環境・建設委員会速記録第三号

平成二十四年三月十六日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長上野 和彦君
副委員長桜井 浩之君
副委員長中村ひろし君
理事高橋かずみ君
理事笹本ひさし君
理事尾崎 大介君
松葉多美子君
かち佳代子君
山田 忠昭君
小宮あんり君
原田  大君
こいそ 明君
石毛しげる君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
次長野口 宏幸君
道路監横溝 良一君
総務部長東  了一君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長浅川 英夫君
道路建設部長吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長飯塚 政憲君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長野崎 誠貴君
公園管理担当部長滝澤  達君
緑化推進担当部長町田  誠君

本日の会議に付した事件
 建設局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百七号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第百八号議案 東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・第百九号議案 東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百二十七号議案 平成二十四年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について

○上野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成二十四年度予算については予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十四年三月十五日
東京都議会議長 中村 明彦
環境・建設委員長 上野 和彦殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十二日(木)午後五時

(別紙1)
環境・建設委員会
第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 環境・建設委員会所管分

(別紙2省略)

○上野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、第百七号議案から第百九号議案まで及び第百二十七号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○東総務部長 去る二月十六日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十二件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。建設局の事業別予算、決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など表頭に記載しました建設局の主な事業につきまして、平成十五年度から平成二十二年度までの予算額と決算額、平成二十三年度当初予算額及び平成二十四年度予算案の額をあらわしたものでございます。
 二ページをお開きください。道路橋梁費における事業別財源内訳でございます。
 この表は、平成二十四年度予算案における道路橋梁費につきまして、それぞれ事業別に事業費及び国庫支出金などの財源内訳をあらわしたものでございます。
 三ページをお開きください。直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十五年度から平成二十二年度までの決算額、平成二十三年度当初予算額、平成二十四年度予算案の額及び各年度の主な事業箇所をあらわしたものでございます。
 四ページをお開きください。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成十四年度から平成二十三年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。なお、平成二十三年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 五ページをお開きください。骨格幹線(主要路線)、地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成二十年度から平成二十二年度までの決算額、平成二十三年度の当初予算額及び平成二十四年度予算案の額をあらわしたものでございます。
 六ページをお開きください。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況といたしまして、各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業につきまして、平成十五年度から平成二十二年度までの決算、平成二十三年度当初予算、平成二十四年度予算案の状況をあらわしたものでございます。
 七ページをお開きください。道路補修費の予算、決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成十五年度から平成二十二年度までの予算、決算額の区部、多摩部別、平成二十三年度当初予算額及び平成二十四年度予算案の額をあらわしたものでございます。
 八ページをお開きください。歩道の整備状況の推移でございます。
 この表は、歩道の延長及び金額につきまして、平成十五年度から平成二十二年度までの決算、平成二十三年度当初予算、平成二十四年度予算案の状況を、それぞれ区部と多摩部の内訳とともにあらわしたものでございます。
 九ページをお開きください。都市公園の維持管理費、整備費、用地取得費及び開園面積の推移でございます。
 この表は、当局の所管いたします都市公園における維持管理費ほか、表頭区分に記載しました各事項につきまして、平成十五年度から平成二十二年度までの決算額、平成二十三年度当初予算額、平成二十四年度予算案の額及び各年度の用地取得面積と開園面積をあらわしたものでございます。
 一〇ページをお開きください。建設局における広報、広聴の取り組みでございます。
 この表は、建設局における広報、広聴の取り組みにつきまして、平成十八年度から平成二十二年度までのプレス発表件数と、都民の声受け付け件数及び主な取り組みをあらわしたものでございます。
 一一ページをお開きください。建設局職員の研修でございます。
 この表は、管理職を対象とした研修及び一般職員を対象とした研修を、中央研修と局研修の区分に従いまして、平成十八年度から平成二十二年度までの科目数と主な研修内容をあらわしたものでございます。
 一二ページをお開きください。建設局発注工事に関する契約解除及び入札不調件数でございます。
 この表は、建設局が発注した工事における契約解除及び入札不調につきまして、平成十九年度から平成二十三年度までの件数をあらわしたものでございます。なお、平成二十三年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○笹本委員 私からは、百八号議案、東京都葬儀所条例の一部を改正する条例について質疑をさせていただきたいと思います。
 私は、東京都の一番東側の端っこ、江戸川区でございます。委員長も同じく地元が江戸川区ということでございまして、瑞江の葬儀所は非常に身近なところにあって、私のところからも約十数分のところに位置しております。
 この手の仕事をしておりますと、やはり通常、一般の方よりも、親しい方が亡くなったりした場合に、収骨といいますか、お骨上げまで行って、最後のお見送りをするというケースは比較的多いのかなというふうに感じております。そんな思いで、日ごろ何度か足を運ぶ、その葬儀所に対する思いは、地元ならではということで、当然、地元から多々聞く意見も含まれております。そういうことを踏まえて、委員長も恐らく同じ気持ちを持っていただける部分もあるのではないかなということで質問をさせていただきたいと思います。
 私も余り意識しなかったんですが、瑞江の葬儀所に行きますと、中庭に石でできた猿の石像があるのはご存じでしょうか。ご存じですか--実は石像の猿があるんです。ほとんど私は意識しないで、それをいつも通り過ごしていたということがあるんですが、これは実は西を向いているそうなんですよ。なぜかというと、由来が余りはっきり、現存している資料がないそうなんですが、多分、猿というのは、簡単にいうと西遊記の孫悟空をイメージしていただければと思うんですが、三蔵法師にお供をしていって、西の方に行って経典を探しにいくという孫悟空の話がありますけれども、それになぞらえて、西の方に日が落ちていくと。そして、そっちの方に向かって、これから浄土の旅といいますか、成仏をされていく、旅立つ方を祈念するというか、成仏してくださいよということを、恐らく猿が思いをはせているのではないかというようなエピソードがあるそうなんですが、私は、そういうエピソードは全然知らないで瑞江の葬儀所に何度か行っているということがありました。
 この質問をするに先立って、実は葬儀所で働いている方から、この中の委員の方も何名かいると思いますけれども、中の状況に関するお話というか、メールの状態でしたけれども、いただきました。私もよく聞くような話もありますし、そこに働いている方でないとわからないような話もあったりはするのでしょうけれども、それはそれとして、日ごろ見ないところをあえて、その話があったのをきっかけにして視察もさせていただきました。
 日ごろ決して見ることがないような、例えば炉の裏側ですとか、何というんですかね、うまくご遺体を焼却というのでしょうか、するための、いろいろ工夫とか苦労なども聞くことができて、何となくは知っているつもりだったんですけれども、これは大変なお仕事だなということを改めて思ったりしたところでございます。
 瑞江葬儀所は、戦前の昭和十三年二月に開設をしているということだと思います。当時も今も、都内で唯一というか、公営火葬場。臨海も一部事務組合ということでやっているということでいえば公営なんでしょうけれども、都内で唯一ということで、開場されて七十数年たっているということで、模範的な火葬場ということを目指されて今日に至っているということだと思います。無煙であり、無公害であるだとか、あるいは丁重に亡くなった方を取り扱うですとか、そういう理念があって、そして、炉の格差なども設けず、低廉な料金で、心づけなども無用であることなどを基本理念にしているということを改めて確認したところでございます。
 そういうことを踏まえまして質問させていただくのですが、瑞江葬儀所、東京で唯一の都営火葬場であるということでございます。都区の役割分担ということはいわれて久しいわけですけれども、今、改めて都営火葬場の役割についてお伺いをします。

○滝澤公園管理担当部長 火葬場事業の経営主体につきましては、永続性及び非営利性の確保の観点から、原則として市町村等の地方公共団体とする旨の厚生労働省通知もありまして、また全国的な実態からしましても、より住民に身近な市町村または一部事務組合が原則であると考えております。
 東京都瑞江葬儀所は、昭和十三年に東京市の火葬場として開設されまして、昭和十八年に東京都に引き継がれました。そして、今日まで都営火葬場として運営されてまいりました。

○笹本委員 そして、今、身近なという話が出ましたけど、委員長も私も江戸川区で大変身近に思っているんですが、この都営葬儀所の利用状況について伺うものです。
 例えば、一日の受け入れ可能件数というのでしょうか、年間どのぐらいの方が利用しているか、あるいは利用者の居住区域、私は江戸川区ですけれども、近隣の江戸川区ですとか、葛飾区ですとか、足立区ですとか、そういうところなのかなと思いますが、この利用状況についてお伺いをいたします。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所の一日の受け入れ件数ですが、二十五件を基本としまして、それに加えて、体の一部や土葬骨の火葬を時間外で受け入れております。これらの全体の年間利用件数は、過去五年の平均で年間約七千五百六十件でございます。
 利用者の居住地別内訳につきましては、過去五年の平均で、最も多いのが江戸川区で四三%、次が江東区で二六%、以下、葛飾区、墨田区、両方とも七%で続いております。この四区で約八割を占めております。

○笹本委員 地元の印象としては、江戸川区が半分の五割もいっていない、四三%、そして、恐らく江東区が三〇%弱ぐらいだと思うんですけれども、比較的少ないのかなという印象です。
 それで、一日の受け入れ件数、二十五件という話を今いただいたんですが、実は視察をした際につぶさに説明していただいたんですが、五基というんですかね、五台の炉を五回転させる。五掛ける五で二十五というふうになっているということを説明していただきました。炉自体は、たしか二十基あって、ローテーションをしながら、ローリングをしながら整備、メンテナンスをしているということを伺いました。
 十一月だったと思います、過日の委員会で、石毛委員より、東日本大震災における瑞江火葬場の火葬協力の件がありました。ちょっと正確な数字は忘れました、百五十六体でしたか、ご遺体を瑞江で引き受けるということがありました。それ以外にも民間のところで受け入れたというようなことがあって、献花台を設置したりして、象徴的な場所にもなったのかなというような印象を持っております。
 近隣の四区で八割を占めているということがわかったわけですが、冒頭いいました、私、こういう仕事をしていると、お弔いの場に立ち会うことが多いんですが、実は、瑞江葬儀所の予約がとれずに、葬儀社を通じて聞くんでしょうけれども、葬儀の日程が大分ずれてしまう。要は予約がとりにくいと。それをよく調べてみると、瑞江の方が予約がとれない、火葬場の予約がとれないということを葬儀社からいわれるというふうにいわれるわけです。
 一般質問でも、ちょっと関連するような質問がありましたが、今、生活保護の方というのは大変数字も多いわけです。そんな中で、いろいろな影響が出ているのではないかなと思うわけですけれども、地元としては、利用する人は、しょっちゅう利用するわけではないですから、できるだけ早く丁重に亡くなった方をお弔いしたいという気持ちだと思いますけれども、これは地元の意見ではありますが、何らかの配慮はできないのかなどというような話も出たりするわけですが、ちょっとここいらの状況についてご説明いただきたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所の予約ですけれども、先着順となっております。常に数日先まで予約が入っている状況でございます。何日後に予約を入れられるか、平均日数で見てみますと、平成二十一年度につきましては二・五日、二十二年度は三・二日、二十三年度は三・九日と増加傾向にあります。この日数が長くなっている要因としまして、全体の死亡者数が増加することや生活保護者の方の利用がふえていることも考えられます。
 地元への配慮についてでございますが、瑞江葬儀所は都立の施設でございまして、都民の使用料と、都民以外の使用料とに区分してございます。また、瑞江葬儀所の敷地内に児童公園を整備し開放しているほか、区の集会施設を設置するための土地を長年無償でお貸ししております。

○笹本委員 いろいろな原因があるのかなというふうに察してはいるんですけれども、生活保護で亡くなられた方というのは、利用料がたしか六百円ということで、都内の瑞江から遠いところの方でも、利用する場合は六百円で利用できるということになっている。先ほどの、当所の、瑞江葬儀所の沿革のところの基本理念で、低廉な料金で利用できるなんていうこともありましたから、その基本理念には沿っているのかなとは思いますが、地元の思いとしては、そういうときはできるだけ早く亡くなった方の弔いをしたいという気持ちがあるということはご理解していただきたいと思うわけです。
 今回の料金改定により、都内の民間火葬場の料金に近くなるわけです。その理由を、ちょっと重複する部分はあるかもしれませんが、説明していただきたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 火葬料は、受益者負担の原則から、火葬に要する諸経費の積算原価に基づいて算定しております。これまで、原価との乖離がございましたので、一・五倍を限度として改定してまいりました。
 瑞江葬儀所の火葬料は、今回の改定で七歳以上が五万四千六百円となりまして、都内民間火葬場の一般料金五万九千円にほぼ近づくことになります。

○笹本委員 繰り返しになりますけれども、くどいですけれども、瑞江葬儀所の沿革というか、基本理念のところには低廉な価格というのはあって、それに沿って運営をしていると思いますが、いろいろな原価とか、もろもろの要因の中で、やむを得ないのかなと理解をして、恐らくこういう会話を、私はまた地元に帰ったら、あるいは上野委員長も、きっと説明をするような場面というのはあるのかなとは思います。ひとえに、丁重に亡くなった方をお見送りするという気持ちですから、余りぎすぎすしたことをいうつもりはないんですけども、やはりちょっと質疑の場で聞いておきたかったという思いなんです。
 そして、本来、私も不勉強で余りよく知りませんでしたけれども、火葬場というのは基礎的自治体といいますか、いわゆる市区町村の事務といいますか、仕事ということで、そういう意味でも、都道府県というか、都がやっている瑞江の葬儀所というのはまれなケースということなのかと思いますが、印象として、大変恐縮なんですが--都区のあり方検討委員会というのがずっとあると思うんですが、この中の課題の一つには入っていると思うんです。
 そこらの検討状況、震災があったりして進まなかったりした部分とか、いろいろあるとは思うんですが、ちょっとそこらの状況をお話しいただきたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所につきましては、平成十九年度に設置されました総務局の都区のあり方検討委員会での検討対象事務となっておりまして、平成二十二年六月、同検討委員会の部会において議論されました。
 都は、火葬場事業は、地域的利用が中心であることから、より住民に身近な主体で行うことが望ましく、瑞江葬儀所につきましては、住民サービスの観点からも、区へ移管すべきものと評価しました。区側は、基本的に広域的な利用を前提とした施設であるとして、引き続き都が担う方向で評価しました。
 このため、議論は平行線となりまして、都区の役割の是非を引き続き検討する事務と整理されまして、検討を継続しております。

○笹本委員 先ほど、利用しているほとんどの区が、八割ぐらいは近隣の江東区だとか江戸川区だとかという話がありましたけれども、区は区で広域的なというふうに、ちょっとかみ合わないなという印象です。この質疑に先立って、江戸川区役所にも行って所管するところといろいろ、いろいろというほどではないですけれども、話をしてまいりました。なかなかちょっとかみ合わないなという印象です。
 かといって、今は管理運営を東京都公園協会が、特命随意契約で五年ごとの見直しということだと思いますが、指定管理者でやっているということでよろしいんですよね--ということでやっていると思いますが、それはそれとして、区がかたくなにそういう姿勢をいうのは、広域的にやるべきだというのは全然本音じゃなくて、恐らく採算だとか、いろいろなことを考えたり、今の施設、昭和五十年に改築をしているんですよね、たしか。昭和十三年以来、昭和五十年に改築をして、昭和五十年というと一九七五年ですから、もう四十年近くたつのかなということですね。
 そういうこともあって、先ほど、炉が二十基あって五台の炉を五回転しているなんていう話がありましたけれども、いろいろな部分で、施設の機能やなんかも今後はいろいろ改善も必要な部分もあるのかなと思います。
 民間の葬儀所というんですか、斎場なんかですと、お通夜があって、その日に遠隔地から来た方は宿泊をして、告別式をして、そしてだびに付して、場合によってはその場で初七日までやるというような総合的なパックになったような、総合斎場といういい方でいいんですかね、そういう形のものが割とふえてきている。
 そういう中で、都営霊園、公園霊園であるとはもちろん理解しておるんですが、今後、そういう形で、瑞江の葬儀所の機能というものに、それなりの付加価値というか利用価値を見出していくということも視野に入れていただくこともあるのかなと思います。
 先ほどもいいました、地域にはもう本当に七十数年、非常になれ親しんでいる地域でございます。ある意味では公園的な意味合いもあり、これをつくる際の東京市議会では、非常にこれを意識して、洋風というか欧風な建物、教会をイメージして、当時、今から八十年近く前、東京市議会で質疑をした際には、喫茶店と見間違うのではないかということを質問したのに対して、当時の公園課長は、それはむしろお褒めの言葉だ、最期を締めくくるのに暗い気持ちにならないように亡くなった方をお見送りするんだという、これは七十数年前の答弁にしては、いまだに残っているというのは、なかなか秀逸だなとは思いますけれども、そういう意味で、総合的な機能をも付加した総合斎場ということも今後ぜひ検討していただきたいと思います。
 非常に大切な施設だと思いますので、我々も地元としても生活の中で一体となっている瑞江葬儀所、霊園でございますので、ぜひそんなことも検討を加えて、意見を述べさせていただいて、質問を終わりとします。
 ありがとうございました。

○高橋委員 最初に、連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
 都内にある数多くの踏切は、交通渋滞だけでなく、踏切事故や緊急車両の通行の障害になるなど、安全で快適な都市活動の阻害要因となっております。このような踏切問題を解消するには、数多くの踏切を一挙に除却する連続立体交差事業の推進が必要不可欠であります。
 先日の我が党の代表質問においても、連続立体交差事業の推進に向けた取り組みについて質問し、現在、西武池袋線を含め七路線八カ所で事業が進められているとの答弁を得ております。しかしながら、都心から西へ向かう路線については、JR中央線、京王線、小田急線などでは連続立体交差化の取り組みが進んでいる一方で、西武新宿線は取り組みがおくれており、東京の道路ネットワークの形成や、地域の安全で快適な生活の大きな妨げとなっております。(「南武線もそうだ、南武線も」と呼ぶ者あり)南武線もそうですね。
 西武新宿線については、上石神井駅から西武新宿駅に向かって地下線を整備する都市計画がありますが、いまだ実現に至っておりません。このような中、いよいよ西武新宿線の中井駅から野方駅間において、平成二十四年度に連続立体交差化の事業認可が取得される予定であると聞いております。
 そこでまず、この区間の計画の概要と効果についてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長 本計画は、西武新宿線中井駅から野方駅間の約二・四キロメートル区間を地下化し、七カ所の踏切を除却するものでございます。これらの踏切のうち、補助第二六号線、中野通りとの交差部を含む五カ所が、ピーク一時間当たりの遮断時間が四十分以上のあかずの踏切となっております。本計画は、これら七カ所の踏切を除却することで、交通渋滞や地域分断を解消いたします。
 あわせて、この区間にあります新井薬師前駅と沼袋駅では、駅部の改良を行うことにより利用者の安全性の向上を図ります。
 また、地元区は、本事業にあわせまして、駅前広場や駅へのアクセス道路の整備など沿線のまちづくりを進め、交通の安全性や利便性の向上、地域の防災性の向上を図ることとしております。

○高橋委員 本計画が地元の利便性と安全性の向上に効果があることがわかりました。地域住民は、一日も早い鉄道立体化を切望していることと思います。
 そこで、実際に地元区からはどのような要望があるのか伺います。

○吉原道路建設部長 平成二十二年十一月に、中野区議会あてに、地元の方々から本区間の早期事業化を望む請願が提出されました。請願が区議会で採択されたことを受けまして、平成二十三年一月に、中野区長より、区民の総意として、本区間の連続立体交差化の早期実現に関する要望が都知事あてに提出されております。

○高橋委員 地元の方々は、本区間の早期事業化を待ち望んでおります。そのため、着実に手続を進めるべきと考えますが、現在の取り組み状況と今後の進め方について伺います。

○吉原道路建設部長 現在、用地測量の一環として、地権者などに対し個別訪問を行っておりますが、九割以上の方々にご協力いただいております。引き続き、用地測量を実施するとともに、国との協議を進め、平成二十四年度に事業認可を取得する予定でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期事業化へ向け積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 事業化に向けた手続が着実に進められていることがわかりました。引き続き早期事業化へ向けて積極的に取り組むよう要望いたします。
 さらに、これよりも西側にある西武新宿線の井荻駅から東伏見駅付近の区間についても、連続立体交差化の事業候補区間として検討が進められており、踏切解消に向けた地元の期待は非常に大きいものであります。この区間にある、私の地元、練馬区内の上石神井駅周辺や武蔵関駅周辺において沿線のまちづくりの取り組みの意欲が高まってきたことなどから、ぜひ事業化に向けた課題を早期に解決し、連続立体交差化を実現するよう強く要望しておきます。
 次に、練馬区内で事業中の西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅までの区間における連続立体交差事業についてお伺いいたします。
 本事業について、私はこれまでも、議会などを通じ、幾度となく早期高架化を要望してまいりました。この結果、昨年四月には、本事業区間のうち練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの区間が先行して高架化され、六カ所の踏切がなくなりました。これにより、富士街道では踏切遮断による交通渋滞が解消するなど、高い事業効果が得られていることを昨年十一月の本委員会において確認し、改めて連続立体交差事業の重要性を認識いたしました。
 地元では、長年の悲願であった高架化による踏切除却が達成された現在、石神井公園駅までの複々線化や、高架下利用への関心が一層高まっています。先日も西武鉄道が高架下利用に関連する説明会を開催したと聞いており、いよいよ高架下の具体的な動きが始まったと感じております。
 そこで、本事業における高架下利用の取り組み状況について、石神井公園駅の高架下の動向も含めて伺います。

○吉原道路建設部長 西武池袋線連続立体交差事業の高架下利用につきまして、東京都は、練馬区及び西武鉄道と高架下利用検討会を設置し、昨年、利用に関する基本的方針を取りまとめました。現在、これに基づき、施設の内容、規模、配置などの具体的な検討を進めており、関係者間の調整が整った箇所から利用を開始することとしております。
 石神井公園駅の高架下では、西武鉄道が店舗の設置に向けた手続を開始しており、練馬区も観光案内所などを設置することとしております。
 都は、沿線のまちづくりとの整合や、練馬区の意向を総合的に勘案し、高架下が有効に利用されるよう積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 石神井公園駅の周辺では、現在もにぎわいのある商店街が形成されております。高架下は西武鉄道の土地ではありますが、さらなるまちの発展につなげるためにも、その利用に当たっては、地元の区や商店街の声によく耳を傾けながら、共存共栄を図っていくよう要望いたします。
 一方、石神井公園駅付近から大泉学園駅までの区間では、昨年十二月に工事説明会が開催されたと聞いており、地元の方々からは、事業の進捗に対する期待の声が寄せられております。
 そこで、この区間における本事業の取り組みについて伺います。

○吉原道路建設部長 石神井公園駅付近から大泉学園駅までの区間につきましては、必要な用地がおおむね確保できたため、本年一月から仮線工事を進めております。引き続き、平成二十四年内の仮線切りかえを目指しまして、工事を着実に進めてまいります。
 今後とも、西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅間の連続立体交差事業の推進に向けまして、練馬区や西武鉄道と連携しながら積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 今後、石神井公園駅付近から大泉学園駅までの区間についても工事が本格化していくと思います。引き続き、安全に十分配慮しながら、本事業の早期完成を目指して積極的に取り組むよう強く要望いたします。
 また、都内にはいまだ数多くの踏切が残されており、交通渋滞や市街地の分断による都市の活力低下の要因になっております。これらの踏切問題の解消に向けて、連続立体交差事業に一層精力的に取り組んでいただくよう要望しておきます。
 次に、中小河川の整備についてお尋ねいたします。
 昨年は、八月から九月にかけて、台風十二号により西日本の広い範囲で記録的な大雨となり、奈良県や三重県などでは、総雨量が一八〇〇ミリを上回る豪雨により甚大な被害をもたらしました。
 都内においても、近年、集中豪雨が増加傾向にあり、平成十七年には石神井川、善福寺川、妙正寺川などで、平成二十年には多摩河川の境川、谷地川で、さらに平成二十二年には石神井川において水害が発生しております。このため、早期に河川の整備を進め、水害に対する安全性を高める必要があると考えます。
 私はかねてより、再三にわたり都議会の場において、五〇ミリの整備をスピードアップするとともに、次期整備水準を定め、早期に次のステップに移行すべきことを主張してきました。
 そこでまず、都内の中小河川の整備状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○飯塚河川部長 都の中小河川におきましては、一時間五〇ミリの降雨に対応するため、石神井川や善福寺川などの護岸の整備とともに、古川地下調節池や鷺の宮調節池、さらには入間川分水路などの整備を進めております。
 これにより、平成二十三年度末には護岸整備率は六五%となり、これに調節池等の効果を加えた治水安全度は七六%となる見込みでございます。
 近年、局地的かつ短時間の集中豪雨が多発していることから、現在、専門家による今後の河川整備のあり方検討委員会におきまして、目標整備水準や整備手法の基本的な考え方などについて検討を行っており、昨年十二月に中間報告を発表いたしました。
 今後は、本年夏を目途に最終報告を取りまとめた後、都としての中小河川における整備方針を策定してまいります。

○高橋委員 五〇ミリ整備を鋭意進めるとともに、次期整備水準を目指していただきたいと思います。
 平成二十四年度の中小河川の整備に係る予算は、前年度比一一%増となっております。財政状況が厳しい中、しっかりと予算を確保したことは大いに評価いたします。
 私の地元、石神井川や白子川では、これまでにたびたび浸水が発生し、多くの住民が被害を受けており、護岸の整備や調節池の工事が進むことにより、水害の軽減が図られるものと期待しております。
 そこで、練馬区内における石神井川と白子川の整備状況と平成二十四年度の整備予定について伺います。

○飯塚河川部長 まず、石神井川の進捗状況でございますが、平成二十三年度末の治水安全度は、河川全体で八七%、練馬区内では七三%となる見込みでございます。二十四年度は、練馬区内におきまして、新青梅街道より下流の愛宕橋付近などで、合わせて約百七十メートルの護岸整備を実施する予定でございます。
 次に、白子川の進捗状況でございますが、二十三年度末の治水安全度は、河川全体で五九%、練馬区内では四〇%となる見込みでございます。二十四年度は、三ツ橋付近の護岸整備に加え、新たに整備に着手する御園橋から一新橋区間にあります学園橋のかけかえ及びその上流で、合わせて約百メートルの護岸整備を実施する予定でございます。

○高橋委員 引き続き、平成二十四年度も護岸整備を着実に進めていくことはわかりました。しかし、石神井川や白子川は、練馬区内の治水安全度が、中小河川全体のそれに比べて低いことから、さらなる進捗を図っていただきたいと思います。
 白子川流域における水害の軽減は、白子川地下調節池の早期整備が欠かせません。私は、平成十七年に白子川で二度の水害が発生したことから、護岸の整備に加え、調整池の整備の重要性を訴え続けております。特に二十年の第二回定例会及び事務事業質疑において、中断していた白子川地下調節池の工事再開を繰り返し強く訴えてまいりました。その結果、都もこれにこたえていただきまして、十年ぶりに、二十一年度からの白子川地下調節池事業の再開が決定しました。白子川地下調節池のトンネル工事は、既に地元説明会も実施され、工事が着々と進んでいると聞いております。
 そこで、白子川地下調節池の進捗状況と今後の見通しについて伺います。

○飯塚河川部長 白子川地下調節池工事の状況でございますが、既設の発進立て坑内へのシールドマシンの据えつけが完了し、来週から本格的にトンネル部の構築を進めてまいります。
 並行して、石神井川沿いの環状八号線付近では、白子川からトンネルでつながる到達立て坑を構築しております。
 また、調節池の施設管理に必要な機械、電気設備や管理棟の設計を進めております。
 今後は、治水効果をできるだけ早期に発現させるため、暫定取水の当初予定を一年前倒ししまして、平成二十六年度末の取水を目指し、整備に取り組んでまいります。

○高橋委員 白子川地下調節池の整備が進んでいることがわかり、安心しました。緊急豪雨対策として計画している石神井川からの取水も含め、今後も着実に整備を進め、一日も早い調節池の完成を目指していただきたいと思います。
 先ほど河川部長から答弁があったように、都では、専門家による検討委員会を設置して、次期整備水準についての本格的な検討を進めているとのことであります。昨年十二月には中間報告もされており、平成二十四年夏の最終報告に向けて、しっかりとまとめを行っていただきたいと思います。
 さらに、私はこれまでも、本会議や常任委員会などで再三にわたり、白子川地下調節池を延伸して環七地下調節池と結ぶ広域調整池を整備することで、異なる流域からの取水が可能となり、多発する局地的な集中豪雨の対処に大変有効であると提案をさせていただきました。都として、早期に次期整備水準の目標を掲げるとともに、水害軽減に大きく寄与する広域調節池の早期整備を強く要望しておきます。
 次に、都立石神井公園についてお尋ねいたします。
 東京都は、昨年十二月に「二〇二〇年の東京」を発表しました。この計画を支える十二のプロジェクトの一つに、水と緑のネットワーク実現プロジェクトがあり、水と緑の回廊がめぐる東京を実現するとしています。そのための政策展開として、道路、河川、公園の一体的な整備を推進するため、荒川から石神井川、調布保谷線を通じて多摩川につながる直径三十キロメートルの緑のリングを形成するとしています。このような計画は、緑豊かな東京を確実に次世代に継承するために大変意義あるものであります。
 私の地元、練馬区内にある石神井公園や城北中央公園、練馬城址公園も、まさにこの緑のリングの上に位置づけられています。
 石神井公園では、長年の懸案であった三井住友銀行グラウンド跡地約四ヘクタールの用地取得が平成十九年度に完了し、野球場やテニスコートの再整備、芝生広場や駐車場の新設が行われ、平成二十二年六月に供用開始されました。こうして新たに拡張されたオープンスペースは、災害時には避難場所や救援活動の拠点として、地域の安全・安心確保に大いに寄与するものと評価をいたします。
 一方、こうした新規に整備した区域だけではなく、既に開園済みの区域でも防災機能を高めるための改修工事が行われていますが、どのような整備が行われたか、また、今後の整備予定についてお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 石神井公園は、武蔵野の面影を残し、自然豊かな公園として親しまれております。現在の開園面積は二十二・四ヘクタールであります。
 東京都地域防災計画においても、避難場所であるとともに、ヘリコプター活動拠点に位置づけられております。このため、平成二十二年度からの二カ年で、入り口や舗装の改装、非常用防災トイレや井戸の設置など、防災公園としての改修を行ってまいりました。
 二十四年度は、引き続き園路の改修などを行うとともに、防災施設の位置も表示した総合的な案内板を設置し、防災公園としての整備を完了させる予定でございます。

○高橋委員 新規に整備した区域だけでなく、既設区域でも防災公園としての整備が着実に進められていることがわかりました。
 さて、石神井公園には二つの大きな池があります。一つは、ミツガシワ、コウホネなど希少種が生息し、国の天然記念物となっている植物群落がある三宝寺池であり、もう一つは、通常ボート池と称している石神井池であります。
 石神井池は、昭和の初め、三宝寺池から周辺の田んぼに水を引いていた水路を人工的に堰でとめて池としたものであります。ボート利用のほか、水辺に面した売店があり、三宝寺池とは対照的な利用がされている池であります。
 しかし、夏にはアオコが発生し、水面が緑色に染まることもあります。水質を改善するのは簡単ではないと思いますが、この石神井池の水質改善にどのように取り組むのか、お考えを伺います。

○上杉公園緑地部長 石神井池は、身近な水辺のレクリエーションの場として多くの都民に利用されており、石神井公園を特徴づける場所でございます。
 これまで継続的に水質調査を実施しておりますが、夏場にはアオコの発生が見られるなど、水質に課題がございます。この原因は、周辺から落ち葉等の流入があること、さらに、水鳥やコイへの来園者の給餌による富栄養化などが要因であることが推測されます。
 そのため、平成二十四年度は、浄化装置や水循環装置などの設備や水生植物を利用した浄化、水鳥等へのえさやりの制限など、石神井池の水質浄化に具体的にどのような対策が適しているのか、検討を行ってまいります。

○高橋委員 先ほど申し上げましたが、池の水質改善はなかなか大変だと思いますが、ぜひとも、検討の結果、効果的な浄化対策が進むよう期待させていただきます。
 石神井公園一帯は、昭和五年には風致地区に指定され、今も風光明媚な場所として都民の貴重な財産となっています。また、平安時代末期から室町時代中期までこの地域に勢力を持っていた豊島氏の居城であった石神井城の城跡も公園内に残っています。
 こうしたすぐれた景観と歴史を有する石神井公園では、毎年、春に照姫まつりが開催されています。この祭りは、城主豊島泰経が太田道灌の軍勢に追われて三宝寺池に身を沈め、その娘、照姫も、悲嘆の余り、後を追って池に身を投じたと伝えられる伝説にちなんだものであります。
 昭和六十三年から開催され、平成二十三年の第二十四回には、一日で十二万五千人の来場者が訪れ、これまでの延べ人数は二百四十万人にも上り、ふるさとの歴史と文化に親しみ、地域社会への愛着をはぐくむ一大行事となっています。
 そのメーン会場の一つが、石神井公園の野外ステージであります。照姫まつりだけではなく、地元のお祭りなど、地域活性化のイベントの核として利用されております。しかし、多くの来場者を迎えるには、非常に手狭になっております。また、建設後四半世紀を経て、施設も傷んできております。
 そこで、石神井公園の風致にもマッチする地域の拠点となるよう再整備すべきであると考えますが、見解を伺います。

○上杉公園緑地部長 この野外ステージは、石神井公園の中で、地域の人が一堂に会し、集い、地域コミュニティをはぐくむことのできる貴重な場所でございます。公園で地域のさまざまな催しが行われ、人々が交流することは大変意義のあることで、公園利用のあるべき姿でもあります。
 石神井公園の野外ステージにつきましては、周辺の地形などを考慮に入れ、地域の方々の意見もお聞きしながら、より活用しやすい施設とするため、再生に向けて検討してまいります。

○高橋委員 これからも照姫まつりや地域のイベントなどで多くの人が集まり、便利で快適に利用できるものとなるよう、積極的な検討を強くお願いいたします。
 最後に、東京外かく環状道路に関してお尋ねいたします。
 東京から放射状に伸びる高速道路の多くは首都高速道路と接続していますが、関越道は首都高速道路と接続しておらず、私の地元、練馬区の大泉地域では、埼玉方面から大泉でとまっている関越道や外環から一般道路へ出入りする自動車により、幹線道路の交差点などにおいて交通渋滞が発生しております。また、幹線道路だけでなく、生活道路への通過車両の流入による安全上の問題も生じております。この解消のために、事あるごとに、関越道と中央道や東名高速をつなぐ外環の早期整備を求めてきました。
 こうした中、昨年末に、国は次のような発表をしました。その内容は、東京都が二〇二〇年のオリンピック開催地に立候補していることを踏まえて、東名ジャンクションのシールド工事のための立て坑の掘削を初めとして、来年度早々にも外環の本格的な工事に着手するというものであります。
 そこで、二〇二〇年夏までの外環完成に向けて、来年度早々にも東名ジャンクションの立て坑工事に着手する意義とその状況についてお伺いいたします。

○戸谷三環状道路整備推進部長 外環は、関越道、中央道、東名高速を結ぶ十六キロメートルの幹線道路であり、片側三車線の高速道路本線が、基本的に地表から四十メートルより深いところを通過するトンネル構造であります。したがいまして、二〇二〇年までに完成させるためには、一日も早く本線のトンネル工事に着手することが不可欠です。
 東名ジャンクション部のトンネル工事に着手するためには、トンネルシールドマシンを発進させるための立て坑をまず整備する必要があります。東名ジャンクション地域については、昭和四十一年の東名高速道路の整備によって、既に一団の土地が確保されているので、この用地を活用し、今年度、立て坑工事に向けて、搬入路や工事ヤードの準備工事に着手したところであります。これにより、来年度からトンネル立て坑の工事に着手することが可能となっております。

○高橋委員 東名ジャンクション地域での立て坑工事が来年度にも着手できることはわかりましたが、二〇二〇年の完成を達成するには、私の地元の大泉ジャンクションについても、外環完成のため事業を推進する必要があると聞いていますが、その理由をお伺いします。

○戸谷三環状道路整備推進部長 二〇二〇年の完成を達成するためには、東名ジャンクションとともに、大泉ジャンクション側からも、できるだけ早期にトンネルに着手する必要があります。
 大泉ジャンクションは、外環本線が地下四十メートルの大深度で通過する東名ジャンクションとは異なり、高架構造の関越道や掘り割り構造の埼玉外環と外環本線が接続し、地上部から大深度地下部へ移行する区間となります。このため、この区間は、地表部からトンネルを掘削するための用地を取得しなければなりません。したがって、大泉ジャンクション地域においては、早期に用地取得を行い、外環本線工事に着手していく必要があります。

○高橋委員 外環全体の事業進捗に対して、大泉ジャンクション地域における用地取得の促進が重要であることはわかりました。
 用地取得を進めるためには、関係権利者の協力を得て測量を進めることが必要であると思いますが、測量と用地取得の進捗状況について伺います。

○戸谷三環状道路整備推進部長 都は、平成二十二年度より、測量、物件調査、土地評価、補償内容説明等に関する用地事務を国から受託し、密集市街地における用地取得の経験や実績のある精鋭の都の職員を配置して、鋭意、用地取得を進めております。
 この結果、用地測量については、今年度、大泉ジャンクション全域で実施し、関係地権者の理解と協力を得て、今年度末には八〇%を超える用地測量を完了させる予定です。
 また、用地取得については、平成二十二年九月に都として初めての用地取得契約を締結して以来、一年半の短期間で、先行買収も含めますと、取得すべき全面積の約二〇%の用地を取得したところであります。

○高橋委員 大泉ジャンクション地域の用地取得の現在の進捗状況から考えると、先般の本委員会における事務事業質疑で私が質問したことが大変重要になっていると再認識いたしました。つまり、大泉ジャンクション地域において、外環と外環ノ2の両方の計画線にまたがる地権者の生活再建の観点や用地取得の必要性から、改めて、外環ノ2のうち、目白通りから練馬主要区道三三号線間の一キロメートルの区間については早期に事業化すべきであることが確認できました。
 そもそも、練馬区の都市計画道路の整備率を見ると、二十三区の平均の整備率が約六〇%であるのに対し、練馬区は約四八%と低く、特に練馬区を南北に走る笹目通りを境とした練馬区の西部地域では約二七%の整備率であり、東側の約六七%と比べ、大きく立ちおくれております。
 このため、練馬区内の道路ネットワークの形成のためにも、私が指摘した目白通りから練馬主要区道三三号線の区間の外環ノ2を早期に整備する必要があると考えますが、都の取り組み状況について伺います。

○戸谷三環状道路整備推進部長 ご指摘いただきました大泉ジャンクション地域の外環ノ2は、基本的な幅員が四十メートルで、往復二車線の車道と広幅員の緑地帯及び歩道で構成される一般道路です。
 当該区域の事業化に当たっては、今月の二十五日及び二十六日に、地元の方々に対して事業の概要や測量の進め方、今後の予定などについての説明会を開催する予定であります。その後、来年度早期に事業認可を取得した上で、地元地権者のご協力を得ながら積極的に用地取得を行い、外環本線の整備とあわせて、当該区域の外環ノ2の整備を促進してまいります。

○高橋委員 外環について、私は超党派の東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟の役員として、一貫して、早期完成を目標にさまざまな対応や活動を行ってきました。こうしたことがようやく結実し、本年度は、国から二〇二〇年完成という明確な目標が示されました。また、都も、知事を先頭に、外環の早期整備に向け鋭意推進していることは理解しています。
 完成目標の二〇二〇年に向けては、さらに今後の取り組みが重要になると考えますが、外環完成に向けた都技監の決意をお伺いいたします。

○村尾東京都技監 外環は、人と物の円滑な移動を確保し、国際競争力の強化など経済活動の活性化にも重要な路線でございます。東日本大震災を教訓とすれば、災害時における日本の東、西、この両交通を分断している首都圏の環状道路の未完成度、これを一日も早くつなげるということは、ひとり東京のためだけではなく、その便益は広く国全体に及ぶ重要な幹線道路だと認識しております。
 また、関越道、中央道、東名高速との各ジャンクション地域などは、広くまとまった新たな空間が生み出されるということから、広域的な防災機能の向上や周辺地域のまちづくりに活用していく方針でございます。
 二〇二〇年夏までの完成という明確な目標が国から示されましたが、事業が大きく動き出した今、都として、より一層、国や関係機関との連携を密にしまして、この目標達成のために全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。

○高橋委員 ただいま都技監の外環の完成に向けた力強い決意をお伺いいたしました。その決意のもと、東京都がオリンピックを招致している二〇二〇年夏の完成が確実に実現されることを期待して、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○松葉委員 初めに、液状化予測図の見直しについて質問いたします。
 東日本大震災では、青森から東京湾まで、約四百キロメートルにわたって世界で最大の液状化が発生いたしました。首都圏においては、道路、公園、港湾などの都市基盤施設や、水道、下水などのライフライン、民間住宅へも被害が及んでおります。
 一方、事前に液状化対策を実施している地域では、被害がほとんど出ておりません。液状化対策の効果を改めて認識したところであります。
 ところで、現在、建設局では、今回の震災を踏まえ、学識経験者の意見を聞きながら、液状化予測図の見直しを行っていると聞いております。先日の予算特別委員会でも、我が党の上野議員から、液状化が発生しやすい地域において、不燃化特区のコア事業である面的整備事業にあわせて液状化対策を推進すべきであると質問したところであります。液状化予測図は、公共施設や民間建築物の液状化対策を行う上で重要な情報の一つであります。
 そこで、液状化予測図の見直しについて、現在の進捗状況を明らかにしていただきたいと思います。

○西倉企画担当部長 液状化予測図については東京都土木技術支援・人材育成センターを中心に見直しを行っており、これまでに東京の液状化予測図見直しに関する専門アドバイザー委員会を二回開催し、地盤工学の専門家から液状化の判定方法などについて意見を聞いたところでございます。
 現在、液状化予測図の見直しを完了させるため、平成九年度にまとめた現在の予測図に用いた約一万三千六百本に、それ以降、新たに収集した約六千四百本のデータを加え、合計約二万本の地質調査データを活用し検討を進めております。
 また、実際に液状化した箇所の近隣の公園等、公共敷地十カ所におきまして新たに地質調査を実施し、地盤のうち、どの地層が液状化したかの分析や、液状化した箇所としなかった箇所の比較による液状化の判定方法についての確認をしております。
 こうした取り組みにより、平成二十四年度末までに、より精度の高い液状化予測図を作成してまいります。

○松葉委員 現在、総務局では、地域防災計画の修正をことしの夏を目途に進めております。また都市整備局では、東京都建築物液状化対策検討委員会を設置し、建物の液状化対策を検討しているところであります。いずれも液状化予測の判定結果の情報がなければ、適切な修正や対策を行うことはできません。
 そこで、平成二十四年度末までに液状化予測図の見直しを行うとしておりますけれども、完成を待つのではなく、節目節目で必要な情報を関係各局に提供すべきと考えますが、見解を求めます。

○西倉企画担当部長 年度内に、地質調査データに基づいた地盤工学的な判定結果を関係各局に情報提供してまいります。
 来年度はさらに、地形や液状化の履歴、土地利用の変遷を加味し、予測図の見直しを完了させます。

○松葉委員 都民の皆様の液状化に対する関心というのは非常に高まっております。早期に液状化予測図が完成することを期待いたしておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、都立公園の防災施設の整備について質問いたします。
 地域防災計画における避難場所の二割、震災対策条例に基づく救出及び救助活動拠点指定の三割強が都立公園であります。都立公園は震災時において大変に大きな役割を担っています。拡大する火災から都民の安全を確保する避難場所、また被災者の救出救助活動の拠点となるために、避難生活や救出救助活動を支援するための防災施設の整備が必要であります。
 公園の設置管理者として、都立公園でどのような防災施設の整備を行っているのか、まず改めて確認をいたします。

○上杉公園緑地部長 都立公園の防災公園整備におきましては、それぞれの公園が災害時に果たす役割に応じて防災施設の整備を進めております。
 大規模救出救助活動拠点となる公園では、救援活動のための大型車両の進入を可能とする入り口の改修や園路舗装の強化などを行っております。ヘリコプターの活動拠点となる公園では、ヘリポートとなる広場の地盤強化や車両アクセスの確保などを行っております。また、避難場所となる公園では、夜間の停電時に避難者を誘導するソーラー式誘導灯や、水道の供給がとまっても使用できる災害用トイレ、かまどとしても使えるベンチ、生活用水確保のための井戸などを整備しております。

○松葉委員 私の地元、杉並区には、先日の本会議一般質問において質問いたしました、新たな都立公園の事業として優先整備区域の設定がなされた高井戸公園、そして、現在三つの都立公園があります。和田堀公園、善福寺川緑地公園の震災時の避難計画人口というのは十四万九百人でありまして、善福寺公園は二万三千四百人であります。特に和田堀公園、善福寺川緑地公園は、木造住宅密集地域の整備地域二十八地域の一つである高円寺や阿佐ヶ谷地域の広域避難場所とされております。
 そのうちの和田堀公園については、避難場所であるとともに、大規模救出救助活動拠点にも指定されておりまして、平成十四年から整備を開始されて平成十六年度に整備が完了しております。
 そこで、残りの善福寺川緑地公園と善福寺公園の防災施設をぜひとも早期に整備していただきたいと思います。整備状況について伺います。

○上杉公園緑地部長 善福寺川緑地と善福寺公園は避難場所に位置づけられており、これまで、ソーラー式の入り口表示灯や園内灯を設置してまいりました。
 平成二十四年度は、この二つの公園とも、災害用トイレの整備、かまどベンチの設置、入り口の改修などを行います。これにより防災公園としての整備が完了いたします。

○松葉委員 二十四年度に、両公園とも防災公園としての整備が完了するということであります。ぜひとも、杉並区とも協議をしていただきまして万全の整備を行っていただきたいと思います。
 公園緑地部長の上杉部長は、今年度末で退職をされると聞いております。長い間、都政のためにご尽力いただきまして、大変にありがとうございました。
 次に、都道のバリアフリー化について質問いたします。
 私は、高齢者の方や障害者の方が生き生きと活躍するノーマライゼーションの社会を実現させることが、東京の新たな活力の創造につながると考えております。そのためには、高齢者や障害者への支援制度や雇用促進などのソフト対策を進める一方で、公共施設や福祉施設などの建築物や道路のバリアフリー化といったハード対策も実施していかなければならないと思っております。
 中でも道路は、人が生活を営む上で必要不可欠な社会基盤であり、バリアフリー化を図ることは極めて重要であると考えております。都道においても、いまだ高齢者や障害者の方にとってバリアとなる段差や勾配が存在をして、また、視覚障害者の安全を確保するための視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる点字ブロックですけれども、それが設置をされていない箇所が見受けられます。
 都では、「二〇二〇年の東京」計画において、住み訪れる人が安心、快適に過ごすことができるまちをつくることを目標に掲げ、都道のバリアフリー化を推進するとしています。
 そこで、都道のバリアフリー化の整備状況と今後の予定について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 都道のバリアフリー化につきましては、高齢者や障害者を含む多くの方が日常生活で利用する駅や官公庁、福祉施設などを結ぶ道路におきまして、段差の解消、勾配の改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置を進めております。
 整備の現状につきましては、平成二十二年度末において、対象延長三百二十七キロメートルのうち、二百四十一キロメートルの整備が完了し、整備率は七四%となっております。
 また、平成二十四年度には十六キロメートルの整備を予定しております。

○松葉委員 今のご答弁によりまして、都道のバリアフリー化が着実に進んでいることはわかりました。
 平成二十二年の国勢調査によりますと、日本の総人口に占める六十五歳以上の人口割合である高齢化率は二三%に達しております。調査開始以来、最高となっているということであります。都も例外ではなく、高齢化率は平成二十二年では二〇・四%であり、既に五人にお一人が高齢者ということでありまして、平成三十二年には四人にお一人となることが見込まれております。こうした人口構成の変化などに伴う社会のニーズの移り変わりにも敏感に反応していかなければならないと考えております。
 私は、高齢者の方や障害者の方からさまざまなご意見をいただくんですけれども、例えば高齢者の方は、少しの段差なんですけれども、段差でつまずいていらっしゃったりとか、また、勾配があるということが歩くのが大変困難だという、そういうお声もあります。また、車いすの方が、少し段差がありますと通行ができないという、そういった課題もあります。
 ある視覚障害者の方なんですけれども、杉並区から豊島区へ通勤をされている方がいらっしゃって、その方と一緒にずっと通勤の経路を歩いていきました。電車も乗ったんですけれども。そうしましたら、信号待ちのところに点字ブロックがなくて、どこに立って待っていればいいかわからないという箇所がありまして、また、そこには視覚障害者用の信号がないんですけれども、そのときに、どうやってこの信号を渡るんですかと聞いたらば、人の気配で渡るとおっしゃるんですね。ですから、人が渡るという気配と一緒に渡る。
 あるときに、信号無視の方がいらっしゃって、その人につられて渡ってしまって、ひかれそうになったというお話もされていらっしゃいまして、本当に点字ブロックとか、そういう信号は非常に大事だというふうに私も受けとめましたけれども、その後、点字ブロックにつきましては、つけていただきました。
 そうした中で、杉並区の環状八号線なんですけれども、多くの視覚障害者の方が渡る横断歩道がありますけれども、そこのコーナーも、歩道のコーナーがありますが、そこには点字ブロックはついていたんですけれども、コーナーのところに障害物があって、点字ブロックがちょっと切れているところがありました。そのお話を伺いまして、三建の課長さんにも来ていただいて、その視覚障害者の方もそこに立ち会っていただいて、そして、どこがどうなのかというご意見を聞いていただいて、それで、そこを改善していただきました。大変感謝しております。
 こうした障害者の方や高齢者の方の、実際に利用されていて、どこが困難なのかという意見を現場で聞いていただいて、確かめていただいて、改善をしていただくということが本当に大事だと考えております。ぜひともそうした利用者の方、現場での意見というものを、また、ますます取り入れていただければと思っております。
 そこで、このバリアフリー化、大変重要なことなんですけれども、杉並区内における都道のバリアフリー化を早急に進めていただきたいと思いますが、整備状況と今後の予定について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 杉並区内における都道のバリアフリー化の整備状況でございますが、平成二十二年度末において、対象延長十・一キロメートルのうち、六・八キロメートルの整備が完了し、整備率は六七%となっております。
 また、平成二十四年度には二キロメートルの整備を予定しており、そのうち、環状八号線を含む井荻駅周辺地区では、段差の解消、勾配の改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置を行います。
 さらに、「二〇二〇年の東京」への実行プログラム二〇一二に基づき、平成二十五年度までに杉並区内における整備を完了させることを目標として取り組んでまいります。

○松葉委員 平成二十五年度までに杉並区内における整備を完了させる予定であるというご答弁をいただきました。整備の完了を期待しております。よろしくお願いいたします。
 今後も、安全・安心、快適な都市の確立を目指し、都道のバリアフリー化を着実に進めていっていただきたいと思います。
 高齢者や障害者が道路を通行する際、妨げになっているのは段差や勾配だけではありません。踏切もバリアの一つになっています。西武新宿線には現在も多くの踏切が残っており、交通渋滞や地域分断が生じています。また、高齢者の方や障害者の方にとって、まちを行き来するときに踏切があることは大変危なく、通行の妨げにもなっております。安全で円滑な移動を確保する観点から、都道のバリアフリー化だけでなく、踏切の解消にも取り組んでいただきたいと思います。
 地元杉並区では、現在、下井草駅、井荻駅、上井草駅の三駅でまちづくり協議会が組織され、駅周辺のまちづくりの機運が徐々に高まっております。西武新宿線の中井駅から野方駅間の連続立体交差事業が進められようとしておりますけれども、その早期の整備とともに、その西側についても、都は杉並区と連携をしていただいて、鉄道立体化に向けた検討を積極的に進めていただくように要望いたしまして、質問を終わります。

○かち委員 私からも質問させていただきます。
 議案が出ておりまして、第百八号議案、東京都葬儀所条例の一部改正について、まず質問させていただきます。
 私は、一部事務組合で運営する臨海斎場の近くにある方の大田区出身なんですが、今回、この条例が出るということで、現地、瑞江葬儀所の方にも視察をさせていただきました。
 昨年三月十一日の大震災と大津波は、未曾有の命を奪いました。被災三県で瞬く間にふえ続け、一万人を超える遺体を火葬、埋葬するすべを失ったというのが被災地の実態だったと思います。
 こうした状況の中で、東京都は、被災地からの要請にこたえ、ご遺体の火葬受け入れを行ってきましたけれども、もう一度、具体的な内容について伺いたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 昨年の東日本大震災時、瑞江葬儀所ではいち早く、通常とは異なる特別な受け入れ態勢を整えまして、四月一日から五月二日までの間に百六十五体のご遺体を受け入れております。
 一方、四月十一日以降は、福祉保健局を中心とする広域火葬体制がとられまして、民営火葬場及び臨海斎場も含めて受け入れを拡大し、五月三十一日までに、三つの火葬場で合計八百六十体のご遺体を受け入れました。

○かち委員 都としては、民間も含めて八百六十体のご遺体を受け入れたというお話でした。被災地からの要請にいち早くこたえ、瑞江葬儀所で、まず百六十五体の火葬を行ったということですが、そのために、日常の火葬業務を中止した時期もあったとお聞きしました。周辺の町会の皆様にもご理解とご協力をいただいたとのことです。この間の関係者の皆様のご努力、ご協力に敬意を表するものです。
 同時に、こうしたことは今後もあり得るし、何よりも東京都自身が首都直下型の巨大地震に見舞われる可能性が極めて高いということでもあります。こうしたときに、広域的な立場で対応できる火葬場の役割は極めて重要だと考えますが、改めて都立の瑞江火葬所の果たす役割についてのご見解を伺います。

○滝澤公園管理担当部長 東京都瑞江葬儀所は、昭和十三年に東京市の火葬場として開設されまして、昭和十八年に東京都に引き継がれました。広く都民が利用する火葬場として、今日まで運営されております。

○かち委員 今回、瑞江葬儀所の使用料値上げ案が提出されていますけれども、火葬について何点かお聞きします。
 まず、火葬における原価とはどのように算出するのでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 火葬料の積算原価は、固定資産税評価額による土地使用料、建物使用料、維持管理経費等の諸経費より、一件当たりに要する経費として算出しております。

○かち委員 土地や建物の使用料や維持管理費は他の施設にも分配されるという、いわば固定費ですけれども、要するに、一件当たりの火葬に要する経費を総数で割り返した金額がコストになっていると思います。
 火葬料については、瑞江の場合、二〇〇八年から二〇一〇年の二年間の見直しで、二万四千三百円から三万六千四百円に、一・四九倍にふえました。そして、今回、五万四千六百円ということで、また一・五倍値上げをされるというものです。
 四年間で二倍以上の値上げになるわけですけれども、なぜこのように大幅値上げが必要なのでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所の火葬料は、受益者負担の原則から積算原価を基本としますが、これまで原価との乖離が大きかったので、激変緩和の観点から、一・五倍を限度として改定してきました。

○かち委員 先ほどの質疑の中で、都立の葬儀所としての役割は、公的な立場からの役割があるので、低廉で都民に使いやすいものとして提供してきたという歴史的な経過もあります。
 そして、人の死にまつわる霊園とか、葬儀とか、火葬というようなものというのは、やはり受益者負担ということだけで算出するのには、私はそぐわないのではないかと思うんです。今回の値上げは、原価にほど遠かったので上げてきたんだというお話でしたけれども、余りにも都民負担が大きいのではないでしょうか。瑞江葬儀所には長い歴史があるわけで、たったこの四年間で二倍以上の値上げをしなければならない理由は理解できません。
 原価に追いついていないということでしたけれども、民間や、臨海斎場のような公営斎場と比較してはどうですか。

○滝澤公園管理担当部長 原価の算定には、土地価格や施設、設備、利用件数などの要素がありまして、それぞれの火葬場によって条件が異なります。そのため、比較は困難であります。
 二十三区内にある九つの火葬場のうち、民間の七つの火葬場の場合、七歳以上の一般料金は五万九千円となっております。臨海斎場は、開設前の平成十五年度に、維持管理経費のみをもとにしまして使用料を算定し、十二歳以上で二万三千円と設定しているとのことです。

○かち委員 都内には七つの民間火葬場があるわけですけれども、その中で、民間でも、普通、大人の場合は五万九千円ということでした。一部事務組合の公的な臨海斎場では二万三千円ということなんですね。しかも、ここでは、土地とかそういうものは算定していない、維持管理費のみで使用料を算定しているということです。
 瑞江は都立でありながら民間とほぼ変わらない。公的斎場と比較しても余りにも高過ぎます。火葬場のような公的役割の大きい施設の利用料は、臨海斎場のように維持管理費のみで算定すべきだと思います。
 瑞江葬儀所の利用実績はどのように推移していますか。その中で、年間の総件数、公費負担対象者数の割合の推移などはどうですか。また平均的な待機状況はどうでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所の年間利用件数は、過去五年の平均で年間約七千五百六十件であります。瑞江葬儀所では、生活保護者や行旅死亡人、中国残留孤児につきましては公費負担対象者としまして、火葬料を減額して六百円としております。
 これらの利用はふえる傾向にありまして、総件数に占める割合で見ますと、平成二十一年度は約一五%、二十二年度は約二〇%、二十三年度は約三〇%となっております。
 待機状況でございますが、瑞江葬儀所の予約は先着順となっております。何日後に予約を入れられるか、平均日数で見てみますと、二十一年度は二・五日、二十二年度は三・二日、二十三年度は三・九日となっております。

○かち委員 待機状況が二・五日から三・九日というのが多いか少ないかということがありますけれども、忌引とか、いろいろなご家庭の都合もあって、これが四、五日とか一週間ということもありますので、ここがとりわけ長くなっているとは思えないと思うんです。
 年間平均七千五百六十件、その中で、公費負担対象者の増加傾向があって、今年度で三〇%を占めるということでした。一件六百円という公費対象者がふえているということが、原価に追いついていないという状況の中で、総件数に占める公費負担割合が三割を占める状況であれば、当然、経費に対して収入が不足するという現象は起きると思います。だからといって、それを件数で割り返せば、その負担は一般火葬者の負担にはね返ってくるということになるわけです。
 では、公費対象者の居住地の状況はどうなっていますか。関係四区の住居と、それ以外との比率でお答えください。

○滝澤公園管理担当部長 利用者または火葬申請者が公費負担対象者の場合、減額料金が適用されますが、その居住地を平成二十二年度、二十三年度の平均で見ますと、江戸川区、江東区、葛飾区、墨田区の関係四区が約四割、この四区以外が約六割となっております。

○かち委員 関係四区居住者が四割、それ以外が六割ということです。やはり今の社会状況を反映して、全都的に公費で火葬する方がふえてきているのも実態です。そうした中で広域的にこたえているのが瑞江葬儀所であると思います。
 現在、関係四区への移管を検討しているとのことですけれども、その進捗状況について伺います。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所につきましては、平成十九年度に設置されました総務局の都区のあり方検討委員会の部会で、平成二十二年六月に議論されました。しかし、都は区へ移管すべきものと評価し、また、区は引き続き都が担う方向で評価したため、平行線となりまして、都区の役割の見直しの是非を引き続き検討する事務と整理されまして、検討を継続しております。

○かち委員 検討を継続しているというお話でしたけれども、都としては、火葬は区市の事務だとして、瑞江の火葬場を関係四区に移管を進めようとしているわけですけれども、そのため指定管理業務も三年間という短期間になっているわけですが、都と区の話し合いは平行線で、現在、その話し合いさえもできないという、もう終了しているという状況です。
 瑞江葬儀所は、歴史的にも古くから都が立地してきた経緯があります。大規模改修後から三十八年を経過しており、そろそろ建てかえも必要となってきている火葬場をそのまま受け取るという状況でもないと思います。
 都立葬儀所というのは二つあるんですね。青山葬儀所、ここは葬儀のみです。瑞江葬儀所は火葬のみの二つです。なぜこの区移管は瑞江だけを検討しているのでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 青山葬儀所は、大規模葬儀、告別式場でありまして、著名人の利用も多く、全国的にも知名度が高いため、利用者が地域を超えて都内外の広域にわたっております。都が広域的な立場から管理する必要があることから、瑞江葬儀所とは異なると考えております。

○かち委員 片や有名人も利用するネームバリューのある葬儀所だと、だから都立で継続するんだということでしたけれども、同じように瑞江葬儀所も、今回のような震災時の広域対応や、公費負担対象者のよりどころとしての公益的な役割を持つ火葬場です。よって、瑞江葬儀所は、今後とも都立として継続することを求めるとともに、受益者負担という考え方を改め、今回の使用料値上げには反対をすることを表明しておきます。
 次に、鉄道立体交差事業について伺います。
 先ほどもありましたけれども、西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業について伺います。
 来年度、新たに事業化する予定になりました本区間の連続立体交差事業について、概要が先ほど示されまして、区間を二・四キロ、七つの踏切を解消する、地下方式でやるというようなお話がありました。
 では、この総事業費は幾らなのかお聞きします。

○吉原道路建設部長 総事業費は約六百七十億円でございます。

○かち委員 あかずの踏切が地下化によって解消するということに、多くの関係者の方が歓迎をしているものとは思うんですが、この事業を進めるに当たって線形の変更が行われるとのことですが、その内容はどのようなものでしょうか。

○吉原道路建設部長 新井薬師前駅は、ホームが急な曲線上にあり、電車とホームのすき間が大きく開いて危険な状態となっております。ここ三年間でも、高齢者や子どもなどの転落等の事故が六件発生しております。このため、現在の曲線を緩やかにして、電車とホームのすき間を小さくすることにより、一日二万人を超える利用者の乗降時の安全を確保いたします。
 また、沼袋駅は、上り線と下り線のほかに追い越し線が二本ありまして、現在、この線はホームに面していない構造となっております。これを改良いたしまして、追い越し線を通過する電車も、緊急時にはホームに臨時停車し、利用者が安全に降車できるようにいたします。

○かち委員 いずれも駅ホームの改良によって安全性確保を図るというものですけれども、そのことによって、予定していなかった住民の方々に、新たに用地買収、立ち退きという問題が明らかとなり、困惑している関係住民の方から私も相談を受けました。
 線形の変更により影響を受ける住宅戸数はどのぐらいなのでしょうか。

○吉原道路建設部長 新井薬師前駅付近の線形変更に伴って影響を受ける住宅戸数は、航空写真により作成した地図によりますと、約三十戸でございます。
 同様に、沼袋駅付近の駅部改良に伴って影響を受ける住宅戸数は約三十戸でございます。

○かち委員 そのつもりではなかったけれども、この駅の改良によって、両駅合わせて六十戸の方々に、線形変更によって新たな立ち退きが発生するわけですけれども、これはにわかには受け入れがたい状況だと思います。
 住民説明会は、いつから何回行われたのでしょうか。そこでの意見はどのようなものがあったのでしょうか。

○吉原道路建設部長 住民説明会につきましては、計六回行っております。
 平成二十二年二月に都市計画素案説明会、同年十月に都市計画案及び環境影響評価書案説明会を行っております。両説明会では、除却される踏切の場所、駅部の改良、工事に伴う地下水への影響などについて質問や意見が出されました。
 都市計画決定の後、平成二十三年十一月には用地測量説明会を行っております。この説明会では、用地買収後の残地に対する補償、立体化後の地上部の利用計画、新井薬師前駅付近における線形改良などについて質問や意見が出されました。
 これらの質問や意見に対しましては、説明会の場で丁寧に答えるとともに、その後、地元からの要請による個別説明や、電話や来庁による相談にも対応し、多くの方々のご理解を得ております。

○かち委員 連続立体事業に伴う鉄道の改良事業なども鉄道事業者の責任で行うことがあるということなど、事前に理解を十分図っておくべきだったと思います。
 大方の理解を得られたということですけれども、一部、それがまだ十分に理解できていない状況もあるようです。今後、関係住民の理解と合意を図るためにどのように対応されるのか、お聞きします。

○吉原道路建設部長 本事業につきましては、これまでも節目節目で説明会を開催し、計画の内容や手続等につきまして説明してきました。また、電話や窓口での対応、地元での個別説明を通じて、事業の進め方に対する要望や用地補償に関する相談にも応じ、できる限りきめ細かく対応しております。
 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、この区間の駅では事故が発生しており、一刻も早い事業完了を目指す必要がございます。
 今後とも、用地補償説明会や工事説明会を開催するなど、地元の理解と協力を得ながら、積極的に取り組んでまいります。

○かち委員 個別の対応をする前に、話し合いの機会を十分つくり、より理解が得られるよう努力されることを求めておきます。
 次に、京王線について伺います。
 京王線の笹塚-仙川の連立について伺います。
 本線の連続立体交差事業については、平成二十一年十一月の当委員会において、まだ高架、地下か、どちらとも決定していない段階で請願の質疑をさせていただきました。このときは、高架方式を求める請願と地下化を求める請願が出されておりまして、委員会としては継続という結論でした。八キロにわたる長大な連続立体事業だけに、環境や安全性など、あらゆる面から検討し、最善の方向を選択すべきものと思います。
 その後、都としては、世田谷区間を、ノンストップの複々線を地下化にして在来線を高架という、高架地下併用式を選択し準備を進めているわけですが、本線に対する関心の高さは、平成二十二年の方法書案に対する意見募集に対し、千三百件を超える意見が寄せられ、その意見の九六%が、高架によって環境悪化の懸念と、全面地下を求める声が大多数でした。事業推進に当たっては、こうした声を真摯に受けとめるべきだと思うわけです。
 本線事業計画の現在までの進捗状況と今後の予定をお聞きします。

○吉原道路建設部長 京王線の笹塚駅から仙川駅間につきましては、現在、都市計画及び環境影響評価の手続中でありまして、平成二十一年十一月に都市計画素案説明会を開催し、平成二十三年五月には都市計画案及び環境影響評価準備書説明会を開催しております。
 今後、平成二十四年度に都市計画決定の予定でございます。

○かち委員 本線の沿線かいわいは低層の住宅街が連なっています。また北側には、首都高四号線と、本線が高架になれば高架との間に挟まれ、谷間のようになる区間が約四キロメートル続くという特殊な地形ともなっています。だからこそ多くの皆さんが環境悪化に対する懸念を持っているわけです。
 都が高架地下併用式を選択した理由は何でしょうか。

○吉原道路建設部長 構造形式の選定に当たりましては、高架式、地下式、高架と地下の併用式の三案につきまして、地形的条件、計画的条件、事業的条件を比較検討の上、総合的に判断した結果、事業費が低く、すべての踏切が除却できることなどから、高架と地下の併用式を最適案として選定しております。

○かち委員 地形的条件というのは、連立の場合の立地条件ですね。計画的条件というのは、連立交差によって幾つの踏切が解消できるかというようなことだと思います。どれだけ踏切を解消できるかということですね。事業的条件というのは、いわゆるコスト。この三条件で検討したということですけれども、いずれも事業者側の立場で選択されていると思います。
 今回のような長大な事業を行うのであれば、そのことによる環境への影響、防災、安全性等、総合的に検討しなければならない事業だと思います。このような事業は環境影響評価法に基づいたアセスを行うべき事業なんですけれども、国の環境影響評価法の改定作業が遅々として進まなかったわけですけれども、ようやく昨年四月に、戦略的アセス、これは計画段階からのアセスを入れるということが決定されました。そのことによって計画段階アセスを行うことになるわけですけれども、しかも、事業主、主体が、国や行政だけでなく民間事業者も対象になるというものですから、まさに本事業は、この計画段階からのアセスが必要な事業だったわけです。しかしながら、法施行が平成二十五年四月ということで、この戦略的アセスは免れたわけですけれども、それだけに、内容的にはそれに近づく検討が必要であると思います。
 コストの面ですけれども、併用型で二千二百億円、四線地下で三千億円と聞いております。それぞれ複々線の部分を除けば、千五百億円と二千三百億円になるわけですけれども、例えば地下鉄の場合、南北線目黒駅から赤羽岩淵間、二十一・四キロ、総工費は五千六百四億円、これをキロ当たりにすると二百六十二億円です。副都心線池袋から渋谷間は八・九キロで、総工費二千四百四億円です。一キロ当たり二百七十億円。
 本線の場合、連立部分だけで比較すると、地下化の場合、七・一キロで二千三百億円ですから、一キロ当たり三百二十四億円となり、他の路線と比べても割高ではないかと思うのですが、その理由は何でしょうか。

○吉原道路建設部長 高架式と地下式の事業費の差でございますけれども、地上部で柱やけたによりまして構造物を建設する高架式と、大規模に地下を掘削して構造物を建設する地下式との工事の中身の違いによりまして事業費の差が生じております。

○かち委員 地下方式だけで比較しても、この路線は、地下にした場合の単価は高過ぎるんじゃないかということを申し上げたわけですけれども、先ほどの西武新宿線の中井-野方間の延長と総事業費を見てみますと、二・四キロで六百七十億円ということでしたので、一キロ当たり二百七十九億円です。この場合も、在来線の駅直下に駅をつくるというやり方ですので、ほぼ手法は同じだと思うんですけれども、同じ地下方式であっても、これだけ差が出るのは少々納得がいかないんですけれども、ご説明できるでしょうか。

○吉原道路建設部長 今回の工事の場合、駅直下の工事となりますので、地下鉄の場合より割高になっております。

○かち委員 先ほど紹介した二つの路線は、新しい地下鉄をつくるということなので、それほど高くはないんだという説明も受けましたけれども、中井-野方間というのは、もともと在来線があって、その下を掘るということですので、同じように駅の下に駅をつくるという構造だと思うんです。区間は短いけれども、単価で割り返せば、こういう差が出るというのはやはり納得できないものです。
 本事業区間のうち、約四キロにわたって京王線と甲州街道の上を走る首都高四号線に挟まれるという特殊な地形について、環境への影響については、杉並区長からも、世田谷区長からも、環境悪化の懸念が表明されています。
 また、世田谷区長意見では、昨年四月に改正されたアセス法、いわゆる戦略的アセスが導入されたことを踏まえて、法改正施行前であっても、衆参両院の附帯決議にあるように、事業の早期段階から適切な環境配慮をされたいと求めています。
 このような地形的条件のもとで、騒音や景観、安全性などについて検討すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○吉原道路建設部長 本区間の事業実施に当たりましては、環境影響評価手続の中で、大気質、騒音、振動など十一項目について事前に調査、予測及び評価を行い、必要な環境保全措置を講じることとしております。各項目につきまして、規制値等との整合が図られることから、周辺環境に及ぼす影響については支障がないものと考えております。

○かち委員 本来だったら都市整備局段階での話にはなると思うんですけれども、やはりこういう事業をするに当たっては、幾つかの指標について本格的なアセスを事前にやった上で選択をすべきだと思います。
 いろいろ伺ってきましたけれども、本線連続立体交差事業は、結局、鉄道を高架にして、放射二三号線や補助一五四号線など交差する道路を拡幅し、駅前広場をつくるという、まさに道路のための計画としか思えません。まだ都市計画決定されていないこの段階で、両区長や関係住民の理解が得られるよう、連続立体のあり方を根本から見直すことを含め、検討されることを求めておきます。
 次に、防災対策の取り組みについて伺います。
 昨年の東日本大震災の教訓から、東京都は従来の津波対策を見直す必要があるとして、五月には東京緊急対策二〇一一を示し、同年六月に、建設局、港湾局、下水道局の共管で地震・津波に伴う水害対策技術検証委員会が設置されました。この時点で、八月から九月ごろの第二回の委員会で中間のまとめを行い、十一月から十二月ごろの第三回委員会で最終報告を行うというスケジュールが確認されていたと思うのですが、その後の検討状況が見えません。
 今日までの委員会の進捗状況と検討状況についてお聞きします。

○飯塚河川部長 技術検証委員会は、これまでに三回開催しております。堤防や水門等の施設における地震や津波に対する対策の現状を把握し、耐震性、耐水性の向上策等について検討を進めております。

○かち委員 結局、対策を立てるためには、その前提として地震と津波の想定が必要ですが、それがまだ出されていないので、まとめられないという状況だと思います。津波の想定が、国の中央防災会議でもっと早く、昨年のうちには示されると思っていたのですけれども、昨年末に示されたのは、津波の想定の考え方であって、東京湾における津波想定そのものではなかったわけです。
 やはり東京湾の津波の想定は、東京都がみずから考えなければならないことになり、おくればせながら、九月になってようやく、都の防災会議地震部会が新たな津波想定の検討を開始したわけです。そのため、技術検証委員会としては、当初スケジュールどおりに検討を進めることができなかったということですね。
 このようにおくれてしまったのは技術検証委員会の責任というわけでありませんが、今後どのようなスケジュールで技術検証委員会から提言を出していただき、行政としての対策をつくられるのか、お聞きします。

○飯塚河川部長 今後、都が四月に公表する予定の被害想定等を踏まえ、地震、津波対策への提言の取りまとめを行う予定でございます。
 都は現在、マグニチュード八クラスの海溝型地震等を想定して河川施設の耐震性の確認を進めているところであり、この結果や技術検証委員会の提言等を踏まえ、新たな整備計画を策定し、整備の目標を示してまいります。
 さきの予算特別委員会では、あたかも東京全域で震度七の地震が発生するがごとく、ただ不安をあおるような発言もございましたが、肝心なのは、最新の科学的知見や客観的なデータ等を踏まえまして、真に必要な対策を講じていくことだと考えております。

○かち委員 質問していないことも答えていただきましたけど、今後出される新しい地震、津波対策は、従来の計画の手直しにとどまらず、確率が高まっている首都直下巨大地震などにも対応できるレベル二対応の新たな対策で示すものだということを改めて確認しますけれども、よろしいでしょうか。

○飯塚河川部長 都は、現時点で最大級と考えるマグニチュード八クラスの海溝型地震等を想定して河川施設の耐震性の確認を進めており、この結果や技術検証委員会等での議論を踏まえ、新たな整備計画を策定してまいります。

○かち委員 最後ですが、外かく環状道路、外環ノ2について伺います。
 外かく環状道路の本体工事の良否は別として、今問題になっている外環ノ2についてお聞きします。
 外環ノ2については、沿線住民を中心に、そのあり方について検討中であります。ところが、建設局は、大泉ジャンクションの目白通りから練馬区道三三号までの延長一キロの区間について、外環本線の事業に合わせ整備事業に着手するとし、それに伴い、先ごろ、道路整備のための用地買収の測量に対する住民説明会の案内を出しました。外環ノ2については、どうするかということをまさに関係住民との間で話し合いを続けている最中であります。
 先日も予算特別委員会で、外環ノ2については知事自身が承知していなかったということも確認し、都市整備局長が、知事から公務の予定も見て現場を見たいと指示を受けており、適切に対処していくと答弁されているんです。にもかかわらず、この区間の道路整備を進めるということは、いつ、どの時点で決まったのでしょうか。その認識は、関係住民などで合意できているものなのでしょうか。お聞きします。

○戸谷三環状道路整備推進部長 平成二十一年度に事業着手しました外環の用地取得の進捗状況等を踏まえ、ご指摘の大泉ジャンクション地域の外環ノ2については、事業費を平成二十四年度予算に計上することといたしました。
 また、今月二十五日、二十六日に、この事業の概要及び測量説明会を開催し、地元の皆様に当該事業の概要やその必要性などについて説明を行ってまいります。

○かち委員 どうもおかしいですね。先日も、外環の2を考える会の方が知事に対し公開質問状を申し入れ、各党会派にも要請に来られました。多くの関係住民は、知事の認識と同様、本線大深度地下化によって、外環ノ2なる計画も消滅したというふうに認識をしていると思います。
 この地域についてだけ外環は別なんだというような区切りができているのかどうか、それが大方の合意になっているのかどうかということなんです。どうでしょうか。

○戸谷三環状道路整備推進部長 ただいまご答弁申しましたように、今月二十五、二十六日に、当該区間につきまして事業概要及び測量説明会などを行いまして、地元の皆様にきちんと説明をしてまいりたいと思っております。

○かち委員 それは、この地域の外環ノ2をこういうふうにやるということ、整備するということが合意をできた上で説明会をするものじゃないかと思うんですけれども、なぜそういうふうになったかというところが、なかなかお答えいただいていないわけです。
 外環ノ2の計画については、大泉地区から東八道路までを指しているものであって、話し合いこそ各区間ごとに行っているわけですけれども、計画は一体のものだというふうに私は認識をしています。
 なぜこの区間のみ先行して道路整備を推進しなければならないかということなんです。

○戸谷三環状道路整備推進部長 大泉ジャンクション地域は、既存の都道であります土支田通りと井草通りが外環本線と重複しているため、外環の整備に合わせて、その機能を確保する必要があります。また当該地域では、外環本線と、その地上部にある外環ノ2という二つの都市計画線があり、両方の計画にまたがっている関係権利者の生活再建を図る必要もあります。
 そのため、外環本線の進捗状況を踏まえ、当該区間について、地域の道路ネットワークの確保と関係権利者の生活再建の観点から事業化してまいります。

○かち委員 ここは外環本線と外環ノ2の都市計画道路があって、外環ノ2は残っている、それはどこも同じだと思うんですね。それで、そこのちょうど外環のところを横切るように土支田通り、井草通りというのが走っているわけですけれども、結局、外環ノ2というよりも都道の整備だというふうなお話のように聞こえたんですけれども、そこを整備するにしても、第三次優先整備道路にもなっていないこの路線を、たまたまそこを通るから、この機にやってしまおうということだと思うんですけれども、それは外環ノ2ではないんじゃないかと。外環ノ2をやるとしたら、それなりのルールをとらなければいけないんじゃないかと思うんですね。
 生活再建の話が出ました。生活再建は必要です。本当に残地をどうするんだという話もあります。しかし、この外環ノ2が今、検討中の過程にある中で、どうせ計画があるんだから、それで一緒に買ってしまおうというのは、これはちょっと筋が違うんじゃないかと思います。もし用地買収をするなら、本体の国が、その残地になるようなところも補償する、それこそ本来のあり方だと思います。
 そういう状況の中で、都が来年度、用地買収として予算化をしているわけですけれども、これはどのぐらい組んでいるのですか。

○戸谷三環状道路整備推進部長 当該区間にあります、先ほど申しました都道の土支田通りと井草通りは幅員約四メートルの一方通行の道路であります。なおかつ歩道がないなど、歩行者、自転車の安全性や円滑な交通が確保されていない状況にあります。
 このため、都は、この区間について、このような状況に対処するため、外環の整備に合わせまして、上下一車線ずつの往復二車線の車道と広幅員の緑地帯や歩道で構成される道路を既存の都道の代替として整備することといたしました。

○かち委員 外環ノ2の区間というよりも、横切っているところを整備するだけの話なんですよね。やはり住民合意というルールを逸脱したやり方であり、到底納得できるものではありません。
 用地測量の説明会は凍結し、住民との話し合いを継続すべきだということを申し述べて、質問を終わります。

○上野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩したいと思います。
   午後三時七分休憩

   午後三時二十一分開議

○上野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○石毛委員 それでは、小平霊園の樹林墓地について質問させていただきます。
 平成二十二年度の東京の人口はおよそ一千三百万人、世帯数にしますと、その当時は六百四十万。昨日ですか、ニュースでは、二を切って一・九九と、こういった新しい時代に入ってまいりましたけれども、東京都の都営霊園の利用者数は二十七万人から二十八万人、遺骨が納められております。人口のおよそ一割程度、この墓数は寺によっても異なるものの、寺院では二千七百弱を数えております。
 小平霊園は、昭和二十三年に都立の霊園として開園いたしましたけれども、昭和三十六年から欧米諸国に普及している芝生墓地の造成、そしてさらに、平成三年度からは新しい型式の壁型墓地の開設をいたしました。また、家族の形態や墓地意識の変化などによって多様な墓地ニーズに対応するため、従来の墓地とは異なり、一つの墓所に多くの遺骨を一緒に埋葬する新しい形態の合葬埋蔵施設を平成十年、また、平成二十年に二つ開設をされたところであります。
 今回、樹林墓地は、また新しい形態ということで、この質問に入る前に、世界の状況はどうであるかという話をしてみたいと思います。
 チベットでは、ご存じのように、鳥葬といいまして鳥が遺体を食べるということでございまして、これは死後二日あるいは三日ぐらいから一週間ぐらい置きまして、そして、親族、また僧侶がお経を上げ続け、魂が出ていったところを、遺体を鳥、ハゲタカでありますが、これは鳥葬で聖なる鳥ともいわれております。また、別名、天葬ともいわれているわけでありますが、遺体を解体して十分ぐらいで形がなくなってくる、こういう状況だそうです。日本でもしこういうことをいたしますと、死体損壊罪、こういうことになってしまうわけで、こちらは、ともかく木がない、また土が掘れない。まさにここならではの葬儀の仕方なんだなというふうに思います。
 一方、有名なのは、インドのガンジス川に流す、これは仏教やヒンズー教、火葬にしてから聖なる川に流す水葬ですね。
 また、インドネシアなどは、これも原始的な葬儀でございまして、風葬といわれまして、元祖自然葬であります。今回、自然葬だと思いますが、まず木の上に置いておく、これは樹上葬。また、洞窟の中に入れていくのが洞窟葬。また、台の上に乗せて風化するのを待つのを台上葬といわれて、火を使わないんですね。ここではやっぱり、火を使うのは背信行為になっちゃうわけですね。
 さて、きょうお話しするところの散骨でありますが、有名な方の散骨では、インドのネール元首相あるいは中国の周恩来、フランスの俳優ジャン・ギャバンなどがいるわけでありますけれども、さて、問題に関連いたしまして、四文字熟語に入っていきたいと思います。
 (パネルを示す)こちらはよくありますね。「品何方何」というのがありますよね、四文字で。何だと思いますか。(「品行方正」と呼ぶ者あり)ちょっと早く出ましたけども、実はどうでしょう、これは品川方面ですね。違いましたか。品行方正でしょうか。
 それでは、これは、最近は女性が強くなって、男性は何か草食系とか、女性は肉食系なんていわれておりますけど、これ、「何肉何食」、よくありますよね。これは、やはりそうなんです、焼肉定食。(笑)違いましたか。弱肉強食ですかね。
 こういうことでございまして、それで、実はここからです。「何骨何身」というのがありますね。これは何ですか。(「粉骨砕身」と呼ぶ者あり)そのとおりです。当たりです。この粉骨、これがきょうのテーマでございまして、粉骨をすると四万四千円、粉骨をしないと十三万四千円という、後ほどしっかり聞いてみますが、本当かどうかわかりませんが、ここに来るわけでございます。
 それでは、順次質問をしていきたいと思いますが、まず、小平霊園で整備している樹林墓地のコンセプト、どういう部分でこういったものをつくったのか、これをちょっとお聞かせください。
 二点目は、利用者の利便性を考えて屋根を設置すべきであろうと私は思っているんですけれども、今回はついていないんですね。これは平成二十年二月十九日の東京都公園審議会の速記録がございまして、ちょっと読んで、ここには前の文がありますが、前回十一月の案のイラストですと、屋根がついていて、四角く区切られているような線がございましたと、こういうふうに触れてあります。前回、中間のまとめを見てみますと、実際のイラストのイメージでは、屋根がお話のとおりついてございますと。しかし、自然に帰りたいということで、施設化は好ましくないのではないかということで屋根がなくなった流れがあるんですけれども、やはり私は、屋根があった方がいいんじゃないかと。このときは一案と二案があって、一案が屋根つき、二案が屋根なしだったんですね。改めて、もう一度、ここの屋根あり、屋根なしについてお伺いいたします。
 三点目は、樹林墓地の整備場所。西武線に近く、電車が通過するため、お経や読経や、あるいは参拝の支障になると。音の低減、これはどういう対策をされているのかお聞かせください。
 四点目でございますが、樹林墓地の使用料の算定方法はどういう形になっているのか、また、何件ぐらい入るのかお聞かせください。
 五点目であります。この樹林墓地に、先ほどもお隣から粉骨砕身の粉骨ですね。これは今回、粉骨ができづらい、できないということになっておりまして、粉骨をするためには、戸田あたりの斎場に行きまして、ううんといってやって、それをまた持ってこなくちゃいけないわけですね。極端な話、小平で、いや、だめで、粉骨はありませんよというと、一たん戸田まで行って、また戻ってこなくちゃいけないんですね。できたら横にあったら、どうせ粉骨をするなら、あったらいいんじゃないかなと。これは私の切なる意見でございますが。
 六点目、墓籍簿の電子化を急ぐべきではないか、こういうことですね。これは墓籍簿があるところですね。事務所には、こうやってずらっと並んでおります。しかし、ここだって火事があるかもしれませんし、ひょっとして地震で壊れてしまうかもしれません。今回、被災地ではこういったものがすべてなくなって、全くもとどおりにならないというか、跡をたどれないというような状況に被災地がなっております。東京もこうしたことがないといい切れないと思うんですね。ぜひとも、やはり早目にこれをするべきではないか、こういった質問です。
 以上、六点ほどお答えください。

○上杉公園緑地部長 委員の方からは六点のご質問でございましたが、まず、最初の三つのご質問にお答えしたいと思います。
 樹林墓地は、知事の諮問機関であります学識経験者と利用者で構成されます東京都公園審議会が平成二十年二月に出した答申、都立霊園における新たな墓所の供給と管理についてに基づきまして、死後は自然に帰りたいという思いにこたえる新たな墓所として整備してございます。
 先生のお尋ねにありました件でございますが、公園審議会の答申におきましては、整備に当たっては、死後は明るく美しい樹林のもとに埋蔵されるというイメージが自然に醸し出されるような空間づくりが必要だとされております。
 そのため、自然に帰るというコンセプトに沿って、ご遺骨が埋蔵される場所につきましては、樹木以外は何もない空間として整備しており、献花台につきましても屋根はつけず、また、必要最小限、附属施設として、参拝する方の休憩場所となるパーゴラなどを設置しております。
 また、西武新宿線に近く、電車がということでございましたが、樹林墓所の整備箇所は、管理事務所の近く、一定の面積が確保できる現在の位置に設定いたしました。防音対策といたしましては、西武新宿線の線路に沿って防音壁を整備するとともに、生け垣や将来高木となる樹木も植栽いたしました。

○滝澤公園管理担当部長 残り三点の質問につきまして、私の方から答弁させていただきます。
 まず、樹林墓地の使用料の算定方法でございます。使用料につきましては、周辺の固定資産税評価額による土地使用料、施設整備費、三十年間の維持管理費をもとに、遺骨一件当たりの金額として算定いたしました。粉状遺骨は、その埋蔵容量が遺骨の三分の一となることから、使用料も三分の一といたしました。また、予定埋蔵数は一万七百件を予定してございます。
 次の粉骨機の導入についてでございますが、小平霊園樹林墓地の募集に当たりましては、二年間を試行期間と考えておりまして、試行期間中の都民からの要望を踏まえまして検討してまいりたいということでございます。
 最後の三点目、墓籍簿の電子化でございますが、墓籍簿の電子化につきましては、平成二十二年度から検討に着手しております霊園管理システムの再構築の中で進めております。この再構築は二十四年度に完了いたします。これによりまして、火事や災害に備えるとともに、使用者サービスの向上に資すると考えております。

○石毛委員 まず、コンセプトはわかりました。自然ということであるようでありますね。
 自然であるということでございますが、皆さん、ちょっとこの公園の地図を見ていただきたいと思います。上が小平霊園案内図というふうになっております。これからできるところは、下のちょうど真ん中の折れているところの右側、黄色い管理事務所というのが見えます。この管理事務所の下あたりというか、ちょっと左、管理事務所と書いてあるぐらいのところ、ここにできるわけですね。
 まず、一番下を見てください。電車が通っています。これは三分ぐらいの、ばんばん通りまして、一本は所沢、本川越に至る、片一方は拝島、西武遊園地に至る。ちょうどここが、正門の、本当に横っちょにぶつかるところなんです。ともかく電車が通ります。音がちょっとあれですけども、ここの正門の横っちょに、正門というところに、下がこう道路が出ていますが、この道路が結構通行量が多くて、先に行くと駅になるんですが、電車が時たまこうやって、ぷあんと鳴らすんですね。でありますから、結構音が、電車の音と同時にぷあんぷあんと鳴るわけですよ。自然といっても、本当にうるさいんですよね。
 まず、それが問題点であろうと思いますし、こうしたことが私は自然なのかななんていうふうに思うんですが、もう一度この自然ということについて--また、この地図を見ていきますと、もっと自然なのは、上の方に雑木林と書いてありますね。ここなんかはもっと自然なんだろうなというふうに思うんですけども、ともかく音はうるさい。そして、もう一度これは聞いてみますけども、こんなところよりほかのところがあったんじゃないか、あるいは、これが自然といえるのかと、こういった質問であります。
 ちなみに、この地図を見て、右側に著名人墓地と書いてあります。壺井栄さん、「二十四の瞳」、この方が寝ているところは十三番の十区一の四というところですね。だんなさんは詩人かな、繁治さん、やっぱり同じように十区一の四というところに寝ております。三十五番、有吉佐和子さん。四十番、野口雨情さん。びっくりするなというのは、共産さん、二十八番、宮本顯治さん、十八の十二の二というところに載っています。奥さんが何と四番の宮本百合子さん。この方も有名です。しかし、どうですか、これ。二区十一の六で、別々のところに寝ているんですね。この辺、よく聞いてみないとちょっとわからないんですけども、それは後でしっかり教えてもらいたいなと。
 ここの所長さんはやっぱり宮本さんというんですね。だけど、親戚ではないといっていましたよ。全然これ関係ないんですが。
 さて、次に移りたいと思います。(「次って、今の質問しないの」と呼ぶ者あり)いやいや、これもう一度、自然という話なんですが、自然に帰る、ええ、そうなんですかという話をちょっと聞かせてほしいんですね。
 それから二点目……(「石毛さん、わからなくなっちゃうって。こっちの方が」と呼ぶ者あり)わからなくなっちゃう。どうしたらいい。(「区切ったらいいよ」と呼ぶ者あり)区切りますか。
 じゃ、今のは区切ります。もう一度、自然ということを……

○上野委員長 石毛委員、質問は的確に、適切にお願いします。

○石毛委員 わかりました。自然はどうであるかということをお聞かせください。
 それから容量ですね、十三万四千円、これはご遺体の普通の形ですね。散骨されたのが四万四千円ということでありますけれども、どうなんでしょう。小っちゃな、もう本当に胎児の場合、遺骨になると、こんななんですよ。物によっては形が残っていないぐらいのものもあります。それは同じように十三万四千円なんでしょうかね。逆をいえば、粉骨したよりも少なくなるわけです。面積、容積でいこうということであれば、これはもうちょっと考えた方がいいんじゃないかというふうに思うんです。もうこんななっちゃうんですよ。それでも十三万四千円なのか。要するに、粉骨したよりも少なくなった時点で、それでも。
 一方、物によっては入り切れないお骨も、大きさがあるわけですね、その中に全く入り切れないような、てんこ盛りのものもあるわけで、こういったものも今後ちょっと考えたらどうかなというふうに思うわけです。
 次に、粉骨の機械ですけども、先ほど申し上げたように、今後の二年間の部分で考えていくよということでありますので、私はそれでいいんだろうと思いますけれども、しっかりと、不便だなと感じるようではいけないんじゃないかなと思います。
 それから、電子化については進めるということで、ほっとしているところであります。
 さて、二番の屋根についてでありますが、ここが私、問題だろうというふうに思っています。仮にだれかが亡くなります。納骨をします。納骨をするときに、割と今、四十九日の日にするんですね。一緒にやっちゃった方が便利だと。納骨と四十九日をばらばらにやると、二回来なくちゃいけないと。中には開眼供養もやらなきゃいけないと。三つあわせて、その日でやる、こういう方が実は多いんです。
 皆さんご存じのように、四十九日というのは四十八日です。一日少ないんです。一周忌は一年目、三回忌は二年目なんですよね。あれ、二はどこにいっちゃったのなんて。一周忌は一年目、三回忌は二年目。どこにいっちゃったんだろうと。これは数え年なので、一周忌は一年目なんです。三回忌、回忌と周忌は違います。ですから、七回忌も、十三回忌も、十七回忌も、全部一を引いているわけですね。同じように四十九日も四十八日なんです。
 何がいいたいかというと、四十九日に合わせて法事をしようと思う。そうすると、一番最後の週になるわけですね。一番最後の週に、それが金曜だとか火曜だとか水曜だとかとすると、それよりも、四十九日より先送りするのは余りよろしくないというので、手前にするわけです。一般的に六週目の土か日が多いんですね。
 そんなときに、実はあしたが雨になると。あるところは、九州からうちのおじいちゃんが来る、片一方は北海道からおばさんが来る。しかし、あしたは、もう法事を避けられない、日にちを変えられないと。変えてしまうと、今度の土日になると四十九日を過ぎてしまうわけですから、やっぱりあしたにやろうといったときに、傘を差して、あるいは台風だったり、去年は暑い夏が続きました。日射病で倒れる方もおられました。おじいちゃんが亡くなれば、当然、納骨にはおばあちゃんが来て、こんなよれよれしていたって、やっぱり納骨には行かなきゃだめだといって行くわけですよ。そうしたときに、もう暑い、日射病で、逆をいえば、その日にお迎えが来ちゃったなんていう話になっちゃうと大変問題があると思うんですね。だから、私は、暑いとき、これは問題あるだろうと。屋根があればそういうことがない。
 じゃ、雨が降ったらどうか。まず、皆さん傘を二つも三つも持ってきません。一つです。傘を差しているときに、自分はぬれない場面があるんですが、右、左から雨が降ってくる、この横の雨で、滴でぬれたりするんですよ。じゃ、片一方、神父さんだ、牧師さんだ、あるいは宮司さんだ、お坊さんだなんていって、ぬれちゃうのはかわいそうだといって、自分の傘をこんなことやると、自分がぬれてくるわけですね。そうしたところに、例えば三十分時間が、お経なり何かを上げていたら風邪を引いちゃう。
 ましてや、問題は、そういった四十九日の日には位牌を持ってくるんですよね。位牌を、魂を入れかえると。一方、本尊さんも持ってくるわけですよ。本尊さんが紙でできている本尊さんもあるんですね。掛け軸みたいな、こんなのとか、こんなのとか。これ、いいかげんぬれますと破けます。ですから、そういったものや、あるいは写真でしょう、それから、中には、お米だとかお酒だとか塩だとか、花も持ってくる。全部ここに並べたら、傘の中に入らないんですよ。
 やっぱりそうやって屋根をつけないと、そういうときにそれを出さないと始まらないわけですから、じゃ、どこで出すのかという話になってくるわけですね。
 よくテレビであるでしょう。皆さん、手を、右を見てください、しわがありますねと。左を見てください、しわがありますと。合わせましょう、合掌しましょうと。これ、幸せになるじゃないですかと、テレビでやっていますけども、幸せになりませんよ。最後、合掌できないんですから。片一方に傘を持っていて、合掌できないじゃない、手を合わせられないんです。
 そういった意味で、最後に、じゃ、例えば合掌してくださいなんていっても、合掌がしっかりできない場面では、故人だってかわいそうだし、家族だってやっぱり、送り出すのに送れないと、そんな気持ちになってしまうんじゃないかなというふうに私は思うんです。ですから、やはり屋根というのは、最初の一案、二案があったけれど、最初の一案でいってほしいと、こういった思いで私はお話をするわけであります。
 やはり何といっても、都民の利用者が不便だとか、あるいは納得いくような、そんな施設、それが大切だろうというふうに思うんです。ましてや、今回新しくつくるわけですから。先ほどお話があった、一万七百体がそこに集まるんですよ。そうすると、皆さん、一万七百の家族がそこに、一堂にじゃないですよ、年間を通して、お盆でもお彼岸でも来るわけですよ。そうしたときに、たくさん来たときに、やっぱり屋根がなければ本当に不便だと思うんです。
 その件を含めて、もう一度、自然と屋根についてお話をお聞かせください。

○上杉公園緑地部長 石毛委員の貴重なご意見ありがとうございました。
 自然に帰るということでございますが、自然に帰るというのは、あくまでコンセプトということで公園審議会に承っておりまして、実際の整備に当たりましては、繰り返しになってしまいますが、死後は明るく美しい樹林のもとに埋蔵されるというイメージが自然に醸し出されるような空間づくりが必要ということで、それに基づいて、我々、造園技術者を中心に空間づくりを行ってきております。
 屋根のお話でございますけれども、一部、先生のお話にありますように、参拝に来られる方のお話等を承りましたけれども、私どもは、最小限の施設ということで線路側にパーゴラを設置しておりまして、これにつきましては、雨のときのお荷物を置いていただくとか、お年寄りに座っていただくというような配慮をしております。
 また、位置の選定につきましては、委員の方から小平霊園の案内図ということでご説明がありましたけども、我々、この都立霊園の新しい墓地の供給というのは、あくまでも既設の霊園の中でいかに活用していくかということを一番に思っておりまして、この案内図でも新青梅街道沿いに茶色の印があるかと思いますが、これは壁型墓地といって、これも新しく導入したところで、新青梅街道沿いに設置しております。既存の霊園の中でいかにスペースを活用していくかという中で今回設定しておりまして、四霊園で二十一カ所検討しております。その中で、やはり一番アクセスがいい小平霊園、小平霊園の中でも四カ所検討しておりまして、先ほど先生のお話がありました真ん中の樹林地、これは、さいかち窪というふうにいわれていまして、黒目川の水の源頭ということで、いわば小平霊園のシンボルみたいなところでございますので、それ以外ということで検討させていただきました。
 いずれにしても、自然に帰る、その自然に帰るというイメージを具現化したのが今の樹林墓地というふうに我々は考えております。

○石毛委員 承りました。
 さて、先ほどのお話の出たパーゴラでございます。どうですか。本当にこれ、コンクリの塊、鉄、自然ですよね。鉄の塊と石の塊。とても自然です。
 それで、今、雨が降ってきたときにはという話がありました。見てください、皆さん。私の高さがここですよ。脚立もかなり大きいのじゃないと、ここは登れません。さあ雨だといって、脚立をかっかっかっと、どこにいったのかわからないけども出して、テント、シートをやるといったって、ちょっとこれ、屋根に見えますけども、全部穴があります。穴というか、縦に板が入っています。ですから、全然その屋根にはなりません。日陰にもなりません。板がこう入っているだけなんです。
 ですから、このパーゴラ、パーゴラというのは、もともとは木にツタバラみたいなのをかけて、あずまや、要するにバラの何か門みたいなのがあるじゃないですか。ああいうのをパーゴラというんですってね。イタリア語が語源だそうです。もともとはラテン語でプルゴーラという、語源はそういうらしいんですが、そういうところからイメージすると、大分というか、全然バラのあずまやにはほど遠いんじゃないかなと思います。
 さて、自然という話でいいますと、皆さん、実はこの中にお骨が入っていくんですよ。土管みたいな中に入っていくんです。ですから、まず、この土管のような、私はこれ、自然かなというふうに思うんですけどね。
 実はこの裏面、今、防音設備の壁がございます。この地図のまさに下に線路がありますが、線路と緑の間に遮音壁があります。ですから、これも至って自然ですよね、至って自然ですよ。その横じゃ、三分かそこら、ぶんぶん、がたんがたん通ります。こういうふうに、全体に掘り返して今自然をつくり上げているというところなんですね。
 ですから、私は先ほど来からいっておりますけど、自然って、これでいろんなものが自然なんですか。じゃ、なぜ屋根をつくったら自然じゃないんですか、最初に屋根という案もあったじゃないですかと。あって、それが一と二。
 私はこの中を読んでいて、まずこの答申のメンバーですが、例えば弁護士、ニッセイ基礎研究所所員、キャスター、大学の教授、造園学会会長、造園緑化なんとか、元動物園協会の理事長、国土交通省、こういったいろんな方々がメンバーになっています。しかし、先ほど申し上げたように、神父さんだ、あるいは牧師さんだ、宮司さんだ、現場でまさに働いている人たちがこの中にいないんです。
 ですから私は、先ほど二十年二月の話の中で、読んでいって、もし納得するならば、そういった天気が雨や暑い日があって、それでもこういうことだから仕方ないねという論議がこの中でされていれば、私は十分納得するんです。しかし、そういったものがなくて、屋根があると自然じゃなくなっちゃうという話をだれかがいって、ああ、そうかなという話でなった。
 私はズボンを買うときに、おしゃれでイタリアの、あるいはプレタポルテのパリのズボンを買った。しかし、買ったはいいけども、そのおしゃれなズボンにチャックがついてない、ファスナーがついていない。いざおトイレに行くとき、用を足すときに、全部脱いでから入らなきゃいけない。これは確かにデザインとしてはいいかもしれない。しかし、用途としては不便ですよ。
 同じように、先ほどもいったように、位牌をやって、本尊をやって、写真を置いて、お酒を置いて、何々を置いてと、全部ここに置いていかないといけない。本尊さんだって、ぬれたってやっぱり嫌だろうし、位牌だってぬれたって嫌だろう。そういったものを含めると、やっぱり屋根をつけた方が私はいいんだとお願いしたい、そういった趣旨でございます。
 新しくつくるということでありますので、ぜひとも一歩踏み込んで考えていただきたいなというふうな私は思いなんです。一案か二案どちらかを選ぶときに、たまたま二案を選んだわけですよ。一案目にはちゃんとできていたんですよ。だから、その一案を選べば、何ていうことなく屋根はできていたわけです。確かに、見て、屋根が視界からと。実は、屋根はこの自分のところの上にあるから、視界には入らないんですよ。
 しつこくなりますので、これ以上申し上げませんけども、再度この件は、やはり都民の利用、また、下手して風邪を引いてみたり、あるいは本当に日射病で倒れてみたり、そんなことが起きてはならないと思います。新たな施設をつくるに当たって考えていただきたいと思います。
 上杉部長には、長年にわたって大変ありがとうございました。ここの場をおかりして御礼を申し上げたいと思います。先般の瑞江のときも大変お世話になりました。ありがとうございました。
 最後ではありますが、今まで私が申し上げた点を含めて、新たな霊園を、墓地をつくるということで、都技監の思いをお伺いしたいと思います。

○村尾東京都技監 るる石毛委員の方からご意見を賜りましたけど、一番最初に、人がどのように葬られるかというのは世界でさまざまなパターンがある、それで歴史もあるということでした。これはひとり世界的な話じゃなくて、都民の方々も同様で、いろんなニーズがあるだろうというふうに考えております。
 そういう意味で、東京都は、芝生墓地とか合葬式墓地とか立体式墓地など、さまざまな墓地を供給してまいりました。樹林墓地は、こうした多様なタイプの墓地の一つとして都民の選択肢を広げるんだろうというふうに考えております。
 そういう意味で、公園審議会の答申に沿って、今、整備計画をつくって整備を進めているところなんですが、都技監としてどう考えるのかというふうにおっしゃられると、私個人の思いでいえば、やっぱり献花台の屋根については、せっかく、今つくった自然とはおっしゃいますが、なるべく自然に近い形で樹林という林をつくって、その中に帰っていただくということですので、やっぱり自然に帰った故人をしのぶときには、太陽の光とか風のそよぎだとか、場合によっては恵みの雨をともに感じて、亡くなった方と心を一つにしていくような場所が都内にあってもいいのではないかというふうに考えています。
 確かに、小平は、新青梅街道ががんがん走っていますし、それから、おっしゃるように鉄道も、生きている人間が利便を享受するためにはそうした施設が必要で、我々は、先人がそういうものをつくった上にのっとって毎日経済活動もやっていますし、慣行も動いているということなんですが、周辺にそういう人工物が多ければ多いほど、やはり新たにつくるときは、なるべくその林を再現していく。年数がたてば、その林がうっそうとして、ここに我々がつくった自然が成長して、まさに後世の人たちが、これこそ平成の二十年代につくった林だなといっていただけるような墓地にしてまいりたいというふうに思っております。よろしくお願いします。

○石毛委員 技監のいっていることもよくわかりますけども、先ほど、こちら側はパーゴラはあって、逆をいえば、パーゴラがなくて屋根があった方がよっぽどよかったなというふうには思います。
 既にこの答申も出ているところですので、その意思は十分わかるわけですが、二年間の、ある意味じゃ、見る期間が若干あったりするところに、再度、市民の意見がそういうものが多ければそうしたものを改めて考えていただく、そういったような寛大な気持ちでいただければなというふうに私は思います。
 最後になりますけれども、きょうはいろんなものがあります。「何発何中」と、こう……。今ちょうどまさに、ちょっとおくれがちですが、今開発中ですね。今、開発しているんですね。四月一日ですか、でき上がるの。今ちょっと開発しております。(発言する者あり)それで、きょう一個だけ当たったという方は、一発必中で一個だけ当たったと。きょうは全部答えが当たったという方は百発百中。
 最後に、これから四月に向けて、今発売中というふうになると思うんですね。ですから、本当にいいものをやっていただければというふうに思います。私のお願いを含めて、終わらせていただきます。ありがとうございました。

○桜井委員 それでは、私の方から質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初なんですが、これから申し上げますことは要望ということで、答弁は要りませんので、よろしくお願いしたいと思うんですけど、先ほどからお話がありました瑞江葬儀所の料金改定の件であります。
 このたびは原価の乖離の是正ということで、私どもは理解を示すものなんですが、都民が使用するに当たりまして、火葬料を初めとする三区分の値上げについては、改定後も原価を割っておりますけど、一連で約二万の値上げになるというふうに思います。その中で、私の地元の墨田区においても利用させていただいているところであるので、特に江戸川区、江東区、葛飾区、そして墨田区の関係四区につきましては、各区を通じまして区民の皆様に改定の理由を説明いただき、ご理解を賜るように丁寧に対応していただきたいというふうに思いますので、要望したいというふうに思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 第二十九回全国都市緑化フェアTOKYOについてお伺いをいたします。
 九月二十九日から三十日間開催される全国都市緑化フェアTOKYOまで、あと半年ということになったわけでありますけど、事務事業質疑でもお伺いをいたしましたが、本年九月に開催される全国都市緑化フェアにおいて、上野恩賜公園や井の頭恩賜公園などメーン六会場のほか、区市町村の公園等をサテライト会場として、さらに、周辺の道路や河川等の緑を緑の回廊に位置づけ、緑のつながり、広がりを体感、発信するフェアにしていくというふうに伺いました。
 緑化フェア開催まであと半年となり、具体的な計画内容が固まってきたというふうに思いますが、そこでお伺いします。
 まず、広がりのある緑化フェアとしていく上で、どのように区市町村と連携してサテライト会場を展開していくのか、最初にお伺いいたします。

○町田緑化推進担当部長 第二十九回全国都市緑化フェアにおきましては、緑のつながり、広がりを体感、発信するフェアにすべく、緑化フェアの開催趣旨に賛同して緑の東京を発信する区市町村の公園等約百カ所をサテライト会場とし、上野恩賜公園、井の頭恩賜公園などのメーン六会場と連携を図りつつ、緑化の普及啓発を行ってまいります。
 会期の九月末から十月末にかけましては、秋の行楽シーズン真っただ中であり、都内各地で区市町村による緑や花のイベントや地域のお祭りなどが開催されていることから、これらのイベントと連携して相互にPRを行い、相乗効果を高めていきたいと考えております。
 具体的には、サテライト会場を運営する区市町村に対しましては、緑化フェアをPRする植栽コンテナのほか、横断幕、のぼり、チラシなどの広報ツール、花の種やピンバッジなどのグッズを提供するとともに、サテライト会場のイベントを緑化フェアの公式ホームページ等で紹介するなどして相互連携を図ってまいります。

○桜井委員 わかりました。そうしたことで地域も盛り上がり、緑化フェアも盛り上がるという相乗効果が大いに発揮されるよう、区市町村ともしっかり連携をとっていただきたいというふうにお願いをいたします。
 次に、都内では、屋上緑化や壁面緑化などに多くの民間施設が積極的に取り組んでおり、緑のカーテンによる節電対策に象徴されるように、環境負荷の少ない都市東京を目指す上でも重要な取り組みであるというふうに考えます。
 こうした都内の民間事業者の先駆的な取り組みについても、緑化フェアにおいて全国に発信していただきたいというふうに思っておりますが、何かお考えになっている具体策があるのか、お伺いをいたします。

○町田緑化推進担当部長 民間事業者の取り組みにつきましては、屋上緑化や壁面緑化、公開空地の緑化など、最新の緑化技術により緑の創出に努めている民間施設等約三百カ所をサテライトグリーンとして協賛会場に指定し、最新の緑化事例を全国に発信してまいります。
 具体的には、これらのサテライトグリーンや、街路樹や河川の緑である緑の回廊を紹介するマップを作成し、メーン会場を中心に広く配布するなどして広報に努めてまいります。
 さらに、さまざまな民間施設における緑化の技術を解説しながらサテライトグリーンをめぐる見学ツアーを、良好な壁面緑化事例などが集中している都心エリアを中心に実施してまいります。

○桜井委員 最新の緑化事例が集中している東京ならではの取り組みかというふうに思います。大いに楽しみにしておりますので、全国に発信していただきたいというふうに思います。
 次に、観光の視点からお伺いをしたいと思うんですが、東京スカイツリーがいよいよ五月二十二日に開業するわけなんですけど、また、緑化フェア会期中の十月一日には東京駅丸の内駅舎の復元工事が完了し、外観のライトアップも再開が予定されております。さらに、十月十二日から十四日にかけて、IMF、世界銀行年次総会が、日本での開催としては一九六四年以来の二度目の開催として、東京国際フォーラムと帝国ホテルを会場に開催されると聞いております。帝国ホテルは、緑化フェアのメーン会場の一つである日比谷公園の目の前にあります。
 IMF、世界銀行年次総会、東京スカイツリーとあわせて、緑化フェアの会期中、東京には大勢の国内外の観光客、要人が訪れるというふうに思います。こうした国内外の観光客を緑化フェアに取り込んでいく取り組みも、これも重要だというふうに考えますが、所見をお伺いしたいと思います。

○町田緑化推進担当部長 今回の都市緑化フェアにおきましては、単に花の美しさに触れていただくだけでなく、リンゴやカキ、ハーブなどの果樹や野菜を多用し、味覚や嗅覚など五感を通じて楽しむ庭園群を整備するなど、幅広い観光客に興味を抱いていただける、これまでにない特徴のある緑化フェアを目指しております。
 東京スカイツリーとの連携策についてでございますが、昨年、東京スカイツリーの絵柄を東京都所有の水上バスの船体にラッピングした東京スカイツリー未来号が運航され、好評を博しました。今回の緑化フェアにおきましても、緑の回廊として、水上バスを活用し、水辺や隅田川、日本橋川などの河川の緑を紹介しつつ、東京の観光名所をめぐる水上バスツアーなどを実施し、観光客を取り込んでまいります。
 次に、東京駅丸の内駅舎開業やIMF、世界銀行年次総会開催に伴う観光客等への対応につきましては、行幸通りを緑や花で修景するなど、丸の内仲通りで行われているガーデニングショーとの連携を強化し、東京駅から日比谷公園会場まで緑や花でつなぎ、国内外のお客様に楽しんでもらえるよう、東京の都市観光の創造に資するフェアを目指してまいります。

○桜井委員 ただいま、取り組みにつきまして答弁をいただきましたが、首都東京の玄関口にふさわしいプランであるというふうに思います。
 また、東京スカイツリーとも連携を深めるなど、各方面と調整を積み重ねて、国内外の観光客にも緑化フェアを楽しんでもらいたいというふうに思います。
 それでは、最後の質問になりますが、緑化フェアでの被災地応援策についてお伺いをしたいと思います。
 事務事業質疑の際には、都技監から、日本の再生につながる緑化フェアにしていくという力強い決意をいただいたわけですけど、緑化フェアでの被災地応援の取り組みについてお伺いしたいというふうに思います。

○町田緑化推進担当部長 上野恩賜公園会場におきましては、東北の稲や野菜、果樹で構成する東北の復興を祈る大規模なガーデンを展示してまいります。また、東京藝術大学の協力を得て、多くの学生の参加により、東北復興への祈りを込めた大規模なシンボルモニュメントを制作、展示するほか、東北地方の特産物等を販売するマルシェを展開してまいります。
 日比谷公園会場におきましては、募金を募りつつ、来場者の参加により、会期の三十日間を通じて成長し完成する参加型のガーデンを展開してまいります。会期中に、来場者の復興への思い、祈りにより、世界じゅうが東北を応援していることを表現する世界地図を模したガーデンが完成する計画となっております。
 緑化フェア閉幕後につきましては、造園や園芸関係の公益財団法人等約四十団体で構成されている花とみどりの復興支援ネットワークと連携いたしまして、緑化フェアで使用した緑化資材等を被災地の仮設住宅の環境整備等に活用していただくことを初め、幅広く被災地応援策を検討してまいります。

○桜井委員 ありがとうございました。今ご答弁いただきました緑化資材等を被災地応援に活用するプランについては、ぜひ行っていただきたいというふうに思います。震災から一年がたちましたが、緑と花を通じて東京から被災地を応援していく、かつてない緑化フェアにしていただきたいというふうに心からお願い、また期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。

○大津委員 それでは、東京の都市の地下の砂漠化に対して、道路、公園、河川それぞれの観点から質問をさせていただきます。
 地元渋谷区の恵比寿南地区、恵比寿駅周辺でございますが、このあたりは周りに代官山等、多くの山に囲まれ、豪雨や台風による大雨により浸水ということで長年苦しんでまいりました。今月から、この地域において、浸水被害を軽減する目的で下水道施設を整備していくわけです。下水道管を新設して、一時的に雨水をためる貯留管、貯留池ではなく、下水道管ですから貯留管ですが、ミニプールみたいなものを土の下につくり、そして、洪水等がおさまったら少しずつ渋谷川に流していくという浸水対策事業であります。
 長い目で見ますと、こういった雨が土にしみ入らずに、そのまま川から海に流れていく、この背景にはやはり、雨水の流出係数というのがございますけれども、この渋谷の恵比寿地区におきましては、たった二五%しか、雨が降ったら四分の一しか土にしみていきません。
 これは昭和六十三年のデータでしたので、今はまたどうなっているかというところですが、昭和三十七年においては、高度経済成長期、オリンピックの二年前でしたが、そのときには浸透率は五〇%、雨水の半分は土にしみていきました。昔は、田んぼや畑があり、それが自然の貯水槽になっていたわけですけれども、いつの間にか、庭のない一戸建て、そしてマンション群が建ち並ぶうちに、本当に雨がしみなくなってしまったものです。
 こうしたさまざまな対策を考えますと、今後、今のまちづくりをこのまま進めていけば、こうしたミニプール、神田川の貯水池、貯水管、今の目標に向けて頑張っているところですが、今のまちづくりを続けていくからには、さらにまた、こうしたミニプールをつくらざるを得ない状況になっていくかと思っています。
 そういう意味で、初めに、道路における取り組みについて質問します。
 東京都の島しょ部を除いた道路の面積と道路率及び地元渋谷区の道路の面積と道路率についてお伺いします。

○浅川道路管理部長 平成二十三年四月一日現在の都における道路の面積は、島しょ部を除き約百七十五平方キロメートルであり、この道路面積の行政面積に対する割合である道路率は約一〇%でございます。
 また、渋谷区の道路の面積は約二・七平方キロメートルであり、道路率は約一八%でございます。

○大津委員 東京都全体の面積のうちの一割、一〇%が道路である。そして、地元の渋谷区の道路は、何と一八%ということでありまして、大変驚きでもあります。体感的には、まさかこんなに一八%も道路だということは、日常生活の中では感じないのですが、改めてこの道路率の高さということに驚きを感じております。
 行政面積の二割近くが道路で占められているので、そういう意味では、こういった雨水対策も、補助金の関係もあり、なかなか民間の協力が進まない中、土の庭のある家も少なくなり、庭の小さい一戸建て、そして庭のないマンション群、ビル群、こうしたところで全く雨がしみない中、せめてこの二割近くを占めている道路の部分での雨水浸透対策が望まれるところであります。
 道路は主にアスファルトで覆われています。これだけ広い面積を持つ道路で雨水を地下に浸透することができれば、地下水への涵養といった観点では有効な手段ではないかと考えます。道路における雨水を地下に浸透させる有効な手段として透水性舗装があると聞いていますが、取り組み状況についてお伺いします。

○鈴木道路保全担当部長 透水性舗装の取り組みについてでございますが、まず車道においては、雨水の浸透により舗装を支える地盤の支持力の低下が懸念されることから、大型車交通量の少ない箇所において、平成十二年度から平成十六年度までの期間に、九カ所で試験施工として透水性舗装を実施いたしました。現在、それらの箇所において、ひび割れ、平たん性等の路面性状調査や舗装のたわみ量調査、透水効果の持続性などの調査を実施しております。
 一方、歩道においては、透水性舗装とした場合、地下水の涵養、河川や下水道への雨水の急激な流出抑制等の効果が見込まれますため、昭和四十八年度から、現在の土木技術支援・人材育成センターを中心として、国に先駆け透水性舗装の調査研究を開始し、昭和五十八年度から、総合治水対策の一つとして本格実施いたしました。現在、歩道における透水性舗装は、車の乗り入れ部などコンクリート舗装を必要とする箇所を除きまして採用しており、透水性舗装の割合は、平成二十二年度末現在で歩道面積の約六割でございます。

○大津委員 私どもが毎日歩いております歩道における透水性舗装は、河川や下水道への雨水の急激な流出を抑える意味で、地下水への涵養といった効果があり、これはかなり、約六割、浸透性舗装ということで積極的に取り組まれているということであります。
 一方で、実際、車の通る車道における透水性舗装については、まだ本格的には実施されていないとのことで、現在、試験施工を実施され、舗装を支える地盤への影響を調査しているとのことですが、試験施工に取り組んでから十年がもう過ぎております。
 そこで、試験施工として実施した車道における透水性舗装の調査状況と実施機関について、どこがどのようにやっているのかお伺いします。

○鈴木道路保全担当部長 これまでの路面性状調査等の結果からは、舗装構造や舗装を支える地盤への影響は確認されておりませんが、耐久性などの確認も含め、引き続き調査を実施してまいります。
 また、調査については、私ども道路管理部及び土木技術支援・人材育成センターで協力して実施しております。

○大津委員 ただいまのご答弁で、調査について、耐久性などの確認も含めて調査を引き続き実施していくとのことであります。
 ちょっと再度確認をさせていただきます。この十年続いている調査は、実際、その実験の路盤材を道路にはめ込んで、更新時期が二十年ということなので、現在、十二年目ぐらいでしょうか、その実験の調査を収集しているということでよろしいでしょうか。新たな開発ですとか、そうしたことは全く--とにかく現在の情報収集ということで、そういうご答弁だと思いますが、ちょっと確認をさせていただきます。

○鈴木道路保全担当部長 ただいま委員ご指摘のとおり、都道における舗装の打ちかえサイクルは、平均しますと二十年でございまして、車道部におきましては、雨水の浸透により舗装構造や舗装を支える地盤にどのような影響を及ぼすか、この平均二十年というライフサイクルに即した経過観測が必要でございますため、一たん打った舗装に対して継続調査を実施しているという状況でございます。
 そのため、今後も引き続き、試験施工箇所において調査を実施してまいりたいと考えております。

○大津委員 私も民間に長らく、二十年、会社員をしておりましたけれども、民間のビジネス感覚からすれば、十年も調査して一定の成果が、道半ばとはいえ、どうもはっきり見通しがつきにくい中、やはり何らかの方策を変えるか、あるいは視点を変えるなど、戦略を練り直す必要があるかと思っております。
 日本は技術立国であります。日本の技術力をもってすればできないことはないと信じておりますし、舗装の技術にしても、民間の技術を活用すれば成果をより早く得られる、そんな可能性もあると思います。
 例えば、民間の舗装会社と共同研究を行う、または専門家を交えて勉強会を行う、早急に試験施工の成果を上げていただきたく、あと八年待つことなく、同時並行でさまざまな開発、可能性を探りながら、一刻も早く車道における透水性舗装を本格的に導入していただきたいと考えています。
 はめ込んだ調査を二十年、耐久年度に合わせてずっとそれを待って、また新しく実施していくのでしょうか。一刻の猶予もないかと思っていますので、同時に開発、実験できないわけはなく、技術はかなり建設局の中でも保有していると思いますので、これはもう少し急いでいただきたいと思います。
 次ですが、横ぐしという意味では、総合治水対策の観点から、昭和六十一年十二月から、現在の都市整備局、下水道局、建設局三局で、関係区市と構成する協議会を発足させて以来、雨水流出抑制の取り組みなど総合的な治水対策を東京都は進めております。
 その三局合同での雨水流出抑制の取り組みの概要と、その中で建設局が果たしてきた役割についてお伺いします。

○西倉企画担当部長 雨水浸透施設の整備は総合治水対策の一つでございまして、建設局におきましては、道路や公園の園路における浸透ますの設置や、歩道における透水性舗装の敷設などの取り組みを進めてございます。また、現在整備を進めている武蔵野の森公園など一部の公園におきましては、公園区域内に降ったほぼすべての雨水を地下に浸透させることとしております。
 これらの対策は、平成二十一年に定められた豪雨対策計画に位置づけられてございまして、対応すべき時間五五ミリの降雨のうち、五ミリ相当分の雨水流出抑制を担うこととなっておりまして、雨水の急激な流出抑制とともに、地下水の涵養など、環境面での効果も高いものでございます。
 今後とも、こうした取り組みを進めることによりまして、環境へ配慮した都市施設整備を進め、都市型水害などの自然災害に対し十全の備えを持つ高度な防災都市を構築してまいります。

○大津委員 この三局合同の取り組みは、非常に地道で長いプロジェクトでもありますけれども、ぜひ横の連携も頑張りながら続けていっていただきたいと思います。
 道路部分におきましては、透水性の舗装はまだ実現をしていなくて、約十年間テスト中、そして、これからも約八年、二十年を満たすまで実験中、研究中とのことであります。となりますと、歩道については、都道におきますと約六割。これ、浸透性の舗装でかなり実現をしてきていますので、やはり歩道部分を期待したいと思います。
 例えば、歩道の路盤材もそうですけれども、歩道には百万本の街路樹ということを目標にしながら、緑化を非常に、この数年も、そしてこれからも、「十年後の東京」プロジェクトでかなり数値を出してきております。
 この歩道の街路樹の植木部分の土の露出の仕方ですけれども、場所によっては、樹木の幹の周りが本当苦しそうに、土が少なくアスファルトに囲まれちゃっているぐらい、丸抜きで抜かれている土の部分、また場所によっては長方形だったり、正方形だったり、ところによっては、街路樹部分がずっと帯状というのでしょうか、出入り口じゃない限りは土がずっと露出している、いろんな形態がございます。
 一方、都民の立場からいえば、渋谷区などは民間地の中の緑が減っているために、多くの方々からの声としましては、街路樹が、春の芽吹きや夏の濃い緑や秋の紅葉など、自分たち都会で暮らす人たちへ安らぎや潤いを与えてくれる最も身近な緑だという声を多く聞いております。
 一方、このような土の露出ですけれども、浸透率を考えれば、街路樹、歩道をつくるときに土をもっともっと露出していくことも、本当の自然の意味での自然への戻し方だと思っています。街路樹も、植栽する場合には、街路樹だけを単独で植える場合もありますし、低木であるツツジなどの木も一緒に連続して植える形式などもありますが、土を露出していく意味では、低木を含めた連続した街路樹を植えたそんな形式の方が、都市の砂漠化を防ぐには少しでも前進するのではないかと思っております。
 そこで、素朴な疑問をお伺いいたしますが、街路樹部分の土の露出の出方、どんな基準でその形成をこれまで決定してきたのかお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 街路樹を植栽する場合、大きく分けて二種類の形式がございます。一つは、街路樹を単独で植栽する植樹ますでございます。もう一つは、街路樹とツツジ類など低木で緑を連続させる歩道植樹帯であります。これらの設置目的は、良好な道路交通環境の整備及び沿道における良好な生活環境の確保を図ることであります。
 現行の道路工事設計基準では、標準として、歩道幅員が三メートル以上の場合、街路樹を植栽することとなっており、植樹ますや植樹帯の幅につきましては、歩道幅員に応じて決定しております。
 また、植樹ますや植樹帯にするかは、地域住民の方々の意見を考慮しながら決定しております。
 なお、現在進めております街路樹の充実事業におきまして、地域の方々の理解と協力によりまして、植樹ますを緑が連続する植樹帯に改良するなど、緑の増加と質を高めております。
 今後とも、都市に潤いを与えるとともに、緑が豊かな美しい街路樹の育成に努めてまいります。

○大津委員 戦後六十余年がたちまして、まちをつくる立場の人も、また地元の都民の意識も、木をもっと植えましょう、もう木は要らない、土が必要、必要じゃない、そういう意味でも、本当にこの昭和、平成と今日に至るまで、両者の意識が大分変わってきたような気がしております。意識が高くなって、本当のまちづくりというのを心から考えるようになってきた現象が区内でも見受けられます。
 今後、間に合う部分、例えば山手通りも、首都高速中央環状新宿線が地下は渋谷区内を通っておりますが、その附帯工事として、山手通りの歩道部分が今まさに工事中でありますが、この山手通りの歩道樹木と土はどんな形式で行うのか。
 また、間に合うものは、人の動線や浸透性や景観や潤いを考えて整備をしていくべきであると思いますが、所見を伺います。

○吉原道路建設部長 環状第六号線、山手通りにつきましては、渋谷区松濤から豊島区要町までの約八・八キロメートル区間のうち、方南通りから北側の五・三キロメートル区間の整備がほぼ完了しており、残る南側区間で現在拡幅整備を進めております。
 整備に当たりましては、全線でゆとりある歩行空間と自転車走行空間の確保や無電柱化を実施するとともに、植樹帯の設置や透水性の歩道舗装を行うなど、歩行者や沿道環境にも十分配慮した質の高い道路空間の創出に取り組んでおります。
 例えば、渋谷区松濤から初台までの区間では、歩道に植樹帯を連続して設置し、ケヤキやオオムラサキツツジなどを植栽するとともに、七メートル以上の広幅員の歩道部につきましては、歩行者と自転車の通行帯を分離するため、歩道中央部におおむね十メートル間隔でハナミズキも植栽するなど、緑豊かな道路整備を進めております。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら、残る区間の早期完成を目指して整備を進めてまいります。

○大津委員 これまでは道路でしたが、次に、川はどうでしょうか。
 東京の中小河川では、洪水を安全に素早く流すために、川底をコンクリートにして整備をしてきた時代がありました。この結果、洪水に対する安全性は高まってきたんですけれども、生物が生息する環境が全く失われてしまいました。生物が生息できる河川であるためには--三面絶壁コンクリート、暗渠、これはもちろん、卵のふ化もゼロであります。じゃ、ふたをとればいいのかといいますと、それでも卵はふ化をしません。川底を土または生物親水性の材質にすることによって、いろんな生物があらわれてくるわけです。
 最初に、東京の中小河川において、地元の渋谷川もそうですけれども、コンクリートの三面張りになっておりますが、渋谷川以外にも、東京中小河川で三面張り河川がどの程度あるのか、お伺いをします。

○飯塚河川部長 渋谷川におきましては、都市化が進んだ限られた空間の中で、一時間に五〇ミリの降雨に対応するため、川底もコンクリート構造とし、滑らかにすることにより流下能力を確保してまいりました。
 渋谷川以外にも、同様の理由から、神田川や呑川などの一部の区間で川底がコンクリートになっております。

○大津委員 防災上、安全を確保した上で、こうしたコンクリート三面張りの河川等においては、今後さまざまな生物の生息に配慮をした、これも技術立国日本ですから、そういった素材がどんどん開発できるはずですから、生物に配慮した素材を用いながら、東京の川を再生していってほしいと思います。
 これまでも川底を、治水に対する安全性、これは重要ですし、また、生物親水性素材の検討をお願いしてきましたけれども、これからも引き続き、英知を振り絞って、よろしくお願いをしたいと思います。
 そこで、渋谷川における環境整備の取り組みについて、これも毎回確認をしながら聞いておりますけれども、今回も渋谷川における環境整備の進捗状況についてお伺いをします。

○飯塚河川部長 河川整備におきましては、治水機能を確保しつつ、潤いのある豊かな水辺空間を創出することも重要であります。
 具体的には、恵比寿東公園沿いにおきましては、護岸の表面を溶岩を使って仕上げることにより、植物が生育しやすい環境を整えております。
 また、渋谷川の下流に位置する古川の一之橋付近におきましては、溶岩を使用して仕上げた護岸でコケが生息していることが確認されております。
 平成二十二年度からは、護岸にツタをはわせる緑化を初め、緑豊かな河川環境の創出を行っております。
 今後とも、地元区などと連携を図り、地域の特性を生かした整備を進めてまいります。

○大津委員 護岸の表面に生物が生息しやすい、ある穴を持つ素材である溶岩を使って、また、ツタによる緑化を行って、渋谷川の環境に配慮をしていただきたいと思います。
 今後のツタ等でございますけれども、植木鉢といいますか、プランターにツタを植えて川にはわせる、これも一つのやり方ですけれども、望むことは、やはり自然の土からツタをはわせてほしいと。真夏などは本当に渋谷区は暑く、すぐに枯れてしまいますし、壁面緑化等でも感じたことですが、植木鉢の容積から出る植物、植木というのはそれなりのものでありまして、やはり大地から壁面緑化等も少しむき出して生やしていった方が成功している事例を見受けます。地面の土に樹木を植え、自然体系が復活する渋谷川になるよう望んでおります。
 また、川底も、防災等、安全等を確認しながら、生物親水性素材で整備をしていくよう、これからも検討をお願いしたいと思います。
 渋谷川は昔、スミレやレンゲの花が咲く、「春の小川」の面影をどうか少しでも感じられるような川にしていきたいと思っております。水車もあり、昔はそこで泳いだ人もいる、この渋谷駅前の渋谷川が流れているということで、首都東京を代表する河川の再生として、河川部としましても力を入れてほしいと思います。
 東京は、政治や経済などの機能が集積をしまして、人や物や情報などが活発に交流することで経済的、文化的な魅力を高めてきました。一方で、その活発な都市活動ゆえに、東京は資源やエネルギーを大量に消費する都市ともなってしまいました。こうした大量消費に伴うCO2の排出量の増加が都民の生活環境を悪化させ、ひいては地球温暖化等、地球環境への負荷の増大をも招いております。
 この危機を克服するため、ソフト面では、都は、CO2削減を義務化した環境確保条例の改正や世界初の都市型キャップ・アンド・トレード制度を開始もしてきました。環境先進都市として、国に先駆け、温暖化対策に対する具体的な行動を起こし、低炭素社会への移動へと動き出しました。
 一方、まちづくりといわれるハード面について目を向けますと、空中から一度見たことがありましたけれども、東京湾から富士山のふもとまではずっと灰色が一面に広がっているのを改めて見て驚いたことがあります。それほど緑がなく、関東平野がほとんど灰色になっている。本当にまちを建設してきたものだと、いろんな思いが立ち込めております。
 戦後の高度経済成長期の発展の中で都市づくりを進めてきた私どもは、アスファルトやビルの林立により、ヒートアイランド現象や風が入ってこないなど、さまざまな都市づくりの失敗も繰り返してきたところです。環境に配慮したまちづくりが進められてきたとは、過去はまだまだ完全ではなかったのではないでしょうか。
 私の地元である渋谷区も、昔は田畑など緑地がたくさんあり、土の見える、また、人の顔の見えるまちでした。しかし、都市化の進展や大規模開発などにより緑地が宅地化され、中小河川はコンクリート護岸で整備されてきました。雨水は、道路から下水道に、下水道から河川に一気に流れてしまい、雨水の土への浸透が、冒頭に述べましたとおり減ってきた。それに対するいろんな事業も行われているところです。
 こうした緑地の減少や雨水の地下への涵養の減少は、気候の影響を緩和する機能の低下を招き、コンクリートやアスファルトで覆われた都心部では、ヒートアイランド現象を顕在化させるばかりか、都市から潤いや快適な生活環境を喪失させています。そして、まちは砂漠化しています。この砂漠化と人々の精神的ないろんな情緒は関連をしていると思われます。これらの問題を解決するためには、道路、河川の底、まちづくりの建設において、安全を確保した上で自然体系を遮らないつくり方が必要かと思います。
 今からでも決して遅くはありません。今までも途中から気づいてまちづくりをビルトインしてきたように、人の気持ち、そして、そこの土地の文化、歴史をビルトインしてきたように、これからはもっともっと環境に配慮したまちづくりを進めることで、東京の環境をより改善し、都民の生活環境をより向上させることができるはずです。
 地下水や湧水や雨水や川、海、そうした都市の水循環や生態系を尊重した息の長い都市づくりがこれからは重要です。東京は世界ナンバーワンの都市であると思っています。常に一歩一歩先を行く質の高い都市づくりについて、技術のトップでもあります東京都技監の夢や思いも含めた所見を最後にお伺いしたいと思います。

○村尾東京都技監 東京は、明治以降、震災や戦災という未曾有の危機に遭遇しまして、その都度、奇跡的な復興を遂げてまいりました。
 一方、急速な都市化の進展に伴いまして、慢性的な交通渋滞、都市型水害、緑やオープンスペースの不足など、課題も生じたということでございます。
 建設局では、こうした課題も踏まえ、都市の骨格を形成する幹線道路、河川、公園など都市基盤の整備を推進しております。あわせて、これらをつなぐ街路樹の充実や河川の緑化を進め、水と緑のネットワークの形成を図ってきております。
 これらの整備に当たりましては、地下水の涵養や雨水流出抑制としての道路や公園園路における浸透ます、それから、都みずから開発し、現在では全国に普及している歩道の透水性舗装など、環境に配慮した工法を採用しております。ある意味、経済成長があって、ようやく環境への配慮ができるのではないかというふうに私は考えております。
 先ほど大津委員から、渋谷の道路率が一八%ですか、そういうお話をいただきましたが、例えば、ニューヨークであれば二三・二%、パリは二〇%ということで、決して道路率だけで、都市の成り立ち、風格とかそうしたものが決まるものではない。やはり経済活動がいかに活発に行われ、そこから生まれた経済成長が環境配慮へ回って未来への都市を、蓄積して社会資本として、資産として残していくことが我々に課せられた務めだというふうに考えております。
 したがいまして、継続的に公共事業投資を行って、我々の孫子に安全で潤いのある都市を残していくということこそ、今課せられている同世代の我々の責務だというふうに考えております。
 今後とも、建設局としましては、職員一丸となって都市基盤整備に邁進してまいります。

○こいそ委員 それでは、何問か絞って質問させていただきたいと思いますが、確認も含めて問数が若干ふえてしまいまして、少し時間を食ってしまいますが、よろしくお願いしたいと思います。できるだけ簡略に質問させていただきますし、ご答弁いただければ、申告予定時間よりかは短くおさまると思いますので、お願いしたいと思います。
 それでは、まず初めに、先ほどから連続立体交差事業のお話がそれぞれございました。全くもって、この事業の必要性、そして効果、これらのこともさらに理解したところでございますが、私どもの地元の、私は二市でありますけども、稲城と多摩でありますけども、その中で、今、南武線の連続立体交差事業が進行しておりまして、一期工事が平成十七年の十月に完成いたしました。これは皆さんの大変なご努力をいただいて完成したわけでありますけども、ただいま二期工事ということで、この二期工事がなかなか、当初の完成年度からずれてしまいまして、当初であれば平成二十二年度にもはや下り線も上りも完成したということなのでありますが、さりとて昨年十二月に二期工事の下り線が高架化いたしました。これも大変ご努力いただいた結果であるというふうに思っておりますし、地元は喜んでおるのでありますが、この上りですね。下り線はそのような方向になりましたけども、この上り線について事業を、今申し上げたように二十二年度ということでもありましたので、これをいかにして工期を短縮するか。または、何らかのいろんな要因関係が当然あって、こういうふうに延びてきたわけなのでありますけども、それらを踏まえて、その課題を一つ一つ取り組んで解決してもらって、そして、今進めていっていただいていると思います。
 そういうようなことを踏まえて、現状、これから進展をさせていただくということの中で、どういうことが課題なのかなと、このあたりをもう一度教えていただきたいなと思います。

○吉原道路建設部長 工期の短縮についてご説明させていただきます。
 現在、JR東日本と設置しました工程調整会議におきまして、工期短縮に向けた具体策の検討を行っており、調整できたものから順次実施しております。
 上り線の高架化工事の工期短縮には、線路北側からの新たな工事用搬入路や作業ヤードを確保することが重要でございます。
 このため、南多摩駅では、多摩三・三・七号線から線路北側への新たな工事用搬入路を確保するとともに、駅北側に作業ヤードを確保いたしました。稲城長沼駅では、土地区画整理事業の進捗状況を踏まえ、今後とも新たな工事用搬入路や作業ヤードの確保に努めてまいります。
 全線高架化による踏切除却は平成二十六年春を予定しておりまして、東京都は事業主体として、引き続き、JR東日本に対しまして工程管理を厳しく徹底させ、一日も早い高架化を目指してまいります。

○こいそ委員 以前、これは数年たってしまいましたけども、福知山線の脱線転覆事故以後、JRとしても管理部門が非常に強くなったという話も聞かせていただきましたけども、それらは当然、安全というのが大事だということはよくわかるわけでありますけども、しかし、さりとて、いろんな内部の努力、それからまた東京都が主体事業者であるわけであって、さまざまな観点で、技術的なのか、いろいろな調整というものが図られてきていると思うんですね。
 また、今お話をしていただきましたように、搬入路の確保ですね。確かに、当初の延びる一要因として、進入路が確保できない、ヤードがなかなか確保できていかないというお話がありましたけども、区画整理の進展によって、これらのことは、ある程度見通しが立ってきたのではないかというふうに思うんですね、今もご答弁にもありましたけどもね。
 ですから、そういうことを踏まえて、工期の短縮について、やっていただいているのはよくわかりますけども、もう一段、ぜひこれをお願いしたいと思いますが、どなたにお聞きしましょうかね。都技監、お願いしますよ。

○村尾東京都技監 南武線が当初からおくれたということに対しては、私自身も大変遺憾だというふうに思っておりますし、いろいろな要素がもちろんございましたが、やっぱりいかに工期短縮を図るかということが今我々に課せられた使命だというふうに認識しております。
 そういう意味で、気を許すことなく、JR東日本に対しても厳しく工程管理を徹底させて、一日でも早い高架化完成を目指して、局を挙げて全力で取り組んでまいりたいというふうに思っています。

○こいそ委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、高架化されて、これはどこの地域でも連続立体交差化完成後の課題になっていると思うんですが、高架下利用ですね。南武線の一期工事のときに、要するに、調整会議がありますよね。その中で、地元市も当然、JR、それから東京都ということでありますけども、我々も地元からもそうであったし、それから広域性、広域的観点で、これはぜひそこに設置してもらいたいと、これはだれもが望むような公共公益的な施設の要望だったんですよ。ところが、いまだかつてそれは実現していない。これはどういうことかといったら、スペースがないんですね、はっきりいって。要するに、初めからありきありきで決まっちゃっているわけですよ。
 ご案内のように、JRの関係の会社なんだかよくわからないけども、店舗をばばばっと張りつけますよね。その中のあとの残りが地元市、駐輪場だとか、一部空閑地としてとる。
 しかし、もう一点、東京都の施行で、事業主体で行っている事業でありますから、私はこのあたりも、東京都の発言と、当然にその要望に対する具体的な具現化というか、確保が必要じゃないかと思うんですよ。
 一期工事のとき全然だめだったでしょう、あれ、はっきりいって。幾らいったってスペースがないんだもの。無理といえば無理だけど、そんな話ないと思うよ、調整会議の中でも。
 できれば、今回の二期工事に当たって、今、都技監にご答弁いただきまして大変ありがたいと思いますけども、その完成した中で、ぜひこれらのことを今からでも調整会議の中に、東京都の意向、東京都の広域性、これらの空間というものをぜひ取り入れていただきたいんですが、どうでしょうかね。

○吉原道路建設部長 東京都は、稲城市及びJR東日本とともに高架下利用検討会を設置いたしまして、高架下の有効利用の実現に向け検討を進めてきたところでございます。
 矢野口駅付近から府中本町駅までの第二期区間の高架下利用につきましては、稲城長沼及び南多摩の両駅を中心としたまちづくりとの整合や、市の意向を総合的に勘案しまして、有効に利用されるよう積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 高架下利用検討会でぜひ--やはりあれだけの大きなプロジェクトで、工事で完成した。踏切が一期でも約六カ所、今回七カ所、慢性渋滞が解消した、いろんな面で大変喜ばれている事業ですね。さりとて、地域の土地利用もかなり好転していくわけですね。ですから、そういう中における高架下の用地というのは極めて重要なんですね。ですから、この検討会、調整会議を含めて、東京都の一定的な発言力がそこへ出る、確保できるような、これは公共公益的な使途でありますから、ぜひ大いに主張して確保していただきたいなというふうに思います。これは要望です。
 次に行きます。これも地元のことを、続いて申しわけないんですが、南多摩尾根幹線であります。これはご案内のように、調布保谷線を通って北には埼玉県新座、そして神奈川県の一六号ということの中で、広域ネットワークを形成する一つの路線なんだというふうに思うんですね。
 そういう中における現在の状況は、また後ほどお聞きをしたいと思いますけども、かなり日々日々--実際上、本線がまだあいていない。すなわち側道といっていいんでしょうかね、暫定使用といういい方もあるけども、側道部分、一車線ですね。こういう中で慢性渋滞がかなりひどくなってきている。緊急車両、これはもう通行できませんね。
 ですから、私は、こういう広域幹線道路としての位置づけがあるんじゃないかと思うんですよ。こういう中における渋滞が頻繁に発生している慢性渋滞、なおかつ、今申し上げたように、そのような緊急時における車両の通行は不可能、こういう状態になってきている。
 こういう中で、これは基本的には都市整備局の管轄の範囲も強いわけでありますけども、しかし、現在も東京都の都道という管理をされているわけでありますから、そういうことを踏まえて、この南多摩尾根幹線が、どのような交通状況と建設局としてどういう位置づけをされているか、このあたりをお願いします。

○吉原道路建設部長 まず、尾根幹線の現在の交通状況でございますが、私ども、尾根幹線等の主な交差点で交通状況の調査を行っております。これによりますと、南多摩尾根幹線が鎌倉街道と交差する多摩卸売市場前交差点におきまして、七時から十九時までの十二時間交通量は、平日、休日とも一万五千台前後でございます。また、主要な交差点で、平日の朝夕や休日に渋滞が発生しております。例えば多摩東公園交差点では、休日の十時台から十七時台まで継続して渋滞が発生しておりまして、渋滞長は最大で約三百メートルとなっております。
 南多摩尾根幹線でございますが、多摩ニュータウンを中心としました地域におきまして、交通の円滑化を図り、利便性を確保する役割を担っております。また、多摩南北主要五路線の一つである調布保谷線に接続しまして、南多摩地域と北多摩地域とを結ぶとともに、神奈川県に至る道路でありまして、多摩地域内外の都市間の連携を強化する重要な路線であります。
 本路線は、多摩地域における都市計画道路の整備方針におきまして、広域的な幹線ネットワークとしてのあり方を踏まえて、概成区間の整備形態などについて検討することになっておりますが、また、地域住民との対応経緯を踏まえた沿道環境への影響など整理すべき多くの課題がありまして、地元市の協力が不可欠であると考えております。
 建設局としましても、道路の整備形態や沿道環境への影響につきまして、都市整備局と連携しまして検討していきたいと考えております。

○こいそ委員 現状と、建設局として南多摩尾根幹線に対する整備についての考えを今伺いました。申すまでもございませんけども、要するに、本線はほとんど用地買収する必要性はないんですね。そういう中で現行はどうなっているかというと、現在、残土がどんどん積み上がっちゃって、もう一つの山脈ですよ、ずっとつながるから。
 要するに、このような状態を、これは年数がたってきたのでそうなってきてしまっているんだけども、やはり何とか、これは基本的な計画はこの局じゃないかもしれないけども、しかし、現状認識と広域幹線ネットワークを形成する中で、極めてこれは重要な路線だということはいうまでもないわけでありますから、ぜひ建設局としても--確かに、お話もいただいたように交差点改良工事はやってもらっています。渋滞の流れを少しスムーズにやってもらっているけども、抜本的なところは必要だと思うんですね。ですから、やはり本線の整備によって円滑に、そして、広域ネットワーク形成の路線をしっかりと結びつけさせていくと。
 こういう観点で、この南多摩尾根幹線の整備方についても、局としてもぜひもう一歩、取り組み方をお願いしたいというふうに思います。これは道路監、ひとつよろしく答弁を……。

○横溝道路監 私が平成六年、七年に稲城市におりまして、多摩ニュータウンもやっていたということでご指名をいただいたというふうに思っておりますが、南多摩尾根幹線は、先ほど部長からも答弁がありましたように、調布保谷線と接続して神奈川県側に結ぶという道路でございますけれども、多摩ニュータウンの中を通る多摩ニュータウン通りとあわせて、やはり防災上もダブルネットワークを組むという観点から、非常に重要な道路であるというふうに認識しております。
 そういうことを考えますと、私ども、やはり道路をつくっていくという技術的なものにつきましては、都市整備局にも負けない形で能力を持っているというふうに思っておりますので、つくるのは、先ほど委員がおっしゃったように都市整備局がつくるものではございますけれども、建設局として私どもの方から、都市整備局に対しまして、道路の整備形態ですとか沿道の環境整備につきまして積極的に提案をして、一緒になってつくっていく方向を考えてまいりたいというふうに思っております。

○こいそ委員 全くそのとおりで、道路のプロ中のプロはやっぱり建設局ですよ、何といったって。これはもう、他局のあれもあるかもしれないけど、やっぱりそれはそうだと思います。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、中央高速道路の関係でありますけども、今現在、これもご努力いただいて無料化になった稲城有料橋との接続、インターですね、中央高速道路稲城料金所です、今は。どうしてもフルに、ハーフインターからフルインターにという要望が強かったんだけど、どうしてもいろんな事情でこれは厳しいということの中で、これから、約五百メーター前後でしょうか、要するに府中側でありますけども、西側の方に、大体そのぐらいの距離のところにスマートインターを整備する、こういうことを運んで、その話を進めてきていただいた。
 この件についてでありますけども、実質的にはこれは準フルインターになるのではないかなという感がいたします。そして、八王子、山梨方向にスムーズに向かえるわけでありますから、多摩川中流域にとっても、このインターの効果というのは極めて、限定された地域だけではない交通の円滑な確保とともに、地域の活性化さえももたらしてくれるものだと思うんですよ。ですから、やっていただいておりますけれども、この稲城インター西側、府中バス停を利用したスマートインターチェンジ、これはさまざまな質疑をさせていただいてきましたけども、府中スマートインターチェンジは多摩川中流部地域の、まさに今申し上げた交通混雑緩和や利便性の向上のため、早期の整備が必要だというふうにお話もいただいております。
 そこで、この府中スマートインターチェンジについて、現在の状況と今後の見通しについてお願いしたいと思います。

○野崎道路計画担当部長 府中スマートインターチェンジは、中央自動車道府中バス停を活用して八王子方面への出入り口を整備するものでございまして、これにより、中央道へのアクセス性向上や国道二〇号など周辺道路の混雑緩和が期待できます。
 昨年十二月、東京都、府中市、中日本高速道路株式会社の三者合同で、工事発注に向けた施工計画説明会を実施いたしました。
 事業主体でございます中日本高速道路株式会社は、昨日でございますけれども、工事発注の手続を開始いたしまして、平成二十四年度早々にも請負業者が決定する予定でございます。その後、詳細な施工計画等を作成いたしまして、地元に対し工事説明会を実施いたします。現場での工事着手は、本年夏ごろを予定しておりまして、着手から完成までおおむね二年半程度と中日本高速道路株式会社から聞いております。
 しかしながら、地元からは早期整備を望む熱い声がございますので、引き続き、中日本高速道路株式会社に早期に完成を図るよう働きかけるとともに、地元の理解、協力を得ながら、早期整備に向け積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 昨日、工事発注と今お話がありました。極めて早いこと、これは、私ははっきりいって、担当者、建設局、その努力があってだと思いますよ。向こうも対応していただいたことは感謝しますけどね。
 ですから、引き続いて、中日本高速道路株式会社が実質やるんでしょうけど、都としても、接続点もあるわけであるし、広域的な東京の、多摩川中流域の広域的な観点から、交通のアクセス観点から、ぜひひとつ今後とも積極的にこのことに関与し続けてもらって、そして、一日も早い完成をするようによろしくお願いしたいと思います。
 次に、関戸橋の整備についてに入ります。
 これもまさに、昭和十二年にかけられて七十年強経過をしている多摩川中流部の下流橋であります。長い歴史経過の中では、もっと長い歴史であれば、鎌倉街道の一部をなす多摩川を渡る橋梁が昭和十二年ですから、その前は渡し船があった。古くから鎌倉街道の接続、そしてまた、架橋の要望というのは物すごい当時の思いがあったというふうにも、我々も本当に推測の域を超えるぐらい思うわけでありますけども、そういう中で、昭和十二年にかけられて七十年を経過した橋が、いよいよかけかえが始まろうとしているということであります。
 関戸橋の下流橋のかけかえ事業の、安全面もそうでありましょうけども、この事業効果についてお願いしたいと思います。

○野崎道路計画担当部長 関戸橋は、多摩地域の骨格を形成します南北主要五路線の一つでございます府中所沢鎌倉街道線が多摩川を渡り、多摩の南北地域を結ぶ重要な橋梁でございます。
 また、第一次緊急輸送道路に位置づけられております鎌倉街道の一部として、災害発生時の円滑な緊急物資輸送や迅速な復旧、復興活動を支える極めて重要な都市施設でございます。
 かけかえに当たっては、最新の技術基準に基づく橋梁の耐震性や耐荷力を確保することで、緊急輸送道路としての安全性や信頼性が向上いたします。また、新たに歩道を整備し、安全で快適な歩行空間を確保するなど、交通の利便性や快適性が向上いたします。

○こいそ委員 昨年十一月、当委員会で、測量や地質調査、さらに仮橋の構造検討を実施し、早期事業化に向けて取り組んでいくというご答弁をそのときもいただきました。今もさらに、この事業効果について、より理解ができたところであります。
 そこで、関戸橋のかけかえ事業の現状、そして今後の取り組みについてお願いします。

○野崎道路計画担当部長 関戸橋は、交通量が多く、自然豊かな多摩川にかかる橋梁でありますことから、整備に当たりましては、十分な調査検討を行いながら、交通管理者や河川管理者など関係機関と綿密な協議を進めていく必要がございます。
 平成二十三年度は、構造物の設計に必要な地質調査は既に完了いたしまして、水辺環境調査、河川内の詳細な地形を把握する測量、仮橋の構造検討を行っているところでございます。
 平成二十四年度は、水辺環境調査を継続して行うとともに、用地測量や、仮橋とかけかえ橋梁の詳細設計等を実施する予定でございます。
 引き続き、関係機関との協議を進め、平成二十五年度の事業化を目指し、積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 いよいよ具体的に、七十年ぶり、このかけかえが始まってくるということでございまして、これに至るまで、吉原部長を初め道建の皆さんにもいろんな面でご苦労、及び、こぎつけるまで本当に大変なご努力をいただいたんですけども、感謝申し上げるんですけども、ぜひまた今後とも、必要な調査、協議をさらに着実に進めていただいて、早期事業化を実現していただきたく強く要望させていただきたいと思います。
 それでは、次に、坂浜平尾線の整備ということで、一、二質問させていただきたいと思います。
 多摩三・四・一七号線、いわゆる坂平線といいますけども、坂浜平尾地区の地域の活性化を図るのみならず、これは稲城市の坂浜、平尾でありますけども、鎌倉街道から東名川崎インターチェンジに至る東京南西部、いわゆる南多摩地域の道路ネットワークの一翼を形成する、これは鶴川街道からさらに尾根幹線道路ともいずれ接続するわけでありますけれども、これも極めて重要な路線であるというふうに思います。
 しかし、本路線は、都市計画決定して四十年、坂浜平尾地区が未整備のままで、いまだ動きがありませんが、一方、この路線の都市計画決定が昭和四十四年一月、そして、具体的にこれが示されたのが平成九年八月のさらなる都市計画決定、これは坂浜平尾土地区画整理事業区域内ということの中で道路をあけていくということだったんですけども、さらに、平成十八年四月、多摩地域における都市計画道路の整備方針、第三次事業化計画にはもう出た。すなわち、後ほどもいろいろ詳しくご答弁いただきたいと思いますけども、一路線千百五十メーター、この千百五十メーターの中において、今までの経過をいいました。それで、現状として延長千百五十メーターであります。この中で、七百三十メーターが土地区画整理事業内ですね。実質、都施行で、いわゆる街路事業で行うところが四百二十メーターというところであります。
 そういう中で、平成二十二年七月、この七百三十メーター内における一つの組合である上平尾土地区画整理事業が、設立が認可された。そして、昨年度からこの工事に着手しました。この路線の工事に着手したんです。そして、もう一つの小田良土地区画整理事業というのがありますけども、これが平成十八年に組合設立準備会がされているんですけども、認可はいま一歩ということではありますが、着実にこれは進められているという状況であります。
 こういうことの中で、千百五十メーター、ちょっと戻りますけども、昭和四十四年、今、若干あらあらでありましたけど、時系列をたどってきた。そして、四百二十メーター、区画整理七百三十メーター、この整備であります。この中で、特に未整備区間で、今いった土地区画整理事業では入った。いよいよ地元では、坂浜平尾線の完成に対する期待が極めて大きくなってきているんです。
 そういう中で、坂浜平尾線の整備による効果について、まずお聞きをしたいと思います。

○野崎道路計画担当部長 多摩三・四・一七号、坂浜平尾線は、稲城市坂浜地内の鶴川街道から川崎市麻生区金程地内の川崎市境に至る計画延長約二・六キロメートルの地域幹線道路でございまして、南多摩地域の道路ネットワークの形成とともに、神奈川県との都県境を越えたネットワークを構成する重要な道路でございます。
 本路線のうち、今、委員からお話がございましたけれども、鶴川街道から四百二十メートル区間は都施行区間、続く七百三十メートル区間は組合土地区画整理事業による施行区間として第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけられておりまして、残る一・五キロメートルは既に完成しております。
 本路線の整備によりまして、沿道に学校のございます学園通りなどに流入しております通過交通が排除されまして、周辺道路の安全性が向上するとともに、組合土地区画整理事業のまちづくりの促進や地域の防災性の向上が図られると考えております。

○こいそ委員 それと、今、現道がこう、尾根沿いにくねったような道路が、これは市道でありますけども、道路がある。これは非常に道路幅が狭い。狭小、それから地形的に起伏に富んでいる。こういう中で、それは通学路にもなっているんですから、これは地元からも極めて危ないと。事故も当然にして起きています。少なくない。いつ起きてもおかしくないような、行っていただければ、道路監なんかはよくわかっていると思うんですけど、極めて危ないですよ。見通しがきかないから、こうやってくねった道路ですから、狭いし危ない。
 こういう中で、ぜひ坂平線のことも--そういう意味合いがあるんですよ。非常に危ない。そういう中で、ぜひとも早期整備というのは、そういう意味合いからなんです。
 それから、東京都が、これはこの局の話じゃないんですけども、オール東京として考えれば、平成九年だったでしょうかね、先行買収をかけていました。先行買収をかけて、一大的な東京都区画整理事業というものを遂行しようとした。ところが、これは一方的に宣言して、一方的に土地を買いまくって、それで最後ほうり投げちゃった。ほうり投げたというのは白紙状態に戻したということですね。これ、弱っちゃうよ、はっきりいって。虫食い状態。その中におけるさっきの話が出てくるわけです、この道路もね。
 いろんな思いの中で、この道路こそは--周辺の状況は、まだのどかなところでもあるんですよ、大規模団地も近くに点在しているけども。でも、少なくとも地域が、安全の面もそう、それから夢と希望を一瞬たりとも抱いたことが、ひゅっと消えちゃった。それから、じゃ、どうするか、どうするかという話になってきたのに、この土地区画整理事業の二つが、一つは立ち上がったんですね。それで、一つはあけていこうということになったんですよ。
 以前、私はこういう話をさせてもらった。それはどういうことかというと、さっきの話で、道路整備はまさに専門家集団ですよ。東京だけじゃない。お世辞じゃないけど、日本一だと思いますよ、はっきりいって、この局は。道路も河川もそうだけどね、特に今、道路の話で。
 そういう中で、いずれにしても、その思いは強いんですよ、東京都の都道整備ということに対して。だから私は、千百五十メーター、これ、都道で整備しちゃったらどうかと。実際的な施行ですよ、いったのは。整備したらどうかという話も一応あった。実際お話しさせていただいた経緯もあった。しかし、もはや区画整理で進み始めていますからね。そうじゃない、あと四百二十メーター、ここのところを--京王線も近くに走っていますね。その調整もあるかもしれない。地権者等、あるかもしれない。だけども、私は機は熟していると思うんです、間違いなく。
 ですから、そういう中で、長年、地元とすれば、四十年以上の歳月があったわけですね、昭和四十四年からの話でありますから。どこがする、どこがしないといういろんな議論もあったかもしれないけども、実際的には、これはもう東京都でという思いが非常に強いわけであるから、ぜひひとつ、この事業化に向けて、現状と今後の取り組みについて教えていただきたいなと思います。

○野崎道路計画担当部長 本路線は、地形に起伏がございまして、また、京王相模原線や三沢川と交差するため、整備に当たりましては、高低差処理や鉄道交差部の構造等につきまして検討が必要でございます。
 平成二十三年度は、事業化に向けた用地測量や京王線交差部等の地質調査などを実施してまいりました。
 平成二十四年度でございますけれども、環境調査や三沢川にかかる橋梁の形式検討など、工事に必要な調査検討を進めていくとともに、都施行区間の事業に着手いたしまして、用地取得に取り組んでいく予定でございます。
 上平尾地区は、既に土地区画整理組合が工事着手いたしまして、小田良地区は、組合が認可に向けた準備を進めているというところでございますけれども、引き続き、この二つの土地区画整理事業と都事業が一体となり整備が進むよう、地元の理解と協力を得ながら事業を推進してまいります。

○こいそ委員 ぜひ早期着工、着手、そして完成ということで、ひとつお願いをしたいと思います。要望させていただきます。
 次に、こういう事業を進めるにも、さまざまな事業を、道路、街路事業を進めるにも、何につけても用地取得というのは極めて重要であることはいうまでもないと思います。
 そこで、用地の取得について、とりわけ都道鶴川街道の用地取得についてお願いしたいと思います。現在、事業中の鶴川街道における用地取得についてであります。
 鶴川街道は、町田市から調布市に至る南多摩地域を南北に貫く広域的な幹線道路であります。地域の活性化のためには、本路線の整備は極めて重要で、全線の早期整備がこれも望まれているところであります。
 稲城市内においては、現在、一・八キロにわたって用地取得に取り組んできていただきましたけども、これはどこでもそうだと思いますけども、長年ここで生活し、店舗や事業を営んでいる地元地権者にとっては、土地という資産に対する深い思い入れが当然あると思うんですね。土地は価値の高い財産であり、権利者意識も以前に比べて高くなっているのではないかと思うところもありますが、用地の取得には大変苦労が多いと思います。
 そこで、用地取得を進めていくに当たって、課題と困難性について、この際、四方部長よりお願いします。

○四方用地部長 本区間を含め多摩地域に多く見られる用地取得上の課題として、農地の相続税問題や、新たな道路に生じる高低差の問題がございます。特に納税猶予農地においては、公共事業に協力することにより、相続税の免除が適用されず、関係権利者に税制上の負担が生じる場合があります。
 また、丘陵地の多い地形であり、道路拡幅により、宅地や市道との接続に高低差が生じるケースも多く見られるところでございます。

○こいそ委員 大変困難なことを当然今までもされたと思いますけれども、農地や高低差の問題、特に相続による税が猶予されているなど、地権者が応じたくても、税金の問題がネックになって同意を得るのは大変難しいようであります。
 しかし、用地が取得できなければ、この道路事業等は進んでいきません。ここは道路でありますから、道路事業は進んでいきません。地域の活性化のためにも道路は必要不可欠であります。道路整備を進めていく上で、かぎを握るのは、やはり用地の取得だというふうにも思います。用地の取得状況によって事業の進捗が左右されるといっても、私は過言ではないというふうに思います。
 そこで、用地取得におけるこれらの課題に対する取り組みについて伺います。

○四方用地部長 納税猶予農地については、代替農地を取得することで納税猶予措置が継続されることから、関係権利者の意向を聞きながら、地元市や農協、近隣農家などの協力のもと、代替農地の情報収集に努め、つけかえを促進しております。
 なお、必要に応じて、関係権利者とともに税務署に出向き、相続税額や納税方法を確認するなどして関係権利者との信頼関係を築きながら、事業への協力をお願いしております。
 また、高低差への対応については、関係部署で解決方法を十分検討し、折衝の早い時期から関係権利者と調整しております。
 個々の折衝に当たりましては、丁寧かつ十分な説明と生活再建への助言、助力を行うなど、さまざまな工夫に努め、きめ細かく支援しております。

○こいそ委員 ただいまの話のように、関係権利者へのきめ細かな対応、それによって用地取得の課題の解決に本当に鋭意取り組んでおられるんだなということがわかりました。鶴川街道においても、全線の早期開通に向けて、引き続いて用地取得の多くの課題を積極的に解決していただくように要望させていただきたいと思います。
 東京の道路整備は、いまだ道半ばだというふうにも聞いております。道路ネットワークの完成によって、安全で安心した東京を実現するものと考えております。そのためにも建設局の役割がますます重要であり、その骨幹を担うのはやはり用地取得であるというふうに考えております。
 そこで、最後に、改めて局事業における用地取得の重要性についてお願いいたします。

○四方用地部長 用地取得が終われば、事業の八割が完了したといわれるぐらい、局事業において用地の取得は重要な役割を担っております。
 事業用地の取得に当たっては、適正かつ公平な補償を行うとともに、関係権利者の生活再建に向け、さまざまな取り組みを行っております。関係権利者の理解と協力を得て、知恵を出しながら課題を解決し、一歩一歩、着実に用地取得を進め、工事につなげてきております。
 今後とも、用地職員の知識、経験、そして組織力を結集して、全力で局事業を支えてまいります。

○こいそ委員 ありがとうございました。やはり用地の取得がいかに事業遂行の上で重要かということを改めて、今ご答弁を聞かせていただいて理解をさせていただきました。
 四方部長も用地取得で大変ご苦労され、頑張っておられて、また、この局の中でも、動物園、それから南東建の所長、あらゆるところで、ほかにもそれぞれ役職を歴任されたわけでありますけども、この局の事業遂行に非常に一生懸命やってこられたこと、そういうことで、私も本当に四方さんの努力に対して感謝申し上げます。ありがとうございました。
 続きまして、研修及び広報、広聴につきましてお願いしたいと思います。
 建設局では毎年、多くの都民から、意見なり、提言、提案なり、苦情なり、いろんなことがあると思うんですね。この多くの都民からの意見をどのように把握して、事務事業の改善に活用されているのか。このあたり、この機会ですからお聞かせいただきたいと思います。

○東総務部長 建設局事業の円滑な推進のためには、都民との意思疎通を図りまして、事業への理解と協力を得ることが重要でございます。
 そのために、広報、広聴活動につきましては、報道機関への情報提供や「東京のまちづくり」などの広報誌の配布、ホームページによる案内のほか、市民まちづくりへの参加など地域との連携、工事説明会や施設見学会の開催等、直接都民と接する機会を設けまして理解を深めていただくとともに、意見をお聞きすることで事業に生かしております。
 また、広聴でございますが、都民から寄せられる声、例えば道路の隆起やくぼみの改善などにつきましては、即時に対応するとともに、局全体で情報を共有しまして、類似事例の再発防止、日常の適切な維持管理に生かしております。

○こいそ委員 特に、さまざまな都民の要望、要求それぞれあると思うんですけども、それらにいかにして対応されているか、事業のまさに改善に役立っているか、その話でありますが、この中で、せっかくいい事業を行ったとしても、正しく理解をしてもらう、それから、この事業はどうやって社会のため、地域のため、東京のため役立っているかといいますか、これは、私はもう一段工夫があってもいいんじゃないかなと、広報の中で。
 例えばと、今いろいろと羅列していただきましたけども、さまざまな場に出向いて広報活動をやっているということも私も理解をさせていただいておりますけども、特に、MXテレビというのは東京の全体のあれですけども、それもそうでしょうけども、各地域にもいろんなコミュニティテレビ局があると思うんですよ。とりわけ私の地元にも、まさに多摩の多摩テレビがあるんですね。これは東京都が予算を出してある。それで、取締役も行っているんですよ。監査役もそう。それから、番組編成部長は都から行ってる。いってみれば、何というかな、これこそが--ところが、遠慮しちゃっているんだか何か知らないけど、ほとんど東京都の番組出さないんだよね。出しちゃいけない不文律はないと思うんだけどね。
 だから、これは違った局の管轄なんだけども、正しい情報というのかな、これを送ることによって、より身近に感ずるところがあるじゃないですか。だから、こういうのも活用したらどうかなと思うんですよね。それは一つの提案なんですけども、常々私が思っている話を今いわせてもらったんですけどね。
 それと、研修については、特段ここでお話というのは、また次回に送ってもいいかなという感じもしますので、研修をいろいろやられているので、これは人材育成を含めてしっかりやっていただいた方が、これは東京のため、我々都民のため、全体的になるので、またやっていただきたいなと思います。
 次に、関連して契約解除です。
 会社の倒産、経営状況の悪化によって、契約解除が工事遅延の要因になっている。建設局発注工事における契約解除の発生件数の過去五年の推移についてお聞きしたところ、毎年、この資料にもございますけれども、二件から四件発生していることがわかりました。
 そこで、こうした契約解除といった事態を招かないためにどのような施策を講じていくべきなのか、このあたりを教えていただきたいと思います。

○東総務部長 建設局事業における公共工事の発注に際しましては、入札契約事務を適正に行い、工事の円滑かつ確実な履行及び品質の確保を図ることが重要であります。
 そのため、指名選定に当たりましては、東京都工事請負指名業者選定基準に基づきまして、経営の状況、施工中工事の進捗状況、既発注工事の成績、発注工事の地理的条件等を踏まえまして選定を行っております。
 また、工事の規模や技術的難易度に応じて総合評価制度の活用を図っております。具体的には、入札参加者を、入札金額のみではなく、同種工事の施工実績、配置予定技術者の資格など技術的な観点からもあわせて審査することにより、発注工事の履行を適切かつ確実に行い得る技術力のある業者を選定しております。
 今後とも、建設局においては、あらかじめこうした取り組みを実施することにより、経営悪化による契約解除を防止し、工事遅延を引き起こさないよう、円滑かつ確実な事業推進に努めてまいります。

○こいそ委員 そのような対応策についても今聞かせていただきましたが、実際、私も、現実に地元でも何件か見ている事案があるんですね。
 一点は、つい最近といえばつい最近なんですが、これは新しく都道整備されたんですが、この路線、大変短い区間でありますけども、ここのところの一部が、本来だったら私どもの地元は南多摩東部建設事務所かな、南東建。ところが、これ、橋梁整備の関係だったと思うんですけども、北南建が南東建の同じ道路整備の一部をやっていた。そういう中で、両方で分けるわけですね。南武線も走っていましたからね。実際上、そこの北南建の方の発注業者が倒産しちゃったんですよ。その中で、えらく工事がおくれちゃったんです。もう開通して、去年の三月だったですかね、開通式やりましたよね。そのことによって、まだ全線できていないんですよ。これはいかがなものかなと。
 以前にも、これはちょっと局も違うところでもあったんですけども、やはりそれによっておくれが出ちゃう。いろんな面で影響が出ちゃっている面があるんですよ。
 ですから、こんなことが起きることを望むのはだれもいやしませんけど、しかし、少なくとも、これに対して影響が余り強く出ないように、事前と、ましてやこういう発生したときの対応策、これをぜひ講じていただきたいなと思うんですね。これはご答弁いただきたいなと思います。
 それからもう一点、総合評価ということがありますけれども、しかし、入札制度についての、現状は低入札価格による受注を目指す価格当て入札によっていますね。当然、落札率の低下を招く結果となっていますが、このことから、受注するために、かなり無理な価格での施工を余儀なくされている状況が現実にあります。そして、会社の経営の悪化を招いていくことになりかねない。
 今後その状況を踏まえた、これは検討していただければと思うんですが、特に失格ラインの底上げ等、入札制度のさらなる見直しを行っていくことも今後視野に入れて検討でき得ないかどうか、そのあたりもお願いしたいと思います。

○東総務部長 まず最初に、経営悪化等による契約解除についての答弁をさせていただきます。
 予期しない経営悪化等による契約解除が発生した場合は、契約解除による工事遅延を最小限に抑えるための事業の効率的執行が重要と考えております。
 そのために、まず第一には、残工事の状況をしっかりと把握した上で、工事内容等を分析し、工事の規模、期間について、投資の効果を早期に発現するための最有効策を選択することが重要であります。具体的には、残工事の状況によって、それに続く工事との合併や優先すべき工事内容の精査を行うなどの工夫を行い、工事遅延の最小化に努めております。
 二つ目には、再発注に関する手続期間の短縮を図ることであります。このため、工事の施工管理を十分に行い、進捗状況を常に把握し、予期しない経営悪化による契約解除があった場合には、工事の既済部分の検査、出来高の確定等を迅速に進め、残工事の再設計、再積算についても、期間の短縮に努めております。
 今後とも、予期しない不測の事態が発生した場合においても、こうした取り組みを徹底することにより残工事の効率的な執行を行い、効果を早期に発現する事業推進に取り組んでまいります。

○西倉企画担当部長 いわゆる低入札対策でございます。これにつきましては、総合評価方式ということで、価格以外の技術力も評価した上で進める方式を採用してきておりますけれども、財務局の方で特別重点調査というものを導入いたしまして、一定の効果が生じているというふうには考えております。
 ただ、業界との意見交換をやりますと、そういう声が非常に大きいということがありまして、建設局としても、引き続き業界の意見を聞きながら、例えば低入札価格調査制度というのがあるんですけれども、それを重点的に行いまして、本当にその工事の履行が可能なのかどうか厳しくチェックをしていきたい、そういうような対応をしていきたいと思っております。

○こいそ委員 全くそうなんだよね。前に、私ここでも契約のときにやりとりさせていただいた、六割を切って受注したところがありましたね、大手ね。だけど、本当の意味で、下請、孫請、これが厳しいんですよ、はっきりいって。さらに、私がこれ、今あえて聞かせていただいたのは、町場の中小企業、極めて厳しい。
 そういう中で、総合評価という話もあるんだけども、維持していくために、先ほど申し上げたように、かなり無理をしてとってくるんだね。そうすると、その無理が結局施工のところにも出ちゃうんだ。これは必然的な状況になっちゃうんだね。本当はなってはいけないんです。しかし、余りにも低入札という話の中で、これ、割を食うのはどうしても中小零細企業なんです、それから孫請、下請なんです。これはどうしたって。
 ですから、そのあたりで、一局だけの話じゃないかもしれないけども、事業量が多い局ですから、そういう意味合いからも、ぜひ局なりの対応等々がとれ得るならばとっていただきたいなと思いまして、要望いたします。
 それと、入札の不調については、これはまたの機会にさせていただきます。
 次いで、都立公園の整備についてお願いしたいと思います。
 都立公園の整備について伺いたいわけでありますが、その前に、これはご答弁結構でございます。これ、道路管理の方の関係だと私は頭から思っていたんだけど、きょうのやりとりでわかりましたけど、公園緑地部の方なんですね。要するに、街路樹百万本構想、そういう中で、それぞれ取り組みをやられているというのはわかるんですけども、実は、都道で分離帯の中で、先ほど大津さんもいわれていたけども、いろんな形態でありますね。低木がずうっときれいに植えてある。管理もしてある。ところが、そこのところに、何か知らないけど、中木がぽんぽん立っている。いずれ何かなるんでしょうけど、だけど、景観的に見ても、あのグリーンのベルトがずうっといってる方がきれいだよね、これから季節的にも。それからさらに、接ぎ木みたいな細い木を、何か知らないけど、ぽんぽんこうやってある。
 悪いとはいわないけども、しかし、百万本ということだけでそういうような行為がもしあるのであるならば、私はちょっと主客転倒じゃないかと思うんですよ。そうじゃないと思う、本数じゃないと思う。やっぱり景観的なものだとか、本来的な育成状況だとか路線の環境状況というのはあるはずなんだ、これ。ただ植えればいいというものじゃないと思う。きょうはこれまでにしておきます。
 次いで、本題入ります。都立公園についてであります。
 かつて東京には豊かな緑があり、その恩恵を受けて、多くの動植物が生息、生育しておりました。しかし、都市のスプロール化などにより、東京の緑は、ご案内のとおり極めて急速に失われてきております。このような状況の中でも、多摩地域には丘陵地の里山や谷戸などが、貴重な緑が今も残っている状況であります。しかし、このあたりも危ないですけどね。四季折々の風景を呈しておりますが、この貴重な緑はまさに都民共有の財産であり、後世に残していくことが極めて重要であるという認識は同じだというふうに思っております。
 そこで、特に、地元地元で本当に申しわけないんですけども、私の地元のことをもうちょっと引き合いに出させていただくならば、万葉の時代、防人たちが九州に行くときに歩いていくんですね。そこのところが今もあるんですけど、多摩の横山というふうにうたわれておりました多摩の丘陵でありますけども、今、緑の拠点となるのは、やはり都立公園になっちゃっているんですね。もう相続か何かで、開発でどんどん里は埋められ、山は切られ、建物がどんどん建っていくんだけども、川の流れもいろいろ変わってきました。しかし、そこの貴重な自然を守っているのは実は都立公園なんです、丘陵系の公園なんですね。都立公園だというふうに思います。
 その整備は大変だと思いますけども、どのような状況でされておられるのか、お願いします。

○上杉公園緑地部長 こいそ委員の方から、今、横山というご発言がありましたけれども、多摩丘陵は、東西方向に二十キロメートル近くの延長がございます。その西の外れは高尾山に連なるなど、豊かな自然を有する貴重な場所と認識しております。
 多摩丘陵には、桜ヶ丘公園、小山田緑地、多摩動物公園などの七つの都立公園がございます。現在、二百三十一ヘクタールを開園しております。
 例えば桜ヶ丘公園では、平成二十二年六月に農業者大学校跡地の一部を、また、二十三年四月には、新たな都立公園として大戸緑地を開園するなど、これら七つの都立公園で、過去十年間に七十四ヘクタール、小金井公園に相当する面積を新たに開園いたしました。

○こいそ委員 多摩丘陵において、都立公園の整備拡張に鋭意取り組んで貴重な緑の保全に努めていただいていることは、大いに感謝と評価をするところであります。
 しかし、丘陵地には多くの動植物が生育、生息しており、これは多摩丘陵だけでありますけども、タマノカンアオイという植物、それからキンラン、ギンランなども数は本当に少なくなってしまいました。しかし、まだしっかりと、ど根性で一隅で生育している状況です。
 この丘陵地の公園の整備に当たっては、私は先ほどもちょっと触れましたけど、丘陵地ならではの整備のあり方が必要ではないかというふうにも思いますし、ご苦労もあろうかと思います。
 これまでどのように多摩丘陵の公園の整備を進めてこられたのか、伺いたいと思います。

○上杉公園緑地部長 丘陵地での公園の整備に当たりましては、雑木林などの貴重な緑を保全するとともに、さまざまな生き物の生息できる環境や里山環境の保全と再生、また、都民のレクリエーションの場として整備しております。
 具体的には、埋め立てられた谷戸を再生して田んぼを復元したり、樹林地の植生状況により、人の手を加えずに自然の遷移に任せるエリアや、定期的に伐採や下草刈りを行うエリアを設定しております。
 また、地形を生かして散策路を整備し、尾根線の眺望のよい箇所には展望広場を設置するなど、来園者が豊かな自然と触れ合うことができ、楽しめるように整備しております。

○こいそ委員 丘陵地での公園整備に当たっては、丘陵の自然を守るとともに、都民の皆さんに楽しんでもらえるように取り組んでおられる、大変意義ある取り組みをされてこられたなと私は思います。
 都立公園の豊かな緑は、都民にまさに安らぎやレクリエーションの場を提供するなど、都民生活に欠かすことのできない施設だと思います。特に多摩地域において、多くの都立公園は、自然が残された貴重な緑の拠点となっているんですね。さらなる都立公園の整備または拡張も必要かというふうにも思います。
 「二〇二〇年の東京」計画においても、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復元させることを目標としております。今後、多摩地域の都立公園の整備をどのように進めていかれるか、伺いたいと思います。

○上杉公園緑地部長 東京都と区市町村は、平成十八年三月に策定いたしました都市計画公園・緑地の整備方針を、都市計画公園、緑地の事業進捗や社会情勢の変化に対応するため、防災や環境保全などの視点から、平成二十三年十二月に改定いたしました。
 多摩地域では、今後十年間で、小山田緑地、大戸緑地、野山北・六道山公園など二十二公園、二百ヘクタールの事業に着手いたします。
 都立公園は、首都東京の風格を高め、魅力と活力にあふれた都市にする上で重要な都市基盤の一つでございます。今後とも、緑あふれる東京を実現するため、職員一丸となって都立公園の整備に積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 ありがとうございました。
 都立公園の特に丘陵系、これは、ただ単なる都市公園の整備手法だけではない、いろんな点のご苦労と、さまざまな知恵、技術を投入されてこられたと思うんですね。ありがとうございました。
 上杉部長も、いろいろな面でお世話になりまして本当にありがとうございました。先ほどは、四方用地部長も、しっかりとした局の用地に対する姿勢を明確にお話ししていただきました。両部長、本当にいろいろありがとうございました。
 あと、もう時間ないですね。ですから、これ、いいます。
 土砂災害と河川整備について最後にお聞きしたかったんですが、これも率直にいって、昨年の六月、土砂災害関係について答弁をもらいました。以後しっかりやっていただいているということでよくわかりましたので、それとともに河川でありますけども、これもお話をさせていただく中で、三百四十メーターを対象とした事業認可を、もう本当にすごくスピード感を持って、しっかりと対応してもらいました。これは本当にありがたいと思います。
 ですから、今後とも、どうぞそのような取り組みを一層お願い申し上げて、終わらせてもらいます。ありがとうございました。

○上野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時五十七分休憩

   午後六時十六分開議

○上野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○尾崎委員 それでは私から、まず最初に、先ほども出ましたけれども、全国都市緑化フェアについてお伺いさせていただきます。
 この全国都市緑化フェアは、都市緑化意識の高揚や都市緑化に関する知識の普及等を図ることにより、緑豊かな潤いのある都市づくりに寄与することを目的として、昭和五十八年度から毎年開催されているものであります。
 東京都での開催は、一九八四年の第二回開催以来、二十八年ぶりの開催となるわけでありますけれども、第二回開催時に、昨年も皆さんにいらしていただいた、私の地元の調布市の神代植物公園がメーン会場となりまして、そのときに神代植物公園の大温室も完成したと伺っております。
 ことしの秋の九月二十九日から十月二十八日までの三十日間の会期で行われる緑化フェアのメーン会場の六カ所のうち、多摩地域では、井の頭公園と昭和記念公園の二公園がメーン会場となっております。また、緑化フェアの開催趣旨に賛同して、緑の東京を発信するサテライト会場には、多くの多摩の都立公園や市区町村の公園等百カ所が指定をされると伺っております。
 私からは、多摩地域の都立公園との連携が不可欠と思われる昭和記念公園を中心に質問をいたします。
 まずお聞きをいたしますけれども、メーン会場の一つに昭和記念公園が入っていることによって、今回の緑化フェアにおける国の役割にはどのようなものがあるのか、また、国とどのように連携をして準備を進めているのかお伺いいたします。

○町田緑化推進担当部長 今回の全国都市緑化フェアにおける国の役割につきましては、国は、緑化フェアの提唱者であるとともに、六カ所のメーン会場のうちの一つに位置づけられております国営昭和記念公園会場の企画運営主体というふうになっております。
 緑化フェア実行委員会といたしましては、フェアを円滑に開催するため、国土交通省と連絡調整に努めるとともに、国営昭和記念公園会場につきましても、フェア全体の企画内容とのバランスに配慮しながら、国営昭和記念公園事務所と調整を行い、準備を進めているところでございます。

○尾崎委員 次に、この昭和記念公園ではどのような内容のものが計画をされているのかお伺いしたいと思います。
 あわせて、今回の緑化フェアにおいて、緑のつながり、広がりのある緑化フェアを目指していると聞いておりますけれども、昭和記念公園では、この多摩の地域とどのように連携をしていくのかお伺いいたします。

○町田緑化推進担当部長 国営昭和記念公園会場におきましては、これまで取り組んできました、花、緑、文化、地域活性化等の集大成として、恒例のコスモスまつりを発展させ、大規模なコスモス花壇等を整備するほか、地域やボランティアの方々と協力しながら一体的にイベントを企画運営していくと聞いております。
 また、多摩地域との連携につきましては、国営昭和記念公園会場と多摩地域の都立公園などのサテライト会場、鉄道事業者等と連携しながら、ウオーキングイベントなどを実施していくと聞いているところでございます。

○尾崎委員 ぜひ、この緑化フェアでの多摩のメーン会場である昭和記念公園と井の頭公園を核として、多摩のサテライト会場と連携をしながら盛り上げていただき、多摩の活性化につながる広がりのある緑化フェアにしていただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、都立公園の剪定枝についてちょっとお聞きしたいんですけれども、これは、NEDOといいまして新エネルギー・産業技術総合開発機構というのがあるんですが、ここの調査によりますと、全国の都市公園からは年間約十七万トンの剪定枝が発生していると推定をされておりまして、この東京都二十三区内においても、自然保護条例や緑の東京十年プロジェクトなどの影響によって、二〇一五年には、この剪定枝の発生量が約二万トンに達するという予測がされております。
 これだけ大量の剪定枝が発生をすることで、ちょっとお聞きしたいんですけれども、日々の剪定作業で、このNEDOが予測をしているぐらいの大量の枝が今後も発生することを一応仮定して、この都立公園ですが、現在、剪定した枝をどのように有効活用しているのかお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 都立公園の樹木剪定で発生した枝は、貴重な資源としてリサイクルすることを基本としております。
 具体的には、粉砕した上で、園路や遊具広場にクッション材として敷きならすほか、堆肥化させた後、園内の樹林地に敷き込み、肥料として還元しております。
 また、海の森みどりの資源化センターなどの再資源化施設へ搬入し、有効活用されております。

○尾崎委員 この剪定された枝がチップにされまして、公園内でさまざまな有効活用をされているとのことですけれども、これで、チップとして公園内で活用している量、剪定量じゃなくて、公園内で活用している量は年間どのくらいの量になるのかお伺いをいたします。

○上杉公園緑地部長 建設局で所管しております都立公園で、樹木剪定により発生する枝を粉砕し、公園内で活用したチップの量は、平成二十二年度は約六千立米でございます。ちょうど二十五メートルプールで換算しますと約十杯分強になります。

○尾崎委員 六千立米で二十五メートルプール十杯分というと、相当な量だと思うんですけれども、やっぱりこれだけ有効活用できるものを活用しない手は僕はないと思っております。
 これは、国で今度、新規事業でやるものなんですけれども、都市における地産地消型再生可能エネルギー活用の推進というのを出しているんですけど、都市の公園あるいは街路から発生をする未利用の植物廃材を地産地消型再生可能エネルギーとして活用することにより、災害にも強い低炭素、循環型都市の実現を図るため、都市由来の植物廃材の特性を踏まえたエネルギー化効率の高い発電プラントの開発に向けた実証実験と、災害時に非常用電源として使用するための運営計画の策定、さらには、植物廃材の収集、運搬、エネルギー転換、副産物の処理など一連のプロセスにおいて金銭的収支及びCO2収支が成立する方策等の検討とその成果による技術的指針の策定を行うと。
 こういう方針を出しているんですけど、これ、そのまま読んだだけなので、ちょっと難しく聞こえるかもしれませんけれども、要は、この植物廃材だとか、今いわれた剪定枝の有効活用を、特に都市でもっともっと有効活用してくれと。特に今、原発の問題もあって、電力等々もいろいろと不足をしていくというようなことも考えられる中で、この剪定枝をそういった部分に再利用することは、僕は、低炭素都市とか、東京は低炭素都市を目指すということも常々いっておられるので、ぜひこれは活用していただきたいと思っております。別にこれは答弁は求めませんけれども。
 この剪定枝の活用方法として、都市公園で出た剪定枝、これは一つの例ですけれども、いわゆるオンサイト、その場で乾燥チップ化を図って、小型のボイラー等を利用した小型木質バイオマス発電装置とか、こういう設置をしていけば、例えば公園内の電気とか、よく街路で、公園内に街路灯がいっぱいありますけれども、これをそのまま、公園内で出た廃材チップ、剪定チップを使って、その街路灯を発電すると。これはいわゆる電気の地産地消みたいなことなんですけれども、こういうことをやったり、あとは、都市公園内に、剪定枝を利用して小型木質バイオマス発電所、こんなようなものをつくってみて、この原料となる剪定枝の収集や固定価格買い取り制度による売電などにより、雇用もそこで生まれる可能性もあると思うんです。
 ですから、その辺も踏まえていただいて、これは今、なかなか答弁を求めるのは難しいと思いますので、ぜひ考えていただきたいということを要望して、早いですけど、終わりにさせていただきます。

○山田委員 それでは、私の方から、建設局の事業について何点か質問させていただきたいと思います。
 建設局の皆様には、都市基盤の整備という、首都東京の都市活動や都民生活を支える上で極めて重要な役割を担っていただいておりまして、皆様の日ごろのご努力に心から感謝を申し上げたいと思っております。
 しかしながら、高度防災都市づくりとか災害に強いまちづくりという大きな課題も山積いたしておりますので、今後とも、ぜひ局を挙げて強力に施策の推進をしていただきますように、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、建設局の事業のうち、道路の安全対策、維持管理についてお伺いいたしたいと思います。
 東京の道路については、江戸時代の日本橋から各地区に通じた五街道が、現在の東京の道路の基本骨格になっているということはよく知られていることだと思います。東京の道路は、代表的な都市基盤として、経済発展を支えながら、震災や戦災による大きな被害を受けつつも、その都度、復興事業をきっかけとして幅員を広げたり、あるいは歩道と車道が分離されたり、街路樹を植えられたりして、本格的な舗装道路として発展してきた歴史があったと思います。
 今や東京都が管理する道路は約二千二百キロに及んでおりまして、まさに首都東京の日々の都市活動を支える重要な施設、都市の背骨となっているのであります。この道路を常時、良好な状態を維持することによりまして安全、円滑な交通を確保することが、都市機能を維持する上でますます重要になってきております。
 また、道路は、単に人々の移動や生活物資の輸送のためだけではなくて、快適で安らぎのある歩行空間、あるいは高度情報社会に対応する情報インフラの収容空間として、災害時の緊急避難路としても期待がされているところであります。
 近年、都市活動の長時間化とか余暇活動の活発化、あるいは高齢者の増加を初めとする社会経済状況の変化に応じまして、道路管理に対する都民の要望も極めて多様化しております。そうした観点から多摩地域における都道の状況を見ておりますと、著しい自動車交通の増大に対応した安全な道路整備の必要性が極めて高く、なかんずく歩道の整備に対する沿道住民の期待は大きいものがございます。
 そこで、最初に、多摩地域におけます都道の歩道の整備についてお伺いいたしたいと思います。
 多摩地域におきましては、交差点の渋滞対策といたしまして、交差点すいすいプランを重点的に進めていることは承知いたしております。しかしながら、都道でありながら歩道がなかったり、たとえ歩道があったとしても、車いすどころか歩行者同士さえすれ違いできないほどの狭い歩道があるのも事実でありまして、だれもが安全で快適に移動できる空間を確保する観点から、歩道の整備を進めることも重要な事業であると考えております。
 そこで、今後の歩道の整備に当たって、バリアフリーに対応した最低二メートルの幅員を有する歩道整備が必要と考えますけれども、多摩地域全体の幅員二メートル以上の歩道の整備の状況についてお伺いいたします。

○鈴木道路保全担当部長 歩道は、歩行者の安全確保、良好な都市景観の形成、ライフラインの収容空間の確保など多くの役割を果たしており、その整備は大変重要でございます。
 平成二十二年度末現在、多摩地域の都道における車いすがすれ違うことのできる幅員二メートル以上の歩道の整備延長は四百二十七キロメートルでございまして、整備率は約四三%でございます。

○山田委員 今の多摩地域の歩道の整備率は四三%ということでございまして、これは二メートル以上の歩道の整備延長ということでありますけれども、整備率といたしましては、まだまだ低い状況にあると思います。
 今後も引き続き整備を進めていただきたいと思いますけれども、来年度、平成二十四年度の歩道整備についてお伺いいたしたいと思います。

○鈴木道路保全担当部長 平成二十四年度の多摩地域における歩道整備は、事業費四十六億円、整備規模二・六キロメートルを予定しております。
 今後とも、歩道の整備に当たりましては、関係権利者や地元の皆様の理解と協力を得て、幅員二メートル以上の幅の広い歩道の整備を積極的に進めてまいります。

○山田委員 ぜひ積極的な取り組みを期待いたしておきたいと思います。
 次に、私の地元であります西東京市の道路整備について質問させていただきたいと思います。
 西東京市内では、現在、多摩地域の骨格幹線道路の一つであります南北道路、調布保谷線の整備が約三・九キロメートルの全線にわたりまして進められております。この調布保谷線の整備に当たっては、当初から、環境施設帯のつくり方、あるいはその点についても地域の住民の皆さんにアンケートをとったり、あるいは説明会を行うなど、大変丁寧な住民対応をしていただいておりまして、そのことによって住民の理解あるいは協力を得られることだと思いますし、大変よい取り組みだと感じております。
 この調布保谷線が今後の私どもの西東京市のまちづくりの軸となって、あるいは、それがきっかけとなって周辺道路の整備が進んでいくものと大いに期待をいたしておりますので、今後のこの調布保谷線の取り組みと周辺道路の整備を含めまして、皆様のご努力を心からお願い申し上げたいと思います。
 一方で、西東京市には幅員の狭い道路もあります。だれもが安心して通行できる歩道の整備が必要と考えておりまして、都市計画道路の整備によります道路ネットワークの形成とあわせて、バリアフリーに対応するとともに、沿道の開発動向にも配慮した広い歩道の整備を強く望んでおります。
 そこで、西東京市内の歩道整備率と現在の取り組み状況についてお尋ねいたします。

○鈴木道路保全担当部長 西東京市内の都道における平成二十二年度末現在の幅員二メートル以上の歩道の整備率は約五八%でございます。
 西東京市内における歩道整備については、都道ひばりヶ丘停車場線の谷戸一丁目交差点から中原通りまでの延長六百三十メートルにおいて、幅員二・五メートルの歩道整備事業を実施しております。
 事業の進捗状況でございますが、用地取得率が九割を超えており、工事も六割程度完了してございます。
 今後とも、残る用地取得交渉に全力を挙げ、早期の工事完了に向け取り組んでまいります。

○山田委員 今、現在の西東京市内におけます歩道の整備についてのご答弁をいただいております。都道ひばりヶ丘停車場線の工事については、積極的なご努力をいただいて、今、工事が進められておりますけれども、市内の歩道の幅員の整備については、まだまだ五八%ということでございます。
 私は常々、歩道整備事業が交通安全対策の一環として実施されているということに対してはよく理解するわけでありますけれども、しかしながら、大きな意味でまちづくりの観点から見ましても、やはり歩道の整備が絶対必要でもありますし、それと同時に、やはり歩道としては、幅員、広い歩道というのが私は望まれるところだと思っております。そういう意味では、二メートルにこだわることなく、ゆったり通れる歩道としては、やっぱり三メートルの歩道が必要だと思いますので、ぜひその考え方に立って、広い歩道ができる区間においては、二メートルということにこだわらずに、広い歩道を設置できるようにご努力をいただきたいということを申し上げたいと思います。
 次の質問に移りたいと思いますけれども、震災を契機といたします街路灯の消灯をきっかけとして、昨年から伺っておりました、事務事業の質疑のときにもお尋ねいたしましたけれども、街路灯の省エネ化事業についてお伺いいたしたいと思います。
 これはご案内のとおり、今、原発がいろんな事情によって停止をしている。今現在、国内五十四基の原子力発電のうち、定期検査によって再稼働できないことなど、現在稼働しているものは二基だけとのことでございます。
 こうした事態を打開すべく、原発再稼働に向けた関係者の努力が続けられているわけでありますけれども、現在ではまだまだ先行きが不透明であると思います。再稼働がなければ、遅くとも五月の上旬には、全国五十四基ありますけれども、すべてが停止をしてしまいまして、夏の電力消費のピークに向けて電力需給が逼迫するということは予想されるところであります。
 こうした原発の穴埋めをしているのは火力発電でありまして、現在、電力十社の火力発電の依存度は、震災前の昨年の一月は六六%であったものが、ことしの一月は九〇%に高まっておりまして、当然それについてはCO2の発生増が伴っておるところであります。
 これらの今後逼迫する電力需給の見通しを踏まえた節電対策として、さらには、従来からの地球環境上の大きな課題でありますCO2の削減対策としてでも、都が現在、推進をしていただいております街路灯の省エネ化事業は、私は極めて重要な施策の一つであると考えるものであります。
 そこで、現在、鋭意進めていただいております街路灯の省エネ化事業の事業完了までの見通しについてお伺いいたします。

○鈴木道路保全担当部長 都は、CO2排出量を削減するため、平成二十年度から、既設街路灯の水銀ランプを、消費電力量の少ないセラミックメタルハライドランプなどの省エネ照明に順次転換しております。
 また、本事業は節電対策としても重要な施策であることから、今回策定しました「二〇二〇年の東京」への実行プログラム二〇一二において、平成二十七年度完了予定であった当初の事業計画を二カ年前倒しすることとし、平成二十五年度までに省エネ化事業対象の七万三千六百灯すべてを転換する予定でございます。

○山田委員 当初の十年後の実行プログラムの、予定をしていたその事業を二年間前倒しして、平成二十五年度までに七万三千六百灯を転換するということであります。大変積極的な取り組みを大いに評価しているところでございます。
 また、このような道路の維持管理を考えるときに、通常のときの対応というのは当然のこととして日常的に維持管理をされているわけでありますけれども、そういうときの一番頼りになるのが、また、こういうような震災のときに頼りになるのが地元の業者の方たちでありまして、常に地元の業者の方が自主的な業務をされていらっしゃるということでありますので、ぜひそういう点も考えながら、地元の業者に対する配慮をしていただければと思う次第であります。
 こういうように、東京都の事業を実施するに当たって、当然のことながら、都民の協力あるいは民間業者の協力、あるいは地域の協力が大変大事でもありますし、その連携も重要であると考えます。
 ぜひ今後とも、事業効果の早期発現を目指して迅速かつ着実な事業執行を始めると同時に、都市基盤整備の一層の推進を図っていただいて、都民の負託にこたえていただきたいということをぜひお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○原田委員 私からも、今回、道路整備についてお伺いさせていただきたいと思います。
 まず最初に、道路整備保全公社の運営する駐車場に関連してちょっとお伺いしたいんですけれども、いうまでもなく道路は、道路だけで成り立っているものではなくて、いろんなものと、附属するものと相まって成り立っているわけですが、その中で、いろんな政策的な部分で、そういったものも活用されるということもあるわけでございます。
 今、この道路整備保全公社の運営する駐車場で、環境局とも協力しながら、電気自動車の急速充電器を設置していると。また、電気自動車のカーシェアリングなどの事業も支援しているというようなことも聞いております。
 まず初めにお伺いしたいんですけれども、この公社が急速充電器を設置した経緯と、これまでの取り組み状況についてお伺いいたします。

○浅川道路管理部長 道路整備保全公社は、都市の環境改善を図り、地球温暖化対策に寄与するため、電気自動車の早期実用化と普及支援を行うこととし、平成二十年十月に、急速充電器を試験的に丸ノ内鍛冶橋駐車場に設置いたしました。
 その後、環境局が平成二十一年五月に募集いたしました東京都電気自動車、プラグインハイブリッド車普及促進プロジェクトの連携パートナーとなりまして、積極的に急速充電器の設置に取り組み、現在十カ所の駐車場に設置してございます。

○原田委員 現在十カ所の駐車場ということですが、この事業自体は、ほかの局の方でやっていることなので、この場ではこのぐらいにしておきますけれども、基本的に、急速充電器を広める事業じゃなくて、EVを、電気自動車を広める事業で、その手段として急速充電器があるわけでございます。そういった意味では、普及させるという点でいいますと、やはり人々の目につくようにすると。電気自動車が広まってきたな、自分もそろそろ買ってもいいのかなというようなことにするということが大切でございますので、駐車場という奥まったところだけではなくて、もうちょっと目につくところにも設置できるといいのかなという思いも持つものでございます。
 このように、道路はいろんな使われ方、あるいは活用の仕方もあるかと思うんですけれども、例えばインドなどに行きますと、道路の原風景ともいうべき光景が広がっていたりするわけでございます。あの国では、ハイウエーも、日本のような高架の立派なものではなくて、地べたにアスファルトを敷いた真っすぐな道がずうっと続いているというようなところですけれども、そこで日本と同じように大規模なトラックも走っている、乗用車も走っている、オートバイも走っている、自転車も走っている、そこを人が歩いている。それだけじゃなくて、ゾウが歩いていて、ラクダ車が走っていて、リヤカーを引いた人もいて、また馬車もあると。そこに、あの国は牛をヒンズー教で聖なる生き物としていますけれども、そこらじゅうに牛がいまして、牛が歩いている。あるいは野良犬もそこに歩いているといったような状況で、本当にいろんな主体が道路上をひしめいているわけですよね。
 それだけじゃなくて、中には、リヤカーで物売りをしている人がいたりとか、そういう人たちもいるわけでございまして、まさに道というのが生活の場というふうにもなっているわけでございます。
 日本でも、大道芸とか、道という字がつきますよね。横文字でもストリートパフォーマーとか、ストリートミュージシャンとか、やっぱり道で、目立つわけですから、そこでいろんなことをやると人々の注目を集めるといったようなこともあるわけでございまして、こうしたものというのが、古来、人間の営みの中であったわけでございます。
 その中で、社会が発展していくに従って効率性を求めていく、あるいは安全性を求めていくといったことで、日本でも道がきれいに整備されまして、車道ができ、歩道ができということで、その中で車は安全に走れるようになりました。人も安全に歩けるようになりました。そういったことで、得たものも大きいわけでございましたけれども、そうした効率化の過程の中で、今、インドで見られたような雑多なにぎわいといいますか、失われたものも多いわけでございます。
 こうしたことを考えてみますと、本当に文明の発展、そして道そのものの発展というのを考えていく場合には、もちろん今の道路をベースに考えていくということも必要なわけでございますけれども、その道というのが本来果たしていた役割、あるいはこれから果たしていける可能性といったことにも目を向けていくといったことも大切になってくるのではないかなというふうに思うわけでございます。
 今、日本でも、基本的には、道路というのは人や車が通る場所ということなわけでございますけれども、それだけではなくて、もうご承知のように、電気、ガス、水道等の通り道にもなっているわけでございます。また、鉄道に駅が必要なように、道路を通った車や自転車にも、駐車場が必要であり、駐輪場が必要であり、あるいはバスにはバス停が必要でありまして、そうしたいろんなものが道路上に設置されているわけでございます。
 この道路上に工作物はいろいろありまして、これまでも電柱ですとかバス停ですとかが設置されてきたわけでございますけれども、時代の変化によって新しい工作物の設置が求められるといったこともあるかと思います。
 最近では駐輪場ですね、路上の比較的広いところで、すき間を利用したというようなことになろうかと思いますけれども、駐輪場の整備、あるいは、最近多く見かけるようになってきましたけれども、広告つきのバス停なんかも新たに設置されているというふうに聞いております。
 無論、こうしたことは、それぞれの主体が政策目的を持ってやっていることと思いますが、こうした各施策の主体からの要請を受けて、建設局としては、道路を所管するところとしては、基本的に道路の安全と利便性をまず確保するということが重要なんでしょうけれども、そうしたことも踏まえて、どのように新たな要請にこたえる取り組みをされているのかお伺いいたします。

○浅川道路管理部長 道路は、一般交通の用に供することが本来の目的でございまして、道路の占用は、この道路本来の機能を阻害しない範囲内で、法令等に基づきまして許可しているものでございます。
 社会的要請を受けた新たな占用物件につきましては、まず、道路本来の機能を損なわないかを検討した上で、交通管理者等の関係機関との調整を図りながら社会実験を行うなど、道路の構造及び交通に支障がないかを検証いたします。それらを踏まえまして具体的な占用物件の許可基準を定め、道路占用許可をしていくこととなります。

○原田委員 今ご答弁いただきまして、新たなものについても、要請を受けて、きちっと検証して、そして許可をしていくというようなことでお答えをいただきました。こういった新しいものというのは、当然、次々出てくるわけでございますから、こういったことにも柔軟に対応していっていただければなというふうに思うわけでございます。
 この新たな設置物、ヨーロッパの諸都市なんかでも、自転車交通を活性化していこうというときにも設置されたりしています。例えば、パリのベリブという、貸し自転車といいますか、自転車シェアの仕組みがありますけれども、あれも道路上に貸し自転車ステーションみたいなものをつくり、貸し出しをするための端末をつくり、また、その仕組みを賄うために、パリの場合は屋外の広告物というのが厳しく規制されておりますので、特別に広告を許可すると。その広告収入によってベリブを賄うというようなことをやっていますので、その広告物が設置されたりといったようなことで道路上にそういったものが設置されているわけでございますが、いろんな形で道路の占用物の状況について、これから考えていかなければならないことというのも多々出てくるかと思いますので、そういったことにもぜひ目を配りながら事業を進めていただければなというふうに、これは要望しておきたいと思います。
 日本で自転車の利用を促進するといった場合には、まず、その自転車が安全に走れる環境をつくるというのが何よりも大切なことではないかと思っております。ヨーロッパの諸都市でも、自転車の普及の初期の段階においては何がキーワードになったかといえば、やはり安全でございます。自転車利用者の側から安全に走れる空間というのを求めていく動きというのがありまして、それにこたえるような形で、都市の中に自転車の走行空間というのが整備されていったというような経緯がございます。
 先ほどのインドの話で、いろんなものが走っていると。それに比して、日本は歩道と車道に分けて、車は車で安全に走れるようになった、歩行者は歩行者で安全に歩けるようになったという話をしましたけれども、逆に、そのすき間で位置づけられなかった自転車に関してはなかなか、安全に走行できる空間というのが、今しっかりと位置づけられていないと。そのことに対してどう取り組むのかといったことが非常に重要であります。
 別のいい方でいえば、自転車の安全を確保するためには、自転車専用道の整備といったことが重要でありますし、専用道までいかなくても、自転車レーンの設置なども十分効果的なものでございます。
 このように自転車の走行空間を整備していくことによりまして、車も安心して走れる、そして、自転車も歩行者も安心して走れる、こういった都市の空間を整備していくということが重要であると考えます。
 そこでお伺いしますけれども、都における自転車走行空間の整備の実績と今後の取り組み、あわせて、来年度、平成二十四年度の整備計画についてお伺いいたします。

○鈴木道路保全担当部長 自転車は都市内の有効な交通手段の一つでありまして、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備を進めることが重要でございます。
 都は、平成二十二年度末までに、旧玉川水道道路などで、交通管理者と連携し、車道を活用した自転車レーンを六・八キロメートル、多摩湖自転車道などの自転車道で四十四・四キロメートル、浅草通りや東八道路などで広い歩道を活用して四十八・八キロメートル、合計で百キロメートルの自転車走行空間を整備いたしました。
 さらに、「二〇二〇年の東京」計画において、新たに十カ年で百キロメートルの整備を位置づけるとともに、交通管理者と連携し、今後は、車道の活用を基本に、個々の現場の道路交通状況に合わせた検討を行い、自動車及び歩行者と分離された自転車走行空間の整備を推進してまいります。
 平成二十四年度は、七・五キロメートルの自転車走行空間を整備する予定でございます。

○原田委員 これまで百キロメートルを整備していただいた、そして来年度は七・五キロメートル整備を予定されているということで、これも着実に進めていただきたいなというふうに思うわけでございます。
 お話の中で多摩湖自転車道のお話もありましたけれども、あそこも確かに、私も端から端まで自転車で走ったことがありますけれども、気持ちいい道路ではあります。ただ、当然、横切る道路なんかがありまして、そういったところに出るところには、自転車道のど真ん中にどんとさくがあって、当然その飛び出し防止ということで迂回していかなければいけないんですけれども、結構、横に縦横無尽に道路がありまして、なかなかずうっと続けて走れるようにはなっていなかったりとか、あるいは犬の散歩をさせている方が自転車道をずうっと行かれているというようなこともありまして、自転車道という観点から見ると、もっともっと自転車が走りやすくできる余地というのもあるんじゃないかなというふうに思いますので、今後の自転車道の整備の際には、多角的に検討いただければなというふうに思う次第でございます。
 今、ご答弁の中でも、車道の活用を中心にというふうにおっしゃっていただいておりましたけれども、これもヨーロッパの事例になりますけれども、ヨーロッパの国々などでは、中心市街地の走行空間を確保するために--東京の場合は、今、車道の一番歩道寄りのところに、車線数を減らさない範囲で空間がとれるところに自転車走行空間を整備するというようなことが基本になっているかと思いますけれども、より大胆なことをやっているところは、往復二車線の道路がある、そのうち自動車用のレーン一つを取ってしまって、自動車は一方通行にすると。自動車に比べて、自転車というのは占用する面積、幅が狭いですから、そこに自転車の双方向通路をつくるというようなことで、自転車二車線、車一車線の走行空間にしてしまうといったような、そういった大胆な取り組みをしているような事例というのもあるわけでございます。
 限られた都市空間の中で、先ほども道路の占める割合、どのぐらいがという話もありましたけれども、道路ももちろん大切でございますが、それと同時に、人が活動する空間をいかにとっていくかということも大切でございますので、こうしたヨーロッパの大胆な取り組みなども念頭に置きながら、いろいろな事業も進めていければなというふうに思うわけでございます。
 実際に、東京でもかつて、東京じゅう路面電車が走っておりまして、今でも王子の駅前なんかは、まだ都電荒川線が走っておりますけれども、唯一残っている路線でございます。そうした路面電車から自動車へのシフトということで路面電車が廃止され、その道路空間の、路面電車からいえば軌道空間の再編というのを実際に経験しているわけでございます。
 また、これはちょっと一時的な話かもわかりませんけれども、東京マラソンのときに都心の通行どめというのをいたしております。第一回の東京マラソンのときに、私は本当に感動したといいますか、これだけの都市の東京で、都心で車をとめられるなんていうことが本当にできるんだろうかというふうにずっと思っていたわけですけれども、限られた日時の限られた時間かもわからないですけれども、実際にこれができたわけですよね。こういったこともありますので、はなから無理だというふうにするのではなくて、長期的な検討の際にということにはなるのでしょうけれども、いろんな可能性を考えていっていただければなというふうに思う次第でございます。
 余談になりますけれども、東京マラソンのときには、ランナーが転ばないようにということで、建設局の皆さんにも、道路の穴ぼこを埋めていただいたりとか、詳細な点検をしていただいたりとか、そういったご尽力もいただきまして、本当に東京都全体でいろんなことがやっていけるんだなというふうに思わせていただく次第でございます。
 それで、そういったようないろんなことを考えていくと、いろんな道路整備のあり方があるわけでございますけれども、今申し上げたようなヨーロッパの事例というのは、歴史的な、コンパクトな中心市街地が残って形成されているところの例であったりとか、あるいは、城塞都市の中で限られた空間の中での綿密な都市計画がある中での都市というようなこともございますので、この東京の置かれている状況とは必ずしも同じでないというのは重々承知しているわけでございます。
 そうした中で、東京は東京なりの道路整備を今後もしていかなければいけないなというふうに思うわけでございますけれども、今まで申し上げましたような中心市街地などにおける新たな道路の使用のことを考えていく際には、逆説的な話かもわからないんですけれども、骨格幹線道路などの整備を進めて、自動車がしっかりと走っていける、気持ちよく走っていけるというような道路整備をしていただくというのも大変重要なことだろうなというふうに思うわけでございます。
 三環状という点でも、中央環状新宿線が開通しまして、品川線がもうすぐ開通するわけでございますけれども、この新宿線も、板橋ジャンクションや大橋ジャンクションで常に渋滞が、もう既に起きているというような状況でもございます。こういった主要な道路を、逆にもっとどんとつくる。そのことによって歩行者や自転車にも空間を与えるといったような、そういった発想も必要になってくるのではないかなというふうに思うところでございます。
 そうしたことも踏まえて、最後にお伺いしたいんですけれども、こうした骨格幹線道路の整備を進めて自動車交通の円滑化を図ることも非常に重要であるかと思います。
 そこで、今後の東京の道路整備の進め方についてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長 東京の道路は、全国の交通ネットワークのかなめとして我が国の経済の発展を支えるとともに、平常時、震災時にかかわらず、首都の安全・安心を確保し、都市生活を支える重要な社会資本でございます。
 このため、三環状道路や骨格幹線道路、地域幹線道路の整備を進め、首都に集中する交通、物流の円滑化を図るとともに、高度防災都市を実現してまいります。
 さらに、快適な歩道や自転車走行空間の確保、道路のバリアフリー化、無電柱化、街路樹の充実などを進め、快適で魅力ある都市空間を創出してまいります。
 今後とも、だれもが安全・安心で快適に利用できる道路の整備を推進し、将来を見据えた質の高いストックを築いてまいります。

○原田委員 最後に、将来を見据えた質の高いストックをつくっていくというふうにお答えいただきました。本当に大事なことだと思います。
 もちろん、建設局、さまざまな事業に今も全力で取り組んでいただいておりまして、都市計画道路もまだまだ六割程度の整備率でございますけれども、今ある仕事をしっかり進めていくということも大事でございます。ただ同時に、こうした都市計画道路も、計画されてから半世紀近くがたっているという状況もある。全部が完成するには、またまた長い時間がたっていく。そういうような中では、当然、社会の変化もあるわけでございますから、そうした変化にも即応できるような、本当の意味で、今おっしゃっていただいたような将来を見据えたストック形成というのに今後も取り組んでいただければなと思う次第でございます。
 以上で質問を終わります。

○小宮委員 私は、行政には行政にしかできない仕事があると考えています。長い年月がかかり、民間のように短期的な収益に左右されてはいけない仕事です。
 その第一がまちづくりではないでしょうか。まちづくりには、核となるもの、中心となるものが必要です。それは、ハード面では、駅や病院、学校などのさまざまな公共施設であり、ソフト面では、地域の伝統や生き続けるコミュニティなどだと思います。東京都が都民にとって暮らしやすいまち、住む人に優しいまちになるためには、そのようなハード、ソフト両面の核を生かし、育てていく努力が必要であると考えます。
 その意味から、まず連続立体交差事業について伺います。
 まちづくりの核となるべき駅や線路がまちを分断し、まちづくりを阻害している、あかずの踏切は早期の解消が望まれます。私の住む杉並区では、あかずの踏切解消に向けた京王線の連続立体化の取り組みが進められています。今回、この件に関する我が党の代表質問の中で、平成二十四年度に笹塚駅から仙川駅間は都市計画決定を予定しているとの答弁がありました。
 そこで、この区間の京王線の連続立体交差化の概要について、まず伺います。

○吉原道路建設部長 京王線の笹塚駅から仙川駅間の約七・一キロメートルには、七本の未整備の都市計画道路と二十五カ所のあかずの踏切が存在します。
 この区間には、在来線と線増線を四線並列で高架式とする都市計画が昭和四十四年に決定されておりますが、現在、在来線の二線を高架式に、線増線の二線を地下式に変更する都市計画の手続を進め、平成二十四年度に都市計画決定の予定でございます。
 このうち在来線の高架化は東京都が事業主体となり、平成二十五年度から連続立体交差事業で実施していく予定でございます。
 この事業によりまして、二十五カ所の踏切すべてが除却されます。

○小宮委員 連続立体交差化の主な構造形式には、高架式と地下式があります。京王線の笹塚駅から仙川駅間は、在来線を高架式、線増線を地下式にする併用方式としているとのことですが、京王線の構造形式はどのように選定しているのかについて伺います。

○吉原道路建設部長 構造形式の選定につきましては、高架式、地下式、高架と地下の併用式の三案を検討いたしました。
 これらにつきまして、鉄道周辺の地形や既存線路の縦断線形などの地形的条件、事業費などの事業的条件、踏切除却数などの計画的条件の三条件で比較検討したところ、事業費が低く、すべての踏切が除却できる高架式と併用式が同等の評価となりました。
 さらに、都市計画として新たに定める面積を比較した結果、拡幅する面積が少ないことなどから、総合的に判断し、併用式を最適案として選定しております。

○小宮委員 事業費が低くて、あかずの踏切すべてが解消できるという理由で選定されていることがわかりました。
 地元では、笹塚駅から仙川駅間について高架式で立体化を進めることに対して、渋滞の解消による環境の改善が期待される一方で、日照問題や鉄道の騒音はどう変化するのかという不安の声も聞かれます。
 そこで、本区間の高架化後の日陰や鉄道騒音への対策について伺います。

○吉原道路建設部長 本区間の事業実施に伴い、周辺環境に与える影響につきましては、環境影響評価手続の中で事前に調査、予測及び評価を行い、必要な対策を講じることとしております。
 環境影響評価準備書では、鉄道高架橋により生じる日陰に対しては、環境保全措置として、高架橋北側に側道を整備することによりまして、良好な沿道環境を確保することとしております。
 また、鉄道高架化後の騒音につきましては、環境保全措置として、遮音壁の設置、ロングレールの採用、レールの重量化などにより、予測結果は現況値を上回ることはないとしております。

○小宮委員 環境対策が実施をされ、高架橋構造への環境配慮がなされているということがわかりました。
 また、昨年の東日本大震災の報道の中には、鉄道高架橋の柱が損傷したというような話がありました。このことから、地元では、東日本大震災の前に計画をされた京王線の高架橋は、地震に対して安全かどうかという不安の声もあります。
 そこで、本区間の東日本大震災を踏まえた鉄道高架橋に対する地震対策の考え方について伺います。

○吉原道路建設部長 昨年の東日本大震災では、東北地方におきまして近年建設された在来線のコンクリート高架橋は、ほとんど無傷でございました。
 国土交通省は、新幹線及び在来線の高架橋について、平成四年及び十一年の耐震設計基準に基づき設計、建設された構造物は、東北地方太平洋沖地震では、いずれも明らかな被害は見られなかったとしております。これらは、阪神・淡路大震災等の経験を踏まえて変更された耐震設計の思想の妥当性を示すものでございます。
 今後、東北地方太平洋沖地震による耐震設計の改定があった場合は、それも踏まえ、本事業でも最新の耐震設計基準を用いて、高架橋など鉄道施設の設計、建設を実施することで、地震に対する安全性を確保してまいります。

○小宮委員 最新の耐震設計基準により高架方式の安全性を確保することと同時に、やはり今後、着実に事業を進めていくには、広く近隣住民の理解を得ることが重要です。そのためには、鉄道が高架化した新しいまちの景観を容易にイメージしてもらう、その努力が必要であると考えます。例えば、口頭の説明だけではなく、積極的にコンピューターグラフィックスなどを活用し、多角的な視点で理解できるようにすることも検討いただきたいと思います。
 そこで、今回の事業により鉄道が高架化した新しいまちの景観について、どのように住民の理解を得ようとしているのか伺いたいと思います。

○吉原道路建設部長 本区間の景観につきましては、現況写真に鉄道施設を重ね合わせるフォトモンタージュを作成し、説明会におけるスライド資料やパンフレットによって住民にお示ししてきました。
 今後、鉄道施設の設計に基づき、コンピューターグラフィックスなどによりイメージ図を作成し、地元区の広報紙への掲載や説明会での活用など、鉄道が高架化した新しいまちの景観への理解を得られるよう努めてまいります。

○小宮委員 そもそも、あかずの踏切の解消は、だれもが望むところであると思います。事業費も低く、あかずの踏切すべてが除却をできる、環境も耐震も必要な手だてを講じるということですから、来年度の都市計画決定に向けて、近隣住民の皆さんへの丁寧な説明、また、ご理解への努力などをしながら、ぜひ都市交通の長年の課題である、あかずの踏切解消にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 ところで、事業化の手続が進められている京王線は、杉並区と隣接する世田谷区を通り、その沿線には住宅街や商店街が形成されています。京王線の沿線と同じような条件で、なおかつ世田谷区内の連立事業ということでは、小田急線下北沢駅付近の連続立体交差事業があります。今後の京王線の連続立体交差化に参考になることもあるかと思います。
 そこで、小田急線下北沢駅付近の連続立体交差事業の概要について伺います。

○吉原道路建設部長 小田急線下北沢駅付近の連続立体交差事業は、代々木上原駅から梅ヶ丘駅間の延長二・二キロメートルの区間で、在来の二線を地下化し、九カ所の踏切を除却する事業でございます。また、輸送力の増強を図るため、鉄道事業者が本事業にあわせて複々線化を行い、地下に二線を新設いたします。
 このため、本事業区間は、在来線と線増線を合わせた四線地下となり、途中にある急行停車駅の下北沢駅では、各駅停車と急行が上下二層に分離する形式となります。

○小宮委員 下北沢駅は二層の構造になるとのことですが、工事が複雑になるかと思われます。工事を進めるに当たっての課題について伺います。

○吉原道路建設部長 小田急線の下北沢駅では、直上を京王井の頭線が交差しており、厳しい条件のもとで地下二層の駅を構築せざるを得ません。また、本事業区間の沿線は住宅等が密集しており、工事用搬入路や施工ヤードの確保が困難となっております。
 これらが主な課題となっており、今後、事業に及ぼす影響につきまして詳細に検討を重ね、解決に向けて取り組んでまいります。

○小宮委員 構造形式にかかわらず、住宅が鉄道間際まで迫る市街地であることや、小田急線と井の頭線が交差していることなど、現場の条件によっていろいろと課題があることがわかりました。検討を積み重ね、取り組みを進めるとのことですが、地下での工事のため、現在の事業の進捗状況がなかなかわかりにくいというところがあると思います。
 現在のこの事業の進捗状況について伺います。

○吉原道路建設部長 現在、在来線を地下化するために必要なトンネルなどの構造物がおおむね完成しております。引き続き、軌道、電気設備及び仮駅舎の工事を進め、平成二十五年に在来線を地下化し、本事業区間内のすべての踏切を除却いたします。
 その後、井の頭線交差部や複々線化の工事を進めるなど、地元区や鉄道事業者と連携し、本事業を推進してまいります。

○小宮委員 平成二十五年には踏切がなくなるとのことで、交通渋滞の解消や地域の活性化に大きな効果が得られることを期待しています。また、小田急線の事業で得られた課題への対応などを、今後事業化する京王線にもぜひ生かしていただきたい旨申し上げ、次の質問に移ります。
 杉並におけるまちづくりの大きな核となるべき事業について伺います。
 都立高井戸公園の整備についてです。
 都は、「二〇二〇年の東京」計画の柱の一つに、水と緑のネットワーク実現プロジェクトを掲げています。都立公園や防災公園を整備するなどして、二〇一六年には千ヘクタールの緑を創出し、街路樹については百万本を達成することを目標にしています。
 私の住むまち杉並にも都市計画高井戸公園が整備されることとなりました。京王井の頭線富士見ヶ丘駅の南側に広がる当該地域は、旧NHKグラウンドや王子製紙所有のグラウンドなどを合わせた十七ヘクタールに及ぶ都市計画公園となります。周辺の住民や町会、商店会などに対しても大きな影響を与えると思われます。
 まずは、その現状と今後の取り組みについて伺います。

○上杉公園緑地部長 都市計画高井戸公園でございますが、昭和十四年に東京緑地計画が定められております。この計画は、本格的な緑地計画として全国的に先駆けたものでございます。東京近郊にグリーンベルトを配置した計画として知られております。都市計画高井戸公園は、この計画を起源としております。
 平成二十三年十二月に公表しました都市計画公園・緑地の整備方針の改定で、都市計画高井戸公園を東京都事業として新たに優先整備区域に設定し、事業に着手します。
 都は、公園を整備するに際しましては、東京都公園審議会に諮っております。この東京都公園審議会は、学識経験者、公募により選任されました公園を利用する都民の方など十六人の委員で構成され、公園の整備計画について審議いただくものです。平成二十四年度には、高井戸公園の整備計画を東京都公園審議会に諮問し、用地取得に着手いたします。

○小宮委員 高井戸公園への入園者数の見込みや、どのような交通手段を利用して一般者が来園するかという見込みについて、例えば近所にある同規模の井の頭自然文化園には、有料公園ではありますが、七十万人以上が来園していて、当然、公園はそれ以上と推定されますが、最寄りの富士見ヶ丘駅の乗降客数は、京王グループのホームページによれば、二〇一〇年度の一日当たりの乗降客数は約一万四千人程度と決して多くなく、また、計画地周辺の区道は、ほとんどが幅員四メートル未満の狭隘道路であり、多数の来場者をさばける状況とは思えません。単に公園を整備するだけでなく、杉並区に対して公園に至る動線について整備を促す、また、鉄道事業者とも連携をしていくなどの必要が今後生じると思います。
 さらに、都立公園をつくるだけでなく、十分に活用していくためには、地元の住民の方々からのご意見を事前によく伺い、それを生かしていく努力が必要と考えます。
 名は体をあらわすではありませんが、公園の名称はどうなるのか。都市計画上は高井戸公園、所在地、住所は杉並区の久我山です。また、最寄りの駅は富士見ヶ丘駅なわけですけれども、地域の方の関心も徐々に出てきています。
 そこで、自治体や住民の意見について、今後どのように取り扱っていくのか伺います。

○上杉公園緑地部長 整備計画につきましては、地元区の意見を聴取し、調整した上で、東京都公園審議会に諮問いたします。
 また、住民の方々の意見につきましては、東京都公園審議会で整備計画の中間のまとめを作成した段階で、「広報東京都」やホームページを通じまして都民意見を広く募集し、計画づくりの参考といたします。

○小宮委員 さて、都市の緑化、温暖化防止の観点からは、公園を単体として設置するのではなく、街路樹、都市農地、屋敷林など公園周辺の緑を整備し、緑のネットワークを形成していくことが非常に有効と考えます。ヒートアイランド現象の防止、大気汚染の浄化、多様な生物の確保、防災の観点からも、単体の緑化より、緑のネットワーク化をした方が大きな効果を上げると考えられます。
 道路、河川、公園の一体的な整備を推進するのであれば、公園の北側を流れる神田川や南側を流れる玉川上水との地理的関係も考慮に入れた整備を図るべきと考えます。
 そこで、緑のネットワークの形成について、高井戸公園をどのように考えるのか、伺います。

○上杉公園緑地部長 都立公園は、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供する重要な都市施設であり、道路や河川の緑と一体となりネットワークを形成する広域的な緑の拠点でございます。この拠点となる都立公園の整備を着実に推進し、緑あふれる都市東京を実現していくことは、とりわけ重要と認識しております。
 具体的な整備計画につきましては、今後、公園審議会で審議していく予定でございますが、整備計画の考え方としましては、基本的には、高井戸公園の南側に位置する放射五号線内の玉川上水の緑や北側を流れます神田川と連続させて緑を創出することにより、水と緑のネットワークの形成を図ってまいります。

○小宮委員 それから、当然、今後整備される公園については、都民は防災機能の一層の充実を求めていることと思います。
 高井戸公園については、現在も避難場所に指定されていますが、整備後の防災機能の考え方について伺います。

○上杉公園緑地部長 都市における公園は、震災時に市街地の延焼を防止する遮断帯や、拡大する火災から都民を安全に保護する避難場所、救出救助活動の拠点などとして大きな役割を果たすものであります。
 高井戸公園における防災機能の考え方としましては、公有地化による永続的な避難場所の確保、貯留浸透機能の確保による豪雨対策への寄与、常緑樹などの植栽による防火性の強化などを図ってまいります。

○小宮委員 防災を重視した都立公園として整備されることは、近隣住民の期待するところでもあると思います。同時に、平時においては、広く都民に親しまれる憩いの場となってほしいと思います。そのためにも、核となるべき公園を中心に、周囲の公園や緑、河川といったハード、近隣の町会、商店会などのソフトと連携し、公園を中心としたまちづくりが進むよう、都としてもご協力をお願いし、次の質問に移ります。
 無電柱化事業の推進についてです。
 私も、区内の多くの都道を改めて実際に歩き、余りに狭い歩道や、車と人と自転車がぎりぎりですれ違う状況を再確認しています。無電柱化事業は、防災上、避難路の確保の観点からも極めて重要です。
 都の努力で、センター・コア・エリア内や多摩地域の無電柱化は進んでいますが、それ以外の地域、特に、新たに拡幅の余裕がない杉並のような住宅街においては、進捗状況は決して十分とはいえません。その理由の一つに、各関係者間の調整や、さまざまな法的手続などに時間がかかることがあると思われます。
 震災後、社会情勢も大きく変化していると思いますが、今後の無電柱化事業について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 無電柱化事業は、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図る上で重要な事業でございます。
 このため、都は、「二〇二〇年の東京」計画において、センター・コア・エリア内では、平成二十七年度までに地中化率一〇〇%を目指すとともに、多摩地域や周辺区部においても、今後十年間で都道の無電柱化延長を約二倍に拡大する目標を掲げ、無電柱化を進めてまいります。
 今後とも、必要な財源を確保しながら、国や電線管理者と連携して無電柱化を推進し、高度防災都市の実現に向け、積極的に取り組んでまいります。

○小宮委員 私は、無電柱化は、防災の観点からしても、特に狭隘な道路でこそ実施されるべきと考えます。ところが、狭隘な道路での無電柱化には、技術的、物理的にさまざまな困難が伴うとされています。
 そこで、狭隘な道路における無電柱化の可能性について所見を伺います。

○鈴木道路保全担当部長 都が現在実施しております電線類を地中化する方式では、構造上、歩道幅員が二・五メートル以上必要でございます。
 狭隘な都道での電線類地中化事業に関しては、電線管理者による地中化技術の開発や地上機器の設置場所の確保など、解決すべき課題がございます。
 今後とも、電線共同溝のコンパクト化など、狭い歩道における無電柱化技術の開発の推進に向け、国や電線管理者に対して働きかけてまいります。

○小宮委員 財源の確保や技術開発とあわせて、狭隘な道路における無電柱化には近隣住民の理解が欠かせません。
 杉並の永福町駅北口商店街では、五年の歳月をかけて、いよいよ来年度、電線の地中化が完成します。無電柱化を進めていくべき場所とは、すなわち交通量も多いわけですから、工事の可能な時間帯も限られ、一定の期間を要し、その間は住民に不便を強いることになります。
 しかしながら、人と人とがすれ違えない歩道や、電柱が歩道をふさぐような箇所を放置しておくことは、まちの発展をも阻害します。お年寄りの割合が高まる二〇二〇年に向けて、時代に即した人に優しいまちとして東京が生まれ変わる必要があると思います。
 東京におけるまちづくりとは、何もない平野に一から家を建てていくようなまちづくりではありません。新たなまちづくりを試みれば、常に既存の住民やコミュニティとの摩擦が生じます。既存のものを壊して、そこに新しいものをつくるのではなく、むしろ、これまでまちの中心となってきた施設やコミュニティを上手に生かして、それを新しいまちの核として取り込み、発展させていく、そんなまちづくりのために、本日質問をした連立事業、公園事業、無電柱化事業などが生かされていくようお願いし、質問を終わります。

○中村委員 平成二十四年度東京都一般会計予算の建設局分について質問します。
 初めに、自転車の安全対策について伺います。
 最近は、自転車に関する報道が頻繁にされ、都民の関心も高くなっています。東京都でも、警視庁や青少年・治安対策本部等が自転車の安全対策を検討し、建設局も参加をされていると伺ってはいますが、ハードの整備として、建設局としてどのように取り組むのか伺いたいと思います。
 自転車専用レーンを整備できるだけの幅はすべての道路にはないのですが、歩行者と自転車と自動車が共存できるような道路が必要です。歩道と車道との段差も、かえってそれぞれを狭めてしまう危険な場合もあるため、段差の解消なども検討されてもよいのではないかと思います。
 そこで、都市整備局とも連携して、自転車交通を加味した計画や道路の整備ができるよう検討を行う必要があると考えますが、ご所見を伺います。

○鈴木道路保全担当部長 自転車は都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者、自転車、自動車それぞれの安全・安心を確保しながら、自転車走行空間の整備を進めることが重要でございます。
 車道に自転車レーンを整備するには、歩道や植樹帯を含め、全体でおおむね十五メートル以上の道路幅員があれば可能でございます。また、沿道店舗の荷さばきやパーキングメーター等の施設への対応、違法路上駐車の排除等、さまざまな連携についての関係者間の合意形成が肝要でございます。
 一方、歩道と車道の段差をなくし、自転車が容易に歩道と車道を行き来できる構造とすることは、歩行者の乱横断の抑止、視覚障害者の車道への誤進入の防止など、歩行者の安全確保の観点から困難であります。
 したがって、今後、交通管理者や関係各局と連携し、車道の活用を基本に、個々の現場の道路交通状況に合わせた検討を行い、自動車及び歩行者と分離された自転車走行空間の整備を推進し、だれもが安全で安心して利用できる道路空間を創出してまいります。

○中村委員 道路の状況によって違うとは思うんですけれども、十五メートルあれば自転車レーンはできるということであれば、都道でもかなり多くのところでできると思いますので、計画的な整備の方をお願いいたします。
 次に、防災対策について何点か伺います。
 都は、木造密集地域の対策として、ことし一月に、木密地域不燃化十年プロジェクト実施方針を建設局と都市整備局が発表しました。市街地の不燃化の促進と、建設局の担当である延焼遮断帯を形成する特定整備路線の整備があります。
 これまで優先整備路線に入っていなかった路線では、都市計画線ではあったので、お住まいの方も認識はあるとは思いますが、唐突な感を抱く住民の方もいると思います。高齢化した方にとっても、住居を建てかえたり移ったりすることは大変なことです。しかし、防災上、大変重要であることから、既に、都市整備局と区が協力をして、二月から説明会を始めているとのことですが、今後も住民への理解と説明を丁寧に行うことが大切です。
 また、平成三十二年度までに一〇〇%の達成目標が示されましたが、これまで発表されていた都市計画道路の優先整備路線に加えて整備を行うことになりますので、大変厳しい目標だと思います。
 そこで、都としては、どのように事業を進めて、住民にどう理解を得ていただくのか、また、予算の確保という点では、都だけではなく、国の予算確保も必要になると思いますので、国への働きかけを含めてお答えをお願いします。

○吉原道路建設部長 特定整備路線の整備は、延焼遮断帯の形成や沿道建物等の不燃化を促進し、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域の早期改善に大きな効果を有する事業でございます。
 首都直下地震の切迫性が危惧される中、震災時の延焼から多くの都民の命や暮らしを守るため、早急に整備を進める必要があります。
 住民説明に当たっては、防災都市づくりの重要性や木密地域における道路整備の必要性などについてきめ細かに説明し、理解と協力が得られるよう努めてまいります。さらに、関係権利者の移転先の確保等、生活再建のための特別な支援策を講じてまいります。
 今後とも、国に対し、東京の道路整備に必要な財源を確実に措置するよう、区と連携を図りながら強く求めてまいります。

○中村委員 首都東京の都民の生命を守るというのは大変重要な事業でありますから、私たちからも国への要望をしていきたいと考えておりますので、国と都が連携をして早期に事業を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、震災時に備えた建設局の訓練について伺います。
 建設局は、首都東京における道路、河川、公園等の都市施設の管理を担っています。首都直下型地震の発生が危惧される中、仮にこれらの施設が被災した場合には、首都機能の迅速な回復に向けた一刻も早い復旧が求められます。中でも、緊急輸送道路等の障害物を速やかに除去し、緊急車両の通行路を迅速に確保することは極めて重要です。
 建設局では、建設業団体などと資機材や労力の提供等に関する項目を定めた協定を阪神・淡路大震災を契機に結び、早期に障害物除去を行う体制を既に整えているとのことです。しかし、こうした体制も、平常時の訓練が大切です。
 そこで、建設局は、災害時のための訓練をどのように行っているのか伺います。

○今村総合調整担当部長 建設局におきましては、災害発生時の対応能力の強化を目的として、毎年、定期的に災害訓練を実施しております。
 昨年十月、都が小金井公園で小平、西東京、武蔵野、小金井の各市と合同開催した総合防災訓練におきましては、建設局からは約百六十名の職員が参集し、瓦れき等の障害物を協力会社と共同除去する道路啓開作業、災害用トイレなど公園防災施設のPR、土のう積み作業の体験などを実施しました。同時に、臨海部を中心とする地域におきましては、水門閉鎖等の訓練を実施したところでございます。
 また、本年二月には、大規模地震の発生を想定し、建設局独自の初動対応訓練を実施したところでございます。訓練当日におきましては、職員、ボランティア、延べ約八百名を動員し、勤務時間外に発災時刻を設定して、自宅からの参集、東京消防庁を含む他機関との情報連絡、現場点検、要員の交代など、実践的な内容とする初動訓練を本庁、事務所を挙げて実施したところでございます。
 さらに、各建設事務所においては、河川水を利用した東京消防庁との合同訓練なども実施しております。
 今後とも、消防など他の防災機関とも連携し、都民の参加も得ながら訓練を継続し、対応能力のさらなる強化を図ってまいります。

○中村委員 震災だけではなく、集中豪雨等があれば、建設局の皆さん、本当に大変重要な任務があるんだと思います。前の都技監の道家さんが退任された後にお話しをする機会があったときに、在任中には、本当にいつ何どきどうなるかわからないので、本当に緊張していたというような趣旨のことをお話しをされて、退任されて少しほっとされていたようでした。それぐらい皆さんのやっている仕事というのは本当に重いものだと思いますので、今後の対応ということを改めてお願いしたいと思います。
 また、同じように、こうした災害時の体制においては、地域の建設業団体の皆様にもご協力をいただいているということで、その方々にも大変な負担ということもあるわけですから、例えば公共事業におけるときに、総合評価方式などにおいて、より地域への貢献度が反映される仕組みの中で、災害体制の強化につながっていくようにしていくことも大切だと思います。
 さて、次に都立公園について伺います。
 災害時に避難所に位置づけられている都立公園において、管理者はどのような役割を担っているのでしょうか。また、現在都立公園は、上野公園と井の頭公園以外は指定管理者が管理しているため、都の職員は現場にはいないわけです。指定管理者は、災害時にどのような役割を果たすことになっているのか伺います。

○滝澤公園管理担当部長 都立公園は、震災時に発生する延焼火災やその他の危険から都民を安全に保護する避難場所となるなど、防災上、大きな役割を果たすものと位置づけられております。
 避難場所に位置づけられている都立公園において、公園管理者としての都は、震災時、公園利用者等の被災状況を把握し、必要に応じて応急処置を行うとともに、医療機関への搬送を依頼いたします。
 また、施設の被害状況を把握し、危険箇所の応急復旧、障害物の除去を行うなど、被災者が避難できるオープンスペースや避難ルートを確保する役割を担っております。
 これらの考え方は、都立公園共通のものでありまして、指定管理者におきましても、都と同様の役割を果たすこととなっております。

○中村委員 都立公園は防災機能の役割を持ったものもあり、多くの方が避難されると予想もされます。市区町村が防災倉庫を設置したり、防災訓練の会場になることも多いと思いますので、そうした場合にはぜひとも協力をしていただき、地域住民の安全確保の協力をお願いします。
 また、同じような役割を指定管理者の方々も担うわけですから、公的な役割や使命感を持っていただくよう、常に啓発もしていただきたいというふうに思います。
 次に、都内の緑地の確保について質問します。
 建設局では、都市計画に基づいて都立公園の整備を行っていますが、計画区域内に住居がある場合、土地の買収は、道路に比べると長い時間をかけて行っています。その一方で、都市に残る貴重な緑地や農地が相続などで失われたり、民間の事業者が撤退をしたり、市区町村の公有地が役割を終えて売却されたりと、貴重な都市部における緑地や空地が宅地化するなどして失われつつあります。
 都立公園は、面積がおおよそ十ヘクタール以上とのことですから、かなり広大です。しかし、数ヘクタールでもかなり広い土地ですが、都立公園とするほどではなく、市が買収するには財政的な負担が大きく、空地や緑地が失われてしまいます。
 そうならないような手だてが必要と考えますが、市が公園を整備するための東京都の支援について伺います。

○上杉公園緑地部長 緑あふれる東京を次世代に継承するためには、都と区市町村が一体となって公園整備に取り組むことが必要です。
 副委員長お尋ねの、市が公園を整備するための支援についてですが、市が都市計画事業として公園を整備する場合は、都の補助の対象となっております。
 したがいまして、市が都市緑地法で定めます緑の基本計画等に基づき公園の都市計画決定を行うことが必要になります。

○中村委員 市が都市計画決定をすれば、都の補助などで購入する道はあるとのことでしたので、ぜひとも支援をお願いします。
 ただ、あくまで市の事業への補助ですから、都立公園ほどの広さではなくても、かなり広大な土地であれば、市として緑地を確保できない場合も出てきます。補助の割合を上げることも対策の一つだと思いますが、それでも困難な場合も想定できます。都立公園ではなくても、貴重な緑地を保全するために、都や市が連携した新しい枠組みにより、都市における貴重な緑地を保全できるような仕組みも検討していただきたいと要望しておきます。
 次に、全国都市緑化フェアTOKYOについて質問します。
 私の地元、三鷹市にある井の頭恩賜公園もメーン会場の一つになっています。ことしの九月二十九日から十月二十八日まで開催され、先進的な緑施策を全国に発信することになっています。
 このフェアは二十九回目の開催で、ということは、まだ全国を一巡していませんが、東京都は二回目の開催となります。改めて、今回、東京で開催する意義や開催の趣旨について伺います。またあわせて、都が全国に発信していく先進的な緑施策はどのようなものかお伺いします。

○町田緑化推進担当部長 昭和五十九年、都は、モアグリーン東京をテーマとして、第二回全国都市緑化フェアを開催いたしました。
 当時、約三千六百ヘクタールだった都内の都市公園等の面積は、平成二十三年度現在、約七千五百ヘクタールへと倍増するなど、これまで都は、緑あふれる東京の実現に向け、緑の拠点となる都市公園の整備や海の森の整備、街路樹の充実、校庭の芝生化などを進めるとともに、規制や誘導により民間の緑の保全、創出を図るなど、先進的な緑の施策を多角的に展開してまいりました。
 こうした都が進める多様で先進的な緑施策の取り組みの成果を全国的に発信し、さらなる力強い緑のムーブメントの展開によって、緑あふれる東京を次世代に継承する契機とすべく、緑化フェアを開催してまいります。

○中村委員 それでは、開催の体制についても伺います。
 全国都市緑化フェアは、国土交通省が提唱して、東京都と国土交通省の外郭団体である財団法人都市緑化機構等が中心となって実行委員会をつくって開催されます。五月三十日に第一回総会が都庁で開会されたようですが、会長は都知事、副会長は、副知事のほか、都市緑化機構の理事長と東京商工会議所の会頭が名を連ねています。
 そこで、国、都、実行委員会、市区町村、財団法人都市緑化機構の役割はどうなっているのでしょうか、伺います。

○町田緑化推進担当部長 緑化フェアにおける国の役割につきましては、国は、緑化フェアの提唱者であるとともに、メーン会場の一つである国営昭和記念公園会場の企画運営主体となっております。
 次に、東京都及び財団法人都市緑化機構は主催者であり、緑化フェア実行委員会は緑化フェアの運営主体となっております。
 区市町村につきましては、区長会長、市長会長、町村会長等が緑化フェア実行委員会委員としてフェア全体の運営に参画していただいているとともに、サテライト会場の企画運営主体として協力していただく体制となっております。

○中村委員 次に、予算について伺います。
 来年度の予算に、都市緑化フェアの都の予算としては十三億円が計上されています。ただ、多くの団体がかかわっているため、そもそも緑化フェア全体の予算はどうなっているのか。都の支出、国からの予算、市区町村への補助は幾らでしょうか。十三億円の主な支出内容についても伺います。
 また、市区町村等が都立公園などを会場に行うサテライト会場はどういう催しになるのでしょうか。市区町村に協賛してもらい開催するのか、その場合には財政的な支援はあるのか伺います。

○町田緑化推進担当部長 緑化フェアに係る予算といたしましては、平成二十四年度東京都予算案に十三億円計上させていただいておりますが、そのうち、国からの交付金としては、国費ベースで約六億三千万円を見込んでおります。
 支出内容は、会場建設費、展示、出展費、会場運営費、行催事費、広報宣伝費等となっております。
 次に、サテライト会場につきましては、協賛会場の一つのカテゴリーでありまして、緑化フェアの開催趣旨に賛同する市区町村の企画運営により、メーン六会場と連携して、都市緑化の普及啓発を都内全域で展開してまいります。
 市区町村への補助は行いませんが、横断幕、のぼり等の広報ツールや花の種などを提供するほか、メーン会場の地元に対しては、地元主催のイベント等の企画運営や、会場周辺での緑や花の修景などに係る費用の一部を負担する予定となっております。

○中村委員 市区町村への財政的な支援がないというのは少し寂しいところはあるんですが、緑化のムーブメントを広げるためには、そういった協力も必要ですから、積極的な支援、連携をお願いしたいと思います。
 フェアが、イベントだけではなく、どう継続的な緑化につながるかが大切です。来場者数を五百万人と見込んでいますが、成果は、来場者数、人数だけではなく、イベントのレガシーを含めて、どう都市緑化を進めるかではないかと思います。イベントを契機にして、さらに緑化を進める起爆剤にするぐらいでないといけないと考えますが、ご所見を伺います。
 また、緑化フェアは幾つかメーン会場がありますが、その中で井の頭恩賜公園の西園での会場もあるわけですが、その会場コンセプトも伺いたいと思います。

○町田緑化推進担当部長 副委員長のおっしゃるとおり、今回の緑化フェアの開催を契機に、これまで都が進めてきました緑のムーブメントをさらに加速させ、国、地域や都民、民間事業者などとの多様な連携の創出、強化を図り、緑あふれる東京の実現に向けた施策を強力に推進する原動力となる緑化フェアを目指すことを、昨年開催した実行委員会でオーソライズいたしました基本計画において定めているところでございます。
 次に、井の頭恩賜公園会場のコンセプトにつきましては、武蔵野という場所、秋という季節にもこだわり、日常生活の中で、花と緑の価値や機能を、視覚だけでなく、嗅覚や味覚など五感で感じることをコンセプトとするテーマガーデン群で構成してまいります。
 具体的には、実りの秋にふさわしい実りの庭、食の庭、香りの庭などの展示により、花や緑との新たな触れ合いや豊かなライフスタイルを提案してまいります。

○中村委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 さて、この井の頭恩賜公園の西園が会場として使用されますけれども、まさに今、拡張整備を行う際に、公園としてはどう整備を進めていくのか伺います。

○上杉公園緑地部長 平成二十二年度に用地取得しました井の頭恩賜公園西側の区域では、これまでの開園区域と一体となり、全体がつながりのある森のイメージとなるよう整備することとしております。
 二十三年度は、敷地の造成、給排水や電気等の埋設管布設、周辺道路と一帯となる外周部や子どもたちの遊び場の広場の整備を行い、二十四年度はトイレ二棟を設置するなど、緑化フェアの開催時にも使用できるよう整備いたします。
 フェア終了後は、計画に基づき、豊かな森を形成する樹木の植栽、野球場の整備などを行い、緑の中でレクリエーションやスポーツを楽しめる場としてまいります。

○中村委員 ご答弁ありがとうございます。
 井の頭公園、本当に多くの方が期待をしています。外周については、周辺道路が狭くて、特に南側の三鷹の市道である明星学園通りは大変狭かったため、公園の敷地の内側に歩行空間を整備することを委員会での質問を通じて求めてきました。地域の方が待ち望んでいますので、公園の開園を待たずとも、そこだけでも早期に利用開始できることもご検討願います。
 また、西園全体の工事を行うと、既に利用している部分の利用者には不便になる部分もできてきますので、地元でもいろんな行事も開催していますので、市とも連携して広報していただくことをお願いします。
 以上のことを要望して、質問を終わります。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時五十一分散会

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