環境・建設委員会速記録第三号

平成十七年三月十七日(木曜日)
第九委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長林田  武君
副委員長小磯 善彦君
副委員長高橋かずみ君
理事小松 恭子君
理事大塚 隆朗君
理事宮崎  章君
伊沢けい子君
河野百合恵君
真木  茂君
木内 良明君
三原 將嗣君
大西由紀子君
星野 篤功君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長平井 健一君
総務部長梶原 康二君
参事大野 輝之君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長梶原 秀起君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長中島  博君
参事月川 憲次君
自然環境部長福島 章人君
廃棄物対策部長小山 利夫君
廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君

本日の会議に付した事件
環境局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為環境局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第百十二号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
・第百十三号議案 東京都都民の森条例の一部を改正する条例
・第百十四号議案 東京都自然公園条例の一部を改正する条例
・第百十五号議案 東京都廃棄物条例の一部を改正する条例
・第百十六号議案 東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例

○林田委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成十七年度予算につきましては予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しは、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十七年三月十五日
東京都議会議長 内田  茂
環境・建設委員長 林田  武殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十二日(火)午後五時

(別紙1)
環境・建設委員会
第一号議案 平成十七年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 環境・建設委員会所管分

(別紙2省略)

○林田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局関係の平成十七年度予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより環境局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成十七年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境局所管分、第百十二号議案から第百十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 去る二月二十二日の当委員会におきましてご要求の資料についてご説明を申し上げます。
 お手元の環境・建設委員会資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次のとおり、十六項目ございます。
 まず、一ページをごらん願います。1、都内のエネルギー消費量の部門別推移でございます。
 平成五年度から十四年度までの各年度における産業、家庭、業務及び運輸の各部門のエネルギー消費量でございます。
 注3にございますように、表の最上段は、京都議定書の基準年である平成二年度の数値を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。
 平成五年度から十四年度までの各年度における産業、家庭、業務、運輸及びその他の各部門の二酸化炭素排出量でございます。
 三ページをお開き願います。3、大気汚染濃度の高い測定局の推移でございます。
 まず、二酸化窒素につきましては、三ページに一般環境大気測定局を、四ページに自動車排出ガス測定局を、また浮遊粒子状物質につきましては、五ページに一般環境大気測定局を、六ページに自動車排出ガス測定局を、それぞれの表において、平成六年度から十五年までの各年度における都内の測定局の上位五局を記載しております。
 七ページをお開き願います。4、大気汚染濃度の高い測定局周辺の道路状況でございます。
 (1)では、平成十五年度における二酸化窒素濃度の高い自動車排出ガス測定局上位十局の名称、設置場所及び周辺道路の状況を、次の八ページの(2)では、同じく浮遊粒子状物質濃度の高い測定局に関する状況を記載しております。
 九ページをお開き願います。5、大気汚染及び騒音に係る環境基準の達成状況でございます。
 (1)、大気汚染では、平成十五年度における二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成状況につきまして、それぞれの表の上段に自動車排出ガス測定局、下段に一般環境大気測定局の状況をお示ししております。
 次に、(2)、騒音では、平成十五年度における道路交通騒音、航空機騒音及び新幹線騒音の環境基準達成状況をお示ししております。
 一〇ページをお開き願います。6、浮遊粒子状物質に係る環境基準の達成状況でございます。
 平成十五年度の状況につきまして、上段の(1)が一般環境大気測定局、下段の(2)が自動排出ガス測定局のおのおのの測定局の設置場所を示しており、環境基準を達成した測定局を白丸、達成しなかった測定局を黒丸であらわしてございます。
 一一ページをお開き願います。7、米軍横田基地周辺における騒音発生回数の推移でございます。
 平成六年度から十五年度の各年度における昭島、瑞穂、福生及び武蔵村山の各測定局での年間騒音発生回数及び日最高の回数でございます。
 注2にございますとおり、日最高とは、一年間で最も騒音の発生が多かった日の騒音発生回数でございます。
 一二ページをお開き願います。8、規制対象ディーゼル車(都内登録車)の対応状況でございます。
 平成十四年度三月末現在、二十万二千台であった都内登録の規制対象車の各時点における対応状況でございます。
 買いかえ、減車やPM減少装置の装着による規制対応車両を除き、平成十六年十二月末時点では、規制対象車は七千台、規制対応の進捗率は九七%と推計しております。
 一三ページをお開き願います。9、自動車NOx・PM法の規制対象台数でございます。
 平成十六年三月末時点の自動車登録データにより、平成十七年度以降の各年度において、NOx・PM法の規制対象となる都内登録ディーゼル車の台数の推計値を記載しております。
 一四ページをお開き願います。10、都内における建設廃棄物の発生予測量でございます。
 建設汚泥、瓦れき類及びその他に区分した平成十四年度の発生量と、平成十七年度及び平成二十二年度の発生予測量でございます。
 一五ページをお開き願います。11、エコセメント事業の進捗状況でございます。
 表の上段が施設概要や事業方式などの事業の概要、表の下段が進捗状況でございます。
 一六ページをお開き願います。12、奥多摩都民の森外四施設における過去三年の利用状況と収入額の推移でございます。
 平成十三年度から十五年度までにおける各施設の宿泊者数及び収入額を記載してございます。
 一七ページをお開き願います。13、東京都環境保全基金における運用益金の活用状況でございます。
 平成十五年度で廃止した同基金につきまして、基金設置の趣旨、平成元年度から十五年度までの各年度における基金の活用状況並びに主な基金充当事業を記載しております。
 一八ページをお開き願います。14、保全地域に係る公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移でございます。
 平成八年度から十七年度までの各年度における公有化予算額、公有化面積及び管理費予算額の推移でございます。
 一九ページをお開き願います。15、スーパーエコタウン事業の全体計画と進捗状況でございます。
 表の上段は、スーパーエコタウン事業の概要、事業主体、立地場所及び経緯でございます。表の下段は、施設の種類ごとの搬入予定量及び稼働時期でございます。
 二〇ページをお開き願います。16、都内におけるDPF販売台数でございます。
 平成十六年十二月末時点で推計した販売会社ごとの販売台数及び割合でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○林田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○高橋委員 最初に、今後の大気汚染対策についてお尋ねいたします。
 最近、新聞報道紙上でも、今後の大気汚染対策として、揮発性有機化合物、いわゆるVOCの排出削減が必要だという記事が時々掲載されております。
 石原知事も、先日の施政方針表明において、来年度は残された課題であるVOC排出量削減の取り組みに着手しますと発言をされました。この取り組みは、平成十七年度の重点事業の一つにも掲げられております。
 しかし、VOCという言葉はどうも一般の都民にはまだなじみがないところでありまして、そもそもこのVOCとは一体どういうもので、どんなところから排出されているのか、まずお伺いいたします。

○梶原環境改善部長 VOCについてでございますが、VOCとは、塗料の溶剤ですとか印刷インキの溶剤などに使われております蒸発しやすい有機化合物のことでございます。代表的なVOCといたしまして、トルエンですとかキシレンなどがございます。
 VOCは、これらさまざまな揮発しやすい有機化合物の総称でございまして、都内におきましては、平成十二年度の排出量で年間十四万トンが排出されているところでございます。このうち、工場、事業所などのいわゆる固定発生源から、約七割が排出されております。

○高橋委員 それでは、なぜVOCの排出削減が必要なのか、大気や人体に対してどのような悪影響を及ぼすのか、説明をお願いいたします。

○梶原環境改善部長 毎年夏になりますと、光化学スモッグによります被害が発生しておりますけれども、VOCは光化学オキシダントを生成する原因物質となります。また一方、VOCは、大気中で浮遊粒子状物質に変化する、いわゆる二次生成と私ども呼んでおりますが、そういった性格も同時に持っております。
 ディーゼル車規制などで大気中の浮遊粒子状物質の濃度はかなり改善されてきておりますけれども、環境基準の達成を図るためには、VOCの排出削減も必要でございます。さらに、VOCの中には、VOCそれ自体に発がん性や中枢神経などに影響を与える有害な化学物質がございます。

○高橋委員 そういう問題は、何も最近になってからわかったわけではないと思います。今まで、都ではどのような対策や検討を講じられてきたのか、お伺いします。

○梶原環境改善部長 私ども、既に環境確保条例におきまして、有害ガスとしてのVOCの排出を規制するという観点から、工場や事業所に対しまして、排出口から排出される空気について、有害ガスの濃度の基準を設けて規制を実施しているところでございます。
 一方、ガソリンなどの燃料の貯蔵施設を設置しております工場、事業所に対しましては、VOCの排出防止設備の設置を義務づけているところでございます。
 また、一時改善した光化学スモッグが最近再び発生しやすくなっているという実態がございまして、そうしたことから、平成十五年六月から光化学オキシダント対策検討会を設置しまして、この要因を検討してまいりました。本年二月に報告が取りまとめられ、報告をちょうだいしました。

○高橋委員 二月に光化学オキシダント対策検討会の報告がまとめられたという説明がありましたが、その内容はどういうものなのか、ご説明願います。

○梶原環境改善部長 光化学オキシダント対策検討会の報告の要点でございますけれども、光化学オキシダント高濃度化という現象には、気象要因による原因のほか、オキシダントの原因物質でございます窒素酸化物とVOCの濃度比が高濃度化に関係しているということがわかってまいりました。すなわち、窒素酸化物の濃度が施策の影響で低下している中で、VOCの排出削減がこれに追いついていないということによりまして、窒素酸化物の濃度に対しましてVOCの濃度が相対的に大きくなったことが光化学オキシダントの生成を促進しているということがわかってまいりました。
 このため、報告では、今後は、窒素酸化物の排出削減に加え、環境中のVOCのさらなる削減が必要であるというふうにまとめていただいております。

○高橋委員 今の説明でVOCの排出削減の必要性はわかりましたが、それでは、国においては何かVOCの対策が考えられているのか、お伺いいたします。

○梶原環境改善部長 昨年の五月ですが、大気汚染防止法が改正されまして、法律にもVOCの排出に対する規制が導入され、来年の五月までには施行の予定になってございます。
 新しい改正法では、規制と自主的取り組みの適切な組み合わせでVOC対策を実施するとされておりまして、現在、中央環境審議会の専門委員会で検討されている規制対象施設でございますけれども、相当程度大規模な施設に限って規制を行うというふうに聞いておるところでございます。

○高橋委員 今のご説明でありますと、法律による規制は大規模な施設に限るとのことでありますが、塗装業者や印刷業者などでは、都内の場合は圧倒的に中小規模の事業者が多いという特徴があると思います。中小規模の事業者にとっては、VOCの排出削減は新たな取り組みとなるため、事業者が的確な対応がとれるように、都は、事業者に対する支援など、対策について十分配慮しなければならないと思います。
 このような観点から、都はどのようにVOC対策を進めていくお考えなのか、伺います。

○梶原環境改善部長 事業者が行いますVOC排出削減対策につきまして、事業者の的確な対応がされますように、都の平成十七年度の重点事業におきまして、事業者の自主的取り組みへの支援、それから、VOCの含有量が少ない低VOC製品の普及促進を大きな柱にしてございます。
 事業者の自主的取り組みの支援でございますけれども、事業者がVOCの排出削減目標などを設定して計画的に排出削減を図るよう、自主的な計画の作成支援を行うほか、VOCの排出抑制の方策をまとめましたVOC対策のガイドの作成などを行う予定でございます。
 低VOC製品の普及促進の方でございますが、こちらは都の率先行動といたしまして、公共部門におきます低VOC製品の優先使用を行いますとともに、都民、事業者に対しまして、PRですとか普及啓発を行ってまいります。

○高橋委員 この件について意見を申し上げておきます。
 VOC対策というのは、一般の都民や事業者にとってわかりづらいものでありますので、都は、都民などに対してなるべくわかりやすい説明をして普及啓発を行うとともに、VOCを排出する事業者に対しては、過度な負担にならないようにVOC対策を進めることを要望しておきます。
 次に、廃棄物条例の改正案についてお尋ねいたします。
 先日の本会議の代表質問で、我が党は、新たな制度を提案した背景と、その制度が産業廃棄物処理業者の健全な発展にどう結びつくのかについて質問をさせていただきました。
 そこで、本日は、本会議での質問を踏まえて、具体的にその制度の内容について伺います。
 今から五年ほど前に発覚した、青森県と岩手県の県境における大規模な不法投棄事件では、周辺の水環境や土壌などにも重大な影響を及ぼしていることが明らかになりました。これを復元するには多大な費用と時間を要することになると仄聞しております。
 この事件では、都内から排出された産業廃棄物も投棄されていて、都内の事業者の名称が新聞報道されました。不法投棄は、その実行者に責任があることはいうまでもありませんが、その廃棄物を排出した事業者の責任も極めて重いと思います。
 そこで、排出事業者の責任について、現在どのように定められているのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長 廃棄物処理法では、産業廃棄物を排出した事業者が、その排出から最終処分の完了までの一連の処理が適正に行われるように努めなければならないと規定されております。
 具体的には、排出事業者は、産業廃棄物を排出するときに、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストを交付し、処理を委託した産業廃棄物が適正に最終処分されることをマニフェストによって確認するよう義務づけられております。
 また、仮に産業廃棄物が不法投棄された場合に、それにより生活環境に影響の及ぶことのないよう、都道府県は排出事業者にもその撤去を命令することができるとされております。

○高橋委員 産業廃棄物が不法投棄された場合に、それを排出した事業者に撤去を命令できるということでありますが、一たん不法投棄された産業廃棄物の排出事業者を特定することはかなり困難だと思います。このことからも、不法投棄は、発生してから対処するよりも、当然のことながら、未然に防止していくことが極めて重要であると思います。そのためには、ただ罰則を強化するだけではなく、産業廃棄物を排出する事業者に対して、排出から最終処分に至るまで適正な処理がなされるよう、責任を負っているのだという自覚を促していくことが大切だと思います。
 そこで、今回提案されている排出事業者の報告を公表する制度が、排出事業者の自覚を促し、不法投棄を未然に防止することにどう結びつくのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長 今回提案をさせていただきました報告・公表制度では、排出事業者に対して、みずから排出した産業廃棄物が、適正な処理に向けて、みずからの法令遵守の状況を点検しているかや、委託した廃棄物の適正な処理を確認する具体的方法等について報告を求め、公表することとしております。公表することによりまして、適正処理を確保するためにより望ましい取り組みを行っている排出事業者が、社会から環境に関する社会的責任を果たしているとの評価を受けることになります。
 このことによりまして、排出事業者の適正処理に向けた自覚が促され、さらに積極的に望ましい取り組みが行われるようになると考えます。このことが不法投棄の未然防止につながっていくものと考えております。

○高橋委員 もう少し具体的に、適正な処理を確認する方法についてお伺いさせていただきます。
 まず、産業廃棄物の処理を処理業者に委託する場合に、委託先の処理業者をどのように選定するかについてであります。
 排出事業者は、委託先の処理業者が適正に処理する能力があって、委託しても大丈夫なのかどうかを見きわめる必要があると思いますが、具体的に、処理業者の選択に関してどのような報告を求めるつもりなのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長 排出事業者が処理を委託する事業者を安易に価格優先で選定することがないよう、委託先の処理施設の状況を直接確認しているか、処理の実績を確認しているか、処理業者の適正処理のための管理体制が万全かなど、どの程度まで委託先の状況を確認し、処理業者を選定しているかについて報告を求めてまいります。

○高橋委員 次に、実際の処理が行われる際にどのような確認をするのかについてであります。
 産業廃棄物を引き渡すときに、委託先の処理業者任せにして、排出事業者が責任を持って引き渡していない実態があるようであります。また、廃棄物を処理業者に引き渡したままで、適正に処理されたことを確認していない事例もあるようであります。
 そこで、今回の制度では、産業廃棄物の引き渡しから最終処分に至るまでの間についてどのような報告を求めるつもりなのか、お伺いいたします。

○小山廃棄物対策部長 産業廃棄物の引き渡しから最終処分に至るまでの間についての報告でございますが、産業廃棄物を引き渡すときに、品目、性状、数量を直接確認しているか、運搬車両の許可番号等の表示を確認しているかなど、具体的な確認事項について報告を求めてまいります。
 また、産業廃棄物の処理が完了すれば、マニフェストが排出事業者のもとに返送されてまいりますが、その記載内容と委託したときの契約内容との整合がとれているかどうか、きちんと確認しているかなど報告を求め、これらを公表する予定でございます。

○高橋委員 最後に、公表についてお伺いいたします。
 先ほどの答弁では、排出事業者の報告する内容を公表することによって排出事業者が評価を受け、そのことにより、さらに排出事業者の取り組みがより積極的なものになるとのことでありました。そのためには、排出事業者の取り組み状況を多くの人が見ることができ、また、その内容が、それを目にする人にとって容易に理解できるわかりやすいものでなければならないと思うのでありますが、具体的にどのような形で公表を行っていくつもりなのか、伺います。

○小山廃棄物対策部長 報告されました内容は、都民や顧客、同業他社など多くの人が簡便な方法で見られるよう、インターネット上において公表してまいります。また、公表の内容の読み手に容易に理解してもらえるよう、報告事項に関する解説を付すとともに、各排出事業者の取り組みの状況を相互に比較しやすいよう、そのような様式で報告を求めるなど、配慮を行ってまいります。

○高橋委員 この件につきましても意見を申し上げさせていただきます。
 これまでの答弁で、今回導入する排出事業者に対する報告・公表制度は、適正処理に対する排出事業者の自覚を促していくのに有効な制度であるということが理解できました。ぜひ、制度の円滑な施行に向けて、排出事業者に十分この制度の趣旨や内容が伝わるように、行政の努力を大いに期待させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○木内委員 まず、指定管理者制度についてであります。
 自治法の改正に伴いまして指定管理者制度の導入を行うということ、私は基本的にこの制度の導入に賛成であります。競争原理というものを通じて財政支出の削減を行っていく、民間のノウハウの活用によってサービス水準の向上を図る、民間と同じ土俵で競争することによって既存の外郭団体の改革の進展が期される、こういうことであります。
 東京都では、所管する公の施設について十八年度からとなっておりまして、環境局の所管分については、東京都都民の森条例、東京都自然公園条例が該当する。檜原都民の森など五つの施設が制度導入の対象になっております。
 この施設の設置目的等については、さまざまな機会に触れられておりますので、あえて確認はいたしませんけれども、こうした施設の立地の環境、また、こういう施設の運営に当たって、立地特性への配慮がどのように現状行われているのか、まず端的にご報告を願います。

○福島自然環境部長 これら五つの施設は、すべて山間、島しょに立地すると同時に、国立公園の地域にありまして、四季折々に変化いたします景観を有しており、さまざまな自然体験や動植物との触れ合いが楽しめるすぐれた立地にございます。
 一方、交通の利便性が必ずしもよくないことや、大雨による交通遮断など、自然災害の影響を受けやすいといった面もございます。
 こうしたことを踏まえまして、地元自治体や地域の団体と協働した事業展開や、災害発生に迅速に対応するための関係機関との密接な連携体制が必要でございます。

○木内委員 今いわれた各施設におきましては、開設以来これまで、地元自治体を管理受託者としてきているわけでありまして、地元の町村に施設の管理を委託するということの利点というものがあると思うのでありますけれども、整理して答弁願います。

○福島自然環境部長 地元自治体が管理者となることで、地域産業にかかわる地元関係者等と緊密に連携した事業執行が可能となっております。また、大雨や大雪による交通遮断など自然による災害に対しては、警察や消防など関係機関と連携体制があるため、総合的な対応が迅速的確にできるという利点がございます。
 一方、地元自治体にとっては、各施設は地域の振興に資する拠点施設となっております。

○木内委員 指定管理者制度の導入に当たっては、多くの施設があり、それぞれの側面的特性があるわけでありますから、したがって、一律に選定なりあるいは指定管理というものを行うわけにはまいらない。それぞれの施設の特性に応じた指定管理というものが重要になってくると思うわけであります。
 そこで、指定管理者の選定方法といいますのは大きく分けて三つ、公募、限定公募、特命、いわゆる随契に近い形での特命というものがあるわけでありまして、今私が言及しております、それぞれの自治体に管理委託をしてきた施設につきましては、若干答弁でも触れられておりましたけれども、いわゆる地域特性の中で、それぞれの自治体が都の施設を活用しながら一体的な施策展開を行い、もって地域振興に資するような、そういう努力をしてきているところであります。
 したがって私は、今回、単純にざくっと指定管理者制度だ、したがって公募だ、限定公募だということではなく、特命という手法があるわけでありますから、今回議論になっております地域の都の施設につきましては、特命による指定管理の適用を行って、実質的には継続して今の自治体を管理者としてこれを指定することが望ましい、こう思うのでありますけれども、どうでありましょうか。

○福島自然環境部長 これらの施設は、先生おっしゃるとおり、山間、島しょという、ほかの公の施設とは異なる地域に立地しておりますことから、競い合いの効果を得にくいという特徴がございます。また、施設の設置目的を達成していくためには、引き続き地元自治体や地域住民と連携していくことが極めて重要でございます。指定管理者の選定に当たっては、これらの事情を十分に考慮いたしまして選定手続を進めてまいります。

○木内委員 今の答弁にありましたね、こうした事情を十分に考慮して選定手続を進めていくということでありますから、換言すれば、これは特命による選定ということになろうかと思います。
 もとより、各局に審査会が設けられて、各分野からの代表者が寄り、そして検討される手続が必要というものの、きょうのこの委員会での議論を非常に重視しなければならないのはその点でありまして、社会政策的判断から、地元の市町村に、ぜひ特命としてこれを指定するように強く要望しておきます。
 それから、指定管理者制度のポイントの一つに、来年度から導入される利用料金制度との関連があるのであります。これは、キャンプ場やテニスコートなどの利用料金を施設の管理受託者の収入とすることができる制度ということでありますけれども、この制度は、管理受託者の経営努力へのインセンティブというものが非常に大きい、また、利用者本位の経営に向けた意欲を高めて、サービスの向上につなげていくことができると思うわけでありますけれども、例えばこの利用料金制度を導入して、指定管理者による経営努力が非常に充実し熟成して収入が増加したような場合には、こうしたいわゆる収入の増加分を、ボーナスシステムの一環としてこの指定管理者に留保されるような、そういう考え方が反映されてよいのではないかと思うし、提案するわけでありますが、明快な答弁を願いたいと思います。

○福島自然環境部長 利用料金制では、指定管理者の自主的な経営努力により利用料収入が計画を上回った場合は、その一部ないし全部を指定管理者に留保することができます。このようなインセンティブを与えることによりまして、指定管理者に継続的な創意工夫と経営努力を促し、利用料金制度の趣旨でありますサービスの向上を達成させることができると思っております。

○木内委員 これはぜひ、公募の際に今の答弁の趣旨を周知し、経営努力なりサービス向上へのインセンティブを今の段階から形成しておくことが必要じゃないか、要望だけ申し上げておきます。
 それから、指定管理者の決定後、引き続き期待していたとおりの事業執行が行われているかどうかをチェックする体制が必要だと思うんですね。自治法に基づいての判断もそうでありますし、今回の条例のいわゆる実施後の運用の段階でもそうでありますけれども、議会の議決というものが必要だけれども、議決の後の指定管理業者における事業のチェック、こうした機能というものは議会に付与されていないわけでありますから、こうした委員会の審議の中で、結局、これをさらに精査を引き続きしていく必要があると思うわけでありますけれども、例えば環境局に特定していえば、事業報告書に基づくチェックというものを頻繁に行いながら、あくまでも主役はこの制度の中心者、これは都民サービスの向上という都民でありますから、この点への留意を忘れてはならないと思うわけであります。
 したがって、業務報告をどの程度の頻度で求めていくのか、あるいは業務に遅滞や瑕疵があったりした場合の、局としての指定管理業者に対する対応の方針について明らかにされたいと思います。

○福島自然環境部長 指定管理後のチェックでございますが、通常、年度ごとに事業報告書を徴しておりますが、それに加えまして、業務報告を四半期ごとに求め、きめ細かく施設の運営状況を把握しまして、的確な指導を行い、管理の適正化を図ってまいりたいと思います。指定管理者が法令や協定に違反したり、利用者に対する適切なサービスの提供を怠るなど、管理の基準に反した場合には、業務の改善を指示するなど、厳格に対処するつもりでございます。

○木内委員 指定管理者制度につきましては、多くの側面から指摘するべき点があるのでありますけれども、以上にさせていただきます。
 まず第一に、特命による檜原都民の森などの自治体への施策判断というものが重視をされて、その方向で検討がされていることがきょう明らかになりました。それから、利用料金制度のもとでの新しいボーナスシステムとしての一部また全部を、これを指定管理者に留保するという見解が新しく出ました。それから、指定管理後の業務執行のチェック体制については、四半期ごとに業務報告を求めていくという三点が明らかになりました。この点を確認させていただいて、次の問題に移ります。
 環境確保条例であります。
 地球温暖化を防止するための京都議定書が、七年の歳月を経て、やっと二月十六日に発効いたしました。こういう状況の中で、都は環境確保条例を改正して、一つは大規模事業所やエネルギー供給事業者のCO2削減、さらには新築建築物の環境配慮設計、三番目、家電製品の省エネラベルなどなど、柱として四つの制度の強化、創設を提案している内容の条例案であります。
 大量のエネルギーを消費する大都市である東京都が、たとえこの四本の分野においてであったとしても、こうした先進的な取り組みをいよいよスタートさせるということに、私は高い評価と賛意を示すものであります。
 今までも相当議論がありましたけれども、今回の制度がいずれも事業者の積極的な取り組みを促進する制度だという、こういう特質を持っているのでありますけれども、今申し上げた四つのシステム制度に対する共通する基本的考え方、これをまず明らかにしてください。

○百合都市地球環境部長 地球温暖化防止のためには、東京をエネルギー大量消費型都市から、環境配慮が内在化されました持続可能な省エネ型都市へと変換することが必要でございます。そのためには、社会を構成いたします企業、都民、行政の各主体が積極的に温暖化防止に取り組むことが重要であると考えております。
 今回の条例改正におきましては、各事業者のCO2削減の取り組みや、環境に配慮した大規模な新築建築物の設計内容について都が評価公表する仕組みを強化いたしますとともに、省エネ型家電製品や大規模マンションの環境性能表示制度を創設することによりまして、事業者の積極的な取り組みが社会的に評価され、企業努力をさらに引き出すという誘導型の制度としたものでございます。

○木内委員 まさに企業努力を引き出すための誘導型の制度となっているということであります。事業者の積極的、自主的な取り組みというものを誘導するということであろうかと思うのでありますけれども、例えば、今までの当委員会での議論や、あるいは一部マスコミの報道におきましても、一律のCO2の削減義務を課していない制度というのは、果たして実効効果が期待できるのだろうかというような声も一部にあるのは事実であります。
 直接制度対象になる事業者に、私もさまざま意見を聞きました。複数仄聞できた意見というのは、一律の義務化では、都が決める削減目標の達成が、いわば概念的に目的化してしまって、企業の自主性や、申し上げております積極性というものが損なわれる、企業の置かれている状況の違いを全く無視した一定の目標設定では、かえって不公正に、不公平になるのではないか、こんな声もあることも事実であります。
 そういう点から、今答弁がありましたように誘導型の制度とした、これはある意味では事業者の実態に即した制度であり、いわば自主的取り組みを促すあり方である、こんなふうに評価をしているわけでありますけれども、先ほどの答弁をさらにフォローする形で、誘導型の制度とした理由について、この際明らかにしてください。

○百合都市地球環境部長 事業者のこれまでの省エネに対します取り組み状況につきましてはそれぞれ異なっているほか、事業者の業務実態につきましても、営業時間ですとかテナント入居率など、極めて多様でございます。
 したがいまして、一律に削減すること自体は非常に困難が伴います。仮に一定の削減義務を課す場合、その削減レベルは、既に省エネ成果を上げて削減余地の少ない事業者の達成可能性を考慮した低い水準にせざるを得ません。かなり削減余地がある事業者の取り組みも、そのために低いレベルにとどまってしまうという危惧がございます。
 このために、一律の削減目標ではなく、個々の事業者の実態に応じて都が指導助言し、評価公表することによって、より高い水準へ導く誘導型の制度としたものでございます。

○木内委員 さて、基本論に戻るわけでありますけれども、温暖化対策というのは、一部の事業者だけではなく、行政にかかわる部分あるいは制度対象外の多くの、実は中小規模事業者への働きかけ、並びにそうした方々からの取り組みも不可欠なわけであります。
 その意味で、今回の条例改正に当たって、新たに国や自治体など公共部門まで対象に加えている、それから温暖化対策に積極的に取り組もうとする中小規模事業者、ここまで実はウイングを広げているわけでありまして、こうした方々にとっては、任意で計画書を提出できる制度としているということも、実は私は、非常に目立たない部分だけれども、大変評価できるものである、こう思っているわけであります。
 今回の地球温暖化対策計画書制度では、都による評価公表と指導助言によって、より多くのCO2削減を促すとしているわけでありますけれども、まだ今なお、その具体的な評価公表の方法についてはどこでも明らかになっておりませんので、これを示していただきたいと思います。

○百合都市地球環境部長 今回改正をいたします地球温暖化対策計画書制度におきましては、事業者の温暖化対策の計画内容、実施状況及びCO2の削減結果につきまして、都が定めます統一的な評価基準に基づきランクづけをして評価するということにしております。
 また、都は、対象事業者全体の取り組み状況のほか、評価の高い事業者やその取り組み内容を都のホームページ等で公表してまいります。
 このような仕組みによりまして、温暖化対策に積極的な事業者が社会的にも高く評価されることになり、事業者に一層のCO2削減を促すことができると考えております。

○木内委員 今の答弁では、統一的な評価基準に基づくランクづけを行って、これを公表する、そのほかもろもろ、具体的内容について言及がありましたけれども、了としたいと思います。
 それから、都の指導助言によって事業者の取り組みをより高い水準に誘導するとしているわけでありまして、事業者により高い取り組みを都は要求するわけでありますから、事業者に任せきりにするのではなくて、個々の事業者においてその取り組みが円滑に進むような配慮、きめ細かい対応もすべきだと思うんですけれども、具体的な事業内容、これを報告願いたいと思うんです。

○百合都市地球環境部長 具体的な都の指導助言ということではないかと思いますけれども、今回の制度におきましては、より高いCO2の削減に向けまして、計画立案時の指導助言ですとか対策実施期間中の指導助言など、都が積極的に関与する仕組みとしたものでございます。
 具体的に申しますと、まず計画策定に当たりましては、都は、具体的な削減対策のメニューを示すとともに、エネルギーや設備の管理状況を自己点検することができる省エネチェックシートを提供するなど、事業者の実態に即した指導助言を通じて計画立案を支援してまいります。
 さらに、三年目の中間報告時におきましても、対策の進捗状況を踏まえました計画の見直しなどにつきまして、必要に応じて指導助言を行っていくつもりでございます。

○木内委員 今、指導助言について相当具体的に答弁をいただきましたけれども、この施策を推進するための一般的な対策というものは、結局エネルギー使用に伴って排出されるCO2の抑制、すなわち省エネの推進ということになるわけでありまして、それぞれの事業所の現場等における機械や設備の適正運転を確保するための日常的な維持管理というものが要求されるんですけれども、これ以外にも、例えば省エネのための新たな設備や機器の導入など、一定の初期投資というものが必要になってくるわけであります。なかなか、理屈でわかっていても、実は具体的なノウハウについてわからなかったり、あるいはこうした財政的負担に対する不安等もあるわけでありますので、そうした実態を勘案するならば、省エネを実行することのメリットあるいは事業者の方々にとっての利点、こういったものをさらに明らかに周知する努力を都はすべきだと思うんですが、どうですか。

○百合都市地球環境部長 地球温暖化対策の基本となります省エネを進めることは、光熱水費のコスト削減ともなりますし、企業収益の改善に直結することから、事業者にとりましても省エネのメリットは大きいと考えております。
 そこで、都といたしましては、事業者にとって効果的な省エネ対策を取りまとめ、対策メニュー集として提示していくほか、対策の導入効果などを示しました省エネ事例集を作成いたしまして、省エネメリットをわかりやすく周知していきたいと考えております。

○木内委員 今の答弁のように、事業者がそれを理解する、必要性を認識する、いざ対策を実施する段階になる。ところが、事業所ごとに、会社の中で省エネの専門技術者が実はいないんだとか不足しているとか、最新の技術情報が十分でない、あるいは他の同様の事業者の皆さんがどういう取り組みをしているのか知りたいなど、具体的な要望が上がってくると思うんですね。これに対するアドバイスを行ったり、実施手段に対するノウハウの指導であるとか、こういう体制づくりを行っていくことが大事だと思うんです。
 制度対象の大規模事業所だけで千二百カ所、それから中小規模事業所も入れると、物理的にはかなり困難な環境なんじゃないかという懸念を私は持つわけであります。
 昨年五月の環境審議会の答申では、事業者の取り組みを支援する仕組みづくりの必要性ということが強調して提言されているわけでありますけれども、今後、今申し上げた点を踏まえて、推進体制が十分でない事業者に対する東京都としての支援の体制を改めて構築する必要があると思います。この点を提案するんですが、どうですか。

○百合都市地球環境部長 事業者の省エネに対します取り組みや社内体制は多様でございまして、都は、事業者の個別事情を踏まえた適切な指導助言を行っていきたいと考えております。
 また、ESCOなど省エネ関連事業者の登録紹介制度を創設いたしますとともに、東京商工会議所など関係団体等と協働いたしまして、東京の温暖化対策の推進組織である、仮称ではございますが、地球温暖化対策推進ネットワークを新たに設置いたしまして、省エネ関連事業者の紹介ですとか省エネ技術情報等の提供を行っていきたいと考えております。
 さらに、制度対象外の中小事業者に対しましては、中小企業振興公社と連携いたしまして、省エネ相談窓口の設置ですとか都の制度融資などの情報提供を行ってまいります。

○木内委員 この質疑を通じて新たな施策の中身が明らかになっていることに非常な意義を覚えるわけでありますけれども、今回のこの新しい制度は、事業者の取り組みを高めるために、千二百カ所もの事業所に対して、あるいはその全体にまでさらにウイングを広げて積極的に個別の指導助言を行って、そして個々の削減目標の設定から対策の進捗まで、大変具体的、また大がかりな対応をするものでありまして、東京都側の負担も非常に大きいと思いますけれども、同時に、協力をする事業者等の負担も、実は現実に存在をするわけであります。
 したがって、こういう事業の実施に当たっては、計画期間の節目節目で、今回の新たに導入する制度の効果というものを都民に明らかにしていく必要があるだろう。これによって、温暖化を防止するために一生懸命取り組んでいただいた事業者の方々の理解を得たり、あるいは制度全体の達成状況を知ることができる、これはまたみずからのそれぞれの事業所の取り組みの励みにもなる、こういうことでありますので、そこで、今回の制度実施によって、対象事業者全体のCO2削減効果がどの程度達成されたのかといったような、制度効果を検証するシステムが必要だ、こう指摘するんですけれども、どうでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回の制度におきましては、排出状況報告書ですとか中間報告書によりまして、毎年事業者から、計画時に設定した削減目標に対する取り組みの進捗状況を報告してもらうということにしております。
 都といたしましては、個別事業所の削減状況の推移とともに、対象事業者全体のCO2削減状況につきましても集計し、公表していく所存でございます。これによりまして、対象事業者全体の制度効果を検証することが可能になると考えております。

○木内委員 以上の議論の中で、評価基準に基づいてランクづけをして評価することにする、あるいは省エネチェックシートを提供するなどの具体的施策が明らかになりました。事例集を作成し、省エネメリットの周知も図られることになった、さらに、対象事業所の拡大と適切な指導のため、中小企業振興公社との連携による省エネ相談や情報提供を行っていく、さらに、検証システムの導入によって、制度効果を検証するシステムの活用によって、今後の施策の実は構築をさらに進めていくという点が明らかになりましたので、この問題についての質疑は以上にいたします。
 関連して、省エネラベリング制度についてであります。
 家庭部門における温暖化対策も極めて重要な課題であります。特に東京においては、家庭部門におけるCO2排出量の割合は二四%、全国に比べて大きいわけでありますし、また、九〇年度比二三%増と、業務部門の次に伸び率の大きい分野になっているわけであります。
 今回の条例改正では、家庭部門における温暖化対策の強化として、省エネラベルの表示を家電販売店に義務づけているわけであります。
 そこで、この東京都の省エネラベルの検討に当たって、ラベルを表示する販売店や、それを参考にする消費者の意見を取り入れて制度を設計していくことが重要であると考えるわけでありまして、仄聞するところ、省エネ情報が確実に伝わる仕組みづくり、省エネラベルプロジェクト委員会というのがありまして、構成メンバーも多分野から出ていただいているわけであります。
 特に、社会的レゾンデートルといいますか、存在性がこの議論の中で大変大きいのが家電販売店の団体なんですけれども、都内で約二千店、こういわれているわけでありますね。この施策を推進するには、家電販売業界の協力なくしては、断じてこれは進捗が期待できないわけでありますけれども、このプロジェクト委員会の中で、家電販売店の組合である東京都電機商業組合からはどういう意見と、また要望が寄せられてきましたか。

○百合都市地球環境部長 今回の省エネラベルの検討に当たりましては、ご指摘のとおり、消費者団体ですとか販売事業者の団体等の皆さんから成ります検討組織を設置してご意見をいただいてまいりました。
 消費者団体の方からは、JIS規格の省エネラベルは製品化の比較がしにくいというようなことで、省エネ性能の違いをわかりやすく表示するラベルとすべきというようなご意見をいただいておりますし、また販売事業者の方からは、小規模な地域の電器店は、得意先を回り、各家庭の状況に合わせた省エネ製品を勧めるなど、きめ細かいサービスを提供しながら省エネを推進しており、こうした地域電器店の実態に合わせた制度とすべきというようなご意見もいただいております。

○木内委員 東京都電機商業組合からの要望や意見については、後ほど若干触れさせていただくつもりであります。
 この省エネラベルは、消費者団体の意見を生かして、JIS規格の省エネラベルの問題点を改良して独自の相対評価による表示方法を行う、各製品の省エネの程度をAAAからCまでの五段階で表示するものですけれども、この相対評価の具体的な分類、分け方はどうやって行うんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 市場に出回っております製品の中で、国の定める省エネ基準達成率が一〇〇%以上、この製品のうちの省エネ性能の高い製品から、おおむね上位一〇%をAAA、次の四〇%をAA、残る五〇%をAといったような形で段階を設定いたします。また、省エネ基準の一〇〇%未満の製品につきましては、上位から七〇%をB、残りの下位三〇%をCといった形で、五段階の評価をするものでございます。

○木内委員 電機商業組合から、小規模な地域電器店の実態に合わせた制度だとすべきだ、こういう意見もあったやに聞いております。当初、何か局の方では、大規模量販店を対象にいろいろと意見の交換もやってきたようでありますけれども、やはり私は、これだけの社会的存在となっている地域の小規模家電販売店の方々の意向というものを十分に尊重しなければいけないと思うわけでありまして、こうした小規模な電器店の場合、展示している製品も非常に少ない、むしろ表示に対する過大な負担を課すようなことになるのではないかという懸念も実はいまだ上がっているわけでありまして、この点についてはどう考慮してきていますか。

○百合都市地球環境部長 今回、ラベル化の対象品目といたしましては、エアコン、冷蔵庫、ブラウン管テレビの三品目としてございます。製品間の省エネ性能を比較するという省エネラベルの趣旨を踏まえまして、販売店においてそれぞれ五台以上展示する品目にラベル表示を義務づけることにしたものでございます。
 したがって、小規模な地域電器店の場合、対象品目の展示台数といたしましては、それぞれ二、三台といった程度の場合が多く、こうした地域電器店は今回の対象からは外れるということになります。

○木内委員 それから、地域電器店の場合、基本的にラベル表示の対象にならないということでありますけれども、消費者に対してきめ細かいをサービスをこれまで提供して、あるいは省エネ製品や省エネの取り組みの普及に当たっては、実は大変な力を発揮していただいている側面もあるのであります。こうした省エネの推進に積極的な地域電器店の場合、希望すれば都の省エネラベルを表示できるとすることも必要ではないかと思いますが、どうですか。

○百合都市地球環境部長 地域電器店には、家電製品の販売を通じまして、また販売後のアフターケア等を通じて、大規模店にはできない省エネの普及啓発を促進しているお店もございます。このため、こうした省エネ推進に積極的な地域電器店につきましては、希望があった場合には、展示台数が五台未満であってもラベル表示ができるというふうにしております。

○木内委員 ラベリング制度の最後のお尋ねでありますけれども、昨年、環境審議会が東京都における実効性ある温暖化対策について中間のまとめを行ったときに、電機商業組合はそのパブリックコメントの中で、都の省エネラベルは全国共通の制度でないため、消費者や電器店の混乱を招くなどの点が実は提出をされています。また、そのほか、全国的に共通性のないラベリング制度を導入すると、電器店も消費者も混乱する、こういう点も指摘をしております。また、ラベリング制度のAAA、AA、Aなどのランクづけは、品目分野ごとに基準が異なり、消費者が理解できない、さらに、新製品が発売されるたびにランク変更が必要となって、現行のAAA機種を大きく上回る新製品が出た場合、現行のAAAがAにランク落ちする場合なども想定されて、こういうケースでは、既にAAAを購入したお客様に説明しようがないなどの意見がありました。
 これは今後施策を実行する上で貴重な意見だと思いますので、まず申し上げるだけにとどめておきたいと思うのでありますけれども、その中の一つだけ、家庭部門における温暖化対策というものは喫緊の課題でありまして、今の意見の中の一つでありますけれども、東京都の省エネラベルの制度というものを全国へ広げていくべきだ、私はこう思うわけでありますけれども、最後にこのことをお聞きして、この問題については終わりにしたいと思います。

○百合都市地球環境部長 都の省エネラベルを全国へ広げていくということにつきましては、これまで省エネラベルキャンペーンを展開する中で全国の自治体等に働きかけてきたところでございます。
 その結果、八都県市につきましては、省エネラベルキャンペーンを昨年の夏並びにこの冬に実施したところでございます。また、この冬のキャンペーンは、八都県市以外でも、七地域、十二の自治体が参加するなど、全国的に広がりつつございます。
 また一方、国に対しましては、こうした全国的な広がりを踏まえ、東京都の省エネラベルを国の制度とするよう要望を行っているところでございます。

○木内委員 極めて明快な答弁が出ましたので、了としたいと思います。
 さて、最後のテーマでありますけれども、産業廃棄物、廃棄物条例の関係で伺いますが、先ほど高橋副委員長の方からも大分この点についての質疑が展開されましたので、重複を避けて、ポイントに絞ってまいりたいと思うんです。
 今回の改正は、産業廃棄物の適正な処理の徹底を目的として、産業廃棄物を排出する事業者、それを処理する処理業者の双方に対して報告・公表制度を導入することが盛り込まれているわけでありまして、その概念等については既に報告されておりますので、お尋ねをいたしません。
 まず、今回の報告・公表制度の対象となる排出事業者について、具体的な説明をまず願いたいと思います。

○小山廃棄物対策部長 今回ご提案をさせていただいております報告・公表制度の対象となる排出事業者といたしましては、資本金三億円を超える建設業者、従業員三百人以上の製造業者、病院、薬品などを扱う大学研究機関とするよう考えております。

○木内委員 こうした事業所を対象にした基本的な考え方について述べてください。

○小山廃棄物対策部長 条例の対象となります建設業、製造業からは多量の産業廃棄物が排出されておりまして、適正処理の徹底が望まれております。特に、一定規模以上の事業者を対象といたしましたのは、例えば建設業では、資本金三億円を超える事業者に報告を求めることで、廃棄物の量にいたしまして約七五%以上をカバーできるからであります。まずはこれらの事業者を対象といたしまして、適正処理の実現に向けた取り組みを促してまいります。
 また、医療廃棄物や薬品等はより適正で確実な処理が求められていますことから、病院、大学研究機関も報告の対象に加えております。

○木内委員 関連して、次に処理業者についてでありますけれども、今回の報告・公表制度の対象となっている処理業者というのは、すべての中間処理施設や最終処分場を持つ処分業者及び積みかえ保管施設を持つ収集運搬業者、このように説明を受けておりますけれども、およそ七百社だといわれております。このとおりですね。

○小山廃棄物対策部長 さようでございます。

○木内委員 施設を持っている処理業者を今回の制度の対象にしている理由についてご説明ください。

○小山廃棄物対策部長 今回、報告の対象とする施設は、さまざまな事業者から産業廃棄物が持ち込まれ、処理される施設でございます。この施設における産業廃棄物の出入りをはっきりさせることによりまして、産業廃棄物の処理の流れがより透明になると考えたものでございます。
 そこで、施設を持つ処理業者を対象に、施設への搬入量、搬出量、保管量など処理状況について報告を求め、公表することといたしました。

○木内委員 報告の義務が課せられる処理業者にとってみれば、できるだけ負担にならない報告内容や頻度というものが望ましいわけであります。一方、報告内容を活用する立場からすれば、処理の状況がより詳細にわかる報告書になっていること、できるだけ報告の回数をふやして、直近、最新の情報がわかるものであることが望ましいわけであります。
 そこで、条例案で、こうした要求を満たすために、報告内容や頻度を定める際の留意点があったと思うんですが、これについてご報告願います。

○小山廃棄物対策部長 まずはこの制度を、いえば当然のことでございますが、有効に機能させていかなければなりません。この制度を有効に機能させていくために、処理の状況について正確、確実な報告を求めてまいります。それとともに、処理業者にとって過度の負担にならないよう、業務の実情を勘案し、例えば日常業務の中で作成する資料に基づいて報告できるようにするなどの工夫をしてまいります。
 なお、報告頻度につきましては、半年に一回程度とするように考えております。

○木内委員 制度を有効に機能させるために、今後とも業者の協力が必要不可欠だ、これは当然のことであります。
 そこで、制度の施行までの間に、処理業者に対して、この制度の仕組み等についてわかりやすく事前周知をする必要があると思うんです。具体的な取り組み内容、これも明らかにしてください。

○小山廃棄物対策部長 処理業者の報告・公表制度を円滑に実施していくためには、対象となる処理業者に制度の意義や趣旨について十分周知し、理解と協力を得ることが重要だというふうに認識をしております。そのために、対象となるすべての処理業者に対しまして、改めて産業廃棄物の適正処理の重要性や本制度の趣旨をわかりやすく解説したリーフレットを配布するとともに、地域ごとに説明会を開催するなど、きめ細かい対応を行ってまいります。

○木内委員 処理業者に対して処理状況の報告を求め、得た内容というものを行政が発表する、公表するという制度は、恐らく都が先進的に取り組む全国初のものであろう、こういうふうに思うわけでありまして、画期的な制度という評価を私はあえてさせていただきます。
 いずれにしても、この事業が適切に今後進展されるよう、十分な努力、取り組みをされるよう希望しておきたいと思います。
 以上で、短時間でありましたけれども、私の質問を終わります。

○真木委員 真木でございます。
 まず最初に、環境確保条例についてお尋ねをしたいと思います。
 今次、環境確保条例が大幅に改正をされております。京都議定書が発効して、本当に地球環境、温暖化対策が地球全体の課題になっている中で、首都東京が果たすべき役割は大きく、そうした中で東京都環境局が環境確保条例の改正を提案していることは高く評価するものであります。
 この内容については全く異論はございません。ただ、本日は、百点満点と私が採点する立場にございませんけれども、より点数を、百点であるものを百二十点にする、そういう立場で幾つか提案をするとともに、確認をさせていただきたいと思います。
 東京都においては、この京都議定書というものを重く受けとめて、答弁はもう要りません、うなずいていただくだけで結構でございますが、非常に重く受けとめ、そして六%削減という目標を掲げ、今取り組んでいるものだと理解をしております。うなずいていただいておりますので、それで間違いない、合意ができているというぐあいに思いますが、カナダと同じだけの経済規模があって、それだけの東京都はエネルギーを消費する、だからやるべきことがたくさんあるということで今回取り上げていただいているんだと理解をしております。
 一方、産業面だけでなく、東京における温暖化対策としては、特に家庭部門における対策というものが必要、家庭部門における都民の協力というものが私は大きいんじゃないかなというぐあいに思うわけでありますが、そこについての認識を確認いたします。

○百合都市地球環境部長 家庭部門におきますCO2の排出量でございますけれども、近年の世帯数の増加ですとか家電製品の大型化によりまして、家庭部門のCO2排出量は増加を続けております。
 また、東京の特性といたしまして、一人当たりのエネルギー使用割合が高い単身者世帯が全国に比べて高い比率を占めていることからも、実効性のある温暖化対策を推進していくためには、家庭部門における対策を強化していくということが重要であるというふうに考えております。

○真木委員 家庭部門に対する対策が必要、つまりは都民の協力が必要だということだと思います。
 その上で、ちょっと前提質問でございますが、今回、なぜ環境確保条例の改正という形で既存の条例の改正という形をとったのかを確認いたします。

○百合都市地球環境部長 現行の環境確保条例は、地球温暖化の防止、また環境への負荷の低減を通じまして、都民の将来世代への良好な環境の継承を図るというようなことを目的としております。また、現在の地球温暖化対策計画書制度ですとか建築物の環境計画書制度、これらの規定もこの環境確保条例に規定をされているというような状況を踏まえまして、今回は既成の条例の改正という形をとらせていただいたわけでございます。

○真木委員 東京都が、温暖化対策を進めていく京都議定書を実効あるものにしていこうと東京都としても取り組みをしていく上で、生活部門、民生というと産業も入ってしまうんだと思いますが、生活部門における--家庭部門ですね、努力というものが非常に必要である、それはすなわち都民の協力が必要だというぐあいに私は思います。
 一般的に、東京都の家庭の比率が大きいということだとかは知ってはいたわけでありますが、表にして、きょう委員会に提出をしていただきました資料の一ページを見て、改めて私も、大変家庭がふえていて、これだけの比率を占めていて、産業部門は減っているということを、一般論としては知っていましたけれども、数字でこうやって見て、改めてきょうの質問の、私自身の質問の意義を確認しているわけでありますが、環境確保条例というのは、温暖化対策のほかに、自動車公害や大気汚染、悪臭、騒音など非常に多岐にわたっております。調べてもらいましたところ、環境局の本庁には二十の課があります。二十の課があるうちの九の課が環境確保条例にかかわっているわけであります。
 この前、陳情請願でペットの火葬というんですか、ペットの焼却に関することは、環境、この委員会にかかりました。環境局が対応いたしました。そこではどこが対応したかといえば環境改善部。環境確保条例にかかわるから--厳格にはかかわらないんですけれども、一番近いのが環境確保条例だったからということでございまして、環境確保条例というと本当に幅が広いんですよね。
 私がこの前、設計士さんと--建築士といわなきゃいけないんですね。建築士さんとお話をしていたところ、新しい建物を建てるにも環境確保条例ということで、私自身も非常にこの環境確保条例というのは広いんだなということを痛感したわけであります。
 そうしますと、今回、この地球環境という問題で東京都が非常にすぐれた先進的な取り組みをなさった、だけれども、環境確保条例ということになっちゃうと、途端に何をやっているのかわからなくなっちゃう。非常に幅が広過ぎちゃって、今回の改正では、大規模事業所のCO2削減やマンション環境性能表示など、とてもよい取り組みをされているのに、その部分がぼやけちゃうんじゃないかなということが、ちょっと私としては残念かなという気がいたしております。
 例えば提案でございます。これは百点から減点されるんじゃなくて、こうすれば百二十点になるんじゃないかなという私の勝手な提案でございますが、東京都京都議定書条例とか東京クールダウン条例とかいうような形で特別に切り離して、そして都民にわかりやすく、東京都は本気で京都議定書条例の六%削減目指してやっているんだよというような姿勢を示すことができたならば、もっともっとアピールできたんじゃないかなという気がいたします。
 今回、もう提案をされております。法技術的な問題もあり、切り離せとは申し上げません。しかしながらそうした、都民に東京都が本気でやっているんだなというのがわかるような工夫、例えばこの条例に愛称をつける、先ほどの京都議定書条例というような愛称にしてしまうとか、ちょっと幅が広過ぎて大胆だと思いますけれども、いずれにしろ、いろいろなアピールの工夫をしていく必要があるというぐあいに思いますが、いかがでございましょうか。

○百合都市地球環境部長 ご指摘のとおり、地球温暖化対策を推進していく中では、都民、それから企業などの協力は不可欠でございます。そういったことで、より制度をわかりやすくということでございますけれども、条例の施行に当たりましては、普及啓発パンフレットの作成ですとか、または制度の説明会の開催、また都民や制度対象者に対しましては、制度の必要性の内容、これらをわかりやすくPR、周知していきたいというふうに考えております。

○真木委員 私は、この仕事を始める前、国会の方で秘書をしておりました。国会ですと、新しい制度を始めたときに法律は新しくつくるということが多いわけでございまして、法律名と制度が一致しているようなことが多い。これがいいのかどうかわかりません、本当に法律が多岐にわたって、先ほど申し上げました、建築士さんが建物を建てるときに何の法律を見ればいいのか、何の条例を見ればいいのかわからない、これはこれでユーザーフレンドリーではないんだというぐあいに思いますが、二十の課のうちのというか、環境局の大半が環境確保条例で仕事をしているということでは、地球温暖化対策という極めて大きな問題もワン・オブ・ゼムでは、ちょっとアピールが弱いんじゃないかなという気がしております。まだまだ地球温暖化対策は二の手、三の手が必要だと思います。その際にはぜひご検討いただきたいというぐあいに要望をしておきます。
 続きまして、今回、この取り組みの中でも非常に私はすぐれた制度だなと、私が今申し上げましたような都民への協力ということを求めていく上で、マンション環境性能表示について、すばらしい提案じゃないかなというぐあいに思っているところでございます。
 マンションを購入しようとする人に、あらかじめマンションの環境性能に関する情報を提供してマンションを選択してもらう、そのことによって地球環境に優しいマンションが普及していくことをねらったという、すばらしいものじゃないかというぐあいに思うわけでありますが、しかしながら、その広告の中で何か表示がしてあっても、何かよくわからないというか、そういうマンションを買おうという気になるような表示でなければ--自分の今後の生活費が安くなるんだな、このマンションを買えば安くなるんだなと思えば買うかもしれませんけれども、何か森林、木何本分がどうのこうのとか難しいことが書いてあってもよくわからない。そういったマンションを普及させていくこの条例の目的を実効性あるものにしていくためには、広告の表示に工夫が必要だというぐあいに考えますが、どのような工夫をなさっているでしょうか。

○百合都市地球環境部長 マンションの環境性能表示の内容につきましては、温暖化対策の強化という視点と、もう一つ、マンション購入者の環境性能に対する高い関心にこたえる、この二つの観点から、具体的には、建物の断熱性、設備の省エネ性、長寿命化、緑、こういった四項目の評価項目としてございます。
 また、表示の方法につきましても、デザインや用語に配慮いたしまして、わかりやすく情報を伝えていくよう努めてまいります。

○真木委員 ただいま建物の断熱性、設備の省エネ性、長寿命化、緑の四項目という形で、この四項目、初めて明らかにしていただいたというぐあいに思います。
 なるほどな、地球環境に優しいということで書いてあっても、何かこっちの方が高い、それじゃあどうしようかということに、一般市民としてはちゅうちょしてしまうわけでありますが、ああ、建物が長寿命化なのか、こっちの方が建物を壊さないで済むということがわかれば、ああ、それは安い買い物だ、今は百万、二百万高くても、将来安い買い物じゃないかということの判断がつくわけでありますし、断熱性も高いというようなことが書いてあれば、そうすれば、ああ、冷暖房費も安く済むかなということがわかる、非常に地球環境に優しい建物を普及させていく上での有効な導入、実効性のある施策だというぐあいに私は理解をしております。
 しかし、これをまたさらに実効性あるものにしていくためには、マンション事業者がその趣旨をしっかりとわかって、そして協力をしてもらうことが必要であります。マンション事業者に対する対策、対応をどのように考えているでしょうか。

○百合都市地球環境部長 マンションの建設、販売等関係事業者に対しましては、五月に説明会を開催し、本制度の周知を図る予定にしてございます。その際、本制度に関する手引を作成し配布するなど、制度の理解を促進してまいりたいと考えております。
 また、各事業者が本制度の趣旨を踏まえた計画を作成できるよう、十分な準備期間を設けるために、条例施行は十月からを予定しております。

○真木委員 私、最初に説明をいただいたときに、十月からということで、十月の広告から出てくるのかと思いまして、今つくっているマンションもいきなりこの基準で判断されるのかなというぐあいに思ったんですが、そうじゃなくて、十月以降につくり始めるものからということでございますので、ああ、それならば十分だなということで、そういったご配慮もされているということを十分理解しました。
 ぜひ実効性あるものにして、都民が何か物を考えていくときに、環境性能というものを常に配慮していくというようなことの一つのさらに運動になればということで、非常にすばらしい案だというぐあいに思います。頑張っていただきたいと思います。
 観点を変えまして、ESCOについてであります。
 私は、昨年十一月だったと思いますが、事務事業質疑の中で、ESCO事業、これは、東京都が京都議定書を守っていこうとする、地球温暖化を考えていく上で、行政でできることとしてESCOをもっともっと導入すべきだろうということを提唱させていただきました。そして、ESCOの積極的な活用を図っていくという答弁をいただきましたが、その結果はどうなったでしょうか。十七年度予算ではどういうことになっておりますでしょうか。

○百合都市地球環境部長 都有施設へのESCO事業につきましては、現在、財務局におきまして、ESCO事業の全体像を示しますESCO推進マスタープランの検討を鋭意進めているところでございます。この検討と並行いたしまして、財務局では、都立広尾病院におけるESCO事業導入に向けた公募作業を進めておりまして、この結果を踏まえて十七年度に工事に着工いたしまして、十八年度から都で初めてのESCO事業が開始される予定になってございます。
 環境局といたしましても、引き続きESCO事業の積極的な活用を図られるように取り組んでまいりたいと思っております。

○真木委員 主管局は財務局ということでございますので、環境局としては命令するということになかなかならないんだとは思うんですけれども、行政として、東京都としてできることの中の非常に重要な一つの大きな施策だというぐあいに私は理解をしております。
 何もESCOは新しい技術というか考え方ではありませんし、既に全国で多くのところがやっていて、民間事業者もそれを実行できる確かな事業者がたくさんあるという中で、何で一つだけなのかなというのが非常に私としては残念でなりません。十七年度からもっと普及するものだと思っておりましたら、一番簡単な病院に一カ所だけというのは、ちょっと取り組みが遅いという気がいたします。ぜひ環境局として財務局のおしりをたたいていただくことを要望しておきたいというぐあいに思います。
 温暖化につきましては、環境確保条例関連、一回終わらせていただきまして、続きまして花粉症についてお尋ねをさせていただきます。
 私は、当選させていただいて、花粉症対策、東京都としても相当取り組んでいるんだろうというぐあいに理解をしておりました。最初は余り関心を持っておりませんでした。決算委員会でいろいろな委員会に質問をさせていただく機会を持ったときに、産業労働局、環境局も対象でございました。そして、当時の健康局、それぞれ質問をさせていただく中で花粉症について勉強していったら、あれっ、余り予算がついてない、取り組み、あれっというような実態がというか、あれというか、ほとんど対策はなされていない。昔の衛生局時代から東京都は、原因不明のアレルギー症状だった、この花粉症が原因不明の病気だったときから取り組みを進め、最初に花粉の飛散量の計測の方法などを衛生局が発明したというような歴史があります。それはそれで高く評価するものの、以降、花粉症を、まず花粉を減らす取り組みはどうしているのかとか、花粉症のメカニズムですとか、そうしたことについての取り組みがほとんどなされていないことに、私は勉強をしてびっくりいたしました。
 そうした中で、環境局に対して、そして産業労働局に対して、それぞれ質問をさせていただき、そして、最後の総括質疑の各局長答弁の質問を民主党を代表してやらせていただくことに、その総括質疑の一カ月前に私はお役をいただきましたので、決まったときにすぐ、環境局、健康局、そして産業労働局の担当課長八人ほど私のところに見えましたけれども、全員一堂に集まっていただきまして、東京都としての花粉症対策を行っていくためには、各局ばらばらではだめなんじゃないか、責任部局、私は企画調整部局をつくるべきじゃないのかということで迫りました。
 そうしましたところ、各局ともに、それぞれがやっているんだからその必要はないですとか、企画調整などということは要らないとか、そういうことで強い強い抵抗がありましたけれども、三回、四回とお集まりをいただく中で、責任部局を決めよう、窓口部局は決めるということで合意をいたしました。
 それから、じゃあその三局で話し合って決めてくれといったところ、残り三週間、その三局が相当激しいやりとりをされたということでございまして、私の総括質疑の前日の二十三時になって携帯電話が鳴って、環境局がやることに決まりましたという、極めて、へえへえいいながらというか、戦い終わってすぐに私のところに報告をいただいたというような、そんな昔の経過がございました。そして、都民の健康と環境を守る立場から、環境局が中心となり、関係局との連携を密にして対応するという環境局長答弁をいただいたところでございます。
 そこで、改めて確認をさせていただきますが、私の質問を受けて、現在、環境局は都の花粉症対策の中でどのような役割を担っているのかを確認いたします。

○大野参事 近年深刻化しております花粉症問題に対しまして、関係各局による連携した取り組みを推進するため、委員のご指摘を踏まえまして、都は、平成十五年一月に庁内の関係局七局で花粉症に関する関係局連絡会を設置いたしました。この連絡会で、関係局の施策に関する情報交換及び調整などを行っておりまして、環境局が事務局として取りまとめを行っております。

○真木委員 私の提案、問題提起を踏まえまして、環境局が今中心となって--私は環境局がやるべきだと申し上げました。ディーゼルに強い体をつくることができないのと同様に、花粉に強い体をつくることはできない、空気の問題として環境局が取り組むべきじゃないのかというようなことで、私は主管局--主管局というと嫌がられるわけでありますが、環境局が中心となれということでお願いをし、現在そのようになりました。
 その環境局が中心となって連絡会を設置したということでございますが、連絡会のこの間の活動について確認をいたします。

○大野参事 この連絡会では、杉花粉シーズンが始まる前に、その年の花粉の飛散予測や対策に関する情報交換、調整などを行いまして、シーズンが終わった後に、その年の飛散状況のまとめと翌年の対策に関する情報交換等を行っております。原則、年二回開催をしているという状況でございます。
 最近では、この二月一日に連絡会を開催いたしまして、ことしの春の杉花粉シーズンに向けました、各局で取り組む対策の取りまとめを行ったところでございます。

○真木委員 私は、主管局を決めろということでお願いをしました。その副産物としてというか、当然の帰結でございますが、主管というか事務調整局が決まって、そのことによって連絡会が開催されるようになったという、大変私としては、後世の歴史にとって、大きな一歩となっているというぐあいに評価していただけるんじゃないかなと思えるところでございます。
 この花粉症対策が各局連絡--しかも七局もの皆さんが集まって連絡調整会議をやっていただいているということは高く評価されるべきだというぐあいに私は思っているところでございますが、しかしながら、一方で発生源対策というものをやっぱり何よりもしていかなければならない課題だというぐあいに思っております。
 発生源対策といえば簡単でございますが、杉を切るということも、これは簡単じゃありません。しかし、このまま手をこまねいていていいわけがありません。私、昨年の六月、本会議でも質問をさせていただきましたが、十年後の杉花粉の飛散量は今よりもずっとふえているというような国の調査もございます。そうした中で、昨年の六月の本会議質問の中においては、私の質問に対して、花粉の飛散量を抑制する方策についても研究していくと答弁をしていただきました。その後の状況はどのようになっているでしょうか。連絡会において何か具体的な取り組みがなされているか、確認をいたします。

○大野参事 林業が低迷します中で、伐採にふさわしい、適齢期に達した杉をすべて伐採することは非常に困難でございます。その一方で、花粉を全くつくらない杉が新たに開発されましたり、また、花粉の多い杉、枝に着目した間伐によりまして花粉の飛散量を抑制するというような取り組みも行われるようになってきております。
 こうした状況を踏まえまして、二月一日の連絡会では、産業労働局から、第一に、花粉の少ない杉の品種の植えかえを進めるための採種園、種をとる園ですけれども、この整備を進める、あるいは苗木の生産補助を行うという取り組み、第二に、花粉の多い杉を重点的に間伐するなど、花粉の抑制に効果的な森林管理手法についても調査研究していく、こうしたことに取り組むという旨の報告がございました。

○真木委員 昨年六月の本会議質問をめぐっては、特に環境局の皆さんにはご迷惑をおかけしながら、他の関係局にも、一カ月強にわたりまして、発生源対策の必要性、また調査の必要性ということについて執拗に、本会議の前、何回も何回も何回も交渉をさせていただきました。その答弁のときには、花粉の飛散量を抑制する方策についていまだ有効な対策が見出せていないという答弁でございましたが、私のその執拗な取り組みを受けて、提案を受けて、都として新たな取り組みに着手されたことを高く評価させていただきたいと思います。
 産業労働局が取り組むようになったというのも、私、二年ほど前、林業審議会に偶然メンバーに入りました。林業審議会に私が所属をしたときには、中間答申ができていて、中間答申の中には花粉症対策という言葉が一言もありませんでした。私は、東京の林業の中で、単に労働者対策ということでは、林業に税金を使うということは理解されないだろう、花粉症対策として林業を位置づけていけば、税金を投入することに都民は反対しないということで、花粉症対策を林業政策の中に入れろということを申し上げたところ、一項、花粉症対策という言葉が入りました。そのことによって、産業労働局は林業政策の一環として花粉症対策に取り組んでいただいて、今こうした発生源対策に前進をしているということについては本当によかったなというぐあいに思うところでございます。
 そうした中で各局に--しかしながら、そうはいっても、前進はしているということで自画自賛はさせていただきますが、予算は非常に少ないという気がいたします。十七年度予算案で各局に計上されている花粉症対策予算、確認をいたします。

○大野参事 関係局に花粉症対策に関します十七年度予算の計上額を確認いたしましたところ、直接的に花粉症対策ということに関しましては、福祉保健局の花粉症対策調査研究費など約九百万円、産業労働局の花粉の少ない杉普及経費が約三百万円、合計で千二百万円となっております。

○真木委員 都民の五人に一人が花粉症だというようなことをいわれております。私は、花粉症はまさに東京プロブレムではないのかということで、昨年、石原都知事にも質問をさせていただきました。財政状況の厳しい中とはいえ、余りにも少ないというぐあいに思います。
 私は、調査研究が必要だということで繰り返し主張させていただいておりますが、産業労働局の方はおよそ説明でわかります。福祉保健局の予算額の内容について、もう一度確認をいたします。

○大野参事 福祉保健局の予算額の主な内訳でございますけれども、花粉の測定や予測等の調査、花粉情報の提供などに関する経費が約八百五十万円、都の花粉症対策検討委員会運営に関する経費がその残りの約五十万円となってございます。

○真木委員 花粉の測定や予測等の調査、花粉情報の提供というとよくわかりませんけれども、要は、保健所の二階、屋上で花粉を計測する費用、また、その結果を載っけている東京都のホームページの運営費と、さらにはテレホンサービスなどの情報提供で八百五十万円、また、四十五万円は検討委員会ということでございますが、来年どの程度花粉が飛ぶのかなということを専門家にお集まりいただく、その検討委員会の費用が四十五万円ということでございます。ということは、調査研究ということについてはほとんど事実上予算がないというのが実態であります。
 私の問題意識の最もまず第一歩、やらなきゃいけないと私が昨年から繰り返し主張させていただいているのは、花粉の増加をこのままにしていていいのかどうか、まずそこからの調査を始めるべきだ、花粉の長期飛散の、いわゆる来年飛ぶか飛ばないかというんじゃなくて、十年後、二十年後、三十年後、東京に飛散する花粉の量はどの程度になるのか、今よりも減っていくというのであれば、三十年後は花粉はもうほとんど飛びませんというのであれば、ほうっておいてもいいかもしれません。だけれども、三十年後はこの倍になりますというんだったらどうなんでしょうか。それとともに、じゃあ倍になったときに人間の体はどうなるんだろうか。そのことを同時に二つの意味で研究していかなければ、対策をすべきかすべきじゃないのかもわからない。
 これ以上ひどくなるということであれば、やはり対策はしなきゃならない。ことしが特別なのかどうか、長期予想はわかりませんということで各局いわれるわけであります。しかし、私が素人目で見ていきますと、確かに山はあるんですけれども、山と谷がだんだんだんだん高くなっているような気がいたします。ことしの異常な--異常なというか、史上最大の花粉の飛散、これは異常事態なのかどうか、それとも、これからもよく起こり得ることなのかどうか、そうしたことをやっぱり調査していかなければ、対策をすべきかどうか、対策にどれだけお金を投入すべきか、そこがわからないわけであります。
 ぜひ調査にお金を注いでいただきたい。十七年度予算はもういいとします。私は、今環境局が、この間ずっと執拗に取り組みを質問をさせていただきまして、真摯に研究をしていただいているというぐあいに理解をしております。事務事業質疑のときはやるよといいながらも時期尚早ということで、この間ずっと、一定で聞くからということで私の質問に用意をしていただいていた中で、連絡会の中でも一定の前進を見ることができたというぐあいに思います。
 十七年度予算はついておりませんけれども、今、何の研究をすればいいのかを研究していただいている段階だというぐあいに私は理解をしておりますが、十八年度には、これは東京都の重点予算とするぐらいの重要性を持って取り組んでいただきたいというぐあいに思います。そのためにも、ぜひ環境局が中心となって関係局に取り組んでいただきたいというように要望いたします。
 今後の花粉症対策に取り組む局長の決意をお伺いしたいと思います。

○平井環境局長 花粉症でございますが、近年、都市部を中心に患者が増加しております。大気汚染との複合汚染あるいは食生活の変化やストレスとの関連なども指摘されるなど幅広の問題でございまして、都民、国民の健康に係る重要な課題と考えております。
 花粉症対策は、大気汚染対策と同様、本来、幅広であり全国民にも関するということで、国が責任を持って取り組むべき課題と考えておりますが、都は、都民の健康と環境を守るという立場から、ディーゼル車規制による大気汚染の改善あるいは森林再生事業、花粉の少ない杉の品種の研究などに取り組んでまいりました。また、十五年一月には関係局による連絡会を設置し、関係局で連携を図りながらの花粉症対策の取り組みを進めてまいったところでございます。
 今後とも、ご指摘の調査研究の必要性について連絡会議において問題提起を行うとともに、ディーゼル車規制や花粉の少ない森づくりなどに取り組むなど、関係局との連携を強化しながら、知恵を出し合いまして、都の花粉症対策の推進に努力してまいりたいと考えております。

○真木委員 ただいま局長から力強い決意をいただいたと理解をいたします。調査研究の必要性についても、連絡会において問題提起をしていただくという力強い、重たいお言葉もいただきました。
 私は、この間、何も当選する前、花粉症に詳しかったわけじゃありませんし、私自身も花粉症は軽症でございます。自分の問題としては大した問題ではないわけでありますけれども、この間、いつの間にか花粉症について随分と取り組むようになりまして、仲間内からは花粉症のオーソリティーだなどといってからかっていただいたり、元祖花粉症だとかいっていただいておりまして、非常にありがたい話でございます。引き続き花粉症については執拗に取り組んでまいりますので、真木の顔を思い浮かべていただいて、花粉症対策をぜひ前進していただくようにお願いをしたいと思います。
 そして、最後に一問、花粉症と絡みまして、また地球温暖化に戻りたいと思いますが、私は、先ほど局長から全国の問題だという、これは極めて当たり前の話でございまして、私も同感であります。
 ただ、花粉症は東京プロブレムの要素も大きいんじゃないかなという気がいたしております。それはディーゼルの問題もいろいろある。だけれども、もう一つは、地面に舞いおりた花粉が、このコンクリートジャングル、アスファルトジャングルの中で地面に吸い込まれない。川も少なくなってきた。地面も少なくなってきた。地面に落ちれば花粉は舞い上がらない。ところが、アスファルトの上ではまた風が吹けば舞い上がるということで、東京においては、遠くから来る、また近くにある杉だけじゃない、いつまでも死なないというんでしょうか、地面に落ち切ってくれない花粉の量がすごくあることによって、東京の花粉がひどくなるんじゃないかなというような私は勝手な予測をしております。
 今環境局として緑を残そうということを強くやっていて、緑被率を上げていく、上げていくというよりも落とさないということ、また、屋上緑化とかでいろいろな取り組みをなされております。しかし、緑被率、緑で覆われている率をふやそうというのは、これは都民一人一人ではすぐできる話じゃありません。
 私は、一方、そんな緑をふやすということよりも、コンクリートで覆い切らない、コンクリートの比率を下げていく、これであれば、自分の駐車場、新しく家を建てるときは、コンクリートで固めるんじゃなくて、なるべく石の駐車場にしていこうとか、今いろいろな透水性のゴムの駐車場とかもあります。そうしたいろいろな工夫が個人でできる。先ほどの温暖化の中で、都民の協力ということを私は問題提起いたしましたけれども、コンクリートで覆わないということであれば、都民の、ああそうか、おれも頑張ってみようというような努力目標になるんじゃないかなという気がいたします。
 その観点からすれば、緑被率という数値だけじゃなくて、例えば、言葉がないので適当に私が思いつくと、コンクリート比率、コンクリートに覆われている率というような数値をつくることによって、都民一人一人が、ああそうかと、なるべく、緑をつくるところまで行かないけれども、コンクリートでは覆わない、コンクリートはなるべくはがしていこう、そのような考えに行くんじゃないのかなという気がいたします。また、そのことによって、地下水、雨が地下にしみ込むというような環境のいい効果もございます。雨水浸透というような点からも望ましいわけであります。
 そうしたためにも、今、言葉はないわけであります、考え方としてないわけでありますけれども、コンクリート比率とかいうような、地表面における人工化比率とでもいうんでしょうか、そのような指標をつくっていくことは、非常に温暖化対策にも、また花粉症対策にも、また雨水浸透、地下水、そうした対策にも有効な指標じゃないかなというぐあいに思うのでありますけれども、環境局の見解を伺います。

○百合都市地球環境部長 土地が建物や舗装道路などによって被覆されている割合、これはいわゆる被覆率と申しますけれども、こういったデータは、現在確かにございます。
 ご指摘のコンクリート比率といったような指標については、確かに今ないわけですけれども、ただ、例えばコンクリートと申しましても、近年、ヒートアイランド対策として、例えば保水性舗装ですとか高反射率塗料なんかの実用化が進んでいるということもありまして、なかなかその指標という意味、価値といいますか意義といいますか、その辺の、新しい概念かと思いますけれども、どういうふうに意義づけしていくのかということにつきましては、ちょっとなかなか難しい問題かなと思いますので、今後研究課題というふうに考えております。

○真木委員 難しい課題があることは承知をしております。ただ、都民一人一人ができる課題の中で、やってみようかと思えるような、そういった数値をあらわしていくということが、とても今後の東京における、特に生活分野における二酸化炭素の排出比率が大きいわけでございますので、そうした都民一人一人ができる指標というものをつくって協力を求めていくというような工夫をぜひお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○林田委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩

   午後三時五分開議

○林田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

○小松委員 それでは、何点かにわたって質疑をさせていただきます。
 まず最初に、私、きょうのお昼、食事をしながらNHKのテレビを聞いていて驚いたんですが、例の、交通局が都バスを二百四十九台、DPF装着をしているもの、これらを返品させるということと同時に、二百三十九台を外郭団体を通じて地方に売却するということを報道しておりました。交通局長は、それに対して、環境のこともあるけれども、地方から要望が多いので有効利用のため売却の手続を行っている、こうコメントされておりました。
 そこで私も、きょう、DPFの質問もしようと思っておりますので、まず最初に局長に伺いたいと思います。いきなり局長さんということで申しわけございませんが、交通局が二百三十九台、そうやって他の地方に売却するということは、石原知事もよくおっしゃっていたのは、大型トラックについて首都圏は排ガス規制があるため、地方に回している、このことを批判しているわけですよ。石原知事の、私なんか、いつもよく意見が合わないわけですけれども、このディーゼルについての排ガス規制、これでは同じ思いでいるわけですけれども、そういうときに、環境局長としてはこのことについてどのように思われるか、所見をまず伺っておきたいと思います。(発言する者あり)いやいや、平井環境局長にお願いしたいと思います。無理ですか。

○平井環境局長 詳細について承知しておりませんので、この場で意見を申し上げることはちょっとできませんので、ご理解願います。

○小松委員 これは詳細についてわからないと。いいですよ。しかし、テレビが放映している二百三十九台、外郭団体を通じて、東京で使っていた都バス、これも三井のDPFをかけていた都バスを、結局は基準に合わないから、もう東京都は、交通局はこれを実際には新車に変えるということでしょう。そして、まだ使えるから、地方から希望があるからとそれを売るわけですけれども、結局、地方では何にもDPFがつかないものを走らせるということですね。規制のない地域なんでしょう。そういうことが環境局としてどうなのか。詳細がわかるわからないではないんじゃないんですか。私がどこかから聞いてきてということではないんです。

○平井環境局長 テレビも見ておりませんし、交通局長からもお話を伺っておりませんので、詳細についてということではございません。

○小松委員 残念ですね。環境局長としてはそういうのは基本的に--これは石原知事のスタンスとはまた全然違うんですよ。それで、環境局としては、環境を東京だけ守ればいい、東京だけよくあればいい、決してそうじゃない、そのぐらいはいってほしかったですね。残念ですけど、そういうことでコメントをいただけなかったということをよく肝にとどめておきたいと思います。
 それでは、DPFのお話を伺いましたので、DPF関係から質疑させていただきますが、前委員会での答弁、おさらいしたり確認しながらですけれども、前委員会で、長崎での測定室、これは国が定める方式ではなかったので、暫定的にと判断をして後日の提出を指示したんだと。そして、それは一月二十七日に報告を受けたという、こういう一連のお話がありましたけれども、この一連の報告、二十七日に受けたんだという、それからずっと--暫定的だったというのは前回の委員会で初めて出たわけですよ。私もびっくりしたんですけれども、この報告をいつお聞きになっていますか。

○月川参事 長崎での試験につきましては、環境科学研究所で試験した装置が低減率が低いということで、その原因を究明するために実施したものでございますので、その数値につきましては、国が定めます方法に必ずしもよらなくてもいいわけですけれども、長崎での試験では、測定室を職員が見まして、これにつきましては改めて測定をするようにということを指示したわけです。
 この暫定的な数値につきましては、出張目的を報告する際に、そのような数値で内容を説明しております。また、そのほか、その後、後日報告がありました数値については、現在、いつ、どのような形で報告がされたかということでは明確ではございませんけれども、その報告をされた際に、車両に対して三井物産が長崎での試験を踏まえまして改善策を講じるということでの報告がなされたことから、その数値を受けまして計画的な改善をするよう、三井物産に指示したところでございます。

○小松委員 どうもいつもはっきりしないんですよね。長崎で指示をした、十六日に指示をしたんだと。それは現場判断でやられたわけですね。そして、その指示された中身が一月二十七日に報告として届いたということ、これを、いつですよ、いつだけでいいです。いつ報告を受けていますか。

○月川参事 後日測定した値につきましては、三井物産から一月二十七日に報告があったというふうに聞いておりますけれども(小松委員「それがいつ」と呼ぶ)これにつきましては、いつ、どのような形で報告されたかにつきましては明確ではございません。

○小松委員 いつ報告を受けたか明確ではないと。不思議な局ですね、環境局というのは。
 それでは、これ以上聞いてもいつかわからないというのでしたら、ここに私、出張復命書というのを手に入れております。この出張復命書というのは十五年一月二十日となっております。これは、出張の年月日が一月十六日から十八日まで、出張用務は東京都指定粒子状物質減少装置の性能試験立ち会いと。出張先、プライベートなところは黒でやってありますけれども、長崎市だと。報告事項としては、東京都指定粒子状物質減少装置の走行耐久後の性能確認試験の立ち会い試験を実施したということで、その中身が、試験装置及び確認試験内容ということで、エンジン何々、試験モード何々、燃料は何々、粒子状物質減少装置何々、粒子状物質濃度の確認、マイクロトンネル法によるてんびん法というようなことでずっと書いてある。これしか書いてないんですよ。復命書というのは、これ一枚ですか。

○月川参事 出張に際しまして、文書による復命は定められた書式によることにされております。今回の復命はこの書式に従って行われたものでございます。

○小松委員 この復命書は、情報公開でもきちっと出てくるのはこれだけなんですけれども、今申し上げましたように、試験をする装置の中身、やった中身だけしか書いてない。目的は、先ほどからおっしゃっておりますように、長崎でその性能をきちんと試験するんだという目的、だったら復命書というのは、その目的に従って、帰ってきたら、実際にはどうだったのか、その成果、数字、そういうものは全然なくて、単なる何したかにした、はい終わり。子どもの報告ではあるまいし、これをそのまま受けて、そしてこれが復命ということは、これはほかの出張でもそうですか。

○梶原総務部長 復命書の書式についてのお尋ねと存じますが、出張に際しまして、出張者が服務上行う文書による報告は所定の書式がございます。これは服務上の手続でございまして、報告事項について、業務の具体的な記載項目までは定められておりません。

○小松委員 ということは、この中身は、実際に成果、結果、そういうものはここに書かなくてもよい、何をしたかだけでよいということですか。

○梶原総務部長 ただいま申し上げましたように、これはあくまで服務上の手続でございまして、具体的な記載項目までは定められておりません。この余に、口頭その他の方法によりまして業務上の報告を行うことを何ら妨げているものではございません。

○小松委員 そうしますと、ただ、今回は、四〇%しかなかった、これが一体どうなのかという、その性能を確かめに行く、それから一体何でこんなになったのか原因を確かめる。しかし、その結果がどうであったかということは、そのときに報告を受けてないわけですか。

○月川参事 長崎の試験につきましては、書式によります報告とともに、口頭で、結果については報告を受けております。

○小松委員 その報告を受けたときには、まだ、三井にこういう指示をしたんだよという、向こうの実際のてんびん室ですか、そこが十分でなかったために暫定的なものにしたんだよという、そういう報告は受けなかったということですか。

○月川参事 報告を受けたときには、暫定的な数値での長崎での試験でございますので、暫定的な値によりましての試験内容を、口頭で報告しているということでございます。

○小松委員 そうしますと、そこで国の基準を満たしたところでの審査の確認も何もしてないということですね。そういうことですね。

○月川参事 長崎での試験の目的といたしましては、PMの減少率が大きく低下していたということで、この原因を究明することが大きな目的でございました。その際に、必ずしも、先ほど申し上げましたように、国の定めた方法によることを求めるものではございません。
 そういう意味で、現地で職員も、暫定的な値で原因の究明、改善策の検討を行ったところでございます。そういう意味から、暫定的な値での結果を報告したということで、その報告を受けて、その方向で改善を図るということで報告を受けたものでございます。

○小松委員 これだけやっても何十分と時間が欲しいので、ちょっと飛ばしますけれども、大変重要なことだと思うんですね。重要なことなのに、指定審査会に報告はしてなかったということが前回いわれているわけですけれども、なぜ指定審査会には報告しなかったんでしょうか。報告するに値しないと思ったんでしょうか。それとも、都の担当、所管だけで判断すればよいと思ったんでしょうか。

○月川参事 指定審査会は、PM減少装置の指定、その装置の変更、また取り消しに関します事項を審査して、意見を付しまして知事に報告するということが、指定要綱、またこの審査会の設置要綱に定められております。その審査に関連する資料につきましては、事務局の方で審査会に報告をしているところでございます。
 これに対しまして、指定した装置でなく、使用過程にある装置につきましては、都がその状況を十分把握した上で、都みずからが適切な対応をとることを基本といたしております。
 環境科学研究所での今回の試験につきましては、指定後の装置の性能が維持されているのかということを確認するために、都の事業として実施したものであり、その後の長崎での試験でも、ディーゼル車規制の実効性を確保するために、原因の究明、改善策の検討を行ったものであり、都の判断として、審査会には報告してございません。

○小松委員 そのことがやはり今回ここまで来てしまったんですね。指定審査会にもし報告していれば、指定審査会の中で必ずそういう意見が出てきて、おやっというところで、みんなで、専門家が話し合えばまた違うと思うし、指定審査会という制度があるという、やはりそこが大事なのではないか。
 ですから、そういう意味では、都が決めた指定審査会に報告もしない、そしてまた判断も仰いでいかない、都が判断していく、こういう形をとってきたということで、これからもこういう形をとられていくんですか。指定審査会の制度の位置づけというのを、もう一回きちっとお伺いしたいと思います。

○月川参事 先ほど申し上げましたように、要綱に定める審査会が行う審査につきましては、装置にかかわる指定、変更、取り消しになっております。これを必ず資料として整理して報告するわけですけれども、これに対しまして、使用過程にある装置について、あるいは指定に関連する事項につきましては、都の判断あるいは行政の判断によりまして審査会への報告をすることで、これまでも、引き続きその方向で実施していきたいというふうに考えております。

○小松委員 繰り返しませんけれども、今の一連の経過からしても、もちろん元凶は三井であるにしても、都にもやはり重大なミスや責任があるかというふうに思うんですけれども、この都の責任をどういうふうにお考えになっていますか。

○大野参事 昨年の十二月二十四日に三井物産が今回の偽造データの調査報告をしておりますけれども、その中でも、長崎での偽造につきましては、前日から入念に準備したという極めて悪質なものであるということが明らかになっております。三井物産自身が、都の立ち会い時には、立ち会い者の目をかすめて、かなり目立たないように巧妙に改ざんした、むしろ都の人は被害者といえるというふうに認めております。
 この三井物産の手口の巧妙さを考慮いたしますと、あくまで責められるべきは三井物産の行為の悪質さにあるというふうに認識しております。

○小松委員 これで終わろうと思ったんだけれども、今そういう答えを得ますと、ちっとも反省してないというふうに思うんですね。実際に、だって長崎で、大体が全然てんびん室でもないような、行けば、いや、二階は更衣室で貸したんだよというようなところをてんびん室としてかたり、そしてそこでの数値をもって、これが正しいと思うはずがないじゃありませんか。それを--現場の職員のせいだけにはしません。結局、復命書でもこういう形でしか出てこない、それで結局また二十七日に受け取る、そのときにも、いつ、どこで、だれがやったのかというのもわかっていない、その一連の中で、都の三井先にありきという、そういうものがあるから、とっと、とっとと来ちゃうんでしょう。
 私、去年の委員会のときに、ピュアースの副社長と、それからコモテックの社長だったかな、その会話を読み上げましたよね。それで、コモテックは本当に大変だったと。何回も何回もという中で、ピュアースの副社長が、今でこそこの主犯だと思うんですけれども、一カ月一生懸命やったと思ったら、全部パソコンのデータが消えちゃった、そんなこともあったなんていうのを語っている。
 だから、そういうように、今申し上げたように、確かに元凶は三井なのはわかっていますよ。しかし、そこにやはり三井先にありきというようなことが、三井にこれをさせ、東京都がこういう結果を生み出してしまったという責任、大きいんじゃないんですか--と私は思うわけです。
 そういう意味では、今でも都内では三井の欠陥DPFを装置したままのバスやトラックが走り続けているわけですよ、間に合わないから。この三井の欠陥DPF装置車が、一刻も早く基準に合致したDPFの装置車として走行を望むものであり、都としてもそのための努力をすべきと同時に責任の重さ、もう一回しっかりと受けとめて、二度とこのようなことのないよう求めて、これについては次に進みたいと思います。
   〔大野参事発言を求む〕

○小松委員 いや、もう答えなくていいですよ。次に進みます。

○林田委員長 大野参事。

○小松委員 いや、まだ私、次しゃべってるんだけれどもな。(「聞けばいいじゃないの、聞いているんだから」と呼ぶ者あり)そうするとまた長くなっちゃうよ。九十分で終わらなくなっちゃうよ。

○大野参事 先ほど委員の方から、私どものディーゼル車規制には三井物産ありきというふうにおっしゃいましたけれども、私ども、ディーゼル車規制の実施に向けまして、さまざまな自動車メーカー、装置メーカーに開発要請いたしまして、それらのDPFにつきましても、先行装着でございますとか都バスでの実験等をいたしました。決して、私どもの規制につきましては三井物産ありきということは全くございませんので、まずその点についてはご了解願いたいと思います。
 それから、今お話もございましたけれども、私どもといたしましては、被害をこうむったユーザーにつきましては、今後とも、三井物産が発表しました対応策を厳格に実施するように、厳しく監視をしてまいります。
 それから同時に、さきの委員会でもご報告しましたとおり、都は二度とこのような不正行為を許さないように再発防止策を発表しておりまして、今後、DPFの指定に当たりましては、環境科学研究所の性能確認を行うなど、再発防止策を実施してまいります。
 こうした措置を厳格に実行することによりまして、環境局に課せられました重大な責務を確実に果たしてまいります。

○小松委員 もういいわけは結構ですよ。とにかく責任を重く感じてほしいということと、今後このようなことがないように、きょうはもっとほかのことがたくさんありますので、これ以上聞きませんが、本当に三井だけだったのかという心配だってあるんですよ、本当いって。その後、今やっているというけれども、そういう心配を私はしているということも頭にとめておいていただきたいと思いますね。二度とこういうことがないようにということを強く申し上げて、次に進みたいというふうに思います。
 次は、いわゆる京都議定書が、二月十六日でしたね、発効され、一カ月たった今でのこの条例の問題です。
 京都議定書などという難しい言葉が、今国民の会話にも自然に入ってくると同時に、マスコミなどではこれほど温暖化問題が取りざたされたこともないと思います。省エネ感情というのが非常に国民の中にも定着しつつあるという、こういうときだからこそ、行政としての都の施策のあり方、問われてくると思いますので、そこで伺いたいと思います。
 まず、国の発表によれば、二〇〇二年度の国内の温暖化ガス排出量は十三億三千百万トン、約八割を主に企業が排出しているとしておりますが、このうち、企業が集中する東京における直近の温暖化ガス排出量はどのぐらい、その中で占める企業の割合というのは、一番直近ではいかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 企業の占める割合でございますけれども、都においては約七割となっております。

○小松委員 国全体では四割が企業の排出量といわれておりますが、都内では七割と。そして、先ほど出していただきました資料を見ますと、部門別排出量があるわけです、二ページに。これで見ますと、産業が減っているのに対し、家庭、業務、運輸、これらが非常にふえて、特に業務に対しては、これから見ますと約一・四倍にふえているということで、全体の三割以上を占めるということで、この業務部門というのが大きな問題になると思うんです。
 そういう中で、今回、目標数値というのが条例の中には見られない。大切なのは、何%削減できるのか、するのかであって、都全体として、各部門別の目標数値、これをどう設置していくかではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 都内全体の削減目標でございますけれども、都といたしましては、平成十四年一月に策定をいたしました環境基本計画におきまして、二〇一〇年度における東京都の温室効果ガスの排出量を、九〇年度比で六%削減という目標を掲げてございます。
 地球温暖化対策は、温室効果ガスの削減に向けて、具体的な実効性ある対策をさまざまな分野で幅広く進めていく必要があり、今回は、実効性ある対策として、地球温暖化対策計画書制度などの四つの制度の強化、創設を提案したところでございます。

○小松委員 六%、本当にこれはできるのかとお聞きしたいんですけれども、条例に入れているということでは、京都市の地球温暖化対策条例で、当面の目標として、平成二十二年までに平成二年の九〇%に削減することを目標とすると明記しているわけです。今回は、今からこれを出せといったって、今ここで実際にはないものが出てきたわけで、私は、今回、この条例は、今までよりもよしと評価するところは多いです。しかし、残念なことに目標数値がなかったということはしっかりと申し上げておきたいと思うし、そのことがないと、やはり実際には進んでいかない、これを申し上げたいと思います。
 これまでは事業者の任意な目標設定などを求めてきているわけですが、しかし、それでも条例には、任意なものによる目標設定や計画提出など、実際に明記されていたわけです。今までの条例の中に--現条例ですね、ここにおける数値、これを具体的に幾つか挙げていただいて、例えば、知事提出の数だとか実際の実態、それからまた、公表しなかったときの勧告などというのも一応書かれてはいるんですけれども、そういうことがあったのかどうか。一連の実態、現況を教えていただきたいと思います。

○百合都市地球環境部長 現行制度についてのお尋ねかと思いますけれども、平成十六年十二月末現在で、地球温暖化対策計画書でございますけれども、この提出件数が九百一件となっております。また、勧告という制度、確かに現行制度もございます。ただ、実績は現在のところございません。
 現行制度につきましては、評価ということに当たろうかと思いますが、ご指摘のとおり、任意の事業者の目標設定ということでございまして、特段の都の指導があったわけではないというようなこともございまして、目標としては、平均三年間で二%の削減目標となっております。

○小松委員 任意ということでは、三年間で二%ということだし、勧告も、それにしてはなかった。だからこそ今回、きちっと義務化ということでも出てきたんでしょうけれども、それでは、今回、制度強化をしたという二つの制度の内容について伺うわけですけれども、その一つ、地球温暖化対策計画書について、ここには都の指導助言が規定されているわけです。今おっしゃったように、都の指導助言が、任意で、きちっとされていなかったということですけれども、これからはどのような形でなされていくんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回の制度では、より高いCO2削減に向けまして、計画立案時の指導助言、さらには対策実施期間中の指導助言といったことで、都が積極的に関与していくという仕組みになってございます。
 具体的にというお話ですけれども、計画策定に当たりましては、都が削減対策メニューをお示ししますとともに、エネルギーや設備の管理状況を自己点検することができる省エネチェックシートなどを提供して、事業者の実態に即した指導助言という形で計画立案を支援していくというようなことでございます。

○小松委員 わかりました。
 また一方、都による評価公表の仕組みを規定しているわけですけれども、著しく取り組みが不十分な場合の調査勧告が計画終了時のみということになっておりまして、中間年では指導助言だけです。大事なのは、中間年で、いや、その以前でも、著しく取り組みが不十分な場合、このときには調査勧告が必要なのではないでしょうか。

○百合都市地球環境部長 この制度、トータルでは五年間で削減していくという制度になっております。ただ、ご指摘のとおり、三年目に中間報告書という形で提出を義務づけております。その場合に一定の指導助言もするということになってございますけれども、中間年におきましても、正当な理由なく指導助言に従わないという場合には勧告もできるという制度になってございます。

○小松委員 勧告もできるということでは、今までのように、実際に制度はあっても実体がないということではなく、必要ならばやるということでは発揮していただきたいと思います。
 その意味では、京都市の条例では、第二十六条の二項に、勧告を受けた者が正当な理由がなくて当該勧告に従わないときは、その旨及びその内容を公表することができる、このようにうたっているわけです。
 都の場合はここまで書かれていないわけですけれども、京都の条例の所見、そして、都も公表すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回の新たな都の制度におきまして、公表という制度がございます。例えば、計画書の未提出、未公表、そういったときには公表ということも明記してございますし、さらに、今回、制度で新しく指針というような形で対策をお示しするわけですけれども、そういった指針に照らしまして対策の推進が著しく不十分というような場合には、勧告の上、さらに勧告に従わないというようなケースについては公表というところまでの制度はございます。

○小松委員 その辺をしっかりやっていただかないと、残念なことに、今の中では、削減を目指すということでは大変厳しいと思われます。
 次に、対象事業所を公共部門の事業所にまで拡大したわけで、これは大変評価できるわけですけれども、対象規模、すなわち燃料、熱の年間使用量千五百キロリットル、または電気の使用量六百万キロワット以上ということになりますけれども、こういわれても、私なんかは素人でぴんとこないんです。大体これは従業員がこのぐらいのところとか、例えば、ちなみに一番幼稚な形で聞けば、都庁の熱及び電気使用量、年間どのぐらいになるのか、その辺をお伺いいたします。

○百合都市地球環境部長 今回対象になる事業所は、年間千五百キロリットルないしは六百万キロワットアワー以上という消費をしている事業所ですけれども、お尋ねの都庁舎ですけれども、電気につきましては五千二百三十六万キロワットアワーということです。それから燃料ですけれども、都庁の場合は、地域冷暖房を利用していますために直接の消費はしてございませんけれども、地冷を使ったエネルギー量を原油に換算いたしますと、二千八百五十八キロリットルという試算がございます。

○小松委員 東京都って大きいんですね。そうしますと、区市町村でも対象になるところがあると思うんですけれども、大体、二十三区二十六市、どこの市ということでなく、どのぐらいが対象に入るんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回の新たな制度では従来なかった公共施設も対象とするということでございますけれども、区市に限って申しますと、現在把握しているところでは、約二十事業所程度が対象になるだろうというふうに考えております。

○小松委員 二十というと、区と都では大分違うので、区で何区、多摩で何市というふうにわかりませんか。

○百合都市地球環境部長 内訳につきましては、今手元に資料がございませんけれども、公共施設という大きな概念でとらえますと、大体、国、都、区市町村、そういった事業所を全部含めまして、都内の事業所の中で約二百事業所程度が公共セクターの事業所として対象になります。

○小松委員 こんなのをお聞きしたのは、現実的に、大体区市町村がこれぐらいある中で、これぐらいの数字だとということで思ったわけですけれども、二十というと意外に少ないのかなと。やっぱり区内が中心なのかな、あとは大きな多摩での市かなという感じもしますけれども、後ほどまた聞かせていただきたいと思いますが、対象規模を設定した根拠、千五百と六百万キロワット、これは何が算出根拠でしょうか。

○百合都市地球環境部長 制度の対象でございますけれども、環境負荷、これを考慮いたしまして、CO2排出量の大きさに応じた応分の取り組みを求めるということを基本的な考え方といたしまして、現行制度の対象範囲であります省エネ法の第一種並びに第二種のエネルギー管理指定工場のデータをもとに定めたということでございます。

○小松委員 わかりました。
 それでは、もう一つの制度強化、建築物環境計画書にヒートアイランド対策を追加して、環境性能の表示を義務づける、こういうことにしたことを評価するわけですけれども、ここで、延べ床面積一万平米以上、マンションでいえば百戸ぐらいということなんですけれども、この根拠は何でしょう。と申しますのは、省エネ法の改正では二千平米ということもありますので、伺っておきたいと思います。

○百合都市地球環境部長 建築物計画書制度の対象規模でございますけれども、東京の地域特性ということも踏まえまして、環境への影響の大きい大規模建築物の環境配慮設計の促進を目的といたしまして、一万平方メートル超という数字を出しております。

○小松委員 何も国に全部従うことはないわけですけれども、省エネ法では二千という数字も出ておりますので、この対象をもっと拡大すべきと思われますが、次回のときに拡大していく方向というのは考えられるんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 この制度の対象規模につきましては、昨年五月、東京都環境審議会の答申におきまして、中長期的な視点で検討すべきと提言されており、今後、この提言の趣旨を踏まえまして検討してまいります。

○小松委員 なぜそんなことを申しましたかというと、一万平米以下または百戸以下のマンションというのは意外に多いんですね。それらにも、十戸、二十戸とまではいわなくても、そうすると今度は九十八戸とか九十九戸とかというんじゃなくて、みんなが積極的に取り組めるようにするという意味でも、ぜひ対象拡大はしていっていただきたいと思います。
 それから、新たに創設しました二つの制度があるわけです。それも評価するわけですけれども、省エネラベリング制度、先ほども出ておりましたけれども、テレビの対象をブラウン管のみとしたのはなぜでしょうか。これからは、テレビは液晶だとかプラズマなどになっていく中なので、お聞きしたいと思います。

○百合都市地球環境部長 今回の都の省エネラベル制度でございますけれども、先ほどちょっと触れましたが、省エネ法に定める省エネ基準、これに基づいて、どれほど省エネ基準を達成しているかというような形での相対評価を実施いたします。
 したがって、液晶、プラズマにつきましては、今のところ省エネ基準が定められていないという状況もございまして、対象としてございませんが、現在国の方では、液晶、プラズマの基準作成を進めているということもございますので、国の基準作成を受けて、今後、液晶、プラズマについても対象に加えていきたいというふうに考えております。

○小松委員 わかりました。
 それでは、次は、企業などとの連携プロジェクトとして、まず環境金融プロジェクトなんですが、金融機関に対し環境に配慮した行動の実践を求めておるわけで、これは非常によいことと思うんですけれども、具体的にはどういうことなんでしょう。そしてまた、企業の環境対策を推し進めるという金融商品、これらについても具体でお答え願いたいと思います。

○大野参事 近年、企業の社会的責任が高まる中にありまして、国内金融機関によりまして、自主的な取り組みといたしまして、例えば、企業の環境への取り組みを評価いたしまして、取り組みの高さに応じて有利な融資を行うといったような、企業や個人の環境配慮行動を金融面でサポートする、特徴ある金融商品が創設されております。このプロジェクトは、こうした取り組みをさらに拡大するということを目指したものでございます。

○小松委員 また、もう一つ、環境物流プロジェクト、これは新しいものではなくて、今までもやられていたんですけれども、この進捗状況、また都のやっている評価というのはどうでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 ただいまの環境物流プロジェクトでございますが、これは、民間企業などと連携いたしまして、共同配送など、物流の効率化を図り、都市部に集中する交通量を削減することによって温暖化対策を進めるものでございます。
 このプロジェクトの一つといたしまして、昨年十一月、関東百貨店協会が共同配送の推進を表明しておりまして、現在、共同配送に取り組む百貨店は都内七店舗、首都圏全体で十店舗まで拡大しております。
 実施した店舗では納品する車両が半減いたしまして、周辺道路にあふれていた貨物車による渋滞が著しく改善されたというふうに聞いております。

○小松委員 そういう意味では大いに進めていただきたいと思いますが、温暖化防止には、省エネに加えまして、CO2を排出しない再生可能エネルギーの普及拡大、これが大変大切だと思うんですけれども、これをどう具体化していくかということを一つ伺いたいと思います。

○百合都市地球環境部長 再生可能エネルギーの普及でございますけれども、これまで再生可能エネルギーの率先導入事業といたしまして、都といたしましては、都議会屋上に太陽光発電施設の設置ですとか、ないしは民間との共同で臨海部に風力発電施設の設置などをしてまいりました。
 今回の条例改正案では、電力供給事業者にエネルギー環境計画の作成と公表を義務づけまして、再生可能エネルギーの導入を誘導していくこととしてございます。今後とも、再生可能エネルギーの利用拡大については幅広く検討してまいります。

○小松委員 来年度、再生可能エネルギー普及プロジェクトとして調査を行うということをいっていますけれども、この調査というのは何なんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 来年度実施いたします調査ですけれども、風力発電やバイオマス発電など、再生可能エネルギーの民間主体による広範な導入を進めるために、都内の導入実態また導入可能性等を調査いたしまして、東京の地域特性を踏まえた導入促進の仕組みづくりを検討してまいります。

○小松委員 エネルギー政策そのものの見直しも考えていっていただきたいということで、要は議定書が求めます、一九九〇年比、二〇一〇年にCO2の六%削減ができるかどうかということであるわけで、現時点で東京は既に増加分が一五・五%ですか、合わせますと二一・五%の削減が求められるわけですけれども、この中で、私も申し上げた、削減目標を設定すべきだとか削減を義務づける、そういった中で、それがいまいち今回のでは不十分だという中で、本当にこれで達成できるのか、その辺、最後に伺っておきたいと思います。

○百合都市地球環境部長 先ほどもちょっと触れましたけれども、地球温暖化対策は、非常に幅広く、実効性ある対策をさまざまな分野で進めていかなければいけないというふうに考えております。
 今回、条例案としては、条例の制度として四つの制度の強化、創設ということで提案をさせていただいておりますけれども、これにとどまらず、さらにさまざまな対策を幅広く実施していくことが必要であるというふうに思っております。

○小松委員 やはり相当厳しいということを皆さんもお感じいただいていると思いますけれども、要は、これはこれからが本当の出発でありますので、ぜひ環境局挙げてということではお願いしておきたいと思います。
 きょうはこの程度にしまして、次、指定管理者制度について伺います。
 先ほどいろいろと明らかになっておりますので、それらを踏まえまして質疑を続けていきたいと思うんですが、都民の森というのは屋外施設であるわけです。典型的なお天気影響施設であるわけです。昨年のように非常にいろいろな災害があったりすると、頑張れよ、もうけろよといっても大変難しくなったり、先ほども出ましたように、大雨により道路が遮断されたりということで、経営の努力ということもいいんだけれども、非常にこれはそういう点で難しい、その辺で今までどうされてきたのか、どう考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

○福島自然環境部長 都民の森など環境局が所管いたします五施設は、公の施設として公費を使って都民の利用に供している施設でございます。したがいまして、管理受託者には当然ながら、継続的な創意工夫や経営努力によりまして、経営の効率化と都民サービスの向上を図るということを求めております。

○小松委員 先ほどの質疑、答弁を伺っておりますと、これらの施設が山間、島しょに立地をしているということと、施設の設置目的を達成していくためには、地元自治体や地域住民と連携していくことが重要なんだということで、特命の問題も出されましたけれども、私は指定管理者制度そのものには反対です。しかし、実際に行われていく中では、今ある町、村、そこは大事にしていただきたいということですが、どちらになるにせよ、結局、なぜ反対かというと、委託費は下げることになるんじゃないですかということなんです。

○福島自然環境部長 委託費の問題でございますけれども、運営委託先がどこでありましても、経営の効率化とサービスの向上は求められている問題でございます。指定管理者制度の導入に当たりましては、こうした観点から業務内容をきめ細かに精査いたしまして、運営委託費については適切な額を措置してまいります。

○小松委員 経営の効率化とサービスの向上が求められる。このサービスの向上ということを求めるときには、必ずつながっていくのは人件費の問題とか管理運営費の問題と、お金にかかわってくるんです。金を全然出さないでボランティアで全部やれよといったって、それは無理な話であって(「そんなこといってないよ」と呼ぶ者あり)それをだから、今いうわけじゃない。
 特に、奥多摩町とか檜原村、大島もそうですけれども、町や村の職員が、人件費、これがちゃんと張りついているわけです。これが管理委託になることによって、町や村にそのまま委託されるのは、民間に行くよりは、私は、町や村を守る、今もう実際の観光になっておりますから、それは必要なことかなというふうに思うんですけれども、管理費が大きく引き下がるということ、これはやっぱり気をつけていただき、その辺では、特に人件費など、直接関連していく問題でもありますので、ぜひこの辺は十分見ていただいて、進めていただきたいというふうに思います。
 先ほど大分出されておりますので、だからこそ私は、指定管理者制度というのは必ず、サービス向上といったって、職員の人件費などが削減されていくんじゃないの、実際は、具体的にはサービス向上ということにはならないんじゃないのという、その心配から反対するということを申し上げていきたいと思います。
 次は横田基地の航空機騒音対策についてなんですが、横田基地の航空機騒音問題、これは住民の生活環境に大変大きく影響を与えているわけですけれども、このたび、横田基地の住宅防音工事助成対象区域の見直し、いわゆる地域コンターの見直しが行われるということですが、長年基地周辺で生活している住民にとりましては、航空機騒音の実態、これは改善されていないというのが正直な気持ちだと思うんです。
 そこで、このたびの見直し、これは、昭和五十九年に告示された区域が大幅に縮小されるのではないか、このように伺っているわけですけれども、航空機騒音コンター含めて、具体的にはどのような内容になるのか、お聞かせください。

○梶原環境改善部長 住宅防音工事の助成につきましては、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律がございまして、これに基づきまして国が行うものであります。現時点で国より、航空機騒音コンターを含め、具体的なものは私どもには示されておりません。

○小松委員 今回の見直しに当たっては、具体的な資料がまだ国から示されていないということですが、イメージ図というのは実際に来ているわけですけれども、これがきちっとなされたときには直ちにまた教えていただきたいとしましても、環境局が横田基地周辺で航空機の騒音の調査を実施していると思うんですが、これはどのような調査を行っているんでしょうか。

○梶原環境改善部長 航空機騒音を年間を通じまして二十四時間測定する固定調査を、昭和四十八年から滑走路延長線上にあります昭島市と瑞穂町で開始し、平成七年から、基地の東西にあります福生市及び武蔵村山市でも開始しました。また、騒音の影響範囲の広がりを把握するため、測定を二週間行う分布調査を現在十二地点で行っております。

○小松委員 この都の調査というのが非常に精査されている、国よりいいんだという評価があるんです。そういう意味では、今後もしっかり調査はしていただきたいというふうに思うんですけれども、最近の横田基地の航空機騒音の調査結果、これはどのようになっているんでしょうか。

○梶原環境改善部長 平成十五年度の調査結果によりますと、固定調査地点四地点のうち、滑走路延長線上にあります昭島市と瑞穂町の二地点で環境基準を超過しております。また、分布調査十二地点のうち、滑走路延長線上にあります八王子市、昭島市、立川市、瑞穂町の四地点で環境基準を超過しております。

○小松委員 確かに、瑞穂町、いわゆる滑走路から上がっていく下ですね、滑走路上の。もう本当にこれはひどいですね。私たちじゃ考えられないような、七五でもそうですけれども、八〇、八五というような騒音になりますと、本当にひどいわけです。こうした何地点かで環境基準を超えている実態があるわけですけれども、この調査結果に基づいて国などへの要請を行っているというふうに聞きますけれども、具体的にはどのような要請を行っているんでしょうか。

○梶原環境改善部長 毎年、調査結果に基づきまして、米軍横田基地司令官に対しまして、騒音低減や情報提供等について直接要請しております。また、国に対しまして、住宅防音工事対象区域や対象施設の拡大を含め、航空機騒音防止対策の推進を要請しております。

○小松委員 今回の住宅防音工事助成対象区域の見直しについては、まだ具体的な資料が国から示されないということですが、国への要請を継続してもらいたいと思いますと同時に、知事本局や当該市町村との連携をより一層強め、適切に対処してもらいたいというふうに思います。
 新横田基地公害訴訟の二〇〇二年の一審の判決、これにおきましても、また最高裁も常に被害は認めているわけです。だからこそ、この防音工事が行われているということもありまして、今回うわさに聞く、地域コンターで、防音工事、地域が半分に減っちゃうなどということがないように、実際には、七五じゃなくて、これを七〇にする、そういう要求もしていっていただきたいということを求めまして、次に参りたいと思います。
 次は、武蔵村山市と立川市の一部に位置します日産自動車村山工場跡地、約十三万七千平米に計画されておりますダイヤモンドシティ立川・武蔵村山SC建設事業計画、これは、敷地面積でも、商業施設の床面積でも、駐車場の規模においても、都内では前例を見ない大規模なものになっているわけですが、今この手続が進んできておるわけですけれども、この進捗状況はどのようになっているんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 仮称ダイヤモンドシティ立川・武蔵村山ショッピングセンター建設事業のアセス手続の進捗状況でございますけれども、平成十七年一月四日に調査計画書を受理いたしまして、公示縦覧に供した後、都民及び武蔵村山市長と立川市長から意見が提出されております。それらを踏まえ、二月二十八日の環境評価審議会におきまして答申が出され、知事の審査意見書を三月四日に事業者に交付したところでございます。

○小松委員 この仮称ダイヤモンドシティ立川・武蔵村山SC建設事業というのは、立川断層に接するところに立地するとされております。審議会の二月総会で、調査計画書で評価項目の選定を審議されているわけですが、地盤が予測、評価の対象となっていないんです。住民の不安に対して安全性を明確にするためにも対象とすべきではないでしょうか。

○百合都市地球環境部長 環境アセスメントは、対象となる施設の工事中及び供用に際しまして、周辺環境への影響を予測、評価の対象としてございます。ご指摘の地盤につきましては、地盤の沈下、変形などを対象としておりますけれども、当該施設の建設につきましては、そのような影響を周辺に与えるものではないために対象外となっております。

○小松委員 しかし、現にその施設を利用する住民の安全対策としましては、アセスメントはこのようなことも評価項目とすべきではないんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 環境アセスメント条例におきましては、対象事業の実施が環境に及ぼす影響につきまして調査、予測、評価を行うこととしております。防災等の面からの予測、評価は行うことにはなってございません。

○小松委員 それは今後の中での一つの課題として申し上げておきたいと思います。
 それと、今回はダイヤモンドシティの環境アセスなんですが、その隣には日産カレスト、そしてまた、その南側にはわらべやというような大規模事業が集中するんですけれども、アセスからいきますと、それぞれが一つずつ環境アセスをするということで、近隣する事業を一体として広域的、複合的に見ることができない、これが今のアセスの弱点だというふうに思うんですけれども、広域的、複合的にアセスを実施することが必要ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 現在の環境アセスメント制度は、その対象事業を計画する事業者みずからが、その事業実施時の環境への影響を予測、評価し、環境保全措置を行うものでございます。
 事業段階のアセスメントにつきましては、原則個々の事業者の責任において行うものでございまして、対象事業が近接して行われる場合でございましても、事業者や事業計画策定時期の違いがある場合、一方的に広域的、複合的なアセスメントの実施を求めることはできないということでございます。

○小松委員 確かにアセスの面からはそうなんですけれども、実際に、後で申し上げる交通面だとかまさに環境面では、ここからここだけ、ここからここだけというものはないのでありまして、その辺では、これからの大いに検討課題としていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 ここでは、ちょっと具体的なところにいきますと、駐車場が四千二百五十台ということですけれども、この駐車台数を見ましても大変広域な商業施設なんです。しかし、これでもまだ足りないんじゃないのという声もあるんですけれども、この根拠はどういう形で出されてきたのでしょうか。

○百合都市地球環境部長 駐車場の収容台数の算出につきましては、これはショッピングセンターでございますので、物販店舗部分につきましては大規模小売店舗立地法に基づいて算出しておりますし、非物販部分につきましては、大規模開発地区関連交通計画マニュアルに基づき事業者が算定をしております。

○小松委員 非物販部分は大規模開発地区関連交通計画マニュアルということでしたけれども、例えば映画館だとかゲームセンター、これは何に入るんですか。

○百合都市地球環境部長 映画館等は非物販部分ということでございます。

○小松委員 そうですね。だから、これはおかしいんですよ。非物販部分は大規模開発地区関連交通計画マニュアルというんですけれども、物は売らないけれども、映画館なんていうのは逆に長時間置くわけです。ゲームセンターも、別にゲームを買いに来るわけではないけれども、ゲームをすれば、長い間、買い物よりいるかもしれないんです。駐車場はやっぱり物販店舗部分と同じように計算しなければならないと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 これは事業者の台数の算出方法ということになりますので、先ほど申し上げたとおり、事業計画、それから、一連のアセス手続等で作成いたしますアセス図書、これはいずれも事業者が基本的につくるという形になっておりまして、これらの作成につきましては、一定の基準等に従って作成をするということで、この場合、駐車場の台数につきましては、それぞれの物販店部分、それから非物販部分の基準に基づいて算出をしたということでございます。

○小松委員 だから、事業者にその辺をきちっと指導していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから、計画書には、商業施設利用者の自動車流入、流出経路が図に示されているわけですけれども、この図を見る限り、この商業施設がどの範囲を商圏として想定しているか示されてはいないんですけれども、駐車場が少ないといっても、四千二百五十台の設置から考えても相当広範囲ということが想定されます。
 そうであれば、東西交通は、新青梅、青梅街道、五日市、この三街道と、それから、南北に交わる八王子村山線と所沢武蔵村山立川線の合わせて五本の道路に集権されると思われるわけですが、五日市線などはこの図には全く入っていないんです。一日一万五千台から三万台が二本の南北道路にどれだけの交通量の増加をもたらすか。これら流入、流出自動車の交通量が明らかにされていないわけです。この実態も事業者に対して明らかにさせる必要があると思います。
 そのことと、特に日産村山工場跡地に建設が予定されるショッピングセンターの調査計画書によれば、お客さんの車が店舗周辺の生活道路も通るようなルートが実際に入っているんですね。周辺住民の方々が大変心配されているんですけれども、アセスではどのように考えておられるでしょうか。

○百合都市地球環境部長 まず、自動車の交通量等でございますけれども、これは、現在のアセス手続の中では調査計画書段階ということでございますので、今後の評価書案また評価書というレベルの中で明らかにされるものというふうに考えております。
 それから、お尋ねの生活道路に関する環境の負荷といいますか影響でございますけれども、これにつきましても、今後、評価手続を進める中で、騒音、震動等の評価項目について環境影響評価審議会等で審議をされていくということになろうかと思います。

○小松委員 これだけ大きなものですと、交通量というのは大変大きな問題になりますし、交通の渋滞から来る、今度は環境に対する影響、まさに環境アセスメントがきちっとされなければならないというふうに思うんですが、最後に、地元市長や都民の意見というのがこのアセスでたくさん寄せられていると思うんですけれども、どういう内容で、それがどのように生かされていくのか、お伺いいたします。

○百合都市地球環境部長 計画書に対する地元市長並びに都民意見でございますけれども、地元市長の主な意見といたしましては、工事用車両や店舗開店後の関係車両による大気汚染、騒音等の影響について適切に対応することや、工事車両等が生活道路に流入しないよう指導徹底を図ることなどが提出されております。
 また、都民からの意見といたしまして、大気汚染、騒音等の予測、評価は商圏となる広域で行うべきであることや、周辺道路には駐車待ちの自動車が長蛇の列をつくることが予想されるので対策を講じることなどが意見として提出されております。

○小松委員 今部長がお読みになったそれらは、どれ一つとっても大切な問題です。各市長または都民の意見としてそれをしっかり受けとめていただいて、アセスの中でしっかり事業者に返していただきたいという要望をしておきます。
 それでは、最後に、野火止用水について伺いたいと思うんです。
 最近、野火止用水については、国から市への譲与の問題がいわれているところでありますので、ここで一点伺っておきたいんですが、まず、この野火止用水歴史環境保全地域、これは、昭和でいうと四十九年、三十年も前に保全地域にされているわけです。この指定された意義について伺いたいと思います。

○福島自然環境部長 野火止用水歴史環境保全地域は、江戸時代につくられた歴史的遺産であります野火止用水と隣接する樹林地を将来に伝えていくために、都における最初の保全地域として昭和四十九年十二月に指定されたものでございます。

○小松委員 そうですね。都における最初の歴史保全地域なんです。
 それでは、もう一つ。平成になりますけれども、十一年には玉川上水歴史環境保全地域が指定されております。これも保全地域の指定としてありますけれども、野火止用水歴史環境保全地域と玉川上水歴史環境保全地域、この指定方法について伺いたいと思います。

○福島自然環境部長 野火止用水歴史環境保全地域は、保全方針の中で、用水路に隣接する樹林地も取り込み、自然を残すものとしております。
 一方、玉川上水歴史環境保全地域は、保全方針の中で、武蔵野の面影を残す雑木林、国の名所に指定されております小金井桜、あるいは歴史的土木構造物であります素掘りの水路を、可能な限り現況を損なうことなく後世に伝えるよう保全するものであります。

○小松委員 言葉でおっしゃると、そのこと自体間違いじゃないんですけれども、私にいわせれば、野火止は歴史環境としてできるだけ後世に残すということで、できるだけ広く歴史環境保全地域をとっているんですよ、岸の両側に。
 ところが、それから後にやられた玉川上水というのは、今、小金井桜とか素掘りの水路を損なうことがないようにとおっしゃいましたけれども、本当に水路なんです、やられているところが。周りにちょっと桜とかありますけれども。ですから、やはり--玉川上水は、この間もありましたけれども、どんどんマンションがすぐそばに建ったりしていくわけです。
 だから、そういう意味でも、一号を指定した歴史環境保全地域としての野火止用水、非常に意義あるものなんですけれども、ただ、この指定地域の中に民有地もたくさん含まれているんです。公有化率はどれぐらいでしょうか。

○福島自然環境部長 現在の野火止歴史環境保全地域の指定面積は約十九万五千平方メートルでありまして、そのうち公有地となっている割合は約八五・三%でございます。

○小松委員 あと一五%近くがまだ民有地として残っているわけですけれども、これだけ大切な歴史環境保全地域、これをきちっと保全するためにも、やはり第一は公有化を進めるべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○福島自然環境部長 保全地域の買い取り制度は、保全地域内の土地の所有者が受ける強い利用制限に対する補償制度でありまして、土地所有者からの申し出に基づきまして公有地化を行うものでございます。
 公有地化する土地の選定につきましては、開発計画の有無や相続などの申し出など、諸条件を勘案しております。今後とも、このような条件のもとで公有地化を進めてまいります。

○小松委員 最終的には公有地化が一番の保全になるということでは、引き続きこれを精力的に進めていただきたいと思うわけですが、このたび、野火止用水の市への譲与に当たりまして、市はこれをけったと思うんです。六市が保存協議会をつくっているわけですけれども、この野火止用水の管理について、関係する市からはそれぞれ要望が都に出されていると思うんですけれども、その内容をお聞かせください。

○福島自然環境部長 平成十六年十一月に、関係六市から成ります野火止用水保全対策協議会から東京都に要望書が出されております。内容は、平成十七年度東京都予算編成に当たりまして、野火止用水歴史環境保全地域の整備費及び維持管理費等について配慮を求めるものであります。具体的な要望事項といたしまして、用水の水量の確保、保全地域の管理費の充実、公有化の推進などが挙げられております。

○小松委員 水量の確保ということでは、今六五%の水量しかない。従来どおりの水量を求めるということだと思いますし、保全地域の管理の充実--公有化は先ほど申し上げましたけれども、これらの予算措置というんでしょうか、これらが求められていると思うんです。この関係市の要望をしっかりと受けとめて、要望の実現のため全力を尽くすことを求めるものでございます。
 野火止用水はかつて、三十年前、野火止が歴史保全地域に指定されたのを契機に、地元から、野火止に清流の復活、この声が上がりまして、住民、議会、市が一体になって、運動の中で当時の革新都政がそれにこたえてくれ、そして清流が復活して二十年たっております。まさに行政のあり方を示すモデルでもあり、みんなして守り続けてきました。都民の共有の財産でもあり、歴史遺産でもあるわけです。今こそ環境局が市と一体となって清流を流し続け、都民のオアシスであり続ける、このことを願いまして、質疑を終わらせていただきます。

○大西委員 小笠原諸島の自然環境対策について初めに伺いたいと思います。
 小笠原諸島の世界自然遺産登録の推進が平成十七年度の重点事業に挙げられています。私も昨年、小笠原諸島返還三十五周年式典に参加し、その自然に触れることができました。中でも、知事の案内で南島を視察し、美しい景観とともに、緑が回復している様子を見ることができたのが印象的でありましたし、貴重な体験をしたなと思っております。その一方で、自然の宝庫といわれております小笠原ならではのいろんな問題というものも、短い滞在期間でしたが、感じることができました。
 きょうは、その中でも自然環境ということで、アノールトカゲという外来のトカゲによって貴重なオガサワラシジミ、これは貝ではありません、チョウです。チョウのオガサワラシジミが捕食されてしまい、その姿が見られなくなってしまったという話を聞きましたので、この問題についてお聞きしたいと思います。
 外来の生物が小笠原の動植物に与える影響と主な外来の生き物について、まず伺いたいと思います。

○福島自然環境部長 小笠原のような一度も大陸と陸続きになったことがない島では、比較的に生物の種が少なく、また、その種にも偏りが見られるものでございます。このため、外来の動植物が進入いたしますと、それと同じような立場にあります島固有の動植物に対して優位に立つことが多く、生存競争の結果、固有種が駆逐されることが多いといわれております。特に動物では、食う、食われるという捕食関係にある場合に、固有種を全滅させる可能性もございます。
 こうした深刻な影響を与える外来の動物としては、ヤギ、先ほどお話しになりましたアノールトカゲなどがあります。植物といたしましては、アカギ、リュウキュウマツなどが挙げられております。

○大西委員 私もよく外来種の脅威というものは聞いていたんですけれども、いろいろ説明を聞いてみると、そのダメージが非常に大きいということを改めて感じることができました。
 外来種が固有の生物に悪影響を与えるということなんですけれども、オガサワラシジミを初めとして小笠原諸島の自然的価値の一つに、多くの固有種、希少種が生育している点が挙げられています。環境局のホームページによれば、固有種率は植物で三七%、繁殖鳥類で三九%、昆虫類では三一%を占めています。世界自然遺産登録を実現していくためには、これらの生き物を保護していく取り組みを進めていくことが重要であると思うんですけれども、都の基本的な考えと取り組みの内容を教えてください。

○福島自然環境部長 固有種の保護のためには、その生育、生息環境を保全することが最も重要であり、生態系を攪乱する外来種の影響を排除または抑制することを基本に対策を進めてまいります。
 ヤギについては、植物の生育に壊滅的な被害を与えております。緊急かつ優先的に対応すべき種であることから、都が積極的に排除を行っております。
 その他の外来種につきましては、国や村などと協力して進めていく必要があるため、実施主体を明確化し、連携して対策を進めてまいります。
 また、外来種をほかの島に新たに拡散させることがないよう、島に立ち入る際のルールづくりなどの対策を都が主導して推進してまいります。

○大西委員 先ほどお話ししました南島では、こんな小さな島にも外来の植物が入り込んでいて、それを取り除く作業が地元のNPOなどによって行われていると聞いております。自然を守っていくには、このような地道な取り組みが重要であると再認識したわけです。
 小笠原の自然、特に固有種を守っていくためには、我々都民や住民、そして観光客一人一人がその貴重性を十分理解する必要があります。そして、そのためには、このような生き物の生き生きとした姿を映像に記録し、見せていくことも効果的であると考えるんですけれども、東京都の考え方と今後の取り組みについて伺います。

○福島自然環境部長 ご指摘のとおり、小笠原の自然を守っていくためには、住民を初めとして、広く都民、観光客などの理解と協力がぜひとも必要でございます。このために、貴重な動植物を映像に記録し、それを活用することによって広く都民などの理解を促進していくことも必要であると考えております。今後、世界自然遺産登録に向けまして、小笠原諸島の固有種やすぐれた景観などの映像を記録していく予定でありまして、こうした情報を広く都民などに提供できるよう工夫してまいります。

○大西委員 自然を守るために住民の協議会もできているとも聞いております。ぜひ、行政とのパートナーシップで、これまで同様、丁寧に進めていただきたいということを要望し、この質問を終わらせていただきます。
 次に、地球温暖化対策で、今回、環境確保条例が改正されて、四つの施策等に取り組まれることを評価しているわけですけれども、その中で建築物の環境性能評価について、少しだけお聞きします。
 東京都はこれまでも大規模建築物の新築時などに環境計画書の提出を求め、環境性能を評価公表してきております。これは先駆的な取り組みとして高く評価されており、建築主の自主的な取り組みを促す効果を上げてきたと考えていますが、今回、地球温暖化対策として、建築物の環境計画書の強化を図るなど、環境確保条例の改正がありますけれども、その中で建築物の環境計画書制度について伺います。
 建築物の環境性能評価にはさまざまな方法があります。CASBEEというシステムは、岩手県、大阪市、名古屋市、横浜市など、採用する自治体がふえています。このCASBEEというシステムと東京都のシステムの違いはどういうことなのか、また、都のシステムの特徴とはどういうものなのか、伺いたいと思います。

○百合都市地球環境部長 建築物の環境性能評価でございますけれども、ご指摘のCASBEE、これは、建築環境・省エネルギー機構、ここが開発をした建築物の環境性能評価システムでございまして、居住性等の建築物の品質と建築物が外部環境に与える負荷、この割合を指標として評価を行っているものでございます。
 一方、都の建築物環境計画書制度では、建築物が法令等の基準をどの程度上回って環境負荷を低減しているか、これを評価しており、CASBEEのように建築物の効率性ではなくて、環境負荷の低減そのものに着目した評価を行っているところに違いと特徴がございます。

○大西委員 先ほどから問題になっていましたのは、今回、一万平方メートルを超える建築物がCO2削減の計画を出さなきゃいけないという対象になるわけなんですけれども、該当する建物は、年間都内でどれくらいあるのかということと、もっとわかりやすく、どれくらいの建物の年間の申請があって、その中で一万平米以上がどれくらいなのかということはわかりますでしょうか。

○百合都市地球環境部長 計画書制度の年間の該当件数でございますけれども、おおむね百八十件程度、年間計画書が提出されておりまして、これは都内の年間の着工建築物の総延べ床面積の約三〇%弱程度でございます。

○大西委員 東京都の特性として、大規模な建築物が相当あるということで一万平方メートル以上になったと思うんですけれども、規制を逃れるためには一万平方メートル以下にする者も出てくるのではないかと考えます。単体では対象にならない建築物も、街区など一定の規模の広さを評価対象とするような制度をつくらないと、実質的な温暖化防止対策としては不十分ではないかと考えるので、ぜひ検討してほしいと思っております。
 これは先ほどからも指摘がありましたし、それから、省エネ法では二千平米以上ということもいわれておりますし、既に大阪市や名古屋市、横浜市では対象が二千平米以上というふうにも聞いておりますので、その辺もぜひ検討していただきたいと思います。
 さらに、都の制度では一万平方メートル以上ですけれども、これはマンションでいえば百戸程度です。三十戸、五十戸といった規模のマンションも多いので、今後、中小規模の建築物や戸建ての住宅も視野に入れた評価制度も考えていくべきではないかと思いますが、先ほどの私の疑問も含めてお答えいただけますか。

○百合都市地球環境部長 先ほどもちょっとお答えしましたけれども、建築物の対象規模につきましては、昨年、環境審議会から答申をいただいておりますけれども、その間、審議会の中でもいろいろご議論はございました。その結果、審議会の答申としては、中期的な視点で検討すべきというふうに提言をされていますので、今後、この提言の趣旨を踏まえて検討してまいるということでございます。

○大西委員 一万平米以上を想定したシステムでは、中小規模の建築物に当てはめるには手続などの簡略化が必要であります。CASBEEなど他のシステムも参考にしながら、中小規模の建築物の環境性能、そして、アセスの不十分さというところから考えれば、街区単位での環境評価、そういうものを行うようなこともぜひ考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、地球温暖化対策とヒートアイランド対策というのは切っても切れない中で、いろんな方策を駆使しながら対策を進めていかなければいけないわけなんですけれども、東京都のヒートアイランド対策、今年度、十七年度は十億円の予算がついていると思いますけれども、これは屋上緑化とかそういうものに対策費が充てられていると思うんですけれども、技術革新の世の中ですので、新しい技術というものも研究されておりますので、そういうものをどんどん都の施策の中に取り入れた方がいいと思うんです。特に私、光触媒というものにも注目しているんですけれども、そういうものに対して東京都がどのように考えているのか、伺います。

○百合都市地球環境部長 光触媒につきましては、その親水性効果を利用いたしました建築物の被覆対策技術として、東京大学、NEDO、民間企業等の産学連携プロジェクトで実験が進められております。技術面とともにコスト面の課題があり、実用化の段階には至っていないということでございます。

○大西委員 ヒートアイランド対策の新しい技術革新について産学との連携を図るとともに、こうした技術について、庁内はもちろんのこと、対外的にも情報発信していくべきだと思うんですけれども、そういうものが具体的にどこかで取り入れられているのか、今後どういうふうにそれをなさるのか、お伺いします。

○百合都市地球環境部長 これまでヒートアイランド対策の新しい技術につきましては、建物への蓄熱を防ぐ高反射率塗料などの効果につきまして、民間企業と連携して検証を行ってまいりました。今後は、こうした検証結果等に基づきまして、ヒートアイランド対策の技術情報をまとめましたガイドラインを作成いたしまして、広く対策技術の普及を図っていきたいと思っております。

○大西委員 ヒートアイランド対策や温暖化対策など、環境に配慮したまちづくりをしていくためには、環境局だけではなく都市整備局や建設局などと連携して施策を推進する仕組みが必要だと思います。その点はどのように取り組みを進めていらっしゃるんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 平成十四年の八月に、全庁を挙げてヒートアイランド対策に取り組むということで、ヒートアイランド対策推進会議を設置したところでございます。今後、この推進会議を活用しながら、全庁的な連携を図り、環境に配慮した都市づくりを進めてまいりたいと考えております。

○大西委員 地球温暖化対策に向けては、一般質問、それから代表質問や予特の中でいろいろ聞いてきましたので、きょうはそこから漏れた部分をお聞きしたわけなんですけれども、今回の条例改正の中で四つの施策を進めていくということは一定の評価をしているわけですけれども、今後の課題として残っているということと、それから、今回の条例改正に盛り込まれていなかったということで非常に残念に思っているのが、開発行為への抑制や規制が一切盛り込まれていないということ、これは問題があるんじゃないかと思っております。
 それから、一方で、CO2を吸収する森、緑のことなんですけれども、樹木が持つCO2吸収の効果やヒートアイランド現象を防止する緑地の役割の大きさを考えるとき、今東京都が目指しております都市再生の名のもとに大規模な開発を促す政策ではなく、今後の都市形成方針に既存の樹木や緑地の保全を明言すべきだと思っております。
 京都議定書のCO2削減の数値目標は、今ある緑の保全が前提となっておりますので、今後緑が失われていくことになれば、CO2及びエネルギーの削減目標はさらに高いものとなります。現在でも広い緑地を保有している多摩地域の樹木や緑地の保全に対して何らかの措置をとらなかったとすれば、その無作為がCO2の増加やヒートアイランドを増長することを指摘しなければなりません。
 特に大規模事業所の環境配慮に関していえば、今回いろいろいわれているわけですけれども、現在、多摩地域では、大企業が所有する社屋やグラウンド、社宅、それから、先ほど出たダイヤモンドシティの問題もありますよね。そういうことを見れば、敷地内の広大な緑地が経済状態の悪化を理由に売却され、開発されています。そういう実態が進んでいます。
 これをいかに守るかということを一方で考えなければ、一たんなくしてしまったものは取り返しがつかないということで非常に焦るわけなんですけれども、確かに、緑地保全事業ということで前は百億円あったものが、だんだんだんだん少なくなっております。それで確保していますけれども、それは本当に多摩の山の限られたところで、やはり一番問題となるのは、鎮守の森や地域の身近な緑をいかに確保していくかだと思います。
 そういう意味では、市とかは、地主さんが売りに出したりするときになるたけ買おうという努力をするわけですけれども、それも限度があるわけで、ぜひこの機会に、私は、一回環境局が取り組もうとした緑のファンドとか、そういうものを再度考え直してもいい時期じゃないかなと思っております。金利が下がる時代に、ファンドというものは非常にいいにくいということは十分承知しているんですけれども、京都議定書発効記念ファンドみたいなものを考えたり、それから、もう一ついえるのは、東京が今、石原さんの肝いりでスタートいたしました東京都市再生の都債、これが今、二百五十億で、非常に好評です。これは使い道が開発に限られておりまして、緑を守るという視点はここには全然ないわけですから、東京の緑再生の都債、緑版、そういうものも出していくような新たな展開をぜひお願いしたいところであります。
 しかしながら、環境局の予算は非常に堅実というか、環境優先の世の中に向けてはもっとふえていいと思うんですけれども、それがなくて、そこが残念なんですけれども、ほとんどできない状況があるわけですが、今かじを切るべきだと思っておりますので、ぜひこのような対策も考えていただきたいなと思っております。
 今回、そういう意味では、都債の発行やファンドのことを何とか実現に向けてということも考えていたわけですけれども、環境局の予算全体が非常に小ぢんまりしているというところで無理ということもわかってきました。(発言する者あり)いや、だから、遠慮しないでどんどん事業費をふやしてほしいんです。
 そこで、最後に、環境局全体の予算の作成に当たって、今年度、〇五年度は何を重点としたのかということを踏まえて、そして今後の課題として、先ほど私が申し上げましたように、今の緑というものを確保していくためにどのようにかじ取りをすべきなのか、予算全体においてどのようなかじ取りをすべきなのかということを、ぜひとうとうと夢を語っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○梶原環境改善部長 平成十七年度予算案では、これまでの施策の精査、着実な実行に加えまして、施策の重点化を図りまして、公立学校運動場芝生化補助、新たにディーゼル車の買いかえ特別融資あっせん、揮発性有機化合物対策、自然公園等の適正利用、管理等の対策など、緊急課題への取り組みを含めてさまざまな取り組みを進めることとしております。自然環境の保全に関しましても、幾つかの大きな柱をもとにしまして盛り込んだつもりでございます。
 今後の課題でございますが、緑の保全と再生はもちろん、都民の健康と安全を確保するなどの目標に向かいまして、長期的な展望のもとに適時的確な施策の展開を図るために、工夫を凝らしながら施策の構築をしてまいりたいと思います。

○大西委員 夢を語っていただきたいですね。
 緑を守るお金というのは、今や全く、市民も含めていろんな自治体がもうできないというふうなあきらめに入っているわけですよね。でも、そうじゃないんだ、世の中は変わってくるんだと。人口も減少するわけですし、そういう意味では、私たちが手放してきてしまった緑とか水辺の回復、自然環境、そういうものをもう一度得ることができるというような状況に今あると思うんです。何も人口が減少するということは負でなくて、私はプラスの方向にも考えられると思っておりますので、そういう意味では、今回、都市再生の緑版というようなものをぼんと打ち出して、そのイメージでもいいんです、そして、それだけで公有化することは難しいけれども、市民がそこにまた新たに自分のお金を出したりしながらそれを広げていこう、そういう動きになるような核とした施策、これをぜひ求めておきたいと思っております。もう一度答えていただけますか。

○梶原環境改善部長 大変厳しい財政状況の中で、限られた財源を効果的に活用する観点に立ちまして、直面する課題に立ち向かわなければなりません。その意味では、お話のような緑の確保につきましても、税制度の問題あるいはNPOとの連携など、幅広く工夫を凝らしながら施策を構築してまいりたいと思います。ご理解をお願いいたします。

○大西委員 期待しておきます。

○小磯委員 それでは、先ほどもございましたが、花粉症対策についてお伺いをしたいと思っております。
 花粉症は五人から六人に一人の割合で起こっている国民的な病気というふうにいわれておりますけれども、ことしの春は、昨年の春の三十倍、また観測史上最大の杉花粉の飛散が予測されておりまして、新聞とかテレビをにぎわしているわけでございます。
 そういう中で環境局は、ディーゼル車規制また大気汚染対策、それから森林再生事業などに取り組んでいるわけでございますけれども、花粉症対策について何点かの質問をさせていただきたいと思います。
 まず、都心に飛んでくる花粉、これはどういったところから飛んでくるのか、そういうデータがあればご説明をいただきたいと思っております。

○大野参事 杉の花粉は非常に小さいものでございまして、風に乗りまして数十キロから、時には三百キロ程度も飛ぶといわれております。したがいまして、東京の都心には多摩地区や近隣の森林からも花粉が飛んできております。国の研究では、都心に影響するものとして、都内の杉林以外に、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、静岡等々、近隣の各県からが挙げられております。

○小磯委員 多摩地区の杉と近県の杉、両方から飛んでくることがわかったわけでございます。そういう中で東京都は、昭和六十年から都内の十数カ所の観測点で花粉の飛散量の測定を行っていると伺っております。
 そこで、過去十年間の平均飛散量で見ますと、例えば、私の住んでいる町田市と都心の代表的な千代田区の飛散量はどのぐらい違うのか、また、最も飛散量の多い観測点はどこで、町田市や千代田区の飛散量はそれに比べるとどの程度の水準なのか、お伺いしたいと思います。

○大野参事 福祉保健局がことしの一月二十日に発表しました調査によりますと、花粉飛散シーズンに観測した花粉数でございますけれども、これは一センチ平方ぐらいのガラスの測定板の中で累積してはかったものだということでございますが、過去十年間の平均で、町田市が約四千二百個、千代田区が約三千三百個となっておりまして、町田市の方が若干多いという状況でございます。また、観測地点の中で最も多いのは青梅市でございまして、約一万一千個となっております。したがいまして、町田市はその四割程度、千代田区は三割程度といった水準でございます。

○小磯委員 町田市と千代田区で飛散量に余り差がないことは意外でございますが、やはり杉林の近い青梅市とはかなりの差があることが納得できたわけでございます。
 こうした飛散量の差があるにもかかわらず、花粉症は近年、都市部を中心に患者が増加しており、花粉症の症状を悪化させる要因の一つに大気汚染との関連が指摘され、特にディーゼル車排出ガスとの関連が指摘されております。ディーゼル車排出ガスと花粉症の関連については、一昨年五月に都が調査結果を発表しておりますが、どのような結果が明らかになったのか、確認の意味でお伺いしたいと思います。

○大野参事 この調査は平成十三年九月から十五年五月まで実施をしたものでございますけれども、二つの大きな中身がわかっております。
 まず第一に、試験管内で花粉症患者の血液中にディーゼル排出微粒子を添加いたしますと、人の杉花粉症状を引き起こしたり、悪化させる物質が増加するという結果がわかっております。すなわち、ディーゼル車排出微粒子が人の杉花粉症状の発現や悪化に影響を及ぼすということが国内で初めて明らかになったということでございます。
 第二に、ラットを用いました研究では、免疫機能が未発達な段階にある胎児期それから哺乳期にディーゼル車排出ガスを浴びせますと、子どものラットが杉花粉症を起こしやすい体質になることがわかりまして、妊娠中に浴びたディーゼル車排出ガスが、生まれた子に、動物の子どもでございますが、影響することが世界で初めて明らかとなったということでございます。

○小磯委員 東京都の調査結果によって、我が国で初めて明らか、また世界で初めて明らかになったことがあったということは大変評価をしたいと思っております。
 そういう中で、昨年三月、国立環境研究所がモルモットを用いた実験で、ディーゼル車排出ガスが花粉症の症状を悪化させ、アレルギー性結膜炎の症状を悪化させることを明らかにするなど、国もこうした研究にようやく取り組むようになってきておりますけれども、本来、大気汚染対策に取り組むべき国の調査研究の取り組みはまだまだ不十分といわざるを得ない状況にある、そう思うわけでございます。
 先ほども申し上げましたが、国民の五人から六人に一人が患者であるともいわれており、国民病ともいえる広がりを見せております。環境省が作成している花粉症保健指導マニュアルによると、ディーゼル車排出ガス微粒子以外にも、二酸化窒素、またオゾンといった大気汚染物質も花粉症を悪化させる作用がある、こういう報告もされております。
 花粉症に悩む都民、国民の症状の改善に向けて、東京都が研究に熱心に取り組んでいくことはもちろんのこと、さらに、東京都が国に対して、花粉症を悪化させる要因などの調査研究にももっと本腰を入れて取り組みを求めていくべきと思いますが、局長の所見を伺いたいと思います。

○平井環境局長 花粉症対策は、大気汚染対策と同様に本来国が責任を持って取り組むべき課題であり、花粉症の原因究明などの調査研究についても、国が中心となって進められるべきであると考えております。国は、観測史上最大の量の杉花粉の飛散の予測ということもあって、やや動きを強めたといいますか、強力な体制をとろうとしているところでございますが、さらに力を入れていくべきものと考えております。
 近年、花粉症の症状を軽くする治療法として、抗ヒスタミン薬などによる薬物療法や、花粉に体をならす減感作療法などが行われるようになってきておりますが、花粉症と大気汚染などとの関係解明や根本的な予防、治療法などはいまだ研究途上にあるというふうに理解しております。
 都は、関係局連携して、ディーゼル対策など、みずから対策を進めるとともに、これまでにも、国への提案要求などにおいて、花粉症対策に関する調査研究を推進するよう求めてきたところでありますが、今後さらに真剣に取り組むよう強く求めてまいります。

○小磯委員 東京都では、環境局がディーゼル車規制と森林再生事業、それからまた、福祉保健局が飛散予測、予防、治療の情報提供、そして産業労働局が、花粉の少ない杉の普及、花粉の抑制に効果的な森林管理手法についての調査研究に取り組むなど、頑張っておられるわけでございまして、これについてはさらに頑張って、さらに推進をしていただきたい、こういうふうに思っております。また、都内の杉のみならず近隣各県から花粉が飛んでくること、また花粉症と大気汚染との関連を考えれば、広域的な取り組みもまた不可欠ということでございます。
 そういうことで、今局長がおっしゃったように、国のより一層の取り組みを都として強く求めていくとともに、また、これは産業労働局所管になるんでしょうけれども、近隣各県との連携を図りながら、例えば八都県市サミットの一つのテーマとして掲げるなどして、花粉の少ない森づくりに取り組むなど、花粉症に悩む都民の症状を少しでも軽減できるような取り組みの推進を要望して、私の質問を終わります。

○河野委員 私は、スーパーエコタウン事業とヒートアイランド現象対策、この二つの問題で質問をいたします。
 初めに、スーパーエコタウン事業について伺います。
 まず初めに、国の環境省が中心になって進めてきたエコタウン事業というものとスーパーエコタウン事業の違い、これをご説明いただきたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 都のスーパーエコタウン事業は、首都圏の廃棄物問題の解決と新たな環境産業の育成を目的としたものでありまして、都が国に提言しました首都圏スーパーエコタウン構想を受けて、国が都市再生プロジェクトとして選定した大都市圏におけるごみゼロ型都市への再構築の東京臨海部における具体の事業として推進しているものであります。
 経済産業省と環境省により実施されておりますエコタウン事業は、環境調和型のまちづくりを推進することを目的として、一定の国庫補助の交付を行うものでありますが、スーパーエコタウン事業では、このエコタウン事業の補助金を含めまして、農林水産省や資源エネルギー庁などによるあらゆる補助制度を利用しまして、事業化を進めてきているものであります。

○河野委員 そうしましたら、東京都の方からも働きかけがあって国の事業に位置づけられたということなんですが、スーパーエコタウン事業というのは、事業主体というのはどういうふうになっていくんですか。エコタウン事業とスーパーエコタウン事業について、もう少しわかりやすく、事業主体、それから廃棄物を収集してくる場合の圏内、そういうものも含めてご説明ください。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業では、民間事業者を公募いたしまして、そのおのおのが事業主体になっております。また、もう一つの事業といたしまして、PCB特別措置法に基づきます拠点的広域処理施設を受け入れております。

○河野委員 エコタウン事業との関係では、ちょっと私としてはわかりづらいご答弁だったんですが、これはまた改めて別の機会に伺います。
 今、スーパーエコタウン事業を、東京都も国に働きかけ、国も都市再生プロジェクトということで位置づけて進められているということで、そして一方では、二〇〇二年の五月に、東京港を含めて全国四つの港が静脈物流港というものに指定されています。
 スーパーエコタウン事業と同じように国の都市再生プロジェクトによるもので、二〇〇三年、おととしには第二次指定がされて、現在、全国で十八の港が静脈物流港、リサイクルポートと呼ばれているようですが、そういうものに指定されております。これはオールジャパン、全国規模でのリサイクルの輪の構築、広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈物流ネットワークの拠点となる港湾ということで、これが東京港の位置づけになったわけです。
 スーパーエコタウン、そしてリサイクルポート、それぞれに廃棄物の広域的な処理を目的としていますけれども、従来、廃棄物については、エコタウン事業は、私が知る限り、域内処理という方針で進められてきたと思うんですけれども、都市再生プロジェクトによって、産業廃棄物の処理方針がより広域処理へということで方針が変わってきているのではないか。そして、東京都もそれを受け入れていくということでの方針の変更というのはあるんでしょうか。その点を確認させてください。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 産業廃棄物の処理は、従来から、廃棄物処理法によりまして広域処理を原則としております。都市再生プロジェクトは、この広域処理の原則を変更するものではありません。

○河野委員 私は、エコタウン事業は域内処理ということで受けとめていますので、その辺は東京都と認識が少し違うかもしれませんが、今、スーパーエコタウン事業などによりまして、廃棄物が広域的に収集運搬されてきて、そして、城南島のように処理施設が集積していくということで、産業廃棄物が搬入や搬出される場合の貨物自動車の流入、出入りですね、その交通量の増加の問題とか大気汚染など、環境に大きな影響を与えるのではないか、こういう声もありますし、大変懸念を持っている方もいらっしゃるということを、この機会に申し上げておきたいと思います。
 ところで、スーパーエコタウンの城南島は、食品や建設混合廃棄物関係の処理施設が集まっております。現在、七施設が決まっているようですけれども、まだあいている区画もあります。これから先、二次公募を行って、さらに城南島の中に処理施設がふえていく、そういう計画があるのかどうか。城南島地域の整備方針についてお伺いをしておきます。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 現在、残地の利用につきまして具体的な計画はありません。

○河野委員 私は去年の当委員会でも質問をいたしました。城南島の今の七施設が立地している敷地面積の合計だけで約四・三ヘクタール、そして、一カ所にこれだけの産業廃棄物処理施設が集積しているのにもかかわらず、この地域では環境アセスメントが実施されていないことは問題があるのではないか、こういう立場から質問をいたしました。
 アセスの対象面積九千平米の面積すれすれで、八千九百九十七平米とか八千九百九十五平米、こういうすれすれの面積で環境アセスを免除されて、施設が設置されております。私は、地域全体の環境に今の集積された処理施設それぞれがどのような影響を及ぼすか、そういう意味でも、環境保全の立場からこの実態を把握していく、そのためのアセスは必要だと提案をいたしましたが、局の答弁は積極的なものではございませんでした。
 城南島の空き区画に今計画はないということですが、今後もどうなるかわからない、可能性があるかもしれないということなどを考えると、改めて城南島のスーパーエコタウン地域全体のアセスメントを行う必要があると私は考えておりますが、ご答弁をお願いいたします。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業で整備する施設は、各事業者がみずからの責任において施設の建設、運営を行うものであります。事業段階の環境アセスメントは、その対象事業を計画する個々の事業者がみずからの責任において行うものでありまして、また、スーパーエコタウン事業で整備する施設の整備スケジュールは施設ごとに大きく異なっていることからも、一方的に城南島全体の広域的、複合的な環境アセスメントの実施を求めることはできないと考えております。

○河野委員 昨年の答弁とほとんど変わらないお答えで、私は、本当に環境局が都民全体の環境保全という立場に立つのであれば、もっと踏み込んだ対策が必要であるということを申し上げたいと思います。
 次の質問です。
 ことしの十一月からPCB処理施設の稼働がいよいよ中央防波堤内側で始まります。国の方針でPCBは一都三県から受け入れるということで聞いておりますが、国はPCB処理施設を全国五カ所に設置する計画を持って進めているということなんですが、これから稼働が始まる東京のPCB処理施設を含めて、今、国の方針はどのようにPCB処理を進めていくのか、この点で、東京のスーパーエコタウンとの関連でもわかりやすくご説明をいただきたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 PCB廃棄物処理に関しましては、環境省がPCB廃棄物処理基本計画を定めまして、全国におけるPCB廃棄物の処理に向けた事業を推進しております。
 基本計画の中で、PCB廃棄物を処理するための拠点的広域処理施設を、日本環境安全事業株式会社、もとは環境事業団と申しましたが、ここを活用しまして整備することが定められております。現在、環境大臣の認可を受けまして、全国を五カ所のブロックに分けまして、広域処理施設の整備運営が進められております。五施設ですべての都道府県が対象の範囲となります。
 その中で、東京PCB廃棄物処理事業は平成十四年十一月に環境大臣の認可を受けたものでありまして、この事業実施計画で一都三県を対象とすることとされております。

○河野委員 わかりました。
 PCBは猛毒物質ということで、昭和四十七年に生産が中止されてから、もう既に三十年が過ぎているわけなんですが、厳重な保管が義務づけられている有毒な物質です。これからその処理施設が稼働していくという、本当に目前に迫っているんですが、PCBについては特別の荷積み、運搬、保管、処理などについての対応が必要と考えます。
 安全確保についての対策はどう進められていくのか。都外三県から運ばれてくるということもありますから、受け入れ方法や具体的なスケジュールについてもお答えをいただきたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 まず、収集運搬事業者や処理業者に対しましては、廃棄物処理法や、PCB廃棄物を安全に運搬するための技術的な方法などについて国が定めましたPCB廃棄物収集・運搬ガイドラインの遵守徹底を指導していきます。さらに、PCB廃棄物運搬車両の位置などの運行情報をリアルタイムに把握できるよう、GPSを利用した運行管理システムを導入させます。

○河野委員 これから交通事故の問題なんかも心配されている方もいるわけですが、安全対策は細心の注意というか、万全の対策をとっていただきたいと思っています。
 PCBの処理施設について、去年の四月に、先ほどご説明がありました日本環境安全事業株式会社ですか、こちらが環境アセスメントの評価書の概要というのを出しています。これを見ますと、江東区民の方とか地元自治体の江東区から多くの意見や要望が出されております。
 きょうは時間がないので全部は紹介できませんけれども、例えば、住民の方の意見の一つとして、東京湾にスーパーエコタウン構想と称してこのような廃棄物処理施設ばかりを建設するのではなく、かつて江戸前の魚が釣れたような海を取り戻せるような、自然林をつくるなど、後世に少しでもよい環境として残せるものを創造していただきたいとか、それから(発言する者あり)そういういろいろ声がありますのでご紹介--処理方法が安全であることを前提にした今回のアセスでは都民の健康は守れません、処理方法の安全性を繰り返し繰り返し何度も検証し、また情報を公開し、確実に安全に操業できることを十分に検証した上での操業をお願いします、二次災害を絶対に起こさないために確実な安全確保をお願いしますとか、PCBの毒性ははかり知れないほど恐ろしいものがあるのだから、微量でも外に漏れることのないよう、安全処理ができるとデータ上からも証明されない限りは実施しないでいただきたいとか、地元民の方のアセスメントへの意見がたくさん寄せられています。
 これはほんの一例ですけれども、東京都はこのような住民の皆さんの意見、不安、疑問についてどのような受けとめ、判断をされておられるか、伺っておきます。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 本施設では安全性の高い処理方式を採用しております。施設の設計に当たっては、誤動作やミスが事故に直結しないことや、万一のトラブルが発生しても影響を最小限に抑えるための二重、三重の安全対策を講じております。また、地元住民の代表者や学識経験者などで構成します環境安全委員会の設置や情報公開も進めていくことなど、運営面でも安全確保の体制の構築を進めております。これらの対策を確実に行うことによりまして、施設の安全確保が図られるものと考えております。

○河野委員 今、何重にも安全対策を講じるとかということは、江東区から出されているアセスへの評価の概要版にもきちんと意見として出されているんです。江東区は、全般事項についてということだけ見ましても、六項目のいろんな形での要望を出されておりまして、ご答弁にありました、住民の方も含めた安全のための協議機関も設置してほしいということも要望し、または、そういう地元区からの要望にも基づいて今対策を講じられているとは思いますけれども、私はそれだけでは十分ではないというふうに思っています。
 中央防波堤内側のPCB処理施設については、地元住民のこうしたアセスへの意見が多数寄せられているように、事故や災害のときへの対応など、不安やこれから解明されなくてはならない課題はまだまだ多く残されていると感じています。安全であるとは決していえないという問題があるということを私は指摘しておきたいと思います。
 次に、来年から稼働になります中央防波堤内側にできますガス化溶融施設です。
 ここは感染性の廃棄物も受け入れるということになっていますけれども、ガス化溶融施設では、受け入れる廃棄物はやはり広域からのものという考え方に立って行われると思うんですが、PCBの場合は一都三県ということで、国が法律や計画で定めていますけれども、このガス化溶融施設については、受け入れ対象というのはどういう考え方で進められていくのでしょうか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 産業廃棄物は広域処理が原則でありまして、他県の廃棄物の搬入も可能性がありますが、主として都内で発生した産業廃棄物が搬入されるものと考えております。

○河野委員 そのガス化溶融施設では、プラスチックごみを焼却し、サーマルリサイクルということで、燃やして、発電して、エネルギー化するということになっています。国も、環境審議会などで廃プラを焼却するという方向を出しているわけなんですけれども、これまで私たちは、プラスチックごみは不燃ごみ、そして分別収集ということでやってきたわけですけれども、サーマルリサイクルで燃やせるんだということになると、可燃ごみへと変わってしまうわけです。この可燃ごみになるサーマルリサイクルというやり方について、都民から寄せられてくる声を聞きますと、まだ理解、合意は十分でないと感じます。
 国はごみ処理費用のコスト削減と最終処分場の延命化ということを目指して、プラスチックごみを燃やしていくという立場に転換してきているわけなんですけれども、今、サーマルリサイクル推進の方向で東京都も動いております。来年からはそういう施設が稼働になるわけですが、サーマルリサイクルについて幾つかの疑問が出されておりますので、この点、四点ありますが、都が今どのように受けとめておられるかをお答えください。
 一つは、市民団体の皆さんもおっしゃっておりますが、可燃ごみということになれば、分別や発生抑制についての市民の意欲がそがれるということ。二つ目に、燃焼させるからCO2、二酸化炭素などが発生して、温暖化が促進してしまうという問題。三つ目が、ダイオキシン、重金属など有毒物質の発生、これも心配される。四つ目が、ごみによる発電の効率、これは計算をしたら一〇%と低い水準にとどまっていて、リサイクルとして考えた場合にむだが多い、こういう評価もいわれています。
 こうした出されている疑問に対して、今どういう見解をお持ちか、ご説明ください。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 ダイオキシン類対策を初めとしまして、最新の排ガス処理技術を取り入れた施設が整備されております。廃プラスチックをエネルギー源として安全に活用することは十分に可能な状況となっております。
 したがいまして、廃プラスチックにつきまして、その発生抑制の促進とマテリアルリサイクルの推進を基本としながら、資源の保全、環境への負荷、経済性の面で、マテリアルリサイクルに適さないものについてはサーマルリサイクルを行い、埋立処分量ゼロの実現を目指していく考えであります。
 また、発生抑制に対する意欲の阻害につきましては、今ご答弁申し上げましたとおり、発生抑制の促進とマテリアルリサイクルの推進を基本としつつ、資源の保全、環境への負荷、経済性の面で、マテリアルリサイクルに適さないものについてサーマルリサイクルを行うものでありまして、都民の発生抑制に対する意欲を阻害するのではないかとのご指摘は当たらないものと考えております。

○河野委員 廃棄物を燃やす焼却炉は化学工場だというふうにいわれているのは、皆さんもご存じだと思います。燃やすことによって多くの有害な物質が発生する、これは皆さんがよくご承知のとおりです。ガス化溶融炉は、都の認識では、今、大丈夫だというご説明だったんですけれども、ガス化溶融炉を導入している全国の自治体の中でもいろいろな問題が起こっています。
 特にキルン式という方法で燃焼させるガス化溶融炉は国内でも幾つものトラブルが起きていて、新聞報道などもされておりますが、中央防波堤の内側にできるガス化溶融炉は幸いキルン式ではないということではありますが、まだこの流動式の溶融炉が全国では幾つもなくて、安全性の検証は十分とはいえないのではないか、そういう指摘をしていらっしゃる方もいます。廃プラの問題で、可燃ごみにしていくという問題については、都民の理解や合意、十分な段階に至っていないというふうに私自身は認識をいたします。
 今ご答弁にも一言ありましたけれども、都の基本的なスタンスを確認させていただきます。
 これまでの廃棄物対策について、マテリアルリサイクルが第一義的というふうになってきていたわけなんですが、東京都自身は現在もこの考え方にお変わりはないですか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 先ほどご答弁申し上げましたとおり、資源の保全、環境への負荷、経済性の面などを考慮します。また、マテリアルリサイクルに適するものは、例えばペットボトルなどは現在も各区市町村で資源回収されているところでございます。そういったことと資源の保全、環境への負荷、経済性の面、それらを総合的に考慮しまして、マテリアルリサイクルに適さないものにつきましてはサーマルリサイクルを行いまして、エネルギー資源として有効に利用し、限られた埋立空間を大切にしていきたいと考えております。

○河野委員 今ペットボトルのお話がありました。容器リサイクル法が成立しましてちょうど十年、法の見直しもいわれている中なんですけれども、日本では生産者の責任が明確ではなくて、ごみ処理については、消費者と自治体に主な負担が負わされているという状況が続いています。この問題を解決していく必要があるということが、容器リサイクル法の見直しを求めるいろんな市民団体の方の世論ともなっております。
 ペットボトルを例にとりますと、この数年間で生産量も廃棄量も増加しているわけです。容器リサイクル法が成立し施行されて何年もたつわけですけれども、生産の量、廃棄の量も増加している。そして、東京都は具体的に数字を示していただけるものがないということだったので、国のレベルで調べてみたんですが、この法律が施行になった九七年はペットボトル二十一万九千トン、これが二〇〇三年には四十三万七千トンと倍以上になっています。回収率は逆に九・八%から四八・五%と格段に前進したわけですけれども、結局、生産、発生の段階での抑制ができない、どんどん生産し使っていくということで、廃棄されるペットボトルの量というのは増加しているわけです。
 生産段階からプラスチックの使用をできるだけ減らしていくことが大事だということが、このペットボトルの問題一つをとってもわかるかと思うんですが、都がおっしゃっているようにマテリアルリサイクルを中心にするというのなら、いかに生産段階からの発生抑制に力を注ぐのか、ここが大事ではないでしょうか。ご見解、お示しいただけますか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 廃プラスチックの発生抑制を進めていくためには、拡大生産者責任の考え方に基づきまして、生産段階から取り組んでいく必要があります。このため都は、昨年十一月、都内の区市町村と連携して、容器包装リサイクル法の抜本的な見直しを国に提案しました。この中では、容器包装の発生抑制と再使用に向けて、事業者がとるべき措置に関して国が基準を示すといった新たな制度の導入も提案しております。

○河野委員 ぜひ国に対しても頑張っていただきたいと思うんです。
 それで、私、一つ、ことしの一月六日の朝日新聞の主張を見て、なるほどなと感じたことがあるので、東京都の見解も伺いながらご紹介したいと思うんですが、名古屋市では藤前干潟を埋め立ててしまおうということが起こって、それで処分場にしていこうということがあったわけなんですが、これはだめだというか、市民の人たちが自然の干潟を守りたいということから、できるだけ処分場を延命させよう、そういう世論が高まって、分別収集をみんなの合意の中で徹底して、この五年間で埋め立てに回るごみを半減させた、そういう記事が朝日の主張に載っていました。ドイツなどでもデポジット制も評価されているんですけれども、名古屋市が取り組んだこの問題は、大都市でごみを減らすというのは到底難しい、なかなか無理な問題だという、そういう悲観論を克服したと朝日も紹介していました。
 私はこうした先進例に学んでいくことが大事だと思うのですが、拡大生産者責任を国に求めていくということで、今、都の努力もおっしゃっていただきましたけれども、こういう先進例に学んで東京都のごみ行政をどう進めていくかということで、お考えになっている問題があったら教えていただきたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 名古屋市では、容器包装リサイクル法に基づきまして、プラスチック製容器包装の分別収集を実施しております。このような分別収集を実施するかどうかは、区市町村の判断によるものであります。プラスチック製容器包装の分別収集には多額の費用を必要としますから、分別収集が進んでいないのが実情であります。
 このため、都は国に対しまして、先ほども申し上げましたように、拡大生産者責任の考え方に基づきまして容器包装リサイクル法を見直して、分別収集も含めまして、事業者責任で行う制度とするよう強く求めているところでございます。

○河野委員 もう長くは申し上げませんけれども、名古屋では、そういう市民の皆さんの力もあり、本当に行政も努力してごみの減量化に努めた中で、ごみの回収そのものが激減し、頑張ればごみは減らせるんだという実績もできて、大きな革新になっていると伺っています。一時期、名古屋も家庭ごみの有料化なども声としては出されていたようですけれども、今、自治体自身も、そういうことも方向としては示さないでも済むというような成果も上げておられるようなので、ぜひ環境局としても、こうした先進的な経験、いろんな文献も出ていると思いますので、学んでいただきながら、ごみの発生の問題、処理のあり方、総合的に検討していただかなくてはならないということをお願いしておきたいと思います。
 次に、二つ目の問題で、ヒートアイランド現象の問題を伺います。
 環境局も繰り返し資料を出しておられますが、過去百年で比較すると、東京の気温は約三度上昇と。地球全体の気温の上昇率は、温暖化といわれている中でいろいろグラフが出ていますけれども、百年で〇・六度C、比べますと、東京の気温は地球全体の五倍も引き上がっているということになります。日本全国の気温上昇に比べましても、東京の上昇率は際立っているわけです。
 こうした中で、昨年は多くの人たちが猛暑で、本当に熱暑といわれる暑さで倒れて、病院に運ばれた方も少なくございません。都民の健康そのものをも損なうような事態になっているという今の状況です。
 ヒートアイランドの原因について、なぜ東京でこうしたことが起こるのかということで、これまで環境局は、一つは緑や水面の減少、二つ目は地表面の人工化、三つ目が空調などの人工排熱の増加、こうしたことを挙げておられますが、まずお伺いしたいのは、こうした原因についての調査研究を深めて、今、根本的な対策を講じていくことが緊急に求められていると思うんですけれども、こうした原因と対策の問題でどういうふうにお考えになっておられるか、お答えください。

○百合都市地球環境部長 ヒートアイランド現象の原因と対策ということでございますけれども、ご指摘のとおり、現象の原因につきましては、人工排熱の増加等々、おっしゃったとおり、緑の減少等がございます。今、東京都としてはまちづくりの中で、緑化ですとか保水性舗装、風通しの配慮等々の対策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

○河野委員 次にお伺いしたいのは、新年度も、ヒートアイランド現象、予算に努力されて盛り込まれておりますけれども、都が取り組んできた十五年度、十六年度の重点事業、丸の内、西新宿、麹町、汐留、こうした四つのモデル地区を設定して、舗装の問題とか街路樹の再生事業、再生水の散水、屋上緑化、こういうことを実施してきたわけなんですけれども、この取り組みはどのくらいの効果が上がっているのかということを伺っておきたいと思います。

○百合都市地球環境部長 これまで都といたしましては、ヒートアイランド対策として、芝生化、保水性舗装等の実施をしてまいりました。
 例えば芝生化についてでございますけれども、芝生地につきましては、裸地といいますか、芝生を被覆していない土地に比べて、地表面温度が平均で昼間で八度、夜間で二度C程度低くなるという調査結果もございます。
 また、保水性舗装の効果につきましても、雨水や散水した水が蒸発する際に、気化熱によって地表面温度を十度C程度下げるということが建設局の調査でも確認されておりますし、また、屋上緑化の効果についても、環境科学研究所の調査結果では、植物や土壌からの水分の蒸発散などによりまして、表面温度が二十五度C低くなるということも確認をされております。

○河野委員 それは、その対策が行われた非常に限られた地域での測定だと思うんです。本当にどうするのかということで、屋上緑化とか、去年は都民も参加されまして、打ち水作戦もありました。水や緑という問題では努力されてきているわけなんですけれども、先ほども予算のお話がありましたけれども、この予算で深刻なヒートアイランド現象がどれくらい改善されるのかということでは、本当に心細いという状況も私自身も思います。
 例えば学校の芝生化の予算、東京じゅうで三十校分ということなんですが、公立の小学校、中学校だけを数えても約二千校ぐらいあるんですか、それで三十校ということですから、とにかく始めた、緒についたという段階の取り組みかなというふうに理解をいたします。
 ところで、十四日の予算特別委員会で古館和憲議員が質問をいたしました風の道の問題について伺います。
 私たちこれまでもずっと提言をしてきましたけれども、さきの予算特別委員会で環境局長が、ヒートアイランド現象を改善していく上では風の道は有効であるという旨の答弁をされております。私たちは、海風や河川、水路の利用などをいってまいりましたけれども、環境局は、ヒートアイランドの改善に風の道というものがどのように有効であると考えておられるのか。そして、有効であるなら、風の道を確保していくための具体的な取り組み方法はどんなものを考えているのかをお伺いしておきます。

○百合都市地球環境部長 風の道は、市街地における通風を確保することによりまして放熱を促進するということで一定の効果がございます。また、東京湾からの海風ですとか川沿いの涼しい風を市街地に導くことによりまして、気温の上昇を軽減するという効果もございます。
 風の通り道につきましては、東京都環境基本計画に定める環境の確保に関する配慮の指針の中で、開発事業者にその配慮に努めることを求めておりますし、また、環境局自身、平成十四年から二十三区内の二十カ所におきまして風向、風速を測定しており、今後、この結果を、風の道確保のために広く情報提供していきたいというふうに考えております。

○河野委員 ヒートアイランド現象は本当に深刻なんですが、環境局自身がその原因と認めておられる空調などからの排熱、そして地表面の人工化など、これはなぜ起こったかというと、東京がどんどん開発されてきた、そういうことが原因になっていると思うんです。
 予算特別委員会でお示ししましたように、今東京では、わかっているだけでも、高さ百メートル以上の高層ビルがどんどんとふえております。特に海に面した品川、港、そして臨海部、また都心部にも超高層ビルが建設されるという計画が進められていて、まさに去年、テレビや新聞で一斉に報道されました壁、東京ウオールという、ああいうものが幾重にも東京のまちの中に出現していくような計画があるわけです。
 さっき資料の話がありましたけれども、環境局の当委員会に出していただいた資料では、消費エネルギーやCO2の排出量、いずれも業務系から出てくるものが最も比率が高く、増加しているというのも象徴的だと思うんですが、私は、今、風の道などの検討が始められたことは一歩前進という評価ができる中で、根本的には、東京のヒートアイランド現象を引き起こしている最大の原因、いわゆる都市再生路線によるまちづくり、超高層ビル群の建設などを今の段階で見直さなければ抜本的な対策にならないと思うんです。東京が抱える深刻なこの問題を解決していくには、こうした開発問題とのかかわりで環境局はどういうご認識をお持ちでしょうか。

○百合都市地球環境部長 都市再生は、都市機能の高度化とあわせて、公共的なオープンスペースの確保、敷地内の緑化、省エネルギーなど、環境に配慮した都市づくりを目指すものでございます。
 都は、開発事業につきましては、条例に基づく環境影響評価手続や建築物環境計画書制度、また屋上等の緑化計画書などによりまして指導しており、良好な環境の確保に努めているところでございます。今後とも、環境に配慮した都市づくりを推進してまいります。

○河野委員 ぜひ環境に配慮した都市づくりを推進していただきたいんですが、一方では、環境影響評価の仕組みが条例によって一歩後退するというような状況もあるわけですから、そういうものにも十分注意しながら取り組みを進めていただきたいと思います。
 質問の最後に、先ほどの委員の質問にも関連するんですけれども、私たちも、ヒートアイランド現象、これを一日も早く改善していくためには全庁的な取り組みが必要だと考えています。それで、さっきご答弁にありました東京都のヒートアイランド対策推進会議、こういうシステムというか会がつくられて、全庁的な取り組みがされていることはご答弁の中でもわかりました。
 この資料を見ますと、今お話ししましたような都市再生路線によってのヒートアイランド現象とこれにどう対応するのかという問題は、残念ながら余り触れられていないんです。都市整備局が入っていますし、政策立案の関係の知事本局とか、産業労働局も入っておられるし、建設局も下水道局も、これを見るとみんな参加されていて、必要な、皆さんが一生懸命知恵を出し合っているのはよくわかるんですが、抜本的な問題じゃなくて、対策としては、緑の増加とか舗装をやるとか、排熱の抑制のための熱源システムのエネルギー効率の向上とか、そういうものが載せられてはいるんですが、私たち、東京のまちがなぜこのようなヒートアイランド現象に襲われているのかということをもっと抜本的に解明させていただく上でも、都市再生は切って離せない問題だと思いますので、改めて強く要求しておきます。
 これと関連して伺いたいんですが、このヒートアイランド対策推進会議はどういう頻度で行われているのでしょうか。そして、私は、せっかくこういう全庁的な取り組みが進められているわけですから、環境局長自身が座長をお務めになるくらいの決意でこの問題に対応していただきたいと考えているんです。委員ということでお名前が載せられている皆さんは、部長級の皆さんが載せられているので、大変ご苦労はされていると思うんですが、ぜひ、もっと位置づけを高める上で、環境のオーソリティーであります環境局長自身もこういう場にきちんと加わっていくことが必要だと思うんですが、どういう頻度でどういう論議がされ、そして、これからこの対策推進会議を強めていく上でどのようなお考えをお持ちか、伺っておきます。

○百合都市地球環境部長 ご指摘のとおり、平成十四年八月からヒートアイランド対策推進会議ということで設置しております。頻度ということでございますけれども、推進会議のメンバーは部長級でございますが、その下に幹事会ということで課長級の会議もございます。そういったもろもろを含めまして、会議につきましては二回程度、それから、その他幹事会等を開いているという状況でございます。
 会議におきましては、取り組み方針の策定ですとか、ちょっとご指摘ございましたけれども、具体的な対策の検討などを行っているところでございまして、今後とも、推進会議を活用しながら、関係局と連携してヒートアイランド対策に取り組んでいきたいと考えております。

○河野委員 いろいろご答弁いただきましてありがとうございました。
 東京都が力を入れている都市再生という巨大開発中心の都政のあり方では、環境悪化は拡大するばかりだと思います。都市再生ということを見直して、クールランドなどの考え方に基づいたまちづくりへの努力を進めていただくこと、そして、廃棄物処理のあり方などを含めてあらゆる角度から環境重視の都政への努力を求めまして、質問を終わります。

○林田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十九分散会

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