環境・建設委員会速記録第三号

平成二十三年三月一日(火曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長橘  正剛君
副委員長山田 忠昭君
副委員長野上ゆきえ君
理事島田 幸成君
理事石森たかゆき君
理事伊藤まさき君
野田かずさ君
山下ようこ君
興津 秀憲君
かち佳代子君
こいそ 明君
木内 良明君
高橋かずみ君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
建設局局長村尾 公一君
次長影山 竹夫君
道路監山口  明君
総務部長野口 宏幸君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長東  了一君
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長横溝 良一君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長萩原 松博君
公園管理担当部長滝澤  達君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 建設局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第八十一号議案 東京都立公園条例の一部を改正する条例
・第九十九号議案 平成二十三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・第百号議案 平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について

○橘委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員からお手元配布のとおり、意見書を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○橘委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十三年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十三年二月二十五日
東京都議会議長 和田 宗春
環境・建設委員長 橘  正剛殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月三日(木)午後五時

(別紙1)
環境・建設委員会
第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中
歳出 繰越明許費 債務負担行為  環境・建設委員会所管分

(別紙2省略)

○橘委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、第八十一号議案、第九十九号議案及び第百号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○野口総務部長 去る二月二日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に九件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。建設局の事業別予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など、表頭に記載しました建設局の主な事業につきまして、平成十四年度から二十一年度までの予算額と決算額、平成二十二年度当初予算額及び平成二十三年度予算案の額をあらわしたものでございます。
 二ページをお開きください。道路橋梁費における事業別財源内訳でございます。
 この表は、平成二十三年度予算案における道路橋梁費につきまして、それぞれ事業別に、事業費及び国庫支出金などの財源内訳をあらわしたものでございます。
 三ページをお開きください。直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十四年度から二十一年度までの決算額、平成二十二年度当初予算額、平成二十三年度予算案の額及び各年度の主な事業箇所をあらわしたものでございます。
 四ページをお開きください。建設局に係る中小企業への工事発注実績の推移でございます。
 この表は、建設局が発注した工事につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
 なお、平成二十二年度につきましては、十二月三十一日現在の数値でございます。
 五ページをお開きください。骨格幹線(主要路線)・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路の整備費につきまして、平成十九年度から平成二十一年度までの決算額、平成二十二年度当初予算額及び平成二十三年度予算案の額をあらわしたものでございます。
 六ページをお開きください。都市公園の維持管理費、整備費、用地取得費及び開園面積の推移でございます。
 この表は、当局の所管いたします都市公園における維持管理費ほか表頭区分に記載しました各事項につきまして、平成十四年度から平成二十一年度までの決算額、平成二十二年度当初予算額、平成二十三年度予算案の額及び各年度の用地取得面積と開園面積をあらわしたものでございます。
 七ページをお開きください。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況としまして、各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業につきまして、平成十四年度から平成二十一年度までの決算、平成二十二年度当初予算、平成二十三年度予算案の状況をあらわしたものでございます。
 八ページをお開きください。道路補修費の予算・決算額の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成十四年度から二十一年度までの予算・決算額の区部、多摩部別、平成二十二年度当初予算額及び平成二十三年度予算案の額をあらわしたものでございます。
 九ページをお開きください。歩道の整備状況の推移でございます。
 この表は、歩道の延長及び金額につきまして、平成十四年度から平成二十一年度までの決算、平成二十二年度当初予算、平成二十三年度予算案の状況を、それぞれ区部と多摩部の内訳とともにあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○橘委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 まず私からは、全国都市緑化フェアについて何点かお伺いをしたいと思います。
 先般、ことし東京都で全国都市緑化フェアが開催をされると発表がございました。本予算にも五億円の予算が計上されているところであります。これまで我が党からは、山下委員から一般質問で、この件に質問し、さまざまな要望をさせていただいているところでございますけれども、確認の意味を込めて、何点か確認をさせていただきたいと思います。
 このフェアは、都市緑化意識の高揚や都市緑化に関する知識の普及等を図ることにより、国、地方自治体及び住民等の協力による都市緑化を全国的に推進し、緑豊かな潤いある都市づくりに寄与することを目的として、昭和五十八年度から、原則として毎年度開催をされているものであります。
 東京都におきましては一九八四年の第二回開催以来、二度目の開催となりますけれども、今回はどのような内容となるんでしょうか。また、会場選定の考え方などについてもお伺いをいたします。

○上杉公園緑地部長 全国都市緑化フェアは、開催期間を平成二十四年十月ごろの一カ月程度、会場を都立日比谷公園等とし、緑の施策の先進都市東京ならではの印象深いムーブメントとすべく開催内容を検討しております。
 会場につきましては、東京のさまざまな緑の魅力を伝えるため、都立公園の中から、民間の連携により、ガーデニングショーが開催されております日比谷公園、文化の森として再生を進める上野恩賜公園、武蔵野の水と緑の拠点である井の頭恩賜公園、江戸の庭園美を今に伝える浜離宮恩賜庭園としております。あわせて、海の森や国営昭和記念公園も会場として、多様な連携を図ってまいります。

○伊藤委員 東京で複数の会場でやられると。メーンの会場があって、大きなイベントを打つということじゃなくて、東京都の緑施策の成果を発信するという考え方でおやりになるということだろうというふうに思いますが、今回の緑化フェアの考えを踏まえますと、会場の地元区だけではなく、都内の区市町村と連携を図り、フェア開催に向けて取り組む必要があるというふうに考えますし、首都の開催でございますので、都内だけではなく、都外の自治体を含めて広範な連携を図り、意義のあるフェアとするべきと考えますけれども、ご所見をお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 東京都で開催する全国都市緑化フェアは、会場の地元自治体だけではなく、都内区市町村の緑、環境に関する取り組みやイベントと連携して、緑の東京をアピールすることを検討しております。これまで、地元自治体を含め、都内区市町村に、全国都市緑化フェア開催に向けた連携の呼びかけをしており、引き続き連携内容の具体化に向けて取り組んでまいります。
 また、都外との連携については、これまでも、全国都市緑化フェアでは、自治体による花壇が出展されてきました。東京都開催に当たりましては、こうした出展する自治体のPRや自治体間の連携に効果的なものとなるように検討してまいります。

○伊藤委員 このフェアには、全国の自治体から花壇が飾られるということなんですけれども、実はその事業において、これは札幌市の例なんですけれども、先般行われた市民評価、事業仕分けの一種だろうというふうに思いますけれども、市民評価で、果たして費用対効果がどうなんだろうかという意見が各自治体の地元で出てきているということも聞いておりますので、ぜひとも、そういった成果を、東京だけでなく、日本全国に波及させるように、それらの仕組みもぜひとも考えていただければと、このように思います。
 オリンピック招致など、ここ最近の大型イベントでは、契約のあり方や税金の使い道について問題点を指摘されることがございます。せっかくのすばらしいフェアですので、その点には十分注意を払うべきと考えます。費用対効果や公平性、透明性の確保策について都の所見をお伺いいたします。

○上杉公園緑地部長 全国都市緑化フェアは、開催期間のみのイベントではなく、開催を契機とした、国、地域や都民、民間事業者等との多様な連携の創出、強化など、緑あふれる東京の実現に向けた施策の推進に効果的なものとなるよう、検討準備を進めております。
 また、全国都市緑化フェアの準備、実施運営における契約につきましては、当然のこととして、公平性、透明性に配慮した発注内容や契約方法とする予定でございます。

○伊藤委員 ぜひとも、その点に十分ご留意をされて、意義のあるフェアとなるようにご努力をしていただきたいと思います。
 続きまして、事業評価についてお伺いをいたします。
 都では五年前から、予算編成に当たりまして事業評価を導入されております。平成二十三年度予算編成において、建設局の主な取り組み状況はどのようになっているのでしょうか。

○野口総務部長 建設局は、災害に強く快適で住みよい都市を目指し、道路、河川、公園など都市基盤の整備を推進しております。都市基盤の整備は、日々の都市活動、都民生活を支える上で欠かすことのできないものでございまして、未来につながる財産を築く極めて重要な事業でございます。都政を取り巻く厳しい財政環境の中にあっても、国際競争力と経済活力の強化、魅力ある都市づくり、安心で暮らしやすい社会の実現など、都政の諸課題に確実に対応していくため、一つ一つの事業について、効率的で実効性の高い施策へと向上させていく継続的な取り組みとして、予算編成において事業評価を実施いたしました。
 平成二十三年度予算編成におきましては、事業成果や決算状況の事後検証を徹底するとともに、歳入等を新たに評価対象に加えまして、また、既に着手しております事業につきましても、発生主義の視点から再検証を行いました。

○伊藤委員 既に行っている事業につきましても、発生主義の観点から再検証、さまざまな角度で行われたということでありますけれども、それでは、具体的にどのような成果があったんでしょうか。

○野口総務部長 事業評価を通じまして、道路維持事業におけるゼロ都債の活用や、都立公園における防災拠点の緊急対策などについては、事業効果の点から事業を拡大し、また、事業用地取得の際の移転資金貸付金収納等業務委託につきましては、歳入を確保するために事業を見直すことといたしました。
 また、水門管理システムの再構築については、執行体制の見直しを行い、業務の省力化を図ることといたしました。こうした事業評価の結果、事業の見直し、再構築により財源を確保する一方、都政の使命を確実に果たすため、局事業の重点化を図ることもできたと考えております。

○伊藤委員 ただいまのご答弁にありました水門管理システムについて、何点かお聞きをしたいと思います。
 このシステムの再構築につきましては、高潮や津波など、自然災害から都民の生命、財産を守るための大変重要な事業であると思っております。今回はどのような再構築をされたのでしょうか。

○横溝河川部長 従来の水門管理システムは、主に水位を一元的に監視する一方で、水門等につきましては、施設ごとに現場で操作をしておりました。このシステムは昭和六十一年に導入したものでございまして、老朽化が著しいため、システムを再構築するということにしたものでございます。
 再構築に当たりましては、迅速かつ効率的な操作を実現するため、情報通信技術を活用することといたしまして、複数の水門などを一元的に監視制御する遠隔監視制御方式を採用いたしました。
 具体的には、清澄排水機場の敷地内に水門管理センターを設置いたしまして、東部低地帯の水門や排水機場などの施設を光ファイバーで結び、モニターによる水位などの監視や水門の開閉を一元的に行うこととしたところでございまして、本年四月から本格運用を開始する予定でございます。

○伊藤委員 老朽化したシステムを、最新の技術に基づいて、センターとして集約をして、効果を発揮するということであります。システムの効率化は当然でありますけれども、一番重要なのは、安全性の確保であったりとか、緊急事態への対応力というふうに考えます。現場の人員をかなり削減されているようですけれども、安全の確保策やリスク管理はどのように行われているのでしょうか。

○横溝河川部長 今回の定数の削減は、主にシステムの効率化によるものでございまして、水門等の運転監視業務は、これまでどおり、二十四時間三百六十五日、三交代で行う体制を確保しております。また、排水機場などには合計で十一戸の職員住宅を配置し、夜間、休日におきましても、不測の事態に対応できるよう要員を確保しております。
 一方、施設面では、水門管理センターのシステムに異常が生じた場合には、旧中川にございます木下川排水機場内に設置いたしましたバックアップセンター、ここで直ちにシステムを代替させるほか、各施設を結ぶ光ファイバーにつきましては、二重ループ化し、一つの回線が切断した場合でも対応できるようにしてございます。
 このほか、仮に通信機能が遮断された場合でも、無線による水門の緊急閉鎖が可能でありまして、さらに、停電に備え、自家用発電設備なども各施設に備えてございます。加えて、手動による水門の開閉も可能でございまして、都として万全の体制を整えております。

○伊藤委員 予算を削減した上で、二重三重の安全対策をしいていただいているということでございますので、ぜひとも、しっかりとこのまま、これまで以上に安全に運転をしていただければというふうに思います。
 事業評価は、都の公会計の手法を活用し、発生主義の視点からきめ細かい分析や試算を行っております。実際の建設局の予算編成では、具体的にどのように生かされているのでしょうか。

○野口総務部長 水門管理システムの再構築について、平成二十三年度の新システムの全面稼働に当たりまして、発生主義により、再構築前後の管理運用に係るコストを試算し、コスト比較を行いました。
 具体的には、それぞれの人件費に退職給与引当金を、また再構築後のコストには、再構築の際に財源充当した起債の金利を加えました。その結果、水門管理システムの再構築後は、点検業務の委託化やシステムの保守管理などによりまして、事業費は増加するものの、人件費の大幅な縮減を図ることによって、年間一億八千八百万円のコスト縮減が可能となりました。

○伊藤委員 発生主義の考え方を用いて、こういう縮減の成果が出てきているということはよくわかりました。
 局のホームページを見ますと、バランスシートが掲載をされております。私がざっと見た中では、建設局だけが、バランスシートをホームページに張っていただいてあったわけでありますけれども、都民への説明責任の一端を局としても果たそうという意思のあらわれというふうに思っております。
 そもそも新公会計制度の導入の目的は、財務諸表を作成することにより、資産や負債などのストック情報を一目でわかりやすくするとともに、これまでにはわからなかった減価償却費などを含む正確なコスト情報を明らかにすることにより、都民への説明責任を一層果たしていくとともに、効率的で効果的な行政運営を行っていくということだろうというふうに思います。
 このバランスシートを見ますと、平成二十年度の末時点で、十五兆七千四百三十億円という膨大な資産が既に積み上がっているということがわかりますけれども、膨大な資産があるということは、その額に見合う膨大な維持管理費や更新費用が必要であります。
 社会資本の維持管理、更新に対しての局の取り組みは、どのようになっているんでしょうか。

○西倉企画担当部長 建設局はこれまで、管理する社会資本を対象に、定期点検や日常点検などを行い、その都度、適切な補修、補強を実施することで安全を確保してまいりました。しかし、建設局が管理する社会資本の多くは、高度経済成長期に集中して整備されたため、高齢化が進み、近い将来、一斉に更新時期を迎えます。
 そこで、建設局は予防保全型管理を導入して、適切な時期に補修を行うなど、社会資本ストックを長寿命化することにより、対症療法型管理に比べて、更新時期の平準化とライフサイクルコストの大幅な縮減を図ることとしております。
 既に橋梁については、全国に先駆け、平成二十年度に、橋梁の長寿命化を柱とする橋梁の管理に関する中長期計画を策定いたしまして、予防保全型管理を推進しております。河川施設では、分水路、地下調節池につきまして、平成二十二年度までに健全度調査を実施いたしまして、この調査結果に基づき、平成二十三年度から予防保全計画の策定に向けた検討を行う予定でございます。
 また、公園施設につきましては、平成二十二年度から、遊具や特殊施設について劣化状況の調査を開始いたしました。今後、長寿命化計画を策定し、適切な維持管理を行ってまいります。
 今後とも、予防保全型管理を拡大することで、安全・安心を確保しながら、既存のインフラを最大限利用した環境負荷の少ない成熟した都市づくりを進めてまいります。

○伊藤委員 大変ご丁寧な答弁ありがとうございました。
 既に橋梁については、もうシステムを動かして平準化を行っていると。河川や公園についても、来年度から計画を立ててやっていくと。そもそも更新にかかる費用を縮減すると同時に、一遍にお金がかからないように、それを平準化するという、局が努力をされているということはよくわかりました。
 しかし、局の努力はわかるんですけれども、その事業をやるには、財源の裏づけがなければ、その事業を継続することができませんけれども、財源の裏づけはどのようになっているんでしょうか。

○野口総務部長 財源についてでございますが、起債や基金からの繰入金などにつきましては、一般財源として、各年度の予算編成時及び決算状況に応じまして、都税収入など全体の財政状況を勘案して、財務局は各事業に対し、その充当額を決めているところでございます。
 なお、道路、河川、公園など、多くの社会資本を管理する建設局といたしましては、施設更新を含めまして、事業計画を策定する際に、全体経費の縮減や後年度負担の平準化を図りますとともに、各年度の予算編成におきましても、厳しい財政環境の中で、執行状況等を踏まえまして、国庫などの財源の確保に努め、都民に真に必要な事業の執行に必要な経費計上を行っております。

○伊藤委員 局としては、計画を持って、それに伴って、毎年、予算要望をしていると。予算をつけていただいているということだと思うんですけれども、せっかく公会計を導入して、バランスシートで、都民に対してわかりやすく財政運営をやるということであるならば、その局の持っている計画というものを、このバランスシートのように財務諸表にして、都民に公開をして、そして、これだけの経費が必要なんだからという、都民からすると、行政サービスを受ける対価としての税金の負担ということがより一層わかりやすくなるような取り組みを、ぜひとも局としてもやっていただければなというふうに思います。
 東京都全体の財政運営を考えれば、財務局が財務当局として、全体の都政の中で運営をやっていくというのは、確かに一つの考え方かもしれませんけれども、民間のマンションと比べてはいけないかもしれませんが、やはりちゃんとした管理を行っているマンションは、大規模な修繕に備えて、住民の方に負担をしていただいているわけですね。ですから、きちんと資金を引き当てして財政運営をやっていくためには、局のそうした内部の努力を都民に積極的にアピールしていくことも必要ではないかなというふうに思います。
 今後とも財政の健全な運営と、そして、都民に非常に身近な都市基盤というものを所管されている局として、適正な運営をしていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。

○野田委員 それでは最初に、多摩地域における河川整備についてお尋ねいたします。
 昨年、七月五日の集中豪雨では、局地的な集中豪雨ということで、都内各地域に被害をもたらしました。当時の警報状況を確認いたしますと、七月五日十七時四十分に、多摩北部、多摩西部、多摩南部に大雨洪水警報発表、十九時十七分に、二十三区西部、二十三区東部に大雨洪水警報発表、二十時五十五分に、北区、板橋区、練馬区に東京都土砂災害警戒情報発表となっております。
 私も、いまだにこの日のことが鮮明に記憶に残っておるのが、参議院選挙の直前ということもありまして、党の広報車に乗って、一日外を回っておったものですから、私の地元でも、水たまりで軽自動車や何かが立ち往生していたり、場合によっては、広報車が通れないのかなというような危ういところもありましたが、ただ、このときの雨では、主に二十三区の方が被害が大きかったと聞いております。特に、石神井川がはんらんして、その流域においての被害が多かったとの報道を耳にいたしております。
 また、多摩地域においては、集中豪雨で被害が大変激しかったのが平成二十年の八月の末、このときは鶴見川や境川といった河川で川があふれて、大きな浸水被害となったわけであります。多摩地域の集中豪雨による、河川があふれることによる浸水被害ということにおいては、東京都が進めている一時間五〇ミリ降雨への対応ができてない区間で、特に被害が大きかったというふうに聞いております。
 やはりまだ多摩地域においても河川整備が不十分であると思っておりますし、私どもも常日ごろから、進めていただきたいと要望を出しているところでありますが、河川整備の現状と今後の見通しについて伺いたいと思います。

○横溝河川部長 多摩地域の中小河川につきましては、一時間に五〇ミリの降雨に対応できるように、護岸ですとか調節池の整備を進めておりまして、空堀川や谷地川など十二の河川で一生懸命事業を展開しているところでございます。平成二十二年度末で、多摩地域の護岸整備率は六一%、これに調節池等の効果を加えた治水安全度は七五%となる見込みでございます。
 また、二十三年度は、空堀川など九河川で、延長約一・一キロメーターの拡幅工事を進めるほか、黒目川と落合川の合流点にあります黒目橋調節池工事などの整備を実施してまいります。
 今後とも、都民の命と暮らしを守るため、水害の早期軽減に全力で取り組んでまいります。

○野田委員 多摩地域の中小河川の整備を着実に進めていただいているということは今のご答弁でわかったんですが、特に、私の地元には空堀川がありまして、この整備も着実に進めていただいておるところでございます。
 しかし一方で、やはり地元から、さらにこの整備を進めてほしいと、このような要望も出ておりますし、私どももそういった要望を出させていただいているところでありますが、空堀川の奈良橋川との合流点、まだまだ浸水の危険性が高いところがありまして、やはり地元要望も強いところであります。
 そこで、空堀川のこれまでの整備状況、そして今後の予定について伺いたいと思います。

○横溝河川部長 空堀川は、東村山市や東大和市など四市を流れる延長十四キロメートルの河川でございまして、これまでに十一・五キロメーターの護岸整備が完了してございます。また、東村山市の浄水橋付近などの旧河川敷など、活用できる区間では、芝を張った緩い傾斜の護岸ですとか階段形式の護岸を整備するなど、人々が水に親しめる環境を創出してまいりました。
 現在は、宮前一の橋付近などにおきまして、護岸整備と橋梁のかけかえなど、合わせて延長約二百メーターの区間で工事を実施しておりまして、平成二十二年度末の護岸整備率は八四%となる見込みでございます。二十三年度は引き続き、東大和市の高木橋付近などで、延長約百メーターの整備を進めていく予定でございまして、今後とも、浸水対策のため着実に事業を推進するとともに、人々が親しめる魅力ある水辺空間の創出に努めてまいります。

○野田委員 空堀川の整備については、ただいまの答弁でよくわかりました。引き続き、着実に整備を進めていただきますよう、強く要望いたしたいと思います。
 次に、都立霊園について質問をいたします。
 先日、「週刊ダイヤモンド」の記事で、霊園と墓地についての特集がなされておりました。その中のコラムがありまして、タイトルは、都立霊園はいずれも大人気、時代逆行の青山ブランドと、こういうタイトルでありますけれども、要は、大変な人気があって倍率も高い。特に、青山霊園に対しては問い合わせも大変多いんだと、このような霊園担当課の方の発言が記載されているわけでございます。これ、週刊ダイヤモンドの記者の質問なんでしょうけれども、都立霊園の一般墓地は、倍率が高いけれども、公募以外で都立霊園を手に入れる裏ルートはないのかと、こういった質問に対して、これ、すばらしい回答なんですが、霊園担当課長さんの答弁なんですが、残念ながら、たとえ都知事でも公募で抽せんさせていただくと、大変公正、公平な回答をいただいているわけでございます。
 ただ、一方で、私のところにも、地元の方や選挙区外の方からも、都立霊園に入りたいのだけれどもというお話は、実は多数伺っております。ニーズが高いというのも、まさにこの記事のとおりであろうかと思っております。こういった、ふえ続ける都民のニーズをしっかりと受けとめて、創意工夫を重ねながら墓地を供給していくということは都立霊園の使命でありますし、都立霊園に寄せる都民の期待にこたえなければならないものであろうと考えております。
 現在、都民ニーズにこたえる墓地の供給として、多くの遺骨を埋蔵でき、管理の心配が要らない集合型の合葬式の墓地ですとか、私の地元の小平霊園などでは、今後整備が予定されております樹林墓地、樹木墓地の果たす役割というものは大きいものであろうと考えております。
 しかし一方で、やはり従来型の一般墓地を希望をされる都民も大勢おられ、なかなか抽せんが当たらないというのも実情であります。
 そこで、まず今年度の応募状況、特に一般墓地の倍率についてお尋ねしたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 今年度の応募状況につきましては、小平霊園など六つの都立霊園の一般墓地、長期収蔵施設、合葬式墓地など、三千三百五十四件の募集に対しまして、約一万四千件の申し込みがございました。全平均倍率は四・二倍となっております。
 このうち、一般墓地につきましては、五霊園、五百三十七カ所に対しまして、約六千六百件の申し込みがありました。平均倍率は十二・二倍となってございます。

○野田委員 全体の倍率が四・二倍で、一般墓地の倍率が十二・二倍ということで、かなりここに開きがあるわけでございますが、やはり一般墓地の供給を少しでもふやして、都民の期待にこたえる必要があると思います。東京都はどのように考えているのか見解を伺いたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 都民の墓地需要にこたえるため、既存霊園を有効活用し、合葬式墓地や長期収蔵施設などの集合墓地を中心に供給を図るとともに、一般墓地については、再貸付により安定供給を図ってまいりました。一般墓地の倍率につきましては、過去五年平均で約十四倍と依然と高く、供給増に努める必要があると認識しております。このため、来年度から全体の供給数を増加する中で、一般墓地につきましても都民の根強い需要を考慮し、供給数の増加に努めてまいります。

○野田委員 ただいま、一般墓地の供給数をふやしていくとのご答弁をいただきましたが、しかし、東京都としては、新たな墓地を造成する予定はないと、このように聞いております。どのようにして供給数をふやしていくのか、お考えを伺いたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 一般墓地につきましては、自主返還された墓所と無縁となった墓所の中から再貸付をしております。無縁墓所の整理につきましては、平成十二年度から計画的に取り組んでおりますが、平成二十年二月の東京都公園審議会答申を受けまして、今年度からは整理対象墓所の数をふやしまして、調査を進め、将来的な供給増に対応することとしております。
 また、一般墓所の再貸付に当たっては、墓所の形状や広さ等を検討し、分割可能な場合には、小区画化を図ることにより供給数をふやしてまいります。

○野田委員 墓地に対する都民の意識が多様化し、さまざまなタイプの墓地が必要とされております。また、高齢者の増加に伴い、より身近な地域に墓地を求める傾向も出てきております。都民ニーズを敏感にとらえながら、都立霊園はこれからも公平かつ効率的に安定的な墓地供給に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは最後に、今回、事件案が提出されております連続立体交差事業に関連して質問をいたします。
 私の地元、東村山市では、東村山駅周辺の渋滞解消に向けた取り組みとして、西武新宿線の連続立体交差化に向けた取り組みが進められております。この連続立体交差化に当たっては、昨年十一月のこの委員会で、私の質問に対し、都市計画及び環境影響評価手続に着手することで最終調整をしているとの答弁をいただき、大きな期待を寄せているところであります。
 その後、十一月末に都市計画素案説明会が開催されました。事業化に向けて順調に動き出していると伺っておりますが、この都市計画素案説明会の開催状況について伺います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差化計画につきましては、都市計画素案説明会を昨年、十一月二十九日、三十日の二日間にわたり開催し、延べ七百名を超える住民の方々のご出席をいただきました。説明会では、今後のスケジュールや環境への影響、関連するまちづくりなどに対するご質問やご意見をいただき、計画に対する期待の高さがうかがえるものでございました。

○野田委員 この説明会の後、私のところに問い合わせが大変多くありました。地権者の方ですとか周辺自治会の会長さんや自治会の方々とか、大変多くの反響がありまして、ぜひ一日も早く実現していただきたいと、こういう要望を受けております。
 しかし、一方では、東村山では四月に市長選と市議会の選挙もありまして、やはりこれを選挙の争点にしようと考えている勢力もおるようでございまして、既に反対のビラがまかれております。そのビラの中には、ちゃんと意見聴取というものを、聞いてないと、市民の意見に十分耳を傾けていないのではないかと。よくありがちなものでございますが、こういったものが争点にされて、万々が一の市長選の結果、地元の市議会議員選挙の結果になってしまって、それが原因で、この連続立体交差化がおくれてしまうというのは、私どもも大変遺憾に思っておりますし、そんなようなことがないように私どもも取り組んでいかなければならないなと、このように思っております。大変、このように盛り上がりを見せておるんですけれども、この説明会開催後の事業化に向けた東京都の取り組みについて伺いたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本連続立体交差化は、東京都環境影響評価条例の対象事業となることから、条例に基づきまして、昨年十二月に環境影響評価調査計画書を提出し、手続に着手いたしました。今後、都市計画案及び環境影響評価書案を作成し、都市計画及び環境影響評価の手続を進めるなど、早期事業化に向け積極的に取り組んでまいります。

○野田委員 ただいまのご答弁で、東村山駅周辺の連続立体交差化が着実に進んでいる、進めていただいておることが確認できました。駅周辺には、幹線道路の府中街道に踏切があり、慢性的な交通渋滞が発生しております。さらに、東村山駅のすぐ近くには、五差路の交差点となっております大踏切というものも残されております。大変危険な踏切でありますが、警察発表では、危険ゆえに今まで事故が一度もなかったと。みんなが心配して通るから大丈夫だったというふうにいっておりますが、本当かどうかわかりません。あくまでもうわさ話でありますが、本当に大変危険な踏切であります。担当者の方、よくご存じでしょうし、地元の道路監はよくご存じのことと存じ上げております。
 これら踏切の解消は、本当に東村山住民の切なる願いでありますし、これだけ狭いまちに、どうしても九つも駅があるものですから、その九つの駅というのが、JRの駅、これは地下を通っているんですけれども、武蔵野線、西武新宿線、池袋線と新宿線の枝線も通っているものですから、何としてでも着実かつ早期の実現をお願いしたいところであります。
 こうしたことから、私は事業化の動向だけでなく、実際に事業が実施された後の踏切改修や事業効果についても日ごろから注目してきました。このような中、先週の予算特別委員会の総括質疑におきまして、我が党を代表した林田武議員の質問に対しまして、建設局長が、京浜急行線の連続立体交差事業によって、幹線道路である環状八号線に唯一残る踏切が解消された効果などを答弁されておりました。
 そこで改めて、京浜急行線の京急蒲田駅付近の連続立体交差事業にはどのような事業効果があるのか、伺いたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 京浜急行本線・空港線連続立体交差事業は、京急本線の平和島駅から六郷土手駅間及び空港線の京急蒲田駅から大鳥居駅間におきまして、第一京浜や環状第八号線など、二十八カ所の踏切を除却して道路ネットワークの形成を促進するとともに、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業でございます。
 本事業では、昨年五月に上り線を高架化いたしまして、第一京浜の踏切で最大七百八十メートルあった渋滞長が約六割減少いたしました。また、昨年九月には、全区間の高架化に先立って環八付近を仮設高架橋に切りかえ、環八に唯一残されていた踏切を含む四カ所の踏切を除却いたしました。これによりまして、環八の踏切で最大七百十メートルあった渋滞が解消するとともに、環八付近で鉄道と交差する生活道路では、自動車交通量が約六割減少しております。このほか、本事業に合わせて、地元大田区が、駅前広場や側道の整備、再開発事業を進めるなど、周辺地域のまちづくりが促進されております。

○野田委員 ただいまの答弁で、環八のような幹線道路における踏切の解消によって、多大な効果があるだけではなくて、地元にもさまざまなメリットがあることが確認されました。このような効果を早期に実現するためには、事業の円滑な推進が重要であり、そこには事業主体である東京都と、関係する地元自治体や鉄道事業者との密接な連携や合意形成は欠かせないものと考えております。このことは、今後事業化を控えております東村山にとっても大変気になるところであります。
 そこで、京浜急行線連続立体交差事業においては、地元区や鉄道事業者と連携や合意形成を図るために、一体どのような取り組みを行っておるのか伺いたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 円滑な事業推進に向けまして、関係者間での連携や合意形成を図るため、都、大田区、京急電鉄の三者で連続立体交差事業協議会を設置し、事業計画、施工計画などを随時協議しております。
 このほか、早期完成に向けた具体策を検討するため、平成十三年に三者で工期短縮検討会を設置しまして、事業区間の約六割で仮線高架工法から直接高架工法への変更策を取りまとめ、平成十四年度から実施しております。この工法変更によりまして、すべての踏切の除却が五年間短縮されるなど、事業効果の早期発現が見込まれております。
 また、本事業の進捗に伴いまして、事業費の見直しなどが必要になったことから、昨年二月に三者で工事調整検討会を設置し、事業費の変更や事業効果などを検討して、本年一月に事業費変更を行いました。このように、連続立体交差事業では、関係者間で連携し、適宜協議、調整しながら合意形成を図る取り組みを行っております。

○野田委員 東京都が、関係者間の連携、また合意形成を適切に行っていただいておるということが、今の答弁で確認されました。この取り組みを引き続き行いながら、京浜急行線連続立体交差事業を積極的に推進していただきたいと思います。
 さらに、これまでの事業実施で培ったノウハウや取り組みなどを生かして、東村山駅付近の早期事業化の実現に向け一層の取り組みを期待したいと思います。さかのぼりますと、四年前の統一地方選挙のときは、東村山駅西口の再開発の問題が、市長選や市会議員選挙の争点にされてしまいました。今回は、この連立の問題が争点にされておりまして、やはり我々も地元選出の議員として、しっかりと地元の有権者の方に、この事業の有益性もしくは必要性というものをPRしていかなければならないんだなということは本当に強く思っているところでありますし、そのように、今までも都政報告会等々を通じて告知をさせていただいておるところでございます。
 最後に、地元の東村山の連立に向けた取り組みの意気込みをぜひお伺いをいたしたいと思うのですが、今、局長にお伺いしようと思ったら、道路監の方に目配せされているものですから、道路監、いかがでしょうか。意気込みを最後にお聞かせいただいて、私の質問を終えたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○山口道路監 今まで道路建設部長がご答弁申し上げたように、連立事業というのは、単に踏切を除却するだけではなく、まちづくりにも貢献する大変事業効果の高いものでございます。先ほど野田委員からお話がありましたように、東村山につきましては、駅は多いのですが、ほとんどが地上で走っているため、大変踏切が多いということで、交通渋滞、あるいはまちづくりそのものの発展が阻害されているというところでございます。建設局は、これまで事業主体として、連続立体交差事業を鋭意進めてまいりましたけれども、なお一層、東村山地区の連続立体化の早期事業化に向けて取り組んでまいります。

○木内委員 六兆二千三百六十億円、一般会計全体をしっかり俯瞰させていただき、精査しました。さらにまた、総務局所管分もしっかり吟味をして、この席に臨んでいます。かねてから、経済の顔は株価にあらわれる、政治の顔は予算の数字にあらわれる、こういわれているわけでありますけれども、極めて適切、的確に予算が編成されている。このことは、あさっての意見開陳で私は申し上げるつもりでありますけれども、この認識を前提に、きょうは各分野にわたって、何問かずつお尋ねをしていきたいと思うんです。
 今、公共事業についての事業効果等、道路監を初め、自民党の野田委員からの質疑に対しても答弁があったわけであります。私はさらに、誤解を恐れずに申し上げれば、副次的効果といいますか、結果的効果として、いわゆる経済波及効果というものが公共事業にはあるんだと。このことも認識して議論をしなきゃいけない。ちなみに、よくいわれるんですけれども、これは全国規模の数字として、ローソンやセブンイレブンといったコンビニエンスストア、全国で四万七千軒あるそうです。ちなみに建設土木事業登録業者数は約五十万件といわれているわけであります。したがって、北海道から沖縄まで、全国どこへ行っても、コンビニの看板一つ見たら、その周辺には建設土木事業者が十社以上あるという、こういうことがいえるわけでありまして、この事業に、社員として勤めておられる方、そのご家族、関係まで入れますと、実は数百万の産業分野だということがいえるわけであります。
 もとより、建設局は公共事業の主体的実施者として懸命なご努力をいつもされておられるわけでありまして、とりわけ東京における公共事業の重要性というのは、論をまたないところであります。すなわち、都民生活と密接不可分な関係を持った、安心・安全の東京のまちづくりに向けての公共事業ということになるわけでありますから、その当事者である建設局の幹部職員の皆さんを中心に、いよいよ二十三年度の予算の執行に当たってもご努力をいただきたい。
 さっき、私も思わず苦笑いをしたんですけれども、危険な踏切だから事故がなかったって、すごい話がありましたが、ぜひこういったところにも着目、着眼をしていただいて、ぜひきちっとしたお仕事を進めていただきたいと思うのであります。
 話は変わるんですけれども、この前、大菩薩峠っていう、私は山歩きが好きなんで、行ってまいりました。昔、武蔵の国、丹波のあたりから塩山に抜ける旧青梅街道というのがそこにはあったんですね。今申し上げた塩山と東側の小菅村の間に、南北にわたる山並みがある。これが大菩薩連嶺というものでありまして、四万分の一の地図で事前に確認して行ったんですけれども、いわゆる大菩薩峠といわれるところと、大菩薩嶺の間に旧青梅街道が尾根の鞍部を横切っている、その地図があったの。私は、旧青梅街道の痕跡を見ようと思って、尾根の鞍部で地図のあたりを一生懸命探した。全く見つけることができませんでした。かつて江戸時代には、あれは今でいう骨格幹線道路であったわけでありますけれども、江戸の末期を経て、明治から近代に入って、いわば違う利便性の高い幹線道路が南北にできたために、実は、その痕跡すらとどめないほどなくなってしまったというのがあるわけであります。
 私は、時代的背景や社会的需要に応じた、この道路というものは、かつて恐らく旧青梅街道もそうですが、人馬が行き交い、物流の要衝として利用されていたんだろう、こう思いながら、実は、きょうのこの質疑を想定しながら感慨を深くしたわけであります。いうまでもありませんけれども、道路をいかにつくっていくか、あるいは、建設局の所管でありますけれども、河川の管理をいかにしていくか、治水、利水をどう推進していくかということが、実は政の大きな主要課題中の主要課題である、こういうふうに思うわけであります。
 ともすれば、こういう公共事業に対して、これをむだな事業だとして反対する政党もあるわけでございますけれども、私は、これは全く納得できない理屈の主張である、こういうふうに思っているわけであります。
 きょうは、五分野について伺います。道路整備、無電柱化事業、船舶の係留保管の適正化、あるいは歴史的庭園の魅力向上に向けての管理、そして最後に街路樹の充実についてと、ポイントに絞ってお尋ねをしますので、簡潔にお答えをいただきたいと思うのであります。
 まず、道路整備についてでありますけれども、首都東京を豊かで快適な都市として、また魅力ある都市としていくためには、何度も申し上げるように、まちづくりの基本となるのが道路整備ということでございます。議会でもよく議論されるのですが、三環状道路や骨格幹線道路整備を初めとして、鉄道の連続立体交差事業など、これはもう挙げれば切りがないテーマがあるわけでありますけれども、この二十三年度予算の中で、申し上げた、東京の道路整備に対する、まず基本的な考え方を明らかにしてもらいたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 東京の道路整備は、交通渋滞の解消のみならず、環境の改善や経済活動を支え、国際競争力を高めるためにも不可欠であり、幹線道路ネットワークの早期形成が喫緊の課題でございます。
 このため、都では、首都圏三環状道路や、都市の骨格を形成する幹線道路の整備、連続立体交差事業などを重点的に実施しております。また、骨格幹線道路を補完する地域幹線道路の整備や快適な歩道、自転車走行空間の確保、無電柱化、街路樹の充実なども積極的に実施しております。

○木内委員 今答弁のあった各事業に対しても反対をする政党があるのだが、いつも不思議に思うんですよね。反対しながら、できた道路を一生懸命走って選挙をやったり生活の手段にしているわけでありまして、どこの党とはいいませんけれども、矛盾した話だと思うんです。
 今、東京の道路整備に対する基本的な考え方を聞きました。渋滞の解消はもとより、東京の活力を高めていくためには、人のスムーズな移動や円滑な物流機能というものを確保する道路整備の推進が極めて重要であるわけでありますけれども、具体的に平成二十三年度の取り組みの方針を聞かせてください。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 効率的、効果的な幹線道路ネットワークの形成を図るため、平成二十三年度は、都市高速道路の中央環状品川線の整備や、都市の骨格を形成する幹線道路である環状第六号線や府中清瀬線など、五十五路線八十七カ所、連続立体交差事業は、七路線八カ所で事業を進めてまいります。あわせて、地域幹線道路や山間島しょ地域の振興を図る道路につきましても着実に整備を進めてまいります。

○木内委員 五十五路線、八十七カ所という話がありました。具体的な進捗をぜひ精力的に進めていただきたい、こう思うわけであります。
 私は、各課題について議論するとき、いつも思うのは、「十年後の東京」、この計画との整合性というものが、毎年度予算の執行に当たって行われなければならない、整合性が保たれていなければならない、こう思うわけであります。
 そこで今、道路整備の取り組みの方針について伺ったわけでありますけれども、「十年後の東京」の計画の具体的実現に向けて、二十三年度の事業というものがどう取り組まれていくのか。あるいはまた、国への要求というものももとより必要になるわけでありますけれども、これも含めてご答弁ください。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 「十年後の東京」で掲げました幹線道路の整備率は、平成二十八年までに、三環状道路は約九〇%、区部環状道路と多摩南北道路は、概成区間を含め約九五%を目指すなど、快適で利便性の高い都市生活の実現に取り組んでまいります。厳しい財政環境が続く中にあっても必要な財源を安定的に確保できるよう、国に強く求めていくとともに、東京の道路整備を積極的に推進してまいります。

○木内委員 特に必要な財源を国に求めていくということで、ここしばらくは政権がかわったために、国への要求という手法が随分限定をされてきてしまった。かつての政権の場合には、これはもう非常に円滑にこの作業というものが行われたわけでありまして、基本的に一定の、特定のスローガンを掲げて、人とコンクリートを対比したようなことで、実は公共事業への考え方が、長い間の政権と異なってきたということがあるものですから、私どもは今、非常にこれを危惧しているわけであります。
 政権における、私はいろんな動きを見ているのだけれども、ここにおられるその政権党の皆さんも同じだと思うんですが、例えば東京における都単の事業でのスーパー堤防事業がある。それから、国からの要請を受けて行っている、例えば、江戸川区のスーパー堤防事業というものがある。ところが、江戸川区の国型のスーパー堤防事業に対して、政権のそうした仕分けの作業の中で、単純にむだな事業であるとまで実はいい切る。そういうことが続いているわけでありまして、私どもは、都民与党の立場から、この壁をぶち破って、都の事業に必要な財源というもの、私ども自身の立場で、しっかりまた働きかけをしてまいりたい、このことを強く申し上げるとともに、都政の応援団の一人として、はっきりここで私は明言をしておきたいと思うわけであります。
 次に、無電柱化事業ということであります。
 この事業は非常に意義がありまして、また、事業効果の高い事業であると私は評価しております。第一に、視線を遮る電柱や電線をなくして、都市景観を向上させるということがある。私は、この前、知事とオリンピックの誘致のためにコペンハーゲンに行って、本当に驚きました。こいそ委員もご一緒でしたけれども、本当にまち並みのカラーが統一されていて、同時に電柱がほとんどないものだから、いわば市民がこぞって、まちの美観を愛し、これを保つために努力をしているというのがありました。無電柱化というのはこういうことなんだ、文化の昇華した姿というものが、実は無電柱化ということに一つはあらわれるんだということを痛感してきたわけであります。
 第二に、歩行者はもちろん、交通弱者といいますか、ベビーカーや車いすの使用者も移動しやすい歩行空間が確保されることになります。先日、文京区の千駄木、根津のあたりをずっと参りまして、不忍通りを見てきた。細い歩道の真ん中に電信柱がどおんといるために、雨の日に傘を差すと、お互いに傘を差した同士ですれ違えないし、車いすも通行できない。ベビーカーを持った人はわざわざ車道まで出なきゃいけない。こういうような実態もこの目で見てきたわけでありまして、無電柱化事業によって、こういういわば歩行空間というものが確保されてくるんだ。
 第三に、震災や台風などの災害時には、電線類の被災を軽減し、電気や電話などのライフラインの安定供給が確保されるということでありますから、大きな意義があるわけであります。
 我が党としてもこれまで、こうした無電柱化事業の高い効果を認識して、例えば、知事に対する復活予算要望の際に、これをしっかりと求めてきた経過がございますし、年々、無電柱化の予算は増額を見ている、こういう経過もあるわけであります。
 こうしたこの事業の計画をしっかりと着実に進めることが重要でありますけれども、そこでまず初めに、この無電柱化事業の、今、掲げておられる整備目標についてお伺いをします。

○鈴木道路保全担当部長 無電柱化事業でございますが、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を図る上で重要な事業でございます。このため都は、先ほど委員ご指摘の「十年後の東京」計画におきまして、センター・コア・エリア内で、平成二十七年度に地中化率を一〇〇%とする目標を掲げ、無電柱化を推進しております。また、多摩地域及び周辺区部では、緊急輸送道路や主要駅周辺などで無電柱化を推進しております。今後、平成二十三年度からの三カ年で、センター・コア・エリア内では九十二キロメートル、多摩地域及び周辺区部では百十四キロメートルを整備してまいります。

○木内委員 いみじくも、「十年後の東京」計画に基づいてというお話もあったので安心しているんですが、このセンター・コア・エリア内や、あるいは震災対策上重要な位置づけにある緊急輸送道路などで無電柱化に積極的に取り組んでおられるということで、ぜひひとつご努力を願いたい。
 私の地元である江東区でありますけれども、センター・コア・エリア内の東側に位置しておりまして、平成二十七年度までに無電柱化を完了するということなんですが、恐縮ですけれども、江東区における都道の無電柱化事業の状況はどうなっていますか。

○鈴木道路保全担当部長 江東区内の都道におきましては、既設道路内や都市計画道路の新設、拡幅に合わせて無電柱化を進めてきており、平成二十一年度末までに、永代通りや三ツ目通りなどの一部におきまして、計三十一キロメートルが完成しております。
 また、平成二十二年度は、十一路線で電線共同溝の本体工事を実施しており、さらに平成二十三年度は、清洲橋通りや葛西橋通りなど十六路線で電線共同溝の本体工事を実施する予定でございます。

○木内委員 今、答弁を聞きながら、幹線道路における無電柱化のイメージがわいてくる思いがしまして、ぜひ頑張ってもらいたいと思うのであります。
 なお、この無電柱化事業というのは、水道やガスなどの埋設企業者や電線管理者との調整などを経て、何と完成までに五、六年を要する手間と時間がかかる事業だと、こういうふうに聞いているわけでありまして、大変な事業だと思うんですが、着実に進めてもらいたいと思うんです。
 一方、都道の無電柱化はもとよりでありますけれども、ほかの区市町村道の無電柱化を促進することも大事な課題です。例えば江東区では、富岡八幡宮などの観光名所がある江東区の門前仲町駅周辺では、今も触れておられましたが、既に無電柱化された永代通りと接続する区道の無電柱化が進んで、徐々に美しいまち並みが形成されてきています。門前仲町周辺での取り組みのように、都と区が連携した面的な無電柱化を推進していくということも非常に重要である。連携した面的な事業ですね。都も積極的に区市町村の無電柱化事業に対する支援を行うべきである、こう思うのですが、どうでしょうか。

○鈴木道路保全担当部長 都は、区市町村の無電柱化事業を促進するため、平成二十年度に補助制度を創設し、財政支援を行ってまいりました。ただいまお話のありました江東区道もこの補助制度を活用したものでございまして、平成二十三年度は、九区三市の無電柱化事業に対して補助を行う予定でございます。
 また、区市町村の職員に対しまして研修を行うなど、設計や施工などに係る技術的支援を行っております。さらに、都の道路行政を補完する東京都道路整備保全公社においても、専門的な知識や経験を生かし、区市町村に対する支援の一環として、無電柱化事業を受託しております。
 今後とも、都道の無電柱化を積極的に推進するとともに、区市町村と連携した面的な無電柱化を進めることにより、安全で美しいまち東京の実現に取り組んでまいります。

○木内委員 次に、文化財庭園の魅力向上ということについてお尋ねします。
 都立庭園は、浜離宮恩賜庭園など九庭園がありまして、いずれも国または都の指定を受けた文化財であります。こうした庭園は、首都東京にふさわしい風格ある風景を形成する上で大きな役割を持つほか、国内外から年間二百六十万人以上の観光客が訪れる観光拠点としても重要であります。実行プログラム二〇一一では、歴史文化が薫るまちの顔づくりとして、庭園を生かしたまちの顔づくりというのを目指しているわけでありますけれども、これまでのご努力の結果、いろいろな成果が出ているわけでありまして、まず、この取り組み状況について伺います。

○上杉公園緑地部長 都立庭園は、江戸時代から続く歴史、文化を現代に伝える都民共有の貴重な文化財、文化遺産であります。都では、この都民共有の財産を次世代へ継承するため、国の特別名勝と特別史跡に重複して指定されております浜離宮恩賜庭園や小石川後楽園などで、都立庭園の保存、復元を進めております。
 浜離宮恩賜庭園では、江戸時代の大名庭園の姿を再現し、江戸文化を実感できるよう、戦災等により喪失した茶屋群の復元を進めております。
 また、小石川後楽園では、戦災後の修復以来となります庭園全域を対象とした復元の取り組みに着手しております。

○木内委員 都立庭園は、江戸の歴史あるいは文化にじかに触れることができる、また、美しい景観を堪能することができる、こういう場所でもあるわけでありまして、この保存、復元というのは、失われた庭園の魅力を今に伝える大切な事業だ、こう思うわけであります。
 浜離宮恩賜庭園では、戦災で失われた茶屋が一棟、復元されたわけでありますが、復元整備の成果、それから今後、やはりこういった、皆さんがご苦労して整備をされる庭園についてのPRというものをさらに強く行っていく必要があると思うんですが、その点もあわせて伺います。

○上杉公園緑地部長 浜離宮恩賜庭園の茶屋群の復元につきましては、徳川十一代将軍、家斉の時代にあった五棟の茶屋群の姿を目標に進めております。既に完成している中島の茶屋に加えまして、平成二十二年十二月に松の茶屋が完成しております。松の茶屋は、浜離宮恩賜庭園を代表する潮入の池のほとりに位置しておりまして、消失した茶屋群の中で最も眺望がよい場所にあり、当時は、将軍家が休憩やもてなしの場として使用されておりました。
 茶屋の復元に当たりましては、厚さ三ミリの板を重ね合わせましたこけらぶきの屋根ですとか、くぎを使わず木材を接合する加工など、伝統的な建築技法を取り入れて実施しております。また、歴史的な資料に基づきまして、国内産のツガや屋久杉など使用する木材を厳選しまして、史実に沿った復元を行っております。
 今後とも、潮入の池と一体の景をなす茶屋群の復元を進め、庭園の魅力をさらにアピールしてまいります。

○木内委員 浜離宮での保存、復元の取り組みでは、今いったように、松の茶屋が完成して、庭園の魅力がこれによって大きく向上した成果があるわけでありまして、なお、まだ復元されていない茶屋が三棟あるわけでありますが、引き続き、残る茶屋の復元も進めるよう強く要望します。
 浜離宮恩賜庭園と同様に、特別名勝と特別史跡に重複して指定されている庭園として、小石川後楽園があります。私は、この小石川後楽園の保存と文化的価値を高めようという地元町会の皆様と非常に強いご縁がございまして、何度も話を聞いているわけでございますけれども、小石川後楽園は、江戸時代初期、水戸徳川家の祖である頼房がつくった庭園で、二代藩主の光圀が、明の儒者である朱舜水の意見を取り入れて、円月橋や、あるいは西湖堤など、中国情緒といいますか、中国趣味豊かな景観を表現しているわけでありまして、我が国を代表する名園だというふうに思います。
 近しといえども見えざらしむという言葉があるけれども、都民は、実は小石川後楽園、余りに都心のど真ん中にあるため、関心を持たない方もあるようですが、これは日本を代表する名園の一つだ、私はこう思っているわけでありまして、今後さらに、小石川後楽園の保存、復元に取り組むべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

○上杉公園緑地部長 小石川後楽園では、庭園の風景を形づくる上で核となる各種の名勝を再現した景色ですとか建物などの保存、復元に取り組んでおります。
 まず最初に、琵琶湖を模しました庭の中心的な景色をつくり出しております池である、大泉水の護岸を修復しております。修復に当たりましては、水戸徳川家の由来の会と連携した歴史資料の収集ですとか、遺構の試掘調査を既に実施しております。また、水面に映る様子が満月のように見えます石橋であります円月橋は、徳川四代将軍家綱のころにつくられて以来、初めて行われる修復であり、橋にかかる石材の荷重を考慮して、慎重に修復工事を行っております。
 今後とも、現在実施している修復を着実に進めるとともに、戦災等で消失した唐門などの復元についても検討を行い、さらに小石川後楽園のPRを図っていきたいというふうに思っております。

○木内委員 これは個人的なことになるのですが、私、かねてから、都の執行機関側の局長さんたちと俳句の会、句会をずっとやってまして、たまに、小石川後楽園の中にある涵徳亭という店があるでしょ、あれが、句会をやるのに実は最高の環境でして、もっとも、局長は句の方じゃなくて、書道の方ですけれども、そういう思い入れも深い小石川後楽園であります。ぜひ、おっしゃったとおりに、文化価値をさらに高め、歴史的な重みというものを再認識していっていただけるような事業を進めてください。このことを強く申し上げておきたいと思います。
 それから次に、最後の課題でありますけれども、街路樹の充実についてということであります。道路緑化。先ほど、本委員会のメンバーからも、この点については質疑がありましたので、重複を避けながら、二、三問お尋ねいたします。
 「十年後の東京」では、水と緑の回廊で包まれた美しい東京を復活させるため、公園など緑の拠点を街路樹などで結ぶ、いわゆるグリーンロードネットワークを形成するとしているわけであります。目にも鮮やかな緑のネットワークが都内に広がっていくことは、環境先進都市東京を大きくアピールするものであると考えるわけであります。二十三年度の予算編成に当たっては、さらに道路緑化の推進を要望しているわけでありますけれども、街路樹の充実事業について、現在の進捗状況をまず確認したいし、また、東京都が進める、緑に係るこうした取り組みを広くアピールすることが重要でありまして、二十四年度に開催予定の全国都市緑化フェアの場において、豊かな道路の緑も積極的にこの際、活用すべきだと思うのですが、どうでしょうか。

○上杉公園緑地部長 街路樹は、都市景観の向上などに寄与するとともに、一年を通じて楽しく散歩できる道づくりは、魅力的な都市の実現につながります。街路樹につきましては、新設道路の計画的な植栽や既存道路での充実を行うこととし、特に既存道路においては、高木の間にさまざまな中木を植栽し、季節感あふれる道路空間の創出に取り組んでおります。昨年七月には、江東区と共同して、江東区街路樹充実計画を策定するなど、区道においても道路緑化推進の機運は高まりを見せております。こうした取り組みの結果、二十二年度末の、国、区市町村を含めた都内全体での街路樹本数は約六十八万本となる見込みであり、実行プログラムに沿って順調に推移しております。
 また、全国都市緑化フェアにおける街路樹の充実を含めた道路緑化、積極的な活用についてですが、従来、フェアは、会場となる都市公園を中心に開催されてきました。東京開催においては、都道のみならず、国道においても充実を進めるべく、国と検討に入っております。こうした国道や区市町村道でも展開される街路樹などによる緑の広がりを積極的に発信するとともに、今後の街路樹の充実事業を強力に進めていく契機としたいというふうに思っております。
 こうした取り組みにより、緑のムーブメントを展開しております東京が、道路の緑を初め、緑施策の先進都市として成果を発揮できるよう頑張ってまいります。

○木内委員 指摘、提案申し上げたことを踏まえて、非常に前向きな答弁であったと思います。「十年後の東京」スタート時は約四十八万本であったものを、中木などを含めて、およそ二十万本増とのことでありますけれども、私は、体感として、緑量の増加というものを実際に感じます。二十四年開催の都市緑化フェアにおける積極的な、今いわれた情報発信も含めて、今後とも道路環境の向上に向け、着実に整備を進めてもらいたいと思います。
 一方、街路樹は、季節の移り変わりとともに、秋、冬には葉を落とし、春から夏にかけては成長した樹木が視距を遮るなど、生き物であるがゆえのさまざまな課題、問題も持っているわけであります。さらに、ことしの夏、去年もそうでしたけれども、猛暑、あるいは少雨など、異常気象が与える影響への配慮も必要であります。街路樹の充実に伴う量の増大への対応とあわせて、その質を高めていくことが必要と考えます。
 そこで、重要なのが日々の維持管理でありまして、街路樹の維持管理にかかわる必要な体制の整備をもさらに進めるべきである、このことを申し上げるのですが、いかがでしょうか。

○上杉公園緑地部長 街路樹につきましては、都市景観の向上のほか、その役割として、ドライバーの視線誘導など、交通安全機能や延焼防止などの防災機能も担っており、適正かつ継続的な維持管理が不可欠でございます。
 また、樹木の成長に伴う大径木化や老木化による道路施設への影響など、生き物特有の課題もあり、それぞれの樹木の特徴や生育環境に合わせたきめ細かな管理が必要と考えております。
 このため、植樹帯の除草、成長に合わせました刈り込みなどについて、ゼロ都債を活用するなど、年間を通じた切れ目のない維持管理の確保に取り組んでおります。二十三年度末発注のゼロ都債につきましては、その期間を、四月から六月末の三カ月間から九月までの六カ月に拡大する予定でございます。このことにより、毎年変化する気象条件にも合わせ、それぞれの樹木の生育サイクルに適した維持管理に柔軟に対応することが可能となるとともに、委託作業の平準化が図られることとなります。
 今後とも、緑の量が豊かで美しい、魅せる街路樹としての質を高めるとともに、そのための必要な体制整備も進めてまいります。

○木内委員 最後の部分で、必要な体制整備を進めていくということであります。この答弁を多としたいと思います。
 次に、最後のテーマでありますけれども、船舶の係留保管の適正化の問題であります。
 東京都は、隅田川においてスーパー堤防やテラス整備、こうした事業を行うとともに、小名木川などの河川においても、護岸や植栽に歴史や地域性を踏まえた工夫を凝らし、東京ならではの文化に裏打ちされた、さらに魅力的な水辺空間の創出に取り組んでおります。
 私は、ほぼ連日のように、小名木川や、あるいは下町における内部河川の状況をこの目で確かめているわけでありまして、これまでの局のご努力を、これまた高く評価したいと思います。
 また最近は、東京スカイツリーの開業をいよいよ間近に控えておりまして、地元を中心に、観光のための新たな舟運ルート、船の便ですね、ルートの開発をしようという動きも活発になっています。地元江東区でも、これを機能的に、スカイツリーの人気にあわせて、さまざまな船便の、今準備も進めているところでありますけれども、これら、にぎわいあふれる水の都東京の再生、あるいは、こうした船の機能など、発展のためには秩序ある水面利用が大前提となります。
 そこで、きょう問題にするのは、とりわけ治水、船舶航行の支障、環境、景観への悪影響を及ぼしているプレジャーボートなどの不法係留船対策というものが重要になってくる。プレジャーボート等とあえて申し上げたのは、工事作業船、こういったものが含まれるわけでありまして、きょうはこのことを含めて、プレジャーボート等というふうにいわせていただくわけでありますが、船舶の係留保管の適正化について、私も機会をとらえては、このことを訴えてきたわけであります。
 都のこれまでの取り組みと、それから、具体的な数字が挙げられれば、挙げてお答えください。

○横溝河川部長 プレジャーボート等の放置対策につきましては、平成十五年一月に、東京都船舶の係留保管の適正化条例を制定するとともに、東京都船舶の係留保管適正化計画を策定して取り組んでまいりました。
 具体的には、適正化計画に基づき、新中川など七河川を重点適正化区域に指定いたしまして規制を強化する一方、不法に係留されているプレジャーボート等の船舶の受け入れ先を確保するため、暫定係留施設を整備し、その上で、所有者不明の船舶につきましては廃棄処分をしたり、不法に係留されている船舶につきましては暫定係留施設に誘導するなど、適正化に向けて積極的に取り組んでまいりました。
 この結果、都内の河川におきましては、平成十四年に不法係留が七百五十隻あったところでございますが、平成二十二年には四百十四隻まで、約四五%減少することができました。

○木内委員 不法係留七百五十隻、これが四百十四隻まで四五%減少、これは大きな成果だと思うんです。ただ、ちょっと確認ですが、新中川など河川を指定して規制を強化する一方、暫定係留施設を整備というときに、七河川というふうにおっしゃいました。聞いているのは八河川じゃないかと思うんですが、違いますか。正確な方だけおっしゃってください。

○横溝河川部長 お話のように、八河川ということでございますけれども、実際、泊まっていない河川が一つございまして、それを減らさせていただきました。

○木内委員 そういう実態のない一河川含めてということですね。了解です。
 なお、都の十年近くにわたるこうした取り組みで、具体的に数字を挙げていただいた成果が出ている。実際の適正化に当たっては、実はいろいろ克服すべき課題もあったんじゃないか。プレジャーボート等の適正化が、具体的にどんな苦労と方法によって行われてきたのか、示していただけますか。

○横溝河川部長 適正化に当たりまして、都は地元区や警察と連携し、不法係留船舶の所有者に対して口頭での指示や文書による警告を行い、船舶の自主撤去や廃棄処分などの指導を実施しております。また、再三にわたり丁寧に説明をし、警告等を行っても都の指導に従っていただけない場合には、法令に基づき、船舶の移動の実施、是正命令や代執行などの措置をとってきております。
 このほか、船舶登録や検査の際にリーフレット等の配布を行い、所有者の意識啓発を促すとともに、適正化後の河川に再び船舶を係留させないため、オイルフェンスなどを利用しまして、水中フェンスを設置するなど再発防止にも取り組んでございます。

○木内委員 今の答弁でよくご苦労がわかるわけでありますけれども、法律や条例に基づいた手続を踏みながら、一生懸命知恵を出しながら適正化に取り組んできたということだと私は思うんです。そういう認識はするんですけれども、規制だけではなく、行き場を失った船舶の受け入れ先の確保ということも必要だと思うんですね。暫定係留施設の整備というものが必要だし、しっかりこの需要といいますか、現場の対応もしていかなくちゃいけないだろう、このことを申し上げるんですが、いかがですか。

○横溝河川部長 暫定係留施設は、先生のお話にあったように、まだまだつくっていかなきゃいけないものなのでございますが、これまでに新中川、旧江戸川、それから呑川、海老取川の四河川におきまして六百三十九隻分の整備をしてきてございます。このことによって、新中川、旧江戸川などでは施設が充足をしてきたというところでございますが、江東内部地域、それから南の方に呑川というのが、城南地域にございますが、こちらの方ではまだ係留施設が不足してございまして、なお、その整備が必要でございます。

○木内委員 暫定係留施設の整備が、今、答弁のように進んでいるわけでありますけれども、さらに、江東区内部地域と城南地域では係留施設の整備が必要であるということですよね。今後、残り五五%の不法係留船舶の解消を目指して、さらに積極的に取り組んでいかなければならないと思うわけでありますけれども、これについて伺います。

○横溝河川部長 都では、残る不法船舶の適正化を推進するため、昨年五月に適正化計画を改定し、係留施設が不足しております江東内部地域と城南地域に新たな施設整備を行い、必要数を確保することといたしました。具体的には、今後五年間で、江東内部地域に約八十隻、城南地域に約四十隻分の暫定係留施設を整備し、既存施設の余力分二百隻と合わせて適正化を達成できるものと考えてございます。
 今後とも、関係機関と連携をしながら適正化を進め、船舶航行の安全性を確保し、舟運の発展に資する魅力あふれる水辺空間の回復を図ってまいります。

○木内委員 江東区内部地域あるいは城南地域は、区の管理河川が多いという特徴があるんです。今後は地元区との緊密な連携を図る必要がありますし、また、暫定係留施設は、適正化のためになくてはならない施設ではありますけれども、事前に周辺住民の十分な理解を得ながら、この施策、事業を進めてもらいたい、このことを強く申し上げます。不法係留船ゼロを目指し、引き続き積極的に係留船の適正化を進めていただいて、水の都東京が一日も早く、都民の要望にこたえて復活することを願うわけであります。
 最後に、局長の答弁。感懐で結構ですが、きょうは申し上げたように、私も全部やったかどうか確認する意味で見るのですが、道路整備、無電柱化事業、船舶の係留保管の適正化、歴史的庭園の魅力向上、街路樹の充実ということでお尋ねをいたしました。冒頭申し上げたように、実は建設局の事業というのは、仕事というのは、都民生活と切っても切れない、本当に大事な事業ばかりであります。この先頭で日々闘っておられる局長の、きょうの私の質疑をお聞きいただいての率直な感懐を承れればと思います。

○村尾建設局長 先ほど来、木内委員のご質問と私どもの方の答弁、わきで聞いていまして、日ごろから申し上げておりますのは、都市基盤整備、まだ道半ばだというのが一つでございます。川にしても道路にしても、まだまだ私ども建設局、一生懸命物をつくっていかなきゃいけない部分があると。
 一方で、でき上がったものを管理していく。いろいろ、公園にしろ、川にしろ、道路にしろ、一たんつくったもので終わるわけではございませんで、まさに効用が発生したときから二十四時間三百六十五日、都民の皆様にきちっと使っていただけるような状況を保たなければいけないという認識でおります。
 一昨日、東京マラソンがございましたが、私どもの方も、本来ですと東京都が主催だったのですが、主催団体が移りましたけれども、中野に第三建設事務所というのがあるんですが、朝の四時から集まって、いろいろ不法占拠されている方だとか、そうした方々に、前の晩、お願いして、もう一度、朝も確認して、安心して大会が開けるように頑張っております。そうしたことも踏まえまして、物がきちっと使われて、引き続き継続的に皆様にサービスが提供できるようにやっていくことというのは、やっぱり途切れのない仕事だというふうに認識しております。つくる部分、管理する部分踏まえまして、局一丸となって、全力を挙げて整備、管理に当たってまいりたいと思っております。よろしくお願いします。

○かち委員 それではまず、京急の連続立体交差事業についてお聞きしますが、先ほど、野田委員の方から京急について幾つか質問がありましたので、若干割愛をさせていただきます。
 今回、連続立体交差事業、平成二十三年度区市負担金の額が提案されています。この連続立体交差事業は、多くの道路を分断する踏切での交通渋滞解消や交通安全対策の一環として必要な対策であると考えます。しかし、完成までには長時間と高額な費用を要し、住民の理解と協力のもとで進めなければなりません。提案されている十四路線の一つ、京浜急行及び同空港線の連続立体交差事業は、大田区内を横断する京急線で、京急蒲田駅を結節点として、本線五・四キロ、空港線二・一キロにわたって高架化を進めるものです。この事業区間は、大田区内の二十八カ所の踏切をなくし、第一京浜国道や環状八号線の交通渋滞の解消につながるものであり、早期実現が期待されているところです。
 私ごとですけれども、友人の子どもさんが、この路線の中で踏切事故で亡くなるという痛ましい経験もありますので、安全確保を一日も早く実現することを願う区民の一人でもあります。また、この事業によって、大田区も二百億円以上の税金投入をするわけですから、区民の利便性の向上を図ることがあっても、損なうことなど考えるべきもないことです。
 そこで何点かお聞きしますが、この連続立体交差事業は都の事業でありますが、当該の大田区、鉄道事業者である京浜急行鉄道株式会社の三者で合意を図りながら進めていくものだということで先ほども質疑がありました。この事業は、一九九九年に都市計画決定されてから、二〇〇〇年に事業認可を取得し、今日に至っているものです。この京急の立体交差事業において、途中で工法の変更がありました。その件については、平成十四年に検討委員会を通して、早期実現ということで工法を変えたと、最大五年の短縮が図られるということで変えたというお話がありました。早期実現を目的として、六割の部分において仮線高架工法から直接高架工法に変更するということなんですけれども、仮線というのは、一時、側道側に架線をつくって、完成後に戻すということですけれども、直接上部に新線を敷いて、それを上げる方法が直接高架法です。これをするということは、当然、枠組みが大きくなりますので、鋼材等資材費もかかり経費がかさむということが考えられるわけですけれども、このことによって、どの程度の経費がかさむということを、三者の中でどのように確認されていたのでしょうか。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、早期完成に向けた具体策を検討するため、平成十三年に三者で工期短縮検討会を設置しまして、仮線高架工法から直接高架工法への変更策を取りまとめて、平成十四年度から実施しているものでございます。事業費の見直しにつきましては、昨年二月に三者で工費調整検討会を設置しまして、事業費の変更や事業効果などを検討して、本年一月に事業費変更を行っております。関係者間での連携や合意形成を図るために、三者での連続立体交差事業協議会を設置いたしまして、総合的な調整を行っておるところでございます。

○かち委員 十四年に工法を変更しているんですから、一応、どういう状況になるかというのは、お互いにわかるわけですよね。その時点で、ある程度、どのぐらいの工費はかさむよということが議論にならなかったのかと思うんですけれども、昨年の二月に工事費の検討に入って、決まったのはことしの一月だということなんですけれども、そういう点では、大田区側にとってみると大変リアクションがあるわけですけれども、その事業費の変更額というのはどのぐらいになるんでしょうか。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 事業費の変更額でございますが、当初の事業費千六百五十億円を、本年一月に千八百九十二億円に変更してございます。なお、当初、なぜ額を変更してないというようなことでございますが、概算額としては試算しておりますが、今後、工期短縮や事業効果の高いことなどから、事業の推移の中で進行管理して、変更が必要となった場合は適切に対応するということをしておりまして、それが最終的に本年の一月になったということでございます。

○かち委員 事業費が千六百五十億円から千八百九十二億円になるということで、二百四十二億円の増ということになるわけですけれども、これは大田区の負担としては二百億円から約三十億円の増ということになるわけで影響は少なくないわけですけれども、どの程度ふえるかという点は当初はっきりしていなかったと。工事をやってみなければわからない側面があるのはわかりますけれども、最初のやり方とは変わるわけですから、その時点である程度の認識というのは共通認識にしておかないと、受け取る側がなぜというふうな状況になってくると思うので、その辺の意思疎通が不十分であったのではないかというふうに思われます。現在の立体交差事業の進捗状況と完成予定はいつごろになるのでしょうか。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 昨年の五月に上り線全区間を高架化いたしまして、九月には、環八付近の下り線を仮設高架橋により高架化いたしております。現在、平成二十四年度の全区間高架化に向けまして、下り線の高架化工事を進めているところでございます。

○かち委員 十年を経過して、やっと、二十四年、あと一年後ぐらいに完成ということになるわけですけれども、昨年の五月十六日、京急蒲田駅付近の上り線が一気に高架化されました。そして、京急蒲田駅は、上りホームが二階で、下りホームが三階ということで、大変高層な駅になっています。地上から見ると二十メートルぐらい高いところに駅ができていて、いずれも羽田線とのドッキングになりますので、特急から空港線の普通線に乗りかえるということで待避車両があるので、それをつなぐために、長さが三百八十数メートルということで、長大なホームになっています。
 京急蒲田は、本線の快速特急もとまる大田区のメーンステーションでもあるんです。ところが、昨年五月十六日の上り線開通の直前になって、京急から大田区に突然、空港線について、一時間に三本の羽田、品川線ノンストップダイヤを組むということが知らされたわけです。羽田-品川間の一時間六本の特急のうち、半分が大田区を通過するということになります。京急株式会社は、事前の打診もなく、頭越しのやり方でかたくなな姿勢になっています。区民の怒りが今広がっているんです。高架化とダイヤは別だというけれども、この連続立体事業によって、京急も鉄道の更新や維持管理という面での恩恵を受けているわけです。大田区民、とりわけ沿線住民は、立ち退き問題や工事中の騒音等に耐えてきて、ここまで来たのに、完成したら大田区を素通り、余りに身勝手といわざるを得ません。開通直前には、行政、連合町会、商店街連合会、議会を挙げて、怒りの決起集会も開かれました。マスコミでも取り上げられたとおりです。
 この連続立体交差事業は、単に渋滞解消というだけではなく、まちづくりにも寄与するんだというお話が先ほどありましたけれども、このような状況では、お客さんが通過してしまって、まちづくりにもならないわけです。こういう状況が、今、大田区では起きています。建設局は、京急のダイヤ改正について、いつ把握したのでしょうか。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 鉄道事業のダイヤ改正は、基本的には、国の一定の関与のもと、各鉄道事業者の判断により設定されるものでございます。京急電鉄は、昨年五月の連続立体交差事業の上り線高架化に合わせまして、ダイヤ改正のプレス発表を行っておりまして、建設局はこのときに把握しております。

○かち委員 都に対しても事前の打診もなかったということなんですけれども、大田区としては何度も京急に再検討を求めているんですけれども、今日まで何も進展がありません。それで、昨年十月ごろに、大田区は、国、東京都、京急の四者によるまちづくり協議会を立ち上げましたけれども、ここに建設局も参加をしているのでしょうか。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 建設局は、連続立体交差事業の事業主体の立場から、本協議会に参加しております。

○かち委員 この協議会を設立した経緯は、ダイヤ改正問題を含んでいるというふうに思いますけれども、なぜか非公開であり、ダイヤ変更の問題は後景に追いやられているようです。羽田の再国際化に伴って、モノレールの羽田-浜松町間十六分と京急の品川-羽田間十六分を競い、蒲田にとまれば一分遅くなるということからとまらないというのが京急のいい分です。利益最優先の姿勢で、地域貢献とか、協力、協働の誠意は全く見られません。かつて昭和四十三年に、この京急線が都営地下鉄浅草線に乗り入れることになったときに、東京都の要請で、青物横丁駅に特急電車を停車させることになったという経緯も聞いております。建設局としては、連続立体の事業主体であり、ダイヤ問題は対象外というのではなく、今日の紛糾は、この事業の過程の中で発生した問題であり、局としても四者協に参加されている立場から、都市整備局と連携し、この問題解決に向けて調整機能を果たされることを強く求めておきます。
 次に、公共工事における契約のあり方についてお聞きします。
 長引く円高不況のもとで、民間における建設投資も急激に減少し、中小建設業の方々は、仕事の激減の中で大変厳しい状況に立たされています。九〇年代後半以降、構造改革のもとで、公共事業の抑制や受注競争強化のもとで、公共事業の契約において不正な取引、働くルールの確立、品質確保などの問題が浮き彫りになってきています。こうした中で、実態は多くの中小建設業者が、公共工事における低価格入札等の危機的状況に追い込まれています。当委員会に提案される契約案件でも、低価格入札が目立ちます。さらに、新しい入札制度の導入などで、予定価格の持つ意味が大きく薄れているという感も否めません。
 そこで、公共工事の発注額も件数も大変多い建設局における公共工事の契約のあり方について、何点かお聞きします。先日の委員会でも、契約案件で出されました技術提案型総合評価については、建設局発注のケースでは年に一、二例と聞いておりますけれども、現在は価格四億円以上の高額で大規模工事を対象にしているとの認識ですけれども、将来、この対象を拡大していく可能性はあるのでしょうか。

○西倉企画担当部長 技術提案型総合評価方式は、工事の金額や規模によらず、技術的な工夫の余地が大きく、技術的課題や困難性が大きい工事を対象としております。したがいまして、本方式はコスト縮減や事業効果の早期発現などが図られるすぐれた制度であるというふうに考えておりまして、その条件を満たす案件につきましては本方式を積極的に活用してまいります。

○かち委員 難工事、技術を要するものを対象にしているから、金額だけではなく、大規模だけではなく、そういうものならば低額のところでも積極的に採用していきたいというのがお答えだったというふうに思いますけれども、都としては、この制度の導入は、国に先駆けているようですけれども、国においては、平成十七年の品確法に続いて、十八年に総合評価方式活用委員会の提言などが出されているところです。
 都の予定価格算定方法は、国と違い、技術提案型の総合評価は新しい工法の提案によるので、既存の工法での単価の積み上げになると、この間のように五〇%などという低価格入札になる傾向があるとのことですけれども、実質的に下限はないということになると思うんです。これは激烈なダンピングになりかねないということです。しかも、小規模事業も含めて拡大していくことになれば、中小建設業者にとってはさらなる厳しい局面に立たされることになります。
 もう一つは、入札に至るまでの期間が大変長いということです。総合評価の場合の入札に至る時間は、一般競争入札と比べてどの程度の違いがあるのでしょうか。

○西倉企画担当部長 価格のみで競争する入札におきましては、公表から開札までの期間として約一カ月半を要します。一方、技術提案型総合評価方式におきましては、公表から開札までの期間として、四カ月から五カ月程度を要します。

○かち委員 片や一カ月半、片や四カ月から五カ月、これで順調にいってということで、もしそこでまたヒアリングが必要になれば、半年ぐらいはかかるということなんですね。総合入札では、業者側の負担も大変大きいということがわかります。入札のための書類の準備や体制がなければできないということです。それが、価格の小さいもの、小規模の工事まで持ち込まれたら、中小業者は太刀打ちできないということであり、こういうやり方をむやみに対象を広げるべきではないと思うし、広げるならば入札条件を支援すべきだと申し上げておきたいと思います。
 国は、公共調達において、リバースオークション、これは競り下げとでもいうのでしょうか、推進し、ことし四月から試行導入するということですけれども、物品ばかりではなく、公共工事にも適用できると聞いております。これは、インターネットで何回でも応札できるということでもあるようです。これでは、安かろう、悪かろうにつながりかねません。この技術提案型も、下限がないという点では同様の中身になりかねないということで、都としての導入は慎重に検討すべきだと思います。
 今年度の建設局発注の工事契約の中で、低価格入札の割合はどのぐらいだったでしょうか。

○西倉企画担当部長 低入札価格調査制度は、四億円以上の土木工事、五億円以上の建築工事及び一億二千万円以上の設備工事が対象となっております。今年度は、平成二十三年一月末現在で、対象となる三十四件のうち三十件が低入札価格調査を実施してございまして、発生率は八八・二%でございます。

○かち委員 建設局の発注工事の約九割が最低価格を下回るという事態からして、中小企業の厳しさが推察できるわけです。こうした事業者に対しては、ヒアリングなどでチェックしているとのことですけれども、重要なことは、入札後の現場で、下請、孫請など、末端の下請業者の工賃の未払いやひどい切り下げがあるかどうかの実態を把握し、契約どおりに履行させる制度があるということです。下請業者へのしわ寄せの有無を確認するといわれておりますけれども、都として把握しているのは、せいぜい一次から二次請けぐらいまでだと思いますけれども、どうでしょうか。

○西倉企画担当部長 都といたしましては、元請業者に対しまして、下請負届、施工体制台帳及び施工体系図などにより、低入札価格調査時のヒアリングの内容が履行されているかどうかを確認してございます。それに加えまして、必要に応じまして、契約書や支払い状況に関する調査などを実施いたしまして、下請業者へのしわ寄せの有無を確認してございます。

○かち委員 下請の業者の実態を把握している、確認しているということですけれども、発注者としては、元請、一次、せいぜい二次ぐらいまでの履行状況のチェックだと思うんです。でも、日本の建設業の体系のあり方というのは、その下に孫、ひ孫ぐらいの下請業者が働いているのが実態です。そういうことは、契約書もきちんとできていないような状況でやっているのも実態です。その辺を正していくことも必要だと思いますし、それがやられなければ、今の厳しい建設業者の実態を改善することはできないというふうに思うんですけれども、中小建設業者へのしわ寄せをなくし、低価格入札防止のための抜本的な対策が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○西倉企画担当部長 過度な低入札を防止することを目的といたしまして、平成二十一年十月に定めました公共工事に関する入札契約制度改革の実施方針に基づきまして、特別重点調査を初めとする低価格入札対策を実施してきたところでございます。低入札価格調査を実施した案件の落札率は、特別重点調査導入前の平成二十一年四月から九月までの期間においては六五・七%で、これに対し、導入後の十月から三月までの期間におきましては七五・九%となってございます。
 さらに今年度におきましては、平成二十三年一月末現在で七七・二%となっておりまして、一定の効果があらわれているというふうに考えてございます。今後とも、冒頭申し上げました実施方針に基づく低入札対策を進めるとともに、元請業者へのヒアリングの実施など、下請業者へのしわ寄せ防止に向けた取り組みを着実に推進してまいります。

○かち委員 重点調査によって一定の改善はあるということでしたけれども、しかし、今なお現状が変わっていない事実も多くありますので、その辺を改善するためには、やっぱり公契約における低価格入札の結果、業務に従事する労働者や下請業者にしわ寄せされ、賃金の低下や労働環境の悪化を招かないために、本来は国が法律で統一的に規定していくことが解決の道ではあると思いますけれども、なかなかその見通しが立っていない中で、野田市に続いて、政令市の川崎市でも公契約条例が制定されてきています。制度に関する局は財務局ではありますけれども、現場を多く持っている建設局として、この低価格入札の問題解決に一層積極的に取り組まれるよう求めておきます。
 次に、都立公園条例の一部改正についてお聞きします。今回、条例改正案が出ておりますが、都立公園の使用料、占用料の改定が提案されています。まず、都立公園における使用料や占用料はどのように算定するのでしょうか。仕組みについてお聞きします。

○滝澤公園管理担当部長 都立公園条例は、二年に一度改正を行うことで受益者負担の適正化を図っております。都立公園における使用料や占用料につきましては、土地の固定資産評価額により算定した原価をもとに改定しております。今回の改正は、前回改正時より固定資産評価額が上昇したことを受けまして、条例で定める上限額を改正するものでございます。

○かち委員 国の固定資産評価に準じて、二年に一度変更するんだということでしたけれども、使用料及び占用料の改定は、三年ごとの固定資産評価の変更を反映しているわけですけれども、今回の場合は平成二十一年の固定資産評価になるわけですけれども、このころは大変地価が上がっていて、評価も高くなっていたわけですが、その後、二十二年に下方修正されていますけれども、これを反映しているといえるのでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 今回の条例改正におきまして、平成二十一基準年度固定資産評価額からの下落分は反映されております。

○かち委員 公園の使用料の値上げは、今回の場合、約二〇%アップということですけれども、電柱や水道管など、公園内のインフラ設備の占用料は別として、対象がどういうものか、件数はどれぐらいか、影響額はどうかということについてお聞きしたいと思います。特に、売店と駐車場はそれぞれどういうことになるのか。また、それぞれの事業者がどこになるのかお聞きします。

○滝澤公園管理担当部長 土地の使用料は、体育館や美術館などの公園施設を設置している自治体や独立行政法人などから徴収するものでございます。許可件数は百八十六件、都の増収見込み額は総額で六千七百万円となります。
 施設の使用料は、都が設置した売店や駐車場などの公園施設を管理する者から徴収するものでございまして、大半は東京都公園協会と東京動物園協会でございます。許可件数は百五十二件、増収見込み額は総額で七千八百万円となります。そのうち、売店は六十六件で、総額三十三万円、駐車場は四十八件で総額七千万円の増収見込みとなっております。

○かち委員 総件数百八十六件で六千七百万円の増収ということでした。その中で、特に売店、駐車場については公園協会が行っているということで、駐車場料金については四十八件で七千万円ということになるわけですけれども、これは低くないというふうに思うんですけれども、このことが駐車場料金、利用者の値上げに影響しないのかどうか、この点はどうでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 都立公園における使用料や占用料は、公園地や公園施設を使用する事業者が負担するものでございます。一般の都民や公園利用者が直接負担するものではございません。今回の改正結果をどのような形で反映させるかは、それぞれの事業者が判断するものでございます。都立公園の駐車場料金につきましては、周辺駐車場の料金相場などを勘案しながら、受益者負担の考え方をもとにして適切に判断していくものと考えております。

○かち委員 今回の値上げで都民への直接な影響はないというふうにも伺いましたけれども、事業者自身が判断するんだと、周辺駐車場の現状に見合って考えるんだということですけれども、今後も二年ごとに見直して、負担増が続いていけば、やがて都民への料金値上げになる可能性も否定することはできないということだと思うんです。建設局としては、監理団体である公園協会に対し、区民負担増が起きないよう、今後とも適正な運営の管理指導を行うよう求めておきます。
 次に、都立公園の整備について何点かお聞きします。
 緑の公園は、過熱した都市をクールダウンさせ、CO2の吸収によって地球温暖化抑制にも大いに貢献するものであり、災害時の避難場所としても重要な役割を果たす場所であり、人口と高層のビル群が密集した都市部での整備が一層求められているものです。「十年後の東京」二〇一一年版では、施策の一つとして、緑あふれる東京を次世代へ継承するとして、さまざまな緑の創出策が掲げられています。その中で、都立公園を三年間で六十ヘクタール開園するとしていますが、そこで何点かお聞きします。
 近年、十年間の都立公園の整備状況を資料として出していただきましたけれども、それでは、区部と多摩地域における整備状況をお聞きします。過去五年間の区部と多摩の整備状況を年平均でお示しください。

○上杉公園緑地部長 平成十七年度から平成二十一年度までの過去五年間の都立公園の年平均開園面積につきましては、区部では約十二・七ヘクタール、多摩部では約十七・二ヘクタールとなっております。

○かち委員 今のは年平均の開園数として、よろしいんですかね。いいんですか。--ああ、そうですか。そういう状況だということですけれども、東京区部における一人当たりの都市公園面積の推移というのはどうなっているでしょうか。平成十五年、二十年、二十二年の比較でお願いします。

○上杉公園緑地部長 区部の一人当たり公園面積でございますが、平成十五年が四・四五平方メートル、平成二十年が四・四六平方メートル、平成二十二年が四・四五平方メートルとなっております。区部におきましては、平成十五年度から平成二十二年の間に、公園面積としては約二百三十ヘクタール、東京ドーム四十九個分も増加しております。区部の一人当たり公園面積の変化についてほとんど変化がないのは、分母である人口が七年間で約五十三万人も増加しております。東京の魅力と活力が高まった結果と認識しております。

○かち委員 東京の魅力と活力が高まったから、なかなかふえないんだというお話ですけれども、皆さんが努力して、ふやしてもふやしても一人当たりの面積がふえていかないというのは、一方では、それだけ緑が失われているという現象だともいえると思うんです。人口がふえたら、それに合わせた緑地が確保されなければならないというのが当然だと思うのですけれども、今、四・四五平方メートルといわれたのは、都市公園といっても、純粋な都市公園法に基づく計算の仕方ではなくて、いわゆる緑のあるところ、皇居だとか海上公園とかそういうのも入れた数だというふうに聞いておりますけれども、実際、都市公園法ではかると、区部の公園面積は一人当たり三平米です。全国の政令都市の中でも最も少ない状況です。都市公園法では一人十平方メートル以上を定めていますけれども、ほど遠い状況です。
 ちなみに、東京全体の公園でも五・七平米ということですから、都市公園といっても、都立公園の占める割合が非常に重要だということがいえると思います。都としては、このような状況をどのように認識し、改善を図るおつもりかお聞きします。

○上杉公園緑地部長 区部におきましては、現在、約三千九百二十ヘクタールの公園を開園しております。先ほど、先生のご質問にありました都市公園等というお話でしたが、管理者の違いによりまして、環境庁の管理の公園、また、宮内庁管理の公園といろいろありますが、公園としての機能は変わりございません。
 都立公園におきましては、そのうち、現在、千六十六ヘクタールを開園しておりまして、近年は、和田堀公園や水元公園、石神井公園など、防災公園や水と緑のネットワークを形成する公園を重点公園として、事業効果の高い場所から整備、開園しております。
 今後とも、財源を確保するとともに、関係権利者の理解と協力を得ながら用地を取得し、着実に公園整備を進めてまいります。

○かち委員 先ほど「十年後の東京」で、今後三年間で六十ヘクタールふやすんだという目標を掲げていますけれども、年間二十ヘクタールずつふやしても、一人当たりの面積はふえていかないということは、これまでの答弁でも明らかです。国際都市東京を目指すなら、都市公園を、ニューヨーク、一人、二十九・三平米、ロンドン、二十六・九平米のせめて半分ぐらいは目指すべきではないでしょうか。都市化の進んだ中での困難さがあるといわれますけれども、大きな要素として予算配分の問題があると思います。建設局予算四千八百三億円のうち、骨格幹線道路や三環状道路などでは千七百八十八億円、公園整備などには二百六十二億円、大型道路整備費の一四%にすぎません。しかも、昨年比で最も削り込まれている事業となっています。幹線道路建設に偏重した予算のあり方を見直して、環境、防災などあらゆる面から、特に区部における公園整備を抜本的に強化することを求めて、私の質問を終わります。

○橘委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十八分休憩

   午後三時三十七分開議

○橘委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○島田委員 私の方から、まず初めに、防災上の観点からの道路ネットワークについてご質問したいというふうに思います。
 ニュージーランド、クライストチャーチにおいて地震が発生したのは皆様もご承知だと思います。きょうで一週間が経過しまして、きょう現在で死者が百四十八名、行方不明者二百名以上という大きな被害となっております。今、海外に行く日本の若者が少なくなってきているということが問題になっておりますけれども、その犠牲者の中には、語学研修中の若い学生を初め日本人も多く含まれており、大変に残念に思います。亡くなった方々に、心よりご冥福をまずお祈りしたいというふうに思います。
 また、今回、地震の恐ろしさを改めて感じると同時に、首都東京の防災対策の強化の必要性を改めて感じているところでございます。こうした中、東京の防災を考える上で、道路は最重要のインフラだというふうに私は考えております。
 平成二十三年度予算では三千五百二十七億円という道路橋梁予算を計上しておりますが、建設局の道路整備はどのような整備方針に基づいて進めているのか、まずお伺いしたいというふうに思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 東京都と特別区は平成十六年三月に区部における都市計画道路の整備方針を、また、東京都と二十八市町は平成十八年四月に多摩地域における都市計画道路の整備方針を作成しております。整備方針におきましては、交通の円滑化や防災性の向上などを総合的に評価し、第三次事業化計画として、平成二十七年度までに優先的に整備を進める路線を選定しております。これに基づきまして、区部及び多摩地域において都市計画道路の整備を計画的に進めております。

○島田委員 ありがとうございました。
 道路は総合的な観点から計画、整備されるということでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、防災上のインフラであるという観点から幾つか質問をしたいというふうに思っております。
 東京都は平成十九年に地域防災計画が修正され、東京都を初め各公共機関の防災機関が有する全機能を発揮して、都の地域において、地震災害の予防対策、応急復旧対策等を実施することにより震災に強い東京の実現を図ろうとしております。
 この防災計画の中で、東京都は、阪神・淡路大震災での教訓を踏まえ、災害発生後、迅速かつ円滑に緊急輸送を行うため、高速自動車国道、一般国道及びこれらを連絡する幹線道路と、知事が指定する防災拠点を相互に連絡する緊急輸送道路を設定しております。緊急輸送道路は、第一次から第三次緊急輸送道路に分類されているわけでありますけれども、その分類について、まず初めにお伺いしたいというふうに思います。

○鈴木道路保全担当部長 緊急輸送道路につきましては、ただいま理事のご指摘のとおりでございまして、緊急輸送道路の都内総延長は約二千キロメートルでございまして、建設局管理は約千二百キロメートルでございます。これら緊急輸送道路につきましては、震災時に果たすべき機能に応じまして、第一次、第二次、第三次に分類しておりまして、まず第一次は、応急対策の中枢を担う都本庁舎、立川地域防災センター、区市町村庁舎、輸送路管理機関及び重要港湾、空港等を連絡する道路、また第二次は、第一次緊急輸送道路と放送機関、自衛隊や警察、消防、医療機関等の主要初動対応機関、ライフライン機関、ヘリコプター災害時臨時離着陸場候補地等を連絡する道路、さらに第三次は、トラックターミナルや駅等の広域輸送拠点、備蓄倉庫と区市町村の地域内輸送拠点等を連絡する道路でございます。

○島田委員 緊急輸送道路の分類、第一次、第二次、第三次というふうにあるわけでありまして、それらの内容はよくわかりましたけれども、それぞれのネットワークが相互に連携し合って、この緊急輸送道路は初めて機能を果たすというふうに考えております。
 また、特に緊急輸送道路に関しましては、今定例会において、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例案が提出されております。条例では、特定緊急輸送道路について、緊急輸送道路のうち、特に沿道建築物の耐震化を図る必要があると認められるものを指定することができるとしております。沿道の耐震化が進めば、緊急輸送道路は災害時に機能するということはいうまでもないわけであります。特に一九九五年の阪神・淡路大震災で倒壊した家屋などの中から見つかった生存者の割合ですけれども、一日目で八〇%、二日目で二八%、三日前で二一%、四日目で六%を切るということでありますから、災害時には迅速な対応が最重要課題であります。特に生存率が著しく低下するのは七十二時間以内の対応ということでありますので、その対応が急務であるというふうに思います。災害時の輸送を確保し、災害時に都民の命を救うためにも沿道の耐震化を早急に進めるべきだと考えております。
 先ほど質問がありましたけれども、緊急時に道路を閉塞するものとしましては、建築物とともに道路上の電柱も考えられます。東京都はこれまで良好な都市景観の創出などや防災機能の強化を目的として、「十年後の東京」計画に基づき無電柱化に取り組んでいるわけでありますが、先ほど木内議員からもありましたけれども、私は、特に災害時の輸送を確保する緊急輸送道路上の無電柱化、これは非常に大切だと考えております。これまでの取り組みについてお伺いしたいというふうに思います。

○鈴木道路保全担当部長 都は良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を目的として都道の無電柱化事業を進めております。現在、「十年後の東京」計画におきましては、平成二十七年度にセンター・コア・エリア内の地中化率を一〇〇%とする目標を掲げ、多摩地域や周辺区部においても緊急輸送道路や主要駅周辺などで無電柱化の推進に取り組んでおります。今年度末には、センター・コア・エリア内の都道における電線類の地中化率は約七割、都道全体では約三割となる見込みでございます。

○島田委員 今、都道における地中化率というものが三割だということはわかりましたけれども、緊急輸送道路上の地中化率ということはわからないわけでありまして、私は、特に今回、沿道が耐震化に向かっております緊急輸送道路、この沿道の無電柱化を早急に、一〇〇%を目指してやっていただけたらなと、そんなふうに思っております。地中化された電線は、架空線--これは地中化でない空中にある電線です。これに比べて、地震で大幅に破損しにくくなるというデータもありますし、災害時には電柱が救援活動の支障になるということが阪神・淡路大震災の教訓としてあるところでございます。無電柱化は、よい整備を進めるということは当然ですけれども、防災という観点を第一に置いて、今後無電柱化を促進していただきたい、そんなふうに思っております。
 また、阪神大震災のときもそうでありましたけれども、大震災、大地震が発生した際、火災による被害もとても大きかったということでございます。東京都はこれまで道路整備と一体的に進める沿道のまちづくりの手法を活用して、まち並みの良好な景観を確保するとともに、道路部分に延焼遮断帯を整備してきてございますけれども、道路整備を進める上で延焼遮断帯の整備もあわせてお願いを申し上げたいというふうに思います。
 道路の無電柱化や延焼遮断帯など沿道の整備を進め、災害に強い道路を整備していただきたいというふうに思っております。
 次に、緊急輸送道路は災害時の重要なインフラとなるわけでございますけれども、緊急輸送道路上にかかる橋梁、あるいはトンネルなどの耐震化は優先的に整備実施されるべきだと考えますけれども、都はどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○鈴木道路保全担当部長 橋梁につきましては、現在「十年後の東京」計画に基づき、震災対策上重要な位置づけにある緊急輸送道路の橋梁に対し橋脚補強、落橋防止等の耐震補強を計画的に実施しております。建設局が管理する橋梁四百一橋のうち、今年度末までに二百七十一橋を完了する予定でございます。
 また、山岳トンネルは地震時に周辺地山と一体となって挙動するため、地表の構造物に比べて地震の影響が少なく、耐震性に富む構造物であり、一般に地震の影響を考慮する必要はございません。

○島田委員 私の選挙区の中では、奥多摩町、東京都の一番西の外れでありますけれども、そこでは城山トンネルの建設が進められております。今まで奥多摩町に行くには国道は一つしかなく、災害時にこの道路が遮断されてしまいますとまちが孤立してしまうというような状況でございました。このトンネルができるとその心配がなくなるため、防災上、この城山トンネルが完成されますと重要な役割を果たすわけであります。特に、この多摩地域、あるいは島しょ地域は、橋梁あるいはトンネルが多く、防災上も重要なこれらの構造物の建設整備を重ねてお願いしたいというふうに思っております。
 また、大震災が起こった場合は、瓦れき等により道路が閉鎖され、通行が困難になるということが予想されます。災害時の建設局の危機管理体制及び特に緊急輸送道路における瓦れき等の障害物の除去対策の取り組みについてお伺いいたします。

○鈴木道路保全担当部長 建設局では、震災時において、地震発生直後から建設局災害対策本部及び事務所災害対策本部を立ち上げ、速やかに対応に当たります。さらに、総合防災訓練への参加や局内の全事務所参加による防災訓練を毎年行うなど、常に職員の防災対応力の研さん、向上を図っております。いざ震災時には、速やかに緊急輸送道路上の瓦れき等の障害物を除去し、緊急車両等の通行を確保する必要があることから、阪神・淡路大震災を契機に、建設業団体等と資機材や労力の提供等に関する協定を結び、障害物除去作業の体制を整備しております。
 今後とも、国など関係機関と連携し、民間の協力を得て、救援、救護活動や物資輸送等に適切に対応できるよう努めてまいります。

○島田委員 大震災が発生すると対策本部を速やかに立ち上げて対応するということ、そして、その防災協定に基づき瓦れき等の除去を講ずるということはわかりました。実際、災害が発生した際には速やかに行動できるよう、先ほど答弁にありました総合防災訓練を各局と連携して行うこと、これは非常に大切なことだというふうに思っております。
 障害物の除去でありますけれども、私の選挙区である西多摩地域においては比較的関連業者が多く、迅速に対応できるというふうに考えますが、都心部はどうであろうかというふうに考えるわけであります。私の地域に比べて建設業者の割合は低いのではないかなと思いますが、そういう建設関連業者の地域偏在はやむを得ないことではあると思いますが、防災上の観点から考えると、それぞれの地域に災害時に連携できる業者が数多くあった方がよいのではないかなというふうに思っております。地域防災の観点から、地域の業者を支える取り組みが求められるというふうに思います。
 建設局では、災害時に協力関係にある業者を支える観点から、契約上、制度的に何か対策を講じているのかお伺いしたいというふうに思います。

○西倉企画担当部長 建設局では、技術力評価型総合評価方式の入札時の評価に際しまして、東京都または都内の区市町村と災害時における防災活動について定めました災害協定を一件以上締結している業者に対しまして、価格点五十点、技術点五十点の合計百点のうち、技術点二点をインセンティブとして加点してございます。

○島田委員 今ありましたとおり、総合評価方式において技術点二点を加点ということはわかりましたが、これではまだまだインセンティブとしては足りないのではないかなと私は考えます。地域の業者は地域の状況をよく把握されているわけでありますし、災害時には近いわけですから、スピーディーに対応できるわけであります。こうした観点から、私は今後、この技術点の加点をもっとふやしてもいいのではないかなと考えております。これは意見として申し上げたいというふうに思います。
 冒頭、東京都の道路整備計画の基本方針についてお伺いしましたけれども、道路整備においては、渋滞対策あるいは産業振興など、総合的な観点から考えるわけでありますけれども、今、ニュージーランドでは一週間前に直下型の大震災も起こり、また、沿道耐震化の条例も今検討されているということであります。防災という観点から、もっとこの位置づけを高くして道路整備の方針をつくるべきだと、そういうふうに考えております。そのことを申し上げて、次の質問に移りたいというふうに思います。
 次に、西多摩地区の道路整備についてお伺いします。
 道路と鉄道が交差する踏切は、道路渋滞の発生、地域の分断による生活の不便、まちづくりのおくれ、踏切事故の危険性など、さまざまな問題があります。多摩地域には、昭和四十年代以降に建設された路線を除き、鉄道が地表を走っている区間が大部分であり、踏切が多く残されております。
 一方、JR中央線や南武線などにおいては連続立体交差事業が実施され、高架化した地域では交通渋滞の緩和、地域のまちづくりが促進されるなど、大きな効果を発揮しているところでございます。
 しかし、私の地元であります西多摩地域においては、JR青梅線、五日市線、八高線の三線が走っておりますけれども、連続立体交差の事業は実施されておりません。このため、西多摩地域における道路ネットワーク形成の中でも、とりわけ鉄道と立体交差する都市計画道路の整備が重要と考えております。
 そこで、西多摩地域における鉄道と立体交差を図る都市計画道路の整備について、現在の取り組み状況をお伺いいたします。

○萩原道路計画担当部長 西多摩地域における都市計画道路の整備は、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性向上や都市間連携の強化を図る上で重要でございます。西多摩地域においては、東西方向の移動も、南北方向の移動も鉄道や河川を横断する必要があり、鉄道との立体交差や河川を渡る橋梁を含め道路整備に取り組んでおります。
 このうち鉄道との交差部におきまして、立体交差を図る都市計画道路の整備は周辺の踏切による渋滞も緩和されるなど、大変効果の高いものでございます。現在、西多摩地域では、第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけられた三路線において鉄道との立体交差を図る都市計画道路の整備を実施中であります。秋多三・四・一六号線では、JR五日市線と交差するあきる野市雨間において、福生三・四・二号線では、JR青梅線と交差する福生市志茂で、福生三・五・一七号線では、JR八高線と交差する瑞穂町箱根ヶ崎で事業を進めております。

○島田委員 ご丁寧な答弁をありがとうございました。
 現在、三区間でそれらの事業を進めているということでありますけれども、このうちあきる野市雨間地内の立体交差は工事が本格化していると聞いております。このあきる野市雨間地域内の立体交差について、整備目的と進捗状況をお伺いしたいというふうに思います。

○萩原道路計画担当部長 あきる野市においては、JR五日市線や平井川などが東西方向に走り、南北方向の道路ネットワークが不足しているため、秋多三・三・九号線、秋多三・四・一六号線、国道四一一号など、南北方向の道路を重点的に整備しております。このうち秋多三・四・一六号線では、JR五日市線と交差をする四百二十メートル区間において鉄道をアンダーで交差する新設道路の整備を行っております。本整備により睦橋通りから五日市街道までが結ばれ、新たな道路ネットワークが形成されるとともに、周辺の踏切による渋滞の緩和も図られます。
 事業の進捗状況につきましては、JRへ委託している鉄道交差部の工事が平成二十三年度に完了する予定であり、引き続き前後区間の道路擁壁工事などを進め、早期の開通を目指します。
 今後とも、雨間など三カ所の立体交差を初め、西多摩地区における道路整備を着実に進めてまいります。

○島田委員 今、丁寧にご答弁をいただいたわけでありますけれども、鉄道の立体交差につなぐ都市計画道路がネットワークとしてかみ合ったときに、非常にその道路が有効的な道路になるというふうに思っております。鉄道と立体交差を図る都市計画道路の整備、着々と進んでいることがわかったわけでありますけれども、西多摩地域において道路ネットワークの整備も、踏切対策も必要であるため、このような鉄道と立体交差を図る都市計画道路の整備を今後とも推進していただきたいということ最後に要望いたしまして、質問を終わります。

○高橋委員 付託議案第一号議案に関連して、鉄道の連続立体交差事業の推進についてお尋ねいたします。
 私は、平成十三年に都議会議員に就任して以来、活力に満ちた安全で安心して暮らせる日本の首都東京の実現を図るため、その礎となる都市基盤整備の充実を訴えてまいりました。
 中でも私の地元である練馬区では、道路整備を初めとする都市基盤整備が非常におくれており、その充実に精力的に取り組んでまいりました。とりわけ、現在事業が進められている西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業については、機会あるごとに早期高架化を要望し、事業の推進に向けた取り組みを期待してまいりました。その結果、事業は順調に進み、先日の我が党の代表質問では、本年四月に練馬高野台駅から石神井公園駅付近の下り線を高架化し、この区間の踏切がなくなるとの答弁を得ております。地元の方々の長年の悲願である踏切の徐却を目前にし、まことに感きわまる思いであります。
 そこでまず、西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園間における事業の進捗についてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 西武池袋線連続立体交差事業は、練馬高野台駅から大泉学園駅までの延長二・四キロメートルの区間を高架化し、九カ所の踏切を除却することにより富士街道の交通渋滞の解消などを図るものでございます。このうち、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの一・二キロメートルの区間につきましては、昨年二月に上り線を高架化し、現在、来月十七日の下り線の高架化に向け電気設備や駅舎の工事を進めております。また、石神井公園駅付近から大泉学園駅までの一・二キロメートルの区間につきましては、現在用地取得を進めるとともに、工事着手に向け詳細な施工方法等の検討を進めております。
 なお、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの区間につきましては、本事業に合わせて鉄道事業者が複々線化事業を実施しております。

○高橋委員 地元の方々は踏切がなくなることを切望し、さまざまな面で事業に協力してまいりました。地元に感謝の意を含め、今後の事業への理解と協力を得るためにも、地元の方々に事業の進捗状況を肌身で感じていただくことが必要であります。昨年の一月に上り線の高架化に先立って行われた施設見学会は、参加した方々から、事業の内容やその進捗を実感でき、非常に有意義であったと聞いております。
 そこで、今回も踏切の除却にあわせ見学会を開催するのかお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本事業では、地元の方々に事業への理解を深めていただくため、事業の進捗を間近に実感できる施設見学会を開催しております。昨年一月に行った上り線高架化前の見学会に続き、下り線の高架化前の来月九日に石神井公園駅で施設見学会を開催いたします。今回は、事業の進捗に伴い新しく整備された改札口や駅コンコースなどを公開するほか、映像やパネルなどを用いて事業の内容や効果を説明いたします。

○高橋委員 このような見学会を行うことが、ひいては事業の円滑な推進につながるわけであります。見学会に大勢の方々が足を運ばれていることからも、この事業に対する関心や踏切の除却を心待ちにしている期待の高さがうかがえます。
 そこで、石神井公園駅付近の高架化によりどのような事業効果が期待できるのか、改めて伺います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの区間にある富士街道などの六カ所の踏切は、ピーク一時間当たりの遮断時間が四十分以上のいわゆるあかずの踏切でございましたが、高架化によりすべてなくなります。これによりまして、富士街道で最大五百メートルもあった踏切による交通渋滞が解消するとともに、地域分断が解消され、歩行者や自転車の安全性や利便性が向上いたします。
 また、今後、本事業により新たに創出される高架下を有効に利用することで、地域のまちづくりが促進されます。

○高橋委員 踏切による交通への阻害がなくなり、ドライバーも歩行者も踏切待ちでいらいらすることがなく通行できるようになり、これで私も目撃した、遮断機がおりているのに自転車を横に倒しながらくぐり抜けて踏切を渡るという大変危険な行為をする必要もなくなると思います。事業が順調に進み、着実に事業効果があらわれようとしておりますが、石神井公園駅の駅舎の完成や、石神井公園駅付近から大泉学園駅間の三カ所の踏切はまだ残っており、事業としては道半ばだと思います。引き続きこの事業を早期完成するため、積極的に推し進める必要があると思います。
 そこで、事業完成に向けた今後の取り組みについて伺います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの区間につきましては、来月の高架化の後、仮下り線の撤去を行い、駅舎や側道の整備を進めます。また、鉄道事業者により複々線化工事も進められます。
 石神井公園駅付近から大泉学園駅までの区間につきましては、引き続き用地取得を進めてまいります。今年度末には工事に必要な用地がおおむね確保できることから、平成二十四年度から予定していた工事を平成二十三年度内に着手いたします。
 今後とも、関係住民の理解と協力を得ながら、一日も早い完成を目指し、本事業に積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業は大きく前進し、次の段階に進むとのことであります。本当にありがたい話だと思っておりますし、期待していてよかったなと感きわまっております。今後とも、富士街道などの道路整備や周辺のまちづくりと連携し、連続立体交差事業を積極的に進めるよう強く要望いたします。
 一方、練馬区内の西武線には、池袋線のほかに新宿線があります。西武新宿線については、中井駅から野方駅間の都市計画案及び環境影響評価書案の地元説明会が昨年十月に開催され、この評価書案に係る見解書が本年一月に提出されるなど、都市計画や環境アセスメントの手続が進められております。引き続き早期事業化へ向けて積極的に取り組むよう要望をいたします。
 さらに、これよりも西側にある井荻駅から東伏見駅付近についても、連続立体交差化の事業候補区間として検討が進められており、踏切解消に向けた地元の方々の期待は非常に大きいものであります。地元では、上石神井駅周辺に続き武蔵関駅周辺においてもまちづくりへの取り組みの意欲が高まってきたことなどから、ぜひ事業化に向けた課題を早期に解決し、連続立体交差化を実現するよう強く要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。よろしくお願いします。

○興津委員 それでは、私からも、道路建設に関しまして一、二点ほど質問させていただきたいと存じます。
 まず、道路整備あるいは鉄道の連続立体交差化等、社会インフラの建設等は費用対効果、そのベネフィットを計測して、経済性ばかりでなく生活利便性を高めることになります。まさしく社会的要請であろうと考えております。
 先ほども大菩薩峠の一説がありましたけれども、社会的な要請が変わったので旧の街道も変わってきたのかなというふうにも考えることができます。つまりアップ・ツー・デートをしていくということが必要なんだろうというふうに思っておりますし、また一方、今後の人口構成、社会構成等の大きな変化等をかんがみたときに、今後の一定の計画の見直しも必要なときとなっているのではないかと思います。
 しかしながら、東京の道路整備に関しましては社会的要請として必要であると私は考えているところであります。それをもとにいたしまして、交差点すいすいプランに関しましてお伺いさせていただきます。
 東京都では、渋滞を緩和し、円滑な道路交通を確保することを目的に、比較的短期間に少額の投資で効果の発揮できる局所的な渋滞対策事業として、現在では、新たな計画箇所を加え、第二次交差点すいすいプランを策定され施行されています。中間のまとめのところでは、都民の声によると、右折レーンが設置されている交差点も多くなってきており、すいすいを実感する、毎日通る道が改良されて渋滞がなくなり助かっているという歓迎の声も多く聞こえているところであります。また、渋滞緩和は経済性の向上並びに環境対策としても効果は高く、必要な施策であるとも考えております。
 そこで質問ですけれども、第二次交差点すいすいプランの現在の進捗状況と今後の整備計画についてお伺いいたします。

○鈴木道路保全担当部長 第二次交差点すいすいプランは、平成十七年度から平成二十六年度までの十カ年で多摩地域を中心に百カ所の交差点において右折レーンの設置などを行い、より円滑な交通の実現に向け、交通渋滞の緩和、交通事故の防止、沿道環境の改善を図るものでございます。本年度は調布市の深大寺小前交差点など二カ所が完成することにより、第二次交差点すいすいプランに着手した平成十七年度からの累計は二十一カ所となります。
 また、平成二十三年度は継続箇所を含め四十五カ所で事業を実施する予定でございます。引き続き事業中箇所の進捗状況を踏まえ、事業化に向けた現況測量などを実施してまいります。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 そこでお伺いしますが、都民の声には、第二次すいすいプランにおいて、交差点部に歩道がなく待機場所がない、危険なので歩道の設置が必要であるというご意見等もありました。まさしくそのとおりであろうと思います。この件に関しての取り組みをお伺いいたします。
   〔委員長退席、野上副委員長着席〕

○鈴木道路保全担当部長 第二次交差点すいすいプランの対象交差点では、交通渋滞緩和のための右折レーン等の設置にあわせて安全な歩行空間を確保するため、だれもが安心して歩ける歩道を整備してございます。交差点部の歩道設置を行うためには用地の取得が重要な課題でございまして、関係住民の方々の生活や商店街の皆様の営業などに大きな影響を与えることから、事業の実施に当たっては地元の皆様の理解と協力を得ながら進めているところでございます。

○興津委員 まさしく関係住民の方々のご協力というものがなければ進捗しないというふうに私も思いますので、それこそ手を携えて進捗をしていただきたいというふうに思っているところであります。また、現在の交通事情から新たに渋滞等が激しくなったり、その緩和が必要であろうと思われる交差点が出てくることも今後考えられるのではないかと思います。
 そこで、第二次すいすいプランの今後の取り組みにつきましてお伺いをさせていただきます。

○鈴木道路保全担当部長 第二次交差点すいすいプランでは、渋滞が著しい交差点の中から都民の意見や地元要望を勘案し、整備箇所を選定し、計画的に事業を推進しております。現在、地元自治体との緊密な連携のもと、関係住民の理解と協力を得ながら、計画に基づき、本事業の平成二十六年度完了を目指して全力で取り組んでおります。
 今後とも、多摩地域の交通渋滞を解消するため、多摩南北道路を初めとする幹線道路ネットワークの整備に加え、局所的な渋滞対策である交差点すいすいプランを地元自治体との緊密な連携のもと、関係住民の皆様の理解と協力を得ながら積極的に推進してまいります。

○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
 この第二次交差点すいすいプランですけれども、多摩地域におきましては非常に歓迎されている施策であるというふうに私は強く感じております。私の地元でもありますが、国分寺も何カ所かまだ施工前の場所もありますので、できる限り早目の整備をお願いさせていただきまして、多摩地区の交通安全と環境対策に寄与いただけるようにお願いをしたいと思っております。
 と同時に、すいすいプランに入っていない場所におきましても、今後そのように渋滞箇所が起きてくる可能性も本当に考えられるであろうと私は思っておりますので、今後の検討もまた視野に入れていただきまして、まずは現在の進捗状況をきちっと進めていただく、その先も継続してお願いをさせていただければありがたいというふうに要望させていただきます。
 では次に、自転車走行空間の整備につきましてお伺いさせていただきます。
 自転車は環境にやさしい交通手段としての特性が見直され、都市交通における位置づけが先進諸国では高まっています。東京都でも、自転車交通を改めて見直す好機であると思います。今までは自転車の走行空間が貧弱なまま長年放置されていたため、このまま自転車利用を推奨すれば歩道の歩行者はさらに危険になると予測されますし、最近では、自転車自身にとっても、細い道路との交差の多い幹線道路の歩道走行は危険であるとされています。
 東京工業大学の教授の論文によりますと、これからの自転車政策の理念、枠組み、原則として、これからの自転車交通政策を考える上で最も重要な点として三点を挙げていらっしゃいます。
 一番に重要なことは、理念として政策継続性を、国民を含め広く行政機関等関係者間で共有すること。自転車政策を過去のような一過性の行政対策に終わらせない確固とした理念を共有し、それに基づく安定的な仕組み、取り組みづくりを進めることが必須である。
 第二といたしまして、枠組みとしての自転車走行空間の計画及び設計、事業化のための法制度等の確立であります。その中心は、自転車のネットワーク計画の立案と整備の制度になると考えられます。沿道コミュニティを含めた道路空間の計画づくりの制度化など、また、都市計画との連携や調整なども課題であるというふうにされております。
 第三に、原則として、歩行者から分離された自転車の走行空間の確立が挙げられております。これは自転車交通の快適性を向上させることにもなりますが、歩道上の歩行者と車道に出た自転車の安全を確保することが前提になります。歩行者から原則分離された自転車走行空間の整備が大原則であります。政策継続性のもとでどんなにすぐれた法制度を確立したとしても、実際にでき上がる空間、施設に最大の配慮が必要なことはいうまでもありませんというふうにされております。
 そこでお伺いいたしますが、東京都といたしまして、この自転車走行空間の整備にかかわり、その基本的な考え方をまずはお伺いさせていただきます。

○鈴木道路保全担当部長 自転車は近距離の移動にすぐれるとともに、環境への負荷の少ない都市内の有効な交通手段の一つであり、車道空間を確保しつつ、歩行者、自転車それぞれの安全・安心を確保する自転車走行空間の整備が重要でございます。都は「十年後の東京」への実行プログラムに基づき、自転車交通量が多く安全性を向上させる必要がある区間などを対象として、道路構造や利用状況を踏まえ、多様な手法を用いて整備を進めております。具体的には、広い歩道を活用した植樹帯などによる構造的分離やカラー舗装による視覚的分離により自転車歩行者道の整備を行っております。また、車道の一部を活用した自転車レーンの整備も行っております。

○興津委員 東京都といたしましても、このように認識をされているというふうに承りました。歩行者、自転車それぞれの安全・安心を確保するんだというところからスタートすると同時に、この交通の手段としての整備の方も、政策制度といいますか、その理念をきちっと持っていただいて対応していただければというふうに思います。
 今回、この予算に関しまして、東八道路等の六・六キロ区間分が計上されています。今後、そのほかの地域への計画等がありましたらば、この辺もお聞かせいただきたいと思います。
   〔野上副委員長退席、委員長着席〕

○鈴木道路保全担当部長 「十年後の東京」への実行プログラムに基づき、平成二十三年度から三カ年で記載のあります東八道路や浅草通りでは構造的分離による整備、白山通りでは視覚的分離による整備、平和橋通りでは自転車レーンの設置など、十路線、三十一キロメートルにおいて自転車走行空間の整備を計画的に進めてまいります。
 今後とも、だれもが安心して利用できる安全で快適な自転車走行空間の整備を積極的に推進してまいります。

○興津委員 それではまとめさせていただきますが、今後はこのように計画をお持ちになり、「十年後の東京」の確実な進捗をまずはお願いをさせていただきます。
 と同時に、ヨーロッパ等の、先回、私もコペンハーゲン等を視察させていただいたんですけれども、自転車の走行空間というのが車道と分離をされているというところが、やっぱり安全性が確保されているなというふうに思います。先進国でもありますので、そこと東京とを一概に比較するわけにはいかないのかもしれません。しかしながら、そこを目指して整備を進めていただければというふうに要望させていただきまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○山田委員 それでは、私から、道路の整備について何点かお尋ねをいたしたいと思います。
 東京都の道路整備につきましては、車の渋滞解消はもとより、防災性の向上あるいは環境改善、まちづくりの推進など、都市生活者にとっては不可欠、密接な事業であると思います。
 しかし、東京都の計画道路の整備率につきましては約六割でありますが、私の地元であります西東京市は、大変残念ながら、いまだ三割を少し超えた状況であります。西東京市は、平成十三年の二月に保谷市と田無が合併をいたしまして、ことしの二月で十年目を迎え、まさに新しい都市というわけでありまして、この間、合併市といたしましてまちづくりを積極的に推進をしているところであります。とりわけ、都市基盤整備につきましては、新市建設計画に基づきまして、これまで各種事業を推進しているところでもございます。
 そこで、私は、道路整備のさらなる推進を願いながら、本日の委員会は来年度の予算における審議も兼ねておりますので、地元の西東京市の道路整備の事業について何点かお伺いしたいと思います。
 まず、再開発事業が進んでおります西武池袋線の保谷駅周辺の整備についてでありますけれども、駅前の商店街を通る都道二三三号線はバス通りでありますが、大型車の通行も多い道路でありまして、しかし、歩道もないため大変危険な状態の道路だといわれております。特に雨が降るときなどは傘を差して歩けないという、そんな状況の道路であります。そのため、都道二三三号線の拡幅あるいはバイパス機能を果たす道路の早期整備が求められておりまして、都道二三三号線の一部区間では歩道の整備が現在進められております。既に保谷駅から南下いたしております西武新宿線の東伏見駅につながる西東京三・四・一六号線の整備は完了しておりまして、大変便利になっておりますだけに、都道二三三号線の整備と、それに接続しバイパス機能を果たします西東京三・四・一二号線の早期整備を市民は大いに期待をいたしているところであります。
 そこで、現在用地を取得中と聞いておりますけれども、西東京三・四・一二号線の用地の取得状況と今後の予定についてお伺いをいたします。

○四方用地部長 西東京三・四・一二号線は、保谷駅西側の狭隘な都道二三三号線のバイパス機能を持つ都市計画道路であり、現在、二三三号線から通称かえで通りと言われておりますけれども、西東京三・四・一六号線までを結ぶ延長約二百三十メートルの区間で事業を実施しております。本路線は、平成二十年度に用地取得を開始し、二十三年二月末現在の用地取得率は約三二%でございます。
 今後とも、関係権利者の理解と協力を得ながら、早期の工事着手に向けて用地取得を着実に進めてまいります。

○山田委員 ぜひ、都道二三三号線のバイパス路線でありますこの機能を発揮するためにも、西東京三・四・一二号線の早期の工事着工に向けた努力として用地取得を進めてほしいと思うところであります。
 次に、既に工事が進められております二路線についてお伺いいたしたいと思います。
 まず、調布保谷線の西東京区間についてでありますけれども、調布保谷線は多摩地域を南北に貫き、西東京区間について、効率的な幹線道路ネットワークの形成によります交通の円滑化を図る上で極めて重要な道路であります。また、地域の利便性にも寄与するところから、私も含めまして、地元住民は本路線の早期完成に大きな期待を寄せているところでもあります。
 工事はまさに今最盛期を迎えておりまして、既に石神井川には橋梁がかかり、西武新宿線及び西武池袋線の交差部のトンネル工事が今進んでおります。また、東伏見地区のトンネルにつきましては、西東京東伏見トンネルという名称に決まったということも聞いておるところであります。このように工事が進んでまいりますと、既に供用をしております調布区間のように、広い歩道部や、人や自転車が安全に通行し、沿道環境にも配慮した緑の多い環境施設帯の完成が待ち遠しいところでございます。
 そこで、西東京区間におけます環境施設帯整備の進め方についてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 調布保谷線は、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性向上や都市間連携の強化を図る上でも重要な骨格幹線道路であり、西東京区間では青梅街道から埼玉県境までの三・九キロメートルが事業中でございます。調布区間と同様に、西東京区間におきましても、四車線の車道の両側に十メートルの環境施設帯を設けることとしております。特に本区間南側の東伏見地区では、東伏見公園や石神井川の整備と連携し環境施設帯の整備を進める計画であり、水と緑に親しめる空間づくりを目指しております。整備に当たりましては、地元市や沿道住民の方々の意見を聞きながら、沿道利用のための副道の有無、ゆとりある歩行者空間や自転車走行空間、緑豊かな植樹帯の配置や植栽する樹種などについて検討してまいります。

○山田委員 今のご説明によりまして、西東京区間の環境施設帯の整備の進め方についてはよくわかりました。地域住民の意向を聞いていただきまして、よりよい沿道環境が築かれるよう、ぜひ調整をお願いいたしたいと思います。
 次に、調布保谷線の、西東京区間の来年度の予定及び今後の取り組みについてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本年二月末現在、九五%の用地を取得しておりまして、現在施工中の鉄道交差部工事のうち、西武新宿線との立体交差部におけるトンネル及び擁壁工事につきましては、五月末には完了する予定でございます。引き続き街築工事やトンネル内の照明設備工事等に着手しまして、青梅街道から都道二三三号線までの一・九キロメートルを平成二十四年度末に四車線で交通開放する予定でございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、平成二十六年度末の全線開通を目指して整備を推進してまいります。

○山田委員 着実に工事が進められているということがわかりましたけれども、ぜひ全線完成に向けて積極的な取り組みを今後も期待したいと思います。
 次に、調布保谷線と結ばれることで飛躍的に都心部への交通アクセスが向上をし、そして青梅街道や新青梅街道などの東西方向の交通の分散に効果が高い新東京所沢線についてお伺いしたいと思います。
 この本路線につきましても、調布保谷線と同じように、人や自転車が安全に通行できる沿線環境にも配慮した緑の多い歩道整備が必要であると考えております。
 そこで、今事業中区間の道路構造についてお伺いいたしたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 西東京三・三・一四号、新東京所沢線は、練馬区境を起点としまして埼玉県新座市境に至る延長約一・一キロメートルの東西方向の都市計画道路でありまして、多摩北部地域と区部の連携強化を図るとともに、外環へのアクセス道路としても重要な幹線道路でございます。現在、練馬区境である放射第七号線との接続部から調布保谷線までの五百七十メートルが事業中でございます。本区間は、往復二車線で十一メートルの車道の両側に七メートルの歩道を整備する計画でありまして、整備に当たりましては、安全性や快適性に配慮し、自転車走行空間と歩行者空間を分離するとともに、緑豊かな植樹帯を設置してまいります。

○山田委員 ぜひ、この西東京所沢線につきましても、調布保谷線と同様、歩行者や自転車利用者にもやさしく、そしてまた沿道環境にも配慮した、安全性や快適性に配慮した環境にやさしい道路整備が行われるということを期待いたしますし、その点についてよくわかった次第であります。
 次に、現在の整備状況及び今後の取り組みについてお伺いいたしたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本年二月末までに九八%の用地を取得しておりまして、現在、練馬区境から西側約四百メートルで排水管工事を行っております。来年度は引き続き残りの用地取得を進めるとともに、電線共同溝工事を行う予定でございます。また、暫定的な歩道を整備して、地元の方々が安心して通行できる空間を確保いたします。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら早期完成を目指し、積極的に整備を推進してまいります。

○山田委員 今、具体的な道路整備、工事状況についてご説明をいただきました。あるいは今後の取り組みについてもご説明をいただきました。
 ただいま私が質問いたしました南北道路の調布保谷線、あるいは東西方向の新東京所沢線、都道二三三号線のバイパスとして整備を進めております三・四・一二号線などは、市内の道路のネットワーク形成に欠かせない重要な道路であります。整備に当たりまして、沿道環境にも十分配慮しているようでございますけれども、これからもこのような道路整備をぜひ推進してもらいたいと思います。
 来年度の取り組みを聞かせていただきまして、積極的に整備を推進するという答弁がありました。ぜひ交通渋滞解消、防災性の向上、まちづくりにもつながるこれら路線の一日も早い完成に向け、引き続き努力をお願いしたいと思いますし、まだ手をつけていない都市計画道路についても事業着手をぜひお願いをしたいと強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○石森委員 それでは、私からも道路事業一つに絞って何点か質問をさせていただきたいと思います。
 東京における道路整備については、慢性的な交通渋滞の解消や、環境の改善、社会経済情勢の活性化、安全で快適な都民生活の実現など、首都東京にとって最重要課題の一つでもございます。
 我が都議会自民党といたしましても、これまでさまざまな機会をとらえて道路整備の重要性を訴え、事業の促進に努めてきたところでございます。
 先般、二月十六日に都議会外環議連の主催により、多くの都民や関係団体が連携した外環の早期着工に向けた都民の集いが開催をされました。この大会において、改めて外環の一刻も早い工事着手と早期完成に向けて関係機関が力を結集することを誓い合うとともに、国に対する力強いメッセージを発信したところであります。首都圏の交通問題を抜本的に解決するためには、東京に流入してくる放射状の高速道路を連結する首都圏三環状道路の整備が不可欠であり、できる限り早く完成させることが必要であることは論をまちません。
 そこで、まず首都圏三環状道路の一つである圏央道について、平成十九年の八王子ジャンクションからあきる野インターチェンジ間の開通により中央道と関越道が初めて結ばれましたけれども、その整備効果についてお尋ねをいたします。

○戸谷三環状道路整備推進部長 理事のご発言にありましたように、圏央道は平成十九年六月に八王子ジャンクションからあきる野インターチェンジの間、九・六キロメートルが開通いたしました。これによりまして、中央道と関越道が環状道路である圏央道で結ばれたわけでございます。この開通により、圏央道の交通量が約二万台から約三万台へと五割以上増加いたしました。一方、圏央道と並行する国道一六号の交通量は減少いたしまして、一六号の交差点等における渋滞の緩和効果もあらわれております。
 また、中央道や関越道では、圏央道内側の都心に向けて流入する交通が分散されることによりまして交通量が減少傾向に転じております。このように、中央道から関越道が圏央道で結ばれましたことによりまして、地域交通環境の改善や交通分散効果が発揮されつつあります。

○石森委員 今のご答弁で、中央道と関越道が環状道路である圏央道によって結ばれることにより並行する国道一六号の交通環境が改善され、都心方向に流入する高速交通が分散するなど、圏央道に期待する役割が発揮されつつあることが理解できました。しかし、都内の圏央道は現在も整備中でありまして、完成には至っておりません。
 そこで、残る中央道と接続する八王子ジャンクションから南側の都内区間について、現在の進捗状況と今後のスケジュールを伺うとともに、圏央道全体の完成に向けた都の取り組みについてお伺いいたします。

○戸谷三環状道路整備推進部長 圏央道の残る都内区間のうち、八王子ジャンクションから八王子南インターチェンジまでの二・二キロメートルにつきましては、延長約千三百メートルの高尾山トンネルの掘削が現在約六〇%以上進んでおりまして、来年度の開通に向けて鋭意工事が進められているところであります。この区間の供用によりまして、中央道と国道二〇号とのアクセスが向上するなどの効果が期待されております。引き続く八王子南インターチェンジ以南についても、都内区間の用地取得は完了いたしました。平成二十四年度の開通を目標に現在工事が進められているところでございます。
 圏央道は、沿線地域の社会経済活動を支える社会基盤として大きく寄与するものであります。そして、環状道路はリングが完結してこそ本来の機能が発揮されることから、都といたしましては、引き続き神奈川県区間など隣接県の圏央道の整備が早期になされるよう、強く国に働きかけてまいります。

○石森委員 今のご答弁で、圏央道の都内区間の整備については平成二十四年度、二年後の全線開通に向けて拍車がかかっているというようなことがわかりました。
 また、先ほどの圏央道の整備効果からも明らかなように、八王子を初めとした多摩地域の発展のため、圏央道の機能をより一層発揮させる手だてを考えていくことが重要となります。
 ただ、残念ながら、平成十九年に開通した八王子西インターチェンジは、中央道方面への出入り口のみの、いわゆるハーフインターであります。すなわち八王子西インターチェンジからは関越道方面への行き来ができない状態にあります。このインターチェンジ周辺には西南部物流拠点整備が計画されておりまして、この実現のためにも、一刻も早く八王子西インターチェンジのフルインター化が必要でありまして、地元としてもこれを強く望んでいるところであります。これまで二回ほど国と市によるフル化に向けた勉強会が開催されましたが、この西南部物流拠点整備を成功させるためにも欠かすことのできない大事な要素でございますから、ぜひ都市整備局とも連携して、強く国にこのフル化に向けて働きかけをしていただきたいと思います。
 また、八王子南インターから東の日野市へ結ぶ道路として建設が進められております国道二〇号、八王子南バイパスでありますが、既に昨年、その一部であります南インターから町田街道までは供用開始となりましたが、その先の東側については、国の公共事業の削減によって見通しがつかない、そういう実態にございます。この道路についても、地域の活性化、あるいは交通ネットワークの強化のためにはどうしても必要な道路でありますから、ぜひ早期完成に向けて、西インターフル化同様、国に対して強く要望していただきたいと思います。
 そして、この圏央道の機能をより一層発揮させるためには、アクセス道路の整備も大変重要であります。八王子市においては、あきる野インターチェンジへのアクセス道路である新滝山街道の整備が進められておりまして、これについても早期完成が望まれるところであります。
 しかしながら、昨年七月に開かれた圏央道促進協議会では、一部地権者の協力が得られず、平成二十二年度末の開通は困難であり、今後、土地収用制度の手続を進めていくとの説明がございました。たしか局長のごあいさつの中でそんな話が出たと思いますけれども、私といたしましても、八王子市街地とあきる野インターチェンジを結び、業務核都市八王子市の発展にも寄与する新滝山街道の整備の進捗を心配しているところであります。
 そこで、新滝山街道の進捗状況についてお尋ねをいたします。

○萩原道路計画担当部長 新滝山街道は、圏央道あきる野インターチェンジのアクセス道路として、また、国道四一一号のバイパス道路として整備を進めている骨格幹線道路であります。全長約七キロメートルのうち四・四キロメートルが既に交通開放しており、谷野街道から高尾街道までの残る二・六キロメートルの区間で事業中であります。用地については、残る一件が任意での契約が困難なため、平成二十二年九月に土地収用法に基づく裁決申請及び明け渡し裁決申し立てを行いました。既に平成二十三年二月に審理が終了しており、今後、裁決を得た後、土地の権利を取得する予定であります。
 また、工事につきましては、土地の未買収区間を除き、今年度中に切り土や盛り土工事が完了する予定であります。平成二十三年度は土地収用手続を速やかに完了するとともに、街路築造工事等を順次実施してまいります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、平成二十四年度の一日でも早い全線開通を目指し、全力で取り組んでまいります。

○石森委員 平成二十四年度の全線開通に向けて工事も進んでおり、収用の手続も着々と進められている。そんなご答弁でございまして、安心をいたしました。今後とも、地元の理解と協力を得ながら、一日も早い開通を目指して事業を進めていただくことをお願いしたいと思います。
 圏央道の都内区間の整備を推進し、圏央道の機能をより一層発揮させるため、都として全力で取り組んでいくことを最後にお願いいたしまして、私からの質問を終わります。

○こいそ委員 それでは、何点か質問をさせていただきたいのですが、まずJR南武線の立体交差事業についてであります。
 私の地元であるJR南武線連続立体交差事業については、かねてから取り上げてきましたけれども、またこれに関連する道路整備についても伺いたいと思います。
 南武線の高架化による踏切解消には、これは皆さんにご努力をいただき、私も初当選以来、一貫してこの問題、いわゆる整備、完成に向けて私なりに取り組んできたところでございますけれども、その結果、関係者皆さんのご努力をいただいて、矢野口駅付近の第一期区間は平成十七年度に高架化が完成いたしました。また、続く矢野口駅付近から府中本町駅間の第二期区間も高架化に向けて今事業が進んでいる。これは当初、一期工事は極めて順調に進んでおりましたから、二期工事もまたしっかりと進められていくであろうと、こういう期待感があったわけでありますが、しかし、一昨年十一月の環境・建設委員会における事務事業質疑の中で、都から高架化、いわゆる踏切解消が平成二十六年になってしまうんだと。当初計画案からすると約五年か六年近いおくれだというので、私もそのときは一瞬耳を疑ったんです。そんなことはないだろうと。その前に極めて順調ですよというお話があった。
 しかし、その後において、確かに福知山線の脱線転覆事故があり、JR東日本の内部体制の見直しという、そういうもろもろの影響を受けた中での対応が出てきたのではないか。さらには、稲城市の区画整理の進捗状況、工事車両の導入口の確保が少しおくれていたとか、もろもろの状況が私自身も理解ができ得ないところがなくはないわけでありますけども、その中で、いずれにいたしましても、長年にわたって踏切の解消を、または連続立体交差化事業の完成に伴って土地利用をしっかりとする中でまち整備を行っていくんだと、こういう地元の皆さんの強い思いが当然あるわけなんです。
 そこで、JR東日本に対して、工程管理を強化し、工期の短縮に向けての努力のお願いを強く関係局、部の方からも要請をしていただいたところでありますけれども、その後、環境・建設常任委員会において、交差事業の工期短縮並びに関連道路整備の推進ということ、これは重ね重ねの要望でありましたが、このあたり、先日、第一回定例都議会において、我が党の代表質問に、都から、南武線下り線の高架化が年内の見通しとなったんだという答弁がありました。
 そこで、南武線の第二期区間における工事の進捗状況についてお願いします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JR南武線連続立体交差事業は、稲田堤駅から府中本町駅間を高架化し、鶴川街道など十五カ所の踏切を除却することにより、交通渋滞や地域分断を解消するものでございます。このうち、稲田堤駅から矢野口駅付近までの第一期区間は平成十七年に高架化が完了しております。お尋ねの矢野口駅付近から府中本町駅までの第二期区間につきましては、下り線の高架構造物がおおむね完成し、現在、駅舎、軌道及び電気工事を進めておりまして、平成二十三年内に下り線を高架化する予定でございます。

○こいそ委員 ただいまの答弁のとおり、私も毎日のように状況を見ておりまして、これは進んできているなというような状況も確認もしておるところであります。そういう中で、この第二期区間では、南武線立体事業にあわせて交差する幹線道路、いわゆる多摩三・三・七号線の整備が今あわせて進められているところであります。本路線は、是政橋につながり、多摩南東地域にとって南北方向の主要軸となる重要な道路であります。
 そこで、多摩三・三・七号線と是政橋における工事の進捗状況についてお願いをしたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 多摩三・三・七号線はJR南武線と交差し、是政橋と川崎街道を結ぶ重要な幹線道路であり、全線で道路工事を進めております。今月九日に是政橋の交通を下流側に切りかえた後、引き続き工事を進め、今月末には二車線で暫定開放する予定でございます。
 また、是政橋につきましては、上流側橋梁の補修工事を行い、平成二十三年内に橋梁部を四車線で開放する予定でございます。

○こいそ委員 多摩三・三・七号線と是政橋の進捗状況を今ご答弁いただきましたけれども、多摩三・三・七号線が都道川崎街道までつながるということで、まさに広域的な観点から含めたまちづくりに大きく寄与するものと考えているところであります。着実に整備を進めていっていただきたいことでありますけども、交差道路を生かすためにも南武線高架化の工期短縮は極めて必要であると思うんです。
 私は、昨年十一月、先ほど申し上げましたけれども、事務事業質疑において、都に工期短縮を推進するとともに、その見込みを早期に示すようにと、こういう要望もさせていただいたわけでありますが、そこで、これまで実施した工期短縮策の取り組みと、工期短縮の見込みについて改めて伺いたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 平成二十一年十二月に、JR東日本と設置した南武線連続立体交差事業工程調整会議におきまして、工期短縮に向けた具体策の検討を行っており、調整できたものから順次実施しております。
 主な具体策としまして、一つ目は、施工効率を向上させるために多摩三・三・七号線をまたぐ鉄道橋の基礎を地中ばりのない構造に変更いたしました。二つ目は、施工性を高めるために稲城長沼駅や南多摩駅の南側に作業ヤードを確保いたしました。三つ目は、工事の進捗を図るため稲城長沼駅付近に川崎街道からの新たな工事用搬入路を確保いたしました。これらの取り組みによりまして、平成二十四年春を予定していた下り線高架化が平成二十三年内へと工期短縮できる見込みとなりました。

○こいそ委員 工期短縮に向けていろいろなご努力をしていただいているということは理解をさせていただくところであります。
 また、地元の地域の皆さんがまさに待ち望んでいた下り線高架化が年内に前倒しして実現するということがわかりました。
 そこで、南武線の下り線が高架化されることにより、どのような事業効果が期待できるのか伺いたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 第二期区間の下り線高架化によりまして、この区間にある多摩三・三・七号線や府中街道など、七カ所の踏切の遮断時間が約三割減少する見込みでございます。これによりまして踏切による交通渋滞が緩和するとともに、歩行者や自転車の安全性、利便性が向上いたします。

○こいそ委員 下り線の高架化によって交通渋滞の緩和等々極めて効果が出てくることはわかりましたけれども、今後、これら事業を着実に進めていくためには、いうまでもありませんが、より地元の理解と協力が不可欠だと思うんです。
 今月五日に、その地域の皆さん、対岸の府中市もそうでありましょうけれども、是政橋の二期橋完成のお祝いのイベントをするということを聞いております。これは大変画期的なことですから、私も当日、地元の皆さんとともに、参加したいと思っております。
 南武線においても、都は、より地元の理解を得るために見学会を企画するということでありますが、そこで、南武線の現地見学会の実施について教えていただきたい。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 地元の方々に工期短縮の取り組みによる工事の進捗を実感していただくとともに、今後の事業への理解と協力が得られるよう、第二期区間の沿線の方々を中心に、稲城長沼及び南多摩駅付近におきまして、今月二十一日に現場見学会を開催いたします。見学会では、パネル掲示やビデオ放映による事業の説明のほか、おおむね完成している下り線の高架橋の上を歩いていただく予定でございます。
 今後とも、都は、事業主体として連続立体交差事業のPRを積極的に実施してまいります。

○こいそ委員 事業推進のため、当初、連続立体交差事業だけじゃありませんが、東京都の施行主体としての中で、都がどれだけそこに力を注いでいるのか、予算を含めて、人的にもさまざま。当該の地域は、当初余りよく理解されていなかったことはあるんです。ところが、その後においていろいろなイベントに参加してPRしたり、大きな看板を立てたり、あらゆるいろいろな努力をしてもらったことによって、それから一番決定的なところというのは、よく理解してもらったのは、おくれたことによって、東京都が施行だという、東京都責任論がものすごく噴出しまして、南武線というのはJR東日本がやっているんじゃないんだと、東京都が施行主体者なんだということをかなり理解されております。しかし、よりこの事業の必要度、必要性、こういうことを含め、東京都は力を入れているということをより理解していただくためにもPRをさまざまな側面から進めていただきたい。お願いします。
 そこで、最後に、JR南武線の踏切解消と多摩三・三・七号線の完成に向けた今後の取り組みについてお願いします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 南武線につきましては、平成二十三年内に下り線高架化を完了させ、引き続き上り線の高架化工事を進め、平成二十六年春を予定しています踏切除却につきましても工期短縮に努めてまいります。
 また、多摩三・三・七号線は、平成二十三年度から歩道部において電線共同溝工事を実施するとともに、南武線の踏切除却にあわせ、残る鉄道交差部の街路築造工事等を行い、全区間を四車線化する予定でございます。
 今後とも、都は事業主体として地元市やJR東日本と連携を強化しながら、これら事業の推進に全力で取り組んでまいります。

○こいそ委員 今までのご答弁にありましたような取り組みをしていただいているわけでありますが、ぜひ、都はより積極的に、南武線の踏切解消、交差する多摩三・三・七号線の四車線による全面開通に向けて全力で取り組んでいただきたいと要望いたします。
 次に、関戸橋の整備について伺います。
 是政橋については、年内に橋梁部を四車線開放するとのご答弁をいただきましたし、着実に整備が進んでいるということは確認ができました。是政橋の完成の姿が見えてきた今、引き続いて未整備橋梁の事業化を図っていくべきと考えるところであります。特に多摩川中流部の架橋、これは多摩ニュータウン完成、その周辺の開発に伴ってものすごい渋滞があった。それに伴って有料橋を無料化していただきましたけれども、それは先行的に架橋していただきましたが、しかし、遅々として進まなかった。しかし、そこの中で、是政もそうでありますし、新橋として府中四谷橋の架橋があった。しかし、多摩南北五路線の一つである都道鎌倉街道、多摩川をわたる関戸橋は昭和十二年にかけられて、七十年以上が経過しているということであります。昨年十一月の委員会で今後かけかえをぜひ進めてもらいたいという要望をいたしました。
 そこで、多摩川中流部において、それから東京都全体においても、昭和二十年代ぐらいにかけられた橋、老朽化しているところは少ないと思うんです。そういうことから踏まえて、関戸橋の整備について、これまでの取り組み状況を教えていただきたいと思います。

○萩原道路計画担当部長 関戸橋は、多摩地域の骨格を形成する南北五路線の一つである府中所沢鎌倉街道線が多摩川を渡る橋梁であり、多摩地域における第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。橋梁は上流橋と下流橋の二橋に分かれており、上流橋は昭和四十六年にかけられております。下流橋は昭和十二年にかけられ、七十年以上が経過し老朽化が進んでいる上、歩道がないことから、早期のかけかえが必要であると認識しております。このため、かけかえに向けた基本的な検討としまして、橋梁形式の検討や航空測量等を実施しております。

○こいそ委員 既に橋梁形式の検討等を行っているということでございますけれども、昨年の委員会で要望させていただきましたように、早期事業化に向けて必要な検討を一層加速させていくべきであると考えるところであります。
 そこで、事業化に向けた今後の取り組みについて伺います。

○萩原道路計画担当部長 平成二十三年度は、関戸橋周辺の環境調査や構造物の設計に必要な測量、地質調査、また、かけかえ工事中に交通を切り回すための仮橋の設計などを実施する予定でおります。あわせて、河川管理者や交通管理者などの関係機関との協議を積極的に進めてまいります。今後、関戸橋の早期事業化に向けて取り組んでまいります。

○こいそ委員 来年度、いよいよ関戸橋の具体的な検討を進めるというような明快なご答弁をただいまいただきました。必要な準備を着実に進めていただいて、早期事業化を実現していただきますように強く要望いたします。
 今後、これに至るまで内部の皆さんのさまざまなご努力、これもしっかりと私も認識をしておりますので、そのご努力に対しましても私は感謝を申し上げております。どうぞよろしくお願いしたいと思いますが、最後に、関戸橋整備の推進について、局長の決意を伺って終わりたいと思います。

○村尾建設局長 都は、是政橋や関戸橋など五つの橋のみがかかっていた状況の多摩川中流部地域ということで、当時は慢性的な交通渋滞を緩和、それから周辺市の各市の連携、それと地域の活性化、こうしたものを促進するために橋梁の整備を推進してまいりました。
 これまでに、多摩川原橋など六橋が完成しておりまして、昭和五十五年に五橋、十二車線であったものが、現在では九橋、三十二車線と、その交通容量は三倍近くにふえております。多摩川中流部地域の道路状況は大きく改善されているというふうには認識しておりますが、引き続き多摩川中流部架橋の整備が着実に進み、まさに今、是政橋の完成も見えてきたというような状況の中で、残された関戸橋の整備に本格的に取り組むべき時期だというふうに考えております。
 平成二十三年度より具体的な検討を進め、関戸橋の早期事業化に向けて積極的に取り組んでまいるわけですが、東西方向に、川、鉄道ということで、南北方向の道路が大きく遮断されているという状況が南多摩地域だけではなくて、本環境・建設委員会でも、いろいろ多方面の地域についてご質問賜りましたが、全力を挙げてそうした交通隘路を抜いていくということで頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。

○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、予算案及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十一分散会

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