環境・建設委員会速記録第十三号

平成二十一年十一月十七日(火曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長藤井  一君
副委員長矢島 千秋君
副委員長野上ゆきえ君
理事中村ひろし君
理事高橋かずみ君
理事いのつめまさみ君
野田かずさ君
吉倉 正美君
山下ようこ君
かち佳代子君
林田  武君
松下 玲子君
こいそ 明君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
建設局東京都技監建設局長兼務道家 孝行君
次長影山 竹夫君
道路監村尾 公一君
総務部長藤井 芳弘君
用地部長角南 国隆君
道路管理部長野口 宏幸君
道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務藤井 寛行君
三環状道路整備推進部長戸谷 有一君
公園緑地部長小口 健藏君
河川部長廣木 良司君
企画担当部長鈴木 昭利君
道路保全担当部長藤江 賢治君
公園管理担当部長三浦 紀子君
参事今村 保雄君
参事谷村 秀樹君

本日の会議に付した事件
 建設局関係
事務事業について(質疑)

○藤井委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○藤井総務部長 去る九月四日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に五件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 まず一ページをお開き願います。道路補修費の予算と決算の推移でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成十二年度から二十一年度までの予算額と決算額、及び決算額を区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。歩道の整備状況の推移でございます。
 この表は、歩道の整備状況につきまして、平成十二年度から平成二十一年度までの整備延長と金額を、それぞれ区部と多摩部別にあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十二年度から二十一年度までの整備延長と事業費及び主な河川ごとの事業をあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。都市公園の整備費、維持管理費及び用地取得状況の推移でございます。
 この表は、都市公園につきまして、平成十二年度から二十一年度までの維持管理費と整備費及び用地の取得状況の規模と金額をあらわしたものでございます。
 五ページをお開き願います。補正予算における建設局関係の緊急経済対策の契約実績でございます。
 この表は、補正予算における工事等の契約実績につきまして、平成二十年度及び平成二十一年度の契約金額等をあらわしたものでございます。
 以上でご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○いのつめ委員 それでは、質問させていただきます。
 まず初めに、新宿駅西口近辺の路上に観光バスが多く停車しているのをごらんになったことがおありでしょうか。季節的に差がありますが、一日に二百台ぐらいの観光バスが発着をしています。都道にも数珠つなぎでバスが並んでいます。
 東京都は、この現状をご存じでしょうか、お答えください。

○野口道路管理部長 JR新宿駅は、都内における主要な交通結節点でございまして、その周辺は、各方面に向かう路線バスや高速バス、観光バスなどの起終点となっております。
 このため、多くのバスが集中し、都道上でも、特に停留所の設置を必要としない観光バスなどがとまり、利用者が乗降している状況があることは承知しております。
 例えばの例でございますが、もし決まった停留所を持たない観光バスなどが車道に長時間とまることにより一般車両の交通に支障が生じるような場合には、問題があるというふうに考えております。

○いのつめ委員 スキーシーズンになると、また夜間の台数もぐっとふえるというようなこともありますが、なるべく、やっぱり駅に近いところでお客さんを乗せたいというところで、近いところのスペースがあくまで、都庁の周りや、また中央公園の周りで待機をしているバスがぐるっととまっているということもあります。
 私もよく日帰りのバス旅行にお招きをいただいて参加することがありますが、必ず、この新宿駅西口が発着場所になっています。モード学園のところですけれども、何台も両側にとまっていて、一々バスの前のどこどこ様ご一行みたいな掲示を見ないと、自分のバスが一体どれだかわからないということで、急ぐ方が一々バスの札を見る、また反対側なのかといって道を渡っていくということで、かなり急ぐ方は横断歩道を使わずに渡ってしまったりと、バスを探す方が、結構安全上も問題があるんではないかと考えますし、また通行人の方も、バスが数珠つなぎになっていますから、横断のときなどに危険があるんではないかと考えます。
 東京都は、管理者として、この現状をどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

○野口道路管理部長 新宿駅西口は、警視庁の駐車取り締まり最重点地域となっておりますが、JR新宿駅西口周辺に限らず、お話しございました観光バス等が発着しているような場所については、発着に関して苦情があった場合や目に余る行為がある場合などにおきましては、警察が個別に取り締まりを行っておるということで認識しております。
 決まった停留所を持たない観光バスなどが車を発着させるための駐車スペースを必要とする場合には、やはりバス事業者や旅行事業者などが独自に、あるいは業界としてバス発着所を確保するなどして解決すべき問題ではないかというふうに考えております。

○いのつめ委員 それは、おっしゃるとおりそうなんですけれども、新宿駅の近辺は何分土地が高くて、業者の方が土地を買って、その観光バスを発着できるような土地がなかなか見つからないというのが現実ではないかと思います。
 また、バスが発着するモード学園のところにある近隣のビルの方々では、バスに乗車する人がビル内に入ってトイレを利用したり、また下車した方がごみを置き去りにしたりと、迷惑を受けている部分があるとも聞いています。
 私も出くわしたことは、バスで早朝、新宿駅に着いてしまった方が、特に女性たちは朝早くだとちょっとまだ危ないというので、ホテルの化粧室なんかで休憩をされてたりすることがあるわけです。
 このように、バス会社はお客様を連れていったり運んできたりすれば、それで役目は終わりなのかもしれないですけど、またその地域で営業なさっているそれぞれの方に迷惑がかかる部分というのも考えていかなければいけないと思いますが、名古屋駅の西口周辺では、バス事業者と旅行業者で構成されている名古屋駅貸切バス乗車システム運営協議会というものがつくられています。バスの発着の整理誘導を行って、通行人の安全にも警備員さんを出して配慮をしているというような状況でございまして、私も、東京都が幾ら道路管理者だからといって、税金を投入して、バス協議会のような役目を果たせということではありません。
 しかしながら、現在の状況がいいかというと、そうではない。放置しておいて、いいとは考えられません。都道を利用して経済活動を行っている旅行業者やバス会社の人たちが、自主的に協議会をつくって、ルールをつくって、利用者と通行人との安全を守ることが大切です。
 また、発着案内所を設け、利用者が快適にバス旅行ができるようにするべきだと思います。
 こういう動きが起こったときには、東京都も積極的に協力するべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○野口道路管理部長 お話のございました名古屋駅貸切バス乗車システム運営協議会が行っている名古屋駅西口周辺の事例でございますが、警察の事前指導を受けまして、バス事業者、旅行業者みずからが、道路上でバスが乗車待ちのために不法駐車しないよう、乗車システムを構築し、もって利用者の利便及び地域に迷惑をかけないようにすることを目的として、一定のルールをつくって自主的に取り組んでいるものでございます。また、この運営協議会の設置は警察からの指導がきっかけであったと聞いております。
 新宿駅西口周辺でも同様でございまして、まず事業者と警察の協議が必要であると考えます。その上で、都内のバス事業者や旅行業者などが、みずから協議会を設置してルールづくりを行うのであれば、道路管理者としても必要な助言を行ってまいります。

○いのつめ委員 ぜひ協力をしていただきたいと思いますが、新宿駅の南口には、甲州街道のかけかえに伴って、JRの線路上にビルができて、バスの発着所ができます。ここは、高速バスが一日に九百台出入りするのではないかといわれておりますが、しかしながら、観光バスは、この発着所は利用できません。
 ですから、ここができたとしても、西口近辺の都道上の観光バスが減るということはありません。どんどん増加してきているのは、新しい交通手段として、バスの需要が、ニーズがふえているということだと思いますが、観光バスが新宿駅西口で出発してまた戻ってくるというのは、いろんなことを考えてアクセスが便利だからだと思いますが、それをやはり、もう排除できるときではないのではないかと思います。安全性と利便性を高めるために、もちろん事業者さんたちに汗をかいていただいて、また警視庁の協力ももちろん必要です。建設局にも、ぜひご協力をお願いしたいという要望で終わらせていただきます。
 次に、道路拡幅についてお伺いいたします。
 私の地元の新宿区若松町地域住民の方に対して、放射第二五号線の拡幅工事の説明会が開催されました。私も、よくこの通りを車で走りますが、渋滞しているということが余りありません。拡幅する必要が本当にあるのかどうか、本路線の整備の必要性をお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 放射第二五号線は、新宿区新宿七丁目から文京区本郷二丁目に至る延長四・七キロメートルの都市計画道路でございます。本路線は、新宿七丁目において接続する放射第六号線と一体となって、区部と多摩とを結ぶ広域的な道路ネットワークを形成する重要な路線でございます。
 このうち、新宿七丁目から原町三丁目までの延長〇・九キロメートルの区間につきましては、中間部で現在事業中の環状第四号線が合流することから、ネットワーク効果を高めるためにも、本区間の早期整備が必要でございます。
 なお、事業化に向けて、本年六月に事業概要及び測量説明会を開催し、現在用地測量を実施してございます。

○いのつめ委員 この路線の都市計画決定は、昭和二十一年と聞いています。第二次世界大戦直後の都市計画が脈々と生きていて、六十年以上たってから、やっと実現されるわけですけれども、戦後六十年間の交通量をだれが予測することができたでしょうか。この間、やはりバブル期には車が多く渋滞していたところもあるかもしれませんが、今は割と落ちついてきていると思います。そして、多くの方が環境に対する配慮の意識もお持ちになって、マイカーを使わずに公共交通を使おうというような意識へ変わってきている点もあると思います。
 この地域は、地下鉄大江戸線が開通して一段と公共交通の利便性が高まりました。まだ拡幅は必要でしょうか。古いといっては失礼かもしれないですけど、古い都市計画に沿って事業を行い続ける根拠をお聞かせください。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本路線は、昭和二十一年に都市計画決定されておりますが、都と特別区は、平成十六年の区部における都市計画道路の整備方針策定に当たりまして、都民からの意見も踏まえて、活力、安全、環境、暮らしの四つの基本目標に照らしまして、必要性の検証を行った上で、本路線の新宿七丁目から新小川町までの三キロメートルの区間を、第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけてございます。

○いのつめ委員 現状は、この道路なんですけれども、歩道が三メートルぐらい、また片側が一車線で、交差点付近は右折レーンがあったりして二車線になっていますが、道路幅は十六・五メートルから約十七メートルという幅員です。反対側の商店街の中までこういう幅だとよく見えますし、向こう側の歩道を歩いている方の顔も見えて、ちょっと手を振ったらコミュニケーションをとるぐらいの道路幅で、ちょうどいいんじゃないかなと私は思うところもあります。
 しかし、計画によると、今後、拡幅されると道路幅は三十メートルになります。歩道が片側六メートルで、片側二車線ずつの四車線と。この三十メートルという道路幅は、まちを道路が分断してしまうのではないかという懸念があります。
 このように、六メートルという歩道、すごい幅の広い歩道ですけれども、この歩道をどのように整備していくお考えなのか、お伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本区間の整備につきましては、幅員十七メートルの道路を三十メートルに拡幅するものでございまして、歩道の幅員も現在の三メートルから六メートルに拡幅する計画でございます。
 歩道の整備形態につきましては、六メートルの幅員を生かして、可能な限り歩行者と自転車の通行を分離し、緑豊かな植樹帯を設置するなど、安全で快適な歩行空間の検討を進めてまいります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、早期事業化に取り組んでまいります。

○いのつめ委員 自転車はとてもエコな乗り物でもあるにもかかわらず、高齢者と子どもは歩道を通行、走行できるようになりましたが、歩道を走行すれば歩行者に邪魔といわれ、そして歩行者との事故も多く起きています。車道を走行すれば危険なこともありますし、車からも邪魔にされています。
 安心して自転車が走行できる自転車レーンの整備が六メートルの歩道であるなら可能だと私も思います。ぜひ、地域の皆さんの意見を聞いて、歩道の整備を力いっぱい行っていただきたいと思います。
 また、放射第二五号線は、若松町の交差点で大久保通りと交差します。直進は夏目坂ですが、ここは片側一車線のまだ狭い道路です。夏目坂の拡幅は、寺院も多い通りで、困難であるとも考えます。
 また、戦後から道路が広がるからと建設規制をされていた沿道の方々は、早く解決したいというお気持ちの方がいて、もうやるんなら早くやってくれという意見がある一方、また道路をそんなに広くする必要があるのか、私はここに住み続けたいんだというような方もいらっしゃいます。
 現在、生活をしている方、商売をしている方から用地買収をするわけですが、整備後の生活を変化させてしまうことがあります。道路を広くすると、商店街がなくなってしまうというケースがあります。新宿の曙橋から抜弁天へ向かう道路は、昔、とっても夕方になったりするとにぎわった商店街でした。さまざまなお店が並んでいて、買い物にも便利な商店街だったわけですが、道路幅が拡幅されてスーパーもなくなり、八百屋さんもなくなり、花屋さんも奥に引っ込んでしまうというような状況で、まちのにぎわいが減ってしまったと私は感じています。事業協力者の気持ちを大切にした整備が望まれます。
 戦後の都市計画道路については、さらなる絞り込みを行い、真に必要な整備であるのかを、今後も検証し続けていただきたいと要望して質問を終わります。

○高橋委員 最初に、東京外かく環状道路についてお尋ねいたします。
 外環は東京の最大の弱点である渋滞解消に向け、一刻も早く完成させなければなりません。私が事務局長を務めております、超党派で構成する都議会外環促進議連は、これまでも国等への要請活動を行うなど、外環の建設促進に努めてまいりました。
 その結果、五月には整備計画が決定され、国の平成二十一年度補正予算に外環の事業費が盛り込まれ、ようやく事業化に至りました。
 議連としては、その後も、引き続き、国交大臣を初め、国などへの要請活動を行ってまいりましたが、新政権による補正予算の見直しにより、用地補償費が執行停止となりました。けさの新聞報道にあるように、これまで生活再建救済制度により既に取得された土地は約四・二ヘクタール、百四十四億円で取得していると仄聞しております。
 今回の国の動きに対しまして、地元からは、用地取得についての不安の声も上がっていると報じられておりました。私の地元でも、今年度も早期買い取り申請があったと聞いておりますが、私のところにも、いつ買い取りをしてもらえるのかという数多くの声が寄せられております。
 都は、このような地域の切実な声にこたえ、今回のおくれを少しでも取り戻し事業を促進していくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○戸谷三環状道路整備推進部長 お答えいたします。
 外環道は、首都東京の最大の弱点である交通渋滞の解消のみならず、国際競争力の向上や環境改善など、東京だけではなく、広く国全体にその便益が及ぶ重要な幹線道路であると認識しております。
 ご指摘のとおり、新政権による国の補正予算の見直しにより、今後の外環道の用地及び補償費が執行停止となり、現在、外環道の用地取得ができない状況にあります。
 都としては、地域の皆様方の生活再建などに支障のないように、一日も早く用地取得を初め事業が推進されるよう、強く国に求めてまいります。
 外環沿線区市からは、用地取得を進めるためにも、事業の円滑な推進に向けて、国が主催する事業説明会を早期に開催するよう要望がなされています。
 都としても、事業説明会の早期開催に向けて、国に全面的に協力しているところであります。
 さらに、平成二十二年度予算においても、ご指摘の用地取得の促進に努め、国の補正予算の見直しによるおくれを少しでも取り戻すことができるよう、必要な予算の確保に向け、国に強く働きかけてまいります。

○高橋委員 次に、事業概要七三ページの河川の整備についてお尋ねいたします。
 ことしも、前半は西日本を中心に、梅雨前線や台風に伴う多くの水害が発生し、貴重な人命が失われました。また、十月には、二年ぶりに本土に台風が上陸し、中部から東北にかけ、百名以上の死傷者を出すなど、甚大な被害を受けたところであります。
 そんな中、さきの衆議院選挙において民主党が第一党となり、政権が自民党から民主党に移行して、すぐに河川整備にとってショッキングな発言が飛び出したのであります。大臣就任直後の記者会見において、国土交通大臣のマニフェストに掲げられているからとの理由から八ッ場ダムは中止するとの突然の発言に端を発した問題は、治水のあり方を根本から変える重要な問題であります。
 これまでの治水対策では、河川上流域でのダムの整備と、下流域での河道整備をバランスよく進めてきました。仮に利根川水系の上流域に位置する八ッ場ダムの整備を行わないとした場合、ダムにより期待されていた洪水調節量のすべてを、下流域の河道拡幅等により負担することとなります。この場合、東京を初めとする利根川下流域の自治体の住民は、上流域から流れてくる洪水の処理のために過大な事業協力を強いられることになります。
 大臣は、先日の関東地方知事会において八ッ場ダムの再検証を行うと発言いたしましたが、一級河川である利根川という大きな流域の治水安全性を確保するため、正確に検証していただき、ぜひとも計画どおり八ッ場ダムの整備を進めてもらいたい。また、ダムを生活再建の前提としてきた水没関係住民にとって、ダムの中止は、まさに生活の崩壊を意味するものにほかなりません。一都五県の流域住民の安全・安心を守るため、また、地元住民の生活再建のためにもお願いしておきたいと思います。
 そこで、東京の河川について伺います。東京には、利根川や多摩川などの大河川のほかに、中小河川と呼ばれている河川も多数あります。
 まず初めに、そもそも一級河川、二級河川はどのような基準で指定されているのか、また、管理はだれが行っているのかについてお伺いいたします。

○廣木河川部長 一級河川でございますが、河川法の第四条に基づき、国土保全上、また、国民経済上特に重要な水系で、政令で指定した水系のうち、国土交通大臣が指定した河川でございます。
 次に、二級河川でございますが、河川法の第五条に基づき、一級河川以外の水系で、公共の利害に重要な関係があり、都道府県の知事が指定した河川でございます。
 都内においては、利根川、荒川、多摩川、鶴見川の四水系九十二河川が一級河川に指定されており、これらの水系に接続していない古川、目黒川など、独立水系十五河川が二級河川に指定されております。
 この一級河川のうち、国が直接管理しているのは、利根川水系の江戸川、荒川、多摩川の万年橋下流及び浅川、中川、綾瀬川などの一部であり、その他は知事管理区間に指定され、都が管理しております。また、二級河川も都が管理しております。
 なお、区部の中小河川の大部分では、草刈り、点検などの日常管理は地元区が行い、整備計画の策定や大規模な改修は都が行っております。

○高橋委員 つまり、利根川や荒川、多摩川などの大河川を除いて、中小河川と呼ばれる荒川水系の神田川や石神井川、白子川など、大部分の一級河川、目黒川などの二級河川は都が管理しているということになります。
 そこで、都が管理している河川における河川整備計画の策定状況と、河川整備がどの程度進んでいるのか伺います。

○廣木河川部長 都が管理している河川は、一、二級の合わせて百七河川でございますが、これまで石神井川、白子川など、六十七の河川で整備計画が策定済みでございます。
 今後、立会川、秋川など残り四十河川の策定を進めてまいります。
 また、中小河川の整備については、一時間五〇ミリの降雨に対応できるよう護岸整備を進めており、平成二十年度末の整備率は六三%でございます。これに調節池等の効果を加えた治水安全度は七五%でございます。
 さらに、地盤の低い東部低地帯の河川におきましては、過去に高潮による被害がたびたび発生したことから、防潮堤や水門の整備など、高潮対策を重点的に進めており、整備はおおむね完了しております。

○高橋委員 高潮事業などに比べ、中小河川の整備は、まだまだ道半ばといったところであり、早急に五〇ミリ対策を完了させる必要性を痛感させられております。
 そこで、練馬区内の中小河川の治水対策について何点か質問をいたします。
 まず、現在進められている五〇ミリ降雨に対する整備計画について伺います。
 近年、都市部を中心に整備水準である五〇ミリを大きく上回る降雨が頻発していることは周知の事実であります。そこで、都では、平成十九年八月に豪雨対策基本方針を策定し、五〇ミリ対応の護岸整備に調節池や流域対策などを加え、七五ミリの降雨に対処する考えを明らかにするとともに、水害のおそれが高い神田川や石神井川など、七つの流域の豪雨対策計画を策定し、具体的な内容を明らかにしているところであります。
 しかし、まだ五〇ミリ対応の整備が完了していない箇所も多く、私の地元である石神井川や白子川では、これまでもたびたび浸水被害が発生し、多くの住民が被害を受けてきています。
 そこで、まず、石神井川と白子川の五〇ミリ対応の整備について、その進捗状況がどのくらいか伺います。

○廣木河川部長 河川整備は、下流から順次河川の拡幅を進めるとともに、調節池を整備し、水害の早期軽減に努めてまいりました。
 石神井川の進捗状況でございますが、平成二十年度末で護岸整備率は六七%、調節池の効果を加えた治水安全度は八五%でございます。白子川の進捗状況につきましては、平成二十年度末で護岸整備率は四四%、治水安全度は五六%でございます。

○高橋委員 河川の改修は、下流から順次整備を進める必要があること、都市化の進んだ東京においては、調節池の設置など、さまざまな工夫のもとに水害を軽減してきたという事情もよく理解しております。
 両河川の整備状況は理解しました。整備率が低い白子川においては、さまざまな工夫を凝らしながら、早期に整備を行うことが重要と考えます。
 そこで、石神井川と白子川の五〇ミリ対応の整備について、今後の進め方について伺います。

○廣木河川部長 水害の早期軽減を図るため、事業区間を拡大し、適地に調節池を整備しながら、円滑かつ効果的な事業の推進に努めてまいります。
 具体的には、石神井川では、現在実施中の螢橋から扇橋区間に続き、平成十七年九月の集中豪雨により大きな被害を受けた武蔵関駅付近を含む区間の新規事業認可を今月末に取得する予定でございます。
 また、白子川におきましても、現在事業実施中の区間に加え、その上流の御園橋から一新橋までの約九百メートルの新規河川予定地を今月末に指定して事業を進める予定でございます。
 さらに、中流区間におきましては、平成二十一年度から白子川地下調節池の工事に着手し、平成二十七年度の暫定取水を目指すなど、事業のスピードアップを図るとともに、既設の調節池と合わせ、約四十六万立方メートルの貯留が可能となり、格段に安全性が向上することになります。
 今後とも、五〇ミリ対策の早期完了に向け、積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 五〇ミリ対策の完了に向け積極的に取り組もうとしていることは理解できました。特に、白子川地下調節池の工事着手については、これまで議会で再三要望してきたことが結実したとの思いがあります。ぜひ、早期完成を目指してもらいたいとお願いしておきます。
 その一方で、首都東京の整備水準が、三年に一回の正規確率の一時間五〇ミリ対策では決して十分とはいえないと思います。荒川や多摩川などの国が管理する大河川の確率の百年から二百年に一回の確率と比べ、大きくかけ離れているといわざるを得ません。
 また、近年、整備水準である五〇ミリを大きく上回る降雨が頻発しており、さらに温暖化による雨量の増大も指摘する専門家の予測もあるわけであります。これらの降雨に対しても十分な備えを講じる必要があると考えます。今こそ、東京に既往最大の浸水被害をもたらした狩野川台風級の七五ミリの降雨を視野に入れ、次期整備水準を定め、早期に次のステップに踏み出すことが重要と考えます。
 そういった意味でも、白子川地下調節池は、当面は五〇ミリ対策の切り札でありますが、次期整備を見据え、さらにトンネルを延長して、既設の環状七号線地下調節池と連結させれば、白子川だけでなく、石神井川や神田川流域の水害軽減にも大きく寄与することとなります。特に、妙正寺川などで甚大な被害をもたらした平成十七年九月の集中豪雨のような局所的な豪雨の際には、流域間で効果的な運用が可能になると考えます。このような治水対策を早急に検討していただきたいと思います。
 治水は政の根幹と知事も発言されておりますが、私も全く同感であります。首都東京を水害から守る、都民の命と暮らしを守る、そのために、五〇ミリ対策の一刻も早い完成と、七五ミリ降雨を視野に入れた取り組みを早期に進めていくことを強く要望しておきます。
 次に、九月四日に説明のありました事業概要の一〇三ページ、都市公園・緑地の整備状況に関連し、都立石神井公園の整備についてお尋ねいたします。
 都は、「十年後の東京」において、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の実現を目指し、新たに一千ヘクタールの緑を生み出すとしております。
 緑の中でも、都市公園は、水と緑のネットワークの拠点として、また、いつ起こるかわからない地震災害時において避難場所や救出救助活動の拠点として機能する重要な都市施設であります。
 都全体の公園面積は、都民一人当たり五・六一平方メートルであり、諸外国と比べて依然として低い水準にあります。このことから、今後も、東京の公園の中核となっている都立公園の整備を積極的に推進すべきと考えます。
 私の地元、石神井公園は、三宝寺池や石神井城跡など、自然や歴史資源の豊かな、二十三区の中でも魅力あふれる都立公園であります。私は、子どものころから石神井公園に関心を持ち、すばらしい緑を見守ってまいりました。石神井公園の計画地には、企業などが所有する運動場が二つあり、周囲をさくで囲まれ一般の利用者が自由には利用できない状況が長く続いてきておりました。
 そのうちの一つ、三井住友銀行の石神井運動場については、平成十年度にその一部、約一・八ヘクタールを都が取得し、野球場二面を整備しています。また、平成十九年度には、三井住友銀行の石神井運動場の残り二・二ヘクタールを取得しましたが、これにより石神井公園が大きく広がることとなり、地元も喜んでおります。
 その整備内容については地元も非常に関心を寄せており、私は、防災機能の向上はもとより、既存の野球場に加え、テニスコートなど、スポーツ施設の充実も図るよう要望してきました。そして、昨年十月の環境・建設委員会において、防災公園としての施設整備やテニスコートの整備を検討していると、また伺わさせていただきました。
 そこでまず、平成十九年度に取得した三井住友銀行運動場跡地二・二ヘクタールの整備の進捗状況についてお伺いをさせていただきます。

○小口公園緑地部長 石神井公園は、地域防災計画で、震災時の避難場所やヘリコプター活動の拠点に位置づけられており、防災機能を向上させる必要がございます。また、平常時には、都民がレクリエーションとしてスポーツを楽しめるスポーツ施設の充実を図ることも大切でございます。
 そこで、お話の三井住友銀行運動場跡地の整備につきましては、災害時にヘリコプターによる救出救助や物資輸送が円滑に行われるよう、広場の整備や防災トイレ、非常用照明の整備を行います。また、あわせて、地元におけるこれまでのスポーツ施設の利用実態を考慮して、テニスコートや駐車場の整備を行います。この地区につきましては、平成二十二年六月オープンを目指しております。

○高橋委員 多くの人々が公園利用を楽しむことができ、震災時には防災機能を発揮するような公園整備をさらに積極的に進めてほしいと思います。
 また、石神井公園には、もう一つ、日本銀行の石神井運動場があります。日本銀行の石神井運動場については、練馬区が平成二十二年度から土地の一部を取得し、今後区立公園として整備をしていく予定となっています。
 私は以前、この運動場は風致地区にも指定されていることから、用地を取得して公園化を図るよう要望し、その後、区が用地を取得することになった経緯について、平成二十年三月の環境・建設委員会で質問をさせていただきました。
 都と区が調整を行い地域の緑を保全する観点から、練馬区が用地を取得し、公園化することに至ったと伺いました。日本銀行の運動場も、周囲をさくで囲まれ、一般の人が自由に立ち入れない場所であります。今後、区が周囲のさくを残し、さくの中を整備するだけでは、二つの公園がただ隣接しているだけの状態となり、利用者の理解は得られないと考えます。
 そこで、私は、昨年三月の環境・建設委員会において、今後の公園の整備に当たっては、区が整備する公園と都立石神井公園がつながり相乗効果を図られるよう、区と都が協力すべきと提案しましたが、その後の取り組みについて伺います。

○小口公園緑地部長 日本銀行の運動場敷地は豊かな樹林とオープンスペースをあわせ持ち、三宝寺池の涵養地として重要であります。
 また、現在開園している都立石神井公園と区の整備する公園をつなぐことで、災害時の避難を容易にし、利用者がより広く散策を楽しむことができるなど、公園の機能が向上いたします。
 都は、双方の公園が自由に行き来でき、一体として緑の保全が図れるよう区に働きかけてまいりました。区は、これまでに、日本銀行運動場の整備方針の中で、都立石神井公園からの利用者の動線を確保し、樹林との連続性や一体性を持たせた整備をするとしております。
 また、区は現在、公園の基本計画を策定するために、学識経験者等で構成される検討委員会を設置して検討を進めており、都も委員として参加しております。双方の公園の連続性を確保できるよう区と調整を進めるとともに、都として取り組むべき内容についても検討してまいります。

○高橋委員 区と連携し、この公園が石神井公園と一体の公園として、都民や区民がそのすばらしさを享受できるよう取り組みを進めてほしいと思います。
 さて、銀行の運動場を公園化した後にも、石神井公園の計画地にはまだまだ未整備の区域があります。地震災害時の避難場所や救援活動の拠点として、また三宝寺池を中心とする水と緑のネットワークの拠点として、さらに機能を発揮できるよう、石神井公園の拡張に努めるべきと考えます。
 今後も、石神井公園の整備の推進に向けてさらに積極的に取り組んでいただくよう要望しておきます。
 最後に、事業概要二九ページの道路の建設についてお尋ねいたします。
 東京の最大の弱点である慢性的な交通渋滞を解消するため、首都圏三環状道路を初めとする道路整備や連続立体交差事業の推進が重要であります。東京の道路整備は、渋滞解消はもとより、災害時の避難路、救急活動の円滑化など、防災性の向上、安全で快適な歩行空間の確保などのためにも不可欠であり、このことは、私は、かねてから訴えてまいりました。東京都の都市計画道路の整備率については約五七%であり、いまだ不十分であります。
 そこで、都は、都市計画道路の整備にどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 東京における都市計画道路の整備は、道路交通の円滑化を図るとともに、環境改善、地域の利便性や防災性、安全性の向上を図る上で極めて重要でございます。幹線道路ネットワークの早期完成が喫緊の課題でございます。
 このため、都市の骨格を形成する区部環状、多摩南北、区部多摩を結ぶ東西の幹線道路の整備などを重点的に実施してございます。

○高橋委員 私の地元である練馬区の都市計画道路の整備率は約四二%であり、東京都区部の約六〇%と比較して極めて低い整備水準となっております。
 そこで、練馬区内の道路整備の取り組み状況について、区内の南北方向の幹線道路である笹目通りの東側と西側に分けて伺います。
 まず、東側の地域でありますが、この地域では、放射第三六号線などにいまだ未整備の区間があり、幹線道路のネットワークが未完成であるため、周辺道路の渋滞や住宅地への通過交通の進入等を招いております。
 未整備区間である放射第三五号線及び第三六号線の練馬区早宮から板橋区小茂根までの区間については、事業化に向けて、昨年の八月に事業説明会が開催されました。その後、昨年の九月には、環境影響評価調査計画書が提出され、環境アセスメントの手続に着手したと聞いております。この手続の現在の進捗状況と今後の予定について伺います。

○谷村参事 放射第三五号線及び放射第三六号線につきましては、二十三区北西部の道路ネットワークを形成し、渋滞緩和や交通の円滑化、地域の防災性、安全性の向上を図る上で重要な路線でございまして、現在、未整備となっております練馬区早宮から板橋区小茂根までの区間の早期整備が必要でございます。
 この区間の事業化に向けて、環境影響評価調査計画書を提出した後、昨年の秋からことしの夏まで、大気や騒音、振動など、環境の現況を把握するための調査を実施しております。
 調査結果をもとに、現在、環境影響評価書案を作成しており、年内には環境局へ提出し、年明けには評価書案の内容を周知するため説明会を開催してまいります。

○高橋委員 本年三月の予算特別委員会の総括質疑におきまして、この路線の一刻も早い事業化について都の所見を質問したところ、建設局長から、今後、環境影響評価手続を進めるとともに、現地の測量作業などを工夫して、事業化までの時間短縮に積極的に取り組むとの答弁をいただきました。それに対する具体的な取り組み内容について伺います。

○谷村参事 事業化までの期間短縮を図るため、これまで環境影響評価手続の完了後に予定しておりました測量作業を、環境影響評価手続と並行して実施してまいります。これによりまして、本路線の事業着手を一年程度早めることができます。
 また、計画道路の位置など、具体的な情報を早い段階から住民の方々へ提示することも可能となります。今後とも、地元の理解と協力を得ながら、本路線の早期整備に取り組んでまいります。

○高橋委員 次に、笹目通りの西側でありますが、この地域の都市計画道路の整備率は、私の試算では約二六%で、著しく低い水準となっております。特に、練馬区北西部に位置する大泉町や大泉学園町などの地域は、二十三区内においても数少ない鉄道不便地域の一つであり、日常の交通手段として、路線バスなど自動車への依存度が高いにもかかわらず、道路整備が非常におくれております。
 このため、平成十三年に都議会議員として初登庁以来、私は機会があるたびに、この地域の道路整備の必要性を訴え、早期整備を要望してきました。そこで、それぞれの路線について確認したいと思います。
 まず、現在事業中の放射第七号線について伺います。
 この路線は、目白通りの延伸部であり、地域の骨格を形成するとともに、外環へのアクセス道路としても重要な路線であることから、早期整備が必要であります。そこで、現在の進捗状況について伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 放射第七号線は、区部と多摩地域を結ぶ路線で、外環へのアクセス道路としても非常に重要な道路でございます。
 練馬区内の北園交差点から西東京市境までの延長二キロメートルにつきまして、平成十八年七月に事業認可を取得し、本年十月までに約六五%の用地を取得いたしました。
 引き続き用地取得に努めるとともに、来年度からは、用地取得が進んでいる西東京市境から街築工事に向けた工事用道路の整備に着手する予定でございます。
 今後とも、早期完成を目指し、事業を推進してまいります。

○高橋委員 次に、この地域を東西方向に連絡する補助第二三〇号線は、道路ネットワークとしての機能や地域の防災性向上に資するだけではなく、地下鉄大江戸線延伸の導入空間ともなる重要な路線であり、私は、地元の声を受け、早期の整備を要請してきました。
 今月一日にも、大勢の地元住民や、私を含めた練馬区選出都議会議員も参加して開催された大江戸線延伸促進大会で、都営地下鉄大江戸線の延伸とあわせて、補助第二三〇号線の整備促進を東京都に要請をしていくことを決議したところであり、あす、副知事を初め、関係局長に要請をすることになっております。補助第二三〇号線の土支田通りから外環までの区間は、ようやく事業に着手し、地元の期待も高まっております。そこで、この区間の取り組み状況について伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 補助第二三〇号線は、練馬区北西部における道路ネットワークを形成するとともに、大江戸線延伸部の導入空間ともなる重要な路線でございます。
 本路線のうち、土支田通りから大泉学園通りまでの延長二千百メートルの区間では、練馬区や地元のまちづくり協議会と連携し、事業化に向けた準備を進めてまいりました。
 このうち、お尋ねの土支田通りから外環までの延長八百五十メートルの区間につきましては、本年七月に事業認可を取得したところであり、先月、用地説明会を開催し、用地取得に着手いたしました。
 今後とも、関係権利者を初め地元の理解と協力を得ながら、早期完成に向け事業を推進してまいります。

○高橋委員 今後とも、着実に事業を進めていただきたいと思います。
 ただいまの答弁の区間に続く西側の外環から大泉学園通りまでの区間については事業化に向けた準備を進めていると聞いておりますが、一刻も早い事業化が望まれます。この区間の現在の取り組み状況について伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 お尋ねの、外環から大泉学園通りまでの延長千二百五十メートルの区間につきましては、昨年九月に用地測量説明会を開催いたしまして、現在、測量を実施するとともに、高低差処理など、道路構造の検討や、関係機関との調整など、事業化に向けた準備を進めてございます。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、本区間の早期事業化に取り組んでまいります。

○高橋委員 次に、平成十三年九月に一万人を超える地域住民からの都営地下鉄大江戸線延伸の早期実現等に関する請願が提出されました。
 そこで、私は都議会議員として、八年間にわたり本会議や委員会など、あらゆる機会を通じて、地下鉄大江戸線延伸の実現と補助第二三〇号線の早期整備を主張してきましたが、改めて、このことを強く要望しておきます。
 次に、土支田通りは都市計画道路ではありませんが、周辺交通や路線バスルートを担うなど、地域の主要な道路として機能しており、補助第二三〇号線の整備に伴い、円滑な交通処理については、当然、この交差点の改善が必要と考えます。幾度となく早期整備を要望してまいりました。
 昨年、この委員会で、関係機関と道路線形などの協議を開始したとの答弁がありましたけれども、その後の取り組み状況について伺います。

○藤江道路保全担当部長 補助第二三〇号線の整備に伴いまして、交通事故の防止や円滑な交通処理の観点から、交差点前後の土支田通りの整備が必要と考えております。
 現在、補助第二三〇号線の整備にあわせて、土支田通りに歩道や右折レーンを設置するため、用地取得に係る説明を地権者ごとに個別に行いながら用地測量を実施しているところでございます。

○高橋委員 土支田通りは、練馬区北西部地域における重要な道路であり、交通量が多く、路線バスルートであるにもかかわらず、大型車のすれ違いが困難で、十分な歩道もない現状であるため、補助第二三〇号線との交差点付近のみならず、目白通りまでの歩道整備も進めていくことを重ねて強く要望しておきます。
 ここまで、都が施行する道路整備について、いろいろと答弁をいただきましたが、練馬区西側の地域には、都市計画道路の第三次事業化計画で優先整備路線として区が施行すると位置づけられている補助第一三二号線や補助第一三五号線、外環ノ2を初めとして、事業化計画に位置づけられていない補助第一五六号線や補助第二三〇号線の南北方向の区間など、整備の必要な路線が数多くあります。今後は、このような路線の整備も含め、この地域の道路整備を推進していくことを重ねて要望しておきます。
 これら道路ネットワークの整備にあわせ、忘れてはならないのが鉄道の踏切問題であります。私は、都議会議員として、西武線の連続立体交差事業の推進に精力的に取り組んでまいりました。とりわけ、西武池袋線の練馬高野台駅から大泉学園駅間については、早期高架化を強く要望してきたところであり、平成十四年二月には、地元住民約二万人による高架化の促進に関する請願が提出されました。これらの地元の熱意がかない、平成十九年五月に事業化が実現しております。
 これまで幾度となく、この事業の取り組みについて伺ってきたところであり、本年九月の第三回都議会定例会では、今年度中に、練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの上り線を高架化するとの答弁を得ております。このことについて、地元住民の関心は非常に高く、私のところにも高架化の時期について数多くの問い合わせをいただいております。
 そこで、この区間の高架化の見込みについて伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本事業は、西武池袋線練馬高野台駅から大泉学園駅までの延長二・四キロメートルの区間を高架化し、九カ所の踏切を除却するものでございます。
 このうち、お尋ねの練馬高野台駅から石神井公園駅付近までの延長一・二キロメートルの区間につきましては、来年二月に上り線を高架化する予定でございます。これによりまして、この区間の六カ所の踏切において、遮断時間が約三割減少することが見込まれ、交通渋滞の緩和が図られます。
 引き続き、下り線の工事を進め、本区間の平成二十三年度までの踏切除却を目指し、本事業に積極的に取り組んでまいります。

○高橋委員 これまで、道路事業の取り組みについて質問させていただきましたが、道路整備や連続立体交差事業を推進していくためには、必要な財源の確保が非常に重要であります。
 新政権のもとで見直された平成二十二年度政府予算の概算要求において、今年度創設され、東京都の道路整備の重要な財源となっております地域活力基盤創造交付金が二〇%削減されるなど、道路関係予算が大幅に減額され、その影響を非常に危惧しております。
 そこで、道路整備の推進と、そのための財源確保について、東京都技監の決意を伺います。

○道家東京都技監 東京の道路整備は、渋滞の解消、環境改善、防災性や安全性の向上のみならず、国際競争力の強化や都市の活性化を図る上で必要不可欠でございます。
 このため、外環など首都圏三環状道路や骨格幹線道路の整備、あかずの踏切を解消する連続立体交差事業などを重点的に実施するとともに、あわせて、新規事業予定箇所につきましても、順次事業化を図るため準備を進めているところでございます。
 さらに、だれもが安心して安全に利用できる快適な歩道や自転車走行空間の確保、無電柱化、街路樹の充実などにも積極的に取り組んでいるところでございます。
 日本の社会、経済の中枢を担います東京の道路整備は、事業効果が極めて高く、その便益が全国に及ぶことから、財源を集中的に投入し、一層推進を図っていくべきと考えております。
 しかしながら、お話にもございましたように、国土交通省の平成二十二年度予算概算要求の見直しにおきましては、事業の重要性や必要性などが考慮されずに、一律に道路関係予算を約二割削減しているところでございまして、また、道路整備を計画的、かつ効果的に推進するためにも、事業中の路線はもとより、新規路線の事業化も不可欠であるにもかかわらず、原則として新規事業は行わないとしているところでございます。
 今後、さらに、予算の査定もございますし、十二月下旬の平成二十二年度政府予算案の決定に向けまして、道路整備の財源は極めて厳しい状況にあるといわざるを得ません。このまままでは、都道のみならず、国道や区市町村道も含めまして、東京の道路整備のおくれが危惧されるところでございます。
 都は、これまで都議会の先生方のご協力をいただきながら、区市町村とも連携いたしまして、国へ要請活動などをしてまいりました。そして、この要請活動を通じて、道路整備の財源確保に取り組んできたところでございます。
 今後とも、あらゆる機会をとらえまして、東京の道路整備の重要性を国に強く主張し、必要な財源を確実に配分するよう強く求めるとともに、日本を牽引する東京、首都東京の道路整備に全力を尽くしてまいります。よろしくお願いいたします。

○高橋委員 今後とも、道路整備や連続立体交差事業の推進により一層精力的に取り組んでいただくことを強く要望させていただきます。
 また、道路整備のみならず、水害から都民の命と暮らしを守る治水のかなめである河川整備、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供し、震災時には避難場所や救援、復興活動の拠点ともなる公園整備など、都民が安全に、安心して生活を営むためには、これら都市のインフラ整備が必要不可欠であります。
 にもかかわらず、新政権においては、むだな公共事業を削減するとして、公共事業費の大幅な削減を打ち出しており、事業効果の極めて高い東京のインフラ整備に重大な遅滞を生じかねないものと危惧しております。
 東京のインフラ整備に対する都民の期待は非常に強く、その期待にこたえていくためにも、必要な財源を確保し、建設局の事業を精力的に、着実に推進していただくことを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○吉倉委員 建設局の事務事業について質問いたします。特に、高度成長期に整備された道路、歩道橋などの社会資本の整備について伺います。
 私の地元の飯田橋駅は、JR中央線と地下鉄四路線が交わる交通結節点であり、千代田区、新宿区、文京区の三区の区境に位置しており、駅東口にある飯田橋交差点は、外堀通り、目白通り、大久保通りが交差する交通の要衝であります。さらに、神楽坂、後楽園、旧江戸城内といった江戸文化を色濃く残す東京名所のある地域でもあります。
 この飯田橋駅は、三区の区境であることから、本来、一体的になされるべきまちづくりが個別に行われてきた結果、さまざまな問題が未解決のまま放置されております。
 その第一の問題点は、JR飯田橋駅が歪曲しているため、ホームと電車のすき間が著しく大きく、落下事故の危険性が高いということであります。
 また、第二点は、地下鉄通路が複雑でわかりにくいということであります。
 そして、第三点は、ガード下の歩道が狭くて、薄暗く、危険だということであります。
 こうしたことが地域で指摘されております。JRにかかわる点は、別の機会に申し入れなどを行いたいというふうに考えております。
 そこで、第三点目の、JR線ガード下の目白通りは、歩道が狭く、暗くて危険だという指摘について、道路管理者である建設局は、この状況をどう認識しているのか伺います。

○藤江道路保全担当部長 JR線高架下の歩道には、車道寄りにJR線の橋脚がございますが、駅改札口のある西側の歩道は、約三メートルの有効幅員がございます。反対側の東側歩道は、JR線の橋脚沿いに千代田区が管理いたしております駐輪場がございますが、約二・五メートルの有効幅員がございます。
 歩道の明るさについてでございますが、現地で照度を計測した結果、両側とも約四十ルクスありまして、交通量の多い道路で市街地部の歩道照明の基準であります平均路面照度十ルクスを十分満たしております。

○吉倉委員 答弁いただきましたけれども、現実に駅を利用されている方々にとって、このJR線ガード下の状況は極めて劣悪であります。この点をぜひ認識していただきたいと、このように考えております。
 ところで、このJR線ガード下の自動車や歩行者の交通量はどのくらいなのか伺います。

○藤江道路保全担当部長 平成十七年度の道路交通センサスでは、JR高架下でのデータはございませんが、南に約二百メートルのところにございます東京区政会館付近の千代田区飯田橋三丁目五番地におきますデータで申し上げますと、平日の午前七時から午後七時までの十二時間の自動車交通量は、上下線合計で約二万九千台でございます。
 また、同じく十二時間の歩行者交通量は、両側の歩道で約二万一千人でございます。
 JR高架下の道路については、その機能を果たしているというふうに考えております。

○吉倉委員 ご説明をいただきましたとおり、平日十二時間で約三万台近い自動車の交通量があると。こういうことを考えますと、現状のガード下の状況をこのまま放置することはできません。
 JRの線路を支える橋脚がネックであるならば、ぜひ、JR側との話し合いの機会を持つなど、解決へ向けての都の積極的な対応を求めたいと思いますが、この点、いかがでしょうか。

○藤江道路保全担当部長 JR飯田橋駅東口の橋脚は、中央線、総武線の線路を支える重要な構造物であり、橋脚の移設、撤去等は、現状においては困難であると考えております。将来、飯田橋駅周辺のまちづくりが進み、鉄道施設や道路の再整備が必要となった場合には、JRとともに考えてまいります。

○吉倉委員 もとよりこの一体的整備は、都が単独で解決できる問題ではありません。だからこそ、JR東日本や国も含めた積極的議論が必要だと考えております。そのリーダーシップを都がとるべきだと、こういうふうに申し上げているわけであります。
 次に、駅東口の交差点は、先ほどもお話しいたしましたとおり、外堀通りや目白通りなどの主要幹線道路が交差する交通の要衝であります。そして、この交差点には、現在、使用中の大きな歩道橋があります。
 そこで、この歩道橋を設置した年度と、当時の設置目的を再度確認しておきたいと思います。

○藤江道路保全担当部長 駅東口にございます飯田橋交差点は、外堀通り、目白通り、大久保通りが交差し、その横に神田川が流れる複雑な地形でございます。非常に交通処理が難しい交差点であります。
 その交差点にかかる飯田橋歩道橋は、昭和四十三年に、歩行者の安全確保と自動車交通の円滑化に寄与することを目的として設置いたしました。

○吉倉委員 ご答弁いただきましたとおり、交通安全対策上の緊急措置として、昭和四十年代に集中的に整備された横断歩道橋は、実際には、多くのものが当時とは周辺環境や利用状況が変化していると聞いております。そうした中で、この飯田橋の歩道橋は、現在まで継続して利用されている非常に重要な歩道橋だと考えております。
 その意味からも、私はもっと利用者の立場に立った歩道橋に大きく改善しなければならないと強く感じております。特に、地域の方々や利用者の多くの方々から、歩道橋の階段、歩道橋の幅員が狭いという指摘があります。この点、実際の状況はどうなのか伺います。

○藤江道路保全担当部長 一般的な歩道橋の通路部の幅員は二メートル程度でございますが、飯田橋歩道橋の通路部の幅員は、すべて三メートルを確保しております。階段部は、三メートルの幅員のものが一カ所、二またに分かれて合わせて三メートル以上のものが二カ所、一・五メートルの幅員のものが一カ所ございます。

○吉倉委員 また、同時に、歩道橋自体が揺れて怖いと、こういう声をお聞きしております。実際の状況について、ご説明いただきたいというふうに思います。

○藤江道路保全担当部長 飯田橋歩道橋は、外堀通りや目白通りなど、広幅員の道路をまたいでいることから、支間長が約五十メートルと長いため、通行者が揺れを感じやすくなっておりますが、安全上の問題はございません。

○吉倉委員 ご説明をいただきまして、揺れを感じやすいということはよくわかりました。
 しかし、昭和四十三年に設置されてから約四十年が経過をしております。経年による劣化の心配、あるいは、切迫性が指摘されております首都直下地震への対応として、安全性に問題はないのか、こうした地元の心配の声があります。
 聞くところによりますと、横断歩道橋の設計においては、風による力の影響を考慮していることから、安全性に問題ないと、こういうことでありますけれども、実際のところはどうなのか、わかりやすく説明をいただきたい、こういうふうに思います。

○藤江道路保全担当部長 横断歩道橋は一般の橋と比較しまして、橋の重さは軽く、お話のように、地震荷重よりも大きな風荷重で設計を行っております。地震に対して強度的に余裕があるため、耐震性が相対的に高くなっております。
 さらに、落橋防止装置を設置していることから、地震時において落下に至るような大きな被害はないと考えております。事実、平成七年の兵庫県南部地震においても、横断歩道橋が道路に落下するような大きな被害は発生しておりません。
 都は、管理するすべての歩道橋で五年に一回の定期点検を実施しており、飯田橋歩道橋においても、点検に基づき、損傷や劣化等の早期発見に努め、必要に応じまして維持補修を行うなど、適切な維持管理を行っております。

○吉倉委員 この飯田橋歩道橋は、交通の円滑化と交通事故の防止に寄与するなどの現状について理解をしております。
 しかしながら、飯田橋交差点には横断歩道が二カ所しかなく、例えばこの横断歩道を利用しないで、飯田橋駅から文京区方面に行くためには、大きく迂回しなくてはなりません。この歩道橋は、大変多くの人に利用されており、最近、周辺で複数の再開発が進んでいることから、今後、利用者は大幅にふえることが予想されております。
 例えば、千代田区側の富士見二丁目十番地区だけでも、昼間人口が約五千四百人ふえる、夜間人口は約千二百人ふえる。あるいは、文京区後楽二丁目西地区では、二〇一〇年竣工予定の建物が建ち上がると、昼間人口が約四千人ふえる、夜間人口は約五百人ふえると予想されております。これは、東大工学部大月敏雄准教授が実際に調査した結果をもとに推計したものであります。
 このように、地域の人口動態は大きく変容しており、今後の開発により、昼間人口は、地域全体で約一万三千四百人が増加すると予想され、それに伴う交通施設、特に歩道橋への負担増が心配されております。
 こうした変化に対応する形で、飯田橋駅周辺六地区の町会、自治会が、平成二十年四月に、飯田橋駅まちづくり三区合同協議会を立ち上げ、本年十月には、三区をつなぐ交差点と飯田橋駅前広場の一体的整備を目指すことを決めるなど、地元で新しいまちづくりに向けた機運が盛り上がっております。
 しかし、このような一体的整備を実現するためには、地元三区を初め、JR東日本や周辺の再開発事業者などが一体となった取り組みが不可欠であります。加えて、都が積極的にイニシアチブをとり、行政と住民が連携して、中長期の課題と現実の緊急課題を整理して進めることが極めて重要であると考えております。
 そのため、今後の議論を進めるに当たっては、これまでの住民主体の協議会に、行政やJRを加えた共同の話し合いの場をつくることであり、さらに、協議会運営を前に進めるためにも、専門的に課題を整理する技術コンサルが必要であり、交差点と飯田橋駅前広場の一体的整備のためのマスタープランの作成が急務であると強く感じております。
 中長期の目標とプランを作成する一方、緊急に解決しなければならない問題があります。それは、歩道橋のバリアフリー化であります。高齢者や障害者が歩道橋の上りおりに大変な苦労をしておられる。エレベーターがなく、車いすでは利用できないのが現実であります。
 近くの都立文京盲学校の生徒たちも利用しておりますが、歩道橋は、車の振動で揺れやすく、階段の傾斜が急なため、上りおりがきついと聞いております。盲学校のPTAの方々より、生徒たちは、雨の日には、傘、つえ、重たい点字の教科書を入れたかばんを持って、ラッシュの人波の中を上りおりする、本当に危険だと、このように指摘する声をお聞きいたしました。
 そこで、まず、この緊急課題への対応として、飯田橋歩道橋にエレベーターを設置すべきであります。都の所見を伺います。

○藤江道路保全担当部長 飯田橋駅周辺については、現在、地元の町会、自治会がまとまって、千代田区、新宿区、文京区をつなぐ交差点と飯田橋駅前広場の一体的整備を目指すことを決め、協議会としての活動を開始したと聞いております。この問題は、深くまちづくりにかかわることから、住民に最も身近な自治体である関係三区によるまちづくり上の位置づけや、地元を初め、飯田橋駅及びその周辺を利用する方々、鉄道事業者、開発事業者による合意形成が必要であると考えております。
 都が、現在の飯田橋歩道橋にエレベーターの設置を検討する際にも、こうした関係三区によるまちづくり上の位置づけや関係者の合意が必要であると考えております。

○吉倉委員 お話しいたしましたバリアフリーの観点から、ぜひ、歩道橋へのエレベーターの設置については、都市整備局、福祉保健局とも十分に連携をとっていただき、積極的な取り組みをしていただきたい、このことを要望しておきます。
 また、交差点と飯田橋駅前広場の一体的整備のためには、地元三区によるまちづくり上の位置づけが必要であることは理解ができますが、しかし、この地域は、三区にまたがっているため、三区それぞれが互いに牽制し合い、調整が容易に進んでいないというのが実態であります。
 このため、広域的自治体である都が、飯田橋駅周辺のまちづくりの意義を踏まえて、積極的にイニシアチブをとり、地元の取り組みを支援していくべきであります。こうした複数区にまたがる交通施設の整備を実現するためには、問題点の把握と課題の整理を広域的に行うことのできる都が強力にリーダーシップを発揮すべきであります。
 今後とも、予算委員会、本会議等で継続してこの問題を取り上げていくことを表明し、私の質問を終わります。

○かち委員 私からも道路事業について、何点かお聞きします。
 建設局の予算構成を見ますと、約五千億円の六八%、およそ七割を道路橋梁費が占めており、道路建設への偏重が浮き彫りになっています。三環状道路を初め、都市高速道路の促進などを重点課題と位置づけていますが、今日、環境改善やCO2削減、地球温暖化抑制が緊急課題となっているとき、税金の使い方、環境確保、持続可能な都市のあり方の視点から質問します。
 まず、中央環状品川線の計画についてお聞きします。計画では、大橋ジャンクションから大井ジャンクションまで、一・九キロメートルの地下高速道路です。とりわけ、大井ジャンクションに接続する周辺環境の現況について伺います。
 大井ジャンクションは、国道三五七号線から高速湾岸線へ連結します。そして、計画線の中間では、五反田での出入り口があります。その地上部を環状六号線が通っています。いずれも、交通量の多い道路ですが、それぞれの自動車走行量はどれくらいあるのですか。また、計画線によってどれだけふえるのでしょう。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 国道三五七号線、首都高速道路湾岸線、環状第六号線の現況交通量及び品川線完成後の交通量についてでございますけれども、現況交通量につきましては、平成十七年度の全国道路交通情勢調査によりまして、また、将来交通量につきましては、環境影響評価書にも記載されておりますが、環境影響評価手続において推計した品川線の供用開始予定である平成二十六年の計画交通量によりますと、国道三五七号につきましては、大井ジャンクション付近の現況交通量が一日当たり約三万七千台でありまして、将来交通量は約五万一千台でございます。
 次に、首都高速道路湾岸線につきましては、大井ジャンクション付近の現況交通量が一日当たり約十二万一千台であり、将来交通量は十七万一千台でございます。
 環状六号線につきましては、目黒区目黒三丁目付近の現況交通量が一日当たり約五万八千台でございます。将来交通量につきましては、五反田出口となる目黒区下目黒三丁目付近において約四万二千台、五反田入り口となる品川区西五反田五丁目付近におきまして約三万九千台となり、減少すると予測してございます。

○かち委員 品川線出口の湾岸線の大井ジャンクションは日量十二万一千台、国道三五七号線は三万台。そこへ品川線からの五万台ぐらいですか、ふえるということですので、かなりの、相当量の大気汚染の影響が考えられます。
 ここには、アセスでは、バックグラウンドが低いので問題がないというような書き方をしていますけれども、隣接する八潮団地に住む住民の方々は、この周辺で毎年二回、定点で二酸化窒素の濃度測定をしておりますけれども、それによると、この周辺では〇・〇六八から〇・〇八八という数字が観測されているんです。一日の測定量ですから、あくまでも傾向を示すものではありますけれども、この三年間だけでも濃度が高くなっている傾向があります。少なくとも品川線の開通によって、十七万台近くの車が大井ジャンクションに集中するわけですから、その周辺への大気汚染対策を考えるべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 中央環状品川線は、環境影響評価法に基づき、本事業の実施による環境影響の程度につきまして、あらかじめ調査、予測、評価を行ってございます。
 環境影響評価書にも記載されてございますけれども、大井ジャンクション及び五反田出入り口周辺の大気質につきましては、ジェットファンの設置や、集中排気によるトンネル出口、坑口からの漏れ出し抑制を図るなどの配慮を行うことにより、自動車の走行にかかわる二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の影響が小さくなるものと考えており、いずれの箇所も予測値は環境基準値を満足してございます。

○かち委員 いずれも予測値を満足しているという今のご答弁でしたけれども、この環境影響評価の数値を見ますと、年平均が〇・〇三三というのが、一年後、そして十年後もその〇・〇三三は変わらないんですね。この年間〇・〇三三をクリアするということは、一日排出量〇・〇六をクリアしなければ到達しない数字なんです。この環境基準をクリアする目安というのは、年間〇・〇三、これが東京都の環境局のホームページにも出ていますし、道路環境評価の技術手法という本にも書かれています。ですから、もう既にこの時点で環境基準をクリアしていないということが明らかになっているわけです。
 SPMについても、環境基準、一日平均〇・一ミリグラム・パー・立方メートルをクリアするためには、年平均値は〇・〇三五です。ところが、これは、こちらを見ますと〇・八三三八、一年後も十年後も同じ数字になっています。
 そういう意味では、全然クリアしているとはいえないんじゃないか、環境影響が少ないとはいえないんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都では、平成十六年四月に、東京都自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画を作成してございます。
 この計画では、低公害車の普及やディーゼル車走行規制などによる自動車の単体対策、それから、品川線もそうでございますけれども、道路ネットワーク整備などによる交通流対策、公共交通機関の利用促進などによる交通量対策を実行することによりまして、平成二十二年度までにすべての測定局で基準を達成することを目標としてございます。
 これに基づきまして、品川線の環境影響評価では、平成二十六年のバックグラウンド濃度に本路線の影響を加味した二酸化窒素濃度等の予測を行ったものでございます。

○かち委員 いろんな対策をとった上で、こういう結果が出るとおっしゃるんですけれども、この数字を見る限りでは、環境基準はクリアしていないということを示しているんですね。このアセス評価書を作成する前の準備書でも、この地域におけるNOxやSPMの濃度は高いことを示しています。NO2は四十五例中三十九例、SPMは四十五例中四十例が環境基準相当値を超える状況が五年間続いていたということも書かれています。そういう意味では、ここの環境汚染は相当数あるということを免れることはできないと思います。
 それから、自動車走行量の予測についても、これまで、アセスの予測どおりになったためしがないというのが実態です。例えば、これまで供用されてきた外環道練馬区大泉地区では、事後調査で、事前予測量の五五%増、五万四千二百九十三台。また、首都高速一一号線、東京港連絡橋の交通量予測は、事後調査では、有明で五二%増、芝浦で二二%増と、いずれも一万三千から一万二千台の増となっています。高速道路の計画交通量は不正確であるということを道路公団民営化推進委員会でも指摘されているものです。こうしたことに照らしても、環境に影響がないとは到底いえないものです。
 中央環状新宿線に接続する大橋ジャンクションから大井ジャンクションまでの一・九キロを結ぶ地下高速道路は、新宿線と合わせて三・五キロの都心の地下を、これだけ長蛇の高速道路が走るのは、全国にもないものです。
 シールド工法が始まれば、膨大な建設残土が生み出されます。その量は一体どれくらいで、その処理はどのようにされるのか、どこに持っていくのかなど、お聞きしたい。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 先ほどの環境基準についてでございますけれども、委員がおっしゃられた平均値との比較ではなくて、九八%値との比較、それと、環境基準との比較ということでございます。したがいまして、九八%値では環境基準を達成しているということでございます。
 続きまして、ご質問の残土の件でございますけれども、シールドトンネル工事では約百万立方メートルの残土が発生いたします。約百万立方メートルのうち、約三万立方メートルをダンプトラックにより新海面処分場へ、約九十七万立方メートルを船舶により横浜市南本牧ふ頭へ運搬する予定でございます。ダンプトラックによる運搬台数は、延べ約五千四百台を見込んでございます。

○かち委員 九八%は達成しているんだとおっしゃいますけど、じゃあ、この数字は幾らなんでしょうか。それは、こちらの環境評価では年平均値が〇・〇三三ということですよね。年平均値の環境基準クリアというのは、〇・〇三〇なんですよ。そういう意味では、これはクリアしていないでしょうと私がいったんですけれども、九八%で達成しているというんだったら、その数字は幾らですかというのをちょっとじゃあお聞きします。
 それから、地下道路になれば、用地買収も必要なく、早く進むということで、こういう手法をとってきているわけですけれども、残土処理という問題も出てくるわけです。結局、広大な埋立地に利用するしかないということになるわけですが、それが東京湾をだんだんに狭くして、温暖化をもたらす要因ともなっています。
 このパンフレットには、品川線の開通によって渋滞を解消し、CO2は年間九万トン改善できるなどとしていますけれども、その一方で、海岸を埋め立て、環境に負荷をかけているという点では、環境改善になるとは到底いえません。
 それで、先ほどのご答弁をお願いします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 品川線につきましては、トンネル工事の採用について、地上部の環境を守るという観点からも採用したわけでございます。
 続きまして、数値の件についてお答えいたします。これも環境影響評価書に記載されてございますけれども、具体的な数値でございますけれども、品川区八潮五丁目の大井ジャンクション周辺における二酸化窒素の日平均値の九八%値は、〇・〇五五ppmで、環境基準値の〇・〇六ppmを下回ってございます。また、浮遊粒子状物質の日平均値の二%除外値は、〇・〇九〇ミリグラム・パー・立方メートルであり、環境基準の〇・一〇ミリグラム・パー・立方メートルを下回ってございます。
 また、目黒区下目黒三丁目の五反田出口周辺における二酸化窒素の日平均値の九八%値は、〇・〇五五ppmでございます。また、浮遊粒子状物質の日平均値の二%除外値は、〇・〇九〇ミリグラム・パー・立方メートルであり、いずれも環境基準を下回ってございます。
 最後に、品川区西五反田五丁目の五反田入り口周辺における二酸化窒素日平均値の九八%値は、〇・〇五一ppmでございます。また、浮遊粒子状物質の日平均値の二%の除外値は、〇・〇八七ミリグラム・パー・立方メートルであり、いずれも環境基準を下回ってございます。

○かち委員 ということですけれども、年の平均値といえば、その数字がクリアしていないわけですから、そのことを指摘したんです。九八%値というんじゃなくて、一日平均値ということで見ますと、これはクリアできていないという数字ですから。
 それで、中央環状品川線の、それでは事業費と都の負担、工事の進捗状況はどうなっているでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 中央環状品川線の総事業費は四千億円でございまして、このうち、二千億円が有料道路事業、二千億円が街路事業として実施してございます。有料道路事業につきましては、首都高速道路株式会社に対する出資率が一七・五%であることから、都の負担額は三百五十億円となります。街路事業につきましては、国庫補助率が五五%であることから、都の負担額は九百億円となり、有料道路事業と街路事業合わせた東京都の負担額は千二百五十億円となります。
 進捗状況についてでございますけれども、平成十七年度に事業着手し、事業用地についてはおおむね完了、取得してございます。
 工事については、品川線最初の工事として、平成十八年度に発注した大井北発進立て坑工事が昨年六月に竣工いたしました。現在、シールドトンネル工事、四カ所の換気所下部工事について、都議会のご承認をいただいて、契約を締結し、工事を実施してございます。

○かち委員 一・九キロ、約二キロの道路建設に四千億円、税金投入で二千億円、まさに一メートル一億円の道路建設ということです。
 高速道路でありますけれども、街路整備ということも加味して、都の負担分は、約半分が国からの補助で一千億円、一方、首都高速道路株式会社の負担分に出資金等で二百五十億円ということですから、都の負担は千二百五十億円にもなる負担になるんですね。
 現在、新政権のもとで、来年度予算に向けての検討作業が行われていますが、こうした高速道路事業への見直し、廃止などが検討されています。仮に、国がこの品川線の補助を中止するようなことがあった場合、都としてこの事業をどのようにするのか、お聞きします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 延長九・四キロの品川線でございますけれども、首都圏三環状道路の一つとして、高速道路全体のネットワークを効率よく機能させ、人と物の円滑な流れを実現するとともに、一般道路の渋滞緩和やCO2削減など環境改善に寄与する重要な路線でございます。このように多くの効果が期待される品川線を早期に完成させるため、都みずからも事業者となり、街路事業で整備を進めてまいりました。
 引き続き、必要な財源確保に努めながら、平成二十五年度の開通を目指し、品川線の整備を積極的に推進してまいります。

○かち委員 たとえ環状道路を延長するにしても、この品川線は、首都高速道路株式会社の仕事であり、都が出す必要のないのに、その半分を負担する。さらに、国もこのような道路建設のあり方を検討している中にあって、かたくなに推進するのではなく、税金の使い方を改めるべきです。
 また、今後、人口減少時代を迎えるもとで、道路、橋梁、公共施設などのインフラ整備は、維持、更新中心に切りかえることを求めておきます。
 もう一つ、環状道路、外かく環状道路について申し上げます。本年四月二十七日、国土交通省は、国土開発幹線自動車道建設会議において、外かく環状道路の練馬区大泉-世田谷区東名高速道路間を整備計画路線に格上げすることを決定しました。国と東京都は、本体工事を大深度方式に変更しましたが、住民の立ち退きや湧水の破壊、自動車公害の増大など、環境悪化は避けられず、加えて、事業費は一兆三千億円、これに地上部道路及び東名以南延伸を加えれば、三兆八千億円もの巨額の税金投入となります。こうしたもとで、地元自治体からも疑義が出され、地域住民の反対の声も大きく広がっています。
 さらに、今年度、追加経済対策として盛り込まれた補正予算が、新政権のもとで執行停止ということで、用地買収や補償費の執行が停止状況になっています。
 今後、国の動向もありますが、この機会に従来型の大型道路建設計画は見直し、環境面でも、財政面でも、持続可能な都市のあり方に転換すべきだと述べておきます。
 次に、幹線道路周辺の環境対策についてお聞きします。毎年の全国のNO2測定結果を見ると、都内でも三大汚染地域といわれている板橋の大和町交差点、目黒の大坂橋、そして私の地元である松原橋付近は、いつもワーストテンに入っている状況です。
 建設局としても、対策を講じられてきているわけですが、松原橋付近の大気汚染、とりわけNO2については依然として最悪です。平成十九年の年平均値は〇・〇四七ppm、全国最下位です。
 六年前に、国とともに巨大な土壌浄化の実験装置を設置したことで周辺環境がよくなることを期待したのですけれども、状況は依然として変わっていません。その要因はどのように分析されているのか、お聞きします。

○藤江道路保全担当部長 大田区松原橋交差点は、環状七号線と国道一号が立体交差する交差点であります。交差点付近で、環境改善を目的といたしまして、平成十四年に国と都が共同で土壌を用いた大気浄化実験施設を整備いたしました。平成十五年から二年間、自動車から排出される窒素酸化物や浮遊粒子状物質の除去実験を行いまして、平成十七年三月に、学識経験者等で構成いたします大気浄化技術評価委員会において、実験施設が沿道の大気質濃度に与える改善効果について検証を行い、取りまとめました。
 その取りまとめでは、実験施設の除去能力は目標値を満足することが確認できましたが、実験施設による沿道の大気質濃度の改善効果については確認できませんでした。
 なお、大気浄化施設は、実験終了後も引き続き稼働させております。

○かち委員 吸い込んだ排気の除去効果は確認できたけれども、周辺大気の浄化の効果は認められなかったということなんですね。しかし、現に装置は作動し続けているわけです。この装置を設置するにも、また、ランニングコストについても、相当額の負担を都もしているわけですけれども、それぞれどのぐらいでしょうか。

○藤江道路保全担当部長 国と都が共同で設置いたしました大気浄化施設の建設費は、約三億九千四百万円で、そのうち、東京都の負担は、四五・二%の約一億八千四百万円でございました。
 また、維持管理費は、平成二十年度実績で約一千五百万円であり、そのうち、東京都の負担は、四五・二%の約七百万円でございます。
 なお、国と都の費用負担割合は、松原橋交差点付近における国道一号と環状七号線の当時の自動車交通量の比率等をもとに算出しております。

○かち委員 設置で一億八千四百万円、毎年の運転コストが七百万円ということで、相当な経費がかかっているわけですけれども、しかし、現状は全然よくなっていないという点では、何らかの抜本対策をとらなければいけないのではないかというふうに思うんです。設置主体は国ということですけれども、状況としては環七沿いの自動車排気測定所の実態がひどいということでありますので、都としても、主体的な立場に立って、この問題解決に当たっていただきたいというふうに思います。
 それで、今現在、浄化した空気の吹き出し面にコケのようなものが植えられているんですけれども、それも枯れかけていて、緑さえも喪失しかけています。せめて浄化した空気が出てくる地面に緑の植栽を行うなど、街路樹の増加促進対策としても検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

○藤江道路保全担当部長 松原橋交差点の大気浄化施設におけます土壌浄化部は、地上部三段でございます。それぞれのグレーチングの上に厚さ五十センチの土壌を盛った構造となっておりまして、表面を緑化するため、段ごとに種類の異なった植物を植えております。
 松原橋交差点の大気浄化施設は、NO2除去率が九四%あり、こうした能力を十分に発揮させるため、土壌内を通る風量や通気速度を高く設定しており、その結果として、土壌がより乾燥しやすい条件下になり、水をより必要とする常緑性の低木を育てるのは困難な状況にございます。
 現在、特に乾燥に強いセダムなどを中心に育てているが、今後とも、地上表面を覆う植物による緑化を図っていきたいと考えております。
 なお、松原橋交差点の大気浄化施設の敷地内には、施設の周辺にケヤキなどの高木や、ツツジなどの低木を植え、緑化に努めております。

○かち委員 同様な土壌浄化を行っている川崎市の池上新田にある土壌浄化装置では、シャリンバイなどという乾燥や大気汚染に強い常緑樹の低木などが植栽されていて、非常に緑豊かです。ぜひ、このようなことも検討していただきたいというふうに思います。
 東京全体としての環境改善としては、ロードプライシングやTDMなどを進め、総合的な対策によって改善を図ることが必要ですけれども、局所対策としては独自に行うべき課題であり、その効果をもたらすことを重ねて申し上げて、質問を終わります。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩

   午後三時七分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開会いたします。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○中村(ひ)委員 それでは、建設局の事務事業報告について、大きく三つの視点から質問します。公園、河川、道路事業について質問しますので、ご答弁をよろしくお願いします。
 まず一つ目の質問として、公園事業について質問します。
 民主党は、都議会議員選挙のマニフェストで、環境の視点から都市公園の整備や校庭の芝生化などにより、三年間で四百ヘクタール以上の新たな緑を創出することを提案しました。東京都が都市戦略として発表した「十年後の東京」においても、東京の成長過程で失われた緑と水に囲まれた都市空間を再生するとともに、美しい都市景観を創出し、東京の価値をさらに高めることを政策の方向性として打ち出しています。
 これまで新たな緑の創出に向け、さまざまな事業に取り組んできたと思いますが、とりわけ緑のネットワークの拠点となる都市公園の整備が重要と考えています。
 そこで、広域的な緑のネットワークの拠点となる都市公園の整備について、今後の取り組みについて伺います。

○小口公園緑地部長 「十年後の東京」では、第一の目標を水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させるとしており、その実現には、都立公園の整備は重要であります。
 都立公園の整備につきましては、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九において、平成二十一年度から平成二十三年度までの三年間で七十ヘクタールを新たに開園することとし、事業に取り組んでおります。

○中村(ひ)委員 ご答弁ありがとうございます。ぜひとも計画どおりの公園整備をお願いします。私の地元の三鷹市にも、井の頭公園などの都立公園がありますが、都会の中の豊かな自然を地域の住民の方も憩いの場として利用されています。
 公園の整備については、計画段階で、住民の声や、それを取りまとめる自治体の意見を聞き、反映させる必要があります。最近、地域の小さな公園でも地域住民と一緒に計画をつくる取り組みがふえてきました。
 そこで、都立公園の整備計画を策定する際には、地元自治体や都民の声を聞いているのか伺います。

○小口公園緑地部長 都立公園の整備計画は、学識経験者や公募の都民委員等から成る東京都公園審議会の答申を受け策定しております。
 都立公園は、その性格上、広域的な利用がされることなどから、計画策定の過程において地元自治体の意見を聞くとともに、パブリックコメントなどを実施し、広く都民の意見を聴取しております。

○中村(ひ)委員 ぜひとも、自治体や住民の意見をしっかりと受けとめて反映をさせていただくようお願いをします。
 さて、都立公園の整備も必要ですが、身近な公園整備も緑のネットワーク形成には必要です。「十年後の東京」の実現には、区市町村の公園づくりの支援が必要だと思います。
 そこで、都市公園を整備する区市町村に対する東京都の支援の取り組みについて伺います。

○小口公園緑地部長 都は、区市町村の公園整備の促進に向けて、技術や財政面の支援を行っております。
 技術面については、緑の基本計画策定への助言、公園設計マニュアルの提供などの支援を行っております。
 また財政面については、区市町村が必要とする国庫補助金について国に対し働きかけるとともに、市町村土木補助を、平成二十一年度は前年度に比べ約四億五千万円に増額し、支援を強化しているところでございます。
 今後とも、緑の拠点づくりのために、積極的に区市町村の公園整備を支援してまいります。

○中村(ひ)委員 ありがとうございました。大変重要な公園整備の事業ですので、今後ともお願いをいたしまして、次に、河川整備についての質問にいきます。
 台風や集中豪雨による洪水から都民の命と暮らしを守る中小河川の整備は重要な事業であるとの認識から、民主党のマニフェストでは、河川整備のスピード一割アップを公約しました。また、さきの第三回定例会でも幹事長から質問したところです。そこでまず、一時間五〇ミリの豪雨に対する対応はいつを目標に完成するのか伺います。

○廣木河川部長 中小河川の整備につきましては、都は、これまで一時間五〇ミリの降雨に対応できるよう、河川の拡幅や分水路、調節池などの整備を進め、水害の軽減に努めてまいりました。
 これらの整備により、護岸の整備と調節池の効果を加えた、平成二十年度末の五〇ミリ降雨の治水安全度を七五%まで高めてまいりました。
 その一方、整備に当たっては、住民の理解や協力を得ながらの用地取得や、都市部特有の密集市街地での施工など、課題も多く、多大な費用と時間を要しております。
 今後とも、必要な財源確保など、課題解決に努め、事業のスピードアップを図りながら、着実に事業を進めてまいります。

○中村(ひ)委員 完成に向けて積極的な促進を期待いたします。また、近年、都市部を中心に一時間五〇ミリを超えるような豪雨が多発しており、東京都においては、妙正寺川などで大きな被害をもたらした平成十七年九月の集中豪雨や平成二十年八月末豪雨など、一〇〇ミリを超える局所的な集中豪雨が発生しています。
 これらを踏まえて、東京都技術会議において、狩野川台風級の七五ミリを視野に入れた検討との提言もあります。また、第三回定例会において検討に着手した旨の発言もありました。
 そこで、七五ミリ対応の検討の見通しと、現在の整備水準である五〇ミリを大幅に超えるような局所的な集中豪雨にどう対応するのかを伺います。

○廣木河川部長 まず、整備水準を超える降雨への対応につきましては、河川の拡幅や調節池の整備などのハード対策に加え、いざというときに都民の迅速な避難行動に結びつく雨量水位情報の提供、洪水ハザードマップのもととなる浸水予想区域図の公表など、ソフト対策もあわせて推進しております。
 次に、七五ミリ対応の検討でございますが、東京に既往最大の被害をもたらした狩野川台風級の七五ミリ降雨を視野に入れまして、今後の河川整備のあり方について検討を進めております。
 具体的には、学識経験者の意見を聞きながら過去の降雨データを解析し、既定計画の河川施設の再評価を行い、調節池の増設など、必要となる河川施設を検討してまいります。
 今後とも、都民生活の安全確保に努めてまいります。

○中村(ひ)委員 都民の安全のためにしっかりとした取り組みの方をお願いをいたします。
 さて、中小河川の整備に関しては、安全が第一であることは十分承知していますが、また、まちの中で潤いも重要です。例えば仙川は、三鷹市の北西部を流れている箇所は、平時には水もなく無味乾燥な川です。水は、市民の心に潤いを与えます。当該箇所を含む区間は五〇ミリ整備が必要でない区間であることは聞いていますが、河川沿いの公園や大型住宅用地などを活用した水辺空間の創出も重要であると考えます。ぜひこれらの施設の管理者と連携を図りながら、東京都が主導的な立場で整備を進め、安全で潤いのある河川の創出を目指していただくということを要望して、河川に関する質問を終えて、道路に関する質問に移りたいと思います。
 まず、道路事業についての最初の質問として、道路の整備について三多摩での状況を伺います。
 都政においては、その制度の違いから、さまざまな場面で三多摩格差という言葉を聞きます。実際、都市計画道路の整備率もまだまだ差があります。三多摩格差をどう考えるか伺います。
 また、区部とは財政的に差のある市町村へのさらなる支援が必要と思いますが、どう考えるかお伺いします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都は、これまで三次にわたる都市計画道路の事業化計画などを策定いたしまして、多摩南北主要五路線を初めとする骨格幹線道路や多摩川中流部橋梁の整備等を重点的に実施してまいりました。
 これらによりまして、区部と多摩地域の都市計画道路の整備率の差は、平成元年度の一六%から、平成二十年度末見込みで七%まで、大幅に縮小してきております。
 また、市町村への支援といたしましては、都は、市町村土木補助事業や、新みちづくり・まちづくりパートナー事業を行ってございます。これにより、まちづくりの推進などに資する市町村施行の道路整備に対して、財政、技術の両面から積極的に支援を行っております。
 今後とも、交通の円滑化はもとより、地域の利便性、安全性、防災性の向上に寄与する多摩地域の道路整備を積極的に推進してまいります。

○中村(ひ)委員 道路が狭く、大変危険な箇所については、地域からの要望も強く、早急な整備が望まれます。私の地元の三鷹市でも都道の整備が大きな課題となっています。
 まず、今後の三鷹市内の連雀通りの整備の計画はどうなっているのか伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 お尋ねの三鷹市内の連雀通りは、延長四・五キロメートルのうち、その約八割の三・八キロメートルが計画幅員十六メートルの三鷹都市計画道路三・四・七号線として位置づけられております。
 このうち、狐久保交差点付近から南浦交差点までの〇・七キロメートルの区間は、多摩地域の第三次事業化計画における優先整備路線であり、今後、沿道のまちづくりの状況等も踏まえ、事業化を図ってまいります。
 優先整備路線以外の区間でも、かえで通り付近の〇・二キロメートルの区間において、自転車歩行者道の整備を進めてございます。また、三鷹通り東側の〇・二キロメートルの区間では、三鷹市と連携して新みちづくり・まちづくりパートナー事業による整備に本年度から着手いたしました。
 国の来年度概算要求で道路関係予算が二割削減されるなど、道路財源は厳しい状況にございますが、今後とも、必要な財源確保に努め、これら区間の早期整備に取り組んでまいります。

○中村(ひ)委員 狐久保の交差点と南浦交差点の間の沿道では、現在、住民を中心としてまちづくり協議会などもつくられています。地域のまちづくりも視野に入れながら、早期の整備をお願いしたいと思います。
 また、都市計画道路ではありませんが、都道である三鷹市内の人見街道も大変狭く、地域から、こちらも早急な整備についての強い要望がありますが、整備計画はどうなっているのか伺います。

○藤江道路保全担当部長 人見街道は、三鷹市内の延長が六・三キロメートルございます。
 このうち、大沢交差点から野崎二丁目交差点までの延長〇・六キロメートルの区間で、現在、歩道の整備を進めております。用地取得を終えました約八割の箇所で、順次工事に着手しております。
 また、JAむさし三鷹支店交差点付近では、第二次交差点すいすいプランによりまして、延長〇・二キロメートルの区間で、交差点の改良と、それにあわせて歩道の整備も進めております。今年度から用地取得に着手したところでございます。
 今後とも、三鷹市及び地元住民の方々の理解と協力を得ながら、道路の整備に努めてまいります。

○中村(ひ)委員 私もよく地域の道路を歩きますが、歩道で段差が大きかったりとか、勾配がきつく、高齢者や障害者などが歩きにくい状況となっている箇所が見受けられます。
 バリアフリーからユニバーサルへと考え方も進化する中、だれもが快適に通行できるという観点から、道路管理者が道路を点検して道路の状況を把握する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○藤江道路保全担当部長 都は、都道におきまして、道路の機能を確保し、いつでも円滑、安全に道路を利用できるよう、常に良好な状態に保つため、主として車両による道路巡回パトロールを日常的に実施しております。また、職員が工事の立ち会いなどで現場に赴く際においても、途中の道路状況を確認しております。
 さらに、都民から、各建設事務所や工区に、都道に関する通報を受けた場合には、職員が速やかに現地の確認を行い、状況に応じて必要な対応をとっているところでございます。

○中村(ひ)委員 都は、道路管理者として道路状況の把握に努め、必要な対応をしているということは理解しました。ただ、高齢化社会を踏まえて、本当に高齢者の方が引きこもることなく外で歩いていただけるということは健康にもつながることだと思いますので、さらにきめ細かく道路の点検を行い、しっかり道路の状況を把握していただきたいと要望いたします。
 最後の質問としまして、安全で快適な自転車走行空間の整備について伺います。
 自転車は、環境への負荷が少ない日常的な都民の足として利用されている交通手段であり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備が重要であると考えています。これまでの自転車走行空間の整備は、主に広い歩道のある道路で進められていると聞いていますが、歩道幅員の狭い道路においても、自転車が安心して通行できるような整備を進めていく必要があると考えます。そこで、都の自転車走行空間整備の取り組みについて伺います。

○藤江道路保全担当部長 自転車は広く都民に利用される重要な交通手段の一つであり、歩行者と自転車がともに安全で快適に通行できる空間の整備が重要であると考えております。
 都は、これまで、浅草通りや国際通り、東八道路など、広い歩道を活用して、また、環状六号線や調布保谷線などでは、道路の新設や拡幅に合わせ、歩道内で自転車が走行できる空間の整備を進めてきております。
 歩道幅員の狭い道路で自転車走行空間を確保することはなかなか難しい課題であると考えておりますが、新たな工夫の一つとして、平成二十年三月に、渋谷区内の旧玉川水道道路におきまして、交通管理者と連携して、都内で初めて現道内の車道の一部に自転車レーンを整備いたしました。
 今後とも、自転車レーンを含め、多様な手法を用いて、安全で快適な自転車走行空間の整備を積極的に推進してまいります。

○中村(ひ)委員 自転車に関しては、先ほどの委員もお話ありましたが、歩行者と自動車の間で中途半端な位置づけになっているといわざるを得ず、自転車に関する事故も頻発しています。ただ、環境の視点からも、コミュニティサイクルなどの取り組みも始まるなど、今、自転車が見直しもされています。
 今後、自転車走行空間の整備については、総合的な計画を策定し、注力して取り組んでいただけるよう要望いたします。
 さて、今回道路について、身近な歩道の整備や自転車走行空間について質問しましたが、都民の皆様からは、幹線道路の整備とは別に、日常利用する道路について、安全の観点からも整備への強い要望があります。限られた財源の中ではありますが、こうした身近な道路の整備にもぜひ注力していただきたいと思います。
 また、環境への関心も高まる中、自然環境の保護や街路樹の整備という視点もますます重要になっています。今後の道路事業において、都民の皆様の期待にこたえていただくよう述べて、質問を終わります。ありがとうございました。

○林田委員 道路利用について伺います。
 私の地元であります西多摩のことで幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 西多摩地域は、今さら申し上げるまでもなく、緑豊かな自然に恵まれ、美しい山々、多摩川や秋川の清流がとうとうと流れ、温泉施設や観光資源が豊富であり、春夏秋冬を通じて都民の観光コースとなっております。
 しかし、多摩川、秋川の源流に行くには、幹線道路が一本しかありません。山間地域において、人の移動や物資の輸送のほとんどが道路を利用しており、道路は、生活及び産業、そして地域の振興などに大変重要な都市施設となっております。生活道路でありながら、観光シーズンには、観光客で道路渋滞が発生いたします。
 それよりも何よりも、平成十六年に発生した新潟中越地震に見るまでもなく、地震災害によって道路を寸断された山古志村の例があり、奥多摩町、檜原村では、万一のとき幹線道路が通行どめになり、沿線集落の住民が孤立するおそれがあります。
 そこで、多摩川と秋川でもう一本の道路ということで現在進められている多摩川南岸道路と秋川南岸道路についてお伺いいたします。
 まず、現在整備を進めている多摩川南岸道路の役割について、改めてお伺いいたします。

○谷村参事 奥多摩の小丹波から山梨方面に通じます幹線道路は、多摩川北岸を通る国道四一一号の一路線でございます。
 小丹波地内の古里附橋から西側にかけましては、連続降雨一四〇ミリメートルを超える異常気象時などには通行どめになるなど、地域住民の生活や経済活動に大きな支障を及ぼしております。このため、防災性にすぐれた信頼度の高い代替路線の確保が必要であり、多摩川の南岸に道路整備を進めております。
 本路線の整備は、防災性の向上を図り、地域の生活を支えるとともに、経済活動や観光振興にも寄与するものでございます。

○林田委員 多摩川南岸道路は大変重要な道路であるというお話をお伺いいたしました。多摩振興プロジェクトにも位置づけられているわけですが、現在の進捗状況と、今後の見通しについてお伺いいたします。

○谷村参事 多摩川南岸道路につきましては、これまで奥多摩駅付近の約二・三キロメートルが完成しておりまして、駅の周辺では複数ルートとなり、災害時における代替道路の確保や交通の円滑化が図られております。
 平成十八年度から、完成区間に引き続きまして、海沢地内のつきどめ橋から棚沢地内の将門連絡路までの約二・八キロメートルの事業に着手し、現在約三百メートルの道路が完成しております。
 今年度は、引き続き用地取得に努めるとともに、海沢谷にかかる橋梁の下部工事を実施してまいります。今後、橋梁などの整備を推進し、事業区間の早期完成を目指してまいります。

○林田委員 多摩川南岸道路、よろしくお願いいたします。
 次に、西多摩地域にもう一つ重要な、あきる野市から檜原村に至る秋川南岸道路の役割についてお伺いいたします。

○谷村参事 西多摩地域におきまして、秋川に沿った幹線道路は五日市街道とこれに続く檜原街道の一路線でございまして、異常気象などによる通行どめの際には、地域住民の生活や経済活動に大きな支障を及ぼしております。このため、秋川の南岸に防災性にすぐれた信頼性の高い道路の整備を進めております。
 本路線の整備は、防災性の向上を図り、地域の生活を支えるとともに、経済活動や観光振興にも寄与するものでございます。

○林田委員 秋川南岸道路も、防災性を向上し、生活や観光に資する重要な道路であり、やはり多摩振興プロジェクトに位置づけられております。秋川南岸道路の整備の進捗状況と、今後の見通しについてお伺いいたします。

○谷村参事 秋川南岸道路は、都道山田宮の前線と秋川街道を結ぶ約二・四キロメートルの区間が既に完成しております。また、あきる野市乙津地内では、平成二十年十月に新矢柄橋と新乙津橋を含む約五百メートルの区間が開通し、交通の円滑化と歩行者の安全性が向上しております。
 未整備区間につきましては、現在、線形の検討を行っておりまして、引き続き事業化に向けた調査検討を進めてまいります。
 多摩川及び秋川の南岸道路を初めとする山間地域の道路は、都民の生活や経済活動を支える極めて重要な基盤施設でございます。今後とも財源確保に努め、防災性、安全性の高い道路の整備を推進してまいります。

○林田委員 ありがとうございました。奥多摩町、檜原村では一段と高齢化が進み、お年寄りの皆さんが、生きているうちに目の黒いうちに何とかつくってもらいたいと、こういう話を聞きますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 次に、新青梅街道の拡幅事業についてお伺いいたします。
 新青梅街道の中で、瑞穂町の箱根ヶ崎立体付近から東大和市の立川東大和線までの約七キロメートルの区間については、歩道、車道の幅員が十分確保されておりません。そのため、交通渋滞が慢性化するなど、さまざまな問題を抱える状況です。
 このため、東京都では、平成十七年三月に、道路幅員を十八メートルから三十メートルに拡幅する都市計画の変更を行いました。
 しかし、都市計画変更以降も、沿線に大型商業施設が立地し、渋滞は一層激しくなって、市や町の住民の早く拡幅を実行して実現してもらいたいという要望は、日増しに高まっているのが実態であります。新青梅街道を早急に拡幅すべきと考えますが、拡幅に向けた進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 新青梅街道は、多摩地域の道路ネットワークを形成する東西方向の主要な骨格幹線道路でございまして、交通渋滞の緩和や沿道のまちづくりの促進を図るため、瑞穂町の箱根ヶ崎立体付近から東大和市の立川東大和線までの延長六・七キロメートルを、第三次事業化計画における優先整備路線に位置づけてございます。
 これまで、都は、沿線の瑞穂町、武蔵村山市、東大和市と昨年七月に設置した行政連絡会で意見を聞きながら、道路の幅員構成等の検討を進めてまいりました。また、事業化の準備を進めるため、全線にわたり基準点測量に着手し、今年度内に完了する予定でございます。
 引き続き、主要交差点の交通混雑の早期解消を図るため、南北方向の幹線道路である立川東大和線や瑞穂あきる野八王子線に接続する区間の現況測量を平成二十二年度に実施する予定でございます。今後とも、地元市町と連携し、早期事業化に取り組んでまいります。

○林田委員 ありがとうございます。実は、昨日も建設局に東大和市長さんや武蔵村山市長さん、瑞穂町長さんが要請にお伺いしたわけでありますけれども、何としても早急に拡幅していただきたい、これは沿線住民の大きな要望でありますので、国が何といおうと、都はこれを実行するという決意でよろしくお願いしたいと思います。
 特に、先ほど民主党さんの方からお話がございましたように、三多摩格差、西多摩格差といわれる中で、やはり三多摩のインフラ事業に対しましては、もっともっと力を入れていただきたい、これを重ねてお願い申し上げまして質問を終わります。

○松下委員 私からは、まず、都立井の頭恩賜公園について何点か伺いたいと思います。
 私の地元の武蔵野市、そして三鷹市両市にまたがる井の頭恩賜公園に関しましては、平成十八年度の予算特別委員会でも質問をさせていただいております。都立公園の個性を大切にした上で利用促進を図ることや、より魅力を感じる公園づくりについて質問し、当時の建設局長からご答弁をいただいております。地元市や商店街、近隣住民などの意見をお聞きしながら、井の頭公園の個性を生かした魅力ある公園づくりに取り組んでまいりますと明確にご答弁をいただいています。
 その予算特別委員会の質問の後に、井の頭恩賜公園百年実行委員会というものが設立されていますが、この百年実行委員会について、設立の目的と会のメンバー及び事業内容についてお答えください。あわせて、都の役割についてもお答えください。

○三浦公園管理担当部長 井の頭恩賜公園は大正六年に開園しており、平成二十九年に百周年を迎えます。記念すべき百年に向け、公園の貴重な水と緑の空間を守り、公園を核とした新たなにぎわいを創出するため、平成十八年七月、井の頭恩賜公園百年実行委員会が設立され、現在、東京都、武蔵野市、三鷹市、地元商工団体、ライオンズクラブなど、二十二団体が構成員になっており、都は事務局としての役割も担ってございます。
 実行委員会の事業は、水と緑の再生、公園を核とするにぎわいの創出、安全・安心な公園づくりの三つのテーマで展開しており、水と緑の再生では井の頭池の水質浄化、にぎわいの創出ではアートマーケッツや自然をテーマにしたイベントの実施、安全・安心な公園づくりでは桜の花見の時期や夏の夜間パトロールなどを行ってございます。

○松下委員 今、ご答弁にもありましたとおり、井の頭恩賜公園は、大正六年、一九一七年の五月に、日本最初の郊外型公園として開園し、二〇一七年には開園百年を迎えます。実行委員会の設立は平成十八年七月ですから、その前の平成十八年三月の予特での局長からのご答弁、地元市や商店街、近隣住民などの意見を聞きながら魅力ある公園づくりに取り組むとお答えいただいておりますので、それを実行するためにも、この百年実行委員会を設立したんだと私は理解をしておりました。
 今お伺いいたしました実行委員会の事業の一つでありますアートマーケッツについて、かつて私も本会議で質問をさせていただいておりますが、確認のために、この制度の目的と現状についてお答えください。あわせて登録人数も教えてください。

○三浦公園管理担当部長 従来から公園内で行われてきました演奏活動や手芸品の展示販売は、公園のにぎわいを生み出す一方で、公園内を自由に散策したいという利用者との調和を図る必要を生じておりました。
 このため、演奏活動や作品の展示販売などにつきましては、事前の登録制など、一定の条件のもとで継続してできる仕組みとしたものがアートマーケッツでございます。
 現在は、公園内の決められたエリアで、土日、祝日に活動しており、平成二十一年度の登録者数は三百六十名でございます。

○松下委員 今、ご答弁の中で、かつて手芸品の展示や販売などが行われていたとございましたが、私もそのかつての時代をよく存じておりますので、手芸品とかだけならまだよかったとは思うのですけれども、それでも公園の中では物品の販売が禁止されているというような法律や条例もございますが、実際に当時、このアートマーケッツという制度ができる以前では、明らかに違法性があるような薬のようなものも売っていたり、私は非常に無秩序な状態があるという感じを持っておりました。
 実際に、この西部公園緑地事務所の事業概要にも、このアートマーケッツについて書かれています。それを読みますと、無秩序に行われていた露天や大道芸等を、発想を転換し、一定エリアで積極的に認めた、都市公園では全国初の試み、これ、事業概要にしっかりと書かれておりますので、ルールを決めて制度化して秩序を保っていることについては、大変高く評価をさせていただきたいと思います。
 平成十八年に最初の登録が始まってから、ことしで四回目の登録となっております。大分この制度も定着しているかと思いますが、当初は約百二十人ぐらいだったと思いますので、今のお答えの三百六十という数字は、登録人員が三倍となっているようであります。限られたスペース、土日という限られた曜日での運用では混乱は起きていないのでしょうか。アートマーケッツ登録者の声を反映した運営になっているのか確認をさせてください。

○三浦公園管理担当部長 登録者数は増加してございますが、決められたエリア内で自主的に活動場所を決めており、混乱は起きてございません。
 年一回、全登録者が参加できる会議を開催し、登録者と意見交換を行い、広報の充実や登録者のマナーアップなど、運営の改善を図っております。

○松下委員 アートマーケッツという制度ができておりまして、登録者はその中でアートキャストという呼ばれ方をしているようでありますが、おのおのが、まさにアーティストともいえる方たちです。特に組織を持つわけでも、それぞれチームを組んで何かをしているわけでもありません。私も、最初の、第一回目の登録者募集のときの説明会に足を運びましたが、そのときの議論では、非常に活発な議論がなされ、場所決めやルールなど、皆さんが本当に自主的に取り組めるんだろうかという心配もいたしました。
 アートキャストからは、その後、制度が始まってから、私のもとにも、喫煙のことや、喫煙をしている方々がいるなど、そうしたご相談、今日の秩序が保てるような状況になるまでの間は非常にさまざまなご相談もいただきましたが、今現在では、自主的な取り組みが定着しつつあるようであります。
 ただ、必要であれば、会議の回数、今、年一回とございましたが、回数をふやし、さらなる運営の改善を積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 このアートマーケッツや池の水をきれいにするような活動など、さまざまな事業が百年実行委員会として取り組んでいるようではありますが、実際に、会のメンバーの声をどのように反映させているのかお答えください。

○三浦公園管理担当部長 先ほどお話にございましたように、毎年度一回、全構成員、構成団体から成る役員会を開催いたしまして、前年度の事業収支の報告と当該年度の計画を練り、議論を十分に行ってございます。

○松下委員 先ほど答えていただいたのは、アートマーケッツの登録者の会議を年に一回行っているということで、今私がご質問したのは、そもそもの母体である百年実行委員会の会議がどのように行われているか伺ったんですけれども、その百年実行委員……。

○三浦公園管理担当部長 失礼いたしました。毎年度一回、全構成団体から成る役員会を開催いたしまして、前年度の事業収支の報告と当該年度の計画を図り、議論を行ってございます。(松下委員「会のメンバーの声をどのように」と呼ぶ)その中で、会のメンバーの声も、アートキャストの方からも十分反映をさせていただいてございますし、それから、アートキャストの……(松下委員「じゃなくて、百年実行委員会」と呼ぶ)役員会の方は、十分その中で反映させていただいていますので……(発言する者あり)ごめんなさい、失礼しました。

○藤井委員長 ちょっと待って、三浦部長が座ってから質問してください。

○松下委員 そもそも井の頭公園には百年実行委員会という会があり、その中の一つの事業にアートマーケッツという事業がありますので、ぜひしっかりとご認識を持っていただいて、アートマーケッツは、本当に手づくりの素朴な作品を、それぞれ皆さんが創意工夫してつくられたものをそこで販売をしております。きょう、本当偶然なんですが、私がつけているこのブローチも、そのアートマーケッツで求めたものでありまして、吉祥寺の大きな魅力を発信している……(発言する者あり)本当に偶然なんです。大きく魅力を発信している事業であると私も認識をしております。
 これから開園百年を迎える井の頭公園を盛り上げていこうという目的があり、この百年実行委員会があるのですが、今お話し、ご答弁のとおり、年に一度の役員会では回が少ないのかなと私は感じております。参加役員の方からも、もっとかかわりたいというご意見をたくさんいただいております。例えば総会という形では年に一回でいいと思うんですけれども、役員の会議は回数をふやしていただくなど、また部会もあるようですが、余り機能していないようにも見られますので、都の役割はあくまで事務局であると、最初のご答弁でもありました。ぜひこの百年実行委員会をより活発に開催し、井の頭公園百周年に向けて、より効果のある会にしていっていただきたいと思います。
 実際には、事業中の事業で安全・安心の活動も行っていると最初のご答弁でありました。お花見の井の頭ルールやパトロールなどに取り組んでいるということですが、開園百年に向けて井の頭公園が解決しなければならない課題は、ほかにもあるように私は感じております。公園内の放置自転車や使用をやめているプールの跡をどうするのかなど、せっかく地域の方々に入っていただき、実行委員会を立ち上げたのであれば、こうした課題解決に向けた取り組みも行うべきではないでしょうか。
 今後、会の回数をふやすなど、実行委員会の活動を活発化し、課題解決に取り組んでいただきたいと思いますが、ご見解を伺います。

○三浦公園管理担当部長 公園管理にはさまざまな課題がございます。例えば放置自転車につきましては、平成十三年度から巡回警告、集積所への移動などの対策を行い、台数を大幅に減少させるなど、これまで公園管理者として適正な公園の管理のための取り組みに努めてきてございます。
 地域や公園で活動する都民の方々の協力により、アートマーケッツの開始など、井の頭公園の活性化を図ってまいりましたように、公園をより魅力ある空間とするためには、地元の方々との連携協力が必要でございます。実行委員会も含めまして、今後も、引き続き地元関係者からのご意見を伺ってまいります。

○松下委員 放置自転車の台数、大幅に減少しているというご答弁はありましたけれども、私の認識では、まだまだあるのかな、もっと減らしてほしいなという思いを持っております。撤去場所を、例えばより遠くするなど、公園の安全管理に努めていただきたいと思います。小さなお子さんも公園にはたくさん訪れますので、放置自転車がまさか倒れてその下敷きになってけがをするようなことがないように、より適正な管理に努めていただきたいですし、その上で地元の方々との連携協力を仰ぎ、行っていただきたいと思います。
 記念すべき開園百年までは、そうはいってもまだまだ八年という期間があり、今後どういった活動を百年に向けて行おうとしているのかお答えください。

○三浦公園管理担当部長 都は、公園内で活動する都民や地元の方々の協力をいただきながら、公園の貴重な水と緑の空間を守るとともに、公園を核とした新たなにぎわいを創出するための取り組みを行ってまいりました。
 今後は、これまで三年間の成果を踏まえ、百周年に向け、地域や都民の方々との連携を深めながら、こうした活動を継続してまいります。

○松下委員 ぜひ、より具体的な計画を八年後に向けて立てた上で取り組んでいただきたいと思いますし、その際には、計画立案も含めて、この百年実行委員会や部会、そういったものをしっかりと機能させていただきたいと思います。
 井の頭公園は貴重な財産であると、地元の人たちも、そして私自身も思っております。公園をより魅力あるものとするために、公園を管理するという視点だけではなく、顧客サービスを高めるといった経営マネジメントの視点も取り入れて取り組んでいただきたいと思います。
 本年三月には、この百年実行委員会と西部公園緑地事務所は、国土交通省の手づくり郷土賞を受賞しています。これは、地域の魅力を創出している社会資本及びそれとかかわりがあるすぐれた地域活動が一体となった成果に対して表彰されているようであります。まさに、社会資本である公園と地域活動との協働が高く評価された結果であると思います。
 地元の方々の意見を聞くという中には、それぞれ地元の中でも利害が対立するなど、大変難しい面もあるかとは思いますが、ぜひ今後も百年実行委員会の取り組みが名実ともに行政と民間との協働となるように、より積極的に取り組んでいただきたいと要望し、次の質問に移ります。
 次に、JR中央線の連続立体交差事業について伺います。
 JR中央線三鷹駅から立川駅間では連続立体交差事業が進められており、このうちの三鷹駅から国分寺駅の上り線の高架化が年内、もう間もなく十二月六日にも完成をするようであります。先に完成しました下り線の高架化とあわせて、ようやく中央線の踏切がなくなる、三鷹-立川間の中央線の踏切がなくなることになりますが、私の地元の武蔵野市民を初めとした沿線住民は、長い間踏切がなくなることを心待ちにしておりましたので、完成をとてもうれしく心待ちにしているところであります。
 そこで、JR中央線連続立体交差事業における踏切除却の予定についてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業は、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化にも資する、極めて効果の高い事業でございまして、これまで道路整備の一環として、道路特定財源による安定的な財源などを利用し、事業を実施してまいりました。
 JR中央線連続立体交差事業は、三鷹駅から立川駅間の延長十三・一キロメートルの区間を連続立体交差化し、十八カ所の踏切を除却することにより、小金井街道などの交通渋滞の解消を図るものでございます。三鷹駅から国分寺駅までの東側区間の延長六・二キロメートルにつきましては、本年十二月六日に上り線を高架化し、十三カ所の踏切を除却する予定でございます。また、西国分寺駅から立川駅までの西側区間の延長二・八キロメートルにつきましては、平成二十二年度末に上り線を高架化し、五カ所の踏切を除却する予定でございます。

○松下委員 平成二十二年度末に上り線が高架化し、三鷹-立川間の踏切がそこでなくなるというご答弁だと思いますが、連続立体交差事業は高架が完成した後にも、まだまだ駅舎工事や附属街路等の整備など、周辺工事が残されております。高架化後の工事内容と事業完了見込みについてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 高架化後は、これまで列車が走行していた仮上り線の撤去工事を行うとともに、武蔵境駅など四駅の駅舎工事を進めてまいります。また、沿道環境の保全や地域の円滑な交通を確保するための側道整備などを行ってまいります。
 事業完了につきましては、都、沿線市、鉄道事業者で構成する連続立体交差事業協議会において、既に説明したとおり、平成二十二年度までの事業期間を三年程度延伸する見込みでございます。
 しかし、国土交通省の平成二十二年度予算概算要求におきまして、道路関係予算が約二割削減されるなど、事業の先行きが極めて厳しい状況でございます。
 今後とも事業を着実に進めていくためには、安定した財源の確保は不可決であり、国に対して強く要望してまいります。

○松下委員 私、事業の完了見込みを伺ったんですが、伺っていないことまで、今ご答弁あったようなんですけれども、もともと二十二年末にはすべて、沿線の市にとっては、周辺工事も含めて完成する予定だったんですよね。それが三年延びて、今お答えで二十五年という数字は出てこなかったんですけれども、二十二年に三年を足すと平成二十五年度ということになるかと思います。それが事業認可を三年延ばす手続をこれからするということかと思いますが、ぜひスケジュールや計画を丁寧に地元市に説明をしていただきたいと思います。
 側道の整備は、都施行だけではなく、地元市である、これは私の地元の部分ですが、武蔵野市の施行分もありますし、答弁のように、今後の工事には仮上り線を撤去したり駅舎工事、側道整備を行うなど、いろいろと工程が細かくあるようであります。これまでも、武蔵境駅、例えば北口から南口への移動が、その工事の都度変わったり、大回りをしないといけなかったり、利用者にも負担をかけている現状がございますので、乗客の安全を確保しながら事業を進めていただきたいと思いますので、今後わかりやすい工事の工程表をつくっていただきたいということを要望させていただきます。
 そして、おのおのの時期がわかったら、速やかに地元市に情報提供をしていただきたいと思います。
 高架下、また周辺工事とあわせて、まちづくりの観点からも、この連続立体交差事業の高架下利用のまちづくりが大きな課題となっております。高架下利用への期待感も地元では高まっております。都における高架下利用の取り組みについてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 先ほどの市に対する連絡調整につきましては、先ほど、連絡調整会議の中できちんとその説明をして、平成二十二年度が三年程度延伸しますというご説明を申し上げました。
 続きまして、高架下利用の取り組みについてお答えいたします。
 高架下は、鉄道事業者と協議の上、公共の目的に利用することができまして、高架下利用可能面積の一五%は、都や沿線市が無償使用することが可能となってございます。都は、平成十六年度に沿線六市及び鉄道事業者と高架下利用検討会を設置し、高架下の有効な利用に向けて取り組んでおります。
 今後とも、沿線のまちづくりとの整合や地元要望等を総合的に勘案し、調整を進めてまいります。

○松下委員 私の地元の武蔵野市では、高架下意向調査というものを行っておりますし、また、高架下利用調査検討委員会も設け、昨年秋には、この検討委員会の報告書が出ております。
 その中では、市民からも、また地域の関連団体からも要望が高い高架下利用のナンバーワンは自転車の駐輪場の設置であります。今、ご答弁で、高架下利用可能面積一五%、都や沿線市が無償使用することが可能とございました。これは、いわゆる公租公課分一五%という部分のことかと思いますけれども、沿線市と鉄道事業者では、自転車駐輪場の設置について考え方に差もあるようでございますので、この一五%の有効活用をしっかりと図るように、ぜひ都として、引き続き調整を行っていただきたいと思います。連続立体交差事業実施に伴う沿線市との調整についてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 連続立体交差事業の実施に当たりましては、連続立体交差事業協議会を随時開催し、本事業と沿線のまちづくりとの調整などを行っております。また、沿線市とは、本事業の進捗に伴う連絡調整や市が進める側道整備などとの工事調整を行っております。
 さらに、地元に対する工事情報の提供や事業PRを沿線市と一体となって行うなど、市と十分連携しながら事業の実施に取り組んでまいります。

○松下委員 先ほども述べましたが、この連続立体交差事業というのは、地元住民の関心がとても高く、例えば武蔵野市役所にはスケジュールの問い合わせが多数寄せられているようでもあります。事業が三年延びておりますが、住民の関心も高く、市としては対応に苦慮する部分もあるようであります。
 ぜひ速やかに情報を、できるだけ早く提供していただきたいですし、事業が三年延びておりますが費用は変わらないというふうにも伺っておりますが、本当に変わらないかどうか、地元市も連立事業の共同事業者として負担金を支払っております。総事業費がふえることがないように、しっかりと事業の実現に向けて、今後も取り組んでいただきたいと思います。
 次に、都道に関して何点かお伺いをいたします。
 今、JR中央線の連続立体交差事業について幾つか質問をいたしましたが、この事業に引き続き、また連続立体交差事業の場所とも関連して、武蔵野三・四・二四号線踏切付近の一方通行が、この高架化により解消をされ、人や車が安全に通行できるように道路を拡幅するなどの道路事業も行われております。平成十八年の第三回定例会一般質問でも、私は、この三・四・二四号線について取り上げておりますが、事業の進捗状況や道路の現状、地元の意見などを、その際伝えさせていただいております。間もなく上り線も高架に切りかえられますので、沿線住民の安全のためにも、事業スピードを上げて進めていただきたいと思います。武蔵野三・四・二四号線の一期及び二期の現在の用地取得状況についてお伺いいたします。

○角南用地部長 武蔵野三・四・二四号線は、武蔵野市境南町五丁目を起点とし、武蔵野市境四丁目を終点とする延長約一・七キロメートルの都市計画道路であり、地域のまちづくりや防災性の向上に資する重要な道路でございます。このうち、アジア大学通りから連雀通りまでの約一・一キロメートルを、一期、二期の二区間に分けて事業を進めております。
 現在事業中である、この一・一キロの用地取得率は、平成二十一年十月末現在で、北側の一期区間が七八%、南側の二期区間が三一%でございます。

○松下委員 私がかつて平成十八年の第三回定例会の一般質問の際には、この一期の部分、平成十七年末現在で用地取得が三割、二期についてはこれから用地取得に着手をするというご答弁でしたので、それから一期では約五割近く用地取得がふえてますし、二期についても三割用地取得をしていただいているというご答弁かと思いますが、二期については、事業化決定はまだされていないようであります。
 その平成十八年の質問でも、私は、早期に事業化決定を二期もしていただきたいという要望をさせていただいておりますので、引き続きこの三・四・二四号線の二期区間の事業化決定についても取り組んでいただきたいと要望させていただきます。この武蔵野三・四・二四号線の工事の状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 まず一期区間についてでございますけれども、これまでアジア大学通りから延長約二百メートルの区間におきまして、電線共同溝工事等を進めておりまして、今年度から街築工事を実施いたします。来年度は、高架化されたJR中央線を挟んだ前後の区間におきまして、電線共同溝工事等に着手する予定でございます。
 また、二期区間につきましては、既に事業認可を取得してございまして、事業を進めてございます。現在、歩行者の安全確保のため、事業用地の一部を仮歩道として開放しておりまして、今後、用地の取得状況に合わせて、電線共同溝工事等を実施してまいります。
 繰り返しになりますけれども、国の来年度概算要求で道路関係予算が二割削減されるなど、道路財源が厳しい状況にございます。引き続き地元の理解と協力を得ながら本路線の整備を着実に進めてまいります。

○松下委員 二期も事業化決定しているということなんですけども、してないというふうに私は聞いていたので、後で、もし変更があればお答えいただきたいんですけれども、そのあたりはどうなのか。何か違うんです、答えが。

○角南用地部長 一期区間は、事業認可、十五年に都市計画事業でやっております。
 二期区間は、道路法による用地取得を行っております。

○松下委員 一期は収用も可能な都市計画法に基づいて用地取得を進めていて、二期区間はまだ事業化決定はしていないということ、私はそういう認識だったので、そのとおりだと思うんですけれども……(「事業はやっているよ」「事業化はしてる」と呼ぶ者あり)事業化はしている、事業化はしている、はい、わかりました。手法が異なるということで、はい、ぜひ引き続き--要は連続立体交差事業が完成すると、明らかに交通量がふえると予測がされております。今までは踏切があったので、迂回をして、わざわざ三鷹方面のアンダーパスを使って北から南、南から北へと車は移動したりをしていましたが、踏切がなくなり、線路が上がると、その下の交通量はふえることが予想されておりますので、ぜひそれに関して三・四・二四号線の整備、地元住民の安全のためにも、積極的に進捗を進めていただきたいという要望であります。(「それ、菅さんにも頼まれたの」と呼ぶ者あり)はい。
 また、三鷹三・二・六、武蔵野三・三・六号線においても同様に、連続立体交差事業に引き続き、踏切付近の一方通行を解消し、南北の相互通行が可能となるよう事業が行われておりますが、この三鷹三・二・六、武蔵野三・三・六号線のこれまでの用地取得状況についてお伺いをいたします。

○角南用地部長 調布保谷線は、多摩地域の自立性を高め、地域の活性化などに寄与する南北方向の重要な四車線の骨格幹線道路でございます。
 武蔵野市内には、本路線や外環ノ2を初めとしまして、南北方向の都市計画道路が十一路線ございますが、四車線の骨格幹線道路は、調布保谷線の完成した一部区間を除いて、いまだ整備されておりません。したがいまして、本路線の早期整備は不可欠でございます。
 本路線のうち、現在事業を行っている三鷹-武蔵野区間約三・一キロメートルの三鷹三・二・六及び武蔵野三・三・六号線の平成二十一年十月末現在の用地取得率は七〇%でございます。

○松下委員 今、用地の取得状況について伺ったんですが、私、尋ねてない外環ノ2という言葉も出てきましたので、外環ノ2について、少し述べさせていただきます。
 外環ノ2に関しては、外環道路の地上部分でございまして、これは、本会議の質問でも、廃止も含めて検討をすべきであるというふうに私も述べさせていただいております。外環道路の本線が地下に、大深度地下方式へと変更した経緯をしっかりと、これは、建設局じゃなくて都市整備局担当なんですけれども、外環ノ2とあえて、私に対して名前が出てまいりましたので、述べないわけにはまいりません。廃止も含めて検討している路線が外環ノ2であります。
 そして、この三・二・六、三・三・六号線については、しっかりと進捗を見守らせていただきたいと思いますので、この三鷹三・二・六、武蔵野三・三・六号線の整備状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 本区間は、沿道地域の環境に配慮するため、四車線の車道の両側に十メートルの広幅員の環境施設帯を設け、幅員三十六メートルの道路整備を進めているところでございます。
 本年十月に、環境施設帯整備に関する地元説明会を開催いたしました。今後、沿道利用のための副道の有無、ゆとりある歩道や自転車走行空間、緑豊かな植樹帯の配置などについて、都と地元市、住民などから構成される協議会を設置し、検討してまいります。
 現在、環境施設帯について、住民の理解を深めるためのモデル整備工事や、歩行者の安全を確保するための仮歩道工事などを実施してございます。
 また、玉川上水と交差する橋梁の下部工事にも今年度から着手いたします。事業の完了につきましては、平成二十六年度を目指しておりまして、既に地元説明会で説明してございます。
 道路財源をめぐる状況は、非常に厳しい状況にございますけれども、今後とも必要な財源の確保に努め、地元の理解と協力を得ながら、本路線の整備を進めてまいります。

○松下委員 今、ご答弁ありました十月の地元説明会には私も出席をいたしました。説明も伺いましたし、その中で出された住民の方からの意見も私も伺ってきました。今後、地元市や住民などから構成される協議会を設置して、この環境施設帯の整備、どういった形にするのかなど検討していかれるとのことですので、ぜひ地元の声、地元市や住民の声をしっかりと聞いた上で整備を行っていただきたいと思います。
 次に、通称道路名について伺いたいと思います。
 道路の名称について、例えば、私の地元である武蔵野市の武蔵境通り、これは道路法でいうと、都道調布田無線であり、都市計画法では、今質問をいたしました、武蔵野都市計画三・三・六、調布保谷線であります。この武蔵境通りという名称は通称道路名ということになっていますが、この通称道路名とは何なのか、また、どのような経緯で設定されたのか伺います。

○野口道路管理部長 都は、これまで二回、合わせて百二十九路線の通称道路名を設定しておりますが、これは交通の利便を図るとともに、親しみのある道路とすることを目的として、道路法上や都市計画法上の道路名とは別に、東京都独自に定めたものでございます。
 この背景といたしましては、第一に、国道や都道の路線距離が長いことから、地域ごとに通称名の設定が必要であったこと、第二に、なれ親しんだ名前をつけることで、道路への親近感を醸成することが求められたことなどがございます。
 第一回目の設定は、昭和三十七年及び三十八年に、東京都通称道路名設定審議会の第一次、第二次答申を受け、選定いたしました。また、第二回目の設定は、昭和五十九年に、東京都通称道路名設定等検討委員会の答申を受け、選定いたしました。

○松下委員 先ほども質問しました、都道三・四・二四号線、この通りは、沿道に大正十三年に設置された国立天文台がありますことから、地元では天文台通りと呼ばれ、親しまれております。私は、この天文台通りはそれなりに名の通った都道だと思うのですが、実は、調べてみますと、この通称道路名には選定されていないようです。
 そこで、過去二回の通称道路名はどのような目的や基準で選ばれたのか、お伺いいたします。

○野口道路管理部長 第一回目は、東京オリンピック開催を控えた時期に、国際都市並みに道路にわかりやすく親しみやすい名称をつけることで、内外観光客の都内観光を容易にするとともに、都内交通の利便を図ることを目的として行われたものでありまして、その選定基準は、沿道隣接地域に重要な観光施設があり、代表的な都内観光ルートとして広く認められていること、また、都周辺の重要観光地への連絡路としての利用度が高いことなどの四点でございました。
 第二回目は、その約二十年後の昭和五十九年に、前回設定した通称道路名について、既設定道路の起終点等を見直すとともに、新たに親しみのある通称道路名を設定し、都民及び観光客等の交通の利便を図ることを目的として行われたものでありまして、新規路線の選定基準は、国道、都市計画道路として整備済みか整備見込みの、二つ以上の区市町村にわたる交通上重要な道路であって、既設定道路と結び道路網として一体性を有するもの、また、都民生活上、重要な意義を有する道路であることでございました。

○松下委員 通称道路名があるということは、多くの都民に親しみや愛着を感じてもらう上で大変意義があると私は考えます。天文台通りは今の二回目の選定基準に沿っているものだと思いますし、前回の路線設定から相当の期間が経過していることもありますので、ぜひ三回目の通称道路名の設定を検討していただきたいということを要望して質問は終わりますが、最後に一点、意見を述べさせていただきます。
 河川整備、河川改修に関して、八〇ページの事業概要にも、また、先ほど来の質疑の中でも整備率の説明がございました。中小河川整備は六四%という整備率、前年から一年間で一%しか進捗をしていない。一〇〇%五〇ミリ改修、五〇ミリの雨量に対応するまで、三十六年もこの調子でいくとかかるということであります。
 私は、治水に関しては、ダムに頼ることなく、ましてや今まだできてもいないダムに頼ることなく、河川改修、河川整備をしっかりと着実に進めていただきたい。また、治水はそうですし、利水についても、昨日の公営企業決算特別委員会で利水についての問題点も指摘いたしました。ダム事業、国が中止を明言しております。都としても、一度ここで立ちどまって、ダムの建設の有無にかかわらず、地元で苦しまれている人たちの生活再建を行うことは、これは民主党としても、必ず生活再建、ダムの建設有無にかかわらず行うんだということを明言しておりますので、東京都も一度ここで立ちどまって、治水、利水、両面からダム事業について、八ッ場ダム事業については見直すべきであると意見を申し、質問を終わります。

○こいそ委員 それでは、三点、お聞きをしたいと思いますけれども、まず、河川の整備について、るる、いろいろ出ておりますが、私は、八ッ場ダムはあえて聞きませんけれども、多摩地域の河川整備、この関係について聞きたいと思います。
 二年ぶりに本土に上陸した台風十八号、全国で百名以上の死傷者を出すなど、甚大な被害がもたらされたわけでありますけれども、東京都では神田川地下調節池に、過去最大の約五十一万立方メートルを貯留するなど、まさにその効果が発揮をされたというところでございます。河川からの洪水はなかったというふうにも聞いておるところであります。
 これは、長期にわたって、住民の理解と協力を得ながら、まさに着実に進められてきた中小河川の整備の成果があらわれたんではないかと、私も評価をさせていただきたいと思っております。
 一方、多摩地域においては、水害のおそれのある空堀川、谷地川、平成十七年九月の集中豪雨によって大変大きな被害を受けた入間川など、河川整備を早急に進めるべき河川がまだまだ多く残されているところであります。これは、引き続いて、積極的かつ計画的な整備の推進が重要なのはいうまでもございません。
 そこで、多摩地域における河川整備の状況と今後の見通しについて伺いたいと思います。

○廣木河川部長 中小河川におきましては、一時間五〇ミリの降雨に対応する護岸や調節池などの整備を進めており、多摩地域では空堀川や谷地川など、十三河川で事業を実施しております。平成二十年度末現在の多摩地域の護岸整備率は六〇%となり、これに調節池等の効果を加えた治水安全度は七四%でございます。平成二十一年度からは、河川の拡幅のほか、黒目橋調節池二期事業や入間川分水路にも新規に着手いたします。
 今後とも、従来にも増して事業のスピードアップを図り、多摩地域における水害の早期軽減に取り組んでまいります。

○こいそ委員 次に、主な河川についての具体的な点を幾つかお聞きをしていきたいと思います。
 多摩地域において、とりわけ町田市ですね。町田市の図師で、一時間一一五ミリという、これは大変な記録がもたらされたわけでありますけれども、平成二十年八月末の豪雨によって、町田市の鶴見川、八王子市の谷地川の未整備区間で浸水被害が発生したと。これは記憶に新しいところでありますけれども、これらのところもやはり一日も早い整備が待たれているところでもあります。
 そこで、町田市の鶴見川、八王子市の谷地川、それから湯殿川ですね。この進捗状況及び今後の整備の進め方について、伺いたいと思います。

○廣木河川部長 河川の整備に当たりましては、下流から順次、河川の拡幅を進め、水害の早期軽減を図ってまいりました。平成二十年度末の護岸整備率は、鶴見川で七〇%、谷地川で七一%、そして、湯殿川で八五%となっております。
 整備に当たっては、事業中区間の進捗状況を勘案しながら、上流区間の事業化を計画的に進めており、谷地川と湯殿川では、本年四月に新たに事業認可を取得し、事業に着手いたしました。
 また、鶴見川におきましても、浸水被害を受けた箇所を含む区間について、平成二十二年度都市計画事業認可取得に向け、地元説明会を開催するなど、調整を進めております。
 今後とも、地元の協力、理解を得ながら、水害の解消に向け、積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 まさに都民の命と暮らしを守ると。そのためには積極的な事業の推進も、していただいているわけであります、取り組んでいただいているわけでありますけれども、近年の整備水準を大きく上回る降雨量というんですかね、集中的な雨が降るわけでありますから、これに対する対応について、私からも、ぜひ早期に検討を、また、取り組みを進めていただきますようお願いをさせていただきたいと思います。
 また、これは、私、地元でありますけれども、多摩市内を流れております大栗川、そして乞田川、この中小河川があるわけでありますけれども、多摩地域においても、これはもう東京都建設局によっていち早く、とりわけ乞田川については整備に着手して、計画的に進めていただいております。これらの河川については、地元からさまざまな意見があるんでありますけれども、環境に配慮した整備であるとか、良好な景観を創出してほしいとか、治水機能は当然でありますけれども、という声が以前から出されてきております。
 このため、先日、都が実施いたしましたそれぞれの河川対象に、大栗川、いわゆる河川流域、そして、乞田川の流域のそれぞれの各自治会を対象にした説明会を開いていただきました。これは緑化工事の説明会でございましたけれども、その中で、着手していただいて、計画的に整備をしていただいている乞田川について、これは大変蛇行していた。
 私も、子どものころの記憶では、一定の雨が、今のような集中的な雨じゃなかったと思いますけれども、断続的に降ってくると、これはもう大変ですね。床上床下浸水をもたらすような大変困った河川でありましたけれども、これが河川改修になった。五〇ミリ対応ですね。五五ミリぐらいの対応でしょうかね。そうすると、かなりの雨が降ってもこれは安心ですよね。
 ですから、私は、河川の治水対策、これについて政治や行政というのはすごいなと、本当にそう思わせてもらったところなんであります。しかし、そういう中でも、時間的に経過する中で、やはり人々の暮らし、それから、まちに流れる河川の、何ていうんですかね、憩いであるとか、さまざまなことをもたらす水辺環境、こういう視点から考えたときに、当を得た対応をしていただいているんでありますけれども、治水的な機能としては今いったとおりでありますが、要するに三面コンクリで覆われているということ、これについての対応は進めていただいておりますので、ますます環境配慮ということの面も踏まえて取り組んでいただきたいな。
 それから、もう一点は、大栗川でありますけれども、これは比較的、多自然ではないけれども、多自然に近いような河床でもありますし、護岸もしっかりやっていただいておりますけれども、ちょっと今いった、前段の河川とちょっと若干違うんじゃないか。しかし、これもやはり自然を生かしながら、ぜひ今日的な治水、そして、やはり環境配慮、このあたりを踏まえてやっていただく。
 この間の、せんだっての説明会で、地元は大変喜んでおります。非常に的を得た説明を、非常にそれぞれのポイントをつかんでやってもらいましたので、地元の反応も非常に建設的といいますか、非常に協力的、建設的な意見が相次いで出されて、私もその場にいて本当によかったなと、いい説明会だったなというふうに思いました。そういう形の中でまた、先ほど話もありましたけれども、地元市の意向、地元の意見も、非常に建設的な意見が出ておりますので、肯定的といいますかね、非常に喜んでおりますので、ぜひこれらの声もくみ上げていただいて、よりよい整備に着手していただきたいなと思っております。
 整備の基本的な考え方もそれぞれ理解をさせていただいているわけでありますけれども、地元もですね。しかし、河川、例えば、先ほど申し上げた乞田川においては、要するに、多摩ニュータウンという一大開発の中において、さまざまな、道路整備もそうなんですけれども、区画整理で、さらには、いわゆる橋梁といいますか、橋がかかったんですね。それぞれ非常な小橋もかかりました。ここのところは、やはり一定的に歩いてきても、側道ですかね、河川の。どうしても横断するときに、横断歩道がないところもあるんですね。
 ですから、できるならばこういう機会に、河床の近くに一定的な、歩道部分が整備されるんであるならば、あえて迂回をすることなく、そこに一環的に散策ができるというんですかね、通行できる、こういうことを、以前より私は、さまざま問題点の一つとして、課題の一つとしてお願いもしてまいりましたが、可能な箇所については、橋の下、今、申し上げたようなところを工夫していただいて、通行できるように、ぜひ、ご検討をしていただいて、実現方に向けてご努力をしていただきたいな。これは要望とさせていただきたいと思っております。
 最後に、今後につきまして、この二つの、今申し上げた中小河川、大栗川、乞田川の今後の整備の内容について聞かせていただきたいと思います。

○廣木河川部長 都市において、日常時の河川は、水と緑の貴重なオープンスペースでございます。大栗川や乞田川につきましては、治水機能を確保しつつ、緑豊かな水辺空間を創出していくことが重要でございます。
 これまでも、河川の管理用通路に植栽をするなど緑化に努め、散策路として活用するとともに、可能な箇所においては、水辺に近づける親水護岸を整備してまいりました。平成二十一年度からは、国のかわまちづくり支援制度を活用し、財源を確保しながら着実に進めております。
 今後とも、地元にお住まいの方々や地元市と連携し、水辺環境の向上を図り、人々が憩い、にぎわう親水空間の創出や連続歩行空間の確保に努めてまいります。
 大栗川におきましては、緑豊かな河川を目指して、今年度より新たに整備を開始することといたしました。大栗橋上流左岸の百三十メートルに着手いたします。
 次に、乞田川でございますが、諏訪下橋上下流左岸百九十メートル及び釜沼橋下流右岸百三十メートルについて整備を進めます。整備の内容としては、既設護岸の緑化に合わせ、水辺に親しめる散策路を整備するほか、護岸の天端に桜を植樹するなど、河川緑化を進め、さらなる親水機能の向上を図ってまいります。

○こいそ委員 先ほどから、るる申し上げさせていただいておりますけども、河川の治水、そして、環境整備について、それぞれお尋ねし、お答えいただきましたけれども、今後、今、申し上げた大栗、乞田川など、多摩地域全体を含めた河川が、安全で、より都民に親しまれる河川になるように、また、今後、着実に整備をされていくわけでありますけれども、これも期待させていただきまして、質問は終わらせていただきます。
 そして、次に続きますけれども、都立公園におけるドッグランについてお尋ねしたいと思います。
 都立公園におけるドッグランについてでありますけれども、神代植物公園及び駒沢オリンピック公園に始まって、他の公園でも設置がされているというふうに聞いておるわけでありますが、都立公園は区市町村の公園と比較して、規模が非常に大きい。近年、ペットブームを背景に、ドッグランの設置の要望が非常に強くなってきたのではないかなと思うんですね。
 そういうことの中で、都立公園におけるドッグラン設置にかかわる都の認識と、今まで設置をした既設のドッグランに対するその効果についてお願いします。

○三浦公園管理担当部長 ドッグランにつきまして、お話しのとおり近年のペットブームを背景に、犬を自由に遊ばせる場所を求める都民の声が高まる一方、公園内での犬の放し飼いの苦情も多く寄せられていることから、都はその対策として、小金井公園、小山内裏公園など、十一公園にドッグランを設置してまいりました。
 ドッグランは、公園の犬連れの利用者とそうではない方との共存を求める声にこたえるとともに、犬の放し飼いの対策として有効な施設であると認識してございます。
 また、効果でございますが、施設の運営にかかわっているボランティアや管理所が、犬のしつけ教室や飼い主への放し飼い禁止の呼びかけを行うなど、ドッグランは公園内のマナー向上にも寄与していると認識しております。
 以上です。

○こいそ委員 ドッグランが公園の使用上のマナー向上等に役立っているんだというお話を今伺いました。公園施設として有効な施設であることは理解させていただきましたが、現在、設置されていない公園、都民の設置の要望があれば、これは当然、いろいろな状況があるでしょうけれども、検討してほしいと思います。
 そこで、ドッグランを公園に設置する場合の条件が当然あると思いますけれども、どのような条件が満たされれば、それから、また、都として、都立公園内におけるドッグランの設置の、これらのことに対する取り組み、これらのことを教えていただきたいと思います。

○三浦公園管理担当部長 都立公園のドッグランの設置に当たりましては、一般の公園の利用者への影響がないよう、設置に必要な場所を確保することができること、駐車場が確保されていること、施設の運営にボランティア団体等の協力が得られること、近隣住民の方々の理解が得られることの四つを条件としております。
 これらは公園周辺での違法駐車の防止や、ドッグランの円滑な運営などに必要なものでございます。今後も地域の実情を考慮しつつ、これらの条件を満たす公園において設置してまいります。

○こいそ委員 今、それぞれ既設の、設置されているドッグランのお話、そして、また、どういう条件であれば整備されていくのか。
 また、私の地元であります都立の桜ヶ丘公園、それぞれ用地買収もしていただいて、大変広く、良好な自然の景観、多摩丘陵の豊かな自然景観に恵まれた公園であります。これらの中で、犬を連れて自然散策を楽しんでいる方も近ごろよく見受けられます。桜ヶ丘公園では、かってドッグランの設置に向けて、いろいろな話し合いの場が持たれたということでありますけれども、その後、いまだ設置がされておりません。
 また、今後、計画として、農業者大学校のグラウンド跡地、これを新たに、公園緑地部では整備をしていくと。公園がまた一段、拡張されていくということでありますけれども、再度、この地域から、この公園内で、自然に恵まれた環境の中で、こういう中でドッグランを設置してもらいたい、また、設置ができ得る状況があるかどうか、このあたりを踏まえて、都としてはどういうような認識をお持ちでしょうか。

○三浦公園管理担当部長 桜ヶ丘公園につきましては、ドッグランの設置に向けた条件整備を図っていくため、住民参加によるドッグランを考える会を平成十八年の一月から平成十九年一月までに五回開催いたしました。この考える会では、野鳥などへの影響を心配する意見があり、近隣住民の方々の理解が得られず、必要な条件を満たさなかったものでございます。
 しかし、お話のとおり、今年度、新たに一・六ヘクタールの用地を取得し、今後、公園を拡張する予定であるなど、平成十八年度当時と状況が異なってきていることから、設置の要望が寄せられ、必要な条件を満たすこととなった場合にはドッグランを設置してまいります。

○こいそ委員 必要な条件を満たすことになった場合は、ドッグランを設置していくということでありますけれども、しかし、ちょっと矛盾していると思うんですね。というのは、以前に、都としては、ドッグランをここに設置するんだという基本的な考え方の中で、地元説明会を開いたり、計画的に取り組んできたじゃないですか。ですから、すなわち今のご答弁では、条件が整ったらというけど、さらに一・六ヘクタール拡大しているわけでありますよね、用買かけて。ですから、今までもそういう計画的に設置していこうということになっていたわけでありますから、さらに私は、条件は満たされてきたんじゃないかという認識を持つところなんですね。
 そういうところからいけば、私はやはり、この多摩丘陵のまさに自然景観の中で、特色のある--そして、マナーは、それは確かに必要ですよ、これは。共有のやはり公園でありますからね。だれかが占有するということもちょっとなかなかいろいろあると思う。だけども、少なくとも多様化するいろいろな今日的な状況下から、こういう要望が私は出されても至極もっともだというふうに思うんです。
 ですから、そういう中で、都としても、待ち待ちの構えじゃなくて、いろいろ取り組んでいただいておりますけれども、その状況をもう少し、全体的な、今いった一・六ヘクタールの拡張もそうだけれども、ぜひそういう状況のことも踏まえながら、私は、多様な公園機能を有してもいいのではないか、こう思っていますが、どうでしょうか。

○三浦公園管理担当部長 先ほどご答弁差し上げましたように、ドッグラン設置の四条件の一つとして、近隣住民の方々の理解がございます。平成十八年度の段階におきましては、ここが一番のポイントでございました。拡張区域につきましては、ここについての条件が満たされることとなれば、私どもとしては設置をしてまいります。

○こいそ委員 いずれにしても、要するにいろんな状況がありますよね。今お話し申し上げたような、フラットなところもあれば、いろいろ起伏に富んだところがあれば、さまざまありますよね。
 ですから、私は、適地というのはどういうところかよくちょっとわからない部分があるけれども、少なくとも四条件がかなうような箇所というのはあるんじゃないかと。ですから、後段、今お話しされたようなことは、待ちということじゃなくて、ここであれば可能ですよと、ここであれば設置可能じゃないかという部分が、もうちょっと、もう一歩、私は打ち出されてもいいんじゃないかなと思うんですよね。
 ですから、いずれにしても、こういうような具体的な声を、いかにして、それぞれ考え方、思いはあると思いますけれども、先ほど申し上げたように、この都立桜ヶ丘公園の持つ特性というのはあるわけであって、自然景観ですよね、これ。ですから、そういう配慮をする中で、私は、やはりあれだけ広大な中で、いろんな、先ほどいったようなルール化というかな、飼い主のマナーもそうだろうし、さまざまあると思います。いろんな専門的な立場の方々にも入っていただいて、やっぱりそういうことがあってもいいと思います。
 この間、ちらっとこのお話も、私は間接的に局長に聞いた中では、そんなに広い場所をとるわけじゃないみたいですね、これ。機能に非常に影響を与えるようなことでもないようでありますから、ぜひこのあたりはもう一段、私は、取り組み姿勢を強めていただいてもいいんじゃないかと思います。これは要望いたします。
 それでは、三本目。私も、連続立体交差事業なんですけれども、鉄道の。私は、JR南武線、ここです。多摩地域の慢性的な、いうまでもありませんけれども、いろいろ出ておりますので、やはり交通ボトルネックですね。これのやはり踏切の解消は、もうまさに、いうまでもない共通認識だと思います。
 また、JR南武線を含めて、三カ所で連続立体交差化事業が今現行進められているということでありますけれども、JR南武線では、第一期区間の矢野口駅、南武線の一期工事、完成いたしました。その中で、主要駅である矢野口駅というのがありますけれども、これは高架化されました。非常にきれいな、効率的なといいますか、機能的な駅になりました。交差する道路整備や周辺のまちづくりがしっかりと進められてまいりました。
 そこで、当該のJR南武線矢野口駅周辺が高架化されたことによって、どのように地域の利便が、私なりにもわかっておりますが、局としても、どのような利便性が向上したのか、こういうあたりの行政的な効果というんですかね、このあたりをお聞かせいただきたい。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JR南武線連続立体交差事業は、稲田堤駅から府中本町駅までの延長四・三キロメートルを高架化し、十五カ所の踏切を除却するものでございます。このうち、稲田堤駅から矢野口駅付近までの延長一・九キロメートルの第一期区間につきましては、平成十七年十月に高架化し、八カ所の踏み切りを除却いたしました。
 これによりまして、鶴川街道では、踏切遮断による交通渋滞が解消し、南北方向の道路交通の流れが大幅に改善されるとともに、地域分断が解消されました。
 また、連立事業にあわせて実施している駅周辺の土地区画整理事業により、駅前広場や生活道路が整備され、安全で快適な歩行空間が創出されるなど、地域の利便性が大きく向上いたしました。

○こいそ委員 まさに、今、お話もありましたけれども、この矢野口駅付近が高架化されまして、都道鶴川街道の交通渋滞が大幅に緩和をしてまいりました。まさに地元としては、この連立事業の整備効果を、今実感をしていると。一期工事完成後のですね、実感をしております。
 連立事業により、新たに生み出された高架下の空間は、まちづくりを進める上でも、私も、大変重要で、意義ある空間だと思っております。
 そのような中で、高架下利用について、このJR南武線の高架下ですけれども、都は、事業主体者として、地域にとって必要な施設を実現するよう、当然、調整はしているといわれておりますけれども、どのように調整をしてきたのか。それから、また、この高架下利用に関して、都は、事業主体者という、ちょっと今、重複してしまいますけれども、いわゆる取り組みですね。今までの取り組みと今後についても含めてお願いします。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 都は、事業主体として、地元市及び鉄道事業者とともに、高架下利用検討会を設置いたしまして、調整役となり、高架下の有効な利用の実現に向けて取り組んでおります。
 高架下利用可能面積の一五%は、公租公課の免除を前提に鉄道事業者と協議の上、都や地元市が無償で公共の目的に利用することができます。矢野口駅付近では、この一五%の一部に、市の意向を受け、駐輪場や公園のための空間を確保し、既に市がこれらの施設を整備いたしました。さらに、今後、利用施設の計画が具体化した際にも利用できるよう、空間を確保してございます。
 引き続き、事業中の第二期区間とともに、沿線のまちづくりとの整合や地元要望等を総合的に勘案し、高架下の有効な利用の実現に向けて、都は事業主体として積極的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 実際、都が調整役になっていくんだということでありますけれども、私は、見ておりまして、高架化になっていろいろ期待がありました、地元からも。今、一部公園利用させてもらっているということで、大変それはもう効果的な利用に供しているわけですから、歓迎されているわけでありますけれども、駐輪場もあります。
 しかし、この駅周辺を利用した高架下利用というのは、JRの子会社がテナント業としてほとんど専有していますよね。さらに、本来的に、ある程度、一定的な、広域的な範囲における、公共公益的な、公園もそうかもしれないけれども、公共公益的施設、高架の下における施設整備だってできないわけじゃありませんから、こういうものを強く要望をしていた。これは、少なくとも、地域の集会施設ということの限定じゃなくて、さまざまなやはり、何ていうんですかね、もう一段の広がりを示した、もう一段、範囲を広げたといいますかね、そういう使用勝手の施設とか、いろいろな要望があったと思うんです。いわゆる警察機能、交番だとか、それからさまざまありました。
 こういうところも私は、特に、二期が始まりますから、一期の取り組みとして、ぜひ、本来的に確保してもいい場所、確保しなきゃいけない場所があると思うんです。市が公園及び駐輪場、これも結構でしょう。これも当然のカウントだと思います。
 しかし、もう一つのカウントというのは、都がまさに調整力及び広域的な使い勝手ができるような、そこに一つのカウントを、さまざま、一、二挙げましたけれども、そういう使い勝手ができることだって、私はやるべきだと思うんです、これははっきりいって。それは調整能力だ。要するに、それぞれ使い勝手の調整配分だというだけじゃないと思うんですね。そのあたり、どうなんでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 おっしゃられるとおり鉄道敷地に新たに創出される高架下の空間は貴重なもので、有効に利用することは非常に重要であると認識してございます。JR南武線連立事業第二区間におきましても、稲城長沼及び南多摩の各駅を中心としたまちづくりとの整合や、地元要望を総合的に勘案し、高架下の有効な利用の実現に向けて、都は調整役として積極的に取り組んでまいります。
 それから、加えて、一期区間につきましても、利用施設につきまして、計画が具体化した際には、利用できるような空間をあらかじめ確保してございます。こうしたことも踏まえまして、地元市などの意向も踏まえまして、総合的に高架下の有効利用を都として進めてまいりたいというふうに考えております。

○こいそ委員 それ、ちょっと、私もよく、今、話がわからなかったんだけれども、もう確保できているということですか。要するに、地元からも当然そうだけれども、やはりこういう大きな事業主体として、これだけかかわってきたわけでしょう、東京都も。であるならば、やっぱり一定のスペースというかな、ある一定的なものというのは、私はもう当初から、都としてもカウントしてもいいんじゃないか、こういう話なんです、はっきりいって。ですから、現実あるんですね、それ、一期の中に。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 先ほど申し上げましたとおり、高架下利用につきましては可能面積の一五%が利用できると。一期区間と二期区間がございます、南武線の連立の場合は。一期区間につきまして、一五%分は既に活用してございますけれども、それに加えまして、二期区間が新たに高架化された場合につきましては、それに伴う一五%分が新たに発生するということでございます。
 そういった追加で、二期区間の整備に伴いまして、でき上がる空間につきまして、今後、地元要望、沿線まちづくりとの整合などを踏まえまして、高架下利用実現に向けて、総合的に取り組んでいくということでございます。

○こいそ委員 その一五%というのは私もわかっているんですよ。ですから、何を今いいたいかというと、東京都が事業主体者として調整をするという役割の中で、こういう大きな一大事業が完遂できたと、完成したというときこそ、東京都のやはり一定的な、公共公益的にいろいろあると思います。あえていいませんけど、いろいろあると思います。先ほど一、二いいましたけど。そういうようなものは一期工事ではもうないわけですね。要するに、二期工事でカウントしていくということでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 一期区間、二期区間を通算いたしまして一五%は利用できるということでございます。それで、それに加えまして、一期区間に、一期区間は完成しているわけでございますけれども、それに伴う一五%分は既に設置をしているということです。残りの二期区間が完成した際には、新たに一五%分が発生いたします。それにつきまして、一期区間の中の一部につきましても、二期区間分の高架下利用として、あらかじめ用地を確保しているということでございます。それは、一体、具体的に何を設置するかということにつきましては、市の意向等を踏まえまして、利用施設の計画が具体化した際に実現していくということでございます。

○こいそ委員 そうすると、ま、いいですけれども、一期、二期が、当然、南武線の立体交差をやっていますので、今、二期工事に入っていますよ。その中で、一期の場合、いろいろな要望点もあったということだけれども、一五%はもう埋まっちゃったということですね。そうですね。
 ですから、私は、そういうことは今までどうやって取り組んでこられましたかというのはそういうことを含めてあるんですよ。ですから、ぜひ、本来だったら、今、三路線やっていますね、多摩地域では。先ほどのご答弁じゃないけれども、私もいったのか、三路線、中央線もそうだけど。
 ですから、そういう中で、やはりもっと、東京都が本来的に、計画的にこの事業に取り組んでいるわけで当然ありますから、私、こういう部分だって、高架下利用だってもういいと思うんですよ、はっきりいって。もう少し、東京都、姿勢を出したって。東京都は、このあたりはこのぐらいのあれがとれないかと、しかし、地元市はどうしてもそれは勘弁してくれと、いろいろとあると思うんですよ、それぞれが、三者が。JR側だって、いろいろあるだろうし。
 ですから、少なくとも、これだけのやはり一大的な事業展開する、それはいわゆるあかずの踏切解消とか第一だと思います。まさに、東西南北でありますから、これのやはり一体的な土地利用計画も促進できてくる。さまざまな効能があることは事実です。安全も、危惧することがもうなくなってくるわけだから。
 ですけど、もう一点は、私は、貴重なやっぱり公共空間というのは、この際にやはりもう少し、東京都も押さえてもいいんじゃないのかな、こういう思いで今いわせていただきました。これはいいです。二期のとき、ひとつまた、これは検討していただきたい。
 それと、続きます。要するにリーダーシップを発揮して取り組んでいただきたいということでありますけれども、特に高架化は--今度は二期工事についてちょっとお尋ねしたいと思うんです。
 いよいよ今、二期工事が始まりました。地元でも当然にして今のような効能があるわけでありますから、一日も早く完成してもらいたいという思いですね。
 その中で、当初、これはやはり、南武線についても、平成二十二年完成目途だったんでしょうか。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 当初は、事業認可期間として平成二十二年度でございます。

○こいそ委員 この南武線についても、いろんな要因発生というんですかね、原因がそれぞれ出てきて、延びるようなことを聞いているわけでありますけれども、この際、聞かせていただきたいのは、どうして--二十二年に完成するんだというお話は何回も述べられてきた。地元説明会でもそうであった。我々にもそうであった。公の場でもそうであった。そして、ところが二十二年では、どうも、これ、完成の見込みが立ってこないような話が聞こえてきた。実際どうなっているんですか、これ。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 現在、全線にわたりまして、高架橋工事を鋭意進めておりますが、これまで事業に必要な用地取得が難航したことや、安全な列車運行のための作業時間の制限などから、工事の工程におくれが生じまして、事業完了までの工期延伸が必要となりました。
 このため、第二期区間の踏切除却は平成二十六年春ごろとなり、側道整備などを含めた事業完了は平成二十七年度となる見込みです。
 今後とも地元の理解と協力を得ながら、全力を挙げて事業を推進してまいります。

○こいそ委員 いろいろと、これはやはり、都としてもしっかりやられているということは、認識は持っております。しかし、これを実際的に施工しているのは、事業主体は東京都、実際行っているのは、JR東日本です。こういうことだと思うんですけれども、私は、以前、まちを歩いていまして、いろんな会合もそうだったけれども、こいそさん、どうもこれ、計画どおりいかないらしいなという話、何点か聞きました。いや、そんなことないでしょう。我々はもう、話を聞いているのは、二十二年度完成というふうに聞いているよという話をいった。ところが、現実こういう話になってきた。
 少なくとも、今いった用地の問題、私も認識しております。第一期工事のときには、これは大変な用地交渉がありましたよ。ものすごい用地交渉あった。大変だった、これ。だけども、これが一番ネックだったんですね、一期については。
 今回、二期工事で、用地交渉で、二件だと思うんです、恐らく。その一件は、一時期、どうしてもやはりこれはもう土地収用法でもって対応せざるを得ないかなというところまで、寸前までいきそうだった。しかし、辛うじて回避できましたね、これ。そういういろいろな手続をとらなくても済みましたよ、これ。それも、大家がかかわるわけではない。これは個人所有の方のさまざまな思いがあるわけだから、本当の一部であっても私有権の侵害になってくるわけだから、慎重にしていかなきゃいけない。これはそうでしょう。だけども、少なくとも、そういう私の認識の中で、それは解決している。
 もう一点は、じゃ、もう一件の用地問題も、これも少なくとも、土地収用法に係るような大きなことがある、そういう認識は、全く申しわけないけどないですね、私は。じゃ、何で土地の問題でおくれるのかという理由は、全く私はわかりません。
 それと、もう一点は、今、その年度が示されましたね、三年先に送ると。いいですか、この早い--それぞれ安全に、こういうことはしっかり慎重にやっていかなきゃいけないということは、これはわかりますよ。しかし、私は、少なくとも同じ路線の、JR南武線の、さまざまな状況も私なりに、期待をする一人として、見続けてきたし、いろいろお話も聞かせていただいたりしてまいりました、関係者の方々に。どこがどう違うんですかね。どうしてこれだけおくれるんですかね。私は理由がわからない。
 それと、もう一点は、工事の時間帯が夜間工事に持っていかなきゃいけない。夜間工事に持っていかなきゃいけないけれども、少なくたって、車庫に入る、車庫から出る、それはあるでしょう、確かに。しかし、準備段階だってあるわけでしょう。できることだって、できるところあるかもしれない。どうしてもそれをやらなきゃいけない状況だってあるかもしれない。しかし、ただ単純に、大変申しわけないけれども、用地ですよと。そういう工事的なもんですよ。何点か挙げられたけれども、これは、私は、そして今もいわれた地元のご理解、ご協力を得ながらって、理解なんか得られるわけないじゃないですか。これ、はっきりいって、こんなような理由で。もっとしっかりした理由を示してくれなければ、私も地元に対して説明つきません、こんなこと、はっきりいって。どういうことなんですか、これ、はっきりいって。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 当初の予定でございますけれども、十五年度末に用地取得を完了する予定でございました。その際には、実際、現実的には、十五年度末の時点で、買収未取得件数としては二件、加えまして、借地の未取得件数が四件ということで、この時点では六件残ってございました。実際にこうした用地の取得、借地等の件がクリアしたのは平成十八年十二月ということで、実際にこの間、二年半程度がおくれてございます。
 また、工事の関係でございますけれども、列車運行の安全性を確保、徹底するために、一部の工事が終電車後の夜間作業となり、一日当たりの作業時間が大幅に短縮されたことなどによって、施工効率が低下して、工期の延伸に至ったものということでございます。

○こいそ委員 じゃ、もう一点だけいいます。
 事業主体者として東京都、それから実際的に携わっているところはJR東日本でしょう。この中で、いわゆる今までの工程表があったと思うんですよ、進める中においての。事業主体者としてどういうチェックをしてきたんですか、今まで。
 それからもう一点は、JRの、よくわからぬけれども、少なくともJRは簡単に、やれ用地買収の問題はこうだよと、借家四件という話もあったけれども。しかし、少なくとも地元を挙げて、何人かの、どうしてもという方はおられたけれども、解決しているわけじゃないですか、これ、はっきりいって。だから、そういうさまざまな点が未処理で終わったわけでもない。棚上げだったわけじゃない。そんなに、あれじゃないですよ。解決、大変ご努力されたことはわかっているけれども、解決を一つ一つできてきた。並行してですよ、これ、はっきりいって。
 だから、まさに進行表というか、これ、どうやってチェックをしてきたの、事業主体者として。じゃ、どの段階でこれだけおくれが判明したのかどうかですよね。私、知らない、これ、はっきりいって。全く知りません、こんなことは。我々、地元の議員にも--我々の議員としての立場から見ても、それは少し、いろいろ関係者に聞いていても、私は信頼していましたよ、はっきりいって。おくれたって、三年おくれるなんて、いつ判明したんですか。とてもとても私は、本当申しわけないけれども、地元に帰って説明なんかできません、こんなこと、はっきりいって。
 それから、もう一点は、ぜひJRにいってくださいよ、これ。原因関係、そこでしょう、はっきりいって。冗談じゃないと、そんなもん。議会で納得できない、こういう話が出ていると。こんな日数まで延ばされて、JRは一体何やってきたんだ、はっきりいって、これ。その後の、はっきり原因を突き詰めてくださいよ。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 JRですけれども、全線にわたる高架橋工事を進めてございまして、都は事業主体として、事業の推進を図るためにより一層の工程管理をしてまいります。
 また、コスト縮減や工程短縮に向けて、JRなどの鉄道事業者等の関係機関と連携を強化し、全力を挙げて事業完了に向けて取り組んでまいります。

○こいそ委員 工程表をしっかり今までやってきていただいたというふうに私は認識しております、一期工事でもね。だから、こうやって完成したわけだ。いずれにしても、それはもうしっかりやっていただくことは当然だけれども、しかし原因関係、これは徹底的にやってもらわなきゃ困りますね。そうだ、そうだと。じゃ、地元に、何だかこれだけおくれるらしいよ、協力してくれと、理解してくれと。ちょっと難しいですね、これ、はっきりいって。
 それはことがことだけに、専門的ないろいろなことがあるかもしれない。それはそれでしっかりとして、それはもうやらなきゃいけないことというのもそれはそうですよ。で、余りにも情報が来ない。そして、来た段階でこんな延ばされたら、これ、どうなります。不信感につながりますよ、おくれていって。
 ですから、いずれにしても、ぜひこれは、きょう私はもう強い要望をさせていただきます。これ、どうしておくれたのか。
 それからもう一点は、早期に、こんな三年はやはり、これはちょっとつらい。ぜひ、もう少し、少なくとも早期の、早期というのかな、こんな期間じゃない形の中で、ぜひ、ご検討と、さらなるこれに対する対応をしていただきたい。都技監、お願いしますよ。お願いです。

○道家東京都技監 連続立体交差事業は、いうまでもなく、たくさんの踏切を同時に除却できる非常に有効な手段でございます。まさに、道路が立体化するかわりに鉄道が立体化することになりまして、まちの交通渋滞や、そして、地域の分断が解消される、道路事業の中でも重要な道路事業の一つであるというふうに認識をしておりまして、これまで、現在のところ七路線八カ所、都内で事業を進めております。
 現在、今ご議論いただきましたJR南武線につきましても、これまで二期に分けて事業を進めてきて、一期区間につきましては、先ほどから部長が答弁しているように、効果としては上げてまいりました。二期区間につきまして、今ご議論があったとおり、事業のおくれがここではっきりしてきたわけでございまして、当然、事業主体として、施工主体でありますJR東日本株式会社にもきちんと話を申し入れますし、さらに、今いわれたおくれの原因の究明についてもきちんとさせていただきたいと思っております。
 いずれにしても、地元の理解と協力がなければ公共事業はすべて進みません。そして、財源がなければ進みません。そういうことでございますので、地元の理解と協力が得られるように、誠心誠意、これからも事業を進め、説明に尽くしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○藤井委員長 それでは、この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時六分休憩

   午後五時二十五分開議

○藤井委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○山下委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、私からは、きょう、まず東京と緑という観点から、街路樹につきまして、質問させていただきます。
 道路の緑は人の心に潤いや安らぎを与えると同時に、美しい都市景観の創出や、環境の改善などのために重要な役割を果たしているといえるでしょう。東京都が平成十八年に策定した長期プログラム、「十年後の東京」では、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを目的として、当時四十八万本だった都内の街路樹を十年後に百万本へと倍増し、都市公園等、緑の拠点を街路樹でつなぐグリーンロードネットワークの形成、充実を進めるとしています。非常にきれいな言葉が並んでいますが、果たして具体的にはどのように取り組んでいるのでしょうか。まず、街路樹倍増の植栽の方法をお聞かせください。

○小口公園緑地部長 街路樹倍増の取り組みにつきましては、道路の新設、拡幅に当たりまして、街路樹を一層充実させることはもとより、既存道路では季節感あふれる中低木の植栽を精力的に進めております。
 具体的には、高木、中木、低木など、高さの異なる樹木を適宜組み合わせた植栽により、安全で快適な交通の確保とともに、沿道の土地利用や住民の生活と調和した植栽を工夫しながら、着実に街路樹をふやしております。

○山下委員 確かに以前は整然とした並木道が多く見られ、それはそれで美しい景観を出していましたが、植物学的な視点からいいますと、一種類の木ばかりですと同じ病気が蔓延したり、害虫に一気に食い荒されることがあるなど問題も生じがちです。その点、幾つかの植物を組み合わせれば、こういった病害虫の被害をある程度防ぐこともできますし、鳥や虫などがバランスよく訪れ、新しい生態系をつくり出すことも考えられます。
 もちろんいうまでもないこととは思いますが、さまざまな樹木を植えることは、花が咲き、実がなり、葉が色づくなど、季節感も色彩も楽しめますので、ぜひ今後も樹木の複合的な植栽を積極的に進めていただきたいと思います。
 そこで、次に伺うのは街路樹として採用する樹木の種類の選び方です。何か、条件や基準があればお聞かせください。

○小口公園緑地部長 街路樹は、沿道の生活環境の保全や都市環境の改善、交通の安全確保、景観の向上及び緑陰の確保などを目的として整備しております。樹種につきましては、日照などの自然環境条件、道路の幅員構成及び構造、沿道の土地利用状況などを勘案するとともに、地域住民などの意見を聞きながら選定しております。

○山下委員 ありがとうございます。樹木の選び方についての方針がわかりました。
 ここで、もう一つ、街路樹の重要な役割、環境保全に言及させていただきます。環境保全という観点から、街路樹の果たす役割をどのようにとらえていますでしょうか。

○小口公園緑地部長 環境保全という観点からの街路樹の役割でございますけれども、大気汚染物質の吸収ですとか、粉じんの吸着など、沿道の生活環境の保全の効果、またヒートアイランド現象の緩和ですとか、CO2削減に寄与するなど、都市環境の改善の効果があると考えております。

○山下委員 まとめていただきましたが、中でも大気の浄化は、環境の世紀の今、非常に重要な要素と考えます。植物は二酸化炭素を吸収して、酸素を吐き出すだけでなく、皆様ご存じのように、二酸化窒素や二酸化硫黄などの有害物質も吸収します。そして、今、これら二酸化炭素や二酸化窒素、二酸化硫黄などを吸収する能力や、水をまいたときに気温が下がる、いわゆる打ち水効果などを植物の種類ごとに測定する実験も数多く行われています。さらに、有害物質をより多く吸収するよう、品種改良された植物も出回るようになりました。都は、ぜひこれらの最新のデータを活用して、空気の浄化や、夏の打ち水効果などの能力がすぐれた植物を街路樹などの植栽に取り入れていただきたいと思います。
 そして、さらにもう一つ、植物の選び方として、私は都内で生産されている樹木の利用促進にも触れさせていただきます。平成十八年度の東京都環境物品等調達基本方針には、東京産の樹木の利用促進が示されています。地場産業の振興、そして東京の農林業を守り、緑を保全する意味からも、ぜひ東京産の樹木をより多く街路樹に取り入れていただくよう要望いたします。
 さて、この質問の冒頭、街路樹倍増百万本とグリーンロードネットワークという言葉をお伝えしましたが、このグリーンロードネットワークの拠点は主に都市公園です。そこで、続いては都立の都市公園について伺います。
 公園には樹木があり、都市環境を改善する効果があります。さらに、多くの人の憩いとレクリエーションの場であるとともに、災害から都市を守る働きもあるなど、公園はさまざまな役割を果たしています。こうしたことから、公園はすべての利用者に安全で快適な場所として提供されなければならず、中でも公園施設の安全対策と防犯対策は重要ですし、とりわけ高齢の方とお子さんへの配慮が必要です。
 高齢の方や障害を持つ方へのバリアフリー対策、お子さんへの安全対策、さらに、だれもが安心して利用できるようにするための防犯対策について、現在の取り組みをお聞かせください。

○小口公園緑地部長 公園を快適に利用していただくために、公園施設が安全に利用でき、防犯面でも心配がない公園づくりに取り組む必要がございます。
 まず、バリアフリー対策としましては、高齢者などが移動や施設の利用において、身体の負担を軽減でき施設を使いやすくするために、園路の段差解消や、洋式トイレへの改修などを実施しております。
 遊具の安全確保につきましては、子どもにとって、安全で楽しい遊び場を確保できるよう、職員による日々巡回や月一回の定期点検、専門業者による年二回の精密点検を実施し、部品の摩耗や変形、ぐらつき等、異常を早期に発見して対処しております。
 また、子どもが安心して遊べるための防犯対策としては、樹木剪定により死角解消を行い、公園内の見通しを確保し、監視の目が行き届くようにしております。こうした取り組みのほか、職員や警備員による園内巡回を日々行い、利用者が安心して利用できる公園づくりに努めております。

○山下委員 ところで、先ほどの街路樹に関する質問の際も、樹木には防風、防じん、緑陰による気温の調節、大気の浄化などの働きがあり、樹木が環境改善のために大きな役割を果たしている旨お答えいただきましたが、その一方で、公園の大きな樹木は剪定をしているとはいえ、陰の部分、つまり人の目が届かない死角をつくることも指摘されています。
 この死角を解消するための方法として、花を植えることが有効であるという専門家の調査の結果を目にしたことがございます。きれいな花が咲いていますと、人はおのずとそこに視線を移します。その結果、死角をなくし犯罪を防ぐ効果があらわれるというものです。実際に、敷地や建物の隅に花を植えたり、鉢植えを置いたりして、侵入盗つまり空き巣や、痴漢を防ごうとしている団地もあるようです。
 公園の場合、大きな木の近くに花壇をつくれば人の目線が下の方に集まり、木の下で遊ぶ子どもや、くつろぐ人々の安全につながると考えます。日比谷公園などに花壇があるのは承知しておりますが、都立公園全体として花壇への取り組みと管理はどのようになっているのでしょうか、お答えください。

○小口公園緑地部長 公園の花壇は、公園利用者が草花を鑑賞し、花に親しむ植栽空間であります。都立公園の花壇には、今お話のありましたような、日比谷公園にあるように都心の景観と調和のとれた幾何学模様の花壇があるほか、葛西臨海公園のような広大な広場に設置した大規模な花壇、それから蘆花恒春園のようなボランティアによる手づくり感があふれる花壇など、それぞれの都立公園の特性に合わせた花壇が設置されております。
 その管理につきましては、季節に合わせた草花の植えかえを行うとともに、企業やボランティアの方々に花壇づくりに参加していただき、都民協働を推進することで、訪れた利用者の方々に楽しんでいただいております。

○山下委員 都立公園として花壇に積極的に取り組んでいることを評価させていただきます。都民参加という管理の方法も、コミュニティづくりの観点から望ましいことといえるでしょう。大きな樹木があり、さらに美しい花も咲く緑豊かな都市公園は、ストレス社会といわれる現在、心が安らぐいやしの空間、都会人の心のオアシスになっていることと思います。
 植物には、先ほどから何度か触れている防風、防じん、緑陰による気温の調節、大気の浄化といった物理的、科学的効果と、安らぎ、いやしという精神的効果があります。二十一世紀は心の時代といわれます。現在のようなストレス社会では、都市公園がどの程度いやしの空間になっているのかという精神的な効用についても知っておく必要があるかと思います。
 都立公園では、利用者へのアンケート調査などを通じて、園内の安全、安心感や、静けさ、落ちつき感なども尋ねていると聞いております。どのような回答の傾向が出ているのでしょうか、ご紹介ください。

○小口公園緑地部長 都立公園では、利用者サービスのさらなる向上を目指しまして、毎年、公園別に利用者満足度調査を実施しております。基本的な調査項目は、樹木や草花の管理状況や、トイレ、休憩所などの施設の清潔さなど十項目であり、満足、やや満足、普通、やや不満、不満の五段階で利用者に回答をいただいております。お話しの園内の安全、安心感及び静けさ、落ちつき感の二項目については、ほとんどの公園でやや満足から満足の間の評価を得ております。

○山下委員 アンケートの結果を伺いますと、樹木や花壇のある公園は地球温暖化対策、カーボンマイナスといった物理的、科学的効果とともに、安らぎという精神的効果にもすぐれた都市空間といえそうです。今後も安全に配慮しながら、だれもが快適に安心して利用することができるよう、都市公園の整備に努めていただくことを望みます。
 続いて、動物園について伺います。私自身、子どものころは毎週のように多摩動物公園に足を運び、また高校時代には上野動物園の夜の動物園にも参加し、ふだんは見られない夜行性の動物の夜の生態を観察するなど、動物園を通して数多くのことを学ぶとともに生物学のだいご味を知ることができました。
 建設局の事業概要によりますと、動物園にはレクリエーション、教育の場、研究の場、種の保存という四つの機能があるとされています。動物園は大人も子どもも楽しめる憩いの場、感動の場であると同時に地球の生態系を学び、直面する問題について考えることのできる環境教育の場であり、さらに動物を通して優しい心を育てる情操教育の場でもあるといえるでしょう。
 こうしたことから、特に子どもたちの教育の場として活用することを望みます。野生の貴重な動物を観察できる動物園が身近にあるのは都民にとって幸せなことです。動物の生態や種の保存など、研究の一端に触れることで興味が広がり、将来研究者になろうとする子どもがあらわれるかもしれませんし、このようにいじめが問題視される昨今、心優しい子どもを育てることにもきっとつながるはずです。
 そこで、動物園の教育普及活動への取り組みはどのようになっているのか、お聞かせください。

○三浦公園管理担当部長 動物園の役割は、先ほどお話にありましたとおり四つございまして、第一に来園者が動物を身近に感じ、楽しい時間を過ごしていただくレクリエーション機能。第二に動物に関する正しい知識を普及する教育普及機能。第三に希少動物の保護、増殖を中心とする種の保存機能。第四に動物の生態などに関する調査、研究機能でございます。
 このうち、お話しの教育普及活動につきましては、来園者向けに飼育係員が動物の生態や行動などについて解説をするキーパーズトークや、動物解説員が動物たちの暮らしや自然の仕組みなどを紹介するガイドツアーを実施しております。
 また体験型プログラムとしては、小学生等を対象に飼育係員と一緒に動物の観察や飼育を体験するサマースクールや、動物園の外で野生生物の採取や観察をする、野外観察会を実施しております。さらに学校教育との連携や、出版物の発行、インターネットで動物の生態や動画を配信するなど、さまざまな教育活動を行っております。

○山下委員 わかりました。体験プログラムなど、教育活動のためにさまざまな工夫をしていることがわかりました。今のお答えの中には、学校教育との連携という言葉もありましたが、具体的な取り組みについてお話しください。

○三浦公園管理担当部長 学校教育との連携の取り組みにつきましては、まず学校の先生、教員の方々に対しましては、身近な生き物の観察方法や飼育管理について指導する講座を開催しており、遠足や修学旅行等の引率の先生に対しましては、動物の生態や飼育方法などについて、事前にご指導させていただいております。
 また、遠足や修学旅行等で訪れた生徒に対しましては、動物解説員がガイドを行うなど、きめ細やかな対応をしております。さらに環境教育用教材の貸し出し等を行うとともに、小中高等学生向けの出張事業を行うなど、学校教育との連携を図っております。

○山下委員 わかりました。これからもより多くの子どもたちが動物園を訪れるよう、引き続き教育機関との連携を強めていただくことを要望いたします。
 さて、きょうは街路樹や公園を中心にお話を伺いましたが、環境の世紀といわれる二十一世紀、建設局の果たす役割は非常に大きいといい切ることができるでしょう。世界に冠たる環境都市東京の確立のために今後とも事業の一層の推進をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○野田委員 まことに恐縮ですが、私からは道路整備と鉄道の連続立体化の問題について、三点質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど来、委員の先生方からは地域の道路の整備、そして連続立体化の問題を中心に本当に活発なご意見、ご質問、そして要望等々が多々出されておりました。私も地元多摩の道路整備について、そして地元東村山の道路整備と連続立体化の連立事業について質問をいたします。
 多摩地域の道路整備の現状についてでございますが、これは都市計画道路の整備率が五割程度であり、少ない幹線道路に交通が集中しております。そして、鉄道と道路の平面交差が数多くあることから、朝夕のピーク時を中心に至るところで交通渋滞が発生しております。東京都でも、これまで部分的な現道拡幅や、交差点の改良など、局所的な対策も積極的に行い、交通の円滑化に努めてこられましたが、やはり抜本的な対策として、道路整備の促進が必要であると考えております。
 それでは、まず多摩地域における道路整備の取り組みについて伺います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 多摩地域では、これまで府中所沢鎌倉街道線などの南北主要五路線を初めとする幹線道路の整備や、JR中央線、南武線などの連続立体交差事業を重点的に実施してまいりました。昨年五月には八王子村山線が全線開通し、本年三月には、調布保谷線の中央自動車道から東八道路付近までの延長二キロメートルの区間につきまして、四車線で交通開放をしております。またJR中央線の三鷹駅から国分寺駅間について、下り線に続き、上り線も来月に高架化し、この区間の三つすべての踏切を除却いたします。これら事業により、多摩地域の道路整備は着実に進展してございます。

○野田委員 道路整備の成果が着実に上がっているということは、今のご答弁で確認をさせていただきました。しかしながら、私の地元である東村山の都計道の進捗率は二割程度でございまして、非常にこれは近隣の地域と比較しても低い数値であると認識をいたしております。
 とりわけ南北を結ぶ道路というのが、私どもの地域では府中街道しかございません。しかし、その府中街道も新青梅街道との交差点の部分、これが野口橋の交差点でございますけれども、この野口橋の交差点ですとか、新青梅街道と西武新宿線の交差する踏切、ここの部分を中心に、大変ひどいときは二キロにも及ぶ渋滞が発生するのが現状でございます。このため、西武新宿線の踏切の解消、そして府中所沢鎌倉街道線の一部を形成する東村山三・三・八号線の整備は、これは地域住民の切なる願いであります。
 先ほど来、積極的に地元の連立事業についてのご質問が委員の先生方からなされておりました。これは党派を超えて推進すべきだと、こういうご意見で皆さん一致をされていることと思いますが、私どもの地元の東村山においての連立事業というのは、実はまだ本当にできたてのほやほやという状況でございます。
 昨年の六月にようやく西武新宿線の東村山駅付近の連立事業、これが東京都は事業候補区間に位置づけていただきました。そして、ようやく本年の四月に、新規の着工準備箇所として国に採択されたばかりでございます。したがいまして、これからどのような経緯を経て、どのような期間で、この連立事業が完成するのかということを、地域住民、東村山市民の皆様は大変注目しておるわけでございます。この東村山駅周辺の連立事業の現在の検討状況についてお伺いをいたしたいと思います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 お話にありましたとおり、連続立体交差事業は踏切の遮断による交通渋滞や地域分断を解消するだけでなく、道路ネットワークの整備や、沿線のまちづくりの促進に寄与する極めて効果の高い事業でございます。
 お尋ねの西武新宿線東村山駅付近につきましては、道路整備が具体化していることや、まちづくりの熟度が高まってきたことなどから、昨年六月に、事業候補区間の一つに位置づけまして、本年四月には新規着工準備箇所として国に採択されました。本区間の鉄道立体化により東村山三・三・八号線との交差箇所を含む五カ所の踏切が除却され、慢性的な交通渋滞の解消や安全性の向上を図ることができます。
 現在、地形や沿線の状況などを踏まえ、構造形式や施工方法を検討してございまして、今後、国との協議を進めてまいります。引き続き地元市や鉄道事業者と連携しながら、本区間の事業化に向けて取り組んでまいります。

○野田委員 ただいまの部長のご答弁で、本当に着実に取り組んでいただいていることを確認させていただきました。ありがとうございます。今後とも早期の実現に向けて一層の取り組みをお願いいたしたいと思います。
 さて、この西武新宿線と交差する東村山三・三・八については、野口橋交差点から東村山駅付近までの整備を連立交差事業とあわせて進めることが、これは重要であると私もそのように考えております。この区間の事業化に向けた現在の取り組み状況について伺いたいと思います。

○藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 東村山三・三・八号線は、多摩南北主要五路線の一つである府中所沢鎌倉街道線の一部を形成する重要な路線でございます。野口橋交差点から埼玉県境までの延長二・八キロメートルを第三次事業化計画における優先整備路線に位置づけてございます。お尋ねの野口橋交差点から東村山駅付近までの整備に当たりましては、野口橋交差点や府中街道と分岐する交差点が複雑な形状となり、交通処理等に課題がございます。これらの課題を解決するため、現在、交差点の整備形態の検討などを進めてございます。引き続き財源確保に努め、連続立体交差事業に合わせた本路線の整備に向け、積極的に取り組んでまいります。

○野田委員 地元のこの三・三・八の問題は、本当にその周辺に住んでおられる方々も大変首を長くして期待をいたしておる案件でございます。なかなか難しい地域であるとは、難しいというのは、要は土地の収用の問題等々、難しい地域であるとは思いますけれども、ぜひとも地域の方のご理解をいただきながら、事業を進展していただきたいと、このように思う次第でございます。
 ぜひ、こういった道路の整備の問題、もしくは連立の問題も含めまして、やはり財源が必要でありますので、この必要な財源を確実に確保して、積極的に道路整備、そして連立の整備に向けて取り組んでいただきますよう要望いたしまして、質問を終えさせていただきます。

○矢島委員 一部、質問を省きまして質疑を行います。
 東京の木造密集地域の形状は既に大正期より始まったといわれ、まさに歴史の重みの中にあります。それだけに、その地域での東京の暮らし、東京の暮らしやすさ、憩いの空間の確保が容易ではないのは現実であります。しかし、憩いの空間確保の努力がなされなかったのではなく、後藤新平の都市計画に始まり、グリーンベルト構想など、現在も取り組まれているもの、あるいはせっかくの種地を放置せざるを得なかった状況など、幾多の取り組みの結果が現在の形となっております。そして、高度に密集している東京にとって生活者の憩いの空間である公園は重要なインフラであります。そこで、二十年間の区部公園拡大の実績、区部一人当たり公園面積の最大最小の特別区についてお伺いいたします。

○小口公園緑地部長 区部の公園面積は、平成二十年四月一日までの二十年間で約千二百八十七ヘクタール増加しております。また二十三区のうち、一人当たり公園面積が最大の区は、千代田区で三十八・四平米、最小の区は豊島区で〇・七平米でございます。

○矢島委員 しかし、年々向上する区部公園面積の一方で、解消しない格差が拡大する地域があってはならない。取り残された地域、今のご説明でも明確にあるということになりますが、公園建設の取り組みは、つくりやすいところに公園がさらに開設され、必要でありますがつくりにくいところにできない結果の実績ではならないはずであります。そこで平成二十一年度建設局事業概要によると、一人当たり公園面積三平米以下のベルト地帯を形成するのは荒川、文京、北、豊島、練馬、中野、杉並の東西につながる地域でありますが、これまで二十年間の取り組みの実績についてお伺いいたします。先ほど答弁がありましたが、区部の公園全体で千二百八十七ヘクタールということになりますが、その上でどのくらいになるかお伺いいたします。

○小口公園緑地部長 ただいまご質問いただきました七区における都市公園の面積は、平成二十年四月一日までの二十年間で合計約百四十一ヘクタール増加し、このうち都立公園につきましては、荒川区の汐入公園や練馬区の大泉中央公園など、八公園で約四十五ヘクタールを開園いたしました。この結果、一人当たりの公園面積は一・五三平米から二・〇二平米に増加しております。

○矢島委員 今のご説明どおり、約十分の一強の整備率、先ほど申し上げたベルト地帯によりますと、そういうことになります。つくりやすいところにつくり、つくりにくいところはどうしてもおくれがちになる、これをどうして取り組んでいくかというのは一つの大きな課題となります。そのためには、確かに容易ではありませんけれども、目標を立てて課題地域に集中投資をすべき、そういう時期に来ているんではないかと思います。この方策と決意についてお伺いいたします。

○小口公園緑地部長 都立公園につきましては、平成十八年三月に策定しました都市計画公園・緑地の整備方針に基づきまして、平成二十七年度までに整備に着手する公園の優先区域を設定し、重点的に整備を推進しております。
 この方針では、委員お話しの七区において、杉並区の和田堀公園や練馬区の石神井公園など八公園で約三十四・六ヘクタールの優先整備区域を設定しており、平成二十一年四月一日までに十四・一ヘクタールを開園いたしました。今後とも着実に事業を進め、公園区域の拡大を図ってまいります。

○矢島委員 今のお話がありましたが、個別具体的なところについて公園区域を設定する、そういうお話だろうと思います。しかし、今全体としてベルト地帯のところについては、公園面積の整備率が極めて、この二十年間低いわけですから、方針としてその地域に対する具体的な位置づけと、そして、努力の目標を設定することが必要だと思います。これは意見だけ申し上げておきますので、ぜひ次の機会にまたお伺いしますので、その取り組みをお願いいたしたいと思います。
 特に、先ほどご説明がありました公園面積が一人当たり〇・七平米の豊島区には二カ所の都営霊園があります。昭和三十七年に新規墓地の貸し付けが停止され、公園を目指して五十年間たっておりますが、現在のペースではこの目標を達成するのに、さらに四百年から五百年かかるということになります。今後、この現実を踏まえ霊園の再生計画を作成することになりますが、霊園内の空地を再生計画の中で再貸付に回した青山、谷中の例に倣わずに、人口密度日本一、公園面積最小という地域の特殊性から、空地を公園と位置づけて整備を図るべきと考えますが、お考えを伺います。

○小口公園緑地部長 都は、東京都公園審議会から答申を受けまして、霊園と公園の共存を目指し、霊園の再生事業に取り組んでおります。この事業は、霊園利用者だけではなく、広く都民が休憩や散策を楽しめるよう、広場や園路を整備しているものであります。青山霊園につきましては、平成十六年度から再生事業を進めており、谷中霊園につきましても、二十年度から墓所移転などに取り組んでおります。
 お話の雑司ケ谷霊園、染井霊園、この再生を進めるに当たりましても、立地条件や特性に応じ、また、青山霊園と谷中霊園における事業成果や、地元自治体のまちづくりの意向も踏まえながら、既存の空地を有効に活用するなど、個別に検討してまいります。

○矢島委員 霊園の中の空地ではなくて、その空地を公園として位置づけることが何よりも重要であると思いますし、その計画の策定に当たっても入りますと、ある程度、絵柄ができているということになりかねませんので、それにこの一年で取り組むと聞いておりますので、その前にしっかりと申し上げておきますから、地域の特性、今おっしゃいましたように、それについての配慮をぜひお願いをいたします。
 次に、河川管理と洪水予測についてお伺いをいたします。河川、放置船対策の進捗状況、水辺、親水空間としての防災船着き場の開放の状況についてお伺いいたします。

○廣木河川部長 放置船舶対策についてでございますが、東京都は新中川など八つの河川を順次、重点適正化区域等に指定して適正化を進めてまいりました。平成二十一年度は、海老取川において適正化を実施し、七年度に約一千隻あった放置船舶の七割に当たる約六百八十隻の適正化が完了いたしました。今後とも地元区など関係部署と連携し、放置船舶の適正化に取り組んでまいります。
 また、防災船着き場の活用についてでございますが、現在、都では十五カ所の防災船着き場を管理しております。町会の防災訓練や、江戸文化の船上学習などに広く利用されております。中でも、越中島防災船着き場は、平成十八年度より一般に開放しており、二十年度は延べ約千隻の利用がありました。二十一年度は、これまでのところ二十年度を超える利用となっております。二十一年度はさらに、試行として夏休みに七日間、小名木川の扇橋閘門の防災船着き場を自由に乗りおりできるよう開放したところ、八隻の利用がございました。

○矢島委員 お伺いするところによりますと、放置船対策を行ったところ、終わった後に船が集まってくるのではなくて、その後もしっかり管理をされておる。ですから、放置船対策の効果がそのまま現在も継続しているということですので、この取り組みはぜひ、地道な努力でありますけれども、重ねていただきたい。
 また、防災船着き場につきましては、東京都の管理しているものについては、一般利用を進められているのは、インターネット初め文書でもよく承知しております。しかし、そのほかにまた区の管理している大きな施設がありますので、東京都と縦割りの管轄ではなくて、都民が親水の空間の中で楽しむという立場から積極的に働きかけていただいて、一体の中で利用できるような情報提供をしていただきたい、このように思います。これはお願いしておきます。
 治水は東京整備の基本であります。そこで、東京の中小河川のうち、現在、洪水対策に取り組んでいる河川の数をお伺いいたします。

○廣木河川部長 東京都では四十六河川、三百二十四キロメートルの中小河川を対象に一時間に五〇ミリの降雨に対応する河川整備を進めてきており、平成二十年度末までに二百四・二キロメートルの護岸が完成しております。現在、近年浸水被害が発生した神田川、古川を初め、重点的に二十三の河川において、合わせて二・五キロの護岸、四カ所の調節池、一カ所の分水路の整備に取り組んでおります。

○矢島委員 河川の洪水情報の提供は、河川水位のリアルタイムの情報提供がなされております。また、浸水予想区域図、ハザードマップが製作されておりますが、これは製作のインターバルが大変長い。しかし眼下にある洪水対策では、引き続く整備の後の最新情報は、常に関係者、関係住民に伝えなければなりません。なければその価値も半減してしまうということになります。
 そこで、ホームページの最新情報の更新について、まず一点お伺いいたします。また、洪水、浸水の時系列情報が少ないと聞いておりますが、その中でも、この三月より実施されている神田川でのリアルタイム洪水危険度予測情報は評価できるものと思います。そこで、その内容または今後の拡大についてお伺いいたします。

○廣木河川部長 浸水予想区域図は、浸水被害が発生しやすい箇所を都民に周知することを目的として、平成十二年九月に発生した東海豪雨が東京を襲った場合の浸水の深さを河川や下水道の能力を加味して作成したものでございます。洪水ハザードマップは、この水害時に迅速な避難ができるように、この浸水予想区域図に避難場所や避難経路を記入したもので、区市町村が作成いたします。
 浸水予想区域図は、二十年度までに策定を終わり、都が管理するすべての河川についてインターネットのホームページなどで公表しており、また、洪水ハザードマップは現在二十三区十五市が公表しております。これらは作成した時点での河川整備状況を踏まえたものであることから、今後、河川整備との進捗を勘案し、更新時期などを含めて検討してまいります。
 また、神田川の洪水予報でございますが、実際の雨量と予測降雨の解析に基づき、一時間先までの水位を予測し、洪水のおそれがあると認められるときに、都が気象庁と共同で発表する防災情報でございます。都内の中小河川では、荒川など大河川とは異なり豪雨時の水位上昇が極めて早く、洪水の予報が困難でございますが、神田川においては検証を重ね、独自の水位予測モデルを開発し、洪水予報を開始いたしました。今後の拡大についてでございますが、それぞれの河川や流域によって異なる特性を踏まえ、洪水予報に適用可能な水位予測モデルの構築を目指してまいります。

○矢島委員 想定とその実証というのは大変難しい問題で、大東京の行政であるだけに安易に出せないということがおありだと思いますが、積極的に努力をされていただいて、神田川だけではなくて、その成果をほかの川にも、それぞれ川によって特性があると聞いておりますけれども、そういうことを加味しながら生かしていただきたい、このように思います。
 河川流域に住む関係都民にとっては、川があふれた後は浸水となるというわけでありますが、どこでいつあふれるかと同時に浸水地域はどのようになるかの、リアルタイム危険度予測システムの構築と情報の提供は、避難、水害対策の判断に有効であります。実際、その研究も進んでいると聞いております。その必要性についてお伺いいたします。

○廣木河川部長 現在、運用している神田川洪水予報ですが、神田川というのは極めて短時間に水位が上昇するため、洪水のおそれがあるときに、神田川全川にわたって洪水予報を発表いたします。したがって、洪水後の浸水が時間的にどのように広がっていくかの予測については、適用も含めて今後の検討課題と考えております。

○矢島委員 やはり都民の立場に立つのが先だろうと思います。どこからあふれるかじゃなくて、自分の住んでいるところがどうなるか、都民の皆さん方の興味はそこ、必要はそこにあろうと思いますので、課題というのはやっていないということですから、よくわかりますが、今後ぜひ都民の立場に立てばやらなければいけないところ。
 この問題については、実績があるようなソフトもあるそうでございますから、人のつくったものというふうにこだわらないで、いろいろ実証していただきながら、この都民一人一人に、必要に応じる、都民の立場の事業をしっかりやっていっていただきたい。これをお願いしておきます。
 次に、技術の維持確保についてお伺いいたします。後藤新平が中心の一人として取り組んだ都市計画法が大正八年に制定され、東京都の都市整備がようやく進められました。それにおくれること三年、大正十一年に東京都土木技術研究所が設立されたそうであります。そこで、東京都土木技術研究所の東京都の整備に果たしていた役割についてお伺いいたします。

○鈴木企画担当部長 東京都土木技術研究所の系譜でございますが、大正十一年設立の東京市道路局試験所までさかのぼります。当時ほとんどが未舗装でございました東京市の道路問題を解決すべく発足し、道路舗装技術の研究に関しましては、日本の先駆的役割を果たしました。また戦前から進めていた地盤沈下の調査による多くの基礎的データを提供することで、都内の地盤沈下の防止に貢献してまいりました。さらに戦後は、取り扱う研究テーマも舗装、地質に加えまして、河川、防災、測量など多岐にわたる、より実務と直結したものとしてまいりました。
 土木技術研究所は、こうした実践的な研究を行いまして、行政機関として重要な役割を担ってきたところでございますが、平成十八年四月に、これまで蓄積した膨大な技術データを活用し、技術支援及び調査開発を行う東京都土木技術センターへ改組いたしました。さらに、本年四月に土木職員を中心とした技術者の人材育成を新たな視点として加えた東京都土木技術支援・人材育成センターへと改組したところでございます。

○矢島委員 明治期の道路は、雨が降ると泥沼の、ドジョウがいたというような冗談もあるぐらいにひどい状況だったそうで、この取り組みはさぞ画期的なことであったと思います。その流れを組むのが現在の土木技術支援・人材育成センターでありますが、現在、東京都の技術系職員の数が、都市整備局で土木から造園までで七百人弱、建設局では千三百人を超えます。土木で見ても、その数は三百人と千百人で、建設局が圧倒的であります。
 そこで日進月歩の技術の世界で、重要課題である技術レベルの維持向上のために技術の総本山であります土木技術支援・人材育成センターが行っている技術開発、技術支援の成果、技術継承、また人材育成の現状と課題についてお伺いいたします。

○鈴木企画担当部長 土木技術支援・人材育成センターによる技術開発の成果の一例としましては、保水性舗装や遮熱性舗装の開発などによりまして、路面温度上昇を抑制し、ヒートアイランド現象の緩和に役立ててございます。各局に対する技術支援の成果の一例としましては、全庁的な土木行政について、技術支援を担う土木技術支援・人材育成センターが新しい技術や工法など、さまざまな技術情報を一元的に管理し、適宜情報提供をすることで、各局事業の円滑な執行が期待されるものでございます。
 また、各局の事業現場において発生する課題、例えば宅地造成における斜面崩壊の際の緊急対策及び原因調査などへの支援要請に対しまして、土木技術支援・人材育成センターが、技術や知見を活用した協力を行うことで、土砂災害防止につなげてございます。
 次に、職員の人材育成や技術継承としましては、三つの主な取り組みを行ってございます。
 第一に、全庁を対象とする土木技術などの研修制度におきまして、いわゆる机上で行う学習型の研修や、材料試験などの実務体験型の研修、積算システムに関する研修などを実施してございます。さらに本年度からは、これらの研修を体系化し、より計画的、効果的な人材育成を図ってございます。
 第二に、これまで職員が培ってまいりましたすぐれた知識や技術ノウハウを局全体で共有し活用する、建設局建設技術マイスター制度を本年度に創設いたしました。この夏には五十四名の指導技術者を認定しまして、現在認定を受けた指導技術者がさまざまな職員からの相談に応じているものでございます。
 第三に、局職員みずからが中心となり、工法等につきましての議論を行うワークショップ活動を通じまして、技術力の向上を目指すインハウス設計VEの普及を図るため、研修の充実や事務所への支援を行っております。
 最後に、職員の人材育成や技術継承につきましては、さらなる研修制度の充実が不可欠でございまして、次に挙げる三つの課題がございます。
 第一に、職員の現場経験の不足を補うため、施工不良の現場を再現し、直接職員が触れることで、現場経験と同等の体験を可能とする実物大構造モデルの設置と、これを活用した研修の企画調整がございます。
 第二に、建設局建設技術マイスター制度をより効果的に運用していくため、指導技術者がそれぞれ持つ技術を活用した新規研修の企画調整がございます。
 第三に、既に橋梁で導入したアセットマネジメントを公共施設全般の効率的、効果的な維持管理のために活用するための研修を企画調整することなどが挙げられます。
 建設局としましては、こうしたさまざまな取り組みを通じまして、全庁的な土木技術力の維持向上に資するよう今後とも積極的に取り組んでまいります。

○矢島委員 技術者のトップであります技監がしっかりセンターを大事にしている様子が伺えるような大変内容のあるご説明をいただきました。センターでは、都内市区町村技術者に技術情報提供の機会があります。また、技術支援を行っているとも聞いております。そこで市区町村への技術支援の状況、人材育成の受け入れについてお伺いいたします。

○鈴木企画担当部長 まず、市区町村への技術支援の状況としましては、土木技術支援・人材育成センターにおきまして、市区町村の土木技術者等を対象とする連絡協議会を主催し、新技術に関する情報等の提供を行っているところでございます。また、各市区町が行う総合評価方式の学識経験者としまして、土木技術支援・人材育成センター所長などが参画しまして、公共工事の品質確保に関する技術支援を行っているものでございます。さらに、各市区町村における技術的課題、例えば地下水や地盤に関する情報の整理におきまして、これまで長年培ってきました技術情報や知見を活用した技術協力を行ってございます。
 次に、人材育成の受け入れとしましては、職員の技術力維持向上を目的として行っております、設計や施工管理などの技術研修に市区町村職員の積極的な参加を呼びかけてございます。また、技術の継承をテーマとした本年六月の土木技術講習会や、九月に開催いたしました建設局技術業務体験発表会にも市区町村職員の積極的な出席を促しているものでございます。

○矢島委員 東京の市区町村にも土木など多くの技術者がおりますが、現在における水準では、彼らの技術力、知識獲得は、専ら個人の努力に任せることになり、そのままでは全体として、東京の高度な土木技術活用のチャンスロスになるのではないかと思います。そこで市区町村技術者支援、技術者人材育成プログラムの充実を図るべきと考えますが、お考えを伺います。

○鈴木企画担当部長 建設局としましては、都に限らず市区町村の職員につきましても、技術力の向上を図ることが重要であるとの認識のもと、先ほどご答弁をさせていただきました、さまざまな取り組みを行っているところでございます。今後もさらにその充実を図るため、技術力の維持継承に資する建設局建設技術マイスター制度や、インハウス設計VEを参考事例として、区市町村の皆様に情報提供するなど、積極的に取り組んでまいります。

○矢島委員 ぜひとも、高みにいる東京都の技術者ではなくて、市区町村の技術者とも力を合わせて、東京都全体のレベルアップを図るような、そういう観点からの取り組みを期待して質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれで終了したいと思いますが、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十七分散会

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