環境・建設委員会速記録第二号

平成十七年三月四日(金曜日)
第九委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長林田  武君
副委員長小磯 善彦君
副委員長高橋かずみ君
理事小松 恭子君
理事大塚 隆朗君
理事宮崎  章君
伊沢けい子君
河野百合恵君
真木  茂君
木内 良明君
三原 將嗣君
大西由紀子君
星野 篤功君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長平井 健一君
総務部長梶原 康二君
参事大野 輝之君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長梶原 秀起君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長中島  博君
参事月川 憲次君
自然環境部長福島 章人君
廃棄物対策部長小山 利夫君
廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君
建設局局長岩永  勉君
次長浅倉 義信君
道路監柿堺  至君
総務部長東岡 創示君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長石渡 秀雄君
道路建設部長依田 俊治君
公園緑地部長内海 正彰君
河川部長原田 龍次君
企画担当部長野村 孝雄君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長林 健一郎君
道路計画担当部長阿部  博君
参事伊藤 精美君

本日の会議に付した事件
建設局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十五号議案 平成十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
・第百三十七号議案 平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 建設局所管分
環境局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百三十七号議案 平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、繰越明許費 環境局所管分
付託議案の審査(決定)
・第百三十五号議案 平成十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
・第百三十七号議案 平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 環境・建設委員会所管分

○林田委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局及び環境局関係の付託議案の審査を行います。
 これより建設局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十五号議案及び第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、建設局所管分を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小松委員 補正予算の中の国直轄事業に関しまして、何点か質問させていただきます。
 十六年度のこの補正予算は、ほとんど建設局は国直轄事業関連なんですが、その中でも、道路橋梁費は二百八十二億二千八百万、河川海岸が六十一億一千六百万、公園霊園費が九億六千万ということですけれど、それぞれの事業内容、そしてまた支払い予定額、これはどのくらいになるのでしょうか。

○東岡総務部長 平成十六年度の直轄事業負担金の対象となる主な事業とその支払い予定額ということでお答えさせていただきます。
 道路では、圏央道や新宿駅南口地区基盤整備などで三百六十九億円、河川では、荒川や多摩川の整備などで百二十億円、公園では、国営東京臨海広域防災公園の整備で十七億円でございまして、総額で直轄事業負担金は五百六億円ということになります。

○小松委員 そうしますと、補正後の直轄事業負担金の予算額、その財源はどうなっていますか。

○東岡総務部長 直轄事業負担金の補正後の予算額は三百九十六億円でございまして、その財源は、都債が二百二十億円、一般財源が百七十六億円となっております。

○小松委員 そうしますと、直轄事業負担金、この最近五年間の推移をお聞かせ願えますか。

○東岡総務部長 直轄事業負担金の過去五年間の金額でございますが、十一年度、四百五十九億円、十二年度、四百九十二億円、十三年度、五百三十五億円、十四年度、四百六十四億円、十五年度は五百九十六億円となっております。

○小松委員 十四年度にちょっと減ったとはいうものの、少しずつ、だんだんとふえているという状況になっております。これを他府県で見ますと、直轄事業負担金、減っているんですね。これは、例えば、たくさんありますけれど、この近隣を見ましても、前年対比で、埼玉、直轄事業負担金が八四・一%ですね。投資的経費は八八%。千葉では、投資的経費が七三・五%、直轄事業負担金九七%。それから神奈川では、投資的経費九八・一というように--それで、東京はといいますと、これは我々都議団が調べた数字ですけれど、投資的経費一〇八・九%、直轄事業負担金二〇八・二%。来年度予算というのが、制度が少し変わって、そして、今まで当初と補正で合わせてというのが、当初で見込めるようになったというものがあるから、単純な比較はできないんですけれど、それでもこれは、近隣県と合わせてもこういうふうに減らしているという一つの例になるかなというふうに思うんです。
 地方の負担が重いんで、直轄事業を受け入れなくなっているのではないかと思われるわけなんですけれど、それなのに東京都は、過去に負担がふえたままで、増減はあるんだけれど、全体的にふえてきているという、これをどう見ておりますか。

○東岡総務部長 東京の都市基盤施設の整備状況はいまだに不十分な状況でございまして、東京を魅力と活力のある都市に再生し、産業の活性化や国際競争力の向上を図るためには、都市基盤の整備は極めて重要であります。
 国の直轄事業は、圏央道や荒川のスーパー堤防などの都市基盤整備を行うものでございまして、事業そのものは大変意義が高いものと考えております。

○小松委員 そこまでのご意見が出てきますと、これ、やりとりしても平行線になりますので、意見を申し上げたいと思いますけれど、例えば先ほどので、宮城県は財源不足が解消されないため、維持管理費にかかわる国直轄事業負担金の一部につき--二十億円ですけどね、当初段階では計上を見送ったということが我が都議団の調べでも出てきているんですが、他の県はそうですね。今おっしゃったように、都市基盤の整備が都民生活と都市活動を支える上で欠かすことができないといういい方をされておりますが、来年度予算では、国の直轄事業負担金を大幅にふやしているというのは、一つには、そういう制度のやり方の違いはあったとしてもふやしているということで、今後は、国は大きな負担を求めてくると思うんですけど、国の事業、これはやはり国の責任で行うべきであるし、先ほどおっしゃった、都民生活と都市活動を支える上とおっしゃるのでしたら、私、多摩の人間ですけれど、それこそ歩道の整備一つとっても、多摩なんかは、未整備があと三百二十二キロもあるという中で、去年とことしと、さっき調べてみましたら、たった四キロしか進んでいない。
 こうした本当に地域の方々が安心して住み続けられる東京のインフラ整備というのは、都心の大きな国直轄が中心ではないだろうというふうに思うわけですね。ですから、全国の知事会も、この国直轄事業に対して反対して、そして制度の廃止を求めているわけですね。東京都も制度の廃止を求めていくべきだと強く求めまして、質問を終わります。

○大西委員 小田急線経堂地区の連続立体事業について伺います。
 小田急線については、代々木上原駅付近から始まり、狛江地区、経堂地区と、順次事業を進めてきております。この間、いろいろな踏切の問題が解決されて、交通渋滞も緩和されてきているんですけれども、経堂地区は、平成六年六月に事業に着手し、平成十二年三月に事業期間を一度延伸して現在に至っているんですが、そして今回、再度延伸するということなんですが、これまでの事業の経過について伺います。

○依田道路建設部長 この事業は、世田谷区及び周辺における交通渋滞や地域分断を解消し、安全で快適なまちづくりに寄与する重要な事業でございます。平成六年度から着手しまして、今年度の事業完成を目指して進めてまいりました。
 この間、平成十四年十二月に在来線の高架化が完成いたしまして、事業の大きな目標でありました十七カ所すべての踏切を除却いたしました。
 さらに、昨年十一月には複々線化も完成し、これによりまして輸送力の増強が図られております。例えば、向ケ丘遊園から新宿の間で四分間短縮される効果がございます。
 現在、数名の事業反対者と補償額への不満の方がいらっしゃいまして、側道用地等の一部が未取得のため、全体面積の約一%が残っております。このため、三年間の事業期間の延伸を申請しているところでございます。

○大西委員 三年延伸するということですが、そうすると、総事業費はどの程度になるのか、伺います。

○依田道路建設部長 この全体事業費につきましては、当初千九百億円を予定しておりましたけれども、施工方法の工夫などによるコスト縮減や用地費の下落による要因で、約千六百五十億円程度になるというふうに見込まれております。
 今後も引き続き、事業費の抑制に努めてまいります。

○大西委員 また、資料を見ますと、小田急線経堂地区で、平成十六年度の世田谷区の負担がふえているように思うんですが、その辺の理由を伺います。

○依田道路建設部長 世田谷区の負担金は、事業の進捗に応じまして決まる当該年度の事業費について、一定の負担割合に従いまして負担をしていただいているものでございます。
 平成十六年度の世田谷区の負担金が増額になった理由は、前年度に行う予定でありました駅舎の本体や線路、電気通信設備などの工事費の一部と用地補償費の一部を平成十六年度に実施したことによるものでございます。
 各年度の執行額は、事業の進捗状況に応じて増減いたしますけれども、これによりまして、区の負担金も含めて、全体事業費が大きく変わるものではございません。

○大西委員 総事業費は変わらないということですね。これからも区の負担がふえないよう、一層の事業費の抑制に努めていただきたいと思います。
 さて、高架橋は既に完成し、鉄道も運行していますが、今まで地上を複線で走っていた電車が複々線化になったので、単純に考えると騒音も大きくなるのではないかと心配するんですけれども、具体的にどのような騒音対策を講じていらっしゃるんでしょうか。

○依田道路建設部長 この事業区間では、騒音対策といたしまして、ロングレール化やバラストマットを敷設するなどの施設対策、それから防音壁や吸音板を設置するなどの遮音対策、それから車両の軽量化や防音車輪の導入など、車両の対策をしております。

○大西委員 騒音対策なんですが、建設された高架四線を全線、透明なプラスチックドームで覆ってしまうという方式があるとも聞きました。これは実際に、北総線の一部に使われているとか、それから、札幌の地下鉄も、郊外で地上に出るんですけれども、覆いの中、チューブのままで走行したりということで、かなり騒音をそこで抑制しているというふうにも聞いておりますので、その辺もぜひあわせて検討していただきたいんですが、そういう中で、今、いろいろな対策も聞いたんですけれども、沿線の住民は、やっぱり高架化や複々線化によって騒音が大きくなるのではないかと、それでも心配しているわけなんですけれども、実際、騒音はどのようになるのか、そういうアセス的な調査とかそういうものをやっていらっしゃるんでしょうか。

○依田道路建設部長 既に事業が完成しております小田急線の狛江地区では、高架橋端からの距離十二・五メートル、地上一・二メートルの地点での騒音が、着工前に比べまして七から一〇デシベル低下してございます。
 この経堂地区につきましても、同様の条件で、環境影響評価における予測値では、一〇から一五デシベル低下するというふうに予想しております。
 環境影響評価書に基づく事後調査を近々実施する予定でございます。

○大西委員 事後調査を実施するということで、ぜひそれをしっかりやっていただきたいと思っております。
 この問題は、計画が出てきた当初、世田谷区では、議会を含め、地下化を求める声が高かったと聞きます。高架式によって、用地買収が少ない地下化の方が早く、安く、環境に優しいとの主張が裏づけられる結果となっているのではないかと思います。
 都は今回、工期の三年延長を求めていますが、ここまで買収に応じてこなかった住民の気持ちが変わるとは、到底思えないんです。再度の延長期限にも間に合わず、強制執行が行われるような事態は、絶対に避けるべきだと考えております。
 既に本区間の複々線化は完成し、小田急はダイヤ改正も行ったと聞いていますが、反対住民、沿線住民の納得を得るための具体的な提案、いわゆる落としどころというものを真剣に考える時期が来ているんじゃないかと思います。事業認可を取り消すかどうか等の法律論議は司法に任せますが、電車の増発や高架化による鉄道騒音には、やはり日々苦しめられている沿線の住民の立場に立った対応を考えるべきだと思っております。直ちに沿線住民の賛同が得られることは難しいと思いますが、とにかくこの硬直した関係性を解きほぐすにも、やはり住民との話し合いをベースに解決策を探る努力が必要だと思っております。
 全国各地で行政はさまざまな鉄道公害に取り組んでいます。また、昨日は、新聞各紙が小田急訴訟の最高裁受理を報じ、原告適格に関する部分については大法廷に回付するという報道がありました。騒音などの鉄道公害の被害者にも、法的にも救済の道が開かれようとしています。
 再度申し上げておきますが、都が二度目の工期延長を余儀なくされたことは、公共事業については、住民の理解を得ることがいかに重要かを改めて示したものと考えています。工期延長の責任を十分に受けとめ、高架式を主張したメンツにこだわらず、柔軟な姿勢を市民との対話に見せるべきだと思います。
 また、本件に関しては、やはり今後とも議会に十分な報告を行う中で進めていただきたいということを申し上げて、意見とともに、この議案には賛同いたしたいと思います。

○依田道路建設部長 この区間の構造形式につきましては、地理的な条件、交差する道路との立体交差などの計画的な条件、事業費などの事業的な条件を総合的に判断した結果、成城学園前駅付近は地形を利用して掘り割り式に、そのほかの区間は高架式であるというふうに決めてやってございます。
 今後、残りの地権者の理解を得て、早期に事業の完了を目指してまいります。

○大西委員 住民の理解を得ることがいかに重要かということを改めて考えていただきたいということを要望しておきます。

○伊沢委員 それでは、百三十五号議案、そして百三十七号議案について、意見を申し上げたいと思います。
 百三十五号議案、平成十六年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について、この議案について意見を申し上げます。
 この連続立体交差事業のうち、世田谷区と関係があります小田急電鉄小田原線、この小田急線に関する連続立体交差事業についてですが、ここの地区の高架化事業については、今も住民との間で、住民が裁判を起こして、係属中で推移しております。
 この事業につきましては、騒音問題、また日照被害などが起こり、また、立ち退き問題なども生じることから、地域の住民が地下化という代替案を示してきました。この地下化の案の方が環境面にもよいし、経済的にも安上がりで済むということで、非常にすぐれた提案でありました。しかし、それにもかかわらず、この住民の求めている地下という案は実現しておらず、高架化で事業が進んでおります。
 したがいまして、この住民の意見に応じなかったということで、今も紛争が継続しております。したがいまして、この議案につきましては、反対をいたします。
 それから、百三十七号議案につきましては、今回の予算で圏央道についての補正予算が入っておりました。この圏央道につきましては、環境破壊をもたらすと同時に、むだな公共事業というふうに考えております。今こそこの事業について見直すべきときだと思います。したがいまして、この補正予算、百三十七号議案につきまして反対をいたします。
 以上です。

○林田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。

○林田委員長 これより環境局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、繰越明許費、環境局所管分を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 ご異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。

○林田委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百三十五号議案及び第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境・建設委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案については、既に質疑は終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境・建設委員会所管分を採決いたします。
 本案は、起立によって採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○林田委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十七号議案、平成十六年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、環境・建設委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百三十五号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○林田委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十五号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
    午後一時二十九分散会

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