民のために、より有効に活用されていかねばなりません。
 そこで伺います。今回の廃棄物等の埋立処分計画は、これまでの計画と比較して、廃棄物等のさらなる減量化、リサイクルの推進により、総埋立処分量を約一八%削減する計画となっています。計画では、埋め立てる廃棄物の中でも、一般廃棄物はこれまでの計画と比べて約五九%の削減、産業廃棄物は約三三%の削減を行うとしています。
 これを達成するためには相当な取り組みが必要と思いますが、どのような減量、資源化施策を実行していくのか、まず伺います。

○木村廃棄物対策部長 一般廃棄物の減量、資源化施策といたしましては、まず、二十三区内の清掃工場で発生します焼却灰の全量溶融化を進めることとしております。また、不燃ごみ、粗大ごみを破砕、選別処理した残渣の清掃工場での処理を進めます。さらに、都は、区市町村や事業者と連携して、小型家電の新たな回収システムを構築し、埋立処分量を削減してまいります。
 産業廃棄物の減量、資源化施策といたしましては、廃プラスチック類の一層のリサイクルを推進し、廃プラ埋め立てゼロを継続していくとともに、蛍光管を含むガラスくずのリサイクルの促進や、排出事業者によります混合廃棄物の分別の促進などを行ってまいります。

○小宮委員 一般廃棄物については二十三区の取り組みが重要ですので、ぜひ二十三区と連携を図りながら、減量、資源化に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、新海面処分場の後、東京港に新たな埋立処分場を確保するということは極めて困難だと思います。ですから、現在の埋立処分場を一日も長く使うことが重要です。
 今回の計画では、埋立処分場はあと何年ぐらい使用できるのでしょうか、伺います。

○木村廃棄物対策部長 中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場の残余埋立容量は、約一億五百五十四万立方メートルでございます。今回の計画の十五年間の埋立量は二千七百二十七万立方メートルでございます。この埋立処分場の残余容量と、今回の計画の十五年間の埋立量から算出いたしますと、五十年以上、埋め立てが可能ということになります。

○小宮委員 五十年以上もつと聞き、まずは一安心だと思います。
 しかし、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故による放射能や電力問題の影響で、上水スラッジ、下水汚泥焼却灰、一般廃棄物焼却灰のリサイクルが滞っています。
 この点について今回の計画を見ると、放射能等の影響がいつまで残るかの予測が困難であるために、埋立処分計画量にカウントをされていません。放射能の影響が長期間続き、上水スラッジ、下水汚泥焼却灰、一般廃棄物焼却灰のリサイクルが滞る状態が続けば、先ほどの残余年数も短くなると思います。
 実際に、二十三年度の埋立処分量は、放射能等の影響により、前年度と比べどのくらいふえるのか、お答えください。

○木村廃棄物対策部長 埋立量につきまして、平成二十三年度は前年度に比べまして、上水スラッジについては、園芸用資材等のリサイクルの中断によりまして八万トンの増、下水汚泥焼却灰は、セメント原料としてのリサイクルの中断によりまして四万トンの増、一般廃棄物焼却灰は、電力逼迫によります溶融中止等により八万トンの増でございます。
 これらを合わせた廃棄物系の埋立量は、前年度三十九万トンに比べまして、二十三年度は二十万トンほど増加する見込みでございます。土砂系も含めました埋立量全体に対しましては、年間八から九%程度の増加となります。

○小宮委員 年間の埋立増加分が一割弱ふえるということは、放射能の影響は極めて大きいと思います。さらに、これがいつまで続くのか、今のところわかりません。もし放射能の影響が長期にわたるなら、埋立処分場の延命のため、現在よりより一層、廃棄物の発生を抑制し、減量化を徹底して図る必要があると思います。そのような場合には、今回の計画の改定をぜひ検討していただきたいと要望しておきます。
 放射能の半減期を考えれば、長期にわたる放射能管理が必要になります。都では、昨年五月以降、処分場内の空間放射線量率及び排水処理場の処理水等の放射能濃度を継続して測定し公表するなど、万全の放射能管理を進めています。
 都民の安心を得るためには必要不可欠な取り組みであり、引き続き、処分場での放射能管理に万全を期すべきと考えます。ご見解を伺います。

○木村廃棄物対策部長 放射能管理につきましては、埋立処分場の管理者の責任といたしまして、モニタリングを引き続き継続して実施するとともに、測定結果を分析しながら、覆土を厚くするなど埋立方法などの工夫を行い、長期的な安全管理の徹底に努めてまいります。
 また、放射性物質を含む廃棄物等の受け入れに当たりましては、将来の土地利用に支障を来すことがないよう、継続して検討を行い、必要に応じて技術的措置等を行ってまいります。

○小宮委員 東京都が責任を持って処分場での放射能管理に万全を期し、引き続き都民が安心して暮らせるように取り組んでください。
 冒頭申し上げたように、都知事の強いリーダーシップと都民の高い見識のもと、全国に先駆けて、東京都は岩手県及び宮城県の災害廃棄物の受け入れを進めています。これを高く評価するとともに、東京都の埋立処分場が、今後とも、都民のみならず、被災地のためにも有効に活用されることを期待し、次の質問に移ります。
 昨年三月の大震災は、自由に電気を使える社会、大量の電気に依存する社会を当然と思ってきた私たちに大きな変革を迫りました。計画停電で真っ暗になったまち並みや、夏の節電対策などに接するにつけ、発電はどうあるべきか、電気をどのように使うべきか思いをめぐらせた都民も多いと思います。
 私は何度も、行政には行政にしかできない分野があると申し上げてきました。その第一は、まちづくりであると申し上げてきました。エネルギーという観点から今後のまちづくりを考えると、各家庭が、ひいてはまち全体が、より効率的にむだなくエネルギーを使用する、そんな家づくり、まちづくりを進めていく必要があると考えます。
 つまり、個々の家庭に太陽光発電や燃料電池などの発電装置を備え、蓄電池も常備して、いざというときも必要な電力を確保する、家電製品の省エネ化を進め、スマートメーターを設置し、個々の家庭でも、まち全体でも、むだな電力を消費せず、効率的に電力を使う、そんなまちづくりです。これは決して夢物語ではなく、近い将来に実現できるまちの姿だと思います。本日は、このような観点から幾つか質問をします。
 さて、家庭においては、省エネ、節電の取り組みとともに、エネルギーをつくり出す、いわゆる創エネの取り組みを進めることが重要です。都は、震災後の緊急対応として、いち早く家庭における創エネルギー機器導入のための支援策を実施しています。この支援策には、電気をつくり出す機器として、太陽光発電システムや燃料電池などが対象とされています。実際に我が会派にも、太陽光発電と燃料電池の両方を導入し、この補助を活用した議員がいます。
 そこでまず、これらの機器を家庭における補助対象とした基本的考えについて伺います。

○和賀井都市地球環境部長 お話の太陽光発電システムは、平成二十一年度からの補助事業によりまして、家庭への導入を大幅に拡大してきておりますが、大震災以降は、家庭におけます創エネルギー機器の中心的役割を担うものとして支援を実施しているものでございます。
 また、燃料電池などのガスコージェネレーションシステムは、日当たりの関係ですとか屋根の荷重などの制約によりまして太陽光発電の導入が困難な家庭でも創エネルギーに取り組めるよう、支援の対象としております。
 このように、各家庭の事情に応じまして導入する創エネルギー機器を選択できるよう、支援メニューを多様化し、家庭におけます創エネルギー機器の導入を促進しているところでございます。

○小宮委員 家庭でつくり出した電気は、すぐ使うだけでなく、いざというときのために蓄えておくことも重要です。その意味から、家庭にも蓄電池を普及する必要があると思います。
 都の創エネルギー機器導入支援策には、家庭用蓄電池も対象として盛り込まれていますが、家庭用蓄電池の導入を支援する意義及びその具体的取り組みについて伺います。

○和賀井都市地球環境部長 家庭用蓄電池は、蓄電しました電力を需要のピーク時に活用することで電力のピークカットに資するとともに、太陽光発電と組み合わせることで、夜間にも再生可能エネルギーの活用を広げることができるということで導入を支援することとしているところでございます。
 国におきましても、蓄電池の導入支援が補正予算で措置されておりまして、近々、補助の実施に必要な安全基準などが整備された上で、受け付けが開始される予定と聞いております。
 都におきましても、都の安全基準などが明らかになり次第、速やかに補助事業を開始できるよう、現在、準備を進めているところでございます。

○小宮委員 家庭での省エネ、節電を進めるためには、太陽光、熱利用や省エネ家電製品の活用が有効です。それらの機器の節電の効果をしっかりと確認できれば、もっと省エネに頑張ろうとの都民の意欲も高まると思います。そこで、今後導入が期待される次世代電力計、いわゆるスマートメーターについて伺います。
 国は最近、電力システムの改革に向けた検討の中で、ようやく重い腰を上げ、今後五年以内に、全家庭の八割に対して、電力会社によるスマートメーターの集中整備を促進するとの方針を示しました。
 そこでまずは、スマートメーター導入の意義とその効果について伺います。

○吉村環境政策担当部長 現行の一般の電力計は、電力の使用量をアナログデータとして表示するだけの単純な機能しか持たないため、検針員の訪問確認による一月単位での使用データしか収集できないものでございます。
 一方、今のお話にありますスマートメーターは、家庭の電力使用量を三十分単位で記録いたしまして、時間帯別の使用状況の把握が可能な電子式メーターでございまして、通信回線等で結ぶことによりまして、リアルタイムで電力消費が確認でき、電力会社に計量データが自動集約できる仕組みでございます。
 家庭の省エネ、節電を進めるためには、スマートメーターを活用し、電力の見える化を図ることで、むだのない、家電製品のスマートな利用を可能にする効果があるというふうに考えてございます。

○小宮委員 次に、これまでの都内でのスマートメーターの導入状況についてお答えください。

○吉村環境政策担当部長 都内では、東京電力が平成二十二年の秋から、第一段階として小平市などの約四千軒の家庭を対象にスマートメーターを導入し、通信機能などの実証実験を開始しました。しかし、この実証実験でございますが、東日本大震災の影響によりまして、千二百軒程度の家庭に設置が完了した段階で中断しております。
 東京電力は、今月末に発表されるとされております東京電力の総合特別事業計画を受けまして、スマートメーターの本格的な設置を再開する予定というふうに伺っております。

○小宮委員 スマートメーターの設置が進めば、サービスの向上につながるだけでなく、検針業務が不要になるなど、電力会社の業務改善にも役立つと思います。ですから、電力会社の責任において、このスマートメーターの導入を早急に進めていただきたいと思います。
 しかし、せっかく導入しても、得られるデータが省エネのために有効に活用されなければ意味がありません。
 そこで、スマートメーターの導入により得られるデータを活用するとどのようなことが可能になるのか、また、都としてどのように考えるのか伺います。

○吉村環境政策担当部長 これまでは、家庭で節電に取り組む場合、その効果を検証するためには、検針のデータを紙で確認して、前年の同月等と比べて、使用量が増加したか減少したかを一月単位で確認することしかできませんでした。
 スマートメーターが導入されますと、リアルタイムで使用データを確認できるため、例えばピーク時間帯等にどのような対策をすれば節電効果が上がるのか、即座に把握できるようになります。また、電力会社がピーク時間帯等において、季節別や時間帯別のメニューを作成することによりまして、インセンティブ型の料金設定を導入することが可能になります。これによりまして、ユーザーにピークを意識した電気の使い方を促すことも可能になります。
 このように、スマートメーターの導入や電気料金メニューの多様化は、合理的な節電、省エネを推進するための有効な手段であるというふうに認識しておりまして、引き続き、国等に対して早期の導入を求めてまいります。

○小宮委員 スマートメーターの導入効果がよくわかりました。家庭の節電を進める上での有効な道具となると思います。
 こうした電力会社によるスマートメーター導入の動きにあわせて、家電メーカーや住宅メーカーも、電力をどのくらい使ったかがわかる製品、データの相互接続が可能な製品の開発に向けた取り組みを開始していると聞いていますが、どのようなねらいがあるのか伺います。

○吉村環境政策担当部長 家庭内の節電をスマートに進めるためには、家電製品それぞれの使用量の見える化と、自動制御によって節電を行う家庭のエネルギー管理システム、いわゆるヘムス、ホームエネルギーマネジメントシステムの頭文字をとってHEMSでヘムスと呼んでおりますが、この導入が有効でございます。
 現在、国や業界団体は、このヘムスとスマートメーターを接続するとともに、家電製品等ともデータを双方向で通信可能とするための規格の標準化作業を進めているところでございます。
 家電メーカー等のこうした動きは、この規格に合った製品を開発し、異なるメーカー間の機器の相互接続を可能にして、データの管理をしようというものでございます。

○小宮委員 それでは、我々の家庭において、この家庭のエネルギー管理システム、ヘムスとスマートメーターを導入し、家電製品等を接続すれば、どのような生活が可能になるのか、また、都としてこうした動きをどのように評価しているのか伺います。

○吉村環境政策担当部長 ヘムスの導入によりまして、空調や照明などのむだな使用を抑制するとともに、電力の■迫時等には、あらかじめ指定された機器の電源をオフにするなどの自動制御が可能になります。また、蓄電池や電気自動車と接続することによりまして、太陽光発電や燃料電池等による発電を蓄電いたしまして、これをピーク時間帯等に自動で活用することができますので、電力使用の平準化も図ることができるというふうに考えてございます。
 このように、ヘムスやスマートメーターは、家庭における省エネと快適性、利便性の両立を支える重要なツールになるというものでございまして、今後、積極的な導入が必要だというふうに我々も考えてございます。

○小宮委員 昨年夏の節電対策は、家庭に対して一律一五%という削減目標が突如として国から示され、無理な節電を強いられた側面もありました。今後、東京全体でより効率的なエネルギー利用を可能にしていくために、スマートメーターのような機器を活用すれば、無理のない合理的な節電が可能になるのではないでしょうか。
 また、家庭での省エネ、節電を進めつつ、スマートメーターの設置が進めば、そのエリア全体でエネルギー需要の最適化を図る、いわゆるスマートグリッドの実現も視野に入ります。
 今後、都は、国や東京電力に対して、スマートメーターによる電力使用データの適正な利用や、省エネに努力した人が得をするような料金制度の導入を強く求めるとともに、都としても、スマートエネルギーシティの実現に向けて取り組んでいくことをお願いし、私からの質問を終わります。

○松葉委員 昨年三月十一日の東日本大震災による福島第一原発の事故により、原発への安全性の懸念やエネルギーの安定供給への不安も高まっております。公明党は、安全・安心のエネルギー社会の実現を目指しております。脱原発依存の社会を目指し、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの利用拡大、化石燃料の効率的な利用の三本柱が重要だと考えております。
 東京都では、再生可能エネルギーの利用拡大、地球温暖化対策等、現在まで先駆的な取り組みを展開してきております。そこで、再生可能エネルギーの現状と普及策について質問をいたします。
 都は、二〇〇六年三月策定の東京都再生可能エネルギー戦略において、再生可能エネルギーの利用目標として二〇二〇年二〇%という高い目標を掲げ、さまざまな施策を行ってきております。昨年の第二回定例会の環境・建設委員会において、我が党の木内議員は、現在の再生可能エネルギーの利用状況に関する質疑をいたしましたが、その質問を踏まえ、東京都における再生可能エネルギーの利用状況調査が実施されたわけであります。
 調査結果によれば、再生可能エネルギーの利用割合は、全体で、六年前の約二・七%に対し、今回は約二・九%と微増にとどまっているということでありますが、この結果をどのように分析、評価をしているのか、まず伺います。

○和賀井都市地球環境部長 二〇二〇年二〇%という目標は、都内及び都外双方で生み出されます再生可能エネルギーの利用割合として設定してございます。
 今回の調査対象であります二〇一〇年度末時点では、六年前と比較して、確かに微増にとどまった形とはなっておりますけれども、その中身は大きく変わってございます。
 まず、都内で生み出されます再生可能エネルギーについてでございますが、ごみ減量施策の推進によりまして、バイオマスに由来するごみ量が減少したため、全体の約半分を占めます廃棄物発電の利用量が、六年前と比較して約二〇%減少してございます。
 一方、二〇〇九年度からの補助事業によりまして太陽光発電の利用量が飛躍的に拡大し、六年前と比較して約五倍に増加しているところでございます。
 また、都外で生み出されます再生可能エネルギーにつきましては、東京電力から都内に供給される水力発電以外にも、環境価値を証書化したグリーン電力証書の購入や、都外の風力発電などによる電力を都内の需要家に供給します生グリーン電力といった新たな取り組みが進んでございます。
 このように、全体としては微増にとどまってございますけれども、太陽光の拡大ですとか、都外の再生可能エネルギーの活用など、都の取り組んできた施策に一定の効果があったものと考えてございます。

○松葉委員 六年前と比較して、全体としては大きな伸びはないというご答弁でございましたけれども、今回の調査結果は、これまでの太陽光発電の導入支援策によって太陽光発電の利用量が五倍となったことや、ごみ減量施策による廃棄物発電の利用量の減少の影響という双方の効果のあらわれであるということでご答弁がありました。また、グリーン電力証書、生グリーン電力等の新しい取り組みも進んできているわけであります。
 進んできているとはいいましても、二〇二〇年二〇%という再生可能エネルギーの利用目標は、現状ではまだ高い水準といわざるを得ません。目標達成に向けた取り組みを一層強化させることが必要と考えます。まさにこれからが再生可能エネルギーの本格的な利用拡大に向けた正念場となります。
 そこでまず、都の主体的な取り組みにより、都内への導入拡大を徹底しなければならないので、そのためには、これまで着実に伸びてきている太陽光発電のさらなる導入拡大が必要と考えますけれども、所見を伺います。

○和賀井都市地球環境部長 現在も都は、創エネルギー機器導入補助によりまして、住宅用の太陽光発電の普及を大幅に拡大しているところでございますが、この傾向は全国にも広がっておりまして、太陽光パネルの導入費用は大幅に下落しております。現状では、一キロワット当たり約五十万円程度ということになってございます。
 再生可能エネルギーの普及が進むコスト面での一つの目安として、その発電コスト、すなわち設備導入ですとかメンテナンスなどに要します費用を稼働年数分の発電量で割り返しました一キロワットアワー当たりのコストが、通常の電気料金、家庭では、現在、一キロワットアワー当たり約二十四円でございますが、これを下回るということが一つの目安かなと思っております。この水準をいわゆるグリッドパリティというふうに呼んでございます。
 住宅用の太陽光発電の場合は、このグリッドパリティが、導入費用に換算いたしますと、一キロワット当たり約三十七万円程度というふうにいわれておりまして、この水準の実現にはもう一歩というのが現状でございます。
 太陽光パネルの導入費用が大幅に下落しているとはいえ、一般的には、戸建て住宅におけます標準的な三キロワットを導入する場合は、導入費用はまだ百五十万円程度に上るということでございますので、導入に当たっての初期費用、初期投資の負担を軽減する新たな普及スキームの構築に向け、今現在、鋭意検討を進めているところでございます。

○松葉委員 ご答弁の中でグリッドパリティという話がありましたけれども、導入促進が進むための支援がさらに必要であると思います。
 現在、太陽光発電の新たな普及スキームの構築に向けて検討中ということでありますが、七月から固定価格買い取り制度が開始されることも影響してか、初期投資費用をかけずにパネルが設置できるなど、新たなサービスを提供する太陽光発電ビジネス事業者が出てきていると聞いております。
 太陽光発電のさらなる導入拡大に当たっては、課題として、コスト面はもちろんですが、コスト以外にも、設置したパネルがきちんと発電するのかといったことや、屋根に設置することで雨漏りが発生しないかということや、導入時の心配事、抵抗感を解消しなければならないとも思いますが、そういった課題解決につながるヒントが、事業者の新たな取り組みの中にあるのではないかと思います。
 そこで、初期投資費用や導入時の抵抗感といった課題をどのように解決しながら新たな普及スキームの構築を進めていくのか、所見を伺います。

○和賀井都市地球環境部長 お話のように、最近では、利用者が定額のサービス料を一定期間払い続けることで、初期投資や故障、修理時の追加費用は一切かからないビジネスモデルを構築している事業者の例などがございます。
 また、発電量保証ですとかパネル設置後の破損修理費補償など、導入に当たってのコスト以外の懸念材料を解消する新たなサービスを付加したビジネスを展開する事業者の例も出始めてございます。
 都の新たなスキームの構築に当たりましては、このような事業者の先進的な取り組みを参考にしながら、現在、国において検討中の固定価格買い取り制度の具体的内容も踏まえて、パネル設置後の光熱費削減ですとか売電収入というメリットを最大限に生かした形で、施策の実効性を高める手法を具体化してまいります。

○松葉委員 ぜひとも太陽光発電のさらなる導入拡大に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 また、もう一つ忘れてはならないのは太陽熱利用であります。太陽熱利用は、太陽光発電に比べ、比較的狭いスペースでも設置可能で、コストも半分程度というメリットがあり、給湯や暖房といった熱需要の多い家庭を中心に、もっと普及してもいいのではないかと考えられますが、太陽光発電の陰に隠れ、導入が進んでいない実態があります。
 このような状況を踏まえ、都は、今年度から、住宅供給事業者を対象として新たな太陽熱の導入補助事業を構築し、既に補助申請の受け付けを実施していると聞いています。太陽熱利用が停滞している現状の中で、どのような工夫をしながら補助事業を構築しているのか、また、現時点で補助事業の効果はどうなっているのか伺います。

○和賀井都市地球環境部長 太陽熱利用は、エネルギー効率にすぐれておりまして、設置面積が少なくて済むために、太陽光パネルは載せられなくても、太陽熱が利用できる場合がございます。その意味で、狭小な戸建て住宅が多い都内では非常に有効であるというふうに考えております。
 また、太陽熱は、これまで集合住宅で利用されている事例はほとんどございませんが、都内の新築住宅の着工戸数の約七割は集合住宅が占めておりまして、今後、導入を進めていくためには、集合住宅も含めた普及策の構築が欠かせないと考えております。
 太陽熱利用の厳しい現状を打破し、市場を再生させるためには、都が太陽熱住宅の新たなモデルづくりを支援して、その具体的成果を発信していくことが非常に重要だというふうに認識しております。
 そのために、本事業の構築に当たりましては、まず集合住宅、それから戸建て住宅それぞれについて、今後の太陽熱普及に資する新たな技術を活用したシステムを広く公募いたしまして、その導入を支援することで事業者の取り組みを促進することとしております。
 事業者の積極的な取り組みによりまして多数の応募をいただきまして、学識経験者らによります審査を経て、五十一に上る新たなシステムを選定し、新築住宅にこれらが導入される場合の補助事業を昨年十一月から開始してございます。現時点で、既に六件の集合住宅、合計で二百四戸分の補助申請を受け付けてございます。
 さらには、太陽熱の有効性を広く周知するために、先週、都営地下鉄などに中づり広告を掲示し、また、大手新聞に一面広告を掲載するとともに、太陽熱専用のホームページも立ち上げるなど、普及に力を入れているところでございます。

○松葉委員 太陽熱利用の新たなモデルを具体化するという事業の基本的な考え方がよくわかりました。
 事業者の方も積極的に対応していただいたおかげで、補助事業はよいスタートが切れているようでございますが、実際に選ばれた新たなシステムにはどのようなものがあり、これを支援することでどういった効果が期待できるのか伺いたいと思います。

○和賀井都市地球環境部長 新たなシステムの事例としましては、導入の実績がほとんどない大規模マンションでも太陽熱利用が可能となるシステムですとか、屋根設置が困難な集合住宅でも導入可能なバルコニー型のシステム、それから戸建て住宅におきましては、デザイン性にすぐれた屋根と一体の形のシステムなどを選定したところでございます。
 これらのシステムが、今回の補助事業によりさまざまな住宅で具体化し、太陽熱利用の有効性が実証される事例を多数生み出すことで、太陽熱の認知度をさらに向上させ、加速度的に導入を促進していきたいと思っております。
 補助事業の期間は五年間でございまして、今後も積極的に新しい技術を活用したシステムを募集、選定しながら、その導入を支援することで、新築住宅におけます太陽熱利用システムの標準化を目指してまいります。

○松葉委員 再生可能エネルギーの普及に関する現状と課題、そして、その課題解決に向けた都の取り組み姿勢と具体的な取り組みということがよくわかりました。
 二〇二〇年二〇%という目標は、現状からすれば確かに高い水準ではありますが、都が実効性の高い施策を構築し、それを着実に実行しながら、都内及び都外の再生可能エネルギーの利用を飛躍的に拡大していくことが達成を可能にするものと考えております。
 二〇二〇年二〇%の目標達成のために、今後も引き続き、再生可能エネルギーの推進へ的確な施策を実行していただくことをお願いいたします。
 これまで再生可能エネルギーの推進について質疑を行わせていただきましたが、最後に、総括する意味で、今後とも地球温暖化対策を強力に進めていく上での大野局長の決意を伺って、私の質問を終わります。

○大野環境局長 東京都は、太陽エネルギーなど再生可能エネルギーの普及とともに、都議会で全会一致で可決していただきました都市型キャップ・アンド・トレードの導入といったことを進めてまいりましたし、その導入した施策を東京の産業界と一緒に推進してまいりました。
 この間、本当に実感をしておりますのは、特に震災後、こうした取り組みが着実に成果を上げてきているなということを実感しております。
 一例だけを申し上げますと、先週月曜日、十二日ですけれども、東京都と、ある大手の新聞社と共催で、「節電の先のスマートエネルギーシティへ」と題するシンポジウムを開催いたしました。この場では、大手の都内のディベロッパーの方から、大幅なCO2削減、省エネ、節電を実現しながらオフィスの快適性も損なわないという、そういうすばらしい実例が幾つも報告、発表されました。また、このシンポジウムの申し込みも、大変反響が大きくて、定員の倍以上のお申し込みをいただいたというふうな状況でございます。
 特にその中で我々が非常にうれしかったのは、我々が今まで気候変動対策、省エネ対策をやってきたことが昨年の夏の節電を乗り切る上でも大きな力になったというふうに申し上げてきたわけですが、まさにそのことが、我々の側だけじゃなくて、事業者の方からもご発言があったということであります。
 先ほど申し上げたキャップ・アンド・トレードを導入するときに一番大きな問題になったのは、オフィスでありました。オフィスの場合はテナントビルが多うございますので、この場合には、オーナー側だけに義務づけをしても、テナントが電気を使ってしまうと、エネルギーを使ってしまうと、節電が、省エネが進まないということがありました。
 これに対応するための対策として、我々の制度、東京都の制度の中には、テナントの側にも努力義務でありますとか、大規模なテナントについては削減の計画をつくってもらうとか、そういう制度をつくりました。これが二〇一〇年から実施をされたわけですが、これに対応するために、都内の相当多くのオフィスビルでは、テナント協議会とか、そういう制度ができておりました。これがあったために、今回、昨年の夏の節電をする上でも非常にスムーズにいったということが、事業者の方からもご発表があったということでございます。
 またさらに、ゼネコンで新しいビルをつくる側の方からも、ことし竣工するビルですけれども、カーボンハーフあるいはゼロエネルギーというようなことを目指したビルが竣工するわけですが、これをつくるに当たっても、東京都がやってきたいろいろな取り組みの成果の上に立ったデータが非常に役に立ったというふうなお話をいただいたところであります。
 こういうふうにいろいろな取り組みを進めてきているわけですが、一方、昨年、世界の状況を見ますと、異常気象といわれるものが本当に頻発をしております。これは知事が本会議で答弁されていた北極海の解氷のこともそうでありますし、アメリカでは、ハリケーンであるとか、それから竜巻であるとか、本当にいろいろなことが起きております。
 こうした一個一個の異常気象を、これが直ちに気候変動に起因するものだという論証をすることは非常に難しいわけですが、ただやはり、こうしたいろいろな異常気象というのは、気候変動が進めば起きてくる、ふえてくるというふうにいわれていたものであります。まさにそれがすごい勢いでふえているということに、非常に危機感を感じざるを得ないというふうに思っております。
 そういう意味では、なかなか東京都だけでこの問題を解決することはできないわけでありますが、少なくても、ますます重要性を増してくる都市において、都市のモデルをつくるということは東京にできますので、これをやっていく。
 もう一つは、東京の取り組みというのが、気候変動対策に効果があると同時に、経済にもいいんだと。だから、こういう気候変動対策と経済は両立するんだということを実証することはできると思います。
 そうした観点から、今後も一層力を入れて、東京の経済界と力を合わせて、この取り組みを進めてまいりたい、このように思っております。

○かち委員 それではまず、環境局にかかわって、豊洲市場予定地の土壌汚染問題について何点かお聞きします。
 中央卸売市場は、二〇一一年十二月末時点で、当該区画の形質変更時要届け出区域の指定の手続について、これまで三回の申請をしています。一回目からそれぞれの日程をいうと、八月三十一日、十月十七日、十一月七日です。
 それぞれ三回の手続について、その審査に要した日程等について明らかにしていただきたいと思います。

○島田環境改善技術担当部長 一回目の形質変更時要届け出区域の指定に係る申請は、平成二十三年八月三十一日に申請を収受し、十月二十四日に申請書の審査を完了しております。この申請は、約四千カ所に及ぶ調査結果を含むものであり、膨大なデータを確認する必要があったため、審査を完了するまでに二カ月程度の期間を要しております。
 二回目の申請は、平成二十三年十月十七日に申請書を収受し、十月二十七日に申請書の審査を完了しており、三回目の申請は、平成二十三年十一月七日に申請書を収受し、十一月八日に申請書の審査を完了しております。これら二つの申請は、これまでの届け出書類で汚染状況が既に報告されているものでありますが、土壌汚染対策工事を実施するに当たり、土壌汚染対策法により規制されている汚染土壌の区域外への搬出に対応し、汚染土壌の運搬経路等を確保するために、指定の申請がされたものであります。そのため、比較的短期間で審査が完了しております。

○かち委員 中央卸売市場が豊洲市場予定地の形質変更時要届け出として行った昨年末までの三回の手続について、私たち都議団は、そのすべての文書を情報公開請求いたしました。その結果、出てきた文書は、三回の申請手続の文書しか出てきませんでした。
 すなわち、中央卸売市場の申請に基づき、都がどのような協議をしたのか、その議事録もなければ、検討文書もないということになります。これは、環境局では通常の作業なのでしょうか。

○島田環境改善技術担当部長 環境局では、さまざまな事業者の方から土壌汚染対策法に係る届け出書類を受理しておりますが、それらにつきましては、土壌汚染対策法及び同法施行規則等に基づきまして、内容の審査及び所定の手続を行っております。
 これらの審査の過程におきまして、窓口での相談や指導は行っておりますが、協議文書等を交わすことは行っておりません。中央卸売市場の届け出につきましても同様でございます。

○かち委員 実際には、申請されたものが、ほぼそのままの形で受理されて通る。調査指定機関も全国各地でさまざまな案件を取り扱っているわけですから、都ではそのような体制のもとで行われていることが知られているということになります。
 二回目の申請、十月十七日に中央卸売市場が環境局に提出した申請用紙は、申請にかかわる調査を行った者が空欄になっています。この不備のある文書が環境局ではそのまま受領されています。これは、環境局では通常の作業であり得ることなのでしょうか。

○島田環境改善技術担当部長 先ほども答弁いたしましたが、当該申請は、これまでの届け出書類で汚染状況が既に確認、報告されているものでありますが、土壌汚染対策工事を実施するに当たり、土壌汚染対策法により規制されている汚染土壌の区域外への搬出に対応し、汚染土壌の運搬経路等を確保するために、指定の申請がなされたものであります。
 したがいまして、このような申請では、土壌調査は実施されていないため、申請に係る調査を行った者の氏名または名称は空欄となります。

○かち委員 申請書として不備があることを否定しませんでしたが、先ほどの説明のように、三回目の申請も同様の内容になりますが、こちらの申請書にはきちんと指定調査機関名が記載されています。いろいろいわれましたけれども、現実に、ごく単純な受け付けの際のイロハ的な作業、肝心なチェックさえ、なかなか困難であるということになります。
 そんなこんなの手続で、豊洲新市場予定地は、昨年十一月二十八日に形質変更時要届け出区域に指定されました。土壌汚染対策法では、都が土壌汚染があることを把握している土地、形質変更時要届け出区域及び要措置区域などについて、それぞれ所定の形式で台帳に記載されており、だれでも環境局に閲覧できるようになっています。
 その形質変更時要届け出区域台帳に記載されている豊洲新市場予定地の文書では、試料採取等を省略、省略の理由が記載されています。試料等を省略とは、どういう意味を持つのでしょうか。

○島田環境改善技術担当部長 初めに、先ほどの答弁につきまして補足をさせていただきます。
 申請に係る調査を行った者の氏名または名称は空欄となるということで答弁させていただきました。この空欄につきまして、手続上、不備ではございません。
 では、ただいまのご質問に答弁いたします。
 土壌汚染対策法施行規則では、土壌汚染状況調査の過程である、汚染のおそれの把握、試料採取等を行う区画の選定及び試料採取等の各過程の全部または一部を省略することができる旨が規定されております。
 当該地は、六街区の海側に面した港湾局の管理用通路として使用されていた場所であり、土壌汚染対策工事を実施するに当たり、これらの過程のうち、試料採取等の過程を省略して報告されたため、台帳にその旨を記載しております。これも通常の手続でございます。

○かち委員 次に、汚染の有無の判断についてです。
 その土地の汚染状況が、土地の所有者の手によって、既存の調査で判明しているケースがあります。豊洲新市場予定地では、既存の調査で、十メートル四方の区画、深さ一メートルで汚染の有無を判断しています。汚染されているという場所は、汚染があるとして取り扱われているので、汚染の拡散問題は避けられるとしても、汚染されていない区画として判断された場所について、その安全性はだれがどのように客観的に判断するのかも重要な問題になります。
 例えば豊洲新市場予定地では、予定地の深さ方向まで詳細にボーリングによって土壌汚染調査した地点は、調査地点数約四千カ所に対して、シアンは四分の一、ベンゼンは七分の一、砒素は二十五分の一にすぎません。これまでの土壌汚染調査では、ほとんどの場所の地下での汚染状況分布が把握されていません。豊洲新市場予定地では地下水の流れがあるので、土壌汚染がわかった区画以外でも土壌が汚染されている場合が当然あり得ます。
 しかし、中央卸売市場は、具体的な解析をして因果関係が立証されていないにもかかわらず、地下水で汚染がないところでは、土壌で汚染がないと判断しています。その地下水の採取分析も、晴天の日も雨の日も、潮の満ち引きによる地下水面の変化など、地下水分析の影響を見ることなく、すべてを一緒くたにするという極めて乱暴なデータを使っています。
 それに加えて、昨年三月十一日の東北地方太平洋沖地震で、豊洲新市場予定地では、大小さまざまな液状化が百八カ所起きました。それにもかかわらず、東京都中央卸売市場は、豊洲新市場予定地での一部における噴砂については、指定調査機関が新たな調査もせず、その内容をただ確認したので、これまでの土壌汚染調査結果に影響を与えるものではないと判断して、土壌汚染対策法に基づく申請をしたとしています。
 汚染が拡散した可能性が強いにもかかわらず、新たな土壌汚染調査もしないで噴砂報告書を追認するようなことを、環境局としてどのような協議、判断をして形質変更時要届け出区域指定をしたのでしょうか。

○島田環境改善技術担当部長 豊洲新市場予定地の一部で発生した噴砂につきましては、中央卸売市場が設置しました技術会議の委員の助言や指導のもと、中央卸売市場が発生状況や規模等を調査し、豊洲新市場予定地の一部における噴砂についてとしてまとめられたものであります。
 土壌汚染対策法に基づく土壌汚染状況調査につきましては、公正かつ法に基づく方法で行われている必要があることから、法令上、国が指定した指定調査機関が調査を行うこととされております。
 指定調査機関というのは、高度な知識及び技術を有する技術管理者が設置されているとともに、土壌汚染調査等の業務を的確かつ円滑に遂行できる技術的能力等を有しているものとして環境大臣が認めた機関であります。
 新市場予定地の指定の申請の提出に当たっては、先ほど申し上げました高度な技術的能力を保持した国の指定調査機関が、中央卸売市場が作成した噴砂の報告書の内容を確認し、土壌汚染状況調査報告書の記載内容に影響を与えるものではないという判断をしております。
 土壌汚染状況調査報告書の審査に当たり、法令上、指定調査機関の調査は公正に行われたものであるものと認められることから、当該申請につきましては適格であるものとして、形質変更時要届け出区域に指定したものであります。

○かち委員 しかしながら、地下部分のほとんどのところの土壌汚染状況が把握されていないんです。加えて液状化です。専門家の方々も、これによって土壌汚染が拡散された可能性を指摘しています。追認することは極めて危険であるということを指摘しておきたいと思います。
 中央卸売市場と土壌汚染対策工事請負会社との間では、噴砂箇所について、監督員の指示のもと、盛り土掘削前に、噴出している砂を適切にすき取り、仮設土壌処理プラントへ搬出することとしています。
 噴砂が起きた区画の近隣区画の汚染されていない区画の土壌は汚染されていないとして、調査もされない契約になっているんです。土壌汚染対策法から見ても問題ではないでしょうか。

○島田環境改善技術担当部長 先ほども答弁したとおり、中央卸売市場が作成しました噴砂の報告書を国が指定した指定調査機関が確認していることから、当該申請が適格なものとして指定したものであり、土壌汚染対策法上、汚染されていない区画において土壌汚染調査を行う必要はございません。

○かち委員 必要はないということですけれども、生鮮食料品を大量に扱う中央卸売市場の食の安全・安心をしっかり確保してほしいというのが、都民、市場関係者の強い願いです。土壌汚染対策法で調査を行う必要がないということでは、汚染を封印することになります。
 次に、帯水層底面、不透水層の上端を規定する問題です。
 豊洲新市場予定地では、発がん性物質とされるベンゼン汚染が各所から出ています。かつての調査で、環境基準の四万三千倍という高濃度の局所汚染が確認されました。土壌汚染対策法では、このベンゼン汚染については、地表から十メートルの間に、それより下には汚染が広がりにくいとされる滞水層底面がある場合は、その底面での汚染状況を調査することになっています。
 そこで、この帯水層底面、不透水層の上端がどこにあると中央卸売市場が規定して環境局に申請届を出しているのか、確認していきたいと思います。
 それで、八月三十一日の環境局への土対法に基づく申請書類の開示結果では、添付された書類は、申請にかかわる土地の範囲を明らかにした図面、仮換地指定案内図、土地の形質の変更の場所に関する地番、土地所有者の一覧表と登記簿書類、別紙一から十一、巻末資料一から六であるということでよろしいでしょうか。

○島田環境改善技術担当部長 添付されました書類は、ご質問の内容のとおりでございます。
 お伺いの書類は、中央卸売市場にて開示されたものと存じますが、私どもが受理している書類と同様のものであると認識しております。

○かち委員 八月三十一日の環境局への土壌汚染対策法に基づく申請書類の開示文書の中には、これ以下には汚染が広がらないとしています不透水層の位置についても、あるいは汚染が広がっている可能性がある帯水層の位置について明示されたものがありません。問題にならないのでしょうか。

○島田環境改善技術担当部長 申請書の別紙に、対象地の地質断面図が添付されており、地層の分布はこれにより確認しております。また、申請書の別冊として提出された柱状図により、帯水層と帯水層の底面の位置の確認を行っております。
 なお、別冊として提出された柱状図は、審査の中で内容を確認し、審査後に中央卸売市場に返却しております。通常の手続で問題はございません。

○かち委員 地質断面図というのは極めて概略的なもので、これで不透水層、帯水層を判断したとするのは大問題だと思います。また、別冊の柱状図といいましたが、情報開示請求した文書には、先ほど確認したものしかありませんでした。申請時の書類にそのようなものが添付されているとの記載も全くありません。さらに、返却してしまったとなると、環境局として、その位置が確認できるものを持っていないということになります。このようなもとで土壌汚染状況の追加調査、対策が行われているということは極めて問題であるということを指摘しておきたいと思います。
 中央卸売市場は、専門業者との間で、豊洲新市場予定地土壌、地下水汚染処理工事設計の業務委託契約をしています。成果物として、豊洲新市場予定地土壌・地下水汚染処理工事設計という図書があります。豊洲新市場予定地土壌・地下水汚染処理工事設計という図書は、環境局ではその存在を掌握しているのでしょうか。どのように取り扱われたのか、経過、その内容についてお示しください。

○島田環境改善技術担当部長 先ほどの答弁に追加させていただきます。
 付随する資料として確認しておりますので、内容の審査等につきましては問題はございません。
 では、ただいまのご質問にお答えいたします。
 お伺いの図書は、中央卸売市場が工事を発注するために必要となる図書であり、土壌汚染対策法の手続上、求められるものではありません。したがいまして、環境局では、その図書につきましては関知しておりません。

○かち委員 環境局として全く知らないということを確認しました。
 都民の食の安心・安全にかかわる市場用地、多くの生鮮食料品を扱うわけですから、都として、土壌汚染問題は、慎重の上にも慎重を期し、安全性には厳格な科学性が必要だと思います。私たちは、引き続き、都が進める土壌汚染対策について厳しくチェックしていくことを申し述べ、次の質問に移ります。
 次に、計画段階アセスについて伺います。
 都においては、二〇〇二年四月に環境影響評価審議会から答申を受け、七月に計画段階環境影響評価条例が制定されました。答申では、計画の早い段階で、採用可能な複数案について環境影響評価を比較検討し、その結果を計画に反映させることにより、環境配慮を一層推進させるとしています。
 二〇〇一年、国の道路計画合意形成研究会提言書で、構想段階における新たな計画決定プロセスのあり方の中では、公正、透明、客観性に基づいて進めるとともに、事業を行わないことも選択肢の一つとすると明言しています。都の条例ではゼロオプションがないという弱点もありますが、事業の計画段階から、手法の選択肢を複数案提案し、それぞれの環境に及ぼす影響などを比較検討し、選択するという制度であり、あらかじめ事業内容が固まってしまった段階で行うアセスよりも、環境への配慮を重視するための制度であるという位置づけです。
 東京都は、全国に先駆けてこの制度を導入してきました。既に十年になりますが、そこで、本制度の実施状況について伺います。

○和賀井都市地球環境部長 都条例に基づきます計画段階アセスの対象の件数でございますが、これまでに三件ございました。
 一件目が豊洲新市場建設事業でございます。二件目が国分寺都市計画道路三・二・八号府中所沢線でございます。三つ目が、仮称東京港臨港道路南北線建設計画の以上三件でございます。

○かち委員 この十年の間には、さまざまな大きな再開発や道路建設、鉄道立体交差事業などが進められてきたわけですけれども、それらが対象にならなかったその要因というのは、法施行前ということもあり、事業主体が東京都に限るという規定があったからです。
 昨年四月に、国において戦略的アセス法、計画アセスがようやく成立しました。その内容をご紹介ください。

○和賀井都市地球環境部長 国のアセス法の改正の内容でございますけれども、事業の早期段階において複数案の計画を検討し、環境への配慮を行う手続の新設、また、アセスを行う項目、調査方法等を定める段階におけます説明会開催の義務化、さらには、事業の実施に伴い、事業者が行う環境保全の措置等を公表する際の手続などが定められたことでございます。

○かち委員 ようやく計画段階配慮の手続の新設、いわゆる計画段階アセスが義務づけられるわけです。
 計画段階でのアセスは、事業者についてどのような規定になっているのでしょうか。民間事業者についても対象となるのかどうかお聞きします。

○和賀井都市地球環境部長 法律のアセスでは、国が直接実施し、または許認可等を行う事業のうち、一定規模以上で環境に大きな影響を及ぼすおそれのあるものを計画段階アセス手続が必要な事業と定めてございます。
 例えば道路、ダム、鉄道、飛行場、発電所などがこれに該当しますが、事業者につきましては、特段の定めはございません。

○かち委員 事業者に特定の定めがないということは、国の直轄事業でなくても、民間事業者であっても対象になるということですね。
 しかも、法施行は平成二十五年四月ですが、国会の衆参両院で附帯決議が付されています。その内容は、法改正の施行前に環境影響評価が行われる事業についても、改正法の趣旨を踏まえ、事業のより早期の段階から適切な環境配慮がなされるよう指導することとあります。要するに、来年の四月を待たずに、アセスの必要な事業については、計画段階アセスに準じたアセスをするようにということです。
 この法改正に伴い、都の環境影響評価条例の改正の必要があるのではないかと思いますが、また、法の趣旨に準じて、事業主体が、都に限らず民間事業者についても対象にするなど、早急に検討、見直しをすべきと思いますけれども、今後どのように取り組まれるのでしょうか。

○和賀井都市地球環境部長 今後、法改正に伴います詳細な政省令の改正内容などが順次明らかになる予定でございますが、その内容など国の動向、さらには都の環境影響評価審議会委員の意見なども踏まえまして、法の施行に合わせて改正が必要な事項について検討してまいります。

○かち委員 これまでも、都は積極的に環境保護の立場で取り組んできたわけですから、また、三月十一日の大震災を経て、さらなる安全性やCO2削減、PM二・五などの新たな評価項目などを加え、より早く改正、充実されるよう求めておきます。
 次に、廃棄物の埋立処分計画について伺います。
 東京都の新海面処分場は四百八十ヘクタール、そのうち廃棄物関係の埋立可能面積は三百十九ヘクタールです。二十三区八百七十万人の廃棄物処理の最終処分場は、東京港につくることができる最後の埋立処分場であり、次に処分場を設置する水面はありません。当初は三十年の寿命といわれていましたが、都民、関係者のご努力もあり、最近では五十年ともいわれています。しかし、限りある処分場を最大限長寿命化することが求められています。
 そこで、先ほどご質問がありましたけれども、十五年間の埋立量は二千七百二十七万立方メートルで、残余は一億五百五十四万立方メートルというふうに伺いました。
 これまでの埋立計画と実績ではどのような推移であったのか、過去五年間、平成十八年から二十二年の実績と計画との比較ではどれだけの増減があったのか伺います。また、その要因についても伺います。

○木村廃棄物対策部長 埋立処分量につきまして、平成十八年度から平成二十二年度までの五カ年間の合計でお話をいたしますと、一般廃棄物は、サーマルリサイクルの開始が計画よりおくれたことから、二十五万トンの増になってございます。それから、産業廃棄物は、廃プラ埋め立てゼロの取り組み等によりまして四十二万トンの減、それから都市施設廃棄物は、下水汚泥焼却灰のリサイクル等が安定的に行われたことから六十七万トンの減ということでございます。
 これら一般廃棄物、産業廃棄物、都市施設廃棄物を合わせました五カ年間の計画量に対しまして、埋立実績は八十四万トンの減、比率では一九%の減でございます。

○かち委員 減量の状況、リサイクル状況については、きょういただいた資料からも明らかです。五ページにありますけれども、一般廃棄物の推移では、二十一年度から、サーマルリサイクルの導入などで著しく減量しています。五年間で一七%の減です。また、産業廃棄物の廃プラスチックについての資源化率がおくれた区部で二・七倍に伸びている状況も見られます。
 過去五年間の計画量に比較して、今後五年間の計画量はどれくらい縮減する予定でしょうか。一般廃棄物、産業廃棄物、都市施設廃棄物について、それぞれお伺いします。

○木村廃棄物対策部長 これまでの五カ年間の計画量に対しまして、今回の平成二十四年から二十八年度までの五カ年間の埋立計画量でございますけれども、一般廃棄物につきましては削減率が六二・五%、産業廃棄物につきましては削減率四五・五%、それから、都市施設廃棄物につきましては削減率四%。これら三つを合わせまして、合計の削減率は四四%になります。

○かち委員 トータルでは四四%減ということですけれども、産業廃棄物も一般廃棄物も、経済状況に影響される側面も大きくあります。確実に減量を進めていくためには、さらなる3Rの徹底や拡大生産者責任の明確化などにより、縮減率をさらに高め、最終処分場の延命を図るべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○木村廃棄物対策部長 新海面処分場の後、東京港内に新たな埋立処分場を確保することは極めて困難であることから、現在の埋立処分場をできるだけ長期間にわたって使用することが強く求められております。
 今後も引き続き、それぞれの廃棄物の減量化と有効利用を積極的かつ計画的に推進してまいります。

○かち委員 昨年の大震災以降、状況変化が生まれています。災害廃棄物の受け入れ増、放射能汚染による多摩地域の下水焼却灰の受け入れ、放射能高線量による一般廃棄物の管理型埋め立てなど、これらの影響はどのように判断をしているのでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 東日本大震災によります放射能等の影響によるリサイクルが滞っていることから、埋立増加分は年間十七万立方メートルになると推計しております。この量は、総埋立処分量の年平均の八から九%程度となります。影響期間が不明確であることから、計画の外数としてございます。
 また、埋立地では、昨年は国のガイドラインに基づきまして、また、ことし一月一日から、放射能対策特別措置法に基づきまして八千ベクレル以下の埋め立てが可能ということで、それに基づいて埋め立てを実施しております。
 さらに、放射能管理につきましては、処分場内の空間放射線量率及び排水処理水等の放射能濃度を継続して測定するとともに、この測定結果を分析しながら、埋立方法などの工夫を行い、長期的な安全管理に努めております。
 また、放射性物質を含む廃棄物等の受け入れに当たりましては、将来の土地利用に支障を来すことがないよう、継続して検討を行い、必要に応じて技術的な措置を講じてまいります。

○かち委員 大震災以降、この東京にも直下型の巨大地震が起きるという確率が高まっています。今後どのようなことが起きるか、どう推移するかも未知数です。また、放射性物質を含む廃棄物の埋立地に巨大地震や津波がどう影響するのかなど、主管は港湾局のようですけれども、ぜひとも連携して、埋立地の延命と安全対策に強力に取り組まれることを求めておきます。
 次に、東日本大震災を踏まえた今後の環境政策のあり方について、環境審議会の答申に触れて伺います。
 まず、再生エネルギーの取り組みについてです。
 昨年の福島原発事故による電力不足という問題に直面し、改めて、エネルギーの確保のあり方や節電など、ライフスタイルのあり方まで見直しをする機会となりました。
 答申では、今後のエネルギー政策として、これまでの原発一辺倒のエネルギーから、自立分散型のエネルギー確保や、より低炭素な火力発電への転換、そして再生エネルギーの普及拡大などが挙げられています。
 そこで、未来にわたって持続可能な再生エネルギーの今日までの取り組みと今後の普及拡大計画について、何点かお聞きします。
 先ほど質問がありましたけれども、数値目標を二〇%ということですけれども、現在までの主な再生エネルギーの普及の到達点について、いま一度確認したいと思います。

○和賀井都市地球環境部長 先ほどもお話がありましたけれども、現在の状況は、二〇一〇年度末時点で、六年前の再生可能エネルギーの全体に占める東京都のエネルギーの割合ですけれども、二・七%に対しまして、二〇一〇年度末時点では二・九%というふうに微増にとどまってございます。
 ただ、その中身は、ごみ減量施策の推進に伴いまして、廃棄物発電におけるバイオマス由来のごみ量が減少している一方で、二〇〇九年度からの補助事業により、太陽光発電の利用量が飛躍的に拡大しているなど、大きく内容は変わってございます。

○かち委員 おかしいですね。環境局が、今ご説明のあった、東京における再生可能エネルギーの利用状況というのが出ていますね。それに基づいてお答えいただいたと思うんですけれども、私が見る限りでは、太陽光発電については五倍近くの伸びを示していますけれども、全体として、熱量換算では八八・八%と減少しています。都外からの供給量についても九七・八%ということで、伸びているというよりも、減少しているんじゃないかというふうに思うんです。
 その理由は、バイオマスのごみの減量による影響が大きいと、それもわかりますけれども、伸びているというふうにいえるのかというふうに思います。
 太陽光発電では十五万七千六百キロワットで、都内では再生可能エネルギーの代表であり、普及の可能性が一番大きいといえます。都は、平成二十一、二十二年度で、九十億円を出資して住宅用太陽光発電の補助制度に取り組んできました。普及目標は四万件でしたけれども、実際は六割程度で終了しています。また、大震災後、六月から再び太陽光発電の普及促進の補助制度が再開されました。
 都として、太陽エネルギーによる発電普及の目標をどう設定しているのか、また、太陽光発電の補助事業におけるこれまでの取り組みの実績を伺います。

○和賀井都市地球環境部長 目標でございますけれども、太陽光発電につきましては、「二〇二〇年の東京」にありますように、九十万キロワットを目標として掲げてございます。
 また、これまでの実績ですが、平成二十一年、二十二年度の補助事業によりまして、約一万九千件に上る導入実績を上げておりまして、それ以前と比べて七倍以上に導入を拡大してございます。
 さらに、今年度は、七倍以上に拡大しました昨年度をさらに四〇%程度上回るペースで導入が拡大しているところでございます。

○かち委員 太陽光においては、先ほどの質疑でも明らかなように、いろいろな宣伝もされておりますし、拡大、広がっているという機運が高まっているとは思います。しかし、昨年の補正予算で組んだ目標からすれば、約四万件分ですから、二年分としても、今年度、若干途中ではありましたが、約二万件に対し七千三百五十六件ですから、まだ道半ばにも達していないということではないでしょうか。
 やはり百五十万から二百五十万円、この初期投資への負担が大きい、このことはよくいわれております。答申の中にも書かれていますが、初期投資への抜本的な軽減策が普及拡大に寄与するとの見解です。今後、どのようにこれを具体化されるのかお聞きします。

○和賀井都市地球環境部長 先ほどもご答弁いたしましたが、太陽光発電の初期投資負担を軽減する新たな普及スキームの構築に当たりましては、事業者の先進的な取り組みも参考にしながら、今後、国の方でまとめられます固定価格買い取り制度の具体的内容も踏まえまして、施策の実効性を高める手法を具体化してまいります。

○かち委員 今後、国の動向を見ながらということですけれども、既に日本の各地では、こうしたことにも積極的に取り組んでいるわけですよね。よく知られている飯田市での取り組みは、NPO法人がおひさま進歩株式会社を立ち上げて、全国から出資を募集し、家庭はパネルを設置し、電気料金の定額を株式会社に払い、電力会社に電気使用分を払い、太陽光発電による売電が収入になるという仕組みです。これで初期投資ゼロの普及で、人口十万人の都市で、一年間に八十件の応募があったとのことです。これは、それまでの取り組みの二倍になったといわれております。
 日照条件や環境条件などがあり、単純比較はできませんが、しかし、初期投資の軽減は確実にインセンティブを与えるという事例でもあります。都としても早急に具体化されることを求めておきます。
 太陽熱の熱効率は八〇%から九〇%で、省エネ対策としても有効なエネルギーであり、先ほどの再エネ利用実績で、太陽熱利用については五〇%に落ち込んでいる状況があります。
 今年度は、五カ年計画で太陽熱利用の普及を図る仕組みをつくりましたが、その普及事業の取り組みはどのようになっているでしょうか。

○和賀井都市地球環境部長 こちらも先ほどの答弁と重なりますけれども、太陽熱利用の促進につきましては、今後の普及に資する新たな技術を活用したシステムを募集、選定いたしまして、新築住宅にこれらが導入される場合の補助事業を昨年十一月から開始してございます。
 現時点で、既に六件の集合住宅、合計二百四戸分の補助申請を受け付けているところでございます。

○かち委員 現在、六件、二百四戸分の集合住宅、新築住宅の申請を受け付けているということです。新しいシステムでの太陽熱利用を取り入れた構造設計も、いろいろ新システムが提案されているようです。今後、戸建て住宅への普及もぜひ普及拡大されるよう求めておきます。
 現在、メガソーラーなどの開発も進んでいますが、私は、熱効率の高い太陽熱を集光レンズを使って熱を集めて蓄熱するというビームダウン式太陽熱集光装置を開発した中小企業の社長さんからお話を聞きました。
 これは、温室ハウスの冷暖房用の蓄熱装置として実用化もしています。十年ほど前に、東京都のベンチャー賞も受賞したことがあるとのことです。太陽光パネルは、製造過程で大量のCO2を排出するけれども、このレンズはCO2がゼロだということです。メガソーラーは、地面を覆ってしまい、自然を壊すけれども、この装置なら緑と共存できるともいっていました。社員五十人の中小企業でありながら、非常に意欲的にこうした開発にも取り組んでいるんです。
 都として、再生可能エネルギーの可能性について本格的な研究開発を、民間中小企業や自然エネルギー研究所、大学などと共同して積極的に進めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○和賀井都市地球環境部長 再生可能エネルギーの研究開発については、既に都は、平成二十一年七月に波力の発電検討会を立ち上げまして、そのポテンシャルの検討をリードし、その成果として、神津島海域におきまして、民間事業者、大学の連携による実証実験に向けた取り組みが既に始まっているところでございます。

○かち委員 波力はいいことなので、ぜひ進めていただきたいんですけれども、それ以外についても、分野を広げて積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 再生可能エネルギーを住宅や民間施設に普及するとともに、都が直接取り組めるのが都立施設における普及拡大です。都立施設における再生可能エネルギーの活用状況と今後の普及拡大に向けた方針を伺います。

○和賀井都市地球環境部長 都はこれまでも、都営住宅や浄水場など多くの都有施設に太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーの導入を進めてございます。
 また、都施設への方針としましては、財務局が昨年、省エネ、再エネ仕様を策定しておりまして、都施設の新改築や改修を行う場合には、原則として、太陽光発電など再生可能エネルギーを導入するものと位置づけてございます。

○かち委員 多くの都立施設で導入しているんだというお話でしたけれども、予算特別委員会に資料が出されていて、それを見ますと、都立施設への再エネ導入状況は、合計でも四万八千キロワットです。そのほとんどが交通局の水力発電であり、それ以外は一万キロワットにも満たないという状況です。太陽光発電も、二浄水場と一水再生センターだけです。まだまだ普及拡大の可能性はあると思います。
 また、ご答弁での、原則、新築や改築時に限定せず、普及すべきだということも申し上げておきたいと思います。
 環境教育の一環としても位置づけ、幼稚園や保育園、学校などへの普及も重要だと思います。地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度によって、市区町村立学校への太陽光発電設備導入に関するこれまでの補助実績はどのようになっているでしょうか。

○吉村環境政策担当部長 地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度におけます区市町村立小中学校等への太陽光発電システムの導入補助についてでございますが、平成二十一年度から今年度までの交付実績及び交付予定を含めまして、二区二市一村の公立小中学校等に総額約二億一千五百万円の補助を行ってございます。

○かち委員 二区二市一村で何校なのかわかりませんけれども、都内の公立小中学校の数からしても、もっともっと普及されるべきだというふうに思います。
 この制度は、市区町村が独自の省エネ対策や再生エネルギー創出の取り組み、学習や普及啓蒙活動などに取り組んできたものです。多摩地域でのバイオマスエネルギーの継続や、公立小中学校での太陽光発電なども重要な役割を果たす制度ですが、今年度で終了してしまうわけです。
 新年度から始まる類似の、地域と連携した環境政策推進のための区市町村補助制度は、現行制度とどこが違うのでしょうか。

○吉村環境政策担当部長 平成二十四年度から新たに開始いたします区市町村補助制度は、東日本大震災を踏まえた新たな課題への対応等を含めまして、緊急性、重要性が高く、また近隣自治体への波及効果も見込めるものなどで、地域住民やNPO、民間団体とも連携して行われる事業など、地域に根差したきめ細かな環境施策に対して、実施主体である区市町村に対して都が事業費の二分の一を補助するという新しい制度でございます。
 補助メニューは、家庭や中小企業における省エネ対策、再生可能エネルギーの活用、生物多様性保全のための取り組み支援、また廃棄物抑制対策など、環境施策の中で広く多様な事業を対象としてございます。
 都としては、この新たな補助制度の実施によりまして、区市町村がおのおのの責任において、地域に根差した環境施策をみずから推進していくことを期待しているところでございます。
 一方、今お話のございました、先ほども答弁させていただきました、二十一年度から今年度までの三カ年の間の地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度というものでございますが、これは、地球温暖化対策等の取り組みが、制度創設時の二十一年度は区市町村全体にはまだ普及しておりませんで、区市町村に事業遂行のノウハウが十分でない、また事業を企画するノウハウも十分でなかった、こういう状況の中で積極的な取り組みは期待できないという、こういう危機的な認識のもと、財政支援とともに我々がノウハウの提供を行いまして、区市町村レベルでの地球温暖化対策の推進を強力に誘導しようと開始し、三年間に限りましてやってきたものでございます。このように、考え方も、取り巻く状況も、目的も全く異なるものでございます。
 それで、先ほど来、太陽光の話が出ておりますが、今回の新たな事業では、公立小中学校等の太陽光発電については補助対象としておりませんが、これは、今までの補助制度は区市町村にご活用いただきましたけど、今回の補助制度の眼目としての波及効果という点で、やや難があるなというものと、もう一つは、本年七月に導入されます固定価格買い取り制度が始まりますので、これとの整合性という問題が生じますので、これらを勘案しまして、補助メニューの絞り込み、重点化を行うことが適当だと判断しまして、新たな補助制度では対象外ということにさせていただきました。

○かち委員 市区町村においてはなかなか、地球温暖化対策の取り組みがまだ進んでいない、弱いということで、三年間に限って都の補助制度をやってきたんだと。では、その結果はどうだったのでしょうか。
 その結果、検証されたというふうな報告はいただいていないんですけれども、でも、新しいメニューでも、内容的に重なるものがあると思うんですけれども、この中で小中学校は対象にしないんだと。そういう意味で、環境教育の一環としても位置づけてやるということに、もっともっと支援策を強める必要があるんじゃないかと思うんですけれども、制度が全く違うといいながら、予算額も三分の一に縮小されているわけです。
 本格的に地球温暖化を食いとめ、再生エネルギーを普及するのであれば、予算を縮小するどころか、拡充することこそ行うべきだということを申し上げておきます。(吉村環境政策担当部長発言を求む)まだ質問中ですよ。
 次に、放射線対策について、低線量……(吉村環境政策担当部長発言を求む)だって、私、発言しているじゃないですか。(発言する者あり)はい。
 東日本大震災では、本来、絶対に外に出ることがないといわれていた放射能が、福島原発事故によって、空中に、海中に大量に拡散してしまいました。その放射能汚染から、都民、とりわけ影響を受けやすい子どもたちを守るための対策が喫緊に、そして長期的に求められています。
 東京では、福島などのように高濃度汚染はありません。東京で問題になっているのは、低線量の放射線による内部被曝をどう防ぐかという問題です。
 我が党は、水元公園における二万三千ベクレルを初め、八千ベクレルのセシウムを上回る放射線が含まれる土壌が、東部地域だけでなく、臨海部にも存在することを取り上げ、こうした局所汚染への対応をただしたところ、局長は、測定も除染も必要ないという旨の答弁でした。この答弁は、内部被曝対策を考えてのご答弁なのでしょうか。

○中村環境改善部長 まず、国のガイドラインにおきましては、除染等の判断は空間線量で行うこととされております。
 都は昨年十一月、都内では比較的空間線量が高い区部東部三区の都有施設内におきまして、文部科学省のガイドラインで放射性物質がたまりやすいとしている局所的なポイントを測定しましたが、このガイドラインの目安でございます、地上高さ一メートルの位置で、周辺より毎時一マイクロシーベルト以上高い地点はございませんでした。このため、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要としたものでございます。
 なお、国が行った算定結果によりますと、土の吸入や口からの摂取による影響は、空間線量に比べて極めて小さなものとされております。

○かち委員 国の算定結果ですね、調査結果ではないですね。算定結果では、空間線量に比べて、口や吸入で入る量は、摂取する量は極めて少ないという見解のようですけれども、内部被曝は、空間線量に比べて非常に小さいといわれていますけれども、そもそも、一ミリシーベルトの被曝というのは、一秒間に一万本の放射線が体に吸収されることが一年間続くことなんです。人間のすべての細胞に百個ずつ分子切断をもたらすほどの被曝で、非常に大きな値なんです。とても安全などとはいえません。だから、放射線に安全領域はないというふうにいわれているのではないでしょうか。
 この内部被曝について、専門的に対処する部局はどこなんですか。

○中村環境改善部長 私どもは除染について担当してございます。ですから、環境局が扱う除染に関連するものとしては、先ほど申し上げましたように、土壌そのものを吸入する、あるいは経口摂取するというところが私どもの担当でございます。

○かち委員 要するに、どこも、この食物の内部被曝以外の分野について、きちんと取り組む部署がないというのが今の東京都の実態だというふうに思います。
 局長も、本会議、予特で、放射線の安全性については閾値はないと答弁されています。だからこそ、食品についても、より厳しい規制値が四月から適用されることになったわけです。
 だとすれば、食品や土壌、水、呼吸から入ってくる放射線による内部被曝を全体として考えるべき立場の者として、一定の高い水準の汚染土があった場合、ほとんど安全とか、測定する必要がないとか、除染する必要がないとか、安易にいうべきではないと思いますけれども、いかがでしょうか。

○中村環境改善部長 先ほど申し上げましたように、除染等の判断は、空間線量で行うこととされます。ですから、私どもは、国が示したガイドラインに示された目安に従って判断をしているものでございます。

○かち委員 空間線量ではかるんだ、はかるんだというお答えですけれども、一メートルで一マイクロがなくても、局所では大変高い汚染状況があるということは、環境局自身が調べても明らかですよね。七マイクロシーベルトが雨どいの下で出たということでも明らかです。
 ことし三月に出された局所的汚染箇所への対処ガイドラインでは、一メートル、一マイクロシーベルトというのは一つの目安であって、実際には、局所的汚染箇所の周辺における人の利用状況などを勘案して対処方法を検討することとしています。
 この考え方でいえば、機械的に一メートル、一マイクロシーベルトだけで判断するといわないで、都としても、もっと安全サイドに立った立場で測定を考えるべきだと思いますけれども、いかがですか。

○中村環境改善部長 昨年十月でございますけれども、内閣府、文部科学省及び環境省は、当面の福島県以外の地域における周辺より放射線量の高い箇所への対処方針を策定してございまして、その中で文部科学省ガイドラインは、人、特に子どもの集まる公的スペース等において空間線量を測定する際に参考となるものとされております。
 都は、この文部科学省ガイドラインによりまして、地表から一メートルの高さで、周辺より毎時一マイクロシーベルト以上高い箇所を除染等の目安として考えてございます。
 お話の三月十二日に環境省が公表しました局所的汚染箇所への対処ガイドラインには、局所的汚染箇所につきまして、地表から一メートルの高さで、周辺より毎時一マイクロシーベルト以上高い箇所としておりまして、内閣府、文部科学省、環境省の対処方針で示された内容と変更はございません。

○かち委員 今のご答弁で、昨年十月に内閣府、文部科学省及び環境省で、福島県以外のところでの対処方法ということで、当面、一メートル、一マイクロという数字を出しました。でも、これは、局長も本会議で答弁していただいたと思うんですけれども、除染を早くする順番をつけるための当面の目安なんだ、そのことに科学的根拠があるわけではないということを、その意味をおっしゃったというふうに思うんです。
 であるからして、一メートル、一マイクロ以下はすべて必要ないんだという考え方では、都民の皆さんもそれを納得できる状況ではないというのが今の現状ではないでしょうか。だから、みんなで、自分たちで独自にはかっているという状況があるわけです。
 私たちも、そういうところを、一マイクロはないけれども、周辺より比較的高いところを、土壌にどのぐらいセシウムがあるかということをはかってみたら、二万とか一万二千とか、そういうものが出てきたわけですよ。そういうものを無視してもいいのかということだというふうに思うんです。
 局長は本会議で、二万三千ベクレルという局所汚染と八千ベクレルを比べることはすべきではないという趣旨の答弁をされました。ガイドラインでは、例として八千ベクレル以上を汚染土として定義しています。土壌については、八千ベクレルが一つの基準になっているのではないでしょうか。

○中村環境改善部長 環境省の局所的汚染箇所への対処ガイドラインでございますけれども、文部科学省のガイドラインの基本的な考え方は継承されておりまして、高さ一メーターの位置で、周辺より毎時一マイクロシーベルト以上の局所的汚染箇所が発見された場合に除染などを行うこととされております。
 都内では、事故由来放射性物質によるもので、高さ一メートルの位置で、周辺より毎時一マイクロシーベルト以上の局所的汚染箇所は発見されておらず、このガイドラインにある土壌調査を実施する必要はございません。
 なお、このガイドラインにある土壌調査は、高さ一メーターの位置で、周辺より毎時一マイクロシーベルト以上の局所的汚染箇所であって、大規模な汚染または空間線量が著しく高い場合や、汚染原因が不明である場合などの際、汚染原因、汚染範囲や汚染土壌量を推定するために行うものでございます。
 ご指摘の数値は、あくまでこのようなケースにおいて例示された数値でございます。

○かち委員 一メートル、一マイクロ以上のところで、そういう高いものがあるということを探すためのものなんだというふうに先ほどからおっしゃっているわけですけれども、でも、そのことは、局所にどれだけ高いものがあるかということとの関連性というのはないんですよね。科学的な根拠というのはないんですよ。
 唯一あるのは、年間一ミリシーベルト以下にすると。それは、空間線量で毎時〇・二三なんだと。それ以下の場合は除染をしなくてもいいけれども、それ以上はやるんだというふうなことを国もガイドラインでいっているではありませんか。
 そういう意味からすると、この一メートル、一マイクロの科学的な根拠もないのに、やる必要がありませんというのは、余りにも乱暴だというふうに思うんですけど、いかがですか。

○大野環境局長 何回も私の答弁を引用していただいていますので、私からご答弁申し上げますけれども、この放射能の問題というのは、福島原発の事故があって初めて、多くの住民に影響がある問題としてクローズアップされたわけです。それまでは、この放射能の問題というのは、病院の中のそういう検査施設であるとか、ごく限られたところでありました。ですから、三・一一であの事故が起きて大気中に放出されて、しかも、みんなが初めての事態ですから、これは多くの都民の皆さんが、特に小さなお子さんを持つお母さんたちが非常に心配したのは当然だと思います。
 また、我々自治体も、今までに扱ったことのない事態ですから、どういうふうに対処するか、非常にいろいろ検討しながら、苦労しながらやってまいりました。それから一年たちまして、今大事なことは、冷静に考えて客観的にとらえて、これを長期的、継続的に対処していくことだと思っております。
 共産党の先生方から何回かご質問をいただいているんですが、ぜひご理解願いたいのは、この汚染への対処の仕方というのが、面的に広がっている場合と、そうでない場合とは全く違うということです。
 面的に広がっているというのは、これは国の基準でいえば、当該の行政単位ぐらいの広さで、かなりの広さでの汚染があると。したがって、その中で働いている場合、あるいは学校に行っている場合、あるいは家にいる場合、どこに行っても汚染から逃れられない、こういうふうな汚染がある場合には、ここはかなり厳密に対処していかなきゃいけない。これが面的な汚染といわれるものです。
 その基準が一年に一ミリシーベルト、一時間でいえば〇・二三マイクロシーベルトというわけです。これが東京にあるかないかどうかというのを調べたところ、これはないんです、幸いなことに。なかったわけです。
 それで、東京にあるのは、ごく限定的な汚染です。ですから、ここのところの基準を、ごく局所の基準というのは、〇・二三だから除染しなきゃならないとか、そういうふうになっていないんです。
 まず、面的に汚染がないということを前提にして、では、その中で局所的に高いポイント、差があるのはどこかというときに--先ほどから、かち委員は、一メーターで一マイクロとおっしゃっていますが、それは違いまして、周辺より一マイクロ高い場合ということなんですよ。これは相対比較なんです。そこが違うんです。
 ですから、あくまでも、全体的には高い汚染はなくて、面的な対応をする必要はないということが前提なんです。そのことをぜひご理解願いたい。ですから、共産党がいろいろな調査をされている、発表されておりますが、ぜひその辺の混同がないような発表をしていただければというふうに思っております。

○かち委員 今のご答弁を聞いていると、東京は毎時〇・二三以下のところなんだ、年間一ミリシーベルト以下なんだということだから、何も心配することはないんだということになるわけですよね。
 周辺よりも一マイクロシーベルト高いというようなところは、探してもそんなにないと思いますよ、一メートルで。だけど、局所には相当高いレベルのものがあるんです。雨どいの下とか、落ち葉とか、側溝だとかというのは、皆さんも調べて知っています。だから、そういうものをちゃんと除染するなり、除去するなりということは必要なことであって、それを周辺の近県もやっているし、政令市もやっているし、都内の自治体もやっているわけですよ。
 だって、さっきの閾値はないんだ、放射線になるべく触れることを少なくするためにあった方がいいんだ、少なくする努力をした方がいいんだというふうな見識は一致していると思うんですよね。
 であれば、そういう高いものを--私たちもずっといっているのは、局所的に高いもの。水元ではかった二万三千ベクレルだって、それを量としてはかれば、一・六キロのものになるんですよ。それがそこにある。臨海にもある。そういうものをこうやって置いておいても、それは空間線量に一致しないから、それは必要ないんだ、そういうふうにおっしゃるんですか。

○中村環境改善部長 先ほど局長からご答弁を申し上げましたように、面的汚染につきましては、空間線量が関東地方の中でも非常に低い水準にあるということと、国による汚染状況重点調査地域に指定された地域は都内にはございません。ですから、こういう面的状況を踏まえた上で、局所的状況を考える必要があるというふうに私どもはとらえております。
 それで、都有施設内でそういう局所的なポイントを調べたところ、国のガイドラインの目安を上回るところはなかったということと、もう一つは、そういう局所的場所は、距離が離れれば急激に放射線量が減衰するということも確認してございます。また、そういう場所は、人が長くとどまるところではないということで、空間線量についても、影響は非常に少ないというふうにとらえてございます。
 ですから、これ以上の調査等は必要ないという判断をしたものでございます。

○かち委員 内部被曝というのは、そこにずっと何時間もいて浴びるものではなくて、水や空気のように、すっと口の中に入ってしまう、それが体内の細胞に吸着して、長時間かけていろいろな問題が出てくるということを先ほどから私もいっているんですけど、ご理解いただけていないようです。
 知事もいったように、長期にわたる低線量被曝をこれだけの人口密集地で経験するのは初めてだ、だから、都民は大きな不安を抱え、とりわけ放射線の影響を受けやすい子どもたちの内部被曝を少しでも避けようと必死になっているのだ、それだけに、多くの自治体が、国のガイドラインにとどまらず、独自のより厳しい基準を設け、測定と除染を行っているのだ、これまでの東京都の食品安全行政も、知事も問題にしている遺伝子組みかえ食品など、安全側に立って物をいい、規制しているということだと思います。
 放射線は空中線量だけでは済まないんです。内部被曝を少しでも減らすために、都として総合的な対策を立てるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○大野環境局長 先ほど申し上げましたように、この問題は、本当に我々が初めて直面する問題ですから、例えばベクレルとかシーベルトという言葉も、皆さん、知らなかった人が当然多いと思います。低線量被曝という言葉も、じゃ、低線量被曝というのは一体何なんだということが必ずしも明確になっていないわけですね。
 今、世界的に合意されている水準として、これ以上ならば必ずその影響があるとわかっているのは、一年間に百ミリシーベルト以上なんですよ。これより下というのは、影響がないかあるかわからない領域です。それ以下を低線量被曝というふうにいっているわけですね、低線量といっているわけです。
 わからないから、一応は、ある可能性があるので、直線的にその影響はあると考えて対策を置こうということから考えたんです。百ミリよりははるかに低いけれども、一ミリシーベルト以下は安全とみなそうと、これが今の社会的合意なわけです。それで対策を打ってきているわけです。
 したがって、私が申し上げたように、面的な汚染がある場合には、一日どこで暮らしていても一ミリを超えてしまう場合があるから、そこは除染しよう、対策しようと、こうなったわけです。でも、東京はそれがないんです。ないから、したがって、そういう対策をする必要はないし、局所的な汚染についても、我々がはかったように、都内の中では比較的高いといわれている--関東地方の中では高くないんですよ。高くないというか、都内の中で比較的高い区部三件について、しかも、国のガイドラインによって、その中でもここが集まりやすいというふうにピンポイントされた、その場所をまずはかったわけです。はかったときに、ごく局所にありましたけれども、六十センチまで離れれば、二十分の一ぐらいになってしまう、その程度のものなんです。
 ですから、発がん物質というのは閾値がないものが多くて、例えば魚の焼け焦げなどもあります。だから、焼け焦げを食べろ、食べろという人はもちろんいないと思いますが、だからといって、焼き魚を食べるなという人はいないわけです。そういう意味で、ごく常識的に、冷静な範囲で対応すればいいということであって、特段の対応は必要ないと、こういうふうに申し上げているわけです。

○かち委員 その百ミリ、文部科学省の副読本にも書いてありましたけれども、一度に百ミリ以下、あるいは一年に百ミリ以下の場合は科学的な根拠はないというふうなことをいわれていますけれども、しかし、ないけれども、あるかもしれないという状況はあるわけですよね。そういうのというのは、今まで実験したことも何もないわけですから、わからない。でも、いろいろな科学者の方々は、チェルノブイリの疫学的検査をしながら、調査をしながら、こういう状況があるということを警告しているわけですよ。そういうものを全然無視していいということにはならないと思うんです。行政であるならば、そのことも考慮して対処すべきだというふうに思います。
 我が党は、障害防止法でいえば、二万三千ベクレルは、一・六キログラムの土があるだけで、放射線区域の外に出してはいけないものだと指摘しました。これに対してまともな答弁はなかったんですが、改めてお聞きしますが、こういう汚染された土が風で飛び、付近で遊んでいる子どもたちが吸い込んだり、あるいは遊んで口の中に入れてしまったりする、そういうことがあっても構わない、そのようにいうのでしょうか。イエスかノーかで答えてください。

○中村環境改善部長 まず、放射線障害防止法でございますけれども、この法律は、放射線を取り扱う施設の安全設計なり、適切な取り扱いを定めるなど、これらの施設の事故を未然に防止するための法律でございまして、環境汚染等の防止や対策に関する規定がないことから、今回の事故で生じた現象にこれを当てはめて判断することは適切ではございません。
 今回の事故後の状況に対応するために、放射性物質汚染対処特別措置法が制定されておりまして、この法律や国によるガイドラインに従うことが適切でございまして、これらでは、除染等が必要かは空間線量で判断するということでございます。
 先ほどご答弁しましたように、国の算定結果によりますれば、土の吸入や口からの摂取などの全体に対する割合は非常に少ないと推計されておりまして、空間線量の影響が大半を占めるとされてございます。
 また、局所的汚染箇所につきましては、先ほど申し上げましたように、滞在時間が短く、距離減衰も見込めることから、面的な汚染に比べまして空間線量の影響も少なくなっておりまして、そのようなことから、都内では特段対応の必要はないと考えております。

○かち委員 お聞きしても、先ほど、放射線障害防止法に基づくもので、管理されている場所から出してはいけない量のものなんだということを私たちもわかっているわけです。そういうものが、一般の地域の中にあちこちにあるということの方がおかしいんじゃないですか。だから、そこは対処しなさいといっているのに、それはお聞きにならないということなんですね。
 繰り返しになってしまいますので、今までの環境局の答弁を都民の皆さんが聞いたら、がっかりすると思います。本当にあきれました。放射線二万三千ベクレルの土が学校にあっても構わない、それを子どもたちが食べて、吸ったりしても構わない、そういう立場を、何らのてらいもなくおっしゃっているわけです。このような自治体、またこのような環境行政を行う自治体は、他県と比較しても東京都だけだということを申し上げて、質問を終わります。

○上野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時五分休憩

   午後三時二十一分開議

○上野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原田委員 私からは、交通分野における環境対策、特に電気自動車と自転車について、きょうは質問させていただきたいと思います。
 まず、電気自動車ですけれども、昨年の震災の際、ガソリンの供給が隅々までうまくいかなくて、そうした中でも電気自動車は動けたといったようなことで注目を浴びたといったようなこともありました。また、それとは別の分脈で、環境意識の高い方々などにも注目をされてきているといったようなこともありまして、石油系の燃料というんですか、そういうものに直接依存することのない電気自動車に関する関心というものが高まっているわけでございます。
 そうした中、乗用車タイプの車が次々と複数の自動車メーカーから発表されてきておりまして、そのうちの一つは、去年のカー・オブ・ザ・イヤーも受賞したというような状況まできているようでございます。
 そうしたことを考えあわせても、この供給がいよいよ始まってきたということ、そしてまた、この震災後の状況の変化をとらえて、まさにこういったタイミングだからこそ取り組んでいかなくてはならないといったようなことから、電気自動車に関しての取り組みも、機を逃さずに進めていかなくてはならないのではないかなと感じる次第でございます。
 そこでお伺いしたいと思いますけれども、まず、東京都は、電気自動車の普及のために、自動車の購入の部分、あわせて急速充電器の設置に対する補助を行ってきたということでございますけれども、平成二十三年度の実績と来年度の予算規模についてお伺いいたします。

○高橋自動車公害対策部長 都では、次世代自動車の普及促進のため、電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車の補助事業を実施しておりまして、平成二十三年度の申請受け付けは本年二月十日に締め切ったところですが、この間の実績は、電気自動車で百五十七台、プラグインハイブリッド自動車が百二十九台でございました。また、急速充電器の設置補助実績は八基でございました。
 電気自動車の補助実績は、東日本大震災の影響も考えられますが、いっとき低調でございましたが、昨年秋ごろから急速に補助実績が伸びております。また、長い距離が走行可能なプラグインハイブリッド自動車は、本年一月の発売以降、短期間にもかかわらず、多くの補助申請がございました。
 また、平成二十四年度予算案でございますけれども、電気自動車が二百五十台分、プラグインハイブリッド自動車が三百二十台分、合計の予算規模は一億八千五百万円でございます。

○原田委員 ありがとうございます。一定の広がりというものが、今まさに始まりつつあるといったような状況なのではないかなと思う次第でございます。
 平成二十四年度予算案の方で、電気自動車、そしてプラグインハイブリッド自動車そのものに対する補助は一億八千五百万円ということで、また来年度もやっていただくということでございますけれども、急速充電器に関しては、ひとまずのところ、昨年度といいますか、現在の年度、今年度までのプログラムというようなことでございます。やはり都市の環境を整備する、インフラをきちっと整備するというようなところが自治体の大きな役割でございましょうし、昨年度の実績でも八台というようなことでございますから、急速充電器の普及というものも、本当にまだまだやっていかなきゃいけないんじゃないかな、やれる余地はあるんじゃないかなと感じている次第でございます。
 特に、普及が始まってきたというふうに私も申し上げましたけれども、まち中で電気自動車を見る機会というのはまだまだまれでございまして、たまには見かけるようになったわけでございますけれども、しょっちゅう目にするな、実際に広まってきているなというのを実感するところにはなかなか至っていないわけでございます。
 やはり自治体が行う初期の立ち上げに関する部分というのは、多くの方々が実際に、車でいえば目にするようになる、自分もそろそろ買ってもいいのかなと思えるようになってくるといった、この一番最初の部分についてやるというようなことでございましょうから、いかに人の目につくようにするか、いかに電気自動車も走っているんだな、自分も買っても大丈夫だなと思ってもらえるようにするかといったことが大切になってくるんじゃないかなと思う次第でございます。
 そうしたことを考えると、これまでは、いわゆる駐車場に急速充電器を設置するということで補助していただいたんだと思うんですけれども、目につくところといったら、やはり奥まった駐車場というよりは道路上なわけですよね。そこで、目立ちやすい道路上で駐車空間ということになりますと、パーキングメーターというものがあります。もちろん時間限定でありますけれども、だからこそ、通常の充電器よりも急速充電器といったものも、また組み合わせるということが考えられるかと思うんですけれども、そのパーキングメーターなどのところに急速充電器がある、そこに電気自動車があるというようなことになれば、もっともっとまち中でも電気自動車を実際に目にする機会というのもふえるんじゃないかなと思うわけでございます。
 道路上の設置ということになりますと、民間ではなかなか独自で取り組むことができないということになってまいりますので、東京都がこうした部分についても取り組みを行っていくべきではないかと思うのでございますけれども、見解をお伺いいたします。

○高橋自動車公害対策部長 走行中にCO2を排出しない電気自動車の普及は、気候変動対策の一環として位置づけられておりまして、その走行を支えるインフラであります急速充電器の設置について、都は、平成二十一年度から二十三年度までの三年間に合計二十一基の設置補助を行いました。
 現在導入が進んでいる急速充電器は、一部の例では実験的に無人駐車場に設置されているものの、故障対応や保安、保守、そういった必要がありまして、有人管理下でこれらのチェックをしながら利用に供しているのが実態でございます。
 したがいまして、仮に道路へ急速充電器を設置するとしましても、パーキングメーターのように、メンテナンスフリーとなる技術開発が前提となります。
 今後そのような技術開発の動向を見定めるとともに、家庭におきます普通充電関連機器の普及状況もあわせ、必要性を含めて検討すべき課題と認識しております。

○原田委員 実際に我々も、皆さんも、家に帰ると携帯を充電するといったようなことは、もう日常の作業になっているかと思います。電気自動車に関しても、ちょっと装置の規模は違いますけれども、同じようにプラグを差し込んで充電するというようなことでございましょうから、そういった意味においては、比較的、装置そのものはだれでもなじめる機械なんじゃないかなと思うわけでございまして、あとは耐久性ですとか、あるいは安全性ですとか、そういったものは当然検討していかなければならないわけでございます。
 やはり路上での実用に足るものということになりますと、その技術開発がされてくるまで待つというようなことはなかなか難しいのかなと思うのと同時に、逆に、本当にそこで使っていくんだというようなことであれば、そういった技術開発も進んでくる、また実際に設置してみる中で、実証実験といいましょうか、どこをどう頑丈にしていけばいいのか、どこの安全性をより上げていけばいいのかといったようなこともわかってくるのではないかなと思う次第でございます。
 例えば、これは自転車の話ですけれども、パリのベリブというレンタサイクルといいましょうか、自転車シェアといいましょうか、そういった仕組みがありますけれども、あの自転車も、最初は一般的な自転車と変わらない自転車を導入して始まったわけでございますけれども、やはり不特定多数の方が使用されるということで、自転車そのものも壊れたりするわけですよね。そのたびに補修をしていくわけでございますけれども、実際にその事業を進めながら、どこが壊れやすいのか、どういった補強をしていけば自転車シェアリングとしてふさわしい自転車になっていくのかということで、やりながら進展をさせていった、ベリブ専用の自転車をつくり上げていったというようなこともございます。
 そういったこともありますので、タイミング的には本当に今の時期こそ、いろいろな新しい取り組みにチャレンジしていくといったことに対する都民の受けとめも、比較的しっかりと受けとめていただける、そういう時期でありましょうから、ぜひ積極的な取り組みをご検討いただければなと思う次第でございます。
 EVに関しては、今回はこのぐらいですけど、今、自転車のお話をさせていただきました。この自転車なんですけれども、自転車も、当然環境に負荷の少ない乗り物ということで、この自転車道あるいは自転車走行空間の整備というものも、東京の中での交通体系をいかに環境にいいものにしていくかといったことを考えたときに、非常に重要な部分でございます。
 昨年発表されました「二〇二〇年の東京」の実行プログラムの中でも、この自転車走行空間の拡充ということが取り上げられておりまして、三年後の目標として、この三年間で十三路線、三十七キロメートルを新規整備すると。区部では浅草通りや白山通り、そして、多摩地域では東八道路、川崎街道といったことで、区部ではトータルで九十九・四キロメートル、多摩ではトータルで五十三・九キロメートルといった整備目標が掲げられているわけでございます。
 こうした自転車走行空間の整備でございますけれども、東京においては、既存の道路において、既存の車線数を減らさないで何とか、自転車側からすれば潜り込めるような空間を見つけて、そこに整備していくというようなことでございますけれども、外国の事例を見ますと、中心市街地において二車線の車の道路があった、そのうち一車線をつぶして、車よりも自転車の方が必要とする面積は狭いですから、一方通行の車の路線と、つぶした一車線分に二レーンの自転車レーンをつくるといったような、ドラスチックなまちの改革といいましょうか、そういったまちづくりも行われているわけでございます。
 また、当然、電車が駅がなければ意味がないのと同じように、車にも駐車場が必要ですし、自転車にも駐輪場が必要ということで、駐輪場の整備などもしっかりと行われているというような事例があるわけでございます。
 こういったハード部分につきましては、都市計画あるいは実際に建設をしていく部門で、全体の検討をしながら進めていくということにもなってくるんだとは思いますけれども、環境対策という点で重要な自転車を、しっかりと環境面からも位置づける、これまでどおりCO2削減といったこともしっかりやっていくという中で、重要な手段として普及させていくといったような主張を続けていくということも非常に大事なことではないかなと思うわけでございます。
 まさに自転車をいかに位置づけて、いかに進めていくかというソフト政策の部分で、環境局はどのように取り組んでいかれようとしているのか、お伺いしたいと思います。

○高橋自動車公害対策部長 地球温暖化対策を進めていくためには、自動車に過度に依存しない交通行動への転換と定着が必要でございます。
 自転車は、環境負荷の少ない端末交通として、自動車からの転換が可能となる交通手段の一つでございます。自転車の普及には、自転車道の整備などハード施策に加え、利用を促進するソフト施策の展開が重要でございます。
 こうした観点から、これまでも、自転車利用を促進する環境交通キャンペーンの実施や、ホームページなどで先進的な自転車施策に関する情報発信を行うとともに、地域の特性に応じて自転車施策を推進できるよう、区市町村間での情報共有を促進するなど、技術的支援も実施してきております。
 加えて、安全対策との両立が不可欠なことから、環境交通キャンペーン実施時に自転車安全教室をあわせて開催するなど、関係局とも連携を図ってまいりました。
 今後とも、自転車を取り巻くさまざまな主体と連携を強化しまして、環境負荷の少ない自転車の普及に取り組んでまいります。

○原田委員 ぜひそうした取り組みをこれからも続けていただければと思います。
 この「二〇二〇年の東京」の中でも、自転車のところで、都内の交通分担率の表を第五回東京都市圏パーソントリップ調査の調査結果をもとに載せていただいておりますけれども、都内全部で交通分担率を見てみますと、自動車一四%に対して自転車一六%、自転車が上回っております。また徒歩も二三%ということでございます。特に区部に限って見ますと、自動車一一%に対して自転車は一四%、また徒歩も二三%ということでございまして、実際に交通分担率を見てみますと、いかに自転車が使われているかということもよくわかるわけでございます。
 また、私の地元の北区の赤羽駅の周辺なども放置自転車の数が多いところということで、ランキングをとると、いつも上の方に出てくるわけでございますけれども、逆にいえば、それだけ自転車を利用される方がある、自転車を利用することによるメリットがあるというようなことで、民間企業的な発想でいえば、そこに需要があってビジネスチャンスがあるというようなことでございますから、あとは自転車をいかにきちっと交通手段として位置づけることができるかといったところが、やはり今後の普及政策の一番のキーになってくるのではないかなと思う次第でございます。
 そういう意味で、これまでの枠内での取り組みにとどまらず、しっかりとこういった現状を踏まえながら、本当の意味で環境にいい交通体系をつくっていくといった取り組みにぜひ期待したいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○こいそ委員 それでは、何点か質問させていただきます。
 廃棄物の対策についてでありますが、先ほど局長からお話がありましたけれども、東京都廃棄物処理計画の柱の一つである静脈ビジネスの発展の促進という観点からお聞きしたいと思いますが、廃棄物が適正に処理されるためには、その処理を担っている処理業者が優良に育って静脈ビジネスが発展することが必要であるということでありますけれども、環境局は、それらのことを踏まえながら、第三者評価制度を設けましたね。この第三者評価制度の中で二段階あって、エキスパートとプロフェッショナルがあります。この中で、かねてから、実際的には一万三千の許可業者の中で、全体の底上げをかけていかなきゃいけないということであるわけでありますけれども、極めてこれが、多くの中小、零細、現下も含めた経営環境が著しく厳しい。
 こういう中において、当初であればエキスパートが十八万円、プロフェッショナルが十四万だったですかね、少し一部改定をしていこうという動きがありますが、それにおいてもエキスパートは十四、五万ではないかと思います。それとともに、膨大な審査資料を作成していかなきゃいけない。これはやはり、中小、小零細、この中において、実際上、これは私も、直接、間接的にいろいろな方からも聞かせてもらいましたが、極めて厳しいと。いわゆる支出的にもそうであります。この時間だとか、人的な対応だとか、こういうものは極めて厳しいというようなことも聞いております。
 その中で、当初は二年、それから、さまざまな議論の中で三年ということはありますが、しかし、少なくとも産業廃棄物の許可期間というのは五年だと。例えば車検だって、今、三年ということの中で、なぜこういう当初は二年だったのか、何で小刻みになっているのか。法的に全国一律の五年というのがあるわけであって、そういうことを踏まえて--第一次に取得許可、取得されたところはもう二年後になるわけですから、これはまた同じふうにやっていかなきゃいけない。負担もかかる。
 こういうあたりで、実際、第三者評価制度をどのような基本的な考えのもとで設置したのか。これをお願いします。

○木村廃棄物対策部長 産業廃棄物処理業者の第三者評価制度は、平成二十一年十月に都が全国で初めて創設したものでございまして、産業廃棄物処理業者の任意の申請に基づき、適正処理、資源化、環境に与える負荷の少ない取り組みを行っている優良な業者を、第三者評価機関として都が指定しました財団法人東京都環境整備公社が評価、認定する制度でございます。
 制度のねらいといたしましては、排出事業者に信頼できる処理業者情報を提供する、あるいは優良な処理業者の育成と適正処理の推進を図る、これによりまして健全な産業廃棄物処理、リサイクルビジネスの発展を目指すということがねらいでございます。各社の遵法性、経営の安定性、環境配慮の先進性などを評価しております。

○こいそ委員 私は、この第三者評価制度そのものは、やはりやるべきだと思うし、当然にしてこれはあるべきだと思うんですね。しかし、さりとて、現実的な対応というものがそこにあるべきじゃないかと思うんですよ。
 というのは、もうこれで二年目ですね。相当の努力をして取得した、実際これからという中で、もう準備期間も含めて、それから、そこに当たる人材というか、人員ですね、割り振らなきゃいけない。それから、更新で、二年でまた十八万円取られて、またここで二年後に取るということ、これは少なからざるも、どこでそういう業者間の話を聞いているのか。実際、もっともっとさまざまな経営環境があるはずですよ。そういうところの生の声というのは、どこで聞いているのか。
 それは確かに、ピラミッドの頂点の一角を形成しているところは、それなりに対応できるところはあるでしょう、当然にして。だけど、そういうところばかりの話を聞いておいて、実際上の、三角形の段々とする一番多いところ、この中の話というのは、私はいかにしても生きていないような気がしてしようがないんですよ、このあたりでも。
 ですから、いずれにしても、この制度は制度としながらも、実効ある優良な--優良で適正なということは、まずそうだと思います。そのとおりだと思う。だけど、そういう趣旨にのっとって、よりみんながチャレンジする、例えば、先ほどいったように二段階方式があるわけだから、プロフェッショナルをまずとってくるとか、いわゆる段階的に上がっていくんでしょうけれども、しかし、それにつけても、やはり現実は現実。実際、これ、話を聞いてみて、みんなぴんと来ている人かどうかわからないけども、実際的な趣旨、思いというのは、やっぱり伝わらなきゃいけないと思うんですね。
 そういう中で、何だ、これだけ金集めをしなきゃいけないのか、何だ、天下りのまたポジションをつくったのかと。そんなころころ金を取って、多くの人たちはそう思うよ、はっきりいって、正直な話。そうじゃないんだということを、もっと説得性を出すべきじゃないの。
 その中で、事業者の規範となるべき東京都、市区町村の廃棄物処理委託契約等においても、認定業者の活用はいまだ、当然十分じゃありませんよね、スタートして、まだわずか二年ぐらいだから。
 しかし、さりとて、やっぱりこのあたりをもう一段、せめて東京都ですよ、それから監理団体だな、これははっきりいって。監理団体なんか、もう、あっち向いてほいだ、知りやしない、そんなの。何をどうやって浸透していくかといったら、まず隗より始めよで東京都でしょう、だって。それから、次は監理団体じゃないの、まずは。そういうところの浸透性というかな、徹底性というか、こういうものは、やっぱりしっかりやるべきじゃないかと思いますが、どうでしょうかね。
 それと、例えば、これは前にもいったけれども、出口論なんですね、出口論。元請が東京都の仕事をとった、下請だ、孫請だと、これは局が違う議論でもやったけれども、六割を割って、まともな--尋常じゃないですよ、そんなのは。いわゆる通常総額的な予算の中で六割も割った。その中で下請がいて、孫請、もっといるのかな、そういうのなんか、どうやってもらえるの。これ、最後の出口でしょう。
 あるとき、ハード部門の中で、八王子の人がいるかどうかあれだけども、多摩地域の方で不法投棄が絶えなかったんだよ、絶えない。特に工事用の、残土も含めて。本来、絶対あっちゃいけないよ。コンプライアンスでこれは守らなきゃいけないけれども、しかし低廉な、低廉以下の非常識な中で出されたもの、最終的な。そういうことが現実にあったんだよ、あっちゃいけないけど。これを発注しているのは東京都だよ。都の発注ですよ、これははっきりいって。
 じゃあ、もうちょっといわせていただくならば、外郭団体も、つい最近の話だよ。通常、清掃工場とか、いろいろ処理工場へ持っていくでしょう、処理施設に。焼却費が出ない。焼却費が出ないということは、ほかは何も出ないんだよ、はっきりいって。焼却しても、だって出したらマイナスなんだから。これを出しているんだよ、東京都の外郭団体は。
 こういう実態論というのは、まだまだ数限りません、はっきりいって。隗より始めよ、まず、東京都及び監理団体にも適正な処理、それから、優良な処理業者の育成という観点から見たとしても、ぜひこのあたりもしっかりと周知徹底する必要性があるんじゃないかと思えてなりません。
 ですから、ぜひ、そのような都の取り組みを今後どのように行っていくのかを含めて教えてください。

○木村廃棄物対策部長 昨年四月に施行されました改正廃棄物処理法では、排出事業者に産業廃棄物の処理状況を確認する努力義務が設けられております。都の第三者評価制度は、現場調査を行うことも特徴といたしました制度でありまして、現場調査によりまして、排出事業者にかわって処理状況を確認し、排出事業者に安心を与える制度として普及を図ってございます。
 排出事業者からの信頼性を担保しつつ、処理業者の負担軽減の双方を考慮しながら、認定基準について適宜改定を行う必要があると考えております。関係事業者の意見を聞きながら、見直しの検討を行ってまいります。
 また、都の各部署の廃棄物処理契約担当者に対しまして、今年度から、都が発注いたします廃棄物処理委託契約の適正化に向けた講習会や個別指導を実施いたしました。その中で、廃棄物処理法に基づく契約方法等を説明するとともに、この第三者評価の認定業者を積極的に活用していくことが有効であるということも周知をいたしました。
 また、都が発注します廃棄物処理契約の中で、低廉な価格で落札した業者がいる場合は、その価格で適正な処理ができるかどうか、環境局と契約部署と共同で処理業者に立入調査を行うこととしております。
 また、外郭団体等に対しましても、契約や処理の適正化に向けて話をしてまいります。

○こいそ委員 低廉なというか、非常識というか、通常じゃ考えられないことが起きているのよ、これ。そのことを私はいっているの。やっぱり常識の線というのはあるんじゃないかと。処理料も払えないような出し方をやっているんだよ。そんなのは低廉じゃないよ、はっきりいって、非常識だよ、こんなの。そういうことで、ぜひ指導していただきたい。
 それから、ちょっとさっきのに戻りますけれども、二年から三年という検討がある。だけども、実際上、先行して取得したところは、もう二年だよ。だから、少なくとも基本的な、今、部長がいわれたような趣旨のもとで第三者評価制度というのをつくり上げてスタートしたわけであるならば、やはりそういうような--何というか、反対に体力を消耗させちゃって、これは望むところじゃないでしょう、だって。であるならば、私は適宜適切な見直しがあってしかるべきだと思う、はっきりいって。このあたりをぜひ検討してください。
 それと、いわゆる産業廃棄物処理業者は、これはいうまでもありませんが、約一万三千社である。主たる業務が産業廃棄物処理業である者に絞っても二千五百社もあるわけですね。健全な静脈ビジネスの発展のためには、既に第三者評価の認定を取得した二百五十業者のみならず、処理業者全体の底上げがやはり必要だと思います。
 先ほど冒頭申し上げたように、都は昨年六月に東京都廃棄物処理計画を策定して、その大きな柱の一つとして静脈ビジネスの発展の促進を掲げましたよね、何回もいって申しわけないけども。大きな柱の一本なんだ、静脈ビジネスの発展というのは。そうでしょう、あなたたちがつくったんだから。
 そういう中で、今までも何かやってきたようでありますけれども、平成二十四年度予算案では、今年度も同額の五百万の予算が計上されているということでありますが、仄聞で大変恐縮でありますけれども、これはセミナーですよね。二回、一回のセミナーを五回やったということですね。これはやることはいいと思いますよ。それはやった方がいいと思う。だけども、これが少なくとも、いわゆる東京都の産業廃棄物処理計画策定の大きな柱の中における頭出しの予算なんだ、これははっきりいって。五百万。五百万が高いか安いかといったら、それはいろいろな議論があるかもしれないけれども、ほとんどこれはセミナーだよね。
 そういう中で、私は、静脈ビジネスを発展させようと柱の一つに据え置いているんだから、少なくとも、やはりいろんな専門的立場の知見、処理業界も、ただ通り一辺倒じゃなくて、いろいろな状況の中の聞き取りをする、話を聞く、発展の促進に合わせた総合的な計画をしっかり策定しなきゃしようがないんじゃないですか。柱だ、柱だといっているんだから。具体的な施策を着実に早期に、もう実行に移すべきだと思う。
 セミナーはいいんだよ、セミナーは。だけど具体性がないんだよ。着実に具体的にどうしていくんだというあれがないんだよ、はっきりいって。これをつくらなくて何をやるんですか。
 やっています、やっています、やっています、セミナーだけじゃないですよ、通信費も出していますよと。それは出すでしょう、通信費。それはわかるよ。それは予算がそこに入っているのでわかりますよ。だけど、基本的なところはそうじゃないんじゃないですかということなんです。それが見えない、はっきりいって。今年度の二十四年度予算でも。
 それから、都は今後、産業廃棄物業者の底上げ、事業者の底上げのためにどのような取り組みを行っていくのか伺いたい。

○木村廃棄物対策部長 今年度、都は、主たる業務が産業廃棄物処理業である者を主なターゲットといたしまして、処理業者のレベルアップや人材育成を図るための講習会を連続して十一回開催いたしました。二百六十二社、五百四十六名の参加がございました。毎回満員になるなど、好評であったと思っております。
 来年度につきましては、本年度参加できなかった者を優先に、廃棄物処理法の規定のみならず、経営の安定化、法令遵守のための仕組みづくり、それから、社会的貢献のあり方等に関する内容を含むセミナーを開催いたしまして、静脈ビジネス、循環ビジネスを促進してまいります。
 また、今後、処理業者や専門家の意見も踏まえながら、産業廃棄物処理業者の業態や事業規模に応じた総合的な支援策を検討し、実施してまいります。

○こいそ委員 ぜひ総合的な、いわゆる見て聞いて、そして、それに対してしっかりとした具体計画の策定をお願いしたいなと思います。その中でも、底上げをひとつということであります。
 次に移りますが、災害廃棄物の受け入れについてであります。
 東京都がまさに全国に先駆けて、全国の先頭に立って広域処理を行ったということは、はっきりいって、都民としても、これはもう、やはり大評価ですよ。やっぱり首都東京が、困っているときに、困っている人にどのように対応するかということ--せんだって、私も仙台に行ってきました。ちょうど三・一一の直前でありましたけれども、一周年ということの。会議と大会があって行ってきました。各県代表がそれぞれ話をして、その中で、やはりどうしても出て来るのは瓦れきだね。復興庁も来ていました、衆参国会議員もみんな来ていたけれども、観念的な話なんだね。そんな中で、東京がこうやって具体的に災害廃棄物を受け入れたことに対する評価というのは、それは大きいですよ。
 ですから、それはそれで、皆さんのご努力がそうなってきていたわけだけれども、災害廃棄物の受け入れについての、まず成果を伺いたいと思います。

○木村廃棄物対策部長 都では、全国に先駆け、昨年十一月から、岩手県宮古市の混合廃棄物を民間処理業者で受け入れております。これまで約五千トンを処理し、四月から六月までは、さらに一万二千トンを受け入れます。また、宮城県女川町から木くずなどの受け入れを本格的に始めており、二十四年度末までに十万トンを都内清掃工場で焼却することとしております。
 都の取り組みによりまして、全国でも受け入れを開始した自治体や受け入れを表明する自治体もあらわれております。
 また、広域処理に関する都から国への提言により、国もようやく、法に基づき、全国の自治体に対し災害廃棄物の受け入れを要請し、広域処理も広がりを見せております。

○こいそ委員 大変結構なことだと思います。広域処理の広がりというのは大変結構なことだと思います。その中で、今、お話で、五千トンを処理というお話がありましたね。当初、約五万トンぐらいではなかったかと思うんですが、ちょっと違ったかな、数字上は。いずれにしても、ちょっとこれは少ないような感じがしますね、五千トンというのは。ご努力されていて、大変申しわけない。
 私は、その一要因というのが、輸送にあるんじゃないかと思うところがあるんですよ。すなわち、いろいろな選択肢の中で、海上もあった、それから貨物もあった。さまざまな形態で総合的に、やはり迅速にスピード感を持ってという話があったんじゃないかと思うんですね。ところが、今現在は、いわゆる災害廃棄物はJRの貨物一本。
 それから、もう一点いわせていただくならば、さっきの関連でちょっといわせていただくならば、貨物ターミナルまで運ばれたコンテナは、今後、都内の清掃工場、民間処理施設に運ばれるということでありますが、要するに、かかわりとして、当初は、静脈物流もここで、全体のみんなの力でやっていくんだという方向性があったように聞いているんですが、しかし、現実としては、当初目標よりかはやはり、私はこの輸送手段なのか、どういう要因関係なのか、ちょっとわかりませんけれども、その後において、JR貨物で持ってくる、そして、その中でJR貨物の関係社、JR貨物のそれこそ指定を受けている関係業者です、運輸業者、こういうことのようであります。
 しかし、私は、ぜひいろいろな形の中で、いろいろな輸送体制をとり、処理体制をとって、東京が、受け入れるべき、そしてしっかり対応すべき処理量というものを迅速にやるべきだと思います。一ルートだけで--申しわけないけれども、輸送的に少し異論があるんじゃないの。どうなんでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 都では、被災地からの運搬方法につきまして、処理業者を含む関係業者からヒアリングを重ねながら、船舶や鉄道貨物、トラックなどさまざまな方法を考えてまいりました。
 輸送方法の決定に当たりましては、安全性、効率性、即応性などを比較しております。鉄道コンテナ輸送は、被災地での積み込み後、都内受け入れ施設まで密閉した状態で運搬し、安全性が確保でき、定時運行率も高く、効率的な運送が可能でございます。また、既存の貨物ターミナル基地を直ちに使用できることから即応性もございました。
 これらの災害廃棄物の輸送手段や輸送費用につきましては、その費用を負担する被災地や国と協議をしながら決めております。
 今後とも、さまざまな状況を勘案し、複数の輸送手段の中から適切な輸送方法を選択してまいります。

○こいそ委員 大変ご努力している中でこういう質問もどうかと思ったんですが、いずれにしても、さらなる輸送力、これを当然高める必要があるということは共通認識だと思うんですね。その中で、いろいろな選択肢というものはあってしかるべきだ、総合力をやっぱりもっていくべきだと。公的な、そしてまた民の総合力、それから、静脈的な、専門的な立場、こういうのをかみ合わせて、私はやはり多くの復興を願っている。復興するには、どうしたって瓦れきを処理しなきゃだめだよね。何といったってそこなんだよ。そういう瓦れきを東京都は一生懸命やっているわけだから、これは確かに感謝はしていますよ。
 だけど、それをさらなる復興につなげるためのスピード感とさまざまな、これ、今ありましたね、安全性、効率性、即応性という観点、これは基本だと思います、はっきりいって。こういうことを踏まえながら、総合力をもって、東京はやっぱりやるなというようなことを示す必要性もあるんじゃないかと思うんですね。このあたりをぜひご検討願いたいと思います。
 それでは、続きまして、都市鉱山について伺います。
 携帯電話、電子機器、いわゆるレアメタルと呼ばれる希少な有用な貴金属がそこに含まれているわけでありますけれども、このレアメタルというのは、液晶テレビに使われるインジウム、コンデンサーに使われるタンタルなど、先端技術に必要な原料ということはよく知られています。巨大なその消費都市である東京は、電気電子機器に含まれるレアメタルは、まさに都市鉱山ともいえるほど多量に埋蔵されていますが、その多くは回収されないまま廃棄されているというんですね。
 その中で、今申し上げた液晶パネルやLED、太陽電池、この中に内蔵されている部分、これが何と、世界の消費量の三・八倍に当たる千七百トンがあるんじゃないかというんですね。いろいろな、いわゆる知見だけじゃない調査の中で。さらには、今、携帯電話という話があったけど、白金ですよね、同五・七倍の蓄積がある。日本は、リサイクルすれば、レアメタルは世界最大の所有国になるんです、間違いなく。これが放置されているんだ、これははっきりいって。もったいないね。日本、すなわち東京は、まさに都市鉱山なんだ。
 この都市鉱山に東京が有効な施策を打ち込まなきゃいけませんけれども、その中で、要するに効率よくリサイクルしていかなきゃいけない。現在、国では、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法案が国会に提出されています。まず、国の法案の概要と、これまでの各都内及び、私はやっぱり広域行政体、東京都の、この都市鉱山に向けての--法は恐らく通りますよ。その中における東京がどうやるべきか。どうやってこれを重要な国益にもつながる--大変重要なんです、これ。
 そういうことはいうまでもありませんけれども、このレアメタル回収、リサイクルの取り組みについて教えていただきたい。

○木村廃棄物対策部長 現在、国会に提出されています法律案では、使用済み小型電子機器等は、区市町村が分別収集し、国の認定を受けた業者に渡し再資源化を行うこととしております。都道府県は、区市町村に技術的な支援を行うとともに、使用済み小型電子機器の再資源化を促進するよう、必要な措置を講ずることに努めなければならないとされております。
 また、再資源化の促進策として、使用済み小型家電の収集、運搬、処分には、廃棄物処理業の許可を不要とするなどの特例措置を定めております。
 都内では、平成二十一年度から、江東区と八王子市が、環境省と経済産業省の回収モデル事業の制度を活用して、都の助言のもとに、公共施設等に回収ボックスを設置し、今年度末まで小型電気電子機器の回収を行っております。
 また、都は区市町村に対しまして、平成二十二年度から資源回収業者を紹介し、どういうリサイクル方法があるか、どこまで分別作業を行うべきかなどの技術支援を行った結果、調布市で、粗大ごみ中の電気電子機器から金属資源を回収、売却し、新たな収入を確保しております。今年度からは、練馬区、武蔵野市においても同様の取り組みが開始されております。

○こいそ委員 いずれにしても、この都市鉱山と称する、いわゆる大変希少なレアメタルは、まさにしっかりと東京都も、これは国の法律が通るという前提もあるけれども、そしてまた、実際的には区市町村ということがありますけれども、しかし、私はやっぱり、何回もいって申しわけないけれども、東京都が先導的なやり方をすべきだと思う。だって、実際そうでしょう。現場を知っているわけだし、よくいう知識だってあるわけだからね、さまざまな豊富な知識を持っているわけだから。
 そういう中における東京が、これをまさに、この日本の国の国益、それから、東京が最大の--これ、今まで眠っているわけだね、捨てちゃっているわけだ。こういうことをぜひ、私はもっと一段、力を入れて柱にしたっていいぐらいだと思うよ、都市鉱山のこの取り組みは。
 そんなことで、ぜひひとつ、豊富な知識と現場感覚を有する東京都環境局が明解なビジョンのもと、関係主体間のコーディネーター、時には主役、私は中核になるべきだと思いますけれども、循環型社会の形成に向けて強いリーダーシップを発揮していただきたいと思います。最後に局長、お願いします。

○大野環境局長 昨年、東京都廃棄物処理計画を策定いたしまして、その中で三つの柱を立てたわけでございます。今、こいそ委員から、三つの分野で廃棄物対策についてご質疑いただきまして、厳しいご指摘をいただく部分と、ご評価いただける部分と両方あったわけでございますが、その中で我々がやはり一番力を入れましたのは、災害瓦れきの受け入れでございます。これはご評価いただいた部分でございますけれども、これが東京で実現できたということは、もちろん、一つは知事のリーダーシップが当然あるわけでございますが、それと同時に、今まで東京の廃棄物行政が、それこそごみ戦争の時代からいろいろな取り組みをしてまいりまして、いろいろなノウハウを重ねてきたと。
 東京都というのは、今は一般廃棄物の処理は区の方にお願いしているわけでございますが、それまでは直接やっていて、いろいろなノウハウを持っている、今でも埋立処分場については自分でやっている、こういう蓄積があって、まさにおっしゃるように、現場とのいろいろな、現場の仕組みなども熟知しているということが大きかったと思います。
 それともう一つ大きいのは、東京の廃棄物業界、産業廃棄物業界が非常に、我々との役割分担の中で、いろんな積極的な取り組みをしていただいたということだと思います。したがいまして、今後も、循環型社会の構築には、廃棄物処理業界が一層そのステータスを高めていく、環境産業として健全にその力を持っていくということは非常に大事だと思います。
 ことしは、そういう意味では、本来我々がもっとやるべきであったということから考えれば、循環型ビジネスの発展にしても、それから都市鉱山の問題にしても、もう少し力を入れたかった部分はございますけれども、これは新しい年に、もう一回構えを新たにしまして、期待される役割を十分に果たしてまいりたい、このように思っております。

○こいそ委員 わかりました。ぜひよろしくお願いします。
 それでは、次に、自然環境分野でちょっとお尋ねしたいと思います。
 まず初めに、自然環境分野における、特に保全地域の希少種の保全について質問をさせていただきます。
 東京には、里山、とりわけ丘陵地といった豊かな自然景観が残されております。私も活動を少しさせていただいている町田市の七国山緑地保全地域では、ここもやはり丘陵特有の、春になると、タマノカンアオイだとか、キンラン、ギンランを初め、その希少種が極めて季節を体感、感じさせる、いわゆる四季折々の変化に、まさに感じ入るわけですね。
 そういうような中で、かつては多摩丘陵はそういうような、いわゆる保全地域だけじゃなくて、この丘陵一体的に展開する、春は春らんまん的に咲き誇る草花もある、夏は夏、秋は秋、冬は冬の、やっぱりそれはまたありますよ。多摩丘陵のあちらこちらにそういうような、その中でも植物の点でありますけれども、目にすることができておりました。近年はまさに、これらの希少な植物が急速に姿を消している、すなわち消滅しかかっているんですね。現在では、東京都のレッドリストにも掲載がされています。
 都では、こうした希少な植物や動物などを守るために、保全地域を指定しているということでありますけれども、そこで、保全地域における希少種の保全についての基本的な考え方と取り組みをお願いします。

○高橋自然環境部長 都は、自然保護条例に基づき保全地域の指定を行っております。保全地域には、希少な植物も含め、多様な植物や昆虫、動物などが生育、生息しております。
 人の手による持ち去りなどから希少な植物を守っていくためには、まず、都民の方々に、希少な植物の重要性などについて理解していただくことが必要でございます。このため、さまざまな環境学習の場を通じて、希少な植物の保全について、都民の理解と協力を得てまいります。
 また、今年度から保全地域における自然環境調査を行っており、来年度も調査地域を拡大し実施するとともに、調査結果を踏まえて、希少な植物の実効性ある保護策について、地元の自治体やボランティア団体とともに検討し、保全の基本的な考え方をまとめた保全計画の改定に反映させてまいります。

○こいそ委員 どうぞ今後とも、さらに環境局として、特に保全地域における希少な動植物の保全に、具体的、なおかつ積極的にぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。
 また、自然環境を守るための、各世代がひとしく--丘陵、里山、これはいうまでもありませんけれども、適度に人の手が加えられてきたとき、これはいわゆる生活圏でもあったわけでありますね、当時。しかし、今はまさに荒れているところもある。さりとて、適度に手を加え続けていかなきゃいけない。それにはやはり、シニア世代もそうでありますけれども、やっぱり若い世代がここの認識を持って実際的な行動に移していくということが、これからの次代を継承していく中でも極めて大切ではないかと思うんですね。
 そういう中で、国の環境教育推進法という法律もありますよね。あるからというわけじゃないだろうけれども、人材を育成していきましょうということですね。それらの保全に積極的に取り組む人材育成もしていきましょうということだと思いますけれども、緑を守る取り組みは、当然でありますけれども、行政だけではなくて、市民や企業、NPOなどのさまざまな主体がかかわっていかなきゃいけない。こうした中でも、私は、保全活動に積極的に参加する、今、申し上げた、やはり次世代、若い世代の育成こそはしっかりやるべきだと思います。
 都では、さまざまな保全のアクションプランだとか、それぞれありましたよね、企業向けだとか、NPO向けだとか、いろいろやってこられましたけれども、二十年度から、学生を対象とした東京グリーン・キャンパス・プログラムを実施してきました。
 そこでまず、これまでの実績と今後の見込みについて伺いたいと思います。

○高橋自然環境部長 東京グリーン・キャンパス・プログラムは、都が大学と協定を結び、大学生に保全地域を活用した緑地保全活動に参加する機会を提供することで、緑の保全に対する関心の喚起や行動力の醸成を促すことを目的としております。
 事業の実績としては、開始当初は、一つの大学が一つの保全地域で三回の活動を行う状況でございましたが、今年度には、三つの大学が三つの保全地域で述べ八回の保全活動を実施するまでに広がってきております。
 また、新たに首都大学東京にも来年度からの参加を働きかけております。

○こいそ委員 首都大学東京に働きかけているという話でありますけれども、私は、首都大学東京は都市環境学部もあるし、さまざまにこの分野に専門的な立場で研究されている教員も少なくないと思うし、関心を持っている学生も少なくないんじゃないかと思うんですね。という中で、これはもうことしで五年目ですよね。首都大学が参加するのは当然だと私は思いますよ。このあたり、遅いぐらいだと思う、はっきりいって。ぜひそういう趣旨をわかっていただいて、首都大学東京も積極的にこれに参加してもらうということは、それは大変結構だと思います。
 この事業で感じる中で、保全活動が少しマンネリ化し始めているのではないかと。この事業が、今申し上げたように、この新年度を迎えて五年目なんですね。初めはほとんどが保全活動経験がない中で保全活動に参加するわけだけれども、一年のときに参加する、またその後、三年生のときに参加する学生も出てきておりますけれども、しかしながら、保全活動の内容がいわゆる同じような--樹木の伐採はいいんです。それから下草刈りもいいんです。アズマネザサを刈ったり、これは大変必要なことだと思います。しかし、もう少しメニューがあってもいいんじゃないかなと。
 やはりもうことしで五年ですからね、これ。五年ということは、やっぱり五年なんですよ。一つの時間的な節目なので、いろいろな今までやってきたことに対するチェックというんですか、そういうものを含めて入れていただいて、より効率的な、また実効あるそういうメニュー計画を、当事者間で、関係者間でしっかり話し合いを持ちながらやっていくべきではないかと思うんですね。
 そして、例えばこういうのがありました。七国山という、これは一つの活動ゾーンでありますけれども、この七国山には旧鎌倉街道が走っているんです。鎌倉古道ですね。これが、三・一一、台風十二、十五号、それから集中的な集中豪雨が降る、こういう中で、近くでも、台風じゃなくて、一二〇ミリの集中豪雨が降ったところがありますから、当然にしてこの古道が傷む、それから土が流されてしまう、そういう状況があります。その中で、修復作業を行ったというのは、私はやはり、CSRの観点からも、とてもよかったんじゃないかと思うんですね。
 ですから、今後とも、そういうようなことを踏まえて、ぜひひとつ、いろいろなメニューというんですかね、いろいろなマニュアルを少し、どういうことをするかということもそろそろ考えていくべき時期じゃないかなということで、改めて重ねて要望させていただきたいと思います。
 そしてまた、このプログラムの活動内容のさらなる充実に、ちょっと重複しておりますけれども、これに対する、今後どうされるか、お願いします。

○高橋自然環境部長 これまで実施してきた東京グリーン・キャンパス・プログラムでは、間伐や下草刈りなどの作業を中心に実施してきております。
 プログラムに参加する学生はさまざまであり、自然環境に対する学生の興味をより一層持ってもらうためには、保全活動について、これまでの活動に加え、多様な内容へと発展させていくことが必要だと考えております。
 学生に対する効果的な保全活動を実施するため、自然環境分野の専門家へのヒアリングを実施し、来年度から、伐採した樹木を利用したシイタケの原木づくりや里山の畑での作業など、活動内容の多様化に取り組んでまいります。

○こいそ委員 ぜひお願いしたいなと。やっぱり若い世代の育成ということは、いろいろな要因、要素で非常に重要だし、それには、そのような多様的なことも必要かなと思いますので、よろしくお願いします。
 それとともに、この事業に参加をしていただいて、地元のボランティア団体が活性化をしているようですね。さらに、一生懸命やっていただいている。孫ぐらいの世代との中でも、やはり非常にうまくいっているんですね。反対にうまくいっているんですよ。若い学生も喜ぶ、それから、シニア世代の方々もそういう目で見ていただいている。私は、これはとても結構なことだと思うんですね。
 しかし、さりとて、今申し上げたように、一定の、これをもうちょっと進化させるには、これはこれとしながらも、やっぱり東京都のもう一段の対応が必要ではないかと。そのために、私は、都の予算も、広い意味で、こういう人材育成策、ここにも充当していくべきじゃないかと思うんですね。
 はっきりいって、これは、初めのうち、一番最初のをやったときは一回二十四万ですよね。二十四万取られる。それから、そこの、こんなのは毎年じゃないけれども、案内板をつくる。これも二十万ぐらい取られる。さまざまある。これはたまらないですね。毎回毎回、何回も何回もやっているところがあったら。
 そういうことを踏まえて、それはどうだじゃないんだけれども、少なくとも東京都は必要最低限度の、人材育成に要するマニュアル整備だとか、講師の派遣だとか、それから、まだほかにあるかな、そのぐらいはせめて--余りにも対応し過ぎなかったですよ、今まで、はっきりいって、本当に。人材は自然にやるのが一番育つんだということは、それも一面そうだけど、しかし、そうじゃないと思うよ、これ。
 せっかくいい方向へ来ているので、やっぱりもう一段の、こういう面を含めた取り組みをお願いしたいなと思います。

○高橋自然環境部長 現在、東京グリーン・キャンパス・プログラムにおいて、学生への指導は、大学の先生方はもとより、保全地域で活動している地元のボランティア団体が実施しております。
 学生に対して効果的な保全活動を実施するためには、先ほど答弁させていただきました活動内容の多様化だけではなく、指導者についても、保全活動の専門的な人材を活用していく必要があると認識しております。このため、今後は、都として必要に応じて専門家を派遣するなど、指導者の充実を図ってまいります。

○こいそ委員 ぜひよろしくお願いします。特に、東京に残る里山、丘陵などの豊かな自然を将来に引き継いでいく、この事業の充実を図っていくためにも、私はやっぱり人材育成は欠かせないと思います。それを理解させる、それから実体験をしていく、その上で、経験を積んだ世代、世代が、次にまた継承をしっかりやっていくという、こういうリレーつなぎは、極めて大切な、私は非常にいい政策だと思いますよ、これははっきりいって。ですから、それなりに、五年たってきたので、ぜひそのあたりも今ご答弁いただいたような形で対応していただきたいなと思います。
 三問目、エネルギー政策についても伺いたいと思います。
 これまで東京は、ディーゼル車対策、キャップ・アンド・トレードなどの導入、世界で最も環境負荷の少ない都市を目指して、さまざまな取り組みを進めてこられました。まさに国をリードしてきたわけであります。
 エネルギー政策についても同様に、電力の大消費地ですよね、またエネルギーの大消費地であります。新潟を初めとする他県に電力を依存してきた。福島でもそうだ、新潟でもそうですよね、刈谷柏崎もそうでしょう。電力を依存している東京、依存してきたわけであります。この東京が、電力の安定確保、それから省エネルギーなど、エネルギー問題に総合的にさらに取り組んでいく、国に先駆けていくことが当然必要です。
 そこで、震災後から一年を経過した今、次世代を見越した都の総合的エネルギー政策や方向性を提示していただきたいと思いますが、見解を伺います。

○坂巻都市エネルギー推進担当部長 都民生活を守る責務のある都といたしましては、都民に安心感を与える具体的な施策や方向性を積極的に提示していくことが重要であると考えてございます。
 そのため、都では、昨年五月に東京都電力対策緊急プログラムを策定いたしまして、昨年夏の電力不足を乗り切るとともに、過度に電力に依存した社会からの脱却を目指し、合理的な省エネ対策や東京産都市型電力によるエネルギー源の多様化、分散化など、電力の需要と供給の両面から、実効性のある具体策を早急に実行してまいりました。
 今後とも、こうした具体的な取り組みを進めてまいります。

○こいそ委員 昨年の福島原発事故以後、原子力発電所の稼働が不透明になる中で、電力確保のためには、いわゆる化石燃料にまた依存しなきゃいけない状況ですよね。
 また、東京電力管内の四割の火力発電が、運転開始されてから、当初から三十五年を経過する老朽火力も、この火力発電も再稼働したわけでしょう。故障のリスクや効率の悪さを考えれば、電力の安定供給や低炭素の面でも不安であります。
 今後、東京電力の火力発電への依存が高まる中で、東京都もやりますよね、百万キロワットかな。いずれにしても、系統電力のみに依存するのではなくて、独自にエネルギーを確保することも重要だと思います。
 まさに自立分散、地産地消の観点で、都として低炭素で効率的な自立分散型電源を確保していくことが必要であると考えるわけでありますけども、都の見解を伺いたいと思います。

○坂巻都市エネルギー推進担当部長 災害時に都民生活を守り、都市機能を維持するとともに、低炭素なまちづくりを実現するため、都では、ガスコージェネレーションシステムなどによる自立分散型電源の推進を図ってございます。
 具体的には、民間都市開発と連携して、新たな助成制度といった手法を駆使しながら高効率な発電システムを構築してまいります。また、清掃工場におきまして、廃棄物発電の増強や高効率化を図ることも有効と考えてございます。

○こいそ委員 清掃工場の答弁がありましたが、清掃工場に太陽光パネルを設置して、ごみ発電とあわせて工場内の電力を賄うなども、まさに重要だと思います。
 また、自立分散型電力の確保は、首都機能を維持するとともに、都市のポテンシャルを高めていくためにも極めて重要であり、東京はエネルギーの自立都市を目指すべきだというふうにも考えます。
 その中で、さまざまな取り組みを、国も、企業も、メーカーもそれぞれやっている、町工場もやっていますね。昨日もテレビでやっておりましたけども、風力発電、もう下請、本当の町工場ですよね、何人もいない、本当に全く零細の町工場ですよ。そこで、かなり有力な、風力なんだけど、今までのような回転式のプロペラだけじゃない。あれは、すなわち、風がとまると、すぐとまってしまう。風が吹かないと、当然作動しないですよね、当たり前だけども。ところが、本当に田舎の中の零細の工場ですよ、そこで今、開発したのが、遠心力を利用するんだけども、それが、風がとまったとしても、まだ回転しているのね。またさらに風が吹いてくると増すんですよ、電力が。
 それで、足利工業大学の学長さんが、この風力の日本の権威者らしいんですね。その人がいっておられましたけども、これは極めて、発電機能が今までよりあるんだと。これを実用的に、八丈島でやったんです。八丈島でやって検証した。そうしたら、かなりの電力、まず二十キロワットぐらい出した、とれた。一基でですよ。何基かあるわけだから。
 それで、次は、今度、青ヶ島でやるそうですよ、青ヶ島で。なぜ青ヶ島かというのは、それはわかりませんけど、しかし、少なくとも東京じゃないですか、東京。こういう動きがあるんですね。結構なことだというふうに思うんですよ。
 そういう中で、それも一つでありますけども、いわゆる太陽発電や、風力や、太陽熱や、廃棄物熱やバイオ、さまざまありますね。再生可能エネルギーのさまざまな研究開発がいろんな分野で行われていること、やっぱり日本はものづくり国家なんだなという感じがしますけど、そういう中で、今申し上げた、さまざまな再生可能エネルギー、それとともに、RDF、RPFというのをご案内ですか。知っていますよね。これの見直しも相当、今、図られてきているらしいですね。これもそう。
 それから、さまざまに、蓄電機能というのは二次電池だと。これ、蓄電機能というのは極めて大切で、再生可能エネルギー、クリーンエネルギーをつくるためにも、蓄電機能があれば安定的に供給できますね。だって、雨の日もあれば、天候不順のとき、夜間もいろいろある。
 こういう中で総合的な--私は何をここでいいたいかというと、東京の研究所があるでしょう、環研。ああいうところで、こういう研究はできませんかね。また、やるべきじゃないかと思うんですよ、もう少し予算も人も入れて。それから、大学の研究所でもいいし、民間の研究所、シンクタンク等でもいいから組んで、こういう研究というのをできないのかなと思うんですね。
 非常にいい、ほかの分野の研究というのは発表されていますけど、そのための、やっぱり私は、まずは環境局マターで--このエネルギー政策を実際的にこれから考え、立案して推進していくのであるならば、環境局の研究所をもっと充実させて、こういう研究開発をもっと促進させるべきじゃないかと。それがやっぱりエネルギー自立都市を、私はそういう方向性の中に導いていけるんじゃないかと思うんですね。これもちょっとお話ししていただきたい。
 それから、続きますけども、話はちょっと変わりますが、大震災で電気やガスの供給が途絶えた場合、例えばガソリン、エネルギー、化石燃料だと。そういう中で、都内における三・一一発災後の状況を見たときに、パニック状態になっていましたよね。要するに、精製所からタンクローリーがなかなか行けないこともそう。しかし、実際上は、なぜ店をあけなかったか。というのは、やっぱり入れちゃうとパニックになっちゃう。それで暴行事件まで発生したんですね。非常な、もう物すごい異常な事態ですよ、当時のその状況下の中では。
 ですから、私は何をここでいいたいかといったら、エネルギーの全体インフラは、さまざまなことがあっていいと思う。これですべて完結するわけじゃない。これですべていいというわけじゃないと思う。最大の消費都市東京は、いろんな可能性をさらにこれから将来に向けていくためにも、エネルギー問題は極めて重要なので、やはりさまざまな取り組みと姿勢と対応があってしかるべきの一つの話なんですね。
 それは発災も、震災のことにすれば、防火防災、このあたりは強いですから、どこの地震だって、火災だってないですよ。周りじゅうみんな倒れて燃えたとしたって、ガソリンスタンドは残っている。それだけ世界一の検査、消防法の適用が、クリアできなかったらだめだから、全部崩さなきゃいけないから、これはもう非常に厳しい適用になっているからね。
 そういうことで、都内全体のインフラであるところのこのガソリンスタンドも、日増しに、元売が直接介入してきているので、それからさまざまやって、もう疲弊しちゃっている。疲弊しちゃったんです。ばたばたやめているんです。一部じゃ、大手企業が、周りをぶっ倒して、少し大きいセルフスタンドで、連結決算だ、安値で入れるから、たまったものじゃない。そのときに、もういなくなっちゃう。そこをどうするかといったら、人が少なくて済むからセルフで。セルフスタンドで、高齢者や身障者は難しいよ、はっきりいって。現実、そういう事故が随分ふえているんですよ。
 そんなことを踏まえて、私は、このガソリンスタンドのネットワーク、都市インフラの一つの機能というものは、やっぱり保持していく必要性があるんじゃないかと。
 それから、発災時を想定して、これは総務局との関係もあるかもしれないけれども、エネルギーという観点で今いっているんですけど、一朝いかなるときでも安定的に、救急車両を初め、必要とする車両が供給できる、義務的なものでも課してもいいんじゃないかと。ということはどういうことかというと、一定量を備蓄させるんですよ、それぞれ全都に。そういうことだって考えてもいいんじゃないですかね。
 そんなことを踏まえて、この質問について、ちょっとお願いします。

○坂巻都市エネルギー推進担当部長 ガソリンスタンドを積極的に活用しろというようなお話だったと思いますが、都市で重要な機能を果たすガソリンスタンドが厳しい状況であることは認識しているところでございます。
 一方、電気自動車の普及拡大に伴いまして、都内ガソリンスタンドには急速充電器を設置するなどの新しい動きもございます。また、燃料電池自動車への燃料供給に必要な水素充てん装置の設置なども期待されているところでございます。
 消費者にとって、次世代自動車へのエネルギー供給拠点として最も利便性の高い地位にあると認識してございますので、こうした動向を十分注視しながら、今後どのような活用ができるのか、具体的な検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えてございます。

○こいそ委員 要するに、今後、さまざまな観点から、エネルギーインフラ、防災に強い形成、しっかりとした対応ができる、そういう観点からも、しっかりと受けとめていただければありがたいなと思います。
 最後になりましたけども、首都東京に深刻な電力不足をもたらした東日本大震災から一年経過しましたが、にもかかわらず、国はいまだに我が国のエネルギー戦略を明示ができていない。この夏にようやく戦略を立てるなど、そうですね、この夏にようやくやろうかなということなんでしょうけども、まずはスピード感がないね。全くもって後手後手。もうこういう状況でありますけども、要するに悠長なことをいっています。
 特に、再生可能エネルギーの普及拡大が期待される固定価格買い取り制度、新エネルギーの特別措置法ですか、これの買い取り価格が、七月にも開始されるにもかかわらず--これは再生可能エネルギーを普及発展させるために非常に重要ですよ。これがまだ、何だかもごもごいっていて、わからないよね。
 そして、国がこのようなていたらくを続ける中で、エネルギー政策を所管する環境局が、各局の取り組みに横ぐしを入れて、いわゆる総合調整機能を発揮し、我が国のエネルギー政策をリードしていくべきだと思います。東京のエネルギー政策、確保に取り組む局長のご答弁を最後にいただいて、あれしたいと思います。
 その前に、ちょっと一点だけ、つけ加えさせていただきたいのは、先ほどご答弁があった水素系の話、今後は何が何といったって水素文明時代ですよ。水素の文明時代に突入する、これはもう間違いないですね。この中で、要するに、日本には固有の資源--確保は、もう安定的に確保ができるわけですね、この水素系であれば。ですから、燃料電池、メタノールとかいろいろあるけども、特に水素系、これを、私はやっぱりもう一段、さっきのことを踏まえて検討する必要があるんじゃないかなと。
 その中で、これは究極のクリーンエネルギーですよね。まさに究極のクリーンエネルギーだと思う。
 CNGがいいよとか、LPガスがいいよとか、いろいろなことをいっていたけども、あれはどこ行っちゃったのかね、今。今までよいしょよいしょとやっていたけど、CNGはどうなっちゃったの。よくわからないけども。
 少なくとも、究極のクリーンエネルギーというのは水素系である。世界がしのぎを削っているわけですね、これに対して。とりわけ私はこの水素系、固定式、今コージェネがあったり、いろいろある。燃料電池、それも必要。それから、車の燃料電池、いわゆる水素自動車の普及をするためにも、水素ステーションを、現在、首都圏で十四カ所だそうでありますけれども、これを二〇一五年度に、ということはもうすぐだよね。今度、できるのかどうかあれだけど、台数が数千台、箇所が百カ所を目指したいというような話もあるそうであります。
 そういう計画が今発表されたということでありますけども、ぜひこれらを踏まえて、次世代のエネルギーということを踏まえて、水素系自動車--バスだって、何だかどこに行っちゃったかよくわからない。鳴り物入りで、都庁の前で大騒ぎして、世界で初めての、いわゆる区間、区間を走るバスだということで大騒ぎしてやったじゃないですか、環境局で。今どこに行っちゃったのかわからないけど。
 水素系、このあたりがやはり、いずれにしたってそういう時代が来るんだから、先駆けて東京都が頑張ってほしいと思うんですが、そのあたりを踏まえてどうでしょうか。局長の前に、ちょっとそれを……。

○高橋自動車公害対策部長 お話の水素燃料電池車につきましては、走行中の環境負荷が極めて少ない自動車であると認識しておりまして、高い環境性能を持つこういった自動車の普及は、大気汚染対策や気候変動対策を進める上で大変重要でございます。
 これまでも、各自動車メーカーの開発動向を初めまして、国の水素ハイウエー事業や、ご指摘の水素スタンドの整備目標など、水素燃料電池車に関連する情報の収集に努めてまいりました。
 例えば、メーカーは、課題の一つでありました高い製造コストの問題を克服しつつありまして、二〇一五年から一般販売を目指す計画であるとの情報もございます。
 一方、都も関与して設置しました有明水素ステーションにつきましても、現状の課題などについて調査をしております。
 今後とも、この分野の技術開発と実用化に向けた動向などをきめ細かく注視しまして、必要な対応策を検討してまいります。

○大野環境局長 今回の第一回定例会で、本会議におきましても、予算特別委員会におきましても、また、きょうの委員会でも、さまざまな多くのエネルギーに関するご質問をいただきました。
 これは、やはり昨年の震災の後、四月には計画停電を経験し、夏には電力制限を経験し、きょうもご質疑の中にもありましたように、本当に電力会社だけに依存していて、使いたいだけ使えるという時代が、状況が変わったんだなという認識があるからだと思っております。
 我々も電力の供給体制を改めて考えてみまして、一つは、そもそも構造自身が、首都圏外の大規模な発電所に依存している。やっぱり非常に脆弱な体制にあったなということがわかりました。
 あともう一つは、現在の電力制度、仕組みが、これが本当に、新しい電力事業者が入ってこようと思っても、なかなか入ってこれないような仕組みになっていると。制度もそうだし、実際の運用も、地域的に独占をしている一般電気事業者が、そういう動きを阻害するような動きをするということがよくわかりました。
 ですから、これは本当に、震災を経て新しい日本をつくっていく一つの重要な柱として、こういう既得権益に縛られたような電力体制を必ず打破して、新しい仕組みをつくっていくということを絶対にやらなきゃいけないと思っています。
 そういう点で、我々は、いろんな国への制度提案とかもしておりますけども、こういう提案が実現していく上には、単に紙の上で提案をしていくだけでは不十分であると思っておりまして、実際に、東京の中で新しいエネルギー供給の仕組みをつくるような実例をつくっていくことが非常に大事だと思っております。
 そういう中では、きょうもお話しいただいたような、我々、今までの取り組みの中で、例えばディーゼル規制をする中で石油業界ともいろんなやりとりをして、いろんなネットワークをつくってきていますし、自動車メーカーもそうです、電気自動車をつくっていく、あるいは廃棄物業界の中ではバイオマス発電をやったりとか、いろんな経験がございますので、こういう今までつくったネットワークをもとにして、実際の実例をつくる中でエネルギー政策の転換も図れるように全力を尽くしてまいりたい、このように思います。

○尾崎委員 私も廃棄物のことで質問したいんですけれども、やっぱり三・一一以降、従来のエネルギーにかわるものとして、こうした廃棄物のエネルギーの有効活用ということが、いろいろと今、都政の中でも議論をされております。
 私は、食品廃棄物について、ちょっと一点だけ質問したいと思います。
 今、全国では年間約一千九百万トンの食品廃棄物が排出をされておりまして、東京都では、事業系の食品廃棄物が年間百二十万トン発生していると推計をされております。これに家庭系の生ごみを含めますと、かなりの量になると思うんです。
 かなりの量の食品廃棄物が排出をされているということが想像できるんですけれども、僕は、前、平成二十年の第四回定例会でフードバンクについてちょっと質問をさせていただいたんですが、このフードバンクというのは、賞味期限が切れたものとか、お弁当の残りのようなもの、こういう一たん手をつけたものには、なかなか適していないわけであります。
 この食品廃棄物の再利用として、あの当時、たしか、ホームレスの方々にその期限切れのお弁当を配ったらどうかとか、だけど、それはちょっと道義的に問題があるんじゃないかとか、いろいろと話が出たんですけれども、私は、そういう再利用の仕方は再利用の仕方でちょっと置いておいて、やっぱり3Rといわれるリサイクルが基本的にとるべき道だと思っております。
 そうした部分で、エネルギー利用にも重点を置いていかなくてはいけないということになるんですけれども、都内では、既にホテルニューオータニなんかが堆肥化や飼料化ということでやっているんですけれども、つくられる堆肥の量に対して使われる量が非常に少なくて、需給バランスに非常に大きな差がある、こうした問題が今あるわけであります。
 一方、この食品廃棄物からは、メタン発酵という技術でガスを得ることができまして、このガスを利用した熱利用、そして発電利用、これが今、全国的にも行われておりまして、東京都においても、スーパーエコタウン、これは既存の施設でありますけれども、スーパーエコタウン施設においては、大手企業の食品リサイクルによるガス発電事業を実施されているところであります。
 このメタンガスを利用して発電やガス供給を行っていけば、二酸化炭素の削減とか、電力供給の逼迫の解決につながっていくんじゃないかと僕は思うんですけれども、この食品廃棄物は、先ほどもちょっと出ておりましたが、バイオマスの未利用資源でありまして、ことしの七月一日から実施される再生可能エネルギーの固定買い取り制度、この対象エネルギーの一つにもなっております。
 この固定買い取り制度は、既に世界四十カ国が導入をしておりまして、特にヨーロッパにおいても、この制度が再生可能エネルギーの市場を拡大して、さらに雇用もここから創出をしているという、こうした経緯があります。
 東京都としても、ぜひこの制度を有効的に活用して、この食品廃棄物のエネルギー利用をもっと進めていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、ご見解をお伺いいたします。

○谷川調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 ホテル、飲食店、コンビニエンスストアなどの食品廃棄物をエネルギー資源として活用することは、低炭素社会の実現や分散型エネルギーの供給面から見て有効な手段でございます。
 スーパーエコタウンにおきましては、平成十八年から、事業者がメタン発酵システムでバイオガスを発生させ、ガスエンジンを使って約二千四百世帯の発電を行っております。さらに平成二十三年からは、バイオマスガスを都市ガスとしても供給しているところでございます。
 食品リサイクル法は、大規模な食品関連事業者にリサイクル率を毎年高めるよう義務づけていることから、食品廃棄物のリサイクル量は年々増加をしております。一方、本年七月からは再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が開始されますことから、食品リサイクル業者がバイオマスエネルギー利用に取り組むことが期待されております。
 こうしたことから、都は、バイオマスエネルギー化技術の情報や先進的な取り組み事例を都民や事業者に提供し、普及啓発に努めてまいります。

○尾崎委員 先ほども出ていましたけど、環境都市あるいは低炭素都市ですか、これは先駆的に東京都がやっていこうという、この方針を今掲げている中で、ぜひそうした方針にふさわしいまちをつくってもらいたいと思っております。
 そのためには、やっぱりこの食品廃棄物というのは非常に有効、エネルギー活用の中では非常にいいものだと思いますし、それから、このスーパーエコタウンは、今あるのは非常にいいことだと僕も思うんですけれど、ただ、まだ一カ所ですね。
 だから、こういう状態ではなくて、あれだけ規模のでかいものじゃなくてもいいとは思いますけれども、例えば小型の分散型のバイオマス発電システムも、これは大阪ガスなんかでは、もう既に開発、販売をしております。こうした小型化した発電機を都内の各所に配置して、これは、ちょっとこの間、建設局でもやったんですけど、例えば都立公園とか、そういうところにも配置をして、その小型発電による売電により収益を得られるというメリットを生かせるような、東京都独自の仕組みのようなものをぜひ考えていただきたいと思いまして、これは答弁はいいですけれども、要望としてお願いしたいと思います。

○桜井委員 それでは私の方から、自動車の環境対策について何問か伺いたいと思います。
 東京都のディーゼル車規制、これが大きな契機となりまして、近年は、ディーゼルトラックやバスの環境性能が非常に高くなってきていると思います。また、欧州で普及が進んでいるクリーンディーゼル乗用車が我が国でも投入される動きがあるなど、エコカーとしてディーゼル車が話題となりつつあると思います。
 しかし、昨年の六月、いすゞ自動車の最新型ディーゼルトラックが、巧妙なコンピューター制御によって、排出ガス規制には適合しているものの、実際の走行時には窒素酸化物が大量に排出される車であるということが、東京都環境科学研究所の調査により判明したと、知事の記者会見で明らかになりました。
 都では、このような機能のことを排出ガス低減性能の無効化機能と呼んでおりますが、これは米国や欧州においてディフィートデバイスと呼ばれ、反社会的な行為として禁止規定が設けられており、また自動車メーカーが多額の賠償金を支払った事例もあるというふうに聞いております。
 都では、昨年判明した事実について、直ちに国に通報するとともに、いすゞ自動車に対しては早急な対策を講じるように指示をしたとのことですが、そこでまず、都の動きを受けた、いすゞ自動車と国が、その後どのように対応したのか、最初にお伺いをいたします。

○高橋自動車公害対策部長 まず、いすゞ自動車は、都の指摘を受けまして、即刻、対象となる車両を出荷停止といたしました。また、国土交通省に改善対策の届け出を行いまして、既に販売されていた該当車両八百八十六台について、いすゞ自動車の責任で修理を行う旨を発表しております。現時点で修理は終了していると聞いております。
 次に、国の対応でございますけれども、都は、環境省及び国土交通省に対しまして、無効化機能の禁止規定を明文化する旨の要請を行いましたが、国はこれを受け、再発防止に向けて環境省と国土交通省合同の検討会を設置し、専門家や都の委員も加え、ディーゼルトラックやバスについての法令整備を見据えた無効化機能の定義化と判断基準を検討しております。この検討会では、来週にも結論をまとめて公表する予定であります。

○桜井委員 検討会は来週に結論をまとめて公表するということでありますので、また結果が出ましたら、ぜひご報告をしていただきたいというふうに思います。
 私は、このいすゞ自動車の行為が、トラックユーザーはもとより都民を裏切る行為であるばかりではなく、日本製の自動車に対する国際的な信用失墜につながるというふうに考えております。東日本大震災で大きなダメージをこうむった我が国の自動車産業にとって、さらに追い打ちをかける事態にもなりかねないと憂慮しております。
 先ほど申し上げましたが、都のディーゼル車規制という先駆的な取り組みを契機として、欧米からおくれていた我が国の排出ガス規制は飛躍的に強化され、日本製のディーゼル車の環境性能は世界に誇れるものとなりました。
 私は、今回の事態において、日本製の自動車に対する国際的な信頼を損なわないようにするためには、自動車産業界自身も速やかに対応すべきであると考えます。都は、自動車産業界にも働きかけたと聞いておりますが、その状況をお伺いいたします。

○高橋自動車公害対策部長 ご指摘のとおり、都は、今回のことが日本の自動車産業の信用失墜につながりかねない事態であることを考慮しまして、一般社団法人日本自動車工業会に対しても、この無効化機能の再発防止に向け、早急に自主的な取り組みを行うよう要請いたしました。
 この要請を受け、日本自動車工業会は、昨年九月に再発防止に向けた自主的ルールを策定したほか、環境省と国土交通省合同の検討会にオブザーバーとして協力するなど、無効化機能の禁止に向けて積極的な取り組みを見せております。
 都は、今後とも、国や自動車産業界をリードしまして、無効化機能禁止の実効性を確保する手法の確立に向けて積極的に関与してまいります。

○桜井委員 わかりました。今回の問題は、単にトラックの性能の問題にとどまらず、自動車メーカーを信頼してトラックを購入した、何の落ち度もないトラック運送事業者が日ごろ積み重ねてきた環境保全に向けた努力を無にし、多大な迷惑をこうむらせることにもなりかねないわけです。
 先ほどの答弁で、既に販売されていた当該トラックの修理はメーカーの責任で終了したとのことですが、その修理が適切であったかもフォローする必要があるというふうに思います。都はどのように対応したのか、お伺いをいたします。

○高橋自動車公害対策部長 今回、無効化機能が判明した対象車両に対するいすゞ自動車の修理が適切に行われたかを、昨年七月に東京都環境科学研究所、また、昨年八月に財団法人日本自動車研究所におきまして排出ガス試験を実施し、環境性能が回復していることを確認いたしました。
 なお、環境確保条例に基づきます低公害、低燃費車導入義務の扱いに関しても、トラック運送事業者等のユーザー保護の観点から、いすゞ自動車の責任による完全な修理の実施を前提としまして、導入義務に適合した車両として扱うよう規定の整備を進め、ユーザーが不利益をこうむることのないように対応しております。

○桜井委員 この問題を教訓といたしまして、今後は、大気環境の改善に積極的に取り組んでいる都民や事業者が安心して環境によい自動車を使用できるようにするために、無効化機能を持つ自動車をいかにして排除していくかが課題であり、そのためにも、都は監視を継続していくことが重要である、このように考えます。
 また、このような事例を繰り返さないことが、自動車産業の国際的な信用をさらに確かなものとすることにつながると思います。都は、このために今後どのような対応をとるのか、所見をお伺いしたいと思います。

○高橋自動車公害対策部長 無効化機能を持つ自動車の製造が繰り返されることのないよう、国が策定を予定しております無効化機能の定義や判断基準を受け、都は、環境科学研究所におきまして無効化機能の有無を引き続き調査し、万一、発見された場合には、公表を行うほか、国やメーカーに対して適切に対応してまいります。
 また、今回の国の無効化機能の定義は、車両総重量が三・五トンを超える自動車についてのみを行う予定でありますことから、今後普及が見込まれますクリーンディーゼル乗用車などの小型車についても同様の規定整備を行うこと、加えて、急速に進む自動車技術の進展にあわせ、無効化機能の定義と判断基準を適宜見直すよう、国へ要請してまいります。
 なお、都におきましては、来年度、クリーンディーゼル乗用車も対象としまして、東京都環境科学研究所で無効化機能の有無を調査してまいります。

○桜井委員 わかりました。この問題の再発防止に向けては、今後とも緩めることなく取り組みを続けていただくことを強く要望いたしておきます。
 次に、自動車の温暖化対策についてお伺いをしたいと思います。
 昨年十二月、実に二十四年ぶりに東京で開催された東京モーターショーは、来場者が八十四万人以上と、主催者の想定を超えるほど盛況だったということで、最近では若者の車離れが話題になっておりますけど、このイベントを見る限り、いまだ車の人気は衰えずというような感想を持ったわけであります。
 モーターショーでは、国の内外を問わず、各メーカーのブースでエコカーが多数展示され、まさにエコカーショーといっても過言ではないイベントだったというふうに思います。最近のテレビのコマーシャルを見ても、各自動車メーカーは、より高い低燃費性能を競っており、ユーザーのニーズも低燃費車にシフトしているという状況が見てとれるわけです。
 とりわけ乗用車の分野では、電気自動車は別格として、ハイブリッド車を初め、エンジン性能の向上のみによってハイブリッド並みの低燃費性能を実現した車もあり、軽自動車では、低燃費に加え、価格も手ごろなことから、売り上げが相当伸びているというふうに聞いております。燃費性能の向上は、経費の節約だけでなく、環境負荷の低減につながることから、今後も、メーカーのしのぎを削る低燃費競争に大いに期待するところであります。
 さて、環境局の来年度予算案の中で、新規事業としてハイブリッドトラックの導入補助がありますが、環境局ではこれまでも、低公害や低燃費な車に対して普及を促進するための多様な施策を実施してきておりますが、いよいよトラックもハイブリッドの時代が来たかという思いがしております。
 そこでまず、余りなじみのないハイブリッドトラックというものが、どの程度、環境性能が高いものであるかをお伺いしたいというふうに思います。

○高橋自動車公害対策部長 ハイブリッドトラックの環境性能についてでございますけれども、低公害性能について最新規制に適合していることはもちろん、低燃費性能については、平成二十七年度の燃費基準を一五%から二〇%程度超過達成しているなど、高い環境性能を備えております。
 例えば二トントラックでは、最新型のディーゼルトラックの燃費が軽油一リッターで十・四キロメートルのところ、同等の排気量のハイブリッドトラックでは十二・二キロメートル走行できまして、燃費改善率は一七%を超えております。
 また、現在、市場化しているハイブリッドトラックは積載量二トン程度の小型トラックでありますが、今後、より大きなハイブリッドトラックの市場化も予定されております。
 都では、自動車メーカーに対しまして、運送事業者を初めとした自動車ユーザーの声を伝え、より環境性能が高く、さまざまな用途に対応できる車種の開発と市場化を働きかけておりまして、多様な車種のハイブリッドトラック導入が進むことによりCO2削減が加速するものと考えております。

○桜井委員 トラックの分野においても、燃費性能が相当向上していることがわかりました。
 都は、運輸部門のCO2削減目標を、二〇二〇年までに二〇〇〇年比で約四〇%削減としておりますが、今後、ハイブリッドトラックがどのくらい導入され、どの程度CO2削減効果があると見込んでいるのか。また、それらを含め、運輸部門のCO2削減目標を達成するためにどのような対策を複合的に講じようとしているのか、お伺いいたします。

○高橋自動車公害対策部長 ハイブリッドトラックへの購入補助事業は、貨物運送事業者に次世代自動車の普及を促進する方策でありまして、これを契機として、二〇二〇年までに都内で約五万台のハイブリッドトラックを普及することにより、年間約十五万トンのCO2削減が可能であると見込んでおります。
 また、都は、都内全体のCO2排出量の約四分の一を占める運輸部門のCO2の削減すべき量は、国の燃費対策などによる削減量を除きますと約三百万トンと推計しております。
 この三百万トンを削減するための具体的な対策と削減量は、環状道路など道路ネットワークの整備でこの約半分を削減いたしまして、公共交通機関への転換で約七十万トン、営業用自動車の次世代自動車への転換で約四十五万トン、そのほかには、マイカーの次世代自動車への転換やエコドライブでの削減を見込んでおります。

○桜井委員 大きな削減につながるというふうにご答弁をいただきましたが、自動車の低燃費化がCO2削減に大きく寄与するとともに、複合的に施策を展開する必要性について今お話しをいただきまして、十分理解できたわけです。
 都は、運送事業者等に対して、低燃費車の導入以外にもCO2削減対策を進めていると聞いております。特に自動車を多く使用する事業者は、積極的な取り組みにより削減効果を期待できますが、都はこうした事業者に対してどのような対策を行っているのか、お伺いいたします。

○高橋自動車公害対策部長 都では、環境確保条例に基づきます自動車環境管理計画書制度の対象となる、都内で三十台以上の自動車を使用する事業者に対しまして、直接訪問するなどして、低燃費車の導入のほか、エコドライブの励行、燃費管理の徹底、あるいは共同配送による自動車使用の合理化対策等を行うよう、指導、助言しております。
 また、この計画書は、平成二十三年度から、CO2削減を重点とした新たな五カ年の計画期間が始まりましたが、各事業者の取り組みのレベルアップを図るため、今回初めて、約千七百の全事業者の計画書の公表を予定しております。
 この公表によりまして、例えば同業種で同規模の他の事業者の取り組み内容を参考にできますとともに、計画書対象事業者を道路貨物運送業や製造業など五業種の分類に分けまして、業種ごとのCO2の目標削減率などの平均値を示すことにより、事業者がみずから自己評価できるようになるなど、効果が期待できるものでございます。

○桜井委員 最後になりますが、昨年十二月に南アフリカのダーバンで開催されたCOP17では、ダーバン合意は採択されましたが、結果として、各国の利害が対立し、問題の先送りになったことは否めません。
 国内においても、東日本大震災以後のエネルギー問題について、国は、その道筋さえ提示できておりません。このようなときだからこそ、都は、これまでに養ってきた多くのノウハウを駆使するとともに、新たな技術革新に対して敏感に対応し、地球環境問題に果敢に挑戦していくことが極めて重要であります。
 運輸部門のCO2排出量の削減には、行政だけでなく、メーカーや運送業界などのユーザー、加えて、車を利用する荷主や都民などすべてが目標を共有化して、一丸となって取り組むことが必要であります。
 今回提案しているハイブリッドトラックへの支援策を含め、環境局のこれまでにも増した力強い取り組みを期待して、質問を終わります。

○中村委員 平成二十四年度東京都一般会計予算の環境局分について質問します。
 昨年の東日本大震災が起こる前までは、環境行政というと、地球温暖化対策が大きく注目されていました。しかし、震災により電力需要の問題が加わったことで、エネルギーをいかに確保するかが注目されるようになりました。とはいえ、地球温暖化対策の必要性は重要なことに変わりはありません。
 都は、カーボンマイナス東京十年プロジェクトを掲げ、二〇二〇年までに東京の温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で二五%削減するとの目標でしたが、震災による影響はどうなると予想されるのでしょうか。排出量はふえていないのでしょうか。目標は達成できるのか、伺います。

○和賀井都市地球環境部長 現在、東日本大震災以降の原子力発電所の稼働停止に伴います電力不足を補うため、老朽火力による電力供給が増加していることから、電力の供給一キロワットアワー当たり、どれだけのCO2を排出しているかというものを示します数値であります排出係数というものがございますが、こちらは上昇するものというふうに見込まれております。
 しかしながら、震災以降の電力不足に際しましては、これまでの地球温暖化対策の中で実施してきました施策を活用し、例えば照明照度の見直しですとか、空調の温度の見直しなど、無理なく実践できます即効性のある対策の普及啓発を通じて、事業者、家庭とともに一丸となって節電対策、省エネルギーに取り組んだところでございます。その結果、東京電力の発表によりますと、二〇一一年度の上半期、東京電力管内の販売電力量は、昨年比でおよそ一四%減少してございます。
 今後とも、昨年夏の成果を踏まえた節電対策、省エネルギーにおけますグッドプラクティスの発信等を通じまして、これまでの電気の使い方の見直しを促しまして、スマートな節電、省エネルギーを促進していきます。加えまして、高効率で低炭素な自立分散型エネルギー源の導入ですとか、天然ガス発電所の設置、都内におけます太陽エネルギーを中心としました再生可能エネルギーの一層の普及拡大を通じました電力供給の低炭素化もあわせて進めてまいります。
 このように、エネルギーの需給両面からの対策に取り組むとともに、電力以外におきましても、先ほどの質疑にもありましたとおり、運輸部門におけますCO2削減などにも取り組みまして、二〇二〇年までに東京の温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で二五%削減するという目標達成に努めてまいります。

○中村委員 震災によるエネルギー確保という大きな問題はありますが、温室効果ガス排出量の二五%削減という目標に変わりがないことをご答弁で確認させていただきました。
 とはいえ、幾つかの課題に並行して取り組むことは大切ですが、大変なことでもあります。都は、東日本大震災後の大幅な電力不足を受け、電力対策緊急プログラムを策定し、事業所、家庭における省エネ、節電対策を推進してきましたが、全国的に原発の停止等による電力不足が予想されるこの夏以降は、都の環境、エネルギー政策は、電力確保、生活水準の維持、環境保全か、何を優先するのでしょうか。
 節電を含めて、経済への影響や都民生活の水準はどうなると考えているのか、ご所見を伺います。

○吉村環境政策担当部長 先ほどの都市地球環境部長が答弁させていただいた内容にもありましたとおり、昨年夏は、大幅な電力不足を受け、家庭や職場におけるこれまでの電気の使い方が大きく見直されたところでございます。
 一方、一部に見られました、家庭でのエアコンを全然使わない、不使用とか、職場でエレベーターを完全にとめてしまう、あるいは一部とめてしまうというようなことで、健康への影響や業務効率の低下をもたらす、こういった無理な節電を今後継続して実施し、定着させていくということは困難でありますし、こういうことを行政施策として継続して実施していくことは無理があるというふうに考えてございます。
 そこで、今後は、省エネ技術等を活用することなどによりまして合理的な節電を進め、電力需給の安定化、都民生活や執務環境の快適性の維持、CO2排出量の抑制といった三つの課題をうまくバランスさせて、両立させていく施策に取り組むことが必要であるというふうに認識しております。
 具体的に申しますと、まず需要面では、運用面の対策に加えまして、先ほどの質疑にありましたスマートメーター等によるエネルギー使用量の見える化、高効率照明、空調の導入など、設備面での対応を計画的に行い、合理的な省エネ、節電を実現していく、こういうことが必要であるというふうに考えます。
 また供給面においても、高効率なコージェネレーション設備などによって自立分散型エネルギーを進めていくことや、太陽エネルギー等の再生可能エネルギーの大幅な普及拡大など、低炭素な電源の確保を推進していくことが重要だと考えてございます。
 このように、エネルギーの需要と供給の両面からの対策を継続して進めまして、電力の需給の安定化と生活水準の維持、あるいは環境保全など、多くのファクターをうまくバランスさせて定着させていく、こういった取り組みを進めていきたいというふうに考えてございます。

○中村委員 いずれの要素も大切であり、うまくバランスをさせていくとのことでした。それを実現するには行政のリードが必要ですが、都民の協力も大切です。そのためには適切な情報が必要ですが、電力は足りているという説とか、足りていないという説など、さまざま報道され、都民にも戸惑いがあります。正しい情報に基づいて正しい判断がなされるよう、お願いいたします。
 次に、太陽エネルギーについて伺います。
 都は、昨年十二月に発表した「二〇二〇年の東京」計画では、都内の全戸建て住宅の六分の一に相当する三十万戸に太陽光発電を整備することで、九十万キロワットの電力を生み出すとしています。
 家庭における創エネルギー導入補助が、昨年夏の補正予算で、平成二十三、二十四年度の二カ年の事業として組まれています。住宅用の太陽光発電や太陽熱利用等が補助対象となっていますが、太陽光発電は、平成二十二年度末で一たん終了した補助事業を復活させた形となっており、その経緯及び補助の効果を伺うとともに、今後、太陽エネルギーの活用をどのように考えているのか伺います。
 また、三月十九日には、朝日新聞に一面の全面広告として大野環境局長の対談の広告記事を掲載して、太陽熱の普及促進について大きく推進をしています。広告には、家庭部門のエネルギー消費量の半分は、今後、太陽熱にしたいというグラフも掲載されています。太陽熱の普及促進も含めてご回答願います。

○和賀井都市地球環境部長 住宅への太陽光発電の補助事業につきましては、平成二十一、二十二年度の二カ年で約一万九千件に上る導入実績を上げ、平成二十二年度は、補助開始前と比べて約七倍以上に導入を拡大したところでございます。
 このように所期の目的を達したため、当初予定どおり、平成二十二年度末で事業を終了いたしましたが、震災に伴い、家庭における電力確保が喫緊の課題となったため、昨年夏の補正予算に基づきまして、創エネルギーを目的として再開したものでございます。今年度は、七倍以上に拡大しました昨年度をさらに四割程度上回るペースで導入が拡大しております。
 さらに、お話にありました太陽熱につきましては、今後は、給湯や暖房といった熱需要が全体のエネルギー需要の約半分を占める家庭におきまして非常に有効でございますので、太陽熱の利用を促進することが重要だと考えてございます。太陽熱市場を再構築するため補助事業を展開しながら、太陽エネルギーを最大限活用してまいります。

○中村委員 太陽エネルギーを最大限活用することへの決意を伺うことができました。
 先ほど紹介した環境局の広告には、太陽光発電の効率は十数%、太陽熱は四〇から六〇%とあります。もちろん、電気として使うか、熱として使うかの違いはありますが、住宅の状況によっても活用の仕方が変わってきますので、最適な組み合わせで最大限活用できるような検討をしていただきたいと思います。
 さて、太陽光発電は住宅用を中心に導入が進んでいますが、ことし七月から開始される固定価格買い取り制度では、住宅用太陽光発電以外の再生可能エネルギーについて、その発電電力の全量が買い取られることになっています。
 これにより、住宅以外でも太陽光発電の導入が大幅に拡大することが期待されますが、都として、この全量買い取り制度によるさらなる普及拡大効果についてどのように認識をしているのか、ご所見を伺います。

○和賀井都市地球環境部長 固定価格買い取り制度の法律が成立以降、住宅以外のスペースを活用しました太陽光発電のビジネスプランを検討する事業者が多数出てきてございます。
 全国的には、大規模な遊休地を活用しましたメガソーラー事業が動き出しておりまして、広大な敷地の確保が困難な都内におきましても、倉庫ですとかホームセンターなど、比較的広い屋根面積を確保できる施設の屋根を活用した発電事業の検討が始まっております。
 このような取り組みは、住宅より大きな太陽光発電の導入が促進される点で有意義と考えておりますが、実際に成果を上げるためには、国が設けました第三者委員会で検討が始まった買い取り価格について、事業採算がとれる水準で設定されるなど、固定価格買い取り制度の実効性が担保されることが重要だと認識してございます。

○中村委員 次に、区市町村補助事業について伺います。
 都はこれまで、地球温暖化対策や緑の創出、保全をさらに進めるためには、都民や事業者に身近な区市町村においての取り組みが必要として、平成二十一年度から三年間にわたって東京都地球温暖化対策等推進のための区市町村補助事業制度を行い、平成二十三年度には十八億六千万円の予算が計上されていました。
 まず、三カ年の成果について伺います。

○吉村環境政策担当部長 平成二十一年度から実施しております地球温暖化対策等推進のための区市町村補助制度につきましては、これまでの三年間で、都内六十二区市町村のうち五十二団体でご活用いただきました。残念ながら、島しょを中心に十団体には結局はご活用いただけなかったのですが、多くの団体にご活用いただいて事業を実施しました。
 この制度の活用によりまして、例えば商工会等、事業者団体と連携した中小規模事業者のCO2の削減対策であるとか、あるいはコミュニティバスへの電気自動車の導入、また、西多摩地域においては間伐材の木質バイオマスの利用など、地球温暖化対策等の推進に向けた、地域の特性を生かしましたさまざまな事業が行われました。
 これらを通じまして、各区市町村の地域特性に応じて、地球温暖化対策、また緑の創出、保全が実現しまして、区市町村の創意工夫に基づく波及効果の高い先駆的な事業への取り組みの促進など、大きな成果を得ることができたというふうに考えてございます。
 こういったことで、当初想定していた制度創設の目的は達成できたのではないかなというふうに認識しております。

○中村委員 大きな成果が出たとのご答弁でしたが、この三月末で、先ほど述べた補助事業は終わります。
 そして、次年度、平成二十四年度からは、二カ年の事業として、地域と連携した環境政策推進のための区市町村補助事業が始まるとのことで、平成二十四年度には五億円の予算が計上されています。
 前の制度からすると、単純に予算規模だけ見れば減っているのですが、新しい制度の内容について伺います。

○吉村環境政策担当部長 平成二十四年度から新たに開始いたします、地域と連携した環境政策推進のための区市町村補助制度につきましては、東日本大震災を踏まえた新たな課題への対応等を含めまして、区市町村が事業主体となる緊急性、重要性の高い環境施策に関し、都がその事業費の二分の一を補助する制度でございます。
 この制度では、区市町村単独で実施する事業に加えて、住民やNPO、民間団体等、地域と区市町村とが連携を図りつつ取り組む事業も対象としております。こうした環境政策に向けた地域住民等の参加を促進する仕組みとしております。
 また、事業採択に際しましては、区市町村の個々の取り組みが近隣自治体へ与える影響も重視する予定でございまして、各区市町村の取り組みが都内全域に広く波及し、相乗効果を発揮することも期待しております。
 具体的な補助メニューとしましては、省エネでは、例えばNPOと連携した家庭の省エネルギーを促進する仕組みづくりであるとか、再生可能エネルギーでは地中熱利用を促進する事業、あるいは、生物多様性では生物多様性のための計画策定、あるいはその計画に基づく取り組み、廃棄物抑制の事業としては、先ほどちょっとご議論のありましたレアメタルのリサイクル事業なども、区市町村で取り組んでいただくときにご支援させていただくという考えでございます。

○中村委員 先ほど述べましたが、新たな事業は二カ年ということですが、平成二十六年度以降は、区市町村補助はどうするのか伺います。

○吉村環境政策担当部長 地域と連携いたします環境政策推進のための区市町村補助制度につきましては、お話のように、平成二十四年度、二十五年度の二カ年間の事業として予定してございます。
 二十六年度以降につきましては、それまでの事業の進捗やその効果を検証した上で検討していくことになるというふうに考えてございますが、今、私どもとしては、この平成二十四年度から始まる新たな補助制度を区市町村にご活用いただけるよう、全力を尽くすことが重要であると考えてございます。
 こうした取り組みを進めまして、都民に身近な区市町村がみずからの責任と創意工夫によりまして、地域に根差した環境施策に積極的に取り組んでいただけることを期待しているところでございます。

○中村委員 これから始まる事業ですから、まずそれが活用されるということは大事だと思いますが、二年後に効果を検証した上で、また検討していくというご答弁でもありました。
 環境政策については、市区町村で取り組む課題ではありますが、財政力の差にかかわらず自治体で取り組んでいただきたい課題でもあります。例えば、福祉の方では包括補助制度のような制度もありますので、グリーンニューディール基金の方も終了したようですから、環境分野においても、施策推進のための新たな制度の創設というのも必要かと考えます。
 さらに、市区町村の枠組みを超えて活動するNPO等の民間団体もありますので、そうした市民活動も継続して活動していけるような制度の創設を求めて、次の質問に移ります。
 次に、来年度の新規予算として計上されている、エネルギーセンターとしての廃棄物処理施設の調査研究の内容を伺います。
 予算の資料によると、多摩地域におけるエネルギーセンターとしての廃棄物処理施設の規模等を調査研究するとして六百万円が計上されています。都は、「二〇二〇年の東京」計画の中では、ごみ発電により十万キロワットを新たに創出するとしています。既に二十三区では、すべての焼却施設で発電をしているため、多摩地域でということのようですが、多摩地域での市町村の焼却炉の状況についても、あわせて伺います。

○木村廃棄物対策部長 多摩地域にあります市町村の清掃工場は、市単独は十一工場、それから、複数の市が一部事務組合をつくって運営しているところが六工場、合計十七工場でありまして、このうち、ごみ発電設備を有するのは七施設でございます。
 二十三区ではすべての清掃工場で発電設備を有しており、多摩地域においても、清掃工場の建てかえにあわせて、ごみを再生可能エネルギーとして活用するよう検討する必要があると考えております。
 平成二十四年度の調査研究では、ごみ発電やバイオマス利用など、エネルギーが活用できる処理技術等の内外の先進事例を収集、研究するとともに、エネルギーセンターとしての廃棄物処理施設の最適な処理規模などを検討してまいります。

○中村委員 エネルギーのことを検討するのは大切なことだと思うんですけれども、今はまず、多摩のごみをどのようにするかということは、大きな問題としてあると思います。
 一般廃棄物の処理については、収集、運搬、分別、焼却、最終処分まで自治体内で行う自区内処理が原則とされています。しかし、実際には、東京都内において自区内で埋め立てまでできる敷地を確保するのは大変困難です。
 二十三区では都からの分権が進み、ごみ処理は二十三区の業務になりましたが、二十三区のごみは東京都の中央防波堤で埋めていただいてはいますけれども、多摩地域ではそういうところがないので、一部事務組合をつくって、日の出町で最終処分を行っていただいています。
 先ほどの質問でも、多摩地域の廃棄物処理施設について、エネルギーセンターとしての検討をするということでしたが、そもそも多摩地域のごみ行政をどのようにするのかという幅広い議論も必要ではないかと思います。
 もちろん、市町村の事務ですから、最終的には市町村の判断になりますし、そうでなければならないと思います。ただ、複雑な事情と長い歴史のある問題ですから、先々を見ても、焼却炉を建てかえる都度、今のような問題が発生しかねない事項でもありますので、都も全く無関係ではいられないと思います。
 東京都のように、都市部においては自区内だけで最終処分することは現実的には困難な中で、将来的な多摩地域のごみ処理について、都としてはどのように考えているのか、ご所見を伺います。

○木村廃棄物対策部長 廃棄物処理法では、一般廃棄物の処理は基礎的自治体である市町村の事務とされております。
 一般廃棄物の収集、運搬は各市町村が実施しております。清掃工場につきましては、先ほどいいましたように、市単独あるいは複数の市町村が組合をつくって清掃工場を設置、運営しております。最終処分につきましては、多摩地域のほとんどの自治体、二十五市一町で東京たま広域資源循環組合をつくり、運営しております。
 このように、事業の内容に合わせて、各市町村が市町村の判断において事業主体を決めていくことが原則であると考えております。
 都は、広域的な立場で、多摩地域におけるごみ処理問題解決のため、必要な技術的支援と市町村相互間の調整を行ってまいります。

○中村委員 ごみの問題は、都市部においては本当に重要な問題だと思います。
 先ほど述べたような状況の中で、多摩地域では厳しい状況から、ごみを減らしているという努力は、多摩地域は全国で最も進んでいるといっても過言ではないと思います。
 以前の委員会でも質問しましたが、リサイクル率だけで見ても、区部では約二〇%なのに対して、多摩では約四〇%ということで、住民の皆様は、分別を含めて大変努力と協力をしていただいています。それだけに、現在では市町村の業務ではありますけれども、広域行政の視点から、市町村の意見もよく聞いて、よりよいごみ行政について検討していただくことをお願いしまして、質問を終わりたいと思います。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時二十八分散会