環境・建設委員会速記録第一号

平成二十二年二月十八日(木曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長藤井  一君
副委員長野上ゆきえ君
理事中村ひろし君
理事高橋かずみ君
理事いのつめまさみ君
野田かずさ君
吉倉 正美君
山下ようこ君
かち佳代子君
林田  武君
松下 玲子君
こいそ 明君
中村 明彦君

 欠席委員 一名

 出席説明員
環境局局長有留 武司君
理事都市地球環境部長事務取扱大野 輝之君
環境政策部長森  浩志君
環境政策担当部長吉村 憲彦君
環境改善部長柿沼 潤一君
参事中村  豊君
自動車公害対策部長市川郁美子君
自然環境部長大村 雅一君
緑化募金担当部長福田 良行君
参事木村 尊彦君
廃棄物対策部長井戸 秀寿君
参事谷川 哲男君
建設局東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
次長影山 竹夫君
道路監村尾 公一君
総務部長藤井 芳弘君
用地部長角南 国隆君
道路管理部長野口 宏幸君
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務藤井 寛行君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長小口 健藏君
河川部長廣木 良司君
企画担当部長鈴木 昭利君
道路保全担当部長藤江 賢治君
公園管理担当部長三浦 紀子君
参事今村 保雄君
参事谷村 秀樹君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境局所管分
・平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 環境局所管分
 建設局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
・平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
・東京都駐車場条例の一部を改正する条例
・東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・東京都霊園条例の一部を改正する条例
・東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一-環二築地)請負契約
・土地の買入れについて
・平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・平成二十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
陳情の審査
(1)二一第六三号  都市計画道路補助第一二八号線街路拡張工事に反対することに関する陳情
(2)二一第六四号  都が検討中の放射第五号線の道路構造による隣接地区への負担の軽減に関する陳情
(3)二一第一一三号 中国から上野動物園へのパンダの受入れに反対することに関する陳情
(4)二一第一三六号 放射第三五・三六号線(環七から補助第二三七号線間)の整備事業の見直しに関する陳情
(5)二一第一三七号 恩賜上野動物園へのパンダ受入れを速やかに実現することに関する陳情
(6)二一第一三八号 三宿・池尻地区の「横断トンネル」計画の撤回に関する陳情
(7)二一第一三九号 北沢川緑道を分断する道路計画の中止に関する陳情
(8)二一第一四〇号 道路整備における池尻北広場の存続に関する陳情
(9)二一第一四一号 歩行者の安全のために歩道を造ることに関する陳情
(10)二一第一四二号 カルガモとシラサギの生息地を破壊する補助第二六号線道路建設の中止に関する陳情
(11)二一第一四三号 三宿・池尻・代沢地区の環境アセスメントを求めることに関する陳情
(12)二一第一四四号 三宿・池尻地域の生活道路内の電柱・電話柱の埋設に関する陳情
(13)二一第一四五号 補助第二六号線と京王電鉄井の頭線との道路交差計画の検討経過の公表に関する陳情
(14)二一第一四六号 小中学生の安全な通学道路の存続を求めることに関する陳情
(15)二一第一四七号 都市計画道路補助第二六号線の道路計画の中止を求めることに関する陳情
(16)二一第一四八号 放射第五号線計画について当分の間その実施を休止し詳細検討を求めることに関する陳情
(17)二一第一四九号 世田谷区立池之上小学校児童、富士中学校生徒の通学の安全確保に関する陳情
(18)二一第一五〇号 代沢、北沢地域の静ひつな環境の保全を求めることに関する陳情
(19)二一第一五二号 京王電鉄井の頭線の安全な運行の確保を求めることに関する陳情
(20)二一第一七六号 都道における道路維持管理と示談の対応に関する陳情

○藤井委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名ですが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○藤井委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第一回定例会に提出を予定しております案件の説明聴取並びに建設局関係の陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件については、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○有留環境局長 平成二十二年第一回定例会に提出を予定しております環境局関連の案件につきまして、概要をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十二年第一回都議会定例会提出予定案件の概要をごらんください。今回提出を予定しております案件は、平成二十二年度一般会計当初予算案及び平成二十一年度一般会計補正予算案の合計二件でございます。
 一ページをお開き願います。平成二十二年度一般会計当初予算案につきまして、ご説明申し上げます。
 1の(1)、環境局所管分歳出予算計上額は四百三十八億三千五百万円でございます。歳入予算は二百六十五億八千八百四十五万円を見込んでおりまして、差引一般財源充当額は、百七十二億四千六百五十五万円となっております。歳出予算は前年度と比較いたしまして、二億一千四百万円、率にして〇・五%の増となっております。
 次に(2)、二十二年度予算案の基本的な考え方でございます。
 地球温暖化の影響による異常気象など、気候変動のもたらす危機の顕在化や、大気汚染、土壌汚染などの環境の負の遺産の存在、緑の減少などの状況を踏まえますと、環境行政は大胆でスピード感のある戦略的な取り組みを強化していく必要がございます。
 このため、平成二十年に東京都環境基本計画を策定するとともに、地球温暖化対策を強化し、東京を緑あふれる都市に再生するために環境確保条例と自然保護条例の一部改正を行いました。また、全庁横断的な取り組みとして、カーボンマイナス東京十年プロジェクト、緑の東京十年プロジェクトの具体化を着実に推進しております。
 二十二年度は、厳しい財政状況の中ではございますが、これらの観点から、環境対策をさらに着実に実施していくため、新規性、先進性を持つ事業や、集中的、重点的に実施する事業の経費などを積極的に計上しております。
 二ページをお開き願います。次に、(3)の主要事業でございます。
 環境局の事業の体系を大きく四つの柱に区分してございます。以下、それぞれの柱ごとに主な事業を申し上げます。
 第一の柱は、人類・生物の生存基盤の確保でございます。
 気候変動の危機回避に向けた施策の展開といたしまして、大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の運用、中小規模事業所における地球温暖化対策の推進、中小規模事業所省エネ促進・クレジット創出プロジェクト、企業、団体と連携した家庭の省エネ診断員制度の推進、太陽エネルギー利用拡大プロジェクト、気候変動による影響への適応策の検討などでございます。
 次に、持続可能な環境交通の実現といたしまして、次世代自動車(EV・pHV)の普及促進、エコドライブの推進、乗用車からのCO2削減対策などでございます。
 続きまして、省資源化と資源の循環利用の促進といたしまして、低炭素・循環型社会形成推進などでございます。
 第二の柱は、健康で安全な生活環境の確保でございます。
 まず、大気汚染物質のさらなる排出削減といたしまして、微小粒子状物質(PM二・五)対策の推進などでございます。
 次に、化学物質等の適正管理と環境リスクの低減、環境の負の遺産を残さない取り組みといたしまして、飲用井戸設置状況等調査などでございます。
 三ページをお開き願います。第三の柱は、より快適で質の高い都市環境の創出でございます。
 まず、市街地における豊かな緑の創出といたしまして、校庭芝生化事業などでございます。
 次に、水循環の再生と潤いのある水辺環境の回復といたしまして、東京湾の水質改善などでございます。
 次に、森林や丘陵地、島しょにおける自然の保全といたしまして、多摩の森林再生計画、花粉対策事業などでございます。
 第四の柱は、横断的・総合的施策でございます。
 持続可能な都市づくりを促進する仕組みの構築といたしまして、地球温暖化対策等推進のための区市町村の取り組み促進制度などでございます。
 以上が、平成二十二年度一般会計当初予算の概要でございます。
 引き続きまして、平成二十一年度一般会計補正予算案につきまして、ご説明申し上げます。
 2の(1)、補正予算計上額は、歳出予算につきまして、十五億二千四百万円余を減額計上しております。補正事項は、執行状況を踏まえまして、給与費につきまして、四億八千六百万円余、自動車公害対策費につきまして、十億三千八百万円を減額補正しております。また、廃棄物費の管理費につきまして、清掃工場談合事件に伴います損害賠償金の受け入れを踏まえまして、百三十一億三千百万円余を財源更正しております。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきまして、ご説明申し上げました。詳細につきましては、引き続き環境政策部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○森環境政策部長 初めに、平成二十二年度一般会計当初予算案でございます。お手元の資料2、平成二十二年度一般会計当初予算事業別概要に基づきまして、ご説明申し上げます。なお、金額につきましては、原則として百万円未満を四捨五入してご説明させていただきます。
 表紙から二枚をおめくりください。当初予算総括表でございます。
 次のページ、一ページをお開き願います。まず歳入予算でございます。
 使用料及び手数料から都債まで合わせまして、二百六十五億八千八百万円の計上となり、前年度に比べ四十七億七千二百万円の減となっております。
 二ページをお開き願います。歳出予算として、環境局合計で四百三十八億三千五百万円の計上となり、前年度に比べ二億一千四百万円の増となっております。
 差引一般財源充当額は、百七十二億四千七百万円で、前年度に比べ四十九億八千六百万円の増となっております。
 三ページをごらんください。繰越明許費でございます。
 自然公園及び小笠原公園の整備におきまして、年度内に支出が終わらない見込みのあるものにつきまして、九千百万円を計上しております。
 四ページをお開き願います。債務負担行為でございます。
 新たに債務負担が発生しますディーゼル車買いかえ促進融資利子及び信用保証料補助や、既に生じております環境保全資金融資利子及び信用保証料補助などによる経費として、合計で二百一億四千八百万円を計上しております。
 五ページをごらんください。予算の性質別内訳を示してございます。
 続きまして、七ページからの当初予算事業別概要につきまして、ご説明させていただきます。環境局の予算科目は、環境管理費、環境保全費、廃棄物費の三つの項から成っております。七ページは、一つ目の項の環境管理費でございまして、六十二億七千万円を計上しております。
 八ページをお開き願います。一〇ページにかけて環境管理費の内訳となっております。
 まず八ページは、一つ目の目の管理費でございます。環境管理事務に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務費、さらに戦略的広報により都民の温暖化対策への取り組み意欲を醸成する、環境に関するムーブメントの醸成などの経費等として、二十億五千五百万円を計上しております。
 九ページをごらんください。二つ目の目の環境政策費でございまして、三十一億四千五百万円を計上しております。
 事業の概要でございますが、1、環境保全施策の企画・調整等として、(4)、区市町村が行う温暖化対策や緑化施策の取り組みを支援する、地球温暖化対策等推進のための区市町村の取り組み促進制度、(9)、気候変動による東京への影響に適切に対応していくため地域的な影響を調査研究する、気候変動による影響への適応策の検討などを行ってまいります。
 一〇ページをお開き願います。三つ目の目の環境科学費でございまして、環境に関する調査研究等に要する経費として十億七千万円を計上しております。
 一一ページをごらんください。二つ目の項の環境保全費でございまして、二百九十九億三千二百万円を計上しております。
 一二ページをお開き願います。一六ページにかけて環境保全費の内訳となっております。
 まず、一二ページは一つ目の目の管理費でございます。環境保全事業に従事する職員の給料、諸手当として、十九億九千百万円を計上しております。
 一三ページをごらんください。二つ目の目の都市地球環境費でございまして、百四十一億七千五百万円を計上しております。
 事業の概要でございますが、1、地球温暖化対策として、(2)、二十二年度から開始する大規模事業所に対する温室効果ガス排出総量削減義務化と排出量取引制度の実施体制の構築等を行う、大規模事務所に対する温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の運用、(4)、中小規模事業所に対する省エネ診断や運用改善技術支援等を行う、中小規模事業所における地球温暖化対策の推進、(5)、中小規模事業所における省エネ設備導入と削減クレジットの創出を促進する補助事業実施のため財団法人東京都環境整備公社へ出捐等を行う、中小規模事業所省エネ促進・クレジット創出プロジェクト、(10)、民間事業者と連携し、省エネ診断員の育成、登録を行い、家庭における省エネ活動を推進する、企業・団体と連携した家庭部門省エネ・節電行動の推進、(12)、家庭向け太陽エネルギー利用機器の補助事業実施のため東京都環境整備公社へ出捐等を行う、太陽エネルギーの飛躍的な利用拡大に向けた環境整備などを行ってまいります。
 一四ページをお開き願います。三つ目の目の環境改善費でございまして、十五億二百万円を計上しております。
 事業の概要でございますが、3、有害化学物質対策の推進として、(1)、土壌汚染対策法の改正に対応するため土壌汚染による健康被害のおそれの有無を判断するための調査を行う、飲用井戸設置状況等調査など、5、発生源規制指導等として、(1)の二番目の点の、微小粒子状物質(PM二・五)の常時測定体制を整備するとともに、大気環境や発生源の調査等の結果から発生源ごとの寄与割合を推計する、微小粒子状物質(PM二・五)対策の推進などを行ってまいります。
 一五ページをごらんください。四つ目の目の自動車公害対策費でございまして、二十五億九千四百万円を計上しております。
 事業の概要でございますが、1、自動車公害対策の普及啓発等として、(4)の一番目の点の、都民に対してエコドライブを広く普及するとともに、事業者が社内でエコドライブの教育訓練を行う推進体制を構築するための支援を行う、エコドライブの推進、二番目の点の、自動車メーカーに、より低燃費な乗用車の製造、販売等を促すムーブメントの醸成を行う、乗用車からのCO2削減対策、四番目の点の、中小規模事業所を対象としたEV・pHVの導入補助や、急速充電設備の設置補助を行う、次世代自動車(EV・pHV)等の普及促進など、5、ディーゼル車対策融資あっせんとして、環境保全資金融資あっせんなどを行ってまいります。
 一六ページをお開き願います。五つ目の目の自然環境費でございまして、九十六億七千万円を計上しております。
 事業の概要でございますが、1、自然の保護と回復に関する施策の推進として、(4)、生物多様性基本法に基づき都内の生態系の実態を踏まえた生物多様性東京戦略の策定に向けた検討を行うなどの、生物多様性地域戦略の推進、(5)、緑の東京募金の運営や緑のムーブメントに係る普及啓発事業などの、緑のムーブメントの展開など、2、水環境対策の推進として、(3)、東京湾の水質改善に向け生物生息状況を把握する東京都内湾水生生物調査や新たな水質指標の策定などを行う、東京湾の水質改善など、3、緑地保全策の推進として、(2)、保全緑地の公有化、(3)、多摩地域の杉、ヒノキの人工林を間伐し森林の公益的機能の回復を図る、多摩の森林再生計画等、(4)、間伐を実施した森林に強度の枝打ちを行い花粉の発生量を削減する花粉対策事業、(5)、公立小中学校などの運動場の芝生化を支援する校庭芝生化事業など、5、小笠原諸島の世界自然遺産登録推進事業などを行ってまいります。
 一七ページをごらんください。三つ目の項の廃棄物費でございまして、七十六億三千三百万円を計上しております。
 一八ページをお開き願います。二〇ページにかけて廃棄物費の内訳となっております。
 まず、一八ページは、一つ目の目の管理費でございます。廃棄物対策事業に従事する職員の給料、諸手当及び管理事務費等として九億五千五百万円を計上しております。
 一九ページをごらんください。二つ目の目の廃棄物対策費でございまして、五十九億八千二百万円を計上しております。
 事業の概要でございますが、3、廃棄物の規制・指導等として、(10)の一番目の点の、都内での資源利用が及ぼす環境影響を定量的に把握、分析し、資源のリサイクルによる温室効果ガス削減効果の算定ルールづくりに向けた調査を行う、低炭素・循環型社会形成推進、二番目の点の、処理業者に対してリサイクルや設備改善の提案を行う、産業廃棄物処理技術等高度化促進事業などを行ってまいります。
 二〇ページをお開き願います。施設整備費でございまして、六億九千六百万円を計上しております。
 事業の概要でございますが、1、海面処分場の建設整備として、(3)、中防合同庁舎等の緑化工事、(4)、中防外側LFG(ごみの分解によるメタンガス)を有効活用するための実施設計などを行ってまいります。
 以上、平成二十二年度一般会計当初予算事業別概要につきまして、ご説明申し上げました。
 続きまして、平成二十一年度一般会計補正予算案につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元の資料3、平成二十一年度一般会計補正予算説明書を一枚おめくり願います。歳出予算総括表をごらんください。補正する項は環境保全費及び廃棄物費でございまして、十五億二千四百八十三万九千円を減額計上しております。
 次に、歳出の内訳についてご説明申し上げます。
 二ページをお開き願います。項は環境保全費、目は管理費及び自動車公害対策費でございます。管理費の内容につきましては、右側の説明欄にございますとおり、給与費につきましては給与改定による影響等の執行状況を踏まえまして、四億八千六百八十三万九千円を減額補正しております。次に、自動車公害対策費の内容につきましては、環境保全資金融資あっせん事業の執行状況を踏まえまして、十億三千八百万円を減額補正しております。
 三ページをお開き願います。項は廃棄物費、目は管理費でございます。内容につきましては、清掃工場談合事件に伴います損害賠償金の受け入れを踏まえまして、百三十一億三千百七十九万九千円を財源更正しております。
 以上、平成二十一年度一般会計補正予算案につきまして、ご説明申し上げました。どうぞ、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○かち委員 それでは、お願いします。まず、都内のエネルギー消費量の部門別推移。
 二番目に、都内二酸化炭素排出量の部門別推移。
 三番目に、過去五年間の真夏日、熱帯夜の状況。
 四番目に、屋上緑化の実績及び校庭芝生化の推移。
 五番目に、大気汚染濃度の高い測定局の推移。
 六番目に、大気汚染濃度の高い測定局周辺の道路状況。
 七番目に、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況。
 八番目に、二酸化炭素に係る環境基準の達成状況。
 九番目に、米軍横田基地周辺における騒音発生回数の推移。
 十番目に、保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移。
 十一番目に、保全地域の指定実績。
 十二番目に、建設残土の泥土の排出量等の推移。
 十三番目に、一般廃棄物の廃プラスチック類資源化率の推移。
 十四番目に、事業系一般廃棄物の処理量の推移。
 以上、十四点、お願いします。

○藤井委員長 ほかにございますか。--ただいま、かち委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。理事者におかれては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
 以上で環境局関係は終わります。

○藤井委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定しております案件について、理事者の説明を求めます。

○道家東京都技監 平成二十二年第一回定例会に提出を予定しております案件につきまして、ご説明を申し上げます。
 予定案件は予算案二件、条例案五件、契約案一件及び事件案三件でございます。
 お手元資料の1、平成二十二年度主要事業及び提出予定案件の概要をごらんいただきたいと思います。
 まず一ページをお開きください。平成二十二年度主要事業の概要についてご説明いたします。建設局では、災害に強く、快適で住みよい都市を目指し、道路、河川、公園など都市基盤の整備を推進しております。都市基盤の整備は日々の都市活動、都民生活を支え、未来につながる財産を築く重要な事業でございます。「十年後の東京」計画が示す目標の実現に向け、積極的に都市基盤の整備を進めるとともに、施設の良好な維持管理を通し、将来世代に社会資本を継承していくため、必要な予算の編成を行いました。
 その結果、平成二十二年度予算案では、一般会計、土木費が四千八百六十四億円で、対前年比〇・七%、三十三億円の増となっております。今後とも、国庫支出金など財源を積極的に確保しながら、職員が一丸となって早期の事業効果の発現を目指し、迅速かつ着実な事業執行に努め、都民の負託に積極的にこたえてまいります。
 それでは順次、事業別にご説明申し上げます。最初に、道路事業でございます。道路は都民生活を支える最も基礎的な都市基盤でありまして、円滑な都市活動を行うため、交通渋滞の解消に向け、道路ネットワークの早期形成に努めるとともに、常時良好な状態に維持することにより、安全で円滑な交通を確保してまいります。
 まず、首都圏三環状道路では、中央環状品川線につきまして、平成二十五年度の完成に向け、着実に整備を行うとともに、東京外かく環状道路につきましては、用地取得の一部を受託するなど、国の整備促進に必要な協力を行ってまいります。
 次に、区部環状方向の道路では環状第二号線など、多摩南北方向の道路では調布保谷線など、また放射方向の道路では放射第五号線などの整備を推進してまいります。鉄道の連続立体交差事業につきましては、七路線八カ所で事業を推進し、平成二十二年度は、JR中央線では西国分寺-立川駅間において高架化完了により五つの踏切を除却いたします。
 続いて、二ページをお開き願います。橋梁整備でございます。
 是政橋などの橋梁整備を進めるとともに、既存橋梁の耐震補強や予防保全型管理による長寿命化対策などを進めてまいります。
 道路補修につきましては、路面補修を実施するほか、路面温度の上昇抑制に効果のある遮熱性舗装の実施、道路アンダーパス部における冠水警報装置の設置などのほか、街路樹の充実などにより道路緑化の推進にも積極的に取り組んでまいります。
 交通安全施設では、区市町村への補助を含め、道路の無電柱化事業を積極的に進めるほか、歩道整備、交差点すいすいプランの推進、自転車走行空間の整備を図ります。
 また、多摩地域のまちづくりと密接に関連した都道の整備を市と協力して進めるため、新みちづくり・まちづくりパートナー事業を実施してまいります。
 次に、河川事業でございます。河川事業では、洪水や高潮による水害や土砂災害等の危険から都民の命と暮らしを守るとともに、潤いある水辺の創出など、良好な都市環境を形成してまいります。
 まず、都市型水害から都民生活を守るため、神田川などで一時間五〇ミリの降雨に対応する中小河川の改修を積極的に進めてまいります。また、古川や白子川では、地下調節池の整備を進めるほか、善福寺川においても、新たな調整池の整備に取り組んでまいります。
 さらに、近年、局地的集中豪雨が増加していることなどから、一時間七五ミリの降雨を視野に入れ、今後の河川整備のあり方についての検討を進めてまいります。
 東部低地帯を高潮や地震による水害から守るため、防潮堤や護岸の整備を進めるとともに、耐震性強化に取り組むほか、隅田川などでは、スーパー堤防やテラスの整備などを進めてまいります。
 土砂災害から都民の命を守るため、まず多摩地域を中心とした避難体制の確立のほか、砂防、地すべり対策などを推進いたします。
 次に、三ページをお開きください。次に、公園事業でございます。
 公園は都民に安らぎ、レクリエーションの場を提供し、都市に潤いや風格を与えるとともに、都市環境の改善や防災空間の確保などに重要な役割を果たしていくものでございます。まず、緑のネットワークの拠点となる都市公園の整備を図るため、舎人公園などで二十七・五ヘクタールの公園の造成を行います。また防災公園の整備といたしまして、ヘリコプターが緊急に離着陸できるように広場の改修などを行うとともに、東京臨海広域防災公園につきましては、国と連携して着実に整備を進め、平成二十二年度末に完成いたします。
 動物園につきましては、魅力向上を目指して、再生基本計画を策定するとともに、恩賜上野動物園においてホッキョクグマ、アシカ等の展示施設を整備するほか、飼育・繁殖センターの設計などを実施いたします。霊園につきましては、青山霊園や谷中霊園で再生事業を進めてまいります。
 次に、その他の事業といたしまして、道路や公園の整備事業などに対する市町村土木補助のほか、生活再建資金の貸し付けなどを行ってまいります。
 以上が、平成二十二年度主要事業でございます。
 続きまして、平成二十一年度補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 路面補修や道路緑化など、国の臨時交付金によるきめ細かなインフラ整備で二十三億円を計上し、また人件費や街路整備など、既定事業の予算執行状況の精査によりまして、百六十億円を減額することで、差し引き百三十七億円を減額補正いたします。
 続いて、四ページをお開きください。条例案の概要について、ご説明をいたします。
 (1)の東京都駐車場条例の一部を改正する条例でございますが、道路附属物駐車場に指定管理者制度及び利用料金制を導入するため関係規定を整備するものでございます。
 (2)の東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例でございますが、道路法第三十二条第一項第二号に掲げる物件の占用料区分を改めるほか、関係規定を整備するものでございます。
 (3)の東京都霊園条例の一部を改正する条例でございますが、使用料等の上限額を改定するとともに、谷中霊園の立体埋蔵施設使用料に係る規定を設けるため、関係規定を整備するものでございます。
 (4)の東京都葬儀所条例の一部を改正する条例でございますが、使用料及び利用料金の上限額を改定するため関係規定を整備するものでございます。
 そして(5)の東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例でございますが、占用料の額を改定するため関係規定を整備するものでございます。
 続きまして、契約案の概要についてご説明をいたします。
 契約案一件は環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一-環二築地)でございますが、中央区勝どき六丁目地内から、同区晴海五丁目地内において工事を施行するものでございます。
 五ページをお開きください。最後に、事件案の概要についてご説明をいたします。
 (1)の土地の買い入れについてでございますが、東京都市計画公園事業第五・七・二十一和田堀公園用地を買い入れるものでございます。
 (2)の平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について、及び(3)の平成二十一年度連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更についてでございますが、連続立体交差事業の実施に伴います費用につきまして、関係する特別区及び市の負担すべき限度額を地方財政法の規定に基づき、議会の議決を経た上で定めるものでございます。
 以上が、平成二十二年度当初予算案、平成二十一年度補正予算案、条例案、契約案及び事件案の概要でございます。詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井総務部長 引き続きまして、第一回定例会提出予定案件の内容につきましてご説明申し上げます。
 資料2をごらんいただきたいと存じます。最初に、平成二十二年度当初予算案につきまして、ご説明申し上げます。
 一ページをお開き願えますでしょうか。平成二十二年度建設局予算総括表でございます。
 1といたしまして、歳入歳出予算の総額を記載してございます。一段目の一般会計(土木費)の二十二年度予算額は四千八百六十三億八千万円で、前年度と比較いたしますと、一番右側になりますが、〇・七%の増となっております。下段、左側の表、2の繰越明許費につきましては、後ほどご説明申し上げます。また右側の、3、債務負担行為につきましては、注記書きにございますように、道路橋梁費には計画的、効果的な維持管理や補修工事を実施するとともに、端境期における工事量の確保と、発注の平準化を図るため、ゼロ都債四件、六十三億円を計上いたしております。
 二ページをお開き願えますでしょうか。一般会計(土木費)予算総括表でございます。
 上段の歳出予算、四千八百六十三億八千万円に対する特定財源は、下段の表、歳入の一段目にございますように、四千三百十六億七千四百万円で、前年度と比較いたしますと、特定財源は二一・八%の増となっております。増の主な理由は都債の増によるものでございます。
 三ページをお開き願います。このページからは歳出につきまして、主要事項ごとにご説明申し上げます。
 1の道路の整備でございますが、予算額は百六十六億九百万円でございます。
 右側の概要欄中ほど、事業内容をごらんください。都市の骨格を形成する幹線道路や地域幹線道路、山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備を進めるほか、3の東京外かく環状道路の整備推進では、国において新規事業化され地質調査等に着手いたしました外環道の整備につきまして、都が一部受託いたします用地取得にかかわる事務経費などを計上しております。また、6の新みちづくり・まちづくりパートナー事業では、多摩地域のまちづくりと密接に関連する都道の整備を地元市と協力して進めてまいります。
 四ページをお開き願います。2の街路の整備でございますが、予算額は二千二百一億四千万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。1の都市の骨格を形成する幹線道路の整備では放射五号線など四十五路線七十三カ所、2の都市高速道路の整備では中央環状品川線の整備を、3の地域幹線道路の整備では補助四号線など五十一路線五十六カ所を整備いたしてまいります。6の鉄道の連続立体交差事業の推進では、京浜急行本線・空港線など七路線八カ所で事業を推進いたします。
 五ページをお開き願います。3の橋梁の整備でございますが、予算額は百二十八億九百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。1の橋梁の整備として、十八橋の新設、かけかえを進めるほか、2の橋梁の長寿命化は、予防保全型管理を実施することにより良好な状態で橋梁の耐用年数を延ばすものでございます。また3の橋梁補修のうち、(1)の橋梁耐震補強では、緊急輸送路上にある橋梁の補強を計画的に実施してまいります。
 六ページをお開き願います。道路の保全でございますが、予算額は二百五十億九千百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。路面補修では遮熱性舗装など環境対策型舗装を含む路面補修を、環七通りなど三百五十五カ所で実施してまいります。また、3の道路施設整備では集中豪雨時の緊急安全対策として、道路のアンダーパス部におけます冠水警報装置の設置などを、4の道路緑化の推進では、街路樹百万本の達成に向け、既存道路における街路樹の本数の充実を、5のモルタル吹きつけ斜面の安全対策では、二十二年度より新たにモルタル吹きつけ斜面を対象に道路斜面の安全対策を実施してまいります。
 七ページをお開き願います。5の交通安全施設でございますが、予算額は二百七十五億六千百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。1の歩道整備では、歩道の整備や道路のバリアフリー化など、2の交差点改良では、交差点すいすいプランなどを実施いたします。3の無電柱化の推進では、既存都道の無電柱化はもとより、面的な無電柱化を図るため区市町村道における整備への補助などを実施してまいります。また、4の自転車走行空間の整備では、安全で快適な自転車利用環境を実現するため、既設の幅の広い歩道や車道を活用した整備など、多様な手法により事業を進めてまいります。
 八ページをお開き願います。6の河川の改修でございますが、予算額は二百六十億二千五百万円でございます。
 概要欄、事業内容をごらんください。1の護岸の整備では、神田川や石神井川など二十五河川で護岸整備を行いますとともに、2の調節池の整備では、古川地下調節池や白子川地下調節池の整備に加えまして、新たに善福寺川調節池の整備を開始するなど、都市型水害への対策を積極的に推進してまいります。
 九ページをお開き願います。7の高潮防御施設の整備でございますが、予算額は百五十九億七千万円でございます。
 概要欄、事業内容をごらんください。1の高潮防御施設整備では、新中川など八河川で防潮堤整備などを、3のスーパー堤防等の整備では、隅田川など十一地区で整備を行います。5の係留保管施設の整備では、不法係留船舶の適正化を行うため、保管施設の整備をいたしてまいります。
 一〇ページをお開き願えますでしょうか。8の砂防海岸の整備でございますが、主に多摩・島しょ地域の砂防、地すべり防止、海岸保全施設、急傾斜地崩壊防止対策を行うもので、予算額は四十九億七千二百万円でございます。
 一一ページをお開き願います。9の都市公園の整備でございますが、予算額は三百十億五千三百万円でございます。
 概要欄の事業内容をごらんください。1の都立公園の整備として、井の頭恩賜公園など二十六公園で用地取得や公園造成、上野恩賜公園など二十八公園で施設改修などの整備を行ってまいります。2の防災公園の整備として、大規模救出救助活動拠点において、ヘリコプターが緊急に離着陸できるように広場の改修などを行うほか、避難場所の整備などを進めてまいります。あわせまして、有明地区では東京臨海広域防災公園につきまして、国と連携して着実に整備を進めまして、二十二年度末に完成させてまいります。
 一二ページをお開き願います。動物園の整備でございますが、予算額は十四億六千八百万円でございます。
 概要欄、事業内容をごらんください。動物園の魅力向上のため、恩賜上野動物園や多摩動物公園で再生基本計画を策定いたしてまいります。また恩賜上野動物園ではホッキョクグマ、アシカ等の展示施設を整備するほか、老朽化、分散化した施設を集約する飼育・繁殖センターの設計などを実施してまいります。下段、11の霊園葬儀所の整備では、予算額十二億三千五百万円で、青山霊園や谷中霊園において、区部霊園の再生を行ってまいります。
 一三ページをお開き願います。上段の生活再建対策は、生活資金の貸し付けや代替地の購入に要する経費で、予算額は七億四千七百万円でございます。下段13、市町村土木補助は、市町村が施行いたします道路整備、公園整備などの土木事業に対して積極的に補助を行うものでございます。予算額は五十六億一千六百万円でございます。
 一四ページをお開き願えますでしょうか。14といたしまして、その他投資的経費をまとめて記載してございます。主なものは、道路、河川、公園の国直轄事業負担金で、予算額は三百五十七億三千八百万円でございます。
 一五ページをお開き願えますでしょうか。15の都市基盤施設の良好な維持管理でございますが、予算額は三百九十九億五千三百万円でございます。
 道路事業では美しい街路樹空間の形成を目指した維持管理など、河川事業では日常生活の安全を確保するための維持管理対策など、公園事業では、安全・安心で快適な空間を提供する維持管理など良好な状態に保つ維持、修繕、管理等に加えまして、景観、安全性の向上に重点を置いた維持管理等を実施をしてまいります。
 一六ページをお開き願えますでしょうか。職員の給料、諸手当などの経常経費を記載してございます。
 一七ページをお開き願えますでしょうか。事業用地先行取得でございます。
 財務局から執行委任を受けて、道路、河川、公園事業において、一万九千五百七十七平方メートルの用地を取得するものでございます。予算額は八十一億九千九百万円でございます。
 一八ページをお開き願えますでしょうか。繰越明許費でございます。
 事業の性質上、年度内に支出が完了しないと予想されるものにつきまして、翌年度に継続して実施するため、あらかじめ繰越明許費を計上いたしております。対象は土木管理費など二十事業で予算額は三百四十六億四千百万円でございます。
 続きまして、資料3をごらんいただけますでしょうか。債務負担行為についてご説明いたします。債務負担行為は工期が複数年にまたがりまして、分割契約が困難な工事などにつきまして、二十三年度以降の工事費等を、限度額を上限といたして債務を予定するものでございます。
 一ページをお開き願えますでしょうか。このページ、一ページから九ページには、事項ごとに期間、限度額、対象事業、理由を記載してございます。債務負担行為の合計は、九ページ、最下段に記載してございますが、四十九件で、限度額は六百九十二億八百万円でございます。なお、一〇ページから五四ページに図面がございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
 以上で平成二十二年度当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成二十一年度補正予算案につきまして、ご説明をさせていただきます。お手元のA4横の一枚物の資料をごらんいただきたいと思います。こちらで補正予算案の概要をご説明申し上げます。
 左上、補正予算編成の考え方をごらんください。今回、建設局は、国からの地域活性化・きめ細かな臨時交付金によるインフラ整備の実施、既定事業費の更正による一般財源の確保、ゼロ都債の活用による計画的、効果的な維持管理の実施を基本として、補正予算を編成しております。
 次に、2の補正予算の規模でございますが、歳出予算につきましては、臨時交付金事業で二十三億円の計上、既定事業で百六十億二千九百万円の減額、差し引きまして、百三十七億二千九百万円の減額補正を行います。また、債務負担行為は二十六億五千万円でございます。なお、債務負担行為は、今後、工事の発注を年度末にかけて行い、施工期間が二カ年度にわたるため、二十二年度工事額を限度といたしまして、債務を予定するものでございます。
 引き続き、右側、3の補正予算案の事業内容をご説明いたします。まず、臨時交付金事業でございますが、きめ細かなインフラ整備といたしまして、道路橋梁費につきまして、十七億七千万円、路面補修、道路緑化、歩道整備などを行ってまいります。公園霊園費につきましては、五億三千万円、園路など公園施設の改修などを実施してまいります。
 次に、既定事業でございますが、土木管理費につきまして、給料、諸手当で十一億二千九百万円の減額、道路橋梁費につきましては、街路整備などで百十億円の減額、河川海岸費につきましては、中小河川整備などで三十九億円の減額をいたします。
 最後に、債務負担行為でございますが、道路維持工事などで二十六億五千万円を計上いたしました。
 引き続きまして、A4横の冊子、資料4の平成二十一年度補正予算説明書をごらんください。
 一ページをお開き願います。二十一年度建設局予算総括表でございます。
 1の歳入歳出予算でございますが、表の一段目、一般会計(土木費)の欄をごらんください。先ほどご説明いたしましたが、百三十七億二千九百万円の減額で、既定予算と合わせた補正後の予算額は五千百七十四億六千六百万円となります。
 次に下段、左側の表、2の繰越明許費をごらんください。事業の性質上、年度内に支出が完了しないと予想されるものにつきまして、翌年度に継続して実施するため、あらかじめ繰越明許費を計上しております。補正予算では八事業、二百七十三億五千万円でございます。また右側の表、3、債務負担行為をごらんください。補正予算は三件、二十六億五千万円でございます。
 二ページをお開き願います。一般会計(土木費)予算総括表でございます。
 下段の表をごらんください。今回の歳出補正予算に対する特定財源でございますが、臨時交付金事業の財源として、国庫支出金二十三億円を計上しております。また歳出予算の補正に伴う減額及び減収補てん債の発行によりまして、都債を六百一億九千万円計上し、一般財源を七百六十二億一千九百万円、更正するものでございます。
 三ページをお開き願います。このページからは歳出予算の各事項につきまして記載してございます。三ページ上段、管理は土木管理費でございます。三ページ下段、2の駐車場管理から六ページの下段、8の橋梁整備までは道路橋梁費でございます。
 次に、七ページ上段、中小河川整備と、同じく七ページ下段、高潮防御施設は河川海岸費でございます。
 次の八ページ上段、11、公園整備から九ページ上段、13、霊園葬儀所整備までは公園霊園費でございます。
 一〇ページをお開き願います。繰越明許費の内訳でございます。
 土木管理費など八事業で国からの交付金の内示などに対応するため、補正予算額二百七十三億五千万円を計上いたしました。
 一一ページをお開き願います。債務負担行為でございますが、今回の補正で道路維持工事など三件で限度額は二十六億五千万円でございます。なお一二ページ以降に図面等を添付してございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で、二十一年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。
 次に、資料5をごらんいただきたいと存じます。条例案についてご説明をいたします。今回、提出を予定しております条例案五件の件名は目次に記載してありますとおりでございます。
 一ページをお開き願います。条例案五件の概要をまとめたものでございます。条例案につきましては、本概要に従いまして順次ご説明申し上げます。提出理由につきましては、先ほど都技監からご説明申し上げましたので、後ほど説明を申し上げます事件案も含めまして、省略させていただきます。
 まず最初に、整理番号1の東京都駐車場条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、板橋四ツ又駐車場に指定管理者制度及び利用料金制を導入するため、所要条文の規定を改正するものでございます。
 次に、整理番号2の東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、道路法施行令の一部改正に伴いまして、地下埋設管の管径区分が細分化されましたため、改正後の道路法施行令に合わせるなど、所要条文の規定を改正するものでございます。
 次に、整理番号3でございますが、東京都霊園条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、一点目は、施設の使用料につきまして上限額を改定するものでございます。
 二点目は、谷中霊園の立体埋蔵施設について使用料にかかわる規定を設けるものでございます。
 三点目は、施設の管理料につきまして上限額を改定するものでございます。
 次に、整理番号4ですが、東京都葬儀所条例の一部を改正する条例でございます。
 改正内容でございますが、一点目は、火葬料等の使用料について上限額を改定するもの、二点目は、式場利用料の利用料金について上限額を改定するものでございます。
 次に、整理番号5でございますが、東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例でございます。
 改正案の内容でございますが、工業用その他の流水占用料の額を改定するものでございます。
 なお、二ページ以降に、整理番号1から5の議案及び新旧対照表を添付してございます。後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、資料6をごらんいただきたいと存じます。契約案でございます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております契約案は、環二朝潮運河橋りょう(仮称)下部工事(二十一 一-環二築地)でございます。
 本工事は、中央区勝どき六丁目地内と同区晴海五丁目地内の間にあります朝潮運河にかかる橋梁の橋台及び橋脚を構築するものでございます。
 工事場所は中央区勝どき六丁目地内から同区晴海五丁目地内、契約の相手方はフジタ・成和建設共同企業体、契約金額は十一億五千八十万円、工期は平成二十四年三月十五日までとする工事請負契約を、一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 二ページをお開き願います。本件の施工場所の案内図でございます。案内図の中ほどより右側に網かけで表示してございます箇所が、今回の工事場所でございます。
 三ページをお開き願います。構造物の形状は、平面図、側面図、断面図のとおりでございます。
 次に、資料7をごらんいただきたいと存じます。事件案についてご説明申し上げます。
 表紙をおめくり願います。今回提出を予定しております事件案三件の件名は、目次に記載してございますとおりです。
 一ページ及び二ページをごらんいただきたいと存じます。事件案につきまして概要をまとめたもので、ご説明申し上げます。
 まず最初に、整理番号1の土地の買い入れについてでございます。今回買い入れる和田堀公園用地の土地の所在でございますが、東京都杉並区堀ノ内一丁目三百九十四番一の宅地五万百十三・九六平方メートルでございます。
 予定価格は、百一億二千八百三万千三百十六円でございます。
 次に、二ページ左側をごらんいただきたいと存じます。整理番号2、平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担についてでございます。
 (3)の関係特別区・市の負担限度額をごらんいただきたいと存じます。
 平成二十二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区市の負担につきまして、各路線と箇所別に、世田谷区など十四区市の負担限度額を地方財政法の規定に基づき定めるものでございます。
 同じく右側をごらんいただきたいと存じます。整理番号3の平成二十一年度連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更についてでございます。
 (3)の関係特別区・市の負担限度額をごらんいただきたいと存じます。
 平成二十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区市の負担につきまして、各路線と箇所別の事業の進捗に伴いまして、世田谷区など十四区市の負担限度額を地方財政法の規定に基づき改めるものでございます。三ページ以降に議案を添付してございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上で、平成二十二年第一回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言願います。

○かち委員 十二点ほどお願いします。
 まず、中小河川の整備状況の推移。
 二番目に、都市公園の維持管理費、整備費及び用地取得費の推移。
 三番目に、霊園、葬儀場及び火葬場の利用状況と利用料金の改定の推移。近県における霊園、葬儀場及び火葬場の利用料金の比較。
 五番目に、骨格幹線道路主要路線、地域幹線道路の整備費の推移。
 六番目に、首都高速道路関連街路整備の推移と今後の計画。
 七番目に、区部都市計画道路の整備方針第三次事業化計画による事業認可取得路線。
 八番目に、建設局の事業別予算決算額の推移。
 九番目に、直轄事業負担金の推移。
 十番目に、建設局関係工事の中小企業への発注実績。
 十一番目に、道路橋梁費における事業別財源内訳及び道路関係の目的別充当額。
 十二番目に、道路橋梁費における事業別内訳。
 以上、よろしくお願いします。

○藤井委員長 ただいま、かち委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○藤井委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二一第六三号を議題といたします。
 まず、理事者の説明を求めます。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 お手元にお配りしてございます、資料8の陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきまして、まず、右上の整理番号1の陳情二一第六三号をお開き願います。
 本件は、都市計画道路補助第一二八号線街路拡張工事に反対することに関する陳情で、世田谷区の世田谷区宮坂一丁目補助第一二八号線街路拡張反対の会代表野美山薫さん外三十三人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都市計画道路補助第一二八号線街路拡張工事において、現在保留になっている世田谷区宮坂一丁目の約二百メートル区間について現状を維持していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、補助第一二八号線は、環状第七号線と環状第八号線の間に位置し、世田谷区新町二丁目を起点とし、杉並区阿佐谷北五丁目を終点とする延長約九キロメートルの都市計画道路でございます。
 本路線は、交通の円滑化に寄与するとともに、延焼遮断帯や避難路としての役割を持つなど、防災性の向上を図る上からも極めて重要な道路でございます。
 都は、区部における都市計画道路を計画的、効率的に整備するため、昭和五十六年、平成三年の二度にわたり、優先的に整備すべき路線を定めた事業化計画を策定し、世田谷区弦巻五丁目から宮坂一丁目までの八百九十五メートルの区間について、平成三年六月、事業に着手いたしました。
 なお、地元区からも早期整備の要望を受けてございます。
 現在、約八七%の用地を取得しており、世田谷区立桜木中学校の耐震化に伴う建てかえ工事とあわせて、地下部のトンネル工事を行ってございます。また、陳情区間約二百メートルについても既に約四一%の用地を取得しており、早期に収用の手続保留を解除し、事業を進めてまいります。
 引き続き、地元の理解と協力を得て交通の円滑化や防災性の向上に寄与する本路線の整備を推進してまいります。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○いのつめ委員 陳情二一第六三号、都市計画道路補助第一二八号線街路拡張工事に反対することに関する陳情について、ただいま説明がありましたが、本路線は交通の円滑化や防災上の観点から重要な道路であるとのことですが、何点かについて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、補助第一二八号線については、先日私も現地を拝見させていただきました。桜木中学校の、トンネルの、地下の工事もかなり進んでおりまして、あそこの地点までは着々と工事が進んでいるなという気がいたしましたが、現地はかなり用地の買収が進んでいるなという感じもいたしました。
 そこで、今説明がありましたが、もう少し新しい現在の状態での用地の取得状況についてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本路線は、交通の円滑化に寄与するとともに、延焼遮断帯や避難経路としての役割を持つなど、防災性の向上を図る上からも極めて重要な道路でございます。
 現在、世田谷区弦巻五丁目から宮坂一丁目までの延長八百九十五メートルの区間で事業を実施してございます。
 今回の陳情区間を除く延長約六百九十五メートルにつきましては、平成二十一年十二月末現在で既に約九六%の用地を取得してございます。陳情区間の約二百メートルにつきましても、約四一%の用地を取得してございます。

○いのつめ委員 やはり中学校のところまでのスピードが、もうかなりできていて、もう土地も買わせていただいているという状況ですね。
 今、陳情が出されているこの区間、これはトンネルから先の住宅地の区間でございますけれども、ここは閑静な、とても静かな住宅地で、車も現在はほとんど通っていないと。両側に歩道があって、ガードレールなどはありませんし、歩道と道路との段差もないんですね。
 フラットな道路で、白い線があるだけですけれども、中学生の方がそこを歩いていらっしゃるという感じで、余り人通りも少ないし、交通量も少ないというような状況だと私は見させていただきましたけれども、この陳情区間が、もし現況のまま、この陳情者の皆さんたちのご意向はこのまんま整備しないでほしいということですけれども、もしこの陳情区間を整備しなかった場合、どのような影響が考えられますか、お尋ねします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都市計画道路でございますけれども、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために定められたものでございます。
 秩序ある道路ネットワークを計画的、効率的に整備するため、都市機能の確保、都市防災の強化、地域環境の保全、都市空間の確保の四つの基本目標に照らし、平成三年に優先的に整備すべき路線を定めた事業化計画を策定してございます。本路線もこの事業化計画に位置づけ、平成三年六月に事業着手したものでございます。
 陳情区間におきまして、現在の道路は、幅員約五メートルから十一メートルとなってございます。このため、未整備のままでは、十分な車線幅員が確保できないことや、右折レーンや停車帯などを設けられないことから、交通のボトルネックとなり、渋滞発生のおそれがございます。
 また、本区間は通学路指定されておりますが、現状では十分な歩道幅員が確保されてございません。
 さらに、災害時には避難や救急活動に支障が生じるおそれもございます。
 本区間の整備を行うことにより、道路幅員は二十メートルとなり、また、両側に四・五メートルの歩道が設置されることから、交通の円滑化や歩行者の安全確保、防災性の向上が図られます。
 こうしたことから、陳情区間を含めた事業中区間の早期整備が必要であると考えてございます。

○いのつめ委員 あそこの中学校の下を、こう、道路がずうっと抜けてきて、住宅地の方に出てくるわけですけど、そういうところが完成しないと、イメージというのが、お住まいの方ってわからないと思うんですよ。どれくらい交通量がふえるかという想像も、なかなか難しいと思うんですよね。だから、今の状況のままがいいんだとおっしゃる気持ちがよくわかって、しかしながら、あそこ、出てきたときの五メートルは、あれはどうにかしなきゃいけないから、そこの部分はまずは広げる必要はあるだろうと思います。
 しかしながら、その先はずっと十一メートルの真っすぐな道ができてるわけですから、それはそのまんまにしておきたいんだという、きっとご意向だと思うんですが、この地域の皆さんに、もう少し道路が、あちら側から道路ができて、トンネルを抜けて道路が走ってきたときにどういう感じになるかという、説明というか、イメージづくりをもう少し東京都が一生懸命してあげないと、なかなか納得していただけないんじゃないかと思います。余計、不安が出るということもありますので、事業については、道路のイメージが地域の人たちにわかるように工夫をして、きちんと説明をするべきだと思いますが、東京都の見解をお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 これまで、事業説明会、用地測量説明会など、節目節目で、事業について地元の方々に説明してまいりました。
 平成二十年五月に行った工事説明会におきましても、道路の完成イメージをスライドで示すなど、地元の方々がわかりやすいような説明に努めております。
 現在、本事業区間におきまして、全体で約八八%の用地を取得しており、周辺住民の理解はおおむね得られていると考えてございます。
 今後、現地に道路の完成イメージ看板を設置するなど、さらにわかりやすい説明に努め、地元の理解と協力を得ながら事業を進めてまいります。

○いのつめ委員 やはり都は、一生懸命説明をしているということも、説明会はしているということも、私もわかります。だけど、やっぱり受け手の方が十分じゃないと思っていたら、それはやはりもう少し考えることも必要だと思います。
 例えば道路にイメージ図を張り出すとか、それについて周辺の方にも納得をしていただくとか、理解をしていただくと。そして協力をしていただいて、気持ちよく新しい道路が安全に通行するために、そういった、もう少しきめ細やかな努力が必要なのかなと、こういう陳情をいただくたびに、その陳情者の気持ちもよくわかりますし、やっぱり地元の方々の理解と協力が不可欠だと思います。
 今後とも十分な説明を行っていただくことを要望して、質疑を終わります。

○かち委員 私からは、意見を述べさせていただきます。
 陳情二一第六三号、都市計画道路補助第一二八号線街路拡張工事に反対することに関する陳情についてです。本線は、世田谷区新町二丁目から杉並区阿佐谷五丁目までの延長九キロメートルの都市計画道路で、幅員は約二十メートル、環八と環七の間を南北に通る幹線道路です。
 本陳情は、事業区間が八百九十五メートルのうち、現在手続保留区間となっている二百メートルについて、現道も幅員十一メートルあるため、保留を解除せず、拡張工事をしないことを求めるものです。
 この道路は区立桜木中学校の敷地の真ん中を通り、その前後で十メートルもの落差があるために、学校敷地の下をトンネル型で通すものです。トンネルの入り口は幅員二十八メートル、出口は二十メートルで、学校の直近にこのような幹線道路を通すことになるのです。
 一般的な道路と違い、車がトンネルを通って上り下りするわけです。そのため、騒音や排ガスが噴出する場所に変わります。子どもたちの教育、健康、環境からも、好ましい行動とはいえません。陳情されている地域には、烏山緑道が整備され、地域住民の散歩道として閑静な環境を保持しています。これまで現道も確保されていることから、収用手続保留区間であったわけですから、解除する必要性はないと考えます。
 よって、本陳情は趣旨採択を求めます。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第六三号は不採択と決定いたしました。

○藤井委員長 次に、陳情二一第六四号及び陳情二一第一四八号は、関連がありますので、一括して議題といたします。
 まず、理事者の説明を求めます。

○谷村参事 整理番号2の陳情二一第六四号と整理番号16の陳情二一第一四八号は、いずれも放射第五号線に関する陳情でございますので、一括してご説明申し上げます。
 まず、整理番号2の陳情二一第六四号をお開き願います。
 本件は、都が検討中の放射第五号線の道路構造による隣接地区への負担の軽減に関する陳情で、杉並区の高井戸・北烏山地区公害対策協議会代表井上アイさんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都市計画道路放射第五号線に隣接する富士見丘地区は、現在でも中央自動車道と既設の放射第五号線による被害に苦しんでいるため、都は、計画中の放射第五号線の道路構造の検討に際し、問題点をよく精査するとともに、隣接地区の事情を踏まえ、同地区へより一層の負担がかからないようにしていただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、放射第五号線は、千代田区半蔵門を起点とし、三鷹市内の東八道路に接続する延長約十五・一キロメートルの路線であり、甲州街道や地域の区境通りなどの渋滞解消に寄与する重要な骨格幹線道路であります。
 現在事業中である延長約一・三キロメートルの久我山区間が唯一の未整備区間となっており、平成十七年から事業に着手し、既に約八五%の用地を取得しております。久我山区間と接続する浅間橋から環状第八号線までの暫定交通開放区間は、中央自動車道建設時の昭和四十八年に、高井戸・北烏山地区公害対策協議会と協定を結び、中央自動車道の高架下を暫定的に二車線で供用しております。
 なお、平成二十年度に杉並区が実施した環境調査の結果では、富士見丘小学校付近における大気質は環境基準を満足し、騒音は要請限度を下回っております。
 久我山区間の道路構造については、沿道環境へ配慮するため、総合環境アセスメント制度の試行手続を経て、平成十六年五月に、地表式で幅員を五十メートルから六十メートルに拡幅する都市計画変更を行いました。
 平成十六年に設置した放射第五号線事業推進のための検討協議会においては、地表式で決定された都市計画の範囲の中で一部トンネルとする案を検討協議会の報告とする意見と、平面案と一部トンネル案の両案を併記する意見がございました。
 検討協議会の報告では、一部トンネル案を基本的な構造としつつ、この案の採用に当たっては、構造物を構築することにより史跡などへの影響が懸念されるため、影響を最小限にするよう努めること、掘り割り部やトンネル部の土地の有効利用に影響を及ぼすため、沿道関係者の理解と協力を得ること、トンネル坑口部の周辺では排気ガスが増加するため、沿道関係者の理解と協力を得ることなどの留意事項に配慮して事業を実施することが提言されました。
 このため、都は、道路構造の決定に当たって、玉川上水への影響、土地の有効利用への影響、願意にあります暫定交通開放区間を含めた沿道環境への影響等の検討を行っております。今後、沿道関係者に対して、車の出入りなど沿道利用の意向を確認してまいります。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら本路線の整備を進めてまいります。
 続きまして、整理番号16の陳情二一第一四八号をお開き願います。
 本件は、放射第五号線計画について、当分の間その実施を休止し、詳細検討を求めることに関する陳情で、杉並区の玉川上水・すぎなみの会事務代行大橋佑一さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、放射五号線計画について、環境、交通予測など諸事情が極めて変動的な今日、この道路計画は、実現に向かって一歩進むのではなく、当分の間これを休止し、情勢を慎重に検討すること。また、休止している間、買収済みの用地を暫定的にも緑地公園として、NHKグラウンド跡地など、周辺緑地とあわせ、広く都民の憩いの場として利用すること。こうしたことを実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、先ほど申し上げましたとおり、放射第五号線は、甲州街道や地域の区境通りなど、渋滞解消に寄与する重要な骨格幹線道路であり、現在事業中の久我山区間が唯一の未整備区間となっており、平成十七年から事業に着手してまいりました。本区間は、都と地元区を含む特別区と共同で、平成十六年に、区部における都市計画道路の整備方針策定に当たり、都民からの意見も踏まえ、必要性の検証を行った上で、第三次事業化計画で優先的に整備すべき路線に位置づけております。
 久我山区間の道路構造につきましては、総合環境アセスメント制度の試行手続を経まして、平成十六年五月に、地表式で幅員を五十メートルから六十メートルに拡幅する都市計画変更を行いました。
 また、都市計画変更手続にあわせて、東京都環境影響評価条例に基づく事業段階の環境アセスメント手続を適切に実施しております。
 本区間の整備に当たっては、玉川上水の両側に遊歩道と新たな緑地を設け、二十五メートルの緑地帯とするとともに、外側に十メートルずつの環境施設帯を設置し、総幅員六十メートルのうち、四分の三を緑地及び歩行者のための空間とする計画としております。
 玉川上水の史跡に指定された区域の樹木は基本的にそのまま残し、環境施設帯や新たな緑地の予定地に生育している既存樹木については、できる限り保全するとともに、車道予定地に生育する樹木についても、移植等により可能な限り活用してまいります。これまでに約八五%の用地を取得しており、取得予定の公共用地を含めると約九七%となります。
 現在、緑地のイメージや緑のボリュームを体験してもらうため、環境施設帯及び緑地帯等のモデル整備を兵庫橋付近において実施しており、既に南側約八十メートルは完成し、北側約五十メートルと緑地帯モデル約百六十メートルについては今年度末の完成を目指して工事を進めております。
 今後、モデル完成後に、環境施設帯の形態について沿道関係者の意見を聞くなど、整備に向けた十分な検討を進めてまいります。
 引き続きまして、地元の理解と協力を得ながら本路線の整備を進めてまいります。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○中村(ひ)委員 放射第五号線については、さきの定例会でも全面地下トンネル化を求めた請願二一第三一号が提出されて、継続審議となっています。今回は、陳情二一第一四八号として、当分の休止を求められ、また、陳情二一第六四号では、隣接地域から迷惑がかからないように求められています。
 前回の請願審査でも述べましたが、道路の問題は、さまざまな立場、地域で違った見解があります。そういったことも踏まえながら、以下、質問を行いたいと思います。
 まず、最初の質問として、放射第五号線の計画についての必要性をどのように都が認識をしているのかを改めて伺います。
 現状の道路状況では、三鷹方面から首都高に乗るためには区境通りを通ることになり、渋滞が発生し、頻発しているというのも事実ではあるとは思います。周辺道路の状況等を含めて、まずは伺いたいと思います。

○谷村参事 まず、放射五号線の必要性についてございますが、放射第五号線は、千代田区半蔵門を起点とし、三鷹市内の東八道路に接続する、延長約十五・一キロメートルの骨格幹線道路であり、現在事業中の一・三キロメートルの区間が唯一の未整備区間となっております。
 本区間の整備によりまして、甲州街道や区境通りなどの渋滞緩和や、生活道路への通過交通の流入減少による歩行者の安全性の向上と居住環境の改善、消防車や救急車など、緊急車両の円滑な通行と災害時の避難路の確保が図られることから、早期に整備を進める必要がございます。
 次に、久我山区間の周辺道路の状況でございますが、放射第五号線と並行する甲州街道では、一日当たりの交通量が約五万台でありまして、朝の通勤時間帯には、環状第八号線との交差点で、最大約一キロメートル以上の渋滞が発生しております。
 また、久我山区間に近接する区境通りには、幅員が八メートル程度であるにもかかわらず、一日当たりの交通量が約一万九千台であり、朝夕には渋滞が発生している状況でございます。

○中村(ひ)委員 道路の問題については、なかなか本当に、住んでいる地域でも違うということもありますし、現道の、狭い道の沿道の方にとっては、本当に渋滞等で苦慮されているということもありますので、さまざまな立場からの必要性を検討しなければいけないと思います。
 ただ、一方では、地球温暖化の対策や自然環境保護の観点から道路の建設を抑制的に考える方がいるのも当然理解できますし、また、玉川上水という重要な史跡の保護を求める声があるのも当然だと思います。
 平成十六年に計画が変更になって、五十メートルから六十メートルに広がり、総事業費も三百五十億円から四百五十億円にふえたとのことですが、それによって周辺環境、玉川上水を含めて改善された効果はどのようになるのでしょうか。
 陳情第一四八号の陳情の方は、この道路計画が実施されると、岩通ガーデンやNさんの森のほとんどが伐採されることになり、再生は不可能であると主張をしていますが、あわせて都の見解を伺いたいと思います。

○谷村参事 久我山区間の道路構造につきましては、玉川上水と沿道環境へ配慮するため、総合環境アセスメント制度の試行手続を経まして、幅員を五十メートルから六十メートルに拡幅する都市計画変更を行いました。
 幅員を六十メートルに広げたことにより、玉川上水の両側に遊歩道と新たな緑地を設けることで、緑地帯の幅が十八メートルから二十五メートルに広がり、玉川上水の緑地空間がより豊かになるとともに、両側の八・五メートルの歩道がそれぞれ一・五メートルずつ広がり、十メートルの環境施設帯を整備することができるため、沿道環境の保全が図られることになります。
 また、樹木の保存についてでございますが、玉川上水の史跡に指定された約十メートルの区間の樹木は基本的にそのまま残し、環境施設帯や新たな緑地の予定地に生育している既存樹木につきましては、できる限り保全してまいります。
 また、車道予定地に生育する樹木につきましても、移植の可否について樹木診断を実施し、できるだけ活用してまいります。
 なお、現在実施しておりますモデル整備につきましても、既存樹木を保全するため、車道予定地にあった、幹回りが約一・七メートル並びに二・五メートルのケヤキ二本を、緑地帯となる箇所に移植しております。

○中村(ひ)委員 放射第五号線の久我山区間には、協議会が示す一部トンネル案や平面案のほかに、継続中の陳情の方が主張されている全トンネル案など複数あります。
 今回、陳情第六四号の暫定供用区間への影響は、それぞれについてどうなるのか伺いたいと思います。
 いずれの案にせよ、陳情の趣旨に沿うよう暫定供用区間への不安がかからないような対策は行わなければなりませんが、現在行っている検討内容と道路構造の決定に向けた考え方を伺いたいと思います。
 また、住民からの意見集約の方法についても伺います。

○谷村参事 協議会報告による一部トンネル案の留意事項につきましては、構造物の構築による史跡への影響、それから、掘り割り部やトンネル部における土地の有効利用への影響、坑口部における排気ガスの増加、隣接する暫定交通開放区間に車が集中することの危惧などが挙げられております。全線地下トンネルとなりますと、坑口部における排気ガスの増加等の影響がさらに大きくなるものと考えられます。
 現在行っております検討内容でございますが、史跡への影響に関しましては、地下トンネルなどの構造物は、土どめなどを打設して掘削する開削工法により構築するため、施工に伴いまして、玉川上水ののり面に対する影響が発生するおそれがあることから、のり面対策工法を含め、史跡への影響対策について検討を行っております。
 また、トンネル坑口部における排気ガスの影響に関しましては、道路構造の違いによる周辺地域への影響についての検討を行っております。
 さらに、沿道からのアクセスなど、土地の有効利用に及ぼす影響につきましては、副道の設置や既存道路との接続について検討しております。
 道路構造の決定に当たりましては、既存交通開放区間にも十分配慮いたしまして、留意事項に対する検討結果や沿道関係者の意向を踏まえ、意見集約に努めてまいります。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら本路線の整備を進めてまいります。

○中村(ひ)委員 道路については、計画や建設を含めて、さまざまな賛成や反対の方の意見があるのが常でありますから、今後は、各段階においてさまざまな意見を聞くことが求められます。
 今後の道路事業においては、常に自然環境の保全とのバランスを考えなければならないと思いますが、見解をお伺いします。

○谷村参事 道路整備に当たりましては、事業説明会や工事説明会など、節目節目で説明会を開催し、事業の目的や内容などについて説明を行い、地元の理解と協力を得ながら事業を進めてまいりました。
 放射第五号線の整備に当たりましては、玉川上水の保全や沿道環境へ配慮するため、幅員を五十メートルから六十メートルに拡幅する都市計画変更を行い、あわせて、新たな緑地や環境施設帯を設置するなど環境に配慮した道路整備を進めてきております。
 引き続き、周辺環境に配慮しながら、本路線を初め東京の道路整備を着実に進めてまいります。

○中村(ひ)委員 前の議会から含めると、これで三件の請願と陳情が出されています。それぞれの方の出発点というのは、恐らく放射五号線に対して消極的なご意見であったのではないかと推測はされますが、白紙からの検討ということではなく、現時点で、土地の買収が進んだ時点での判断ということで、それぞれの方がそれぞれの思いで、異なる文面として出されてきましたので、文面の方で判断をせざるを得ないということになってくるかと思います。
 ただ、最後に申し上げたいのは、放射五号線については、今後、道路構造を決めるに当たって、当該地域の方の意見だけではなく、隣接地域の方を含めて多くの方の意見を丁寧に聞いていただきたいとは思います。
 また、広域交通の観点から事業が進んでいるんですが、仮にそれに呼応するように沿道に大規模商業施設などの開発などがされると、自然環境が壊れてしまいます。また、一方、沿道には、NHKのグラウンドを含む地域の大きな都市公園が、計画上は線が引かれてはいますが、優先整備の計画にはなっていませんが、自然環境という点では、こうした長期的な課題にも、東京都としては考える必要があると思います。他局とも協力して、沿道地域の住環境や自然環境が守られるように、また、特に玉川上水が保全されるように取り組んでいただくということの中で、まちづくりということと、自然環境を守っていくという大変難しい課題、両方一緒に背負うことになるわけですけれども、今後ともそういった声にも配慮しながら検討を進めていただきたいと思います。
 以上です。

○かち委員 私からも、陳情二一第六四号と、二一第一四八号の関係で質問をさせていただきます。
 この放射五号線の問題については、十一月の委員会での陳情に対しても質疑をさせていただき、私自身も当地に伺って、本当に地域は自然が豊かで、手掘りの用水路の周りに本当に自然の緑が豊かに茂っていて、それで本当に閑静な地域だということを実感してきたわけです。
 先ほどからご説明がありましたとおり、この放射五号線は半蔵門から東八道路につながる骨格幹線道路で大変重要だということで、十五キロ。ところが、ここの久我山地域の一・三キロについてのみ残っている状況だという説明がありました。
 なぜこの一・三キロが残っているかといえば、それだけ住民の皆さんの強い抵抗があったということもありますし、やっぱり東京都が指定している史跡、環境保全地域として指定されている、本当に守らなければならないこの玉川上水の両側に、四車線の道路を、車を走らせる道路をつくるということが、そもそも非常に問題が多いということを示しているのではないかというふうに思います。
 (資料を示す)それで、こういうの、みんな見ていると思うんですけれども、この玉川上水の史跡を残さなければいけない区域というの、この両側の十メートルのところなんですけれども、でも、ここを本当に今のような環境で残すためには、たとえその外側に新たな緑地をつくったとしても、道路で車がぼんぼん走るということは、そこの全体の大気が汚染されていくわけですから、ここに生息する希少な植物、動物が消えていくということは目に見えていると思うんです。地域の皆さんは、非常にここ、緑を守っていらっしゃって、いろんな珍しい、ここにしかないというような生息物をこうやって観察をして、守っているわけですよね。こういうものがたくさんある地域なんですね。こういう環境だからこそ育っている、こうした希少な生物が消えていくということは、大変忍びないことなんです。
 改めてお聞きしますけれども、放射五号線が、当該地域に道路完成後に走行する自動車走行予測というのは何台なんですか。

○谷村参事 道路完成後の予測交通量は、一日当たり約三万九千台から四万四千台となっております。

○かち委員 それまでは、川に沿っては車は全然走っていないわけですよね。横断する橋は幾つかありますけれども、そういうところに一日四万台もの車が走るということがどれだけ環境に負荷を与えるかということは、もう想像にかたくないわけです。
 この計画道路の途中、先ほど質疑がありましたけれども、隣接する地域に緑豊かな樹木の林、岩通ガーデンなどがありまして、それらの多くが削られることになるわけですね。その緑を何とか残してほしいというようなこともありまして、地域の検討協議会の中間答申の中で、一部トンネル案、あるいは平面案などということが留意事項として出されてきているわけですけれども、いろいろ検証はしているというご説明がありました。地下水脈に傷をつけないようにどうするのか、また、排ガス対策はどうするのかなどなど、検証中だということですけれども、この解決はなかなか難しいことだというふうに思うんです。
 今後、この解決の見通しというのは、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。

○谷村参事 現在、この留意事項につきましての検討状況でございますけれども、先ほどご説明いたしましたように、史跡への影響に関しましては、掘り割りや地下トンネルなどの構造物は土どめを打設して掘削する開削工法により構築するために、施工に伴い玉川上水ののり面に対する影響が発生するおそれがあることから、のり面対策工法を含め、史跡への影響対策について検討を行っております。
 また、トンネル坑口部における排気ガスの影響に関しましては、道路構造の違いによる周辺地域への影響について検討を行っております。
 さらに、沿道からのアクセスなど土地有効利用に及ぼす影響につきましては、副道の設置や既存道路との接続について検討を行っているところです。
 今後につきましては、留意事項に対する検討結果や沿道関係者の意向を踏まえまして、整備を進めていきたいと考えております。

○かち委員 見通しはなかなか難しいというふうに思います。
 地下にすれば上の緑は残すことができるかもしれないけれども、やっぱり壁面に傷をつける、水脈に傷をつけるという問題がありますよね。それと、地下になった場合に、生活道路とのアクセスというのは難しい。それのために副道をつけるとかとなると、また幅広く道路用地を確保しなければいけないとか、さまざまな問題を抱えている地域だと思うんですね。
 そういう意味で、この道路を、ここ、この放射五号線をこの地域につくるということは、非常に問題があるというふうに思います。
 ところで、放射五号線の久我山区間と、中央自動車道の環状八号線までの間は、暫定交通開放区間というふうにいわれていまして、現在、中央自動車道の真下で、中央自動車道は高架ですから、その下の外側を二車線が走っているという状況なんですけれども、昭和四十八年に結んだ高井戸・北烏山地区公害対策協議会との協定とは、どのような内容でしょうか。

○谷村参事 中央自動車道建設時、昭和四十八年十二月に、高井戸地区公害対策協議会、日本道路公団、現在の中日本高速道路株式会社及び東京都の三者で協定を締結しております。
 協定の主な内容は、中央自動車道の遮音壁設置や、排気ガスの実測調査等の環境対策に関すること、それから、関係地先住民との調整期間中は高井戸ランプ工事は行わないこと、放射五号線について継続して協議することなどでございます。

○かち委員 昭和四十年代に、この中央自動車高速道路を建設するに当たっては、この地域では大変な大きな反対運動が起こったというふうに聞いております。そして、結果的に、当時の首都高と住民、東京都の三者で協定を結んで、高井戸ランプからの中央道に上ることはできないというのかな、そういう状況をストップさせているという状況があります。
 今見れば、高速道路の下は空洞があるけれども、そこは車は通させないというか、通ることは協定上できないという状況になっているわけです。現在、計画道路の手前に中央自動車道が四線走っているんですけれども、ここから環八までの間は、延長線、放射五号線の延長としてその下を四車線、交通の確保をしているものの、協定が継続している以上、高架下の四車線は使えない、そういう状況だというふうに思うんですね。この協定は、今なお生きているわけですよね。
 そうすると、こちら側が完成したとしても、そこは通れないから、またそこに渋滞が発生するということになるんじゃないでしょうか。この協定との関係では、どのように考えているんでしょうか。

○谷村参事 暫定交通開放区間は、久我山区間の整備に合わせて中央自動車道の高架下空間に四車線を整備することを基本として、その両側に沿道とのアクセス道路を設置する計画としております。
 整備に当たりましては、遮音壁の新設やかさ上げ、低騒音舗装の実施など、沿道環境に配慮してまいります。
 この計画内容につきましては、現在協定を締結しております高井戸・北烏山地区公害対策協議会と継続的に意見交換を行っているところでございます。
 今後、沿道関係者の意見を伺いながら、計画内容の検討を進めてまいりたいと考えております。

○かち委員 確認をいたしますけれども、今のご説明だと、久我山の放射五号線が完成したときには、ここ、四車線を、下を通るんだよということが協定で確認されているんですか。この下ですね。

○谷村参事 これにつきましては、高架下の空間に四車線を通すということにつきまして、平成十五年に、私どもの方で計画内容をご説明、ご提案しているところでございます。現在、これについて意見交換を行っている段階でございます。

○かち委員 東京都としては通したいからこういう提案でいきたいということは提示していると思うんですけれども、やっぱりそこは協定で、条件が整わなければ通さないということが今の現状だというふうに思うんですね。
 本当にこの地域に、先ほどもお話がありましたけれども、大変車が集中してくるということでは、この大気環境がよくなるという状況は到底思えないわけですよね。だから、そういう意味で、この道路をつくってもつながらない環境にあるということだと思います。
 現在、計画道路の--そういうことですね。
 玉川上水流域は、平成十一年に歴史環境保全地域に指定されており、保全の努力をしなければならない地域となっているわけですけれども、あえてそこにこのような幹線道路をつくり、四万台の車を走らせること自身、都の環境政策に逆行するものではないかと思いますけれども、見解はいかがでしょうか。

○谷村参事 東京の道路整備は、渋滞解消、環境改善、防災性の向上にとって必要不可欠であることから、幹線道路ネットワークの早期完成に向けて整備を進めております。道路整備により交通渋滞が緩和され、自動車の走行速度が向上することにより、排出ガスが低減し、環境改善を図ることができます。
 久我山区間の道路構造につきましては、玉川上水と沿道環境へ配慮するため、総合環境アセスメント制度の試行手続を経て、幅員を五十メートルから六十メートルに拡幅する都市計画変更を行ったものでございます。
 整備に当たりましては、玉川上水の史跡に指定された区域については基本的に保全し、その両側に遊歩道と新たな緑地を設けて二十五メートルの緑地帯とするとともに、外側に十メートルずつの環境施設帯を設置するなど、総幅員六十メートルのうち四分の三を緑地及び歩行者のための空間とすることで、玉川上水の保全や沿道環境に配慮した計画としております。

○かち委員 こういう重要なところに道路を走らせるということになるから、それだけの環境施設帯幅六十メートルの用地を確保しなければいけないという問題になって、本当に環境を守るということとも私は逆行するのではないかと思います。
 玉川上水の環境を守るために環境施設帯をつくるということで、今、モデル事業をやっているということでしたけれども、このモデル事業については、先ほど三カ所において行っていて今年度中に完成だというふうな説明がありましたけれども、これは当初から三カ所で行うということが住民に明らかにされていたんでしょうか。
 何か私は、最近、何だかどんどん、あちこちにふえているよというような話も聞いているんですけれども、住民にこのモデル事業が周知がされていないんじゃないかと思うのと、このモデル事業をするために、先ほどご説明の中では、南側の環境施設帯をつくるのに樹木を移設しまして、二本移設、そのために六百万円ぐらいかかったというふうにも聞いておりますけれども、こういうモデル地域を、八十メートルとか、百六十メートルとかつくった暁に、それを、これはモデルだからということで、またもとに戻すわけにはいかないわけですね、移設した樹木を戻すわけにはいかないわけですよね。
 そうすると、結局、つくったんだから、これは利用しましょうということになる。そうすれば、もうなし崩し的にこういうことはどんどん進んでいってしまうんじゃないかと、大変不安を感じているわけですけれども、このモデル事業に対して住民に周知が徹底されているのか。
 そして、前回の委員会で、私は、これはあくまでもモデルだから、これを既定のものにはしないというふうに確認したんですけれども、そのことの関係はどうでしょうか。

○谷村参事 これは前にもお話ししましたとおり、あくまでモデルでございまして、皆様に整備モデルを実感していただくためにつくっているものでございます。
 これが整備できました暁には、周辺の方々に見ていただきまして、環境施設帯のあり方等について周知を図り、皆さんで検討していただくというふうに考え、使っていきたいというふうに考えております。

○かち委員 できてから皆さんに見ていただくという意味じゃなくて、モデル事業としてこういうことをやりますよということを了解を得てやるのが本来だというふうに思うんですよね。何か知らないうちにどんどんできちゃって、そして、しかもそこにアスファルトを張ったり、樹木を移設したりしたものを、これは本事業ではないんだということで、モデル期間が終わったからといって、もとに戻すことができますか。そういうお金をまた使うということも、大変私はむだなことだというふうに思うんですよ。そういうことからしても、ここにつくるということは、大変無理なことだなということを改めて感じます。
 四十年以上前に立てられた道路計画は、人口構成の将来推計や経済動向、周辺の道路事情などからも、その需要や必要性は変化してきており、まして、放射五号線の久我山地域のような数々の難題を抱えている地域の道路計画については、一たん休止をして検討し直すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○谷村参事 先ほどの住民の方への周知ということにつきましてですけれども、これは、「放5ニュース」というものを第三建設事務所の方で出しておりまして、皆様に広くお知らせしているところでございます。
 それから、ただいまのご質問ですけれども、放射第五号線は、区部と多摩地域を結ぶ重要な骨格幹線道路でございます。久我山区間に接続する東八道路の一部でございます三鷹三・二・二号線が平成二十三年度に完成する予定でございまして、放射第五号線のうち唯一未整備の本区間が完成すると、千代田区半蔵門から府中市の鎌倉街道までの東西方向のネットワークが完成いたします。
 なお、本区間では、都と地元区を含む特別区の共同で、平成十六年の区部における都市計画道路の整備方針策定に当たり、都民からの意見も踏まえ、必要性の検証を行った上で、第三次事業化計画で優先的に整備すべき路線に位置づけております。
 また、四十年以上前に立てられた道路計画といわれておりますが、現都市計画は平成十六年五月に決定したものでございます。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら本路線の整備を着実に進めてまいります。

○かち委員 今日、国においても、財政状況、経済状況から、道路建設など公共事業のあり方、それぞれの必要性について改めて検討し直すという方向も打ち出されています。
 一たん決まったことだからということに固執することではなく、東京に残された貴重な緑と自然を保全し、環境を守るためにも、この計画の抜本的見直しを強く求めて、本陳情二本の趣旨採択を求めます。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二一第六四号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第六四号は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、陳情二一第一四八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一四八号は不採択と決定いたしました。

○藤井委員長 次に、陳情二一第一一三号及び陳情二一第一三七号は関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小口公園緑地部長 資料8、陳情審査説明表の整理番号3の陳情二一第一一三号及び整理番号5の陳情二一第一三七号の二件は、いずれもパンダの受け入れに関する陳情でございますので、一括してご説明申し上げます。
 まず、整理番号3の陳情二一第一一三号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、中国から上野動物園へのパンダの受入れに反対することに関する陳情で、世田谷区の金友隆幸さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、都において、中華人民共和国から受け入れが検討されているジャイアントパンダについて、受け入れに反対していただきたいというものでございます。
 この要旨に対する現在の状況でございますが、整理番号5と同じ内容になっておりますので、後ほど説明いたします。
 四枚、資料をおめくりください。整理番号5の陳情二一第一三七号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、恩賜上野動物園へのパンダ受入れを速やかに実現することに関する陳情で、台東区町会連合会代表北原達夫さん外一名から提出されたものでございます。
 その要旨は、恩賜上野動物園へのジャイアントパンダの受け入れを速やかに実現していただきたいというものでございます。
 それでは、現在の状況をご説明いたします。現在、中国から外国へのパンダ提供の仕組みは貸与方式となり、貸与を受ける際は、繁殖などの共同研究や、パンダの保護を支援することが国際的な取り決めになっております。貸与方式でパンダを導入している国内外の動物園では、飼育下における栄養、繁殖、親子関係などの研究を実施するとともに、中国にパンダ保護のための協力資金を支払っております。
 中国は、パンダの生息地が開発等により狭められ、生息数が激減し、絶滅の危機に直面していることから、自然保護区を指定し、生息地の保全に取り組んでおります。また、人工飼育下で繁殖技術の確立など、飼育技術向上にも努めております。
 各国の動物園からの協力資金は、分断された生息地をつなぐための植林や飼育施設の整備などに利用されており、野生下でのパンダ保護や、飼育下での繁殖数の増大に成果を上げております。上野動物園は、三十六年間パンダを飼育繁殖してきた実績と技術を持っております。パンダは希少動物の象徴であり、子どもたちに希少動物の保全の大切さを伝える教育効果があります。また、共同研究により飼育繁殖技術の向上、生息地の保全等、自然保護の取り組みを支援することでパンダ保護に貢献いたします。さらに、地元や都民からの強い要望にこたえるとともに、上野地区の活性化にも貢献いたします。こうしたことから、上野動物園にパンダを導入することは意義があります。
 これまで中国側と共同研究の内容やパンダ保護協力資金の額及び使途など、導入に向けた具体的条件を交渉してきた結果、平成二十三年の早期に雌雄一対を導入する方向で、基本的に合意いたしました。
 以上でございます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二一第一一三号を採決いたします。
 お諮りをいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第一一三号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二一第一三七号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第一三七号は採択と決定いたしました。

○藤井委員長 次に、陳情二一第一三六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○谷村参事 整理番号4、陳情二一第一三六号をお開き願います。
 本件は、放射第三五・三六号線(環七から補助第二三七号線間)の整備事業の見直しに関する陳情で、練馬区の放射三六号道路を考える地域の会、代表小松丸さん外八百六十七名の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、全長二・二キロメートルに総事業費五百二十億円を要する都市計画道路放射第三五号線、放射第三六号線の、環状第七号線から補助第二三七号線間の整備事業については、計画そのものを抜本的に見直し、事業中止を含めた再検討を行っていただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、放射第三五号線は、練馬区豊玉中三丁目の環七交差部を起点とし、練馬区早宮を経て、川越街道との交差部から新大宮バイパスとして都県境に至る道路であります。また、放射第三六号線は、豊島区要町一丁目の山手通りとの交差部を起点とし、板橋区小茂根四丁目の環七交差部を経て、練馬区早宮一丁目で放射第三五号線と接続する道路であります。放射第三五号線及び三六号線は、区部北西部の道路ネットワークの形成により、渋滞緩和や交通の円滑化を図るとともに、地域の防災性、安全性の向上やまちづくりの推進にも寄与する重要な路線であります。
 このうち、池袋付近から都県境に至るルートでは、本陳情区間である板橋区小茂根四丁目の環七交差部から練馬区早宮二丁目の補助第二三七号線との交差部までの区間が、唯一、事業未着手となっております。
 本陳情区間の沿道が主に住宅地であることから、四車線の車道部の両側に植樹帯や広幅員の歩道等で構成される幅十メートルの環境施設帯を設置するなど、沿道環境に十分配慮した計画としております。また、沿道の小中学校の通学路など、交差する道路の取り扱いや安全性の確保については、地元区等と検討、調整してまいります。本区間は、昭和四十一年に都市計画決定されておりますが、都と地元区を含む特別区は共同で、平成十六年の区部における都市計画道路の整備方針策定に当たり、都民からの意見も踏まえ、必要性の検証を行った上で、第三次事業化計画で優先的に整備すべき路線に位置づけております。
 また、本区間の整備事業については、平成十五年度に東京都行政評価制度による大規模公共事業等の事前評価が実施され、必要性や事業効果など、事業着手の妥当性を検証して、早期に整備を図ることが適当であるとされております。なお、この評価調書では、環状第七号線との立体交差の範囲を含めて、延長二・二キロメートルとしましたが、今回の事業では環状第七号線と交差部が平面交差で道路交通を処理できることから、立体交差の構造物を整備しないこととし、事業区間の延長は一・九七キロメートルとなります。
 本区間の事業化に当たっては、東京都環境影響評価条例に基づき、平成二十年九月に環境影響評価調査計画書を提出し、環境影響評価手続に着手いたしました。その後、本事業が環境に及ぼす影響について予測、評価した環境影響評価書案を、昨年十二月に提出するとともに、その内容を関係地域の住民に周知するため、本年一月二十七日、二十八日に説明会を開催しております。工事の施工中や道路の供用開始後における環境への影響の予測、評価では、大気汚染、騒音、振動の予測値は、いずれも評価の指標とした環境基準等を下回っております。
 引き続き、環境影響評価の手続を着実に進めるとともに、住民の理解と協力を得ながら、本区間の早期事業化に取り組んでまいります。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○野上委員 陳情二一第一三六号、放射第三五・三六号線の整備事業の見直しに関する陳情について伺わせていただきます。
 今お話しいただいたとおり、この都市計画道路放射三六号線というのは、豊島区の山手通りとの交差点から小竹トンネルを抜けて環七と交差をして、そして東京メトロ氷川台駅前を通って、練馬区早宮一丁目で放射第三五号線と接して、平和台の駅の方に行く、そして環八とつながる非常に道路のネットワークをつくる上では、重要だというふうに位置づけられている事業だと私も思っております。
 この放射第三六号線は、ちょっと便宜上三つの区間に分けられると私は考えます。一つは、豊島区の要町一丁目から環七までの間、あとは環七からメトロ氷川台を通っての早宮二丁目までの間、そして早宮二丁目から、その先の区間というふうに分けられると思うんですが、一番初めの要町から環七までの間、あるいは早宮二丁目から氷川台の方へ抜ける道路というのは、現状の道路がありますから、主に拡幅の事業で対応できる事業ですから、割合、住民の皆さんの理解が得られやすいところだと思っています。
 しかしながら、一方、今回陳情が提出された部分においては、現状、道路もございませんし、未着手の区間でありますし、今ちょうど用地買収等が進められているところです。道路整備事業においては、先ほどの別の陳情の案件がございました。いのつめ理事が質問をしておりましたけれども、現道がある場合は、住民の皆さんも、割合簡単に道路が完成されたイメージというのを持ちやすいと思います。周辺の沿道の環境のご心配もありますけれども、割合そういったことが理解が得られやすいのではないかと思います。
 しかしながら、一方で既に建物があったり、市街地が形成されているところ、道なきところに道路を整備するというのは、非常に地域の皆さんとの協議も必要であると思いますし、情報や認識の違いというのを共有をしなくてはいけない。そういった非常に地域の皆さんとの情報の共有であるとか、あるいは理解の度合いの共有というか、そういったものが非常に重要になってくると思います。
 それで、今回の陳情を出された方々は、平成二十年十一月二十八日、環境・建設委員会でも同様の陳情を出しております。この二年間、建設局の担当の部署の方々は、この道路整備、ネットワーク整備に向けて非常にご努力をされてきたと思います。しかしながら、こうして二年もたった今でも、同じような陳情が出てしまうというのは少しどうなのかなというふうに思います。もちろん整備をされて、利便性を享受される方と、あるいは地域にお住まいの方で、環境や、あるいは騒音被害、ご心配されている方の心配度合いというのは非常に違うとは思いますが、しかしながら、二年たっても同じような陳情が出てしまうということの意味を、ぜひ建設局の皆さんは考えていただきたいと思います。
 住民の皆さんへの事業説明はできているのか、あるいはご理解をいただけるような対応をしてきたのか。もちろんしてきたと思いますけれども、相手の方に理解ができない、理解をされていないということですよね。こちら側の一方的な、こうやって資料を提出すれば、読んでいただければわかる、あるいは--私も今回この事業に当たって道路の構造の本を少し読みました。しかしながら、私のような素人では、非常に難しいんですね。道路の構造についての、書かれた本を読んで、なぜ立体交差になるのか、なぜ平面の交差でいいのかとか、非常に難しい計算式によって、道路の構造ができているということですから、それをまた素人のといったら変ですけれども、私も含めて素人の方に、あるいは住民で非常に環境を心配されている方々に説明をするためには、いわゆる専門的な知識を押しつけるだけでは、到底ご理解はいただけないというふうに私は考えます。
 そして、特に今回陳情を出された区間の道路の構造というのは、平成十五年度の東京都行政評価制度による大規模公共事業などの事前評価が実施されたときは、この区間の事業は環七との立体交差の範囲を含めて、延長二・二キロメートルとしています。しかしながら、その後道路構造計画の変更をして、立体交差、建築物を含めた二・二キロメートルを、平面交差道路一・九七キロメートルとしています。
 一般的に、社団法人道路協会の「道路構造令の解説と運用」という本を拝見しますと、都市部の第四種普通道路の場合、立体交差を原則としているとしています。道路構造については、周辺道路との接続や沿道からの利用、緊急避難路、延焼帯など、機能を確保するために平面構造とするというふうに、今回の事業については局の方から説明がありましたけれども、前回、委員会でも同様の質問を他の議員がしておりますが、改めてどのような根拠で計画が変わって、そして、この道路が必要なのか、改めて計画が変更した根拠について、ご説明をいただきたいと思います。

○谷村参事 道路構造令によりまして、立体交差の計画の基準でございますが、基本的には四車線以上の普通道路が相互に交差する場合には、立体交差が原則とするとされております。ただし、四車線以上の道路相互の交差であっても、交差点の交通量、交通の安全、道路網の構成、交差点の間隔から見て、平面交差が許容される場合に、または地形その他の理由により立体交差が困難な場合にはこの限りではないとされております。
 今回、ここの環状七号線との交差方式につきましては、計画交通量に基づく交差点でのピーク時間当たりの方向別交通量が、直進や右左折などの車線構成や信号制御方式などによる交差点の処理許容以内におさまるかを検討いたしました。その結果、平面交差方式における交差点の方向別交通量と処理容量の比率の最大が〇・八八三となりました。指標となる一・〇を下回るため、渋滞が発生しないことから、平面交差での処理が可能であることを確認しております。このため、環状第七号線との交差部は、平面交差で整備することとしております。

○野上委員 特に、現状ですね、計画変更するというのは、やはり適切な道路構造等、交通の運用の組み合わせが私は必要だと思っていますので、立体交差から平面交差にするというのは、ある意味コスト面からいっても、段階的な整備という観点からいっても、一理あるとは思っておりますが、しかしながら、この計画変更から--当初は、二・二キロメートルの計画のときは、計画段階のアセスメントが必要でした。しかしながら、計画変更後は一・九七キロメートルになったので、そういう意味では、計画段階のアセスメントが必要ではなくなり、事業段階のアセスメントからでよろしいということになりますので、こういった事業変更に当たっては、住民の皆さんが計画段階のアセスメントがやりたくないから計画変更をしたんじゃないかとか、そういうように心配をされている方も、それはいらっしゃると思います。
 そういった中で、こういった計画変更をした場合の、ちょっとご説明等が足りなかったのかなと、住民の皆さんのこの区間の道路整備の疑問というのは、やはりそういった一つ一つのことから始まっているのかなというふうに、私はこの陳情書を拝見いたしまして感じております。
 いずれにしましても、この道路については、先ほども申し上げました氷川台の駅のあたりから、環七の方へ流れる道がないと、なかなか、区道の正久保通りという非常に混雑する生活用道路というか、狭い道路の方に車が逃げていきますので、現状、非常にあそこの氷川台駅周辺は混雑をしているところです。ですから、一方ではあの道路を使う、今計画をしている道路を使っていらっしゃる皆さんの中には、早く環七へ抜ける道路を整備していただいて、区道の方になるべく車が入ってこないようにという要望も受けております。
 さまざま、先ほども中村理事の方からお話がありましたけれども、道路整備には賛成の方もいますし、反対の方もいるのは当然です。しかしながら、こういった、特にこの陳情案件のように計画を変更したり、あるいはもう二年も前に同じような陳情書が出ているわけですから、この二年間、皆さんが住民の皆さんに本当にご理解をいただくような活動をされてきたのか、もちろんやってきたとは思いますけれども、同じ陳情が出されるというのは、非常に私としては残念なことだと思いますので、私ども、私どもというか、私たちは、ぜひ道路整備に当たっては住民の皆さんのご理解をいただけるように、特に前回の陳情に当たってのご答弁にも、地域の住民の方の、やっぱりご理解がなければ進まないというふうにおっしゃっていますので、ぜひ今後、道路整備を進めるに当たっては、住民の皆さんのご理解がいただけるようにしていただきたいと思います。
 そしてもう一点、今回、平成二十一年十二月に、この区間の環境影響評価書が出ております。環境影響評価書を先ほどご説明いただきましたけれども、大気汚染、騒音、振動について、工事の完了後、あるいは工事の施工中のアセスメント、影響の評価についての結論が出ております。
 これを拝見しますと、工事の完了後、施工中のどちらでも、例えば大気汚染については最大で〇・〇四五ppm、しかしながら評価の指標とした環境基準は〇・〇六ppmです。騒音、振動、工事中は七十八デシベル、勧告基準は八十です。建設作業の振動レベルは最大で六十六、振動の勧告基準は七十です。
 どれも勧告基準に非常に近い数値になっております。わずかに下回っているという状況ですので、今後、こういった、こちらの三五、三六号線、進めるに当たっては、今回の陳情の申し出以外にも、やはり環境面に対しての配慮のご心配が地域の皆様方からお声が出ているところです。
 ですから、できる範囲でというか、皆様のちょっとご努力をいただいて、この環境影響評価、ぎりぎりのラインでクリアをしておりますので、環境に配慮して整備を進めていただいて、住民の皆様のご理解がいただけるように整備を進めていただきたいと思います。
 私からは以上でございます。

○高橋委員 陳情二一第一三六号、放射第三五・三六号線(環七から補助第二三七号線間)の整備事業の見直しに関する陳情についてお尋ねいたします。
 放射第三五号線及び放射第三六号線については、早期整備を求める立場から、これまでも機会をとらえて、必要性や事業化に向けた進捗状況などについて伺ってまいりました。一昨年、十月の本委員会における事務事業質疑に始まり、十一月にあった前回の陳情審査、昨年三月の予算特別委員会や、十一月の事務事業質疑で、本路線の必要性や事業化に向けた具体的な取り組みなどを伺い、都からは地元の理解と協力を得ながら早期整備に積極的に取り組んでいくなど、将来を見据えた答弁を得てきました。そこで、改めて本路線の事業化に向けたこれまでの取り組み状況と、今後の予定についてお伺いいたします。

○谷村参事 放射第三五号線及び放射第三六号線は、区部北西部の道路ネットワークの形成により渋滞解消を図るとともに、地域の防災性や安全性の向上などに寄与する重要な路線でございます。このため未整備の本陳情区間の事業化に向けて、事業段階環境影響評価手続を進めており、昨年十二月に環境影響評価書案を提出し、本年一月には、評価書案の内容を周知するため、地元の開進第一小学校、開進第四小学校で説明会を開催いたしました。引き続き評価書案に係る見解書を作成するなど、手続を着実に進めてまいります。
 また、事業化までの期間短縮を図るとともに、計画道路の位置など、具体的な情報を早い段階から住民の方々へ提示するため、これまで環境影響評価手続の完了後に予定しておりました現地での測量作業を、手続と並行して来年度から実施していく予定でございます。これによりまして、本区間は平成二十三年度に事業化を図り、平成三十年度に供用を開始する予定でございます。

○高橋委員 これまでの進め方を工夫して、できるだけ早期の事業化を図るということであり、ぜひ着実に進めていただきたいと思います。
 一方で、主に住宅地を通過する本路線の整備に当たっては、沿道地域の環境への配慮も重要であります。環境影響評価書案を提出し、先月には環境への影響の予測、評価を地元で説明しているとのことでありますが、本路線の供用開始後の大気汚染、騒音の予測評価結果について具体的な数値を伺います。

○谷村参事 計画道路周辺での二酸化窒素の将来濃度は最大で〇・〇四五ppmと予測され、環境基準の〇・〇六ppm以下となります。浮遊粒子状物質の将来濃度は一立方メートル当たり最大で〇・〇六七ミリグラムと予測され、環境基準の〇・一〇ミリグラム以下となります。また、道路交通騒音レベルでは、最大で昼間六十七デシベル、夜間六十五デシベルと予測され、環境基準の昼間七十デシベル、夜間六十五デシベル以下となります。このように大気汚染、騒音についてはいずれも環境基準以下となります。

○高橋委員 いずれも環境基準以下のことでありますが、工事の施工中も含め環境への影響が少ない技術をできるだけ採用するなどして、より一層、沿道地域の環境に十分配慮するようお願いしておきます。
 ところで、本区間に隣接する放射第三五号線については、環状第八号線をまたいで練馬区早宮から北町までの区間で事業が進められております。この区間の進捗状況について伺います。

○谷村参事 放射第三五号線の練馬区早宮二丁目から北町五丁目までの延長一・三三キロメートルの区間については、平成十六年度に事業認可を取得し、昨年末までに約九割の用地を取得しております。現在、用地取得をした箇所から順次、排水管工事等を実施しております。また今年度、既に二カ所で、環境施設帯のモデルを整備しておりまして、今後、環境施設帯の形態について、地元の皆様からご意見やご要望を伺っていく予定でございます。引き続き、地元の理解と協力を得ながら事業を着実に推進してまいります。

○高橋委員 隣接する事業中の放射第三五号線では用地取得が進み、工事についても間もなく本格的に着手すると聞いております。道路はネットワークを形成して初めて十分に機能するものであり、本陳情区間の放射第三五号線、放射第三六号線の早期整備が必要であると確信しております。
 また一方で、沿道には練馬区立開進第一小学校や、開進第四小学校などが点在し、道路によって学区域、通学路が分断されることが懸念されます。事業に対する地域の理解を得るためにも、十分な安全対策が不可欠であります。この点については一昨年十一月の前回の陳情審査の際に、傾斜の緩いスロープつきの立体横断施設の設置について、都の見解を伺い、学童への安全対策として、立体横断施設の設置が必要であると認識し、今後、事業計画の検討を進める中で、地元区など関係機関と前向きに協議していくとの答弁をちょうだいいたしました。
 その後も、昨年三月の予算特別委員会の総括質疑で、安全対策について要望してきましたが、事業に当たっては、学童のみならず、高齢者や体が不自由な方にも配慮して、ぜひ近代的で日本全国に誇れるようなバリアフリー仕様の立体横断施設を設置するなど、手厚い安全対策を実施していただきたいと思います。
 交通渋滞の解消とともに、都民の命、財産等を守るため、震災など災害に強い都市をつくることは喫緊の課題であり、地域の防災性向上を図るためにも、放射第三五号線及び放射第三六号線を早急に整備すべきだと思います。引き続き地域の声に耳を傾け、地元の理解と協力を得ながら事業を推進していくことを強く要望して、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

○かち委員 陳情二一第一三六号、放射第三五・三六号線(環七から補助二三七号線間)の整備事業の見直しに関する陳情について意見を述べます。
 本線は池袋付近から新大宮バイパス、東北自動車道につながる区西北部の物流幹線道路として整備が進められてきました。本陳情はその間の環七から補助二三七号に至る全長一・九七キロメートルの区間についての計画の見直し、事業中止を求めるものです。
 都としては放射三五、三六号線の中で唯一残された区間として、第三次事業化計画で優先的に整備すべき路線として位置づけられ、環境アセスでも基準をクリアしているので、着実に進めていくとの見解ですが、この事業には総事業費五百二十億円を要し、道路幅四十から五十メートル、四車線の大型幹線道路であり、沿道には小学校、中学校もあり、通学区域を分断し、安全確保と周辺住民への生活環境に及ぼす影響も多大なものがあります。
 今日、人口推計や経済動向からも、大型公共事業の見直しが求められているときでもあります。このような幹線道路のあり方について、根本的に見直すべきであり、本陳情の趣旨採択を求めます。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一三六号は不採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時二十分休憩

   午後三時三十一分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、陳情二一第一三八号から陳情二一第一四七号まで、並びに陳情二一第一四九号、陳情二一第一五〇号及び陳情二一第一五二号は、関連がありますので、一括して議題といたします。
 まず、理事者の説明を求めます。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 整理番号6の陳情二一第一三八号から整理番号11の陳情二一第一四三号まで、整理番号13の陳情二一第一四五号から整理番号15の陳情二一第一四七号まで、整理番号17の陳情二一第一四九号から整理番号19の陳情二一第一五二号までの合わせて十二件は、いずれも補助第二六号線の整備に関する陳情でございますので、一括してご説明申し上げます。
 まず、整理番号6の陳情二一第一三八号をお開き願います。
 本件は、三宿・池尻地区の「横断トンネル」計画の撤回に関する陳情で、世田谷区の大沼昌子さん外六人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、補助第二六号線三宿、池尻地区の外壁型道路への横断トンネル計画を撤回していただきたいというものでございます。
 二枚おめくりください。整理番号7の陳情二一第一三九号は、北沢川緑道を分断する道路計画の中止に関する陳情で、世田谷区の尾形須益子さん外二名の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、現在計画を進めている補助第二六号線の建設を中止していただきたいというものでございます。
 整理番号8の陳情二一第一四〇号は、道路整備における池尻北広場の存続に関する陳情で、世田谷区の八木聖子さん外四人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、補助第二六号線の道路整備に伴う児童公園の廃止計画を中止し、存続させていただきたいというものでございます。
 整理番号9の陳情二一第一四一号は、歩行者の安全のために歩道を造ることに関する陳情で、世田谷区の松島博美さん外五人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、計画中の補助第二六号線が淡島通りに出る直前の道路に歩道がないため、住民の安全を守るための歩道をつけていただきたいというものでございます。
 整理番号10の陳情二一第一四二号は、カルガモとシラサギの生息地を破壊する補助第二六号線道路建設の中止に関する陳情で、世田谷区の木村晶子さん外三人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、補助第二六号線の建設により、カルガモやシラサギの生息地を破壊しないようにしていただきたいというものでございます。
 整理番号11の陳情二一第一四三号は、三宿・池尻・代沢地区の環境アセスメントを求めることに関する陳情で、世田谷区の神原淑美さん外六人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、現在進行中の三宿、池尻、代沢地区での補助第二六号線の道路に関する環境アセスメントを実施していただきたいというものでございます。
 三枚おめくりください。整理番号13の陳情二一第一四五号は、補助第二六号線と京王電鉄井の頭線との道路交差計画の検討経過の公表に関する陳情で、世田谷区の石堀四郎さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、計画されている補助第二六号線と京王電鉄井の頭線との道路交差計画の検討経過を公表していただきたいというものでございます。
 整理番号14の陳情二一第一四六号は、小中学生の安全な通学道路の存続を求めることに関する陳情で、世田谷区の中島翠さん外三人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、小中学生の通学道路分断計画を中止し、世田谷区立多聞小学校と世田谷区立富士中学校の安全な通学路を存続していただきたいというものでございます。
 整理番号15の陳情二一第一四七号は、都市計画道路補助第二六号線の道路計画の中止を求めることに関する陳情で、世田谷区の世田谷三宿サンハイツ管理組合理事長新川武雄さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、地域住民に多大な影響と迷惑を与える道路計画、都市計画道路補助第二六号線の三宿-池尻間を中止していただきたいというものでございます。
 四枚おめくりください。整理番号17の陳情二一第一四九号は、世田谷区立池之上小学校児童、富士中学校生徒の通学の安全確保に関する陳情で、世田谷区の松田こずえさんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、世田谷区代沢一丁目、二丁目の都市計画道路補助第二六号線の建設計画の検討に当たっては、児童生徒の安全な通学の確保を計画判断の基準の最重点の一つとして考慮していただきたいというものでございます。
 整理番号18の陳情二一第一五〇号は、代沢、北沢地域の静ひつな環境の保全を求めることに関する陳情で、世田谷区の大塚汎さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都市計画道路補助第二六号線により、世田谷区代沢一丁目、代沢二丁目、北沢一丁目地域の静ひつな住宅環境の悪化をもたらすことがないようにしていただきたいというものでございます。
 これらの陳情につきまして現在の状況でございますが、補助第二六号線は、環状第六号線と環状第七号線の間に位置し、起点を品川区東大井一丁目、終点を板橋区氷川町とする計画延長約二十二キロメートルの道路でございます。本路線は、広域的な道路ネットワークの形成により、周辺地域の渋滞解消に資するほか、主要延焼遮断帯や緊急避難路としての役割を持ち、防災都市づくり推進計画における四カ所の重点整備地域に沿って計画されていることから、防災面からも重要な道路であります。
 計画延長約二十二キロメートルのうち約十五キロメートルが完成または概成、約四キロメートルが事業中であり、残る約三キロメートルの未整備区間については、平成二十七年度までに優先的に整備すべき路線として、第三次事業化計画における優先整備路線に位置づけてございます。
 まず、三宿地区でございますが、本件区間のうち三宿二丁目から淡島通りまでの約四百四十メートルにつきましては、建築物が密集しており、細街路や行きどまり道路が多いことから、安全で円滑な交通機能の確保はもとより、地域の防災性の向上の観点からも早期整備が必要でございます。また、地元世田谷区からも整備促進の要望が出されてございます。このため、平成二十年十二月に事業認可を取得し、現在、用地取得を推進してございます。
 このうち、北沢川緑道から淡島通りまでの区間は高低差があり、盛り土構造となることから、地域内道路の通行を確保するため、車道本線部の両側に副道を設置いたします。副道は、周辺交通の状況や緊急車両の通行などを考慮し、段差による歩行者と車両の分離をしない生活道路として整備いたします。また、副道間の通行を確保するため、中間部に横断施設を設置いたします。
 北沢川緑道との交差部につきましては、植樹帯の整備による緑の連続性や量の確保に配慮するとともに、横断歩道の設置により、北沢川緑道の連続した歩行者動線の確保に努めてまいります。児童生徒の通学の安全を確保するためには、適切な場所で横断できるよう、交通管理者等と協議をいたしまして横断施設を設置いたします。
 池尻北広場のうち都市計画道路に位置する部分は、道路用地として都が取得し、整備までの間、世田谷区に対し一時的な使用の許可をしている土地でございます。なお、道路予定地以外の広場につきましては、存続すると聞いてございます。
 また、マンションの駐車場につきましては、取得する土地を適正な価格で補償いたします。
 なお、本路線の道路排水については、下水道管理者と調整し、適切に処理いたします。
 次に、代沢地区についてでございますが、淡島通りから補助第五四号線までの約九百六十メートルの区間については、周辺に京王井の頭線を渡る南北方向の幹線道路がなく、現道が狭隘で緊急車両の通行にも支障を来してございます。このため、現在事業化に向け、京王井の頭線との交差方法や沿道との高低差処理等について、概略の検討を行ってございます。今後、道路構造の検討をさらに進めてまいりまして、説明会などにおいて地元住民に説明を行ってまいります。
 なお、補助第二六号線は二車線道路であり、東京都環境影響評価条例の環境影響評価の対象事業とはなってございません。
 道路整備に当たっては、歩道部への透水性舗装の採用や植樹帯の設置、車道部への低騒音舗装の採用などを行うことなどにより、沿道の環境に十分配慮してまいります。
 今後とも、事業の節目節目で説明会を開催するなど、引き続き地元の理解と協力を得ながら、補助第二六号線の早期整備に向けて事業を推進してまいります。
 続きまして、整理番号19の陳情二一第一五二号をお開き願います。本件は、京王電鉄井の頭線の安全な運行の確保を求めることに関する陳情で、世田谷区の上野則子さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、京王電鉄井の頭線と交差する都市計画道路補助第二六号線の建設により、列車の安全な運行に支障を来すおそれがないか、慎重かつ徹底した検討をしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、先ほどご説明したとおり、補助第二六号線は、広域的な道路ネットワークの形成により周辺地域の渋滞解消に資するほか、主要延焼遮断帯や緊急避難路としての役割を持つ防災面からも重要な道路でございます。
 本路線のうち、淡島通りから補助第五四号線までの約九百六十メートルの区間につきましては、周辺に京王井の頭線を渡る南北方向の幹線道路がなく、現道が狭隘で緊急車両の通行にも支障を来してございます。このため、現在事業化に向け、京王井の頭線との交差方法や沿道との高低差処理等について概略の検討を行ってございます。
 京王井の頭線との交差部の構造や施工につきましては、鉄道の安全な運行に支障を来さないよう必要な調査検討を実施し、京王電鉄と十分に協議、調整を図ってまいります。
 今後、道路構造等の検討をさらに進めていき、説明会などにおいて地元住民に説明を行い、地元の理解と協力を得ながら、補助第二六号線の早期整備に向けて事業を推進してまいります。

○藤江道路保全担当部長 それでは、お手元の陳情審査説明表の整理番号12の陳情二一第一四四号をごらんください。本件は、三宿・池尻地域の生活道路内の電柱・電話柱の埋設に関する陳情でございます。世田谷区の川原芳子さん外一人の方から提出されたものでございます。
 その要旨でございますが、都において三宿、池尻地区の生活道路内の電柱、電話柱の埋設を実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございます。三宿、池尻地区内の生活道路であります区道の無電柱化についてでございますが、道路管理者の世田谷区が主体的に進める事業でございます。世田谷区は、都市計画道路の整備とあわせた無電柱化を優先的に進めておりまして、現時点では、当該地区での無電柱化の予定はないと聞いております。
 なお、都道の無電柱化につきましては、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を目的といたしまして、都は無電柱化を推進しているところでございます。
 陳情箇所でございます三宿、池尻地区は、国道二四六号玉川通りと、特例都道四二三号淡島通りに囲まれた地域で、現在都は三宿二丁目から淡島通りまでの四百四十メートル区間におきまして、都市計画道路補助第二六号線の道路整備事業を鋭意進めております。あわせて無電柱化を実施いたします。
 補助第二六号線の整備により広域的な道路ネットワークが形成され、周辺地域の渋滞解消に資するほか、住宅地など生活道路に入り込む通過交通が本路線に適切に誘導され、地域の環境改善や安全性の向上が図られます。
 また、本路線は、主要延焼遮断帯や緊急避難路としての役割を持ち、防災都市づくり推進計画において、四カ所の重点整備地域に沿って計画されていることから、防災面でも重要な道路であります。
 以上でございます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○いのつめ委員 ただいま補助第二六号線の現在の状況についての説明がありましたが、本路線は、広域的な道路ネットワークの形成や防災面から考えても必要な道路であるというふうに東京都が考えていらっしゃることはよくわかりました。しかし一方で、今回たくさんのこの道路に関する陳情が出されておりますので、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、淡島通り付近には副道間の通行を確保するため、横断施設を設置するということですけれども、その安全対策などについて心配する声が上がっています。そこで、横断施設の概要と安全対策をどのように行っていくのか伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 横断施設の概要と安全対策でございますけれども、まず横断施設の概要ですが、副道間の通行を確保する横断施設の延長、約七メートルでございます。また、幅員につきましては、歩行者や自転車の安全な通行が確保できるよう、余裕を持った幅員を設定してまいります。
 防犯対策としては、暗がりや死角などが生じないよう、適切な照明施設などを設置するとともに、明るい色のペイントを施すなどの対策を検討してまいります。
 交通安全対策としては、交通管理者と協議を行い、区画線や防護さくなどの安全施設を設置するなど、必要な対策を講じてまいります。

○いのつめ委員 トンネルというと何となく暗くて、ちょっと人が通行するときも、何となく外のほかの人の目がない分、特に女性やお子さんなんかは心配をされる気持ち、よくわかりますので、バリアフリーの観点もぜひ取り入れて、快適に通行できるような、そんなトンネルの設置を地元の方とも相談をしてつくっていただきたいと思います。
 そして、北沢川緑道の保全を望む声が出ておりますが、補助第二六号線の整備を進めるに当たり、北沢川緑道の交差部についてどのように配慮していくのか、お伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 北沢川緑道の交差部につきましては、植樹帯の整備による緑の連続性や量の確保に配慮するとともに、交通管理者と協議し、適切な位置に横断歩道を設置することにより、歩行者の連続した動線を確保してまいります。また、下水の高度処理水を利用したせせらぎは、整備業務におきましても分断することなく、現在の水の流れを確保してまいります。

○いのつめ委員 陳情の中には、環境アセスメントの実施をしてほしいというような陳情もあって、しかしながら環境アセスを実施するには、四車線以上の道路でないと実施ができないんだということ、これ、条例で決まっているということで、残念ながらここの補助二六号では環境アセスメントを実施することができないんですが、そのほかにも、カルガモとシラサギのことだとか、とてもこの地域から出ている、この多くの陳情の中にも、環境に配慮をしてほしいという陳情が特に多いような気がします。こういった皆さんの声、私も拝見しました。
 北沢川緑道、とても世田谷区の中とは思えないような、木々もありますし小川が流れているという、とても皆さんが散歩したくなるような道路があって、やっぱりここが、新たな道路ができることによって、この環境が壊されちゃうんじゃないかという心配を地域の方はお持ちになっていらっしゃって、こういう陳情にあらわれてきているんだと思うんですね。
 だから、道路は整備するけれども、また環境は守っていくんだよということをきちんとあらわして、東京都はそれを表に出していく。道路はつくるけど、環境は壊さないよということを皆さんに理解していただくような道路の整備を進めていくことが望まれるんではないかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 また、今回このようにたくさんの陳情が出ておりますが、三宿地区において、これまで都は地域の方々にどのように説明を行ってきたのか、お伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 平成二十年十二月に事業認可を取得した三宿地区につきましては、平成十八年七月に事業説明及び現況測量説明会、平成十九年八月に用地測量説明会を開催いたしました。事業認可取得後、平成二十一年五月に用地説明会、六月には用地取得に関する個別相談会を三日間にわたり開催してございます。また、地元町会への個別説明、電話や来庁による個別相談など、さまざまな形で地元住民の要望や相談に丁寧に対応してございます。
 引き続き、わかりやすい地元に対する説明を行いながら、地元の理解と協力を得、補助第二六号線の早期完成に向け、積極的に事業を推進してまいります。

○いのつめ委員 説明は十分してきていらっしゃるとおっしゃるんだけれども、この出ている陳情の中で、池尻北広場、この陳情は道路になるまでの、道路にするまでの暫定的な利用として、広場として地域の皆さんに有効に使ってもらおうということなので、道路ができるときは、またそこは本来の目的である道路に戻すということですよね。だけど、地域の方、それがやっぱりよくおわかりになってない部分もあって、子どもたちが遊ぶところがなくなっちゃうとか、避難地域がなくなっちゃうという、そういう心配をされているわけじゃないですか。でも、それがここで、ここはもう道路予定地、最初からの道路予定地なので、それを残すことはやっぱり難しいですよね。
 そうすると、それはほかにどこか世田谷区と相談して、どこかに広域避難場所、何か皆さんが防災上の拠点となるところがないかとか、そういうことも少しお手伝いをしてあげることということを考えていかなきゃいけないと思いますし、また陳情の中には東京都に何か聞くと、検討中とばかりいってて何も答えてくれないと。教えてくださいというのがこの二一の第一四五号なんですけれども、状況が全くわからなくて困るということも、これはちょっと地域が違うのかなと思いますけど、こういうところからも、こういう住民の声、住民にとって大事な、公表は別に難しいこととは思えない、いたずらに不安や誤解を住民の間に生じさせないよう、検討経過の公表が必要であるという、どういうふうなことを検討しているのかということも聞かせてほしいというような陳情も出ているわけで、東京都は説明は十分にしている、しているというけれども、やっぱりまだ少しその違った部分での不安が住民の方にあるのかなというふうに思います。
 より丁寧に、そして先ほどの一二八号と一緒ですけど、やっぱり住民の方に協力をしていただかなければ道路はできません。そして、マンションの方で心配されているのが、道路から自分のお宅が見えちゃうんじゃないかというご心配をされている方が陳情にありましたけれども、それも何か目隠しを設置すれば解決できるのかなと思いますし、この陳情の中には、陳情を採択しなくても、ご意向にかなえられることが入っていると思います。ぜひ地域の皆さんのこういった声をやっぱり東京都は大事にしながら協力していただけるように、努力をまた引き続き行っていただきたいと思います。
 終わります。

○高橋委員 陳情二一第一三八号から一四七号まで、そして一四九号、一五〇号、一五二号の合わせて十三件の補助第二六号線の整備に関する陳情についてお尋ねをいたします。
 道路の整備は、円滑な交通の確保はもとより、地域の防災性の向上にとっても必要不可欠であり、都民が安全で安心して暮らせる都市づくりを進めるためにも、幹線道路ネットワークの早期整備が重要であります。
 そこで、補助第二六号線について早期に整備を図るという観点から、幾つか確認していきたいと思います。改めて、補助第二六号線の役割と整備状況についてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 補助第二六号線の役割と整備状況についてでございますけれども、補助第二六号線は、環状六号線と環状七号線の間に位置する環状方向の幹線道路であり、広域的な道路ネットワークの形成により、周辺の交通渋滞の緩和に資するとともに、住宅地など生活道路に入り込む通過交通を本路線に適切に誘導し、地域の環境改善や安全性の向上にも寄与する重要な路線でございます。
 また、本路線の沿道には、木造住宅密集地域が連なっていることから、主要延焼遮断帯や避難経路としての役割を担うなど、防災面からも重要な道路でございます。
 現在、計画延長約二十二キロメートルのうち約十五キロメートルが完成または概成、約四キロメートルが事業中でございます。残る三キロメートルの未整備区間につきましても、区部における第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけてございます。
 本陳情区間のうち三宿地区につきましては、三宿二丁目から淡島通りまでの約四百四十メートルの区間で事業中でございます。
 代沢地区につきましては、淡島通りから補助第五四号線までの約九百六十メートルの区間で事業化に向けた検討を進めてございます。

○高橋委員 本路線は、防災面からも重要な役割を担うとのことでありますが、陳情区間を含む地域は、防災上どのように位置づけられているのか伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本陳情区間を含む三宿・太子堂地区は、老朽化した木造建築物が集積しており、震災時の建物の倒壊や火災の延焼など、大きな被害が想定されます。
 このため、防災都市づくり推進計画におきまして、重点整備地域に指定されており、早期に防災性の向上を図ることとしてございます。
 本地区には、延焼遮断帯としての機能を持つ道路として、南に玉川通り、北に淡島通り、西に茶沢通りがあり、これらの整備は既に完了してございます。東に位置する補助第二六号線につきましては、本陳情区間の約四百四十メートルのみが未整備でございまして、地域の防災性の向上を図るためにも早期整備が必要でございます。

○高橋委員 本陳情区間の整備が地域の防災向上にとっても極めて重要であることがよくわかりました。
 そこで、三宿、代沢地区の現在の取り組み状況について伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 三宿地区につきましては、平成二十年十二月に事業認可を取得し、平成二十一年五月に用地説明会を開催いたしました。その後に開催した個別相談会での早期の用地取得希望者のうち、契約に向けての話し合いに合意できた方から順次契約を進め、これまでに六件の用地を取得してございます。
 また、代沢地区につきましては、周辺に京王井の頭線を渡る南北方向の幹線道路がなく、現道が狭隘で、緊急車両の通行にも支障を来しており、本区間の早期整備が必要でございます。
 本路線の整備に当たっては、鉄道の安全な運行の確保、交通事故の防止及び交通の円滑化を図るため、京王井の頭線との立体交差を行う予定でございます。
 現在、事業化に向け、京王井の頭線との交差方法や沿道との高低差処理などについて概略の検討を行っており、今後、道路構造の検討をさらに進めてまいります。
 京王井の頭線との交差部の構造や施工につきましては、鉄道の安全な運行に支障を来さないよう、必要な調査検討を実施し、京王電鉄と十分に協議、調整を図ってまいります。

○高橋委員 本陳情では、淡島通り付近の副道のあり方や、通学路の安全確保などについて意見が出されておりますが、これらに対して、整備に当たってどのように配慮していくのか伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 北沢川緑道から淡島通りまでの区間は、高低差があり、盛り土構造となることから地域内道路の通行を確保するため、本線の両側に副道を設置いたします。この副道に接続する生活道路は、幅員二・五メートルから四メートルと狭隘で、そのほとんどが通り抜けできない道路となってございます。これらの道路に面する建物は約四十棟で、駐車場は建物に附属する十カ所程度でございます。こうしたことから副道の自動車交通量は、極めて少ないものと考えられます。
 また、この地域は防災面から緊急車両の通行を確保することが極めて重要なことを考慮いたしまして、副道には、段差のついた歩道は設けず、交通管理者と協議の上、区画線とカラー舗装により、歩行者と自動車とを分離するなど、歩行者の安全に配慮した整備を行ってまいります。
 通学路の安全確保につきましてですけれども、通学路と補助二六号線との交差につきましては、児童生徒の通学の安全を確保するため、適切な場所で横断できるよう、地元区や交通管理者と協議を行い、横断歩道を設置してまいります。
 引き続き、地元の理解と協力を得ながら補助第二六号線の早期整備に向けて事業を推進してまいります。

○高橋委員 広域的な道路ネットワークの形成や地域の防災性の向上など、本路線の整備効果を一日も早く発揮させるため、引き続き、丁寧な住民対応を行いながら事業を進めていくべきであることを申し上げて質問を終わらせていただきます。

○かち委員 私からも陳情二一第一三八号から第一四七号、一四九号から一五二号の補助二六号線三宿、池尻地区、代沢地区についての整備計画について、関連して質問いたします。
 補助二六号線は、環六と環七の間を通る都市計画道路です。通称六・五道路ともいわれているように、本当に網の目の幹線道路がここにできてくるということになるわけですけれども、本陳情の出されている区間のうち、三宿地区においては、三宿二丁目から淡島通りまでの四百四十メートルの区間には現道がなく、しかも一部急斜面があるため、計画道路は盛り土をして、その上に計画道路を通すというものです。
 先日、私も、この現地に行って、陳情者の方からもお話を伺ってきました。現在、低地である三宿地域には、せせらぎの小川が流れ、緑道が整備されており、色とりどりの花々や木々が植栽され、豊かな空間が保たれていました。
 並行して、自転車専用道路や一通の車道もあり、付近には幼稚園、小中学校もあって、子どもたちの安全な通学路として重要な遊歩道となっていました。そこに、幅員二十メートルの幹線道路がつくられ、遊歩道が分断されるわけです。たとえ横断歩道があるにしても、住環境にとっても、地域コミュニティの形成にとっても、多大な影響をもたらすことは容易に考えられます。
 この計画は、終戦直後の一九四六年に都市計画決定された路線であり、その後、五十年以上経過した後、二〇〇四年に第三次事業化計画優先整備路線に位置づけられました。二〇〇八年十二月に、三宿・池尻地区の事業認可によって、二〇一四年度に完成目途ということで、急速に着々と事態が進行しているのが現状だと思います。
 しかし、住民説明会を行った、事業計画あるいは用地説明なども行ったという説明がありましたけれども、とても住民の皆さんの理解と合意が得られているとは思えません。
 そこで、お伺いしますが、この計画を進める意義について先ほどご答弁がありましたように、周辺の交通渋滞の緩和や地域の環境改善や安全性の向上に資するものだというようなお話がありましたけれども、本整備区間四百四十メートルの整備費と用地収用該当戸数ですね、どのぐらいあるのかお聞きします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 三宿区間四百四十メートルの総事業費は、約八十四億円でございます。
 また、用地取得に伴い、補償が必要となる棟数は七十六棟でございます。

○かち委員 七十六棟の方々は、全部丸ごと収用されるわけではなくて、軒先を削られたり、三分の一削られたりという方で、しかし、削る分しか補償がないということでも、将来不安、生活不安というものも非常に抱えているという状況がわかりました。
 先ほどの説明では、周辺の通過交通を誘導して渋滞の緩和を図るとのことでしたけれども、それでは周辺でどれぐらいの交通量と渋滞が発生しているのか。また、計画道路完成後の予測交通量はどのぐらいになるのでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 まず、本路線周辺交通量でございますけれども、三宿二丁目の交差点西側の区道の交通量は、一日当たり約五千台、交差点東側の区道の交通量は約千七百台、また、北沢川緑道の南側にございます区道の交通量は約千四百台でございます。
 さらに、京王井の頭線と交差する都道四二〇号の池ノ上一号踏切の交通量は約八百台、駒場通りの駒場東大前一号踏切の交通量は約二千四百台となってございます。
 また、補助第二六号線の将来交通量につきましては、第三次事業化計画策定時の将来交通量推計におきまして、平成三十七年度に一日当たり一万九千台と予測してございます。
 補助第二六号線の整備により、生活道路に入り込んでいる通過交通が本路線に転換され、地域の環境改善や安全性の向上が図れるものと考えてございます。

○かち委員 一日八百台とか千七百台とか、それが渋滞を示しているとはとても思えないわけですけれども、それが一極に集中する、二六号線に集中するということで、ここに一日一万九千台の車が通るということが周辺環境に多大な負担をかけるということは否めないわけです。
 この間、事業説明や用地測量説明をやってきましたけれども、一体どんな道路ができるのかということで、先ほども十分な説明をしたかどうかというお話がありましたけれども、どういう説明をしているのかということで、説明会で、ではどんな資料を使ってやっているのかというと、こういうものしか出していないということなんですね。
 これでは、一体どういう道路が--先ほど歩道はどうなのか、安全が確保されるのかというお話もありましたけれども、これはとてもわかりにくいんですけれども、これ以上の詳細な道路構造の資料が欲しいといえば、それはもう開示請求しなければ出せないということなんです。住民の皆さんに十分な理解を得てもらわなければいけないのに、開示請求しなければ出せないような、こういう事業で本当に理解と合意などが得られるのだろうかというふうに思うわけです。
 住民の皆さんは、開示請求をして求めたのがこの道路なんですね。これが淡島地域なんです。歩道を十分に確保するというお話がありましたけれども、歩道はこの淡島道路から、急斜面で盛り土になりますから、副道ができるということで、副道にできる歩道はペイントで、カラーで色分けするんだということですね。狭いからそういう、ガードレールなんかつけられないということで、ここにはペイントをするんだということだったんですけれども、この淡島通りから六十メートルぐらいの間には、このカラーの区別もないわけですよ。一体歩行者の安全はこれでどうやって確保できるのかという疑問があるわけですけれども、この点はどのように考えるんでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 まず、淡島通り近傍の副道における歩道の形態でございますけれども、副道の幅員は一般部で、標準部で六メートル、淡島通りの交差点付近では、付加車線の関係から、一部、四・七五メートルとなってございます。
 一方、この副道に接続する生活道路は、先ほど申し上げましたとおり、幅員二・五メートルから四メートルと狭隘で、そのほとんどが通り抜けできません。これらの道路に面する建物は四十棟で、駐車場は建物に附属する十カ所程度でございます。こうしたことから、区道の自動車交通量は極めて少ないものと考えてございます。
 また、この地域につきましては、防災面から、緊急車両の通行を確保することが極めて重要ということを考慮いたしまして、あえて副道に段差をつけた歩道は設けず、交通管理者と協議の上、区画線やカラー舗装などにより、歩行者と自動車を分離するなど、歩行者の安全に配慮した整備を行っていく予定でございます。

○かち委員 その辺に住む住民は少ないということだから、車も少ないだろうから、歩道を確保しなくても安全を守れるだろうというのが今のご説明ですよね。だけど、この通りができれば、周辺の皆さんはこの通りを通ってみんな淡島通りに出るわけですよね。そういうときに、車道と歩道の区別もなくてどうして安全が守れるんだろうかという点で、私自身もまだ納得はできません。
 結局、ここが一番狭いわけですけれども(資料を示す)二十メートルのこの補助二六号線をつくって、ここ二本の本線があって、そのわきに副道をつくるわけですけれども、ここが右折、左折をするので、ここがちょっと広くとってあるから、ここは一番狭くて、結局、ここを確保できない、歩道を確保できないということがあるわけでしょう。そういうことを、先ほどからのお話を聞いていると、十分に確保できるんですというふうに聞こえますけれども、実際にはできていないということではありませんか。
 お聞きしますけれども、この高低差って本当にすり鉢をくぼませたような角度なので、ここに盛り土をするということなので、結構高低差が、九メートルぐらいあるということなんですけれども、そのために、非常に今までは閑静な環境だったけれども、坂道を上りおりすると、一万九千台、それと副道もあるわけでもっとふえるわけですけれども、そういうことからしても、環境に大きな負荷がかかるということは、本当に否めないというふうに思うんです。
 そういうことと、それから生活環境の改善というお話がありましたけれども、生活環境を改善するためには、まずその周辺地域の電柱や生活道路に飛び出している電柱などを埋設する、地下化するということが一番地元の皆さんの生活環境を改善することになると思うんです。今、東京都も、区もそうですけれども、何か新しい道路をつくるとき、東京都は既存道路も手始めましたが、なかなか今の既存の道路に、そういう無電柱化をするというようなことが行われていないわけなんですけれども、この地域で計画はないというふうにいわれましたが、全くないんでしょうか。無電柱化を進めているところはないんでしょうか。

○藤江道路保全担当部長 先ほど申しましたように、都は、非常に安全面ということで、電線の地中化を鋭意進めているところであります。
 三宿、池尻地区内の生活道路であります区道につきましては、道路管理者の世田谷区が主体的に進める事業でございます。世田谷区は都市計画道路整備とあわせた無電柱化を優先的に進めておりまして、この地区では無電柱化した道路はないということでございます。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 先ほどのご質問に補足させていただきます。
 副道の交通量でございますけれども、現在、当該地区においては、地先道路としては、ほとんどが通過できない行きどまりの道路ということでございます。補助二六号線が整備された後につきましても、地先道路の形態は基本的に変わらないということで、副道に発生する交通量は小さいと。どの程度かということでございますけれども、道路交通センサス等の指標を用いて試算をいたしましたところ、両方の副道で一日当たりの交通量は約三十台ということでございます。
 こうしたことから、副道の交通量は非常に小さいということでございます。
 それで、淡島通り近傍の交差点の安全確保でございますけれども、こうしたことから副道にあえて段差を設けずに、区画線やカラー舗装などにより、歩行者と自動車を分離することで、歩行者の安全に配慮した道路づくりを行ってまいります。

○かち委員 でも、車が少ないから歩道をつけなくてもいいんだよというのがお答えだというふうに思うんですけれども、それは歩行者の安全を軽視した行動だといわざるを得ません。
 淡島通りから本線に入ると、二百メートルぐらい横断できないわけですよね、副道があるから。そういうことで、横断ボックスなるものを設置する計画ですけれども、こういう場所が死角となり、治安上の問題を生み出しやすいという点でも、地域の環境の向上や安全性の向上に寄与するとはいいがたいと思います。
 先ほど、生活道路の無電柱化については、主体的には世田谷区の事業だと。そうだと思うんですけれども、新しい道路をつくるときばかりではなく、既存道路にも積極的に対処できるよう、都としても支援すべきだと思います。
 本件のような道路では、環境アセスの対象にならないということですけれども、できないということではなくて、やらなくてもいいということなので、やってもいいと思うんですね。現道のないところに幅員二十メートルの幹線道路をつくり、一万九千台もの車が通る坂道であること、延長の半分は副道を入れて四車線になるような道路については、アセス対象にすべきだと思います。環境悪化はないといえるのならば、不安を取り除く説明を裏づけをもって行うべきだと思いますけれども、どうでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 環境アセスメントでございますけれども、東京都環境影響評価条例では、公害の防止、自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持等について、適正な配慮を行うため、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を環境影響評価の対象としてございます。道路の新設または改築につきましては、四車線かつ一キロメートル以上の事業が対象とされており、二車線の道路である補助第二六号線は環境影響評価の対象事業とはなってございません。
 副道につきましては、四百四十メートルの区間の一部、百六十メートルでございます。かつ副道の交通量は、一日当たり三十台程度ということで、四車線と扱うということについては当たらないというふうに思っております。
 実際に環境への配慮につきましてでございますけれども、本路線の整備に当たっては、車道部の低騒音舗装や緑豊かな植樹帯の設置などにより、沿道の環境に十分配慮してまいります。

○かち委員 だから、やってはいけないということではなくて、これ以上はやらなければいけないということでの四車線というのが出ているんだと思います。
 今回のようなものについては、ないところにつくるわけです。普通の道路ではなくて坂道の、そして二車線の盛り土をした道路をつくるという点では、非常に改変が激しいわけですから、そこに対する影響を当然検討するということがあってしかるべきだと思います。
 最大限の配慮をするのは当然ですけれども、そういうアセスの面でもきちんと対応すべきだと思います。
 この道路の役割として、延焼遮断、避難道路確保だといわれましたけれども、この計画道路の途中には、先ほどもありましたが池尻北広場という公園があり、この地域では子どもたちの唯一の遊び場ともなっているものです。ここの真ん中をこの道路が縦断するわけで、この広場はまさに、現在、災害時の一時避難場所としての格好の場所にもなっているわけですけれども、これが分断されて狭くなってしまうということですが、現在、何平米あるのか。また、縦断の道路ができた後にどのぐらい残るのか教えてください。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 池尻北広場でございますけれども、都市計画道路に位置する部分は道路用地として都が取得し、整備までの間、世田谷区に対して一時的な使用の許可をしている土地でございます。
 現在の広場の面積は二千二百六十七平方メートルで、道路整備後は九百八十五平方メートルが広場として残ります。

○かち委員 だから、三分の一ぐらいになって、それも二つに分かれてしまうという点では、遊び場がなくなると同時に、その地域の人たちの避難場所を本当にどう確保していくかということが大きな課題になってきてしまうというふうに思います。
 最後に、淡島通りから北側の代沢地区への延長には、井の頭線を越えなければならない問題があるわけで、アンダーにするのか、オーバーにするのか、これまでにも住民の皆さんには検討中と繰り返し説明されてきましたが、現在も検討中ということですけれども、今後のスケジュールというのはどのようになるのでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 代沢区間につきましては、周辺に京王井の頭線を渡る南北方向の幹線道路がなく、現道が狭隘で、緊急車両の通行にも支障を来しており、本区間の早期整備が必要でございます。
 本路線の整備に当たっては、鉄道の安全な運行の確保、交通事故の防止、交通の円滑化を図るため、京王井の頭線との立体交差を行います。このため、事業化に向け、京王井の頭線との交差方法や沿道との高低差処理について概略の検討を行っており、今後、道路構造の検討をさらに進めてまいります。

○かち委員 井の頭線越えというのは、周辺の地形との関係もあって、どちらにしても難しいというのが二六号線代沢地区の計画道路です。
 伺ってきたように、この補助二六号線の計画道路は、地域の環境改善、安全確保のためにといっても、いいがたい道路計画です。
 よって陳情一三八号から一四五号、一四七号、一四九から一五二号に関しては、趣旨採択を求めて、質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二一第一三八号から陳情二一第一四七号まで、並びに陳情二一第一四九号及び陳情二一第一五〇号を一括して採決いたします。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一三八号から陳情二一第一四七号まで、並びに陳情二一第一四九号及び陳情二一第一五〇号はいずれも不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二一第一五二号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって陳情二一第一五二号は趣旨採択と決定いたしました。

○藤井委員長 次に、陳情二一第一七六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野口道路管理部長 陳情審査説明表の整理番号20、陳情二一第一七六号をごらんいただきたいと存じます。
 本件は、都道における道路維持管理と示談の対応に関する陳情で、世田谷区の後藤雄一さん外一人の方から提出されたものでございます。
 要旨は、都道について、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、道路賠償責任保険に加入すること。
 二点目は、都庁全職員の目を活用し、都道の維持管理に取り組むことでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 都は、都道での安全で円滑な交通の確保と沿道環境の保全に向け、日々、道路の維持管理に努めております。しかしながら、都道において物損あるいは人身の事故が起き、都道の管理責任が問われ、示談交渉するケースは発生いたします。
 本陳情は、平成十九年四月に、都道横断中の女性が、道路中央部の舗装剥離箇所に足をとられて転倒し、手首を骨折し入院をされた事故がもととなっております。
 当該事故については、都は、治療を担当された主治医の方から聞き取り調査を行い、また、判例や過去の事例の判断も参考にしながら、客観的判断に基づき誠実に補償等の話し合いを行いました。そして、平成二十一年十二月に至って、被害に遭われた相手方との示談が成立し、賠償金の支払いを行いました。
 解決までに相当の時間を要しておりますが、これは、被害者本人が主張される治療の範囲や双方の過失割合に関する話し合いがなかなか決着しなかったことに加え、途中で相手方から訴訟でいくとの意思表示がなされ、示談交渉が中断となったことなどが主な原因でございます。
 また、陳情者は、職員が研修を受けたといっても保険業務に関してはずぶの素人であるとか、担当職員の不適切な対応と主張されていますが、職員は、職務として示談交渉を初め相手方との対応を誠実かつ適切に行っており、事実と相違いたします。
 道路賠償責任保険に加入すべきとのことでございますが、実際に民間が取り扱っている道路賠償責任保険を活用している地方公共団体があるものの、示談交渉などの核となる部分は弁護士法に基づき、地方公共団体がみずから行うか、地方公共団体が委任した弁護士しか行うことができず、保険会社が請け負える業務は調査や支払い事務などに限定されます。
 したがって、道路賠償責任保険に加入することは考えておりません。
 次に、都庁全職員の目を活用し、都道の維持管理に取り組むべきとのことでありますが、都道の維持管理については、都は道路の機能を確保し、いつでも円滑、安全に道路を利用できるよう常に良好な状態に保つため、主として、車両による道路巡回パトロールを日常的に実施しております。
 また、職員が工事の立ち会いなどで現場に赴く際においても、途中の道路状況を確認いたしております。
 さらに、都民から各建設事務所及び工区に都道に関する通報を受けた場合には、職員が速やかに現地の確認を行い、状況に応じて必要な対応を行っております。
 このようにさまざまな機会をとらえて現状を確認し、迅速な対応を行うことにより、適切な維持管理に努めております。
 説明は以上でございます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○かち委員 陳情二一第一七六号、都道における道路維持管理と示談の対応に関する陳情について、若干質問します。
 本陳情は、都道において、道路横断中に舗装の剥離箇所に足をとられて転倒し、手首を骨折、入院治療を要したという事故において、示談解決に至る経緯から、道路賠償責任保険への加入を求めるとともに、都庁全職員の目を活用し、都道の維持管理に取り組むことを求めるものです。
 都道の安全管理に努めることはいうまでもありませんが、不幸にしてこのような事故が起こることもあり得ることです。
 ここ数年間の都道における同類の事故は、年間どれぐらい発生しているのか。そのうち、死に至るような事故はあったのか。また、その賠償額はどれくらいでしょうか。

○野口道路管理部長 都道上で発生する事故は、その多くが街路樹の枝落下や都道での転倒などでありますが、都道上の事故で示談を行った件数は、平成十六年度から二十年度までの五年間の平均で申しますと、年間約二十四件であります。
 また、その支払い賠償額の合計は、五年間の平均で約六百七十五万円であります。
 死に至るような事故はございません。

○かち委員 年間二十四件で平均六百七十五万円だということでしたけれども、この道路賠償責任保険に全国都道府県のうち、入会しているのはどのぐらいあるのか、また、都として、加入することを考えない理由をもう一回お聞きします。

○野口道路管理部長 他団体の加入状況でありますが、都道府県では東京都を除く四十六道府県が道路賠償責任保険に入っております。
 また、国は、東京都と同様、道路賠償責任保険に入っておりません。
 道路賠償責任保険に入れば、保険会社に事故調査や賠償金支払い事務を代行してもらうことはできますが、相手方との示談交渉などの核となる部分は、弁護士法に基づきまして、都が道路管理者として、みずから行う必要がございます。
 よって、道路賠償責任保険に加入することは考えておりません。
 なお、一般的に連想されるものとして、保険会社が初期の段階から、さまざまな代行をしてくれる任意の自動車保険がございますが、これは、日本弁護士連合会と日本損害保険協会の協定によりまして、この保険に限って特別に行っているものでございます。
 また、道路賠償責任保険に加入している他の道府県もすべて、核となる部分はみずから判断しているということでございます。

○かち委員 たとえ入っていたとしても、その賠償交渉、示談交渉するのは都の職員か、都の依頼を受けた弁護士でなければならないということで、それは入っていても同じことであるということは、私も他県に聞いてみて確認はいたしました。
 それと、もう一つは、保険金をかけておいて、実際に賠償するときのメリットというか、財政的な負担力との関係でどうかという点を見ていく必要もあるだろうし、それは個々の自治体の判断があっていいというふうに思うわけです。
 この陳情者がいうところの当事者同士の話し合いでは感情が入ってうまく進まないみたいなこともいわれておりましたけれども、確かに一個人と東京都を相手にして話すという点では、対等、公正な話し合い、解決ができるかどうかという点ではなかなか難しい点もあるんですけれども、その辺が十分にできる状況を都としてどのように確保しているのかお聞きします。

○野口道路管理部長 都は道路の機能を確保し、いつでも円滑、かつ安全に道路の利用ができるよう、また、事故が起きないよう、日々、都道の適切な維持管理に努めております。
 仮に事故が起きた場合には、速やかに現地調査を行うとともに、相手方からの聞き取り調査をして、誠実、かつ公正な対応を行う中で、早期の解決を目指しております。

○かち委員 当然のことなんですけれども、これは第三者的な立場から、その話し合いを進めていくような仕組みがあれば、もっと公平性というか、都民的にも明らかになるのではないかと思いますので、その辺のことは今後考えていただきたいと思います。
 二つ目の、都道管理のために全職員の目を活用して、安全管理に取り組むべきとのことですけれども、他職場の職員まで義務を課すようなことは現実的とは思いませんけれども、今後とも道路管理者として、より一層多くの情報に目を傾け、速やかな対応で安全な都道の確保と保全に努めていただくことを求めておきます。
 よって本陳情は不採択を求めます。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異義なしと認めます。よって、陳情二一第一七六号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定しました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十五分散会

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