委員長 | 橘 正剛君 |
副委員長 | 山田 忠昭君 |
副委員長 | 野上ゆきえ君 |
理事 | 島田 幸成君 |
理事 | 石森たかゆき君 |
理事 | 伊藤まさき君 |
野田かずさ君 | |
山下ようこ君 | |
興津 秀憲君 | |
かち佳代子君 | |
こいそ 明君 | |
木内 良明君 | |
高橋かずみ君 | |
中村 明彦君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 局長 | 村尾 公一君 |
次長 | 影山 竹夫君 | |
道路監 | 山口 明君 | |
総務部長 | 野口 宏幸君 | |
用地部長 | 四方 敏彦君 | |
道路管理部長 | 東 了一君 | |
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 | 吉原 一彦君 | |
三環状道路整備推進部長 | 戸谷 有一君 | |
公園緑地部長 | 上杉 俊和君 | |
河川部長 | 横溝 良一君 | |
企画担当部長 | 西倉 鉄也君 | |
総合調整担当部長 | 今村 保雄君 | |
道路保全担当部長 | 鈴木 昭利君 | |
道路計画担当部長 | 萩原 松博君 | |
公園管理担当部長 | 滝澤 達君 |
本日の会議に付した事件
建設局関係
事務事業について(質疑)
○橘委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより建設局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○野口総務部長 去る十月十九日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
目次に、四件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの各年度の整備延長、事業費、治水安全度達成率並びに主な事業をあらわしたものでございます。
二ページをお開き願います。道路補修費の予算と決算の推移でございます。
この表は、道路補修費につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの予算額と決算額及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
三ページをお開き願います。歩道の整備状況の推移でございます。
この表は、歩道の整備状況につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの各年度の整備延長と金額を、それぞれ区部と多摩部の内訳とともにあらわしたものでございます。
四ページをお開き願います。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得状況の推移でございます。
この表は、都市公園につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの維持管理費と整備費及び用地の取得状況の規模と金額をあらわしたものでございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○橘委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○島田委員 私の方からは、まず初めに、都立公園におけるスポーツ施設についてお伺いしたいと思います。
東京都は、スポーツ振興基本計画を策定し、都民のだれもが、いつでもどこでもいつまでも、それぞれの年齢や技術、目的に応じてスポーツを楽しむことができる社会の実現を目指しております。そういった方針の中で、新しく東京都に開設されたスポーツ振興局。笠井局長でありますが、公園の活用という意味で、建設局との連携の重要性を、先日発行された都政新聞のインタビューで発言されております。
建設局としても、このような流れを踏まえ、都立公園におけるスポーツ施設の整備、利便性の向上などを積極的に取り組むべきだと考えております。
そこで、都立公園におけるスポーツ施設の役割と整備の考え方について、まず初めにお伺いいたします。
○上杉公園緑地部長 都立公園におけるスポーツ施設は、都民の多様なレクリエーション活動や健康増進を支える場としての役割を果たしており、子どもから大人まで気軽に利用できる施設として整備しております。
整備に当たっては、公園の立地条件等の公園特性を踏まえ、地元等の要望にも配慮し、施設配置を行っているところです。
○島田委員 都立公園におけるスポーツ施設の役割と考え方についてはわかりましたが、しかし、スポーツを取り巻く環境の悪化、これを踏まえて、建設局としても積極的に取り組んでもらいたいと思っております。
平成二十一年十月に行われた東京都生活文化局によるスポーツ・運動に関する世論調査によりますと、公共スポーツ施設に望むことの中では、利用時間の拡大が三七%でトップ、次に、身近に利用できるように、施設数の増加が三二%、利用手続、料金の支払い方法の簡略化が三〇%と続いております。この調査から考えても、施設の充実及び利便性の向上が期待されるところでございます。
東京都のスポーツ施設を予約するに当たって、倍率がかなり高いという現状を聞いております。施設を利用するに当たっては、各団体、大変苦労をしているところであります。現実的には、施設をふやすということがなかなか難しい状況だと思いますが、世論調査のトップの要望にもあったとおり、利用時間の拡大、これは考えられると思います。
先日私は、TOKYO MXテレビ、トウキョウもっと研究所という番組に出演しまして、その中ではスポーツの振興がメーンテーマでありました。その中で、都内のスポーツ施設が不足する中、この問題を解決する案として、スポーツ施設の二十四時間利用ができないかという案が提示されました。
我々のライフスタイルが変化しております。夜遅くまで働く人も多くなっております。また、高齢化が進む中で、朝早くから活動されるお年寄りの方々もふえてきております。建設局としても、このような状況を踏まえ、スポーツ施設の利用時間の拡大を図る必要があると認識されていると思いますが、そこで、スポーツ施設の夜間利用など、利用者の声を踏まえて対応すべきだと考えておりますが、局のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。
○滝澤公園管理担当部長 都立公園のスポーツ施設につきましては、利用者から寄せられました要望等を踏まえまして、利用時間の延長などを検討してまいりました。冬でも利用が見込まれる芝公園テニスコートなど五施設を通年にわたり夜間利用ができるようにするなど、平成二十年度以降、計二十五施設で夜間利用の通年化を含む利用時間の延長を実施しております。
○島田委員 今夜間利用等、いろいろ都としても取り組んでいるということでございます。ぜひ利用時間の延長、この課題には積極的に取り組んでもらいたいと、そう思っております。
ところで、建設局が所管するスポーツ施設では、十九公園三十一施設で夜間照明設備が導入されております。これ、率であらわすと五〇%以上あるわけでありまして、都内の市区町村では、照明設備率は大体一七%ということでございますから、東京都の施設は、そういう点では、夜間が利用できるような状況になっているというふうに思いますが、このような状況を踏まえて、今後とも既存の施設を利用しながら、利用時間の延長の取り組みを強化していくべきだと考えております。取り組みに当たっての課題をお伺いしたいと思います。
○滝澤公園管理担当部長 利用時間の延長を行うに当たりましては、利用者から具体的な要望が寄せられ、十分な利用が見込まれることや、周辺住民などの十分な理解を得る必要があることなど、多くの課題があると認識しております。
○島田委員 特に騒音の問題だとか設備の問題等、いろいろ課題があるという現状はわかっております。しかし、先ほど申し上げたとおり、非常にスポーツ施設の不足ということがございますので、東京都の方針、これは、スポーツを振興していくという大きな方針が出されております。二年後には東京国体が開催されますし、子どもたちの体力の低下、これは非常に問題になっております。大人のメタボの問題、都民の健康を維持していくためにも、スポーツ施設の整備、また、利便性の向上、これが重要であると考えておりますので、これらのさまざまな問題、あるのはわかっておりますけれども、これらの問題を解決していただいて、ぜひ都立公園内のスポーツ施設をうまく活用して、都民のスポーツ、体力の向上に取り組んでもらいたいと、そういうふうに最後に要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
次は、災害に強いまちづくりについて、ご質問させていただきます。
東京都は災害に強いまちづくりを目指しております。そのような中、近年、気候変動により、さまざまな被害が起こっている。皆様ご承知のとおりだと思います。最近でも、奄美大島での集中豪雨は、死者三名、千二百四十八世帯の避難勧告を行い、また土砂崩れ、インフラの寸断など多くの被害をもたらしております。
ゲリラ豪雨ですね、都内で多くの被害をもたらしているわけであります。私の選挙区は、西多摩選挙区でありまして、東京の一番西の地域であります。山、川、これがまだまだ残っておりまして、自然が多い地域であります。多くの被害があるわけであります。
ちょっと皆様方に口で説明するより、パネルでご説明した方がわかりやすいと思ったので、きょうお持ちしましたけども、これは、冠水の状況であります。七月にこの冠水は起こったわけでありますけれども、西多摩郡の瑞穂町での冠水の被害でありまして、これはですね、私もこの場所をよく通るんでありますけれども、国道一六号と都道である岩蔵街道、これが交差する、非常に交通量の多い地域でありまして、この場所は、この冠水により交通規制がかかり、道路が渋滞したという状況でございました。この様子が、テレビの全国放送でもニュースで取り上げられ、地域として、何とかしてこういう状況を改善していただきたいという多くの要望等も上がっておる中であります。
この冠水を調べましたところ、これまでに数回、ずっと起きているということで、建設局としても対応はされてきていると思います。しかし、建設局として、この状況をどう把握しているのか、そして、今までにこの冠水を防止するためにどのような対策を行ってきたのか、今後どのような対策を行おうとしているのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木道路保全担当部長 当該箇所における道路冠水の抜本的対策でございます、地元自治体による雨水管配備が進まない状況の中、都はこれまで道路管理者として、緊急措置としての雨水管の整備、浸透ますの設置及び車道における透水性舗装の試験的施工など道路冠水対策を行うとともに、道路排水施設の清掃や点検に努めてまいりました。
ご質問の、これまでの冠水の状況でございますが、平成十二年度、十三年度というときには、年に十回前後冠水してございましたが、ただいま申し上げました道路冠水対策を行うことによりまして、おおむね年に二回程度ということで、何とか回数については、減少させることができてございます。
また、日ごろから道路冠水時に備えまして、道路冠水時通行どめの看板を設置するなど、通行車両等への注意喚起を行っております。
さらに、大雨に関する注意報、警報が発表された際には、本庁及び建設事務所では、連絡体制、警戒配備体制を立ち上げ、都道における非常事態に備えております。
先日の岩蔵街道のように道路冠水が発生した場合には、速やかに現場確認を行い、適切に対応を行うことで、通行の安全確保に努めております。
○島田委員 今ありましたけれども、本当に今まで多くあったと。対応して、数は減っているということでありますけども、集中豪雨ですね、今、五〇ミリの対応から七五ミリの対応をしているところも数多くあるということですけども、これを見ますと、これはパトカーがこう入ってきたわけですけども、車のタイヤ半分ぐらいのところまで水かさが来ておりまして、本当に東京都内でこのような場所があるのかというようなことでありますので、ぜひこれは東京都として一生懸命対応していただいて、このような冠水がないような対応をぜひよろしくお願いしたいというふうに重ねてお願い申し上げます。
一方で、都道において道路冠水のおそれのある箇所としては、こういう低い場所と、そしてもう一つ、アンダーパスが考えられるわけであります。ことしの八月二十五日には、国土交通省で、異常な集中豪雨時に冠水する可能性があるアンダーパスを取りまとめて、道路冠水注意箇所マップとして公表しております。これによると、都内には百十六カ所のアンダーパスがあるということでありますけども、このうち、都内には冠水対策が必要なアンダーパスは何カ所あり、どのような対策をとっているのか、お伺いいたします。
○鈴木道路保全担当部長 冠水対策が必要な都道のアンダーパスは四十六カ所ございまして、都では、これらすべてに、一時間五〇ミリメートル降雨に対応できる排水設備を設置し、都民の安全を確保しております。
また、この四十六カ所について、整備水準を超える豪雨による道路冠水に備え、冠水時にアンダーパスへの車の進入を防ぐため、電光表示により利用者に注意を喚起する冠水警報設備の設置を進めております。平成二十二年度末までに三十八カ所で設置し、早期の完了を目指して取り組んでおります。
○島田委員 今、アンダーパスの安全対策を行っているということでございます。皆様もご承知かと思いますが、二年前には、アンダーパスで女性が取り残されて死亡するという事故が起きております。ぜひですね、冠水が起きるおそれのある箇所の把握、整備、そして安全対策をよろしくお願いしたいというふうに思います。
また、私の選挙区である西多摩地域でありますが、先ほども申し上げたとおり、東京の中でも、島しょ地域に等しく、山間部急斜面の場所が数多くあります。近年の気候変動による災害が心配されております。
平成十九年の台風九号が発生した際には、檜原村では総雨量が六〇〇ミリメートルを超える大雨が降りました。その際、この檜原村の藤原地区でございますが、大規模ながけ崩れが発生し、東京都が対策工事を行っております。私は、この工事の進む現場を拝見させていただきまして、その規模の大きさに、改めて土砂災害の恐ろしさを認識しているところでございます。
土砂災害から住民の命を守るには、こうしたハード対策を積極的に進めるとともに、住民に危険性を知らせるといったソフト対策も合わせて推進する必要があると考えております。
そこで、都が西多摩地域で実施している土砂災害の防止に向けた、ハード、ソフト両面の取り組みについてお伺いいたします。
○横溝河川部長 都は、土砂災害から都民の生命と暮らしを守るため、土石流やがけ崩れなどの危険性が高い箇所、過去に災害が発生した箇所におきまして、ハード対策として、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業などを実施しております。
具体的には、現在、奥多摩町の峰入川支川など四渓流で、土石流をとめる砂防堰堤などの整備を実施しております。また、お話の藤原地区など四地区で、がけ崩れを防ぐのり枠などの整備を進めております。
一方、ソフト対策といたしましては、土砂災害の危険箇所を住民に明らかにし、安全に避難行動がとれるよう、土砂災害警戒区域等の指定を西多摩地区から順次進めております。
○島田委員 この、先ほど申し上げた檜原藤原地区におけるがけの崩壊に対する、今のハード対策、これは二十億近い費用をかけて計画されて、今実行して、かなり進んでいるというところでございます。コストが非常にかかるわけでありまして、ぜひそういったような費用のコスト、これも含めると、やはり危険箇所の調査、把握、これも非常に大切なことであるというふうに思っております。
災害に際しては、そういったお金の問題より人の命、これが奪われることのないよう、ぜひとも東京都としても、対策、調査をよろしくお願い申し上げたいと思います。そして、改めて災害に強い東京都市の実現を期待しまして、私の質問を終わらせていただきます。
○高橋委員 最初に、事業概要七一ページの河川の整備についてお尋ねいたします。
本年も日本各地で台風や集中豪雨による浸水被害が相次いでおります。都におきましても、七月には、石神井川で洪水を含む浸水被害が発生いたしました。建設局の水防本部の設置回数が、これまで最多であった平成二十年を超え、十八回を記録したと聞いております。まさに、集中豪雨の多さを如実にあらわしておるわけであります。
都では現在、中小河川について、一時間五〇ミリの降雨に対応する整備を進めておりますが、いまだに五〇ミリ対応の整備が完了していない区間も多く、早急に整備を進めていく必要があると私は考えます。
そこで、まず、都内の中小河川の整備状況がどのくらいであり、どのようにスピードアップを図っていくのか、お伺いいたします。
○横溝河川部長 都の中小河川におきましては、一時間に五〇ミリの降雨に対処するため、護岸や調節池などの整備を進めております。
平成二十一年度末現在の護岸整備率は六四%でございまして、これに調節池等の効果を加えた治水安全度は七五%でございます。
都では、護岸の整備に加え、古川、白子川の地下調節池のように、用地の買収を要しない道路や河川の空間を利用することや、妙正寺川における鷺の宮調節池のように都営住宅の敷地を活用するなど、事業期間を短縮するためのさまざまな工夫により、五〇ミリ対策のスピードアップを図ってまいります。
○高橋委員 五〇ミリ整備のスピードアップを図りまして、一日も早い完了を目指していただきたいと思います。
冒頭でもお話ししましたとおり、七月に北区において、洪水を含む浸水被害が発生いたしましたが、その箇所は五〇ミリ対策が完了している区間であるとのことでありました。その一方、練馬区内の白子川や石神井川では、三〇ミリ対応を五〇ミリ対応の護岸に拡幅する整備を進めているところでありまして、今回の浸水箇所よりも浸水の危険性が高い状況であります。そのため、練馬区内においては、早期整備が喫緊の課題であるといえます。
そこで、白子川と石神井川の五〇ミリ整備について、進捗状況について伺います。
○横溝河川部長 白子川と石神井川の整備に当たりましては、下流から順次護岸整備を進めることを基本に、調節池を効果的に組み合わせて整備し、水害の早期軽減に努めてまいりました。
白子川の進捗状況でございますが、平成二十一年度末現在の治水安全度は、河川全体で五七%、練馬区内では三八%でございます。
また、石神井川の進捗状況でございますが、同じく全体で八六%、練馬区内では七〇%でございます。
○高橋委員 平成十七年に、私の地元を流れる白子川でも二度の水害が発生するなど、近年、毎年のように水害が発生しております。ただいまご答弁がありましたとおり、特に白子川の整備率が低いことから、平成二十二年第三回定例会の常任委員会での質疑において触れたところでありますが、白子川調節池など効果的な整備を進め、早期に安全性を高めることが重要と考えます。
そこで、白子川における今後の整備の進め方について伺います。
○横溝河川部長 白子川では現在、比丘尼橋上流調節池の上流にあります東映橋付近で護岸整備を行っております。また、その上流の一新橋までの九百メーターの区間につきましては、現在、用地測量等を行っております。
一方、白子川調節池につきましては、トンネル及び到達立て坑工事の契約手続中でございまして、年度内に工事に着手する予定でございます。
引き続き、平成二十七年度の暫定取水を目指し、整備に取り組んでまいります。
○高橋委員 白子川地下調節池は、水害対策にとりまして特に有効な施設であり、一日でも早い完成を望んでおります。
さて、平成二十一年十一月に策定されました白子川流域豪雨対策計画におきましては、流域の浸水被害を軽減する目的で、下水道の放流量の拡大が計画されております。雨水のたまりやすいくぼ地等の浸水を軽減するためには、放流制限の緩和は有効な手段と考えます。そのためには、河川の整備が前提となるということはいうまでもありません。
そこで、白子川における下水道の放流量の拡大に向けた取り組みについて伺います。
○横溝河川部長 一般に河川へ下水を放流する場合は、河川の整備状況に応じて、河川管理者と下水道管理者が協議を行い、下水道からの放流量を決めております。
これまでも神田川や野川などでは、河川の整備が完了した区間から下水の放流拡大を行ってまいりました。
お話の白子川では、三〇ミリ対応から五〇ミリ対応へ河川整備を進める中で、河床の掘削などにより流下能力を向上させ、それに応じた放流量の拡大に向けて、順次整備を進めてまいります。
今後とも、都民の命と暮らしを守るため、下水道管理者と密接な連携を図りながら、中小河川の整備に全力で取り組んでまいります。
○高橋委員 今後とも緊密な連携を図りながら、流域全体の安全性を高めていただきたいと要望しておきます。
さきの第三回定例会の常任委員会など、議会でも再三にわたり意見表明や質疑を行っておりますが、今こそ次期整備水準を定め、早期に次のステップに移行するとともに、現在建設中の白子川地下調節池を有効に活用するという観点からも、ぜひ石神井川からの緊急取水と、既設の環七地下調節池を結ぶ広域調節池の整備を強く要望しておきます。
知事がたびたび、自然現象は人知の及ばぬものと発言されているとおり、ハード対策だけでは限界があることも事実であります。そのためには、都民への情報提供などのソフト対策も重要であります。雨量や水位情報など、迅速かつ的確な防災情報の充実に努めていただくなど、都民生活の安全確保についてもお願いしておきます。
次に、事業概要二六ページの道路の建設についてお尋ねいたします。
東京の道路整備は、渋滞解消はもとより、防災性の向上、環境改善、まちづくりの推進などのためにも不可欠であり、私はかねてよりこのことを訴えてきました。
私の地元である練馬区に目を向けると、都市計画道路の整備率は約四八%であり、東京都区部の約六〇%と比較して、極めて低い整備水準であります。さらに、笹目通りを境とした練馬区西部地域の整備率は、私の試算では約二七%と、またまた極めて低い状況であります。
このため、平成十三年に都議会議員として初登庁以来、私は機会あるたびに、この地域の道路整備の必要性を訴え、早期整備を要望してまいりました。
そこで、練馬西部地域における都市計画道路の取り組み状況について伺います。
まず、外環アクセスとしても重要な路線である放射七号線について伺いますが、現地を確認すると、かなり用地取得が進んできたように思われます。そこでまず、放射七号線の用地取得状況について伺います。
○四方用地部長 放射第七号線は、区部と多摩地域を結ぶ骨格幹線道路で、外環へのアクセス道路としても重要な路線でございます。
練馬区内の北園交差点から西東京市境までの延長約二キロメートルの区間につきまして、平成十八年七月に事業に着手しております。
用地取得が本格化した平成十九年度から二十一年度までの三年間で、毎年二〇%以上の用地を取得した結果、本年十月末までに約七九%の用地を取得することができております。
○高橋委員 用地の進捗がかなり進んでいることが確認できました。これから工事に入っていくと思われますが、そこで、放射第七号線の今後の工事の予定について伺います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本区間は、往復二車線で十一メートルの車道の両側に七メートルの歩道を整備する計画でございます。
歩道の整備に当たっては、歩行者空間と自転車走行空間を植樹帯で分離し、バリアフリーにも配慮しております。
今年度は、用地取得が進んでいる西東京市境及び本区間中央で交差する都道練馬所沢線西側の工事用搬入路の整備に着手し、来年度は、配水管設置工事を行う予定でございます。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期完成を目指し、積極的に事業を推進してまいります。
○高橋委員 次に、西武新宿線上石神井駅南側の立野橋交差点付近で事業中の、補助第二二九号線について伺います。
補助第二二九号線を含むこの地域では、練馬区のまちづくり構想もありますが、現道の千川通りは、千川上水緑道と並行した幅員五・五メートルの歩道もない狭隘な道路であり、特に歩行者、自転車の安全な通行に支障を来しているため、早期の拡幅整備が必要であります。
そこで、補助第二二九号線の進捗状況について伺います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 補助第二二九号線は、練馬区旭丘一丁目を起点とし、練馬区関町南四丁目を終点とする延長約十キロメートルの都市計画道路であり、起点から環状第八号線までの六・九キロメートルが完成し、環状第八号線から立野橋交差点までの一・五キロメートルが概成しております。
現在、立野橋交差点から青梅街道までの四百三十メートル区間で事業中でございまして、往復二車線、八・五メートルの車道の両側に、約五・八メートルの歩道を整備いたします。歩道の整備に当たっては、歩行者空間と自転車走行空間を植樹帯で分離し、バリアフリーにも配慮してまいります。
本区間の整備によりまして、交通の円滑化を図るとともに、千川上水緑道と一体となった緑豊かな歩行者空間を確保いたします。既に約九三%の用地を取得し、歩行者や自転車の安全性向上のために仮歩道を整備いたしました。現在、立野橋交差点付近と青梅街道付近で配水管設置工事等を施行中でございまして、来年度は、電線共同溝設置及び街築工事を行う予定でございます。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら早期完成を目指し、事業を推進してまいります。
○高橋委員 用地取得がかなり進んでいるようなので、工事の一層の推進を要望しておきます。
次に、地下鉄大江戸線延伸の導入空間となる補助第二三〇号線について伺います。
練馬区北西部地域は、東京都区部において数少ない鉄道交通不便地域の一つであり、この地域の住民にとって、地下鉄大江戸線の延伸は長年の悲願であります。私は、昭和六十三年に設立された大江戸線延伸促進期成同盟の活動にも積極的に参加し、過日の十月十四日には、副知事を初め、関係局長に要請したところであります。
現在、笹目通りから土支田通りまでの区間について、練馬区施行の区画整理事業と、都市整備局施行の街路事業が順調に進められております。
そこで、これに引き続く建設局施行の、土支田通りから大泉学園通りまでの区間について、これまでの取り組み状況を伺います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 補助第二三〇号線は、練馬区北西部における道路ネットワークを形成する重要な路線でございます。土支田通りから外環までの八百五十メートルの区間は、平成二十一年七月に事業認可を取得し、用地取得を進めております。また、外環から大泉学園通りまでの千二百五十メートルの区間は、本年八月十日に事業認可を取得いたしました。これによりまして、補助第二三〇号線のうち、第三次事業化計画で優先整備路線に位置づけた、すべての区間が事業化されました。
○高橋委員 大江戸線延伸の導入空間全線で事業化されたことを受け、地域の住民の期待は大変高まっております。
そこで、補助第二三〇号線の土支田通りから大泉学園通りまでの区間の今後の取り組みについて伺います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 土支田通りから外環までの区間につきましては、引き続き用地取得を進めるとともに、外環から大泉学園通りまでの区間につきましては、年内に用地説明会を実施し、用地取得を開始してまいります。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期完成に向け、事業を推進してまいります。
○高橋委員 先ほども申し上げましたが、地域住民の声にこたえるべく、事業の一層の推進をお願いします。
これまでお尋ねしてきた東京都施行の路線以外にも、都市計画道路の第三次事業化計画において優先整備路線に位置づけられている路線が多くあります。その中でも、練馬区施行の補助第一三五号線については、大泉学園駅南側から補助二三二号線交差部までの区間を二十三年度から測量に着手する予定であると聞いておりますが、練馬区西部地域の道路ネットワークの形成のためには、さらに青梅街道までの延伸が不可欠であります。
今後は、こういった路線などを含め、特に整備のおくれている練馬区西部地域の都市計画道路の事業化や整備を早急に進めることを強く要望しておきます。
次に、連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
都市計画道路の整備を推進する一方で、忘れてはならないのが、鉄道の踏切問題であります。都内にある数多くの踏切は、交通渋滞や市街地の分断による都市の活力低下の要因になっております。連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却し、交通渋滞の解消を図るとともに、鉄道で分断されていた地域の一体性を高めるなど、極めて効果的な事業であります。
私の地元練馬区では、現在、西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業が進められております。私はこれまで都議会の場を通じて、幾度となく、この事業の取り組みについて伺い、早期の高架化に向け、積極的な事業の推進を要望してきたところであります。平成十九年五月に事業化されてから、事業は着実に進み、本年二月には、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの上り線が高架化されました。これにより、富士街道の交通渋滞が大幅に改善されるなど、大きな効果が得られております。地元住民は、着実に進む事業に対し、非常に高い関心を持っており、一日も早く踏切がなくなることを切望しております。
そこで、この事業の進捗と取り組みについてお伺いいたします。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本事業は、西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅までの延長二・四キロメートルの区間を高架化し、九カ所の踏切を除却することにより、富士街道の交通渋滞の解消などを図るものでございます。
このうち、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの一・二キロメートルの区間につきましては、本年二月に上り線を高架化いたしました。現在、平成二十三年春の踏切除却を目指し、下り線の高架化工事を進めております。
また、石神井公園駅付近から大泉学園駅までの一・二キロメートルの区間につきましては、現在、用地取得を進めるとともに、平成二十四年度の工事着手に向け、詳細な施工方法等の検討を始めました。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら、一日も早い完成を目指し、積極的に事業を推進してまいります。
○高橋委員 石神井公園駅付近では、来年の春に踏切が除却されるなど、着実に事業が進んでいることがわかりました。
一方、事業の進捗に伴い、高架下の利用についても、地元住民の関心が高まっております。既に高架化が完了している桜台駅から練馬高野台駅までの区間では、高架下に駐輪場や区の谷原出張所などが整備され、地元の方々に大変喜ばれております。本事業においても、高架下の区間を有効に利用していくべきと考えます。
そこで、高架下の利用に関する取り組みについて伺います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本事業によりまして新たに生み出される高架下は、貴重な都市空間であり、地域のまちづくりと密接に関連しております。このため、高架下利用計画の検討、調整を行い、公共施設等設置の円滑な推進を図るため、本年五月、東京都、練馬区、西武鉄道の三者を構成員とする高架下利用検討会を設置いたしました。
今後、都は事業主体として、この検討会を通じ、沿線のまちづくりとの整合や地元要望などを総合的に勘案し、高架下の有効な利用の実現に向けて積極的に調整してまいります。
○高橋委員 西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業においても、ぜひ高架下利用について地元の要望に十分配慮し、東京都は積極的な調整をしていただくようお願いしておきます。
一方、練馬区内には、事業が進んでいる西武池袋線のほかに、西武新宿線があります。新宿線の井荻駅から東伏見駅付近については、連続立体交差化の事業候補区間として検討が進められており、上井草、上石神井、武蔵関駅付近の踏切解消に地元住民は大きな期待を寄せています。
先ほど補助第二二九号線の質問の際にも申し上げましたが、上石神井駅周辺地区では、以前からまちづくり協議会が組織され、この協議会の提言をもとに、練馬区では上石神井駅周辺地区まちづくり構想を策定しております。
また、この地区を縦断する外環は、昨年、本線が事業化され、まちづくりと密接に関連する地上部街路についても、地元との話し合いが始まっております。
さらに、武蔵関駅周辺地区においても、まちづくり協議会が設立されるなど、まちづくりの機運がますます高まってきております。このことを踏まえ、ぜひ東京都は事業化に向けた課題の解決を推し進め、西武新宿線井荻駅から東伏見駅付近の連続立体交差化を早期に実現していただくよう、強く要望しておきます。
次に、事業概要九五ページの公園、霊園に関連し、防災公園の整備や管理についてお尋ねいたします。
防災公園の整備は、万一の災害時に都民の命の安全を守る上で極めて重要であります。都民の多くが期待しているこの防災公園の整備について、私は折に触れ、その進捗について質問し、その都度、建設局の積極的な取り組み姿勢を確認してまいりました。
平成二十一年度までに大規模救出救助活動拠点十一公園のうち十公園の整備が、ヘリコプターの活動拠点となる公園では二公園の整備が完了しており、また、文化財庭園以外で避難場所に指定され、救出救助活動拠点との重複を含む五十公園では、十四公園の整備が既に完了しているとのことであります。
今後も計画的に整備に取り組んでいくことと思いますが、今後の防災公園の整備予定をお伺いいたします。
○上杉公園緑地部長 都立公園は、震災時における救出救助活動の拠点として、また、都民を安全に保護する避難場所として中心的な役割を有しており、計画的に防災公園の整備を実施しております。
さらに、発災時に避難場所としてのサポートをしつつ、なおかつ、大規模救出救助活動拠点等を確保する必要がある公園は、防災公園グループとして一体的、継続的に管理し、迅速な対応に努めております。
防災公園の整備予定につきましては、まず、首都圏で大規模な災害が発生したときに基幹的広域防災拠点となる東京臨海広域防災公園につきましては、平成二十二年度、七月に一部を除き開園しておりますが、二十二年度中に整備を完了する予定でございます。
次に、震災時に大規模救出救助活動拠点となる十一公園では、残り一公園の整備を平成二十三年度に終了、十一公園すべて完了する予定でございます。
さらに、医療搬送や緊急輸送のためのヘリコプターの活動拠点となる十五公園では、平成二十四年度までに十一公園の整備を完了する予定でございます。
また、文化財庭園を除きまして、救出救助活動拠点との重複を含む避難場所五十公園では、平成二十四年度までに三十七公園の整備を完了する予定でございます。
今後も、これらの目標の実現に向け、着実に整備を進めてまいります。
○高橋委員 避難場所に指定されている公園の整備は、五十公園のうち、現在は十四公園で、三割弱の完成とのことでありますが、平成二十四年度末には三十七公園、七割強にまで上がるということになります。都民の安全確保のため、今後も計画どおり整備を一層推進していただくことをお願いしておきます。
さて、都立公園のような大きな防災公園は、避難だけでなく、救出救助活動の拠点としても十分に機能しなければなりません。それぞれの公園では、機能に応じてさまざまな施設を整備していると思いますが、具体的にどのような施設を整備しているのか、伺います。
○上杉公園緑地部長 具体的な施設の整備でございますが、まず、大規模救出救助活動拠点となる公園では、救援活動のための大型車両が進入できるような入り口の拡幅、また、沿道舗装の強化などを実施しております。
次に、ヘリコプターの活動拠点となる公園では、ヘリポートとなる広場の地盤強化や車両アクセスの確保を行っております。
また、避難場所となる公園では、夜間、停電時にも避難者を誘導するソーラー式誘導灯や、水道の供給がとまっても使える防災トイレを設置しております。この防災トイレは、マンホール式の受け口の上に仮設の便器と囲いを置くタイプを設置しております。そのほか、かまどとしても使えるベンチ、井戸などを整備しております。
今後とも、都民の安全性の確保のため、防災公園の整備を推進してまいります。
○高橋委員 都が防災公園の整備の重要性を認識し、それぞれの公園に必要な整備を着々と行ってきたことは評価したいと思います。
しかし、どんなにすばらしい整備を行っても、それだけでは防災性が発揮されるというものではないと思います。そこに魂を入れるような実践的な取り組みが極めて重要であると考えます。防災公園としての機能を十二分に発揮していくためには、災害発生時に備え、日ごろから訓練を積み重ねていくことが不可欠であります。
そこで、私の地元である光が丘公園では、日ごろからどのような取り組みが具体的に行われているのか、伺います。
○上杉公園緑地部長 地元区や警察、消防、また、各団体等と、日ごろからさまざまな取り組みを通じて協力関係を構築しております。
また、防災性の向上を確たるものにするためには、発災時に備え、施設管理も含め、日ごろから地域と連携し、公園全体の状況等を熟視しつつ、訓練等を積み重ねていくことが重要です。
ご指摘の光が丘公園では、防災公園グループの一つとして、これまで指定管理者が中心となって地元区や地元自治会などと連携した防災訓練、応急給水訓練、地元消防署や消防団と連携した応急炊き出し訓練を初めとする各種訓練、都との合同による参集訓練、防災無線を活用した通信訓練など、幅広い連携を通じ、さまざまな訓練等を継続的に実施しております。
今後とも、地域との連携を重視しつつ、災害発生時に備え、日ごろから実践的な取り組みを積極的に行ってまいります。
○高橋委員 災害発生時に備え、日ごろから地域との連携を通じた訓練など、地道な取り組みを行うことは防災公園としての使命を果たす上で極めて重要であると考えます。今後とも、地域との連携をさらに発展させ、より強固なものとしつつ、いざというときに向け、整備、管理両面での備えを万全なものとするよう強く要望しておきます。
さて、これまで災害発生時に備えた取り組みについて伺ってきましたが、一方で、公園は平時において公園を訪れる多くの利用者が憩いの時間を十分に堪能する空間をつくり出せるよう、魅力ある公園づくりに努めていくことも重要であると考えます。
例えば、朝から訪れる利用者が、ひとときの散歩や単に園内を周遊するだけのわずかな数時間で帰ってしまうということでは、魅力ある公園と呼べないのではないかと私は思います。自然に触れ合いながら、時間がたつのを忘れるほど一日の大半の時間を有意義に過ごせるということが公園のあるべき姿であると私は考えます。
今、まさに団塊の世代が大量退職期を迎え、第二の人生を謳歌すべく、余暇をどのように楽しもうかいろいろと考える人も多いのではないでしょうか。自然の中で散歩や読書、ゆったりとお茶を楽しむなど、公園に期待を寄せることが多くなるのではないかと私は考えます。そのような期待にこたえていくためにも、利用者の利便性の向上に欠かせないベンチやトイレを初め、さまざまな公園施設についても魅力あるものとしていく必要があるものと考えます。
そこで、そうした公園のあるべき姿を踏まえた魅力ある公園づくりについて、局の取り組みを伺います。
○上杉公園緑地部長 都では、水郷の景観を生かした水元公園の整備や丘陵地の公園での里山の自然環境を保全、回復する整備など、整備段階から立地や地域の特性を生かすとともに、思い出ベンチ事業によるベンチの増設や、防災トイレ整備に合わせた老朽トイレの改築などにより、公園施設の質、量の充実を図るなど、公園の魅力向上に取り組んでおります。
また、上野公園における再整備計画において、新たなオープンカフェの導入を検討しているほか、公園内における規制緩和を通じたさまざまなイベントを開催するなど、公園のスペースを生かしたさまざまな取り組みを推進しております。
さらに、公園の空間を利用した木漏れ日カフェの実施や、焼きたてパンの提供、また、バーベキュー広場での器材のレンタルや食材の販売など、利用者のニーズにこたえたサービスを展開しております。
今後とも、ご指摘の趣旨を踏まえつつ、多くの都民、利用者に愛されるような魅力ある公園づくりに努めてまいります。
○高橋委員 都立公園において、利用者のニーズを踏まえながら魅力ある公園づくりに向けていろいろと取り組んでいることはわかりました。しかし、都民、とりわけ利用者が主役である公園にあって、長い時間を満足して過ごせるような空間をつくるには、まだまだ道半ばであると私は考えます。
都立公園には、都市部や丘陵地など、地域においてさまざまな特性を持った公園があるわけでありますが、そうした特性などに応じて、一つ一つの改善を積み重ねながら、一日の大半を有意義に過ごせるような、まさに公園の原点ともいうべき魅力ある公園づくりに向け、今後とも積極的に取り組んでいただくよう強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○木内委員 ちょうど十月二十七日に、ソウルの市議会の訪問団が都庁を訪れました。各会派の代表と、その日、歓迎宴を行いました。非常に都市づくり、新たなまちづくりの課題に向けて、真摯で精力的な懇談が都議会の代表とソウル市議会の代表で行われたわけでありますが、その日の昼間のニュースの報道で、政府の仕分け事業の報道がありました。スーパー堤防事業が廃止になるという報道があって、ソウルの市議会の皆さんから問題提起がその懇談会であったんです。
私は、日本国内の民主党政権における作業でありますから、外国の賓客に向けてこれをあしざまにいうことは一切しませんでした。これは外交のルールでありますから。しかし、にわかにソウルの市議会議員の皆さんから、スーパー堤防事業がなぜ廃止になるんですかという議論が発信されました。
私はこのときに、孟子に出てくる中国の故事を引用しまして、通訳を入れてのことでありますから大分長い話になったんですけれども、紀元前七百年のころ、中国の、今でいう黄河の周辺に、各国が群雄割拠して勢力争い、侵略と殺りくの歴史が繰り返されていた時代があるんですけれども、有名な言葉に葵丘の会盟という、こういう故事があるんです。
これは何かというと、勃興してきた一つの大きな国家に対して、群雄割拠した黄河周辺諸国がいろいろな協定を結んで、そうして大国の勃興を抑えようという盟約の場だったんです。
これは実はどういう意味で引かれているかといいますと、いろんな約束事をこの葵丘の会盟で行ったんですけれども、それらの約束のことごとくが実は破られた。全部約束がほごにされた。ただ一つ守られた約束事があった。それは、各国が持っている黄河に面した部分の堤防を曲げない、防を曲げずということだった。防を曲げずということは、要するに決壊をさせないということ。これは、敵国も壊滅するけれども、自分の方もだめになってしまう。これはもう最後の生命線の原点である。
こういうことがありまして、実はこの故事というのは、いわば河川に対する治水、利水の大きな意義というものを現代に警鐘を乱打している、こういう故事だということをそこで私が申し上げたわけであります。
したがって、いきなりソウルの話、それから中国の話、スーパー堤防と話があちこち飛びましたけれども、きょうは、まず冒頭、河川の事業を中心にお尋ねをしてまいりたいと思うわけであります。
もっとも、今、韓半島のソウルの近くの漢江、ご存じのように漢江ルネッサンスというのが大きな国民的議論の中で、今、事業に向けての模索が続いているわけだし、建設局の皆さんだからごらんになったと思うけれども、私も平成十七年、訪問団の一員としてソウルを訪ねたときに、清渓川の河川改修の現場も見てまいりました。これは見事だった。単に水害に対する、いわゆる防災上の意味だけではなくて、人々に憩いと安らぎと、また、大変に豊かな都市空間を提供するのに役立った大事業だったわけでありますけれども、こういったことも念頭に置きながら、何点かまずお尋ねをしてまいりたいと思います。
初めに、下町河川の治水とにぎわいということについてであります。かつて東京は、水の都といわれたように、隅田川、あるいはこれにつながる河川を人や物が行き交って、水辺の文化が花開いたまちであります。東京の魅力を一層向上させるためにも、こうした歴史を踏まえて水辺を再生し、新たなにぎわいを創出していくことが重要だと思うわけであります。
一方で、東京の東部低地帯は地盤が元来低くて、過去にはたびたび高潮や洪水による被害に見舞われてきた地域でもあります。この東京の低地帯には、東京湾の満潮面より低い地域だけでも約百五十万人の都民の方々が暮らしておられまして、万が一、大地震で堤防や水門等が損壊をすると、甚大な被害が生じるおそれもあります。
かつて、キティ台風や何かのときの水位計が今でもまちの中にありますけれども、頭上をはるかに超える高い部分に当時の水位が刻まれていて、そのおぞましい記憶を持ったまちの古老も大勢まだおられるわけであります。
したがって、河川のにぎわいを創出していくに当たっては、まずこの東部低地帯を水害から守ること、これが第一義。第二義として、安全なまちとしていくということ。さらに、そこから都民にとって豊かで潤いのある生活を提供できる、その環境の原点としていくべきであると、こう思うわけであります。
私は、そういう意味からも、これまで機会をとらえては具体的な施策の事業の推進も含めて訴えてきたところでありますけれども、きょうは環境・建設委員会の新しい編成のもとでの初めての事務事業の質疑ということでありますので、初めに、都が東部低地帯で行っている河川における高潮対策のこれまでの具体的な進捗状況と成果についてご報告をいただきたいと思います。
○横溝河川部長 高潮対策につきましては、日本最大の被害をもたらした伊勢湾台風を想定して整備を進めております。これまでに、東部低地帯の河川におきましては防潮堤や水門等の施設がほぼ完成しておりまして、現在の整備水準では高潮に対する堤防の高さは確保されております。
一方、隅田川などでは、耐震対策としてスーパー堤防やテラス整備を重点的に進めております。
また、お話の江東内部河川では、特に地盤の低い東側地区につきまして、水門等で締め切り、水位を下げることなどによりまして安全性の向上を図っているところでございます。
○木内委員 水位の低下策等、後ほどまた触れたいと思いますけれども、着実にこの事業が進捗をし、今、大きな成果を上げていて、東京の東部地域下町一帯では、人々は本当に災害に対して、この事業に対する信頼感もあるし、あるいはまた、今住んでいる地域における定住率が非常に向上してきているという側面的特徴もあるのであります。
それで、今もありましたけれども、都が重点的に進めている事業の一つとして、隅田川などにおけるスーパー堤防の整備があるわけであります。さっきも触れましたけれども、これはこれで私は正確だと思うのですが、インターネットで行政刷新会議事業仕分けというページを見ました。スーパー堤防事業に対する評価者のコメント、評価シートに記載された特記事項という資料を見たんです。どなたがどのご意見をおっしゃったのかわからないけれども、恐ろしい事態になってくる政局だなと思った。例えば、評価者のコメント、スーパー堤防事業に対して、単純にむだな事業だと思いますと、こういってるんです。考えられない発言なんです。
それで、私は、きょうは環境・建設委員会ですから、なじまないことでありますからやりとりは避けますけれども、例えば事務事業の事業仕分け、これはきちんとした制度の位置づけですとか、あるいは政府全体におけるほかの施策との整合性を持って、恒久的に実施する仕組みをつくるべきであって、やはり一時のパフォーマンスとか、あるいは大向こう受けをねらうような、そういう作業であってはならないと思うんです。
特にあれを聞いておられた、会派を同じくする都議会の議員の方々におかれても、スーパー堤防事業が単純にむだな事業だとは決して思っておられないと思いますので、私どもはこうした議論を通じて認識を正確なものとして、いうべきことは国にいっていくという姿勢も大事なんじゃないか、こう思うわけであります。
おこがましいいい方ですが、政治家という言葉を英語に訳すと、いわゆる五十年、百年の計に立って政策を提言し、推進していくのがステーツマンであると。
それから、あした、あさってのことを考え、選挙を念頭に置いて動く、そういう趣旨の議員はポリティックスマンだという。私は、治水とか利水とか、あるいは安全対策とか、都民や国民の生活のライフラインに関するものは、ステーツマンの自覚に立って、五十年、百年の事業というものを政治家の、議員の責任として進めていかなければならないと思うわけでございます。
そこで、具体的にお聞きをするわけでありますが、先般、政府が事業仕分けで行ったスーパー堤防事業が一たん廃止と判定をされている。これについて、このスーパー堤防事業ということについての概念をまずご報告願いたいと思います。
○横溝河川部長 スーパー堤防事業には、国の直轄事業と都が実施する二つのものがございます。
国のスーパー堤防は、計画を超える洪水に対しても堤防が壊れず、水害が発生しないように幅広い堤防を構築するものでございます。都内では、荒川、江戸川、多摩川で事業が行われております。
一方、都のスーパー堤防は、都が管理する隅田川、中川などの五つの河川で、既に堤防の必要な高さが確保できている区間におきまして、耐震対策や景観形成、親水性の向上を目的に整備を進めているものでございます。例えば、隅田川では大川端地区、明石町地区、白鬚西地区などで完成しております。
なお、今回の事業仕分けの対象となったのは、国の直轄事業でございます。
○木内委員 したがって、都内で行われているスーパー堤防事業、二種類あると。都が直接都単で行っている都のスーパー堤防事業、それから、国におけるスーパー堤防事業、二種類ということがわかったわけだ。これは一般には余り理解されていないんです。
じゃあ、国のスーパー堤防事業に都は関与してないかといえば、そうではない。これはお金も出しているわけ。三分の一の負担ですかな。答弁要らないけれども。これは、実は東京都が行っている事業と一体的な政策の範疇にあるものです。国とはいえども。
したがって、国のこの堤防事業の一たん廃止という判定に、我々は無関心ではいられないわけであります。もう少し都の進めているスーパー堤防整備、それと国との違いについて、詳しく報告できますか。
○横溝河川部長 都の進めているスーパー堤防は、川沿いの民間開発などと一体に整備するものでございまして、背後地の盛り土が最大で六十メーター程度と、規模が小さいものでございます。隅田川では、既に延長の約三割が完成しております。
一方、国のスーパー堤防は、洪水対策として、より堅固な堤防とする必要があるため、河川の背後二百から三百メーター程度に盛り土を行うものでございます。
○木内委員 いずれにしましても、安全・安心の都民生活を担保する上から、どうしても必要な事業であることに間違いないわけであります。私は、きょうはその点ははっきり申し上げておきたいし、恐らくちょうど来年度の予算編成に向けての事業仕分けでありましょうから、今非常にこの問題について、執行機関の皆様は神経も使っておられるでしょうから、答弁は要りません。
しかし、ぜひ、いずれ都から国への、これは各会派を通じてですかね、予算要望、あるいは事業における政策要求の機会がこれから出てくるわけでございますから、その際、都として、国への要望の大きな柱の一本として、このスーパー堤防事業の継続、存続を盛り込んで、反映をされるよう強く要望を申し上げておきます。
これは答弁は結構です。局長もいつにない真剣な顔で聞いておられるし、しっかり骨身に刻んだと思いますので、これは強く要望をしておきます。
さて、近年、東京スカイツリーの建設を契機に、江東内部河川への注目が集まってきています。まだ建設中にもかかわらず、既に民間のバス会社が小型船を使用して隅田川から小名木川の扇橋閘門を通って東京スカイツリーを見物するツアーを催したり、こうしたプログラムが非常に人気を博していると聞いております。
私は、こうした内部河川において利用が行われるようになったのは、単にスカイツリーの建設がきっかけというばかりではなくて、東京都が地元の自治体、区と連携をして、川辺を散策できる緑豊かな整備など、景観や、あるいは親水性に配慮した取り組みを進めてきたためと、こう考えているわけであります。
したがって、さっき申し上げた議論に戻るかもしれないけれども、安心・安全だけではない、いわゆる付加価値としてのさまざまな有意義な視点というものがここに反映をされてきているんだと、こういうふうに思うわけであります。
さらには、こうした河川の整備というのは、さっきもちょっと文言として触れておられるけれども、河川の水位低下、これを行ったことによって初めて可能になったことであります。非常に地味な事業ではあるけれども、大きな成果であったと、私はこの局のこれまでの仕事を高く評価するものであります。この内部河川における水位低下の仕組みをわかりやすく説明してください。
○横溝河川部長 江東内部地域は、周囲を流れる隅田川や荒川などの外郭堤防、水門等の整備が完了いたしておりまして、高潮に対する安全性は確保されてございます。
しかし、江東内部地域でも特に地盤の低い東側地区では、いわゆる天井川になっておりまして、地震により護岸が壊れた場合、水害が発生する心配がございました。
お話の水位低下方式というのは、この江東内部地域の東側地区を水門等で締め切り、揚水機場のポンプで水位を下げて、それを保つことによりまして地震時の水害を防ぐものでございます。
○木内委員 これは、大変、知恵と工夫の所産だというふうに思いますし、今後も関連する事業について精力的に取り組まれることを要望しておきたいと思います。
この水位低下を行ったことによって、江東内部河川の整備内容は環境面においてもかなり変化をしたと思うんです。この水位低下を可能にした結果、またどういう効果が生まれたのか、ご報告願います。
○横溝河川部長 江東内部河川では、水位低下によりまして、直立型のコンクリート護岸を取り払うことができ、川沿いの道や家から川面を見渡せるようになりました。
また、水位を低下させたことで、これまで水の中に隠れていた土地が表に出てまいりまして、広大な河川敷として整備することができました。試算によりますと、旧中川では、東京ドーム五個分を上回る約二十ヘクタールの緑あふれる空間を新たに生み出しております。
この河川敷地では、現在、河川ボランティア団体が季節の草花づくりや清掃活動を積極的に展開するとともに、和船やボートをこいだり、釣りを楽しむ様子が当たり前の光景となってきております。
○木内委員 今、新しいスペース、空間が創出をされた旧中川の例を引かれておっしゃっていました。約二十ヘクタールの緑あふれる空間を新たに生み出したと。これは、私は、類似したほかの箇所においてもいえると思うんです。
したがって、新たに創出された空間の利活用については、今後、精力的な検討を願いたいと思うし、また、後に触れてまいりたいと思うんです。
特に、今言及があったように、旧中川では、毎年、終戦記念日、東京大空襲の犠牲者を慰霊するための灯籠流しが開催されたり、夏の風物詩として多くの人々が参加するなど、都民の触れ合いの場になってきている。私は、これは大きな都民の財産だというふうに思うんです。
したがって、今後、この旧中川、これは一つの例ですけれども、ここにつながる小名木川においても、地域の特色を生かした修景整備を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
○横溝河川部長 小名木川は、徳川家康が江戸に入府して間もなく、下総行徳の塩を江戸に輸送するために開削され、塩の道として江戸の経済の発展に大きな役割を果たしました。こうした歴史を踏まえまして、平成十八年度より、都では塩の道と銘打って、江戸情緒が感じられる水辺空間を整備しております。
具体的には、護岸を石積み風に化粧し、水際のテラスは散策路として整備するとともに、木質の防護さくや石灯籠等を配置いたしました。
また、樹木は江戸時代に水辺に植えられておりました柳やオカメザサというものがあるのですが、それを採用するとともに、休憩所にはフジ棚や縁台風のベンチを設置するなど、地元の人々に楽しんでいただけるよう工夫を行っております。
今後とも、地域の歴史等を大切にしながら、小名木川の整備を進めてまいります。
○木内委員 今、東京は江戸のころからのまちづくりの歴史に大きなピリオドを打ちながら新しいスタートに立っているわけです。徳川家康が江戸に入府したのが一五九〇年、約四百年以上にわたって江戸のまちづくりが行われてきた。四百年前のこうした風情や、あるいはまちの特徴を今に生かしながら、都民にとっての意味のある施設にまた変わりつつある、非常に感無量のものがあるわけであります。
小名木川において、今説明があったように、江戸時代からの歴史を考慮して、水辺の利用促進に大きく寄与する施設整備が進んできていることを高く評価したいと思うんです。
以前はかみそり堤防ともいわれる防潮堤でまちと川が仕切られて、水面を見ることもできなかったことを思うと、さっきお触れをいただいた河川の水位低下という、治水面だけでなく人々が川辺に親しみ、水面を眺めながら散策できるようになった、このことは本当にすばらしいことだと思うわけであります。
こうした一連の整備を改めて評価したいし、また、水位低下河川特有の珍しい施設として、観光資源としての活用を図っていくことも大事だと思うんです。
そこで、さっきも新しく創出された空間の話がありましたけれども、こうしたいわゆるスペースの利用も含めて、さらにいろいろな角度から検討を加えて、よくいわれるのは、私はニューヨーク、ワシントン、オランダへ行って、必ずあるのが漁師町にあるフィッシャーマンズワーフ、本来の流通機能とは別に、そこに観光客が集まって、うまい特産物を食べて、思い出深い時間をそこで過ごすということがよくありますけれども、河川の本来的な機能に加えて、都民が水辺に親しんで、新しい潤いの得られる、こういう空間というのを工夫をして実はつくっていく必要があると、こう訴えたいわけであります。
申し上げた水辺のにぎわいを創出するための仕組みづくりについての局の見解をお聞きします。
○横溝河川部長 隅田川では、毎年、商店街や地元区が中心となりまして、オープンカフェやイベントを開催しております。都といたしましては、これらの取り組みを促進するために、イベント期間の延長や河川の利用範囲の拡大など、河川利用の許可の緩和につきまして検討してまいります。
また、防災船着き場の常時開放につきまして検討いたしまして、観光船や一般船の利用を促進してまいります。今年度は、明石町防災船着き場で一般利用を開始する予定でございます。
さらに、河川ボランティアの、花守さんという名前があるんですけれども、その取り組みをさらに広げるよう、ボランティアの育成や、花守さん自身によるイベントの企画や実施など、水辺のにぎわいづくりを創出するための仕組みづくりを進めてまいります。
○木内委員 私は、こういう議会での議論というのは本当に大事だと思うんです。こういうやりとりの中で議論を成熟させ、そして、一定の結論を紡ぎ出して、これをさらに今後の政策に反映をしていくと。私が提案をしたイベント期間の延長など、河川利用の許可の緩和についてこれから検討するということでありますし、それから、直接の答弁はなかったけれども、この仕組みづくりの中でオープンカフェやイベントについての言及があって、これを今後、しかるべき環境が整っているところについては、実はさまざまな専門業者等による常設のこうした機能なんかも附置をしていくなどの、そういうニュアンスの答弁もある。
さらには、防災船着き場で一般利用を開始をしていく。具体的に、いよいよきょうのこの質疑をスタートとして事業が進んでいくわけでありまして、懸命なご努力を尽くされることを強く求めておきたいと思うんです。
それから、この河川の分野で最後の質問になりますけれども、ハード整備だけでなく、水辺のにぎわいを増すためにさまざまな取り組みを行っていることがわかったわけでありますけれども、この恒常的な実施が可能となるよう、今も申し上げたように、規制緩和も含めて積極的に進めていただきたいと思いますし、そのためには衆知を集め、議論を尽くし、一層の創意工夫をお願いしたい、強く求めたいと思うのであります。
この項、最後に局長から、下町における水辺のにぎわい創出のための取り組みについて伺いたいと思います。
○村尾建設局長 現在、江戸東京博物館では隅田川展が行われております。展示されている錦絵には、江戸時代の大川で川遊びを楽しむたくさんの人々や屋形船等が描かれており、当時のにぎわいから人々の息遣いまでが私たちに伝わってくるということでございます。
これらのにぎわいを継承していくことは、古くからのよき日本の文化を後世に引き継ぐためにも大変重要なことだと認識しております。
翻って、今日の隅田川を含む低地帯の河川は、水害対策も順調に進み、緑にあふれた堤防やテラスが整備され、人々に再び楽しんでいただける環境が整ってきております。今後は、この取り組みをさらに高めていくため、全庁で進めている隅田川ルネサンス事業と連携をしまして、部局の壁を越え、また、地元区や地域住民と協力しながら川のにぎわいを取り戻していきたいと考えております。
このことを実現するためには、長きにわたり河川整備や維持管理に責任を持って取り組んできた河川管理者といたしまして、川の特性や整備手法など、強みを生かし、安全を確保しながら、人々が集い、行き交う東京の川の創造に向けて積極的に取り組んでまいります。
○木内委員 答弁されたとおり、局長を先頭にぜひ鋭意取り組んでいただきたい、このことを強く要望しておきます。
次に、都立公園の整備という問題であります。先ほど高橋委員の方からるる質疑がございましたので、重複する部分は避けながらお尋ねをしてまいりたいと思う。
東京都は、「十年後の東京」において、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の実現を目指し、新たに千ヘクタールの緑を生み出すとして、都立公園の整備や街路樹の充実などに取り組んでいます。都立公園は、都市の風格を高め、首都東京を魅力と活力にあふれた都市にする上で重要な都市基盤の一つであり、東京の緑を考える上で、その拠点として大きな役割を果たしています。
そこで、都市の公園、とりわけ広域的な役割を担う都立公園の果たす役割について、まず見解を伺います。
○上杉公園緑地部長 都立公園は、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供する重要な都市施設でございます。とりわけ、公園の豊かな緑は風格ある都市景観を形成するとともに、ヒートアイランド現象を和らげ、都市環境の改善に寄与いたします。
また、震災時における避難場所や、救援、復興活動の拠点となるなど、都立公園は快適で安全な都市生活に欠かすことのできない役割を果たすものと考えております。
○木内委員 都立公園は、今答弁にあったようにさまざまな役割を実は果たしてきております。また、そうした公園の整備というものは非常に重要だと考えるわけであります。
都市において、近年、喫緊の課題となっている大きな問題、例えばいつ起こるかわからない首都直下地震に備えての防災対策、それから、環境の世紀、二十一世紀といわれるように、地球温暖化の影響とヒートアイランド現象など、環境問題への対策、また、今般、COP10で議論となった生物多様性の確保に向けた取り組み、さらには、東京が国際都市として勝ち抜くため、東京の魅力を積極的に国内外にアピールするなど、観光面での対策を含めて、さまざまな今日的課題にこたえる役割が期待されております。その意味で、都立公園の重要性は極めて大きいといえるわけであります。
東京都では、ことし第三回定例会での知事の所信表明にもあったように、四年間で東京ドーム二十六個分の都立公園を新規に整備する事業を積極的に進めてきておりまして、私はこの事業についても高く評価をするものであります。
都は、平成二十七年までの十年間で、都立公園を、何度もいいますが二千ヘクタールにしようとしている。この方向性や理念について再度明らかにしてもらいたいんですが、私は、思うのは、例えばニューヨークへ行くとセントラルパークがある。あの世界トップクラスの大都市に、地図で見ると堂々と横たわるように、いわばまちのど真ん中をぶち抜いて公園が存在している。これがどれほどニューヨーク市民に、何度もいうけれども、心の安らぎを与えているかわからない。
二十世紀まで、人類の歴史は軍事力、政治力、経済力がつくってきた。二十一世紀は、人々の心、これが歴史をつくっていく。ハードからソフトの時代に入ったんだといわれるわけでありますが、この都市構造の中における公園の重要性というのは、何度確認しても確認し足りないぐらい、そういう意味では重要な役割を持っているわけでありまして、今後の方向性、理念に触れていただきたいと思うのであります。
○上杉公園緑地部長 都立公園は、東京が直面している諸課題の解決に向け、多様な機能を果たしていくことが期待されております。この機能を、環境、都市構造、生活の三つの側面からとらえ、都立公園として目指すべき方向性として、生命をはぐくむ環境を次世代に継承する公園づくり、都市の魅力を高める公園づくり、豊かな生活の核となる公園づくりといった三つの基本理念を定め、公園づくりに取り組んでおります。
○木内委員 そこで、基本理念の一つに生命をはぐくむ公園というのがあるわけでありますけれども、都立公園の緑は、東京における貴重な自然環境の一部を構成するものであります。生物多様性確保の観点からも、動植物の生息、生育空間となる、配慮した、自然性が高い豊かな緑を育て上げ、また、次世代に継承していくことが必要なのであります。
また、こうした緑は、都市の気温上昇を抑えるクールアイランドの形成や大気浄化の機能も有しているわけでありまして、カーボンマイナスへの貢献にもつながるものと考えられるのであります。
そこで、さらに突っ込んでお聞きするわけですが、環境面の視点から、公園づくりをどう進めていくのかの基本的な考え方を明らかにしてください。
○上杉公園緑地部長 環境面の視点でございますが、多摩丘陵や狭山丘陵などの丘陵地の公園において、雑木林などの貴重な緑を保全するとともに、さまざまな生き物の生息できる環境や里山環境の保全、また、都民のレクリエーションの場として整備しております。
また、和田堀公園や東伏見公園などを中心に、道路事業や河川事業と連携して、潤いのある空間づくりに努め、水と緑のネットワークの拠点となる公園を整備しております。
さらに、都民やNPOとの連携により、希少な動植物の生息地の保全、自然観察会や米づくりなど、自然体験活動の拠点として公園を活用しております。
○木内委員 環境面の視点からお尋ねをしたわけでありますが、あわせて、都立公園は首都東京を災害から守る防災空間の確保の一翼を担うなど、都市を形成する重要な機能を有しているわけでありまして、安心という名の魅力は都市には欠かせないものであります。
こうした景観であるとか観光、そして防災といった複合した機能を充足させてこそ、真の総合力としての都市の魅力を高めるための公園づくり、これが可能になるのではないか、こう申し上げるのであります。
こうした都市の魅力を高めるという観点から、進めている事業等についてご報告を願います。
○上杉公園緑地部長 開園百三十四年を迎える上野恩賜公園の再生整備などを進めることで、首都にふさわしい風格ある景観形成を図っており、また、浜離宮恩賜庭園や小石川後楽園などの文化財庭園において、その魅力をさらに高めるため、戦災等で失われた建物などの復元を推進しております。
さらに、環七周辺の都立公園を、震災時における避難場所や救出救助活動の拠点となる防災公園の整備を行い、防災公園ネットワークの形成を図っております。
○木内委員 既に同僚委員からも似た質問がありましたので割愛をいたしますけれども、都立公園はスポーツやレクリエーションの場として、また、心の安らぎ、いやしの空間となるなど、都民の生活に密着した空間や施設を提供していると。答弁は要りません。時間の関係で。
都民が生活の豊かさを実感できるような公園づくりという観点での取り組み、これについて、この項、最後に伺いたいと思います。
○上杉公園緑地部長 都民が生活の豊かさを実感できるような公園につきましては、庭園や公園における桜やバラのライトアップ、コンサートなどのイベントを催すなど、公園の資源や空間を活用して、楽しさあふれる公園を目指しております。
また、適切な維持管理の実施、ユニバーサルデザインに向けた取り組みなどを行っております。
さらには、都民、NPO、企業とのパートナーシップによる公園運営に取り組んでおります。
○木内委員 締めくくりとして、私は歴史と伝統ある都立公園が、今後、公園を取り巻くさまざまな課題にチャレンジして、多くの都民に愛され、美しい都市景観の創出に寄与するよう、積極的な整備推進と管理運営をされるよう強く要望して、この項についての質問を終わります。
次に、船堀橋のバリアフリー対策について伺います。
東京を襲う地震は、相模トラフや駿河トラフを震源とする海溝型の関東地震や東海地震、南関東を震源とするマグニチュード七程度の、いわゆる首都直下地震が想定されています。
その中でも、首都直下地震は、文部科学省地震調査委員会の予測では、今後十年以内で三〇%、三十年以内では七〇%、五十年以内では九〇%の発生確率があるとされています。東京都では、このような地震に備え、震災時に重要な位置づけにある橋梁から耐震補強等を進めており、震災への備えは着実に進められていると認識しております。
しかし、震災時は、緊急車両の通行確保のみならず、だれでも安全に避難できる道路の確保が重要と考えます。
東京一の大河、荒川が私の住む江東区のすぐ東側に流れております。これらにかかる橋は、災害時には重要な避難路にもなり、平常時においても高齢者やベビーカー利用者、車いす利用者の往来を考慮した橋梁の改良が喫緊の課題であると、こう考えるものであります。
そのような橋の一つ、江東区と江戸川区を結ぶ船堀橋について、何点か質問します。
まず、船堀橋の交通量や歩道取りつけ部の構造など、現状について伺います。
○鈴木道路保全担当部長 船堀橋は、主要な幹線道路であります都道新大橋通りの道路橋で、荒川などをまたぎ、江東区と江戸川区を結ぶ延長約一・五キロメートルの橋梁であります。
平成十七年度の道路交通センサスによれば、自動車交通量は七時から十九時の十二時間で約一万六千台であります。また、平成二十一年十一月に建設局で実施した調査では、七時から十九時の十二時間の歩行者通行量は約二百四十人、自転車交通量は約二千台でありまして、近傍に代替えのルートがなく、自転車交通量が多いという特徴を有しております。
歩道取りつけ部の構造については、平面道路から橋へのアプローチとして、西側の江東区側はスロープが設置されており、東側の江戸川区側は勾配が三三%の急な斜路つき階段となっております。
○木内委員 ただいまの答弁によれば、自転車利用者が多い特徴があるとともに、東側の江戸川区側は勾配の急な斜路つき階段となっていることから、高齢者やベビーカーなどの利用に支障を来し、車いす使用者は利用できない構造となっており、早急なバリアフリー対策を必要としている状況にあります。
こうした実態を踏まえて、都議会公明党、我が会派の上野和彦議員は、これまでも、例えば平成十九年第一回定例会、平成二十一年第一回定例会と、本会議の場で二度にわたり質問を行い、当時の建設局長から、バリアフリーの観点から検討を行っており、基準に適合するよう改善するとの答弁を得ている。
そこで、こうした経緯を踏まえて、これまでの江戸川区側の歩道取りつけ部の取り組み状況について、まず伺います。
○鈴木道路保全担当部長 高齢者やベビーカー、車いす使用者などに配慮するとともに、自転車利用者の利便性、安全性の向上も図ったスロープの設置などにつきまして、交通管理者や地元区と調整を図りながら、平成二十年度に基本設計を、平成二十一年度に詳細設計を実施いたしました。
○木内委員 非常に重要な答弁に入っていくわけでありますけれども、地元住民は船堀橋の改善を強く望んでおりまして、その声は日を追うごとに実は強まっているのであります。したがって、東京都はこうした要望にこたえ、一刻も早く工事に着手すべきであります。
今の答弁では、今年度、工事費が予算計上されているということでありますが、具体的な工事内容と期間について伺います。
○鈴木道路保全担当部長 船堀橋の江戸川区側は、高さ約十メートルの高架構造であるとともに、橋に近接してビルや工場が建ち並んでいることから、南北の歩道それぞれにバリアフリーに対応したスロープを設置する場合、大規模な道路改築や沿道の用地取得が必要となります。
このため、スロープの勾配や配置などについてさまざまな検討を行ってきた結果、自転車交通量の多い北側には一二%のスロープを設置し、南側には二五%の斜路つき階段を設置することといたしました。平成二十二年度は、これらの工事を発注し、二十三年度末の完成を予定しております。
○木内委員 今の答弁でも明らかになったように、自転車交通量の多い北側には一二%のスロープを設置する、南側は用地の制約があることから二五%の斜路つき階段を設置する、二十二年度の発注、二十三年度末の完成の予定、こういうことが確認をされたわけであります。
そして、今回の工事によって、三三%の斜路つき階段が、南側は二五%となり、また、北側に新たに一二%のスロープが設置されることで、自転車利用者の利便性や安全性が向上することがわかりました。
さらに、車いす使用者やベビーカー利用者、高齢者への配慮も必要であります。上野議員も、機会をとらえて、このことを訴えてきているわけでありますけれども、申し上げた、こうした利用者に対するバリアフリーということを踏まえて考えますと、今回の改良に加えて、ぜひともエレベーターを設置すべきと考えますが、どうでしょうか。
○鈴木道路保全担当部長 バリアフリーの観点から、車いす使用者やベビーカー利用者、高齢者などへの配慮が必要であることから、斜路つき階段の勾配の改善とスロープの設置に加えまして、エレベーターの設置に向けた検討を行っております。
○木内委員 極めて重要な答弁であります。車いす使用者やベビーカー利用者、高齢者などへの配慮が必要であることから、斜路つき階段の勾配の改善とスロープの設置に加え、エレベーターの設置に向けた検討を行っていく。新しいスタートに立って、ぜひこれが一日も早く実現しますよう、鋭意努力を強く要請をしておきます。
今後、本格的な高齢社会を迎えるに当たり、高齢者自身が健康で、自立した生活が営める基盤づくりが求められており、高齢者が訪れやすく、暮らしやすいまちづくりを進めることが重要であると考えます。エレベーターの設置に向けた検討がいよいよ進んでいくということでありますので、地元にとっては、こうした点からも、どれだけの朗報かしれない。その意味で、きょうの質疑は非常に意味のあるものであると、こう思うわけであります。
橋梁への東京都管理のエレベーターの設置は初めての試みであり、高齢者や障害者の方々の外出を促し、健康増進や社会参加の促進に大きく寄与する取り組みであると高く評価をしたいと思います。
先ほどの答弁で、船堀橋においてエレベーターの設置に向けた検討を行っていく、いるということであります。早期の設置に向け、重ねて、しっかり取り組んでいただきたいと申し上げておきたい。
東京都は、東京都福祉のまちづくり条例で、高齢者や障害者を含めたすべての人が、安全・安心、快適に暮らし、訪れることのできるまちづくりの実現に向け、ユニバーサルデザインを基本理念とした整備を進めるとしています。この条例に基づいて、高齢者や障害者などが多く利用する都道のバリアフリー化をさらに進めていくべきと考えますが、今後の取り組みについて、建設局長の所見を伺います。
○村尾建設局長 東京が、障害者や高齢者など、さまざまなハンディキャップを負っている方々にとっても、移動しやすく、住み、訪れ、楽しめることができるユニバーサルデザインの都市となることは重要であります。これを支える都市基盤整備を担う局として、言葉のバリアをも含めた多様な意味でのバリアフリー化は、まさに永続的に取り組むべきと認識しております。
これまでも、駅前広場など、交通結節点や都道などにおいて、段差の解消や急な勾配の解消、視覚障害者誘導ブロックの設置など、バリアフリー化に取り組んでまいりました。
今後とも、すべての人々が、安全・安心、かつ快適に暮らし、働き、楽しめるまち東京の実現に向け、職員一同、全力で取り組んでまいります。
○かち委員 私の方からは、骨格幹線道路事業と防災河川対策について伺います。
建設局では、東京の国際競争力強化に向けた都市基盤整備が重要課題であるとして、とりわけ渋滞解消に効果の高い三環状道路の整備促進を図り、外環についても早期実現に向けて積極的に取り組むとしています。
そこで、まず、外環を中心に何点かお聞きします。
外環事業の昨年来の経過と現在の進捗状況について、まず、お聞きします。
○戸谷三環状道路整備推進部長 外環は、東京の最大の弱点である交通渋滞を解消するとともに自動車からの排出ガスを大幅に削減するなど、環境改善にも寄与する極めて整備効果の高い幹線道路であります。
外環事業のこの間の経緯につきましては、昨年五月に整備計画が決定され、事業化に至りました。その後、政権交代後の昨年十月、調査費を除く用地補償費が執行停止となりましたが、本年四月に、用地取得などのための直轄予算、約五十八億円が措置されました。
都では、これまで培ってきた密集市街地での用地取得などの実績をフルに生かし、円滑な事業の推進に向けて、本年四月に、建設局外環大泉事務所を開設したところであります。
また、本年九月には、用地取得契約を締結するなど、都は、国と連携し、着実な外環事業の推進に努めております。
○かち委員 今、ご説明があったように、政府は昨年五月に外環の事業化を決定したわけです。しかし、民主党政権になり、有料高速道路建設は、これまでの国直轄事業方式ではなく、民間会社が行う利便増進事業として、高速料金の税金三兆円のうち、一・四兆円を外環と名古屋の環状二号線の建設費に充てるという新しい制度法案が、今、国会に出されています。外環道の総建設費は一兆二千八百十億円ですから、その財源の大方を、おおよそ十年間にわたって外環道建設費が占めることになるわけです。
国土交通大臣は、その財源確保のために高速料金の新体系を打ち出しましたけれども、実質値上げとなるということから厳しい批判の声が上がって、当面は現行制度の継続を余儀なくされています。
地元住民とのPIを重ねながら、合意形成ができていない中、国は、突然、PIを打ち切り、昨年四月、国幹会議にかけてゴーサインを出したのです。その後、政権が変わり、公共事業を見直すとの立場から、外環についても一部予算執行を凍結しながら、一方で、十一月から十二月にかけて住民説明会を強行し、五十カ所で地質調査等を行ってきました。
東京都も国直轄方式を前提として、前政権のもとで結んだ国との協定に基づき、大泉ジャンクション周辺、九万平方メートル、約四百から五百世帯の用地買収を現在進めているわけです。事業化は決まっても、その財源となる利便増進事業の法案も国会で決定しておらず、事業主体も整備方法も決まっていない段階で、先に建設ありきで、国も都も用地買収に動き出しているのが実態です。
このようなやり方に対し、多くの批判の声が上がっています。まさになし崩し的なこのようなやり方、予算の裏づけもないまま事業だけは強行するやり方は、一たん中止をすべきだと思いますが、いかがですか。
○戸谷三環状道路整備推進部長 外環は、東京や首都圏における交通の円滑化や環境改善だけではなく、広く国全体にその便益が及ぶ重要な幹線道路であります。特に、アジア諸国の急速な成長を背景としまして、我が国の国際競争力を高め、経済を再び成長軌道に乗せていくためには、首都圏の陸海空の交通物流ネットワークの強化が喫緊の課題であり、その陸上交通のかなめが外環であります。
また、沿線区市からは外環整備促進の要望が強く、地元地権者の方々からも生活再建を望む声が多く寄せられています。
都は、これにこたえ、用地の早期買い取り要望に対応するなど、積極的な事業の推進に努めてまいります。
○かち委員 新聞報道では、国土交通省で十月三十日、東京外環道の練馬-世田谷間十六キロの建設をめぐって、東京都に一定の負担を求める方向で検討に入ったとのことです。この事業の財源となる新料金体系の法案が今国会で廃案になる見通しの中で、高速料金の中から一兆三千億円の事業費を捻出することは難しくなったので、インターチェンジや一部施設の整備を都に引き受けてもらうというような中身です。
外環道事業は国の事業です。財源確保の見通しもつけないまま走り出し、途中で予定が狂って財源が足りないから、都にも負担を求めるなどという場当たり的な押しつけは到底認められません。たとえ国からこのような財政負担の要求があっても、東京都としてはきっぱり断るべきだと思いますが、いかがですか。
○戸谷三環状道路整備推進部長 関越道から東名高速に至る外環の整備手法については、利便増進事業として高速会社による施工を可能とする法案が現在も国会で継続審議されているところであります。
外環は、これまで四十年間、事業が凍結され、地元地権者の生活再建もままならない状態が続いてきましたが、本年度の予算措置を受けて、整備について地元の機運も高まっております。
また、外環の沿線では、生活道路に通過交通が混入する実態もあります。
さらに、外環という道路ネットワークの骨格が未整備であるため、これに関連した地域のインフラ整備やまちづくりの推進にも影響を及ぼしています。
このように外環は、よりよいまちづくりの面からも必要な都市基盤であります。国の責任において早急に整備すべき路線でもあります。都としても、引き続き国と連携し、外環の早期完成を目指してまいります。
○かち委員 国の事業であるというふうにおっしゃって、この問題はそうなんですけれども、しかし、今の動きを見ていると、結局、足りなくなれば都が何とか助けてくれるんじゃないかというのが見え隠れしているわけです。
中央環状品川線は、本来、首都高が行うべき事業だったわけですけれども、都が、急ぐということで、その半分を請け負うような大盤振る舞いをしてきたではありませんか。そういうことが、三環状を初めとした骨格幹線道路などの整備費が建設局の予算の大半を占めるという偏重を来しているんです。その上、外環までも都の負担増を求めるなどということは、到底都民の理解は得られないということを申し上げておきます。
外環道など道路事業化の一つの根拠となったのが便益比率、以下、B/Cといいますけれども、その事業を金銭換算化して、一以上かどうかという指標で判断するわけですが、外環の場合は二・九という高い数字だったということが要因になったと知事も記者会見で話しておられました。
都の事業でも同様な手法で図っているとのことですが、その判断項目が自動車走行時間の短縮、走行費用の減少、交通事故の減少の三つだけに特化されているのは、高額な予算を伴うものだけに、不十分だという批判の声が上がっていますし、私もそう思うのですが、都としての見解はいかがでしょうか。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 道路整備による効果としましては、渋滞の緩和や交通事故の減少のほか、走行快適性の向上、沿道環境の改善など、多岐にわたっております。
東京都では、これらの効果のうち、国土交通省が策定した費用便益分析マニュアルに基づきまして、十分な精度で計測ができ、貨幣換算が可能な走行時間の短縮などの三つの便益を用いて適切にB/Cを算定しております。
○かち委員 適切にやっているんだというお話でしたけれども、一メートル一億円、一兆三千億円もの税金を投入する道路建設の必要性を図る指標としては、余りに不十分だと思うんです。
最近では、他の諸国でもB/Cを導入していますけれども、ドイツやニュージーランド、イギリス、フランスなどでは、このほかに、騒音減少やCO2削減効果、大気汚染の減少などを含め、生活全体にかかわる影響を総合的に判断しているんです。三つの限られた項目で、マニュアル化した算出根拠で導き出した選択基準では、実態に合わない結果になりかねません。
国会答弁では、もっと多角的に、総合的に判断できるよう国交省として見直しをしているところだというような答弁をされています。そうであれば、当然、再検討した新たな基準でB/Cを出すべきだ、このように思うわけです。
さらに、B/Cに使われた数字の根拠も、全く不透明、不可解なものです。この中で、判断の八五%を占める時間短縮便益は重要な指標になっているわけですけれども、問題は、その便益をもたらす道路の抽出の仕方なんです。
東京外環道は、千葉、埼玉、東京の三区間あるわけですけれども、便益を算出する対象の道路を、主な周辺道路とその他道路への影響の二種類に分けているわけですが、例えば、周辺道路という場合、東京練馬-世田谷区間では都内全域の道路を設定しているんですが、埼玉では五本、千葉では四本だけです。
さらに、その他道路に至っては、東京で一万六千二十一キロ、埼玉では千四百四十七・九キロ、ところが千葉では、何と四十万三千七十・六キロとなっているんです。これは、全国すべての道路と都道府県の道路を全部足しても十九万キロです。どうしてこういう数字が出てくるのか。そして、三つの区間でこんなにばらばらな数字が出てくる計算の根拠は一体何なのかということなのですが、都としてこのようなB/Cの算出根拠をどのように解釈しているんでしょうか。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 中央環状品川線のB/C算出の範囲についてご説明させていただきます。
中央環状品川線は、首都圏の高速道路のネットワークを効率よく機能させるとともに、一般道路の渋滞緩和などに大きく寄与する重要な道路でございます。このため、便益の算定におきましては、首都高速道路が供用している一都三県の高速道路、国道、都県道などの道路を対象にしております。
中央環状品川線の整備に伴い、効果が及ぶ地域であることから、B/Cの算定は適切であると考えております。
○かち委員 中央環状品川線の場合は、関連する周辺、一都三県の道路を換算しているというお話でしたけれども、この外環道の千葉地域については、国道、都道府県道路を合わせた、さらにその上の道路、全国の道路を対象にしているという点では、余りにも整合性がないんじゃないかというふうに思うわけです。
こういう問題について、ことし四月十九日の参議院決算委員会で、我が党議員の質問に対し、国交副大臣、今は大臣ですけれども、費用便益分析のもとになるデータについては開示をするということを約束しました。その後、私たちも、直接、国交省に行き、いつごろデータは出るのかということを問いただしたんですけれども、準備を進めていて、年内というよりも早く公表したい、このように答えていたんです。しかし、今なお努力中ということで、そのデータの根拠になるものすら、いまだに出されていない。こういうことで信頼性が本当につかむことができるかということなんです。
ちょっと、話、ずれますけれども、八ッ場ダムの代替地で、水没する人たちが代替地で高台の方に移転をされましたね。あの地域は、非常にがけ崩れの危険な地域だということを再々、専門家の方々から指摘をされていたんですけれども、これは絶対大丈夫だ、大丈夫だということでいわれてきたわけですよ。ところが、ついこの間、結局、その計算をした下請の事業者が、計算が間違っていましたといっているんですけれども、もう引っ越した後にそういうことをいわれても、本当に取り返しのつかないことになる。
そういうことがあるから、この問題について、きちんと理解できる、整合性のある説明をするのは当然だというふうに思うんです。その前に事を進めることは、まさに本末転倒だと思います。
外環の場合は、大深度方式で、地下トンネルといえども、目白通り、青梅街道、東八道路の三つのインターチェンジと大泉、中央、東名の三つのジャンクション、それに五つの排気塔があり、住民生活に多大な影響を免れません。騒音、振動、大気汚染、住環境破壊など、切実な声が寄せられています。
例えば、練馬区の青梅街道インターの周辺では、地上部のその二とインターへの側道でまちが分断されます。この地域では、都内ワースト二位のぜんそく発症地です。排気塔からの大気汚染と新たな交通量の増大、交通渋滞による大気汚染でさらなる環境悪化を重ねることに、私も直接要請を受けましたけれども、町会を挙げて反対しているんです。
さらに、地下トンネルは、武蔵野台地を流れる地下水の分断の影響も危惧されます。練馬区の八の釜湧水、三宝寺池、石神井池、杉並の善福寺池、武蔵野、三鷹市の井の頭、調布や世田谷の国分寺崖線の湧水と自然への影響などです。三鷹市や武蔵野市の水道は、半分以上が地下水で賄われているわけですけれども、そこへの影響や水質汚染への懸念が出されるのは当然です。
実際、地下水がどのように水脈を張りめぐらしているのか、こうした調査はされているのでしょうか。
○戸谷三環状道路整備推進部長 外環につきましては、ただいまご指摘ありました水質の問題、それから地質の問題、事業に入る前にアセスメントをきちんとやってございますし、ただいま、これから事業に入る前の調査も、昨年度、調査費はきちんと手当てをしていただいておりますので、その予算をもって、きちんと対応を国の方でしております。
○かち委員 大体事業をやる前にはアセスをやるわけですけれども、アセスでだめだとなったら事業にはならないんですが、圏央道のときもアセスでは地下水への影響は少ない、こういうことで事業に踏み出したわけですけれども、実際には高尾山の地下水位が今、低下をしているという事態が進んでいます。ことしの六月二十八日付けの国土交通省のホームページで、岩屋大師と琵琶滝の中間点にある測候所で地下水位が低下していることがわかり、七月五日に高尾山の地下水位の低下を発表しています。地元の方から伺うと、トンネル工事の拡幅掘削が四月ごろから開始され、五月四日ごろから水位が下がり始めた。この間に六一ミリの降雨があったんですが、それでも戻らない、このように指摘しています。
こんなことからしても、トンネル工事との関係が合致しているわけです。この夏は、城山八王子トンネル工事の影響が出ている榎窪川周辺では、田んぼが干上がり、所有者の方は、田んぼに水がなくて稲の花も咲かない、こんな深刻な事態が出現しているんです。
圏央道では、一日二百から四百トンの地下水が、今、川に放流をしていると聞いています。本来なら地下にあって、高尾山の生態系を潤して保ってきた環境が、今、大きく変貌を来し、生態系を変えてしまう、こういうことが大きく懸念されているんです。
外環工事は、四十から五十メートルの地下をシールドで掘り進むわけですけれども、直接的な地下水への影響をもたらすことになります。本来なら、アセスの時点で、地下水脈の状況把握をすべきですけれども、これも順番が逆です。工事が始まってからでは取り返しのつかないことになりかねません。
三環状、外環の必要性は、将来の交通予測に基づいて算出しているわけですけれども、その数字が古いという指摘は、今の国交大臣も以前から指摘をしてきたところです。ようやく、国交省は、二〇〇五年の交通センサスによって、二〇〇八年に交通予測が修正されました。これによると、二〇三〇年、今後二十年後には、これまでの予測よりも、将来交通量は全車で一三%減になる、こういう見通しもあるわけです。
また、都内への流出入する放射線の車を中に入れない、それを排出するための外環道路だというふうな説明も受けたんですけれども、この都県境の流出入の量は、全体の交通量の五%というふうにも聞いてます。実際、外環道ができても、その緩和効果は一・五%、こういう調査結果も伺っております。
こうした将来予測や景気動向、少子高齢社会に向かう中で、一メートル一億円もの税金投入をする外環道建設を改めて見直すことを求めておきます。
次に、都民の命と財産を守る課題の一つ、河川事業についてお聞きします。
近年、気候変動の影響などを受け、異常気象が多発している中で、ゲリラ豪雨が全国的にも頻発しています。東京でも時間五〇ミリどころか、一〇〇ミリを超える降雨が十年に一遍ではなくて、もう二、三年に一回、この東京のどこかで起きているという状況です。とりわけ、コンクリートで張りめぐらされた都市型水害は、その被害を大きく増大させています。財産ばかりか命の危険さえもはらむものとなっています。
建設局としてはその対策の一つとして、中小河川対策、とりわけ現在は五〇ミリ対応の一〇〇%完成を目指して、鋭意努力をされているところですが、実際の進捗状況がどうなっているのかをお聞きしたいと思います。
資料を出していただきまして、一ページ、これを見ますと、治水安全度達成率、これは、中小河川の護岸整備と調整池などを含めた達成率ということですが、これは五〇ミリ対応ということで、この十年間で、七一%から七六%と五%しか伸びていないんです。ちなみに、中小河川の整備状況は、この十年間比べて〇・三キロ、三百メートルしか伸びていませんが、この達成率は何%から何%に伸びたのでしょうか。
○横溝河川部長 平成十三年度の護岸整備率は五八%、また、二十二年度の整備率は六四%の見込みでございます。
○かち委員 十年間に六%の伸びということなんですけれども、「十年後の東京」の実行プログラムで、今後の目標を見ても、年間一%の伸びということなんですね。この治水安全度について、少なくとも洪水が多く発生している環七の内側を対象とした場合、一〇〇%達成はいつごろの見込みになるのでしょうか。
○横溝河川部長 環状七号線の内側における中小河川につきましては、平成二十七年度までに五〇ミリ降雨に対応する治水安全度を一〇〇%にするということを目標として事業を進めております。
○かち委員 環七内側については、二十七年度までに一〇〇%ということですけれども、その他の地域については、先ほどの写真もありましたけれども、なかなか全体的に五〇%をクリアしていくには時間がかかるという見通しのようですけれども、目標達成のために具体的にどんな取り組みを進めているんでしょうか。
○横溝河川部長 整備に当たりましては、河川の拡幅を基本とし、拡幅が困難な箇所におきましては、調整池や分水路などを効果的に組み合わせながら進めてまいりました。
具体的には、護岸整備に加え、神田川の環七地下調節池、古川地下調節池や河川のバイパスとなる高田馬場分水路やお茶の水分水路の整備により、河川の安全性を高めてきております。
○かち委員 現実的には五〇ミリ対応では間に合わない実態が刻々と迫っているわけです。並行して、集中して豪雨が頻発している地域への一〇〇ミリ対応を緊急に取り組む必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○横溝河川部長 都としては、五〇ミリ対策が道半ばであるということを考えますと、引き続き、五〇ミリ対策を積極的に進めていくことが重要であると考えております。
しかし、近年の局地的な集中豪雨の増加などを踏まえ、平成二十一年度から、今後の河川整備のあり方について検討を進めておりまして、この中で五〇ミリを超えるような集中豪雨にも有効な方策を検討してまいります。
○かち委員 いずれにしても、こういう対策を進めていくには、お金がかかる問題です。二十二年度の事業予算の配分を見ますと、渋滞対策の二千三百六十八億円の七三%が骨格幹線道路などの整備費で占めており、中小河川や高潮対策など、防災対策予算はその三割弱です。全体の中で、たったの九%です。局内の予算配分をも見直す必要があると思います。
国際競争力を高める以前に、都民の命と安全確保こそ、第一優先課題に位置づけるべきであり、治水安全度率など、目標の引き上げと達成に向けた対策を抜本的に強化されるように求めて質問を終わります。
○橘委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十九分休憩
午後三時三十七分開議
○橘委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○山下委員 それでは、初めに、都民の安全で安心な暮らしを支えるための防災対策について伺います。
近年、都内では局地的な豪雨が多発しており、多くの都民が浸水の被害に遭っています。河川の整備などの対策が進んでいるのはわかりますが、浸水被害を軽減するためには、ハード対策に加え、ソフト対策も重要であると考えます。
都は、平成二十一年三月から神田川で、また、ことし三月からは芝川、新芝川で洪水予報を始めたということです。この洪水予報とはどういうものか、その仕組みについて伺います。
○横溝河川部長 洪水による被害を軽減するためには、河川の整備はもとより、都民みずからが安全に避難できるよう、洪水の発生を事前に予測し、防災情報を迅速かつ確実に提供することが重要でございます。
洪水予報は、気象庁の予測する降雨量などに基づきまして、例えば、神田川では、一時間先の河川水位の上昇を都が予測し、洪水のおそれのあるときに気象庁と共同で発表するものでございます。
○山下委員 洪水予報について、よくわかりました。
洪水予報は、区市町村が水防活動を行う際に役立つ防災情報といえるでしょう。また同時に、都民が地下室から避難したり、土のうを積むなどして家への浸水を防ぐなど、自分の身は自分で守る、いわゆる自助を行うためには、この情報が都民に確実に伝わらなければ意味がないともいえるでしょう。
都民への情報提供はどのように行うことになっているのか。そして、あわせて、これまでの洪水予報発表の実績についても伺います。
○横溝河川部長 都民への周知につきましては、直ちに放送各社に情報を提供し、テレビテロップなどで広くお知らせいたします。同時に、区市は、防災行政無線、広報車、登録した住民へのメール配信などの方法で情報提供を行います。
なお、都では、神田川等で洪水予報の運用を開始してございますけれども、現時点におきましては、そこまでの水位上昇に至る降雨は発生しておりません。
○山下委員 洪水予報は、豪雨の際、非常に有効な防災情報であり、気象庁と協力して、さらに精度を高め、ほかの河川でも実践できるよう検討していただきたいものと思います。
そして、区市町村との連携も一層深め、ハザードマップの公表を促進するなどして、都民の災害に対する不安を軽減していただくよう要望いたします。
次は、地震対策として、橋梁の耐震補強について伺います。
ことし一月十三日には、中米ハイチでマグニチュード七・〇の大地震が発生し、死者およそ五万人という大惨事になりました。また、先日、十月二十五日には、インドネシアのスマトラ島沖でマグニチュード七・七の大地震が発生し、死者、行方不明者は六百人を超えています。
日本においても、阪神・淡路大震災や中越地震など、甚大な被害をもたらした地震が発生しています。関東大震災から既に八十年以上が経過し、東京でも、いつ大きな地震が発生してもおかしくない状況といわれています。
一般の都民の方の自分の近所の橋は地震のとき大丈夫なのか、落ちたりしないのかといった橋梁被害を心配する声が私のもとに届くこともございます。都は、このような住民の心配を払拭すべく、いつ発生するかわからない地震への備えに万全を期す必要があると考えます。
都は、橋梁の耐震補強を現在どのように進めているのか、伺います。
○鈴木道路保全担当部長 震災時における都民の安全な避難や緊急輸送を確保し、防災機関の初動対応を迅速に行うためには、橋梁の耐震性向上が重要であります。
平成七年に発生した阪神・淡路大震災は、それまで想定していた関東大震災を超える地震動だったことから、橋梁等に甚大な被害が発生し、防災機関の初動対応や住民の避難に影響を与えました。
都では、阪神・淡路大震災クラスの地震に対しても安全性が確保できるよう耐震対策を実施してきており、現在、「十年後の東京」計画に基づき、震災対策上重要な位置づけにある橋梁から計画的に、橋脚補強、落橋防止等の耐震補強を実施しております。
○山下委員 平成七年の阪神・淡路大震災以降、震災対策上重要な位置づけにある橋梁から順次、耐震補強を実施しているということがわかりました。
では、これまでの補強の進捗状況と今後の予定について伺います。
○鈴木道路保全担当部長 都では、震災時の交通混乱を最小限にとどめ、被災者の安全な避難と応急対策に必要な緊急車両通行のため、最優先で通行を確保する一次緊急交通路から対策を進めてまいりました。
一次緊急交通路の橋梁、百六十五橋については、平成十五年度までにすべて完了し、現在は、被災地域や被災状況等に応じて交通規制を実施する二次緊急交通路の橋梁、百十七橋について対策を進めており、今年度末には百橋が完了する予定でございます。
今後とも都民の安全・安心を確保するため、引き続き、橋梁の耐震対策を着実に推進してまいります。
○山下委員 いざ地震というとき、都民の生命、財産を守っていく上で、道路が担う役割は非常に大きく、とりわけ橋梁は、都民の安全な避難や緊急物資の輸送などのために、その機能の確保は不可欠といえます。できるだけ早く補強完了となることを望んで、次の質問に移ります。
かわっては、都立公園の施設について伺います。
ジャイアントパンダの話題などで何かと動きがあり、注目される動物園とは対照的に、植物園は静か、つまり静の魅力をたたえた都市空間といえるのではないでしょうか。
調布市にある神代植物公園は、年間の入園者が七十万人を超えており、まさに静かな人気を誇る公園施設。私自身、幼いころ、オープンしてまだ日の浅い神代植物公園を訪れ、真新しい植物のネームプレートを見て、木や花の名前を覚えようとしたことを思い出します。
この神代植物公園も昭和三十六年の開園から半世紀がたとうとしています。その間、バラ園の整備や、大温室、水生植物園などの施工が進められ、ますます見ごたえのある公園になっていると感じます。私は、東京都のこうしたすぐれた植物園の存在をさらに広くアピールしたいと考えております。
そこで、まず、東京都は、植物園の役割をどのようにとらえ、そして、どのような方針のもとで運営しているのかを伺います。
○上杉公園緑地部長 神代植物公園は、植物園として、調査研究、種の保存、レクリエーション、教育普及の四つの役割がございます。神代植物公園は、植物を展示するのみではなく、景観も楽しめる植物園として、都民に憩いの場を提供してまいりました。
○山下委員 植物園が果たす役割、四つの機能などについてまとめていただきましたが、私には一つ心配なことがございます。建設局公園緑地部の事業概要の中には、経営者の視点、利用者の視点に立った公園サービスという方針が記されています。こうした経営方針を否定するわけではありませんが、ともすると利益追求や大衆迎合に陥りやすい文言であるとも考えられます。東京都という公共の施設だからできること、民間の施設とは違い、利益や人気優先ではない、広い視野に立った運営をすることが重要と考えます。そういう意味では、先ほどのご答弁の中にあった調査研究や種の保存などの活動には、今後もなお一層力を注いでいただきたいものと思います。
では、具体的に、神代植物公園での調査研究や種の保存についての現状や、これまでの成果などをご紹介ください。
○上杉公園緑地部長 神代植物公園における調査研究や種の保存については、植物の保護、増殖を中心に行っております。その成果としまして、神代植物公園の特徴でもある多種多様な品種を有するバラと江戸園芸植物等のコレクションがございます。
バラ園では、七十九種類の原種のバラを栽培するなど、バラの品種の多さと栽培技術が評価され、昨年、世界バラ会議の優秀庭園賞を受賞いたしました。
江戸園芸植物に関しましては、ツツジやツバキ、梅などの江戸時代に品種改良された貴重な園芸品種を栽培しております。
○山下委員 世界バラ会議で優秀庭園賞を受賞するなど、神代植物公園が世界に誇れる東京都の施設であることがよくわかりました。
このように貴重な植物園だからこそ、現在保有する植物たちをどう後世に残していくか、命をつないでいくか、これが神代植物公園に課せられた大きな使命であると考えます。特徴ある植物の栽培、種の保存のための取り組みを伺います。
○上杉公園緑地部長 貴重な植物を栽培し、保存していくためには、挿し木や接ぎ木などの特別な栽培技術を継続的に伝えていく人材育成などが重要でございます。植物の栽培技術を伝え、バラの原種や江戸園芸植物の貴重な品種を保存していくことも、都民に植物を楽しんでいただくことも、並んで重要な植物園の役割と考えております。
○山下委員 神代植物公園では、現在、植物多様性センターの整備が進められていると聞いております。植物の世界では、近年、遺伝子の解明が進み、例えば、これまでユリ科とされていたギボウシがリュウゼツランの仲間であることが判明するなど、分類の大幅な見直し、科の再編が行われています。植物という学問のジャンル、そして地球の未来、人間と植物の共存共栄のために、新たに整備される植物多様性センターは、大きな役割を果たすものと思われます。その機能に期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○こいそ委員 それでは、何点か質問させていただきますが、まず一点目として、JR南武線連続立体交差事業についてであります。とりわけ、JR南武線の連続立体交差化事業、一期工事はたしか平成十七年に高架化が完了したということで、地元のさまざまな交通渋滞、土地利用の利便性、これらを含めて大変向上してきた。これはもうまさにそういう評価でありますけども、また一方、残る矢野口駅から府中本町駅間の第二期区間ですね。これは、私、昨年、ちょうどこの事務事業質疑の中でもお尋ねをさせていただき、この進捗状況はどうなんだ、完成年度は一体どうなっているんだ、大変地元も心配している。こういう中でお聞きをしたわけでありますが、この進捗状況はその後どうなっているのか。
それから、もう一点、これは何回も繰り返して申しわけないんですが、私、常日ごろ、状況を見ておりまして、本当になぜこれだけの大幅なおくれが出てきてしまったのか、どうなんだと、いろいろお聞きもするし、地元のいろんな声もあります。
ここでもう一度、なぜこれだけの、五年間という大幅な、地元から見れば特に、大幅なおくれが生じてしまったのか。このあたりも教えていただきたいなと思います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JR南武線連続立体交差事業は、稲田堤駅から府中本町駅間を高架化し、鶴川街道など十五カ所の踏切を除却することで、交通渋滞や地域分断が解消される極めて効果の高い事業でございます。
このうち、稲田堤駅から矢野口駅付近までの第一期区間につきましては、平成十七年十月に高架化を完了させ、八カ所の踏切を除却いたしました。
また、矢野口駅付近から府中本町駅までの第二期区間につきましては、現在、高架化の工事を進めており、平成二十二年度末に下り線の高架構造物をおおむね完成させる予定でございます。その後、下り線側の駅舎、軌道及び電気工事を進めていくこととしております。
どれぐらい、なぜおくれたかということでございますが、理由としましては、一つ目は、用地取得が難航したことによりまして、仮線工事の着手がおくれたことがございます。
二つ目は、列車運行の安全管理強化によりまして、作業時間が制限されたことでございます。具体的には、鉄道近接工事の際、主に昼間の工事が夜間工事へと変更になりまして、作業効率が大幅に低下いたしました。
三つ目は、土地区画整理区域内のため、工事用進入路が限られ、作業効率が低下したことでございます。
○こいそ委員 丁寧に三点に絞ってお話をしていただきましたけども、特に、用地買収がかなり影響をもたらしたというお話が前からございましたが、私もこの件は、当時の状況を、少なからず地元でありますから、わかっておる一人であります。要するに、一番の問題点というのは、土地、いわゆる強制収用をかけるか否か、このあたりがありましたけども、現実、その判断をすれば、例えばその土地収用のこともそうかもしれないけども、ほとんど母屋にかかるわけじゃない、軒先が少しかかるぐらいなんですね、本来的には。
これまでいろんなやり方、今となってみればという話もあるけれども、その判断が、やっぱりこういうようなさまざま用地の問題ということになったんでしょうが、私は、今回のおくれの原因というのは、私はちょっと納得できないなと常々思っておりました。また、思っておりますけれども。
それと、土地区画整理事業ですね。これは市施行だということの中で、市が主体的に土地区画整理に取り組んでいると。その何か工事用車両の搬入路が--これはわからないことはないですね。
もう一点の列車の運行、これは福知山線の脱線転覆事故以後の管理部門が非常に強化された。これはわからないことはない。しかし、あえて私は、おくれということはいろんな諸要因が重なって生じることは、これは一定の理解範囲内でありますけども、五年間もおくれるというのは、これはいかなる、今の三点の理由をもってしても、私は、この大幅なおくれのこと、をいっているんですよ。何でこんな大幅におくれたのか。三点だ、三点だというけど、一つの今の工事用車両口ですか、いわゆる導入口がついたって、そんな大きな問題点ではない。解決できますよね。
列車の問題、安全性、これも確かにそのとおりでありますけども、かといって、さまざまな検証をして、これ、二期工事ですからね。いわゆる矢野口から府中本町間、二期工事分ですよね。この安全対策は確かにしっかりやっていただかなければならないけども、しかしこれだけの、要するに安全なんだというと、ははははといって、安全対策するんだと。これ、我々わからないですね。安全対策に要する歳月というのがどの程度必要なのかどうなのかわからない。しかし、これだけの大幅なおくれというのは、私は、いろいろ聞き、見、いろいろ教えていただいてるけども、これは、もう一段の取り組み姿勢が必要ではないかと思うんですね。
続きますけども、私はいついつまでも、日々、当然、地元でありますから、見させていただいております。昨夜、地元の関係者、地元の方々が、橋梁が立ち上がったということで、夜間工事ちょうどやっているから、ちょっと見に行こうじゃないかというような感じで行ったんです。そこへ行きました。そのときに、一生懸命皆さんが、現場は本当にご努力されているなということを思いました。
いろんなお話もさせていただいた中で、例えば、この通路ですね。ガードマンがいましたけど、通路を通る、もし不測な事態がいろんな形で生ずる、通行どめや、いろんなことがある。これ、どこにどういうふうに行ったらいいか。例えば、これ、東京都の主体事業ですよね。主体事業というのはどこまでの責任の所在というのがあるのかどうなのか、ちょっと、このあたりをお聞かせください。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業は、道路整備の一環として施行する都市計画事業であることから、東京都が事業主体となって事業を進めております。事業実施に当たりましては、鉄道事業者と協定を締結し、共同で事業推進に取り組んでおります。
東京都は、事業主体として、事業計画の策定や事業の進捗状況の管理、高架下利用など、総合的な調整を行っております。
一方、鉄道工事につきましては、鉄道利用者の安全を確保し、安定した輸送力の維持が損なわれないように、確実な工事施行が必要となることから、技術力やノウハウを持った鉄道事業者が施工しております。
○こいそ委員 計画並びに進捗状態の管理等々、東京都は総合的な、これは管理というんですかね、責任を持ってると。いわゆる施行主体者という立場の中でですね。
その中で、ちょっときのうもいろいろやりとりの中で感じたのは、例えば連絡ですね。不測なというか、いろいろな連携連絡、連携のことが主でありますけども、どうやって東京都とJR東日本と連絡をとっているのか。どうやって、いわゆる現場におけるさまざまな状況について連携がとられているのか。いろいろやりとりしましたけども、ほとんどつながりがないような感がするんですが、どこでどう連携をとってるんでしょうかね。進捗状況の管理、どこがやってるんですか。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 現在、連続立体交差事業につきましては、死亡重傷事故などの重大事故が発生した場合に、昼夜を問わず、各鉄道会社の本社等の部課長から連立事業を所管する都の課長へ連絡が入る情報連絡体制になっております。
JR東日本の連立事業の場合、具体的には、重大事故発生現場から現場を担当するJRの多摩工事区に情報が入り、東京工事事務所の中央課の課長を通じて、都の鉄道関連事業課長へ第一報が入る体制となっております。
○こいそ委員 あってはいけない重大な事故のときはそうなんでしょう。さりとて、重大、死亡事故があってはいけないけども、さまざまな要因がそこにおいて生じて、起こり得ることもありますね、これだけ重大じゃなくても。
または、日常的な連携連絡、これらのことを踏まえた情報連絡体制というのはどうなっているんでしょうか。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 今回の事態を受けまして、JR東日本に対し、改めて情報連絡体制の徹底を要請するとともに、今後、重大事故発生時以外も緊急連絡時等には、東京工事事務所の中央課の課長から都の鉄道関連事業課長へ第一報が入る体制に見直します。
さらに、重大事故発生時には、東京工事事務所の中央課の課長を通すことなく、直接、現場のJR多摩工事区の区長から、都の鉄道関連事業課長へ第一報が入る体制に改めます。
○こいそ委員 ぜひそのようにしていただきたいと思いますし、強く感じたところでございまして、この情報連絡体制の強化は、いろんな面で有意義に作動していくんじゃないのかな。
その中で、もう一点だけいわせていただくならば、確かに現場工事体制の役割というのはJR東日本かもしれない。しかし、これだけの大幅なおくれがあるという諸要因の中で、例えば進捗状況だって、もっと密接に、東京都は工事全部任せているんだと、東日本に。東日本は安全第一なんだと。あ、そうかというんじゃなくて、いわばもっと、どういうところはどうすれば改良できるか、皆さんは、プロは少なくないでしょう。そういうところで見たような視点、これも大切なんじゃないですかね。
例えば、この連続立体、やってますよね。都内全体的で、何カ所も何カ所もやられてるわけだけども、それは、確かに担当者の方が頑張っておられること、よく承知してます。そこに目を一点集中というのは、なかなか難しいかもしれない。しかし、私は、そこに、これだけ重要な、そして、さらに大幅なおくれを伴っているところについては、私は、建設局の、局としての体制がいま一つ必要ではないかなと思うんですが、このあたりどうでしょうか。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連立事業だけではなく、すべての事業に当てはまるとは思いますが、特に、連立事業は非常に規模の大きい事業でございます。組織的にしっかりと対応して、事故のないように、着実に事業を進めていきたいと考えております。
○こいそ委員 ぜひそのあたりも、重ねてまた要望というか、今お答えもいただきましたので、そういう方向でぜひ取り組んでいただきたいと思います。
これは専門家の立場立場、我々が見ているいわゆる一面の視点、目線とまた違って、専門家が見る視点というのは、やっぱりこれは大切だと思うんですね、いうまでもなくて。ですから、そういう意味合いの中で、我々感情的に、ただ、何でおくれてるんだ、早く縮めてくれよ、こういう話もあるかもしれない。おくれている--それでいろんな話があるという中でも、そうではないかもしれないけども、そうじゃないんでしょうけど、例えば、多摩地域でも、中央線の連続立体交差事業やってますね。これも重要ですよ、はっきりいって。これも皆さんご努力されている。
しかし、あわせて、比重はないと。比重というのは置き方ですね、力の置き方というか。そういうことはないと思うけども、しかし、ぜひとも体制をもう一段--連続立体交差化事業の結果というのは、私がいうまでもないですよね。土地利用計画だけじゃ--まちづくりにとってもそうだ、それからあかずの踏切の解消もそうだ、交通環境的に環境負荷も極めて低減させられる、非常な効果というのがあるわけですね、これ。東京にとったって、極めて有意な事業施策ですよ、政策ですよ。
ですから、こういうことを思うときに、私は、もう一段の取り組みを、ぜひひとつ、JRだけに任せるんじゃなくて、私鉄もあるかもしらぬけど、鉄道事業者に任せるだけじゃなくて、ぜひ主体的な、さらなる取り組みをしていただきたいなというふうに、これは要望をさせていただきたいと思います。
そして、こういうような話をしていることでございますけども、さりとて、目途がやはりあるんではないか。一定的に、どのぐらいの短縮が皆さんのご努力もあって、また今後の努力も当然に加えられて短縮されていくという方向性、ご努力を評価とお願いをする中で、その中で、この工期短縮の見込みというのは、おおよそどのあたりで示されるのか。
確かに工事が進んでいる状況もよく確認できますけど、いずれにしても、いつごろ、どのように短縮ということを示していただけるのか。工期短縮の見込みというのは、どのあたりで一定的なお話がしていただけるのか、このあたり、お願いしたいと思います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 第二期区間につきましては、昨年度、今後の工事工程等の見直しを行い、踏切除却が平成二十六年春ごろとなり、側道整備を含めた事業完了が平成二十七年度となる見込みとなりました。
工期短縮につきましては、現在、主に高架構造物の工事進捗を図る具体策の実施に向けて取り組んでおり、踏切を除却する全線高架化までの間、幅広く検討の上、継続的に行っていくこととしております。
今後、全線高架化に先立ち、下り線の高架化を予定しており、来年には、具体策の実施状況を勘案しながら、工事工程等の見直しを行い、一定の工期短縮の見込みが示せるように努めてまいります。
○こいそ委員 年明け、明年ですね。年を明けて一定の工事の短縮見込みについて示していただけるということですね。
そのような中で、ぜひ、るる申し上げさせていただきましたけれども、このような有意な事業は、多く都民の期待が大きいわけでありますから、できるだけ、工期の短縮につながる具体的な施策をぜひ実施していただいて、一日も早い高架化を実現をしていただきたいというふうに思います。
そして次に、この第二期区間でありますけども、南武線立体事業にあわせて、交差する幹線道路である多摩三・三・七号線の整備が今進められてきていると思うんですね。これは一路線の中で、事務所が建設局という枠組みの中では一緒かもしれませんけども、是政橋の関連によって、所管事務所が、この三・三・七の一部を行っている。その一部は地元の南多摩建設事務所が担うというような整備になっていくと思うんですが、その中で、この多摩三・三・七号線と是政橋における工事の進捗状況、並びに今後の予定について、もう少し詳しく教えていただきたい。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 多摩三・三・七号線はJR南武線と交差し、是政橋と川崎街道を結ぶ重要な幹線道路であり、全線で道路工事を進めております。平成二十二年度末には、是政橋の交通を下流側の新橋に切りかえるとともに、多摩三・三・七号線につきましては、四車線のうち二車線を暫定開放する予定でございます。
これによりまして、是政橋から川崎街道への接続は、従来の上下二車線の府中街道に、二車線開放する多摩三・三・七号線を合わせ二ルートが確保され、計四車線となり、交通の円滑化が図られます。
○こいそ委員 いずれにいたしましても、多摩三・三・七号線、また是政橋と連結しながら進められていくわけでありますけれども、都市基盤整備という観点、これは時間がかかりますよね。今着実に進めていただいているわけでありますけれども、将来を見据えた都市の、まちづくりですか、こういう中では、やはりこのような橋梁、道路整備、さっきの連立もそうでありますけれども、私からいうまでもありませんが、極めて重要な政策、施策だと。
そういう中で、かといっても、地元の、地権者、用買もあるでしょうから、こういうようなことを踏まえながら、地元の理解、協力ということにもやはり視点を向けていただいて、着実にこの完成を目指して進めていただきたいと思います。
それと、もう一点でありますが、これはかねてから私も話をさせていただいておるPRですね。いかにいい政策を打ち出しても、さまざま重要な都民生活にとっても、全く有意義な一つの事業でも、やはり理解がないとしようがないんですね。理解とともに、それだけ皆さんが努力に努力を積み重ねて、完成させていても、完成途中でもそうだ。完成させても理解がないというのは、私はPR不足だとかねてからいってました。
そこで、住民に対してのPRを当然にして、積極的に行っていくべきだと思いますが、このあたりどうですかということと、それからもう一点、さっきの連立の話は、それ、いいんですけど、例えば一期工事のときは、地元は全く知りませんでした。東京都が主体で行っているというのは、ほとんどわからない。JRがやってると思っているから、何にもわからない。
ところが、今回、二期工事、大幅におくれたので、この責任は東京都だと。これは東京都なんだと。東京都だといわなくたって宣伝してくれてるんでね。連続立体というのは東京都がやっているのかとやっとわかってもらいましたけども、それはそれとして、あらゆる有意な事業についても、今申し上げたようなPRを進めていく、その取り組みは、今後どのようにされていくのか、お願いします。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 事業を推進していくためには、地元のご理解とご協力を得ていくことが必要でございます。このため、都は、事業の目的、必要性、効果などについて、パンフレット、パネル、記録ビデオなどを作成し、各種催しでの展示やマスコミへの情報提供など、さまざまな機会を通じて事業PRを行っております。
JR南武線連続立体交差事業では、多くの市民が集う市民祭りにおいて、この数年間は毎年、展示ブースを出展するなど、事業PRに努めております。平成二十二年度末には、下り線の高架構造物がおおむね完成することから、地元の方々を対象に現場見学会を企画する予定でございます。
今後とも、さまざまな機会をとらえ、都は連続立体交差事業の事業主体として、事業PRを積極的に実施してまいります。
○こいそ委員 ぜひそういうふうな取り組みを積極的にしていただければ、より理解が高まってきますからね。高まってくると、感謝の念が出てきますよ、そうすれば。
それでは、次に行きます。
多摩川架橋及び関連道路整備促進協議会、ご案内のいわゆる協議会でありますけども、発足したのは昭和五十五年でありました。当時は、多摩川中流部の架橋はわずか五橋十二車線でありましたが、府中四谷橋の新設、多摩川原橋の四車線化など橋梁整備が進み、現在では九橋三十二車線と車線数が三倍にふえました。道路状況は大きく改善されたというところでありますけども、その中で、さらに、稲城大橋でありますが、長い間の懸案が本年の四月に完全に無料化となりました。皆さんのご努力であります。
多摩川中流部地域の交通の円滑化や利便性の向上に、これまで以上に寄与していくことはもう間違いないわけでありますけれども、その中で、これもあわせていってきたんですけど、今申し上げた稲城大橋の料金所、これは片側方向なんですね。都心方向というんですか、都内方向。これが八王子、山梨方向というのはアクセスがないということで、要するに、中央道の約五百メーターぐらいですか、少し八王子方面寄りのバス停、ここからスマートインターチェンジという形でこれをしっかりとアクセス、整備をしましょうというお話がありましたが、これは現実に今どのようになっているんでしょうか、このスマートインターチェンジについて。
○萩原道路計画担当部長 府中スマートインターチェンジは、中央自動車道府中バス停を活用しまして、八王子方面の出入り口を整備するもので、これによりまして、高速道路へのアクセスの利便性が高まります。
都は中央自動車道と都道との連結につきまして、昨年六月に国土交通大臣より許可を受けました。地元には本事業の理解を得るべく、これまで五回の説明会などを行ってきております。また、中日本高速道路株式会社は、高速道路部分の土質調査や現況測量を既に終了しており、現在、詳細設計を進めております。
○こいそ委員 今申し上げた府中バス停から下に乗りおりするスマートインターチェンジでありますけども、これはいろいろと地域、地元住民の合意形成、これについて大変ご努力いただいたわけでありますけども、国土交通省、少しぶれたんですね、あのとき。ぶれたといういい方は適切かどうかわからないけども。しかし、しっかりと腹を据えてやってくれたのが東京都ですよ。それをしている中で、今、国土交通省の許可ですか、認可か、これがおりたということね。そしてまた今後も、地元のやはり理解、協力というのは、これはもう当然でありますけども、そのような一貫した姿勢の中で、今、状況について、設計まで入ってきたという話もあるし、大変これについては進捗状況がよく理解できましたので、今後とも、ぜひこれが早期の、これも当初の年度がありますよね、あえてきょうはいいですけども、できるだけその年度に向けて、早期にこのスマートインターチェンジができて、アクセスの利便性が飛躍的に向上しますよ。ということで、ぜひこれもお願いをしたいと思います。
そして、この関係でもう一点、多摩川中流部橋梁でありますけども、関戸橋。特に中流部の架橋が先ほどいったように、九橋三十二車線にふえた、五十五年から比べてね。その中で、府中四谷橋、それから関戸橋、さらには是政橋、それから多摩川原橋と、それはまだまだ立日橋とかいろいろあるわけなんだけども、少なからざるも、この中流部の架橋及び四車線化の事業推進の中で、今回残されたのは、やはり昭和十二年にかけられたこの橋、そして七十年以上が経過したということもあります。
こんなことからも、当初から、私も平成九年に都議会議員になったときに、地元市役所から、ともかく関戸橋の耐震の関係の予算、いわゆる調査費でもいいから、何とかつけるようにしてもらえないかと、こういう強い要望がありました。当時、私、一年生議員でありましたけども、ともかく地元の要望を受けて、何とかしなきゃいけない、しなきゃいけない。いろいろ先輩にも協力をお願いしながら、この予算をとったときの思いは非常に強いものがありました。
これをもってして、やはり具体的に、この関戸橋が今後どのような方向性、かけかえへ向けてなっていくのか、それ以来非常に注視をしてまいりましたし、ぜひ、地元もそのような思いもありますし、こういう橋のかけかえ等については、これはもうそんなに本数も、何本も何本もというときじゃないかと思います。しかし、重要な橋梁のかけかえなので、こういうところにやはりさまざまな職員の方々がかかわってくる。事務所によっても、経験をやはりふやしてもらうということも、いろんな面で今後の経験をもととする上でも、それも一つ必要なんじゃないかなと思います。
いずれにいたしましても、きょうは、この昭和十二年にかけられ、七十年経過した関戸橋、多摩川中流部の架橋の中で、今回、こういう方向性になるのかなと思いますので、これにつきましても検討をしていってもらいたいということを要望いたしまして、この件では終わらせていただきます。
最後にもう一点--時間ないの。(「時間、超えました」と呼ぶ者あり)超えた。じゃ、これまでにしておきます。申しわけないけども。
○伊藤委員 私からは、まず街路樹についてお聞かせいただきたいと思います。
樹木は、太陽の光を遮って、地表面が道路を温める熱を低減をさせるという効果があります。都市の熱環境を改善をする機能があるわけであります。
ちょっと古いデータでありますけれども、平成十五年の国土交通省の調査によりますと、東京都心の十キロ四方の緑被率を約一〇%上げると、日の最高、最低平均気温が〇・三度下がるということが科学的に明らかになっているわけであります。ことしの夏も大変暑かったわけでありまして、ヒートアイランド対策としても非常に有効な手段であるというふうに思いますし、何よりも緑は人をリラックスさせる効果があります。
既にこれらの問題については、先般の一般質問で我が党山下委員が、さまざまな観点から提案をさせていただいているところでありまして、民主党としても街路樹をふやすという事業については、推進の立場をとらせていただいているところでございます。
都は「十年後の東京」の中で、公園など緑の拠点を街路樹で結ぶグリーンロードネットワークを形成をするために、平成二十七年度までに都内の街路樹を百万本に充実をするという目標を示しておりますが、整備の方針並びに現在の取り組み状況について、まずお伺いをいたします。
○上杉公園緑地部長 街路樹は、沿道の生活環境の保全や都市環境の改善、そして交通の安全確保、景観の向上及び緑陰の確保などを目的として整備しております。
実施に当たりましては、新設道路での計画的な植栽や既存道路での充実を行うこととしております。特に、既存道路においては、高木の間にさまざまな中木を植栽し、季節感あふれる道路空間を創出しているところでございます。これらの取り組みにより、平成二十一年度末の都内の街路樹は六十万本となっております。
○伊藤委員 二十一年度末では六十万本ということであります。グラフを見ると、平成十九年度からぐっと上げていただいて、この数年間の本数というものは目まぐるしく上がっていることをうれしく思っておりますが、この百万本の目標を達成するためには、当然、国道であったりとか区道であったりとかというところとも連携をしていかなければなりませんので、区や国との連携を強化をしていただいて、目標達成に向けてさらに努力をしていただければと、このように思っております。
これも国土交通省の調査なんですけれども、平成十七年度に、先ほどリラックス効果があるという指摘をさせていただきましたけれども、社会実験調査というものを国土交通省がやっております。大体どれぐらいの緑があると人は緑が多いなと感じるかとか、どういう状況で安心感を感じるか、清涼感を感じるかという調査なんですけれども、おもしろいなと思ったのは、緑視率が二五%で緑が多いと感じる方が多いということであります。
緑視率というのは、目に入る中で二五%ですから、相当緑の量が多くないと、緑が多いと感じていただけないのかなというふうに思いますが、このように、実際の調査でも効果があるということが裏づけをされているわけでありますが、道路の街路樹は、先ほど答弁にもありましたように、潤いのある都市を構築していく上で重要な役割を担っており、緑豊かなまちづくりに向けてさらに推進をしていくべきと考えますが、ただ単に樹木を植えるということだけではなくて、なぜふやすのか、どういう効果があるのかといったような事業内容等について、広く告知をしていく必要があると考えます。
そこでお伺いをいたしますけれども、事業のPR体制というのはどうなっているんでしょうか。
○上杉公園緑地部長 事業のPRでございますが、パンフレット等の配布やホームページでの事業紹介を行っているほか、イベント時のブース設置など、多様な機会の積極的な参画を図っております。このほか、剪定や緑地帯の日常の維持作業時にも、その目的や内容を沿道住民の皆様や通行する方々に積極的にアピールするような取り組みも行っております。
○伊藤委員 都のホームページを見ますと、恐らく職員の方が手づくりでつくっていただいているホームページがあって、水やりをお願いしますというような都民の働きかけもしていただいて、本当にいいホームページだなというふうに思いますので、これからも積極的にアピールをして事業の推進をしていただきたいと思います。
緑をふやすということについては、一般論としては反対がなかなかないと思うんですけども、緑豊かな街路樹は、四季の移り変わりを感じられる反面、風に舞い上がったり、商店街では店舗内に入り込むなど、地域住民の中には、落ち葉を迷惑に感じる方もいらっしゃいます。
私の地元葛飾でも、本当に立派な桜の並木があるんですけれども、僕、聞いてびっくりしたんですけど、桜の散った花びらも嫌だ、だから、切ってほしいという方が、これ、ごく一部ではありますけれども、いらっしゃるんですね。
このように、緑をふやす、花をふやすということには、一方でこういうふうに感じられる方もいらっしゃいますので、その点を配慮していく必要がこれからあるのかなというふうに思ってます。
これから冬を迎えて、街路樹からの落ち葉もますます多くなる中で、都では都道の落ち葉の清掃をどのように行っているんでしょうか。また、落ち葉の清掃など日常の管理では、地域の方々と協働で行う活動も重要だと考えます。そこにかかわっていただくことによって、この街路樹の事業の理解が、私、より広がるというふうに思っておりますので、現在の都の取り組みについてお伺いをいたします。
○東道路管理部長 道路の管理に当たりましては、多くの人々が安全、円滑に利用できるよう、常に道路の機能を確保し、良好な状態に保つことが重要であります。そのため都は、道路の維持、補修とともに、清掃や巡回などの日常管理に取り組んでおり、街路樹の落ち葉についても、道路の清掃の中で定期的に収集するとともに、現場の状況や都民からの要望に応じた収集を適宜行っております。
また、地域の皆様みずからが道路の美化活動に参加することによりまして、公共施設に対する愛護精神の醸成とともに、地域のニーズに即したきめ細やかな管理が図られることから、都は、地域の皆様と連携した東京ふれあいロード・プログラムを実施しております。具体的には、ボランティア団体や町内会などの団体に、歩道の清掃や花壇づくりなどの緑化に取り組んでいただいております。
今後とも、さまざまな機会を通しまして、多くの都民の皆様に参加していただけるよう努めてまいります。
○伊藤委員 ぜひとも、地域と連携をして、今たしかふれあいロード・プログラム、百団体程度と都は連携していただいているということでありますが、こういういい取り組みをもっと広げていただいて、街路樹の整備を進めていただきたいというふうに思います。
続きまして、都立霊園についてお伺いをしたいと思います。
揺りかごから墓場までという有名な言葉がございます。この言葉は、第二次世界大戦後のイギリスの労働党のスローガンだそうでありまして、社会保障制度の充実を形容する言葉であります。
都の行政も、人が生まれてから死ぬまで、その場面場面によってさまざまな行政サービスを提供していただいているわけでありますけれども、そうした観点から見ると、霊園事業というのは、まさに人生の最後を行政とも関係性のある非常に大切な事業の一つだというふうに思います。
現在、都立霊園は八カ所ありまして、面積は四百十六ヘクタール、使用者数は約二十六万人、そして百二十一万体を埋葬している、かなり大規模な霊園でありますけれども、都道府県では、唯一、東京都のみが霊園事業をやっているというふうに聞いておりますけれども、そこでお伺いをいたしますが、都が霊園事業を行っている経過についてお聞かせいただきたいと思います。
○滝澤公園管理担当部長 東京都の霊園事業につきましては、明治七年までさかのぼりまして、東京府が現在の青山霊園のもととなります青山墓地などを開設したのに始まっております。明治二十二年には東京市に既存の墓地が移管されまして、その後、新たに東京市の霊園といたしまして、多磨墓地、八柱霊園が開設されました。また、昭和十八年の都制施行に伴い、東京市から都へ事務が引き継がれまして、小平霊園、八王子霊園を開設いたしました。都では、こうした経緯から事業を継承し、現在に至っております。
○伊藤委員 大変歴史のある事業ということがわかりましたし、単独の市区でやると、なかなかこの霊園の確保をすることができないということもあって、東京都がやっているということであるというふうに思います。
しかし一方で、新聞の折り込み広告を見ると、毎日のように民間の霊園のお知らせがあったりとか、ネットで先ほどちょっと私、検索をかけてみたんですが、墓地という単語で検索をすると一千三十万件情報がヒットすると。霊園というふうに入れると、約四百二十万件、情報、ヒットするんですね。
こういうふうに、民間の霊園には、お寺さんや公益法人の経営する墓地が多数ございます。都が霊園事業を取り組むに当たっては、民間の霊園との役割分担を意識する必要があるというふうに考えます。
そこで、都立霊園の果たす役割について、都ではどのように考えているのか、ご所見を伺います。
○滝澤公園管理担当部長 都立霊園の役割といたしまして、墓地需要や多様化する墓地に対する都民のニーズにできる限りこたえ、多くの都民が安心して利用できる墓所を供給すること、それから緑のオープンスペースとして、都民が快適で安らぐことのできる場を提供することなどでございます。
○伊藤委員 都民が安心して利用できる墓所を供給するという答弁でありましたが、その言葉の中には恐らく永続性という観点も非常に強いんじゃないかなというふうに思います。これ、地元の話なんですけれども、四百年も続くお寺が、借金をたくさんしてしまって経営破綻をしてしまって、実は、これ、悪いことなんですけれども、許可を出さずに墓地を勝手につくっていて、ある会社が買って、無許可になるから、そこは墓地を取り払わなきゃいけないというような大問題が地元で起こったことがございました。
そういった意味でも、当然民間の事業者もちゃんと経営をしていただいているところ、たくさんありますけれども、お寺さんですら破綻をしてしまうぐらいの今の景気の厳しい状況の中で、東京都が霊園事業をやるということについては、そういった意味からも意義があるのかなというふうに思います。
事業概要で、平成二十一年度の霊園応募状況を見ますと、多磨霊園で八・六倍、青山霊園で十六・一倍、八柱霊園に至っては十七・九倍と、倍率は依然と高いわけであります。都民の墓地需要は高いというふうに思っております。
そして、近年は核家族化や高齢化など社会状況の変化に伴って、墓地に対する都民意識やニーズが多様化をいたしております。ある生命保険会社の墓地に対するアンケート調査というものがあります。これ、六百人の男女に聞いたということでありますけれども、既存のお墓じゃなくて、例えばいろんな方と一緒に入るお墓でもいいという方もいらっしゃったりして、非常に多様化していると。だんなの墓地に入りたくないという奥さんがいたりとか、本当にそういうことを考えると、もうどうやっていいかわからないというぐらいの多様化が今起きているということであろうかというふうに思います。
こうした状況を踏まえて、今後、東京都はどのように霊園事業に取り組んでいくのか、ご所見を伺います。
○滝澤公園管理担当部長 東京都といたしまして、東京都公園審議会答申に基づき、将来の管理や承継の心配のない合葬式墓地により供給数をふやすとともに、一般墓地につきましても、無縁墓所の整理や区画の細分化により、供給数を確保しております。
また、死後は自然に帰りたいという都民ニーズにこたえ、樹林墓地や樹木墓地という新たな形式の墓地供給にも取り組んでおります。今後とも、限られた土地を有効に活用しまして、墓所の供給に努めてまいります。
○伊藤委員 樹林墓地は先般、十一月三日、文化の日の東京新聞に大きな新聞記事が載っておりました。樹林墓地を東京都がいよいよ導入するということで、ほかの自治体にも波及効果があるのではないかという新聞記事がございました。
ぜひとも、今後とも、墓所に入る方だけじゃなくて、そこにお参りをする方、利用される家族の方、いろんな観点を入れて、都民のニーズに合致をした霊園事業を展開していただくことをお願い、要望いたしまして、質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。
○山田委員 それでは、私から建設局の事務事業について何点かお尋ねをいたしたいと思います。
また、建設局は、まさに都民の快適で利便性の高い都市、安全なまち、魅力的な美しいまちということで、都民生活を支える上で欠かすことのできない極めて重要な施策を展開をしていただいておりまして、予算的に見ますと、平成二十二年度の予算四千九百四十六億円、予算、東京の全体に占める建設局の割合は七・八%ということでありまして、ある意味では積極的な事業展開をされているということで、大変評価をいたしたいと思います。
それでは、具体的にご質問させていただきますが、多摩の南北道路、調布保谷線--これ西東京三・二・六号線ということなんですが--の整備とこの工事に伴う安全対策についてお伺いいたしたいと思います。
多摩地域を南北に連なっておりますこの調布保谷線は、これは効率的な幹線道路ネットワークの形成によりまして、交通の円滑化を図る上で極めて重要な骨格幹線道路であります。
私の地元であります西東京市におきましても、地域の利便性向上に寄与することから、地元住民は、この本路線の早期完成に大きな期待を寄せております。現在、西東京市の東伏見地区では、大型クレーンが立ち並びまして、また多くのダンプカーが行き交うなど、本格的な工事が着々と進んでおりまして、今最盛期を迎えているような、そんな感じでもございます。引き続き、この事業が円滑に進むためにも、工事を安全に実施していくことが重要であると考えております。
しかし、昨年、ご存じだと思いますけれども、西武新宿線との交差部で作業員一名が亡くなるという工事事故が発生をいたしました。また、先月、これは今度、西武池袋線ですけれども、交差部の工事で、仮設の通路の安全管理が不十分であったということだと思いますけれども、赤ちゃんを乗せ、子どもさんを乗せたお母様が、安全ロープに首をひっかけて転んだという事故がございました。これは局の方にもお話をしてありますけれども、幸い大けがといいますか、大事に至らなかったということで、軽いけがで済んだので安心いたしましたけれども、両方の現場とも、都が、これは西武鉄道に施工委託して工事を進めているということなんですけれども、しかしながら、都は事業者として、事業主体としてしっかりとした指導、管理はすべきものと考えております。
先ほどこいそ委員からも、事故に伴う情報の連絡体制の問題もありましたし、そういう点について、こういうような重大事故に伴うことは、これは二度とあってはならないと思いますけれども、昨年の西武新宿線の交差部の事故の状況とその後の対応について、お伺いをいたします。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 昨年の事故は、都が西武鉄道株式会社に委託している西武新宿線と交差する調布保谷線のトンネル工事で発生いたしました。事故は、軌道直下部分の掘削手順を誤ったことが原因で、土砂が崩壊したものでございます。
都は、事故発生後、工事を受託している西武鉄道に対し、安全管理と再発防止を徹底するよう強く要請いたしました。
西武鉄道は、工事請負者と労働災害防止検討会を設置し、再発防止策として、作業手順の遵守と安全管理の強化を指導しております。
現在、都は、安全意識を高めるため、西武鉄道と東伏見地区で施工中のすべての工事請負者とで毎月合同パトロールを実施しております。二度と重大事故を起こさないよう、引き続き西武鉄道と連携して工事安全対策を徹底し、再発防止に努めてまいります。
○山田委員 今、新宿線の交差部の事故後の都の対応については理解をいたしましたが、現実には先ほど申し上げましたように、池袋線で第三者、市民の事故が発生をいたしておりまして、これが繰り返されるということについては、やはり緊張感を持って作業に臨んでいただきたいと思いますし、このような事態は、都民の事業に対する信頼を揺るがしかねないと思いますし、都が重点事業として整備を進めております調布保谷線の進捗にも影響を及ぼしかねないと思います。
二度とこのような事故が発生しないよう、鉄道事業者をしっかりと指導をしていただいて、安全管理を徹底するよう強く要望いたしておきます。
次に、先ほど申し述べましたけれども、この調布保谷線、今工事が最盛期を迎えておりまして、地元からも一日も早い完成が望まれております。調布保谷線の西東京区間の整備状況及び今後の取り組みについてお伺いいたします。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 調布保谷線の西東京区間では、青梅街道から埼玉県境までの約三・九キロメートルが事業中であり、九五%の用地を取得しております。
現在、石神井川にかかる橋梁工事や、西武新宿線及び西武池袋線との立体交差部でトンネル工事などを進めております。来年度からは、街築工事に着手する予定であり、青梅街道から都道二三三号線までの一・九キロメートルの平成二十四年度末、四車線交通開放を目指してまいります。
今後とも、地元の理解と協力を得ながら、平成二十六年度末の全線開通を目指し、整備を推進してまいります。
○山田委員 ぜひ、地元の悲願であります調布保谷線の、今お話ですと、二十六年度末ということでありますけれども、全線開通に向けて努力をしていただきたいと、よろしくお願いいたします。
次に、新みちづくり・まちづくりパートナー事業についてお伺いをいたします。
多摩地域では、今お聞きいたしました調布保谷線を初めとする骨格幹線道路の整備を着実に推進しておりますが、一方、幹線道路と連携をした地域の道路ネットワークも必要でありまして、まちづくりを進めていく上で効果ある都道の整備は重要と考えます。
平成十九年の事務事業質疑で、私は、都と市町村が連携をして都道を整備するというこのみちづくり・まちづくりパートナー事業の継続について要望させていただきました。そして、平成二十一年には、この事業が継承いたしまして、新しい新みちづくり・まちづくりパートナー事業が創設をされたわけでありまして、私は地域の発展に大いに寄与するものとして期待をいたしておりますし、ぜひこれに対するご努力もお願いしたいと思います。
そこで、新みちづくり・まちづくりパートナー事業の取り組み状況についてお尋ねをいたします。
○萩原道路計画担当部長 新みちづくり・まちづくりパートナー事業は、地域のまちづくりに密接に関連し、地元市からの整備要望の強い都道を市と連携協力し整備するものであり、地元の期待も大きな事業であると認識しております。
本事業は、都が用地補償にかかわる費用を、地元市が設計及び工事にかかわる費用を負担し、市が整備するものであり、事業期間は平成二十七年度までの七年であります。整備は、みちづくり・まちづくりパートナー事業から継続した九路線に新たに九路線を加え、十一市十八路線を対象としております。
継続の九路線につきましては、一路線が完成、五路線は用地取得を完了、三路線は用地取得を進めておりまして、それぞれ早期完成を目指しております。
新規の九路線につきましては、今年度から四路線で用地取得に着手し、残る五路線も早期に用地取得に着手してまいります。
○山田委員 私どもの地元西東京市におきましても、この新みちづくり・まちづくりパートナー事業は、今、二路線、事業を実施していただいております。
このうち西東京三・四・一一号線は、この調布保谷線に接続をして、沿線には西東京市役所保谷庁舎を初めとする公共施設や小中学校があるということで、市のまちづくりとしても重要な路線であると思っておりますし、地元の期待も大変大きいものがございます。
そこで、西東京三・四・一一号線における整備状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○萩原道路計画担当部長 西東京三・四・一一号線につきましては、南北方向の調布保谷線と西東京三・四・一六号線とを結ぶ延長七百十メートルの区間で、幅員十六メートルの新たな道路の整備を進めております。本事業によりまして、安全で快適な歩行空間が確保されるとともに、本路線の周辺にある公共施設等へのアクセス向上、地域交通の円滑化が図られます。
現在、九七%の用地を取得し、全区間で道路排水工事や電線共同溝工事などを進めております。引き続き、西東京市と連携を図りながら、早期完成を目指してまいります。
○山田委員 調布保谷線も今着実に整備が進んでおりますし、この西東京三・四・一一号線もそれに接続をするということでありますので、早期完成に向けて着実に推進をしていただきたいと思います。
また、西東京三・四・一一号線は、西武池袋線のひばりヶ丘駅南口付近においても、みちづくり・まちづくりパートナー事業として既に約六百メートルが完成をして、今それを利用させていただいております。
しかし、この完成区間、今六百メートルの完成区間と今ご説明いただきました整備中の間約八百メートルについてはまだ未整備でありまして、具体的な事業は決まっておりません。ひばりヶ丘駅の南口から調布保谷線あるいは保谷庁舎を結ぶこの東西道路については、大変まちづくりを行う上でも重要な道路でありますので、今後、残る区間、今六百メートル、についても、早期に実施されるよう要望いたしたいと思います。
次に、第二次交差点すいすいプランについてお伺いいたします。
道路ネットワークの早期整備とあわせて、即効性の観点から、渋滞緩和に有効な交差点改良などの局所的整備にも積極的に取り組んでいくことも重要であると考えます。
西東京市内には、渋滞で有名な北原交差点がございます。この北原交差点は、新青梅街道や所沢街道が複雑な形で交差をするということで、多摩地域有数の渋滞箇所でもございます。また、近くには西武新宿線田無駅があることから、通勤、通学時におきましても、歩行者や自転車が多く通行する交差点でもあります。
これまで平成十八年の第三回定例会や、あるいは平成二十年度の当委員会におきましても、スムーズ東京21拡大作戦に位置づけられるこの北原交差点の渋滞対策について、私の方で取り上げて質問をさせていただきました。ことしの春、交差点周辺の車線と歩道が拡幅がされまして、渋滞緩和とともに、歩行者、自転車の安全性が向上したということで、地元からも大変喜ばれておりますし、高い評価をいただいているところであります。
そこで、北原交差点の渋滞対策に関する最近の取り組みについてお伺いをいたします。
○鈴木道路保全担当部長 北原交差点においては、平成十八年度から渋滞対策に取り組み、新青梅街道では二・五メートルから二・七五メートルへ、所沢街道では二・七五メートルから三・〇メートルへそれぞれ車線を拡幅することにより、自動車交通の円滑化を図ってまいりました。また、歩行者や自転車の安全対策として、新青梅街道北側の歩道を二・一メートルから三・五メートルへ拡幅いたしました。交差点の改良を行うためには、既存の横断歩道橋の支柱が支障となることから、横断歩道橋をかけかえ、拡幅に必要なスペースを確保し、工事を進めました。
工事の実施に当たりましては、たび重なる交通規制や長期にわたる横断歩道橋の通行どめが生じましたが、関係機関と密接な工程調整を図るとともに、地元の皆様の理解と協力を得て、平成二十二年四月に工事を完了させることができたものでございます。
○山田委員 今ご説明いただきましたように、この北原交差点の渋滞対策は、横断歩道橋のかけかえということもありまして、長い年月と作業手順のいろいろな調整ということで大変だったと思いますけれども、しかしながら、これが完成をしたことによって、本当に地元としての大きな効果があったと改めて皆様に感謝をいたしたいと思います。
また、同じく渋滞対策を目的とした事業として、第二次交差点すいすいプランがございます。この事業は、多摩地域を中心に、深刻な交通渋滞の緩和を図るため、交差点における局所的な渋滞対策でありまして、交通のボトルネックの解消に大変効果があると思っております。
そこで、第二次交差点すいすいプランの現在の取り組み状況と西東京市内におけます状況も含めて、お伺いいたしたいと思います。
○鈴木道路保全担当部長 第二次交差点すいすいプランは、交差点に右折レーンの設置などを行い、より円滑な交通の実現に向け、交通渋滞の緩和、交通事故の防止、沿道環境の改善を図るものであります。平成二十二年度は約四十九億円の事業費により、都内四十四カ所において事業を実施しております。このうち多摩地域においては、平成二十二年度完成予定である町田市の小山交差点など四十カ所において事業を実施しております。
西東京市内における実施状況でありますが、一般都道二三三号東大泉田無線、いわゆる保谷新道と主要地方道三六号保谷志木線とが交差する保谷小前交差点においては、平成二十二年度から事業に着手し、用地取得を開始いたしました。
また、保谷新道と一般都道二四五号杉並田無線、通称新青梅街道とが交差する保谷新道交差点においては、現在、事業化に向け現況測量を実施しております。
今後とも、多摩地域の交通渋滞を解消するため、多摩南北道路を初めとする幹線道路ネットワークの整備に加え、局所的な渋滞対策である交差点すいすいプランを地元自治体との緊密な連携のもと、関係住民の皆様の理解と協力を得ながら積極的に推進してまいります。
○山田委員 この交差点すいすいプランというのは、交通のボトルネックを解消するために大変効果のある事業だと思っておりますので、ぜひ関係する地域、自治体と協議をしていただいて、この事業を積極的に進めていただくことをよろしくお願いいたしたいと思います。
次に、連続立体交差事業についてお伺いをいたします。
先ほどこいそ委員からもいろいろご質問がございましたけれども、都内にはいまだ千百四十カ所の踏切が残されておると聞いておりますし、そのうちの四分の一は、いわゆるあかずの踏切だということだと思います。こうした踏切は、交通渋滞や市街地の分断など、都市の活力の低下を招く要因となっておりまして、連続立体化事業によります抜本的な対策が必要であると思っております。
都は、現在七路線八カ所で事業を実施しておるということでありますし、さらなる踏切の除却に向けて新たな区間を事業候補区間として選定をし、事業化に向けた取り組みを進めていると聞いております。
そこで、まず、連続立体交差事業の事業候補区間の選定の考え方を改めてお伺いいたします。そして、現在の取り組み状況についてもあわせてお尋ねをいたしたいと思います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却することによりまして、道路ネットワークの形成を促進するとともに、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化にも資する極めて効果の高い事業でございます。道路整備の一環として、現在、七路線八カ所で事業を実施しております。
新規箇所につきましては、踏切対策基本方針において、鉄道立体化の検討対象区間として抽出した二十区間のうち、関連する道路整備計画の具体化やまちづくりへの取り組みの熟度を踏まえ、これまでに八区間を事業候補区間に位置づけております。
このうち西武新宿線中井駅-野方駅間、京王線笹塚駅-八幡山駅間と八幡山駅-仙川駅間につきましては、現在、事業化に向けて都市計画及び環境影響評価の手続を進めております。さらに、西武新宿線東村山駅付近につきましては、都市計画などの手続の着手に向けて関係機関と調整を進めているところでございます。
○山田委員 都が道路整備やまちづくりの視点に立って、事業候補区間を選定をする。そして、その事業化に向けて積極的に取り組んでいるということはよくわかりました。
その連続立体交差事業が道路整備の一環として実施されていることから、関連する道路をあわせて整備することは当然のことと考えるわけでありまして、加えて、事業の実施が沿線地域に与えるインパクトは極めて大きいものと思います。ですから、そういう点についても、まちづくりを一体的に進めていくことが大切であると考えます。
昨年の十二月に高架化されましたJR中央線の三鷹から国分寺間では、十三カ所の踏切が除却されまして、踏切による交通渋滞が解消されるとともに、駅前広場の整備や再開発事業などのまちづくりが進められ、多くの周辺住民の方々が事業の効果を実感していると聞いております。
また、私の地元西東京市を東西に走っている西武新宿線の都心寄りであります中野区内の中井駅から野方駅間におきましては、かねてより、踏切により交通渋滞や地域分断が深刻な問題となっておりましたけれども、その解消に向け、地元住民や地元自治体が連携をして、熱意を持って沿線まちづくりの具体化などに取り組んだということも聞いております。その結果として、先ほどご答弁があったように、都が事業化に向けて手続を進めるまでに至ったと私は理解をしたのであります。
そこで、西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の事業化に向けて、地元自治体が沿線まちづくりについてどのように取り組んだのかお伺いいたします。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業の実施に当たっては、地元区市が中心となり、本事業とあわせて周辺の道路や駅前広場の整備など、沿線地域のまちづくりを一体的、総合的に進めることにより、事業効果を高めることが重要でございます。
本区間の事業化に向け、中野区では、都や西武鉄道も参画した検討会を設置するとともに、地元町会などとの勉強会を組織し、沿線まちづくりの検討を進め、平成十八年に駅周辺のまちづくり構想を作成いたしました。
この構想を具体化するため、本年八月には、駅周辺の基盤施設整備の基本計画を策定いたしました。この中で、駅前広場や駅前広場へのアクセス道路を来年度に都市計画決定するとともに、第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけられていない都市計画道路も含め、これらを区施行により、連続立体交差事業とあわせて整備を進めていくとしております。
都としては、今後とも、こうした地元区の取り組みと連携しながら、本区間の事業化に向けて取り組んでまいります。
○山田委員 改めて事業化に向けては、道路整備に加えて、地元住民や地元自治体による沿線まちづくりへの取り組みが非常に重要であるということがわかりました。私の地元におきましても、ひばりヶ丘駅を中心とする六つの商店街などから、連続立体交差化を求める声が高まっておりまして、先般、その陳情書が市議会に提出をされて採択をされたということでもあります。
こうした機運をとらえて、地元市が中心となり、沿線まちづくりなどの検討を進めていくことを強く期待をいたしておきます。都におきましても、今後、地元の取り組み状況などを踏まえ、関係者と連携をして連続立体交差化の実現に向けて取り組んでいただくよう要望いたしたいと思います。
それでは最後に、中小河川の整備についてお伺いいたします。
平成九年の河川法の改正によりまして、これまでの治水と利水に加え、環境の整備と保全が目的に加わりました。それから十年以上が経過をいたしておりますが、河川整備の状況も今変わってきたと思います。
私の地元であります西東京市の東伏見地区を流れる石神井川の周辺については、貴重な緑が多く残る地域でもあります。河川整備におきましては、命と暮らしを守るという観点から、治水が大事であるということは当然でありますけれども、河川法の目的にあるとおり、周辺の環境にふさわしい河川整備を行うことも大変大事なことであると思います。
そこで、環境という観点から、東伏見地区の石神井川の整備をどのように進めているのか、現状についてお伺いをいたします。
○横溝河川部長 東伏見地区を流れる石神井川につきましては、現在一時間に五〇ミリの降雨に対処できるよう、練馬区境の溜渕橋から調布保谷線までの延長約八百四十メートルの区間が事業中でございまして、あわせて水辺に近づける親水護岸や散策を楽しめる遊歩道などの整備を進めております。
また、調布保谷線から上流の青梅街道までは、川が東伏見公園の予定地内を流れることから、川遊びができる親水広場や公園とつながる散策路など、河川と公園が一体となるよう調整をして進めてまいります。
○山田委員 また、本地域におきましては、河川整備とともに東伏見公園や調布保谷線の整備が進められております。自然豊かな景観の形成を図るため、水と緑のネットワークを目指した整備を進める必要があると考えますが、東伏見地区におけます石神井川整備の見通しについてお伺いをいたします。
○横溝河川部長 現在、武蔵関公園から調布保谷線までの区間につきましては、平成二十四年度の完成を目指して整備を進めております。この区間では、川沿いに緑豊かな遊歩道を整備し、さらに調布保谷線の街路樹と連動させることによりまして、水と緑のネットワークを形成いたします。今後とも、道路や公園の事業とも連携し、安全で都民に親しまれる石神井川の整備に努めてまいります。
○山田委員 引き続き、都民に安らぎを与え、憩いの場となるような河川整備を積極的に進めていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○橘委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時十二分休憩
午後五時三十一分開議
○橘委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○興津委員 それでは、私からは、大きく四点ほどに関しましてご質問させていただきたいと存じます。
先ほど来、局の道路整備に関しましてのご意見を承りました。その中におきまして、放射線道路あるいは環状線というところの道路整備の必要性というものを伺いましたので、多少時間の関係もありますので、その辺、小さな一問の方は割愛させていただきまして、先ほど山田委員の方からもあったとおり、そのもう一つ西側にあります国分寺都市計画道路三・二・八号線、ここに関しまして質問させていただきたいと存じます。
ここの計画道路に関しましては、現在、府中に建設されました多摩総合医療センターの隣まで事業が進捗しているところであります。ここから国分寺市内を通過し、小平市への府中街道へと真っすぐ進んでいく計画道路であります。
そこで、一点目といたしまして、現在の進捗状況と今後の予定についてお聞かせいただきたい。
二点目といたしまして、用地買収の方法について、そして現在、用地買収を委託していらっしゃいますけれども、その法的な整合性についてお聞かせいただきたいと思います。
三点目といたしまして、用地買収においてですが、これは東京都全体、土地収用事件取り扱いにおいて、補償金不満という事例が平成十九年三件であったものが年々増加し、平成二十年では十三件、平成二十一年、十六件、ことしは二十件まで増加すると伺っております。土地の評価額の低減化によるものとも拝察いたしますが、この社会的背景並びに現在の対応について、まずはお聞かせいただきたいと存じます。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 最初に、進捗状況と今後の予定についてご答弁させていただきます。
国分寺三・二・八号線は、多摩南北道路の府中所沢線の一部で、多喜窪通りから五日市街道に至る約二・五キロメートルの骨格幹線道路でございます。平成十九年十一月に事業着手し、本年十月末までに約七割の用地を取得しております。
今年度、JR中央線や西武国分寺線との立体交差部で搬入路工事に着手する予定でございます。
○四方用地部長 国分寺三・二・八号線は、整備が急がれる多摩南北道路であることから、東京都の建設事務所による用地取得とあわせまして、東京都道路整備保全公社へ用地取得事務を委託したものでございます。
用地取得に当たりましては、五日市街道から国分寺三・四・六号線までの約一・三キロメートルの区間を建設事務所が担当し、三・四・六号線から多喜窪通りまでの約一・二キロメートルの区間を公社が担当しております。公社は、東京都の道路行政を補完するパートナーであり、任意折衝による用地取得事務を委託しております。
次に、三番目の質問についてでございますが、東京都の用地取得は、そのほとんどが関係権利者との合意に基づく任意契約により行っております。土地の価格は、事業認可の告示日を基準日として、周辺の基準地価格や公示地価格に加え、不動産鑑定士の鑑定価格や実際の取引価格を参考にしながら、年一回適正に評価を行っております。
しかしながら、ここ数年は地価が下落したため、都の補償金に対して不満を述べたり、土地の評価額を固定するために、みずから土地収用法に基づく裁決申請請求を行う事例もふえております。
引き続き、土地価格の適正な評価に努めるとともに、関係権利者に十分な説明を行い、理解と協力を得ながら用地の取得を進めてまいります。
○興津委員 ご答弁ありがとうございました。
この件に関しましては、一応、用地買収が七〇%まで進捗しているということを伺いました。また今年、来年でしたっけ、搬入路に関するところは着工されるということであります。
国分寺、私の地元でもあるわけですが、国分寺といたしましても、この道路に関しましては、やはり生活道路に通過車両が入ってこないためにも、私自身は一日も早く竣工していただきたいというふうに思っておりますが、ぜひとも今後とも強力な推進方を願いたいというふうに思います。
と同時にですけれども、この用地買収に関してですけれども、先ほどお伺いした中で、委託をされているということでありました。委託をされているということで、私の地元でもありますので、いろいろなご意見をおっしゃる方も出てまいります。やはり委託をされているということで、東京都の職員さんがみずからお越しにならずに交渉にお越しになるということに関して、ある意味、事例としてですけれども、いった、いわない、金額の提示があった、なかったというような、多少トラブル的な内容も発生してきていることもまた事実なんですね。
でありますので、いろいろと監査等々によってこういった方向を検討されて、このようにされているということも承ってはおりますが、やはりそこは地元の地権者の人たちの気持ちを十分に酌み入れた形で、用地買収の方も進めていただきたいということを重ねてお願いさせていただきたいと存じます。
それでは次に大きな質問の二番目に参ります。
歩道整備についてであります。先ほど局長からも、バリアフリーにということで力強い答弁をいただいているところでありますので、私も同趣旨の視点からの質問ということを準備させていただいていましたので、質問させていただきたいと存じます。
東京都では、歩道整備について整備を進められてきているところですが、都道においても依然として歩道のない箇所や幅員の狭いところが残されています。今後の歩道整備においては、子どもや高齢者、障害をお持ちになってしまわれた方々も、だれもが安心して歩けるバリアフリーの観点からの歩道整備が求められていると考えます。
再度ではありますけれども、今後の東京都の歩道整備についての東京都の考え方、整備方針などを再度お聞かせください。
○鈴木道路保全担当部長 歩道の整備に当たりましては、交通量や学校、病院等の配置状況を踏まえまして計画的に事業を進めており、平成二十二年度は、都内五十二カ所で延長五・七キロメートルの事業を実施しております。
今後、車いすでもすれ違うことのできるバリアフリーに対応した幅員二メートル以上の歩道の整備を着実に推進していくためには、歩道を拡幅整備するための用地の取得が重要な課題であります。そのため、沿道住民の方々の生活や商店街の皆様の営業などに大きな影響を与えることから、地元からの積極的なご支援、ご協力が必要不可欠であると考えております。
○興津委員 わかりました。確かにその土地を収用するということになれば、その地権者の人たちの協力というのは、当然必要であるということもわかります。
と同時に、やはりバリアフリーということに関しまして考えてみれば、お子さんたちあるいは高齢者の方、障害をお持ちになってしまった方、あるいは先ほどもいいましたけれども、車いすという方々が安全に通行できる、そのような歩道整備というのを視野に入れて頑張って進捗していただきたいと存じます。
ここで一つ事例なんですけれども、私の地元でもあります国立谷保におきましては、日野バイパスの開通に伴いまして、平成十九年度に旧国道二〇号線、甲州街道ですけれども、甲州街道が国から移管され、東京都道になっております。当該道路は、歩道幅員が非常に狭く、過日テレビ報道されたこともあります。車いすの通行に支障を来し、通行人は、車いすごと車両通行量の多い都道に一たん出ないとそこを通れないというように、車どめもあったりします。地元からも改善要求が出ていますので、地元との調整を十分に図り、バリアフリーの観点からも、安全で安心に通行できる歩道整備をぜひとも進めていただきたいというふうに要望させていただきます。
それでは、大きく三番目に移らさせていただきます。
次に、河川整備について。建設局の事業概要によりますと、洪水、高潮による水害や土砂災害等の危険から、東京都民の生命と暮らしを守るとともに、潤いのある水辺の形成、自然環境の保全、再生及び河川利用などを推進して良好な河川環境と都市環境を形成することを目的とし、安全で快適かつ活力のある都市の再生に資するものであるとその目的が定義されています。
先ほども韓国の例と、そして中国の故事にのっとりました格調高いご意見をいただいたところでもありますが、反面、スーパー堤防などは、今回の事業仕分け等にもありますように、国交省の政務官も既存の堤防強化の方が現実的だと発言するので、都民の生命と暮らしに配意しつつも、その利便性あるいは費用対効果等々、全部総括してひっくるめて、ベネフィットを図る必要性のある事業でもあろうかと思っております。
一言申し上げれば、現在の土木技術を信頼をして、このスーパー堤防の行く末を東京都としても、局としても見据えていただければというふうに思っております。
さて、そこからスタートいたしましたが、中小河川の話であります。私は、地元でもあります国分寺の野川の整備についてお伺いさせていただきたいと存じます。
この野川は、国分寺市の国分寺崖線の湧水を起点といたしまして、小金井市、三鷹市、調布市、そして世田谷区を流れまして多摩川に至る河川であります。
河川整備の基本的整備は、川下から整備されていくということを了解しておりますが、現在、小金井市までは親水性のある都民に親しまれる、まさしく河川整備の目的である潤いのある水辺の形成、自然環境の保全、再生及び河川利用のための整備が推進されてきています。大変すばらしい河川整備が進捗していると私は認識しております。
しかしながら、野川の起点に向かう国分寺市内はまだまだ河川整備は着手されていません。そこで、今後の河川整備に向けた東京都の現在の取り組みと地元との話し合いを含めて、今後の整備に向けた取り組みをお伺いさせていただきたいと存じます。
○横溝河川部長 国分寺市内の野川につきましては、ことしの八月に国分寺市と合同で野川最上流部整備に関する検討会を設置いたしまして、現在、基礎的な調査を行っているところでございます。引き続き、市と連携しながら検討を進めてまいります。
○興津委員 わかりました。一言申し添えるのでありましたら、小金井市のところに至るまでは、本当に親水性のあるすばらしい空間が、事業進捗がされております。ぜひとも、その進捗状況を、湧水でありますので、最近ちょっと水量が減っているということもあるんですが、ぜひとも、そこのところを検討していただいて、国分寺市内も事業進捗の方を進めていただければというふうに思います。
それでは、最後の四番目の質問とさせていただきます。
東京都監理団体活用方針によりますと、団体活用の視点として、監理団体は都政を支えるパートナーであり、東京都との政策連動性が高い業務を行ってきているとあります。そして、監理団体に対する指導監督の考え方として、自立性向上を主眼に置いた指導監督の考え方も継承しつつ、サービスの質の向上を図る視点から、新たな指導監督の取り組みも進めていくともあります。
事前説明におきまして、この道路整備保全公社、財団法人ですけれども、の財務諸表をいただきました。二十一年度ですけれども、いただきました。都の建設局は指導監督する立場であるので、この財務諸表の詳細については、公社内部の事業によるので、建設局としては詳細の説明はできないというふうにご答弁をいただいていますが、財務諸表から見たご意見をまず申し述べさせていただきたいと存じます。
当該財団は、各種の事業、委託並びに都の財産を利用した駐車場運営、都営駐車場の指定管理者であります。当該公社の財務状況を二十一年度財務諸表から拝見すると、法人税の支払い額には一億二千二十四万円余で計上されています。つまり、財務諸表的には優良団体であることが拝察されております。公社のこのご努力には敬意を表させていただきます。
さらに、当該公社の二十一年度財務諸表全体から申し上げますと、貸借対照表によりますと、ここは少し数字をいわさせていただきます。現金預金等の流動資産合計は五十三億四千九百九万円余、基本財産合計は五億円、基本財産積立金一千七百五十六万円余、財政調整基金積立金が二十億五千五十一万円余、そして施設補修準備金が三億一千万円、収益還元公益事業積立金が五億円、道路事業還元積立金が一億五千万円、先駆的駐車場づくり積立金が一億八千万円、利子補給積立金が二十六億三千万円。以上、合計で百十六億八千七百十六万円にも上ります。
その他、流動性の資産といたしまして、納税充当引当金が百五十二万円、退職給付積立金が四億三千二百三十二万円、労務災害等見舞金が四千万円もあります。この金額は、上記、先ほどの合計の流動性資金とは別段にお持ちになっていらっしゃいますね。
項目的に、積立金は使途予定金額であると判断されますが、施設補修準備金、収益還元公益事業積立金、そして道路事業還元積立金、先駆的駐車場づくり積立金は、昨年と一切変わらずにその金額が取り残されております。つまり、一年間は事業がなかったと判断ができるわけであります。つまり、この積立金を残す整合性の可否をいかがなものかと、この二十一年度の決算書の貸借対照表によっては、思わざるを得ません。
また、さらに申し上げれば、一年間の経常経費は七十四億八千八百四十三万円余であるので、先ほどの流動資産基本財産積立金などの合計金額から申し上げれば、非常に乱暴な議論でもありますけれども、一年間全くの営業収入がなくても、一年六カ月間、経営継続できるだけの内部留保を、固定資産ではなく流動性資産のみで持っている団体であると判断ができるわけであります。以前、監査を受けられ、事業改善も図られていると思いますが、それでもなお再考すべき状況ではないのかと私は考えております。
また、今回いただいた資料において判明したところでありますが、建設局は、当該団体に土地、建物の使用許可、貸し付け等を行っています。財務局の基準に従って貸し付けを行っていると説明を受けてはいるものの、例示的に申し上げますと、例えば駐車場として貸し付けているのが杉並区の大宮の地域、これが六十九坪、年間賃貸料、月単価を坪数でもって割り返しますと、月単価千五百二十一円。練馬区の豊玉北におきましては、同じく月、坪単価でいうと二千百五円、小金井市の桜町に至っては千七百四十七円。あるいは、使用許可をしている土地の部分で考えれば、板橋区の板橋近辺では千七百四十九円、また小平市の花小金井では千百六十五円、江東区の新砂千九百二十八円ということですね。大田区の仲六郷等では二千百八十六円。土地の坪単価の貸出金額としては、民間から比較すると割安感というのを私は持ちます。
と同時に、ここの土地に関しまして詳細を伺っていきたいとは思ってはいるんですが、例えば杉並区の大宮、これ、道路用地であるというふうに承っております。道路用地であれば、道路法ということで法律がありまして、私、これ、実は最初は目的外使用じゃないかなというふうに感じたものですから、そこから質問を準備させていただいたんですが、道路法でもって第九十一条がありまして、ここで道路予定区域という括弧づけがあるわけでありますが、その第二項といたしまして、道路の区域が決定された後道路の供用が開始されるまでの間において、道路管理者、東京都が当該区域において、土地に関する権原を取得したにおいては、その後の規定を準用するということがありまして、この中の三十二条の第七項において、政令で定めるものというふうになり、そしてその先の施行令の第七条の第六項に自動車駐車場というのが書かれておりますので、ここをもって貸し付けているんだというようなご説明をいただいております。
ところが、この土地をグーグルマップ等でもって検索してみますと、道路用地に見えません。簡単にいうと、道路のための代替地ではなかったのかなと拝察できるものが多々あります。と同時に、駐車場として使用されているのであればいいんですが、ちょっとこれ、細かく申し上げると、小金井市の桜町一の四百八十二の三というところを資料をいただいておりますが、これに関しては、旧地番なものですから、もしかしたら私が検索したところと違うかもしれません。前提条件を置かさせてください。
でもありますが、ここは一般民家が建っています。理解できません。ですので、今後、確認をさせていただければありがたいなということを申し上げるのでありますが、こういった形で費用も安いなというところもあるし、のではなかろうかと勝手に思うわけでもありますが、無論、土地とか土地の評価額は、その土地土地でもってやっぱり異なりますので、道路予定地であり、駐車場の経営が成り立つ土地であろうと考えると、感覚的には割安感を持ちます。さっきの一件でした。
さらに、一言つけ加えるのであれば、当該団体は都債の購入もいただいています。公社収益で債権を購入しているのでありますから、確かにルール的には問題ないのかもしれません。しかしながら、都民の財産である土地などを有効利用いただいている団体が都債から生まれる利息まで得ている。ある意味、都の税金を公社に還元していると、還流しているというような見方も成立するのではないかと思ってしまいます。
そこで、るる申し上げましたが、財団法人東京都道路整備保全公社に対し、指導監督する立場である建設局としてどのように考えていらっしゃるか、見解をお伺いさせていただきます。
○東道路管理部長 ただいま委員からご意見をいただきました何点かについて、確認も含めましてお答えさせていただきます。
まず、積立金に関してでございますが、収益還元公益事業積立金等の特定資産は、道路整備保全公社が特定のために使用することを予定して積み立ててきたものでございます。これらの特定資産については、平成二十一年度の包括外部監査の結果を受けまして、具体的に活用計画を立て、都の道路事業への十億円の指定寄付を初め、電気自動車用急速充電器の設置など、都民に還元していくための公益事業等に計画的に活用しているところでございます。
これらの特定資産は、公益法人会計基準に基づき、固定資産として計上しているものであり、使途に制約がない流動資産とは明確に区分されるものとなっております。
また、流動資産についてですが、約五十三億円のうち約三十八億円は、同額が負債の部にも計上されているものであり、未払い金など既に支出することが決まっているものであります。差額の約十五億円については、公社が健全な経営を行うため、経営判断の上、いわゆる運転資金として保有しているものであり、問題ないものと考えております。
次に、財産の使用許可、貸し付けの価格についてでありますが、財務局で評価した価格により、適正に使用料、貸付料を決定しておりまして、近傍同種の地価や減価償却後の建物価格を踏まえまして、適正に算定しております。したがいまして、相手方が公社であるか否かを問わず、適正な使用料、貸付料を算定、決定し、徴収しております。
先ほどの小金井市桜井町でございますが、これは事業用の用地等に移転に伴うときの生活再建用の用地として、道路予定地ではない普通財産の用地として貸し付けを行っているものでございます。
最後に、都債の購入についてでございますが、公社が都からの受託事業ではなく、独自に設置、運営している駐車場の収益により都債を購入しており、税金を使って購入しているものではございません。
なお、公社の都債購入につきましては、公社が設置しました外部委員で組織する資金管理委員会の意見を受けまして、毎年策定している資金運用方針に基づき購入しているものであります。
以上、お答えしましたとおり、道路整備保全公社は自立的経営を行いつつ、適正かつ効率的な運営を進めていると考えております。
都としましては、引き続き、公社が都市基盤整備を進めていく上でのパートナーとして十全に機能を発揮するよう指導監督してまいります。
○興津委員 ご答弁、ありがとうございました。
一つわからないところは解決いたしました。ですが、この駐車場の先ほどの小金井市の桜町の部分ですけれども、いただいた資料では明確に貸付駐車場、駐輪場というふうにされているわけでありますから、ということになれば、正直申し上げまして、グーグルマップでもって確認すれば、実はきょう、私、この昼間に、これ、確認させていただいたんで、ここでもっていきなり申し上げて恐縮ではあるんですが、この袋小路の先の土地であったりとかいうところが駐車場として貸し出されているわけでありまして、先ほどの道路法によるところの道路の、ここは議論の分かれるところでありますので、私はここで意見表明でもって終わりますが、道路予定区域内においてというこの道路法の第九十一条にのっとっていって考えていけば、先ほどの事業用の用地であるということであれば、これ、道路用地では直接的にはないというふうに考えることができるのではないかと私は思います。
ということになってくれば、自動車駐車場としてこれを貸し出すということが、ある意味、もしかしたら目的外使用に当たるのではなかろうかというふうに多少懸念を持っております。
と同時に、最後は要望させていただきますが、ぜひとも、道路整備保全公社さんと、ある意味、手を携えていただきまして、東京都民に資する政策を推進されんことを願いまして質問を終わります。ありがとうございました。
○野口総務部長 財産の使用許可貸付に関してでございますが、建設局所管の都有地などの財産につきましては、都民の財産を有効に活用する観点から、地域の実情に応じて、駐車場、駐輪場、遊び場など、公的利用を最優先に利活用を図っているものでございます。したがって、目的外使用ではございません。
○興津委員 道路法によると、道路用地ということが明確になっていますよ。
○野口総務部長 代替地につきましては、普通財産の貸し付けということでございまして、そういった意味で目的外使用でございます。
〔興津委員発言を求む〕
○橘委員長 質疑はこれで終了しました。
○石森委員 それでは、私からは、河川整備と土砂災害対策について、この二つの項目につきましてお尋ねをしたいと思います。
まず、河川整備につきまして、もう既にきょう、さまざまな委員から質問がございましたけども、ことしも全国各地で浸水被害や土砂災害が発生いたしました。先日は、奄美大島で秋雨前線による大雨が降り、多数の住民の方が孤立したほか、三名の方がお亡くなりになりましたけれども、心からお悔やみを申し上げたいと思います。
都におきましても、ことしの七月には北区の石神井川沿いを中心に、都内全体で七百棟以上の浸水被害が発生したと聞いております。また、八月には八王子市やあきる野市を中心とした地域が局地的集中豪雨に見舞われました。夕方から降り始めた雨は夜半過ぎまで続き、時間最大雨量七三ミリを記録したところでございます。このときは幸いにして大きな被害こそ発生いたしませんでしたけれども、多摩地域ではこれまでも平成十七年や二十年に大きな浸水被害や土砂災害が発生しておりまして、都民の安全と安心を守るため、着実にこうした災害への備えを進めていく必要があると思います。
一方、多摩地区の河川は豊かな自然に恵まれておりまして、都民に潤いをもたらす貴重な空間でもあります。河川整備に際しては、河川がこうした空間であることも踏まえた上で、治水事業を進めていく必要があると思います。
そこで、まず、多摩地域で都が実施している河川整備の基本的な考えについてお尋ねいたします。
○横溝河川部長 多摩地域の河川整備につきましては、水害に対する安全性を確保するとともに、人々に親しまれる河川環境を保全、創出していくことが重要でありまして、このことを基本に事業を進めております。具体的には五〇ミリ対策はもとより、地元自治体や住民の参加のもと、緑化護岸や遊歩道、さらに魚道なども整備し、水辺や生態系に配慮した川づくりを進めております。
○石森委員 今後、ぜひそうした方向で整備を進めていただきたいと思います。
次に、具体的な取り組みについてお伺いをいたします。
今から二年前の平成二十年八月末豪雨では、私の地元八王子市を流れる谷地川と湯殿川が大きな被害を受けました。これらの河川につきましては、流域の市街化が進み、河川への雨水の流入が増加して水害の危険性が増していることから、早急な整備が待たれる一方、豊かな自然が残る典型的な多摩河川でもあります。
そこで、谷地川と湯殿川における整備状況と今後の進め方についてお伺いいたします。
○横溝河川部長 都では、谷地川及び湯殿川につきまして、それぞれ多摩川、浅川の合流点から上流に向かって、順次、河川の改修を進めております。
まず、谷地川につきましては、今年度、城山下橋のかけかえや延長百五十メートルの護岸整備、また湯殿川では、西明神橋上流において護岸整備を予定してございます。
これらの整備に当たりましては、まず谷地川では、旧河川の敷地を活用いたしまして、湾処や中州を設け、水辺の生き物の生息に配慮するとともに、都民が水辺に近づけるような空間を創出してまいります。
また、湯殿川では、隣接する自然林や神社等の緑と一体となるよう、護岸上部の斜面に植栽を行うとともに、現存する蛍の生育あるいは生息環境を保全するなど、地域特性とか周辺環境に配慮した川づくりを進めてまいります。
○石森委員 いずれの川でも、生態系や親水性に加え、地域のまちづくりに配慮した川づくりを進めていることは理解できましたけれども、ぜひその方向で今後も整備を進めていただきたいと思います。
なお、地域住民には、新たな河川整備をした際に、旧河川の敷地は埋め立てて有効活用してほしいといったような、そんな要望も根強くございますので、それらの声にもきちっと対応していただきたいと思います。
次に、土砂災害対策についてでありますけれども、平成二十年の八月末豪雨では、八王子市で時間六三ミリ、総雨量二九五ミリの降雨がありまして、土砂災害警戒情報も発令されました。初沢町では土石流が発生して、建物の損壊や車の埋没などの被害が発生したにもかかわらず、幸いにも人的被害はございませんでした。
これは、八月末豪雨に際し、三日間にわたり、八王子消防団が激しい雨の中、昼夜を問わず、延べ千八百九十九名が出動し、水防活動を行うとともに、住民の避難誘導、人命救助活動を行ったことによるものであります。同消防団につきましては、このときの活動が評価されて、総理大臣表彰を受けたところでもございます。
こうした活動をさらに効果的なものにするためには、土砂災害の危険がある箇所を明らかにして、住民の皆さんに周知することで、土砂災害に対する意識を啓発するとともに、みずから合同で議論していくことが重要であると思います。
このため都は、土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域等の指定を進めておりますが、この土砂災害警戒区域等の目的及び効果についてお伺いをいたします。
○横溝河川部長 土砂災害警戒区域などは、土砂災害防止法に基づき、住民の安全を確保することを目的として指定するものでございまして、警戒区域と特別警戒区域の二種類がございます。
まず、土砂災害警戒区域とは、がけ崩れや土石流、地すべりが発生した場合、住民の生命等に危害が生ずるおそれがある区域のことでございます。都がこの区域を指定しますと、区市町村は地域防災計画の中に、土砂災害の警報等の発令や避難体制の確立などの事項を定める義務が生じます。
また、土砂災害特別警戒区域は、先ほどの警戒区域の中で、建物が壊れ、住民の生命等に著しい被害が生ずるおそれがある区域のことでございます。この区域を指定しますと、開発行為が許可制となるほか、土砂災害に対して建物が安全に保たれるよう、構造上の規制がかかることになります。
○石森委員 区域を指定することによる目的、効果についてご答弁をいただきました。
私の地元八王子市には、初沢町のように市街化された地域でも土石流被害が想定される箇所や、がけ崩れの危険性がある箇所が数多く存在しております。私は以前にも、一刻も早く調査区域を八王子市に拡大して、土砂災害警戒区域等の指定を進めるべきとの要望をいたしました。
そこで、八王子市における区域指定の取り組みについてお尋ねいたします。
○横溝河川部長 都は、平成十七年度より、土砂災害の危険箇所が多い西多摩地域から順次区域指定を進めておりまして、二十一年度末現在、土砂災害警戒区域を千七百十五カ所、土砂災害特別警戒区域を三百八十三カ所指定しております。
ご質問の八王子市につきましては、平成二十一年度から市の西部地域の小津町や上恩方町において、区域指定のための調査を進めてきておりまして、二十三年度には、土砂災害警戒区域等の指定を開始する予定でございます。
今後とも、引き続き土砂災害から住民を守るための取り組みを進めてまいります。
○石森委員 西多摩地域だけではなくて、八王子市においても土砂災害警戒区域等の指定に向けて着実に調査が進められていると、そんなお話をいただきました。
この土砂災害警戒区域等に指定されると、住民の方々からは、のり枠工などのハード対策の要望が多く出されると思われます。現状の土砂災害ハード対策は、災害が発生した箇所や危険性が高い箇所を中心に整備が行われている状況にあります。
何千とある土砂災害警戒区域すべてで対策を行うことについては、財政的に不可能だということは理解いたしますけれども、都民の生命、財産にかかわることでもございますから、できる限りの対策を実施するよう要望しておきたいと思います。
特に近年は、局地的集中豪雨が増加傾向にあることから、治水対策や土砂災害対策の重要性がますます増している状況にございます。都民が安心して安全に暮らせるよう、都がこれまで以上にハード、ソフト対策に積極的に取り組んでいくことを期待して質問を終わります。
○野上委員 私からは、都市公園、公園事業について伺わせていただきたいと思います。
本日の委員会の中でも、複数の委員の方がこの公園事業について質問されておりましたが、都市の公園の役割を考えますと、美しく風格のある東京の都市の形成、あるいは潤いのある豊かな生活環境の創造、さらにいえば、地域の個性的で活力のある地域社会の実現が期待されるところでございます。緑豊かな美しい景観には、緑とそしてオープンスペースは不可欠であり、都市公園は、良好な都市景観を形成する核として緑と潤いある都市づくりにとってなくてはならない施設の一つだというふうに考えております。
また一方で、都市公園は、こういった良好な景観の形成以外にも多様な機能を有しております。先ほど山田副委員長からも質問がございましたが、やはり河川との連携、港湾との連携、道路との連携、近接公共施設との連携、あるいは民間施設との連携、あるいはその他の施設との連携を図って、機能を拡大、充実させ、そして調和を図りつつ、都民の要望、あるいは近隣の住民の皆さんの要請にこたえることが整備の考え方やあるいは管理の方法に関して検討されなくてはならない点だというふうに考えております。
そして、つまりは、良好な都市景観の形成あるいは機能、先ほども出ましたけれども、都市環境の改善であるとか都市の防災空間、レクリエーション、コミュニティ活動の場、動植物の生息、生育空間、地域活性化の拠点として、機能面あるいは景観の形成を図る上でも、周辺との連携や一体的な整備を意図した都市公園の整備と管理というのが求められていると考えております。
そこで、私の地元にあります練馬区の大泉中央公園でございますが、こちらは都内の都立公園の中でも十・三ヘクタールでしょうか、非常にその中でも狭い公園に属しております。しかしながら、近くには練馬区立大泉桜運動公園、そして都県境を挟んで、一つ道路を挟んで和光樹林公園、こちらは二十・二ヘクタール、昭和二十年、米軍に接収されたキャンプ朝霞の跡地の一部であったものでございますが、こうした練馬区立の公園と、そして埼玉県の公園が近くに隣接しておりますので、この地域には大体四十ヘクタール弱の緑あるいは公園が位置しているというふうに考えられます。
これら三つの公園は、それぞれ公園の管理者が異なっております。隣接する公園である以上は、利用者から寄せられる要望などを含め、整備、管理、それぞれの面で共通する課題等が多くあるのではないかと考えます。
そこで、都県境を挟んで隣接する県立等の公園との間で、公園管理者などが相互に連携し、共通する課題など情報を共有している事例があるか伺います。
○滝澤公園管理担当部長 都県境を挟みまして近接する県立等の公園のうち、都立水元公園と野山北・六道山公園の二公園で、公園管理者等との相互連携の取り組みを実施しております。
例えば水元公園では、地元葛飾区が事務局となりまして、都を初め、隣接する埼玉県や三郷市など、関係自治体によって構成される東京都水元公園近接自治体連絡調整会議を設置しておりまして、地域として調和のとれたまちづくりを進めることを目的に、情報の共有化や連携可能な事業等の検討を行っております。
○野上委員 都県境を挟んで隣接する公園を中心に、関係する自治体で構成する協議会を設けて相互に連携し、情報の共有などを図っていることは評価できることだと思います。
事業概要の一七九ページにも書いてありますが、総務部総務課がまとめられた公園に関すること、平成二十一年度に寄せられた主な苦情、要望等によりますと、ドッグランをもっと設置してほしい、犬の放し飼いに対して厳しく注意、指導してほしい、花見客のマナーが悪い、花火がうるさくて迷惑している、公園をホームレスが占拠し、不安、不快である、トイレが汚いので清掃してほしいほか三百五十九件、寄せられているというふうに拝見いたしました。
このように、利用者のニーズが多様化していく中で、あるいは設置した当時とは異なるニーズが時代とともに出てくる。少子化あるいは長寿化社会になって、公園の役割、あるいは公園に住民が求める要望というのも非常に年々多様化してきているというふうに考えます。そうした期待にこたえていくためには、関係する公園管理者が連携し、さまざまな課題の解決に向けて取り組む必要があるものと考えております。
そこで、私の地元にある練馬区の大泉中央公園では、現時点では協議会などは設けられていないようです。都県境を挟んで隣接する公園との間で、情報の共有等についてどのように対応しているのか伺います。
○滝澤公園管理担当部長 相互の公園案内や苦情と日々の公園管理に関することはもちろんのこと、施設整備など公園管理者としての対応を要する事項と個々の課題等に応じまして、適宜関係する公園管理者等に対し情報提供を行うなど、円滑な対応に努めております。
○野上委員 適宜情報提供などを行うなど、円滑な対応に努めていることはわかりました。しかしながら、関係する公園管理者が協議会を設置するなど、さらに連携を深めることで、より密接な取り組みが期待できるのではないかと考えます。
例えば再開発計画等では、土地所有者、事業者等が参画したまちづくり協議会等を設立して、計画を検討する仕組みが定着しています。その際、ガイドライン等も作成し、検討において合意された基本的なコンセプトが継承されるような仕組みになっています。
都市公園では、一つの考え方ですが、都市公園台帳において、隣接施設との一体的景観の形成方針や、あるいは維持管理の考え方等についても記載し、台帳を有効に活用していくというのも一つの方法だと思います。あるいは、自治体内部や国、県等の事業や地域の動向などについても、東京都との事業間連携を図ることができるようなプラットフォームづくりを徐々に行っていくことが有効ではないかというふうに考えます。
そこで、大泉中央公園において、今後、協議会を設置するなど、連携を深める取り組みを行うに当たっての課題について伺います。
○滝澤公園管理担当部長 連携を深める取り組みを行うに当たりましては、まず、公園管理者が共通する課題等を認識することが必要と考えております。
なお、これまでも利用者ニーズ等を踏まえ、例えば公園の駐車場に関する利用案内を行ってきており、今後とも、関係する公園管理者等に対する情報の提供を行うなど、円滑な公園の運営管理に努めてまいります。
○野上委員 大泉中央公園については、隣接する公園との間で共通する課題が多いものと認識しております。今のご答弁ですと、やはり現場レベルでは徐々に連携をしながら、情報交換をしながら、都民の皆さんに利用しやすい公園づくりを進めているというふうなことは理解をいたしました。
先ほども申し上げましたが、都市公園、面整備における都市公園に当たっては、空地確保にかかわる制度の有効活用ですとか、あるいは先ほどのプラットフォームづくりといったような合意形成の場の設定、あるいは合意形成をした成果の成文化と継承の場づくり、管理者や、あるいはここでいう指定管理者になるんでしょうか、管理者やあるいは東京都、行政側でのコーディネーターによる全体的な調整が必要だと思います。現場レベルとは別の次元で、機能的あるいは景観の一体的な醸成をつくる上で、今後、期待していきたいと思っております。
東京都としても、関係する公園管理者などに働きかけるなど、連携する取り組みを広げていくべきであると考えております。それぞれの公園の特性に果たす機能などを踏まえて、相互に連携するメリットなどを検討し、その可能性をぜひ模索していただきたいと思います。
今後とも、景観上も、そして機能面も調和のとれた公園づくりを進める観点から、隣接する公園と相互に連携をして、あるいは先ほども質問でありましたけれども、隣接の施設に応じた連携、河川や港湾、道路、民間施設、その他隣接している施設と連携をして、共通する課題など、情報を共有する取り組みを広げていくことを要望いたしまして私からの質問を終わります。
○野田委員 それでは、本日最後の質問者でございます。随分長丁場にわたっての委員会でございましたので、公共の福祉のために少しでも、持ち時間を割ることのないよう、速やかに質問してまいりたいと思いますので、明快な、そして端的なご答弁を賜りますよう、心よりお願いを申し上げる次第でございます。
それで、私からは三点質問をさせていただきます。
最初に、道路用地の取得について伺います。
おかげさまをもちまして、私の地元の東村山市におきましては、近年、都市計画道路を初め道路整備を急ピッチで進めていただいております。東村山市は、都計道の進捗率が多摩地域でも随分おくれている地域でございましたので、こういった建設局の取り組みに対しまして、心より感謝申し上げたいと、このように思う次第で……(発言する者あり)顔を見ながら。思います。
道路整備が進めば進むだけ、私のところに道路予定地の地権者の皆様から、皆様といいますか、地権者の方々からいろいろなご意見やご相談を伺う機会がふえてまいりました。農家のように土地をたくさん持っている方からしても、やはり先祖代々の土地でありますので、土地に対する愛着がありますでしょうし、ご商売されている方からすれば、やはりその生活の糧といいますか、手段に影響が及ぶわけですから、少しでも補償を手厚くしてもらいたい等々、本当に多様なご意見を伺っております。
そのような多様なご意見を伺うにつれて、本当に現場の担当者の方、大変なんだろうなと。調整等々、大変なんだろうなと、このように思っております。こういういろいろな価値観の多様なご時世になっていますので、土地の取得についてもさまざまな困難があろうかと思います。
そこで、まず最初に、現在の東京都における用地取得の困難性について、どのようなものがあるのか伺いたいと思います。
○四方用地部長 東京の用地取得の困難性といたしましては、住宅や店舗が密集していること、用途地域により移転先が制限される工場や、関係権利者が多数のマンションがあることなど、大都市特有の事情がございます。
加えて、多摩地域に多く見られる事例といたしまして、生産緑地に指定されている農地や相続税の納税猶予を受けている農地があり、これらの農地の取得に際しましては、権利者に税制上の負担が生じる場合がございます。
また、適正な補償を行ってはおりますが、移転後の生活や営業への不安から、関係権利者が生活再建の見通しを立てるまでに多くの時間を要するなどの困難性が挙げられます。
○野田委員 用地取得を進めていく上で多くの問題があることはわかりました。私の地元でも、大家さんは譲ってくださるということで賛成をいただいておったんですが、店子さんといいますか、そこに住んでらっしゃる方が、個々の特殊な事情によって契約までに時間を要した事例がある。やっぱりそういうものを見ていますと、本当に難しさを感じます。
それでは、これらの諸問題に対しまして、どのように取り組んでいるのか伺いたいと思います。
○四方用地部長 事業の開始前に現地調査を実施して、工場などの移転候補地について検討するとともに、マンションにつきましては、多数の権利者全員との同時契約に向けた契約方法や時期の検討を行っております。
また、生産緑地や納税猶予農地につきましては、関係権利者の意向を伺いながら、農協や農業委員会などのご協力のもと、代替農地へのつけかえを図るなど、用地取得に伴うさまざまな課題の早期解決に向け、取り組んでおります。さらに、関係権利者に対して、個別相談会をきめ細かく実施するとともに、個々の折衝では、丁寧かつ十分な説明を行っております。
また、移転を余儀なくされる権利者に対しましては、代替地や都営住宅のあっせん、移転資金の貸し付け、民間の不動産物件の情報提供に努めるなど、関係権利者の生活再建を支援しております。
○野田委員 現場で汗を流しておられます担当職員の方には、その奮闘を続けられることを期待したいと思います。
このような難しい用地取得を前提に、三環状道路や多摩の南北道路など都市の大動脈を整備することは、都の重要な役割です。一方、右折レーンがないために渋滞するような場合や、バス路線でバスの停車のたびに後続車が詰まっているような事例も、地域によっては重要な課題であります。比較的短い区間の拡幅であっても、地域においては大きな効果をもたらすもので、都が積極的に役割を果たすことが望まれます。
私の地元であります東村山市内の多磨全生園前から野火止小入り口へと続く都道、地元では通称恩多街道と呼んでおるんですが、この道路においても、以前から歩道の整備などが進められておりますが、用地取得の取り組み状況について伺います。
○四方用地部長 東村山市恩多町を通る一般都道二二六号線につきましては、全生園前交差点から野火止小入り口交差点付近までの間におきまして、歩道整備及び第二次交差点すいすいプランの事業を実施しております。
全生園前交差点から南側の延長約百五十メートルの区間におきましては、歩道整備事業として平成七年度から用地取得を開始しまして、十八年度に工事を完了しております。その南側の青葉駐在所までの延長約四百四十メートル、多摩北部医療センター及び東村山老人ホームの前面におきまして、現在、電線類の地中化を含め、歩道整備を進めております。
また、野火止小入り口交差点付近の延長約三百七十メートルの交差点すいすいプランにつきましては、平成十九年度から用地取得を開始しております。本年十月末時点での用地取得率は五九%となっており、取得用地の一部につきましては、先行してバスベイとして整備しております。
引き続き、関係権利者と十分な話し合いを重ね、理解と協力をいただきながら、全力で供用開始につながる用地の取得を進めてまいります。
○野田委員 地元の望む事業でございますので、関係権利者のご意見をよく聞きながら、一日でも早く事業の効果を示すことができるよう進めていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業について伺います。
昨年四月に新規着工準備箇所として国に採択され、第一歩を踏み出しました。ちょうど私も昨年のこの委員会のやはり事務事業質疑におきまして、この件について質問させていただきましたが、それから一年経過するわけでございますが、最近の取り組み状況について伺いたいと思います。
○吉原道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 西武新宿線東村山駅付近につきましては、連続立体交差化により、府中街道との踏切を含む五カ所の踏切が除却され、慢性的な交通渋滞の解消や安全性の向上が図られるとともに、東村山駅周辺のまちづくりに寄与することが期待されております。
これまで、構造形式や施工方法の検討を進めてきており、近く、都市計画及び環境影響評価手続に着手することで、地元市や鉄道事業者などと最終調整を行っているところでございます。
引き続き、関係機関と連携しながら、本区間の早期事業化に向け、積極的に取り組んでまいります。
○野田委員 都市計画及び環境影響評価手続に向けた最終調整を行っているとのことであり、近く何らかの動きがあるものと大いに期待をいたしております。
それでは最後に、技術力の継承、維持について伺います。
少子高齢化が進展する中、我が国は団塊の世代の技術者が大量に退職することによって、ベテランが持つ高度な技術やノウハウが失われてしまうのではないかということが各産業界において現実になりつつあることを聞き、大変心配をしております。
建設局では、最近の三カ年で約三百名のベテラン技術職員が退職し、日常の仕事の中で、先輩から後輩への助言や指導により、ごく自然に技術力が継承、維持されることが困難な状況となってきたと聞きました。技術の継承、維持ができなかった場合、トラブルや事故といった都民への直接的な影響だけでなく、最終的には、日本の持つ技術力が衰退してしまうのではないかと危惧しております。
今、ベテラン技術者の持つ高度な技術やノウハウをいかにして若手に継承、維持していくかが喫緊の課題であると私は考えています。
そこで、道路、公園、河川を整備し、安全に維持管理している建設局として、技術職員の技術力の継承、維持についてどのように認識をしているのか伺います。
○西倉企画担当部長 建設局の技術職員は、公共事業を進めるに当たりまして、事業計画から設計、施工、維持管理までの各段階において、さまざまな技術的役割を担っております。
具体的には、事業着手に当たっての住民説明、工事発注段階における技術提案に対する評価、工事実施の際の品質や安全管理、現場状況に応じた適切な維持補修計画の立案、さらには自然災害や大規模事故等の発生の際の緊急措置対応など、いずれも迅速かつ的確な判断が求められます。
これらの業務を進めるに当たっては、現場に即した高い技術力が必要不可欠であり、その裏づけがあってこそ、都民生活の安全や安心を確保することが可能になると考えております。
このため、局として、専門知識はもちろん、都民の視点や状況の変化に柔軟かつ的確に対応していく技術力の継承、維持が局事業を支える礎であると認識しております。
○野田委員 私は、都市の大動脈となる多摩の南北道路などの整備を初め、ただいま質問いたしました西武新宿線東村山駅付近の連続立体交差事業や恩多街道の歩道整備など、生活に密着した事業の推進のためにも、技術力を継承、維持し、それを生かしていくことが大変重要であると考えております。
事業概要を拝見しましたところ、技術力を継承、維持していくために、建設局は土木技術支援人材育成センターを活用するとのことですが、現在どのような取り組みを行っているか伺います。
○西倉企画担当部長 土木技術支援人材育成センターでは、既に全国的に普及している透水性舗装の開発など、さまざまな技術課題に対して調査、開発を行ってまいりました。それらに加えまして、人材育成にも力を入れているところでございます。
具体的には、多様な技術研修を業務及び職級ごとに六つのコースへと再構築し、実物大構造モデルを活用した実務体験型研修、土木工事設計システム研修などの実施により、その充実を図っているところでございます。
また、ベテラン職員のすぐれた技術力を局全体で共有し活用する建設局建設技術マイスター制度を平成二十一年度より始めたところでございます。これは、建設局の職務にかかわる各分野において、経験及び知識を有した職員を指導技術者として登録し、これまで培ってきた知識や技術ノウハウを継承する取り組みであり、昨年度は八十七名を認定いたしました。今年度も引き続き認定を行ってまいります。
○野田委員 今ご答弁をされました建設技術マイスター制度、この具体的な取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
○西倉企画担当部長 建設技術マイスター制度により認定いたしました指導技術者は、職員からのさまざまな技術相談に対する助言や、保有している技術ノウハウなどを形式知化する取り組みを行うほか、研修の講師としての役割を担っております。また、これらのノウハウを局全体で共有し、活用していくため、土木技術支援人材育成センターがデータベース化を図っております。
今後とも、二十四時間三百六十五日、直接現場を所管する建設局の強みを生かし、センターを初めとして組織全体で人材育成に積極的に取り組み、着実に都市基盤施設の整備及び維持管理を推進し、安全で安心な都民生活を支えてまいります。
○野田委員 引き続き、土木技術支援人材育成センターが中心的役割を持って、人材育成業務の取り組みを積極的に進めていただくようお願いいたします。
今後も都民生活向上のため、技術職員の技術力の継承、維持に努め、安全性向上や、より質の高い道路、公園、河川の整備、維持管理への尽力をお願いし、私の質問を終了いたします。
○橘委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○橘委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時四十一分散会
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