環境・建設委員会速記録第四号

平成十八年三月二十日(月曜日)
第九委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長ともとし春久君
副委員長林田  武君
副委員長大津 浩子君
理事大西由紀子君
理事西岡真一郎君
理事近藤やよい君
伊藤 興一君
原田  大君
河野百合恵君
石森たかゆき君
くまき美奈子君
東野 秀平君
こいそ 明君
吉野 利明君

 欠席委員 なし

 出席説明員
建設局局長岩永  勉君
次長浅倉 義信君
道路監柿堺  至君
総務部長矢口 貴行君
用地部長藤井 芳弘君
道路管理部長石渡 秀雄君
道路建設部長道家 孝行君
公園緑地部長内海 正彰君
河川部長野村 孝雄君
企画担当部長林 健一郎君
道路保全担当部長阿部  博君
道路計画担当部長桐越  信君
参事小田 昭治君
参事伊藤 精美君

本日の会議に付した事件
 建設局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為建設局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百五号議案   東京都霊園条例の一部を改正する条例
・第百六号議案   東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
・第百七号議案   東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
・第百八号議案   砂利採取法に基づき河川管理者が行う事務に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十八号議案 首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
・第百三十号議案  平成十八年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について

○ともとし委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分及び第百五号議案から第百八号議案まで並びに第百二十八号議案、第百三十号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○矢口総務部長 去る二月二十一日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十四件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。骨格幹線・地域幹線道路の整備費の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路の主要路線と地域幹線道路につきまして、平成十四年度から平成十八年度までの整備費の推移をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。首都高速道路関連街路整備の推移と今後の計画でございます。
 この表は、首都高速道路関連街路につきまして、平成十年度から平成十八年度までの事業費と平成十九年度以降の事業中路線の残事業費をあらわしたものでございます。
 三ページをお開き願います。区部都市計画道路の整備方針による事業認可取得路線でございます。
 この表は、区部都市計画道路の第三次事業化計画に基づき事業認可を取得した九路線につきまして、箇所、延長、事業認可日を路線別にあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。中央環状品川線建設における首都高速道路株式会社、国、都との負担割合と今後のスケジュールでございます。
 1の表は、中央環状品川線の概算事業費につきまして、有料道路事業と街路事業のそれぞれの事業費をあらわしたものでございます。2の表は、今後のスケジュールをあらわしたものでございます。
 引き続きまして、五ページをお開き願います。総合物流ビジョンに基づく橋の耐荷力向上計画でございます。
 この表は、本年二月に公表されました総合物流ビジョンに基づき実施しております橋の耐荷力向上事業につきまして、規模、事業費及び橋の名を平成十八年度と平成十九年度以降に分けてあらわしたものでございます。
 六ページをお開き願います。平成十七年度の集中豪雨による被害でございます。
 この表は、昨年の八月十五日と九月四日の集中豪雨による被害状況につきまして、床下、床上浸水のそれぞれの被害棟数をあらわしてございます。
 七ページをお開き願います。中小河川の整備状況でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十四年度から平成十八年度までの整備延長、事業費、主な事業をあらわしたものでございます。
 続きまして、八ページをお開き願います。河川敷地占用の条例単価でございます。
 この表は、占用種別と河川区域の別に、改定前の平成十六年度の単価と改定後の平成十八年度の単価をあらわしたものでございます。
 なお、占用種別は、居住者用の橋や道路など占用目的に応じて九種類に分類し、また、河川区域は、区部を三区域、多摩部を市と町村の二区域に分類したものでございます。
 九ページをお開き願います。都市公園の整備費、維持管理費及び用地の取得状況の推移でございます。
 この表は、都市公園につきまして、平成九年度から平成十八年度までの整備費と維持管理費及び用地の取得状況の規模と金額をあらわしたものでございます。
 一〇ページをお開き願います。有料公園等の利用状況の推移でございます。
 この表は、有料公園や動物園など十五の施設につきまして、平成十四年度から平成十六年度までの入場者数と入場料収入をあらわしたものでございます。
 一一ページをお開き願います。霊園、葬儀所及び火葬場の利用状況でございます。
 1の表は、八霊園につきまして、開設年月日、総面積、使用者数及び埋葬体数を霊園ごとにあらわしたものでございます。2の表は、葬儀所につきまして、開設年月日、敷地面積、建物面積及び利用実績を葬儀所ごとにあらわしたものでございます。
 一二ページをお開き願います。建設局の事業別予算・決算額の推移でございます。
 この表は、骨格幹線道路など表頭に記載しました建設局の主な事業につきまして、平成九年度から平成十六年度までの予算額と決算額並びに平成十七年度及び平成十八年度の予算額をあらわしたものでございます。
 一三ページをお開き願います。直轄事業負担金の推移でございます。
 この表は、直轄事業負担金につきまして、平成九年度から平成十八年度までの負担額と主な事業箇所をあらわしたものでございます。
 一四ページをお開き願います。建設局関係工事の中小企業への発注実績でございます。
 この表は、建設局の発注した工事につきまして、平成八年度から平成十七年度までの件数と金額を中小企業と大企業別にあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本案に対する質疑を行います。
 質疑を行う前に、委員長として申し上げておきます。
 質問者並びに答弁者は、要点を簡潔に質問並びに答弁という形でお願いしたいと思います。並びに、質問者に対しては、さきの人が同様の質問、同様の答弁をいただいたものについてはご遠慮いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○吉野委員 私は、予特の代表質疑をやらせていただいたのですが、盛り込めなかった課題がありますので、一点だけお伺いをさせていただきたいと思います。首都高の事業許可に伴う同意申請について伺わせていただきます。
 首都高の民営化は、道路関係四公団改革の一環として、小泉内閣が、民間でできることは民間にとのスローガンのもとに進めてまいりました。この改革は、戦後の有料道路制度の抜本的な改革に取り組んだ画期的なものであるというふうに考えております。
 首都高速道路は、首都圏の安全で円滑な交通を支える大動脈でありまして、今回の事業許可の同意申請は、今後首都高が事業をどのように行っていくのかにかかわる大変大事なものであるというふうに思っております。こうした認識のもとに、事業許可の同意申請について何点かお伺いをいたします。
 まず、首都高速道路公団は、昨年の十月に民営化をされまして、首都高速道路株式会社となり、同時に、日本高速道路保有・債務返済機構が設立されてきたところであります。今回の同意申請を審議するに当たり、それぞれの役割分担がどうなっているのかをしっかりと整理して押さえておく必要があるというふうに思います。
 また、新会社は既に民間企業として事業を実施しているところでありますけれども、法手続としては、これから国土交通大臣への事業許可申請を行うことになっているというふうに聞いております。
 そこで、基本的な確認として、新会社と機構の役割及び首都高の民営化の手続、これが今後どのようになっていくのか、お伺いをいたします。

○石渡道路管理部長 最初に、会社と機構の役割についてでございますが、首都高速道路公団は昨年十月から民営化され、首都高速道路株式会社に移行いたしました。その役割は、高速道路の建設、管理、料金徴収などでございます。一方、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が新たに設置され、役割は、高速道路資産の保有、債務の返済などでございます。
 次に、手続でございますが、道路関係四公団民営化関係四法により、昨年十月の民営化から六カ月間は暫定期間とされており、会社は、国土交通大臣が定める暫定協定に基づき、供用中、建設中の路線を公団から承継し、事業を実施しておるところでございます。
 暫定期間後の平成十八年四月以降行う会社の事業につきましては、会社が機構と本協定を締結し、新規路線などを含めた事業許可を国交大臣から受けなければなりません。この許可に際しましては、あらかじめ関係自治体の同意と地方議会の議決が必要となります。

○吉野委員 ただいまご答弁をいただきましたので、首都高民営化の内容、手続については確認をできました。
 首都高の事業許可の同意申請を審議するに当たっては、そもそも首都高速道路公団を何のために民営化することになったのか、ここら辺が重要だというふうに思います。そこで、改めて、首都高民営化の目的は何なのか、確認をさせていただきたいと思います。

○石渡道路管理部長 首都高民営化は、平成十五年十二月の政府・与党申し合わせによる日本道路公団など道路関係四公団の民営化の一環でございます。その目的は、民間にできることは民間にゆだねるとの基本原則に基づき、第一に、債務を一定期間内に確実に返済すること。第二に、真に必要な道路を早期に、かつできるだけ少ない国民負担のもとで建設すること。第三に、民間のノウハウの発揮により弾力的な料金設定や多様なサービス提供を行うことでございます。

○吉野委員 ただいま民営化の目的として三つのことについて挙げられましたけれども、その中で、真に必要な道路を早期に建設するということは極めて重要であるというふうに思います。
 首都高速道路にとって真に必要な道路としては、中央環状品川線があります。我が党は、品川線が完成することにより中央環状線が全線開通し、東京の都市再生にはかり知れない効果を発揮するというふうにかねてから主張してまいりました。しかしながら、品川線は、旧首都高速道路公団の基本計画に定められておらず、建設するには国土交通大臣の路線指定が必要であったというふうに伺っております。このため、都は、知事の英断によりまして、品川線を有料道路事業に先駆けて今年度から街路事業としての整備に着手をしてきたということでございますけれども、今回の同意申請におきましては、新設路線として品川線を建設することになっておりますけれども、いつ、どのような法手続で新会社が品川線を建設できることになったのか、このことについてお伺いをいたします。

○石渡道路管理部長 旧首都高速道路公団の基本計画に定められております新宿線など建設中の路線につきましては、本年三月までの暫定期間中は、日本道路公団等民営化関係法施行法により、会社の事業範囲として指定があったものとみなされております。一方、品川線につきましては、基本計画に定められていなかったため、新規に国土交通大臣の指定が必要であり、昨年の十二月に高速道路株式会社法に基づき新たに指定されたものでございます。

○吉野委員 従来の公団の基本計画では定められていなかった品川線について、今回の事業許可に当たり、正式に指定され、整備されることが確実になったことは重要でありまして、高く評価するものであります。実際に、今回の民営化に当たり、基本計画にない高速道路を建設することになった例はないというふうに聞いております。品川線の早期整備のために、都の街路事業を先行して実施するという局の判断と知事の英断が国を動かし、実を結んだものであるというふうに考えております。
 さて、次に料金についてお伺いいたします。
 今回の事業許可におきましては、首都高速道路の料金は、平成十九年度までは走行距離にかかわらず同一料金圏においては同一の料金とする均一料金制を採用しておりまして、東京圏は七百円、ETCを使うと安くなる場面もあるようですけれども、基本的に七百円となっております。二十年度以降は、短距離利用者と中長距離利用者との間の不公平感を是正するため、対距離料金制の導入が予定をされております。
 そこで、平成二十年度に予定されている首都高の対距離料金制の導入により、中央道の八王子から新宿の区間の料金はどうなるのか。これは、三多摩格差という意味では、電話番号の〇三化とこの中央道の料金が象徴的に挙げられておりまして、私も、新宿から乗って高井戸でおりれば七百円だけれども、調布でおりるとさらに六百円取られるという大変な格差を体験しているところでありますけれども、この二つのケースについてお伺いをしたいと思います。一つは、現在の中央道の八王子から高井戸の均一料金六百円に変更がない場合、もう一つは、中央高速道路の他の区間と同様に対距離料金に変更される場合で、おのおの料金がどうなるのか、伺います。

○石渡道路管理部長 今回の同意申請では、二十年度から対距離料金制を導入することとしており、仮に同意申請書に記載された料金の額で単純に試算いたしますと、例えば八王子-新宿間は現在千三百円でございますが、中央高速道路の八王子-高井戸間の均一料金六百円に変更のない場合には、千四十円となります。また、八王子-高井戸間の均一料金が中央道の対距離料金に変更になった場合には、千三百九十円となります。

○吉野委員 今答弁にありましたように、八王子-高井戸間の均一料金が対距離料金に変更になった場合は、八王子-新宿間は千三百九十円となり、現在よりもさらに高くなってしまいます。その原因の一つとして、対距離料金制が基本料金と利用距離に応じた可変額の合計額で料金が計算されることから、短距離区間において基本料金の二重取りという問題が生じてまいります。二十年から対距離料金制が導入されますと、東名道や東北道から首都高に乗り継ぐ場合においても同じ問題が生じてくるというふうに思います。しかし、東日本高速道路株式会社から中日本高速道路株式会社へ乗り継ぐ場合などは、旧日本道路公団系の三社の間におきましては、一つの会社で一度支払えば、あとの会社では基本料金を支払う必要はないということになっております。
 そこで、平成二十年度に対距離料金制を導入するに当たり、各会社から首都高へ乗り継ぐ場合の基本料金を割引するべきであるというふうに考えますけれども、所見をお伺いいたします。

○石渡道路管理部長 会社は、二十年度の対距離料金制の導入に当たりましては、社会経済の状況、ETCの普及状況、社会実験の結果等を勘案し、長距離利用者の負担軽減の措置の導入など料金設定について改めて検討し、見直しを行うこととしております。この見直しに際しましては、有料道路ネットワークの有効活用の観点から、各会社の接続にかかわる割引について、採算性等を考慮の上、国土交通省と協議しながら、他の高速道路株式会社と検討を行っていくものと聞いております。
 都といたしましては、基本料金の割引について、利用者等の視点に立った適切な見直しが行われるよう、国及び会社に働きかけてまいります。なお、このことにつきましては、国交省も課題として認識しております。

○吉野委員 首都高の料金につきまして、利用者としての都民の視点に立った見直しを行うということは大変重要でありますので、都としての働きかけをぜひこれからもお願いをしたいと思います。
 それでは、今回の議会に提案されている首都高速道路事業の同意申請について、都としてのご見解をお伺いいたします。

○石渡道路管理部長 今回同意申請された事業区間の内容につきましては、首都高速道路の路線につきましては、品川線等新設路線が確実に整備され、首都圏全体の高速道路ネットワーク機能が向上すること。また、新設、改築にかかわる工事の内容につきましては、工事費等のコスト削減が図られるなど、適切なものになっていること。さらに、料金につきましては、二十年度以降は対距離料金制が導入され、短距離利用者と中長距離利用者との間の不公平感の是正が図られることなどから、適切であり、都の意向が十分反映されたものと考えております。

○吉野委員 ただいま都の意向が十分に反映されたものという答弁がありましたけれども、我が党といたしましては、今回の事業許可の内容については、品川線が整備されることなど、かねてからの主張に沿う内容であるので、同意すべきものと考えております。今後とも、首都高速道路株式会社が民間企業としての創意と工夫によって都民サービスの一層の向上を図っていただけますよう、都として働きかけることを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○大津委員 三月になりまして、都内でももう桜の咲いているところもありますが、この年度末、本年も平成十七年度の年度末、三月を迎えまして、こういう時期にはなぜだか、路上工事によります交通渋滞でいらいらしている声が毎年のように聞こえてまいります。
 ちょうど一年前の三月、平成十七年の第一回定例会で、一般質問で私は、路上工事、例えば電気工事、ガス工事、水道工事、どうしてもばらばらとやりがちなので、そうすると、いつも年がら年じゅう道路が工事で渋滞をするという現象が起きますので、これらの工事をもっとまとめるようにしてほしいですとか、渋滞対策についての質問をさせていただきました。そして、回答としましては、渋滞対策のさらなる充実に取り組んでいくとの答弁をいただきました。きょうは、その後の状況や成果などについて質問したいと存じますし、また、新たに都が取り組んだ路上工事、交通渋滞対策などを伺います。

○石渡道路管理部長 都は、工事渋滞を緩和し円滑な交通を確保するため、道路管理者、交通管理者及び電気、ガス、水道など占用企業者で構成する東京都道路工事調整協議会で、区部の都道、国道における工事件数の縮減と平準化に取り組んでおります。協議会では、路上工事を効率的に行わせるため、工事の実施時期や施行方法の調整を図るとともに、年末や年度末工事の抑制などを実施してきております。ちなみに、平成十七年度に実施した年末工事の抑制では、都道、国道において年末の交通量がふえる抑制期間中に予定されていた千二百四十四件の路上工事を四十八件に抑制しております。

○大津委員 それなりの取り組みをされていることはわかりましたけれども、やはり年度末の消化工事ではないかとか、さまざまな不満の声や批判の声も私ども議員のところには届く次第なんですが、このことに関してはどのようにお考えなのか、お考えをお聞かせください。

○石渡道路管理部長 路上で行われている電気、電話、ガス、水道などのライフラインの供給工事や、道路や地下鉄などインフラ整備工事は、都民生活にとって必要不可欠なものであります。都といたしましては、これらの工事が社会生活に影響を及ぼさないよう、協議会の場を通じまして、可能な限り工期の短縮や年間を通した工事件数の平準化に取り組んでおりますが、都民の不満の声があることも承知しております。このため、ホームページに工事情報を掲載するなど、都民への情報提供に努めているところでございます。

○ともとし委員長 ちょっと待ってくれますか。
 今、傍聴の人数が、あらかじめ決められた人数よりふえた傍聴者が見えておりますけれども、傍聴席をふやすことについてご同意いただけますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 では、同意をいただいたということにいたしまして、傍聴席をふやしますので、よろしくお願いいたします。

○大津委員 では、続けさせていただきます。
 それなりの路上工事への取り組みを、もっと目に見える具体的な形でお知らせする必要もあるかと思うのですが、私どもが全区民に、全都民に伝達することは不可能なので、先ほど、関係者によります協議会がございますけれども、協議会で渋滞対策に取り組んでいらっしゃるということですが、協議会で現在取り組んでいる具体的な内容について伺います。

○石渡道路管理部長 協議会では、平成十五年十二月に、路上工事による渋滞緩和を目的といたしまして、東京都区部路上工事縮減五カ年計画を作成いたしました。現在、この計画に基づき工期の短縮や工事方法の工夫などに努め、路上工事時間の縮減に取り組んでおります。

○大津委員 私の地元は渋谷区ですが、路上渋滞は東京都全体に及ぶことではありますが、渋谷区では今、山手通りは首都高速道路の工事中、そして明治通りは地下鉄十三号線ということで、池袋から掘ってきまして、今、原宿を通過して渋谷駅に向かっておりますが、そんなこんなで道路工事、地下鉄工事が続いております。一方、非常に高層建築物、マンションも渋谷区内は多いのですが、マンション建設に伴いまして、電気、ガス、水道工事、これもしょっちゅう行われているわけです。都民感情としましては、都の渋滞対策の成果が日常生活の中で実感できにくいというところが正直な現状なんですが、そこで、五カ年計画の具体的な成果についてお伺いをいたします。

○石渡道路管理部長 この計画では、平成十九年度までに区部の都道及び国道での路上工事時間を、平成十四年度に比べて二割縮減することを目標にしております。平成十六年度におきましては、十四年度に比較して路上工事を約二一%縮減し、この目標は既に達成しております。平成十七年度も、引き続きこの水準を維持できる見込みでございます。

○大津委員 つまり、十九年度までの五カ年プランを前倒しで達成できたということだと思います。十六年度において約二割縮減をしたということで、また平成十七年度も、今月末ですが、同水準が維持できるという見込みで、それらの結果に対してはとても成果のあることでありますが、それに満足することなく、これからも取り組みを続けていっていただきたいということをお願いしておきます。
 また、電気、電話、ガス、上水道、下水道の工事もできるだけ一緒に行い、交通への影響を少なくするような工事のやり方をもっともっとこれからも続けていただきまして、ほかにも工夫の余地があるところも実行しながら、やっていっていただきたいと思います。
 引き続き、路上工事に伴う渋滞について、もたらされている経済的な損失も非常に大きいものですし、また、都民のいらいらをもっと目に見える形で解消していくという努力が必要であります。最後に今後の取り組みについてお伺いをしまして、質問を終わらせていただきます。

○石渡道路管理部長 都は、渋滞対策の一層の充実に向けまして、協議会などの場におきまして、道路の掘削を伴わない新たな技術の活用や占用企業者間の共同施行による工期短縮など、渋滞対策の取り組みをこれまで以上に関係者に働きかけてまいります。また、路上工事における都民の理解と協力を得るため、工事の必要性や交通規制内容等の情報をより一層きめ細かく提供していく予定でございます。都といたしましては、今後とも路上工事に伴う渋滞の緩和に向けて、関係機関との連携を強化しながら取り組んでまいります。

○東野委員 私からは、中央環状品川線の整備並びに連続立体交差事業に関しまして、何点か質問をいたします。
 まず、品川線についてでございますけれども、首都圏三環状の一つであります中央環状線は、先ほど吉野委員からもお話がありましたように、都心部の渋滞解消に向けた切り札として、一刻も早い整備が期待されているわけでございます。この中央環状線の最後の整備区間として品川線の整備が進められていくわけですが、事業推進に当たっては、解決しなければならない課題が何点かあるように思われます。
 先般の請願の審査にもございましたように、換気所や出入り口の整備に関しまして、地元からはさまざまな要望が上がっているわけでございます。行政としては、これらの思いやまた不安に対しても真摯に耳を傾けて、検討するものは検討し、改善できるものは改善するなど、地元の皆さんの理解と協力を得るべく努力を重ねてもらいたい、このように思うわけでございます。
 さて、都は既に品川線の事業に着手して、換気所の用地取得などを進めています。品川線の事業は用地買収が比較的少ないというふうにいわれていますけれども、それでも、中目黒や南品川の換気所など、重要な施設を設置するための用地を取得しなければなりません。また、品川線は、山手通りや目黒川、この下を直径十二メートルの大きなトンネルが内回り、外回りと二本並んでつくられていくわけでございます。現状の山手通りの幅にはこの二本のトンネルがおさまり切りませんので、現在並行して行われております環状六号線の拡幅工事、これが重要になってくるわけでございます。
 そこで、まず伺いたいと思います。
 品川線が環状六号線の下を通過する大橋ジャンクション、この南側からJR大崎駅付近までの拡幅のための用地取得状況をお伺いしたいと思います。

○藤井用地部長 環状六号線、山手通りの拡幅事業でございますが、大橋ジャンクション南側からJR大崎駅付近まで約五キロで行っております。このうち、中目黒区間など二・八キロメートルにつきましては、既に拡幅工事を完了いたしております。残る上目黒、大崎など四区間、二・二キロメートルでは、現在七五%、一万二千平方メートルの用地を取得しているところでございます。

○東野委員 次に、換気所用地、この買収について伺います。
 先ほど述べましたとおり、品川線には中目黒など四カ所で換気所の建設が予定されております。その中で、中目黒換気所の用地については、今年度の品川線の事業認可後、どのように買収を進めてきたのか、経緯を伺いたいと思います。

○藤井用地部長 中目黒換気所の事業用地は、駒沢通りと山手通り交差点付近の中目黒一丁目に位置しておりまして、面積は千八百平方メートルを予定しております。事業認可後、早期に用地取得ができるよう、土地評価や補償金の算定など準備を進めるとともに、関係権利者の方々と精力的に折衝を重ね、本年二月に千四百平方メートルの用地を取得したところでございます。今後とも、品川線の工事に支障を生ずることがないよう、地域の住民の方々の理解と協力を得て用地の取得を進めてまいります。

○東野委員 十七年度の事業は順調に進んでいるように思われますけれども、十八年度、新年度予算の内容について伺いたいと思います。

○道家道路建設部長 平成十八年度予算では、品川線の事業費として、南品川換気所などの用地取得費や工事費など約五十八億円を計上しております。このほか、後年度の債務負担として約六十億円を計上しております。

○東野委員 いよいよというところになるわけですけれども、工事についてはどのようなものから始めていくのか、また、それはいつごろからになるのか、お伺いいたしたいと思います。

○道家道路建設部長 品川線では、全体工程を踏まえまして、路線の総延長の約九割を占めるシールドトンネルの発進立て坑工事に早期に着手する必要がございます。このため、既に都では発進立て坑の設計を進めているところでございまして、年内には品川区の八潮一丁目においてこの立て坑の工事に着手し、品川線の平成二十五年度の完成を目指してまいります。

○東野委員 十八年度の工事は、そうすると大井の方面、そちらの方だけでまず進められるようでありますけれども、その後は、目黒区並びに品川区のいわゆる密集市街地、こちらで工事を進めていかれるわけです。
 そこで、品川線を都市計画決定する際に、目黒区それから品川区からは同意に当たって附帯条件がついていたというふうに聞いております。この附帯条件につきましては、地元住民の声としてしっかり対応すべきであるというふうに考えますが、所見を伺いたいと思います。

○道家道路建設部長 ただいま委員からお話のありましたとおり、品川線の都市計画決定に当たりましては、地元区であります目黒区と品川区の両区長から、附帯意見つきで計画案への同意をいただいております。
 この附帯意見といたしましては、換気所は形状並びに景観に配慮し、最新技術の導入など環境対策を講じること、防災対策や災害対策に万全を期すこと、事後調査を徹底し、事前に予測し得ない状況が生じた場合は必要な対策を講じること、地域住民に対して十分な説明を行い、理解と協力を得るよう努めることなどの意見をいただいております。
 これらの意見につきましては、例えば現地にインフォメーションセンターを設置し、沿道の住民の方々に対してこれまで以上の情報提供をするなど、事業実施の各段階において、首都高速道路株式会社とともに適切に対応してまいります。

○東野委員 続きまして、連続立体交差事業についてでございますけれども、都内にはいまだ多くの踏切が残されておりまして、交通渋滞や踏切事故を発生させるなど、踏切の解消は喫緊の課題となっております。この踏切対策の抜本的な取り組みである連立事業は、多大な事業費と長期間を要する事業であるわけですが、交通問題の解決のみならず周辺への事業効果も大いに期待できる重要な事業である、このように拝察するわけでございます。
 そこで、現在事業中の東京都全体の連続立体交差事業の取り組み状況についてお伺いいたします。

○道家道路建設部長 連続立体交差事業は、多数の踏切を同時に除却することによりまして、交通渋滞の解消や分断されていた地域の一体化に寄与するなど、効果の高い事業でございます。現在都内では、JR中央線、東急目黒線など七路線九カ所、延長約四十二キロメートルで事業を実施しております。

○東野委員 現在七路線九カ所で実施中ということでございますけれども、これまでにも都内各所で踏切解消に向けて長年にわたり事業が進められてきました。そのことにより交通の円滑化が図られてきたというふうに思いますけれども、今までの連立事業の実績について伺います。

○道家道路建設部長 都はこれまで、十七路線三十カ所、延長約七十キロの事業を完成させてまいりました。そして、約二百八十カ所の踏切を除却してまいりました。
 事業完了による効果といたしましては、例えば小田急線狛江地区で、事業完了直後の周辺道路の平日の平均旅行速度が時速八キロから時速十九キロに大幅に向上したものがございます。

○東野委員 十八年度予算の連続立体交差事業は五百四十二億円、このように聞いております。平成十七年度に対して大幅に予算が伸びているわけですけれども、その財源について伺います。

○道家道路建設部長 現在都内で事業を進めている連続立体交差事業は、都が事業主体となり、道路事業の一つとして実施しております。その財源については、道路特定財源による国庫補助金、地元区市の負担金など、及び都債、一般財源により構成されております。

○東野委員 私の地元目黒では、東急目黒線の連続立体交差事業が目黒駅から洗足駅までの区間で現在事業中であります。そこで、東急目黒線の取り組み状況についてお知らせください。

○道家道路建設部長 東急目黒線につきましては、目黒-洗足駅間の二・八キロで事業を実施しております。このうち、平成十五年四月に不動前駅付近の高架区間〇・四キロの立体化が完了いたしました。本年七月には、残る洗足駅までの地下区間二・四キロの切りかえを行う予定でございます。このことによりまして、合計十八カ所の踏切を除却してまいります。

○東野委員 本年七月に地下への切りかえが行われる区間には、目黒区と品川区を結ぶ幹線道路でございます補助第二六号線が交差しております。この切りかえで補助第二六号線の踏切が解消される、除却されるわけでございますけれども、期待される効果についてお示しいただければと思います。

○道家道路建設部長 補助第二六号線と目黒線が交差いたします武蔵小山二号踏切では、ピーク時の一時間当たりの遮断時間が三十六分で、一日当たりの交通量はおおむね一万一千台のボトルネック踏切でございます。これまで、この踏切は一日約七時間閉まっておりましたが、今回の踏切除却によりまして、交通渋滞が解消するとともに、歩行者や自転車の利便性と安全性が向上すると考えております。

○東野委員 最後に、現在都市整備局、他局ですけれども、二十カ所の連立事業を検討中であるわけでございますけれども、幹線道路整備とあわせてこれらの事業がスムーズに施行され、より快適で安全・安心な都市東京の構築に向けて局としても邁進されることを要望いたしまして、質問を終わります。

○河野委員 私は、環状八号線、中央環状品川線、河川占用料の三つのことで質問をいたします。
 初めに環状八号線です。
 昨年十一月二十九日、環八道路から住民のくらしと環境を守る会の陳情が当委員会で審議されました。同じ日、板橋区でも区議会の委員会が開かれて、都議会と同じ要望の陳情が全会一致で採択され、都知事に意見書が上がりました。区議会の意見書は「周辺地域の環境の保護及び、沿線住民への健康被害の防止という観点から騒音対策の計画を再検討し、新型遮音壁の採用を含めた効果的な騒音対策を実施することを強く要望する。」となっています。この日の板橋区議会区民環境委員会の議事録を見ますと、委員の方々は、東京都はなぜ騒音の影響評価を新しい二〇〇三モデルではなく一九九八モデルで評価したのかと疑問を呈しています。区の担当課長は、より現実的に近いものをモデルにしての二〇〇三モデルの方が望ましいのかと思うと述べています。
 昨年の当委員会では、道路建設部長は、今般、遮音壁の位置の変更に伴い、最新モデルの日本音響学会の二〇〇三モデルで予測することにしたと答弁されました。今般とは昨年十一月ということでありましたが、板橋区議会の議事録によれば、区の担当課長も都が二〇〇三モデルで変更の予測をしたことを説明を受けていなかったと判断せざるを得ません。局は、板橋区や地元の人たちに対して、どうしてこうしたことを丁寧に説明する努力をしていなかったのでしょうか。

○道家道路建設部長 環状第八号線の道路交通騒音の予測モデルの適用についてのお尋ねでございますが、平成十七年十一月に環境影響変更届を出しておりまして、これは委員おっしゃるとおり、二〇〇三モデルで実施しております。ただ、当委員会で陳情が審査されている十一月二十九日でございますけれども、この時点で環境局の手続中でございました。ということは、この時点では環境影響評価審議会の了承を得ていないという内容であったために、この委員会の答弁といたしましては、事業者として見解を述べたということをお断りさせていただいた上で、答弁をさせていただいたということでございます。
 こういうことでございますので、環境影響評価審議会等の了解前であるということをあらかじめお断りした上で、その後、区や住民の方にも同様の説明をしたという経緯でございます。

○河野委員 きょう、去年のこの委員会の議事録を持ってきました。部長答弁では、この二〇〇三モデルを使うことで予測をしておりまして、先ほど申し上げたように、私どもの予測としては環境基準を下回ると確認しているというふうにお答えになっているのですね。その辺では、今環境局とのすり合わせという点ではっきりしていなかったということなんですが、局としては下回るという見解をお持ちになっていたのじゃないですか。それはちょっと確認です。

○道家道路建設部長 十一月の当委員会での審査のときには、既に環境局に対して環境影響評価書の変更届を提出しておりましたので、事業者である建設局としては、二〇〇三モデルを使った上でも環境基準を下回るという見解は持っておりました。ただ、これは、環境局が受理した上で環境影響評価審議会にかけて、了承をしていただいた上で固めるものでございますので、そういう意味を込めて、事業者としての見解でありますということを申し添えたというふうに記憶しております。

○河野委員 では、次の質問に移りますけれども、昨年の委員会で、同じ二〇〇三モデルを使って評価した株式会社長大のものと、環八の会の皆さんが評価を頼んだ株式会社環境総合研究所の評価の数値が違っていることについてお聞きをいたしました。部長は、モデルは二〇〇三で同じだが、打ち込む設定条件が違っているから結果が違うと答弁されました。
 設定条件の違いについて、改めて伺います。
 初めに、打ち込む設定条件の決め方はどうなっているのでしょうか。環境影響評価審議会を所管するアセスメント担当の環境局か、事業者の建設局か、それとも評価作業を委託されている株式会社長大か。その設定条件について責任を持つところはどこか、どういう手続が踏まれるのか、ご説明ください。

○道家道路建設部長 環境影響評価に当たりましての設定条件の決め方でございますけれども、まず、事業者である私ども建設局として、あらかじめ環境局とも協議した上で予測評価項目における設定条件などを事業者として設定いたします。その後、その内容を含めて環境影響評価書もしくは変更届を作成いたしまして環境局へ提出し、環境局は、この提出を受けて環境影響評価審議会に諮問して答申を受け、審査意見書を作成して事業者へ送付する、こういう流れになってございます。
 なお、委託事業者は、私どもの指示をする設定条件によって計算をしたり資料を作成する、そういう作業を担う役割でございます。

○河野委員 板橋区議会の議事録も見まして、委員の人たちも、影響評価を行うのは、東京都では長大という一社だけでいいのかという意見も出ています。こういうお考えについてはどういうご見解をお持ちでしょうか。そして、株式会社長大との契約は随意契約なのか、その点も確認をさせてください。

○道家道路建設部長 環境アセスの調査、予測を行う、実際に委託をする事業者がある一社でいいのかということでございますが、私どもとしては、例えば環状八号線の環境影響評価に関しても、複数の業者を使っておりまして、決して一社でいいということではございません。今回委員ご指摘の調査の内容に関しては、株式会社長大が当初の環境影響評価書を作成した業者でございまして、それは既に提出されております。そのものに基づいて新しい変更書を作成する必要がある、そういう意味で、豊富なデータとか総合的な調整、取りまとめが行えるということを踏まえて、地方自治法の規定によって随意契約をしたという内容でございます。

○河野委員 環境アセスメントというと環境局が所管かと思うのですが、こういう道路建設なんかの場合には建設局の責任も大変大きいものがあるということが、私は今わかりました。
 では、具体的な設定条件についてお伺いをいたします。
 昨年の十一月、建設局がモデル二〇〇三を使って変更予測をしたといわれる地点は、いずれも環境基準を超えないという結果だったという報告であります。その理由を部長答弁では、設定条件が違っていたと。一つは、株式会社長大の予測は定常走行路線とし、環境総合研究所は非定常走行路線とした。それから二つ目に、低騒音舗装をして沿道の環境対策をするけれども、環境総合研究所の方はこの低騒音舗装の効果を入れていないから違ってきたというご答弁だったと思います。
 では、定常走行というのはどういう道路かということなんですが、これについては部長自身が説明されております。スムーズに走れる道路といっています。つまり、トップギアで走り続けられる道路ということです。板橋区の相生交差点から練馬の北町まで、延長二・五キロといわれておりますが、この区間には信号が三カ所あります。また、勾配は五・〇から六・九%と、こういう勾配を持つ坂道が三カ所あります。つまり、シェルターつきの高架の相生陸橋、ここの勾配は五・九%と五・八%、そして補助二四九号線との接続点、ここにはそれぞれ五%の勾配、さらに川越街道との交差点の勾配は六・九%と五・八%です。この道路を一日四万七千台の車がトップギアで走ることは、ほぼ一定の速度で走るということですが、これは本当に大丈夫なんでしょうか。
 私はきょう、委員長にお断りをいたしまして、ちょっと写真を持ってまいりました。これは、今工事中の環八の若木のあたりの写真ですが、ごらんのとおり坂道があります。後ろも坂道。そして、もう一つ申し上げたいのは、ここに昔、武蔵野崖線ということで緑の森がばっと広がっていたのが、この道路で分断されて、坂道のこういう勾配のある環八がつくられていくということなんですけれども、こういうアップダウンの繰り返しがある、そういういわゆる平らなところが余りないというようなところに定常走行という設定をかけるのは無理なんじゃないか、非定常走行という設定が当然ではないかという疑問を私自身が持つのですけれども、これはいかがですか。

○道家道路建設部長 本件で適用いたしました日本音響学会の道路交通騒音の予測モデル二〇〇三によりますと、こう書いてございます。定常走行区間とは、信号交差点から十分離れた一般道路で、自動車がトップギアに近いギア位置で走行する区間、こういうふうにされております。
 これで北町・若木地区、約二・五キロございますけれども、このうち信号交差点は三カ所でございます。交差点間の距離をはかりますと、一・五キロと一キロという距離がございます。こういう離れているということでございますので、事業者としては、信号交差点から十分離れた一般道路というふうに判断をいたしまして、定常走行区間ということで予測を行っているものでございます。

○河野委員 信号の距離は一キロ以上離れているということなんですが、では勾配はどうなんでしょうか。平たんな道路ということだから、影響評価の予測について勾配の補正はかけないということもいわれています。しかし、社団法人道路協会が出している道路構造令の解説、この本によりますと、縦断勾配の基準は、環八のような第四種一級の道路の縦断勾配は、例外的にはプラス二%、七%ということがあるが、基本は五%だというふうに書いてあるのですね。先ほどからいっていますように、五・九%、五・〇%、五・八%、六・九%と、いろいろとアップダウンの繰り返しが続いているこの区間がなぜ平たんなのか。なぜ真っすぐにトップギアで走り抜けることができるのか。私は、この縦断勾配の補正の問題でも部長の答弁になかなか理解しがたいものがありますので、この縦断勾配についてもご説明をお願いします。

○道家道路建設部長 同じくモデル二〇〇三におきまして、縦断勾配に関する補正の適用条件が書いてございます。これも読み上げますと、密粒舗装の道路を走行する大型車両のみに適用する、また、この補正は十分長い上り坂勾配側の車線のみに適用し、下り勾配側の車線には適用しない、このように記載をされているものでございます。
 本地区では、練馬北町陸橋とトンネル部を除くすべての範囲が、この規定にございます密粒舗装ではなく低騒音舗装の道路でございます。このため、モデル二〇〇三の適用条件に従って、縦断勾配に関する補正は行っていないというものでございます。
 なお、このことは、十七年十一月に先ほど申し上げた変更届を提出し、この設定条件で既に環境影響評価審議会で了承をいただいているものでございます。

○河野委員 環八が開通したらはっきりすると思いますけれども、大型車両のみで密粒舗装のところでそういう縦断補正を考えていくということなんだけれども、実際にそうなるかどうかというのは非常に疑問があるということを申し上げておきます。
 続いて、低騒音舗装についてお伺いをいたします。
 低騒音舗装は、車の走行量あるいは車自体の重量や積載する荷物、そういう重みなどで耐久度に差が出てくる舗装方法だと理解しています。この舗装は、もし使えば三デシベルくらい音を下げる効果があるといわれておりますけれども、しかし、耐久性はどれくらいあるのかについては、十分な検証がされていないということもいわれております。舗装効果が持続しているかどうか、これはどういう方法で確かめられていくのか。また、効果が落ちた場合の対応をどうなさるのか、お答えください。

○道家道路建設部長 低騒音舗装につきまして、その効果といいますか、沿道で騒音測定をして効果を確かめるわけでございます。そして、もし現地で騒音低減効果が低下するようなことが認められれば、その低下の程度に応じまして、所定の性能を確保するよう適切な維持管理に努めてまいります。

○河野委員 低騒音舗装についてもう一点確認させていただきたいのですが、粒子が粗くて水を吸収するといういわゆる排水性舗装と同じような構造だと聞いております。これは、タイヤの摩擦音については吸収する能力があるけれども、エンジン音までは低減できないということもいわれています。車が走ると出てくる音は、タイヤの摩擦音、エンジン音、いろいろな音です。これは、低騒音舗装をかけたから騒音対策は大丈夫だよということをおっしゃることができるのかどうか、お答えをお願いします。

○道家道路建設部長 ただいま委員もお話がありましたように、低騒音舗装と排水性舗装は同じ構造でございまして、舗装の中に空隙がたくさんあるという構造でございます。この空隙で音が動く中で騒音が低下する、こういう仕組みなわけでございまして、タイヤによる音、それからエンジンによる音も一定程度低減できるというふうに考えております。

○河野委員 そのご答弁は承っておきました。
 それでは、環境影響評価においての事後調査の問題です。
 評価の仕組みの制度の中で事後調査を行うことが決められておりますが、道路の形状などでいろいろな方法があるようです。環八道路の場合には、事後調査の時期はいつになるのか。また、環境影響評価制度の仕組みに沿って、そういう時期、やり方についてのわかりやすいご説明をお願いしたいと思います。

○道家道路建設部長 この事後調査は、既に環境局に提出してございます事後調査計画書に基づいて実施することになります。この計画では、事後調査を供用開始時点の平成十八年度及び周辺道路の整備完了時点の平成二十二年度に実施することとしております。現在、本線開通後速やかに事後調査を実施する方向で環境局と協議を進めております。

○河野委員 十八年度ということは開通一年で、来年の今でいうと五月ぐらいになるのでしょうか。それから、平成二十二年ということは、開通後五年ということで、五年間地域の住民の皆さんは、本線が開通した後、どういう状況になるかというのを心配しながら過ごしておられるのじゃないかなと思います。事後調査を行って、基準値をもし超えた場合には、どれくらいのデシベルなら環境対策が講じられるのでしょうか。数値についての定めはあるのでしょうか。

○道家道路建設部長 条例に基づき事後調査を行います。事後調査の中では、この調査結果を、環境影響評価を所管する知事は、必要に応じまして審議会の意見を聞いた上で、環境に著しい影響を及ぼす場合があると認めた場合には事業者に必要な措置をとるように要請する、こういう仕組みでございまして、具体的な数値判断基準はございません。案件ごとに、事業内容、地域特性、周辺環境などの条件を勘案して、環境影響評価を所管する知事が判断するというふうに承知しております。

○河野委員 今のご答弁でも、一体幾つの数値であったら対策が講じられるのかという点では、大変あいまいな状態だと思います。
 建設局が去年の十一月に変更の届けを出した、こういう審議資料というのがありますけれども、こういうのを見せていただきましたら、この環境対策検討資料、その二というのがことし一月に出ています。変更の評価の結果を出しているのですけれども、これを見ますと、例えば、若木二丁目の合流点付近という場所では、昼間の環境基準値七〇デシベルに対して、一階でも二階でも六八デシベル。夜間では、六五デシベルの基準値に対して、一階で六四・八、二階で六四・九。コンマ〇・二とか〇・一とかの差でやっと環境基準を満たしている、そういう数値が出ています。これは二〇〇三モデルでやったというものでありますから、最新のモデルでやってもこういう数値が出ているところがある。これは、今いいました若木二丁目のあたりだけではなくて、幾つもあるわけですね。
 時間がないので、ご説明は省略しますけれども、こういう、私、折ってまいりましたけれども、幾つものところがそういう環境基準値ぎりぎりのところですね。超えるというよりぎりぎりのところがあるということで、私は、建設局がこれで環境について心配ない、よしといえるのかというのを疑問に思っています。環境基準の値というのは、もともと守らなくてはならないからこそ数値が明確になっているのではないでしょうか。たとえコンマ以下のレベルでも基準をオーバーしてしまえば対策を講じなくてはならないのではないでしょうか。著しいとか、事業者に措置をとってもらうけれども案件ごとに違うとか、今そんなような答弁をおっしゃいましたけれども、こういう根拠が何かよくわからない説明では、事後調査の後この環境基準を超えた場合にどのような対策がされるのか、全く先が見えないという私自身の理解がありますので、この点では再答弁をお願いしたいと思います。

○道家道路建設部長 事後調査の結果は、きちんと測定した上で、環境影響評価をする環境局へ提出し、先ほど申し上げたように、専門家の委員会であります環境影響評価審議会でその内容について審査され、必要があると認められれば、その対策をするようにということが我々に要請があるわけでございます。要請を受けて、事業者として適切に対応してまいります。

○河野委員 これまでの答弁では、事後調査の結果によっては、開通した後にでも新型の円筒型遮音装置ですか、これが取りつけられるということでありました。板橋区議会からも意見書が出ており、住民の皆さんは開通の時期を控えて不安とともに毎日を過ごしている、こういう事実もありますから、生活環境の悪化を少しでも少なくできるように、今大変要望が強くなっている新型遮音壁、この装置を設置することを開通前に行うべきと私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。

○道家道路建設部長 公共事業全般でございますけれども、皆さんから貴重な税金などをいただいて事業を進めていることから、最少の費用で最大の効果を上げる必要があると思っております。したがって、全般にわたっていろいろコスト縮減にも努めておりますし、この環八の騒音につきましては、条例に基づいて予測したところ、環境基準を満たしているということでございますので、その上でさらなる追加的な対策を行うということは、広く都民の理解を得ることは難しいのじゃないかと思っておりまして、今回は基準を下回るということから、新型遮音壁の採用を含めたさらなる騒音対策は考えておりません。

○河野委員 話しましたように、夜間の騒音の環境基準に対して、六五に対し六四・九とかという予測をされているところもあるわけですから、そういう冷たいことをおっしゃり続けられないで、ぜひ本当に住民の立場に立っていただきたいと思います。
 もう一つ騒音対策でお伺いをいたします。
 練馬区の北一商店街の周辺が出入り口になるトンネルには、トンネルの導入部のところに吸音板を二十メートルくらいの長さでつけるということがいわれています。しかし、それでは、トンネルを車が出た場合には、すぐ外で音が広がってしまいます。この練馬の北一商店街のところのトンネルに比べて、同じ環八の春日町交差点は、トンネルに入る前の勾配が始まったところから出口まで、全線を通して吸音板がつけられております。北一商店街のトンネル口の近くには民家がたくさんあります。だから、連続して吸音板を設けて、騒音被害から生活を守ってほしいという声が強まっていますけれども、こういう住民の方の要望については検討されておられますか。

○道家道路建設部長 今お話のありました両トンネルにつきましては、基本的な構造が違います。練馬春日町トンネルにつきましては、全線にわたり上空を開放した形の半地下トンネルであるため、沿線への環境影響に配慮いたしまして、吸音板を設置しております。一方、北町・若木トンネルは、まさに密閉型のトンネルでございます。このため、坑口付近での影響を緩和するために、坑口から二十メーター区間の吸音板を設置しておりまして、その他の区間については吸音板を設置しておりません。

○河野委員 これは、ぜひ部長も現地にもう一度行ってみて、もちろんご存じだとは思いますが、再度行っていただきたいと思います。私も、春日町のトンネルが密閉式じゃないというのも見てまいりました。私がいっているのは中のことじゃないのです。出入り口の斜面、上がっていくところの壁にきちんと、外に音が漏れないように出入り口にちゃんと吸音板が設置されているわけなんですね。だから、構造をもう一度よく見ていただいて、検討されるように強く要望しておきます。
 都が行った環境影響評価の設定条件に、板橋及び練馬の両区民の皆さんは納得をしておりません。上り下りが繰り返されて、信号機が補助二四九と交差する位置につくことになり、とても平たんに通常の五十キロの速度で、トップギアで走り続けられる道路ではない。このことは皆さんがおっしゃっています。
 そして、ことし二月の環境影響評価審議会は、検討結果の指摘事項ということで、都知事に対しての意見書を上げております。読みますね。今回の変更による予測によれば、道路交通騒音が変更前の予測値を大きく上回る地点があることから、供用後の事後調査結果を踏まえ、一層の低減を図ることを検討すること、特にこういうコメントがついた環境影響評価審議会の意見もありますし、板橋区議会も全会一致で対策を求めている。これは大変重みのあることだと思います。
 きょうは質問をいたしませんでしたけれども、若木二丁目の山どめ擁壁の緑化の問題、これも切実な住民要望です。車の走行音がはね返ること、夏の季節に予想される強烈な日差しの照り返し、こうしたことから、コンクリートでできたかなり高い高さの擁壁を、何とか緑で覆ってもらって、道路公害から生活を守ってほしいと切実に要望されています。こうした区議会、地元住民の皆さんの意思を重く受けとめて、開通時まで残された期間の中で万全の環境対策を事業者である建設局が行っていただくよう強く求めまして、環八に関する質問は終わらせていただきます。
 次に、中央環状品川線について伺います。
 まず、大気汚染の現状についてお尋ねいたします。
 品川線が地下に建設される予定の山手通り五反田地域のNO2の測定値は、五反田に近い中原交差点で〇・〇六三ppm、そして山手通りに面した測定局、北品川の交差点では〇・〇七六ppmです。今でも環境基準値の〇・〇六ppmを超えております。
 ところで、東京都は、地元の人たちの要請で、窒素酸化物、NO2の実測調査を行ったということをお聞きしました。その内容と調査結果などについてお聞かせをいただきたいと思います。

○道家道路建設部長 中央環状品川線について今回実施いたしました調査でございますけれども、五反田地区の換気所及び出入り口予定地の近傍五カ所において、窒素酸化物、二酸化窒素、浮遊粒子状物質の三項目について、平成十七年の春から一年間、四季ごとに実施したものでございます。現在この結果の取りまとめは、常設の自動車排出ガス測定局の観測データとの相関関係について検証を行っているところでございます。今後は、この相関関係を明確にすることで、常設測定局のデータを利用して、沿道の大気環境の動きを随時とらえていくことにしております。

○河野委員 前回の委員会で、中央環状品川線の環境アセスメントは、品川や大崎の都市再生地域開発の影響が設定されているというような趣旨の答弁がありました。
 私は、最近地元住民の方と話をさせていただいたのですけれども、環境アセスについて都は、これからあの地域に民間が建てる高層ビルなどは想定していないと述べたということでありました。都市再生地区には、都が建設するという建築物よりも、民間の建築物の方が数としては多いのではないでしょうか。アセスの評価予測について、住民の信頼にこたえられるものと判断していいのかどうか、この点をお聞きしておきます。

○道家道路建設部長 品川線の建設による環境影響の予測は、将来の道路ネットワークにおける自動車走行台数を推計いたしまして、それにより算出した品川線の計画交通量をもとに行っているものでございます。この計画量につきましては、具体に個々の開発を積み上げるという手法ではございませんで、全体の経済社会動向でありますとか、人口の動向でありますとか、そういうものをもとに評価するものでございまして、私の解釈といたしましては、その中にはいろいろな社会活動としてのいろいろなものが入っているというふうに理解をしております。

○河野委員 そうすると、部長の答弁と住民の皆さんの受けとめがちょっと違っているということになってしまうのですけれども、きょうはそのことについて深くお伺いをしませんけれども、民間の建てるものについては入れていないといっているのが皆さんの認識になっていますので、そのところはぜひご注視いただきたいと思います。設定条件が違えば、さっきの環八ではありませんけれども、アセスの結果も違ってきますから、私は念のためにお聞きしましたし、都市再生地域の開発動向は、品川線との関連でも地域の人たちが強い関心を示していることをこの際申し上げておきます。
 住民の方への説明の関係でもう一点伺います。
 二月の委員会での請願を審議する際に、建設局は、東京都というのでしょうか、住民への説明会等の実施回数は五十回と私たちにおっしゃいました。しかし、請願運動をしている中心の方は、これまで東京都とは三回しか話し合いをしていないといっているのです。五十回、三回、どうしてこんな食い違いが出ているのでしょうか。

○道家道路建設部長 品川線に関する住民の皆様への説明につきましては、都が主催した説明会などといたしまして、少し例を挙げますと、十三年八月に都市計画素案の説明会を五回、また、この素案に対する相談コーナーを設置しておりまして、これが延べ二十回でございます。それから、平成十五年には都市計画案の説明会を同じく五回、また、この案に関する相談コーナーの開設を延べ二十回、さらに、平成十七年には事業及び測量説明会を二回やっておりまして、合計五十二回になります。そういう意味で五十回というふうに答弁したわけでございます。この五十二回の説明会を開催しているところでございます。また、このほかに、地元の要請に応じまして、意見交換会などを二十回以上開催しております。

○河野委員 説明会等という、等の表現が私たちに非常に混乱を招きますので、今後議案などの審査を行う場合には丁寧なご説明を求めておきたいと思いますが、いずれにしても、十分に、東京都、事業者の建設局と、まだ住民の皆さんは話し合いの深まりを感じているとは思っていないという状況があります。
 NOx全体のことでいいますと、昨年三月の調査では、五反田換気所の近傍で、東京都の最初にお答えいただいた去年の春からの一年間の調査で、NO2については基準値以下という数字は出ていますけれども、NOx全体は非常に高い数値で、〇・一一六ppmというような数字も見られます。窒素酸化物の中で、NO、一酸化窒素の場合は、大気中に出て酸素に触れればNO2になっていくわけですから、この影響を住民は心配しておられるわけです。
 三月一日に本会議で質問があったことについて、続いて質問をさせていただきます。
 本会議のときに建設局長は、品川線の事業を進めるに当たっての体制として、インフォメーションセンターを設けてきめ細やかな対応に努めるという趣旨の答弁を品川線に関連してされております。インフォメーションセンターは環八の建設でも設置されてきておりますけれども、環八のインフォメーションセンターは工事を施工する業者が運営をしていて、人の配置も女性事務員が一人という体制だったということです。建設局の第四建設事務所が責任を持って運営していたというふうに、私は本会議の答弁を聞いて何となく理解していたのですが、実際はそうではなかったということで、工事事業者にお任せをしていたということがあるようなんですが、環八のような体制では、中央環状品川線地域住民の声にこたえる場にならないというような思いもするのですけれども、この点はどういう体制で進めていかれるおつもりなんでしょうか。

○道家道路建設部長 まず、環状八号線のインフォメーションセンターの対応につきまして一言申し上げさせていただきますと、すべて職員がやるというわけにはなかなかいかないので、ある意味で委託をして、職員以外の者を雇って対応させておりますが、これも含めて局が責任を持ってインフォメーションセンターを運営しているというのが私どもの考えでございます。
 そういう考えに基づきまして、この品川線におきましても、今回は共同事業者であります首都高速道路株式会社と共同で設置するインフォメーションセンターでございますが、事業者からの情報提供の場として、事業全体の内容や工事の具体的な方法などをわかりやすくお知らせする資料を展示し、説明を行ってまいりたいと思っております。また、住民の方々が事業に関する不安や要望を相談できる場とするなど、幅広い活用をしていきたいというふうに考えております。

○河野委員 これも本会議での答弁なんですけれども、シールド工法で発生した掘削土砂の搬出は、海側の大井の方からすべて出されるというふうに局長が答弁しておられます。ところが、大井とか八潮の住民には、このことは何も知らされていないのではないでしょうか。五反田の人たちはこれまでの運動の経過でこういうことを知っていたとしても、他の地域にはそういう大事な説明がされていない。これはどういうことでしょうか。
 建設局の予算案では、十八年度も五十八億円を超える大きな額が計上されていて、事業はどんどん進めていくという方向です。一方で、住民には決まったことだから協力してください、こういう姿勢では、まちづくりに住民参加が保証されているとはとてもいえないと思います。建設局の基本姿勢にかかわる問題だと思いますので、ご見解をお聞かせいただきたいと思います。

○道家道路建設部長 まず、この品川線のことにつきましては、当然のことながら、沿道住民への影響を軽減する必要があるため、その方策を検討しているところでございます。
 具体的には、最新の土木技術によりまして、二つの施行区間で計画している延長八キロのトンネルを一気に施行できる可能性がありまして、この工法を採用した場合、例えば五反田換気所建設においては、工事期間が短縮されるとともに、工事車両の通行台数が大幅に減少するなど、地域の住民に対する工事影響を低減する効果が大きく見込まれることから、都としても近々に結論を出す予定でございます。まだ方針としては決まってございません。そういう意味で、この方針は、できるということが固まってからこのシールドトンネルの具体的な施行方法について、説明会などを通じまして関係する地域の方々に十分な説明を行っていくことを考えております。

○河野委員 私も一都民の立場から申し上げますけれども、決まったことを、こう決まりましたからご説明しますといわれるのが一番、えっという驚きとともに、怒りも生じてくるのです、正直いって。そういう点では、近々という言葉、おっしゃられましたけれども、やはりそういうお考えを、計画を立てた時点で、これはいかがなものかということを都民の意見を聞くという努力が必要なのじゃないかということを改めて申し上げておきたいと思います。
 五反田の地域は、地形的にはくぼ地のところであります。山手通りを初め、国道や高速線などの大きな道路に囲まれておりまして、地域の人たちの中には五反田ぜんそくという言葉もあるほど、呼吸器疾患の患者が多い地域といわれています。私が訪ねたおうちの方もぜんそくにかかっているということでした。中央環状品川線とともに五反田換気所がつくられれば、いわゆる五反田換気所、四十五メートルの高さから排気ガスが上がっていって、百メートル上空に窒素酸化物を含んだ自動車排ガスが噴き上げられて、この中にある、約九割を占めるといわれている一酸化窒素、NO、これが大気中の酸素と結合してNO2に変化して、空気よりも重いですから、地上に降ってくるわけです。
 こうしたことが起こるのはたまらない、これは当然の住民感情だと思います。だから、三十町会が一致して、都議会や都知事にも要請行動を行っているのだと思います。五反田ぜんそくといわれるような人をこれ以上ふやさないように地域をよくしていきたい、子どもや孫の代には健康で生活できる町にしたいという思いを皆さんが持っておられます。こうした地域住民の皆さんの思いをどのように受けとめているのか。これは局長にご答弁をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○岩永建設局長 住民の方々への基本的な姿勢ですので、私から答えさせていただきます。
 五反田の住民の方々が品川線の計画に対しまして深い関心を寄せられ、また真剣に取り組んでおられることについては、十分私ども承知しております。このことにつきましては、都としても真摯に受けとめております。このことは、本会議でも私は申し上げました。したがいまして、今後とも地元の意見に対しましては十分に耳を傾けるとともに、話し合いを重ねることで地元の方々の理解と協力が得られるよう努めてまいります。

○河野委員 中央環状品川線の問題で、新宿線との関連で一つお伺いしておきます。
 当初の予定を変更して、新宿線には脱硝装置がつくことになったと聞きました。九カ所に十五本の換気塔がつくということのようですけれども、大橋ジャンクションでつながる品川線には、脱硝装置の設置も今明確にされておりません。二十一世紀は環境の世紀といわれてスタートいたしましたけれども、東京の環境は一向に改善されていないというのが都民の実感ではないでしょうか。建設局は、環境に優しい道路のあり方、まちのあり方についてどのような認識を持っているのか、このご見解も伺っておきます。

○道家道路建設部長 品川線は、沿道環境に配慮して地下道路として建設するために、換気所は必要でございます。この換気所では、先生お話しのように、トンネル内の空気を除じんした後、換気塔から地上百メーター上空まで噴き上げまして、大気に拡散させる方式を採用しております。品川線の環境影響評価では低濃度脱硝装置を設置する計画ではございませんが、供用直前の環境基準の達成状況などを踏まえて検討することとしております。

○河野委員 中央環状品川線について、最後に一つ質問をさせていただきます。
 品川線は本来国の事業であり、首都高速株式会社が施行の責任を負うべき路線です。都の財政負担は、高速道路建設ということならば五百億円だけれども、街路事業で都が事業者になれば千二百五十億円、二・五倍の負担増になることが先日の委員会の答弁でもありました。都財政にも負担が大きく、品川線沿線、五反田地域を含めて延長八キロといわれておりますが、ここの都民全体からもいろいろな意見が出ているこの中央環状品川線建設計画については、今の時点で都民の声に基づき見直しをするべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○道家道路建設部長 現在、首都高速では都心環状線に交通が集中しておりまして、その結果、広範囲に及ぶ慢性的な渋滞が生じております。中央環状線が整備されますと、首都高速道路全体のネットワークが効率よく機能するとともに、環境への負荷を低減する効果が期待されております。したがいまして、この中央環状線の最後の区間でございます品川線を一刻も早く整備することが極めて重要であると考えております。引き続き、地元の理解と協力を得ながら、平成二十五年度の完成に向けて、事業に積極的に取り組んでまいります。

○河野委員 では、次に河川占用料について質問いたします。(発言する者あり)時間がないのでね。
 河川占用料の料金改定は二年に一回行われております。その都度、都民の負担がふえてきました。前回の改定のときは、毎日の生活にどうしても必要な橋や土手下の道路に上がる階段の占用料が値上げになって、これを改善してほしいと都議会に陳情が出されました。河川占用料の見直しについての都の方針及び今議会の条例改正についての考え方をお尋ねいたします。

○野村河川部長 河川流水占用料は、先ほどお話がありましたように、第二次財政再建推進プランに基づきまして、受益者負担の適正化の観点から、二年に一度見直すものでございます。
 今回の改定に当たりましては、前回の改定後、生活関連の占用料等につきまして意見、要望が寄せられたため、一つとして、占用者にとってわかりやすい占用料のあり方、また、生活に不可欠な占用橋、生業に必要な桟橋など、生活関連の占用料のあり方などを検討いたしました。その結果、わかりやすい占用種別に再編をするとともに、生活に密着した占用料を減額改定するものでございます。

○河野委員 それでは、この条例の単価の計算方式はどのようになっているのでしょうか。今回占用料の変更がありますね。この計算方式についてご説明をお願いします。

○野村河川部長 占用料については、占用目的に従いまして九つの種別に区分し、また、河川区域の所在地に応じて五つの級地に分けて--この五つは区部三区分と市部、町村部でございますが、分けて設定をしております。占用料の単価は、その級地別の固定資産税評価額の平均値に、河川敷地の利用形態に応じました調整率と年三%の使用料率を乗じて算定しております。

○河野委員 資料で出していただきましたけれども、資料八ページ、河川敷地占用の条例単価、これをずっと見ていきますと、一級地、千代田、中央、港、新宿、渋谷、この一級地の第一種、ここが値上がりになっております。ほかの地域の一種とか、いろいろ見ますと全体として減額なんですけれども、先ほど最初の答弁にありましたように、生活関連のものについて、いろいろ意見もあったので配慮したということなんですけれども、生活に密接に関連しているこの河川占用料、どのような配慮がされたのか、お答えをいただきたいと思います。

○野村河川部長 生活に不可欠な占用橋や中小事業者の生業に必要な桟橋など、都民生活や生業に直結する占用料につきましては、一定の減額が必要であると判断いたしました。その減額につきましては、土地の利用形態等を総合的に考慮して、三〇%減とすることといたしております。
 なお、今回提案しております条例額が、従来の激変緩和措置によります十七年度の徴収額の一・五倍を超える場合には、十八年度に限りまして、十七年度の徴収額の一・五倍の金額を徴収することとする予定でございます。

○河野委員 実は、私のところに中央区の業者の方から相談が寄せられているのですね。生活関連の第一種のうち、二級地、三級地は値下げになるのだけれども、一級地は値上げと。都心区だから、固定資産税の評価額が二十三区の他の区よりも高いのかもしれないけれども、都民として生活をしていく、あるいは船を持って営業していく、こういう点での苦労は二級地、三級地の人たちと同じような困難を抱えているのですとおっしゃるのです。このところ、原油高も大変影響があって、船を持って今の仕事を続けられるかどうか、本当に不安があるということで、一級地の生活関連の第一種についても、今回、平米当たり三百円ではありますけれども、負担増になっていくということで、この辺の配慮はできなかったのかどうか。率直に疑問の声を寄せられておりますので、この考え方はどうなんでしょうか。

○野村河川部長 お尋ねのございました一級地につきましては、固定資産税評価額が過去急激に上昇した時期においても占用料を据え置き、その後も激変緩和措置として条例額の値上げを一・五倍に抑えたため、固定資産税評価額の平均に基づく占用料の積算原価と条例額単価に大幅な開きが生じていたものでございます。そのため、結果的には今お話がございましたように値上がりにはなっておりますけれども、条例額の算定に当たりましては、先ほどご答弁いたしましたように、すべて一種のものにつきましては三割減額しているものでございます。

○河野委員 このご相談に見えた業者の方は、隅田川と亀島川ですか、この二つの河川に船をとめているのです。隅田川の場合、占用料をいいますと、平成八年から平成十三年までは、払った金額が九十万一千円だったそうです。それが、第二次財政再建プランでどんどん見直していかなくちゃいけないという都の方針もあったのでしょうが、平成十四年は百三万六千円、平成十五年は百十九万一千円、平成十六年は百五十七万五千円、平成十七年は百九十五万八千円と、この五年間で二倍以上の負担増になっております。条例改正で三割の減額の配慮をしたといっても、一級地は値上げになっておりますから、今回この条例額でこの方が払う金額を計算いたしますと、二百万を超えての大変な金額になります。
 このところの長い経済不況で同業者がどんどんやめている中で、この方はやっとの思いで営業しているといっています。船によって荷物を運ぶ仕事は、もし災害が起こったときに陸路が閉ざされた、そうした場合には救援の役に立つし、実際、この業者の方は、阪神・淡路大震災の例を考えて水路の輸送は確保していこうということで、千葉にある大手の飲料メーカーが備蓄している水、これを災害時に運送するという協定も結んでいるということでした。
 こうした、いろいろな意味で社会的責任を果たそうと考えておられる中小業者の方を支援する上でも、一級地の第一種についても私は検討していただくことが必要だと思っております。生活関連、生業のための桟橋などの占用料について今回配慮があったということはよかったと思いますが、さらに今申し上げたような実情を踏まえて、一級地について今後東京都としてはどういう見通しで臨まれるのか、この機会にお伺いをしておきたいと思います。

○野村河川部長 一級地の占用料につきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、三割減額をしたものでございます。また、今回の改正で積算原価と条例額単価の乖離が解消されますことから、今後の占用料は固定資産税評価額の変動に応じたものになるというふうに考えてございます。こういうようなことから、ぜひ今回の改正案にご理解をいただきたいというふうに考えてございます。

○河野委員 どんどん引き上げられてきた河川占用料で皆さんが大変な思いをしてきたということを申し上げ、そして、今お話ししました中小業者の方々の厳しい状況にもかんがみて施策を構築されるように改めて要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○大西委員 私も道路建設と環境対策について伺いたいと思いますが、その中でも、先ほど出てまいりました環状八号線と沿道の環境対策について伺います。
 この区間は昨年の委員会等でも質問し、その経過等を伺ってきましたので、それと、先ほどの委員と重ならないようにやりたいと思っているんですが、まず一つ確認ですが、昨年の十一月に、遮音壁の位置の変更に伴って、最新モデル二〇〇三を使って予測したんですよね。そしてその結果、住民がおっしゃっている二〇〇三との違いは、先ほど定常走行、非定常走行という話があって、そういうことでの違いがあったということ、それを今、環境審議会にかけたということなんですけれども、そのときにも環境審議会に諮っているところだということで、その結果--この環境審議会はいつの環境審議会に諮ったんですか。

○道家道路建設部長 本年の二月二十四日に答申を受けております。

○大西委員 ということは、二月二十二日の、平成十七年度環境影響評価審議会の部会でこの地区が審議されているんですが、それでいいんですよね。

○道家道路建設部長 理事おっしゃったとおり、部会は二月二十二日でございまして、その後、総会、二十四日で審議をしていただいて、答申を受けております。

○大西委員 そのときに、先ほども触れられていましたけれども、やはりこの地区は道路の交通騒音が変更前の予測を大きく上回る地点があるから、供用後の事後調査結果を踏まえて一層の低減を図ることを検討するということを、環境局から建設局にいわれているわけですよね。

○道家道路建設部長 理事のお話のとおりでございます。

○大西委員 それに先立ちまして、平成十七年の十二月十二日に、環八道路の騒音対策に関する意見書が板橋区議会の議長名で都に提出されています。そして、その中には、先ほどいわれていましたように、予想の手法が古いとか、かつ予測の前提条件が実態とかけ離れたものであるので、騒音対策の再検討と新型遮音壁の実施を要望しているが、これに対して、審議会の前に出されておりますけれども、何か対応していらっしゃるんでしょうか。

○道家道路建設部長 板橋区議会からの文書については受理をして、我々としては検討をしております。

○大西委員 検討して、そして今回二月に審議会からも結果が出ているわけですから、それをもって区議会なり、それから住民への説明というのは行ったんですか。

○道家道路建設部長 説明会は実施しておりませんけれども、先ほどお話のありました環境アセスを担当する知事から私どもに出された変更届に関する書類につきましては、インフォメーションセンターで公開をしております。

○大西委員 公開はしているけれども、区や住民には説明してなかったということですね。
 そういうことで、本当にこれはずっとずっといわれていて、なおかつこの問題の争点というところが、定常走行か非定常走行か、そういうことで、この違いとかいうのは、私たちにとっても非常に住民の思いの方が納得できるわけですよね。そういう意味でも、これを強行するのであれば、それなりの東京都の説明というのが必要なんですけれども、こういうのをもっと速やかに、単にホームページに出すだけじゃなくて、これだけのやりとり、やりとりで住民の方たちもやっているわけですから、何よりいち早くこの結果を持って、こうであるということを説明する気持ちはありませんか。

○道家道路建設部長 前回陳情を出された方々には説明しておりますが、沿道住民全体に対する説明会ということでは行っておりません。今後とも、インフォメーションセンターを活用いたしまして、事業への理解と協力をさらに得ていきたいというふうに思っております。

○大西委員 もう一つ、では、陳情を持ってきた人たちには説明しているという説明がありましたけれども、どういうふうに呼びかけて説明なさったんですか。

○道家道路建設部長 今回につきましては、先方の方々から確認の問い合わせがございまして、それに対して説明をしたという経緯でございます。

○大西委員 わかりました。何よりも、これからの道路事業の中で、環境や住民対策というものは本当に十二分にやっていただきたいというのはずっといっております。今回の予算の中にも大きな道路建設の予算があるわけなんですけれども、そういう意味では、これを本当に徹底していただきたいなということを改めて思ったので、少ししつこく聞かせていただきました。
 先ほどの答弁の中で、公共事業では皆さんの貴重な税金で事業を進めていることから、最少の費用で最大の効果を上げるために、全般にわたりコスト縮減に努めていると。そういう意味では、環境基準というものにこだわっていろいろやることが多くの都民の理解を得られないんじゃないかというふうにおっしゃったんですけれども、果たしてそうなのかというふうに、また改めて疑問に思っております。
 確かに、これまでのように何もないところに道路をつくるのであれば、本当に費用対効果ということをシビアにやらなければいけないですけれども、これからの道路というのは、特にこの場合は既成市街地を縦断する形でやるわけですから、そういう意味では、二重三重にかけても、私たちは多摩に住んでいますけれども、そこも利用しますので、そこだけの人たちにかけているとは思いません。すべての、これから生きる私たちは、すべて道路はやはり必要だとも思っています。そういう意味で十分に、人に害を加えてもらわないためにも、税金を投入するということに対して私は理解をしたいし、これからはほとんどの方はそうだと思っております。特に、これで健康を害したりして、その分、今度は福祉の方でということになれば、絶対その費用対効果、それから税金のむだ遣いとはいえないんじゃないかと思いますので、その方向がいいと存じます。
 最後に、環状八号線は延伸工事が進んでおりますけれども、先ほど申し上げましたように既成市街地を通ることから、半分は切り通し状になっているところもあって、周辺住民は騒音被害を心配しています。幹線道路の騒音については、川崎、尼崎で最高裁での違法判決をいうまでもなく、騒音対策は、沿線住民の被害を最小限にするために不可欠です。現地では、信号の位置、通常のドライバーの運転感覚から見て、環境基準を上回る騒音が発生する可能性があるのですから、騒音対策について一層の配慮をすべきではないかと思います。特に、アセスの方からも一層の配慮が必要だということをいっております。これは事後アセスにかかるわけですけれども、基準にちょっとでも届かないからといって基準をそのまま強行するわけですから、その後に基準を少しでも上回ればちゃんとやるんですよね。その辺、確認させてください。

○道家道路建設部長 東京都は、事業者として道路事業を進めるに当たり、騒音対策を初めとする環境対策は重要であると考えております。事業実施に当たっては、環境影響評価条例に基づき騒音予測を行いまして、環境基準を下回るよう適切な対策を講じているところでございます。
 なお、ご指摘の事後調査につきましても、先ほどからご答弁申し上げますような、適切な時期に事後調査を行い、その調査結果が環境基準を上回って、それが環八が原因だということでありますれば、必要な対策を講じてまいります。

○ともとし委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十一分休憩

   午後三時二分開議

○ともとし委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○こいそ委員 それでは、借地公園制度について、まずお伺いしたいと思います。
 過日、環境局関係の質疑の中で、東京はみどり率がこの五年間で、何と東京ドーム六十一個分、これだけの大変な面積が消失している、みどり率が減少しているということで、これに触れさせていただきましたが、多摩の緑を見渡す中で、保全をしっかりされてきた緑に私も思いをはせるわけでありますが、一方、これからの保全の取り組みのさらなる重要性も感じている一人であります。今後、丘陵の緑の保全、活用をさらに進めていくためにも、行政と都民が知恵や力を出し合うことが大切だということは、基本認識一致するところだと思います。
 十月の環境・建設委員会の質疑の中で、私は、多摩地区南部の多摩丘陵には、都立の丘陵地公園として都市計画決定をしている公園緑地が四百六十ヘクタール、そのうち開園面積は二百十ヘクタール、整備率は四六%であるとただしたところでございますが、整備率が五〇%まであと一歩という状況の中、借地公園の活用に極めて期待をするところであります。
 そこで、まず、平成十六年の都市公園法の改正により、借地による取り扱いが緩和され、借地公園による事業化が容易になったとのことでありますが、具体的にどのような内容なのかというところからお願いします。

○伊藤参事 改正前の都市公園におきましても、借地により公園を設置することは可能でございましたが、それを廃止する場合には、かわりとなる公園の設置が必要でございました。平成十六年の法改正によりまして、借地によって設置した公園に限り、かわりとなる公園を設置しなくても、借地契約の終了などに伴う公園の廃止が可能となりました。
 これにより、都は、契約の終了時に土地の返還が可能となり、地権者の協力を得られやすくなったものでございます。

○こいそ委員 借地契約期間が終了した後の公園の扱いが緩和をされたとのことでございますけれども、借地による公園の事業化が容易になったとの中で、実際土地を貸す地権者、また利用する都民とのかかわりについて、お聞かせをいただきたいと思います。
 また、借地公園は、地権者、都民にとって具体的にどのような利点があるのか、お願いします。

○伊藤参事 今回都が取り組む借地公園制度は、地権者の理解と協力を得まして、無償で土地を借りることを基本としております。この場合、固定資産税、都市計画税が非課税になり、地権者の負担が軽減されることになります。
 一方、都民にとりましては、借地公園として公的空間が確保されることにより、自然を活用したさまざまなレクリエーションの場が広がるとともに、緑の保全などが図られる効果がございます。

○こいそ委員 地権者にとっても固定資産税が非課税になるなど、結構な制度だというふうに思います。
 借地制度の活用に当たっては、従来の買収方式による事業にあわせて、整備効果が極めて高くなるような取り組みが重要だと思いますが、借地公園をどのような場所で活用していくのか、このあたりお願いします。

○伊藤参事 お話のように、借地公園の場所の選定に当たりましては、整備効果を最大限に引き出すことが重要でございます。具体的に申し上げますと、既に開園している区域と一体となり、ベンチ、散策路など簡易な整備で利用が可能となる場所、及びまとまった樹林が存在するなど良好な自然環境を保全する必要がある場所を対象と考えております。

○こいそ委員 既に開園しているところと隣接する場所などから本制度の活用を考えるということでありますけれども、開園している場所同士をつなぐことになり、その効果は大きいというふうに思います。
 借地公園は、借地であることから、公園として活用できる期間などが設けられるものと思われますが、公園として使用できる期間は、余り短いと、これはもう効果がない。借地契約で定める内容及び期間についてお願いします。

○伊藤参事 借地公園の契約に当たりましては、公園整備の概要、利用方法、期間満了時の取り扱いなど、都立公園として管理するために必要な内容を盛り込んでまいります。
 また、契約期間は、都立公園として都民に継続的に提供することを重視いたしまして、整備費が国庫補助金の対象となる十年以上を基本としたいと考えております。

○こいそ委員 借地公園制度の利点、内容、そして効果的な活用に向けた考え方がわかりましたけれども、平成十八年度には、長沼公園、桜ヶ丘公園など六公園で約八ヘクタールの借地公園が整備されると聞いております。このような制度の積極的な活用をぜひ期待するところであります。
 最後に、借地公園制度の活用により、東京では極めて危機的な状況にあると思われる緑の保全--減少率が非常に高いですから、緑の保全、活用が一層進められると考えますが、多摩に長らくお住まいの浅倉次長に、この際、一言、二言でも結構ですけれども、所見をお願いします。

○浅倉次長 多摩に長く住んでいるということでのご指名でございますけれども、宮崎駿監督のアニメ映画に「耳をすませば」という作品がございます。この作品は、多摩丘陵、多摩市を舞台にして展開されているわけですが、その作品の中で、緑豊かに広がる風景が若い主人公に生きる力、安らぎと希望を与えているという、そういうシーンがございます。
 東京の緑の保全、活用にとって、多摩地域に残された森林、雑木林、里山などの自然は、都民に潤いと安らぎを与える貴重な財産であります。都立公園は、多摩の緑の貴重な拠点として、また、都民の憩いの場として大きく貢献してまいりました。
 今後、従来の買収方式に加え、借地公園の手法により、都立公園を早期に整備することは、豊かな自然環境の保全と活用を促し、都民の期待にこたえるものであると考えております。

○こいそ委員 ありがとうございました。
 それでは次に、河川事業について伺います。
 昨年九月の集中豪雨の直後、本委員会で治水対策について質問させていただきました。私の地元に流れる三沢川という川がございますが、その河川の本格的復旧は着実に着々と進められ、間もなく完了すると。幸いにも洪水被害等はその後ございませんでしたが、やはり気になりますのは、被害の大きかった善福寺川、妙正寺川の再発防止への取り組みでございます。
 我が党が支援し、国から採択を受けた激特事業の現在までの進捗状況と今後の予定について伺いたいと思います。

○野村河川部長 激特事業につきましては、昨年の九月四日に甚大な被害のございました妙正寺川及び善福寺川において、平成十七年度から五カ年で緊急に整備を行うものでございます。
 妙正寺川につきましては、北原橋付近の護岸工事に着手しており、残る区間につきましても、引き続き十八年度から順次護岸整備工事を発注してまいります。
 次に、善福寺川につきましては、かけかえを予定しております二つの橋梁の調査、設計に着手しており、また、和田堀第六調節池の掘り下げについても、関係機関との調整を進めております。

○こいそ委員 今回の激特事業では、従来の治水対策とは違う、景観なり環境なりの視点を取り入れた事業の進め方をしているというようなご説明をいただいておりますけれども、どのような取り組みを具体的に行っているか、お願いいたします。

○野村河川部長 災害復旧事業のように一連区間の河川整備を大規模かつ短期間で実施する場合、その川が本来持っておりました良好な河川環境を損なうおそれがございます。そんなことから、自然環境や景観の保全の観点から、専門家を国土交通省が派遣し、川づくりをアドバイスする制度が新たに設けられております。今回の激特事業区間においては、全国で初めてこの制度を適用し、専門家の意見を参考にして、できる限り環境に配慮した川づくりを行ってまいります。

○こいそ委員 緊急の対策事業において、自然環境に配慮するという考え方がここに入れられてきたということでございまして、私は、これは極めて評価に値する事業だと思います。
 また、さまざまな河川が東京にも流れておりますけれども、まちにおいて、都市において、自然を生かした整備を行うことができる貴重な空間であると考えます。
 私ども、これも万たびいわせてもらって大変恐縮なんですけれども、中小河川の大栗川というのと乞田川というのがございまして、それが多摩川に流れ込んでいくわけなんですが、私、環境局の事業の質疑の中でもいわせていただきましたが、これは中流部においては極めて良好な自然環境が整備されている川ではないか。多自然型、まさに多自然な河川なんですね。こういう川というものは、ぜひ良好な環境というのは整備していくべきじゃないか、こう考えるところでございます。
 その中でちょっと残念なのが、これは上流から恐らく流れ込んできているんだと思いますけれども、さまざまなごみですね、ビニール袋もそうです、それからいろいろな、いわゆるお菓子を食べた袋だとか、また、中には、どういうことかよくわかりませんけれども、マットレスが流れてきたり、流木があったり、いろいろあります。それがつかえちゃっているんですね。一雨来れば流れていくといえばそれまでなんでしょうけれども、しかし、これは何としても、今申し上げましたように大変景観もいいところでありますので、この所管はどこなんでしょうか、環境局なのか河川管理の建設局なのか、だと思いますが、ぜひ一度、そういうところの対処方もお願いしたいなというふうに思います。
 河川行政、そしてまた自然環境行政が結びついた施策を実施し、次の世代に自然豊かなまち、都市を引き継いでいくということは、今日このようにいろいろな面でかかわりを持たせてもらう我々としての使命ではないのかなという感もいたします。
 そして、去る二月、産業労働局が東京の水辺空間の魅力向上に関する全体構想を策定いたしました。水辺空間の魅力向上、実に私は思うところ大なんでございますけれども、水辺という以上、河川は重要な部分だというふうに思います。建設局は、全体構想との関係でどのような施策を展開されようとしているのか、このあたりお願いします。

○野村河川部長 本年二月に策定されました全体構想は、水辺のにぎわいや水辺環境など四つの視点から、魅力的な水辺の都市空間の実現を目指すこととしております。
 その中で建設局では、この構想に基づきまして、隅田川テラスでオープンカフェを実施する仕組みづくりや、防災船着き場の平常時利用を検討してまいります。また、荒川と隅田川を結ぶ小名木川を、かつての塩の道にふさわしい、江戸情緒のある水辺環境へ再生していくなどの取り組みを進めてまいります。

○こいそ委員 大変結構な事業をこれから進めようとされているところの評価はさせていただきますけれども、一言触れさせていただくならば、今の事業だけを聞いていますと、これは区部。多摩が入っていないような感じがするんですね。
 ですから、いずれにいたしましても、多摩地域にも自然豊かな河川が--先ほどいいましたけれども、それだけではございません、河川が流れている。多摩地域においても、またもう一つ、もう一段、さまざまな創意工夫を加えることによって、観光や都民の潤いの場として整備できる河川もあろうかというふうに思っております。水辺空間の魅力向上へ向けての河川の親水整備、区部と多摩で整備の考え方にどのような違いがあるのかなという感じもするんですけれども、基本的にはわからないことはありませんが、そのあたりはどうなんでしょうか。

○野村河川部長 親水整備の考え方でございますけれども、区部の河川は、都市の中の貴重なオープンスペースでございまして、風景を映し出す水面が魅力となっているといった面もございます。そういうようなことから、水辺に人が集まり、観光拠点や舟運の場として生かされるような親水整備に努めております。
 これに対しまして、一方、多摩地区の河川は、自然の瀬とふちが流れの緩急をつくり出し、多様な生き物が生息しております。その豊かな自然を生かしつつ、人と自然が共生できるような観点に主眼を置いて、親水整備に努めているところでございます。

○こいそ委員 いずれにいたしましても、極めて自然景観、多自然的な河川が流れている多摩地域でありますけれども、さりとて中小河川の中には三面コンクリートで固められている河川もございまして、本来の生態系がそこに押さえ込まれているというようなところも見るわけでございますが、水質は大分よくなってきましたので、大型排水路とはいいませんけれども、魚道もないわけであって、こういう多摩地域の河川で今後具体的にどのような親水整備を行おうとしているのか、現状も含めてなんですけれども、教えていただきたいと思います。

○野村河川部長 多摩地区の河川におきましては、河川の周辺や旧河川敷にも豊かな自然環境があるというような特性を生かしまして、親水に配慮した整備を行ってございます。
 例を挙げますと、野川では、改修工事の際に、河川沿いの野川公園などから容易に水辺におりられるよう、緩やかな傾斜の護岸を整備しております。また、谷地川や鶴見川では、旧河川敷を取り込みながら、ブロックの上を土で覆って緑化するなど、景観上も工夫した護岸整備を行っております。
 今後とも、このような親水に配慮した整備を進めていきたいというふうに考えてございます。

○こいそ委員 改修工事が行われて、水辺までまさに近づいていける、そのような整備を行っているということでありますけれども、これは私も実際的に見たところでありますけれども、散策、水辺の近くまで行って都民が集う、また地域の祭りのいろいろな行事等にも活用されているといいますか、よい整備をすれば、このような整備をすれば、自然に人が集い、河川が大いにいろいろな面で利用される空間、場となっていくんじゃないかと思うんですね。
 このような中で、良好な親水空間ですね、まだまだだというふうに思いますけれども、既に改修済みの区間において、親水施設を積極的にこれからも整備していく必要性があろうかと思います。そのような中で、今後どのようにこれら事業をさらに展開をしていくのかも教えていただきたいと思います。

○野村河川部長 既に改修済みの区間におきましても、老朽化箇所の補修などの機会をとらえまして、例えば水辺におりられる階段を設置する、あるいは河川沿いの管理用通路を少しでも歩きやすくするなど、親水機能が少しでも向上するよう工夫をしてまいります。

○こいそ委員 いずれにいたしましても、いろいろと現行の予算内で努力をしておられるということはわかりますけれども、まだまだ都民の要望に十分こたえられていないのではないかというふうに思います。
 私は、河川においても環境という観点をやはり取り入れて、環境整備、親水整備を事業目的とした独自の事業を行う必要性があるのではないかというふうに思うんですね。局に対してもこのようなお話をさせていただきましたけれども、治水対策が終わっていない中、優先度の話としては、それはわからないことはないのです、治水対策というのはいうまでもなく大切なこと、重要である。しかし、今申し上げてきましたけれども、ご答弁いただきましたけれども、これらの環境についても配慮された河川整備をしっかりやっていく、そして予算面でもこれらの事業を行う予算をしっかりと取り入れていく、確保するということは必要だと思いますし、ぜひこれらのことを実現するためにも、今申し上げた事業の予算面でも確保できるように強く要望をさせていただきたいと思います。ちょっと一方的過ぎちゃってあれなんですけれども、意図するところはわかっていただけると思いますけれども。
 るる申し上げまして、いろいろとお話をお聞きしたいところ多々あるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、今回激特事業が取り入れられて、それを、先ほど都内の河川の名前も出ましたけれども、全国に先駆けて一番早くやる、こういう事業を展開していくんだと、大変これはいいことだと思います。今後とも、環境局、建設局それぞれのいわゆる役割分担というのは当然あるでしょうけれども、私は、ぜひ環境面にも配慮された--連携もとりながらも、そういう独自的な事業展開をぜひ求めさせていただいて、次に移らせていただきます。
 JR南武線連続立体事業について伺います。
 昨年十月、第一期区間である矢野口駅付近の立体化によりまして、鶴川街道の交通渋滞が大幅に緩和された。地域は本当に喜んでいます。しかしながら、本事業は、事業費の九割近くを国、都、地元稲城市ですね、今回の場合、稲城市で負担しているにもかかわらず、都民は、ややもすると、鉄道事業者の独自事業ではないかというぐらいに思っている方も少なくないようなんですね。本事業は都が主体となって進めている事業であり、都民に対して都のかかわりをもっと明確に示していくべきではないかと思いますが、ご所見を伺いたいと思います。

○道家道路建設部長 JR南武線連続立体交差事業は、鶴川街道など十五カ所の踏切を除却することによりまして、道路交通の円滑化を図る事業でございます。したがいまして、都が事業主体となり、地元稲城市とJR東日本の三者が協力して進めているものでございます。
 これまでも、広報板やポスターの掲示、市報への掲載あるいはリーフレットの配布などによりまして、都が事業主体であることを都民にPRしてまいりました。先月開催いたしました第二期区間の工事説明会におきましても、三者の役割などを説明し、地元の皆様にご理解をいただいたものと考えておリます。今後ともさまざまな機会をとらえ、都が主体となって進めている事業であることをPRしてまいります。

○こいそ委員 看板を立てたり、今いろいろお話がありましたけれども、ご努力はよくわかります、見て。さらに一段のご努力をお願いしたいと思います。
 先月、第二期区間である稲城長沼駅付近から南多摩駅付近の工事説明が開催されました。間もなく工事着手するとのことでありますけれども、工事を円滑に進めるためには、当然用地が必要だと、用地確保が前提だということでありますけれども、そこで、現在の用地の取得状況について伺います。

○道家道路建設部長 事業区域内の用地につきましては、これまで多くの関係権利者の協力を得まして、取得に努めてまいりました。任意での契約が困難な残る一件については、土地収用法による裁決を経て土地の権利を取得いたしましたが、現在、樹木やブロック塀などの工作物が未移転の状況にございます。引き続き説得に努めるとともに、工事に支障とならないよう、行政代執行も視野に入れて精力的に取り組んでまいります。

○こいそ委員 連続立体交差化事業は、交通渋滞の解消だけではない、沿線のまちづくりにも大きな効果がある事業だと思います。また、地域の方々も、第二期工事の早期の完成を望んでいることはいうまでもありません。第二期区間の今後の取り組みについて教えていただきたいと思います。

○道家道路建設部長 第二期区間の二・四キロにつきましては、今月から工事に着手しております。引き続き十八年度は仮線工事や仮駅舎の工事を進めてまいります。
 今後とも地域の皆様のご理解とご協力を得まして、平成二十二年度の立体化を目指して、着実に事業を推進してまいります。

○こいそ委員 本事業によって新たに生み出されました高架下は貴重な空間だと。高架下の利用についても、私はやはり都がイニシアチブをとっていくべきじゃないかと思うんですね。これは当然公共公益的な用地だと思いますね、空間だと思います。これはやはり都が、第三者的ではありませんけれども、もっと積極的かつ地元稲城市、鉄道事業者との調整役を果たしていくべきじゃないかと常々思っているんですが、このあたりどうでしょうか。

○道家道路建設部長 高架下は限られた貴重な空間でありまして、従来から都が調整役となって地元市、鉄道事業者による高架下利用検討会を設け、地元市の利用計画が十分に反映されるよう検討を行ってまいりました。先行して立体化が完成いたしました矢野口駅付近におきましては、市民生活に関連した駐輪場や商業施設などの配置につきまして、この検討会で調整をしているところでございます。
 引き続き都は調整役として、要望の多い施設や必要性の高い施設を中心とした全体の利用計画を策定してまいります。

○こいそ委員 それは検討しているというのはわかるんですけれども、要は、都道の拡幅によって、整備によって、交番の移動もあるし、公共公益的な用地を確保しなければならない必然性というのはあるんですよね。ところが、ちょっと話に聞くと、高架下の空地がほとんど埋まってきちゃっていると。肝心な、それぞれ駅舎の周辺に、またこのような空地を利用しながら、本来入れ込むべきものが入らないというようなことがあっては困ると思うんですよ。このあたり私は、東京都が調整役になることは必要かもしらぬけれども、より積極的に--はっきりいってこれは公共公益的なんだから、地域の皆さんの要望というのをしっかり受けとめていかなきゃいけないことはいうまでもありませんけれども、全体、公共公益的な中においての、どうしても必要施設というのはあるんですよ。ですから、そういうようなことを私は積極的にやってもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。

○道家道路建設部長 今委員おっしゃったように、交番であるとかその他施設などで、公共公益的施設が駅の改札口に近いところにあるということを地元の方が要望されていることは、よく承知しております。
 高架下の利用につきましては、地方公共団体は、鉄道事業者と協議の上、鉄道業務に支障のない範囲で高架下貸付面積の一五%まで公共の目的に利用できるということができます。高架下は限られた貴重な空間でありまして、有効かつ効果的に公共利用する必要がございます。具体的な計画がある公共施設につきましては、この高架下利用検討会において、沿線のまちづくりとの整合性を十分とりながら、全体計画に反映させてまいります。

○こいそ委員 これは、お聞きしましたけれども、一期工事、そして二期工事がこれから始まろうとしていますよね。こういうことを踏んまえながらも、南武線だけじゃないと思いますけれども、いずれにしても、私はぜひこういうことも必要ではないかと、いろいろな方々からのご意見も当然あるんですけれども、聞いているわけなんですけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、借地公園制度と河川、それから南武線連続立体交差化事業等々についてお聞きいたしました。今後とも円滑にそれぞれの事業がしっかりと進められるように、このあたりの決意を私、最後に局長にお聞きして、終わらせていただきたいと思います。

○岩永建設局長 建設局は、お話のように多様な事業に取り組んでおりまして、基本は道路、河川、公園の整備及びその維持管理でございますけれども、従来、例えば河川の整備ですと、治水が主体ということでしたけれども、もちろんその重要性は変わりませんけれども、自然との調和あるいはもっと身近な自然を大切にするという、特に多摩の河川というのはそんな特徴を持っておりますので、そういうところの配慮もしながら、余りつくり過ぎないように、整備を今後進めていきたいと思っております。
 また、連立事業につきましては、これは局のいわば看板事業でございまして、よくいいます七路線九カ所、都内全域に展開しておりますけれども、その中でも、お話の南武線の高架化につきましては、おかげさまで順調に進んでおりまして、一期がほぼ終わり、今度二期に取りかかるということで、多額な事業費を要しますけれども、国費等も着実に確保しながら事業を進めていきたい、このように思っております。
 公園につきましては、先ほど次長が申し上げたとおりでございます。
 以上でございます。

○原田委員 私からは、首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について質問をいたします。
 この高速道路建設ですけれども、これは、交通、人と物の移動を含めてスムーズにすることによって経済効果を生むとか、ここで私が申し上げるまでもなく、さまざまなプラスの効果、都民生活を向上させる効果があるというのは明らかなところではあるかと思うんですけれども、それと同時に、先ほど来問題になっております大気汚染の問題、あるいは景観の問題、あるいは騒音の問題等々、周辺環境にいろいろな影響を及ぼす事業でもあるということもまた明らかなことだと思います。
 そういった点で、この事業について同意を今東京都が求められているわけですけれども、この内容につきまして、同意云々という前に、これをしっかりと検討していく、慎重に検討していくということがやはり必要なのではないかなというふうに考えております。
 この周辺に与える影響ですけれども、昨年の委員会の中で私も質問させていただきましたが、昨年の水害ですね、私の地元北区の石神井川のところで、首都高の工事箇所から洪水が起こると。ほかの洪水箇所と全く違う、こういった事例も起きているわけでございます。そうした点も考えまして、首都高速道路が行う事業につきまして、これから何点かお伺いしていきたいと思います。
 まず、一番最初に確認させていただきたいのですけれども、首都高速道路株式会社が国土交通大臣へ事業許可申請を行うに当たりまして、関係自治体、今回、ここの場合は東京都ですけれども、ここに事前に同意を求めてきていると。この内容については、どのようなことについて同意を求めてきているのかということを確認させてください。

○石渡道路管理部長 首都高速道路株式会社がことしの四月から行う事業につきましては、国交大臣の事業許可を受けなければなりません。この許可に際しましては、事前に関係自治体の同意と地方議会の同意が必要となります。
 その同意の中身につきましては、道路整備特別措置法に基づきまして、三つの事項が決められております。一つは高速道路の路線名、二つ目が新設及び改築工事の内容、三つ目が料金及び料金の徴収期間でございます。

○原田委員 ありがとうございました。法でその三点が定められているということでございますけれども、これについて、同意をするか、あるいはしないかということを判断することになるのかと思います。
 そこで、お伺いするのですけれども、都として同意の可否についてどのような点から判断するのか。どのような場合に同意して、どのような場合には同意しないということになるのか、その辺の判断基準についてお伺いいたします。

○石渡道路管理部長 同意申請されました事業許可の内容につきましては、事業路線及び新設、改築工事にかかわる事業計画が適切であり、道路整備にかかわる都の施策に合致していること、また、料金の額及びその徴収期間につきましては、二十年度以降、対距離料金制の導入が予定されるなど、短距離利用者と中長距離利用者との間の不公平感の是正が図られることなどから、適正なものと判断しております。

○原田委員 今、最後に、適正なものであるというお話がありましたけれども、私がお伺いしたのは、適正か否かということよりも、どういう基準で判断するかというところでしたので、つけ加えてご答弁いただいたのかと思いますけれども、その中で、事業計画が適切であるとか、都の施策に合致していることなどが挙げられています。
 ちょっと今のご答弁について確認させていただきたいのですけれども、事業計画が適切ということですね。この事業計画ということには、例えば、費用でありますとか計画の期間であるということが恐らく入ってくるんだろうなと思いますけれども、そういった認識でよろしいでしょうか。

○石渡道路管理部長 先ほどいった三点の事項がございまして、例えば高速道路の路線名については、現在供用中の路線、それから今後建設していく路線、新たに、先ほどお話しした品川線という路線を含めて二十三路線を今後の事業路線とするということでございます。それから、それに伴う、例えば新宿線、品川線、その工事をいつまでに、どのくらいの金額でやるのかということが適切に記載されているというような中身であるから、適正であると判断させていただいています。

○原田委員 今、期間ですとかそうしたことも含めて適切であるということだったと思うんですけれども、これまでも首都高速道路、以前は公団でしたけれども、その公団の時代に、今建設中の高速道路等々に関して、これも何らかの形で国から認可を受ける、その際に東京都も同意するというような手続があったかと思うんですね。
 そのことで一つ事例を挙げてちょっとお伺いしたいんですが、今、環状六号線、山手通りの地下で中央環状新宿線が建設されております。これは、当初は平成十八年末に完成するという予定だった、事業計画のときにそういう予定だったということだったと思うんですが、これが最大で三年程度おくれるということが明らかになっております。そうした意味では、当時同意した計画期間ですね、これがふたをあけてみれば、結果的にだとは思うんですけれども、いろいろと、必ずしも一〇〇%適切ではなかったということが明らかになっているという事例があるかと思います。こうした工程のおくれ等々につきましても、当然都がチェックする必要がある問題ではないかと思っております。
 そこで、まずお伺いしておきたいんですけれども、中央環状新宿線の事業におきまして、このおくれも含めまして、都はどのような指導を現在の株式会社に対して行っているのか、お伺いします。

○道家道路建設部長 中央環状線は、圏央道、外環道とともに首都圏三環状道路を形成いたしまして、都心方向の交通を分散することにより都内の交通混雑緩和に寄与する大変重要な路線でございます。
 このため、この新宿線の事業では、首都高速道路株式会社と設置いたしました中央環状新宿線工程管理委員会におきまして、開通時期のおくれや事業費の増加について精査するなど、首都高速道路の事業に積極的に関与しております。

○原田委員 今、工程管理委員会というものをつくられて、その中で、計画についておくれた分、つまり過去に同意したとおりにいかなかった分についての、いってみれば回復措置ですね、こういったものを行っているということがご答弁でありました。そうしたことで、実際に事業計画どおりにいかなかったものについても、都がしっかりと一定の取り組みをしている、管理を行っているということは理解するところでありますけれども。
 次に、ちょっとこの先のことについてお伺いしたいんですが、先ほどの事業許可申請の中にも含まれておりまして、かつ代表的な事業として、中央環状品川線というのがあるかと思います。これは本年度都も着手しておりまして、十八年度から首都高も事業に参加するということですけれども、新宿線の事業で、実際に必ずしも計画どおりに事業を進めてこなかったという経緯が首都高株式会社にあるわけですね。この首都高株式会社に対して同意を与えて、共同で事業を行うというわけですから、適切に工事を行うために、都としてもしっかりとした管理を行っていく必要があるように思います。そうした点でどのような取り組みをこれからしていくのか、お伺いいたします。

○道家道路建設部長 中央環状品川線は、首都東京の再生に資する大変重要な道路でございますとともに、都は共同事業者でございます。
 そのため都は、本年一月に会社と設置いたしました中央環状品川線事業推進委員会におきまして、工事の品質や安全の確保を図りつつ、事業の着実な推進と事業費の抑制を目指しまして、平成二十五年度の完成に向けて総合的な管理を行ってまいります。

○原田委員 今、今度はこれからの事業なんで、事業推進委員会をつくられるということだったんですけれども、新宿線の方も含めまして、組織をつくって事足れりとするようなことではなくて、その中で何をやるかが実際に重要なわけですから、今後ともしっかりとした取り組みをされることを要望させていただきます。
 次に移りますけれども、高速道路建設ですけれども、道路工事にとどまらずに周辺にいろいろな影響を及ぼすということは、先ほど来出ているところでございます。特に、首都高中央環状王子線の王子南入り口ですね、ここの建設に当たりまして、これも今回の案件の中に入っていたかと思うんですが、あわせて、その下を流れる石神井川の河道のつけかえという大規模な工事が一体的なものとして行われております。つまり、高速道路を建設するがために川の方もつけかえている。逆にいうと、高速道路をつくるということがなければ、川についても特にいじる必要がなかったところで工事をしているということでございます。
 で、冒頭申し上げましたとおり、ここの工事箇所は、道路と川と一体的に工事されているわけですけれども、ここが去年の、平成十七年の九月四日の集中豪雨の際に、首都高が行っている工事箇所から洪水が起こったということが明らかになっているわけでございます。
 ここに、平成十七年九月四日石神井川水害に関する調査報告書というものがございます。まずちょっと確認させていただきたいのですが、これは首都高の方から東京都に提出されたものということでよろしいわけですね。

○野村河川部長 ただいま委員からお話がありましたとおり、首都高から提出された中間報告でございます。

○原田委員 首都高から出された中間報告ということでございますけれども、この中身を見てみますと、三ページのところに「背面鋼管矢板を必要高さ確保したうえでの施工条件を付されたが、承認(平成十一年一月)後、首都公団(当時)において、嵩上げ護岸により仮設護岸高さを確保する方法が建設コスト上、有利と判断した。」と。この中で施工条件を付されたというのは、河川法二十条によって、河川管理者である都から、首都高公団というのが、川を工事することに関して許可、認可、承認を受けなければいけないわけですけれども、その中で、事前に工法について協議をしている。その後、事前に東京都と首都高が合意した工法以外の方法で、首都高の側が都に断りなく工法を変えて工事した。その理由は、建設コスト上有利だったからということが書いてあります。
 そして、一四ページの水害の原因のところに「弊社(旧首都高速道路公団)が設置した嵩上げ護岸のI型鋼が、約三十三メートルにわたり破損(落下等)し出水したこと等により、堀船一丁目から三丁目において、家屋、店舗の建物等に浸水した。」と。このコスト上の理由で、首都高速道路、当時の公団、現在の株式会社が都に断りなく変えたところから堤防が決壊して洪水が起きたということが、この報告書の中にも、首都高自身の言葉で書かれているわけでございます。
 こうしたことが現実に起こってしまっているということは、特に地域に住んでいる住民の方にとって大変、何ともいいようのないところでございますけれども、まず、こうした洪水被害が起きたということに対して、これまで東京都としてどのように指導してきたのか。それから、首都高が行う工事というものは必ず安全確実であるという前提が、これによって崩れてきているのかなという感じも受けるんですけれども、河川工事を進めるに当たって、不良設計、不良工事がないよう、しっかり取り組んでいただきたいと思うんですけれども、今後の取り組み方針についてお伺いいたします。

○野村河川部長 石神井川の首都高速道路株式会社による工事は、先ほど委員からお話もございましたように、河川法二十条に基づきまして、河川管理者以外の者が施行する工事として承認したものでございます。
 これまでは、首都高速みずからの責任において工事を施行させてまいりましたけれども、今回の溢水事故の重大性にかんがみまして、事故発生直後から、原因の究明と被災住民への誠意ある対応を指示してまいりました。さらに、工事区域全域にわたり、現場の自主点検を実施させ、都も安全点検を実施しております。
 また、首都高速道路株式会社に対して、設計変更の協議の徹底、水防体制の強化を指示しておりまして、今後、出水期前後の現場点検を都みずからも実施するなど、きめ細かな指導監督体制で再発防止に万全を期してまいります。

○原田委員 万全を期していくということで、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 こうした形で、首都高に関しては、当然道路のところが主だと思うんですけれども、建設局の中でも、道路、河川、それぞれの立場からかかわっているということでございました。首都高が工事を実施するに当たりまして、こうした安全性、それから周辺環境への配慮、こうしたものにきっちりと努めていくこと、これも大事だと思います。
 また、それと同時に、今、原子力発電所でも絶対安全という絶対という言葉を使わないで、必ずリスクというものについて考える時代になってきておりますので、高速道路につきましては、また工事につきましても、万が一何か事故があった場合に適切に対応するように、これも建設局として総合的に指導していくべきだと考えております。
 今回の事業許可の同意を行うに当たりましても、道路管理者として、工事施行の安全性確保と周辺環境への配慮、さらには万が一の事故等が発生した場合の対応についても指導していくべきだというふうに考えておりますけれども、お考えをお伺いいたします。

○石渡道路管理部長 首都高速道路の工事施行に当たりましては、お話のとおり、安全性を確保し、周辺環境に配慮を行うことは、特に重要なことであると考えております。
 このため、首都高速道路株式会社に対しまして、今回の同意の時期をとらえ、工事の施行に際しては、安全性の確保や周辺環境への配慮、また、万一の事故発生後の的確な対応などにつきまして、強く働きかけてまいります。今後とも、道路管理者として適切に対応してまいります。

○原田委員 ありがとうございます。今後とも、適切にぜひとも対応していただきたいと思います。
 今回は、建設局の中ですので、道路をつくる方、管理する方、さらに河川ということでかかわっておりますけれども、都政全体でいえば、環境面ですとか、あるいは日本橋の事例に象徴されるような景観の問題ですとか、首都高速道路が都政全体に与える影響あるいは都民生活に与える影響というのは大きなものがございます。そうした点で、まずは建設局の中でもしっかりと総合的に取り組んでいただきたいし、また、都政全体でも総合的に取り組んでいただきたいと考えております。
 こうしたところで、そうした取り組みを続けることによって高速道路をつくっていくと。当然、今回の同意の内容については、冒頭ありましたとおりに、事業計画ですとか名称についてということでございますので、今後、実際に都民が暮らし続ける中で工事というものが進んでいくわけでございますので、その辺のところ、都としても継続的に的確な取り組みがされるよう、最後に要望させていただきまして、質問を終わります。

○石森委員 それでは、手短に何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、市町村土木補助事業についてお尋ねをいたします。
 平成十八年度予算では、私ども自民党の要望を踏まえまして、多摩・島しょ地域のまちづくりを推進するための市町村土木補助事業費が大幅に増額されます。この補助事業については、道路交通安全施設、河川、公園等、多岐にわたる市町村の土木事業に対して支援を行うとありまして、中でも事業費の九割以上が道路の整備に充てられます。
 市町村道は、地域交通を支えるとともに、地域の交流やライフラインの供給など、日常生活に大変重要な施設であります。しかしながら、最新の東京都の資料で試算いたしますと、市町村道は、道路幅員などにおいて道路規格を満たす割合は六割に達せず、極めて整備がおくれている状況下にあります。
 そのような背景から、市町村民としては、依然として道路整備の推進を望む声が多いところでありますが、東京都としても、新年度、より充実させた市町村土木補助事業を各自治体が十分活用できるよう、今まで以上の支援が必要だと思われます。
 局としては、市町村道の現状についてはどのような認識を持たれているのか、また、どのような支援を考えられているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○道家道路建設部長 ただいま委員お話のとおり、市町村道は、国道や都道に比べて整備がおくれているため、市町村土木補助事業がその整備促進を図る上で大きな役割を果たしていると認識しております。都といたしましては、市町村が補助制度を最大限活用できるよう、財政、技術の両面から積極的に支援を行ってまいります。

○石森委員 せっかく予算規模が三倍近くに膨らんで、市町村の負担割合が下がったわけでありますから、より各自治体が活用できるよう誘導すべきだと思います。財政、技術両面からの支援といったこともありましたけれども、今後、具体的にはどのような取り組みをされていくのか、お示しをいただきたいと思います。

○道家道路建設部長 まず、財政支援の強化でありますけれども、これまでは限られた予算の中で、補助対象のうち工事費と用地費を補助しておりましたが、平成十八年度は、予算拡大に伴い、補償費や設計にかかわる費用にも補助を行ってまいります。
 次に、技術支援の強化についてでございますけれども、市町村の技術力の向上を図るために、定期的な技術情報の発信や設計に関する講習会をこれまで以上に充実してまいります。今後とも、市町村土木補助事業が円滑に進められるよう、市町村支援の強化に努めてまいります。

○石森委員 これまで自治体からの意見としては、この補助事業の条件が厳しくて、非常に使いづらかったというような、そんな話も聞こえますので、ぜひ各市町村が今後、より活用できるような柔軟な対応をお願いしたいと思います。
 また、市町村施行の都市計画道路の補助金に関してでありますけれども、国の三位一体改革によって国庫補助金が削減される、そのような形になりますけれども、都の補助金についても、財政的な理由から数年前から削減がされております。より事業進捗を図るためにも、この減少している都補助率の復元をあわせて要望しておきたいと思います。
 次に、八王子市の話題に移りたいと思います。
 八王子の高尾山の手前に多摩御陵という皇室墓地がございまして、正式には武蔵陵墓地と呼んでおりますけれども、ここには大正天皇、皇后様、そして昭和天皇、皇后様のそれぞれの墓地がございまして、鳥居があって墓地があるんですけれども、それぞれ仲よく配列されておりますけれども、大正天皇が崩御されたとき、御陵がこの地に決定した際には、過去、天皇陵が近畿地方以外に置かれなかったことから、当時は大変大きなニュースになったというようなことも聞いております。
 実は、昨年の五月に、国民の休日に関する法律の一部を改正する法律が公布されまして、来年の平成十九年から、現在はみどりの日と名づけられておりますけれども、これが来年四月二十九日には昭和の日として制定されます。
 この機をとらえて八王子市では、制定記念事業として、JR高尾駅から武蔵陵に至る遊歩道の整備を計画しているほか、周辺の国道、都道、河川も含め、地域におけるさまざまな事業を検討しております。これらの事業については、国そして都の支援、協力が不可欠となりますけれども、記念事業を実施することによって、首都の観光地でもあります高尾を全国に広くアピールして、さらなる観光客の誘致を図る、これを目的として、今着々と事業展開を図っているところでございます。
 この事業の中で、都道にかかる南浅川橋においては、著名橋としての魅力を最大限に引き出すことが必要だと考えますけれども、都としてはどのような対応が可能か、お聞かせをいただきたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 南浅川橋でございますが、この橋は、都道の多摩御陵参道にかかる橋として昭和十一年にかけられました。八つの灯籠を持つ石張りのアーチ橋でございまして、大正期のデザイン様式が保存されている著名橋でございます。これまで、この南浅川橋につきましては、多摩御陵の雰囲気と調和をした照明、周辺の整備を実施してきております。
 お話の記念事業に対しましては、地元市等と連携をいたしまして、積極的に協力をしてまいります。

○石森委員 高尾駅から武蔵陵に至る周辺整備については、昭和の時代を連想させるような一体的な整備を検討しておりますので、今ご答弁があったとおり、できる限りのご協力をお願いしたいと思います。
 また、河川についてでありますが、御陵の南側には南浅川が流れております。この川は、市の計画している遊歩道と連続した歩行者空間となっておりまして、現在でも水と緑の良好な空間でありますが、今後増加が見込まれる河川利用を踏まえてどのような取り組みを実施していくおつもりか、お聞かせをいただきたいと思います。

○野村河川部長 多摩御陵参道の南浅川橋から上流側、古道橋までの約四百メートルの区間は、多摩御陵にも近接し、散策路などの利用の多い自然豊かな河川でございます。都はこれまでも、護岸の補修に当たりましては、玉石を使用するなど、隣接する陵南公園の景観に配慮した整備を行ってきております。
 平成十八年度は、都民が自然に親しめるよう、水辺に近づける新たな階段などを整備してまいります。整備に当たりましては、昭和の日記念事業も念頭に置きまして、地元市と十分連携を図りながら進めてまいります。

○石森委員 ぜひ、現在の自然を生かした水辺環境の整備をお願いしたいと思いますけれども、あわせて、記念事業の中には、公園整備事業や各種イベント等、ソフト事業も計画しておりますので、都の最大限の財政的な支援を要望しておきたいと思います。
 そして、河川に関連してもう一点質問したいと思いますが、昨年の九月、先ほど来からもお話ございましたけれども、記録的な集中豪雨によって、中野、杉並、練馬区などで河川がはんらんいたしまして、大きな浸水被害が発生いたしました。多摩地域においては、雨が少なかったこともありまして、幸いにも区部のような被害は発生しなかったものの、近年の局所的はんらん型の水害発生件数の増加が示すように、いつあのような集中豪雨が起こるかわかりません。
 八王子市内の河川でも、谷地川や川口川などの水害が心配される河川もたくさん存在いたします。河川改修などのハード対策も徐々に進められておりますけれども、住民に危険を周知するソフト対策が重要なことはいうまでもありません。
 そこで、多摩地域の河川において、これまで浸水予想区域図の作成、公表がどのように行われているのか、現状をお聞かせいただきたいと思います。

○野村河川部長 都はこれまで、流域の市街化が著しく、浸水のおそれの多い二十七河川を優先して、十三年度から浸水予想区域図の作成、公表を進めてきておりまして、十七年度に完了しております。そのうち多摩地区につきましては、境川、野川、残堀川、黒目川、柳瀬川の五流域となっております。

○石森委員 多摩地域については、まだまだおくれているようでありますけれども、八王子市河川の浸水予想区域図の作成についての今後のスケジュールはどのようになっているのか、お示しをいただきたいと思います。

○野村河川部長 八王子市内を流れます谷地川や川口川など十六河川につきましては、新たに十八年度に調査、検証を行いまして、その結果を踏まえて、十九年度に公表する予定でございます。

○石森委員 河川を数多く抱える八王子にとっては、水害は常に心配しているところでもありますから、今後着実に検討を進め、市のハザードマップができるだけ早く作成できるように要望して、質問を終わります。

○西岡委員 野川への対策に絞って伺ってまいります。
 多摩地区を流れる野川は、国分寺市、小金井市、そして三鷹市、調布市、その後さらには狛江市、そして世田谷区を流れ、最後に多摩川に注ぐ、多摩地区を流れる延長二十・二キロメートルの、東京都が管理する一級河川であり、代表的な中小河川であります。はけと呼ばれる国分寺崖線などの湧水のみが集まる自然環境豊かな貴重な河川として、流域の都民に大変に親しまれている河川でもあります。私自身も野川のすぐそばで育ちました。子どものころから現在まで二十六年間にわたりまして、さまざまな形で親しんでまいりました。
 そのとても大切な野川が、平成になったころから、水がれの現象が見られるようになってしまいました。そしてここ数年間では、冬場になると毎年のように、特に小金井市の区間では相当深刻な水がれが起きておりまして、梅雨前の五月ごろまでかれているというような状況が続いております。このことは、小金井市民、小金井市議会の間でも長い間議論をされてまいりました。地元選出の都議会議員でもありますが、私は野川に恩返しをしたいと思っている立場でもありまして、まずは、野川のこれまでの水がれの現象と最近の状況をどのようにご認識をされているかを伺わせていただきます。

○野村河川部長 野川の水がれ現象につきましては、平成二年ごろから見られるようになっておりまして、特にここ数年は毎年のように確認されております。また、その現象は、理事お話しの小金井市のほか、調布市及び狛江市区間の一部でも見受けられております。
 本来、河川におきましては、生き物の貴重な生息環境や美しい景観を保持していくために一定の水量が確保されることが望ましく、水がれ対策を検討していくことが必要であるというふうに考えております。

○西岡委員 三月十八日、おととい、私は野川のすぐ近くに住んでおりますので、ほぼ毎日のように野川は通っておりますが、水がれの現象が既に始まっておりまして、ちょっと写真を撮影してまいりました。
 こちらが大変代表的な野川の野川公園、武蔵野公園をまさに流れている野川の土曜日の写真であります。全く水が流れておりません。こういう状態です。中には、この河床を犬を連れて散歩している人もいるぐらいの状況であります。
 また、水がれになる前には、水だまりという現象になるんですね。こういう形で、これは水が流れておりません。水が残っているだけで、日に日に乾いていくわけです。(「その左側は」と呼ぶ者あり)この左側は、これは貯水池に流れていくためのいわゆる入り口になっています。万が一水があふれたときに、ここを流れて貯水池になっていくところです、調節池。
 こういう形で水がれになっている、また水だまりになっている現象が続いておりまして、私、十月の委員会でも、環境局へのご提言としまして、野川の豊かな水循環を取り戻すべく、小金井市では市を挙げて、降った雨が地中に浸透するよう、個々の住宅などに雨水浸透ますの設置を精力的に推進してきた事例と、これからは広域の自治体で雨水浸透ますの事業に取り組むことが重要であり、全都で拡大をしていくべきであるという主張をさせていただきました。
 年々、東京都は降った雨が地中に戻らなくなってきています。河川事業などにおいて、東京都でもさまざまな取り組みを行ってきたこととは思いますが、野川の水がれ対策として、具体的にこの間どのような対策に取り組んできたのか、伺わせていただきます。

○野村河川部長 野川の水がれ対策でございますけれども、最上流部におきまして、JR武蔵野線トンネルから一日当たり最大三千立方メートルの湧水が、野川の源流の一つである姿見の池へ導水されております。
 また、平成八年から、流水の浸透防止のために、河川の整備にあわせまして、河床に粘性土を張りつける対策を講じてきており、これまで三・六キロが完成しております。

○西岡委員 これまでの取り組みは理解をいたします。が、一方、野川を地域に生きた親しめる川とするために、都民と行政が協働、連携して川づくりを進め、流域の住民、野川に関心を持ち活動している団体、区や市及び東京都が情報、意見交換や提案などを行う目的として、建設局によりまして、平成十二年八月三十日に野川流域連絡会が設置をされました。
 そして、この野川流域連絡会から、一昨年八月に野川渇水に関するPRチラシが作成され、見解が発信をされています。こういったチラシでありまして「今年の野川の渇水は異常事態です」ということで、二〇〇四年の八月二十五日に配布をされております。
 このPRチラシの趣旨は、湧水のみを水源とする野川は、今かつてないほどの水がれになっています、生き物たちは壊滅的な影響を受けています、野川をよみがえらせることは多くの市民の悲願であり、この異常事態に対し何らかの対策をとる必要があり、意見表明をします、水がれの原因は、さまざまな原因が複合的にかかわって水がれに至り、ことしの降雨量が少ないということだけでなく、流域の市街化に伴い、雨水が地下に浸透する区域が減少し、用水の通水を停止したことや地下水くみ上げの影響などが考えられますと述べられ、最後に、行政は水がれ原因の究明を緊急に進め、何らかの対策についての検討を進めましょうと述べられております。
 これまでのさまざまな野川への取り組みやご努力には心から敬意を表しますけれども、まことに残念ながら、いろいろな対策をとっていただいておりますが、目に見える効果が出ておりません。このままでは、何年かたつと、野川から水流が常になくなってしまうのではないかと大変に危惧をいたしております。
 まずは、こういった理由をどのように分析をされているのか、そして今後、東京都は、野川の水がれ現象や対策の効果を検証し、より効果的な対策に向けた検討を進めるべきと考えますが、ご所見を伺わせていただきます。

○野村河川部長 水がれ対策の基本といたしましては、先ほど理事のご指摘にもございましたけれども、自然の水循環を回復し、河川の水量を復活するために、浸透ますや透水性舗装などを行って、地下水を涵養していくことが必要でございます。
 都では、関係各局や地元区市との連絡会におきまして、このような観点から検討を進めることとしております。建設局といたしましては、現在、土木技術研究所におきまして、雨の降り方、地下水位、河川水量の三者の関係の調査を継続的に進めております。

○西岡委員 今伺った取り組みについては、これからもぜひ積極的に進めていただきたいとは思います。が、なかなか効果があらわれないという状況を見詰めてみますと、私、この辺で、思い切った新しい対策を構築してみる必要があると認識をいたしております。雨が降れば回復する一時的な現象を待っているわけにもいかない状況であります。
 思い切った対策の具体的な提案としては、私は三つあるのかなと思っておりまして、その一つは、砂川用水などの他の水流を野川に導水してみることはできないのか。二点目に、水源として、水がれの時期に限って地下水を利用することはできないのか。三点目に、流域内の公共施設などで相当量の雨水を貯留いたしまして、それを枯渇した時期に導水するなど、雨水を活用することはできないかの三点について、今後、研究、検討をしていただきたいと考えております。
 しかし、どのような対策を打つにしましても、環境に負荷を与えることはできないと思いますし、財政的な考慮も必要であると考えます。そうしますと、二点目にご提案をしました地下水を利用するということは、枯渇した野川にさらに、原因の一つと考えられている地下水を引き込むということは、実際問題これは難しいのかなと思っておりますので、一点目の、他の水源を、水流を引き込むということと、雨水を利用してみるというこの二点なのかなと思っておりますが、東京都といたしましてのご所見を伺わせていただきます。

○野村河川部長 ただいま理事の方から貴重なご提案をいただいたわけでございます。それぞれ、野川の水がれ対策として検討に値するものというふうには考えられますけれども、今二点目については課題があるというお話もございました。それぞれ課題もございます。また、河川管理者のみで実現することは困難であるという面もございます。そんなことから、今後、先ほども申し述べました関係各局や地元区市との連絡会等で十分検討を行っていきたいというふうに考えてございます。
 なお、課題などについて若干申し上げますと、一点目の砂川用水の導水につきましては、水量の確保と用水の整備が前提になるかと思いますし、用水利用組合との調整も必要でございます。
 二点目の地下水利用につきましては、やはり法や条例による規制もございます。
 また、三点目の雨水利用につきましては、仙川沿いの桜堤団地におきまして、降った雨を一時貯留し、水源として利用している例が既にございます。こんなことから、野川沿いに利用できる施設があれば、こうした対策の実施について、関係機関と協力をしながら働きかけていくということは可能かと思います。

○西岡委員 ご答弁まことにありがとうございました。ぜひとも検討を進めていただきたいと思いますが、水流が大変に美しく、渡り鳥もやってくる川であります。そういう野川であり続けられますように、今後の施策にご期待をさせていただきたいと思います。そして、小金井のみならず、すべての野川沿川の都民が望んでいるといっても過言ではないほど、野川の水がれの対策が求められていると確信をいたしております。
 最後に、ご担当の建設局長の、できればやる気に満ちあふれたご見解を伺わせていただきまして、質問を終わらせていただきます。

○岩永建設局長 今、担当部長からもろもろの課題があるということを申し上げましたけれども、私からも、率直に申し上げまして、流域の保水能力が低下している中で、自然の水循環を回復するということは大変難しい課題であります。現に、お話のように地下水もどんどん低下してきておりますので、これを何らかの方法で維持あるいは増大させるということは、単に河川管理者だけの問題じゃないと思っております。
 今、他からの導水で砂川用水等の話もありましたけれども、それは用水そのものの物理的な問題というよりも、用水に流す水量をどう確保するかという開発水量の問題にもなろうかと思います。水利権等々いろいろ課題もございますので、例えば水道局その他関係する局と今後勉強してまいりたい、このように思っております。

○ともとし委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十分散会

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