委員長 | ともとし春久君 |
副委員長 | 林田 武君 |
副委員長 | 大津 浩子君 |
理事 | 大西由紀子君 |
理事 | 西岡真一郎君 |
理事 | 近藤やよい君 |
伊藤 興一君 | |
原田 大君 | |
河野百合恵君 | |
石森たかゆき君 | |
くまき美奈子君 | |
東野 秀平君 | |
こいそ 明君 | |
吉野 利明君 |
欠席委員 なし
出席説明員建設局 | 局長 | 岩永 勉君 |
次長 | 浅倉 義信君 | |
道路監 | 柿堺 至君 | |
総務部長 | 矢口 貴行君 | |
用地部長 | 藤井 芳弘君 | |
道路管理部長 | 石渡 秀雄君 | |
道路建設部長 | 道家 孝行君 | |
公園緑地部長 | 内海 正彰君 | |
河川部長 | 野村 孝雄君 | |
企画担当部長 | 林 健一郎君 | |
道路保全担当部長 | 阿部 博君 | |
道路計画担当部長 | 桐越 信君 | |
参事 | 小田 昭治君 | |
参事 | 伊藤 精美君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
建設局関係
契約議案の調査
・第百七十八号議案 日暮里・舎人線日暮里駅(仮称)建築工事請負契約
・第百七十九号議案 日暮里・舎人線西日暮里駅(仮称)建築工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十五号議案 東京都道路公社の道路の整備に関する基本計画の変更に係る国土交通大臣への認可申請について
報告事項(質疑)
・平成十七年九月四日から五日の集中豪雨について
○ともとし委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり意見書四件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件については取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ともとし委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○ともとし委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の契約議案調査、付託議案審査及び報告事項に対する質疑を行います。
契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成十七年九月二十八日
東京都議会議長 川島 忠一
環境・建設委員長 ともとし春久殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百七十八号議案 日暮里・舎人線日暮里駅(仮称)建築工事請負契約
第百七十九号議案 日暮里・舎人線西日暮里駅(仮称)建築工事請負契約
2 提出期限 平成十七年十月三日(月)
○ともとし委員長 これより建設局関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第百七十八号議案及び第百七十九号議案を一括して議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ともとし委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ともとし委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○ともとし委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百八十五号議案を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○河野委員 質問いたします。
地下駐車場のある場所は練馬区の区有地であり、定款でも、練馬区道にということになっています。初めから区が地下駐車場をその土地に建設するというのが一般的な方法だと思うのですけれども、東京都の道路公社が有料道路事業として地下駐車場を建設した経過について、初めにお伺いをしておきます。
○道家道路建設部長 この練馬駅北口地下駐車場は、計画箇所でございますが、練馬駅周辺でございます。この練馬駅周辺では、平成二年度当時、西武池袋線の連続立体交差事業を初めといたしまして、さまざまなまちづくり事業が進行する中で、違法駐車対策の緊急性が高まっておりました。練馬区は公共駐車場の整備を練馬区長期総合計画推進の一環として位置づけまして、有料道路事業により整備することとして、東京都道路公社に依頼をしたものでございます。
当該駐車場は、区が管理する練馬駅駅前広場の地下に設置するものでございます。本来区の施設でございますが、東京都は広域的な観点から、公共駐車場整備を積極的に支援することとして、道路公社が駐車場整備を行うことに同意いたしました。
なお、当該駐車場は平成七年に供用開始し、現在、公社が駐車場を管理運営しております。
○河野委員 今回、区移管をするに当たりましては、債務処理について報告のための資料にはお金の流れが記されております。確認の意味でお伺いいたしますが、債務の整理、それから区移管をすることについて、今後これは、地方道路公社法と道路整備特別措置法というんですか、この二つの法律に基づいて手続が進められるようですけれども、この手続の問題について、もう少し詳しく、わかりやすい形でご説明をいただければと思います。
○道家道路建設部長 当該駐車場は政府資金等借入金を活用いたしまして建設し、供用開始後、料金収入によって償還を行っていくものでございます。現在償還中であり、債務が残っております。
道路公社は、都からの貸付金により現在の債務を一括償還した上で、都からの貸付債務を駐車場施設とともに練馬区に移管するものでございます。区は、本来管理者といたしまして有料駐車場事業を運営し、その料金収入の中から継承した債務を東京都へ返還する仕組みになってございます。
なお、それぞれ法律に定められた事項につきましては、本都議会のご了承をいただく必要もございますし、本来管理者であります区の区議会にも現在審議をしていただいているという状況でございます。
○河野委員 区有地につくった駐車場を区が管理するというのは、いわば当然だというふうに思います。問題は、債務処理の仕方と、これからの収支がどうなっていくかということではないかと考えるんです。きょうは詳細な質問は避けて、債務の問題と収支の方向について端的にお伺いをしておきたいと思います。
実は、八月二十六日の日付で建設局道路建設部という名前で、こういう印刷物が、これは練馬選出の都議会議員の方に配られた資料なんですね。私たちには別のものが配られておりますが、この資料には経営状態が書いてありまして、計画比で五四%の利用率、伸び悩みということが、ここの中段あたりに書いてあるわけなんです。それで、さらに来年度から八年間の資金ショートが発生する見込みということもあります。当委員会の資料には、区移管のメリットについては二点書いてあります。これは皆さんが資料でご存じのとおりなので、述べることは省略いたしますが、この資金ショートの問題については、委員会の資料には一切触れられておりません。
そこでお伺いをしたいんですけれども、この練馬の地下駐車場の運営が資金ショートが起きるような状況であるということを、私たち委員会の委員にも、正確な報告を局としてすべきではなかったのかと思うんですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
○道家道路建設部長 駐車場の整備計画は、駐車場の現況と地域開発などによる将来の駐車需要量、供給量の需給バランスを検討して策定しております。計画当時と現在の状況の違いといたしましては、練馬駅周辺地区で複数の再開発事業が予定されておりましたけれども、なかなかこれが思うに任せず進んでいないという状況がございます。こういうことがありまして、計画量に対してなかなか収入が上がっていないという状況でございました。
ただ、その後、十六年度には約半分まで、計画量に対して半分まで料金収入が上がるような状況に改善をしております。現在も、駅周辺のスーパーとか、あるいはパチンコ店など大口顧客の獲得を含めて、そういう新規顧客の獲得を進めて、経営のより改善に努めているという状況でございます。
今回のこの移管のスキームは、そういう状況を踏まえまして、本来管理者に対しまして、料金収入の範囲内で償還可能な事業運営が行えるということがわかりましたので、区とも協議をいたしまして、今回の形で区に移管をするということでございます。このことによって区の運営の自由性も増しますし、安定した事業運営は十分可能であるというふうに考えてございます。そういう状況でございましたので、その内容を各委員の皆様には事前にご報告したということでございます。
○河野委員 平成十八年度から八年間にわたって資金ショートが起きるということは、私たちは説明を受けていなかったということは事実としてあるわけですね。
それでは、お伺いしたいんですが、東京都と公社と区の債務の資金の流れは、資料で移管関係図として示されていますが、このお金の流れについて、幾らのお金がどう流れていくのかという金額については、私たちがいただいた資料には記されておりません。政府貸付金や公庫から受けた融資の未償還金の状況が一体幾らぐらいになっているのか、それから、一括返済に当たって東京都が道路公社に貸し付ける金額はどのくらいのものになるのか、お示しいただきたいと思います。
○道家道路建設部長 道路公社が一括で借入金を返すべき残債務でございますけれども、およそ二十七億円でございます。この額を東京都が一括で貸し付けをいたします。そして、先ほど申し上げたように、この東京都の貸付金を、道路公社が練馬区に地下駐車場の本体の施設とともに債務も継承していく、そして、練馬区が東京都に対して債務を料金収入の中で返還していく、こういう仕組みでございます。
○河野委員 二十七億円という金額がおっしゃられたんですけれども、私は練馬区の方にもいろいろと問い合わせをしてみました。それで、練馬区も区移管に当たってのスキームをつくっております。練馬区は、東京都の貸し付けは二十六億三千五百万というふうな金額を示しています。そして、あと一億五千万円を道路公社が内部留保金から出して、足し前をして政府の無利子貸付金などに、一括償還に充てるというふうになっているんですね。それを見て、どうしてこういう数字になるのかなと思って、いろいろ私も当たりました。
これは東京都が、道路公社がホームページで公開している資料をプリントしたものなんですが、ここに練馬の北口の地下駐車場に借入金や未返済金がどうなっているかということが書かれておりまして、政府の貸し付けと公営企業金融公庫と駐車場整備資金、ここに練馬駅北口地下駐車場が借り入れて、未返済になった総額が二十七億八千五百万なんです。そうしますと、練馬区がスキームをつくった東京都から二十六億三千五百万貸し付けを受け、そして道路公社から一億五千万を貸し付けを受けると、ちょうど二十七億八千五百万ということで、数字はぴったり合うわけなんですね。そうすると、東京都の貸し付けは二十六億三千五百万という金額になるのではないかと思うんですが、この辺は数字を正確にしておきたいので、二十七億という大ざっぱなくくりではなくて、きちんとお答えをいただきたいと思いますし、道路公社が負担するものがあるのであれば、それもお答えください。
○道家道路建設部長 先ほどおよそ二十七億円というふうに申し上げましたけれども、正確には東京都からは、先生ご指摘のとおり、二十六億三千五百万円を貸し付ける予定にしております。道路公社の方も一億五千万資金を工面するということで聞いております。
○河野委員 そして、今お示ししましたホームページからとった一覧表に、東京都が八億円これまでに貸し付けたことになっているんです。そのうち未返済が七億五千万あるということになっています。練馬区も六億三千万ぐらい貸し付けをしているということになっているんですが、東京都と練馬区が、いつの時期に、どのような理由で公社にこの貸し付けを行ったのか、そして、区移管になった場合に、都への返済は、この未返済の貸付金についてはどういう形がとられるのか、教えていただきたいと思います。
○道家道路建設部長 東京都から過去にこの練馬駅地下駐車場に関して道路公社に貸し付けた金額でございますが、平成十年に八億円を貸し付けてございます。その残債務につきましても、同じく先ほど申し上げた形、仕組みの中で、練馬駅地下駐車場の料金収入の中であわせて返還される計画になっております。
○河野委員 じゃ、最後にいたしますけれども、東京都が公社に三十年間貸し付ける二十六億三千五百万と、それから償還残になっているお金が七億五千万で、合わせますと約三十四億円、東京都がお金を出しているということになるわけですね。練馬区は、このまま有料道路事業のままでいけば、政府の貸し付けは無利子ですから、その分負担が軽くなるんですが、区移管になれば、東京都は有利子での貸し付けということになって、それを道路公社に貸し付け、そして練馬区が料金収入から返していくということで、三十四億円が、有利子で負担して、練馬の負担で返済していくということになっていくということでは、練馬の負担も大変だなと思います。それから、区独自の六億円これまで貸し付けているお金とか、十九億円の出資金を練馬が出している問題とか合わせると、練馬にとっては極めて条件が悪い移管の問題ではないかというふうに考えるんですね。
私は、この三十四億円の東京都のお金がどうなるのか、それから、二十五億円を超える練馬区が出したお金がどうなるのかということで、償還の見通しについてもっと詳しく伺いたかったんですけれども、先ほど道路建設部長が、大口の顧客というんですか、お客さんもいっぱい呼び込んで努力しているということで、将来のスキームは何とか見通しがついているようなお話もありました。きょうはそのことは深く伺いませんが、私は、それはかなり厳しい見通しを持って当たらないと大変な問題になっていくのではないかということを考えています。
ちょうどこの練馬の地下駐車場が建設されるという計画が持ち上がった時期は、平成二年のころと伺っていまして、バブル経済の崩壊前の時期です。全国的にいえば、各自治体に国が地下駐車場などの建設を促して、江戸川区でも大きな地下駐車場が八十数億円のお金をかけて建設されましたけれども、これも全く、今でもなかなか採算の見込みが、やっとかつかつ赤字を克服しているような状況で、かなり厳しい経営になっているんですね。十年たっても利用が伸び悩んでいるということでは、江戸川でも練馬でも同じような地下駐車場の問題を抱えているわけなんですけれども、この地下駐車場は練馬区の開発計画に都が協力した事業かもしれません。
しかし、利用の見込みとか債務の償還について、計画段階から、やはりかなり甘い見込みのもとで出発した事業であるんではないかということを指摘せざるを得ません。区移管になっても事業の運営が順調にいくという保証は、私から見て定かではなく、練馬区が大きなリスク、経営のリスクを負うことになるのは明白であります。
さらに、区移管の後は指定管理者制度が導入されるということでありますから、今は法律で料金の額などがきちんと定められていますけれども、有料道路事業として練馬区のこの駐車場の場合、三十分で二百円ですか、そういう金額が定められておりますけれども、指定管理者制度が導入された後には、利用者の料金負担が引き上がっていくというようなことも懸念されておりますし、こういう状況の中で練馬区民や都民の納得は得ることができないと私自身は判断するものでありますので、賛意を表明することはできないということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○ともとし委員長 ほかに発言ございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ともとし委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ともとし委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○ともとし委員長 次に、報告事項、平成十七年九月四日から五日の集中豪雨に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○矢口総務部長 去る九月十四日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の環境・建設委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
表紙をお開き願います。目次に二件の資料の件名が記載してございます。この順番に従いましてご説明いたします。
一ページをお開き願います。九月四日から五日の集中豪雨による施設被害と復旧についてでございます。
この表は、先般の集中豪雨による各河川の被害箇所と、その応急復旧対策並びに今後の復旧方針についてあらわしたものでございます。
二ページをお開き願います。河川溢水箇所及び冠水による通行どめ箇所図でございます。
この表は、河川の溢水箇所と道路の通行どめ箇所を地図にあらわしたものでございます。
以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○ともとし委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こいそ委員 それでは、報告につきまして質問をさせていただきたいと思います。
今回の代表質問、そして一般質問を踏まえまして、今回の集中豪雨被害ですね、幾つかの点でお尋ねしたいと思います。
我が党の代表質問に対しまして、知事は、治水は政の根幹であるというふうなことをいわれておりましたが、まさにその意味そのとおりだと思いますね。私的でございますけれども、私も政治を志しました一つの動機として、私の住んでおります、隣接している河川で乞田川という河川があるんですが、この改修工事前、大変な被害をもたらす川でございまして、それが改修整備が完了した後には、全くといっていいぐらい水害がなくなったんですね。ですから、そういう中でも大変な行政の力、政治の力というものを私も感じさせてもらったところであります。
ところで、今回の集中豪雨についてでありますけれども、都内全域で、まさに五千棟に上る浸水被害が起きてしまった。被害に遭われた各地域の方々に対しましても、心からお見舞い申し上げさせていただきたいところでございます。
そして、今回の豪雨は、確かに大きな被害をもたらしたことはいうまでもありませんけれども、しかし、建設局、また担当部局も、計画的に中小河川を含めて河川整備を進めてこられたことも理解をするところであります。
被害が出た東京都の、都の整備のおくれを指摘する声が、これも少なくないということも現状だと思いますけれども、そこで、長期的に見て、浸水被害は減ってきているんではないか。要するに、今までの都内に起きる、都内の中で区部、それから多摩地域含めて、これだけの、せんだってのような集中豪雨が起きたときに、相当数の被害状況というのは我々も聞いていたわけなんですが、今回の場合は限られた箇所でいわゆる浸水被害が起きたということの中でも、計画的にやはり護岸の整備が進んだ結果ではないかと思いますけれども、このような中で、過去どのような護岸の整備を進めてこられたか、このあたりを教えていただきたいと思います。
○野村河川部長 ただいま委員からお話がございましたように、東京都では計画的に河川の整備を進めてきたところでございます。それに伴いまして、長期的な浸水棟数の推移につきまして、昭和五十五年から平成十六年まで、それぞれ五年間の総数でお示しをしたいと思います。
まず、昭和五十五年から五十九年まで、この五年間で約十万棟、以後、五年刻みで、約三万棟、一万五千棟、八千棟と減ってまいりまして、直近の平成十二年からの五年間では五千棟ということになってございます。
○こいそ委員 確かに昭和五十五年、五十九年、このあたりで約十万棟ですね。大変な数だと思いますけれども、それが今回の場合は五千棟ということで、漸次整備が進む中で治水安全度が上がってきたということは理解できます。それにもかかわらず、今回の浸水被害が--まだまだ五千棟という数字も少なくないわけでありますけれども、発生しました。そこで、今回の降雨の特徴を伺いたいと思います。
○野村河川部長 今回の降雨でございますけれども、一時間に一〇〇ミリを超え、総雨量が二六三ミリという雨でございました。これまでに都内におきましては一〇〇ミリを超える降雨はたびたび発生しておりましたけれども、今までは降雨継続時間が一時間程度で、雨の範囲も局所的であった。これに対しまして、今回は降雨継続時間が三時間以上であり、雨も広範囲であったということに特徴がございます。これは過去に例を見ない集中豪雨で、これにより浸水被害が拡大したものと考えてございます。
○こいそ委員 いずれにしても、今回の集中豪雨、大変な被害が出たわけであります。また、最近のマスコミの一部論調の中で、五〇ミリの整備ではこのような豪雨には対応できない、整備水準を上げていくべきだ、こういうような報道もあるわけでありますけれども、これに対して河川部ではどのように考えられているんでしょうか。
○野村河川部長 今回の集中豪雨におきましても、五〇ミリ対応で護岸を整備しました区間では被害が小さくなっておりまして、減災効果が発揮されております。このため、現行の五〇ミリに対応する整備を着実に実施することがまずもって先決、重要だというふうに考えてございます。
○こいそ委員 いずれにしましても、大変な集中豪雨の中で、五〇ミリの対応ではなかなか、まさにあのような状況になってしまうんで、何らかの整備水準を上げていくべきだというふうに思うわけでありますが、しかし、今のお話のように、五〇ミリ対応から実施をすることの重要性というんですかね、これもやはり一定の理解はできるわけでありますが、五〇ミリ対応の護岸に一〇〇ミリの雨が降り続いた場合、いわゆる数字上、単純にいって二倍の危険を感じる。しかし、実際にはこのような二倍の危険ということはない。五〇ミリ対応の護岸が、今、六〇%の整備率だと聞いておりますけれども、これがすべてできた場合、その安全度はどのようになっているのか、このあたり教えていただきたいと思います。
○野村河川部長 まず、今お話のございました五〇ミリ、一〇〇ミリの話でございますけれども、五〇ミリに対応する護岸は、一時間に最大五〇ミリの雨が流域全体に一様に降った場合を想定して整備をしております。しかしながら、実際の雨の降り方は、場所的にも時間的にも変化することがございまして、河川への流出量が想定に比べて変化をいたします。したがいまして、一〇〇ミリを超える集中豪雨が流域の一部にあった場合でも、流域全体の降雨規模は一〇〇ミリ未満となりまして、必ずしも溢水するものではないというふうに考えてございます。
さらに、先生からお話がございましたように、五〇ミリの護岸整備がすべて完了いたしますと、これまで整備をしてきました調節池の機能がプラスアルファの安全性として働きますので、より高い安全性が確保できるものというふうに考えております。
○こいそ委員 五〇ミリ改修はすべて完了した段階。その中でも神田川環七地下調節池が余力となり、都民のさらなる安全を保障するという中でも、ぜひ今後とも五〇ミリの整備は、これはもう速急にまず進めてもらうということでお願いしたいと思います。
ところで、我が党が中心となって進めてまいりました神田川、それから環七地下調節池では、今回の工事の二区間も含めまして減災効果を果たしたことは本会議の質問で明確になりましたが、調節池は、今申し上げました場所だけではなくて、都内全域でどのぐらいの調節池があるのか、今回の集中豪雨で都内全体ではどのくらいの洪水が貯留されたのか、そのあたりをお願いします。
○野村河川部長 調節池につきましては、都内全域で二十五カ所、総貯留量約二百六万立方メートルの調節池を整備しております。そのうち今回の九月四日から五日にかけましては、先ほどお話のございました環七地下調節池の約四十二万立方メートルを含めまして二十三カ所、総貯留量にいたしまして約百五万立方メートルの洪水を貯留しております。なお、この量はおおむね東京ドーム一杯分に近い数字で、一定の減災効果を果たしたものというふうに考えております。
○こいそ委員 百万立方メートルということでありますけれども、調節池も大いに、当然にして役立っているということを理解できました。また、渡良瀬遊水ですね、大規模な調節池が全国的にも有名である。先人の知恵というものは、まさにこのような中でも生かされ、大したものだなという感をいたします。多摩地域でも、昔から多くの遊水地がありまして、水害軽減に役に立ってきたということを今さらながら思うところであります。
しかし、その知恵を忘れ、すき間なく土地を利用する中で、現在、コンクリートで覆って、一たび雨が降りますと、降雨が河川に集中する。そして、河川をまさにあふれさせてしまう。そういう結果になるわけでありますが、調節池の設置はまさに、るるいうまでもありませんけれども、先人の知恵、そして、それを受け継ぐ中でも、今後ともいろいろなやはり工夫を行いながら設置をしていくべきだ。護岸の整備をあわせて総合的に治水対策に取り組んでいただきたい、これは要望であります。
ところで、今回の豪雨は河川改修にも被害を与えたわけでありますけれども、その復旧について、区部については他の方の質問もあるようでありますから、私は多摩地域、多摩部の中、とりわけ今回の集中豪雨でも影響を受けました地元の三沢川の護岸についてお聞きをしたいと思います。
台風十四号が接近をしていたこともありまして、九月六日未明までに応急復旧を行ってはいただきましたけれども、さらに安全性を高めるために、今後どのような復旧工事をして対応をしていくのか、このあたりをお願いしたいと思います。
○野村河川部長 三沢川の本格復旧についてでございますけれども、現在、再度の被害を防止するため、護岸の構造検討等を行っているところでございます。その検討が終わり次第、国への災害認定手続を行う予定としておりますが、これと並行いたしまして、早急に本格復旧工事に着手いたしまして、今年度末までに完了させる予定としております。
○こいそ委員 ぜひ早期に本格的な復旧をしていただきたい、こういうことを要望したいわけでありますけれども、今、今年度末というお話がありましたが、やはりこれから台風の襲来、また、どのような集中豪雨が発生するかわからない、こういう中で、今年度末というようなお話がありましたが、もっと具体的に、めどとしまして、どのように本格的な改修工事を進めるのか、それを教えていただきたいと思います。
○野村河川部長 具体的なスケジュールでございますけれども、本復旧につきましては、十一月上旬、いわゆる渇水期になりましてから直ちに着手をしたいというふうに考えてございます。災害査定につきましても、十一月下旬から十二月上旬の間に現地査定を受ける予定にしてございます。
○こいそ委員 これから調査をするというお話もありますけれども、やはりこういう事態は、私はもう迅速に、そして的確に、本格的な復旧を急ぐべきだというふうに思うんです。今のお話だと、これから調査して、これからやるんだというお話でありますけれども、私は、今申し上げましたけれども、これから予測をされる台風及びさまざまな、地盤がもう緩んでいるわけでありますから、これは自然に極めて危険だというふうに思うんです。ですから、一刻も早い--漠然とするんではなくて、今、安心・安全という中で、こういうふうな自然災害の発生後の対応というのを、当然迅速に、的確に進めるべきだと思いますので、これをさらに要望させていただきたいと思います。
それと、この当該の三沢川でありますけれども、今回の集中豪雨だけではなくて、今までにも護岸が崩れていた。これはすべてがまだ整備をされていない河川でありますけれども、水害が発生する危険性が非常に高い河川でもあるんですね。この河川は、東京都の坂浜平尾土地区画整理事業の中で河川整備、護岸整備を進めていくんだ、こういうことでありましたが、東京都の一方的な都合で、これはもう中断して、結局これはもうない、やらないんだ、こういうことになったわけなんですね。それでは困るんで、今回の新きさらぎ橋上流、これは本格的に今要望させていただきましたけれども、このあたりもぜひやっていただきたいんですが、全体的な未改修区間の整備方針、さらには当面の防災工事の見通しについても、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○野村河川部長 ただいまお話のございました三沢川の未改修区間でございますけれども、新きさらぎ橋から都県境まで約二キロございます。このうちの下流側百六十メートルにつきましては、平成十九年度末までに五〇ミリ対応の護岸整備を行う予定としております。残る約一・八キロの区間でございますけれども、この区間につきましては、現状の河川線形や自然環境を生かしながら、一部流下能力の不足する箇所や、補強工事が必要な箇所につきまして、順次整備をしていくという方針で臨みたいというふうに考えてございます。今後とも適切に整備を進め、三沢川の治水能力と安全性を高めてまいります。
○こいそ委員 このいわゆる未整備区間、これにつきましてはぜひ調査もしていただかなきゃなりませんが、およそどことどこ、箇所ですね、これはもう把握されておられるんじゃないかと思うんですよね。前回といいますか、その前の台風、これは数年前からそうなんですけれども、危険箇所が幾つかありますけれども、ここのところは常に台風の被害--長雨もそうなんですけれども、整備されていないことによって、影響を常に受けているという箇所がありますので、このあたりは早急にぜひ整備を進めていただきたいと思います。
それでは、最後に、ちょっと都内の話になりますけれども、神田川でも十二年ぶりにあふれてしまったというお話であります。今回の水害、全体的な被害状況を見た中でも、やはりいろいろな要因があると思いますけれども、治水対策へ向けた施策をしっかりと、これはもう行ってはいるんでしょうけれども、予測を超える事態も出てきておりますので、ぜひこの治水対策のさらなる強化を要望したいと思いますが、そのあたりで局長の今回の集中豪雨に対する影響に対して、被害状況に対する対処のお考え、そしてまた総体的な治水対策に対するお考えを聞かせていただいて、終わらせていただきたいと思います。
○岩永建設局長 まず、今回の被災状況ですけれども、先ほど河川部長が申し上げましたとおり、一〇〇ミリを超える雨であったこともありまして、広範囲に水害が及んだことは事実でございます。ただ、水害状況をつぶさに見てみますと、やはり五〇ミリ護岸をしっかり改修したところにつきましては水害も少なく、減災効果がきちっと発揮されている。また、あわせて環七の地下調節池が四十二万立方メートルの貯水をして、想定を超えた雨ではありましたけれども、フル稼働したということで、私どもといたしましては、今後ともまず五〇ミリの護岸改修を進めて、さらに調節池や、場所によっては分水路など、多様な整備手法を組み合わせまして治水対策に取り組んでいきたいと思っております。
また、神田川水系で申し上げますと、妙正寺川、善福寺川、まだ未整備であったわけですけれども、ここにつきましては、特に被害が大きかったということもありまして、緊急に整備できるよう、河川激甚災害特別緊急事業という、向こう五年間で事業を進めるというもの、国からの補助をいただいてする事業があるんですけれども、これにつきまして現在国と調整中でありまして、この実施の方向に向けてしっかり事業を進めていきたいと思っております。
残る未整備区間もありますけれども、それらにつきましても、今後着実に事業を進めていきたい、このように思っております。
○原田委員 質問させていただきます。
去る九月四日の夜半から五日の未明にかけまして、一時間に一〇〇ミリを超える集中豪雨があり、中野区、杉並区、そして北区など、都内広範にわたって大きな被害があったところでございます。その被害は、九月十二日現在の集計で、家屋だけで床上浸水二千五百九十六棟、床下浸水二千三百十九棟、合計四千九百十五棟に上っており、その後も調査が進み、新たに被害が報告されているところであります。このため、先般の民主党の代表質問におきましても、河川の早期整備や総合治水対策について質問し、都民の立場に立った取り組みについて質問させていただいたところであります。
私からは、今回の水害の実態を踏まえまして、護岸の復旧といった応急措置、調節池の建設、運用と護岸の改修について、具体的な取り組みについてお伺いするとともに、北区の石神井川溝田橋上流右岸における浸水被害につきましては、これまでの審議の中ではございませんでしたけれども、首都高速道路の建設工事に伴う仮設護岸が決壊した、こういう極めて深刻な事態であるところから、河川管理者としての、都としてのその責任と今後の対応等々についてお伺いさせていただきたいと思います。
まず、護岸の復旧についてお伺いいたします。
今回の豪雨で、区部の北西部を流れる妙正寺川では、中野区内で二カ所にわたって護岸が損壊し、特に北原橋上流の損壊現場では、通路も流失し、住宅からの出入りが困難になったところでございます。応急復旧は行われたとのことでありますが、これからも豪雨や台風の危険があり、早期に本復旧が必要と考えます。これらの損壊箇所の応急復旧の現状と今後の本復旧の進め方について伺います。
○野村河川部長 妙正寺川の護岸の崩壊でございますけれども、北原橋上流右岸の約四十メートルと、三谷橋上流左岸の約二十メートルの二カ所で発生してございます。
まず、北原橋上流部につきましては、六日未明までに土のう約二万袋で補強し、応急復旧を完了させております。なお、復旧に当たりましては、隣接する住宅からの出入りに支障のない状態で実施をいたしております。さらに、二十一日までにはコンクリートを吹きつけ、さらに補強をいたしております。この箇所につきましては、今年度中にもともと予定をしておりました本格的な改修工事に着手する予定でございます。
次に、三谷橋上流の中野工業高校付近につきましては、大型土のうで補強し、応急復旧を完了させております。今後、災害査定につきまして国と調整を行い、速やかに本復旧に着手する予定でございます。
○原田委員 本復旧につきましては、二重投資を避けるという観点からも、五〇ミリ対応での護岸整備を基本とし、そして流域全体の整備状況にあわせて早期に流域全体で五〇ミリ対応の整備ができるような形をお願いしたいと思います。
また、今回の豪雨では、護岸の損壊の有無にかかわらず、浸水被害は各所で発生しており、特に護岸の未整備区間につきましては被害が大きかったところです。住民の不安をいち早く解消するためにも、こうした未整備区間の早期整備が必要であると考えますが、見解をお伺いします。
○野村河川部長 今回、被害の大きかった妙正寺川や善福寺川の未整備区間の護岸につきましては、ご指摘のように一刻も早い整備が必要と考えてございます。先ほど局長がご答弁申しましたように、現在、緊急に整備できるよう、河川激甚災害対策特別緊急事業の実施に向けまして国と調整を進めております。
○原田委員 一方、これまでたびたび水害に見舞われた神田川、そして善福寺川の洪水対策として、環状七号線の地下調節池の整備も挙げられます。平成九年に完成した一期区間に加え、二期工事が現在行われております。二期工事の中で、この九月四日から五日にかけての集中豪雨の時点でも、貯水池自体については完成していたところでございますが、これまでの工事の進捗状況、そして運用状況についてお伺いいたします。
○野村河川部長 環七地下調節池の二期部分でございますけれども、これは三十万立方メートルの洪水を貯留いたします、いわゆる地下のトンネル部分と、善福寺川、妙正寺川からの取水施設から構成されております。現在、善福寺川取水施設といたしまして、ゲート、排水施設、管理棟などの工事を実施しておりますけれども、先ほどお話のございましたように、トンネル部分は完成しておりますので、善福寺川からの取水が可能ということでございまして、九月十七日より固定堰方式で取水が可能となってございます。また、妙正寺川の取水施設につきましては、繰り返しになりますけれども、トンネル部分が完成したことから、今年度から取水口等の工事に着手いたします。
○原田委員 取水口の建設につきましては、早急な整備を進めていただくよう要望させていただくとともに、今後も、できているところから弾力的にこうした緊急時の際には運用していくようお願いするところでございます。
そして、この環七の地下貯水池でございますが、一期区間は完成し、二期区間についても整備しているところではございますが、結果的には、今回の集中豪雨では、都内全域で見ますと五千戸を超える浸水被害、そしてこの神田川や善福寺川、妙正寺川流域の杉並区、中野区では、災害救助法の指定対象となるほどの大きな水害が発生しているわけでございます。この環七調節池につきまして、今回の水害におきましては、実際にどのような働きをして、結果、どのような効果がどれだけあったのかというところについてお伺いいたします。
○野村河川部長 環七地下調節池でございますけれども、一期区間の二十四万立方メートルに加えまして、完成間近の二期区間に急遽十八万立方メートルを貯留いたしまして、合わせて四十二万立方メートルの洪水を調節いたしました。これによりまして、推定ではございますけれども、約三十ヘクタールの区域が浸水を免れたものというふうに考えてございます。
○原田委員 環七地下調節池につきましては、早期の完成が求められるところでございますが、今回特に被害が大きかった妙正寺川流域からも、一刻も早く調節池に取水できるようにすべきであります。
それにつきまして、具体的に妙正寺川からの取水時期、それから環七地下調節池の全体の完成時期についてお伺いいたします。
○野村河川部長 妙正寺川からの取水施設につきましては、先ほどご答弁いたしましたように、今年度から工事に着手いたします。
取水の時期につきましてですが、工事中に取水した場合の工事の安全確保、あるいは工程調整などの課題はございますけれども、十九年の出水期までに暫定的な取水が可能となるよう整備を進めてまいります。
環七地下調節池全体といたしましては、その後も取水施設のゲートや換気等の設備工事を実施いたしまして、全体としては平成二十年の完成を予定いたしております。
○原田委員 こうした河川整備につきましては、護岸、調節池を含めまして鋭意進めていただきたいと思います。
次に、私の地元でもあります北区の堀船地域、すなわち石神井川の溝田橋上流右岸での洪水についてお尋ねいたします。
こちらの地域につきましては、私も住んでいる地域であり、この水害については直接肌で感じているところでございます。ここでの洪水の被害は、先ほど質問させていただきました善福寺川、妙正寺川等々の場合と違いまして、首都高速道路公団の工事箇所から洪水が起きた。仮設護岸が決壊して洪水が起きたということでございます。
そういった意味でお尋ねさせていただきますが、今回の石神井川溝田橋上流付近の水害は、妙正寺川や善福寺川で発生した水害と発生要因が異なってくる。すなわち単なる天災ではなく、工事に伴う護岸の安全確保が、結果的に見れば十分とはいえなかったことに起因する人災であるとの認識でおりますが、所見をお伺いいたします。
○野村河川部長 石神井川流域におきましても、整備計画降雨量であります一時間当たり五〇ミリを大幅に超える激しい集中豪雨があったことから、想定した水位を超える状況が発生したこと、並びに首都高速道路公団施行の仮護岸が一部損壊したことにより被害が発生したものではないかと考えられます。
なお、首都高速道路公団に対しましては、原因究明、再発防止等の対応を指示しております。
○原田委員 首都高速道路公団施行の仮護岸が崩壊したことによって被害が起きたということでございました。そして、この当該箇所では、先ほどから申し上げているとおり、首都高速道路公団が首都高速道路王子線の新設工事並びに石神井川の護岸工事を行っておるところでございますが、河川の管理者は都でございます。
都は、河川管理者といたしましてどのような指導を行ってきたのか、その状況についてお伺いします。
○野村河川部長 今お話のございましたように、この箇所におきましては、首都高速道路公団が王子線の新設工事に伴って石神井川のつけかえの必要がございまして、河川法二十条に基づき、河川管理者にかわって石神井川の護岸整備もあわせて施行しているところでございます。
この河川のつけかえ等につきましては、平成五年に水利実験を指示した上で計画協議を終え、平成八年に、河川管理施設の安全性、あるいは水防対策に万全の措置を講ずるなどの条件を付して、設計協議の審査を終えてございます。これに基づきまして、平成九年に首都高速道路公団による河川のつけかえ工事を承認いたしております。その後も平成十一年と十五年に工事変更に伴い協議を受け、これを承認してございます。
○原田委員 今回、工事箇所から洪水が起こるという事態が発生したことは、直接の責任は当然首都高速道路公団にあるにしても、河川管理者としての都の責任というものも、結果から見れば、そのことについて重大に受けとめ、これまで以上にわたって、この工事箇所に対し指導すべきであると考えます。
今後とも工事が継続される中で、作業上の形状のみならず、河川そのものの形状も工程ごとに変化していくというふうに聞いております。こうした状況が続くことを考えれば、都として今後これまで以上にきめ細かく対応していくべきだと考えますが、所見を伺います。
○野村河川部長 石神井川の溝田橋付近では、工程ごとに河川のつけかえを行うため、河道の形状等が大きく変化してまいります。このため、計画水量が安全に流れるよう、計画協議で工程ごとの水利実験を指示し、それを踏まえて首都高速道路公団が施行いたしているところでございます。
今回の災害の発生を踏まえまして、これまでにも増してきめ細かく対応していく必要があるというふうに考えてございます。
○原田委員 今後とも、きめ細かい対応をお願いいたしたいと思います。
そうした中で、十月一日には首都高速道路公団は株式会社化されるわけでございまして、形式上は民間団体へと変わることとなります。民営化後の株式会社も、首都高速道路公団がこれまで負ってきた、また今回の事件の結果を受けて負うべき責任をきちんと継承し、果たしていくべきであると考えます。都としても、このことを十分に踏まえて指導をしていくべきであると考えますが、この民営化によりまして、今後、公団への指導方法並びに協議方法につきまして変化があるのかないのか、そのあたりについてお伺いいたします。
○野村河川部長 指導や協議につきましては、既に民営化されました国鉄や営団地下鉄の例のように、首都高速道路公団が民営化された場合にも、取り扱いはこれまでと同様に取り扱っていくということでございます。
先ほどもご答弁申しましたように、今回の災害の発生を踏まえまして、公団に対する対応につきましては、これまで以上にきめ細かく対応していくということでございます。
○原田委員 今回の件につきましては、冒頭質問させていただきましたとおり、単なる天災ではなくて、工事箇所からのはんらんという人災的側面もございます。そういたしますと、当然その被災をされた住民、それから直接の工事主体である首都高公団の間で補償の話というのが今後出てくるものと思われますが、都として、この問題に関しまして、首都高速道路公団をどのように指導し、また、どう対応していくのかについてお伺いいたします。
○野村河川部長 首都高速道路公団は、九月十五日の住民説明会におきまして、公団として誠意を持って対応したいと表明しております。都といたしましても、被害を受けた方々に誠意を持って話し合いをするよう指示しております。
○原田委員 今後とも、住民の、被害に遭われた方々の気持ちを一番に考えた対応というものをお願いいたしたいと思います。
今回の集中豪雨で、護岸の復旧対策や今後の取り組み等々、これまで伺ってまいりました。このことにつきましては、ハード面の整備につきましては、これまでの質問でも出てきているとおり、五〇ミリの降雨に対して対応する施設の整備が完了しているのはいまだ六割という状況。そうした中で、温暖化等々の事象もございまして、五〇ミリを超える大雨、あるいは今回のような一〇〇ミリを超えるような大雨がございました。こうした事実も踏まえて、総合的に、護岸の整備だけではなく貯水池の活用等々を含めまして、あるいはこの貯水池を利用することによりまして護岸の整備等々を促進すること等、こうした取り組みを進めていただきたいと思います。
そして最後にお聞きいたしますが、この洪水の被害を軽減するという点につきましては、ソフト面での対策も重要だと思います。洪水そのものは、なかなか完全に被害は抑えることはできないにしても、被害を最小限度に食いとめることはできる。そのことも同時に考えていかなければならない。そうした場合、集中豪雨や台風などのこうした水害から都民の生命や財産を守るためには、気象情報を分析した上で、洪水の発生を予測し、そして警報等の手段によって、洪水情報や気象情報等を迅速かつ確実に提供することも重要であると考えておりますが、このことに関しまして、都の取り組み状況、それから今後の考え方についてお伺いいたしたいと思います。
○野村河川部長 情報提供についてでございますけれども、インターネットや携帯電話によりまして、河川の水位、あるいは雨量、こういった観測情報を十分ごとに更新いたしまして二十四時間提供している。こういう取り組みを平成十五年度から行っているところでございます。今後は、迅速かつ適切な避難などにも役立ちます河川水位予測情報の提供につきましても、その実現に向けまして、現在検討を進めてございます。
○原田委員 これまで同様の河川の改修並びに今回残念ながら起きてしまった事態への対処、それから今後のさらなる取り組みにつきまして、今、予測情報の話もございましたが、さらに進められることを要望いたしまして、私からの質問を終わりとさせていただきたいと思います。
○河野委員 先ほどからお話がありましたように、台風十四号のもたらした豪雨は、災害救助法が十二年ぶりに都内で適用になるという大災害になりました。昨年は私が住んでいる江戸川区でも浸水の被害が発生しまして、東京ではこのところ、集中豪雨によって浸水被害が多発しているといえる状態だと思います。
そして、近年の水害は、都市型水害と呼ばれていて、大雨前線や台風の影響のほかに、東京独自の温暖化であるヒートアイランド現象で局所的な上昇気流が起こって積乱雲が発生して、短時間に百数十ミリを超える大雨になって、まさに予想を超える被害を生み出していることが指摘されています。
ちょうどおととい、NHKの夜の番組で「クローズアップ現代」という番組がありましたけれども、ここで東京の浸水被害のことが取り上げられておりました。東京の区部地域の八〇%がコンクリートで覆われていて、地表面の熱を上げてしまっていると同時に、降った雨が地面に吸い込まれないまちになっているということがいわれていました。東京で起こっているこの都市型水害というものをなくしていくには、ヒートアイランド現象を解消していくこと、それから降った雨を浸透させない今の東京のまちのあり方を変えていくことが最大の水害防止策であるというような話もございました。
予想外に集中して降るこの雨をどのように地面にしみ込ませるか、そして河川の溢水を防ぐにはどうするか、ヒートアイランド現象の解消をどうしていくか、こういう課題がいろいろありますけれども、私はきょう、幾つかの点に絞って質問をしたいと思っています。
まず、河川の溢水対策について伺います。
台風十四号では、資料によれば、区部西部地域や多摩の地域で八カ所溢水が起こっています。今回溢水があった神田川など中小河川の改修は、一時間に五〇ミリの対応ということが今も述べられましたけれども、五〇ミリ対応の河川整備については、大体いつごろから東京都は着手されているのか。進捗状況については六〇%の到達だということがお話がありましたので、この六〇%になるには何年かかっているのか、これをお示しください。
○野村河川部長 昭和四十三年から、一部の河川におきまして五〇ミリ規模の整備に着手いたしております。したがいまして、おおむね三十七年ということかと思います。
○河野委員 それでは、三十七年かかっているんですが、毎年の進捗率がどうなっているのかというのも伺っておきます。
昨年の委員会で出た資料を取り出してみたんですけれども、神田川、空堀川、石神井川など主要な中小河川で過去五年の実績が出されているんです。平成十三年は一・九キロ、平成十四年が二・〇キロ、平成十五年が一・六キロ、平成十六年一・二、平成十七年が二・四キロという整備状況が示されています。五年間合わせると九・一キロなんですけれども、一年に平均すると二キロ弱ということで、先ほど、三百二十四キロのうち六〇%は終わっていますよということは、四〇%が残っている。そうすると百三十キロぐらいは残っているわけで、百三十キロをこのままの状態で二キロ弱で毎年整備したとしても、六十数年かかってしまうという計算になるんじゃないかと思うんです。
これは今深刻なこういう被害が起こっている中で大変な問題で、善福寺や妙正寺については早急に対策をとるということが本会議の中でも明らかにされましたけれども、私は、どこに集中豪雨が来るかわからないという、今の、いろんな異常気象といわれている、地球全体が天気がおかしくなっているわけですから、そういう中で、この東京のどこに、いつ集中豪雨が来るかわからないという状況の中で、都が全体に責任を持って、整備をいつの時期までに完了させていくのかというのをきちんと明らかにしながら取り組んでいくことが必要だと思うんですけれども、その辺のご検討はされているんでしょうか。
○野村河川部長 先ほどもご答弁いたしましたように、今回五〇ミリ対応で整備された区間では、浸水被害が小さかったということがございます。今後とも護岸や調節池等の整備を進め、水害の軽減に向けて、早期に水害がなくなるよう取り組んでまいります。
○河野委員 その五〇ミリ対応が今お話ししたような状況なので、早急にとおっしゃられても、ここで、ああ、そうですか、いいですよというわけには私はいかないんです。だから、きちんと局として検討されまして、どこをどのように五〇ミリ対応で整備していくかというのを、やはり目標値を持ち、期限を持って明らかにしながら取り組んでいかなくてはならないということを申し上げておきたいと思います。
中小河川の整備について申し上げますと、予算の方は毎年減り続けているというのも現状です。今お示ししました資料で、平成十三年度と平成十七年度、この五年間の予算を比較いたしますと、十三年度に比べて都の予算は八〇%しか確保されていないんですね。これは五年間ですから、過去十年にさかのぼるとどうなんでしょう。平成十七年度が百八十一億二千八百万ですか。過去、十年前は大体どのくらい中小河川整備に予算がとられていたんでしょうか。
○野村河川部長 平成八年度の決算額で申しますと、用地費も含めまして五百五十九億円でございます。
○河野委員 五百五十九億円だと、本当に三分の一ぐらいまで減ってしまっているというのが中小河川の整備費の東京都の予算状況だと思うんですが、これではやっぱり、今早急に五〇ミリ整備していきますとご答弁いただきましたけれども、非常に心細い思いでいっぱいになってしまうんですね。
今ちょうど来年度の予算編成時期に向けて各局努力されていると思いますが、こうした深刻な水害被害を生んでいる中で、河川の整備、五〇ミリ対応が急がれている中で、やはり今年度頑張って、来年度予算については増額の方向でぜひご努力をいただくことをお願いします。(「公共事業費に賛成してくれよ、ちゃんと。」と呼ぶ者あり)いや、これは命を救う公共事業ですから、大型開発とは違うんですから、誤解のないようにお願いいたします。
今ずっとご質問を伺っていますと、善福寺川とか妙正寺川など被害の大きい川については、引き続き五〇ミリ対応で治水を進めていくということがありました。しかし、この五〇ミリ対応がまだ進んでいないことが問題なんですけれども、この数年は五〇ミリを超える降雨が何回も起こっています。
五〇ミリ対応をしていなくても、例えば三〇ミリの河川対応のままの地域でも、総合的な治水対策を進めたことで、今回、例えば練馬区の白子川周辺では、溢水の状況が起こらなかったという地域もちゃんとあるわけですね。練馬区の白子川や石神井川の一定の地域では、三〇ミリの対応のままなんですけれども、東京都の建設局が進められてきた透水性舗装の問題、それから下水道事業とともに行われてきた透水管や透水性のU字溝の問題、透水ますの設置など、雨水を吸い込ませる幾つもの手法が合わさって、徹底したいわゆる雨水流出抑制対策というんですか、これがモデル事業で行われたということで、水害の常襲地域といわれていたこの地域が、水が出なかったということがいわれています。
そして、私が住んでおりますお隣の墨田区も、早くから雨水の対策に取り組んでいる区として有名なんですけれども、個人の家の下に雨をためるタンクを設置するために区が努力をして応援をしていくとか、創意的な取り組みをしていることが注目されています。
やはり私は、建設局の仕事、大変努力されて重要だと思うんですが、都市型の水害から都民を守っていくためには、東京都の関係各局と連携した総合的な取り組みが急がれていると思います。その点で、建設局として、各局との連携したこれまでの総合治水対策の取り組みについてどのようにされてきたのか、そしてその点でどうだったのかという検証も含めて、ご見解を伺っておきたいと思います。
○野村河川部長 ただいまお話のございました総合的な治水対策でございますけれども、河川や下水道の治水施設の整備に加えて、浸透施設や貯留施設の流域対策などを総合的に進めていく必要がございます。建設局ではこれまでも、都市整備局、下水道局及び区市町村と連携いたしまして、その促進を図ってきたところでございます。今後とも関係機関と連携し、総合的な治水対策の推進に努めてまいります。
建設局の役割ということでございますけれども、建設局では、河川施設の整備に加えまして、歩道の透水性舗装や公園におきます貯留浸透施設の整備を進めているところでございます。さらに浸水予想区域図の作成・公表、インターネットや携帯端末を介してのデータの提供など、被害の軽減につながるソフト対策も実施しているところでございます。
○河野委員 ちょうど去年、江戸川で水が出たときに、私も地域を回りました。それで江戸川では、ちょうど江戸川区役所のそばに、ちょっと離れたところに下水道の管が通っていまして、ずっと以前にそこに貯留管を設けたんですね。それで東京都の下水道局は、そのときに約束して、下流の方にももう一つ貯留管をつくってあげますといったんですけれども、お金がないとかという理由で上流に一個だけつくったんです。そのできた貯留管のあたりのおうちには全く水が出なかったんですけれども、約束がまだ実行されていない地域にはかなり、十数センチの床下浸水とかがありまして、江戸川区の庁舎自身も浸水被害が起こるというような状況があったんですね。
私はそれを見て、一つの貯留管を下水道局がやる場合に幾らするんですかと聞いたら、大体二億円ぐらいだというんですね。それで相当の、数百軒の家が救われるんだったらば、本当に早く急がなくちゃいけないんじゃないかなと思いながら聞いていたんですけれども、その後、ちょうどことしの八月に、墨田区役所の村瀬誠さんという雨博士といわれている方が中心になって、雨水の国際サミットが両国で開かれましたよね。その方のお話を聞いたら、環七に設けられた、東京都がつくりました、一千億円ですか、かけた大きな貯留管というんですか、貯留槽というんですか、それも浸水被害を食いとめていくための一つの大変大きな力になるけれども、それと同時に、まちのあちこちに小さなダムをつくるという発想で、雨水をどのようにためていくか、このことにやっぱりもっと行政は注目しなくちゃいけないんじゃないかというお話をされておりました。
ですから、そういう意味では、下水道局とか都市整備局とか、今建設局はいろんな関係局と努力されて、浸水被害をなくすということに取り組まれているわけですけれども、まちの中に小さなダムをという言葉を一つのスローガンにしていただいて、でき得る限りの浸水対策をとっていただきたい。その意味では、今まで局がやってきました透水性舗装の問題や、遊水地や貯水池をつくっていくこと、あわせて、今はちょっと事業が中止になっているようですけれども、雨水の浸透ますですか、こういうものも、実施されていた自治体では浸水対策には大変効果があるという評価も高くありますので、この雨水浸透ますについては再度復活をしていくことも含めて、まちの中でどのように、水を地面に吸い込ませていくか、川や下水道管に直接流れていかない、本当に水をたくわえていく機能を持つまちをつくるかということをぜひ研究していただきたいというふうに思って、要望しておきます。
もう一つお伺いしておきたいのは、今ご答弁で、浸水予想区域図の作成とかということでいろいろ対策がとられているということがありましたけれども、建設局のホームぺージを見ますと、水害対策のところにハザードマップというのが載っていますよね。これは、この間浸水被害があった練馬区とか板橋区とか杉並区とか、区部西部の方の区が中心になった地域でハザードマップがつくられていて、公表されているようなんですけれども、このハザードマップと、都がいっている浸水予想区域図はどう違うのか。
それから、できたら、こういうハザードマップのようなものが住民の方へいろんな情報を知らせていくという上で役立つと思いますので、全自治体でつくり、公表されるような方策が望ましいと思うんですけれども、そのハザードマップについても、東京都の建設局のお考えを今お伺いしておきたいと思います。
○野村河川部長 浸水予想区域図は、大雨を想定いたしまして、浸水が予想される地域と浸水の程度を河川ごとに表示した図面で、これは東京都が作成、公表しております。これに対しまして洪水ハザードマップは、都の作成した浸水予想区域図に、避難場所や避難ルートなどの情報をつけ加えた図面で、各区市が作成をいたしております。今後とも、作成をしていない区市につきましては、ハザードマップの作成を働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。
○河野委員 いろいろなところとの連携ということで、区市町村ともどうぞいろんな連係プレーをとっていただいて、万全の対策をお願いしておきたいと思います。
私は基本的に、最初に申し上げましたように、浸水の災害を食いとめていく上では、東京のまちづくりの問題を改めて見直していくということ、それとあわせて、中小河川整備費の減額の問題に明らかになっているように、やはり命を守っていく、財産を守っていくという意味での公共事業という、さっきお話もありましたけれども、こういう必要な予算についてはきちんと住民の立場に立って確保していくということが必要であると考えておりますので、その点を申し上げたいと思います。
さっき人災という言葉もありましたけれども、今回の水害についても、人が生み出した災い、人災の側面もあるという声も聞こえておりますので、そういうことが起こらないように再度ご努力を求めて、質問を終わらせていただきます。
以上です。
○大西委員 私の方からも、洪水について少しお聞きいたしたいと思います。
今回の事態に対して、都としてどのような対応を行ったのか。今回の水防活動について、都と区の連携、役割分担、そういうところをお聞かせいただきたいと思います。
○野村河川部長 都としての水防活動でございますけれども、九月四日午後五時八分の大雨洪水警報発令によりまして、東京都水防本部を設置いたしました。被害発生の第一報後、直ちに第一非常配備態勢、これは午後九時四十五分でございますけれども、これをとりまして対策に当たりました。
都は水防活動として、気象や雨量、河川の水位等の状況の監視や現地調査を実施いたしております。また、水防管理団体である区が妙正寺川の北原橋付近で出しておりました避難勧告を避難指示へ変更することを要請いたしております。さらに、水防管理団体である区と連携し、ポンプ車の出動により排水作業や応急復旧工事等を実施いたしております。
○大西委員 午後九時四十五分、被害発生の第一報後、対策に当たったということなんですが、実際に水があふれ出したというのは八時三十分ごろで、住民側からすれば、やっぱり対応が遅いのではないかといわざるを得ないと思っているわけです。
それともう一つは、避難勧告は中野にはあっても杉並にはなかったというような、対応がばらばらであったりしているわけなんですが、やはりその辺を考えたときに、東京都の役割として、これでいいのかという疑問が改めて浮かんでくるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○野村河川部長 水防法によりまして、区市町村は、水防管理団体といたしまして、域内における水防を十分に果たす第一次責任を有しております。具体的には、居住者への避難勧告・指示、これらは区市町村の役割というふうになってございます。都におきましては、技術上の援助、情報提供等の役割を果たしておりますので、今後とも水防協議会等の場で、ご指摘の点等についても協議をしてまいりたいというふうに考えております。
○大西委員 そうすると、引き続き聞きますけれども、神田川水系には貯水池がありまして、第一、第二、工事中のものも含めて今回二つ開放して、そこにそれぞれ二十四万トンでしたっけ、それプラス十八万トン取水しましたよね。そういう中で、住民からすると、その判断が遅かったのではないかと、いろんな不安の中に声があるわけなんですけれども、その辺はどうだったんでしょうか。
ちょっといただいた中で見ますと、神田川水系には九個の貯水池があって、今回すべての貯水池に入れたということを聞いております。そして、四日の二十三時九分に一期分が満水状態となったために、二十三時二十九分に現在工事完成間近であった二期目の貯水池に入れたということなんですけれども、これはどんどん雨が降る中で、やはり満タンを待って、間に合わないからそっちにやろうと思ったのか。洪水の予報を聞きながら、これはちょっと第一期ではだめだということの中で同時進行形に行われていったのか、その辺の判断、的確であったかどうかというのをちょっとお聞きしたいんです。
○野村河川部長 環七地下調節池の二期分への取水の決断のお話かと思います。お話がございましたように、確かに二十三時九分に一期分は満水状態となってございます。その以前から、満水になったときにどうするかということは、私も本部におりまして検討しておりましたけれども、その時点で二期部分に入れるべきだという判断をいたしまして、現場の方に指示をしております。
現場の方では、やはり工事中の現場でございますので、万一人が残っていたりしますと、それは重大なことになりますので、そういうことがないという確認をきっちりとらないと、次の取水が開始できません。そういう作業の時間に二十分弱の時間を要したということでございますので、必ずしも決断の時期が不適切だったというふうには考えてございません。
○大西委員 雨が強く降り出してから増水するまでが今回本当に時間が短くて、住民にとっては短時間での避難が求められ、その中で本当に知らない間に水があふれていたという、今回は、そういう意味では、覚悟の中での洪水じゃなくて、びっくりしたような洪水だった形だと思うんですけれども、今後の対策においてもいろんな反省すべき点、改善すべき点が見つかったんじゃないかなと思います。
もう一つ、住民の方が声をそろえているのは、避難のサイレンが聞こえなかったりということで、住民には行政への不信感があるように思います。もちろんその辺は、区の役割、そして都の役割という中でいろいろあるかもしれませんけれども、住民にとっては、どちらがどう動いたにしても、やはりちゃんとした避難ができるような、そういうことが求められるわけなんですけれども、その辺はどうだったんでしょうか。
○野村河川部長 増水したときに鳴るサイレンでございますけれども、これは水防管理団体である区市町村が設置し、管理しているものでございます。
ご指摘のように、今回の豪雨に対しまして、一部のサイレン等が鳴らなかったというふうには聞いてございます。緊急時の身近な情報手段としてサイレン等は非常に有効であり、今後も各区に対しまして、水防連絡会等の場を使いまして、その適正な管理運用につきまして働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○大西委員 住民は、どのようなサイレンが警告で、どのようなサイレンが避難かということは、やはり余り知らないわけなんですよね、そういう学習会もないわけですので。それで今回、いつものサイレンが鳴った後、別のサイレンが鳴ったということなんですけれども、いつもよく聞いている人ならともかく、この杉並の住民でもありました藤田愛子でさえも、このサイレンの違いがやはりよく聞き取れなかったということをいっておりました。
また、橋にしかそのサイレンが取りつけられていないために、それから離れたところでは聞こえないということになりますし、しかし、川のそばでなくても今回水がたまってしまって、あっという間に増水していたということがあるわけなので、この辺は、サイレンだけじゃなくて、やはり防災無線等で、特に雨が降っていますので、大音量で、みんなに呼びかけるとかというようなことが必要だと思います。
これが区の役割というのであれば、もう一つ、その後に新聞を見ましたら、やはり東京都として、聴覚障害者にとっての情報を確保するということが、非常にこれからの課題だなと思います。サイレンでは聞こえません。そして、もっと視覚に訴えるような、そういう情報手段というものを考えなければいけないんですけれども、これがごっそり東京都の防災条例の中でも抜けているんじゃないかという指摘がありました。
今後こういうところへの対応、これは聴覚障害者だけでなくて、高齢者、いろいろあるんですけれども、特に聴覚の方は一見健常者と変わらないということで、非常に情報を求めにくい対象の人だと思うんですが、その辺に対する対策や改善点とかはどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
○野村河川部長 ただいまお話のございましたサイレンの適正な運営方法等、これらにつきましては、区市と共同しながら、都も区を助けるという意味で取り組んでまいりたい。
またさらに、耳の不自由な方等のそういうことも共助でやっていく必要があると思いますので、そのような点も、建設局だけではなくて、局内の関係局とも連携をとりながら、区市町村が適切な水防活動ができるように努めてまいりたいと考えております。
○大西委員 いろんな問題が出てきた中で、これが九月四日の出来事でした。今、後半になりまして、それぞれ区の方でもいろんな反省点や改善点というものが協議されるんじゃないかなと思っておりますが、そういうものが都に上げられて、そしていろんな対策がこれから立てられるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の動きというのはあるんでしょうか。そして、あるのであれば、どのようなことが今課題となっているのか教えてください。
○野村河川部長 今回、久しぶりに大規模な水害ということもございます。今回の教訓を踏まえまして、今後のそういう水防体制のあり方とか、そのようなことを、庁内の関係局で水防担当者会議のようなものを今後開いて、そんな中で検討していきたいというふうに考えてございます。
○大西委員 そういうのは実際には区の方から要望が上がったりとか、そういうことは作業的にはまだないんですか。
○野村河川部長 私ども建設局に直接そのような要望はいただいてはおりませんけれども、今、局内で、事務レベルでやはりそういうことをやっていく必要があるだろうということを話し合っているという段階でございます。
○大西委員 ぜひその中に、今回新聞に出ていましたけれども、聴覚障害者とか、そういう方たちへの情報手段も、その検討の中に入れていただきたいということを要望しておきたいと思っております。
それから、ハザードマップについては、先ほどお聞きになりましたけれども、やはり今ハザードマップということで、地震対策も含めていろんなところで市や区の取り組みがあるんですけれども、これは単に行政がつくって、それを配布すればいいというような問題じゃなくて、やはりそこに市民、区民の参加があって、そして自分たちの地域の危険箇所というのを知るということが、このプロセスの方が私は大事だと思っておりますので、ぜひ市や区の取り組みの中に、人材、そしてアイデア、そういうものをしっかりと東京都として出し、その中で市民参加の中でのハザードマップづくり、これをもっともっと取り組んでもらうようにしていただきたいと思っております。
それから、今回の洪水は、先ほど指摘がありましたように、やはり今の東京のまちづくりの中でコンクリート化してしまったもので、それこそ前からいわれておりましたように、水循環のあるまちづくり、これが再度大きな課題となってきたかなと思っております。これは都市整備局、それから環境局を含めて全局にわたる中で改めて、何となくお蔵入りになっておりますマスタープランが東京都にはありますけれども、そのままになっておりますが、再度これをひもといてやっていかなきゃいけないんじゃないかなということを今の質疑の中からも感じております。これは、建設局ですので、ちょっと次回に回したいと思っております。
その中で一つは、今回の浸水被害は、河川から水があふれたのに加え、下水管からの逆流が原因だということがいわれております。生活者ネットワークとしては、この下水管の、分流式から、合流式で今ほとんど東京都は行っている中で、それこそ生活汚水も含めて流してしまうということに対しては問題があるということを常々指摘しているんですけれども、改めて、こういうことが起こるんであれば、本当に長期的な分流計画に移すようなものをしなきゃいけないんじゃないかなとも思っているわけです。
これは直接的には下水道局の管轄なんですけれども、今回、原寺分橋付近では、武蔵野市からの下水道が流れ込んでおります。そして、これよりも上流では浸水は起きていないと。この下水も関係しているわけで、下水道局の管轄ではあるけれども、善福寺川に入れているのを許可しているのは建設局ですので、ぜひ建設局としてもこのような改善をやっぱり要求していくべきじゃないかと思っております。
この付近はいつもにおいや汚物が流れてくることで平常時でも問題のところでもありますので、武蔵野市、杉並区、そしてまた中野区とか、こういうものは常に東京都として広域行政で対応しなければいけないものですので、この辺もぜひ、単に下水道局の管轄だといわないで、取り組んでいただきたいと思うんですけれども、その辺の考えはおありでしょうか。
○野村河川部長 ご答弁の前に、先ほどの答弁を若干訂正をさせていただきたいと思います。
杉並区長から要望書をいただいておりまして、その中に、今回の水害に対して組織的に取り組むようという要望が出されております。ですから、先ほどいいましたような水防体制のあり方を検討していく、庁内で横断的なそういうふうな検討をしていくということは、そういうことも受けているということでございます。
それから、下水道と私ども河川の連携でございますけれども、基本的に下水道から河川ということですから、治水上もある意味では一体的なものでございます。ですから、今回の被害も踏まえまして、今後、下水道局あるいは都市整備局とも連携をしながら、もっと効果的といいますか、部分的に河川の方の事情で下水道の方の容量を絞っているとか、そういうこともございますので、その辺をもっと細かく見直して、改善すべき点がないかどうか、そのような検討を進めていきたいというふうに考えております。
○大西委員 最後に一つだけ伺います。ある意味、こういう川が毎回毎回あふれるところに人が住むということにやっぱり問題があるということだと思うんですけれども、この大都市東京の中で既にそういうところがちゃんとあるわけですから、なかなか対策というものが立てにくい。
その中で一時間五〇ミリ対応の護岸工事が着々着々と築き上げられているということは非常に心強いわけなんですけれども、この善福寺川周辺、ほかの川もそうなんですけれども、公園がありますよね。その公園を都市計画で決定して、ある意味、そういう水があふれたときも被害を最小限に少なくするために、この公園の重要性というのは必要なんですけれども、この辺もまだ八割しか公園化されていないという現状がありますので、ぜひそれは粛々と続けていただきたいと思います。
同時に、やはり公園に隣接する私有地というのがいろいろあるわけですけれども、これもできれば公園化していくような方向が必要なんじゃないかと思っております。いろんな難しい部分もあると思うんですけれども、その辺の対策というものをどのように考えていらっしゃるのか、一つお聞きしたいと思います。
○伊藤参事 公園は、レクリエーションの場として、また環境の保全や災害時の避難場所など多くの機能を持っております。河川沿いの公園では洪水調節機能もあわせ持っておりまして、善福寺川緑地や和田堀公園などの都立公園におきましても、雨水を一時的に貯留する場所や浸透させる施設などの整備を行ってまいりました。
お尋ねの隣接地の公園化についてでございますけれども、都立公園の整備は、公園の都市計画の区域内におきまして、国の事業認可を受けて順次事業を行っております。都市計画の区域外の土地でありましても公園にしている事例はございますが、それは公園とする区域や手法などを個別案件ごとに検討し、公園機能の充実が図られる場合でございます。
○大西委員 公園機能の充実が図られる場合、一個一個検討して公園化するということも考えられるということの答弁だと思いますけれども、例えば借地しながらも、いろんな税面で優遇をしながら、その辺を確保していくというような、ぜひいろんな手法を取り入れながら、この辺の被害を最小限にするような取り組みをしてもらいたいと思っております。
今回この増水した土地に開発申請が出されていて、緑の山をなくしてしまうような状況がまた新たな動きとしてあるということも聞いておりますので、こういうことが進まないように、本会議の質問の答弁に、都市整備局もある意味、地下室の規制とか都市開発の規制をかけていくというようなことが出ていましたけれども、ぜひ協力をし合って、やはりこの辺のところはなるべく、ある意味人が住めないようなところに人が住まなくてもいいような対策をしていただきたいということを要望して、終わります。
○ともとし委員長 ほかに発言はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○ともとし委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○ともとし委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で建設局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会といたします。
午後二時五十分散会
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