環境・建設委員会速記録第九号

平成十八年九月十四日(木曜日)
第九委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長ともとし春久君
副委員長林田  武君
副委員長大津 浩子君
理事大西由紀子君
理事西岡真一郎君
理事近藤やよい君
伊藤 興一君
原田  大君
河野百合恵君
石森たかゆき君
くまき美奈子君
東野 秀平君
こいそ 明君
吉野 利明君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長村山 寛司君
総務部長加藤 英夫君
企画担当部長大野 輝之君
都市地球環境部長小山 利夫君
環境改善部長石渡 秀雄君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長中島  博君
参事平林 宣広君
自然環境部長福島 章人君
廃棄物対策部長森  浩志君
調整担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務井戸 秀寿君
局務担当部長月川 憲次君
建設局局長依田 俊治君
次長矢口 貴行君
道路監道家 孝行君
総務部長島  博文君
用地部長藤井 芳弘君
道路管理部長内海 正彰君
道路建設部長林 健一郎君
公園緑地部長伊藤 精美君
河川部長高橋 興一君
道路保全担当部長米田 秀男君
道路計画担当部長桐越  信君
公園管理担当部長北村 俊文君
参事吉原 一彦君
参事小田 昭治君

本日の会議に付した事件
 環境局関係
報告事項(説明・質疑)
・東京都廃棄物処理計画について
請願の審査
(1)一八第一三号の一 平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願
 建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・たつみ橋交差点立体化工事(十七 五-放十四東新小岩)請負契約
・晴豊二号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十八 五-環二)請負契約
・是政橋二期鋼けた製作・架設工事(その一)請負契約
・中央環状品川線大井北発進立坑設置工事請負契約
請願陳情の審査
(1)一八第一三号の一 平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願
(2)一八第三五号の一 都市公園及び海上公園の占用料値下げに関する陳情
(3)一八第四八号の二 大田区松原橋交差点周辺の大気汚染改善に関する陳情

○ともとし委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせをいたしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び環境局関係の報告事項の聴取並びに環境局及び建設局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求を行うにとどめ、質疑は後日の委員会で行い、また報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、環境局長村山寛司君が就任されました。また、幹部職員の一部に交代がありましたので、村山局長からあいさつ並びに紹介があります。

○村山環境局長 去る七月十六日付の人事異動によりまして環境局長を拝命いたしました村山寛司でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 環境行政は、今日の都政におきまして最も重要な課題の一つであるというふうに認識しております。健康で安全な生活環境を確保し、東京を持続可能な都市として発展させていくために、地球温暖化対策を初め喫緊の諸課題に対し、当局職員一人一人の力を結集し、積極的に取り組んでまいります。何とぞ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。
 引き続きまして、お手元の環境局理事者名簿に従いまして、今回の異動により新たに就任いたしました幹部職員を紹介申し上げます。
 総務部長の加藤英夫でございます。環境改善部長の石渡秀雄でございます。交通需要マネジメント担当参事の平林宣広でございます。調整担当部長でスーパーエコタウン担当部長を兼務しております井戸秀寿でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○ともとし委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○ともとし委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○森廃棄物対策部長 このたび東京都廃棄物処理計画を改定いたしましたので、ご報告申し上げます。
 お手元の資料1が東京都廃棄物処理計画の概要、そして資料2が本編となってございます。
 資料1の概要に基づきましてご説明させていただきます。
 一ページをごらんください。一ページの上の囲みにありますように、東京都廃棄物処理計画は、都の廃棄物行政の基本的な方向を示すものであり、東京都環境基本計画に基づく個別分野の計画でございます。
 計画期間は、平成十八年度から二十二年度までの五年間でございます。
 本計画の基本理念といたしましては、循環型社会への変革を掲げております。
 二ページをお開き願います。ここでは、東京が直面している六つの廃棄物問題と、それに対応した本計画の計画目標を掲げてございます。
 一番目に、平成二十二年度の最終処分量を、平成十六年度から三五%減らしまして、百六十万トンに削減することを目指します。
 二番目には、廃プラスチック類のリサイクルを促進し、埋立処分量をゼロにすることを目指します。
 三番目には、建設泥土の再生利用量を五割増加させることを目指します。
 四番目には、有害廃棄物の都内処理体制を確立することを目指します。
 五番目には、首都圏における広域連携を強化し、産業廃棄物の不法投棄をゼロにすることを目指します。
 最後に、優良な産業廃棄物処理業者が市場価値を高めていくことができる仕組みを構築することを目指します。
 三ページをごらん願います。計画目標を達成するため、三つの施策の柱を定め、柱ごとに計画期間中に実施する主要施策を掲げております。
 施策の柱1は、発生抑制・リサイクルの促進でございます。
 (1)の発生抑制の促進につきましては、容器包装廃棄物の発生抑制や家庭ごみの有料化を促進してまいります。
 (2)の産業廃棄物のリサイクルの促進につきましては、廃プラスチック類のリサイクルや建設泥土の有効利用を促進してまいります。
 (3)の一般廃棄物のリサイクル促進に関しましては、廃プラスチック類のリサイクルの促進のほか、区市町村の施設整備や分別収集促進に対する支援などを行ってまいります。
 施策の柱2は、廃棄物処理・リサイクルに係る環境リスクの低減でございます。
 (1)の有害廃棄物の都内処理の推進につきましては、飛散性アスベスト廃棄物などの適正処理を促進してまいります。
 (2)の産業廃棄物の不法投棄対策の強化につきましては、他県市との連携など広域的な不法投棄対策の充実などに取り組んでまいります。
 四ページをごらんください。(3)の一般廃棄物の安定的な処理の確保につきましては、区市町村間の広域連携の構築などに取り組んでまいります。
 施策の柱3は、健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展の促進でございます。
 ここでは、スーパーエコタウン事業による先進的な廃棄物処理・リサイクル施設の整備の促進や、優良な取り組みを行っている処理業者を評価する仕組みづくりなどに取り組んでまいります。
 最後に、本計画の推進に当たりましては、都民、事業者や区市町村、近隣自治体と広範な連携を図ってまいります。
 以上、簡単でございますが、東京都廃棄物処理計画についてご説明させていただきました。

○ともとし委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 本件につきましては六人の方が質疑を予定されております。前の方の質問の内容、答弁の内容をしっかり聞いていただいて、重複する質問は極力避けていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○こいそ委員 ただいま新たな東京都廃棄物処理計画について説明を伺いましたが、この計画では、循環型社会に向けた新たなステージというキャッチフレーズがつけられております。発生抑制やリユース、リサイクルがより推進されまして、廃棄物処理に伴う環境への影響を最小限に抑える、そのような循環型社会への変革は、オリンピックの招致に向けて、東京を世界のまさに環境先進都市としてアピールするためにも、全力で取り組まなきゃいけない課題だと認識しております。
 循環型社会への変革のために何をしなきゃならないのか。ただいまのご説明では、第一に、廃プラスチックなどの発生抑制、リサイクル、第二に、不法投棄対策の強化など環境リスクの低減、そして、第三番目には、健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの展開ということであります。
 この三番目の健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展こそ、まさに時代の、民の力でということの中で、循環型社会への変革を進めるという意味合いでも重要な問題提起ではないかと思います。
 中小零細企業の多い産業廃棄物処理業者が今後より良好な処理を推進していくためにも、都がきめ細かい支援を行っていくということはもう必要ではないかというふうに思います。
 また、しかし、排出企業がどうもコスト縮減ということの中で、極めて低廉な、排出費削減をするということのしわ寄せが、それを受けた処理業者が、また、まじめな処理業者がコストをしっかりかけて優良なリサイクルをしようとしても、今のような排出側のコスト縮減のあおりを食って、なかなか継続して、持続して業務ができないというようなことも聞いているわけでございます。
 排出企業が、みずからが排出した産業廃棄物について最後まで責任を持つのは当然やはり排出者でありまして、負担すべき費用は当然にしっかりと保障すると、そういう意識が今後産業廃棄物の不法投棄、この大きな原因関係というものに抜本的に対処することになっていくんではないかというふうにも思います。
 この中でも、東京都の発注工事の中でも、これは全体的に調査したわけじゃありませんから、全体像というのはよくわかりませんけれども、どうもやはり孫請、下請ですか、という中で、最終的に排出する--最終的にはこのような処理を請け負うところがしわ寄せというか、低コストでやらざるを得ないという現状があるようでありますので、これは非常に矛盾だなという感じも、実は一点いたします。
 今回の東京都廃棄物処理計画を見ると、関東地方での建設廃棄物の不適正処理は十四万トンに上るといわれていますが、これはいうまでもありませんけれども大変な量でありまして、東京から出た廃棄物が他県でまさに不法投棄されている現実、実態を直視する中で、放置することは当然できないわけであります。産業廃棄物の適正な処理を確保するため、都は産業廃棄物を排出する企業側の、排出者側の意識改革をより進めていくべきだと思いますけれども、その所見を伺いたいと思います。

○森廃棄物対策部長 産業廃棄物の適正処理を推進するためには、不法投棄や、それにつながる行為などに対する規制監視を一層強化するとともに、廃棄物を排出する企業の社会的責任を徹底させることが重要でございます。
 このため都は、平成十七年度より報告・公表制度を導入し、産業廃棄物を多量に排出している企業を対象に、法令遵守の状況や委託した廃棄物の適正な処理を確認する具体的な方法などについて報告を求め、速やかに公表することとしております。
 今後は、すべての排出企業を対象として、マニフェストの発行状況を都道府県等に報告する新たな制度が予定されていることから、この制度を活用いたしまして、建設廃棄物等を排出する企業に対する指導を充実させるとともに、排出企業の適正処理に向けた意識の向上と取り組みの促進に努めてまいります。

○こいそ委員 産業廃棄物は、広域的に運搬されて処理されているということはいうまでもありませんけれども、都内の排出企業が出した廃棄物が、周辺県、またかなりの広域的な県にまでまたがって不適正処理がなされている、いわゆる不法投棄の状況がまだあるということでありまして、これは速やかにというか、しっかりとこのような状況というものは解消しなきゃいけない。排出企業への指導を徹底的にやるべきだと。
 これは私、思いますけれども、廃掃法もそうだし、容器リサイクル法もそうだし、全体的ないろいろな法律ができましたね。しかし、より有効な、時としては厳正な法執行、それになおかつ的確に執行ができるような法律だとか条例の制定、こういうものも視野に入れていくべきではないのかなとも思うところであります。
 さて、不適正処理が大変多くなっている建設廃棄物でありますけれども、特に建築物の解体から生じる、社会問題化しているアスベスト廃棄物であります。吹きつけアスベストのような飛散性アスベスト廃棄物、スレート板のようないわゆる非飛散性アスベスト廃棄物は、どのように実際処理されているのか、現在の処理状況を伺いたいと思います。

○森廃棄物対策部長 吹きつけアスベストなどの飛散性アスベスト廃棄物につきましては、特別管理産業廃棄物として取り扱われ、ほとんどが管理型の処分場で埋立処分されております。
 建物解体に伴うスレート板などの非飛散性アスベスト廃棄物は、破砕や剪断しない限り飛散のおそれがなく、これまでも広域的に移動し、処理され、通常の産業廃棄物である瓦れき類やガラスくずとして安定型の処分場で埋立処分されております。

○こいそ委員 高度経済成長期の建築物のそれぞれ解体が--その当時建てられた建物の中にアスベストを含有していると。その中の非飛散性アスベスト廃棄物の排出量は、かなりの量があると。全国規模から見ても百三十万トンというふうな大変な量だというふうにいわれておりますけれども、今後の非飛散性アスベスト廃棄物のさらなる排出量の見通しについて、これは百三十万トンというのは一年間ですよね、そのあたりも含めてお願いいたします。

○森廃棄物対策部長 スレート板などの非飛散性アスベスト廃棄物の全国の排出量は、社団法人日本石綿協会の予測によりますと、年間百三十万トン程度でございます。今後の都内から発生する年間の発生量につきましては、建築床面積の比率から推計いたしますと、全国発生量の一割、約十三万トンと見込んでおるところでございます。

○こいそ委員 非飛散性アスベスト廃棄物について、一部には最終処分まで円滑に流れるルートが足りないなどの問題点があるんではないかということがよく聞かれるわけでありますけれども、非飛散性アスベスト廃棄物の適正処理を確実なものにしていくために、都はどのような対策を進めていくお考えなのか、伺いたいと思います。
 それとともに、現下、全国規模で百三十万トン、都内で十三万トンという話ですね。かなり解体の一定の作業は行われているんだけれども、いざこれから非飛散性アスベストを含めた処分行為がなかなか手がついていないということを聞くわけでありますけれども、このあたりもお願いします。

○森廃棄物対策部長 非飛散性アスベスト廃棄物を適正に処理するためには、現場での分別の徹底と適正処理のためのルートの確保が重要と考えております。
 このため都は、解体業者に対して現場での分別の徹底の指導を行うとともに、中間処理施設に持ち込まれる小口のスレート板などについては、施設内で一時保管を認め、その後そのまま埋立処分場に排出するよう中間処理業者を指導しているところでございます。
 この対象となる都内のすべての中間処理施設に対しまして、本年七月から立入検査、実態調査を実施し、施設内での適正保管と、それから適正処理の指導を徹底しているところでございます。
 また、堅固な容器などを備え、飛散防止が徹底できる保管積みかえ施設を経由するルートも重要でございまして、普及拡大を促進しているところでございます。
 今後とも、現場での分別を徹底させ、これら円滑な処理ルートの確保に向け、引き続き解体業者、中間処理業者、保管積みかえ業者に対して指導を行うとともに、解体現場の立入検査を強化してまいります。

○こいそ委員 現在多量に排出されるところに対する対応はしっかりやってもらわなきゃ困るわけでありますけれども、要するに東京には最終処分地がないんですね。これは、いずれにしても県外及びかなり遠距離まで管理型として運んでいかなきゃいけない部分もある。コスト的にもかなりかかってしまうといういろいろな要因、要素がある。また、切ってもいけない、破砕してもいけないということでありますから、中間処理もなかなかできない。
 こういう現状の中で、さりとて今お話もありましたけれども、一定の保管というのは、これはマニフェスト上から見てもルートをしっかりする中でも必要だと思うんです、実際上の話として。要するに、大口というか、大手というか、排出しますよね。出したときの分別も大切だと思うんですけれども、全国では百三十万トン、都内では十三万トン、それ以上のアスベストの実態というのはなかなかわからないわけですね。
 ですから、明確に排出する時点だとか、その後のルートだとか、それから机上じゃなくて現実的に運送し、処理していかなきゃいけない、このあたりはより明確に現実的な対応というのをとる必要性があると思うんですね。部長、これはよく認識していただいているところかと思いますので、これからますます非飛散性アスベスト処理というのも課題として重くのしかかってくると思うんですね。ですから、抜本的な対策を講じていかないと、現実的な処理というのはそう進んでいかないんではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、もう一点、産業廃棄物だけでなくて、一般廃棄物の広域化というんでしょうか、一般廃棄物が広域的に移動し、処理されるような状況に今なっていますよね。
 いうまでもありませんけれども、多摩地域の各自治体、都内もそうですけれども、リサイクルをかなり積極的に行ってきた。ところが、最近、リサイクルの名をかりて、行政区域、市町村の区域を超えて、一般廃棄物が故意的に広域的に運ばれるようになって処理されるようになっていると聞いています。
 一部の一般廃棄物は、千葉や茨城、山梨などの近県に流れているということも聞いておりますけれども、例えば市町村がリサイクルのために容器包装廃棄物を収集して他県のリサイクル業者に引き渡す。そのようなときにリサイクルできない異物の混入が少なくないんではないか。そして、そうなれば結果的にごみが他県に実質上流れていくことになるわけです。
 今後、そのような状況がますますふえることが予想されるという関係者が--近ごろいろいろな形で間接、直接聞きます。そうなってくると、今のような危惧がされるわけでありますから、監視が行き届かなくなってくるんではないか、処理を請け負った業者が不適正処分する可能性が出てくるんじゃないか、いろいろなことがあるわけですね。
 一般廃棄物の処理は、それぞれの自治体がみずからの地域の責任で行うべき固有事務であることはいうまでもありません。一般廃棄物が適正にリサイクル処理されているかどうか、これが最終的にルートとして、また現状として、最後までというか最終的に処理される過程でありますけれども、確認されるよう、東京都はまさに広域自治体の立場から、区市町村各自治体といろいろな連携をしながら、また調査しながら、時には指導していくという立場をとっていくべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○森廃棄物対策部長 一般廃棄物を区域外で処理する場合におきましては、市町村に、廃棄物処理法に基づく実地検査を行うなど、委託業者の処理が確実に行われることを確認する義務がございます。
 他県の例を見ますと、容器包装廃棄物のリサイクルを受託した業者が再資源化せずに放置するなどの不適正処理が発生し、問題になった事例もございます。こうした場合、市町村には、みずから撤去等の措置を講ずることも含め、一般廃棄物の処理について包括的な責任が課せられております。
 都は、今後とも市町村に対して、処理やリサイクルを区域外に委託する際には、実地状況の把握、確認や委託業者への指導監督を徹底するなど、処理責任を十分果たすよう重ねて指導してまいります。

○こいそ委員 続きまして、これは多摩地域だと思いますけれども、市町村の中でいわゆる限定許可を出していると。一定の事業所単位の処理、これに対して許可を出しているというような実態があるようであります。こういう状況を東京都はどのように把握されているのか、その点ちょっと聞かせてください。

○森廃棄物対策部長 民間業者が一般廃棄物を収集するには、市町村から廃棄物処理法に基づく一般廃棄物処理業の許可を得ている必要がございます。市町村が一般廃棄物処理業の許可を出す場合に、収集場所を一定の範囲に限定して許可を与える場合もございます。仮に許可を受けた業者が限定された範囲を超えて収集するようなことがございますれば、市町村が指導していくことになります。
 都といたしましては、実態を把握した上で適正に市町村を指導してまいります。

○こいそ委員 ぜひかかる実態を調査していただきたいというふうに要望します。
 それで、最後でありますけれども、一般廃棄物の処理は、先ほどから何回か触れておりますけれども、各自治体の固有事務であるということはいうまでもありませんけれども、不適正処理を防止するため、東京都も広域自治体の立場で、ぜひ今のことも含めながら現状把握にいろいろ努めていただき、時には指導をしていただくように重ねて要望します。
 さて、初めに申し上げましたとおり、新たな東京都廃棄物処理計画が、健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展というテーマを掲げていることは評価すべきだと思います。今申し上げましたように、現実の処理業界にはいろいろな課題があることはいうまでもありません。
 都は、処理業界、リサイクル業界全体のレベルアップを図り、循環型社会への変革を担う環境ビジネスとしての発展を促していく、促進していくべきと考えるところもあるわけでありますけれども、最後に、今までのやりとりを含めて、局長に、新たに制定された処理計画に基づいて、今後の廃棄物行政、環境行政に対する決意を伺って、終わります。

○村山環境局長 今ご指摘いただきましたように、東京が成熟した都市として発展していく上では、動脈的な意味での製造業などの振興というのと同時に、いわば静脈を担う廃棄物処理、リサイクルが産業として健全に機能していく、発展していくということが不可欠であるというふうに認識しております。
 今回の東京都廃棄物処理計画の策定に当たりましては、そういった観点から、初めて計画において施策の大きな柱の一つとして、健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展という事項を掲げたということでございます。
 そういう観点から、我々はこれからの五年間、循環型社会の新しいステージに向けて頑張っていきたいというふうに思っておりますが、その際、今るるご指摘をいただきました排出企業の意識改革の問題、それから適正な処理のルートをしっかり機能させていくための具体的な仕組みづくりの問題、さらには、一般廃棄物処理に関する区市町村に対する広域自治体としての指導というような問題、それらの課題について、私ども、全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。
 これによって、計画に定めた目標をしっかり実現できるよう頑張ってまいりたい、そういう決意でおります。

○伊藤委員 私からは、我が党として本年七月に視察をさせていただきましたスーパーエコタウン事業について、そして首都圏自治体の広域的連携について何点か質問します。
 今回の廃棄物処理計画では、大きな施策の柱として、健全な廃棄物処理、またリサイクルビジネスの発展の促進が掲げられておりますけれども、二十一世紀の日本の経済社会が持続可能な発展を遂げていくためには、循環型社会の構築、新たな環境産業の創出が不可欠であると考えます。
 そのような観点から、我が党の当時北側政調会長が衆議院の予算委員会で、東京におけるエコタウン構想を提唱したのが平成十三年のことでありました。それから五年が経過し、この八月には東京臨海リサイクルパワー株式会社のガス化溶融と発電施設が完成して、東京臨海部に八つの先導的廃棄物処理、リサイクル施設がそろったところでございます。
 また、スーパーエコタウン事業の第二次公募も行われ、本年七月には新たに四つの施設が選定されたところでございます。スーパーエコタウンは、第一次の廃棄物処理計画と同時にスタートしたわけですが、今回の廃棄物処理計画改定によって、スーパーエコタウンも新たなステージに入ったといえるのではないかと思います。循環型社会に向けた新たなステージにおいてスーパーエコタウンが果たすべき役割について基本的な考え方をお伺いします。

○井戸調整担当部長 スーパーエコタウン事業につきましては、委員お話のとおり、当初予定しておりました八施設が今年度にすべて竣工し、稼働するなど、新しいステージに入ったというふうに認識してございます。
 計画の理念でございます循環型社会への変革を東京から先導的に進めるためには、このスーパーエコタウンを新しい環境産業の拠点としていくことが重要というふうに考えてございます。スーパーエコタウンの各施設が、環境に配慮した信頼性の高い廃棄物処理施設として、他の処理施設のモデルとなるような役割を果たすことを期待しております。

○伊藤委員 スーパーエコタウン事業は、首都圏全体で進められているゴミゼロ型都市への再構築という都市再生プロジェクトの一環です。首都圏全体で見ると、この間、先導的なリサイクル施設、そして廃棄物処理施設の整備はどこまで進んできたのか、お伺いします。

○井戸調整担当部長 このプロジェクトにつきましては、首都圏の廃棄物問題を解決しまして、新たな環境産業の育成を目的に、知事が提唱しました首都圏スーパーエコタウン構想を具体化するものでございます。
 このプロジェクトに基づきまして、川崎、横浜あるいは千葉の臨海部、また埼玉県の寄居町で、先導的なリサイクル施設、廃棄物処理施設の整備が進められてきました。
 具体的には、川崎とか横浜では、ペットボトルを化学処理しまして、ペットボトル用の樹脂に再生するような施設、あるいは千葉県では塩ビ系の廃棄物から高い純度の塩化ビニールを回収するような施設、また埼玉県の方では熱分解ガス化溶融によりますサーマルリサイクル施設などが整備されてきております。

○伊藤委員 先進的な技術によってリサイクル施設が首都圏各地で稼働し始めて、そして首都圏スーパーエコタウン構想が実現しつつあることはよくわかりました。
 しかしながら、循環型社会に向けた新たなステージでは、廃棄物の発生抑制やリサイクル、適正処理といったソフトの面でも首都圏全体で取り組むことも重要であると考えます。今回の廃棄物処理計画にも首都圏自治体との連携がうたわれておりますけれども、発生抑制やリサイクル、適正処理について、どのように連携を図っていくのか、伺います。

○井戸調整担当部長 首都圏の持続可能な発展のためには、首都圏自治体が連携、共同して循環型社会への変革に取り組んでいくことが重要だというふうに認識しております。
 このため、八都県市でございますけれども、容器包装廃棄物の発生抑制に取り組む企業が八都県市のそれぞれのホームページに自社の取り組みを登録するというような、八都県市の容器包装ダイエット宣言などを推進しているところでございます。
 また、八都県市の環境部局ですとか、あるいは建設部局が連携しまして、解体工事から再資源化に至るまでの建設廃棄物の全部の流れを電子情報を活用して総合的に管理する仕組みを今検討してございます。完成しました後は、国にその実現を働きかけてまいります。

○伊藤委員 首都圏での自治体が連携して循環型社会の形成に取り組んでいるということはよくわかりました。しかし、首都圏全体の深刻な問題になっている産業廃棄物の不法投棄のためには、自治体間のもっと緊密な連携が必要であると考えます。
 東京から排出された廃棄物が他県で不法投棄される事態を防止するためには、八都県市の間で不適正処理の取り締まりに関する細かな情報を共有化し、相互に連携した規制指導に取り組むべきだと考えますが、見解を伺います。

○井戸調整担当部長 広域的に移動しております産業廃棄物の不適正処理を防止するには、自治体間の緊密な連携と情報交換が重要であるというふうに認識してございます。
 このため、これまで関東などの二十七自治体で構成いたします産廃スクラム27の場におきまして情報交換を図りつつ、例えば高速道路の料金所などで産業廃棄物の運搬車両の一斉検問を行うなど、規制監視の連携を図っているところでございます。
 今後、共通の情報システムを利用するなどの方法によりまして、さらなる情報の共有化を推進しまして、首都圏自治体の力を合わせて不法投棄問題の解決に取り組んでまいります。

○伊藤委員 私は、不法投棄については、それを未然に防止するような社会の仕組みがハード面でもソフト面でも未完成であることから起こっている問題であると考えております。首都圏自治体が一丸となって、ハード、ソフト両面から取り組んでいっていただきたいと望みます。
 地方主権の時代にあって、産業廃棄物の不法投棄対策、循環型社会への変革という広域的課題に取り組むためには、自治体間の広域的連携がますます重要になってくるわけでございます。循環型社会に向けた新たなステージでは、八都県市等の首都圏自治体の連携をさらに強化して取り組んでいくよう要望して、私の質問を終わります。

○河野委員 私は、何点かにわたって質問しますので、よろしくお願いします。
 ことし六月に容器リサイクル法が改正になって、十月一日から施行になります。九七年の容器リサイクル法施行によって、一般廃棄物については区市町村は分別収集、事業者は再商品化、消費者は分別するという責任を負うことになったわけですが、問題は残りました。
 一つは、繰り返し使用するリターナブル容器が減り、使い捨てのワンウエー容器がふえていることです。また、九六年に行政指導で禁止していた一リットル以下のペットボトルの製造、使用が認められることになり、生産量、使用量がふえ、廃棄されるペットボトルは容器リサイクル法施行前に比べ、むしろふえる結果になりました。
 こうした状況の中、このたびの法改正に向けて、消費者や自治体からは、発生抑制、リユース、リサイクルの三Rを推進する上での企業責任、いわゆる拡大生産者責任の強化を求める声が上がりました。法改正ではこの点があいまいになり、区市町村は収集、保管、処理費用などを負担しなければならず、結局資源化費用をめぐって自治体と事業者の負担が不公平であるという問題が残されたままになっています。
 新しい都の処理計画を見ると、発生抑制の第一の入り口である容器生産事業者、利用事業者に対しての拡大生産者責任の位置づけが余り明確でないとの印象を受けます。企業の拡大生産者責任について、環境局はどのようなご認識をお持ちか、また評価についてお伺いいたします。

○井戸調整担当部長 今回の廃棄物処理計画の策定に当たりまして、東京都の廃棄物審議会におきまして一年間にわたる審議が行われてございます。その間、容器包装リサイクル法の改正に係る論議もございましたので、生産者が製品の生産、消費の段階だけではなく、廃棄、リサイクル段階まで責任を負うという、この考え方、拡大生産者責任につきましても審議されてまいりました。
 そのような審議を経て策定いたしました今回の廃棄物処理計画におきましては、拡大生産者責任を発生抑制、リサイクルを進めるための基本的考え方として位置づけてございます。

○河野委員 そういう審議会での審議はあったわけですけれども、実際の処理計画ではなかなか見えづらいものもあるというのを印象として申し上げておきます。
 回収率が高い、資源化率が高いといわれて容器リサイクル法の優等生のようにいわれてきたペットボトルについて調べてみました。環境省がペットボトルの生産量、回収量について調査した数字があります。
 九五年、容器リサイクル法が成立した年に、ペットボトルの生産量は十四万二千トン、回収は約二千六百トン、廃棄量は十四万トン、回収率は一・八%ということになっています。二〇〇四年には生産量は五十一万トンを超えて、回収量は自治体分別、事業系合わせて三十二万トンになりましたが、廃棄量は十九万トンと五万トン増となり、ごみになる量が二八%もふえています。
 ペットボトルや使い捨ての紙パックなどの利用を極力減らして、ごみの減量を進めるには、リターナブル瓶の使用を高めることやデポジット制を導入することが重要だといわれ続けてきました。しかし、国の取り組みや法整備が不十分であることから、リターナブル瓶の出荷量は激減しています。企業みずからが回収費などを負担しなければならないリターナブル容器よりも安上がりということで、ワンウエー容器にどんどん切りかえている事業者の責任がもっと問われなくてはならないのではないでしょうか。
 都の廃棄物処理計画は、この点で積極的な対策を講じるべきと感じます。改正された容器リサイクル法に限界がある中で、東京都としてデポジット制やリターナブル容器の使用促進に向けて独自策を打ち出すことが必要と考えますけれども、取り組みを進める、これは可能なことと考えているわけなんですけれども、お答えをいただきたいと思います。

○井戸調整担当部長 今回の廃棄物処理計画では、リターナブル容器など容器包装の発生抑制につながります製品の使用促進を図ることを明記してございます。これに基づきまして、今後事業者団体等と連携してリターナブル容器等の使用を促進してまいります。
 また、現実に大量に出回っているペットボトルなどの使い捨て容器のリサイクルも非常に重要でございますので、積極的に取り組んでまいります。

○河野委員 ぜひご答弁のようにご努力を進めていただき、また仕組みづくりについてもご検討を深めていただくようにお願いしておきます。
 次の質問です。
 処理計画には、廃プラスチックの埋立量を減らすために、可燃ごみとして燃やして発電するサーマルリサイクルを進めることが打ち出されています。都内二十三区では、ことし四区で一般廃棄物のサーマルリサイクルがモデル実施されていて、来年度からは他の区でも実施するとのことです。
 サーマルリサイクルについては、都民の中にも異論があります。石油を原料とするプラスチックを燃やすこと、これは一つには、ダイオキシンや化学物質等の有害物質の発生源になるのではないか。二つには、近い将来、石油資源は枯渇するといわれているのに、これを資源化しないで焼却することは、資源を保護する立場に外れているのではないか。そして、何より住民の分別回収への意欲をそいでしまうのではないかなどの意見です。
 都がこのままサーマルリサイクルを促進するとの方針でよいのかどうかというのを私は考えてしまいます。都民から出ている、今ご紹介したような疑問についてのご見解とあわせて、サーマルリサイクルについてのお考えを伺います。

○井戸調整担当部長 廃プラスチックのリサイクルについての考え方でございますけれども、ペットボトルですとかトレイなど再資源化しやすいものにつきましては、マテリアル--資源材料ですか--リサイクルを一層推進していくことが基本であるというふうに考えてございます。
 しかしながら、汚れたプラスチックですとか、あるいは異物が混入している、マテリアルリサイクルに適さないものがどうしても残ります。これらにつきましてはサーマルリサイクル、いわゆる熱回収を行い、埋立処分量をゼロに近づけていくことを目指すべきだというふうに考えてございます。

○河野委員 マテリアルやケミカルリサイクルが主な取り組みの柱になると、廃プラについて自治体の方でもいろいろな市長さんがいっておりますけれども、東京都がこういう処理計画の中で打ち出してきた中では、これにきちんとした、都としての、見守っていく、監視していく、そしてマテリアルやケミカルがきちんと実行されていくということがもっともっと推進されるように、努力が必要だと私は思っています。
 この八月に、産業廃棄物の廃プラスチックを焼却してサーマルリサイクルを行う施設として、東京臨海リサイクルパワー株式会社が竣工したことが報道されています。この施設は、先日当委員会で視察に行ったPCB処理施設の隣に建設されています。サーマルリサイクルをするガス化溶融発電施設、そしてPCB処理施設と、化学有害物質の排出が心配される二つの施設が極めて近距離に立地、集積していることについて、環境や都民の健康へのリスク、安全性について、どういうものなのか、都の見解を伺っておきたいと思います。

○井戸調整担当部長 スーパーエコタウン事業につきましてのリスクと安全性についてのお尋ねでございますけれども、スーパーエコタウン事業につきましては、廃棄物問題の解決と新たな環境産業の立地促進を目的として行います重要な都市再生プロジェクトでございます。
 このため、直接の事業主体につきましては民間事業者でございますけれども、東京都は、事業全体の総合的な調整、あるいは廃棄物処理法に基づきます施設の設置許可を行う立場から、施設が安全かつ適正に運営されるよう、事業者を指導監督してございます。
 なお、事業者の選定に当たりましても、安全性、信頼性の高い施設や設備の構造ですとか、あるいは緊急時対応も含めた各種マニュアルの作成ですとか、そういった安全性の確保などを条件として厳正に審査し、事業者を選定したところでございます。
 今後とも、都は、施設を運営する民間事業者に対しまして厳格な指導監督を徹底し、スーパーエコタウン事業全体の安全性、信頼性の確保を図ってまいります。

○河野委員 私は、昨年三月の当委員会で城南島のスーパーエコタウンの環境アセスメントの必要性について質問いたしました。
 城南島のスーパーエコタウンは、面積四・三ヘクタール、現在各施設の稼働が始まったと聞いています。それぞれの施設に廃棄物を搬入する車の通行などで生活環境などが変わることから、周辺地域の住民からは、この城南島のスーパーエコタウン全域に環境アセスメントをかけてほしいという要望がありました。でも、環境局は、一つ一つの施設、事業者がアセスメントを行うのであり、また環境アセスの対象になる面積要件に達していないから、アセスメントは行わないと答弁をされております。
 一つの施設の面積が九千平方メートル以上ならアセスの対象になります。しかし、実際につくられた施設は対象面積すれすれの八千九百九十七あるいは八千九百九十五平方メートル、こういうぎりぎりのところが幾つかありました。アセスの対象にならないように、三平方メートルとか五平方メートルとか、わずかに面積を減らした感がぬぐえません。
 この五月には、城南島スーパーエコタウンの事業者の公募も発表され、先ほど七月には事業者の選定も行われているということがありましたけれども、七月には城南島のエコプラントで火災事故が起こっております。今後も廃棄物処理施設が集積する城南島の環境を守る上でも、今からでもアセスあるいは何らかの環境保全の影響調査、そういうものを都として方針を打ち出してもよいのではないか、そういう段階にあるのではないかと私は考えますけれども、いかがでしょうか。

○井戸調整担当部長 スーパーエコタウンの環境アセスについての問題でございます。
 基本的には、事業段階の環境アセスの手続につきましては、その事業の実施を計画する個々の事業者がみずからの責任において行うものというふうに考えてございます。
 確かに東京都環境影響評価条例では、敷地面積九千平米以上または建築面積三千平米以上が該当するというふうになってございます。しかし、また一方、実は敷地面積ですとか建築面積の規模から環境アセスの対象とならないような施設につきましては、廃棄物処理法に基づきます施設設置許可の生活環境影響評価を実施することになっております。
 そうした観点から、スーパーエコタウン事業で整備する施設におきましても、民間事業者がみずからの責任におきまして、それぞれの実施計画に基づき、施設について、先ほど申し上げましたような施設設置許可の生活環境影響調査といったような必要な手続を適正に行いまして整備、運営を進めてございます。
 このことから、スーパーエコタウン事業用地全体の広域的、複合的な環境アセスを実施させることはできないものというふうに考えてございます。

○河野委員 その生活環境影響調査ですけれども、私たち議会の者にとっては、見せていただく機会はいまだありません。ですので、今後機会を見て、どういう評価がされたのか、結果がどうだったのか、そういうものについてもぜひご提示いただきたいし、スーパーエコタウンに進出しているいろいろな処理施設がどんどんふえている中で、環境が必ず変わっているはずですので、その点ではよく東京都環境局としても調査されまして、必要な対策を講じることをこの場で改めてお願いしたいと思います。
 次に、建設泥土問題についてお伺いいたします。
 処理計画には、有効に活用されていない大量の建設泥土となっております。トンネル工事などのシールド工法によって建設泥土がふえて、さらに今後、外環道などの工事で大量発生が見込まれるということです。
 都内は、都市再生の名によって超高層ビルがどんどん建設され、地下道、地下街もふえて建設泥土が大量に排出され続けています。こうした土がどこに運ばれるのか、活用されるか、これが問題だと思います。
 去る七月十一日、東京都の自然環境保全審議会が開かれて、八王子市内の豊かな緑に恵まれた山の中に建設残土を埋める場所をつくるという議案が審議されました。緑が減って生態系に大きな影響を与えることから、反対の意見が多く出されました。
 処理計画には、建設泥土をスーパー堤防に活用することも述べられていますが、これも問題があります。私が住んでいる江戸川区、そして隣の葛飾区では、国土交通省の事業でスーパー堤防をつくって、盛り土用に建設泥土を使うことがいわれております。例えば、江戸川区の小岩地域では、旧江戸川に沿って約五・五ヘクタールにわたってスーパー堤防をつくる計画です。これに伴って住民にどいてもらうことになりますから、盛り土が終わって整地された後には区画整理を行うということで、一千八百軒、五千人余りの人が家の建てかえで移転しなければならないという事態になります。
 処理計画では、建設廃材の減量化ということも述べられております。建設泥土の有効活用のためにスーパー堤防をつくり、区画整理をするとなれば、建てかえをしなくてもよい家を壊さなくてはならず、建設廃材をふやしてしまう結果になります。これでは、何のための事業かと思ってしまうのは私だけではないと思います。
 環境局は、建設泥土の有効利用をいう前に、いかに廃棄物や建設泥土の発生を抑えるかを考えるべきではないでしょうか、この点でのお考えはいかがでしょうか。

○井戸調整担当部長 委員ご指摘のように建設泥土のためにまちづくりを進めているわけではございません。東京外かく環状道路を初めとしまして、さまざまな都市基盤の整備につきましては、都市機能の維持発展のための事業でございまして、しっかりと実施していく必要がございます。
 ただ一方、これらの事業から生じる建設泥土につきましては、最終処分量の抑制を図る観点から、可能な限りリサイクルを促進してまいります。

○河野委員 建設泥土のためのまちづくりじゃないというんですけれども、実際に掘って土を大量に発生していて、どこへ持っていくかというのは困っているわけですから、持っていく場所として江戸川だとか八王子の山の中が選ばれているということは否めない事実だと思うんですね。
 多摩地域の緑をなくして、本当にヒートアイランドを深刻にしているというのも一つの問題だと思います。建設泥土や建設廃材の発生を抑制していくことが環境局の役目であって、この問題についてはより慎重な深い検討を求めておきたいと思います。
 最後に一言、非飛散性アスベストの問題について伺っておきます。
 先ほどご質問もありました。いろいろとご検討もされているということでありますが、この非飛散性アスベストの保管、処理、処分については、特に中小事業者が切実に要望されています。私も委員会で繰り返し発言してきましたけれども、都の支援が望まれているところですが、先ほどのご答弁も踏まえて、中小事業者への支援、そして東京都環境局自身の検討はどこまで進んでいるのか、もう少し詳しくご答弁をいただいておきたいと思います。

○井戸調整担当部長 スレート板等の非飛散性アスベストにつきましては、破砕や切断を行わない限り有害な廃棄物ではないため、今回の処理計画では通常の産業廃棄物として取り扱ってございます。
 非飛散性アスベストにつきましては、埋立地への直送を原則としておりますけれども、中小企業等から出ました小口のものにつきましては、輸送の実態を踏まえまして、都として中間処理施設での一時保管を認めることとしてございます。
 また、本年七月からは、一時保管が適正に行われるよう、処理施設への立ち入り、実態調査を実施しておりまして、今後とも非飛散性アスベストにつきましては、その施設内での適正保管と適正処理の徹底を指導してまいります。

○河野委員 これまでもいろいろご苦労いただいて、事業者、中小の建設業、解体業者の方々の声も聞いてきていただいたと思うんですが、実情に即した調査や方策を考えていただきたいということを要望しておきます。
 最後、意見ですけれども、処理計画の冒頭にある循環型社会のあり方、規範、これが実現すれば、本当によい方向になると感じます。しかし、具体策になると、このあり方や規範を実現する方向がぼんやりしてしまうといった感をどうしても受けてしまいます。処理計画に掲げたあり方や規範に向けて、今後東京都が広く都民や事業者、そして国などに働きかけていくこと、そして東京都自身の努力を求めて、質問を終わります。

○大西委員 毎日暮らしている中で、本当にみずからもごみを出しているということを考えますと、非常にこのごみ問題、悩ましい問題だなと毎日思っているわけですが、そういう中で、今回東京都が出しましたこの処理計画を見て、素朴な疑問としてちょっと幾つか質問させていただきたいと思います。
 この計画目標として宣言しております三つの目標の中に、最終処分量の削減目標は、1に、平成二十二年度に最終処分量を百六十万トンに削減すると掲げてあるわけなんですけれども、ごみ総量の削減目標を立てるべきではないかと考えます。
 二十三区はどこも数値目標を立てて、ごみ減量の計画を策定しております。ごみ量の削減目標は、二十三区の目標と整合するものであるべきと自然に考えるわけなんですけれども、各区のごみ処理計画の積み上げによる目標値の算定は行ったんでしょうか。

○井戸調整担当部長 今回改定しました廃棄物処理計画の目標には、直接最終処分量の削減目標を掲げてございますけれども、その内容としまして、ごみ総量の削減に関する目標も内訳として含まれております。
 また、ごみ量の予測ですとか削減目標の設定に当たりましては、都域全体の人口ですとか経済成長率の予測をもとにしてございますので、区市町村の計画数値を単純に積み上げたものではございませんけれども、当然、区市町村のリサイクルに関する計画については、参考にしてつくってございます。

○大西委員 各区の計画は参考にして、都独自の計画ということなんですよね。
 それと、もう一つ、その内訳について、この中に出ていますか。

○井戸調整担当部長 本文の一九ページでございますが、左の方に、計画目標1、最終処分量につきましては、明確に都域全体についての大きな目標を百六十万トンと掲げてございますけれども、それを達成するためのリサイクル等の内容につきまして、右のページで、五百七十万トンの内訳として、発生抑制ですとか資源ごみ収集ですとかごみ処理過程の資源化ですとか等々の資源化を図りまして、最終処分量を四十万トンにするというような記載がございます。これでございます。

○大西委員 私は五〇ページのところを見て感じたんですけれども、人口減少、それから高齢化によってごみ量の減少傾向が予想されるんですけれども、その上、自治体ごとに削減目標の達成に向けて今取り組んでいます。ごみは確実に減っていると。その意味で、この五〇ページの平成十二年度の実績五百四十八万トン、平成十六年度の実績五百三十四万トンと減っておりますよね。こういうことを思っています。
 しかし、ことし一月に策定された一部事務組合の計画では、ごみ処理量は増加となっておりますし、今回の都の計画でも、ごみの排出量の計画目標は増加になっています。ごみの発生抑制、ごみの減量に努め、ごみ量を減少させることは第一の命題であるべきだと考えるんですが、そのことは、発生抑制が第一だということは変わっていませんよね。
 それと、二十三区のごみの削減計画に照らして、この計画のごみ量予測は過大ではないかと思っているんですが、済みません、二つあわせてお答えいただけますか。

○井戸調整担当部長 今回の計画の期間中、五年間に都内人口が増加するというふうに予測されてございます。また、景気が幸いなことに回復傾向にございますので、そういったことを勘案しますと、今後ごみ排出量は増加するものというふうに考えてございます。
 そうした観点から、平成二十二年度の一般廃棄物の排出量は五百七十万トンになるというふうに予測してございます。
 しかしながら、この予測につきましては、容器包装廃棄物の削減などの発生抑制の取り組み等を勘案しまして、基本的にはごみ排出量は、五〇ページにございますけれども、五百五十万トンになり、大体排出量全体としては横引きになるんじゃないかというふうに考えてございます。
 しかし、さらにその上で、リサイクル等の取り組みを推進することによりまして、一般廃棄物の最終処分量につきましては、例えば十二年度が九十九万トンなのが二十二年度は四十万トンを目指すというふうにしてございます。
 また、発生抑制につきましても、基本的な考え方は変わってございません。

○大西委員 最終処分量を四十万トンにするという、この目標があるんでしょうけれども、もう一度済みません、東京都の役割として、やはりごみ問題は発生抑制を第一義にするという気持ちというんですか、それはあるんでしょうか。

○井戸調整担当部長 発生抑制、それからリサイクル、それでもどうしてもやむを得ないものについては、最終的に熱回収ですとか、あるいは埋め立てするというふうな基本的な考え方については変わってはおりません。そうした考え方から、この計画につきましても、主要施策の柱の一つとして、発生抑制、リサイクルの推進を掲げてございます。

○大西委員 今の返事を聞きながら、五〇ページのこの計画を見ていると、確かに人口がふえると。これは、東京都の総務局の人口形態というんですか、それを基本にして計算をなさったということで、五百三十四万トンから五百七十万トン、二割増という計算。その中で発生抑制を二十万トンやるというような計画ですね。
 全体的に見ますと、減量効果というものとか資源化量というのは、割に二六%から三三%という数字で抑えているんですけれども、今回熱回収、サーマルというところに移行するのが六割ということであれば、最後の数値の目標はここだから、ここに近づけるために、出てくるもの、それから処理できないもの、そこの中で一番処理しやすいものが、このサーマルに行っているのかなというふうに、図を見て考えてしまうんです。
 サーマルについては先ほど河野委員からも出ていましたけれども、それから、もう一つ、サーマルについては、東京都の環境審議会でも、プラスチックの発生抑制と容器包装リサイクル法にのっとった資源化の推進、そのためには拡大生産者責任の確立という観点から、拙速に焼却を容認することに異議を唱えるような意見も出ておりましたし、それから審議会の見解にも、埋め立てに問題があることは賛同しつつも、ならば燃やせばいいということにはならないと考えますと。埋め立ても焼却もどちらも環境負荷であり、負荷の大きさについては優劣つけがたいものだということもあります。
 そういう意味で、単にサーマルに行けば、私たちも市民として、ちょっとごちそうすればごみが同時に出てくるという生活を毎日実感していると、これを分別してと思うよりも、サーマルで一挙に燃やせればこんなに簡単なことはないと思うんですけれども、やはりその中で、環境的な複合汚染、いろいろなことを考えたとき、それで万々歳かというと、そこがそうではないというところに、このごみ問題の悩ましさが改めてあるなということを思っております。
 しかし、毎日の生活をストップさせることができないために、今回臨海の方でもサーマルとか処分場が新たにできているわけなんですけれども、それを容認するわけじゃないんですけれども、やはり何といっても清掃工場と隣接する住宅地では、安全性への不安の声というものは常にあります。そして、それは大きいものがあります。やはり都民の健康を守る観点から、東京都として排ガスの二十四時間監視システムの導入、土壌調査などの対策をとっていらっしゃるところもありますけれども、これで十分なのかという不安もあるんですけれども、いかがでしょう。

○井戸調整担当部長 サーマルリサイクルについてのご懸念でございますけれども、基本的にはこれまでも二十三区の清掃一部事務組合の清掃工場におきましては、排ガス中の塩化水素ですとか窒素酸化物ですとか硫化関係ですとか、二十四時間連続測定してございます。
 また、二工場におきましては、経年的に周辺土壌のダイオキシン類の測定を行いまして、そのデータをホームページで公表してございます。その測定結果につきましては、環境基準値よりはるかに小さく、都内の一般的な土壌中の濃度と相違はございません。基本的には、安全に運転されているものというふうに考えてございます。

○大西委員 関連して、臨海部でも産業廃棄物処理、リサイクル施設の整備が進んでいます。都は、先ほどの答弁からも、安全であるようにしていると。当然事業者の事業内容を監視していくべきことなんですけれども、これらの施設から生じる環境リスクをできる限り低減するために、扱っている廃棄物の性状や事業に伴う環境負荷、事故が発生した場合の対応などについて、やはり情報公開をさせていくべきであると考えるんですが、いかがでしょうか。
 この問題は、環境問題はすべてそうなんですけれども、何かが発生した。そして、これに対しては、このぐらいの数値ですから安全ですよという見解が出る。しかし、私たち市民からすると、えっ、本当にそうなのという疑問は常につきまといます。そういう意味でも、市民に対してちゃんと情報公開をする、何かの事故が起こった場合はしっかりとした対応をするという、この視点が欠かせないんですけれども、あわせてお答えください。

○井戸調整担当部長 安全関係の問題でございますけれども、東京都はスーパーエコタウン事業の民間事業者につきまして、施設の事業内容に関する情報公開ですとか施設の一般公開等を行うように義務づけておりまして、また事故発生時には、その対応を速やかに開示するように指導してございます。
 また、透明性を確保するという観点からは、都としましても、ことし八月から来年三月まで全十六回、都民を対象としてスーパーエコタウンの複数の施設を組み合わせた施設見学会を主催するなど、情報公開の一層の充実に努めてございます。
 また、一方、産業廃棄物処理、リサイクル施設につきましては、企業が事業活動における環境配慮の取り組み状況を出します環境報告書がございますけれども、それについてのガイドラインを今後都が作成して、その普及に取り組むことによりまして、処理施設にかかわります環境情報等の公開をさらに促進したいというふうに考えてございます。
 これらの取り組みを通じまして、廃棄物処理、リサイクル事業の透明性、信頼性及び施設の安全性を確保してまいります。

○大西委員 循環型社会の構築のためには、発生抑制をまず第一義として、不要になったもの、それから廃棄における環境負荷の少ないものづくりを誘導する拡大生産者責任を確立する必要があると思います。そのための法体系の整備が急務ですが、今回の改正については非常に不完全なものもあります。
 過度に負担を背負って苦しむ自治体の先頭に立って、東京都としての役割は、必要な法整備や法改正をしっかりとやっていくということも、まだ残された課題にあるのではないかなと思います。そういう中で、今回この計画を見ますと、ビジネスということをうたっているだけに、このサーマルの割合が非常に大きく感じるんですけれども、それでもごみ問題は一人一人の市民の意識改革というのが必要なんですよね。
 今回環境教育というのがちょっと出ているんですけれども、このごみ問題にはかなり市民の、これまで熱心に取り組んでいる人たちの助けがここまであったんじゃないかなと思うんですけれども、そういう人たちを応援する施策というものがこの中から余り感じられないんですけれども、その部分はどのように考えていらっしゃいますか。

○井戸調整担当部長 従来から、市民の方々の環境に関する問題意識ですとか取り組みにつきましては、これまでも政策自体を通じまして支援してまいりましたし、今後とも、環境学習も含めまして、環境局としましても積極的に支援してまいります。

○大西委員 本当に悩ましい問題ですし、これで解決はまだまだ遠いと思っておりますので、この質問は今後に回して、きょうはここで終わります。

○近藤委員 このサブタイトルについております循環型社会に向けた新たなステージへということですけれども、この新たなステージというのは、どの部分がどのように新しいのか。つまり、ステージという言葉を使ってくくるならば、現ステージと比較してどこがどのように違うのかということを、具体的に局長から、基本的な認識として、まず初めに伺って質問を始めたいと思います。

○村山環境局長 新たなステージとはいかなる意味かというお尋ねでございますけれども、今回の廃棄物処理計画は、今年度から特別区の区域においては一般廃棄物処理が完全に区に移管されるという節目のときを初年度としてやられていく計画でございます。
 そうした観点から、私ども、今回の計画の策定に当たりましては、一つ重きを置いたといいましょうか、重視したのは、東京都が広域自治体として今後廃棄物の問題についてどういう役割をどのようにやっていくのかということについて、しっかりとしていかなければいけない、こういう問題意識が非常に強うございました。
 今回、先ほど来ご説明の中で申し上げておりますように、発生抑制・リサイクルの推進、それから環境リスクの低減、それから健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展と、三つの大きな施策の柱を掲げさせていただきましたけれども、前の二つ、発生抑制・リサイクルの推進と環境リスクの低減というのは、これらを東京都の立場として進めていくという点で改めて位置づけ直したつもりでございますし、また先ほど申し上げましたように、健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展という柱は、今回初めて掲げさせていただいたものでございます。
 そうした中にあって、発生抑制の課題といいますのは、すべての循環プロセスの中の入り口、スタートに当たるものでございますので、そういう意味において非常に基本的で、かつ非常に重要な政策課題であるというふうに認識いたしております。
 そのような観点から、今回の計画における新たなステージという意味については、東京都が広域自治体として、従来にも増して積極的で大胆な役割を果たしていくべき五年間にしようという問題意識と方針の基本的な考え方を示したものというふうにご理解を賜ればと思います。

○近藤委員 ありがとうございました。大胆な役割、大変にありがたいことだというふうに思います。やはり営利企業を相手に発生抑制と申しましても、どうしても行政の力強い指導というものは必要になると思いますし、また一般廃棄物の収集運搬が市区町村の方に移管されるということを受けて、一般廃棄物の収集運搬はもちろん都の仕事ではないですけれども、一般廃棄物を廃棄物にしない、つまり発生抑制の段階では、一般廃棄物の発生抑制はあくまでも都の仕事の一環であるわけです。
 ところが、どうもその部分だけ、ここのところ非常に取り組みが弱まってきているんじゃないかという懸念を私は個人的に抱いておりました。清掃局から始まって、いろいろな組織自体の変遷もありましたし、東京都の仕事の役割の変遷もありました。その中で、重点がどうもリサイクルの方に向けられてきて、発生抑制という点が非常に部分的に弱まっているんじゃないかというふうに思っておりましたので、今の局長のお考えを伺って非常に頼もしく思った次第ですけれども、今の時代というのは、まだまだ大量生産、大量消費、そして大量リサイクルの時代だというふうに私は考えています。
 循環型社会という言葉、循環、めぐるという言葉ですけれども、この言葉にもすごく錯誤を生みやすい部分があって、つまり幾らごみが出てもリサイクルすればいいじゃないか、物が回ればいいじゃないかという誤解を与えかねない。今回は、リサイクルの輪を、循環の輪をなるべく小さくしていくという点に、多分さっきおっしゃった発生抑制というところですけれども、東京都の指導的役割を果たしていこうということをおっしゃってくださったので、私の認識とも非常に合致して、これからの質問をさせていただくわけでございますけれども、先ほど申しました一般廃棄物の発生抑制について、都が最近非常にかかわりが弱まっているんじゃないかというふうに私が強く感じた件がございますので、その一例をまずご紹介させていただきます。
 先週から今週にかけて、他党もそうだと思いますけれども、いわゆる各種団体の東京都に対する予算要望を承るという機会がございまして、幾つかリサイクル関係の団体のご意見を伺う機会がございました。
 そのときにある団体からお示しいただいたのが、三六〇ミリリットルでしょうか、最近コンビニなどに、酒屋さんに行ったりしますと、缶ビールが六本パックになって売っております。
 ボール紙のような、ちょっと厚目の紙パックですけれども、あのパックは、伺うところによりますと、北米産のパルプを利用していて、冷蔵庫でそのまま冷やすというようなことを想定しているということと、六本を支えるだけのある程度の強さを持っていなきゃならないということで、非常に溶けにくい素材だということでございました。ですから、あれをそのまま製紙メーカーに持ち込んでも製紙メーカーが拒否をするということで、同じ紙であるにしても、リサイクルの輪に乗っていかない材質だというお話がございまして、なるべくこれをメーカーが使わないような指導をしてもらえないかというお話がございました。
 それと同様に、粉石けんの紙の箱、それも内側に粉石けんの粉がついていると、やはりそれは製紙業者が受け取らないということで、これもなかなかリサイクルに乗せにくい素材である。こういったことを含めて局の方と折衝してもらえないかというご要望があったんですけれども、まずそのときに感じたのは、こんな私たちの自民党の予算要望にそんなことをいう前に、どうして環境の担当者にそういうことを訴えないんだろうかという素朴な疑問でございました。
 まして多摩の地域では、業界挙げてそういった素材を使わないようにという運動を繰り広げているというお話も伺っておりますので、東京都としてはどのように対応しているのかなというふうに感じておりました。
 結果的には、この素材については局としてまだ把握していなかったということで、これから対応していただけると思うんですけれども、こういった、つまりリサイクルに苦慮するような素材や製品に対して、都はどのように認識していらっしゃるのか。また、具体的にそういった製品に対してどのような対応をしていらっしゃるのか、伺います。

○森廃棄物対策部長 リサイクルが難しい容器包装や製品につきましては、利便性を追求する余り、環境への配慮が不足した製品が製造され、市場に提供されている現状がございます。
 製造や流通にかかわる事業者には、できるだけ廃棄物等を生じさせない製品を設計し提供する責任や、使用済み製品のリサイクルや適正処理の責任があるものと考えております。適正処理が難しい、例えばエアゾール缶などの製品につきましては、製造事業者等がみずから回収し、処理すべきものでありますが、都は区市町村とも連携しながら事業者による自己回収を働きかけているところでございます。

○近藤委員 認識と対応はわかったんですけれども、先ほど河野委員からも出たように、自己回収といっても、だれがそのコストを負担するのか等も含めて、なかなか難しい問題だと思います。こういうところこそ、先ほど局長がおっしゃった強力なリーダーシップを発揮していただいて、私も認識不足でしたけれども、実際にそういうリサイクルに回らないような商品だというものをお店で売っていると。それをきちっと私たちに教えていただければ、そういうものを買わないようにするというような消費者としての努力、アプローチもできるわけですので、自己回収を働きかける一方で、消費者に対してもそういった商品に対する知識ですとか啓蒙といったものを、インターネットを通じても結構ですけれども、積極的に行っていただきたいということもつけ加えさせていただきます。
 それで、かつて清掃局時代に、紙が燃やされる率が非常に多いということに目をつけて、なるべく紙を再生していこうと、リサイクルしていこうという発想から、新聞の素材に古紙をまぜる率をふやすということを考えられて、新聞リサイクル推進協議会ですか、私、議員になりたての初めての予算特別委員会の中でこのことを伺った記憶がございます。在京の新聞社六社ですとかリサイクル業界とか製紙メーカーを全部巻き込んで、非常に困難な交渉だというふうに伺いましたけれども、結局は飛躍的に古紙の利用率を、皆さん方の努力で、当時の清掃局の方の努力で引き上げたというような、まさにさっき局長がおっしゃった強力なリーダーシップを発揮して、一つ流れを変えたといういい事例もあるわけですけれども、さっき申し上げたような新しい素材についてご存じなかったということを考えますと、決して現在、皆さん方がさまざまな業界とうまく連携しながら、幅広いニュースソースを持って状況に対応していらっしゃる布陣をしいているとは、ちょっといいがたい状況があるんではないかなというふうに私は思います。
 特に、この概要の三ページにあります発生抑制の三つ目の、建物の長寿命化による建設廃棄物の発生抑制の促進、つまり、これは例えば簡単にいえば、二十五年で取り崩さなきゃならないものの寿命を、耐用年数を五十年に延ばすというようなことをおっしゃっているんだと思いますけれども、それは二十五年で建てかえれば二回お金が入るものを、五十年の寿命にしてしまったら一回しかお金がもらえないとなれば、業界としてもそうそう簡単に協力できないという部分もございますけれども、やはりこういうことをうたわれたからには、今までにないような業界や団体とも幅広い連携をとってこういった施策を実現していくというふうな試みがなければならないと思うんですね。
 そのためには、今の体制が本当にこういったものに対応できるような体制づくりがあるのかということ、そしてそれだけの認識がおありになるのかということ、その現状の認識に立って、これからどうするのかというご決意をちょっと伺いたいと思います。

○森廃棄物対策部長 ご指摘のように、かつて古紙配合率の高い新聞紙をつくり上げた際には、リサイクル業界あるいは製紙メーカー、新聞社や自治体などで構成した新聞リサイクル会議におきまして、意見を持ち寄り、また各方面の意見を聞きながら、都がコーディネーターのもとで具体策をつくり、各関係者の役割を定め、行動を起こしたということがございます。
 計画にも定めましたとおり、発生抑制に取り組むことが広域自治体としての都の本来の役割と認識しておりまして、事業者間のコーディネーターの役割をきちっと果たしていく考えでございます。

○近藤委員 きちっと果たしていくためには、今、何が必要か、今、何が欠けているのかというところをきちっと検証した上で、ぜひコーディネーターの役割を果たしていくということを軌道に乗せていっていただきたいなと思います。
 次に、幾つか先ほどからも質問が出ておりましたけれども、発生抑制の促進の一番下に環境学習の推進とございます。これは、本当になかなか結果が出るのが難しいことで、検証のしづらいことだと思いますけれども、親を教育していくような、できるような子どもをつくっていくというためにも、特に小学校、中学校の幼い子どもたちに対する環境学習というのは非常に重要だと思いますので、ここに書いていただいたということは大きなことだと思うんです。
 実は、書いていただくのは結構なんですけれども、本当に実のある施策が展開できるのかということで一部危惧しているところがございます。
 これは、私が二定の一般質問で、食育についてという中で質問させていただいたんですが、給食の残食の問題を取り上げました。あれは、食育という教育のくくりで取り上げられてしまったんですけれども、もともとは給食の食べ残し、残食の量が非常にふえているというところに着目した、どちらかといえば環境問題からのアプローチの質問でございました。
 実際に食べ残しという話になりますと、環境の方ともいろいろ調整させていただいたんですけれども、最後には、出されたものをすべて残さないで食べるだとか、栄養の問題だとかということになりますと、教育の問題だということになってしまいました。もちろんそういう面があると思うんですけれども、給食の残滓というのはごみですから、そういう意味でそれが年々年々非常に大きくなってふえてきているということを考えれば、これは発生抑制という観点からも環境局で取り扱っていただけない問題なのかなというふうに、当時思っておりました。
 ところが、やはり給食の問題となると教育の現場ということで、お互いに何か譲り合ってしまって、連携がうまくいっていないなというのをかいま見た気がいたします。
 実際にある区で、給食の残食の量を各学校ごとにきちっとはかって、全部公表しているという取り組みをしているところがございます。そうなると、各学校で少なくともほかの学校に負けないように量を減らしていく、食べ残しを減らしていくという努力をそれぞれの学校が行うようになって、他区と比べまして非常に残滓の量が少ないという実態が、質問をしていく中で皆さん方に調べていただいて出てまいりました。
 ですから、もしそういうことをもっと早く皆さん方の方から教育庁の方に投げて、こういう努力をそちらの方でしてくれれば、お子さんの食べ残しが減りますので、栄養の面からも効果がありますよという形でいっていただければ、教育庁の方も食育が進むわけですし、ごみも減るということで、皆さん方の目的も達成されるというふうに思うんです。
 ですから、教育の問題というのは、確かに学習の推進と一言で書くのは非常に易しいんですけれども、難しいすり合わせの部分があるので、うまくいくんだろうかという危惧が先に立つというのはそこにあります。
 ちょっと長くなりましたけれども、ですから、まずこの環境学習の推進というのをうたったからには、今どんな学習が、例えば小学校の低学年、中学年、高学年で行われているのか。それは、皆さん方が教育の方にこういうことを教えてくれというふうに提案されているというふうに、材料を投げかけているというふうに伺っておりますので、投げかけたことがきちっと教育の場に生かされているのかどうか。そしてまた、すごく検証は難しいと思いますけれども、実効が上がっているのか、効果が上がっているのかという検証をすることから、この学習の推進というのが始まるんじゃないかと思いますけれども、この点いかがでしょうか。

○森廃棄物対策部長 環境教育の実施状況につきましては、関係局を通じまして把握はしておりますけれども、教育の効果というふうになりますと、正直いいまして十分把握できていない状況でございます。
 教育庁や区市町村と連携いたしまして、環境学習の効果をきめ細かく把握し、そうした結果を評価、分析した上で学習内容の充実を遂げていくことが必要だというふうに考えております。
 今後具体化に当たりましては、関係局や区市町村と十分調整して検討を進めてまいります。

○近藤委員 関係局や区市町村と十分調整をとっていただくのは結構なんですけれども、その調整をする前に、自分たちの方で、こういうものを最低限教えてほしいというようなもとがなければ、調整ばかり行っても進んでいかないと思うんですね。
 やはりこれも二定の質問になりますけれども、教育の方で、小学生として卒業するまでに最低これだけは公立の小学生は覚えて卒業させなければならないという東京ミニマムというものを導入するということを決めていただきましたけれども、例えばそのような環境版の東京ミニマムといったようなものを皆さん方からつくって、それをテーブルの上に提示して調整していく。まず調整ありきじゃないと思うんですね。これに書いて環境学習を推進するという力強い柱を一つ立てたからには、まず何を教えるかということを自分たちから考えていくということが求められると思うんですけれども、そういったこの環境学習に対する積極的な取り組みについてお考えを伺いたいと思います。

○森廃棄物対策部長 環境学習の推進につきましては、循環型社会の実現に向けた重要な課題であります。今回の計画におきましては、重要事項として位置づけるところでございます。先ほど、具体化に当たりましては調整と申し上げましたけれども、実際に当たっては、検討しながらも、実効性あるものとして築き上げていきたいと考えております。

○近藤委員 私が申し上げたことをやっていただけるというふうに解釈させていただいて、ぜひ応援していきたいと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 環境の問題には、さまざまな業界や立場のしがらみがございまして、環境のためにはいいと思ったことがそのまま実行できないような面もあります。ディーゼル規制のときも、私たち、各種団体から大分厳しいおしかりも受けましたけれども、それでもやはり大所高所に立って施策を突き進めた、実現された知事、つまり東京都のリーダーシップというものが、今この環境行政に強く求められていると。
 そして、ましてや処理計画の中でその立場を表明されたということはすばらしいことだと思いますので、いろいろ先ほど来出ている質問の課題もございますけれども、何としてもおっしゃったような力強いリーダーシップで新しいステージの東京をつくっていただけるような決意を最後に局長にお願いして、質問を終わります。

○村山環境局長 いろいろ先生からご指摘いただいた点ございます。いろいろ難しい問題もございます。その辺を踏まえつつ頑張っていきたいというふうに思っております。

○石森委員 それでは、最後になりましたけれども、何点か質問させていただきたいと思います。
 先ほどこいそ委員からもお話がございましたけれども、オリンピックの国内候補地が決まって、いよいよこれからが正念場になるわけでありますけれども、その中では環境政策、これが一つの柱といいますか、招致に向けては大きなかぎになるわけでございますから、ぜひ環境局におかれましては、今回の計画につきましても五年計画ということでございますが、できるだけ前倒しをして、新たな先駆的な施策等も盛り込みながら環境行政をぜひとも進めていただきたい、冒頭お願いして、質問に移りたいと思います。
 今回の計画なんですけれども、平成二十二年度の最終処分量、十二年度から比較すると半減というような、百六十万トンにするというような目標になっております。これはもちろん先ほど来からお話があるとおり、東京都だけでは成り立っていかないわけでございますし、特に都民、区市町村、事業者等が真剣にかなり踏み込んだ取り組みをしないことには、なかなか目標達成は難しいだろうというふうに思っております。
 そういう中で、先ほど環境局長からは決意表明がございましたけれども、担当部長がその辺のところ、どういった取り組みをしていくのか、改めてお聞きしたいと思います。

○森廃棄物対策部長 新たな廃棄物処理計画の計画期間であります平成二十二年度までの五年間に、都は現在直面しているさまざまな廃棄物問題の解決を図るとともに、循環型社会への変革に向けた着実な一歩を踏み出していくことが必要であると認識しております。
 そのため、広く都民、事業者、区市町村等と連携しながら、容器包装廃棄物の発生抑制や廃プラスチック類のリサイクルなどを推進し、最終処分量削減の目標を達成していく決意でございます。

○石森委員 私、ことしの三月の委員会におきまして若干触れたんですけれども、一般廃棄物、これは区市町村の役割でございますけれども、この発生抑制についてはごみの有料化が最も効果的であるというような、そんなお話をさせていただきました。ただ、有料化の内容というのは、現状では各自治体まちまちでありまして、できるだけ都の指導のもとに統一化を進めていただきたいというような、そんなお話をさせていただきました。
 そんな中、容リ法が施行されて十年が経過して、ここで改正に向けてさまざまな議論がなされました。そんな中で一番問題になったのが費用負担だと思うんですね。結局、各自治体の負担が大きいというような、そんな中で、今回いろいろな議論の中でも取り上げられましたけれども、事業者負担、これをかなり上げていこうというような、そんな内容もあったと思います。
 現状では、区市町村の分別収集コストを明らかにしていくことが大変重要だと思うんですけれども、その中では区市町村においてはそのためのノウハウが十分にないというふうな実態があります。その処理コストの算出方法などについては、これは東京都がしっかり指導していく、そんな立場にあろうかと思いますけれども、その辺はいかがに取り組んでいるんでしょうか。

○森廃棄物対策部長 分別収集コストも含めまして、市町村がリサイクルやごみ処理システムの最適化を検討する場合には、基礎情報といたしまして一般廃棄物の処理に係るコストの分析、評価が大変重要でございます。
 このため、都は、区市町村を対象に廃棄物会計をテーマとした講習会を開催するなど、廃棄物処理コスト算出のための情報提供を行っているところでございます。
 今後とも、引き続き区市町村において適正な廃棄物処理コストの算出が行われるよう支援してまいります。

○石森委員 容リ法の改正に伴って、今後事業者負担あるいは消費者負担、その辺が明確になってくると思いますけれども、とにかくそういう意味では処理コストの情報開示をできるだけしていく、そんな必要があろうかと思うんですね。ぜひその辺の指導もお願いしたいというふうに思います。
 それから、最終処分量の削減目標、これを実現するには、埋立処分されている量の多い廃プラスチック類のリサイクル、これが大変重要でもございますし、計画の中にも盛り込まれております。
 この計画では、廃プラスチック類の埋立処分量をゼロにするというような目標を立てておりますけれども、これはどのような方法で実現をされているんでしょうか。

○森廃棄物対策部長 都内の事業所から発生する廃プラスチック類の八割は埋立処分されていると推計されており、資源の有効活用の観点からも廃プラスチック類のリサイクルを進めることは極めて重要でございます。
 このため、事業系の廃プラスチック類の分別回収を進め、固形燃料化など、産業用エネルギー資源としてのリサイクルを推進してまいります。また、このようなリサイクルに適さない廃プラスチック類は、スーパーエコタウンの施設で廃棄物発電の発電用燃料に有効利用してまいります。
 これらの取り組みにより、廃プラスチック類の埋立処分量ゼロを目指す考えでございます。

○石森委員 今回の計画では、事業所から排出される廃プラスチック類についてのモデル事業を実施すると、そのように書かれております。
 今後事業系廃プラスチック類のリサイクル、これについてはどのような形で推進されるのか、具体的にご説明をお願いしたいと思います。

○森廃棄物対策部長 今年度実施を予定しております小口排出事業所の廃プラスチック類を収集するモデル事業の成果を踏まえまして、産業界と連携しながら、排出事業者による分別排出などのルールを広く普及させてまいります。
 普及促進に当たりましては、区市町村の行っている大規模事業所の一般廃棄物に係る排出指導とも連携を図ってまいります。これらの取り組みによりまして、事業所から排出される廃プラスチック類の分別回収を推進していく考えでございます。

○石森委員 廃プラのリサイクルが進まない大きな理由というのが、事業所から出されるそういったプラスチック類でございますから、ぜひ連携を図りながら進めていただきたいというふうに思います。
 それから昨年、若干議論ございましたけれども、町田の廃プラ施設、これは計画がございまして、とにかく当初、住民説明が不十分であったために、住民の反対運動が起こって計画がとんざしたというような状況にございまして、今、途中でストップされているわけでありますけれども、今後こういった中間処理施設、これは各市町村、まだまだ施設的には、数からいうと不十分でありますから、これからどんどん計画されていくと思うのです。
 これは、町田の廃プラもそうでございましたけれども、住民に安全で安心な施設であるということ、これを理解してもらうということが大変重要だと思います。特に施設の構造、あるいは有害な化学物質が発生しないというような、そんな東京都としての施設の安全性を、広く区市町村あるいは都民に対して情報提供していく、そんなことが必要だと思うのですね。その辺は現状どのように考えていらっしゃいますか。

○森廃棄物対策部長 廃プラスチック類などのリサイクル施設を整備するに当たりましては、一般廃棄物処理施設の管理者であります区市町村が必要性や安全性について住民に十分説明し、理解を得ることが重要でございます。
 このため、都は、区市町村が住民への説明責任を果たせるよう、技術的な情報を提供するなど、積極的に助言を行ってまいります。
 また、都は、新たな施設の設置に対しましては、地域に立脚し、安全性、信頼性の高い施設となるよう、安全対策、環境対策等について的確に指導を行ってまいります。

○石森委員 これからリサイクルがどんどん進めば進むほど、こういった中間処理施設、これが各自治体で当然計画に上がってくると思いますから、そういった点では、ぜひ東京都からも指導をお願いしたいと思います。
 それから建設泥土も質問しようと思いましたけれども、先ほど若干お話しございましたから、これはぜひ、現状ではほとんど埋め立てといいますか、建設泥土についてはそういった処分がされておるわけでございますから、できる限り埋め戻し材として広く活用できるように、東京都としてしっかり対策を講じていただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、循環型社会への変革を進める上では、発生抑制、リサイクルを推進する、これはもちろんでありますけれども、産業廃棄物の不適正処理対策も重要な課題でもございます。
 先ほどから、広域な廃棄物の処理、その辺のお話ございましたけれども、多摩地域においては、ある程度余った土地といいますか、そういった土地がかなりございまして、建設廃棄物などを仮置きと称して長期にわたってそこに置いておく、そんな事例が結構多いのですね。なかなか行政指導ができないといった難点もありますけれども、今後は、こういったところも強い規制が必要になってくると思うのです。
 現状、東京都としてはどういった取り組みをされているのか、その辺をお聞きして、質問を終わります。

○森廃棄物対策部長 多摩地域におきましては、平成十七年度末時点で二十三件の不適正保管の現場がございます。早期にこれらの産業廃棄物を撤去するため、解体業者等への指導を重ねているところでございます。
 今回の廃棄物処理計画におきましても、不法投棄対策については重要な施策として位置づけてございます。今後は、新たな不適正保管を未然に防止するため、排出段階での立入検査等の強化を図るととともに、残存する不適正現場の解消に向けて取り組んでまいります。

○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○ともとし委員長 次に、請願の審査を行います。
 一八第一三号の一、平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○加藤総務部長 それでは、お手元にお配りしてございます資料3、請願審査説明表をお開きいただきたいと思います。 
 整理番号1、一八第一三号の一、平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、妙正寺川の水害を考える会代表、佐野嘉代子さん外十一名でございます。
 請願の趣旨ですが、総合治水対策として、次の二点を推進していただきたいというものでございます。 
 一点目に、都市部の公共施設において、可能な限りコンクリートやアスファルトを排除して土壌面積をふやし、緑化を推進していただきたい。二点目に、河川の上流にある森林を整備して、緑のダムとしての機能の再生を図っていただきたいというものでございます。
 続きまして、現在の状況でございますが、一点目につきましては、都は、建築物の新築、改築及び増築等を行う場合に、東京における自然の保護と回復に関する条例に基づき、緑化計画書の届け出を義務づけ、市街地の緑化を推進しております。
 届け出義務の対象は一千平方メートル以上の敷地でありますが、公共施設につきましては、二百五十平方メートル以上に対象を拡大しております。
 これにより、平成十三年度から平成十七年度までの五年間に七百四十九件の公共施設の緑化計画書が都に提出されております。また、公共施設に対しましては、基準を超えて可能な限り緑化を実施するよう指導しており、これらにより土壌面積の増加に取り組んでおります。
 二点目につきましては、都は、森林の水源涵養機能を高め、河川の水量を安定させるため、水道水源林の保護育成、多摩地域での治山事業などのほか、森林再生事業により、針葉樹と広葉樹のまじった針広混交林化を進めております。
 平成十四年度から開始した森林再生事業は、荒廃が進んでいる多摩の杉、ヒノキの人工林について、五十年間に四回、都が直接間伐を行うもので、林床に光を入れ、下草や広葉樹の芽生えを促し、育成して、針広混交林化を図り、水源涵養などの公益的機能の回復を目指しております。
 説明は以上でございます。どうぞよろしくご審査、お願い申し上げます。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原田委員 昨年九月の集中豪雨では、妙正寺川や神田川、そして石神井川など、ここにありますように、都内十河川の流域で水害が発生いたしました。まず、被害に遭われた皆様に改めてお見舞いを申し上げたいと思います。 
 さて、こうした水害対策としては、河川の護岸整備でありますとか、あるいは緑化によって土壌面積を広げていく、そのことによって河川、下水道等に流れ込む雨水の量を調整していくといったことは、当然に必要なことでございます。 
 しかし、それだけにとどまらず、昨今のようなこうした集中豪雨、特に去年のような集中豪雨が起こってきているそうした背景というものを、環境局としては、しっかりととらえていく必要があるかと思います。
 それはすなわちどういうことかといえば、この東京特有の問題でありますヒートアイランド現象、このことによって都市の気象、気候に大きな影響が与えられているのじゃないか、そのことによってまた、こうした集中豪雨というものも引き起こされているのではないか、こういったことが指摘されているわけでございます。
 環境局といたしましては、こうした大局的な観点を持ちながら、それぞれ環境局が担当する事業を進めていかなければならない、そのように考えております。
 まず最初に、そうした観点から確認させていただきますけれども、最近の都内における集中豪雨の発生状況はどのようになっているのか、環境局としてどのように把握されているのか、お伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 最近の集中豪雨の発生状況についてのお尋ねでございますが、一九九〇年以前は、降水量が一時間に五〇ミリ以上となるような豪雨はほとんど見られませんでしたけれども、近年は、こうした集中豪雨が発生するようになってきております。
 気象庁アメダスの練馬のデータによりますと、最近では、平成十一年七月に九一ミリ、平成十六年九月に六五ミリ、平成十七年については、八月に五八ミリ、九月に六〇ミリと、二回発生をしております。
 また、先日の九月十一日の豪雨では、西東京市で八五ミリを記録したと聞いております。

○原田委員 こうした雨量のデータ、当然、気象庁の方でもとっておりますし、また、建設局の方で、水の防災システムですか、東京都水防災総合情報システムといったものでとっておるようでございますので、こうしたデータを、関係機関と連携しながら、きちんと把握した上で対策を進めていただければと思います。
 次に、またこれも確認させていただきたいのですが、最近、九〇年代までは五〇ミリを超えるような雨は余り観測されていないというお話も今ありましたけれども、こうした最近の問題であるヒートアイランド現象、そして最近の集中豪雨、この関係性について、環境局としてどのように評価して認識されているのか、お伺いします。

○小山都市地球環境部長 首都大学東京と環境科学研究所の平成十一年七月と平成十六年八月の観測結果によりますと、ヒートアイランド現象による区部の高温部に向けて、東京湾や鹿島灘などから海風が流れ込みまして、これらの海風が収束する区部北西部で上昇気流が強化され、局地的な大雨が発生するというふうにしております。
 このような形で集中豪雨が都市の中小河川の上中流域で発生するために、浸水被害が引き起こされているというふうに考えております。
 集中豪雨の発生は、前線の発達状況や低気圧の状態等の気象条件により左右されることがございますが、このようにヒートアイランド現象との関連性も指摘されているところでございます。

○原田委員 こうしてヒートアイランドが都市の気象に与える影響というものも、まだまだ研究途上にあるものかもしれませんけれども、実際にそうした研究が進み、報告もされているということでございます。
 最後におっしゃられたように、自然のことですから、ほかの多様な条件等々あるかもしれませんけれども、その中に、人間が引き起こす活動による影響というものが少しでも入ってくる可能性があるとすれば、そしてその結果、都民の貴重な財産というものが実際に損なわれているという結果が起きているとしたら、また今後そのような可能性にさらされているとしたら、環境局としてもそのことについて重大に認識し、しっかりと取り組んでいかなければならないと思います。 
 そうした意味で、直接的に堤防をつくる、あるいは下水道も整備する、こうした事業を行うといったことも大切ではありますけれども、そうしたことを俯瞰的に見る、しっかりと都市のことを計画していくという観点から、環境局としても取り組みが必要なのではないかと考えております。
 さて、今、ヒートアイランド現象というものが豪雨についても影響を与えるというご認識だということでございましたけれども、であるとすれば、こうしたヒートアイランド現象について、今現在、都の方ではどのように取り組んでいるのか、水害対策について何か対策がとられているのかという点も含めまして、お伺いできればと思います。

○小山都市地球環境部長 ヒートアイランド対策につきましては、雨水浸透にも資する緑化の推進や、保水性舗装の整備など、全庁的な取り組みを推進しております。
 ヒートアイランド対策を集中的に実施していくために、特に気温上昇に影響を与える地域を抽出し、ヒートアイランドの対策推進エリアとして、区部に四カ所、設定をいたしました。このエリアでは、都が実施する対策とともに、国や区と連携をいたしまして、集中的に対策を実施してまいります。
 また、浸水対策、豪雨対策等につきましては、それぞれ河川整備を担当するような局とも連携を強めまして、対策をとってまいりたいというふうに考えてございます。

○原田委員 こうした緑化というものは、通常、その都市の中で生活に潤いを与えるとか、そういった観点から進められることもありますけれども、集中豪雨の際の雨水浸透という観点からも、またヒートアイランドという観点からも、非常に重要な政策であると思います。
 こうした重要な政策を進めていく上で、先ほどもご説明ありましたけれども、都の方では、自然環境条例に基づきまして緑化計画書の提出を義務づけていて、それによって緑化を推進しているということでございますが、その進捗状況はどうなっているのかについてお伺いしたいと思います。
 またあわせて、この請願の中では、公共施設について緑化を進めるということで触れられておりますけれども、公共施設のこの中に占める割合ですとか、その状況はどうなっているのかについてお伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 緑化計画書の提出でございますが、平成十三年度から平成十七年度までの五年間に約六千件の緑化計画書が提出をされておりまして、このうち、公共施設の届け出件数は全体の約一五%となっております。
 民間の建物に比べますと、公共施設は敷地面積が大きいということ等がございますので、公共施設の緑化面積は全体のおおむね三割程度というふうになってございます。
 公共施設は緑の確保において重要な役割を果たしていることから、緑化基準を超えて可能な限り緑化するよう、指導を行ってまいります。

○原田委員 今ありましたように、件数では一五%程度、ただ、それが面積になると三割程度ということですので、公共施設の緑化を進めていくということは、ただ単に民間に対して範を示すということのみならず、実際的な効果としてもあるということになろうかと思います。そうした意味でも、しっかりと進めていただければと思います。
 ただ、その際に、公共施設をどれだけ緑化すれば、例えば先ほど連携とおっしゃいましたけれども、河川の整備に際してどれだけの効果があるのか、こういったことも、可能な限りというご発言でございましたけれども、しっかりと連携をとって具体的な事業に落とし込んでおく上においては、効果というものを把握していく努力も必要かと思いますので、そのことについて、今後、検討を進めていただければと思います。
 こうした形で集中豪雨対策を進めていくということに関しましては、直接的な意味で緑化を進めていくということもあります。また、間接的な意味は、大きな観点から見たヒートアイランド対策ということもあります。また、そうした中で各局と連携をして、それぞれの施策を総合的に実施していく、当然、先ほどの実際に行っている事業が、他局の事業に関してもどのような影響を与えるのかということについてもきちんと把握して、連携をとっていくということも必要であろうかと思いますけれども、こうした点についてどのようにお考えか、お伺いいたします。

○小山都市地球環境部長 他局等との連携のお話でございますが、集中豪雨対策ということにつきましては、下水道施設における対策とか、それから河川整備、道路の雨水浸透化など、さまざまな施策を総合的に推進している東京都でございまして、その中で、環境局といたしましても、各局と連携をとりながら、集中豪雨の原因の一つと考えられるヒートアイランド現象の解消に向けまして、緑化の推進など、ヒートアイランド対策になお一層取り組んでいく、こういう考え方でございます。

○原田委員 最後にちょっと申し上げておきたいと思うのですけれども、五〇ミリを超えるような雨が頻発しているというような状況を、冒頭お知らせいただきました。しかし、そうした中で、例えば建設局の方では五〇ミリ対応とうたって堤防を整備しているわけでございます。
 そうした中では、そうしてきますと、五〇ミリを超える雨にも対応できる堤防をつくっていかなければならないのかという議論が出てくることも当然でありまして、そうした意味で、現場の方、実際に河川に直接かかわる部門では、起きたものに対してきちんと対応していかざるを得ない、対応していく努力を続けざるを得ないという面がございます。
 しかし、そもそもこうした集中豪雨、大きな集中豪雨に関して、人為的な要因が少なからず想定できる、そのことに対して、またこれも我々の手で、人間の手で何か対応ができるということであるならば、そうした対応というものも積極的に進めていかなくてはなりません。
 また、こうしたものを進めていくに当たりまして、先ほど述べましたように、実際に緑化は、可能な限り進めていくというところはこれまであったかと思いましたけれども、効果を把握していくことも非常に重要になってきているかと思います。
 そのことにつきまして、今後ともさらに努力をされていきますように、また、こうした今回の請願等々も踏まえまして、さらに総合的に各局とも連携されて、治水対策というものを進めていかれるように要望いたしまして、質問を終わりといたします。

○河野委員 ただいまの質問と重なる部分も若干ありますけれど、なるべく重なる部分は省きまして質問をさせていただきます。
 最初に、これは若干ご説明がありましたけれども、区部というか、東京西部の方に集中豪雨が頻発している問題です。請願されている方は練馬区の方ですけれども、この数年の浸水被害が起きた集中豪雨のあり方を見ますと、練馬、杉並、中野、板橋、それから西東京というお話も今ありましたし、三鷹とか、二十三区の西部地域と多摩の一部の方に多く発生しているという現象が起こっていると思います。
 鹿島灘の風の話とかありましたけれど、なぜ東京西部に集中豪雨が頻発しているのかというそのメカニズム、その辺を、もう一歩踏み込んで教えていただければと思います。

○小山都市地球環境部長 首都大学東京と環境科学研究所が観測をいたしました。これは平成十一年七月と平成十六年八月に観測をいたしております。
 それによりますと、ヒートアイランド現象によりまして、区部に高温部が生じます。その区部の高温部に、東京湾、それから鹿島灘などから海風が流れ込みまして、これらの海風がちょうど区部北西部で収束をする、その収束によって上昇気流が強化をされまして、それが局地的な大雨となって出てくる、こういうようなふうに、首都大学東京並びに環境科学研究所では分析をしております。

○河野委員 そういう東京の町に熱がこもっているということが、いわゆるヒートアイランド現象が起こっていることが集中豪雨の原因ということでは理解いたしました。
 特に、こういう地域は環八雲ということで、上昇気流によって雲も発生して集中豪雨が起こるということも地域からはいわれています。
 今、緑化計画書の質問もありました。緑化計画書については、公共施設と民間のことで区分けがされたご答弁がありましたけれど、私が伺いたいのは、この緑化計画書によってどれくらいの緑が確保されていっているのかということです。緑の確保といっても、芝生、屋上緑化とか壁面緑化とか、あるいは樹木による緑化とかいろいろあると思うのですが、この辺では、環境局が今どういう状況に--緑化計画書に基づいて推進を進めてきたかということが、把握されていることがあったら教えてください。

○小山都市地球環境部長 緑化計画書につきましては、平成十三年度から平成十七年度の五年間で約六千件の計画書の提出がございます。
 これによりまして、屋上緑化については、年間に日比谷公園一つ分程度の屋上が新たに緑化をされております。また、そのほかの緑化につきましても、相当程度の緑化が進んでおるというふうに理解をしております。

○河野委員 屋上緑化、日比谷公園一つ分ということで、ちょっと面積で教えていただかなかったので、後でまたいろいろな場所で教えていただければいいと思います。
 東京が直面しているヒートアイランド現象、これを解消していかないと、改善の道を進めていかないと、いろいろな水害問題まで発生しているということなので、大変重大な問題だと思います。
 町を冷やすということが大変今話題になっていて、ドライミストとか打ち水作戦とか、いろいろこの夏も新聞やテレビで報道されました。先ほど、推進エリア地区ですか、四カ所でいろいろな取り組みをされているということだったのですけれども、東京都環境局として、全体としてどういう方法、対策を講じてヒートアイランド現象を少しでも緩和させていこうとしているのかという点で、総合的な取り組みを進めておられるようでしたら、この機会に伺っておきたいと思います。

○小山都市地球環境部長 委員、今お話がございましたように、東京を冷やす、あるいは部分部分を冷やすというような意味から、ドライミストとか--ドライミストは私どもモデル事業として実施をしておりますが、そのほか打ち水への支援とかというようなことをやってございますけれども、まず東京都の率先行動といたしまして、庁舎の屋上緑化、街路樹整備、保水性舗装、下水再生水の散水等を行っているところでございます。
 ヒートアイランド対策を集中的に実施していく、エリアによって、街区によって集中的に実施していくということが効果があるだろうというような考え方もございまして、特に気温上昇に影響を与える地域を抽出をいたしまして、ヒートアイランド対策推進エリアとして、区部に四カ所、設定をしたところでございます。
 このエリアでは、都が実施する対策とともに、国や区と連携して集中的な対策を実施してまいります。

○河野委員 今、いろいろ国や都が連携して東京の町をヒートアイランド現象を解消していく方向に努力しているということは伺ったのですけれども、その進めてきているヒートアイランド対策がどういう効果が上がっているのか、この点については、ドライミストなんか見ますと、周辺の気温が二度下がったとかという報道もあったりして、ある部分、試みがされた部分は気温が下がるということがあるんですが、問題は、東京都内全体がどういう状態になって気温が低まっていくかということが必要だと思うのですが、そういう全面的な効果については、何かいろいろなデータとか調査の結果とかというのはお持ちなんでしょうか。

○小山都市地球環境部長 委員ご指摘のような効果というものの把握についてでございますけれども、今年度、ヒートアイランド対策推進エリアから丸の内地区、有楽町地区など四つのモデルの街区を選定をいたしまして、モデル街区ごとに対策効果や費用対効果、こういったようなものを、シミュレーションモデルによりまして予測、評価を実施いたすことにしてございます。
 ここから得られる結果を活用いたしまして、今後さらにヒートアイランド対策を推進してまいりたいと考えております。

○河野委員 これからの課題がたくさんあるということがわかりました。
 ヒートアイランド問題について、私も何回か研究者の方のお話を伺う機会がありました。
 その一つの中で印象に残っているのは、芝生が町の気温を下げる大きな役割を果たすということを教えていただいたのです。昨年度、環境局は学校の芝生化ということも試みられましたけれど、今年度からはそれがなくなっているのですけれども、学校に芝生化がいいかどうかは別にして、都内のいろいろな広場とか、可能なところに、屋上緑化はもとより、地面にも芝生をふやしていくということが、芝生は夜間に熱を吸収する役割を果たすということで、大変有効なヒートアイランド対策の一つだということもいわれておりますので、ぜひ芝生も対策の一つの中に位置づけていただきたいというふうに考えています。
 それで、全体としては、やはり私たち自身のエネルギー消費のあり方の問題とか、東京のまちづくり、超高層のオフィスビルの建設とそこから排熱される人工の排熱の問題、それから自動車交通に依存してCO2などがふえている問題、そういうことや、森林再生の問題、緑や水、風の利用の問題と、あらゆる角度から迫っていかないと、大変この問題は難しいことだと思いますし、環境局のご苦労、いろいろあると思いますけれど、ぜひこれからのご努力も求めておきたい、それで質問を終わります。

○ともとし委員長 発言がなければ、本件は、建設局関係もございますので、決定は後ほどの建設局所管分審査の際に行い、現在のところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一三号の一は継続審査といたします。
 請願の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。
 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたします。
   午後三時十二分休憩

   午後三時二十二分開議

○ともとし委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、建設局長に依田俊治君が就任されました。また、幹部職員の一部に交代がありましたので、依田局長からあいさつ並びに紹介があります。

○依田建設局長 七月十六日付で建設局長を拝命いたしました依田俊治でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ともとし委員長を初め委員の皆様には、建設局の事業につきまして日ごろからご理解とご支援を賜り、まことにありがとうございます。建設局といたしましては、東京の都市基盤整備に引き続き局一丸となって取り組んでまいります。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元の名簿に従いまして、異動のございました当局の幹部職員を順にご紹介申し上げます。
 次長の矢口貴行でございます。総務部長の島博文でございます。道路管理部長の内海正彰でございます。公園緑地部長の伊藤精美でございます。河川部長の高橋興一でございます。道路保全担当部長の米田秀男でございます。公園管理担当部長の北村俊文でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○ともとし委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○ともとし委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○依田建設局長 平成十八年第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料、建設局所管分をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、たつみ橋交差点立体化工事(十七 五-放十四東新小岩)など、契約案四件でございます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明いたします。

○島総務部長 平成十八年第三回定例会提出予定案件の内容についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料1をごらんいただきたいと存じます。
 契約案についてご説明申し上げます。
 お手数ですが、表紙をおめくり願います。今回提出を予定している契約案件四件の件名は、目次に記載してあるとおりでございます。
 一ページ目をお開き願います。件名は、たつみ橋交差点立体化工事(十七 五-放十四東新小岩)でございます。
 本案件は、JR総武本線新小岩駅付近の蔵前橋通りと平和橋通りの自動車交通の円滑化並びに歩行者の安全確保を目的に、たつみ橋交差点を立体化する工事でございます。
 工事場所は、東京都葛飾区西新小岩一丁目地内から同区東新小岩一丁目地内、契約の相手方は三菱・戸田異業種特定建設共同企業体、契約金額は二十八億四千五百五十万円、工期は平成二十年三月十日までとする工事請負契約を、技術提案型総合評価方式で、一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 二ページ目は案内図でございます。
 続きまして、三ページをお開き願います。形状につきましては、お手元の資料のとおり、側面図及び標準断面図のとおりでございます。
 次に、四ページをお開き願います。件名は、晴豊二号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事(十八 五-環二)でございます。
 本案件は、臨海部の交通ネットワークの充実を図ることを目的に、環状第二号線として新たに橋を架設する晴豊二号橋(仮称)鋼けた製作・架設工事でございます。
 工事場所は、東京都中央区晴海四丁目地内から江東区豊洲六丁目地内、契約の相手方は、三菱・東骨・日橋建設共同企業体、契約金額は四十七億二千五百万円、工期は平成二十年十月二十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 五ページは案内図でございます。
 六ページをお開き願います。橋の形状は、平面図、側面図及び断面図のとおりでございます。
 続きまして、七ページをお開き願います。件名は、是政橋二期鋼けた製作・架設工事(その一)でございます。
 本案件は、川崎市を起点に稲城市を経て府中市を結ぶ主要地方道、川崎府中線第九号の慢性的な交通渋滞の緩和と、多摩南北道路の整備の一部といたしまして、二車線の橋梁を四車線にかけかえるための鋼けた製作・架設工事でございます。
 工事場所は、東京都府中市是政五丁目地内から稲城市大丸地内、契約の相手方は川田工業株式会社、契約金額は十二億九千五百七十万円、工期は平成二十一年六月三十日までとする工事請負契約を、一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 八ページは案内図でございます。
 九ページをお開き願いたいと思います。橋の形状は、斜張橋と呼ぶもので、平面図、側面図のとおりでございます。
 恐れ入りますが、一〇ページをお開き願います。件名は、中央環状品川線大井北発進立坑設置工事でございます。
 本案件は、慢性的な渋滞緩和や沿道環境の改善のために整備される中央環状品川線のシールドトンネル工事のための立て坑を設置する工事でございます。
 工事場所は、東京都品川区八潮一丁目地内、契約の相手方は株式会社大本組、契約金額は二十三億三千百万円、工期は平成二十年六月二十五日までとする工事請負契約を、一般競争入札によりまして締結しようとするものでございます。
 一一ページは案内図でございます。
 一二ページをお開き願いたいと思います。形状につきましては、記載のとおり平面図及び断面図のとおりでございます。
 以上で、平成十八年第三回定例会提出予定案件の説明を終わらせていただきます。
 どうぞよろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○河野委員 二点、お願いします。
 一つは、低価格入札に関してです。過去三年の各契約ごとの予定価格、契約価格、契約業者、お願いします。
 それから二つ目、中央環状品川線に関してです。事業についての地元説明会の開催状況、それから、住民から出された意見などについてお願いします。

○ともとし委員長 ほかにありますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 ただいま河野委員より資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○ともとし委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 一八第一三号の一、平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高橋河川部長 お手元にございます資料2の請願・陳情審査説明表をごらんください。
 表紙をおめくりいただきまして、整理番号1の請願一八第一三号の一をお開き願います。
 本件は、平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願でございまして、練馬区妙正寺川の水害を考える会の代表、佐野嘉代子さん外十一名の方から提出されたものでございます。
 その要旨は、総合治水対策として、次の二点の実現を求めているものでございます。
 一点目は、一時間五〇ミリメートルの降雨に対応する河川整備の早期実現を図ること。二点目は、透水性ブロックの敷設や透水性舗装の促進など、道路の透水性の向上を図ることでございます。
 現在の河川整備の状況でございますが、都は、河川改修を必要とする四十六河川、三百二十四キロメートルを対象に、一時間五〇ミリメートルの降雨に対応する河川整備を進めておりまして、平成十七年度末現在の護岸整備率は六一%でございます。
 特に、流域の市街化の進展が著しく浸水被害が多い妙正寺川や石神井川など十三河川につきましては、重点的に護岸などの整備を進めてまいりました。
 また、平成十七年九月の集中豪雨で特に被害の大きかった妙正寺川や善福寺川につきましては、河川激甚災害対策特別緊急事業を実施しておりまして、未整備区間の護岸を緊急かつ着実に整備してまいります。
 今後とも、浸水被害が発生している河川を中心に、五〇ミリメートル対応護岸の未整備区間の解消や、河川の特性に応じた調節池の効果的な整備を一層促進し、浸水被害の早期解消を図ってまいります。
 次いで、道路の透水性の向上についてでございますが、透水性舗装は、河川や下水道への雨水の急激な流出の抑制と、地下水涵養量の増大等に効果を発揮するとともに、水たまりを防止するなどの快適な歩行性を確保する舗装でございます。
 都は、総合的な治水対策における雨水流出抑制施設の一つといたしまして、昭和五十八年度から、歩道におきまして透水性舗装を整備しております。また、車道につきましても、平成十二年度から試験施工を実施しております。
 今後とも、歩道の新設や補修時には、透水性ブロックの敷設を含め、透水性舗装の実施に積極的に取り組んでまいります。
 よろしくご審査のほど、お願い申し上げます。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。本件中、環境局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。

○石森委員 それでは、何点か質問させていただきたいと思います。
 先ほど環境局の請願審査の中で、一九九〇年以前は五〇ミリを超える集中豪雨はなかったというような、そんな報告を受けまして、ちょっと驚いたのですけれども、今や当たり前のように集中豪雨が発生している、そんな状況にもございます。
 多摩地区におきましても、先日もかなりひどい雨が降りまして、先ほどの報告でも八五ミリというような、そんな報告がございました。
 昨今の豪雨の状況を見ると、いつどこで洪水が発生するかわからない、そんな不安もありまして、水害から都民の生命と財産を守るためにはしっかりとした洪水対策を進める、これは喫緊の課題であろうかと思います。そのような中、一時間五〇ミリの降雨に対応する護岸の整備率、いまだ六一%というような報告もございました。
 これまでにもたびたび、この整備率については議論があったわけでありますけれども、河川整備を促進していくためにはどのような課題があるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。

○高橋河川部長 整備における課題でございますが、河川の拡幅に必要な用地取得に多大な費用がかかるとともに、地権者の理解を得るのに多くの労力と時間を要しております。
 また、密集市街地での河川工事は、洪水時における安全対策や家屋との近接施工、搬入路の確保などさまざまな制約があり、これまた多くの費用と時間を要しております。
 特に、鉄道や幹線道路の交差部におきましては、橋梁のかけかえや水道や電気など、ライフラインの切りかえに多くの調整、時間を要しております。とりわけ、国費などの財源確保が極めて重大な課題となっております。

○石森委員 都市部において、護岸整備は時間を要するというのはわからなくもないのですけれども、夏から秋に、これからやはり台風シーズンでもございますし、多くの都民がいまだ水害の不安におびえた生活を送っている、こんな実態にあろうかと思います。
 一刻も早くこの五〇ミリ対策を完了させるべきだと思います。整備促進のため現状どのような工夫をされているのか、また今後どのように取り組まれていくのか、お示しをいただきたいと思います。

○高橋河川部長 事業に際しましての工夫でありますが、用地取得に当たりましては、きめ細かに説明会や折衝を重ね、地権者の理解と協力を求めるよう努めております。
 また、工事に当たりましては、公共用地を活用した搬入路の設置などの工夫を行っております。
 こうした工夫を行いましても、なお護岸整備に時間を要する神田川などの河川におきましては、道路、公園、集合住宅の地下に大規模調節池や分水路を設置するなど、さまざまな工夫を図り、水害の早期軽減に努めてまいりました。
 今後は、環七地下調節池や河川激特事業を完成させるとともに、昨年九月の豪雨により被害を受けた石神井川や野川などを重点的に整備してまいります。
 引き続き他事業との連携を一層深め、さまざまな工夫を重ねるとともに、国費などの財源確保に努め、河川整備に懸命を尽くしてまいります。

○石森委員 河川激特事業ですね、これの採択を受けて、妙正寺川あるいは善福寺川については、かなり整備が進むと思いますけれども、ただ、ここ数年、国の予算が大幅に削減されているといったような、そんな大きな問題もございます。ぜひその辺は財源の確保に努めていただきたいと思いますし、多くの都民が要望している課題でもありますから、積極的な事業展開をお願いしたいと思います。
 次に、透水性舗装についてお伺いをしたいと思います。
 この透水性舗装につきましては、総合治水対策のみならず、地下水涵養の観点からも意味があるということは、ご説明がございました。歩道における透水性舗装は、昭和五十八年から実施されておりまして、二十年以上の実績があるというふうに伺っております。その整備率なんですけれども、区部では約七割、多摩部では約四割というようなお話もございました。
 そこで、まず、二十年以上経過しているにもかかわらず、なぜいまだ歩道の透水性舗装整備率がこのように低いのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

○米田道路保全担当部長 歩道の車乗り入れ部につきましては、耐久性の観点から、コンクリート舗装を標準としております。一般部につきましては、原則として透水性舗装を施工しているところでございます。
 区部につきましては、車の乗り入れ部等を除きまして、施工可能な箇所はほとんど実施済みでございます。
 また、多摩部におきましては、歩道のU字溝等の改修工事にあわせて透水性舗装を施工することとしておりますので、ご指摘のような整備率になっております。

○石森委員 かなり区部と多摩の格差があるわけでもございますし、多摩においては、まだまだ歩道の透水性舗装の施工が可能なわけでありますから、U字溝の改修や歩道の整備等の際には積極的に透水性舗装を採用して、整備率の向上を図っていただきたいというふうに思います。
 また、車道については、試験的な施工を実施しているというようなお話もございましたけれども、現状、まだその段階でとどまっているのかどうか。そして、都道において、車道は歩道の約三倍の面積がありますから、この部分の透水性が進めば、その効果は大きいというふうに考えられます。
 そこで、現在の車道における透水性舗装についての取り組みをお聞かせいただきたいと思います。

○米田道路保全担当部長 車道の透水性舗装につきましては、雨水浸透によりまして、舗装を支えます地盤の緩みが懸念されますので、大型車交通量の少ない箇所におきまして、平成十二年度から九カ所で試験施工を実施しております。
 現在、ひび割れ、平たん性等の路面性状調査、舗装内部の健全度の調査、雨水の浸透性能調査を実施中でございます。

○石森委員 調査は、これはもうかなり日数がかかる、年月を要するというのはわかるのですけれども、環境に優しい、成熟した都市を目指して、あらゆる機会をとらえて、歩車道を問わず積極的に透水性舗装の推進を図るべきであるというふうに思いますけれども、その辺、どのように考えていらっしゃいますか。

○米田道路保全担当部長 歩道につきましては、拡幅や改善工事、埋設管等の復旧工事の際に透水性舗装を実施してまいります。
 また、車道につきましては、比較的大型車交通量が少なく、過去に冠水した箇所等で舗装を全面的に打ちかえる際に、試験施工を拡大してまいります。
 今後とも、都市型水害の軽減や地下水涵養量の増大を図るため、都道の透水性舗装を推進してまいります。

○石森委員 試験的な透水性舗装を今後ともまだ続けるというようなお話、ございました。
 先ほども、集中豪雨の原因、ヒートアイランド現象、これも一つ大きな要因であるというようなお話ございましたけれども、透水性舗装をやることによって、ヒートアイランドにも役立つというような、そんなこともございますので、ぜひ今後も、この請願の中にいろいろ記載もございますけれども、請願の願意を酌んで、道路における透水性の向上にもさらに努めていただきますよう要望して、質問を終わります。

○河野委員 お伺いします。
 中小河川の護岸整備五〇ミリ降雨対策、約六〇%の進捗率であるということがいわれております。昨年の水害で、妙正寺川、善福寺川の二河川が国の激甚災害対策特別事業に指定されて、そして、この国の指定を受けたことで整備は一体どのくらい進んでいくのかなというのが私の伺いたい問題の一つです。
 それから、同じように浸水被害が多発している、先ほどからお話がある練馬区、板橋区という区部の西部の方で流れている白子川、石神井川あるいは世田谷の仙川、野川など、こういう被害が比較的多く起きている河川について、どのような取り組みがされていくのか、この点をお伺いします。

○高橋河川部長 河川整備は、下流から順次進めていくことが原則であります。
 神田川の支川であります妙正寺川と善福寺川の整備率は、妙正寺川では、平成十七年度末の整備率でございますが、二四%のところが三六%になりました。また、善福寺川では三九%が四三%になります。
 また、昨年九月の豪雨により被害を受けた白子川、石神井川、仙川、野川などの河川につきましても、重点的に整備を進めてまいります。

○河野委員 国の激甚というか、激特の指定を受けたことで、これまでよりは進捗率が高まるのかなということを、今のご答弁で理解した思いです。
 今年度のことなんですが、国の激甚災害特別事業の指定を受けて、中小河川の護岸整備費は増額になりました。今後の問題なんですが、いつどこで集中的な豪雨が起こるかわからない、地球規模で異常気象が起こっているわけですから、そういうことを考えても、都内の中小河川の五〇ミリ対策を急ぐことが必要だと思いますが、建設局としては、そのための予算の確保について、努力していく方向とは思いますけれども、改めて建設局のお考えを伺っておきたいと思います。

○高橋河川部長 事業費の確保に向けましては、国への提案要求活動はもとより、関係区市町村とも連携し、あらゆる機会をとらえまして、財源確保の要望活動を行っております。

○河野委員 ぜひご努力をお願いします。
 それで、一時間五〇ミリ降雨対応の護岸整備が始まって、概算すると四十年近くの月日がたっているわけです。いろいろ先ほどからお話がありますように、このごろの降る雨の量というのは、一時間に一〇〇ミリを超えるということも、しばしば起こっております。
 今、ずっとこの数十年間続けてきた五〇ミリ対応の中小河川の護岸整備で、短時間に、そして集中的に降雨があった場合に果たして対応できるのかどうか、そのことも気になりますが、これについてはいかがでしょうか。

○高橋河川部長 水害の発生状況は、地形はもとより、降雨強度、総降雨量、降雨の範囲によって大きく異なってまいります。
 昨年九月の被害状況を検証いたしますと、一時間五〇ミリの降雨に対応する護岸や調節池が整備された箇所では溢水による被害が少なく、減災効果が発揮されております。
 今後とも、一時間五〇ミリの降雨に対応する整備を着実に進めてまいります。

○河野委員 もう一点、お伺いいたします。
 集中豪雨対策について、各局の力を合わせていく体制の検討は、都政にとって大事な課題だと思います。最近頻発している都内西部地域の豪雨対策で、建設局、下水道局、都市整備局の三局が力を合わせて検討を始めたということを聞いておりますけれども、その検討状況について、どのような状態なのか、そして、都民に検討の結果の報告、方針が示されていくのはいつの時期になるのか、その点もご報告いただければと思います。

○高橋河川部長 豪雨対策基本方針につきましては、本年五月に検討委員会を立ち上げまして、現在、集中豪雨の発生する地域や浸水被害が多い地域を選定いたしまして、治水施設や雨水流出抑制施設の整備、並びに建設物の地下利用の適切な誘導など、ハード、ソフト両面の対策について検討いたしております。
 また、これがいつ都民に知らせるかということでございますが、近々第三回の委員会が開催されます。その検討状況を踏まえることになろうかと思いますが、一部新聞には、一月というようなことも出ていることは事実でございます。
 いずれにしましても、次回の検討委員会の様子を見て判断したいと思います。

○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一三号の一は趣旨採択と決定いたしました。

○ともとし委員長 次に、一八第三五号の一、都市公園及び海上公園の占用料値下げに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○北村公園管理担当部長 整理番号2、陳情一八第三五号の一をお開き願います。
 本件は、都市公園及び海上公園の占用料値下げに関する陳情で、杉並区の山田奈津子さんから提出されたものでございます。
 その趣旨は、都において映像を撮影する際の都市公園の占用料を半額程度に下げていただきたいというものでございます。 
 現在の状況でございますが、都は、都立公園で園地を排他的、独占的に使用して映像を撮影する場合には、都立公園条例第十三条の規定に基づき占用料を徴収しております。
 映像撮影の占用料は、標準的な使用面積と固定資産税評価額をもとに算出しており、現在、写真撮影の場合は一時間九十円、映画、テレビ及びビデオ撮影の場合は一時間九千四百二十円と定めております。
 近年、撮影機器の高性能化、小型化、撮影スタッフの少人数化等によりまして、使用面積が従前に比べ狭い事例も見られるようになっております。
 都は、受益者負担の適正化を図る観点から、占用料につきまして定期的に見直ししており、今後、ビデオ等によります小規模な撮影の占用料につきましても、同様の観点から見直しを行ってまいります。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○近藤委員 今回は陳情という形式をとっておりますけれども、まあ半額程度という金額は別として、今まで、同様の要望が、手紙ですとか電話等、さまざまな形式がとられたかもしれませんけれども、寄せられたことがあるのかどうか。また、かつてそういう要望が寄せられたとするならば、都は、今までその要望にどのような対応をとっていらっしゃったのかをお聞かせください。

○北村公園管理担当部長 まず、都立公園で撮影を行う場合は、公園管理事務所が窓口となりまして、許可申請を受け付けております。
 その際に、映画、テレビ及びビデオの撮影の占用料につきまして、撮影規模からしますと割高であるということで、値下げしてほしいという要望が寄せられております。また、公園緑地部にも同様の要望が寄せられているところでございます。
 また、その要望についてどのように対応したかということでございますけれども、撮影の占用料は、標準的な使用面積をもとに算出しております。このため、寄せられております値下げ要望について検討するためには、実際にどのくらいの面積が撮影に使用されているかを把握する必要がございます。
 そのため、現在、各公園におきます撮影の占用面積の利用状況について調査を行っているところでございます。

○近藤委員 二点、伺います。
 まず一点は、現在、テレビ、ビデオの撮影の場合、一時間九千四百二十円と定められていると書いてございますけれども、この九千四百二十円に対応する標準的な使用面積というのはどのくらいなのかということと、今おっしゃった、調査をされて、標準的な使用面積と実際に使用されている撮影の面積がどういう差があるのかというような実態調査を行っているというようなことでしたけれども、調査の結果どのようなことがわかったのか、この二点について伺います。

○北村公園管理担当部長 まず占用料で、映画、テレビ及びビデオの撮影の場合の占用料の基礎となっております標準使用面積でございますが、現在、三千平方メートルとしております。
 続きまして、調査の結果でございますけれども、現在、引き続き状況調査を行っておりますが、都立公園におきましては、映画、テレビドラマの撮影から小型ビデオカメラによります自主作製ビデオの撮影まで、多岐にわたる撮影が行われております。
 また、近年は、撮影機器の高性能化、小型化、撮影スタッフの少人数化等によりまして、使用面積が狭い事例が見られているところでございます。
 このため、受益者負担の適正化を図る観点から、標準的な使用面積の見直しが必要と認識しております。

○近藤委員 調整のときにお話を伺って、今お話の出た標準的な広さである三千平方メートルというのはどの程度の広さかとイメージできるようなものはないかというふうに伺ったらば、競技用五十メートルのプールを三つ並べた大きさというのが一時間九千四百二十円に相当する広さだということで、ただ、実態調査をしてみると、そのような広さを使わないでも撮影されているような実態が見受けられるということなので、その実態に合った状況に料金の規定を合わせていくということを今おっしゃってくださったのですけれども、じゃあ、実際にどのように合わせていくということを具体的な方法として考えていらっしゃるのかということと、実際、実態にそぐわないということは明らかになっているのですから、できればなるべく早く改定していただきたいというふうに思いますけれども、実態の見直しの具体的な方法と、その時期について伺いたいと思います。

○北村公園管理担当部長 映画、テレビ及びビデオの撮影の占用料につきましては、現在、一つの区分のみの設定ということで、先ほどご説明しましたように、一時間九千四百二十円ということになっておりますが、受益者負担の適正化を図る観点から、撮影の実態に見合いました複数の区分に分けることを検討してまいります。
 また、改定の時期でございますけれども、公園の占用料につきましては、通常二年ごとに見直しを行ってきております。次回は、平成十九年四月に占用料を見直す予定でございます。その見直しの中で、撮影の占用料につきましても検討してまいります。

○近藤委員 近々の例ですと「冬のソナタ」の冬ソナで、撮影現場を日本の女性の方が大挙して訪れている冬ソナツアーなんという例もございます。逆現象として、海外に紹介されるテレビやビデオやさまざまな媒体の中、東京が紹介されたときに、またそこに行ってみようということで、海外からお客様を呼べるようなきっかけにならないとも限りませんし、そのことが、側面的に東京を紹介するということが、オリンピック招致活動にプラスにつながっていくのではないかなというふうに思いますので、ぜひ来年の見直しには、実態にそぐうような形で、きちっとした適正な見直しをしていただきたいということを申し添えて、質問を終わります。

○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一八第三五号の一は趣旨採択と決定いたしました。

○ともとし委員長 次に、一八第四八号の二、大田区松原橋交差点周辺の大気汚染改善に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○米田道路保全担当部長 整理番号3、陳情一八第四八号の二をお開き願います。
 本件は、大田区松原橋交差点周辺の大気汚染改善に関する陳情でございまして、大田区大気汚染測定運動大田実行委員会代表、藤田敏夫さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、松原橋交差点周辺の道路構造を、次の二点のように改善することを求めているものでございます。
 一点目は、松原橋交差点付近、北馬込二丁目二十八、二十九及び中馬込二丁目二十六周辺の切り通しのがけに光触媒を設置して大気汚染を浄化すること。二点目は、将来において切り通し部分をシェルターで覆い、シェルター内の大気汚染物質を土壌脱硝施設へ吸引浄化して排気することでございます。
 現在の状況でございますが、松原橋交差点は、環状七号線と国道一号とが立体交差する交差点でございます。交差点付近では、環境改善を目的に、平成十五年に都と国が共同して土壌を用いた大気浄化施設を整備いたしまして、自動車から排出される窒素酸化物や浮遊粒子状物質の除去実験を行っており、実験終了後も同施設を引き続き稼働し、沿道周辺の環境改善に努めているところでございます。
 光触媒による大気汚染浄化につきましては、実験結果によりますと、光触媒単独による沿道環境改善効果は大きく期待できないとなっております。したがいまして、光触媒を切り通しのがけに塗布することは、現段階では効果が未確定のため、設置する考えはございません。
 それから、シェルター設置の陳情箇所におきましては、バス停の利用、民地や商店への車の乗り入れなど、車道と歩道が一体的に利用されているため、それを分断するシェルターを設置する考えはございません。
 今後とも、板橋区大和町交差点などにおきます実験結果や大気汚染物質除去技術の開発動向を踏まえ、国や地元区と十分に連携して、当交差点付近の局地汚染対策について、引き続き取り組んでまいります。
 なお、松原橋自動車排出ガス測定局の浮遊粒子状物質の年平均濃度は、平成十五年十月から開始しておりますディーゼル車規制の効果によりまして、確実に改善されております。
 以上でございます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○伊藤委員 私は、この陳情箇所に近い品川区に住んでおります。地元として、松原橋交差点周辺の大気汚染状況が、常に全国のワースト一位、二位になっていることが、地元でも大きな問題、また課題となっていると感じております。
 そこで、何点か確認の意味も含めて質問させていただきます。
 まず初めに、松原橋交差点における大気汚染の現在の状況について伺います。

○米田道路保全担当部長 環境省が平成十七年十二月に発表いたしました平成十六年度大気汚染状況についてによりますと、松原橋交差点に隣接いたします自動車排出ガス測定局の二酸化窒素濃度は〇・〇八三ppmで、浮遊粒子状物質濃度は、一立方メートル当たり〇・一〇七ミリグラムでございました。
 また、今月四日に東京都環境局が発表いたしました平成十七年度大気汚染状況の測定結果についてによりますと、二酸化窒素濃度は〇・〇七九ppmでございました。
 一方、浮遊粒子状物質濃度は、一立方メートル当たり〇・〇九三ミリグラムとなりまして、初めて環境基準を下回っております。

○伊藤委員 これまで、松原橋交差点の大気浄化実験施設では、土壌を用いた大気浄化施設による実験を行ってきたというふうにございましたけれども、その実験の結果、松原橋交差点の環境改善にどのような効果があったのか、伺います。

○米田道路保全担当部長 自動車排出ガス等を大気浄化施設で浄化する前と後で比べますと、一定の除去能力があることが確認できております。
 ただし、交差点周辺の大気環境の改善効果につきましては、施設の運転時と停止時に明確な差は見られず、沿道の大気汚染濃度の改善効果については確認できませんでした。

○伊藤委員 先ほど冒頭の担当部長の状況説明によりますと、実験終了後も、大田区からの要望にこたえて、引き続き大気浄化施設を稼働して改善に努めているということでありましたけれども、今の答弁の中で、大気浄化施設そのものは除去能力はあるけれども、周辺の環境改善までには及ばないということだと理解しました。
 であるならば、さらなる環境改善対策が必要であると考えますけれども、都は、今後どのような取り組みを行っていくのか、伺います。

○米田道路保全担当部長 東京の大気環境の改善を図りますためには、道路ネットワークの整備による走行速度の向上や、排出ガス規制などの取り組みを進めることが必要であると考えております。
 松原橋交差点につきましては、大気浄化施設の運転を継続いたしますとともに、今後は、板橋区大和町など他の交差点における大気浄化実験の結果や、大気汚染物質を除去する技術の開発動向を踏まえ、複合的な沿道の環境改善につきまして、国や地元区と連携しながら取り組んでまいります。

○伊藤委員 道路ネットワークの整備による交通流の改善や、ディーゼル車規制などの効果によって、東京の大気の環境は確実に改善されつつあることは理解します。
 一方で、松原橋交差点などのように、局地的な大気汚染対策も重要であると考えます。
 ただいまの答弁にあったように、都は国や地元の大田区など関係機関と知恵を出し合い、さまざまな工夫を凝らして、新しい技術の開発や複合的な大気汚染の改善対策に積極的に取り組んでいただきたいと要望して、質問を終わります。--申しわけありません、続いて質問させていただきます。
 ところで、都市道路基盤を整備していくことは不可欠であります。しかし、道路の環境に与える影響は、大気だけではないと考えます。騒音や振動といった、道路沿線の住民の方々からの不安の声も届いております。
 そこで、何点か伺います。
 環状八号線については、五十年にわたっての念願であった全線開通が、本年十八年五月に実現をしましたけれども、全線開通後の環状八号線の整備効果について、現時点で局の方でわかっていることを伺います。

○林道路建設部長 杉並区四面道交差点から北区岩淵町まで、従前は環七通り経由でも笹目通り経由でも、六十五分から七十分程度要しておりました。今回の環八全線の開通によりまして、三十分程度で通過できるようになっております。
 また、環状方向の交通が分散され、環七通りでは一八%程度、笹目通りでは一三%程度交通量が減少し、渋滞緩和に寄与していると受けとめております。

○伊藤委員 板橋区、また練馬区内での事前想定では、規制速度が五十キロとなっていたようでございますけれども、開通後、規制速度が六十キロと、異なっております。速度十キロの差については、地元の住民の方から不安の声が届いておりますけれども、この点について都はどのように考え、対応していくのか、伺います。

○林道路建設部長 アセスの事前予測における設定速度は、今回開通した環状八号線周辺の国道一七号、国道二五四号及び環状八号線平和台付近の規制速度が毎時五十キロメートルであったことから、毎時五十キロメートルと設定しておりました。
 交通開放に当たって、実際の規制速度は毎時六十キロメートルとなり、事前想定の五十キロとは異なっておりますが、その影響につきましては、アセス手続の中で定める事後調査計画書に基づき行う事後調査で検証を行います。

○伊藤委員 事前予測時の設定速度と異なる状況の中、環境影響評価に基づいて、事後調査はいつ、どのような調査項目で行うのか、伺います。

○林道路建設部長 事後調査につきましては、事後調査計画書に基づき三回実施をいたします。時期といたしましては、本線開通から半年後の本年十一月、側道開放後の平成二十一年度、さらに区部における都市計画道路の整備方針に定められた、第三次事業化計画終了直後の平成二十八年度を予定しております。
 調査項目は、大気質、騒音、振動及び低周波空気振動などでございます。このうち、大気測定につきましては、春夏秋冬の四シーズンごとに測定を行うことから、交通開放後の本年八月に測定を始めております。

○伊藤委員 昨年の十一月二十九日に行われました本委員会で、私は、遮音壁の設置などの対策について伺いましたけれども、今後行われる事後調査で、住民が心配をしている基準値を超えた場合はどのような対応をとるのか、伺います。

○林道路建設部長 事後調査結果が予測と著しく異なった場合には、環状八号線整備事業との関連を明らかにして、本事業が環境に著しい影響を与えているときには、環境の保全のため適切に対応を行ってまいります。

○伊藤委員 事後調査の結果、予測と著しく異なった場合には、地域住民の方々の意見、また要望をよく聞いて、適切に対策を講じていただきたいと要望して、質問を終わります。

○河野委員 松原橋交差点の大気汚染の深刻さは、繰り返し都議会で取り上げられてきています。
 今回、陳情が都議会に出されたのは、大気汚染がなかなか改善されないという中で、住民の皆さんの切実な思いの反映と考えます。
 平成十年にも都議会に陳情が出されて、このときは趣旨採択になっております。当時、審議した委員会は都市・環境委員会でありましたけれど、担当部長は、平成十二年には二酸化窒素などの環境基準が都内全域で改善されるよう目指していると答弁しております。
 しかし、去る九月四日発表された環境局の測定結果では、二酸化窒素は、都内の自動車排ガス測定局全部で達成できておりません。もちろん松原橋もそうです。
 特に、松原橋交差点の大気汚染の状況は、この数年を見ても厳しい状況と思いますけれど、先ほど、十六年度と十七年度、二年度にわたってのご報告がありましたけれど、この数年間の推移、再度私の方でもお伺いしておきたいと思いますので、ご答弁をお願いいたします。

○米田道路保全担当部長 松原橋交差点付近の大気汚染の状況、この三年についてご説明させていただきたいと思います。 
 東京都環境局が発表しております大気汚染状況の測定結果によりますと、二酸化窒素濃度は、平成十五年度が〇・〇七八、十六年度が〇・〇八三ppm、十七年度が〇・〇七九ppmとなっております。
 また、一立方メートル当たりの浮遊粒子状物質濃度は、平成十五年度が〇・一二九ミリグラム、十六年度が〇・一〇七ミリグラム、十七年度が〇・〇九三ミリグラムとなっております。

○河野委員 ずっと、特に二酸化窒素は環境基準値をなかなかクリアできない、平成十二年に東京都が自排局でもすべて都内でクリアできるといってきた中で、実現がこんなにかけ離れているわけなんですけれど、こういう状況が続いている現状については、どういうご認識をお持ちでしょうか。

○米田道路保全担当部長 松原橋周辺の三カ年の大気汚染の状況でございますけれども、二酸化窒素濃度はほぼ横ばいでございます。浮遊粒子状物質濃度は徐々に測定値が下がりまして、平成十七年度は環境基準の〇・一ミリグラムを下回るということで、改善されてきているというふうに認識しております。

○河野委員 二酸化窒素が横ばいということで、いい方向で横ばいならいいのですけれども、大きく〇・〇六ppmを超えた状態での横ばいというのは、やはり横ばいといっていていいのかどうかと思いますし、SPMについても〇・〇九三ミリグラムですか、〇・一ミリグラムが環境基準値ですから、達成したといっても本当にわずかの差で達成しているわけですね。この点は、やはり私は、もう少し厳しい視点でこの問題をとらえていただかなくてはいけないのではないかと思っています。
 私も、先日、現地に行ってまいりました。環七からループ状になって第二京浜国道に上がっていきますね。そこのところに、先ほどお話があった土壌による大気浄化装置が設置されていました。この大気浄化装置が効果が上がっているということは、お会いした地域の方も認めておりまして、その設置された場所の近くはNO2の濃度が下がっているということで、確かに私たちに地元の方の測定結果も送っていただきましたけれど、これを見ると、浄化装置のところは一定濃度が下がって、〇・〇六ppmより低いという状態があらわれているので、これはこれとして、効果のある対策を講じられたのかなというふうに、私は読み取っています。
 住民の方々の何とかしてほしいという要望を受けて、改善に向けての都としての努力があったということは確かだなというふうに感じているところです。
 しかし、いまだに環境基準値を大幅にオーバーしている、住民の皆さんの測定では〇・一ppmを超えている、〇・一二とか一三とかという地点が、この松原橋交差点の周辺に広域に広がっているということは、大変なことではないかと思います。これを、何とか対策を急ぐ必要があると、強く感じて帰ってきたところなんですけれども、松原橋交差点でつけられた浄化装置は効果が上がっているということですけれども、この大変な大気汚染を抱えている交差点というのは、松原橋以外にも都内にあると思うのですね。そういうところではどういう対策が講じられているのか、教えていただきたいと思います。

○米田道路保全担当部長 板橋区大和町交差点におきましては、国、都及び首都高が協力いたしまして、オープンスペースの整備や大型換気施設、土壌を用いた大気浄化施設の設置を行っております。
 また、目黒区大坂橋交差点におきましては、土壌を用いない機械式脱硝装置を設置しております。

○河野委員 私がこの松原橋の交差点のあたりを歩いていたときにお会いした方が話をしてくれたのですが、この方はお孫さんがぜんそくにかかっている、そして、自分のお孫さんの友だちもぜんそくにかかっている子が何人もいるということで、子どもたちの健康がとても心配だということを話しておられました。
 この交差点は、環七と第二京浜が二層で交差して、そして環七が上り下りのこういう坂道になっていますから、交差点全体がすり鉢状になっていて、風も逃げ道がないという特別な地形だということを、私は行ってみてよくわかったのです。
 NO2は空気より重いですから、交差点の周辺にたまりやすくて、大気汚染がより深刻になっているということなんだと思うのですが、あわせて、車の走行音も大変すさまじい一つだというのも、私、江戸川に住んでおりまして、環七もあります、湾岸道路もあります、京葉道路もあります、そういう大型の国道なんかが通っている江戸川区に住んでいる身としては、あそこへ行ってみて、余りの違いに大変びっくりしたというのも、率直に今、申し上げておきたいと思います。
 こういう地域に住んでおられる皆さんは、毎日毎日がこの環境の中で生活しているわけですから、健康被害が出てくるのも、いわば当然だというふうに感じています。
 陳情者の方々は、何とか改善策をということで陳情された部分の、石垣のところに光触媒を使った空気の浄化を提案されております。光触媒による大気浄化の仕組みについて、先ほどなかなか効果がないということだったのですが、具体的にその効果が余り見られないという根拠について、お示しをいただきたいと思います。

○米田道路保全担当部長 今、光触媒の仕組みというお話がございましたのでご説明いたしますと、紫外線が当たりますと、光触媒が大気中の酸素や水から活性酸素を生成いたします。この活性酸素が窒素酸化物を順次酸化させまして、硝酸カルシウムとして光触媒の表面に保持されるというものでございます。
 その結果でございますけれども、平成十三年一月に行いました実験結果によりますと、一日当たり二酸化窒素除去量でございますが、一平方メートル当たり〇・〇〇二九グラムから〇・〇二一五グラムでございまして、限られた効果しかないという状況でございます。
 こうした現状から、光触媒による沿道環境の改善効果は、大きくは期待できないというふうに考えております。

○河野委員 光触媒についてはそういうデータもあるということなんですが、もう一つ伺います。
 この切り通し、石垣が何メートルか高く両側にあるのですけれども、この石垣の下の部分に、小さなブロックで囲まれた花壇状のものが設置されています。東京都がつくられたのだと思うのですけれど、ここに土があるわけですから、木とか植えれば伸びていって、緑化が可能なつくりになっているというふうに思います。
 石垣の緑化に向けて植樹をしたり、ツタをはわせるなどの方法で、大気汚染改善に向けての方法を試みることも検討に値するのではないかと思って帰ってきたのですが、こういう点はいかがなんでしょうか。

○米田道路保全担当部長 ツタなどの植栽によります大気の浄化作用につきましては、植物の種類や季節などにもよりまして異なりますので、一般には、効果を定量的に示すことは難しいというふうに考えております。
 したがいまして、切り通しのがけの部分に植栽することは考えておりません。

○河野委員 伺っていると、光触媒も効果がわからない、緑も効果がわからない、シェルターも、先ほどのご説明では難しいよと、そうすると、ここの人たちは一体どうすればいいんでしょうと、私は率直に思います。
 二〇〇〇年の七月六日の本会議で、石原知事は、松原橋交差点の大気汚染対策を求めた我が党のかち議員の質問に対して、光触媒や土壌浄化装置の設置で個別の大気汚染対策などにより対応すると答弁されております。
 きょうのご答弁を伺っていますと、いろいろなものが、もう効果が未確定でだめだよ、だからやらないというような感じなんですけれども、これだけひどい大気汚染地域に対策を講じることは検討されないんでしょうか。
 全国的に見ても、本当に資料をとってみますとワースト五に、ひどいときはワースト一位ですね。平成十六年度なんかは全国的に見てもNO2の測定濃度、基準値をオーバーしてそういう状態にある中で、ワーストワンになっているような年もある中で、この場所に改善策を講じることは、道路管理者としての建設局の責務ともいえるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○米田道路保全担当部長 東京の大気環境の改善を図りますためには、道路ネットワークの整備による走行速度の向上、排ガス規制などの取り組みを進めることが必要であると考えております。
 松原橋交差点などの局地汚染対策につきましては、今後、これまでの実験結果や、大気汚染物質を除去する技術の開発動向を踏まえまして、国や地元区と十分に連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○河野委員 それでは、意見を述べさせていただきます。
 先ほども今も、そういう国や関係機関と協力してということで、決意はおありになるようなので、その決意を早い時期に実施に移していただくようなご努力を求めておきたいと思います。
 東京都の環境確保条例では、その五十一条で、道路管理者とその他の関係者の協力義務を規定しております。道路管理者の建設局は、他の局や国などと連携して、条例の精神に沿った環境改善のための対策を積極的に講じていくべきと思います。
 陳情の願意に賛成であることを申し上げて、質問を終わります。

○大西委員 今、光触媒というものの、断片的にいろいろ聞いてはいるのですけれども、それが本当にどのように環境に効果があるものなのかということを、先ほどの答弁を聞いておりますと、特に二酸化窒素の除去には効果があるというふうにとらえていいのか、そしてまた、光触媒はいろいろなところで取り組みが進んでいるのか、そういう現状。
 そして、東京都内で、光触媒を使った、そういう実験とかをやっている事例があるのか、教えてください。

○米田道路保全担当部長 光触媒はNO2の除去に効果があるのかということでございますけれども、いろいろなところで実験を何カ所かやっておりますけれども、それはNO2を除去するということを目的に実験をいたしております。
 ただ、例えば板橋区の泉町の交差点でパネルで実験いたしましたときには、別の近くの交差点のNO2を、その地域の一割をとるためには、一キロの道路に〇・四平方キロから二・八平方キロ、ですから、一キロの道路に四百メーターから二・八キロのパネルを立てないと、その一割の量はとれないという、そういう結果になっております。
 ほかのところの実例でございますけれども、都内におきましては、建設省などで行いました実例がございます。

○大西委員 東京都独自ではやってはいないということですね。

○米田道路保全担当部長 東京都では実施しておりません。

○大西委員 先ほど、ここのところの大気汚染の改善状況というのを聞きましたけれども、いただいた中には平成十一年度から十六年度まで、そして今の答弁で十七年度を見ていますと、やはり二酸化窒素は改善されたとはいえ、十一年から十六年まで一位から四位を占めてますし、それから十六年が〇・〇八三で一位、そして十七年度〇・〇七九で、これは前の〇・〇七八が二位なので、それにしてもやはりワーストスリーの中に入っている、こういう状況が変わらない中で、本当にいろいろな知恵を出し合いましょうと、さっきも出ましたけれども、これは市民からの素直な、こういう改善がいいんじゃないかという陳情なんだと思うのですよね。
 そういう意味で、できることならばやはりそういう知恵を、実験しただけじゃなくて、本当にこういうちょうどいい、格好の場所があるわけだから、やってみるべきじゃないかというふうに素直に考えてしまうのですけれども、光触媒を切り通しのがけに設置した場合の費用について伺います。

○米田道路保全担当部長 松原橋交差点周辺には、切り通しのがけが四カ所ございます。その総面積は約一千平方メートルでございます。このすべてのがけに光触媒を塗布した場合にかかります費用は、おおむね一千五百万円でございます。
 さらに、光触媒を良好な状態に保つためには、別途、維持管理費用が必要でございます。

○大西委員 一千五百万が高いのか安いのかということになるのだと思いますし、それがいつまで効果があるのかと、常に東京都が事業を行う場合は費用対効果ということが問われるのだと思いますけれども、じゃあ、すべての東京都の事業が費用対効果でかなっているかというと、どうかということもいっぱいありますよね。
 そういう点、こういう市民からの提案で、一千五百万が私は高いとは考えないのですけれども、やはり長年この場所で、そういうものの中にいるわけですから、知恵を出し合いましょう、東京都と区の連携、そして国との連携というのじゃなくて、市民もあわせて知恵を出し合った一つの提案ですから、一千五百万でぜひこれをやってみて、ちゃんとしたデータなり何なりをつかんで、そして対策をやっていくということは、必ずしもむだではないんじゃないかと思っております。
 そういう意味で、ここはやはり別格な場所ですので、ぜひ都で取り組んでもいいかなと思うのです。じゃあ、もしこれがだめであれば、先ほど、何をやりますかというと、今後とも交差点などにおいて実験結果やという、この実験結果の何をやるのか、ちょっと具体的に--実験結果や大気汚染物質除去技術の開発動向を踏まえ、国と地元区と十分に連携して、当交差点付近の局地汚染対策について引き続き取り組んでいく、この中の具体的な、一番効果のあるものというのは何だと考えていらっしゃいますか。

○米田道路保全担当部長 さまざまな箇所でいろいろな実験をしておりまして、今時点でどれが決定的な技術であるというふうな状況にはございません。

○大西委員 いえないならば、やはりこれも一つの提案だと思っておりますので、複合的にあれするためにもぜひやってみたらどうかということで、私は、この陳情、非常に気持ちがわかります、長年この中で苦しんできた、自分たちの考えられる中でこれはどうかという提案ですので、それを大切にした取り組みが行政としても求められている時代じゃないかということで、私はこれを趣旨採択にしたいと思っています。

○ともとし委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○ともとし委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第四八号の二は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係は終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することといたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十三分散会

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