環境・建設委員会速記録第三号

平成二十年三月十七日(月曜日)
第九委員会室
   午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長谷村 孝彦君
副委員長石森たかゆき君
副委員長小沢 昌也君
理事原田 恭子君
理事山田 忠昭君
理事今村 るか君
村松みえ子君
橘  正剛君
吉田康一郎君
矢島 千秋君
こいそ 明君
ともとし春久君
高橋かずみ君
大津 浩子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長吉川 和夫君
環境政策部長加藤 英夫君
環境政策担当部長長谷川 明君
都市地球環境部長大野 輝之君
環境改善部長石渡 秀雄君
環境改善技術担当部長柿沼 潤一君
自動車公害対策部長井戸 秀寿君
自然環境部長中島  博君
参事浅川 英夫君
参事小山 哲司君
廃棄物対策部長森  浩志君
参事木村 尊彦君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為環境局所管分
報告事項
・都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)の改正について(中間のまとめ)(質疑)
・東京都環境基本計画のあり方について(東京都環境審議会答申)(説明・質疑)

○谷村委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成二十年度予算については予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しは、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十年三月十四日
東京都議会議長 比留間敏夫
環境・建設委員長 谷村 孝彦殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(水)午後五時

(別紙1)
環境・建設委員会
第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境・建設委員会所管分

(別紙2省略)

○谷村委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の予算の調査及び報告事項の聴取を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 これより予算の調査及び報告事項の聴取を行います。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○長谷川環境政策担当部長 去る二月二十九日に、東京都環境審議会より、東京都環境基本計画のあり方について答申を受けましたので、ご報告いたします。
 現在の環境基本計画を、二〇〇二年、平成十四年四月に策定して以来、六年が経過しておりますけれども、将来に向けて東京をさらに成熟した持続可能な都市としていくための新たな目標と施策の方向を検討するため、一昨年五月三十日に計画の改定を諮問し、二年近くにわたる審議会でのご議論を経まして、都民の皆様からのご意見もいただき、取りまとめられたものでございます。
 東京都といたしましては、本答申を踏まえまして、新たな環境基本計画を策定してまいる予定でございます。
 答申は、お手元の資料2のとおり、ピンク色の冊子となってございますけれども、お手元の資料1の、A3、横長の概要版に基づいて説明させていただきます。
 一ページの左側でございます。中段のⅡの東京が目指すべき持続可能な都市のあり方では、まず、東京の直面する環境問題についての新たな認識として、気候変動の危機の顕在化、環境汚染に対する予見的かつ継続的な対応の必要性、より質の高い都市環境の形成による都市の魅力の向上の三点をお示ししております。
 そうした認識の上で、東京が目指すべき都市の姿と果たすべき役割でございますけれども、そのイメージ図を右上にお示ししております。少ないエネルギー消費で快適に活動、生活できる都市を目指しまして、成熟した持続可能な都市モデルの創出と世界への発信を行うべきであるとしております。
 そして、こうした目指すべき都市の姿に向けて、下から、人類、生物の生存基盤が確保されている都市、健康で安全に生活できる都市、より快適で質の高い生活を享受する都市の三つのステップを示しておりまして、答申では、このステップごとに分野別の施策のあり方をまとめております。
 なお、右側中段には、基本計画における目標設定の考え方を示しておりますが、「十年後の東京」の実現に向けた取り組みとの整合を図り、おおむね二〇一六年に向けた目標設定を行うことなどの考え方が示されております。
 それでは、二ページをお開きください。分野別の施策として、まず、人類、生物の生存基盤の確保でございます。
 左側の〔1〕、気候変動の危機回避に向けた施策の展開では、二〇五〇年には、少なくとも現在の半分以上の温室効果ガス発生量を削減している都市の姿を実現するため、二〇二〇年までに、東京の温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で二五%削減するとの目標を掲げております。
 なお、この最終答申におきましては、部門別に目指すべき目標も示されております。二〇二〇年までの排出量の伸びを部門別に予測し、その推計値から、各部門がそれぞれの役割と責任に応じて削減量を分担するという考え方によりまして、産業、業務部門全体で二〇〇〇年比で十数%程度の削減、家庭部門では二〇%程度、運輸部門では四〇%程度の削減という目標が示されております。
 その下でございますけれども、主な施策のあり方としては、節電の徹底などエネルギー需要の見直しと省エネ技術の全面展開によりまして、大規模事業所や中小規模事業所での対策強化、家庭での省エネ、節電の本格的な推進、再生可能エネルギーの飛躍的な利用拡大、都市づくりの中でのCO2削減などが必要としております。
 真ん中の〔2〕、持続可能な環境交通の実現でございますが、自動車由来のCO2排出量削減の達成のため、主な施策のあり方として、自動車への過度の依存からの転換、自動車交通量の抑制、低公害かつ低燃費な自動車の利用推進やエコドライブの推進など、環境負荷の少ない自動車使用への転換、誘導などが必要としております。
 また、〔3〕の省資源化と資源の循環利用の促進では、都内から発生する廃棄物の最終処分量を、二〇一六年度までに二〇〇〇年度比五五%削減するなどの目標を掲げ、主な施策のあり方として、発生抑制、リサイクルの推進、健全な廃棄物処理、リサイクルビジネスの発展の促進が必要としております。
 それでは、三ページをお開きください。分野別の施策の二つ目でございますけれども、健康で安全な生活環境の確保でございます。
 一番左側の〔1〕、大気汚染物質のさらなる排出削減では、現状といたしまして、浮遊粒子状物質、SPMでは大幅な改善を果たしてきている一方で、二酸化窒素や光化学オキシダントなどで、さらなる改善に向けた取り組みが必要との認識のもとで、SPM及びNO2の環境基準を二〇一〇年度までにすべての測定局で達成し、二〇一六年度までより低濃度で安定した状況にしていくなどの目標を掲げておりまして、主な施策のあり方として、自動車に起因する大気汚染のさらなる低減、オキシダント対策やVOC対策の推進、微小粒子、PM二・五対策の検討などが必要としております。
 また、〔2〕、化学物質などの適正管理と環境リスクの低減等では、予防原則にのっとった化学物質等の管理を徹底していく社会の形成や、環境の負の遺産を残さない、つくらない社会の形成などの目標を掲げまして、主な施策の方向として、化学物質の適正管理とリスクコミュニケーションの推進や、土壌、地下水対策、水質汚濁対策の推進などが必要としております。
 一番右側、〔3〕の騒音、振動、悪臭等生活環境問題の解決では、静かで悪臭のない都市生活の確保や、良好な音環境、香り環境の創出などの目標と、その施策の方向を掲げてございます。
 それでは、四ページをお開きください。分野別の施策の三つ目でございます。より快適で質の高い都市環境の創出でございます。
 まず、〔1〕の市街地における豊かな緑の創出では、区部及び多摩で緑がいまだ減少傾向にある現状にかんがみまして、二〇一六年に向けて新たに一千ヘクタールの緑を創出、同じく街路樹を百万本に倍増などの目標を掲げまして、主な施策のあり方として、既存の緑の保全など、より質の高い緑の確保、あらゆる都市空間での積極的な緑の創出などを必要としております。
 左の下の方の〔2〕、水循環の再生と潤いのある水辺環境の回復でございますが、都民が身近に安心して水に親しめ、多様な生物が生息する水環境を実現するなどの目標を掲げまして、主な施策のあり方として、水循環の再生や潤いのある水辺環境の回復が必要としております。
 右上の熱環境の改善による快適な都市空間の創出でございますけれども、水と緑の回復や風の流れなどに配慮した都市づくり、省エネルギー化、被覆の改善などが進み、ヒートアイランド現象が緩和され、真夏日などの日数が減っていることなどの目標と、その施策のあり方を掲げております。
 右下、〔4〕の森林や丘陵地、島しょにおける自然の保全でございますが、公益的機能の高い森林への再生や、貴重な谷戸や里山などの環境を守り、人とのかかわりを回復する中で、質の高い自然環境として維持していくことなどの目標と、施策のあり方を掲げております。
 以上が、三つの分野別の施策のあり方でございます。
 次に、五ページをお開きください。ここでは、Ⅳとして、将来の世代への持続可能性を継承していく新たな都市モデルを実現するための、あらゆる分野にかかわります横断的、総合的なルールや仕組みのあり方について述べられております。
 1は、社会や経済を動かす基本的なルールにおける環境配慮の内在化でございまして、その〔1〕、目標、方針の明確化とガイドラインの提示では、社会や経済を動かす各主体が、共同のルールづくりや高い目標の設定が必要との観点から、このための基本的な事項を環境の保全に関する配慮の指針として示し、各主体の行動に応じた環境配慮の推進を図っていくべきとしております。
 〔2〕の環境に配慮するルールの確立及び実効ある取り組みの推進では、規制的手法の活用や市場の活用などにより環境対策コストの内部化を図るべきであるとしております。
 右側でございますが、2の持続可能な都市づくりを促進する仕組みの構築でございますけれども、〔1〕の都民、国民、世界の人々との連携、協働による取り組みの推進として、再生可能エネルギーの利用拡大などでの市民、企業、金融などとの戦略的な連携プロジェクトの推進や、区市町村の取り組み支援と連携の強化など、それから、〔2〕の最先端の科学技術力を駆使した施策の展開では、技術の開発の促進や環境ビジネスの創出などを掲げてございまして、さらに、〔3〕の東京の環境を引き継いでいく次世代の人材育成といたしまして、地球規模で考え、足元から行動できる人材の育成に向けて、児童教育を核とした、あらゆる主体と一体となった環境学習の実現などを掲げてございます。
 以上、簡単ではございますけれども、環境基本計画のあり方について、環境審議会答申のご報告をさせていただきました。

○谷村委員長 報告は終わりました。

○谷村委員長 第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分並びに報告事項、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の改正について及び東京都環境基本計画のあり方についてを一括して議題といたします。
 予算及び報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○加藤環境政策部長 去る二月十八日の当委員会におきましてご要求のありました資料についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料3、環境・建設委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次のとおり、十九項目ございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成八年度から十七年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量でございます。
 表の最上段は、京都議定書の基準年である平成二年度の数値を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。
 平成八年度から十七年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量でございます。
 表右側の米印を付した運輸部門の数値は、航空、船舶について、都内での給油に伴う排出量を含めた場合の数値でございます。
 なお、平成十四年度以降は、(注4)に記載してございますように、原子力発電所の長期停止がありました関係で、二段書きとしております。
 三ページをお開き願います。3、過去五年の真夏日、熱帯夜の状況でございます。
 平成十五年から十九年までの五年間の東京における真夏日及び熱帯夜の日数を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、屋上緑化の実績でございます。
 平成十二年度から十八年度までの各年度における屋上緑化の実績件数及び面積を記載してございます。
 五ページをお開き願います。5、大気汚染濃度の高い測定局の推移でございます。
 まず、(1)、二酸化窒素について、一般環境大気測定局の状況を記載してございます。
 平成九年度から十八年度までの各年度における都内の測定局の上位五局でございます。
 六ページをお開き願います。同様に、自動車排出ガス測定局の状況でございます。
 続きまして七ページは、浮遊粒子状物質について一般環境大気測定局の状況を、次の八ページは、自動車排出ガス測定局の状況を記載してございます。
 九ページをお開き願います。6、大気汚染濃度の高い測定局周辺の道路状況でございます。
 まず、(1)、平成十八年度における二酸化窒素濃度の高い自動車排出ガス測定局、上位十局につきまして、測定局の名称、設置場所及び周辺道路の状況を記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。同様に、浮遊粒子状物質濃度の高い自動車排出ガス測定局、上位十局について記載してございます。
 一一ページをお開き願います。7、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況でございます。
 まず、(1)、大気汚染では、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況について、それぞれ表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の環境基準達成状況を記載してございます。
 次に、(2)、騒音では、道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況を記載してございます。
 一二ページをお開き願います。8、二酸化窒素に係る環境基準の達成状況でございます。
 上段の(1)が一般環境大気測定局、下段の(2)が自動車排出ガス測定局のそれぞれの設置場所を示しており、環境基準を達成しなかった測定局を黒丸であらわしてございます。
 一三ページをお開き願います。9、米軍横田基地周辺における騒音発生回数の推移でございます。
 平成九年度から十八年度までの各年度におきます昭島、瑞穂、福生及び武蔵村山の各測定局での年間騒音発生回数及び日最高の回数を記載してございます。
 下の(注2)にございますとおり、日最高とは、一年間で最も騒音の発生が多かった日の騒音発生回数でございます。
 一四ページをお開き願います。10、都の施設におけるアスベスト使用状況と対応状況でございます。
 (1)は、設計図書または材質分析によりアスベストの使用が判明した施設の対応状況でございます。吹きつけ材、保温材別に、吹きつけ材はさらに対策の優先度別に、アスベスト使用箇所数と対策の実施状況を記載してございます。
 (2)、材質分析を行った結果、アスベストの使用が判明した施設の対応状況でございます。(1)と同様に、アスベスト使用箇所数と今後の対応を記載してございます。
 なお、(3)に記載のとおり、これまでほとんど使用されていないと考えられてきた三種類のアスベスト、アクチノライト、アンソフィライト及びトレモライトにつきましては、万全を期するため、約五百の都有施設の再点検に着手いたしました。
 一五ページをお開き願います。11、東京ガス株式会社が豊洲用地で実施した土壌汚染状況調査結果の概要でございます。
 豊洲用地の所在地、敷地面積、調査期間及び土壌への溶出が認められた六物質について、その測定値、基準値、倍率を、土壌への含有が認められた三物質について、その測定値、参考値、倍率を、また、地下水中の四物質について、その測定値、基準値、倍率をそれぞれ記載してございます。
 なお、シアンにつきましては、(注1)に記載のとおり、その基準値は検出されないこととなっており、倍率を算出しておりません。
 一六ページをお開き願います。12、東京ガス工場跡地の土壌汚染状況調査結果と跡地利用の状況でございます。
 豊洲用地を除きます大森、深川及び田町の各跡地における土壌汚染状況調査結果及び跡地利用の状況を記載してございます。一六ページには大森用地、次の一七ページには深川用地、次の一八ページには田町用地についてそれぞれ記載してございます。
 一九ページをお開き願います。13、自動車NOx・PM法の規制対象台数でございます。
 平成十九年三月末現在の自動車登録データにより、平成二十年度以降の各年度において、都内登録ディーゼル車のうちNOx・PM法の規制対象となる台数の推計値を記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。14、緑被率、みどり率の推移でございます。
 まず、(1)、都内の緑被率とみどり率の推移でございますが、昭和四十七年から平成十年までに行った各調査における緑被率とみどり率を記載してございます。
 次に、(2)、最新のみどり率でございますが、平成十五年の暫定値を記載してございます。
 次に、(3)、緑被率の地域別推移でございますが、各調査年度におきます区部、多摩の地域別の緑被率とその経年変化を記載してございます。
 二一ページをお開き願います。15、保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移でございます。
 平成十一年度から二十年度までの各年度におきます数値を記載しております。
 二二ページをお開き願います。16、保全地域の指定実績でございます。
 最近指定した保全地域名、指定の年度、指定内容及び指定面積を記載してございます。
 二三ページをお開き願います。17、建設泥土の排出量等の推移でございます。
 平成十三年度から十七年度までの各年度におきます建設泥土の排出量とその処理の内訳でございます。
 二四ページをお開き願います。18、一般廃棄物の廃プラスチック類資源化率の推移でございます。
 平成十四年度から十八年度までの各年度におきます区部、多摩別及び区部、多摩を合わせた一般廃棄物の廃プラスチック類資源化率を記載してございます。
 最後に、二五ページをお開き願います。19、事業系一般廃棄物の処理量の推移でございます。
 平成十四年度から十八年度までの各年度におきます区部、多摩別及び区部、多摩を合わせた事業系一般廃棄物の処理量の推移を記載してございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○谷村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより予算及び報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高橋委員 私から、最初に感染性廃棄物対策についてお尋ねいたします。
 医療機関から排出される注射針などの感染性廃棄物は、たとえ量が少なくても、不法投棄等の不適正処理が行われると、人や環境に与える影響が大きいといえます。感染性廃棄物の処理については、一昨年の府中市での不法投棄事件に続き、昨年には、他県で百トン以上もの感染性廃棄物が未処理のまま放置される事件が報道されるなど、不法投棄事件が今も後を絶ちません。
 私は、ここ数年、ICタグの先進性に注目してきたところでありますが、平成十八年十一月二日の当委員会で指摘して以来、何度かにわたって、感染性廃棄物の不法投棄防止のためには、医療機関の排出事業者としての意識の向上を図るとともに、ICタグを活用し、病院から排出される感染性廃棄物の容器ごとに、排出から処分に至るまで、確実に追跡管理するシステムの導入が有効であると一貫して主張してきました。
 そこで、お伺いいたします。都は、都民生活の安全・安心を確保するために、ICタグを活用した追跡管理システムの開発に当たって支援を行った経緯がありますが、まず、現在の都内の医療機関におけるこのシステムの普及状況をお聞かせください。

○森廃棄物対策部長 感染性廃棄物を適正に処理することは、人の健康を守るため、大変重要でございます。都は、感染性廃棄物の不法投棄を防止するため、ICタグによる追跡管理システムの普及を図ってまいりました。診療所につきましては導入が進んでおりますが、病院につきましては、診療所に比べて大量の感染性廃棄物が排出されるため、ICタグに係る経費負担が大きく、約六百ある病院のうち、現在のところ、七病院にとどまっております。

○高橋委員 病院の負担が大きいとのことでありますが、ベッド数五百床規模の病院になると、年間二万箱の感染性廃棄物を排出すると仄聞しております。これにICタグによる追跡管理システムを導入すると、廃棄物処理費に加えて、年間百五十万円程度かかることになると聞いております。これは、病院経営が厳しい中では、決して少なくない負担であります。今後このシステムをさらに普及させていくためには、ICタグの単価を下げ、病院側の経費負担の軽減を図ることが必要であります。
 都は、平成二十年度予算案で、ICタグを活用した感染性廃棄物適正処理推進事業として、都内の病院を対象とした補助金一億円を計上しています。この補助金は、ICタグ単価の引き下げをねらったものであると聞いておりますが、どのように病院の負担を軽減させていくのか、伺います。

○森廃棄物対策部長 多くの病院がシステムを導入することによりまして、ICタグの使用量が格段に増加し、その結果、ICタグ単価が下がって、ICタグに係る病院の負担を約半分程度に低減させることができます。このため、都内の全病院を対象とし、ICタグに係る費用の一部を補助し、利用病院を一挙に拡大することを目指しております。
 あわせて、このシステムの導入によりまして、マニフェスト伝票による産業廃棄物の管理が電子化され、事務処理が大幅に省力化、効率化されまして、この面でも病院の負担が軽減されることとなります。
 都は、東京都医師会や東京都病院協会などの関係団体と連携して、このような病院側のメリットをPRし、ICタグに係る追跡管理システムの一層の普及拡大を図ってまいります。

○高橋委員 感染性廃棄物の適正処理を進めるためには、この事業は大変重要であります。ぜひ、速やかな対応を望みたいと思います。
 感染性廃棄物の追跡管理システムを導入した病院は、適正処理に積極的に取り組むすぐれた病院であります。廃棄物処理に対する排出事業者の責任が問われる中、このような病院名を都民に公開していくことは、病院の取り組み姿勢を社会が評価することになり、まだ導入していない病院が追跡管理システムを導入する動機づけにも大きく貢献すると考えます。
 追跡管理システムを導入し、日々大量に排出される危険な感染性廃棄物の適正処理に尽力している病院を都民に広く公表し、周知していくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○森廃棄物対策部長 都は、毎年、病院や大規模事業所から廃棄物を適正に処理するための取り組み状況などについて報告を受け、都のホームページで公表する報告・公表制度を設けてございます。今後は、この報告・公表制度を改善いたしまして、このICタグ追跡管理システムを導入している病院を、わかりやすい形で積極的に都民に公表してまいります。都は、このことによりまして、先進的な取り組みを行う病院の社会的評価を高め、追跡管理システムの利用が拡大されるよう誘導してまいります。

○高橋委員 感染性廃棄物の不適正処理を未然に防止し、都民生活の安全と安心を確保することは、高齢者医療や高度医療がふえている現代にあって、極めて重要なことであります。今後とも、東京都が先進的な感染性廃棄物対策を推進していくよう強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 先ほど説明がありましたように、先月末に、東京都環境審議会から環境基本計画の改定について答申が出されました。現在の環境基本計画が策定されて既に六年が経過し、その間、大きく顕在してきた地球温暖化に代表される課題へ積極的に取り組むため、都は、答申をもとに、近々、計画策定を行うとのことでありますが、環境政策の軸ともいうべき環境基本計画を改定し、今後どのように展開していく考えなのかを、まず環境局長にお尋ねいたします。

○吉川環境局長 東京の環境を取り巻く現状を見てみますと、今、高橋委員もおっしゃられたように、地球温暖化がもたらします異常気象などの危険な気候変動が顕在化してきているほか、残念ながら、二酸化窒素、光化学オキシダントなどの大気汚染や土壌汚染などの負の遺産がいまだ残されているとともに、緑の減少に歯どめがかかっていないなど、都民の生命、財産、健康に直接的な影響を与える環境危機が依然として存在をしております。
 都は、既に「十年後の東京」で、世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市を実現するなどを明らかにしておりますが、今回の基本計画においては、これら地球温暖化に代表されます環境危機に対して果敢に挑み、奇跡の星、地球の環境を次世代に残すとともに、クリーンで緑あふれる東京を実現するため、目指すべき都市像に向けた個別の分野ごとの現状や、あるべき姿、目標、施策の方向を明らかにいたしまして、全庁横断的な組織も活用しながら、区市町村などの行う主体的な取り組みとも連携を強め、先進的で骨太な環境施策に着実に取り組んでいきたいと考えております。

○高橋委員 局長の決意はよくわかりました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それでは続けて、この答申の中の、特に温暖化対策について幾つかお伺いいたします。
 先週の予算特別委員会では、私から、都が温暖化対策を推進する上での産業、業務、家庭、運輸の各部門別の削減目標について質疑を行いました。この部門別目標については、答申の中でも、例えば、産業、業務部門全体では一〇%程度の排出量を削減することを目指すべきと記されており、部門ごとの二酸化炭素排出量の上限を示したように受けとめられますが、一方で答申では、社会的、経済的諸条件の変化や施策の具体化などを踏まえ、必要に応じ、目標の精緻化や適切な見直しを行っていくことが必要ともされております。
 私は、予特の質問で、この部門別目標の検討に当たって、これからの東京における業務床の増などの、東京の発展、都市の活力維持の証左ともいえる要素が考慮されていることを確認させていただきました。今後、東京がダイナミックに発展していくことに伴う社会経済情勢の変化に対し柔軟に対応していくためにも、部門別目標は、これ以上の排出が一切認められない絶対的な水準を定めたものというよりは、都民、事業者など東京を構成するすべての主体が、ともに目指すべき削減レベルについて共通の理解を得ることができるように掲げられたものと理解すべきであり、今後、施策の構築や効果の測定をする上での目安という位置づけにすべきと考えますが、見解を伺います。

○長谷川環境政策担当部長 都は、二〇二〇年までに二〇〇〇年比で二五%の温暖化ガスを削減していくという目標を示してございますけれども、この実現のためには、産業、業務、家庭、運輸の各部門の特性を踏まえた削減目標を設定し、施策を推進することが必要と認識しております。
 部門別目標につきましては、こうした観点を踏まえまして、さまざまな状況変化もあり得る中でも、都民や事業者などが主体的に目指すべき削減の目標でございまして、お話のように、今後、施策を構築し、効果の検証を行うに当たっての一つのよりどころとして位置づけていきたいと考えております。

○高橋委員 次に、これも予算特別委員会でのやりとりに関連して伺います。
 先週の質疑の中で、吉川環境局長は、カーボンマイナス東京十年プロジェクトにより施策化した事業で試算が可能な取り組みについて見積もった場合、二〇二〇年までの削減量は、目標達成に必要な量のおおむね五割弱となる見込みと答弁されました。
 この局長答弁の意味は、今後十年間にわたって、今回施策化された取り組みをほぼ同じ内容で継続して実施した場合に、推計して得られるものととらえてよろしいのでしょうか、確認いたします。

○長谷川環境政策担当部長 予算特別委員会におきまして、高橋委員のご質問に対して、今回のプロジェクトによる取り組みを二〇二〇年まで続けた場合に、目標達成に必要な量のおおむね五割弱の削減量となる見込みとした根拠でございます。例えば、太陽エネルギーの飛躍的な拡大の場合、二〇一六年までに百万キロワットを創出するという目標がございまして、これを踏まえまして、そのために必要な世帯数を推計して、CO2の削減量を見積もったものでございます。
 今回のプロジェクトの各施策は、今後、具体的な内容を詰めていくものもございまして、また、取り組みを二〇二〇年まで漫然と進めるだけでは、おおむね五割弱を達成することは困難でございますので、残りの五割の達成のためのさらなる施策構築とあわせ、プロジェクトの施策の推進に着実に取り組んでいくことが必要であると考えてございます。

○高橋委員 今回、都は、CO2削減策のメニューをそろえましたが、CO2削減を実現していくためには、これらの施策をいかに実施していくかにかかっていることがよくわかりました。
 答申でも、第五章として、計画の推進と見直しという項目が立てられ、数値目標を掲げている事項を中心に、その進捗状況を把握し、適切な進行管理を行っていくべきとありますが、今後、温暖化対策を具体的にどのような形で進行管理していくのか、見解を伺います。

○長谷川環境政策担当部長 今回、カーボンマイナス東京十年プロジェクトで施策化いたしました取り組みにつきましては、ほぼ「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八に盛り込まれてございます。この実行プログラムにつきましては、計画のPDCAサイクルを強化し、検証の仕組みを充実して、今後、毎年度、アクションプランをローリングしていくこととされておりまして、カーボンマイナス東京十年プロジェクトにつきましても、副知事を本部長とするカーボンマイナス都市づくり推進本部におきまして全庁的な進行管理を図り、新たな対策も含めてプロジェクトをローリングすることによりまして、都民や事業者の方々のさらなる参加を得ながら、目標達成に向けた取り組みを加速してまいります。

○高橋委員 新たな取り組みを展開していくとともに、施策の効果、検証をしっかりと行っていくことが重要であります。都民が真に求める施策となるよう、常に工夫されることを要望して、環境基本計画についての質問を終わります。
 次に、東京オリンピック招致と環境のかかわりについてお尋ねいたします。
 東京オリンピック招致委員会は、本年一月に、国際オリンピック委員会、IOCに二〇一六年東京オリンピックの開催計画を示した申請ファイルを提出いたしました。二〇一六年東京オリンピックでは、前回の一九六四年の東京オリンピックの際にも使用されたような既存の競技施設を最大限活用する計画となっていたり、また、ほとんどの競技施設が八キロメートル圏内に配置されるなど、環境負荷をできるだけ抑えた、環境を最優先にした大会を目指していくとのことであります。
 皆さんご承知のように、この夏に開催される北京オリンピックについては、大気汚染を初めとしたさまざまな環境の悪い面が報道されております。先週の報道番組で、エチオピアの金メダルも期待できる男子マラソン選手が、しかも、世界記録を持っている選手とのことでありますが、北京の大気汚染を理由に出場しないとの報道もありました。
 こうした世界じゅうから環境で注目をされる北京オリンピックの直後の東京オリンピックの招致活動においては、これまでの東京の環境対策や世界に誇る環境技術を、IOC委員を初め、広く関係の方々に理解していただくことが必要だと思いますが、所見を伺います。

○長谷川環境政策担当部長 二〇一六年東京オリンピック招致を視野に策定いたしました「十年後の東京」において掲げた、世界で最も環境負荷の少ない都市の実現という近未来像を着実に実現することを目指しまして、気候変動の危機克服などに向けた取り組みを東京都として進めてまいりました。
 また、東京はこれまでも、都市の成長過程におきまして、大気汚染を初めとした幾多の環境問題に直面してまいりましたけれども、その都度、都民の方々や事業者の皆さんの協力を得ながら、これを克服してまいりました。これまでの東京の環境危機の克服に向けた取り組みに加えまして、二〇一六年東京オリンピックにおきましては、世界に誇る日本のすぐれた環境技術を最大限に発揮し、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用を進めることとしており、こうした都の積極的な取り組みを世界に向けて広く発信することで、世界で最も環境負荷の少ない都市という都市像の実現と、オリンピック招致の実現に寄与してまいりたいというふうに考えてございます。

○高橋委員 洞爺湖サミットの開催、ポスト京都議定書の議論など、世界じゅうから日本に対し熱い視線が注がれる中で、環境問題で日本が明確なリーダーシップを示すことができるなら、東京オリンピック招致活動への側面支援が期待できるし、日本の環境への姿勢も高く評価されるものであります。
 しかし、残念ながら現時点での政府の対応は、必ずしも世界から高い評価を受けてはいません。そうであるならば、都みずからが、東京が持つ環境問題克服への強い意志や高い技術を、力強く世界に示していただくことを期待してまいりたいと思います。
 最後に、中小企業が取り組む省エネ対策の推進について一言申し上げます。
 さきの本会議で我が党が質問したように、中小企業の取り組みに対する支援の充実強化は、温暖化防止をなし遂げる上でも非常に重要なテーマであります。都は、中小企業制度融資におけるCO2削減支援メニューの充実などを施策化しましたが、都内に約七十万ある中小事業者での対策を加速するためには、今後、さらに環境金融を充実していくことが求められます。
 例えば、新銀行東京では、中小企業が環境に配慮した行動をとった場合に、金利を最大で〇・五%優遇する環境・CSR応援団という環境金融商品を開発しました。これにより、融資を受けられた企業の環境対策が進んだと聞いております。省エネ設備導入に必要な費用が調達できずに対策が進まない中小企業には、経済的なインセンティブを付与していくことが重要であります。
 知事は、かねてから新銀行東京の経営改善に関連して都の施策との連携ということを述べられていますが、こうした観点も含め、都は、今後、関係局と連携して、民間金融機関にも働きかけを行い、環境金融を充実していかれるよう強く要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○吉田委員 私からは、まず、生物多様性の保全の問題から伺ってまいりたいと思います。
 皆様ご存じのとおり、人類のさまざまな活動の増大によりまして、地球全体での生物種の絶滅が加速度的に進行しております。国連の地球規模の生態系評価によれば、人類は、自然に起きる絶滅と比べて、百倍から千倍もの速い速度での種の絶滅をもたらしていると試算をされており、我が国の環境白書にもこれは記載をされております。
 この絶滅の速度は、環境省の生物多様性センターのホームページを見ますと、一九〇〇年ごろには一年に一種であったものが、一九六〇年ごろには一年に千種が絶滅し、一九七五年以降は、毎年四万種が絶滅している、このように試算されております。
 さらに、昨年十二月にインドネシアのバリで開催されましたCOP13、気候変動枠組条約第十三回締約国会議においても議論をされましたように、地球規模の気候変動、温暖化は、非常に甚大な影響を世界各地域の生態系に及ぼすことになり、もちろん人間にも大きな影響が出るわけでありますけれども、地球上のすべての地域において、生物種の絶滅をさらに大規模なものにさせるということが予測されております。
 昨年七月の段階で百九十カ国が生物多様性条約を締結しておりますが、条文の前文にもあるように、生物多様性については、生態学上、遺伝上、社会上、経済上など、さまざまな面からその価値が述べられており、地球規模で生物多様性を保全することは、人類の生存にとって極めて重要であると考えておりますが、都として生物多様性並びに多様な生態系の保全の必要性についてどのように認識をしているのか、改めてお伺いいたします。

○中島自然環境部長 ただいまご質問にもありましたけれども、生物の多様性に関する条文の前文におきまして、現在及び将来の生態のため、生物の多様性を保全していくことの意義やその決意が述べられております。
 生物多様性は、地球上に生命が誕生して以来、進化と分化を続けながらつくり出されてきたものでございまして、生物多様性の確保は、食物連鎖や生態系など、生き物同士のつながりや、世代を超えた命のつながりを維持する上で重要なものであると認識しております。
 また、生物多様性の保全は、野生動植物のみならず、食料を含めまして生物資源をさまざまな形で持続的に活用する私ども都民にとりましても大変重要であると考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。
 これに関連しまして、先月、私も委員を務めております東京都自然環境保全審議会におきまして、鳥獣保護事業計画の審議が行われました。鳥獣保護事業計画は、鳥獣保護法に基づいて、各都道府県によって策定されるものであります。この鳥獣保護法は、これまで大幅に改定されてきたとはいえ、もとを正せば明治時代に制定された狩猟法がベースになっており、その時代に求められた法の目的や考え方が色濃く残っているものであります。
 生物多様性の保全が人類社会全体の重要な課題となる中、保護すべき生物種は、何も鳥獣に限定されるものではなく、爬虫類、両生類、魚類、昆虫、植物、微生物など、さまざまなものがあるわけであり、また、それらのさまざまな生物種を生態系として保全していくことが東京都においても必要であると考えますが、所見を伺います。
 また、その保護すべき生物種、保全すべき生態系が都内のどこにいるのか、あるのか、その賦存状況をきちんと把握することが重要であると考えますが、所見をあわせて伺います。

○中島自然環境部長 生物は、相互にさまざまに関係しながら、自然環境の基礎となる生態系を形づくっておりまして、お話の鳥類、哺乳類だけでなく、爬虫類、両生類、昆虫など、さまざまな生物を保全していくことは、生態系のバランスを維持する上で重要であると考えております。
 都は、これまでも保全地域の指定ですとか、開発許可や環境影響評価等によりまして、野生動植物の生息、生育空間の保全や、希少動植物の保護に向けました具体的な取り組みを推進してまいりました。
 これらに加えまして、今後、さまざまな生物種の保護を図るために、その基礎資料となる希少野生動植物のリストでございます、いわゆる東京都版レッドデータブックを改定してまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。
 ただいまご答弁がございました東京都版レッドデータブックでございますが、昨年十一月の本委員会において、また、十二月十二日の本会議の一般質問におきまして、改定を求める私の質問に対して、改定を検討しているというご答弁もいただいております。現在、改定に向けた検討状況はどのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○中島自然環境部長 東京都版のレッドデータブックでございますけれども、これは平成十年の策定後、一定の年数が経過してございます。このことから、改定に向けた検討を進めてまいりました。
 来年度夏までに、研究者等で構成する検討会を設置いたしまして、調査方法等について検討した上で、文献調査、研究者等からの聞き取り調査を行いまして、その結果を踏まえて、必要に応じた現地調査も行っていくことを計画しております。

○吉田委員 ありがとうございます。来年度から早速、改定に向けた調査に取りかかるということをお聞きして、大変にうれしく、喜ばしく思っております。野生動植物の調査というのは、相当手間も時間もかかるものだと承知しております。しかし、非常に重要な調査でありますので、しっかりとお取り組みをいただきたいと思います。
 そしてまた、同じく昨年の第四回定例会におきまして、この改定に向けて、都民などから希少野生動植物に関する情報提供を求めて蓄積する仕組みについても私は要望いたしまして、それを検討しているというご答弁もいただいております。こちらについての検討状況についてもお聞かせください。

○中島自然環境部長 保全地域におきまして保全活動を現に行っておりますボランティア団体、この二十五の団体に対しまして、緑地保全活動団体情報交換会、この場におきまして、来年度の調査に向け、希少動植物の生息、生育状況に関する情報の提供について依頼を行ったところでございます。
 今後、都民、ボランティア団体、それから研究者、研究機関等から情報提供を受ける仕組みにつきまして、研究者等の意見を聞きながら、さらに検討していきたいと考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。冒頭に、この意義についてご答弁いただいたとおり、生物多様性の保全は都民にとっても非常に重要であります。そして、その多様性の保全を図っていくためには、その基礎となるレッドデータブックのきちんとした調査、そして策定が不可欠でございます。この東京都版レッドデータブックの改定に向けて、取り組みを着実に進めていただくとともに、それをベースに、この都内においても生物の多様性がしっかりと保全されていくことを強く期待を申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 次に、家庭ごみの処理費用の負担の問題についてお伺いをいたします。
 循環型社会への変革を進めるとともに、低炭素社会を実現するためには、廃棄物の発生抑制と再資源化に最大限の努力をすることが重要であります。産業廃棄物については排出者に処理責任が課せられ、事業系一般廃棄物についても排出者に一定の費用負担が課せられているわけでありますが、家庭ごみにつきましても、排出者に対して適正な費用負担を求める家庭ごみ有料化制度が、排出者の当事者意識を高め、また、減量努力を経済的利益として享受でき、費用負担の公平化にもつながることから、ごみの減量化施策として全国の多くの自治体で実施をされているところでございます。
 そこでまず、都内における家庭ごみ有料化の実施状況と、ごみの減量効果について、都はどのように把握をしているのか、お伺いいたします。

○森廃棄物対策部長 都内におきます家庭ごみの有料化につきましては、多摩地域の十八市町及び大島町で実施されており、二十年度からは新たに多摩市が実施を予定しているところでございます。
 都が昨年調査した結果では、有料化実施前と平成十七年度のごみ量を比較したところ、すべての市町で減少しており、その減少割合は平均で二一%でありました。また、有料化を実施した市町のリサイクル率は平均で三一%であり、全国平均の一九%を大幅に上回っております。

○吉田委員 ありがとうございます。今、多摩地域では、今お聞かせいただいたように、さまざまな有料化を実施している自治体があり、そして、ここでごみ量が、すべての市町村で減っているということでございました。
 十八の自治体が有料化を実施していると。この背景には、多摩地域の二ツ塚処分場の延命化のため、各市町村が積極的にごみの減量施策として家庭ごみの有料化に取り組んだという事情があったと、そのように伺っております。
 一方、私もおります二十三区の方では、事業系ごみの有料化は実施していますけれども、家庭ごみの有料化は進んでおりません。しかし、有料化されていないといっても、実際には、自治体が家庭ごみを処理するに当たっては相応の費用が発生しており、それを税で賄っているわけで、ごみを出す量と関係なく一律に徴収した税金で処理をしているということで、これはごみをたくさん出す人も、ごみを少ししか出さない人も、同じ金額の負担をしている。いい方を変えれば、ごみを少ししか出さない人が、ごみをたくさん出す人の分の処理費用まで税で払っているということでありまして、これはある意味で不公平だというふうに考えるわけでございます。
 もちろん、家庭ごみの有料化によって自治体として増税になるべきではありませんで、税制中立となるように工夫をすべきでありますけれども、二十三区は、現在、サーマルリサイクルや焼却灰のスラグ化などによって埋立処分量の削減に取り組んでいることは評価いたしますけれども、今後は、さらに家庭ごみの有料化、こういうことを実施して、ごみの発生抑制を図ることが必要だと私は考えます。
 これに関連して、現在、都が埋立処分場で受け入れている産業廃棄物の処分料金は、一トン当たり九千五百円で、埋立処分原価とほぼ均衡していますけれども、二十三区から徴収している一般廃棄物の処分料金は、政策的に、処理コストが約三分の一、一トン当たり三千五百円に抑えられております。
 そこで、都が処分場の受け入れ料金を処理コストに見合う水準に引き上げますれば、各区はごみの減量を進めるために、家庭ごみの有料化にも積極的に取り組むようになるのではないかと考えますが、所見をお伺いします。

○森廃棄物対策部長 廃プラスチックのマテリアルリサイクルやサーマルリサイクルなどによりまして、今後、埋立処分量は大幅に削減される見込みでございます。このため、処分場の受け入れ料金を引き上げましても、そのまま有料化を促すことにはなりにくいと考えております。
 しかし、循環型社会への変革を進めるためには、家庭ごみの有料化によるごみの発生抑制は大変重要でございます。このため、平成十八年度に策定した東京都廃棄物処理計画において、家庭ごみの有料化促進を掲げております。
 都は、区市町村に対して、都内における有料化の導入事例や、ごみの減量効果などを調査分析した家庭ごみ有料化実態調査報告書をまとめ、提供しており、家庭ごみの有料化を促しているところでございます。

○吉田委員 ありがとうございます。家庭ごみの有料化を促しているということで、これは歓迎するわけですが、ご答弁の中で、都の処分場の受け入れ単価を引き上げても有料化のインセンティブにはなりにくいというようなご認識であったかと思うんですが、これは経済原則からすれば、やはりそういうインセンティブになっていくのではないかなと私は考えております。
 また、有料化を既に実施している市町村でも、ごみ処理にかかっているコストと比べれば、その一部しか手数料に反映をさせていないようであります。こういう場合には、市民は、ごみを出すと自治体はこれだけ処理の費用がかかるんだという真の理解と、排出のコストという痛みを感じることができないわけであります。コストをきちんと手数料に反映させることが、個人個人のごみ減量努力というものを促すために必要だと考えます。
 繰り返しますけれども、家庭ごみの有料化によって、自治体として増収にするということが目的なのではなくて、税制中立となるように工夫をして、また、経済的弱者への配慮も別途行うべきでありますけれども、ごみの排出には適正な費用負担を求めていくということで削減努力を促すべきではないか、このように考えます。
 そこで、都としてガイドラインを作成するなどして、区市町村が家庭ごみの有料化の実施を検討する際には、処理費用に見合う金額を手数料に反映させるよう働きかけるべきではないかと思うわけでございますが、所見をお伺いします。

○森廃棄物対策部長 手数料の額につきましては、ごみを排出する住民に身近な基礎的自治体である各区市町村が、地域住民のコンセンサスを得ながら、条例に基づき、みずから設定するものでございます。各区におきましても、既に審議会に家庭ごみの有料化を諮問するなど、活発な論議が行われております。
 広域自治体である都は、今後とも、区市町村においてより大きな排出抑制効果が期待される家庭ごみの有料化が行われるよう、必要な支援を行ってまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。
 次に、先ほど高橋委員からもご質疑がございましたけれども、ICタグによる追跡管理システムについて、私も、一つご質問を申し上げたいと思います。
 都はこれまで、感染性廃棄物の不法投棄の防止を図るために、平成十七年の十月から、都内の病院を対象に、ICタグを活用した追跡管理システムの普及を図っておられ、これを評価するものであります。
 しかし、感染性廃棄物は、病院以外にも、大学、研究機関、製薬会社の研究室などからも排出されまして、これもまた適切な管理が必要なことは同様であります。そこで、これらの排出事業者にも、この追跡管理システムを普及させるべきだと考えます。
 また、この追跡管理システムは、感染性廃棄物だけでなく、他の有害な産業廃棄物等の追跡管理にも有効であり、また、このようなシステムを個々の廃棄物ごとに開発、運用するのではなくて、共通のシステムで管理、運用する方が、はるかに合理的かつ経済的であると考える次第でございます。
 そこで、まず、ICタグを活用した追跡管理システムを、病院以外の感染性廃棄物の排出者に普及することについてどう考えるか、次いで、感染性廃棄物以外の廃棄物への拡大についても、これが考えられるかどうか、都のご見解を伺います。

○森廃棄物対策部長 ICタグの追跡管理は、産業廃棄物の不法投棄防止に有効であります。まず、感染性廃棄物の排出量の多い病院から、ICタグによる追跡管理システムの普及を図ってまいります。感染性廃棄物の排出量が少ない大学、試験研究機関などにつきましても、システムの導入を働きかけてまいります。
 感染性廃棄物以外でも、廃棄された有害な薬品や機密文書など、専用の容器で収集運搬され、処理施設に直接投入される廃棄物には利用することが技術的には可能であります。
 利用対象拡大の検討に当たりましては、感染性廃棄物以外の廃棄物へのニーズや、読み取り装置などの追加投資の費用対効果を見きわめてまいります。

○吉田委員 大変前向きなご答弁、ありがとうございます。ぜひ可能な限り、進めていただければと思います。
 次に、レアアース、レアメタル、こういったものについてのリサイクルという問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 今日、レアメタルやレアアースは、IT製品や自動車などの高機能製品の製造には必須の素材であります。しかし、このレアメタルやレアアースの産出国は限られておりまして、特にレアアースについては、世界の生産の九割以上を中国が占め、しかも、その寡占状況は、近年ますます強まっております。
 我が国も、需要の九割を中国からの輸入に依存しておりますけれども、この中国は、レアアースを国家戦略物資と位置づけて、かつて輸出奨励策を行っていたんですが、これを転換し、輸出量の規制、輸出関税の導入など、規制強化を進めて、世界の需給、価格動向に多大な影響を及ぼしており、今後もさらに規制強化を行う姿勢を見せているなど、安定供給に大きな懸念材料があります。
 もとより中国は、大変残念なことですが、思想、言論、表現、結社の自由のない一党独裁の国家でありまして、我が国に核ミサイルの照準を合わせつつ、二十年間連続で国防費を前年比二けた増という異常な軍拡を続け、そして、チベットやウイグルなど少数民族を弾圧し、東シナ海のガス田の問題や、尖閣諸島の問題、あるいは毒入りギョーザの問題など、枚挙にいとまがないんですが、非常に独善的で覇権主義的な行動をする国家であります。我が国にとって非常にカントリーリスクが高い国でありまして、この国への資源の依存度を下げ、供給源の分散、多角化を図ることは、非常に重要な課題だと考える次第であります。
 先日の本会議の質疑で、レアメタルを含む携帯電話のリサイクルについてご答弁がありましたけれども、自治体が不燃ごみとして処理しているごみの中には、デジタルカメラや携帯ゲーム機など、小型の電子機器や蛍光管なども含まれております。これらの製品に含まれているレアメタルやレアアースを資源として活用するべく、回収に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

○森廃棄物対策部長 東京には膨大な産業、人口が集積しており、不要になった製品からレアメタルやレアアースを回収し、資源として再生すれば、世界でも有数の埋蔵量を有する、いわゆる都市鉱山になり得るものと考えております。
 今回、携帯電話につきましては、関係業界による回収システムを活用して、リサイクルの促進を図る計画でございます。その他の電子機器につきましては、既存の回収システムがなく、新たな回収システムを構築するには膨大な費用を要するとともに、レアメタルやレアアースの効率的な抽出技術の開発が必要であることから、その動向の把握に努めるなど、導入の可能性について研究してまいります。

○吉田委員 こちらも前向きなご答弁、ありがとうございます。
 今おっしゃったとおり、都市鉱山、廃棄物から大切な資源を回収するということは、地球環境の保全の観点からも、日本の資源の安全保障の観点からも、ぜひこれは実現をすることが望ましいことでございます。技術の開発の動向も含めて、都として一生懸命に、これが回収できるようにお取り組みをいただければと、改めてお願いを申し上げまして、私からの質問を終わります。ありがとうございます。

○ともとし委員 それでは、環境局における二十年度の予算について、若干質問をさせていただきたいと思います。
 二十年度東京都の予算の概要版等を見ても、環境というのが非常に重要視されているなというのをつくづく感じます。二番目のところには、快適な都市環境の実現として、カーボンマイナス東京十年プロジェクトあるいは緑の東京十年プロジェクト、いろいろと「十年後の東京」を目指して予算が組まれていると思うわけですが、今回、環境局の大きな目玉というのも、大体この「十年後の東京」を目指した、そういう観点から組まれているというふうに判断をしてよろしいんでしょうか。

○長谷川環境政策担当部長 今回の予算に関してでございますけれども、一昨年策定いたしました「十年後の東京」におきまして、世界で最も環境負荷の少ない都市及び水と緑に囲まれた都市というような都市像を示してございます。今回の予算におきましては、こういったカーボンマイナスあるいは緑の創出の取り組みなどに大きな重点を置きながら、東京の環境全体をよくしていく予算として計上したものでございます。

○ともとし委員 今、部長がご答弁された中にもあるように、環境局といっても、環境問題に関しては一局の対応ではかなわないような、そういう問題が多々あるわけでございまして、環境局が一部所管しながら全局にまたがっている、そういう予算組みもされているのではないかなというふうに思っております。
 その中からできるだけ絞って質問をさせていただきたいと思うんですが、今、地球規模で温暖化というのが進んでおりまして、ちょっとした地球上の島、それが水没する、そういうような状況に置かれているようにもニュース等で見させていただいております。そういう意味で、この温暖化に関しては、東京も相当気を使った政策を組み、また、予算化もしているのではないかというふうに思います。
 都市活動における温暖化ガスの原因、それらについても環境局はいろんな観点から考えておりまして、例えば、大規模事業所あるいは中小規模事業所、家庭、運輸、いろんな段階に分けながら、その中での削減を目指しているというふうに思っているわけですが、その削減の義務化、あるいはまた排出量の取引、それに対する制度、そうした観点から質問をさせていただきたいというふうに思っております。既にこれは本会議の中でも、あるいはまた予算委員会の中でも質問がされてきておりますけれども、さらに詰めた形の中で質問をしていきたいというふうに思っております。
 ある面では、内容においても合理的で、しかも実行性の高いものでなくてはならない、こう思っております。実効性を高めるという観点から考えると、義務づけによって一定量の削減を行ってもらうだけではなくて、より多くの削減を行った事業所が、要するに、メリットがある、メリットを受けるというような仕組みをつくることが大事かなというふうに思うんですが、その辺の所見を伺いたいと思います。

○大野都市地球環境部長 CO2、地球温暖化ガスの削減等は、小まめな節電でございますとか、そうした省エネの取り組み、あるいは効率のよい設備の更新ということによりまして、電気やガスなどの消費を抑えるということでございます。したがいまして、より多くの温暖化ガスの削減に取り組むことは、それだけ光熱費の削減につながるというメリットがございます。
 これに加えまして、削減義務と同時に導入する排出量取引制度によりまして、義務以上に削減した場合には、他の大規模事業所へ売却をすることが可能です。これによって経済的なメリットを得ることが可能になります。
 また、義務以上に削減した部分を、次の期の削減期間に備えて積み立てることも可能にするというふうな措置も検討しております。

○ともとし委員 昨日、環境についてのサミット前の、いろんな各国が集まっての会議等が終わったようでありますけれども、やはりこうした問題になると、国対国という形の中で、結局、考え方がいろいろさまざまになるのかなと。要するに、既に先進国として、過去にそういうCO2をたくさん排出したところ、また、発展途上国として、今、現にそうしたものをたくさん出しているところ、それを一律に取り締まるというか、義務を課すると、そこにはぎくしゃくしたものが出てきて、結局は、今回の環境に関する各国が集まってのそういう会議も、先送りというような形で終わってしまったかなというふうに思うわけですが、これは国対国の問題かもしれないけれども、やっぱり東京都という観点の中からでも、そういった問題は出てくるのではないかなというふうに思います。
 そういったことを前提にしながら、この都の義務づけの制度案は、より多くの削減に取り組んでいく者がメリットを受ける、そういう仕組みを考えているんだということは、ある意味ではわかりました。
 しかしながら、総量削減の義務づけとあわせて導入している排出量取引制度についてですが、都の制度案では、削減義務のかかる大規模事業所の間だけではなくて、削減義務のかからない中小規模事務所も、ある意味では参加できるようになっているというふうに聞いているんですが、この辺についていかがですか。

○大野都市地球環境部長 排出量取引制度は、現在ではEUが二〇〇五年から開始をしている事例があるわけでございますが、東京都が現在検討しております取引制度の案によりますと、EUの制度は、域内では削減義務の対象である大規模事業所同士だけの取引に限定されておりますけれども、都の場合には、削減義務を負わない中小規模事業所が自主的に省エネなどに取り組んだ成果である削減量を、大規模事業所に売却するのも可能としているところに特色がございます。この仕組みによりまして、大規模事業所だけでなくて、都内の産業、業務部門のCO2排出量の約六割を占める中小規模事業所においても省エネの取り組みが進みまして、産業、業務部門全体での削減を大きく促進する効果があると考えております。

○ともとし委員 大規模事業所だけでなくて中小企業についても十分に考えていらっしゃると。それとあわせて、この温暖化対策を進めるのには、大規模、あるいはまた中小規模、そうした取り組みも重要であるということは、今おっしゃっていただいたとおりなんですが、排出量の取引制度の工夫も、いろんな形から大切かなというふうに思っております。
 これに加えて、東京都の中には、同一企業が都内の中に支店だとか、あるいは事業所だとか、そういったところをたくさん持っているようなところがかなりあるかというふうに思うんですが、そういったところは全体的な一つの規模として省エネ対策に取り組んでいけるような、これまた制度を考えているというふうに聞いているんですが、この辺についてはいかがですか。

○大野都市地球環境部長 これにつきましても、現在、環境審議会でご検討いただいているところでございますけれども、同一の法人等が管理する複数の中小規模の事業所が、合計しまして大量のエネルギーを使う場合には、その法人等に中小規模の事業所の排出削減の取り組みを一括して報告するように義務づける、そして、その本社等が、各事業所における効果的な対策の実施を指示して進捗状況を確認する、こうした新しい仕組みの検討を進めております。
 今後、対象となる事業所の実態調査を行うなどいたしまして、制度の具体化を図ってまいります。

○ともとし委員 いろいろと考えていただいていることは、よくわかりました。中小企業のそういう事業所については、やはりCO2の削減といっても、あるいは省エネといっても、具体的に進めるときには設備の更新をしなければならないというのが現実なんですね。そこには資金力の問題が出てくるのではないかなというふうに思います。
 条例上、制度をつくるだけでは不十分かなというふうに思うんですが、具体的に、やはり資金力、資金面の点からも細かい支援というものが必要であるというふうに思うんですが、我が党の代表質問の中でも、来年度は新たに、地球温暖化防止活動推進センターにおいて、事業者に負担を求めることなく省エネ診断を五百件実施するとの答弁があったわけですが、これまでの件数の約十倍以上になるかというように思うんですけれど、実際にこの省エネ診断の対象となった事業所の省エネ効果が上がるように、しっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思っているんですが、この辺について見解を伺いたいと思います。

○大野都市地球環境部長 今回新たに設置いたします地球温暖化防止活動推進センターでは、エネルギー管理士などの省エネに関する専門的な資格を有する職員、スタッフの配置を充実させるなど、体制を整えますとともに、これまでの省エネ相談などで蓄積してまいりましたノウハウを生かし、事業を進めてまいります。
 省エネ相談の前に、アンケート等によりまして事業所全体のエネルギー管理の実態を十分把握し、事業所の現場におきましては、設備やその運用等の改善など、きめ細かい診断を行いまして、実際の省エネの成果につながるよう診断結果を具体的に取りまとめ、事業者に提供してまいります。

○ともとし委員 この辺から、いまいちよくわからないものが出てくるんですよね。今回、本会議の中でも答弁があったのが、五百件。ところが、中小企業というふうにいわれている法人企業は、東京都には七十万件以上あるというふうに聞いているわけなんですが、この五百件に対する予算規模はどのくらいでしたか。

○大野都市地球環境部長 中小規模事業所に向けた地域省エネ対策総合支援事業というものを計上しておりまして、二十年度予算額は二億五千三百万円程度でございます。

○ともとし委員 五百件で二億五千万ほどというと、一件について大体お幾らぐらいになりますか。ちょっと計算機を持って来てないので。

○大野都市地球環境部長 ちょっと計算がおくれて、大変失礼しました。一件五十万円程度かと思います。

○ともとし委員 冒頭にお聞きしました、今回の予算は、「十年後の東京」を目指して具体的な、ある意味では初年度という、そういう形の中で予算を組み立てていると。七十万件あるんですよ。それが今回五百件、一件について五十万程度。本当は、五掛ける七、三十五ですから、三千五百万ですか--持ったことないから、すぐわからなくなっちゃうんだけど。三千五百億ぐらいの、この十年間でこの七十万件全部やろうとするならば、本来はそのぐらいの予算を立てなきゃいけないわけなので、その十分の一というふうに考えると、三百五十億ぐらいの予算があってもいいのではないかなというふうに、単純に計算すると思うんです。それが二億五千万だと。この五百件という位置づけは、どういう角度から、この五百件というのは出てきたんですか。

○大野都市地球環境部長 確かに七十万全体というふうに考えますと、五百件という数も余り多いというふうにはいえないと思うのでございますけれども、まず、今まで毎年五十件程度実施をしてまいりまして、その中で、例えば平成十八年度に実施をしたもので申し上げますと、全体で一一%ぐらいの省エネ、削減効果がございまして、かつ、それにかかった投資につきましては三・五年ぐらいで回収できる、そういうメリットがございました。
 そうした取り組みを進めてまいりまして、それを第一ステップとしまして、今回、第二ステップとして五百件ということで十倍化いたしました。今回、またこの五百件をやっていく中で、今後の進め方をさらに精査をいたしまして、具体的に七十万全体の省エネ活動を進めるためにどんなふうな取り組みが必要なのかということについても、順次検討してまいりたいと思っております。

○ともとし委員 私は、予算、こういう形でつくっていただいた。また、温暖化防止のために一生懸命環境局がやっている。これはこれで、全く評価しているんです。評価しているんだけど、具体的にこういうことをやっていても、過去にそうやって十件、二十件、あるいは五十件、そういうあれで過去にやっていて、しかも、それが効果があって、三五%かな、削減……(「一一%です」と呼ぶ者あり)一一%の削減があって、三・五年ぐらいで、そのもとがとれるというんでしょう。なぜそういうPRをきちっとやらないの。それをきちっとやっていれば、自主的にでもどんどんやるような、そういう方向性になるんじゃないですか。
 これは、あくまでも役所が旗を振って、五百件を一つのめどとして二億五千万ぐらいのものを一つの資金としてそれをやって、具体的な結果というのを都民に全然知らせてない。だから、いつまでたったって、この七十万件には到達しないし、やった分の十倍ぐらいしか十年後にはいかないわけですよ。もっとこの辺の結果のPRを、環境局はこれだけ一生懸命やっているんだから、これだけの成果を出しているんだもの、電球ばっかり取りかえているわけじゃないんだから、その辺のPRをもうちょっときちっとやったほうがいいかと思うんですが、その辺についての見解はいかがでしょうか。

○大野都市地球環境部長 確かにこれまで取り組んでまいりました数十件、あるいは、今後やります数百件によりまして、各業界に応じて、どんなふうな取り組みをすれば、どういう成果があるということもわかってまいりました。
 今後、業界団体と連携いたしまして、そうした取り組みの成果で、例えば、この業界であれば、こういう取り組みをすればこういうふうな成果がありますというようなことを、私ども、業界団体等とも連携をいたしまして周知をしまして、自主的にも多くの取り組みが進むような努力をしてまいりたいと、このように思っております。

○ともとし委員 これは、具体的に診断士が行って、そこで予算的に一件について五十万ぐらい使ってやってくる、その中で、こういうような一つの結果を出していくということなんですが、一つの事例があって、その事例に基づいて何らかのわかりやすいPRのそういうものをつくって、それを各事業所か何かに具体的に配っていくようなことをしていけば、ある意味では診断士は要らないんじゃないんですか。いかがでしょう。
 だって、僕が聞いたところによると、診断士という方は、日本に千五百人とか二千人ぐらいしかいないんでしょう。その辺、いかがでしょうか。

○大野都市地球環境部長 これまでも幾つかの業界について省エネ診断等をいたしまして、その結果をまとめました、例えば今までつくりましたのは、製めん業界とコンビニだったと思いますけれども、業界向けの共通のテキストをつくりまして、それの配布などを行っております。確かにおっしゃるように、そうした方法によりましても、一定の効果は見込まれると思います。
 ただ、やはり個別事業所ごとに独自の事情もありますので、省エネ相談には省エネ相談のノウハウがあると思います。確かにご指摘のように、そういう幅広い知識を持った省エネ相談ができる専門家というのも、そんなに数は多くはございません。
 したがいまして、そういう者の育成も進めてまいりますけれども、その方法だけでは、確かに七十万全体ということはカバーできないと思いますので、いろいろな方法を組み合わせて、最も効果的に省エネが進むような方途を考えてまいりたいと思います。

○ともとし委員 要するに、診断士も少ない、財源的にも、十年間で三千五百億も投入するということはできない、そうすると、こういう五百件の先駆的にやられたそういったものを参考にしながら、「十年後の東京」を目指したときには、自分たちの各事業所の財源も使いながら具体的に進めてもらわないと、温暖化、すべて平等にやるという方法にはならないんですよ。
 だから、今の場合は、一件について五十万ぐらいの税金を使って、温暖化防止のためのCO2削減のそういう活動ができるかもしれないけれども、これから先、進めて、七十万の事業所に対してやれるわけじゃないですよね。この辺はいかがですか。

○大野都市地球環境部長 それは全くご指摘いただいたとおりでございまして、冒頭申し上げましたように、中小企業の場合、比較的その取り組みが余り進んでないということがありまして、逆にいえば、それだけ省エネの余地が大きいということがございます。したがって、余り大きくない投資をしても効果が上がりますし、数年でもとがとれるということがあります。ですから、そういうことがあまねく知れ渡れば、もっともっと実質的な取り組みが進んでいくと思っております。
 そうしたことを促進するためにも、今回の条例改正で、一つは、大規模事業所に、さっきご質疑いただきました、まとめて中小規模事業所の提出をしていただくものをつくりますし、それ以外に、任意で中小規模の事業所の方々が省エネ報告書を出していただくような制度の構築を予定しております。
 こうした制度も活用しながら、中小規模事業所の方が省エネのメリットをよくわかって、ご自分の力で取り組んでいただけるような状態を早くつくりたいというふうに思っております。

○ともとし委員 全く私は部長のいうことは正論だというふうに思っています。要するに、今、先駆的な一つのものとして、CO2削減のために、一年に五百件というものを決めて、具体的にそういう投資をしていくというか、財源を充てていく。そして、それを具体的に結果を都民に、あるいは事業所に明確に知らせていく。そして、自主的にやってもらう。これは物すごく大事だと思うんですよ。
 ただ問題は、初年度、あるいはこれから先、二、三年の間は、そうやって診断するのでも何でも、五十万ぐらい出してやりますよと。しかし、その後は、各事業所、責任持ってやってくださいよというのでは、余りにも平等感がないんですよ。
 私は、少なくとも今の時点で、今の予算の組み方としては、これは妥当かなというふうに思いますけれども、しかし、将来にわたっての、これは十年計画の中の一つなんだから、将来的には、例えば、事業所に対しては補助金という名目で、やり方は全部、先進的なそういう事例でわかるわけですから、診断士がいなくてもわかるわけですから。ですから、あとはその状況を見て、各事業所がみずからの力でやるときには、補助金的なそういったもので、しっかり将来的にわたって、この七十万件の事業所ができるような、そういう方向性に導いていくということが、環境局の中では大事な仕事かなというふうに思うんですが、最後に、局長、答弁いただけますか。

○吉川環境局長 今、先生がおっしゃられている点は、走りながら削減の取り組みをより成熟化させるというんでしょうか、そういうご指摘だったと思うんですね。全くそのとおりだと思います。
 私、過日、実は東京商工会議所の会合にお招きをいただきまして、今回の地球温暖化対策についてご説明をしましたが、その中でも、岡村会頭以下、それなりの方がいらしたんですが、そこで申し上げたのは、今は、とにかく温暖化に取り組む意識というのでしょうか、企業の経営者もしくは各工場のいろいろな管理責任を持っている方々も初め、そういう省エネというか、節電というか、そういうことの取り組みということの大切さ、もしくは自分の企業、工場にそういう取り組みをするとメリットがあるんだということをちゃんとわかっていただきたいというので、大変生意気だったんですけれども、岡村会頭の前でもそういう話をさせていただきました。
 何をいったかというと、そういう意義と、さっき都市地球環境部長が説明しましたが、せっかく東京都がパイロット的というか、先駆的な施策を講じているんですが、これはご指摘のとおり、我々の政策のPR、もしくは成果の周知というんでしょうか、そこの努力も足らないということはありますが、やっぱりそういう東京商工会議所みたいな組織体で、まだ東京都の取り組みについて十分ご理解いただけてないというようなこともございましたので、私、時間をわざわざいただいて、その点も含めてPRをしました。
 いずれにしましても、先生、おっしゃったような意味で、やっぱり走りながら、最少経費、最大効果というふうに以前もこの場で申し上げましたが、そういう政策をつくって、本当に大事なのは、東京全体で、都民、企業全員で--今でも実は東京というのはすばらしい都市なんですね。実はきのう、ブレア前首相と知事が国際フォーラムでシンポジウムがございましたが、そこで知事からも披瀝がありましたけれども、ニューヨーク、ロンドン、一人当たりの都市住民が出しているトン数というのが六トン、七トンの世界、そこを東京都は既に五トン。ですから、ニューヨーク、ロンドンに全然負けてないんですね。
 ですから、そういう先駆的な都市東京で、さらにCO2を削減する。それも余りお金をかけないで賢くやっていくというような取り組みについては、万全を期していきたいと思います。よろしくお願いします。

○大野都市地球環境部長 済みません。先ほど申し上げました数字、ちょっと訂正させていただきます。
 二億五千万円で五百件なので五十万と申し上げましたが、この二億五千万には、その他の窓口相談等々の事業も入っておりまして、省エネ相談自体は一件三十万ということでございますので、訂正させていただきます。失礼しました。

○村松委員 環境基本計画のあり方についての答申が出されました。この答申を土台に、新たな基本計画の策定に入るのかと思いますので、私からは、「十年後の東京」とのかかわりに触れながら質問させていただきます。
 現行の基本計画と環境基本計画のあり方についての答申、それがあるんですが、「十年後の東京」、この関係では、どちらが優先されるんでしょうか。

○長谷川環境政策担当部長 環境基本計画につきましては、環境基本条例で、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、環境の保全に関する目標、施策の方向、配慮の指針、その他の重要事項を定めるというふうにされておりまして、環境にかかわる政策を東京都が策定する場合には、環境基本計画との整合を図るものとされております。
 一方で、一昨年末に策定されました「十年後の東京」、これは二〇一六年の東京の目指すべき姿と、それに向けた政策展開の方向性を示す都市戦略という位置づけでございます。新たな環境基本計画の策定に当たっては、この審議会の答申におきましても、目標設定の考え方などにおきまして、目指すべき都市の姿でございます「十年後の東京」の実現に向けた取り組みとの整合を図るということとされております。
 したがいまして、どちらが優先というよりは、一方は、都市が中長期に目指すべき都市全体の姿でございまして、一方は、環境行政における基本軸というようなものとなるもので、性格が異なるものでございます。ただし、相互に整合が図られるというものでございます。

○村松委員 答える方は大変だろうなというふうに思うんですが、それでも整合を図っていくと。改めて、「十年後の東京」と「十年後の東京」実行プログラム、この間の環境基本計画、それから答申、これを読むと、たくさんの矛盾を感じるんですね。
 「十年後の東京」は、ご承知のとおり、オリンピックに焦点を当てて、真っ先に三環状道路の建設が挙げられていると。その予算に三年間で事業費五千七百六十六億円、こういうふうになっているんです。
 一方、環境基本計画の答申を読みますと、東京が直面する環境問題についての新たな認識で、東京が直面する最大の脅威である気候変動のもたらす危機を回避し、安心して暮らせる地球環境を将来世代に引き継いでいくために、今直ちに温暖化ガスの大幅な削減を目指す取り組みを抜本的に強化しなければならないなど、気候変動の危機は将来の危機ではなく、まさしく今そこにある危機として認識されるべきものである、このように書かれているんですね。
 環境問題は喫緊の課題であるかのように書かれているわけですが、環境も守らなければならない、一方で道路もつくる、都市再生で超高層ビルもつくる、こういうことなんです。私は、単純に考えれば、本当に整合性というのは、理想と現実の難しさだなということをつくづく感じます。
 そこで伺いますが、これまでの環境基本計画の中では、二酸化炭素削減の目標が、九〇年比でマイナス六%という目標を設定しているかと思うんですが、ところが、今回の答申を読みますと、二〇二〇年までに二五%というふうに、照準の当て方が九〇年と二〇〇〇年比に変わってきているんですが、その変わった理由は何なのでしょうか。

○長谷川環境政策担当部長 東京都は、一昨年十二月の「十年後の東京」におきまして、世界で最も環境負荷の少ない都市を実現するということとしておりまして、この中で、二〇二〇年までに東京の温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で二五%削減するという目標を掲げてございます。
 今回の基本計画の答申におきましては、これと同じ目標設定としてございますけれども、これは、気候変動の危機を回避するという観点からは、これまでの取り組みをさらに発展させて、今世紀半ばまでに世界全体のCO2の排出量を半分以下に削減する必要がある、こういう国際的な共通認識を踏まえまして、CO2の削減に着実に政策を積み重ねるとともに、二十年、五十年先を見据えた展開が必要との観点に立って目標設定を改めたものでございます。
 この基準年値、これを九〇年から二〇〇〇年に改めたということでございますけれども、環境確保条例の制定を行いまして、初めて大規模事業所のエネルギー消費量やCO2の排出量などを正確に把握できるようになった、こういった東京都が自治体として本格的に温暖化対策を開始したのが平成十二年度、二〇〇〇年度でありますため、これを基準年次として設定したものでございます。

○村松委員 今の説明ですと、二〇〇〇年に環境確保条例をつくって、そこから始まったという説明だったかと思うんですが、そうしたら、この現行の環境基本計画で目標を出して進めてきた、これは何だったんだろうかという思いはあるんじゃないんでしょうか。
 九〇年比というのは、やっぱり京都議定書の実施、これを意識しての目標だったと思うんですね。この目標に合わせて、やっぱり京都議定書を東京から率先して実施していこう、そのためにマイナス六%削減するんだ、そういう意気込みはすごく大事だったというふうに思うんです。ところが、現実問題として、本来減るべきものがどんどんどんどんふえていくという現実を見て、二〇〇〇年に照準を当ててきたのかなという、私は、もう既に弱腰になっているかなという思いでちょっと見ております。
 ちょっと具体的に入りたいと思うんですが、現行の環境基本計画では、自動車の交通量がふえるほど環境負荷がふえる、こういう認識を示しているんですけれども、この認識というのは、建設局を含めた共通の認識になっているんでしょうか。

○井戸自動車公害対策部長 今、村松委員がおっしゃいました、車がふえれば環境が悪化するというふうなご指摘だと思いますけれども、そういうふうに考えてはおりません。
 基本的に車が整備される、道路とか、あるいは車交通が、システムができまして、そのときに、車のいわゆる交通量はふえます。ただし、渋滞が解消されることによりまして、基本的にCO2が減ります。それについての比較評価となりますけれども、基本的に、今、東京都自体がかなり渋滞が発生しておりますので、そういった観点では、三環状道路も含めまして、道路整備につきましてはCO2を減らすことができるというふうに思っております。

○村松委員 部長、この現行基本計画、お読みになっていると思うんですけれども、減らない交通量と渋滞の悪化、自動車の交通量がふえるほど、また渋滞に伴って旅行速度が低下するほど、自動車からの環境負荷はふえる、このように書いているんですよ。だから、自動車の交通量がふえれば、その分やっぱりふえるんですよ。
 それで、道路をつくればつくるほど自動車を呼び込むというのは、先日、三月三日の環境・建設委員会の中で、私、質問したんですが、国分寺三・二・八、この道路が通ることによって、府中街道の交通渋滞を緩和したいと。その府中街道を緩和するのにどのくらい車の台数を減らせばいいのかという質問に対して、三千から五千が新しい国分寺三・二・八の方に回るという答弁なんですね。
 だけど、その国分寺三・二・八号線というのは、今の予測でいくと、最大予測として四万七千台の予測が出ているんですよ。これまで道路でなかったところに新たに三十六メーター道路をつくることによって、四万七千台の道路を、呼び込むと。片方は多少の渋滞は少なくなるかもしれないけれども、さらにほかのところでふやすと、同じ国分寺の中で。ということは、ここで自動車の交通量がふえるほど、自動車からの環境負荷はふえるんだ、これはいえると思うんですね。それと、私が……
   〔井戸自動車公害対策部長発言を求む〕

○井戸自動車公害対策部長 自動車と、いわゆる道路の整備に関してでございますけれども、先ほど申し上げましたように、いわゆる東京のような既存の道路に一定の交通が流れている状況におきまして、渋滞が起こりまして、その解消を図る道路整備の場合ですと、道路整備によるCO2排出量への影響については、交通量の増加によりCO2排出量が増加する面より、渋滞が解消されますから、旅行速度の向上によりましてCO2排出量が削減する面が卓越する、いわゆるすぐれているというふうに考えるというふうに一般的にはいわれております。
 また、例えば、十八年五月に環八通りが全線開通いたしましたけれども、環八通りは確かに交通量は増加しておりますけれども、その周辺の道路でございます笹目通りですとか、あるいは環七通りにつきましては、交通量が約一割減少しまして、走行速度も七割から八割上昇しております。また、周辺の生活道路に流入する通過車両は減少しまして、トータルとしまして、周辺の幹線道路も含めてCO2排出量が約一割減少して、年間では三万トン以上削減されているというふうに推計をされております。

○村松委員 環八問題は後でやります。
 私は、この環境基本計画に定めている、これはそのとおりだというふうに思うんですね。だって、これを私たちが読んで、これに向かって、ああ、東京は環境基本計画というのはこういう位置づけでいるんだなというふうに思っているのに、そうじゃないですよと、車の交通量がふえようが減るまいが、そんなの関係ありませんという、そういう記述じゃないと思うんですよ。
 それから、今の建設局との認識という問題では答弁がありませんでしたけれども、私はやっぱりこの環境基本計画を定めるときは、これはオール都庁で本当に環境問題を中心に計画を進めていくべきだ、つくるときから進めていくべきだというふうに思います。
 道路建設が優先されているがために、環境基本計画で示した二酸化窒素の排出削減目標が、平成十七年度まで一〇〇%を達成するという、これに対して、平成十七年度、六二%にすぎないんですね。この原因と今後の見通しについては、いかがでしょうか。

○加藤環境政策部長 先ほどの委員ご発言の中で、現行の東京都環境基本計画と今の考え方が違うようなご発言がございましたけれども、お手元にあるのをよくごらんになっていただきたいんですけれども、現行の環境基本計画、二四ページの中には、自動車への依存を減らす都市づくりということの中で、これまでの対策と今後の方向ということをうたっております。この中で、都においては、従来から、交通渋滞によって生ずる環境負荷の増大を緩和するため、地下鉄や新交通システムの公共交通網や道路ネットワークの整備を進めてきている。これらの施策に加え、今後強力に進める必要があるのはということで、東京を自動車交通に過度に依存しなくてもよい都市にしていくということで、これは、きょうご説明申し上げました環境基本計画の審議会における答申においても、同じような趣旨でうたわれているわけでございまして、このことについて、現行の環境基本計画と今後の考え方について、何ら異なることはございませんので、よくごらんになってからご発言されていただきたいと思います。

○井戸自動車公害対策部長 前回の環境基本計画で、NO2の環境基準を平成十七年度までに達成できなかったという理由でございますけれども、基本的に自動車からの排出対策、NOx対策につきましては、本来、国が第一義的にやるものだというふうに思っております。
 現行の自動車のNOx・PM法につきましては、規制のかからない対策地域外、東京都内につきましては、大部分規制がかかっておりますけれども、その他の地域、周辺、例えば茨城ですとか、そういうようなところに関しては規制がかかっておりませんので、対策地域外からの旧式車の流入がかなりございます。そういったいわゆる古い車がいつまでも大都市を走行できるというような根本的な問題がございます。このため、再三、八都県市と連携しまして、国に対して抜本的な流入車対策を都としては要求してございます。そういったような観点から、まだ国の方が依然としてそういったような対策に取り組んでいないというような問題がございます。
 また、第二に、先生が今おっしゃいました環状道路整備等のおくれがございまして、渋滞対策が進んでいないということで、その分の車からの排出量が多いということでございまして、そういったような点が挙げられます。
 ただ、十七年度に掲げました、NOxと浮遊粒子状物質、それからベンゼンについて、三点、項目を挙げましたけれども、SPM、浮遊粒子状物質につきましては、平成十七年度から二年連続して排出ガスの測定局で達成しておりますし、ベンゼンにつきましても、平成十六年度から三年連続してすべての測定局で基準を達成しております。

○長谷川環境政策担当部長 先ほど、建設局も含めてというようなお話がございましたが、先ほどのご答弁でもお話し申し上げましたとおり、東京都が行う施策の実施に当たっては、環境基本計画との整合を図るというふうにされておりますし、また、審議会の事務方の幹事メンバーには、関係局がすべて含まれるような形でやっておりますので、この環境基本計画に沿って各局が事業を行うということになってございます。

○村松委員 私も先ほどの答弁、否定しているわけじゃありませんよ。都においては、従来から、交通渋滞によって生じる環境負荷の増大を緩和するために、地下鉄や新交通システムなどの公共交通網や道路ネットワークの整備を進めてきているということで、これはやっぱり自動車の交通量を減らすということが環境負荷を減らしていくということになるんですが、ところが、さっきいったように、あっちでもこっちでも道路をつくれば、道路の交通量がふえてくるということで、何がいいたいかといえば、結局、道路建設を進めるという、そういうところにばっかりお金を配分しているということで、先ほどいっておりました環状八号線の道路開通に伴う大気汚染問題について伺います。
 環状八号線は、一九九二年から十四年間かけて、板橋区の相生陸橋から練馬区北町までの二・二キロが、一昨年五月に開通いたしました。この間、住民の皆さんや板橋区との関係でさまざまな問題があったとのことですが、ここでは二酸化窒素が環境基準の〇・〇六ppmを上回っている、その二酸化窒素についてのみ質問させていただきます。
 相生交差点のアセスの事後調査では、二酸化窒素が環境基準の〇・〇六ppmを上回っている。この結果を受けて、地元板橋区から東京都にどんな要望があったのか、承知しているでしょうか。

○大野都市地球環境部長 東京都の環境影響評価制度におきましては、事業に着手した後に、事後調査計画書を事業者の方につくっていただきまして、これに基づいて必要な報告を環境局に提出していただき、環境審議会に報告するとなっております。事業実施後の地元区や地域住民との対応などは、事業者の責任において適切に行われることとなっておりまして、逐一状況の報告が必要というわけではございません。したがいまして、本件につきましても、特段の報告はいただいておりません。

○石渡環境改善部長 環状八号線に関する要望ということで、板橋区役所の方から出されてございます。これは、区民環境委員会において、相生町交差点に大気汚染測定室の設置を求める陳情が審議されたということで、東京都に対して要望があったということでございます。
 これに対しまして、都の自動車排ガス測定局というのは、人の健康を保護し、生活環境を保全するため、都内の道路に起因する大気環境状況を的確に把握するという目的がございますので、これについては、大気環境の専門家等を踏まえた検討会において、適正な配置について意見をもらっています。この意見に基づいて現在の体制はできておりますので、常時測定する測定室については、都としては設置を考えていないと回答したところでございます。

○村松委員 答弁ありましたけれども、地元板橋の区議会では、意見書が平成十一年と平成十七年の二回、要望書が平成十三年と平成十八年の二回出される。それから、東京都の関係者を呼んだ協議会が、平成十三年と平成十九年の二回開かれているんですね。ここの中で、超党派でこの協議会では質問しているんですが、東京都第四建設事務所長、東京都第四建設事務所工事第一課長、工事第一課環境対策担当係長、この三名が行って協議会を開いております。
 この中で超党派の議員が、事前アセスでは、あそこの二酸化窒素、大気汚染、これは大丈夫だ、そういうふうにずっと説明していたのに、何でこれが〇・〇六を上回っているんだ、そういう声がしきりにありましたよね。これだけの声があっても--あそこの環状八号線を通すときに、いろんな住民の皆さんの声もあったんですよね。あの現場、十分ご承知だと思うんですが、それこそあの大きな緑があったところを真っ二つに切って、あの道路をつくっちゃったということから、そういうふうになってくると、ちょうどあの相生町の交差点というのは三重構造になっている。だから、大和交差点みたいな二の舞いにしたくないという、そういう周辺住民の皆さんの声なんですよね。
 大気汚染が心配だ、それから騒音が心配だ、そういう声に対して、私は、東京都は都道をつくったんですから、きちんと地元の声を聞くべきだというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

○大野都市地球環境部長 今のお話の二酸化窒素の問題でございますけれども、本件につきましては、事業供用開始後の平成十九年六月十五日に事後調査報告書が提出されておりまして、六月二十七日に環境影響評価審議会に報告をしております。
 その結果によりますと、この地点では、二酸化窒素、浮遊粒子状物質、一酸化炭素、二酸化硫黄の四物質につきまして、春、夏、秋、冬、四季、各七日間、計二十八日間ですが、八地点で調査を行いました。このうち二酸化窒素につきまして、冬期の一日だけでございますけれども、二つの地点で環境基準の指標値を上回ってございます。環境基準自身は年間を通して判定することになっておりますので、環境基準を上回っていることはございませんが、その一日については環境基準の値を上回っていたということでございます。
 この日は、具体的に申し上げますと、平成十九年の一月三十一日でございます。この日は、この地点だけではございませんで、全般に高いという傾向がございました。周辺に環境局が設置をしております一般環境調査地点が二地点ございますが、これは住宅地に設置をされているものございますが、これも含めて高かったということでございまして、事業者が提出しました事後調査報告書によりますと、こうした高い値が出たのは、周辺地域の環境に影響された変動と考えられるという趣旨が述べられております。

○村松委員 事前説明と--それから事後の調査結果で、たった一日というふうに思うかもしれませんが、一週間調査したうちの一日ということなんですよね。四季を通して一週間、一週間のあれなんですが、これ、一年間通せば、またどういう数字が出るんだろうか、そういう見方もあると思うんです。だから、地元の人たちは、超党派で意見書を出したり、協議会を持ってほしいという要望を出しているんですよね。
 じゃ、今、地元板橋区で、この対策をどのようにしようとしているのか、それはご存じですか。

○大野都市地球環境部長 一応、板橋区のご説明をする前に申し上げますと、環境影響評価制度では、その都度、その都度、必ずしも現地調査が要求されるというわけではございません。東京都は、東京全体の汚染状況を把握できますように、地域を代表する地点、地点に一般環境大気局を四十七局、道路沿道に三十五局を設置しまして、一年を通じた測定を実施をしております。
 環境アセスメントに当たりましては、事業者は、これらの測定局で得られましたデータを活用するとともに、必要に応じまして、計画地近傍の変化を把握するために現地調査を行うということで、適切な予測に努めているということでございます。
 この地点につきましては、当該の予測評価時におきましても、こうした手法を用いまして、近傍にあります一般環境大気測定局のデータを活用するとともに、八カ所で四季ごとの七日間の現地調査を行ったということでございまして、今後も、引き続き、そうした形での事後調査が予定されているということでございます。
 なお、板橋区におきましては、独自の財源を用意して、若干の調査を行うという話は聞いております。

○村松委員 最後の方に答弁がありましたけれども、板橋区の方では、東京都に対して、相生町交差点における大気汚染年間測定の実施を求める意見書というのを、昨年の十月二十二日に出しているんですよね。それで東京都にお願いしているけれども、東京都がなかなかこたえてくれないということで、若干というお話であったんですが、二百万円の予算措置をとって、住民の皆さんの声にこたえようというふうな姿勢なんですよ。なぜそれが東京都でできないのかなと。
 東京都の都道をつくって、事後調査をしたら、基準を上回る二酸化窒素が出たというわけですから、やっぱり住民の方にすれば、本当にきれいな空気のところに住んでいて、急に道路ができた、何とかならないか、そういう思いで要望はしたと思うんですが、本当にそういう意味からも、東京都は、特に環境局が、二酸化窒素の排出量を削減するというふうに今度の答申の中でもいっているんですが、肝心なこういうところでは力を出そうとしていない。大変残念だというふうに思います。
 次に、都市再生から来る環境破壊の問題について……
   〔大野都市地球環境部長発言を求む〕

○大野都市地球環境部長 先ほどは板橋区のご質問だけだと思って、私、その他は申し上げませんでしたけれども、事業者である建設局におきましては、現在、本年一月に、この地点でのフォローアップの調査を行っておりまして、現在、データを整理しているというふうに聞いております。
 また、環境局のスタンスということでございますけれども、環境影響評価条例では、事後調査をやりました結果、環境に著しい影響があるというふうに認められたときには、事業者に対して、環境の保全について必要な措置を講ずるということが、規定上、明確になっております。本件につきましては、まだそのような状況にはございませんけれども、申し上げましたように、今後の事後調査の中で万が一あれば、当然必要な対応は図ってまいります。

○石渡環境改善部長 先ほどお話しした東京都の自動車排ガス測定局の二酸化窒素の環境基準の適用状況、これを参考に申し上げます。平成十六年度につきましては三十四局中十六局、四七%、平成十七年度は三十四局中十九局、五六%、平成十八年度は三十四局中二十一局と、年々改善されてきております。また、年平均値においても低減してございます。
 もう一つ申し上げますと、測定の部分で、東京都は都内全域について責任を持って測定している状況をお知らせ申し上げますと、現在の自動車排ガス測定局、三十五局ありますけれども、これの適正配置の考え方でございますけれども、交通量、大型車の混入率、道路構造、周辺の建物の状況等により道路を類型化しまして、その類型を網羅できる中で代表的な測定地点を選定してございますので、一応、都内の主要なところについての大気汚染状況は適切に把握していると考えております。
   〔発言する者あり〕

○村松委員 今、不規則発言で、十分だとか、不十分だという話がありましたが、私は不十分だと思います。特に三層構造があるところは、やっぱりきちんとつけて年間測定をすべきだ、そのことだけ主張しておきます。
 次に、都市再生から来る環境破壊の問題について伺います。
 現行環境基本計画では、東京の二酸化炭素の排出量の業務部門と運輸部門が増加し、抑制対策を強化するとされていますが、この六年間、超高層ビルが乱立し、高さ百メートルを超えるビルが、都市再生緊急整備の指定地域だけでも五十四棟建設されています。こうした超高層ビル建設が環境破壊を進めていると考えていないでしょうか。

○長谷川環境政策担当部長 都市開発によりまして都市の機能更新を行うということは、CO2の排出量の削減など、環境負荷のより少ない都市づくりを目指すことと対立するものではなく、ともに重要であるというふうな認識でございます。
 都市開発の中で新改築されるオフィスビルやマンションなどの建築物は、今後数十年にわたって存続するということになりますので、その環境性能の程度が、長期的に都市の環境負荷を規定することとなります。
 このため、都市開発を契機といたしまして、エネルギーの需要やCO2の排出量の抑制を積極的に進めるという観点から、最新の高効率機器による省エネ性能の向上、あるいは再生可能エネルギーの利用、地域におけるエネルギーの有効活用など、都市づくりにおいて最大限のCO2削減が行われる仕組みを構築していくということで、東京都として施策を進めております。

○村松委員 答弁の中で、先進技術の活用だとか、いろいろいわれましたけれども、現行の環境基本計画、四八ページの中でも、八〇年代以降のオフィス延べ床面積の急速な増加と、情報化の進展に伴うOA機器の増加等により、業務部門エネルギー使用量の増加率は、全部門の中で最も多い。特に東京では、この部門が都内の全エネルギー使用量の三割を占めており、オフィスビルなど業務部門に起因する二酸化炭素の排出量抑制は、特に重要な課題であるというふうに書かれているわけです。
 確かに、いろんな技術を駆使して、一つ一つのビルからのエネルギーは少しずつ減っているかもしれない。でも、再開発によってどんどん大きなものを建てれば、それだけ容積率はふえるし、それこそ電気の需要や、いろんな二酸化炭素を排出する、そういうのがふえてくると思うんですね。だから、現実問題として、今、減っていないんですよ。いろいろ努力しているといっていますけれども、減っていないのを見れば事実なんですね。
 私は、その問題で、東京都の環境局自身にも、その責任があるというふうに思うんです。なぜかといえば、あのアセスの規制緩和によって、高さ制限、それから床面積の拡大でアセスを除外していた、こういうところから問題がある、こういうところにも責任がある。
 それから、やっぱり大きな建物ができれば、そこに入るいろんな業者がいるから、車も呼び込むんですよね。そういうのも入れて、やっぱり二酸化炭素の排出量をふやしている、こういわざるを得ないと思います。局では、二酸化炭素の排出量を減らすというふうにいっておりますが、肝心な、大量に二酸化炭素を排出する業務ビル建設を野放しにしているのでは、根本的な解決にはならないんじゃないでしょうか。
 さらに問題なのは、既に建設されている建物、建築物の建てかえ問題があります。まだ十分利用できるビルを取り壊し、新しく建設することが計画されているビルがあるんです。例えば、中央区京橋二丁目の清水建設の事務所、これは築十四年で建てかえると。また、千代田区の神田駿河台の三井住友海上火災は、築十九年で建てかえようとしているんです。
 私は、十年から二十年で建築物を壊すようなことは、環境への負荷を考えると、黙って見ているわけにはいかない、このように思うんですが、見解を伺います。

○大野都市地球環境部長 いろいろなことをおっしゃいましたけれども、やはり都市開発とCO2の抑制に対する考え方が、基本的に少し違いがあるのかなというふうに思います。我々は、先ほど環境政策担当部長がご答弁申し上げましたように、都市の再開発、再生というのは、これは新しい都市更新をしまして、より省エネ性能を、あるいは環境性能を向上していくために不可欠なものであるというふうに認識をしております。
 ただ、確かに現行の状況のままでは、CO2について十分な抑制が図られていないということがございますので、これまでも東京都におきましては、業務部門を主な対象とします地球温暖化対策計画書制度をつくりましたし、それから、新しく建築をするときに、新しい環境性能のいいビルをつくっていただく建築物環境計画書制度をつくりました。これ自体、もう既に日本の中ではトップクラスの施策でございますが、それでもまだ十分ではないというふうに考えておりますので、今回、環境審議会において検討していただきまして、業務部門を主な対象とする地球温暖化対策計画書制度の強化を行いまして、CO2削減の義務化というものを考えております。同時にまた、建築物環境計画書制度自体の強化をしようと思っています。
 このような方法によりまして、いずれにしましても、都市の再生、業務部門の活性化と同時にCO2を抑制するという両立を目指してまいりたいというふうに考えております。

○村松委員 肝心なところの見解を伺っていないんですが、築十四年とか十九年ぐらいの建物を建てかえる、そういうことに対して、このまま黙っていていいんでしょうかという、その見解なんですけど。

○大野都市地球環境部長 現在、先生がおっしゃったような案件について、個別の対応について詳細を申し上げる準備はしておりませんけれども、一般的には、もちろん、一たん建ったビルを余り短期間で取り壊すというのは望ましくないと思います。したがいまして、おっしゃられた事例につきましても、恐らく私の理解でございますけれども、それにふさわしい環境の取り組みを求めるという取り組みをしてきたというふうに理解をしております。

○村松委員 今、ビル建設というのは、個人の持ち物の範囲を超えて、地球環境全体の問題として考える必要があるというふうに私は思います。そういう立場で、今後のこの問題で、建てかえなんかのときには、これは都市計画だとか、これはどこの問題だというんではなくて、やっぱり環境の立場から、こういう問題については考えてくれと。五十年、それよりも先を見通した上で建ててほしいということを、環境局の立場から、私はいっていくべきだ、こういうふうに思うんです。実際問題、これが都市整備委員会の中でかかっておりますので……。
   〔長谷川環境政策担当部長発言を求む〕

○長谷川環境政策担当部長 ただいまのご意見についてでございますけれども、カーボンマイナス十年プロジェクト、この施策化に当たりましては、副知事をトップといたします本部で全庁的にやっているということでございまして、先ほど都市地球環境部長からご説明申し上げました、環境局の所管する建築物環境計画書制度などの強化だけではなくて、都市開発諸制度を所管する都市整備局などとも一緒に、都市づくりの中でのCO2削減ということを取り組んでおりまして、都市整備局を中心といたしまして、都市開発諸制度の適用条件の中に、建築物の省エネルギーが一定以上の水準であることを新たに要件として追加するというようなことも、全庁的に取り組んでまいります。

○村松委員 私がいっているのは、こういう事例が環境問題でいいのかどうなのかということなんですね。やっぱり当然、今あるビルを壊すときにはエネルギーが必要です。環境負荷を増すわけですから。壊すとき、それから壊したものを運搬するとき、新しいものをつくるとき、それを運搬するとき、建てるとき、こういう形で二重三重にも環境負荷を与えるという、そういう問題としてとらえてほしいということで、都市整備局と環境局、それから、全庁的にこの問題に取り組んでいると思うんですけれども、環境局としてこういう問題は好ましくないんだという立場で、同じビルをつくるんだったらこういうふうにつくってほしいという、長く持ちこたえられるような、それがやっぱり当然の立場じゃないかなというふうに思うんです。それは私から強く要望しておきます。
 もう一つなんですが、温室効果ガスの予測評価は、現行のように事業完了後の施設から排出される温室効果ガスだけを対象にするのではなくて、事業計画の実施の過程に及び、建設資材の製造過程で排出される温室効果ガスのすべてを予測評価する仕組みに改正する必要があると思うんですが、その辺の見解を伺います。

○大野都市地球環境部長 温室効果ガスの評価の方法はいろいろとございますけれども、お話のような事業の建設段階でございますとか、そういうところも含めて推計するとか、いろいろなシミュレーションでございますとか、学者の研究とかもございますが、東京都の制度として採用する場合には、そうした研究が進みまして、一般に適用しても間違いないという知見が確立することが必要でございます。まだそこまでは行っていないというふうに考えております。

○村松委員 今、そこまで行ってないというご答弁でしたので、私の方からは、ぜひそういう方向で検討していっていただきたいと、そういうことで要望しておきます。
 東京都の今回の答申を見ますと、東京はこれまで以上に厳しい都市間競争に直面している、このような都市間競争の中においても、東京はこれからも人や企業に選択され続け、グローバルリーダーとして存在感を発揮していくために、少ないエネルギーで安全、快適に活動、生活できる都市を目指す必要がある、こういう理念がこの答申の中には書かれているんですけれども、環境局として、こうした都市間競争を意識した立場に立つことがどうなんだろうか、このように私は思うんですが、その辺いかがでしょうか。

○長谷川環境政策担当部長 この都市間競争ということでございますけれども、これからの都市においては、都市の目指すべき都市像そのものが持続可能な都市というものになっていかなければならない、そういう意味で、持続可能な都市として人々や企業に選択され続ける、あるいは世界に発信できるような都市となっていくべきである、そういった趣旨でここに書かれているものというふうに理解してございます。

○村松委員 この間の東京というのは、都市間競争に勝ち抜く立場で経済活動が行われて、それが今何をもたらしているのかということを考えた場合に、大量生産、大量消費、大量廃棄等、経済活動が優先され過ぎたために、大気汚染の問題、土壌汚染の問題などの公害が発生しているのではないかと思うんです。
 環境局としては、慎重な経済活動、例えばスウェーデンでは、一つの製品が開発されると、その製品の安全性をさまざまな角度から検証して、市場に出すまで徹底して安全性を検証するということをお聞きしました。このくらいの立場に、私は、せめて今、環境局は立つべきじゃないかなと思っております。
 それから、現行の環境基本計画、四三ページでも書かれておりますが、これまでの環境基本計画の中で、社会や経済の仕組みを根本から見直して、環境に配慮していかなきゃならないと。そういうことが本当に私は今は大事だなというふうに思っております。
 次に、環境問題で大きな役割を果たす緑地の保全について伺います。
 今、東京の環境問題を考えたときに、緑地が果たす役割は大変大きなものがあります。この答申の中にも書かれておりますが、緑は人間も含めた生物の生存基盤であり、大気汚染やヒートアイランド現象を緩和する機能を有すると同時に、豊かな緑空間や、人々の心に潤いや安らぎを与え、都市の風格と魅力を構成する役割を果たす、答申ではこのように明記しております。
 そこで、環境局として、緑地を保全するために、これまでどんな努力をされてきたのか、伺います。
 また、緑地公有化予算は、どんな場合に利用できるんでしょうか。

○中島自然環境部長 今、委員の方からご質問がありましたように、緑はますます重要になってきております。そのために、私ども、これまでも貴重な緑を守り、そして育てていくために、規制的な手法ですとか、あるいは都民の方々との協働の取り組みなど、さまざまに取り組んできております。
 今後、その開発許可制度の見直しですとか、あるいはグリーンシップ・アクションなどの都民との協働による緑の保全など、緑の東京十年プロジェクトの具体的な取り組みを今行っているところでございます。
 今後とも、都民、企業、行政が一体となって、引き続き貴重な緑の保全に向けて積極的に取り組んでまいります。
 それから、保全地域の公有化の件だと思いますけれども、保全地域の指定につきましては、都と区市町村との役割分担などを踏まえまして、広域的な視点から、自然性豊かな緑が多く残っている丘陵地ですとか、あるいは山地の緑地を主たる対象として取り組んでいるところでございます。

○村松委員 緑地公有化予算は、保全地域に指定したところを買収する、そういうところに使われるということで理解してよろしいんですか。

○中島自然環境部長 緑地保全地域の指定ですけれども、これはやはり地権者の方の、かなり同意といいますか、ご協力が必要でございまして、指定に当たりましては、そういう理解と協力を得た上で指定しております。そういったところを対象にして、同意が得られたところから、そうしたところについては積極的に保全を図っている、公有化を図っているということでございます。

○村松委員 地権者の同意を得るというのは、私も十分承知しているつもりです。
 それで、今、保全地域に指定したところの公有化率というのは、どのくらいなんでしょうか。

○中島自然環境部長 約八割でございます。

○村松委員 あと残された二割というところは、もしかしたらお寺とか、いろんなところで、公有化はまだできるところもあると思うんですが、もう限られてきているというふうに私は思うんです。
 そこで、今後の公有化に向けての緑地保全の指定、これは私はもっともっとやっていくべきだというふうに思うんですが、それと同時に、公有化資金も、緑地保全に指定しないところでも使えるような仕組み、こういうのはできないんでしょうか。

○中島自然環境部長 緑地保全の指定につきましては積極的に取り組んでまいりますけれども、先ほどもお答えしましたように、やはり地元の方の、そこの緑にかかわる熱意ですとか、あるいは実際の地権者の方のご理解ですとか、そういったもろもろのことが必要でございます。そのために私ども、地域の自治体の方といろいろと情報交換をして、どんな小さな情報でもいただくようにいたしまして、そして保全に向けて今取り組んでいるところでございまして、やはり地域の方が、その地域の緑をどのように愛着を持って保全していくかということが大事でございまして、今後ともそうした視点から積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、もう一点は何でしたか--公有化につきましては、必ずしも東京都がすべてということではなくて、やはり地元の方の一定の役割分担ということが必要でございまして、そうしたことを加味しながら、やはり総合的に取り組んでまいりたいと考えております。

○村松委員 何でこういうことをいうかというと、東京都のこういう環境白書とかいろんなものが出るたびに、東京の緑は減っていく、減っていくという、減っていくだけが目立っているんですが、なかなかふえているという話は出てこないんですよ。やっぱり、いろんな形で工夫しながら公有化できないだろうか、そういうことを私たちは望むんです。特に多摩の方なんかは。身近な緑がどんどん削られていくというところでは、みんな胸を痛めているものですから。
 緑を残すよりも開発の方が進んでいるという、そういう現象も私は感じるんですね。特に、今でも稲城の南山の問題だって、もう都市計画決定されたから無理よという人も都庁の中にはいるようなんですが、それから、八王子の川口の物流拠点用地、これも五十ヘクタールあるとか、青梅のインターチェンジ周辺でもあったり、あるいは武蔵村山の多摩開墾、五十五ヘクタール、これだって何かいわれておりますし、それから、三鷹市の外環道ジャンクション、これも農地とかが開発をされそうだというような形で、本当に黙っていたら、農地も森林もどんどんどんどん減っていく。だから、そういう意味では、先手先手を打って緑を押さえていく、そういうことを本当に意識的にやらなかったら、どうにもならないというふうに思うんです。
 そのためには、やっぱり今のような緑地公有化予算が、今年度が十五億円台、来年度は十四億円台、かつて百億円を超したときがあったんですよね。本当に緑が少ない少ない、減っている減っているという割には、この公有化資金が少ないんじゃないかなと私は改めて思うんですが、公有化資金をふやす予定はないでしょうか。

○中島自然環境部長 先ほども申し上げましたように、やはりこれは保有に対しての相当強い地権の制限を伴うわけでございまして、そうしたところに地道に活動しながら、私どもいろんな情報を集めて、ご理解をいただいて指定しているわけでございまして、やはりそうした土地については、これは一〇〇%予算化する中で積極的に取り組んでおります。

○村松委員 まず、保全地域に指定している地域が、もう残されているのはわずかと。そういうところで、十億そこらで何とかなる、そういう状況だと思うんですが、やっぱり保全地域をしっかりと指定していくことを積極的に進めていくということと、前に東京都環境局の方でやっていた施策の中で、保存樹林地等公有化資金貸付制度というのがありましたよね。これが平成十一年に廃止をされて、十二年からなくなっているんですが、多摩市長会の方では、十二年に廃止されても、ずっと十八年まで重点要望があって、それから、十九年度もそれに近い内容の要望があるんですね。
 私はやっぱり、多摩の市長会でも、東京都に積極的に本当は買ってほしいけれども、今のところそういう状況がないみたいだから、自分たちで買うには、せめてこの保存樹林がないだろうか、貸付制度を復活してもらえないだろうか、そういう思いで出していたと思うんですよ。これに対して、市長会からの要望を受ける姿勢はいかがでしょうか。

○中島自然環境部長 保存樹林地の公有化資金貸付制度でございますけれども、これは、今、委員お話のとおり、平成元年に設置しまして、いわゆるバブル期におきまして、高金利、高地価に対して区市町村等の樹林地等の公有化を支援するために設置したものでございますけれども、その後、地価といいますか、公定歩合等が、例えば平成五年には三・二五%、それから、ピーク時には六%というふうになりまして、実質上、我々が設定しておりました年三%というものが利用されなくなったということもありまして廃止しております。
 それから、多摩の東京都の市長会からも、十八年度までは予算要望事項として出されておりますことは承知しておりますけれども、先ほど来申し上げているとおり、これはお金の問題というよりは、やはりその地域の方の緑に対する愛着、それから、そこにかかわるNPOですとか、さまざまな方々に、どれだけそこに愛情を持って、末永くその地域の方々に愛されていくかということが基本でございまして、そうしたところについて積極的に取り組んでいただいている、意欲的に取り組んでいるそういう自治体の、まず、いろんなお話を聞いた上で保全地域を定めておりまして、そうした点を重視しながら、今後も取り組んでいきたいと考えております。

○村松委員 最後、要望だけにしておきますけれども、十一年度に終わったにもかかわらず、十八年度、十九年度重点要望の中で、市町村の保存樹林地等公有化資金貸付制度を復活されたい、また、制度の復活に当たっては、貸付利率を無利子とし、償還期限を二十年とされたい、こういうふうに市長会は出しているんですね。市長会がそういう要望があるということは、住民が要望しているから、本当に緑の問題については、身近な緑を残してほしいというすごい強い要望があるんです。それにこたえて市長会では要望を出しているわけですから、重く受けとめて、今後、この復活がならない場合には、ほかの方法でもいいからそういった制度をつくっていただきたい。この要望で終わります。

○谷村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時四十一分休憩

   午後三時五十三分開議

○谷村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原田委員 環境確保条例の見直しが進み、中間報告が発表され、パブリックコメント、ステークホルダーミーティングを経て、いよいよ来年度には条例が改正されるようです。最終案がまとめられている段階と考えますが、環境を守るための規制が拡大するために、業界の反対意見が大分寄せられているという、そんな状況のようですが、最後までどこまでまとめられるか、ちょっと心配なんですけれども、基本的には環境を地道に続けている市民団体の方々の強力な支持を得ていること、この制度に先見性を見る思いがするわけです。
 この中間報告には、地球温暖化対策計画書制度の強化として、大規模事業者に対する削減義務づけの制度が位置づけられています。この制度の対象となる大規模事業者にとって、この制度が十分に機能するためには、削減計画をつくる際に、あらかじめどのような削減対策があるか知っておくことや、より積極的な削減の取り組みを誘導するような工夫が必要と思いますが、ご所見をお伺いします。

○大野都市地球環境部長 CO2の削減義務化は日本で初めての取り組みでございまして、円滑な導入に向けました工夫を行うことが必要と認識しております。
 事業者に対しまして、説明会の開催でございますとか、窓口での相談、削減対策の事例集の提示などの方法によりまして、事業者が円滑に実施できるようにしてまいります。
 また、削減計画を評価、公表するなど、事業者のより積極的な取り組みを促す仕組みについても検討してまいります。

○原田委員 事業者が着実な削減を達成していくために、都としてどのようなことを行っていくのか、具体的にお伺いします。

○大野都市地球環境部長 新しく導入を予定しています制度は、削減義務を課すことによりまして、事業者の皆さんが目標達成に向けまして多様な取り組みを自主的に行うことを促すものでございます。このため、制度の実施に当たりましては、毎年度、対象事業所から進捗状況報告書を提出していただくということを想定しております。

○原田委員 義務づけの事業者ということでいうと、原油換算、一千五百キロリットルの事業者ということで、千三百社というお話をお聞きしました。削減計画の策定や進捗状況の報告書などの提出が、その過程において東京都と事業者の立場を相互理解する機会になってほしいと思っております。そして、現状を踏まえて課題達成のアドバイスができる関係をぜひつくっていただきたいと思いますし、削減のノウハウを広く事業所に伝えることで、対象事業者だけでない取り組みに広がることに期待したいと思います。
 また、公表の仕方ですけれども、一般の市民の方の中でも社会的認知度が高くなるように、公表ということがその会社のステータスが上がるように、一般市民の方の目に触れるような、事業者の意欲を高める工夫も要ると思いますので、そのあたり、よろしく検討してください。
 東京都が温暖化防止の高い目標を立て、とりわけ一昨年の再生エネルギー戦略や昨年設置の太陽エネルギー拡大会議の検討などで、自然エネルギーの利用拡大を進めていこうとしていることについて、長年、自然エネルギーの推進によって東京のエネルギー自立を目指すことを主張してきた立場からも、大変うれしく思い、応援するものです。
 太陽エネルギーの利用拡大について、二〇一六年までに百万キロワット、短期的には二〇一〇年までに四万世帯の導入、意欲的な目標であると評価したいと思います。しかし、現状は、太陽光発電でいえば、都内の導入量は現在三万キロワット程度、導入世帯も一万件ほどにすぎません。また、環境確保条例の建築物環境計画書制度によって、大規模な建物の建設の際には環境配慮が努力義務になっているにもかかわらず、マンションやオフィスビルの導入量は、二〇〇二年から二〇〇六年の実績では、太陽光発電四十六件、六百十三キロワットと非常に少ない状況です。
 再生エネルギーの全体の導入目標も、二〇二〇年までに二〇%と意欲的ですが、現状は二・七%ということです。目標と現状の大き過ぎるギャップを埋めるためには、よほどの覚悟での取り組みが必要であると考えております。
 そこでお伺いしたいのですが、都民の太陽光発電など導入のインセンティブとして、設置者が経済的メリットも含めて報われることができる仕組みが不可欠です。ドイツや韓国が導入している固定価格買い取り制度を最優先の検討課題にすべきですが、国の制度が整うのを待たずして、自治体が現時点で導入し得る自然エネルギーの環境価値を評価する仕組みを実施する方が望ましいでしょう。
 この点、東京都が太陽光発電など環境価値を公的に評価して買い取り、あわせて太陽光発電メーカーやハウスメーカーなど関連する多くの事業者と連携してコストの低減に努めることなどによって、十年程度で導入費用を回収できるようにするという方針が明らかになっています。ぜひ頑張っていただきたいと思うところですが、この買い取り制度では、戸建ての住宅の屋根の上に装着される太陽光発電や太陽熱温水器など、戸建て住宅への導入を中心に検討が進んでいるようです。東京にふさわしく、マンションなど集合住宅も対象とすべきと考えますが、見解をお伺いします。

○大野都市地球環境部長 この太陽エネルギーの利用拡大を目指す三カ年のプロジェクトは、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八の中におきまして、家庭部門の低CO2化の一環として位置づけられたものでございます。
 「十年後の東京」におきましては、建てかえの都営住宅、マンションなどにも設置しと、既にマンションなども例示として掲げておりまして、こうした集合住宅も含めまして、百万キロワットの目標達成を目指していくことになっております。

○原田委員 私の住んでいる多摩ニュータウンは、集合住宅が大変多いところです。そして、幸いにもというか、賃貸の多くは、東京都だったり、URだったり、東京都供給公社だったりするわけです。このメリットを生かして、太陽光パネルの設置をぜひ働きかけていただきたいと思います。
 そしてもう一つはマンションなんですけれども、マンションへの取りつけは、区分所有法の関係もあって、費用の面で管理組合との話し合いということになるとは思いますが、太陽光パネルを設置することで財産価値が上がっていくというような一つの誘導も、一面、期待できるのかなと思いますので、今ある住宅評価制度、環境にどのぐらい配慮しているかとか、三つ星、四つ星、あの評価のところがマンション購入の結構いい目安になっているというふうに聞いておりますので、住宅評価制度のそういうような視点でのさらなる充実を求めるものです。よろしくお願いします。
 その次なんですけれども、CO2削減ということに関しては、当然市民の皆さんが大変興味を持ってその削減に取り組まなければならないということは、もうほとんどの方々が認知しているわけなんですけれども、市民のレベルでいいますと、買い物や通勤など日々の実際の行動の中でCO2削減効果、例えば公共交通を利用した場合や、ハイブリッド車など低公害車に買いかえたり、またエコドライブをしたりしたことの削減効果というのはなかなか見えにくいということがあります。
 特に自動車でのCO2の排出量というのは、走行量を基本に考えられているというようなこともあって、何とか自動車からのCO2削減を進めるために、市民の理解が得やすいような、協力をしてもらいやすいような工夫が要るかなというふうに思いますが、CO2削減で市民が取り組む効果をわかりやすく示していくことが必要なのではないかと考えますが、ご見解をお伺いします。

○井戸自動車公害対策部長 自動車から排出されますCO2の削減を進めるには、都民みずからの取り組み効果がわかるようにすることによりまして、環境に配慮した行動への転換を促していくことが必要でございます。
 そのため、都はこれまでも、エコドライブを普及する取り組みの中で、リーフレットやホームページを活用しまして、CO2削減が約一割可能であることですとか、あるいは、緩やかな発進ですとか早目のアクセルオフなど、だれでも取り組めるポイントをわかりやすく示してまいりました。また、走行量と給油量を入力しますと、削減できるCO2の排出量がわかりますサイトをホームページに設けるなど、工夫を凝らして普及啓発に努めてまいりました。
 今後、例えば通勤や買い物など都民の日常生活の中で、マイカーをやめまして公共交通を利用した場合のCO2削減効果につきまして、ホームページですとか、あるいはイベント等のさまざまな場でわかりやすく示すことなどを通じまして、環境に優しいライフスタイルの定着を目指してまいります。

○原田委員 いろんな場面でのCO2削減の方法、削減したことでどんな効果があるかというようなアピールはぜひやっていただきたいと思います。
 さて、廃棄物対策なんですけれども、これも地球温暖化防止の観点に立って、ぜひその視点でも事業を進めていただきたいと考えております。生活者ネットワークでは、一貫してリデュース、リユース、リサイクル、三Rの優先順位に沿った取り組み、生産者拡大を主張してきたわけなんですけれども、廃プラスチックについても同様で、この点について何点か質問したいと思います。
 まず、平成二十年度都の予算案の中に、廃プラスチックリサイクル促進として八百万が計上されていますが、どのような内容の事業か、お伺いします。

○森廃棄物対策部長 十八年度に策定した東京都廃棄物処理計画では、廃プラスチックのリサイクルを促進し、埋立処分量をゼロとするとの目標を掲げてございます。
 二十年度の廃プラスチックのリサイクル事業は、そのうち産業廃棄物のプラスチックの埋め立てゼロに向け、二つの新規事業を計画したものでございます。一つは、廃プラ埋め立てゼロに取り組む排出事業者及び産業廃棄物処理業者と都が協定を締結し、都がその事業者名などを公表するものでございます。もう一つは、廃プラスチック等のリサイクルの優良事例を収集し、その情報を排出事業者や処理業者等に提供するものでございます。
 これらの事業によりまして、事業者の取り組み意欲を高め、廃プラスチックのリサイクルを促進してまいります。

○原田委員 とにかく、廃棄というよりもリサイクル、リサイクルよりもリデュースというような形を産業廃棄物のところでもぜひいろいろ工夫して、展開してもらいたいと思う立場でお話をさせていただいております。
 産業廃棄物として排出される廃プラスチックをリサイクルしていくことは、低CO2型社会を目指す上で大変重要な取り組みだと思います。当然、一般廃棄物の廃プラスチックも、ただ焼却するだけではなく、マテリアルリサイクルを進めていかなければならないと思います。CO2を多量に排出する都内の清掃工場においても、CO2の排出抑制に取り組むべきであると考えております。
 清掃工場におけるCO2の排出量は、焼却するごみ総量の中のプラスチックと合成繊維くずの組成比率と排出係数で割り出されるということです。都内にある焼却場で現在焼却されるプラスチックの量とCO2の排出量はどれくらいなのか、お伺いします。

○森廃棄物対策部長 都が本年度行った調査では、平成十七年度に都内の清掃工場で焼却した廃プラスチックと合成繊維くずの量は約四十万トン、CO2の排出量は約百万トンでございます。

○原田委員 ちょっとお伺いしたいのですけれども、これは二十三区と多摩地区とを合算した数ですか。というのも、きょういただいた資料の中に、廃プラスチック類の資源化ということでいうと、多摩と区部は随分違うなと思ったものですから、それをちょっと知りたくて、お返事いただけたらお願いします。

○森廃棄物対策部長 先ほど答弁させていただいた四十万トン、それからCO2排出量百万トンにつきましては、区部と多摩の合算数値でございます。

○原田委員 今後二十三区でサーマルリサイクルが本格実施されると、この量は確実にふえるものと思います。このことを考えると、地球温暖化対策の視点からは、資源化できるプラスチックは焼却に回すべきでないというふうに思います。
 特に、先ほど申し上げましたけれども、CO2をなかなか具体的に見える場所がないということがあるのですけれども、清掃工場が、実は組成分析の中でプラスチック類がどのぐらい入っているかというようなところから換算されるということでは、非常にわかりやすい数値が出てくるのかなと思います。それぞれの清掃工場、自分の自治体が持っている清掃工場、そこの組成率がどのぐらいで、どのぐらい出しているのかというのを自治体ごとに積み上げることで、その排出抑制に関しても市民が関心を持っていくというような構造につながりますので、ぜひ、合算というよりも積み上げで年次報告をしてもらえば、うちはあそこの市より高いとか低いとかいって頑張る自治体も出てくるかもしれません。資源化率をはかるときに自治体ごとの数値が出ましたけれども、そのような工夫をしていくことで、目標に向かって頑張るというような機運も出てくるかもしれません。ぜひそのことを検討していただきたいと考えております。
 その次ですけれども、東京都が提唱したサーマルリサイクルは、リサイクルの中で最後の選択肢であるということを今まで述べさせていただきましたけれども、再度はっきりさせるべきだと思いますけれども、見解をお伺いします。

○森廃棄物対策部長 廃プラスチックのリサイクルに関する都の基本的な考え方につきましては、従来から、廃プラスチックは貴重な資源であり、埋立処分場の延命化のためにも、できる限り分別収集し、原材料として利用するとともに、汚れが付着しているなど再利用に適さないものは燃焼し、エネルギーの回収を行うことが必要であるというものでございます。

○原田委員 先ほどもいいましたけれども、生活者ネットワークでは、容器はリサイクルよりリユースという立場で、特に環境に負荷を与えない瓶リユースの拡大を主張していますが、本当に重いということと、リユースがなかなか、現状の社会の中では意識がだんだん薄くなっているというような現状がありまして、大変後退しているという現状です。残念ながら、そんな現状です。ペットボトルの普及も大変ウナギ登りに伸びていまして、そしてまた、瓶のリユースはだんだん下がっていくという現状です。
 そのような折、環境省は、ペットボトルのリユースを検討するというようなことを発表したようです。ペットボトルのリユースは、その安全性や扱いに課題はありますけれども、使い捨て文化に歯どめがかかり、CO2削減にも効果的という点でベターな選択であると考えております。この動きを東京都はどうとらえているか、見解をお伺いします。

○森廃棄物対策部長 ペットボトルのリユースにつきましては、高い回収率が確保された場合には、現在のリサイクルよりも環境負荷が低い可能性があるといわれております。一方、この高い回収率をどう確保するかという課題や、傷がつきやすく、においも残りやすいなど、食品衛生上の課題も指摘されております。
 食品衛生上の不安などから消費者に受け入れられなければ導入は難しく、ペットボトルのリユースについては、幅広い観点から論議が必要であり、国の検討を注視してまいります。

○原田委員 ここに、パルシステム生活協同組合連合会が三年かけて、国の補助金をもらってリユースを実験してみた調査結果があるのです。それは所管の方もご存じのようでしたけれども、実際、実験した方にお話を聞いてみました。リユース用のペットボトルをつくって試したということなんですけれども、通常出回っているペットより厚目で丈夫ということなんですけれども、ドイツのように三十回まではやはりちょっと難しいかなと。というのも、ジュースなら黄色いのがついてしまうとかというのがあるようなんですけれども、日本人の感覚からしたら、十数回なら見た感じも許容範囲であるだろうというようなことで、十数回使ったというようなペットボトルも実際見させていただきました。また、におい探知器が、今は大変性能のいいのができているということで、その探知器で、前に何が入っていて使われたのかも察知できるようになっているそうです。そして、事前に選別できるというようなシステムもできているというふうにおっしゃっていました。
 ご答弁のように、確かに回収に課題があるということですが、今まで使い捨て文化が定着してしまっている現実があるので、大変課題は深刻かなとは思いますけれども、これからリユース文化というのは、ごみ減量の大変大きな視点であります。容器を何回も使っていこうということは大変大事な視点ですから、ぜひできるところからリユースを進めていただきたいと思います。そして、東京都にはその支援をぜひよろしくお願いします。
 自治体の中で、ごみ減量は大変大きな課題です。しかし、広域的--いわゆるリユースの問題は自治体だけでは、一般ごみ、一般廃棄物、家庭用のごみだからということで自治体に任せていたら、特にリユースの仕組みは動かないと思います。そういう意味で、ぜひこのペットボトルのリユースに注目していただいて、何らかの支援をしていただければと思います。よろしくお願いします。
 終わります。

○こいそ委員 それでは、三点お願いします。
 特に一番目は、ただいまお話も、やりとりがありましたけれども、廃棄物対策をまず一点聞きたいのですが、いずれにいたしましても、この話は前にもいいましたが、東京の歴史をたどってみて、江戸時代、これはまさしく、今お話があったようにリデュース、リユース。さらに三Rから四Rに今度はなってきている。リフューズ、それからリペア。リペアは四Rじゃないけれども、修理をするとかそういうことですけれども、いずれにしても、江戸時代の循環型社会形成の中で、「与話情浮名横櫛」という歌舞伎がありましたよね。幕末のころ非常にはやった歌舞伎なんですけれども、ここには、この家のかまどの下の灰までも、これは全部おれのものだという一節があるんです、有名ですけれども。それはどういうことかというと、これは随分欲張りだなと思いますけれども、しかしそうじゃなくて、まさにかまどの灰までも、実は商品といいますか、売れるのですね、これ。これは、回収者もいて、問屋もいて、何と大正時代まで続いてきたというのですね。
 いずれにしても、これは一つの話ですけれども、もちろん、よくいわれる着ているもの、衣服から、げたの歯から、壊れた陶器から、傘ですよね、よく有名な、いろいろありますけれども、すべて必ず循環しているという、例えば、ろうそくのろうが溶ける、この溶けたろうを集めて回収する業者がいたというのですね。それをまた再生して売ったという、非常に極めて--それから、こういうことをいっていいかわかりませんが、人ふんとか動物、これのいわゆる処理、排せつされたもの、これを当時買ったのですね。こういうさまざまな形態の循環型社会が形成をされていた。
 その中で一つ、もったいないという、よくいわれる、ケニアの副大臣に最終的になったのですかね、ノーベル賞をもらって、マータイさんですね。この人がやはり、自然や物に対する敬愛や愛だとか、今いうところの消費に対するリユース、削減、再利用、それからリサイクル、もう一度使う、物を大切にする、それから買わない、こういう中で、その概念がとてもすばらしいということで、再来日して、愛知万博だったですかね、そういうようなところで大変、さらに京都議定書のときに来られたのだけれども、京都会議に来られたのですね。その後において何回か来日されていますけれども、これはすばらしいと。
 まさに諸外国で、もったいないということが正確に訳せる外国語がどこにもないらしいのですね。日本は当然当たり前ですけれども、そのほかの国では。このもったいないを何とか単語として、それからフレーズとして、世界の環境のスローガンとして広めていこうと決意をしたという中で、ご案内のとおりだと思うのですけれども、もったいない運動が始まった。
 ということは、何を私はここでいいたいかというと、これはすなわち我々のDNA、我々のライフサイクルといいますか、いわゆる先輩、祖先からの連綿として続いてきている、こういうものに極めて内在するもの、これをもう一度私は、こういう視点から環境政策というものに取り組んでいくべきじゃないかなと。今は廃棄物のことをいっていますけれども、思えてならないのです。
 これを冒頭ちょっといわせていただいて、そこで、今リサイクルという話がありましたけれども、江戸時代は、リデュース、このあたりもリサイクル以前のさまざまな循環があった。リサイクルという中で、今いろいろ精力的に、またいろいろ知恵を絞って、さまざまに取り組みが行われていることはよくわかっておりますけれども、しかし、いわゆるこのリサイクル率が果たして--回収率は、これはもう大変高い回収率ですね。古紙だとか、こういうものはもう九割方近いですね。それから、布だとかペットボトル、プラスチック類、六割強を超えている。大変回収率は高いのだけれども、実際リサイクルに回すという段になってくると、低いのではないかと。例えば国内では六%ではないかという話もあるのですが、そのあたり、ちょっと教えていただけますか。

○森廃棄物対策部長 廃プラスチックを、ペットボトルを一つ例にとってお答えしたいと思います。
 平成十八年度の全国のペットボトルの回収率は、実は六六・三%と高い率になっておりますけれども、回収したペットボトルは、国内で破砕されたり洗浄されたり、あるいは再生の原料となってリサイクルされているわけですが、一つによっては、指定法人ルートではなく独自ルートとしてのルートで回す。再生となった後は中国などに輸出されて、ポリエステル繊維などに加工されている量が多くなっているという状況でございます。

○こいそ委員 確かに、一口でいうと静脈産業というか、こういう分野のグローバル化というのが広がっていることはよくわかっております。そして、主な市場が、輸出輸入先が、元が中国であるということもよく理解をしているところなんですけれども、しかし私は、もう一段、家庭から排出されるリサイクルが、これも私の一面の調査なので、ちょっと正確を期していないかもしれませんけれども、大変申しわけないのですが、例えばプラスチック類が半分近く、今、六六という話もあったけれども、実際上、最終的には五〇%からが焼却されているのではないか。いわゆるサーマルリサイクルの話とはちょっとまた別なんですけれども。
 ということは、家庭系、こういうところにしても、リサイクルに移行する、乗せるといいますか、そういうところの部分で、私はもう一段の知恵と努力が--当然基礎自治体に負うところが多いのだけれども、こういうのをぜひ広域的に、やはり家庭系も含めてリサイクル率が本当に国内でも上がるような、そういうような実のあるひとつ議論なり現状を把握していただくなり、指導をぜひしていただきたい。これは要望させていただきたいと思います。
 そしてまた、これは関連いたしますけれども、今いいました基礎自治体、区市町村、都道府県、国内の順で、さまざまにそれぞれの段階、段階でこのリサイクルが進められているということでありますけれども、ぜひこのあたりも含めてもう一度、やはり大量生産、大量消費、大量廃棄という中でも、これは東京という、全国の縮図といわれるこの東京の中でも、まさにそういう現状であるかと思うのですね。
 ですから、そういう意味も含めて、ちょっと前後いたしましたけれども、ぜひリサイクルに対する実効的効果の、基礎自治体に向けての区市町村のよりよい調査というかな、連携といいますか、こういうこともぜひこれから進めていただきたいというふうに思います。
 そして、リサイクルの関係はもうこのくらいにしまして、次に、これは少しまたご意見も聞かせていただきたいのは、町中で小売店、例えば飲食店のラーメン屋さんでもいいんです、小さい小規模の事業者でもそうだ。こういう中で、そこから排出されるごみ、廃棄物というのは、これは廃棄物処理法ですかね。廃棄物処理法でも一般廃棄物と産業廃棄物とあるけれども、しかし一般廃棄物の中には、事業系廃棄物と生活系の家庭系廃棄物に分かれていますよね。こういうところの実際的に処理をする中では、どこに当てはまるのでしょうかね。それを教えていただきたいと思います。

○森廃棄物対策部長 中小事業者から排出される廃棄物については、大きく分けて二つございます。一つは、業種の限定のない廃プラスチック類が少量出ます。それから、多くは一般廃棄物、俗に事業系一廃といわれるものでございます。
 簡単に申しますと、中小事業者から排出される廃棄物については、事業系一廃と少量の産業廃棄物が排出されるという状況でございます。

○こいそ委員 特に私がまたあえていいたいといいますか、今いっていますけれども、小規模の事業者、極めて小規模の商店等、いわゆる会社というか事業所といいますか、そういうところから出ますよね。そういうプラスチック類だけじゃなくて、出ますよね。これがみなし産廃としてなっていませんか。

○森廃棄物対策部長 中小事業者から排出される廃棄物を、処理業者がいわゆる廃棄物として排出するときに、一般廃棄物であるにもかかわらず、みなしとして産業廃棄物として収集、運搬する場合もあります。
 しかしながら、中小事業者から排出される一般廃棄物を産業廃棄物としてみなして、産業廃棄物業者が一般廃棄物の許可なしに取り扱うことは、これは法違反になりますので、都といたしましても、こういった実態がある場合については、法の趣旨を十分に周知徹底するよう、事業者に混乱が生じないよう区市町村を指導してまいりたいと思っております。

○こいそ委員 実は、これはさまざまに混乱していまして、地元自治体というか区市町村、担当者によっても、明快に答えられる方というのはそう多くないようなんですね。大変失礼だけれども、私の知る限りでは。
 そういう中で、今の森部長のお話はそのとおりだと思うのですが、少なくとも先ほどの廃棄物処理法の一般廃棄物の中には、いわゆる家庭系だ、そして事業系だと。事業系廃棄物、一般廃棄物は明確になっているわけですね、いわゆる産業廃棄物となっているけれども。みなし産廃なんていう言葉はどこにもないですね、これ。少なくとも私は、商業活動、事業者から排出されることについては、当然にして、法に基づくまでもなくて、これは責任があると思うのです。
 責任があると思うけれども、少なくとも中小零細企業の、いわゆる商店主の事業形態を見たときに、みなし産廃、産業廃棄物として指導されると、私は極めてこれは厳しいのじゃないのかなと率直に思うのですが、どうでしょうか。

○森廃棄物対策部長 中小企業から排出される廃棄物が適正に処理され、またリサイクルされていくことは大変重要だと思っております。そのため、廃棄物処理法では、区市町村が中小事業者から排出される廃棄物を家庭ごみとあわせて収集、処理することができる旨の法規定を設けてございます。みなし産廃というような言葉によって事業者に混乱が生じないよう、この規定の趣旨を十分周知し、区市町村を指導してまいりたいと思っております。

○こいそ委員 あくまでも私は、やはりもっとわかりやすく、行政もわかりやすい、排出事業者もわかりやすい、みんなわかりやすい言葉に整理しないと、何々区のどこへ行ったら指導が違う、何々市の、A市、B市が違うとか、それはおかしいと思うのですよ、これははっきりいって。大変失礼だけれども、多摩環の指導も、私ははっきりいってみなし産廃という指導だと思うのですね。しかし、そうじゃないと思うのですね。
 廃棄物処理法の厳然たる法的な根拠性から見たって、一般廃棄物、産業廃棄物という枠の中で、先ほどいっているように事業系と一般系、生活系があるわけじゃないですか。ですから、私はそのあたりの整理というのはつけられると思うのですよ。ですから、広域的な指導をされている環境局におかれましては、ぜひそういうあたりも、それぞれの現場の現状もあるかもしれないけれども、統一性がばらばらだと本当にそれぞれが困ると思いますので、ぜひそのあたりを、一定の基準点を明確にしていただきたい。これは要望いたします。
 最後というか、清掃工場の関係なんですが、とりわけ区市町村に対して、適正な処理を確保するために、清掃工場、市町村の処理施設の安定的な稼働が当然必要であるということでありますけれども、多摩地域には十五の清掃工場が稼働しています。築二十年以上経過する施設が十一工場。今後十年の間にこれらの施設の建てかえ時期を迎えるわけでありますけれども、この建てかえ時に、ごみの処理を他の市に依頼しなくてはならないケースも出てきますが、建てかえの時期が集中すると、受け入れ側の清掃工場の処理能力を超えてしまうということはいうまでもないですね。また、今の相互支援の協定では、事業系ごみの取り扱いや受け入れ料金の算定に関するルールが、現実に今ないのですね。そういう課題がある。市町村同士が直接交渉しても、利害が対立してなかなか話がまとまらない。今もありますね、現実に。多摩地域だからあります。
 そこで、広域自治体である都がイニシアチブをとって、建てかえ時期の分散を図るように市区町村間の調整に努めていただきたい。円滑な相互支援に向けた支援体制の見直しを図るべきと考えますが、所見をお聞かせいただきたいと思います。

○森廃棄物対策部長 多摩地域におきましては、安定的なごみ処理体制を確保するためには、市町村が協力して建てかえ時期の分散化を図るとともに、建てかえ時の相互支援体制を再構築することが必要でございます。
 このため、都は昨年十月、多摩地域の市町村とともに検討ワーキングを設置し、現在、各市の建てかえのスケジュールの調整や相互支援の対象とするごみの範囲、受け入れ料金の算定の方法などについて検討を行っております。
 都は引き続き、広域自治体の立場から、新たなルールを構築できるよう、市町村を積極的に支援してまいります。

○こいそ委員 せんだって、これはニュースでも流れましたけれども、あの世界的な観光地のナポリが、大変なごみの集積というか、非常にふえて町中に散乱をしているというか、大変な状況になっているということでありましたけれども、そういう事態が当然にして起こってはならないわけでありまして、ぜひひとつ東京都の市町村に対する、まさに広域行政体東京都としての役割をしっかり果たしていただきたい。これも要望をさせていただきます。
 そして次に、大気汚染、大気環境のモニタリングについて伺いたいと思いますが、都内の大気汚染状況は、浮遊粒子状物質が近年大きく改善されて、二酸化窒素も環境基準の達成率が上がるなど、着実に改善されていることはわかりますが、理解をいたします。これまで、大気汚染の現状を的確に把握して、その蓄積されたデータに基づいて、ディーゼル車排出ガス対策を初め、さまざまな対策を講じてきた、その成果も当然あると思います。
 環境先進都市東京を実現するため、今後も大気環境のモニタリングが私は重要な役割を担っていくものだと考えますが、まず大気汚染のモニタリングについて、その役割と重要性に対する認識をお伺いしたいと思います。

○石渡環境改善部長 大気環境モニタリングにつきましては、大気汚染防止法に基づいて行っておりまして、その役割は、人の健康保護と生活環境の保全のため大気汚染の状況を把握すること、そのデータ分析により必要な対策に資すること、実施した対策の効果を検証することなどでございます。
 現在、都の大気汚染状況は、お話があったとおり、浮遊粒子状物質につきましては、ほぼ全局で環境基準を達成し、二酸化窒素は、一般環境大気測定局では全局が環境基準を達成、自動車排ガス測定局では環境基準の達成率が上がるなど、着実に改善されております。
 しかしながら、光化学オキシダント濃度が依然として高い状況にあり、その低減が求められていること、浮遊粒子状物質の中で極めて小さい粒子であります、いわゆるPM二・五の実態把握とその取り組みなどの課題もあることから、新たな施策に応じたモニタリングの充実を図っていく必要がございます。
 「十年後の東京」の実行プログラムで目指しておりますように、世界の大都市で最もきれいな大気環境を実現するためには、今後とも大気環境モニタリングが重要であると考えております。

○こいそ委員 少し飛ばしますが、ディーゼル車排出ガス規制が平成十五年十月に始まった。その前には、環境確保条例が平成十二年十二月、国のNOx・PM法が十三年の六月に公布されて、平成十四年九月三十日に施行された。こういう一連のものがあります。
 資料をいただきまして、何をいいたいかというと、ことしは平成二十年という中で、平成十年に一般大気測定局四十七局、自動車排出ガス測定局三十五局の体制が整いましたね。自来、その体制で測定がなされてきたわけでありますけれども、その間、今、私が申し上げたとおりに、さらにまたこれからも環境都市東京を志向するという中で、やはり率先してさまざまな大気の測定をし、的確なデータを上げて対応していく、こういうことは、繰り返すけれども、極めて重要だと思うのですね。
 その中で、例えば私の住む多摩地域、及び私の地元である稲城市がありますね。そこは、この十年間に広域幹線ネットワーク形成の、本線はできていませんけれども、ちょうどあれなんですよ。川北下地域というのはなかなか開通できなかったけれども、昨年四月に開通しました。それだけじゃないですね。さまざまに大規模団地が張りつき、民間のマンション群が林立し、戸建て住宅がばんばんでき、あらゆる変化なんですね。今いった本線も、新座まで、もうつながりました。今度は一六号がつながりますよ。こういうような状況で、はっきりいいまして慢性渋滞が物すごい。
 ですから、こういう中から見ても、私は、この十年の間にこれだけいろいろさまざまに重要政策を打ち上げて成果を上げている環境局が、これからもぜひ的確なデータを収集して政策に生かせるように、ぜひこれは必要であると思うのですね。
 そういう中で、これらがまだ未設置のところ、それは確かに、各市それぞれまだ未整備のところがありますけれども、しかし、これだけ急激に環境が変化している、道路構造を含めてさまざまに激変しているところ、こういうところにはどうなんでしょうか。ひとつ検討していただきたいと思うのですが、設置に向けて。

○石渡環境改善部長 大気環境モニタリングにおきましては、大気汚染物質ごとの環境基準の適合状況や年平均値の推移など、経年的な傾向から大気汚染対策の効果を検証するため、測定体制を長期的に継続することが不可欠でございます。しかしながら一方で、ご指摘のように、都市構造などの状況の変化や光化学オキシダントなどの課題にも適切に対応することが必要でございます。このため、今後、都の状況に適した大気環境モニタリングのあり方について検討してまいります。

○こいそ委員 ぜひよろしくお願いします、本当に。これは局長に最後に一言いただきたいと思いますけれども、そうやって、局長もわかったという、体で示してもらっていますので、よろしくひとつお願いします。
 それでは最後に、現在、都庁が全庁を挙げて取り組んでいる重要な課題の一つである緑問題について、都は昨年、「十年後の東京」への実行プラグラムを策定しました。その中で、さまざまな緑に関する事業がメニュー化され、これは非常に重要ですね。かつ、適宜、非常に重要な施策が行われる、行ってきたと認識しております。環境局はいわば、まさに緑の責任局でありまして、これからも先頭に立って、ぜひそれらの意義ある重要な政策、事業を成功させていただきたいなと。エールであります、これは。頑張ってください。
 それと、その中で、この実行プログラムの数ある事業の中でも、いわゆるつくる緑。しかし、今残された貴重な里地、里山、丘陵、自然林、この緑の保全に私も以前から非常に強い思いがございまして、取り上げさせていただいてきましたが、私は、海の森の整備だとか、街路樹を二倍ふやすとか、百万本ふやすとか、それも結構だと思うけれども、今、現実、ばんばんばんばん多摩地域の、ちょうど南多摩、北多摩の中間あたりは緑が減少している。これも事実なんですね。何としてでも残していかなきゃいけない緑、貴重な里地や里山やそういうものをぜひ、これはつくる緑も大切かもしれないけれども、残さなきゃいけない、保全しなきゃいけない緑も極めて大切だと。
 そういう認識の中で、里地のいわゆるボランティアの方々も、いろいろと活躍、活動をされております。特に、私も一緒に探検いたしましたけれども、自然の懐に抱かれて、心地よい汗を流して、いい汗ですよ、これは。自然と一体となれる感覚は、何物にもかえがたい貴重なものであると思います。ぜひとも一人でも多くの都民の皆さんに、この感覚、これをぜひ味わっていただきたい。私は、そのような広がりこそ、一過性でない、都民に根づいた緑のムーブメントにつながるものではないかと思うところでございます。
 そこで、緑の保全について何点か質問いたしますけれども、まず、都が進めている企業及びNPOとの協働による緑の保全活動であるグリーンシップ・アクション、これは大変すばらしい事業であります。私も、これも立派な緑のムーブメントであると思いますけれども、この事業は、多摩リーディングプロジェクトの二十五の多摩重点推進事業にも位置づけされている政策でありますけれども、リーディングプロジェクトは、平成十八年度の六地域での実施を今後さらに拡大させるといわれておりますけれども、今年度の実施結果はどうなっているか、お聞かせいただきたいと思います。

○中島自然環境部長 企業、NPO等と行政の連携によります東京グリーンシップ・アクションの実施箇所数でございますけれども、これは、平成十五年度の一カ所から始まりまして、その後、十六年度は四カ所、十七、十八年度は六カ所と、それぞれ実施箇所数を伸ばしてまいりました。そして、今年度でございますが、九カ所で二十四の企業が参加いたしまして、延べ四十三回の保全活動を実施しておりまして、年々事業の拡充を図ってきたところでございます。

○こいそ委員 まさに、今ご答弁いただきましたように、順調に実績が伸びてきているということは理解いたしました。ぜひこの状況を、非常にいい状況で推移しておりますので、この状況を維持していただきたいと思います。
 また、順調なこの事業にも当然課題があると思います。まさに最大の課題は何なのか、それに対して都及び自然環境部ではどのような対応を図っているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○中島自然環境部長 東京グリーンシップ・アクションでございますけれども、参加企業数などの実績は、ただいま答弁申し上げましたように順調に伸びておりますけれども、そうした中にありまして、保全活動を企画運営するNPOの不足が課題でございます。
 これに対しまして、都は、既に活動しているNPOにグリーンシップ・アクションへの参加を呼びかけますとともに、緑の保全活動で実績のあるボランティア団体同士をマッチングさせまして、新たなNPOを立ち上げる機運づくりなどを行っております。今年度は、都がボランティア団体に働きかけることによりまして、新たに一つのNPOの立ち上げを支援することができております。
 今後とも、東京グリーンシップ・アクションの拡充のためにも、連携するNPOの増加に努めてまいります。

○こいそ委員 まさにNPOの活動、そしてまたNPO自身が積極的にこれから参加できるような、また増加するように取り組んでいただきたい。
 次に、グリーンシップ・アクションも事業開始からちょうど五年目の節目を迎えましたけれども、参加企業の中には、現在、都が保全活動を総合調整してNPOが企画運営をするこの制度からもう一歩踏み出して、より自主的な形で緑の保全活動をしたいということを聞くわけでありますけれども、都は、このような熱意を持っている、環境に大変関心を持つといいますか、率先して環境負荷を軽減していきたいという企業の意気込みに対して、継続して支援をすべきだと考えますけれども、これに対してどうでしょうか。

○中島自然環境部長 ただいまのご指摘のとおりでございまして、東京グリーンシップ・アクションに参加している企業の中には、これを一つのステップといたしまして、例えばみずから保全活動を企画運営するなど、より自立的に活動を行おうとしている企業も出てきております。こうした取り組みは、緑の保全にかかわる主体の拡充に確実につながっていくものでございまして、高く評価しております。
 都といたしましては、こうした熱意ある企業に対しまして、指導者やボランティアを紹介するなど、引き続き、さまざまな側面から支援を行ってまいります。

○こいそ委員 では最後に、ただいま部長からご答弁いただきましたけれども、緑の保全にかかわる主体の拡充ということがお話がありましたが、私も、そのことは東京の緑を守る上で極めて重要であろうというふうに思います。
 こうした観点から、提案までいくかどうかわかりませんが、提案させていただくならば、企業などと並んで、社会をこれからしっかりと支える構成的な教育機関、とりわけ大学は大きな主体になるであろうと思います。私が調べたところでは、都内に本部を置く大学が百三十以上、約七十万の学生が通学をしているという状況の中で、在籍しているという中で、ここで最後に局長にお伺いいたしますが、都は緑の保全について、大学などとの、また、今までNPOそれから企業となってきましたが、大学などとの連携を新たに、緑の保全活動を今後より一層充実させていくべきだ、緑の保全にかかわる主体の拡充を図っていくべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。

○吉川環境局長 こいそ委員から冒頭、DNAのお話もありましたし、ずっと含蓄のあるお話が勉強になりましたけれども、最後に、グリーンシップ・アクションを私はとてもうれしく今伺っていたのですけれども、十九年度のグリーンシップ・アクションの数は先ほど部長が答弁しましたが、その活動の成果を発表する会がありました。そこへ私も参加させてもらって、ずっと聞いていたのですが、参加された企業の方々だとかNPOの方々は極めて、いろんな準備に向けて、本当に工夫を凝らしてやっていただいている。それから、うちの局の職員もそこで汗を流しているわけですが、総体として、グリーンシップ・アクションに対して先生から評価をいただいたということで、とてもうれしく思います。
 そういう中で、緑あふれる東京の再生に、都民一人一人の方々の努力はもとより、今申し上げた企業など、社会のあらゆる主体が協働して、緑の創出それから保全、これに取り組む必要がございます。とりわけ、お話のように、次世代の担い手でございます大学生が、保全地域を自然の中のキャンパスとして実際に自然保全の活動を行うということは極めて大切なことであり、かつ、都民全体もしくは参加された方々も含めて、緑の保全に対する関心の喚起や行動力の醸成に役立つものだと考えており、将来の緑を担う大きな人的資源の育成につながる、意義のある取り組みだと考えております。
 今後、ご提案の趣旨を踏まえまして、大学との連携を図りながら、一層の緑の保全活動の充実に努めてまいります。ありがとうございました。

○今村委員 それでは、私の方からは四項目ほどの質疑をさせていただきたいと思いますけれども、まずバイオディーゼル、VDFとかBDFというふうに申し上げますけれども、このことについてお聞きをしたいと思います。
 昨年秋から、東京都におきましては、第一世代そして第二世代の実証実験が行われて、間もなく半年を迎えようとしておりますけれども、まず第一世代のVDFまたはBDF、これはまだあと一年あるわけでありますけれども、こちらと、そしてBHD、第二世代のこの実証実験はこの三十一日で終わるわけでありますけれども、この間の実験の印象をお伺いしたいと思います。

○井戸自動車公害対策部長 第一世代のバイオディーゼルは、今すぐに使える軽油代替燃料としまして、植物油にメチルアルコールを加えてつくったものでございますけれども、それと第二世代ですけれども、水素を使いまして植物油を軽油にしたものでございますけれども、これにつきましては、今、都バスの営業走行を通じて継続して検証事業を実施しておりますので、その状況につきまして正式に答える段階ではございませんけれども、排出ガスの性能につきましては、東京都環境科学研究所で測定した結果におきましては、通常軽油を使用した場合との差はなかったというふうに聞いております。
 今後、データの収集ですとか、あるいはその解析を十分に行った後で、詳細な検証結果を取りまとめてまいります。

○今村委員 今、これから、特に第二世代のBHDの方は検討結果をまとめるということでありましたけれども、では、先にBHDからですけれども、例えばBHDは、今、実験をしている中で不都合があったわけではありませんね。何ら変わりはないということでありますし、排ガス性能は、既に実証実験の前に調査をしておりますので、とりわけ問題はなかったのかなということでありますので、当然、今、先ほどから問題になっておりますけれども、地球温暖化防止に対してカーボンマイナス、CO2を削減するという効果があるということがいえるのではないかというふうに思いますし、第一世代、これはなぜか一年半の実証実験計画になっていますね。
 先ほどから、こいそさんからも江戸時代の話がありましたけれども、やはりいかに温暖化防止をする、削減をしていくのかということは、都が行っているように、今できること、きょうできること、きょうできるならば、白熱球を蛍光管にかえていこうという、そういうことがいえるのじゃないかと思いますけれども、第一世代は既に流通をしているわけであります。
 こういったことが背景にあるということから、この第二世代のBHDを、今度は廃食油からつくるという実験を行うということが新年度の予算にのっておりますけれども、この目的はどこにあるのかと、また、将来どんな見通しを持っているのか、期待を持っているのかということについてお答えいただきたいと思います。

○井戸自動車公害対策部長 今の第一世代につきましては、二年間の実験をやっておるところでございます。
 第二世代につきましての目的ですとかあるいは将来の見通しでございますけれども、バイオディーゼル燃料の原料につきましては、ご承知のように、食料品需給の逼迫ですとか、あるいは熱帯雨林の伐採を促すことのないよう、原料調達にも配慮すべきというふうに考えております。このため、廃食用油など食用に適さない油脂の活用につきましても検討を進めているところでございます。
 なお、廃食用油につきましては、処理ですとか、あるいはその発生ですとか、そういう実態を踏まえまして、第二世代バイオディーゼル燃料の実用化に向けた取り組みにおきまして、原料供給体制についても検討してまいります。

○今村委員 今お話があったとおりでありまして、廃棄物、捨てる廃食油から燃料をつくるところに大きな意義があるということであります。
 昨今は、こういったバイオ燃料の生産がふえることによって、私たちの食料品が値上がりするということが大きな問題になっておりますけれども、まさに第一世代の、特にバイオディーゼル等は、廃食油からつくる事業が盛んに行われております。
 私は、今、東京都としても、ぜひこうした廃食油からつくっている、第一世代でありますけれども、VDF、BDFをやはり普及する必要性があるのではないかというふうに思っておりますけれども、どうご認識されているのか、お伺いいたします。

○井戸自動車公害対策部長 第一世代バイオディーゼルにつきましての一般への普及でございますけれども、第一世代のバイオ燃料につきましては、揮発油等の品質の確保等に関する法律の規定に基づきまして、市販されているものを導入することはできます。このため、区市町村ですとか、あるいは一般事業者につきましては、その判断により導入することは可能でございます。
 ただ、品確法の規定の五%を超える濃度での使用につきましては、車両への影響ですとか、あるいは排出ガスへの影響につきまして検証が必要であるというふうに考えてございます。

○今村委員 今お話がありましたとおり、とりあえず総称して第一世代のことをVDFといいますけれども、品確法では五%以下というふうに決められています。つまり、五%で使っている分には影響がないということを国がお墨つきを与えているということだというふうに思いますけれども、しかし、COP3を行った京都市を初め、滋賀県などいろいろなところで、このVDFをいろいろな市の、または県の車両に入れて、しかも、それは五%以上の高濃度で使っている。一〇〇%で使っているところもあるわけであります。これはなぜできるかといえば、自分でつくって自分で使う分には問題がないということでありますから、例えば八王子市とか、ことしは四月から多摩市でも始まりますけれども、ほかにも幾つかの市では、こういった廃食油からの第一世代のバイオディーゼルを使って、みずからの関係する車両に入れていくという取り組みをしております。
 私は、都の実験が、先ほど二年とありましたけれども、第一世代、ちょっと長いのではないかなという気がしてなりません。確かに、車両への影響を調査するということはあるでしょう。しかし、今都がやっているのは、品確法で認められている五%以下のバイオディーゼルでやっているわけですから、国も問題ないといっているわけでありますし、BHDはより高性能でありますから、半年で実証実験が済むのかもしれません。それはそれで、一つの考え方として理解をしますけれども、やはり一日も早く行うためには、CO2を削減するためには、やはり交通局とかそれから外郭団体など、都に関連する団体なども含めて、こうしたバイオディーゼルを使えるところにはどんどんと使っていく。
 例えば五%でも結構だと思いますし、一〇%、二〇%という形で、都が委託などをして生産して濃度を上げていくということは、濃度を上げれば上げるだけ、これはCO2を、同じ五%ならマイナス五%、一〇%であればマイナス一〇%になるわけでありますので、大変効果があるというふうに思っておりますけれども、所見をお伺いしたいと思います。

○井戸自動車公害対策部長 今のバイオ燃料につきましては、委員ご指摘のとおり、早急に普及をしていくべきだと思っております。
 ただ、現在、バイオ燃料の状況につきましては、国のレベルにおいても、バイオ燃料の品質に関しての、粗悪な部分があるとか、そういったような指摘なんかもされておりまして、流通業者につきましても、品質確認義務を持たせようとかという動きもございます。また、京都市におきましても、既に先行してバイオ燃料を導入して、清掃車ですとかバスで使っておりますけれども、ある程度、燃料の品質ですとか、あるいは車への影響などもあるというふうに伺っております。
 ただ、現在の段階では、バイオディーゼル燃料を広く世間に普及促進させていくためには、法律の要件を満たした、品確法において満たした燃料であることが基本であるというふうに思っております。
 都としましては、より高濃度で使用するためには、やはり第二世代バイオディーゼル、軽油と変わらないものにつきましての実用化に向けて取り組みを進めることが重要であるというふうに考えております。
 こうしたことから、第一世代バイオディーゼル燃料につきまして、都が直接製造することにつきましては、予定してはおりません。また、今後のB5燃料につきましては、第一世代につきましては、検証結果を踏まえまして検討してまいります。

○今村委員 都の見解はよくわかりました。
 誤解があってはならないので、一言申し上げておきますけれども、京都市などで行われているバイオディーゼルの実験でありますけれども、よく誤解をされる方がいらっしゃいますけれども、このVDFは、燃料の入る配管等を全部きれいにしてしまうのですね。廃食油からできていますから、通常の軽油よりも洗浄能力が高いということでありますので、今まで使っていた軽油、汚い汚れがついていた車両に新たにVDFを入れると、これがきれいに掃除をされて、フィルターに詰まる。または、余りにも洗浄力が高いですから、皆さんオイル交換を、長く使わないとオイルがさらさらになるという、これによってエンジンが壊れるわけでありますけれども、こういったメンテナンスをきちっとしないと壊れるということでありますので、誤解のないように申し上げておきたいというふうに思います。
 それと、局長、実は前にもいいましたけれども、これからはマイレージ、どれだけリサイクルを進めていくとかリユースするとかいうことと同じように、今、東京都が実証実験で入れているものは、海外からわざわざ船で運んできているわけですよ。その間に大量のCO2を出しているわけですね。だったらば、この東京で捨てられる、先ほどレアメタルなどの話もありましたけれども、ここからできるものを使って、しかも捨てられるものでありますから、ぜひこういったことはもう一度再考していただければ大変ありがたいなというふうに、要望にとどめておきたいと思います。
 それでは、校庭の芝生化について次に質疑をしたいと思います。
 来年度から、今度は幼稚園、保育園での芝生化モデル事業がスタートいたします。芝生化事業は大変よい取り組みで、注目をされておりますけれども、その後のメンテナンスが大変重要でありますし、それが大変な重荷になるという話もあるわけであります。
 保育園、幼稚園は、学校などのように長期の休みがなく、体こそ小さいですけれども、芝生化した場合には、常にそこで子どもたちが遊んでいるということが考えられます。そこで、小中学校のように、園庭の一部分でも芝生化するということをやはり位置づけていかないと、なかなか厳しいものがあるのではないかというふうに思います。
 幼稚園、保育園は、園庭が小中学校と比べると小さいわけでありますけれども、こういった効果や、ことし行うモデル事業に都はどういうふうに臨んでいくのか、お伺いをします。

○大野都市地球環境部長 幼稚園と保育園では、二十年度に園庭の芝生化のモデル事業を関係局と連携して実施することになっております。必要面積などの補助事業の枠組みにつきましては、二十年度のモデル事業の結果を踏まえて決めていくという予定でございます。
 なお、今年度から実施をしております公立小中学校の校庭芝生化補助事業では、二百五十平米以上という最低限の必要面積要件はありますけれども、校庭を全面芝生化する要件はございませんで、各学校の維持管理面や学校活動の実情に応じて、施工規模や箇所を決めております。

○今村委員 ぜひ保育園、幼稚園でも、そのように一部でも可能ということにしていただけるようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 それでは、次の質疑に移ります。
 建物解体現場指導についてでありますけれども、今年度から新事業として行ってまいりました、これらの事業の成果などをわかる範囲で、これも三月三十一日でとりあえず今年度分が終わるわけですけれども、お聞かせをいただきたいと思います。
 さらに、その成果を踏まえて、来年度予算、これをさらに充実するためにはどんなことを予定しているのか、または重点的にどのようなことに取り組むのか、お伺いをしたいと思います。

○森廃棄物対策部長 解体工事現場への指導につきましては、今年度、既に二千件を超える立ち入りを行い、現場で判明したマニフェスト不携帯や廃棄物運搬車両の許可番号非表示などの違反行為に対しましては、個別に是正指導をしてきております。さらに、委託基準に違反した悪質なケースに対しましては、許可の取り消し処分を行ってきました。
 来年度は、これまで得られた不適正処理事案の情報をもとに、問題のある解体業者の現場に対して重点的に指導してまいります。

○今村委員 大変な成果が上がっているようでありますので、ぜひ、さらにさらに充実をさせていただきたいというふうに思いますが、この不法投棄とか、それから野焼きの問題は、きょうも多摩地域の議員がたくさんいますけれども、私たち多摩地区の大変大きな問題であります。まさに緑の保全とともにそうですけれども、そういったところに不法投棄などがされるとか、そういった山の中で野焼きがされるということが大変あるわけであります。
 そこで、不法投棄とか野焼きが、役所の休みのとき、休日、祝祭日に多いというふうに私は認識をしておりますけれども、ちなみに土日、休日、この指導を行う環境事務所、多摩の環境事務所がありますけれども、どのような体制になっているのか、お伺いをしたいと思います。

○森廃棄物対策部長 不適正処理の事案の多い多摩地域では、多摩環境事務所において、月に二回、休日に現場を巡回するパトロールを実施し、不適正処理の発生するおそれの箇所を重点的に監視しております。また、警視庁と連携を強化し、休日、夜間に不適正処理が行われた場合は、緊急連絡体制により産廃Gメンが現場に立ち入りできる体制をしいてございます。
 都は今後とも、区市町村や関係機関と連携を強化し、不法投棄を初めとする不適正処理の未然防止に努めてまいります。

○今村委員 月二回パトロールをしていただいて、大変ありがたいと思いますけれども、いかんせん広い多摩地域でありますし、また人目につかないところで行われることでありますので、ぜひこれは充実をしてもらいたいと思いますけれども、なかなか人手等の関係もあるというふうに思いますので、やはりこういった地域の方からの通報が大きなプラスになるのではないかというふうに思います。
 そこで、東京都のホームページを見させていただきますと、産業廃棄物に関するお問い合わせ先一覧というのが、局長、出ているのですね。ここにつくっていただいて、産業廃棄物の不適正処理対策に関することという項目があります。その中に、都内における不法投棄への取り締まりに関すること、それから屋外焼却(野焼き)への取り締まりに関することは、それぞれ、二十三区内はこちら、そして多摩地域はこちらということで電話番号が書いてあります。しかし、そうはいっても、休日は、月に二回は外に出ておられますし、ふだんはこの電話番号はつながりませんよね。
 これを見た感じの印象なんですけれども、PRしていただいているのですが、例えば、これをもっと積極的に活用するならば、ぜひそういった現場を見た場合には通報してくださいと、こう書いてあるべきではないかというふうに思うのですね。これを見た感じ、何となく業者が問い合わせをするような、まじめな業者が問い合わせをするようなホームページのつくりになっているような気がするのですね。都民の皆さんにより多くの目で監視をしていただく。幾ら充実をしたって、東京都の職員だけでそれらをすべて網羅することはまず不可能であります。それよりも、お金もかからずに、都民と協働して環境を守っていくということであるならば、ディーゼル車対策規制をしていたときには、たしか黒煙などの大変出ている車両の番号をぜひ通報してくださいというPRをされていたと思いますけれども、このことは要望にとどめさせていただきますけれども、ぜひ今後も一層の取り組み強化をお願いしておきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、緑地保全と税という、こんなことでひとつ質疑をさせていただきたいなというふうに、このことは局長に直接お伺いをしたいというふうに思います。
 保全緑地の指定がなかなか進まないことは、事務事業説明でも質疑で問い合わせをさせていただきました。今後もさらに努力をしていただけるということでありましたけれども、ぜひ東京だけではなくて、八都県市などを含めて、広域の緑のつながりも意識して保全に取り組んでいただきたいということをあらかじめ要望をしながら--先ほどからこいそさんなどからも話がありましたけれども、この緑地保全を進めていくのは大変厳しい状況があります。
 このことで、例えば来年度から埼玉県が、ご承知のとおり、自動車税の一・五%相当を緑地保全などの環境対策を行う基金に繰り入れる。これは目的税ですかね、そのままとるわけにいきませんので、それと相当額を入れる。この金額が十四億あるそうであります。ちなみに、東京都もグリーン税制化をしております。この自動車税の、グリーン税制の重課の部分でありますけれども、これは私の大ざっぱな計算でありますけれども、約十億円ぐらい、この重課が自動車税として入っているはずであります。これは道路事業関係に使われるわけでありますけれども、それは当然のこととしながらも、グリーン税制というぐらいでありますから、環境に負荷をかけている部分、渋滞解消に予算を使っていくことは十分大切な事業でありますけれども、片や、今、市民から見ると、やはりそのお金を緑地保全に使ってもいいのではないかと。埼玉県のように相当額を充てる。これは、毎年十億あったら、結構な指定や緑地保全等ができるのじゃないか。全部使うかどうかというのはわかりません。または、どういう体裁にするのかは東京都の意思にゆだねられているというふうに思います。
 私は、環境局だけでこの自動車税の部分をいじることはできませんし、または、自動車税の相当額を環境局に下さいというのも、ある意味ではいいにくいのかもしれませんけれども、こうした事例を参考にしていただいて、ぜひ局長、緑行政を推進していくための決意をお聞かせいただけたらというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○吉川環境局長 決意ということですから、冒頭申し上げれば、「十年後の東京」の中での第一目標が、世界で最も環境負荷が低いとか、それから水と緑の回廊だとか、今回の「十年後の東京」の中で環境というのは非常に重要視されているわけでして、カーボンマイナス十年プロジェクトもそうですし、緑の東京十年プロジェクトということで、局横断的に戦略的に取り組んでいく責任局ということでありますから、私は、何としてもクリーンで緑あふれる東京をつくっていくということについては、全力を割きたいと思っております。
 それは答弁でありますが、多分、今村委員が私にお聞きになりたいのは、そこまでじゃなくて、先ほどの埼玉県の話だと思うのですが、私ども、八都県市のつながりというのは、ディーゼル車対策じゃないですけれども、皆様方にそこも正しく評価いただいていると思いますが、東京都が何でもかんでも先頭を走ればいいということじゃなくて、もちろん東京都が提案して皆さんと一緒にやるというのもありますが、他の自治体が極めて意義のある取り組みをやれば、そこは私は徹底的にまねるというか盗むというか、そういうふうにして政策というのは推進していっていいだろうと思います。
 ただ、今おっしゃられた自動車税について、埼玉県が、上田知事が提案されたというのは、たしか汚染された河川の公募債の話もあわせて、埼玉県というのは非常に注目を浴びました。私どもは、八都県市の仲間ですから、当然それは十分注視しておりますが、私から若干反論というか、反論じゃないですけれども、いわせていただくと、東京都は、十九年度に既に五百億の地球温暖化対策の推進基金というのを、一般財源を充てて枠としていただいているわけですね。そういう中で、この埼玉の動きについては、少し私は冷静に見たいなと思います。
 というのも、今、東京都の税制調査会の中で、環境施策の財源確保策ということで、この緑に関する税も議論されております。おりますが、課税の公平性等の課題があって、中間まとめの中では結論がなかなか出なかったテーマだと思っております。
 もし先生が、緑地保全と税ということで、吉川の個人の私見でいいからいえということであれば、僕は、こういう今の東京都の段階というのは、もう一点だけ足しておくと、緑の東京募金、これは都民の皆様に緑づくりに参加していただきたいということで、八億円を目標額に去年の十月二十二日に発足したわけですね。四つの使途に使う形は十月二十二日に発足している。何と、五カ月まだたっていませんが、八千万集まりました。ですから、八億円のうちの十分の一が今集まっているわけでして、私としては、寄附というやり方は、寄附する方の意思が、税とは違って--まして自動車税というのは一般財源ですね。目的税じゃないわけですね。
 ですから、そういう意味では私は、都民の参画ということからいえば、寄附でこうやって取り組むというのも意味のある、決して埼玉県も否定していなくて、今回の自動車税の基金への繰り入れの中には、企業ないしは県民からも寄附は募りますといっていましたから、そういう意味では、そこは一定、方向性は同じだと思うのですが、ここから若干個人の私見をいいたいのですが、緑地保全と税ということでいうなら、二点申し上げたいうちの一点は、今いった寄附税制、もっと寄附をしやすくする税制というのですかね、ぜひ民主党からもそういう提案を、私からいわせれば、どんどんいってもらいたい。
 というのは、今回、国は、税制改正の中で所得税、住民税、特に住民税ですね、寄附をしやすくなるということで、ふるさと納税との絡みで改正案は出ておりますけれども、よくよく計算してみると、あれはまだまだ、私にとっては不十分だなと思います。
 ですから、こういった緑を都民が本当にみんなでやろうよということであれば、寄附をしやすい、もしくは寄附したメリットというのですか、出るような税制改正についてご提案いただきたいのと、もう一つは、緑地保全について、私ども、応援いただいている政党の皆さんからは、応援いただきながら頑張っているつもりですが、ただ、一番の真の原因は何かというところを、表面だけでなくて深く、先生は深く考えていただいていると思いますが、よくよく考えていただきたい。それは相続税なんですね。
 ですから、相続税については、東京都は重点事項ということで、ずっと継続的に国に要望しておりますが、なかなか門があかないというか、相続税の壁は高いわけでして、ですから、その辺の寄附税制なり相続税制の、ぜひ国との関係も応援いただければありがたいという問題意識だけちょっと足しまして、生意気な答弁をしましたが、よろしくお願いしたいと思います。

○今村委員 ありがとうございます。
 いろいろな考え方があるかというふうに思いますけれども、緑政策を推進するために、ぜひいろいろな手法を考えていただきたいというふうに思っておりますので、これからも期待をしております。
 以上で終わります。

○橘委員 私の方からは、初めに廃棄物対策について伺います。
 このテーマは、先ほども何人かの委員から質問がありましたけれども、重ならないようにやっていきますので、よろしくお願いします。
 昨年十二月の国の発表によりますと、廃棄物の不法投棄は、減少傾向にはあるものの、依然として撲滅には至っておりません。不法投棄問題というのは、文字のごとく許してはならない違法行為という、そういう面だけではなくて、自然破壊であるとか環境破壊という観点から社会的関心も高くなっておりまして、不法投棄を行う悪質な業者と、行政あるいは不法投棄を監視するボランティア団体との攻防が全国各地で繰り広げられている現状を、私もかつて見聞きしてまいりました。
 特に、不法投棄件数の七割は建築廃棄物が占めている。この建築廃棄物が多く排出される東京にとって、不法投棄対策は喫緊の課題でもあります。今後、建物の耐震化や都市基盤の更新等による建築廃棄物が一段とふえることが見込まれることから、建築関係者からも、不法投棄の撲滅は、行政任せではなくて、業界も本腰を入れて取り組まないと、みずからを追い詰めてしまうのではないかと、そういう認識が徐々に醸成されつつあると私も聞いております。
 こうした中で公明党は、昨年の第一回都議会定例会の本会議代表質問におきまして、不法投棄された後の事後的な取り締まりだけではなくて、廃棄物が発生する段階にまでさかのぼって監視活動を強化するなど、多角的な対策を講じていく必要があると主張いたしました。その答弁の中で、年間二千件の建物解体現場に立ち入り指導を行うという具体的な数字と明確な対応を打ち出して注目をされました。
 そこで、まず伺いますけれども、この答弁を受けて、今年度の立ち入り件数、具体的に行った指導事例、建築廃棄物処理における成果等について伺います。

○森廃棄物対策部長 建物解体現場への立ち入りについてでございますが、今年度は既に二千件を超える解体工事現場への立ち入り指導をしてまいりました。
 その結果、マニフェストを携帯していないものが約三割、運搬車両に許可番号の表示のないものが約一割などの違反行為が見受けられました。これらの事案に対しましては、文書などにより個別に是正指導を行ってまいりました。
 また、許可業者が無許可業者に廃棄物の運搬を再委託した悪質な事例があり、これらにつきましては、許可の取り消しという厳しい行政処分を行ってまいりました。加えまして、現在、他の悪質な事例につきましても追跡調査を進めており、近く行政処分を行う予定でございます。
 都が立ち入り指導を行っていることは解体工事業界に浸透しつつあり、不法投棄を初めとする不適正処理の未然防止に効果を上げてきていると認識してございます。

○橘委員 今答弁がありましたけれども、実際に私も関係の業者に直接聞いてみました。そうしましたら、都の担当職員が直接現場に来て、直接取材をしてチェックするという、そういう体制を目の当たりにして、しかも、これは目標どおり二千件をもう達成している。こういう行動を見て、業界にはやはり、かなり緊張感が走っているということを直接伺いました。いい効果だと私は思いますけれども、こうしたローラー作戦方式の立ち入りというのは、やはり一定の効果が得られるのだなということを痛感した次第でございます。
 この処理現場に直接入っていくという今年度の都の取り組みによって、新たな廃棄物処理に関する情報も得られたと思います。そうした情報を活用して、また、限られた職員体制で効率的に成果を上げていくためには、重点的な立入検査や、解体現場から搬出された廃棄物の行き先を追跡するなど、めり張りをつけた指導を工夫していくべきと考えますが、この点について見解を伺います。

○森廃棄物対策部長 来年度につきましては、引き続き解体工事現場への立ち入り指導を進めるとともに、これまで得られた情報をもとに、不適正処理の可能性の高い解体業者の現場に対しましては重点的に立ち入り指導をしてまいります。
 加えまして、不適正処理は他県で行われるケースが多いことから、廃棄物の排出先の自治体の協力を得まして、処理施設まで追跡調査を行うなどにより、迅速な行政処分を行い、悪質な業者を排除してまいります。

○橘委員 不法投棄を防止する上でもう一つ重要なことは、廃棄物の処理の流れを透明化することであります。以前、廃棄物がどこかに消えてしまった事例とか、それから、当初積み込んだ段階の重量よりもかなり減っていたという、そういった事例もあったように聞いております。
 そのため、処理の流れの透明化という観点から現状のチェックシステムがあるわけですけれども、重量の減少とか、さまざまな課題があるというのは、やはり何らかの問題があるからそういうふうなことが起きるわけであって、現状の課題についてどんな改善点がこれからあるのか、認識を伺います。

○森廃棄物対策部長 産業廃棄物の不適正処理の疑いがある場合には、排出事業者が発行するマニフェストの提出を求めるなどにより、処理の流れを把握してございます。しかしながら、紙のマニフェストの場合には、偽造されている可能性もあり、処理の流れを十分に把握できない欠点もあるのが現状でございます。

○橘委員 現在広く使われているようでありますけれども、紙のマニフェスト、それには、偽造されやすいということ、それから、処理が終了したというその確認に時間がかかるといった難点があるという指摘が今ございましたけれども、このような問題を解決して処理の流れを透明化していくためには、今後、都は電子マニフェストの普及に本腰を入れて取り組む必要があろうかと思いますけれども、これについて認識を伺います。

○森廃棄物対策部長 電子マニフェストにつきましては、パスワード認証により偽造が防止され、また、廃棄物の処理の終了が直ちに電子メールで通知される、さらに、国が指定した情報センターが情報を一元管理するなど、産業廃棄物の処理の流れの透明化に大変有効であります。
 また、平成二十年度からは、解体工事業者など産業廃棄物の排出事業者がマニフェストの交付状況を都道府県に報告しなければならない制度がスタートいたします。これを機に、自動的な集計、報告機能を持つ電子マニフェストの利点を関係業界と連携してPRし、その普及に積極的に取り組んでまいります。

○橘委員 電子マニフェストの普及が望ましいことは確かでありますけれども、課題は、小規模事業者には人的な余裕もなければ、またパソコンを駆使するという、そういった素質といいますか、そういったことに欠ける業者も多々あるのが実態のように私は見ております。こうした小規模事業者に対して手だてを講じないと、電子マニフェストというシステムをうまく起動させていくためには、例えば収集運搬業者であるとか中間処理業者であるとか最終処理業者、こういったものが密接にかかわっているわけですから、そこが一つ穴があきますと、これがうまく起動しないという、そういった欠点もあろうかと思います。
 そこで、単に電子マニフェストを普及させる、PRしていくというだけでは、小規模事業者はなかなか、そこに連動して動いてくれないように思いますけれども、小規模事業者もこれに参加できるような具体的な手だてを講じる必要が私はあろうかと思うのですけれども、その辺についてはどのように考えていますでしょうか。

○森廃棄物対策部長 電子マニフェストの仕組み、システムにつきましては、小規模事業者がなかなかパソコンなどを現地に持っていない、あるいは購入できないという現状がありますけれども、最近の技術進歩によりまして、携帯電話から入力できるというシステムも可能になってきている状況がございます。こうしたPRを積極的に行いながら、利用しやすい電子マニフェスト制度を普及していきたいと思っております。

○橘委員 ぜひそういった工夫をしていただきたいと思います。
 今、環境問題、環境対策といいますと、どうしてもCO2削減という、そういった観点を中心に見られがちでありますけれども、東京から出た産業廃棄物、これが他県で不法投棄されているようでは、これは環境先進都市とはとてもいいがたいように思いますし、また、世界で最も環境負荷の小さい都市の実現にとって、この産業廃棄物対策というのは、CO2排出削減と並んで大きな問題に、また課題になってくるだろうと思います。これにはさらに力を入れて、またスポットを当てて取り組んでいただきたいということを要望として申し上げて、次のテーマに移ります。
 次に、大気汚染の改善について伺います。
 東京都は、平成十五年十月からディーゼル車の走行規制を開始いたしました。ことしは規制開始から五年目の年に当たります。当初は、排出基準を満たさないディーゼル車を走らせないという、そういった方針に対して、多くの事業者の反対もありました。しかし、今ではほとんどの業者が施策に協力しているような状況となっております。
 ディーゼル車規制をする以前、つまりまだ数年前でありますけれども、黒煙をまき散らしながら走るディーゼル車を私もよく見かけました。特に幹線道路の周辺地域においては、白いシーツが夕方には無数の黒い斑点ができて黒ずんでいると、そういったこともよく聞きましたし、また、洗濯物がだんだんだんだん黒ずんでくるという声も、私は板橋ですから幹線道路がございますけれども、その周辺の住民からも多々お聞きしました。しかし、今ではそういった声もかなり少なくなっております。これもやはりディーゼル車の規制の効果であろうと私も感じておりますし、多くの都民の方も感じているのではないかと思います。
 ただし、こうしたことは、あくまでも感覚的な印象でありまして、データに裏打ちされたものではありません。そこで、ことし五年目を迎えるディーゼル車規制によって、都内の大気環境の改善を示す客観的な数値がございましたら、示していただきたいと思います。

○井戸自動車公害対策部長 ディーゼル車規制によります都内の大気環境の改善状況ですけれども、都内三十四カ所の自動車排出ガス測定局におきますSPM、浮遊粒子状物質の濃度でございますけれども、規制開始前の平成十四年度につきましては、すべての局で環境基準は未達成でございました。しかし、平成十五年実施後、平成十七年度以降につきましては、二年連続で全局が環境基準を達成しております。

○橘委員 このディーゼル車規制というのは、東京都だけで単独で取り組んだわけではなくて、首都圏で取り組んだわけですね。したがいまして、東京がこのように、今答弁にあったように改善をされている。この数値というのも初めて私はお聞きしましたけれども、かなり改善されているという証拠だと思います。
 したがって、これは東京都だけではなくて、近県の参加している首都圏、この各県でも、五年もたてばある程度の結果というのは出ているかと思いますけれども、他県の状況、改善状況というのは、もし把握していらっしゃいましたら紹介していただきたいと思います。

○井戸自動車公害対策部長 他県におきましても、当然改善の状況が見られております。

○橘委員 どのくらいの数値があるのかというのは関心があるところですけれども、まあいいです、改善の状況だけがわかれば。
 それで、大気汚染対策に関係いたしまして、私の地元である板橋区大和町交差点の自動車排ガス対策について伺っておきたいと思います。
 大和町交差点というのは、国道一七号線、いわゆる中山道、そして環状七号線、それから首都高速池袋線が三層構造で交差しておりまして、しかも車の交通量が非常に多い地点でございます。このため、一昔前までは、日本で一番大気が汚れている交差点というふうにいわれました。板橋という地名は知らなくても大和町交差点は知っているという方が多いという、そういった恥ずかしいような思いをしたこともございました。
 このため、国と私たちも連携して取り組みまして、都や国におきましては、交差点という局地対策において、対策として土壌浄化装置や換気施設装置の実験を平成十三年から十五年夏ごろまで実施しまして、実験終了後も、現在も施設は稼働しております。また、平成十七年の春からは、交差点の北西角地にオープンスペースを設け、大気改善に役立てるとともに、公園として開放しております。
 これら国や都の取り組みと、都のディーゼル車規制によって、以前に比べれば大和町交差点の空気はかなりきれいになったように感じております。そこで、この交差点の大気環境というのは過去五年でどのように改善されてきたのか、それと同時に、全国における数値の順位、改善された数値の順位ですね、その辺もお伺いしたいと思います。

○井戸自動車公害対策部長 板橋区の大和町交差点の大気環境でございますけれども、SPM、浮遊粒子状物質につきましては、平成十四年度、十五年度は環境基準は未達成でございまして、全国ワースト三位でございましたけれども、平成十六年度以降は環境基準を達成しまして、ワーストテンの圏外になってございます。
 また、NO2、二酸化窒素でございますけれども、実は、平成十四年まではこれも全国ワースト一位でございましたけれども、十五年度以降は三位に順位が下がっておりまして、環境基準はいまだ未達成でございますけれども、測定値は微減しております。

○橘委員 今の数値は、ほっとするような、ちょっとまだ悲しいような感じがします。
 確かに改善されているという数値は出ていますけれども、やはりまだまだ高い数値であるということには間違いございません。さらなる対策が必要だと私は考えております。そのためには、ただやみくもに対策を講じるだけではなくて、改善効果の要因、原因をしっかり分析していく必要があろうかと思います。
 現在、大和町交差点に立ってみるとわかりますけれども、上の方には大きな巨大な換気扇があり、そして下の、高速道路の下の方には、土壌洗浄装置というのでしょうか、土を通して浄化するという、そういったものがございまして、それから交差点のコーナーには光触媒のガードレールが備えつけてありまして、もう二重、三重、四重にもさまざまな施策が講じられているのですけれども、その中で、どういうことを集中的に講じていけば、この大気汚染を防止することができるか、改善することができるのか、そういったことも見つかるであろうし、それは板橋の大和町交差点だけではなくて、東京都内また全国の交差点の改善にもこれは役立つデータが得られるかと私は考えております。
 それで、もう一つ注目したいのは、この大和町交差点の改善に大きな役割を果たしたのではないかというふうに、私たちは技術的には素人ですけれども、思っておりますのは、一つはオープンスペースをつくったということ、この交差点は、周りのビルによって密閉された地点にあったわけですけれども、一つオープンスペースをつくったことによって、かなり改善されたのではないか。それが大きな一つの改善要因ではないかと思うのですけれども、その辺についてどのようにお考えでしょうか。

○井戸自動車公害対策部長 大和町の大気の改善の原因でございますけれども、一つには、先ほどのSPMにつきましてのディーゼル車規制の成果がございます。
 また、先生が今ご指摘になりましたように、大和町交差点におきましては、実は北西の角地にオープンスペースをつくりまして、その結果、冬期、冬に北西の風が吹きますけれども、その風によりまして、かなりNOxの改善が認められました。
 こうしたことからかなり改善がされたことと、また、実は東京都は低公害車の融資あっせん制度をやっておりまして、その中で車両代替が進みまして、排出ガス性能のよい車がふえたことですとか、あるいは、大気浄化施設などをつくっておりますので、そうした総合的な効果があったというふうに考えております。

○橘委員 交差点にオープンスペースができる。今できているところはYUMEパークというのですけれども、それが公園化と駐輪場にもなっている。それによって北西からの風が入り込んできて、交差点内の汚れた排ガスが流される、拡散されるという、そういった効果があるというふうに私は聞いております。
 これが昨年の十二月に、このオープンスペースの対角線上に、そんなに広くはないのですけれども、新たに建物を買い取って、そしてスペースがまたできました。それによって、かなりまた風の通しがよくなるのではないか。実際に私もその地点で、去年の十二月にあいてから、洗濯物はどうなのかとか、何軒か聞いてみましたけれども、以前よりもかなり汚れは少なくなったという、生の体験ですけれども、そういった声もお聞きしました。
 これは、やはり風の通り道をつくるということが、いかに交差点にとっても、また都市の構造にとっても大事かということを痛切に感じた一つのケースでございました。風の通り道をつくることによって空気というのは流れ、それによって大気が浄化されていくという、また、今、東京都で考えていらっしゃる、環境局が中心になって力を入れていらっしゃる、東京湾から風を都内に誘い込むという風の通り道、また街路に至るまで風を通していくという、この環境対策というのは、非常に私は効果が大きいなというふうに、大和町交差点の実例を見ながら感じた次第でございます。
 これからも、やはり東京はさらに開発が進んでいくと思います。その開発が進む中で、風の通り道という古来から大事にしてきたそういった手法、まちづくりの技法というものを、交差点対策にも、また東京全体のまちづくりにも生かしていただきたいなということを要望いたしまして、質問を終わります。

○谷村委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時四十一分休憩

   午後五時五十五分開議

○谷村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○石森委員 それでは、私からは大きく二つの項目についてお尋ねをしたいと思います。
 まず、太陽光発電及び太陽熱利用機器の普及策についてお伺いをいたします。
 「十年後の東京」で掲げた百万キロワットという目標の達成に向けまして重要なことは、機器を導入する都民が安心して経済的に無理なく導入できる環境づくりにあります。この環境づくりを支援するために、我が会派につきましては、太陽光発電などの機器導入費用に対する支援策の実施を昨年から強力に推進してまいりました。その成果として、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇八において、四万世帯への太陽エネルギー利用機器導入を目指す三カ年モデルプロジェクトが位置づけられたことは、大いに評価するところであります。
 そこで、お伺いいたしますが、三カ年モデルプロジェクトで四万世帯への導入を完全に達成するためには、準備期間と位置づけられた二十年度の取り組みは極めて重要となります。どのような準備を行うのか、まずお尋ねをしたいと思います。

○大野都市地球環境部長 四万世帯への導入を実現するためには、機器メーカーや住宅メーカー、それからエネルギー事業者などと連携いたしまして、各主体がそれぞれコストの低減に努めることによりまして、機器導入にかかわる初期費用の負担を十年程度で回収できるようにすることが大切でございます。
 東京都は、そうした努力の一環としまして、太陽エネルギーの環境価値の買い取りの二十一年度からの開始に向けて準備を進めてまいります。
 また、特に太陽熱の利用機器につきましては、製品の性能に関します消費者の信頼が高まるように、性能評価認定制度の創設を進めてまいります。
 これらの準備を二十年度の当初から進めまして、年度の後半には、関連の事業者が二十一年度からの実際の事業の準備に具体的に入れるように努力をしてまいります。

○石森委員 ぜひ二十年度で行う準備については早急に終わらせていただいて、都民に対して、四月から始まる新たな支援制度の周知に努めていただきたいと思います。
 また、年明けから高騰している原油価格が、先週ついにニューヨークで一バレル百十ドルを突破する最高値を記録いたしました。東京でも、電気代の上昇など、都民の生活に影響が出始めているところであります。
 同じように原油価格が高騰した第二次石油ショックを契機として、その直後には太陽熱温水器が飛ぶように売れた時期がございました。私は、昭和五十五年に学校を卒業して、就職して最初に携わったのは、この太陽熱温水器の販売関連の仕事でありましたけれども、あの当時は、各家庭まで石油ショックの状況がよく知られておりまして、販売の方から太陽熱温水器の必要性や有効性を説明するまでもありませんでした。
 現在も、原油価格が高騰して、地球温暖化待ったなしのところで、太陽エネルギーを最大限に利用すべきであることは明白であるにもかかわらず、都民に広く知られている状況とは到底いえないところであります。将来にわたって原油価格が高騰しても影響を受けない有利さや、CO2を排出しない電気や温熱利用による家庭における地球温暖化対策としての有効性など、太陽光発電や太陽熱温水器の利点について、都は周到なPRをすべきと考えますけれども、ご見解をお伺いいたします。

○大野都市地球環境部長 太陽エネルギーの利用に関するPRにつきましては、機器メーカーを初めとする関連事業者や、再生可能エネルギーの普及に取り組みますNGOなどと連携しまして、幅広くセミナーやシンポジウムを開催することを含めまして、努めてまいります。
 また、公共施設に導入されました太陽光発電装置を小学校や中学校などでの環境学習の題材として活用するなど、通常のPRの枠を超えた方法などを工夫しまして、太陽エネルギーのメリットについて理解が広がるように努力をしてまいります。

○石森委員 現在、都内では、年間に約四千世帯に太陽光発電が導入されておりますけれども、二十一年度にはこれが一気に、太陽熱も合わせて二万世帯にふやすといった目標を東京都では立てております。
 そこで心配されることが、急激な市場の拡大に伴う不完全な施工事例の発生であります。今回の三カ年モデルプロジェクトは、百万キロワットの実現に向けた初めての一歩でありますから、ここで、施工についても安心して都民が機器導入を決められるような仕組みを東京都が整備していく必要があると思います。また、太陽エネルギー利用機器導入工事のノウハウを習得した、安心できる施工業者をふやしていくことについても、都が先導的な役割を果たし、東京を太陽エネルギー産業の先進地にすべきではないかと思いますが、ご見解をお伺いいたします。

○大野都市地球環境部長 委員のご指摘のとおり、太陽エネルギー機器の大量の普及を実現するためには、信頼のできる施工業者をこれまで以上にふやすことが必要でありますし、そういった業者によります施工が円滑に進むような仕組みを整備する必要があると考えております。
 このため、都は、機器メーカーやこの分野に専門性を有するNGOなどと協力しまして、技術講習会を、施工業者はもちろん、設備の設計を行う建築士なども対象にしまして開催をしてまいります。また、こうした講習を受講済みの施工業者には、その旨を表示するような仕組みをつくるなど、都民が安心して太陽エネルギーを導入できるような準備を進めてまいります。

○石森委員 平成二十一年度からの大量普及に備えて、二十年度においては、その準備段階としてさまざまな取り組みをされるといったご答弁がございました。
 このCO2削減に向けましては、企業、行政の対策も当然のことながら、いかに都民一人一人が現在の厳しい現実を受けとめて、危機意識を持って削減対策に取り組むことができるか、これが大きなポイントになろうかと思います。その意味でも、家庭での取り組みの一つとして大いに期待できるのがこの太陽エネルギーの導入でありますから、確実に目標達成できるよう、今後のご努力をお願いしたいと思います。
 次に、先ほどからたびたび質疑がございましたけれども、東京に残された貴重な里山の保全について何点か質問をいたします。
 三多摩ですから、この辺は重要なことでありますけれども、谷戸の田んぼや雑木林などで構成される里山については、我々日本人の原風景ともいえるものであります。また、多くの動植物の生息基盤として、生態系保全の観点からも、ぜひとも守り、そして後世へと引き継ぐべき大事な財産といえます。しかし、都の調査では、一九八七年から二〇〇〇年の間に、少なくても七十カ所の谷戸が開発により消滅しているということでありまして、いうまでもなく、一度失われた自然を回復するには、大きな時間やエネルギーなどが必要となります。特に谷戸の場合には、建設残土による埋め立てのケースが大半を占め、この場合には回復は不可能であるといっても過言ではありません。
 残念ながら、貴重な谷戸、里山は、年を追うごとに失われつつある現状にありますが、それに対して、都としては今、全庁を挙げて緑の創出、保全に取り組んでいるところでありまして、ぜひともその取り組みを推進していただきたいと思います。こうした認識に立った上で、具体的な里山保全についてお伺いをいたします。
 一昨年の当委員会でも若干質問した経緯がありますけれども、私の地元八王子市の堀之内地区に非常に良好な里山が、奇跡的といってもいいと思いますが、残されております。この里山は、多摩ニュータウン開発の際にも地権者たちの反対で残されたものでありますが、都はこの堀之内の里山についてどのように認識をされているのか、改めてお尋ねをしたいと思います。

○中島自然環境部長 八王子市の堀之内地区の里山でございますけれども、開発が進んでおります多摩ニュータウンにありまして、トウキョウサンショウウオなどの貴重な動植物も生息あるいは生育するなど、東京に残されている貴重な自然でございます。この里山におきましては、NPOや複数のボランティア団体が稲作や緑地保全などの活動を継続的に行っておりまして、近隣の方々にとどまらず多くの都民から、自然との触れ合いの場として親しまれております。
 都といたしましては、地元八王子市はもちろんのこと、NPO、ボランティア団体との連携、また地権者の方々の理解、協力を得て、ぜひとも守っていかなければならない里山であると考えております。

○石森委員 ぜひとも守りたいといったご答弁でありましたけれども、具体的には、都はこの里山を保全するためにこれまでどのような取り組みをされたのか、お伺いをしたいと思います。

○中島自然環境部長 東京都は、平成十四年度に、地元八王子市やボランティア団体を構成員といたしまして、この里山保全のための連絡会を設置し、保全策の検討を重ねてまいりました。また、あわせまして、この連絡会のメンバーと協働して、現場で東京都の職員も加わって、定期的に雑木林などの保全活動を行っております。

○石森委員 私は、この里山で継続的に活動しているNPOの代表者あるいは地元の町会長などから、ぜひこの貴重な里山を後世に伝えたいという、そういう強い要望をいただいているところであります。そのような要望を受けて、私も緑を守る制度についていろいろ勉強させていただきましたけれども、結論といたしましては、堀之内の里山については自然保護条例による里山保全地域に指定すべきと考えておりますけれども、局長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。

○吉川環境局長 堀之内の里山については、私も、大変寒い時期だったのですけれども、現地を見させていただきました。
 貴重な自然が残されておりまして、次の世代への引き継ぎをきちっとしていかなければならないという責任も感じましたし、また、先ほど自然環境部長が答弁しましたけれども、この里山は、ボランティア団体などの皆さんの構成による連絡会ができていまして、このメンバーの方々にも現地でご案内いただきました。そういう意味で、長年、維持管理に努められている連絡会のメンバーにも心から感謝を申し上げたかったと思います。感謝を感じました。
 東京都はこれまでも、用地取得や維持管理などについてみずから積極的な役割を担って、地域の貴重な緑を守ろうという意欲のある地元自治体と連携しまして、保全地域制度を活用して東京の緑を守る取り組みを行ってまいりました。
 先生のお話の堀之内の里山についても、今後、地元市と連携のもと、保全に向けて取り組んでまいります。

○石森委員 局長には、年末の大変寒い中をご同行いただいて、現地を見ていただきましたけれども、この保全地域の指定に伴って、当然八王子市としての財政負担、これも発生する結果になりますけれども、現状、市としても前向きに考えておりますし、何よりも地元住民の皆さんが望んでいるわけでもありますから、早急に指定に向けた取り組みをお願いしたいというふうに要望して、質問を終わります。

○大津委員 東京都は、二〇二〇年までに二五%のCO2、つまり千五百万トンを削減したいという方針を打ち出したということは、七月に洞爺湖サミットがある前に、国がまだCO2の削減について具体的な数字を出せていない以前に、このように首都東京が方針を打ち出せたということは、すばらしい大きな第一歩であると考えます。そのCO2の削減に大きな役割を果たします、きょうはフロンについてお伺いをいたします。
 よく建物の壁の中ですとか床の下、屋根の下などに、冷房や暖房のエネルギー効率を高めるために使われている建材用断熱材でありますけれども、この断熱材にフロンが入っているということであります。フロンといいますと、昔、スプレーの噴霧剤などにも使われまして、また冷蔵庫やエアコンの冷媒などにも使われておりました。フロンが大気中に放出しますと、有毒なこのガスによりまして、オゾン層まで到達いたします。そして、紫外線を吸収するオゾン層まで到達をしてしまって、そこで塩素を放出してということで、オゾン層を破壊する元凶であるとともに、強力な温暖化ガスでありました。
 今回、フロンが建材用断熱材の発泡剤として使われていると聞きまして、非常に私も驚きました。スプレーなどの噴霧剤は、一九八七年のモントリオール議定書に基づきまして、一九九六年に生産が中止となりました。ところが、建材用断熱材には、今フロンが使われているということであります。これは、解体時に発生した断熱材の多くが、今、埋立処分をされているそうです。それで、含まれているフロンは、土の中から大気中にじわじわと放出されているということを聞いております。
 そこで、東京都は、解体に伴い排出をされます建材用断熱材フロンによる温室効果をどの程度と推計しているのか、お伺いをいたします。

○森廃棄物対策部長 建物解体に伴う建材用断熱フロンの都内排出量は、年間約四十トンと推計しております。その温室効果は大きく、二酸化炭素に換算すると十六万トンになり、この量は五万七千世帯分の年間排出量に相当いたします。
 今後、高度成長期の建物の更新により、排出量はさらに増加する見込みでございます。

○大津委員 年間、二酸化炭素十六万としますと、平均的な杉の木で、一年間その杉の木が吸ってくれる二酸化炭素の量を考えますと、杉の木の千百万本分に値するかと思います。そういう意味では、緑地保全とも遠隔援護ができるのかもしれませんけれども、今後、地球温暖化防止の観点から積極的に取り組んでいくべき問題であります。
 冷蔵庫やエアコンの冷媒フロンは、家電リサイクル施設で回収機でボンベに詰められ、フロン破壊施設で熱分解をされておりますが、では、建材用断熱材に含まれているフロンを分解処理するためにはどんな方法があるのかをお伺いいたします。

○森廃棄物対策部長 分解処理の方法につきましては、断熱材からフロンを抜き取るのではなく、断熱材ごと焼却処理することが合理的でございます。温度八百度C、滞留時間二秒以上の条件下で焼却した場合には、フロンガスの九六%を破壊することができます。このことにつきましては、国の委託を受けて東京都環境科学研究所が都内の産業廃棄物処理施設を使って行った実験でも確認してございます。

○大津委員 温度八百度、滞留時間二秒ということであれば、これは廃棄物処理法に定める基準でありますから、通常の産業廃棄物の焼却施設であれば、十分に断熱材フロンを焼却処理できるということだと考えます。
 改めてフロンについて見てみますと、冷蔵庫やエアコンのフロンは、家電リサイクル法で回収処理が義務づけられています。一方、カーエアコンのフロンは自動車リサイクル法で、そして、業務用冷凍冷蔵機器や空調機はフロン回収破壊法でと、それぞれ分解処理が法律でおのおの義務づけられております。ところが、建材用断熱材のフロンの回収、分解というのは、今のところ法律では義務づけられておりません。使われているフロンの多くは、オゾン層破壊物質として規制されたために、京都議定書の削減対象物質にはなっていないという点も大きいです。
 こうした中で、東京都は、関係者と連携、協力して分解処理を推進するとしていますが、今後どのように検討を進めていくのか、お考えを伺います。

○森廃棄物対策部長 本年一月に関連業界などと設置いたしました推進会議におきまして、建材用断熱フロンの分解処理に向けた都独自の仕組みとして、建物の種類や建築時期、断熱材の種類などから、フロンが残存している量の多い建物の絞り込みを行うとともに、分解処理を行った事業者を積極的に公表するなど、関係者の自主的な取り組みを促す方策を検討していくこととしておりまして、今月二十八日には第二回目の会議を予定しているところでございます。さらに、都内の解体工事現場や実際の焼却処理施設を使って、効率的な分別方法を検証するモデル事業を行ってまいります。
 これらにより関係者の合意形成を図り、断熱材を廃棄物処理施設での焼却処理へと誘導し、断熱材フロンの分解処理を推進してまいります。

○大津委員 国はまだフロンの廃棄処理に法的な規制をしていない段階で、このように首都東京が環境へ本気で取り組んでいる姿勢の一つとしまして、このフロンの独自の仕組み、ルールづくりをしているというのは、非常に評価ができると思います。
 例えば、今後の検討課題としまして、本当はノンフロンの断熱材をメーカーがつくり、どんどん使用をしていくということが一番重要でありますけれども、現在出てきている断熱材についてのフロン回収については、東京都の独自の仕組みというのが生きてくるかと思います。一方、産廃業者の立場から考えれば、断熱用フロンの回収、分解の促進を図るためには、解体工事の発注者などの負担をできるだけ少なくするなど、幾つかの苦労を解決しながら進んでいっていただきたいと思います。来年二〇〇九年度からの運用開始に向けて、都の独自ルール、仕組みづくりについて、構築をさらにしていただけますよう要望をいたします。
 以上、産廃関係でございますけれども、産廃といいますか廃棄物対策ですが、次は家庭部門に移りたいと思います。電球交換についてのCO2削減であります。
 去年の夏から、東京都が白熱球一掃作戦ということで打ち出されました。電球形蛍光灯も大分安くなってまいりまして、一個千円のもありますけれども、売り場を見ますと、八百円前後の六十ワットの蛍光灯の電球も出回っておりますし、三つで五百円なんていう特売も見かけたことがございました。
 例えば、家庭の玄関先で五、六時間電気をつけている白熱球を電球形蛍光灯へ交換した場合には、最高に高くて購入費用が千八百円であった場合、九カ月で電気代との合計の費用が逆転をしてまいります。そして、電球形蛍光灯は、白熱球に比べますと、消費電力は五分の一、電気代も同様に五分の一となります。電気代の五分の一、つまりそれは、CO2の排出量も同じように五分の一に削減されるということでもあります。
 一個の小さな電球交換が、積もり積もって山となり、都内の全家庭が取り組めば、大きな成果につながると考えます。どの程度の効果を見込んでいるのか、お伺いします。

○大野都市地球環境部長 電球形蛍光灯への交換に都内の各家庭が取り組んだ場合の効果でございますけれども、仮に都内の全世帯、六百万世帯が一日五時間から六時間つけている白熱球をそれぞれ一個交換したといたしますと、合計して、一年間で約二十万トンのCO2が削減されるという計算になります。

○大津委員 電気代が得になった分、CO2の排出量も減っている。こうしたことも含めまして、まだまだ都民には十分に周知されていないような気がいたします。
 電球の製造メーカーなどは、この売り場を見ましても、いろんな宣伝をしております。電球交換のチャンスとしましては、電球が切れて買いかえの時期が最大のチャンスでもありまして、そういう意味では、もろに売り場での宣伝が決め手となるかと思います。電機メーカーなどは、その売り場で、電気代五分の一、発熱量五分の一、寿命六倍というような表示や、また小型ビデオによって宣伝をしているメーカーもあります。
 そして、ある大型量販品店では、そうした電機メーカーの宣伝の中に、ぽつんと中央にこのような東京都の宣伝のステッカーを一カ所見つけました。「東京都ではCO2排出量削減のため、電球から電球形蛍光灯への交換を呼びかけています。」、イチョウマークに東京都環境局。こうした量販品店の中でこの東京都環境局という宣伝を見るというのは、とても新鮮な気もいたしました。
 せっかくこうしたステッカーなども表示する営業をかけているのであれば、このCO2のせりふの部分を、いろんな意味でもう少しインパクトがあるようにとか、そのCO2の結果について促進するような文章もいろいろとレイアウトし直しなど、工夫もできるかと思います。
 売り場での買いかえへの宣伝プラス、その以前から常日ごろ啓蒙活動といいますか、東京都の広報活動を展開して都民に周知を図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○大野都市地球環境部長 お話の店頭のラベルでございますけれども、これは昨年の末ですか、ある電機メーカーからのご提案もありまして、相談をしまして、都側で店頭表示できます電球形蛍光灯の販売促進用のラベルをつくりまして、昨年の末から環境局のホームページでダウンロードできるようにしております。現在、把握しているだけでも数百軒の都内の店舗で張られているというふうに伺っております。
 今後とも、こうしたようないろいろな工夫をしまして、また電機メーカーや電気店とも協力しまして、マスメディアへのアピールでございますとか、東京都の広報媒体ももちろん使いまして、電球形蛍光灯の普及に向けました広報活動を進めてまいります。

○大津委員 一層の広報宣伝をお願い申し上げます。
 先日取りまとめられました環境基本計画の答申には、家庭部門は二〇二〇年までに二〇%程度の削減が必要とされております。例えば、家庭で確実にCO2を減らしていくためには、いろいろとわかりにくいところがあるかと思います。
 一方、先月の二月十三、十四日に、東京都が主催をいたしましてアジアエネルギー環境技術ワークショップというのを都庁付近で開催いたしました。そのときに来たアジアの国々は、例えばバンコクは十五分間の消灯、台北は消灯の日などと設けて、一斉に電気を消しましょうという、それは非常にわかりやすいものであるのは確かでありました。
 東京都の場合、非常に技術的なものや高度なものも多く、わかりにくいという声もありますけれども、電球の交換はわかるとしましても、太陽光、太陽熱、きょうもいろんな話がありましたけれども、なかなか、じゃ一軒家の家でそれを取り入れたら三十万円の補助金ですとか、そこに至り着くまで非常にわかりにくい部分もあるかと思います。わかりやすい家庭の温暖化対策を具体的に進めていく取り組みについてお伺いをいたします。

○大野都市地球環境部長 この二月に東京都は、家庭の地球温暖化の防止活動の拠点としまして、地球温暖化防止活動推進センターを指定いたしました。このセンターでは、家庭と中小企業を主な対象としまして、普及啓発活動や省エネ相談窓口の開設など、さまざまな取り組みを行っていく予定でございます。
 特に家庭におきます省エネ、節電が進みますように、区市町村やNPO等とも連携しまして、CO2削減に向けた具体的な取り組みをわかりやすく示すように努力をしてまいります。

○大津委員 一廃、産廃、家庭部門ともに、こうした首都東京の先駆的な取り組みというのは、非常に世界的にも大きな効果があると思います。また、来年はオリンピック招致が決定する、その前年といたしまして、こうした一つ一つの取り組みが、オリンピック開催都市の候補としてのまた強みを増していくと思いますので、ますます頑張っていただきたいと思います。
 そして、もう一つ大きなことは、やはりこうした環境を通じての、アジアも含んで、特に中国、インドも含んでの環境外交になるということが大きな柱になってくるかと思います。例えば民間レベルでいいましたら、こうしたプラントメーカーや環境関係の産業会社は、製品を海外に販売するだけでなく、その販売プラス環境アドバイスとか、また環境の知恵を交換し合うなど、そうした販売とともに、環境外交という意味で民間レベルでも十分にできることですし、市民団体等も環境外交を既に大いにやっているかと思います。
 そういう意味では、行政も私たち議員もいろいろと、アジア、世界の方たちと知恵を出し合いながら環境外交をしていくという大きな意義があるかと思います。CO2排出量削減元年の本年度、所属している私たち環境・建設委員と、そして東京都の環境局としては、この環境外交第一歩の大きな役割を果たすべきだと決意を新たにしております。
 また、例えば世界平和と外交を考えた場合に、環境汚染等、いろんな温暖化等で地球がむしばまれていくわけですから、おのずと国境を越えた世界平和と外交になっていくわけですし、そういう意味では、この元年を重要といたしまして、ますます私たちも都も一緒になって、CO2削減だけでなく、環境全体に対して実行をしていきたいと思います。
 以上で終わらせていただきます。

○矢島委員 けさの新聞報道によりますと、知事は、地球温暖化防止、世界と日本のシンポジウムに参加したと聞いております。局長以下、何人かの職員も現地にいたようでありますけれども、その中で知事は、排出権取引、欧州のICAPといわれる排出権炭素取引協定に参加する方針を発言されたそうであります。
 国と地域という、地域の排出権取引、排出量限度設定というキーワードの中の方針でありますから、これが東京都にどのような影響を与えるか、その意味と意義についてお伺いいたします。
 またあわせて、一方、新聞報道によりますと、この中では、EUのルールに従うことではないという意味の発言も都の幹部からあった。場合によっては局長の発言かなと思わないこともないのですが、相反するようにも思えますので、この辺も含めてご質問いたします。

○吉川環境局長 矢島先生から私の名前もございましたので……。
 きのう、シンポジウムの中で知事が表明をしましたけれども、気候変動に関するパートナーシップに東京都として参加するというのは表明されましたけれども、実際は、日本経済新聞社の論説委員長が司会で、その方の質問に対して知事が答えたという形で表明しました。
 それで、先生がおっしゃったところの意味合いは、私なりの理解ですけれども、東京都の今検討している排出量削減制度、取引制度というのは、ヨーロッパのEU-ETSに比べて、私は、先ほど来の議論の中にももう出ていますが、幾つかありますが、簡単にいうと大きく三つ違いがあると思います。
 一つは、中小企業の排出努力をいかにその制度の中でちゃんと評価するかということと、それからもう一つは、ヨーロッパの場合は、出発する前提として、データが十分蓄積がない状態でヨーロッパはスタートしました。そういう意味では、そこが全然東京都というのは違う。もう五年間にわたる蓄積がある。それからもう一つは、うちは排出権の取引ではなくて、排出量の取引という言葉を使っていますが、ここは量か権の問題だけじゃなくて、うちとしては、東京都として今現在検討しているのは、実際削減した実績に基づいて取引をするということでございますので、そういう意味で、ヨーロッパのEU-ETSが主流のICAP、アメリカも十二州がこれに入っていますからあれですが、世界の国であるとかシティーがいろんな議論をまさにしていい状態だと思うのですね。
 そういう意味で、私どもからすれば、国がそういった会議の場に呼ばれすらしない、参加もしない、そういう中で東京都は、東京都の独自の考え方を前提に、きちっとそういった場へ出て意見交換をするということは、いい意味の世界に通用するようなグローバルルールを東京都がつくっていくという意味で、極めて大きな効果があると思っております。

○矢島委員 二点お聞きしましたけれども、両方のお答えが今の一言の中に十分入っていましたので、それで十分です。
 先ほど、この協定、取引にアメリカの主要州が参加するというお話がありました。温暖化対策に対する世界の取り組みが、今の例を見るまでもなく大きく転換して、国別総量目標設定や途上国への資金援助を柱とする日本のクールアースの提言も、今のお話を聞いていますと、かすむような気がいたします、いわばこの東京の取り組みに比べて。
 この一番手はアメリカで、京都議定書に加わらなかったアメリカですら十二州が加わって、いわばアメリカの実質の部分から温暖化対策へのかじを切ったというふうな印象を受けます。このような中に、伝統的に自主規制論が強い日本の経済団体でも、温暖化ガス削減、総量目標容認との報道もありますが、EUの議論はさらに厳しいものとなっています。
 同じ理念で温暖化対策に取り組む東京都は、この点について今後どのように進めていくのか、どのように考えるのか、お伺いいたします。

○大野都市地球環境部長 今のご答弁をお答えする前に、ちょっとICAPのことで補足でございますけれども、新聞報道で国際炭素取引協定というふうにICAPを表示している新聞がございましたけれども、これは正確でございませんで、これはカーボン・アクション・パートナーシップというものでございまして、協定とかではございません。これは、目標としては先に目標があるわけでございますが、現在は議論をする専門家のフォーラムということで、意見を交換し議論をする場だということでございますので、その点については申し添えておきます。
 それから、今のご質問でございますけれども、EUは、EU全体での温暖化ガスを、二〇二〇年までに一九九〇年比で少なくとも二〇%削減するという目標を掲げております。本年の一月には、新たな包括政策案というのを出しまして、EUの削減義務の対象施設からの削減義務を二〇二〇年までに二〇〇五年比で二一%削減するという目標を掲げました。これは、京都議定書の約束期間が終わった二〇一三年以降の制度の設計が既に始まっているということでございます。
 温暖化対策は、先ほど局長からも申し上げましたが、国や都市の状況に応じて展開するものでございまして、東京都がEUの制度をコピーするとか、そのまま導入するということは全くございません。ただ、EUも東京都も、気候変動の危機を回避するために、質の高い目標を掲げまして、バックキャスティングでその目標の達成に必要な施策の導入を進めるという意味では、スタンスは同じでございまして、東京都の施策の検討に当たりましても、EUの取り組みを、そのプラス面もマイナス面もあわせまして参考にしてまいります。

○矢島委員 バックキャスティングという大変先に進んだお話がありましたので、後ほど、別途お聞きをいたします。
 いわば地球温暖化に対して決意を固めたEUの取り組みを前提とすると、日本の企業は海図なき航海に踏み出しているという意見もあります。つまり、温暖化対策に本気になっているEUでは、生産のための空気は二〇一三年からすべて有償。そして、そのため入札や排出権を購入することになるとすると、日本企業も大変大きな影響を受けるということになります。
 国の施策がある中での東京都の取り組みでありますけれども、知事がこの問題の緊急性を認識しているだけに、環境局の責任は大変重大だと私は思います。先ほどの発言は、それらの点からいきますと、東京都カーボンマイナス計画は、世界の潮流が温暖化阻止に向け大きく前進する現在、重要な一里塚ということになりますが、先ほどの発言を受けますと、東京都の環境施策の今後の方向についてどのようになるか、お伺いいたします。

○長谷川環境政策担当部長 お話のような世界や我が国の状況があります中で、温暖化防止における都市の果たすべき役割はますます重要でありまして、東京都は、世界有数の大都市として、また日本の首都として、温暖化対策を強力に推進する必要があると考えております。
 環境審議会のきょうご報告申し上げた答申におきましても、東京が直面する環境問題についての新たな認識として、気候変動を今そこにある直接的な危機としてとらえるべきとの考えのもと、世界の諸都市の範となる持続可能な都市モデルを創出、発信するべきとしております。
 都は、こうした都市モデルの構築に向けて、環境局が責任局となりまして、全庁を挙げてカーボンマイナス東京十年プロジェクトに取り組みまして、このたび九十八の事業を施策化したところでございますけれども、この中には、大規模事業所の削減義務化など、今後、条例を改正することによりまして実現が可能となる事項もあります。
 したがいまして、二十年度中には条例改正を行うなど、プロジェクトの着実な実施を図るとともに、さらなる対策を構築するということによりまして、二〇二〇年までに二五%の温暖化ガスを削減するという目標達成に向けた取り組みを加速していく、こういう段階にあると思っております。

○矢島委員 理念があれば、それを具体化するためにはどうしたらいいか。その両方とも、どのように現実化するかというのは非常に重要ですから、施策については、常に前へ前へ、新しい取り組みを考えながらお願いをいたしたいと思います。
 地球温暖化は人類の生存にかかわる課題であるだけに、大都市東京都としても当然ながら、今お話がありましたように、積極的に新しい施策を繰り出しながら取り組んでおられますが、大都市での温暖化対策は、都市構造、交通対策など多くの取り組みが必要です。都市全体としての成長管理は、都市全体に対する戦略的環境アセスの導入の必要性を既に予算総括質疑で提案しておりますので、この委員会審議では交通対策についてお伺いをいたします。
 この必要性は他の大都市も同様で、特に施策面ではロンドンに目を見張るものがあります。ロンドンの混雑への取り組みは際立っているということです。既に五年前には、平日に都心に乗り入れる自動車の混雑税が導入されておりますが、この二月に改定し、十月からは排出量の多い四輪車の負担がさらに重くなりまして、通勤に使うと月十万円を超える、これだけの負担になるそうです。これは、ロンドンの温暖化防止に対する責任と、都市としての責任と、その改善のための目標設定と実現の施策と、リビングストン市長が発言をしております。
 東京都でもディーゼル車の走行規制が行われるなど、大きな成果を実現しておりますが、一方、ロードプライシングなどは、当初の取り組みが停滞しているようにも思えます。これらは大都市東京にとって温暖化対策の有効手段と私は考えますが、どのように考え、今後どのように進展させていくのか、お伺いいたします。

○井戸自動車公害対策部長 ロンドンのロードプライシング、いわゆる混雑課金制度につきましては、平成十五年に渋滞緩和を目指して導入されたものでございますけれども、五年後の本年二月からは、排出基準に達しない旧式のディーゼル車に対しまして高額の課金額を課して、これは二百ポンド、四万円でございますけれども、走行規制を行っておりますけれども、その検討の中で、都のディーゼル車規制が先行的事例として紹介されております。また、十月からにつきましては、排気量の大きい乗用車などにも二十五ポンド、約五千円の金額を設定して、低燃費で低公害な車両への転換に取り組むものと聞いております。
 都におきましては、自動車交通の抑制策としまして、公共交通の利用促進ですとか共同配送など、さまざまな施策に取り組んでおりますけれども、委員ご指摘の、抑制策の一つでございますロードプライシングにつきましては、環状道路など迂回交通の確保ですとか、あるいは、わき道が多いことから生じます公平で確実な課金方法などが課題となることから、ロンドン等の海外都市の事例も参考にしながら、今後とも引き続き検討を行ってまいります。
 なお、東京都は、本年二月の環境審議会での環境基本計画のあり方の最終答申を踏まえまして、世界一充実した公共交通のさらなる活用ですとか、あるいは物流効率化の促進など、車の交通のより一層の抑制を初めといたしまして、低公害かつ低燃費な自動車の大量普及とか、また物流量の多い事業所に対する新たな計画書の提出義務化など、CO2削減を目指しまして、さまざまな施策に取り組んでまいります。

○矢島委員 総論賛成、各論反対という言葉がありますけれども、総論でやるべきだといっておいて、現実にやるときに腰が引けることのないように、前へぜひ出ていただきたい。ほかの都市でやっているわけですから、東京でできないわけがない。お考えいただきたいと思います。
 さっきの五千円は一日ですよね。月じゃないですよね。(井戸自動車公害対策部長「はい」と呼ぶ)一カ月使うと十五万ということになります。
 次に、温暖化対策の研究機関として、国には国立環境研究所がありますが、現在、地球の温暖化の状況、その対策に取り組んでおります。気候変動予測、ここに出てきますが、バックキャスティングによる脱温暖化対策、冷暖房の具体的省エネシステムの本命といわれる意欲的研究がそういうことになります。一方、環境科学研究所は、東京都の環境局所管で、環境政策の中に位置づけられると思います。この研究所は、東京都全体の温暖化対策の道筋を示すべき役割があるのではないかと私は思います。
 そこで、東京都政のディーゼル対策の震源地、東京環境科学研究所の現況と、今後の位置づけと活用についてお伺いいたします。

○加藤環境政策部長 環境行政の推進に当たりましては、施策の科学的な裏づけが必要でございまして、環境科学研究所は、東京における都市活動の実態に即しまして、環境行政と密接に関連した課題を中心に研究を実施し、都の施策の展開を支える役割を担ってございます。
 地球温暖化対策におきましても、環境科学研究所はその一翼を担っておりまして、具体的には、平成五年から都内におけるCO2濃度の連続測定を行ってきたほか、省エネや再生可能エネルギーに関する研究などを実施しているところでございます。
 今後の環境科学研究所の活用についてでございますけれども、「十年後の東京」や環境基本計画などに掲げました目標の実現に向けた研究の実施に研究資源を集中いたしまして、カーボンマイナス東京十年プロジェクトなど、都が重点的に取り組む課題に貢献する研究を戦略的プロジェクト研究と位置づけまして、優先的、重点的に取り組んでまいります。
 この中で、地球温暖化対策の分野をその第一のテーマとしまして、具体的には、バイオマスなど再生可能エネルギーの導入や既存建築物の省エネ改修、エコドライブの普及等によるCO2削減の効果の検証を行うなど、地球温暖化対策に資する環境技術の導入を促進してまいります。

○矢島委員 今のご発言の中で、総論というか、今後の位置づけについてはよろしいのですが、その後の議論が、一つ一つ個別具体的な話になり過ぎているような気がいたします。やはり戦略的アセス、東京のまちの姿を将来的にどうしていくか。個別のものではなく、集積としての東京の姿をどうしていくかというのを示す、その役割が環境科学研究所にはあると私は思いますので、先ほどからデータはたくさんあるのだというお話も含めて、そのデータを活用して、どうやって組み立て、そして東京の姿をどのように持続可能な都市として成長させていくか、この観点の中心として私は位置づけるべきではないかと。かつての公害研究所の尾を引くような、後をずっと引っ張っていくようなものではない立場から、ぜひ育てて位置づけていただきたい。ほかにはないのですから、そういう組織が。ぜひそうしなければいけないと私は思います。
 次に、生物対策についてお伺いいたします。
 地球温暖化の影響が生物にも大きな影響を与えています。琵琶湖のピラニアも、単に飼い主が放流しただけではなく、環境にフィットしてしまっているという面もあるかもしれません。やはり、外来種の種類、実数の増加が、実際上、生態系の大きな不安になっております。日本には、現在二千種の外来生物がいるといわれておりますが、東京都の特定外来生物などの現況についてお伺いいたします。
 これは国の施策でありますけれども、東京都の生態系を脅かす外来種問題への取り組みを所管外とするには身近な問題過ぎるのではないかと思っています。例えば、外来ペット逃走対策、また哺乳類ばかりではなく、子どもたちの昆虫の外来種飼育も多いのでありますから、外来種昆虫の正しい飼い方の指導、放虫の禁止など、東京都としても啓発に努めていくべきではないかと思いますが、お伺いいたします。

○中島自然環境部長 特定外来生物につきましては、在来の生態系を大きく変化させるおそれが高いものと認識してございます。いわゆる外来生物法の目的でございますが、これは特定外来生物による生態系や人の生命、身体、農林水産業への被害を防止することでございまして、国がその防除の必要があると判断した種につきましては、防除対象種として公示いたしまして、国が防除の主体となるものでございます。
 都といたしましても、これまでも、特定外来生物の防除の推進を国に対して要望するとともに、外来生物対策のパンフレットを区市町村に配布するなどの普及啓発や、小笠原における国などとの連携した特定外来生物対策等を行ってまいりました。今後とも、この特定外来生物の防除の推進につきまして、引き続き都民への普及啓発活動を行うとともに、国に対して防除体制の整備等の要求を行ってまいります。
 また、現在、特定外来生物には指定されてございませんけれども、外国産のカブトムシですとかクワガタ、それから外来種ペットなどにつきましては、今後とも国と連携して、関係局や区市町村、小中学校等へのパンフレット配布など、さまざまな機会をとらえまして、飼育に関するマナーの向上などの普及啓発に努めてまいります。

○矢島委員 外来生物は、陸上ばかりではなく、東京湾でも増大しているというふうに聞いております。特に生態系の確立していない、完成後、比較的新しい垂直護岸などの人工構造物に負うところが多いと聞いています。
 防災上の超えなければならない課題もありますが、環境局としても、生態系対策として、可能な限り自然に優しい、必要な水辺の確保に取り組むべきではないかと考えますが、そのためにはまず調査をしなければいけない。この調査の必要についてどのように考えるか、お伺いいたします。

○中島自然環境部長 自然に優しい水辺を確保するため、自然の浄化機能を生かした水辺環境の保全、改善を図るなど、関係局等と連携いたしまして、水生生物を初めとした多様な生物の生息環境の創出に向け、取り組んでまいります。
 また、お話の水辺環境の生息に関する特定外来生物についての調査でございますけれども、これは、都といたしましては現在実施しておりませんけれども、防除作業を行っているNPO法人などから情報を得ておりまして、それによりますと、都内の河川あるいは池等の水辺環境におきましても、特定外来生物であるオオクチバスやブルーギルなどが生息していることが確認されております。今後、水辺環境に生息する特定外来生物につきまして、引き続きNPO法人から情報を得るとともに、それぞれの管理者を通じた情報収集にも努めてまいります。

○矢島委員 私が聞いておりますのはカニでありまして、水辺でかなりのパーセントの割合で占領されている。ただ、おいしいのだそうですから、活用の仕方はあるかもしれませんけれども、ただ、全体像がわからないと対策もとれませんので、人の情報に頼るのも必要でありますが、ぜひそこのところは自主的に、そして全体として、水辺も重要な東京都の環境の一部です。対応をお願いいたします。
 最後に、カラス対策についてお伺いいたします。
 私は、池袋の西口の駅前のやみ市があったころに生まれました。そのすぐそばで生まれて育ったのですが、それでも、朝になりますと、小鳥の声と、カラスじゃなくて鶏のときの声が駅前に聞こえるのですよ。それでよく目が覚めました。現在はそうはいきませんで、カラスの声で朝が明けてきたなということがわかりますし、また、カラスがごみと格闘している。ごみの出し方で、十分な人ばかりではありませんから、ごみと格闘しているのをよけながら、通勤客が駅へ向かって急いで歩いている、今こういうような状況です。
 このカラスの東京都の取り組みは、もう随分前からやっておりますけれども、統計によると、生息数が十年にはピークを迎えておりますが、所管の対策の取り組みとともに減少してきました。ピークで一番多かったのが、しっかり取り組んでいただいたおかげで随分と減少してきました。
 これまでのカラス対策の現況と、本年増加傾向にあるのだそうでありますけれども、この理由についてお伺いいたします。

○中島自然環境部長 私が住んでいるところの近くは、ごみの方は各戸収集になっておりまして、そういう意味では進んでいるのかなと思っておりますが、カラス対策につきましては、都と区市等が連携いたしまして、トラップ捕獲あるいはごみ対策、営巣対策等を行っております。都は主に、大規模なねぐらなどでトラップによる捕獲を行っておりまして、これまで延べ九万三千羽のカラスを捕獲してまいりました。各区市では、防鳥ネットの設置ですとか、あるいは繁華街におきます夜間早朝収集などの廃棄物対策、それから住宅地におきます巣の撤去などの営巣対策を行っております。
 今回のカラスの生息数調査でございますけれども、ピーク時から見ますと二分の一の水準にございますけれども、前年に比較してやや増加した結果となっております。相手が生き物ということもありまして、さまざまな要因が考えられることから、原因につきましては、今回の結果だけではなくて、さまざまに判断していきたいというふうに考えております。
 都といたしましては、今後、廃棄物対策などを初めといたしまして区市との連携を深めるとともに、トラップ捕獲などの取り組みをさらに強化してまいります。

○矢島委員 私のところは駅前の商店街ですから、毎日収集、毎朝収集でやっていて、なおかつそうですから、それだけボリュームが厚いということになりますけれども、そちらを見習うように、よく商店街の皆さんにお話しをしておきます。
 今お話ありましたように、カラス対策は、お話を聞きますと物理的捕獲作戦のようです。しかし、害虫から身を守る植物があるというふうに聞いておりますので、自然界の法則を活用した方法もあるのではないかと私は思っています。もしこれが実現すると、川魚を食い荒らすカワウ、これはお台場に巣があって、それで秋川まで飛んでいってえさを食べるというふうに聞いておりますが、こういう部分にも、応用がきく方法として活用ができるのではないか。ぜひ広い立場から、いろんな可能性について研究をしていただきたいと思います。また、そういうこともあるように聞いておりますので、その点についてお伺いいたします。

○中島自然環境部長 カラス対策につきましては、生態系への配慮ですとか安全性の確保を視野に入れながら、より効果的、効率的な対策の検討に向けまして、自然界の法則を活用した方法も含めまして、幅広い情報収集に努め、新たな手法等についても研究していきたいと考えております。

○谷村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 予算及び報告事項に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○谷村委員長 異議なしと認め、予算及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時五十三分散会

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