環境・建設委員会速記録第五号

平成十九年三月二日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長小磯 善彦君
副委員長斉藤あつし君
副委員長吉野 利明君
理事高橋かずみ君
理事大西由紀子君
理事相川  博君
河野百合恵君
きたしろ勝彦君
原田  大君
松葉多美子君
中山 信行君
高橋 信博君
臼井  孝君
くまき美奈子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長村山 寛司君
総務部長加藤 英夫君
建設局局長依田 俊治君
次長矢口 貴行君
道路監道家 孝行君
総務部長島  博文君

本日の会議に付した事件
 意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境・建設委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第八十九号議案 東京都地球温暖化対策推進基金条例
・第九十号議案  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第九十一号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・第九十二号議案 東京都環境科学研究所手数料条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 東京都水防条例の一部を改正する条例
・第九十四号議案 東京都公有土地水面使用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第九十五号議案 東京都立公園条例の一部を改正する条例
・第百十二号議案 都道の路線の認定について
・第百十三号議案 都道の路線の廃止について
・第百十四号議案 東京都道路公社が行う八王子中央有料道路事業の変更に対する同意について
・第百十五号議案 東京都道路公社の道路の整備に関する基本計画の変更に係る国土交通大臣への認可申請について
・第百十六号議案 平成十九年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
・第百十七号議案 平成十八年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○小磯委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 次に、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書中、意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

ほう素、ふっ素等の排水基準への対応に関する意見書(案)
 平成十三年七月、新たに導入されたほう素、ふっ素等の排水基準については、一部の業種の排水処理技術が開発途上にあることから暫定排水基準が設定された。平成十六年五月には一部の暫定排水基準を強化するなどの見直しとともに、適用期限が平成十九年六月三十日まで延長されたところである。
 今般、再び暫定排水基準の適用期限が到来するが、排水処理技術に関しては、この三年間で大きな進歩があったとはいえない現状である。このまま厳しい一律の排水基準が適用されることになれば、都内における多数の中小零細企業の事業場では、その対策に苦慮することとなる。
 例えば、都内二十三区には五百を超える電気めっき事業場が集積しているが、節水型の施設が多いため、排水濃度が高くなる傾向にある。また、事業場は、市街地に立地し、狭あいな敷地で事業を営んでおり、排水処理施設の設置スペースが確保しにくい実情がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、大都市に立地する中小零細企業の現状を勘案の上、次の事項を実現するよう強く要請する。
1 簡易かつ廉価な排水処理技術が開発されるまで、暫定排水基準の適用期限を再度延長すること。
2 国が主体となって、大都市に立地する中小零細企業が導入可能な安定的な排水処理技術の調査、研究・開発を早期に推進し、その普及・実用化に努めること。さらに、中小零細企業が排水処理技術の導入を図る場合には、財政援助を行うこと。
3 地方自治体が行っている排水処理技術の研究・開発等に対して、必要な財政措置等を講じること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十九年  月  日
東京都議会議長 川島 忠一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
環境大臣  あて

○小磯委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては調整がつかなかった旨議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○小磯委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境・建設委員会所管分を議題といたします。
 本案については既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○高橋(信)委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 我が国経済は、企業部門の好調さが持続し、家計への波及になお不透明さを残すものの、戦後最長となる景気拡大が緩やかながらも続いております。平成十九年度東京都予算案は、こうした景気好転に伴う法人二税の伸びなどを反映し、都税収入も過去最高となる五兆三千三十億円を見込むなど、一般会計の規模は六兆六千二十億円と、九年ぶりに六兆円台後半となっています。また、隠れ借金の解消に目途をつけ、負の遺産の抜本的な対応に果敢に取り組むとともに、基金残高も九千億円を超える水準まで回復するなど、長年の懸案であった財政再建をついに達成した内容となっています。
 また、我が党の要望にもきめ細かくこたえ、都市インフラの拡充、安全・安心の確保、少子高齢対策、中小企業支援など、ハード、ソフト両面において喫緊の課題への対策を適切に講じています。
 その結果、投資的経費の単独事業は二年連続で一〇%を超える高い伸びを示すとともに、福祉と保健などの目的別で見ても、すべての分野で予算の増額を図った内容となっています。さらには、二〇一六年のオリンピック招致、そして「十年後の東京」で描いた将来像の実現に向けて、福祉、環境、スポーツ・文化の三分野において新たに基金を創設し、施策の安定的かつ集中的な推進を担保しています。近年の税収増をむだなく有効に活用するため、都の前向きな姿勢を明らかにした画期的な取り組みであり、高く評価いたします。
 しかしながら、決して楽観は許されません。いつまでも好景気が持続することは期待できない上、都財政の回復を背景とした東京富裕論を根拠として、東京から財源を奪う動きは一層強まる様相すら見せています。
 都民の皆様のご理解とご協力があればこそ、都財政はここまで立ち直ることができました。我々都議会自民党は、財政再建の達成により獲得した貴重な財源は、多様な施策展開を図ることにより、しっかりと都民一人一人に還元していくことが必要だと考えます。そのためにも、財政基盤の強化に引き続き邁進しながら、都民福祉の向上に努めていくべきであることを改めて指摘しておきます。
 なお、予算の執行に際しては、各局とも効率的な事業運営に全力で取り組み、最大限の効果を発揮するよう、強く要望いたします。
 次に、各局関係に移ります。
 まず、環境局関係について申し上げます。
 一、世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市の実現に向けて、地球温暖化対策推進基金を活用し、CO2の大幅な削減や緑豊かな都市づくりなどの諸施策を、大胆かつ集中的に取り組まれたい。
 二、省エネ仕様の施設整備や大会運営の環境配慮指針となる環境ガイドラインの策定など、環境を最優先した東京オリンピックの実現に向けた取り組みを推進されたい。
 三、東京の貴重な緑の保全と再生、創出を図るため、区市町村と連携し、緑地の保全を進めるとともに、多摩の森林再生事業、ヒートアイランド抑制効果や子どもの情操教育にも資する小中学校の校庭芝生化を着実に進められたい。
 四、自動車公害対策については、排ガス性能にすぐれた新長期規制適合車のさらなる普及促進を図るとともに、厳しい経営環境にある中小零細事業者に対する経済的支援を着実に執行されたい。
 五、土壌汚染対策の促進、地域におけるリスクコミュニケーションの推進、揮発性有機化合物対策の推進など、有害化学物質対策に取り組まれたい。
 六、産業廃棄物の適正処理について、すぐれた取り組みを行う産業廃棄物処理業者が第三者に評価され、優良事業者が市場で発展できる仕組みを構築されたい。また、リサイクルできるものは可能な限りリサイクルする仕組みに取り組むなど、広域的な立場から区市町村と連携し、循環型社会を実現されたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 一、将来への長期ビジョンである「十年後の東京」が示す首都東京の都市像を実現していくため、慢性的な交通渋滞の大幅な緩和、都市型水害の解消、緑やオープンスペースの拡大など、快適で災害に強い都市東京を目指し、戦略的に事業の展開を図られたい。
 二、道路、河川、公園など都市基盤の整備は、二〇一六年のオリンピック招致を実現するためにも積極的に整備を推進する必要があり、国に対し、公共事業費の確保と財源の配分拡大について強く要望されたい。
 三、三環状道路の一つである首都高速道路中央環状線については、一日も早い全線完成を目指し、残る新宿線及び品川線の整備を積極的に推進されたい。
 四、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間、島しょ地域の振興を図る道路の整備をそれぞれ推進するとともに、多摩川中流部橋梁等についても整備を推進されたい。
 五、地域分断の解消や交通渋滞の緩和などを図る上で効果の高いJR中央線や京浜急行線など鉄道の連続立体交差事業を積極的に推進されたい。また、事業の実施に当たっては、地元区市と連携して、駅周辺のまちづくりと一体的、総合的に進められたい。
 六、集中豪雨による浸水被害の解消を図るため、中小河川の整備を推進することはもとより、区市町村と連携したソフト対策も含めた総合的な治水対策を推進し、今後十年間で過去の溢水被害の九割の解消を図られたい。
 七、東部低地帯の河川については、スーパー堤防の整備、防潮堤、水門など河川施設の耐震強化を図るとともに、自然環境や景観に配慮した水辺空間の整備を推進されたい。
 八、良好な都市景観を創出し、都市防災機能の強化に寄与する電線類地中化事業の一層の整備促進を図るとともに、安全で快適な歩行空間の確保を図る歩道の整備を推進されたい。
 九、「十年後の東京」に掲げた水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を実現するために、今後十年間で新たに二百ヘクタールの都立公園を開園するとともに、公園や水辺など緑の拠点を街路樹で結び、緑のネットワークの形成を図られたい。
 十、多摩地域のまちづくりを支援するため、みちづくり・まちづくりパートナー事業や市町村土木補助事業の促進を図られたい。
 以上をもちまして私の意見の開陳を終わります。

○くまき委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成十九年度予算案にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 平成十九年度予算案は、企業部門の好調による税収増で、一般会計で前年度比七・〇%増の六兆六千二十億円、平成十年度の財政規模に匹敵する予算となりました。都税収入も、税源移譲分を除き、実質で一一・二%、五千二十八億円増の五兆五十六億円を見込んでいます。また、平成十八年度最終補正後予算との比較においては、四千二百五十九億円の増となっています。
 日本経済は、いまだ消費に弱さが見られるものの、景気は回復傾向にあります。東京都は、このような状況を踏まえ、中期的なフレームを示しましたが、都税収入が抱える構造的な減収リスクや地方税財政制度見直しの懸念を抱えているため、今後も予断を許しません。東京を変革するとしたオリンピック招致は、都財政に中長期的な影響を与え、先送りしてきた社会資本ストックの更新経費とともに、実施計画で具体化されるまで、財政基盤の確立に不確定要素を残すものとなっています。
 一般歳出は四兆三千三百六十六億円と前年度比の三・七%増にとどめ、フレームに即して抑制しつつも、さまざまな分野に満遍なく財源を配分しています。隠れ借金や負の遺産の処理に取り組むとともに、財源の年度間調整を強化する基金を積極的に積み立てるなど、経験を踏まえた課題への対応も行われています。
 しかし、私たちが繰り返し求めてきた震災対策の強化や雇用格差の是正、子育て支援は極めて不十分であり、高齢社会対策においては、高齢者の急激な増加に伴う介護需要の増大などに対する危機感が欠如しています。
 一方、都政運営においては、知事や側近の海外出張、知事交際費、また、知事のトップダウン事業への子息や知人の関与、不明朗な業者との宴席など、石原知事と知事側近がいかに都政を私物化し、都政をゆがめているのかが明らかになっています。二〇一六年オリンピック招致においても、世界各国からの支持を得なければなりませんが、石原知事を先頭に立てての招致活動では、平和への明確な理念が打ち出せず、アジア、アフリカ、ヨーロッパなどの支持を得ることは困難であります。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局にかかわる事項について申し上げます。
 まず、環境局関係について申し上げます。
 一、CO2削減目標を確実に実行するために、都外での事業や排出権取引等の経済的手法の活用も含め、実現可能な行動方針を早急に定めること。
 一、地球温暖化対策の新たな施策展開に向けて、東京における温暖化の影響等に関して調査するとともに、東京都の率先行動として、都有施設における太陽光発電設備の導入や電気のグリーン購入、学校運動場での芝生化を進めること。また、コンビニや鉄道事業者など、さらなる排出削減策に取り組むとともに、中小規模事業者における温暖化対策を推進すること。
 一、地球温暖化対策計画書制度や建築物環境計画書制度の対象を拡大するとともに、一定の広がりを持った地域を対象にした温暖化対策を実施すること。また、運輸部門の温暖化対策として自動車環境管理計画書制度の充実、強化を図るとともに、エコドライブの推進や都バスへのバイオディーゼル燃料の導入を進めること。
 一、ヒートアイランド対策としてクールタウンモデル推進事業を実施すること。また、緑化基準の強化に向けて、新たに駐車場芝生緑化実証実験を行うとともに、ヒートアイランド対策を再構築すること。
 一、東京都環境アセスメント条例の内容を見直すなどして、風の道の確保に向けて、さらに取り組みを強化すること。
 一、廃棄物の適正な処理を推進するために不法投棄の多い建築物の解体現場への立入調査を実施するなど指導を強化するとともに、産業廃棄物処理業者の第三者評価の導入などを新たに実施すること。
 一、自動車交通量対策として、IT技術を活用した渋滞情報の提供や物流の共同配送の推進、PASMO導入を見据えた移動手段の公共交通機関への転換など、総合的な自動車交通抑制策に向けて取り組むこと。
 一、大気汚染対策として船舶排ガス対策等の実態調査を実施すること。
 一、有害化学物質対策の推進としてリスクコミュニケーション推進地域モデル事業を実施すること。また、東京の実態に即した土壌汚染対策の構築に向けて積極的に取り組むこと。
 一、緑の保全と再生に向けて、緑施策を再構築すること。また、多摩の森林再生計画や花粉対策事業に重点的に取り組むとともに、保全緑地の公有化を図ること。里山保全地域については、NPOや企業などとも連携して多様な方策を講じながら、その保全を進めること。
 一、水の循環と再生を図るために、水収支について調査するとともに、雨天時における水質調査などを実施すること。また、下水高度処理水による清流復活事業を行うとともに、総合治水対策ともあわせた雨水浸透事業の拡充を図ること。
 一、自然公園の地域連携事業を実施すること。また、移入種対策など、小笠原諸島での世界自然遺産登録推進事業に取り組むこと。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 一、東京圏の交通ネットワークの形成を目指して、三環状道路の整備促進や都市の骨格を形成する幹線道路を重点的に整備するとともに、鉄道の連続立体交差化事業を推進すること。また、ひよどり山有料道路無料化の教訓を踏まえ、より適正な需要予測に基づいた都道の整備を進めること。
 一、大型貨物車両の通行ルートを確保するため、橋梁の耐荷力向上を図るなど、橋梁の整備を行うこと。
 一、道路補修に当たっては、保水性舗装など地域特性に応じた環境対策型舗装への転換を図ること。また、のびのび街路樹の育成など、道路緑化を推進するとともに、多摩産材を活用した道路設備を整備すること。さらに、都内での石積み擁壁への安全対策や、環七、環八での防音施設整備を行うこと。
 一、交差点すいすいプランを初めとする交差点改良を推進するとともに、架空線の地中化を積極的に推進すること。
 一、中小河川の改修として、今年度策定予定の豪雨対策基本方針に基づき、整備が必要な河川については重点的な対策を講じること。また、妙正寺川、善福寺川における浸水被害対策緊急整備事業を引き続き実施すること。
 一、高潮防御施設の整備として、テラスの連続化やバリアフリー化、江東内部河川の観光資源化や舟運の活性化を促す防災船着き場の活用など、水の都としての再生に取り組むこと。また、東部ゼロメートル地帯における港湾施設、堤防等の耐震対策を推進すること。
 一、河川環境の整備として、しゅんせつの実施や水質改善に向けた実験的な取り組みを行うとともに、河川施設の緑化を推進すること。
 一、都市公園の整備については、ヒートアイランド対策や自然エネルギーの活用などに努めるとともに、新規植栽や樹勢の回復などに努めること。また、庭園におけるお茶屋の復元など、観光名勝として整備を図ること。
 一、都民との協働を進め、ボランティア活動等において、公園などの都立施設を利用しやすくするための方策を講じること。
 一、都立霊園については、合葬式墓地の建設など、緑豊かな霊園の整備を進めるとともに、青山霊園や谷中霊園の再生に取り組むこと。
 一、市町村のまちづくりに対する支援として、みちづくり・まちづくりパートナー事業を実施するとともに、市町村が施行する道路や公園などの土木事業に補助すること。
 以上申し上げまして、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○中山委員 私は、都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成十九年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通について申し上げます。
 平成十九年度の一般会計当初予算案は、一般歳出が四兆三千三百六十六億円と二年連続して増加し、福祉と保健の予算額と構成比がいずれも過去最高となったことに加え、都民生活の安心・安全の確保、環境問題への取り組み、景気、中小企業対策など喫緊の課題への対応が着実に図られており、都民の負託に積極的にこたえる予算となっています。
 また、景気回復などにより、都税収入の大幅な伸びが見込まれますが、これを有効に活用して、隠れ借金の解消や負の遺産への抜本的な対策に取り組むとともに、新たな三つの基金を創設するなど、将来の財政需要にも備えが講じられており、揺るぎない財政基盤の構築に向けた取り組みが行われています。これらは我が党の主張と軌を一にするものであり、評価できるものであります。
 今後は、二〇一六年のオリンピック招致や十年後の東京を目指した取り組みを積極的に推進することに加え、本格的な少子高齢社会、人口減少社会の到来への対応など課題も多くあります。また、収入面では、景気の動向に左右されやすい税収構造や東京の財源を吸い上げる不合理な税財政制度見直しなどの不安定要因があり、楽観視はできません。
 こうしたことを踏まえて、引き続き都政の構造改革を進めるとともに、我が党の提案によって実現した公会計制度の活用なども通じて、中長期的な視点に立った財政運営を確かなものとし、将来にわたって都財政の健全性を維持していくことを強く望むものであります。
 なお、予算の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効果的かつ効率的に行うことを要望しておきます。
 次に、各局別に申し上げます。
 まず、環境局関係についてであります。
 一、地球温暖化の影響の顕在化、東京の緑の減少、産業廃棄物の不法投棄など、さまざまな課題を解決するため、現行の東京都環境基本計画の各種施策を着実に推進するとともに、次期基本計画においては、世界の範となる環境施策を明らかにして、より一層強力に施策を展開されたい。
 一、環境を最優先した東京オリンピックの実現に向けた取り組みを推進されたい。
 一、再生可能エネルギーの利用拡大を促進するため、都庁舎における電気のグリーン購入や太陽光発電設備の導入など、都有施設等で再生可能エネルギーを先駆的に利用されたい。
 一、都市化に伴って失われてきた東京の緑を創出するため、校庭の芝生化を初め屋上、壁面緑化などの大幅な緑の増加に向けた取り組みを進められたい。
 一、東京に残された貴重な自然を保護し、回復する施策を積極的に進めるとともに、多摩の森林再生事業などの緑の再生に積極的に取り組まれたい。
 一、地球温暖化対策を、アジア諸都市とも連携協力して、総力を挙げて環境面での貢献を展開されたい。
 一、東京の未来と都民の暮らしを展望し、さまざまなステージでの地球温暖化の影響を調査されたい。
 一、家庭部門における地球温暖化対策として一定の成果を上げつつあるマンション環境性能表示を、中小規模マンション事業者が任意で行えるような仕組みを構築されたい。
 一、自動車公害対策については、厳しい経営状況の中、懸命に働いている中小零細事業者のために、PM減少装置装着の補助や新長期規制適合車への買いかえのための融資を実施されたい。
 一、東京湾の水質改善対策を強化するための取り組みを流域自治体と連携しながら積極的に進められたい。
 一、小笠原の移入種対策について、国や村など関係者と連携し、自然環境の保全のための対策を講じられたい。また、引き続き小笠原の世界自然遺産登録に向けて総合的な対策を進められたい。
 一、土壌汚染対策の促進など有害化学物質対策を着実に推進されたい。
 一、不法投棄問題を解決するため、未然防止の観点に立って、不法投棄で多く見られる建設廃棄物に重点を絞った取り組みを行われたい。また、産業廃棄物処理業者を第三者が評価する制度については、すぐれた処理業者が市場の中で正当に評価され、業界全体の底上げが図れる仕組みとされたい。
 一、アスベストによる健康被害を防止するため、建築物の解体時等における適切な飛散防止対策を徹底されたい。
 一、河川の水質改善対策を積極的に進められたい。
 一、廃プラスチックリサイクルの推進によりごみの減量化や環境貢献を図るため、関係情報の積極的な提供など区市町村の取り組みを強く支援されたい。また、産業廃棄物における同様の取り組みを進めるため、排出事業者の意識啓発を図るとともに、関係機関と連携の上、実証モデル事業の成果の具体的な普及化に努められたい。
 次に、建設局関係について申し上げます。
 我が国は、長期不況を乗り越えて、新しい時代を展望する一大転換点に立っています。東京の長期戦略である「十年後の東京」が示す、世界で最も環境負荷の少ない、二十一世紀のモデル都市東京を実現することが重要です。
 まちづくりに当たっては、都民の多様なニーズに配慮するとともに、身近な緑の創出や大規模地震、都市型水害、少子高齢化社会への対応など積極的に事業の展開を図る必要があります。こうした観点から、以下の項目を重点的に進められるよう要望します。
 一、橋梁や河川の護岸、堤防などについて計画的に耐震対策を進めるとともに、災害時の避難場所、救援救助活動の拠点となる都立公園の防災機能の充実を図り、災害に強い都市をつくること。
 一、中小河川の護岸や調節池を重点的に整備するとともに、善福寺川、妙正寺川などの豪雨災害対策については、集中的な護岸改修を進め、川沿いの住民を浸水被害から守るよう努めること。
 一、隅田川や江東内部河川において護岸や防潮堤の整備を推進し、東部低地帯を高潮や地震による水害から守ること。
 一、中小河川の護岸においてスーパー堤防やテラス整備などにより水辺のにぎわいを創出し、美しい水辺景観の形成を図ること。
 一、三環状道路の一つ、首都高速中央環状品川線については、地域住民の理解と協力を得て、早期完成を目指し、強力に推進すること。
 一、都市の骨格を形成する幹線道路、地域幹線道路及び山間、島しょ地域の振興を図る道路の整備を推進すること。特に、整備のおくれている多摩地域については重点的な整備促進を図ること。
 一、道路交通の円滑化と踏切事故の解消を図るため、道路と鉄道の連続立体交差事業を推進し、あかずの踏切の早期解消を図ること。
 一、電線類の地中化や歩道の整備を積極的に推進し、美しい都市景観と安全で快適な歩行空間の創出を図ること。
 一、緑の拠点である都立公園の整備促進に努めるとともに、水辺空間の緑や街路樹と連続する緑のネットワークを形成し、緑豊かな成熟した都市の実現を図ること。
 一、橋梁のスロープ設置や歩道の点字ブロック設置など、高齢者や障害者に優しいまちづくりを進めること。
 一、都市計画公園・緑地の整備方針において平成二十七年度までに整備に着手することとしている優先整備区域の整備を着実に進めること。
 一、都立動物園において、身近に動物と触れ合える展示の工夫を推進し、積極的な施設整備を図ること。
 以上でございます。

○河野委員 日本共産党都議会議員団を代表して、平成十九年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 二〇〇七年度の都税収入は、過去最高の五兆三千億円が見込まれています。二〇〇六年度の税収と比べても実質五千億円の増収です。東京都は、これまで、都市再生路線のもとで、超高層ビルや大型幹線道路建設などに巨額の予算を投入する一方、都民生活に関する施策の切り捨て、予算の削減を進めてきました。今後さらに、二〇一六年に東京にオリンピックを招致するとして、中央環状品川線を昨年十一月に着工し、加えてこれまで四十年以上計画が凍結になっていた外かく環状道路建設の促進を打ち出し、住民や関係自治体の意見に耳を傾けないやり方で大規模開発を推進しようとしています。
 二〇〇七年度の建設局予算では、骨格、地域幹線道路に千百八十七億円が計上され、中央環状品川線百二十五億を合わせると千三百十二億円で、予算総額の二八・七%を占めており、大型幹線道路建設に優先的に予算が配分されています。
 その一方、都市公園整備費や中小河川整備費、路面補修費など生活関連の施策には目立った対策が講じられていません。環境局でも、東京が直面しているヒートアイランドなど二つの温暖化対策は十分とは評価できず、保全緑地の公有化予算は十年前に比べて三割台まで落ち込んでいます。大型公共事業優先、生活と環境保全は後回しの都政の姿が浮き彫りです。
 今、世界では、都市の成長を管理して、温暖化を防ぎ、持続可能な地域社会実現に向けての流れが強まっているもとで、石原都政のあり方は環境や暮らしを尊重する姿勢とはいえません。首都東京の責務は、都民の健康と安全を守り、緑や水などの自然環境を大切にし、住む人も訪れる人も心安らぐまちづくりを進めることです。そのための施策の充実を願い、以下、項目別に申し上げます。
 初めに、環境局です。
 一、都における業務系など各分野のCO2排出量の削減と発生抑制基準の目標と対策を早急に策定すること。CO2排出基準の義務づけを大規模事業者に行うとともに、中小事業者への助成措置などの対策を講じること。
 一、石油燃料にかわるバイオマスエネルギー、植物性廃油の燃料化技術の開発などを進めること。また、太陽光、風力、潮力など自然エネルギーや再生可能エネルギーの利用促進計画を策定し、強力に進めること。
 一、各分野における排熱量を測定し、発生抑制基準の目標と対策を策定すること。
 一、ヒートアイランド現象調査のために環境科学研究所と首都大学東京が共同で取り組んできたメトロス測定を復活させること。
 一、地表熱吸収に効果がある芝生化の促進や屋上、壁面緑化の義務化など強制力のある手法を導入すること。
 一、都心における公園と緑、河川、また、暗渠の河川化など、水面の拡大、風の道確保などクールスポットの復活と拡充を急ぐこと。
 一、市街地での緑地保全地域、里山保全地域の拡充に努め、公有化を促進すること。また、区市町村の保全緑地公有化事業を制度化し、充実すること。
 一、森林再生や市街地における緑の保全と確保、地下水の保全に努めること。
 一、光化学スモッグは、発生時の自動車の乗り入れ規制など、緊急対策を実施し、発生を防ぐための対策を早急に確立すること。
 一、東京大気汚染公害裁判の東京高裁解決勧告を真摯に受けとめ、大気汚染防止対策を抜本的に講じること。
 一、自動車交通総量の規制目標を設定し、自動車交通総量抑制、削減のためにTDMやモーダルシフトなど総合対策を講じること。
 一、NOx・PM法に対応し、中小業者の車の買いかえ助成実施や融資制度を、さらに利用しやすいように、長期、低利の制度に改善すること。
 一、低公害車の開発普及を都が率先して取り組むとともに、低公害車への買いかえを促進すること。
 一、一般環境大気測定局、自動車排出ガス測定局を増設すること。
 一、環境アセスメント制度を複数の開発計画や人的影響などを含めた総合アセスメント制度として見直すこと。
 一、環境アセスメントは都市再生関連の事業の特別扱いをやめ、特定地域における超高層建築物の対象を、高さ百メートル以上、面積十ヘクタールに戻すこと。また、計画段階アセスの対象規模を十ヘクタール以上とすること。
 一、環境アセスの対象規模については条例化するとともに、事業段階アセスの手続は旧条例に準ずること。
 一、ダイオキシン、環境ホルモンなど有害物質対策を強化すること。
 一、土壌汚染を抜本的に強化すること。特に、豊洲地区の土壌汚染については都として安全対策に責任を持つこと。
 一、水質汚濁防止対策を進めること。
 一、騒音、振動対策を強化すること。
 一、ディーゼル車排出ガス影響調査や花粉情報、植林のあり方の検討など、抜本的な花粉対策を講じること。
 一、希少動植物を保護し、生態系の生息環境を保全すること。
 一、環境科学研究所は東京都直営を堅持し、財団法人環境整備公社に移管しないこと。また、体制を強化し、研究者の育成を図ること。
 一、循環型社会の形成に向け、製造段階での廃棄物の発生を抑制し、企業責任を明確にした廃棄物減量対策を促進すること。
 一、環境管理計画、ISO一四〇〇一シリーズ認証取得の徹底を図り、中小企業への支援を行うこと。
 一、産業廃棄物は企業責任で処理処分の徹底を図ること。
 一、一定規模以上の開発計画については条例で定められた処理施設確保の事前協議制度をさらに強化すること。
 一、家電リサイクル、中小業者のリサイクル再資源化を支援すること。
 一、非飛散性アスベスト廃棄物の保管場所を都が責任を持って確保し、処理処分に当たっての支援を実施すること。
 一、感染性廃棄物の処理処分については、安全確保のためにさらなる努力をすること。
 一、プラスチック廃棄物を燃やすサーマルリサイクルは、環境や健康への影響が検証されないままでは行わないこと。
 次に、建設局です。
 一、オリンピック開催を理由にした三環状道路の建設促進計画は、環境破壊をもたらし、巨額の財政投入を必要とするものであり、都民参加で抜本的に見直すこと。特に中央環状品川線建設は関係住民の意見を十分に聞くこと。
 一、環状二号線、第二期臨海道路など、臨海副都心のためのアクセス道路や広域幹線道路建設は凍結し、抜本的に再検討すること。
 一、国直轄事業負担金の廃止を国に強く求めること。
 一、人口減少社会を迎えるもとで、道路、橋梁、公共施設などのインフラ整備は、維持更新を中心にして、需要を見据えたものに見直すこと。
 一、国の史跡に指定された玉川上水の貴重な自然を保全するために、放射五号線の道路建設計画は中止すること。
 一、新しく開通した環状八号線、練馬区北町、板橋区若木間の騒音、環境対策は万全を尽くすこと。
 一、住環境悪化の不安で住民が反対している調布保谷線、府中所沢線などの道路建設は、計画を含めて十分に住民と話し合い、建設を強行しないこと。
 一、多摩地域などの生活関連道路の整備、特に歩道整備やバリアフリー化、自転車専用道など、環境に優しく、安全に配慮した道路の普及を推進すること。
 一、交差点すいすいプラン第二次計画など、交通渋滞解消対策に努めること。
 一、道路補修サイクルを抜本的に引き上げること。
 一、都市計画公園の整備目標を大幅に引き上げ、整備拡充については、民間活用でなく、公的責任で積極的に行うこと。
 一、公有地や工場跡地、未利用地などを活用し、緑を保全し回復させる公園づくりなどを促進すること。
 一、都市河川、内部河川の治水対策を推進すること。
 一、水害の危険地域について、河川ごとにハザードマップをつくること。また、水害の原因を分析し、即応対策とともに、抜本的な解決策を立てること。
 一、低価格入札制度のもとで東京都が発注する工事の品質や安全性が損なわれたり、下請業者や労働者にしわ寄せがされないように抜本的な対策を講じること。
 以上です。

○大西委員 私は、都議会生活者ネットワークを代表し、本委員会に付託された平成十九年度予算関係議案について、意見の開陳を行います。
 平成十九年度予算は、このところの都税収入の伸びを受けて、前年比七%増の六兆六千二十億円の大型予算となりました。都は、バランスよく財源を配分し、隠れ借金の解消や負の遺産の処理を行い、減債基金不足は全額解消する見込みがついたとしていますが、都市基盤整備などの投資的経費の伸びが目立つ予算編成で、直接的に都民の期待にこたえたものとはいえません。
 生活者ネットワークは、東京には人口減少社会を見通した長期計画がないとの問題点を繰り返し指摘してきましたが、オリンピック招致を三選出馬の最大の公約として掲げる石原知事は、ようやく「十年後の東京-東京が変わる-」を発表しました。水と緑の回廊に包まれた美しいまち、環境負荷の少ないまちなど、環境都市を目指す意気込みは期待しますが、一方で、相変わらず東京だけは成長路線が続くと想定して、世界都市を目指し、国際競争力に勝つことなどが盛り込まれた構想は、いささか時代おくれといわざるを得ません。
 到来した人口減少社会では、都民の多くが、年金や医療制度改革、所得格差の拡大など、将来への不安を抱いています。企業収入がふえ、税収がふえても、一般都民の景気回復の実感には至っていないことを踏まえ、安心して子どもを産み育てやすい社会づくり、ともに生きるための若者、障害者、女性への就業支援、豊かさを実感できる緑豊かな持続可能な都市づくりが求められていると考えます。
 都議会生活者ネットワークは、都民の多様な暮らしに安定と安心をつくり出す、未来への責任ある予算執行を求めるものです。
 以下、各局別に申し上げます。
 環境局関係について申し上げます。
 一、都政において環境優先の原則を確立すること。
 一、学校を初めとした公共施設に、太陽光発電、風力発電、ソーラーシステム、コジェネ、燃料電池などの導入に都独自の助成制度を設け、クリーン電力制度の活用等自然エネルギー政策を進めること。
 一、実効性ある地球温暖化対策には、CO2排出削減目標を、部門ごと、年度ごとに具体的な目標を設定し、計画の進行管理を行い、都としてのエネルギー政策全般の見直しを行うこと。
 一、有害化学物質対策基本指針に基づき、環境ホルモンを含む有害化学物質の減少を目指し、管理システムの構築を進めること。また、PRTR制度を活用し、情報を都民に公開し、未然防止の観点を踏まえて、リスクコミュニケーションを進めること。
 一、東京湾の水質汚濁防止のため、流入する川の水質改善を強化すること。
 一、緑地保全地域の管理における市民参加を推進すること。また、緑行政の総合化を進め、緑のネットワーク化を進めること。
 一、丘陵地や緑地、里山、森林を保全するための地域指定制度をさらに拡大し、里山保全地域の指定と買い上げを早急に行い、保全緑地の公有地を拡充すること。
 一、多摩地域に残された湧水や緑地を保全するために、緑の都市再生都債の検討を行うこと。
 一、小笠原の自然保護に向けては、地元住民と行政のパートナーシップで進め、固有種の保護対策をさらに強化し、貴重な動植物やすぐれた景観などの映像を早期に記録として残すこと。
 一、発生抑制、再使用、再利用の順位で推進し、都民への広報活動を積極的に行い、最終処分量を削減すること。
 一、容器包装リサイクル法の改正の趣旨にのっとり、容器包装の三Rを推進すること。
 一、地下水を保全し、水循環を推進する条例をつくること。
 一、立川市内の井戸の1・4ジオキサン汚染については、取水再開に向けて調査を継続し、汚染源の特定、汚染範囲の把握、汚染の除去に努めること。
 一、入札制度に環境保全の視点を導入し、事業者のインセンティブを高めるよう財務へ働きかけること。
 一、子どもが利用するすべての施設は市区町村と連携してアスベスト調査を実施し、対策を講じること。
 一、アスベストを使用している建物にはアスベスト情報の蓄積と保存及び情報公開を義務づけること。
 次に、建設局についてです。
 一、公共事業評価については都民参加で事前、事後評価を取り入れること。
 一、都市基盤整備においては、生活に密着した、より効果的な事業を優先し、投資的経費を削減するよう努めること。
 一、福祉のまちづくり条例、バリアフリー新法の趣旨を生かした公共施設や駅舎、道路、公園などについては、当事者参加でユニバーサルデザイン化を進め、高齢者、障害者、子どもなどだれもが安心して利用できるようにすること。
 一、河川については、流域貯留浸透を進め、都市型水害の解消を図り、総合治水対策として、雨水利用、雨水浸透を促進すること。
 一、河川を親水空間としてその地域に合った環境整備を進めるとともに、水循環を取り戻すため、多自然型工法による自然な水辺づくりを進めること。
 一、都市に残された貴重な緑や空きスペースは、市区町村と協力し、公園など公共スペースとして確保すること。また、市民緑地制度は、PRに努め、市や区との連携で進めること。
 一、建設局の進める施設建設に当たっては、温室効果ガス削減を目的としたLCA、ライフ・サイクル・アセスメントを導入し、検討すること。
 一、河川や公園、霊園の緑地など環境整備については、企画段階から市民参加の手法を取り入れ、NPOなど市民による運営管理を進めること。
 一、都市計画道路の整備に当たっては、東京圏の人口動向を踏まえた需要予測を立て、廃止も含めて、都の独自の調査と検証を行うこと。
 一、自動車の代替交通手段として、市区町村と連携し、自転車専用道路や駐輪場、レンタルサイクルなど、各種施設を整備し、ネットワーク化を図るとともに、歩道の整備を充実すること。
 一、未利用地の活用は、地元市と協議し、地域住民の合意の上で決定すること。
 一、行財政要綱にあるリザーブ用地の考え方は将来にわたって堅持し、地元自治体の要望をできる限り実現するように努めること。
 一、パーク・アンド・ライドについては、周知に努め、拡充すること。
 一、臨海部の広域幹線道路など交通アクセスについては、臨海計画の見直しに当たって、将来世代への負荷を最小限に抑えるために、廃止も含め、整備量を減らす決断を行うこと。
 一、多摩地域の生活道路の整備を早急に実現すること。
 一、道路建設については、環境や住民対策を最大限に行うこと。
 以上です。

○小磯委員長 以上で予算に対する意見の開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において調査報告書として取りまとめの上、議長まで提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○小磯委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第八十九号議案から第九十五号議案、第百十二号議案から第百十七号議案まで一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○河野委員 第九十二号、東京都環境科学研究所手数料条例の一部を改正する条例案について反対の立場から意見を述べます。
 環境科学研究所は、一九六八年に東京都の公害研究所として開設されてから現在まで環境保全のために貴重な研究を積み上げてきました。しかしながら、都は、ことし四月から財団法人環境整備公社に運営移管するとし、九十二号議案は、公社移管に伴って東京都環境科学研究所手数料条例の名称を東京都自動車排出ガス試験等手数料条例に名称を変更するものです。
 今日、地球温暖化やヒートアイランド現象、大気汚染問題など、東京都が取り組みを強化すべき環境問題は山積しています。だからこそ環境科学研究所は東京都直営の試験研究機関として運営を継続すべきである意見を申し述べます。

○小磯委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第九十二号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○小磯委員長 起立多数と認めます。よって、第九十二号議案はいずれも原案のとおり決定いたしました。
 次に、第八十九号議案から第九十一号議案まで、第九十三号議案から第九十五号議案まで及び第百十二号議案から第百十七号議案までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認めます。よって、第八十九号議案から第九十一号議案まで、第九十三号議案から第九十五号議案まで及び第百十二号議案から第百十七号議案まで、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○小磯委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小磯委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小磯委員長 この際、所管局を代表いたしまして、村山環境局長より発言を求められておりますので、これを許します。

○村山環境局長 発言のお許しをいただきまして、両局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 今定例会に提案いたしました議案につきましてただいまご決定をいただきました。小磯委員長を初め委員の皆様には熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程でちょうだいいたしました多くの貴重なご意見、ご指摘につきましては、今後の施策に十分反映させてまいりたいと存じます。
 今後とも一層のご指導、ご教示を賜りますようお願いを申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、お礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○小磯委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十一分散会

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