環境・建設委員会速記録第四号

平成二十二年三月十七日(水曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十二名
委員長藤井  一君
副委員長野上ゆきえ君
理事中村ひろし君
理事高橋かずみ君
理事いのつめまさみ君
野田かずさ君
吉倉 正美君
山下ようこ君
林田  武君
松下 玲子君
こいそ 明君
中村 明彦君

 欠席委員 二名

 出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
次長影山 竹夫君
道路監村尾 公一君
総務部長藤井 芳弘君
用地部長角南 国隆君
道路管理部長野口 宏幸君
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務藤井 寛行君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長小口 健藏君
河川部長廣木 良司君
企画担当部長鈴木 昭利君
道路保全担当部長藤江 賢治君
公園管理担当部長三浦 紀子君
参事今村 保雄君
参事谷村 秀樹君

本日の会議に付した事件
 建設局関係
  予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
  付託議案の審査(質疑)
・第八十五号議案 東京都駐車場条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第八十七号議案 東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案 東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百十号議案  平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について

○藤井委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分、第八十五号議案から第八十九号議案まで及び第百十号議案を一括して議題といたします。
 予算及び付託議案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求しました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○藤井総務部長 去る二月十八日の当委員会におきましてご要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十二件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 まず、一ページをお開き願います。中小河川の整備状況でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十八年度から平成二十二年度までの整備延長、事業費、主な事業をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得費の推移でございます。
 この表は、当局が所管いたします都市公園につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの維持管理費と整備費及び用地取得の規模と金額をあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。霊園、葬儀所の利用状況でございます。
 この表は、八霊園につきまして、開設年月日、総面積、使用者数及び埋葬体数を霊園ごとにあらわしたものでございます。
 (2)の表は、葬儀所につきまして、開設年月日、敷地面積、建物面積及び利用実績を葬儀所ごとにあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。霊園、葬儀所の主な使用料等改定の推移でございます。
 この表は、霊園、葬儀所につきまして、平成十四年度から平成二十二年度までの霊園使用料、式場利用料及び火葬料の金額をあらわしたものでございます。
 五ページをお開き願います。骨格幹線(主要路線)、地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路と地域幹線道路につきまして、平成十八年度から平成二十二年度までの整備費の推移をあらわしたものでございます。
 六ページをお開き願います。首都高速道路関連街路整備の推移と今後の計画でございます。
 この表は、首都高速道路関連街路につきまして、平成十四年度から平成二十二年度までの事業費と平成二十三年度以降の事業中路線の残事業費をあらわしたものでございます。
 七ページをお開き願います。区部都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)による事業認可取得路線でございます。
 この表は、区部都市計画道路の第三次事業化計画に基づき、事業認可を取得いたしました十四路線につきまして、箇所、延長、事業認可日を路線別にあらわしたものでございます。
 なお、四路線が重複してございます。
 一〇ページをお開き願います。建設局の事業別予算、決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など表頭に記載してございます建設局の主な事業につきまして、平成十三年度から平成二十年度までの予算額、決算額並びに平成二十一年度の当初予算額及び平成二十二年度の予算案の額をあらわしたものでございます。
 一一ページをお開き願います。直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの負担額と主な事業箇所をあらわしたものでございます。
 一二ページをお開き願います。建設局に係る中小企業への工事発注実績でございます。
 この表は、建設局の中小企業への工事発注実績につきまして、平成十二年度から平成二十一年度までの件数と金額をあらわしたものでございます。
 なお、平成二十一年度は十二月三十一日現在の数値でございます。
 一三ページをお開き願います。道路橋梁費における事業別財源内訳でございます。
 この表は、平成二十二年度予算案における道路橋梁費につきまして、事業別に国庫支出金などの財源内訳をあらわしたものでございます。
 一四ページをお開き願います。道路橋梁費における事業別内訳でございます。
 この表は、平成二十二年度予算案における道路橋梁費につきまして、それぞれ事業別に事業費とその割合をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより予算及び付託議案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中村(ひ)委員 初めに、議案である平成二十二年度東京都一般会計予算について、都立井の頭恩賜公園の整備に関して質問します。
 都立井の頭恩賜公園は、大正六年に開園した歴史のある公園です。敷地は三鷹市、武蔵野市の両市にまたがっていますが、三鷹市にある西園として現在都民に開放されている部分の南側に隣接した地域について、来年度予算案に用地の取得が項目として上がっています。この敷地は、井の頭公園として都市計画された敷地で、現在までは企業の福利厚生施設として使用されている運動場で、この三月をもって閉鎖になると伺っています。
 昨今、三鷹市内でも他の企業の福利厚生施設や工場、公共施設などが閉鎖されると、多くは開発事業者に売却され、高層マンションが建設される例が散見しています。必ずしも高層マンションがいけないということではありませんが、緑地は一度失われるともう一度取り戻すのは大変困難です。
 特に西園の南側にあり、三鷹駅からも近いこの土地が開発事業者の手に渡れば、将来公園化することは難しくなると考えます。この西園には、正式名称が三鷹市立アニメーション美術館、通称ジブリ美術館が設置をされ、日本だけでなく、今や世界じゅうから観光客の集まる名所になっています。せっかくジブリ美術館を訪れても、すぐ南側に壁のようなビルがそびえ立ってしまえば雰囲気も壊れてしまいます。そうした点で、当該地において東京都が公園の拡張整備を決断したことを評価したいと思います。
 そこで改めて、現在、企業が福利厚生施設として使用している運動場を井の頭公園として拡張整備する効果について伺いたいと思います。

○小口公園緑地部長 井の頭恩賜公園は、三鷹市と武蔵野市にまたがる計画面積四十二・八ヘクタール、開園面積三十八・五ヘクタールの公園でございます。
 企業が使用しています運動場敷地は、都市計画井の頭公園の計画区域内に位置しており、面積は約四ヘクタールでございます。この土地につきましては、企業の運動場が閉鎖されるという機会をとらえ、土地の取得のため、平成二十一年七月に国の地域活力基盤創造交付金の交付決定を受けました。平成二十二年度に用地を取得していく予定であります。
 拡張整備する効果ですが、公園整備により、これまで企業が使用していた場所を広く都民に開放し、潤いと安らぎの場とし、レクリエーションの場を提供するものです。
 また、災害時の避難場所としての機能を向上させるなど、都市の防災性を高めます。さらには、道路と一体となった緑あふれる空間を創出し、快適な歩行空間の確保と都市景観の改善を図っていくものです。

○中村(ひ)委員 ありがとうございます。このような効果がある公園を整備することは意義深いと思います。特に今ご答弁に、道路と一体となった空間の創出をしていくとありましたが、現在この敷地は、西側は東京都道と、南側は三鷹市道と接していますが、いずれも道路幅が狭く、歩行者の通行に大変危険を生じています。現在開園されている部分の西園の西側では既にこうした取り組みを行って、歩行者が緑に囲まれた歩道をゆったりと歩けるように整備されていますので、ぜひともこの公園整備にあわせて歩行空間の整備もよろしくお願いいたします。
 さて、井の頭公園は都内から多くの方が訪れて、特にお花見のシーズンは人で渋滞ができるほどのにぎわいもあります。ただ、もちろん日常的に地域の方が散歩や運動に使用されていますので、多くの都民の意見を募っていただきたいのと同時に、地元三鷹市や近隣住民の意見も取り入れていただきたいと思います。
 今後、公園の整備計画の策定に当たり、どのように取り組んでいくのかお伺いします。

○小口公園緑地部長 整備計画の策定に当たりましては、必要な施設の配置を検討し、学識経験者や都民公募委員で構成される東京都公園審議会に諮ってまいります。
 計画策定の過程におきましては、地元自治体である三鷹市、武蔵野市の意見を聞くとともに、パブリックコメントにより広く都民意見を聴取してまいります。
 今後も井の頭公園の魅力をさらに高めるよう、公園の拡張整備に向けて取り組んでまいります。

○中村(ひ)委員 井の頭公園の整備は地元の期待を集めていますので、さらに魅力ある公園整備、拡張整備に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 また、現在、井の頭公園は、設立九十年の節目の年以降、百周年に向けての実行委員会をつくって各種イベントなどを行っています。これは小口部長が西部公園緑地事務所の所長のときから始まったと思うんですが、東京都が事務局で、三鷹市、武蔵野市のほか多くの地域の団体で構成しています。この実行委員会の取り組みにおいては、東京都が予算を出しているわけでもないんですが、各構成団体からの会費や寄附などで賄われています。それだけに、地域の方々にとっては思い入れの深い公園であることをぜひともご理解いただいて、こうしたイベントでも、地域の声をしっかりと聞いて進めていただきたいということを要望して、次の質問の方に移りたいと思います。
 次に、事件案である平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてに関連して、南武線の立体交差事業について質問します。
 JR南武線の立体交差事業は、当初、平成二十二年度完成といわれていましたが、昨年になって突然、平成二十七年まで延伸されるとこの委員会で述べられました。民主党としてもこの事業には強い関心を持っていますので、質問をさせていただきます。
 現時点では期間は延びたものの、総事業費の見込みは変わっていないと聞いています。しかし、そもそも総事業費が変わっていないのならば、平成二十一年度までの執行状況を見れば、もっと早く計画の変更がわかったのではないでしょうか。まず、JR南武線の連続立体交差事業の総事業費と執行状況について伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JR南武線連続立体交差事業の総事業費は約五百九十八億円です。平成二十一年度末までの累計執行額は約三百九十四億円、執行率は約六六%を見込んでおります。
 本事業は、延長四・三キロメートルの区間のうち、稲田堤駅から矢野口駅付近までの延長一・九キロメートルの第一期区間につきましては、平成十七年十月に高架化し、鶴川街道では踏切遮断による交通渋滞が解消し、周辺のまちづくりが進んでおります。
 また、矢野口駅付近から府中本町駅までの延長二・四キロメートルの第二期区間につきましては、昨年十月に仮線工事を完了させ、現在全線で本格的な高架橋工事を行っております。

○中村(ひ)委員 執行率から見れば、もっと早い段階で地元に説明ができたのではないかと思います。急に計画があと一年から五年になったわけですが、地元では予定どおりの計画の進行とあわせて、道路事業や土地区画整理事業を行ってきました。それだけに突然の計画変更は大変驚いたと聞いています。地元市や地元住民への影響はどうなるのでしょうか。特に財政負担がふえてしまうことを懸念します。
 そこで、今回のおくれで、関連する道路事業や土地区画整理事業との調整についてどのようにするのか伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 南武線連続立体交差事業と関連して、都市計画道路多摩三・三・七号線の整備や、南多摩駅及び稲城長沼駅周辺におきまして土地区画整理事業が進められております。
 多摩三・三・七号線につきましては、南武線の踏切除却時期が延伸となることから、平成二十二年度末に四車線のうち二車線を交通開放して、交通機能の確保や沿道利用を図るとともに、高架化後には四車線化して、道路交通の円滑化が図れるよう調整を行っております。
 稲城市施行の土地区画整理事業につきましては、南多摩周辺地区の事業完了予定は平成二十七年度、稲城長沼周辺地区は平成三十年度となっております。このうち土地区画整理事業区域内の仮線用地の借地の継続につきましては、市と協力して進めております。
 今後ともこれら関連事業と十分調整を図り、円滑な事業推進に努めてまいります。

○中村(ひ)委員 それでは、この計画の変更や手続などを含めて、事業期間の延伸をどのように行っていくのか伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業は、道路整備の一環として施行している都市計画事業でございまして、国から事業認可を取得して実施しております。事業期間を延伸する場合には事業認可の変更が必要となるため、現在国と調整を行っております。

○中村(ひ)委員 事業スケジュールや工事内容を地元市や沿線住民に対して丁寧に説明する必要があると思います。大きな期待を地元はしていると聞きますので、どのようにこれから説明をしていくのか、お伺いしたいと思います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都、稲城市、JR東日本などで構成するJR南武線連続立体交差事業協議会を本年一月に開催し、事業期間の延伸や今後の取り組みについて説明を行いました。また、地元住民に対しましても、本年二月中旬に、稲城市、JR東日本とともに工事説明会を開催し、今後の事業の進め方と具体的な工事の内容につきまして説明を行いました。

○中村(ひ)委員 もともと二十二年というのが一気に二十七年になったということですが、少しでも工期を短縮するよう最大限努力することが必要です。今後できるだけ早く事業を行っていただきたいと思いますが、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都は、稲城市やJR東日本と連携し、工期短縮に向け効率的な事業の執行を図るとともに、コスト縮減にも努めながら早期の事業完了に取り組んでまいります。

○こいそ委員 私の地元のJR南武線につきましては、昨年、事務事業説明でお聞きしましたが、地元のことでありますし、今までも取り組みをずっとしてまいりました。ここで改めてお聞きをしたいと思います。
 まず、一期工事で踏切が八カ所解消になったと。除却されまして解消された。そして、あと七カ所ですね。第二期工事でありますから。その中で、平成二十二年度が、この間の事務事業の中で明らかになった五年延伸ということですね。この二十七年度というのは、どうしても地元全体の中では、どこがどういう原因で、どこがどういうようなことで延伸が、要するに完成年度が延びてしまうのか、こういうことがいま一つわからない。しかし、さまざまに説明もしっかりとやっていただいていることも事実でありますけども、このあたり、やはりもう少し明確に……(発言する者あり)

○藤井委員長 理事者は答弁をお願いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 昨年の常任委員会でこいそ委員からご質問がありまして、その際、事業がおくれた原因といたしまして三つお話を申し上げました。
 一つ目は、用地取得が難航したことにより、仮線工事の着手がおくれたこと。それから、二つ目につきましては、安全な列車運行のために作業時間に制限が設けられたこと。三つ目につきましては、資機材搬入のための進入路が踏切など限られた箇所であることから、作業効率が低下したことということで、三つの要因についてご説明を申し上げました。

○こいそ委員 先ほど地元でさまざまに説明会を開いたりしていただいているということでありますけれども、この工事の短縮に向けて先ほど事業工程調整会議のこともちょっと触れられましたけれども、東京都とJR東日本、また地元稲城市と具体的にどのように、この短縮に向けての取り組み方を話し合いをする中でされてこられたのか、具体的にお願いします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 お話のありましたとおり、南武線連続立体交差事業の事業期間につきましては、昨年十月に仮線工事が完了し、本格的な高架橋工事の着手に先立ち、工事工程を見直した結果、事業完了が五年間延伸することとなりました。こうしたことから、こいそ委員から昨年の常任委員会でもご指摘いただきましたけれども、工期短縮に向けて、都は昨年十二月に、JR東日本とJR南武線連続立体交差事業工程調整会議を設置いたしました。
 その具体的な検討内容でございますけれども、一つは、都市計画道路多摩三・三・七号線と交差する鉄道橋の基礎を地中ばりのない構造に変更するなど、工法の工夫により施工効率を向上させること。二番目といたしまして、稲城市などの協力を得て作業ヤードを拡大し、大型の建設機械などの使用により施工性を高めること。三番目といたしまして、川崎街道からの工事用搬入路を新たに確保し、同時並行で進められる作業をふやすことにより、工事の進捗を図ることなどの工期短縮の具体策を検討してございます。

○こいそ委員 先ほど、用地の借り上げも含めた、当然買収も含めて、これは道路公社が担当というか委託を受けてやられているわけですよね。これは、原因関係の一つとして、用地買収も関連しているんですか。いろいろな地主の要因もあるだろうけど、このあたりは道路公社にもう一段努力の必要性はあるのかどうなのか。
 またもう一点は、るる今お話がありましたけども、この工程調整会議ができて、今かなり、私、具体的なところも出てきたと思うんですね。どういうふうに対応すれば具体的に短縮の実効効果が上がっていくのかということが出てきたと思うんです。いずれにしても、これら事業を進める中で、施行主体者は東京都ですね。そしてさらに、これを請け負うというか実際的な工事を行っているのがJR東日本だということでありますけども、このJR東日本の、要するに以後の--五年間というのは非常に長い。それから、七カ所の踏切は早期に解消していかなければ、さまざまな面で支障を来すという認識も当然持たれていると思うんですね。
 そういう中で、JR東日本としては、工程調整会議の中で、いま一つ、詰めはあるけれども、具体的なJR東日本としての取り組みについては、その後どうなんでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 まず、用地ですけれども、用地買収につきましては、二期工事も含めましてすべて買収済みということです。その後に、仮線用地につきましては、お話のあった道路公社が借地の事務を東京都から受託をして行っております。それにつきましても、現在調整を進めておりまして、特段支障は現在のところはございません。
 次に、JRとの工程調整会議ですけれども、JR南武線連続立体交差事業工程調整会議を昨年の十二月にJR東日本と設置しております。これまで月一回程度、合計三回開催してございます。その中で、かなり工法的なものも含めまして踏み込んだ議論をして、工程短縮に向けた検討を鋭意進めているところでございます。

○こいそ委員 実際、東京都連続立体交差事業促進協議会が設置されましたよね。これはどういうことかというと、やはりJR南武線だけじゃなくて、都内全体的な、JRが工事を実際的に進行管理をし、施工していると。こういうことの中における、私、根本的な要因、原因関係というものがあるんじゃないかと。ここで交差事業促進協議会の設置は非常に意義あることだと思うんですね。共通的なものはあると思いますので。
 ですから、一つ一つだんだん浮き彫りになってきておりますけど、より一層やはり工程、とりわけ今申し上げているのはJR南武線でありますけども、ここのもう一段、工程管理を今までのを総括していただいて、今後かかる年度の、どれをどうすればと、私はその後のお話を承る中で、取り組みが、双方が非常に何というんですか、この事業という問題の本質的なものというんですか、こういうものは非常に理解をお互い、相互にそれぞれし始めたのではないかと思うんですよ。
 ですから、そういう中で、ぜひ抜本的な対応策を講じていただきたい。安全管理ということがかなり強くいわれてきて、福知山線の脱線事故以降から、これはもう東京だけじゃありませんけれども、安全管理というのは確かに大切だけども、しかし、安全管理というだけではなくて、やはりその中における、ぜひこれらの連続立体化をするさらなる必要性というものをJR側当局にもより強く、もう一段の要請をしていただけたらというふうに思っております。
 そして、財源の確保に向けた取り組みということは当然だと思いますけども、実際、都負担、市負担が五年間延びるとなってくると--約五百九十八億円ですか。この総事業費の中で押し込めていくんだと。押し込めるというか、その範囲内でやっていくんだというお話でありますけども、これ、当初、一期工事、二期工事を入れての五百九十八億円だと思いますので、そうすると、五年も延びるとなってくると、この総事業費そのものもやっぱり根本的に、当然にして当初の事業費からやはり出るのではないかと。当然ふえていくのではないかと。地元負担はふえていくのではないかと思うわけでありますけど、そのあたりどうなんでしょう。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 工期延伸に伴う事業費の増嵩についてでございますけれども、工程等、現在見直しを行っているところですけれども、現段階では増額となることがないよう調整を図っております。
 今後、事業費が増加することがないよう、コスト縮減を図りながら事業を進めてまいります。

○こいそ委員 そういうことも見据えながら、当然、これは総事業費枠内でおさめていただかなきゃいけないといいますか、基本原則的なものはあると思うけども、これだけやはり、今かかる、いろいろな要因が少し明らかになってきた中で、延伸していくんだということになってきたときに、なかなか難しいんじゃないかなと。
 その上からも、当然、ぜひこれは五年間という、平成二十七年度までということではなくて、最大限の短縮、これもやっぱりこういうあたりからも影響ありますのでね、地元負担ということも当然。ですから、ぜひこういう観点からも--都負担だって当然ふえるわけであって、ぜひひとつ、これは短縮に相努めていただきたいなというふうに思います。
 それともう一点、工期短縮に向けては当然地元市との協力は当たり前でありますけども、市施行で進められている土地区画整理事業、この工事調整が必要ではないかと思うんですね。特に、市、鉄道事業者との連携強化が不可欠でありますけども、こういうものを含めた今後の取り組みについてお願いします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 お話のように、連続立体交差事業を推進していくためには、地元市や鉄道事業者との連携、協力が不可欠でございます。都は事業主体として、引き続き稲城市やJR東日本と一層の連携を図るとともに、地元住民の理解と協力を得ながら、一日も早い事業完了に向けて取り組んでまいります。

○こいそ委員 いずれにいたしましても、昨年の事務事業から、要するに五年間延伸ということをいわれたわけですね。我々もそこで初めて驚いた。自来、先ほどの促進会議もそうでありますし、工程調整会議ですか、これらもそうでありますし、鋭意その後のご努力というのは私もわかります。ですけれども、それをぜひ実効ある形で、この工期の短縮を、要するにここでいつまで工期短縮をということは、本来お答えいただかなきゃいけないでしょうけれども、あえて私は、今の現在進行形の中で、大変こちらのいい方で申しわけないんですけれども、小出し小出しでは--あえて、こちらのいい方で大変恐縮なんですけれども、しかし、ここまでだったら詰められると。ここまでは最大限だということの見通しが立った中で、そこまで全力で私は--平成二十二年度が完成目途であったわけであって、やはり多くの関係者、地元を含めた関係者も最大期待をしているわけです。一期工事、先ほどいいました八カ所、踏切が除却された。これに対する環境負荷だって軽減されてきたし、経済的なものも違うし、日常的なもの、さらに南北の回遊性とともに、一体的なまちが、本当に調和のとれたまち並み整備が進められてきました。ですからこそ、この二期工事の五年後の延伸というか延びは、非常に極めていろいろな思いを持ったんですね。これをぜひご理解いただきたいと思うんですね。
 そういう意味合いの中で、ぜひこれは短縮に向けて、鋭意ご努力はいただいているけど、もう一段のやはり取り組みを強く要請をさせていただきたいと思います。
 それでは次に、これもかねてからお話しをさせてといいますか、質問させていただいておりますけれども、府中のスマートインターチェンジですね。これは皆さんのご努力をいただいて、三月の十五日、午前十時以降、いよいよ稲城有料橋が無料化に実質的になりました。実際の本格的な供用開始というのは四月一日からかもしれませんけれども、実質的には三月十五日から無料化になった。これは大変なご努力をいただいたと本当に深く感謝を申し上げるところなんですけれども、それとともに、やはり稲城有料橋のちょうどインターのところ、これをどうしても、片側なのでフルインターにしてもらいたいというのも、あわせて強い要望でもあったんですね。
 そこで、大きく前進はしているんですけど、このスマートインターチェンジという構想が出てきた。これもやはり地元市の、地元住民の皆さんの大変なご理解も、関係者の皆さんを初め、ご努力もいただいてきた。これも非常にありがたく思っているところなんですけれども、そういう中で、今後、多摩川中流部地域の交通混雑の緩和、利便性の向上、今申し上げた無料化とともにフルインターを一体化させていくといいましょうか、その流れをよりスムーズに両方向に、東西方向にスムーズにやはり交通を確保していく、流れを確保していくという観点からも、この府中のインターチェンジの整備についてはどのような状況であるか、お願いしたいと思います。整備状況ですね。

○谷村参事 府中スマートインターチェンジの現在の整備状況でございますが、中央自動車道と都道等との連結につきまして、昨年三月に国土交通大臣に申請いたしまして、六月に許可をいただいております。また、スマートインターチェンジの設置に伴う中日本高速道路株式会社の事業計画の変更手続も、昨年八月に完了しております。
 中日本高速道路株式会社は、高速道路部分の土質調査や現況測量を既に終了しておりまして、現在、詳細設計を進めているところでございます。
 都におきましても、現在、接続する都道部分の詳細設計を実施しているところでございます。

○こいそ委員 大変一つ一つの課題を乗り越えていただいて、本当に進められているということがよくわかりました。取り組みをしっかりしていただいているということもよくわかりましたし、このスマートインターチェンジの整備実現に向けて、これからもやはり着実にぜひ進めていっていただきたい。
 それと、先ほどから申し上げておりますように、やはり中央道、いわゆる多摩川中流部の慢性的な渋滞解消のための有料橋がつくられて、それがいよいよ有料橋から本来的に有料の料金を払わなくても通行できるようになりました。これは大変ありがたいことであります。
 それとともに、今、冒頭申し上げたように、当然でありますけども、八王子や山梨方向に向かうアクセスが極めて今までも厳しい状況でありましたから、それに対してのいよいよ着工、取り組み、先ほどからご答弁いただきましたけども、関係者のご理解をいただく中で、ぜひ強力にこの実現方を、整備方を、これもぜひ強くお願いをさせていただきたいと思います。
 そしてもう一点、都立の公園の関係でありますけども、都立桜ヶ丘公園であります。
 都は「十年後の東京」の実現に向けて、緑のネットワークの拠点となる都立公園の整備を推進していくとされております。グラウンドの跡地など大規模な用地の取得は、公園整備を飛躍的に進めるものとして大いに期待をさせていただいているところでありますけれども、多摩の豊かな自然景観に触れ合える、まさに原風景が展開しているこの桜ヶ丘公園の計画区域内にある農業者大学校の移転の、これ、移転はもう決まりましたし、この移転の機会をとらえて、都は平成十九年度にグラウンド部分をもはや取得している。取得されたということであります。
 こうした土地の早期整備、開園は極めて重要でありまして、そこで、この農業者大学校跡地の用地取得の状況と整備状況についてお願いしたいと思います。

○小口公園緑地部長 桜ヶ丘公園は現在三十ヘクタールを開園しておりますが、ご質問の農業者大学校グラウンド跡地は約〇・八ヘクタールであり、平成十九年度の用地取得後、平成二十一年度から整備に取り組んでおります。
 整備に当たりましては、平成二十二年度早期の開園を目指しまして、蛍も生息する既存の水辺環境を保全し、修景池や観察デッキを設置するとともに、広々とした芝生広場などの整備を進めております。
 また、農業者大学校校舎敷地跡地約一・二ヘクタールにつきましては、平成二十二年三月中に取得することとしています。

○こいそ委員 旧農業者大学校の跡地一・二ヘクタールが、今ご答弁のように二十二年三月中に取得をされるというお話でありますので、これによってまた、桜ヶ丘公園全体のいろいろな多機能的な空間といいますか、場が確保される。これは都立公園でありますから、広域性が当然あるわけでありますけれども、我々としても大変ありがたいことだと思っております。
 それとともに、このように用地を買収されて、今の農業者大学校跡地だけじゃありませんが、それぞれ用地買収をされておられますよね。その中で、私はかねてから、これは都市整備局関係ではありますけども、住宅が非常に張りついているところ、これが三百世帯以上といいましょうか、マンションが建っているからもっとでしょうけども、これが点在しているんですね。そこのところに網かけされていて、いわゆる公園の整備予定地というんでしょうか、整備区域になっている。
 こういうことがあるんですが、このような状況を見る中で、私は公園整備は整備としてしっかりやっていただかなきゃいけないと思うんだけれども、余りにも地域コミュニティがしっかり形成されているところを、今後、公園の整備区域だといって全面買収をして、公園のさらなる整備をそこまで広げるというか、予定地に入っているんだけども、されていく今後の予定というのはどうなんでしょうか、いわゆる考えも含めて。

○小口公園緑地部長 桜ヶ丘公園の計画区域について、区域内の住民の皆さんから、住み続けたいという希望を持たれ、居住地を計画区域から除外してほしいと、そういう要望をいただいております。そうした場合、そういう要望ではなくて買収をどんどん進めていくのかというご質問でございますけれども、私どもは都市計画を所管する都市整備局と連携しまして、要望を寄せられた住民の方々とも直接お話をお聞きし、どういう課題があるのかというようなことを整理してございます。
 それで、都市整備局、私ども建設局、それから地元市と桜ヶ丘公園地区の行政連絡会というものを十九年度に設置をしまして、公園の都市計画につきまして、公園を含む地域全体のまちづくりの中でいろいろ検討していかなきゃいけないのではないかということで、連絡会をこれまで五回開催してございます。その連絡会のメンバーでも、また要望を寄せられた方々からのご意見を直接お伺いする機会をつくりまして、あり方の検討を進めているところでございます。

○こいそ委員 連絡会を五回やっていただいたということでありますけども、これは非公式にも、地元の住民との意見交換、地元市も入っての意見交換、さまざまやってまいりましたよね。これはいわゆるオフィシャルな関係が五回だと思っております。
 その中で、少なくとも、これ、どのくらいたつかな、十年からの懸案なんですね。十年までたたないかな。この中で、今後の十カ年計画の中で、いわゆる緑の倍増もそうだし、公園整備もそうだし、さまざまあるでしょう。しかし、その中でも、やはり地域の住宅が、住宅だけじゃないけども、いろいろな福祉施設も整備されたり、いろいろなコミュニティ施設も整備されたり、こういう中で、私は現実対応というのは、やはりしっかりと見定めてやるべきじゃないかと思うんですよ。
 これは都市整備局との兼ね合いがあることは確かなんだけども、しかし一方では、公園整備という基本原則の中で整備していくんだと計画にしっかりのっているんですね。予算だって適宜計上されているわけであって、そうなってくれば、じゃあ、いつこれ、我々が住んでいるところを移転せざるを得ないのかと。それから、やはり年齢が一定的に高い地域もありますので、次の将来に向けてのことも大変不安になってくるし、ですから、私、非常に、宙ぶらりんといういい方はおかしいんだけども、計画がある、できれば買収をかけて公園整備をしていくんだという考えだと思うんですよね。
 そうすると、全くもって時間の経過とともに--やっぱり住民協力と地域のさまざまな協力体制がないと、せっかくのいい事業だって私は正当な評価を受けないんじゃないかと思うんですよ。ですから、そのあたりもう少し現実的な立場に立って、これは少なくとも--やはり張りついてくる。張りついているんですよ、現実問題。だって、すぐ近くを、ご案内のように都道が走っているわけであって、これ、三十六メーター道路かな。そして、さらにそういう住宅地が幾つも点在している。こういうところで公園整備をすることはありがたいけども、現実はやはり無理なんですね、はっきりいって。
 無理だ、無理だ、無理だということをずっといい続けて、非オフィシャルな会議含めて、これもう何十回以上やっていると思うんだ、はっきりいって。そろそろ都市整備局との連絡会、五回、結構なんだけども、ぜひ建設局は建設局としての考えを持ってもいいんじゃないですか、これ。どうでしょう。

○小口公園緑地部長 私ども建設局は、公園整備をする事業局としまして、桜ヶ丘公園が将来ともどういう公園であるべきか、そのためにはどういう施設をつくり、どういう地域を公園化していくか、その順番をどうしていったらいいかということを考える立場でございます。
 そこで、平成十八年三月に都市整備局、それから区市町村も入りまして私どもと一緒につくりました都市計画公園緑地の整備方針に基づきまして、十年間の優先整備区域、またその前の前提として重点公園というものを指定してございます。
 それで、お話の居住している方々が外してほしいというところにつきましては、優先整備区域には現在入っておりません。住民の方々にも、優先整備区域には入っておりませんので、すぐ私どもがそこを公園化するということではございません、お住まいの方々の負担を軽減するために、これまで二階建てを原則としていた建築制限を、原則三階建てまで建てられるような規制緩和をしてございますという、そういった話もさせていただいております。
 また、居住住民の方々からは、先ほど先生の方から、委員の方からお話のありましたように、コミュニティがあり、それらを壊すことなく居住したいという熱い気持ちも伺っております。それらを含めまして、今後の公園も含めたまちづくりとしてどうあるべきかということを、地元市ともども、また地元の方々ともしっかり議論をさせていただきながら、検討をさらに進めてまいりたいと考えております。

○こいそ委員 確かに優先整備区域には入っていない。これは、それぞれの地域地域が点在している部分がありますから一概にはいえないかもしれないけども、しかし、これは向こう十カ年の間に整備を優先させませんよというだけのものであって、もはや十年入っちゃっているんだね。もうあと数年というか、もう十年先じゃないんだね、これ、はっきりいって。だから、私はそれをいっているので、ずるずるずるずる今まで伸ばしてきたわけだ、これ、はっきりいって。
 だから、そろそろ、優先整備区域じゃないという話の中で、であるならば、少なくとも緊急で整備をすることはお考えじゃないということでありますから、私はもう一段、これ--じゃなかったら、不安でたまらないですよ、やっぱり。いつ今度計画がどんと入ってくるか。いつ、今度、買収が入ってくるか。そんなことばかり考えていたら、本当、これ、ある程度年配の方々がかなりふえてきているので、非常に不安だということは当然だと私は思うんですね。
 ぜひ地元市と、この問題のやはり--これは東京都立の公園だけども、またその網かけは都ということでありますけども、しかしこれはもう市計審というか、市の都市計画だって当然責任あるわけであって、この部分については地元市とぜひ一段の協議を、他局の都市整備局も当然そうだと思いますけれども、ぜひ公園整備ということの大前提は理解できるんですけれども、そのあたりを少し対応していただければ大変ありがたいことなので、これもひとつ要望ということでお願いしたいと思います。
 それで、最後でありますけども、当該公園でいろいろなことを申し上げて申しわけないですけども、最後一点だけ、これも前々に質問させていただいたドッグランですね。このドッグランは当初から、都としてはやはりこの公園に整備したいんだというお話があって、その後に計画が進められてきた。ところが、一定の何ていうんですか、野鳥等々とか自然の生態系が少し阻害されてしまうのではないかという大きな危惧を抱いた方々がおられた中で、一度立ちどまったと。立ちどまって今になっちゃったんですね。
 ところが、先ほどのように、どんどんいい面での自然の生態系が息づくところもやはり整備をしていただいている。買収もしていただいている。それはそれでね。ですから、そういう中で、選択の場所というのは、私、当時の状況から少し違ってきているんじゃないかなと思うんですね。ですから、そのあたりを含めて、このドッグランの取り組みについてお願いしたいと思います。

○三浦公園管理担当部長 今お話のございましたとおり、桜ヶ丘公園は、都が当初から将来ドッグランを設置することと位置づけた公園でございます。これまで開園区域では野鳥などへの影響を心配する意見がございまして、近隣住民の理解が得られずドッグランの設置ができなかった経緯がございます。
 しかし、このたびの公園の拡張を踏まえ、平成二十二年度には、地域の意見を聞くドッグランの設置を検討するための会を開催し、その中で拡張区域をドッグラン設置の新たな候補地として提案し、設置に向けた取り組みを行ってまいります。

○こいそ委員 さまざま、今お一人でお住まいの方、いわゆる高齢の方、それからお子さんのおられないご夫婦だとか、また本当に愛犬家といいますか、さまざまな方で会が形成されているんですね。
 先ごろ小金井の都立小金井公園ですか、そこには非常にすばらしいというか、非常に機能的といいましょうか、そういうドッグランも皆さんと一緒に見てきたところでありますけども、やはりいろいろな工夫や経験に基づいて対応することによって、心配の向きというものも解消されていくこともできるんじゃないのかなという思いを持つところもあるんですね。
 ですから、いずれにいたしましても、当初の東京都が計画されたドッグラン計画というのは、私は非常に当を得ているし、まさに今こそ実現が可能な状況になってきたところだと思うんです。
 ですから、そういう意味合いからも、ぜひさまざまな内容の意見もあるでしょうけども、それも十分聞いていただく中でも、このドッグランがいかにして整備、実現できるか、そんなことで鋭意、当初計画をやはりまたしっかりと思いをそこに据え置いていただいて進めていただきたいと思います。
 私、るるいろいろお話しさせてもらったんですけれども、これらのことで、先ほど南武線のこと、インターチェンジのことも含めて、最後に都技監からお話、思いを聞かせていただいて終わります。

○道家東京都技監 ただいまいろいろなご質問のご議論をさせていただきました。いずれにしましても、道路、それから話は出ませんでしたが河川、そして公園事業、三事業を建設局は所管しておりますけども、いずれも都民にとって大事な社会基盤でございます。今後とも適切に建設をし、適切に維持をして、都民の方に安全で住みよいまち東京をつくるために頑張ってまいりたいと思います。ありがとうございました。

○吉倉委員 私からは、河川の洪水被害を未然に防ぐ防災情報について二点伺います。
 近年、地球温暖化の影響などから、東京では一時間当たり五〇ミリを超える豪雨が頻発しております。昨年十月にも台風十八号が日本列島に上陸をし、全国的に大きな被害が発生いたしましたが、幸い東京では河川の洪水被害はありませんでした。しかし、このとき、環七調節池がほぼ満杯になり、都内二十八カ所の調節池のうち二十カ所で貯留を行ったというふうに聞いております。本委員会の要求資料にも明らかに示されておりますけれども、まさにこれまでの河川整備の成果が功を奏したものというふうに考えております。
 平成二十二年度から新たに着手する入間川分水路や妙正寺川の鷺の宮調節池などを初めとして、今後も都民の安全を守るために河川改修を着実に進めていただきたいと、このように考えております。
 一方、こうしたハード面の河川改修はもちろんのこと、都民の自助、共助のための情報提供などのソフト面の対応が急務であります。私の地元の神田川において、昨年三月からスタートした洪水予報は、気象庁と共同で一時間ごとの水位を予測し、洪水のおそれのあるときにテレビテロップで告知をするものであります。これは都民にとっても大変必要な防災情報であり、今後の拡充整備を強く望むものであります。
 昨年の第三回定例会の我が党の代表質問に対する答弁で、都は、芝川、新芝川において洪水予報の準備を進めていると聞いておりますが、運用へ向けての現在の状況をご説明いただきたいというふうに思います。

○廣木河川部長 洪水による被害を軽減するためには、河川の整備を進めるとともに、都民みずからが安全に避難できるよう、洪水予報などの水防災情報を迅速かつ的確に提供することが重要でございます。芝川、新芝川は、都と埼玉県との境を流れているため、洪水予報について、県、気象庁及び熊谷地方気象台と調整を進めてまいりました。洪水予報の伝達が円滑に行えるよう、気象庁や地元区と情報伝達訓練を行い、今月末から洪水予報の運用を開始いたします。
 引き続き、過去に大きな洪水被害が発生した河川などにおいて、それぞれの河川や流域によって異なる特性を踏まえ、洪水予報に適用可能な水位予測モデルの構築を目指してまいります。

○吉倉委員 今月、三月末から芝川、新芝川の洪水予報の運用が開始されるという答弁でございます。ぜひ今後の拡充へ向けてさらにご努力をお願いしたいと、このように思います。
 また、こうした洪水予報に加えて、都のホームページでは、水防災総合情報システムで収集をした都内の水位計や雨量計のデータを表示しておりますが、ここ数年の局地的な集中豪雨がふえている状況下では、地域の方々がいち早く避難できるように、素早く最新のデータに更新することが求められております。
 このシステムは平成十一年からの稼働であり、老朽化が進んでいるため、現在再構築している最中であると、このように聞いております。ぜひ再構築にあわせて、情報の更新間隔を短縮するなどの充実に努めるべきであると考えております。見解を伺います。

○廣木河川部長 都では、水防災総合情報システムのホームページで雨量及び河川水位の情報を提供しており、平成二十一年は約二十五万件のアクセスがあるなど、多くの都民から利用されております。提供する情報の充実を図るため、二十一年度には、出水期にあわせて、河川名から雨量や水位の情報を検索できる機能を追加するなど、ホームページの改良を行ってまいりました。
 現在行っているシステムの再構築では、情報の伝達回路を二系統にするなど、システムの信頼性を高めるとともに、今月末には、都民に提供している雨量、水位等のデータの更新間隔を十分から五分へ短縮いたします。
 今後とも、わかりやすい水防災情報を迅速かつ的確に提供し、都民の安全・安心を確保してまいります。

○吉倉委員 今、積極的な都の取り組みを伺いました。今後とも、河川整備事業とあわせ、都民が安全に避難できるよう、迅速で的確な防災情報の提供にぜひ努めていただきたいと、このことをお願いして質問を終わります。

○いのつめ委員 それでは、公園についてお伺いをいたします。
 私の地元の新宿区には、国立の新宿御苑がありますし、都立の戸山公園があります。区立では中央公園がすぐ都庁のおひざ元にありますし、落合には野鳥の森公園、おとめ山公園とか、おとめ山公園には蛍がいたりということで、都心としては緑が多い区です。そして、地域住民だけではなく、区外から新宿を訪れる方、またお仕事をしに来る方にいやしと安らぎを提供してくれるのが公園だと私は思っています。
 そして、私が前期、平成十七年の七月に初めて都議会議員として当選させていただいたちょうどその夏に、東京都では都立公園の指定管理者制度の選考が行われていました。五年契約でございますので、今度の二十二年度はその最後の五年目に当たるわけでございます。今ちょうど四年がたったところでございますが、この都立公園においての指定管理者制度導入の目的をまず最初にお伺いいたします。

○三浦公園管理担当部長 都立公園における指定管理者制度の導入は、民間の能力やノウハウを活用し、公園利用者サービスの向上と経費の節減などを図ることにより、効果的、効率的な管理運営の実現を目指すものでございます。現在、七十八公園のうち七十五公園で指定管理者制度を導入しております。

○いのつめ委員 経費の節減が目的ということですけれども、二十二年度の予算では委託料が八十二億四千六百万円計上されています。具体的にはどれくらい経費の削減ができるのかお伺いいたします。

○三浦公園管理担当部長 ただいま理事のお話しの二十二年度予算八十二億四千六百万円でございますが、これは公園管理費全体の委託費でございまして、指定管理者への委託料のほかに、直営公園での委託費を含んでございます。二十二年度におけます指定管理者への委託料予算につきましては、十八年度以降、新たに制度導入により公園数がふえたこと、導入後、開園面積が拡大したことなどにより、十八年度に比べますと委託料としては増加をしてございます。
 なお、十八年度から本格的に指定管理者制度を導入した当時において、削減効果は五・八%でございました。指定管理者は、十八年度から五年間分の提案ということで選定をされてございまして、二十二年度につきましてもその縮減効果は引き続いてございます。

○いのつめ委員 それでは、経費削減以外の目的であります公園利用者へのサービスの向上について、私の地元の戸山公園を例にお伺いいたします。
 都立戸山公園は、開園は昭和二十九年の八月十六日、面積は十八万六千八百七平方メートルで、山手線の内側では一番標高が高い四十四・六メートルの箱根山というものがあります。そろそろ桜の時期になりますけれども、その季節になりますと、お花見のお客さんで大いににぎわう公園でございますし、また十月には、保存会主催の流鏑馬が開催される公園でございまして、文化的な利用もされています。
 戸山公園に指定管理者を導入してどのような効果があったのか、お伺いいたします。

○三浦公園管理担当部長 指定管理者は、公園利用者への質の高いサービスを提供するため、みずからの創意工夫により特色ある管理運営を行い、利用促進に努めてございます。戸山公園におきましては、指定管理者がAEDを設置したほか、地域住民や区立戸山小学校の吹奏楽部などによる野外コンサートの実施や、都立戸山高校の社会奉仕活動としての園内清掃、ラベンダーの摘み取りなどさまざまなイベントを実施してございます。
 一方、戸山公園は、多くのホームレスが滞留するなど課題のある公園でございますが、警察署と連携した定期的な巡回、美化清掃の実施や、区の福祉事務所や地域のNPOと連携した協議会の開催など、公園の環境改善に努めております。
 このように、都立公園に指定管理者制度を導入することによって、さらなる公園利用者サービスの向上を図り、効果的、効率的な管理運営を実現しております。

○いのつめ委員 今さまざまな効果を答弁していただきましたけれども、中にありましたAEDの設置だとかホームレス対策などは、別に指定管理者さんに行っていただかなくてもできることではないかと思いまして、もう少し指定管理者ならではの利用者サービスが前面に公園として出てくるといいなと願うところでございます。
 また、この公園には夏になると子どもたちが水遊びをするジャブジャブ池というのがあるんですが、今、冬の時期でございまして、このジャブジャブ池、水が張ってありません。この水が張ってない時期に、若者たちがスケートボードを張ってない池でやるとかということがありまして、夜間の、深夜、早朝の音の問題で近隣から苦情が来たということで、どうにか対応をしなきゃということで、今どういう状況になっているかというと、ジャブジャブ池の上が縄で張りめぐらされていて、だれも足がつけないような状況になっています。
 これは苦肉の策であろうと思いますけれども、公園という自然の、また緑が多い地域に、いきなりジャブジャブ池が縄でがんじがらめにされている様子が私はそぐわないんじゃないかなと思うんですが、公園に適さない状況が現在起こってしまっているということ、残念でなりません。
 そしてまた、ここは前、わき水があったようなんですけれども、そのわき水をとめて公園を整備したという状況で、水の流れが欲しいと。これは地域が要望したと聞いていますけれども、機械で循環して水を滝から流して、小川みたいな小さい水の流れをつくって、また水を戻して滝からおろすというような、そういった水に親しむようなところがつくられているわけですが、残念ながら、その滝が落ちてくる岩に穴があいているんですね。岩をたたくと反響するような、コーンという音がする。岩ではなくて、強化プラスチックか何かで、当時は最新的な、安い費用で岩の様子をつくる最新技術であったろうと思うんですが、そこの岩に穴があいてしまっているし、これもせっかく自然の中の風景として、そぐわないと思われるところがあります。
 また、ゲートボールができるグラウンド、それも地域の方の要望でつくっていただいて、ご高齢者の皆さんはとても喜んでいらっしゃって、自分たちできちんと地ならしをして、東京都に感謝しながら大切にゲートボール場を使っています。
 しかしながら、この夏の暑いときに木陰がないものですから、日よけをつくってほしいとお願いしたところ、日よけは確かにできているんですが、この日よけが全くムードぶち壊しでございまして、ビルの建築現場の足場を組むような、パイプととめる金具、プラスチックで。そういうので工夫されて日陰のように軒を出して、その上に御簾かなんかかけて、夏の間は日陰として使うんでしょうけれども、これも公園としてのムードが台なしでございまして、隣にはラベンダーの丘というのがあって、さっきいいましたね、ラベンダー摘みをしていただけるというような本当にきれいなお花が植わっているところのすぐ横に、残念ながらムードぶち壊しの日よけがあるわけでございます。
 これ、私、ムードぶち壊しだからすぐとってというわけにはいかないんですけれども、やはりご高齢者は、こんな日よけでもあった方がいいと思っていらっしゃると思うんですよ。しかしながら、公園に遊びに来た方はびっくりしますよ。何でここに足場があるんだと。何の意味があるんだといってびっくりするような日よけなんです。どうせつくってあげるんだったら、もう少し周りと調和をするような、公園のイメージが落ちないような、そういった日よけをつくってあげて、利用者にも喜んでいただけるような、そして公園に訪れた方にも違和感がないような、そんなものをつくってあげれば、もっともっと満足度が上がったのではないかと思いますけれども、こういった利用者の要望を踏まえた維持管理については、どのように対応しているのかお伺いいたします。

○三浦公園管理担当部長 ただいま理事の方からお話のありましたAEDとホームレスについて少し説明を追加させていただきます。
 AEDにつきましては、これは戸山公園管理所の職員が全員、使い方の研修を受けまして、いつでも対応が必要なときには操作ができるというところまで持っていってございます。
 それから、ホームレス対策でございますが、こちらにつきましては、警視庁OBなどを登用させていただいて、日々の巡回において声かけや状況把握などに努め、適正化を図っているということで、いろいろな形で努力をしているということについてはご理解をいただきたいと思います。
 次に、維持管理の対応のところでございますが、都におきましては、公園を快適に利用していただくため、指定管理者に年間事業計画を提出させ、適正に維持管理するよう指導しているところでございます。
 戸山公園におきましては、都が定める維持管理業務の手引に基づき、職員や警備員による園内巡回や遊具の安全点検を定期的に実施しているほか、公園内で死角や暗がりの原因となっている樹木の剪定など、適切な維持管理を実施し、安心して利用できる公園づくりを行ってございます。
 お話にございました住民の方からの要望につきましても、公園利用者接遇の手引に沿って指定管理者を指導しており、緊急性が高い事項から順次取り組み、柔軟で迅速な対応に努めております。
 お話にございましたジャブジャブ池の休止期間中の管理についてでございますが、ここは周りが都営住宅ということで、非常にお住まいになっておられる方が多いところでございますが、スケートボード、ローラースケートなどが深夜に行われ、近隣への騒音被害が出ており、住民の方々から強い改善要望が寄せられておりました。
 また、ここはジャブジャブ池ということで防水塗装がしてございますが、これらの使用によって防水塗装の剥離など管理上の支障も生じておることから、効果的な手法としてロープによる使用制限の措置を実施しているところでございます。
 また、FRP製の滝についてでございますが、お話のとおり、約二十年前に整備した当時におきましては、形状が自由に加工できるという長所がございまして、滝の演出に適してございまして採用した工法でございます。
 なお、破損箇所につきましては、今月中に補修する予定でございます。
 それから、ゲートボールができる多目的広場の日よけということでございますが、これはなかなか見てくれがというお話はございましたけれども、すべて、これ、パイプにはキャップをつけまして、安全性をきちんととった上で設置をしてございます。これは、利用者から、ご高齢ということもございまして強い要望がございまして、早急に対応する必要があったことから、簡易な構造で整備したものでございます。利用者から好評を得ているところでございます。景観の問題につきましては、今後長い目で見て改善を図っていきたいと思います。

○いのつめ委員 今答弁をいただいて、ちょっと思わず笑ってしまいましたけれども、ご高齢者の方は、本当は木陰で、青桐を植えてほしいといったんですね。それがうまく日陰になって--ゲートボールのやる面は別に日が当たってもいいんですって。コートの外に出て、自分が順番を待っている間が暑いんですって。だから、コート全部に日陰をしろということじゃない。ほんのちょっと、一メートルぐらいの幅だけの日よけがあればいいわけでございまして、本当は木を植えてほしいといったけれども、木が青桐じゃなくて違う木だったというんですが、それも斜面に植えたものですから、枯れてしまっている今状況でございまして、本当はもう少し早くに育つ、大きくなる木を植えてくれないと自分たちは待てないんだと、ゲートボールをやられるご高齢者の皆さん方はいっていらっしゃいますので、あれだけすてきなゲートボール場をせっかくつくってあげたんだから、もう一歩、日陰も公園にふさわしいものを、私、そんな高くなくてできるような気がするんですよ。
 それをきちんと積算していただいて、余り変なものじゃないもの、公園にそぐうものをつくっていただきたいと強く要望をさせていただきますし、深夜、ローラースケートや、ガラガラと音が出るようなものをするという、そういった若者が、そこしかやるところがないのかなと思いますけれども、深夜は困ると。やっぱり音が出るようなものは、それに限らず、きちんと近隣の方の迷惑にならないようにやっていただかなければいけないし、深夜に見張っているわけにもいかないだろうから、公園管理者はそういうわけにもいかないというんでしょうけれども、やっぱり使用者にも、そしてまた近隣の住民にも理解をしていただく努力をするのも、私は管理者の大事な任務であろうとも考えています。
 これまでの答弁の中で、確かに経費は約五・八%削減、約四億円ぐらい削減されているんだろうと思います。しかし、戸山公園が民間の自由な発想で公園利用者の満足度が上がったかというと、半分ぐらいかなというところでございまして、余り満足度が上がったといえない状況でございます。
 そしてまた、東京都の公園七十八のうち七十五が指定管理者に委託されている。委託を受けているその七十五の公園のうち約九〇%ぐらいが公園協会が受託をしているということです。また、公園協会の下請の契約に八五%が随意契約で行われているということが、包括外部監査において、随意契約で行っている契約の中に、競争入札を付すことが可能な契約が多数あったということが意見として出されていますが、このことについて都の見解をお伺いいたします。

○三浦公園管理担当部長 利用者満足度調査につきましては、各指定管理者に毎年度調査をさせてございまして、良好な結果が出ております。
 それから、包括外部監査の件でございますが、財団法人東京都公園協会は、都から包括的に受託した公園管理業務の清掃や樹木剪定などを外部へ委託してございます。その際、委託の目的や発注時期が異なり、別発注としたことから少額の契約となり、随意契約が多くなったものでございます。
 なお、随意契約の方法による場合でも、原則として二社以上から見積もらせ、価格比較の上、契約をしております。
 今回の包括外部監査のご意見を真摯に受けとめ、さらなる契約の透明性、競争性を高める観点から協会を指導してまいります。

○いのつめ委員 二百五十万円以上は入札をしなきゃいけないということで、新聞報道によると、二百四十九万九千円で二回に分けて契約をしていたということも報道されています。やはり東京都はきちんとチェックをしていただきたいと思っております。
 随意契約の割合が多くなると、都民は税金を大切に使ってないのではないか、また、仕事を簡単に片づけているというイメージを持ちます。そこに天下りが加わると、組織そのものも否定的な目が向けられてしまいます。
 公園協会の役員名簿によりますと、現役の職員が理事と監事に一人ずついます。理事長は、前東京都都市整備局長。常務理事は、前東京都交通局理事と元東京都建設局公園緑地部長。監事に元建設局理事がいます。都庁内で管理職になれば、次の就職のレールが敷かれているように都民から思われてしまいます。これは、努力をしたから退職しても仕事につけるんだという考え方があるかもしれません。しかし、十四人の理事、監事のうち六人が東京都の関係者です。都民から見たら、これは天下りの受け皿である公園協会と見られてしまっても仕方ないのではないかと思います。
 そして、この公園協会が指定管理者となると、売店の販売員、こういうのはアルバイト、非正規雇用の形で募集をかけていますから、そういう雇い方をするのであろうと思いますが、また駐車場の管理の人なども、これも非正規雇用者を使う。そして、清掃事業も下請に投げれば、その下請の事業者も非正規雇用者を使って清掃業務を行う。確かに、人件費は、またその指定管理者制度導入によって四億円の削減がされるわけですが、残念ながら、それの多くはほとんどが人件費の削減によるものだといえるのではないでしょうか。
 そして、片や公園協会はボランティアを募集しています。私が戸山公園に行ったときにも、このボランティアの方々たちが、雨の中、お花の苗を一生懸命植えて、公園をきれいにしてくれていました。指定管理者制度の導入が、この経費削減が、非正規雇用者の増加を進めることがないようにするべきだと思います。
 今、都でも新たな雇用を創出しようとしています。指定管理者に正規雇用者採用をお願いするべきだと私は思います。そして、受託選考時、正規、非正規社員の割合を、選考基準に加えるべきではないでしょうか。ことしの夏は、二十三年度から五年間の指定管理者選考の時期です。大規模な選定が行われます。東京都は、指定管理者選定にどのような理念で臨まれるのか、お伺いいたします。

○三浦公園管理担当部長 先ほど経費節減額、四億何がしのお話がございましたが、先ほど答弁で申し上げましたように、八十二億四千六百万というのは、公園管理費全体の額ということでございますので、経費節減額として十八年度当時積算した金額は、大体三億一千九百万円でございますので、現在でも、その程度の金額というふうに思ってございます。
 それから、天下りというようなお話がございましたが、これは早期退職勧奨を受けて渡りを繰り返す国家公務員と違いまして、都の幹部職員は、定年またはその直前まで働いた後、再就職先でその知識、経験を生かして活動しているものでございまして、国の天下りとは大きく異なっていると認識してございます。
 また財団法人東京都公園協会は、都の監理団体でもございます。監理団体の業務を遂行するには、都政にかかわる知識、経験が必要不可欠であり、退職後の都幹部を活用することは、各団体の適切な運営に寄与すると考えてございます。
 なお、ご指摘の公園協会の役員でございますが、十四名の理事、監事のうち、非常勤理事十一名はすべて無報酬でございます。そのうち都関係の三名も当然無報酬で、その職についてございます。
 また、指定管理者としている法人に正規、非正規職員の割合というお話がございましたが、指定管理者制度は民間の能力、ノウハウを活用し、経費の節減を図ることで効果的、効率的な管理運営を行うものでございますので、その職員採用については、企業の創意工夫にゆだねるべき事項と考えてございます。来年度に行います指定管理者の更新の時期での選定に当たりましては、これまでと同じように、都立公園の効用を最大限に発揮し、効率的な管理運営ができることを基準として選定してまいります。
 具体的には、条例、規則に定める基準に基づき、安定的な経営基盤を有していること、公園の効用を最大限に発揮するとともに、効率的な管理運営ができること、法、その他関係法令及び条例の規定を遵守し、適正な管理運営ができることを基準としてございます。さらに規則では、公園の維持の技術に係る指導、執行体制が整備されていること、良好な管理実績を有しているということを、また見てございます。
 これらの選定基準を踏まえ、具体的には、団体の能力を検証し、管理運営水準は確保されているか、管理運営の効率化が図られているかという観点から、過半数を外部の有識者が占める選定委員会において審査を行った上で、議会の議決をいただいた上、決定しているものでございます。来年度の選定に当たりましても、条例、規則や全庁的な方針に基づき適正に選定を行ってまいります。

○いのつめ委員 十一人は無報酬といいましたけれども、理事長と常務理事二人は東京都を退職された方で、この三人の方は報酬があるんじゃないでしょうか。私は何も渡りがあるとかということをいっているわけではなくて、やっぱり片やまちの方は公園を愛してボランティアで花を植えてくれている、そして、それを管理する方の方々たちは、経験や知識を生かしていただく分には、それは構いませんけれども、だったらボランティアと同じ立場でやっていただいたらいいんじゃないかというのが私の考え方でございます。(「それはあんたの考え方だよ」と呼ぶ者あり)はい。いいじゃないですか、私の考え方で。何がいけないんですか。
 指定管理者の方は利用者にアンケートをとっていただいたりして、きちんと利用者の声を公園に、よりよい公園にしていくために、反映させるためにアンケートをとっていらっしゃると思いますが、それとは別に、東京都でも、この指定管理者制度が導入された検証をする意味でも、利用者にアンケートをとったらいかがでしょうか。
 また、新宿の中央公園は区立の公園でございまして、これをまた英語にすればセントラルパークというのではないかと思いますけれども、ニューヨークでは、セントラルパーク、マンハッタンにありますけれども、早朝から深夜まで、一日じゅう来園者でにぎわっています。ペットとお散歩したり、ウオーキングしたり、ジョギングしたり、絵をかいたり、音楽を楽しんだり、森にいやされている方々たちが、それぞれにセントラルパークを愛して公園を楽しんでいます。
 新宿では、残念ながら、同じ名前を持つ公園が都庁のそばにもあるんですが、ほとんど人が、利用されていない。上から見ていただいてわかるかと思いますが、やはり日本人とアメリカ人の気質の違いがあるかもしれません。しかしながら、日本人も公園をもっと楽しんで、仕事をした疲れを公園でいやされるとか、忙しさで傷んだ体をリフレッシュさせるとか、そういった空間としての大切な公園を、これは本当に東京都の、また新宿区の宝だと思いますが、こういったところを本当に皆さんにもっと有効的に利用していただくために、東京都の公園のあり方について、最後、お伺いいたします。

○小口公園緑地部長 まず、ご質問の、ご意見の中にありました利用者のアンケートのことでございますけれども、私どもは、よりよい公園づくりを進める上で、公園利用者の声は大変重要な情報であると考えております。そのため、各指定管理者は、利用者から寄せられる声ですとか、利用満足度調査等アンケートをしまして、その結果を分析、整理し、日々の維持管理に生かすとともに、利用者サービスの向上の取り組みを行っているものであります。都としても、指定管理者が利用者の声を適切に収集しまして、公園の管理運営に反映するよう指導しておるところでございます。
 それから、ニューヨークのセントラルパークと新宿の中央公園のことがお話に出ましたけれども、私ども都は、区市町村の公園についても、その整備ですとか管理運営について指導する立場でございます。そこで、新宿区に中央公園のことについて問い合わせましたところ、新宿中央公園は、ご承知のようにたくさんのホームレスの方がおられて、多いときには、ブルーテントが二百二十張りあったということでございます。それが、現在、十一張りにしまして、樹木剪定を積極的に行ったり、そうした見通しをよくしたりということで、環境改善を一生懸命図っております。そうしたことから安心感が生まれて、利用者は増加していると区は認識しているということでございます。
 また、年三回の中央公園祭りですとか、フリーマーケットを毎週土曜日に開催するなど、活性化に努めた結果、現在はにぎわいが生まれていると認識しているということでございます。
 このように、私どももそうですし、それから私どもの公園を管理している指定管理者もそうですし、管理者である各区市町村、それらも、それぞれ持っている公園をいかに都民の方々、住民の方々に活用いただくかということで、一生懸命、知恵をめぐらせているところでございます。先ほどのAEDも、指定管理者として、経費をかけないで企業からの寄付を受けて、都民の方が困ったときに使えるように、職員もそれをすぐ使えるようにということで、一生懸命、公園協会が考えて調達したものでございます。大変すばらしい工夫をしたと私どもは考えてございます。
 それから、ご質問の今後の公園のあり方についてでありますけれども、都立公園は都民に安らぎやレクリエーションの場として重要な役割を担っております。とりわけ公園の豊かな緑は、風格ある都市景観を形成するとともに、ヒートアイランド現象を和らげ、都市環境の改善に寄与するものであります。また、震災時における避難場所や救援復興活動の拠点となるなど、快適で安全な都民生活には欠かすことのできない役割を果たします。このため、都では公園整備を計画的に進め、緑の拠点となる都立公園の充実を図るとともに、公園の効用を最大限発揮できるよう、指定管理者制度を活用しまして、先ほどいいましたように、知恵をめぐらせていただくよう、効率的な管理運営を推進しております。
 今後とも、都立公園の特性を生かし、公園利用者の満足を創出し、都民生活の豊かさに資する公園づくりを目指してまいります。

○野田委員 それでは最初に、東村山三・四・一一号線、これの整備について伺います。
 多摩地域においては、府中所沢線、調布保谷線など、多摩南北五路線を初めとする主要な幹線道路の整備が進められております。私の地元である東村山市は、都市計画道路の整備が大変おくれております。地元でも、一日も早い都市計画道路の整備を望んでおります。
 したがって、事業化した三・四・一一号線の整備を進めることは、道路ネットワークを形成し、多摩地域の自立性の向上や都市間の連携を図る上で重要なものだと考えております。本路線は、多摩北部医療センターや東村山老人ホームなどが集まる、通称東村山キャンパスを通っており、いよいよキャンパス内で工事が始まりました。所管においては、地域に対して大変丁寧なご説明をいただいておるところでございますが、地元でも要望が大きく、かつ関心が非常に高い事業でございます。
 そこで、まず、東村山三・四・一一号線のうち、東村山市内における整備状況について伺いたいと思います。

○谷村参事 東村山市内の本路線は、東村山恩多町一丁目から秋津町三丁目に至る延長約二・五キロメートルの地域幹線道路でありまして、このうち約〇・三キロメートルが完成しております。
 未整備となっております東村山青葉町一丁目から久米川町一丁目までの約二・二キロメートルにつきましては、多摩地域における第三次事業化計画で優先整備路線に位置づけております。現在この地域では、並行する所沢街道が渋滞し、通学路や生活道路に通過交通が流入しており、交通の円滑化や歩行者の安全性の向上を図る上で、本路線の整備は重要でございます。
 このため、野火止通りから都道二二六号線までの約四百七十メートルの区間につきまして、平成二十年度から事業に着手しております。

○野田委員 三・四・一一号線、これ大変関心が高くて、そして地元要望も強い事業でございます。改めて今の答弁で、地域にとって必要な道路であるということは確認をさせていただいたわけでございますが、一方、道路整備に際して、やはり地域の方々からは、自然環境、環境にしっかりと配慮してほしいと、このような要望も多数上がっておるわけでございます。現在工事を行っております東村山キャンパス内、この中には、キンランなどの貴重な、どこかの党みたいですけど、貴重な植物が多く生育しておるわけでございますが、この事業を進めるに当たって、こういった貴重な植物の保護、移植、こういったことに大変ご苦労されたというふうに聞いておるわけでございます。
 そこで、貴重な植物の保全、これをどのように現在まで取り組んでおられるのか、また今後の予定についても、お伺いをさせていただければと思います。

○谷村参事 事業実施に当たりまして、東京都における自然の保護と回復に関する条例に基づき環境調査を実施したところ、計画線内にキンラン、アマナなど、貴重な植物が確認されました。このため、学識経験者等で構成する、道路整備に伴う植物の取り扱いに関する検討委員会を設置し、保全対策を検討いたしました。この保全対策を踏まえまして、実際の移植に当たりましては、植物それぞれの休眠期における移植や、移植先周辺の下草刈り、落ち葉がきなどにより、生育環境の改善などに工夫を行ってまいりました。現在、工事影響範囲の貴重な植物はすべて移植を完了しておりまして、お話の東村山キャンパス内におきまして、貴重な植物の数は移植前に比べて増加している状況でございます。

○野田委員 大変、東京都の方で手間暇をかけていただいて、貴重な植物の保全に、本当にいろいろとご配慮をいただきながら事業を行っていただいていると理解をしているところでございますが、さきにも申し上げましたとおり、本路線は地元としても大変必要な道路でありますし、またぜひ早期実現を願うものであります。
 そこで、今後の工事の予定について伺いたいと思います。

○谷村参事 現在、都道二二六号線から、延長百三十メートルの区間で、街路築造工事及び電線共同溝設置工事を行っております。残ります延長三百四十メートルの区間につきましては、平成二十二年度から東村山キャンパスのライフライン移設工事と街路築造工事などを行い、平成二十三年度の完成を予定しております。
 引き続き周辺環境に配慮し、地元の理解と協力をいただきながら、本路線の整備を進めてまいります。

○野田委員 今後もぜひ自然環境に十分ご配慮いただきながら、地域の交通の円滑化や歩行者の安全確保に必要な道路整備、これを着実に進めていただきますことを要望いたします。
 それでは次に、新みちづくり・まちづくりパートナー事業について伺います。
 今、質問いたしました三・四・一一号線、このような道路ネットワーク等に資する道路整備は必要と考えておりますし、また一方で、地域のまちづくりに寄与する道路整備も非常に大切であると認識をしております。今年度から始まりました新みちづくり・まちづくりパートナー事業、これは多摩地域のまちづくりと密接に関連した都道を整備するものであり、地元の市にとっては非常に重要な事業と理解をしております。
 まず、今回の新みちづくり・まちづくりパートナー事業の事業内容と東村山市内における事業を行う路線、これについて伺います。

○谷村参事 新みちづくり・まちづくりパートナー事業は、地元市と連携、協力し、地域のまちづくりに密接に関連する都道を市が整備するものでありまして、都が用地補償にかかわる費用を、地元市が設計及び工事にかかわる費用を負担するものでございます。本事業では、整備する路線は十一市十八路線でありまして、事業期間は平成二十一年度から二十七年度までの七カ年でございます。
 東村山市内の整備路線は東村山三・四・五号線でありまして、東村山、恩多町五丁目から一丁目までの延長約六百四十メートルの区間におきまして幅員十六メートルの道路を整備し、地域交通の円滑化、西武新宿線、久米川駅や東村山市運動公園へのアクセス向上を図るものでございます。

○野田委員 今、三・四・五号線ということで、ご答弁、お話がありましたが、この地域は、本当に幹線となる広い道路もない地域でありますし、地元としても、本当に要望の強い路線でございます。ぜひ整備を速やかに進めていただくことを要望いたしたいと思います。
 この事業箇所の周辺では、野火止小学校、また東村山市運動公園、これが災害時における市の一時避難場所に指定をされております。この地域は住宅地域でもあることから、本当に道路が狭く、周辺地域の方々は、整備された三・四・五号線、これを通って避難することとなっており、地域にとって非常に大事な道路であると理解をしております。このため、本区間の整備に当たっては、災害時の避難路確保等の観点から、無電柱化が必要と考えております。
 本区間の進捗状況、そして今後の予定、また無電柱化についての考え方、そういったものをお伺いしたいと思います。

○谷村参事 昨年四月に都と東村山市が新みちづくり・まちづくりパートナー事業に関する協定を結び、本事業に着手いたしました。その後、市は九月に事業説明会を開催し、現在、現況測量などを行っております。平成二十二年度は用地測量を行い、引き続き平成二十三年度から用地取得に着手する予定でございます。
 無電柱化につきましては、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を目的として事業を推進しておりまして、本区間におきましても無電柱化を実施してまいります。
 今後とも、東村山市を初め、地元市と連携を図りながら、新みちづくり・まちづくりパートナー事業の推進に取り組んでまいります。

○野田委員 特に無電柱化が、本当に地元にとっても、地域の方々にとっても、これは恐らく至るところ、そういう要望というのはあるのでしょうが、特にうちの地元においては強い要望でございますので、今のご答弁の中での取り組みは、本当に地元にとって大変ありがたいと、このように思うところでございます。引き続き、都と地元市が連携して、事業推進を速やかにしていただきますことを要望申し上げます。
 次に、都立動物園における希少動物の保護の取り組みについて伺います。
 最近、上野動物園のパンダが大変話題になっておりましたが、私にとっては、むしろ近場の多摩動物園の方が大変なじみが深くて……(発言する者あり)いや、上野をないがしろにするわけじゃないんですが、本当に子どものころから、よく通わせていただいておりまして、大変広い敷地に本当に緑が多く、すばらしい動物園だと私はこのように思っております。この多摩動物公園、オランウータンがロープを利用して伝い歩く、スカイウオークの展示があり、森の住民と呼ぶにふさわしい、いきいきとした行動が見られ、大変人気があると聞いております。
 このオランウータンですが、二〇〇七年に国際自然保護連合から発表された報告書においては、これが大変衝撃的でありまして、霊長類のうち、およそ三分の一が、現在、絶滅の危機に直面していると、こういう発表がなされました。こうした霊長類の減少の原因が、主に森林破壊だというふうにいわれております。この発表のほかにも、多くの野生動物が生息地を失い、絶滅の危機に直面していると、こういったニュースが数多く伝えられております。
 そういうご時世だからこそ、本当に身近な動物園において絶滅のおそれのある動物を飼育、繁殖し、希少動物の保護に対して、多くの方にご理解をいただき、そして、ご協力をいただけるようなPR活動、啓発活動、こういったものを行っていくのも、私は動物園の重要な役割ではなかろうかと考えております。
 そこで、都立動物園における希少動物の保護活動について、現在どのような取り組みがなされているのか、伺いたいと思います。

○小口公園緑地部長 動物園の役割としては、レクリエーション機能、教育普及機能、種の保存機能、調査研究機能があります。希少動物の保護、増殖を中心とする種の保存につきましては、これからも取り組むべき重要な課題であります。都立動物園では、優先的に繁殖に取り組む希少動物を定めまして、飼育技術のレベルアップや血統登録などのデータベースを活用するとともに、群れでの飼育が可能となり、繁殖しやすい獣舎の整備を行うなど、繁殖に取り組んでまいりました。
 これまでに、繁殖が困難といわれているアフリカゾウにつきましては、国内で六事例あるんですけれども、このうち二事例、二頭は多摩動物公園の繁殖事例でございます。ニシローランドゴリラは、平成二十一年に国内で六年ぶりの繁殖となるなど、多くの希少動物の繁殖に取り組み、成果を上げてまいりました。さらに、平成十八年度からは、希少動物の保護、増殖を効率的に進めるため、専門組織として多摩動物公園内に野生生物保全センターを設置しました。
 今後も、都立動物園においては、飼育、繁殖技術を生かしまして、希少動物の保護の取り組みを積極的に進めてまいります。

○野田委員 今、ゾウ、ローランドゴリラ、こういったものが大変、繁殖が難しくて、これらの希少動物の繁殖、保護に貢献しているというご答弁でございました。さらに、野生生物保全センター、この実績というか、役割についてちょっと詳しく教えていただきたいと思います。

○小口公園緑地部長 多摩動物公園の野生生物保全センターでは、専任の職員を五名配置いたしまして、新たな技術を導入し、繁殖や調査研究を進めております。具体的には、アムールトラやシロオリックスなどの生殖細胞を凍結保存しまして、将来の繁殖に備えることなどをしてございます。
 また、野生動物の生息地での保全として、トキやニホンコウノトリなどの野生復帰への積極的な協力を行っております。特にトキにつきましては、これまで都立動物園において、四十年以上、新潟県佐渡トキ保護センターからの要請により、保護、増殖の技術協力をしてまいりました。
 その実績が評価されまして、多摩動物公園が平成十九年度に、鳥インフルエンザに対する緊急避難のためのトキの受け入れ地の指名を受けました。そこで二ペアを受け入れたわけでございますけれども、平成二十一年度までに十八羽の繁殖に成功しました。このうち十五羽は佐渡トキ保護センターヘ戻されまして、その一部は既に放鳥されてございます。
 今後とも、希少動物の保護の取り組みを着実に進めてまいります。

○野田委員 今、随分、トキの繁殖、保護に取り組んでおられるというご答弁でございまして、ちょっと私も余り存じ上げなかったものですから、大変びっくり……(「有名だよ」と呼ぶ者あり)有名ですか。済みません、不勉強で。
 最近、マスコミ報道で、佐渡トキ保護センター、ここに外来種の、何ですか、テンが入り込んで、(発言する者あり)天敵のテンが入り込んで、大分襲って、これが今ニュースになってますね。これ、きのうの毎日新聞のネットニュースで配信されているものを読むと、「トキ襲撃、テン駆除に専門家が論争、生態系壊れる?」となっておるんですが、これ、国の特別天然記念物でございますし、私は普通に、このテンを、駆除して、トキを保護すべきだろうと、こういう安易な考え方でおったんですが、どうも、今から半世紀ぐらい前ですか、テンはノウサギの駆除を目的に本州から持ち込まれたというふうに報道では書かれておりますけれども、最初二十四匹だったものが、今、二千匹ぐらいまでふえているというふうに聞いております。
 既に、テンが生態系の一部に組み込まれているから、これを果たして駆除していいのかという議論が、専門家の間ではあるようでございますけれども、この駆除云々の議論、駆除をすると同時に、やはり引き続き、佐渡の保護センターですか、こういったところへの技術協力、また繁殖をさらに進めていただければと思うところでございます。
 野生生物保全センター、この保全の取り組みを本当にさらに充実していって、そして希少動物の保護、繁殖に積極的に取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、質問を終了いたします。

○松下委員 私は歩道舗装についてお伺いをいたします。
 水はけのよさや地下水の涵養の重要性からも、都道における歩道では透水性舗装が進んでいると考えますが、透水性舗装の目的と実績についてお伺いいたします。

○藤江道路保全担当部長 都道の歩道では、地下水の涵養や、雨天時の歩行性の改善などを目的といたしまして、コンクリート舗装をする必要がある車の乗り入れ部などを除きまして、透水性舗装を採用しております。都道の歩道におけます透水性舗装の割合は、面積で換算いたしまして、平成二十年度末現在、約六割でございます。

○松下委員 都道の歩道では、またこれ、多摩地域と二十三区内とでは異なるのでしょうが、全体で、今お答えいただいた約六割、透水性舗装が実施されているとのことです。しかし、私としましては、歩道舗装というものは、歩行者が安全に自由に移動できるということが大前提のはずですので、非透水性舗装と比べると、透水性舗装は損傷もしやすく、また強度上の不安があるのではないかと考えもいたしますが、いかがでしょうか。

○藤江道路保全担当部長 透水性舗装をする場合には、歩行者に安心して通行していただけるように、道路工事設計基準に基づき、必要な舗装厚を確保しております。強度上の問題はございません。
 歩道の整備や補修を行う際には、積極的に透水性舗装を採用いたしまして、地下水の涵養や、雨天時の歩行性の改善などに努めております。

○松下委員 透水性舗装は強度上問題がないとのことですが、私の地元、武蔵野市内の都道の歩道舗装について見ましても、例えば同じ道路の歩道であっても、交差点など歩行者が信号待ちでたまるというのでしょうか、信号を待っている間たくさん歩行者がいるようなところ、また交通量が多いところでは、歩道舗装の劣化が進んでいる箇所が見受けられます。その反面、そこと同じ通りであっても、例えばお寺に面しているような、ほとんど通行が少ないというか、人の少ない場所では劣化をしていない、こういう状況もございます。
 歩道の舗装が傷んでいると、歩行者が安全に安心して通行することはできません。商業地や住宅地でも、また異なるとは思うのですが、そこで、歩道舗装の補修箇所はどのように決めているのか、お伺いいたします。

○藤江道路保全担当部長 都では、職員による日常的な点検などをもとに、歩道舗装の劣化、損傷状況を確認するとともに、地元の方々の声などを踏まえまして、歩道の補修工事を実施しております。
 今後とも、きめ細かな点検を行うことにより、歩道舗装などの状況を十分に把握するとともに、沿道住民の方々の理解とご協力を得まして、適切な維持管理を行い、安全で快適な歩行空間を確保してまいります。

○松下委員 ぜひ、先ほど強度上問題がないとのことですが、同じ時期に整備をした歩道舗装であっても、場所によって傷みに差がある、こうした事実は目を向けていただいて、通行量や歩行者の量によって、本当に一律なのか、影響がないのか等は調べていただきたいと思います。
 黄色い車を私よく見かけるんですが、都の職員の方が道路パトロールをしていらっしゃるのは拝見をしております。歩道だけではなく、街路樹や車道、看板等、確認をしていただいていると認識をしています。しかし、やはり毎日その場所、歩道の目の前で住んでいらっしゃったり、ご商売を営んでいる、そこで生活している地元の方の目にまさるものではないと考えます。日々、落ち葉の清掃や、路上駐輪への注意の呼びかけ等も、とても熱心に行ってくださっている地元の方々の声というのを受けた上で、歩道整備の優先順位を定めて、計画的に取り組んでいただきたいと要望をいたします。
 そして、最後に、昨年秋の事務事業質疑で質問をいたしました、都立井の頭恩賜公園百年実行委員会について意見を述べさせていただきます。
 建設局、西部公園緑地事務所が、この百年実行委員会の事務局の役割を担っています。新年度事業におきましては、改めて事務局と役員会、実行委員会のおのおのの役割を精査していただいた上で、記念すべき百年に向けて、皆様の意見、さまざまあると思います。しっかりと伺い、取り組んでいただきたいと要望し、私の質問を終わります。

○高橋委員 付託議案、第百十号議案に関連して、鉄道の連続立体交差事業の推進についてお尋ねいたします。
 都内にある数多くの踏切は、東京の最大の弱点である慢性的な交通渋滞や、市街地の分断による都市の活力低下の要因となっております。中でも深刻なのが、朝夕のラッシュ時に四十分以上も遮断している、いわゆるあかずの踏切であります。とりわけ西武線は、数多くのあかずの踏切が存在しており、沿線の地域では、交通渋滞による沿道環境の悪化、踏切事故の危険性、地域分断により、まちの一体感が阻害されるなど、さまざまな問題が生じております。これらの踏切問題を解消するために、複数の踏切を一挙に除却する連続立体交差事業は非常に効果的であり、都民からも期待されている事業であります。
 練馬区では現在、西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業が進められております。私は、地元の声を伝えるべく、平成十四年二月に、地元住民二万人による高架化の促進に関する請願の提出に同行し、それ以来、幾度となく都議会の場を通じて、早期事業化の実現や、工事期間中における石神井公園駅の仮設地下通路の確保とバリアフリー化について要望してまいりました。また、事業化後においても、早期の高架化に向けた着実な事業の推進を要望してきたところであります。
 平成十四年六月に請願が採択され、平成十九年五月に事業化が実現し、平成二十年十一月には、駅の仮設地下通路が供用するとともに、バリアフリー化が図られました。そして、本年二月には、地元住民の悲願である連続立体交差化に向け、第一歩となる石神井公園駅付近の上り線の高架化が実現しております。私は、その必要性を訴えてきたこの事業が、一歩一歩着実に進んでいることを実感し、大変喜ばしく思います。
 この事業への地元住民の関心は非常に高く、上り線の高架化に先立ち、本年一月末に実施された施設見学会には、多くの方々が参加されております。そこで、施設見学会の開催結果についてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業は、数多くの踏切を同時に除却することで、交通渋滞や地域分断を解消し、道路ネットワークの整備やまちづくり促進を図る、極めて効果の高い事業でございます。
 西武池袋線の連続立体交差事業は、練馬高野台駅から大泉学園駅までの延長二・四キロメートルの区間を高架化し、九カ所の踏切を除却することで、富士街道の交通渋滞の解消などを図るものでございます。
 このうち、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの延長一・二キロメートルの区間につきましては、本年二月に上り線を高架化いたしました。高架切りかえに先立ち、本年一月末に、地元の方々を対象に、事業への理解を深めていただくことを目的として、新しくなった石神井公園駅で施設見学会を実施いたしました。当日は、予定を大幅に上回る約一万一千五百人もの方々が参加され、初めて公開される新しい駅舎や、ふだん立ち入ることのできない線路などを熱心に見学されていました。現場では、パネル掲示やビデオ放映により事業の説明を行い、あわせてアンケートを実施いたしました。その結果、約八割の方々が、本事業による交通渋滞の解消を期待しているほか、安全性の向上や地域の発展などにも期待しているとの回答がございました。

○高橋委員 地元住民を初め、多くの方々が交通渋滞の解消に大きな期待を寄せていることが改めてわかりました。
 そこで、今回の上り線の高架化による交通渋滞の緩和の効果について伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 石神井公園駅付近の上り線を高架化したことによりまして、富士街道では、一日の踏切遮断時間が約三割減少し、踏切の遮断による渋滞長が最大五百メートルから五十メートルに減少するなど、交通渋滞が大幅に緩和いたしました。
 また、この区間にある六カ所のあかずの踏切すべてで、ピーク時の一時間当たりの遮断時間が約四割減少し、交通渋滞の緩和とともに、歩行者や自転車の安全性、利便性が向上するなど、高い効果が得られております。

○高橋委員 上り線の高架化だけでも、高い事業効果が得られていることがわかりました。引き続き事業を進め、一日も早い踏切の除却が望まれます。
 また、石神井公園駅付近から大泉学園駅までの区間についても、早期の工事着手に向けた取り組みが必要であります。そこで、練馬高野台駅から大泉学園駅までの区間の今後の取り組みについて伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの区間につきましては、平成二十三年度早期の踏切除却を目指し、下り線の高架橋工事を進めてまいります。
 また、残る大泉学園駅までの延長一・二キロメートルの区間につきましては、現在、用地取得を進めており、平成二十二年度から詳細設計を行い、平成二十四年度の工事着手を目指してまいります。
 今後とも、必要な財源の確保に努めるとともに、地元の理解と協力を得ながら、本事業の推進に積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業が着実に進んでいることがわかりました。この事業に合わせ、まちづくりや富士街道を初めとする周辺道路の整備が進められております。これら関連事業と連携して、連続立体交差事業を積極的に進めていただくよう強く要望させていただきます。
 また、練馬区内の西武線には、池袋線のほかに新宿線があります。西武新宿線については、本年二月に中井駅から野方駅間の都市計画素案の地元説明会が行われ、事業化に向けた取り組みが進められていることから、これよりも西側にある事業候補区間の井荻から東伏見駅付近についても、踏切解消に向けた地元住民の期待が高まっております。
 地元では、上石神井駅周辺に続き、武蔵関駅周辺においても、まちづくりへの取り組み意欲が高まってきたことなどから、ぜひ事業化に向けた課題を早期に解決し、連続立体交差化が実現されるよう強く要望しておきます。
 最後に、都市基盤整備の推進について、道家都技監にお尋ねいたします。
 今月二十八日には、いよいよ首都高中央環状新宿線が開通し、より効率的な道路交通網が整備されます。平成二十二年度予算案を見ると、中央環状品川線の整備が最盛期を迎え、外環道の用地取得も始まります。また、白子川では地下調節池のシールド工事が始まり、地元では、一日も早い完成が期待されております。さらに、公園の整備や道路の緑化により、魅力ある都市づくりが進むと思います。
 都技監は長年、一貫して都市基盤整備の現場に携わってこられ、成果を上げられたものも数多くあろうかと思います。しかし、道路を初め、河川や公園など、東京の都市基盤整備はいまだ道半ばであると思います。より機能的で安全なまち、魅力的なまちを実現していくためには、建設局の取り組みがますます重要になっていくのではないかと考えております。
 そこで、今後の都市基盤整備を進めていくに当たっての都技監の決意を、時間は十分にありますので、よろしくお願いします。

○道家東京都技監 都市基盤整備は都民生活を支え、未来につながる財産を築いていく、まさに息の長い仕事であると認識をしております。これまで都議会のご支援もいただきながら、都民の理解と協力を得て用地取得や工事を進め、汗をかき、智恵を出しながら課題を解決し、一歩一歩ではありますが、着実に整備を進め、適切に維持管理を行ってまいりました。
 建設局は、さまざまな現場を抱えております。思い起こせば平成十八年五月、奥多摩町の青梅街道におきまして、長年、風雨に耐えておりました石積み擁壁が、突然四十メートルにわたり大幅に崩落する災害がございました。幸い人的被害はなかったんですが、迂回路のない地域の重要な道路の全面交通どめという状態になりまして、住民の皆様の日常生活に大きな影響が出ることが懸念されたわけでございます。早朝から職員が現場に駆けつけ、私もちょうど道路監に就任した直後でございました。そのときに直ちに私も現場に駆けつけました。土砂崩落対策会議を現場で開催をしまして、これまでの知識と経験を生かして、職員が一丸となって応急対策を講じ、夕方には片側交互通行を可能とし、応急措置をしたわけでございます。さらに、この災害を契機といたしまして、都内全域で石積み擁壁の緊急点検を実施し、対策が必要な箇所は速やかに工事を行うとともに、三カ年計画の石積み擁壁安全対策事業を立ち上げ、実施をしてまいりました。
 このように、安全で快適な東京の都市基盤整備を担うことができるのは、現場を熟知いたしました建設局職員の力であるというふうに確信をしております。より機能的で安全なまち、魅力的なまちを実現していくことが建設局の使命であり、現場を持つ強みを生かして、総力で取り組むことが求められていると考えております。
 都市の動脈である道路、都民の命と暮らしを守る河川、安らぎとともに防災機能に欠かすことのできない公園など、今後とも積極的に整備を進め、適切に維持管理、更新を行いまして、将来世代にそれら社会資本を良好な状態で継承していくため、知識、経験、技術力、そして組織力を結集しながら、全力を尽くしてまいりたいと思っております。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 予算及び付託議案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は、いずれも終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時九分散会

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