環境・建設委員会速記録第十七号

平成二十二年十二月十日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長橘  正剛君
副委員長山田 忠昭君
副委員長野上ゆきえ君
理事島田 幸成君
理事石森たかゆき君
理事伊藤まさき君
野田かずさ君
山下ようこ君
興津 秀憲君
かち佳代子君
こいそ 明君
木内 良明君
高橋かずみ君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長大野 輝之君
次長森  浩志君
環境政策部長紺野 秀之君
環境政策担当部長吉村 憲彦君
都市地球環境部長和賀井克夫君
環境都市づくり担当部長山本  明君
環境改善部長山越 伸子君
環境改善技術担当部長中村  豊君
自動車公害対策部長高橋 英次君
自然環境部長長谷川 均君
緑施策推進担当部長鈴木 秀章君
緑化募金担当部長福田 良行君
廃棄物対策部長木村 尊彦君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務谷川 哲男君
建設局局長村尾 公一君
次長影山 竹夫君
道路監山口  明君
総務部長野口 宏幸君
用地部長四方 敏彦君
道路管理部長東  了一君
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務吉原 一彦君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長上杉 俊和君
河川部長横溝 良一君
企画担当部長西倉 鉄也君
総合調整担当部長今村 保雄君
道路保全担当部長鈴木 昭利君
道路計画担当部長萩原 松博君
公園管理担当部長滝澤  達君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百二十一号議案 東京都小笠原ビジターセンターの指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・東京都廃棄物処理計画の改定(中間のまとめ)について
 建設局関係
契約議案の調査
・第百八十七号議案 妙正寺川鷺の宮調節池工事請負契約
・第百八十八号議案 環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一-環二愛宕工区)請負契約
・第百八十九号議案 街路築造工事(二十二二-環五の一千駄ケ谷)請負契約
・第百九十号議案 高瀬橋(仮称)PCけた製作・架設工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百二十二号議案 東京都立東白鬚公園外八公園の指定管理者の指定について
・第二百二十三号議案 東京都立日比谷公園外七公園の指定管理者の指定について
・第二百二十四号議案 東京都立戸山公園外五公園の指定管理者の指定について
・第二百二十五号議案 東京都立狭山公園外三公園の指定管理者の指定について
・第二百二十六号議案 東京都立長沼公園外四公園の指定管理者の指定について
・第二百二十七号議案 東京都立武蔵野中央公園外十公園の指定管理者の指定について
・第二百二十八号議案 東京都立陵南公園外四公園の指定管理者の指定について
・第二百二十九号議案 東京都立夢の島公園外一施設の指定管理者の指定について
・第二百三十号議案  日比谷公会堂外一施設の指定管理者の指定について
・第二百三十一号議案 東京都立大神山公園の指定管理者の指定について
・第二百三十二号議案 東京都立木場公園外十一公園の指定管理者の指定について
・第二百三十三号議案 東京都立浜離宮恩賜庭園外八公園の指定管理者の指定について
・第二百三十四号議案 東京都立神代植物公園の指定管理者の指定について
・第二百三十五号議案 東京都立潮風公園外一公園の指定管理者の指定について
・第二百三十六号議案 東京都立横網町公園の指定管理者の指定について
・第二百三十七号議案 東京都多磨霊園外七霊園の指定管理者の指定について
・第二百三十八号議案 東京都青山葬儀所の指定管理者の指定について
・第二百三十九号議案 東京都瑞江葬儀所の指定管理者の指定について
・第二百四十号議案  東京都八重洲駐車場外四駐車場の指定管理者の指定について
・第二百四十一号議案 東京都板橋四ツ又駐車場の指定管理者の指定について

○橘委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○橘委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十二年十二月八日
東京都議会議長 和田 宗春
環境・建設委員長 橘  正剛殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百八十七号議案 妙正寺川鷺の宮調節池工事請負契約
第百八十八号議案 環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一-環二愛宕工区)請負契約
第百八十九号議案 街路築造工事(二十二 二-環五の一千駄ケ谷)請負契約
第百九十号議案  高瀬橋(仮称)PCけた製作・架設工事請負契約
2 提出期限 平成二十二年十二月十日(金)

○橘委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の付託議案の審査、建設局関係の契約議案の調査並びに環境局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第二百二十一号議案を議題といたします。
 本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○山下委員 それでは、私からは、来年夏の世界自然遺産への登録を目指す小笠原のビジターセンターについて伺います。
 小笠原諸島が世界自然遺産に登録された折には、多くの観光客が島を訪れることが予想されます。訪れた人々が小笠原のすばらしい自然に触れて自然の大切さを認識し、その大切な自然を後世に残していくことが重要であるのはいうまでもありません。そして、そのために小笠原ビジターセンターの果たす役割はますます大きくなると考えられます。
 このビジターセンターに平成二十三年度から指定管理者制度が導入されます。そこで、まず、小笠原ビジターセンターに来年度から指定管理者制度を導入する理由を伺います。

○長谷川自然環境部長 指定管理者制度を導入する理由は、利用者サービスの向上と業務の効率化を図るためでございます。
 小笠原ビジターセンターは、都立大神山公園の中にあることから、同公園との一体的な管理運営を行うことによりまして、一層利用者サービスの向上と業務の効率化を図ることが可能でございます。
 また、都立大神山公園の指定管理者の更新が平成二十三年度に行われることから、これに合わせまして、小笠原ビジターセンターと都立大神山公園を一体化して指定管理者制度を導入することとしたものでございます。

○山下委員 今回の小笠原ビジターセンターの指定管理者の募集には一つの団体しか応募がありませんでしたね。そこで、その一団体のみの応募であった公益財団法人東京都公園協会につきまして、どのように選定されたのかを伺います。

○長谷川自然環境部長 本年七月、小笠原ビジターセンターの指定管理者の公募を行いましたところ、公益財団法人東京都公園協会から応募がございました。この指定管理者の候補者選定に当たりましては、外部委員を主体とする指定管理者選定委員会を設置いたしまして、応募者からの事業計画書の提出及び事業計画書のプレゼンテーションを受けた上で、九月に審査を行いました。
 選定委員会では、応募者の事業計画につきまして、ビジターセンターと大神山公園の一体的な管理運営による業務の効率化、利用者の安全性や快適性に配慮した施設管理のほか、世界自然遺産登録を目指す小笠原の固有種、希少種に関する情報提供の充実や、大神山公園内に生息する動植物のモニタリングなどが評価されまして、東京都公園協会が指定管理者の候補者に選定されました。

○山下委員 よくわかりました。
 今回の公募は、世界自然遺産として認められるであろう極めて価値のある地域を対象にすることから、高度な運営を行える団体のみが募集に応じ、選定されたと考えられます。
 その一方で、競争相手のない中で選ばれたことから、指定管理者は一層の自覚と責任を持って、みずからの業務をチェックしていくことが必要です。そして、それに加えて、都が指定管理者に対して常に目を行き届かせることも重要です。
 都は指定管理者に対してどのように指導していくのか伺います。

○長谷川自然環境部長 小笠原ビジターセンターは、これまで、小笠原の自然、文化、歴史に関する展示案内や解説、自然の保護や利用に関する情報の収集、発信等を通じまして、訪れた人々に対する普及啓発と適正な利用を推進してきております。都はこの考え方に基づきまして、指定管理者制度を導入した後も、適切な管理運営を図ってまいります。
 そのため、指定管理者による小笠原ビジターセンターと大神山公園の一体的な管理運営の状況や小笠原の自然の保全に寄与しているかどうかなどについて把握するとともに、毎年行う指定管理者評価委員会による評価を通じて、指定管理者を適切に指導してまいります。

○山下委員 この小笠原ビジターセンターは、小笠原を訪れた人々がその豊かな自然を味わいながら、人類共通の財産ともいうべき貴重な小笠原を守ることの大切さを認識するための拠点です。
 今後、指定管理者との協定締結の準備に入ると思いますが、その適切な管理運営をここに重ねてお願いするとともに、現在ビジターセンターで働いている人を初め、島の人々の雇用の場が引き続き確保されることも要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○木内委員 先月の一日から三日まで、都議会公明党は小笠原に調査団を派遣いたしました。つぶさに民生の実態、世界遺産登録を視野に入れたさまざまな課題を調査し、私どもは橘委員長ともどもに、しっかりとその報告を受けたわけでございます。
 いわゆる小笠原諸島の民生の安定、あるいはこの地域の発展ということに、私ども都議会公明党は非常に強い関心を抱いているわけでございまして、したがって、このたびの指定管理者の制度の導入ということについても、責任ある質疑を展開したい。短時間でありますけれども、何点かお聞きしたいと思うのであります。
 まず、小笠原の特徴というのは、有史以来、どの大陸とも陸続きになったことがなくて、特有の地形、地質や固有の生態系が見られるという、こういう特徴があるわけでございます。例えば、後で触れますけれども、いわゆる固有の植生に対しまして外来種の対策というのも実は大変大きなテーマになってきているわけでありまして、こういった点も踏まえてお聞きしてまいりたいと思うんです。
 私は、平成十八年度から指定管理者制度を導入するに当たって、その前年のこの環境・建設委員会で、この制度導入について質疑を行ったところであります。今、環境・建設委員会に戻ってまいりまして、自然公園条例や都民の森条例に基づく公の施設のうち、山のふるさと村や海のふるさと村、檜原都民の森など、既に七つの施設でこの制度を導入しているという報告を受けているわけでありますけれども、このうちこのビジターセンターについて見てみますと、平成十八年度以降これまでに三施設に指定管理者制度が導入されておりまして、これまで着実に推移してきている、こう認識をしております。
 申し上げた、我が党が先月視察した小笠原諸島の玄関口にある小笠原ビジターセンターと大神山公園を一体として、この制度を導入するということであります。海路、「おがさわら丸」で父島に着きますと、まず港の近くにあるビジターセンターに寄って、小笠原の自然、歴史、文化を学ぶ。その後、ビジターセンターに常駐する解説員の案内で大神山公園内を歩く。私は、この小笠原ビジターセンターと大神山公園をセットにして、小笠原諸島の自然を象徴する施設として活用できるのではないか、こう考えているわけであります。ビジターセンターと大神山公園を一体的に管理運営することによって、小笠原の貴重な自然の保全はもとより、ここを訪れる観光客へのサービスの向上、また一層の観光振興が期待できる、こう思うわけであります。
 そこで、私は、特にサービス向上や観光振興の観点から伺うのでありますけれども、これまで指定管理者制度を導入した施設の成果について、特にサービス向上という点について着目して答弁を願います。

○長谷川自然環境部長 都は、指定管理者制度を導入した施設を対象に、毎年、外部委員を主体とする指定管理者評価委員会を設置いたしまして、指定管理者のプレゼンテーションと質疑応答により、管理運営状況の評価を実施しております。
 平成二十一年度の六施設の評価結果によりますと、年中無休で開館した事例や、閑散期の宿泊料金の割引、繁忙期における無料送迎バスの運行、地元の食材を利用した新しいメニューの提供など、各施設でサービスの向上が図られております。
 また、地域の民宿や観光協会と連携したそば打ち教室、木工教室など体験型イベントの開催、地元団体や大学に呼びかけて積極的な団体客誘致を行ったことなどによりまして、利用者数の増加も図られております。
 利用者のうち、宿泊客の数について、指定管理者制度を導入する前の平成十七年度と二十一年度を比較してみますと、奥多摩町の山のふるさと村では一万五百人から一万八千四百人へと七千九百人、神津島の多幸湾公園では三千百人から四千六百人へと千五百人、それぞれ増加いたしております。
 さらに、利用者の満足度を見ますと、導入した施設のいずれにおいても、おおむね満足が九〇%以上となっております。

○木内委員 今、非常に細かな数字を挙げての報告がありましたけれども、この制度を導入したことで利用者の増加が図られ、また具体的なサービス向上等が確実に図られてきているということが理解できます。
 さて、大神山公園でありますけれども、村民の野外レクリエーションの広場として、また来島者の憩いの場としての機能をあわせ持つ都市公園として開園したのであります。海に面する大村中央地区と丘陵地の大神山地区から成っておりまして、大村中央地区には、お祭り広場を中心に小笠原ビジターセンターがある。
 この大神山公園は、平成二十年度から東京都公園協会が指定管理者となって、大神山地区にサービスセンターを開設して維持管理を実施している。小笠原の固有植物を園内に植栽し、これをホームページで紹介するなど、これまでの評価委員会でも良好との評価を受けている。先ほどの答弁にもありましたけれども、利用者の満足度もおおむね九〇%以上という数字がはっきりとしているわけでありまして、評価委員会でも良好との評価を受けている。
 一方、小笠原ビジターセンターでは、小笠原諸島を訪れる人に、小笠原の自然、歴史、文化の情報を提供するとともに、この小笠原国立公園の安全かつ適正な利用を指導する場として設置されている。
 そこで、この質疑の場を通じて明らかにしていただきたいのでありますけれども、この大神山公園とビジターセンターを指定管理者が一体的に管理運営することで、さらにサービス向上が図られることになると思いますけれども、具体的内容に触れてお答えいただきたいと思います。

○長谷川自然環境部長 これまで別の運営主体が管理していたために、ビジターセンターの会議室の借用は少し離れた小笠原支庁へ、ビジターセンターの隣の野外ステージの借用には、大神山の反対側にございますサービスセンターまで手続に行かなくてはならないという不便さがございました。利用者サービスの点とともに、効率的な経営の上でも改善が必要でございました。
 今回、指定管理者が一体的に管理運営することによりまして、ビジターセンターと大神山公園の管理拠点の統合、それに伴う利用窓口の一本化によりまして、会議室や野外ステージの利用手続が簡便になります。
 また、ビジターセンターと大神山公園のホームページを一体化し、一覧性を高めた上で、さらに内容の充実を図り、迅速な情報提供ができるようにするなど、利用者サービスの向上が見込まれるところでございます。

○木内委員 明確な答弁であったと思います。指定管理者が一体的に管理運営することで、管理拠点の統合、それに伴う利用窓口の一本化等によるサービス向上というものが予測されるわけであります。
 さて、小笠原諸島は、申し上げたように来年夏の世界自然遺産登録を目指していまして、小笠原諸島の自然、特に地形、地質、生態系、生物多様性が世界遺産としての価値を持つ、こういう評価を得ているわけであります。こういう価値を有する小笠原であればこそ、ビジターセンターの指定管理者は、サービスの向上や効率的な運営という点にばかり力点を置くのではなく、さらにより幅広い視点からの管理運営ができる団体を選定することが必要である、こう思うわけであります。
 今回は、東京都公園協会が候補者として選定されましたが、その選定理由について、先ほども質疑の中で、若干ダブりますけれども、この提案内容のどういう点が評価されたのか、先ほどの答弁よりもさらに具体的にお答え願いたい。

○長谷川自然環境部長 選定理由につきましては、先ほどご答弁させていただきまして、繰り返しになる部分があろうかと思いますけど、お願いいたします。
 指定管理者の候補者選定に当たりましては、外部委員を主体とする指定管理者選定委員会を設置いたしまして、応募者のプレゼンテーション及び質疑応答により審査を行いました。
 この審査項目につきましては、管理運営実績、業務に関する知識、経験の水準、効率的な管理運営、利用者サービスの向上など六項目でございます。
 東京都公園協会は、小笠原の自然と文化を伝える、利用者の安全で適正な利用を誘導する、地域との連携を進める、サービス向上と効率化を図るの四つの視点からビジターセンターと大神山公園を一体的に管理運営することにより、小笠原地域の自然の保全と地域振興の支援を図るとの提案をいたしております。
 この中で、小笠原の自然特性を踏まえました外来種対策や、各種ボランティアとの協働による小笠原の自然の保全、公園を利用した地域イベントへの協力など、小笠原の自然遺産登録に配慮したさまざまな活動が計画されております。
 選定委員会では東京都公園協会のこうした提案内容が評価されまして、世界自然遺産登録を目指す小笠原のビジターセンターの指定管理者にふさわしいものとして候補者に選定されました。

○木内委員 答弁を了としたいと思います。
 確かに、外来種対策は実は深刻な事態の側面もあるわけでありまして、例えば固有種の昆虫を捕食するグリーンアノール、これはトカゲの一種といわれていますけれども、強い生命力で島内に広がった。また、樹木のアカギの除去作業というものも必要である。父島では、鳥類保護のために、野生化した猫を捕獲して島外へ搬出する取り組みも進めている。こういう状況でありまして、いわばこの地域の特性に応じた具体的なプレゼンテーションと計画というものが提示されて、こういった点まで含めて評価された、こういうふうに認識をいたします。
 しかしながら、世界遺産登録後の小笠原諸島には多くの観光客が訪れることが予想されまして、希少な動植物が生息、生育する山間地に入り込んでしまう可能性もある。都ではこれまでも、小笠原の希少な動植物を保全するために、村とも協力してエコツーリズムなどの対策を行ってきている、このことを高く評価したいと思うのであります。
 これに加えて、身近なところで観光客に動植物の保全の大切さを十分知ってもらうためには、わかりやすく見学、体験できる場として、小笠原ビジターセンターと大神山公園を活用していくべきである、私はこう考えるんですが、見解をお尋ねします。

○長谷川自然環境部長 都は、希少な動植物を保全するために、小笠原の南島及び母島の石門で、小笠原の自然の保全と適正利用を目的として、小笠原村と協定を締結し、東京都版エコツーリズムを実施しております。
 一方、この希少な動植物の保全に加えまして、小笠原の豊かな自然の大切さを十分知っていただくために、まずビジターセンターで見学や体験ができるわかりやすい解説案内プログラムを提供してございます。
 今後、ビジターセンターが所在します大神山公園を活用いたしまして、身近な場で自然を体験できる機会をふやしてまいります。
 例えば、大神山公園にこれまで植栽してきたムニンツツジなどの小笠原の希少な植物について、ビジターセンターの解説員により、どこに生育し、どのような特徴があるのかなどについて丁寧に説明し、実際に見ていただくことで理解を深めていただきます。
 また、ビジターセンターで紹介しております昆虫や植物などについて、一人でも公園内で観察し楽しんでいただけるように、自然観察ルートの設定や案内板の工夫などのサービスを提供することによりまして、身近なところでもわかりやすく見学、体験ができるようにしてまいります。

○木内委員 このビジターセンターと大神山公園を観光客に動植物の保全の大切さを十分知ってもらえるよう活用していくという具体的な答弁がありました。
 島を訪れた人々は、まずビジターセンターと大神山公園を訪れる。亜熱帯の美しい景観と自然を保全していくことの大切さ等を実感することができるものと私は思います。その足で大神山に登れば、南に二見湾、洲崎、北は兄島まで、小笠原ならではの青い空と海に囲まれた景観が広がる絶景ポイントがここに存在するわけであります。
 世界自然遺産登録は、来年の六月、バーレーンで開催されるこの委員会で決定されると聞いているわけでありますけれども、私は、小笠原諸島が登録されることは間違いないものと考えております。この豊かな自然は、単に東京だけではなく、日本、そして世界に開かれていくべきものでありまして、私ども議会人の立場からもこれを大事に育てていきたい、こう思うわけであります。
 しこうして、指定管理者の候補者である公益財団法人東京都公園協会は、本土の自然公園あるいは都市公園等での指定管理者として多くの実績を持っているわけでありまして、この実績を活用して小笠原の自然のすばらしさを広くPRすることにより、この小笠原の観光振興にも寄与できるものと考えておりますけれども、総括的な所見を伺いたいと思います。

○長谷川自然環境部長 小笠原ビジターセンターは、父島二見港に隣接して立地し、支庁、役場、観光協会等と連携することによりまして、情報発信など観光拠点となり得る施設であると認識しております。
 また、指定管理者の候補者である東京都公園協会は、これまでも、都内で開催する「緑と水」の市民カレッジにおいて、特定の地域に関する講座の開講や、大神山公園でのガイドツアーなどの実績がございます。これらを踏まえまして、小笠原講座の開講、大神山公園での小笠原体験ハイキングコースなどの取り組みを展開してまいります。
 こうしたプログラムの提供を初め、小笠原の魅力を幅広く情報発信し、村や地元の観光協会などと連携したクラフト講座などの取り組みも進め、小笠原の自然環境の保全を図りつつ、環境振興にも寄与するよう努めてまいります。

○木内委員 クラフト講座あるいは小笠原講座などなど新機軸の企画、また方針等もあるようでございまして、こうした今回の一体的な制度の導入によって、今の段階では指定管理者候補者がこれまで培ってきたノウハウや人材などを活用して、小笠原を訪れる観光客へのサービス向上を図るとともに、小笠原の貴重な自然の保全や観光振興に寄与することを強く要望して、私の質問を終わります。

○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○橘委員長 次に、報告事項、東京都廃棄物処理計画の改定(中間のまとめ)についてに対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○紺野環境政策部長 去る十一月二十四日の当委員会でご要求いただきました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。右側の目次のとおり、二項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、東京都廃棄物処理計画の改定について、中間のまとめに対する意見でございます。
 平成二十二年十一月十五日から同年十二月三日まで実施いたしました意見募集に対し寄せられた意見の概要を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、スーパーエコタウン(城南島)施設の処理実績でございます。
 大田区城南島にあるスーパーエコタウン施設における事業者別の取扱品目、処理能力及び平成十九年度から平成二十一年度までの処理実績を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○橘委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○島田委員 東京都では、今ご説明がありましたが、循環型社会への変革を目指して、東京都廃棄物処理計画を策定しているわけでありますが、今回、今ありましたけれども、中間のまとめができ上がったわけでありまして、その件について質問させていただきます。
 今回の中間のまとめでは、かつて都内の処分場は、あと数年で満杯になるという逼迫した状況が続いておりましたが、現在では、都の管理する中央防波堤外側及び新海面処分場の使用年数は五十年以上、また、東京たま広域資源循環組合の二ツ塚処分場は三十年以上ということとなっております。
 とはいえ、逆にいえば、数十年後にはこれらの処分場の容量がなくなってしまうということで、都内の処分場が満杯になってしまったら、これはどうなるのかという切実な問題があるわけであります。
 今、イタリアのナポリでは、埋立処分場が満杯になってごみ収集ができずに、多量のごみがまち中に山積みになっておるというふうに聞いております。最近になってようやくローマ市などの支援で片づき始めているようでありますけれども、もし東京がそんなことになったら、都民の生活に重大な支障を来すということにもなると思います。
 処分場がなくなってしまうのは何十年もの先ということにせず、処分場には後がないという、そういう意識を持って埋立処分量の削減に取り組むべきだというふうに思っておりますが、まず見解をお伺いしたいと思います。

○木村廃棄物対策部長 現在使用しております埋立処分場の後は、都内に新たな処分場を確保することが極めて困難な状況にございます。今回の中間のまとめでも、循環型社会の構築を目指し、貴重な埋立空間をより長く使い続けることができるよう、平成二十七年度までに最終処分量を十九年度比で三〇%削減するという目標を掲げ、その達成に努めていくべきとしております。
 今後とも、リデュース、リユース、リサイクルの3Rを推進して、埋立処分量のさらなる削減を図ってまいります。

○島田委員 埋立処分場は、設置される地域の理解によって成り立っているものであります。そういう意味でも大変貴重であります。私の選挙区、西多摩地域には日の出町に処分場があるわけでありますけれども、ぜひそのことを踏まえ、大切に使っていただきたいというふうに思っております。
 さて、この中間のまとめによりますと、平成二十年度の埋立処分量は、一般廃棄物が四十四万トン、産業廃棄物が百三万トン、合計で百四十七万トンというふうになっております。現行の廃棄物処理計画では、平成二十二年度までに、平成十六年度対比で三五%の百六十万トンに削減するということを目標としていたわけでありますけれども、一般廃棄物、産業廃棄物の合計値を見る限りでは、目標時よりも二年ほど早くその削減目標が達成したということになるわけであります。
 ここまで大きく埋立処分量を削減することができたその大きな要因についてお伺いしたいというふうに思います。

○木村廃棄物対策部長 二十三区の区部の一般廃棄物につきましては、廃プラスチック類のサーマルリサイクルや焼却灰のスラグ化などによりまして、平成二十年度の最終処分量は十六年度対比で四五%減となっております。
 また、多摩地域の一般廃棄物につきましては、焼却灰のエコセメント化などによりまして九三%減となっております。
 また、産業廃棄物につきましては、スーパーエコタウン事業等による建設廃棄物のリサイクルの推進、公共工事におけます建設泥土の有効利用の促進などによりまして、三五%減となっております。

○島田委員 多摩地域の埋立処分量の削減幅が特に大きいということがわかったわけでありますが、特にその点ではエコセメント、このエコセメント化の有効性が改めて確認できたというふうに思います。
 また他方、区部では、確かに廃プラスチック類のサーマルリサイクルによって、大きく埋立処分量が減少したというふうに思うわけでありますけれども、これによってごみの分別がおろそかになってはいけないというふうに思うわけであります。
 二十三区では、過去に、私もこの前の委員会でも指摘させていただきましたけれども、清掃工場に水銀を含んだ廃棄物が搬入されまして、これが原因で清掃工場が相次いで停止するという事態になっております。水銀を含有する体温計や蛍光管など、都内区市町村では従来から不燃ごみ、または有害ごみとして収集し、適正に処理してきました。区部における廃プラスチックのサーマルリサイクルに当たっても、その取り扱いは変更されていないわけだから、サーマルリサイクルに直接の関係はないかもしれませんけれども、何でも可燃ごみとして燃やしていいんだという誤解が広まってはいけないというふうに思います。この点に関して都の見解をお伺いしたいというふうに思います。

○木村廃棄物対策部長 水銀は有害物質でありまして、焼却すると気化してしまうため、焼却処理は適当ではございません。焼却されるごみの中に混入されないよう、分別の徹底を図ることが重要でございます。
 このため都は、十一月の「広報東京都」で、水銀を含有する廃棄物の正しい出し方の周知を図ってございます。また、病院などで使用あるいは保管されている水銀血圧計や水銀体温計などについても、東京都医師会や東京産業廃棄物協会を通じて、廃棄処分する際の適正処理の徹底などを要請しております。

○島田委員 今ご答弁いただきましたけれども、廃棄物の性質に応じて、適正な処分方法に違いがあり、そのため、ごみの分別収集が行われているわけでありますから、引き続き分別の徹底を図るよう、区市町村を支援すべきだというふうに考えております。
 そして、今、ごみの削減にはエコセメントとかサーマルリサイクルが非常に有効であるということでありますので、それらの有効な手段を使い、そしてまた3R、これを推進していただきまして、ごみの減量化に今後とも励んでいただきたいということを改めて要望、お願いしまして、質疑を終わりたいと思います。
 以上です。

○こいそ委員 今回の廃棄物審議会中間のまとめにおいて、循環社会、資源の循環ということがまさに大きなテーマになっているわけでありますけれども、本委員会でも何度か触れてまいりましたが、江戸時代、当時、極めて理想的な循環型社会になっていたのではないかというようなことが、いろんな書物も通じて明らかにもなっているわけであります。古紙を初め、それこそ、ろうそくのろう。それだけじゃありませんが、特にろうそくのろうに代表されますけれども、あらゆるものを回収して、これを循環していく。新たに製品としてつくり直す。こういうこと、極めて自然に循環を行ってきたわけですね。
 これはすなわち地域内の循環ということであるわけでありますけれども、これに対してかまどの灰。かまどの灰も当然にして有料で取引がなされていた。または米屋からの米ぬか、長屋の便所からのくみ取りも含めて、これは要するに農村に運んで飼料として利用してきた。このような観点から、これは広域的な循環だというふうにもいわれているわけでありますけれども、私、現代のリサイクルにおいても、地域循環と広域循環というこの二つの視点が極めて大事であると考えている一人であります。
 最初に地域循環について伺いたいと思いますけれども、その基本となる区市町村の事業を見てみますと、都の積極的な支援は今まさに欠かせない、ますます欠かせない状況になってきていると思うんですね。
 そこで、今後、新たな廃棄物処理計画に基づく施策の推進に当たっては、都は区市町村に対するさまざまな、要するに、ただ指導だ何だということではなくて、技術的な支援ということではなくて、総合的かつきめ細かな指導を今後する必要性があるのではないかと思いますが、そのあたりどうでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 今回の中間のまとめでは、生ごみ等のバイオマスのリサイクル、清掃工場における熱回収、エアゾール缶やライターの適正処理など、さまざまな事項について都が区市町村を支援するよう提言されております。
 今後の審議会の答申を踏まえまして、地域の資源循環の核となる区市町村に対しまして、廃棄物政策に関する専門的な知見の向上を図るなど、さまざまな角度からの指導を進めてまいります。

○こいそ委員 まさに、分ければリサイクルで、混在させればごみということの中で、エアゾール缶やライターの適正処理と今触れられましたけれども、これは非常に重要だということなんです。年間百件を下らない清掃パッカー車からの発火、これは全然一向に対応策が示されていないということが指摘をされているわけでありますけれども、その原因関係というのは、今、エアゾール缶や特にライター、これが主原因であるというようなことを、せんだってもテレビで特集組んでやっていました。
 そんなことを踏まえた中で、これはやはり広域性があるわけであって、このあたりしっかりと環境局としても対応していただきたいなと。地域循環の中心となるのは当然区市町村でありますけれども、まさに広域自治体としての役割、それらのことを踏まえて、重ね重ねでありますけれども、しっかりと取り組んで、まさに指導をしていただきたい。
 次に、広域循環の観点から、視点から伺いたいと思いますけれども、現在は、都内で回収された古紙は、都内に限らず、全国各地の製紙工場に送られて再生紙の原料となっている。このような古紙の広域循環を円滑に進めるためには、広域循環にかかわるさまざまな関係者である区市町村、資源の回収業者、古紙問屋、製紙メーカーなどが互いに協力し合って、共通ルールをつくって、しっかり守っていかなければならないわけであります。
 この中でも、ルール違反の古紙抜き取りは、万たび触れさせていただいておりますけれども、まさに言語道断、論外だということですね。問題が起こったときに、広域循環にかかわる関係者間の調整を図ること、これも広域自治体の、環境局の大事な、重要な役割だというふうに私どもも認識をしているところであります。
 このような観点から、私は先月の当委員会で、古紙の持ち去り防止の取り組みを進めるよう主張させていただきました。その際、十一月中に区市町村やリサイクル業者、製紙メーカーなど、持ち去り防止対策を検討する協議会を設立するということでありましたが、その後の経過、状況についてお願いいたします。

○木村廃棄物対策部長 古紙の持ち去り問題につきましては、区市町村の代表、東京都リサイクル事業協会、日本製紙連合会などで構成いたします対策検討協議会を十一月の十二日に設立いたしまして、対策案の協議を行っております。この協議会の場を通じまして、都が取りまとめ役となり、関係者が共同して古紙の持ち去り防止に取り組んでまいります。

○こいそ委員 今後とも一層の取り組みをお願いしたいと思います。
 また、先ほどから続けて申しわけないんですけれども、江戸時代から続く地域循環、そして広域循環の流れを一層足腰の強い、太いものにしていくためには、広域自治体である東京都の環境局の果たす役割はさらにこれからも重要になっていく。平成十二年に行われた地方分権改革以降、都道府県と区市町村は対等の関係ということで、結果として循環型社会への取り組みも、市町村によってはどうも取り組み姿勢が少し違うのではないかと。共通的な認識を持って対応がなされてしかるべきところが、どうもやはりそのあたりが、とりわけ市町村においては統一性が少しないような感も、いろいろ聞くわけなんですね。
 このような現状の中で、都はどういうふうに考えているか。それらを通じて、例えば廃プラスチックのリサイクルの問題を考える中で、平成十六年五月の東京都廃棄物審議会では、先ほどのお話もありますけれども、廃プラスチックについては埋立不適応と。いわゆるマテリアルリサイクル優先を今までしてきましたけれども、それができないプラスチック類については、サーマルリサイクルという方向性が打ち出されました。二十三区においてはまさにこのサーマルリサイクルの方向性が取り入れられ、最終処分の先ほどのやりとりも聞いておりましたけれども、大幅に削減されてきたということであります。
 これに対して多摩地域はどうか。二十三区と同様にマテリアルリサイクルに強力に取り組んできたわけでありますけれども、市によっては、そのマテリアルリサイクルのみが、のみがということはないですけれども、マテリアルリサイクルを重視するがために、例えば汚れが付着している弁当や納豆の容器も含めて、常識的では考えられないこういうものまで、これはリサイクルするべきだと。すなわちマテリアルに回すべきだと。要するに理想というか観念論というか、こういうものが先行しちゃっているようなところが少なくないようだと思うんですよ。
 実際、すべてきれいに洗って出せといっても、現実、実態的にはどうなのか。このようなリサイクルは、まさに今私いいましたけれども、排出実態を本当に踏まえたものとはいえないところもかなりあると思うんですね。家庭から出されたものではなくて、中小、特に零細企業から排出されるものの場合も同様であると思います。
 廃プラスチック類の排出実態を踏まえて、多摩地域においても二十三区と同様に、サーマルリサイクルのしっかりとした理念というか、考え方といいますか、そういうことをしっかり伝えていくというか、調整する、議論をする、こういうことが必要じゃないかと私は思うんですね。これこそやっぱり広域自治体の果たすべき役割の一つではないかと思うんですが、このあたりもどうかとお聞きしたいんですね。
 あわせて、これも前々からお話をさせていただいている、家庭系ごみ、事業系ごみ、産業廃棄物、これが、みなしだとか、あわせ産廃だとか、言葉がどんどん走っちゃっている。現実、そんなの法律の中では規定されてませんよね。これがあたかもあわせだ、みなしだということを行政担当者がいっている。そうすると、実際わかりません、こんなことははっきりいって。区民、市民は聞いたってわからないです、こんなの。何がみなしなんだ、何があわせ産廃なんだと。産廃という言葉はわかるけど、本当に産廃なのかという定義はどこにもないわけであって、こういう変な造語が役所から伝わっていくということは、これはいかがなものかなと思うんですね。
 そういう意味合いからも、廃棄物の区分に関し、とりわけ市町村が統一的な判断を行えるよう--市によってばらばらだというのはおかしいと思うんです、これははっきりいって。ですから、そういうことを踏まえて、都は今後どういう指導をしていくのか、これをお聞きしたいと思います。

○木村廃棄物対策部長 廃プラスチックのリサイクルの方法といたしまして、ペットボトルのように比較的きれいで単一な素材のものにつきましてはマテリアルリサイクルが有効でございます。一方、マヨネーズのチューブなど汚れたプラスチックにつきましては、マテリアルリサイクルすることは、環境への負荷や経済性等の面で適当ではなく、サーマルリサイクルすることが適当でございます。
 このため、サーマルリサイクルにおける最終処分量削減効果、発電や熱回収による石油燃料の代替効果等の利点を改めて市町村に周知徹底いたします。
 あわせて、先月の委員会で答弁いたしましたが、家庭系一般廃棄物、事業系廃棄物、産業廃棄物の三つの区分に関しまして、市町村に周知徹底してまいります。

○こいそ委員 とりわけ多摩地区の市町村に向けて、マテリアル、サーマルの基本的なところというのをぜひ伝え、なおかつ理解、それから共通的認識、こういうものをやっぱり図っていただきたいとお願いしたいと思いますね。
 それとともに、今回のこの廃棄物処理計画の中でも、柱として、3Rの施策の推進、適正処理の促進、静脈ビジネスの発展の促進と大きな三つの柱があると思うんです。この中で、全体的共通部分もあるわけなんでありますけれども、私はこれもかねてから話をさせていただいておりますが、やはり排出事業者の適正コストの明確さというんですか、適正コストをしっかりと明示する、責任持って対応させる、こういうことが極めて大切ではないかと思うんですね。安かろう、悪かろう、それから過度に低い処理費、現実、そのような方向性の中で請負をさせている。これはやはり、ここらあたりはおかしいと思うんですね。特に廃棄物処理計画の中でこれは明示されていますけれども、具体性には踏み込んでないんですね。今後、具体的にどうするかというのは、計画のどこにあるんですかね、これ。
 それから、もう一点は、公共機関も含めて、この傾向はかなりあると思うんです。ですから、実態を調査していただきたい。実態がどうなっているのか、まず。それに基づいた適切な指導をそこにしなきゃいけない場合もあろうかと思いますし、まず調査していただきたいなと。
 それから、これは少なくとも一廃も産廃も含めての話であろうかと思うんですね。特に環境省で文書通達で、これ、行政指導ですかね、されてますよね。私が今いったようなことを、もう昨年からですか、ことしに入ってからかな、これは環境省が全国に向けて出している。このあたりを踏まえて、今回、何で具体的にこういう計画にもう一歩踏み込んでないのか、どこでどう読み取ったらいいのかわかりません。教えてください。

○木村廃棄物対策部長 静脈ビジネスの発展の促進につきましては、優良な処理業者が優位に立てる環境づくりを整備すべきということで、中間のまとめの一六ページに記載がございまして、その事業系廃棄物、産業廃棄物の処理料金につきましては、処理料金のダンピングの実態、あるいは適正処理のために必要なコストの把握等のため、処理業者、リサイクル業者の規模や営業形態、あるいは処理、運搬レベルに対応した価格帯など、業界構造、実態の把握に努めてまいります。
 それによりまして、廃棄物の排出事業者に対しまして、排出者責任の徹底、適正処理、リサイクルのための必要なコストを負担するよう指導を図ってまいります。
 また、市町村からごみの作業を委託しております委託処理業者に支払います料金の適正化につきましては、お話しのように、環境省からも市町村に周知するよう通知が出ておりますので、引き続き、随時、市町村に周知を図ってまいります。

○こいそ委員 私は、今後の廃棄物処理計画の改定に当たっては、今、部長が触れられたような点というのは、とりわけ排出する側の責任の明確化というんですか、このあたりはもう少し踏み込んでいいと思うんですよ。そうしないと--こうしてくださいよという話は前からいっているわけであって、今のような話は前々から出てます、これ。別に今回の廃棄物計画で云々じゃない。それ以前からあったと思いますよ。ですから、今回の改定に、この次期で、より明確に、より実効性を上げるような、そのようなことに踏み込んでいただきたいなと。これは要望であります。
 それと、最後でありますけれども、まさに循環型社会をつくっていくには、広域行政体の役割、区市町村が担う地域循環を的確に指導することが極めて重要であるということは再三いわせていただきましたけれども、加えて、広域自治体は、円滑な広域循環のために区市町村や企業などの関係者間の調整を図るという、その機能をやっぱり積極的に果たしていく。さっきの抜き取りじゃありませんけれどもね、それは取り組んでいただいているけれども、このあたりも大切じゃないかなと。
 いや、これはもうそこまで立ち入る、踏み込む、それはちょっと違うんじゃないか、そうじゃないと。やっぱり積極的に果たしていくべきだと思いますよ、広域行政体として、自治体として。
 それから、都道府県が廃棄物処理計画を作成することの意味は、本来、まさにそのあたりにもあるのではないかというふうに思うのでありますけれども、都の、都というか環境局の認識をお願いしたいと思います。

○木村廃棄物対策部長 循環型社会を構築していく上では、それぞれの地域で区市町村が進めるリサイクルの取り組みを都が広域自治体の立場から一層促進していくことが必要でございます。
 同時に、区市町村やリサイクル業者、製品のメーカーなど、多岐にわたる関係者の協力を求めながら、広域的な資源循環の仕組みづくりを進めていくことも必要でございます。
 廃棄物処理計画の策定に当たりましては、都のこのような役割を具体的な事業として位置づけていくことが重要でありますので、そういう認識に立ちまして、今年度中に廃棄物処理計画の改定を行ってまいります。

○こいそ委員 廃棄物処理計画の作成、策定に当たって、今のような基本的なお考えが示されましたけども、さらに取り組みをされるように要望したいと思いますし、具体的に実効性ある、そういう実施計画がまた示されると思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。

○木内委員 私は、議会の機能の一つというのは、やはり予算の採決があり、あるいは事業執行の的確性をしっかり確認をする、事業の成果というものを冷徹に判断をして評価すべきものはしていく、あるいはまた議会における提案機能というもの、いろいろあるわけでありますけれども、今回の中間のまとめについて質疑をするに当たって、実は大きな宣揚されるべき内容のものがあると。
 一つは、先ほど来、埋立処分量削減の実態について質疑がありましたけれども、この十年間で考えてみますと、一般廃棄物、産業廃棄物ともに実に七割近い処分量の削減になってきている。活字の文字数にすればわずかでありますけれども、これは私は、石原都政のもとで東京の資源循環が大きく展開してきた、その成果である、こう思いますし、特筆されるべき実績であるとも思います。同時に、環境局がその中心的な基軸になってこれまで努力されてきたことも、議会の場で高く評価をされなければいけないと思うのであります。
 この中間のまとめでは、循環型社会に向けた次期の目標として、廃棄物の埋立処分量をさらに三〇%削減することを提言しているわけでありますけれども、それを現実のものにするには、最も大事な課題の一つ、都民や事業者に、都内に新たな処分場を確保することが極めて困難な今日的状況にあるということをよく周知して知ってもらうとともに、今の処分場をできる限り長く使用していくことの重要性を理解してもらうということが不可欠だと、こう思うわけであります。先ほど来の同僚委員の質疑にもこれは触れられているわけでありますけれども、いわば都民や事業者の理解がなくては、どんな政策も進まないわけであります。
 そこでまず、埋立処分場の現状を正しくそうした視点から伝えていくために、都はこれまで的確な情報発信に努力をされてきましたけれども、今後も周知徹底のための情報を発するということは大事だと思う。この取り組みについての方針をまず伺います。

○木村廃棄物対策部長 都は、都の処分場を訪れます年間約七万人の見学者に対しまして、埋立処分場が限られた貴重な空間であることを説明いたしております。
 また、その際に使用しておりますパネルやパンフレットでは、多摩地域や島しょ地域の処分場についても情報提供しております。
 また、東京たま広域資源循環組合では、処分場見学会に加えまして、処分場の状況を詳しく説明する「たまエコニュース」百三十五万部を年二回、多摩地域の都民に配布しております。このニュースの中では、都の処分場の状況も紹介されております。
 今後とも、都内の処分場が連携して情報発信に取り組んでまいります。

○木内委員 埋立処分場として利用できる空間は限られているということは申し上げたとおりでありまして、その限られた空間をできる限り長く大切に使っていくためには、埋立処分量をさらに削減していくことが必要です。引き続きそのことを広く都民に訴えるべきだと、こう思うわけでありまして、これまでの埋立処分量削減の要因については先ほど答弁があったので、私の方からは、今後の埋立処分量削減への取り組み、3Rを進めなければいけないのはわかるけれども、具体的に何をしていくのかということをお答え願いたいと思うんです。

○木村廃棄物対策部長 一般廃棄物につきましては、本年八月に策定いたしました東京都分別収集促進計画に基づきまして、区市町村によるプラスチック製容器包装等の分別収集、リサイクルを促進してまいりますとともに、九都県市で取り組んでおります容器包装ダイエット宣言などの発生抑制の取り組みを一層強化してまいります。
 また、産業廃棄物につきましては、現在進めております廃プラスチックの埋め立てゼロの取り組みを徹底いたしますとともに、リサイクル可能なコンクリートや金属などがまじった建設系混合廃棄物の分別、リサイクルを促進してまいります。
 これらの取り組みにより、埋立処分量のさらなる削減を実現してまいります。

○木内委員 リサイクルが可能なコンクリートや金属などがまじった建設系混合廃棄物の分別、リサイクルを促進したり、あるいは、今進めている廃プラスチックの埋め立てゼロの取り組みをさらに徹底していくという明らかな方針が今答弁されたわけでありますので、鋭意ご努力をいただくよう要望したいと思うんです。
 これまで、埋立処分量は大きく削減されてきているわけでありますけれども、一方で、埋立処分に関する都の決算額、これを見てみると、その六割を占める排水処理場の運転経費が実は減ってない。
 角度を変えてお尋ねするわけでありますけれども、これは、埋立処分場に降った雨が、これまでに埋め立てられたごみの層を通って汚れて出てくる、その排水処理に要する経費です。これまでに埋め立てられたごみの分解が進むまでの間、何十年かは、この排水処理経費が必要となるということになってしまう。いわば負の遺産であり、環境債務だと、こういうふうにも考えられるわけであります。
 この経費を削減するためには、ごみの分解を促進していく、埋立処分場を早期に安定化させるなどの対策が必要で、仄聞するところ、そのための技術も幾つか開発されている。都の処分場においても、こうした技術の適用可能性などについて研究開発をさらに行っていくべきだと考えますが、どうでしょうか。

○谷川調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 さまざまな大学などの研究機関で、処分場内に酸化剤を引き込みまして、ごみの分解を促進するなどの技術の研究がされております。
 都におきましても、今年度、こういった早期安定化技術や、雨水の浸透を防止して排水量を減らす方策などにつきまして、技術開発の動向を調査しているところでございます。
 今年度の調査結果を踏まえまして、どのような方法をとれば排水処理経費の長期的な削減が可能になるか、検討してまいります。

○木内委員 埋立処分量のさらなる削減を進めていくためには、新たなリサイクル技術の開発を進めていくことが重要になるのであります。
 今回の中間のまとめでは、廃棄物処理技術、リサイクル技術の高度化を図るために、産学公連携による共同技術研究調査を進めていくべきという提言がなされています。この問題を長期的に考えたときには、これは極めて重要な指摘だと私は思います。
 環境局ではこれまでも、産業廃棄物処理技術等高度化促進事業を実施し、民間事業者による研究を環境科学研究所が支援する取り組みを進めてきた、こう思うわけでありますけれども、これまでの研究開発の状況と得られた成果について明らかにしてください。

○谷川調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 都は、環境への負荷の少ない廃棄物処理、リサイクル技術の開発促進や先進的な事業者の育成のため、廃棄物埋立管理事務所内の実験用スペースを活用いたしまして、民間事業者による技術開発を公募、選定し、環境科学研究所がこれを支援する事業を昨年度から開始しております。
 この中で選定事業者は、今後、廃棄量が増大すると見込まれるにもかかわらず、複合素材のためリサイクルが困難であった、人工芝のリサイクル技術の開発に取り組んできました。これまでの実験によりまして、廃棄された人工芝を、芝草部分の塩ビとゴムと砂、基盤部分のプラスチック製の布とに分類する技術を開発し、先週、公開実験を行って研究の成果を公表したところでございます。

○木内委員 次世代の循環型社会を構築し、埋立処分量を削減していくというのが眼目でありますし、そのために、日本の技術力を生かしてリサイクル技術の開発を進めていくことが今後さらに求められてくるんだと思います。そのためにも、産学公で連携して技術開発に取り組んでいく方針を堅持すべきだと思うのであります。
 現在、都の埋立処分場に搬入されているものを見ると、不燃ごみや粗大ごみの処理残渣が多い。その中には、まだまだ資源として有効活用できるものが含まれているのではないかと推測できるのであります。
 私どもはよく、江東区は廃棄物処理の先進区だというふうに思うわけでありまして、複数の処理施設が江東区にありますけれども、この江東区では、レアメタルのリサイクルを進めるために、東京都と連携して、従来は不燃ごみとなっていた使用済み小型家電の回収モデル事業に取り組んでいます。
 先ほども、多摩地域におけるこの問題についての質疑があったところでありますけれども、例えば調布市では、東京都の技術的な支援を得て、粗大ごみとして排出された家電製品からレアメタルなどの資源を取り出す取り組みを始めたと、こう聞いております。
 先ほど来の質疑、例えば、こいそ委員からは、この問題の対応については総合的かつきめ細かな対応が必要であると。また、この質疑に対する答弁として、専門的視点の向上を図るというような趣旨の答弁がありました。私は非常にこれが重要なことだと思うんです。いろんな方法があると思いますけれども、区市町村と連携して粗大ごみや不燃ごみに含まれる金属資源の回収を進めていくことで、貴重な資源が回収できるだけでなく、埋立処分量も減らすことにつながるのではないかと、こう考えます。
 処理費用の問題はあると思いますけれども、区市町村と連携して、そうした手法というものを拡大すべきではないかと思いますし、先ほど、こいそ委員の質疑にもありましたように、総合的かつきめ細かなということでありますから、先進的事例なども含めて、いわば積極的な情報提供を互換性を持って行っていく、こういったことも必要だと思うんですけれども、見解を求めます。

○木村廃棄物対策部長 各種の資源価格が高騰しているとともに、特にレアメタルやレアアースは日本の産業技術にとって不可欠であるにもかかわらず、資源国による囲い込みのリスクが明らかになっていることから、なお一層リサイクルの推進が求められております。このため、不燃ごみや粗大ごみとして排出された家電製品などからもレアメタルなどの金属資源を回収する取り組みが必要でございます。
 先駆的に取り組んでいます幾つかの区市町村の事例を他の区市町村にも積極的に情報提供するとともに、区市町村や事業者と連携いたしまして、効率的な回収方法などにつきまして検討を進めてまいります。

○木内委員 私の発言の趣旨を反映して、積極的な情報提供などの方針が明らかにされましたので、答弁を評価したい、こう思います。
 日本で使用されている金属資源は、ほとんどが実は海外で採掘されたものであります。精錬に至るまでは大量の物質が廃棄されています。鉱石を掘るには、まず地表の土砂を除去し、掘り出した鉱石のうち質の悪いものを廃棄し、そうやって選んだ鉱石中に含まれる金属もわずかなものだから、精錬の過程で多量のスラグが排出される、こういうことになるのであります。
 私どもが日常使用している電気製品に使われている銅や貴金属、レアメタルなどを地球から取り出す際には、大量の廃棄物が処分されることになります。金属資源をリサイクルして使う、こういうことは、いわば上流での埋立処分量の削減にもなる。都はこういった情報も広く都民に知らせて、先ほど来議論のあった3Rへの理解を都民に求めていくべきではないかと思うんですが、どうでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 3Rによりまして、どれだけ環境面に効果があるのか、その見える化を図ることが大変に重要であると認識しております。
 資源を採取する際に我々が地球から取り出している物質の総量を示す指標として、関与物質総量、TMRと呼ばれるものがあります。この指標により、例えば電子機器のリサイクルによって金一キログラムを回収できれば、地球から掘り出して廃棄処分する量を一キログラムの百十万倍、すなわち一千百トンも減らすことができるということが示されます。
 このような指標について、今後、資源問題の専門家の意見を伺いながら、広く情報提供し、上流での埋立処分量削減につながる都民の行動を促してまいります。

○木内委員 今回のこの審議会の中間のまとめには、ほかにも、静脈物流の効率化や3Rの効果の見える化など、今後五年間で取り組むべき的確な施策が随所に示されていると思うわけであります。
 ぜひ次期の処理計画ではこうした提言を踏まえて、循環型社会に向けて施策のさらなる前進を図るよう強く求めて、質問を終わります。

○かち委員 私からも、廃棄物処理計画の中間のまとめについて何点かお聞きします。
 持続可能な都市の形成にとって、循環社会への変革の視点は大変重要だと思います。この間、十数年前までは、廃棄物処理計画がふえ続けることが前提になっていました。そして二十三区においては、自区内処理を前提にして、世界で最も多くの焼却炉を持つ都市になっています。
 しかし、この間の関係者の努力、都民の意識変化などにより、経済環境の影響もありますけれども、ごみは着実に減少傾向にあります。
 中間のまとめでは、今後も人口増が見込まれ、一般ごみは二、三%の増加が見込まれるとありますけれども、一般ごみ量の状況が平成十年と比較してどうか、都の人口は二十一年度現在、どれだけふえたのか、また、それに伴うごみ量の変化はどうなっているのか、お聞きします。

○木村廃棄物対策部長 平成二十一年の都の人口は千二百五十二万人でございまして、平成十年比七・六%増となっております。一方、平成二十一年度の一般廃棄物の排出量は四百七十六万トンで、平成十年度比で一五・五%減となっております。

○かち委員 十年度に比べて、人口は七・六%ふえているにもかかわらず、ごみ量は一五・五%減ってきている。こういうことが今後も推計されるわけですけれども、そういう中にあって、東京都がこのごみ処理計画、廃棄物処理計画を掲げるときにいつも出てくるのが、ごみの有料化ということなんですけれども、ごみの減量イコール有料化ではなく、一般処理、施設まで含めて各自治体に業務がおろされて一部事務組合になっていますので、自治体ごとに判断を進めるべきだと思います。
 むしろ、広域行政として、東京都は、3Rの促進を初め拡大生産者責任を明確にしていくことこそ都の役割だと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 これまで廃棄物の減量を進めるために、拡大生産者責任の考え方に基づき、容器の軽量化など、製品の設計、製造段階からの対応を関係業界に求めますとともに、レジ袋の削減、事業系ごみの分別、リサイクルの徹底や家庭ごみの有料化の促進などを進めてまいりました。
 家庭ごみの有料化は、ごみの発生抑制を進めるとともに、資源になるものの分別を促す有効な手法の一つでありますので、今後とも、導入を検討している区市町村に対しまして必要な情報を提供するなど、技術的な支援を行ってまいります。
 引き続き、関係業界や区市町村と連携いたしまして、さまざまな方策で廃棄物の減量に取り組んでまいります。

○かち委員 ぜひ川上対策にも全力を尽くしていただきたいと思います。
 次に、城南島のエコタウンについてちょっとお聞きします。
 現在、七つの産業廃棄物処理施設が稼働中ですけれども、処理能力に対して実際の稼働率は六割程度というのが実態です。このエコタウンを誘致した都として、この現実をどのように認識しているのでしょうか。

○谷川調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 建設廃棄物につきましては、リーマンショック等の影響もありまして、確かに処理量が落ちております。それ以外の施設につきましては順調に稼働している状況でございます。
 スーパーエコタウンでは、建設廃棄物、食品廃棄物、廃情報機器など、東京から排出されるさまざまな廃棄物を先進的で信頼性の高い技術によりリサイクルしております。産業廃棄物の都内処理率の向上と最終処分量の削減に大きな役割を果たしていると思っております。

○かち委員 計画では九区画が予定されているんですけれども、現在七つ。この城南島は、製造業、金属加工業などの島でもあるわけですけれども、そういう中で、本当に島の役割が逆転したんじゃないかというような意見も出てきております。ぜひ現状に見合った対策にしていただきたいと思います。
 この中には建設廃材の処理施設もあるわけですけれども、先ごろ、再生砕石材にアスベストの混入が問題となり、環境省、国交省からの通達も出されたところでありますが、都は九月に、再生砕石を製造している事業者に対し立入調査をしたと聞いておりますけれども、対象は幾つで、どのように行ったのか、その結果はどうなったのでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 八月から九月の短期間に緊急の調査を行うため、対象の瓦れき類の破砕業者九十社のうち、特に大規模な業者と比較的小規模な業者、合わせて三十六社四十カ所を選び、立入調査を行いました。
 立入調査の際に、再生砕石の中の異物をサンプルとして採取いたしまして、そのうちスレート片らしきもの四十一個を成分分析にかけたところ、三社四検体からアスベストを検出いたしました。
 その三社に対しましては、アスベストの飛散状況を把握するため、早急に大気濃度を測定させました。その大気の測定結果は、大気一リットル当たり〇・五本未満で、大気汚染防止法の敷地境界基準である十本を大きく下回っており、健康被害のリスクは極めて低いことを確認いたしました。

○かち委員 三社で四検体が検出されたけれども、健康への害は少ないということでしたが、城南島にも再生砕石を扱う会社が三つあるんですけれども、ここでのアスベストの混入はどうだったんでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 先ほど答弁いたしました八月から九月にかけて行った調査の際に、城南島スーパーエコタウンの三社中二社に立ち入りも行いましたが、アスベストの混入は見られませんでした。
 なお、スーパーエコタウン内で建設廃棄物を取り扱う三社では、従来から敷地境界でのアスベストの大気濃度の測定を行っておりまして、これまでの測定結果は、いずれも定量下限値以下となっております。

○かち委員 大田区で今、体育館の改築工事中なんですけれども、九月ごろに市民団体が、そこで使われている再生砕石を調査したところ、十六個のうち六個からアスベストが検出され、含有量も一一から二〇%だったということが区議会で取り上げられました。その際搬入された再生砕石は城南島エコタウンからであると大田区は答えています。都はそのことを承知しているのでしょうか。都として、この実態をつかんでいるのかどうか、お聞きします。

○木村廃棄物対策部長 大田区に確認いたしましたところ、この体育館の改装工事現場の敷地境界四カ所で大田区がアスベストの大気濃度測定を行っており、その結果、いずれも定量下限値以下であります。健康被害のリスクは極めて低いことを確認済みでございます。このことから、再度調査する必要はございません。

○かち委員 大気汚染調査によれば、ほとんど影響はないというのがよく出てくるんですけれども、実際にその砕石をとってみると、そこに含有しているというような事実も、微量であってもあるという事実もあるわけですね。
 そういうものが広く広まっていくということ、今後の健康への影響というのをやっぱり市民の皆さんは心配しているわけですけれども、再生砕石を製造する事業所で、こうしたアスベストが建設廃材に紛れて搬入されてしまう。もちろん都として、各会社に厳重に指導強化されてきているわけですけれども、そういう中にあっても、気づかずに再生砕石をつくってしまうということはないんでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 去る十月二十二日に、瓦れき類の破砕業者すべてを対象にいたしまして指導説明会を開催いたしました。この中で、破砕施設にアスベストを含むスレート等が持ち込まれないための予防策といたしまして、スレート等の搬入禁止の運搬業者などへの周知、搬入物検査の徹底、スレート等が搬入された場合の都への通報ルールなどの対策を指導いたしました。

○かち委員 発生防止のためには、適宜、抜き打ち調査を行って、再生砕石工場の近くで大気観測が必要です。混入が明らかになった再生砕石は搬出を中止すべきなのはもちろんですけれども、今後とも、指導済みの事項がきちんと履行されているかどうかの点検、引き続き指導強化をお願いしたいと思います。
 都内で排出される建設廃材に含まれるアスベストはどのぐらいと予想されているんでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 先ほどの十月二十二日の説明会の中で、破砕施設の周辺にアスベストが飛散していないことを確認するために、瓦れきの破砕業者すべてに対しまして、敷地境界で大気測定を実施し、都に報告するよう指導済みでございます。
 瓦れき類の破砕業者に対しましては、今後、通年行っている中間処理施設への立入調査の中で、引き続き必要な指導を行ってまいります。
 また、都内から排出されますスレート等の非飛散性アスベスト廃棄物の量は推計で年間約十三万トンでございまして、もう一つ、吹きつけ等の飛散性アスベストの排出量は年間約一万トンでございます。

○かち委員 非飛散性アスベストの場合は年間十三万トンで、飛散性アスベストの排出が年間一万トンということでしたけれども、このまとめにもありますが、有害廃棄物の処理体制の確立として、平成十八年から飛散性アスベストの受け入れを開始してきたと。現在までに五千二百六十トン、全体の排出量に比べて少ないというふうに思うんですけれども、都内の処理枠をもう少し広げてほしい。先ほどの中間のまとめに対する意見にも出ておりましたけれども、解体業者の皆さんの中には強い要望があります。この件についてはいかがでしょうか。

○木村廃棄物対策部長 都の埋立処分場では、有害廃棄物の都内処理を推進するため、特別管理産業廃棄物であります飛散性アスベストの廃棄物について、都内で発生します年間一万トン程度は全量受け入れできる体制を整えております。

○かち委員 受け入れ枠があるよということなんですけれども、実際に都の処理場に持ち込まれるのは、三年間で、年間受け入れの半分程度という実態です。実際には、コンクリート固化をして二重袋に入れて出さなければいけないという高いハードルがあるわけです。そういう中で、ついつい遠隔地へ、もうちょっと基準の緩いところに運んでいるという実態もあります。
 解体業者の皆さんの今の経済環境の中での厳しい実態などもあります。そういうことも配慮しながら、都の処理場への活用がもっとできるように、事業者の声も聞いて、対策を検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時二十九分休憩

   午後二時四十六分開議

○橘委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百八十七号議案から第百九十号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○島田委員 私から、仮称高瀬橋の橋梁工事についてお伺いいたします。
 高瀬橋の橋梁工事については、この橋と連動した都市計画道路秋多三・三・九号線の建設の見直しを求める陳情が昨年の環境・建設委員会で継続審査となっており、関連する議題でございますので、慎重な審査を要する案件として認識しております。
 特にこの地域には、多様な生物が生息しており、東京の中でも特にすばらしい環境が残っている地域であります。一方で、多摩地域では南北道路の整備がおくれ、交通渋滞等を招いていることから、これらの整備が望まれるところでもあります。自然との共生をしながら、どのように地域のインフラを整備していくのか、このような観点から質疑をしていきたいというふうに思います。
 まず第一に、オオタカ及び環境保全調査についてお伺いいたします。
 オオタカはご承知のとおり、生態系において食物連鎖の頂点に位置しております。そのため、オオタカの生育がその地域の生物多様性を示す指標となっておりまして、東京も自然保護条例により保護対象としております。
 今回の事業地域のオオタカ調査は、二十一年度から本格的に実施し、二十一年度は九百十万円、二十二年度には一千二十万円もの費用をかけて実施している調査でございます。これらの調査は、地域の保護団体や我が都議会民主党の強い要望により実施されたものであります。本年二十二年度の調査では、工事現場から半径五百メートル以内で、繁殖期、一月から八月までの十六日間ですけれども、その十六日間で二十回も出現するなど、本事業予定地がオオタカの高利用地域となっております。高利用地域というのは、先ほど申し上げましたけれども、数多く飛来する地域であるということでございます。また、二カ年の調査では、本事業地域には、繁殖地域の推定できないオオタカの成鳥、親鳥や若鳥、また幼鳥、ひなも飛来することがあったというふうに聞いておりますけども、それらの現状から、この事業予定地付近はオオタカにとって非常に重要なハンティングエリア、狩り場となっているということがいえるわけであります。
 調査から、ほかの狩り場が十分あるので影響ないとしているわけでありますけれども、この事業地域は、先ほど申し上げましたが、高利用地域であったり、あるいは幼鳥、若鳥が飛来しているということで、非常に重要な地域であるというふうにいえるわけであります。
 若鳥というのは小さい鳥でございますから、非常に安全な場所にえさを食べに行くわけでありまして、いろんな場所はあっても、その場所の質というものは非常にすぐれた地域であるということでございます。
 この点をしっかり解析した上で、本事業の影響予測と、環境庁の猛禽類保護の進め方というものがあるわけですけれども、それを示して、必要な保護方策の検討項目であります事業実行上の配慮事項、具体的には、工事の工期だとか、工法の調整による騒音等の対策あるいは中断ということ、これについて検討し、対策をしっかり講じていくべきだというふうに考えておりますが、局の見解をお伺いいたします。

○萩原道路計画担当部長 オオタカの保護方策は、環境庁の猛禽類保護の進め方に沿って実施しており、専門家の意見を聞きながら、必要な対策を講じてきております。
 本年は昨年に引き続き、工事箇所周辺で営巣と繁殖を確認し、新たに工事箇所が繁殖期に利用度の高い区域である高利用域の一部となりました。このことを踏まえ、繁殖期の施工に当たり、低騒音型、低振動型、低排出ガス対策型の建設機械を使用し、大型クレーンは、赤色系や黄色系のオオタカの警戒色を避けてまいります。また、オオタカが工事現場に接近した場合には、必要に応じて工事を一時中断するなど、適切に対応してまいります。
 今後も、専門家の意見を聞きながら、必要な調査と対策を継続するとともに、慎重に工事を進めてまいります。

○島田委員 工事を慎重に進めていくということで今お答えがあったわけでありまして、また事業上の配慮事項、これに伴って工事をしていくということでございますが、今後の橋梁工事は今までの規模とはちょっと違い、橋をかけていくわけですので、工事の規模も大きくなっていくことが予想されます。工事スタッフがふえていったりとか、環境の変化に伴い、オオタカの狩り場としての質の低下、あるいは狩り場が減少される等により、オオタカの狩り行動への影響も予想されます。こうしたことから、今後もしっかりとオオタカのモニタリングも必要であるというふうに思うわけであります。
 調査を実施した専門家によると、オオタカの調査については、二年にわたる調査によって、オオタカの行動はおおむね把握できたことから、来年度以降行う調査については、営巣地の確認及び繁殖状況の調査以外は省略してよいということであります。
 ということでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、工事の影響、あるいは周辺環境の変化などを考えますと、今後も事業地域を含めた調査をしっかりと、これは継続して実施していくべきだと考えますが、建設局の見解をお伺いしたいというふうに思います。

○萩原道路計画担当部長 二カ年にわたる行動圏調査によりまして、繁殖期におけるオオタカの行動範囲を確認いたしました。工事がオオタカに及ぼす影響を確認するため、来年以降も専門家の意見を聞きながら、営巣地の確認、繁殖状況、行動圏の調査を実施してまいります。

○島田委員 もう一度確認したいんですけれども、専門家は営巣地の付近でいいということなんですけれども、その事業地域である工事地域付近のところも、これは非常に利用度が高い地域となっているということなんで、行動調査もしっかりとやっていくということでよろしいんでしょうか。もう一回確認したいと思います。

○萩原道路計画担当部長 ただいまの委員ご指摘のとおりでございます。

○島田委員 今、専門家がいっていることもさらに上乗せして、その専門家の意見を聞きながら、その建設現場付近のところもしっかりやっていくということは評価できるところだというふうに思います。
 建設局では、今回、事業実施に当たり、オオタカの調査をしているわけでございますが、行動の調査の回数とか、調査時間あるいは行動圏調査の定点位置など、調査がしっかりと行われていたのか。今回の調査は、一人の専門家が相談者となって行った調査と聞いておりますが、オオタカの生態というものは、まだまだわかっていない部分が非常に多々あるわけであります。そういった点から、調査方法や調査の分析では、専門家によっては見解が分かれることも多々あるということでございます。自然との共生が世界的に叫ばれる昨今、自然環境に配慮した事業をすることは、環境都市東京が目指すことに大変重要であると考えますが、このような観点から、今後はこれらの調査に、第三者的な観点から検証するため、調査検証委員会などをつくり、調査結果を改めて検証した上で、今回の調査を今後の事業に生かしていくことが大変重要であると私は考えておりますが、局の見解をお伺いしたいというふうに思います。

○萩原道路計画担当部長 これまでのオオタカ調査の結果等を今後に生かしていくことは重要であると認識しております。
 二カ年にわたる調査では、二年連続の営巣と繁殖を確認し、工事箇所周辺への飛来回数が増加するなど、オオタカの保護方策は有効に機能していると考えられます。
 今後、営巣地などに状況の変化があった場合は、専門家の意見を聞きながら、必要に応じて適切な対応を図ってまいります。

○島田委員 ちょっと今の答弁では、質問と不十分なところがあると私、思っているわけでありますが、オオタカの調査結果については、生育場所などが一般の方々に知られてしまうと、見学者がそこに多く行ったりと、その生育しているタカに悪影響を及ぼすため、生育場所などの情報公開、これは慎重であるべきというか、これはなかなか教えられないことであると思いますが、一方で、オオタカの生育は、その地域の生物の多様性を示す上で重要な指標であることから、その地域が特にすぐれた自然環境である、そして、その地域をしっかり守っていかなくてはいけないということは、しっかり我々は認識すべきことではないのかと、そういうふうに思っております。
 特に今回の調査では、事業地域が高利用地域という結果が出ておりますので、工事に対しては、先ほど答弁にもあったように、オオタカが接近した場合には一時中断するなど、十分な配慮、そしてモニタリングが必要であると、そういうふうに思っております。
 今回の調査結果をしっかり生かしながら、人間は自然に対して決しておごるのではなく、自然に対して謙虚な姿勢で、そういったことで進めていくことを強く申し上げておきたい、というふうに申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、高瀬橋の設計、道路の街路樹についてお伺いしたいと思いますが、高瀬橋の設計については、本事業地域は平井川流域の自然に囲まれたすばらしい地域であり、多様な生物が生息しております。
 都は、高瀬橋自然環境保全計画書を作成するに当たり、環境調査を行っているというふうに思いますが、調査によると、オオタカ以外には、トウキョウダルマガエルだとかヒバカリとかゲンジボタルなど、レッドデータブックに記載されるような貴重な動植物がこの地域には数多く生息しております。
 この事業地域は、蛇行した平井川に囲まれた、きんちゃくに似た形の水田が広がる風光明媚な場所であります。高瀬橋がもし完成したら、その景観あるいは自動車による騒音、光とか振動など、動植物に影響を与える可能性があるというふうに考えますが、高瀬橋の橋梁設計に当たってはどのようなことを配慮し、決定したのか、その経緯をお伺いしたいというふうに思います。
 また、先ほど説明したとおり、オオタカの生育に非常に重要な地域であるということから、橋梁付近、道路の街路樹等においては、高木樹、高い、オオタカがとまるような、そういう木を植えることも一つの考えであるというふうに思いますけれども、その点についてお伺いしたいというふうに思います。

○萩原道路計画担当部長 高瀬橋の設計を行うに当たりましては、地形や地盤条件のもと、がけ地の湧水の保全、平井川への影響、風通し等を前提としまして、経済性だとか施工性、維持管理などにより評価を行った結果、PC2径間連続ラーメン箱げた橋を選定いたしました。本橋梁は、連結部が少なく、騒音や振動の発生が少ない構造であります。
 また、道路照明につきましては、できる限り光が漏れないようにするなど、周辺の生態系に配慮いたします。
 また、街路樹につきましては、既に完成した区間には高木を植えており、あわせて中木の常緑樹をバランスよく配置してまいります。橋梁部を除いた区間につきましても引き続き街路樹を整備し、緑豊かな道路空間を創出してまいります。

○島田委員 環境に配慮した橋、それを設計のところに考えていくということでございますので、その点、今後もしっかりと生物の様子を注視しながら行ってもらいたいというふうに思います。
 次に、交通量についてお伺いいたします。
 私は、この地域の羽村市におりまして、あきる野市にある職場で勤務していたため、南から北へ、北から南と、この地域で十年近く動きながら、この地域についてはよく熟知しているつもりでありますけれども、この地域に限らず多摩地域においては、南北道路の整備、これがおくれているわけであります。高瀬橋周辺道路が整備されれば、地域の南北の流れがスムーズになり、交通渋滞等も緩和され、地域の活性化にもつながると考えますが、高瀬橋の交通量、これはどれぐらいを想定しているのか、お伺いしたいというふうに思います。

○萩原道路計画担当部長 高瀬橋の交通量につきましては、最新の道路交通センサスなどにより推計した結果、一日約九千台となります。高瀬橋より北側に位置する草花通りから氷沢橋交差点までの区間は、平成二十年五月に開通しました。その交通状況を把握するため、氷沢橋交差点で調査したところ、昼間十二時間の交通量は約七千台でありました。この交通量を二十四時間に換算しますと約九千台で、推計した交通量と同程度となることから、高瀬橋には現在の開通区間の交通量と同程度の車が走行すると推定されます。

○島田委員 今、九千台ということでございますけれども、その現場、私、よく通るわけでありますけれども、果たして九千台通るかなということも考えるわけであります。例えば、九千台通るには、この道路の付近も整備がないと、この道路が機能するというのは難しいかなというふうに思います。
 特に周辺道路、南側では、JR五日市線を立体交差で通過する南北道路、都計道三・四・一六号線というものがあるわけでございますし、また北側では、羽村大橋から新奥多摩街道に続くバイパス等も整備が検討されているようであります。この南北道路が機能するためには、その他の周辺の道路の整備も必要かなというふうに考えておりますけれども、その点、この際、要望しておきたいというふうに思います。
 そして、最後の質問でございますけれども、現地に見にいった際に、高瀬橋から北側の氷沢橋交差点付近の用地取得が進んでいないように見受けられましたけれども、この点、どのような状況なのか、用地取得の状況についてお伺いしたいというふうに思います。

○萩原道路計画担当部長 氷沢橋交差点付近の道路予定地では、境界が未確定の区域があり、その一部に敷地内民有地が存在しております。この敷地内民有地の地権者の中に道路整備に反対する意見の方がおりまして、道路予定地の境界を確定することが難しいため、用地取得ができない状況であります。
 今後とも、市と協力しながら、地権者の方々と粘り強く折衝いたしまして、早期の用地取得に努めてまいります。

○島田委員 今ありましたけれども、地権者の中で反対される方もおるということでございます。その道路の趣旨、それから、今申し上げた環境対策、これをしっかり趣旨をご理解いただきながら、地権者の方の意見等もしっかり十分聞きながら、今後、その道路の整備については慎重に進めていくべきだというふうに考えております。
 今回の事業においては、何回も繰り返し申し上げておりますけれども、東京の中でもこの地域は特に生物が多様な地域であります。これらの貴重な環境の保全対策がしっかり計画され、実行されるということがまず第一であるというふうに思いますので、そのことを第一に考えて今後の展開を考えてもらいたいということを強く要望申し上げまして、私の質疑を終わります。

○石森委員 それでは、私からは、第百八十八号議案、環二地下トンネルの築造工事並びに第百九十号議案、高瀬橋の二件の工事請負契約につきましてお尋ねしたいと思います。
 まず、環二地下トンネル築造工事についてでありますけれども、都市づくりの基本となる道路整備においては、都市の骨格を形成する幹線道路である区部の環状方向の道路整備は極めて重要でありまして、早期整備が求められているところであります。特に環状第二号線につきましては、開発が進む臨海部と都心を結ぶ役割、そして、まちづくりを支える上で最優先に進めていかなければならないと考えております。
 そこで、まず改めて、環状第二号線の必要性についてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 環状第二号線は、江東区有明を起点とし、中央区、港区などを経て千代田区神田佐久間町を終点とする全長約十四キロメートルの骨格幹線道路でございます。本路線のうち、未整備である豊洲から虎ノ門までの区間の整備は、都心部と臨海部との連絡強化や地域交通の円滑化を図るとともに、緑豊かな都市空間ネットワークを形成する上でも極めて重要でございます。
 さらに、環状第二号線沿線の臨海副都心や晴海、勝どき、本契約案件の施工箇所である新橋・虎ノ門地区などでは新たなまちづくりが進んでおり、これらの開発に伴い発生する交通需要に対応するためにも、早期整備が必要でございます。

○石森委員 この環状第二号線の整備は、交通の円滑化や緑の充実など、その整備効果が大きいことを改めて確認いたしました。
 また、汐留から虎ノ門までの区間では、まちづくりと一体となって環状第二号線の整備が進められていると聞いております。このうち、建設局が所管する地下道路の現在の進捗状況と、今回提案工事の概要についてお聞かせいただきたいと思います。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 環状第二号線のうち、汐留から虎ノ門までの事業認可区間千二百五十メートルにおきまして整備を進めておりますが、既に汐留から第一京浜までの三百三十メートルのトンネル躯体が完成し、現在、第一京浜から愛宕通りまでの七百十メートルの区間で工事を実施しております。
 本契約案件の環二地下トンネル築造工事は、愛宕通りの直下において、四車線の車道と、両側に換気スペースを設けたボックス構造のトンネルを開削工法で築造するものでございます。

○石森委員 もう既に三百三十メートルの地下トンネルが完成するなど、順調に工事が進められているといったご答弁がありましたけれども、これからも着実に進めていく必要があると思います。そこで、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 未着手の愛宕通りから虎ノ門までの百七十メートル区間は、再開発ビルと一体的にトンネルを整備する予定でございます。引き続き、地元の理解と協力を得るとともに、必要な財源を確保し、第一京浜から虎ノ門までの九百二十メートル区間の平成二十五年度本線開通を目指し、地下トンネル整備を全力で進めてまいります。

○石森委員 我が党といたしましては、来年度の予算要望について、環状第二号線など区部の環状方向の道路整備を重点的に進めるよう要望しております。今、答弁にあったとおり、交通の円滑化は当然のこと、まちづくりや沿道環境にも寄与する環状第二号線の一日も早い開通を強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
 続いて、先ほども質疑がございました高瀬橋についてお伺いいたします。
 仮称高瀬橋が計画されております一般都道あきる野羽村線は、多摩川を渡る羽村大橋から順次道路の整備が進められておりまして、平成二十年には、草花通りから氷沢橋交差点までの区間が開通いたしました。この区間の完成により、周辺の狭隘な市道への通過交通の流入が減少し、地域住民の生活環境も向上したと聞いております。また、開通区間では多くの方が便利に利用なさっているというような、そんな状況にあるというふうに伺っているところでもございます。
 現在は、この開通区間に続く氷沢橋交差点より南側の整備を進められており、本契約案件の高瀬橋もその中の一つであります。そこでまず、この橋の整備目的についてお伺いいたします。

○萩原道路計画担当部長 あきる野市におけるこの地域は、東西方向に睦橋通り、五日市街道、秋多都市計画道路三・四・六号線が整備されておりますが、南北方向は国道四一一号のみとなっており、幹線道路の整備がおくれております。このため、小学校などの通学路や幅員五メートル程度の生活道路に通過交通が進入しまして、十分な安全が確保されておりません。
 本路線の整備は、周辺道路の混雑緩和や、通学路、生活道路における歩行者等の安全を確保するほか、地域の防災性向上を図る上で極めて重要でございます。

○石森委員 この整備の必要性を改めて確認をさせていただきました。
 この道路は、開通区間と同様に、あきる野市の地域にとって重要な役割を果たすものであり、着実な整備が望まれているところでありますが、現在の進捗状況はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○萩原道路計画担当部長 本事業は、秋多三・四・六号線の氷沢橋交差点から五日市街道までの約一・二キロメートルの区間におきまして二車線の道路整備を行うものでございます。
 平成二十一年度末までに約九割の用地を取得し、用地取得の完了した区間のうち、橋梁区間を除く道路約六百四十メートルが完成しております。高瀬橋につきましては、平井川左岸の橋台が完成しており、現在、右岸の橋台工事と橋梁中央部の橋脚工事を行っております。

○石森委員 今回の契約案件であります高瀬橋は、東西方向に流れる平井川を横断して南北地域を結ぶものでありますが、平井川周辺は自然環境が大変豊かでありまして、オオタカを初め、さまざまな環境への配慮が必要であります。
 今、答弁のありました平井川右岸の橋台工事についても、崖線部は湧水が豊富であり、平成二十一年四定の陳情審査においても、湧水対策について質疑があったところであります。
 そこで、平井川右岸の橋台工事に当たり、どのような環境対策を行っているのか、お伺いいたします。

○萩原道路計画担当部長 橋台工事は、現在、橋台下ののり面保護工事と基礎工事が完了しまして、その上部の構造物を構築中であります。橋台の基礎は、崖線で湧水となる地下水の流れを遮断しないように、くい基礎構造とし、橋台下ののり面保護は、湧水を極力阻害しないように、のり面をコンクリートなどですべて覆わない保護工法を採用しております。流量観測の結果、のり面の湧水量はこれまで工事による変動は見られず、湧水の保全が図られております。
 また、濁水、いわゆる汚れ水ですが、発生するおそれのある工事の期間中は、工事範囲の湧水をせきとめ、濁水処理した上で平井川に放流するとともに、工事範囲外の湧水をそこへ供給し、貴重な動植物の生育する湿地の保全を図っております。

○石森委員 今回のPCけた製作・架設工事は、三カ年にわたり、自然環境豊かな耕作地、平井川崖線において大規模な工事を行うことになり、さらなる環境対策が必要であると考えます。そこで、今回の橋梁工事においてはどのような環境対策を行うのか、お伺いいたします。

○萩原道路計画担当部長 本契約工事で架設する橋梁は、自然豊かな景観との調和、耕作地の風通し等に配慮しまして、周辺への騒音や振動の少ない構造のPC2径間連続ラーメン箱げた橋でございます。施工方法は、中央の橋脚から左右均等に、いわゆるやじろべえのようにバランスをとりながら、けたを継ぎ足していく片持ち架設工法を採用し、河川内外にけたを支える施設を一切設置する必要がなく、河川や湿地に影響を与えないよう配慮しております。
 オオタカへの配慮として、繁殖期には低騒音等建設機械を使用するとともに、大型クレーンは赤色系や黄色系のオオタカの警戒色の使用を避けるなど、さまざまな工夫を行ってまいります。
 今後とも、周辺環境に十分配慮しながら、着実に事業を進めてまいります。

○石森委員 自然環境豊かな地域で行われる橋梁工事については、構造形式や施工方法においてきめ細かな対策をとり、その効果もあらわれ、自然環境をしっかりと保全しながら事業を進めていることが確認できました。
 本路線は、あきる野市において重要な路線でありまして、これまで、私どもの林田議員の熱心な取り組みによって着実に整備が進められているところでございます。今後しっかりと環境対策を行いながら橋梁工事を進めていただきたいと思いますし、引き続き、地元住民のご理解とご協力が得られるよう十分な配慮を心がけるとともに、一日も早い完成をお願いして、私の質問を終わります。

○かち委員 私からも、高瀬橋の工事請負契約についてお聞きします。
 先日、私は当該地域を訪ねてみました。福生駅からぐるりとこの周りを歩いてみたんですけれども、本当に美しい自然が残されていて、蛇行した平井川に沿ってきんちゃく田が見事に広がり、稲穂の収穫が進んでいました。湧水がわき出る向かい側の崖線には橋台のための工事が進んでいましたけれども、平井川流域でも最後に残された貴重な耕地であり、たくさんの生息生物が息づく貴重な景観が、まさに日本の原風景といわれるような風景がそこに広がっておりました。ここに、幅二十二メートル、長さ百九十九メートルの橋をかけるというのが本高瀬橋工事請負契約です。
 で、お聞きしようと思ったのですが、この橋梁を含めた秋多三・三・九計画道路の必要性、緊急性については、先ほどご答弁がありましたので省略いたしますけれども、ご答弁では、この地域に南北道路が整備されていないということでございました。
 しかし、私がぐるっと歩いただけでも、この領域には国道四一一号線があり、奥多摩街道があり、新奥多摩街道があり、その間に、この高瀬橋を挟んで市道が幾つもあるわけですよね。で、その高瀬橋から八百メートル先に三・四・一六の南北道路というのがありまして、これ、かなり整備が進んでいて、今、JR五日市線のアンダーパス工事をやっているところを見てまいりました。このアンダーパス工事の完成予定はいつごろでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 秋多都市計画道路第三・四・一六号線におきまして、JR五日市線をアンダーパスで交差する立体交差事業を実施しております。
 JRに委託する交差部の工事は平成二十三年度に完成する予定であり、その後、前後区間の擁壁工事などを進め、早期の完成を目指してまいります。

○かち委員 来年には、このアンダーパスが実現する。この先の方には、八王子にずっと道路がつながっているわけですよね。ところが、この高瀬橋の今の計画道路というのは、五日市道路の先は、計画線にはなっているんですけれども、事業化も何も今のところ動きがないという道路です。私は、この辺で付近を見てみたんですけれども、この先というのは住宅が密集していて、現道はないんですよね。そういう意味では、幾らここを延長して橋をかけてやっても、ここから先は行きどまりであり、この道路の有用性というのは非常に少ないんじゃないかと。むしろ、この今やっている南北道路を開通させることが、非常に利用価値の高い道路じゃないかと思うんですけれども、高瀬橋を含む秋多三・三・九の事業費というのは幾らでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 この事業は、氷沢橋交差点から五日市街道までの約一・二キロメートルの区間であり、全体事業費は約五十三億円であります。

○かち委員 五十三億円をかけて、この豊かな自然に過大な負荷と影響を与える、この道路建設は、私は必要ないというふうに思うわけです。
 昨年の十一月、高瀬橋橋梁工事の中止、見直しを求める陳情が当委員会で審議をされ、不採択ではなく継続となったわけです。局として、この間の、この結果を受けてどのような対応をされてきたのでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 陳情が継続審査となったため、平成二十二年度の調査におきまして、オオタカの行動や繁殖状況を確認する調査を継続し、新たに営巣地の騒音調査やビデオモニタリング調査を行い、工事による影響が少ないことを確認しながら工事を進めております。

○かち委員 結局、自然に配慮しながらということで、工事は継続をされてきたわけですけれども、オオタカ調査は、事前の調査も含めると、今回で都合三回行ってきたわけであります。今回は一月から八月にかけて行ったということですけれども、それで、営巣と繁殖には影響がなかったというふうな報告があります。工事による騒音の影響も少ないという結論を出されているわけですけれども、その裏づけというのが必要だと思うんです。それはどういうことでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 平成二十一年四定の陳情審査の質疑におきまして、事業地周辺へのオオタカの飛来回数は、平成十九年の調査では二十回、平成二十一年の調査では二回確認していると報告いたしました。
 この飛来回数ですが、調査範囲が異なっているため、単純に飛来が激減しているというものではございませんで、平成十九年と同一の調査範囲におきまして平成二十一年度には四十八回と増加しております。また、工事が本格化した平成二十二年の調査では、五十三回とさらなる飛来回数の増加を確認しております。

○かち委員 今のご答弁では、平成二十年の調査範囲が十九年のときと違っていたと、十九年の工事を始める前の状況と比べると回数はふえているんだよという答えでよろしいんですか。

○萩原道路計画担当部長 先ほど二十一年四定のお話を申し上げましたけれども、そのとき答弁した部長が説明不足だと私は考えております。先ほども申しましたように、ベースとなる範囲を取り違えて表を読んでおりました。これはまことに申しわけないお話でございます。そのため、ただいま、私は、ベースを同じとしたときには順次ふえているという答弁をさせていただきました。

○かち委員 昨年の委員会での飛来回数の調査自体が違っていたにもかかわらず、結論が出ているんですよね。この工事現場では二十回から二回に減っていると。これは、飛来したのが、つがいであるかないかというのも証明はしていないわけですけれども、それで、減っているのは、要するに営巣地が存在する可能性は低いという結論を出しているんです。
 再調査が二〇〇九年の一月から九月に行われたんですけれども、この期間中に専門家は結論として、オオタカの最大行動範囲の外縁部に当たり、繁殖行動には影響ないという結論ですね。ベースが違っているのに、飛来数が少ない、これは行動範囲に外れているから影響ないんだよと、結論だけは影響ないということをいっているんですけれども、これ、全然違うじゃないですか。これね、オオタカというのは、本当に絶滅が危惧される、非常に日本の自然界の中で保護しなければならない大事な鳥獣なんですよね。これを、こういう簡単な、何か、白と黒と反対になっても平気な結論を出してよしとするのは許されないことだというふうに思うんですよ。
 こういう意味からして、今回の調査結果では、今度は高利用域になったと。本当に何を根拠に信じればいいのかということになります。飛来数の増加というなら、何回--それは五十三回といいましたね。調査地域というのも、十九年と同じ地域でやったと先ほどいわれましたね。そういうことでいうと、オオタカにとってみると、この地域というのは非常にえさ場であり、生活する上で大変重要な地域なんだということは、やっぱり結論づけられると思うんですよ。
 そういうふうになりますと、このオオタカは保護の観点からきちんと保全策というのをとらなければいけないと思うんですけれども、見ていますと、何か工事をやるサイドから、もうどんどん工事はやれ、音をどんどん出してもオオタカはびっくりしないよ、影響しないよというようなことで、どんどんどんどんやっているんですけれども、本当にオオタカの調査というのであれば、まず工事をする前にやった状況をいかに守って保全するかということが非常に重要なんですけれども、局のやり方は、その保全策というのは全く欠落しているんじゃないでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 先ほども答弁いたしましたように、工事大型重機が現場には一、二台おりますけれども、オオタカが避けたい色というのは、赤だとか黄色だとかいうような、やや派手な色。そういうような工事機械というのも実はあるわけですけれども、現場においてはそのような刺激的な色をつけた車両は使っていないというようなこととか、飛来するオオタカを作業員の方々がまめに認識するような教育などもしながら、慎重に工事を進めているという状況でございます。

○かち委員 工事をしながらモニタリングしていくことは大事です。配慮もしなきゃいけないというのも大事なんですが、その前に、もうなくなっていくかもしれないオオタカをどうやって保全していくかという対策をとってからの話だと思うんです。だから、一人の専門家の意見だけではなくて、オオタカ保護の観点から、きちんと関係者の協議を持って結論を出していただきたい。それからの工事にしていただきたいと思うんです。
 今回、繁殖の結果、二羽のひなを確認していたけれども、ビデオモニタリングでも、結果的に幼鳥は一羽しか巣立たなかったということではないでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 オオタカの繁殖状況につきまして、ことしの一月から八月にかけまして、目視調査、それとビデオモニタリング調査を実施いたしました。
 その調査の結果、三月には巣をつくり、四月には抱卵、いわゆる卵を抱いて、五月に工事が本格化しましたけれども、その後の六月中旬に巣外のひな二羽、また六月下旬には、営巣林内で飛しょうする幼鳥一羽を確認しております。巣立ち間近の六月の中旬に、ひな二羽を確認していることから、残りの幼鳥一羽についても巣立ちしたものと考えております。

○かち委員 モニタリングをしていたんだから、ちゃんと一羽は確認しているわけですよね。でも、あとの一羽は確認されていないんですよ。専門家によると、普通、オオタカの平均抱卵は二・四個、二から三個というふうにいわれているんです。こうやってふえていけば、オオタカは減らないんですけれども、二羽で一羽だと、どんどん減ってしまうわけですよね。
 今回、その一羽しか確認をしていない。前回の調査でも、巣立ちのひな数は一個体と考えられ、育ひな期のえさの供給量の不足が考えられると、日本野鳥の会の専門家は述べています。狩り場の減少の影響がなかったとはいえない、工事の影響がなかったとはいえないと思うんです。
 そういうことで、やっぱり保全対策をまず第一にやるべきだということを申し上げておきます。
 それで、道路の関係でいいますと、氷沢橋以南の道路、先ほどもありましたが、百二十メートルほどの区間の市道の性格というものがありました。もう一度ご説明をお願いします。

○萩原道路計画担当部長 本事業区間のうち、氷沢橋交差点から南側約百二十メートルの区間に、あきる野市の市道のいずみ通りがございます。この市道内には現在も地元の方々などの所有する土地、いわゆる敷地内民有地が残っております。

○かち委員 敷地内民有地というのは、ちょっと聞きなれないんですけれども、要するに私有地の中に市道なり公道なりがつくられているということで、もともとその所有権は地権者の方にあるということなんですね。
 しかし、用地買収のためには公図が必要です。局としてはこの間、公図を作成して法務局に提出した経過があるんでしょうか。現在、公図はできているんでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 公図ですが、公図は、市町村が主体的となって行う地籍調査などに基づき作成するものでありまして、局が公図を作成し、法務局に提出した経緯はございません。
 現在、当該地域内の土地の筆界が未定であることから、公図が存在しておりません。このため、市と協力し、地元の方々の理解を得ながら、公図作成の実現に努めてまいります。

○かち委員 公図作成に局は直接参加をしていないというお話でしたけれども、地元には建設事務所がありますし、市と協力して、この用地買収のためにはいろいろとご努力をされていることは実態的にわかるわけですよ。
 そういう中で、実は、この公図が法務局に提出されてきたという経過がありました。しかし、地権者の方は全くそれを知らなかった。そういうことで法務局に申し立てをしたら、そんな地権者の了解を得ない公図は受け取れないということで返されたと、白紙に戻されたということなんですけれども、このことをご存じなかったんでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 ただいま委員おっしゃいました情報は、私どもも聞いております。ただ、合意が得られなかったということで、私が先ほど答弁しましたとおり、現在におきましては法務局には公図はございません。

○かち委員 事実経過をお認めになったんですけれども、本来できないことをやってまで、ここの道路を通そうというやり方は、やっぱり民主的ではないですよね。幾ら道路をつくるにしても、やっぱりその関係者、地権者の了解を得ずして道路をつくることはできない。
 そういう意味で、最初にいいましたように、この道路を自然に過大な影響を与えながらつくっても、五十三億円かけても、さほどの利便性というのは生み出されない。そういう道路であれば、この請負契約はきっぱりとやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

○興津委員 それでは、私からは、第百八十八号議案、そして百八十九号議案に関連いたしまして質問させていただきます。
 今回の百八十八号議案であります環二地下トンネル築造工事は、予定価格に比較いたしまして七〇・一八%での落札となっております。額にして、予定価格対比四億六千万円ほど安く落札されております。入札調書をいただきましたところ、入札者十六者あり、その競争入札の結果でもあります。その競争入札者の金額の単純平均は、予定価格に対して七二・六九%。低入札調査の結果、一般管理費の規定により落札者としないとした入札者を除外した残りの入札者の平均として、七五・五六%となっております。
 また、百八十九号議案に関しましても、予定価格に対して七二・〇四%での落札となり、額にして、予定価格対比三億八千九百万円ほど安く落札されております。入札者は二十五者あり、入札金額の単純平均は、予定価格に対して六八・五六%。入札調査の結果、一般管理費の規定により落札者としないとした入札者を除外した残りの入札者の平均として、七八・〇七%となっております。
 事前に、予定価格積算根拠をお伺いしたところでもありますが、局の方の十四億七千万円余の積算に対して十億三千百七十万円と、その差は四億六千万円も安く入札されているという現実がそこにあります。またこれも、入札民間企業の必死の経営努力、受注の実績づくりや社員への土木技術の継承、経営判断などによるものとも思います。
 しかしながら、予定価格の積算に関して、現在の積算基準が果たして適正になされているのか、疑問に感じざるを得ません。見解をお伺いさせていただきます。

○西倉企画担当部長 建設局の積算基準は、全国の工事を調査し定めた国土交通省の積算基準を参考にしつつ、東京都の地域特性を考慮した上で定めてございます。一方、積算に用いる労務費や資材価格につきましては、東京都内で実施している工事を対象に調査を行い設定してございます。したがいまして、予定価格の積算は、これらに基づき適正に算出されていると考えております。

○興津委員 東京都内で実施する工事の工事費を適切に算出できるというご答弁をいただきましたが、現実に積算より大幅な入札金額の低減化が平均値の結果としてあることは、これまた事実であります。これが現実の実勢価格であると判断するなら、最大価格の積算が実勢価格と大幅にずれているというふうに判断もできます。国土交通省の全国一律の積算基準を根拠にしているのであるならば、今回、東京都独自の積算基準として、この積算基準の見直しを図るべきではないかと思いますが、見解を伺います。

○西倉企画担当部長 建設局の積算基準は、地域の実情を反映した内容となっており、東京都で実施する工事の予定価格を適切に算出していると考えてございます。

○興津委員 わかりました。
 東京都内で実施する工事の工事費は適切に算出しているというふうに伺いましたが、こちらに、手元の方に、第百八十八号議案に関しましての入札経過調書をいただいております。この予定価格十四億七千万円余に対して、応札された方々の中で一番高いところが十三億八千三百万円余、次が十二億五千万円、そのほかがすべて十億円台の入札の金額になっているというのも、これまた事実であります。それから考えてみると、やはり、応札された方々の十六者の中での残り十四者が十億円台ということで応札されているということから考えれば、この積算の金額の基準等々も、国土交通省の基準ということもあるんでしょうが、東京都としてもやっぱり独自な積算基準を構築していってもいいのではないかとも思います。この点は、指摘とさせていただきます。
 そして、今回、お安く高品質な納品をいただけるということは、税金の使い方としてはありがたいことであるとも思いますが、逆にいうと、これだけの不用額が出てくるというところの側面もあります。この不用額も、今後、都民生活の福祉向上に向けまして、年度末まで少ない期間でもありますけれども、緊急施行等が必要な施策に振り向けていただければというふうに思います。
 次にですけれども、さて、昨今の状況により、低入札による一番の心配点として考えられるのが、瑕疵ある施工がなされてきていなかったかどうかと、どうしても心配になります。過去において、瑕疵ある施工、契約解除等があったかどうか、お伺いいたします。

○西倉企画担当部長 低入札工事におきましては、低入札価格調査制度に係る調査マニュアルや建設局監督基準などに基づきまして、出来形管理、品質管理、材料検査などにおきまして確認項目をふやしましたり、現場確認の頻度を高めるほか、安全パトロールを重点的に実施するなど、監督体制の強化に努めております。
 過去におきまして、低入札工事で瑕疵のある施工及び契約解除は行われておりません。

○興津委員 わかりました。これに関してはご答弁をいただきました。ありがとうございます。
 次にですけれども、入札に関しまして、低入札になるという点から考えられる心配点としてもう一点、例えば下請さんとか孫請さん等へのしわ寄せがあるのではないかという点が挙げられます。この確認は東京都として行う必要性があると考えています。この確認について東京都はどのように対応をいただいているんでしょうか、見解を伺います。

○西倉企画担当部長 元請業者に対しまして、下請負届、施工体制台帳及び施工体系図などにより、低入札価格調査時のヒアリングの内容が履行されているかを確認してございます。それに加えまして、契約書や支払い状況に関する調査などを実施し、下請業者へのしわ寄せの有無を確認しております。
 今後とも、元請業者に対する指導を徹底してまいります。

○興津委員 わかりました。
 そうですね、その下請さんとか孫請さん、つまり現場で働かれている労働者の方々の労働環境、つまり労災保険、雇用保険などを確認する必要はあると思います。東京都としてどのように確認しているのか。雇用保険の管理は、直接、建設局が言及できるところではないと思いますけれども、労災保険の取り扱いに関しての見解を伺います。

○西倉企画担当部長 労災保険につきましては、東京都土木工事標準仕様書におきまして、請負者は契約後速やかに労災保険加入確認書を東京労働局または所轄労働基準監督署へ提出し、確認を受けた後、発注者に提出しなければならないと定められておりまして、これに従って元請業者を指導してございます。

○興津委員 わかりました。入札後に確認するということであるというふうに伺いました。
 ただ、もし万が一、事故が発生したときには、この労務管理は働く者にとってまさしく生命線であるというふうに私は考えております。しかし、中には、事故の届け出をせずに、被災者にも適切な補償をしていないケースもあるということも聞いているところであります。このようなことを防ぐために、社内の労務管理の徹底が重要でありますが、発注者としての東京都としても、事故が発生した場合、元請業者を適切に指導する必要があると思いますが、見解を伺います。

○西倉企画担当部長 建設局では、元請業者に対し、工事事故が発生した場合は速やかに監督員へ報告させるとともに、労働基準監督署に事故の報告を行うよう厳格に指導しております。
 今後とも、安全パトロールを重点的に行うなど、工事事故の防止に努め、現場の安全確保を図ることはもちろん、万が一、工事事故が発生した場合には、元請業者を適切に指導してまいります。

○興津委員 確認をいたしました。ありがとうございます。
 この労働者さんがもし万が一、事故に遭ったときには、本当にここが生命線であると思いますので、労働環境の保全方、対応願いたいというふうに思います。
 また、契約に関して、民主党の代表質問にもありましたが、財務局から出されました契約に関する事務の適正な執行についてという文書にもありましたとおり、調査基準価格及び最低制限価格の設定について(通知)に反して算定に誤りがあり、これに基づいて入札を執行した事例が、建設局ではありませんけれども、出ています。建設局は入札の多い局でもありますので、過去においてこのような事例があったかどうか、その点、一点だけ確認させていただきます。

○西倉企画担当部長 建設局では、調査基準価格及び最低制限価格の算定に誤りがあるにもかかわらず入札を執行した事例はございません。
 今後とも、入札契約事務の執行について万全を期してまいります。

○野上委員 私は、第百九十号議案、高瀬橋(仮称)に関する工事請負契約について幾つか伺わせていただきたいと思います。
 この高瀬橋の工事に関しては、平成二十一年度の第四回定例会に提出された陳情、都市計画道路秋多三・三・九号線の築造工事の一時中断と事業の見直しに関する陳情についてということで、この環境・建設委員会でも質疑をさせていただきました。そして、委員会として継続審査という決定がなされたところです。
 先ほど、かち委員からの質疑で明らかになりましたが、過去の質疑の内容で、答弁をしていただいて、その内容が一部誤っていたというか、不適切であったというんでしょうかね、足りなかったことがあったというふうに先ほど伺いましたけれども、非常に重要な、継続審査という決定をされた過程には、あきる野市に位置するこの自然環境を保護しながら、いかにこの工事を進めていくかという前向きなことも入っての継続審査ですので、きちんとした正確な数値をご提示いただかないと、せっかくの委員会で、皆さんが審査をして、そして、どのように工事を進めていくのがいいのか、あるいは住民の皆さんにご理解いただくのがいいか、はたまた中断をした方がいいのかというような議論がなされる前提となる根拠が崩れてしまいますので、ぜひ、部長におかれましては、その前提となるデータについてはきちんとお示しいただきたいと思います。冒頭にですが、少し要望させていただきたいと思います。
 さて、先ほど、私ども民主党の島田委員からも幾つか質問がありましたが、今回、東京都議会というか東京都知事あてに、この道路整備の促進についての要望書が幾つか出されました。この高瀬橋の建設を早く進めてほしいという、地元の高瀬地区都道新設対策協議会の会長代行の名前での印、そして町内会の、高瀬町内会ですか、会長の印、あるいは、ほかの平沢町内会長の印、二宮町内会長の印が押された要望書でございます。
 この要望書、実は平成二十二年十月の二十九日に提出された、受領されておりますが、後日、十二月三日、町内会長の個人印、町内会長の印を押されたもので、さきに出された整備の促進についての要望書は撤回をするというものが出されています。この内容を見ますと、要望文書が、今回の十二月都議会の高瀬橋に関する案件の賛成資料として利用される、その補助資料として利用されるということは全く思っていませんでしたと。そして、この内容も、印を押すということは非常に重要なことですから、押した本人も非常に責任がありますけれども、この内容についてはきちんと説明を受けていなかったということをおっしゃっております。
 そこで、この文書について幾つか質問をさせていただきたいと思います。ちょっと質問の順番が変わりますが、まず、要望書が出ておりますが、協議会名で出ております。一般的に協議会というのはどのようなメンバーで構成されるのでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 一般的に協議会はどのようなメンバーかということですけれども、協議会といいましても、設置する目的によりまして構成などは千差万別だと思います。
 例えば、多摩の南北五路線の一つである調布保谷線の整備のときですけれども、地域の方々との多様な意見交換の場として、東京都、地元市、地域の方などにより構成する環境施設帯整備検討協議会という会もございます。

○野上委員 今回出されたこの高瀬地区都道新設対策協議会、ほかに、平沢・二宮地区都道新設対策協議会はどのような会なんでしょうか。その目的と構成はいかがなものでしょうか。

○萩原道路計画担当部長 秋多三・三・九号線の都道新設対策協議会は、高瀬地区と平沢・二宮地区にございます。例えば高瀬地区の協議会ですが、地域の環境整備の確保と地域の発展並びに地権者の利益を守り、調和のある開発を協議し推進するということを目的といたしまして、平成五年四月に設置されたと聞いております。その構成ですが、整備に伴い影響を受ける方で、主に地権者の方々と聞いております。

○野上委員 一般的にですが、先ほど、一般的な協議会メンバーはということで伺いましたけれども、例えば練馬区の外環ノ2の協議会、あるいは沿道地区の住民の皆さんの意見を聞く場合は、大抵、地権者だけじゃなくて、沿道住民とか、その周辺に住んでいる住民の方がランダムに選ばれたり、あるいは、その工事案件に引っかかるといったら変ですけれども、工事案件に係る部分に住んでいらっしゃる方を中心に構成されるんですが、この対策協議会については主に地権者ということで、利害関係者によって構成されているということでございますね。
 ですので、もちろん協議会ということで、地域の住民の皆さんの意見の代表ということで、こういうふうに要望書が出て、それを東京都として、こんなに地元の方から建設促進の要望書が出ていますよというようなお示しの仕方というのは、非常に誤った使い方だと思っています。
 まして、この協議会から出た要望書については、あきる野市の職員の方が持ち回りで、持ち回りというか、持って回って、この協議会メンバー及び町内会の会長さんのところに行って判こを--持ってきたと。通常は要望書というのは、住民の皆さんの方から市を通して自発的に提出されるものです。この文書によると、先ほど申し上げました、あきる野市の職員の方が持って回って、町内会の会長さんに回る、あるいは協議会の方のところに回るというふうな形で提出をされておりますが、これについてはどのように認識されておりますか。

○萩原道路計画担当部長 先ほど、構成員ということで、私は主に地権者と申しました。例えば高瀬地区ですけれども、地域の地権者のうち六五%の方が協議会のメンバー、とともに市議会議員の方なども入っているということは補足させていただきたいと思います。
 平成二十一年十一月二十六日の環境・建設委員会において陳情が継続審査となったことを受けとめまして、改めて地元の声を確認しようと、あきる野市に意向を伝えました。市は、都道新設対策協議会に相談し、要望が取りまとめられたと聞いております。
 本年十一月の二十九日に、高瀬地区と平沢・二宮地区の協議会、それぞれの地元の代表の方が市の職員とともに、整備促進の要望に都庁に来られたということでございます。その際に、高瀬地区の協議会と高瀬町内会会長の連名の要望書と、平沢・二宮地区の協議会と平沢町内会会長、二宮町内会会長の連名の要望書、いわゆる二通を私ども直接いただきました。
 失礼いたしました。先ほどの答弁……(発言する者あり)はい、申しわけない。地元の方々ですけれども、やはり文書の作成にふなれだということで、要望書の作成はあきる野市がお手伝いしたと聞いております。済みませんでした。

○野上委員 先ほども申し上げましたが、要望書が出た後に、町内会長名で、その促進要望の書面を撤回するという事態が起きております。これについては、私自身は、第二の八ッ場ダムのようになってはいけないと思っています。
 もちろん、道路の建設、必要な道路については進めるべきだとは思いますが、利害関係者、特に長年住んでこられた地権者の方、あるいは、もう既に工事が進められるというふうに確認をされて、そこの土地を離れていった方、それぞれ立場が違う中で、住民の皆さん同士が非常に疑心暗鬼になる、反対をしよう、賛成をしよう、その言葉で毎日揺れ動くということは非常に不幸なことだと私自身は思っています。
 ですので、この要望書についてですが、公式には撤回されているというふうに認識をしておりますが、東京都は、要望を上げてきた地元の自治体あるいは会長に、意向あるいはこの審議を確認したんでしょうか。提出を要望された、そして撤回されたという経緯を踏まえてです。

○萩原道路計画担当部長 高瀬町内会会長さんに直接確認はしておりませんが、市に経過を確認したところ、都に要望を出した後で、会長のもとに町内の方が来られ、要望書は総会により決定をしていないことから取り消すよう要請を受け、総会の議決を受けていないことは事実であるため、その要請を受け入れたとのことであります。
 これまで都は、平成十九年度には協議会の要望を受けた市長から整備促進の要望、平成二十年度には市議会から整備促進を求める意見書をいただいており、地元の方の多くがこの道路整備を望まれていると認識しております。

○野上委員 ちょっと時間も限られておりますので、次の質問に行きますが、これまで、さきに陳情も出ておりますし、一時中断、事業の見直しというのも、非常に多くの方の署名が入っての陳情書が東京都議会にも過去には出ております。これまで住民への説明はどのように行われてきたのか、その経緯を改めて伺います。

○萩原道路計画担当部長 平成五年度に事業及び現況測量の説明会、七年度に用地測量の説明会、九年度に用地説明会を開催するなど、節目節目に事業の必要性や進め方などについて説明を行っております。十七年度からは、平井川流域連絡会や新設対策協議会へ説明を行ってまいりました。工事着手した二十年度からは、近隣の方々に道路工事や橋梁工事の説明会を開催しております。また、問い合わせや要望に対しましては個々に対応しております。
 引き続き、住民の方の理解と協力をいただけるよう説明に努め、事業を推進してまいります。

○野上委員 最後にちょっと要望を申し上げます。
 繰り返しになりますが、前回も、多くの方の署名入りで、この高瀬橋の周辺の工事については、一時中断と事業の見直しに関する陳情書を受け取っております。そして今回は、協議会あるいは町内会長の印が入った要望書が出ている。そして、その後に撤回の文書が出ている。住民の方に説明が行き届いていないのではないか、あるいは、きちんとした町内会あるいは協議会の総意を諮る手続を踏んでいないのではないか、そういった疑念が抱かれるような事例というか、ことが続いておりますので、この案件に関しては、ぜひ住民の皆さんの意向をきちんと踏まえて進めていく、あるいは環境に配慮した事業に持っていっていただきたいと思います。
 以上です。

○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○かち委員 二つの案件について意見を述べます。
 まず、第百八十八号議案、環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十二 一-環二愛宕工区)請負契約についてです。
 本工事は、環状二号線の新橋・虎ノ門地区約一・五キロの道路建設と再開発を一体的に行う事業であり、今回は、その道路建設の地下道路部分の愛宕通りとの交差点部分の工事請負契約の案件です。
 この事業は、都市整備局所管の再開発で二千三百四十億円、建設局所管分の地下道路分で四百七十億円、計二千八百十億円で、まさに一メートル一・八億円という巨額の事業です。都市再生という名のもとに、道路上にビルを建て、立体道路制度ということで容積率を大幅に緩和し、都内で二番目に高い超高層ビルを建てるものであり、また、従前住民のために都道路隣接に集合住宅を建てても、そのほとんどの住民は住み続けられないのが実態です。環境負荷からしても、住み続けられるまちづくりからしても、このような都市再生は認められません。本案はその事業の一環であり、本請負契約には反対です。
 次に、第百九十号議案、高瀬橋(仮称)PCけた製作・架設工事請負契約について。
 本契約案は、秋多三・三・九都市計画道路の延長のもと、平井川流域で唯一残された、きんちゃく田と多様な水生生物が豊かに息づく湿地帯と高瀬耕地に、長さ二百メートル弱に及ぶ自動車道をかける高瀬橋(仮称)の工事請負契約であります。
 質疑を通して、この付近には南北を結ぶ道路もあり、完成まであとわずかの計画道路の市道もあります。そうすれば、秋多三・三・九は八王子までつながるのです。貴重な自然に多大な影響を及ぼし、五十三億円もかけて整備しなければならない道路、橋梁建設とは思えません。オオタカの貴重な飛来地であることからしても、この計画は見直すべきです。何よりも、道路建設に近隣関係住民の合意が不十分な中で強行することは認められません。よって、第百九十号議案には反対です。
 以上です。

○橘委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時九分休憩

   午後四時二十六分開議

○橘委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百二十二号議案から第二百四十一号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○野口総務部長 去る十一月二十四日の当委員会におきまして付託議案に関し要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開きください。東京都立公園等及び東京都駐車場の指定管理者(平成二十二年度)でございます。
 この資料は、現在、指定管理者制度を導入しております建設局所管の各施設につきまして、その公の施設の名称、指定管理者の名称、指定年度及び指定の期間をあらわしたものでございます。
 二ページをお開きください。東京都立公園等及び東京都駐車場における指定管理者の収支実績及び執行体制(平成十八年度-平成二十一年度)でございます。
 この資料は、1として、収支実績につきまして、各グループ、施設ごとに年度別の収入額及び支出額をあらわしたものでございます。
 三ページをお開きください。2として、執行体制につきまして、各グループ、施設ごとに年度別の配置職員数をあらわしたものでございます。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○橘委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤委員 ただいま議題となりました指定管理者の指定についての議案について質疑を行いたいと思います。
 本題に入る前に、今回のこの議案中、特筆するべきすばらしい取り組みがございましたので、まず取り上げたいというふうに思います。それは、駐車場の指定についてでございます。
 我が会派は、これまで監理団体の行っている駐車場の管理運営について、効率性の観点、さらには契約のあり方の観点から、さまざまな問題点を指摘してまいりました。問題の解決には、情報をオープンにして、競争原理を入れていく必要があるということを重ねて訴えてまいりましたけれども、今回は、直営で運営していた板橋四ツ又駐車場も指定管理者制度で民間と競わせている点など、まず、この点について高く評価をさせていただきたいというふうに思います。
 今回、この議案、民間との競争を経て道路整備保全公社が指定管理者となったわけでありますけれども、選定された理由について、まずお伺いいたします。

○東道路管理部長 選定に当たりましては、外部委員を過半数とする選定委員会を設置し、管理運営力、利用者サービス及び都民への還元の各評価項目、配点等の選定法を決定の上、審査を行いました。
 その結果、東京都道路整備保全公社が提案した事業計画では、八重洲駐車場外四駐車場において、施設の特性を踏まえた安全確保など、駐車場と地下道路について一体管理する考え方や、地下道路を管理する上での十分な業務遂行能力を保有していることがすぐれておりました。
 また、八重洲駐車場外四駐車場、板橋四ツ又駐車場、いずれにおいても防犯対策や災害等非常時の危機管理体制が十分に確保されていること、駐車料金三十分未満無料化の導入、荷さばき可能駐車場の開始など、違法駐車の抑制及び環境負荷低減に資する公益的取り組みを行うとしていること、さらに、納入金の提案額が全応募者の中で最も高く、事業収益の都民への還元が大きいことなどから、公社が指定管理者候補者に選定されました。

○伊藤委員 大変すばらしいというふうに思います。
 この資料を見ますと、有数な、日本の有力な駐車場運営を行っている大企業と堂々と渡り合って、確かに中には、管理運営能力や利用者サービスで、数ポイントでありますけれども、負けている項目がありますが、さっきのご答弁にあるとおり、都民への還元という項目で一〇・二ポイントも引き離して公社が受けたということであります。どちらの案件とも都民への還元という項目を特に重要視しているようですけれども、評価項目についてはどのような考え方で設定したのでしょうか。

○東道路管理部長 指定管理者制度導入の目的である住民サービスの向上と経費の節減を踏まえまして、選定委員会において、都営駐車場の指定管理者に求められる評価項目として、住民サービスの向上に相当する項目を管理運営力及び利用者サービスとし、また、経費の節減に相当する項目を都民への還元とし、それぞれの評価項目ごとの配点を決定いたしました。都民への還元は、利用者サービスの向上等により確保した事業収益を都へ納入することで、それがより広く都民還元につながることから、納入金を指標といたしました。

○伊藤委員 ただいまのご答弁にもありましたように、都民の共有財産である公共駐車場を活用して公益的な取り組みを行い、かつ前回よりも多くの納入金を東京都に納めるという目的を見事達成されております。八重洲を初め五駐車場においては、二十三年から二十七年度に当たりまして、総額で二十四億円余の多額の納入金を東京都に入れていただくということでもあります。
 公募により民間事業者とも競争する過程で、道路整備保全公社がかなり努力を積み重ねてこられたということは、まさに指定管理者制度の理念にかなった大変すばらしい取り組みであり、他の監理団体のお手本というふうにいえるとも思います。重ねて高く評価をするとともに、公社は、これにとどまらず、これからも努力をしていただきたいと要望しておきたいと思います。
 それでは、本編に入りたいというふうに思います。
 指定管理者制度は、多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに経費の節減を図ることを目的として、二〇〇三年の地方自治法改正により創設をされた制度であります。都でも多くの施設で導入がなされておりますけれども、今回の議案は、一期目の指定期間を終えて二期目の指定を行うものであります。新しい制度ということもありまして、制度上や、また運用上の問題も多々指摘をされているところであります。いわば、まだ走りながら考えているというような面もありまして、必要な見直しを適宜行いながら、よりよい制度になるように、私自身の提案も含めて、以下、質問をしたいと思います。
 まず、制度の見直しについてお伺いいたしますが、今回、指定管理者の選定に当たって、都は制度運用の見直しをしておりますけれども、この五年間の実績をどう評価、検証し、見直しに至ったんでしょうか。お伺いいたします。

○野口総務部長 指定管理者につきましては、毎年度、都の統一的な基準に基づき、外部委員の入った評価委員会を組織し、管理状況や事業効果などについて総合的な評価を実施した結果、公の施設における都民サービスの向上と行政の効率化の両面にわたる効果を確認できました。
 一方、今回の指定管理者の更新に当たり、都として制度の検証を行う中で、政策連動性や管理運営の特殊性が高い公の施設については公的性格を持つ団体が担う必要があることや、質の高い行政サービスの安定的な供給の必要性などが明らかになりました。このため、今回、制度運用の見直しを行ったものでございます。

○伊藤委員 外部委員を入れて第三者的な評価を総合的にするという改革をされたということでありますけれども、建設局では、今回の指定管理者の選定に当たりまして、どのような見直しをやったんでしょうか。

○野口総務部長 建設局では、都の重要な政策と密接な関連のある施設として、防災公園と文化財庭園がございます。防災公園については、災害発生時に避難場所と防災拠点という極めて重要な役割を担っていること、文化財庭園につきましては、いずれも国や都の文化財指定を受けた世界に誇る名園で、文化的、歴史的価値を有し、高度に専門的な管理を要することから、公募の対象とせず、都が求める質の高い管理能力を持つ唯一の団体でございます東京都公園協会を指定管理者として特命により選定することといたしました。

○伊藤委員 東京都との政策の連動性ということと、あとは、それを請け負う実力があるということで選定をしたということでありますけれども、これについて各論をお聞きしたいと思います。
 今回、都立公園、庭園、公園施設合わせて七十五カ所の施設中、実に三割に当たる二十五カ所の公園や庭園が特命とされております。前回、公募であったものも、今回、特命になっている例も見られます。先ほど駐車場の件は褒めましたけれども、これは余り褒められた話じゃないというふうに思います。
 というのも、やっぱりこの制度の特徴は、先ほども繰り返しいっているように、住民のサービスの向上を図ることと経費の節減でありますから、本来であるならば、特命ではなくて民間ときちんと競合させてやるべきだというふうに思いますし、特命で行うなら、サービスの向上と経費の節減がしっかりと担保されていかなければいけない、このように思っております。
 多くの公園を特命で、公園協会を指定管理者として選定をしておりますけれども、その理由についてお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 まず、防災公園につきましては、発災時に避難場所と防災拠点になるという極めて重要な二つの役割がございます。指定管理者には、行政の救援活動を支え、防災拠点となるオープンスペースを確保するという、行政の応急復旧活動の一翼を担う能力が必要であります。監理団体であります東京都公園協会は、発災時には迅速な初動活動ができる体制を整えてまいりました。防災公園における防災対応力を維持向上させ、都民の生命と財産を守るという都の政策を実現していくためには、そのような能力と実績を持つ団体は公園協会をおいてほかになく、特命で公園協会を指定管理者候補者に選定いたしました。
 また、都立庭園はいずれも、国や都の文化財指定を受けた世界に誇る名園でございます。都立庭園を確実に保存していくことは、都に課せられた重要な責務でございます。公園協会は、都が長年培ってきました技術力を受け継ぎ、庭園文化を具現化できる人材を育成し、高い技術力で管理を行うなど、積極的にその役割を果たしてまいりました。公園協会は都が求める質の高い管理能力を有する唯一の団体であり、都立庭園を次世代へ確実に継承していくという都の責務を果たしていくため、特命で公園協会を指定管理者候補者としまして選定いたしました。

○伊藤委員 どれぐらいの成果、効率化またはサービスが向上したのかについては後ほど詰めたいというふうに思いますが、ある金融機関の調査によりますと、これは二〇〇六年のレポートでありますが、指定管理者制度にみる官業の民間開放の現状と課題というレポートの中で、選定過程から見たコストの削減効果というところに考察がなされております。応募者が二者以上で公募をかけた場合は、実に一八・八%のコストの削減効果があったと。非公募であっても九・三%の削減効果があると。ですから、指定管理者制度を導入することによっても確かに効果が上がるけれども、公募でやれば、よりその効果が上がるということがこれで明らかになっていると思います。
 私は、もう、安ければいいという議論にくみするつもりは全くございません。サービスの向上がどれだけ図られているかということをきちんと検証していかなければならないというふうに思いますが、それは、先ほどもいったように、後ほど確認をとらせていただきたいと思います。
 今までの答弁で、東京都の求める高いハードルを超えることのできる実力を公園協会が持っているから特命でお願いをするんですという答弁がありました。これは直接、今回の議案ではございませんけれども、平成二十一年に、本件と同様に特命で公園協会を指定管理者として選定した防災公園、代々木公園と水元公園、非常に大きな公園でありますけれども、これら二つの公園では、平成二十一年に委託をお願いしているにもかかわらず、まだ一度も地域と連携した防災訓練が行われていないという実態があります。特に、私の地元の水元公園では、四月から管理をしているにもかかわらず、区役所と防災訓練の打ち合わせを始めたのはことしの五月。実に一年一カ月もかけてやっと行政に行っている。一年間も協議をしなかったのは協会の怠慢であり、大変遺憾なことであるというふうに思いますけれども、この事実を都としてどのように考えているんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 水元公園では、日ごろの管理を通じまして地域住民と連帯感を深めた上で、区との合同防災訓練の実施に向け本年五月から協議を進め、年明けには実施予定でございます。一連の動きにつきましては、委員ご指摘のとおりスピード感に欠けており、ご指摘を真摯に受けとめたいと思っております。
 なお、防災公園グループ内の他の公園では、年々、地域と連携した防災訓練が拡充されてきたと認識しております。

○伊藤委員 この一年間は、足場を固めるためにいろいろ体制を整備してきたということはわかりますけれども、事前に建設局からいただいた資料によると、防災公園は都の救援活動のかなめとなる施設だと、防災公園には特性が三つあって、公園協会の特性は、その三つをどれもきちんとやっているから、特命でお願いしますという話なんです。今回の議論とは関係ありませんけれども、そのレベルに大分ばらつきがあるといわざるを得ませんし、余りにもスピード感がなさ過ぎるというふうにいわざるを得ないというふうに思います。
 そこで確認をいたしますけれども、防災公園グループにおいて、発災時、公園協会の職員はどのような役割を担うんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 行政による応急復旧活動の一翼を担う防災公園の職員は、特に勤務時間外に災害が発生した場合、直ちに人命救助の最前線に立つこととなり、真っ先に公園内の人命救助や消火活動に当たることになります。また、公園への避難者の安全を確保するため、避難場所への誘導路を重点的に点検し、円滑な避難活動の妨げとなる障害物を除去し、避難民を避難場所に誘導補助することとしております。そして、自衛隊、警察、消防、医療機関等が活動するヘリポートや活動拠点候補地が安全に使用できる状態かどうか確認し、オープンスペースを確保することとしております。

○伊藤委員 手元に公園協会のつくった震災対策マニュアル、平成十八年三月につくったマニュアルがございますけれども、このマニュアルによりますと、非常時の公園管理の基本原則として、災害発生時の公園管理は、非常連絡体制の確保と関係機関への情報提供体制に特化することを原則とするというふうにあるんですね。ですから、まずきちんと公園の施設を守って、それぞれ大きな防災公園をネットワークとして東京都は持っている、そのきちんとしたインフラを公園協会にやってもらうという発想だとは思うんですけれども、これぐらいの情報体制の維持というものを、一年間かけないと体制ができないというのは、重ね重ねですけれども、ちょっと体制に問題があるというふうに私は思いますし、そもそもこのマニュアルも十八年、もう五年も前につくったマニュアルをいまだに持っているというのは、まことに残念であります。ちなみに東京都の地域防災計画は、災害対策基本法第四十条の規定に基づいて毎年検討を加えて、必要があると認めるときは修正をしております。震災対策マニュアルの改定が必要と考えます。
 さらに、この水元公園にはもう一つ問題があります。地域との連携を深めているといっておりますけれども、やっぱり連携先として最も大事にしなきゃいけないのは地元の消防団であるというふうに思います。当然、役所ともやらなければいけませんけれども、地域、町会や消防団とちゃんと連携をとっていかなければいけない。しかし、この水元公園の駐車場というのは、私も分団員の一人でありますけれども、地元の金町消防団のポンプ操法の大会であるとか、あとは、区にはもう一つ消防団がありますけれども、本田消防団との合同点検の開催場所となっているんですね。この二大イベントを、地元では土日休日にぜひとも開催させてもらいたいと要望しているにもかかわらず、過去たった一回、休日に開催した後は、公園協会は全くその要望を聞かずに、平日にポンプ操法大会を行わざるを得なくなっています。このポンプ操法大会に向けて、消防団はもう何カ月も前から準備を行います。ただ、当日、平日にやらざるを得ないから、残念ながら選手になれないという人もたくさんいるんです。こういうふうに、今は会社員が非常に多くなっていますから、運営に支障が出てしまっております。
 地元との信頼関係を築くためにも、防災公園としての機能を強化するためにも、地元の要望はもっとしっかりと聞くべきと思いますけれども、都の所見を伺います。

○滝澤公園管理担当部長 水元公園での地元消防団による防災訓練につきましては、公園協会に確認をいたしました。日程が行楽シーズンと重なっていたため、多くの来園者の利用に配慮するなど総合的に判断し、土日の実施は難しいという回答をしたとの報告を受けております。
 防災公園としての機能を強化するためには、地元消防団を初めとした地元の団体や住民との連携が不可欠でございます。今後は丁寧な連絡や調整に努め、信頼関係を深めてまいります。
 なお、震災対策マニュアルにつきましては、この五年間の訓練等の成果を受けまして、現在改定作業中でございます。マニュアルの概要版につきましては、三回目の改定をことしの八月に行っております。

○伊藤委員 ですから、まあ、ちゃんとやっていただくということでありますけれども、特命で任せているからこういうことになっちゃうんじゃないかといわれちゃうんですよ。ですから、いかに日常から、区だけじゃなくて地域に入っていろんな要望を聞く。何で都立の公園なのに使わせてくれないんだというのが地元の意見ですから、きちんとこれからはやっていただきたいというふうに思います。
 先ほどいったように、確かにほかの公園では、区との連携をやっている公園というのはほかにたくさんありますが、これを見てもやっぱりばらつきがあるんですね。もうちょっとレベルアップをしていただきたいというふうに思います。
 このような状況で、十二もの公園を新たに管理させるのは、私は問題が一部あると思います。管理体制の強化など対策を講じていくべきと考えますが、所見を伺います。具体的な改善策についてもお答えください。

○滝澤公園管理担当部長 都民の生命と財産を守るかなめとなる防災公園は、都の政策との連動性が高い公園でございます。都と監理団体であります公園協会とが一体となって、応急復旧活動という重要な責務を果たしていく必要がございます。このため、都と協会とが一体となって防災対応力の向上を目指す協議会を立ち上げました。
 今後とも、この五年間の訓練実績の上に、関係防災機関や地域と連携した訓練をさらに積み重ね、防災公園同士が防災対応力を切磋琢磨し合うなど、防災対応力のさらなるレベルアップを、都と公園協会とが一体となって求めていく決意でございます。

○伊藤委員 防災というのは人の生命に直結する非常に重要な仕事でございますので、公園協会に任せるだけじゃなくて、都としてもきちんと現場を見て、連携強化をぜひともしていただきたいというふうに思います。
 次に、同じく特命で選定をされております文化財庭園グループについて伺います。
 文化財庭園グループにおいて公園協会職員はどのような役割を担うのでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 公園協会職員は、来園者に対する案内サービスや、都立庭園を心地よく鑑賞していただくため、毎朝の巡回から始まり、掃き清めた園路を歩いていただくなど、おもてなしの心を持って日々の管理を行っております。また、雪つりの作業風景を一般来園者に見学していただく伝統技能見学会を実施するなど、庭づくりのわざを広く紹介する取り組みも行っております。

○伊藤委員 実は事前にお出しいただいた選定委員会の資料を見て、この文化財庭園グループについては、東京都との政策の連動性というけれども、これは実は民間でやった方がいいんじゃないかという議論が起きるんじゃないか、それについてはもうちょっと東京都として論を補強してくださいという議論があったというふうに思います。
 後ほど提案申し上げますけれども、現行制度では難しいのかもしれませんけれども、この制度でやるということになりますと、今回は利用料金制が導入をされております。事業計画書における収支差額に基づいて東京都は委託料を払っている。上がりだけでは足りない分を委託料としてお支払いして管理をやってもらうということ、考え方だと思います。文化財庭園グループは九つの公園でなっておりますけれども、中には、土日や休日には券売機に列をなすほどの大変人気のある庭園もあるというふうにお聞きします。PRのやり方を工夫したり、魅力ある附帯設備を設置するなど、的確なサービス向上策で入園者がふえれば、都が支払う委託料をより減らすことができますし、理想をいえば、すべて利用料金で賄っていただいて、さらに利益を公園協会で取っていただくのが理想だというふうに思いますけれども、今回の公園協会からの提案内容には、そのようなサービス向上策はあったんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 これまで公園協会では、利用者数の拡大を図る質の高いサービスの取り組みとして、桜や紅葉の時期に合わせたライトアップの実施、ホームページの五カ国語対応、庭園ガイドやパンフレットの充実などに取り組んできた結果、指定管理者制度導入後、入園者数が約二十三万人の増加となりました。
 新たな取り組みとしまして、携帯電話アプリケーションなど新たな広告媒体を活用した戦略的な広報、PRの展開などにより、入園者数増、利用料金収入増を図ってまいります。

○伊藤委員 事業概要書には、オリジナルグッズを売ることを強化したりということもありますので、そういうことを、できるだけそういった斬新な発想を取り入れていただいて、できるだけ税金からの投入を減らすように努力をしていただきたいと思いますし、これは利用料金制度ですから、どれぐらいの入場者があったということはもう数字として出てきますので、これからしっかりとこの五年間やるということになれば、我々もチェックをしていきたいというふうに思います。
 次に、情報公開についてお伺いしたいと思います。
 今回、第四回定例会の代表質問で、我が党の質問に答えまして総務局長から、情報公開の取り組みを通じて都民への説明責任を果たしていくよう働きかけていくと、これは監理団体へということでありますけれども、建設局ではどのように公園協会の契約の透明性向上に取り組むのか、お伺いいたします。

○野口総務部長 先般、策定されました東京都監理団体活用方針にのっとりまして、都から特命で受託した事業等については、契約情報の公表範囲を二百五十万円以上に拡大いたします。さらに、このうち協会が特命で契約を行う、いわゆる特定契約については、二百五十万円未満の契約も含めて全件公表してまいります。
 建設局といたしましては、このような協会の行う透明性向上に向けた取り組みを通じまして、都民への説明責任を果たしていくよう指導してまいります。

○伊藤委員 情報公開というのは非常に重要な要素でございますので、引き続きそういうように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 総務局の調べによりますと、全監理団体のうち七つの団体に情報公開審査会というものが未設置であるということがわかりました。公園協会では情報公開審査会は設置をされているんでしょうか。されている場合は、その委員の中に外部委員を含み、適切な情報開示の運用ができているんでしょうか。お伺いいたします。

○野口総務部長 公園協会は、情報公開規程第十九条に基づき、情報公開審査会を設置しております。審査会委員につきましては、理事長が学識経験者を委員として任命することができると定めておりますので、外部委員の登用について検討するよう協会を指導してまいります。

○伊藤委員 当事者が不服申し立てについてまた審査を行うというのは、やはりこれはどう考えても公平性を欠くというふうに思いますので、これはもう早急に外部委員を選定していただきたいというふうに思います。
 また、今回、新たに民間事業者の参入が複数ございました。公の施設管理に関しましては、その契約や運営状態の情報公開の確保策はどうなっているんでしょうか、お伺いいたします。

○野口総務部長 指定管理者に係る情報公開につきましては、都の指針に基づき、指定を受けた事業者との間で締結する管理運営に関する協定において、東京都情報公開条例の趣旨にのっとり、みずからの管理施設に係る情報についての公開に努めることや、都が行う情報公開及び開示等の手続についても協力することを定めることとしており、原則として、この協定に基づき各事業者が自主的な判断で、あるいは都の求めに応じて対応することとなります。
 なお、公募により選定された株式会社などの事業者は、他者との競い合いの結果、指定管理者候補者として選定されており、契約等の企業経営上の情報公開に係る判断につきましては、一定の制約があるものと考えております。

○伊藤委員 確かに民民の契約について東京都があれやこれやと口を出さないというのはわかります。しかし、税の投入がある、公の施設を管理するために税金を投入してやっている事業でありますから、確かにいろんな制約はありますけれども、努力目標的なものであるというふうには思いますけれども、ぜひとも東京都から適切に求めていただいて、できるだけ多くの情報が公開できるように、これは努力をしていただきたいというふうに思います。
 先ほど前段に、どれぐらいのサービスの向上があったかということがなかなかわかりづらいというお話をさせていただきました。これは指定管理者制度そのものも問題であるというふうにも思いますけれども、現行制度ではそれに当たるものとして、指定管理者管理運営状況評価という制度がございます。これは年に一度、指定管理者が都の評価を知ることができる機会であるとともに、都民が指定管理者の取り組みを知ることができる大変貴重な機会であります。
 しかしながら、平成二十二年九月二十一日に公表された都立公園等の指定管理者の管理運営状況に対する評価というものを見ますと、手元にあるんですけれども、例えば武蔵野公園グループのほとんどには、ウオークラリー、秋めぐりを実施したというコメントしか載っていないんですね。非常に画一的な評価だなというふうにも思いますし、例えば秋めぐりを実施してどれぐらいの人が来たのかとか、どういう実績が上がったのかということもちょっと書いていただいたらわかりやすいなと思いますし、都からの指定管理料でどのような事業を行って、どのような使途に使ったのか、事業収支なども、これは公表されていない。指定管理者によりよい管理を行わせるためには、各公園の特性に合ったきめ細かい評価を行い、その結果を都民にわかりやすいように公表するべきというふうに考えますけれども、ご所見を伺います。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理者管理運営状況評価結果では、グループ全体で指定管理者が取り組んだ内容が評価された場合には、同じような表現のコメントが付されることがございます。
 今後は、各公園での指定管理者の取り組み内容とその評価結果をより都民にわかりやすい形で公表できるよう努めてまいります。

○伊藤委員 今回の議案は二期目の選定を行うということでありますが、グループ分けが変わった関係上、じゃあ、前回に比べて今回はどれぐらいの節減効果があったかということが検証できないという問題があります。ですから、各公園に着目をして、どれぐらいのお金を投下して、どれぐらいの事業をやって、どういう成果が上がったのかと、費用対効果がわかる情報公開をぜひとも工夫してやっていただきたいというふうに思います。
 さらに、これら特命案件については、運営状況について透明性の向上と、より詳しい説明責任を果たしていかなければならないと考えますけれども、今後どう取り組んでいくんでしょうか、お伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 都の政策との連動性が高い施設の管理運営に対する評価につきましては、今後、指定期間全体の事業計画における事業がどの程度進捗し、政策目的の実現がどれぐらい図られたかなど、評価の仕組みや公表内容等について検討してまいります。

○伊藤委員 これができれば大分、評価ということも議会のチェックも働きますし、それを使う利用者の利便性の向上にもつながるというふうに思いますので、ぜひとも研究をして、わかりやすい情報公開をしていただきたいというふうに思います。
 最後の項目になりますけれども、サービスの向上についてお伺いしたいと思います。
 適正な評価をするためにも、公園のよりよい管理運営のためにも、利用者の要望にこたえていく姿勢は欠かせません。その要望を各指定管理者は現在どのように受けているんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 利用者からの要望は多種多様でございます。公園によっては件数も多くなっております。指定管理者は、各公園の受付窓口、ご意見箱、電話やインターネットなど、さまざまな手段、手法を活用して要望を受けとめております。そして、これを改善の好機ととらえ管理運営に生かしております。利用者からの発信を受けるだけではなく、利用者満足度調査も実施しております。

○伊藤委員 各公園でいろんな取り組みをしていただいているということはわかりましたが、この利用者満足度調査にはどのような声が寄せられて、それにどのようにこたえたんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 公園の利用者満足度調査は年に一回、公園に来た目的、トイレ等施設の清潔さ、スタッフの対応、その公園のよい点、改善すべき点などの項目について幅広い年代の方にお答えいただいております。その結果、おおむね良好という評価をいただいておりますが、一方で、犬散歩者のマナー、トイレの管理等、改善すべきとの要望が多かった項目については、巡回の際に特に注意するなど、日常の管理運営に生かしております。

○伊藤委員 そうした日常の業務に生かしていただいているということでありますけれども、先ほど答弁の中に、年に一回というお話がありました。イベントがあるときとイベントがないときでは、公園を訪れる方の種類というか、地元の方か外の方かということですけれども、これは全く違う。アンケートのとり方によっても多分いろいろな声が上がってくると思います。年齢であるとか性別であるとかは大分バランスをとっていただいているということでありますが、各公園、百件程度の声を集めていただいています。
 それが多いか少ないか、いろんな議論があると思いますが、私はもう少し、日常業務として職員の方みずからがそのアンケート用紙を持って、ふだんからアンケートをとっていただくことも必要だというふうに思いますし、この満足度調査の結果を私も見せていただきましたけれども、質問項目が、全部の公園が画一的でありました。よりよい管理運営のためには、現場の声をもっと反映し、そして各公園の特性に合った項目を入れる必要があるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。お伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 利用者満足度調査の結果は、利用者の意向を知るための大切な情報でございます。各公園ごと、グループごとの比較や経年変化を見るために、同一の項目による調査が必要でございますが、各公園の特性を反映した項目の追加など、より指定管理者の自由度を高める方向で改善を加えてまいります。

○伊藤委員 ぜひとも柔軟に対応していただいて、きちんと全体で把握をしなければいけない情報と、それぞれの現場で情報を把握していく情報、いろいろあると思いますので、ぜひとも工夫をしていただきたいというふうに思います。
 今回、るる質問させていただきました。先ほどもいったように、特命で行うということについては、やはり改革の流れからいって、特別な説明責任を伴うことでありますし、だからこそ、よりサービスの向上ということについてきちんとチェックのできる体制をとっていただきたいというふうに思います。それについて、今回、局は努力をしていただけるということでございますので、私は、特命であるということはベストな選択ではないというふうには思いますけれども、引き続き我々としても、公園の管理というものが適切に行われているのか、向上策はどうであるのかということをこれからもチェックしたいと思います。
 大分要望をきちんと聞いていただいて、これから努力していただくということでございますので、それが的確に実行されることを要望いたしまして、質問を終わります。

○山田委員 都立公園についてお伺いいたします。
 都立公園に初めて指定管理者制度が導入されましたのが、平成十六年度の小山内裏公園でありまして、平成十八年度に多くの公園でこの指定管理者制度が本格導入されました。それから五年目となりまして、今、更新時期を迎えたということであります。この機会をとらえまして、都立公園について、まず総括的な質問をさせていただきたいと思います。
 地域住民に愛され、広く都民に利用されている都立公園でありますが、七十九ある都立公園のうち、直営の公園は二公園のみであります。今回、議案では七十五もの公園が一斉に指定管理者の指定の対象となっておりますけれども、そこでまず初めに、指定管理者制度の更新時期に当たりまして、都立公園における都の管理運営方針についてお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 都立公園では、各公園の持つ役割を理解し、指定管理者が持つノウハウを発揮しながら、都民サービスの向上と適切な管理水準を確保すること、都民との協働を推進し、公園の運営や維持管理、環境教育や環境保全等に寄与する活動を推進すること、都民の多様なニーズにこたえるため、要望等を管理運営に反映させることなどが重要であり、指定管理者に管理運営方針として示しているところでございます。
 都立公園は、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供するなど、快適で安全な都民生活に欠かせない役割を果たすことのできるものと認識しております。

○山田委員 指定管理者に対しては、指定管理者が持つノウハウを発揮していただいて、そして今ご答弁があったように、快適で安全な都民生活に欠かせない都立公園になることを都が期待をして、指定管理者に求めているということがよくわかりました。
 我々自民党といたしましても、平成二十一年六月に、都政と連動した公共事業のあり方、その運営を担う場合の多い監理団体について、今後のあるべき姿、公共事業の正しいあり方について、第二回報告書として取りまとめて提言をいたしました。これですが、局の皆さんも読んでいただいたと思いますけれども、提言をさせていただいたところでもございます。
 その中で、指定管理者制度については、公の施設が住民福祉の向上に真に寄与しているかという本質的な視点に立って検証を行うべきと申し述べております。そして、都立公園につきましても言及させていただいております。都立公園には多種多様な公園がございます。独自のノウハウや技術が必要になるとも述べさせていただいておりますし、文化財庭園あるいは防災施策との連動性を持つ大規模公園などはその代表例であると思っております。その公園が果たすべき本来の役割を損なってしまっては本末転倒でありますし、腹立たしいと考えるものであります。
 重要な点は、コスト削減よりも、やはり政策実現性を重視いたしました指定管理者制度の構築が必要だということでありますけれども、さらにそれと同時に、技術の継承や人材育成の面からいいましても、監理団体は都政の重要な現場を担っておりますので、その現場経験や人材交流により職員のスキルアップを図るべきであると考えております。
 そこでお尋ねいたしますけれども、都立公園のうち、とりわけ文化財庭園グループや防災施策との連動性を持つ防災公園グループについては、公の施設が持つ目的と政策実現性を確保していく観点から、今回の指定管理者選定に当たってどのように取り組んだのか、お答えいただきたいと思います。

○滝澤公園管理担当部長 都立公園におきまして、ご指摘のとおり、住民福祉向上に真に寄与しているか、政策目的が実行されているかなどが極めて重要でございます。都立公園の中には、文化財を保存し次世代に確実に継承していく必要がある庭園や、都民の生命と財産を守るかなめとなる防災公園など、都の政策との連動性が高い公園や、施設管理運営の特殊性が高い施設がございます。公の施設の設置目的及び管理運営を通じて、達成しようとする政策目的を実現していくためには、都の意向を反映できる公的性格を持つ監理団体であり、これまでの実績をも有する東京都公園協会による管理が最適と考え、今回の選定において特命選定としたところでございます。
 豊かな緑による風格ある都市景観の形成、災害発生時避難場所や救援活動の拠点となるなど、公園が持つ本来の役割を果たしてこそ都民の負託にこたえることができるものと認識しております。

○山田委員 今回の指定管理者の監理団体の特命選定は、公の施設が本来果たすべき役割に応じた指定管理者制度の運用であると考えております。
 次に、具体的に防災公園グループについてお伺いいたします。
 現在、防災公園グループの公園は、大規模救出あるいは救助活動拠点などとして指定されております。まさに公益的な観点から、広く都民の生命を守る大規模公園であります。これらの防災公園の都における政策上の位置づけ、公園の役割や機能、そして管理運営上の課題についてお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 防災公園グループの公園は、災害発生時に避難場所と防災拠点という、行政の応急復旧活動における極めて重要な二つの役割を担っており、都は現在、その必要な整備を優先的に進めているところでございます。
 防災公園の機能を災害発生時に効果的に発揮するには、ハード、ソフト両面から充実を図っていく必要がございます。防災公園の管理には、災害発生時避難場所における救援活動を支え、防災拠点となるオープンスペースの確保など、行政の応急復旧活動の一翼を担うことが求められ、指定管理者は行政が担うべき公助の機能を発揮するものでございます。指定管理者が行う防災公園の管理運営は、行政政策的な性格を色濃く有しているものと認識しております。

○山田委員 防災公園につきましては、避難場所と防災拠点という大変重要な役割を担っているということでありまして、防災公園の位置づけについてはよくわかりました。また、防災公園の指定管理者は、行政を補完する機能的な、政策的な性格が色濃いということだと思いますし、防災公園の管理運営については、やはり都の行政補完、支援機能を有する監理団体であります、公益財団法人であります東京都公園協会に任せることは妥当な選択であると思っております。
 では、その監理団体であります公園協会は、都の応急復旧活動という政策を実現していく体制をどのように整えているのか、それをお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 公園協会は、都の防災対策を理解した上で、公園別の防災推進計画を策定し、防災公園グループの職員全員が研修等でスキルアップを図っております。迅速な参集態勢や初動態勢を構築されており、本社や防災公園グループ間では、発災時を想定した防災訓練を実施しております。関係防災機関との連携、連絡体制を確保した上で、平常時から、地元住民との協力関係をもとに、地域と連携した訓練を拡充しており、体制はおおむね整っているものと認識しております。
 さらに、新たな取り組みとして、防災意識の醸成を図るため、職員による公園内防災施設ガイドツアーや、NPO団体などとの連携による防災関連のイベントを展開していくこととしております。

○山田委員 今のご答弁で、基本的には公園協会において防災公園を担う体制がほぼでき上がっている、そして都が求める水準も満たしているということを確認させていただきました。
 いざ災害が起きたときに、いち早く都民の生命を守る、命を守る最前線に立つ防災公園の役割に期待をいたしたいと思っております。
 次に、文化財庭園グループについてお伺いいたします。
 文化財庭園グループの都立九庭園は、いずれも国や都の文化財指定を受けた日本が誇る名園であると思います。このかけがえのない文化財庭園における都の責務と指定管理者の役割についてお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 江戸から続く都民共有の財産でございます都立庭園を保存し、次世代へ確実に継承していくことは、都の重要な責務であり、都は、庭園の魅力をさらに高めるため、都立庭園を往時の姿に戻す復元作業を進めているところでございます。
 都立庭園の指定管理者は、歴史的な文献等から庭づくりの意図を読み取り趣ある景色を形づくる、質の高い判断力や技術力が求められており、そうした力を生かして実際の庭園維持管理を担っております。

○山田委員 公園協会は、都民共有の財産であります都立庭園を保存し、そして次世代へ確実に継承していくという都の政策を実現していくだけの体制を整えていただいておると思いますが、どのように整えているのか、その内容についてお伺いいたします。

○滝澤公園管理担当部長 公園協会では、習熟した技術を持つ職員が日々の管理作業を通じまして人材を組織的に育成することで、文化財庭園の保存に必要不可欠なわざと心を継続的に蓄積し伝承していく体制を構築しております。
 新たに庭園の持つ魅力を最大限に発揮するため、例えば浜離宮恩賜庭園で、松の御茶屋の復元を機に、庭園にゆかりのある将軍のお食事や江戸和菓子を再現し、江戸文化を体感する取り組みを行うこととしております。

○山田委員 これまでご答弁いただいた内容を拝見いたしますと、文化財庭園や防災公園、指定管理者として大変ふさわしいと考えるものであります。
 さきの平成二十一年の我が党の提言では、監理団体についてはどのように位置づけ、どう活用していくべきかについて述べさせていただいたところでもあります。監理団体は、石原知事就任当初から、当初六十四あった団体が三十三団体、その数が既に半減しております。今後、質、量ともにさらなる改革を進めるべきことはいうまでもありませんけれども、監理団体は、都民のための政策を実現する上での都政の重要なパートナーでありまして、監理団体のような組織が公益性と効率性を十分に発揮して都民福祉向上に寄与する都政こそ、目指すべき次世代の都政の一面であると考えるものであります。
 そこで、監理団体であります東京都公園協会については、都政の現場でどのような役割を果たしていくべきか、都の所見をお尋ねいたします。

○滝澤公園管理担当部長 公園協会は、都の政策をよく理解し、高い技術力を有するとともに、こうした人材を育成し、適正な管理と安定的な都民サービスを行っております。また、公園協会は、都市緑化の普及活動や公園のフィールドを生かした都民向けの講座など、さまざまな公益事業に取り組んでおります。
 今後とも、地域や都民に必要な政策を実現していくため、豊富な経験とノウハウを有する公園協会を都の重要なパートナーとして位置づけ、最大限活用してまいります。

○山田委員 指定管理者制度のさらなるレベルアップは、都政のレベルアップにもほかなりません。その観点から、建設局は今後とも、公の施設としての機能向上につながる制度の運用改善に努め、都民サービスの向上に確実につなげるとともに、公園協会を適切に指導しながら、真に都民のために必要とされる監理団体として、さらなるレベルアップを図っていくことを特に要望したいと思います。
 最後に局長にお伺いいたしたいと思いますが、都政は現場を持っていることが強みであります。このことは常に知事が言及されていることでありますけれども、この強みをともすれば切り離すことがないよう、これが大変危惧されるものであります。したがって、監理団体をどのように活用していくかが今後大きな課題であると考えます。都立公園の現場を支えるのは都の職員であり、公園協会の職員でもあります。技術の継承、人材の育成の面から、今回、公園協会を特命としたことについて、局長の認識をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

○村尾建設局長 公益財団法人東京都公園協会は、都立公園という都民生活の最前線の現場を担っております。アウトソーシングにより、都からこうした生身の現場が離れていく中で、都自身が持つ技術やノウハウをどのように継承していくかが大きな課題となっております。日本有数の庭園とか、都民の生命を守る防災公園、これはお金でははかれない価値だと、まさにこうしたことこそ都政の最重要課題、最重要施策だというふうに思っていますし、我々が担っていかなきゃいけない役割だというふうに考えております。
 今回、防災公園グループ、それから文化財庭園グループについて公園協会を特命とすることで、都政の中でも重要な役割が期待される、これら都立公園を長期的、安定的に管理運営できることとなれば、技術の継承、それから人材の育成の面ではかり知れないメリットがあることはもちろんでございますが、何よりも都民の生命、かけがえのない文化財、こうしたものが守られていくということが極めて重要だというふうに考えております。そのために、すぐれた技術力を持って長年の実績がある公園協会を特命とすることで、これまで以上に都立公園における政策実現性を高めて、都民のサービスの向上を図るとともに、都民の負託にこたえるということで、全力で局職員、協会職員問わずこたえていきたいというふうに思います。

○木内委員 都政における条例の実施、あるいは事業の展開、あるいは制度、政策の遂行ということについては、常に議会でのやりとり、運用等、確認されたことがもとになって行われるわけでありまして、ここに執行機関と議会との車の両輪論というのが成立をしてくるわけ。
 今回、議論しております指定管理者制度というのは、実は本格導入をするに当たって議会で随分議論をされて、私も相当に勉強させていただいて、議会で提案をし、あるいはあるべき姿というものを申し上げながら来た経過を、今、懐かしく思い出しておりました。
 その意味では、私はこの指定管理者制度の育ての親の一人だと思っておりますし、当時の会議録を実は渉猟しながら、もう一度当時の議論というものを確認したわけであります。特に昭和--失礼、私は昭和生まれだけど、今、平成の議論だからね、十七年の議論のときに、私はこう申し上げている。
 指定管理者の選定方法といいますのは、大きく分けて三つ、公募、限定公募、特命、いわゆる随契に近い形での特命というものがあるわけであります、こう申し上げて、同時に、当時の気持ちとしては、水が器の形に従うがごとく、最も適切な形でこの指定管理者制度の運用を図るべきだ、こう申し上げたんです。先ほど環境局とのやりとりの中でも申し上げたんですが、例えば森林山野におけるいろんな都の施設を指定管理者に委託をする場合、自治体あるいは市町村ということもあり得るでしょうと、一体的な政策実現に向けて、そういう形もとることがあるんだというようなやりとりをしたのが、非常に今、思い出されるわけなんです。
 だから、今さら特命がいいとか悪いとかなんていう議論をすること自体が、実はそういう経過を知らない発想なんだということも、私は個人的に感じながら、先ほど来の議論を聞いておりました。特命が必要な施設もあるんです。これは確認をしなきゃいけない、今回も、そんなふうに思います。
 さて、この本格導入の際に議論されたことを踏まえて、何点かお聞きしてまいりたいと思うんです。
 例えば、平成十九年の環境・建設委員会で、今、委員長をやっておられる、当時、橘委員が、指定管理者の選定に当たっては、議会が執行機関に対する適切なチェック機能を果たすために、選定経過や理由について詳細な情報を提示すべきではないかとただしたんです。それに対して建設局は、今後、候補団体の提案内容や選定理由など、より詳しい情報提供を積極的に行っていくと、こう答弁をしていますね。
 この指定管理者制度というのは、ルールからいって議会の承認を必要とするわけで、ひっくり返せば、議会が承認をしてスタートしたその指定管理者というのは、議会が責任を持たなきゃいけない。そのために必要な情報あるいは必要な実態的なデータ等については、きちっと議会でこれを承認あるいは掌握をしていかなくてはいけない、こういうことになるわけであります。
 そこでお尋ねします。橘、当時委員が指摘をした、適切な審議を行えるように図ったその後の対応、この内容についてお尋ねします。

○野口総務部長 指定管理者の選定に当たっては、地方自治法第二百四十四条の二の規定により議会の議決が必要でございます。都議会においてご審議いただくために、必要な情報をわかりやすく適時適切に提供していくことが重要でございます。
 本事件案の上程に当たっては、平成十九年のときにいただきましたご指摘を踏まえまして、一層の透明性、公正性を確保するため、事前公表の拡充に努めたところでございます。

○木内委員 今、答弁で、当時の橘議員の指摘を踏まえて、一層の透明性、公平性を確保するために事前公表の拡充に努めたということでありました。
 具体的に、新たに事前公表した内容について報告願います。

○野口総務部長 平成十九年度に明治公園など四公園を選定したときと比較いたしますと、今回は、応募した全事業者名、選定の過程における評価項目ごとの配点や評価項目ごとの得点状況、より詳細な指定管理者選定委員会の議事要旨、指定管理者候補者事業計画書の概要を新たに事前公表いたしました。

○木内委員 この制度の本格導入に当たって、いろんな懸念も実はあったわけでありますけれども、今こうして振り返ってみると、指摘を踏まえて制度内容の改善を行ったり、あるいは運用の改善を行ったりして、おおむね本当に健やかに育ってきているなという感じがしているわけであります。
 さて、十九年度に比べて今回は事前公表を拡充し、候補者の選定経緯や理由のさらなる詳細な情報提供をしたということですけれども、この効果の認識をお聞きします。

○野口総務部長 指定管理者制度の運用におけます透明性や公平性を向上させ、また、議会が執行機関に対して果たす適正なチェック機能の発現に必要な情報でございまして、都民サービスの向上を目的とする制度の趣旨から、都民への説明責任を果たしていくことにもつながるものであると認識しております。

○木内委員 東京都の駐車場の指定管理者についてであります。質疑の内容がちょっとダブるかもしれないけれども、若干、微妙に角度を変えてダブらないようにお尋ねしたいと思うし、もしダブったとしても私の質問でありますから、私の流れがあるんだから、私が判断をするための質疑ですから、ご了解を願えればありがたい、こう思うわけであります。
 今回の事件案では、東京都八重洲駐車場外四駐車場と板橋四ツ又駐車場のいずれも、今、東京都道路整備保全公社が指定管理者の候補になっているわけであります。そこで、保全公社は昨年度、包括外部監査を受けて、本年二月に包括外部監査としての指摘、意見が議会にも報告され、議論されたというのは記憶に新しいところであります。この包括外部監査では、都営駐車場の指定管理者の選定に関しても幾つか、そのものについても指摘、意見が出されていたわけですけれども、その内容を伺います。

○東道路管理部長 昨年度の包括外部監査で出された主な指摘、意見は、選定委員会の構成を見直すこと、応募期間を十分確保すること及び評価項目における配点を見直すことの三点でありました。

○木内委員 先ほど伊藤委員の質疑にもあったことでありますけれども、こうした指摘、意見を受けて都が具体的に行った改善内容を明らかにしてください。

○東道路管理部長 平成二十一年度の包括外部監査の結果及び東京都指定管理者選定等に関する指針の改定を受けまして、今回の募集に当たっては、公平性、透明性をより高めるために、選定委員会において選定方法の見直しを行いました。
 具体的には、選定委員会の構成について、前回は半数であった外部委員を過半数とし、委員長についても外部委員から選任することといたしました。応募期間は、できるだけ数多くの事業者が参入できるよう、前回の四十三日に対し、今回は六十三日の期間を確保しました。また、評価項目及び評価項目ごとの配点についても見直しを行い、募集時に公表しました。さらに、選定委員会の委員の氏名、応募者名、各応募者の得点状況、より詳細な選定理由、加えて指定管理者候補者の提案概要についても新たに公表いたしました。

○木内委員 私は答弁を聞いていて、これでもかというぐらい見直しをやったと、こういうふうに印象を受けるんです。本当にご苦労さまです。選定委員会、外部委員を過半数にして、委員長を外部委員から選任して、それから応募期間の延長を行って、細かな評価項目や配点についても見直しをしたなどなど、今回の指定管理者選定に当たっては、包括外部監査の指摘、意見に沿って必要なところの見直しを行って、結果的に公平性、透明性が一層高まったものだと、こういうふうに私は評価します。
 ところで、包括外部監査では、道路整備保全公社の経営体質の強化に対する指摘、意見も、私はつぶさに見たけれども、出されているわけでありまして、その内容とそれに対する保全公社の対応について聞きます。

○東道路管理部長 東京都道路整備保全公社に対する包括外部監査人の指摘、意見は十点ありましたが、そのすべてについて対応策を固め、改善を進めております。そのうち経営の根幹にかかわるものとしては、特定資産の活用と本社の賃借料の見直しに関する意見二点が出されました。
 特定資産については、公益事業に使用する計画を明確に立て、適切に使用することというものであり、公社は新たに活用計画を立てまして、都民に還元していくための公益事業等として、都の道路事業への十億円の指定寄附、電気自動車用急速充電器の設置などを着実に推進しております。
 本社の賃借料の見直しについては、フロアの集約等による経費削減を本年五月に実施しました。
 また、公社は、公益財団法人等への移行等を見据え、経営改革実行プログラムを独自に策定し、経営改革を順次進めております。

○木内委員 私、重ねて申し上げますけれども、この指定管理者における運営の見直し、あるいは都政への貢献、都民サービスの向上、経費の節減などの項目をしっかりと満たすように努力をしてきているという形跡を強く感ずるんです。
 例えば、都の道路事業への指定寄附あるいは電気自動車用急速充電器の設置など、新しい活用計画のもとで新機軸のものをどんどん入れて都民の期待にこたえる形になってきているんだというふうなことを実感いたします。
 加えて、今、経営改革実行プログラムというのを独自に策定して、経営改革を順次進めてきているわけでありまして、私はこれは一つのあるべき姿ではないか、こう思っているんですね。
 この包括外部監査を契機としつつ、道路整備保全公社がみずから経営改善に大いに努めているということを評価しつつ、今回のこうした経営改善の努力というものが指定管理者の選定候補にも反映をされたものと、こういうふうに認識をしたいわけです。
 保全公社は、昭和三十五年に主に駐車場事業を担う団体として設立されました。前回、平成十四年度の包括外部監査の意見を踏まえて、十六年度から新たに用地取得や無電柱化の事業など、都の道路行政を補完する重要な役割も担ってきておりまして、団体の名称も、したがって、旧来の東京都駐車場公社から東京都道路整備保全公社に改められている。また、今年度から新たな展開として、区市町村の橋梁長寿命化対策の支援事業も開始した、こういうふうに聞いているわけであります。
 そこで、保全公社の果たすべき役割を、今申し上げた、こうした経過をたどってきた今日、どう認識しているのか、都としての認識を伺います。

○東道路管理部長 公社は、交通渋滞の解消などを目的として、みずから駐車場の運営を行うとともに、都道の無電柱化や公共用地の取得、工事監督補助業務などを通じて、都の道路行政を補完しており、「十年後の東京」計画を推進する上で重要な役割を担っております。
 また、平成二十三年四月から公益財団法人へ移行するための手続を現在進めておりまして、都は、道路を初めとした都市基盤整備を進めていく上での重要なパートナーとして、公社が十全に機能を発揮するよう支援するとともに、適切な指導監督に努めております。
 今回の都営駐車場の指定管理につきましては、公社が民間と対等の立場で公募に臨み選定されたものであり、事業計画書に沿って都営駐車場の管理を意欲的に行ってもらえるものと期待しております。

○木内委員 保全公社につきましては、これまでのやりとり、答弁、これを多としたいと思います。
 さて、都立公園について、先ほど来いろんな議論がありましたけれども、私は、五年前と比較すると、今回の選定に当たってグルーピングを変更している点、ここに関心を持つわけでありますけれども、このグルーピングの前回との大きな変更点をまず明らかにしてください。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理者の選定に当たりまして、前回のグルーピングの考え方は、スケールメリットの確保、公園の特性、地理的条件の三要素により、防災公園グループ、文化財庭園グループ、狭山丘陵グループ、多摩丘陵グループ、都市部の公園グループ、武蔵野の公園グループにグルーピングいたしました。今回の変更点では、都市部の公園グループを三分割、武蔵野の公園グループを二分割しております。

○木内委員 グループを細分化したねらい、これについてお答えください。適正な事業規模という要素もあったように思いますけれども。

○滝澤公園管理担当部長 グルーピングに当たりましては、スケールメリットの確保、公園の特性、地理的条件の三要素に、委員おっしゃいました適正な事業規模、これも追加いたしました。より小規模なグループを設定し、事業者が応募しやすくなることを期待したものであります。その結果、事業者にとっては応募の機会がふえ、競争性を高めることができたと認識しております。

○木内委員 私は、グルーピングによっていろんな、また新しい展開が可能になるんだし、小規模事業者への委託も可能になる等々のメリットが生じてくると思うんです。
 そこで、代表質問でも我が党が触れたところでありますけれども、さっきいった公募、限定公募、特命といろいろあるわけだけれども、やはり今回のグルーピングということを考えますと、より一層の競争性を高める方向で引き続き検討していくことも必要だし、これをまた強く要望していきたいと思うんです。
 本年三月、都は指定管理者制度の運用を見直しました。その中で、指定管理者制度により管理する公の施設のうち、政策連動性、管理運営の特殊性が高い施設に係る指定管理者については、行政支援、補完機能を有する監理団体を特命で選定することができることとなった。私は、これは適切な政策判断だ、こういうふうに思います。
 この見直しを受けて、建設局では今回の選定に当たり、文化財庭園グループと防災公園グループを公募から特命に切りかえた。両グループについては、公の施設としての政策連動性、管理の特殊性が高い施設であるという点については疑う余地もないわけでありますけれども、それぞれの公園の特性ということ、また、公園協会がその特性ということをどう受けとめているのか、これは非常に重要でありますので、簡単で結構ですから答えてください。

○滝澤公園管理担当部長 都立庭園は、特別史跡や特別名勝等の文化財指定を受けた名園でありまして、かけがえのない財産として受けとめております。都立庭園では、保存、復元に当たる都と維持補修に当たる公園協会とが一体となって文化財を保存していく、継続的な協力関係が不可欠であります。
 公園協会では、江戸大名庭園から伝わる庭園美を保存するために、細やかな心配りと高い技術力を持って日ごろから管理しております。その卓越した伝統技術や庭づくりの心を伝えるべく、習熟した技術を持つ職員が日々の管理作業を通じて後輩を鍛錬しております。
 一方、防災公園につきましては、災害発生時に避難住民が周辺から殺到し、関係防災機関が救援活動を展開する中、指定管理者においても即座の対応が求められる、都民の命を守る、かなめの公園でございます。そのためには平常時からの備えと訓練が重要であり、公園協会では、迅速な初動態勢の立ち上げや実践型訓練を継続することで、防災対応力の維持向上に努めております。

○木内委員 公園協会は、答弁のとおり、公園の特性をつかんだ上で公園管理に当たっているということは、今の報告でよく理解できます。その上で、特命選定の主眼、これは、継続して管理を公園協会に任せることで、今、公園協会にいる人材をさらに育成し、管理運営のレベルを向上させることにあると思うんです。
 これは誤解を恐れずに申し上げるんですが、今、高齢の方々が一定のグループを組織されて、いろんなお仕事に取り組んでおられるんだけれども、ある方から私のところに苦情が来て、自分の庭の樹木の剪定を頼んだ、そうしたら、そこの機構から派遣されてきた年配の方だった、家族が全部表へ出て夕方帰ってきてみたら、庭の樹木が丸坊主にされていたと。こういう話は恐らく各地域であると思うんですけれども、この公園協会の指定管理者としての本質的な存在性というのは、優秀な人材がそろっている。先ほどから議論のあった、伝統的な我が国の、その代表する東京の庭園、ここは公園協会のプロに任せれば安心なんだという、そういうありようというものが求められると思うんですね。
 そこで、文化財庭園グループや防災公園グループにおける公園協会の人材確保、育成策というものを、都はしっかりと、また指導していく必要があると思いますが、どうですか。

○滝澤公園管理担当部長 文化財庭園グループでは、日本を代表する貴重な文化遺産を後世に伝えるため、庭園の維持管理の経験を有している者や、伝統技術を駆使して趣ある景色を形づくることができる人材を確保しております。また、維持管理を通じまして、習熟したわざを継承する作業体制を確立するとともに、庭園技術講習会に参加して、わざをさらに磨くなど、組織一体となって伝統ある庭園の技術向上を目指しております。
 一方、防災公園グループでは、日ごろの訓練等を通じて防災対応力を養うとともに、防災士の資格取得や上級救命講習受講をサポートすることにより、高い防災スキルを持った人材の育成を行っております。

○木内委員 やっぱり今日、資格社会という側面もあると思いますが、今、答弁の中で、防災士の資格取得や上級救命講習受講、こういったものの事業も展開をしていく、あるいはまた、伝統技能というものを身につけた方々を糾合していくということでありますので、ご苦労は多いと思うけれども、いわゆるこの公園協会が人材の城といわれるような団体になってもらいたい、こんなふうに要望しておくんですね。これまでも取り組んできた人材確保、育成策を継続させることで、もって庭園管理レベルや防災スキルというものを向上させてもらいたいと思うんです。
 文化財庭園グループにおいては、江戸東京の庭園文化を今に伝える庭園の利活用や、もてなしの心、いわゆるハードだけでなくてソフトこそ今求められるんだとよくいわれるけれども、二十世紀までは軍事力や経済力や政治力が歴史をつくってきたけれども、二十一世紀は心の力、これが歴史をつくるんだと。要するに、ハードパワーの時代からソフトパワーの時代に入ってきた、こういわれるんですけれど、じゃ、この心を、公園管理という実体的行動の中でどうあらわしていくか、これがこれからの大きなテーマになっているんですね。
 聞くところによると、公園協会が行っている新たな提案というものがあるわけですけれども、この中にも反映されてくるべきだと思うんですが、この新たな提案というものの中にそれがあるかどうか、お答えください。

○滝澤公園管理担当部長 公園協会では、庭がつくられた当時の楽しみ方をすべての庭園で一斉に再現する催しを行うことを新たに提案しております。具体的には、狂言、能などの伝統技能を上演したり、当時の和装を身にまとい、賓客になりきって当時の料理を食することなどでございます。
 また、六カ国語対応のパンフレットは作成済みでありますが、新たに外国人向けガイドブックや庭園ガイド、さらに、次世代への継承のため、子どもたちに抹茶体験やお庭見学など、庭園の文化や歴史をわかりやすく体感できる庭園プログラムを新たに提案しております。

○木内委員 体感できる行事なんていうのは、恐らく一体的に全世代に対するものだと思うんですが、これは答弁の必要はありませんけれども、やっぱり次世代を担う子どもに対する情操、あるいは文化への理解など、これが満たされるような行事というものもこれからどんどん反映されればいいなと、こんなふうに思います。
 今ご答弁いただいた、江戸東京の庭園文化を今に伝える魅力的な提案が公園協会によってなされている。ぜひ東京都もしっかり、局としても応援体制を組んでもらいたい。強く要望します。
 次に、防災公園グループ。
 いざというときのためにも、防災公園や防災施設の普及啓発にもっと努めるべきであって、きょうのこの委員会でもいろんな議論があった。こういったものもよく重視しながら、普及啓発にもっと努めるべきかと私は思っているんですが、これについて公園協会は今回何か新たな提案を行っていると聞いているんですが、内容について明らかにしてください。

○滝澤公園管理担当部長 防災公園の役割やかまどベンチ、災害用トイレなどの紹介や使い方、防災グッズの展示など、防災意識向上に向けた情報拠点となります防災ショールームを葛西臨海公園などで開設いたします。地元消防署や自治会等と連携した地震体験、消火体験、防災クッキング、発災時の防災機能や求められる行動などが実体験できる、シミュレーション体験型のイベントを実施してまいります。
 そのほかに、桜などの開花情報やイベント情報に加え、防災公園の役割や施設の紹介、地域防災活動の紹介などの情報を掲載しました「公園かわら版」を新たに発行し、園内に掲示、配布、また地元自治体や小中学校等に広く配布することなどを新たに提案しております。

○木内委員 防災公園グループとしてのこの五年間の実績を踏まえた新たな提案かと。経験則に基づいたものだと思いますので、この提案を大事に育てていただきたいと思います。速やかな実施を願っておきます。
 五年前、さっきも申し上げましたけれども、制度導入時の委員会で私は、この選定に当たっては公募や特命といった手法があって、これらによって適切な選定をされるよう、また、議会に細密な報告をするよう強く求めたのであります。公園や霊園、葬儀所、駐車場など、指定管理者制度が導入される施設は千差万別でありまして、施設のあり方などを十分に吟味して、最も適切な方法によって選定すべきでありますし、さまざまな隘路を克服して選定作業を成功させなければなりません。その技術にはかなり高度なものが要求されるという見解を示しました。しかし、また同時に、実はこうしたさまざまな課題を克服して初めて、都民にこたえ得る、都民のいわば期待にこたえ得る制度になっていくんだというふうに思うわけであります。
 きょう、やりとりの中で、公募から特命に切りかえたのは、こういう視点から申し上げれば、最も適切な方法による選定だということが明らかになりました。都から技術、ノウハウを受け継いでいる人材が育っているなど、監理団体ならではという面も強いかと思います。公園協会がそうした体制や人員を整えている特命にふさわしい団体であるということは、まだ十分に都民に知れ渡っていないのではないか。答弁を聞いていて私が思った率直な感想であります。先ほどの提案なども広く都民に周知すべきだと、こういうことも痛感いたしました。
 今回、公募から特命に切りかえるのですから、今後は都として、監理団体である公園協会に対して、体制強化や人材育成だけではなく、都民へのPRに努めるよう、局として指導監督をより一層強めてもらいたいことを要望して、私の質問を終わります。

○かち委員 適切な管理、サービスの向上は、安定した雇用や契約などに裏づけられて実現できるものと考えます。その意味で、指定管理者制度には幾つかの欠点があると思っています。
 私どもは、都民の財産である都立施設や公園は、本来的には都が直営で行うべきものと考えています。しかしながら、二〇〇三年、指定管理者制度の法律ができて、都立施設についても直営か指定かの選択が迫られることになりました。
 競争原理のもとで民間参入を可能とした指定管理者制度には、さまざまな問題も浮き彫りになってきています。総務省の二〇〇六年の調査によれば、全国的には民間参入の割合は一一%ですが、そのうちの五〇%が指定取り消しをしているという極めて高い数字が出ています。その理由も、詐欺行為の発覚、経営破綻、運営困難、もうからないとのことで撤退、辞退など、企業の社会的責任が問われるものとなっています。
 最近の事例では、荒川遊園の遊園地で突風のため遊具の金具が壊れて、幼児が落下して重傷を負うという事故もあり、その後の調査、議論の結果、直営に戻すという事態も生まれています。
 それだけに、今回、建設局所管の施設において、五年間の指定管理を終えて、次期の管理をどうするかという点では、これまでの管理の実態がどうであったかという検証も含めて、十分に検討すべき課題だと思っています。
 私は、主に七十数カ所の都立公園を中心に、葬儀所、駐車場について何点かお聞きします。
 まず、都立公園についてですが、これまでは、七十七かな、の公園のうち、東京都の監理団体である東京都公園協会が八〇%の指定管理を受けていました。そのほかに、大きく分けて、西武グループとアメニスグループ、臨海グループ、慰霊協会という状況でした。
 この間、監理団体である公園協会の包括外部監査の中で、公園の指定管理については、もっと分割して、民間企業の参入をしやすくすれば、競争原理も働いて効率化になるとの指摘を受けて、今回、新たに分割した目的別に組み合わせが変更されました。
 この公園を十グループに分けて指定管理を提案されたわけですけれども、特命を除いた公園の競争倍率や参入グループは前回とどのように違っているでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 公募しました公園及び施設についての応募者数と競争倍率についてでございますが、十七年度選定、九の公募グループ、施設に対しまして延べ五十九団体、平均倍率は六・六倍になります。今年度選定の十の公募グループ、施設に対しまして、延べ三十一団体、平均倍率は三・一倍となっております。

○かち委員 指摘では、分けた方が倍率が上がるということだったんですけれども、実際にふたをあけてみると倍率は半減しているという状況です。
 今回の提案では、監理団体である公園協会が公園の管理に占める割合は八〇%から六〇%に縮減した一方、管理分野が二倍にふえた民間団体は、結果的に西武グループとアメニスグループで分け合っているという事態です。しかも、日比谷アメニスと西武造園株式会社の二者は、東京都の大型公園指名競争入札で、二者を含む百六者が談合を繰り返していた事件で、かつて東京都から指名停止を受けた経緯もある企業です。それゆえに、都民の財産を一定の裁量権を持って管理運営を行うのであれば、その運営体制、人員配置、再委託や雇用待遇などが適切に行われているかも含めて点検、評価できるものでなければならないと思います。
 そこで、指定管理者選定に当たっては、東京都のつくった東京都立公園指定管理者共通仕様書というのがあります。これを見ますと、各公園の管理所に管理所長を一名配置し、不在の場合は必ず代理人を置くことというふうに書いてあります。
 ところが、今回、提案のあった都市部の公園、東部グループ、アメニス東部のグループが提出した事業計画書では、管理所長に当たるセンター長は各管理事務所に一名配置される計画になっていません。尾久の原公園のセンター長は汐入公園のセンター長が兼務する。中川公園のセンター長は東綾瀬公園センター長が兼務するとなっています。
 つまり、これら四つの公園の管理所長は、一人ではなく、初めから〇・五人の配置だということではないでしょうか。これは仕様書の規定に初めから反しているということになるんじゃないかと思いますが、局としてはこのことを承知の上で選定したのでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 アメニス東部地区グループは、公園の管理規模に応じた管理運営を図るため、センター長の兼任を提案したものでございます。提案では、センター長のほかに、複数の公園を統括管理するエリアマネジャー、副エリアマネジャーも配置する計画となっており、管理運営上の問題はないと判断いたしました。

○かち委員 仕様書に、それ以外でもよいと、兼務でもよいというふうには書いてないんですよね。そういうことからすれば、これはやっぱり違反しているんじゃないか。いない場合に兼任を、だれかを置くというのは当たり前のことですけれども、やっぱりみずからつくった仕様書に一致していないものをそのまま認めるというのは問題じゃないかと思います。
 管理所長というのは、公園利用者はもちろん、近隣都民からの要望や問い合わせへの対応を初め、不測の事態に対しても責任を持って対応すべき責任者であり、それを初めから〇・五人でいいという姿勢は問われる問題だと思います。
 さらにいいますと、センター長というのは週二日休日制をとっています。アメニスグループの公園スタッフのローテーション表を見ますと、五つの公園を管理することになっている汐入エリアでは、センター長が一斉に休むために、五つの公園に一人もセンター長がいないという日が週に二日もあるというふうなことも描かれるわけですけれども、不測の事態の中で管理を任せることができるのかというふうに思います。
 指定管理業務であっても、どのような業務を、どのような雇用形態、賃金で行われているかを行政としてきちんと把握する必要があると思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 都は、指定管理者の雇用形態、賃金について、事業計画書及び事業報告書にて人員体制や人件費の総額を把握しております。

○かち委員 先ほど来の議論を見まして、選定に当たっての非常にきめ細かな選定過程、明らかになってはいるんですけれども、計画には確かに人件費等、記載されていてわかるんですが、それがきちんとそのように履行されたのか。決算の上において履行されたのかどうか。あるいは、契約、再契約などもきちんとそのとおりにやっているのかどうかというようなチェックというのは、行政としてやっているんですか。

○滝澤公園管理担当部長 事業計画書で提案された内容を実現するためどのように管理運営していくかにつきましては、指定管理者に任されておりまして、入札状況については評価項目には入ってございません。

○かち委員 私は、その辺がやっぱりちょっとブラックボックス、問題が出てくると思うんですね。
 それで、再委託の状況というのをちょっとお聞きしますけれども、西武・狭山丘陵パートナーズというのと、公園協会でやっている都市部の公園北部グループ、それからアメニス東部地区グループ、臨海副都心グループのそれぞれの二十三年度の再委託金額の割合というのはどのようになっているか。また、再委託の業務とはどういうものでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 今回、提案のありました事業計画書によれば、提案額に占める委託費の割合を機械的に計算しましたところ、西武・狭山丘陵パートナーズは約四五%、都市部の公園北部グループ、これは公園協会でございますが、約三九%、アメニス東部地区グループ、約二五%、東京臨海副都心グループ、約四一%となっております。
 なお、委託の内容につきましては、清掃、草刈り等、簡単な維持管理業務となってございます。

○かち委員 それぞれ四つのグループごとに二十数%、四十数%というふうに計画書には書いてあるんですけれども、それが具体的にどのような内容で履行されたかというところまでは評価の基準にはなっていない、評価項目になっていないということなんですね。
 再委託における入札状況などが適切に行われているかどうかも重要な評価項目であると思いますけれども、どのように考えるんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 先ほどご答弁申し上げましたが、入札状況につきましては評価項目に入ってございません。

○かち委員 評価項目に入っていないというのは先ほどから伺っているんですけれども、本当に適切にきちんとやられるかどうかというのを判断するためには、そこまできちんとチェックしたり評価をしなければいけないと思うんですけれども、局の考えはどうでしょうかとお聞きしたんですが。

○滝澤公園管理担当部長 日々の維持管理等の委託契約につきましては、毎月の履行確認という制度がございまして、その中でチェックをしてございます。

○かち委員 どうもちょっと答弁がすれ違っているんですけれども……(「すれ違ってないよ」と呼ぶ者あり)いや、すれ違っているんです。要するに、計画書を出してもらった後は、その団体が自由に裁量でやってくださいということに今なっているんですけれども、それが本当に行われたかどうかというのは、再入札や雇用の実態がどうなっているかというところまでつかむ必要があるというふうに私は思うんですけれども、今は、指定管理者に任されている、入札状況についても把握する必要もないし、評価項目にもないということなんですね。
 監理団体である公園協会の包括外部監査、これは再委託の実態が詳細に分析されています。私たちはこの包括外部監査を全面的に評価しているというわけでもないんですけれども、少なくとも都の補助金を受けて運営している監理団体の運営の実態について、都民に明らかにされることは極めて重要だと思います。
 これを見ますと、監理団体の公園協会の再委託について、ある公園では、同じような清掃の仕事を、一カ月のずれで、いずれも上限額の二百五十万円近い契約をしている。これはもっと計画的にまとめてやったらどうかというような指摘でしたけれども、その指摘が正しいかどうか、実態がそうかどうかというのはここでは検証できませんけれども、少なくとも公園協会の入札状況というのはそこで明らかになるわけです。しかし、民間団体であれば、これは企業の裁量ということで明らかになりません。
 先ほど、再委託の額を示していただきましたけれども、同じような仕事を、公園協会では三九%のところ、アメニスでは二五%でやっているとしたら、単に効率的だというわけにはいかないんじゃないでしょうか。下請に対する単価の切り下げや、必要な人員も削ってコストカットをしている可能性も否定はできないわけです。
 指定管理を進めていく上で重要なことは、履行確認によって毎年評価をしていくことだと思います。公園管理における十九年、二十年、二十一年の評価委員会における評価はどうだったでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 一般開放公園についての評価でございますが、十九年度、優良は二公園、良好は六十八公園、二十年度は、優良、九公園、良好、六十五公園、二十一年度、優良、十一公園、良好、六十六公園となっております。
 なお、三カ年とも、一部良好ではないという項目につきましては、該当なしとの評価結果でございます。

○かち委員 そうなんですね。私もネットで見たりしていますけれども、建設局関係だけでなくてもそうなんですが、どこの施設でも、ほとんどが優良か良好で、一部不適切、良好でないというのは、もうほとんど一つもないというのが実態なんです。これで判断をするというのもなかなか難しいことなんです。むしろ、それぞれの公園での課題が何かというようなことを明確に書いてもらう必要があると思うんですが、この評価は具体的にどのようなやり方をしているんでしょうか。八十近い公園、施設の現場を直接視察などしているんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 先ほども申し上げましたが、毎月の履行確認というのがございます。また、年一回提出されます事業報告書、利用者満足度調査の結果及び財務諸表を基礎資料としまして、所管部及び所管事務所で現場確認を踏まえまして一次評価を行います。その結果をもとに、外部委員を入れました評価委員会において二次評価を行います。二次評価に基づき、所管局として評価を決定しております。評価委員会は年三、四回開催しまして、グループごとに事業報告を受け、現場確認を行い、評価を行っております。

○かち委員 第一次評価は局でやって、評価委員会として、外部委員四名ですか、入れて、年三、四回やって決めているんだと、公表しているんだということですけれども、だから、現場をきちんと年に一回は見ているのかどうか。選定委員の場合は公表されていますけれども、この評価をする委員会のメンバーは公表されていないんですけれども、その辺の関係はどうなっているんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 評価委員会で二次評価を決定いたしますが、それを受けて、最終決定は所管局で行うこととなっております。ということでございますので、委員構成の公表は、構成だけにとどめまして、名前の公表は行っておりません。

○かち委員 外部委員が判定をして、それを最終的に局が発表するから必要ないんだということですけれども、公の施設の管理にかかわるわけですから、それは公表されてしかるべきだというふうに思うんですね。
 それで、その評価をする上で現場を見ているのかどうかと先ほどから聞いているんですけれども、年に五、六園を見るんだというふうに、まあ、八件ぐらい見ることもあるのかもしれませんけれども、そんなようなお話でした。これだと、五年間では一回も回り切れないような公園も出てくるんじゃないかと思うんですよね。やっぱりペーパー判断だけではなくて、現地をきちんと見て評価するということも非常に重要なことじゃないかと思うんですけれども、こういうことがやられていない、この評価委員会のあり方というものは、やっぱりもっと改善すべきだというふうに思います。
 優良、良好の評価を受けている公園協会でも、評価項目の中に、ご意見、いろいろあります。この集約の中ではかなりの数に上っておりますけれども、包括外部監査ではそういうことについても評価しているんですね。いろいろやっているけれども、いわれてからやるのではなく予防的対策に努めるよう、厳しい指摘も受けています。
 そこで、民間企業グループの西武・狭山パートナーズにおける苦情、要望の件数、また特徴についてはどうでしょうか。また、これらの要望への対策はどのようにされているでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 先ほど、現場に出ているかというご質問でございましたけれども、全公園につきまして現場職員及び本庁職員が現地確認をしまして一次評価を行っております。また、二次評価につきましても、先ほどいわれました年間五公園から八公園につきましては現場を回っておるということでございます。
 それで、今のご質問でございますが、二十一年度の苦情、要望の件数は約七百件でございます。変動があるものの、適切な管理運営により、苦情は減少傾向にあると認識しております。犬の放し飼いや樹木の剪定、伐採に関する苦情、要望が多い一方で、自然を残す広大な公園であることから、案内板の設置を求める要望などもございます。
 そのような特徴を踏まえての対策でございますが、老朽化した案内板については順次つけかえを行う一方、利用のニーズを見ながら新たな設置も検討しております。また、苦情、要望のあった樹木の剪定、伐採につきましては適宜対応しております。

○かち委員 私も見せていただきましたけれども、確かに犬の放し飼いなどについての苦情は減ってはきていますけれども、剪定とか伐採などなどの要望については、毎年四百件とか八百件もあり、減っているとはいえないと思うんです。広大な自然公園ですから、案内板を設置してほしいという要望は毎年のようにここに書かれているんですけれども、それがなかなか実現されていない。古いのを立てかえるというのは当たり前のことなんですけれども、やっぱり広い公園だから、どこへ行けばいいか迷わないようにということで、これはサービス向上にとっても、いち早くやらなければいけないことだと思うんですけれども、それがなかなかできていないという点でも、やっぱり問題があるんじゃないかと思います。
 それで、もう一つ、私、これを見ていてちょっとショックだったんですけれども、この四年間に遺体発見というのが六件もあったんです。ある年はもう十二月、一月、二月というように、こういうことが続きました。これに対する状況分析とか予防対策とか、どのようにやられているんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 西武・狭山パートナーズが管理する四公園の数字でございますが、今いわれた四年間の六件という遺体発見ですが、この四公園につきましては、狭山丘陵に位置します豊かな自然を残す広大な公園でございます。園内の安全点検や植生の保全等のためレンジャーが巡回しまして、適正な管理に努めております。ご指摘のことに限らず、問題が発生した場合につきましては、関連機関と迅速に連携しまして適切に対処しております。

○かち委員 広大な公園ですので、いろんなことも起きるだろうとは思います。防ぎ切れないこともあるとは思いますけれども、この公園でみずからの命を絶とうとは思わせないような予防対策に意欲を持って取り組んでほしいと思うんですが、なかなかそういう姿勢は、この改善策などを見ていても感じられないというのがあるんですね。そういう……(発言する者あり)やれというんじゃなくて、意欲ですよ。そういう姿勢が見れるかどうかという問題なんです。で、重要なこういう仕事に対して、この評価委員会の評価も、やはりその点は、今、私が述べたようなことについて適切な評価をしているというふうには思えないんですね。そういう意味で再検討をしていただきたいと思います。
 次に、防災公園を特命で公園協会に指定管理の提案をされておりますが、質問は省きますけれども、この防災公園というのは、先ほど来いわれているように、通常の公園業務以外に、いざというときの危機管理ということで、もちろん日常業務の中でそういう訓練やいろんな学習活動を展開していくことは重要なことだと思いますけれども、そのいざというときに、被災時に避難民を公園に受け入れて都民の命を守るということは、公園所管の建設局、行政の責任だと思うんです。それは、この都立公園指定管理者募集要項の中にも書いてあるんですけれども、防災公園での役割という点で、管理者とともに東京都が指示などを出すというふうに書いているわけですね。そういう意味で、重要な役割を持っている防災公園だけに、こういうものを民間や監理団体に託すのではなくて、都が直営でやるべきだというふうに申し上げておきます。
 それからもう一つ、潮風、台場公園は、位置的には臨海に面しているものの、公園の造成整備は建設局が行ったものであり、今までは管理は港湾局が行っていたからということで、便宜的に臨海ホールディングスグループというふうに特命指定ということになるというんですけれども、なぜそうしなければならないかという合理的な根拠は見当たりません。公園の許認可権は建設局にあるわけですから、建設局としてきちんと、例えば公園協会などが管理事務所をつくって、そこで管理すれば何ら問題はないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 今回の選定に当たりましては、港湾局所管の公園と一体管理をするために、港湾局の選定に合わせ、隣接する海上公園の指定管理者候補者であります東京臨海副都心グループを特命選定したものでございます。

○かち委員 とても便宜的な仕切りであって、都民の側からして、それが合理的というふうには思えないものだと思います。特命にしなければならないという理由もわかりません。
 瑞江葬儀所というのがありますが、これも特命で公園協会が三年の特命指定となっています。なぜ三年なのでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所につきましては、管理形態のあり方について検討中の施設でございます。そのため、現在の指定管理者であります公園協会を引き続き指定管理者候補者として特命選定いたしました。

○かち委員 あり方検討中だからということですけれども、いつからどのような検討がされているのか、検討経過と内容についてお聞きします。

○滝澤公園管理担当部長 瑞江葬儀所は、東京都制施行により東京市から引き継いだものであります。全国で唯一の都道府県営の火葬場となっております。平成十六年度に江戸川区との移管協議を開始しまして、平成十九年度以降は、江東区、墨田区、葛飾区を加えた関係四区との間で協議を行っております。検討内容といたしましては、事業手法や経費などを検討しております。

○かち委員 平成十六年から区移管についての協議中ということですけれども、火葬場つきの葬儀所ということで、歴史ある瑞江葬儀所は都民にとっても大変期待の高い葬儀所です。区移管についても、とても一つの区で抱えられるものではありません。関係区で話し合っている最中ならば、めどがつくまで十分に検討すべきであり、少なくとも五年の指定管理にすべきだと申し上げておきます。
 最後に、駐車場管理について一言伺います。
 私がお願いした資料にも出ているんですけれども、平成二十年度の支出は九億二千万円ですが、二十一年度は十億二千五百万円にかなり増加をしているんです。四年間の中でも突出しているというふうに見えるんですけれども、この理由は何でしょうか。

○東道路管理部長 支出額には、運営経費のほか、都への納入金が含まれております。平成十八年度から二十一年度までの各年度の納入金では、都が実施する耐震補強工事による収入への影響分を減額していました。包括外部監査の結果を踏まえまして、再度詳細に調査しましたところ、影響はなかったことから、平成二十一年度に指定管理者が減額分を追加納入したものであります。

○かち委員 包括外部監査の指摘によって、耐震補強工事による影響額が少なかったので都への納入金額がふえるはずだと指摘をされて、それで入ったことと、もう一つは、予定していた耐震補強工事が契約不調で中止になったために余ったわけですね。その減額分をそっくり都に納入したということで、これが明らかになりました。
 駐車場の管理運営は料金で賄っているため、そのための税金支出はないわけですけれども、監理団体であったから、包括監査の指摘で、本来の支出、都への相当分の納入に調整ができたわけですが、これが民間事業者であったら、監査の対象ではありませんから、企業収入になってしまう可能性は否定できないということです。
 本来は直営とすべきものを指定管理にするならば、少なくとも管理運営にかかわる入札や雇用形態、人件費などが適切に運用されているかどうかのチェックや公表が前提になるべきです。都としては、指定管理のあり方について漸次見直しをしているところではありますけれども、こうした肝心なところにぜひメスを入れていただきたいと思います。
 川崎市では、指定管理の包括外部監査により、コスト削減の一方で、雇用の不安定化などの課題があるとの指摘を受けて、ことしの四定議会で、市の仕事に従事する者に対する報酬の最低賃金の額を決め、必要な契約事項の内容とすることを決めて、いわゆる公契約条例が成立したと聞いております。より透明性の高い指定管理のあり方に切りかえていくべき課題があるということを申し上げて、質問を終わります。

○野上委員 東京都立公園等の指定管理者の指定について、特命による選定が行われる防災公園グループ、特に葛西臨海公園について幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 建設局所管の葛西臨海公園と隣接する港湾局所管の葛西海浜公園についてまずはお尋ねいたします。
 五年前は、公募を行い、この葛西臨海公園を含む防災公園グループと葛西海浜公園は、建設局と港湾局とが設置する合同選定委員会において、同時に指定管理者候補を選定したと伺っております。五年前は合同選定委員会において二つの公園を同時に選定いたしました。拝見すると、非常に隣接している二つの公園ですので、わざわざ別の局が、ここの小さい部分は港湾局、この広いところは建設局と、今回、別々の選定委員会にて選定した理由を伺います。

○滝澤公園管理担当部長 港湾局所管の葛西海浜公園は、防災拠点として発災時における救出救援活動を行う公園ではないため、防災公園グループには含めておりません。このため、葛西臨海公園は建設局で指定管理者候補者を選定し、葛西海浜公園は所管局において選定したところでございます。

○野上委員 ちょっと確認ですが、運営面で葛西海浜公園と共通するサービスと共通しないサービスは何でしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 共通する業務は、園内の案内や自然に関する情報提供などでございます。葛西臨海公園独自の管理業務としましては、鳥類園ウォッチングセンター、クリスタルビューの維持管理がございます。

○野上委員 ということは、やはり葛西海浜公園と臨海公園には共通する業務があるということですね。一つ、葛西海浜公園の方は防災公園グループとして入っていないので、今回というか、そういった機能を付随していない公園と位置づけられているということですが、いずれにしても、スケールメリットを生かした管理をしていただくために指定管理及び特命をお願いしているわけですから、そういったことも少し考慮していただいて、非常に近いですから、なるべく経済性、効率性を考慮していただいて、一体的管理をしていただければと思っております。
 葛西臨海公園は防災公園グループであり、そのほか十一公園で平成二十三年度の提案額の総額は二十億八千八百十三万五千円です。そのうち葛西臨海公園の分は二億二千六百九十万五千円です。これに対して前回の葛西臨海公園の提案額は一億五千九百二十四万九千円であり、その差額は六千七百六十五万六千円となっております。この増額分の内訳、なぜ経費が増額となっているのか伺います。

○滝澤公園管理担当部長 五年前、公募した時点におきましては、防災公園グループの指定管理者業務にはクリスタルビューを含めておりませんでした。平成十七年十一月、公園の活性化と建物の維持管理経費の削減を目的に、クリスタルビューの活用事業者の公募を行いましたが、応募団体がございませんでした。このため、平成十八年度以降、その管理については指定管理者業務としたところでございます。
 このクリスタルビューの維持管理等に必要な経費としまして約四千五百万円、平成十八年度以降、都からの指導に基づく主要園路や遊具、広場周辺など、安全性確保が望まれる箇所の樹木の特別伐採やトイレの特別清掃等に必要な経費として約二千三百万円となってございます。

○野上委員 ちょっとただいまの答弁の確認ですけれども、クリスタルビューの維持管理費等に必要な経費として四千五百万というふうにおっしゃいましたけど、この中には人件費は含まれているんでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 五百八十万円含まれております。

○野上委員 十八年度と二十三年度の人件費の増額分を見ますと、五百八十万となっておりますので、その分が入っているということですね。この人員配置についても、何名か増員されているというふうに伺いましたけれども、この人件費で何名、例えば常勤、非常勤、増員しているのか、お聞かせください。

○滝澤公園管理担当部長 平成二十三年度の提案により、一名常勤がふえてございます。

○野上委員 ということは、クリスタルビュー、皆さん、行ったことある方もいらっしゃると思いますが、ガラスが壁面にあって、そういう建物でございます。二千平米というふうに伺っておりますが、その中には展示等を行う予定というふうに伺っておりますが、現状ではいわばフラットな状態の建物の管理に一人常勤の職員を配置して、なおかつその維持管理費用として四千五百万を計上しているということですね。
 この防災公園という位置づけの中で、建物管理に一人常勤の職員を置いて、しかも四千五百万円という経費を、人件費も入ってのことでしょうけれども、計上している。もちろん、以前、ご苦労されて、その管理をしていただくような会社がなかったというふうに伺っておりますが、東京都の考え方としては、防災公園という位置づけで、なおかつ臨海公園と海浜公園を分けて発注し、それぞれ管理をお願いしているわけですよね。その中で、防災公園の中にある建物、これは防災関係の施設ではありません。展望室であるとか、皆さんが喜んでいただくような、いわばレストラン等がかつてはありましたけれども、現状ではただの建物というか、フラットなフロアがある建物の管理に、増員をし、増額をしている。
 もちろん、先ほどの質疑のやりとりでもありましたけれども、包括的に一括しての特命という契約の中で、どのように具体的に管理運営されているかというのは、なかなか東京都としても把握できないという現状はあると思います。そこのところは二十一年の包括外部監査報告書でも載っておりますけれども、やはり、この公園協会は七十億という東京都の仕事を受けておりますし、公の公園を担う団体として、この公園自体、きちんと運営をしなくてはいけないと思っています。その中で一括してこの一般的なビルを管理するというのに一人常勤職員を配置するというのも、少し私は疑問に思いました。
 続きまして、次の質問に移りますが、この葛西臨海公園ですが、地元の要望、声はどのように聞いているのでしょうか。利用者との意見交換などは行っているのか、伺います。

○滝澤公園管理担当部長 先ほど、一名の増員というお話をさせていただきましたが、一名の増員につきましては、クリスタルビューだけの管理のためではなく、その他公園施設管理の充実、建物等管理の充実、その他樹木等の、植栽等の充実などにも、その一名が従事することとなっております。
 地元の要望の声ということでございますが、地元のご要望や利用者の声を聞くために、サービスセンターにお客様ご意見箱を設置しております。また、繁忙期前には、地元の消防、警察など関係機関との意見交換対策会議を開催しております。ボランティア団体とも意見交換を実施してございます。

○野上委員 ありがとうございました。
 また、包括外部監査の意見を申し上げますが、ここに書いてあるとおり、都民のための公の施設である都立公園に寄せられる苦情、要望は都民の声であることから、その情報を集約し、共有化して、苦情の削減に努めることが求められる。また、協会は、苦情処理のための特別の対策費が増加しないよう、日常及び定期的に実施する業務の中で苦情の発生を未然に防ぐよう、さらなる改善が必要であるというふうに指摘があります。
 今回、先ほどお知らせいただきましたトイレの特別清掃、協会が管理する都立公園等に対する苦情の中で、トイレの苦情というのは非常に多かったというふうに聞いています。それに対して、苦情処理のために特別に対策費が高ずることはよろしくないというふうに包括外部監査の方に書いてあるんですよ。見てください、一三五ページ。日常及び定期的に実施する業務の中でクリアできるんだったら、それをきちんと仕事の中に織り込んで仕事をしてくださいというふうに、監査の報告書の中に書いてあります。もちろん、この報告書がすべて正しいとか、ここの中で議論するつもりはありませんけれども、現に、このトイレの特別の清掃のために予算を計上しているわけですから、まずは日常業務をきちんとやっていただく。
 先ほどの答弁ですと、毎月きちんと報告をしていただいているというふうに伺っておりますが、トイレの掃除って、ここの都庁の中でも、もちろん清掃してくださる方がいらっしゃいますが、日常的な業務の一つですし、特別に何かしなくてはいけないというときって、それは日常の業務をきちんとやっていないということにならないですか。道路監、どうなんですか、その首のかしげは。

○上杉公園緑地部長 ただいま、公園におけるトイレの話題が先生からお尋ねがありましたけれども、我々、お客様の調査をしておるんですが、やはり公園に来たときにまず一番トイレ、トイレが汚いと公園全体のイメージが損なわれるというようなことがアンケート結果から出ております。そういう意味では、日常のトイレの清掃、もちろんこれ、指定管理者がきちんとやっておりますが、さらに、お客様が快適で、公園に来たときにトイレができるような、さらなるレベルアップの部分を今回特別にやったということで、トイレの清掃が公園に対する印象にすごく影響するというのは、我々の顧客満足度の調査なんかでもはっきりしております。
 以上でございます。

○野上委員 トイレの清掃についてはよく理解いたしました。理解はいたしましたが、日ごろから管理の方が少し気を使っていただいて、日常業務の中に少し入れていただければというふうに考えまして、先ほどの質問に至りました。
 いずれにしても、この公園協会、特命で独占的に現状では行っていますし、常に契約の履行に関しては透明性を保って、やはり都民に対して説明ができるような状況でいてほしいというふうに思います。つまりは、それは返していえば、公園協会からきちんと東京都の建設局の担当の職員の方に報告が来ている、で、きちんと建設局の職員の方が議会なり、あるいは都民に説明ができるようにしておいていただきたい。説明が二転三転するようでは、管理はどうなっているんだということにもなりますので、やはり特命の契約ですから、経済性、効率性、有効性の観点から少し自助努力を促していただきたいと思っております。
 この葛西臨海公園ですが、今後五年間の管理の後、先ほどの海浜公園と合同選定に戻すことも検討すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

○滝澤公園管理担当部長 指定管理者の選定に当たりましては、施設目的、実態その他周辺状況を踏まえまして、最も適切な方法により行っております。今後とも適切に対応してまいります。

○野上委員 これは特命ですから、非常に都民の厳しい目が向いている。指定管理もそうですけれども、仕事の投げ方、例えば全く異なる複数の業務、さっきも申し上げましたけれども、防災公園としての役割のオペレーションを担っていただく、あるいはクリスタルビューのような展望室というか、フラットな建物を管理していただく、あるいはトイレを管理していただく、複数の業務がこの公園の管理の中には入っているわけで、その複数の業務を一括して委託するということは、やはりこれは東京都の管理のやり方だけではなく、民間の中でも透明性を欠く行為というのは、一般的な常識です。
 ですから、今度スタートする特命あるいは指定管理については、なるべく業務間での予算の流用がないように、あるいは透明性を持ってきちんと説明ができるように、局の担当の職員の方もきちんと日ごろから把握していただけるように要望いたしまして、私の質問を終わります。

○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○橘委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時四十四分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る