委員長 | 石川 芳昭君 |
副委員長 | 宇田川聡史君 |
副委員長 | 中村 明彦君 |
理事 | 原田 恭子君 |
理事 | 高橋かずみ君 |
理事 | 小沢 昌也君 |
村松みえ子君 | |
吉倉 正美君 | |
石森たかゆき君 | |
矢島 千秋君 | |
吉田康一郎君 | |
小磯 善彦君 | |
山田 忠昭君 | |
大津 浩子君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 局長 | 道家 孝行君 |
次長 | 島 博文君 | |
道路監 | 村尾 公一君 | |
総務部長 | 藤井 芳弘君 | |
用地部長 | 角南 国隆君 | |
道路管理部長 | 野口 宏幸君 | |
道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 | 山口 明君 | |
公園緑地部長 | 安藤 英二君 | |
河川部長 | 廣木 良司君 | |
企画担当部長 | 鈴木 昭利君 | |
道路保全担当部長 | 米田 秀男君 | |
道路計画担当部長 | 藤森 祥弘君 | |
公園計画担当部長 | 小口 健藏君 | |
参事 | 三浦 紀子君 |
本日の会議に付した事件
建設局関係
事務事業について(質疑)
○石川委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより建設局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○藤井総務部長 去る十月九日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙をおめくりいただきますと、目次に七件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いまして、ご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。道路補修費の予算と決算の推移でございます。
この表は、道路補修費につきまして、平成十一年度から平成二十年度までの予算額と決算額、及び決算額を区部と多摩別にあらわしたものでございます。
二ページをお開き願います。歩道の整備状況の推移でございます。
この表は、歩道の整備状況につきまして、平成十一年度から平成二十年度までの整備延長と金額を、それぞれ区部、多摩別にあらわしたものでございます。
三ページをお開き願います。区部及び多摩部の都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)による事業認可取得路線でございます。
この表は、区部及び多摩部の都市計画道路の第三次事業化計画に基づき事業認可を取得した路線につきまして、箇所、延長、事業認可日をあらわしたものでございます。
飛びまして、六ページをお開き願います。中小河川の整備状況の推移でございます。
この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十一年度から平成二十年度までの整備延長、事業費、主な河川ごとの事業をあらわしたものでございます。
七ページをお開き願います。溢水した河川数及び知事管理道路における通行どめを伴う道路冠水件数の推移でございます。
この表は、平成十六年度から平成二十年度までの溢水した河川数、知事が管理する道路における通行どめを伴う道路冠水の件数をあらわしたものでございます。
八ページをお開き願います。都市公園の維持管理費、整備費及び用地の取得状況の推移でございます。
この表は、都市公園につきまして、平成十一年度から平成二十年度までの維持管理費と整備費及び用地の取得状況の規模と金額をあらわしたものでございます。
九ページをお開き願います。無電柱化の整備状況の推移でございます。
この表は、無電柱化の整備状況につきまして、平成十六年度から平成二十年度までの整備済み延長と地中化率を、それぞれ区部と多摩別にあらわしたものでございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○石川委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○高橋委員 建設局の事務事業についてお尋ねいたします。
都は、昨年、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八を策定し、「十年後の東京」の実現に向けての取り組みを加速化する、今後の事業展開を明らかにしております。中でも、都市基盤整備とその適切な管理は、快適で利便性の高い都市づくり、安全・安心なまちづくりなど、日々の都市活動や都民生活を支える上で欠かすことのできない事業であると認識しております。
成熟を遂げた東京をさらに発展させていくためには、道路、河川、公園の整備など、建設局の果たす役割は大変重要なものがあると思います。
こうした観点から、本日は、道路、河川、公園、それぞれについて何点かお伺いいたします。
まず最初に、事業概要四三ページの道路の管理についてお尋ねいたします。
道路や橋梁は、社会経済活動や日々の生活を支える重要な都市基盤施設の一つであります。米国ミネアポリス高速道路の崩落事故や、これに相前後して発生した愛知県木曽川大橋の斜材破断による数カ月の交通規制の報道などを目にすると、改めて、橋梁について健全であることの重要性を再認識いたしました。
私には、特にミネアポリスの橋梁が崩落する映像は今でも鮮明に残っています。崩落の原因については、現在、究明中と聞いておりますが、その橋は建設後四十年しか経過しておらず、管理が不十分ではなかったかと思われます。
一方、都に目を向けると、震災復興で大正から昭和にかけて建設された隅田川にかかる八十年を超える橋梁や、東京オリンピックに合わせて建設された四十年を超える橋梁など、数多くの橋梁があります。
まず初めに、都の管理する橋梁の現状とこれまでの点検及び維持管理についてお伺いいたします。
○米田道路保全担当部長 都では、現在、千二百四十七の橋梁を管理しております。都の管理する橋梁は、東京オリンピックから高度成長期に集中して建設されたことから、高齢化が進み、例えば架設後五十年以上経過した橋梁の割合は、現在、約三割でありますが、十年後には急速に増加して、五割を超えることとなります。
都はこれまでも、すべての橋梁を対象に、昭和六十二年から五年に一度の定期点検や日常点検などを行い、その都度、適切に補修、補強を実施し、橋梁の事故を未然に防いでまいりました。
○高橋委員 都は以前から、定期的に点検を行い、ふぐあいを発見すると、その都度、補修などを実施し、橋梁の安全を守ってきているという状況がわかりました。
ところで、今後、高齢化する橋梁が急速に増加するとのことでありますが、このままでは、近い将来、集中的にかけかえることとなり、莫大な費用が必要となると考えられます。
この課題を解決するためには、従来の手法から新たな方策に転換する必要があると考えます。都では、アセットマネジメントを全国に先駆けて導入し、それを活用した予防保全型管理への転換を進めるとのことでありますが、その内容について伺います。
○米田道路保全担当部長 道路アセットマネジメントは、道路施設を資産としてとらえ、管理に伴う維持補修等の経費を投資とし、投資効果が最大となるよう、限られた財源を有効活用して、最適な維持管理を行っていくことを目的とするものでございます。
都が進める予防保全型管理は、このアセットマネジメントの手法を活用し、これまで実施してきました定期点検の結果から、将来の損傷や劣化を予測して、適切な時期に、最新技術により橋梁の耐久性を向上させる対策などを行うものでございます。
○高橋委員 橋梁管理の新たな方策として、アセットマネジメントを取り入れた予防保全型管理に取り組むとのことでありますが、早期にその効果が上がることを期待しております。
都は、アセットマネジメントによる予防保全型管理のための具体的な対策を検討するため、学識経験者等による委員会を設置し、本年四月に答申を受けたと聞いておりますが、その答申の内容について伺います。
○米田道路保全担当部長 都は、橋梁管理のあり方とアセットマネジメントを活用した予防保全型管理に転換するための方策について審議するため、本年一月に、学識経験者等による東京都橋梁長寿命化検討委員会を設置し、四月に答申を受けました。
答申では、今後の橋梁の管理について、従来の目視点検に加え、より科学的な非破壊検査などの点検方法の導入により、点検精度を向上させること。定期点検結果から橋梁の劣化の進行を予測し、アセットマネジメントにより計画的に対策を行うこと。長さ百メートル以上の長大橋などかけかえ費用が多大となる橋梁や、国の重要文化財に指定された橋梁、著名橋などを長寿命化すること。橋梁のかけかえピークの平準化とコスト縮減を図ることなどが示されております。
○高橋委員 この答申では、予防保全型管理への転換に向けて、かけかえ費用が莫大となる橋梁等を長寿命化する重要な方策などが示されていることがわかりました。
私の地元の練馬区内には、東京オリンピックのころ建設された環状第七号線の橋梁、例えば目白通りをまたぐ豊玉陸橋や、西武池袋線をまたぐ桜台陸橋があり、これまでの考え方では間もなくかけかえ時期を迎える対象となる橋梁であります。
委員会の答申を受けて、このような橋梁を今後どのように管理していくのか、伺います。
○米田道路保全担当部長 都は、委員会の答申を踏まえまして、現在、すべての橋梁を対象に、長寿命化などの対策を行う計画の策定を進めております。例えば、国の重要文化財である清洲橋、永代橋、勝鬨橋、著名橋でございます吾妻橋、長大橋でございます豊玉陸橋、桜台陸橋などについて、長寿命化対策を計画的に行っていくこととしております。
今後は、この計画に基づきまして、予防保全型管理を適切に進めてまいります。
○高橋委員 次に、無電柱化の今後の取り組みについて伺います。
道路上に張りめぐらされた電線類は、都市景観を損ね、歩道に立ち並ぶ電柱は、歩行者や車いすの通行の妨げになっております。また、震災や台風等の災害時には、電柱の倒壊や電源の切断等により、避難や救急活動、物資輸送に支障が生じるとともに、電力や通信サービスの安定供給も妨げられることが想定され、こうした点からも、無電柱化事業を進めることが極めて重要であります。
そこで、現在都が進めている無電柱化の取り組みについて伺います。
○米田道路保全担当部長 都は、良好な都市景観の創出、安全で快適な歩行空間の確保、都市防災機能の強化を図るため、電線共同溝等の整備により、地上に架設されている電線類を道路の地下に収容し、無電柱化を進めております。
現在、山手通りと荒川に囲まれたセンター・コア・エリア内や、オリンピック・パラリンピック関連施設周辺はもとより、その他の区部や多摩地域の都道においても、緊急輸送道路や主要駅周辺を中心に、幅員が二・五メートル以上の歩道を有する都道において、無電柱化を推進しているところでございます。
さらに、都市計画道路の新設や拡幅を行う場合など、さまざまな機会をとらえて、無電柱化の推進に積極的に取り組んでおります。
○高橋委員 都が、センター・コア・エリア内だけでなく、センター・コア・エリア外についても、さまざまな機会をとらえて無電柱化に取り組んでいることはわかりました。
また、私の地元練馬区でも、環状第八号線、目白通り、青梅街道、東大泉の都道練馬所沢線、いわゆる大泉通り、小竹町の都道池袋谷原線、いわゆる要町通り、貫井の補助第一三三号線や、光が丘、高松の都道南田中町旭町線の都道の一部において、無電柱化が完了していることは確認しております。
そこで、練馬区内での都道の無電柱化事業の状況について伺います。
○米田道路保全担当部長 練馬区内の都道については、今お話のございました環状第八号線、目白通りなどで約十三キロメートルが完成しており、緊急輸送道路である環状第七号線においては、今年度、設計を行い、来年度、電線共同溝の本体工事に着手する予定でございます。また、放射第七号線など都市計画道路の新設、拡幅に合わせまして、無電柱化に取り組んでまいります。
○高橋委員 緊急輸送道路である環状第七号線で来年度から工事に着手するということで、これから練馬区内の無電柱化が進んでいくものと期待しておきます。
次に、区道を含めた面的な無電柱化という視点から、練馬区内における区道の無電柱化の状況について伺います。
○米田道路保全担当部長 練馬区では、現在、石神井公園駅周辺や目白通りの無電柱化完成区間につながる練馬駅及び中村橋駅周辺の区道において工事を行っております。
○高橋委員 区市町村道の無電柱化をより一層推進するためには、都が積極的にリーダーシップを発揮して、面的な無電柱化を進めるべきと考えます。
そこで、今後、都道のみならず、区市町村と連携した面的な無電柱化を進めていく必要があると思いますが、都の取り組みについて伺います。
○米田道路保全担当部長 安全で快適な道路空間を確保し、良好な都市景観を創出するためには、都道だけでなく、区市町村と連携した面的な無電柱化が必要でございます。このため、都は、区市町村に対して、これまでの設計や施工などにかかわる技術的支援に加え、平成二十年度から新たに補助制度を創設いたしました。創設に当たっては、区や市町村の土木部長会などで制度の活用を働きかけております。
さらに、本年八月には、すべての区市町村がメンバーになっております東京都電線類地中化推進連絡会議におきましても、この補助制度について改めて説明し、活用を促したところでございます。
また、区市町村の職員に、無電柱化に必要な知識を習得してもらうための研修会を、本年七月に初めて実施いたしました。
今後、補助制度の活用や技術的支援を進めることによって、区市町村と連携した面的な無電柱化をより一層推進してまいります。
○高橋委員 都が区市町村への補助制度を創設したこと、また、区市町村の職員を対象に連絡会議や研修会を開いて、区市町村の無電柱化の推進に努力していることを高く評価いたします。
また、今後、区市町村への補助制度が契機となり、都道だけでなく、区市町村道での無電柱化が進み、線から面へと拡大していくことを確信するものであります。
その際には、多少時間はかかるにしても、地元において無電柱化の進みぐあいが一見してわかるように、区市町村別の実施状況を把握していくよう要望しておきます。
ぜひこれからも、引き続き、都道はもちろんのこと、区市町村と連携した面的な無電柱化をさらに推進していただきたいと思います。
次に、事業概要の九九ページ、都市公園、緑地の整備状況に関連し、都立公園の整備、特に防災公園の整備についてお尋ねいたします。
最近では、中国四川省の大地震や岩手・宮城内陸地震が話題になりましたが、いつ起きてもおかしくない大地震に備え、首都東京においても、災害に強いまちづくりを進めることが喫緊の課題であります。
都立公園は、東京都地域防災計画において、大規模救出救助活動拠点やヘリコプター活動の拠点などの候補地として位置づけられております。このうち、本年八月二十九日に、都は、大規模救出救助活動拠点候補地について、発災時における迅速な初動対応に備えるため、東京都震災対策条例に基づき、十一の都立公園で救出及び救助の活動拠点を指定しました。さらに、都立公園は、これらの活動拠点としての機能はもとより、身近な避難場所としての役割を持っており、公園が果たすべき多様な防災機能を高めることは、非常に重要であると考えます。
そこで、防災公園の整備についてお伺いいたします。
これまでどのような優先順位で防災公園の整備を進めているのか、伺います。
○小口公園計画担当部長 地域防災計画や震災時におけるオープンスペース利用計画では、多くの都立公園が救助部隊の活動拠点や避難場所等に位置づけられております。これらの都立公園については、防災公園としての整備が必要であります。
整備の優先順位につきましては、まず第一に、自衛隊、警察、消防、その他の広域支援・救助部隊等のベースキャンプ、ライフラインの復旧拠点として活用する大規模救出救助活動拠点となる都立公園を最優先に整備を進めます。第二に、迅速な救出救助のため、災害時拠点病院に近接する医療機関近接ヘリコプター緊急離着陸場となる都立公園の整備を、第三に、消防活動、物資輸送等に資するヘリコプター災害時臨時離着陸場に位置づけられている都立公園の整備を進めます。
この優先順位の考え方をもとに、順次、防災公園の整備に取り組んでまいります。
○高橋委員 都立公園においては、災害時にさまざまな活動の拠点となる大規模救出救助活動拠点としての防災公園の整備を最優先に進めているとのことでありますが、次に、その整備状況について伺います。
○小口公園計画担当部長 大規模救出救助活動拠点としては、環七周辺の城北中央公園など十一公園が位置づけられております。これらについては、平成十四年度より、ヘリコプターが離発着できる広場の改修や、物資輸送を行う大型車両に対応した園路の整備などを実施してまいりました。
このうち、城北中央公園など五公園におきまして、防災関連施設の整備を完了しております。残る六公園につきましても、整備を進めており、今後、平成二十一年度までに整備を完成する予定でございます。
○高橋委員 大規模救出救助活動拠点である防災公園については、平成二十一年度に整備が完了する予定とのことですが、けが人の搬送や物資輸送などのヘリコプター活動の拠点となる防災公園の整備も、推進していく必要があります。
そこで、医療搬送や緊急輸送のためのヘリコプター活動の拠点となる防災公園の整備状況について伺います。
○小口公園計画担当部長 医療機関近接ヘリコプター離着陸場として地域防災計画に位置づけられている五公園につきましては、平成十八年度から設計を開始しており、今年度から整備工事に着手し、平成二十三年度の整備完了を目指しております。
また、地域防災計画でヘリコプター災害時臨時離着陸場に位置づけられている十公園につきましても、平成二十年度から三公園について設計を始めており、今後も着実な整備を進めてまいります。
○高橋委員 ヘリコプター活動の拠点に位置づけられている防災公園について、引き続き計画的な整備を推進していただきたいと思います。
さて、私の地元石神井公園も、ヘリコプター災害時臨時離着陸場に位置づけられています。本年三月の環境・建設委員会や六月の第二回定例都議会でも質問させていただきましたが、都は、現在の三井住友銀行が所有していた約四ヘクタールの運動場のうち、一・八ヘクタールを平成十年度に取得し、平成十一年度に開園しました。また、昨年度末に残りの二・二ヘクタールを取得しました。
この二・二ヘクタールについては、防災公園としての機能を高めるため、広場を主体に整備を行うと聞いていますが、今後、具体的にどのような整備を予定しているのか、伺います。
○小口公園計画担当部長 ヘリコプター災害時臨時離着陸場や避難広場に位置づけられた石神井公園では、防災機能を向上させる必要がございます。平成十九年度に用地を取得しました二・二ヘクタールにつきましては、今年度に設計を行い、平成二十一年度にヘリコプターによる救出救助や物資輸送が円滑に行われるよう、広場を整備するとともに、入り口表示灯や園内照明灯の整備を初め、防災トイレなどの整備を予定しております。
○高橋委員 今、答弁をいただいたのは、石神井公園の、三井住友銀行から用地を取得した区域についての整備予定であります。石神井公園全体で見ても、避難地としての入り口表示灯や園内照明灯の整備、防災トイレの整備の必要な場所があり、早急に整備すべきと考えます。避難場所に指定されている五十四カ所の都立公園についても同様なことがいえると思います。そういう意味で、防災公園の整備により積極的に取り組んでいただきたいと思います。
続いて、やはり防災公園である光が丘公園について、視点を変えて質問いたします。
光が丘公園の園路である「ふれあいの径」は、放置自転車が多く、テレビでも取り上げられるなど、大きな問題となっていたことから、私は、平成十四年と十五年の都議会において質問するなど、これまで建設局を初め、関係各局に積極的な取り組みを求めてきたところであります。
その結果、都においては、駐輪禁止の看板の設置、区や住民団体と連携したクリーンキャンペーンの実施などの取り組みが開始されました。しかしながら、「ふれあいの径」には、現在でも光が丘駅利用者等による一千台を超す放置自転車があり、通行に支障が生じるなど、依然として問題となっております。万一、震災が発生すれば、「ふれあいの径」は都民の避難路となるわけで、しっかりとした対応が不可欠であります。
これまでも、都は、地元区と協力して対策を強化していくとの答弁をされておりますが、この問題の抜本的な解決に向けて、現在、どのような取り組みを行っているのか、伺います。
○小口公園計画担当部長 今お話がありましたように、以前から、この問題につきましては、理事からご意見をいただいているところでございますが、都は、地元練馬区と、光が丘公園の「ふれあいの径」の放置自転車問題の抜本的な解決に向け、協議を重ねてまいりました。
今般、区が、放置禁止区域の指定を行うこと、また今後、恒久的な駐輪場の整備を行う方針を示したことから、都は、恒久的な駐輪場が整備されるまでの間、公園利用者の通行路を確保するため、区に暫定的な駐輪場の設置を許可することとしました。
また、区と協力し、平成二十年十月二十八日には、駐輪場設置の周知とクリーンキャンペーンを実施したところであり、今後も公園の適正な管理に努めてまいります。
○高橋委員 来年度、放置禁止区域の指定と駐輪場の設置がなされるなど、対策が進んでいることがわかりました。今後も、地元区と協力し、快適で利用しやすく、いざ災害のときにも機能する公園となるよう、取り組んでいただくようお願いしておきます。
次に、事業概要二七ページの道路の建設についてお尋ねいたします。
都市の骨格を形成する幹線道路のうち、都市計画道路は、東京の渋滞解消や環境改善などに向けて、着実に整備を推進していく必要があると思います。
去る十月四日、私の地元にある補助第一三三号線のうち、千川通りから目白通り間が、十八年の歳月をかけ完成し、交通開放されました。私も開通式典に出席し、開通を待ちわびていた地元の皆様と一緒に喜びを分かち合ったところであります。地元の人の話では、今回の開通により、これまで生活道路に入り込んでいた通過交通が減少したと聞いております。
このように、都市計画道路が整備されることで、住宅地では、そこで暮らす人々が安全で安心な生活を送ることができるようになり、道路整備の重要性とその効果が改めて実感されました。
今回、開通した補助第一三三号線の南側の未整備区間についても、都市計画道路の第三次事業化計画において優先整備路線として位置づけられており、引き続き事業化を図っていただくことを要望しておきます。
このように東京の道路整備は着実に進捗してきてはおりますが、慢性的な交通渋滞や安全で快適な歩行空間の不足など、まだまだ不十分といわざるを得ません。
都市計画道路の整備率については、平成二十年三月末現在で、都全体において五六・六%、内訳として、区部は五九・五%、多摩は五二・八%という数字が事業概要に記載されております。
そこで、区部と多摩地域の結節点として重要な位置にある練馬区内の都市計画道路の整備状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 練馬区の都市計画道路の整備状況でございますけれども、計画延長約百十六キロメーターのうち、約四十九キロメーター、四二%が完成しております。また、現在、約十三キロメーターが事業を実施中であります。
○高橋委員 今の答弁でも明らかになるように、練馬区は、区部や多摩の平均と比較して著しく低い水準であります。
そこで、練馬区内の道路整備の進捗状況について、区内の南北方向の幹線道路である笹目通りの東側と西側に分けて確認していきたいと思います。
まず、東側の地域でありますが、ここでは、放射第三五号線の練馬区早宮から北町までの区間で事業が進められています。この事業中区間に続き、放射第三六号線の環状第七号線との交差点までの未整備区間についても、事業化に向けて動き出したと聞いております。これらの区間の進捗状況について伺います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 放射第三五号線は、放射第三六号線と一体となって、区部北西部の道路ネットワークを形成する重要な路線でございます。
放射第三五号線は、練馬区早宮二丁目から北町五丁目までの延長約一・三キロメーターにつきまして、平成十六年十二月に事業認可を取得し、本年九月末まで約七四%の用地を取得してまいりました。今年度は、新たに環境施設帯モデル工事を実施する予定でございます。
今後も、地元の理解と協力を得ながら、事業を着実に推進してまいります。
次に、この事業中区間から、放射第三六号線の環状第七号線との交差点までの未整備区間についてでございますけれども、事業化に向けまして、本年八月二十九日と九月二日、事業説明会を開催いたしました。その後、九月四日に、条例に基づきまして、環境影響評価調査計画書を提出し、環境影響評価手続に着手いたしました。この調査計画書に基づき、十一月から、地域の環境の現況を把握するため、四季にわたって現況調査を実施してまいります。
引き続き、環境影響評価の手続を着実に進め、地元の理解と協力を得ながら、早期事業化に取り組んでまいります。
○高橋委員 これらの区間の整備をぜひ着実に推進していただくとともに、都市計画道路の第三次事業化計画で優先整備路線として位置づけられている放射第三五号線の未着手区間や補助第一七二号線などについても、早期の事業化を要望しておきます。
次に、笹目通りの西側でありますが、この地域の都市計画道路の整備率は、私の試算によれば二六%であり、区部はもとより、多摩地域と比較しても著しく低くなっています。特に、大泉町や大泉学園町地区などは、交通手段としてバスなど自動車への依存度が高いにもかかわらず、道路整備が非常におくれております。このため、私は、地元の声を取り上げながら、この地域における放射第七号線や補助第二三〇号線など、地域の骨格となる道路の必要性を訴え、その整備を強く要望してまいりました。
そこで、それぞれの路線について確認していきたいと思います。
まず、放射第七号線でありますが、この路線に関連し、私はかねてより、都心部へ入る高速道路で首都高速道路に接続していないのは、唯一、関越道だけであることから、関越道と首都高を結ぶ首都高一〇号線の整備を主張してきました。これは都市整備局の所管ですので質問はいたしませんが、この場であえて指摘しておきたいと思います。
質問に移りますが、目白通りの延伸部である現在事業中の放射第七号線は、外環へのアクセス道路としての重要な骨格幹線道路であり、地域のまちづくりに寄与する重要な路線であることから、早期整備が必要でありますが、現在の事業の進捗状況について伺います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 放射第七号線は、区部と多摩を結ぶ重要な路線であり、練馬区内の北園交差点から西東京市境までの延長二キロメーターにつきまして、平成十八年七月に事業認可を取得し、本年九月末までに二九%の用地を取得いたしました。今後も、用地取得に努め、早期着工を目指し、事業を推進してまいります。
なお、放射第七号線は、外環のアクセス道路であるだけでなく、地域のまちづくりに寄与する路線であることから、沿道住民と地元区から成るまちづくり協議会に都もオブザーバーとして参画し、道路整備について情報提供を行うなど、協議会と十分連携し、放射第七号線の整備促進を図ってまいります。
○高橋委員 次に、練馬区の北西部を東西方向に連絡する補助第二三〇号線は、道路ネットワークとしての機能や地域の防災性向上に資するだけでなく、地下鉄大江戸線延伸の導入空間ともなる重要な路線であり、これまで整備について要請してきました。
補助第二三〇号線の土支田通りから大泉学園通りの区間について、昨年度より地元説明会の開催や測量の実施など、事業化に向けた準備が進んでいると聞いておりますが、その取り組み状況について伺います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 ご指摘のとおり、補助第二三〇号線は、練馬区北西部における道路ネットワークを形成するとともに、大江戸線延伸部の導入空間ともなる重要な路線でございます。土支田通りから大泉学園通りまで二千百メーターの区間では、これまで練馬区や地元のまちづくり協議会と連携し、事業化に向けた検討を進めてまいりました。
この区間のうち、土支田通りから外環までの延長八百五十メーターについては、昨年度、用地測量を完了しております。残る外環から大泉学園通りまでの延長千二百五十メーターの区間についても、本年九月に用地測量の地元説明会を行い、今年度内に測量を実施してまいります。
引き続き、地元の理解と協力をいただきながら、早期事業化を図ってまいります。
○高橋委員 次に、補助第二三〇号線と交差する土支田通りについて伺います。
土支田通りは、都市計画道路ではありませんが、周辺交通や路線バスルートを担うなど、地域の主要な道路として機能しております。補助第二三〇号線が整備されれば、円滑な交通処理のために、当然、この交差点前後の改善が必要と考え、昨年のこの委員会で質問したところ、今後、検討するとの答弁がありました。
そこで、現在の進捗状況を伺います。
○米田道路保全担当部長 補助第二三〇号線の整備に伴い、交通事故の防止や円滑な交通処理の観点から、交差点前後の土支田通りの整備が必要であると考えております。
土支田通りにつきましては、補助第二三〇号線の整備に合わせて歩道や右折レーンを設置するため、本年七月に整備計画の説明会を実施し、関係機関と道路線形等の協議を開始したところでございます。
○高橋委員 土支田通りは、交通量が多く、バス路線であるにもかかわらず、大型車のすれ違いが困難で、歩道もない現状でありますので、補助第二三〇号線との交差点付近のみならず、目白通りまでの間の整備も進めていただくことを強く要望しておきます。
さて、最初にご答弁いただいた練馬区内の都市計画道路の整備状況から計算すると、現在事業中の十三キロメートルが完成したとしても、練馬区内の整備率は五三%にしか至らず、区部の平均にも満たないのであります。練馬区内には、これまでお尋ねしてきた路線以外にも、都市計画道路の第三次事業化計画において優先整備路線に位置づけられている路線が多くあります。また、区の西部には、事業化計画に区が施行すると位置づけている補助第一三五号線や、まだ事業化計画にも位置づけられていない補助第一五六号線など、整備しなくてはならない路線が多くあります。今後は、こういった路線などを含め、特に整備のおくれている練馬区西部の都市計画道路の事業化や機能を早急に進めることを要望しておきます。
次に、連続立体交差事業についてお尋ねいたします。
道路交通を円滑化するためには、都市計画道路の整備とあわせ、交通のボトルネックとなっている踏切を除却することが重要であります。そのためには、道路と鉄道の立体交差化が必要不可欠であります。事業概要によると、都内では、八路線九カ所で連続立体交差事業を実施中とのことであります。
練馬区では、西武池袋線の桜台駅から練馬高野台駅間で既に鉄道の立体化が完成しており、引き続き練馬高野台駅から大泉学園駅間の鉄道立体化が地元の悲願であります。
私は、この区間の踏切解消を図る、西武池袋線の石神井公園駅付近の連続立体交差事業について、平成十三年度以来、数度にわたって事業化に向けた取り組みなどを要請してきました。その結果、平成十九年五月に国から事業認可を受け、八月から工事が行われております。
そこで、西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業の現在の状況と今後の予定についてお伺いいたします。
○藤森道路計画担当部長 西武池袋線石神井公園駅付近の連続立体交差事業は、練馬高野台駅から大泉学園駅までの延長二・四キロメートルを高架化するものでございます。このうち、練馬高野台駅から石神井公園駅付近の延長一・二キロメートルにつきまして、上下線の仮線切りかえを完了するとともに、現在、高架橋工事を進めております。
引き続き、平成二十一年度中の上り線高架切りかえ、平成二十三年度までの踏切除却を目指し、着実に工事を進めてまいります。
また、残る大泉学園駅までの延長一・二キロメートルにつきましても、用地の早期取得に取り組んでまいります。
○高橋委員 事業を着実に進めていただきたいと再度要望しておきます。
また、現在、石神井公園駅にはエレベーターなどによるバリアフリー対応がなされておらず、駅周辺の踏切も、いわゆるあかずの踏切であり、駅の南北の行き来が難しく、地域住民は不便を強いられている状況であります。そこで、私はこれまで、工事期間中における駅のバリアフリー化と南北方向に自由に通行ができる仮設通路の確保について要望してきました。その結果、昨年の第一回定例都議会で、駅の南北方向に自由に通行できる仮設の地下通路と仮設エレベーターを設置するとの答弁をいただいております。
そこで、これらの供用開始時期について伺います。
○藤森道路計画担当部長 石神井公園駅につきましては、駅の利用者の皆さんのみならず、南北方向に行き来する通行者も利用できる仮設地下通路を整備してまいります。この仮設地下通路に改札口を移設することとし、仮設地下通路を含めた駅全体のバリアフリー化を図るため、仮設エレベーターを設置しております。これらの施設を来る十一月二十二日に供用開始いたします。
○高橋委員 続いて新規事業化について伺います。
連続立体交差事業は、踏切による交通渋滞の解消ばかりではなく、まちの一体感と地域の利便性を向上させる、極めて効果の高い事業であります。西武池袋線は鉄道の立体化が進められてきましたが、西武新宿線は全く手がつけられておりません。このため、上井草駅、上石神井駅、武蔵関駅周辺を初め、沿線の地域では、あかずの踏切や地域分断により、まちの一体感が阻害されるなど、さまざまな問題が山積しております。地域住民は一日も早い鉄道立体化の実現を切望しております。
私は、かねてから、地元の悲願でもある西武新宿線井荻駅から東伏見駅間の連続立体交差事業の実現について、議会を初め、機会あるごとに都へ要望してまいりました。こうした中、都は、さきの第二回定例会で、当区間を事業候補区間の一つに選定したと答弁されました。これは西武新宿線と交差する補助第二二九号線や補助第一三五号線が、第三次事業化計画の優先整備路線であることに加え、上石神井駅周辺におけるまちづくりの取り組みが評価されたと認識しております。
そこで、西武新宿線井荻駅から東伏見駅間の連続立体化の取り組みについて伺います。
○藤森道路計画担当部長 西武新宿線の井荻駅から東伏見駅間につきましては、お話のございましたとおり、事業候補区間に選定させていただきました。この区間につきましては、西武鉄道と連携し、事業範囲や構造形式などの検討を始めたところでございます。
今後、技術的課題やまちづくりの進捗などを勘案し、財源の動向を踏まえながら、新規着工準備採択に向け、取り組んでまいります。
○高橋委員 今回、練馬区の道路の整備を中心にいろいろと答弁をいただき、まだまだこれからやっていかなければならないことがたくさんあるということを改めて認識いたしました。今後とも、道路の整備や連続立体交差事業の推進により一層精力的に取り組んでいただくことを強く要望して、次の質問に移ります。
次に、事業概要七五ページの中小河川の整備についてお尋ねいたします。
ことしも残すところあとわずかとなり、洪水被害の危険は大分少なくなったと思われます。しかし、ことしは八年ぶりに台風の上陸はなかったものの、全国各地で記録的な集中豪雨があり、とうとい人命が失われるなど、甚大な被害が発生しております。
気象庁によると、こうした局地的な豪雨は増加傾向にあり、一時間に一〇〇ミリを超えるような集中豪雨の発生は、三十年前には年間一、二回だったのが、過去十年間で年間三回から五回にふえているとのことであります。東京も例外ではなく、平成二十年八月末の集中豪雨の際には、町田市で一時間一一五ミリの局地的集中豪雨があり、多摩地区では溢水による浸水被害や土砂災害が発生しております。
これらの集中豪雨は、地球温暖化による気候変動が原因とも考えられ、今後、ますますこのような豪雨が多くなることが予想されます。このため、都の中小河川については、これまでの一時間五〇ミリ対策の次の段階として、狩野川台風級の一時間七五ミリの降雨に対処していくことが重要であります。今までにも増して治水対策を促進し、一日でも早くより高い安全度を確保する必要があると強く考えております。
東京はオリンピックの招致を目指しておりますが、その開催が二〇一六年八月の予定で、まさに台風や集中豪雨が最も発生しやすい時期と重なることから、都の水害対策が注目されることは確実であります。それまでに、水害におびえることのない、恥ずかしくない、世界に誇れる都市にすべきと考えます。
そこで、中小河川の治水対策について何点か質問いたします。
まず、現在進められている五〇ミリ降雨に対する整備計画についてお伺いいたします。
都では、平成十九年八月に豪雨対策基本方針を策定し、五〇ミリ対応の護岸整備に調節池や流域対策などを加え、七五ミリの降雨に対処する考えを明らかにしているところであります。しかし、まだ五〇ミリ対応の準備が完了していない箇所も多く、早急に進めていく必要があります。また、いつまでにどこまで完了するか、都民に明らかにする必要があると考えます。
そこで、現在の都内の中小河川の整備状況がどのくらいであり、またオリンピック開催時期までの整備目標と整備効果について伺います。
○廣木河川部長 都の中小河川におきましては、一時間五〇ミリの降雨に対処する護岸などの整備を進めております。平成十九年度末の護岸整備率は六二%であり、これに調節池等の効果を加えた治水安全度は七四%であります。
今後、平成十九年八月に策定しました豪雨対策基本方針に基づき、対策促進流域については、豪雨対策を重点的に推進してまいります。
平成二十七年度末までに、区部では石神井川、妙正寺川など十三河川、多摩では空堀川など十八河川で護岸や調節池の整備を重点的に実施してまいります。特に、環七に囲まれた中小河川流域で、五〇ミリ降雨に対する治水安全度を一〇〇%にすることを目指してまいります。
これらの対策が完了すれば、過去三十年に水害をもたらしたものと同規模の降雨による溢水の九割は解消することが可能となります。
○高橋委員 一日も早い五〇ミリ対策の完成に向け、なお一層の努力を期待するものであります。
次に、練馬区内の河川整備に関して伺います。
河川の改修は、下流から順次整備を進める必要があること、都市化の進んだ東京においては、分水路や調節池の設置など、さまざまな工夫のもとに水害を軽減してきたという事情もよく理解しております。しかし、一時間五〇ミリの降雨に対応する整備でさえ完成までに数十年かかることになります。一方、石神井川についていえば、下流の板橋区では護岸整備率が一〇〇%と聞いており、練馬区内でも早期整備が望まれます。
そこでまず、練馬区内の白子川及び石神井川の五〇ミリ対応の整備について、その進捗状況について伺います。
○廣木河川部長 河川の整備は、下流から順次、護岸の整備を進めるとともに、調節池などを整備し、水害の早期軽減に努めてまいりました。
白子川の進捗状況は、平成十九年度末の治水安全度は五五%であります。練馬区内では三四%であります。
石神井川の進捗状況は、平成十九年度末の治水安全度は八四%でありますが、練馬区内では六七%であります。
○高橋委員 練馬区内の河川では、一時間五〇ミリ対応の整備ですらまだ二十年ほどもかかってしまうという状況であります。これまでにも増してスピードアップを図り、河川整備を進めていく必要があると考えます。
平成十七年九月の集中豪雨の際には、杉並で時間最大一一二ミリの降雨を記録し、杉並区、中野区を流れる善福寺川、妙正寺川で溢水し、多くの被害が発生しました。その後、河川激甚災害対策特別緊急事業に指定され、着実に護岸整備が進んでいると聞いています。
平成十七年八月と九月に、私の地元を流れる白子川でも二度の水害が発生し、多くの住民が被災しました。私もこのときの被害者の一人であります。その際、下水道からの逆流や道路排水がうまくいかず、家屋に水が流入してくるのを目の当たりにしました。
こうした内水被害の解消には、下水道の放流先である白子川の改修を進めなければならないのでありますが、比丘尼橋上流調節池から最上流部までの護岸約二キロメートルが未改修で、その整備には多くの年数を要すると聞いております。白子川においても、護岸に加えて、地下調節池の整備推進を強く望んできたところであります。
そこで、現在、計画されている調節池の整備について工事を再開すべきと考えますが、所見を伺います。
○廣木河川部長 白子川では、現在、比丘尼橋上流調節池の上流にある外山橋付近で護岸整備を行っております。上流に向け、順次整備を進めております。
白子川調節池は、下流の水害軽減を目的として計画されたものであります。既に発進立て坑が完成しており、洪水を貯留するトンネル部分の工事着手につきましては、事業箇所の進捗状況などを勘案しながら、積極的に検討してまいります。
○高橋委員 次に、石神井川の河川整備についてであります。
平成十七年九月の集中豪雨では、西武新宿線武蔵関駅付近で、約四・四ヘクタールの範囲で八十五棟近くが水害に見舞われました。この地域は毎年のように水害が発生しており、その解消は急務であり、地元からも強く要望されております。
そこで、石神井川の河川整備の現状と、私が要望活動でも提案した、水害発生地の上流約一・五キロメートルにある武蔵関公園の池を利用した富士見池調節池の能力を増強する工事について、その進捗状況について伺います。
○廣木河川部長 石神井川の整備状況でございますが、現在、練馬区内の山下橋から扇橋までの区間におきまして、用地買収と護岸の整備を行っております。
先生のおっしゃる区立武蔵関公園内にある富士見池調節池では、貯留能力の増強する工事が完成しておりまして、既に治水能力の向上を図っております。
引き続き、公園管理者である練馬区と十分に調整を図りながら、公園の復旧工事を進めてまいります。
○高橋委員 さらに、都営住宅の敷地を有効に活用した石神井川の河川整備について伺います。
現在、事業を実施している区間の直近上流に都営上石神井アパートがあり、広大な敷地を有しております。私は、このアパートを含む区間の河川整備に当たっては、下流の南田中団地で実施されたのと同様に、河川の両側の敷地を有効に活用し、護岸を緩傾斜や多自然型にして、地域の方々に潤いや安らぎをもたらすことができる親水空間を実現するよう提案しました。
この団地の管理者である都市整備局や地元練馬区など、関係機関と調整を進めていると思いますが、その進捗状況と今後の進め方について伺います。
○廣木河川部長 石神井川の整備に当たりましては、これまでも、安全性の向上とともに、周辺環境にも配慮した整備を行ってまいりました。
石神井川の河川整備計画におきまして、都営上石神井アパート付近を、川沿いの緑地と一体的な整備を図る拠点整備候補地として位置づけております。
具体的な整備案につきましては、これまで川づくり懇談会を通じて地元の方々と意見交換を行い、検討しております。
今後、地元住民や練馬区、都市整備局と綿密に調整の上、検討をさらに深め、事業化に取り組んでまいります。
○高橋委員 これまで建設局の都市基盤整備にかかわる緊急課題について伺ってきたところでありますが、「十年後の東京」の実現に向けて、建設局所管の事業は大きな役割を担っており、十年後に向け、確実な施策展開とそのための組織運営が求められております。
最後に、東京をより高い次元で成長させ、次代へと継承するための「十年後の東京」の実現に向けて、都市基盤整備に対する局長の決意をお伺いいたします。
○道家建設局長 東京は、世界を代表する成熟した都市として、その地位を確立してまいりました。しかしながら、都市機能の集積に伴う慢性的な交通渋滞や都市型水害、緑やオープンスペースの不足などの課題がいまだに残されていると考えております。このため、都市の骨格を形成する幹線道路、安全で親しみのある河川、ゆとりと潤いを創出する公園などの整備を強力に推進していくことが必要であるというふうに考えております。
また、今後、高度経済成長期に整備されました橋梁などの都市施設が一斉に更新時期を迎えることから、既存の更新需要なども見据えますと、現在はまさに都市基盤整備の正念場といえます。
現在、建設局は、およそ四千八百億円の予算と二千四百名の職員がありまして、それぞれの持ち場で総力を挙げて事業に取り組んでいるところでございます。この事業を継続的に推進していくためにも、財源の確保はもとより、人材の確保、技術力の継承に努めていく必要がございます。
道路特定財源をめぐる動向、局所的集中豪雨の頻発など、都政を取り巻く状況は激しく変化をしておりますが、都民のために、都政の現在を生かし、さらに未来につなげていくためにも、現場の実感に根差した行動と変化を恐れない姿勢でさらに前進することが不可欠であり、その方向を見失ってはならないと認識しております。まさに賢人の教えにありますように、先憂後楽という言葉が思い浮かびます。
今後とも、都議会初め、広く都民のご理解を得ながら、「十年後の東京」の実現と二〇一六年東京オリンピックに向け、さらに未来につながる都市基盤の効果的、重点的な整備と、効率的、計画的な管理に全力で取り組んでまいります。
○吉田委員 よろしくお願いいたします。
ただいま高橋理事から濃密なご質問がございまして、大変勉強させていただきました。そしてまた、局長から気迫のこもった決意をお聞きして、頼もしく思った次第であります。
私からまず、私、中野区の選出でございますが、河川の整備についてご質問を始めさせていただきます。
近年、局地的な豪雨による水害、先ほどもご質疑がございましたが、全国で頻発しておりまして、この東京でも、本年八月末の豪雨で、多摩地域において河川からの溢水による浸水被害や土砂災害に見舞われたことは、記憶に新しいところであります。
私の地元であります中野区におきましても、平成十七年九月の豪雨におきまして、大きな被害、床下、床上の浸水をこうむりました。都は、この水害を受けて、妙正寺川及び善福寺川で河川激特事業を推進しておりまして、地域住民の皆さんは一日も早い事業の完了を待っております。
そこでまず、この激特事業の現在の進捗状況と今後の予定についてお伺いをいたします。
○廣木河川部長 妙正寺川におきましては、環状七号線より下流の約三・九キロメートルのうち、最も大きな被害が発生した最下流部の約三百メートル及び環状七号線地下調節池の妙正寺川取水施設の整備が完了しております。既に効果を発揮しております。残る三・六キロメートルの全区間では、護岸整備や橋梁のかけかえを進めており、河床掘削などを行っております。
また、善福寺川におきましても、環状七号線より上流の約二キロメートルの全区間で工事に着手しており、このうち、和田堀第六調節池の貯留能力の増強工事が完了し、現在、護岸整備や橋梁のかけかえを行っております。
両河川とも、地元の理解と協力を得て工事は順調に進んでおりまして、予定どおり平成二十一年度に完了させます。
○吉田委員 ありがとうございます。予定どおり粛々と進められているということで、安心しておりますが、本当に激特事業を予定どおりしっかりと完了していただきたいと、改めてお願いを申し上げます。
そして一方、河川は、治水上の役割だけではなく、地域住民に潤いや安らぎを与える貴重な場所でもございます。水辺の生き物や、あるいは風にそよぐ樹木など、自然を感じながら川沿いを散策したり、緑豊かな空間で一休みができるような、東京都民にとって本当に安心して潤いを感じられる川であってほしい、こういう整備を望む都民の声というのは大変大きなものだと思います。東京都も、建設局を初め、全局を挙げて取り組んでいらっしゃると思うんです。
私は、こういう親水空間の整備のために、河川の改修という機会もとらまえて、親水空間の整備に力を入れていく、こういうことが重要だと考えております。そこで、河川における親水空間の整備についての基本的な考え方、そして、平成十九年度にどういうことをやったのか、整備の事例、それから、これからも頑張るぞというような決意というか、おっしゃっていただければなと思います。
○廣木河川部長 河川の整備におきましては、昭和六十年から隅田川でスーパー堤防の整備を推進するなど、これまでも、治水機能を確保しつつ、地域の特性や周辺状況に応じて、にぎわいのある、緑豊かな水辺空間を創出してまいりました。
平成十九年度の整備事例でありますが、隅田川におきましては、都立尾久の原公園と一体となって、緑の空間を生み出すスーパー堤防の整備が完了しました。多摩地域の落合川では、水際に近づける緩い傾斜の護岸を整備するとともに、カワセミブロックを設置した結果、カワセミの営巣が確認されました。また、神田川などの中小河川におきましては、護岸の整備に合わせまして、管理用通路の緑化を図ってまいりました。
今後とも、人々に親しまれる水辺空間の整備に努めてまいります。
○吉田委員 ありがとうございます。東京もさまざまな顔を持つ土地でございますので、それぞれ川の手、山の手、多摩と、さまざまな河川の状況に応じて一生懸命にやっていただいている、この状況をまた確認をいたしました。
特に、中野も含めて山の手は、かみそり護岸というか、三面張りというか、非常にそっけない中小の川というか、こういうところが続いておりますので、特に神田川とか妙正寺川、こういうところは、なかなか土地も少なくて、いじりにくいところでもございますけれども、こういうところでもぜひ特段のご配慮をいただいて、親水空間をぜひつくっていっていただきたい、このように改めてお願いを申し上げます。
次に、山手通りの整備についてご質問を申し上げます。
環状六号線山手通りでは、まず地下鉄大江戸線が開通いたしまして、また昨年十二月、首都高速新宿線の工事が完了して、開通をいたしまして、いよいよ地上の道路の整備ということになってまいっております。
地元の人々は、これまで本当に長年、工事に協力してまいりまして、そして工事期間が延長したりして、やっとできるかなと思ったら延長だとがっかりしたり、いろいろしてまいりました。ようやく山手通りの工事が始まったことで、本当に、そろそろ完成だ、いつ完成だろう、どういうふうになるだろうと待ち望んでおります。
そこで、中野区内の環状六号線山手通りについて、現在の進捗状況と今後の整備のスケジュールについてお伺いをいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 中野区内の山手通りは、中野区弥生町一丁目から東中野四丁目の早稲田通り交差点までの約二・三キロメーターでございます。首都高速中央環状新宿線の建設に伴いまして、二十二メーターあった幅員を四十メーターに拡幅しております。
早稲田通りとの交差点から南側約二百メーターにつきましては、平成十七年度に街路整備が完了しておりまして、残る二・一キロメーターの区間で、現在、埋設企業者工事や電線共同溝設置工事などを行っております。
引き続き、平成二十二年度の完成を目指し、着実に整備を進めてまいります。
○吉田委員 平成二十二年度の完成ということで、首を長くして待っておりますので、着実にお願いをいたします。
この整備に当たりましては、交通の円滑化を図るとともに、歩行者や沿道環境にも十分に配慮した、質の高い道路空間の創出に取り組んでいらっしゃるということでありますので、今後とも引き続き頑張っていただきたいんですが、これの特徴をわかりやすくご説明いただきたいと思います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 ご指摘のとおり、山手通りの整備に当たりましては、交通の円滑化を図るとともに、歩行者や沿道環境にも十分配慮した、質の高い道路空間の創出に取り組んでいるところでございます。
このため、歩行者の安全を確保する広幅員の歩道や、自転車通行帯、都市景観に配慮した緑豊かな植樹帯の設置や、電線類の地中化などを行っているところであります。
さらに、交通の円滑化を図るために、車道に停車帯や大型車の荷おろしスペースを設置するなど、安全で快適な道路空間の整備を進めてまいります。
○吉田委員 ありがとうございます。非常に具体的に、こういうふうになるんだなと、目に見えるようなご説明でありまして、ありがとうございます。
これに関連して、安全で快適な自転車走行空間の整備ということに、少し視点を変えてお伺いをしたいと思います。
昨年の事務事業でもご質問を申し上げたんですけれども、また昨年十二月の一般質問でも申し上げたんですが、環境に優しい交通手段である自転車の利用促進、こういう観点から、自転車走行空間の整備、大変重要であると思います。自転車の利用を促進するためには、歩行者と自転車、自動車、これらが安全、快適に走行できるように道路を整備していく必要がある、こういうふうに考えております。
昨年度、自転車走行空間の整備の実績についてお伺いしたんですが、その後の整備の進捗状況についてお伺いをいたします。
○米田道路保全担当部長 自転車は、近距離の移動にすぐれるとともに、環境への負荷の少ない、都市内の有効な交通手段の一つであり、歩行者と自転車、自動車、これらが安全で快適に通行できる空間の整備は重要であると考えております。
自転車走行空間につきましては、平成十八年度までに、多摩湖自転車道などの自転車道で四十四・四キロメートル、既存の広い歩道でのカラー舗装による視覚的分離により外堀通りなどで十八・三キロメートルを整備いたしました。平成十九年度は、既存道路におきまして、浅草通りや旧玉川水道道路などで五・二キロメートルを整備いたしました。また、新設道路では、調布保谷線において一・七キロメートルを整備しております。
○吉田委員 ありがとうございます。大変難しい中で一生懸命取り組んでいただいているなと、様子を伺っております。
しかし、既存の広い歩道における自転車走行空間の整備というのは、まだまだおくれているというか、進めなければいけないと思います。そこで、平成二十年度以降の整備の取り組みについてお伺いをいたします。
○米田道路保全担当部長 平成二十年度は、国際通りでは既存の広い歩道を活用し、また東八道路では車線構成を見直して、歩道を拡幅することによりまして、自転車走行空間の整備を行います。
今後とも、既存の道路において、多様な手法を用いた自転車走行空間の整備を推進していくとともに、環状六号線や調布保谷線など、道路の新設や拡幅に合わせまして、安全で快適な自転車走行空間の整備に努めてまいります。
○吉田委員 ありがとうございます。ぜひ今後とも積極的な整備を進めていただきたいとお願いを申し上げます。
そしてもう一つ、道路に関連をいたしまして、昨年の事務事業等でも、既存の道路において歩道のセミフラット化ということをぜひ進めてくださいということをお願いしました。道路における段差や勾配の改善には、セミフラット形式が有効であって、道路の新設や拡幅に当たっては、原則的にセミフラット形式で整備を進めていただいてきた。そして、今後、高齢化が進み、高齢者がふえていくことを考えていきますと、既存の道路においてもセミフラット化を推進していくべき、こういうふうに昨年はご質問申し上げ、そして前向きに、既存の道路においても、例えば路面補修工事などに合わせたセミフラット化を進めていく、こういうような積極的なご答弁をいただいた次第であります。
そこで、平成十九年度における実績と平成二十年度の見込みについてお伺いをいたします。
○米田道路保全担当部長 都は、路面補修工事に合わせて、段差や勾配の改善を実施しており、沿道利用など地域の状況に応じて、車道との高低差が少なく、すりつけ勾配が緩やかになるセミフラット形式の歩道を採用しております。
平成十九年度は、約五キロメートルでセミフラット化を実施いたしました。平成二十年度は、同じく約五キロメートルで実施する予定でございます。
今後とも、沿道住民の方々の理解と協力を得て、安全で快適な歩行空間の確保に取り組んでまいります。
○吉田委員 ありがとうございます。今、平成十九年度は約五キロメートルと。この数字、小ちゃく見えますけれども、そんなことはなくて、早速、私の近所の早稲田通りでも、非常に段差のあるところを、セミフラットで路面改修に合わせて直していただきました。それまで、つえの方、いつも散歩している方が、坂のところでずっと進まなくなるのが、直していただいてから、普通に歩いて進んでいただけるようになったり、あるいは車いすの方も普通に進んでいただける様子を見て、大変安心して、都の早速の前向きなご対応に感謝をしているところであります。
キロメートル数でいくと、そんなに感じないかもしれませんが、事業効果というか、非常に高いことでございまして、引き続き本当に頑張っていただきたいな、このようにお願いを申し上げます。
最後に、踏切対策、私からも連続立体交差事業についてお伺いをいたします。
東京都は、鉄道立体化の検討対象二十区間の中から、本年五月に新規着工準備箇所として採択された西武新宿線の中井駅から野方駅間など二区間を含む七区間を、事業候補区間に選定していただきました。
私は、本年三月の環境・建設委員会でも表明いたしましたが、連続立体交差事業、本当に、交通渋滞や地域分断の解消に資する効果の高い事業であって、積極的に取り組んでいただく必要がある、このように考えております。
この西武新宿線中井駅から野方駅間の連立事業の現在の取り組み状況についてお伺いをいたします。
○藤森道路計画担当部長 西武新宿線中井駅から野方駅間の連続立体交差事業につきましては、現在、構造形式や施工方法などの検討を行っており、国との比較設計協議を始めるところでございます。
今後、この協議を着実に進めるとともに、道路特定財源がたとえ一般財源化されようとも、事業に必要な安定的な財源の確保に努めながら、事業化に向けて取り組んでまいります。
○吉田委員 本当に大切な事業でございますから、私どもとしても、一生懸命に財源確保にはご協力を申し上げたいと思います。
そして、高橋理事からもご質問がありましたけれども、本当に、西武新宿線全線、問題のあかずの踏切のオンパレードという路線でございまして、今申し上げた中井-野方間の隣にございます野方から井荻間も、それからそこから先も、事業候補区間の一つに選定されております。一刻も早く新規着工準備採択されるように検討を進めていただきますように、改めてお願いを申し上げて、私からの質問を終えさせていただきます。
○小磯委員 ことしの夏は、ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的集中豪雨が頻発をいたしました。東京においても集中豪雨が多発して、八月末には、町田市の図師町というところで、時間一一五ミリという記録的な雨が降ったところでございます。
この八月末の集中豪雨では、境川という川が溢水をして、多くの浸水被害が発生をいたしました。私も、夜中に降った雨で、翌朝、境川の溢水したところを視察といいますか、現地に行って写真等を撮ってまいりました。(資料を示す)これが、ちょうど南多摩東部建設事務所の東工区がこの辺にありまして、その先でございます。川がカーブしているんですけれども、川の水がそのまま行っちゃって、ここのフェンスが全部なぎ倒されているところであります。これは親水空間ということで、十三段の階段があるんですけれども、これを越えて、なおかつフェンスを越えて水がこっちにあふれたという、かなりの浸水被害だったと思います。これも同じような場所での浸水被害でございます。
こういうことで、我々、境川が、ふだんは水がそんなに多くない川で、こういう雨でこれほどの被害が起こるとは予想だにしなかったわけでございますけれども、このときのいわゆる降雨状況と水害の発生状況についてお伺いしたいと思います。
○廣木河川部長 ことしの八月末には、多摩地域を中心に集中豪雨があり、境川、鶴見川、谷地川で溢水による浸水被害が発生するなど、各地で被害が発生いたしました。
境川流域の蓬莱橋では、一時間に六三ミリ、総雨量一〇四ミリ、近隣の、先生がお話しになりました町田市図師では、一時間一一五ミリ、総雨量一六五ミリの降雨を記録いたしました。
境川の被害状況でありますが、町田市の発表によると、床上、床下合わせて七十七棟の浸水被害が発生いたしました。
○小磯委員 降雨量ということに関しましては、平成元年から十年まで、五〇ミリを超えた雨が年に四回、ところが、平成十年から平成二十年にかけては、五〇ミリを超えた雨が年に六回ということで、これだけでも五割増しの五〇ミリ以上の雨が降っているということになるわけでございます。
この境川というのは、まさに東京と神奈川の境を流れている川で、全くの一番上は神奈川、町田市を流れている部分は大体が東京都、そしてその下が神奈川ということで、同じ川でも管理が神奈川だったり東京都だったりするということで、いろいろと東京都建設局の皆さんもご苦労をされているんだとは思います。そういう中で、現在の境川の整備状況についてお伺いをしたいと思います。
○廣木河川部長 境川は、町田市相原町の大地沢を源流とし、神奈川県藤沢市江の島付近で相模湾に注ぐ、延長五十二キロの二級河川であります。
河口から町田市鶴間の都県境までを神奈川県が、その上流の根岸橋までの約十キロメートルを東京都が、さらにその上流を神奈川県がそれぞれ整備をしております。
このうち、東京都が整備する区間では、一時間五〇ミリの降雨に対応する護岸の整備を進めており、平成十九年度末現在で、都県境や町田市森野付近など四カ所を除き、護岸の整備が完了しております。
○小磯委員 ここで、いわゆる川が両県をまたがっているというのは、大変難しい事情だというのがあるわけでございまして、今、河川部長の方から護岸整備が四カ所を除いて終わっているということでございますけれども、実は川というのは下流の方からきっちり整備していかないと、上流の方を整備して下流を整備していないと、一挙に下流の方で溢水して洪水になってしまうということで、やはり、下流の神奈川県側が実は五〇ミリ対応になっていないということで、東京都の町田、いわゆる境川の東京都部分の方が、護岸の整備が五〇ミリに終わっていても、川底を五〇ミリの川底まで掘れない。せっかく護岸は終わっているのに、川底を掘れないという状況をずっと我慢しているというのが実態でございます。
そしてまた、その四カ所というのは護岸がまだ整備されていない。これは整備していくんですけれども、そんなことで、神奈川県側の整備が終わらないから、町田側の東京都側の整備ができないという、大変つらい状況になっているわけでございます。
東京都の進捗状況は理解できましたが、境川は下流の神奈川県管理区域の整備が進んでいないことから、上流の東京都管理区域の整備が完了しても、その機能を発揮できないでいる。そこで、これまで神奈川とはどのように調整してきたのか、神奈川県との調整についてお伺いをしたいと思います。
○廣木河川部長 東京都はこれまでも、毎年定期的に開催している東京都・神奈川県河川調整会議や、都市河川の整備促進に関する一都三県連絡協議会などの場を活用し、機会あるごとに、神奈川県に対して、整備促進を要請してまいりました。特に、今回の水害を受け、神奈川県、東京都及び国土交通省の三者合同で、緊急調整の場を設け、神奈川県が下流部で整備している境川遊水地の早期完成や、ネック箇所の解消を改めて要請したところでございます。
今後とも、これらの場を活用し、神奈川県に対して、整備促進を強く要請してまいります。
○小磯委員 今回の水害を受けて、国土交通省、そして神奈川県、東京都、三者合同の緊急調整の場を設けて、いろいろと協議をされた、そしてまた強く要請をされたということは、一歩前進であるというふうに思っております。
ただ、整備促進の要請も重要でございますが、河川改修というのは、やはり時間がかかる仕事でございますので、さまざまな工夫をして、東京都側でできることは何でもやっておくということが必要なんじゃないかな、こんなふうに思います。例えば、川沿いに小さい調整池をたくさんつくるなど、少しでも早く治水能力を高めるべきであると考えますが、ご見解を伺います。
○廣木河川部長 これまで、境川の整備に当たりましては、下流の神奈川県の整備状況を勘案しながら整備を進めてまいりました。今回の水害の発生を受け、境川の現況の流下能力を十分に検証するとともに、旧河川敷の活用や周辺のまちづくりと一体となった整備を検討するなど、さまざまな工夫により整備を進め、水害の早期軽減に努めてまいります。
○小磯委員 済みません。もう一回、今のところの答弁をしてもらえますか。
○廣木河川部長 申しわけございません。
今回の水害の発生を受けまして、現在の流下能力を十分に検証するとともに、旧河川敷の活用、周辺のまちづくりと一体となった整備を検討するなど、さまざまな工夫により整備を進めて、水害の早期軽減に努めてまいります。
○小磯委員 ただいまの答弁は、境川の現況流下能力を十分検証するということと、二つ目には、下流への負担を軽減するために旧河川敷を活用した整備を検討するということで、これは東京都側でできることをしっかりやっていこうということで、全く新しいご答弁をいただいたんじゃないかな、こういうふうに思っております。この答弁のとおり、ぜひとも整備検討をお願いしたいと思います。
これは恐らく、町田市側の方も大変喜ぶといいますか、大変ありがたいなというふうに思うんじゃないかなと思っております。
それから、河川整備によって一刻も早く地域住民が安心して暮らせるようになってもらいたいと思います。しかしながら、水害はいつ起こるかわかりません。今回の豪雨で水防活動や都民みずからが必要な土のうなどをすぐに利用できる仕組みが非常に重要であると改めて認識いたしました。
土のうを、消防団とか、いろいろなところに要求しても、あちこちで土のうが必要なものですから、とうとう我が家には土のうが来なかったという家が結構ございました。そんなことで、この質問をするに当たって、いろいろ説明を受けたところ、都の倉庫も、また市の倉庫もしっかりあって、その倉庫の中には土のうもきちっと設置されているということがわかりました。
でも、要するに、町田市民の皆さんがそういう倉庫がどこにあるのか、また土のうの袋にどこの土をどうやって入れるのかとか、そういったことがなかなか日常的に市民がわかっていないというふうに思っております。そういった意味で、都と市と町会との連携のあり方、また周知をどうするかということも、しっかりと検討が必要なんじゃないかな、こんなふうに思います。
そこで、浸水被害の軽減に向けた都の水防活動の取り組みについてお伺いをいたします。
○廣木河川部長 都は、気象状況により大雨や洪水等のおそれがあるときには、直ちに職員を配置し、水防管理団体である地元市や関係機関と連携して水防活動を行っております。
その内容は、雨量や水位の監視を行うとともに、地元市や関係機関への防災情報の提供、技術的な支援、土のうなどの水防活動に必要な資機材の援助を地元市を通じて行うものであります。また、都や地元市が管理する水防倉庫には、必要な資機材として、土のう、シート、スコップ等を備蓄しております。
今後は、自助の観点からも、都民みずからもこれを資機材に活用できるよう、地元市と連携を図ってまいります。
○小磯委員 町田市、そして東京都など行政が行っている水防活動については、理解をいたしました。
今回の豪雨では、境川の下流の方、東急田園都市線付近などで溢水していることから、そうしたネック箇所に--ここには水位計がございません。ですから、そういったところに水位計、またライブカメラを設置して、都民みずからが早目の避難や浸水への備えをすることが重要であると思います。
そこで、これらの防災情報の提供について、境川、鶴見川など、よりきめ細かい対応をすべきと思いますが、都の取り組みをお伺いしたいと思います。
○廣木河川部長 水害を軽減するためには、的確な状況把握と速やかな情報提供が重要であります。東京都では、水防災総合情報システム等で降雨や河川水位の情報を把握し、インターネットや携帯電話によりリアルタイムで都民に提供しております。
今後は、ネック箇所につきまして、豪雨時により的確な状況判断ができるよう、水位計や監視カメラの増設を検討してまいります。
○小磯委員 水位計並びにライブカメラの増設等については、しっかりとよろしくお願いを申し上げます。
多摩地域の河川には、川底までおりられるような親水的な整備が行われているところもございます。こうした箇所で遊んでいるときに、急な増水がないとも限りません。ことし七月に神戸の利賀川で起こったような事故が発生していないことは幸いでありますが、河川を利用する都民への安全を確保することは必要と考えます。そこで、川底までおりられる河川の親水空間における利用者の安全確保のため、危険を知らせる警報装置の設置などの対策が必要と考えます。
(資料を示す)これもさっきお見せしたここも親水空間ということで、ここをおりていけるわけですけれども、こういったところがいきなり増水すると大変である。そんなことで、こうした警報装置の設置が必要だと思います。見解をお伺いいたします。
○廣木河川部長 都におきましては、治水機能を確保しつつ、周辺状況に応じた親水空間の整備を進めており、川底までおりられる整備は、多摩地区の境川や鶴見川で実施しております。
整備に当たりましては、増水への注意を喚起する看板を設置しておりますが、近年の突発的な局地的集中豪雨による急激な河川の水位上昇に対しては、従来にも増して都民が安全に利用するための対策が必要であります。
今後は、ホームページで川を利用する際の注意事項等を発信するほか、河川愛護月間行事などの機会をとらえて、水難事故防止の啓発活動を行ってまいります。従来の注意看板に加え、携帯電話で降雨量、河川水位の情報を入手するためのQRコードなどを記載した注意看板の設置なども進めてまいります。特に注意を要する箇所におきましては、警報装置等の設置についても検討を進め、河川利用者の一層の安全対策を図ってまいります。
○小磯委員 また、平成二十年八月末豪雨においては、全国各地で土砂災害も発生しております。都内では幸いにも人的被害には至らずに済みましたが、八王子市や町田市など多摩地区では、がけ崩れなどの土砂災害が多発をいたしました。
土砂災害から都民の命を守るには、危険な箇所はどこか、豪雨による危険性はどの程度なのかなどを住民に知らせ、警戒避難を常に心がけてもらう必要があります。そこで、土砂災害に対する避難体制の確立にとって、まずは都が正確な土砂災害警戒情報を発信することが重要であると考えますが、見解をお伺いします。
○廣木河川部長 近年の局地的集中豪雨は、土砂災害の発生を増大させておりまして、土砂災害警戒情報を都民へ的確に提供することが重要であります。
土砂災害警戒情報は、台風や集中豪雨の際に、土砂災害の危険性が高まったことを示す情報でありまして、区市町村長が行う避難勧告や住民の自主避難の判断などに役立つものであります。
東京都は、この八月末豪雨では、二十五の市や町に対して、気象庁と共同で土砂災害警戒情報を発表し、土砂災害が発生する前に、地元の警戒避難に活用されました。
今後とも、土砂災害から都民の命を守るため、地元自治体と連携して、警戒避難体制の充実を図ってまいります。
○小磯委員 このたびの境川での水害や土砂災害を受け、私は、即日、建設局長をお訪ねいたしまして、災害の実情を訴えるとともに、治水対策の促進を強く要望させていただいたところでございます。その際、局長からは、対策を強力に進めていく旨の回答をいただきました。
ここで改めて、都民の安全な暮らしを実現するため、治水対策や土砂災害対策をどのように進めるのか、建設局長の決意をお伺いいたします。
○道家建設局長 歴史に照らしてみましても、治水は政の根幹をなすものという言葉の重みを感じている一人でございます。
水害から都民の命と暮らしを守るために、治水対策や土砂災害対策を着実に進めることは重要でございます。特に、近年の局地的な集中豪雨の増加傾向や、平成二十年、ことしの八月末豪雨における被害の発生状況などを勘案いたしますと、中小河川の整備や土砂災害対策の推進は、まさに喫緊の課題であるといえると思います。
このため、水害の早期軽減に向け、中小河川で進めている一時間五〇ミリ降雨に対する整備について、なお一層のスピードアップを図ってまいります。
また、河川の整備に加え、降雨、水位情報の提供や、土砂災害警戒情報の発信など、豪雨時に都民の自助、共助に役立つよう、ソフト対策にも積極的に取り組んでまいります。
今後とも、国費など財源確保に努めるとともに、地元市区町村と十分に連携し、治水対策や土砂災害対策を着実に進め、安全で安心なまち東京の実現を目指してまいります。
○小磯委員 今、局長の力強い決意をお伺いいたしました。よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、町田市内の道路整備についてお伺いをいたします。
町田市内の道路については、歩道が整備されていない箇所、また自動車が安全にすれ違うことができない箇所があるなど、都民生活に支障を来しております。私はこれまでも、機会をとらえて、道路整備の促進を強く要望してきたところでございます。
そこでまず、藤沢街道の歩道設置の予定についてお伺いをいたします。
町田市金森地内の主要地方道五六号目黒町町田線、通称藤沢街道は、ファミリースポーツ広場から南橋交差点までの約五百五十メートルの区間の一部で、道路幅員が約四メートルと非常に狭い箇所がございます。この地域の交通安全を考えると、本来、歩車道が整備された町田街道を通行することが望ましいわけでございますが、現実には多くの車両が町田街道の抜け道として通行しているため、歩行者は車両と接触のおそれがある危険な状況にございます。実際、手が車にぶつかったとか、通学上そういうのが発生しております。そんなことで、歩行者などの安全確保のため、早急に歩道設置を行うべきと考えますが、今後の予定についてお伺いをいたします。
○米田道路保全担当部長 今ご指摘がございましたとおり、歩車道が整備されました町田街道があるにもかかわらず、現状では、幅員の狭い区間に多くの車両が進入しているという状況にございます。その状況を踏まえますと、町田市金森地内の主要地方道五六号目黒町町田線、通称藤沢街道の一部の区間につきましては、歩行者の安全確保のための歩道設置が必要と考えております。
歩道設置には、道路拡幅が伴うため、新たな用地の確保が不可欠でございます。現在、現地状況に即した歩道設置を検討しており、今後、関係権利者や地元の理解と協力を得て事業を進めてまいります。
○小磯委員 安全性の向上という点については、歩行者だけでなく、車両の安全な通行も重要でございます。都道町田日野線の小野路町地内、地元では宿通りと呼ばれている道路でございますが、幅員が狭く、対向車が来るとすれ違いが困難であり、拡幅整備を進めております。一部地権者の理解が得られていないとも聞いておりますが、地域の多くの方々が早期完成を待ち望んでいる事業でございます。現在の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 都道町田日野線の小野神社前交差点から多摩市に向かう四百八十メーターの区間は、現況の道路幅員が四メーター程度と狭隘でありまして、歩行者の安全と円滑な交通を確保するため、拡幅整備を進めているところでございます。
本地域は、歴史ある古い町並みが残っておりまして、景観に配慮した道路整備を行うため、道路照明や歩道のデザインなどにつきまして、小野路宿通り街づくり協議会と調整しているところでございます。
事業の進捗状況でございますけれども、平成十九年度末までに八割の用地が取得済みであります。現在、町田市が下水道工事を施行中でありまして、引き続き、都は、沿道との高低差を処理する工事を行ってまいります。
来年度、二十一年度から、道路排水施設の工事を行う予定でございまして、引き続き、地元の方々の理解と協力を得て、残る用地の取得に努めまして、早期完成を目指し、事業を推進してまいります。
○小磯委員 地域交通の円滑化を図るためには、道路ネットワークの形成が重要でございます。町田三・四・四〇号線は、町田市が施工している道路築造事業の市道忠生六三〇号線と接続することで、多摩ニュータウン方向への利便性が向上いたします。
整備を進めている図師大橋交差点から市道忠生六三〇号線までの区間について、現在の進捗状況と今後の用地取得の取り組みについてお伺いをいたします。
○角南用地部長 町田三・四・四〇号線の図師大橋の交差点から市道忠生六三〇号線までの約二・四キロメートル区間のうち、約一・七キロメートル区間については、用地取得を進め、平成十九年度までに事業が完了しております。残る区間のうち、三百メートルについては、十一月に用地説明会を開催し、用地取得に着手する予定であります。
今後とも、関係権利者の理解と協力を得て、着実に用地の取得に努め、事業を推進してまいります。
○小磯委員 道路の安全性、そして地域の利便性の向上を図るためには、踏切の解消も重要な課題でございます。特に、町田街道とJR横浜線が交差する大戸踏切については、平成十五年度に応急対策として踏切拡幅を行っていただき、安全性は向上したものの、依然として踏切遮断による深刻な渋滞も発生しておることから、地元では早期立体化を強く望んでおります。さらに、地元では、立体交差化を契機としたまちづくりを進めていくため、まちづくり検討会が設置され、まちづくりのコンセプトや整備方針などが検討されております。
そこで、町田街道とJR横浜線との立体交差化について、現在の状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 町田街道は、多摩地域における東西方向の骨格幹線道路でありますけれども、JR横浜線と交差する大戸踏切では、踏切遮断により交通渋滞が発生しております。このため、町田街道とJR横浜線の立体交差化が不可欠であり、事業化に当たっては、近接するJR相原駅の駅前広場の整備など、地元のまちづくりと連携を図ることが重要であります。
そこで、都は、町田市が中心になって設置いたしましたまちづくり検討会に対し、昨年二月に道路線形の複数案を提示しており、その後、本年の八月に、検討会から立体交差部の影響範囲の縮小や沿道アクセスの確保などの要望が寄せられました。
これらの地元要望を踏まえながら検討を進めまして、具体的な道路構造について早期にまちづくり検討会に提示してまいります。
○小磯委員 ただいまは、河川並びに道路についていろいろと質問し、要望させていただいたところでございます。何とぞよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○石川委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時五十三分休憩
午後三時十二分開議
○石川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○村松委員 建設局の事業は、「十年後の東京」で明らかなように、三環状道路建設を優先させています。とりわけ中央環状品川線は、東京都が、上下線二本のうち、二千億円もかかる一本を半分負担して整備、その上に首都高速株式会社整備分二千億円の一二・五%を出資、二百五十億円も負担することになっています。本来、品川線に東京都が全く出す必要もない千二百五十億円もの税金投入は、どう考えても納得するものではありません。こうしたお金があるなら、もっと身近な都民要望にこたえるべきです。
そこで伺いますが、中央環状線のこれまでの具体的実績について、王子線と新宿線の当初見込み額と最終的にかかった費用を伺います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 中央環状線のうち、王子線、新宿線、品川線、それぞれについての当初額と事業費でございますけれども、王子線につきましては、当初事業費約一千四百億円でございまして、平成十四年の開通時には四千百億円でございます。新宿線は、当初事業費の五千二百億円に対しまして、一兆五百億円程度の事業費となっております。品川線については、当初事業費を四千億としております。
○村松委員 答弁にありましたが、王子線が千四百四億円の当初の見込み額が四千百億円になっている。それから、新宿線は五千二百億円が一兆五千億円、合わせてこの二線だけで六千六百四億円も膨れ上がっているんですね。これについては、出資金や無利子貸付金などで、都の負担もふえているはずなんですよ。
中央環状品川線の事業費が、この王子線や新宿線と同様に膨れ上がった場合、一体だれが負担することになるんでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 新宿線の最終的な事業費については、一兆五百億円ということでお願いいたします。
今、品川線が事業費が膨らんだらどうするのかというご質問でございますけれども、品川線を、現在、鋭意進めているところでございますが、近年の経済状況からは、物価及び地価変動、こういうものはおさまっておりますので、事業費に与える影響は少ないということで、事業費四千億円を超えることはないというふうに考えております。東京都の進めております街路事業を鋭意推進してまいりたいと考えております。
○村松委員 これまでの経過を見て、先ほどご答弁ありました新宿線が倍に膨れ上がってきている。それから、王子線は倍どころか三倍を超えて膨れ上がってきている。こういう中で、工事がどんどんどんどん膨れ上がって、しかも、中央環状品川線の場合には、四千億のうちの半分、一本の、その半分を東京都が責任を持ってやっているわけですよ。それが膨れ上がった場合、結局、都民の税金負担になるということじゃないんですか。
伺いますが、ここに、私は、ことしの決算でそちらが出した、建設局が出した事業別予算・決算額の推移というのがあるんですね。これを見ますと、骨格幹線道路には、この品川線のお金、予算は入っているんですか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 品川線については入っておりません。
○村松委員 骨格幹線道路には、この品川線は入っていないんですよね。本来なら、この骨格幹線道路に計上すべき額が、そこに計上されないで、別枠で街路樹に入っているんですよ。別枠として扱い、道路建設費を小さく見せようとしている。
今年度は、大井地区のトンネル工事費百三十億二千万円と、シールドトンネル工事分四百三十一億五千万円があって、それからさらに換気所下部工事費などが入っているために、この予算というのは、本来、骨格幹線道路に入るべきお金が、もっと膨れ上がって一千四百億円近く、それ以上になるかもしれないんですが、それになると思うんですよ。
大型道路というのは特別扱いする、こういう考え方を持っているんですか、東京都は。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 中央環状品川線につきましては、三環状道路の一つでございまして、大変重要な路線として、東京都が、首都高速道路株式会社とともに早期事業化を目指して進めている路線でございます。
この路線が完成することによりまして、交通の円滑化が図られるということで、東京の経済活動が活性化するだけではなく、CO2の削減等、環境に対しての改善効果ということが大変大きい事業でございまして、東京都としては全力を挙げて整備しているところでございます。
それだけではなく、地域の幹線道路等も含めまして、道路整備は大変重要な事業でございますので、全力を挙げて整備をしているところでございます。
○村松委員 質問の答弁になっていないよ。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 今、この路線の整備は重要だということでご説明したわけでございますけれども、決算につきましては、都市高速道路の整備ということで、決算額の中に計上しているところでございます。
○村松委員 大型幹線道路を特別扱いにするんですか、そういう質問をしているんですよ。それに対して、その重要性ということでいわれましたけれども、去年の副知事の依命通達、こういうのは大型幹線道路には当てはまらないんですか。
ここにこう書いてあるんですよ。都の行うすべての施策及びその実施体制について、制度や事務事業の根本にまでさかのぼった施策の見直し、再構築を図る。それから、具体的には、新規事業及びレベルアップ事業については、事業の必要性を厳しく見きわめ、既存事業の抜本的見直しを行うなど、徹底したスクラップ・アンド・ビルドを前提として経費を見積もること。こういうふうに書いてあるのに、この中央環状品川線については聖域扱いじゃないですか。
この間、私たちも、この問題については聖域扱いされているがために、都民の福祉や医療や教育がずたずたにされてきている。本当に、そういうのだけはシーリングでどんどんどんどん切っておきながら、こういう大型幹線道路は聖域扱いされている、こういわざるを得ないと思うのです。
この工事についても苦情が来ているんですよ。今後、大井地区のトンネル工事とシールドトンネル工事が始まるようですが、地域住民の方々は、工事の車の台数が多くなるんだろう。それから、今でも大気汚染が、大気汚染調査をしたら、〇・〇六の基準のところを、〇・〇九から〇・一の二酸化窒素が測定されている。東京都として責任を持って大気汚染の調査をすべきじゃないか。それから、住民からのアンケート調査をすべきじゃないか。このようにいっているんですが、この辺についてはどうお答えしますか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 お答えいたします。
品川線を初めといたします三環状道路の整備は、首都圏の慢性的な渋滞を解消し、道路交通ネットワークの効率化をもたらすことから、日本経済全体の発展につながると考えておりまして、大変重要な事業であるということでございます。聖域云々ということではなく、大変重要な事業でございますので、きちっと予算を位置づけて整備しているところでございます。
先ほど福祉、中小企業等に回したらということがございますけれども、経済活動の活性化は新たな税収を生み出しまして、その税金分から福祉や医療などの都民サービスが実現されるわけでございます。
そもそも、都市の再生は、福祉だとか中小企業対策などと対立し得ない課題でありまして、経済活動を活性化させるためにも、今後とも、品川線の平成二十五年度完成に向けまして、積極的に事業を推進してまいります。
今、ご質問がありました大気汚染の話、それからアンケートの話でございますけれども、私どもが把握しているデータでは、大井北発進立て坑の近くにあります一般環境大気測定局、八潮測定局の測定結果によりますと、平成十八年度一日平均の年間九八%値の二酸化窒素濃度は〇・〇五八ppm、平成十九年度では〇・〇五六ppmでありまして、環境基準の〇・〇六を下回っております。
それから、アンケートにつきましても、東京都は、平成十三年の都市計画素案の説明会から現在に至るまで、条例に基づく説明会や、相談コーナーの開催、地元要請による住民団体との意見交換会など、合わせて百回ほど行いまして、延べ四千人ほどの住民の方々の出席も得ているところでございます。これらの説明会の中で、品川線の必要性、環境への影響、工事の概要など、詳しく説明してまいりました。
このほか、都ではこれまで、換気所のデザインのアンケートなどを実施しておりまして、今後とも、工事説明会や意見交換会など、必要に応じてアンケートを実施するなど、地元の住民の理解と協力を得ながら、事業を着実に推進してまいります。
○村松委員 先ほど聖域扱いされていないというふうにお話しされましたが、三環状道路を本当に品川線と同じに東京都がみんな出資しているんですか。出資形態、違っているじゃないですか。だからこそ私はそのことをいっているんです。まさにオリンピックをてこにした、オリンピックを口実にした開発といわれても仕方がないような、そういうやり方をしているんですよ、品川線については。ほかのところは、首都高速株式会社がやったり、国がやったりしているのに、それを東京都が品川線に限っては、余分にお金を本来出すべきところでないのに出している。ここのところをいっているんです。
そういう意味で、本来なら、建設局としてやるべきことをやらないで、やってはならない事業をやっているという意味で、私は東村山三・四・一一号線の計画問題について質問したいと思います。
昨年のこの委員会での質疑の中で、東村山三・四・一一号線建設予定のうち、東村山市内の二千二百メートルが未整備になっているとの説明がありました。東京都は、この道路整備に当たって、最も着工しやすい東京都の福祉、医療施設などがある東京都の土地を優先して進めようとしています。
まず、この敷地内の施設が果たしてきた役割について質問したいと思います。
建設予定地の約十七ヘクタールの敷地にはどんな施設があるのか、伺います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 東村山のご質問に答える前に、三環状道路につきましては、これまでも何回もお答えしているように、日本経済全体の発展につながるだけではなくて、環境改善に資する重要な路線ということで、圏央道につきましては国、高速道路株式会社、外環につきましても国、高速道路株式会社、中央環状線につきましては首都高速道路株式会社及び東京都が、それぞれの役割の中で事業を進めて、早期整備を図っているところでございます。したがいまして、東京都としましては、一日も早くこの路線を完成させることが都民のためということで、オリンピックの招致とか、そういうことにかかわらず、事業を進めているところでございます。これは最初に申し上げたいと思います。
ご質問のありました東村山三・四・一一のところの施設の話でございますけれども、当該箇所につきましては、養護老人ホーム、多摩北部医療センター等の施設がございます。
○村松委員 この東京都東村山老人ホームの事務事業を見ますと、構内配置図もあります。ここには、多摩北部医療センター、八階建ての老人ホーム青葉寮、それから、六階建ての桜寮があります。また、入所者がサークル活動で利用する奏生館や緑生館などがあります。東京都はこの施設全体が果たしている役割をどのように認識しているんでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 私自身もごく近くに住んでおりますので、重要な施設だと認識しております。
○村松委員 その重要な施設、どのように重要だというふうに思いますか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 先ほどお答えしましたように、当該の北部医療センターなどは、地域の救急病院という位置づけもございまして、それぞれの施設が、周辺の市民にとって、生活、安全、いろいろな医療の面からも、重要な役割を担っていると認識しているわけでございます。
○村松委員 老人ホームやナーシングホームなどの施設は、どういう重要な役割を果たしているというふうに思うんですか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 当該の東村山都市計画道路三・四・一一号線は、昭和三十七年に都市計画決定されまして、当然、この計画とその施設はぶつかっているわけではございませんので、この道路計画がそれらの施設に対しての影響については少ないものと考えております。
当然、この道路を整備していくに当たりましては、その機能の維持と環境の維持等につきまして、十分配慮して事業を行ってまいります。
○村松委員 重要な役割を果たしてきたという割には、その中身が非常に乏しい理解だな、認識だなという思いがいたします。
この施設は、昭和二十七年に東京都養育院東村山分院として開設をいたしました。理念も、ホームの理念ですが、利用者お一人お一人の人格を尊重し、明るく、生き生き、安心して暮らせるホームづくりを推進します。そして、運営方針は、利用者の生活の質の向上を図るため、介護予防対策や生きがい対策を推進します。二つ目が、利用者の自立、自主性を尊重するとともに、利用者の立場に立って質の高いサービスを提供します。三つ目が、利用者の健康維持増進するために、充実した保健医療の提供を推進します。こういう役割を持っているんですよね。
そして、この特別養護老人ホームなんかは、利用者を--特別養護老人ホームだけじゃなくて、全体が、利用者本位の運営を目指しているということで、都内全域の区市町村から措置された六十五歳以上の高齢者が五百七十六名入所しているところなんです、この老人ホームは。六階建ての桜寮の一階は、四十二名も目の不自由な方も住んでいるんですね。年齢は七十五歳から八十九歳までが四百六人と最も多くて、最高百歳の方もいるんですよ。食事なども工夫され、やわらかいご飯や、ときにはバイキング料理など、入所者の立場に立った運営に力を入れていることがうかがえます。また、クラブ活動も、陶器や体操、俳句、民謡など、多彩に取り組んでいます。
こうした高齢者が生き生きと生活できる施設が東京都内に都立としてあることは、私は大きな喜びを感じます。この敷地に十六メーター道路が建設されることは、ここで当たり前に生活している入所者の生活を壊すことになると思うんですが、その認識はありますか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 本路線の整備と今おっしゃられた理念がバッティングすることは、全然ないというふうに思っております。
私ども、この路線を整備するに当たっては、東村山老人ホームの特殊性を考えまして、施設の利用者に影響がないように、十分調整しながら事業を進めるということでございます。今の理念と道路整備というのは、全く反することなく道路整備が進められると認識しております。
○村松委員 パネルを用意いたしました。ここ全体がキャンパスなんですね。一体としてつくられたところなんです。ここが多摩北部医療センター。それから、八階建ての青葉寮という老人ホームがあります。ここが桜寮で、桜寮は六階、四百二十人がここで暮らしています。それから、青葉寮は二百四十三人が生活しています。桜寮には目の不自由な方が住んでいるんですね。ここの人たちは、診療所があるお医者さんに行ったり、あるいは奏生館とか緑生館、ここはクラブ活動をする場所なんですね。
ここに十六メーターの幹線道路ができるということは、まさにここ全体の中で生活していた人たちの生活そのものを壊すんじゃないんですか。もう一回認識を伺います。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 今ご質問にありましたことにつきましては、十分把握しておりまして、いろいろご質問があったことには支障のないように、十分検討しながら整備を進めていきたいと考えております。
○村松委員 実際問題、支障はあるんですよ。だって、目が不自由でも、ここの桜寮に住んでいる一階の人は、青葉寮に売店があるから、一人で買い物に出かけたり、それから、クラブ活動なんかにも行っているんですよ。こうなってくると、ここに大きな道路ができる。今は構内だから、安全に移動することができるけれども、こんな十六メートル道路ができれば、安全に歩くことができますか。その辺の安全対策は保証できるんですか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 この道路は、都市計画道路の十六メーターの道路でございまして、先ほど高橋理事からもご質問がありましたように、私どもいろいろなところで整備している路線と同じ整備を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
当然、そういう道路を整備しているところには、信号機を設置したり、横断歩道を設置するというのは、我々はやっているわけでございまして、横断ができないというような道路をつくるというわけではございません。この道路は、普通の都民が利用する道路でございますので、高速道路とか、そういうこととは違いますので、地域分断ということについては支障がないというふうに考えております。
○村松委員 一般の道路と違うんです、ここの場所は。そういう意味からも、私は--しかも、この端の方を通るとかじゃなくて、ど真ん中なんですよ。生活をしているところのど真ん中を一般の車が夜も昼もずっと通る、こういうところなんですよ。私はこんなところは本当に見直すべきだ、こういうふうに思います。本来やるべきことはこういうことじゃないはずなんですね。
この施設で心豊かに生活している入所者と、それを支えている職員やボランティアの方々の努力でこれまで築いてきたものを壊しかねない、こういうふうに思うのです。東京都にこうした施設があることは、高齢者にとっては本当に希望であるし、私たち都民としても誇りに思っているんです。それを壊すようなことはしてほしくない、このことを申し上げておきます。
関連して、この東村山三・四・一一号線の環境問題に関連して伺います。
私が昨年質問したときに、自然環境の保全に配慮するために、植生調査し、専門家の意見を聞くということでした。植生調査の結果はどうだったんでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 調査結果をお答えする前に、東村山三・四・一一号線は、先ほどもお答えしましたが、周辺地域の交通の円滑化あるいは歩行者の安全確保を図る必要があり、極めて重要な路線だと認識しております。具体的には、この地域のそばにあります所沢街道というところが大変混雑しておりまして、この混雑を避けるために、地域に通過交通が入り込んでいるというような状況でございます。
私どもとしましては、地域の人たちの理解と協力を得ながら、事業を進めていきたいというふうに思います。
それから、視覚障害者につきましてのご質問をいただきましたけれども、当然、我々は、それに対しての横断方法、信号機、視覚障害者用の信号機をつけるというのは当然のことでございまして、私どもも十分検討してまいりたいと考えております。
それから、植生調査の結果でございますけれども、昨年もいろいろご質問いただきましたキンラン等につきましては、今回の都市計画線の中に、昨年の十一月時点では二百三十六株確認されておりまして、そのうち、九十九株を移植いたしました。ことしの十月では、新たな発芽も含めまして、二百三十七株が確認されているところでございます。
昨年の十一月から十二月にかけて移植しましたキンランにつきましては、ことしの四月に全数が発芽しまして、五月には八割が開花したことを確認しております。
○村松委員 キンラン以外の絶滅危惧種というのは、生息は確認されているんでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 私どもが確認しておりますキンラン以外のものにつきましては、サガミランモドキ、マヤラン、クチナシグサ、アマナ、ホソバヒカゲツゲなどでございます。
○村松委員 済みません。今、マヤランはありましたっけ。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 マヤランと先ほどお答えしましたが、これらにつきましては、大変貴重な種でございますので、私ども盗掘等に対しての危惧をしているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○村松委員 サガミランモドキは、どういうふうに希少植物として位置づけられているんでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 サガミランモドキにつきましては、環境省のレッドデータブックによりますと、ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種ほどではないけれども、近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種というふうに認識しております。
○村松委員 クチナシグサについては、どういう希少植物になっているんでしょう。位置づけられているんでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 クチナシグサにつきましては、環境省レッドデータブックにはありませんが、東京都のレッドデータブックにおきまして、絶滅の危機に瀕している種ということでございます。
先ほども申し上げましたように、これらの種につきましては、大変貴重な種だと認識しております。
○村松委員 答弁にあったように、キンランもギンランもサガミランモドキ、マヤラン、クチナシグサ等々は、環境省のレッドデータブックあるいは東京都のレッドデータブックの評価の中で、絶滅の危機に瀕している種として位置づけられているんですね。こういう貴重な植物があるところをむやみに開発していいのか、こういう思いでおります。特に、都心が、最近、どんどん開発されている中で、武蔵野の面影が残っているところをぜひ残してほしいという都民の声にこたえていただきたいというふうに思います。
東村山三・四・一一号線の最後の問題ですが、施設のライフラインについて伺います。
まず、東村山老人ホームを突き抜ける四百七十メーターの計画道路の予算は幾らでしょう。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 お答えする前に、絶滅の危機に瀕しております種が生息しているところにつきましては、だれもが入れるところでございますので、私どもは、先ほどお答えしたように、これらについての盗掘等の問題について大変危惧しているということを、最初に申し上げたいと思います。
三・四・一一号線の事業費でございますけれども、今年度、着手しました野火止通りから都道二二六号線までの四百七十メーターの事業費につきましては、約十八億円でございます。
○村松委員 たまたまここは東京都の土地ですから、十八億というふうになるかと思うんですが、通常の場合、民地なんかで新たに四百七十メーターの道路を整備する場合には、どのくらいが普通かかるんでしょうか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 具体的な試算等については行っておりません。
○村松委員 これまで都道の整備なんかずっとやってきているから、大体あの東村山の辺だと幾らというぐらいのことは計算できるんじゃないかと思うんですが、それはいいです。
この東村山の老人ホームの敷地に医療施設と福祉施設が一体で建設されたという経過があると思うんです。計画道路の建設によって影響を受けるライフラインは何があるのか、具体的にお示しください。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 ライフラインというのは、ガス、水道、電気、上下水道等でございますので、当然、そういう施設については入っているわけでございます。
先ほど試算しておりませんとお答えしましたが、周辺の用地単価については、当然、把握しておりますが、ここの事業につきましては、今お話がありましたように、施設との関係がございますので、一概に比較できないということを申し上げたいというふうに思います。
○村松委員 施設との関係があるからというのは、ちょっと理解が私にはできないんですけれども、この計画道路の建設によって影響を受けるのは、ガス、上下水道、電気ということのようです。これら影響があるのを解決しなければいけないわけですよね。その解決に係る事業というのは幾ら見積もっているんですか。
○角南用地部長 今ご質問にある四百七十メートル区間、総事業費で約十八億ですが、用地補償費は約十二億円というふうに現時点では見込んでおります。
○村松委員 用地補償費というのは、あそこの東村山老人ホームのキャンパス以外のところの両わき、あいているところがありますよね。まだ買収していないところ、そこのことをいうんですか。
○角南用地部長 老人ホームと、その端というんですか、民地もありますが、それをすべて含めまして、補償費と用地のトータルでございます。
○村松委員 ということは、十八億円の予定額のうちの十二億ですから、残りの六億というのがこのライフラインの整備に当たるんですか。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 残りが工事費等でございます。六億円で計上しております。
これにつきましては、当然、ライフラインの移設だとか、そういうことも含めまして、あとは道路を築造する工事費等が大体六億円と試算しております。
○村松委員 ということは、東京都の建設局がこのライフラインは負担するということで理解していいということですね。
○角南用地部長 この用地補償の中におきましても、この老人ホームの中に、例えば変電所等がございます。例えばそういうものの移設費というのは含んでおります。
○村松委員 変電所の移設費は含んでいると。そのほかの水道、電気、ガスの中の管とか、そういうのはどこが出すんですか、そのほかの施設は。
○角南用地部長 変電施設のほか、熱供給、また水道等もすべて含んでおります。
○村松委員 ということは、建設局が負担するというふうな理解ですね。
東村山老人ホームは、職員を初め、地域の方々が高齢者に対して温かく見守って生活してきた。ここに貴重な植物もたくさん生息しているし、そういうところを開発しようとする。これは私は到底無理だろうし、これからも中止を求めていきたいなというふうに思います。
私は、東京都が本来やるべき仕事としては、先ほど来から都道の歩道整備の問題が出されておりました。私たち日本共産党は、都内各地で住民アンケート調査を行っております。私の事務所にも毎日何十通ものアンケートが届いております。その中には、都道の歩道整備を求めるものも少なくありません。そこで、都市計画道路、先ほど質問しました通学路の整備を中心に質問をいたします。
日野市の北野街道の通学路についてですが、これもアンケートの中で相当多くあったんですが、高幡橋から南平方向の北野街道、ここの歩道の拡幅を求める声が多かったんです。私は地元の皆さんと東京都南多摩建設事務所の方と一緒に現地を歩いてきました。南多摩建設事務所の方も、歩道の狭さやがたがた歩道は認めておりました。
この北野街道の拡幅の計画がありますが、どんな計画で、これまでの進捗状況を示してください。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 今のご質問にお答えする前に、東村山三・四・一一につきましては、先ほどもお答えしましたように、渋滞しているところの交通の円滑化を図るためにやっていることでございます。具体的には、通過交通が通学路に入ってきているという形で、大変危険な状態、こういうようなことを解消するということでございます。
都市計画道路につきましては、自動車交通を流すだけではなくて、歩道整備も合わせて行っている事業でございまして、歩行者の安全性も向上する重要な事業ということで、東村山三・四・一一の事業の積極的な推進を図ってまいります。
今ご質問をいただきました問題でございますけれども、これも日野都市計画道路三・四・三号線でございますが、日野市百草の一の宮交差点から八王子市境に至ります、延長六千六百四十メーター、幅員十六から十八メーターの地域幹線道路でございます。
ご質問にありました南平地区につきましては、高幡橋南交差点から南平二丁目交差点付近までの八百二十メーターの区間を、多摩地域における第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。このうち、高幡橋南交差点から四百四十メーターの区間で拡幅事業を実施しているところでございます。
事業推進に当たっては、財源の確保が必要でございますので、ぜひご支援いただきたいというふうに考えております。
○村松委員 都道の歩道の拡幅は、積極的に私たちは応援しております。
歩いた中で、本当に幅が六十センチなんていうところがあったんですから、ここは本当にバリアフリー法どころの話じゃなくて、車いすも通れないという、そういう状況ですから、早急にここは整備していただきたいと思います。
それから、三鷹の方なんですが、三鷹市議団でも定期的に行っているアンケートでは、歩道の整備が多く出されて、中でも連雀通りや人見街道の都道の歩道整備についての要望が出されているとのことです。
通学路については、一斉点検を求め、安全確保を要望しているといっておりますが、都道についても、いつも市の方は、ご指摘の道路は東京都が管理を行っておりますので、三鷹市としても引き続き道路の拡幅整備について東京都に要望してまいりますと、党都議団に答弁しているということですが、三鷹市からこれまで都道の歩道拡幅についての要望は来ているんでしょうか、また東京都はどのように答えているのか、伺います。
○米田道路保全担当部長 三鷹市内の人見街道や連雀通りにつきましては、市の方から歩道の設置の要望、全体としてございます。個別の箇所についての特にご要望はございませんので、個別に対応しているという状況でございます。特に文書にご回答しているとか、そういうことはございません。
○村松委員 全体としての要望はあるけれども、個別の要望としてはないというお話ですね。
それで、特に小中学校の正門前、この都道の歩道の整備は急ぐ必要があると思うんですが、その辺の認識はいかがでしょうか。
○米田道路保全担当部長 道路には、先ほども道路建設部長からお話ししましたけれども、歩道の整備もあわせてするということで、歩道の重要性は十分認識しております。ただ、都道には、いろいろな道路の経緯でありますとか、周辺の状況がございまして、さまざまな課題があって、歩道が設置できていない箇所があるということは事実でございます。
○村松委員 認識を、私、聞いたんです。せめて小中学校の正門の歩道整備を早急にすることが必要じゃないかという認識なんですが。
○米田道路保全担当部長 歩道につきましては、一定区間、歩道として整備しないと、歩道そのものの機能が果たせません。学校のたまりとか、そういうのはあるかもしれませんけれども、それは、要するに、そういう機能が本当に必要な箇所でありまして、歩道ということになりますと、沿線、一定の区間が整備されて初めてその効果が発揮できる、そういうふうに思っております。
○村松委員 三鷹市の高山小学校前の都道、この歩道整備を早急にしていただきたいという要望があります。私も二十八日の日に高山小学校に行って現地を見させていただきました。校門に入る都道は、本当に、部長も行ったことがあるかと思うんですが、狭いんですよね。あそこの連雀通りそのもの全体が狭いんですが、学校の前、正門のところが非常に狭いということと、それから、学校の入り口の左側に空き地が今あるんですね。ああいうところなんかは買えるところは買って、何とか解決できるんじゃないかというふうに思うんですが、ちょっと時間がないものですから、まとめて聞きたいと思います。
高山小学校前の都道を広げていただきたいということと、それから、下連雀四丁目八の二十の場所は、それこそ道路の真ん中に電柱があって、乳母車も自転車も車道におりなければそこを通れないという状況なんですね。私も見てきたんですが、そういうところは何とか解決できないんだろうか。できないとしたらどんな理由があるのか、お伺いします。
○米田道路保全担当部長 今、高山小学校の正門前のお話がございましたけれども、この正門前に横断歩道がございまして、その両側には、歩行者の待避スペースということで、信号待ちの歩行者の安全を確保できるスペースがあるというふうに理解しております。
隣のスペースにつきましては、たまたま空き地があるということですが、そういうたまたまあいているからということではなくて、やはり、その地域の課題を十分整理した上で、そこの歩道整備について検討する必要があるというふうに考えております。
それから、二点目でございますけれども、この区間につきましては、歩道につきましては、電柱を車道側に寄せたり、沿道住民のご協力をいただきまして、民地へ電柱を移設したり、そういう歩道の有効幅員の確保に取り組んできているというところでございます。
今おっしゃいました場所には、水道や下水がふくそうして埋設されております。電柱はその間隙を縫って設置されておりますので、歩道の有効幅員が狭くなっております。
当該箇所につきましては、埋設物などの現状から、車道の際へ現状のままで移設することは難しいというふうに考えておりますので、民有地への移設につきまして、再度、ご協力をお願いしていきたいというふうに考えております。
○村松委員 ほかの質問も準備していたんですが、時間がありませんので、質問は以上で終わりますが、切実な子どもたちの通学路の歩道整備や、車いすも通れないような歩道、これが日野の方でもあるし、いろいろなところにもあるんですが、そういうところこそ優先的に私は取り組むべきだ、こういうふうに思うんです。しかし、東京都は、専ら三環状道路を聖域扱いにして、財源を湯水のように使って、しかも、東京で最も誇れる、医療と福祉施設が備わり、豊かに老後を送ろうとしている東村山キャンパスに幹線道路を建設しようとする、こういう乱暴な、都民不在の逆立ちした都政運営を厳しく指摘して、質問を終わります。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 三環状道路を初めとする幹線道路の整備ばかりに力を入れて、歩道整備がなおざりになっているという趣旨のご意見でございますけれども、決してそういうことではなくて、幹線道路を体系的に整備をすることが、住宅地など生活道路に進入する通過交通を排除しまして、快適な歩行空間を確保する、こういうことにつながると思います。
一方、地域の生活を支える道路におきましても、だれもが安全で安心して利用できるよう、生活の利便性、快適性の向上を図れるように、歩道の整備も進めておるところでございます。
今後とも、幹線道路の体系的な整備、いわゆるネットワーク化を図るとともに、地域の生活を支える道路の歩道整備をバランスよく推進してまいりたいと考えております。
○原田委員 ちょっと風邪を引いていまして、お聞き苦しい点はご容赦ください。
大きく二つ質問したいと思います。
最初、防災公園ネットワークづくりについてお伺いします。
いつ起きてもおかしくない地震への対応は、さまざまな視点で今行われています。その一環として、建設局では防災公園ネットワークづくりを推し進めていますが、この整備計画の概要と、二十年度予算としての事業概要に掲げられている百六十九億円の内訳について、まずお伺いします。
○小口公園計画担当部長 都は、防災公園として、環七周辺や多摩地区の十一公園に大規模救出救助活動拠点、災害時拠点病院に近接する五公園に医療機関近接ヘリコプター緊急離着陸場、消防活動、物資輸送等に資する十公園にヘリコプター災害時臨時離着陸場を位置づけております。また、臨海部に基幹的広域防災拠点となるよう、国と都が連携して東京臨海広域防災公園を整備しております。
防災公園ネットワークの整備に当たっては、ヘリコプターがより安全に離着陸できる広場の改修や、大型車両に対応した出入り口の拡幅、防災トイレの設置など、防災関連施設整備を計画しております。
平成二十年度予算百六十九億円のうち、百五十二億円については、東京臨海広域防災公園の用地取得及び園地の整備、十七億円については、葛西臨海公園等の大規模救出救助活動拠点となる公園における園路改修や照明設備などの整備経費でございます。
○原田委員 今、具体的な整備内容の話が出ましたが、環状七号線の周辺などの都立公園は、公園区域の拡張、大型車の出入りに対応するための出入り口の整備、ヘリコプターの離発着場として機能できるような広場の確保、照明設備の整備を進めているとしています。
防災公園ネットワークを構成している多摩地区の都立公園ではどのような整備を進めているのか、お伺いします。
○小口公園計画担当部長 多摩地区では、武蔵野の森公園、神代植物公園、小金井公園に大規模救出救助活動拠点、武蔵野中央公園、東大和南公園にヘリコプター災害時臨時離着陸場の整備を計画しております。
このうち、大規模救出救助活動拠点となります武蔵野の森公園が平成十七年度に整備を完了しており、神代植物公園、小金井公園で、現在、整備を進めております。
○原田委員 都が取り組んでいる防災公園の整備は、安全なまちづくりをする上で大切なことだと考えております。
都立公園は、常に都市計画決定しているところを整備するということが基本だと思いますが、都立公園の計画がない市区町村で新たな都立公園の整備を考える余地があるのか、可能性があるのかという点について、お伺いします。
○小口公園計画担当部長 新たな公園づくりについてのお尋ねですけれども、平成十八年三月に策定した都市計画公園・緑地の整備方針では、レクリエーション、防災、環境保全等の観点から、現時点での整備必要性を評価し、優先的に整備する優先整備区域を設定いたしました。現在、この方針に基づき、計画的に整備を行っております。
○原田委員 確かに、二年前に、都市計画道路も一緒に、同じ時期に都市計画決定したものの事業を、十年先送りするか、先に整備するかという整理が、市区町村と協議して、また中間報告の中では、パブリックコメントも募ったりして、丁寧にやられたということは存じ上げています。いろんな意味で、そういうような手続の中でオーソライズされた計画は尊重されるべきだと考えております。
私が調べたところによりますと、かつて都立公園がなかった北多摩地区に、平成七年に都立六仙公園が計画されています。この公園の場合は、種地として学校跡地を提供する予定など、首長初め、市民の方々の誘致の努力もあるようです。自治体の努力が実を結んだ例として、大変評価したいと思います。
公園や道路の都市計画決定は、かなり昔に決定されたものも多く、新たな事業になかなか着手できない現状もあります。しかし、この事例は、今後の可能性を広げるというふうな期待もしたいと思います。都立公園空白地など計画のない区市町村においても、市区町村、市民の声に耳を傾けて、新たな都立公園の整備を考えるということの一つのきっかけになればと思います。
また、緑の防災機能は、人口集中地域において特に必要とされますが、都心における公園整備は、なかなかまとまった面積が確保できず、都有地、国有地などに期待する部分が大変多うございます。このような現状を踏まえて、東京都も、密集地の公有地の動きの情報をとりながら、市区町村と連携し、公園や緑の確保に努めていただきたいと要望いたします。
次に、土砂災害についてお伺いします。
昨今の異常気象に対しては、なすすべもないほど、想像を絶する、そのような状況です。東京都は、さまざまな災害から都民を守るために、各分野における必要な対策を示しています。土砂災害対策は、その中でも最も重要な対策の一つであると考えます。
昭和四十四年、急斜面地の崩壊による災害の防止に関する法律が施行され、昭和四十九年から対策事業が開始されています。東京都が公表している土砂災害危険箇所のうち、傾斜角三十度以上、がけの高さ五メートル以上の急傾斜地崩壊危険箇所が二千九百七十二カ所ありまして、そのうち、千五百十七カ所が五戸以上の人家に被害を生じるおそれがある自然斜面としています。
そもそも、この傾斜地における対策事業を都はどのように進めようとしているのか、お伺いします。
○廣木河川部長 がけ崩れ防止施設の整備事業は、地元の要請に基づき、民有地で行うため、関係権利者の同意を得た上で、一定の負担金をいただいて実施するものでございます。
こうした土砂災害の発生するおそれのあるすべての危険箇所を工事により安全な状態にしていくには、膨大な時間と費用が必要でございます。このため、斜面が崩壊した場合に、人家などに被害を生ずるおそれがある箇所で、がけ崩れの危険が高く、対策が必要な箇所について、順次、急傾斜地崩壊危険区域に指定して、がけ崩れ防止施設の整備を実施しております。
○原田委員 この地権者の負担金というのが、かなりハードルになっているようですけれども、この調査の結果出た特に急傾斜地崩壊危険区域、このような指定は、やっぱり、対策があってこそ有効に動くということもありますので、なお一層の努力をお願いするものです。
平成十二年に制定された土砂災害防止法に基づく調査、十五年度から開始されておりまして、二十年度には、青梅市、あきる野市、奥多摩町で四百カ所が土砂災害警戒区域に指定されるということでございます。
そこで、土砂災害防止法は、この急傾斜地のみならず、土石流や地すべりにも対応する法律として理解しておりますけれども、土砂災害防止法の制定と背景と目的についてお伺いします。
○廣木河川部長 土砂災害防止施設の事業には、対策に非常に膨大な時間と費用を要することから、工事によるハード対策とあわせて、警戒避難体制の整備などソフト対策を行うことで、土砂災害を防止し、住民の安全で安心できる暮らしを実現するために制定されたものと思っております。
この法律の目的は、土砂災害から国民の生命及び身体を保護するため、土砂災害が発生するおそれがある土地の区域を明らかにし、警戒避難体制の整備を図るとともに、一定の開発行為の制限や、建築物の構造の規制などの対策の推進を図り、もって公共の福祉の確保に資することとして、平成十三年四月一日に施行された法律でございます。
○原田委員 ただいまの答弁のように、土砂災害防止法には、土砂災害の危険性が特に高い区域において、特別の開発行為を制限したり、建築物の制限をすることができる、土砂災害特別警戒区域という指定制度があります。
都はこれまでに、土砂災害警戒区域の指定は進めていますが、この特別警戒区域はまだ指定していません。そこで、土砂災害特別警戒区域の指定について、今後の取り組みをお伺いします。
○廣木河川部長 青梅市、奥多摩町など、多摩地域の急傾斜地では毎年のように土砂災害が発生しており、このような地域に居住している都民の安全を確保するため、警戒避難体制の整備を目的として、都民の安全を確保する土砂災害警戒区域の指定を今進めております。
特別警戒区域を指定されますと、特定の開発行為が許可制となる、あるいは区域内にお住まいの方々の建物に対しては、構造規制や移転等の勧告などの権利制限が行われることになります。そのため、事業に対する理解が得られにくい側面がありますので、地元区市町村と連携し、地域にきめ細やかな説明を行って、特別警戒区域の指定に向けて努力しております。
○原田委員 この特別警戒区域の指定というのは、災害の未然防止という視点で大変大切な取り組みであると考えます。建てかえ時において災害に対する具体的な対策を立てていくことを義務づけることなので、私有財産を規制するようなことにつながっていますが、指定に納得していただけるまで時間がかかるとは思いますけれども、土砂災害警戒区域指定と並行して行われるように、これからの所管の取り組みに期待するものです。
今後、この指定がどんどん進められていくわけですけれども、実際に土砂災害の危険が迫ったときに、土砂災害を受けないように避難するのは住民です。その住民の理解を得てから進めることが大変大切だと考えますが、そのため、都は土砂災害防止法に基づく基礎調査結果を住民へきちっと情報提供すべきだと思います。既に情報はホームページでかなり詳しくアップしているので、私も拝見させていただきました。しかし、ホームページだけでなく、住民としっかり向き合った情報提供が必要であると考えます。
そこで、区域指定のための基礎調査で得られた情報を都民にどのように周知しているか、お伺いします。
○廣木河川部長 東京都は、地形や土地利用状況などを把握する基礎調査に基づきまして、区域指定に至る各段階で、地域の現状や区域指定の必要性に加え、一定の開発行為の制限や建築物の構造の規制などの権利制限が伴うことも含め、地元住民の理解が得られるよう、きめ細かく説明しております。これらの説明に当たりましては、地域を熟知している、身近な行政を担っている区市町村と連携し、円滑な区域指定が必要だと考えております。今後とも、ハード、ソフトの両面から土砂災害対策を推進し、都民の安全確保に努めてまいります。
○原田委員 土砂災害は、一たび発生すれば一瞬にしてとうとい命が失われ、自然災害の中でも最も恐ろしい災害の一つであると思います。都は、こうした災害をなくすために、土砂災害を防止する施設の整備はもちろん、区域指定業務など、避難体制を充実する施策を着実に進めていただくことを強く要望して、質問を終わります。
ありがとうございました。
○石森委員 それではまず、橋梁の維持管理に関しまして何点かお尋ねをしたいと思います。
都が管理する橋梁については、従来から、日常的な点検や緊急時の点検、定期的な点検に基づく適切な維持管理を行っておりますが、より安全な橋梁とするため、今後新たな計画を策定し、これまでの対症療法型の管理から予防保全型の管理への転換を進めていると認識しております。
一方、都内の区市町村が管理する橋梁におきましては、都と比べ、点検管理が十分に行われておらず、取り組みのおくれが危惧されることから、私は、昨年の決算特別委員会において、区市町村における橋梁点検の実施状況について質問を行ったところであります。その際の答弁では、橋梁の点検を実施している区市町村は三割程度とのことでありました。区市町村が管理している道路の多くは生活に密着していることから、橋梁の損傷や劣化によって交通規制が発生すると、都民の生活に大きな影響を与えることにつながります。
そこで改めて、現時点における区市町村の橋梁点検の実施状況についてお尋ねいたします。
○米田道路保全担当部長 区市町村の橋梁点検の実施状況でございますが、昨年九月に都が実施いたしました調査では、二十二区市町村が橋梁の点検を行っておりました。一年後の本年十月に改めて調査を行いましたところ、新たに十の区市町村で点検を始め、五割強に当たる三十二区市町村が点検を行っております。
○石森委員 昨年と比べて、十の区市町村が新たに点検を実施しているといったご答弁でございました。しかしながら、まだ約半数の区市町村において橋梁の点検が実施されていない、そんな状況にございます。昨年九月の都の調査では、その原因は、区市町村における技術者の人材不足や技術力の不足などでありました。区市町村が管理する橋梁の安全性を確保し、都民の生活を守っていくためには、都の技術的支援が不可欠であると思います。
そこで、区市町村に対する都の支援の取り組みについてお伺いいたします。
○米田道路保全担当部長 橋梁の損傷が顕在化いたします前の定期的な点検は大変重要でございますので、昨年十月に区市町村職員を対象とした説明会を開催し、点検の重要性や点検方法などについて説明を行いました。昨年度に引き続きまして、今年度も十一月に区市町村職員に対する説明会を開催し、都がこれまで蓄積してまいりました橋梁管理に関する知識や新たな管理手法について説明するとともに、意見交換を行い、橋梁管理の充実を図っていく予定でございます。
なお、昨年十月の説明会以降、七区市町村から点検や健全度の判定方法などについての技術的な助言を求められましたことから、都の点検要領の内容を説明いたしますとともに、具体的な損傷事例を挙げて都の点検方法を紹介するなど、区市町村における橋梁点検の実施に向け、技術的な支援を行ったところでございます。
○石森委員 先ほどご答弁ありましたとおり、昨年と比較して、点検を実施している区市町村が十ふえたというのは、都が説明会を行うなど、技術的支援の効果があったのではないかと思われます。今後も継続して区市町村に対する技術的な支援を実施してほしいと思います。
また、私は、区市町村において橋梁の点検が十分に実施できない原因として、技術的な課題のほかに財政的な課題も存在すると思います。区市町村が技術者の人材不足や技術力の不足を補い、点検体制を整えていくためには、新たな財政負担が生じると思われます。昨年度、国において橋梁の予防保全的な管理手法への転換を図るための新たな補助制度が創設されたと聞いております。
そこで、国における補助制度の仕組みについてお伺いしたいのとあわせて、今後の都の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。
○米田道路保全担当部長 国は昨年度、橋梁の予防保全的な管理手法への転換を図るため、長寿命化修繕計画策定に対する補助制度を創設いたしました。当初、補助の対象となる橋梁は長さ二十メートル以上でございましたが、区市町村が管理する橋梁は長さの短い橋が多いことから、都などが区市町村の実態を踏まえ国に対して働きかけを行ったことにより、補助の対象となる橋梁が長さ十五メートル以上に拡充されました。また、国は今後点検につきましても必要な財政支援を行う予定と聞いております。
今後とも、より実効性のある補助制度となるよう国に働きかけていきますとともに、区市町村に対し補助制度のさらなる活用を働きかけるなど、連携を密にし、区市町村が管理する橋梁の予防保全型管理への転換を支援してまいります。
○石森委員 補助対象を長さ二十メートルから十五メートルに下げた、これはかなり区市町村の橋を網羅することになりますから、この辺は高く評価したいと思いますけれども、この国の新たな補助制度についても始まったばかりであります。これからは、この制度を活用することにより、区市町村の橋梁管理に対する取り組みがより進むことを期待しております。都においては、さらなる補助制度の充実に向け、区市町村の実態を踏まえて、国に対する働きかけを可能な限り行ってもらいたいと思います。あわせて、都の区市町村に対する継続的な技術的支援によって橋梁の予防保全型管理を進め、都内の橋梁の安全確保に努めてもらうよう要望して、次の項目に移りたいと思います。
次に、道路整備に関連して、街路樹倍増の取り組みについて質問をいたします。
昨年策定された「十年後の東京」へ向けた実行プログラム二〇〇八では、平成二十二年度末までに街路樹を七十万本にふやし、都市公園などの緑の拠点をつなぐグリーンロードネットワークを形成することとしております。このグリーンロードネットワークの形成に当たっては、単に緑をふやすだけではなく、地域の方々が日々の暮らしの中で安全で快適に利用できる道路空間としていくことが必要となります。特に、既に整備されている歩道を、都民の参加を得ながら緑豊かで快適な空間に整備していくことは、地域住民の理解と協力を得て、今後の道路整備を円滑に進めるためにも重要であります。
そこで、現在進めている街路樹倍増に関する整備の具体的な取り組みと、今年度からスタートした、都民の寄附によって街路樹を植栽するマイ・ストリート・ツリー事業の進捗状況についてお尋ねいたします。
○小口公園計画担当部長 街路樹倍増の取り組みについてですが、新設道路での計画的な植栽や既存道路の植栽を充実させることにより街路樹をふやしてまいります。具体的には、高木、中木、低木を組み合わせた植栽の導入を図り、沿道の土地利用や住民の生活と調和した快適な道路空間となるように整備してまいります。また、道路の切り下げや、横断歩道付近などでは見通しをよくし、安全で円滑な交通を確保するよう植栽を工夫してまいります。季節感あふれる道路空間とするため、高木と高木との間には、キンモクセイやムクゲなど、花が咲き実がなるさまざまな中木を植栽してまいります。
マイ・ツリー事業の進捗状況でありますが、五月一日から、高木百本、中木千本の募集を開始して以来、昨日現在で、高木二百四十四本、中木六百五十本の応募があり、来月中を目途に、これまでに応募いただいた方々に寄附していただけるよう準備を進めております。
○石森委員 マイ・ツリー事業も順調に推移しているようでありますけれども、今後、街路樹倍増の取り組みが進むと、より多くの緑が地域の中にふえていき、ヒートアイランド現象の緩和やCO2の削減、都市景観の向上などに寄与することになります。また、街路樹倍増の成果を地域に定着させ、地域住民が快適に暮らしていくためには、街路樹の適切な育成管理が重要だと思います。
そこで、都の街路樹の育成管理についての取り組みについてお伺いをいたします。
○小口公園計画担当部長 街路樹の維持管理は、路線ごとの方針を作成し、樹木の健全な育成や機能の維持向上を図り、沿道の土地利用や住民生活と調和した快適な道路空間を創出するために実施してまいります。街路樹の健全育成に当たっては、新たな植栽に合わせて土壌を改良し、生育環境の改善を図り、定期的に植樹帯などの除草、清掃を行うことで緑の量をふやしてまいります。
街路樹の機能の維持向上に当たっては、計画的な枝葉の剪定を行い、交通の安全を確保しつつ、良好な都市景観の形成につなげる美しい姿に樹木の形を整えてまいります。さらに、日ごろの点検や街路樹診断等を実施して樹木の健康状態を把握し、病害虫などの異常を発見した場合には適切な対処を実施してまいります。
○石森委員 これから先、街路樹がふえて年々成長すると、維持管理に伴う剪定枝葉の発生も比例して増加すると考えられますが、剪定枝葉の処理については環境に配慮した取り組みが必要であります。
そこで、維持管理により発生する剪定枝葉などをどのように処理するのか、お伺いいたします。
○小口公園計画担当部長 街路樹の剪定作業により発生する枝葉等は、東京都建設リサイクルガイドラインに基づき、再資源化し有効利用しております。平成十九年度においては、剪定した枝のすべてを再資源化しており、堆肥として約八二%、熱利用として約一三%、チップとして約三%利用しております。今後の維持管理により発生する剪定枝葉等についても、同様に再資源化に取り組んでまいります。
○石森委員 街路樹をふやし育てていくことは、緑あふれる東京の再生を目指す上で大変重要なことであります。一方、街路樹の植栽や育成、維持管理が、沿道の土地利用や住民の生活との調和を図らず、適切に行われないことになると、かなり年数がたったときには枝が塀のようになり、道路に出る際に非常に危険な場所が生まれたり、街路樹の枝や幹が道路や民家に大きくせり出して、住民生活に多大な影響を与えることも考えられます。街路樹倍増の取り組みを進めるに当たっては、十年、二十年先を見据えて植栽することや、地域住民が快適に利用できる道路空間として適切な維持管理を計画的に実施していくことが重要でありますから、今後はぜひそのあたりを考慮しながら、目標達成に向けてご努力をお願いしたいと思います。
続いて、公園整備についてお伺いをいたします。
緑の東京十年プロジェクトでは、都市公園を新たに三百ヘクタール開園と掲げておりますが、この都市公園の整備のうち、区市町村が整備するものが百十ヘクタールあると聞いております。また、実行プログラムにおいては、三年間で区市町村が五十五ヘクタール以上開園するよう支援していくこととありますが、この内容については、多摩地域の市町村からも大きな期待を寄せられているところであります。特に、市町村が一番期待しているのは財政面の補助となりますが、まだまだその対象は不十分だと思われます。今後、市町村の公園整備の支援にどのように取り組む必要があると考えているのか、所見をお伺いいたします。
○小口公園計画担当部長 市町村による公園整備は、緑の拠点づくりとして重要であります。このため、都は、市町村への支援としてこれまでも、技術面においては、市町村が緑地保全や緑化の推進の目標などを定める緑の基本計画の策定に際して助言を行うとともに、防災公園やバリアフリー化などの整備計画や内容について指導を行ってまいりました。また、財政面におきましては、市町村の公園事業に対して補助による支援を行うとともに、国庫補助金を市町村が受けられるよう国に対して強く働きかけてまいりました。
これまで、公園事業に対する市町村土木補助に当たっては、都市計画公園・緑地の整備方針において今後十年以内に事業に着手する優先整備区域を中心に支援してきたところでございます。今後、実行プログラムの実現に向け、優先整備区域外においても、新たな緑を創出して早期に効果を発現する公園事業についても積極的に支援することを検討してまいります。
○石森委員 ぜひ、現在の市町村土木補助の割合を見ましても、公園整備費というのは非常に限られた部分しかございませんので、今後、この公園整備に対する助成の充実拡大に向けてご努力をお願いしたいと思います。
次に、都立公園の管理についてお伺いをいたします。
平成十八年度から、質の高いサービスの提供と効果的、効率的な管理運営を目指して、都立公園に指定管理者制度が導入されております。指定管理者制度の導入といったものがいい刺激になり、さまざまなイベントが積極的に行われていて、公園ににぎわいをもたらしておりまして、良好な管理が行われていると認識しております。本年九月には指定管理者管理運営状況評価が発表されたところでありますが、都立公園における評価結果はどうだったのか、お尋ねいたします。
○安藤公園緑地部長 指定管理者の管理運営状況評価は、全庁的な統一基準に基づきまして、学識経験者などの外部委員を含みます評価委員会を設置して、施設や樹木などの管理状況と利用者アンケートの結果、サービス向上の取り組みなどの事業効果について評価し、それを総合して決定しております。その結果、平成十九年度の評価では、指定管理者制度を導入しております六十八の都立公園のうち、十一公園で優良、五十七公園が良好という結果となっております。
○石森委員 この結果につきましては、どの指定管理者も相当の努力をしたと思われます。この評価の結果はホームページにも掲載されておりますし、プレス発表も行われているでしょうから、こうした結果をより多くの都民に示し、さらに公園ファンをふやしていくことが大切だと思われます。
特に、十一の公園が高い評価を受けたというお話でございましたけれども、それら優良と評価された公園というのはどのような取り組みが評価されたのか、お示しをいただきたいと思います。
○安藤公園緑地部長 まず、財団法人東京都公園協会が管理しております浜離宮恩賜庭園など九つの庭園では、各庭園の特色を生かしたイベントを実施したほか、トイレクリーンアップ事業の展開などによりまして庭園の魅力を向上させております。
また、八王子市と町田市に位置します小山内裏公園では、同じく公園協会が管理しておりまして、一年の健康を願って正月飾りや書き初めをたき上げいたしますどんと焼きや、手づくりろうそくをともす催しなど、ボランティアとの協力で地域と連携したイベントを実施し、公園利用者数の倍増を図ったところでございます。
さらに、武蔵村山市と瑞穂町に位置します野山北・六道山公園は、西武・狭山丘陵パートナーズが管理しておりまして、イベントなど里山の魅力を伝える工夫で、公園ボランティアの参加延べ人数が平成十八年度から倍増となっております。
十一公園のこうした取り組みが高く評価され、優良という結果となっております。
○石森委員 ただいまのご答弁をお聞きいたしますと、指定管理者が公園のために創意工夫を凝らし、それぞれの公園等が持つ特徴を生かして、サービス向上や地元のボランティアとの連携に積極的に取り組んでいることが理解できました。
今回優良と評価された十一公園のうち、九つの施設が東京都公園協会が管理している庭園ということでありましたが、これまでの長きにわたり管理委託を受けてきた公園管理のノウハウが発揮されたものと思います。庭園を含め、歴史や文化のある公園は維持管理技術の継承が重要であると考えておりますので、今後の指定管理者制度の中でぜひその辺も検討されるよう要望しておきたいと思います。
次に、都立公園におけるドッグランについてお伺いをいたします。
都立公園は、区市町村の公園と比較して規模が大きいことなどから、ドッグランの設置を期待する声が多く寄せられているのではないかと思います。
そこで、都立公園におけるドッグラン設置の都の認識と、現在まで何カ所に設置しているのか、お伺いをいたします。
○安藤公園緑地部長 近年のペットブームを背景といたしまして、犬を自由に遊ばせる場所を求める都民の声が高まる一方で、公園内で犬の放し飼いの苦情も多く寄せられておりまして、都はその対策としてドッグランを設置してまいりました。
ドッグランは、公園の犬連れの利用者とそうでない方との共存を求める声にこたえるとともに、犬の放し飼い等の対策として有効な施設でございます。現在、小金井公園、小山内裏公園など九つの公園でドッグランを設置しております。
○石森委員 ドッグランの設置要望があっても、いまだ設置されていない公園もあるとお聞きしております。都民の要望がある場合には可能な限り設置していくことが望ましいと考えられますが、設置に当たっての条件と今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
○安藤公園緑地部長 都立公園のドッグランの設置に当たっての条件は、一般の公園利用者への影響がないよう設置に必要な場所を確保することができること、公園周辺での違法駐車を防止するため駐車場が確保されていること、施設の運営ボランティア団体等の協力が得られること、近隣住民の理解が得られることの、これら四つを条件とさせてもらっております。ドッグランの設置要望は多くの公園で寄せられております。地域の実情を考慮しつつ、これらの条件を満たす公園におきまして設置してまいります。
○石森委員 この四つの条件という大きなハードルがあるものの、先ほどお聞きした公園の指定管理者の状況評価内においても、多くの公園で犬の放し飼いが問題とされておりまして、できる限り多くのドッグラン設置要望にこたえられるよう、今後ともご検討をお願いしたいと思います。
最後になりますが、八月の集中豪雨に関連して何点かお尋ねをいたします。
ことしの八月二十六日から三十一日にかけての平成二十年八月末豪雨では、愛知県岡崎市において一時間雨量が一四六ミリに達する等、各地で猛烈な雨が降りまして、全国二十一カ所で一時間雨量の記録を更新いたしました。私の地元八王子市もこの二十一カ所の一つでありまして、一時間雨量の記録を更新するとともに、総雨量が二九五ミリにも達しました。この雨で、谷地川などでは護岸が損壊したほか、がけ崩れにより京王線が脱線する等、大きな被害が発生したところであります。
そこでまず、八王子市の八月末豪雨における河川の被害状況と、その復旧についてはどの程度進んでいるのか、お伺いをいたします。
○廣木河川部長 今回の八月末豪雨では、八王子市内で、谷地川、川口川、南浅川の三河川で、合わせて百七メートルにわたり護岸が損壊いたしました。直ちに現地調査を実施し、被害が拡大するおそれのある箇所については、大型土のうを積むなど応急対策を完了させました。その後、本格的な災害復旧事業に向けた国の現地査定を受け、事業が採択されたところであります。今後、平成二十年度内の完了を目指し、速やかに工事に着手してまいります。
○石森委員 護岸が壊れた状態のままでは、いつ発生するかわからない次なる豪雨に対して、都民は安心して暮らすことができないわけです。今回の素早い護岸の応急対応に対しては評価するところでありますが、一刻も早く本格的な復旧を行っていただくよう、改めて要望しておきたいと思います。
一方、初沢町では土石流が数カ所で発生して、幸いにも人命に至る被害はなかったものの、建物の損壊や車の埋没などの被害が発生いたしました。
そこで、初沢町の土砂災害があった箇所の被害状況と今後の対策についてお伺いいたします。
○廣木河川部長 土石流が発生いたしました八王子市初沢町では、二カ所で一千立方メートルを超える土砂が市道や畑に流出し、建物の損壊や車の埋没などの被害が発生いたしました。流出した土砂はおおむね除去されましたが、山腹には崩壊した土砂がいまだ堆積しており、再びその流出が懸念されております。このため、国の災害関連緊急砂防事業の採択を受け、今後、この渓流を土石流危険渓流に指定し、二カ所に砂防ダムを整備することにいたしました。現在、測量及び設計を進めており、平成二十一年度の完成を目指し工事に着手してまいります。
○石森委員 今、今後の対応についてご答弁いただきましたが、護岸の復旧や土石流対策などを進め、都民の安全・安心を早急に確保していただきたいと思います。
この初沢町では、土砂災害が発生したものの、幸いにも人的被害はありませんでした。激しい雨の中、住民が避難できたのは、これまで市、消防団、住民が連携して防災訓練を実施してきたなど、日ごろからの備えがあったことが大きいと実感したところであります。しかしながら、自分の住んでいるところが土砂災害に対して安全なのか危険なのかを認識している都民はまだまだ少ない状況下にあります。地域の防災力を高めるには、まず土砂災害のおそれがある箇所がどこなのかを都が地元に正確に示し、それを地元が認識することが必要であると思います。
都は、青梅市などで、土砂災害防止法に基づき、危険な箇所を明らかにする調査を進めておりますが、今回被害を受けた八王子市などではまだ調査が行われておりません。最近、記録的な豪雨が頻発し、土砂災害が多発している状況を踏まえて、地元の方々が避難体制を整備できるよう、一刻も早く調査区域を八王子市にも拡大し、土砂災害警戒区域の指定を進めてほしいと思います。
そこで、土砂災害防止法に基づく調査と警戒区域の指定に今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。
○廣木河川部長 都内には土砂災害のおそれのある箇所が約八千カ所あると推定しております。これまで、青梅市、あきる野市など多摩西部の五市町村で土砂災害の範囲を把握する基礎調査を行い、六百八十三カ所を土砂災害警戒区域に指定いたしました。八王子市につきましては、平成二十一年度からの調査に向け関係機関と調整を進め、早期の区域指定を目指してまいります。
今後、二十六年度までに都内全域の指定を完了し体制を強化するとともに、財源の確保に努め、区域指定を加速してまいります。
○石森委員 このたびの豪雨で損壊した谷地川や川口川などの護岸の復旧については、ぜひともトップスピードで進めてほしいと思います。また、今後気候変動により増加するともいわれている土砂災害は、人の命に直結する悲惨な災害であります。家屋など守るべき施設が多いところでは、ハード対策を進めるとともに、避難体制の基礎となる警戒区域の指定、いわゆるソフト対策もしっかり組み合わせて進めるよう強く要望して、質問を終わります。
○大津委員 首都東京のまちづくりにおきまして、建設局の役目というのは非常に重大であります。一度設計図を引いてつくったまちは五十年は少なくとも変わらず、五十年、百年単位でのまちの更新となっていくからであります。そういう意味では、最初の段階から環境や人に配慮したまちづくりをしていくのが一番コストもかかりませんし、結果、一番効果が発揮をされるというふうに期待をしております。道路、川、公園、まちづくりのさまざまな事業の推進において、自然環境への配慮が非常に重要であると考えまして、本日は、環境に配慮をした公共工事、工法についてお伺いをしてまいります。
先週、世界の主要都市の実務責任者が地球温暖化に伴う気候変動の対応策について話し合う、C40気候変動東京会議が開催されました。局長もご臨席のもと、私もこの会議を聞き、改めて環境への配慮が、東京だけでなくて、C40といいますと四十のシティー、四十首都ということになりますが、東京だけではない、世界共通の緊急課題であるということを認識いたしました。また、環境においてはすべて国境がないという点で、こういった会議の重要性も感じております。
この議長を務めましたトロントのミラー市長が、政府がリードをとれないならば都市がリードしなければならない、お互いの都市が助け合って、気候変動に対し戦っていかなければいけないというあいさつもありました。
この東京芸術劇場で行われた会議には、建設局からは、ヒートアイランド対策として保水性舗装と遮熱性舗装の技術について情報をパネル展示を行っておりました。路面温度の上昇を抑えるという、世界のトップを走る環境配慮技術が東京、日本にあるということでありまして、首都東京といいますか日本の役割は、こうした環境技術で世界に貢献していくところであり、それはまた建設局のこれから誇っていくべきポイントでもあります。
保水性舗装に関しては、ここ数年、急に浮上してまいりましたけれども、実施箇所もふえてきて、徐々にその効果が明らかになっているかと思います。まず最初に、ヒートアイランド対策に効果のある保水性舗装や遮熱性舗装のこれまでの実施状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○米田道路保全担当部長 都では、都心部を中心に、ヒートアイランド対策の一つとしまして、平成十七年度から、舗装内に蓄えた水分が蒸発することで路面温度の上昇を抑制する保水性舗装を実施してきております。また、平成十九年度からは、太陽光を反射する特殊な塗料を路面に塗布することで路面温度の上昇を抑制する遮熱性舗装にも取り組んでおります。
これらの効果でございますけれども、現地で測定した結果、通常の舗装に比べまして、保水性舗装は約十度、遮熱性舗装は約八度の路面温度上昇抑制効果がございました。
保水性舗装は、平成十七年度から平成十九年度までの三カ年で、環状三号線や新宿副都心線など十九カ所で約六キロメートル実施いたしました。また、遮熱性舗装につきましては、平成十九年度に、新大橋通りや靖国通りなど三カ所で約一キロメートル実施いたしました。
保水性舗装や遮熱性舗装につきましては、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八に位置づけており、ヒートアイランド対策の一環として今後とも積極的に推進してまいります。
○大津委員 保水性舗装で十度違うということと、遮熱性舗装では八度、これは結構な数字であると思いますので、非常に、区部におきましては、東京におきましては、道路の照り返しはひどい、またビル壁の照り返しも強いということで、首都東京の非常に大きな悩みでもあります。鉄板の上で真夏は暮らしているような状況になっていますので、こういったまちづくり、道路づくりから少しでも早く工夫をしていっていただきたいと思います。
まだまだ一部のところでしか--この二、三年の事業ですから、道半ばかと存じますけれども、例えば渋谷区内でいいますと、首都高速新宿線の工事も着々と進んでおります。また、副都心線ということで、明治通りの下も渋谷駅までは開通しておりますけれども、その先もつくっておけます。そういった道路にもぜひ利用をしていっていただきたいと思います。
それとともに、騒音も重要な環境問題になると思いますので、余り騒音といいますか、音のしない舗装ですとか、そういった環境に配慮をした建設材を大いに利用していっていただきたいと思います。
それでは次に、環境に配慮をした道路整備ということで具体的にお伺いします。
新たな道路整備は、自動車の交通機能確保はもちろんのこと、歩行者、自転車の安全な通行や、街路樹などによる緑豊かな空間形成のためにも着実に進めていくべき事業と考えております。気候変動や環境問題への関心が高まる中、建設事業に当たっても、水の流れ、緑など地域の自然に配慮した、環境に優しい道づくりを進めることが必要であります。
前回の定例会におきましても、あきる野市の請願が出ておりました。橋梁工事に伴い、あそこは湧水がわいていたということで、その湧水対策などのために、橋の橋げたが一部工法を変更して水の流れの保全に努めたという事例と考えております。
こうした緑の保全、湧水の保全、工事というのは生き物でありまして、掘ってみないと、つくってみないとわからないときももちろんあります。そういうのも含めまして、地域の自然を生かした道づくり、まちづくりを進めていると聞いておりますが、多摩地区の方でありますが、多摩南北道路の一つである調布保谷線のうち、整備が進んでいる調布区間の環境に配慮した道づくり、これについてお伺いをいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 調布保谷線は、多摩地域の自立性を高め、地域の活性化などに寄与する南北方向の重要な幹線道路でございます。沿道環境に配慮した質の高い道路として整備するため、四車線十六メーターの車道の両側に十メーターずつの環境施設帯を設け、総幅員三十六メーターの道路としております。
調布区間の環境施設帯の整備に当たっては、住民参加型の道づくりに取り組みまして、地域住民や地元市の意見を反映しながら整備を進めてまいりました。環境施設帯には幅広な緑地帯を設置するとともに、用地取得時に、地権者のご協力を得まして従前からあった樹木を残す工夫をするなど、緑豊かな周辺環境に配慮して整備を進めているところでございます。
今後とも、地域の特性を生かした緑豊かな道路空間を創出するなど、環境に配慮した道路整備を推進してまいります。
○大津委員 この事例は、武蔵野地区の大きなお屋敷の樹木、屋敷林を伐採せずに、それをまた道のシンボルとしてつなげていくという、そうした環境に、木に配慮をした事例だというふうに考えております。区画整理の場合には、更地にして返すという従来の手法があったと思いますが、これは地元の声なども聞いた上での非常にいい例かと思っております。
木というのは、一回切ってしまいますと、本当に大きくなるまで何十年レベルでかかりますので、今ある自然財産を継承していくというのも、建設局の道路づくり、まちづくりの中に大いに含めていっていただきたいと思いますし、また、せんだって公決で、トイレ難民、地震のときの、そういった質問をしたときにも思ったことでありますけれども、帰宅困難者が帰る道の途上におきましては、ほとんどがコンクリートで埋め尽くされております。街路樹のところも本当に、幹といいますか、首がコンクリートから丸くえぐられて出ているだけの、そういった状態でありますので、樹木の周辺、もう少し土を多くとっていく、そういった余裕のある設計もお願いしたいと思いますし、また、トイレなども非常に、すぐには設置できないものなので、そうしたときに人間のとる自然行動としましては、緊急のときのトイレというのは、土の上ですとか木の付近だとか、そういったところを考えられていくと思いますので、自然に戻っていくというようなまちづくりも必要になってくると思います。
さて、こうした環境に配慮した工事をもう少ししておけばよかったかなと思われる事例を、古いんですけれども挙げさせていただきます。
六義園という非常に有名な都立庭園がありまして、その近くには千川上水というのが流れておりました。この都立六義園は、池を中心に園内を回遊するといわれる、そういった公園であります。その池は、かつて江戸市中に飲料水を供給するために多摩川から取水した上水道を引き込むなど、東京の自然条件を巧みに生かした高度な技術の都立庭園でもありました。都立庭園の池はきょうまで良好に保全されておりまして、世界に誇る造園土木技術に裏づけられた江戸の都市文化の一端に触れることもできます。
この六義園を昨年拝見しました。そのとき、六義園の池は昔は千川上水の水を引き込んでいましたけれども、現在は井戸により水が補給されるようになってしまっていると聞きました。国の特別名勝にも指定されている六義園は東京の財産でもありますが、例えば、昔のように千川上水の水を引き込み、六義園の池の成り立ちを復元することも大きな意義があると考えます。
少し昔になりますけれども、千川上水の水を六義園の池に引くことがその付近の工事でできなくなってしまったのはなぜなのか、教えていただきたいと思います。
○小口公園計画担当部長 千川上水は、武蔵野市関前で玉川上水から分かれ、練馬区、板橋区、豊島区等に至る延長約二十キロメートルの水路でございます。これから分枝した導水管によって六義園の池に水が供給されていました。しかしながら、都営地下鉄三田線の巣鴨駅を国道一七号線の地下につくる際に道路の開削が必要になりまして、昭和四十三年二月から千川上水からの導水ができなくなったものであります。そのため、代替措置として庭園内に井戸を掘り、池の水を確保しております。
○大津委員 そうしますと、千川上水からの導水管は現在どんな状況にありますでしょうか。
○小口公園計画担当部長 千川上水の水を六義園に引き込むための導水管は、昭和十三年、豊島区西巣鴨地内から六義園までの間の道路下に敷設されました、延長約二・五キロメートルの管路であります。これまでの調査によりますと、基本的にはそのまま存置されていますが、一部途切れているところがございます。また、敷設してから時間が経過しているため、管がさびるなど老朽化しており、現在、使用できる状況ではございません。
○大津委員 六義園では、元禄九年、一六九六年に開削をされました千川上水から水を引き込んでおりました。東京の地形条件と技術の粋を尽くして造園された庭園は、すばらしい、大変文化価値のあるものだと思います。六義園の池への導水のあり方は、この庭園の価値を構成する大切な要素でもありました。
例えばイタリアのテラス式庭園は、丘の中腹につくられた庭園に水路や花壇を幾何学的に配置し、高低差を生かした水の流れを楽しむ庭園様式だと聞いたことがあります。水を活用したさまざまな庭園は、日本、イタリアだけでなく、世界各地の名園で見ることができます。
六義園への導水管が、現在、古くなりましたけれどもまだ残っているということなので、老朽化した管を取りかえるなどして、再び千川上水からの取水を復活することも一つの検討材料であると考えますが、千川上水からの導水は、再開するとしたらどんな課題が挙げられるのでしょうか、お伺いします。
○小口公園計画担当部長 まず、委員が今お話しになりましたように、老朽化している導水管の更新ですとか、途切れている管の復旧等が必要でございます。また、千川上水は昭和四十六年に水の供給をやめ、上水としての役割を終えましたが、清流復活事業として、平成元年から下水の高度処理水が流されています。現在の千川上水の水は、六義園の池の水に比べ、池の汚濁の原因となる窒素や燐が多く含まれており、この除去が必要であります。さらに、千川上水に流されている水の量は、六義園の池に供給するには十分ではございません。現在、一日六百トンの井戸水をくみ上げて池に供給していますが、池を維持するためには、これと同等の水量を確保する必要があるなど、難しい課題がございます。
○大津委員 少し前の公共工事でしたので、あのころは、日本の高度経済成長期とともに車社会、車がどんどんふえて、人は立体歩道橋の上に追いやられ、最近は高齢化をして歩道橋にも上れなくなっている方々が多くなって撤去しているとか、時代とともにまちづくりの変化が起きておりますけれども、こうした千川上水の導水をそのとき地下鉄工事でとめてしまった、そのころは環境なんていう配慮という言葉はまだない右肩上がりの時代でしたが、こういうのも、本当はとめずに、千川上水からの水が流れていた方がよかったのかなと。例えば、工事をしたのも東京都、こうした被害といいますか、断水をさせられて井戸水からくみ上げるようになった受け手側も東京都、局は違うけれども、同じ東京都と東京都の因果関係であります。町の中においては、都と一般の都民との間でこういったことが生まれておりますので、一つの事例といたしまして、環境に配慮をした公共工事をこれからも頑張ってさらにしていっていただきたいと要望しておきます。
例えば、本当に局の中でも導水を再開したいというのを、夢の夢ほどでもなく--非常にお金のかかるやり方もありますし、かからないやり方もあるのかと思います。
ちなみに、上水が今、多摩川水再生処理センターから流れた川が千川上水にたどり着いておりますが、じゃ、それをどうして池に流すのが難しいのかという答弁が、今の窒素や燐という理由でありました。今環境局と下水道局とが協定をしまして、清流放流水の基準を、一般の供給水、二次処理水よりも厳しい数値で規定しております。それよりもさらに優秀な数字で今多摩川の水再生センターからは出てきております。全窒素が九・四ミリグラム・パー・リットル、全燐が〇・三ミリグラム・パー・リットルであります。じゃ、今井戸から引いている六義園の池はどういう数値かといいますと、全窒素が〇・八ミリグラム・パー・リットル、そして、全燐が〇・〇七八ミリグラム・パー・リットルであります。この数値は離れているようでもありますけれども、清流放流水をもう少し、ずっとずっときわめていくと水道水になってしまいますが、例えば、技術的には窒素や燐を除去できる技術は既に確立をされていますが、若干工事費がかかると。
ところが、例えば都立井の頭公園で水の浄化の実験をこれからしていくプロジェクトがありますけれども、それ以前に、全国で水の浄化で活躍をしている群馬高専の小島教授という人がおりまして、炭素繊維、簡単にいえば炭で水質浄化を次々と成功させてきた教授であります。この教授に確認をしますと、池のところに炭素繊維、昆布みたいな炭の繊維があるんですけれども、それを設置することによって、九・四の全窒素と〇・三の全燐をほぼ半分には減らすことが予想できていると答えております。
したがって、本当に局の決断があるのならば、いずれ余裕ができたときに、こうした事務事業も、こういうやり方でしたら数万円か数十万円かでできるはずだと思いますので、そんなことも都立庭園の今後の課題の中でご検討をいただきたいと思います。
それでは次に、河川、川における自然環境への配慮についての工事事例等を伺ってまいります。
渋谷区の渋谷川、「春の小川」の唱歌でも有名だったはずの渋谷川が、今は東横のれん街の下に暗渠として押し込められております。それが渋谷駅の東口側に地上に出てきたときには、三面コンクリート、側面と側面と底が三面コンクリートで、中央に本当にちょろちょろと川が流れているという状況であります。例えば、幾ら太陽を川に当てても、川底がコンクリートですと自然体系が全く復活をしませんので、川底のコンクリートを土にしていく、そうしたことも地球環境に優しい今後の河川事業の一つかと期待をしているところであります。
川づくりは、繰り返される水害の早期解消が求められていたことから、昔は、最近まで治水対策が優先をされてまいりました。その結果、瀬やふちなどの自然の川底ですか、また水際などが失われてしまいまして、河川敷なんというものが本当に都市部では見られなくなってしまいました。魚や水生生物など、また水辺の生き物も少なくなってきております。
本来、河川事業は水の循環や生態系に直接影響してくるものでもあり、また、人々の神経、いやされ方とも比例をしてくるまちづくりの一つでもあります。生き物や人間や共生のためにも、事業の実施に当たっては環境、自然体系に十分な配慮が必要であります。河川を都市における貴重な環境資源ととらえ、地域の特性に応じた、自然に配慮した川づくりが全国でも進められるようになってきました。渋谷川も、恵比寿の方、そして古川へと流れていきますけれども、太陽が当たって自然体系が復活をする、そんな川の工事をしていっていただきたいと思います。
今東京の地下、首都東京の都市の地下の砂漠化、ほとんど水が土にしみ込まない、土も少なければ、ある土もアスファルトで、コンクリートで覆い過ぎてきた人工的なまちになってきておりますので、その辺、非常に心配をしております。
そこで、都の河川事業におきます魚や自然生態系などの生物生息に配慮をしました具体的な取り組みについて、今までどのようなものを行ってきたのか、具体的な事例を挙げていただきたいと存じます。
○廣木河川部長 先生がおっしゃるとおり、河川整備は、いうまでもなく、治水機能が大事でございます。そんな中でも、環境に配慮した整備も重要だと考えております。
これまで、多摩地域の落合川では、生き物に優しいよどみや瀬やふち、浅瀬をつくったり、カワセミが営巣できるブロックを設置し、秋川ではアユやウグイなどの魚が上りやすいような工夫をしてまいりました。また、先生がお話しになりました都心部を流れる渋谷川では、湧水等の水源がないことから、下水道の再生水などを活用して日常の流れを確保する取り組みを行っております。東部低地帯の隅田川では、親水テラスの一部でアシなどの植物が茂り、また、ベンケイガニや小魚が生息できるようにもしてきております。
今後とも、渋谷川など河川の整備に当たりましては、生き物の生息環境にも配慮してまいります。
○大津委員 いろいろな課を横断しました、環境へ配慮をしてきた工法について、いろいろな事例をもらいながら、今後ますますそうした環境への配慮を続けていっていただきたいというのが最大のこの質問の趣旨でありました。
環境の配慮は地域の合意形成においても大切であります。また、自然の摂理や天地、底辺の流れですか、それに溶け込んだ構造物をつくっていくことで、最後は地域や自然にも溶け込みやすく、また、そうした環境に対しては、多少お金がかかったとしても、そうした公共工事の追加工事代金というのは逆に都民も理解してくれるはずのものであります。むしろ、自然よりも、最初の目的を何が何でも推し進めなくちゃいけないという観念、そこからくる無理な工法は、結局は自然災害や土砂災害や何かを引き起こしてしまうことになりますので、長い目で見て自然と共生をした首都東京のまちづくりを、建設局が引き続き環境に配慮した工事を推進していっていただくとともに、その取り組みをこれまで以上にPRしていくことを期待しております。
また、住民説明会というのは、よく建設局も都市整備局もいろいろな住民説明会をされてきたと思いますけれども、結構、住民説明会の最初のボタンのかけ違いでかなりお互いに誤解をされてしまう部分もありますし、また、こういう住民説明会でこそ、こうした自然に配慮をした工事などは逆に説明をしていっていただきたいとも思いますし、住民や地域の意思、そして、本当に建設工事は生き物でありますので、掘って湧水が出た、自然環境アセスで事前にわからないような部分というのが本当に生き物のように出てきますので、そういうときには、ぜひ地元区や、また、事前にでもそうですが、いろいろな環境情報とか、地元区市ですか、そうしたところの情報も受けながら総合的に進めていっていただきたいと思います。
本当に、まちづくりというのは途中変更が非常にきついので、最初の段階で、自然、具体的には太陽と水と緑と、そして土と風の道と、そうした自然と、何よりも人に対して配慮をした発注仕様書を具体的な言葉や具体的な条件で組み込んで、東京都としましては、発注者の品格、気品の高い東京のまちづくりを最初の段階から込めていっていただきたい。そのためには、こうした、一種精神論といいますか、魂みたいなものですけれども、それをお一人お一人の中に持っていただくことによって確実に変わってくると思いますので、こういう質問をさせていただいた上で、最後に、恐縮ですが、局長からこうした部分についての感想をいただきまして、終わりにしたいと思います。
○道家建設局長 感想ということでございますので、人々が都市という場所に集まって暮らすことによって得たこと、また失ったことについて、人それぞれ思いがあるというふうに考えられます。都といたしまして、首都東京の都市基盤整備に当たり、経済活力の強化や安全で暮らしやすい社会の実現とともに、環境への配慮は重要な課題と認識をしております。
ただいま各部長から、道路、河川、公園の整備に当たり、環境への配慮として、ヒートアイランド対策、緑豊かな道路空間の整備、多自然川づくりなどについて、成果や課題も含めて答弁をしたところでございます。いずれにしても、建設局として取り組んでいる事業を着実に推進することで、「十年後の東京」で示した、水と緑の回廊で包まれた東京という近未来像の実現に向けて取り組んでまいります。
○石川委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後五時二十七分休憩
午後五時四十分開議
○石川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○吉倉委員 私からは、中小河川の整備、特に神田川、妙正寺川の流域の整備事業について何点かお尋ねいたします。
これらの河川の流域では、都市化の進展に伴い、保水、遊水機能が減少し、降雨時の河川への流出量が増大しております。平成五年八月の台風、平成十七年九月の集中豪雨によって、神田川、妙正寺川などで甚大な浸水被害が発生しております。こうした水害から都民の命と暮らしを守るのが河川行政であると考えておりますが、最初に、神田川、妙正寺川の整備の考え方とこれまでの整備状況についてご説明いただきたいというふうに思います。
○廣木河川部長 神田川、妙正寺川など中小河川につきましては、一時間五〇ミリの降雨に対応する整備を進めております。整備に当たりましては、下流から順次川幅を広げることを基本としておりますが、鉄道や幹線道路が交差し、河川沿いには家屋が密集している都市河川において、用地取得など、完成までには多くの費用と時間を要します。
このため、神田川、妙正寺川におきましては、道路や公園の地下を利用し、高田馬場分水路、環状七号線地下調節池、上高田調節池を整備するなど、さまざまな工夫をし、水害の早期軽減を図ってまいりました。この結果、平成十九年度末の神田川の治水安全度は九二%、妙正寺川は四九%となっております。
○吉倉委員 お話のとおり、水害に強い首都東京を実現するために、中小河川へのさまざまな対応をされていることについて評価したいというふうに思います。
ところで、平成十七年九月四日未明の水害は、時間雨量一〇〇ミリを超えるすさまじい雨量で、私も深夜、新宿区西落合の北原橋周辺の水害現場に駆けつけましたが、はんらんした川の水は私の腰の高さまで押し寄せてきておりました。
ご承知のとおり、新宿だけではなく、中野、杉並、練馬など広範囲にわたる家屋の浸水被害が発生いたしました。こうした被害を未然に食いとめるために、現在、激特事業が行われており、工事が大詰めの状況であるというふうに聞いておりますが、進捗状況と今後の効果について伺いたいというふうに思います。
○廣木河川部長 妙正寺川におきましては、環七下流の約三・九キロメートルのうち、大きな被害が発生した新宿区内の北原橋付近三百メートルの区間と、環七地下調節池の妙正寺川取水施設の整備が完了し、既に効果を発揮しております。残る三・六キロメートルの全区間では、護岸整備や橋梁のかけかえ、河床掘削などを行っております。工事は地元の理解と協力を得まして順調に進んでおり、引き続き全力で取り組み、予定どおり平成二十一年度に完了させます。この事業が完了いたしますと、平成十七年九月の豪雨に対応できるものと考えております。
○吉倉委員 ご答弁いただきましたが、本当に、この激特事業は二十一年度が事業の完成年度ということですが、ぜひ予定どおり事業を進めていただきまして、一日も早く流域の方々の安全性が確保されることを期待したいというふうに考えております。
次に、環状七号線地下調節池の整備について伺います。
洪水が多発し、水害に悩まされてきた神田川、妙正寺川流域の方々は、環七地下調節池が水害に対する安全度を向上させるものとして大きな期待を寄せており、ことし春の完成、供用を喜んでいるところであります。平成十七年九月四日の豪雨の際には、当時工事中であった第二期事業の調節池トンネルに緊急に取水したというふうに聞いております。
そこで、十七年九月の豪雨時の環七地下調節池への取水状況及び過去の水害と比較した環七地下調節池の具体的な被害の軽減効果について伺いたいと思います。
○廣木河川部長 先生のお話の平成十七年九月四日の豪雨では大変な被害が発生いたしました。既に供用を開始していた環七地下調節池が満杯になったため、工事中であった延伸部の区間にも神田川から緊急的に洪水を取り入れ、被害の軽減を図りました。
過去の水害との比較でありますが、神田川中流域に甚大な被害をもたらした平成五年八月の水害と、降雨の規模が同程度であった平成十六年十月の水害を比較しますと、環七地下調節池への取水により、浸水家屋が三千百十七戸から四十六戸へと大幅に減少いたしました。現在、環七地下調節池は貯留量が五十四万立方メートルに倍増し、また、神田川に加えて、善福寺川、妙正寺川の三河川からも洪水を取水できるようになったため、神田川流域の洪水に対する安全性はさらに向上いたしました。
○吉倉委員 安全性の向上が図られたということで、大変に喜んでいるところでございます。
次に、神田川本線の整備についてでありますが、長年の課題であった西武線と山手線の交差部についていよいよ工事が始まっております。この区間については、高田馬場分水路が整備され、安全度が昔に比べて向上しておりますが、より高い安全度を確保するためには、やはり鉄道との交差部の改修を完成させることが必要であります。今後の整備の見通しについてお聞きしたいと思います。
○廣木河川部長 神田川の高田馬場付近の鉄道交差部は狭窄部であり、長年の懸案となっております。このうち、西武新宿線との交差部につきましては、平成十七年度から護岸整備及び西武線橋梁のかけかえ工事を行っており、二十年度末に狭窄部は解消されます。今後、JR山手線及び埼京線との交差部につきましても、二十二年度の工事着手を目指し、全力で取り組んでまいります。
○吉倉委員 お話しいただきまして、本当に水害から都民の命と暮らしを守るために、中小河川の整備に積極的に取り組んでいることがよくわかりました。こうしたハード対策に対して、ソフト面での対策についてお伺いしたいと思います。
浸水予想区域図の公表や区市町村によるハザードマップの公表などに加え、神田川で降雨や河川水位の状況から洪水を予報する洪水予報について検討しているというふうに聞いておりますけれども、取り組みの状況を伺いたいと思います。
○廣木河川部長 洪水予報は、河川管理者が気象庁の予測する降水量等に基づき河川水位の上昇を予測し、溢水のおそれがあるときに気象庁と共同で発表する防災情報であります。神田川におきましては、新たな水位予測システムを開発し、気象庁や地元区と連携し、洪水予報の準備を進めてまいりました。現在試行中であり、その検証を経て年度内の運用開始を目指してまいります。
○吉倉委員 今後とも積極的に水害の早期解消に努めていただくことをお願いしておきたいというふうに思います。また、新宿区管内の神田川流域は桜の名所としても多くの方に親しまれておりまして、河川沿いに散策することが都民にとっての楽しみというふうになっております。
そこで最後に、神田川流域の豊かな水辺空間の整備についての考え方を伺いたいというふうに思います。
○廣木河川部長 都市におきましては、河川は水と緑の貴重なオープンスペースであります。市街地を流れる神田川流域の河川につきましても、治水機能を確保しつつ、にぎわいのある緑豊かな水辺空間を創出していくことが大切であります。これまでも、河川の管理用通路に桜の植栽を行うなど緑化し、遊歩道として活用するとともに、可能な箇所においては、水辺に近づけるよう、親水護岸などの整備を行ってまいりました。
今後とも、神田川流域の河川整備に当たりましては、川沿いのまちづくりや公園との一体的な整備、管理用通路への植栽を行うなど、地元区と連携して水辺景観の向上を図り、人々が憩い、にぎわう親水空間の創出に努めてまいります。
○吉倉委員 今後も安全で親しまれる神田川流域の整備を期待して、質問を終わります。
ありがとうございました。
○山田委員 石原知事の就任以来、これまで都庁では二万人を超える定数削減を行うなど、国や他の地方自治体に先駆けての行政改革を断行することで財政再建を達成するなど、大きな成果を上げてきたことは評価に値するものであります。
しかし、いよいよ団塊の世代の大量退職が本格化する中、必要な組織の維持とともに、特に建設局のような事業局においては、そうした経験豊富な世代が保有する技術力をどのように継承していくかという大きな課題を抱えていると思います。
先日の第三回都議会定例会の代表質問におきましても、我が党の高島幹事長が、団塊の世代の大量退職による影響が顕著であり、都庁の執行力を将来にわたって維持するために正規職員を確保することが必要であるということや、知事がふだんお話しされております、現場を担うことによる都庁の強みが業務の外部委託によって妨げられることに対する懸念を指摘しつつ、都庁の事業執行能力の強化について質問をするとともに、さらに、将来展望のある人材の育成や確保が必要であるとして質問をいたしました。
また、先日、九月一日に発行いたしました、我が党の入札・契約制度改革プロジェクトチーム、これは宇田川副委員長もメンバーの一人でありますが、がまとめました公共事業の正しいあり方についての報告書におきましても、都の入札・契約制度や公共事業における品質管理に関するさまざまな問題に関連をいたしまして、この内容の中に、技術系職員は一朝一夕に育成することはできず、多くの時間を費やし、さまざまな経験を積ませて初めて民間の技術者と対等に技術的な話ができるようになるのであろう、そう考えると、都における技術系職員の減少はそろそろ限界に来ているのではないかと指摘をいたしております。
こうしたことから、「十年後の東京」の実現に向け、社会資本整備の仕上げを行わなければならないこの大切な時期に、都の職員が質、量ともに適切な業務執行に対応できるのか、大変不安があると指摘せざるを得ません。
そこで私から、建設局事業についての質疑に当たりまして、まず、業務執行能力の強化と人材育成について何点か質問させていただきます。
最初に、建設局におきます最近五年間の予算額はどのように推移しているのか、また、五年間の技術系職員の退職者数と新規採用数がどのように推移しているのか、さらに、本年度の建設局の職員数と、そのうちの技術系の職員数についてお伺いをいたします。
○鈴木企画担当部長 平成十六年度の建設局関係予算は三千八百七億円、平成二十年度は四千七百三十八億円となっておりまして、二四%伸びております。
一方、技術系職員の過去五年間の退職者数は四百一名であるのに対し、五年間で新たに採用した職員数は百三十六名で、差し引きでは退職者が二百六十五名上回っております。
また、本年度の建設局の職員数は二千四百三十七人、そのうち技術系の職員数は千四百三十四人でございます。
○山田委員 民間にも負けない真の効率化を目指して職員数を削減してきた結果と理解をいたしますが、この五年間で、今ご説明のように、二四%も予算が伸びている一方で、差し引き二百六十五人もの職員数が削減をされてきております。これは建設局の職員数の一割を軽く超え、技術系の職員数の二割に近い数でありまして、これでは本当に十分な都民サービスが行われているのかどうかということもちょっと疑問を感じるところでもありますが、こうした事態に対処するため、建設局として当然何らかの対応を行ってきたと思いますけれども、具体的にどのような取り組みがなされてきたのか、お伺いいたします。
○鈴木企画担当部長 建設局は、都民生活に密着した道路、河川、公園などの現場を抱え、日々の都民サービスを担う組織でございます。一方、「十年後の東京」の実現に向けた都民の期待や都民ニーズの多様化、高度化など、事業の質的、量的拡大に的確に対応するため、効率的な業務執行体制を目指しておりまして、例えば、事業計画の策定から施設の整備や適切な維持管理、そのために必要な法的判断、さらには危機管理対応など、建設局が担うべきコア業務にマンパワーを集中させる一方で、それ以外の補助的業務については監理団体や民間企業へ外部委託するなど、事業遂行上のさまざまな取り組みにより、都民サービスの低下を招かないよう努力してまいりました。
○山田委員 職員数の削減に対応するため、さまざまな努力をされていらっしゃるということで、外部委託などの適切な活用をすることで、今ご説明がありましたように、コア業務にマンパワーを集中し、都民サービスの低下を招かないように努力してきたということでございます。
しかしながら、これ以上職員を削減するということで、業務執行に支障を来しかねない、限界の状況にあるのではないかと危惧されるわけであります。建設局が担う現場におきます実態はどうなっているのか、お伺いいたしたいと思います。
○鈴木企画担当部長 委員がお尋ねの現場での実態ということになりますと、私自身、ことしの七月まで第二建設事務所の所長をしておりまして、その経験も踏まえてご答弁申し上げますと、まず日常業務でございますが、現場を持つ強みを最大限に生かし、事業遂行に当たりまして、関係権利者の方々の状況等の早期把握に努めることで事業立ち上げの円滑化や迅速化を図るとともに、維持管理や工事監督業務において、効率化や新たに委託を行うなど、考えられる工夫をやり尽くした中、毎年職員定数が減少していく状況を、いわば血のにじむような努力により何とか乗り切ってきたという厳しい現状がございます。
以上が日常業務でございますが、それにも増しまして、危機管理対応ということになりますと、近年頻発する集中豪雨に対する水防活動対応や万が一の事故対応など、組織全体で一丸となって対応する必要のある緊急時をたびたび経験する中で、都民サービスの質をぎりぎり確保しているという、これまた厳しい状況でございまして、委員がおっしゃられたように、限界といえば確かに限界であるというような実感がございました。
○山田委員 今のご答弁、大変悲壮な思いで努力をされていらっしゃるということがわかったわけでありますけれども、また、さて一方で、冒頭述べたとおり、大量退職が本格化する中、この何年間のうちに大量のベテランの技術者が退職をするということが確実であり、例えば、計画、設計、施工、維持管理などの一連の流れにおきまして総合的に品質管理を行うトータルマネジメント能力が低下するおそれがあると考えられます。
このような状況を踏まえて、建設局では、道路、河川などの社会資本の品質を確保するため、技術力の継承及び向上という観点からどのように職員の育成を行っているのか、お尋ねいたします。
○鈴木企画担当部長 職員一人一人がその能力を発揮し、さらに高めていく取り組みが求められていることから、昨年、建設局人材育成方針を策定いたしまして、局業務の技術的ノウハウを蓄積、伝承するため、新規採用から課長補佐までの基本的なジョブローテーションによりまして、人材育成を重視した配置管理などに取り組んでいるところでございます。
また、技術力の継承及び向上という観点からは、現在、土木技術センターにおきまして、職員が現場で必要な技術力、対応力を育成するため、体験実務研修や講習会を実施しております。
さらに、局内に立ち上げた検討組織によりまして、経験豊富な職員が各職場を越えて横断的にOJTを行い、そのすぐれた技術力を組織全体で活用することや、計画段階でのワークショップ活動で職員みずからが工法等について集中的に議論し、技術力の向上を目指す新たな手法の具体化を図っているところでございます。
○山田委員 技術力というものは一朝一夕に形成されるものではないと思いますし、何年もかけて職員を育成することで、ベテラン職員が長年培ってきた知識やノウハウをしっかりと引き継ぐことが重要であると思います。
本日の先ほどからの担当部長の答弁を聞いておりますと、さまざまな工夫によりまして都民サービスの低下を何とか避けているという現状もそろそろ限界であるというような、そんな感じもしますし、都民サービスを一定のレベルに維持していくためには、やはり必要な組織の規模があるということがよくわかりました。そのためには、二十年後、三十年後にも都民ニーズにこたえられる体制を築くため、質、量ともに充実したマンパワーの確保について、都としてもその重要性をしっかりと認識していただくとともに、事業局レベルにおいては、ただいま担当部長から答弁のあった人材育成の取り組みを一層加速して行うことを要望いたしまして、私の次の質問に移りたいと思います。
次に、歩道の整備についてお伺いをいたします。
東京都の道路交通を取り巻く情勢は、これは警視庁交通年鑑十九年度版、警視庁のデータによりますと、交通事故死傷者数については、平成十二年度の十万五千七十三人をピークにいたしまして減少してきておりますけれども、平成十九年度を見ますと、七万七千六百五十二人と、いまだ七万人を大きく超えております。中でも、交通事故死傷者数のうち、三五%以上は歩行中の事故が占めているということでありまして、極めて深刻な状況にあると思います。交通安全対策を一層推進することが都民の命を守るためにも求められていると思います。
平成十五年の十月十日に閣議決定をされました社会資本整備重点計画というものがございますけれども、これは平成十五年度から平成十九年度を計画期間とするものでありますが、これの中に、歩行者等の安全通行の確保のため車両と歩行者を分離した幅の広い歩道の整備等について、計画的かつ重点的に推進することとされております。東京都では歩道の整備には力を入れていただいていると思いますが、いまだ歩道のないところや、あるいは車いすのすれ違いに必要となる、幅員が二メートルにも満たない歩道が多く存在しているのも事実であります。今後の歩道の整備に当たっては、ぜひバリアフリーに対応した、最低二メートルの幅員の歩道が必要と考えるものであります。
そこでお尋ねいたしますけれども、まず、区部、多摩別及び都全体における幅員二メートル以上の歩道の整備率についてお伺いをいたします。
○米田道路保全担当部長 歩道は、歩行者の安全確保、良好な都市景観の形成、ライフラインの収容空間の確保など多くの役割を果たしており、その整備は大変重要でございます。
平成十九年度末現在、都道における車いすがすれ違うことのできる幅員二メートル以上の歩道の整備率は、区部が七九%、多摩地域が四二%、都全体では六〇%でございます。
○山田委員 幅員二メートル以上の歩道の整備率については、区部が七九%、多摩地区では四二%と、多摩地区については区部と比較して著しくおくれているということでございます。より一層の努力を願うところでもございます。
私の地元の西東京市におきましても、都の施行によりまして歩道の整備が何カ所かで進められておりますけれども、市民からもより一層の歩道整備の促進を求められております。
そこで、地元西東京市で進められております歩道整備について伺いたいと思いますが、西東京市は、ご案内のとおり、旧保谷市、田無市が合併いたしまして、平成十三年に西東京市が誕生いたしました。そして、旧保谷市の表玄関がひばりヶ丘の駅であって、田無市の表玄関が田無駅、そういう位置づけがあったわけですけれども、その田無駅とひばりヶ丘駅を南北に結ぶ大変重要な路線が、都道一一二号線という、谷戸新道という道路でもございます。今その歩道整備が行われているわけでございますけれども、かつては歩道が大変狭く、大変整備が進められてなかったところもあるわけでありますが、この都道一一二号線の谷戸一丁目交差点から市道中原通りとの交差点までの区間を除いて、今現在、都市計画道路として幅の広い歩道が完成をいたしております。
そこで、現在歩道の整備を進めております谷戸一丁目交差点から、今申し上げました市道中原通りとの交差点までの整備状況と、今後幅広い歩道とする、その整備にどのように取り組んでいるのか、その点についてお尋ねをいたします。
○米田道路保全担当部長 都道一一二号線の谷戸一丁目交差点から市道中原通りとの交差点までの約六百三十メートルにおきましては、幅員二・五メートルの歩道を整備しておりまして、平成十九年度末までに約三百五十メートルの区間が完成いたしました。残る区間につきましても鋭意整備を進めているところでございます。
今後、都道におきまして歩道の整備をするに当たりましては、関係権利者や地元の理解と協力を得まして、車いすでもすれ違うことのできる、バリアフリーに対応した幅員二メートル以上の幅の広い歩道の整備を積極的に進めてまいります。
○山田委員 ぜひ今後とも歩道の整備を積極的に推進していただければと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。
次に、ただいま質問をいたしました谷戸新道をずっと南へ進みますと、皆さんもご存じだと思うんですが、渋滞で有名な北原交差点がございます。この北原交差点は、新青梅街道とかあるいは所沢街道が複雑な形で交差する、多摩地域でも有数な渋滞箇所でございます。本交差点の南側には西武新宿線田無駅があることから、通勤あるいは通学時に交差点を通る歩行者や自転車が大変多いものでありまして、そこで、この北原交差点におきます歩行者や自転車の安全対策と渋滞対策についての進捗状況についてお尋ねをいたします。
○米田道路保全担当部長 北原交差点におきましては、歩行者や自転車の安全対策といたしまして新青梅街道北側の歩道拡幅を、また、渋滞対策といたしまして新青梅街道及び所沢街道の車線幅の拡大を行うこととしており、平成十八年度から事業に着手しているところでございます。交差点の改良を行うためには、既存の横断歩道橋の支柱が支障となりますことから、本年十一月に横断歩道橋のかけかえ工事に着手する予定でございます。早期に歩行者や自転車の安全確保とともに渋滞緩和が図れるよう、鋭意工事を進めてまいります。
○山田委員 今、歩行者や自転車の安全対策あるいは渋滞対策を実施するということでありまして、そのために横断歩道橋の建てかえ工事をするということであります。現在、工事着手に向けて準備が進められていると聞いておりますが、一日も早く工事を進めていただくことを求めるものでございます。
次に、ただいま歩道整備についてお伺いいたしましたが、歩道の維持管理についても大変大事なことだと思います。そのような観点からお尋ねをいたします。
建設局では、有効な管理手法の一つとして、地域住民の積極的な参加を呼びかけております東京ふれあいロード・プログラムに取り組んでおられます。確認の意味を含めてお尋ねいたしますが、この具体的な事業の内容とこれまでの取り組み状況についてお尋ねをいたします。
○野口道路管理部長 東京ふれあいロード・プログラムは、道路利用のモラル向上と潤いのある道路空間の創出を目的として、地域の皆さんが都と連携し、道路の美化活動に取り組む事業でございまして、平成十四年度の試行を経まして、十五年度から本格的に開始いたしました。
具体的には、地域の学校、ボランティア団体や商店会、町内会などの団体が都と協定を結んだ上で、都が管理しています歩道の清掃や植栽の手入れ、花壇づくりに取り組んでいただいております。事業開始時の平成十五年度には二十団体でございましたが、本年度には八十三団体に増加し、小学生からお年寄りまで、約一万七千人の皆さんが活動されております。
○山田委員 歩道は、子どもたちの通学やお年寄りの交流の場など、地域の暮らしに身近な生活の空間の一つであると思います。一昔前までは、自分の家の前の道路は自分で掃除するということが当たり前であったわけでありますが、最近はそれが大変希薄になっていると思います。
そういう状況の中で、今ご説明がありましたような東京ふれあいロード・プログラムは、地域の皆さんの手で道路の管理の一端を担う社会貢献活動を通じて、公共施設を大切にする心をはぐくむという大変すばらしい事業であると思います。現在、八十三団体、約一万七千人の方が活動してございますけれども、都が管理する歩道の延長からすれば、さらに参加者を拡大していける、いくことが大事だと思いますけれども、そのご見解をお尋ねいたします。
○野口道路管理部長 東京ふれあいロード・プログラムは、地域の皆さんみずからが活動に参加することにより、地域のニーズに即したきめ細やかな管理が実施できるという面のみならず、公共施設に対する愛護精神の醸成が期待できる意義のある事業だと考えております。
このため、都はこれまで、学校、商店会等への直接的な働きかけや、都や区市町村の窓口でのパンフレット配布、さらに、都のホームページでの事業紹介などを通じて参加を募ってまいりました。また、団体の活動報告の場として、東京都道路整備保全公社との連携により地域主導のみちづくりフォーラムを毎年開催し、団体間の交流にも努めております。今後とも、さまざまな機会を通じて、さらに多くの方々に参加していただけるよう努めてまいります。
○山田委員 ぜひこれも進めていただきたいと思いますが、しかし、せっかく歩道をきれいに整備しても、その一方で、置き看板とかあるいはのぼり旗などのさまざまなものが歩道上に置かれて通行の妨げになっているというのも現実でありまして、正しい道路利用という点からも、これの是正が必要なケースも見受けられるわけであります。
そうした場合に、行政によります警告や取り締まりを強化することも必要となりますが、そこに住む、働く地域の皆さん自身が目を光らせ、是正させるといった取り組みも大変重要なことではないかと思います。
東京ふれあいロード・プログラムの事業内容とはちょっと異なると思いますが、道路利用に対する地域の意識をみずから高めていこうとする意欲のある住民の皆様の取り組みも出始めているということも聞いております。そうした意識の高まりを生かすことによりまして、道路の美化活動にとどまらないで、活動の広がりが期待できると思いますが、その点についての見解を伺います。
○野口道路管理部長 都はこれまで、通行の妨げとなる、例えば歩道上の看板やのぼり旗などについて、日常のパトロールや警察、区市等との連携により是正指導を行うなど、道路の適正化に向けて取り組んできております。しかしながら、是正指導により一時的には改善されるものの、看板やのぼり旗が繰り返し置かれるなど、行政だけの取り組みには限界もございます。
山田委員お話しのように、一部の地域で、道路の適正利用を確保するために、商店街ぐるみで対策を講じようとする動きがございます。道路の適正利用を実現する上で地域の皆さんの力を活用できれば、大変意義深いことと考えております。都は、このような活動に取り組もうとする地域の機運が具体的な活動につながっていくよう、連携の仕組みづくりに向けて積極的に検討してまいります。
○山田委員 今お話しのように、地域住民の力を活用するということは大変よいことであると思います、また、地域の機運が具体的な活動としてつながっていくよう、ぜひその仕組みづくりについて検討されるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○小沢委員 二点質問させていただきます。
初めに、江東内部河川の整備についてお伺いいたします。
荒川と隅田川に挟まれた、いわゆる江東三角地帯は、過去に高潮や洪水などによる水害に見舞われてきました。この地区を流れる川の中で、旧中川、北十間川、横十間川、小名木川、この河川は水害対策のために通常の水位を下げて低下させているところであります。この低水位の内部河川の特徴を生かしつつ、現在整備が進められているところでありますが、特に旧中川については、比較的広い河川の幅を生かしつつ、自然豊かで変化のある堤防の整備が行われて、休日ともなりますと、整備が完了している地域では、老若男女、本当に多くの地域の住民の方々が散策されて、ハゼ釣りなどを楽しまれておるところであります。
そういう意味で、安らぎと潤いをもたらす絶好の親水河川となりつつあるところでありますが、引き続き水害に対する安全を確保しながら、環境にも配慮した旧中川の整備を進めていくことが必要と考えますが、まず、旧中川の整備状況についてお伺いをいたします。
○廣木河川部長 旧中川では、地盤が大変軟弱なことから、地盤改良など耐震化工事を行い、その後に堤防や散策路の整備を進めております。耐震化工事につきましては、昭和六十三年度から進めており、大変長い時間がかかりましたが、平成二十年度に完了いたします。堤防や散策路の整備につきましては、平成十九年度までに、計画延長十一キロメートルのうち約八・六キロメートルが完成しております。
○小沢委員 今ご答弁いただきましたように、旧中川の整備はかなり進んではきているのですけれども、堤防や遊歩道は、河川に沿って連続的に整備されてこそ本来の目的が達成されるものであります。しかしながら、まだ未整備の区域が点在しておるのが現状であります。この地域の多くの方々は、一日も早く、緑、自然の豊かな旧中川の堤防と遊歩道の連続性のある整備を期待しておるところであります。今、堤防の耐震化は、二十年、今年度中に完成するということでありますので、今未整備の堤防や遊歩道の整備を積極的にかつ集中的に、予算要求をしっかりしていただいた上で、できる限り早期に完成させていただきたいと思います。
そこで、旧中川の整備に関する今後の予定についてお伺いをいたします。
○廣木河川部長 現在、墨田区中平井橋付近など〇・四キロメートルにつきまして、堤防や散策路の整備を行っております。平成二十年度には完了いたします。残る約二キロメートルにつきましても、一日も早く自然豊かな水辺を散策できるよう、平成二十二年度の完了を目指し事業を進めてまいります。
〔「江戸川区側もね。同じ川の対岸なんです」と呼ぶ者あり〕
○小沢委員 そうなんです。一体的に--江東区側から今進んでおりまして、墨田区と、また対岸は江戸川区であります。この三区の本当に地域のいい交流の場にもなり得る、本当にすばらしい親水域でございます。ただいま、一日も早い完了に向けて整備を進めていただけるという非常に前向きなご答弁をいただきました。地域の住民ともども、早期の完成を期待いたしております。
次に、都立横網町公園についてお伺いをいたします。
ことしの第一回定例会の一般質問におきまして若干取り上げさせていただきましたが、この都立横網町公園は旧陸軍被服廠の跡地に位置しております。大正十二年の九月一日に起こりました関東大震災、このときは既に被服廠が移転しまして、公園として造成中でありました。そこに避難をされた多くの方々が遭難された、ここで死傷されたということであります。そういうことで、公園内には関東大震災遭難者の五万八千人の遺骨をおさめ、そして、みたまを供養するために昭和五年に東京都慰霊堂が建てられました。また、翌年には、震災からの復興の大きな事業を記念するために復興記念館が竣工されました。また、慰霊堂には、昭和二十六年に東京空襲などによる殉職者十万五千人の遺骨も追加しておさめられておるところであります。その後、平成十三年三月には、東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑が公園内に竣工されるなど、都立公園七十八カ所ある中でも、震災と戦災のメモリアルパークとして大変意義のある公園であると認識をしておるところであります。
そこで、この横網町公園の役割、意義を都はどのようにとらえておるのか、お伺いをいたします。
○安藤公園緑地部長 都立横網町公園は、関東大震災と東京大空襲の被災者の遺骨を安置する東京都慰霊堂や、これらの惨事を写真や絵画、遺品などの資料で後世に伝える復興記念館などの施設でございます。この横網町公園は、東京の戦災、震災のメモリアルパークとして、被災者の慰霊と復興記念事業を記念する目的を持つ公園でございます。
○小沢委員 それはそうなんですが、ちょっと私の思うところと違うような形でご答弁いただきました。
この公園は、こういった事例から、自然災害、特に震災の恐ろしさ、そしてそれに対する備えの重要性を都民に伝えていく重要な役割を持っている公園ではないか。さらにまた、広島、長崎、沖縄と並んで、さきの戦争によって大きな被害を出した東京下町から、平和の発信拠点としてふさわしい公園であると考えております。東京オリンピック招致に向けておりますけれども、オリンピックも平和の祭典であります。そういう意味で、東京の下町、横網町公園からぜひ全国に、そして世界に平和を訴えていけたらすばらしいなと考えております。
そこで、横網町公園の管理運営に当たってどのような方針で臨んでおられるのか、お伺いをいたします。
○安藤公園緑地部長 都立横網町公園には、小沢理事ご発言のとおり、戦災、震災メモリアルパークであるとともに、地域の憩いの場として、また災害時の避難場所としての機能を発揮することも求められております。このため、平成二十年四月に、以前から園内の慰霊堂を管理しておりました財団法人東京都慰霊協会を、復興記念館を含めました公園全体の指定管理者として指定しまして、施設と公園、これを一体的に管理することで、効率的、効果的な管理運営をすることとしております。
○小沢委員 確かに、建設局さんとしてのお答えはなかなか、設備の管理云々ということで、実際、生文さんですとか他局との兼ね合いがあって、ご答弁、多少遠慮されておるのではないかなと感じておりますが、ぜひ、先ほど申しましたことを踏まえた上で、今後の管理、ぜひ努力していただきたいと思います。
次に、一般質問では、復興記念館について、現在の展示方法をもっと工夫して広報の充実を図るべきだという質問をさせていただきました。それに対して、解説内容を充実させ、ボランティアガイドを新設するなど、多くの方々が訪れるよう取り組むとのご答弁をいただきましたが、現在、その進捗状況、そして取り組みについてお伺いをいたします。
○安藤公園緑地部長 復興記念館を訪れた方が展示の内容について理解をより深めていただくよう、展示の改善に取り組み、屋外展示物の解説板などを補修したところでございます。また、五月に、指定管理者でございます東京都慰霊協会が、地元の老人クラブにボランティアの協力をいただきまして東京大空襲語り部の会を開催するなど、多くの方々に訪れていただけるような取り組みを行っているところでございます。
○小沢委員 まだそういった取り組み、スタートしたところであると思います。今後ますます積極的に行っていただきたいと思います。
最後に、この慰霊堂、復興記念館ですけれども、竣工後八十年近くたっております。老朽化は否めないと思いますが、耐震対策の取り組みについてお伺いをいたします。
○安藤公園緑地部長 都の公共建築物の耐震化整備プログラムに基づきまして、今年度、慰霊堂につきましては、建築設備の劣化状況を把握し、修繕及び更新の必要性を判定します劣化度診断を行います。また、復興記念館につきましては、建物の耐震性を判定する耐震診断を行います。
○小沢委員 今耐震診断中もしくはそういった調査中ということでありますが、八十年たっていますので、何らかの補強等が必要になってくるのではないかと想像がつきます。改修に当たっては、ハード、ソフト含めて、特に復興記念館の展示方法を改修の際に並行して実施していただきたいと要望いたしまして、私からの質問とさせていただきます。
○宇田川委員 私からは、公共事業、公共工事のあり方、もっといえば、公共工事における発注者のあり方という質疑をさせていただきたいと思います。
東京の持続ある発展を目指し、日々の都市活動や都民生活を支えていくためには、都市基盤の整備、管理を着実に実施していくことが大切であると考えます。本日の委員会においても、各委員の皆さんが、道路や河川、公園などの整備についてさまざまな質疑がなされたところでありますが、その整備は公共事業という形でなされるわけでございます。
そもそも公共事業は、社会経済上重要な意義を有しているだけではなく、その品質は現在及び将来の都民のためにも確保されていかなければならないと思っております。平成十七年四月にはいわゆる品確法が制定をされ、発注者が主体的に責任を果たすことにより、価格及び品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされることが求められております。これを受け、都では、総合評価方式として、簡易なタイプであったり、提案を求める入札時VEなどの取り組みが行われているところです。
しかし、ことしに入り、鋼材や原油を初めとする公共事業にかかわる主な資材の価格が軒並み高騰いたしました。このため、受注者の負担が増大し、大変厳しい状況にある中、去年に引き続き、ことしも多くの不調工事が見受けられました。このようなことは、公共事業を円滑かつ適切に進めていく上で非常に懸念される状況であることはいうまでもない事実でございます。
このため、我が党では、先ほど山田委員からもお話ありましたが、入札・契約制度を考えるプロジェクトチームを立ち上げ、約一年間の歳月をかけて、関係業者などの意見を聞くなどしながら、入札・契約制度における問題点を検証してまいりました。この九月に公共事業の正しいあり方についてという第一回報告書を取りまとめ、公表したところでございます。入札契約の制度そのものは財務局の所管でありますので、当然ここでは議論いたしませんが、各事業局による連携と協力は必要不可欠でありますから、本日は事業局である建設局における公共事業の取り組みについて何点かお伺いをさせていただきます。
まず、現在の建設局の総合評価方式の取り組み状況について教えてください。
○鈴木企画担当部長 局では、品確法の制定以来、価格だけではなく、技術力をあわせて総合的に評価する総合評価方式による工事発注を積極的に進めておりまして、その発注件数は、平成十七年度が二十九件、平成十八年度が八十一件、平成十九年度が百九十六件でございます。今年度も、原則四千万円以上の工事を対象とし、現時点で百三十八件の工事を総合評価方式で公表しております。引き続き総合評価方式の取り組みを着実に進めてまいります。
○宇田川委員 局の総合評価方式の取り組み状況については、今の答弁でよくわかりました。現在、多くの建設業者、また土木業者など、とりわけ中小企業は大変厳しい受注競争にさらされた中で疲弊している状況であります。このような状況において工事の契約不調が発生していることも聞いております。建設局における最近の不調の発生状況と、不調になった場合の対応策についてお伺いをいたします。
○鈴木企画担当部長 建設局における不調の件数でございますが、平成十八年度が百十五件、十九年度が百四十三件、今年度でございますが、昨年度の十月末時点での四十四件に対しまして、現在三十二件でございます。
不調になった場合の対応についてでございますが、工事内容の見直しを行うことなどによりまして再度の発注を行っております。とりわけ、特定の工事におきまして、施工条件が特に厳しいなどの原因により、予定価格と入札参加者の応札価格との間に乖離が生じ、不調がたび重なるような工事もございます。このような工事に対応するため、複数の業者の皆様から事前に見積もりをとりまして、内容を確認した上で予定価格に反映する建設局見積もり積算方式を本年四月より導入しております。これまでのところ、二件の契約実績がございます。
○宇田川委員 今部長の答弁の中に価格の乖離という言葉があったんですが、その乖離を起こした原因がどこにあるかというのは別にしても、価格の乖離というのが一番の不調の原因だと私は思っておりまして、したがって、この価格の乖離というのをなくせば不調というのは激減するんだろうな、一番の取り組みはここにあるんだろうなと思っております。今後も、現場の実態に合った予定価格の算出をしていただくなど、さまざまな対策、特に、今もお話ありましたが、建設局独自の先進的な取り組みを行っていただいて、各事業者のリーダーとして努めていただきたいと思っております。
次に、東京都は六月十六日に鋼材類と燃料油について単品スライド条項の適用を発表しまして、また、この九月十二日には、価格上昇要因が明確であるその他の資材について適用の拡大を求めたところでございます。
そこで、建設局における現時点での単品スライドの適用状況についてお尋ねをいたします。
○鈴木企画担当部長 建設局における単品スライドの適用状況でございますが、現時点で、鋼材類が三件、その他の資材としてアスファルト類が二件、契約変更になってございます。また、現在申請を受け付けているものが、鋼材類で五件、アスファルト類で十七件ございます。
○宇田川委員 やはりというか思ったとおりというか、結構数多くの申請が出ている状況だということがわかりました。それだけ我々の予想を超えるレベルの高騰が今現実続いている、そういうことだと思います。
そうしたように、求められている制度であるだけに、単品スライド条項というこの理解を深めるためには、さまざまな業者の方々へ周知を図ることもまた一つ大切なことだと思います。どのように取り組みをされているのか、お伺いさせていただきます。
○鈴木企画担当部長 建設業者の皆様への周知についてでございますが、建設局として、単品スライドに関する留意点や手続などをまとめたマニュアルを作成しましてホームページに掲載するとともに、単品スライドの概要に関する資料も各建設事務所において配布してございます。
また、社団法人東京建設業協会が主催する単品スライドの運用に関する説明会への出席を依頼されまして、昨日、説明会に赴いたものでございます。その説明会には約二百名の方々の出席がございました。
なお、区市町村からも同様の説明依頼を受けまして、十月二十一日に対応してございまして、こちらの方は約百六十名の参加がございました。
○宇田川委員 今後とも機会あるごとに周知の徹底を図るようにお願いをさせていただきます。
この単品スライド条項そのもののあり方については、私はまだ多くの疑問点を残しているんですが、先ほど申し上げたとおり、財務局所管の話でありますので、細かい話は申し上げませんが、完全なる制度ではないということだけは指摘させていただきます。
最後に、資材価格についてお伺いをさせていただきます。
資材価格については、これまでのような三カ月に一度の見直しでは、今の実勢価格とその当時の、三カ月前ということになるんですが、積算価格との間に大きなギャップが生じることになっているわけでございます。発注時点で実勢価格を積算に反映できるよう、迅速な対応が求められているところであり、そうした取り組みを行うべきだと考えますが、ご所見を伺います。
○鈴木企画担当部長 建設局では、資材価格の高騰を踏まえまして、工事費に与える影響が大きい鋼材類、アスファルト類、コンクリート類などの主要資材につきまして、価格調査を毎月行い、今後は、二%以上の変動があった場合、速やかに設計単価の改定を実施してまいります。この方針を受けまして、来月にはアスファルト類などの単価改定を十月の改定に連続しまして行います。
今後とも、迅速な設計単価の改定や総合評価方式の積極的な活用などを図るとともに、安全かつ適正な工事を実施しまして、公共工事の品質を確保してまいります。
○宇田川委員 ご答弁のとおりで、局の独自の取り組みについては理解ができました。これからも引き続き、社会情勢を踏まえて、価格のみならずですが、品質を確保した上で公共事業を進めてもらいたいと思います。
公共事業というのは、発注された事業を、入札などの手順を踏んだ上で、受注業者が設計に基づいてしっかりと品質を確保した適正なる工事を実施し、完成をするものだと思います。しかし、それだけで終わりではないと私は思っています。受注した民間業者がきちんと利益を得て、その上で利益に基づいた納税をしていただく、私はこれで初めて公共事業が完了するものだと思っております。そのために何より大切なのは現場を把握することだと思っています。現場の声、業者の皆さんの声を聞く努力をして、それらをきちんと理解し、今申し上げてきたことをしっかりとご認識いただいて、今後の公共事業のあり方をいま一度考え直してほしいと願っております。
入札・契約制度については、価格の事前公表であったり分離発注のあり方であったり、また、下請、孫請との関係など、まだまだ我々は課題が残っていると認識しておりますが、いずれにしても、建設局においては、各さまざまな事業局がございますが、その局のリーダーとして発注者の範を示していただきたい旨を申し上げまして、私からの質疑を終わります。
○矢島委員 道路のことを少しお聞きいたします。
道路は多くの役割を当然ながら担っていますが、まず、都市の血流である交通基盤の整備が重要となり、それが道路の役割をさらに高めていくことになりますが、東京都では、平均旅行速度など施策の成果を明確にするために、東京都みちづくりアウトカムプランを策定しております。初年度、十五年度と最近、十九年度はまだ出てないように聞いておりますが、最新の状況を比較し、成果と課題についてお伺いいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 道路の整備を円滑に進めるためには、事業の成果をわかりやすく都民に説明し、理解と協力を得ることが必要でございます。このため、都は平成十五年からみちづくりアウトカムプランを策定し、道路整備の達成状況をホームページなどで都民にわかりやすく示してまいりました。
その中で、都市を再生し活力を与える道づくり、沿道環境を改善する道づくり、安心、安全、生活の道づくり、この三つの視点から、平均旅行速度や渋滞損失時間、環境基準の達成率、延焼遮断帯となる道路の整備率など、全部で十二個の指標を定めております。
平成十八年度における実績値を初年度と比較いたしますと、例えば、都内の自動車平均旅行速度は時速二十・九キロから時速二十二・九キロに向上し、都道などの無電柱化率について見ましても二八・四%から三二・二%になるなど、着実に成果があらわれております。
しかしながら、東京の渋滞損失時間が全国ワースト一位であることや、平均旅行速度が全国平均と比べて低い水準にあることなどから、今後とも、幹線道路を初めとする道路ネットワークの整備や、安全で快適な歩行者空間の実現に取り組んでまいります。
○矢島委員 都市は、常に見詰められ続けて、そして改善をされ続けて初めて都市としての美しさが増していくということになろうと思います。道路もまさに同じ状況にあろうと思います。この道路整備、今後とも安定的予算執行で確実に促進させなければなりません。これには経済的--今のご報告は経済的な観点ばかりですけれども、都市というものの意義を考えたとき、そこも、安定的な予算執行を続けていくことが非常に重要な課題になろうと思います。
道路建設投資推移は、資料によりますと、最近では平成四年度に七千百三十億に達しました。また、その後、十三年の二千五百三十七億を最低として、底として、自来、三千億前後で推移をしています。しかし、既に今回の金融危機で本年度一千億程度の減収が見込まれますけれども、またさらに税収減が危惧されておりますので、そのような中でも、安定した都市基盤、道路整備を目指さなければいけません。建設局はこの点についてどのように考え、いかに担保していくのか、お伺いをいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 おくれている東京の道路ネットワーク整備を円滑に進めていくためには、整備に必要な安定した財源確保が不可欠でありまして、国費のみならず、都の単独費についても所要の予算の確保に努めているところでございます。
このため、「十年後の東京」に掲げた目標を達成するために必要な事業につきましては、三カ年の到達目標と事業費が明示される「十年後の東京」への実行プログラムに位置づけ、その着実な推進を図っているところでございます。今後とも、事業執行に必要な財源を確保し、東京の道路ネットワークの早期整備に努めてまいります。
○矢島委員 三年ごとのローリングということになりますと、毎年用意ドンで、次年度から三年間の予算執行の組み立てが税収に非常に影響を受けてくるということになりますので、この点について何らかの工夫をしながら確保し、東京の都市基盤である道路の整備をさらに進めなければいけないと思います。
建設局の事業概要によりますと、東京にとって道路整備の目的は、交通渋滞の解消を図るとともに、快適で利便性の高い生活、美しいまち、安全なまちの実現を目指し、都市の骨格を形成する幹線道路を初め、人に優しい歩行者空間の整備を進めているとしています。この実現の具体的方法についてお伺いいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 幹線道路の整備は、自動車交通の円滑化のみならず、安全で快適な歩行者空間の確保の面からも重要でございます。
都はこれまで、幹線道路の整備において、地域の特性に応じた豊かな街路樹、環境施設帯の設置、無電柱化やバリアフリー化など、人に優しい歩行者空間の整備を推進してまいっているところでございます。また、地域の生活を支える道路においても、だれもが安全で安心して利用でき、生活の利便性、快適性の向上が図れるよう、歩道の整備などを進めております。
こうした事業を円滑に進めるために、整備に必要な安定した財源の確保や地元自治体との連携、地域住民の方々の理解と協力を得ることが必要だと考えております。
○矢島委員 しかし、道路を整備するに当たっては、道路構造など、各法令の制約が大変ある中でのことでありますから、しっかりした新パラダイム、どのような、人に優しい、そして歩行者空間の確保を進めていくかという、しっかりしたそういう思想がなければ、実質的実現は難しいことになる。従来の方法では、いってみれば、部分の改良に堕するおそれがあるのではないかと思います。つまり、豊かな歩行者空間をいかに確保するかは、新時代の東京を目指す基本理念を建設局の中でしっかりと共有し、面的に道を見出すなど--道というのは、方法という意味で見出すなど、ブレークスルーすることが必要だと思います。この必要と決意についてお考えをお伺いいたします。
○山口道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務 幹線道路の整備により、生活道路に流入していた通過交通が排除されれば、地域の安全性の向上が図られるだけでなく、道路の交通負荷が軽減されることにより、人に優しい道づくりが可能になると考えております。このため、地域の道路の豊かな歩行者空間の確保に向け、幹線道路の整備に当たっては、地域特性や周辺環境に応じて可能な限り柔軟な対応に努めているところでございます。新しい時代への変化を的確にとらえ、人と自動車の共存に配慮し、今後とも円滑な交通機能向上に資する道路整備を積極的に推進してまいります。
○矢島委員 柔軟な対応も、しっかりした理念があって初めて生きてくるということになりますので、そのところを建設局の方で、そういう実現の基本的な部分を大切にぜひしていただきたいと思います。
都市が再開発をしますと、まちの姿が全く変わるところもあります。しかし一方、従来の原風景、東京とはいえ原風景を持っているところ、地域があります。先ほど千川上水のお話がありましたが、今前期計画で進められております、ちょうど練馬の境のところに千川通りというのがありまして、この下には千川上水が流れておりました。それから先ほどの六義園の方に向かっていたと思います。地域の方では、原風景という意味で懐かしく、非常にそこに似合った姿だという考え方もありますから、先ほどありました歩行者空間の整備というのは、歩道を広げるばかりではなくて、その地域のあるべき姿を考えた方法論があるならそこを進めていく、それこそ文化だろうと思いますので、これは意見だけ申し上げさせていただきますので、ぜひお考えをいただきたいと思います。
国の中央防災会議の想定では、従来の国の二百年に一度の河川管理をさらに超えて、地球温暖化の影響を背景に、五百年に一度、千年に一度の想定でありますけれども、もしもの場合どうするかは常に念頭に置くことが必要です。実際、首都ロンドンを流れるテムズ川は、千年に一度の洪水対策を既にしているというふうに聞いております。あそこはまた違いますのは、パーラメントハウスがあり、あるいはシティーがあり、中核部分がありますのでそういうこともあるかもしれませんが、東京の例えば荒川の流域、今中央防災会議の想定した荒川の流域につきましても、多くの人がその流域に住んでおります。千年に一度だ、五百年に一度だということの問題ではなくて、このことは常に念頭に置いておかなければいけないことだと思います。
地球温暖化が喧伝されて、被害想定が大きく影響を受けている中でありますので、東京都の所管でありませんけれども、大規模河川の整備は、国直轄でありますが、安全な堤防をどういうふうに実現していくか、現況はどうなっているか、そして、それについて東京都自身の立場からの、念頭に置いた立場からの意見の交換と、それからしっかりした発言というのは必要だろうと思います。都はどのようにこの問題を解決しているのか、お伺いいたします。
○廣木河川部長 荒川などの国直轄河川は、複数の都県域を流れる、流域の大変広い大河川であります。水害から都民の命と暮らしを守るためには、直轄河川の管理者である国との調整が不可欠であります。このため、国、都で直轄河川事業に関する意見交換会、総合流域防災会議を定期的に開催し、相互の事業について意見交換や調整を行っております。加えて、直轄事業を所管する荒川下流河川事務所や京浜河川事務所などと随時具体的な事業の内容について調整を行っております。
今後とも、水害から都民の命と暮らしを守るため、国との調整を積極的に行ってまいります。
○矢島委員 さきの事務事業質疑のときにも申し上げましたが、荒川の破堤時、水没地域での避難は三階以上の建物の屋上に逃げることということの説明がありましたが、そればかりではなくて、日ごろの公園づくりの中でも、緊急時には避難場所となり得る人工地盤の公園づくりを援助する、東京都がやる事業だけではなくて、二十三区特別区がやる事業についても補助をすることを検討する必要があろうと思います。この人工地盤公園化の技術的問題は既に解決していると聞いております。この点については意見だけ申し上げておきます。
次に、洪水対策を情報の面から幾つかお伺いいたします。
東京都は、都内中小河川の洪水にかかわる情報把握を、現在、気象庁の協力を得て、タイアップをして行っていると聞いております。先ほども質疑の中で出てまいりましたが、現実に本年度は神田川の洪水予報を発表するなど、積極的であることは評価させていただきます。
建設局とタイアップしている気象庁の洪水予報のシステムと効果についてお伺いいたします。
○廣木河川部長 都内の中小河川の代表である神田川の洪水予報は、実際の雨量と予測降雨の解析に基づき一時間先までの水位を予測し、洪水のおそれがあると認められるときに都が気象庁と共同で発表する防災情報であります。これらの情報は、区市町村の水防活動に有効なことはもとより、洪水時における都民の避難行動などの重要な判断材料になるものであり、自助、共助、公助の観点から、都民のかけがえのない命を守るために大いに役立つものと考えております。
○矢島委員 有効な情報は、気象庁ばかりではなくて、民間の方にも多くあるように私は思います。かような状況の中でありますから、ゲリラ豪雨など短時間での洪水予報の精度向上が一つのポイントになろうかと思います。
この気象庁のシステムは、気象衛星、気象レーダーなどを基本に、多くの雨量計で補整し、一般的にキロメートルメッシュで降雨分析しておるそうであります。この方法には長所と短所があって、局所の短時間の雨量把握は苦手としているといわれております。
一方、東京都では下水道局に気象観測レーダーが五カ所ありますが、その設備の性格上、そのままでは誤差が大きいということも、局地豪雨の解析には誤差が大きいとも聞いております。しかし、これを改善するレーダー、MPレーダーが実用化の段階に入っておると聞いておりますので、これにより、より詳細なゲリラ豪雨など局所の情報を得ることが可能となると思います。建設局もその導入、下水道局が五カ所のレーダー基地を持っているわけですから、導入を要請して、適切なリアルタイムでの情報把握に努めるべきであろうと思います。
また、民間では多くの取り組みが別途にあります。例えば、実証段階にあるといわれております、かなり効果があるそうでありますが、民間会社による千人を超えるゲリラ豪雨防衛隊を活用した予報精度向上です。またあるいは、従来六時間かかったといわれました洪水地域の被害予測を、わずか三分、九〇%の確率でやるソフトもあるそうであります。これをぜひ活用していただいて、今後、オンタイムの情報、洪水予報精度向上の取り組みに、民間なども、今申し上げたのはごく一部だろうと思いますので、多様に活用していただいて、そして、ぜひ都民、区民の安心・安全の、そしてまた緊急の場合の避難の一つのきっかけにしていただければと思いますので、これも意見だけ申し上げておきます。
河川事業についてもう一点お伺いいたします。
東京都では、平成十四年、条例制定に始まる河川の放置船対策が進められ、効果を上げておりますが、単に取り締まりばかりだけでなく、簡易係留施設の整備まで踏み込んだもので、古く江戸のころより、生活、経済でも一体感のあった水辺は、東京でも形を変え、現在の防災船着き場、簡易船着き場などの開放に進んでおります。これは評価いたしたいと思います。しかし、なかなか広く活用が進まないのは、陸からの発想がネックになっているのではないか。水の都東京の陸と丘と川など水辺の融合を再び進める立場から、現況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○廣木河川部長 現在、東京都は十五の防災船着き場を管理しております。町会の防災訓練や江戸文化の船上学習などに広く活用されております。中でも、越中島防災船着き場は一般に開放しており、平成十九年度は延べ一千七十隻の利用がありました。また、簡易船着き場は、勝鬨橋上流など隅田川に三カ所整備しておりまして、だれでも自由に乗りおりができるようになっております。今後とも、東京都のホームページに掲載するなど、利用方法につきましてより一層の周知に努めてまいります。
さらに、防災船着き場の平常時の利用につきまして、利用者の意向や要望を踏まえ、地元区などとも連携し、検討を進めてまいります。
○矢島委員 今のはピンポイントの話でありますから、面的な活用をする方法、おかと同じような活用をする方法、そしてその利用形態を考えていただければありがたいと思います。船を着ける、おりて乗る、それだけで終わりという形になっていますが、もっと親しみがある、陸の上も、丘の上も、海、川も、東京都は江戸の時代から水辺とともに一緒にいましたので、ぜひさらに進めていただきたいと思います。
次に、動物園について少しお伺いいたします。
日本の動物園は、明治十五年に開園した上野動物園に始まります。そして、大きな歴史を経て、平成二年のズー二〇〇一構想の推進、平成十五年の東京ズープラン21、動物園、水族館の中長期計画となり、種の保存と環境教育、そして来園者へのサービス向上と経営の視点を加えております。この概要についてお伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 東京都では、平成二年度策定の第三次東京都長期計画におきましてズー二〇〇一構想を位置づけまして、都立動物園の事業運営に取り組んでまいりました。この構想では、希少動物の保護を目指しますズーストック計画と、環境教育の推進を目指しますシンボル事業から構成されております。その後、平成八年度には、園内のバリアフリー化や、またトイレの改修など、来園者へのサービス向上の視点を加味しましたおもしろズー構想へと再構築いたしました。さらに、平成十五年度に公園緑地部では、おもしろズー構想に経営的視点を加えました東京ズープラン21を策定いたしました。
○矢島委員 恩賜上野動物公園は、昭和四十九年の七百六十五万人の入場者をピークに、平成十七年度は、底を脱したとはいえ半減の三百三十八万人、また多摩動物公園は、百八十九万人をピークに、現在、百十一万人程度の入園者の規模ということであります。入園者の推移のエポックごとの認識についてお伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 恩賜上野動物園の年間入園者数は、昭和五十年代の約六百万人台から、平成元年、葛西臨海水族園の開設に伴いまして、上野動物園の水族館の廃止によりまして四百万人程度となり、その後、三百五十万人前後となっております。多摩動物公園におきましては、昭和五十年前後の百六十万人台から、平成になりまして百十万人前後となっております。
入園者の推移について見てみますと、園内に新たな施設が完成いたしますと入園者数が増加するという傾向があると認識しているところでございます。
○矢島委員 現在の動物園は、行動展示など新しいスタイルにより脚光を浴びています。この例は、旭川の旭山動物園を見ても、平成八年の二十六万人から、同十七年には二百万人を超えて、月によっては、日本一の動物園、上野動物園の入場者をしのいでいるそうであります。上野動物園、多摩動物園でも、クマの丘、スカイウォークなど多くの取り組みがなされておりますが、この効果についてお伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 都立動物園は、従来から、動物の多様な生態をより多くの来園者に理解してもらうため、飼育施設の改善に工夫を凝らすことによりまして、動物が本来持っております習性や行動パターン、また能力を発揮させる行動展示に取り組んでまいりました。これによりまして、実際の動物の迫力や愛らしさを来園者に伝えるようにしております。また、これらの取り組みは、新聞、雑誌によっても取り上げられることによりまして、集客の面においても効果を上げているものと考えております。
○矢島委員 上野動物園、多摩動物公園は、平成十八年度より指定管理者により運営をされております。動物園における指定管理者の特徴と導入の効果、東京都委託料を東京都が支払っておりますので、その性格、また、この二園の指定管理者導入前とその後の収支状況比較についてお伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 指定管理者の導入前の平成十七年度と、導入後であります平成十九年度の収支の状況を比較しますと、上野動物園も、また多摩動物公園におきましても、収入、支出に大きな変化はございません。
次に、平成二十年度の東京都からの委託料は総額で約五十六億円となっております。これは、上野動物園、多摩動物公園、井の頭自然文化園に葛西臨海水族園の四つの動物園の動物のえさ代、また園内の光熱水費などの維持管理、さらに園長などの飼育担当職員の人件費を含む金額でございます。
動物園におきます指定管理者では、四つの園を一体的に管理しておりまして、希少動物の繁殖など動物の飼育が主要な業務であることから、指定管理期間は十年間となっております。指定管理者でございます財団法人東京動物園協会では、指定管理開始から二年余りの期間におきまして、多摩動物公園内に希少動物の保護・繁殖活動の拠点となります野生生物保全センターを設置したほか、上野動物園におきましては、木曽馬などの日本の在来馬展示を新たに開始したところでございます。また、維持管理経費につきましては、節減した金額で園内のトイレの集中的な改善をしたところでございます。
このように、現場の創意工夫によりましてさまざまな取り組みが行われておりまして、指定管理者制度を導入したことにより、効果を上げているというふうに考えております。
○矢島委員 指定管理者という内容で我々がイメージを持つものと随分乖離をしている、形態、実質的にそのように思います。入園料はすべて別収入で東京都に入ります。翌年度の事業計画について、動物園協会、指定管理者の方から東京都の承認を受けて、人数も半分以上が東京都の派遣、そういう形ですから、ここの問題はしっかり、指定管理者の意義と実を上げる方法を考えていかなければいけない。
例えば、どこかの動物園が出たときに、日本一の動物園ですから、飼育係とかそういう方たちを、専門職の方たちを別途に抱えることは不可能ですから、例えば指定管理者を選考するときに、こういう条件の人と、それから内容について一つの条件として提示をして、その上で経営と運営と、それから博物館機能も、もちろん種の保存等あるわけですから、そういう観点から広く新しい風を入れながら、工夫を入れながら、それを生かしながらやっていく努力が必要かと思います。
非常に、委託料という名目の中に、そこにまさにあらわれておりますけれども、そこの点については、次の指定管理者がちょっと先、まだ八年あろうかと思いますが、その少し前には始めなきゃいけない。寸前にやるわけにいかないでしょうから。できるだけ、こういう性格のものですから、早目に指定管理者の条件整備をして、次の募集をするときには、新しい工夫と管理能力が持ち込めるような、そういう努力をぜひしていただきたいと思います。これは答弁は必要ありません。
建設局機構図によりますと、動物園は公園緑地所管であります。公園の目的は、まちづくりの観点から実施する都市公園などを所管し、都民に安らぎとレクリエーションの場の提供などを重要な役割としております。そして、その姿はスタティック、非常に静かなもののイメージがあります。一方、動物園は、種の保存という博物館的機能と専門性、現在大きな共感で進められている興味ある行動展示、さらには経営の視点など、公園からすると少しくダイナミックで、公園緑地の範疇から異なる印象を私は受けます。上野動物園の出自が、当初、農商務省博物館附属施設であったということはまことに示唆的と思いますが、この点についての認識をお伺いいたします。
○安藤公園緑地部長 動物園の展示におきましては、飼育・繁殖技術が重要であることはもちろんでございますが、それに加えまして、動物本来の行動を引き出し、来園者に見て楽しんでいただけるよう、展示施設の改善が重要でございます。
建設局では、公園づくりのノウハウを生かしまして、飼育担当者と公園の技術担当者が連携いたしまして動物舎の施設整備を行っております。この結果、局が管理いたします都立動物園は、一年間の来園者数や動物の飼育・繁殖技術等におきまして常に我が国でトップの実績を誇り、日本動物園界をリードしている存在と認識しております。
今後、動物園の管理におきましても、指定管理者制度の有効活用を図りまして、動物園がより魅力的なものになるよう取り組んでまいります。
○矢島委員 少し手前みそ的過ぎるご説明であったというふうに思います。今のことは、別にタイアップする先は東京都の建設局の公園だけじゃなくていいわけだから、それ以外のいろいろな専門家がいるわけですから、今のことはほかの形にも置きかえるということがいい得ると思いますので、実質的な内容を上げるように、これ以上聞きませんけれども、ぜひ努力をしていただきたい。果たして、建設局の公園緑地で動物園自身のこれからの役割を果たすのがいいのかという一つの大きな課題がありますから、ぜひお考えいただきたい、このように思います。
最後に、都市公園の整備についてお伺いをいたします。
さらに進めなければならない都市公園整備は、必要な土地が入手しやすい、どうしてもつくりやすいところに建設が進められることになって、結果として、緑、緑地が多いところにさらに公園が整備されがちということになります。
そこで、二十三区で区民一人当たりの公園面積が最小、そして一方、最大の特別区の場所と面積、また、そういう問題に対して、これまでと現在の取り組みをお伺いいたします。
○小口公園計画担当部長 平成二十年四月一日現在、二十三区において公園緑地の住民一人当たり面積が最も少ない特別区は豊島区で、その数値は〇・七平方メートルでございます。最大は千代田区で、約三十八・四平方メートルございます。
公園整備のこれまでの取り組みと今後の取り組みについてのご質問でございますけれども、都市公園をふやしていくためには、都立公園と区市町村の公園の整備の推進が重要でございます。都立公園につきましては、平成十八年三月に策定した都市計画公園・緑地の整備方針に基づきまして新たな公園整備をしているものでございます。また、二十三区内の各区につきましては、東京都は、公園整備を行う場合には、これまで技術的援助を行うとともに、国庫補助金が受けられるよう国に対して働きかけてまいりました。今後もこうした区が公園整備を行う場合には引き続き支援してまいります。
○矢島委員 〇・七平米と三十八平米の差は、千代田区とはなかなか比べにくいところでありますけれども、想像を絶する差ということになります。それなりにご努力されて苦労されているということは、まずそういうふうな善意で努力したということを認めさせていただいた上で次の質問に移りますが、二十三区内の都立霊園四カ所は、三十五年に新規貸付が停止されまして、公園化構想が進められました。そして、四カ所のうち二カ所、雑司ヶ谷霊園、染井霊園は、極めて公園面積の狭小、最低の豊島区にあります。この二園の新規貸付停止により、これまで五十年で確保できた空地はそれぞれ一〇%、六%、雑司ヶ谷霊園でいえば、あと五百年かかるということになろうかと思います。
しかし、この空地はわずか一〇%、六%ではなく、公園面積の狭小の地元豊島区にとってまことに貴重な空地ということになります。これを、霊園の空地としてではなく、公園が狭小で人口密度が極めて高い豊島区の貴重な公園建設への第一歩として位置づけて、現実の困難なところを少しでも改善する立場から、公園設備投資を積極的に進めるべきではないかと思います。かような取り組みなくして密集地域の緑地整備はできません。お考えをお伺いいたします。
○小口公園計画担当部長 東京都は、平成十四年に東京都公園審議会から区部霊園の管理についての答申を受け、公園と霊園との共存を目指し、霊園の再生事業に取り組んでおります。この事業では、区部霊園が有する巨樹を初めとする豊かな自然資源と、著名人墓所等の人文資源を生かし、霊園利用者だけでなく、広く都民が休憩や散策を楽しめるよう、広場や園路を整備するものでございます。青山霊園におきましては平成十六年度から再生事業を進めており、また谷中霊園においても、平成十九年度に基本設計を行い、再生事業に着手したところであります。
ご質問の染井霊園、雑司ヶ谷霊園の再生を進めるに当たりましても、この二つの霊園の置かれている状況を勘案し、立地条件や特性に応じ、また地元自治体のまちづくりの意向を踏まえながら、既存の空地を有効に活用することなど、個別に検討してまいります。
○矢島委員 地元にもちろん聞いていただかなければいけませんし、これからいろいろな多様な形で意見を聞いていかなければいけないとしたら、ハードルが高くて、何をちゃんとやるか見えにくいものですから、既存の空地の積極的活用を図るという点についてもう一回、その前後の説明は要りませんから、そこだけもう一回答弁してください。
○小口公園計画担当部長 霊園再生事業は、公園と霊園との共存を目指し事業を進めるものでございます。染井霊園、雑司ヶ谷霊園の再生に当たりましても、既存の空地を有効に活用するなど、それぞれの霊園の持っています事情を個別に検討してまいります。
○矢島委員 事情というのは、狭小な豊島区で、そして空地がどういう形--大変密集しておりますから、人口密度も一番、二番の、東京で一、二、ということは日本で一、二ということになりますが、そういう状況ですから、そういう前提だということを理解させていただいて、質問を終わります。
○石川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石川委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時十九分散会
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