環境・建設委員会速記録第十三号

平成十七年十月二十七日(木曜日)
第九委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長ともとし春久君
副委員長林田  武君
副委員長大津 浩子君
理事大西由紀子君
理事西岡真一郎君
理事近藤やよい君
伊藤 興一君
原田  大君
河野百合恵君
石森たかゆき君
くまき美奈子君
東野 秀平君
こいそ 明君
吉野 利明君

 欠席委員 なし

 出席説明員
建設局局長岩永  勉君
次長浅倉 義信君
道路監柿堺  至君
総務部長矢口 貴行君
用地部長藤井 芳弘君
道路管理部長石渡 秀雄君
道路建設部長道家 孝行君
公園緑地部長内海 正彰君
河川部長野村 孝雄君
企画担当部長林 健一郎君
道路保全担当部長阿部  博君
道路計画担当部長桐越  信君
参事小田 昭治君
参事伊藤 精美君

本日の会議に付した事件
建設局関係
事務事業について(質疑)

○ともとし委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○矢口総務部長 去る九月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくりいただきますと、目次に十七件の資料の件名が記載してございます。この順に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。道路補修費の予算と決算でございます。
 この表は、道路補修費につきまして、平成八年度から平成十七年度までの予算額と決算額及び決算額の区部、多摩部別の内訳をあらわしたものでございます。
 二ページをお開き願います。歩道の整備状況でございます。
 この表は、歩道の整備状況につきまして、平成八年度から平成十七年度までの整備延長と金額及びそれぞれの区部、多摩部別の内訳をあらわしたものでございます。
 続きまして、三ページをお開き願います。交差点すいすいプランの平成十六年度実績と今後の計画でございます。
 上段1の表は、交差点すいすいプラン一〇〇による平成十六年度の実績につきまして、規模、事業費、主な施行箇所をあらわしたものでございます。
 下段2の表は、第二次交差点すいすいプランによる平成十七年度から平成二十六年度までの計画につきまして、上段の表と同様に、規模、事業費等をあらわしたものでございます。
 四ページをお開き願います。多摩地域における交差点すいすいプランの進捗状況でございます。
 上段1の表は、多摩地域における交差点すいすいプランの整備状況につきまして、平成十二年度から平成十六年度までの実績を規模、事業費、施行箇所別にあらわしたものでございます。
 下段2の表は、鶴川街道の歩道の整備状況につきまして、道路延長と整備済み延長をあらわしたものでございます。
 五ページをお開き願います。多摩地域における主要な交差点付近の渋滞状況でございます。
 この表は、多摩地域の主要な路線の渋滞状況につきまして、路線別に、混雑時平均旅行速度、主な交差点、主な渋滞対策をあらわしたものでございます。
 なお、参考といたしまして、下段の表に、都内の混雑時平均旅行速度を記載してございます。
 六ページをお開き願います。バス停スムーズプランの平成十六年度実績と今後の計画でございます。
 この表は、バス停スムーズプランの平成十六年度の実績と平成十七年度以降の計画に区分して、規模、事業費、主な施行箇所をあらわしたものでございます。
 続きまして、七ページをお開き願います。踏切道あんしんプランの平成十七年度計画と今後の計画でございます。
 この表は、踏切道あんしんプランの平成十七年度の計画と平成十八年度以降の計画に区分して、規模、事業費、主な施行箇所をあらわしたものでございます。
 続きまして、八ページをお開き願います。区部都市計画道路の整備方針による事業認可取得路線でございます。
 この表は、区部都市計画道路の第三次事業化計画に基づきまして事業認可を取得した路線と今年度内に取得を予定している路線につきまして、箇所、延長、事業認可日をあらわしたものでございます。
 九ページをお開き願います。国道の整備費の推移でございます。
 この表は、国道のうち、指定区間外の三路線につきまして、平成十二年度から平成十六年度までの整備費の推移をあらわしたものでございます。
 一〇ページをお開き願います。稲城大橋有料道路の交通量、収入実績及び維持管理費の推移でございます。
 この表は、稲城大橋有料道路につきまして、平成十二年度から平成十六年度までの交通量、収入実績及び維持管理費の推移をあらわしたものでございます。
 続きまして、一一ページをお開き願います。中小河川の整備状況でございます。
 この表は、中小河川の整備状況につきまして、平成十三年度から平成十七年度までの整備延長、事業費、主な河川ごとの事業をあらわしたものでございます。
 一二ページをお開き願います。多摩地域における中小河川の整備状況でございます。
 この表は、多摩地域における中小河川の整備状況につきまして、平成十三年度から平成十七年度までの整備延長、事業費、主な河川ごとの事業をあらわしたものでございます。
 続きまして、一三ページをお開き願います。多摩地域における親水等に配慮した河川整備でございます。
 この表は、多摩地域における親水等に配慮した河川整備の状況につきまして、平成十三年度から平成十七年度までの河川別の施行箇所と主な親水対策をあらわしたものでございます。
 一四ページをお開き願います。シカ食害に関する砂防工事の実施状況と今後の予定でございます。
 この表は、シカ食害に関する砂防工事につきまして、平成十六年度及び平成十七年度の状況と、平成十八年度以降の計画に区分して、砂防工事対策箇所と工事内容をあらわしたものでございます。
 続きまして、一五ページをお開き願います。河川の溢水件数及び知事管理道路における通行どめを伴う道路冠水件数でございます。
 この表は、平成十三年度から平成十七年度までの河川の溢水件数と知事が管理する道路における通行どめを伴う道路冠水の件数をあらわしたものでございます。
 なお、平成十七年度は十月一日現在の件数を記載してございます。
 一六ページをお開き願います。都市公園の整備費、維持管理費及び用地の取得状況の推移でございます。
 この表は、都市公園につきまして、平成八年度から平成十七年度までの整備費と維持管理費及び用地の取得状況の規模と金額をあらわしたものでございます。
 一七ページをお開き願います。都立桜ヶ丘公園の整備状況と今後の整備予定でございます。
 上段1の表は、都立桜ヶ丘公園の整備状況につきまして、平成十三年度から平成十七年度までの事業費と追加開園面積をあらわしたものでございます。
 下段2の表は、都市計画面積に対する開園面積と整備予定面積をあらわしたものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○ともとし委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、事務事業に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○近藤委員 日暮里・舎人線について何点か伺いたいと思います。
 日暮里・舎人線の工事の付近の地元に伺いますと、どうもまた幾らか工事おくれているらしいねと、十九年度の開通がどうも怪しくなってきたという話を聞いているけど本当かというようなことを最近たびたび質問されるようになりました。
 そのたびに、十九年度の開通についてはご心配要りませんというふうにお話はしておりますけれども、地元の自治会長さんを初めとする有力者の方々がこういったこと非常にご心配の状況がございますので、改めて現在の工事の進捗状況と十九年度開業の見通しについてお尋ねいたします。

○桐越道路計画担当部長 日暮里・舎人線につきましては、平成九年十二月に工事に着手いたしまして、十九年度に開業すべく現在事業を進めてございます。
 この路線の工事には、インフラ部の工事と電気通信設備などのインフラ外部の工事がございます。インフラ部の工事は、大きく分けまして、支柱、橋げた、床版や走行路などの上部仕上げ工事及び駅舎の工事、この四種類の工事から成ってございます。支柱の工事につきましては約八割が、橋げたの工事につきましては約五割が完成してございまして、さらに車両の走行路などの上部仕上げ工事と駅舎の工事につきましても、すべて現在着手をしてございます。
 インフラ部の工事のうち車両の運行にかかわる部分につきましては、十八年度に完成させる予定でございます。
 今後とも、車両の製作や電気通信設備などのインフラ外部を担当いたします東京都地下鉄建設株式会社と十分連携をとりまして、十九年度の開業に向けて全力で事業を推進してまいる所存でございます。

○近藤委員 今の答弁を受けて二点伺いたいと思います。
 まず一つに、建設局さんとしては、十八年度内に作業を、事業を、工事を終えて、それ以後はインフラ外部を担当する東京都地下鉄建設株式会社の方に事業が移る、工事が移るわけですけれども、移った後の十九年度の開通については、事業が移った後も、建設局さんとして、今十分に連携を図るという言葉でおっしゃっておりましたけれども、責任分担といいますか、自分たちは十八年度にやることやったんだから、おくれようが何しようが、後は株式会社の方の責任だよということになるのか。作業を相手に渡した後も、きちっとした、開通については建設局として責任のある立場でこれからもかかわっていただけるのかどうか、まず伺いたいと思います。

○桐越道路計画担当部長 インフラ部の工事のうち、車両の走行に直接影響のある部分につきましては、十八年度に工事を終える予定でございますが、その後でインフラ部の工事につきましては、一部の駅におきまして、車両の運行に影響のない、利用者のための連絡通路工事など、幾つかの工事が残ります。駅舎の外装等が残ったり、あるいはエレベーターですとかエスカレーターの工事が残ります。
 十九年度も、建設局の事業と、インフラ部の工事とインフラ外部の工事が一緒に行われる時間がございます。そういう意味で、建設局といたしましては、インフラ外部を担当いたします東京都地下鉄建設株式会社及びこの会社を所管いたします交通局と十分連携をとって、工程の管理、調整を行い、十九年度の開業に向けて全力で事業を推進してまいる所存でございます。

○近藤委員 全力で推進していただいているということは十分に理解をしておりますけれども、重ねて伺いますが、十九年度の開業に間に合わないんじゃないかなというような、懸念されるような何か事象というのは今全くないというふうに理解してよろしいでしょうか。

○桐越道路計画担当部長 懸念するような状況にはないと考えております。

○近藤委員 きょうは答弁はないというふうに理解していると先ほどおっしゃっておりましたけれども、この十九年度の開通に向けて、やはり局長の決意というか、姿勢というものをぜひ伺っておきたいと思いますので、手短に決意だけ述べていただけたらと思います。

○岩永建設局長 ただいま担当部長が申し上げましたとおり、インフラ部の主要な部分につきましては十八年度、それがまだ若干工事もありますし、インフラ外部の工事は東京都地下鉄建設株式会社が実際に施工しておりますので、十九年度の開業を目指して両者協力しまして、全力で取り組んでまいります。

○近藤委員 全力で頑張っているけれども間に合わなかったということがないように、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 開業に合わせて、利用者を確保するというためには、沿線を魅力的に考えていくということが必要だと思います。
 ただ、残念ながら、日暮里・舎人線、足立区内に限っていえば、沿線にこれといった大きな集客施設がございませんで、唯一あるのは都立の舎人公園ということになります。日暮里・舎人線を単なる足立区民の足として利用するだけでなく、区内や区外の方々が、この日暮里・舎人線を利用してこの地域にやってきていただくような形になるようにしなければ、十分な利用者を確保できないというふうに考えますので、その一つの方策として、舎人公園を魅力的に建設していくということが非常に重要なことだというふうに考えております。
 今、日暮里・舎人線の建設に合わせてその車両基地をつくっておりまして、車両基地の屋根の勾配を利用したような公園づくりが計画されているわけですけれども、日暮里・舎人線の十九年度の開業時の舎人公園の状況というのは一体どういうふうになるのか。現在の状況ではなく、開園時の未来の状況について、少々ご説明いただけたらと思います。

○伊藤参事 舎人公園につきましては、計画面積六十九・五ヘクタールの、水と緑あふれる森林公園を目指した公園でございます。現在の開園面積は五十一・四ヘクタールで、日暮里・舎人線開業に合わせ、車両基地上部の十ヘクタールの追加開園を予定しております。
 この車両基地上部の盛り土によってできる小高い地形を生かしまして、展望機能を有する広場を初め、春には桜、秋には紅葉が楽しめる丘などを整備いたします。

○近藤委員 私ももちろん地元の地域の者も、日暮里・舎人線の開業に合わせて舎人公園も全域にわたって開園するものだというふうに理解をしていたわけですけれども、今のご答弁ですと、計画の面積から、これから車両基地の上部の十ヘクタールを開園したとしても、まだ未開園の部分が、差し引いてみますと、八・二ヘクタール残るわけですけれども、開園時における八・二ヘクタールの公園の状況についてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

○伊藤参事 現在用地未買収等いろいろございまして、八・五ヘクタールが未開園となっております。そのうち、点在しておりますけれども、南側部分に未開園部分が集中しておりまして、未開園部分三・五ヘクタールございます。そのうち未取得地は〇・二ヘクタールございます。これにつきましては、粘り強く折衝を重ねるとともに、困難な案件につきましては、収用制度の活用も視野に入れながら取得に努めてまいります。今後とも早期の開園を目指して最大限の努力をしてまいります。

○近藤委員 まだ取得できない土地があるという中で、非常に交渉が難航しているということは伺っておりますので、当事者の方、努力していただいているということは理解をしているわけなんです。ただ、舎人線が通りました、それに乗って多くの都民の方に訪れていただきたいわけですけれども、公園に来たときに、公園のど真ん中にまだどんと一軒家が建っていたということでは、遊びにいらした都民の方、非常に興ざめだというふうに思います。
 それに、これから収用も視野に入れてというお話があったわけですけれども、それを考えるんでしたらば、一つの最終的なおしりを日暮里・舎人線の開通と考えて、それから逆算する形でタイムリミットを切っていくというような形の収用の時期を見越して考えていただけたらなというふうに思っております。これからの見込みというか、今のところは収用も視野に入れて云々というご答弁でしたけれども、ぜひこの開業時の全面開園に向けての土地の取得に向けて、今以上に努力していただけないかというふうに思いますけれども、その辺の所見、いかがでしょうか。

○伊藤参事 用地の取得につきましては、現在いろいろ地権者と折衝している最中でございます。相手方があることでございまして、これにつきましては、非常に難航が予想されておりますけれども、できる限り開園時に間に合わせるために努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○近藤委員 よろしくお願いいたします。
 この舎人公園の中には、陸上競技場ですとかテニスコート、それに野球場といったような施設がございます。ただ、地元におりましても、余りこういった施設が利用されているというようには理解してないんですけれども、この陸上競技場、テニスコート、野球場の中で、特に、余り利用が見受けられない陸上競技場について、使用状況、利用状況についてお尋ねしたいと思います。

○伊藤参事 舎人公園の陸上競技場の平成十六年度の平日の貸し切り利用率は三・一%、土日祝日の貸し切り利用率は四一・四%で、平均では一五・七%となっております。
 利用内容といたしましては、主として足立区内の陸上競技大会のほか、サッカーの練習や試合に使われております。
 なお、貸し切り利用がない日につきましては、個人の陸上競技の練習用に無料開放しておるところでございます。

○近藤委員 土日の利用は四一・四%ということで、そこそこですけれども、平日と合わせて一五・七%というように非常に低い利用率、貸し切りじゃないときは個人が使っているということで、マイ競技場のような状態が続いているわけです。
 競技場というのは、教えていただきましたら、第一種から第五種まで区分されるということで、この舎人公園の競技場は第三種競技場という位置づけだというふうに聞いておりますけれども、実際に第三種の競技場を利用した大会、具体的にどういう大会の開催が可能なんでしょうか。

○伊藤参事 日本陸上競技連盟の規定によりますと、第三種公認の陸上競技場では、国体の予選のような都道府県レベルの公認競技大会が開催できることになっております。舎人公園陸上競技場におきましては、残念ながら過去にそのような大会が開催された実績はございません。

○近藤委員 日暮里・舎人線が開通するまでは非常にアクセスの悪いところですので、やろうと思えば開けるだけの施設があったとしても、今の状況では難しいのかなというふうに思いますけれども、日暮里・舎人線が開通した暁にはそういった交通のアクセスの問題は解決するわけですので、舎人公園でも、今おっしゃってくださったような国体の予選のような催しができるように、そういう形で使用を促していくような努力を、逆に待っていてもお客様は来てくれませんので、使用していただけるようにセールスをかけていくということもこれからは必要かというふうに思いますけれども、ご見解を伺いたいと思います。

○伊藤参事 陸上競技場の誘致、PRでございますけれども、日暮里・舎人線の開業に合わせまして、東京陸上競技協会や東京都サッカー協会などに陸上競技場を大会の会場として利用してもらえるよう呼びかけてまいります。
 また、東京陸上競技協会に加盟している団体に対しましても、陸上競技場の見学会を開催するなど、広報活動を行いまして、知名度の向上を図ってまいります。
 日暮里・舎人線の開業に伴い、交通の利便性が高まる中で、より多くの方々に舎人公園を訪れていただくよう、なお一層魅力ある公園づくりに努めてまいります。

○近藤委員 施設はほうっておいても陳腐化するばかりですし、今回の質問を通じて伺いましたところ、陸連の関係者も、そういう施設があったことすら知らなかった、見たことも聞いたこともないというようなことを先方おっしゃっているというふうなお話を伺いましたので、これを機会に、日暮里・舎人線の開通に合わせて、大きな大会の開催に向けてぜひセールスをかけて頑張っていただきたいなというふうに思います。
 次に、都立公園の指定管理者制度について何点か伺います。
 これにつきましては、過去、平成十六年、そしてことしの三月と、さまざまこの委員会の委員の方々も質疑をされているわけです。そして小磯委員の方から、今回、小山内裏公園について、日比谷アメニスグループが選定された理由を質問されたときに、事業展開に創意工夫があって、管理運営水準が非常にすぐれている、またはNPOの導入を図りながら地元に密着した公園づくりをしていくというような事業の姿勢が非常に評価されたというようなことでお答えになっているわけです。
 そして、今回、平成十六年の七月一日から平成十七年の三月三十一日までということで、この小山内裏公園の指定管理者に指定された日比谷アメニスグループの決算報告書が提出をされました。実際に決算が終わってみて、事業の内容をどのように評価されているのか、まず伺いたいと思います。

○内海公園緑地部長 日比谷アメニスグループの主な管理運営の実績でございますけれども、ポランティア団体が開園当初の二団体から現在は七団体にまでふえるというような実績がございます。都民協働事業に実績があったと評価をしております。
 また、自主事業といたしましては、イベントやカルチャー教室を積極的に実施するなど、創意工夫ある利用者サービスに努めていると考えております。

○近藤委員 七月一日から三月三十一日までという短い期間でありますけれども、この決算の内容、また事業の内容を詳細に検証することによって、これからいよいよ本格化していく管理委託の選定の基準だとか事業内容、これに反映していくということが肝要だと思います。今は事業全体のことについてお答えいただいたわけですけれども、決算と今回行われた事業の内容のバランスについてはどのようにお考えになっていますか。

○内海公園緑地部長 十六年度の小山内裏公園の管理運営業務につきましては、管理月報などによりまして毎月履行確認を行い、年度終了後は決算及び事業報告書を提出させているところでございます。それらに基づき、年間の業務実績につきましては、当初の所要経費で年間事業計画どおりの業務を行い、良好なサービス提供と公園の特性を生かした維持管理を実施したと評価しております。

○近藤委員 現在管理委託を行っている都立公園については、来年度からの指定管理者の本格的な導入のために、五月から公募を行って、選定作業ももう最終段階に入っているというふうに伺っておりますけれども、今後のスケジュールについてはどうなっているか、お尋ねいたします。

○内海公園緑地部長 都立公園における指定管理者の選定につきましては、既に五回の指定管理者選定委員会が終了し、現在指定管理者の候補者決定の手続をしてございます。今後、第四回定例会におきまして指定の議決をいただきました後、協定の締結などの準備を行いまして、四月から指定管理者による管理運営を開始する予定でございます。

○近藤委員 いよいよこれから本格的に管理委託が導入されるに当たっては、導入前と導入後と、利用者がその公園を利用するに当たって、どのように管理がよくなってきたのか、または前より劣ってきたのか、こういうところがいい、悪いというような利用者の声を積極的に受けとめて、それを今後の業務に反映していくということが非常に重要になってくるかと思います。
 ただ単に苦情の電話や投書を待っているだけでなく、積極的に利用者の意見や要望というものを受けとめていくような何か施策が必要かなというふうに考えますけれども、ご見解はいかがでしょうか。

○内海公園緑地部長 先生ご指摘のように、利用者の方々の声を公園管理に反映させるというのは大変重要でございます。例えば、先ほど例に出ました小山内裏公園などでは、管理所におきまして把握した利用者の要望、苦情等につきまして、必要なものはその管理所内で利用者の声という形で掲示をし、その対応状況を公表してございます。また、ミーティングを通じまして職員に周知徹底を図りまして、サービスの提供に生かしているというふうに聞いております。
 今後とも、都立公園におきましても、このような取り組みを積極的に進めていきたいと考えております。

○大津委員 がらっとテーマは変わりますけれども、夢のある東京まちづくり、そして、千客万来の首都東京を目指しまして、東京都立動物園についてご質問をいたします。
 今、動物園が大変おもしろいわけでございますが、八月には石原慎太郎知事が、多摩動物園のオランウータンやライオンの本来ある自然の状態での見せ方を視察されました。オランウータンを今春から、地上生活ではなく本来の樹上生活、木の上の生活をさせ、地上十五メートルの空中を木渡りさせる、そういった見せ方、展示の仕方に変えたわけであります。
 北海道の旭山動物園も、動物本来の行動や能力、自然に近い状態での見せ方を工夫いたしまして、今日本列島動物園ブームを起こしております。見せ方の工夫で入園者がふえれば、収益も上がり、採算性も高まります。夢のあるまちづくりと千客万来の収益を中心にお伺いをしてまいります。
 まず、東京都には、銀座からもすぐ近い上野駅前、しにせの上野動物園があり、また多摩動物公園は、この都庁のある新宿から京王線に乗り、接続がよければ三十五分で到着をいたします。入園料も六百円と手ごろで、休暇を一日とらなくても半日でもゆっくりと楽しめる、地の利のいい一等地に位置をしております。お一人様でも、都立であるゆえに安全に守られて、くつろぎの空間でございます。
 最初に、動物園の使命、役割について確認をし、また各動物園の来場者数と、過去来場者数の多い年と人数、要因を教えてください。

○内海公園緑地部長 動物園の使命、役割でございますけれども、第一に、来園者が動物を身近に感じ、楽しい時間を過ごしていただくレクリエーション機能がございます。第二に、動物に関する正しい知識を普及する教育機能、第三に、希少動物の保護、増殖を中心とする自然保護機能、第四に、動物の生態などに関する研究機能でございます。
 入場者のご指摘でございますけれども、昨年、上野動物園は三百二十万二千七百七十五人、多摩動物園につきましては九十四万一千六百四十五名の来場者をお迎えいたしました。
 上野動物園では、過去最高は昭和四十九年の七百六十四万七千四百四十人でございますけれども、これはジャイアントパンダ、カンカンとランランがその前々年に来園をいたしまして、そのパンダブームがピークであったということだと考えております。

○大津委員 明らかなことは、目玉動物でありますパンダの影響が入園者数に大きな効果を与えているということであります。先月、目玉でもある上野のジャアイントパンダ、シュアンシュアンがメキシコのチャプルテペック動物園に帰り、オスのリンリン一頭となってしまいました。繁殖目的でメキシコから日本に借りてきたパンダでしたが、選ぶ権利もあり、相性合わず子どもができなかったためであります。
 現在、中国を除いて世界にある動物園の中で中国に所有権のないパンダは五頭しかございません。日本一頭、メキシコ二頭、ドイツ一頭などで、日本ではほかに南紀白浜アドベンチャーワールドや神戸市王子動物園にパンダがいるのですが、実はぺアの二頭で一年間に一億円の共同研究費という名目で中国に支出をしているわけであります。つまり、中国の所有権がかかっており、国内の上野動物園に移動することもできず、またこういった国策も絡むので、パンダをふやすことは大変難しい点があります。
 しかし、パンダにかわる目玉動物に当てがなくとも、今いてくれる既存の動物でも十分に魅力を引き出すこともできます。例えば、昨年上野動物園では、ゾウ舎を、さくを控え目にした、コンクリートではなく、本来の地面で自然のジャングルのように改築をいたしました。動物をありのまま生き生きと喜んでいる見せ方、そのように工夫をした結果、生き生きとした動物、今までのようにおりの中にただいるだけの動物と違い、生きた動きのある触れ合い、それがまた人のいやしにつながるからです。
 良質な夢を提供して来園者をふやし、採算性を高めるために、見せ方、つまり展示のさらなる工夫と実行が急務であり、そういった意味で最近の取り組みと今後の計画をお伺いします。

○内海公園緑地部長 ことしの三月でございますが、上野動物園でカワウソとヤマアラシの展示施設を開設いたしまして、それぞれ水中での泳ぎや頭上生活を観察しやすいように工夫をいたしました。また、ことしの四月には、多摩動物公園で開設したオランウータン舎、これはオランウータンの森の暮らしを紹介するように工夫をしたところでございます。また、上野動物園のクマの展示施設を現在整備中でございまして、来年度早期の公開を目指しております。
 こうした中でも職員のアイデアを生かした魅力的な展示ができるよう現在取り組んでいるところでございます。今後とも、上野動物園、多摩動物公園の両園におきまして展示の工夫、改善に努めてまいります。

○大津委員 都立動物園では展示の工夫をすることで入園者がふえた事例がありますか。また展示の工夫と入園者数の関係についてお伺いをいたします。

○内海公園緑地部長 多摩動物公園では、ただいまご説明申し上げましたオランウータン舎の開設以来多くの入園者を迎えているところでございます。五月の入園者数は前年の同月に比べまして五六%増の約二十三万人を記録をいたしました。また、上野動物園でも、カワウソ、ヤマアラシの展示施設開設後の四月の入園者、これは前年同月に比べまして一七%増の約五十万人を記録をしてございます。
 入園者の増減分につきましては、天候などさまざまな要因がございまして、一概には申せませんけれども、展示の工夫が入園者数の増加につながったと考えております。

○大津委員 やはり工夫の仕方で入園者数が、五六%ふえたり、相当大きく変わることが大変評価をされております。
 さて、その動物、まずは見るだけではなく、次にえさを上げてみたいなどの触れ合い体験コーナー、また危険な動物に対してはモノレールやバスに乗ったりしながら見学をする。そして、動物園の中では、例えば馬に乗って移動できるぐらいの画期的な楽しい思い切った発想が、夢のある動物園を改革していけるのかもしれません。
 先ほどお話のあったオランウータンの空中の綱渡りでございますが、オランウータン、実はおばあさんとお母さんと息子、三頭のオランウータンがいるわけです。おばあさんはやはり年柄もありゆっくりと、息子は得意げに渡る姿はたくさんの人だかりがしており、人々がいろんな撮影、笑顔でオランウータンを見て、元気になって帰っている姿を拝見をいたしました。
 また、多摩動物公園ではライオンバスも大変圧巻な状況でした。ライオンバスに乗ると、本当にガラス窓一枚を隔てて、間近でトラの顔を巨大に見ることができるわけです。バスの外、そしてすぐ近くには、えづけをしたり、その骨にしゃぶりつくような迫真のライオンを見ることができるわけです。
 一方、ライオンバスは四時で終了するんですが、日によってその後トラのえづけがございます。公園の外側、宿舎の方でえづけをしているんですけれども、そのえづけを月に一回ひそかに公開をすることになったというふうに聞いております。実際それを私ども拝見させていただきまして、公園の中、バスのところでは大変おとなしくしているライオンも、えづけの前となりますと、もともとある、どうもうな大変恐ろしいさまを、本性をあらわしまして、本当に百獣の王の雄たけびとはこれほどまでかと思うほど、とどろくようなほえ方、また前足を一かきしようものならば、人間はすぐ殺されてしまうような恐ろしさを改めて学ぶこともできます。ペットと猛獣は違うという、現代人がよく錯覚することなども、こういった動物の本性、本来の姿を見ることによりさまざまな勉強ができるかと思います。
 また、上野でも、これも大変人気がありますけれども、ゴリラも、人を見ながらからかったり、またはほほえんだり、そういった光景が見受けられます。私自身も、ゴリラのほほえみを本当に間近で見たとき、ライオンのほえるさまを、まるでアフリカでそのまま聞いているように、アフリカのライオンの雄たけびのようなものを東京都の中でこのように聞ける、そんな首都東京動物園、これほど恵まれた立地環境には東京の動物園しかないと思います。
 さて、旭山の動物園も、パンダはいなくとも、ペンギン、北極グマ、アザラシ、こういったよくいる三種類の動物を、旭山独自の、動物本来の行動や能力を自然に近い見せ方で工夫をして、入園者が相当ふえております。そういったこと、たくさんの感動を皆さんに味わっていただくとともに、これからもますます展示の工夫、これを皆さんの知恵を振り絞って頑張っていただきたいと存じます。
 さて、利便性抜群の首都東京動物園。しかし、動物園に着くと、動物園の内側、例えば案内、順路にも工夫は凝らされておりますが、例えば重たい荷物をロッカーに預けようとすると、ロッカーを探すのに大変時間がかかる、案内板がない、または、多摩では、すぐにオランウータンに会いに行きたいとしたら、一体どの道を何十分歩けば行き着くのか、なかなかわかりにくく、広いだけに不安にもなります。そこで、来園者はお客様と位置づけ、民間の経営感覚も取り入れてよろしいかと存じます。
 そこで、質問ですけれども、来園者数増加のため、わかりやすい案内、順路、また入り口からしてもっとわくわくどきどきさせるような案内板、また見どころがすぐにわかる案内、思い切ったアイデアを出し合って実行してみたらどうでしょうか。
 また、来園者の声をフィードバックするようなものはあるのか。取り組みをお伺いいたします。

○内海公園緑地部長 上野動物園では平成二十年度までに案内サインを再整備する計画で現在進めてございます。今年度はまず西園エリアの案内サインを整備する予定でございます。多摩動物公園では、動物の足跡を園路に描きまして、その動物の展示場所に導く試みを実施をしております。
 今後も、わかりやすい順路案内、先生おっしゃるわくわくするような入り口案内板などによりまして、来園者が楽しく利用していただけるよう工夫をしてまいります。
 来園者の声につきましては、動物園サポーターから直接お話を伺ったり、園内に意見箱を設置し、投書していただいたり、そういうような試みをしてございます。

○大津委員 ぜひわかりやすい案内をお願いいたします。例えば、バクの赤ちゃんが九月に誕生しましたけれども、動物が誕生して亡くなるまで、喜びから悲しみまで動物を通して学ぶこともできるわけです。例えば、赤ちゃんが誕生したときには、入り口からしてわかりやすく写真やイラストなどを入れて、きょうの見どころのようなものをつけるとか、そういった工夫、案内板、どんどん楽しく案内をしてほしいと思います。
 さて、来園者の数、午前中はどうしても子ども、親子連れが中心でありますが、もっともっと勤労者層の取り込みも、来園者アップと落としていくお金の単価のアップにつながると考えます。既に夏に行っている夜間動物園など、そういった夜間動物園についても取り組みを伺います。

○内海公園緑地部長 上野動物園では、八月の三日間、西園エリアの開園時間を午後八時まで延長してございます。延長時間中は、夜空を舞うコウモリの観察会を開きましたり、夜行性動物の姿を飼育職員がガイドを交えて紹介をしたりするような夜間ならではのイベントを多数開催をいたしまして、来園者に動物園の新しい顔を見ていただくというようなことに努めてございます。
 また、多摩動物公園では、六月の三日間、夕方からのイベント、ホタル見学会とサバンナの夕べというものを開催をいたしまして、ライオンやアフリカゾウなど、サバンナの動物の夕暮れどきの様子を飼育職員が解説をいたしまして、日没後にはホタル鑑賞をお楽しみいただきました。
 今後ともこうした取り組みの内容の充実に努めてまいります。

○大津委員 夜も楽しめる大人の動物園等、さまざま試行錯誤を繰り返しながら大いに実行してみていただきたいと存じます。
 そして、これら動物園、もっともっと広報宣伝を活用すべきであります。よく新聞の東京版にはまめに記事が掲載されています。これは無料の大きな効果のある宣伝広告として大変評価されますので、今後ともパブリシティーはぜひまめに続けていただきたい。
 また、集客をしたい相手の媒体に乗せることも有益です。地方からのお客さん、また、入園料六百円ということもあり、海外からの観光客もたくさんいらっしゃいました。観光客用のガイドブックに掲載してもらうですとか、そういった広報宣伝もますます充実をしてほしいと要望いたします。
 そして、レストランやお土産屋さんなどで、おもしろいパンダだんごですとか、いろんなキャラクターグッズも販売しております。こういったこともあわせて集客アップ間違いなしですので、集客をしたい客層の情報ツールに広告情報を流すなどしてほしいと存じます。
 それでは、もっと宣伝広報を活用すべきであるということで、また企業協賛、都民参加を積極的に進めることで採算が高まりますが、それらの取り組みについて伺います。

○内海公園緑地部長 都立動物園を都民共有の財産として一層発展させていくためには、企業協賛や都民参加による事業の推進は重要であるというふうに考えております。
 企業協賛といたしましては、これまでも京王電鉄や都営交通などとの連携によりまして、電車内の広告掲示などを実施してきたところでございます。
 また、昨年度から上野動物園では園内施設の一部に企業広告を認め、広告料収入によって老朽化した案内サインを再整備する事業を進めております。
 都民参加といたしましては、昨年度から、都民や来園者の皆様から、寄附金によりまして、動物園の魅力の向上を図るサポーター制度を発足させたところでございます。
 また、都立公園で実施してきた思い出ベンチ事業を今年度は動物園にも拡大をしてございます。

○大津委員 広告にしても展示の工夫にしても、ある程度お金のかかるものであります。必要なものには予算も大いにつけるべきだと考えております。動物園独自の取り組みとしては、入園料以外の収入として、既に昨年からサポーター制度を始め、また企業広告なども取り入れているということ、涙ぐましい努力を大変評価したいと思いますが、これらの実績と取り組みをお伺いをいたします。

○内海公園緑地部長 平成十六年度の動物園サポーター制度には、上野動物園、多摩動物公園合わせまして八百七十一件のご登録をいただき、動物園協会はこれにより約九百万円の資金を預かったところでございます。
 これらの資金によりまして、都は、上野動物園のカワウソ、ヤマアラシの展示施設、多摩動物公園のライオン、チータなどの遊具の寄附を受けることができました。
 さらに、動物園協会は、園内施設整備を目的として、上野動物園に掲出した企業広告によりまして、平成十六年、十七年度で二千九百万円程度の広告料収入を得たところでございます。今後、これらの資金を案内サイン整備に役立ててまいります。

○大津委員 さて、入園者数と一人当たり落としていくお金を調査をしてもらいました。金額は入園料込みで計算をいたします。上野動物園は、一日一人落としていく金額は千四百十六円、多摩動物園は千六百九十三円。入園料を引くと、上野動物園は八百十六円、多摩動物園は千九十三円を飲食費やお土産や園内乗り物で使うと考えられます。多摩の方が上野の面積の約三・八倍広いので、その分飲み物一杯分が高いですとか、ライオンバスが効果があるのかもしれません。
 一方、民間と比べてみますと、東京のディズニーリゾートは、一日入園料込みで一人当たりの落としていく金額が一万八百四十八円です。そういった点、まだまだ動物園は、東京都の英知を振り絞れば、もっともっと集客、そして、一日当たりの単価、落とす可能性が莫大に秘められているかと考えます。
 そして、遊園地と違うところは、生きた動物がいること。電子機械では操作できない、予定されていない、生きた動物の予想外の喜びがあるというところであります。
 そこで、お伺いいたします。レストランやお土産においても、ゴリラの食事、パンダだんご、実際動物が食べる食事を出したりなどしております。これに乗じまして、もっともっと遊び心を取り入れて、レストランメニューをふやしたり、お土産屋さん等の経営も、集客アップにつながるように努力をしてほしいと存じますが、これらの状況、取り組みについてお伺いをいたします。

○内海公園緑地部長 レストランやギフトショップは動物園協会が経営をしてございます。上野動物園のレストランでは、体験メニューとして、ゴリラの食事やパンダがゆセット、多摩動物公園のギフトショップではお菓子セット、ライオンバスボックスなど、ほかにはないオリジナルの商品を用意してございます。
 都といたしましては、動物園協会に対し、引き続き魅力的な商品の開発に努めるよう指導してまいります。

○大津委員 一方、動物園では、表からではなかなかわかりにくい、目立たない陰の取り組みも多いと聞きますが、どのようなものがございますでしょうか。

○内海公園緑地部長 動物園は、生きた動物を通じまして自然への関心を高め、命のとうとさや動物を慈しむ心を育てる教育ができる施設でございます。多摩動物公園では、小学校との連携を深めまして、子どもの学習利用の促進を図っているところでございます。小学校の国語の教科書に登場する動物の素顔について、飼育職員が教職員に紹介する研修会を開催いたしまして、ことしは三回の開催で二百六十八名の参加がございました。
 また、動物の観察ポイントなどをガイドする小学生向けファクス通信を実施しておりまして、毎週地元の小学校百二十四校に送付をしているところでございます。
 上野動物園、多摩動物公園園内には動物相談室を設け、園内の展示動物から家庭のペットに至るまで、動物に関する質問に広く対応しているところでございます。

○大津委員 ここ数年で大変おもしろくなってきました都立動物園、入園料も手軽で老若男女だれでもが楽しめます。とにかく利便性抜群、銀座のすぐ近くの上野のど真ん中にある、こんな首都動物園を持っているわけですから、これだけ恵まれた動物園がどこにありますでしょうか。入園者をアップし、そしていらしたお客さんたちの声や、また飼育係の声やアイデアを吸収し、東京都としてその英知を、総力を振り絞って夢のある東京まちづくり、また千客万来の都市東京を目指して、都立動物園、さらなる充実への努力をお願いしたいということで質問を終わらせていただきます。

○伊藤委員 大津副委員長からの大変に夢のあるドリーミングの質疑の後で、ローカルな話題で大変恐縮でございますけれども、局からの答弁に夢のある答弁をお願いしたいというふうに思います。
 私からは、平成十八年度から着工予定されている中央環状線の最後の整備区間であります品川線について質問をさせていただきます。
 そもそも中央環状線の整備効果は、高速道路全体のネットワークの効率化、また慢性的な渋滞の緩和、そして自動車交通の円滑化による沿道の環境改善、また走行時間、経費、事故の減少などの便益、CO2排出量の削減による環境負荷の軽減など、中央環状整備による東京都全体的な効果には期待が寄せられているところでございますけれども、まずこの中央環状品川線の整備につき、現在の進捗状況をお伺いしたいと思います。

○道家道路建設部長 中央環状品川線は、都施行の街路事業と首都高速道路株式会社施行の有料道路事業との合併施行により実施することとしております。都施行の街路事業につきましては、有料道路事業に先駆け、今年度既に事業に着手し、調査、測量や用地取得を進めるとともに、十八年度の工事着手に向けた設計を精力的に実施しているところでございます。

○伊藤委員 進捗状況はわかりました。
 しかし、一方では、中央環状線整備そのものに異議を唱えているものではありませんけれども、整備に伴う排気塔の設置について、五反田地域の方々を初め、地元住民の多くの方々から懸念の声が大きくなってきておるのも事実でございます。
 この地域の特徴としては、桜田通り、山手通り、首都高速二号線に加え、近くには環境局の大気汚染調査によっても環境汚染が著しい中原街道と、また国道一号線の合流点があり、こうした幹線道路の交差部分であり、既に大気汚染の影響を受けやすい地域であります。
 さらにもう一つは、この地域はくぼ地であることに加え、高層また超高層ビルが林立をして、今後も増加する可能性があり、空気の流れによっては排気塔から噴出される排気ガスがこの地域に部分的にまだらに残留する懸念もあります。こうした排気塔から噴出される排気ガスによる健康被害影響に対しての懸念から、九年後の完成予定以降も、子や孫に大気汚染を残したくないとの思いで、何度も公開質問状、また請願、討論会、また地元の方々が自主的に学習会を開いて重ねている地域住民の方々のこうしたご心配はいまだに払拭をされていないというのが現状でございます。
 私も、将来の大気の責任者は今の私たちであるとの思いから、地域住民の方々の趣旨に賛同をしておるものでございます。
 そこで、お伺いしたいと思います。排気塔と出入り口の計画について、都と地域住民の方々の要望が大分食い違っているようでございますけれど、都はこれまでにどのように説明をしてきたのか。また、どの程度理解を得られていると認識しているのかをお伺いしたいと思います。

○道家道路建設部長 都はこれまで、道路整備に当たり、十分な説明や的確な情報提供に努め、事業着手前から完了に至るまで、段階ごとに説明会などを行い、住民の理解を得ながら事業を進めてまいりました。
 この品川線におきましても、都市計画段階を含め、地元説明会や意見交換会を五十回以上実施しておりますが、都市計画決定以降も、五反田の地区の換気所や出入り口の設置に関して見直しの要望が出されているところでございます。
 これに対しまして、整備の必要性や道路構造、周辺環境への影響などを説明するとともに、さまざまなご意見に対して、きめ細かく対応しているところでございます。
 今後とも、地元の意見を伺いながら理解と協力が得られるよう努力してまいります。

○伊藤委員 今の答弁の中に住民の理解を得ながら事業を進めてきたとありましたけれども、私の認識しているところでは、随分食い違いがあるな、このように感じているのも事実でございます。
 現在着工されている中央環状新宿線では、電気集じん機に加えて、低濃度脱硝装置がつけられるということになっております。一方、品川線については、低濃度脱硝装置はつけずに、電気集じん機のみを設置するだけで、地元の方々が心配される大気汚染は解消できると都は説明をしておりますけれど、その理由についてお伺いしたいと思います。

○道家道路建設部長 品川線の環境影響評価では、大気質のバックグラウンド濃度の予測に当たりまして、環境局によります東京都自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質総量削減計画の策定資料を用いているところでございます。この策定資料によりますと、例えば、平成十二年度の窒素酸化物排出量、年間八万六千六百トンを、都内の大気改善に向けた取り組みを行うことで、目標年の平成二十二年度には六万八百トンまで減少させることとしております。
 これを受けまして、品川線の環境影響評価においては、平成二十六年のバックグラウンド濃度に換気所の影響を加味した二酸化窒素の濃度が〇・〇四五ppmにまで減少すると予測しておるため、低濃度脱硝装置を設置しなくても、二酸化窒素の環境基準でございます〇・〇六ppmを達成できるとしております。

○伊藤委員 地域住民の方々の要望は、排気塔が不要な世界最新のトンネルをつくり、京都議定書のリーダー国たらんとする日本の首都東京が世界に誇る無公害道路としてアピールしてほしい、このような要望があるわけでございます。その可能性を探る上で、施行までの時間的な猶予はどのくらいあるのか、お伺いしたいと思います。

○道家道路建設部長 品川線の換気所の設備につきましては、現段階では電気集じん機の設置を考えており、発注時点における最新技術の導入を検討いたします。
 また、換気設備の発注時期につきましては、供用の二、三年前を予定しております。

○伊藤委員 供用の二、三年前まで猶予があると理解をさせていただきました。限られた時間ではありますけれども、地域住民の要望、また意向を組み入れて、技術の開発の動向に目を向けて最新の技術を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○道家道路建設部長 品川線の換気設備につきましては、供用直前の環境基準の達成状況などを十分把握するとともに、窒素酸化物の削減技術の開発動向を踏まえ、実行可能な範囲で必要に応じて最新技術の適用について検討を行うこととしております。

○伊藤委員 平成十六年五月の中央環状品川線に係る環境影響評価準備書に関する石原知事の意見の中には、道路関連施設また工事工法、環境保全の措置等、本事業の実施に当たっては、最新技術の導入を検討し、計画路線周辺への環境影響が極力少なくなるよう考慮すべきである、このように知事が述べられております。
 また、平成十七年度の事業概要の三ページに、建設局の改革に向けた取り組みという部分の前文にすばらしいことが書いてございました。それは、「都は、『東京から日本を変える』という視点に立って、国が放置してきた課題への対応や大都市問題に対する先進的な取組みを積極的に進めている。建設局もこれまで、道路、河川、公園それぞれの分野で現場主義に根ざした執行体制により都市基盤整備を着実に進めてきた。」このように書いてございました。
 建設局におきましては、今後とも地元住民の方々の要望、意向を組み入れるなど、住民の納得が得られるよう、誠意、誠実をもって最大限努力をしていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。

○河野委員 初めに、交差点すいすいプランについて、一点お伺いをしておきます。
 交差点すいすいプランは今年度が第一次プランの計画最終年度で、資料では平成十六年度までに都内で合計八十カ所完成となっています。さらに、今年度から第二次プラン百カ所が十年間の期間を目標にして取り組まれるということで、プランを見ますと、多摩地域を中心ということがうたわれています。私が住んでおります江戸川区も、この百カ所の二カ所に計画が入っておりまして、ちょうどきのう二十六日に、江戸川区の東小岩、柴又街道と旧千葉街道の交差点のすいすいプランを実施するということでの測量説明会がありました。
 すいすいプランは、例えば江戸川区に計画されている二カ所の地域などは、古くからの家やお店が建ち並んでいる地域でありまして、このプランを実施するとなると、道路を拡幅し、交差点に右折レーンをつくるということになりますから、この道路の拡幅の計画にかかっていく住民にとっては影響が大きい事業でもあります。すいすいプランは、これまで実施されてきたところでは、道路の渋滞解消など効果が上がっている事業でありますけれども、今大事なのは、こうしたすいすいプランを実施する中で、やはり住民の皆さんの理解、合意を得ることが大前提だと思うんです。
 これまでの取り組みの経過も踏まえて、建設局としてすいすいプランを促進していくために、住民との合意形成、どのような努力、取り組みがされてきたのかを伺っておきます。

○阿部道路保全担当部長 きのうの晩、今、委員お話しのように、東小岩四丁目交差点の地元説明会を行いました。このように交差点すいすいプランの事業実施に当たりましては、事業の目的や内容はもとより、測量や用地の取得、工事施行などの各段階におきましてきめ細かく説明会を行ってきております。
 また、実施した箇所において通過時間がこのように短縮されたというような事業効果の情報を提供するなど、地元自治体と連携をしながら、関係住民の理解と協力を得られるように努めております。

○河野委員 きのうの東小岩の説明会でも、自分の家の土地がどれくらいとられることになるのかとか、渋滞の解消ということだけれども、今現時点での渋滞の数値なども示してほしいとか、歩道も整備して、安心して歩けるようにしてほしいとか、住民の方々は不安とともに、幾つかの要望も出されたと聞いています。
 交通安全対策ということ、それから渋滞緩和という観点からも、今、すいすいプラン、効果、評価されているところなんですが、このすいすいプランのために道路拡幅などの影響を受ける方々への理解、協力は本当に大前提にしていただかなくてはならないと思っています。
 住民の皆さんから要望があったときには、地元自治体とも協力していただいて、適切な説明会を随時設けるとか、そういう工夫についてもご努力いただけるようにお願いをしておきます。
 続いて、歩道の整備についてお伺いをいたします。
 いただいた資料を見ますと、この十年間の歩道の整備キロ数は、割り算してみたんですが、平均して一年で大体六・四キロということで、予算の金額の方を見ますと、毎年減額になっているという事態です。区部も多摩も両方減額なんですけれども、一体歩道の整備は、区部、多摩それぞれで整備対象のキロ数がどうなっているのか。未整備のキロ数はどれくらい残っているのか。そして、整備率の到達についてはどういう状況になっているのかをお示しいただきたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 平成十七年の三月末現在ですが、区部では整備対象道路延長九百十キロありますが、このうち百二十七キロが未整備でございます。したがって、逆算しますと、整備率は八六%でございます。
 また、多摩地域におきましては、九百七十キロ対象延長がございますが、このうち三百十八キロが未整備で残っております。整備率は六七%でございます。

○河野委員 未整備キロ数が、区部百二十七、多摩が三百十八ですか、そうすると四百数十キロになります。整備の実績は今いいましたように年平均六・四キロですから、この四百数十キロを割り算すると、これから今のペースで進めていくとしたら、年数にして七十年以上もかかってしまうということで、とりわけ多摩地域のおくれは大変だと思います。これまでの事業実績で単純計算すると、多摩の方では百数十年もかかってしまうということで、私は、多摩地域に重点を置きながらも、都内全域で歩道の整備を促進していくべきと考えますが、なぜこういう状況にとどまっているのか。そして、これから進捗を早める上での努力はどのようにされていくのかをお伺いいたします。

○阿部道路保全担当部長 今の進捗状況のお話でございますけれども、歩道を整備するということになりますと、まず拡幅をするということになった場合、用地の取得が前提になります。商店の営業などに大きな影響を与えるというようなこともございます。生活再建の必要がある方たちにつきましては、その方策などにつきましても非常に関心があるということで、それぞれの地権者の方々の事情に即したきめ細かな対応が求められることになります。
 このようなことから、地元の皆様方からの積極的な支援とか協力なしには進めないというようなことで、それらについての大変な努力を現場ではしてきております。
 そういうようなことから事業の進捗が先ほど説明したような状況になっていると、一つはいえるかと思っております。
 また、今後のことでございますが、歩道の整備に当たりましては、交通量や学校、病院などの配置状況を踏まえて対象箇所を選定いたします。そして、計画的に事業を進めてきております。これからもそのように進めてまいります。
 今後とも、地元自治体や関係住民の理解と協力を得まして、多摩地域を中心に、さらに東京全域も視野に入れながら歩道の整備を着実に推進してまいります。

○河野委員 歩道をきちんと整備してほしいということは、すいすいプランのところでも要望が出されているということをご紹介しましたが、都民要望としては強くあるわけです。問題は、予算が毎年減り続けているという数字の問題との関連も考えていかなくてはならないのではないかと思っていますが、これは後で述べさせていただきます。
 歩道の整備について要望が寄せられている具体的な問題についてお伺いをいたします。
 まず、視力障害がある方、目が不自由な方々にとっては歩道に設けられてあります点字ブロックは欠かすことができないものです。点字ブロックはJIS規格の定めなどがあるようですけれども、色などの統一はありません。全盲の人、弱視の人、それぞれに点字ブロックを頼りに歩行されておりますけれども、特に弱視の方々は、点字ブロックは黄色がわかりやすい、識別しやすいと要望されております。他の色に比べて黄色を望んでいるわけなんですけれども、点字ブロックを歩道等に設置する場合に、都はこうした要望についてはどのように施策に反映されておられるでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 点字ブロックについてですけれども、平成十五年一月に道路の移動円滑化整備ガイドラインというものが策定をされております。このガイドラインでは視覚障害者誘導用ブロックの色は黄色を基本としております。黄色を基本としておりますけれども、カラー舗装の場合には、周辺の舗装面との明るさ等の差が十分に認識できるということであれば、黄色以外の色でも認められております。
 周辺のカラー舗装と誘導用ブロックが同系色で視覚障害者の安全に支障がある場合には、逐次改善を進めているところでございます。

○河野委員 ぜひ弱視の方も含めて視力に障害のある方々が歩きやすい、そういう点字ブロックを選んでいただきたいと要望しておきます。
 歩道に点字ブロックをつけるということは、局の方でもいろいろ住民要望にこたえて努力されているということは伺っています。せっかくつけられたそのブロックの上に自転車が置いてあったりして、これがまた視力障害者の方々の悩みの一つになっています。こうした状況は、障害を持つ人や車いすなどを使っている高齢者の人たちにとっても、安心して町を歩けないという状況をつくり出しておりますし、点字ブロックについては、視力障害者の人たちにとっては、私たちにとっての通路、道そのものの大事な施設であります。
 都は道路管理者としてこの点字ブロックの重要性について広く都民に啓発をして、こうした自転車を置いたり、物を置いたり、あるいは、時々拝見しますと、点字ブロックの上で立ち話をしている人などもいるんですけれども、そういうことが起こらないような啓発活動について力を入れていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 ご指摘のとおり、点字ブロック上に荷物や自転車が置かれるということは、視覚障害者の方、あるいは車いすを利用される方にとって通行の障害になりますし、また大変危険でございます。そのため道路管理者といたしましては、日常的なパトロールでの是正指導、区市等と連携をした駅前放置自転車クリーンキャンペーン等の実施によりまして、道路が適正に利用されるよう取り組んできているところでございます。
 また、毎年八月に開催しております道の日の行事で、パネル展示、あるいはパンフレットの配布等によりまして、道路利用のマナー向上の普及啓発に努めております。
 なお、ことしの道の日行事で、最優秀賞に選定をした標語、これは、「気をつけて 点字ブロック かくれちゃう」という作品でございます。道路管理者といたしましても、点字ブロックの大切さを広く都民にPRしているところでございます。
 今後とも、安全で利用しやすい歩行空間の確保に努めてまいります。

○河野委員 今部長がおっしゃった「気をつけて 点字ブロック かくれちゃう」という標語が道の日のあれに選ばれたというのは、私もきょう初めてご答弁で知ったんですけれども、こういう大事な啓発活動、都民も子どもたちも参加しているような啓発活動にも、今後一層力を入れていただくことを要望しておきたいと思います。
 歩道に植えられております街路樹についても、改善への要望が出されております。カーブミラーに木の枝が伸びて覆いかぶさっていたり、ちょうど交差点の角にある街路樹の枝が伸びてしまったために視界が妨げられているというようなことも、私たちのところに寄せられています。この街路樹の枝の剪定を適切に行ってもらいたいということがあるわけなんですけれども、街路樹は自動車排ガスを吸収したり、潤いのあるまちをつくる上では大切な役割を果たしています。そして、適切な管理もしなくてはならないものだと思っておりますが、街路樹をふやしていくこととあわせて、管理について適切に行われているのかどうか。都の取り組みについてご報告をいただきたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 街路樹の剪定でございますけれども、住宅地や商業地などの沿道の条件、日陰に耐えるか、日当たりを好むかなどの樹木の特性などを踏まえまして、路線ごとに剪定の時期、将来の目標となる樹形、これを定めて計画的に行っております。
 なお、街路樹の枝が伸び、歩行者や自動車の通行に支障となるなどの場合には、個別に速やかに剪定を行い、安全な通行の確保に努めているところでございます。

○河野委員 歩道の整備の点でもう一点お伺いしておきます。
 先日九月二十九日の当委員会の水害問題の質疑の中で、都市型水害をなくすために、歩道の透水性舗装を促進してほしいということを要望いたしました。現時点での透水性舗装の実績及び今後の促進方についてお伺いをしておきます。

○阿部道路保全担当部長 歩道では、総合治水対策における雨水流出抑制策などのために、昭和五十八年度から透水性舗装を本格実施しております。平成十六年度末までの施行面積は約三百二十万平方メートルとなっております。
 今後とも、舗装の新設や補修時には透水性舗装を実施してまいります。

○河野委員 ぜひよろしくお願いします。
 歩道に関連して、都の道づくりの問題でのことで私は意見を持っているので、申し上げたいと思います。
 九月二十九日には、中小河川の整備促進についても質問をいたしました。そして、きょう質問させていただいた歩道の整備、こうしたことについて予算を見ますと、毎年毎年その金額が減り続けています。
 一方で、さっきご質問がありましたけれども、今年度東京都は中央環状高速道路の品川目黒線を街路事業ということで事業をするということを明らかにいたしました。この事業はわずか九・四キロという長さの道路でありますが、総事業費が四千億円、そのうち都の負担は二千億円といわれています。今年度の歩道整備予算は、五十六億円ということが資料で出されておりますから、割り算をいたしますと、二千億円、都の負担分は約三十六年分に当たるという巨額なものです。骨格幹線道路の予算金額も見ましたが、平成十七年度で一千百億円を超えています。
 防災対策のための中小河川の整備費や、通行の安全のための歩道の整備などは、毎年予算額が減っていて、なかなか完了する見通しが立たない。そういう状況の中で、本来ならば国や首都高速道路公団の仕事である高速道路建設には都が乗り出していって、巨額な予算が使われる、こういうお金の使い方ですね、私は、都民生活に深くかかわりがある歩道の整備などの予算は減額の一方という今の予算のあり方を変えていって、生活や環境を優先する方向に見直していく必要があるということをこの機会に述べさせていただきたいと思います。
 次に、指定管理者制度の問題についてお伺いをいたします。
 建設局は、この五月から都立公園の指定管理者制度を導入するということで、公募を三期に分けて始めました。間もなく選定された指定管理者が明らかになるという段階でもあり、幾つかの問題についてお伺いをしておきます。
 指定管理者制度というのは大変わかりづらい制度だと感じています。建設局は六十三の都立公園を六つのグループに分けて、そして夢の島熱帯植物園と日比谷公会堂については単独公募という形式をとりました。防災公園や都市部の公園、丘陵公園など、いろいろグループ分けがされていますが、この基準も私たちにとっては理解しづらいものがあります。
 その上にわかりにくいのは、指定管理者の選定方法です。建設局から募集要項が出されて選定基準等が示されておりますが、実際の進行状況などが見える形になっているとはいいがたいと感じています。公園のグループ化の考え方、選定の手続、選定に当たっての評価や経緯など、都民みんなが理解できるということが大事ではないでしょうか。選定委員会にすべてがゆだねられているというような今の仕組みを、もっと都民に開かれた仕組みに改善することを検討するべきであると私は考えるものなんですが、局のご見解はいかがでしょうか。

○内海公園緑地部長 指定管理者の募集、選定に当たりましては、選定基準を条例、規則で定め、募集の開始につきましては、報道機関等を通じて広くあまねく広報をし、選定の進め方、採点評価の項目、管理運営の基準などを記載した募集要項をホームページ上で公開した上で、外部委員を含めた選定委員会により適正に審査を行っているところでございます。

○河野委員 外部委員会も含めて適正に行われているということなんですが、自治体によっては、選定委員の構成、お名前などを公表したりする工夫もされています。さらに、都民からは、やはり都民参加でそうした指定管理者についてもいろいろな意見の反映があってしかるべきではないかということで、公募委員も加えてほしいとかということも出されておりますので、私は今の仕組みのあり方、局がこれでよしとせずに、改善の方向に向けてできるだけの努力を進めていただくことを要望しておきたいと思います。
 次に、都立公園は都民にとっては本当に貴重な財産です。募集要項には、都立公園は公の施設、公平、平等な取り扱いをする、そして、福祉の増進と生活文化の向上に寄与すると載っています。また、私たちからとってみれば、都立公園は防災や環境面でも大事な役割を持っております。
 しかし、指定管理者の導入によって都立公園の管理運営が採算性重視、経済効率優先の方向にいってしまうというようなことも、民間企業の参入がどんどんと進んでいくんじゃないかという中で懸念されております。
 私は、都立公園は、都が直営で管理する、あるいは、これまで長年にわたって蓄積を持っている公的セクターの公園協会が指定管理者に選定されるということが望ましいというふうにずっと考えてきました。
 そこで、伺いますが、これまで都立公園が質の高いものになるように努力してきた公園協会、そしてこの公園協会に協力してきた多くの中小零細の造園業者、職人さんの存在が大事だということで、この問題で伺いたいと思います。
 もし、指定管理者が大手企業に決まったら、こうした中小零細の造園業者の皆さんの仕事がなくなるということが予想されるということを前の委員会で質問をいたしました。中小企業支援の視点を堅持してほしいという立場での要望でありましたけれども、このときの都の答弁は、業務委託は指定管理者が判断するというものでありました。
 そこで、改めてお伺いをいたしますが、都の直営公園、そして公園協会が例えば指定管理者に選ばれた場合、そういう場合には、これまで築いてきた多くの中小零細の造園業者との関係を尊重して、従前どおりに中小零細業者の皆さんと仕事の連携をしていけるように建設局が努力をするべきではないかと考えるものなんですけれども、いかがでしょうか。

○内海公園緑地部長 指定管理者の業務のうち、主要業務でない清掃や草刈りなどの作業につきましては、指定管理者は第三者に委託することができることになっております。仮に先生ご指摘のように公園協会が指定管理者として指定された場合は、これらの業務の委託先につきましては、協会の判断によりまして、業務の規模や内容に照らし合わせて適切な事業者に発注すべきものと考えております。

○河野委員 今のお答えですと、これまでの積み重ねが十分に生きるかどうかということはまだ不透明なんですが、ぜひこうした大事な蓄積、実績を上げてきた方々のご努力が実るように、公園協会とも連携をとっていただきたいと思います。
 次の質問なんですが、公園の管理の業務には、造園の施工、そして樹木の剪定など、専門的な技術を要する分野があります。こうした技術を持つ人が働いている場所は、多くは小規模な事業所であります。仮に大手の民間企業が指定管理者になった場合、その企業グループ内の事業者だけで公園の管理運営に当たることが予想されるわけです。
 例えば、一つの例なんですけれども、都内にある区の体育施設では、大手不動産会社が指定管理者に選定されました。そこで、ここでは施設の運営だけでなくて、周辺樹木の管理なども全部その選定企業のグループ傘下の事業所が当たるということで、地元の業者には仕事がほとんど回ってこなくなっているというお話もあります。
 このような事態に照らして、都は、大手の民間企業が指定管理者に選定された場合にも、専門性を要するような大事な業務については都が直接発注できるような仕組みも検討していくべきではないかと考えているんですけれども、いかがでしょうか。

○内海公園緑地部長 指定管理者の選定に当たりましては、業務従事者の資格や経験などを検証しておりまして、指定管理者は十分に専門的知識や経験を有していることを確認してございます。都立公園における業務の専門性や質の高いサービス提供につきましては、民間事業所の有する能力やノウハウを活用していく指定管理者制度のもとにおきましても、十分に確保できるものでございます。このため専門的業務を都が直接発注する仕組みの導入は考えておりません。

○河野委員 そういうご答弁なんですけれども、これは別の局の話でご紹介したいと思います。都市整備局です。都営住宅の営繕修理、ここの問題で、居住者の皆さんから、プライバシーの保護や修繕に対しての要望に、指定管理者が民間になった場合に速やかにこたえてもらえるかどうかわからない、こういう不安が上がって、局の方に要望されたようです。都営住宅の営繕修理については、従来の業者に都が直接仕事を出すようにしてほしいという要望なんですが、これについては検討をしなくてはならないということを表明した、そういうお考えも伺っております。
 私は、建設局でも、こうした大事な専門的資格を要する業務、今いいました公園の中の樹木の剪定、こういう大事な専門的な知識、技術が必要な分野については、公園の質の高さを保っていく上でも、やはり建設局が努力して、直接にそういう分野は仕事について業者を選んでいくというような仕組みもつくっていくことが十分にできるはずだと思いますので、これはさらに局のご検討を求めておきたいと思います。
 次に、障害者や高齢者の皆さんの問題です。公園のトイレの清掃などに障害者や高齢者団体の人たちが携わってこられました。指定管理者制度では、シルバー人材センターの高齢者の人たちの就労、仕事が確保されるのかということが心配されております。年金生活などで経済的にも困難を抱えているこうした人たちの就労の保障は、指定管理者制度が導入された場合にはどのようになっていくのでしょうか。

○内海公園緑地部長 現在シルバー人材センターなどに委託をしている業務につきましては、高齢者や障害のある方々にそれぞれ適した業務内容であることや、経費面などを総合的に判断して発注しているものでございます。今後も委託先につきましては、業務内容や地域の実情に応じまして、指定管理者が適切に判断していくものと考えております。

○河野委員 指定管理者について最後にもう一つ伺っておきます。この指定管理者が、民間企業が選定された場合に、途中で経営が破綻するというようなことも起こり得るわけですね。そうすると、新たな指定管理者が選定されるまでに、今の手続でやりますと、数カ月の時間がかかることになります。その間都立公園の管理運営には空白期間が生まれることになってしまうんですが、その場合には都としてはどういう対応を考えておられるでしょうか。

○内海公園緑地部長 指定管理者の選定に当たりましては、安定的な経営基盤などを十分に検証して選定を行っております。しかしながら、万が一指定管理者の経営破綻などによりまして業務の遂行が不可能となった場合は、指定期間中であってもその指定を取り消すものでございます。指定取り消しの後は、新たな指定管理者が選定されるまでの間、都が公園の管理運営業務を委託するなどして、公園利用に支障がないよう措置を講じてまいります。

○河野委員 指定管理者制度というのは、わかりづらいことと、たくさんのいろいろな不安や問題があるということで、きょう私は質問したんですが、きょう伺わなかったこと以外にもたくさんの問題があります。やっているとなかなか大変なので、意見を申し上げておきたいと思いますが、都の監理団体の一つの埠頭公社が、指定管理者制度に備えて、来年四月から一般職員の給料を九%カットして、そして人件費、管理費総額二〇%の削減、これを打ち出したことが報道されました。東京都の他の監理団体でも、民間との競い合いに備えていくということで、働いている人を、派遣社員、パートなどの比率を多くして、人件費、経費を抑えるということでいろいろと苦労をされているということがいろいろな場面で耳に入ってまいります。
 指定管理者制度は採算性を重視する民間との競い合いということで、実際は監理団体の固有職員などへの給料の引き下げが行われたりしていて、これが働く都民全体に賃金の引き下げなどの影響が波及してくるのではないかという心配もされております。経済効率を上げること、そしてコスト縮減の最優先、これで本当によい仕事ができるのかと、私は疑問を持ってしまいます。
 公園は生き物であるといってくれた人がいますが、多様な動植物、自然と人との共生の場である公園の管理運営には専門性の高い人材の確保が当然必要であり、それにふさわしい処遇をすることが、質の高い、本当に都民だれもが喜ぶ公園をつくっていく上で欠かすことができない問題だと思います。
 来年から制度が導入されるということになっておりますけれども、都は都民へのサービスが後退しないように、そしてまた中小業者や働く都民の仕事と就労の確保がしっかりと保障できるように全力を挙げていただきたいと思います。
 都立公園は都民共有の本当に貴重な財産ですから、効率優先の世界にはなじまず、都直営もしくは公的セクターである公園協会などが管理運営に当たることがふさわしいという意見を改めて表明いたしまして、私の質問を終わります。

○大西委員 初めに、霊園事業について伺いたいと思います。
 平成六年三月、核家族化や高齢少子化の進展に伴う墓地需要の多様化を背景に、知事の諮問機関として東京都霊園管理等検討委員会が設置され、平成九年三月に答申を得ております。この答申では、単身者、子どものいない夫婦でも将来の不安なく利用できる墓地の提供を求めていまして、その後いろいろな取り組みがされているようですが、現在も単身者、子どものいない夫婦など、将来の墓地の管理、承継ができない方々の墓地問題は解決されておりません。そのように感じております。
 こうした問題に対する現在の取り組み状況をまずは伺いたいと思います。

○伊藤参事 平成九年の答申では、承継者のいない方々でも利用できる合葬式墓地の必要性を提言しております。これを受けまして、東京都では、自分または夫婦の墓所として生存中に申し込みが可能な合葬式墓地を、平成十年度から小平霊園で、平成十五年度から多磨霊園で供給してまいりました。

○大西委員 合葬施設の公募状況と、それから、もう一つ納骨堂の公募状況をあわせて教えていただけますか。

○伊藤参事 合葬式施設の公募状況でございますが、小平霊園の合葬式墓地は平成十年度より平成十四年度までの五年間公募いたしまして、その公募総数は三千八十体、申し込み総数は一万九千四百六十体、平均倍率は六・三倍でございました。また、多磨霊園の合葬式墓地におきましては、平成十五年度より公募を開始し、平成十七年度までの三年間で公募総数は二千八百八十体、申し込み総数は一万五千四十二体、平均倍率は五・二倍となっております。
 また、納骨堂でございますけれども、公募をしておりますのは、多磨霊園のみたま堂にある長期収蔵施設でございます。この施設は使用期間が三十年でございますが、期間満了時に改めて使用料をお支払いいただくことによりまして更新が可能となっております。みたま堂は平成五年度より平成十四年度までの十年間にわたって公募し、公募総数五千六百体に対しまして、申し込み総数は七千九百七十九体、平均倍率は一・四倍でございました。

○大西委員 合葬施設の倍率が五・二倍、そして納骨堂は一・四倍ということで、ともにかなりのニーズがあるということですし、またこれは利用料の関係もあって、合葬式施設の人気が高いように感じます。
 納骨堂の中に、それぞれ納骨堂には遺骨の一時収蔵を目的として、そういう施設が設置されてあって、利用率というか、利用状況が六〇%ということを聞いております。ここは五年間、原則一時収容できるということなので、五年後というのはどういうふうになっているか、行き先どういうふうになっているのか、お聞きしたいんですけど。

○伊藤参事 一時収蔵施設は雑司ヶ谷霊園、多磨霊園、八柱霊園の三霊園に設置しております。その三施設の保管可能数一万三千三百四十三体に対しまして、平成十七年四月一日現在の遺骨保管数は七千九百七十八体でございます。一時収蔵施設の使用期間は一年間となっており、四回まで更新できまして、五年間の使用が可能でございます。その後の取り扱いといたしましては、使用期間満了後の一カ月以内にご遺骨を引き取っていただくこととなっております。

○大西委員 先ほど合葬式施設というものがかなり高いということ、小平は六・三倍、それから多磨霊園が五・二倍ということで、学校に入るよりもこの霊園に入るのが非常に難しいというような状況ですよね。そういう意味では今後の合葬施設建設の予定とか方針、これをお持ちでしょうか。

○伊藤参事 小平霊園、多磨霊園の合葬式墓地に続きまして、既存霊園を活用して新たな合葬式墓地を建設するために、適地の選定や規模などについて現在調査を行っているところでございます。

○大西委員 高齢化社会に向けてこの墓地、これからの非常に大きな問題だと思っております。地域ではマンション紛争がよく起きるんですが、ともに、この墓地問題というものもあちこちで起きております。マンションか墓地かというような状況にも迫られているような気がするんですが、この対策、ぜひ検討していただきたいということを要望しておきます。
 次に、この事務事業を見ておりましたら、平成十六年十一月に都立公園サポーター基金の設置というものがありました。この時代、なかなか基金というものが設けにくいような時代になっているんですけれども、十六年ということですから、昨年です、この目的と現状について伺いたいと思います。

○内海公園緑地部長 都立公園サポーター基金は、個人、企業等から資金の提供を受け、都立公園の魅力を高めるとともに活性化を図ることを目的として東京都公園協会が設置をしたものでございます。基金は、舎人公園桜の森づくり事業や日比谷公園ガーデニングショーなどの事業に活用されております。事業計画や実施事業につきましては、学識経験者や都民代表などを委員とする運営協議会において決定されております。

○大西委員 この基金は東京都公園協会内に設置されているということで、財団法人の公園協会の基金ということだと思うんですけれども、今後指定管理者制度になれば、この基金がどのような運命をたどるのか、お聞きしたいと思います。

○内海公園緑地部長 都立公園サポーター基金は公園協会の公益事業として実施をしているものでございます。指定管理者制度の導入後もすべての都立公園が事業の対象となるものでございます。

○大西委員 公益事業として実施するものであるので、指定管理者制度になっても、都立公園全体で使うということなんですね。わかりました。
 最後に、事務事業の五七ページにあります歩道・自転車歩行者道の整備ということについて少しお聞きしたいと思います。
 この事務事業の中にも書いてありますが、近年の交通事故状況は、十年前に比べ、死者数こそ三割減ったものの、発生件数及び負傷者数は一・四倍に上っているということ、そしてこういう時代に今の事故状況、それに被害者となる人たちの状況、さらにいただいた資料から見ますと、自転車の関係した事故というのは、平成十四年、十五年、十六年、ともに三万件ぐらいあります。急激にふえているものではありませんけれども、ずっと高値で安定しているといいますか、ずっと高いままこの件数があります。そして、自転車は、特に車両との事故、それから歩行者との事故ということで、こういう立場にあるわけなんですが、決して減っているわけではありません。
 そういう現状を踏まえて、道路管理者としての見解というものをまず伺いたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 歩道上の事故等についてですが、また自転車にかかわる事故ということでございますけれども、都内の自転車の保有台数は非常にふえております。そういう中で、今、理事お話しのように、十四、十五、十六と、自転車にかかわります事故件数につきましては、二万八千台前後で推移をしてきております。歩道の整備をさらに進めまして、このような事故が少しでも減るように、歩道の整備を着実にしていくということを基本に考えております。

○大西委員 しかしながら、先ほども、歩道整備が年々減っていく、そして自転車道の整備も、いただいた資料によりますと、平成十四年度が一・三キロ、十五年度は〇・九キロ、十六年度は〇・七キロ、一キロにも満たない。たった七百メートルということであれば、自転車がどんどんふえている現状と、そこを走らせるべき自転車道が減っていくという状況、非常に矛盾を感じるんです。これでやはり事故も減ってないという結果だと思うんですけれども、その辺は、どのように対案というか対策を具体的に立てなければいけないのか、もう一度お聞かせいただけますか。

○阿部道路保全担当部長 初めに、歩道の整備でございますけれども、歩道の整備は、道路の新設や既設道路の拡幅、既設道路内の改良によって行ってきております。資料にお示ししたものにつきましては、この既設道路の中の拡幅、改良についての実績でございます。その他新設等の道路におきましては、歩道を当然整備してきておりますので、歩道の整備は進んできていると思っております。
 そして、今ご指摘の件でございますけれども、歩行者、自転車が安全に安心して通行できるようにするということは極めて重要でございますので、歩道上あるいは道路全体の安全性の向上を図りつつ自転車の利用促進を図るためにも、地元区市と連携をしながら、歩道等の整備について進めてまいりたいというふうに考えております。

○大西委員 この事務事業の中にも「これからの歩道整備は、高齢者や障害者を含むすべての利用者が安全かつ快適に通行できるように、幅員の広いバリアフリー化された歩道の整備に努める。」というふうに宣言してもおりますので、ぜひ車中心ではなくて、やはりそういう歩行者、自転車道の整備を忘れないようにしていただきたいと思います。
 最近は、高齢者、それと自転車の事故と、それが一緒になったミックス型の事故がふえております。道を走っておりますと、高齢者の方々が歩道に乗り上げ損ねたり、よけ損ねたりということで、かなり転倒が多いように私も見ております。
 先ほどいろんな困難があるとおっしゃいましたし、状況もわかりますが、でも、現実に環七とか環八はかなり広い歩道がありますよね。そういう意味では、もしやる気があれば、ある意味、一部でもいいけれども、自転車ですよ、歩行者ですよというのを分けるような、そういう柔軟な道づくりが必要だと思っております。需要からすれば、確かに車は今渋滞を解消しなければいけないということで、東京都は本当に大きな道路、それから高速系を一生懸命やること、まずそこからだという答弁が昨年もありましたけれども、高齢化社会になって、本当に高速が必要なのかどうなのかということももう一回ありますし、人口も減少する。道路は、つくれば、また新たな交通量がふえるということもあります。
 そういう意味で、多様な人たちの交通機関として、道づくりを行う建設局としては、車だけではなく、そのような楽しい道づくりにもぜひ取り組んでいただきたいことを、ずっとこの間いっておりますので、また自転車道かという思いがおありかもしれませんが、ぜひこうした観点から、地球温暖化対策の一つです、自転車はふえております、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。
 それから、もう一つ、横断歩道橋の改良状況ということがここに載っておりました。横断歩道橋の基本的な考え方についてお願いします。

○阿部道路保全担当部長 横断歩道橋の基本的な考え方ということでございますけれども、これからの取り扱いということでお話をさせていただきますが、平成十年に、歩行者の利便性の向上を図るために、横断歩道橋の取り扱いについての基本方針を定めております。この方針では、利用者が少なく、近傍に横断歩道が設置されている歩道橋につきましては、原則として、所轄警察署や地元区市町村、町会の合意が得られたものについて、順次撤去していくこととしております。
 また、高齢者や障害者等の方々の利用が多く見込まれる歩道橋で、かつ近傍には横断歩道がない、こういう既設の歩道橋につきましては、スロープや地元区市町村の管理によるエレベーターの設置など、改良に努めてまいります。

○大西委員 この横断歩道橋というのは、今、撤去という計画を立てて、住民の合意が得られれば順次撤去を進めているということ、さらに、バリアフリーについての改良を進めているということでお答えいただいているわけなんですけれども、一つの道路の、これまでやはり車中心であってきた道路が、世の中の高齢化に向けて、必要だった横断歩道橋が今やなかなか必要でなくなったというか、必要でなくなったとはいえないんですけど、歩く方からすれば、わざわざ上がっていくよりも歩道の方がいいと、平らなところがいいと。できれば車が回って、人をちゃんと道路の中心に据えたような、そういう道づくりにだんだん変換していくための、その一歩かなということも見られるんですけれども、この問題は、歩道橋の場合はこれから見ていかなければいけませんが、まずは道路管理者としては、この事故というもの、事故件数、事故状況、そういう資料が上がってきておりますので、ぜひ建設局としても、しっかりとそれを分析した上での道づくりに取り組んでいただきたいことを要望して、質問を終わります。

○ともとし委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十二分休憩

   午後三時三分開議

○ともとし委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○吉野委員 入札のあり方について、何点かお伺いをさせていただきます。
 公共工事に関しましては、国も都も区市町村も大変厳しい財政状況のもとで公共投資が減少してきている中、受注をめぐる価格競争が激しくなり、一方、施工現場においては、工事の品質低下による工事成績不良の発生など、多くの課題を抱える状況となってきております。
 これらに対する国の動きといたしまして、ことしの四月には公共工事の品質確保の促進に関する法律が施行され、八月には、同法に基づき、品質確保の促進に関する施策を総合的に推進するための基本方針が閣議決定されました。また、九月には国土交通省直轄工事における品質確保促進ガイドラインが公表されるなど、公共工事の品質確保に向けての動きが活発となってきております。
 いわゆる品確法及び基本方針によりますと、公共工事の品質確保のため、今後は、入札契約に当たり総合評価方式を基本とするとのことでありますけれども、これまでの契約方式とどう違うのか、まずお伺いをいたします。

○林企画担当部長 公共工事の入札におきましては、これまでは価格による競争入札方式を原則としておりました。公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法で今後本格的な実施が求められている総合評価方式は、価格だけではなく、工事施工に必要な技術的能力もあわせて総合的に評価し、落札者を決定するものでございます。
 競争参加者の技術的能力を適正に評価することにより、ペーパーカンパニーなどの不良、不適格業者が排除され、技術と経営にすぐれた会社が伸びることのできる環境が整備されることが期待されております。

○吉野委員 今ご答弁にありましたような、ペーパーカンパニーなどの不良、不適格業者が排除されるということでありますけれども、私ども、先日、各団体から、来年度の予算要望に対するヒアリングを百近い団体から伺いましたけれども、その中で多くの団体から、今の入札制度についてぜひ改善をしてほしい、こんな要望が強く出されておりまして、ある意味では悲鳴に近い形で私たちは要望を聞かせていただきました。
 工事契約における入札におきましては、低入札案件ですとか、あるいは最低制限価格での複数の入札者によるくじ引き案件がふえているという話も伺っております。また、国土交通省の直轄工事におきましても、低価格入札の工事における工事成績不良についていろいろ調べているというふうな話も聞いております。
 近いところで、四分の一近い案件がくじ引きだという話も聞いておりまして、最低制限価格が例えば八〇%というと、そこに入ってくる。これは、利益が出るような落札価格ではないだろうというふうに思います。よく、どこの県では七五%だとか、八〇%で落札しているとか、そんな話がありまして、一方では、東京都は九十何%でおかしいんじゃないかというふうな話があったりいたします。
 しかし私は、七五%でいっているというその県の状況の方がおかしいといわざるを得ないだろうというふうに思います。東京都が、きちっと材料の原価ですとか工賃ですとかそういうものを積み上げていって、積算していった結果としての予定価格ができてくる。これを、業者が、自分の得意分野や何かいろいろあって、努力をして九十何%に切ってくる、あるいは九〇%に下げて、それで入札に応じていく、これが正しい姿だろうというふうに思いますけれども、近年の、最近のこの状況を見ますと、一律最低制限価格のところで入れてくる。絶対会社が成り立っていかれないだろうというふうに私は思います。
 ましてや、その価格でとった会社は、最終的には、現場で働く人たちの賃金をカットしたり、あるいは会社が傾いて未払いになったりと、こういうしわ寄せが出てくるんだろうというふうに思いますと、この状況というのは、やはり直していかなければいけないだろうというふうに思っております。
 公共工事の発注というのは、安ければいいというものではなくて、工事に求める品質は確保されていかなければならないというふうに思います。そのためにも、民間企業が有する高い技術力を有効に活用していく、引き出していく、こういうことが大切ではないかなというふうに思っております。
 これまでも東京都は、民間技術力を活用した入札契約方式に取り組んできているというふうに思いますけれども、建設局におきましての実績はどうなのか、お伺いをいたします。

○林企画担当部長 入札契約におきます民間技術力の活用につきまして、建設局では、契約後に受注者からコスト縮減が可能となる技術提案を受け、採用されれば縮減額の一部を受注者へ還元する契約後VE方式、このVEとは、バリューエンジニアリングの頭文字を並べた用語でありまして、製品やサービスの価値を、それが果たすべき機能とそのためにかけるコストとの関係で把握いたしまして、同じコストなら機能を高める、あるいは、同じ機能なら、コストを下げることによりまして価値が高まるようにする。その価値を高めていくための最適な方法を選択する技術をVEというわけですが、その契約後VE方式。あるいは、そのVEを入札段階で行いまして技術提案を受ける入札時VE方式。また、比較的特殊な工事で、発注に当たりまして工事に求められる性能を規定し、求める性能が履行できると認められたもの同士で価格競争を行う性能要件発注方式などを実施しております。
 契約後VEは平成十二年度以降実施しており、これまでに五件の提案を採用しております。また、入札時VEは平成十三年度から実施しており、四件の実績がございます。性能要件発注につきましては、平成十四年度以降、ヒートアイランド対策の保水性舗装で採用しており、七件の実績がございます。

○吉野委員 それでは、総合評価方式に関しまして建設局の現在の取り組みについて伺いたいと思いますが、今週から、施工能力審査型総合評価方式の試行について、北多摩南部建設事務所を初めとして幾つかの事務所から発注工事として掲示されております。この試行のねらいというものを教えていただきたいと思います。

○林企画担当部長 お尋ねの施工能力審査型総合評価方式は、中小規模工事や設備工事などを対象として、安定的な品質確保と、先ほど委員からもお話のございました、近年増加しておりますくじ引き落札による不良、不適格業者の参入防止を目的とするものでございます。
 今年度既に財務局において試行が始まっており、建設局契約案件につきましても、今回の五件を含め四十件程度の試行を行う予定でございます。
 入札価格とあわせて建設業者の過去の工事成績、配置予定技術者の資格、実績を総合的に評価し、各評価点の合計点が一番高いものを落札者とするものであり、過去の工事実績を評価することで、優良な工事成績を得た会社が報われる仕組みづくりもこの制度のねらいの一つとなっております。

○吉野委員 私は、目指すべき社会のあり方として、一生懸命働いた者が報われる社会であるべきだというふうに思っております。人より余分に汗をかいた者が一杯余分にビールが飲める、こういう社会がいい社会ではないかなというふうに思っておりますけれども、公共工事におきましても、まじめに努力をし、汗をかいている会社が評価されるべきであって、地域の状況を熟知して、現場条件に適切に対応でき得る技術力を持っている会社が優遇されるべきであるというふうにも思います。
 そのような会社が生き残っていかれる、こういう入札のあり方に変えていく必要があると思っておりますけれども、そういう会社が残っていることによって、例えば地域の中で、地震時や水害、雪害等の非常時の対応も適切に行ってもらえる、こういうことにつながってくるんだろうというふうにも思っております。
 今後、建設局として、総合評価方式の本格導入に向けてどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

○林企画担当部長 公共工事の品質確保の取り組みを進めるに当たって、入札及び契約の過程や契約の内容の透明性、競争の公正性の確保など、発注者としての責務を果たすことが重要となっております。
 建設局におきましても、公共工事の品質確保に関する各種施策の実施に当たり、外部の学識経験者から助言を受けるため、建設局事業における公共工事の品質確保の促進に関するアドバイザリー会議を来月設置し、その中で総合評価方式の導入についても助言を受けることとしております。
 また、総合評価方式の採用により、入札前の資料作成など、入札に応じる建設業者の負担も少しふえますが、技術的な能力にすぐれた会社を適正に評価するために必要な制度であることを業界団体等に説明し、理解を得てまいります。
 以上のような取り組みを行い、来年度以降の本格実施に向けた準備を進めてまいります。

○吉野委員 今、東京都あるいは建設局としてのこの制度の導入に向けての取り組みをお伺いしましたけれども、公共工事の発注者という意味では、区市町村も同様の取り組みを求められるはずであります。建設局として、区市町村に対しても、業者の方々が健全な競争の中で生き残っていかれるというこの制度をぜひ区市町村へも広げていくことが必要だというふうに思いますけれども、そのことへの対応をどうされるのか、お伺いをいたします。

○林企画担当部長 品確法の施行により、公共工事の発注者は、みずからの発注体制を十分に把握し、建設業者の技術力の審査を初め積算、監督、検査、工事成績の評定などの発注関係事務を適切に実施できる体制を整備する必要がございます。区市町村につきましても、同様の対応が求められているところでございます。
 建設局では、区市町村との技術情報連絡の場といたしまして東京都区市町村土木関係技術管理連絡協議会を設置しており、本年七月に開催した協議会におきまして、品確法の概要について周知を図っております。今後、各団体へのアンケート調査などにより意向把握に努めた上で、来月には今年度二回目の協議会を開き、必要な施策の推進等について協議するなど、各団体においても公共工事の品質確保への取り組みが的確に進むように努めてまいります。

○吉野委員 今回のこの方式の導入というのは、先般私どもが受けました要望の中でも大変大事な見直しでありまして、業者の方々も大変喜ぶというふうに思います。ぜひこれからも、民間の技術力を競わせる契約方式の導入、これは工事の品質確保のためにも有効であります。それと同時に、談合の防止にもつながるものというふうに期待をしておりまして、工事の発注に当たりましては、今後とも積極的にこの方式に取り組んでいただきたい、こんなことを要望して、質問を終わらせていただきます。

○西岡委員 それでは、都民と行政との協働を進める立場で、アドプトプログラムの推進についてご質問させていただきます。
 事業概要の四四ページに記載をされております。これは東京ふれあいロード・プログラムという名称でございますが、この推進を図る立場から質問させていただきます。
 この通称アドプトプログラムと呼ばれるものは、民間と行政が協働して進める全く新しい美化のプログラムでありまして、一定の期間、市民や各種団体、場合によっては企業、学校などが、公共の場所、例えば道路や公園、河川、まさしく建設局が所管をしているところでございますが、こういった場所の美化の活動や植栽、花壇を植えるなど、また清掃を行って、行政がこの活動を応援するというプログラムであります。一番大きなポイントは、行政と市民が契約を締結して、お互いの役割分担を明確にして、お互いの役割を確認しながら前進をさせていくというところに意義があります。
 この運動はアメリカで生まれまして、現在、全米に浸透しております。大変にごみが散乱をしているハイウエーを、地域の方々がきれいにしようではないかというところから始まった運動で、我が国では、社団法人食品容器環境美化協会が一九九八年から提唱しまして、日本では二〇〇四年十月現在、参加者人数は十万人を超えるような状況になっておりまして、今、全国の自治体で、このアドプトプログラムの輪が大変広がっております。限られた財源で運営をしている行政に対して、自分たちでできることは自分たちでしっかりやっていこうと、そういう自立した市民意識を定着する上で、私は大変具体的なすばらしい取り組みだと思っております。
 ちなみに、市民や団体、学校の役割というのは、清掃、除草、植栽、花壇の手入れ、違法広告物の撤去などが挙げられます。また行政は、こういった取り組みに対しまして、清掃用具の提供、あるいはボランティア保険への加入、物品の提供、さらにはごみの回収などということで、これは多額の予算を必要とするものではありません。むしろ清掃費などの軽減にもつながっていくのではないかと期待をしているところであります。
 導入した自治体の成果を調べてみますと、散乱ごみの減少と市民の方々の奉仕の精神の向上に大変に大きな成果を上げておりまして、地域への愛着心が高まった、ぽい捨て防止の啓発や地域の振興にもつながったという事例が数々報告をされているところであります。また、参加した市民の方々のご意見を伺ってみますと、町の美化への関心が高まって、地域への愛着が高まったことが大きな成果として挙げられております。
 東京都では、平成十四年からふれあいロード・プログラムという名称で事業が始まっておりますが、この実施した意義について、まずお伺いしたいと思います。

○石渡道路管理部長 アドプトプログラムは、お話のように、地域の住民や団体と行政とが協働して公共の場所の維持管理を行うことで環境の美化などを推進するものでございます。この制度は、公共施設の利用に対するモラル向上が図れること、また、住民ニーズに合った良好な維持管理が行えることから、意義のあるものと考えております。
 建設局では、都道において、平成十四年度から東京ふれあいロード・プログラムという名称で取り組んでおります。

○西岡委員 建設局の方としましても、このアドプトプログラムの意義をかなり早い段階から取り入れていただいておりまして、私は大変すばらしい取り組みだと思っておりますが、このふれあいロード・プログラムの対象としている地域や、現在取り組みが始まっておりますので、どれぐらいの団体の方々、都民の方々がこれに参加をしていただいているのか。また、実施をして既に約三年がたっておりますので、この効果についてどのように把握しておりますでしょうか、伺いたいと思います。

○石渡道路管理部長 東京ふれあいロード・プログラムの活動範囲は都内全域の都道を対象としており、現在、商店会、町内会、学校、企業など三十四団体、約七千六百人の方が参加しております。参加団体は、都との協定に基づき、花壇の手入れや清掃活動などに取り組んでおります。
 また、お話の効果でございますが、参加者の声やアンケートなどから、道路への親しみや愛着を持つことにより、道路利用のモラルの向上が図られること。また、地域住民のニーズに即した、よりきめ細やかな維持管理が実施できることなどがあると考えております。

○西岡委員 現在、七千六百人もの方々に参加をしていただいているということでありまして、これは継続的に行われる事業であるというところにも大変意義があると思っております。
 また、建設局の担当ということでは、主に道路からスタートしておりますけれども、今後、河川、公園その他さまざまな都有施設が考えられますし、市区町村の自治体も取り組んでいるところでありますが、何もすべてのボランティア活動をアドプトプログラムにすることはないとは思っています。ボランティア活動はボランティア活動で、こういう契約をあえて結ばなくても、いろいろな形で行われていいものだと思いますので、同時進行的に行われていけばいいものだなと思っております。
 一方で、河川の分野に対しましても、このアドプトプログラムの推進が期待をされているところでありますが、河川の分野に対しましては、このアドプトプログラムについてはどのような取り組みを考えていらっしゃいますでしょうか、お伺いしたいと思います。

○野村河川部長 河川の分野におきます市民団体との連携につきましては、毎年七月に行っております河川愛護月間の中で、川を歩こうですとか、あるいは河川クリーンアップ作戦といった河川愛護や維持管理活動を行ってございます。
 お話のございましたアドプト制度につきましては、河川テラスの美化を通しまして、地域の方々の河川への親しみを増すことを目的に、隅田川におきまして、河川愛護団体、地元町会などが花壇の管理、清掃を実施しております。
 今後は、これらの実施結果を検証し、参加していただく団体や施行区域の拡大について検討をしてまいります。

○西岡委員 ぜひ河川分野の取り組みも行っていただきたいと思っております。
 この質問の私の大きな趣旨は、実はこのアドプトプログラムは、特に小学校、中学校、高等学校--学校ですね、児童生徒の方々とぜひ連携した取り組みを行っていただきたいというふうに考えております。昨今、子どもたちがなかなか清掃をする機会が減少してきているのではないかと思っております。
 ちなみに、私の小さいころを考えてみますとまだトイレ掃除は自分でやっておりましたが、地域によっては、委託をして、子どもたちが自分たちで使っているトイレを、自分よりも目上のおじいちゃんやおばあちゃんたちの方々に掃除をしてもらっているという現状も、中にはあるかもしれません。私は、子どもたちというのは、やっぱり小さいころからそういう清掃の現場にたくさん触れる、清掃することによって町の美化意識を持つということは、環境教育にとても必要なことだなと思っております。ぜひそういう施設を活用して、子どもたちにとにかく清掃する大切さ、町をきれいにする大切さというものを、学校の中だけではなくて、地域で教育をしていくことが大事だなと思っております。
 そういう意味では、積極的に建設局所管の分野と学校教育の分野と連携をしていただく取り組みが大事かなと思っておりまして、環境教育の一環として、関係部局と連携した取り組みを積極的に行っていただきたいと考えておりますが、ご所見を伺いたいと思います。

○石渡道路管理部長 東京ふれあいロード・プログラムには、小学校、中学校など八校、約二千二百人の生徒が参加しており、道路の美化活動を通じて、子どものころから道路への愛着が高まり、地域の美化を大切にする気持ちがはぐくまれることを期待しております。
 お話のとおり、こうした活動が省エネやリサイクルなど環境に配慮した行動への意識を高める契機となるなど、環境教育の面からも重要なものと認識しております。
 今後とも、関係部局に働きかけ、より多くの学校の参加を促すなど、アドプトプログラムの拡大を積極的に推進してまいります。

○西岡委員 大変前向きなご答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。東京都が大変早い段階からこの事業を取り入れていただいたことには感謝を申し上げます。今後は、ぜひとも都民の自治意識の向上とともに、特に子どもたちへの環境教育の向上という観点も大切にしていただきながら、この事業を積極的に推進していただきますようご要望させていただきたいと思います。
 次に、魅力ある都立公園を目指す立場から、同じ会派で、また二〇シリーズでございますが、ちょっと分野が違います、都立公園のドッグランの推進について伺いたいと思います。
 事業概要九〇ページにございます。都立公園は、いうまでもなく都民生活にとって、潤いと安らぎを得ることができ、緑の空間を創出するなど、とても貴重な都民の財産であります。この間、東京都が、思い出ベンチや公園の特性や地域に合ったさまざまな催事の開催、都民への開放、地域ボランティアとの連携など、本当に多様な取り組みによって、都立公園を常に魅力のある公園にするための努力をしていただいていることに感謝を申し上げます。
 平成十四年から、駒沢公園、神代植物公園を皮切りに、都民要望にこたえるべく、ドッグランというものが設置をされました。都立公園に設置されたドッグランは、都市空間とペットとの関係を考える際にはとても評価をされる取り組みだと認識をしておりますし、今、とても関心も、また、都民のニーズも高まっております。私も、地元の小金井公園に一番大きなドッグランが設置をされまして、日常的に見かけておりますが、大変に多くの方々が利用しておりますし、犬を通じて都民同士のコミュニケーションも芽生えて、ドッグランで出会った友人同士がさまざまな交流をしているという場面を目の前で見ております。
 担当課の調べによりますと、都民の方々の飼い犬の飼育状況は、平成十六年末時点で三十七万三千頭でありまして、何と、毎年一万頭以上も飼い犬が増加をしております。驚くべき数字だと思っております。特に最近は、子どもたちへの情操教育やお年寄りの方々への福祉の観点からも、動物、特に犬でございますが、動物を育てることや動物と暮らすことの意義が大変高まっている時代ともいえます。
 首都東京においては、飼い主にとっては、飼い犬を自由に遊ばせたいという声がある一方で、また公園利用者や近隣住民からは多くの苦情が寄せられることも多い状況にございます。そういう意味で、ドッグラン設置の意義というものは、私はとても大きいと認識をしております。ドッグランが都民にさらに愛される施設となるために、その現状と課題について、何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 利用者や地域の方々からいろいろな声が上がっていると思いますが、どのように把握をしていらっしゃいますでしょうか。
 また、一つの課題としましては、不特定多数の犬たちが集まる場所でございますので、特に狂犬病などの病気には最善の注意が必要であると思います。この、いわゆる狂犬病など病気に対する対応については、どのような対策を行っているでしょうか。

○内海公園緑地部長 建設局所管の都立公園では、現在、小金井公園外四公園でドッグランを設置しております。ドッグランを利用する方々からは管理運営についての意見、地域の方々からは犬のしつけや飼い主のマナーに対する意見が寄せられております。こうした意見は、公園利用者へのアンケート調査、ドッグランボランティアとの情報交換、都に寄せられた電子メールなどにより把握をしているところでございます。
 また、病気の対策でございますけれども、ドッグランの運営に当たっては、施設の設置準備段階から、病気予防対策について地域の獣医師会の意見を反映させております。具体的には、ドッグランを利用できる飼い犬は、狂犬病を初め各種予防接種を一年以内に受けていることなどを利用規約に定めているところでございます。

○西岡委員 ありがとうございました。この病気の対策につきましては、施設を使いたい方々が大変気になさっているところだと思いますので、ぜひ一年以内にしっかりとした予防対策をしている犬たちが利用できるような取り組みを徹底していただきたいと思っております。
 また、二点目といたしまして、施設利用者のボランティア活動を促していくということも、一般の市民の方々、都民の方々から理解を得るためには大変必要なことではないかと思っております。現に、小金井公園の例だけで申しわけないんですけれども、ボランティアの方々が管理運営をしておりまして、利用された方々とボランティアの方々がいろいろな話し合いをしながら自律したドッグラン経営をしておりまして、そういう意味では大変すばらしい事例が行われているなと見させていただきましたが、現在、このボランティア活動を促す取り組みとして、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

○内海公園緑地部長 ドッグランの運営には地元ボランティア団体の協力が不可欠でございまして、施設の清掃など、きめ細かいサポートをお願いしているところでございます。
 また、犬のしつけ教室を積極的に公園内に受け入れまして、ボランティア団体の協力を得て、犬の飼い主のマナー向上を図っているところでございます。
 さらに、ボランティア団体との連絡会を行いまして、ボランティア同士の情報の共有化を進め、今後の活動の支援に努めているところでございます。

○西岡委員 最後の質問ですが、ドッグランが設置される一方で、都民の方々からこんな声を聞くことがあります。ドッグランがどんどんと推進をされていくと、逆に今度は、犬の入園禁止となってしまう公園がふえてしまうのではないかという危惧があるそうでございます。
 今後のドッグランの方向性とともに、ドッグランのない都立公園の考え方について、ご所見を伺いたいと思います。

○内海公園緑地部長 ドッグランは社会的なニーズが高く、犬の放し飼い等の苦情対策としても有効でございます。
 都は、今後、ドッグランを、犬のしつけ教室や飼い主のマナー向上など、普及啓発の場として活用していくつもりでございます。また、新たなドッグランの設置につきましては、近隣住民との調整、ボランティア団体との協力など、設置に向けての条件整備に努めてまいります。
 なお、都立公園においては、ドッグランが設置されたといたしましても、犬の散歩までを禁止するものではございません。今後とも、犬連れの人もそうでない方も、ともに快適に過ごすことができる公園づくりに努めてまいります。

○西岡委員 今後もドッグランへの期待は、私はますます高まってくるのではないかと思っております。都民から寄せられた課題などにしっかりと対応していただきながら、ぜひドッグランの設置の拡大に向けましてご尽力をしていただきたいと要望させていただきます。
 最後の質問であります。景観行政を進める立場から、いわゆる空堀の河川についてであります。
 事業概要六三ページの河川事業全体に係るところでありますけれども、東京の河川事業の大きな課題が治水対策であることは十分承知をしております。しかし一方で、残念なことに、取り残されてしまっているかのような川があります。それがいわゆる空堀の川、つまり、水源がなくて水流がない東京都管理の河川への対応も、私は求められているのではないかと認識をしているところであります。現に東京都内には、幾つかの水源のない川が長期間にわたって存在をしております。
 例えば、地元の小金井市にも仙川の上流部分がありまして、降雨時以外には全く水流がなく、日常的には、コンクリートとフェンスが延々と続く大変暗い景観を生み出してしまっております。また、そのような場所にはごみが放置をされる、あるいは雑草の問題が生じるなど、環境衛生上にも多々問題が生じているところであります。
 そこで、こういった空堀の河川について、親水の河川やあるいは歩道などに改修をしていただきまして、都民の方々により親しんでいただける都有施設にぜひ改善をしていただけるような、そういった計画も同時に立案をしていただきたいと考えておりますけれども、ご所見を伺いたいと思います。

○野村河川部長 河川の水枯れでございますけれども、これは都市化の進展による農地や樹林地の減少などに加えまして、気象条件などさまざまな要因が水循環に影響を与えた結果でございまして、仙川だけではなく、他の河川でも生じております。
 都は、その原因などの検討を行うとともに、一部の河川では、湧水の導入などの対策も講じてまいりました。しかしながら、やはり良好な水循環の回復は、さまざまな分野に関連する大きな課題であります。今後とも、関係部局や地元自治体とも連携し、検討を継続してまいります。
 また、ご質問にございました仙川上流でございますけれども、三鷹市あるいは武蔵野市におきまして、川沿いの公園や大規模開発と一体となった拠点的な親水整備を行っております。小金井市におきましても、現在、公共用地を利用した拠点整備の計画が進められております。これから市とも調整を進めまして、そのような拠点整備と連携をした仙川の親水整備の実現に努めてまいります。

○西岡委員 地元自治体も早期の改善を願っておりますので、ぜひ連携をしていただきまして、対応を早期にしていただきたいということを改めて強くお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○こいそ委員 それでは、何点かお聞きしたいと思います。
 まず初めにお聞きしたいのは、交差点のいわゆる渋滞解消ですね、これに伴ってお話をお聞かせいただきたいと思いますし、ご答弁いただきたいと思います。
 多摩地域は、東京の三分の一に当たる四百万の人口を擁するとともに、人、物及び情報の結節点として、一層の発展と地域個性の発揮が期待をされてきているところでありますけれども、その中で、圏央道、南北道を初めとした幹線道路、多摩都市モノレールの整備などにより、多摩地域の人、物の移動に変化があらわれてきております。今後、圏央道が中央自動車道に接続され、幹線道路の整備がさらに進捗していくと、ものづくり、経済活動の一層の活発化、人の交流の拡大が当然予想されるところであります。
 このように多摩地域が一層の変革を遂げようとしている状況の中で、人口増加著しい多摩川の南側に位置する南多摩地域においては、多摩ニュータウン事業による都市計画道路の整備、南北の都市計画道路の整備の進捗によって、交通基盤の整備が目に見える形になってきております。しかし、冒頭申し上げましたように、幹線道路の現在の交通状況の中で、交差点周辺においても渋滞の発生している区間がかなり見受けられる、こういうところなのであります。
 そこで、まず、南多摩地域で発生している幹線道路の渋滞状況について伺いたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 南多摩地域におきましては、世田谷町田線、町田調布線等、南北方向の幹線道路などで渋滞が発生をしております。これらの路線における混雑時の平均旅行速度を見ますと、神戸市や北九州市など十三大都市の平均が時速二十三・六キロであるのに対しまして、世田谷町田線の鶴川駅東口交差点付近では時速十・九キロ、町田調布線の坂浜交差点付近では時速十七・〇キロとなっております。

○こいそ委員 今、速度のお話もいただきましたけれども、今お話しいただきました交差点の箇所も全くそのとおりでございまして、また、これら渋滞は道路整備のおくれもあるのではないか。交差点におけるまさに右折レーンの不足等々が原因で生じてきていると思うわけであります。
 この渋滞を早期に解消するには、主要な交差点における改良が重要であると考えますが、これら主要交差点における改良の現状の取り組みについて、所見を伺いたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 主要交差点の改良についてでございますが、平成十七年二月に策定した第二次交差点すいすいプランに基づいて実施をしております。このプランでは、道路幅員が狭い箇所の片側一車線道路の交差点を対象といたしまして、短期間に渋滞の緩和が図れる右折レーンの整備を進めており、南多摩地域では、都立稲城高校入り口交差点など三十三カ所で整備をする予定でございます。

○こいそ委員 ただいま答弁がございましたように、建設局では交差点の渋滞解消対策の一つとして、片側一車線道路の多い多摩地域において、交差点すいすいプランを現在進めているということでありまして、比較的短期間で一定の成果を上げているということは理解をしているわけであります。しかし、片側二車線の道路であっても、道路の構造的な制約によって渋滞が発生している箇所が少なくない。また、これに伴うところの相互右折車両が極めて危険な状況が日々起きている。
 こういうような状況の中から、その地域の実情に応じた渋滞対策に早急に取り組む必要性があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○阿部道路保全担当部長 第二次交差点すいすいプランに選定されていないご指摘のような箇所では、渋滞解消の必要性によりまして、地域の道路の利用状況、形態、これらに応じた渋滞対策を検討いたしまして、交差点改良事業等により適切に対応してまいります。

○こいそ委員 一車線の交差点に対する第一次のすいすいプランということでありますけれども、ぜひ第二次のすいすいプランに取り入れていただきたいと思います。
 ただいまご答弁いただきましたので--確実に、計画的に予算の確保をこれからも行っていかないと当然できないわけでありますけれども、この事業は、一定の成果は当然ある。また、ますますこの重要性が出てきているわけでありますから、着実に事業をぜひしていただいて、推進をぜひ進めていただいて、第二次の交差点すいすいプランには、今申し上げましたようなことも含めて、しっかりとした体制をもう一度組んでいただく中でそれぞれ対応していただきたいと思います。これにつきましては、今ご答弁いただきましたので結構でございます。
 次に、多摩川中流部にかかる橋梁についてお願いをしたいと思います。
 同じく私の地元でございます多摩市、そして稲城市を含む多摩川中流部ですね、この多摩川中流部のいわゆる架橋を通じながらも、歴史に名を残す鎌倉街道、府中街道、鶴川街道ですね、先ほどありましたけど、さまざまな幹線道路が通っているわけであります。特に、今申し上げた鎌倉街道については、いざ鎌倉という一大事が発生したときに、各地の武士が鎌倉へ駆け参じた。この鎌倉街道を通って、いざ鎌倉ですね、向かったというようなことがいわれているわけでありますが、古くから人々の生活と深くかかわってきた、歴史ある街道であることも事実だと思います。
 現在、この幹線道路は、関戸橋、是政橋、多摩河原橋などの橋梁を経て多摩川を渡って、人の交流や物流を支えて、あるいは災害時の緊急救助のための緊急交通路として、県境を越えた広域的幹線道路としての役割も担っている。大変重要でありますけれども、加えて、多摩地域の経済活動や市民の日常生活を実際的に支えている重要な地域の幹線道路でもあるというわけであります。多摩川中流部橋梁は、これらの幹線道路の渡河部における重要な施設であるということはいうまでもありませんけれども、多摩地域の経済、文化の発展にまさに不可欠であるわけであります。
 ところで、この多摩川中流部は、東京都も施行主体者として現在かかわっているわけでありますけれども、多摩ニュータウンですね、国、東京都がかかわって建設が進められてきた、整備が進められてきた。また、この周辺の都市化も急速に進んできているわけですね。ですから、少なくとも今から二十年前、三十年前の状況から見ても、当然に慢性的な交通渋滞が来されるということは予測されてきた。しかし、遅々として多摩川中流部に対する架橋はされてこなかったんですね。
 はっきりいって、例えば中流部にかかっていた関戸橋は、十何キロかな、もう延々と毎日朝夕、これはどうしようもないですね。ぜひとも早期に多摩川中流部架橋を進めてほしいということの中から、そういう要請をさせていただき、現実、対応もしていただいているわけでありますけどね。
 府中四谷橋もそうでありますけれども、これは当初、有料だったら早くかけますよという話だったんですね。何いっているんだと、これは少なくとも施行者であるところの責任だってあるわけであって、ただ単に住圏をどんどんふやしていけば、これは当然に人がふえてくる、人口がふえてくる。そこに経済的な活動だって発生するから、これは大体予測できますよね。車両だってふえてくる。
 それを、いわゆる結節点であるこの多摩川の架橋は、当初計画どうなってきたのかなって、我々はそう思ったんですね、地元として。そうしたら、有料だったらつけますよ、有料だったら早くやりますよという話だった。これはちょっとおかしいんじゃないかということで、四谷橋についてはいわゆる有料橋じゃなくなった。
 しかし、それに先行して、その前に稲城大橋有料道路が整備されましたね。多摩川中流部架橋検討委員会の決定を見たということでありますけれども、実際、それだけの慢性的な交通渋滞現象というか状況があった。これに伴って、何とかしてほしいという地元の要望だった。有料でもという切実な中でこれは整備してもらったわけでありますけれども、その稲城有料道路は、現在どのような状況でしょうか。

○道家道路建設部長 昭和五十年代にさかのぼりますけれども、そのころ多摩川中流部におきましては、多摩川の上流、下流部に比べまして橋梁間隔が四・四キロメートルと広く、既設の橋梁への交通の集中によりまして恒常的な渋滞が発生しておりました。先ほども先生のお話にございましたけれども、多摩ニュータウンの開発などによりまして交通量が増加の傾向にあり、ボトルネック解消に向けた橋梁の整備が緊急の課題になっていたところでございます。
 稲城大橋につきましては、当時、構想段階の橋でございまして、それを知事の諮問を受けた、先ほどもお話ございました多摩川中流部架橋検討委員会の昭和六十二年の答申を踏まえまして、有料道路制度を活用して早期整備を図るということにいたしました。これによりまして集中的な財源の調達が可能になり、平成元年に事業着手し、是政橋や多摩河原橋の整備に先立ちまして、平成七年には開通することができたわけでございます。
 短期間で整備された稲城大橋は、多摩川中流部の混雑緩和に大きく貢献するとともに、中央道の都心方向へも直結したことにより、南多摩地域の都心アクセスが格段に向上したというふうに考えております。

○こいそ委員 確かに一定的な役割は果たしてもらっているわけでありますけれども、例えば平成十三年ですね、これ、資料をいただきまして、交通車両五百万台ですかね、資料そのままいわせていただくならば五百万台。平成十六年においては四百六十四でありますから、三十六万台減しているわけですね、現実。さらに今後、来年の三月の末には、多摩河原橋の第二期が完成しますよね。現在進行している是政の、改修なのかな、これの整備が進む中、今後、稲城の有料道路は、私は現状としても--私、比較的この有料道路は使わせてもらっているんですけれども、かなり少ないような感じがするんですね。この数字を見ると、これだけの車両が通過しているのかなということは思いますけどね。
 そういうような周辺状況も少し変化する中で、この稲城有料橋そのものの経営状態というのも、これから極めて厳しくなっていくのではないかと思いますけれども、そのあたり、どうなんでしょうかね。

○道家道路建設部長 先ほど委員会要求資料につきまして、十三年度は年間五百万台、十六年度は四百六十四万台という交通量がございます。この稲城大橋の交通量につきましては、平成九年度をピークに、この資料にございますように減少傾向にございまして、平成十六年度の一日平均交通台数に割り戻しますと一万二千七百台ということでございまして、計画交通量の約六割にとどまっている状態でございます。
 平成十六年度の収入実績でございますけれども、約九億円の料金収入がございまして、それに対して支出でございますが、維持管理費と支払い利息で約三億五千万となっております。残りを建設元金の返済に充てているということでございます。
 そして、今月の九日には、JR南武線の立体化による踏切解消があったり、今年度末には下流の多摩河原橋の四車線化や上流の是政橋の四車線化に向けた事業が進んでおりまして、稲城大橋周辺の道路の整備状況が変化しているところでございます。
 こういうことから、今後、収入の伸びにつながる交通量の増加はなかなか見込みにくいということで、向こう十年程度は、この建設元金の返済が大きく負担となりまして、厳しい経営状況が予想されると考えております。

○こいそ委員 今のお話のように、周辺環境もかなり変化をしてくるという中、現状、当初計画交通量の六割を下回りつつある。こういう中から見たときに、確かに借入金の償還等いろいろ問題は当然あるとは思うのでありますけれども、公社の試算を--私は、これから何らかの対応策をつけていくということも選択肢の一つではないかと思うんですよね。厳しい経営状態を余儀なくされていると。全く抜本的な対策も講じていかなきゃなりませんし、これらのことを踏まえると、経営の健全化に努めていくという話もありますけど、抜本的対策、今、いろんな方策もあるかもしらぬけれども、公社との話もそうでありましょうし、しっかりとした方向性も検討する時期に入ったんじゃないかと思うんですが、このあたり、道路監ですかね、局長--じゃ道路監。

○柿堺道路監 稲城有料について、非常に経営にご心配をいただきまして大変ありがとうございます。
 稲城有料道路、府中市と稲城市の間の多摩川にかかっている橋梁でございますけれども、ご質問のように、昭和六十年ぐらいからこの計画が始まりまして、たまたま私、そのときに稲城市に派遣をされておりまして、この道路計画に若干携わりましたので、当時のことを先生のご質問を聞きながら思い出していたところでございます。
 もちろん、無料で橋が早期にできれば、南多摩の市民にとって大変いい話ではございますけれども、先ほど道路建設部長が申し上げましたように構想橋ということで、今、私どもが公共事業で整備を進めております多摩河原橋あるいは是政橋、先ほどお話もありました府中四谷橋等とは違って、都市計画決定がされてない橋でございます。そのほかの今申し上げました橋は、既に都市計画決定がされていたわけでございますので、計画決定されてない橋を優先的に整備するというには、それなりに公共事業とは別の選択肢が必要だということで、それでも橋は必要だということで、この有料道路事業に着手したところでございます。
 結果として、先ほど道路建設部長が申し上げましたように、都心方向への到達時間等々非常に早くなったわけですし、一万何千台かの交通が今まで通っていた橋から転換をしたことによりまして、既存の道路の渋滞緩和に大きく寄与したということで、この選択肢については間違ってなかったんだろうというふうに確信をしております。
 ただし、今のそれぞれのところが整備されてきましたし、先ほど南武線の連立事業も進んできたということで、状況変化があるのは事実でございますので、その点も踏まえまして、今後、稲城大橋のあり方については幅広く検討していく必要があるというのは、先生のご指摘のとおりだというふうに思っています。

○こいそ委員 今、経緯をお話しいただきましたけれども、有料でも、やはり当時の状況から見れば、何とか対応していかなきゃいけない。当然にして、開通した中で一定車両がそこに流れ込んでくる。当然、都心方向に向けて車両が相当そこに入ってきて、まさに交通渋滞の解消の一助になったことも事実です。
 しかし、かかる中流部の状況から見たときに、そういう先行的な、また、そういうような経過というのはわかりますけれども、今後に向けては、やはり周辺の状況、いわゆる時代的な変化というんですかね、これもありますので、今後とも、私はぜひ有料橋としてのあり方、これをもう一回しっかりと検討していただきたい。これは、私たちが都議選のときだったかな、都議選の前だったですかね、一部、新聞で流れましたね、報道が。私も読ませていただきまして、最終的に理解しましたが、いずれにしても、現状とこれからのことを踏まえながら、ぜひ具体的な対応をしていただきたい、こういうふうに強く求めたいと思います。
 最後に、これは答弁は結構ですからいわせていただくならば、今、都心方向は一通ですね。八王子方面、これはアクセスないですね。やはりこれは非常に経済的なさまざまな面で、フルインター化をする必要性というのはどうしてもあるんではないかなと。交通ゾーンもそうだし、周辺に与えるさまざまないい面での経済的効果というものも、波及効果もさまざまあると思いますので、このフルインター化についてもぜひご検討いただきたいと、これは要望でさせていただきます。
 次に、都立の公園事業についてお聞きしたいと思います。
 かつて、東京には豊かな雑木林があり、その恩恵を受けた多くの動植物が息づく大地であった。しかし、明治以降急激に進んだ近代化と都市のスプロール化によって、東京の緑は急速に失われてきた。その中で多摩丘陵では、貴重となった東京の里山の景観である谷戸のせせらぎと、雑木林による四季折々の風景が現在も残っているわけでありますけれども、このような豊かな自然は、都民にとって共有の財産、大切な公共資本の一つ。こうした自然を後世に残していくことは重要だということはいうまでもありませんけれども、そういう観点から質問いたしますが、多摩丘陵で整備をされているというんですかね、多摩丘陵にある都市公園の整備の状況についてお伺いしたいと思います。

○伊藤参事 多摩丘陵には、桜ヶ丘公園、多摩動物公園、長沼公園などの六つの都立公園が開園しております。いずれも丘陵地の豊かな自然資源である雑木林や谷戸を保全、活用し、都民の憩いの場として親しまれております。
 こうした多摩丘陵に開園する都立公園は、都市計画決定している面積が四百六十三ヘクタールに対しまして、平成十六年度に新たに開園した小山内裏公園を含めまして、開園面積は二百十二ヘクタールとなり、四六%の整備率となっております。

○こいそ委員 現在多摩丘陵には、今お話にありましたように六つの都立公園があるというお話でございますが、そこの一カ所、一つである都立桜ヶ丘公園、これについて伺っていきたいと思います。
 この都立桜ヶ丘公園は、豊かな自然景観、そして、触れ合えるというんですかね、いろんな形状もありますけれども、ドッグランも計画されているというような公園でありますが、大変都民に親しまれている公園でもあります。資料をいただきましたが、ここ五年で四・四ヘクタールが追加開園したということがありますけれども、具体的にどのような整備が行われてきたのか、まずお願いをしたいと思います。

○伊藤参事 桜ヶ丘公園では、起伏に富んだ丘陵地の地形と雑木林を生かした整備を行っております。平成十三年度には、高台にある展望広場につながる樹林内の散策路を整備いたしました。また、平成十四年度には新たな駐車場を、今年度には休憩施設を整備するなど、利用しやすい公園づくりを進めているところでございます。

○こいそ委員 資料をまたいただきまして、平成十六年、事業費ゼロですね。そして、追加の開園の面積もゼロとなっているんですが、また平成十七年には三千六百万計上されているんですね。どのような整備をこれから具体的に十七年あたりからされていくのか、十六年はなぜ整備がされてこなかったのか、それを教えてください。

○伊藤参事 平成十六年に当たりましては、準備期間と申しますか、用地を選定したり、あるいは購入しました用地に対して設計を進めるとか、そういった準備期間のために事業費がゼロとなっております。
 また、十七年度、今年度につきましては、休憩舎の整備等を行う予定でございます。

○こいそ委員 この資料でありますけれども、最終的というんでしょうかね、今後の整備予定面積が九十二・八ヘクタールということでありますが、実はこの公園、それをお聞きしたいと思いますが、整備予定の中に約三百戸、それ以上かもしれませんけれども、一定の住宅建設されているところがあるわけなのでありますけれども、このあたりは、この九十二・八ヘクタールに入っているかどうかですね。

○伊藤参事 委員ご指摘の九十ヘクタールの中に、三百戸ほどの市街化されました区域が入ってございます。

○こいそ委員 今、私申し上げましたけれども、三百世帯、現在はもっとふえている、いわゆる住宅形成していまして、しっかりとした自治会運営を三十年以上、もっとかな、数十年の時間経過の中で、コミュニティがしっかり形成をされてきているんですね。そして、今この時代ですから、防犯もそう、お互いに近所が助け合うということ。さまざまなそういう中で、互助、助け合い、そして、今申し上げたようなコミュニティがしっかり根づいてきている。こういうことがあるわけでありますけれども、このような、しっかり何十年にわたって、今申し上げましたような住宅が張りついている、とりわけ都道がですね。ここのあたりをどのように整備していくんですか、具体的に。

○伊藤参事 先ほどもお答えさせていただきましたけれども、いまだ事業化されてない区域が九十ヘクタールございます。この中には農地や樹林地など貴重な緑が残されておりまして、こうした区域から、地権者の協力を得ながら事業化を図ってまいりたいと考えております。

○こいそ委員 実際、全体の整備面積、都立桜ヶ丘公園全体面積を見たときも、それは確かに、しっかりと保全したり手を加えていかなきゃいけないところがあることもよくわかります。しかし、私が申し上げた都道沿いですね、しっかり市街地が形成されているところ、このあたりをどうやって公園化するんでしょうかね。これは非常に私、地元としても疑問なんですよ。ましてや、地元の理解が得られるかどうか。いわゆる地元市もそうであるけれども、現実そういうコミュニティが形成されているところに、どういう手法をもってして公園整備をするんですか。

○伊藤参事 基本的には、市街化の進んだところにつきましては、住民の方々のご理解をいただきまして、移転等促進しながら進めていくのが基本かというふうに思っております。

○こいそ委員 現実を見てくださいよ、現実を。そんな話じゃなくて、現実的にそんな、今、参事がいうような形でご理解じゃなくて、それこそしっかり生活がそこに根づいている。それを公権力で追い出すことはできないでしょう。ご理解ご理解って、何のご理解しなきゃいけないの。ですから、やはり現実的な、整備しなきゃいけない区間は、それは優先的に整備しなきゃいけないと思いますよ、すみ分けというか線引きというか、そういうものをしっかりとやっぱりすべきじゃないですかね。

○伊藤参事 ご指摘の、都市計画公園区域内が市街化されている現状は認識しております。計画等の見直しにつきましては非常に多くの課題もございますので、今後とも十分な検討が必要と考えているところでございます。

○こいそ委員 これは建設局だけじゃない、都市整備局との兼ね合いが当然あるわけでありますけど、現状は現状としてしっかり見据えて、時代も大きくやはり変化している。そこには、さまざまな営みというんですかね、生活も含めてあるわけであって、ぜひそういうところを直視してくださいよ。
 それで、やるんだ、やるんだっていう、ただやるんだ、やるんだって、いつやるんだと。そんな現実に遊離したような、大変申しわけないけれども、そういうお話を聞いていてもよくわからないので、どこを、どこから、どういうふうに整備するんだと。この整備区間は、今年度については今答弁ありましたけど、こことここはドッグラン関係でやっていくんだとか、そういうのは明確にわかりますよ。だけど、少なくとも、どう考えたって、極めて厳しい現実もあるし、また、すみ分けをしっかりしていかなきゃいけないというところは現実あるので、これは建設局としても、ただ観念的というか、ただやるんだ、やるんだっていうことだけじゃなくて、それをしっかり私は据えていただきたいと思いますよ。このあたり、どうでしょうかね。

○内海公園緑地部長 先生ご指摘の区域につきましては、確かに地域の方々がそこに生活をして、その生活が根差しているということは、十分私ども認識をしてございます。しかしながら、私ども、その地域、公園としては非常に重要な地域であるというふうに認識をしておりますので、時間をかけまして皆さん方のご理解を得ていきたいというふうに考えております。

○こいそ委員 現実的なことをいってくださいよ、私も責任持っていっているんだから、こうやって。私も地元の代表として出させてもらって、であって私は今発言するんだけれども、それできるんですか、本当に整備が。じゃ、目途をいってください、目途を。

○内海公園緑地部長 確かに財政的に非常に厳しい状況は、私どもも理解をしてございます。しかしながら、長い時間をかけて、地権者の方のご理解を得ながら事業を進めてまいりたいと思っております。

○こいそ委員 そういう無責任なこといったら困るんだよな。どこを目途として、できるのかできないのか。あなた、できるって、責任とれるのか、はっきりいって。どうなんです、局長。

○岩永建設局長 お話は計画の見直しということであろうと思いますけれども、公園に限らず道路でも、場所によっては河川でも同じような状況にあるところもございまして、その見直しに当たりましては、先ほど都市整備局との連携というお話がありましたけれども、この多くの課題がある中で、都市整備局と十分連携いたしまして、引き続き検討を進めていきたいと思っております。

○こいそ委員 ぜひ検討をお願いいたします。
 それでは、最後に、河川関係で一、二お伺いをしたいと思います。
 これも、環境局でも少し触れさせていただきましたけれども、多摩川の、ちょうど私ども、先ほどから中流部という話をいわせていただいておりますけれども、多摩川の支川ですね、大栗川という中小河川がある。東京都の管理河川です、大栗川。そして乞田川という、そのはるか昔には、縄文、弥生時代には--その遺跡が今も点在しているところがあるんですね。
 そういうような状況なんですけれども、私は今議員という立場にならせていただいておりますけれども、私の原点として、実は私、今移転いたしましたけれども、この乞田川という中小河川、多摩川の支流ですね、この比較的近くに住んでおりまして、ある一定の雨が降ると、昔、カワトというのがあったんですけれども、あらゆるところから水が上がってくるんですね。これが床上、床下浸水する。これは日常茶飯事だったんですよ。当然今から数十年前の話なんですけれども、逃げ惑う大人たち、恐怖に駆られる人たち、水害というのは本当に大変ですよ。
 この恐ろしさというのを身近に感じた中で、この河川が整備をされた。多摩ニュータウンの河川改修の一環として整備された。五〇ミリ、五五ミリの対応で、もう大丈夫なんだ、それだけ雨が降っても大丈夫なんだ。これが、どれだけ地域の人たちの心に安堵感をもたらしたかわからないですね。私が政治や行政というのはすばらしいなと思ったのは、その一つなんですよ。あと医療問題もあったけれども、これが一つ。すばらしいなと。
 こういうことの中で思うんですけれども、もうちょっと続けさせていただきますが、とりわけ治水というのは大切だと、治水は本当に大切なんだと思っております。
 しかし、さっきからの話で、時代が変化する中で、果たして治水的に整備された川を見て、私も散策をするんですけれども、フェンスがかなり河川に張られている。そういう中で、なかなか人を遮るような状況も出てきた。
 もう一点は、これは護岸整備をしっかりしなきゃなりませんから、それはわかるんですけれども、三面コンクリート工法、当時の工法的には三面ですよね、生態系そのものというのを、どうもやはり抑え込んでいると。そういう中で、現状、今思うときに、大型の排水路的な、こんなこといっては申しわけないんですけど、そういう意味合いにどうもとらえられて仕方がない。ましてや親水的な、いわゆるいやしだとか憩いの場として、水辺空間がしっかりとみんながここで共有する空間となるには、少し現状として、今のような状況を変えていかなきゃいけないんじゃないか。
 こういった意味合いの中から、東京都の親水化ですね、この取り組みについてお願いしたいと思います。

○野村河川部長 親水に対する考え方のお尋ねでございます。河川の整備に当たりましては、洪水や高潮から都民の暮らしと財産を守るために、安全性の確保に主眼を置きまして護岸や堤防の整備を進めてきたわけでございます。先生のご指摘にもありましたように、そういうような点で一部、人と川と水面とが切り離されるというような状況もあったかというふうに思っております。
 一方、今日では、下水道の普及など河川の水質が格段によくなったこともございまして、都市の水辺が都民にとって快適で貴重な空間であることが再認識されるようになってきております。
 このような中で、都民が水辺に近づいて憩うことができる潤いのある空間をつくり出すことにもできる限り配慮をしながら、河川の整備を進めているところでございます。

○こいそ委員 河川、いわゆる水辺の親水化ですね、整備というのは、やはり時代的に大変重要だというような認識は一致していると思います。とりわけ防災工事等によって整備している区間もあるわけでありますけれども、今後、親水施策をさらに進めていく中、事業をより展開していく中で、当然財政的な面が出てくるわけでありますけれども、しかし、ぜひ都民の要望の中でも、一つの自然的な、また親しめる水辺もそう、憩う空間というんですかね、創出、何か心の楽しくなるというか、そういう中でも、親水機能の強化というのをぜひ進めていただきたいと思うところであります。
 まだ、あといろいろと質問をさせていただきたかったわけでありますけれども、まず、親水化の政策をぜひ今後とも進めていただきたいということの中で要望いたしまして、最後に局長、先ほど別の質問で答弁をいただきましたけど、この親水化について、最後に局長の決意をお聞かせいただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。

○岩永建設局長 本年九月の初めですけれども、神田川水系を中心に大変な水害がございました。改めて治水対策の重要性、必要性が浮き彫りにされたわけですけれども、今、るるお話がありましたように、河川のもう一つの顔といいますか、三百六十五日つき合う川のいわば環境機能といいましょうか、その代表であります親水機能を高めるということにつきましては、常々、私どもも大変重要な要素であるというふうに考えております。
 とりわけ多摩地域におきましては、まだまだ自然も残されておりますし、水量も豊かな場所がございます。ただ、河川ごとにいろいろな状況に置かれておりまして、親水機能を確保するということでも、それぞれの川の特徴がございます。そこらあたりを十分勘案いたしまして、治水対策と並行して親水機能を高めるということにつきましても、今後とも努力してまいりたい、このように思っております。

○石森委員 それでは、最後でございます。いつも終わりの方の質問になりますけれども、たまには前の方で質問をさせていただきたいなと思いますけれども、大きく三つの項目につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、新滝山街道の整備についてお尋ねをいたします。
 東京都では、多摩振興をより効果的に展開していくために、平成十七年一月に多摩リーディングプロジェクトを策定いたしまして、多摩振興の全体像を明らかにいたしました。このプロジェクトの施策テーマの一つでもございます圏央道アクセス道路につきましては、圏央道のあきる野インターチェンジが本年三月に供用され、より一層重要性が増しているところでございますけれども、そのためにも、新滝山街道の早期整備が必要と思われます。特にあきる野インターが開通したことによりまして、並行して走っております滝山街道、こちらに車の流入が非常に今激しいんですね。一日じゅう渋滞しているというふうな、そんな状況にございます。
 そのような現状の中で、新滝山街道の整備状況、現状はどのようになっているのか、まずお尋ねをしたいと思います。

○道家道路建設部長 新滝山街道でございますけれども、お話にありました圏央道あきる野インターチェンジと八王子市街地を結ぶ道路でございまして、圏央道の機能を十分に活用し、多摩自立都市圏の形成を図る上で重要であると認識をしております。
 全線七キロメートルのうち三・三キロメートルが既に開通しておりまして、あきる野インターチェンジと高尾街道とのアクセスが大幅に改善されたと考えております。現在、高尾街道からかすみ学園通りまでの三・七キロメートルの区間で用地取得を進めておりまして、順次、遺跡調査や切り土工事などを行ってまいります。

○石森委員 この新滝山街道、早期開通が望まれるところではありますけれども、そのかぎを握る用地の買収につきまして、何点かご質問したいと思います。
 一番西側、秋留橋から八王子戸吹町、高尾街道までの区間、四工区になりますけれども、これが平成十六年四月に、暫定的ではありますが開通をいたしました。他の区間はどのような状況になっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○藤井用地部長 新滝山街道予定地のうちで残る三・七キロの区間につきましては、区間を二つに分けて、現在、用地の取得を行っております。
 まず初めに、平成十三年から用地取得を開始いたしました八王子市丹木三丁目の谷野街道からかすみ学園通りまで、これを第二期区間と申しておりますが、この区間につきましては、十六年度末現在で九二%の用地取得率となっております。
 平成十六年から用地取得を開始しております高尾街道から谷野街道まで、これを第三期区間と申しておりますが、この区間につきましては、十六年度末現在、一七%の用地取得率となっております。

○石森委員 十六年から用買が進められた高尾街道から丹木までの区間ですね、今一番おくれているわけでございますけれども、この第三期区間の用買、これが大変重要だと思うんですね。この区間の今年度の取り組み状況につきましては、今一七%でしたっけ、お話がございました。特にこの地域は、新滝山街道、丘陵地の斜面を切り開く構造になっておりまして、そのために宅地や農地が分断され、道路との段差が生じる、そんな状況がございます。
 特に地元から、何度か説明会を開いて地元の調整を図っているようでございますけれども、さまざまな意見、要望が寄せられていると思います。この用地買収に当たりまして、特に配慮されている点はどのようなものなのでしょうか。

○藤井用地部長 ただいまご質問の中で第三期区間ですが、先ほどご答弁申し上げましたのは十六年度末の用地取得率一七%ということなのでございますが、今年度につきましては、第三期区間の全体、二・六キロございますが、この区間全線にわたりまして折衝を進めております。
 今年度中に約五万平方メートルの用地取得を見込んでおりまして、このことによりまして、年度末までに第三期区間の三分の二の用地を取得できると考えております。
 それから、ただいまお話のございました配慮の面でございますが、この地域は起伏が非常に多い地域でございまして、一般的な道路の用地買収とは異なりまして、斜面の保護のための擁壁設置、あるいは既存の宅地や農地などへの接続に対する配慮が必要となっております。このようなことにつきまして、関係権利者に対しきめ細かく説明いたしまして、必要な用地の確保に努めてまいります。

○石森委員 順調に用地買収が進んでいるというようなお話でございますけれども、さらに早期開通を図る意味でも積極的な用地買収が必要と思います。今後どのように取り組んでいかれるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

○藤井用地部長 新滝山街道の整備を早期に進めていくためには、関係権利者の理解を得ながら、着実に用地を取得していくことが必要であると考えております。残る用地の取得につきましても、引き続き粘り強い折衝を重ねるとともに、解決困難な案件につきましては、土地収用制度の活用も視野に入れながら用地の取得を進め、本路線の早期整備につなげていく考えでございます。
 今後とも、地元の関係者のご理解とご協力を得ながら、積極的に事業を展開してまいります。

○石森委員 圏央道は首都圏三街道の一つでもございまして、この周辺地域の渋滞緩和、あるいは中核都市が短時間で結ばれる、そんなことによりまして、今まで以上に情報あるいは物資の交流が活性化したりと、多摩地域の発展、そして大きな経済効果が見込まれるわけでもございまして、そういう意味でも、ぜひ引き続き積極的に事業展開をしていただきますよう要望しておきます。
 次に、先ほどからたびたびお話が出ております交差点すいすいプランにつきましてお尋ねをしたいと思います。
 資料の中でも、今後の計画あるいは進捗状況等の資料をいただいておりますけれども、私たちが暮らす多摩地域におきましては、都市計画道路の進捗がままならないというような実態がございます。特に片側一車線道路が多くて、慢性的な交通渋滞が発生しているところが随所に見受けられる、そんな状態にあろうかと思います。
 東京都では、この交通渋滞の対策として、幹線道路の整備初め適切な道路ネットワークの早期形成に取り組んでおりますけれども、しかしながら、この整備には相当の年月と財源が必要とされる。そんなことから、短期的な対策として、渋滞の原因とされるボトルネックを解消するために、平成六年度から交差点すいすいプランによってその改善に取り組んできている、そんな状況にございます。
 この事業につきましては、抜本的な改善策といえないまでも、少ない経費で、短期間で工事が完了し、それによって交通渋滞が緩和されることから、都民あるいは地元自治体からも高い評価を得ている、そんなところでもございます。
 そこで、現在まで進められてきたすいすいプランの成果につきまして、まずお聞かせをいただきたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 交差点すいすいプラン一〇〇の最終年度となります十七年度末までに、八十四カ所が完成または一部完成するという予定でございます。
 その成果ですけれども、事業が完成した交差点の朝夕ピーク時の通過時間で見ますと、例えば府中街道の府中市北府中交差点では、事業前の約七分から一分以下に、一般都道一六六号線、先ほど出た谷野街道ですが、この八王子市谷野町交差点では、約三分であったものが一分以下に短縮できております。
 また、この事業では、歩行者等が安全に、また、安心して通行できる歩道の整備を推進してきております。

○石森委員 目に見えた効果があらわれているというふうなお話でもございました。ただ、当初は百カ所の計画でスタートしたわけでありますけれども、いまだ未着工あるいは未完成の箇所が何カ所かあるわけでございますけれども、今後の取り組みについてはどのように進められるのか、その辺をお聞かせください。

○阿部道路保全担当部長 交差点すいすいプラン一〇〇の対象箇所のうち、一部完成二十二カ所、事業中十カ所、合わせて三十二カ所につきましては第二次の交差点すいすいプランに引き継いでおりまして、今後、早期完成を目指してまいります。

○石森委員 当然すいすいプランの指定を受けた交差点付近というのは、民家があったり店舗があったり、非常に密集しているというような、そんな状況にあろうかと思います。用地買収がその辺でなかなか進まないというような、そんな現状があろうかと思うんですけれども、しかしながら、完成すれば、先ほどのお話のとおり、大変大きな効果を生むわけでもございますから、粘り強く取り組んでいただきたいと思います。
 第二次すいすいプランのお話もございました。それを推進する上で、都としてはどのようなことを考えられているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○阿部道路保全担当部長 今お話しの第二次交差点すいすいプランは、より円滑な交通の実現に向けまして、渋滞の緩和、交通流の変化への対応、他の事業と連携した路線全体の整備効果、これらを重視しております。このプランでは、対象交差点百カ所、計画期間を十七年度からの十カ年としております。
 実施に当たりましては、用地の取得等に当たり、地元の市町との緊密な連携を確保し、効率的な執行体制を築き、交通渋滞の解消に積極的に取り組んでまいります。

○石森委員 ぜひ、できる限り地元自治体を、利用といっちゃおかしいんですけれども、連携を図りながら進めていただきたいと思います。
 次に、河川整備についてお尋ねをしたいと思います。
 先日、記録的な集中豪雨によりまして、東京都におきましても甚大な浸水被害が発生いたしました。近年は、特に宅地化、都市化に伴う保水機能の低下によって、局所的はんらん型の水害の発生件数が増大している傾向にあります。ただ、私どもの地元八王子市に限っていえば、少しずつ河川改修あるいは護岸整備によって、以前のような大きな被害は減少してきた、そんな状況にございます。
 ただ、八王子市では、浅川を初め多くの中小河川において今なお河川整備が継続中でもございまして、とにかく河川整備に対する事業費というのが、十年前と比較すると半減しているような状況にございますから、八王子の場合でも進捗率はいまだ六割というような、そんな状況にございます。
 財政状況が厳しいというのは十分承知しておりますけれども、水害による被害金額を考えれば早急に取り組むべきと考えますけれども、都内の整備状況について、まずお尋ねをしたいと思います。

○野村河川部長 東京都全体の河川の整備状況でございますけれども、四十六河川、三百二十四キロメートルを対象に、一時間五〇ミリの降雨に対応する中小河川の改修を、緊急性の高い河川から順次進めております。平成十六年度末の護岸整備率は六〇%となってございます。

○石森委員 東京都全体でも八王子とほぼ同じぐらいの進捗率というようなお話でございますけれども、台風あるいは集中豪雨によって、必ずといってもいいほど護岸が崩落したり、あるいは水害が発生しているわけでもございますから、ぜひともできる限り早い事業展開を期待しておりますので、当局のさらなるご努力をお願いしたいと思います。
 また、若干前になりますけれども、平成九年に河川法が改正されまして、以前は目的として、洪水による災害を防止する治水と、水資源を確保するという利水だけでしたけれども、新たに水質、景観、生態系等の河川環境の整備と保全が目的として加わりました。この改正によって、河川の持つ多様な自然環境とのバランスをとりながら、地域に合った個性的な川づくりが実現できるようになったところでございますけれども、都としては、改正以降、河川事業はどのように行っているのか、お示しをいただきたいと思います。

○野村河川部長 環境に配慮した河川改修の取り組みでございますけれども、八王子市内を流れる谷地川を例にとりましてご説明をいたしますと、既に平成七年度から、多自然型川づくりのモデル事業といたしまして、改修前の河川が蛇行していた部分なども活用しながら改修事業を進めております。改修に当たりましては、瀬やふちをつくるなど、多様な生態系を保全、再生するよう配慮するとともに、傾斜の緩やかな護岸の整備や、護岸に階段を設けるなど、人々が水辺に近づくことができるような整備を進めております。
 また、その他の河川におきましても、治水上の安全性を確保しつつ、自然環境豊かな箇所を可能な限り生かした川づくりを実施しているところでございます。

○石森委員 少ない財源ながらも、それなりに東京都としては川づくりに取り組んでおられるというようなお話でもございました。八王子の北部に谷地川という河川があるわけなんですけれども、今、大がかりな河川改修が実施されております。この谷地川と、先ほど質問いたしました新滝山街道、これに隣接する場所に、今八王子市では、平成十八年度を目途に道の駅の整備を進めております。
 この開設によって、多くの人が集まり、にぎやかさが増すことが予想されますけれども、この道の駅のオープンに合わせて谷地川との一体的整備を実施して、さらに多くの方が憩えるような、そんな進め方を私も以前から主張しているところでございますけれども、その辺は、東京都としてはどのようなご見解をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。

○野村河川部長 道の駅が接することになります谷地川の左滝橋上流部でございますけれども、ここも川の蛇行した部分を活用した親水整備を行っておりまして、川沿いは緑豊かな散策路として利用をされております。道の駅と谷地川を連携して整備することで、道の駅を利用する方が谷地川を散策したり、あるいは谷地川を散策している方が道の駅を利用したり、それぞれの利用者にとって、一体化された、より魅力的な空間となることが期待できるというふうに考えております。
 このような観点から、現在、市と調整を進めておりますが、今、委員のご提案がありました趣旨も踏まえまして、人々が集い、にぎわう空間をつくり出すことができるよう、今後努めてまいります。

○石森委員 水辺環境を整備されているのが、道の駅に隣接するより若干上流なんですね。ですから、できれば隣接している部分、そこを同じように人が集まるような、そんな整備をぜひ進めていただきたいと思います。
 この道の駅なんですけれども、農産物の大型直販施設をメーンにいたしまして、今、八王子市で中身についての議論をしているところなんですね。ただ、なかなか大きな財政投入をしておりますから、まず失敗は許されない、そんな事業でもございます。この谷地川の河川整備だけに限らず、いろんな形で、都内初という道の駅でもございますから、ぜひ何としても成功するように、都としてもできる限りのバックアップをしていただきますようにお願いして、質問を終わります。

○ともとし委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○ともとし委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十二分散会

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