環境・建設委員会速記録第二号

平成二十三年二月十八日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長橘  正剛君
副委員長山田 忠昭君
副委員長野上ゆきえ君
理事島田 幸成君
理事石森たかゆき君
理事伊藤まさき君
野田かずさ君
山下ようこ君
興津 秀憲君
かち佳代子君
こいそ 明君
木内 良明君
高橋かずみ君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長大野 輝之君
次長森  浩志君
環境政策部長紺野 秀之君
環境政策担当部長吉村 憲彦君
都市地球環境部長和賀井克夫君
環境都市づくり担当部長山本  明君
環境改善部長山越 伸子君
環境改善技術担当部長中村  豊君
自動車公害対策部長高橋 英次君
自然環境部長長谷川 均君
緑施策推進担当部長鈴木 秀章君
緑化募金担当部長福田 良行君
廃棄物対策部長木村 尊彦君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務谷川 哲男君
建設局局長村尾 公一君
次長影山 竹夫君
道路監山口  明君
総務部長野口 宏幸君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長東  了一君
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長横溝 良一君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長萩原 松博君
公園管理担当部長滝澤  達君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百一号議案 平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 環境局所管分
 建設局関係
契約議案の調査
・第八十八号議案 中央環状品川線南品川換気所建築工事請負契約
・第九十二号議案 白子川地下調節池工事(その五)請負契約
・第九十三号議案 環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一-環二汐留工区)請負契約
・第九十四号議案 古川地下調節池取水施設工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百一号議案 平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 建設局所管分
付託議案の審査(決定)
・第百一号議案 平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 環境・建設委員会所管分

○橘委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することとなっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十三年二月十七日
東京都議会議長 和田 宗春
環境・建設委員長 橘  正剛殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第八十八号議案 中央環状品川線南品川換気所建築工事請負契約
第九十二号議案 白子川地下調節池工事(その五)請負契約
第九十三号議案 環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一-環二汐留工区)請負契約
第九十四号議案 古川地下調節池取水施設工事請負契約
2 提出期限 平成二十三年二月十八日(金)

○橘委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の中途議決に係る付託議案の審査並びに建設局関係の契約議案の調査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百一号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、環境局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○橘委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第八十八号議案及び第九十二号議案から第九十四号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 私から、ただいま上程されました議案、契約案件、白子川地下調節池工事(その五)に関連をいたしまして、技術提案型総合評価方式の制度一般について何点かお聞かせをいただきたいと思います。
 公共工事の品質確保は、公共工事が都民生活や経済活動の基盤となる社会資本を整備するものとして大変重要であると考えております。特に建設局の事業は、社会経済上、最も重要な道路、河川、公園を所管をされておりまして、品質の向上が東京都の今後の成長に不可欠な施設ばかりでございます。これまでも建設局では入札契約制度において、価格だけではなく、技術力もあわせて総合的に評価する総合評価方式の工事発注を積極的に活用していると聞いております。
 そこでお伺いをいたしますが、東京都の入札契約制度において、総合評価方式を導入した背景と経過について、まずお聞かせをいただきたいと思います。

○西倉企画担当部長 東京都における総合評価方式の取り組みですが、平成十三年度に民間企業の技術力活用を目的とした技術提案型総合評価方式が初めて導入され、建設局におきましては、平成十四年度から実施してございます。
 その後、公共工事の品質確保を目的として、平成十七年四月一日に施行された公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法の基本理念におきまして、価格と品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされることが必要であるとされました。これを受けまして、東京都におきましても、価格だけでなく、技術力もあわせて総合的に評価する総合評価方式を本格的に導入することとなりました。
 さらに、平成二十年十月に策定されました入札契約制度改革の実施方針におきましても、本方式の拡大が盛り込まれており、建設局もこの方針にのっとり、総合評価方式による工事発注を着実に進めているところでございます。

○伊藤委員 国の法律が平成十七年ということでありますが、その四年前から東京都ではこの方式に着手をされているということであります。
 それでは、建設局におけるこれまでの総合評価方式の実施状況についてお伺いいたします。

○西倉企画担当部長 建設局では、施工能力審査型、技術力評価型、技術提案型の三つの類型の総合評価方式を実施してございまして、平成十七年度から平成二十一年度までの五カ年累計で六百四十件の実績となっております。
 また、今年度におきましては、十二月までに総合評価方式の対象となる原則一千万円以上の工事の中で、その約二〇%に当たる百九十七件を実施しております。

○伊藤委員 国の制度では、総合評価方式をあらゆる公共工事に導入していくということが盛り込まれているようでありますけれども、現在では、都では、対象工事の二〇%程度、実施をされているということでありますので、まだまだ拡大の余地があるということはよくわかりました。
 白子川地下調節池工事(その五)の案件で採用されました総合評価方式の一つであります、先ほどの三つの型があるというお話を伺いましたけども、技術提案型総合評価方式はどういった案件に適用するのでしょうか。

○西倉企画担当部長 技術提案型総合評価方式とは、技術的な工夫の余地が大きく、技術的課題や困難性が大きい工事を対象として適用してございます。

○伊藤委員 技術的な工夫の余地が大きく、困難性の大きい事業に適用するということでございました。技術提案型総合評価方式は、民間の技術を積極的に活用し、良好な品質確保を図ることができるすぐれた入札方式だというふうに私も考えております。
 それでは、この方式を適用することの効果についてお伺いいたします。

○西倉企画担当部長 本方式の採用によりまして、民間企業の高度な技術提案を採用することで、民間企業が所有している施工方法などに関するノウハウを活用しまして、コスト縮減や工期短縮による事業効果の早期発現などの効果が得られるものと考えてございます。

○伊藤委員 品質を確保した上で、さらにコストの縮減効果を図るということが可能であるということでありますけれども、私は、公共工事の品質確保のため、今後とも積極的にこの技術提案型総合評価方式を取り入れていく必要があると考えますが、改めて、この総合評価方式が導入された背景を考えると、低入札の案件がふえてきてしまったと。価格だけで評価をされると、どうしても価格競争になってしまう。しかし、そこに品質というものを入れて総合的に評価をしようという制度であるにもかかわらず、低い落札率の案件、本議案もそうでありますけれども、見受けられていることについての東京都の見解をお伺いいたします。

○西倉企画担当部長 予定価格の算定は、国土交通省の積算基準を参考にしつつ、東京の地域特性を考慮した建設局の積算基準、設計単価などに基づき、標準的な価格を算出してございます。
 技術提案型総合評価方式を採用することによって、民間企業の技術的ノウハウを活用することが可能となりまして、結果として、標準的な価格と比較してコスト縮減が図られたものと考えてございます。

○伊藤委員 特に本件のようにシールド工事は、日進月歩で技術が進化をしていると聞いております。これは、入札契約制度改革研究会、先ほどご答弁にもありましたけれども、この専門家の先生方の提言の中にもあるように、この積算価格の中にフィードバックをするタイムラグがどうしても出てきてしまうということによる今回の低価格だったというふうに、理由はよくわかりますけれども、しかしこのことからもわかるように、民間企業の持つすぐれた技術を適正に評価をするということが重要であるというふうに思います。
 今後、発注者としての評価能力、技術力の向上が求められていると思いますけれども、この点についての都の取り組みをお伺いいたします。

○西倉企画担当部長 建設局では、大量退職時代が続く中、技術職員の技術力の継承、維持及び能力向上が極めて重要であると認識しておりまして、土木技術支援・人材育成センターを中心に取り組みを進めてございます。
 具体的には、センターが座学の技術研修や実物大構造モデルを活用した実務型体験研修など研修の充実を図ってございます。
 また、職員のすぐれた知識や技術力を局全体で共有し活用する建設局建設技術マイスター制度を昨年度創設し、認定を受けた指導技術者が、これまで培ってきた知識や技術ノウハウを継承する取り組みも行っているところでございます。今後とも、組織全体で技術力の維持、向上に積極的に取り組んでまいります。

○伊藤委員 引き続き、都でもやっていただいているということでございますので、取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、建設局では、この技術提案型総合評価方式の実施に当たりまして、今後どのように取り組んでいくんでしょうか。方針をお伺いいたします。

○西倉企画担当部長 技術提案型総合評価方式は、コスト縮減や事業効果の早期発現などが図られるすぐれた制度であることから、技術的な工夫の余地が大きく、技術的課題を有する案件につきましては、この方式を積極的に活用してまいります。

○伊藤委員 ぜひとも、冒頭申し上げたとおり、東京に蓄積をされている、都民生活に直結をする非常に重要な施設を所管されておりますし、また、今後、この都市基盤の更新の時期に当りまして、民間のすぐれた技術力を適宜取り入れて、都民の期待にこたえていただけますようにご期待を申し上げますし、またぜひとも、その取り組みを進めていただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○石森委員 それでは、私の方からは、中央環状品川線及び環状第二号線についてお尋ねをいたします。
 東京の道路整備につきましては、渋滞解消はもとより、防災性の向上、環境改善あるいはまちづくりの推進などのために不可欠でありまして、我が党といたしましても、継続して必要性を訴えてきたところでございます。
 特に、三環状道路の一つである中央環状品川線、都市の骨格を形成する環状第二号線や多摩南北道路等の整備は最優先で進めるべきであると考えております。このたび中央環状品川線、環状第二号線の契約案件が付議されておりますが、整備推進という観点から何点か質問をさせていただきます。
 まず、第八十八号議案、契約案件、中央環状品川線南品川換気所建築工事について伺います。
 提案された工事は建築工事ということでありますが、品川線は、本体のトンネル工事も進められておりまして、その進捗が気になるところであります。
 そこで、品川線の必要性を改めてお伺いするとともに、トンネル工事を含めた進捗状況と、今回工事の概要についてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 中央環状品川線は、首都圏三環状道路の一つとして、高速道路全体のネットワークを効率よく機能させ、人と物の円滑な流れを実現するとともに、一般道路の渋滞緩和にも大きく寄与する重要な路線でございます。本路線の整備によりまして、都心に起終点を持たない自動車交通を迂回、分散させ、CO2削減など、環境改善に大きな効果をもたらします。
 現在、本線及び大井地区のシールドトンネル工事、南品川など四カ所の換気所工事のほか、品川線と高速湾岸線を結ぶ大井ジャンクションの橋梁工事などを実施しております。
 主な工事の進捗としまして、本線シールドトンネル工事は、本年一月末時点で延長八キロメートルの約半分まで掘進しており、当初計画どおり進んでおります。
 南品川換気所は、昨年十月に地下の構造物が完成しておりまして、今回提案しております建築工事は、高さ約三十メートルの建物の建築と地下部分を含めた内装工事を行うものでございます。

○石森委員 トンネル工事も計画どおり順調に進捗しているというようなご答弁でございました。三環状道路の一つである中央環状品川線の整備につきましては、都といたしましても最優先で進めていると思われますが、この品川線の今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 今回提案しております南品川換気所の建築工事を初めとして、今後は大井北、五反田、中目黒の各換気所の建築工事や、中目黒換気所とシールドトンネルを接続する工事などを予定しております。
 品川線は、中央環状線をリングとして完成させるものであり、渋滞の大幅な緩和など、その効果は極めて高く、早期完成が求められております。今後とも、必要な財源を確保しながら、平成二十五年度の開通に向け、全力で事業を推進してまいります。

○石森委員 都といたしましても、この品川線の整備を最優先に考えて、またその整備が着実に進められていることが今のご答弁で理解できました。
 次に、第九十三号議案、契約案件、環二地下トンネル築造工事についてでありますが、まずこの環状第二号線の必要性と、今回工事の概要についてお伺いをいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 環状第二号線のうち、未整備である豊洲から虎ノ門までの区間の整備は、都心部と臨海部との連絡強化や、地域交通の円滑化を図るとともに、緑豊かな都市空間ネットワークを形成する上でも極めて重要でございます。
 現在、臨海副都心や晴海、勝どき、新橋地区などでは、新たなまちづくりが進んでおりまして、これらの開発に伴い発生する交通需要に対応するためにも、早期整備が必要でございます。
 今回提案しております環二地下トンネル築造工事は、海岸通りから補助第三一三号線までの延長百五十六メートルの区間で、ボックス構造の二本のトンネルと補助第三一三号線へ接続する掘り割り構造のランプを開削工法で築造するものでございます。

○石森委員 環状第二号線の沿線では、今のご答弁にもあったように、新たなまちづくりが進んでおりまして、これらのまちづくりを支える上でも、本路線の整備を着実に進めていかなければならないと考えております。
 そこで、今後の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 汐留から虎ノ門までの区間のうち、愛宕通りから桜田通り付近までの約百七十メートルは、地下トンネル工事が未着手でございますが、来年度から再開発ビルと一体的に整備する予定でございます。
 また、臨海部では、昨年八月から晴海と勝どきを結ぶ朝潮運河橋梁の下部工事に着手しておりまして、今後、勝どき高架橋や隅田川橋梁の下部工事にも着手する予定でございます。引き続き、地元の理解と協力を得ながら、環状第二号線の平成二十七年度全線開通を目指して全力で整備を進めてまいります。

○石森委員 中央環状品川線は平成二十五年度、環状第二号線は平成二十七年度の開通に向けて、全力で整備を進めていくという力強いご答弁がございました。整備効果の非常に高いこれらの路線の一日も早い開通を要望いたしまして、質問を終わります。

○興津委員 それでは、私からも契約案件の白子川地下調節池工事(その五)につきまして、何点か確認をさせていただきたいと存じます。
 先ほど伊藤理事の方からも質問がありましたので、重複するところを避けさせていただいて質問の方を進めさせていただきますが、白子川調節池は、一時間五〇ミリ降雨対策として必要な工事であると認識をしております。
 今回は、新しい総合評価方式を取り入れたことによって、予定価格二百六十九億五千五百万円余に対して、落札率は五〇%という結果になっています。予定価格の半額で工事の納品をいただけるので、それはそれでありがたいことだなというふうに思っております。
 また、入札をいただきましたほかの会社さんの入札金額も百三十四億円余、もう一社も百三十五億円余という金額になっております。先ほど伊藤理事の方の質問に対するご答弁で、この予定価格の算定は国土交通省の積算基準を参考にしつつ、平成二十二年度の建設局の積算基準と設計単価等をもとに、この予定価格を算出されたんだというふうに伺ったところであります。
 今後の入札予定金額の作成の際は、今回のこのシールド工法が採用されると思いますけれども、このような積算基準の見直しを随時行っていくべきではないかというふうに考えておりますが、その辺に関しましての見解を伺いたいと思います。

○西倉企画担当部長 積算基準の見直しについてのお話でございます。建設局では、全国の工事を調査し定めた国土交通省の積算基準を参考にしつつ、東京都の地域特性を考慮した上で、毎年、積算基準の改定を行っております。

○興津委員 わかりました。ありがとうございます。
 今回、結果といたしまして、この約百三十億円余が一応不用額という形になっていくということであろうと思います。この百三十億円等が年度当初からあれば、もう少し都民福祉の向上に資することができたのではなかろうかなと思いますので、この一年間、多少機会損失があったのかなと思いますので、この積算基準も適時適切に、また随時に見直しをしていただければということを要望させていただきたいと思います。
 それでは次に、今回は新しい工法でありますので、その安全性と品質について、どのように確認をいただいているかどうか、その辺の見解をいただきたいと思います。

○横溝河川部長 本工事で提案された特徴的な新工法につきましては、都の設計基準よりも薄型のセグメントの採用が挙げられます。本工事のセグメントは、トンネル方式の調節池内に水を貯留するということで、土圧だけではなくて耐水圧に対しても十分な強度を持つ必要があることから、仮契約者に事前に継ぎ手の強度試験を実施させ、実験結果の提出を求めて安全を確認してございます。
 なお、このセグメントの供給を行いますメーカーからは、セグメントを大量に生産した場合でも所定の品質を確保できる旨、書面を提出させて確認をさせてございます。
 その上で、提案内容につきましては、建設局で設置しております学識経験者と職員から成る技術審査委員会におきまして、トンネルの専門家から意見を伺った上で、十分な安全性と品質の確保はなされていると判断したところでございます。

○興津委員 ありがとうございました。その品質と安全性がもう十分に担保されているんだということでのご答弁だったと思います。ありがたいですね。いい形の納品をいただければありがたいなと思います。
 それで、平成二十三年度の第一回都議会定例会の都知事施政方針の中にありますが、中小企業を強力に支援という段に、今年度の緊急円高対策に引き続き、来年度も資金繰り支援に万全を期すことはもとより、下請取引の適正化や経営力強化のための対策を切れ目なく講じてまいりますというふうにあります。都知事のいう下請取引の適正化、経営力強化という視点は非常に大切であると考えております。
 今回の入札は結果といたしまして五〇%になっています。また、今回の入札に限ることではないのですが、昨今の低入札の状態を見ていますと、果たして下請企業にしわ寄せが出ていないかと心配になってしまいます。その下請企業で働く現場の従事者さんの労働環境の保全を図ることも大切な東京都の仕事であるのではないかというふうに考えています。
 確かに、下請さんとか孫請さんの契約は民民の契約ということになるので、東京都として関知するところではないというところも片やあるとは思いますが、実態としてどのようになっているのか、東京都としてもその状況を確認する必要性があるのではないかと考えています。
 そこで質問ですが、現在の東京都の対応策をお伺いし、今後、実態調査等をすべきではないかとも思います。都としてのお考えがありましたらば、お聞かせいただきたいと思います。

○横溝河川部長 下請業者への影響につきましては、仮契約前に財務局と建設局の合同で実施いたしました低入札価格調査で、元請業者の積算内訳が下請業者の見積書と整合していることを確認するとともに、元請業者のヒアリングにおきまして、下請業者への見積もりどおりに支払うということを確約させてございます。
 また、都といたしましては、工事着手後、下請業者と元請業者の契約書や、支払い状況に関する調査などを実施いたしまして、必要に応じて下請業者へヒアリングを行うなど、履行状況を確認してまいります。

○興津委員 ありがとうございました。ご答弁いただきましたとおり、必要に応じてその履行状況を確認しているというご答弁でした。この必要に応じてという状況はいかなるときを考えていらっしゃるのか、また過去において実施してきた内容がありましたらば、お示しいただければと思います。

○横溝河川部長 契約書や支払い状況に関する調査の結果、書類に不備があった場合ですとか、下請業者からの申し入れがあった場合には、ヒアリングを行っていこうというふうに考えております。
 以上でございます。

○興津委員 必要に応じてそのような場合があったらばということでの調査をするんだということでありました。
 それでは、過去において、そのようなヒアリング等を行ってきた、実施された事例はあったでしょうか。もう一点お聞かせください。

○横溝河川部長 今回の総合評価方式の件ではございません。

○興津委員 わかりました。それでは、このような形で、五〇%という金額で納品をいただけるということでありますし、新しい方式でもあるということもありますが、都民の生活、福祉向上のために、継続的に頑張っていただければと思います。
 以上で終わります。

○高橋委員 第九十二号議案、契約案件、白子川地下調節池工事(その五)についてお尋ねいたします。
 東京の中小河川では、一時間五〇ミリの降雨に対する整備が鋭意進められており、白子川においても、下流から順次、護岸整備を進めるとともに、中流部に調節池を設けて水害に備えているところであります。
 しかし、白子川流域では、平成十七年には二度の水害が発生するなど、たびたび浸水被害が発生しています。また、近年、都市部を中心に一〇〇ミリを超える局地的な集中豪雨が頻発しており、私はかねてより都議会の場において、治水対策の重要性について繰り返し発言してまいりました。
 中小河川整備の促進及び石神井川や白子川の整備、特に白子川においては、地下調節池の整備促進を強く望んできたところであります。都もこれにこたえていただき、白子川地下調節池工事が十年ぶりに再開し、本格的にトンネル工事に着手するということであり、大いに期待しております。
 そこで、白子川調節池の事業概要と整備効果についてお伺いいたします。

○横溝河川部長 白子川調節池はトンネル方式の調節池で、目白通り沿いの地下空間を利用いたしまして、白子川から石神井川まで整備するものでございます。その規模は内径十メートル、延長約三・二キロでございまして、貯留量は約二十一万二千立米、二十五メートルプールで換算いたしますと、約七百杯分に相当いたします。
 この調節池が完成いたしますと、白子川の治水安全度は一六ポイント上昇いたしまして、白子川調節池より下流の安全度が飛躍的に向上するとともに、上流に向かって護岸整備のスピードアップを図ることが可能となります。

○高橋委員 白子川地下調節池が白子川流域の治水に対して重要な役割があり、大きな効果があることがわかりました。
 さて、今回の契約案件である白子川調節池工事(その五)では、一般的な競争入札ではなく、総合評価方式を採用しております。そこで、技術提案型総合評価方式を採用した理由について伺います。

○横溝河川部長 技術提案型総合評価方式とは、技術的な工夫の余地が大きく、技術的課題や困難性が大きい工事を対象に、企業から構造物の性能等に関する高度な技術を求め、入札価格と提案内容を総合的に評価し、落札者を決めるものでございます。
 白子川では、先生からもお話もありましたように、水害がたびたび発生しておりまして、工事期間をできるだけ短くし、調節池の効果を発揮させることが必要でございます。このような中で、本工事の主体となるシールド工事の技術革新には目覚ましいものがございまして、各企業の持つ最新の技術によりまして工期を短縮し、かつ安全に施工できる提案を期待いたしまして、技術提案型総合評価方式を採用したものでございます。

○高橋委員 工期短縮を求める技術提案型総合評価方式を採用したということでありますが、仮契約を行った企業が提示した技術提案の内容及びその効果について伺います。

○横溝河川部長 仮契約した企業からは、第一に、工場の二十四時間稼働によるシールドマシンの製作日数の短縮、第二に、シールドマシンの性能アップによる掘削の高速化、第三に、セグメントの掘削同時組み立てによる時間の短縮などにより、都が設定した工期よりも四百七十五日の工期短縮が図れるという提案が出されました。
 これによりまして、その後予定しております電気、機械の設備工事などの工事期間を加えましても、工期を約一年短縮することができ、暫定取水の開始は、当初予定していた平成二十七年度から約一年間前倒しをいたしまして、平成二十六年度とすることができます。

○高橋委員 総合評価方式を採用し、大幅な工期短縮の提案により、取水開始時期を早めていくとの前向きな答弁をいただきました。沿線に住む方々にとって大変喜ばしいことだと思います。
 一方、技術提案により、これだけ施工方法が変わると、単純に比較することはできないと思いますが、落札率が五〇・〇六%という低入札になっています。そこで、当該価格で適正に工事ができることをどのように確認しているのか伺います。

○横溝河川部長 本工事の落札価格につきましては、低入札価格調査制度に基づきまして、評価が最も高かった大成・佐藤・錢高建設共同企業体に対しまして、入札価格の内訳書や配置予定技術者の実績などの資料を提出させた上で、低価格で入札した理由等についてヒアリングを行っております。
 ヒアリングでは、第一に、セグメント構造の合理化による価格の低下や、工期短縮による機械損料の低減などによりまして、工事費の削減を図れること。第二に、技術の伝承、技術者の育成のため、会社として継続的にシールド工事を施工する必要があり、ぜひとも受注したい工事であったことなどの回答を得ておりまして、財務局が設置する低入札価格審査委員会におきまして、契約の適正な履行が可能であると判断し、落札者として決定したものでございます。

○高橋委員 価格については、審査委員会で確認し、判断していることがわかりました。しかし、この工期かつこの価格で適切に施工するためには、品質管理をしっかり行っていく必要があります。
 そこで、品質の確保などに対する都の対応について伺います。

○横溝河川部長 白子川調節池は、白子川流域を水害から守る重要な施設でございまして、十分な強度と耐久性を有する必要がございます。このため、本工事の品質の確保に当たりましては、請負者に現場技術者の増員を義務づけるとともに、本社が品質検査などのバックアップ体制をとるよう求めてまいります。
 また、都といたしましても、現場における計測等の確認回数をふやすなど、現場の監督体制を強化し、万全を期してまいります。

○高橋委員 施工管理に万全を期し、品質の高い施設をより早く完成していただき、白子川の治水の安全性向上に努めてもらいたいとお願いしておきます。
 また、さきの第四回定例会の代表質問で、私から、緊急豪雨対策について質問し、新たな取り組みとして、異なる流域である白子川と石神井川から、白子川地下調節池に取水するとの局長から答弁がありました。
 そして、本定例会における石原知事の所信表明で、近年多発する集中豪雨に対して、浸水の危険性の高い地域を中心に、迅速かつ集中的に手だてを講じていくとありました。それを受けて、代表質問で我が党の三宅幹事長から質問させていただき、局長から、緊急豪雨対策に全力で取り組むという力強い答弁をいただきました。白子川地下調節池の早期完成とともに、石神井川からの取水も早期にできるようお願いしておきたいと思います。
 また、私はこれまで定例の本会議や常任委員会など、議会でも再三にわたりこの白子川調節池を延伸して環七地下調節池と結ぶことで、白子川を初めとする交差する五つの河川から取水することが可能となり、多発する局地的な集中豪雨の対策に大変有効であると意見を表明してまいりました。
 次期整備水準を見据え、白子川、石神井川だけでなく、妙正寺川、善福寺川、神田川の水害軽減に大きく寄与する白子川調節池と環七地下調節池を結ぶ広域調節池の早期整備を強く要望して質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○かち委員 私からまず、第八十八号議案、中央環状品川線南品川換気所建築工事請負契約案について意見を述べます。
 中央環状品川線工事そのものが本来国の事業であるものを工期を短縮するという理由だけで、都が街路事業としてその半分を直接施行する事業でありますが、実態的には四千億円の総事業費のうち、首都高速道路株式会社は、国と都の出資金等により三五%の負担で品川線を建設し、六五%を都の財源と都と国の出資金によって建設するものであります。
 完成後は首都高が高速料金収入を得ることができるというものであり、税金の使い方としても余りに偏重しているものであり、到底認められません。
 今回の契約案件は、品川線の四つの換気所のうちの一つ、南品川換気所の建築工事でありますが、中央環状品川線は、新宿線に接続することになり、完成すれば、中央環状線の換気所は十三個になります。この運営管理は首都高速株式会社が行うわけです。昨年三月より、新宿線の完成により、九カ所の換気所も稼働を始めていますが、東中野換気所では、八月一カ月間、脱硝装置が稼働していなかったということが住民の指摘から判明し、首都高に問いただしたところ、猛暑により、自動排煙装置に切りかわっていた。つまり、直接排気ガスが排出されていたと説明しているにもかかわらず、後日取り寄せた記録には何事もなかったかのごとく、SPMもNO2も通常の記録がされていたのです。
 一方、代々木換気所の記録を見ると、八月一日から九月半ば過ぎまで、脱硝後の数値がすべて同じ数字が並んでいるという実態です。毎日十万台近い交通量の地下トンネルから集中的に排出される排気ガスの換気塔からは、基準値の四十倍、五十倍の濃度の排気ガスが吹き上げられているのです。しかも、まともに脱硝されているのかどうかの信頼性に大きな疑問を抱かざるを得ません。
 こうした首都高の中央環状線運用管理に対し、多額の税金を放出しながら、東京都は首都高速株式会社に対し、報告団体として指導、管理する立場ではないということです。このようなことでは、換気塔周辺住民の大気汚染からの健康を守ることさえ危ぶまれます。
 以上の理由から、第八十八号議案には反対です。
 次に、第九十三号議案、環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一-環二汐留工区)請負契約について意見を述べます。
 この工事は、これまでにも述べてきたとおり、行政としてやるべきでない都施行の市街地再開発事業の一環で行う環状二号線地下トンネル道路の一区間、補助三一三号線から放射一八号線、通称海岸通り区間の築造工事請負契約です。
 環状二号線の整備は、臨海地域にある湾岸道路から豊洲、晴海、勝どきと都心とを結ぶ物流ネットワークの強化を図るための骨格幹線道路で、破綻した臨海副都心の再生道路事業でもあります。
 さらに、従前住民の大多数が住み続けられないまちづくりであるとともに、来年度着工予定の虎ノ門街区の再開発ビルは、わざわざ道路の上にビルを建て、立体道路制度という規制緩和によって容積率一一五〇%、高さ二百四十七メートルもの高層ビルを建設する大企業優遇の再開発と道路建設であり、環境負荷の点から見ても認められないものです。
 よって、第九十三号議案には反対です。
 以上です。

○橘委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○橘委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百一号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、建設局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○橘委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百一号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、環境・建設委員会所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認めます。よって、第百一号議案、平成二十二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、環境・建設委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十九分散会

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