委員長 | 石川 芳昭君 |
副委員長 | 宇田川聡史君 |
副委員長 | 中村 明彦君 |
理事 | 原田 恭子君 |
理事 | 高橋かずみ君 |
理事 | 小沢 昌也君 |
村松みえ子君 | |
吉倉 正美君 | |
石森たかゆき君 | |
矢島 千秋君 | |
吉田康一郎君 | |
小磯 善彦君 | |
山田 忠昭君 | |
大津 浩子君 |
欠席委員 なし
出席説明員環境局 | 局長 | 有留 武司君 |
環境政策部長 | 森 浩志君 | |
環境政策担当部長 | 長谷川 明君 | |
都市地球環境部長 | 大野 輝之君 | |
環境改善部長 | 柿沼 潤一君 | |
参事 | 中村 豊君 | |
自動車公害対策部長 | 市川郁美子君 | |
自然環境部長 | 中島 博君 | |
緑化募金担当部長 | 庄司 貞夫君 | |
参事 | 浅川 英夫君 | |
廃棄物対策部長 | 井戸 秀寿君 | |
参事 | 木村 尊彦君 | |
建設局 | 局長 | 道家 孝行君 |
次長 | 島 博文君 | |
道路監 | 村尾 公一君 | |
総務部長 | 藤井 芳弘君 | |
用地部長 | 角南 国隆君 | |
道路管理部長 | 野口 宏幸君 | |
道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 | 山口 明君 | |
公園緑地部長 | 安藤 英二君 | |
河川部長 | 廣木 良司君 | |
企画担当部長 | 鈴木 昭利君 | |
道路保全担当部長 | 米田 秀男君 | |
道路計画担当部長 | 藤森 祥弘君 | |
公園計画担当部長 | 小口 健藏君 | |
参事 | 三浦 紀子君 |
本日の会議に付した事件
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百五十九号議案 東京都立大島公園海のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百六十号議案 東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
・第二百六十一号議案 東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
・第二百六十二号議案 東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
・第二百六十三号議案 東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・「東京における自然の保護と回復に関する条例」の改正について(中間のまとめ)
建設局関係
契約議案の調査
・第二百三十八号議案 中央環状品川線五反田換気所下部工事請負契約
・第二百三十九号議案 街路築造工事に伴う道路構造物設置工事(二十北南-西東京三・二・六東伏見)請負契約
・第二百四十号議案 街路築造工事に伴う道路構造物設置工事(二十北南-西東京三・二・六富士町)請負契約
・第二百四十一号議案 永田橋上部製作・架設工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百四号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
・第二百六十四号議案 東京都立日比谷公園外二公園の指定管理者の指定について
・第二百六十五号議案 東京都立駒沢オリンピック公園の指定管理者の指定について
・第二百六十六号議案 東京都瑞江葬儀所の指定管理者の指定について
○石川委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑並びに建設局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査を行います。
契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十年十二月十日
東京都議会議長 比留間敏夫
環境・建設委員長 石川 芳昭殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第二百三十八号議案 中央環状品川線五反田換気所下部工事請負契約
第二百三十九号議案 街路築造工事に伴う道路構造物設置工事(二十北南-西東京三・二・六東伏見)請負契約
第二百四十号議案 街路築造工事に伴う道路構造物設置工事(二十北南-西東京三・二・六富士町)請負契約
第二百四十一号議案 永田橋上部製作・架設工事請負契約
2 提出期限 平成二十年十二月十二日(金)
○石川委員長 これより環境局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第二百五十九号議案から第二百六十三号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○森環境政策部長 去る十一月二十八日の当委員会におきましてご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
一ページをお開き願います。1、指定管理者制度の導入前後における職員数・予算額の一項目でございます。
これは、平成十八年度から指定管理者に指定いたしました東京都立大島公園海のふるさと村外四施設について、制度導入前である平成十七年度と導入後の平成二十年度の職員数及び予算額を、施設ごとに記載したものでございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○石川委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○吉田委員 よろしくお願いいたします。私から、今回付託されております指定管理者の指定につきまして質問させていただきます。
今回、五つの施設について、平成二十一年度から三年間、地元の町村を指定管理者に指定することとしております。
都におきましては、これまで指定管理者制度を平成十六年度以降導入してきていますが、都では、指定管理者制度の導入に当たって、事業者の選定について、どのような根拠に基づいて、どのようにすることとされているのか、改めてお伺いいたします。
○中島自然環境部長 指定管理者の選定でございますけれども、選定するに当たりましては、総務局が定めております東京都指定管理者選定等に関する指針、これにおきまして公募することを原則にしております。
○吉田委員 これ、公募を原則ということでございますけれども、今回の五施設については、特命で指定をするということであります。
それでは、どのような場合に特命とすることができるのかお伺いいたします。
○中島自然環境部長 先ほどご答弁いたしました指針におきまして、施設の状況に応じて、競い合いなどによる効果が十分発揮されないというふうに考えられる場合には、当該施設については公募によらず、特命により指定管理者を指定することも可能であるといたしまして、その具体的な事例といたしまして、山間・島しょ部などに設置され地理的に事業者の参入機会が限定される施設などを挙げております。
○吉田委員 ただいまご説明ありました、まさしく山間・島しょなどに設置されるという場合で、これは特命により指定することが可能なわけでありますので、もちろん今回の指定、問題ないわけでありますけれども、例えば、小笠原の大神山公園では、昨年度、建設局が、これは小笠原、離島で山間・島しょに当たりますが、公募を行いまして、そして民間の事業者から応募がありまして、そういう中で指定管理者を公募により選定をしたという経緯がございます。
環境局の今回の五施設については、何で公募によらず特命により指定管理をしようとしているのか、改めてお伺いいたします。
○中島自然環境部長 今回の施設でございますけれども、山間・島しょの交通不便な地域に立地することに加えまして、宿泊施設または自然度の高い広域の森林における利用者の安全確保ですとか、立地特性から生じる災害、事故発生時に備えた地元関係機関との緊密な連携が不可欠でございまして、また地域振興の拠点ともなっているといったような施設としての特殊性がございます。
これらのことから、平成十八年度にこの制度を導入する時点では、地元自治体に対し特命することによりまして都民サービスの向上が図れるという判断とともに、学識経験者から成る選定委員会による審査におきましても、地元町村を指定管理者として指定することが適当であるという評価を受けまして、それまで管理運営を受託してまいりました地元の町村に対して、特命にて指定管理者の指定を行ったものでございます。
これらの特命を行った状況につきましては、現時点におきましても変わっていないということから、今回、二十一年度以降の指定管理者を指定するに当たりましても、引き続き地元町村を特命にて指定することとしたものでございます。
○吉田委員 ご説明を伺いまして、ああ、なるほどなということももちろんあるんでございますが、これは他県におきましては、自然公園施設などにおいて、同じように特命で地元の市町村に指定管理者を指定しているというケースはあるんでしょうか、お伺いいたします。
○中島自然環境部長 他県での施設の管理形態でございますが、それは、それぞれの施設の設置目的、それから立地条件等によりまして、指定管理者を公募している施設、それから地元市町村に対して特命している施設、また直営で管理運営している施設など、それぞれケース・バイ・ケースでございます。
○吉田委員 他県におきましても、一律にという状況ではなくて、いろいろ条件に応じて公募もする場合もあり、地元市町村に特命する場合もあり、また直営で管理運営する場合もあるということでございました。
この指定管理者制度導入の一つの目的は、競争性を発揮させて、もって施設におけるサービスの向上を図るということでございますけれども、これを特命でお願いしたときに担保できるかどうか、これは大きな問題になると思います。
そこで、お伺いいたしますけれども、この五つの施設において、特命で指定管理者を指定した場合に、この競争性、サービスの向上という観点についてはどのように担保できるのか、そこをお伺いいたしたいと思います。
○中島自然環境部長 指定管理をする、そのときの時点、時点でのサービス向上ということが第一でございまして、指定管理者を選定していく場合には、そのことが肝要であるというふうに認識いたしております。
特命で地元町村に指定管理者の指定を行う場合であっても、事業計画書を提出していただきまして、また選定委員会でサービス向上、それから事業効率化に向けた取り組みが十分かどうかについて審査を行っております。
さらに、事業成果につきましては、毎年度、事業報告書を提出していただきまして、これにつきましても、学識経験者等から構成される評価委員会において事業内容の評価を行い、その結果を公表しております。
これら一連の取り組みによりまして、事業者においてさまざまな創意工夫を凝らすなど、利用者サービスの向上に努めているところでございます。
○吉田委員 ただいまのご説明を伺いまして、競争性、そしてサービスの向上という観点で、いろいろな創意工夫も凝らしていただきながら向上に努めているということについて、理解をいたしました。
また、私自身調べさせていただいた範囲でも、実際にこの指定管理者制度導入後もサービスの向上、そしてかつ委託料も削減がされているということもございますので、非常に受け手側の地元の町村も努力をしているんだなということが、私も理解できます。
しかし、あえて申し上げれば、事業者の選定に際して、痛くもない腹を探られるというか、そういうことのないように、多くの事業者に参入の機会が広く与えられて、その上で、その自治体さん、特命を受けてもしっかりとやれるぐらいの実力があるわけですから、これが公募においてもきちんと評価されて最も能力が高いということで指定されるということであれば、都民にとっても非常に疑う余地なくわかりやすいということでございまして、都民へのわかりやすさという観点からしますと、将来的には公募ということも一つの選択肢として視野にはぜひ入れていただきたいということを要望させていただいて、もちろん今回は全く問題ないと思っておりますが、質問を終わらせていただきます。
○村松委員 付託議案になっております指定管理者について伺います。
まず、環境局関連の指定管理者は、現在何施設あるんでしょうか。
○中島自然環境部長 平成十八年度に海のふるさと村、山のふるさと村、多幸湾公園、檜原都民の森、奥多摩都民の森の五つの施設、それから平成二十年度には小峰公園を指定いたしまして、合わせて六施設にこの制度を導入しております。
○村松委員 今回、すべて自治体への指定ということで提案されております。
そこで、指定管理者を受けた事業者が不正を起こした場合は、どんな処置を東京都がとることになっているんでしょうか。
○中島自然環境部長 不正が発覚したというか、不正があった場合ですけれども、最終的には指定の取り消しにまで至る場合がございまして、そうした対応をしております。
○村松委員 最終的には指定の取り消しということなんですが、取り消しまでいくかどうかという問題は今後の問題だと思うんですが、具体的にお伺いいたします。
奥多摩町に指定管理者として指定しようという山のふるさと村について伺います。
パンフレットをいただいてきたんですが、このパンフレットには、山ふるの愛称で親しまれている山のふるさと村は、秩父多摩甲斐国立公園内にある東京都の自然公園施設です。奥多摩の豊かな自然を紹介し、関心を深めてもらうことを目的に開設されました。奥多摩湖の入り江に面した園内には宿泊施設を併設し、周辺地域の情報提供、自然体験、木工や陶芸など、さまざまな体験を展開しています。このように紹介されております。
この山のふるさと村を東京都が奥多摩町に管理指定を委託したのは、いつなんでしょうか。
○中島自然環境部長 委託をしておりますのは、平成二年から、山のふるさと村につきましては奥多摩町に管理運営を委託しております。
○村松委員 管理委託は平成二年かと思うんですが、指定管理者に指定したのは平成十八年四月だと思います。
その二カ月後の平成十八年六月十二日付の毎日新聞では、奥多摩町の総務課長が都から委託された山のふるさと村にかかわる不正事件として、報道がありました。この不正事件というのはどんな事件だったのか伺います。
○中島自然環境部長 山のふるさと村に対しまして委託をしてきておりましたが、平成十年度から平成十六年度の間にわたりまして、奥多摩町が管理運営をするために必要な賃金、それから報償費のうち、一部につきまして勤務実態のない不適法な支出がなされたということでございます。
○村松委員 非常に簡単な説明がありました。
東京都の環境局自然環境部計画課長が委員長になった山のふるさと村委託料調査委員会というのがつくられまして、昨年の二月十五日に報告書が出されております。この報告書によりますと、先ほど説明がありました平成十八年度に--一千百八十二万五百円の報償費が、勤務実態がないにもかかわらず、町の職員が愛護会職員の名前の請求書を作成して現金で受領し、これを観光産業課長に渡していたものの、愛護会側の内部資料では、この支払いは全くなされていなかった。
また、平成十四年度から十六年度分、合計二千八百十二万九千二百円は、愛護会に対し口座振替及び一部愛護会職員へ現金で支払われているが、報償費の根拠となる業務は別途愛護会に支払われていた年間業務委託に含まれているものであり、勤務実態のない報償費である点では平成十二年分と同じである、このように報告書では書かれております。
委託料の流用というふうにいいますと、全体で幾らぐらいになって、東京都はそれに対して返還請求は求めたんでしょうか。
○中島自然環境部長 不法な支出があったことについては、先ほどご説明いたしました。そして、このうち不適法支出が立証可能であった平成十三年度から平成十六年度までの報償費が約四千二十万円、これについて返還を求めました。
また、この場合の返還につきましては、非常に町職員による強い関与ですとか、あるいは支出期間の長さから違法性が高いということを判断されまして、民法七百四条によります不当利得を適用いたしまして、五%の遅延損害金約七百二十万円を付しまして、合計で四千七百四十万円を返還させました。
その内訳ですが、平成十三年度が約一千百八十万円、それから平成十四年度が約千二百四十万円、平成十五年度が約千百二十万円、平成十六年度が約四百八十万円というのが内訳でございます。
○村松委員 ご答弁いただいた金額というのは、この請求をして裁判に耐え得る、裁判をしても勝ち目のある確実な金額だっていうふうに思うんですね。だけど、この報告書の中では、いろいろいろいろ考えていくと、七千万円を超える不正があったんじゃないだろうかというふうにもいわれております。
しかし、そこには、勤務実態がないといえども、一部勤務実態があったかもしれないと、そういう推測部分があるから七千数百万円というのは請求できないということだと思います。
この報告は、奥多摩町からすぐに東京都にあったんですか。
○中島自然環境部長 奥多摩町からは、平成十九年の二月十六日に、山のふるさと村管理運営に関する報告書が提出されております。
○村松委員 十八年の六月にこの問題が発覚して、奥多摩町から東京都に正式に調査の報告があったのは十九年というふうにいわれましたけれども、私がいただいたこの資料、調査によれば、十八年の十二月十五日から調査を東京都が始めているというふうに、これ書かれているんですね。
やっぱり東京都民の税金を使ってこういったことが行われているわけですから、直後に、もう即調査体制をとるというのは当然の話で、東京都としてもその責任は感じるべきだと思うんですが、その辺の認識はいかがでしょう。
○中島自然環境部長 大変失礼いたしました。先ほど、調査の報告年月日でございますけれども、私、東京都の方の調査報告書と混同いたしまして、町の方から私どもの方に調査報告が出されたのは、平成十八年の十二月一日でございます。その後、私どもの方といたしましては、東京都の方で調査委員会を設置して、そして独自の現地調査、それから書類に基づく調査を行って、先ほどお話をしました十九年の二月十五日の最終報告があったということでございまして、当然町に対しては、その後の是正について強く指導をしたところでございます。
○村松委員 とても素早い対応とはいえないと思うんです。
毎日新聞で十八年の六月十二日に報道され、いろんなマスコミでもそれが報道されている中で、もう即、本来ならこういう問題は動くべきではなかったかというふうに思うんです。
それで、私は、本来なら、この時点で奥多摩町を指定管理者として指定している、この問題についての責任なんかも問わなきゃならないだろうというふうに思うんですが、この辺についての議論というのはされたんでしょうか。
○中島自然環境部長 六月に新聞報道がありまして、その後、町役場におきまして調査委員会、それから町議会においての百条委員会が設置されまして、その間、調査が行われたということで、私どもの方の調査報告を受けたのは十二月ですけれども、決して遅い時期じゃないというふうに私は考えております。
そして、この議論がなされたかということでございますけれども、昨年のちょうど今ごろのこの四定の当委員会におきまして、まさに村松委員の方で調査をされた、あるいはお調べになった内容で私に質問していただきまして、そしてその内容につきまして、経緯も含めて、それから今後の対応策についてもご説明したわけでございまして、そういう意味では、一度、ある意味では話題といいますか、議論になったという経緯がございます。
○村松委員 今、答弁ありましたけど、昨年の十二月十四日、この委員会での指定管理者、これは小峰公園の指定管理者の質疑だったんですが、このとき、しきりに、今回の指定管理者は小峰公園ですから、小峰公園ですからと、そういうふうにいわれて、山のふるさと村問題を質問するとき、控室へ来て、なかなか、私はどういうふうにこの質問をしようかなと悩むぐらいの限定をされ、手足を縛られるというかね、そういう状況があったんです。
だから、この問題での質問というのは、そんなにね、やったとおっしゃっていましたけど、やられていないんですよ。だから私の方は、今回現地を見て、それから奥多摩町の副町長さんにお話を伺ったり、現場の人にもちょっとお話を伺ってきたんです。そういう中で、改めてやっぱりこの問題の核心がどこにあったのか、このことで、そこのところをしっかりつかむことによって再発防止というのが出てくるんですね。
だから東京都は、あくまでも都民の税金を使って、責任を持って指定管理者として指定するわけですから、自分の責任をあいまいにしないで、責任はそこにあったんだということにしないでほしいと思うんです。
そういう意味で、今度の問題の一番の問題は何だったのか、どこに問題があったのか、そういう点ではどういう認識をお持ちでしょうか。
○中島自然環境部長 町からの報告書なり、私どもの調査をいたしましたところ、この件につきましては、指定管理者制度が導入される以前のことでもありまして、また一番の問題は、当時の奥多摩町の会計処理に不適切な点があったということでございまして、それに起因するものというふうに考えております。
○村松委員 確かに問題は平成十年から平成十六年で、指定管理者に入る前でした。でも委託をされているという経過があって、この報告書の中でも、指定管理者としての責任というところで、この点、指定管理者制度導入以前の平成十六年までの山のふるさと村管理委託契約にかかわる不適法支出の法的責任が奥多摩町にあることで、指定管理者についての責任が問題となるのは避けられないと考えられる。やっぱり指定管理者としても責任があるということで、逃げられないんですよね。
それで私、これを読ませていただいたり、町の方の広報なんかも読ませていただいたんですが、やっぱり問題は、事件が発覚した二週間後に、事件のかぎを握る総務課長が自殺していた、こういうことから町での真相解明が難しくなっている、このようにいわれております。
しかし、当時の収入役は、平成十四年の時点で、平成十年度途中から愛護会に対し山のふるさと村委託事業にかかわる未払いの賃金及び報償費があることを知り、その総額が平成十年度から十三年度までで、総額五千百十四万四千二百八十八円であることを確認したと。そして収入役は、死亡した総務課長なんですが前観光産業課長も同席した上で、平成十五年二月に愛護会との間で、平成十四年、十五年度で約二千万円の支払いを合意し、十六年三月には再度、八年間で二千八十万円支払うことを約束しているんです。要するに、収入役は不適法処理を知りながら、これを是正するどころかさらに不適正支出を続けていた、ここに問題が私はあると思うんです。
この調査報告書では、山のふるさと村以外の東京都との事件についても不正支出があったと書かれておりますが、どんな事業で、担当部局にきちんと連絡し対応がされたんでしょうか。
○中島自然環境部長 建設局関係の委託の内容に係るものだと思いまして、建設局とはその発生の時点で随時情報交換をしております。
○村松委員 建設局の多摩動物公園森林環境整備と、同じくこの指定管理者とはちょっと違うんですが、山のふるさと村の歩道の周辺整備、ここでも不正があったということ、これは環境局の仕事だということなんですが、そういうことでした。
この不正があったことを、都議会への報告はあったんでしょうか。都議会で指定管理者を議決するんですよね。指定管理者をきちんと議決した、この都議会への報告はあったんでしょうか。
○中島自然環境部長 先ほどもご答弁したかと思いますが、この本件につきましては、指定管理者制度が導入される前からの案件でございまして、また、当時、奥多摩町の会計処理などに不適切な点があったということに起因するということで、特に報告はされておりません。
また、これ、指定管理者制度そのものに内在するようなことではなくて、先ほどの会計処理の不適切、またその後の奥多摩町として職員の意識改革ですとか、今、委員ご指摘ありました会計上のチェック機能の強化を図っておりまして、また現在も継続して取り組んでいるということで、報告はされておりません。
○村松委員 きちんとした報告は、都議会へされていないんですよね。都民の税金を使って、議会の議決を経て指定管理者をしているのに、議会に報告なし、本当にこれおかしいなというふうに思うんです。
それで、二年前にこうした不正が発覚したのに再度指定管理者として指定する、その理由を示してください。
○中島自然環境部長 私どもといたしまして、さまざまな調査委員会の報告ですとか、それから町に対する強い指導を行いまして、奥多摩町へ支出された事業費の執行につきまして、不適法な事実が存在することが確認されたということから、先ほど来申し上げているように強く指導しております。
そして、報告書では、奥多摩町として、透明性が非常に高くそして信頼されるような奥多摩町になるために、町を挙げて今改善策に取り組んでおりまして、具体的に申し上げますと、職員の意識改革、これはさまざまな研修、それから法令遵守のためのさまざまな取り組み、それから先ほども申し上げましたけれども、会計チェック機能の強化、例えば、口座振り込みチェックですとか、それから出先の施設に対して財務会計システム、この端末機を設置するなどして非常に取り組みを活発に行っておりまして、そうしたことから、我々も外部の先生方というか委員会の評価も得て、継続して指定管理者としてこの仕事を都からさせているということでございます。
○村松委員 この事件が発覚し、一定の職員の意識改革というか、公務員としての自覚を強めたということがうかがえるかと思うんですが、事業として、どんな事業が改善をされて、それが都民に振り返ってどういう影響があったのか、利用者の数か何かわかれば、それも教えてください。
○中島自然環境部長 申し上げますと、やはり山の中にあるといいますか、自然の中にある施設でございまして、当然、気候等の影響を強く受けるわけでございますけれども、制度を導入してからその推移を申し上げますと、これは宿泊施設等の利用者数でございますが、平成十七年度が一万四百六十六人、平成十八年度が一万一千二十一人、そして平成十九年度は一万一千二百二十二人でございまして、いろんな条件がある中でわずかに増加をしているというふうに思っております。
○村松委員 お聞きしましたら、これまで愛護会に委託していたいろんな事業を町が直営でやるようになったとか、そういうことなんかも聞いたり、それから今おっしゃるようないろんな工夫をしながら都民へのPRをして、利用者もふえてきたと。そういうのをお聞きしますと、不正の発覚から、これまで幾つか改善されているということなんだと思うんですが、今後、決してこういうことが起きないように、そういう決意で、この問題に対してはやっぱり対応していただきたいと、このことを要望して質問を終わります。
○石川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
○石川委員長 次に、報告事項、東京における自然の保護と回復に関する条例の改正について(中間のまとめ)に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○山田委員 先般、自然環境保全審議会計画部会で取りまとめられました自然保護条例における緑化計画書制度及び開発許可制度の強化についての中間のまとめが公表されました。
我が党は、先日の代表質問で、東京を緑豊かな都市として再生することが東京をさらに魅力的で快適な環境都市へと発展させていくことにつながるということを訴えたところでもございますが、そうした観点から、この中間のまとめについて、関連いたしまして幾つかお伺いいたしたいと思います。
私は、地元、西東京市でございますが、多摩地域では、都市化が進展する中、緑の減少が課題となっております。しかしながら、多摩地域の振興を図る上で、都市開発は不可欠でありまして、地元市町村は、そのはざまで苦労しているのが実態であります。
私自身も、こうした実態を肌で感じておりまして、開発と緑の確保との調和を図る、そして持続可能な都市を実現することがいかに重要であるかということを常々考えているところでございます。
そこで、まず、今回、制度強化の対象になっております緑化計画書制度と開発許可制度は、どのような考え方で設けられた制度なのかを、改めてここでお尋ね、確認をいたしたいと思います。
○中島自然環境部長 緑化計画書制度でございますけれども、これは建物の新築あるいは増改築の際に、市街地の緑を回復させ、そしてヒートアイランド現象の緩和、大気の浄化、潤いと安らぎのある快適なまちづくりなどを推進することを目的とした制度でございます。
また、開発許可制度でございますが、これは一定規模以上の自然地を含む土地における開発に際しまして、損なわれる自然を最小限にとどめ、自然が損なわれた場合にはその回復を図ることをねらいとした制度でございます。この二つの制度とも、開発と緑の確保との調和を図り、持続可能な都市を実現しようとするものでございます。
○山田委員 ただいま答弁いただきましたけれども、既に開発が進み緑の少ない市街地では、緑化計画書制度により新たな緑を創出すると。また、開発されずに自然が残っている場所では、開発許可制度によりまして緑の喪失を最小限にとどめるというものでありまして、両制度が対となって開発の推進と緑の確保との調和を図りながら、持続可能な都市の実現を図っていくものであるということが確認できました。
次に、制度強化の内容についてご質問いたします。
まず、緑化基準の強化についてですが、具体的な基準については今後、審議会の最終答申を踏まえて検討が行われるということで聞いておりますが、中間のまとめを見ますと、過去に届け出のあった緑化計画書を分析いたしますと、こちらにありますが、敷地面積五千平米以上の大規模な案件では、実態といたしまして約五割の案件で、現行の緑化基準を上回る緑地が確保されているという結果が示されております。
しかしながら、裏を返しますと、半数の案件では現行の緑化基準をようやく満たしているというような状況でありまして、余りにも高過ぎる基準を設定しますと、事業者が対応できなくなってしまって、元も子もなくなってしまうと思います。
そこで、今回、強化を予定しております緑化計画書制度の緑化基準について、どのような考え方に基づいて設定をしているのかお伺いいたします。
○中島自然環境部長 現行では、敷地面積の規模にかかわらず、一律の緑化基準が設定されてございますが、五千平米以上の大規模な案件では、先ほど先生の方からご指摘ございましたように、既に約半数がさまざまな創意工夫によりまして、現行基準を五ポイント以上上回る緑化を行っております。
一方、またご指摘のとおり、残りの約半数は、現行基準程度かそれを上回る率が五ポイント未満というのが実態でございます。
しかし、この案件をいろいろと詳細に見てまいりますと、敷地内にさらなる緑化が可能なエリアが存在しておりまして、工夫次第では、より多くの緑が確保できるというふうに考えております。
都といたしましては、今後、審議会の最終答申などを踏まえまして、事業者の取り組み事例などの実態、事業者等の負担なども総合的に考慮しながら緑化基準を設定してまいります。
○山田委員 ぜひ、事業者の取り組み実態などを十分に考慮した上で、全体的に緑化の底上げが図れるような緑化基準を設定していただけるように要望いたしたいと思います。
緑化計画書制度におきましては、緑化基準の引き上げによりまして確保する緑の量をふやすことも重要でありますけれども、その緑の質的な面についても配慮することが大切だと考えております。それに対しての所見をお伺いいたします。
○中島自然環境部長 ただいま山田先生からご指摘いただきましたが、緑化計画書制度におきまして、緑の量を確保するだけではなくて、やはり緑の質についても配慮することが重要であると考えております。
今後、審議会の最終答申などを踏まえまして、良好な既存樹木が保全されるなど良質な緑の確保がより一層図られるよう、具体的な仕組みについて検討してまいります。
○山田委員 緑化計画書制度におきましても、ぜひ緑の質を高めていくような方向で検討を進めてほしいと思います。
緑の質といいますと、なかなか定義は難しいわけですが、例えば多くの区市町村では、独自の条例や要綱などによりまして保存樹木とか保存樹林を指定する制度を持っております。高さとか幹周りとかの基準を出しまして、良好な樹木や樹林を指定し保護しているわけであります。
中間のまとめでは、開発許可制度における既存樹木等の保全検討の義務化について提案されております。開発許可制度は自然地で行う場合の許可制度であるということから、可能な限り自然を残すべきでありまして、先ほど申し上げましたような良好な既存樹木等につきましては、住宅や墓地などの開発行為の種にかかわらず、事業者が保全検討を行うようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○中島自然環境部長 開発許可制度につきましては、一定規模以上の自然地を含む土地における開発に際しまして、損なわれる自然を最小限にとどめ自然が損なわれる場合はその回復を図るということを目的としていることは、先ほど申し上げたとおりでございます。
良好な既存樹木等の保全検討義務の対象につきましては、今後、審議会の最終答申などを踏まえて検討していくことにはなりますが、先ほど申し上げた制度の趣旨からいえば、開発行為の種別にかかわらず良好な既存樹木等の保全検討を求めることが基本であるというふうに考えております。
○山田委員 今回、制度強化の方向性が示されました緑化計画書制度及び開発許可制度は、いわゆる規制的な手法として有効かつ重要な制度であると思いますが、事業者からは、緑化への意欲が高まるような工夫も必要ではないかとか、あるいは事業者が取り組みやすい制度としてほしいとか、そういった声が寄せられているとも聞いております。
そうしたことからも、さらに制度の実効性を高めるためには、事業者が緑の保全や創出に配慮して事業を行うような誘導的な手法などについても事業者の皆様の意見を聞きながら検討していくことが必要であると考えますが、その点についての所見をお尋ねいたします。
○中島自然環境部長 緑の保全都市創出を進めていくためには、規制の強化を図るとともに、事業者の積極的な取り組みを引き出し、制度の実効性を高めていくための方策、あるいは事業者が円滑に取り組めるようなこと、それから、より上を目指すようなきめ細かな対応も必要であるというふうに考えております。
今後、事業者などの意見を聞きながら、審議会の最終答申などを踏まえ、すぐれた緑化の事例を評価、認定する制度ですとか、先進的な取り組みを行っている事業者を表彰する制度など、事業者の自主的な緑の保全、創出を促す新たな仕組みについて検討してまいります。
また、制度強化に際しましては、緑化の創意工夫についての具体的な取り組み事例を提示することなどによりまして、事業者が円滑に取り組めるようきめ細かな対応を行ってまいります。
○山田委員 ぜひ事業者の意見をよく聞いていただきまして、事業者の皆さんが意欲的に緑化に取り組めるように、そうした仕組みについても実現していただくことを強く要望いたしたいと思います。
と同時に、ただいまお話がありましたように、事業者へのきめ細かな対応についても、あわせてお願いをいたしたいと思います。
また、この中間のまとめにおきましては、既存樹木等の保全検討に当たっては、地元自治体の意見を聞く機会を設けることが望ましいとされております。先ほど述べましたとおり、区市町村もそれぞれの独自に緑の保全に取り組んでおりまして、東京全体として緑の保全をより一層進めていくためには、区市町村との連携が重要であると考えますが、その点についての所見をお伺いいたします。
○中島自然環境部長 緑あふれる東京の実現に向けまして、緑の保全や創出をより一層進めていくためには、身近な緑の保全や創出の主体である区市町村との連携が、これまで以上に重要であると考えております。
今回の制度強化について検討する過程で、既存樹木等の保全検討の義務化について、区市町村と意見交換を重ねてまいりましたが、今後とも引き続きこの意見交換を密に行いまして、区市町村との連携により都民の身近な緑の保全がさらに推進されるよう制度の具体化に向けた検討を進めてまいります。
○山田委員 緑化計画書制度及び開発許可制度の強化につきまして、中間のまとめを受けまして、制度構築に向けた具体的な質疑をさせていただきました。
緑は、東京に住み、働く人々に潤いや安らぎを与えるとともに、都市の環境向上のためにはなくてはならない大変大切なものであります。都民の緑化への期待は非常に大きなものがありますが、環境局は、ぜひこうした期待にこたえていただきたいと思います。
より一層の緑の保全と創出に向け、改めて環境局長の方から決意を伺って私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○有留環境局長 先生のご意見をお聞きしまして、私も以前、あの樹林を残してほしかったというような、感じる経験をしたことを思い出しました。改めて、良好な緑の保全と創出が進むようにしなければならないと思いました。
そうしたことからも、この質疑を通じまして、緑をふやし守っていくためには、規制的手法の制度強化や誘導的手法の導入などさまざまな手法を活用して緑施策を進めることが重要であると、そういう認識を強くしたところでございます。現在、緑化計画書制度や開発許可制度の強化に向けた検討、校庭芝生化の推進、街路樹の倍増や海の森の整備など、緑の東京十年プロジェクトに強力に取り組んでおります。
今後とも都市開発との調和を図りながら、緑の保全と創出に向け環境局の所管事業の推進、強化を図ることはもとより、全庁横断的な仕組みを活用して、都庁のポテンシャルを最大限に引き出すなど環境局が積極的な役割を果たしてまいります。
○吉田委員 私からも質問させていただきます。
ただいまの山田委員の方から大変有意義なご指摘がありまして、私も大変勉強になった次第であります。
この条例でございますが、そもそも高度経済成長時代に都市化の波によって東京の緑が急速に失われる中、昭和四十七年に都が自然環境に対する無秩序な開発に歯どめをかけるために制定したのが、東京における自然の保護と回復に関する条例であります。
類似の制度といたしまして、宅地開発などの際に都市計画法の第二十九条に基づいていろいろ規制を行う開発許可制度がございますけれども、この自然保護条例における開発許可制度と、都市計画法における開発許可制度の、これ違いはどういうことなのかお伺いいたします。
○中島自然環境部長 都市計画法第二十九条の開発許可制度でございますけれども、これは計画的にまちづくりを図るという法の目的を達成するため、開発に際して道路ですとか公園等の公共施設などを一定水準以上確保させる制度でございます。
これに対しまして、私どもの条例の開発許可制度は、条例の第三条にも掲げられておりますが、先ほど来申し上げているとおり、開発に当たって損なわれる自然を最小限にとどめ、自然が損なわれた場合にはその回復を図ることを目的に創設された制度でございまして、自然環境の保護を前提とした制度となってございます。
そのため、本条例では、開発に当たり、緑地基準に応じた緑地の確保が求められるのに対し、都市計画法二十九条の開発許可制度では公園、緑地、広場を設けることが求められております。
本条例の開発許可制度と都市計画法に基づく開発許可制度が相まって、市街地においてより多くの緑が確保されると考えております。
○吉田委員 よくわかりました。
都市計画法の場合は公園、緑地、広場とありますが、自然保護条例の場合は緑地ということに絞ってというか、重点を置いて規制をというか、行うということで、しかもこれが両方とも同一の対象に対して規制がかかることによって、相まってより多くの緑が確保されるということが、よく理解できました。
それで、今のご答弁にもありましたように、自然環境保護という観点に着目したこの都の開発許可制度は、大変意義のある制度でございますけれども、今回、中間の取りまとめがございましたが、現在どのような課題があるのかをお伺いいたします。
○中島自然環境部長 中間のまとめでも指摘されてございますが、主な課題といたしまして、一つ目は、住宅系の開発におきまして、既存樹木等の保全についての規定がないことから、開発の際に既存樹木を伐採し新たに植樹をする、そういった事例が少なくないということがございます。
第二に、制度により確保された緑地の保全につきましては、あくまでも事業者等の努力にゆだねられておりまして、事業完了後の緑地を保全する仕組みがないことがあります。
第三には、マンションなどの共同住宅の開発につきまして、緑化計画書制度による案件と比べますと、確保される緑地が不十分であるなどの課題がございます。
○吉田委員 大変今の課題がわかりました。せっかく既存の、緑地開発に当たって損なわれる自然を最小限にとどめるという目的に対して既存の樹木等の保全についての規定がないことなど、確かに大きな課題であったんだと思います。
先般、去る十一月二十一日に公表されました今回の中間のまとめは、私も委員にしていただいております東京都自然環境保全審議会に、昨年十月に諮問をされて、その後、計画部会の審議を経て取りまとめられたものでありまして、私も一生懸命読ませていただいておるんですが、この中で示されている制度の強化の方向というのは、大変に望ましいものだと思います。先ほどの山田委員のご質疑でもわかりましたけれども、本当にこの方向で制度の改正を行っていただきたいと思うんですけれども、先ほどご答弁のあった主な課題三つ、この三つの課題を克服してより緑の保全を推進するために、今回の中間のまとめでは具体的なその制度強化の方向性として、既存の樹木等の保全の検討義務化、それから維持管理計画書の作成とそれに基づく維持管理の義務化といった新しい仕組みなどが示されているわけであります。
特に既存樹木の保全という観点からしますと、今回の制度の強化、この方針によりますと、方向性によりますと、開発許可制度が適用される開発案件、市街化区域であれば敷地面積三千平方メートル以上、市街化調整区域であれば一千平方メートル以上の開発について既存樹木の保全検討が義務化されるということでありまして、これまでよりも既存の樹木の保全が進むことは本当に期待されます。
その上ででございますが、緑の保全をより一層推進する、特に既存の樹木の保全を一層これを推進するという立場からは、開発許可制度が適用されない市街化区域における敷地面積三千平方メートル未満の開発案件についても、この保全が進むよう取り組むべきだと考えますけれども、所見をお伺いいたします。
○中島自然環境部長 開発許可制度が適用されない市街化区域におけます敷地面積一千平米から三千平米未満の開発案件につきましては、緑化計画書制度の適用となります。
この緑化計画書制度におきましても、先ほど来ご答弁申し上げているように、良好な緑の増加が図れるよう、そういった誘導する仕組みにつきまして審議会の最終答申等を踏まえ、検討してまいります。
○吉田委員 市街化調整区域などでは一千平方メートル以上という縛りがかかるんですが、市街化区域においては三千平方メートル以上と。それ以下は、この緑化計画書制度でということでございますので、改めてこの仕組みの検討ということをよろしくお願いいたします。
それでは、この開発許可制度でも緑化計画書制度でも、いずれにも該当しない敷地面積一千平方メートル未満の開発案件については、どのような取り組みがなされているのか、あるいはなされるのかということについて、お伺いいたします。
○中島自然環境部長 多くの区市町村におきまして、条例あるいは要綱などによりまして独自の基準を設けて一千平米未満の小規模開発案件につきましても、開発指導を行っております。
また、条例や要綱等に基づく保存樹木・樹林といった既存樹木を保全する制度を設けている区市町村も多いわけでございます。
このように、緑の保全、創出に向けまして、各区市町村がそれぞれ独自の取り組みを行っているところでございます。
○吉田委員 多くの区市町村で独自の基準を設けていらっしゃるということで、つまり全部の区市町村ではなくて、二十三区のうちでいえば二十二区、二十六の市のうちでは二十五、そして町村の中では逆に独自の基準を設けているところの方が少ないという状況であるかと理解しております。
もちろん各区市町村のそれぞれの置かれた環境状況において適切にやっているのだろうとは思うんですけれども、やはり自治体によっては取り組みが少し足りないとか、そういうところもある可能性もあるということでありまして、これは本当に東京都として密に各区市町村と連携をとって、この中間まとめにもございますが、この保全の後押しをぜひしていただきたいと思うわけであります。
そして、この取り組みの状況についても、やはりわかりやすく都民が理解をしていく必要があると思うんですけれども、この各区市町村が持っている条例や要綱などに基づく保存樹木・樹林の制度につきまして、その制度内容などを調査してホームページなどで公表をすべきだと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○中島自然環境部長 各区市町村におきましては、それぞれ非常にさまざまな工夫を凝らして、そういったことを独自のホームページで公表しているところでございますが、お話の各区市町村が条例や要綱等に定めている保存樹木・樹林の制度につきまして、都といたしましても制度概要等について定期的に調査を行っておりまして、既に都民情報ルーム等で閲覧できるようになっております。
また、やはり制度強化に際しましては、必要な情報提供などによりまして事業者の皆さんが円滑に取り組めるよう、そうした情報を提供することによってきめ細かな対応を行ってまいります。
○吉田委員 ありがとうございます。
既に都民情報ルームなどで閲覧できる、あるいは各区市町村でも閲覧できるんだと思いますけれども、やはり電子政府というか、IT革命などの行政コストあるいはサービスのコスト低減という観点からも--私なんかは中野ですから新宿へぱっと来れますが、会社にお勤めの方はなかなかお休みをとって来るわけにもいきませんし、あるいは多摩とか、あるいは江戸川とか、なかなか都庁まで来るのが大変な方もいらっしゃるかと思います。
国土交通省は、樹木保存法に基づく保存樹及び保存樹林等の指定状況というのをホームページで公開しておりますし、また条例等に基づくものについても全国の都道府県、市区町村につきまして、保存樹及び保存樹林等指定状況、これはホームページで公開しております。ぜひ東京都におかれましても、この都内の各区市町村の保存樹木・樹林の制度、そして現在の保存樹の本数とか樹林の面積とか、こういうものについて国土交通省などと別の調査を独自に行っていらっしゃるわけでありますので、それも東京都としても公開していただくのは非常に意義のあることだと思います。ぜひそういうこともご検討いただくように強く要望させていただきます。
そして、改めて良好な既存樹木の保全を図っていくというこの条例の趣旨、そして今回の中間のまとめの趣旨を踏まえて、都と区市町村とがより一層連携してこれを進めていく、取り組むことが必要だと考えますので、改めてこの連携のあり方についてお伺いいたします。
○中島自然環境部長 緑のさまざまな施策を推進するに当たりましては、東京都と区市町村が適切に役割分担をしながら連携して取り組むことが重要でございます。
地域の緑の状況ですとか、それぞれの緑の価値を熟知しております地元区市町村による、先ほど来申し上げております独自の緑施策の展開は、緑あふれる東京の実現に不可欠でございます。
今後、良好な既存樹木の保全検討義務につきましても、地域の実情を踏まえた仕組みとするなど、区市町村としっかりとスクラムを組んで実効性のある緑づくりを行ってまいります。
○吉田委員 ありがとうございます。
今回の内容でございます、報告事項でございます中間のまとめにつきまして、大変に内容を理解させていただいて、ぜひこれに基づいて改正というか、緑の施策が進むように期待をしております。今後、具体的な検討を深めていただいて、実効性の高い制度を構築していただいて、区市町村、都民、民間事業者などと十分な連携をして、緑の施策を推進して緑豊かな東京の実現にぜひ努めていただきたいと思います。
私からの質問を終わります。
○小磯委員 自然保護条例改正についての中間のまとめについて、質問をさせていただきます。
私の地元、町田市も、大変豊かな緑が多く残っている地域でございます。図師小野路歴史環境保全地域でありますとか、七国山等、本当に環境局の皆様によって保全をされている広大な緑地がございます。
また企業、そしてまた大学等のボランティアによる、いわゆるこの保全の取り組み、そういった仕組みづくりも、環境局の皆さんのおかげでさせていただいておるところでございます。そうした残された自然環境を可能な限り後世に引き継いでいくことも、我々に課せられた務めであるというふうに思っております。そういった意味では、今回の中間のまとめの内容というのは、今後さらに緑を保全、創出するための取り組みとして、非常に有意義であると考えております。
まず、緑化計画書制度でございますが、この制度は、敷地面積が一千平米以上の開発が対象となり、年間かなりの件数の届け出があると聞いております。今回、緑化基準の強化の方向性が出されている敷地面積五千平米以上の大規模な開発案件は年間どれぐらいの届け出があるのか、まずお伺いしたいと思います。
○中島自然環境部長 緑化計画書制度の届け出件数でございますが、平成十九年度実績で見ますと、全体では年間千百八十五件、そのうち敷地面積五千平米以上の案件は、年間三百三十一件でございます。
○小磯委員 ただいま、年間約千二百件程度の届け出があるという答弁でございました。ということは、緑化計画書制度では、平成十二年の自然保護条例の改正により創出されているため、これまでかなりの緑が創出されたことが想像できるわけでございます。
そこで、制度の施行以来、これまでどれぐらいの緑が新たに創出されたのかお伺いいたします。
○中島自然環境部長 緑化計画書制度が施行されました平成十三年度から十九年度までの屋上等の緑化について、この実績について見ますと、七年間で約八十九ヘクタールでございまして、これは日比谷公園の五・五個分の緑が新たに創出されたことになります。
屋上等の緑化だけでも年間十ヘクタール以上の緑が創出されているわけでございますけれども、地上部につきましては、先ほど来申し上げているとおり、建てかえ等の案件がございまして、そこにはもう緑があったということから、なかなか新たに純粋につくり出されたものをカウントするのは非常に難しいわけでございまして、こうした地上部の緑化実績を含めますと、相当の緑が新たに創出されているというふうに考えております。
○小磯委員 今後、最終答申を受けて緑化基準の見直しに向けた検討が行われると思いますが、このいわゆる制度強化により創出される緑の量について、都として目標値を設定しているのかどうかお伺いしたいと思います。
○中島自然環境部長 目標値でございますけれども、私ども「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八におきまして、緑化計画書の基準を引き上げることなどで、三カ年で百ヘクタールの緑を創出する目標を掲げているところでございます。
○小磯委員 ここの地上部の緑化実績が、新たに創出された部分というのがなかなかわからないという部分があって、その部分と、三カ年で百ヘクタールの緑を創出するという目標値と、ちょっとどういう形でその百ヘクタールというのはなるのかというのが、もうちょっと詰めていただければというふうに思います。
次に、開発許可制度の強化についてお伺いしたいと思います。
中間のまとめでは、良好な既存樹木等の保全について検討することを義務づけるべきとされておりますが、既存樹木といっても、その高さ、また幹周りなど種類も大きさもさまざまであります。
そこで、今回の制度強化では、開発敷地内にあるすべての既存樹木について、保全を義務づけるのかどうか、所見を伺いたいと思います。
○中島自然環境部長 今回の中間のまとめでは、開発敷地内の既存樹木等のうち良好な既存樹木について保全検討を義務づけるということにしておりますが、どういった既存樹木が良好なものかについての判断につきましては、現在、区市町村が条例ですとか、あるいは要綱等で定める保存樹木、保存樹林の基準を準用して行うことを現在想定しております。
○小磯委員 ただいまの答弁にもございましたけれども、保全の検討対象については地元自治体の基準を準用することを想定しているということでございますが、そうなりますと、今回の制度強化は区市町村にとっては大変関心が高い取り組みと思われます。こうしたことから、新たな仕組みでは、事業者による保全検討の過程において、地元自治体がどのようにかかわっていくのかお伺いしたいと思います。
○中島自然環境部長 良好な既存樹木の保全を進めていくためには、身近な緑の創出、保全に取り組んでいる区市町村との連携が必要であると考えております。
中間のまとめにおきましては、既存樹木等の保全検討に当たっては、地元自治体の意見を聞く機会を設けることが望ましいというふうにされておりまして、今後、審議会の最終答申などを踏まえまして、事業者が保全を検討する過程で地域における緑の位置づけなどについて、区市町村の意見をヒアリングするよう求めるなど、身近な緑を守る区市町村との連携が図れる仕組みについて検討してまいります。
○小磯委員 緑の保全と創出においては先ほどからございましたが、区市町村との連携ということは欠かすことができないものであると思います。具体的な制度設計に当たっては、身近な緑を守る区市町村の取り組みを後押ししていくという視点で検討を進めてほしいということをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○村松委員 東京における自然の保護と回復に関する条例の改正、中間のまとめについて質問いたします。
地球温暖化防止が喫緊の課題であると世界じゅうがCO2削減に取り組み、東京都もことし不十分ながらも大規模事業所のCO2排出削減の義務づけを行いました。CO2削減に努力している先進国では、中長期的削減目標を決めて取り組み、地球の危機を乗り切ろうとしております。
CO2排出を抑える取り組みをする一方で、排出されたCO2を吸収して削減していこうというのが、緑地保全の役割だというふうに思います。こうした観点から、東京における自然の保護と回復に関する条例の改正、中間まとめを見た場合に、これでいいのかという思いが率直にいってあります。
最初に、この条例改正に関する諮問及び審議の経緯というのが一ページにありますが、ここの中でも、東京の緑は依然として減少しており危機的状況にあると書き、第二の条例改正の必要性、ここでも、東京ではこれまで条例に基づく開発許可制度や保全地域制度による自然の保護及び緑化計画書制度による自然の回復を行い一定の成果を上げてきたと。しかし、東京の緑は依然として危機的状況にある。重ねて危機的状況にあるということが強調されております。
危機的状況とまでいわれるほど、緑が減少した原因をどのように認識しているのか、初めに伺います。
○中島自然環境部長 緑の減少につきましては--良好な開発ですとか、それからまた人々の暮らしを豊かにするために都市活動が活発になってきております。そうしたこととの調和を図っていく上で、これまでのところ宅地開発が進むですとか、あるいは農地等が転換されてしまうとかといったことで、緑が減少してきているということは先ほど来というか、報告書の中でも触れられているとおりでございまして、私どもといたしましては、だからこそさまざまな手法を用いて緑を、自然が損なわれる場合にはなるべくそれを回復しよう、それから、開発に際しても調和のとれたまちづくりの中でできるだけ多く、またさまざまなすき間等の緑についても多く新たに生み出していこうということで、現在実行プログラムの中で鋭意取り組んでいるわけでございます。
○村松委員 調和のとれないまちづくりが進み過ぎたというふうに私は理解いたします。
今回の条例改正が危機的状況を解決できる、こういうものになると考えているのか伺います。
○中島自然環境部長 さまざまな努力をすることによって、目標に掲げております緑を創出して、そして、そうした状況については克服をしていきたいというふうに考えております。
○村松委員 私は、この報告書、中間のまとめを読んで、特にこの一七ページ、期待される取り組み、この区市町村と連携した緑の保全、創出、ここを読んでつくづく感じたのが、計画部会の人たちが、本当にこの開発許可制度をちょっと見直すだけでいいのか、それだけでいいのかということを、そういう思いで、この問題の中間のまとめというか、計画部会の人たちが議論してきたんじゃないだろうかということを推測いたします。
この中で、何て書いてあるのかというと、期待される取り組みの、緑の保全にかかわる制度では、いずれも所有者の協力を前提とするため、民有地のままの保全には限界があり、相続等の事由によって--相続等の理由ですね、理由によって最終的には開発されてしまうことも少なくない。また、今回の改正で開発許可制度を強化すれば、開発の際に失われる緑の量を減らすことは可能となるが、開発許可制度は保全の切り札ではない。今後、より一層の緑の保全、創出を推進していくためには、既存の緑が開発計画の俎上にのる前に保全策を講じることや、緑を創出するためのさまざまな工夫を行うことが強く望まれる、このように書かれているんですね。
私も全く同感なんですが、環境局ではどういう認識をお持ちでしょうか。
○中島自然環境部長 先ほど来申し上げているとおり、開発とこういった緑の保全というのは、やっぱりバランスのとれた調和の中で行っていくべきではございますが、やはりあらゆる手だてを講じて緑の保全に努めていきたいというふうに思っておりまして、先ほど来の開発許可制度だけでは、これは切り札になり得ないということははっきり申し上げているところでございます。
○村松委員 これだけ深刻になっている地球温暖化問題を考えたときに、開発許可制度を多少強化するだけでは間に合わない、こういうふうに私は思います。もっと抜本的な施策を打ち出して、地球環境全体を守っていくことが今こそ求められているのではないでしょうか。
例えば、稲城市の南山開発です。八十七ヘクタールもの土地を開発して、住宅を建設する計画があります。東京都は、先日の本会議場での答弁でも、住宅は十分あるといって都営住宅の新規建設を拒みました。にもかかわらず、オオタカが営巣し、貴重な植物の宝庫といわれるこの緑地、南山を開発して環境を破壊しようとしている。この南山開発一つとめることができなくて、どうやって緑を守り、地球温暖化を防げるというんでしょうか。お答えください。
○中島自然環境部長 先ほど来、私もご答弁申し上げているんですが、開発許可制度だけでは決め手にならないという中で、私どもは、さまざまに区市町村と役割分担をいたしまして、自然保護条例に基づいた保全地域の指定などをしております。これには、やはり地元市との連携ということが非常に重要でございまして、ここでも地権者の方のご理解を得ながら何とかその保全地域に指定し、開発の危機から貴重な緑を守るということをやっております。
それから、直近のところでは、昨年十二月の多摩市の事例もありますし、また現在でも八王子市において、すぐ間近なところまで宅地開発の波が押し寄せてきておりますけれども、これも地元と緊密に連携いたしまして、保全地域に指定するように自然環境保全審議会に諮問して、そして何とか残そうとしているわけでございます。そして、今お尋ねの南山につきましても、これはやはり地元市との連携協力が大事でございまして、また、地権者の理解ということが何よりも不可欠でございます。
そういうことで、ここでは、地元がマスタープランをつくって、ここは区画整理事業を行うエリアとして位置づけをしております。また、地権者の方もそうした方向を望んでいるというふうに聞いておりまして、そういう中で我々は保全地域を何とか残そうということを、今取り組んでいるわけでございます。
○村松委員 結局、もう決まっているからどうしようもないという、そういう答弁しかないというふうに私は思うんですね。
これだけ緑地が危機的な状況だというふうに認識しておきながら、それから、計画部会の議論の対応を見させていただいたら、やっぱり道路と同じように環境、この緑地保全の問題も、公共の福祉、こういう立場に立てないだろうかというのがあったんですね。私は南山開発もそうだし、それから水と緑の都民のオアシスというふうにいわれている高尾山のトンネル、ここだって、何でとめられないんだ、環境局は何をやっているんだという思いは、やっぱり都民はあるんですよ。その辺についてはどうですか。
○中島自然環境部長 何度も申し上げているとおり、我々は職員一同、地元に行っていろいろとお話を聞いたり、やはり地権者の皆さんの心にも耳を傾けて、そしてその理解を得ながら何とか自然を守ろうとしているわけでございまして、鋭意その保全を、緑地等の保全に取り組んでいることを、ぜひともご理解をいただきたいと思います。
○村松委員 とても理解なんかできません、今の姿勢の中では。
大体、一番の問題というのが、都市計画にあるんですよ。それでこの都市計画制度というのは、開発を抑制するよりも開発を促進する、こういう役割を持っているんですね。こうした右肩上がりの開発を促進してきた都市計画のあり方を根本的にやっぱり見直して、少なくともCO2削減と同じくらいの力を割いてこそ緑を守ることができると思うんです。
そういう点の認識はいかがでしょうか。
○中島自然環境部長 何回も申し上げますけれども、やはり人間の社会というのは、そういった私どもの暮らし、そしてそれは豊かにする、そういったことと調和しなきゃいけないんです。そういう中で、勝手に人の土地を取り上げることもできませんし、やはり我々は一人一人のご意見をちゃんと聞いて、そしてご理解いただいて仕事を進めているわけでございまして、今後もそういうふうにしていきたいと考えております。
○村松委員 何となくね、もっともらしい答弁だったんですが、今の状況にはとても追いついていけないというんですよ。実際にこういうところには、今の東京の緑の減少は危機的状況だ、危機的状況だって書いてあるわけでしょう。それなのに、ではそれをどうしてとめるかっていうことが、その立場に立ったら、私はこの一七ページに書いてあるような、とめられる以前にどう手を打っていくかという、そこのところに重点を私は置くべきだというふうに思うんです。
それで、具体的な問題で伺いたいと思うんですが、やっぱり相続税問題があるんですね。この相続税問題が発生したときに、土地の所有者に負担がかからなくて永久に緑地が保全されるような手だて、これは環境局の方では何か打っているでしょうか。
○中島自然環境部長 さまざまな中間のまとめをまとめる段階でも、相続による開発に対してどういう対策があるのかということをいろいろと議論されましたが、現時点におきましては、私どもも都単独あるいは八都県市と連携いたしまして、相続税の軽減措置等を求める要望活動を行っておりまして、そのほかにも自然保護条例に基づく保全地域制度ですとか、そういったことの活用によりまして、緑地の保全を図っているところでございます。
○村松委員 国の方に何度も何度も要望しているけれども、今の自公政治ではこれを受け入れてくれない、そういう状況だというふうに思うんですね。せめて、中間のまとめでもいわれているように、区市町村と連携した緑の保全、創出、この問題をやっぱり進めることが大事だなというふうに思うんです。
東京都としても支援策を検討すべきであると書いてあるんですね。具体的に私は、市長会の重点要望にある緑の保全に対する施策の充実、ここで大きく五項目挙げられているんですね。これにこたえる方向で、私はこたえていく必要が、検討していくことが必要じゃないかっていうふうに思うんです。
当然担当者は、これをごらんになったと思うんですが、多摩地域に残されている貴重な自然、緑地、森林を保全するため次の事項について積極的な措置を講じられたい、これ重点要望で出されているんです。
その一つが、崖線以外の一ヘクタール未満の地域でも保全地域に指定されるよう、面積要件の緩和と指定を推進されたい。また、多摩川沿いの崖線樹林について、広域的な観点から都による指定とその公有化を図られたい。
二つ目は、都民の憩いの場として、また防災上の観点からも、多摩地域の緑の保全、オープンスペースの確保は最優先の課題である。そのため、各市とも保存樹林地等の保全に努めるところであるが、保全地域の指定や公有化には多額の財政負担を要している。このことから、市の財政負担に対する補助制度等を創設することなどの措置を講じられたい。
三つ目が、優良な自然樹林地、屋敷林及び都市農地等、自然緑地保全のため、相続税の軽減など税制上の優遇措置を講じるよう国に要請されたいと。これはやっていただいたみたいですが。
また、売却希望があった場合には、優先的に公有化できる制度を確立するとともに、必要な予算措置を講じる等特段の配慮を図られたい。
四点目が、自然緑地が保存されている河川については、旧河川敷の宅地化等を行わず、河川緑地化を図られたい。なお、市に委託している憩いの水辺事業は、維持管理基準の見直しや委託費の増額を講じることで、受託者である市の財政負担が新たに発生することのないよう委託事業の見直しを図られたい。
五点目。多摩地域には谷戸、湧水、雑木林等が一体となり、多様な生物が生息する自然環境が存在する。それらを里山保全の拠点として早急に条例による指定を図り、良好な自然環境の保護に努められたい。
先ほど、一生懸命やっている、やっているといっていましたけど、重点要望でまだこんなにやることは、やってほしいということはあるんですよ。それについてはどうですか。答えていただけますか。
○中島自然環境部長 ですので、我々は、先ほど来も同じことを申し上げますけれども、身近な緑を守る熟知した市町村と連携をして、そして役割分担の中で取り組んでいるわけでございまして、今後も、こういう考え方に基づいて適切に対応してまいります。
○村松委員 あのね、やることが遅いんですよ。やっぱり地元の自治体というのは、機敏に地域の緑地の減少というのをつかんでいるんです。だからもうそれに対応して、ない財政の中でも出さざるを得ないと。絶えずやっぱり東京都に、この問題についてもっと乗り出してほしいという思いがあるんです。そういう立場に立たない限りは、さっきの危機的状況にあるというとこから脱出できないんです。
だから私は、この答申に向けて、ぜひ計画部会の中でもせめて多摩の市長会の重点要望に基づいた議論をぜひやっていただきたいと思うんですが、それはいかがでしょう。
○中島自然環境部長 いろいろな意見を総合的に検討して、そしてしかるべく適切に対応してまいります。
○村松委員 七年ぶりの条例改正になるわけですから、今の時代に、今直面している大きな課題、待ったなしの課題である地球温暖化問題にこたえられる条例改正の答申になるよう期待して、質問を終わります。
○原田委員 東京における自然保護と回復に関する条例の改正についてお伺いします。
もうこの質問は随分皆さんが質問なすったということがあって、かなり重複している部分もあります。少しはしょりながら質問したいと思います。
やっぱり緑を守る思いというのは、皆様方、本当に都民の皆さんの要望は大変高い。市長会でも出ているように高いわけですね。それで、そういう施策をどのような方法で展開していくかという、所管、所管で、いろんな知恵を出し合っていくわけなんですけれども、今回のこの改正は東京の緑保全に対して一歩踏み出したと私は評価しております。
本日は、東京都自然環境保全審議会計画部会で取りまとめられた中間まとめに示された内容について、環境局がどのように検討したか、ちょっとお伺いしたいと思います。
まず、緑化計画書制度についてお伺いしたいと思います。これも何か質問の中で出てきたようなんですけれども、中間まとめでは、過去に提出のあった緑化計画書の分析結果が示されて、敷地面積五千平米以上の大規模な案件では、実態として五割が現行の緑化基準を大きく上回る緑地が確保されているということですが、緑の質に対して、その質の確保を誘導する仕組みを中間報告はまとめているわけなんですけれども、具体的にどのようなことなのか、まずお伺いしたいんです。
○中島自然環境部長 緑化計画書制度の検討でございますが、量の確保といいますか、引き上げと同時に、先生が今おっしゃったような緑の質についても配慮することが大切であるというふうに考えております。
今後、最終答申等を踏まえまして、良好な既存樹木が保全されるなど良好な緑の増加が図られるように誘導する仕組みについて、検討を進めてまいります。
○原田委員 具体的な検討はこれからだということですが、その仕組みがより強化されることを期待したいと思います。
東京都と同様、緑化基準を有する条例を定めている市区町村の中には、緑化計画の届け出窓口になっているというところもあるということですが、市区町村がそれぞれの実情を踏まえた上で、場合によっては全都を対象とした都の制度よりも厳しい基準で緑化を進めるということは、身近な緑についてはまず地元自治体が取り組むという観点からも、大変評価できることです。都内の大方の自治体が、それぞれの実情などに応じて緑化などに関する条例を持っていますが、このように市区町村が地域の実情を踏まえた条例をつくって緑の保全や創出に取り組んでいくことは望ましいと考えますので、この所感をお伺いする質問を組み立てたんですけど、もう既にしっかりと前の方の質問でご答弁があったようですので、これはご答弁は要りません。
次に、開発許可制度について圧倒的に多い住宅系の対策、特に既存樹林を残し管理保全していく仕組みが求められています。質のいい緑を確保するために、どのような手順で強化していくか。今後、市区町村とのかかわりが出てくるということですが、これも質問しようと思いましたが、これもしっかりと答弁が出ておりました。これから地元の自治体の意見をヒアリングして意見を求めていくというような方向性が出ておりましたので、これもご答弁は要りません。
これまでもまちづくり上の施策としては、実態としては、まず、市区町村が窓口になっていて進められていたと思います。この手続が開発許可制度で位置づけられることは、市区町村の仕事がやりやすくなると同時に、事業推進の担い手として自覚的展開がさらに進むと期待するものです。
さて、ちょっと、前の方も質問しましたけれども、開発、いわゆる都市計画上の開発許可制度と、今度の自然保護条例上の開発許可制度に関してはちょっとお話がありましたので、その違いを認識した上で、この運用に当たっては両方の視点で開発行為が審判されるというようなことだと思いますし、いっそ一括して申請されたものを審査した方が合理的で簡素化につながるとも考えますけれども、都市整備局管轄の都市計画法二十九条の開発制度とは別に、自然保護条例の開発許可制度を持つことの意義について、お伺いしたいと思います。
○中島自然環境部長 それぞれ目的とするところは違っておりますが、開発に当たって、自然保護条例では緑地基準に応じた緑地の確保を求める一方で、都市計画法の二十九条の開発許可制度では、先ほどもお答えしましたけれども、公園、緑地、広場を設けるということで、これは必ずしも緑でなくてもいいわけですね。
したがって、この両者がうまく適応していくと、より多くの緑が確保されるというふうに考えております。
○原田委員 要は、私は、都市計画法上の審査と緑の審査を一緒にして何か審査した方が、より重層な議論ができるのかなという思いつきでの質問だったわけなんですけれども、確かに都市計画上のやつは都市計画法という法律で、条例の縛りよりも強いということもあるので、やっぱり自然保護の立場で、絶えずそれにこだわりながらいっていく所管というのは必要なのかなという感じがしました。本当に両方がうまくバランスをとって、より多くの緑が確保されるように期待するものです。
次に、開発行為完了後の質のいい緑、緑地保全に関しての担保ということに関してはどのように考えていらっしゃるかお伺いします。
○中島自然環境部長 開発行為完了後の緑地の保全ですが、今度、これも最終答申などを踏まえまして、事業者に対して維持管理計画書の作成と、それに基づく維持管理を義務づけるということや、完了から一定期間経過後に維持管理状況の報告を求めることなどについて、今後検討してまいります。
○原田委員 計画書を提出させても、その後の点検がなければ良質の緑の保全が大変難しいと思いますので、一定期間の点検は大変大事だと思います。
そういう意味でも、市区町村がしっかり計画書策定に当たってかかわってくるということが大事ですし、身近な市区町村が自分たちのまちを見て、それでいろいろ指導していくということが大変重要なポイントになってくると思います。今後のまとめに期待するものです。
以上です。
○石川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で環境局関係を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十五分休憩
午後三時二分開議
○石川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
これより建設局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第二百三十八号議案から第二百四十一号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
これより質疑を行います。
発言を願います。
○村松委員 中央環状品川線五反田換気所下部工事、ここについて何点か伺います。
二〇〇四年の十月四日、都市整備委員会に請願が出されました。この請願は、高速道路品川線問題近隣町会合同連絡会、こういうところで出した請願なんですが、この連絡会には三十の町会と九団体が参加し、そのときの署名数が三万二千八百六十八名で、署名が出されております。
この方たちが何を願って署名を提出したかといえば、私たちは子や孫に大気汚染を残したくありません。だから都市高速道路中央環状品川線の五反田換気所と五反田出入り口に反対します。こういう請願を出しました。このときに外かく環状道路担当部長だったのが、道家局長でした。
この方たちの、私たちは子や孫に大気汚染を残したくありません、こういうことに対してどういう思いで、この地元の皆さんの思いをどういうふうに認識しますかという質問に対して、私たちは子や孫に大気汚染を残したくありません、こういう標語でございますけれども、この地元の思いを率直に言葉に残したものと真摯に受けとめております。今後、事業に対する理解と協力が得られるよう引き続き努力してまいりたいと思っておりますという答弁をされているんですが、現在の段階で、この地元の皆さんの理解と協力が得られているのかどうか、最初に伺います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 品川線の工事等につきまして、地元の方々に対しましては、平成十三年の素案説明会から法律、条例に基づいた必要な説明会のほかに、数多くの説明会、懇談会、アンケート、現場見学会等々を重ねてまいりました。
その数にして、例えば五反田換気所周辺であれば百五回を重ねているところでございまして、私どもとしましては、中央環状線が首都圏の三環状道路の一つとして高速道路全体のネットワークを効率よく機能させて人や物の円滑な流れを実現するとともに、一般道の渋滞緩和だとかCO2の削減ということなど、環境に大きく寄与する重要な路線であるということを重ねて説明をしてまいりました。
私どもとしましては、こういう努力を積み重ねることによりまして、多くの都民の方に理解が進んでいる、こういう形で認識しております。
○村松委員 百五回説明会を持ったから理解している、そういうことじゃないというふうに思うんですね。それから、自動車のネットワークをつくるからという、それは東京都の勝手な理屈であって、住民が納得しているものじゃないんですよ。
それで、ことしの十一月二十七日に、五反田換気所で説明会がやられているんですが、このときの参加者数と、それからどんな意見が出ていたのか説明してください。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 五反田換気所周辺では、十一月の二十七日に品川区立第四日野小学校でシールドトンネル工事の工事説明会を行いました。参加していただいた方々の数は、約百五十名の方々でございます。
なお、先ほど申し上げましたけれども、五反田地区等では、これまで何回も説明会を実施しておりまして、延べ約千五百人ほどの住民の方に参加していただいております。
そのときに出た意見等でございますけれども、そのときの説明会は、大井から大橋までのシールドトンネル工事の概要や、それに伴う家屋調査についての説明を行いました。住民の方々からは、道路特定財源が廃止され一般財源化された場合、財源は確保できるのか、シールド工事に伴い沿道の建築物へ影響が生じた場合の補償、換気所への脱硝装置の設置要望、換気所のデザインをできるだけスリムでコンパクトな形状にしてほしいなどの意見が出されました。
○村松委員 随分都合のいい発言だけを引っ張り出しているというふうに思うんですね。
このときの説明会というのは、五反田をごみ捨て場にするつもりか、換気塔はやめ、すばらしい道路開発だと誇れるような事業にしてほしい、こちらは排気塔がないんだという前提で運動してきた、だから配慮してほしい、こういう意見もありました。換気塔の高さは四十五メートルだが、既に周りにはたくさんそれより高い建物が建っており、もろに煙をかぶるが、どうするのかということや、以前私が出した換気塔にかわる対案は検討したのかということに対して、どの案でしたっけという、そういう返答だったというんですね。以前の説明会では検討の上、説明すると明言したのに、余りにも住民の真剣な思いに対して不まじめではないか、こういう意見がありました。
それから、換気塔は工作物か建築物か、建築物なら日照規制が適用されるのではないか、こんなに醜い物を本当につくるのか。例えば、ガラス張りにするなどはどうか。目の前で既に下水管の工事が行われている五反田では、あえて目黒川下ではなく山手通りの下を選んだためだ、私たちは長年税金を払ってきた、なぜ私たちだけが安心・安全を奪われるのか、こういう意見が続出していたというんですね。
そういう中で今度の請負契約、これは、さっき二〇〇四年のときの今の道家局長がいっていた事業に対する理解と協力が得られるよう努力してまいりたいと、こういう思いとは全く、答弁していたのとは全然違う状況じゃないんですか。私は、この思いというのは、三十の町会が連絡会をつくって、五反田換気所、これをやめてほしいと、こういうふうにいっているんですね。それが今も運動は続いているという、そういう状況なんです。
それだけに私は、住民の理解もなければ、それから地元で根強い反対運動が今も続いている。自動車保有台数が減って、国土交通省も交通需要推計の下方修正をしているときに、高速道路や大型道路建設を聖域扱いにする、こういうことには反対です。
以上です。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 いろいろご質問というか、いただいたわけでございますけれども、中央環状品川線は、先ほど申し上げましたように、首都圏の三環状道路の一つとして、人や物の流れを円滑化するとともに、環境改善に大きく寄与する路線でございます。
事業実施に当たりましても、説明会や意見交換会、新宿線の換気所の見学会など、さまざまな形で説明してまいりました。デザインにつきましても、換気所のデザインに関するアンケートの実施だとか、インフォメーションセンターの設置など情報を提供してきたところでございます。これらの説明が積み重なってきた結果、今では多くの都民が品川線の必要性を理解して、早期整備を期待しているものと認識しております。
今回、契約案件である五反田換気所は、トンネル内の換気や火災時の排煙を行うため、品川線にはなくてはならない施設でございます。本定例会において議会の同意をいただき、契約するものでございます。
引き続き必要な財源の確保に努めまして、さらに住民の理解と協力を得ながら、平成二十五年度の開通を目指して品川線の整備を一層推進してまいります。
○村松委員 地元の住民が納得していない、根強い反対運動がある、それなのに強行するというのが今の部長の答弁なんです。そのことをしっかりと私は強調しておきます。
○石川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。
○村松委員 第二百三十八号議案、中央環状品川線五反田換気所下部工事は、高速道路品川線問題近隣町会連絡会三十町会と九団体、三万二千八百六十八名の署名が二〇〇四年に提出され、地元で強い反対運動があります。今、自動車保有台数が減り、国土交通省も交通需要推計の下方修正をしているとき、高速道路や大型道路建設を聖域扱いすることには反対です。
第二百三十九号議案及び第二百四十号議案の街路築造工事に伴う道路構造物設置工事は、西東京三・二・六調布保谷線で住民の合意が得られていません。品川線と同じく自動車保有台数が減り、国土交通省も交通需要推計の下方修正をしているときに、高速道路や大型道路建設を聖域扱いすることには反対です。
以上。
○石川委員長 発言は終わりました。
お諮りいたします。
本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○石川委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第二百四号議案、平成二十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分及び第二百六十四号議案から二百六十六号議案までを一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○藤井総務部長 去る十一月二十八日の当委員会におきまして、要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきたいと思います。
指定管理者の指定に係る公園等の職員数及び経費でございます。この表は、指定管理者の指定に係る日比谷公園、代々木公園、水元公園、駒沢オリンピック公園及び瑞江葬儀所につきまして、平成十七年度から平成二十一年度までの職員数及び経費をあらわしたものでございます。
管理区分欄には直営、管理委託、指定管理者の区分を、人員・経費区分欄には職員数、経費の区分を、それぞれの人数と金額に分けてお示ししてございます。
表の下に記載しております注の1から5に基づきまして、人員及び金額をそれぞれ算出してございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○石川委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○宇田川委員 初めに、補正予算に関連し中小企業対策について意見を申し上げます。
このたびの代表質問において、我が党の三宅政務調査会長が、中小企業の受注拡大への取り組みについて質問をし、建設局長から答弁をいただきました。
補正予算による維持工事の追加実施など中小企業の受注拡大に配慮していくことは、高く評価をしております。しかし、世界同時不況の影が強まり、大企業でさえもその経営状態に陰りが見える中で、今、中小零細企業は明かりのない、出口の見えない真っ暗なトンネルの中で、進む方向もわからずにもがき苦しんでおります。まさに中小企業対策は待ったなしの状況であるわけです。
特に建設業界は、資材価格の高騰や公共事業の削減の影響を受け、その経営環境は急激に悪化しております。今回の補正予算は、不況にあえぐ中小企業にとって即効性をもって血となり肉となるものでなくてはなりません。そのために大きな事業費を執行していく建設局に対しては、補正予算に係る中小企業対策を確実に実効性あるものとしていくよう、特に要望をしておきます。
引き続き、指定管理者制度について質疑をさせていただきます。
第三回定例会の代表質問において我が党の高島幹事長が、都政の現場で進むアウトソーシングについて安易に行えば、現場を持っているという都政の強みを失いかねない。都に行政責任が帰属し、十分な行政執行力が求められるにもかかわらず、団塊の世代の大量退職により都の執行力が低下の危機にあるとの現状認識から、問題提起を行いました。
現在、指定管理者制度を初め市場化テスト、独立行政法人化、民営化等々が進められているところですが、果たしてアウトソーシングがその施設やサービスの目的などに適しているのか、見きわめが重要だと考えます。コストダウンばかりを追いかければ間違った方向に行きかねないわけで、結果としてサービス向上につながらないことが危惧されます。それぞれの実態に沿った検証をする必要性を我々は強く感じているということであります。
こうした問題意識に立って、今回新たに指定管理者制度を導入する日比谷、代々木、水元公園の指定管理者指定に関する議案に関してお尋ねをしたいと思います。
都立の都市公園については、これまで平成十八年度に本格的に指定管理者制度を導入し、本年二十年四月には新たに明治公園等の四公園を加えて、現在七十二の都立公園に指定管理者制度が導入されております。
今回さらに現在建設局の直営管理である日比谷公園、代々木公園、水元公園の三つの公園に指定管理者制度を導入するとのことでありますが、まず最初に、今回日比谷、代々木、水元の三つの公園に指定管理者制度を拡大した理由についてお伺いをいたします。
○安藤公園緑地部長 都立公園におけます指定管理者制度は、サービスの向上と効率的、効果的な管理の実現を目的に、平成十八年度に本格的導入を行いました。この本格導入から今年度は三年目でございますが、これまで指定管理者による管理運営は良好に行われており、サービス向上等で成果が出ております。
今回制度を導入いたします公園は、都心に立地しまして日本初の洋風近代式公園でございます日比谷公園や、オリンピック招致プランにおきまして競技会場のプランの一角を形成しております代々木公園、また、都内で唯一の水郷景観を有しております公園であります水元公園と、いずれもが東京を代表する公園でございまして、これまで直営で管理しておりました。
指定管理者制度導入後の管理運営状況や成果を検証しつつ、今回日比谷公園等の三公園につきましても、サービスの向上と効率的、効果的な管理の実現を目的に制度を導入するものでございます。
○宇田川委員 十八年度の本格導入から三年目となったわけでございますが、都立公園における指定管理者制度の運用状況は順調で成果が出ていると、こういうお話でありました。これは、それぞれの指定管理者が創意工夫を発揮して努力していることのあらわれだと素直に受けとめているところであります。
こうした制度が順調に運用されている状況を踏まえて、今回東京を代表する日比谷公園などの三公園に指定管理者制度を導入するとのことですが、この三つの公園の指定管理者としては公募ではなく特命によって東京都公園協会が選定されております。今回この三公園の指定管理者を公募でなく特命によって選定した理由について、お答えをいただきたいと思います。
○安藤公園緑地部長 これまで都立公園の指定管理者の選定におきましては、公の施設の管理を民間にも開放するという指定管理者制度の趣旨に従いまして、原則として公募により指定管理者を選定したところでございます。
今回はまず、指定の期間につきまして、三つの公園の効率的な管理のために、既に制度を導入しております他の都立公園の終了の期間と一致させて、平成二十三年三月までの二年間といたしまして、平成二十三年四月からの指定管理者を選定する次の選定を一体的に行うことといたしました。
さらに、二年間という短い期間の中で、都民が求める安定的な公園の管理の水準を確保しまして、サービスの向上と効率的、効果的な管理という制度導入の目的を実現するために、既に指定管理者として管理を行っていますグループに編入することとしたものでございます。
それぞれの公園の特性等を踏まえまして、日比谷公園は都市部の公園グループに、また、代々木公園、水元公園につきましては防災公園グループに編入しまして、その指定管理者として平成十七年度に公募によりまして選定されました東京都公園協会に特命したものでございます。
なお、東京都の指定管理者選定等に関します指針におきましても、公募による指定の期間につきましては、三年が下限という考え方が示されたところでございます。
○宇田川委員 ご答弁で、特命によって選定したのは残り二年間、この終了時期に一致させて、暫定的に対応したと、こういうお話だと思います。
公募であっても特命であっても指定管理者の指定に当たっては、提案されている候補者が管理者としてふさわしいかどうか、担い手として成熟した力を有しているかどうか、こういった点が重要だと考えております。
このたび公園協会を指定管理者の候補者として決定するに当たって、局ではどのように審査を行ったのかをお教えください。
○安藤公園緑地部長 指定管理者の候補者としての審査に当たりまして、まず、外部の有識者を半数以上メンバーといたします選定委員会におきまして、条例等に定めます選定の基準により審査を行いました。
具体的には、公園協会から提出されました事業計画書等によりまして、管理運営の水準、また管理運営の効率化、さらに団体能力の検証につきまして内容を審査するとともに、公園協会からもヒアリングを実施したところでございます。
事業計画の内容といたしましては、公園協会では、例えば日比谷公園におけます東京の顔となる公園づくりを目指しました企業とのスポンサー連携による風格のある花壇、芝生づくりやイベントの実施を提案しておりまして、また、防災公園グループになります代々木公園及び水元公園では、地域との連携強化、初動態勢の立ち上げに重点を置きました訓練、無線システムなど震災に備える設備面の充実の三つを柱とします震災発生時の対応力強化を図る取り組みなどを提案しております。
その結果、事業計画は、グループ及び各公園の特性を踏まえた提案でございまして、協会は指定管理者として適していると選定委員会において認められたため、候補者として選定したものでございます。
○宇田川委員 公園協会は、今回の日比谷公園など三公園の指定管理者となるに当たっては、それぞれの公園の特性をきちんと理解をした上での提案をしっかり行っているということはよくわかりました。また、提出された資料からは、経費の削減も図っているとのことであります。こうした適切な事業計画の提案ができるのは、公園協会に長年にわたる管理受託の実績、経験で培ってきた豊富なノウハウと知識があるからこそと考えます。
今、審査に当たって公園協会からヒアリングされたというお話がありましたが、実は私も先週、公園協会の方とヒアリングというか、意見交換をさせていただきました。彼らがどういった認識のもとで、どのように今後進めていくべきかといった話を聞いたんですが、責任と自負を持ってやっているという姿勢を感じたところであります。
ところで、先ほどの答弁にもありましたが、都立公園の指定管理者制度については十八年度の本格導入からことしで三年目となります。現在、東京都全体で指定管理者制度を導入している施設が二百七施設ということなので、都立公園で七十二、このほか動物園や霊園、葬儀所なども含めると八十八の施設で指定管理者制度を活用しているというのは、かなりの規模でありまして、都の公園、霊園行政は指定管理者制度を積極的に活用している分野だといえると思います。
先ほどお聞きしたところによりますと、指定管理者制度の導入によってサービス向上等の成果が出ているとのことではありますが、本格導入から三年目を迎え、多くの施設に指定管理者制度を活用している立場からは、指定管理者制度の成果だけではなく、いろんな課題も見えてくるのではないかと思っております。
都立公園における指定管理者制度の課題について、現在どのように認識しているのか、お伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 都立公園におけます指定管理者の選定では、これまで五年間の指定の期間を基本として公募による選定を行い、一方、指定管理者は指定の期間でございます五年間をスパンとする事業計画に基づきまして、毎年度の事業を展開しております。
この毎年度の管理運営状況を東京都で評価しているわけでございますが、平成十九年度の管理運営状況の評価では、十一の公園が優良となるなど、都立公園への指定管理者制度導入は日常的な公園管理のサービスの向上の点で一定の成果を上げているところでございます。
一方、都立公園の中には、日常的な公園利用に加えまして、例えば震災発生時など不測の事態への備えや、また文化的、歴史的な価値を将来に伝えるべく管理技術の継承など行政上の重要な役割も持ってございます。
防災上重要な役割を担います公園では、訓練やノウハウを積み重ね、震災発生時に的確に対応できる体制を不断に確保していかなければならず、文化財庭園では中長期的な視点に立って文化財としての価値の保存と、それを支える管理技術の継承を行わなければなりません。
今後は都立公園の有する多様な行政上の役割を果たすためという点で、現在の指定管理者の選定方法や評価方法が効果的なものになっているかなどが課題と考えているところでございます。
あわせて、日常的な公園管理においては、指定管理者の業務実施状況を指導監督し、管理運営状況を評価する私ども都職員も必要でございまして、その育成も課題と考えているところでございます。
○宇田川委員 今のご答弁で、評価方法とか人材育成なんていう言葉が出たんですが、我々もまさにその評価の方法自体にも疑問を持っていますし、人材育成を考えれば、五年という期間が果たして妥当なのかどうかという疑問も持っているところであります。
コスト重視に余りにも偏り過ぎますと、サービス低下のおそれも危惧されるところであります。
今も文化なんていう言葉がありましたが、私も、公園は東京の一つの顔であり、また文化だとも思っております。
これは、造園業者の方にお話を伺ったときにいっていたんですが、コストダウンをするおかげで、入札制度によって公園の樹木を伐採、剪定したりするんですけれども、花芽も若い芽も無視してチェーンソーでバリバリと刈ってしまう。春にはきれいな花が咲く予定で草花を入れると、造園業者の中に清掃業者が含まれて、機械によって、植えたせっかくの花も全部ばさっと刈ってしまう。こんな状況があるという話も伺っております。
今申し上げたように、コストを削減するがゆえに弊害が起こっているところもあるということは、ご認識いただきたいなと思っております。
少し話がずれてしまいましたが、さまざま多くの課題があると認識をしているところであります。確かに都立公園は、都民の安らぎやレクリエーションの場であるとともに、震災時における避難場所など都民の安全・安心を支える貴重な空間でもありまして、公園によってもさまざまな役割があるわけでございます。
例えば、震災への備えなどは、実際に地震が発生したときしかわからないというような、効果が見えにくいところもあるでしょうし、民間業者が果たして指定管理者となった場合に、いつ起こるかわからない、しっかりとした地震の備えをしているにもかかわらず、それが目に見えないことによって確保されているかどうかという不安もぬぐえない状況だと思います。指定管理者制度において、公園の持つ多様な行政目的の達成をどのように担保をしていくのかをしっかりとらえて考えることが重要だと思っております。
都立公園における指定管理者制度の課題に対して今後どのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 震災発生時に都との連携による地域防災計画上の活動拠点としての機能の発揮や、文化財庭園における貴重な歴史的、文化的価値の次の世代への継承など、各都立公園の有します行政上のさまざまな課題、役割を的確に果たしていくためには、指定管理者制度の活用方法を次の平成二十三年四月からの指定管理者を選定します次回の選定に向けて検討してまいります。
具体的には、都立公園の特性や役割に応じた効果的な評価方法の工夫を図るとともに、指定管理者の選定の形態、また、効果的な指定の期間、指定管理者の業務内容等を検討してまいります。
さらに、指定管理者を指導監督し、また管理運営状況を評価する都職員の育成に関しましても、経験豊富な職員によるOJTの実施やさまざまな方策によりまして、現場経験を積ませるなど、都立公園の管理を適切に行う人材の計画的な育成に努めてまいります。
○宇田川委員 ほとんどの都立公園の指定期間は二十三年三月までとなっておりまして、その四月からの指定管理者を選定する次回の大規模な選定に向けて、都立公園の多様な行政目的を指定管理者制度の中でどのように達成していくのか、ぜひ積極的に検討した中で取り組んでいただくようお願いをいたします。
今ご答弁では、職員の育成に関する取り組みについてもお話がありましたが、団塊の世代の大量退職という状況もある中で、都立公園の現場で指定管理者制度というアウトソーシングを行うことによって、現場が局から遠くなってしまうという危惧も持たざるを得ません。
我々は、指定管理者制度そのもののあり方についてさまざまな観点から、いろんな方からお話を伺いながら検証を進めてきているところです。三年が経過した今、都としても、この指定管理者制度そのものを、これは建設の所管ではありませんが、一度立ち返ってみる時期だと私は思っております。
先ほども話が出た中で、指定管理者が行った現場の評価であるとか、今話が出た人材育成の部分だとか、あと、先ほどむげに草花を切ってしまう話もありましたが、これが一年の単発じゃなくて、三年、五年という期間でそういう造園業者に委託していたのであれば、私はそういう事態にならなかったと思うし、都が指定管理者に発注するのもまた同じことだと思っていますので、期間もいま一度考える必要があるんではないかな、そんなようないろんな多くの課題があるわけでございますので、一つずつ検証しながらきちんとクリアをしていくべきだと考えます。
ぜひ現場を持つ都政の強みを生かしていただいて、決して現場を離れてしまうような制度にならないように目を光らせつつ、行政としての責任をきちんと果たすための取り組みを進めていただくことに期待をさせていただきます。
以上です。
○大津委員 一般会計補正予算について行います。
米国発の金融危機が世界的な規模の不況へつながる中、都内におきましても、中小企業の資金繰りの悪化、企業倒産などますます厳しくなっています。
今回東京緊急対策を受け、維持工事等を実施することによりましての中小企業対策や災害関連、道路、河川、公園施設等の安全・安心対策、二十一年度事業の前倒しによります事業効果等をかんがみて、補正予算を編成をしているわけであります。この中で確実に景気対策としての目的として、緊急対策を実効性ある中小企業対策としていくことも必要かと思われます。
そういう中で、多岐にわたりますので、きょうは街路樹の維持管理事業、わかりやすい形でこれを一本に深めながら確認をさせていただきます。
東京都では、「十年後の東京」に向けての取り組みが本格化しております。補正予算の中の街路樹の維持管理といいますのは、公園や森やさまざまな緑の点と点を結ぶ道路とはいえ、非常に細くて長い長い距離の縦長の公園に匹敵するぐらいのまちづくりの中では重要な要素を占めてまいります。人や車の移動だけでなく、歩道の快適さ、また美しい道路景観を構成するためにも、緑、これを質を高めながら維持をしていくことも、「十年後の東京」の目標である水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを確実に実現をしていくためにも、非常に道路の有効活用、極めて重要となると考えます。
初めに、平成二十年度建設局補正予算案におけます街路樹の維持管理に関する予算額と、その予算額に占める二十年度の歳出予算と債務負担行為の予算額について、簡単にいえば、前倒しの部分が幾らで、新規の追加が幾らか、その概要についてお伺いをいたします。
○小口公園計画担当部長 補正予算案で計上しております街路樹関係の予算額は、約十九億円でございます。このうち、二十年度の歳出予算に追加します予算は約二億円でございます。また、二十一年度事業の前倒しとなる債務負担行為は約十七億円でございます。
○大津委員 次に、改めてですが、街路樹の維持管理に関する補正予算編成の目的と効果についてお伺いをいたします。
○小口公園計画担当部長 街路樹の維持管理を補正予算で編成した目的、効果のご質問でございますけれども、街路樹を適切に管理してより良好な状態に保ち、その機能を十全に発揮させて都市景観などを向上させていくことは、都民のニーズにかなうものであります。
また、年度末から翌年度初めにかけて全体の仕事量が少なくなる時期に補正予算を執行することで、街路樹の維持管理作業の充実を図るとともに、中小企業の受注機会を確保したものでございます。
○大津委員 今回の前倒しをしたり、分割発注をするような補正予算で実施をしていきます街路樹の維持管理について、その中身についてわかりやすくご説明をお願いいたします。
○小口公園計画担当部長 今回の補正予算を活用した街路樹の維持管理作業は、街路樹の剪定作業と植樹帯などの草取り、除草ですね、清掃、ごみ拾いなどを行う緑地保護管理などでございます。
街路樹の剪定作業は、主に常緑樹の剪定本数をふやしました。また、これまで秋に実施していましたクスノキやモチノキ類などの常緑樹の剪定作業を、より適した時期の四月から五月に実施するものでございます。
また、緑地保護管理委託は、これまで四月に契約をしまして、五月中旬から作業をしておりましたが、今回の補正予算では契約を早めまして、作業の空白期間であった四月初めから五月にかけて継続して作業ができることとしました。
○大津委員 行政の予算というのは四月から三月末期ということで、どうしても木の都合というよりも予算の都合もあって、なかなか木に適した時期に必ず剪定ができるとは限らなかった工事が、今回こういうことが実現するということでありますが、そういう意味では予算的に行政としてはちょっと難しいかもしれませんが、平準化して、こういった工事に事業ができるような何か工夫なども、今からちょっとお考えをいただければと思います。
さて、都道の街路樹といいますのは、それぞれの街並みと調和した道路景観をなしております。例えば、ちょうど十一月は神宮外苑のイチョウ並木が非常に見事に真っ黄色に黄葉し、道路は黄色いじゅうたんのように美しく絵画館が臨め、人々がかなり出まして、昼もライトアップした夜も都民、都民以外の多くの方々の目を楽しませてくれることができました。あすこもちょうど、いわれてみれば都道ですし、ああしたイチョウ並木なども、多分こういう街路樹維持管理としての剪定の中に例年入ってきたわけであります。
一方、渋谷区の表参道のケヤキも、実は戦災でほとんど焼けてしまっていたんですけれども、イチョウは火に強いので、例えば戦災のときにも渋谷区の鳩森神社ではイチョウの木だけが生き残ったという事例がありますが、表参道のケヤキは戦災で焼けてしまいました。その後、地域の方々が苗木を寄附するなどして、この六十何年かでよみがえってきたわけであります。ケヤキも非常に観光資源にもなり、名物にもなり、表参道ヒルズはこのケヤキを優先して高さ規制をして、地下を非常に掘り下げて、建物の方を調節をしてつくったというぐらい、まちづくりの中で都道の街路樹が、ある意味で非常に大きなウエートを占めてきております。
そこで、お伺いをいたしますが、イチョウ並木やケヤキ並木など、こうした街路樹はどのような工夫をして剪定をこれまでしてきているのか。そして、並びに渋谷区内を走ります環七、明治通り、山手通り、井ノ頭通りで、あわせて環八通り、こうした都道を中心としました樹木の維持管理作業について、樹木の剪定をどのように行ってきたのかをお伺いしたいと思います。
といいますのも、剪定作業というのは、だれしも目にしたことがあるぐらい生活に密着をした風景でありましたが、意外といつ、どのように、何年周期で木を切ってくれているのか、わからなかったりもいたしますので、これを機にそれについてご説明をお願いいたします。
○小口公園計画担当部長 神宮外苑のイチョウ並木は、明治神宮外苑と連携して四年に一度、葉が落ちた後の冬に木の姿を整える剪定をしております。ここでは、風格ある景観をつくり出すため、樹木の姿を美しい円錐形に仕立てております。そして、絵画館側に向かって樹木の高さを低くすることで、遠近感を強調した演出をしております。
表参道のケヤキは、大きな枝を広げる自然な姿を維持していくため、毎年春から夏にかけて行う枯れ枝の剪定を実施しております。
また、環七、環八、明治通り、山手通り、井ノ頭通りには、イチョウやプラタナスなどの落葉樹やウバメガシやヤマモモなどの常緑樹の街路樹が植栽され、毎年剪定しますプラタナスを除きまして、それぞれ二、三年に一度の割合で、秋から冬の適期に剪定を行っております。
○大津委員 そうした道路での特徴のある街路樹維持管理、また、イチョウやケヤキなどの非常に観光資源としても大切な街路樹の維持管理も、都がしてきているということで、よくわかりました。
そこで、ちょっともう一回話を戻したいと思うんですけれども、この緊急対策といたしまして、中小企業や疲弊をしかけている、しかし、技術のある小さな企業にもちゃんと回っていく可能性があるのかどうかを検証しておきたいと思います。
中小企業への受注機会確保についてのお考えをお伺いします。
○小口公園計画担当部長 街路樹の維持管理業務は、地元に密着した中小企業が行う業務として適したものであります。こうした業務を発注量が減る年度末に集中的に数多く発注することで、中小企業の受注機会を確保してまいります。
○大津委員 さらにお伺いしますのは、受注機会、受注件数をふやすことで、さらに技術力のある、しかし、取れなかった企業やチャンスのなかった企業にも回っていく可能性があるということであります。
例えば、具体的には受注条件を何か緩和をしたり、また発注仕様書の中身を変更したり、そういうことがあるのかないのか。また、なければ、そういった景気対策として回っていく可能性が既に現行の仕様書の中でも十分生かされているのか、その点についてお伺いをいたします。
○小口公園計画担当部長 街路樹の維持管理作業は、多くの人や車が行き交う厳しい作業環境の中、生き物である樹木を都市景観を向上させる美しい姿にしていくことが重要であります。業務責任者となる技術者には、安全管理や品質管理を適切に行うための知識や経験が求められます。
このため、維持管理作業の委託契約の中では、作業の管理運営に必要な知識ですとか、技能、資格及び経験を有する業務責任者の選任を義務づけております。業務責任者の資格要件は、専門的な資格を持つ者や造園に関する学科を修め、一定の期間の実務経験を経た者、街路樹の維持管理などの実務経験を十年以上有する者などでございます。
今回の補正予算の執行に当たりましても、これまでと同様、委託業務契約を締結して実施してまいりますので、業務責任者の資格要件を緩和する予定はございません。
しかしながら、先ほど申し上げましたように、この街路樹の維持管理業務は地元に密着した中小企業の皆さんに、植樹帯の維持管理並びに街路樹の剪定を実施してもらうものでございます。私ども都道の管理におきましては、地元に密着した各工区の単位で業務を発注することになっておりまして、中小企業の皆さんに活躍する機会をたくさんつくってまいりたいと考えております。
○大津委員 わかりました。そこで、街路樹管理の基本としましては、必要な剪定管理に応じた費用の確保や、剪定に従事する技能者の育成も大切だと考えます。職人わざとも思えるこうした人と技術の育成と伝承というのが、都立庭園の松の剪定もそうでありますけれども、やはり人と技術の育成と伝承がどうしても民間の自前だけでは苦しい部分もあると思います。
したがって、ここで聞いておきたいことは、技能者の育成について都の取り組みをお伺いするとともに、一方、業界ではどんな努力をしているのか伺います。
○小口公園計画担当部長 街路樹の剪定に従事する技能者は、樹木を健全に育成するための専門知識と樹木の種類や生育条件、沿道の状況に応じた樹木の姿づくりを行う技能が必要でございます。
都では、剪定業務の着手に当たりまして、受注した業者と都の監督員などの関係者を集めまして、経験と技術力のある技術者による見本の剪定や剪定の指導を行う講習会を開催するなど、技術力の向上に努めております。
また、業界団体では、街路樹に関する専門知識とすぐれた剪定技能を有する街路樹剪定士の資格認定研修会や樹木剪定講習会などを開催し、技能の向上と育成に努めております。
○大津委員 人と技能の育成と伝承とともに、すぐれた職人わざによる首都東京の街路樹づくりをこれからも推進していくとともに、今回は景気対策として、多くの人たちが仕事を得るという機会をつくっていっていただきたいと思います。
最後に、道路は道でもありますけれども、本当に点と点を結ぶ細くて長い長い公園だという、公園道路とのとらえ方も一方しながら、「十年後の東京」に向けてふやしていく街路樹で公園をつなぎ、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を建設局として復活させていく、この意気込みについて最後にお伺いをします。
○小口公園計画担当部長 「十年後の東京」では、都内の街路樹を百万本に倍増させることを目標としており、実行プログラム二〇〇八では平成二十二年度末までに街路樹を七十万本にふやし、都市公園などの緑の拠点をつなぐグリーンロードネットワークを形成することを目指しております。
グリーンロードネットワークの形成に当たりましては、街路樹を着実に充実していくとともに、今回の補正予算も活用して、きめ細やかな維持管理を通じて樹木の健全な育成や機能の維持向上を図り、快適な道路空間の創出に向け努力してまいります。
○小磯委員 今回の補正予算では中小企業支援の観点から、建設局では中小企業対策、施設の安全・安心対策、事業効果早期発現といった三点を重点事項として予算を編成をしておられます。
都内企業の倒産件数は前年に比べ増加をしており、金融危機が東京の中小企業経営にも大きな影響を与えております。中小企業の経営の動向は、東京の経済にも大きな影響を与えます。受注機会の確保は待ったなしの状況といっていいのではないかと思います。
そこで、今回中小企業対策として計上した事業の具体的内容についてお伺いをいたします。
○藤井総務部長 今回の補正予算で計上いたしました維持工事等の事業の具体的内容ということでございます。道路、河川、公園を適切に維持管理して良好な状態に保ちまして、その機能を十分に発揮させていくことは、円滑な都市活動や都民生活を支えていく上で極めて重要でございまして、また都民のニーズにもかなうものと考えております。
これら維持工事の実施に当たりましては、地域の実情を熟知しております中小企業が大きな役割を果たしてまいりました。技術力を持った中小企業の活用は欠かせないものと考えております。
今回の補正予算では、中小企業により施工が適しております維持工事を多く選定いたしまして、その具体的な内容といたしましては、道路維持修繕、沿道の除草、橋梁維持補修、街路樹管理、公園の樹木管理などでございます。
○小磯委員 これらの事業の実施に当たっては、まさに現場感覚に根差した実効性ある対応が求められるんだと思います。事業を実施するに当たってどのような効果が期待できるのか、お伺いをいたします。
○藤井総務部長 維持工事などの中小企業の施工に適した事業を当初予算に追加して実施していくことによりまして、受注機会の拡大をしていくことができると考えております。さらに、債務負担行為を活用することによりまして、年度末から年度初めの端境期に工事量の確保と工事の平準化を図るということが期待されると考えております。ひいては中小企業対策に資するものになると考えております。
維持工事の事業の実施によりまして、施設のより安全で快適な利用を図りまして、地域や都民のニーズに的確にこたえてまいります。
○小磯委員 ところで、今月の十日に、建設業者の年末の資金需要期に向けた対策として、国土交通省から都道府県、また政令市に対して、工事検査と支払いの迅速化を求める通知が出されたとの報道がございました。
今回は年末に向けての対策ではございますが、補正予算の執行に当たってもこのような観点から、予算成立後の速やかな発注、工事検査と支払いの迅速化、こういったものを図るべきと考えますが、局の見解を伺います。
○鈴木企画担当部長 これまでも工事の実施に当たりましては、計画的な発注、迅速な検査や工事代金の支払いに努めてまいりました。
十二月八日付の国土交通省の通知を受けまして、工事検査と支払いの迅速化について直ちに局内に周知を図りました。
このたびの補正予算の編成や東京緊急対策Ⅱの趣旨を生かしていくため、昨日、局内各部に対して早期発注などに努める旨の指示を局長から行ったところでございます。
さらに、一連の手続についてより一層の迅速化を図っていくため、対策本部を局内に設置いたしました。現下の経済状況を十分勘案し、中小企業の資金調達に的確にこたえていくため、局を挙げて創意工夫を図り、早期発注や迅速な検査、支払い手続に十全を期してまいります。
○小磯委員 局内に対策本部を設置してやっていくということで、本気度がわかるわけでございますが、事業の実施に当たっては中小企業の危機克服などを目指した東京緊急対策Ⅱの趣旨を十分に酌み取っていただき、広く中小企業に仕事が行き渡るよう、また発注ロットの細分化など発注形態についても配慮をお願いをしたいと思います。
続きまして、丘陵地の公園整備についてお伺いをいたします。
「十年後の東京」に示された水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を実現する上で、都立公園が果たす役割は大きいと考えます。
そこで、今回の補正予算案における公園関係の経費についてお伺いをいたします。
補正予算案では公園霊園費の用地費として五十億円が計上されておりますが、その内容についてお伺いをいたします。
○角南用地部長 全七公園で合計約七万一千百平方メートルの用地取得を予定しております。内訳は、まず、多摩地域の丘陵地に残る緑を確保するため、八王子市内の長沼公園で約四万二千平方メートル、滝山公園で約四千平方メートル、町田市内の小山田緑地で約一万八千平方メートル、また、災害に強いまちづくりや都市環境の保全のため、杉並区内の和田堀公園で約六百平方メートル、練馬区内の石神井公園で約四百平方メートル、江戸川区内の篠崎公園で約二百平方メートル、西東京市内の東伏見公園で約五千九百平方メートルを予定しております。
○小磯委員 私の地元である小山田緑地で一・八ヘクタールの用地を取得するという答弁でございましたが、ちなみに計上している予算はどれぐらいなのか、お伺いをいたします。
○角南用地部長 小山田緑地では、今回用地取得費として三億六千万円を計上しております。
○小磯委員 この小山田緑地の用地取得につきましては、建設局がいわゆる借地公園ということで地主さんから借りて、そして公園としてもう既に整備をされているところでございまして、今回いわゆる緊急対策Ⅱということで五十億円の用地取得費が計上されて、そういう借地公園でございますので、やはり借地公園と申しますと、何かの原因で返してもらいたいとか、また契約期間も訪れるということで、確実に永続的にということではやはり取得をするということが大事かと思います。そういった意味で今回取得をしていただくという予定でございます。
今回の補正で取得する七ヘクタール余りの用地のうち、小山田緑地を初めとして丘陵地の公園が六ヘクタール以上占めております。多摩地域には丘陵地を中心として良好な雑木林や里山の自然が残されているものの、開発の圧力にさらされ、貴重な緑が失われる事例が後を絶たないわけでございます。
丘陵地の公園は多摩地域の緑を守る上で重要な役割を果たしており、今後とも用地の取得を図り、積極的に公園整備を推進すべきと考えております。
都は、「十年後の東京」の実現を目指し、三百ヘクタールの都市公園の整備を計画的に進めていくこととしておりますが、このうち丘陵地の公園の整備目標とこれまでの実績について、お伺いをいたします。
○小口公園計画担当部長 丘陵地の都立公園は、豊かな自然環境を保全するとともに、都民が自然に触れ合える場所として重要な役割を果たしております。
「十年後の東京」では、平成十八年度から二十七年度までの十年間に都市公園を三百ヘクタール整備することを目標としており、このうち小山田緑地を初めとする丘陵地の公園で百二十五ヘクタール整備することを予定しております。
これまで、平成十九年度までの二年間で約三十ヘクタールを開園し、進捗率は約二四%となっております。
○小磯委員 ただいまの答弁から、丘陵地の公園整備が着実に進んでいるということがわかりました。
丘陵地の公園の整備をさらに推進するため、今後どのように取り組んでいく予定なのか、所見をお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
○小口公園計画担当部長 丘陵地の公園整備を推進するため、用地の確保に当たりましては、国費の導入に努め、関係権利者の理解と協力を得ながら用地を取得してまいります。
また、地権者から無償で土地を借り受ける借地公園制度も有効に活用してまいります。
施設の整備に当たりましては、地元で活動しているボランティア団体等との協力を得ながら、多様な動植物の生育環境を保全するとともに、多くの利用者が自然に触れ合えるよう、自然観察や眺望を楽しめる散策コースなどを設けてまいります。
今後とも丘陵地公園の用地の確保と施設の整備を進め、多摩の豊かな緑の保全と活用に積極的に取り組んでまいります。
○村松委員 東京都の補正予算編成の考え方、これによりますと、都民の不安を正面から受けとめ、具体的手だてを一刻も早く提示し、実行する、緊急に予算を要するものについては、直ちに十二月補正予算を編成し、速やかに実施する、このように述べております。
また、知事は、近年、非正規雇用者が増加したことなどから、今後、過去の景気後退局面以上に雇用への深刻な影響があらわれると考えられ、より即効性のある雇用対策が求められております。行政みずから雇用を生み出して、失業者の増加を抑えなければなりません。そこで、都は、都道等の樹木剪定作業などを通して当面の雇用につなげ、区市町村とも連携しながら、延べ五十万人分の雇用を生み出してまいります、と所信表明でいっております。
そこで、建設局における緊急対策について伺います。
まず、今回の建設局における補正予算の事業とその配分についてお示しください。
○藤井総務部長 今回の補正予算の概要でございますが、補正予算の編成に当たりましては、中小企業対策、安全・安心対策、事業効果の早期発現の三点を重点項目と設定いたしまして、緊急性、実効性のある対策が可能な事業を計上したところでございます。
主な事業につきましては、道路、河川、公園などの維持管理や補修、災害防除、河川防災、砂防海岸保全施設の整備、道路街路の整備や公園の整備などでございます。
内訳ということでございますが、東京緊急対策Ⅱにおける緊急雇用対策の内訳ということでよろしいでしょうか。これは全体でございますが、歳出予算額といたしまして十四億九千三百万円、道路橋梁維持につきましては七億五千四百万円、河川維持につきましては四千九百万円、公園等の管理につきましては六億九千万円を予定してございます。
○村松委員 この中には用地費は入っているんでしょうか。
○藤井総務部長 用地費も入ってございます。用地費につきましては百五十億円、道路橋梁費が百億円。--失礼いたしました。ただいまの十五億円の中ということでございますか。
○村松委員 十五億円じゃなくて、百七十二億円。
○藤井総務部長 全体の中でございますね。全体の中には入ってございます。ただいま申し上げましたように、道路橋梁費の中で用地取得費が百億円、それから公園整備費につきましては、用地費が五十億円ということでございます。
○村松委員 用地費が百五十億円入っているということなんですが、緊急対策というんなら、中小企業に仕事が発注できる市町村土木費補助が役立つというふうに思うんですね。ところが、補正予算には、この市町村土木費補助は入っておりません。この市町村土木費補助は道路とか路面補修、橋梁補修、河川、交通安全施設、公園整備など、まさに雇用にも中小企業にも役立つ、そういう事業だと思うんですね。
なぜ今回の補正予算の中に市町村土木補助を入れなかったんでしょうか。
○藤井総務部長 東京緊急対策Ⅱの考え方でございますが、先ほど先生からもご指摘ございましたように、雇用の確保ということで、公的な雇用の生み出す緊急対策といたしまして、先ほど私がご説明いたしました十四億九千三百万円、そのほか先ほどの用地も含めまして中小企業向けの公共工事の年度内発注量の増大ということで、百六十二億五千万円を計上しております。
また、維持工事におけるゼロ都債の活用ということも、今回の補正には含まれております。全体として中小企業対策に資するという観点から、今回は補正予算を計上したところでございます。
○村松委員 先ほどお話しありましたが、建設局関係の不況対策というか、中小企業対策は十四億九千三百万円と。五十億円の公園用地、これはともかくとしても、百億円の道路建設費、ここのお金を本当に中小業者の皆さんの仕事や雇用に使うんだったら--雇用に使うことが今本当に求められているんじゃないかなというふうに思うんです。
次に、今年度の公園整備費はどんな事業に使われているのか、伺います。
○小口公園計画担当部長 平成二十年度の公園整備予算はどういうところに使われているかというご質問でございます。主な内容でございますけれども、防災拠点となる東京臨海広域防災公園の整備、それから城北中央公園や武蔵野の森公園などの公園の拡張を行う整備、また、駒沢オリンピック公園など既存の公園の防災機能を強化する整備などを予定してございます。
○村松委員 一般の公園の整備費なんかにも使われるというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○小口公園計画担当部長 ご質問は、平成二十年度の公園整備費はどういうところに使うのかというご質問でございましたものですから、そのことを答弁いたしました。
○村松委員 などの中に、それだけじゃなくて、ほかのも入っているんでしょうということで質問したつもりです。
○小口公園計画担当部長 公園整備予算の中には、先ほど主な内容をお伝えしましたけれども、それ以外の公園についても入ってございます。
○村松委員 雇用問題は、今後ますます深刻になってくるというふうに思います。自動車産業に続いて電機産業のソニーが国内で八千名の正社員の人員整理まで報道されている。それだけに自治体が今やれるべきすべてのことをやることが強く求められている、このように思うんです。
それでは、補正予算の緊急対策費について、具体的にどの事業に幾ら予定しているのかをお示しください。
○藤井総務部長 補正予算の内容ということでよろしいでしょうか。
○村松委員 中小企業向けの。
○藤井総務部長 今の事業内容ということでよろしいでしょうか。
○村松委員 緊急対策費の具体的な、中小企業への緊急支援です。
○藤井総務部長 今回の補正予算につきましては全体で二百五十六億でございますが、債務負担行為も含めまして、補正予算の事業内容といたしましては、道路橋梁費が百七十三億、河川海岸費が十六億、公園霊園費が六十七億でございます。
○村松委員 先ほど答弁した十四億九千三百万円の緊急雇用対策ですか、そこの内容を示してほしいんです。
○藤井総務部長 補正予算でございますが、十四億九千三百万円につきましては、公的雇用を生み出す緊急雇用対策ということで、道路維持につきましてが二億九千三百万円、橋梁維持が四億六千百万円、河川維持が四千九百万円、公園管理が四億六千八百万円、その他動物園管理、霊園・葬儀所管理等でございます。
そのほかに中小企業向けの公共工事の年度内発注量の増大ということで、百六十二億五千万円、そのほか維持工事等に対するゼロ都債の活用なども今回の補正予算では計上してございます。
○村松委員 この東京緊急対策Ⅱを見ますと、緊急対策の事項と事業規模というところで、五十万人分の公的雇用を生み出す緊急雇用対策を新規実施ということで、産業労働局と建設局が含まれているんですね。これは十五億含まれていると思うんですが、このうち建設局発注の道路、河川、公園などの樹木剪定、あるいは除草、緑地の管理などで延べ二十万人を創出するとしているんですけれども、公的雇用創出をどのように担保して発注するのか、その辺をお示しください。
○藤井総務部長 中小企業対策に資する事業を主に選定することによりまして、最終的に雇用創出に結びついていくのではないかという考え方に基づきまして、今回このような事業を選定させていただいておるところでございます。
○村松委員 そういう抽象的なことでなくて、例えば今答弁いただいた一つ一つの事業に対して、どのくらいの雇用を創出するのかということの答弁をお願いしたいんです。
○藤井総務部長 雇用につきまして、直接私どもの方で何人というような数字をお示しするような立場にはございません。
先ほど来ご答弁申し上げておりますように、今回の補正予算では中小企業に適した事業を主に選定することによりまして、最終的には雇用対策にも資するものと考えておるところでございます。
○村松委員 中小企業の営業支援と同時に雇用に結びつくというふうな考え方はあると思うんですが、しかし、東京都が今度の補正予算の中で鳴り物入りで五十万人の公的雇用を生み出す緊急雇用対策と、その具体的なところが、東京都が二十万人の雇用を創出したいと、それから区市町村が三十万人というふうにいっているんですよね。ですから、多くの都民の人たちは、特に自分がリストラとか、あるいは雇いどめ、そういうふうに遭った人にすれば、この施策というのは非常に注目しているんですよね。そういう意味で余り抽象的な答弁はしてほしくないんですよ。
しかも、この百五十億の用地代というのがありますけれども、この問題なんかも本当に今、百億は必要なのかどうなのかということもあると思うんです。
そこで、伺いますけれども、さっき答弁ありました道路橋梁費の百億円の事業、これが具体的にどこをどういうふうにしようとしているのか、伺います。
○角南用地部長 補正予算の中の街路事業費の用地分でございますけれども、まず、区部におきまして、放射七号線、大泉で約七千平方メートル、三十億円、放射第二五号線、新小川町で約五百平方メートル、十億円、また、補助第二六号線、東北沢で約一千平方メートル、十億円を予定しております。
次に、多摩地域を申し上げます。
多摩地域では、三鷹三・二・六号線で約一千平方メートル、十億円、また、国分寺三・二・八号線で約一万平方メートル、四十億円でございます。
なお、先ほど中小企業対策ということのお話がございましたけれども、もちろん用地取得に引き続いての道路整備、公園整備というのもございますが、また、用地取得そのものから派生する効果といたしましても、移転先の宅地の購入や、また住宅の新築、リフォーム、その引っ越しと、また、それに伴う耐久消費財等への支出も期待されると考えております。
○村松委員 用地買収費に百億円というふうにおっしゃっていましたけど、これが即緊急対策には結びつかないと。今もう早急に求められるのはやっぱり中小業者の営業と暮らしであり、雇用確保の問題なんですね。
それでは、もう一回お聞きするんですが、今お答えいただいた道路橋梁費の用地買収は、どこのどの土地を購入するのかというのはもう決まっているんですか。
○角南用地部長 用地取得を行う画地についてでございますが、早期に事業効果を発現させることができるかどうかなどの観点から、順次、関係権利者と折衝を行い、移転補償の合意が得られた方々から取得していく予定でございます。補正予算が成立した後でございます。
○村松委員 要するに先ほど答弁があった国分寺三・二・八号線とか、調布保谷線とか、放射七号線、こういったところの用地をいつでも買えるように準備しておくと、そういう用地費なんですよね。だから、緊急対策なんていっても、本当に緊急対策の役に立たないんですね。
私は、緊急対策というのなら、その道路用地の買収は保留にして、その百億円を不況緊急対策として、すぐ役に立つような仕事に使うことが大事だと思うんです。
例えば、市町村土木費補助ですが、私の住む地元の日野市の市道、でこぼこの道路なんですね。本当に、私は、こういうところにこそ(「道路整備に反対なんだから、いいじゃないですか」と呼ぶ者あり)生活道路には反対じゃないんです。そういう道路補修、路面補修、そういうのは私たちも積極的に要求してきましたし、そういう立場でいるんです。そういうところにこそ私は振り向けるべきだ、このように思うんです。
先ほどの答弁にもありましたけれども、建設局の補正予算を見ると、雇用確保予算というのはほんの微々たるものと。百億円の道路用地を購入する予算、これを中小業者に役立つように使うこと、これが大事だと思っております。
しかも、この百億円の道路予定地、ここが都民から見てどんな役割を果たしているのか、そういうことなんですね。例えば、国分寺三・二・八号線も放射七号線も近隣住民の反対運動が強いし、それから住民合意が十分得られていないし、場所によっては裁判も起きているところがあるんですよね。今、公園の整備が急がれているときに、今回の補正予算では五十億円の用地買収予算が計上されておりますけれども、私は今の公園整備、ここにもっともっと力を入れてほしいというふうに思います。
用地買収は済んでいても、いまだに未開園の公園もあると思うんですね。そういうところの整備にも力を入れる必要があると思うんですが、その辺についてはいかがでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 道路に関するご質問がありましたので、お答えさせていただきたいと思います。
先ほどからお答えしておりますけれども、渋滞解消に特に効果の高い三環状道路、あるいは都市の骨格を形成する区部環状、多摩南北、東西を結ぶ方の幹線道路、こういうようなものを集中的に整備しているわけでございますが、それらと一体となって地域の道路、こういうものも重要なことでございまして、一緒に整備をしているところでございます。
そのほか今、委員の方からご指摘がございましたように、都としましては、道づくりパートナー事業だとか、市町村土木補助を通じて市町村が行うまちづくりも積極的に支援しているところでございます。
市町村土木補助事業につきましては、もうご存じのように、市町村が事業主体となって行う事業について、東京都が市町村に対し財政的、技術的支援を行いながら、市町村の整備促進とまちづくりを促進しているものでございます。
今回の緊急対策としまして、都が実施する事業に対しての補正でございまして、市町村が行う予定のないものに対して、市町村土木補助を入れるわけにはいかないわけでございましたので、今回はそういうふうにはしてございません。
○角南用地部長 先ほどの答弁に追加させていただきますが、街路に係る用地取得でございますが、すべての街路において事業を当然開始しているものでございます。
現地におきましては、用地買収、買ってくれという引き合いも多々ございまして、この補正を成立させていただいた後、すぐさま取得に入るというふうに考えております。
○小口公園計画担当部長 村松委員から、都立公園の用地取得地をまだ開園していないという状況があるのではないかというお話でございました。先ほど小磯委員にお答えをしましたように、私ども都立公園で丘陵地の公園を「十年後の東京」の目標の中で百二十五ヘクタール開園していこうということで、今、一生懸命努力しているところでございます。
それは、既に買った土地と買った土地の間を、例えば借地で借りてつなげるですとか、また、そこを新たに用地を取得するですとか、そういった工夫をしながら着実に公園を整備しているものでございます。
また、公園は周辺に道路が来ないと公園も利用できませんので、都市というものはそういう総体的につくっていくということで、いい都市がつくられると考えております。よろしくお願いします。
○村松委員 公園整備は一カ所だけでなくて、都内至るところにあるんです。その公園は、用地買収をしてもまだ整備されていないところがたくさんあるんです。そういうところの仕事をしていただきたい。
それから、今あるところの公園だって、もっともっと手をかけなければならないことがたくさんあるはずなんですよ。そういうことをしていただきたいということをいっているんです。
そもそも、この東京緊急対策Ⅱ、ここでは中小企業活用による都市インフラの整備というところがあるんですね。その現状と課題が書かれているんですが、そこでは資材価格の高騰などにより、建設業の状況は急激に悪化している、年度末から年度初めにかけては、公共工事の発注件数が少ない状況だ、今後とも、インフラ整備の推進に、企業数の多くを占める中小企業を活用することが重要だとまで書かれております。具体的には、中小企業向け公共工事の年内発注量の増大として、路面補修工事、橋梁の塗装工事、道路維持工事などの都単独の中小企業向け公共工事を追加し、年度内発注を増加しますとあるんですね。
したがって、緊急対策Ⅱの段階では、大型道路建設の用地買収は俎上にのっていないんですよ。したがって、用地買収予算を他の雇用対策や中小企業に役立つものに変えることが求められております。私は、急ぐことのない道路予定買収百億円の補正予算の組み替えを提案いたします。
以上です。
○藤井総務部長 ただいま先生のおっしゃいました東京緊急対策Ⅱの中小企業向け公共工事の年度内発注量の増大、先ほど私、再三にわたりご答弁申し上げましたように、道路用地の取得も含みまして、道路災害防除ですとか、あるいは街路整備、橋梁整備、そのほか河川防災につきましても、この枠の中で百六十二億五千万計上してございます。
そのほかにすべて含みまして、中小企業に資する事業で緊急性のある事業を今回厳正にセレクトいたしまして、計上したところでございます。
○原田委員 それでは、質問させていただきます。
私は、建設局二十年度補正予算案について質問したいと思います。
東京緊急対策Ⅱでは、都が直接実施する緊急雇用対策として、雇用につながる事業を追加実施するとしています。その主な事業の内容と選んだ視点についてお伺いします。
○藤井総務部長 東京緊急対策Ⅱにおきまして、雇用につながる事業として実施するものにつきましては、道路、河川、公園などの維持管理事業を選定してございます。具体的には、道路維持修繕、沿道の除草、橋梁維持補修、街路樹管理、公園内の樹木管理などが対象となってございます。
これらの事業につきましては、中小企業による施工が適した事業でございまして、事業の実施によりまして、地域に密着した技術力のある中小企業の活用が図られるものと考えております。
○原田委員 緊急対策Ⅱでは、臨時雇用を念頭に入れたんでしょうが、専門技術などがない求職者でも従事できるようにと書かれています。専門技術がないとできない事業も、何か今聞いた中では多いように思います。慌ただしい年度末の事業でもありますので、臨時的雇用者の事故のないような配慮も願うものです。
次に、九月補正は十年ぶりといわれましたが、十二月に補正を行うこともまれであるようです。世界的な金融危機をきっかけとして都民が危機的状況となっていることを考えれば、その対策への取り組みは早いことにこしたことはありません。
そこで、今回の補正予算の目的とねらいについてお伺いします。
○藤井総務部長 十一月に東京緊急対策Ⅱが策定されまして、緊急に予算を要するものにつきましては、直ちに十二月補正予算を編成して、速やかに実施することといたしました。
建設局といたしましては、中小企業対策、安全・安心対策、事業効果早期発現の三点の重点項目を設定いたしまして、緊急性、実効性のある対策が可能となった事業を計上したところでございます。
速やかに事業執行を通じまして、中小企業対策などの今回の補正予算の目的であります重点項目を実現することを目指してまいりたいと考えております。
○原田委員 年度内に行う維持工事については、できるだけ早く契約して工事を実施、完了させ、中小企業者の資金需要にこたえることが必要だということはいうまでもありません。国の流れもあるようですし、前の委員のご答弁にも出ていました。
事業の実施に当たって、公表、入札、入札決定までの流れについてお伺いします。
また、契約までのスケジュールと中小企業者に工事代金を支払う時期はどのぐらいになるのでしょうか、お伺いします。
○藤井総務部長 工事の発注契約につきましては、金額等によりまして、財務局と建設事務所等が行うものがございます。今回の補正予算に計上いたしました維持工事等の事業につきましては、その大部分が事務所において発注契約を行うものであると考えております。
契約の流れといたしましては、まず工事発注予定の公表を行いまして、入札参加の希望をとります。その後に指名委員会を開催いたしまして、適正な見積もり期間を経て、入札、契約となるわけでございます。
契約締結の時期でございますが、公表の期間など所定の手続をとった上で、可能な限り早期に契約が行えるよう、先ほどご答弁申し上げました対策本部などにおきまして、進行管理を徹底いたしまして、進めていきたいと考えております。
当然のことですが、早期に工事が完了するものにつきましては、年度内に工事代金の支払いができるように努めてまいりたいと考えております。
○原田委員 維持工事の実施に当たって現場状況に精通した事務所が音頭を取るというか、仕切るということでは、かなりきめ細かな中小企業対策になるのではないかと期待するものです。それで、早く、迅速にということで対策本部ができたということも、非常に意気込みを感じるわけです。
ところで、緊急対策Ⅱの中で、悪化する雇用環境への対応という項目の中で、建設局の費用が出ているというところに私もちょっとこだわりまして、質問するわけですが、都が直接実施する緊急雇用対策の効果として、ここで延べ二十万人、補正では二十万人分の雇用創出効果があるとしています。事業実施に当たってというか、入札のときですか、雇用する契約を条件に入れるということでもしなければ、なかなか雇用につながらないかなと思いますが、そのような手だてということは可能なんでしょうか。
○藤井総務部長 工事請負等の契約に当たって契約書上に所要の人員を指定して明記するということは、労働関係法令の規定に照らしまして適切ではないと判断しております。
また、事業を実施した結果、受注企業におきましてどれだけ雇用につながったかということにつきましては、発注者側としては知り得ない立場にあると考えております。
しかし、一般的に雇用創出効果があるとして行います公共事業を増額するということの事例は多いわけでございまして、今回中小企業が適している事業を特に選定させていただきましたので、雇用につながるものと期待しております。
○原田委員 確かに即雇用につながるという事業は難しいなというふうな感じはしますけれども、今、中小企業自身そのものが大変苦しい状況でありますから、新たな雇用までいくかどうかということは、私は大変懸念するわけです。ですから、そのような意味で雇用創出のための対策という--中小企業対策というところでいうと、私は非常に納得するわけなんですけれども、公的な資金を導入するために必要な説明というか、いわゆる雇用創出のための資金導入という点では、その説明責任は何かちょっと難しいかなという気もします。
そのような意味で今回取り上げた事業に関して見ますと、道路や公園などの施設を適切に維持管理していくというような話は、雇用というよりも将来のまちづくりという視点でのチョイスということでは、必要な事業ということで評価をするものですけれども、雇用対策として選択していくときの建設局の皆さんの苦労がちょっとはかり知れるというか、大変だったなという気もしますけれども、その中で実際、中小企業支援とか、三つの柱の中で事業を選ばれた。その中で道路や公園などの維持管理が入ったということは、私は基本的には歓迎するわけです。
このような視点で補正予算として事業を追加して実施する意義や効果はどんなところにあるでしょうか、お伺いします。
○藤井総務部長 建設局では都市基盤整備を積極的に推進しておるわけでございますが、まだ道半ばという感がございます。また同時に、今ご指摘のとおり、適切な管理を行いまして、例えば子どもを安心して遊ばせられる公園ですとか、安心して安全に通行できる歩道や道路の実現をしていくことも、また、これは大切なことだと思っております。
その観点から適切な維持管理を行っていくことが重要でございまして、これまでそれにつきましてはなかなか予算制約もある中で、さまざま工夫しながら維持管理を行ってきたわけでございますが、今回補正予算で実施することによりまして、さらに地域や都民のニーズにこたえていくことができると考えております。
○原田委員 社会基盤施設はつくるだけでなく、つくった後、長く安全に利用されるということが大事だと思います。社会基盤をしっかり維持管理していくことが、これから成熟した社会に求められることかなと思います。今ある施設を長く大事に使っていこうという時代だと思います。これからも社会基盤施設の維持管理は重要だと思いますので、よろしくお願いします。
しかし、この緊急雇用対策としての課題は残っていると考えております。二十万人の雇用を打ち上げたわけですから、その責任というか、打ち上げたからにはその効果が都民にとって見えるものでなければならないなということは実感するわけです。来年度は雇用創出につながる対策について市区町村と連携して行うということで、また、ある意味では身近な事業が動く可能性があるのかなと思います。どんな形で出てくるか、今回の緊急雇用の状況を十分検証していただきたい。そして、全庁的に知恵を出し合って雇用対策に取り組んでほしいと要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○吉田委員 どうもお世話さまでございます。ラストバッターですので、めり張りをつけてやらせていただきます。
冒頭、補正予算につきまして、私からも即効性のある事業を迅速に執行していただくということを改めて要望させていただきまして、本日の質問に入らせていただきます。
環境局さんの方でも指定管理者の指定に関して質疑を本日させていただいたんですが、建設局関係、こちらに議案が上がっておりますので、質問をさせていただきます。
都立の都市公園の指定管理者につきましては、これまで東京都指定管理者選定等に関する指針に基づいて、公募を原則として選定をしてまいりました。しかし、今回新たに指定管理者制度を導入する日比谷公園、代々木公園、水元公園の三公園につきましては、特命によって東京都公園協会を指定管理者として選定をしたということであります。
先ほど宇田川副委員長の質疑でやりとりを聞かせていただきましたけれども、既に指定管理者制度を導入している公園の終了時期と合わせるということで、平成二十三年三月三十一日までの二年間とするということは私も理解をいたします。
しかし、この指定期間が二年間だからといって、直ちにこれを特命で選定するということには直接は結びつかないというか、これ以外の方法がないかといえば、これまた検討の余地があるわけでございまして、競争性の確保、あるいは民間事業者の参入機会の確保などという観点からは、たとえ二年間であっても公募によって選定することも可能であったわけでございますが、この点について所見を伺います。
○安藤公園緑地部長 これまで都立公園の指定管理者の選定におきましては、原則として公募により選定を行ってまいりました。
今回は、指定の期間を既に制度を導入しております都立公園の終了時期に一致させて二年間としまして、二年間でサービスの向上と効率的、効果的な管理の実現という制度導入の目的を実現するために、各公園の特性を踏まえまして、既に指定管理者制度を導入しております既存のグループに編入させてもらったところでございます。
こうした考え方に基づきまして、日比谷公園におきましては都市部の公園グループに、また代々木公園、水元公園につきましては防災公園グループに編入いたしまして、その管理者でございます東京都公園協会に特命したものでございます。
なお、指定管理者選定等に関します東京都の指針におきましても、公募による指定の期間につきましては三年間が下限と考え方が示されているところでございます。
○吉田委員 ありがとうございます。ただいまの説明もよくわかるわけですが、これを既存のものと一緒にしていくということ自身について、また検討ということをしていく必要があろうかと思うんです。
私といたしましては、民間事業者に参入機会を与えるということ自身は、これは非常に大事なことだと考えております。というのは、都立公園の指定管理者が公募されますと、民間事業者が参入に向けて事業計画を策定するために公園管理全般について検討していくということをやっていくわけで、たとえ今回指定管理者として選定されなくても、そういった民間事業者のレベルアップが図られて、次の公募につながる、こういう効果があるということも期待できるわけであります。
そして、平成十七年度の都立公園の指定管理者の選定の際には、グループ化して公募されておりますが、そのときに区分された都市部の公園グループ、また防災公園グループに今回日比谷、代々木、水元の三公園を編入するということでありますが、こうした複数の公園をグループ化するという方法、これが一般的なものかどうか、まず、これもちょっと確認をしたいと思うんです。
そこで、おわかりになる範囲で結構でございますけれども、東京都が複数の都立公園をグループ化して指定管理者を公募しているという状況に対して、近県あるいは都内の市区町村などではどのような方法で公募をしているのか、お伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 まず、近県での状況でございますが、現在東京都では七十八の都市公園を管理しているところに対しまして、埼玉県では三十、千葉県では十三、神奈川県では二十五の都市公園を管理しているところでございます。この三県におきましては、埼玉県と神奈川県で公園の性格が類似しているものや、また近接しているもの、こういったものを二つ、もしくは三つの公園をグループ化して公募している例があるものの、単独での公募が中心となっているところでございます。
一方、都内の区市町村の中で都市公園数が最も多い八王子市の場合では、指定管理者制度を導入しております二百九十九公園のうち二百九十八公園で公募をしておりまして、このうち公園の性格に応じまして、一つを単独で、また七つの公園を一つのグループに、さらに二百九十の公園をまた一つのグループということで、三つの区分に分類して募集しているところでございます。
○吉田委員 ありがとうございます。ただいまのご説明でもありましたが、私の手元の数字でも、埼玉、千葉、神奈川などでは、導入している公園の中で選定単位を一公園を一単位としているものがほとんどという状況であるわけであります。これが正しいと申し上げているわけではなくて、東京都の方が先鞭をつけてより効果的、効率的な選定を行っているという見方もできるのでありますけれども、そもそも都としてなぜこの複数の公園をグループ化するという手法をとっているのか、この考え方をとっている理由についてお伺いをいたします。
○安藤公園緑地部長 都立公園の指定管理者制度の導入に当たりましては、都民の多様なニーズにこたえまして、サービスの向上と効率的な運営を図ることが重要でございます。効率的な管理を行うために、スケールメリットを発揮できるように、公園の機能や地理的条件を考慮して、都立公園をグループ化して公募してきたものでございます。
こうした考え方に基づきまして、平成十八年四月からの指定管理者を選定しました十七年度の公募におきましては、二十三区内を二つ、多摩地域を三つ、さらに庭園関係を一つのグループにいたしまして、計六つのグループとしたものでございます。
近県や市とは、地理的条件や、また管理する公園の全体数など全く異なる状況でございますので、比較はできないかと考えております。
○吉田委員 ありがとうございます。平成十七年度には、都立公園の指定管理者を六つのグループで公募したということであります。私もいただいている資料の内容を見ますと、狭山丘陵グループは四つの公園で、多摩丘陵グループは五つの公園で構成をされております。この二つの丘陵グループというのは公園数も同じ程度で、自然環境が豊かな丘陵地公園という性格も似ているということで、これは選定時だけでなくて、指定管理者の指定後も双方の管理者の競い合いの効果が発揮されやすい、あるいは比較をしやすいのではないかと思われます。
一方、都市部の公園グループ、これは区部にある二十の公園で、武蔵野の公園グループ、これは多摩地域にある十七の公園で構成をされておりまして、一グループ当たりの公園数が多く、随分大きな規模のグループになっております。
確かにスケールメリットを考慮することも必要でございますけれども、例えば二十の公園すべてを一くくりで同じ都市部の公園グループとするのではなくて、同じような機能、地理的条件で、例えば二グループ、十公園ずつに分けて、競争性を確保するようなそういう工夫も必要ではないかと考えます。
先ほどのご説明では、指定の期間の終期、終わりの期を平成二十三年三月三十一日までとしてそろえる、こういうことでございますから、次の選定は二十三年四月からの指定管理者を選ぶということになるわけであります。
この二十三年四月からの指定管理者を選定する、その選定に当たっては、ただいま申し上げましたように、民間事業者の応募のしやすさや、指定管理者間の競争性の確保などといった観点も重視をしていただいて、二十まとめたとか、十七まとめてと、こういう形でなくて、また他の近県を見ても、そういう大きなくくりの委託の仕方をしておりませんので、この競争性の確保という観点から公募のグループ編成をぜひ行うべきだと考えるんです。
今回の日比谷、代々木、水元だけを見ても、これは委託の経費の金額を見ても約二億円ずつと、これは小さな金額ではございません。こういうものを、景気対策のときには細かく発注して中小企業者にもという観点もあるような中、このグループの編成の考え方についても、ぜひ私の考えも少し検討に加えていただければと思いますが、所見を伺います。
○安藤公園緑地部長 これまで都立公園の指定の公募におきましては、グループ編成や応募するために必要な期間の確保等、民間事業者の応募のしやすさを配慮いたしまして実施しておりまして、平成十七年度の公募におきましては、ご指摘の都市部の公園グループ、こちらでは五つの団体が、また武蔵野の公園グループでは六つの団体が応募していただき、競争性を発揮したところでございます。
また、指定後の指定管理者間の競争性の確保という面におきましては、都立公園ごとに指定管理者の管理運営状況評価を実施することで確保しているところでございます。
公募のグループ編成に当たりましては、公園の機能や地理的条件、またスケールメリットや競争性を確保しておりまして、現段階では具体的に考えてはおりません。
○吉田委員 これは、一つのところが受けても、きちんと指定管理者管理運営状況評価を実施していらっしゃるということでありますが、やはり似たような状況の公園グループを複数の事業者が管理をすることで、競い合いの効果が目に見えてわかるということもございます。公の施設の管理を民間にも開放するということに、この指定管理者制度の意義があり、この導入の目的が、競争性の確保ということが強く求められているということにあると思います。
都立公園における指定管理者制度の運用につきまして、選定時のみならず、指定後の競争性の発揮といった観点もぜひ考えていただきたいと改めて要望いたしまして、私からの質疑を終えさせていただきます。
○石川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はいずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時五十八分散会
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