環境・建設委員会速記録第十二号

平成十六年十一月二十九日(月曜日)
第九委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十一名
委員長林田  武君
副委員長小磯 善彦君
副委員長高橋かずみ君
理事小松 恭子君
理事大塚 隆朗君
理事宮崎  章君
河野百合恵君
真木  茂君
木内 良明君
三原 將嗣君
大西由紀子君

 欠席委員 二名

 出席説明員
環境局局長平井 健一君
総務部長梶原 康二君
参事大野 輝之君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長梶原 秀起君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長中島  博君
参事月川 憲次君
廃棄物対策部長小山 利夫君
廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君
建設局局長岩永  勉君
次長浅倉 義信君
道路監柿堺  至君
総務部長東岡 創示君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長石渡 秀雄君
道路建設部長依田 俊治君
公園緑地部長住吉 泰男君
河川部長原田 龍次君
企画担当部長野村 孝雄君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長林 健一郎君
道路計画担当部長阿部  博君
公園管理担当部長内海 正彰君

本日の会議に付した事件
建設局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・日暮里・舎人線舎人公園駅(仮称)建築工事請負契約
陳情の審査
(1)一六第五一号   都民に対する新規墓地の供給体制の整備に関する陳情
(2)一六第五九号の二 都市計画道路国分寺三・三・八号線(府中所沢線)の整備促進に関する陳情
環境局関係
報告事項(説明・質疑)
・三井物産株式会社によるDPF装置指定申請に当たっての虚偽データの使用について

○林田委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 第四回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において協議の結果、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。ご了承願います。
 次に、本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、建設局関係の陳情審査及び環境局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料を要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 それでは、これより建設局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○岩永建設局長 第四回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、日暮里・舎人線舎人公園駅(仮称)建築工事の契約案一件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明申し上げます。

○東岡総務部長 平成十六年第四回定例会提出予定の案件につきまして、当局関係の工事請負契約議案一件をご説明申し上げます。
 資料1の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 件名は、日暮里・舎人線舎人公園駅(仮称)建築工事でございます。
 本工事は、区部北東部における交通の利便性を向上し、放射第一一号線、通称尾久橋通りの慢性的な渋滞の緩和を目的に整備する日暮里・舎人線に係る工事でございます。
 工事場所は、足立区皿沼三丁目地内から同区舎人一丁目地内、契約の相手方は東急・古久根建設共同企業体、契約金額は九億七百二十万円、工期は平成十八年三月九日までとする工事請負契約を一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 二ページをお開き願います。下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。
 本工事は、舎人公園駅の駅舎及び連絡通路を建築するものでございます。駅舎及び連絡通路の形状は、三ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 以上で、平成十六年第四回定例会提出予定案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○林田委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 それでは、資料要求なしと確認させていただきます。

○林田委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、一六第五一号、都民に対する新規墓地の供給体制の整備に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○住吉公園緑地部長 お手元に配布してございます資料2、請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 整理番号1の陳情一六第五一号をお開き願います。
 本件は、都民に対する新規墓地の供給体制の整備に関する陳情でございまして、杉並区、中桐敬二さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、都は現行法の定めに従って、二十三区等とも連携し、墓地公園の適地、例えば東京湾埋立地の確保と新規墓地供給体制の整備を実施してほしいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、都立霊園百三十年の歴史の中で、植栽や園路などに造園的デザインを取り入れた日本で初めての公園墓地である多磨霊園など、先駆的な墓地を整備してまいりました。その結果、現在、都立霊園は八カ所、総面積四百十六ヘクタール、使用者数二十六万人、埋葬体数百十四万体となっております。
 近年では、土地を有効に活用した壁型墓地や、大規模納骨堂である多磨霊園みたま堂、さらには、少子化や核家族化に対応し、単身者やご夫婦が生前から申し込みが可能な合葬式墓地を整備しております。これらに加え、返還された墓所の再貸付を進めることにより、最近十年間の公募総数は二万一千件となっております。
 都立霊園につきましては、今後も、既存霊園の有効活用により、他の霊園の範となるような新しい形式の墓地を整備するとともに、返還墓所の分割による再貸付を進めてまいります。
 新規の都立霊園につきましては、大規模な土地の手当てが難しいこと、周辺の広範な道路網の整備が必要であることなど課題が多く、新たな霊園の適地の確保は困難であると考えております。

○林田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○高橋委員 私から、一六第五一号、都民に対する新規墓地の供給体制の整備に関する陳情について、幾つかお尋ねいたします。
 まず、都民の切実な思いとして、自分のお墓を持ちたいという気持ちは十分に理解できるものであります。その一つとして本陳情があるものと考えます。
 陳情者は、墓地公園の適地を確保して、新規墓地供給体制の整備を求められておりますが、墓地の供給は民間でも行われておりますし、新聞にたくさんの折り込みチラシが入っていたり、また聞くところによると、民間の墓地は数多くあるという話もあります。このような中では、東京都の公金を使った新しい霊園をこれからつくっていくというのは、ほとんど不可能であると私は思います。
 とはいえ、今現在、都立霊園を管理している東京都としても、可能な限りの努力をして、都民の貴重な財産である都立霊園を有効活用し、墓所を都民に供給していく必要があると思いますが、東京都ではどのような工夫をしているのか伺います。
 仄聞するところによりますと、答弁をいただく住吉部長さんにおいては、あすで退職されるとのことでありますが、三十数年間、まことにご苦労さまでありました。ぜひ、お互いに心に残る質問と答弁で終了したいと思います。よろしくお願いします。

○住吉公園緑地部長 温かいお言葉をありがとうございます。
 墓所供給の取り組みについてでございますが、平成十二年度より、使用者のいなくなった墓所、いわゆる無縁墳墓につきまして計画的に整理を実施しております。また、昨年度から供給を開始いたしました多磨霊園合葬式墓地では、一般の公募のほかに、墓所を返還する場合の移転先としての受け入れを行うなど、積極的に墓地利用の適正化と、再貸付可能な空き墓所の確保に取り組んでおります。
 一方、墓所の貸し付けに当たりましては、従来、一区画当たり四平方メートル以上を原則としてまいりましたが、本年度からは、敷地を効率的に利用し、より多くの方へ墓所を供給していくため、墓所を分割し、二平方メートルの小規模区画の供給を開始いたしました。

○高橋委員 そうした努力や工夫によりまして、どのような成果が得られたのか、伺います。

○住吉公園緑地部長 無縁墳墓の整理の推進などによりまして、平成十二年度からの四年間で二千八十区画、一万三千平方メートル余りの空き墓所を確保することができました。また、小規模区画の墓所貸付を行うことによりまして、平成十六年度は、分割する前に比べて墓所数を三割近く多く貸し付けることができました。

○高橋委員 それなりの努力の跡がうかがえますが、有効活用といえば、青山霊園の再生事業は、墓所の一部を貸し付け、その収入を再生事業に活用するという画期的な事業手法として評価させていただいておりますが、その後どのように進められているのか、現在の状況についてお伺いいたします。

○住吉公園緑地部長 青山霊園の墓所貸付につきましては平成十五年度から開始しております。
 また、平成十六年度は、すべての墓所使用者に対して青山霊園再生計画の内容について通知するとともに、墓所貸付も実施いたしました。その後、広場などの設置予定箇所となった墓所の使用者と移転交渉を開始いたしまして、本格的に再生事業に着手したところでございます。

○高橋委員 次に、都はこれまでも、壁型墓地、合葬式墓地など、時代のニーズに対応した新しい施設を提供しておりますが、青山霊園の再生にあっても、何かそういった新しい工夫を考えられているのかどうか、伺います。

○住吉公園緑地部長 青山霊園の再生事業では、限られた敷地を有効に利用し、墓所を立体的に集合させた新しい形式の墓地を建設中でございます。この施設は、将来の管理や承継の心配が不要になるという合葬式墓地のメリットと、使用区画が明確で個別に参拝ができるという一般墓地のメリットをあわせ持っております。少数世帯の増加など、近年のライフスタイルの変化に伴う新しい都民ニーズにこたえる施設であると考えます。

○高橋委員 青山霊園で建設中という新しい形式の墓地は、他の霊園の範となるような取り組みでもありますし、また、同じように敷地に限りのある他の霊園においても応用できるものではないかと私は思います。
 今までの答弁で、都は、限られた資源、財源を生かし、さまざまな努力を重ねて霊園行政に取り組んでいることがわかりました。霊園の使用というものは所得制限がないことから、同じ福祉施策の一環としても、公営住宅とは異なる考え方が必要だと思います。新規霊園の建設となると非常に多くのコストがかかり、これを負担するのもやはり都民ということになるわけであります。それなら、民間に任せるべきところは任せて、都は既存の霊園を可能な限り有効活用していくことが一番現実的なことだと思っております。
 都は今後とも創意工夫をもって墓所の供給にさらに取り組んでいただくよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。

○真木委員 私も都立霊園を利用させていただいている利用者の一人でございまして、東京都の霊園行政には感謝をしている一人でございます。そうした利用者の一人として、そして東京都の恩恵にあずかっている一人として、本日は簡単に一つだけ問題提起をさせていただいて、質問とさせていただきたいと思います。
 まず、東京都の今日までの霊園行政における哲学についてお伺いしたいと思います。
 東京都は、だれのために、どのような墓地を提供することを目的として霊園行政を行ってきたのでありましょうか。

○住吉公園緑地部長 都は、都民の福祉の増進に寄与することを目的といたしまして、都立霊園百三十年に及ぶ歴史の中で、日本で初めての明るく広々とした公園墓地の整備を初め、都民のライフスタイルの変化やニーズの多様化に対応した墓所供給に努めております。さらに、緑による環境保全、散策などの憩いの場、防災上の役割など、多面的な機能を持つ都市空間として霊園を都民に提供しております。

○真木委員 東京の都立霊園は八カ所ということで、八霊園ということでよろしいでしょうか。開設年月日を見てみますと、青山霊園、雑司ヶ谷、また染井、谷中も明治七年にできております。多磨霊園は大正十二年というようなことで、戦前の東京市時代の東京市の行政としての霊園行政を引き継いでいるというぐあいに思われます。明らかな戦後づくりとしては、小平霊園が昭和二十三年でございまして、事実上の東京都の施策としては、八王子霊園、昭和四十六年、一つだけというようなことになろうかと思います。
 そうした中で、急に転換しろということではありませんし、また、今までの霊園行政には敬意を表するものでありますが、東京市時代の霊園行政を引き継いでいる、引きずっているというような気もしないではないわけであります。住宅に関して、都営住宅はだれのためにというような哲学は明確にございます。ところが今、霊園行政においては、住宅でいえば、戸建ての超高級、青山の一等地の一戸建てから、住居にお困りの方の住宅まで、すべてをやっている形になっているような気がしてなりません。
 実は私は東京二世でございまして、親が墓地を持っておりません。九州から出てきて、今の代に至るまで霊園がなくて、昔は口幅ったかったのでございますが、コインロッカー式のみたま堂をお借りしているわけであります。なかなか利用者がいない、実際に人気もなかった、それで当たるだろうということで、私も応募させていただいて、抽せんなく入れた時代でございましたけれども、このコインロッカー式のみたま堂に親、また東京で亡くなったおばあちゃんの骨を埋葬させていただいておって、非常に助かっております。
 東京都のそうした行政に心より感謝をしている者として、今後の霊園行政としては、明確にだれのためにという、しっかりと目的を持ってやっていかれたらどうかというぐあいに思っております。
 それは、私の観点からすれば、墓地難民に力を入れて今後の霊園行政をやっていただきたいと思うわけでありますが、一方において、先ほど申し上げましたように、コインロッカー式とか、人気がないというような状況もありました。その後、時間がたっておりますけれども、コインロッカー式、壁式というような表現も使われているようでございますが、みたま堂ですとか合葬式、こうしたものへの都民の応募状況、人気というか、認知度というか、その辺の状況について確認をいたします。

○住吉公園緑地部長 みたま堂につきましては、平成十四年度までで既に募集を終了しております。使用者数は五千四百人でございまして、ほぼ満杯の状態でございます。
 合葬式墓地についてですが、小平霊園は既に募集を終了しております。三千体分を、平成十年度から平成十四年度の五年間で募集し、平均倍率は六・三倍でございました。
 昨年度から供給を開始した多磨霊園は、四千八百体分を五年間で募集する予定でございまして、昨年度と今年度の平均倍率は五・一倍でございました。

○真木委員 みたま堂ができたのは平成五年でございます。今から十年ちょっと前ということでございまして、できたばかりのころは、新聞なんかでも、随分おもしろいものというか、目新しいもの、コインロッカー式というような形で、書き方としては冷ややかな感じを印象としては持っておりました。しかしながら、今ご答弁もございましたように、ニーズは確実にある。合葬式という、また新しい形のものについても、相当なニーズがあるということでございます。
 まさに戦後、東京に来た東京二世にとっては、父の実家、母の実家と疎遠になっております。私自身も疎遠になっております。そうしたところ、父の実家に父の骨をお願いするということもなりません。かといって先祖代々のお墓があるわけじゃありません。墓地難民というのは極めて今日的な課題なんじゃないかというぐあいに思います。単に生活形態が変わった、シングルがふえた、子どものいない夫婦がふえたというだけじゃなくて、まさに帰るところのない骨、そしてまだ息子が墓を持てないという中で--ただ、合葬式ですと、戻すことができないわけですね。私は、いつかは必ずや真木家の墓をつくりたいというぐあいに思っております。そういう思いを持った東京二世はたくさんいると思います。そういった人間からすれば、明確な期限を区切って三十年間お預かりいただけるという--真木家の墓をつくろうというのは、僕自身のもう一つの人生の目標でもあります。そうした人間のためにも、しばらくお預かりいただけるというのは、東京都ならではの施策ではないかというぐあいに思います。
 今後、霊園行政をやっていく上で、住宅政策同様とはいいませんけれども、だれのために、どのような墓地をつくっていくのかという哲学を明確にした上で、その観点は、私は、ぜひ墓地難民に力を入れていただきたい。山手線の中に戸建てをつくる必要は毛頭ない、東京都が提供する必要は毛頭ないと思っております。墓地における区画整理なども進めていただきながら、墓地難民を三十年間救っていく、もしくは合葬式というような形で救っていく、そういった哲学を明確にしていただきたいと思うわけでありますが、ご見解をお伺いします。

○住吉公園緑地部長 現在提供しております合葬式墓地は、貸し付けに際し一括して使用料を納めていただいた後は、将来の管理や承継の心配が不要になるなど、新しい都民ニーズにこたえる施設であると考えております。敷地も比較的小規模で済むことから、今後、既存霊園の活用策として有効であると思います。
 また、みたま堂のような長期の収蔵施設につきましては、時代の変化に対応した新しい墓地づくりの中で検討してまいります。

○真木委員 今、検討していくというお言葉をいただきましたけれども、ぜひ墓地難民に力を入れた霊園行政に力を入れていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。

○河野委員 私も何点かお伺いしてまいります。
 葬送のあり方、埋葬をどうするか、これはだれもが向き合わなくてはならない問題であります。家族が亡くなったとき、お墓を求めたいと望んでも、求めるような墓地を容易に見つけることができないという話をお聞きいたします。お墓の価格が高く、希望するような条件はなかなか見つからないというのが率直な都民の声であります。
 私が知り合ったある方は、お姉さんと奥さんが相次いで亡くなって、墓地を買うこともできないで、何年間も自宅にお骨を安置したままでありました。また江戸川区内では、住民の人たちが共同で墓地を購入して、合葬のお墓をつくったという例もあります。それぞれの方が悩んだ末の選択であったと感じています。
 ところで、都立の霊園について、倍率が高くて、申し込んでも当たらなかったので、あきらめざるを得なかったと、よく都民の方から相談を受けます。お伺いいたしますが、現在、都立の霊園の募集の倍率はどのような状況になっているのか、直近三年間での平均の倍率をお伺いしておきます。

○住吉公園緑地部長 都立霊園の公募倍率ですが、全体で平成十四年度は約八倍、平成十五年度は約十倍、平成十六年度は約八倍となっております。

○河野委員 十倍とか八倍とかという数字で、かなり高い倍率になっていると思います。申し込んでも、いつ当たるかわからないという声が聞こえるのもよくわかるような状況だと思います。
 それでは、都立霊園の使用料はどういう状況なのかというのを教えていただきたいと思います。募集の状況を伺いますと、青山霊園は特別に高いようですけれども、郊外の霊園などでは、どれくらいの使用料で都民に供給されているんでしょうか。

○住吉公園緑地部長 都立霊園の使用料につきましては、使用者の受ける利益を適正に評価できるように、近傍類似の民間の墓地永代使用料を参考といたしまして、不動産鑑定評価の手法を用いて算定をしております。例えば一般墓地では、多磨霊園は一平方メートル当たり四十一万七千円、小平霊園は三十五万八千円、八柱霊園は十九万一千円となっております。

○河野委員 私が知る限り、民間に比べると比較的負担しやすい価格かとも思いますが、それでも倍率は、先ほどもお話があったように大変厳しいわけですね。ご質問で、先ほど数字を出されましたけれども、例えば多磨霊園の合葬式の墓地ですと、平成十五年度、十六年度とも五倍を超えているということですから、都立霊園を希望しても、お墓を設けるのはなかなか難しかったという声が寄せられるのは当然のように思います。
 お墓に対する考え方というのは、時代の変化とともに多様化してきております。先日、NHKのある番組で、お墓のことが特集されておりました。番組では、都立霊園を申し込んだけれども当たらなかった方が、樹木葬という埋葬方法を選んだことが紹介されておりました。散骨という葬送の仕方を選ぶ方もいることをしばしば聞きます。しかし全体としては、なお多くの方が一般的な墓地、霊園に埋葬してほしい、あるいは家族は埋葬してあげたいと望んでおられるのではないでしょうか。
 答弁がありましたけれども、こうした多くの方が希望している墓地について、都立の霊園は倍率が高いとか、求めるのが難しいという現状で、工夫されているということもお話がありましたけれども、私は、価格の問題も含めて、都民のお墓の要望にこたえる努力を東京都がどのようにされているのかを再度お伺いしておきたいと思います。

○住吉公園緑地部長 都はこれまで、納骨堂や合葬式墓地など、多様なニーズにこたえる新しい形式の墓地を供給するとともに、平成十六年度の募集からは二平方メートルの小区画墓所を募集するなど、墓所の価格についても配慮しながら、限られた霊園用地の有効活用を図り、墓所供給数の増大に努めております。

○河野委員 江戸川区内でも、民間の事業者の方が墓地を造成して販売しています。私もきょう、チラシを二種類お持ちしたんですが、つい最近もこういうチラシが入っているんです。新聞の折り込みです。価格を見ますと、畳半畳分で二百五十万とかそういう価格になっているんです。三百万を超える場合もありまして、これはかなり高い価格ということで、年金収入だけの高齢世帯ではなかなか負担が難しい金額になっております。そして、民間の業者によります墓地の造成、供給に関連しては、生活環境問題などで、住民の皆さんとの間でもいろいろな問題が発生しているということも聞いています。
 先ほど、民間のお墓はゆとりがあるというか、余っているというお話もありましたけれども、都民の意識調査などの結果を見ますと、お墓については、やはり経済的に負担が可能な、支払いが可能な価格の設定をしている公的な墓地をもっと供給してほしいというのが都民要望の強いものになっています。こうした現状に照らしてみますと、墓地の供給は民間だけということではなくて、やはり公の責任として、都が新規墓地の供給についても何らかの対応をすべきではないかと私は考えるんですけれども、この点で、都民要望との関係で、東京都の公の責任ということでの認識はどのようにお持ちでしょうか。

○住吉公園緑地部長 新規の都立霊園につきましては、先ほど申し上げましたようにさまざまな課題がございまして、新たな霊園の適地の確保は困難であると考えます。
 都では、既存の霊園を活用し、都民のライフスタイルの変化やニーズの多様化に対応した墓所供給に努めております。今後も、他の公営霊園や民間霊園とともに、それぞれの特色を生かして墓所を供給してまいります。

○河野委員 意見を申し上げたいと思います。
 平成十二年十二月に、厚生労働省が衛生局長の通知を出しています。墓地経営・管理の指針というものなんですが、その中で、墓地には永続性と非営利性が求められる、この理念に沿った安定的な経営が利用者の切実な要望ということが書かれております。また、墓地は国民生活にとって必要なものであり、公共的な施設である、このために地方公共団体が設置、経営することも重要な住民サービスであるとあります。さらに、この指針では、加えまして、都市計画法では、都市計画で定める都市施設として墓園が位置づけられていることから、都道府県知事が都市計画を定めるものであり、墓地埋葬法で墓地の経営許可の権限を持っていることに照らして、まちづくりの中で計画的な墓地の供給への配慮をすることができる仕組みになっているとの考えも示しています。
 この厚生労働省の通知などを受けとめて考えますと、墓地埋葬法の業務を担当している東京都福祉保健局、そして都市計画担当の都市整備局、また都営霊園を担当している建設局、さらにあわせて区市町村などが連携して、切実な都民要望にこたえていく対策が必要ではないかと私は考えるものです。この点では答弁は求めませんけれども、今後、この立場に立った検討を進めていただくことを強く要望しておきたいと思います。
 陳情につきましては、公的な墓地に対する都民要望が切実であることから、趣旨採択をお願いして、質問を終わります。

○林田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○林田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第五一号は不採択と決定いたしました。

○林田委員長 次に、一六第五九号の二、都市計画道路国分寺三・三・八号線(府中所沢線)の整備促進に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○阿部道路計画担当部長 整理番号2の陳情一六第五九号の二をお開き願います。
 本件は、都市計画道路国分寺三・三・八号線(府中所沢線)の整備促進に関する陳情で、国分寺市の中村安幸さん外千三百三十六人の方から提出されたものでございます。
 要旨は、早期の事業着手が可能となるよう、諸手続の期間短縮、用地取得の準備等に配慮していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、国分寺三・三・八号線を含む府中所沢線は、多摩川の関戸橋から府中市、国分寺市、小平市を経て東村山市の埼玉県境に至る、延長約十三・六キロメートルの骨格幹線道路であり、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性向上や都市間連携に資する極めて重要な路線であります。
 本陳情区間は、事業中の府中区間に続く五日市街道までの約二・五キロメートルの区間であり、この区間の整備により、並行する府中街道の交通渋滞が緩和されるとともに、住宅地等に流入する通過交通が排除されるなど、周辺地域の安全性や快適性が向上いたします。
 現在、本区間では、計画立案の早い段階から環境保全に配慮するため、特例環境配慮書を本年十月十四日に提出し、計画段階環境影響評価の手続を開始いたしました。今後、環境影響評価を行い、引き続き都市計画変更の手続を進めてまいります。
 これらの手続の終了後には、早期の事業化に向け、地元市と連携を図りながら、事業説明会や個別相談窓口を設けるなど、事業内容の周知徹底を積極的に図り、関係住民等の理解と協力を得て、現況測量や用地測量を効率的に行ってまいります。

○林田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小松委員 それでは、府中所沢線の中の国分寺三・三・八号線、今ご説明がありましたように、先月、特例環境配慮書が提出されたところで、今回は、この促進を求めての陳情と思われるわけですが、陳情者が申されるように、計画決定以来四十年近くにわたって未着手のものであり、関係地権者の方々におかれましては、まとまった規模の土地が多いところだけに、相続などの発生を含めて、お気持ちはよくわかるわけです。が、一方、四十年前の計画が、それも寝かせっ放しで、今ごろなぜという声も多く耳にするわけです。
 そこで伺います。まず、この府中所沢線全体の整備進捗状況と今後の予定について伺います。

○阿部道路計画担当部長 府中所沢線は、多摩川の関戸橋から東村山市の埼玉県境に至る骨格幹線道路でございまして、先ほど申し上げたとおりでございますが、交通の円滑化はもとより、多摩地域の自立性向上や都市間連携に資する極めて重要な路線でございます。
 本路線の総延長でございますが、十三・六キロで、このうち四・四キロが完成しております。現在、一・七キロで事業中でございます。
 今後、事業中の区間の進捗状況を踏まえて、順次事業化を図ってまいります。

○小松委員 ところで、この国分寺三・三・八号線は、小平や東村山部分と比べて、現道が全くない住宅街を通過する。まして現在、第三次事業化計画が策定検討中であるわけですね。そうした中で、なぜ今ここで急いで国分寺三・三・八号線の手続開始なんでしょうか。あわせて、今後の事業の進め方についても伺います。

○阿部道路計画担当部長 現在の道路整備事業は、第二次の事業化計画に基づきまして進めております。府中所沢線につきましては、南北幹線道路として重点的に整備する路線として位置づけをしてきております。そして現在、府中三・三・八号線のうち、東八道路から多喜窪通りまでの区間は、今年度末の開通を目指して事業中でございます。引き続き多喜窪通りから連続して五日市街道までの本区間を着手し、幹線道路ネットワークを整備する。同時に、並行する府中街道の渋滞解消を早期に図ることが必要であると考えております。
 今後でございますが、環境影響評価と都市計画変更の手続を進めまして、現況測量や用地測量を行い、十九年度に事業着手を予定しております。

○小松委員 府中街道の渋滞解消ということでしたけれども、そうすると、府中街道の交通量というのはどのくらいでしょうか。また、本線が開通後の一日当たりの交通量はどのくらいになるんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 府中街道の現在の交通量でございますが、区間、場所によって違います。平成十五年度の数値でございますが、一日当たり一万七千台から二万一千台でございます。これが、整備完了を予定しております平成二十七年度、これは国分寺三・三・八号線が整備完了するということでございますが、そのときの府中街道の交通量は一万二千台から一万八千台と予測しております。

○小松委員 そうしますと、一万七千から二万一千台が一万二千から一万八千台。これを引きますと、四、五千台減らすために、府中街道ではなく新たな三・三・八をつくるということになるわけですね。
 そうしますと、後ほどお聞きしようと思ったんですが、今ここで伺いますけれども、後でA、B、Cの案が出てきますが、今回、この総事業費はどのくらいになるんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 平成二十七年度までで四、五千台が減ると、そのために国分寺三・三・八号線を整備するのかということでございますが、そうではございません。平成二十七年度には総交通量がかなりふえます。それも加味したとき、かなりふえるところが、現在の一万七千から二万一千台に対して四、五千台減るということでございますから、効果は非常に大きいというふうに考えております。
 それから、これからということで、A、B、C案の事業費というお尋ねでございます。事業費につきましては、A案は五百四十億円、B案は五百五十億円、C案は五百三十億円と想定しております。

○小松委員 ここで本来なら、もし府中街道を広げたらどのくらいかと聞きたいところですが、それは実際に計画していないので、お聞きする方が無理だと思いますので、聞きませんけれども、少なくともこれだけかからないだろうと。
 確かに今の府中街道、特にこのあたりの部分というのは、幅員が十メートル足らずで、停車帯もなければバスレーンもない、歩道も一メートルそこそこ、自転車と人とのすれ違いも大変危なっかしい、もちろん植樹もない。だから、府中街道の現道を拡幅するには、やはりそれなりのものが必要で、沿道住民の合意形成が必要なわけですけれども、そこを改築すれば、用地買収も、素人考えでも六メートルから八メートルぐらいで済むのではないでしょうかね。三・三・八は全く現道がないわけですから、今度は三十六メートル丸々、そして交差点改築が必要であるわけですから、それが先ほどの五百数十億円ということであれば、当然大変なお金がかかる、手間もかかるということになるわけですね。そういう意味では、府中街道を拡幅することを考えられないかということをぜひご検討願いたい。
 そして、引き続きまして、さらに幅員を二十八メートルから三十六メートル計画に変更するということですね。このことによりまして幹線道路として本線が整備されることになると、例えば生活道路への進入車両がふえるんじゃないかとか、本路線の整備によって沿道周辺に環境面でどんな影響が生じるのか、このことも地元では大変心配されているんですね。その辺はいかがでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 初めに、現道がないところ、しかも住宅地を通る、それよりも現在の府中街道を広げたらいいのではないか、こういうお話でございますが、多摩地域の将来の交通需要等を想定いたしまして、道路の交通の機能あるいは防災の機能等の役割を十分に勘案しながら、広域的な視点から道路のネットワークを計画してきております。その結果、地域的に見れば、現道を拡幅する場所もあり、また現道のない住宅地に計画されるところもあるということで、いろいろなケースが出てきております。
 なお、府中街道の拡幅ということでございますけれども、府中街道は、府中市に入りまして、多摩川にかかる是政橋を経由して稲城市方面に至るルートでございます。今回計画しております国分寺三・三・八は、そうではなくて、途中から分かれまして、是政橋の上流にある関戸橋の方に経由していきまして、多摩市方面につながる路線でございます。
 それで、新たに三十六メートルに拡幅されるということで、それについて、どういうような環境等への影響があるかというご質問でございますが、現在、特例環境配慮書を策定し、提出し、そして地元説明会を行っておりますが、その中で詳細に記載してございますように、例えば騒音、大気汚染等については環境基準を下回り、さらに地下水あるいは生態系についても与える影響は極めて少ない、こういう評価をしているところでございます。

○小松委員 府中街道は確かに全く別になってしまうので、そうじゃなく、やはり現道を広げて十分できるじゃないかということを、もうこれ以上は聞きませんけれども、意見として申し上げておきます。
 そして、今、いろいろな環境アセスでやっても基準以下だということでしたけれども、私たちにもこういうのが送られてきましたので、これを見ますと、例えば一一ページには、環境影響の程度ということで、A案、B案、C案とも、浮遊粒子状物質の将来濃度の最大値は〇・〇六九ミリグラムということで予測され、評価の指標とした環境基準を下回るということですけれども、NOxについては、今、これは環境局で私たちもやるんですが、全国で環境基準を上回っているんですよね。これを下回るって、ここで本当にできるの。まして、今、道路がないから車も何も通らない。それ以上によくなるなんてことはありませんね。悪くなるんだけれども、そういうことをきちっと計算して--これは実際の測定は環境局になるんでしょうけれども、その辺、建設局ですから、私たちも余り強くはね。だから、指摘だけはしておきますが、その辺はどうなのかということ。
 それから、幅員が二十八メートルから三十六メートルへ計画変更されることによって、新たに計画線にかかる住民が発生するわけです。これは四十年前は二十八メートルですから、ここなら大丈夫だと、自分の家は大丈夫だと思っていたら、入ってしまった。かかってしまった。中にはマンションなんかも入っているわけですね。
 最近、私も、この現道のない、狭い道路をずっと走ってみましたけれども、つい最近、住宅を売り出したり、そんなところもあるわけです。そうした形の中で三十六メートルへの計画変更ということでは、これから用地買収一つにしたって相当困難を来すと思いますけれども、どのように認識されておられますか。

○阿部道路計画担当部長 大気汚染等については現在よりもふえるのではないかということでございますけれども、ご案内のように、昨年十月にディーゼル車規制をやっております。いろいろなところで報道されておりますように、NOxあるいはSPMの濃度は大幅に下がるという成果が出ております。
 それで、将来でございますけれども、東京都の環境管理計画等によりまして、それから、平成十七年度にはその時点で世界一の自動車の排出ガスの単体規制が発動するというようなことから、そういうものを見込んで、将来のバックグラウンド濃度は現在よりも下がるという想定をしております。あわせて、国分寺三・三・八号線の整備による影響は、この前説明をいたしました特例環境配慮書に書いてあるとおり、環境基準を下回るということでございます。
 それから、幅員が二十八メートルから三十六メートルに計画変更されることで、新たにその線にかかる住民が出てくるけれども、どうかということでございますが、新たに計画線にかかる住民の方々にも、この路線の必要性、環境に配慮した質の高い道路をつくるということについてご理解をいただくことがまず重要であると認識しております。幅員変更についてご理解をいただけますように、今後とも十分な説明を行ってまいります。

○小松委員 建設局ですから、環境基準問題をこれ以上どんどん突っ込んで答えろということはやめます。今後、建設局の後で、環境局でいわゆる問題のものが出てきますから、指摘だけにしておきますけれども、今、都内の自排局では、十四年度測定で達成率、NO2が三十五局中十三局なんですね。SPMが三十五局中ゼロなんです。ですから、平成十二年度に全局達成という環境局の目標も破綻しているわけですよ。
 ですから、環境基本計画では、平成二十二年度に大幅に延期をしたわけですが、これも達成の見通しがあるかといったら、計画だけの話になるのではないかという心配がされております。
 アセスの予測は、予測自体が不確実なものですから、安全側に立って複数の予測をすべきだということで、これは指摘だけしておきたいと思います。
 今、何にもないところよりもバックグラウンドがさらに環境の基準を下回る、こんなことはない。これは答えろといいません。それだけをきちっと指摘しておきたいと思います。
 それから、二十八から三十六へ、そこにいた人たちが知らずに、自分のところが入っているということを今度初めて知ったとかいうことですけれども、その対応というのですか、皆さんからどう聞いておりますか。認識、皆さんから、三十六になったらしようがないねというような形でしょうか、この間、一回、皆さんは説明会をやられているようですが。

○阿部道路計画担当部長 計画段階の環境影響評価におきましては、社会経済面等の幅広い視点から検討して、採用可能な案を策定するということで進めてきております。
 そして、複数案の策定に当たりましては、例えば市役所通りとか戸倉街道等と平面で交差する、あるいは沿道利用、防災機能、地域の地形等の観点から、地元市の意見を踏まえながら、平面構造を基本として、現在の採用可能な案として三つの案を策定したわけでございますが、それを説明したというのが、去る十一月十七日から三日間の説明会でございます。その中におきましては、特に、新しくかかったということで、いろいろと意見を述べるというところについては、まだ十分に把握しておりません。聞いておりません。

○小松委員 二十八から三十六というのは、そういったって、たった八メートルだよということではなく、そこが大きいということでもあります。大体、私、府中街道の拡幅でといっているわけですから、その辺の意見もあると思うんですけれども、ぜひ、この方々、住民の意見を十分聞いていただきたい。
 次へ移ります。
 今回、特例環境配慮書が提出されたわけですけれども、多摩では初めてじゃないかと思うんですが、通常のものとの違いは何かを明らかにしていただきながら、また、環境アセスにおける複数案として、掘り割り案や地下トンネル、いろいろとあるんですけれども、なぜA、B、C案だけなんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 なぜA、B、C案、三案だけかということでございますが、先ほども答弁を申し上げましたとおり、複数案の策定に当たりましては--この道路は自動車専用道路ではございません。幹線道路であり、一般の道路との交差等するということが当然必要でございます。市役所通り等との接続あるいは沿道の利用、防災機能、こういう観点から平面構造を基本とし、さらに鉄道とは立体交差するということで、三案を採用可能な案としてまとめたわけでございます。
 特例環境配慮書と一般の環境配慮書の違いは何かということでございますが、計画段階アセスの手続は二通りございます。一つは環境配慮書によるもの、いま一つは特例環境配慮書によるものでございます。
 環境配慮書につきましては、複数の案に対して都民等から意見をいただいて、一案に絞り込んだ後に環境現況調査を実施し、その一案について詳細な予測評価を行っていくものでございます。
 一方、今回の特例環境配慮書は、複数の案それぞれに対して事前に環境現況調査を実施し、複数案のそれぞれについて詳細な予測、評価を行って、そして都民等の意見をいただく、その上で一案に絞り込んでいく、こういう違いがございます。

○小松委員 大変ご苦労されて、三案をそれぞれやられるようですけれども、見ていますと、この三案、そんなに変わらないんですよね。まして二番目の掘り割り部というのは、五小が近いからでしょうか。逆に掘り割りというのは、全部が掘り割りで通るならともかく、一部分やりますと、上るときにはどうしてもアクセルを踏むから、騒音も余計大きくなるんですね。そういう意味では、かえって問題が出るんじゃないかというふうに見ております。
 そこで、ここには国分寺市立第五小学校というのがございます。この国分寺第五小の前には三・四・六という道路が走っておりまして、三・三・八号線がまたすぐ東側を走るということになりますと、この騒音問題、ここにも書いてあります。騒音の調査につきましても、A案、B案、C案ともに、それぞれ自動車の騒音、昼間は六五デシベル、夜間六二デシベルということで、道路交通の騒音の最大値はこういうんだから大丈夫だよということをいってありますけれども、しかし、昼間の六五デシベル、そして三・四・六号線も合わせると、下に書いてありますように、六五というのは、騒々しい事務所より、普通の会話よりちょっと上という、この間ですけれども、学校で静かに授業をするといったら、やっぱり図書館の中の静けさが必要なんじゃないですか。この三・三・八号線ができることによって、騒音が昼間で六五デシベルになるというのは、学校に対して騒音の被害を与えることになるんじゃないでしょうか。もしこれが掘り割りで、ちょうど五小のところを通ることになると、その騒音はさらに加味されるものも出てくるのではないでしょうか。いかがでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 本路線につきましては、沿道環境に配慮して、幅員十六メートルの車道の両側に十メートルの環境施設帯を設置することになっておりますけれども、第五小学校の前にもこの環境施設帯を設置いたします。そして同時に、低騒音舗装の導入などの環境対策を行うことで、環境基準を下回る予測結果となっております。さらに、学校保健法に基づく学校環境衛生の基準をも下回る予測結果となっております。
 また、国分寺三・三・八号線を横断する児童の件につきましても要望が出ております。今、ご質問にはございませんでしたけれども、説明をさせていただきますと、この通学路の確保につきましても、地元市や交通管理者と協議しながら検討していく予定でございます。

○小松委員 環境基準を下回るといっても、今、私が申し上げたのは、この間いただいた冊子の一二ページには、四〇デシベルというのが図書館の中ですよとあるわけです。学校というのはやはり図書館の中のような形でなくてはならない。そして実際に今でも、三・四・六でどうなっているのかわかりませんけれども、一定の騒音があるんじゃないか。そこへさらに三・三・八だから、これは大変な騒音になるんじゃないですかと申し上げているんです。
 騒音については、ここで幾らやっても現実味がありませんので、これは地元の先生方、ご父兄の方々、地元の方々によくお聞きいただき、そしてまた実際にそこで騒音の測定などもしていただいて、現状をつぶさに把握していただいた上で進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 この間、説明会があったようですけれども、先ほどちょっと出されておりましたが、住民の意見、そして市側の意見、今出されているのではどういうものがあるんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 先ほども申し上げましたが、去る十一月十七、十八、十九日の三日間、説明会を行いましたが、そこには延べ四百五十名の方々が出席されております。
 この中では、整備の必要性あるいは環境、生活設計等にかかわる質疑がなされました。これまで私の方で答弁させていただいたような内容でお答えをしてきております。そして、大方のご理解が得られたというふうに認識しております。
 また、本年九月には、千三百三十七名の方々から三項目の要望が出されております。一つは、環境に配慮した広幅員の道路にしてほしい、二つ目は、鉄道交差部を除き平面構造を基本としてほしい、三つ目は、早期の事業着手に努めてほしいという内容でございまして、本日、このうちの早期の事業着手の要望について審査をしていただいているものでございます。
 さらに、地元市からはどうかということでございますが、平成十五年、昨年の十月に、沿道環境に配慮した緑豊かな質の高い道路整備を進めてもらいたいという要望が国分寺市から出されております。したがいまして、これらを踏まえて、今後、地元市と連携を図りながら、住民の方々の理解と協力を得まして、事業化に向けて手続を進めてまいります。

○小松委員 私も、地元の方々に何人もお会いして、お話を伺ったりしておりますが、どうも部長と私の会う人が違うのか、市民の意見というのも非常に違っているようで、私のところに多く寄せられている意見は、例えば五小付近は完全地下化かルートを変更して、教育環境保全に万全を期してほしいとか、さっき私が申し上げました府中街道を都市計画整備すれば渋滞解消するじゃないか、三・三・八をつくる必要がないとか、そういう意見。また、今ゼロ台、それが四万台の自動車が走っても大気汚染濃度が今より低くなる、環境がよくなる、こんなことは信用できないとか、また、大気汚染や騒音の予測値を複数設定して再予測をしてほしいとか、騒音については、室内の予測値、二十メートル以上離れた予測値、背後地の予測値、三階までの高さの予測値などなど複数的にとらえてほしいとか、非常に具体的に周辺の方々からご意見をいただいております。
 ぜひ、こうした意見もしっかりお聞きいただいて進めていただきたいんだけれども、本来は、こういうものはいきなりこうやって都側が--今回は特例配慮だということですけれども、それならば、その三案をつくるにも住民の皆さんと話し合って、例えばPI方式というのが今いわれております。住民との最初からの話し合いによって、じゃあ、これを三案にしましょうということならわかるのですが、そんなことがされていなかったのではないか。このA、B、C案に至るまでも、どんな手順で進めてきたんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 計画段階の環境影響評価におきましては、先ほども答弁を申し上げましたとおり、社会経済面等の幅広い視点から検討いたしまして、採用可能な複数案を策定することになっております。複数案の策定に当たりましては、掘り割り等のお話が今ございましたけれども、国分寺三・三・八につきましては、現在の市役所通りとか戸倉街道等と平面で交差させていく、さらに、三・三・八の沿道の利用を考慮する、道路の防災機能を考慮する、さらに地域の地形等を考慮するということで検討を進めてきておりまして、これを地元市の意見等も踏まえてさらに検討を進め、平面構造を基本として現在の案になっているわけでございます。

○小松委員 余りやり合っても平行線ばかりですので、意見を申し上げておきたいと思いますが、私は、都の説明責任が果たされたといい切れないと思うんです。住民の声、意見は手続の中でという都の仕事のやり方は、やっぱり皆さんから、許せないと。意見を聞いて、それをぜひ取り入れていただきたいんだという声です。特に、現道の全くない住宅地と農地に新道をつくるもの、それだけに、事業の必要性から始まる親切な対応がとられて当然なのではないでしょうか。住民にとっては、基本的な問題で、検討が始まったばかりであり、促進といえる状況はないのではないかと考えられます。
 私、先日見てまいりましたら、多喜窪通りの北側で、公園として利用されている、とてもすばらしいところとか、また、先行取得用地があるけれども、全くかぎをかけられてしまっている、そういうところをぜひ住民に開放するとか、そういう中で、急ぐのではなく、しっかりと住民の意見を取り上げながら、一たんはその手続をストップしてでも、住民への説明と参加と合意を得るように求めてまいりたい、このように意見を付して、当陳情には残念ながら、今は促進までは至っていないということで、不採択という意見を添えて、質問を終わります。

○大西委員 私も、国分寺三・三・八号線について少しお聞きいたします。
 今の質疑の中でほとんど出されておりますが、まず十一月十七、十八、十九日の説明会について、延べ四百五十人ほどの出席者があったということでしたが、どのような質問のやりとり、主なものがあれば教えていただきたいということと、それから、これはウイークデーの夜でした。その中にも、土日の説明とか日中の説明とかも必要じゃないかと思うんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 去る三日間連続の説明会の中で、どのような質問とか意見が出たかということでございますが、小松理事からもお話がございましたように、必要性について、あるいは車線数とか地下案についてはどうだろうか、必要ではないか、それから、国分寺三・三・八号線が開通後どのような土地利用になるのかを聞きたい、現在の交通量について聞きたい等々でございます。
 また、環境に特化していいますと、特例環境配慮書と環境配慮書の違いはどういうものか、先ほど答弁したとおりでございますが、そういう質問がございました。
 さらに、もう一つだけ例を挙げますと、大気汚染と騒音の現況値と予測値についての質問がございました。
 いま一つは、説明会を土日や昼間ということですが、例えば五小のPTAの方は、お子さんを抱えているというか、世話をしなきゃいけないということで、夜は非常に難しいと、したがって昼間など検討できないか、こういう質問というか、ご要望がございました。基本的にはそれをお受けするということで検討してまいりたいと思っております。したがって、要望があれば、土日あるいは昼間、説明会をするということも検討してまいります。

○大西委員 今後、要望があればということで、それはぜひ検討していただきたいと思うんですが、要望がある前に、私はやはり、これからのパートナーシップという中では、住民合意が必要ですし、ましてや道路となれば反対意見が出るのは当然ですので、サービスという意味からも、土日の説明会をやる時代じゃないかと思っております。災害においても、土日、夜間関係なくやってくるという意味では、これまでのように、公務員の方が土日はちょっとというような時代ではないんじゃないかと思いますので、その辺ぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、情報の出し方なんですが、新しい環境配慮書の取り組みということで取り組まれて、市の建設委員会等にも出されたわけですが、どうも担当の説明とかそういうものが十分でない。というのは、情報の出し方が徹底していないんじゃないかということをしばしば感じております。
 特に説明会でも、夜、広い体育館とかで、大きく拡大した三案の地図が周りに張り出されていました。それはすごくいいなと。だって、これまでは、どんなに聞いても、まだわかりません、わかりませんということで、ようやく環境配慮書ができて、三案ができて、こういうふうになりますよということで張り出されてありました。
 しかし、皆さん、時間に駆け込んで聞くわけですよね。そのとき、地図をじっくり見る暇もなく、ああと思って座る。そして帰り際に、自分の家はどうなのかと思ってチェックして出る。それは当然なんですけれども、地図をもっともっと公開すべきじゃないかということで、私は聞いたんです。そしたら、これは案の段階ですので、案がひとり歩きするといけないので地図は出せませんという答弁があったんですね。
 そういうことも含めると、環境配慮書も、A案、B案、C案をつくって、現況調査もし、それは全部税金でやっているわけです。だから、税金でやったこういう情報は、行政だけのものじゃなくて、住民と共有しなければならないわけですから、地図も含めてもう出すべき。そして、案がひとり歩きすると心配なさいますけれども、案はあくまでも案ですということで出す、こういう姿勢がこれから必要だと思うんです。
 あの暗い、寒い体育館で、環境の数字を、騒音が何とかデシベルでといろいろ聞いても、それはすべてが安全範囲ですと出てくるわけです。そういうときに市民は、本当にこれがそうなのかなという疑問と、ある意味、はっきりいってわかりません。しかし、地図を出されるということは、ここにこういうふうに道路が走るんだということで、すごくわかりやすい。いうならば住民自身が体感アセスというんですか、体で感じるアセス、これをそれで見ることができるということで、この地図が持つ意味がここであるわけですので、こういう地図を市で、どうぞ自由にお使いください、建設委員会でも、一つだけ貸し出すんじゃなくて、どうぞお使いください、市役所のところにも張り出して、来た皆さんが、ああこうなるんだということを実感してくれるように、聞かれた情報しか出さないというんじゃなくて、これもあるんですよというような、ぜひそういう姿勢に転じていただきたいんです。何よりも情報公開と住民合意、これが必要です。
 先ほど、この説明会の中でどういう意見がありましたかということを聞いたんですけれども、四十年以上もこのまま塩漬けになっていますよね。そういう意味では、皆さんは、ここに道路がいつかは通るということはある意味覚悟しつつ暮らしていらした。これが今動き出す。あと十年待ったら、もう自分は八十にも九十にもなってしまうので、そのときは引っ越しできないよということで、ある意味この陳情が出る意図というのは非常にわかるんです。
 そういう意味で、私は今回の陳情については、この部分は採択したいと思っているんですけれども、何よりも、こういう道路は反対意見が出るのは当然ですので、その合意を図るためにも、東京都の持つ情報は、私たち市民、都民の情報だと思っておりますので、そういう意味では、その姿勢を変えていただきたいんですが、その辺はいかがでしょう。

○阿部道路計画担当部長 先ほど、夜間の説明会というお話がありましたので、ちょっと説明をさせていただきます。
 私どもの方では、昼間、夜間、説明会をいろいろやってきて、夜間が一番たくさんの人が集まり、説明を聞く人が多いというような経験上、そういうふうにして設定をいたしました。ただ、先ほどいいましたように、PTA等のお母さん方から昼間でもというお話がありましたので、要請があれば、もちろん積極的に対応していくということでございます。
 それから、情報の提供でございますけれども、東京都におきましては、環境アセスの手続に当たっては、調査計画書や評価書案の公示、縦覧、説明会の開催、これらをするとともに、わかりやすいパンフレットを配布するなどして、情報の提供を行ってきております。
 この国分寺三・三・八号線につきましては、その事業概要や大気、騒音等の現況調査の結果を、市の広報等を通じて周知をしてきております。さらに、都のホームページで特例環境配慮書の詳細な内容も掲載してございます。今後とも、地元の理解と協力が得られますように、市と十分に連携しながら、情報の提供に努めてまいります。
 先ほどありました、閲覧したいという図面でございますが、現在、国分寺市の方からの要請もございまして、それにおこたえする形で図面を提供し、閲覧が可能になっております。

○大西委員 それは何よりですが、先ほど、夜の方が人が集まると。確かにそうだと思います。でも、今回の場合は水、木、金なんですよね。私もこれに参加したいと思って、最終日にようやく間に合ったような状況ですので、やはり土曜日の夜とか日曜日の夜の方が、夜であれば集まるわけです。そういう意味で住民サービスという視点から、それぞれ体質を変えることも必要かと思いますので、それも要望しておきたいと思います。

○林田委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○林田委員長 起立多数と認めます。よって、陳情一六第五九号の二は趣旨採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 以上で建設局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時二十三分休憩

   午後二時三十五分開議

○林田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 福島自然環境部長は、公務出張のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承いただきたいと思います。
 これより、理事者から報告の申し出がありますのでこれを聴取いたします。

○平井環境局長 このたび三井物産株式会社から、DPF装置の指定に関しまして虚偽データを使用し、基準に満たない装置を販売してきたという報告がございました。
 都議会の多大なご支援をいただくとともに、事業者の方々の大変なご協力を得て実施し、成果を上げてまいりましたディーゼル車規制につきまして、このような事態をご報告しなければならないのはまことに残念でございます。また、都民や事業者の方々はもとより、委員の方々にも多大なご心配をおかけしたことにつきましておわび申し上げます。本当に申しわけございませんでした。
 三井物産の行為は、都民と事業者を裏切る背信行為であり、その責任は極めて重大でございます。都は同社の責任を厳しく追及してまいります。また、ディーゼル車規制に誠実にご対応いただいた事業者の方々が不利益にならないよう、三井物産に対しましては、装置の無償交換を初め誠意ある対応を早急に行うよう強く求めております。同時に、都は二度とこのような事態が起きることのないよう、再発防止体制の確立に努めてまいります。
 今後の取り組みに関しましては、都議会の皆様に引き続きご指導、ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。
 これまでの経過などにつきましては、自動車公害対策部長からご説明させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○中島自動車公害対策部長 三井物産株式会社によるDPF装置指定申請に当たっての虚偽データの使用についてご報告いたします。
 資料の表紙を一枚おめくりいただき、一ページをごらんください。まず、三井物産株式会社が販売したDPF装置の概要でございます。
 装置の名称及び型式はCRT-TSS、SOW-301Bというものでございます。東京都粒子状物質減少装置指定審査会の審査を経て、平成十四年四月四日に都が指定し、これまでの販売台数は全国で約二万一千五百台、うち都内は約五千台となっております。
 次に、経過でございます。
 十一月十八日木曜日の午後二時、三井物産の執行役員、法務担当者などが来庁し、十二日に行われた同社の内部監査の結果、DPF装置の指定申請の際に虚偽のデータを使用して、基準に満たない装置を販売していたことが明らかになったという報告がありました。
 この報告を受けた日の夕刻、都は事実関係を確認するため、職員を三井物産本社に派遣し、関係者に対し事情聴取をいたしました。三井物産は、翌十九日金曜日に知事あての経過報告書を提出しております。この都の事情聴取と三井物産の報告から、同社が排ガス試験の結果を偽り、実際の装置の性能よりもよく見せかけていたことが明らかになりました。
 その経過でございますが、まず平成十四年二月十八日の新規指定申請の際に、指定申請したDPF装置の添付データのすりかえが行われました。すなわち、申請に添付されたデータは、申請対象仕様の装置だけでなく、その他の複数の仕様の装置を使用して得られたものでありました。
 次に、平成十四年七月三十一日の形状変更申請の際には、試験対象の装置に装着されているフィルターに加え、実際に製造販売されている装置には装着されていない他の種類のフィルターを重ねて装着して性能試験を行い、その結果得られたデータを提出し、基準の低減率六〇%を超えたように見せかけました。
 二ページをごらんください。さらに、平成十五年一月十六日から十八日に都職員の立ち会いのもとで行われた指定後の性能確認におきましては、三井物産及び子会社の社員が実験データ数値を実数値よりも低い数値に読みかえ、基準の低減率六〇%を超えたように見せかけました。
 十一月二十二日月曜日、都がこうした事実経過を発表すると同時に、三井物産も発表を行った次第でございます。
 これまでの都の措置でございますが、三井物産の行為は、ディーゼル車規制にご協力いただいた多くの関係者や都民の方々の信頼を裏切るものでございます。都は、運送事業者の方々を初めユーザーへの適切な対応が第一と考え、即時、三井物産に対し指示を行いました。
 その内容は、当該装置の販売を中止すること、詳細な調査報告を提出すること、これまでに販売したすべての装置について、速やかに無償で適正な装置に交換すること、ユーザーや装着した整備工場などへの周知を徹底することでございます。
 以上、三井物産株式会社によるDPF装置指定申請に当たっての虚偽データの使用について、事実の経過及び都が報告を受けて直ちに講じた措置を報告させていただきました。
 なお、引き続き事実の全容解明と三井物産への指示など対応策に取り組んでいるところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○林田委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○三原委員 それでは、自民党の三原から最初に質問させていただきます。
 新聞報道を見たとき、三井物産おまえもかという感じがいたしまして、最近、企業倫理とか情報公開とかということが私企業にまで徹底してきて、非常によくなってきつつある、あるいは私企業の皆さんも、一生懸命そういうことを努力されているという動きがあって、いいことだなというふうに思っておりました。しかし、その間を縫って三菱自動車とかUFJとか、いろいろな大手企業さんが思わぬ企業の倫理に反するようなことをやっておられる。最近西武鉄道もありましたね。そういうことを見るにつけ、また、三井物産がこういうことで都民、都庁をだましてしまうというようなことが報道されて、本当にがっかりいたしました。
 申し上げるまでもなく、石原都知事の強いリーダーシップでディーゼル自動車の排気ガス規制を行って、空気をきれいにしようという大変な努力があり、皆さん方の大変な努力があって、事実、昨年十月一日から今日まで、測定結果でも空気はきれいになっているということでありましたから、私ども都会議員も、知事のリーダーシップ、あるいはまた環境局の努力、さらには運送事業者の皆さん方のご協力、そういうものが両々相まっていい成果が得られて、大変結構なことだと思っており、これをさらに進められることは都民にとって大変いいことだと、政治の場からもより一層協力をしよう、都会議員はそんな決意でいたと思います。
 ところが、それに水を差すように三井物産の、しかも、努力して製品をつくったけれども余りうまくなかったというならまだ理解できる部分もありますが、全く適正な商品でないのに、にせのデータをつけてさも立派な装置のように見せかけて、東京都や、この事業には国の補助とか団体の補助とか、そして運送事業者の個人の負担まであるわけですから、そういうものをまとめてだましてしまったというんですから、これは全く許しがたいことだ、こう思います。
 したがって、我々は審議を通じて事実関係をより明確にし、三井物産に対してさらに厳しく対応していかなきゃいけないと思いますので、一生懸命努力された環境局の皆さん方には申しわけないんですけれども、少し厳しく申し上げる点があるかもしれませんが、ご理解をいただきたいと思います。
 特に、ディーゼル自動車の排ガス規制ということで、いいことをやったと都民の皆さんが歓迎しておられたのに、何だ裏ではそういうことがあったのかとなったら、せっかく立派な政策も一瞬にして崩れてしまうんですね。したがって、このことはきちっとしておかないと、これから東京都が、あるいは我々都会議員がどんな立派な政策を掲げても、待てよ、また裏で何か失敗があるんじゃないのというふうに都民から思われたら、あらゆる政策が全然具体的に進まない、こういうことになりますから、そういう意味で、今回の事件を将来の発展のために厳密に、厳正に対応していくということでお互いに進めたいと思っているわけです。
 そこで、いろいろ報道されたりご報告もありましたけれども、ちょっと細かいところを、私のみならず委員の先生方もご承知でない部分もあるかもしれませんから、少し聞かせていただきたいと思います。
 まず、DPFを、局が認証の指定みたいなことをいたしますが、この指定の手順、手続はどうなっておるのでしょうか。

○月川参事 PM減少装置の指定手続についてでございますけれども、装置の申請があった場合、専門的知識を有する七名で構成されます指定審査会における審査を経て指定を行っております。

○三原委員 指定審査会で審査をしてと、こういうことですから、行政側が安易に指定認可をしているということではないということが明確なことは事実でございますが、一連の報道などを見たりすると、書類審査だけだったのではないかなという気もいたします。通常そういう場合は、完全な製品ができてきているという前提なら書類審査で十分かもしれませんが、製品に対する性能試験みたいなものは、書類審査と一緒にやるというのも当然の手順ではないかという気もしますが、その辺の手続はどうなっているでしょうか。

○月川参事 審査会におきましては、公的機関などで測定されました試験結果などを添付した申請書をもとに、PM減少性能などについて総合的に審査を行っております。また、審査会の判断によりまして確認試験も実施しております。

○三原委員 審査会の意見で性能試験をする場合もあるという手続にはなっていたんでしょうが、三井物産製のものはきっと性能試験をやらなかったんでしょうね。だから結果的にこうなったのではないかという気がします。
 そこで、ご報告にもありましたが、結局資料がにせものだったということですね。そのデータは、一体どこの試験場が試験をして皆さん方に提出したデータなのか、その試験機関というようなものについて報告してください。

○月川参事 三井物産が提出した申請書に添付されております排出ガス試験結果書は、日産ディーゼル技術研究所で試験されたものでございます。

○三原委員 わかりました。日産ディーゼル技術研究所といえば一流のところでしょうから、それを疑ってかかるというわけにはいかないと思いますから、出されたデータは、書面上は疑いの余地がなかったということになるのはやむを得ないかなという気がいたします。
 そうはいいながら、平成十四年二月十八日に指定申請が出されて平成十四年四月四日、おおむね二カ月足らずのところで指定ということになったようです。その期間が適切であったかどうか、何ともいえませんけれども、続いて七月三十一日、三カ月後ぐらいに、今度は形状変更申請というのをしておられます。通常、指定を受けて実際に装着をして、半年とか一年とか使ってみて、少し形を変えましょうかというのはあるように我々素人は思いますけれども、十四年四月、五月、六月ごろはほとんど、実態として装着しているわけではないと思いますので、三カ月たって形状変更申請をしてきた。そこでまた結果としてだまされてしまっているんですけれども、この形状変更申請というのは、どうして出てきたんでしょうか。

○月川参事 七月三十一日に出された形状変更申請につきましては、フィルターの形状を変更しているものでございまして、これまで排気ガスの流れと平行して配置しておりましたフィルターを直角になるように配置し、それによりましてフィルターを重ね合わせて容量を増大させ、排気量の大きなエンジンにも対応できるようにしたものでございます。

○三原委員 これも日産ディーゼル技術研究所のデータですか。--わかりました。同じところでやっているというんだから、皆さん方の方から見ると書類の疑いようがないと思うんですけれども、ここは私は専門ではないからわかりづらいんですが、排ガスと平行にフィルターを設置したんだけれども、やっぱり排ガスと直角になるようにフィルターをつけた方がより効果的だというので形状変更したとかというご説明ですが、それぐらいのことは研究する側は最初からわかっていたのではないか。したがって、なぜ途中でこういうふうに形状変更したいと出てきたのかということに私は少し疑問を抱くんですが、それは皆さん方がそれに疑問を持たれなかったからいけないというつもりは全くありません。
 ただ、いずれにしましても、形状変更まで出てくるような状況の中で、二月に申請し、四月に指定を受け、七月に形状変更しというような一連の中で、データはその都度、捏造されて出てきたということでございますから、審査をなさった学者の方や事務処理をされた環境局の皆さんには、ちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、少し安易に指定をしたのではないかというような不安といいますか、疑問が残らざるを得ないという気が私はいたします。ただし、これは専門的知識があって申し上げているわけではありませんから、一都民とすればそういう不安感のようなものが感じられるということを申し上げるにすぎません。
 さて、今度、実際に装着を始めましてから、十五年一月十六日に性能試験というものを実際におやりになりました。これは具体的にどういう形で行われたか、把握しておられるところを教えてください。

○月川参事 平成十五年一月十六日から十八日に行われました性能確認につきましては、長崎市にあります三井物産子会社でありますピュアースの長崎試験場の実験設備で行われております。この性能確認に都の職員が二名立ち会っております。
 この実験設備でございますけれども、一階にはエンジン試験室があり、排出ガス測定装置、PMサンプリング装置、制御用パソコンなどが置かれております。二階には、PM量を電子てんびんではかる測定室がございます。排出ガス測定値のうち、窒素酸化物や一酸化炭素などの値はエンジン試験室の排出ガス測定装置にそのまま表示されますが、PMの排出量については、PMサンプリング装置から取り外したろ紙を二階の測定室で計測し、その値を一階の制御用パソコンに入力し、排出ガスを希釈する空気量、エンジン運転状況など、データとともに算出された結果として測定値が表示されます。
 都の職員は、一階でのエンジン試験、制御用パソコンへPM計量値の入力、計算のプロセスに立ち会ったわけですけれども、二階でのPM計量自体には立ち会っておりません。三井物産側が、制御用パソコンに実際に計量値と異なる値を入力するという操作を行ったため、都の職員が確認したパソコンに表示された数値が実際とは異なる測定値となったものでございます。

○三原委員 あえて申し上げれば、ここの部分が東京都の最も責任を感じる部分ということになるのかなと思います。
 今のご説明ですと、三井物産子会社のピュアースの長崎の実験設備を使って性能試験をやられた、こういうことなんですが、願わくは、ピュアースの実験設備ではなくて、東京都の環境科学研究所のようなところでおやりになっておればよかったのかなという気がいたします。これも、そういう機能が環境科学研究所にあるかどうか私はわかりませんけれども。
 それから、従来のデータは日産ディーゼル技術研究所で出てきているわけですが、この性能試験はピュアースの関連設備でやったと。その辺が、別に手順に間違いはありませんが、念には念を入れるとすれば別なところでやっておいた方がよかったのかなと、今になってみれば思います。
 しかも、都の職員の方が長崎までいらっしゃって立ち会ったんですから、念の入ったことではありますが、その中で、特に粒子状物質を計量するのは二階の別の部屋ということで、報道によりますとクリーンルームというようなことが書いてありますが、非常に微量な、かつ小さいものですから、そういうクリーン室でやらざるを得ないんでしょうけれども、そこで計量した数値を、また一階のコンピュータに入力してデータを出してくると。そこは都の職員の人が立ち会っているわけですから、そうすると、二階のPMの計量をするわずかなところでそういう操作が行われたに違いないな、こういうわけでありますが、そこのところ、今振り返ればまことに残念な対応だったと思いますけれども、実際には、三井物産の関連社員の後ろをつけ回すわけにもいきませんから、向こうは案外その辺も頭に描いて、二階でPMの、微粒子の計量をやり、データをコンピュータに入力してみたいなことをやったのかなというような気がいたします。この辺が唯一、東京都の職員が立ち会っていてまでもごまかされてしまったのかという都民の非常に残念な思いが、ここに集中すると思うんです。
 まことに恐縮ですが、その現場にいらっしゃった当時の都の職員の方からも状況を聞かれていると思いますが、その辺わかったら教えてください。

○月川参事 三井物産からの報告を受けた後、この性能確認に立ち会いました職員から当時の状況を聞いております。PMを捕集いたしましたろ紙を計量する計量室は二階にございますけれども、その計量がなされる間、一階にあります実験施設で三井物産の社員と技術的な協議をしていたと聞いてございます。

○三原委員 立ち会った職員の人には本当にお気の毒で、根っからピュアースの社員が怪しいと思っていれば、PMの計量で二階に移動するときにもきっとついていったでしょうけれども、そういうことを前提として立ち会いに行っているわけではありませんから、ほかのデータのことや何かを他の職員の人と突き詰めた議論をしている、その間にピュアースの他の社員がPMの計量に行くというようなことは、当然想定されます。
 したがって、立ち会った職員さんを責めるわけにはいきませんが、あえていえば、都民はここの部分に非常に不信感、不安感を持つかなという気がいたしますので、その辺の事情はきっちりと把握されて、ちゃんと一生懸命やったんですよということもいってもらわなきゃいけないし、今ご説明があったように、十分に事情を把握して都民の理解に努めるということをしてもらいたいと思います。
 逆に、ピュアースの社員、三井物産の関係者は、これは一体どのように、どの程度の人が関連してきているのか。あわせて、これで被害額は一体どれぐらいになるのという話が我々はすぐ口をついて出るんですが、ダブって恐縮ですが、その辺を答弁してください。

○中島自動車公害対策部長 三井物産からは、この捏造にかかわったのは、三井物産の社員及び三井物産が一〇〇%出資のピュアースという会社の社員三名と報告を受けております。現在も調査を行っており、さらに詳細な報告を求めてまいります。
 なお、被害総額につきましては、三井物産で調査中であることから、現段階では具体的な額は把握しておりませんが、冒頭説明で申し上げました数字を使いますと、全国でおよそ二万一千五百台としていることから、例えば装置代を含む装置経費が一台およそ百万円といたしまして、販売総額は全国で二百億円を超える額になるのではないかというふうに思われます。また、都内では五千台ということでございますので、約五十億円ということになろうかと思います。

○三原委員 今のご説明で、三井物産の方は、子会社も含めて社員の方が三人というんですが、とても一人の社員の人が、安易な決断でにせのデータを出して、口をぬぐって指定を受ければいいと判断をされたとはどうも思えないという気がしてなりません。したがって、局側は三井物産側の調査をしっかりされて、本当に一社員、ここでいうと三人--報道によると三井物産のそういう方面の担当室長さんなんていう人がいるとかいうふうに書いてありましたけれども、室長さんとかそういう人を入れて三人という表現もしてありましたが、三井物産の信用を全く失墜させるような大事件を一研究員が決断して実行するとは思えませんから、私は、三井物産のかなり上層部までその話は伝わっていたのではないか、三井物産の上層部が当然かかわっていたというふうに想像せざるを得ません。しかも、現時点でも、今お話があったように全国規模でいえば二百億円以上、東京都内だけでも五十億円近くの実害があるということは事実であります。
 したがって、まさにデータを捏造してにせ商品をつくって、それを東京都の指定を受けたものと称して売ったわけですから、素人っぽくいえば、まさしく詐欺そのものです。したがって、直ちに三井物産を刑事告発して司直の手にゆだねる必要があると私は思います。
 都の方でも、まだいろいろ調査しなければとか、関係方面と相談もしなければというお気持ちはあると思いますけれども、明らかに、だれが考えても、やり方としては極めて単純な詐欺ですから、直ちに刑事告発をするという決意が必要ですが、これは局長みずから決断を述べてもらいたいと思います。

○平井環境局長 できるだけ速やかに刑事告発をする考えでおります。そのため、現在準備を進めているところでございます。

○三原委員 局長、この決断が揺るがないように、素人がいってはいけないんだけれども、そんなに難しくないですよ。明らかにだましているんですから、刑事告発をすぐするということで、大至急お願いしたいと思います。
 もう一つ、こういうふうに一連の経過を聞いてみると、大変失礼ですが、環境局の方も、最初に申請をしたとき、そして形状変更したとき、性能試験をしたときと、三度にわたって結果的に三井物産側にだまされてしまったと、こういうことになります。環境局が直接タッチする部分は少ないかもしれませんが、結果としては、特に性能試験の立ち会いというのは明らかに環境局の職員がやっておられるわけでありますから、したがって、これはある意味の内部責任あるいは監督不十分、そういった問題が当然議論されなければならないと思いますので、環境局としての責任の所在あるいは責任の問い方については、局長はどういうお気持ちでいらっしゃるか伺います。

○平井環境局長 今回の問題は、三井物産が一貫して虚偽のデータを使用しており、その責任は極めて重大なものがあると考えております。冒頭にも申し上げたところでございますが、事業者の方々の骨身を削るようなご努力をいただいて進めてきたディーゼル車規制につきまして、このような事件が起きたことはまことに残念でございまして、今回の事態を非常に重く受けとめているところでございます。
 都としては、二度とこのような行為を許さないよう、早急に再発防止策を確立するとともに、三井物産の責任を厳しく追及し、事業者への誠意ある対応を確実に行わせるよう全力を挙げてまいります。

○三原委員 冒頭でも局長が都民の皆さんにおわびをされましたので、気持ちはよくわかります。そしてまた、皆さん方が直接手を下してだまされたというのではない部分の方が圧倒的に多いわけでありますから、それもまたよく理解いたします。
 しかし、局長みずからもおっしゃいましたように、本事業は運送事業者、ユーザーの皆さんの大変なご協力があってなし遂げられているわけでありますから、ユーザーの皆さんに、何だよ環境局はといわれてしまってはだめなわけですから、そういう意味からも刑事告発は当然する。それから、内部も再びこういうことでだまされないように万全な審査の仕方をする、そういうことをぜひ打ち出しておいてもらいたいと思います。
 環境局さんはほかにも、産廃物の処理とかいろいろな許認可業務があります。そういう中で出されたデータなどが間違っているとかごまかされるとかでは済まないわけでございますから、そこのところは単にディーゼル自動車の排ガス規制というだけではなくて、環境行政にかかわる許認可は、これを参考にして再びそういうミスが起きないように万全を期してもらいたいと思います。
 あわせて、私が申し上げるべきかどうかわかりませんが、排ガス規制について環境局と一緒に対応してきた我々政治家側にも何分かの責任があるんだろうと感じますから、それはそれで我々が十分自戒をしなきゃいけないと思います。
 私ども自民党では早速対策委員会をつくりまして、事実の解明、特に運送事業者の皆さん方にご理解をいただき、これで排ガス規制に協力しないといわれては困ってしまいますから、万全を期そうということで、DPF問題の対策委員会を--きょう、委員長の山崎先生も傍聴に来ておられますが、既に具体的に行動を起こしているところであります。こういうことがすなわち政治家側の責任のとり方であり、また対処の仕方と私は思っているわけであります。そのことを含めて、三井物産は当然ですが、行政側も政治側も十分に対応し、反省すべきところは反省するということでいかなきゃいけないと思っているわけであります。
 そこで、三井物産の製品は直ちに販売中止というか、指定を取り消さなきゃいけないと思うんですが、今時点ではどうなっていますか。

○中島自動車公害対策部長 三井物産製DPFにつきましては、申請に当たって虚偽のデータを使用し指定を受けたものでございます。そのことから、他の三県とも相談しながら、現在、取り消しのための手続を進めております。

○三原委員 結構なことで、できるだけ早く取り消しということをいうことが、都民の皆さんの不信感を払拭するという意味で効果があると思います。
 そこで、ちょっと幼稚な質問なんですけれども、去年の十月一日からですから、仮に三井物産製のものを去年の九月ごろつけたとすれば一年と二カ月ぐらい、排ガスをきれいにしますという装置が実は全くでたらめだったわけですから、不良品をつけたまま、今五千台走っているわけですね。不良品がついているということは、意識的につけていない人というのと、それはいたら走らせないことになっているんですけれども、結果は同じですよね、自動車のマフラーから出てくる排ガスは。
 したがって、五千台をどうしていくのかということを早く決めないと--私は、不良品はつけていないと一緒なんだから走ってはだめと、走行を停止すべきだと思います。ただし、走行を停止すれば、その運送事業者さんは事業に重大な影響を受けますから、当然三井物産から補償してもらわなきゃいけないですね。実際はそうやるべきだと思うんです。
 ただ、五千台もありますからどうしようかと。しかも全国的にいうと二万一千台もありますから、どうしようかというので非常に悩まれるだろうとは思いますけれども、私は、不良品がついているのはついていないのと同じだから走行をとめるべきだと思います。ちょっと幼稚な発想ではありますが、いかがでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 当該装置につきましては、取り消しによりまして条例に不適合な状態となってしまいます。しかしながら、これは三井物産が虚偽のデータを使用したという、ユーザーには全く責任のない原因によるものでございます。したがいまして、取り扱いにつきましてはユーザーの不利益とならないように対応してまいります。

○三原委員 当然ユーザーの不利益になってはだめですけれども、手際よくぽんぽんといかないと、何だ結局不良品をつけて走っても何もおとがめがないんだからつけなくても同じだよなとか、理屈はいろいろ広がっていくんですよ。だから、今、取り消しのための手続中ということですから、できるだけ早くそういう手続を進めてもらって取り消しをする。取り消しをしたものがついている車をどうするかということについて、早く対応策を考えてもらいたいと思います。
 そこで、現実についている三井物産製のDPFは、報道によると、速やかに無償で取りかえるようなことを三井物産側がいっているそうでありますが、取りかえるということは、取り消すわけですから、まさか自分んちの別なものということはあり得ないでしょうし、そうすると、これはもう絶対に他のメーカーのものをきちっとつけさせるということをしなきゃいけないんですが、その辺の話はどれぐらい進んでいるんでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 三井物産では現在、DPF代替品の無償提供のため、同社の責任において他社製品の提供などに全力を尽くすとしておりまして、現在、東京都といたしまして、早急に具体的な対応策を提出するよう求めているところでございます。

○三原委員 とにかく他のメーカーのものにかえなきゃいけないんですけれども、他のメーカーのものは大丈夫かという心配がまた出てきますが、それは後で質問します。
 とりあえず、取り消すわけですから、今ついているものをフィルターを取りかえるとか何とかというようなことで、その場しのぎのような対応策を絶対とらせないように、きちっとしてもらいたいと思います。
 実はここからが大変重要なんですけれども、取りかえるとなると、三井物産の社員の人が品物を持っていって、車庫に帰った車にちょこっとつければいいと、そう簡単なものではないわけです。したがって、ユーザーさんがトラックを一日あるいは二日、状況によっては三日とか仕事を休ませて、工場に入れて他のメーカーのDPF装置を取りつけて、トラックの稼働を始めるということですから、その間の補償をどうするか、これをかなり早く対応するように三井物産に行動を起こさせてもらいたいと思います。
 特に、これまた報道等によることですから正確でないし、皆さん方からのご報告もまだですけれども、代替車などという案が出ているみたいなんですけど、我々が自家用車を使っていてどうも調子が悪いから、工場へ入れている間レンタカーを借りるかというのは、通常の乗用車なら何でもいいわけです。ところがトラックは、荷主さんの要望に合わせていろいろとトラックの外装を変えているといいますか、したがって、その荷主さんの要望に合った装置を持ったトラックでないと荷物は運べないわけです。単純な話が保冷車、中が冷たくなっていなければ品物が運べないというところには、当然保冷車を持っていかなければだめなわけですから、そこへ普通のトラックが行っても全然荷物は運べません。
 事ほどさように、細部にわたっていろいろと問題が出てきますので、三井物産の考えがどうだかは知りませんけど、きちっと休業してもらって、その間はちゃんとお金で補償するということが一つ。
 それから、そうなりますと荷主さんの方が、おまえのところはちゃんと配車しないんだから、これから取引はだめだよといわれかねません。したがって、三井物産側から荷主さん側に対しても、この運送会社さんのこのトラックは、三日間なら三日間、こういうことでDPF装置を取りかえますから荷主さんにご迷惑をかけますが、どうぞ特別なご配慮をお願いしますというようなことを口添えしないと、そちらでトラブルが起こるんですよ。ですから、これは三井物産に、装置の取りかえに伴う休業補償といったようなことを交渉されるとき、そこまで話をきちっと詰めてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 まず、装置の交換には事業者の方々のご協力というものが何よりも必要でございます。この交換につきましては、DPFの種類にもよりますけれども、おおむね二日間ぐらいというふうに想定しております。その間は自動車を使用できない状態でございまして、ただいま先生の方からお話がありましたように、個々の事業者の方の実情に応じまして、事業者に不利益が生じないよう、三井物産に対しまして早期に対応策を出させまして、確実に履行させてまいります。
 それから、荷主の方々の理解ということにつきましても、三井物産に対して強く求めてまいります。

○三原委員 三井物産に交渉するときに、運送業者さんに、三井物産製のDPFをつけて迷惑をかけているんですから、テレビの記者会見で済みませんと謝るぐらいの話ではなくて、三井物産製のDPFをつけているトラックを持っている事業主さんというのは、三井物産側は全部わかっているわけですよね。ですから、そこにきちっとおわび状を出せと。社員が行っておわびするのが一番いいんですけれども、最低でも、申しわけないというおわびの手紙ぐらいはすぐ出すべきだと思うんで、その辺も三井物産にちゃんと指導してください。いいですか、お願いしますよ。
 それからもう一つ、今度は委員長にお願いしたいんですけれども、ここには環境局さんしかいないから、三井物産がなぜそういうふうににせのデータまで出してDPF装置を売りたいと思ったか聞きようがないので、ぜひ三井物産の社長もしくは責任ある人を当委員会に参考人招致をしていただきたいと思います。それでなくては事実関係が解明できませんから、これは理事会でぜひご協議をいただいて、早い機会にそのようにしてもらいたいと思いますので、それは委員長にお願いしておきます。業界に対してご迷惑がかからないように、環境局からしっかりとご指導をお願いいたします。
 三井物産関係のDPFについてはそれぐらいにして、ちょっと関連の--ほかにもDPFはたくさんあるわけですが、指定されたものは、今、何社で何型式発売されておりますか。

○中島自動車公害対策部長 三井物産のものを除きますと、これまでに十八社二十三型式のDPFを指定しております。

○三原委員 そうすると、それら十八社二十三型式が全国的にどれぐらい売られているのか、また都内で装着しているのはどれぐらいあるのか、お手元でわかれば教えてください。

○中島自動車公害対策部長 ただいま手元に都内のものがございますけれども、三井物産のものを除きますと、DPFの装着数でございますけれども、バスがおよそ九百台、トラックがおよそ九千百台でございます。

○三原委員 わかりました。そうすると、三井物産のDPFのシェアが圧倒的に大きいというのがわかりますので、なおさら三井物産に対する怒りが大きくなってきますけれども、それはちょっと置いておいて、今、まちでは、天下の三井物産ですらそんなことをしているんだから、ほかのDPFは大丈夫なのかという、ほかのメーカーさんにはえらい失礼ないい方ですけれども、そういううわさが飛び交っているのも事実であります。
 そこで、ほかのメーカーのものは大丈夫ですよということを早く都が発信しなくてはいけないんですが、それには使用途中の性能試験みたいなものをやって、その結果を公表していくということになると思うんですが、その辺のご計画はありますか。

○中島自動車公害対策部長 DPFの審査につきましては適切に行われてきたというふうに考えておりますが、審査会の意見を聞きながら、各メーカーのDPFのPM低減性能を確認するために、装置の排出ガス測定をできるだけ早く実施することといたします。また、その内容につきましてできるだけ早く実施いたしまして、これを明らかにするように努力いたします。

○三原委員 参考に聞きますけれども、さっきの日産ディーゼル技術研究所は当然できると思いますが、まさかピュアースの長崎の試験場を使うわけにもいかないでしょうから、そのほか東京都の環境科学研究所みたいなところでできますか。全国で性能試験ができるところが幾つあるのか、そういうことも考えて、二十三型式を全部点検するのに一年先になりますというのではだめなわけですから、そんな状況はどうですか。

○中島自動車公害対策部長 検査のやり方につきましては、審査会の意見を聞きまして有効な対応をしていくということでございます。こうした検査を行える公的機関は全国で四カ所しかございません。しかも、大型の自動車に対応できるのはこのうちの二カ所でございます。そういう状況でございますけれども、私どもといたしましては、可能な限り融通を図ってもらいまして、早期に結果を得るように努力いたします。

○三原委員 何度も申し上げるようですけれども、せっかくいいことをやっていただいた東京都のディーゼル自動車排ガス規制が思わぬことで水を差されてしまっているわけですから、残りのDPFは全く問題ないですということを早く都民に知らせることが信頼、信用回復につながります。全国で四カ所しかないというんですから、どういうふうに対応するのがいいのかわかりませんけれども、全力を挙げて、できるだけ早く他のDPFについて性能試験をして公表していただくということで、努力をお願いします。これは皆さんにお願いするしかありませんから、お願いをしておきます。
 そこで、ちょっと話を飛躍させて、今申し上げたように、せっかくいいことをやっていただいたのに思わぬところで水を差されてしまって、都民の皆さんあるいはディーゼル自動車を使っている事業主の皆さん方が、空気をきれいにしようという熱意を少し失うような状況になっているわけです。
 しかし、これは環境局の皆さんの努力でやがて回復できるでしょう。今申し上げたような、三井物産を刑事告発するとか、DPFを取りかえるための補償をしっかりとするとか、さらには、他のDPFは大丈夫ですよということを都民に公表するかというようなことをやっていけば、当然、信頼が回復できると私は思っていますが、たまたまそういうのと時を同じくして、PMの二段階規制の問題が迫ってきているわけです。十七年四月一日以降、知事の告示するところから実施できると、こうなっているわけでありますが、せんだっての委員会では、年内の早い時期に告示をし、十八年四月一日から実施できればという局側のご意向でありました。
 しかし、委員会でそれをやった次の日かなんかにこれがばっと出てしまったわけですから、したがって、委員会のご答弁と、次の日からは社会情勢ががらっと変わっているということをまず皆さんに認識してもらいたいと思うので、そういう観点から、知事の告示は、年内というと十二月の一カ月間でございますけれども、告示はもう少しずらすべきではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 先ほどもお答えいたしましたけれども、三井物産に対しては、私どもは全力を挙げて厳しく指導してまいります。
 一方、大気汚染対策につきましては、都民の生命と健康を守る上で重要な課題でございまして、条例に定めてございます第二段階の規制につきましては、既に多くの事業者の方々に必要な装置を装着して対応していただいているところでもございます。告示によりまして実施日を明確にして、事業者の方々には必要な準備期間を十分に確保した上で、十八年四月一日に実施することとしております。

○三原委員 これは行政側と我々政治の側との立場の違いもありますから、これ以上論争しても切りがないかもしれませんが、私は少なくともこの十二月は、三井物産の刑事告発とか、あるいは他のDPFについての対応とか、そういったことが明確になる時期を終えてから知事告示という方向に進んでも、十八年四月一日でやるとしても、何も支障は起きないと思います。
 また、十八年四月一日実施については、他の県市との足並みの問題もあるでしょうから、我々東京都の立場だけで物はいえないかもしれませんが、いずれにしても、きょうあすにきちっと、いつ告示をしなければということを決めなきゃいけないわけではありませんので、こういう事態が起きたということを踏まえて、もう一度慎重にご検討願いたい、こう思います。
 また、十八年四月一日実施についても、他府県との歩調の問題もありますから、その辺もあるでしょうけれども、同時に、実際にトラックを持って事業をやっている皆さんがどういう気持ちでおられるかということも、もうちょっと酌んでもらえればありがたいと思うわけです。
 何度もやりとりして済みませんが、私は今すぐ知事告示に踏み出さない方がいい、もうちょっと状況変化を見てと、こう思いますが、重ねてどうでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 同じような答弁で恐縮でございますけれども、大気汚染の改善につきましては一刻の猶予もならない課題でございます。私どもといたしましては、告示により実施日を明確にいたしまして、事業者の方々にいろいろな対応のために必要な準備時間を十分確保した上で、十八年四月一日に実施することとしております。

○三原委員 これはまた、ある意味の政治の場で決着がつくのだと思いますから、この場ではこれ以上議論はいたしませんが、大変失礼なんですけれども、環境局は局長さん以下管理職の人が五十人以上おられますから、ぜひこの機会に皆さんで手分けして、例えば局長さんは新宿区内の運送事業者の方を三社回ってみて、実際にこういうことが起きたとき運送事業者の人がどういうふうに感じておられるか、とりわけ三井物産のDPFをつけている会社は必ず一社ないし二社訪問するということで、管理職の方が一遍、これを機会に反省の念も込めて運送事業者のところを回って意見を聞いてもらいたいと思うんです。そういうことをやっていただくと、今、知事告示をするのがいいのかどうかということも皆さん方の胸の中におのずと答えが出てくると思いますよ。
 皆さんは机に座っておられて、なかなか立派な政策と、その政策を遂行する指揮監督能力はあります。しかし、まことに残念ながら、本当のまちの、都民のお一人お一人の意見についてきちっと把握ができるかというと、それは立場上不十分な点も出てくると思います。いつもいつもそういうことをおやりなさいとはいいませんが、今回は環境局誕生以来降ってわいたような事件で、ほかの局では似たようなことがあったかもしれませんけれども、環境局としては私が承知する限りは初めてのような気がいたします。直接かかわっている都民の皆さんとひざを交えて真摯に意見を交換されれば、おのずとどういう方向に行政を進めるのがいいかということがおわかりになると私は思いますので、これを機会にぜひ、これから先そんなことをやる機会はないと思いますから、運送事業者さんのところを、たとえ一社でも二社でも三社でも管理職の人がお訪ねをして、真摯にご意見を承ってくるということが、空気をきれいにするという皆さん方のこれからの仕事に大きなプラスになるという気がいたしますが、その辺のお気持ちを局長から聞かせてください。

○平井環境局長 昨年十月に開始いたしましたディーゼル車規制につきまして、大気汚染の大幅な改善が測定結果から明らかになるとともに、都民の方々からも規制の効果を実感しているという多くの声が寄せられております。こうした成果が得られましたのは、厳しい経営環境の中におきまして、誠実に協力していただいた多くの事業者の方々のご努力のたまものと感謝しているところでございます。三井物産の行為はこうした努力を裏切るものでありまして、事業者の方々にとっても許しがたい背信行為であると考えております。
 都は、事態発生直後から三井物産に対しての装置の速やかな無償交換などを指示するとともに、事業者団体とも密接に連携し、情報交換を行うなどその対応に努めてまいりました。今後とも、今回の事態に限らず、個々の事業者の方々がより事業にいそしみやすいように広く実情を把握し、必要な支援策等に努めてまいりたいと考えております。

○三原委員 わかりました。局長が実情把握のためとおっしゃっているんですから、きっと会社を訪問して、本当に実情はどうかなというのを理解していただけるだろう。表現は悪いんですけれども、そういういろいろな業界団体がありますよ。団体はありますけど、団体の長の人だけに会ってもだめなんだよね。そういう人の意見も大切ですけれども、一事業者主さんの意見も大切。だから、そういう機会はめったにないですから、ぜひ今回、実行してもらいたいと思います。
 さて、まとめとして、三井物産を刑事告発するという局長のご決意ですから、至急そういう手続をしていただく。
 それから局長、一連のDPFの追加の検査あるいは三井物産との交渉のやりとりを当委員会に適宜報告してください。お願いします。
 それから委員長には、三井物産の社長もしくは担当者を参考人招致して、ここで事実を解明するということを理事会でぜひお諮りして決定をしていただきたいと思います。
 全く天から降ってわいたような事件でありますが、これをもって環境行政がまた一つ前に進む契機になるよう、関係者の皆さんの努力、また我々議員も、議員の立場で努力をしたいと思います。
 質問を終わります。

○林田委員長 ここでお諮りいたします。
 ただいま三原委員から発言がありました三井物産の責任者を参考人招致という件は、理事会に一任していただきたいと思いますが、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 それでは、そのようにさせていただきます。

○小磯委員 このディーゼル車規制は、我々も以前より、ディーゼル車規制をして東京の空をきれいにすべきだ、このような主張をしてまいりました。そしてまた、石原都政もこれを大きくリードして、石原都政の目玉としてこの政策が実現されたわけでございます。
 我々公明党も、トラック事業者の方々に相当な負担を強いることになる、そんなことで都議会議員がじかにトラック事業者のところに行ってアンケートをとって、どのような対策が必要なのか、補助金はどうあるべきなのか、融資はどうあるべきなのか、そういったことを一人一人伺いながら、東京都にそういう提言をしてここまでやってきたわけでございます。
 そしてまた、これが実行された後にはトラック業者の方々が大変な思いをされた、その当然の措置として、環境局は、東京の空は数値として、データとしてこれぐらいきれいになったというものをしっかりと発表すべきだということも提言させていただいたわけでございます。
 このように、東京都政、そして我々議員も、ディーゼル車規制について一生懸命取り組んできたわけでございますが、今回の三井物産のデータ捏造は、都民、事業者、そして東京都、そればかりでなく我々議会に対する背信行為であると、このようにいえると思うわけでございます。そういった意味で、私は、東京都がしっかりと三井物産を追及できるように、我々もまたきょう、都議会のこの委員会において東京都に対して追及していきたいと思っている次第でございますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、データのことでございますが、三井物産が改ざんを行ったデータとはどのようなデータなのか、またどのような方法で改ざんが行われたのか、詳しく述べていただきたいと思います。

○月川参事 三井物産からの報告によりますと、DPF装置の指定申請等におきまして排出ガス試験の結果を偽り、実際の装置の性能よりもよく見せかけているものでございます。
 具体的に申し上げますと、申請にかかわるものといたしましては、平成十四年二月十八日に指定申請した装置の添付データには認可取得のためのすりかえがございました。例えば、性能試験にはワイヤメッシュフィルターの線の太さが細いもの、耐久試験には線の太いものが使用されておりました。
 また、平成十四年七月三十一日の装置の変更に際しましては、調査対象の装置に装着されているフィルターに加えまして、実際には製造販売されている装置には装着されていない他の種類のフィルターを重ねて装着して性能試験を行い、その結果得られたデータを提出しておりました。
 その他申請にかかわらない問題といたしまして、平成十四年に環境科学研究所で性能確認を行いました結果、PM低減率が低かったため、早急に原因を調べ対応するよう三井物産に対して指示を行い、平成十五年一月十六日から十八日に、長崎市にあります、先ほど申し上げました三井物産子会社のピュアースの長崎試験場で、都職員立ち会いのもとで行われました性能確認におきまして、PMの測定結果を読みかえたことでございます。

○小磯委員 ただいまのご答弁は、三井物産株式会社の「弊社製品に関わる虚偽データ作成判明とそれに関わるお詫び」という中のものと今のところほとんど変わらないということがいえると思います。
 二〇〇二年二月十八日、それから二〇〇二年七月三十一日のデータ改ざん方法についても、今調査中でございますか。

○月川参事 二月十八日、七月三十一日のデータの改ざん方法につきましては、現在、三井物産におきましては、調査委員会を設けまして詳細な調査を行っていると聞いてございます。早急に詳細な報告を都に提出するよう求めているところでございます。

○小磯委員 それから三番目の、長崎で試験を行うきっかけとなった平成十四年の東京都の環境科学研究所、この減少率が少なかったという答弁でございましたが、減少率は何%だったんでしょうか。

○月川参事 平成十四年に環境科学研究所で調査いたしました低減率は四〇%前後でございます。

○小磯委員 環境科学研究所で性能試験を行うきっかけというのはあるんですか。それとも、これは全部の減少装置について行うんでしょうか。

○月川参事 装置の申請時におきましては、先ほど審査会の審査の方法についてご説明いたしましたけれども、審査会の判断によりまして確認試験を実施しております。装置を指定後におきましては、運行後にどのような状態になるのかということで、その調査の必要がありまして、実際に運行に供されている装置について平成十四年に調査を行ったものでございます。

○小磯委員 もう一回、全部のDPF装置をつけた車両について、三井物産だけでなくてほかの社のものも性能試験をやったんですか。それとも、三井物産のDPFについて確認をした方がいいだろうということでやったんですか。

○月川参事 平成十四年に調査いたしました三井物産につきましては、その当時シェアが大きいということで、三井物産の装置につきまして調査を行ったところでございます。

○小磯委員 四〇%前後だったということで、東京都の環境科学研究所で四〇%というデータが出た。そして、三井物産の試験場で出たのが最終的には恐らく六〇%以上だったということになりますと、どちらのデータを信じてやるべきだったのかという思いがあるんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○月川参事 長崎の試験場で測定した結果によりますと六〇%を上回る数値が出ておりまして、この装置につきましては性能が確認できたというふうに考えてございます。

○小磯委員 環境科学研究所の性能試験と長崎試験場の性能試験との精度の違いといいますか、例えば我々も健康診断を受けるときにいろんな健康診断があるから、種類の違いもあるのかなという気はしないでもないわけでございますけれども、三井物産以外のDPFについてはデータは大丈夫なのかという都民の心配に対しては確認試験をやっていく、その確認試験は環境科学研究所でやっていく、それによって効果的な防止策を講じていくということだと思うんですが、環境科学研究所とそれ以外の研究所との認識の違いといいますか、今後、東京都の環境科学研究所をしっかりとベースにしてやっていくべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○月川参事 他のメーカーのDPF装置につきましては、指定審査会で適正に審査が行われたというふうに考えてございますけれども、今後、審査会の意見を聞きながら、DPFのPM低減性能を確認するために排出ガス測定を行ってまいります。環境科学研究所とも相談をいたしまして、環境科学研究所を中心にこの調査を行ってまいりたいというふうに考えております。

○小磯委員 自分のDPFは本当に大丈夫なのかという思いの中でトラックに乗っておられる方がいっぱいおられるわけでございますので、ぜひとも、他のメーカーのDPF装置については、三井物産DPFのように申請時に虚偽データが使用され、基準を満たしていない装置が指定販売されていないという確信を皆さんに与えるような東京都の行政を行っていただきたいというふうに思っております。
 環境科学研究所については大変多くの試験を行っていると思います。そういった意味で、日程だけ考えても大変時間がかかると思いますので、装置の指定後の性能確認において、すべて都独自で試験を行っていくことは可能なのか、それともそれ以外のところを使うのか、伺いたいと思います。

○月川参事 性能確認につきましては、都独自で行う試験のほかに、他の公的機関における試験の活用も考えていきたいというふうに考えております。

○小磯委員 三原委員がかなりいろんなご質問をされまして、重複する点は割愛して質問しておりますけれども、三井物産が装置を無償で代替品に交換するといっても、相当時間がかかるのではないかと思うわけでございますが、装置の交換がすべて終わるのはいつごろになるのか、お伺いしたいと思います。

○中島自動車公害対策部長 基準に満たない装置をつけた車が走行を続けることは条例の趣旨に反することになります。都民や事業者の方々の不安を一刻も早く取り除くために、三井物産に対しまして、今、早急に対応を求めているところでございます。

○小磯委員 先ほど、我々が乗用車の代車を借りるように、そんな簡単にはトラックの代車は無理なんだというお話が三原委員の方からございましたけれども、ただ、代替車を用意できるといいますか、代替車が可能なものについては用意すべきだと考えるんですが、いかがでございましょうか。

○中島自動車公害対策部長 代車等も含みます、交換期間中いろんな損失が出てまいりますけれども、三井物産に対しまして、こうした損失や代替車の提供など、それぞれの事業者の方の実情に応じまして、DPFを装着した車両を使っている事業者に不利益が生じないよう確実に履行させてまいります。

○小磯委員 PM低減率が不足して機能を十分に果たさない装置をつけているわけでございますが、支給してしまった補助金についても問題が生じると考えるわけでございますが、三井物産にはどのような責任を求めていくのか、お伺いしたいと思います。

○中島自動車公害対策部長 粒子状物質減少装置装着の補助金でございますけれども、装置をつけた事業者の方に対しまして都が支払いを行っているものでございまして、形式上は事業者の方に返還義務が生じることになります。
 しかしながら、今回補助金を受けて三井物産製の装置を装着した事業者の方は、都の指定装置として装着を行ったものでございまして、その責めはすべて三井物産にございます。補助金の返還につきましては、事業者の不利益とならないよう、実際に実務上どのように工夫ができるかを至急検討してまいります。

○小磯委員 今のご答弁は、補助金の返還についてはしっかり三井物産から返還してもらうと、賠償請求するということで検討していくということで、よろしいでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 先ほど局長の方からもご答弁申し上げましたけれども、三井物産に対しましては刑事告発などを含めて行ってまいります。そういう中で、お話のありましたような損失等につきましても、どのような対応がとれるのか至急詰めてまいります。

○小磯委員 これは局が違うんでしょうけれども、都営バスの中でも三井物産のDPFを装着しているものが相当数あるかと思うんですけれども、これについてはいかがな対処になりますでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 都営バス等につきましても、三井物産に早急な装置の交換等を求めております。また、取り締まり上につきましても、他のユーザーと同じように不利益にならないような対応を考えております。

○小磯委員 都営バスも、三井物産のDPFを信用して装着して走行しているわけでございまして、早急な取りかえといいますか、対応が必要であると思いますので、しっかりと担当局と打ち合わせをしてお願いしたい、こういうふうに思っております。
 また、一都三県でディーゼル車規制の行政が進んでいったわけでございますけれども、何といっても東京都がリードして、一都三県に同じように条例をつくっていただいてディーゼル車規制が進んでいるわけでございます。そういった意味では、あとの三県についても、東京都がこの問題についてしっかり対処していくべきであると思うわけでございますが、一都三県以外にPM減少装置の補助を行っている県がありますけれども、そういった県への影響についてはどのように考えておられますでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 PM減少装置の補助金につきましては、私どもは全国の県につきましていろいろとご協力を求めてきた経緯がございます。そうした県におきましては、実際に補助金事務における対応は必要になります。他県とも緊密に連絡をとり合って十分対応してまいりたいというふうに考えております。

○小磯委員 今回の局のご答弁につきましても、三井物産のおわびの答弁を土台にしてきょうの答弁があったわけでございますし、環境科学研究所で最初に性能試験をしたときに四〇%の減少しかなかったと。次に三井物産関連の試験場でやったのが、データ改ざんがあってそれをクリアしたと。そうした部分、そういったことで、二十二日ですか、発表があったのは。そういった意味で、十八日の報告でございますので、まだ一週間ということで、調査がなかなか進んでいない部分もあるのかもしれませんけれども、いずれにしても、こうした大きな問題といいますか、東京都環境局としての目玉的な一つの政策が、このような一企業の傲慢な姿勢で踏みにじられたということは、しっかりと追及して、今後一切こういったことがないようにしていかなければならないと思うわけでございます。今後もいろいろな排ガス規制を取り組んでいくわけでございますので、今後の排ガス規制のためにも、今、この事件をしっかりと真っ正面から取り組んでいくことが大事であると、このように思うわけでございます。
 そういった意味で、最後に局長の決意を伺いたいわけでございますけれども、個別の対策の積み上げだけでは別の方法の事件を防止するには十分ではない。担当部だけでなく、局として粒子状物質減少装置指定審査会の審査の方法も含めた総合的な再発防止対策をとることが必要だと私は思います。
 そこで、関係者から成るディーゼル車規制装着装置改善検討委員会などを立ち上げて事件の再発防止策を検討すべきであると思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

○平井環境局長 事業者の方々の骨身を削るようなご努力をいただいて進めてまいりましたディーゼル車規制について、このような事件が起きたことはまことに残念であります。都としましては、二度とこのような行為を繰り返さないよう、DPF装置の審査時に環境科学研究所で確認試験を行うのはもちろんのこと、必要に応じて他分野の専門家の参加を仰ぐなど、局を挙げて効果的な再発防止策を講じていく所存でございます。このような体制を講じていくことが私どもの責任と考えております。

○小磯委員 委員会等を立ち上げてというのはいかがでございましょうか。

○平井環境局長 局を挙げて効果的な再発防止策を講じていくということで、ご理解願いたいと思います。

○林田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後四時休憩

   午後四時十二分開議

○林田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。

○大塚委員 それでは引き続きまして、三井物産のディーゼル車規制のデータ虚偽事件につきまして質疑をさせていただきます。
 二人の委員の方からさまざまな質問や提言がなされました。私ども都議会民主党としてもこの問題を大きくとらえ、今回の質疑に臨んでいるわけでございますけれども、いかんせん十八日の事件の発覚以来、まだ時間が一週間ということで、三井物産側からの答弁書ないしは新聞報道、そしてまた東京都もこの問題についての調査を鋭意やられていると思いますけれども、実態がなかなか把握できていないという状況の中での質疑でございます。
 そんな中で、私も第三回定例会の代表質問に出させていただきまして、この一年間のディーゼル車規制の成果、そしてまた今後の取り組みについて質問をさせていただいたわけでございますけれども、平井局長からも本会議場で一年間の成果と今後の違反車両などへの取り組みの力強い答弁があったやさきの事件ということで、私もショックを受け、環境局においてもこの問題について大きくとらえられていることだと思います。
 私も初当選以来、当時の都市・環境委員会に十三年、十四年と二年間所属いたしまして、当時の指定の問題、あるいは平成十五年十月から規制を開始するに当たってのさまざまな準備についての環境局のご努力や、時間的に大変せっぱ詰まった状況の中での準備という感もいたしたわけでございます。
 そんな中で、まず冒頭、三井物産がここまでの虚偽データを使って、なぜこういう指定を受けざるを得なかったのかということで、本来、企業でありますから、販売実績を上げて売り上げを上げたいという気持ちは当然だと思います。そしてまた、競争に打ち勝ってシェアを多くとるということは、会社の使命として当然だったと思いますけれども、逆に考えますと、なぜこれだけのリスクを侵してこういうような改ざんをして指定を受けざるを得なかったのかということで、先ほどご提案があったように、三井物産側の参考人招致を経て事実が把握されると思いますけれども、東京都として、三井物産側の当時の指定を受ける背景あるいは理由が、想像かもしれませんけれども、なぜこのようなリスクを侵してメリットを享受しようとしたのか、わかる範囲で教えていただければと思います。

○月川参事 三井物産によりますと、まだすべての調査を終えてはいないけれども、関与した社員の話によりますと、DPFの装置開発を成功させたかったということでございます。都としては、全責任が三井物産にあると考えておりまして、さらに詳細について報告を求めているところでございます。
 その当時のDPFメーカーの状況でございますけれども、平成十二年十二月に環境確保条例の制定を機に、DPFメーカーによって、特に元年規制以前のバスを対象にした開発が進められまして、平成十三年九月には三社六型式のDPFが初めて指定されております。
 その後、さらにDPF開発が進みまして、トラックに対するDPF需要が高まったことから、DPFメーカーの技術開発が進みまして、平成十四年十月には、指定したDPFは十社十四型式に拡大しております。

○大塚委員 今の経過経緯によって三井物産が指定を受けるというような、客観的な事実だと思いますけれども、この問題につきましては、今ご答弁のように、東京都として現在把握されていらっしゃるところだけの答弁にとどまると思いますが、私も冒頭申し上げたとおり、当時の東京都の指定に当たりまして、十五年十月から、あるいはその指定に際しての開発、販売について、いわゆる早期販売を三井物産に逆に要請したのではないかというようなことも考えられるわけでございますが、その辺の事実はいかがだったでしょうか。

○月川参事 都はこれまで三井物産だけに特定した要請を行っておりませんが、首都圏の七都県市と連携いたしまして、すべての装置メーカーに対しまして、平成十四年四月には装置の開発促進、供給拡大につきまして、平成十四年十一月には装置の大量供給と装着体制の確立などを要請してきているところでございます。

○大塚委員 特に三井物産だけに要請をした事実はないということだと思いますけれども、いずれにしても、今回、石原知事がペットボトルをかざして、東京の空をきれいにしようということが大前提としてあった事業でございますから、全業界あるいは事業者の方々も協力をしていただいて、今回成功に至ったやさきの事件でございます。今後の調査を見て、また質問する機会がありましたら、経緯経過については改めて調査をしたいと思っているところでございます。
 次に、先ほどから話が出ておりますが、再発防止の件と、書類審査だけで終わってしまったということでありますから、今後の調査、そしてまた指定審査の考え方についてお伺いいたします。

○月川参事 DPF審査につきましては、今後、環境科学研究所で確認試験を行うなど、虚偽の申請に対する効果的な防止策を早急に講じてまいりたいと考えております。
 また、既に販売されておりますDPFにつきましては、審査は適正に行われてきたと考えておりますけれども、審査会の意見を聞きながら、各メーカーのDPFのPM低減性能を確認するために、排出ガス測定をできるだけ早く実施していきたいというふうに考えております。

○大塚委員 再発防止については特段の配慮がされるというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 四番目は先ほどありました。私からは意見というか要望だけにしておきますけれども、天下の三井物産がこういう行為に至ったわけでございますから、一般の推測といたしましても、他社のDPFの製造販売、また開発された業者の方も、逆に迷惑をこうむっていることだと思いますが、その裏腹として、疑いをかけざるを得ないという部分も残念ながらあるわけでございます。都民、そしてまた事業者の信頼を得て、他社の方々はDPFを正当なデータでつけているということを改めて都民の方に示していただくことを要望しておきます。
 そしてまた、先ほど来出ております休業補償、取りかえについてでございますけれども、これは私からも質問する予定でありましたが、進行管理というものにつきましては、大体二日から三日間で無償交換ができるという物理的なもの、それから三井物産にしっかり対応させるということは当然でありますが、一つだけお聞きしておきますけれども、無償交換するといっても、その車に合うDPFにも限りがあるわけでございます。ユーザーが好むかわりのDPFがない場合どのように対応するのか、一点だけお伺いいたします。

○中島自動車公害対策部長 交換を行う装置につきましては、その車両の構造ですとか、あるいは走行条件などに合った装置を交換する必要がございます。三井物産に対しまして交換装着など早急な対応を求めているところでございますけれども、何よりもそれぞれの事業者の方々の実情を考慮しまして適切な対応を行うよう、強く指導してまいります。

○大塚委員 今の答弁のように、具体的な個々の条件というのは、事業者はそれぞれ違うと思いますし、また、年末年始というものは、物流の業界においては、お歳暮、いろいろな人の動きもある中で、一番活況を呈しているときであります。そういったときに取りかえが行われる。そのことも三井物産にしっかり対応させるようお願いしたいと思うわけでございます。
 最後に今後の対応についてでございますけれども、繰り返しになりますが、東京都は、DPFを購入した運送業者に対して一台当たり最大で四十万円補助しているわけであります。三井物産はDPFを全国で二万一千五百台販売しており、事業者を通じて東京都からは約十八億円、全国では約八十億円の税金が三井物産に渡っていることになります。先ほど来話がありましたとおり、無償交換などユーザーへの対応は当然でありますが、都民に対する背信行為に対して東京都はどのように対応していくのか最後にお伺いして、質問を終わります。

○中島自動車公害対策部長 現時点におきましては、三井物産に対しまして早急にユーザーへの適切な対応をとらせることがまず第一と考えておりますが、先ほどもご答弁させていただきましたように、法的措置につきましてはできるだけ速やかに進めてまいります。

○小松委員 DPF装置の問題につきましては、私ども日本共産党は一貫して取り上げてまいりましたし、ただこれを装着するのでなく、例えば、昨年は都市・環境委員会でしたよね、九月十七日にも同僚のかち議員が、今、急げや急げということで、ただ取りつけることにだけ集中している中で、本来のおくれを出さない状況をきちんとキープできるかどうか、そして安全性はどうなのかということが、今、大変危惧されているんですと。マル適マークがついているのに黒煙が出ているのはどうしてかという、これも現実問題としてある事態だというふうに思うんですねといって、このときはバイパスの問題などを取り上げております。とても心配していたわけです。
 ところが、それに対して月川参事はどうお答えしたか覚えていらっしゃいますか。PM減少装置の指定につきましては、性能を示しますPM減少率のほか、信頼性、耐久性、安全性につきまして、試験や実走行等のデータを踏まえまして、専門家から成ります指定審査会で十分検討を行っておりますと見事なご答弁をされているんです。
 残念なことにその中で起きた事件ですけれども、なぜこのような捏造申請が起きてしまって、それをチェックできなかったのか。これは社員の内部告発がなければこのまま継続していたわけですね。所見を伺いたいと思います。

○月川参事 審査におきます測定データにつきましては、公的機関等で測定されたデータの提出を求めております。今回のケースでは、申請の段階からこのデータの差しかえが行われておりまして、審査会におきます内容審査におきましても、原理からこのデータを見ましても疑問点が見出せませんでした。今後は、確認試験を行うなど虚偽の申請に対する防止策を講じてまいります。

○小松委員 ちょっと確認しておきましょう。先ほどもお答えいただきました。性能試験ではフィルターの線が細く捕集率が高いものを使い、耐久性試験では線が太くメッシュが溶けにくい装置を使うなどしていたということですね。つまり、もともと欠陥を知っていて、今のままでは審査が通らないということが最初からわかっていて申請したんですよね。そうですよね、今考えてみれば。確認させていただきます。

○月川参事 申請に当たりましては、金属メッシュのフィルターの線の太さにつきましては〇・五ミリのもので申請が行われておりますけれども、その数値では基準をクリアできないということで、線の細い〇・二ミリの線形のワイヤメッシュフィルターを使いまして申請がなされているものでございます。

○小松委員 そのことについては後ほどもう少し質問させていただきます。
 ですから、最初の時点で捏造だったということで、環研がテストをして、六〇%PM低減率が得られなかった、それがわかった時点で指定を取り消すとか、やるべきではなかったんでしょうか。

○月川参事 環境科学研究所で測定いたしました趣旨でございますけれども、指定後の装置がどのような状況になっているかということを確認するために、平成十四年二月十八日に申請がありました装置について確認を行ったものでございます。

○小松委員 私はここに、平成十二年七月十七日、環境局が出しておりますDPFの実証試験結果についてというものを持っております。これは自動車公害対策部計画課というふうに出されております。
 これでは、試験内容は、シャシダイナモメーターによる粒子状物質(PM)除去性能及び排出ガス性状等への影響把握、これは環研がやっております。そして、一、二、三とありまして、一番目にはエンゲルハード社製のDPX、二番目にはジョンソンマッセイ社製のCRT、三番目にはいすゞ自動車株式会社製、その二番目にありますジョンソンマッセイ社製のCRTTM、都バス一台、これが今回のに当たりますよね。それに対しては、ここで、今回の試験結果から明らかになったこととして、PM除去性能及び排出ガス性状等への影響として、〔1〕、今回の短期間の試験では、DPX、CRT、一番と二番ですね、ともにPMの低減率は八〇%以上と高かった、今後、実車で路上走行試験を行い、フィルターの目詰まりの発生の有無等について確認する必要がある、こういっているんですね。もう既にこの時点で、環研の調査で指摘をされているんです。
 そして、その試験内容の概要を見ますと、この三社なんですけれども、それぞれが市販軽油を使用しているんですが、ジョンソンマッセイ社の都バスに対しては、CRTのみ、燃料は低硫黄軽油、硫黄分五〇ppm以下を使っているんですね。あとの二社は市販軽油と。これでやっと追いつくという形で、考えてみたら、これは平等な形でやられていない。それでもこういう指摘が出ているんですよ。これは当然追わなくてはならなかった。いかがでしょうか。

○月川参事 平成十二年七月に発表されました実証試験結果で、CRT、ジョンソンマッセイ社のDPFにつきましては、当時はウオールフローフィルターというものを使用しておりまして、その後、三井物産の方でいろいろ技術開発が行われまして、今回のワイヤメッシュフィルターによる申請がなされたものでありまして、この結果につきましては、現在販売されているフィルターとは異なるフィルターの装置でございます。

○小松委員 これが十二年七月十七日。そして七月三十一日には形状変更申請が出されております。そしてさらに、さっきの長崎の話がありました。長崎の、先ほどの質問でやられた状況はわかりました。しかし、なぜ長崎まで行ったかということが、どうしても先ほどのご答弁では納得できないんです。だれの指示で長崎までいらしたんですか。長崎で実際に請け負った業者というのはどこでしょうか。

○月川参事 環境科学研究所で調査いたしました結果が、先ほど申し上げましたように四〇%という低い結果が出ておりまして、早急に原因を調べ対応するよう三井物産に指示しております。その当時、環境科学研究所では既に他の試験が予定されておりまして、緊急に対応を図るという意味合いから、長崎の三井物産の試験設備で都の職員立ち会いのもとに性能確認を行うことになったものでございます。
 だれの指示で長崎に行ったのかというご質問でございますが、組織の判断として実施したものでございます。

○小松委員 にもかかわらず、肝心な二階には同行していない。三日間もかけているんですよ。この検査に三日間も必要だったんでしょうか。そしてその三日間、一階で技術の論議をしていたと。実際の一番大事な測定値を読むところに立ち会いをしていないで、長崎まで行って三日間、下で論議していたんですか。この辺の都の職員、先ほど出ましたが、申しわけないけれども、どうも見えないんですね。もう一回お願いいたします。

○月川参事 長崎での測定につきましては、初日は午後から始めまして三日目の午前で終了しております。内容といたしましては、装置装着前、装置装着後、また装置を洗浄しての実験を行っておりまして、それぞれ数回繰り返し測定するために、実質的には二日が必要であったということでございます。
 また、測定室で測定した職員は、三井物産及び同社関係会社ピュアースの職員が測定したと聞いております。

○小松委員 だから、なぜピュアースに任せてしまって都の職員がそこに立ち会わなかったのか、そこをお聞きしているんです。

○月川参事 先ほどこの実験の内容についてご説明いたしましたけれども、一階にエンジンの試験、制御用パソコンがありまして、そこでPM計量値の入力、計算がなされておりました。これについて都の職員は立会いをしておりまして、二階のPM計量自体には立ち会ってございません。

○小松委員 これ以上は聞きませんけれども、長崎行きの成果をどうごらんになるんですか。

○月川参事 長崎の性能確認によりまして、四〇%というものが改善されまして六〇%の数値が出たということで、この対応を各車の方にとっていくということで、改善がなされたというふうに考えております。

○小松委員 そのときはですよね。でも実際はそうではなかったんですよね。先ほども話がありましたように、意図的に読みかえられたといっていましたね。そうすると、今になってみるとすっかりだまされてしまったということですね。どう認識されていますか。

○月川参事 性能確認におきましては、先ほど申し上げたような確認試験、調査を行ったわけで、それが車としては改善に向かったということで、適正に調査がなされたというふうに考えておりますけれども、結果的には、三井物産のこのような虚偽データによりまして、多くの皆さんに多大な不利益が生じるというような事態を招いたわけですから、私たちもそれを重く受けとめまして、このような立ち会い試験につきましては、こういうことがないような対策を講じてまいりたいと思っております。

○小松委員 ですから、東京都は今、そこでいいわけしてはだめなんですよ。いいわけできないんですよ。その時点では長崎に行った成果もあったんだ、もう今はそんなことはいえないじゃないですか。実際がそうではなかったんだから、最初から最後までだまされたならだまされた、うっかりしたら、都の職員も一緒だったんですかなんて、私はいいませんけれどもいわれてしまいますよ。その辺は重くとおっしゃるんでしたら、重い認識をしていただきたいと思います。
 それでは、車への対応なんですが、東京全体で五千台の車両が三井物産のDPF装置をつけているということですが、違法状態にある都の保有車両を、先ほど出ていたようですけれども、もう少し詳しくお知らせください。

○中島自動車公害対策部長 東京都関係でございますけれども、交通局のバスが二百四十九台、その他の局の車両につきましては五台ございます。

○小松委員 すなわちそれも含めまして、捏造データを使って指定された装置に対しての対応、先ほどから伺っておりますけれども、運行を停止するということが一番必要なんですが、それを停止されては困るということで、いずれにしても条例に抵触するから早くやらなければならないということで、先ほどからるる出されてきました。
 今、一番とらなければならない方法としては、中小企業とかいろいろありますけれども、都の車両に対してもどういうふうにやろうとされていますか。

○中島自動車公害対策部長 東京都の関係する車両につきましても、三井物産側に早急に具体的な対策を求めまして、それを都としてはしっかりと監視してまいりたいというふうに考えております。

○小松委員 三井物産の責任についての対応ですけれども、今回の一連の事件、三井物産の責任をどう求めていくかは先ほどから伺っております。そして、刑事告発もということを聞いておりますが、問題は、三井物産にこの事件を起こさせてしまった都側の責任というのをどのように考えておられるでしょうか。裏切られたということで大変厳しい質問かもしれませんけれども、その辺の認識をお伺いしたいと思います。

○中島自動車公害対策部長 もちろんこれは三井物産側に全面的な責任がございまして、私どもといたしましては、早急に具体的な対応策を図るように求めておりますし、またそれについて都側もしっかりと監視してまいりたいというふうに考えております。
 結果といたしましてこうした事態に至ったわけでございまして、それらを含めまして、今後につきましては、きちんと性能確認につきましても行っていくということでございますけれども、何よりも事業者の方々が今現在、不利益といいますか、迷惑をこうむっているわけでございますから、それをまず早急に、どういう選択ができるかということにつきまして、個々の事業者のそれぞれの事情に応じた三井物産側の対策といいますか、対応策を早急に出させて、それをしっかりと監視していくことが、現在、私どもに課せられている使命であるというふうに考えております。もちろんその他の大気汚染の改善策につきましては、引き続き全力をもって取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○小松委員 そこで、先ほど月川参事の答弁を引き出しましたのは、あの中に信頼性、安全性というような言葉が出ておりましたけれども、そういう意味では、三井物産に対して、事業者をしっかり調査するということはされたのでしょうか。

○月川参事 装置の指定に当たります審査におきましては、装置そのものにつきまして、添付されています公的機関からのデータ等をもとにいたしまして適正に審査をしております。

○小松委員 適正に審査をしてこうなったから、私はお聞きしているんです。
 実は私もここに、指定した粒子状物質減少装置の概要という十六年十一月四日現在のものを持っております。これを見ますと、株式会社コモテック、三井物産とかずっとあるんですけれども、数が相当あります。ところが、この中で商社というのは本当に少ないんですね。あとはみんな、自分の会社で開発したりというようなことで、商社というのは自分の会社で--だからピュアースを立ち上げたわけですよね。開発会社でも何でもないわけです。まして、ピュアースは国産の生産もしていない、市場は海外の委託生産だと。こういうようなことを認識されておりましたか。この会社のあり方、三井物産とピュアースの関係。

○月川参事 装置の指定に当たります審査におきましては、その審査内容といたしまして、整備体制、販売体制につきましても、資料の提出を求めまして審査しているところでございます。

○小松委員 だから、この会社は製品をすべて海外委託しているというようなことも全部調べておられましたかということをお聞きしたんです。

○月川参事 先ほど申し上げましたように、装置の指定に当たります審査会では、整備体制、供給体制、サービス体制、総合的に審査をして指定しているものでございます。

○小松委員 そうですか。総合的に審査しているということのようですけど、私は今ここに--ピュアースの副社長の豊田哲朗さんとコモテックの代表取締役の小森正憲さん、何人かが東京都のディーゼル貨物車規制ということで本音を話し合っております。
 そこではこういうふうに聞かれているんです。都に認定を申請するときの苦労がおありだったと思いますが、どんな点に苦労なさいましたかと。ピュアースの豊田副社長さんが、大変だったと。一カ月試験をして、そろそろデータが集まったかなと思ったら、雨にぬれてパソコンのデータが消えてしまっていたと。ご存じでしたか。そして、コモテックの小森さんは、非常に細かいところまでデータどりが必要なんですよ、審査するのが専門の学者ですから、実に細かいところまで徹底的に追及されます、何回もデータどりを繰り返さないと納得してもらえず、大変苦労しましたと。このお二人の発言には大きな隔たりを感じると思うんですが、いかがですか。

○月川参事 装置の審査におきましては、審査過程で審査委員の方から疑問が出ますと、書面による質問を申請者の方に提出いたしまして、その回答を見て、原理、理論からこの装置が低減性能が維持できるかどうかにつきまして審査を深めているところでございます。今回そのようなやりとりがあったのは、その過程のことだというふうに考えております。

○小松委員 ですから、コモテックの小森代表取締役がおっしゃるように、本当にきちんとやっていらしたと思うんです。でも、そういう中でピュアースの副社長の発言、そろそろデータが集まったと思っていたら、雨にぬれてパソコンのデータが消えてしまった、こんなことはありますか。一カ月試験をして大変時間をかけてやったら、最後にパソコンのデータが消えちゃったんだ、また一カ月もしなくてはならない、しかし間に合いませんよね。これから見ても、きちんとした審査をされていることはわかりますが、一連のピュアース、三井物産に対してのものを私は感ぜざるを得ないんです。
 ですから、今回の事件におきまして、あくまでも三井物産は部下の三人がやったことといって企業ぐるみを否定しておりますが、企業ぐるみを否定していて、三人の人々が、先ほど申し上げたようにデータを取り違えたり、意識的にやったり、何回もそれをやっている、そんなことがあると思いますか。一従業員がそんなことができると思いますか。

○月川参事 現在、東京都といたしましては、三井物産に詳細な調査の結果を早急に提出するように求めているところでございます。その詳細な結果を踏まえて、私どもも三井物産に対して厳しく対応してまいりたいというふうに考えております。

○小松委員 詳細な報告が十二月に出るということですので、先ほど三原委員からもありましたけれども、三井物産、ピュアースなど、きちっと責任を持って答えられる人を参考人としてここに呼んで、きちっとした委員会審議を私も要求させていただきたいと思います。
 そして、今後の対応としまして、使用過程車に装着できる後処理装置の開発を都として行うことを求めるものですが、いかがでしょうか。

○月川参事 DPF装置は、昨年十月から開始いたしました現行規制への対応が必要ということで開発が進められてきましたが、今後、条例の第二段階規制につきましては、既に多く指定されております酸化触媒を装着することで対応が可能となっております。

○小松委員 それらを大至急やるということと、今後についても、自動車メーカーにも後処理装置開発を義務づけるとか、そのときには開発企業に対する開発支援の強化を図る、このことを強く求めてまいりたいと思います。
 いずれにしましても、今ここで何を聞いても、まだ三井物産からしっかり報告書をもらっていないという段階で、東京都は、あらゆる新聞にも出ておりましたけれども、甘いといわれてしまっても、いやそうではないんだといい返せないものがあるわけです。先ほど、重く受けとめるということでしたけれども、最後に環境局長、これをしっかりと受けとめていただく、今後のご決意をお願いしたいと思います。

○平井環境局長 三井物産は一貫して虚偽のデータを使用しており、その責任は極めて重大なものと受けとめております。冒頭にも申し上げたところでございますが、事業者の方々の骨身を削るようなご努力をいただいて進めてまいりましたディーゼル規制について、このような事件が起きたことはまことに残念でございまして、今回の事態を重く受けとめているところでございます。
 都としては、二度とこのような行為を許さないよう、早急に再発防止策を確立するとともに、三井物産の責任を厳しく追及し、装置の交換など事業者への誠意ある対応を確実に行わせることに全力を挙げてまいります。

○大西委員 私も何点かお聞きしたいと思っております。
 三菱自動車の欠陥自動車に見るように、大企業の体質というのはここまで来たのかというのが今回の事件だったと思います。一連の企業の不祥事への社会の厳しい批判から、企業の社会的責任、いわゆるCSRに対する関心が高まっているわけですが、こういう中、行政としてころりとだまされてしまったのが今回の事件だと改めて思っております。
 その中でちょっとお聞きしたいんですけれども、これまでの質疑の中から、やはり大手企業への過度な信頼があったのではないかというふうに思います。指定承認時に、日産というある意味大手の研究所が出したデータ、形状変更時にもそれを出している。そして東京都は、それに対して不信感があって長崎まで調査に行っている。にもかかわらず、部屋が狭いからという理由だけで追い出されてクリーンルームに入っていない。まさにそういう意味では、行政がしっかり、企業攻勢に対してだまされてなるものかという姿勢がないということが、この間の質疑でわかるんですけれども、大手企業への過度な信頼があったのではないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

○月川参事 先ほど申し上げましたように、装置の指定に当たりましては、装置自体を対象にいたしまして、排出ガス試験結果書などを添付いたしました申請書をもとに総合的な審査を行っているものでございます。
 また、先ほど申し上げましたように、性能確認におきまして、都の職員は一階のエンジン試験、制御用パソコンのPM計量値への入力、計算に立ち会っておりまして、二階でのPM計量自体には立ち会ってございません。狭いというご指摘でございましたけれども、一階の方で性能確認をしたということが理由でございます。

○大西委員 ちょっと私の質問には、という回答ではないんですけれども、DPF装置について申請を応募してきた会社は何社ぐらいあったんでしょうか。指定された会社は十九社、そのうち三井物産は三割のシェアということで、かなり大きなシェアを受け持ったわけなんですけれども、何社あったのかということと、残りの会社がどれくらいずつのバランスでこの装置を申請して供給してきたのか。

○月川参事 これまでDPF装置を申請し指定された会社は十九社でございます。中でも三井物産につきましては、全国六万台のうちの二万台を占めるシェアでございますけれども、この装置のシェアにつきましては、上位三社ぐらいで大部分が販売されているところでございます。

○大西委員 応募したのはどれくらいですか。

○月川参事 申請した会社につきましては、現在手元にございませんけれども、申請した後に申請を取り下げたり、また、申請をしても指定されなかったりというものがございます。

○大西委員 先ほどから、今後の対策として、速やかに無償で適正な装置に交換したいということでしたけれども、もう一度私にも、具体的にどうなさるのか教えてください。

○中島自動車公害対策部長 先ほどもご答弁いたしましたけれども、三井物産側からの早急な具体的な対応策を今求めておりまして、それぞれ個々の事業者の方々の実情を踏まえて、それに合った対応を強く求めていきたいというふうに考えているところでございます。

○大西委員 それぞれの企業の実情に合った対応ということですけれども、DPF装置そのものは製造していないと聞いておりますが、そうなんでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 先ほども出ておりましたけれども、他社製のものも一部対応可能なものがございますので、そうしたものへの交換は十分可能でございます。

○大西委員 何万台という一番大きなシェアのところを対応しなければいけないということで、他社のものが間に合うかということがちょっと不安なんですが、それと同時に、NOx・PМ法が改正されまして、平成十四年五月からは、企業にとってもかなり厳しい規制がかけられているわけですけれども、他社のものをやって、その対応で車検は通るんでしょうか。

○中島自動車公害対策部長 自動車NOx対応につきましては、耐用年数といいますか、車検時で耐用年数が来ていなければ、当然、装置をつける、つけないにかかわらず対応可能でございます。更新できます。

○大西委員 新しいDPF装置をつけていないということと耐用年数というのは非常に微妙なところがあるわけですから、この際新車を、新しい規定に合った車を三井物産に要求したらいかがでしようか。

○中島自動車公害対策部長 繰り返しになりますけれども、事業者の方々がどういった事情にあるのかということを踏まえまして、それに合った適切な対応策を早急に出すことを強く求めている段階でございます。

○大西委員 ちょっと戻るんですけれども、先ほど、大企業に過度な信頼があったんじゃないかということでいろいろお聞きしたんですが、環境面に関していえば、地道な研究を行いつつも資金力がなくて、優良企業であるけれども東京都のこういうものに申請がなかなか受けられないとか、手が挙げられないというような状況があるんじゃないかと思うんですけれども、そういうものを行政としていかに見つけていくかということも、今回の事件をきっかけに一つの課題としてあるんじゃないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

○月川参事 技術開発につきましては、今回、この装置の指定を受けている事業者の中にもベンチャーの企業がございます。そういう中で、環境対策を進める中で技術が活用されるように、環境と経済の両立という形での施策を進めていくというふうに考えております。

○大西委員 環境ビジネス、介護ビジネスという分野には大きなビジネスチャンスがあるということで、他の企業が参入してきております。まさに今回も環境に三井物産というふうに、だれもがえっと思ったりしたわけですけれども、このような企業攻勢にころりとだまされてしまった行政の体質というものを今後どうするかということがこれからの課題だと思うんです。今回も、技術的にも日進月歩の世界に、余りにも大きなものを三井物産というところに投げ出してしまったということで、リスク分散というものを考えることが必要ではないかと思うんですけれども、その辺の対策等はどういうふうに考えていらっしゃいますか。

○月川参事 今回、DPFの指定に当たりましても、条例の規制に向けた開発を装置メーカー、自動車メーカーに対して働きかけ、要請してまいりました。そういう意味で、多くの事業者が開発に参加し、多くの事業者がこの指定を受けて、今回の条例の規制対応ができたというふうに考えております。そういう意味で、多くの事業者が参画できるような制度を今後も考えていきたいと思っております。

○大西委員 今回の事件は事件です。でも、今後こういうことが、環境という新しいビジネス分野の企業攻勢に対して、行政として、リスク分散も含めてどういうふうに対応していくのかという根本的なところを教えていただきたい。

○大野参事 環境と経済の関係でございますけれども、環境と経済の関係にはいろいろな関係がございますが、一方で環境対応の技術が進みますと、それが経済にも有効でございますし、また他方でそれを通じまして環境行政が発展するという関係がございます。
 ディーゼル車対策の中でも、私たちは以前、低公害車の普及拡大を図るために、低公害車の市場の普及拡大会議というのを開催いたしました。その結果、それまで普及が非常におくれていたCNG車あるいはDPF車が大量に普及するという効果がございました。今後とも、環境と経済の両立に資するような方向で施策を展開してまいりたいと思っております。

○大西委員 今回は一にも二にもだました企業の方が悪いわけですので、しっかりとこの対応は事業者に対しては厳しく求めていく。もちろん刑事告発もやるということですので、それはどんどんやっていただきたいし、それから先ほどいったように、大きなビジネスチャンスの中にいるということを再度確認し、行政としても、小さな、頑張っている企業、そういうものを含めて大企業に負けないように支援していくような方向も含めて、今後の対応をお願いしていきたいと思います。

○林田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で環境局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五分散会

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