環境・建設委員会速記録第五号

平成二十一年三月十九日(木曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長石川 芳昭君
副委員長宇田川聡史君
副委員長中村 明彦君
理事原田 恭子君
理事高橋かずみ君
理事小沢 昌也君
村松みえ子君
吉倉 正美君
石森たかゆき君
矢島 千秋君
吉田康一郎君
小磯 善彦君
山田 忠昭君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長有留 武司君
環境政策部長森  浩志君
建設局局長道家 孝行君
次長島  博文君
道路監村尾 公一君
総務部長藤井 芳弘君

本日の会議に付した事件
 意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境・建設委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第六十七号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
・第六十九号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・第七十号議案  鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十二号議案 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十三号議案 火薬類取締法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 東京都駐車場条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 東京都立公園条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案 清掃工場建設工事に係る損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件に関する和解について
・第九十二号議案 首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
・第九十三号議案 平成二十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・第六十七号議案に対する修正案
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○石川委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書二件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。ご了承願います。

○石川委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境・建設委員会所管分を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次、発言を願います。

○石森委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、環境・建設委員会に付託された平成二十一年度東京都予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 世界経済の減速に歯どめがかからない中、我が国においては雇用情勢の悪化、企業業績の低迷など、足元の不況が長期化する懸念が高まっています。
 こうした中で編成された平成二十一年度東京都予算案は、都税が七千五百二十億円の大幅減収となる中にあっても、政策的経費である一般歳出を二・九%伸ばすなど、都政が取り組むべき課題の対応に財源を重点的に振り向け、都民に安心をもたらし、希望を指し示す内容となっています。
 具体的に見ると、雇用や中小企業対策など都民生活が直面する現下の危機への対応や環境施策の推進を通じた先進技術の支援など東京に新たな活力を生み出す先駆的な取り組み、都市インフラの整備、更新など東京の将来をつくるための中長期的な取り組みなど、これまでの我が党の主張を踏まえ、ハード、ソフトの両面から意欲的な施策が盛り込まれており、高く評価できます。
 現下の経済危機が相当期間にわたって続く可能性がある中で、中長期的に施策を支え得る強固な財政基盤を確保する取り組みもまた重要であります。
 今回の予算では、基金や起債余力など、これまで都財政が培ってきた財政の対応力を最大限活用すると同時に、今後の経済変動に備え、財源として活用可能な基金については残高を極力維持するなど、将来を見据えた適切な措置を講じています。いざというときの財政の対応力を確保するため、基金残高の維持を図ることは必要な取り組みであり、我が党としても理解を示すものであります。
 この先も厳しい財政環境が続くことが予想されますが、日本経済が停滞している今だからこそ、東京は日本の活力の創出に向けて主導的役割を果たさなければなりません。そのためには揺るぎない財政基盤の確立が不可欠であり、今後とも努力を重ねていただきたいと思います。
 なお、予算執行に当たっては、現下の都民生活を取り巻く厳しい状況を踏まえ、各局とも施策の目的をできる限り早期に達成するべく、迅速かつ着実な事業運営に取り組まれるよう強く要望しておきます。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、環境局関係について申し上げます。
 一、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック招致に向けて、東京の環境先進性は非常に重要な要素である。東京を世界で最も環境負荷の少ない都市とするために、思い切ったCO2排出削減策を進められたい。
 二、温暖化防止に向けては、都民、企業などあらゆる主体の取り組みが必要である。
 温暖化ガス削減義務の制度構築に当たっては、事業者等の意見を踏まえながら、先進的な事例の周知や相談体制の整備など、きめの細かい取り組みを行われたい。
 温暖化対策を行うに当たっての資金や情報などが不足している中小企業に対しては、取り組みに対する支援策を引き続き実施されたい。
 家庭部門の再生可能エネルギーの利用拡大を図るため、太陽エネルギー利用機器の飛躍的な普及拡大を実現されたい。
 三、地球温暖化対策等を都内全域で家庭や中小企業に至るまで充実させるため、都民生活に最も身近な区市町村の取り組みを支援するとともに、金融機能を活用した環境配慮への取り組みを実施されたい。
 また、地球温暖化の影響に対する適応状況についても調査研究を進められたい。
 四、緑あふれる都市の実現に向けて、緑の東京十年プロジェクトを引き続き強力に推進し、緑地の保全や多摩の森林再生など自然環境の保全と再生に取り組むとともに、緑の東京募金の活動など、都民や企業等を巻き込んだ緑のムーブメントを東京全体で展開されたい。
 また、ヒートアイランド抑制効果や子どもの情操教育にも資する校庭芝生化事業が円滑かつ積極的に展開されるよう支援を充実されたい。
 五、自動車交通対策については、低公害かつ低燃費な自動車の導入促進などを行われたい。
 また、エコドライブ支援機器導入について、中小事業者に対する経済的支援を実施するとともに、事業者団体等によるCO2削減に資する取り組みを支援されたい。
 六、土壌汚染対策については、中小事業者等が適切な対応を図れるように土壌汚染処理ガイドライン等を作成し、有効な情報を提供するなどの支援を実施されたい。
 また、大気汚染対策について、PM二・五の大気環境調査や発生源調査等を行い、効果的な発生源対策等を検討されたい。
 七、廃棄物対策については、不法投棄の撲滅や適正処理を徹底するための取り組みを引き続き推進されたい。
 また、廃プラスチックの埋め立てゼロを目指してリサイクルを推進されたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 一、「十年後の東京」が示す首都東京の都市像を実現していくため、慢性的な交通渋滞の大幅な緩和、都市型水害の解消、緑やオープンスペースの拡大など、災害に強く、快適で住みよい都市東京を目指し、都市活動や都民生活を支える道路、河川、公園など、都市基盤整備のより一層の推進を図られたい。
 二、二〇一六年のオリンピック招致を実現するためにも施策を充実し、積極的に事業を推進する必要があり、国に対し、公共事業費の確保と財源の配分拡大について強く働きかけられたい。
 三、三環状道路の一つである首都高速道路中央環状線については、一日も早い全線完成を目指し、新宿線の残る区間及び品川線の整備を積極的に推進されたい。
 四、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備をそれぞれ推進するとともに、多摩川中流部橋梁等についても整備の促進を図られたい。
 五、地域分断の解消や交通渋滞の緩和などを図る上で効果の高いJR中央線や京浜急行線など、鉄道の連続立体交差事業を積極的に推進されたい。
 また、事業の実施に当たっては、地元区市と連携して駅周辺のまちづくりと一体的、総合的に進められたい。
 六、都市型水害を一日も早く解消するため、中小河川の護岸、調節池など、五〇ミリ降雨に対応する整備をスピードアップすることはもとより、区市町村と連携したソフト対策も含めた総合的な治水対策を促進されたい。
 七、近年頻発する大規模な局地的集中豪雨に対し安全対策を早急に講じるとともに、気候変動の影響を踏まえ、七五ミリ降雨に対応できるよう、治水対策のレベルアップを検討されたい。
 八、東部低地帯の河川については、防潮堤、水門などの耐震強化を図るとともに、スーパー堤防や景観に配慮した親水テラスなどの整備を促進されたい。
 九、良好な都市景観を創出し、都市防災機能の強化に寄与する道路の無電柱化事業については、都道での整備促進を図るとともに、面的な整備を推進するため、区市町村道に対する支援を充実されたい。
 十、美しいまち東京を実現するために都立公園の整備を促進するとともに、緑の拠点である公園を結ぶ街路樹の充実を積極的に推進し、緑のネットワークの形成を図られたい。
 十一、多摩地域のまちづくりを支援するため、新みちづくり・まちづくりパートナー事業を促進するとともに、市町村土木補助事業の充実を図られたい。
 以上をもって私の意見開陳といたします。ありがとうございました。

○吉田委員 私は都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十一年度予算案にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 二十一年度予算案は、急速な景気悪化により、一般会計は前年度比三・八%減の六兆五千九百八十億円となりましたが、政策的経費である一般歳出は、前年度比二・九%増の四兆五千四百二十二億円を確保しています。
 歳入においては、景気後退と法人事業税国税化によって、法人二税が三〇・三%、都税全体で一三・六%の大幅な減収となっています。
 そのため、都債を前年度比四〇・四%増の三千七百四十三億円分を発行することとしていますが、起債依存度はいまだ低水準にあり、余力を残しています。
 歳出では、東京の将来をつくる都市インフラの整備、更新などの投資的経費を前年度比六・二%増としました。国の公共投資や東京圏の民間投資に比べれば、その規模は決して大きくありませんが、事業を厳選し、最も効果的な投資を行っていく必要があります。
 具体的な施策においては、雇用や中小企業経営に対する支援策を強化するとともに、救急、周産期医療や新型インフルエンザ対策など喫緊の重要課題にも手だてを講じるなど、短期、そして中長期的な取り組みにも財源を振り向け、都民生活を守り、未来の東京を築いていく姿勢を打ち出したことは評価できます。
 しかし、今後も、世界的な金融情勢などの動向次第では景気が下振れるリスクがあり、都財政を取り巻く環境はより一層厳しさを増す可能性があります。
 そこで、都民の不安感を解消し、安心・安全を守るため、民主党が求めている耐震化やバリアフリー化などの公共投資のさらなる前倒しや雇用対策での公的雇用創出の積み増し、生活安定化総合対策事業や職業訓練などの拡大、充実、中小企業への資金供給のさらなる円滑化、医療対策でのNICUの一・五倍増などの取り組みが必要だと考えます。
 そして、その基盤となる持続可能な都財政の確立に向けて、国からの税財源の移譲や法人事業税国税化の廃止を強く推し進めることが求められています。
 なお、予算を執行するに当たっては、定数削減などにより職員の企画力や執行力などの低下が懸念されており、都民の期待にこたえるためにも執行体制の再構築を求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に係る事項について申し上げます。
 まず、環境局関係について申し上げます。
 一、企業の温暖化対策を推進するため、大規模事業所に対する温暖化ガス削減義務と排出量取引制度を導入するとともに、都の制度の全国的な普及拡大に努めること。
 一、温暖化対策に積極的に取り組む中小規模事業者に対するインセンティブを充実するために、省エネ促進税制の創設を初め、報告書制度を活用した助成制度や低利融資制度、顕彰制度の創設などに取り組むこと。
 一、家庭での温暖化対策の推進に向けて、地域の家電店などと連携して省エネアドバイザーを養成、登録し、その活動を推進するとともに、地域の工務店などを評価する省エネ住宅供給事業者認定制度を創設すること。
 一、省エネ設備の導入補助など、家庭や中小企業でのCO2削減を着実に進めるために、基礎的自治体である区市町村を通した支援に取り組むこと。
 一、太陽エネルギーの利用拡大に向けて、国や区市町村などとも連携した支援の充実に努めるとともに、都民に対して太陽光発電などの導入に向けた道筋をわかりやすく説明すること。
 また、都有施設における電気のグリーン購入を推進するなど、再生可能エネルギーの利用拡大に向けて取り組むこと。
 一、運輸部門でのCO2削減に向けて、電気自動車やプラグインハイブリッド車の購入補助や低燃費車の利用を促すガイドラインの策定などに取り組むこと。
 また、エコドライブの普及拡大を図るとともに、車検や整備を通じた燃費の向上に取り組むこと。
 さらに、自転車への利用転換を図るなど、自動車に依存しないまちづくりを進めること。
 一、フードマイレージやカーボンフットプリントなどの制度普及を初め、環境問題に配慮する消費行動促進支援事業を展開すること。
 また、環境金融を進めるために、金融機関への預託金を創設するとともに、金融機関に対してエコ預金の創設、拡充など環境投融資の拡大を働きかけること。
 一、産業廃棄物の不法投棄を防止するため、産廃Gメンによる監視体制を強化すること。
 また、携帯電話に加え、デジカメやゲーム機など電気、電子機器類におけるレアメタル、レアアースのリサイクルを推進すること。
 一、大気汚染物質のさらなる排出削減に向けて、大気中微小粒子、PM二・五に関する調査を実施すること。
 また、船舶からの排出ガス削減に向けて、陸上電力の供給の効果を検証すること。
 一、土壌汚染対策として、中小事業者の負担軽減に向けてガイドラインの策定や簡易迅速分析法の確立を図るとともに、都民に対する情報提供の仕組みづくりに取り組むこと。
 一、緑の保全と再生に向けて、緑化計画書制度や開発許可制度の強化、充実を図ること。
 また、みどり率など緑の指標調査を実施するとともに、校庭芝生化事業を初め、駐車場や都市のすき間に着目した緑化の推進を図ること。
 一、東京湾や中小河川の水再生に向けて、水生生物の保全のための必要な調査を実施するとともに、干潟の保全、再生などを通じて赤潮、青潮対策に取り組むこと。
 また、水収支調査の結果を踏まえ、水循環の推進に向けた新たな施策を構築すること。
 一、都内温泉施設の安全確保に向けて、昨年十月一日に施行された温泉法の改正などを踏まえ、立入調査や事業者への指導など、施設の安全が担保される体制を整備すること。
 一、森林や丘陵地の保全に向けて、多摩の森林再生事業を着実に実施するとともに、保全緑地の公有化を推進すること。
 また、生物多様性地域戦略の推進を図り、東京都版レッドデータブックの更新に取り組むとともに、小笠原諸島の外来種対策など世界自然遺産登録推進事業を進めること。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 一、幹線道路ネットワークの整備を推進するために、三環状道路を初め都市の骨格を形成する幹線道路や地域幹線道路の整備を進めること。
 また、将来の交通需要を踏まえつつ、必要性などに関する客観的なデータを公表するなどして、より優先度の高い道路の整備が進むよう取り組むこと。
 一、京浜急行本線、空港線やJR中央線など、鉄道の連続立体交差化事業を推進するとともに、西武新宿線や京王線での調査を進めること。
 一、是政橋などの橋梁整備を進めるとともに、第一次緊急輸送路における橋梁の安全性向上に取り組むこと。
 また、勝鬨橋の再跳開に向けて調査検討をすること。
 一、街路樹の充実、育成など道路の緑化を推進すること。
 また、遮熱性舗装や街路灯の省エネ照明への転換など、環境に優しい道路整備に取り組むこと。
 一、道路の安全対策として、アンダーパス化されている道路施設に対して冠水警報設備や予備ポンプを設置すること。
 また、石積み擁壁の緊急安全対策を進めること。
 一、都道、区市町村道の無電柱化を推進するとともに、交差点すいすいプランを初めとする交差点改良を進めること。
 また、自転車走行空間を積極的に整備するとともに、区市町村の取り組みを支援すること。
 一、中小河川の改修として、事業期間が平成二十一年度までとなっている妙正寺川、善福寺川の河川激甚災害対策特別緊急事業を着実に実施するなど、河川改修の早期完成と一層の強化に向けて取り組むこと。
 また、日本橋川の水質浄化に取り組むとともに、放置船舶対策を強化すること。
 一、高潮防御施設の整備として、江東内部河川の整備や東部低地帯における河川施設の耐震強化を図ること。
 一、都市公園の整備について、園路の改修や非常用照明の設置を進めるとともに、スポーツ施設の夜間利用を拡大すること。
 また、上野公園については、グランドデザインを踏まえ、上野地域全体に配慮した周遊性のある整備を進めること。
 一、動物園の整備について、恩賜上野動物園を対象に飼育・繁殖センターの整備基本計画を策定すること。
 また、動物園の管理運営に当たっては、さらなる魅力の向上に向けて施設整備を進めるとともに、来園者サービスの充実に努めること。
 一、都立霊園については、青山霊園や谷中霊園の再生に取り組むとともに、災害時に避難場所となる霊園に非常用照明を設置すること。
 一、市町村のまちづくりに対する支援として、みちづくり・まちづくりパートナー事業を実施するとともに、市町村による公園整備などが進むよう、土木事業に対する補助を行うこと。
 以上申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○吉倉委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十一年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通について申し上げます。
 平成二十一年度の一般会計当初予算案は、都税が過去最大の七千五百二十億円の減収となり、予算規模が前年度に比べて三・八%減少する中、政策的経費である一般歳出は二・九%伸ばしています。
 都財政を取り巻く環境がこれだけ厳しくなり、予算規模が減少に転ずる中にあっても一般歳出の増加が確保されたのは、これまで都が公明党と手を携えながら、税収の増加局面にあってもむやみに歳出を拡大させることなく、基金を積み立て、都債発行余力を蓄えるなど、堅実な財政運営を行ってきたからにほかなりません。
 二十一年度予算の歳出面を見ると、公明党が一貫して充実を要求している福祉と保健の分野では、周産期医療、新型インフルエンザ対策など喫緊の課題に的確に対応するとともに、子育て家庭支援、高齢者支援、障害者支援など、各分野において施策の充実が図られています。
 また、労働と経済の分野でも、急速に悪化する雇用環境へのきめ細かい対策、景気減退の中で懸命に努力している中小企業への支援、地域産業の活性化などにより、大きく拡充が図られています。
 投資的経費については、骨格幹線道路の整備や校庭の芝生化など、東京の将来をつくるために不可欠な施策を積極的に推進しています。
 このように、二十一年度予算は、短期、中長期両面から都政が取り組むべき課題への対応に財源を重点的に振り向けており、評価できます。
 また、今回の予算が将来の財政運営にしっかりと目配りをきかせていることに注目すべきです。米国発の金融危機に端を発した今回の経済危機がどこまで深刻化していくのか、全く予断を許しません。二十一年度予算が今後想定される経済変動に備えて、財源として活用可能な基金の残高を極力維持するとともに、発行余力の範囲内で都債を活用していることは、都民に対する責任ある対応だと考えます。
 今後、都財政を取り巻く環境が一層厳しさを増すことが見込まれる中、中長期的視点に立った財政運営が従来にも増して重要になってきます。
 公明党が提案した新たな公会計制度を活用しながら事務事業評価の質を高め、将来にわたり施策の積極的な展開を図っていくための仕組みを定着、充実させていかねばなりません。
 将来に目を向ければ、社会資本ストックの更新経費などの財政需要が確実に増加し、都財政のかじ取りはその困難さが一段と高まっていきます。いかなる状況にあっても、都民生活を守り続けていけるよう、今回の二十一年度予算を原動力として、財政体質を高める取り組みを一層加速させることを強く望むものであります。
 予算の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効果的かつ効率的に行うことを要望しておきます。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、環境局関係について申し上げます。
 一、世界で最も環境負荷の少ない都市、緑あふれる都市の実現を目指し、カーボンマイナス東京十年プロジェクト、緑の東京十年プロジェクトを引き続き強力に推進されたい。
 一、環境を最優先した東京オリンピック・パラリンピックの実現に向けた取り組みを推進されたい。
 一、大規模事業所に対するCO2削減義務や排出量取引制度の導入など、地球温暖化対策計画書制度の強化により、温暖化対策を一層推進されたい。
 一、CO2削減を着実に実現するため、中小規模事業所に省エネへの取り組みを促す制度を構築するなど、中小企業の温暖化対策を引き続き支援されたい。
 一、太陽光発電などの再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大に向けた施策に積極的に取り組まれたい。
 また、都庁率先行動として、再生可能エネルギーの都有施設への導入を一層推進されたい。
 一、都民一人一人の環境配慮行動を喚起できるようエコポイントの活用を検討するとともに、省エネアドバイザーを育成し、家庭における温暖化対策を一層推進されたい。
 一、東京において想定される地球温暖化の影響に対する適応状況について調査を行われたい。
 一、自動車公害対策については、厳しい経営状況の中にある中小零細事業者のために、低公害かつ低燃費な自動車等の導入に対する融資制度やPM減少装置の装着に対する補助制度を実施されたい。
 一、土壌汚染対策については、引き続き簡易、迅速な土壌の調査方法の普及に取り組まれたい。
 一、緑の東京募金の活用などにより、都民、事業者等と協働して緑化事業を強力に推進されたい。
 一、東京に残された貴重な自然を保護し、回復する施策を積極的に進めるとともに、多摩の森林再生事業などの緑の再生に引き続き取り組まれたい。
 また、ヒートアイランドの緩和などにも寄与する学校校庭の芝生化など、緑の創出に取り組まれたい。
 一、多くの固有種や希少種に恵まれた小笠原諸島の自然環境を保全し、世界遺産の登録に向けた取り組みを着実に推進されたい。
 一、産業廃棄物対策について、広域的な不法投棄防止対策を近隣各県などと協力して積極的に取り組まれたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 東京の長期戦略である「十年後の東京」が示す二十一世紀の新しい都市モデル東京の実現に向け、道路、河川、公園など都市インフラを計画的、効率的に整備することが重要です。
 まちづくりに当たっては、都民の多様なニーズに配慮した均衡ある都市基盤の整備を推進し、身近な緑の創出や大規模地震、慢性的な交通渋滞、都市型水害、少子高齢化社会への対応など、積極的に事業の展開を図る必要があります。
 こうした観点から、以下の項目を重点的に進められるよう要望します。
 一、橋梁や河川の護岸、堤防などについて計画的に耐震対策を進めるとともに、災害時の避難場所や救援救助活動拠点となる都立公園の防災機能の充実を図り、災害に強い都市をつくること。
 一、中小河川の護岸や調節池などを重点的に整備するとともに、善福寺川、妙正寺川などの豪雨災害対策については集中的な護岸改修を着実に実施し、川沿いの住民を再度の浸水被害から守ること。
 一、大規模な局地的集中豪雨に対して早急に安全対策を実施するとともに、近年の気象変動を踏まえた治水対策を検討すること。
 一、隅田川や江東内部河川において護岸や防潮堤の整備を積極的に推進し、東部低地帯を高潮や地震による水害から守ること。
 一、中小河川の護岸において、スーパー堤防やテラス整備などにより水辺のにぎわいを創出し、美しい水辺景観の形成を図ること。
 一、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間・島しょ地域の振興を図る道路の整備を積極的に推進すること。特に整備のおくれている多摩地域については、重点的な整備促進を図ること。
 一、道路交通の円滑化と踏切事故の解消を図るため、道路と鉄道の連続立体交差事業を推進し、あかずの踏切の早期解消を図ること。
 一、道路の無電柱化や歩道の整備を積極的に推進し、美しい都市景観と安全で快適な歩行空間の創出を図ること。
 また、無電柱化を面的に広げるため、区市町村道に対する支援を行うこと。
 一、橋梁のスロープや歩道の点字ブロック設置など、高齢者や障害者に優しいまちづくりを進めること。
 一、緑の拠点である都立公園の整備促進を図るとともに、緑のネットワークを形成する街路樹の倍増や河川護岸の緑化を推進し、緑豊かな成熟した都市の実現を図ること。
 なお、街路樹の倍増に当たっては、都民の街路樹への愛着が増すような取り組みを引き続き行うこと。
 一、都立動物園において身近に動物と触れ合える展示の工夫を推進し、積極的な施設整備を図ること。
 一、公共事業の施行に伴う移転資金貸付条例に基づく移転資金貸付制度においては、公共事業の進展に協力する都民の生活の安定を図るため、迅速的、弾力的な運用のあり方について検討すること。
 以上をもちまして意見開陳を終わります。

○村松委員 日本共産党都議会議員団を代表して、平成二十一年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 アメリカから始まった世界同時不況が日本経済を直撃し、大企業が先を争ってリストラ、雇用破壊を進め、小泉構造改革による増税、負担増に苦しむ都民にさらなる困難をもたらしています。
 今、都政に求められるのは、こうした国民いじめの政治から、都民の暮らしと福祉、中小企業の経営をどう守るかです。
 ところが、東京都の来年度予算は、雇用や少子化など我が党が提案してきた施策は一定の前進は見られるものの、全体としては切実な都民要望にこたえることなく、オリンピックをてこにした大型開発を進めるものとなっています。
 建設局予算についていえば、都税収入が大幅減といいながら、都民の税金を使ってまで建設する必要のない中央環状品川線には、昨年を六十五億円も上回る二百三億円、住民合意のない骨格幹線道路の建設には千六十六億円、払う必要のない国直轄事業負担金も三百億円を超える大型公共事業温存となっています。
 一方、市民に身近な公共事業である生活道路などの市町村土木費補助は、多少増額したものの、使い勝手の改善や補助率の引き上げに建設局は背を向ける姿勢です。
 環境局予算については、太陽エネルギーの拡大など一定の前進が見られますが、最も力を入れて取り組むべき地球温暖化対策に責任を果たす上で不十分です。
 特にCO2を吸収する役割を持つ緑地保全のための予算は、緑地公有化予算が昨年並みで、校庭の芝生化より少ない金額です。自動車からのCO2排出削減が叫ばれているとき、自動車交通量の調査もしなければ、緑地の変動調査も他局任せです。
 東京都が本気で地球温暖化防止に取り組み、都民の健康と安全を守り、緑と水など自然環境を守るための施策を充実させることを願って、以下、項目別に申し上げます。
 初めに、環境局です。
 一、東京の温室効果ガス排出量を二〇一〇年までに、一九九〇年比、京都議定書で日本が約束したマイナス六%の削減目標を堅持し、その達成に全力を尽くすこと。
 一、二〇二五年までに一九九〇年比で六〇%の削減目標を立てて取り組むこと。
 一、CO2排出基準が義務づけられた業務系、運輸系大規模事業者に実効性を確保できるよう指導すること。
 また、中小事業者への助成措置や家庭のCO2排出量を削減するためにさまざまな支援を行うこと。
 一、石油燃料にかわるバイオマスエネルギー、植物性廃油の燃料化技術の開発などを進めること。
 また、太陽光、風力、潮力など自然エネルギーや再生可能エネルギーの利用促進支援計画を策定し、強力に進めること。
 一、各分野における排熱量を測定し、発生抑制基準の目標と対策を測定すること。
 一、ヒートアイランド現象調査のために環境科学研究所と首都大学東京が共同で取り組んできたメトロス測定を復活させること。
 一、市街地での緑地保全地域、里山保全地域の拡充に努め、公有化を促進すること。
 また、区市町村の保全緑地公有化事業を制度化し、充実させること。
 一、森林再生や市街地における緑の保全と確保、地下水の保全に努めること。
 一、地表熱吸収に効果がある芝生化の促進や屋上、壁面緑化の義務化など、強制力のある手法を導入すること。
 一、都心における公園と緑、河川、また暗渠の河川化など、水面の拡大、風の道確保などクールスポットの復活と拡充を急ぐこと。
 一、光化学スモッグは、発生時の自動車の乗り入れ規制など緊急対策を実施し、発生を防ぐための対策を早急に確立すること。
 一、東京大気汚染公害裁判の東京高裁解決勧告を真摯に受けとめ、大気汚染防止対策を抜本的に講じること。
 一、自動車交通総量の規制目標を設定し、自動車交通総量抑制、削減のためにTDMやモーダルシフトなど総合対策を講じること。
 一、NOx・PM法に対応し、中小業者の車の買いかえ時の助成実施や融資制度をさらに利用しやすいように長期、低利の制度に改善すること。
 一、低公害、低燃費車の開発普及を都が率先して取り組むとともに、低公害、低燃費車への買いかえを促進すること。
 一、一般環境大気測定局、自動車排出ガス測定局を増設すること。
 一、環境アセスメント制度を複数の開発計画や人的影響などを含めた総合アセスメント制度として見直すこと。
 一、環境アセスメントは都市再生関連の事業の特別扱いをやめ、特定地域における超高層建築物の対象を高さ百メートル以上、面積十ヘクタールに戻すこと。
 また、計画段階アセスの対象規模を十ヘクタール以上とすること。
 一、環境アセスの対象規模については条例化するとともに、事業段階アセスの手続は旧条例に準ずること。
 一、ダイオキシン、環境ホルモンなど有害物質対策を強化すること。
 一、土壌汚染を抜本的に強化すること。特に豊洲地区の土壌汚染については、食の安全の立場から都として再調査を行い、安全対策を講じること。
 一、水質汚濁防止対策を強めること。
 一、地盤沈下や環境を守ること、温泉の掘削総量規制に踏み出すこと。
 一、騒音、振動対策を強化すること。
 一、ディーゼル車排出ガス影響調査や花粉情報、森林のあり方の検討など抜本的な花粉症対策を講じること。
 一、希少動植物を保護し、生態系の生息環境を保全すること。
 一、環境科学研究所は東京都直営に戻し、地球温暖化、ヒートアイランド対策など研究費を拡充すること。
 また、体制を強化し、研究者の育成を図ること。
 一、循環型社会の形成に向け、製造段階での廃棄物の発生を抑制し、企業責任を明確にした廃棄物減量対策を促進すること。
 一、産業廃棄物は企業責任で処理、処分の徹底を図ること。
 一、一定規模以上の開発計画については、条例で定められた処理施設確保の事前協議制度をさらに強化すること。
 一、家電リサイクル、中小業者のリサイクル、再資源化を支援すること。
 一、非飛散性アスベスト廃棄物の保管場所を都が責任を持って確保し、処理、処分に当たっての支援を実施すること。
 一、感染性廃棄物の処理、処分については、安全確保のためにさらなる努力をすること。
 次に、建設局です。
 一、オリンピック開催を理由とした三環状道路の建設促進計画は、環境破壊をもたらし、巨額の財政投入を必要とするものであり、都民参加で抜本的に見直すこと。特に中央環状品川線建設は、関係住民の意見を十分に聞くこと。
 一、環状二号線、第二期臨海道路など臨海副都心のためのアクセス道路や広域幹線道路建設は凍結し、抜本的に再検討すること。
 一、国直轄事業負担金の廃止を国に強く求めること。
 一、人口減少社会を迎えるもとで、道路、橋梁、公共施設などのインフラ整備は維持、更新を中心にし、需要を見据えたものに見直すこと。
 一、国の史跡に指定された玉川上水の貴重な自然を保全するために、放射五号線の道路建設計画は中止すること。
 一、開通した環状八号線、北町から若木間の騒音、環境対策に万全を尽くすこと。
 一、住環境悪化の不安で住民が反対している調布保谷線、府中所沢線、あきる野三・三・九号線などの道路建設は、計画を含めて十分に住民と話し合い、建設を強行しないこと。
 一、多摩地域などの生活関連道路の整備、特に歩道整備やバリアフリー化、自転車専用道など、環境に優しく安全に配慮した道路の普及を推進すること。
 一、交差点すいすいプラン第二次計画など、交通渋滞解消対策に努めること。
 一、道路補修サイクルを抜本的に引き上げること。
 一、都市計画公園の整備目標を大幅に引き上げ、整備拡充については、民間活用でなく公的責任で積極的に行うこと。
 一、公有地や工場跡地、未利用地などを活用し、緑を保全し回復させる公園づくりなどを促進すること。
 一、都市河川、内部河川の治水対策を促進すること。
 一、水害の危険地域について、河川ごとにハザードマップをつくること。
 また、水害の原因を分析し、即応対策とともに抜本的な解決策を立てること。
 一、低価格入札制度のもと、東京都が発注する工事の品質や安全性が損なわれたり、下請業者や労働者にしわ寄せがされないよう抜本的な対策を講じること。
 以上です。

○原田委員 私は都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成二十一年度予算関係議案について、意見開陳を行います。
 好景気に支えられて財政再建に一息ついたのもつかの間、世界を駆けめぐる経済不況と法人事業税の暫定措置によって、都税収入は前年度比一三・六%減で、単年度、過去最大の下げ幅を示し、平成二十一年度予算規模は六兆五千九百八十億円で、五年ぶりの減となりました。
 予算規模が減に転ずる中で、都民へ安心をもたらし、希望を指し示す予算として緊急雇用対策、中小企業支援、周産期医療、新型インフルエンザ対策や温暖化対策、耐震化などの都市づくり、インフラ整備など、都が取り組むべき課題への対応に財源を重点的に振り向けたとしていますが、税収回復の見通しが立たない中で、金融庁から改善命令が出された新銀行東京、築地の移転問題、オリンピック招致など、大きな課題を抱えながらの今後の都政運営は、予断を許しません。
 緊急雇用対策が次々に打たれてはいますが、その効果については疑問を呈せざるを得ません。短期間のアルバイト的な仕事では救済すらできないことは明らかです。産業構造の大変革を前提に働き続けることができる技術を身につけるなど、人材として育成する施策が重要です。これまでのスピード重視、効率重視の人間の尊厳を無視した働き手ではなく、働くことに喜びと希望を持てる人間を育てる教育に重点を置くべきと考えます。
 中小企業についても、単にお金だけでなく、きめ細かな支援こそ求められています。
 私たち生活者ネットワークは、都民の多様な暮らしに安全と安心をつくり出す、未来への責任ある予算執行を求めるものです。
 以下、各局別に意見を申し上げます。
 初めに、環境局です。
 一、都政において環境優先の原則を確立すること。
 一、低炭素社会の構築に向けて環境確保条例の普及啓発を各方面に働きかけること。
 一、家庭における太陽熱利用機器、太陽光パネル設置事業などの普及においては、重要な役割を担う相談窓口や省エネアドバイザーを地域NPO、NGOとの連携で進めること。
 一、自動車利用から公共交通への移行を進めるために、カーシェアリングやパーク・アンド・ライドのモデル事業を市区町村と連携し、市民の身近な地域で展開すること。
 一、地域に存在する再生可能エネルギーを開発し、地域分散型エネルギーを進めること。
 一、市区町村と市民との連携を深め、地域特性を生かしたCO2削減計画を進めるために、来年度創設する地球温暖化対策等推進のための市区町村の取り組み促進制度を継続すること。
 一、学校を初めとした公共施設に太陽光発電、太陽熱利用、コジェネ、燃料電池などを導入すること。
 一、公立小中学校の校庭の芝生化設置後のメンテナンスは、教育庁の仕事として位置づけること。
 一、環境ホルモンを含む有害化学物質の減少を目指し、管理システムの構築を進めること。
 また、PRTR制度を活用し、情報を都民に公開し、未然防止の観点を踏まえ、リスクコミュニケーションを進めること。
 一、化学物質子どもガイドラインの都民への周知に努め、子ども関連施設等で活用すること。
 一、アスベストを使用している建物には表示を義務づけ、解体時などの飛散防止を徹底すること。
 一、丘陵地や緑地、里山、森林を保全するための保全地域制度を拡充すること。
 一、小笠原の自然保護に向けては、地元住民と行政とのパートナーシップで進め、固有種の保護対策をさらに強化し、貴重な動植物やすぐれた景観などの映像を早期に記録として残すこと。
 一、ごみ減量の重要な視点として、リユースの仕組みを支援すること。
 一、プラスチックの分別を進め、清掃工場から出るCO2削減に努めること。
 一、地下水、湧水を保全し、総合的な水循環を推進する条例をつくること。
 一、地質汚染(地層汚染、地下水汚染、地下空気汚染)の未然防止と浄化対策を強化すること。
 一、立川市内の井戸の1・4ジオキサン汚染については、取水再開に向けて調査を継続し、汚染源の特定、汚染範囲の把握、汚染の除去に努めること。
 一、河川と親しめる環境をつくるために、水質向上に努めること。特に大腸菌群の解明に努めること。
 一、東京湾沿岸の八都県市の排水規制を強化し、東京湾で泳げるよう、水質改善に向け、年次目標を立てること。
 一、環境アセス条例適用の範囲を広げ、計画段階への選択肢に事業をしない選択肢を入れること。
 次に、建設局関係です。
 一、公共事業評価については、都民参加で事前、事後評価を取り入れること。
 一、都市基盤整備においては、生活に密着したより効果的な事業を優先し、風の道、景観などに配慮するよう努めること。
 一、都立公園整備、運営に当たっては、市民が主体的にかかわることができるように進めること。
 一、公共施設や駅舎、道路、公園などについては、当事者参加でユニバーサルデザイン化を進めること。
 一、河川については、流域貯留浸透を進め、都市型水害の解消を図り、総合治水対策として雨水利用、雨水浸透を促進すること。
 一、河川を親水空間としてその地域に合った環境整備を進めるとともに、水循環を取り戻すために、多自然型工法による自然な水辺づくりを進めること。
 一、都市に残された貴重な緑や空きスペースは、市区町村と協力し、公園など公共スペースとして確保すること。
 一、都市計画道路の整備に当たっては、東京圏の人口動向を踏まえた需要予測を立て、廃止も含めて都独自の調査と検証を行うこと。
 一、道路、橋梁などの維持、補修に当たっては、アセットマネジメントを活用し、道路を利用している水道局、下水道局などと連携し、工事回数、工期の短縮に努めること。
 一、自転車専用道路や駐輪場、レンタサイクルなど各種施設を整備し、ネットワーク化を図るとともに、歩道の整備を充実すること。
 公共交通への誘導策としてパーク・アンド・ライド、ロードプライシングの手法を駆使し、道路管理を進めること。
 一、多摩地域の生活道路の整備を早急に実現すること。
 一、歩行者優先の歩車道分離や分離信号を進め、平らで歩きやすい道路にすること。
 以上です。

○石川委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長まで提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○石川委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第六十七号議案から第七十五号議案まで、第八十九号議案、第九十二号議案及び第九十三号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 修正案の提出について申し上げます。
 ただいま議題となっております議案中、第六十七号議案に対し、村松委員から修正案が提出されました。
 案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔修正案は本号末尾に掲載〕

○石川委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 この際、村松委員から提案理由の説明を求められておりますので、これを許します。

○村松委員 第六十七号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例に関して、日本共産党の修正案を提案いたします。
 知事から提案された環境確保条例の改正は、東京都環境審議会の答申で示された自動車から排出されるCO2の削減対策の強化に基づくものです。
 運輸部門からのCO2排出は全体の四分の一強であり、抜本的な取り組みが求められています。
 しかし、提案された条例改正は、低公害かつ低燃費な自動車の使用、導入の促進、エコドライブの促進、燃料施策の促進、環境性能の悪い車の利用の抑制だけで、今日の深刻な事態を考えるならば、不十分な改正といわざるを得ません。
 そこで、日本共産党は、東京都環境基本計画で示された持続可能な環境交通の実現の立場から、自動車から排出されるCO2削減の全体像を明確にし、その中で、改正案に含まれていない自動車への過度の依存からの転換、自動車交通量の抑制と低公害、低燃費車の普及を促進するために必要な支援をする修正案を提案するものです。
 以下、修正案の主な内容について説明いたします。
 一、条例第一条、目的の項に、地球温暖化防止を明記いたしました。目的に明記することにより、意識的な取り組みを強化する方向性を示すものです。
 二、条例第三条一項に「環境への負荷の低減のため都市の成長を管理することを始め」を入れました。低炭素社会実現、個別の対策と同時に、世界の流れになっている成長をコントロールする取り組みが重要です。
 三、条例第二十七条の二項に「知事は、自動車交通による環境への負荷の低減に向け、自動車交通への過度の依存を改めるため、公共交通の整備を図るとともに、自動車交通から公共交通への転換に努めなければならない」を入れました。自動車交通依存から公共交通へモーダルシフトする必要があるためです。
 四、条例第三十四条の一項、二項に「議会の承認を受けて」を入れ、知事の判断にゆだねられている事項について、議会の関与を求める条例にしました。
 以上、日本共産党都議団の修正案の提案説明を終わります。ご審議をよろしくお願いいたします。

○石川委員長 説明は終わりました。
 この際、付託議案及び修正案に対する発言の申し出がありますので、これを許します。

○村松委員 第七十三号議案、火薬類取締法関係手数料条例の一部を改正する条例について、日本共産党の意見を述べます。
 現在、都内に三百三十六カ所の火薬類の販売所と百四十カ所の火薬庫があります。火薬類保安責任者の免状を取得するための試験手数料を現行一万二千円から一万七千円に、五千円の値上げをするものです。火薬類、花火屋さんの販売などは中小事業者です。現在の経済状況で試験を受ける対象が少ないといえども、値上げすることには反対です。
 なお、第六十七号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例につきまして、自動車の全体像を通した自動車部分のCO2排出削減になっていないものの、自動車部門の削減義務に踏み出したことは一歩前進です。
 また、第六十八号議案、東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例ですが、開発する際に緑地を保全する部分を多少ふやすもので、開発許可制度の強化ですが、東京の緑の減少は深刻な状況という現在の対応にはなっていないことを申し述べておきます。
 以上です。

○石川委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第六十七号議案を採決いたします。
 まず、村松委員から提出された修正案について、起立により採決いたします。
 本修正案に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○石川委員長 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
 次に、原案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石川委員長 異議なしと認めます。よって、第六十七号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第七十三号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○石川委員長 起立多数と認めます。よって、第七十三号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第六十八号議案から第七十二号議案まで、第七十四号議案、第七十五号議案、第八十九号議案、第九十二号議案及び第九十三号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石川委員長 異議なしと認めます。よって、第六十八号議案から第七十二号議案まで、第七十四議案、第七十五号議案、第八十九号議案、第九十二号議案及び第九十三号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○石川委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○石川委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○石川委員長 この際、所管局を代表いたしまして、道家建設局長より発言を求められておりますので、これを許します。

○道家建設局長 発言のお許しをいただき、両局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 今定例会に提案いたしました議案につきましては、ただいまご決定をいただきました。石川委員長初め委員の皆様には、熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 委員会審議を通じまして皆様からちょうだいいたしました貴重なご意見、ご指摘などにつきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じております。
 今後とも一層のご指導、ご教示を賜りますようお願い申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。
 ありがとうございました。

○石川委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十七分散会


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