環境・建設委員会速記録第十七号

平成二十三年十二月十二日(月曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長上野 和彦君
副委員長桜井 浩之君
副委員長中村ひろし君
理事高橋かずみ君
理事笹本ひさし君
理事尾崎 大介君
松葉多美子君
かち佳代子君
山田 忠昭君
小宮あんり君
原田  大君
こいそ 明君
石毛しげる君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長大野 輝之君
次長藤原 正久君
環境政策部長紺野 秀之君
環境政策担当部長吉村 憲彦君
都市エネルギー推進担当部長坂巻政一郎君
都市地球環境部長和賀井克夫君
環境都市づくり担当部長山本  明君
環境改善部長中村  豊君
環境改善技術担当部長島田 光正君
自動車公害対策部長高橋 英次君
自然環境部長高橋 宏樹君
緑施策推進担当部長谷上  裕君
廃棄物対策部長木村 尊彦君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務谷川 哲男君
建設局東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
次長野口 宏幸君
道路監横溝 良一君
総務部長東  了一君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長浅川 英夫君
道路建設部長吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長飯塚 政憲君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長野崎 誠貴君
公園管理担当部長滝澤  達君
緑化推進担当部長町田  誠君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百二号議案 東京都立大島公園海のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百三号議案 東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百四号議案 東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
・第二百五号議案 東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
・第二百六号議案 東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
 建設局関係
契約議案の調査
・第百八十一号議案 環状第二号線隅田川橋りょう(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三 五-環二)請負契約
・第百八十二号議案 環二朝潮運河橋りょう(仮称)PCけた製作・架設工事(二十三 一-環二築地)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百七十一号議案 東京都風致地区条例の一部を改正する条例
・第百七十二号議案 東京都水防条例の一部を改正する条例

○上野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○上野委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十三年十二月八日
東京都議会議長 和田 宗春
環境・建設委員長 上野 和彦殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百八十一号議案 環状第二号線隅田川橋りょう(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三 五-環二)請負契約
第百八十二号議案 環二朝潮運河橋りょう(仮称)PCけた製作・架設工事(二十三 一-環二築地)請負契約
2 提出期限 平成二十三年十二月十二日(月)

○上野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の付託議案の審査並びに建設局関係の契約議案の調査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第二百二号議案から第二百六号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○紺野環境政策部長 去る十一月二十四日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。自然公園施設指定管理費等の過去六年間の推移でございます。
 平成十七年度から平成二十二年度までの六年間における、山のふるさと村外四施設の委託事業費、指定管理費及び常勤職員数を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○石毛委員 昨年の世界の二酸化炭素CO2の排出量は、炭素換算で九十一億トン、前年比で五・九%の増、これは過去最高であります。国立環境研究所の調査、グローバル・カーボン・プロジェクトがまとめたものでありますが、またイギリスの科学雑誌「ネイチャー・クライメートチェンジ」では、化石炭素燃料などに伴う世界のCO2排出量は、二〇〇九年に金融危機があり、この影響もあって一・四%減ったところでありますが、昨年は一転して増加したと、このように論文に記されております。
 きょうでしょうか、あるいはあしたか、今、南アフリカで開催されている気候変動枠組み条約締約国会議COP17が幕を閉じようとしております。京都議定書の延長をめぐって厳しい交渉が続き、まだ難航しておりますが、地球環境温暖化の影響を受けやすいアフリカ諸国などを支える緑の気候基金の設立については、合意が得られる模様であります。
 さて、日本の一〇年度の排出量はどうかというと、前年度比四・四%増の十一億二千万トン、京都議定書で九〇年度比六%削減を求めたところでありますが、逆に六%ふえているというのが現状であります。
 一週間前には、国立環境研究所の報告において、地球環境温暖化の影響により緑豊かな南米アマゾン川の流域が乾燥するおそれがあるといわれております。南米のアンデス山脈から大西洋に注ぐ大河でありますが、世界第二位の長さで六千三百キロ、日本の倍ぐらいの長さでしょうか。また、河口は三百キロ。どうでしょう、京都あるいは名古屋のちょっと先でしょうか、そのぐらいのキロ数があるわけであります。熱帯雨林の広がりとしては流域世界一位。また、現在、アマゾンは二酸化炭素の吸収量に大きな役割を果たしているといえましょう。
 このアマゾンの雨量は毎年一二〇〇ミリ、また、今後一度上がるごとに三〇〇ミリ減っていく、今世紀最後には三度上がる、そのことによって、アマゾンの三分の二が消失するといわれております。
 ちなみに私も、このアマゾンに行ったことがあるんですけれども、委員会の中でもおられるかわかりませんが、コロンビアから入りまして二週間ぐらい船に乗り、マナウス、ベレンというところに行ってまいりました。
 川は本当にとうとうと静かに流れている。しかし川の両側には、動物の鳴く、キュッキュッキュッキュッキュッとか、ウォウォウォとか、ホッホッホとかいろんな声が聞こえるわけでございます。まさに自然を堪能いたしまして、当然、電気やガス、水といったものもないわけですね。水については、船から、バケツにひもをかけてぽっと流して、捨てて、水を拾うと。拾うというか、くむと。しばらくたってくると、茶色い水なんですが、沈殿をいたしましてきれいな水になる、本当に飲めるわけです。
 また、私の乗った船はビスケットを運ぶ船で、ちっちゃな船だったんですけれども、二週間、毎朝ビスケット。昼はスパゲッティと魚。魚は、網を投げれば、すぐ、たくさん、ピラニアなんかもいるんですけれども、いろんな魚がおりまして、こうしたものを二週間、毎日食べておりまして、おかに上がったときにはもうビスケットも魚もスパゲッティも見たくないと、こんな状況でありました。
 寝るのはハンモックで、目覚めたときにちょっと重たかったななんて思って見たら、何と船の中にヒョウがおりまして、そのヒョウが私の上に乗っかっておりまして、どけて、ちょっと冷たいなと思ったらおしっこをしておりまして、そんなヒョウの、今でも傷が残っているんですが、ひっかかれた傷がございます。ひもがついておりまして、余り距離は長く歩けないヒョウでございましたけれども、こんな生活を二週間ばかり続けたところであります。
 最後に、おかに上がってこの話をしたら、それはコロンビアの麻薬を運ぶ船だと、このように伺ったところでございます。ともかく旅を終えたときには、何しろ広い、でかい、まさに地球の肺といわれるところだなと感じたところであります。
 東京においては、その役割を果たしているのが、青梅や、あるいは檜原、奥多摩、こういった、今回指定管理者制度を導入する地域でございます。
 そこで、山のふるさと村など五施設の指定管理者について質問させていただきます。
 これらの施設は、平成十八年度から指定管理者制度を導入して以来、地元の町村が指定管理者となって管理運営を行っています。今回も、地元の町村を特命により指定管理者に指定しましたが、これまでの取り組み、今回の事業計画について幾つかお伺いいたします。
 まず、指定管理者制度の導入により、どのような事業の広がりがあったのかお伺いいたします。

○高橋自然環境部長 奥多摩都民の森と檜原都民の森では、地元自治体が取り組んでいる森林セラピー事業と連携して、自然食教室、木工教室、陶芸教室を提供するとともに、利用者へのアンケートを実施して、そのニーズと利用動向にこたえた環境教育や登山教室、山里の体験プログラムを行ったりするなど、施設の魅力向上や利用者サービスの向上に取り組んでおります。
 こうした取り組みは、外部委員を中心に構成する評価委員会でも評価され、いずれの施設も、平成十八年度から同二十二年度まで「良好」の評価を得ております。

○石毛委員 わかりました。
 さて、この指定管理者制度導入により、事業の広がりや結びつきが出てきたと。その中でも、次世代を担う子どもたちの教育環境にも、低炭素社会あるいは生物多様性の保全等の課題についても、地域から、取り組みの重要性が認識されているところであります。
 この点について、東京都の豊かな自然環境がある地域ならではの事業を求められるところがあるわけでありますが、今回の指定管理者選定に当たり、そうした事業があるのかお伺いいたします。

○高橋自然環境部長 今回の各施設の事業計画では、多摩地域の場合、森のエネルギー体験講座として、炭焼き、まき割り体験等の学習活動の実施、親子で森林や樹木に親しむ入門プログラムや、四季の自然観察を通じた奥多摩の森林や樹木と親しむプログラムの実施、さらに、山の暮らしに学ぶウサギ追い、シカ追い、道普請、そば打ち、まきづくり等の体験学習などが計画されております。
 また、島しょ部では、その周辺のみに生息している絶滅危惧種に指定された野鳥の保護観察ツアーや、シーツーサミットと名づけた、観光協会などとの、海から山頂へのカヤック、自転車、登山によるスポーツイベントなどが計画されております。

○石毛委員 このシーツーサミットは、ほかのところでも幾つか結構いろいろやっているんですね、鳥取とか大山とか、知らなかったんですけれど。やっぱりそういったものも、大いに宣伝されるとよいのではないかと思います。おもしろそうだと思います。
 先般、来日いたしましたブータン国王。GNH国民総幸福量が一位とか二位とか、そんなでしょうか。国民が幸せを感じる国、そのブータンは、本当にだれに聞いても幸せだと、この間テレビでやっていました。
 今回の五施設について、継続して特命で選定をしていますが、利用者の満足度、こういったところは把握しているのかお伺いいたします。

○高橋自然環境部長 指定管理者制度導入後の平成十九年度から、施設の利用者に満足度を調べるアンケートを実施しており、平成二十二年度までの結果は、「とても満足」と「満足」を選択した人の割合が、いずれの施設も九四%以上でございます。

○石毛委員 高いことは大変結構だと思います。実際、ちょっと調べ方がどうだかというのはあるかもしれませんが、ともかく低くなさそうでありますので大変よいと思います。
 特命で地元の町村を指定管理者に選定しておりますが、いずれの施設も、今申し上げたように多くの方々が満足しているということであります。
 指定管理者の皆様には今後とも、高い評価に安心することなく、施設の特徴やあるいは立地条件を活用した事業を通じて利用者サービスの向上と効率的な運営を行い、多くの都民が訪れて東京の自然のすばらしさを再認識する、また二酸化炭素を大量に吸収するこの地域の大切さを周知させ、東京から日本へと環境意識を高めていくことも要望いたします。
 間もなくクリスマスになりますけれども、この時期になりますと、南米のペルー沖のエルニーニョ現象が起きます。日本から見てちょうど反対側になるわけでありますが、その影響は日本にも大きくあらわれます。
 アマゾンを対岸の火事とせず、意識を世界に向けることが肝要だと思います。都においても、こうした取り組みにしっかりと取り組んでいただきたい。その要望をいたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

○こいそ委員 それでは私の方からも、環境局所管の指定管理者の指定に際して、何点かの質問をさせていただきたいと思います。
 東京には、これまでも委員会でそれぞれ質疑がございましたが、何回かにわたって私も質問してきた多摩丘陵の里山以外にも、多様な自然、生態系がある、景観もある。
 その中でも、奥多摩、檜原、この地域の森林、そして島しょ部などの豊かな自然が展開をしているわけでありますけれども、昨年十一月に、ちょうど季節として紅葉がとてもきれいな時期でございましたけれども、私も、指定管理者になっている一つである檜原都民の森に行かせていただきました。
 まさに景観的にも、当然にして、この都心部とは違う。それから三多摩地域から見ても、里地、里山的な景観とまた違う。こういうような一定の、高い山々が連なっている。その中で、生態系もそうでありますけれども、空気もきれいで、野鳥、小動物、さまざまなさえずりというんでしょうか、木々から聞こえてくると。これはハーモニーとなって非常に心地よく聞こえてくるわけでありますけれども、やはり私どもの里地、里山丘陵とは違う動植物を見て、まさに補足できるという感じがして、とてもよいなというふうに思いました。
 今回、五つの施設でありますけれども、平成十八年から指定管理者制度を導入したわけであります。そこで、ただいま石毛委員からもありましたが、そもそもの基本的な話になりますけれども、改めて指定管理者制度をこの五施設に導入した経過、それから目的について伺いたいと思います。

○高橋自然環境部長 指定管理者制度は、公の施設の管理について、施設の管理及び事業運営を一体的に指定管理者が行うことにより、行政サービスの向上と行政の効率化を目指す制度でございます。
 今回ご説明しております五つの施設につきましても、建物の維持管理や利用者へのサービス提供などの管理業務や、自然観察会などの環境学習や展示業務などの事業について、指定管理者が一体的に行うことにより、多様な都民の方々からのニーズにこたえた事業の充実や、施設運営の効率化を目指しております。

○こいそ委員 ただいま、指定管理者制度を導入した目的についてご答弁をいただきましたけれども、その中で、行政サービスの向上と行政の効率化を目指したというようなことがございました。この指定管理者制度を運用していくことは、行政サービスの向上と行政の効率化ということは当然の必要要件だというふうに思っておりますが、施設の管理運営を都が直接行わないで、前、委託でありましたけれども、このように指定管理者でする、都が直接、管理運営をしていかない、こういうことでありますが、都の施設の設置目的との関係はどうなっているのかということと、都の施設の設置目的を指定管理者がどのように踏まえて管理運営を行っているのかということについてお願いしたいと思います。

○高橋自然環境部長 都と指定管理者との間では、指定管理を行うに際し、管理、事業運営の基本的な事項について協定を結んでおり、都の施設の設置目的についてもこの協定に盛り込むことにより、指定管理者が行う事業について、都の目的との統一性を図っております。
 こうした考え方に基づき、保全活動を実践できる人材の育成や地域の資源を生かした事業の展開など、都の基本的な考え方を示し、指定管理者が具体的な事業運営を行っております。

○こいそ委員 指定管理者との協定を締結する、それによって都の施設の設置目的を担保しているということのご答弁でありますが、この指定管理者制度の基本的な経過として、またこれらの施設が現状として、特に第三者評価にも指摘されておりますが、多くの都民が、この施設の存在、運営、事業内容、こういうことを正確に認識しているというか、余り知らないのではないか。平たくいって、そういうところも思うんですね。
 この中では、やはりPRに力を入れていく、また広報していくということは当然でありますけれども、多くの都民に活用してもらう、利用してもらうと。利用してもらうについても、単独で、それぞれの施設施設の運営で広報展開をすることも必要だけれども、広域的な観点で、やはりそれぞれ特色があるわけだから、こういう意味合いでのPRというのは、連携して、これは必要ではないのかなと思います。
 多くの都民に利用してもらうということでありますけれども、まさに指定管理者と連携して、自然観察会とか環境学習はもとより人材育成事業、これらを含めて、環境局は、柱として今も取り組んでいる施策をこういうようなところで実践的に生かしていくと。こういう場をもっと生かすべきじゃないかと思うんですね。そのあたり、どうかということ。
 それから次に、指定管理者が行っている管理運営状況について、今も触れましたけれども、毎年、評価を行っています。そこで、都が行っている管理運営状況の評価の趣旨及び評価方法について教えていただきたいと思います。

○高橋自然環境部長 都では、指定管理者の管理運営状況について、サービスの履行状況、履行及び安全管理や法令遵守などの確認を行うとともに、サービス実施状況や利用者満足度等をチェックし、その結果を管理運営業務に反映していくことで、都民サービスの一層の向上を図るため、評価制度を導入しております。
 評価方法としては、指定管理者から提出された事業報告等の資料をもとに所管局として評価を行う一次評価と、評価の透明性や公平性を確保するため、外部委員等の評価委員会による専門的な二次評価を行っております。
 また、委員ご指摘の、指定管理者と連携しての自然観察会あるいは環境学習、そういった環境局みずからの政策との連携につきましても、サービスの履行状況の確認、あるいは先ほど申し上げました協定の締結の中で確認をしているところでございます。

○こいそ委員 いずれにしても、五つの施設のうち、とりわけ檜原と奥多摩の二つについては、産業労働局から所管を移管されたと、管理運営を。そこで委託ということになったわけでありますけれども、その中でも、やはり環境局として、東京の多様な自然を保全をする。それから、大切なものを守り抜いていくと。種の保存もそうであり、この東京の多様な自然生態系を身近で見られる、観察もできる、それから、さらなるリーダー育成も含めて、こういうことが必要であることはいうまでもないと。
 そのあたりを踏まえて、先ほど申し上げましたけれども、東京都の環境施策のもう一段の、一定の--確かに協定書の遵守ということは第一かもしれません。しかしそれはそれとしながらも、項目的には、東京都の今日的なことと年度的な目標がありますよね。一つの大きな、今はエネルギーの問題もあるかもしれないけれども、そういう東京都の政策上の、特に自然環境分野のねらいがあるわけであって、このあたりをもう少し具体的に、より実践的に、より効果的にと。それぞれの施設がどうやって運営されているか、また運営をしてもらうかということもそうかもしれないんだけれども、このあたりを。これ、契約期間は五年だったですか--三年ですか。
 これは、一定期間の中でほとんど予算が決まっちゃっているんですね。ほとんど随意契約で三年だけれども、決まっている。これ、もっと弾力的なものができないか否か。三年スパンというものを考えれば、五年よりかは三年の方がそれはそれでしっかりと見られるかもしれないけれども、そういうような、もう少し内容的なものの精査を、施設の管理運営も実際そうかもしれないけれども、そのあたりをぜひ踏まえていただきたい。
 それから、管理運営状況の評価結果について、平成二十二年度について教えてください。

○高橋自然環境部長 平成二十二年度の五つの施設の管理運営状況の評価結果については、いずれの施設についても、総合評価として三段階の評価で、中位のAの評価となっております。
 具体的な評価内容としては、利用者の要望に対応した施設改修や、東日本大震災及び計画停電実施の際の来園者への迅速な対応など、指定管理者の対応を評価するものがございました。
 一方、改善すべき点としては、施設の宣伝方法の工夫や、学校や旅行会社などとの協力体制を強化し、利用者の増加を図ることなどの指摘がございました。

○こいそ委員 三段階の評価で、今、中位のAといいましたか、Aが上位じゃなくて。A、B、Cじゃないんですか。(発言する者あり)それ、後で済みません。Aが一番かと思ったんだけれども、今、中位というご答弁がありました。そのあたりどうなのかな。
 それと、改善すべき点が指摘されまして、今、評価の中でもありましたけれども、先ほどいったような広報活動ということと、協力体制といいますか、このあたりがいわれていると。それから、利用者の増加等をもう少し図るべきだと、確かにそうですね。
 これはシーズンによっていろいろあると思います。その地域地域の情勢によって。それは一概にはいえませんね。こちらからの感覚的なものというか、とらえ方では、いえないと思うんだけれど、実情は。
 しかし、さりとて、オフだとか平日だとか、こういう使用状況を見ても顕著にあらわれているような感じがするんです。ですから、施設管理の中におけるもう一段のこれらの努力がなされるべきだという指摘は、私ももっともだなというふうに思います。
 外部委員で構成される評価委員会での評価が行われているわけでありますけれども、各施設の運営状況をより具体的に把握できるのは--大変申しわけないけれども、第三者評価とか、よくいわれるじゃないですか、これはもう第三者評価をやっているんだ、これは外部で評価しているんだと。必ず出ますよ。必ず出るんです。
 だから、どうなんだという話なんだけれど、こういう評価は評価として、貴重な評価結果を示していただくということだと思いますけれど、しかしもっと大切なのは、やっぱり実際よくわかっているのは、日ごろ日常的に、具体的に把握をしているのはやはり環境局ではないかと。指定管理者にばっと任せたとしたって、「あとはよろしく」じゃないですよ、当然当たり前の話だけれども。
 だから、環境局が一番わかるわけであって、一番、常日ごろ把握ができている、これはどうすべきかということを。私は、遠慮というものはいらないと思うんです、このあたりは。これは、指摘して、一緒になって改善していく。一緒になって、あるべき施設運営等、管理運営等、事業内容のさらなる進化というか、そういうものをともにやっていくということは必要じゃないのかな。
 だから、外部評価は外部評価なんだと。これに基づいて、すべて一〇〇%とは当然いわないけれども、日ごろの局の指摘、チェック、それから協力、そういうことを一緒になってやっていくということですね。共同ということもそうかもしれない。こういうことでやっていくべきじゃないかなと思うんですね。
 それから今いった話ですが、外部委員による評価を行っているだけじゃなくて、施設運営について、さらに都がやはり積極的に関与をしていくべきじゃないのかなと思うんですが、そこで、都として指定管理者に対してどのように指導監督というか、指導等を行っておられるのかお伺いしたいと思います。

○高橋自然環境部長 当局と指定管理者との協定では、指定管理者は、毎年、年度開始時に管理運営事業計画書を当局に提出するとともに、管理運営業務の実施状況、管理施設の利用状況などについて毎月報告することとしております。
 当局では、現場でのヒアリングや履行確認を含めてこの報告を分析し、指定管理者が協定及び事業計画書どおり運営を行っているのか検証を行っております。改善が必要であれば、指定管理者に対し、改善のための指導監督を行うこととしております。
 今後とも、当局として、指定管理者が行う運営状況について指導監督を行ってまいります。

○こいそ委員 そうですね。そういう方向で一緒になって、よりよい運営をやっていくというのは一番の目的だと思うんです。だから必ずしも、これがどうだこうだというのじゃなくて、それはそれで、一つの現象的なものというか、そういうものについては、改善をするところは改善をすると。しかし、総体としてよりよい運営だとか事業展開だとか、そういうものを一緒になってやっていくということの一つの評価、その一つに据え置くということ、今やられていると思いますけれど、そういうことじゃないのかなと思いながらいったんです。
 先ほど、Aというのは中位だと、こだわって申しわけないんだけれども、どうもA、B、Cという感覚があるので、何で中位なのかなと。大変申しわけない。後でもいいです。
 それともう一点は、この五つの施設、それぞれ特色がありますね。島しょ部にあるし、山間の檜原、奥多摩にもある。この貴重な東京の自然、緑、この中に立地されていて、そこでさまざまな活動が担保されていき、また展開もされていく。これは都の施設であり、この指定管理者に管理運営を任せると。当然、任せているわけでありますけれども、先ほどからの繰り返しで申しわけありませんが、都としても、今後より一層、指導、協力を行ってほしい。
 要するに、確かに、提言、提案、アイデア、地域に根差したそういうものがあると思います、間違いなく。それは間違いないと思います。さりとて、それだけではないと思うんですね。やっぱり都民ニーズというのはあるわけであって、都民が求める活動なり自然に対する思い、そういうものはそれぞれあると思う。セラピーロードというのがここにあるけれども、いろんなものがあると思いますよ、思いがね。
 そういう中における、全体的な東京都民のそれぞれ多様なニーズを把握しているのは当然環境局なんだから、その中でぜひ連携を、また政策展開をしていただきたい。重ねて要望します。
 次に、都民の利用状況を見ると、例えば奥多摩都民の森では、二十二年度の年間の入場者数は九千三百人となっています。何かちょっと、私も、九千三百って予想以上に多いなという感じがしたんだけれど、いろいろ分析すると、延べだから、いろいろあるんですけれど、これだけの方が来られているという実績です。そうなっています。
 この施設は宿泊施設を備えており、これは日帰りもあるけれども、主に宿泊をしながら、森林ボランティアの講座や登山教室などが体験できる施設であると。宿泊定員が三十人の規模です。利用者数を大幅にもっとふやすというのは、キャパシティーの問題からなかなか難しいかもしれないけれども、やはりオフだとか平日だとか。それから、もうちょっとこの施設機能というものを、今後もこの状況でよいか否か。こういうことを検討する必要性があるんじゃないかと思うんです。
 なかなか一概には、いろいろ今いったようにキャパシティーの問題もある。さらなる事業の検討を含めた見直しをぜひ行っていただきたい。そして、利用者の拡大を図っていただきたいと思います。
 そこで、多くの都民に利用の場を提供していくというために、今後都としてどのように指定管理者を、指導という言葉だけじゃなくて連携をしていくか。どうやったらさらなる活発な活動が、都民が参画することによって展開できていくのか、そのあたりを伺いたいと思います。

○高橋自然環境部長 まず、先ほどの評価の点でございますが、S、A、Bというふうに評価をしておりまして、Sが特に良好、Aが良好、Bは改善ありという形にしてございます。
 また、事業の拡大等でございますけれども、例えば冬季のシーズンオフなどにつきましては、冬の健康登山でありますとか冬山の初心者用登山、あるいは冬の森ならではの、哺乳類や野鳥の痕跡観察と呼んでおりますけれども、その足跡や動いた後の観察をするなど、地域の特徴ならではのイベントなどをそろえることで、利用者の拡大を図っているところでございます。
 さらに、指定管理者と共同しながら、平日あるいはシーズンオフにつきましても、できるだけの利用者拡大を図るよう努力してまいります。

○こいそ委員 今回の契約更新時に当たって指定される五施設について質疑を行ってまいりました。私としても、指定管理者制度が目指している行政サービスの向上と、先ほどからご答弁もいただいております行政の効率化、これは基本だと思いますので、さらに今後とも積極的に推進をしていただきたい、これは要望であります。
 そのためには、さっきからるる質問もし、ご答弁もいただいておりますけれども、環境局はこれまで以上、今まで以上に、施設の有効活用、それから、さらに都民に喜ばれるというか、ためになるといいますか、良好な受けとめ方ができるような、そういうような施設及び事業展開がなされるように、今後とも共同し、そして指導を行っていただきたいなというふうに思います。
 そして、さっきのスペシャル、Sですね。これはなかなか難しいんでしょう、Sというのは。だけど、これにより近づいて、これを取得できるような体制を、これは局も相当協力してあげるという、そういうことじゃないかと思うんですね。これは広い意味では、全体のいろんな共同、協力が必要で、そういうような方向性になっていくんでしょうけれども、そういうふうに、スペシャルが五つ、みんなつくようなことになるように期待を申し上げておきます。終わります。

○松葉委員 大島公園等、五施設の指定管理者について何点か質問をさせていただきます。
 東京には、先ごろ世界自然遺産登録された小笠原諸島、富士箱根伊豆、秩父多摩甲斐の三つの国立公園、そして明治の森高尾国定公園のほか六カ所の都立自然公園があります。
 その面積は、都の面積の三六%に及んでいるということで、非常に広いわけであります。この割合は滋賀県の自然公園面積割合に次ぐもので、改めて、東京には豊かな自然があることを実感いたしております。
 今回、指定管理者制度を更新する五施設は、秩父多摩甲斐あるいは富士箱根伊豆国立公園に位置しておりまして、美しい山や海のほとりでのレクリエーションや自然環境の学習の場として有意義な施設と考えております。
 この施設について、指定管理者候補者を地元自治体に決定した理由をまず伺います。

○高橋自然環境部長 指定管理者候補者を地元自治体に決定した理由でございますが、いずれの対象施設も、山間や島しょに設置され、地理的に事業者の参入の機会が限定される施設であること、さらに平成十八年度からの第一期、平成二十一年度からの第二期での実績を踏まえて、食材や地場産業など、地域の資源及び人材を活用したサービスを提供できること、地震や台風など自然災害等の際に柔軟な対応が可能であること、観光客の少ない冬季においても安定した経営基盤による継続的な運用が可能である点等が評価され、再度特命といたしました。

○松葉委員 これらの施設は、最寄りのバス停から、歩いて四十分から一時間かかる場所にあるというようなことや、近くに人家や商店もない立地条件にあるということであります。
 しかし、平成十八年度に地元町村が指定管理者になって以来、創意工夫を重ねてサービス向上に努めているという説明を受けております。
 そこで、どのような取り組みを行い、高い評価を得てきているのかを伺いたいと思います。

○高橋自然環境部長 各施設とも年度終了後に報告書を提出し、外部委員を中心に構成する評価委員会の現地調査及び評価を受けることになっております。
 評価によれば、五施設は、経費を削減しながら、閑散期の利用料金の半額割引制度の導入、農林漁業などの自然体験プログラム、雲取山や大岳山などシリーズものの登山教室、利用者の利便性向上を図るバス運行などに工夫を凝らし、リピーター開拓など利用者の増加を図っております。
 利用者のアンケート分析を通じて職員の意識改革に積極的に取り組み、塗装や収納棚設置などの小規模な修繕、屋外シャワーの設置なども迅速に行い、利用者へのサービスを向上させております。いずれの施設とも平成十八年度から同二十二年度まで、指定管理者評価委員会において「良好」の評価を得ております。

○松葉委員 民間企業の参入がなかなか難しいという現状の中で、それに安住することなく、職員の意識改革にも積極的に取り組むなど、創意工夫を凝らしているということを今のご答弁で確認いたしたわけであります。
 それでは、平成二十四年度から始まる第三期において、より一層のサービス向上が必要と考えますけれども、どのように指導をこれからしていくのか伺いたいと思います。

○高橋自然環境部長 五施設のある地域では、当該施設以外に指定管理者制度を導入した実績がなく、競争相手がない中でのサービス向上が求められております。
 二十四年度からの指定期間において、各施設は、地元と連携した祭りの開催、山里の体験プログラムの提供、野鳥の観察ツアーを初め、利用者への地域の情報提供、地元住民を対象にした送迎バスの運行などを提案しております。
 利用者の動向を踏まえて、これらの提案を確実に実施するとともに、利用者の声を今後の企画運営等に反映させるよう指導してまいります。
 また、旅行会社や地元観光協会と連携した、利用者誘致のための新たなメニュー開発に向けた指導を行ってまいります。
 さらに、年度ごとの評価及び協定期間の更新に当たって、評価委員会等でのプレゼンテーションの実施、それに対する委員からの質疑や指導を通じて、指定管理団体の職員のさらなる意識改革に努めてまいります。こうした取り組みを通じ、地元町村ならではのきめ細かいサービス提供を展開できるよう指導してまいります。

○松葉委員 地元町村ならではのきめ細かいサービス提供が、これらの施設を運営する上で一番の強みと考えます。首都東京の豊かな自然の利用拠点ともいえるこれらの施設を、都民にもっと気軽に使ってもらえるようにしていただきたいというふうに思います。
 今ご答弁でも、利用客誘致のための新たなメニュー開発に向けた指導を行っていくということでもありますので、さらに工夫を重ねていただきたいと思います。
 また、東京の魅力を国の内外に広く発信していただくためにも、広報にも力を入れていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○かち委員 私からも、第二百二号議案から二百六号議案まで、五つの自然公園内における都有施設の指定管理者の指定についての質問をさせていただきます。
 環境局所管のこれら自然公園内にある都有施設は、都市化が進む中で貴重な自然が残された公園内にあり、都民にとって、自然に触れ合えるかけがえのない拠点であると考えます。しかしながら、自然が深いだけに、アクセスや交通の便がよくてだれでも気軽に利用できるという環境ではないことから、こうした施設運営を市場原理で民間も含めた指定管理化することはふさわしくないと思っています。たとえ非効率であっても、都民にとっての貴重な財産は公的に守り育てていくべきだと考えます。
 環境局は平成十八年度から、これらの施設の運営管理について指定管理者制度を導入してきましたが、これら五つの施設においては、それぞれを抱える町村が、指定管理者として運営管理されているところです。来年度以降もそれを更新するという案が提案されておりますが、基本的に賛成の立場から、これら五施設の状況について何点かお聞きします。
 まず、五つの自然公園内にある都有施設について、環境局としての意義と位置づけについて伺います。

○高橋自然環境部長 大島公園海のふるさと村、奥多摩湖畔公園山のふるさと村及び神津島の多幸湾公園は、秩父多摩甲斐国立公園や富士箱根伊豆国立公園などの自然公園の中で、都民が自然体験や環境学習等を通じて自然及び環境に関する理解を深め、自然に親しむレクリエーション活動を行う施設でございます。
 一方、檜原及び奥多摩都民の森は、森林に対する理解を深め、自然に親しむレクリエーション活動を行うことで、森林の健全な育成、活用、都民の健康の増進を図り、あわせて、林業と地域の振興に資する施設でございます。

○かち委員 都民が自然公園の中で、体験や環境学習を通して自然や環境に対する理解を深め、レクリエーションなどを楽しむ場であるということ、また、森林の健全な育成、活用と、都民の健康増進を図り、林業と地域振興を図るなど、大変意義深い取り組みだと思います。
 ところで、これらの施設は、多幸湾公園以外は開設から二十年以上が経過しておりますが、それぞれの改築、改修計画などはどのようになっているでしょうか。

○高橋自然環境部長 多幸湾公園を含むいずれの施設も、昨年からことしにかけて専門家による点検を実施いたしました。宿泊施設については、屋根や外壁など一部の補修を行うことで、今後も十分使用できることが判明いたしました。
 今後、指定管理者による日々のメンテナンスを適切に行うとともに、都が必要な補修を行ってまいります。

○かち委員 躯体そのものはまだ十分に使えるということでありましたけれども、二十年は二昔前ということもあり、当初の目的や利用者ニーズの関係、その時代、将来に求められる課題など、適宜検討する必要があると思います。奥多摩都民の森については、設置目的が林業、地域振興ということでありますけれども、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。

○高橋自然環境部長 奥多摩都民の森では、森林に触れ、森林に学び、森林を育てるを基本コンセプトに、地域の資源や人材を活用した取り組みを展開しております。
 四季を通じて森林と触れ合い、基礎的な森林作業を体験するとともに、環境や、森林、林業のかかわりを学ぶ森林ボランティアコース、奥多摩の山と森の四季折々の移ろいを感じながら安全で楽しく登山する奥多摩登山、奥多摩の山里を季節や四季折々の行事に合わせて歩く奥多摩山里歩きなどの取り組みが行われております。こうした取り組みを通じて、林業や地域振興が進められております。

○かち委員 設置目的が林業と地域振興ということで、主要施設も、宿泊施設と森林作業施設ということになっており、いかにも産業労働局系の位置づけになっているように思えるんです。これは、そもそも産業労働局の所管であったものが、行政改革の一環で環境局に移管された経緯があるわけですけれども、目的、施設がそのままになっているところに、利用者との若干のそごが生じているように思います。
 奥多摩都民の森の宿泊施設は定員三十人ということですけれども、部屋割りが、十八畳が一間、十畳が一間、八畳が三つというふうに多人数用になっています。今日、個室を好む利用者ニーズに合わせて改修計画を検討すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

○高橋自然環境部長 奥多摩都民の森を開設するに当たり、森林を育てる研修等の利用に対応して、複数の方で宿泊してもらうことを想定して施設がつくられております。
 土日はイベントの参加者が宿泊するため、十八畳の部屋では十二人、十畳の部屋では六人、八畳の部屋では四人で相部屋となることを原則としておりますが、平日の利用者が少ないときには、八畳間の一人使用も認めております。
 委員からのご発言は、一つのご意見として参考にさせていただきます。

○かち委員 平日は、一人、二人の利用者ということもあるわけですけれども、週末は、企画ものへの参加者が多いので満室になることも多いとのことです。企画への参加をするにしても、ネットなどの情報を得てそれぞれ個々人で参加をするわけですから、部屋はできるだけ少人数化、個室化した方が利用しやすいということになると思います。
 また、自然の森林の中にあるわけですから、エネルギーも、間伐材を使っての木質チップのストーブとか、小水力とか太陽熱などを利用したり、自然エネルギーのモデルハウスなどという環境局らしい位置づけというものも、ぜひ今後検討していただきたいというふうに思います。
 次に、多幸湾の宿泊者数は、平成十七年から二十一年まではどのような推移をしているでしょうか。

○高橋自然環境部長 指定管理者制度を導入する前の平成十七年度の宿泊者は、三千百人余りでございました。指定管理者制度導入後は増加を続け、平成二十一年度には約四千六百人にふえております。

○かち委員 二十一年には四千六百人にふえたということですけれども、二十二年は三千四百二人ということですね。その後はどこの施設や旅館も同じですけれども、大震災の影響などもあって減少傾向にあるというふうに思います。
 ところで、この公園では宿泊がキャンプのみということになっているわけですけれども、季節的に制約するのではないかなというふうに思います。管理棟には入浴施設があるということですので、ぜひ、冬も利用しやすいように、ログハウス方式に改築するなどの検討をすべきだと思いますけれども、どうでしょうか。

○高橋自然環境部長 もともと神津島への冬場のジェット船の就航が少ないこと、都民のレジャーが多様化していることなどが背景にあることから、ログハウスなど宿泊施設の新築が一層の利用者増加に結びつくか、さらなる検討が必要であると考えております。
 ただいまの委員のご発言は、一つのご意見として参考にさせていただきます。

○かち委員 東京より南に位置しているといえども、冬場は海風も強く、わざわざ神津島へ渡ってキャンプをしようという人は、よほど目的のはっきりした人に限られてしまうんだと思うんです。
 そもそも運賃が安くありません。往復割引を使っても二万六千円、キャンプ使用料が四千円、一人で三万円かかるわけですから、幅広い人が利用できる条件整備も必要ではないかと思います。重ねて検討することを求めておきます。
 都民にとって貴重な自然との触れ合いの場であり、環境について学び楽しむ場としてのこれら五施設が、これからもその役割を十分に発揮できるよう、都として、指定管理者である町村からの意見、要望にも積極的にこたえていかれることを求めて、質問を終わります。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○上野委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百八十一号議案及び第百八十二号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○東総務部長 去る十一月二十四日の当委員会におきまして、契約案に関して要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。環状第二号線隅田川橋りょう(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三五-環二)請負契約における入札経過でございます。
 この資料は、環状第二号線隅田川橋りょう(仮称)鋼けた製作・架設工事(二十三 五-環二)請負契約につきまして、その落札者、落札金額、開札日、入札経過等をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。環二朝潮運河橋りょう(仮称)PCけた製作・架設工事(二十三 一-環二築地)請負契約における入札経過でございまして、一ページと同様に、本請負契約につきまして、その落札者等をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中村委員 それでは、環状第二号線の契約案件について質問します。
 まず質問に当たり、都議会民主党は、周辺地域の道路事情から、臨海部と都心部を結ぶ幹線道路としての道路ネットワークの整備は大変重要であり、環状第二号線の整備の必要性は十分認めるところであると申し上げます。
 ただ、築地市場の移転問題においては、豊洲の土壌汚染問題が解決していないこと、市場関係者の大方の同意が得られているとはいえない強引な移転は認められないことから、現在地再整備を考えたときに、環二については当初に都が計画をしていた地下化で整備すべきと主張してきました。
 今回、二件の契約案件がありますが、そのうち第百八十二号議案の工事である勝どき地区と晴海地区を結ぶ朝潮運河橋梁については、その下部工事について、平成二十二年第一回定例会の議案として審議をした際、この委員会で私が当時の道家東京都技監に質問し、朝潮橋梁の建設をしても、築地地区における環二の地下化について、技術的、法的、実態的に問題ないことを確認した上で工事を認めました。
 これは、地下化が問題ないから賛成したということではなく、地下化すべきということだったのですが、残念ながら変更がないまま現在に至ってしまいました。
 ただ、そのPCけた製作・架設工事ですが、これを行っても、築地地区における環二の地下化については問題ないことを事前に担当の方からは確認をさせていただきました。
 そこで、問題は、第百八十一号議案である築地地区と勝どき地区を結ぶもう一方の契約案件、隅田川橋梁の綱けた製作・架設工事です。この工事は、まさに築地地区にかかる橋梁であり、この整備を行えば築地地区での環二の地下化が不可能になってしまうことは、残念ながらだれの目から見ても明らかです。
 知事は、都議会の予算の付帯決議を破り、強引に移転を決定しました。そのため、中央区や市場関係者の中には、やむを得ずその状況に対応することを考えるというように、状況が少し変わっていることはありますが、大方の合意が得られたとはいえない現状において、工事を進めることには問題があるといえます。
 実際、十一月に都が着工を開始した桟橋撤去工事の際も、工事着手に反対する場面もあったと報道されました。
 また、市場内では、豊洲への移転をする前には環状第二号線本線の工事に着手できないため、豊洲新市場開場に間に合わせるためとして、通常では行われない手法として都市計画道路の南側に迂回する形での仮設道路整備も行われるとのことです。
 そこでまず、この契約の審査に当たり関連があるために質問しますが、環状第二号線の整備に当たり、なぜ仮設道路整備が必要なのか伺います。

○吉原道路建設部長 平成二十六年度中の開場を予定しております豊洲新市場にとりましても、環状第二号線は市場関係車両の円滑な交通の確保のために必要なものでございます。一方、豊洲新市場移転前には、営業中である築地市場内で環状第二号線本線の整備に着手することはできません。
 こうしたことから、築地市場の機能に支障のないよう、暫定的に仮設の道路を整備するものでございます。

○中村委員 暫定的な整備ということで、この仮設道路は、隅田川の橋梁のところから冷蔵庫場所に至る動線が急カーブになっていますけれども、これは大丈夫なのでしょうか、お伺いします。

○吉原道路建設部長 道路を新設または改築する場合は、道路の構造の一般的技術基準であります道路構造令に基づき設計をしております。
 隅田川橋梁の橋台から、築地川沿いに既に設置されている道路へ接続させる仮設道路につきましても、地域特性、交通状況を踏まえ、整備を行ってまいります。

○中村委員 仮設工事の工事費用の負担は、一般会計と市場特別会計の両方での負担を検討しているとのことですから、金額が確定していないにせよ、公営企業会計である市場会計への負担ということは市場の利用料金にかかるため、そのことの十分な説明も必要になると思います。
 さて、仮設道路に必要な用地として、現在市場内にある大型の冷蔵庫の移転が必要となります。今回の議案審議に当たり、都議会民主党では、市場関係者の方をお招きしてお話を伺いました。移転をめぐり大変厳しい状況に追い込まれ、本当に苦労されています。その悩みは移転問題だけではなく、この仮設道路整備についても原因となっています。
 仮設道路整備により冷蔵庫の移設が必要となりますが、冷蔵庫の配置がえの場所はどこになるのでしょうか。営業しているので本当に大きな関心事ですが、仮に場所が決まっていないということでしたら、その段階で工事を進めるのはどういうことなのでしょうか。これまでの容量分を補い切れるのでしょうか、また、どうカバーするのでしょうか。議案に対する判断において関係がありますので、お答えをお願いします。

○吉原道路建設部長 平成二十六年度中の豊洲新市場開場に合わせまして、中央卸売市場とも調整しながら、仮設道路によりまして、臨海部と都心部を結ぶ交通機能を確保いたします。
 また、中央卸売市場によりますと、移設が必要となる冷蔵庫につきましては、現在築地市場においてその利用状況の確認と具体的な移転先等について調整を行っており、今後とも、容量を含め、代替機能を確保し、市場機能に支障のないよう対応していくと聞いております。

○中村委員 建設局が工事着手に至るまでの市場関係者への説明経緯と、今後の取り組みについて伺います。

○吉原道路建設部長 築地市場内で工事を行うに当たりましては、極力、市場の機能に支障のないよう工事を進めていく必要がございます。
 このため、築地市場内における環状第二号線の工事及び工事中の業務運営等につきまして協議、調整するため、市場の業界代表者と中央卸売市場で構成されます築地市場環状第二号線工事調整専門委員会が平成二十一年五月に設置されております。
 本委員会におきまして、既設桟橋撤去に伴う代替として新たに設置する桟橋工事の期間及び内容等につきまして本年五月に説明し、既に工事は完了しております。
 また、桟橋設置後の九月及び十月には、現在施工中の既設桟橋撤去工事の内容等につきまして説明するとともに、業界代表者に対しては個別説明も行っております。
 さらに、市場関係者に対しまして、桟橋撤去工事のお知らせを配布するとともに、問い合わせにも迅速に対応するなど十分な周知を図った上、工事に着手しております。
 今後とも、中央卸売市場と連携し、市場関係者の理解と協力を得ながら、平成二十六年度中の豊洲新市場開場に合わせた交通機能の確保を図るとともに、平成二十七年度の環状第二号線全線開通を目指し、全力で整備を進めてまいります。

○中村委員 この説明の経緯ということは今伺わせていただきましたけれども、仕事に支障を来さないように、売り場に仲卸が買いに行ったり荷物をとりに行ったりする動線の確保というのはできているのでしょうか。荷受けや仲卸とのコンセンサスはとれているのかお伺いしたいと思います。

○吉原道路建設部長 平成二十六年度中の豊洲新市場開場に合わせ、交通機能を確保するため、中央卸売市場と綿密に調整を図っているところでございます。
 また、中央卸売市場によりますと、市場機能に支障のないよう移転案を調整し、市場業者への説明、運用の調整を十分に行っていくと聞いております。

○中村委員 さまざまとお答えをいただきました。まだまだいろいろと課題はあると思いますが、後ほどまた、意見については述べさせていただいて、質問を終わりたいと思います。

○桜井委員 私の方からも、環状第二号線の整備について質問をさせていただきたいと思います。
 東京の道路整備は、渋滞解消はもとより、今、都民が最も求めている防災性の向上、まちづくりの推進などのために不可欠であり、都議会自民党として、継続して必要性を訴えてきたところであります。
 私の地元の墨田区でも、避難経路の確保は非常に重要であると考えており、さきの震災でも明らかになりましたが、特に水域に囲まれている臨海部では、防災性の向上が喫緊の課題であります。
 このたび、臨海部と都心部を結ぶ環状第二号線整備について二件の契約案件が付議されていることから、工事内容も含め、質問したいと思います。
 まず改めて、環状第二号線の整備の必要性について最初にお伺いします。

○吉原道路建設部長 環状第二号線は、江東区有明を起点とし、中央区、港区などを経て千代田区神田佐久間町を終点とする全長約十四キロメートルの骨格幹線道路でございます。
 本路線のうち、豊洲から汐留までの区間の整備は、臨海部と都心部の連絡を強化し、地域交通の円滑化や防災性の向上を図る上で極めて重要でございます。
 臨海副都心の有明北地区や、晴海、勝どき地区等は水域に囲まれており、それぞれの地区が橋梁で結ばれておりますが、都心方向へ抜ける主要な道路が晴海通りのみであることから、早急な避難経路の多重化が求められております。
 これらの地区では、既に大型の高層住宅が複数建設されるとともに、環状第二号線の平成二十七年度開通を見込んだ晴海三丁目や勝どき五丁目の再開発等、新たなまちづくりが急速に進んでおり、この十年間で、地区の人口が約一万七千人から三万四千人へと倍増しております。
 さらに、晴海通りの交通量は一日四万台を超えており、今後、開発に伴い発生する交通需要に対応するためにも、六万台の交通量を受け持つ環状第二号線の整備が必要不可欠でございます。

○桜井委員 臨海部では、災害時の避難経路を確保するため、また新たな開発に対応するためにも、環状第二号線は非常に重要な路線であると思います。さきの代表質問で都技監が答弁されたとおり、一日たりとも整備をおくらせることはできないと、私もそのように思うわけであります。
 次に、現在の進捗状況と、今回提案の工事の概要についてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長 豊洲から汐留までの区間では、平成十六年度から、豊洲、晴海地区を結ぶ豊洲大橋の整備に着手し、橋梁の下部工事や綱けたの架設等を終え、現在、仕上げ工事を残すのみとなっております。
 また、隅田川及び朝潮運河にかかる橋梁の下部工事と、勝どき高架橋の下部工事を行っておりまして、先月には、築地市場内におきましても工事に着手いたしました。
 契約案件の、環二朝潮運河橋りょうPCけた製作・架設工事と環二隅田川橋りょう綱けた製作・架設工事は、それぞれ橋梁の主構造であるPCけた及び綱けたを工場で製作し、現地に架設するものでございます。
 朝潮運河橋梁は橋長約九十五メートル、隅田川橋梁は二百四十五メートルでありまして、両橋梁とも、本線と側道を合わせて六車線の車道と、両側に幅員約五メートルの歩道を有するものとなります。
 なお、隅田川橋梁は隅田川の最下流に位置しておりまして、勝鬨橋にかわる、隅田川入り口の最初の橋梁となることから、隣接する勝鬨橋と調和を図るためアーチ形式に決定しております。
 この二件の契約案件は、平成二十六年度中の豊洲新市場開場に合わせた交通機能を確保するためにも、必須条件であります。

○桜井委員 よくわかりました。今回提案されている工事に先立ちまして、既に本格的に橋梁の下部工事が行われていることがわかりました。
 先日、築地市場内の工事にも着手したとのことでありますが、市場内の工事を円滑に行うためには、市場関係者への丁寧な説明が必要であるというふうに思います。先ほども答弁にありましたとおり、これからも丁寧な対応をお願いいたしたいと思います。
 同じく地元対応ということで、先日の代表質問の都技監答弁によると、地元中央区も都と共通認識を持っているとのことでありましたが、この詳細についてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長 本年十一月の中央区議会におきまして、環状第二号線の地上化と整備に対する考え方につきましてという質問に対し、区としては、地域に責任を有する基礎自治体として、平成二十七年度の供用開始に向け、周辺のまちづくりなど適切な対策を講じていく必要があると考えている、また環状第二号線は、都心部と臨海部を結ぶ重要な路線であり、広域道路ネットワークの強化や、築地地区を含む地域内交通の円滑化、防災性の向上など、区の交通環境改善に資する面が大きいものと認識しており、早期の整備が必要であると考えていると中央区長が答弁されております。
 路線の重要性、早期整備の必要性につきまして、中央区も、都と共通認識を持っていることを改めて表明した内容でありまして、都としては重く受けとめ、引き続き整備を推進してまいります。

○桜井委員 ただいま、地元区長の答弁が詳しく紹介をされたわけでありますけれど、私、大変心強く感じたところです。
 環状第二号線の整備を円滑に進めるためにも、地元区と連携した対応をぜひともお願いしたいというふうに思います。
 最後に、環状第二号線事業の今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長 豊洲から汐留までの区間では、引き続き、隅田川及び朝潮運河にかかる橋梁工事や勝どき高架橋の工事を進めるとともに、今年度末には新大橋通りの直下において、地下トンネル工事に着手いたします。
 さらに、勝どき六丁目地区におきまして、朝潮運河橋梁に接続する取りつけ擁壁の工事にも着手する予定でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得るとともに、中央区などと調整を図りながら、環状第二号線の平成二十七年度開通を目指し、全力で整備を進めてまいります。

○桜井委員 よくわかりました。
 最初にも申し上げましたが、東京の道路整備は、渋滞解消はもとより、防災性の向上、地域のまちづくりの推進に不可欠であります。この環状第二号線の整備は、避難経路の多重化を図るとともに、臨海部の開発を支える上でも極めて重要であり、さきの代表質問で答弁されたとおり、一日たりともおくらせてはならないと思います。
 お聞きしたところ、環状第二号線が都心部とつながるためには、豊洲大橋、朝潮運河橋梁、隅田川橋梁などの整備が必要でありますが、既に豊洲大橋は仕上げ工事を残すのみとのことであります。
 また、朝潮運河橋梁、隅田川橋梁も下部工事が着々と進められ、上部構造が架設されれば、物理的に、臨海部と都心部が環状第二号線によりつながることとなります。これらのことからも、環状第二号線の整備をここでやめるべきでなく、一層の整備推進を強く訴えて質問を終わらせていただきます。

○かち委員 私からも、第百八十一号議案、環状第二号線隅田川橋りょう綱けた製作・架設工事と、第百八十二号議案、環二朝潮運河橋りょうPCけた製作・架設工事請負契約案件について質問します。
 環状第二号線は、江東区有明を起点として、中央区、港区、新宿区、文京区を経由して千代田区神田に至る総延長十四キロの都市計画道路です。この道路は、都心部と臨海部を含む沿道の開発を誘発するなど、都市再生の基軸として位置づけられてきました。
 現在、新橋-虎ノ門間は、道路と市街地再開発を一体的に進める都施行の再開発事業として総事業費一千六百五十五億円で行われています。本来、住み続けられることを目的としての再開発だといわれてきましたが、実際には従前住民のうち七六%は転出し、残れる借家人はわずか一%という、道路と一体の再開発になっています。
 これまでの経緯を見てみますと、昭和二十一年に都市計画決定された環状第二号線は、平成五年に新橋から有明まで延伸し、九・二キロから十四キロとなり、平成十年には新橋-虎ノ門間の一・四キロを地下化し、市街地再開発事業として計画決定されてきました。
 さらに、平成十五年には、築地市場の豊洲移転計画との絡みもあり、勝どき-汐留間が、地下から地上化に変更となったのです。そのことによって地域住民からは、日量六万台の交通量予測に対し、大気汚染や環境悪化が懸念されています。
 現在、有明から汐留間は、平成二十七年度の全線開通を目指し、土地区画整理事業と街路事業によって整備を進めているところですが、そのため、都市整備局と建設局の所管がそれぞれ分かれており、事業費の総額はつぶさにはわかりませんが、きょうは建設局分についてお聞きしたいと思います。
 環状第二号線における、建設局の、臨海地域から虎ノ門までの総延長と事業費は幾らですか。また、現在臨海部で事業中の区間の延長と、用地費、工事費別の事業費はそれぞれ幾らでしょうか。

○吉原道路建設部長 環状第二号線は、江東区有明を起点とし、千代田区神田佐久間町を終点とする全長約十四キロメートルの骨格幹線道路でございまして、豊洲から汐留までの区間の整備は、臨海部と都心部の連絡を強化し、地域交通の円滑化や防災性の向上を図る上で極めて重要でございます。
 環状第二号線の、豊洲から虎ノ門までの区間の延長は約四・八キロメートルでありまして、そのうち建設局所管分の延長は約三・六キロメートル、事業費は約千七百九十億円でございます。
 臨海部で事業中の、晴海から汐留までの区間の延長は約一・八キロメートル、事業費は、用地費六百七十億円、工事費四百六十億円でありますが、東京の活力を高める上でも、一刻も早く整備を進める必要がございます。

○かち委員 現在事業中の事業費が、一・八キロで、用地費、工事費合わせて千百三十億円ということであります。
 工事費四百六十億円の中に、今回の契約案件の隅田川橋梁、長さ二百四十五メートル、落札額が約三十六億円と、朝潮運河橋梁、長さ九十五メートル、落札額十一億円も含まれるということなんですね。そして用地費が六百七十億円、その大半が地上部分ということになり、当該事業費の中でも最も比重の高い事業費になるわけです。
 臨海部における現在工事中の区間の工事の進捗状況と、発注した契約金の累計はどのようになっているでしょうか。

○吉原道路建設部長 現在、朝潮運河及び隅田川にかかる橋梁の下部工事と、勝どき高架橋の下部工事を行っておりますが、先月には、築地市場内におきましても工事に着手したところでございます。また、汐留地区におきまして、地下トンネル工事にも着手しております。
 本年九月までに発注した工事は十八件で、契約金額の累計は約八十億円でございます。

○かち委員 それぞれ、橋梁を支える橋脚など下部組織を埋め込んでいるということでしたけれども、この橋梁の、勝どき五丁目側の隅田川橋梁取りつけ部分の人道部分については、車道が高架構造になっているために八メートルの落差があり、階段とスロープが計画されているようですが、人に優しい利便性のある道路とはとてもいえません。
 また、隅田川を渡る陸地側の橋脚は、築地市場の場内に食い込むことになるわけです。しかし築地市場では今現在営業活動中であり、にもかかわらず、市場内工事に着手ということなのですけれども、そこでお聞きします。
 現在、築地市場の桟橋が新しく増設され、今までの既設桟橋の一部が閉鎖されて工事が行われているんですけれども、これは今何をやっているのでしょうか。

○吉原道路建設部長 築地市場内で予定しております橋台工事に先立ちまして、既設桟橋の撤去工事を進めており、現在、桟橋上の舗装版撤去を行っております。今年度末を目途に、橋台工事に支障となる約六十メートル分の桟橋を撤去いたします。
 今回の工事に当たりましては、築地市場内における環状第二号線の工事及び工事中の業務運営等について協議、調整するため、市場の業界代表者と中央卸売市場で構成される築地市場環状第二号線工事調整専門委員会におきまして、九月及び十月に、現在施工中の既設桟橋撤去工事の内容等について説明するとともに、業界代表者に対しましては個別説明も行っております。
 さらに、市場関係者に対して、桟橋撤去工事のお知らせを配布するとともに、問い合わせにも迅速に対応するなど、十分な周知を図った上で工事に着手しております。

○かち委員 どういう工事かというと、その閉鎖部分六十メートルにわたって橋脚を建てるわけですので、その部分を撤去する工事を行っているということです。その代替措置として、撤去した分を並びの桟橋のところに、海側に桟橋を出っ張らせて、横に張り出してつけかえたというのが現状だと思います。
 先日、私、築地市場の現場を見てまいりましたけれども、今の工事現場は、活魚、生きた魚の取扱場所であって、活魚の水槽が足の踏み場もないほどたくさん並んでいるわけですが、その桟橋を大型冷蔵車やターレが激しく往来していました。
 桟橋というものは、横に伸びていてこそ動線を促すことになるわけですけれども、閉鎖した六十メートル分は海側に造設されていて、確かに面積分は確保しているわけですが、これでは動線を促すことにならないわけです。
 現に私が見たところでは、迂回路のような通路があるんですけれども、そこに大型冷蔵車が積み荷などでとまっていると、人が一人通れるのがやっとぐらいな幅しかないんです。そこで車はストップしてしまうわけです。現場で働く仲卸の方にお聞きしましたけれども、これから暮れにかけて市場が最盛期になるときに、こんな状況では現場が混乱すると嘆いておられました。
 ただでさえ混雑している築地市場で、営業中に建設工事をしなければならない理由は、先ほどからいわれているように、平成二十七年度全線開通の工期に合わせるためということです。
 しかし、築地市場の移転先である豊洲新市場予定地には土壌汚染問題などがあり、新市場は、国の農水省からも認可がおりているわけではありません。国の方針は、安全性について一切問題がないとならなければ、認めるわけにはいかないというものです。にもかかわらず、営業中の築地市場の中に踏み込んできて工事が行われているのです。
 影響を受けるのは、鮮度が命の生鮮食品を扱う業者です。生きている魚を扱う業者にとってはさらに深刻です。冷蔵施設の移転も余儀なくされます。
 それでも工事をするというのなら、そこで働く関係者への十分な周知と合意形成が不可欠です。そのように認識されているとは思いますけれども、どのように周知と合意形成を図られてきたのか、改めてお聞きします。

○吉原道路建設部長 移転そのものが国から認可がおりているわけではないとのことでございますが、神田市場が大田市場に移転した際の例を踏まえますと、豊洲新市場の最終的な認可申請につきましては、開場の直前に行うと聞いております。
 築地市場内で工事を行うに当たりましては、市場の機能に支障のないよう工事を進めていく必要がございます。先ほども答弁いたしましたとおり、築地市場内における環状第二号線の工事及び工事中の業務運営等につきまして協議、調整をするため、工事調整専門委員会が設置されております。本委員会におきまして、新たに設置する桟橋工事や既設桟橋撤去工事の内容等について説明しております。

○かち委員 大田市場の移転のときも、開設直前に許可が出たよというお話でしたけれども、今回はとりわけ土壌問題というものがあるから、それでもし許可がおりなかったらどうなるかという課題を抱えているのが、今度の市場移転の特徴なんです。
 工事調整専門委員会を設置して、代表者からは意見も聞き、調整してきたということ、それから市場の関係者にはお知らせを配布して周知徹底したということですけれども、それでは不十分なんです。肝心なのは、そこで働く仲卸など、現場の関係者の方々に周知と合意形成ができているかどうかということなんです。
 道路工事の際は、町会長や代表者だけということではなく、関係住民の方々に説明会を行うではありませんか。それは当たり前のことです。そこで働いている関係者に対して、なぜ説明会を行わないのでしょうか。

○吉原道路建設部長 市場関係者に対しましては、市場内であることから、中央卸売市場と十分調整の上、新たに設置する桟橋工事の期間及び内容等につきまして、本年五月に、先ほども答弁いたしましたとおり工事調整専門委員会で説明し、既に工事は完了しております。
 また、九月及び十月には、現在施工中の既設桟橋撤去工事の内容等についても説明するとともに、業界代表者に対しましては個別説明も行っております。さらに、市場関係者に対しまして工事のお知らせを配布し、十分な周知を図っております。

○かち委員 やってこられていることは、既にトップとトップとの関係で行われてきたということなんですけれども、その専門委員会というのは非公開なわけです。どのような意見交換がされたのかもわからない。
 ただ決まったからということでチラシを配られても、合意できるわけがないのではありませんか。今からでも、関係者への説明会と合意形成のための努力をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○吉原道路建設部長 先ほどご答弁申し上げましたとおり、まずは工事調整専門委員会、これは各業界の代表者の方々で構成されておりますが、そこで説明して、なおかつ業界代表者の方々に対して個別にも説明し、さらに市場の関係者に対しても工事のお知らせを配布して十分な周知を図っておりますので、このように今後もやっていきたいと考えております。

○かち委員 現場から声が上がっているのは重々ご承知だと思います。トップに対して説明と合意を得られたとしても、現場で働く関係者が具体的な懸念や質問をしているのですから、真摯に向き合って答えるべきだと思います。
 市場内仮設道路、これはどのようなルートになるのか、もう一度お聞きします。

○吉原道路建設部長 築地市場内に整備する予定の仮設道路は、築地市場の機能に支障のないよう、隅田川橋梁の橋台から築地川沿いに既に設置されている道路を拡幅の上、接続させ、大手門橋手前で新大橋通りにつなげる計画でございます。

○かち委員 予定では、平成二十六年度末に豊洲移転完了、二十七年に環状第二号線開通ということであり、移転しなければ市場内の本工事に取りかかれないということから、現在浜離宮側にある既存の桟橋にある場内道路を、仮設道路として活用するというものなんですね。
 それにしても、隅田川を渡った市場の端から仮設への取りつけ道路に接続する延長が必要になります。しかし、そこには市場関係者が利用している冷蔵倉庫が二棟あり、それが立ち退かなければ道路はつながりません。倉庫会社が承諾したとしても、そこを利用する仲卸業者の営業に重大な影響をもたらすことになります。
 このように、さまざまな問題点を解決することなく、築地市場の豊洲移転を前提とした、建設先にありきのこのような環状第二号線道路建設はやめるべきだと申し上げて、質問を終わります。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○中村委員 第百八十一号議案、環状第二号線隅田川橋りょう(仮設)綱けた製作・架設工事請負契約について、都議会民主党としての意見を申し上げます。
 私たちは、東京の骨格幹線道路ネットワーク形成の上で、環状第二号線の整備が必要と考えています。このため、平成二十二年第一回定例会では、朝潮運河橋梁の工事請負契約案について、朝潮橋梁の建設を進めたとしても、環状第二号線の築地地区を地下方式に変更することは可能なのかどうか質問してきました。当時、東京都技監からは、法的、技術的、実態的に対応は可能であるとの答弁をいただいたことから、朝潮橋梁の建設はその後の築地市場現地再整備案の検討には支障がないと判断し、議案には賛成いたしました。
 しかし、隅田川橋梁にかかわる案件は、築地市場の豊洲移転について市場関係者の大方の合意が得られているとはいいがたい中で、築地地区での環状第二号線の地上化を決定的なものとし、築地市場の敷地を分断することになります。
 また、環状第二号線に関連して、平成二十四年度末に着工予定の仮設道路の整備によって撤去される冷蔵庫の問題で、市場業者の営業に支障が出ることがわかっているのにもかかわらず、いまだその解決策が示されていないなど、本契約案を議案として俎上にのせることは時期尚早であるものと考えます。
 以上のことから、本契約案については異議ありと申し上げます。

○かち委員 第百八十一号議案と第百八十二号議案のそれぞれの請負契約案件は、いずれも環状第二号線の臨海地域における工事契約の一環です。とりわけ、現在工事中の汐留から豊洲までの工事に関連して、築地市場内で、現在営業中の関係者への合意と周知が極めて不十分な中で桟橋撤去工事が行われていることは甚だ遺憾であります。
 この工事は、築地市場内を貫通する道路であり、その前提は豊洲新市場への移転であります。しかし、この間にも、豊洲の土壌汚染問題が解決したとはいいがたいものであり、国の農林水産省からも認可をいまだ受けているものではありません。にもかかわらず、建設先にありきで進める本事業に関連する二つの橋梁関連の工事契約案件には、反対であることを申し上げ、意見とします。

○上野委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○上野委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百七十一号議案及び第百七十二号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○中村委員 それでは、東京都水防条例の一部を改正する条例について質問します。
 ことし八月三十日に地域主権改革として水防法が改正され、都道府県の水防計画の公表が、義務から努力義務になりました。法律では、まだ、都が設置する水防協議会の人数の上限まで決めているので、こうしたことこそ地方に任せて削除してもよかったかとは思います。
 ただ、都が定める東京都水防計画について、これまでは法律の規定によって公表していましたが、今後も当然公表する必要があると考えますが、どう対応するのか伺います。

○飯塚河川部長 今回の条例改正は、地方分権に係る第二次一括法の制定により水防法の一部改正が行われたため、同法を根拠とする東京都水防条例の規定を整備するものでございます。
 東京都水防計画は、水防業務を円滑に実施するために必要な事項を規定するものであり、都、区市町村や都民の果たすべき役割と責任について定めていることから、関係機関への周知とともに、公表は都民に対する重要な責務であると認識しております。
 今般の水防法改正により努力義務にはなりましたが、今後とも、都民情報ルームや建設事務所等での閲覧、東京都ホームページや報道機関を通じて、広く都民に公表してまいります。

○中村委員 これまでどおり公表するという答弁でしたが、法律改正の趣旨からすると、自治体みずからが判断するという点では、条例に公表を義務化するよう改正すべきではなかったでしょうか。これは議会の役割でもありますので自戒を込めて質問しますが、実態的に公表しているからということではなく、自治体の意思として公表することが必要であり、法律に対応するのは条例です。
 今回、法律で公表が努力義務になったのですが、東京都自身の意思として公表していく方針を示すには、そうした条項を条例に追加することが地域主権なのだと考えます。法改正の趣旨をどうとらえているのか、そして、今後、公表に関する規定を盛り込んだ条例改正を行うことについてのご所見を伺います。

○飯塚河川部長 地方分権改革により、国の関与が縮小され、自立的な行政運営を進めていくことは望ましいと考えております。
 水防計画の公表につきましては、今回の改正で努力義務となりましたが、都はこれまでも、公表を義務づけられていた計画の要旨にとどまらず、水防計画の全文を自主的に公表してまいりました。
 今後とも、分権改革の趣旨を踏まえ、引き続き公表していくことで説明責任を果たしてまいりたいと考えております。

○中村委員 引き続き公表していくという東京都の方針について、議会で意思が示されたと受けとめさせていただきますが、条項の追加については今後の課題としていただきたいと思います。
 さて、水防法の改正においては、さきに質問した都の水防計画の公表の努力義務と合わせ、もう一つ、指定水防管理団体がみずから策定した水防計画を都道府県に協議する義務がなくなりました。
 都や近隣の他県における指定水防管理団体の指定状況はどうなっているのか、また指定水防管理団体となった場合、水防体制はどう強化されるのか伺います。

○飯塚河川部長 都におきましては、水防管理団体とは区市町村のことを指し、そのうち、水防上、公共の安全に重大な関係のある水防管理団体を、指定水防管理団体として知事が指定することができることとなっております。近隣の神奈川県では小田原市を、また埼玉県では、熊谷市など十四の市町、水防事務組合等を、指定水防管理団体として指定しております。
 指定水防管理団体になりますと、水防協議会を設置し、水防計画を定め、水防訓練を行わなければならない等の義務を負いますが、都の区市町村は災害対策基本法に従い地域防災計画の風水害編において水防計画と同等の内容を定めていること、日ごろから訓練を実施するとともに、水防時には迅速かつ的確な水防活動を行っていることなどから、都におきましては指定しておりません。

○中村委員 都には、指定水防管理団体は現状ないので、すぐに影響はないのでしょうが、法改正で都道府県知事への協議義務がなくなり、条文から削除されることについて、地方分権ではあるので自治体の判断を尊重することにはなりますけれども、一方では、水防そのものは、都との連携や周辺自治体との連携も大変重要です。水防法では、水防の責任は市区町村にあり、都の責務は第三条の六で、「その区域における水防管理団体が行う水防が十分に行われるように確保すべき責任を有する」とあります。市区町村の取り組みを尊重するのが法改正の趣旨ですが、都としては市区町村の水防施策を支援する必要があります。
 今回の東日本大震災を踏まえて、今後、津波などの想定の見直しも行われると思います。都には沿岸部や島しょ部もあり、内陸にまでゼロメートル地帯が広がっています。また、ことしは震災だけではなく、これまでにない大型の台風十二号、十五号が襲来し、担当者の皆様も、その対応には大変苦労されたと思います。
 震災以降、より一層、市区町村との連携や支援に向けた取り組みが必要ですが、ご所見を伺います。

○飯塚河川部長 洪水や高潮などの水害から都民を守るためには、都と水防管理団体である区市町村との連携が重要であり、東京都水防計画におきまして、都や水防管理団体並びに消防機関等、関係団体の責任と役割を明示しております。
 都におきましては、これに基づき、雨量や河川の水位情報の提供、洪水予報や土砂災害警戒情報の発表、水防資機材の提供など、水防管理団体の活動を支援しております。
 今般の震災を踏まえ、総合防災訓練におきまして、国、区と合同で水門閉鎖訓練や情報伝達訓練を実施するなど、連絡体制の一層の強化に取り組んでおり、引き続き緊密な連携を図りながら水防活動に取り組んでまいります。

○中村委員 ご答弁ありがとうございます。
 法改正の趣旨は地方分権ですが、東京都のように、地方の道府県に比べれば市区町村の面積が狭く、また都民の市区町村境を越えての人の移動も大きいことから、大都市東京としての水防対策は引き続き重要であることに変わりありません。
 今後も、水防対策についてより一層の施策を行っていただくことを要望して、質問を終わります。

○かち委員 第百七十二号議案、東京都水防条例の一部を改正する条例案について意見を述べます。
 本条例の改定の目的は、本年八月施行の地域主権第二次一括法により水防法の一部改定がなされたことに伴い、それを根拠としている東京都水防条例の規定を整備するというものです。
 法改定での趣旨として、地方公共団体の自主権、自立性を高めるということで、規制の緩和等が盛り込まれているものです。改定された水防法においては、これまで、都道府県が水防計画を定めたり変更したときに当該の計画要旨を公表することが義務づけられていましたが、努力義務に変更されました。
 同時に、現在東京都では該当する自治体はありませんが、指定水防管理団体がつくる水防計画について、都道府県知事への協議義務がなくなることになりました。よって、東京都水防条例において、その規定の項が削除されるというものです。
 しかし、水防法の改定は、住民の意見の反映や周知徹底という視点から後退するものであり、また都道府県は、広域行政の役割として、その地方自治体が策定する水防計画や変更について協議、調整することをなくすべきではないと考えます。
 水防などは連続性のあるものであり、単独で完結するものではありません。単に届け出だけで済ますのではなく、十分な協議と協力が必要であると考えます。
 よって、本条例の一部改定案には反対であることを表明し、意見といたします。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十八分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る