環境・建設委員会速記録第十号

平成二十年九月三十日(火曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長谷村 孝彦君
副委員長石森たかゆき君
副委員長小沢 昌也君
理事原田 恭子君
理事今村 るか君
理事山田 忠昭君
村松みえ子君
橘  正剛君
矢島 千秋君
高橋かずみ君
吉田康一郎君
こいそ 明君
ともとし春久君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長有留 武司君
環境政策部長森  浩志君
環境政策担当部長長谷川 明君
都市地球環境部長大野 輝之君
環境改善部長柿沼 潤一君
参事中村  豊君
自動車公害対策部長市川郁美子君
自然環境部長中島  博君
緑化募金担当部長庄司 貞夫君
参事浅川 英夫君
廃棄物対策部長井戸 秀寿君
参事木村 尊彦君
建設局局長道家 孝行君
次長島  博文君
道路監村尾 公一君
総務部長藤井 芳弘君
用地部長角南 国隆君
道路管理部長野口 宏幸君
道路建設部長三環状道路整備推進担当部長兼務山口  明君
公園緑地部長安藤 英二君
河川部長廣木 良司君
企画担当部長鈴木 昭利君
道路保全担当部長米田 秀男君
道路計画担当部長藤森 祥弘君
公園計画担当部長小口 健藏君
参事三浦 紀子君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 建設局関係
付託議案の審査(質疑)
・諮問第一号 地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく異議申立てに関する諮問について
 環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十七号議案 平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、債務負担行為環境局所管分
・第百八十四号議案 東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十五号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例

○谷村委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○谷村委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局及び環境局関係の付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 諮問第一号、地方自治法第二百三十八条の七の規定に基づく異議申立てに関する諮問についてを議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○藤井総務部長 去る九月十六日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくり願います。目次に資料の件名が記載してございます。
 一ページをお開き願います。平成六年度から平成二十年度までの都立青山霊園における休憩所の一平方メートル当たりの月額土地使用料をお示ししてございます。
 以上で、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○谷村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高橋委員 私から、諮問第一号であります異議申し立てに関して幾つかお尋ねいたします。
 最初に、異議申立人のように、都立霊園内において許可を受けて営業している休憩所について、都はどのように位置づけているのか、まずお伺いいたします。

○安藤公園緑地部長 都立霊園内の休憩所は、古くから営業を行っているものでございまして、土地の使用の許可に当たりましての使用目的の中で、許可を受けた土地に建物を設置して、墓参者に対する接遇や、生花あるいは線香等の販売を行うこととしており、墓参者に対するサービスを提供する施設として位置づけております。

○高橋委員 次に、霊園条例においては、こうした休憩所に関してどのように規定しているのか伺います。

○安藤公園緑地部長 休憩所に関します条例上の規定といたしましては、休憩所を設けるために土地を使用しようとする者は、知事に対して申請し、その許可を受けなければならないことや、この場合、十年を超えない範囲で期間が認められていること、また、許可を受けた者は土地使用料を徴収することなどを規定しているところでございます。

○高橋委員 現在、都立霊園内には、青山霊園も含めて休憩所が全部で幾つあって、それらはいつから営業しているのか伺います。

○安藤公園緑地部長 現在、八つある都立霊園の中で、五つの霊園で合わせて十二カ所休憩所がございます。これらの休憩所につきましては、霊園が開設された明治の初期から大正にかけて営業を開始したものでございます。

○高橋委員 最も新しい休憩所でも大正時代に開設されたものだとすると、八十年以上も前に営業を認められたことになりますが、これらの休憩所の営業について、これまでどのように引き継ぎがなされてきたのか、また、だれにでも引き継ぐことができたのか伺います。

○安藤公園緑地部長 休憩所の営業の引き継ぎにつきましては、生計を一つにする家族が協力して営業を行ってきたこと等を考慮いたしまして、これまで、親子間や、あるいは配偶者間において土地の継続的な使用を認めてきたところでございます。
 なお、使用者と関係のない第三者に引き継ぐというような土地の使用は認めていないところでございます。

○高橋委員 都立霊園内で、既存の休憩所とは別に、新規の営業希望者が新たに休憩所の設置を希望した場合、許可は受けられるのか伺います。

○安藤公園緑地部長 都立霊園は、基本的に都民に対して墓所としての土地を貸し付けるという目的を有する公共施設でございますことから、休憩所を設けるため霊園内の土地を使用することは、地方自治法に基づきまして、墓所としての用途や目的を妨げない限度において、明治、大正期から営業を継続してきた休憩所に対して例外的に認められたものでございます。このため、新規の営業希望者に対して使用を許可することはございません。

○高橋委員 これらの土地の使用料について、その基本的な考え方と算定方法はどのようになっているのか、これまでも条例改正の際に聞いておりますが、改めて説明を願います。

○安藤公園緑地部長 行政財産の使用料につきましては、それを使用し特別な利益を受ける者と使用しない者との負担の公平という見地から、受益者に対し適正な負担を求める受益者負担の考え方により使用料を設定しているところでございます。
 その算定方法といたしましては、土地を使用させる場合、土地を評価する客観的な基準となっております固定資産税評価額に行政財産使用料条例で定める千分の二・五の係数を乗じて得た額を原価として一カ月当たりの土地使用料を算定しているものでございます。
 なお、固定資産税評価額が地価高騰によりいきなり何倍にもなった場合、それをそのまま当てはめますと、土地使用料も何倍となりますので、その場合でも、激変緩和措置によりまして、改定の倍率の上限を一・五として、引き上げを抑えるようにしてまいりました。

○高橋委員 今の説明で、土地使用料は固定資産税評価額をもとに算定しているとのことでありますが、これまで、固定資産税評価額が下がったことにより土地使用料も下がった例はあるのか伺います。

○安藤公園緑地部長 平成二十年度の土地使用料の改定では、谷中霊園など三カ所の霊園で、固定資産税評価額が下がったことにより、土地使用料が約二から五%下がっております。

○高橋委員 以上の説明から、これまで都立霊園内の休憩所の営業は、親子、配偶者に限って引き継ぐことが認められており、代々引き継がれてきたようであります。
 申し立て者は営業内容の見直しについても異議申し立てをしているわけでありますが、これは不利益処分に係るものではないので、却下すべきであります。なお、その要望の内容は聴取することが必要であると考えます。
 また、土地の使用料に関しては、公共の土地を使用する受益者に対して適正な負担を求めるために、都が土地使用料の原価を算定する場合に用いている固定資産税評価額をもとに算定していることから、本件土地使用料は適正な額であると考えます。
 よって、建設局の見解のとおり、本件異議申し立てのうち、使用料の減額を求める部分は棄却し、その他の部分は却下するのが相当であることを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○村松委員 私の方からも、都立青山霊園、この不服申請の問題について質問させていただきます。
 都立青山霊園は、面積が二十六万三千四百六十四平方メートルで、利用者が一万四千四百八十八人います。この利用者の中には、大久保利通や、細井和喜蔵の「女工哀史」の印税で建てられた解放運動無名戦士の墓、また、忠犬ハチ公の墓などもあります。
 この都立青山霊園で休憩所を代々営んでこられた方から、一つ目が、霊園土地使用料を適正な価格に減額していただきたい、二つ目が、時代に対応した広範な営業活動を認めてほしいという異議申し立てが出されました。私も現地に行って、申し立てをされた方だけでなく、他の休憩所をされている方からもお話を伺いました。
 先ほども質問がありましたが、土地使用の目的、それから、この土地の使用上の制限、また、そこで販売する品目、販売価格、これは自由になっているんでしょうか。これ三つを一遍にお答えください。

○安藤公園緑地部長 まず、土地の使用目的でございますが、こちらは、墓参者への生花、線香等の販売や接遇のために必要な建物、工作物を設置することになっております。
 また、許可を受けた土地の使用に関する制限でございますが、使用期間がまず十年であること、建物、工作物の改築、その他の現状を変更するときは承認を受けなければならないこと、さらに、土地を第三者に使用させてはならないことなどでございます。
 また、物品の販売に関しての制限でございますが、休憩所で販売する物品の品目及び販売価格につきましては承認を受けなければならないということになっております。

○村松委員 答弁にもありましたが、要するに、東京都から休憩所の土地を借りて、墓参に来る方のお花や線香を販売すると。そこで必要な建物、工作物を設置して、その増改築をする場合、公園緑地事務所長の承認を得ると。そこで販売する物や値段も公園緑地事務所長の承認を得なければならない、こういうふうに制限があるんですね。
 それでは、この間の土地使用料の変化についてなんですが、資料をいただきました。十年前と比べて、この申立人の方は百平米ですから、ちょうど平成十年度が一カ月の使用料二万四千円だったんですね。それが、現在の平成二十年は十四万八千五百円、こういうふうに引き上がっていますよね。
 同じ都立霊園の中で、そのほかの、例えば豊島区にある霊園があるんですが、雑司ヶ谷と染井霊園、二つありますよね。その二つの利用料の引き上げというのはどうなっていますか。

○安藤公園緑地部長 豊島区内にございます雑司ヶ谷霊園及び染井霊園の一平米当たりの月額の使用料でございますが、雑司ヶ谷霊園につきましては六百二十二円、染井霊園については六百六十円となっております。

○村松委員 豊島区の雑司ヶ谷と染井霊園は、同じ百平米当たり、染井霊園が六万六千円、雑司ヶ谷が六万二千二百円、それで青山霊園は十四万八千五百円と、こういう違いがあるんですよね。
 この値上げした根拠というのは、どういう根拠があるんですか。

○安藤公園緑地部長 土地の使用料の改定でございますが、行政財産の使用料につきましては、それを使用し特別な利益を受ける者と使用しない者との負担の公平という見地から、受益者に対し適正な負担を求めるという受益者負担の考え方により使用料を設定しているところでございます。
 その算定方法でございますが、土地を使用させる場合については、固定資産税評価額に行政財産使用料条例で定めます千分の二・五の係数を乗じて得た額を原価として一カ月当たりの土地使用料として算定しているものでございます、という考えでございます。

○村松委員 使用するのには制限があって、使用料の方は近傍類似の固定資産価格、これに近づけていく、こういう考え方なんですよね。だけど、実際にそこの人たちが、家賃がどんどんどんどん上がっていくと、自由にそこの土地が使えるのかといったら、違うわけですよね。例えばマンションをつくって貸してあげるとか、もうかるようなものという、本当に営業活動が自由にできるわけじゃないから、それを、今の全体の土地が上がっているからということで、それを乗じたような、近傍類似の使用料にするというのは、私はどうも納得できないんですが、その辺はいかがですか。

○安藤公園緑地部長 本件土地に係ります許可は、行政財産である霊園として、墓地として都民にお貸しする土地を、行政財産の目的外使用許可という形をとって、休憩所としてお使いすることをお認めしているものでございますので、本来的には、行政財産を、そのものを適正な価格でお貸しするという考えが出るものでございます。と申しますのは、土地を利用して利益を受ける方と利用できない方との公平をとらなきゃならないというところから、受益者負担の考え方になっているところでございます。

○村松委員 土地を利用して利益を得ているという考え方というふうにおっしゃいましたが、その利益だって、まず何を販売するのか、幾らで販売するのか、これ、自由が認められていなくて、承認を得なければならないという限定があるんですよね。それなのに、利用料だけは受益者負担だということで、同じ面積で、豊島の雑司ヶ谷と染井、それと比べれば倍じゃないですか。(「地価が違う」と呼ぶ者あり)それはないです。地価が違うといったって、それはないはずなんです。それは、私は違うと思うんですね。
 それでは、売っている、限られて承認を受けなければならない品目と、それから値段、それで営業をし、生活をしている者の立場に立てば、十年前の平成十年のお花やお線香の値段と今のお花やお線香の値段、変化があるんですか。

○安藤公園緑地部長 まず、十年前と現在の販売価格でございますが、こちらについては、十年前と現在とほぼ同額となっておりますので、変わっておりません。
 委員ご指摘の土地の使用料のことでございますが、先ほどもご説明申し上げましたように、土地の使用料につきましては受益者負担の考え方でやっているものでございまして、休憩所そのものの営業状況を勘案して使用料を決めるという考え方はとっていないところでございます。

○村松委員 販売が認められているお花やお線香が全く十年前と同じ値段で売っていると。そういう中で、利益というのはそれこそ上がっていないというふうに思うんですね。
 私が行った中でも、直接この申立人の方からお話を伺ったんですが、本当に今のお客さんといったらあれですけど、お墓に来る人は、自分のところよりも安いところからお花を買って、それで来るんです。私がいたときも、確かに、お花だけは持って、お線香だけ買いに来たという方がいたんですよ。それがやっぱり今の現状だというふうに思うんですね。そういう人ばかりじゃないですよ。確かにお線香やお花を買いに来た方もいらっしゃいましたけど、でも、やっぱり今の社会状況というのがそういうふうに変わってきているというふうに思うんです。で、利益も上がらないというところで。
 その方は本当に、今手放せば、その手放した分、建物をもとに戻さなきゃならない。そのお金が何百万もかかると。それで、自分が今本当に毎月十四万八千円払うだけの利益があるかというと、本当に厳しい。たまにアルバイトの方に来てもらっている、アルバイトの人たちのお金を払うのに、年金が来るのを待ってというふうにいっているというんですよね。私、本当にそういう思いをしている人たちに対して、何でこんな、私は、べらぼうだというふうに思うんですよ。豊島区と港区の違いがあるからといって、利益は全く同じなのに、家賃だけがこんなに高いというのは、私は納得できないんですよね。それはないと思うんです。
 だから私は、もっともっと利用者と--今回の値上げについても、そしてこの間の値上げについて、利用者とお話しされているんですか。

○安藤公園緑地部長 まず、委員ご指摘の利益の点でございますが、営業行為というのはいろいろ幅広くなされているところがございますので、実際に単品の販売価格だけをとらえて利益を云々ということは難しいかというふうに考えているところでございます。
 お尋ねの申立人との話でございますが、これについては、当然、現場の方で隣接して申立人と日常接しておりますので、話は十分聞くようにしているところでございます。

○村松委員 十分に話し合って、本人が納得すれば、こういう異議申し立てなんてあり得るはずがないんですよ。納得しないから、それも、本当にもうこれ以上我慢できない、いっぱいいっぱいだ、そういう思いがあるから、やっぱりなれないこういう異議申し立てをやらざるを得ないという、そういうところへ来ているんだと私は思うんですね。
 この異議申し立て書を私もいただいてきたんですが、これを読めば本当に、私たちがいつも思っている都民の皆さんの生活の苦しさというのがにじみ出ているんです。そういうことがわかってこの土地代の設定がされているのかという、そういう思いが本当にしているんですね。
 この異議申し立ての中にはこういうふうに書かれているんです。時代の変化と休憩所経営の実情、この項の中で、申立人は、明治十年創業の霊園休憩所ちばやを営み、憩いの公園墓地を実現するべく、青山霊園とその墓参客のために日々尽力してきた。霊園休憩所の使用目的にあるとおり、墓参者の接遇並びに生花、線香等の販売及び休憩所であり、もともと営利目的の職種ではないが、かつては生花、線香等の販売、そして貸し席の提供、掃除、墓地管理代行、手おけの貸し出し等の使用目的に沿った業務を誠実に行っていれば、生活に困ることなどなかった。しかし、近年、不況による消費者の買い控え傾向、安売り店の増加、若者の宗教離れや、なじみ客の高齢化により、墓参客が年々減少し、生花を格安の花屋から持ち込む者がふえ、東京都の手おけの貸出サービスや給水場設置も相まって、休憩所を利用する者が減少している。休憩所の経営には、営業活動の指定があり、販売品目、価格、営業の方法、時間等についても、使用目的からおのずと制限が生じているのが現実である。上記のような社会経済の変化にもかかわらず、このような制限を遵守しながら経営を行い続けるならば、高額な使用料を支払うことはおろか、営業を続けていくことすら不可能な状況にある。このように書かれているんです。
 私は、この異議申し立ての方の訴えは当然だ、そういうふうに思うんです。土地の利用料を適正な価格に見直すべきだ、このように思うんですが、いかがでしょうか。

○安藤公園緑地部長 本件の土地の使用許可につきましては、これは申立人の方から、土地を継続して使用したいということでの申請に基づいて行ったものでございます。
 また、その価格につきましては、先ほど来から申し上げていましたように、行政財産を貸し付ける場合の東京都全体の基準であります行政財産使用料条例に基づいて適正に処理した金額になっているところでございます。

○村松委員 ことしの三月の予算議会の中で、第百一号議案、東京都霊園条例の一部を改正する条例、この条例改正で使用料の値上げがあったんですよね。そのときに私は、値上げの理由として、前回の値上げから二年経過したことと、近傍類似を挙げていると、都民生活を無視した機械的値上げには反対だということで私は反対しているんです。
 やはり、私もちょうどそのときに、こういった問題などもあるだろうなというふうに思ったんですが、やっぱり東京都が利用者の意見も、納得できるような、そういう意見もきちっと聞かないままにこういうことをすると、異議申し立てというのは当然出てくる。まして、私、さっきからずっといっているんですが、だれが考えたって、港区にあるから青山霊園の一カ月の使用料が十四万八千五百円であっていい、豊島の雑司ヶ谷、染井、同じ百平米の広さで、片方が六万二千二百円、六万六千円、倍以上の格差があっていいはずがない、そう思うんです。やはり申請者、申し立てをしている人の異議申し立てを私は認めて、東京都のやり方には反対です。
 以上で質問を終わります。

○安藤公園緑地部長 先ほども申し上げましたように、まず、本件は、申立人の方から申請なされたものに対する土地の貸し付けであること、また、もともとの土地が霊園であるところを行政財産の目的外使用許可として認めていること、さらに、土地の使用料につきましては、受益者負担の考え方に基づいて算定されたものによって計算されているものであること、以上のことから、現在の使用料については適正なものと考えているところでございます。

○谷村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○谷村委員長 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十七号議案中、債務負担行為、環境局所管分、第百八十四号議案及び第百八十五号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○こいそ委員 それでは、質疑をさせていただきたいと思いますが、先日、我が党の代表質問に対する石原知事のご答弁の中で、知事は、太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーの利用拡大を、省エネ、節電と並ぶ地球温暖化対策の大きな柱として位置づけをされました。
 質疑の冒頭に、まず、東京都の温暖化対策における再生可能エネルギー拡大策の位置づけについて、改めてここでお聞きしたいと思います。お願いします。

○大野都市地球環境部長 東京都は、東京のCO2排出量を二〇二〇年までに二〇〇〇年比で二五%削減するという目標を掲げておりますが、さらに、その先には、二〇五〇年までにこの排出量を半減以下にするという、さらに高い目標がございます。こうした本格的な低炭素型社会を実現するためには、省エネ対策に加えまして、再生可能エネルギーへの大規模な転換を進めることが必要でございます。
 こうした二〇五〇年の展望を踏まえまして、二〇二〇年目標の達成に向けた削減努力の中におきましても、東京におきまして、特に導入のポテンシャルの大きい再生可能エネルギーである太陽光、太陽熱の積極的な普及をすることが特別に重要な施策であるというふうに認識をしております。

○こいそ委員 東京の温暖化対策の中で、太陽エネルギーの利用促進が極めて重要な意義を持つ施策である、そういうふうに私は思うわけでありますけれども、今の答弁にありましたように、今回の補助事業では、太陽光発電、そして太陽熱利用、この二つの太陽エネルギー利用を促進するということでありますけれども、それぞれの特徴、それと、東京都における利用促進の考え方をお聞かせいただきたい。

○大野都市地球環境部長 住宅でのエネルギー消費を見ますと、その半分は給湯と暖房でございます。これらは余り高温ではない、高い温度ではない低温の熱利用でありまして、太陽熱の有効な活用によりまして、その多くが供給可能だということがございます。
 太陽熱温水器などの太陽熱利用機器は、給湯や暖房といった用途に用います低温の熱を、太陽光発電の数分の一の小さい面積で効率よく回収できるということがございまして、狭小な住宅の多い東京にあっても、多くの家庭で利用が可能なものであるというふうに考えております。
 一方、太陽光発電でございますが、家庭のエネルギーの残りの半分は家電製品などの電気でございますが、太陽光発電によりまして、これを供給することができるということでございます。
 また、太陽光発電の場合には、自分の家で消費しなかった分を電力会社に売却をしまして、社会全体での再生可能エネルギーの供給にも貢献するという役割もございます。
 太陽光と太陽熱のどちらをどのくらい利用すべきかということにつきましては、各家庭の状況によって異なりますので、一概にはいえませんけれども、いずれにしましても、太陽エネルギーの徹底的な活用によりまして、家庭におけるCO2の排出量を大幅に削減することが可能であると考えております。

○こいそ委員 それでは、今回の補助制度の内容について伺いたいと思います。
 今回の補助制度の対象は住宅用ということになっておりますけれども、東京の特徴は、いうまでもなく、集合住宅が大変多いという点にあると思います。したがって、今回の補助事業を、戸建て住宅対象だけではなくて、集合住宅も含めて、住宅対象を拡大する必要性があるんではないかと思いますが、この点はどうでしょうか。また、集合住宅に適した太陽光発電、そしてまた太陽熱機器の普及に今後特に力を入れていくべきではないかと考えるわけでありますが、あわせてお願いします。

○大野都市地球環境部長 ご指摘のように、東京には集合住宅が大変多うございまして、世帯数でいいますと約七割が集合住宅に住んでいるという状況でございます。したがいまして、東京で太陽エネルギーの大幅な利用拡大を図るためには、集合住宅での普及を進めることが必要であると考えております。このため、今回の補助事業では、戸建て住宅のみならず、集合住宅も対象としてまいります。
 これまでの実際の設置事例を見ますと、やはり戸建て住宅が多うございまして、そういうことでございましたが、最近では、太陽光につきましても、太陽熱につきましても、マンションの屋上等での設置の事例も少なからず生まれてきております。また、あるメーカー等によりまして、マンションのベランダに設置するような太陽熱の機器についても開発が進んでおります。今後、機器メーカーや住宅メーカーとも連携をしまして、こうしたものの普及に力を尽くしてまいりますし、同時に、UR都市機構でございますとか住宅供給公社などにも導入に向けた呼びかけをしてまいります。
 さらに、今般の六月の条例改正によりまして、建築物環境計画書制度を改正いたしまして、その中で、大規模な開発に際しては、再生可能エネルギーの利用検討義務というものを課しましたので、こういうものを活用しまして、集合住宅における太陽エネルギーの利用促進にも努めてまいります。

○こいそ委員 ぜひ進めていただきたいというふうに思います。
 家庭部門での対策ということで、東京での普及が確実に進んでいくように、補助制度の対象については、来年度からの実施に向けて適切な制度運営が図れるように、早急に詳細を詰めていっていただきたいと思います。
 ところで、家庭部門での対象と同様に、事業所、そして業務ビル、学校などの公共施設に導入される産業用の太陽光発電、その利用拡大も重要な課題である、こういう認識をしているところでありますけれども、今回の補助制度では住宅用に限っていますよね。そして、今回、産業用、公共施設などを除いているわけでありますが、これも、「十年後の東京」に掲げた百万キロワットの普及という目標の実現に向けてどうなのか、このあたりをお願いします。

○大野都市地球環境部長 太陽光発電及び太陽熱の利用は、増加傾向にある家庭部門、住宅でのCO2排出削減に大きな役割を果たすことが期待されております。
 しかしながら、国は、住宅用の太陽光発電の導入補助を二〇〇五年度に廃止してしまいまして、その結果、住宅での普及にブレーキがかかってしまったという状況がございました。
 都は、こうした状況を打開するために、今回、国に先行して住宅用太陽光発電、太陽熱機器の導入を決めたものでございます。
 また、太陽光発電の国内の出荷量のうち八割は住宅用の太陽光発電が占めているという状況がございます。したがいまして、ここに集中的に普及拡大を進めることによりまして、太陽光発電全体の低価格化が実現できると考えております。これをきっかけといたしまして、その政策効果が産業用など他の用途にも及ぶことから、まずここを対象として制度の導入を決めたものでございます。

○こいそ委員 都のねらいが、住宅用太陽機器への補助事業を通じて家庭部門での太陽エネルギー利用が大きく拡大していくんだと。その効果を利用しながら、他の分野でも太陽エネルギー利用を拡大させていくということですよね。
 しかし、大規模な工場やオフィスなどはさておいて、とりわけ学校などの公共施設については導入支援策があってしかるべきではないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、この点については、今後、施策のさらなる強化を検討していただきたいということで要望させていただきたいと思います。
 さて、今回の補助事業は大規模なものでありますけれども、その実施が実際に大幅な太陽エネルギー利用機器の普及拡大、低価格化という結果につながらなければ、今いただいたご答弁も、失礼でありますけれども、絵にかいたもちになってしまうんではないかということであります。
 既に都は、過去に行われた本会議での答弁で、太陽光発電の普及に向けて、その初期費用を十年程度で回収できるようにすることを目指す、これを明言されておられます。その程度の低価格化に、実際に見通しがどうなのか、このあたりもお願いしたいと思います。

○大野都市地球環境部長 東京都は昨年の三月に太陽エネルギー利用拡大会議を設置いたしまして、昨年来、太陽エネルギーの利用拡大支援策の実施に向けた準備を進めてまいりました。これが契機になりまして、国も補助金の復活の方針を検討してまいりましたが、つい昨日でございますけれども、廃止していた補助金を復活させる方針を正式に発表いたしました。この発表によりますと、都の補助金の水準に近いレベルの補助を目指すということになっております。
 加えて、都内の自治体にも独自の補助制度を実施したところがございますので、これら、国、都、区市を合わせますと、三キロワットの太陽光発電の場合、約七十万円程度の補助になるというふうに見込まれます。
 また、一部の住宅メーカーでは、新築住宅向けに六十万円から百万円程度の値引きを打ち出しているところがございます。さらには、太陽光発電装置の価格自体も、流通経路の見直しでございますとか、大量普及を前提としまして低価格化が進むことが見込まれております。加えて、金融機関による太陽エネルギー普及促進の優遇ローンなども増加してきております。
 これら関連する各種の事業所の取り組みが進んできておりますので、十年程度での費用回収というのは現実的な目標になりつつあると考えております。

○こいそ委員 わかりました。
 東京都の取り組みは、先導的な役割を果たして、国や区市町村、さらには広範な企業の取り組みを引き出してきている。太陽エネルギー普及に向けた方向性が実際の形になってきたと思います。
 しかし、今答弁ありましたような低価格化の取り組みが一部の企業の取り組みにとどまっては、四万世帯の目標達成にはなかなか届かないんではないかとも思います。都の先導によって、どのように多くの民間企業の参加を引き出して、どのように太陽エネルギーの大量普及という結果につなげていくのか、その方策を伺いたいと思います。

○大野都市地球環境部長 太陽エネルギー利用機器の爆発的な普及拡大を目指す取り組みといたしまして、この八月二十九日に、東京都は、関連企業の百五十社と自治体、NGO約五十団体を集めました太陽エネルギー利用拡大プロジェクト・キックオフ大会を開催いたしました。この大会では、参加者の各企業に取り組み状況についての発表を行っていただきました。競合する企業同士の競争が既に活発化してきておりまして、四月の事業開始の前に各企業の取り組みが具体的に始まっております。
 さらに、今後、各区市町村と共同して、地域ごとのイベントの場などを活用しまして太陽エネルギー見本市を連続的に実施しまして、都民に広く太陽エネルギーの普及支援策に関する情報提供を行っていくことを通じまして、低価格化に向けた企業の積極的な取り組みを引き出してまいります。

○こいそ委員 しっかりといろんな角度からの取り組みがよく伝わってきますけれども、太陽エネルギーの普及に向けた仕組みを構築するだけではなくて、多くの企業参加で現実に変化をもたらしていくことは結構なことだというふうに思っております。
 知事は、本会議において、東京から太陽エネルギー拡大の新たなうねりを生み出す決意を表明されました。ぜひともその決意を環境局は具体的にさらに取り組んでいくべきだというふうに思います。
 最後に、この事業に取り組むに当たって局長のご決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思いますので、お願いします。

○有留環境局長 さきの第二回定例会で、大規模事業所への総量削減義務の導入を含む環境確保条例の改正案を成立させていただきました。これで業務産業部門でのCO2削減対策の大きな柱を確立することができました。
 今回、第三回定例会に提出させていただいた、太陽エネルギー導入に向けた支援策は、家庭部門の温暖化対策の大きな柱を構築するものだと考えております。家庭部門の対策は、対象となる世帯の数が飛び抜けて大きいこともあり、本格的に対策を進めていくためには、東京都だけでなく、地域に密着した区市町村の取り組みの強化が非常に重要であると考えております。
 このため、局長就任以来、私は、いわばトップセールスという形で、これまでに多くの区長さん、市長さんなどのところをお訪ねして、直談判という形で太陽エネルギーの普及にご協力をお願いしてまいりました。既に、先ほど答弁ありましたけど、十七の区市で独自の補助が行われておりますが、さらに、多くの区長さん、市長さんからは、新たに補助を実施するとか、あるいは区民イベントの場での東京都と連携した普及啓発活動、そういうのを含めまして積極的なお答えをいただいております。
 今後とも、民間企業やNGOなどの力とともに、区や市町村の力を総結集し、必ずや年間二万戸という目標を達成していきたいというふうに考えております。

○大津委員 先月の夏の暑い日に、CO2削減になるから太陽光発電を自宅につけたいという話が渋谷区の環境に熱心なお宅から舞い込みました。リサイクル事業もやっているご夫妻は、環境局が平成二十一年度から太陽エネルギー利用機器導入補助を実施するとして債務負担行為が計上されている補正予算提案などは全く知らずに、CO2削減のためだけに太陽光発電を家につける決断をされていました。
 原子力、水力、風力、さまざまな発電がある中で、太陽は、だれしも、いつでもどこでも平等に無料で恩恵を受けることができる、まさに天の恵みでもあります。天然のエネルギーと光を利用した、シンプル・イズ・ベストな大規模な太陽光発電などの導入をして、地球温暖化を阻止しなくてはなりません。
 そこで、太陽エネルギー利用機器導入対策についてお伺いいたします。
 都が目標とされている年間二万戸、二年間で四万戸という大変大きな目標で、九十億円という巨額の都費を投入する事業です。事業の対象は、オフィスや工場ではなく、一般の家庭なので、画期的な環境補正予算提案を成功させるためにも、わかりやすく各家庭に響くような働きかけを丁寧にしていくことと、高い目標を着実にやり抜く準備が、そして熱意が必要だと思います。このためにも、土曜日にも相談窓口を開いたり、希望する家庭に出向いていく覚悟も必要になることでしょう。
 そこで、今回の事業が幅広い都民の理解を得て進むようにという観点から、現実に一家庭がこの太陽光発電装置を購入するまでの過程を具体的に考えて、都民の目線で何点か質問をさせていただきます。
 まず初めに、今回の都の補助事業の発表を受けてでしょうか、大手電機メーカーが早速太陽光発電のキャンペーンを始めているのを目にしました。いろいろなメーカーが宣伝を強化していますが、どうも具体的なイメージを描けるところまでには都民はぴんときていないようです。太陽光発電というのは実際にどの程度の大きさで、どのくらいの重さがあるものなのか、日本ではどんなメーカーが生産しているのか、太陽光発電の普及事業を、地に足がついたものとして進めるために、これらの基本的な点を確認しておきます。

○大野都市地球環境部長 標準的な住宅用の太陽光発電装置は、設備能力が三キロワットのものでございますが、その大きさは約二十平方メートルから三十平方メートル程度でございます。重さは三百キログラム程度となっております。
 また、太陽光発電装置メーカー等が太陽光発電協会という協会をつくっておりますが、この協会に加盟しております装置メーカーは、現在、十六社となっております。
 二〇〇七年の生産量を企業別に見たときに、世界のベストテンに入っている会社が三社ございまして、シャープ、京セラ、三洋電機ということでございます。なお、三菱電機が僅差で十一位となっております。

○大津委員 新聞広告やテレビのコマーシャルでは、住宅メーカーが新築住宅とセットで太陽光発電を宣伝しているのを目にします。しかし、年間二万戸という規模で普及を進めるためには、新築だけでなく、既にある住宅にも普及をしていく必要があると思います。
 今のご答弁では、太陽光発電というのは、人でいえば五人分ぐらいの重さがあることがわかりましたが、既存住宅に載せて大丈夫なのか、地震等心配になってしまう方もいるかと思います。既存住宅への設置には何らかの制約があるのか、これについてお伺いいたします。

○大野都市地球環境部長 太陽光発電は一般的に屋根の上に据えつけるものでございますので、屋根の荷重が問題となります。太陽光発電は、重量が三百キロございますが、その面積に対しまして均一に荷重が生じますので、一平方メートル当たりにしますと約十キロから十五キロということになりますので、通常は補強の必要はないと考えております。
 ただ、一方、設置していただきました太陽光発電は、法定耐用年数が十五年でございますので、十五年以上は使っていただくことが望ましいと考えておりますので、老朽化しておりまして、つけてからすぐに建てかえてしまうとか、取り壊しが予定される場合には、余り補助の対象にはふさわしくないということも考えられます。
 こうした既存住宅での設置条件につきましては今後早急に具体化してまいりますけれども、できるだけ多くの既存住宅も対象にしていきたいというふうに考えております。

○大津委員 今のご答弁で、今回の事業が、新築だけでなく既築の住宅も含め広く設置を進めていくことができるものと確認できました。
 それでは、次に、今回の事業での補助金額や申込手続などについてお聞きしたいと思います。
 まず、補助金の額についてですが、都は、太陽光発電についてはどの程度の補助金を予定しているのでしょうか。また、都内の区や市の中にはこれまでも独自の補助制度を持っているところがあると思いますが、どの程度の金額なのか、あわせて伺います。さらにもう一つ、国の動きですが、都の取り組みが一つの契機になって、国も補助金の復活を検討しているということですが、どこまで具体化してきているのか、わかっている範囲でお答えください。また、数日前の日経新聞にも掲載されておりましたので、お伺いいたします。
 やはり購入する人の立場にかんがみますと、相場幾らぐらいの製品に対して補助金がどの程度いただけるのか、それがわからないでは購入する判断ができないと思いますので、具体的に教えてください。

○大野都市地球環境部長 まず、都の補助金額でございますけれども、一キロワット当たり十万円程度を想定しておりますので、標準的な家庭用の太陽光発電が三キロワットといたしますと、この場合には三十万円程度になるということでございます。
 次に、都内の区や市の補助制度ですが、平成二十年度、今年度は十七の自治体で太陽光発電の補助を実施しております。その補助単価は相当なばらつきがございますが、平均しますと、三キロワットの場合、二十万円程度となっております。
 さらに、国でございますが、先ほどもご答弁申し上げましたように、たまたまきのう発表いたしました。本格的には来年度からの実施を目指して、今年度の補正予算で一部前倒しで実施するということでございます。その補助単価は一キロワット当たり七万円ということでございますので、大体二十万円程度になるということでございます。そうしますと、合計で七十万円程度に、全部受ければそういう形になってくるということでございます。

○大津委員 今回の東京都の動きが引き金となりまして、国、都、区市町村というそれぞれのレベルの公的部門が足並みをそろえて、太陽エネルギーの普及に向けた動きが強まっているのは、それだけ温暖化現象ストップに、真剣に食いとめようという実行のあらわれであると考えます。ましてや、国以上に、都が決断した三十万円という金額は、首都東京の意気込みをあらわしていると高く評価をさせていただきます。
 次に、申し込みの手続についてお聞きします。
 太陽エネルギー利用機器を導入しようと決断してもらうためには、補助プラスまた手続もわかりやすいことが必要であります。実際、補助を受けようとした場合、具体的にどんなふうに申し込みをすればいいのか、また、できるだけ事務手続は簡単、かつ中身は信頼がわかるような手続がよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。

○大野都市地球環境部長 補助制度の手続に関します詳細はこれから詰めてまいりますけれども、現時点では、各家庭が直接補助申請の手続をしなくても済みますように、販売店や工務店がこれを代行することができるような手続にしてまいりたいと考えております。
 また、提出書類など手続の内容に関しましても、年間二万件という規模でございますし、それから、申請される都民の方の負担の軽減という観点からも、極力簡略化を目指してまいりたいと考えております。

○大津委員 ここまでの質疑で、太陽光発電装置の具体的な姿や、そして補助事業の内容が明らかになってきたと存じます。
 しかし、きょうご説明いただいた内容は、まだまだ多くの都民にはこれから浸透するところだと思いますが、今後どのように都民へ周知徹底をされるのか、お伺いいたします。

○大野都市地球環境部長 八月二十九日に開催しました太陽エネルギー利用拡大プロジェクト・キックオフ大会には、たくさんの企業に加えまして、都内の区市町村のうち四十一の自治体からもご参加をいただきました。
 今後は、こうした都内の自治体との連携を強化しまして、都民の身近な場所でイベントを開催しましたり、その中で、太陽光発電や太陽熱機器の内容や利用によるメリットが初めて見る人でもわかりやすいような工夫をして周知を図ってまいります。
 また、都自身の取り組みとしましても、太陽エネルギーの爆発的な普及に向けた独自の広報活動に取り組んでまいります。

○大津委員 この点、太陽エネルギーの普及を進めるという事業は、ディーゼル車規制のように運送事業者を対象とするものではなく、CO2の総量規制のように大規模事業者を対象とするものでもありません。四万戸という高い目標が実現できるかどうかは、一般の都民、家庭の皆さんにわかりやすい説明をし、事業の内容と意義を理解できるかどうかにもかかっております。
 本事業の意義を明確にする点で改めて伺いますが、本事業がその目的を達した場合、温暖化対策としてはどの程度の効果があるのか教えてください。

○大野都市地球環境部長 本事業は、「十年後の東京」で定めました百万キロワットの太陽エネルギーの利用を実現するという目標の達成に向けました最初の一歩でございます。
 本制度を通じた太陽エネルギー利用機器の爆発的な普及と、これによってもたらされる機器価格の低減などによりますと、今回の事業自体は四万戸でございますので、数万トン程度の効果になると思いますけれども、二〇一六年までに百万キロワットの目標を達成いたしますと、二十六万トンのCO2削減効果が得られるというふうに試算をしております。

○大津委員 本事業は温暖化対策として重要な役割を担っていることがわかりました。
 さて、六月に副都心線の渋谷駅が開通したんですが、実は渋谷駅は環境駅舎でやりまして、自然採光や自然空調が人気があります。簡単にいえば、駅舎の横を地上へくりぬいただけの、本当に簡単な知恵なのですが、太陽の光が自然と地下駅舎を明るくしますし、外の空気が自然と駅舎に入り、地下を横に走る電車が風を自然と循環させる仕組みになっております。これからの環境社会というのは本当にシンプル・イズ・ベストで、技術的にも装置的にも簡単で、重厚でないものが、そして自然のエネルギーを最大限に利用したシステムになっていくんだろうと見ています。
 さて、次に、もう一つの重要であります本事業に関連して、あらかじめリサイクルシステムの検討をしておくことではないかと思っております。
 予算をつける最初の段階で、リサイクルしやすい素材なのか、また、リサイクルシステムはしやすい構築なのか、そういったものを考えておく必要があると思います。太陽光装置も、不要や、また買いかえになったときの出口を考えておく必要があります。
 まず、購入するときに、要らなくなったときにはどうしたらいいのか、これが見えていないと不安で、大枚をはたいて導入する判断ができないかと思います。
 そこで、太陽光パネルには結晶シリコンなど貴重な資源が多く含まれています。普及した太陽電池などが耐用年数を終えて廃棄物として排出される際には、例えば一体冷蔵庫などのように家電リサイクル法の一環になるのか、はたまた買ったメーカーがちゃんと引き取ってくれる引き取り制度が確立されるのか、家ごと要らなくなれば、家屋の解体時に取り扱う解体業者に任せていいのか、あるいは粗大ごみとして収集、分解して庭先に出さなくてはいけないのか、幾つかの方法が考えられます。大量に出てくるのはまだ先ではありますけれども、現段階から確認をしたいのですけれども、適正処理困難物として扱うのではなくて、貴重な資源としてリサイクルされるよう今から検討を始めるべき都の見解をお伺いいたします。

○井戸廃棄物対策部長 太陽光パネルに使われておりますシリコンなどにつきましては貴重な資源でございますので、廃棄された後のリサイクルは重要な課題でございます。
 既にヨーロッパでは、主要なメーカーによりまして自主的な回収やリサイクルの仕組みについての仕組みづくりが進められております。また、国内の関係業界におきましても、ワーキンググループを設置しまして、自主的なリユースですとか、あるいはリサイクルの検討が始められておりまして、太陽光パネルを分解しまして、溶融しまして、高純度のシリコンを回収する技術の開発などが行われております。太陽光パネルの実際の耐用年数は二十年以上ございますけれども、回収ルートですとかリサイクルの技術の確立にはある程度の時間が必要でございますので、国内外の動向を見きわめつつ、的確に対応してまいります。

○大津委員 本日の質疑を通じて、四万戸の太陽エネルギーの利用拡大という目標を現実とするためには、都民への周知や、今の話でもあります、利用終了後の対策など、配慮するべき近い将来の課題も多いことがわかりました。
 実際にはメーカーの引き取りにぜひ期待をしたいところですが、都とされましては、予算をつける最初の段階で--メーカーには補助金に甘えることのない、さらなる競争とコストダウンを努力してほしいと思いますし、また、予算をつける段階で、今から出口の約束を最初に取りつけておいた方が途中からもスムーズに進むと考えます。
 太陽光発電を普及させていくのも環境局、こういった出口の対策を練るのも環境局、同じ局であります。都においては、ぜひこれらの点に必要な目配りを、行政指導を抜かりなく進めていただきたいと存じます。
 さて、先日、東京商工会議所が会員企業向けに地球温暖化対策行動指針を発表したという記事が新聞に掲載されていました。地域の経済団体がこうした方針を発表すること自体はすばらしいことだと思いますが、内容を拝見しますと、方針が実際に東京のCO2削減に大きな効果を発揮するようになるためには、さらに具体的なものとしていく必要もあるという印象も受けました。その意味では、今後とも東京都が都内の企業や幅広い都民の皆さんとの協力関係を強化し、東京の温暖化対策をリードしていかなければならないのではないか、そういう思いも強くいたしました。
 そこで、最後に局長にお伺いいたします。
 都は、太陽エネルギーの普及ばかりでなく、屋上緑化にも力を入れているところですが、両方とも屋上を使うために、二つの都の施策が屋上でどう協力し合えるのか、環境局内のすばらしい施策のセット、相乗効果を期待したいところです。
 また、太陽光の、先ほどの話にもありましたような、普及をさせる入り口も、また、廃棄物になったときの出口も同じく環境局内の総合環境施策に期待をしたいところです。さらに他局に広げれば、都市整備関係や建設関係の施策でも、環境局が主導となって各局の環境対策を強化していくことも必要です。
 たまたま渋谷の都営住宅幡ヶ谷三丁目アパートの建てかえに関して、住民の意見を受けて、都営住宅では初めての壁面緑化を行う案が生まれています。屋上は、ちなみに既に太陽光発電パネルの仕様となっています。この建てかえは、高さで二年間ももめました。九階建てが七階建てに減らすことができたものの、いまだ不満な住民も多く、植樹と壁面緑化で高さや圧迫感や無機質感を抑えて、緑豊かなまちづくりを、夢を見ているところです。
 壁面緑化などが建築物の高さや圧迫感を抑える効果が実証できれば、いろいろと各地で起きております高層建築物の紛争にとっても、東京の緑化の大きな力になると思います。
 CO2削減のために、太陽エネルギーの普及、緑化の推進、他局との連携など、縦割りではなくて総合的な方針を立てて施策が進むよう、環境局が主導となってリーダーシップを発揮していただきたく、多面的な環境総合政策を進めていただきたいため、最後に局長のお考えをお伺いいたします。

○有留環境局長 今日の環境問題は、エネルギー問題であり、また同時に都市づくりの問題であり、さらには経済問題でもあるという複合的な側面を持っております。その解決に向けた取り組みは、複合的な政策アプローチを適切に組み合わせながら、重層的に展開する必要がございます。
 既に東京都は、気候変動対策方針や緑の東京十年プロジェクト基本方針など、複数の政策分野にわたり、総合的な取り組みを連携させて環境問題に取り組んでおります。今後とも、さらに、お話しのようなポリシーミックスの視点も踏まえまして、カーボンマイナス都市づくり推進本部の活用などにより、全庁横断的な政策展開を進めてまいります。

○橘委員 私も、太陽エネルギーの導入拡大事業について質問いたします。
 この事業は、CO2排出量の伸びが最も大きい業務部門に次いで排出量の伸びが大きい家庭部門における排出削減を進めるために、東京都が太陽光、太陽熱の活用に本腰を入れて取り組んでいくという意思を具体的に表明したものと私は受けとめております。
 都議会公明党は、CO2削減を持続的に拡大していくためには、家庭部門における対策が重要であると、一貫して主張してまいりました。今回の事業化の提案には、まさにその家庭部門における温暖化対策としての太陽エネルギーの利用拡大が具体的に示されているわけでありまして、これを積極的に推進する立場から質疑を行います。
 まず、今回の事業規模についてでありますけれども、太陽エネルギー利用機器の導入家庭を二年間で四万戸を達成するという目標を掲げております。この四万戸というのは、非常に私は微妙な数字であるように思います。なぜかといいますと、四万という数字だけを見ますと、かなり大きな戸数だなというふうにも思います。ところが、一方で、東京の世帯数約五百六十万戸といわれておりますけれども、その数に比べると、四万というのは余りにも少ないというふうにも見えます。数字のレトリックかもしれませんけれども、実際にCO2排出削減にどれだけ貢献するかという観点から見ましたら、この四万戸という数字、これは絶対達成しなきゃならない、そうでなければ二〇一六年までに目標値を達成することができない、その数字であるとは思いますけれども、この二万戸、二万戸という、計四万戸に設定した根拠というのは何かあるのかどうか、まず伺っておきます。

○大野都市地球環境部長 「十年後の東京」におきましては、百万キロワットの太陽エネルギーの利用ということを二〇一六年までに達成するという目標を掲げました。
 標準的な太陽光発電が、先ほどからご答弁申し上げています三キロワットですから、全部太陽光発電というふうにいたしますと、約三十万戸程度の普及を目指すということになります。現時点で都内に設置されております住宅用の太陽光発電、太陽熱温水器等々の総数は約七万件程度というふうに推計されておりますので、単純に来年度からの取り組みを平均いたしますと、毎年三万戸ほどの普及が必要ということになります。
 一方、現状では、毎年の設置件数が、これも太陽光発電と太陽熱を合わせて四千世帯ぐらいということでございますので、単純平均からは毎年三万戸という数字になりますので、ここまでは行きませんが、民間企業、団体の力、あるいは区市町村の力を総結集しまして、まず実現すべき目標といたしまして、年間二万戸、二年間で四万戸という目標を設定いたしました。

○橘委員 今の説明ですと、年間三万戸が目標ではあるけれども、実際そこまで到達していない。けれども、今、既存の七万戸、それから、年間大体四千ぐらいずつ今まで設置されていっている。それをやっていくと、二万戸をプラスしますと大体三万戸ぐらいになるという、大体そういう計算になりますか。確認します。

○大野都市地球環境部長 済みません、ちょっと説明がわかりづらかったかと思うんですけれども、今、目標は三十万戸ぐらいに普及しようということになります。百万キロワットと。現在、七万戸程度でございますので、そうしますと、あと二十三万戸というふうになります。この二十三万戸を二〇〇九年から二〇一六年という八年間で割りますと、割り算で約三万戸、二万九千戸というふうになります。ですから、二万戸というふうにしますとちょっと足りないわけでございますけれども、しかし、これは平均的に行くわけではございません。まず最初、補助事業を使いましてやることによりまして普及していく。そうしますと、当然、価格の低下でございますとか、いろいろな条件が整ってまいりますので、後半に行くに従ってやはりもっと加速していくだろう、加速していかなきゃならないと考えております。そういう意味で、まずは二万戸という目標を立てたということでございます。

○橘委員 はい、理解できました。
 補助事業をやるということは、ただ単に目標戸数を設定するだけではなくて、それが影響を及ぼして加速度を増していくという、この効果があると思います。その辺はすごくいいと思います。それで、数字というのは大体合致します。
 そこで、大事になってくるのは、先ほど答弁でおっしゃいましたように、区市町村の協力であるとか、企業、団体の取り組みであるとか、この辺の理解を得るというのが、この加速度を増していく上で非常に大事なポイントになってくると思います。
 先ほども局長が、イベント等で紹介していくという答弁もございましたけれども、それだけではなくて、企業、団体、それから区市町村の役割、これをある程度位置づけて明確にして、どういうことを期待するのか、このことを、きちっと都としての方針といいますか意向を示していくということも大事だと思います。その辺について具体的な方策を考えていますでしょうか。

○大野都市地球環境部長 先ほどもご答弁申し上げました、八月二十九日に、関係する業界団体等々を集めまして利用拡大キックオフ大会というのを開催しました。これは本庁の五階の大会議室でやったわけでございますが、満杯になるぐらい、四百名ぐらいご参加いただきまして、非常に熱気のある大会でございました。
 こうした中ではいろんな意見の表明があったところでございますが、私どもといたしましては、例えば、民間の太陽エネルギー利用機器のメーカーには、長期のサポートの提供でございますとか低価格化を要請しております。また、ハウスメーカーに関しましても、新築住宅では、太陽エネルギー利用機器を標準仕様にしてほしいというふうなお願いをしております。また、金融機関には、既に今まで一部の地方銀行や信金、信組などではあったんですけれども、メガバンクにも、太陽エネルギーを使った住宅には低利の融資をつくってほしいというふうなお願いをしまして、具体的な取り組みは始まってきております。区市町村に関しましては、先ほどもご答弁しましたように、いろんな独自の補助制度の導入でございますとか、あるいはイベントの開催等々について調整をしておりまして、こうしたいろんな努力を全面的に展開することによりまして、力を合わせて何とかこの高い目標を達成してまいりたいと考えております。

○橘委員 今おっしゃったような具体的な取り組み、これは東京都の強い意思というものを表明して、推進していく、これがやはり大きなポイントになると思いますので、要請しておきます。
 次に、具体的な課題について一つ質問いたします。
 先ほど、こいそ委員の方から質問がございました集合住宅、これはやはり目標を達成するためには非常に大きなポイントになるだろうと思います。答弁にもありましたけれども、集合住宅は七割を占めているという大きな比率であります。
 具体的に申し上げますけれども、個別であれば、その持ち主が設置すると決めれば、それで終わりなんですね。けれども、集合住宅、特に例で挙げますと、民間の既存の分譲マンション、これもかなり多いわけです。その場合、太陽光発電装置にしろ、太陽熱利用機器にしろ、設置する場所というのは限られるわけですね。先ほど、ベランダに設置するという方法もあるというふうにおっしゃいました。また、壁面に設置するという、そういった技術的なことも開発されているようであります。けれども、それは面積が限られております。ベランダでやる、壁面でやる。その限られた面積でしかないわけです。もう少し規模を大きくしようとすると、どうしても屋上に一般的には設置せざるを得ないと思います。
 ところが、民間の分譲マンションの場合、屋上というのは共有面になっておりますので、そうしますと、住民の世帯数を割っていくと本当に小さくなってしまう。かなり大きなマンションですと、屋上はもう決まっていますから、ほんのわずかでしかなくなってくる。そうしますと、我が家では屋上に太陽熱利用機器をつけたい、あるいは我が家では太陽光発電装置をつけたいといった希望があると、わずかなところに設置せざるを得ない。そうしますと、小さな面積しかとれないという事態も起きてくるわけです。けれども、これを全体で使いましょうとなると、今度、管理組合の問題が出てきたり、それぞれの所有権の問題が出てきたり、なかなかこれが民間の分譲マンションというところでは推進しづらいのかなというのが想定されます。
 こうした点について解決しておかなければこれから進んでいかないというふうに思いますし、これが目標達成にも障害になってくるのかなという気がいたします。その辺について、対策はどのように考えていますでしょうか。

○大野都市地球環境部長 先ほど私が答弁の中で申し上げましたベランダというのは太陽熱でございまして、これは具体的に開発が進んでおりますので、これはうまく成果が上がれば効果があるだろうと思っています。
 ただ、太陽光発電に関しましては、ご指摘のように、なかなかベランダというわけにはまいりませんで、やはりどうしても屋上ということになってくると思います。そうしますと、確かになかなか難しい問題があるわけでございまして、特に今、委員がおっしゃった、既存の分譲マンションというのは、集合住宅の中でも一番難しいケースかなというふうに思っております。したがって、なかなか直ちに既存の分譲マンションで全面展開というのは難しいわけでございますが、まずは東京都住宅供給公社でございますとかUR都市機構でございますとか、そういう大規模な集合住宅供給業者、あるいは賃貸の集合住宅を管理しているところがございますので、こういうところに働きかけを行いまして、その中で、集合住宅における設置の事例についても進めていき、また課題についても明確にしていって、それを通しまして、既存の分譲マンションでも、どのような方法によれば設置が可能かというあたりについても検討して、課題の解決を図り、設置を進めてまいりたいというふうに考えております。

○橘委員 検討にとどまらず、これは早急に解決していかなきゃならない一つのハードルだと思いますので、真剣に取り組んでいただきたいと思います。
 今回のこの事業の特徴は、私思うに、太陽光発電機器への補助だけではなくて、太陽熱利用機器も補助の対象にしている点であると思います。といいますのは、太陽熱利用については、国の取り組みが非常に消極的であるように思います。その中で、東京都があえて太陽熱利用機器も補助対象にして、推進しようとしているわけですけれども、その意義について伺います。

○大野都市地球環境部長 太陽エネルギーを初めとします再生可能エネルギーの利用に関する基本的な方針といたしまして、東京都は平成十八年三月に東京都再生可能エネルギー戦略を策定しております。この中で、太陽熱につきましては、工場のボイラーのような高温の熱需要には向かないけれども、住宅の暖房や給湯のように低温の熱需要には合致するものという評価をいたしまして、その積極的な導入を進める方針を定めております。
 今回、国は、太陽光発電について補助予算を復活する方針を決めましたけれども、依然として太陽熱については推進策を示しておりません。
 太陽光発電に比べますと、太陽熱の利用は小さい面積でも有効にエネルギーを得ることができるということで、集合住宅を含めました各世帯の日照面積が小さくなりやすい東京の状況にふさわしい再生可能エネルギーであります。したがいまして、東京の家庭部門におけるCO2削減対策の重要な柱として導入を進めていきたいと考えております。

○橘委員 東京都の考え方はよくわかりましたけれども、どうしてもわからないのは、国がなぜ太陽熱利用に消極的なのか。これは、部長はどのように考えていらっしゃいますか。

○大野都市地球環境部長 これは私も実は不思議なんですけれども、国は、経済産業省が所管します産業構造審議会の新エネルギー部会というのがございまして、東京都からも委員を出せということで、私が委員になっております。その場でも何回か国の方針に対しまして、太陽熱が抜けているという指摘をしてまいりました。
 例えば今回、緊急提言を国がやったんですけれども、太陽光発電に比べて、太陽熱については非常に記述が少のうございまして、最初、草案でもらったときには二、三行しか書いていない。それを東京都が主張しまして、大分強化されたんですが、それでもまだまだ不十分でございます。これは、なかなか理由はわかりませんけれども、やはり太陽光発電の場合には、新しい産業として技術革新等々の要素があるということに比べまして、太陽熱それ自体はローテクでございますので、そういう点からの実績もあろうかと思います。
 ただ、やはり、逆にいえば、太陽熱の方が安い価格で利用できるということもございますし、最近では、欧米などでは、特にヨーロッパなどでは非常にデザイン性がいいものも出ておりますので、そういうものも示しながら、国にも引き続き太陽熱の利用に力を入れるように働きかけてまいりたい、このように思っております。

○橘委員 国が太陽熱に注目し始めるようになるためには、やはり都が今回の事業をきっかけにして、太陽熱というのはこれだけ効果があるんだ、またこれは大事なんだということを具体的に示していく。そういう面でも、今回の東京都の取り組みというのは高く評価したいと思います。
 太陽熱利用機器が東京に適した再生可能エネルギーといわれておりますけれども、ところが、適しているとはいわれているけれども、東京における太陽熱利用機器というのは、普及が長期低迷してきたわけですね。一時はすごく脚光を浴びましたけれども、それからずっと長期低迷してきております。
 その原因というのはあるわけですけれども、その原因の分析がなければ、これから普及を図っていくこともできない。長期低迷しているから、これからそれを挽回するためにこういう制度をつくったといえばそれまでなんですけれども、この原因をきちっと明確に分析して、その上でどういう対策を講じていくのかということが大事だと思いますけれども、その点についてはどのように分析し、これからどう対策を講じていくのか、考えをお聞かせください。

○大野都市地球環境部長 太陽熱利用機器、特に太陽熱温水器でございますが、これは第二次オイルショックの直後に非常に大量普及した時期がございました。ただ、その後、メーカーが撤退をいたしまして、サポートが得られなくなってしまったことによりまして、製品に対する信頼が失われてしまったと。それから、当時は専らエネルギーコストの、要するに光熱費の節減という観点が中心でございまして、環境面での意義が余り明確になっていなかったということで、消費者にとって魅力がなくなってしまったということに減少の原因があるのではなかろうかと考えております。
 したがいまして、今後、普及を促すためには三つの要素があると思っておりまして、第一には、やはりCO2削減に果たす役割を明確にして、環境面での効果をアピールしていくということが第一。第二には、消費者の信頼が得られるしっかりとした性能基準を確立するということが必要だと思っています。第三に、これらに加えまして、利用者にとっても経済的メリットが得られる仕組みということも必要でございまして、こういう観点からも、そのための手法として、太陽熱に係るグリーン熱証書を全国規模で創設していくということを東京都としては目指してまいります。

○橘委員 今の答弁の中でグリーン熱証書というのが出てきましたけれども、グリーン熱証書というのは、利用者にとって経済的メリットがある形で還元できるような、そういう形を考えたのがグリーン熱利用証書というふうに私は思っていますけれども、よくわからないのが、グリーン熱証書制度というのと既存のグリーン電力証書、この位置づけがどうなっているのか、この関連性がどうなっているのか、それぞれの位置づけはどのようになっているか、これが一つ。
 あわせて、既にグリーン電力証書制度が信頼性をある程度確立されているわけです。その確立されている中で、グリーン熱証書というのを、グリーン熱の方をあえて普及させていこうということは、これは何か目標とするところがあると思いますけれども、信頼性を確立していくため、熱の方も確立していくための方策、これをどのように考えているかお聞かせください。

○大野都市地球環境部長 グリーン電力証書は、太陽光発電装置が目指す、CO2を排出しない電力について発行するものということでございまして、グリーン熱証書は、太陽熱利用機器が目指す、CO2を排出しない熱について発行するということでございます。熱と電気の切り分けということでございます。
 グリーン電力証書と同程度の信頼性を確保するためには二つの要件が必要かなと思っております。第一は、確かにCO2を排出しない熱が得られたということで、機器の信頼性の確保ということでございますし、もう一つは、そこで得られたグリーン熱の量が正確に計測されているということでございます。このため、今回の補助制度におきましては、グリーン熱証書の対象となる機器につきましては、導入補助の公募に当たりまして、一定の公的性能認証を得ていることを条件にするとともに、計量法の視点に適合した熱量計でグリーン熱の量の計測をすることを求めまして、信頼性の確保を図ってまいりたいと考えております。

○橘委員 確認ですけれども、電力と熱の違いと今おっしゃいました。これはCO2換算ということで共通性というのはないんでしょうか。

○大野都市地球環境部長 電力をつくる場合に、原子力があったり、それから石油を使ったり石炭を使ったりするわけですけれども、その利用に伴いまして当然一定のCO2が発生しますので、その発生量をカウントして、電力を一キロワットアワー使うときに何キログラムぐらいCO2が出るかという換算係数がございます。熱の場合も同様に、太陽熱を使わなければ、そのために必要な給湯とか暖房をやはり化石燃料を使ったりしてやるものですから、それによってCO2が発生します。それをカウントして、CO2削減量は幾ら、環境価値は幾らというふうになるということでございまして、この辺の細かいところは、また補助要綱を詰める中で検討してまいりたいと思っております。

○橘委員 実は、太陽熱を熱源としたグリーン熱証書制度の創設に向けて、最終的な取りまとめというこの冊子ですけれども、これを拝見しますと、今の部分のところがなかなかわかりづらいんですね。これをある程度都民にもわかるような形で、こういう方法だとグリーン熱というものもCO2換算でこのように削減効果がありますよというのが明確にわかるようになると非常に都民にも浸透しやすいのかなと思いまして、今、質問させていただきました。これをもっと具体的にわかりやすい、こういう方法だと具体的にこれだけになるというものを示していただくと非常にわかりやすいかと思いますので、一言申し上げさせていただきます。
 それから、先ほどもありましたけれども、ソーラーシステムや太陽熱温水器、こういった太陽熱の利用機器ですけれども、一時は大変脚光を浴びた時期がありました。ところが、私の知る限りでは、メーカーによる長期メンテナンス、これが非常に問題があって、性能がよくなくなったのでどうしようかといってもメンテナンスをやってくれないとか、それから、廃棄したいけれども、自分でやってくれという、これは大きいものですからかなり費用がかかったとか、そういった声がたくさん聞かれるようになりまして、信頼性が失われたという、そういった原因があったように思います。
 そこで、提案ですけれども、メーカーによる長期のメンテナンス保証、これを今回の補助制度の中に組み入れて、その中で安心して太陽熱利用機器を購入できるようにする、そういった仕組みをこの補助制度の中に一工夫した方が安心度というのはかなり高まるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○大野都市地球環境部長 委員のご指摘のとおり、太陽熱利用機器の普及を進める上では、長期のメンテナンス体制を確立することが非常に大事であると考えております。
 この観点に立ちまして、都は現在、太陽熱利用機器に関する公的な性能認証を行う機関である財団法人ベターリビングという財団法人があるわけでございますが、ここと一緒に優良住宅部品認定制度の基準作成に参加しております。この基準の認証の条件として、メンテナンス体制を含めた評価を行うように求めておりますので、こうしたことを通じまして、メンテナンスが確実に行われるような体制をつくってまいりたいと思っております。

○橘委員 これまでの質疑を通しまして、消費者に経済的メリットがある形で太陽熱利用を持続的に拡大させていく、そういう努力はよくわかりましたけれども、導入効果、実際に導入した場合にどういった効果があったのか、それから、温暖化防止につながる家庭からの取り組みであるという、そういった意識が都民に定着していくためには、そういう現状にはまだ近づいていないなという気がいたします。
 そこで、提案ですけれども、太陽光、それから太陽熱、いずれも同じですけれども、特に太陽熱利用機器に対する都民の理解を広げていくためには--メーカーの宣伝、つまり、我が社の機器はこれだけの効果がありますよとか、こういった特徴がありますよとか、そういった宣伝はなされております。けれども、今、消費者は非常に賢明になっておりますので、それをうのみにするような状況ではありません。したがって、これを普及させていくためには、東京都が中立的な立場からそれぞれの機器の評価をして、明らかにしていくような、そういったモデルもきちっと提示していかないと、都民の信頼性は高まっていかないと思います。これについて見解を伺います。

○大野都市地球環境部長 特に太陽熱に関しましては、やはり環境の価値というのを明確に示していくということが非常に大事だというふうに考えております。
 したがいまして、メーカーに製品開発を求めるだけではなくて、都としてもその性能評価を何らかの方法で行うなど、都民の理解を深めていただくための取り組みが必要だと考えております。ご提案の趣旨を踏まえまして、今後どのようなことが可能か、取り組みについて検討してまいります。

○橘委員 わかりました。検討にとどまらず、取り組みを具体的に進めていただきたいと思います。
 家庭部門のCO2削減は、高効率家電の利用など省エネの取り組みを徹底するとともに、それでも使うエネルギーを大胆に太陽エネルギーなどの再生可能エネルギーに置きかえていくことが必要であると思います。
 東京で低CO2の生活様式を確立し、世界に発信することが、地球温暖化防止の取り組みを世界じゅうで進めるために果たす東京の役割であり、太陽エネルギーの利用拡大、その中で重要な役割を担っていると思います。
 今回の補助制度を契機として太陽エネルギーを飛躍的に普及させる局長の決意を伺って、質疑を終わりたいと思います。

○有留環境局長 お話しのように、目の前にある気候変動の危機を乗り越えるためには、東京での経験を世界に発信し、世界じゅうで低CO2型の生活様式が広まるようにすることが重要でございます。
 中でも太陽エネルギーは世界の至るところに降り注いでおりまして、生活を支える無尽蔵のエネルギーとして大胆に太陽エネルギーを取り入れる生活様式は世界じゅうで受け入れられる普遍性がございます。
 目の前の四万戸という目標、これ自体は非常に高い目標でございますが、それにとどまることなく、地球規模の課題解決に向けた初めの一歩として、民間や区市町村とも連携しながら、環境局の総力を挙げまして太陽エネルギーの爆発的な普及を実現させてまいる決意でございます。

○村松委員 私の方からも、今回の補正予算、太陽エネルギー利用機器導入対策、この補正予算について質問いたします。
 まず最初にですが、今度の補助対象とする太陽エネルギー利用機器の種類別個人負担額をお示しいただきたいと思います。

○大野都市地球環境部長 今度対象としますのは太陽光発電装置でございます。それから、太陽熱関係に関しましては、太陽熱温水器、昔からあるものでございます。それに加えて、ソーラーシステムというふうに呼んでおりますけれども、お湯を直接屋根の上に載せるのではなくて、媒体が回っていって、お湯自体は地上に置いてあると。大体は給湯に使いますが、これを場合によっては暖房にも使うというふうないろんなバリエーションがございます。いろんなタイプがございますので、価格自体は非常にたくさん分かれております。
 また、個人負担額ということになりますと、先ほど申し上げましたように、都の補助、国の補助、区市町村の補助等々が、特に区市町村補助については区市町村ごとに違いますので、一概にこれについては幾らというご答弁をするのはなかなか難しいということでございます。

○村松委員 東京都の方から説明いただいた、太陽光発電、三キロワットで平均価格としては約二百十万円というのがありまして、補助額が約三十万円、個人負担額が約百八十万円という、そういう説明を受けました。ソーラーシステムも六平米で平均価格約九十九万円、補助額が約二十万円、個人負担額が約七十九万円と。太陽熱温水器は、四平米のもので平均価格約三十六万円、補助額が約三万円、個人負担額が約三十三万円と。個人負担額としたら決して安いものではないなという印象を私は持っております。
 そこでなんですが、先ほどの答弁の中で、二〇〇五年度に国が補助金を廃止していますよね。それにもかかわらず、都内における住宅用太陽光発電システム導入というのがふえているんです。〇四年度が導入件数千五百五十四件だったのが、〇五年度は二千七百八十七件、その次の年は三千九百六十件、〇七年度、昨年度が三千七百三十九件あるんですが、その背景といいますか、何が原因でこういうふうにふえているのか、もし見解があればお示しください。

○大野都市地球環境部長 まず、金額でございますけれども、村松委員がおっしゃったのは標準的な場合でございまして、私がご答弁申し上げましたように、実際にはいろんなケースがございますので、なかなか全部のケースについて正確な個人負担額をご答弁するのは難しいと先ほど申し上げました。
 東京都内の件数でございますけれども、これは全国的に見ますと、二〇〇五年に国が補助を打ち切って、確実に減少しております。都内の数字にそういう数字がございますけれども、これは二つございまして、一つは、国が補助制度を打ち切ったことによりまして、今までは国の補助の件数をカウントしていたということがあるんですけれども、そういう方法がとれなくなったので、別の推計方法をしているということがございます。
 あともう一つは、東京は残念ながら、歴史的には、つまり数年前までは非常に全国の中でも少なかったんです、世帯当たりで見ても。これはやはり、東京の住宅というのは、先ほどから議論しましたように、どちらかといえば小さなものが多いということで、なかなか地方に比べると普及が難しい、あるいは集合住宅が多いという状況がございました。ですから、東京は非常に少なかった。それがやはり、この間、我々が、我々だけではございませんけれども、相当太陽光のアピールをしたこと、それから住宅メーカー、特にハウスメーカーなどが、テレビで吉永小百合さんが宣伝していたんではございますが、相当集中的にハウスメーカーが力を入れまして、そういう影響もあって、東京については、ここ二、三年、全国の傾向とは別に、少しふえてきているという状況がございます。ただ、それでも、直近で見ますとやはり減少しているという状況でございます。

○村松委員 今答弁されたとおりなんでしょうと思います。
 そういう中で、先日、東京都の環境局が、九月五日付ですか、太陽熱を熱源としたグリーン熱証書制度の創設に向けてということで、こういうチラシというか書類が送られてきました。それを見ますと、日本の太陽熱利用設備の設置件数は、EUの太陽熱市場の推移から見てやはりおくれているかなというふうに思うんですが、この辺はやっぱりそのとおりと。EUが進んでいる原因というのはどういうふうに認識されていますか。

○大野都市地球環境部長 これも先ほどご答弁したとおりでございますけれども、やはり東京というか日本の場合は、昔から太陽熱がだめだったわけではございませんで、第二次オイルショックの後の一九七〇年代は非常にふえた時期がございました。これもご答弁したとおり、それがなかなか国の適切なサポートがないこともありまして、ご答弁したとおりなんですけれども、環境の価値が認められない、認識されない、それからメンテが行われない等々の原因で減少していってしまったということで、EUが進んでいるというよりは、日本がせっかくいっときは優位にあったのにおくれてしまったというのが正確な判断かなというふうに思っております。

○村松委員 ここには、その原因としては、一九八〇年代以降、石油価格の低迷や太陽熱メーカーの市場からの撤退によるサービス、メンテナンス体制の置き去りなどにより太陽熱利用機器の販売台数は大きく減少し、現在も太陽熱市場は依然低迷を続けていると。
 そういうふうに書かれ、ここでも、一部の企業による不適切な販売方法や工事、施工上のトラブル、いわゆるつけ逃げというようなサービス、メンテナンス体制の不備などに起因し、太陽熱市場に対する消費者の信頼性が低下してしまったと、こういうふうにいっているんですね。
 だから、こういう轍はやっぱり二度と踏んではいけないというふうに思うんです。そのために行政は何をするべきかということなんですが、その辺についてはいかがでしょうか。

○大野都市地球環境部長 まさにそういう点があったからこそ、先ほどご答弁しましたように、現在、財団法人ベターリビングという、建築製品の関係の認定とか認証をやっている団体があるわけでございますが、ここに東京都の方から働きかけをいたしまして、メンテナンスも含めた性能基準の確立を要請しているということでございます。
 かつては太陽熱機器についても基準もあったわけでございますけれども、これがなくなってしまいましたので、東京都が改めてこのベターリビングに要請をしまして、現在、具体的な検討が進んでいるという状況でございます。

○村松委員 私はやっぱり行政も入って第三者機関をしっかりとつくるなり、第三者的な立場で太陽エネルギー利用機器を進めていかなければいけないだろうなというふうに思います。
 そこで、都民が住宅に太陽熱発電などを設置する場合に、都民に直接補助金を交付するんでなくて、第三者実施機関に九十億円出捐し、そこから補助金を交付する、そういう仕組みになるんですが、この第三者機関というのは、今あるとしたらどういうふうな組織で、それから、これを本格的に進めていくためにはどんなことがやられて、どういう体制になるのかということをちょっと説明してください。

○大野都市地球環境部長 東京都は、本年二月に、東京都環境整備公社を東京都地球温暖化防止活動推進センターに指定いたしました。このセンターは、東京における家庭部門対策の拠点として、都民が取り組む地球温暖化防止活動の支援を強化していくということを目的にしております。したがいまして、私どもといたしましては、このセンター、環境整備公社を事務の実施主体といたしまして、ここから補助を行うという体制を考えております。
 実際には、これから補助要綱等々を具体化してまいりますので、その中で着実に補助事業が執行できるような体制を構築してまいりたいと思っております。

○村松委員 補助要綱はこれからだと。
 体制なんかも、今の体制がどのくらいで、今後どのくらいの体制を考えているのか、わかったらお示しください。

○大野都市地球環境部長 地球温暖化防止活動推進センターは、今年度、省エネ支援の施策をやっておりますが、太陽エネルギーの利用補助事業は来年度から全く新たに構築されるものでございますので、現在の体制ということはございませんで、これも適切な規模の体制を構築してまいりたいと考えております。

○村松委員 適切な規模ということでした。
 太陽光発電について、グリーン電力証書、これを活用して環境価値を企業等に売却する、そういう方向を目指しているようなんですが、今どんな企業が買ってくれるのか、その見込みがあったらお示しください。

○大野都市地球環境部長 グリーン電力証書の購入団体でございますけれども、これは、現在は、企業のCSR、社会的責任を果たすための取り組みでございますとか、いわゆるカーボンオフセット、CO2の排出量を取り消しにすると申しますか、帳消しにすると申しますか、そういう活動の一環として、大手の企業を初めとして購入しておりまして、大体、発表されているところによりますと、百数十団体が買っているようでございます。という状況でございます。

○村松委員 今のところ百団体以上ということですね。
 それでは、具体的なところで、区市町村の取り組みについて伺うんですが、先ほどの答弁で、区市町村の方へ行って説明されているというお話がありました。それから、区市町村の方でも十七の区市がこの問題では取り組んでいるという答弁があったんですが、具体的に、区は何区なのか、市は何市なのかだけ教えてください。

○大野都市地球環境部長 十七の区市の内訳でございますが、区が十区、市が七市でございます。

○村松委員 十区の七市と。
 私の地元の日野市でもCO2削減ということで取り組んでいるんですが、日野市では、市の土地を分譲するときに、エコ住宅を条件で幾つかのメリットになるようにしようとしています。例えば、エコひいきな街づくり事業として、市の土地の分譲ですけれども、用地代を三〇%安くすると、そうすると、一区画七十万円から八十万円安くなると。それから、提携しているみずほ銀行とか多摩信とかJAみなみなどの金融機関からお金を借りる場合には〇・五%から一%安くなる。で、太陽光パネルを貸与してあげる。こういう事業が今計画されて、申し込みが十月一日からというふうにいっておりました。
 太陽光パネルの貸与の具体的な方法をお聞きしましたら、まだ具体的には固まったわけではないといいながらも、太陽光パネルを貸与して、モニターになってもらって、年四回ほど調査して、どのくらいの効果があるのか、これを五年間調査していきたいというふうにいっておりました。
 こういう場合、東京都はこの事業にさっきの三十万円の補助金はつくんでしょうか。

○大野都市地球環境部長 今回の事業は、直接太陽光発電を設置して利用される都民の皆さん等々を対象に実施を進めるわけでございますので、貸与するという形の日野市の場合には、補助の対象にはしがたいものと考えております。

○村松委員 市が貸与ということにはつかないと。そうしたら、どういう場合につくんですか。例えば、さっきいった二百十万円かかるとしたら、市の方が、貸与じゃなくて補助金としてそのうちの百万円出したと。で、個人負担も出てくると。そこに東京都が三十万円の補助。そういうことでは補助できる仕組みなんですか。

○大野都市地球環境部長 先ほどご答弁申し上げておりますけれども、国や都や区市町村が一緒になって補助するというものでございますので、当然のことながら、都民あるいは市民の方がご自分のご自宅につける場合には、そういうオーバーラップした補助も可能であると考えております。

○村松委員 私は、本来は、太陽パネルだけでなくて、エコ住宅をつくるということですから、具体的なことを聞いたら、多摩産材を使ったりとか、あるいは家の中に風の道が通るような、そういう設計をしたりというようなことで頑張っている自治体のそういうところにも援助してほしいなという思いがあります。
 ところで、太陽光発電などの太陽エネルギー利用機器、都内四万世帯というふうにおっしゃっておりました。これを四万世帯が設置された場合に、CO2、どのくらい削減できるのかお示しください。

○大野都市地球環境部長 これも先ほどご答弁申し上げておりますけれども、今回の事業は百万キロワットの実現ということを目指すものでございまして、百万キロワットを実現しますと二十六万トンということでございます。今回の四万戸につきましては、正確な試算はしておりませんけれども、数万トン程度というふうに考えております。

○村松委員 百万キロワットのCO2削減というのは、それは家庭用だけで考えていらっしゃるんですか。

○大野都市地球環境部長 必ずしも家庭用だけというわけではございませんで、「十年後の東京」に掲げました目標自体は、いろんな形での利用を含めまして百万キロワットということでございます。

○村松委員 大まかな目標というのはないんですか。住宅用の、二年間で四万世帯というのはあるんですが、「十年後の東京」、二〇一六年までに百万キロワットの削減をしていくというふうになっているんですが、家庭用で幾つ、事業用で幾つという、そういう具体的な目標はないんですか。

○大野都市地球環境部長 これも申し上げましたように、現在、国内で設置されている太陽光発電の八割は住宅用でございます。したがいまして、当然、今、コストパフォーマンスを見ましても、住宅用の太陽光発電が一番安いという、標準化をしてございますので、当然、百万キロワットの大宗の部分は住宅用を中心にして実現していくということを考えております。

○村松委員 先ほど、こいそ議員の方からも、学校とかというような話もあったんですが、まだまだ公共施設の中で設置が進んでいないところって、いっぱいあると思うんです。今の段階で東京都の都営住宅には何%ぐらい太陽エネルギー、この機器が設置されているんでしょう。

○長谷川環境政策担当部長 割合についてはちょっと存じてございませんけれども、十九年度末現在での都営住宅への設置件数は約百三十基でございまして、残りの団地につきましては建てかえ時に順次設置していくというふうに聞いてございます。

○村松委員 百三十基といったら、百三十棟、一棟に一個というお話でしたから、百三十棟ですから、まだまだ数%ということじゃないのかなというふうに思います。
 公社住宅とか、それからUR、そういった団地もこれからあると思うんですが、こういう都営住宅、それから公社住宅、UR、そういうところへの働きかけというのは今後する必要があると思うんですが、その辺はいかがでしょう。

○大野都市地球環境部長 集合住宅への働きかけについても、ご答弁申し上げておりますけれども、今後、URでございますとか住宅供給公社についても導入についての働きかけを当然行ってまいります。

○村松委員 今回、九十億、補正予算を組んで、太陽エネルギー利用機器、これを設置していこうと。これは大いに賛成なんですが、ただ、やっぱりこういう形で、一方では住宅、一人一人の都民が高いお金を出しながらもCO2を削減していこうという、そういう努力をしているという反面、えっというようなこともやっぱり見受けられるんですね。例えば、新宿駅西口を出たところに、大きな柱に、もう夜から昼から柱の周りがマンションの宣伝で、真ん中に多分、真ん中というか、中の方に電気があるんだと思うんですね。ああいうのなんか見て、何か逆行じゃないかななんて思うこともあるんです。
 そういうのも含めてやっぱり、そういうことなんかも本当にもっともっとみんなで、企業も、それから行政も地域も家庭も、みんなでCO2削減の方向に取り組んでいくことが大事だなと、そのことを申し上げて、質問を終わります。

○谷村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二分休憩

   午後三時十六分開議

○谷村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原田委員 第百五十七号議案、債務負担行為、九十億円について質問します。
 解散総選挙がどの時期に行われるか、さまざまな憶測が飛び交っていますが、国では来年度に向けて各省庁の概算要求が行われています。環境省は、一般会計総額で前年度比一六・八%増の二千五百六十七億円要求。六月に閣議決定した低炭素社会づくりの行動計画を踏まえ、太陽光発電を大幅に後押しする戦略策定事業やモデル事業などが含まれます。経済産業省は、太陽光発電を初めとする資源エネルギーなどの大量導入のための費用として六百七十八億円、その中で住宅用太陽光パネル設置補助として二百三十八億円を要求しています。太陽光パネル設置は追い風になっていると思います。これを機に経済構造を変えていくことが、日本経済を活性化させる契機になると期待するものです。
 さて、東京都は、来年度当初から太陽光利用機器導入への補助事業を始めるべく、九十億円の債務負担行為として補正予算に計上しました。関連の質問をします。
 今回の太陽エネルギー利用機器導入の中には、太陽熱を利用した給湯器、暖房機なども補助対象にするということですが、検討委員会が八月に出した太陽熱を熱源としたグリーン熱証書制度の創設に向けて、いろんな方が取り上げていましたけれども、最初の取りまとめでは、太陽光の場合と違って、CO2削減量の換算が難しく、市場におけるグリーン証書の信頼性を確保できる算出法を早期に整理する必要があるというような提言をしています。この提言は今回の補助事業にどのように反映されているのか、まずお伺いします。

○大野都市地球環境部長 今回の補助制度では、補助対象となるすべての太陽熱利用機器に関しまして、環境価値の譲渡を条件にしております。
 一方、都が設置をしましたグリーン熱証書制度検討会の報告書では、この環境価値をグリーン熱証書として具体化する場合に必要な環境価値の量の計測に関する課題を太陽熱利用機器の種類ごとに明らかにしております。この報告書を踏まえまして、補助制度を具体化する中で、さまざまな太陽熱利用機器から得られる環境価値の利用方法につきまして検討してまいります。

○原田委員 グリーン熱証書制度というのは本当に難しいなというのも、グリーン熱証書制度検討委員会を傍聴して実感したわけなんですけれども、例えば太陽熱を利用した際の給湯や暖房機のCO2を計量するためには、どのぐらいの温度が上がったかとか、それを誘導するためにどのぐらいの電力を使ったかなどと、足し算、引き算が必要だったり、その量をきちっとはかることも大変大きな課題だということもその議論の中で出ましたし、今度の答申にもその話は出ています。
 太陽光パネルが直接電力をつくるのと違って、かなり難しいようです。しかし、太陽熱利用の機器は、太陽熱を直接エネルギーとして利用するために、効率がよく、経済的にも手ごろだということもあって、これからこの普及は期待したい分野だと考えます。
 一昔前、随分屋根の上に太陽熱利用の機器を見たわけなんですけれども、一九八〇年代前半をピークに日本で減少し、その理由は、きょう、委員会の中でるる質問や答弁の中でお聞きした、そのような状況だと思いますが、これから本当に東京都の中のマンションや小さい住宅が多いような地域では、太陽熱を利用した機器の普及は大変重要な課題ではないかととらえているところです。
 そこで、平成二十年九月の補正予算では、太陽エネルギーの導入拡大のために、二十一年度からすぐにスムーズな事業進行をねらっての債務負担行為ということですが、こういった都の取り組みを受けて、国も太陽光パネルの支援を復活させるというような流れが出ています。国は具体的にどんな動向なのかということについて情報があったら、お伺いしたいと思います。

○大野都市地球環境部長 これもご答弁申し上げましたけれども、たまたまきのうなんですけれども、国は太陽光の復活の方針を正式に発表いたしました。
 これによりますと、国の補助は、都の補助よりも少し少ない程度の単価ということでございまして、国の補助と都の補助を同時に受け取ることが可能なような補助制度の準備が進んでいるというふうに理解をしております。

○原田委員 両方使えるかどうかということに関しては大変気になるところでございました。都の補助制度の設計が、環境価値の譲渡ということですが、国の設計はどうなのかというところが、これからどうするのかなということを心配したわけなんですけれども、今、部長さんがおっしゃったように、二つ使えるということは、十年、一九九四年から行われた、いわゆるキロワット当たり何円という補助というようなことで動いているようで、それは並行して使えるというようなことでは、大変いい話だったと思います。
 それで、太陽光パネルを設置する市民にとって、両方の補助金が使えるということを考えたら、やっぱり両方使いたいと思うのが人情ですよね。ですから、補助事業がうまくそろうまで、国と東京都が--東京都は、この債務負担行為を可決すれば四月一日からスタートということはありますけれども、国はちょっと不透明ですよね。そういうこともあって、国の動きがとまれば、せっかく準備していても買い控えが起こってくるというような状況も想像されますので、この点に関しては、足並みがそろうように願うしかないというような状況でしょうか。大変流動的な中で、判断は、判断はというと変ですけれども、相談窓口に来た方に対して、やっぱり親切な情報を出そうと思ったら、国と都の情報を出しながら、買う時期も含めて相談、相談というか、この方がいいですよみたいなアドバイスをしていかなきゃならないということがあって、大変歯がゆい思いをするということもあるとは思いますけれども、都としては、これに対して、都としてやれるような準備はしておくということで、その体制は大変意欲的だと評価するものです。
 そこで、ちょっとお伺いしますが、今回の都の補助制度では、先ほど話しましたように、十年間分の付加価値を譲渡するという条件で補助金を交付することですが、天候や故障、その他の条件で通常の例に比べて少ない環境価値しか生み出せなかった場合、補助金の返還が必要になるかどうか、ここちょっと気になるところですが、ご答弁いただきたいと思います。

○大野都市地球環境部長 これは、太陽光発電、太陽熱に限らず、補助金を得て導入された機器の一般の例と同じように、太陽光発電、太陽熱利用機器に関しましても、その法定耐用年数までの間は適切に管理をして使用していただくという必要があると考えております。
 ただし、補助金を受けた方にお願いするのは、適切に管理をして使用した結果生み出された環境価値を譲渡していただくということでありまして、天候の不順等々の条件でございますとか、あるいは不慮の事故でございますとか、そういうことで、補助金受給者の責任が及ばない事情に基づきまして環境価値が減少したことに関しまして補助金の返還を求めるということはございません。

○原田委員 本事業では、年間二万基の規模を構えて今後の事業展開に備える体制を整えるということですが、これは、例えば来年度当初からスタートできたとしても、一日五十五基以上設置する計画になるわけです。二万件分の補助金執行体制を来年四月まで準備できるかどうかということも心配ですし、都民の視点でいえば、補助金申し込みに先立つ太陽エネルギー利用機器の導入体制ができているかどうか、そしてまた、相談体制、多分設置前にはいっぱい相談をしたいという都民が出てくると思いますが、これはやっぱり市区町村単位で、都民の身近なところにあることが望ましいと考えますが、東京都の考えをお伺いします。

○大野都市地球環境部長 まさしく年間二万件と非常に大きな目標でございます。そのため、まさに来年四月からの円滑な事業執行を可能とするために、今回、債務負担の補正予算を提案させていただいたということでございます。債務負担行為を裏づけといたしまして、今年度中から準備を開始し、補助金の執行体制を確保してまいりたいと考えております。
 機器導入の相談体制に関しましては、太陽光や太陽熱メーカー団体の協力を得るなどしまして、適切に情報が提供できる体制の整備を進めてまいります。
 また、各区市町村にも呼びかけを行いまして、各地域で、都民の身近なところで普及支援ができるような体制を進めてまいりたいと思っております。
 本当に何回もご答弁しましたが、これらの一環として、まず八月二十九日にキックオフ大会を開催いたしました。非常にたくさんの団体、区市町村にご参加いただきまして、こうした団体と力を合わせて、都民への適切な情報提供、導入支援策を進めてまいります。

○原田委員 本当に何回も同じような答弁、こちらももっと攻め方がないかと思うところなんでございますけれども、本当に都が太陽光パネル等の設置に関しては大変意欲を示して取り組んでいるということがうかがい知れて大変うれしゅうございますが、これと同時に、やっぱり国の受け皿もしっかりと広げていただきたいと思うわけです。
 例えば、電力会社の買い取り義務枠を広げていくとか、あと、通常の電力より高く自然エネルギー等で出た電力を買い取るような、そのような固定買い取り制度ですか、そういうものをしっかりと法律に位置づけてもらうように、やっぱりこんな一生懸命取り組んでいる東京都からぜひ国に強力に働きかけていただきたいと思います。そのことを意見としていわせていただいて、終わります。

○今村委員 今回は太陽エネルギーの機器の補助への質疑がすべて集中をしておりまして、私もその件についてお聞きさせていただきます。
 まずは、先ほどからの質疑でも明らかになっていますように、国は再度補助事業を開始するということでありますし、私も、市議会議員の時代から、私の選挙区であります町田の市議会で、太陽光パネルに対する補助を実現すべきということを訴えてまいりまして、十七の自治体の補助の中にこの町田市も入っているわけであります。先ほどからの質疑で明らかなように、これら国と都の制度は一緒に補助金を受けられるということでありますので、このことについて確認をしようと思っておりましたけれども、このことはよくわかりましたので省略をさせていただきますし、今後、普及PRも含めた自治体への取り組みも今懸命に行っているというお話がありましたので、ぜひ補助金なども当然一緒に、そして啓発事業等をしっかりと行っていただきたいというふうに思っておりますので、要望にとどめておきたいと思います。
 次の質問に移っていきたいと思いますけれども、これら国や各自治体からの補助が入れば、より普及に弾みがつくのは当然だということであります。しかし、補助金の申請の手続が、例えば国と市区町村の自治体でばらばらであっては、手続が煩雑になってしまって、都民にとっては大変ハードルが高くなってしまうわけでありますので、これら特に自治体との連携、国とは何とかできそうだというお話も先ほどから出ておりますけれども、ぜひこの辺についてはもう一度しっかりと一緒にできるような施策とともに、各自治体がさらに補助制度を新設、ふやしていっていただけるような取り組みをしていただきたいと思っておりますけれども、この手続の簡素化についてどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○大野都市地球環境部長 国は一年前には補助制度の復活ということを全く考えておりませんでした。東京都を初めとしていろんなところから要請を行いまして、今回実現したということでございます。
 具体化の動きを明示した段階から、都は、国に対しまして、東京都の太陽エネルギー導入策の具体化とあわせまして、国に対しても、その手続についても地方自治体と調整をして、できるだけ簡素化できるようにという働きかけをずっとしてまいりました。この結果、先般、国からヒアリングをしたところによりますと、国としても、都道府県が行う太陽光発電導入補助事業と手続を共通化する方向で制度構築を進めているという考えが示されております。

○今村委員 ありがとうございます。
 それでは、次ですけれども、今後、太陽エネルギーの利用促進を進める上で、戸建ての住宅が主にその対象というお話が先ほどからありましたけれども、日本の住宅事情でいきますと、戸建ての住宅、建て売り住宅が大変多いわけであります。これらの建て売り住宅に最初から太陽エネルギーの機器が導入されていれば、より普及に弾みがつくのではないかというふうに考えますけれども、残念ながら、建て売り住宅は、個人がまだ住むかどうかはわからないわけでありまして、機器を導入した時点での補助金の申請者が定まらないというような例があると思います。こういった未入居の新築に対する補助のあり方というものはどのように考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○大野都市地球環境部長 太陽エネルギーの利用機器が建て売り住宅につきましても標準でついているという状況が非常に望ましい状況だというふうに考えております。
 ただ、建て売り住宅の売買契約のあり方とか時期と都の補助制度の執行との関係では、少しまだ具体的に検討すべき課題が残っておりますので、できるだけ幅広に対象となるような方向で補助制度の具体化について検討してまいります。

○今村委員 ぜひ、本来ならば事業者申請でももしかしたらいいのかもしれませんけれども、いずれ入居者が入るものでありますから、あらかじめ入居者が決まった時点で建て売りの事業者等がその分費用に、全体に入っていれば、例えば十棟、二十棟と一遍に住宅を建てる場合がありますから、事業者にとっても全体としては安く購入ができるわけであります。
 具体的には、私の町田市の中にも大規模開発の住宅地がありまして、小中学校が足りなくならないように、町田市からお願いをして、年間三十棟までということで開発を抑えて、毎年三十棟ずつ販売をしている大変ありがたい業者がいますけれども、そういったところに当然利用を働きかけていけば普及に弾みがつくと思います。先ほどいった申請手続もそうでありますけれども、例えば初期費用が合計で二百十万ぐらいかかるときに、先に二百十万事業者に払って、後から補助金がその個人に入ってくるというよりは、あらかじめ、例えば大ざっぱに五十万から七十万ということでありますから、百五十万弱用意をすれば設置ができるということになりますと、支払う側にとっても、実際は同じでも、随分感覚的には安く、導入をしようかなという気に、また一歩踏み出せるんじゃないかなというふうに思います。建て売り住宅の事業者にとっても、安く機器を入れて、補助がいずれ受けられるということだったらば、あらかじめ設置をしておこうと、先行投資をしておこうということになるかと思いますので、こういった民間の力を大いに取り入れていただきたいというふうに要望をしておきたいと思います。
 それから、「十年後の東京」で百万キロワット、三十万戸ということで、当面は四万戸、二年間でということでありましたけれども、先ほどから出ておりますが、集合住宅への導入でありますけれども、民間はともかく、当然でありますけれども、URや東京都の住宅供給公社などの導入なども当然欠かせないものかと思います。私もURの住宅に住んでおりますので、こういうところがぜひ実現をしていただきたいというふうに思いますので、もう一度この辺の集合住宅等にかかわる住宅への導入についてお聞きをしたいと思います。

○大野都市地球環境部長 東京の特徴は集合住宅が多いことでございますので、ここの普及は非常に大事だと思っております。したがいまして、補助事業の対象としては、戸建て住宅のみならず、集合住宅も対象としてまいります。
 また、URでございますとか住宅供給公社に対しましても、導入に向けた働きかけをしてまいります。

○今村委員 ありがとうございました。ぜひ実現のために努力をしていただきたいと思います。
 最後に要望だけ申し上げたいと思いますけれども、ぜひこうした集合住宅等は広い屋根を持っていたり--私のところはそうでありますけれども、URの分譲の住宅であります。屋根だけではなくて、管理組合は、壁面や用地まですべて管理組合で管理をしているわけでありますから、何も屋根だけにかかわらず、例えば自転車置き場の上でも当然、対象になるかどうかというのは非常に微妙かもしれませんけれども、管理組合等の事務所の上なども含まれている。そこがすべて個人の、皆さんの所有になっているわけですから、幅広くこういったことは理解をしていただいて、弾みをつけていただきたいというふうに思いますし、できれば、今後は、こうした大規模な集合住宅等にはモデル事業などをして、積極的に大規模な太陽光発電等の機器が導入できるような、そんな制度、東京都だけではなくて、過去には国の外郭団体でもそういった事業をやっていましたので、国に対する要望も含めて行っていただきたいと思います。賃貸住宅等は、特に集合住宅、URも供給公社も高齢化をしておりまして、家賃等に対する値上げに対して大きな抵抗があるわけでありますけれども、もしこういったところが、賃貸でも設置をしていただければ、電気料金が少しは少なく済むかもしれません。実質家賃の減額につながるような、経済的な負担が減少するわけでありますので、この辺についても当然東京都の都営住宅、自治体の市営住宅等もあるわけでありますので、こういったところも含めて検討していただくようお願いを申し上げまして、質疑を終わります。

○谷村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十一分散会

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