環境・建設委員会速記録第十五号

平成二十三年十一月八日(火曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長上野 和彦君
副委員長桜井 浩之君
副委員長中村ひろし君
理事高橋かずみ君
理事笹本ひさし君
理事尾崎 大介君
松葉多美子君
かち佳代子君
山田 忠昭君
小宮あんり君
原田  大君
こいそ 明君
石毛しげる君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務村尾 公一君
次長野口 宏幸君
道路監横溝 良一君
総務部長東  了一君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長浅川 英夫君
道路建設部長吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長飯塚 政憲君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長野崎 誠貴君
公園管理担当部長滝澤  達君
緑化推進担当部長町田  誠君

本日の会議に付した事件
 建設局関係
事務事業について(質疑)

○上野委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○東総務部長 去る十月二十五日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に五件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
 この表は、都市公園につきまして、平成十四年度から平成二十三年度までの維持管理費と整備費及び用地の取得状況の規模と金額をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。骨格幹線(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成十九年度から平成二十二年度までの決算額、平成二十三年度の当初予算額をあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。首都高速道路関連街路整備の推移と今後の計画でございます。
 この表は、首都高速道路関連街路につきまして、平成十五年度から平成二十三年度までの事業費と平成二十四年度以降の事業中路線の残事業費をあらわしたものでございます。
 五ページをお開き願います。都道の道路照明における今夏の消灯状況と省エネ照明への転換でございます。
 この表は、都道の道路照明における今夏の消灯状況を区部、多摩別にあらわしたものと、省エネ照明への転換の実施状況、今後の計画をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○上野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○笹本委員 それでは、建設局関係の質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、鉄道の連続立体交差事業に関することでございます。
 きょう、私の質問、数点ありますけれども、いささか東京の東側、東部側に偏っている部分があると思いますので、ご容赦いただきたいと思います。
 東部の一部の区長からは、「十年後の東京」に、余り東京の東部側が触れられてないというようなことが、よく愚痴っぽく出るんですけれど、私はそんなことはないと思いますが、話が、東部側について何点かあります。
 京成本線、特に京成高砂から京成の江戸川付近についての連続立体化の事業について初めに質問をいたします。進捗状況です。

○吉原道路建設部長 京成本線、京成高砂駅から江戸川駅付近につきましては、あかずの踏切が二カ所あるなど、鉄道立体化による踏切解消を検討する必要があると認識しております。この区間の鉄道立体化につきましては、関連する道路整備計画やまちづくりへの取り組みの熟度などを踏まえ、平成二十年六月に事業候補区間として位置づけました。
 その後、事業範囲や構造形式などの検討を行ってきましたが、この区間の鉄道立体化には、京成高砂駅に隣接する車両基地の機能確保など、解決に時間を要する課題がございます。
 今後とも、地元区や鉄道事業者と連携しながら、課題の解決状況やまちづくりの進捗などを勘案しまして検討を進めてまいります。

○笹本委員 この当該地区は、地元という意味では、私と委員長も江戸川区ですから地元ということなんですが、かつては、機運を高めようということで結構いろんな集まりがあったりしたと。この高砂の踏切は、多分一番込む朝の七時台は、五十分ぐらいほとんど閉まっているという状況になっているかと思いますが、かつても同様の質問はされているとは思いますけれども、周辺地区の住民は、いろんな大会があれば、それなりに期待をしていくと。
 後世にしっかりとしたものをつくっていこうということだとは思いますけれども、やはり駅周辺開発ともあわせて考えていくことだと思いますので、いつになったら進むのかなという印象が、一部ではあるのかなという気がしております。
 まちづくりニュース等でさまざまな情報は提供していただいていると思いますけれども、暮らしをしている住民の肌感覚では、やはり、なかなか進まないという印象は否めないかなという気はしておりますが、ボトルネックになっている踏切というのは、やはり解消していかなくてはならないというふうに感じております。
 多摩地区の方などは、ニュース等で、随分そちらの方が進捗しているなんていう印象も何となくあるんですけれども、東京の東側、特にここは、昨年から成田空港に行くスカイアクセスという最新型の車両が走り始めまして、ますます踏切の方も閉まっている時間が多いとかということもありますので、やはりこういう部分を早く--早くといっても時間はかかると思いますが、改善をしていただきたいなというふうに思います。
 かつては、このあかずの踏切対策というのは、財源が道路特定財源だったと思うんですが、恐らく、一般財源化されたことによって事業に影響が出るということはないとは思いますけれども、やはり東京の中でも、特に重点的に整備が必要だという二十地区に、この踏切はなっているというふうに思います。ここにも書いてありますね、候補ということで。
 そういうことも含めまして、課題である、大変年数がたってきた都住のところとの関係だとか車両基地、また車両の倉庫をどうするかという問題など、難しい問題はあるとは思いますけれども、そこいらをやはり少しずつでも解決していき、地元地域とそれなりの解決を、少しでも早く出していただきたいというふうに思っております。
 続いては、都市計画道路の整備状況、取り組みについてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長 都市計画道路は都市の骨格を形成し、機能的な都市活動や、安全で快適な都市生活を実現する上で極めて重要な都市基盤施設でございます。
 都では、これまで三次にわたり、おおむね十年間で着手または完成すべき路線を選定した事業化計画を策定し、区部環状道路等の幹線道路を初めとする都市計画道路の計画的な整備に努めてきました。また、都市計画線に沿って、歩道の整備や第二次交差点すいすいプランによる整備等も行っております。
 平成二十二年三月現在、都市計画道路の整備状況は、区部で六〇%、多摩部で五七%であり、東京都全体では五九%となっております。
 なお、江戸川区内では、第三次事業化計画の優先整備路線として五カ所を選定しておりまして、現在、そのうち三カ所で事業を進めております。

○笹本委員 都市計画道路も、計画決定されてから相当な年数がたっているのかなというふうな感じで、恐らく五十年近くたっているのでしょうか、整備状況が都全体で五九%ということでございます。
 これも先ほどの話ではありませんが、居住している住民にとっては、肌感覚的に、自分のところがなかなか進まないとか、あるいは都が施行するものと区が施行するものとによって、扱いが若干違うのかなと。
 区が施行する計画道路の場合は、先行買収が行われて、計画道路が買収され、例えば区の一時的な駐輪場になったりフラワーポットが置かれたり、そういう状況があったりするんだけれども、都が施行する都市計画道路はちょっと状況が違うだとか、いろんな部分があると。住民には、都がやるか区がやるかなんていうことはなかなかわからないと思いますけれども、おおむね、これも必要なものはできるだけ早く整備をして、影響がある住民に対しては、いろいろ生活設計等にも影響があるということだと思いますので、ここいらも、整備がそれなりに急がれるのかなというふうな印象を持っております。
 そこで、今、出ました交差点の渋滞解消のための施策であるすいすいプラン、第二次交差点すいすいプランといえばよいのでしょうけれども、その取り組み状況、実施状況についてお伺いいたします。

○鈴木道路保全担当部長 第二次交差点すいすいプランは、交差点に右折レーンの設置などを行い、より円滑な交通の実現に向け、交通渋滞の緩和、交通事故の防止、沿道環境の改善を図るものでございます。
 本事業に着手した平成十七年度からの完成箇所の累計は二十一カ所であり、平成二十三年度は、約五十一億円の事業費により四十五カ所において事業を実施しております。

○笹本委員 そこで、江戸川区における第二次交差点すいすいプランの現在の状況についてお伺いをいたします。

○鈴木道路保全担当部長 江戸川区内における実施状況でございますが、対象となる二カ所のうち、国道一四号、通称千葉街道と、主要地方道三〇八号線千住小松川葛西沖線、通称平和橋通りとが交差する八蔵橋交差点では、用地の取得が進んだことから、事業効果を早期に発現させるため、千葉街道の右折レーンの拡幅に平成二十三年度から着手いたします。また、千葉街道と、主要地方道三〇七号線王子金町江戸川線、通称柴又街道が交差する東小岩四丁目交差点では、現在、用地取得を進めております。
 今後とも、地元自治体との緊密な連携のもと、関係住民の皆様の理解と協力を得られるよう事業の推進に取り組んでまいります。

○笹本委員 やはり都市計画道路でも同様だと思いますけれども、この用地取得というのが非常に大きな課題になっているのかなという印象を持っております。地元自治体にも連携してもらって、渋滞解消のために、早期にやはりこのすいすいプランを実現していくということかなと思います。
 今いったところの初めの方の、千葉街道と主要地方道三〇八号線、ここは江戸川区役所のすぐ近くですが、ここはもう時間の問題で、一気に進んだなという印象があります。
 もう一つの方の東小岩四丁目交差点、ここが柴又街道と交差するところですが、大変難題だなというところだと思いますし、渋滞も発生しているというところだと思います。用地の取得も三割程度ということですから、課題を解決していくために、まだしばらく用地取得のためにご尽力をいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、話はちょっと変わりまして、動物園について、これも、地元であります江戸川区にある葛西臨海水族園について、質問あるいは意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 九月ですか、動物園マスタープランも出されまして、該当するところとかを拝見させていただきましたし、土曜日、さきおととい、私も久しぶりに葛西臨海水族園に行ってまいりました。また、先日はこの委員会でも上野動物園に行って、ホッキョクグマの新しい行動展示というのでしょうか、大変すばらしい展示で楽しいなと。あそこのホッキョクグマとアザラシを子どもたちが大変楽しく見ているのかなというふうに思いますが、そういうことを考えながら、この葛西臨海水族園について質問するわけです。
 私も、かつてオープンした当時、二十二年ぐらい前ですけれど、喜んで行きました。開園の平成二年当時で、資料によって若干違いがあるんですけれど、三百七十六万人とか五万とかということで、これは当時の日本記録で、今もこれは多分破られていないのではないかというふうに思いますが、その後、いろいろな理由があって、多様化したレジャーだとか、アミューズメントパークがたくさんできたということがありますが、二十一年度の入園者ということでは、いただいている資料だと百五十七万人ということです。多ければいいというものではないとは思いますけれども、二十年間で半減しているということですね。
 有名なのは、江ノ島水族館がリニューアルをして、一気にまた回復をしたというようなこともありますけれども、都として来場者の変化についてどのようにとらえているかということについて、まず初めにお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 葛西臨海水族園の入園者数の減少につきましては、平成三年のしながわ水族館、平成五年の八景島シーパラダイスの開園など、首都圏において新たな競合施設が増加したことなどが一因と考えられます。

○笹本委員 競合が出てきてしまって、客をとられてしまうということも、これはこれでいろんな課題があるのかなと思います。すぐ隣の駅には、世界的に有名なディズニーランドがありまして、多分ディズニーランドのオープンは八三年だと思いますが、いまだにいつ行っても常に込んでいるということで、常にまた新しい施設のイクスピアリだとかディズニーシーだとかがどんどんどんどんできてくると。
 ディズニーランドのコンセプトは、永遠に完成しないということがその一つにあるそうなんですけれど、常に新しいものを出していくということで、来場者数がずっと減らないという状況があるわけです。
 それと比較するのはちょっと酷だと思いますけれども、さきおおとい、土曜日に行ったときに、改めて見てみますと--ちゃんと七百円を払ってそのまま入って見ましたけれども、エスカレーターでおりていくわけですね、海に面したところで。何となく当時はすごく斬新で、あれから海底に入っていくようなイメージもあったのかもしれません。
 目玉である、マグロが群泳したり、カツオだとかが泳ぐ水槽があるんですが、今カツオとキハダマグロがいるところなんかも、当時は多分アクリル型の最新型の水槽だったものが、今、真ん中に、カツオのところに鉄柱があるんですね、支柱が。これが非常に気になるんです。
 世界の水族館とかは--日本だけでもどうかな、多少は今インターネットでもすぐ調べられますが、有名なのでは、つい最近できたドバイの水族館なんていうのは、多分、見ていただくとびっくりするぐらい物すごい展示になっていますね。
 あと、ジョージア州ですか、アトランタにあるジョージアアクアリウムというのは物すごい。一方では、沖縄にある、本土復帰をきっかけとしてつくっていった、今は美ら海ということでリニューアルして新しくなっているんですけれども、そこなんかも物すごい水槽があって、ジンベイザメがいたりマンタがいたりということで、来場者も相当数、ちょっとは減ることがあるんでしょうけれども、保っているというわけでございます。
 そういう中で、やはり二十数年たってくると、ちょっと時代を感じるなという印象は否めないのかなというふうに思います。今後、マスタープランに基づいてリニューアルし、十年間かけてやるのだと思いますけれども、コンセプトをしっかりしていくということだと思います。
 美ら海の方の水族館のコンセプトは、これはわかりやすいんですが、沖縄の海という、そういうコンセプトがあるそうです。
 ちょっとぼうっと考えたんですけれども、では葛西水族園ではどういうコンセプトがよいのかなということは、これから一緒になって考えればいいんでしょうけれど、ことし小笠原が世界遺産に登録されて、それが東京にあるということから考えると、小笠原の聟島とかマグロ穴にいる世界一の--石原知事なんかは大好きなダイビングスポットだと思いますけれども、マグロ穴をあそこに再現するというのは極めて難しいんだとは思いますが、先ほどいったドバイの水族館などは、3Dとか、もっとそれ以上の演出技術で、海底にいるような--しながわ水族館なんかもトンネルのようになっていて、この前の上野動物園のアザラシとホッキョクグマのところも、トンネルがあって行動展示になっておりますけれども、やはり小笠原の海を再現するだとか、それ以外にも江戸前の海を再現するだとかということはされておりますけれども、何かしら斬新なプレゼンテーションというのは必要なのかなと、普通の一般の来場者としての感覚ですけれど、そういうふうに感じました。
 そういうことで、このマスタープランを踏まえて、今後の水族館のあり方というものについてお答えいただきたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 都立動物園マスタープランにおきましては、葛西臨海水族園の目指す姿としまして、生態から食育までを楽しく学べる水族園とし、今後の取り組みの方向としまして、巨大マグロの群泳、大海藻やサンゴ礁など海の生態系をありのままに再現するほか、各地の食文化や歴史を通じまして、海の恵みの大切さを伝えていくこととしております。
 都は、こうした目指す姿を実現していくため、高度な飼育技術を生かしまして、子どもから大人まで多くの来園者に感動を与えることができる魅力あふれる水族園をつくり出してまいります。

○笹本委員 先ほどのディズニーランドの例をたびたび出すわけじゃないんですけれども、やはりリピーターが行くということが、大きな、来場者向上へのヒントになるのかなと思います。恐らくそこいらが課題だということを受けとめた、例えば江ノ島だとかの、大きな改造をして来場者が物すごくふえた水族館なんかがあると思いますし、園の魅力というのは簡単にはいえないと思いますけれども、そういうところにヒントもあるのかなと。
 印象としては、私、思ったんですけれど、当時はそれなりの大きさと規模と展示の仕方があったんでしょうけれど、ちなみに、世界に五百五十水族館があって、日本はそのうち百七十あるというんですね。いかに、当時は、ある意味、箱物でぼこぼこつくっちゃった時代もあったのかなと。多分、葛西臨海水族園も、八九年に開園しているということは恐らく鈴木都知事の時代だと思いますが、ある意味、いい方は、変な意味じゃなくて、箱物としてつくったとは思うんです。世界の中で五百五十のうち約百七十が日本に集中しているというのは、これは非常に大きいのかなと思いますが、やはり、日本に世界一の水族館がないというのは若干寂しいなと、海洋国で。
 そういう部分で大改造が必要かなと。個人的には、あのスペース、建てかえてもいいぐらいかなというふうな印象は持ちましたが、恐らく世の中の経済状況も大きく異なってきておりますので、簡単に建てかえるということはかなわないのかなというふうに思っています。
 しかし、いろいろな形で今の施設を使いながら、プレゼンテーション、演出を変えていくということはできると思います。先ほどのドバイの水族館は、ただ大きいとか、ショッピングアーケードにあるということだけではなく、そこでウエディングパーティーをやったり、水族館だけではない、あらゆる形で人を呼べるというような仕組みになっているということだそうです。
 そういうことも考えると、東京都の水族館ということではありますけれども、やっぱり大きく改造を、このマスタープランの中でしていきたい、こう思います。
 すぐできること、ちょっと残念なんですが、中へ入っていくと、例えば壁なんかがコンクリートの打ちっ放しのままなんですね。そんな難しい造作ではないと思うけれども、何か海の中にいるような雰囲気だとかを。いろいろ説明書きがパネルで二次元に文字で書かれているんだけれど、例えば何かそこにかざせば音声で聞けるようなシステムだとかを、そんな難しい話ではないので、そういうことをすると。多分、インフォメーションに顔を近づけて読んでる人ってほとんどいないんですよね。ヒトデに触ったり、エイに触ったりとか、それはそれで子どもたちは喜んでいるんだけれども、極端にいったら、一日何名かの限定でも、カメの上に乗っかって中をダイビングできるとか、白いベルーガとかというようなクジラがいるとか、何か強烈なアピールするものがあった方がいいのかなと。
 来場者数だけでははかれませんけれども、そういう意味では、恐らくほかの動物園なんかもいろんな形でこれから改善はしていくと思いますけれども、たまたま地元にありまして、長く開園以来、私は親しんでおりますので、ぜひ、すばらしい世界一の水族館を目指して頑張っていただきたいということで、私からの質問を終わります。
 以上でございます。

○こいそ委員 それでは、問数、ちょっと多いんですけれども、何点か質問させていただきたいと思います。
 まず初めに、JR南武線の連続立体交差事業、これにつきましてまずお尋ねしたいと思いますが、かねてから当委員会でも、このJR南武線連続立体交差事業について質問させていただきました。その中で、二十三年度完成が大幅に延びると。当初は二十七年という答弁があったかと思うんですが、とんでもない話だと。何でこんなに延びるんだということだったんですが、それには当然にしてさまざまな、安全対策上の、そしてまた優先していかなきゃいけないそれぞれの関係があったということはわかっておるんですが、これだけ大幅に延びなきゃいけない理由を、改めてここでまたお聞きしたいと思います。
 しかし、三・一一の、本年三月に発生したいわゆる東日本大震災の影響によって、さらに工事がおくれていくんではないかと大変心配しておりましたけれども、先日の第三回定例会において、我が党の代表質問に、JR南武線の下り線を年内に高架化するとの答弁がありました。
 そこで、年内の高架化に向けた取り組みについて伺いたいと思います。

○吉原道路建設部長 JR南武線連続立体交差事業は、稲田堤駅から府中本町駅間を高架化し、鶴川街道など十五カ所の踏切を除却することによりまして、交通渋滞や地域分断を解消するものでございます。
 このうち、稲田堤駅から矢野口駅付近までの第一期区間は既に高架化を完了させ、八カ所の踏切を除却いたしました。矢野口駅付近から府中本町駅までの第二期区間は、東日本大震災によりまして、下り線高架化に必要な資材の搬入がおくれ、工事工程に影響を受けましたが、祝日も作業を行うなどの工期短縮に努めた結果、十二月二十三日から二十四日にかけて、下り線を高架化に切りかえる工事を行うこととなりました。

○こいそ委員 非常に頑張っていただいた結果がこういうことで、具体的な心配、危惧をしておりましたけれども、年内に下り線が立ち上がっていくということで、これは本当に、頑張っていただいた努力の結果だろうというふうに思っています。
 その中で、さらに、これは確実にお願いしたいと思いますが、駅の利用の仕方がまた今後変わってくるということでありますけれども、どのようになっていくのか。そこで、下り線高架化後の駅の利用形態についてお伺いしたいと思います。

○吉原道路建設部長 稲城長沼駅及び南多摩駅は、事業着手前からエレベーターなどによるバリアフリー対応がなされておりませんでした。このため、本事業の高架化に合わせまして、エレベーター、エスカレーターを設置するなど、バリアフリー化を図ってまいります。
 現在は、両駅とも、地表部に設置されました上下線の仮設ホームを跨線橋で連絡しております。今回の下り線高架化によりまして、高架下りホームに、エレベーター、エスカレーターを設置いたします。下り線切りかえ後も、駅利用者の方々にご不便をおかけする部分がありますため、駅施設の利便性向上などの利用形態のあり方につきまして、今後ともJR東日本と協議を進めてまいります。

○こいそ委員 とりわけ、二つの駅が対象としてあるわけでありますけれども、稲城長沼駅と南多摩駅というのがありますが、両駅ともに改札口一本なんですね。とりわけ、稲城長沼を含め、現行から見て、相当、歩行動線が延びていくということも聞いておるんですが、実際どうなんでしょうか。

○吉原道路建設部長 稲城長沼駅は、現在、北側に改札口が一カ所ございます。南多摩駅につきましては南側に改札口が一カ所ございます。
 稲城長沼駅につきましては、今回、下り線高架化によりまして下り高架ホームができますけれど、仮設ホームの跨線橋を渡らなきゃならない等、ルート的に、若干、延長が延びるというような状況になります。

○こいそ委員 実際まだまだ、当然、渡ったわけじゃありませんが、例えば長沼駅という駅の今後の歩行動線ですけれども、一たん南へ出て、ホームをまた何カ所かぐるっと、相当、回らなきゃいけない、えらい距離を。毎日毎日のことでありますから、なれということも当然出てくるんでしょうけれども、地元からも、通常の動線として、極めて不都合と。やはり我慢してくれということも当然あるかもしれないけれども、このような、我々の推測、予測なんだけれども、大変負担もかけるし、最後はエレベーターで上がるという話もあるけれども、いわゆる年配の方も含めて、ハンディを持っている人も当然そうだけれども、この距離だとか回り方が極めて不自然というか、こういうようなことを地元も大変心配しているんですが、どうなんでしょうか。

○吉原道路建設部長 下り線が高架化された状態では、まだルート的に延長が長くなるというようなこともございます。私ども、一刻も早く、上り線もあわせて高架化し、皆様方の利用形態に支障とならないよう、今後とも、JR東日本も交えて協議して、工事を進めてまいりたいと考えております。

○こいそ委員 いずれにしても、一刻も早くといいますか、短縮していただいて、下り、上り、両方向の完成は本当に期待するわけでありますけれども、まだまだ数年の時間経過があるようであります。
 この中で、JR側とも、関係者とのどういうような話し合いをしたのか、地元にもどういうようなことを周知して--私なんか全然知りませんでした、こんなこと、はっきりいって。結果的にこうだと一方的に押しつけられて、こんな回り方なんてないですよ、はっきりいって。こんな歩道のルートなんて、実際上、ちょっと上目線なんじゃないですか、こんな設定なんていうのは。
 私も、少し想定しながら現地へ行ってきましたけれども、かなり我々も歩いた。きついね、これ、はっきりいって。かなり不自然というか、不親切というか、幾ら何だって、いずれ立ち上がるんだから数年は我慢しろよという話なんだろうけれども、余りにもこの対応が、現実的に見て少しおかし過ぎるのではないか。こういう地元の意見というのは、私、もっともだなと思うんですが、そのあたりどうなんでしょうか。

○吉原道路建設部長 工事関係につきましては、工期短縮も含めて、JR東日本と調整会議を設置し、そういう場でいろいろ検討しております。
 今後とも、ルートの短縮化も含めて、具体的な検討をしていきたいと考えております。

○こいそ委員 ぜひ検討をしていただきたいと思いますね、これについて。
 最善な方法はどうやって出るのか。今、現行だから、もうこれでやってくれというだけでは、いささか--せっかくいいことをやっていただいているんだけれども、そのあたりのきめ細やかさというんですか、そういうものが若干あっていいんじゃないかなと思うんですね、これだけおくれてきているわけだから。対応はしていただいたということは、評価、感謝しているところもありますけれども、下り線についてはね。
 さりとて余りにも、直線どころじゃないでしょう、こんな複雑な。こんな動線、どこにあるのかな、はっきりいって。そういうことも踏まえて、ぜひご検討といいますか、要望も含めて、していただきたいなというふうに思います。
 それとまた、三・一一の発生がありましたので、地元の現場説明会というんですか、こういうことは延びてしまいましたよね。これらのことを踏まえて、やはり今のようなことを、より踏まえた地元の理解と協力が必要じゃないかと思うんですね。その事業PR、これらのことはどう考えておられるかということをお願いします。

○吉原道路建設部長 事業を推進していくためには、地元の理解と協力を得ていくことが重要でございます。このため、十月二十二日と二十三日に開催されました、いなぎ市民祭におきまして、パネル掲示やビデオ上映による事業のPRを実施し、約千八百人の方々に来場していただきました。
 さらに、事業への理解を深めていただくために、十二月の下り線高架化前には施設見学会を開催し、ふだん立ち入ることのできない高架橋上に設置されました線路や、新しく整備された駅のホームなどを見学していただく予定でございます。今後とも、さまざまな機会をとらえ、事業PRを積極的に実施してまいります。

○こいそ委員 ぜひそのようにPRしていただいて、この事業へのさらなる理解、そういうものをやはり図っていただきたいなというふうに思っております。それとともに、一日も早い二期工事の完成、この踏切が解消されるということを当然ながら強く強く思っているわけであります。
 その中で、この第二期区間、今度、上り線がいよいよということになってくるんだと思うんですけれども、今後の取り組み、そしてここで改めて、前後して申しわけありませんけれども、おくれの主な原因というのは何だったんでしょうか。今さらながら、ちょっとわからないところがあるんです。わかるところもあるんだけれども、教えてください。

○吉原道路建設部長 最初に、事業がおくれた主な原因でございますが、三点ございます。
 一つ目は、用地取得が難航したことによりまして、仮線工事の着手がおくれたことでございます。
 二つ目は、列車運行の安全管理強化によりまして、作業時間が制限されたことでございます。具体的には、鉄道近接工事の際、主に昼間の工事が夜間工事へと変更になりまして、作業効率が大幅に低下いたしました。
 三つ目は、土地区画整理区域内のため工事用進入路が限られ、作業効率が低下したことでございます。
 もう一点の第二期工事の今後の取り組みでございますが、JR南武線連続立体交差事業の第二期区間につきましては、下り線の高架化に続きまして、上り線の高架化工事を進めてまいります。全線高架化による踏切除却は平成二十六年春を予定しておりますが、都は事業主体として、引き続きJR東日本に対しまして工程管理を厳しく徹底させ、一日も早い高架化を目指してまいります。
 今後とも、地元市やJR東日本と連携し、地元住民の理解と協力を得ながら、本事業の推進に全力で取り組んでまいります。

○こいそ委員 おくれの主な原因の三点を、改めてまた今お話をしていただきました。いわゆる夜間工事が、安全対策上、夜間に集中すると。それも、電車がとまった以後、始発までの間にと。この一定の制約というのはわかるんですが、しかし全くもって、工事に対しての準備体制ができ得ないことはないのではないかということをいわれる方もおられるんです。これは専門家の方からの話も聞いております。
 この中で、用地の問題はクリアできていますよね。ここの安全対策上のところが、いわゆる工期延長というんですか、それが延びた一番の主なところじゃないかと思うんです。この中で工程調整会議というのをやっておられるわけですよね、三カ月に一遍。この中で、どうなんですか。それぞれ三点は、お話はお話としてわかりますけれども、こういうことに対して、さらなる短縮に向けての工程調整会議というのはどうやって、またどのような話をされているか教えてください。

○吉原道路建設部長 工期短縮に向けました具体策を検討していくため、JR東日本と工程調整会議を設置いたしまして、調整しているところでございます。
 今後の工期の短縮につきましては、例えば高架構造物のうちの防音壁につきまして、工場で製造した強化プラスチック板に変更するなどの工夫を図っていきたいと考えております。
 引き続き、JR東日本に対しまして工程管理を厳しく徹底させ、一日も早い高架化を目指してまいります。

○こいそ委員 調整会議だけではないというふうに思いますけれども、主に公式な調整的な会議というのは工程調整会議であるということでありますから、三カ月に一遍という話じゃなくて、逐一、さまざまな諸課題というか問題といいますか、あると思うんです。ですから、これ、ぜひもっと活発に開くことはできないんでしょうか。会議が多ければいいというわけじゃないとは思いますけれど、少なくとも三カ月に一遍の工程調整会議というよりか、いかにして、もっと工期短縮の方向性に向けてJRの方もより頑張っていただくか、こういうことも踏まえて、ぜひこのあたりも積極的に要請するなり、実効的で効果が上がる方法をとっていただけませんでしょうか。これは要望させていただきますけれども--今のは答弁してください。
 それと、多摩三・三・七号線が開通しました。ご案内のとおりです。是政橋から都道川崎街道間、この三・三・七号線が。
 その中で、高架化すればすべて問題は解決すると思うんですけれども、今、川崎街道から是政橋方向に向かって踏切を渡る、それからさらに十字路、交差点に差しかかりますが、これ、右折が可能じゃないんですね。
 これ、前々から何とか右折させてくれませんかと。見ていると、いつも左折して、みんな回っていくんですよね、こうやって。あのゼブラ帯があるじゃないですか。それから、都道の川崎街道からの車線、あれは四車線ぐらいあるのかな、実際上は。あそこでぐうっと絞り込まれますよね。
 いろんな安全対策上のこともあるのかもしれないけれども、これ、何らかの形で右折ぐらいできないんですかね。せっかく三・三・七号線が開通したんだけれども。どうでしょうか。

○吉原道路建設部長 まず最初に、JRとの工程調整会議でございますが、三カ月というように定期的ではなく、いかにして工期短縮を図るかを真剣に考えて、必要の都度やって、できるだけ早く工事が終わるようにしていきたいと考えております。
 それから、三・三・七号線の右折を可能にする話でございますが、十二月になりますと、下り線が高架になります。それによりまして踏切遮断時間も短縮されますので、そういったことも含めて、所轄の警察と調整しながら、可能な対策を検討していきたいと考えております。

○こいそ委員 ぜひお願いします。三月ですよね、三・三・七号線が開通して。一貫して、何らかの対応はできないのかということをずっといい続けてきたけれど、返答はなかったですね、部長じゃなかったんだけれど。
 いずれにしても、ぜひ、具体的な交渉経過ぐらいは知らせてくださいよ。我々も、議員という立場で地域からのさまざまな陳情とかがあるけれども、途中で経過報告をしますよ。はっきりいって、これ三月じゃないですか。今、十一月ですよ。できるか、できないかぐらいの理由だってあるはずだろうと。余りにも無責任じゃないですか、その面では。ぜひ経過報告ぐらいしてくださいよ。
 いずれにしても、事業主体として、都はいわゆる南武線連続立体交差事業、このほかにも連続立体交差事業をやられておりますけれども、やはりこれからも、都の事業主体としてのより明確な責任を持っていただいて、しっかりやっていただいていることは理解しますけれども、この事業に、より一層取り組んでいただきたい。
 また、南武線でありますけれども、ただいま、るる、いろいろなことをいわせていただきましたけれども、下り線高架化に続いて、上り線を高架の際、一日も早く踏切を解消するようによろしくお願いします。
 続きまして、関戸橋の整備について伺います。
 多摩川中流部の橋梁ですが、昭和五十五年当時はわずか五橋、十二車線でありましたけれど、現在是政橋の補修工事は行っているものの、急遽三十四車線となり、多摩川中流部の道路状況は大きく改善されてきました。
 これまで、是政橋や府中四谷橋など着実に整備されてきたわけでありますけれども、残された多摩川中流部の中の関戸橋下流橋は、昭和十二年にかけられて、いうまでもありませんが、七十年以上が経過した橋梁であります。これまでにも、かけかえを進めてもらいたいというようなさまざまな意見もあったわけでありますが、本年三月の委員会で、平成二十三年度より、具体的な検討を進めるといった建設局長からのご答弁がございました。
 関戸橋は、歴史ある鎌倉街道の一部をなす橋梁でありますし、鎌倉街道は多摩地域の広域的幹線道路であり、交通量が極めて多いことから、かけかえによる影響を最小限にする必要性が当然あると思います。
 そこで、関戸橋下流橋のかけかえを、どのように今後進めていくのか伺いたいと思います。

○野崎道路計画担当部長 関戸橋は、多摩地域の骨格を形成します南北五路線の一つでございます府中所沢鎌倉街道線が多摩川を渡る橋梁でございます。多摩地域における第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。
 橋梁は、上流橋と下流橋の二橋に分かれており、上流橋は昭和四十六年にかけられております。下流橋は昭和十二年にかけられ、七十年以上が経過しておりまして、また歩道がないことから、早期のかけかえが必要であると認識しております。本年三月に行った交通量調査では、一日に四万五千台を超える交通量がございまして、多摩地域の交通を支える重要な橋梁となっております。
 このため、かけかえに当たりましては現在の交通機能を確保しながら整備を行う必要があることから、仮橋を設置いたしまして、仮橋と上流橋に交通を切り回した後、下流橋のかけかえ工事の順で進めてまいります。

○こいそ委員 鎌倉街道の現機能を損ねることなく、かけかえを進めていくということのお話を今いただきました。
 仮橋の設置から始め、関戸橋の整備は大変手間のかかる大事業となることは当然推測されます。事業化に向けて必要な準備をしっかりと進めていくことが極めて重要と考えるところであります。
 そこで、今後の取り組みについてお願いします。

○野崎道路計画担当部長 関戸橋は交通量が多く、自然豊かな多摩川にかかる橋梁でありますことから、整備に当たりましては、十分な調査検討を行いながら、河川管理者などの関係機関と緊密な協議を進めていく必要がございます。
 今年度は、河川内の詳細な地形を把握する測量や、関戸橋周辺の水辺環境調査、構造物の設計に必要な地質調査などを行い、仮橋の構造検討を実施してまいります。
 今後は、環境調査を継続して行うとともに、仮橋とかけかえ橋梁の詳細設計などを実施いたしまして、関係機関との協議を進め、関戸橋の早期事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 今後の取り組み状況と今後の予定についてはわかりました。ぜひ必要な調査や協議をしっかりと進めていただいて、早期事業化を実現していただきたく、強く要望いたします。
 それでは、私の地元の稲城市内の、坂浜平尾線の整備について伺いたいと思います。
 多摩三・四・一七号線坂平線は、多摩ニュータウン地域と川崎市を結ぶ路線であるとともに、鎌倉街道から東名川崎インターチェンジに至る、南多摩地域の道路ネットワークの一翼を形成する重要な路線であります。
 本路線は第三次事業計画に位置づけられて、南側が組合の土地区画整理事業、北は都の道路事業、街路事業により、整備を行うことになっています。南側の土地区画整理は、上平尾地区で、昨年組合が設立認可され、事業が始まっています。また同じく、小田良地区でありますけれども、組合設立準備会が結成され、事業に向けた準備が進められています。
 さらに坂浜平尾線は、坂浜平尾地区の活性化を図る上でも大変重要な路線であり、当然地元からも、早期整備を強く強く四十年間求められたところであります。このため、坂浜平尾線の都施行区間については、区画整理事業によるまちづくりとあわせて、当然早期に事業を進める必要性があると思います。
 そこで坂浜平尾線の整備について、これまでの取り組み状況について伺います。

○野崎道路計画担当部長 多摩三・四・一七号線坂浜平尾線は、稲城市坂浜地内の鶴川街道から川崎市麻生区金程地内の川崎市境に至ります、計画延長約二・六キロメートルの地域幹線道路でございます。
 本路線は、鎌倉街道、鶴川街道、ニュータウン街路などとともに南多摩地域における道路ネットワークを形成し、稲城市南西部に位置する坂浜平尾地区のまちづくりを推進する上で重要な道路でございます。
 本路線のうち、鶴川街道から四百二十メートル区間は都施行区間、続く南側七百三十メートル区間は組合土地区画整理事業による施行区間として、第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。残る川崎市境までの約一・五キロメートル区間は完成しております。
 都施行区間につきましては、これまで、組合土地区画整理事業を初め関係機関と調整を図りながら、現況測量や線形検討など、基本的な調査検討を実施してまいりました。

○こいそ委員 土地区画整理事業と連携を図りながら準備を進めているということでありますけれども、少なくとも、上平尾土地区画整理事業準備会は十七年、認可は二十二年。小田良の準備会も十八年ということであります。ここで、もはや区画整理側の方は着工ですよ、着工。
 一方、東京都側の、いわゆる街路事業区域、これは初めから決まってますよね、この路線整備というのは。
 測量、用地買収して整備するということの前提が前々からあったわけですが、何でこんなにおくれているんですか。

○野崎道路計画担当部長 多摩三・四・一七号線でございますけれども、これまで事業計画に位置づけて整備の準備を進めてまいりましたけれども、あわせて地元土地区画整理事業との調整等を進めてきたために、若干時間を要してまいりました。
 今後は、土地区画整理事業の進捗が進んでいることから、事業の促進を図ってまいります。

○こいそ委員 都知事の一時のキャッチフレーズである、スピード感ある都政というのがありますよね。これ四十年ですよ、今までかかって。かかってじゃない、都市計画決定して四十年。その中で再三再四、この委員会で私はいい続けてきました、このことも。区画整理はもう始まるんですよ。これ、実際にやるんですよ、道路整備を、区画整理側は。東京都がやるべきことなんていうのは、今まであったわけじゃないですか。
 これから測量なんですか、これ。これから調査していくんですか。今後の手順を教えてください、予定を。

○野崎道路計画担当部長 本路線の区間は地形に起伏がございまして、また京王相模原線や三沢川と交差いたしますために、整備に当たっては、沿道との高低差処理や鉄道交差部の構造などについて検討が必要でございます。
 今年度は、用地測量や道路擁壁などの構造物の設計など、具体的な調査検討を実施する予定にしております。都施行区間に隣接する土地区画整理事業の施行区間は、一地区を施行中でございまして、残り一地区も認可取得に向けた手続が進められております。
 このため、都施行区間につきましても、土地区画整理事業と一体となり整備が進むよう、早期事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 一時期は区画整理側と--いわゆる路線が一本だから。これ、いずれ都道になるわけでしょう、路線一本で。実際的に街路事業で、いや街路事業じゃないな、建設局でやったらいいじゃないかという議論がありましたよね、山口道建部長のときにも。長いんだ、この話ははっきりいって。
 さっきから何回もいって申しわけありませんけれども、区画整理の方はもう始まるんですよ、道路整備が。余りにも北側の方が遅過ぎるような感じがするんですよね。当初は一体的にやっちゃおうかという話もあったわけじゃないですか。
 ですからぜひ、まさに長年の懸案である、このいわゆる坂平線、これはやはり都としても、少し気合いを入れてやってもらえませんかね。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 また、もう一点は、尾根幹線道路というのがあります。稲城市域部分のところに、稲城中央公園交差点付近というのがあります。橋がかかっていて、陸橋ですけれども、通称くじら橋という橋がある。多摩方面から行ってすぐ手前ですね。
 ここのところのさらなる北側の方には、多摩カントリークラブがある。そこの尾根幹線のところに、いわゆる片側二車線のうち、ほぼ一車線を占有している状況がありますよね。これは今後どうなっていくんですか。

○野崎道路計画担当部長 今、委員お話しの多摩三・一・六、南多摩尾根幹線の長峰地区の箇所でございますけれども、この箇所につきましては、平成十五年に工事が完了いたしまして、平成十五年度から未買収の状況が固定化しておりました。
 一方、土地所有者との交渉を継続し、平成二十年でございますけれども、ようやく折衝が進みまして、二十一年に用地取得の契約がなされております。現在、この箇所の工事の起工を進めておりまして、近々、工事契約になって、この箇所についての工事が進み、課題の解決が図られるものと考えております。

○こいそ委員 今までこれに携わっていただいて、当然、地権者がおられるわけで、その地権者の意向というのは当然あるわけでありますけれど、極めて不自然な状況がずっと続いてきたことは、もういうまでもないと思うんです、現地を知っている方は。
 これが、二十年に一定の解決のめどが立ったんですよね。ですから、今いよいよというお話を聞きましたので、ぜひ早期に、このあたり、道路がまさに現状の道路の形状にしっかりとなるように、よろしくひとつお願いしたいと思います。
 あと、もう何点か、府中スマートインターチェンジについてお願いします。
 中央自動車道に計画されている府中スマートインターチェンジについてでありますけれども、現在の中央自動車道の稲城インターチェンジは、いうまでもありませんが都心方向だけのアクセスです。これは、八王子、さらに甲府方面には行けないんですね。ですから、これをフルインターにしてくれとかねがね要請を強く強くやってきたところが、なかなか難しいということで、スマートインターチェンジを設置しましょうということで、西に約五百メーター強、このあたりに設置をというようなことに、計画はなってきたわけであります。都の担当者の皆さん、本当にこれ、頑張っていただいたなというふうに思っております。
 国がなかなか動かなかった中でよく頑張っていただいたわけなんですが、そこで、府中スマートインターチェンジについて、今までの取り組みと現状についてお願いします。現在の状況について。

○野崎道路計画担当部長 府中スマートインターチェンジは、中央自動車道府中バス停を活用して、八王子方面への出入り口を整備するものでございまして、これにより、中央道へのアクセス性の向上や周辺道路の混雑緩和が期待できます。
 平成二十一年六月に国土交通大臣から連結許可を受けた際に、地域住民の理解を得るとともに、環境面、安全面に留意した構造等の具体化を図り、それらを国に報告するよう条件が付されました。
 そのため、事業主体である中日本高速道路株式会社が現況測量や構造設計を行うのと並行いたしまして、東京都と府中市はこれまで地元説明会等を実施し、地域住民の意見を把握するとともに、その意見を反映した環境安全対策の説明を重ねてまいりました。
 これによりまして、周辺十七の町会や自治会を含め、商工会議所、商店会等、三十三の団体が賛同者となった早期完成を願う要望書が、本年七月に提出されております。
 こうした状況を総合的に勘案いたしまして、本年十月、東京都と府中市は国土交通大臣に、府中スマートインターチェンジの設置に向けた条件が整ったことを報告いたしまして、事業に着手できる状況となっております。

○こいそ委員 ただいまの答弁をいただいて、いよいよ着工だというような見通しが見えてきたわけであります。事業主体は中日本高速道路株式会社でありますけれども、これ、さまざま、関係する地元もそうでありますけれども、広域的に見ても極めて有意な、非常に重要なアクセスになったと思うんですね。
 その中で、早期に整備していただきたいと思いますが、そこで完成時期について、今後の見通しを伺います。

○野崎道路計画担当部長 今後は、東京都、府中市、中日本高速道路株式会社の三者合同で、施工計画説明会を年内に実施し、その後、中日本高速道路株式会社にて工事発注手続に入る予定になっております。
 工事主体である中日本高速道路株式会社からは、工事発注の手続期間を含めまして、完成までおおむね三年と聞いております。引き続き、中日本高速道路株式会社に早期完成を図るよう働きかけるとともに、地元の理解、協力を得ながら、早期整備に向け積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 今後、引き続き、工事発注手続に入っていくというご答弁がありました。多摩川中流部地域における交通の利便性向上には、この府中スマートインターがまさに必要不可欠だというふうに私も考えております。関係機関と連携して、一日も早い完成をお願いしたいと思います。要望いたします。
 次に移ります。多摩地域における河川整備についてお願いします。
 多摩地域における河川整備でありますけれども、私は、河川整備が水害を著しく減少させて人々に安全・安心をもたらすものだということを、私の地元、多摩ニュータウンの整備にあわせて河川が整備されてきた乞田川そして大栗川などにおいて、それを見てまいりました。
 治水というのは、まさに政の根幹だと常々感じていたところでありますけれども、一方、多摩地域の特徴は、貴重な自然と多くの都民の生活が極めて近くに存在しているということだと思います。川という場所は、その最たる例ではなかろうかと。
 こうしたことを考えていくと、多摩地域における今後の河川整備は、やはり水害のない安全・安心な生活はもう当然でありますけれども、水や緑と触れ合う機会を同時に提供できるように、このようないわゆる緑空間と親水空間も必要ではないかと。
 自然が多く残る多摩地域では、その必要性がより高いと考えるところでありますけれども、多摩地域の河川整備に関する都の基本的な考え方について伺いたいと思います。

○飯塚河川部長 多摩地域の河川整備におきましては、水害に対する安全性を確保するとともに、それぞれの河川の自然環境などの特性を踏まえ、人々に親しまれる河川環境を保全、創出していくことが重要でございます。
 このため、都では、一時間五〇ミリの降雨に対応するための護岸整備はもとより、緑化護岸の整備や遊歩道の整備など、地域の特性に合わせて計画し、実施してまいりました。
 今後とも、市民や地元自治体などと連携し、地域の声を聞きながら、水辺や生態系に配慮した川づくりを推進してまいります。

○こいそ委員 三沢川における整備の状況と今後の進め方についてお願いします。
 それと、時間がないから、大栗川における整備の状況と今後の進め方について、あわせてお願いします。

○飯塚河川部長 まず、三沢川につきましては、多摩川合流点付近の神奈川県管理区間の整備状況などを踏まえまして、順次整備を進めてまいりました。
 平成二十二年度末時点におきましては、新きさらぎ橋上流までの区間について整備を完了しており、三沢川全体の護岸整備率は七三%となっております。
 今後は、整備済み区間の上流に位置する約三百四十メートルの区間を対象に事業認可を取得し、河川整備を着実に推進することで、安全で自然豊かな三沢川の実現に積極的に努めてまいります。
 続きまして、大栗川の整備の現状と今後の進め方についてでございますけれども、既に護岸整備が完了した大栗川につきましては、平成二十一年度から、緑豊かな河川を目指しまして河川緑化事業を実施しております。
 二十二年度は、霞ヶ関橋下流左岸におきまして整備を実施し、今年度は引き続き、霞ヶ関橋上下流二カ所におきまして計三百六十メートルの整備を進める予定でございます。
 実施に際しましては、護岸ののり面に芝を張り、管理用通路には桜を植えるなど、水と緑が調和した潤いのある水辺空間を創出しております。
 今後とも、大栗川の河川環境の向上に積極的に努めてまいります。

○こいそ委員 この両河川、多摩市と稲城市それぞれを流れる河川でありますけれども、とりわけ三沢川の整備は、かなり多自然型なんですね。いわゆる多自然の河川というんですか、これを整備をされてきたと。昭和五十三年から平成二十一年までの間、三十二年の歳月を費やしてこれが行われてきたということであります。
 残り三百四十メーターにいよいよなってきたという中で、この上流部三百四十メーターの整備は、今後どのように進めていくのかお願いします。

○飯塚河川部長 三沢川の新たな認可につきましては、稲城市内の新きさらぎ橋上流から中橋上流までの区間三百四十メートルを対象に、取得する予定でございます。
 事業認可する区間におきましては、周辺のまちづくりの進展が予想される状況となり、河川整備を早期に実施する必要性が高まりつつあると考えておりますので、関係機関と調整いたしまして、早期に事業認可をしていきたいと考えております。

○こいそ委員 今、申し上げたように、三十二年間です、平成二十一年度まで。この対象の三沢川は、これ、質問する前にいろいろお話をさせていただきましたが、二十二年と二十三年、この二カ年はどういう整備をしたんですか。

○飯塚河川部長 二十二年度は、本郷橋付近で転落防止さくの設置を、また車橋上流におきまして、護岸補修を実施いたしました。今後とも河川機能を保つために、必要に応じて維持工事等を実施してまいります。

○こいそ委員 現下、先ほどもいっているように、非常に蛇行しています。特に、三沢川という川は蛇行しているんです。一たん、集中的に雨が降ると、周辺状況も、いわゆるがけ崩れ、護岸が当然やられる。それと、多量に堆積しているところで、また一気にたまって流れ込んでいくといいますか、いろんな川のそれぞれの様相があるわけなんですけれども、この中で、やはり少なくとも三十二年かけてやっていただいたということは、これも感謝するところだと思います。
 しかし、現下、どこでもそうだと思うけれども、集中豪雨が極めて局地的に降っていると。百何十ミリだという、すぐ隣の町田市あたりでも、観測できないような、一二〇か、それ以上に集中的に降ってましたよね。ここもご多分に漏れず、一〇〇ミリ以上の雨が相当降った、昨年でもあり、ことしでもあったと思うんです。
 そういう中で、これはやはり護岸も相当やられているし、何回も何回もいって申しわけないんだけれども、非常に蛇行している川なので、そこには、やはりそれぞれの住居もあれば公共公益的な施設もあるわけですよ。診療所だとかもありますよ。そういうことを踏まえて、この二十二、二十三年度、何か、護岸の防護さくだとか一部の手直しはわかるんだけれども、もう少しこのあたりも踏まえて、現下の洪水、それから集中的な雨が降るということを勘案した中でも、早期にやはりこのあたりも進めて、今までも何十年かやってきたんだから。
 継続して進めてこられなかったことは、何か理由があるんですか。

○飯塚河川部長 三沢川の現事業認可区間の整備につきましては、区間の最上流に位置する箇所、きさらぎ橋の上流におきまして、一部、納税猶予の対象となっている農地がございまして、用地取得ができない関係で整備がおくれていた……(発言する者あり)二十一年度まではそういう状況でございました。今後は、先ほど申しましたように、早期に事業認可を取得しまして、整備を進めてまいりたいと考えています。
 ただ、旧川につきましては、先ほども委員おっしゃいましたように蛇行しておりますので、そこは必要に応じまして防災工事等で対応しているところでございます。

○こいそ委員 いずれにしても、どこの地域もそうだと思うんだけれども、都市水害だとか、いわゆる水での被害が発生しているということで、部分的な対処ということも必要かもしれないけれども、こうやって計画的に進めてきているわけだから、用地買収というのはそれ以前の話ですよ。五十三年度から二十一年度までの区間でしょう、それは。私がいったのは今後の話で、上流部三百四十メーターの話で、ぜひこれもしっかりやっていただきたいと強く要望します。
 最後にドッグランについて、東京都のドッグランの設置、都立公園におけるドッグランの設置の意義について教えていただきたいと思います。

○上杉公園緑地部長 ドッグランは、公園での犬を連れた利用者とそうではない利用者との共存を求める声にこたえるとともに、犬の放し飼いの対策として有効な施設であると認識しております。
 また、ドッグランを設置した公園では、施設の運営に協力しておりますボランティアによる犬のしつけ教室が行われるなど、公園内のマナー向上にも寄与していると認識しております。

○こいそ委員 いわゆる二十二年度の犬の登録頭数を見ると、区部は三十万頭という登録数に対して、多摩地域でも十九万頭もの犬が登録されています。しかし多摩地域には、三つの都立公園にしかドッグランは設置されていない。
 多摩地域における今後の都立公園のドッグランの設置の取り組みについてお願いしたいということと、時間がないからいいますけれど、都立桜ヶ丘公園内で平成十五年当初、設置に向けて取り組んでいましたが、それはだめだった。どうしてだめだったのか。
 そして、その設置に向けてご努力をしていただいているわけだけれども、それには総括的なもの、反省というか総括、このあたりを含めてお願いします。

○上杉公園緑地部長 都立公園のドッグラン設置につきましては、設置に必要な場所を確保すること、駐車場が確保されていること、施設の運営にボランティア団体の協力を得られること、また近隣住民の方々の理解が得られること、この四つを条件としております。
 これまで、ドッグランの設置の条件としている四条件を満たしましたものは十一の都立公園に設置しておりまして、区部では八公園、多摩では三公園となっております。
 桜ヶ丘公園につきましては、委員いわれるように平成十五年に当初計画しておりましたが、これにつきましては、平成十八年一月から平成十九年一月まで、住民参加によるドッグランを考える会を開催いたしましたけれど、この当時の開園区域では、野鳥などへの影響を心配する意見がありまして、近隣の方々の理解が得られず、設置のための条件を満たさなかったというものでございます。
 桜ヶ丘公園は、現在、公園の拡張に向け、用地取得を進めているところでございます。条件が整い次第、地域の方々の意見を聞くドッグランの設置を検討する会を開催し、ドッグランに適した候補地が提示できるよう取り組んでまいります。

○こいそ委員 都立桜ヶ丘公園の、多摩丘陵の自然景観への配慮は当然必要であると。ぜひ、ただいま申し上げているように、ドッグラン設置に向けて、今度こそは設置が実現するよう、強い取り組み姿勢で臨んでいただきますように要望いたしまして、終わります。

○松葉委員 河川整備について伺いたいと思います。
 今、こいそ委員からもお話がございましたが、杉並区でも大変な大水害がございました。それは平成十七年の九月四日でございますけれども、一時間最大一一二ミリ、総雨量二六三ミリの集中豪雨でございまして、床上、床下浸水が千八百七十三棟、二千三百三十七世帯という甚大な被害でございました。
 私も、川があふれそうだという一報を地域の住民の方からいただきまして、すぐ、夜九時過ぎでございましたけれども、自転車で現地に向かいました。信号はもう停電になっておりまして真っ暗になっており、途中からは、もう自転車では進めませんでしたので歩いて現地まで行きましたけれども、道路が川のようになっておりまして、腰以上のところで、川が濁流のようになって流れておりました。
 半地下のマンションがありましたけれども、一階部分は全部水没いたしておりまして、上の方の階の妊婦さんがボートで救助をされるといった状況で、また、半地下の方々も命からがら逃げることができたといった状況で、着のみ着のままずぶ濡れになって寒さに震えていらっしゃるという状況でした。マンションの上から、ビニール袋に衣類を入れて投げていただいて、その衣類を着ていただいて、近くの小学校、避難所にお連れするという、そういった状況でもありました。
 翌日から、被災されたご家庭をお見舞いに歩かせていただきましたけれども、泥だらけになった家具や電化製品やランドセルや制服といった、そういう泥だらけになった状況で、また水を吸い込んだ畳を取りかえることも大変でありましたし、消毒も大変でございました。
 そういった大変な水害の中で、住民の皆様からの、どこにぶつけていいかわからないような怒りや絶望感、そういったものを私も全身で受けとめさせていただきまして、二度とこういった水害が起きない川にしていただきたいと、そのように私も深く誓ったわけであります。
 この九月四日を受けまして、建設局河川部の皆様の奮闘もございまして、十一月十八日には、河川激甚災害対策特別緊急事業の指定を受けまして、善福寺川、妙正寺川の激特事業が五カ年かけて行われることが決定され、整備が進んでまいりました。
 この間、私も一般質問や予算特別委員会で六回取り上げさせていただいてまいりましたけれども、本日も進捗状況について質問をさせていただきたいと思います。
 この激特事業といたしまして、環状七号線から和田堀第六号調節池までの二キロメートルの区間で、橋梁のかけかえや護岸整備、和田堀第六号調節池の改修が行われてきております。また、激特事業に引き続き、護岸整備も行っていることは承知をいたしております。
 この善福寺川の整備の進捗状況と、治水安全度がこの工事によってどのようになったのかを伺いたいと思います。

○飯塚河川部長 善福寺川では、一時間に五〇ミリの降雨に対処するため、護岸や調節池の整備を進めております。平成二十三年度は、熊野橋上下流など百五十メートルの護岸整備を実施いたしました。
 これによりまして、善福寺川の整備状況を示す護岸の整備と、調節池の効果を加えた治水安全度達成率は六六%となり、二十二年度より一ポイント上昇する見込みでございます。
 護岸の整備に引き続き、熊野橋のかけかえ工事などを進めまして、二十四年度には、環状七号線から済美橋までの管理用通路を利用できるようにいたします。

○松葉委員 着実に整備を進めていただくことを要望いたします。
 この護岸整備とあわせまして、調節池の設置というのは非常に重要であると考えております。平成十七年九月四日の集中豪雨よりも以前から、この神田川や善福寺川は水害の多発地帯でありました。昭和三十三年の狩野川台風では、神田川水系で、浸水家屋は三万八千三百五十六棟に上っております。その後も、台風や集中豪雨による被害があったわけです。
 東京都は、神田川・環状七号線地下調節池の工事に昭和六十三年から着手いたしまして、平成九年には第一期工事が完成いたしております。平成十七年には、第二期工事の善福寺川からの取水も開始いたしました。
 私も地下五十メートルの施設を見させていただきましたが、巨大な施設で、この機能が十分に発揮されて水害に対応することに、期待を大きくしたものであります。
 そこで、この環七地下調節池の効果について伺いたいと思います。

○飯塚河川部長 環状七号線地下調節池は、平成九年四月に第一期分として貯留量二十四万立方メートル、十七年九月には第二期分として貯留量三十万立方メートル、合わせまして五十四万立方メートルの供用を開始いたしました。
 これまで、二十八回の洪水を取水しておりまして、第二期分の供用開始後、神田川、善福寺川における洪水被害を未然に防いでまいりました。
 特に、二十一年の台風十八号では、総貯留量の九四%に当たる過去最大の五十万五千立方メートルを貯留し、洪水被害の防止に効果を発揮いたしました。

○松葉委員 この効果というものを広く理解していただくために、都では地下調節池の見学会を行っております。
 先日も、見学会に参加をされた方から、こういう施設があることは地域として安心である、民間ではできない、こういうことにこそ税金を使ってほしい等々、さまざまな感想がありました。
 そこで、この環七地下調節池の見学者数が今どうなっているのか伺います。

○飯塚河川部長 都では、小学校の総合学習等での見学要望や海外からの視察団等に対しまして、地下調節池の施設見学を実施しております。
 七月の河川愛護月間に行った、一般都民を対象とした施設見学には、一日に二百名もの見学者が訪れるなど、二十二年度は年間で四千人を超える見学者数となっております。
 施設見学では、模型などを利用した説明や、実際に地下におりて施設の大きさを体感することにより、地下調節池の効果や都の河川事業への理解を深めていただくよう努めております。

○松葉委員 多くの方が見学をされているようでありますけれども、都民の皆様に治水に対する関心を深めていただくためにも、今後も充実していってほしいと思います。善福寺川の中下流域の整備と環七地下調節池の完成によりまして、治水安全度はこの六年間で一二ポイントアップいたしました。前進をしてきております。
 しかし、冒頭申し上げましたけれども、浸水被害に遭われた方々というのは、雨が降るたびに、大変に、不安にさいなまれていらっしゃいます。引き続き上流域の護岸整備を推進するとともに、非常に高い効果が見込まれます善福寺川調節池の工事に、一刻も早く着手をしていただくことを要望いたします。
 次に、都立公園整備についてでありますけれども、公園につきましてはいろいろ申し上げたいこともありますが、本日は一問のみ質問させていただきます。
 今般、都市計画公園・緑地の整備方針の改定案が発表されまして、九月二十日から十月十九日までパブリックコメントが行われたところであります。平成二十三年度から三十二年度の事業化計画でありますが、その中に、高井戸公園が優先整備区域に設定をされております。
 そこで、この優先整備区域に高井戸公園を設定した理由を伺います。

○上杉公園緑地部長 今回の都市計画公園・緑地の整備方針の改定案では、緑地が持つ本来の機能の発揮はもとより、本年三月に発生した東日本大震災を踏まえ、首都東京の防災機能の強化を急ぐためにも、計画的かつ効果的な整備を推進することとしております。
 都市計画高井戸公園につきましては、放射五号線の道路事業との連携によります緑のネットワークの形成、避難場所の確保や豪雨対策といった防災機能の観点から、優先整備区域に設定しております。

○松葉委員 高井戸公園の事業化についての要望につきましては、平成二十年四月十一日に、町会、自治会、商店街等の多くの方からの署名を、私も皆様とご一緒に都に届けさせていただいております。
 防災機能の向上の観点からも、一日も早く事業着手を図っていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○かち委員 私からも、まず都立公園の安全管理と公園整備について伺います。
 東京の緑を確保する上で重要な役割を果たしているものの一つが都立公園であります。都民の安らぎと憩いの場であり、子どもたちが安心して駆け回り遊ぶことができる、かけがえのない場でもあります。だからこそ、公園の安全性の確保と管理が求められています。
 しかし、本年三月の東日本大震災から東電福島原発事故以来、放射能汚染問題が次から次へと新たな問題として浮上してきています。事故後、間もなく八カ月を迎えようとしているのに、関東近県、都内でも、連日のように、一般の空間線量より高い空間線量の場所があるという報道がされています。各自治体や住民の積極的な測定活動によって明らかになってきたものであります。
 私の住む大田区は、一般的にはそれほど測定値が高い地域ではないのですが、公立小中学校の雨どいの下で、花壇の土にしみ込むようになっているところが異常に高い数値を示したのです。〇・三から一・〇一マイクロシーベルトを示す場所があった学校は、同じような構造で、測定した学校三十七校中、十校にも及んでいます。
 区は、これらの花壇の土の入れかえを、今、行っているところです。今は、局所的に、雨どいの下や側溝、草むらや落ち葉、滑り台の下など、その場の状況や特徴によって高濃度の測定値が明らかになってきているところです。
 放射能汚染では、特にミニホットスポットが問題になっている今日、都立公園でも、草むらや側溝、落ち葉、滑り台の下などに高濃度の空間線量が測定されているところがあります。
 このような状況を、都立公園管理者として、安全確保のためにどのような対処をしていかれるのかお聞きします。

○滝澤公園管理担当部長 都は、六月に、都内全域を対象に、百カ所で空間放射線量を測定いたしました。その中には都立公園が五カ所含まれておりますが、年間一ミリシーベルトを超える結果にはなっておりません。
 平成二十三年八月三十日に放射性物質汚染対処特別措置法が公布されまして、現在、国では検討会を設置し、除染等の措置について検討中でございます。都としては今後とも、国の検討経過を注視してまいります。

○かち委員 確かに、都の福祉保健局が六月に測定をしました。それは全都で百カ所で、各区市にすれば、ほんの数カ所にすぎません。しかも、なるべく障害物のない、公園の中でも真ん中ではかったものです。
 三定議会において、福祉保健局長の答弁でも、同じ敷地内にあっても空間線量は均一ではなく、放射性物質が付着しやすい場所においては線量が高くなる可能性があると認識していると述べています。
 低線量被曝が問題だと指摘されている今日、国の遅い方針が出されるのを待っている間に事態は進んでいるんです。だから、各自治体でも、住民の健康を守るために動き出しているんです。都立公園という現場を持つ建設局として、対応策を具体化していただきたいと思います。
 十月十日に開かれた環境省の関係合同委員会では、高濃度の除染特別地域以外の対応として、追加被曝線量が年間一ミリシーベルト以下を目指すこと、また、子どもが安心して生活できる環境を取り戻すことが重要であり、学校、公園など、子どもの生活環境を優先的に除染することによって、平成二十五年八月までに六〇%の減少を目指すこととしています。そして、追加被曝線量は年間一ミリシーベルトを超えないように努力すること、その考え方として、毎時〇・二三マイクロシーベルトだとしています。
 十月二十一日に出された放射線測定に関するガイドラインでは、除染等の対象となる、周辺より比較的高い放射線量の原因となっているポイントは、雨水のたまるところ及びその出口、植物及びその根元、微粒子が付着しやすい構造物など、例示を挙げて説明しています。都立公園にはこのような条件の場所が多数あるわけですから、その実態を測定し明らかにする、また必要があれば洗浄や除染をするということが管理者としてやるべきことではないでしょうか。
 都立公園のほとんどは、指定管理者が直接管理しています。そして、清掃作業などは、その委託会社の作業員が行っている現状です。ミニホットスポットを中心に空間線量測定を行い、除染の仕方やその後の取り扱いについてなどのマニュアルを策定し、作業員の健康管理と、子どもたちが安心して遊べる都立公園の環境整備を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 国において、放射性物質汚染対処特別措置法に定める除染等の措置について検討中であります。今後、都施設での測定や除染について対応の必要性が生じた場合には、区市町村と連携して適切に対応してまいります。

○かち委員 実態というのは、はかってみなければわからないのが今の状況だと思うんです。そして、必要があれば対応するということをぜひやっていただきたいと思うんです。
 都民、子どもたちの健康にかかわる問題です。都民の不安を取り除き、安心して憩える都立公園を取り戻すために、今できることを最大限試みる姿勢こそ必要だということを強く求めておきます。
 次に、都立公園の整備についてお聞きします。
 現在まで都市計画決定されている公園の総面積は一万八百ヘクタール、そのうち供用されているものは四六%、未供用区域は五四%で五千八百ヘクタールとなっています。
 平成十八年十二月に策定された「十年後の東京」計画では三百ヘクタールの都市公園を整備するとし、そのうち百九十ヘクタールは都立公園を整備するとしていました。また、一人当たりの公園面積の目標は七平米です。
 現在までの進捗状況と、今後の見込みについてお聞きします。

○上杉公園緑地部長 都立公園の整備を積極的に推進した結果、「十年後の東京」の計画目標百九十ヘクタールに対して、平成二十三年四月一日現在、約百二十八ヘクタールを開園しているところでございます。
 東京都民一人当たりの公園面積は、人口がふえている中、五・七平方メートルでございます。今後も、緑あふれる東京を次世代へ継承していくため、都立公園の整備に積極的に取り組み、計画目標の早期達成に努めてまいります。

○かち委員 先ほどもご質疑がありましたけれども、本年九月に都市計画公園・緑地の整備方針案が示されました。その中で、今後十年間に事業化する優先整備区域に、練馬城址公園と高井戸公園を新規に挙げています。
 本案決定過程において、建設局からこの二つの公園の提案があったようですが、その理由を、特に練馬城址公園についてお聞きしたいと思います。

○上杉公園緑地部長 都市計画公園・緑地の整備方針の改定案では、緑地が持つ本来の機能の発揮はもとより、本年三月に発生した東日本大震災を踏まえまして、防災機能強化等の視点から優先整備区域としております。

○かち委員 城址公園は、現在、遊園地としまえんが営業中のところであり、今回の整備案の発表後、さまざまな声が上がっているところです。
 昭和三十二年に都市計画決定されているこの練馬城址公園の規模と現況はどのようになっているでしょうか。

○上杉公園緑地部長 都市計画練馬城址公園の計画面積は二十六・六ヘクタールでございます。そのうち、今回の優先整備区域は二十一・九ヘクタールでございます。都市計画区域は、民間遊園地と一般住宅地等を含んでおります。

○かち委員 ここは、世界で最初に、流れるプール、ナイアガラプールなどができて、大正十五年に、藤田好三郎という方が所有していた土地を、運動と園芸を東京市民に奨励するために公開したのが始まりだといわれています。
 歴史のあるとしまえんを抱える都市計画公園区域であり、全体では、今お答えがありました二十六・六ヘクタールなのですけれども、土地所有者は西武グループであり、既に民間売却しているところを除くと、公園、遊園地の部分が約二十二ヘクタールだということです。
 防災機能強化といいましたけれども、ここは広域避難場所にもなっているところであり、水と緑に囲まれた遊園地です。現在も、区部にある最大級の遊園地として営業中です。所在区の練馬区にとっても、その影響を少なからず受けることになると思います。
 練馬区が練馬区長期計画において、としまえんを発信拠点の一つとして、官民協働による協議を昨年度から開始したところだということはご存じだと思いますが、当該区との調整は、いつからどのように行ってきたのでしょうか。

○上杉公園緑地部長 都市計画公園・緑地の整備方針案は、東京都と区市町が共同で策定を進めているもので、取りまとめは都市整備局が行っております。
 都市計画練馬城址公園を建設局で事業を行うことにつきましては、都市整備局と区市町から成る「都市計画公園・緑地の整備方針」都区市町合同改定検討委員会の七月の委員会において、都事業の優先整備区域について了解を得ているところでございます。

○かち委員 本年七月に、区市町などとの合同改定委員会で了解を得たとのことですけれども、少なくとも練馬区では、本年三月末までは長期構想のもとで、ねりま未来プロジェクトを平成二十二年度から推進してきたわけですから、七月に提案されて七月に了解とは、余りに唐突で拙速なのではないでしょうか。今回の整備案には戸惑いを隠せないというのが、私が直接、区の担当者から聞いても感じたところです。
 都立公園として整備するということは、今の遊園地機能はどうなるのでしょうか。

○上杉公園緑地部長 優先整備区域は十年で事業に着手する区域であり、公園の整備計画につきましては、事業着手する段階で、都立公園として必要な施設の検討を行ってまいります。

○かち委員 制度上、都立公園の中で、このような大規模な収益事業は、なし得ないことですよね。必然的に、遊園地ではなくなることになると思います。区内、都内ばかりではなく近県からも、子どもの楽しい遊び場として、またイベント活動などでにぎわいをつくり出していたとしまえんは、近隣商店街などにとっても大きな存在だったわけです。
 遊園地機能がなくなれば、集客力も大きく減少し、現在設置されている練馬と豊島園間の西武鉄道も廃線になるのではないかと、住民、行政も心配されています。区の未来推進構想にも、周辺の商店街にも、多大な影響をもたらすことになります。
 本年九月五日、練馬区としては、たとえ未来推進構想を変更するにしても、としまえんの位置づけとにぎわいが維持向上できるよう、都に要望していくとしています。
 都立公園の整備拡充は、いうまでもなく必要な課題ではありますが、建設局としても整備方針決定過程の中で参加をしてきているのですから、当該区、関係者との調整、話し合いを、十分に図って提案すべきだったということを申し上げておきたいと思います。
 次に、歩道の整備、電線の地中化整備について伺います。
 障害を持つ方も、だれでも、安全で自由に移動できるまちづくりが徐々に進んではきています。しかし、車の往来が激しい車道でありながら、いまだに、狭い歩道で傘を差して人がすれ違うこともままならないところに電柱など障害物が立っていて、車いすなどが通れない歩道がまちの中には多々あります。
 幅員二メートル未満の歩道は都内で何キロメートルあるのか。現在までの整備状況はどうなっているのか。また、歩道の整備目標はどのようになっているのかお聞きします。

○鈴木道路保全担当部長 都道における歩道幅員二メートル未満の歩道延長は、歩道がない延長も含めまして七百三十四キロメートルでございます。
 一方、平成二十二年度末現在の歩道整備率でございますが、七九%でございます。
 また、歩道の整備目標でございますが、歩道が整備されていない都道及び歩道幅員二メートル未満の都道におきまして、歩道の整備を進めているところでございます。

○かち委員 歩道の整備目標については、なかなか目標を明確にすることは困難だというようなお話でした。歩道の拡幅とともに、狭い歩道の中に電柱が立っていて支障を来すとともに、消防自動車の緊急出動時など、災害時の安全確保のためにも、電線の地中化が各地で求められています。
 都が進める無電柱化、地中化の基準は、どのようになっているでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 都は、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出を図るため、無電柱化事業を進めております。
 現在、センター・コア・エリア内はもとより、震災対策上重要な位置づけにある緊急輸送道路や主要駅周辺の都道を対象としまして、幅員が二・五メートル以上の歩道を有する、都市計画道路として完成した都道において、無電柱化を推進しているところでございます。

○かち委員 安全で快適な歩行空間の確保という点では、センター・コア・エリア、緊急輸送道路以外でも、地中化は促進すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
 また、今年度の二百十四億円の実施予定の具体的な内訳は、どのようになっているのでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 都は、センター・コア・エリア内や緊急輸送道路以外においても、主要駅周辺の都道や、都市計画道路の新設や拡幅を行う場合などさまざまな機会をとらえて、無電柱化の推進に積極的に取り組んでおります。
 平成二十三年度は、センター・コア・エリア内を含む区部で約三十八キロメートル、多摩・島しょで約十七キロメートルの整備を行うとともに、区市町村への補助を実施しております。

○かち委員 区部では三十八キロ、多摩・島しょで十七キロということでしたけれども、事前にお聞きしたところ、区市町村への補助として三億円程度を予定するというふうにも伺っていました。
 都道以外で地中化にかかるコストというのはどのぐらいなのか。国、都、区市の負担割合はどのようになっているでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 電線共同溝方式におけます概算事業費をとりますと、国土交通省の資料によりますと、道路管理者負担分としましては一キロメートル当たり約四・〇億円、電線管理者負担分としましては一キロメートル当たり約二・三億円となってございます。
 都は、区市町村に対しまして、平成二十年度から新たな補助制度を創設し、区市町村の無電柱化に要する経費のうち、国庫補助金を除く費用の二分の一を補助してございます。この制度を活用することによりまして、区市町村による無電柱化事業の負担割合は、国が二分の一、都と区市町村が四分の一ずつとなります。

○かち委員 こういう制度のもとでやるとしても、区市の負担は、一キロメートル一億円ぐらいかかるということです。
 大田区には羽田空港につながる道路が、環八、環七以外に、多摩川沿いに、空港と第一京浜国道を結ぶバイパスの区道があります。バスも二系統走る、重要な輸送道路となっています。ここの歩道が狭く、電柱が障害となっているんです。区としてもこの無電柱化を進めたい思いはあるということですけれども、財政的な負担感も否めません。
 このように、都道ではありませんが、重要な輸送道路でもある道路の無電柱化を、区市とも協力して優先度をはかり、進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 都市防災機能の強化、安全で快適な道路空間の確保、良好な都市景観を創出するためには、重要な輸送路でございます三環状道路を初め、区部環状や多摩南北などの骨格幹線道路を整備していくとともに、既存道路の無電柱化をあわせて実施することが重要でございます。
 こうしたことを、国や区市町村と連携し、面的に実施していくことが重要でございます。このため、区市町村に対しまして、都は、設計や施工などに係る技術的支援に加えまして、平成二十年度に補助制度を創設し、財政支援を行ってまいりました。
 今後とも区市町村と連携した無電柱化事業を推進してまいります。

○かち委員 次に、道路、橋梁の、耐震性確保について伺います。
 地震の再活性化に入ったとされる日本で、マグニチュード七、震度六クラスの地震が、この間、集中的に発生しています。今回の東日本大震災は、地震の予測とそれに基づく被害想定について、改めて見直しをすることを求められています。
 実際、高速道路の倒壊は阪神・淡路大震災で、新幹線の橋脚破断は中越地震で、そして今回の原発破壊は東北地方太平洋沖地震で現実のものとなりました。
 東京都においても、本年十一月一日に開かれた東京都防災会議地震部会では、東日本大震災の実態等を踏まえた被害想定の見直しに当たり、想定の対象となる地震について、従来の首都直下の東京湾北部地震や多摩直下地震だけでなく、新たに海溝型地震の関東地震、さらに立川断層地震を加えました。新たな海溝型地震についての都の発表文では、首都直下型地震よりは発生の可能性は低いけれども、発災時には東京に大きな影響を与える可能性があることから、発生に備えて、防災対策に反映する必要があるとしています。
 まず、東日本大震災の教訓から、都は、改めて液状化予測図の見直し検討をすることを決めました。検討会は、学識経験者による専門委員をアドバイザーとして選任し、スタートしたと聞いています。
 液状化予測図の見直し検討の進捗状況と今後の段取りについて伺います。

○西倉企画担当部長 液状化予測図の見直し状況でございますが、去る九月二十八日に、地盤工学の専門家五人から成る、東京の液状化予測図見直しに関する専門アドバイザー委員会を開催いたしました。その中では、液状化した箇所の近隣で新たに実施する地質調査や、液状化の判定方法などについて意見が交わされました。
 今後、東京都土木技術支援・人材育成センターを中心に、適宜、専門家の意見を聞きながら、平成二十四年度末を目途に液状化予測図の見直しを完了させてまいります。

○かち委員 会議では、地質調査や液状化の予測方法などについて意見が交わされたとのことです。今回の被害の状況をつぶさに把握して教訓を生かすとともに、海溝型の関東地震をも想定し、反映される予測図ができることを期待したいと思います。
 さて、災害時に、住民の避難や物資の輸送、緊急消防などの生命線となる道路や橋梁を確保するための耐震補強が急がれています。都が現在行っている、道路、橋梁の耐震補強対策は、阪神・淡路大震災の被害経験から、地震に強い、道路、橋梁の整備のために、平成八年に全国一律に行われた耐震性調査の道路防災総点検を基本として実施しているものです。
 建設局の橋梁の耐震補強計画で対象にしている橋梁は幾つあるのか。今日までのその進捗状況と、目標達成の計画はどのようになっているのかお聞きします。

○鈴木道路保全担当部長 橋梁の耐震対策につきましては、阪神・淡路大震災を踏まえ、建設局管理の約千二百六十橋のうち、既に新しい構造基準でかけかえた橋梁や、長さが短く、構造的に落橋のおそれがない橋梁など、耐震補強が必要ない橋梁を除く緊急輸送道路等の橋梁を対象として、橋脚の補強や落橋防止装置の設置など、必要な耐震化に重点的に取り組んできております。
 現在、「十年後の東京」計画に基づき耐震化を進めておりまして、平成二十二年度末までに、対象の四百一橋のうち二百六十七橋、約七割の対策を完了いたしました。
 また、震災対策事業計画は、このうち平成二十年度から平成二十二年度までの三カ年の計画でございまして、この三カ年における達成目標の三十八橋完了に対し、平成二十二年度末までに三十四橋を完了いたしました。地震の影響等により、今年度に繰り越しました四橋を含め、おおむね目標を達成してございます。

○かち委員 緊急輸送道路を中心にして取り組んできたと。対象の四百一橋のうち二百六十七橋の完了で、七割だとおっしゃいましたが、正確には六六%、三分の二ですね。
 事業概要にも掲載されている、橋梁の管理に関する中長期計画、これ、二十一年度に策定されていますが、ここでは補強対象となる橋梁は五百五十八橋となっています。
 四百一橋との差は百五十七橋になっていますけれども、それはどうなっているのか。それが緊急輸送道路以外の耐震補強を要する橋梁だとすれば、その計画と進捗状況はどうなっているでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 橋梁の耐震対策につきましては、阪神・淡路大震災を踏まえ、耐震補強が必要ない橋梁を除く緊急輸送道路等の橋梁四百一橋を対象として、「十年後の東京」計画に基づき耐震化を進めておりまして、平成二十二年度末までに二百六十七橋、約七割の対策を完了いたしました。
 また、緊急輸送道路以外の百五十七橋の橋梁の耐震補強につきましては、「十年後の東京」計画に掲げる建設局管理の四百一橋の耐震補強を完了次第、引き続き、必要な耐震対策を着実に推進してまいります。

○かち委員 今のご答弁では、緊急輸送道路以外の橋梁の耐震補強についていつまでに完了させるのか、「十年後の東京」でも明確にされていません。
 平成二十七年までには四百一橋を完了するとしても、橋梁の管理に関する中長期計画によれば、平成四十年度までに、残る百五十七橋のうち、必要な百五十二橋の耐震補強を実施していくということになり、全対象橋梁の完成まで十七年も先の話になります。
 緊急輸送道路と並行して早期に完了させる計画を立て、必要な道路には着手すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 緊急輸送道路以外の百五十七橋の橋梁の耐震補強につきましては、「十年後の東京」計画に掲げる局管理の四百一橋の耐震補強を完了次第、引き続き、必要な耐震対策を着実に推進してまいります。

○かち委員 現在の都の補強基準は、阪神・淡路大震災のマグニチュード七、震度六で高速道路の倒壊が生じたことを基礎に、調査と補強を行っています。
 それをもとにして補強した新幹線の橋脚が、中越地震では液状化の影響などを受け破壊している状況からしても、今後、マグニチュード八クラスの海溝型関東地震に対応した補強対策の見直しを検討する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 都道にかかる橋梁の耐震補強に当たりましては、マグニチュード八クラスの関東大震災級の海溝型地震と阪神・淡路大震災級の直下型地震をあわせて想定する、いわゆるレベル二地震動を考慮しまして、既に対策を実施しているところでございます。

○かち委員 いわゆるレベル二地震動に対応したものだということは確認しました。
 いろいろ伺ってきましたけれども、都民の命にかかわる重要な対策です。巨大地震の発生予測が確実に高まっている中、橋梁補強対策についても、前倒しで、完了目途を早めることを含め、最大限の予防対策を講ずることが求められています。
 しかし、予算にも限りがあります。今後、人口減少時代が到来し、車の走行量も減少すると予測されている中、十六キロものトンネル高速道路で巨大な三つのジャンクションと三つのインターチェンジを有する外環と、その上にまた道路をつくる外環ノ2計画など、莫大な予算をつぎ込むのではなく、今ある道路の安全、補強のために予算配分を切りかえることを強く求めて、私の質問を終わります。

○上野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時四分休憩

   午後三時十六分開議

○上野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大津委員 近年、河川を都市における貴重な環境資源ととらえて、地域の特性に応じた、自然に配慮した川づくりが全国で進められるようになってきました。
 数年前に、環境・建設委員会では、北海道の釧路湿原の川を視察しました。その川は、緩やかに蛇行していた川を人が真っすぐに掘り、そして川の形を変えてしまった結果、防災上にも問題を起こしたということで、もとのうねっている蛇行の形状に戻していくという国家事業、これを視察してきました。長年の間に川の形はつくられ、その川の形を尊重した上での、さらにバージョンアップをした整備が必要なのではないでしょうか。
 そこで、東京都全体の河川事業における環境整備の進め方についてお伺いをします。

○飯塚河川部長 河川整備におきましては、治水機能を確保しつつ、潤いのある豊かな水辺空間を創出することも重要でございます。
 可能な箇所におきまして、水辺に近づける緩やかな傾斜の護岸を整備するとともに、生き物がすみやすい水際の創出など、多自然川づくりを進めております。また、水と緑のネットワークを形成し、水辺空間の魅力を向上させるため、河川整備にあわせまして護岸や管理用通路の緑化を推進しております。
 さらに、地下鉄構内から発生する地下水の放流や他河川からの導水、下水道高度処理水の導水による、水質改善、水量の確保などに努めております。

○大津委員 渋谷の渋谷川は、東急のれん街の下の部分は四面コンクリートですので、生物は絶滅をしております。それでは上部のコンクリート部分を除けばよいかといいますと、側面と底の三面コンクリートでも生物は復活をしません。太陽が当たるだけでも復活をしないわけです。
 例えば、川底が土、または土にかわる役割を果たすことのできる素材であれば、卵というものは自然と浮遊しているわけですから、太陽が当たり、土の役割を果たす底になると、生物は自然と復活をするという話を聞いております。
 そこで、東京都全体の、生物の生息に配慮したこれまでの川づくりについて実例を挙げてください。区部、区部東部、多摩等でお示しください。

○飯塚河川部長 これまで多摩地域の落合川では、生き物が生息しやすい浅瀬やふちをつくり、またカワセミが営巣できるブロックを設置いたしまして、営巣を確認しております。区部の神田川では、川底の段差に魚道を設けまして、アユなどの魚が遡上しやすい環境を整えております。東部低地帯の隅田川では、テラスの一部でアシなどの植物が茂り、またベンケイガニや小魚が生息できるようにもしてきております。
 引き続き、河川の整備に当たりましては、生き物の生息環境に配慮してまいります。

○大津委員 そこで渋谷川なんですが、東京の渋谷を流れている渋谷川は「春の小川」という唱歌の歌詞にもなっております。岸にはスミレやレンゲが咲き誇り、そして水中にはエビやメダカが息づいていたと思われます。東京にかつて生息をしていた多様な生き物が、バランスのとれた東京の生態系をつくっていたのでした。
 そこで、渋谷川における、環境に配慮した川づくりについての取り組みについてお伺いします。

○飯塚河川部長 渋谷川は、都市化が進んだ限られた空間の中で一時間五〇ミリの降雨に対応するため、川底をコンクリート構造とし、滑らかにすることによりまして流下能力を確保してまいりました。
 そのような中でも、護岸にツタをはわせる緑化や、恵比寿東公園沿いにおきましては、護岸の表面を溶岩を使って仕上げることにより、植物が生育しやすい環境を整えております。
 また、下水道の再生水などを活用して日常の流れを確保するとともに、公園用地を活用して階段を設けるなど、水辺に親しめる護岸を整備しております。
 今後とも、渋谷川・古川河川整備計画に基づき、地域の特性を生かした整備を進めてまいります。

○大津委員 昨年の本会議でも、渋谷川の質問をしてきております。
 護岸の表面には、生物親和性が豊かで生物が生息しやすい穴を持つ素材である溶岩を使い、また水量の確保を行い、渋谷川の環境に配慮をしていただいた工事をしてもらったところでもあります。この溶岩は三宅島の溶岩ということで、結構地元の方からもとても好評で、非常に喜んでいただけた工事でした。
 一貫して質問をしていますように、これからもさらに、川底のコンクリートを土に、あるいは土にかわる生物親和性の素材で整備をし、太陽が当たって自然体系が復活するような渋谷川になるよう要望をします。
 ツタの計画がありますけれども、「春の小川」にありましたスミレやレンゲを植え、渋谷川が「春の小川」の面影を少しでも感じられるように、これもまた要望しておきます。
 また、渋谷だけでなく、東京都全体の川でさまざまな川の工事や植栽を行うときには、ぜひ地元の方々の意見や希望も取り入れていただきたいと思います。例えばこのレンゲやスミレも、そこに住んでいる、昔からの歴史やいろんな文化を知っている住民ならばこそ、こうした植物、植栽がこの川と合う、そういったこともわかってくると思いますので、ぜひ地元の声も、東京全体の地区におきまして、協議会等を中心に、また協議会に入っていないメンバーからも広くヒアリングして実現をしていっていただきたいと思います。
 その渋谷川の近くで、最近、渋谷の中ではミツバチが大分ふえてきました。
 世界的には、ミツバチについては近年世界各地から、大量死、大量失踪が報告をされています。ミツバチが消失をしますと--花粉の雄しべと雌しべ、その受粉をする動植物がふえれば、人の食生活にも多大な影響を与えると思います。人間の食べる生活の食べ物は、約三割は野菜、果物、木の実などに頼っているといわれています。
 最近そのミツバチが減った理由としましては、世界的には、農薬や殺虫剤の使用、また産業化により減少傾向にあるという結果が出ていますけれども、本当のところの理由はまだ解明をされていません。
 そういう中において東京のミツバチは結構育ってきておりますけれども、そこでお伺いしたいのは、都会の緑として重要な道路の街路樹ですが、この街路樹には、害虫退治といたしまして、殺虫剤といいますか、薬剤を散布しているのか、していないのか。最小限に抑えているのか。どんな薬剤散布をしているのか教えてください。

○上杉公園緑地部長 都道の街路樹などの害虫防除対策としては、アメリカシロヒトリなどの防除を行っており、発生時期に合わせて毎年定期的に巡回点検を実施し、幼虫が群れをなしているうちに枝ごと剪定することによって駆除しております。
 幼虫が拡散してしまった場合には、局所的に、交通車両や歩行者利用が少ない夜間、薬剤散布を実施しており、薬剤散布に当たりましては、地元住民の方々や商店などに事前告知を行い、周知徹底を図っております。
 今後も、害虫の早期発見、駆除に努めてまいります。

○大津委員 最小限に抑えて、薬剤散布についてはほとんど散布をしていないということがわかりました。アメリカシロヒトリなども、小さいときから木ごと剪定をしているということで、都内の緑は意外と薬剤でないので、頑張れば、動植物が生存していく可能性を感じることができました。
 そういう中で、実は、渋谷の中でミツバチプロジェクトが二つ起きました。
 一つは、ことし三月、渋谷駅のすぐ前のセルリアンホテルに向かう桜丘の桜並木のところのビルの屋上で始まりました。ことしの三月から飼育を始め、十二万匹のミツバチの飼育に成功し、百キロのハチみつがとれたという成果がありました。
 また、原宿のコロンバンでは、企業の取り組みとして、昨年五月から、二十から三十万匹のミツバチの飼育に成功しまして、二百七十キロのハチみつがとれました。
 このミツバチというのは受粉媒介動物でありますが、半径三キロの範囲にあるところからみつを集めてきます。幸いどちらも、都立代々木公園そして明治神宮から、道路の桜並木、春はツツジ、またアジサイ等、都会の非常にセンスのよいいろんな花々のみつを集めてきまして、春の桜の時期のハチみつというのは非常にスイートで、香りの高い絶品の味をほうふつとさせておりました。
 そうした取り組みが行われているところですけれども、首都東京の持続可能な生物多様性について考えたときに、もしかしたらこれらのミツバチ等花粉媒介動物が生息していける自然環境づくりが、この決め手になるのではないかと思っています。
 動物や植物の生命を次の世代に引き継いでいくための取り組みとして、緑化ももちろんのことではありますが、花や実をつける街路樹や公園、それらをふやすことも効果的であり、花や緑がふえると小鳥や昆虫の生きる糧ともなり、地域の生態系がより一層豊かになっていくのではないでしょうか。
 そこで伺いますが、そうしたミツバチのみつ源にもなります街路樹や公園、さまざまな人のお宅の花壇などありますが、街路樹で特定をしますと、花の咲く街路樹というのはどの程度あるのかを具体的にお伺いします。

○上杉公園緑地部長 道路の緑は、都民が季節の移り変わりを感じる身近な自然であり、歩行者が一年を通して楽しく散策できる道づくりは、魅力的な都市の実現につながっております。
 平成二十二年度の実績でございますが、高木では、ハナミズキ、桜類など、植栽合計約一千本の約三割が花の咲く木でございます。中木では、西洋シャクナゲ、キンモクセイなど、合計約二万六千本の約八割、また、オオムラサキツツジなど低木類などを含めますと、合計規模約十七万五千本の約八割を花の咲く樹木が占めております。
 街路樹の質を高め、まちを華やかにするためにも、花の咲く街路樹は重要と考えております。

○大津委員 昨年度の花の咲く木の比率ですけれども、思ったよりかは多かったことに、非常に--花がふえるその樹木を植栽されることは大変よいことだと感じています。
 百万本の街路樹計画を立てる以前の、平成十八年度の都道における花が咲く街路樹についての数字をいただきましたところ、イチョウ、ケヤキなど高木管理本数約十六万本のうち、花が咲く高い木は、桜、ハナミズキなど約三万八千本で、全体の約二三・七%となっておりました。その当時は、まだ中木と低木についてのデータはなかったということです。よって、高木で比較をすれば、百万本計画を始めたことにより、二三・七%から三割に上がったということがわかりました。
 そこでお伺いをしたいのですが、この都市の東京生活というのは、庭や緑のない居住空間に住み、オフィスで働き、そして電車通勤する人たちが大半でありまして、圧倒的に、自然や緑や土との触れ合いが減ってしまいました。春夏秋冬を通じて感じられる唯一の自然が、公共道路、通勤途上だけという、悲しい都市の実態に変化をしてきてしまっております。
 そういう中でお伺いしたいのですが、今後の街路樹の植栽計画の内容について具体的に教えてください。

○上杉公園緑地部長 街路樹の役割は、都市の美観を形成する景観向上や夏の緑陰確保、排気ガス、騒音を和らげる生活環境保全機能、道路の快適性や安全性を高める機能、また、都市の自然をより豊かにする自然環境保全機能のほか、災害時の火災などから住民を守る機能がございます。
 都はこれまでも、花や紅葉を鑑賞できる街路樹を植えてまいりました。花の咲く樹木は、桜など、春に咲く花が中心でございましたが、街路樹倍増計画を契機に、他の季節にも花などが楽しめる樹木を植栽しております。
 今後も、地域住民の意見を聞きながら、春のトキワマンサク、夏のクチナシ、秋のキンモクセイ、冬のロウバイなど、四季折々に花が楽しめる植栽を実施し、美しく魅力ある都市の緑の実現に努めてまいります。

○大津委員 都市の悩みというのは世界共通だと思います。
 例えば、東京も頑張ってやっておりますけれども、ニューヨーク市役所にも話を伺ってみました。ニューヨークでは、二〇〇七年からスタートして、二〇三〇年を目標にした約二十年後のニューヨーク、東京の「十年後の東京」と同じような計画書をつくっておりました。その中でもニューヨークの緑の植樹というのも切実で、同じく百万本を目指しているという話だそうです。そしてつい先日、半分であります五十万本を達成したということを、ニューヨーク市に問い合わせましたところ、そう答えておられました。東京も同じように緑が少ない。これは、都市、全国の宿命かと思っています。
 川や道路を建設していくときに、やはり人間や動植物もともに生存していける持続可能な都市を、ビルトイン、建設をしていくと。そういう意味では、建設局の使命というのは大きいと思います。東京の生物多様性を見据えた、緑あふれる東京を次世代へ持続可能にする施策を実行するためには、いずれも都民、企業との連携をと。ミツバチプロジェクトも、そうした本当に都民の自主的な、自然破壊を食いとめて持続可能のバランスを整えたいという強い思いから始まっております。そして、企業との連携、また学校の緑などの幅広いネットワーク、そして民間企業、区市町村との連携も非常に必要であります。そういう中で、本当に絶好のチャンスの時期になっているのが、ことし、来年だと思います。
 一つ目は、来年ブラジルのリオデジャネイロで、地球サミットが二十年ぶりにまた開かれます。リオプラス20、二〇一二年、来年の六月に、国連持続可能な開発会議が開かれます。これらは気候変動枠組条約や生物多様性条約なども署名された、一九九二年に行われたあの地球サミットです。
 時を同じくして、日本国内では、来年、全国都市緑化フェアが東京で開催をされます。こうした機運を盛り上げていくのには絶好のチャンスの時期でもあると考えます。いわゆる緑の建設ムーブメントを展開していく、これに大いに期待をしたいところであります。
 道路や河川などの整備、建設を進める上で、自然、とりわけ緑、人と生物にとって重要な自然のビルトインは、重要な施策であると考えます。今後の展開について、村尾都技監から抱負を伺いたいと思います。

○村尾東京都技監 緑の導入につきましては、都市生活にゆとりと潤いを与えるとともに、防災性の向上に寄与する極めて重要な要素だというふうに考えております。
 建設局ではこれまでも、都市公園の整備、それから道路における街路樹の充実、河川における緑化を推進してまいりました。道路では、マイ・ツリー事業など緑豊かな道路づくりを、河川では、水辺を快適に散策できるような緑化を推進しているところでございます。
 先ほど委員からご紹介がありましたように、平成二十四年、来年には、全国都市緑化フェアTOKYOの開催を予定しております。いわば緑の国体だというふうに我々は考えておりまして、例えば街路樹百万本事業や、都立公園などの緑の拠点を結ぶグリーンロードネットワークの形成など、まさに東京の都市緑化施策を全国に発信していくものだというふうに考えております。
 このフェアには、例えば昭和記念公園、それから国道の街路樹の植栽、こうした国との連携と、都の中の区市町村などとの関係機関との連携が極めて重要だと考えておりますし、また民間とも連携しながら、緑あふれる環境都市東京を次世代に継承する取り組みを展開してまいりたいと思っております。よろしくお願いします。

○山田委員 それでは、建設局の事務事業について質疑をさせていただきます。また、資料を要求いたしましたところ、ご提出いただきましてありがとうございました。
 それではまず初めに、道路の整備事業についてお伺いいたしたいと思います。
 首都東京は、日本経済の牽引役でもあるとともに、世界経済の中枢を担っております。しかしながら東京の道路を見ますと、都民生活や都市活動を支える最も基礎的な社会基盤として重要な役割を担っているにもかかわらず、そのせいで、いまだ不十分であると思います。慢性的な交通渋滞とか交通事故の多発、あるいは鉄道による交通の遮断、沿道環境問題など、緊急かつ重大な課題が山積をしております。
 また、今般の東日本大震災では、迅速な復旧、復興に資する道路のネットワークの重要性が再認識をされましたけれども、首都直下地震が懸念される東京においては、三環状道路などの道路ネットワークの整備はいまだ不十分であります。
 このような状況を打開して、東京の最大の弱点ともいわれております交通渋滞を解消し、国際競争力の強化、あるいは地域活力の向上、そして地域環境の保全を図るためにも、また、災害時、緊急活動や緊急物資の輸送を支える首都の中枢機能を守るためにも、首都圏の三環状道路を初めといたします幹線道路ネットワークの形成あるいは連続立体交差事業などを、重点的に推進する必要があると考えております。
 あわせて、沿道のまちづくりと一体となった道路整備、緑豊かで幅の広い歩道の整備、あるいは無電柱化などを推進することが必要不可欠であると私は考えております。
 それではまず初めに、私の地元の西東京市の都市基盤の整備として、道路事業整備についてお伺いをいたします。
 西東京市における都市計画道路の整備率は三割程度ということでありまして、東京都全体の六割と比較いたしましても大変低い水準でございます。このため、私はこれまでも、西東京市の道路整備の必要性を訴え、整備促進を要請してまいりましたけれども、そこで改めて、西東京市内の都市計画道路の整備について何点かお尋ねをさせていただきます。
 まず、西東京三・四・九号線についてお伺いをいたします。
 西東京三・四・九号線は、隣接をいたしております東久留米市及び東村山市の東村山三・四・一一号線を経て埼玉に至る、北多摩地域の道路ネットワークを形成する上で大変重要な路線であります。
 そこでまず、西東京三・四・九号線に接続いたしております東村山三・四・一一号線の、東久留米市及び東村山市内における整備状況についてお尋ねをいたします。

○吉原道路建設部長 東村山三・四・一一号線は、西東京市境の東久留米市南町一丁目から埼玉県境の東村山市秋津町三丁目に至る、延長約六・二キロメートル、幅員十六メートルの地域幹線道路でございます。
 このうち東久留米市内につきましては、延長約三・七キロメートルのうち、西側の約二・七キロメートルが完成しておりまして、東側の約一キロメートルの区間が事業中でございます。
 東村山市内につきましては、延長約二・五キロメートルのうち約〇・三キロメートルが完成しており、東久留米市境に近い約〇・五キロメートルの区間が事業中でございます。

○山田委員 今ご答弁がありましたけれども、東村山三・四・一一号線は、特に西東京市に隣接をする東久留米市内でかなり整備が進んでおります。大変交通量の多い、所沢街道のバイパスということで位置づけられておりますけれども、この道路ネットワークの効果を高めるためにも、西東京三・四・九号線の整備を早期に進める必要があると考えます。
 西東京三・四・九号線は、西東京市の中央部を東西に貫いておりまして、東大農場内を東西に通過する路線であり、今回、東大農場の再編整備に伴い、地域のまちづくり地区計画を進めるためにも大変重要な路線であると思っております。
 そこで、東大農場付近におけます西東京三・四・九号線の、これまでの取り組み状況と整備効果についてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長 西東京三・四・九号線は、西東京市中町から東久留米市境の西原町に至る延長三・四キロメートルの地域幹線道路であり、西東京市中心部を東西方向に結ぶとともに、東村山三・四・一一号線を経由して所沢方面につながる重要な路線でございます。
 このうち、東大農場付近におけます西東京三・四・二〇号線の交差点部から東久留米市境までの千三百八十メートルの区間につきましては、平成二十年度に事業説明会を開催し、その後、測量作業を行い、本年九月に事業認可を取得いたしました。
 本区間の整備によりまして、新青梅街道の北原交差点などの渋滞緩和に寄与するとともに、広域避難場所である東大農場へのアクセス性が高まり、地域の防災性が向上いたします。

○山田委員 東大農場の整備計画が明らかになりまして、事業認可取得に至ったことは大変喜ばしいことだと思います。
 私もこの北原交差点をよく利用いたしますけれども、渋滞がひどいところでありますし、また、交差点を通過するのに大変苦労することが数多くございます。このように、渋滞を解消するばかりでなく、防災面でも設備効果が高いということであります。今回の東日本大震災を受けて、本区間の早期の整備の必要性が大変高まっていると思います。
 そこで、用地取得を初めとした、今後の進め方についてお伺いをいたします。

○四方用地部長 西東京三・四・九号線の用地取得については、本年十月二十六日に用地説明会を開催し、関係権利者約八十名のうち約六十名の方に出席いただいております。説明会終了後は、さらに希望される方に対しまして、補償内容等について個別の説明を実施しております。
 東大農場については、全体取得予定の約四〇%に当たる約七千平方メートルを取得する予定であり、農場の整備計画を踏まえて、早期の取得に努めてまいります。事業区間には個人所有の農地も点在しており、全体の約二〇%に当たる約四千二百平方メートルを取得する予定でございますが、特に納税猶予農地につきましては、地元市などの協力を得て代替農地の情報提供をするなど、早期取得に取り組んでまいります。
 また、都営住宅のあっせんや移転資金の貸し付けなど、生活者の視点に立ったきめ細かな生活再建支援を行い、用地取得を進めてまいります。
 今後、必要な調査や関係機関との協議等を実施し、道路の一日も早い開通を目指して事業を推進してまいります。

○山田委員 西東京三・四・九号線の沿道では、緑を維持してほしい、そしてまた、そのまちづくりを進める必要がある、そういう要望がございますので、ぜひ地元住民の意見をしっかりお聞きしていただきながら、地元市と十分連携し、道路整備を推進することを要望しておきたいと思います。
 次に、現在工事が進められております都市計画道路調布保谷線、南北道路の調布保谷線についてお伺いをいたします。
 調布保谷線は、多摩地域を南北に貫き、西東京区間について効率的な道路ネットワークを形成し、交通の円滑化を図る上で極めて重要な道路であります。平成二十年度に調布区間約二キロメートルが開通するなど、着実に整備が進んでおると聞いております。私の地元であります西東京区間におきましても、引き続き整備が進められておりますけれども、地元住民は本路線の早期完成に、大変大きな期待を寄せております。
 そこで、この調布保谷線の西東京区間の整備状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長 調布保谷線は、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性向上や都市間連携の強化を図る上でも重要な骨格幹線道路でございます。
 西東京区間では、青梅街道から埼玉県境までの三・九キロメートルが事業中であり、本年十月末現在で約九六%の用地を取得しております。二つの鉄道交差部のうち、西武新宿線との立体交差部につきましては本年五月にトンネル工事等が完了いたしまして、西武池袋線との立体交差部につきましては現在トンネル工事を進めております。
 今年度より、西武新宿線との交差部を含む、青梅街道から西東京三・四・一一号線までの約二キロメートル区間の街路築造工事に着手し、平成二十四年度末に四車線交通開放する予定でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、平成二十六年度末の全線開通を目指し、積極的に整備を推進してまいります。

○山田委員 今ご説明で、調布保谷線では着実に工事が行われているということがよくわかりました。
 当初、平成二十四年度末までに、都道二三三号線の保谷庁舎までの開通予定といってありましたのが、ご答弁で、その先の西東京三・四・一一号線まで交通開放するとのことであります。
 西東京三・四・一一号線は調布保谷線につながる東西道路であり、周辺地域の道路ネットワークを形成する、重要な、必要な道路だと考えております。また、保谷駅周辺の再開発事業が進んでおりまして、南北の骨格幹線道路だけではなく、これにつながる東西の道路整備にも期待が高まっているところであります。
 そこで、新みちづくり・まちづくりパートナー事業で実施をしております、西東京三・四・一一号線の整備状況についてお伺いいたします。

○野崎道路計画担当部長 西東京三・四・一一号線は、西東京市の中央部を東西方向に走る地域幹線道路でありまして、調布保谷線から西東京三・四・一六号線までの約七百十メートル区間において、西東京市が新みちづくり・まちづくりパートナー事業で整備を進めております。
 本事業は、地域のまちづくりに密接に関連し、地元市から整備要望の強い都道を、市と連携、協力して整備するものでございまして、都が用地補償に係る費用を、地元市が設計及び工事に係る費用を負担するものでございます。
 現在、約九七%の用地を取得いたしまして、全区間で街路築造工事や電線共同溝工事などを行っており、平成二十四年度末の交通開放を目指し整備を進めております。本路線の完成によりまして、安全で快適な歩行空間が確保されるとともに、周辺にある公共施設等へのアクセス向上、地域交通の円滑化が図られます。
 引き続き、整備主体であります西東京市と連携を図り、西東京三・四・一一号線の完成に向け、取り組んでまいります。

○山田委員 今ご答弁いただきました西東京三・四・九号線、調布保谷線の西東京区間、また西東京三・四・一一号線は、いずれも西東京市内のまちづくりには欠かせない道路であることはもちろんでありますし、地域の防災性を高める重要な道路でもあります。いずれの道路も、積極的に整備を推進するという答弁をいただきましたけれども、ぜひ早期の完成に向けて引き続きご努力することをお願いいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、交通安全施設、道路照明についてお伺いをいたします。
 道路照明は、夜間におきます交通安全を確保するための重要な施設でありますが、一方で震災後は、東京都として電力危機を回避するためにあらゆる節電対策が実施されたわけであります。建設局管内でも、緊急対策として街路灯を一部消灯することが実施をされました。
 街路灯の節電については、要求をいたしました資料によりますと、都内で十四万二千五百灯あるうち、二万四千灯、約一七%の消灯を実施したとのことでございまして、建設局が目標に掲げました使用最大電力の一五%以上削減という目標も、おおむね達成できたものと考えるものであります。
 私は、この節電対策としての消灯は理解をするものでありますけれども、都民の中には、交通安全を確保する目的として事故防止のために街路灯がある、それを消灯するということに対する意見、あるいは点灯してほしいという声もあったと聞いております。
 節電対策については、今後の電力需要等も踏まえて継続をしていく必要があると考えるわけであります。そのためにも、まず街路灯の省エネ照明への転換が、私は必要であると思います。節電をすると同時に照明を確保するという意味では、省エネ照明への転換をすることで両方の目的にかなうということになるかと思います。
 そこで、街路灯の省エネ照明転換の具体的な内容と、その効果についてお伺いをいたします。

○鈴木道路保全担当部長 街路灯の省エネ照明転換につきましては、「十年後の東京」計画の目標の一つであります「世界で最も環境負荷の少ない都市を実現する」に位置づけ、都有施設等での率先対策としまして、平成二十年度から、既設街路灯の水銀ランプ部分を、照度が同じで消費電力量の少ないセラミックメタルハライドランプなどに交換することにより、省エネ照明に順次転換しております。省エネ照明に転換することによりまして、既存の水銀ランプと比較しまして、消費電力、CO2ともに約四割削減されることになります。

○山田委員 省エネ照明への転換によって、消費電力の削減のみならず、温室効果ガスの削減についても大きく寄与すると。約四割削減されるということのご説明がございました。ぜひ、既存の水銀ランプからセラミックメタルハライドランプに、早急に交換をしていただくということを私は望むものであります。
 続いて、省エネ照明転換の実施状況について、資料を要求いたしましたけれども、改めて現在の実施状況についてお伺いをいたします。

○鈴木道路保全担当部長 街路灯の省エネ照明転換につきましては、既に省エネ化している街路灯などを除いた七万三千六百灯すべてを、平成二十年度から平成二十七年度までの八カ年で転換する計画でございます。
 現在の実施状況としましては、平成二十年度から平成二十二年度までの三カ年で、計画数量二万七千六百灯に対し、約四万灯を転換いたしました。

○山田委員 現在の実施状況につきましては、既定計画を大きく超える成果を上げているということで、これは各地の建設事務所がしっかりと業務に取り組まれたことによるものと思われます。
 しかし、これまでの転換ペースの実績から見ますと、計画よりももっと早く事業が完了することも可能かと思います。今後の計画として、「十年後の東京」への実行プログラムが示されているところではありますけれども、これは震災前の計画でありますし、今後の電力状況等を踏まえ、可能な限り前倒しをして実施すべきであると思いますが、ご見解を伺います。

○鈴木道路保全担当部長 電力需給の見通しは中長期的に不透明でございまして、街路灯の省エネ照明転換は、節電対策としても重要な施策であると認識してございます。
 街路灯の省エネ照明転換の早期完了に向けまして、平成二十七年度完了となっている現在の事業計画を見直すなど、全力で取り組んでまいります。

○山田委員 平成二十四年度予算の要求内容を聞く限りにおいては、建設局の積極的な姿勢がうかがえるわけでありまして、事業の前倒しを希望する私の思いと、先ほど願いを申し上げましたけれども、一致するところであると思っております。
 節電対策は、都においても喫緊の課題でもありますので、引き続き現在の姿勢を堅持して、一日も早く事業を完了させることをお願いいたしたいと思います。今後の道路照明技術の進展を注視するなどして、引き続き街路灯のさらなる省エネ化に努めていただくことをお願いして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、都市公園の整備についてお伺いをいたしたいと思います。
 都市公園は、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供し、都市に季節感などの潤いや風格を与えるだけでなく、地球温暖化対策やヒートアイランド現象の緩和や、生物の生息地の保全などによる安心・安全な都民生活の実現などに重要な役割を果たしておりまして、成熟都市東京にとって必要不可欠な存在であると思います。
 平成二十三年四月現在、東京都全域で都市計画決定されております公園緑地約一万七百五十ヘクタールのうち、供用開始をされているものは四六%にすぎません。約五四%に当たる五千八百ヘクタールがいまだ公園としての整備がなされておりません。
 私の地元の西東京市は、多摩地域の中でも一人当たり一・七八平米と公園面積が少ない地域でありまして、公園の確保は重要な課題であるととらえております。
 そして、かねてより早期実現を要望いたしております都立東伏見公園については、平成二十七年度までに優先的に事業に着手をするという優先整備区域を示したものが現在の整備方針でございますけれども、新たな改定案につきまして、パブリックコメントが行われたと聞いております。
 そこで、現在の東伏見公園の事業の進捗状況についてお伺いをいたします。

○上杉公園緑地部長 現在の優先整備区域のうち、西東京市で開園しております千駄山広場の区域を除き、すべてについて事業認可を取得している状況でございます。事業認可につきましては、約九割に当たる約三・五ヘクタールの用地を確保しております。
 今後の開園に向けた準備としては、今年度、調布保谷線の北側トンネル区域上部につきまして、芝生広場の造成、植栽など約六千平方メートルの整備を予定しており、引き続き公園整備を積極的に推進してまいります。

○山田委員 東伏見公園におきます新たな優先整備区域指定の考え方と今後の整備の進め方について、改めてお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 東伏見公園の整備は、計画地の南北を貫く調布保谷線、南側を流れる石神井川の整備と相互に連携させ、道路、公園、河川事業の相乗効果を高めることで、水と緑にあふれる魅力的な都市空間を目指しております。
 現在の進捗状況を踏まえまして、都市計画公園・緑地の整備方針の改定案では、水と緑のネットワークの拠点としての重要性並びに防災機能の向上の観点から、優先整備区域の設定を行っております。
 今後の事業の進め方ですが、調布保谷線周辺につきましては、引き続き道路事業との連携を図りながら進めてまいります。また、新たな優先整備区域とする予定の区域につきましては、石神井川の河川事業との調整を図りながら事業を進めていく予定でございます。

○山田委員 今この事業を進めております東伏見地域は、調布保谷線、そして今ご説明いただいております東伏見公園、そしてまた石神井川の河川整備、まさに水と緑のネットワークの拠点として大変重要な地域であると私は思っております。河川、道路、公園の調整を図りながら、各局の各部が連携をいたしまして調整を図り、この事業を進めていただきたいと願っております。
 次に、中小河川の整備についてお伺いをいたします。
 今現在、タイでは洪水被害が深刻な状況になっておりまして、河川の規模や地形的な特徴などから同様な扱いはできないかもしれませんけれども、東京におきましても一たび水害が発生すれば、都民の生活や経済活動に与える影響は大きいものと思いますし、精神的な苦痛ははかり知れないものがございます。
 都では、現在、水害から都民の命と暮らしを守るため、全力を挙げて河川整備を進めているところだと思います。先日、私も、先ほど松葉委員からお話がありましたけれども、神田川の環状七号線の地下調整池に、地元市民の皆さんと現地を視察させていただきました。担当者の皆さんから大変ご丁寧にご説明いただきまして、この施設が、洪水、水害に大変大きな効果があったということを、私は改めて認識したところでもございます。
 そこで、まず都内の中小河川の整備状況についてお伺いをいたします。

○飯塚河川部長 東京の中小河川におきましては、一時間に五〇ミリの降雨に対応するため、護岸や調節池などの整備を進めております。平成二十二年度末現在の護岸整備率は六四%、これに調節池などの効果を加えた治水安全度達成率は七六%でございます。
 都では、五〇ミリ対策の促進を図るため、護岸の整備に加え、白子川調節池や古川調節池のように、用地の取得を要しない道路や河川の空間を利用するなど、さまざまな工夫を行い、整備を推進しております。

○山田委員 平成二十二年度末現在の護岸整備率は六四%、そして、調節池の効果を加えた治水安全度の達成率は七六%ということであります。
 このようなさまざまな工夫をしながら、五〇ミリ対応の河川整備を進めているということでございますけれども、私の地元であります西東京市を流れる石神井川においても、鋭意、河川整備が進められております。
 今ご説明がありましたけれども、この石神井川の治水安全度達成率というのはどのくらいなのか。そしてまた、現在の石神井川の整備の進捗状況についてご説明いただければと思います。

○飯塚河川部長 石神井川の平成二十二年度末現在の治水安全度達成率は八七%でございます。現在、練馬区内の愛宕橋上下流や西東京市内の弥生橋上流で、護岸整備を実施しております。
 また、緊急豪雨対策として、流域の異なる白子川と石神井川の洪水を白子川調節池で取水することにより、それぞれの流域で発生した局地的な集中豪雨に対しまして相互に活用できるようにいたしました。現在は、石神井川の取水構造等の検討を進めております。

○山田委員 先ほどちょっと申し上げましたけれども、地下調節池というんでしょうか、私も拝見をして、大変効果が高いものだということを思っておりますし、白子川の地下調節池の事業についても、今、取水構造等の検討中ということであります。ぜひ、豪雨対策としても大変大事な事業でございますので、この事業を積極的に進めていただきたいと思います。
 河川整備におきましては、命と暮らしを守るという観点から治水対策が最も重要でありますけれども、周辺の環境にふさわしい河川整備を行うことも大変大事なことだと思います。
 西東京市の東伏見地区を流れております石神井川周辺は貴重な緑が多く残る地域でもありますし、遺跡が出るというところでもあります。そこで、東伏見地区におけます石神井川の整備についてお伺いをいたしたいと思います。

○飯塚河川部長 東伏見地区を流れる石神井川につきましては、練馬区境の溜渕橋から調布保谷線までの延長約八百四十メートルの区間が事業中でございます。当地区では、整備にあわせまして、水辺に近づける親水護岸や、散策を楽しめる遊歩道などの整備を進めております。
 また、調布保谷線から上流の青梅街道までは、石神井川が、東伏見公園の新たに優先整備区域として予定している箇所を流れることから、親水広場や公園とつながる散策路など、河川と公園が一体となるよう調整を図り、事業を進めてまいります。
 今後とも、道路や公園の事業とも連携し、歩道と園路と川沿いの散策路がつながる、水と緑のネットワークの形成を図るなど、安全で都民に親しまれる石神井川の整備に努めてまいります。

○山田委員 引き続き、都民に安全と安心を与えるとともに憩いの場となるような河川整備を、積極的に進めていっていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、この東伏見地区は、河川、公園、道路という三つの事業が、今、一緒に連携をとりながら進められておりますので、この連携をとりながら、一日も早い整備を進めていただけますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

○石毛委員 私は、東日本大震災における瑞江葬儀所の火葬協力についてお伺いいたします。
 ことし三月十一日に発生いたしました東日本大震災では、非常に多くの方が犠牲になり、遺体となって発見されました。被災地、特に宮城県では火葬場も被災し、また電気や燃料なども途絶えたため、ご遺体の火葬に苦慮していました。山形や秋田などの火葬場が火葬の協力を申し出ましたけれども、火葬をあきらめ、土葬による仮埋葬に踏み切った自治体も多く出てまいりました。
 そうした中、東京都の瑞江葬儀所は、都内の火葬場で真っ先に受け入れを申し出て、火葬協力を開始いたしました。瑞江葬儀所に続いて、その後、民間の火葬場や臨海斎場でも火葬協力が実施され、五月末までには八百六十体の火葬協力が実施されたところであります。
 私は宮城県名取市などに行きまして、幾つかの被災地に急行し、被災地、またご遺体の状況をつぶさに拝見したところであります。名取市の市役所の、たしか四階でしたか、ご担当者、木村さんという方なんですけれども、この方は、実家がお坊さんというかお寺でございまして、大変早く対応したということで、大変この方の意見が強かったというふうに思うわけであります。
 さて、私、ここへ行ったとき、四月の十一日だったんですけれども、ちょうど四時ごろでしょうか、でかい地震が、五・幾つかな、ちょうど一カ月後ですね、来まして、そのとき本やいろんなものが落っこちてきても、課長はどっしりして、「大丈夫」と。大丈夫っていったって、こんなに揺れてるのに、「大丈夫、大丈夫」。さすがになれてるんだななんて思いまして、改めて、死ぬときは死ぬんだよなんてわけのわからない感じでいわれたんですが、ともかく、課長さん、木村さんというんですけれどね。
 当初、被災地で必要なものとして、口紅とファウンデーションを提供してほしいという話がありました。私は何だろうなと思っていたんですが、既に廃業した空港ボウル(資料を示す)こちらですね、名取市ご遺体安置所というふうに書かれていますが、上の方に空港ボウルというふうに見えると思いますけれど、ここが名取の安置所になっておりました。
 多くのひつぎがおさめられていて、ご遺体と対面をいたしました。そのときわかったのが、少々生々しい話で申しわけございませんが、水を吸っていてぱんぱんに張ったようなご遺体、顔がぱんぱんでした。それから、真っ黒ですね、灰のような。時間がたってますので。また、損傷が激しく、正視できないようないろんな顔がそれぞれあったわけですが、ご遺体をひつぎに入れる方々が、ご遺族との再会をするときにせめて少しでもきれいにしてあげたいという思いで、口紅とファウンデーションを死に化粧として、していただいたと。遺族へのいたわりの気持ちを非常に感じたわけであります。
 ことしは、東日本大震災も寒さが残る気候でありました。しかし、天災は季節を選びません。あの悲惨な状況下にあって、暑いときだったらと、ぞっとした次第であります。最悪の場合でも、死者の尊厳を保たれるように準備をしておかなければならないのではないでしょうか。
 さて、瑞江葬儀所は、受け入れを真っ先に実施していただいただけに、被災地との連絡や受け入れ準備など、ご苦労も多かったのではないかと思います。また、発災直後の準備開始から五月末まで、すべて初体験のことであり、その上、混乱の中であっても間違いが許されないという緊張状態が続き、特に受け入れを開始した四月一日から五月の連休まで、瑞江葬儀所の職員の皆さんはほとんど休暇をとらず、心身ともに大変だったというふうに思います。
 瑞江葬儀所の取り組みは、私も行っていたときに、多くのメディアが来ておりましたけれども、海外でも多くのメディアで取り上げられ、その評価と発信は絶大であったと思います。東京において、とても貴重な体験であったと考えます。
 そこで、瑞江葬儀所の火葬協力についてお伺いいたします。
 瑞江葬儀所は、震災犠牲者の火葬協力をいち早く申し出て、都内の火葬場では最初に受け入れを開始しました。今回の瑞江葬儀所の申し出は、被災地にとってさぞ助けになったと思います。
 さて、瑞江葬儀所は被災地に対して、受け入れの用意があることをどのように発信したのかお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 三月十一日の発災後、すぐに被災県と連絡をとりまして、受け入れのための準備を開始いたしました。準備が整った三月二十五日には、被災三県に向けて通知文書を発信いたしました。また同時に、報道発表をしたほか、都の現地事務所であります被災地支援宮城県事務所を通じまして周知をいたしました。
 なお、この通知では、受け入れ可能数や受け入れ期間、各自治体からの申し込み方法、遺骨の引き取り方法などを伝えました。

○石毛委員 わかりました。瑞江葬儀所は、東京の他の葬儀所より料金が抑えられております。例えば瑞江では、七歳以上、都民だといたしますと三万六千四百円。一方、民間では最低でも五万九千円、高いところでは十七万七千円。そうしたところから、瑞江葬儀所は、日ごろ一〇〇%近い稼働率であります。犠牲者を受け入れる調整には気を使われたと思います。受け入れとなれば、ソフト、ハード両面において、どんな状況であっても、ご遺体は手厚く、間違いなく扱わなければなりません。
 初めての体験となった、被災地から犠牲者のご遺体を受けるに当たって、具体的な手順を決めるのにも苦労があったのではないかと思います。どのような準備を行ったのかお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所としまして、身元不明のご遺体をまとめて受け入れ、一人でも多くの方をだびに付すことを考え、ご遺体の一時安置所を急遽設置し、被災地との連絡方法や瑞江葬儀所での態勢を決めました。
 手順としまして、ご遺体到着後の書類確認、炉におさめるまで書類と花を添えたひつぎを一緒に搬送すること、火葬後の収骨と識別の仕方、東北の故郷に帰るまでのご遺体の安置方法などを具体的に決めました。
 また、地元区や自治会など関係者に周知の上、一般の火葬は一時中止し、被災者の心情に配慮して、瑞江葬儀所内には関係者以外立入禁止とし、正門には献花台を、遺族の控室としたロビーには、犠牲者を悼み祭壇を設けました。

○石毛委員 今、部長がお答えになった正面の献花台、こちらの方にマスコミが連日来ておりまして、国も、アメリカやらイギリスやら、本当にいろんなところから来ておりました。また、部長がお話しになった家族のためのお花、献花ですね(資料を示す)こうなっております。大変丁寧だったなというふうには思うわけであります。
 さて、トラックで搬送されたおひつぎを運ぶ場合、普通、大体、よく右左三人ずつの六人とか、四人ずつとか、偶数が当然多いんですが、ともかく結構重いひつぎもあるわけですね。今回は瑞江葬儀所では、少人数でかなりな量をおろしたと聞いています。人手の手配も大変だったというふうに思うわけです。
 また、瑞江葬儀所の道を挟んで反対側にお寺がございまして、こちらは、献花やお祈りに来られる方に、おトイレや駐車、なども提供しておりました。地域一体となって受け入れに協力を惜しまなかったことがうかがわれるわけであります。
 当初、献花と同時に義援金のカンパをしたいという人がかなりおられました。お金を出して、カンパ、カンパといっていたんですが、残念ながらカンパ箱はございませんで、渋々、そのお金をまたポケットに入れて帰られたと、こういう状況がございました。
 その後、義援金は事務所で預かってくれるということで、あるときから預かっていただきました。今後、こうしたことも、ある意味では配慮していただきたいなというふうに思います。
 さて、瑞江葬儀所が当初受け入れを発表したときは、受け入れ期間が三月二十九日から四月四日まで七日間と。ちなみに、私はこの間ほぼ毎日、この瑞江葬儀所に足を運んでまいりました。そこでは、職員の皆さんが一生懸命取り組んでいることを拝見したところであります。本当に頑張っておられました。
 さて、ご遺体の受け入れの数ですが、一日八十体、合計五百体まで受け入れるということでありました。受け入れ日程については、被災地の自治体の要望もあり、五月二日まで延長されました。
 しかし、受け入れられたご遺体の数は思ったよりも少なく、百六十五体と聞いております。受け入れ数が少なかったのはなぜなのか、その経緯をお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 ご遺体の搬送手段は、原則、被災自治体で確保することとしましたが、それが予想以上に困難であったこと。現地での身元確認が困難をきわめたため、受け入れ期間を延長したにもかかわらず、ご遺体の搬送が間に合わなかったこと。また、地元自治体に混乱があり、事務手続上どう対応してよいかわからないということや、東京の火葬場にトラックで搬送することに対する遺族の抵抗感などもあったことによるものでございます。

○石毛委員 わかりました。(資料を示す)こちらは、名取というふうに、箱のどこかに書かれております。番号が各箱に、Pの二二四とかPの一二七とか、ちょっと遠くで見えませんか。これは、この一箱にお骨が六個入っております。全体としてはこんな感じで最後--最後ではないんですが、箱に詰まって、これをまたトラックに乗せて、宮城の方に持っていったところであります。
 大変、身元がわからないような方々が多くて、最後、自分の名前はP二百十番あるいはP百六十五番……。大変寂しい、自分の一生をだれにもみとられずに、自分は多分、波が来て、あれっと思いながら亡くなっちゃったんだろうと。二万数百か、まだ数字は確定しておりませんが、その中の一体一体がこの中に入っているわけであります。そういった意味では、本当に寂しいなというふうに思うわけであります。
 先ほど献花のものが見えましたが、正面玄関に献花をしていただいたわけであります。これが最後だったか途中だったかわかりませんが、二千二百二十、献花されました。つまり五人で一つお花を持ってきたり、あるいは十人で一つ持ってきたり、一人で一つ持ってきたりといろいろありますけれども、多くの方が来たということは、この写真を見ていただいてもわかると思います。
 数字については、担当者は把握しているかどうかわかりませんが、これの三倍や四倍は少なくとも来られておると思います。私も毎日行っておりましたので、多くの人たちが来ているなということは把握していたところであります。
 ちなみに、これは余談でありますが、近所の花屋さんは、お正月と盆が一緒に来たようで、ともかく忙しくてしようがないという、そんな話も近所では出ていたところでありますけれども、それだけ人が来ていたということだと思います。
 このような状況が重なって、思いのほか、被災自治体から火葬の依頼が少なかったということがわかりました。
 そのほか、私が現地で見聞きしたところによりますと、既に土葬に踏み切ったところは、火葬に切りかえることが難しかったようです。また、自治体によって差はあるんですけれども、埋めるのにも、また出すのにも六万ぐらいかかると。特に掘り起こすのに、災害救助法による求償--お金の対象ですね、これにならないということで、当初、そういう状況だったようです。今は限度額について出るような話でありますが、そういった当初の問題もありました。
 また、最初のころは、ご遺体がひつぎに入れられないで、直接土葬になったというようなケースもありました。遺族にさらに深い悲しみを与えたというふうに思います。
 いずれにせよ、土葬にされた犠牲者の遺族は、だびがされないため気持ちの整理がつかない、早く火葬してほしいと訴える方が後を絶たなかったというふうに聞いております。ご遺体を火葬することがいかに大切か、今回教えられたところであります。
 今回の貴重な体験や教訓をどのように生かすのか。例えば受け入れマニュアルを作成する、あるいは受け入れ態勢を今以上にしていくためにも、どのように考えていくのかお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 先ほどの献花数でございますが、二千二百を超える献花がございました。
 都内の火葬場は、新型インフルエンザの都内流行期に事業を続けられるよう、事業継続計画いわゆるBCPを備えることになりまして、瑞江葬儀所も昨年度策定いたしました。
 今回の教訓を生かしまして、火葬協力の心構えや地元との協力、特別な体制の組み方や具体的な対応手順などを反映させたBCPの改定や、より実践的な訓練など、万が一に備えて適切に対応してまいります。

○石毛委員 わかりました。東京都の地域防災計画で想定している震災の規模はマグニチュード六・九あるいは七・三、死者は最大で六千四百十三人とされています。
 これに対して、火葬場は二十三区に九つ、多摩に九つ、合わせて十八。福祉保健局を中心とする広域火葬体制の下に、火葬場全体の受け入れ調整が行われることになっております。受け入れ態勢は万全なのか、うまく動くのか、建設局として今回の瑞江葬儀所の貴重な体験を伝え、計画や調整の所管局と連携体制を整えていっていただきたいと思います。
 また、今回、東京は援助する側でありましたけれども、この間、あと三十年以内に七〇%の(発言する者あり)七五ですか、上がったね--地震が来るかもしれない。逆にいえば、援助する側から援助される側になるかもわかりません。他県との相互協力体制が重要なことも確認されました。瑞江葬儀所での実体験を、共有財産としてぜひとも生かしていただき、今後は、広範な協力関係を築く取り組みにもかかわっていただきたいと思います。
 最後に、被災された自治体や遺族からは、今回の東京都の対応には、言葉に尽くせないほど感謝していると。建設局、特に瑞江葬儀所を所管する公園緑地部の職員の皆様には、ここで改めまして、ありがとう、また本当にお疲れさまと申し上げたいと思います。
 質問を終わります。

○桜井委員 東日本大震災で亡くなられた方に関しましては、改めてご冥福をお祈りしたいと思います。大変重い話を聞いた後で質問をしづらいんですが、しっかり気を取り直して質問させていただきたいと思います。
 私の方からは、大きく二点質問させていただきたいと思います。
 まず一点目は、先ほど大津委員の方からもお話がありましたが、第二十九回全国都市緑化フェアTOKYOについて伺わせていただきたいと思います。
 全国都市緑化フェアは、国、地方公共団体、民間の協力により都市緑化を推進することを目的に、全国各地で今まで開催されてきたと伺っております。東京における開催は、昭和五十九年に第二回全国都市緑化フェアとして開催されて以来二十八年ぶり二回目の開催となり、緑化フェアを二回開催する都市は、東京が全国で初めてというふうに伺っております。
 東京がこれまで推進してきた緑の拠点となる都立公園の整備、街路樹の充実などの緑施策をさらに推し進めるチャンスとして、来年秋に開催される緑化フェアに大いに期待をしておるわけであります。
 また、緑化フェアのメーン会場は、上野恩賜公園、井の頭恩賜公園、日比谷公園、浜離宮恩賜庭園、海の森、国営昭和記念公園の六会場と伺っておりますが、会期中は、メーン会場だけでなく区市町村や民間事業者と連携をして、東京全体で緑化への取り組みをPRしていただきたいと思います。
 さらに、東京スカイツリーが来年五月に開業し、緑化フェアの会期中も大勢の国内外の観光客が東京を訪れているのではないかというふうに思います。そうした中、観光客向けの取り組みも重要と考えるわけです。
 そこで、まずは総括的にお尋ねをしたいと思いますが、都市緑化の推進や区市町村等との連携、観光などの視点も含め、全国都市緑化フェアTOKYOの基本方針についてお伺いをしたいと思います。

○町田緑化推進担当部長 全国都市緑化フェアTOKYO開催の基本的な方針といたしましては、第一に、緑のつながり、広がりを体感、発信するフェアを目指してまいります。東京ならではの先進的な緑の取り組みを幅広く発信するため、メーン会場だけではなく、開催趣旨に賛同し緑の東京を発信する、区市町村の公園や民間の施設等をサテライト会場として位置づけ、緑化フェアの全都展開を図ってまいります。
 第二に、新しい緑や都市観光の創造につながり、技術にこだわるフェアとすることを目指してまいります。緑豊かな都市環境を実現する屋上緑化や壁面緑化などの最新の緑化技術による展示を、日本有数のガーデニングショーを毎年開催している日比谷公園において、民間事業者の積極的な参加を得ながら行ってまいります。
 これらメーン会場を拠点とし、周辺の道路や河川等の緑の回廊を生かしながら、広がりのある都市観光へつなげていくため、多言語に対応したマップ、パンフレットや、ユビキタス等のICT技術を活用し、国内外からの来場者に積極的に情報発信してまいります。

○桜井委員 ただいまの答弁にありましたとおり、区市町村との連携や情報発信などで、緑化フェアの全都展開を図っていただきたい、そのように思います。
 さて、来年秋に全国都市緑化フェアを東京で開催すると公表されたのは昨年の秋のことであり、準備期間二年のうち一年が経過し、開催まで残り一年を切ったわけです。
 そこで、緑化フェア開催に向けてのこの一年間の準備状況についてお伺いをいたします。

○町田緑化推進担当部長 これまでの準備状況についてですが、昨年十月末に東京都開催を公表後、庁内の関係各局と連携し、都市緑化フェア推進専門部会を開催するなど、基本計画等の作成に向けた検討、調整を鋭意進めてきております。
 また、本年二月以降、区長会、市長会や、サテライト会場への参加を求める説明会を開催するなど、メーン会場周辺の区市を初め、すべての区市町村に対しての協力要請を行ってきております。
 四月には公園緑地部内に準備組織を設け、五月末には、知事を会長とし、国や地方自治体、観光、経済、造園緑化関係などの各種団体を構成員とする実行委員会を立ち上げ、テーマ、メーン会場、基本方針などを内容とする基本計画を策定いたしました。
 六月以降、国、関係各局、地元区市と連携し、民間事業者等からの協力、協賛を得ながら具体的な実施計画の策定を進めており、来年秋の開催に向け、準備に万全を期してまいります。

○桜井委員 今のご答弁で、これまでの準備状況についてはわかりました。
 緑化フェア開催まで、先ほど申し上げたとおり残り一年を切り、準備が着々と進められていくと思いますが、全国都市緑化フェアにおいても、東日本大震災の被災地域への支援につながる取り組みも必要と考えるわけであります。
 また、開催に向けて事前周知を図るためのプレイベントも実施していると聞いておりますが、最後に、プレイベントや来年の緑化フェアの開催において、どのように被災地支援の取り組みを行うのか、都技監の思いも含め、お伺いをしたいと思います。

○村尾東京都技監 先ほど石毛委員からもお話がありましたように、私も名取の合同慰霊祭に呼ばれました。それは、瑞江の件があって市長から呼ばれたわけなんですが、やっぱり我々、三・一一以降、見えてる風景が変わったのではないかというふうに、私、認識しております。
 例えば日本人としての誇りだとか、生きている時間の大切さ、その喜びですか、それから公に貢献する重要性だとか、そうしたものにやはりだれもが思いをめぐらし、考えるようになったのではないかというふうに思っております。
 そこで、都市緑化フェアの開催の基本的な方針としまして、東日本大震災で被災された方々に、力強い支援の輪を広げるフェアとすることを目指してまいります。
 先月の十月二十二日から九日間開催されました日比谷公園ガーデニングショーをメーンのプレイベントと位置づけまして、宮城県の国営みちのく杜の湖畔公園と茨城県の国営ひたち海浜公園と連携しまして、被災地からの声や、被災地への応援メッセージを交換する復興応援メッセージガーデンの展示を行いました。
 このメッセージなんですが、例えば、ひたち海浜公園では三千二百枚以上のメッセージが飾られております。日比谷でも千枚を超えるメッセージが飾られました。本ガーデンが、初日から連日、新聞、テレビ等のマスメディアで取り上げられたこともありまして、日比谷、通常ですと十万人ぐらいなんですが、一・五倍の十五万人を超える来場者をお迎えすることができました。
 来年の秋の緑化フェアにおきましては、一層、被災地と思いを一つとしていくために、被災地地域の野菜、果樹で構成する大規模な庭園の展示、それから被災地産の物産展などを行いまして、緑と花を通じた連帯の力をより一層高め、被災地との強いきずなを形成していく所存でございます。
 こうしたことを通じまして、日本の再生に少しでもつながる緑化フェアTOKYOとしてまいるということでございます。よろしくお願いします。

○桜井委員 開催地は東京でありますが、全国都市緑化フェアでありますので、緑と花で東京から被災地を応援していくフェアにもしていただきたいと心から期待したいと思います。
 それでは、次の質問をさせていただきます。
 次は、東部低地帯における河川施設の耐震対策についてお伺いをしたいと思います。
 東部低地帯には約三百万人、そのうち満潮面以下であるゼロメートル地帯には約百五十万人が暮らすなど、これらの地域を高潮や地震による災害から守ることはとても重要であるというふうに考えます。
 そのため、都においては、早くからさまざまな事業により対策を行ってきており、高潮に対する安全性が高いことは理解しているところであります。しかし、今般の大震災を踏まえると、高潮とともに地震に対する安全性を早期に向上させることが重要であります。万が一、堤防等が壊れた場合、河川の水位よりも地盤が低い地域はそれだけで浸水してしまうことになるわけです。
 このため、これまで各種事業で河川施設の耐震性の向上に努めてきていることは承知しておりますが、そこで最初にお伺いいたします。まず、東部低地帯において、耐震対策が重要な堤防や水門等はどのくらいあるのかお伺いをしたいと思います。

○飯塚河川部長 地盤が低く、多くの人口や資産が集積する東部低地帯を大地震による河川施設の損壊に起因する水害から守るためには、耐震対策が極めて重要でございます。このため、都はこれまで、江東内部河川整備、スーパー堤防等整備及び河川施設の耐震対策などの各事業により耐震性を高めてまいりました。
 耐震対策が必要な防潮堤や護岸の総延長は約百六十五キロメートルでございまして、対策が必要な水門や排水機場、樋門等は二十施設でございます。

○桜井委員 ただいま答弁いただきましたとおり、この地域には耐震対策が必要な堤防や水門等が数多くあるわけであります。
 厳しい財政状況の中、耐震対策を進めていくには、危険な箇所から早期に整備を促進していく必要があると考えるわけでありますが、そこで、耐震対策事業の進め方と整備状況についてお伺いしたいと思います。

○飯塚河川部長 整備に当たりましては、限られた予算の中で、優先順位を定め、計画的かつ着実に対策を進めております。平成二十二年度末までに、防潮堤や護岸につきましては約九十七キロメートルが完了し、整備率は約五九%でございます。
 とりわけ、東部低地帯を囲む隅田川、中川、旧江戸川の外郭堤防の耐震対策は特に重点的に進めてきており、二十年度末には既に整備が完了しております。水門や排水機場等につきましては、対策が必要な二十カ所のうち十八カ所が完了しております。

○桜井委員 優先順位を定め、重点的に整備を行うとともに、さまざまな事業を実施する中で効果的に耐震性の向上に努めていることが、ただいまの答弁でよく理解できました。
 低地帯の中でも地盤が低い地域の外周を囲む外郭堤防の整備が完了し、以前よりも安全性が向上し、地元に住んでいる私にとっても安心感が得られると思っております。とはいえ、耐震対策は道半ばということもいえるわけです。
 そこで、対策が完了していない区間はどのような区間で、今後どのように進めていくのかお伺いをしたいと思います。

○飯塚河川部長 対策が完了していない区間の多くは、水門に守られた地域や背後地盤が比較的高い地域の護岸や堤防でございます。これらの区間は外郭堤防に比べると危険性は低いものの、今後も引き続き、優先順位の高い箇所から整備を着実に進めてまいります。水門につきましては、残る二施設を平成二十五年度までに完了させる予定でございます。
 東部低地帯に暮らす三百万人の暮らしを守るため、今後とも、財源確保に努め、全力を挙げて耐震対策に取り組んでまいります。

○桜井委員 引き続き、今まで以上の財源確保を図っていただいて、耐震対策を積極的に推進し、早期に安全性を確保していただくことを強く要望いたしたいと思います。
 また、今般の大震災を踏まえ、専門家から成る技術検証委員会を設置し、耐震性や耐水性の向上について検証しているというふうに聞いております。この委員会からの提言を受け、都としての基本方針を取りまとめていただき、速やかに対策を実施していただくこともあわせて要望いたしまして、私の質問を終わります。

○上野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後四時四十五分休憩

   午後四時五十六分開議

○上野委員長 休憩前に引き続きまして委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いします。

○中村委員 それでは、建設局の事務事業について質問します。
 まず最初に、事業評価について伺います。
 行政の事業においては、さまざまな評価手法がありますが、政府においては外部の委員による公開での事業仕分けがなされました。また都においては、内部の組織である財務局が事務事業評価を行っています。議会の役割として、貴重な税金が一円たりともむだのないようにチェックをする責任はありますが、膨大な事業があるため、個別の事業を幾つか抜き取りで調査をするか、もしくはチェックする仕組みが適正に機能しているかをチェックすることになります。
 そこで、建設局においては、外部の委員による事業評価委員会が設置されて事業評価が行われていますが、まずその目的、制度の趣旨を伺います。
 また、こうした仕組みでは何を審議するかが大変重要になりますので、案件についてどのように選定されているのか伺います。

○西倉企画担当部長 事業評価は、改めて事業の妥当性や合理性を明らかにするとともに、その実施過程について、透明性の向上や説明責任にこたえていくものでございます。
 具体的には、各事業者が、学識経験者などで構成される事業評価委員会での評価の内容の適否や改善点などについての意見や助言を踏まえ、対応方針を定めるものでございます。評価対象事業につきましては、事業採択後五年間未着工の事業、事業採択後十年間継続中の事業などが対象となります。

○中村委員 透明性の向上や説明責任にこたえるということでしたので、会議そのものは報道機関に公開されていますが、結果の資料等についても都民が容易に知ることができるようにすることを求めます。
 また、事業評価の目的として、事業の妥当性や合理性を明らかにするとのご答弁でしたが、建設局として、どうなると事業が継続になり、どうなると中止になるのか伺います。

○西倉企画担当部長 継続あるいは中止につきましては、事業評価委員会に諮り、その場で議論された後、その意見や助言を踏まえた上で、事業者すなわち建設局が決定いたします。

○中村委員 一たん始めたものを中止すると大きな影響が出ますが、一方では、仕組みとして最初から中止という選択肢が全くなければ、評価そのものが形式的になってしまいます。
 事業評価委員会の事務局は建設局が行っていますが、それ以外の局や市区町村事業も対象になっています。それらの事業を含めて、全体の中で中止になった事業は過去にあったのでしょうか。また、建設局として事業を中止する場合は、その後の対応をどのようにするのか伺います。

○西倉企画担当部長 事業評価委員会に諮りました案件の中で、これまでに六件が中止となってございます。建設局が事業者として中止をした場合には、事業の再開などその取り扱いにつきまして、社会経済情勢の変化を踏まえつつ検討してまいります。

○中村委員 今年度は、九月六日に第一回目の事業評価委員会が開催され、三鷹都市計画道路三・二・六号線、いわゆる調布保谷線など九件の事業について実施されました。
 結果はいずれも継続となりましたが、委員会に対し継続として提案した理由と、今後の対応について伺います。

○西倉企画担当部長 今年度、第一回の事業評価委員会において付議された案件につきましては、事業者が、費用便益や事業の完成見込み、進捗状況などを総合的に勘案しつつ継続として提案し、委員会において原案のとおり了承されたものでございます。引き続き早期完成に向け、事業の推進に努めてまいります。

○中村委員 先ほど述べた九件の中には、事業が長期にわたり何度も評価の対象とされた結果、今回、再々々評価された事業もありました。事業が長期化する原因はどのようなものなのか伺います。

○西倉企画担当部長 再々々評価の事業につきましては、おのおのの事業により理由は異なりますが、用地買収の難航や工事の困難性から、事業期間を延伸したものでございます。

○中村委員 公共事業は、予算を立てるととにかく使い切ることが至上命題にあるようだと批判されることがあります。
 事業評価では、与えられた予算の中でいかに質のよい事業を低価格で行ったのか、さらにはどのくらいの効果を出したかが大切であり、そうした評価をすべきではないでしょうか。
 こうした評価の仕組みが事業評価委員会の設立趣旨に含まれないのであれば、そのような仕組みを構築する必要があるのではないでしょうか。ご所見を伺います。

○西倉企画担当部長 事業の効果につきましては、例えば河川事業における治水安全度や、道路事業における時間短縮効果など、事業者みずからが必要に応じて公表してございます。
 今後とも、事業の効率性及び実施過程の透明性の一層の向上を図りながら、事業の推進に努めてまいります。

○中村委員 国の事業は大変規模が大きいこともあり、事業が長期化することで事業費が膨らんだり、計画したときから時間が経過すると、その必要性が問い直される場合もあるようです。都の事業も、国の事業のようなことがないように、評価する仕組みが適切に機能し、さらに多様な指標で多角的に行われることが必要かと思いますので、ぜひご検討をお願いします。
 次の質問です。
 公共事業は、インフラ整備の一方で事業者育成にもなります。とりわけ中小企業の育成が大切です。総合評価方式などにおいて、地元企業の育成、中小企業の育成の視点が必要だと考えます。
 特に一定規模以上の工事については総合評価方式などが採用されていますが、そもそも中小企業には大きな工事は余り関係がないため、小さな工事でこそ、地域への貢献などを加点するなどの総合評価方式の採用が必要ではないかと考えますが、ご所見を伺います。

○西倉企画担当部長 地元中小企業は、公共施設における日常の維持管理に加えまして、発災時の緊急対応を担える重要な存在と考えております。
 今後は、小規模の工事を対象とした総合評価方式におきましても、地元中小企業を適切に評価するため、地域貢献に関する評価項目を加えることを検討してまいります。

○中村委員 地域の事業者は自治体と協定を結び、災害時の緊急対応が行われますが、東日本大震災以降、これまで以上に緊急時の備えが必要になります。競争性や公平性は必要ですが、同時に透明性を担保しながら、政策的判断での地域の事業者の育成も行っていただきたいと思います。
 また、先日、都庁で行われた土木技術支援・人材育成センター発表会に出席をして、日ごろの成果の発表を拝見させていただきました。建設局の技術的能力向上への取り組みの一つだと思います。
 公共事業を的確に遂行していくためには、事業計画から設計、積算、施工管理、さらに工事完了後の維持管理を含め、各段階で職員の技術的能力が必要です。技術力が不足していると民間技術力を適切に評価できず、結果として、工事の品質が確保されないなどの懸念があります。
 そこで、建設局ではどのように技術職員の育成に取り組んでいるのか伺います。

○西倉企画担当部長 公共事業を進めるに当たりましては、現場に即した高い技術力が必要不可欠でございます。それには専門的知識に加えまして、都民の視点や、社会情勢の変化に柔軟かつ的確に対応していく技術力の維持向上が重要でございます。
 このため、建設局では東京都土木技術支援・人材育成センターを中心に、技術職員の人材育成に取り組んでございます。具体的には、多様な技術研修を業務や職級ごとに構築し、研修の充実を図っております。また、ベテラン職員が持つすぐれた技術力やノウハウを活用するため、平成二十一年度から建設局建設技術マイスター制度を運用してございます。
 これは、経験や知識を有した職員を指導技術者として認定し、職員への技術的助言などを行うとともに、主な内容をデータベース化し、ノウハウの共有化を図るものでございます。今後とも、公共工事の品質確保を図るため、技術職員の育成に努めてまいります。

○中村委員 都庁の仕事も、さまざまな場面で外注化が進みますが、外部の事業者をうまく活用するには、みずからも高い能力が必要です。
 また、都全体の採用人数は、社会的な背景もあり年度によって増減があると思いますが、世代の谷間ができるとノウハウが継承されないおそれもあります。今後も、技術的能力について長期的な視点での育成をお願いします。
 次に、道路の整備について伺います。
 昨日から、各局からの来年度予算要求が発表されましたが、今後、議会に予算案として上程されて審議をします。法令に基づいて審議をしていますので法的には問題ないということを承知しつつも、規模の大きな東京都と小さな村も同じ制度に基づいているため、その周知の仕方について十分に都民の期待にこたえていないのではないかと思います。
 例えば、三鷹市では予算の審議の段階で、積算根拠としてどの道路を整備するかは示されます。都でも、議会で承認するのはその事業の予算の総額とはいえ、当然、予算を積み上げて合計額を示しているので、個々の事業の計画や予算も既にわかっているわけです。
 都市整備局等が発表している優先整備路線はおおむね十年以内に事業化するものと幅が大きいため、建設局として、具体的にどのような計画があるのかをより詳細に示すべきではないかと考えます。新たに道路整備を事業化する場合、どのように地元へ周知を行っているのか伺います。

○吉原道路建設部長 都では、おおむね十年間で着手または完成すべき都市計画道路を選定した第三次事業化計画を策定し、広く都民に公表しております。
 これらの道路につきまして、地元自治体や関係機関との調整を進め、事業化前の測量段階から説明会を開催し、事業の概要や進め方を説明しております。
 この説明会の実施に当たりまして、土地建物所有者や近隣住民などに対して、お知らせを配布または送付し周知しております。説明会開催以降も問い合わせに適切に対応するなど、地元住民が事業に理解や協力をしていただけるよう努め、事業化を図っております。

○中村委員 地域の方にとっては、道路事業は大きな関心事です。
 調査をしている段階から地域にはうわさでは広まりますが、関心を持つのは地権者だけではないため、実際に説明会の日程が示されると、突然という感覚をもって受けとめられることもあります。丁寧に事業を進めるという観点からも、情報の公開や周知についてさらなる工夫が必要であることを申し述べます。
 さて、先ほどの事業評価の際にも事業の長期化について意見を述べましたが、都道の整備については関係各所との協議等のさまざまな事情があり、とりわけ地権者との交渉もあり、無理やり追い出すわけにはいかないので丁寧な対応が必要であるということは前提としつつも、着手してから長らく開通せず、買収した土地がそのままになっている状況が起こり得ます。民間の開発なら、土地を購入すると金利が発生し、開発が終わらないと収益も生まれません。公共事業についてもコスト感覚を持つべきです。
 さて、東八道路のうち私の地元である三鷹市内の三鷹三・二・二号線は、車線の四車線化や延伸化がおくれており、整備に時間を要しているようですが、現在の状況と今後の取り組みについて伺います。

○吉原道路建設部長 東八道路は多摩東西主要四路線の一つで、区部と多摩地域の連携強化、甲州街道の渋滞緩和、防災性の向上に寄与する重要な骨格幹線道路でございます。
 東八道路のうち三鷹三・二・二号線は、人見街道と接続する三鷹市牟礼一丁目から同市大沢六丁目までの約六・六キロメートルでありまして、既に西側の五・六キロメートルが完成し、残る一キロメートルは現在事業中でございます。四車線の車道部十六メートルの両側に幅員七メートルの歩道を設置し、緑豊かな植栽帯を設け、周辺環境に配慮した整備を行っております。
 事業中区間のうち、西側の〇・五キロメートルの区間につきましては、年度内の四車線での交通開放に向け、現在、街路築造工事を行っております。また、残る東側の〇・五キロメートルの区間につきましては、今年度より排水管設置工事及び街路築造工事を行う予定でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、本区間の交通開放を目指し整備を推進してまいります。

○中村委員 次に、道路整備と安全対策について伺います。
 最近報道されているように、自転車による歩行者への事故の対策として規制強化が図られているのですが、そのことは仕方がありませんけれど、それに対してハードの整備も伴わなければなりません。歩行者に対する加害者の側面が強調されますが、車道を走ると、自動車からは被害者になります。都道では専用レーンは幅が広い場合にしかできないので、交通規制を変えるだけではなく、道路の規格を変える必要があります。
 また、都市計画道路はまだ半分ぐらいしかできていませんが、都市計画道路ではない現状の道路において、歩行空間が狭いため危険な箇所が多くあります。半世紀たって半分しか整備されていない都市計画道路が一〇〇%になるのを待っていては、安全対策としては十分ではありません。現道の拡幅をすることが必要な部分が多くあります。
 また、すぐ道路を拡幅したり、電線を地中化できなくても、電柱を移設するだけでも安全の確保ができるところもあるため、東京電力やNTTと協力して点検をし、移設などを行う必要があります。電線の地中化は、景観のために都心部で先行して進められていますが、まず歩行者の安全のために必要なところからすべきです。
 さまざま問題提起をしましたが、都道における歩行者や自転車の安全について、都はどのような認識をしているのか。また、それに対する対策について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 都道におけるハード面からの歩行者と自転車の安全確保についてでございますが、歩行者や自転車の需要に適切に対応しつつ、それぞれの安全・安心を実現することが重要でございます。歩行者の安全確保については、歩道が整備されていない都道及び歩道幅員二メートル未満の都道において、歩道の整備を進めてございます。
 また、自転車対策については、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一に基づきまして、自転車走行空間の整備を進めてございます。引き続き、歩行者と自転車が安全で安心して利用できる道路空間を創出してまいります。

○中村委員 三鷹の地域でも、今後事業化されて拡幅される予定の都市計画道路の連雀通りの部分や、また都市計画道路ではない部分の連雀通りや、また都道の人見街道などにも歩道が大変狭く危険な場所もありますので、ぜひとも安心して通行できるような対応をお願いいたします。
 また、安全対策という点では、交通安全だけではなく防災対策も重要です。立川断層を原因とする地震の発生確率が高まったといわれてもおり、多摩地域の防災対策も大変重要です。また、多摩地域においては、各都市を移動する交通需要を考慮した道路整備も必要です。
 このように、防災面や地域間移動に配慮した都市計画道路の整備を推進する必要があると考えますが、見解を伺います。

○吉原道路建設部長 多摩地域の魅力と活力を高め、防災性を向上させるためには、交通の円滑化や都市間の連携強化を図り、震災時には迅速な救援救助活動や、緊急物資輸送を支える、骨格幹線道路ネットワークを充実する必要があります。
 このため、都は南北主要五路線の調布保谷線や東西主要四路線の東八道路などの整備を重点的に進めております。今後とも、多摩地域のさらなる発展と防災性の向上に向け、都市計画道路の整備を推進してまいります。

○中村委員 次に、公園について質問をします。
 まず、防災対策という観点で、都立公園の防災対策について伺います。
 都立公園は災害時の避難場所に指定されていることが多いと思います。都立公園で防災公園と位置づけられているものは幾つあるのでしょうか。そして、防災公園整備の進捗状況はどのようになっているのか伺います。
 また、新規に公園を整備する場合は、防災に対する対策がこれまで以上に必要になりますが、新規整備公園の防災機能向上に対する取り組みはどのように進めているのでしょうか。今後整備する井の頭恩賜公園の西園では、どのような防災施設整備を予定しているのかも伺います。

○上杉公園緑地部長 建設局で所管する都立公園八十公園のうち、活動拠点や避難場所に位置づけられている六十公園において防災公園の整備を推進しております。これら六十公園のうち、現在、東京臨海広域防災公園を初め十九公園の整備が完了しております。
 活動拠点や避難場所に指定されている公園の新規整備では、当初から防災性を高めるための施設整備を実施しております。
 井の頭恩賜公園は、地域防災計画で避難場所に指定されており、西園区域の整備に当たりましては、防災機能を高めるよう、非常用トイレやソーラー式の入り口表示灯等の整備などを予定しております。

○中村委員 防災に対する周辺の住民の方の期待も高いので、ぜひ、よろしくお願いします。
 一方では、公園本来の緑地の確保という観点からも質問をしたいと思います。
 公園というと、土と緑のイメージがありますが、例えばエントランス等かなり広くアスファルトで舗装された公園も見受けられます。都立公園の整備では、アスファルトなどの舗装面積は極力減らして緑豊かな公園整備を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、先ほども質問しましたが、井の頭公園西園の整備では、既存の緑の保全や、希少な植物もあるので、その保護についてどのように取り組むのか伺います。

○上杉公園緑地部長 都市公園は、自然環境の保全機能のほか、防災機能、景観形成機能、レクリエーション機能など多くの機能を有しております。さまざまな世代の都民が利用する都立公園の整備に当たりましては、これらの機能を発揮するため、一定の園路舗装も行いながら緑豊かな公園をつくる必要がございます。
 井の頭恩賜公園西園区域の整備におきましては、現存する桜、モミジ、アカマツなどの大きな樹木は残し、公園の樹木として活用するなど、既存の緑の保全に努めてまいります。また、隣接する公園内の既存樹林と新規整備区域の緑を一体化することで生息環境の広がりを確保するなど、希少種の保全に配慮してまいります。

○中村委員 都立公園には多くの機能があるとのことですが、都心部における限られた面積の中に、多くのスポーツ施設もあります。
 都立公園には、都民からも多様なニーズがあります。自然豊かな公園を求める声もありますし、スポーツ施設の充実を求める声もありますので、適切な配置を考えることが必要です。
 都立公園にスポーツ施設を設置する意義と、設置に当たっての基本的な考え方を伺います。

○上杉公園緑地部長 都立公園におけるスポーツ施設は、レクリエーション機能の一環として、必要な場合に整備しております。スポーツ施設を整備する際には、公園の立地や周辺環境、利用状況など、個々の公園の状況を考慮し、さまざまな世代の人たちが身近に気軽にスポーツを楽しめることを基本としております。

○中村委員 都では、先般スポーツ振興局が設置されましたが、施設という点では大きな大会を開くような施設は持っていますが、実際に地域の住民が通常利用する施設は、都においては都立公園内にあるため、大半が建設局が所管していることになります。
 施設の整備においては全都的なバランスを考慮しつつも、地域における施設の状況やニーズも配慮する必要があります。日常的にスポーツに親しむという点では建設局の果たす役割も大変大きいため、スポーツ振興局とも連携しながら、都として全庁的なスポーツ振興を図るよう、建設局の取り組みもお願いをします。
 さて、緑地の保全という観点からは、市町村では生産緑地の減少が大きな問題になっています。
 相続などの際に生産緑地の買い取りの申し出があっても、区市町村が買い取れずに宅地化が進み、緑地が減ってしまいます。状況によっては市町村が買い取り、公園として緑地を保全することも必要な場合があります。市町村の公園整備に都の補助金が出されていますが、都市における緑地を守るためには、この補助金を拡充しなければ、幾ら都立公園を整備しても、同時に緑地が失われてしまいます。このため、市町村の公園事業への補助が必要だと考えますが、都の所見を伺います。

○上杉公園緑地部長 都と市町村が一体となって緑あふれる東京を次世代に継承するために、市町村が都市計画事業として行う公園整備を、都の補助の対象としております。

○中村委員 冒頭の質問で事業の評価について伺いましたが、公園事業の評価について伺います。
 平成十六年に都が策定した都立公園のパークマネジメントマスタープランでは、公園評価制度の導入と指標・目標値の設定等の項目があり、PDCAサイクルによる継続的な改善を行うため、都民による公園ごとの評価に取り組むとしてみずからこれを定めていますが、どのように実施をしているのか伺います。

○上杉公園緑地部長 都では、よりよい公園づくりに向けた評価手法の一つとして、各都立公園において、毎年、利用者アンケートを実施しております。
 アンケートの具体的な内容としましては、樹木や草花の管理状況、トイレ、休憩所などの施設の清潔さ、公園のよい点、公園の改善点、自由意見や要望など、利用者が感じる満足度、魅力度などを中心に実施しております。
 これらのアンケート結果は、日常の維持管理や施設補修等に活用するとともに、指定管理者が管理する公園では、学識経験者等の外部委員も含めた評価委員会における指定管理者管理運営状況評価に反映しております。
 今後とも継続的な改善を行い、よりよい公園づくりに取り組んでまいります。

○中村委員 都立公園のパークマネジメントマスタープランが策定された平成十六年当時と違い、今は上野公園と井の頭公園の二園以外は、すべて指定管理者に管理が委託化されています。状況が変わった中での評価手法だとは思いますが、先ほども技術者の育成でも述べたように、都として公園管理のノウハウを残し、みずからも都民のニーズを受けとめ、よりよい公園整備につなげていくことが大切です。
 都会における、都民の公園に求めるものがますます高くなりますので、今後もさらなる取り組みをお願いします。
 以上で質問を終わります。

○小宮委員 政治や行政の役割とは、政治や行政しかできないことを、その時々の世の中の動きに惑わされることなく、しっかりと継続をしていくことだと考えます。
 そして、その第一はまちづくりです。まちづくりを考えるとき、今、最も大きな問題は、既にあるインフラの維持更新です。
 戦後、高度成長期に集中的に建設された社会的インフラの多くは、今後十年から二十年の間に一斉に更新時期を迎え、多大な維持更新費用が予想されます。これまでのように単純に更新時期を迎えたものを新しくするだけでは、維持や更新のための費用により、必要な新規の投資がままならなくなるような事態さえ起こり得ます。
 私たちの健康を守る医療については、昨今では、病気が起きてから治療をする対処型医療から、日常の健康管理を初めとする予防型医療への転換が叫ばれています。まちも生き物ですから、私たちの体と同じです。対処療法型の管理から、予防保全型管理へと移行していくべきです。そのことによって、今後の更新費用の削減と同時に平準化も図られるものと考えます。
 この観点から、最も進んでいるのが、橋梁の長寿命化であると思います。そこで、橋梁を例にとって具体的なお話を伺います。
 全国の道路橋については、築後五十年以上の割合が、二十年後には五三%になると試算されていますが、まず建設局が管理する道路橋はどのくらいありますか。お尋ねします。

○鈴木道路保全担当部長 平成二十三年四月一日現在、建設局が管理する道路橋は千二百六十一橋ございます。

○小宮委員 橋梁の寿命は一般的に五十年といわれているようですが、二十年後に五十年を超える橋梁は何割程度になりますか。お答えください。

○鈴木道路保全担当部長 現在、建設後五十年を経過している橋梁は全体の約三分の一ございますが、二十年後には四分の三以上が、建設後五十年を経過するいわゆる高齢化橋梁となります。

○小宮委員 また、建設局は平成二十一年三月に、橋梁の管理に関する中長期計画を策定しています。
 この計画は、今後三十年間の橋梁管理に関する総合計画とのことですが、長寿命化事業など予防保全型管理に転換をした場合、どのくらいの費用の削減が見込めますか。

○鈴木道路保全担当部長 都はこれまで、管理するすべての橋梁を対象に五年に一度の定期点検や日常点検などを行い、その都度、適切な補修、補強を実施することで安全を確保してまいりました。
 しかし、管理する橋梁の多くは高度経済成長期に集中して建設したものであり、近い将来、一斉に更新時期を迎えることから、かけかえ時期の平準化と総事業費の縮減を図る必要があるため、都は平成二十一年三月に橋梁の管理に関する中長期計画を策定いたしました。
 この計画では、管理するすべての橋梁を、長寿命化するものと、かけかえるものなどに区分し、かけかえ工事の集中に伴う交通渋滞による都民生活などへの影響や工事に投じる費用などを評価し最適化するアセットマネジメントの手法を採用することで、橋梁ごとに適切な時期を定め、最新の技術により耐久性を向上させる対策を盛り込んでおります。
 本計画をもとに橋梁の長寿命化などを図ることにより、かけかえピークを平準化するとともに、総事業費を、従来と比較しまして三十年間で約一兆一千億円縮減できると試算してございます。

○小宮委員 現在の長寿命化計画の取り組み状況についてお聞かせ願いたいと思います。

○鈴木道路保全担当部長 平成二十一年度より長寿命化事業に着手しておりまして、平成二十二年度までに奥多摩町の峰谷橋で対策を完了いたしました。
 平成二十三年度は、千代田区の昌平橋や大田区の高平橋など、十二橋の長寿命化事業に着手いたします。引き続き、長寿命化事業を積極的に進めることで予防保全型管理を推進してまいります。

○小宮委員 まちづくりというと、ともすれば新たな施設の建設に目が向きがちです。新しい道を、橋を、建物をつくる、そのことももちろん大切なことですが、新たなインフラの整備には多大な費用と時間がかかります。そのことによって、東京都がどのような仕事をしているのか、都民が実感をするまでにはタイムラグが生じます。
 しかし、既存のインフラの改良は新設に比べて、より少ないコストと時間で完成します。都民が投資の効果をすぐに実感することができ、東京都の仕事への理解も深まります。つまり、既存のインフラの改良は都民に身近な投資であるともいえます。
 身近な例として、幾つか取り上げます。まず、歩道橋について。
 三月十一日の震災後、歩道橋のあり方について、災害時に緊急輸送道路をふさいでしまうのではないかという心配の声もいただきましたので、過日、建設局の方にお尋ねをしたところ、実は歩道橋はとても軽量にできていて、地震による荷重よりも、大きな風による荷重を考慮して設計されているため、とても丈夫な構造物であると伺いました。阪神・淡路大震災においても、倒れる歩道橋は一橋もなかったと伺いました。
 しかしながら、横断歩道橋が集中的に整備された高度経済成長期とは社会状況が変化し、場所によっては利用者が激減し、その役割を終えた歩道橋もあると思います。
 また、お年寄りや障害者にとって、歩道橋は優しい施設とはいえません。最近では、表参道の歩道橋についての議論も報道で伺っています。さかのぼって、平成十八年には甲州街道にかかる代田橋歩道橋に国土交通省がエレベーターを設置した事例があります。利用者の多い歩道橋については、そのような施設の改良がなされています。
 歩道橋のあり方については、各地域の事情により、その必要性も役割もさまざまであると思います。歩道橋の撤去と、存続させる歩道橋の今後の対応について伺います。

○鈴木道路保全担当部長 建設局が管理する横断歩道橋については、交通安全対策上の緊急措置として昭和四十年代に集中的に整備し、これまで歩行者の安全確保と自動車交通の円滑化に寄与してまいりましたが、その後の利用状況の変化に対応し、役割を終えたものについては撤去することとしております。
 歩道橋の撤去に当たっては、利用者が少ないこと、近傍に横断歩道が設置されていること、さらに通学路に指定されていないことの三条件をすべて満たす歩道橋について、地元住民や交通管理者等の合意を得られたものから撤去を進めております。
 一方、近傍に横断歩道がないなど、地域住民の生活に不可欠な歩道橋については存続させることとし、常に良好な状態に保つよう適切な維持管理に努めるとともに、必要に応じ、バリアフリー対策を講じることとしております。
 今後とも、地域の事情を踏まえ、適切な横断歩道橋の管理に努めてまいります。

○小宮委員 続いて街路樹について。
 都市の緑化という観点からも、道路の街路樹は大きな意味を持っています。緑の東京十年計画では緑あふれる東京を目指し、新設する道路での植栽、また既存の道路においては既にある街路樹の間に植栽をすることで、平成二十七年度までに街路樹を百万本にする計画が着実に推移していると聞いています。
 私たちの目指す都市の緑化に欠かせない街路樹について、木々が大きく育ってくると、その根っこが歩道の舗装を持ち上げるようになり、歩道が傾斜をして、歩きにくさや、雨の日には水たまりが生じる、そんな箇所が多いと都民の方から指摘をいただいています。
 三・一一の大震災時には、私の事務所そばの都道青梅街道の歩道にも、行き交うことが困難なほどの帰宅困難者がひしめき合っていました。災害時の歩道の安全確保の観点からも、日ごろからの管理は欠かせません。
 都道における街路樹の根上がりの現状と、今後の対応についてお聞かせください。

○上杉公園緑地部長 街路樹による、歩道舗装を持ち上げるいわゆる根上がりにつきましては、大きく育つイチョウやケヤキなどの路線で発生しております。
 現在の対応でございますが、根上がり部分の根を切断するなど、現場状況に合わせて対応しております。なお、根の切断により樹木を支えられない場合には、やむを得ず伐採する場合もございます。
 今後は、現行の街路樹診断項目に、根上がり状態について新たな調査項目を加え、根上がりの解消に向け、積極的に取り組んでまいります。

○小宮委員 さて、過日の一般質問でも触れたように、今後の多大な維持更新のための投資と、新設のための投資、さらには防災都市東京、バリアフリー化され、すべての都民にひとしく快適なまち東京をつくるための投資は、ばらばらではなく一体的、整合的に行われることが、行政の二重投資やむだを省くためにも絶対に必要です。
 このような観点から考えたとき、多くのインフラが更新の時期を迎える現在は、新たな視点からインフラを見直し、まちづくりを行うチャンスであるともいえるのではないでしょうか。
 そこで、まず歩道の改良について伺います。
 歩行者の安全を確保し、交通事故を防ぐためにも、歩道の設置とともに既存の歩道の改善が必要です。幅が狭くて歩きにくい上に、段差がついて傾斜をしているような歩道は、全面的な改良が必要であると考えます。
 特に、お年寄りや障害者の皆さんが社会生活を営む上で必要不可欠な施設、駅や官公庁、福祉施設などを結ぶ道路については、重点的な整備が必要です。その整備状況がどうなっているかお聞かせください。

○鈴木道路保全担当部長 都道のバリアフリー化については、高齢者や障害者を含む多くの人々が日常生活で利用する駅や官公庁、福祉施設などを結ぶ道路において、段差の解消、勾配の改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置などを進めてまいりました。
 整備の現状でございますが、平成二十二年度末において、対象延長三百二十七キロメートルのうち二百四十一キロメートルの整備が完了し、整備率は七四%となってございます。
 今後とも都道のバリアフリー化を推進し、だれもが安全・安心、快適に通行できる歩行空間の整備を着実に進めてまいります。

○小宮委員 電線の地中化は、都市防災機能の強化、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保という観点から極めて重要です。
 都は、三年後の平成二十五年度までにセンター・コア・エリア内の都道の地中化率を六七%から八四%へ、また、さきの一般質問に対して、都道全体の地中化率を三〇%から四〇%に引き上げるとの目標を明示されました。
 その実施に当たっては、電線管理者や区市町村との連携が不可欠と考えますが、いかがでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 都は、国や区市町村、電線管理者と協議を重ね、無電柱化を実施する箇所を選定し、計画的に整備を進めてございます。
 都市防災機能の強化、安全で快適な道路空間の確保、良好な都市景観の創出を行うためには、都道だけではなく、国や区市町村と連携した面的な無電柱化が必要でございます。
 都は、区市町村の無電柱化を促進するため、平成二十年度に補助制度を創設し財政支援を行ってまいりました。平成二十三年度は、十一区三市がこの補助制度を活用して無電柱化事業を進めております。また、区市町村の職員に対しまして、東京都道路整備保全公社と連携し、設計や施工などに係る技術的支援を行っております。
 今後とも、都道の無電柱化を積極的に推進するとともに、区市町村と連携した面的な無電柱化を進めることにより、高度防災都市の実現に向け、取り組んでまいります。

○小宮委員 また、無電柱化、特に狭隘な道路における無電柱化は、技術革新が欠かせないと思います。
 私の住むまち杉並には、人見街道や旧早稲田通りといった、歩道が狭隘な上に、電柱が歩道の真ん中をふさいでしまって、歩行者が一たん車道に出なければならないような都道があります。住宅街として成熟をしているため、今さら道路の拡幅は困難です。そうしたところでこそ、電線の地中化には技術革新が不可欠であると考えます。
 新たな技術の開発、導入について、どのような方針をお持ちか伺います。

○鈴木道路保全担当部長 都は、都道の無電柱化事業を効率的に推進するため、地中の管路を浅い位置に埋設し、管路や、ますをコンパクト化した、次世代型電線共同溝を採用することにより、コスト縮減や事業期間の短縮を図ってまいりました。
 あわせて、より狭い歩道に設置可能な新構造の開発が必要と考えておりまして、さらなるコスト縮減とコンパクト化に向けた開発の推進を、国や電線管理者に対して働きかけているところでございます。
 今後とも、必要な財源を確保しながら、国や電線管理者と連携し無電柱化事業を積極的に推進することにより、高度防災都市の実現に向け、取り組んでまいります。

○小宮委員 東京都の仕事は多岐にわたり、その多くは都民の生活に密接に関連しています。
 私たちが仕事をしていく上で、都民の理解と協力は欠かせません。そのための第一歩は、日ごろ東京都が何をやっているか、そのことが都民の生活にどうかかわっていくかを、都民に実感していただくことだと思います。
 多大な費用と時間がかかる新規事業への投資に比べて、少ないコストと短い時間で事業が完了する既存のインフラの維持更新、一歩進んでその改良事業は、都民が投資の効果をすぐに実感することができ、行政への理解を深めることにもつながります。
 人に優しいまちをつくると同時に、そのことを都民に感じていただく。その観点からすれば、既存の社会インフラの維持更新とどう向き合っていくかは、今後ますます重要な分野となっていくことを申し述べ、質問を終わります。

○高橋委員 最初に、事業概要の三一ページにある道路の建設についてお尋ねいたします。
 近隣の国の北京やソウルの環状道路は、我が国よりおくれて整備が始まったにもかかわらず、既に一〇〇%完成しております。
 しかし、我が国の首都圏三環状道路の整備率は四七%と、いまだ半分の五〇%にも満たない状況であります。我が国の国際競争力を高め、経済を再生するためには、首都圏の陸、海、空の交通、物流強化が必要不可欠であり、そのかなめとなる外環の、一日も早い完成が望まれています。
 このため、我が党ではこれまで国に対し、関越道から東名高速までの十六キロメートルの早期完成を積極的に働きかけてきたところであります。また、先般の東日本大震災において、いち早く復旧した高速道路が、被災地への救援、復旧活動を支えました。このことからも、平時だけでなく災害時においても高速道路の役割の重要性が立証され、外環の必要性が再認識されたところであります。
 そこで、外環の現在の進捗状況についてお伺いいたします。

○戸谷三環状道路整備推進部長 東京外かく環状道路は、東京から全国に放射状に伸びる高速道路を環状に連結し、交通渋滞の解消、環境改善のみならず、首都直下型地震などの災害に強い高度防災都市を実現する上でも、不可欠な道路であります。
 国は、平成二十一年度に事業に着手し、平成二十二年度から、大泉、中央、東名の三つのジャンクション地域において用地取得を進めております。また、外環本線は大泉ジャンクションを除き大深度地下方式でありますことから、多くのトンネル区間で用地取得を必要とせず、シールドマシンが発進するための立て坑の用地さえ確保できれば、トンネル工事に着手することができます。
 このため、東名ジャンクション部においては、既に工事に必要な用地が確保されていますことから、本格的な工事着工のための準備工事費として、今年度、二億円が計上されているところであります。

○高橋委員 私の地元である練馬区の大泉地域は、現在、関越道と外環の端末となっており、この二つの高速道路から一般道路へ出入りする自動車の交通は、一日に約六万台にも達しています。このため周辺地域では、連日、激しい交通渋滞や、生活道路への通過車両の混入による交通安全上の問題が生じております。外環の整備は、このような交通渋滞の解消、快適で安全な生活道路の確保や良好なまちづくりの切り札として、地元の期待が高まっております。
 また、この地域は、外環が地上から大深度地下へ移行する区間であり、大泉ジャンクションから外環のトンネル工事を進めていくためには、早期にこの区間の全面的な用地取得をすることが必要不可欠であると思います。
 そこで、かねてより私はあらゆる機会において外環の整備促進を主張し、特に、中央ジャンクション、東名ジャンクションに先駆けて大泉ジャンクションの用地取得を推進すべきと訴えてきたところであります。重ねて、昭和四十一年の都市計画決定以降約四十年間、地元の地権者は都市計画上の制限を受けており、生活再建のために早期の用地取得を望む地権者の切実な思いについても、関係機関に伝えてきたところであります。
 このようなことを受け、都では大泉ジャンクション地域について、平成二十二年度より国から用地事務を受託し用地取得を進めていますが、現在までの大泉ジャンクション地域における用地取得状況について伺います。

○戸谷三環状道路整備推進部長 ご指摘のとおり、大泉ジャンクション地域は、外環本線が地上から大深度構造へ移行する区間であり、全面的な用地を取得していくことが工事着工の条件となっております。
 また、大泉、中央、東名の三つのジャンクションの中でも、この大泉ジャンクション地域は特に住宅が密集しております。そこで東京都では、市街地における用地取得の経験や実績のある職員を現地に投入いたしまして、平成二十二年度から、用地の測量や物件調査、土地の評価、補償内容の説明などの用地事務を国から受託し、鋭意用地取得を進めております。
 用地取得状況ですが、現在まで、生活再建救済制度による先行買収を含めまして約九千平方メートル、全取得予定面積の約一五%までの取得を終えております。また、一層の用地取得の推進を図るため、先月、十月でございますが、国土交通省とともに三つのジャンクションにおきまして、関係権利者を対象といたしました用地買収に係る説明会を実施しております。
 大泉ジャンクション地域では、三日間の説明会の中で二百名以上の関係権利者にこの会にご出席いただきました。個別に具体的な相談にも対応させていただいております。
 このような状況を踏まえ、引き続き、都といたしましては積極的に用地取得に取り組んでまいりたいと考えております。

○高橋委員 現在、大泉ジャンクション地域では、目白通りから大泉街道を経て、練馬主要区道三三号線の前原交差点の約五十メートル手前までの区間で用地買収が進められております。この区間のほぼ全線にわたって、地域の幹線道路である都道土支田通りや井草通りが重複しています。
 このため、これらの道路は外環の整備に伴ってその機能が失われることから、道路ネットワークの形成や安全な交通確保のため、その代替となる道路を外環の道路空間から生み出すことが必要不可欠であると考えます。また当該地域では、外環本線と、地上部街路である外環ノ2の二つの都市計画線が錯綜しており、多くの土地や建物が両方の計画線にまたがっていると聞いております。
 これらの地権者は、事業中の外環本線によって用地の一部を買収された後、いまだ事業化されていない外環ノ2による再度の買収となるようでは、生活再建のめどが立たないと不安を抱いております。
 以上のように、地域の道路ネットワークの再編と、地権者の立場に立った対応をしていくためには、外環本線と重複する目白通りから練馬主要区道三三号線の区間の外環ノ2を早急に事業化し、外環本線と同時に用地取得を行うべきと考えますが、都の対応について伺います。

○戸谷三環状道路整備推進部長 ご指摘のように、当該地域は、既存の都道であります土支田通りと井草通りが外環本線と重複しているため、外環の整備に伴い、この二つの道路の機能が失われることになってしまいます。また、当該地域では外環本線とその地上部街路であります外環ノ2という二つの道路の都市計画線が錯綜しており、多くの関係権利者が、この二つの計画線にまたがっている状況であります。
 都としては、土支田通り及び井草通りの代替となる南北方向の道路を都道として整備し、地域の道路ネットワークを確保するとともに、外環本線と外環ノ2にまたがる関係権利者の生活再建を図る必要があると考えております。
 このため、両路線が重複する目白通りから練馬主要区道三三号線の約一キロメートルの区間について、地域の道路ネットワークの確保や生活再建の観点から、事業化に向けて取り組んでまいります。

○高橋委員 現在、大泉ジャンクション地域の用地取得が、都において鋭意進められている状況であります。外環本線の整備促進、周辺道路ネットワークの形成、関係権利者の生活再建等のためにも、今指摘した区間について、外環ノ2を来年度に事業化し外環本線と一体的に対応していくべきと考えます。
 次に、練馬区西部地域における道路の整備についてお尋ねいたします。
 東京の最大の弱点である交通渋滞解消はもとより、災害時には安全な避難や緊急車両の通行を確保し、住民の生命財産を守るためにも、道路整備は不可欠であります。都内二十三区全体の都市計画道路の整備率はおよそ六〇%でありますが、私の地元である練馬区は約四八%と非常に低く、笹目通りを境とした練馬区の西部地域に目を向ければ、私が試算したところ、およそ二七%と、さらに低い状況にあります。
 私は、平成十三年に都議会議員として初登庁以来、機会あるたびにこの地域の道路整備の必要性を訴え、早期整備を要望してまいりました。そこで、練馬区西部地域における都市計画道路の取り組み状況についてお伺いいたします。
 まず、先ほどの外環の質問でも触れた、目白通りの延伸部となる放射第七号線についてでありますが、現在事業中の本路線が位置する練馬区北西部の大泉町や大泉学園町などの地域は、日常の交通手段として路線バスなどの自動車への依存度が高いにもかかわらず、道路整備が非常におくれております。また、本路線は地域の骨格を形成するとともに、外環アクセスとしても重要な路線であることから、早期整備が必要であります。
 まず、放射第七号線の用地取得状況について伺います。

○四方用地部長 放射第七号線は、区部と多摩地域を結ぶ骨格幹線道路であり、外環へのアクセス道路としても重要な路線でございます。練馬区内の北園交差点から西東京市境までの延長約二キロメートルの区間について、平成十八年七月に事業に着手してから本年十月末までの間に約三万八千七百平方メートルの土地を取得しており、取得率は約八三%でございます。
 引き続き、道路によって敷地が分断され、約百基の墓地が移転対象となる寺院や、約千八百平方メートルの規模の納税猶予農地などの取得に向け、地元区などの協力を得て代替地の情報提供をするなど、早期の解決に取り組んでまいります。今後とも、関係権利者の理解と協力を得ながら、工事につながる用地取得を進めてまいります。

○高橋委員 用地取得の進捗がかなり進んでいることが確認できました。一部で工事にも着手しているようでありますが、これから本格的な工事が行われていくと思われます。
 そこで、放射第七号線の現在の整備状況と、今後の工事の予定について伺います。

○吉原道路建設部長 本区間は、往復二車線で十一メートルの車道の両側に、自転車走行空間を含め七メートルの歩道を整備する計画でございます。昨年度は、都道練馬所沢線西側の二カ所で、工事用搬入路とあわせて、地元の方々の安全性や利便性向上のために幅員約二メートルの歩行者用通路を計四百十メートル整備いたしました。
 引き続き、年内には、用地取得が進んでいる区間で延べ約千八十メートルの排水管設置工事に着手し、来年度は電線共同溝設置工事を行う予定でございます。今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期完成を目指し積極的に事業を推進してまいります。

○高橋委員 放射第七号線の整備について昨年の事務事業質疑でお伺いしたところ、歩道の整備に当たっては、歩行者空間と自転車走行空間を植樹帯で分離し、バリアフリーにも配慮するとの答弁をいただきました。地元も大いに期待していることから、ぜひ、安全・安心の確保を最優先とした道路基盤整備の推進を強く要望させていただきます。
 次に、地下鉄大江戸線延伸の導入空間となる補助第二三〇号線についてお尋ねいたします。
 練馬区北西部地域は、東京都区部において数少ない鉄道交通不便地域の一つであり、この地域の住民にとって、地下鉄大江戸線の延伸は長年の悲願であります。
 私は、昭和六十三年に設立された大江戸線延伸促進期成同盟の活動にも積極的に参加し、去る十月二十五日には、副知事を初め関係局長に大江戸線延伸の早期整備を要請したところであります。
 地下鉄大江戸線延伸の導入空間となる笹目通りから大泉学園通りまでについては、すべての区間が事業化されており、住民の期待は大変高まっています。このうち、建設局では、土支田通りから外環までの区間を平成二十一年度に事業化し、平成二十二年度には外環から大泉学園通りまでの区間を事業化しております。
 そこで、土支田通りから大泉学園通りまでの区間のこれまでの進捗状況と、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○四方用地部長 補助第二三〇号線は、練馬区北西部地域における交通の円滑化や、歩行者の安全性向上などに寄与する重要な路線でございます。
 本年十月末までに、土支田通りから大泉学園通りまでの延長約二・一キロメートルの区間において約三千百平方メートルの用地を取得しており、取得率は約一〇%でございます。
 この区間は、ほぼ中央に白子川が流れており地形の変化に富んでいることから、宅地と新たな道路との間に高低差が生じる箇所が多くなっております。このため、用地取得に当たっては、高低差の調整や、関係権利者の生活再建などに配慮をしたきめ細かな対応を心がけてまいります。
 今後とも、地元の理解と協力をいただきながら、早期完成に向け、積極的に用地取得を進めてまいります。

○高橋委員 去る十月二十四日の公営企業会計決算特別委員会において、大江戸線延伸に関し、導入空間となる補助第二三〇号線の整備は順調であり、採算性を含め、事業化について具体的な検討を進めるとの答弁をいただいております。先ほども申し上げましたように、大江戸線の延伸は地元の長年の悲願であります。それを実現するためにも、補助第二三〇号線の早期整備を強く要望しておきます。
 次に、事業概要の四二ページにある連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
 都内には、いまだ約千百三十カ所の踏切が残されており、交通渋滞や市街地の分断による都市の活力低下の要因となっております。このような踏切問題を解消するには、数多くの踏切を一挙に除却する連続立体交差事業の推進が必要不可欠であります。
 私は、本事業の重要性と積極的な推進についても、これまで十年間幾度となく都議会の場を通じて訴えてまいりました。とりわけ、私の地元練馬区で現在進められている西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業につきましては、地元住民の切実な願いである早期高架化を繰り返し要望してまいりました。
 その結果ことしの四月には、ついに練馬高野台駅から石神井公園駅付近が高架化され、この区間の踏切がなくなりました。地元住民は、待ち望んでいた踏切のないまちが実現したことを心から喜んでおります。その喜びの声は、私のもとへ数多く寄せられております。
 そこでまず、今回、踏切がなくなったことによる効果についてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長 西武池袋線連続立体交差事業は、練馬高野台駅から大泉学園駅までの延長二・四キロメートルの区間を高架化し、九カ所の踏切を除却するものでございます。このうち、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの区間におきましては本年四月に高架化が完了し、この区間にある六カ所の踏切を除却いたしました。これによりまして都道の富士街道では、踏切の遮断で最大五百メートルあった交通渋滞が解消し、朝夕の自動車の平均旅行速度が約二倍に向上いたしております。
 また、高架化後に実施したアンケート調査によりまして、歩行者や自転車の安全性、利便性が向上するなどの効果があったことが確認されております。具体的には、家族に小中学生やお年寄りがいらっしゃる方の約九割が、踏切事故の心配がなくなり安心感が高まったと回答しております。さらに、地元の消防署員の約九割が、緊急車両での移動がスムーズになったと回答するなど、踏切除却の効果を実感していることが確認できました。

○高橋委員 ことしの四月に踏切がなくなった区間では、非常に高い事業の効果が得られ、地域の大変多くの方々がその効果を実感していることがわかりました。一方、踏切がなくなった区間に続く石神井公園駅付近から大泉学園駅までの区間には、いまだ三カ所の踏切が残されておりますが、本年三月の環境・建設委員会での私の質問に対して、この区間で、今年度内に工事に着手するとの答弁を得ております。
 そこで、この区間における現在の状況と今後の予定について伺います。

○吉原道路建設部長 石神井公園駅付近から大泉学園駅までの区間につきましては、工事に必要な用地がおおむね確保できましたことから、来月、工事説明会を開催いたします。説明会開催の後、仮線工事などに着手いたします。
 今後とも地元住民の理解と協力を得ながら、早期完成に向け、本事業に積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 いよいよ、すべての踏切の除却に向けて工事が進められているとのことであります。また踏切が除却された区間では、現在、鉄道の複々線化工事が進められており、先日、地元に配布されたお知らせには、富士街道において車両を通行どめにして工事を行うとあります。これまでも安全に配慮して工事は進められておりますが、特に駅近くの富士街道は歩行者の通行が多いことから、今回の工事においても安全への配慮を怠らないよう、都から西武鉄道への指導をお願いいたします。地元住民は、残る三カ所の踏切についても、一日でも早くなることを心から待ち望んでおります。今後とも、西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業を積極的に進めるよう強く要望いたします。
 一方、練馬区内の西武線には、池袋線のほかに新宿線があります。西武新宿線については中井駅から野方駅間の都市計画が本年八月に決定され、今月には用地測量説明会を開催し、事業化に向けた手続が着実に進められております。引き続き、早期事業化に向けて積極的に取り組むよう要望いたします。
 さらに、これよりも西側にある井荻駅から東伏見駅付近についても、連続立体交差化の事業候補区間として検討が進められており、踏切解消に向けた地元住民の期待は非常に大きいものであります。地元では、上石神井駅周辺に続き、武蔵関駅周辺においてもまちづくりの取り組みの意欲が高まってきたことなどから、ぜひ事業化に向けた課題を早期に解決し、連続立体交差化を実現するよう強く要望しておきます。
 最後に、事業概要の一〇一ページにある、都市公園・緑地の整備状況に関連してお尋ねいたします。
 都内の都市公園は着実に増加してきておりますが、東京都の一人当たり公園面積は五・七平方メートルと、国内外の大都市に比べてまだまだ足りない状況にあります。東京都は、都市整備局が策定した都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、公園の整備を行ってきましたが、この方針の改定案がことし九月に公表され、これまでにパブリックコメントの公募が行われました。
 そこで、まず、現行の都市計画公園・緑地の整備方針において、都立公園の事業成果をお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 現行の都市計画公園・緑地の整備方針は、平成十八年三月に、都市計画公園・緑地の計画的、効果的な整備促進と整備効果の早期実現に向けた方策を示すために策定されました。
 その中で、二〇一五年までに優先的に事業着手する区域を優先整備区域として、事業を進めてまいりました。現在の都立公園の優先整備区域は三十九カ所、二百七十八ヘクタールでございます。
 平成二十三年六月現在、優先整備区域の都立公園部分は、二百七十六ヘクタール、九九%を事業着手し、着実に整備してきております。

○高橋委員 都立公園においては、現在、優先整備区域に指定されている範囲の九割以上と、高い着手率であることがわかりました。
 次に、今回の都市計画公園・緑地の整備方針の改定における、都立公園の優先整備区域の設定の考え方について伺います。

○上杉公園緑地部長 都市計画公園・緑地の整備方針の改定案では、緑地が持つ本来の機能の発揮はもとより、本年三月の東日本大震災を踏まえ、首都東京の防災機能の強化を急ぐためにも、計画的かつ効率的な整備を推進することとしております。
 都立公園の優先整備区域の設定におきましては、重要性、効率性、整備の緊急度の三つの評価基準で設定いたしました。

○高橋委員 東日本大震災を踏まえた上で都市計画公園・緑地の整備方針の改定を行うことで、市街地部の防災機能の向上が期待されます。特に改定案の中で、市街地部において新しく事業を着手する公園として、私の地元の練馬城址公園の都市計画区域のうち約二十二ヘクタールが優先整備区域に入っていることは高く評価しております。
 そこで、練馬城址公園の今後の計画策定に際し、どのような効果が期待できるのか伺います。

○上杉公園緑地部長 都市計画練馬城址公園は、豊かな緑と石神井川を生かした水と緑のネットワークの拠点として計画してまいります。同時に、計画策定に際しましては、避難場所を確保し、防災面に十分配慮いたします。また、公園に貯留機能を持たせることで豪雨対策に寄与してまいります。今後、整備方針決定後、具体的な計画の策定に向けて検討してまいります。

○高橋委員 練馬城址公園の整備につきましては、大規模な敷地の宅地化が避けられることでも非常に意義があり、また、このたびの東日本大震災で得た教訓を生かし、災害時には、重要性の増した避難場所や、仮設住宅の場所のための都市空間を確保するという意味からも効果的と考えます。
 さらに、防災に配慮し、現在指定されている六万人の避難場所を確保すること、緑豊かな空間を構成している約四百本の既存樹木を生かすこと、計画地中央約七百メートルの区間を東西に流れる石神井川の環境を、緩傾斜護岸による親水化の検討をするなどし、十分に生かすこと--などなどにより、都立公園としてのメリットが最大限に発揮されることを期待しております。
 また、地元練馬区では、平成二十一年一月の練馬区みどりの基本計画において、緑が持つ環境、防災、景観、レクリエーション等の機能を複合的にかつ最大限に発揮させるためにはネットワークの形成が不可欠であることから、緑と水のネットワークをつくることを基本方針としており、練馬城址公園の事業は、この方針におけるネットワークの拠点として、河川沿いの緑の充実につながることにおいても重要であると思います。
 優先整備区域は十年以内に事業認可をかけていくということでありますが、今後立案する公園の計画については少しでも早く地元と十分に調整の上、二十一世紀を代表する公園となるように取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○上野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○上野委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十四分散会

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