環境・建設委員会速記録第五号

平成十六年九月十六日(木曜日)
第九委員会室
午後一時五分開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木 一光君
副委員長小磯 善彦君
副委員長林田  武君
理事小松 恭子君
理事花輪ともふみ君
理事三原 將嗣君
伊沢けい子君
河野百合恵君
いなば真一君
倉林 辰雄君
宮崎  章君
馬場 裕子君
木内 良明君
大西由紀子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
環境局局長平井 健一君
総務部長梶原 康二君
参事大野 輝之君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長梶原 秀起君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長中島  博君
参事月川 憲次君
自然環境部長福島 章人君
廃棄物対策部長小山 利夫君
廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君
建設局局長岩永  勉君
次長浅倉 義信君
道路監柿堺  至君
総務部長東岡 創示君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長石渡 秀雄君
道路建設部長依田 俊治君
公園緑地部長住吉 泰男君
河川部長原田 龍次君
企画担当部長野村 孝雄君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長林 健一郎君
道路計画担当部長阿部  博君
公園管理担当部長内海 正彰君

本日の会議に付した事件
 陳情の取り下げについて
 環境局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例
請願の審査
(1)一六第二六号 江東区新砂一丁目の工業専用地域における土壌汚染の改良に関する請願
 建設局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・多摩大橋鋼けた製作・架設工事(その二)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた製作・架設工事(その二十八)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十九)請負契約
請願陳情の審査
(1)一六第二一号の一 足立区扇一丁目西交差点の早期改善に関する請願
(2)一六第四三号   汐先橋交差点周辺地区のアクセス改善に関する陳情
(3)一六第四四号   都立武蔵国分寺公園のドッグラン設置計画に関する陳情

○鈴木委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 先般の視察におきましては、猛暑の中、大変にご苦労さまでした。
 まず初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○鈴木委員長 次に、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、一六第四二号、住居地域における飲食店の深夜営業に伴う騒音に関する陳情は、議長から取り下げの許可をした旨の通知がありましたので、ご了承願います。

○鈴木委員長 会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において協議の結果、お手元配布の日程のとおり申し合わせしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、環境局及び建設局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに環境局及び建設局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料を要求するにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、環境局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○平井環境局長 去る七月十六日付の人事異動によりまして環境局長を拝命いたしました平井健一でございます。よろしくお願い申し上げます。
 健康で安全な生活環境を確保するため、また持続可能な東京の発展を実現するため、環境行政は、今日、都政の最重要課題の一つとなっております。事務事業の執行に当たりましては、適切かつ円滑な運営に努めてまいる所存でございますので、鈴木委員長を初め委員の皆様のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 また、八月一日付の人事異動によりまして当局の幹部職員に交代がございましたので、お手元の環境局理事者名簿に従いまして、異動となりました幹部職員をご紹介申し上げます。
 まず、総務部長の梶原康二でございます。企画担当参事の大野輝之でございます。次に、環境改善部長の梶原秀起でございます。自動車公害対策部長の中島博でございます。自然環境部長の福島章人でございます。廃棄物対策部長の小山利夫でございます。また、当委員会との連絡を担当いたします参事、総務課長事務取扱の長谷川明でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○鈴木委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○鈴木委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○平井環境局長 平成十六年第三回定例会に提出させていただきます環境局関連の案件の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の平成十六年第三回東京都議会定例会提出予定案件の概要をごらんいただきたいと思います。
 提出を予定しております案件は、東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例案一件でございます。
 これは、都市緑地保全法等の一部を改正する法律の施行による都市緑地保全法の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
 以上、今定例会に提出を予定しております案件の概要につきましてご説明申し上げました。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明させていただきますので、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○梶原総務部長 それでは、条例案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 資料1をごらんください。東京における自然の保護と回復に関する条例の一部を改正する条例案についてでございます。
 一ページをお開き願います。改正理由でございますが、都市緑地保全法等の一部を改正する法律の施行による都市緑地保全法の改正に伴い、規定を整備する必要があるためでございます。
 改正案の内容でございますが、条例第五十六条第四号で引用しております法律の名称を「都市緑地保全法」から「都市緑地法」に、また条項を「第五条第一項」から「第十四条第一項」に改めるものでございます。
 二ページをごらんください。条例の施行期日でございますが、都市緑地保全法等の一部を改正する法律の施行日としております。
 三ページから四ページは本条例案、五ページは新旧対照表でございます。
 以上で条例案のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 資料要求はなしと認めますが、よろしいでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。

○鈴木委員長 次に、請願の審査を行います。
 一六第二六号、江東区新砂一丁目の工業専用地域における土壌汚染の改良に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○梶原環境改善部長 それでは、お手元にお配りしてございます資料2、請願審査説明表の一ページをごらんいただきたいと存じます。
 整理番号1、請願番号一六第二六号、江東区新砂一丁目の工業専用地域における土壌汚染の改良に関する請願につきましてご説明申し上げます。
 請願者は、江東区の河村憲治さん外九名でございます。
 請願の要旨でございますが、都において次の三点のことを実現していただきたいというものでございます。
 まず1でございますが、江東区新砂一丁目六百二十四番外四筆の工業専用地域の土地を、土壌汚染対策法に基づく汚染区域として指定区域の指定及び台帳の整理を行うこと、2といたしまして、同法に基づく土壌汚染状況調査により、安全基準以上の有害物質の存在が確認された場合は、土地所有者に対して汚染土壌の入れかえによる汚染の除去等の措置を講ずるよう命ずること、3でございますが、当該土地の北側に建っている三棟のマンション居住者に健康被害が出ているので、早急に保健所等による健康診断を行うとともに、同マンションと当該土地の間にある、国有地でございますが、江東区管理道路等の土壌汚染除去の対策措置を講ずることという内容でございます。
 続きまして、現在の状況でございますが、当該地内の土地改変を行う場所につきましては、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、私ども、環境確保条例と呼んでおりますが、条例第百十七条に基づき、土地改変を行う者、いわゆる改変者というふうに呼んでおりますけれども、土地改変を行う者が土地利用履歴調査を行ったところでございます。その結果、土壌汚染のおそれがあったため、改変者が土壌汚染状況調査を実施しましたところ、調査した五十九カ所中二十六カ所で六価クロムを含む七物質が基準を超過していることが判明いたしました。
 このため、改変者が汚染拡散防止計画を作成いたしまして、これに基づき汚染土壌処理対策を行いまして、平成十六年、本年の三月十一日に完了届が都に提出されたところでございます。
 その後、平成十六年四月五日に、住民の方から、対策地から汚染水が漏れ、隣接地であります国有地で草が枯れたと都に連絡がございました。
 改変者にこの地点を調査させましたところ、基準を超える六価クロムが検出されましたことから、都は、拡散防止のため、現場をシートで被覆させました。
 この国有地を管理します江東区は、国有地全体を立入禁止とする応急措置をとるとともに、改変者に依頼し、アスファルト舗装などの対策をとることとしております。
 続きまして五月十九日、住民の方から、土壌処理対策を行った対策地内に黄色の砂があると都に連絡がございまして、職員が直ちに現地を確認いたしましたところ、ボーリング埋め戻し孔内の表層土壌から微量の六価クロムが検出されましたため、都は改変者に対し、対策地全体の精密な再調査を行うよう指導したところでございます。
 改変者は、都の指導に基づきまして、平成十六年八月三日から対策地の汚染状況を再調査いたしまして、同月二十五日、都に対して結果の報告がございました。
 その結果、調査いたしました二百十二カ所のうち一カ所から基準を超える六価クロムが検出されたところでございます。
 この汚染箇所につきましては、条例に基づき汚染土壌処理対策を行わせる予定でございます。
 当該地は、汚染拡散防止のため、既に、改変者によりアスファルト舗装の上、立入禁止措置がとられてございます。
 また、当該地のうち、当初は土地改変の予定がなく拡散防止計画の対象とならなかった部分につきましても、今後改変することとなったことから、都は、この部分について、別途条例に基づく手続を行うよう指導しているところでございます。
 なお、当該地は、土壌汚染対策法の適用要件に該当しないため、指定区域に指定することはございません。
 説明は以上でございます。よろしくご審査いただきますようお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○木内委員 今、部長の方から説明がありましたけれども、この請願は、健康で安全な生活環境を望む当該地域の住民の方々の切実な願いの込められたものでありまして、この後いろいろとお尋ねをいたしますけれども、この請願の趣旨を私どもは真摯にかつ重く受けとめなければならない、このように思っております。
 この土地の土壌汚染については、前所有者が土地を改変する者として環境確保条例に基づく土壌汚染の調査、対策を行い、既に本年三月に完了届が提出されたと経過の説明がありました。
 その後、さまざまな経過をたどるわけでありますけれども、この三月の完了届が提出された後のことでありますが、現実的には、近隣住民の苦情に対応した調査で六価クロムが検出されて、そうして敷地全体の再調査を行い、その結果、再調査した二百十二カ所のうち一カ所で汚染が確認をされたというものであります。
 土壌汚染の調査、対策についての完了届が提出された後であっても、こうした事態が惹起をした、ここまでの経過を見る限りであっても、住民の方々の行政への不信と不安というものはまことに大きなものがある、こういうふうに考えるわけであります。
 請願者を含め近隣の住民の方々は、当該地の土壌汚染処理が不十分ではないか、こういう不安をいまだに感じているのが実態であります。一つ一つこれまでの経過について確認をしてまいりたい。
 まず、四月五日に、住民の皆さんから隣接地の草が枯れたとの通報を受けて、都はどのように対応したんでしょうか。申し上げるまでもなく、誤解を恐れずにいえば、炭坑のカナリアという言葉がありますけれども、まさにこの炭坑のカナリアに匹敵するような、隣接地における草の枯れた状態というものが顕在化をした、敏感にこれを察知した住民の方々は非常に大きな不安を持った、当然であります。
 都の対応をまずお尋ねします。

○柿沼参事 隣接する国有地で草が枯れたという通報を受けましたので、直ちに事業者に対して簡易検査の実施を指示いたしました。その簡易検査の結果、現場の水たまりがアルカリ性であったこと及び六価クロムが確認されたことから、職員が現場を確認いたしまして、事業者に付近の土壌の正式な調査を行うように指示いたしました。
 また、国有地の管理者である江東区に通報し、区は、草枯れの部分をシートで被覆するとともに、国有地全体を立入禁止とする応急対策をとっております。

○木内委員 住民の通報を受けて調査をした結果、こういう事実が明らかになった。住民の方々がこの懸念を行動に移さなければこういう結果にはならなかった、だから住民の方々の不安はなお一層募ったのではないか。それはこの経過から一つ読み取れるわけでありまして、この事実関係についてはよく私どもは理解をしてまいりたいと思うんですけれども、さて、草が枯れた原因は土壌浄化処理によるものなのかどうか、どう判断されますか。

○柿沼参事 本件の土壌処理は、ボーリングで現地で穴をあけまして、穴から圧力をかけた水流で土壌を洗浄する工法、それからセメントを注入して土壌と置きかえる工法、こういった方法を使いまして、現地で土壌を浄化する方法で行われました。
 この浄化処理は、平成十六年三月五日に終了しておりまして、工事完了時点から草が枯れたという通報があるまで約一カ月の時間的なずれがございました。このため、工事による汚染と特定することはできませんでした。

○木内委員 今、最後にいわれた、工事による汚染と特定することができなかった、換言すれば、原因についてのこの可能性を否定するものでもないわけでありまして、これは極めて私は重要な答弁である、こういうふうに思います。
 さらに、五月十九日ですけれども、対策を行ったところに黄色の砂があると住民からの通報を受けていますけれども、このときはどう対応しましたか。

○柿沼参事 通報を受けまして職員が現地に立入調査をし、事業者立ち会いのもとに、土壌浄化処理の過程で地面をボーリングした穴を埋め戻した場所がございますが、その埋め戻した場所から土壌を採取し、環境科学研究所において検査を実施いたしました。
 その結果、採取した土壌の一部から六価クロムが検出されましたので、ボーリングの穴の跡をアスファルトで被覆するなどの拡散防止対策をとらせました。
 また、原因を究明するため、対策地、浄化対策を行った土地の部分でございますが、この対策地全域にわたっての再調査を行うように指示したところでございます。

○木内委員 通報によりまして一度ならず二度までもこうした事実が明らかになる、いわば住民の通報がなければ顕在化しない、こうした問題が現実に存在をするんだということに対する住民の方々の怒りと不安は、私はよくわかります。当然であります、これは。近隣住民の方々は、浄化処理を行った後で草が枯れたり六価クロムが検出されたりしたために、実際のところ本当に汚染浄化したんだろうか、逆にこの調査等によって汚染をまき散らしたんではないか、こう思わざるを得ないような経過をたどってきているのもまた事実であります。
 住民の皆さんに対して、こうした経過を含めて十分納得と理解を得られる説明を行ってきているのか、あるいは調査のありようについての報告を行ってきているのか、これは今日的な社会状況の中では極めて重要な行政あるいは当該事業者の責任であると私は思いますし、この点を明らかにされたいと思います。

○柿沼参事 都は従前から、土壌汚染に関しては、事業者に周辺住民への説明を十分に行うように指導しております。
 本件についても、事業者は、土壌浄化処理を始める前にも説明会を行っておりますけれども、土壌浄化処理完了後、先生ご指摘の苦情内容に関連する調査などについて、その都度説明会を開催しております。これまで三回実施されております。

○木内委員 私も委員会質疑等を通じて何度も経験があることですけれども、さまざまな地域的な問題があった際に、情報公開を行う、十分な説明を行うべきだという主張をいたしますと、例えば、何度にわたって説明を行った、こういう内容についてはお伝えをした、そういう答弁はあるのですけれども、実際に住民の方々が十二分以上の納得と理解をしたかということは、これは別問題でありまして、ぜひともこの姿勢については、誠実に対応をされなければならない、こう思うわけであります。
 今、六価クロムが検出されたので再調査をしたという説明がありましたけれども、具体的にどういうふうにされたんですか。

○柿沼参事 再調査は、対策地全体を十メートルメッシュに区分した区画、この中央と、それから北側の国有地との敷地境界に沿って十メートルごとの地点、合計で二百十二カ所を調査地点として行われました。

○木内委員 その二百十二カ所の調査の結果はどうだったんですか、改めて確認をさせてもらいます。

○柿沼参事 二百十二カ所再調査を行いましたが、そのうち二百十一カ所は環境基準以下の値でございました。ただし、一カ所からは基準を超える六価クロムが検出されております。

○木内委員 これは参事、非常に重要なことをいわれているわけですね。一カ所とはいえ、土壌浄化処理が完了したとされるところから汚染が見つかる。地域を特定し、一定の技法を用いて、恐らく専門分野のスタッフによる調査だったんでしょう。これほど問題が顕在化している中で調査を行った、浄化処理を行った、完了した。にもかかわらず、まだ一カ所からそうした汚染土壌が検出された。私はおかしいと思うんですね、こういう調査、検査のあり方というのは。
 さっき申し上げたように、住民の方々にしてみれば、一度ならず二度苦情をいい、要請を行って、どんどんどんどん逆にこれが汚染の実態を明らかにしてきた。その後、二百十二カ所、メッシュシステムによるですか、この調査を行った。土壌処理は終わったんですよといわれたら、まだ一カ所残っている。こんなことが今許されるのかという率直な気持ちを住民の方はお持ちじゃないかと思うんです。これでは私は、土壌浄化処理が完了した形とはいえないのではないか、こう思うわけです。
 住民から、現地で処理を行う浄化工法が不適切で、浄化が完全に行われていないのではないか、そういう指摘があるわけですけれども、これももっともな指摘であり、不安であり、怒りだ、私はこう思うんですが、どうですか。

○柿沼参事 再調査の結果、六価クロムが基準を超えて検出された一カ所につきましては、汚染の確認された場所が汚染土壌を仮置きしてあったこと、また、浅い場所での汚染に限定されていたことなどから、汚染土壌を搬出する際、一部残留したものと考えられます。
 一方、残り二百十一カ所の検査結果が基準値以下であったことから、汚染の浄化の工法そのものには問題はなかったと考えられます。

○木内委員 恐らく答弁の論理としてはそれでいいんでしょうけれども、率直な住民感情としては、どんな理由があるにせよ、こういう汚染土壌が大がかりな調査の結果、結局まだ残っていたじゃないかという、そういう怒りというものは感じていかなくちゃいけない、こう思うんですね。
 この事実の経過というのは、住民の心を私は踏みにじるものだと思いますよ。原因が何であれ、汚染土壌を処理した後に一部とはいえ汚染が残されたということは、大きな問題じゃないでしょうか。住民の人々の気持ちをしっかりそんたくをし、そこに思いをいたしてほしい、こう思うんですね。
 今後、さらに徹底した事業者への指導が必要であると私は考えるんですけれども、再調査で汚染が仮に見つかった場所の処理はどうするつもりですか。

○柿沼参事 処理の具体的な方法でございますが、事業者は汚染土壌を今回、掘削し、それを除去する方法を考えていると聞いております。
 今後、事業者から提出される汚染拡散防止計画書には、工法、あるいは汚染土壌の処理等が記載されますので、これを厳密に審査を行うとともに、適正な施工が今回行われますように、現場指導の徹底を図ってまいります。

○木内委員 都としては、今の答弁のように、これまでも現場指導を徹底するということで来られたわけです。にもかかわらず、こうした経過をたどらざるを得なかった。十分これは認識をした上で、今後対応してもらいたいと思うんですね。今のご説明だけで、これまでの経過も勘案いたしますと、現場指導を徹底するとはいうものの、それで十分わかりました、理解できますというほど住民の方々の不安や懸念が払拭されたとは絶対に私はいえない。それはなぜかならば、今までの経過が経過だからであります。
 この問題についてのこれまでの流れについてお聞きをいたしました。率直に、住民の方々が不安を持っているのは、一つには、ほかにもいろいろ理由はありますけれども、やはり説明責任というものが住民の方々に対して果たされていなかった、それも納得の十分いくような説明、理解が得られる説明というものが行われていなかったのではないか。だから今後もこれが必要ではないか、こう訴えたいわけですが、どうですか。再調査の結果ですとか今後の対応について、さらに住民への説明が予定されていなければならないと思いますが、どうでしょうか。

○柿沼参事 これまでも事業者に対しましては、周辺住民に対する説明会の開催あるいは説明内容等について、その都度指導を行ってきたところでございます。
 今回のことについても、先生ご指摘のように、今回、再調査の結果がまとまりましたので、事業者には、できるだけ早く住民説明会を開催し、再調査の結果や汚染土壌の処理方法などについて説明を行うように指導しております。
 日程は決まっておりませんけれども、なるべく早い機会に住民説明会を開催するというふうに事業者は予定していると聞いております。

○木内委員 この土地の土壌汚染処理につきましては、環境確保条例に基づいて処理を行ってきたということでありますけれども、本件の請願者は、当該地につきまして、土壌汚染対策法に基づいて指定区域とした上での適正な浄化対策が実現されるよう望んでおられるわけであります。至極当然の主張であります。
 先ほど冒頭の説明で、土壌汚染対策法に基づく指定区域に指定できないということで説明がありましたけれども、このできない理由は何なのですか。

○梶原環境改善部長 土壌汚染対策法、いわゆる法の適用がされるケースでございますが、これは二通りございまして、第一のケースでございますが、有害物質を使用していた特定施設の使用が廃止される状況にあるとき、いわゆる三条の適用というふうに私ども呼んでおりますが、請願のこの土地につきましては、有害物質を取り扱う工場は立地していなかったことから、このケースには該当いたしません。
 第二のケースでございますが、土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがあると認められたケース、四条のケースでございますけれども、この土地は全体が舗装され、土壌を直接摂取するおそれがないこと及び付近で地下水を飲用利用していないことから、健康被害を生ずるおそれがないため、こちらのケースにも該当はいたしません。
 したがいまして、請願の対策地には土壌汚染対策法が適用されないため、指定区域に指定することはできません。

○木内委員 法律事項に照らして適用がされないということですけれども、今回のように条例の対象として土壌汚染の処理を行う場合、法律が適用されるケースとの違いについてはどうなんですか。

○梶原環境改善部長 条例の適用でございますが、条例では、対策地のような工場の跡地でない土地につきましても、三千平米以上の面積の土地で土地の改変を行う場合も対象としておりまして、対策地では、条例に基づき調査と対策が行われているところでございます。
 土壌汚染の有無を評価する基準は、法も条例も同一の基準を採用いたしておりまして、汚染の調査、対策も法と同様に行われることとなっております。指定区域に指定されなくても、事実上同様な浄化対策を行っているところでございます。

○木内委員 いずれにしても、重要なことは、生活者である地域住民の方々が不安を覚えないような、そしてまた行政がこうした公の場で言明し約束したことを誠実に事業者なり関係者によって履行されることが望まれるわけでありまして、そうした約束どおりの、いわばこれまでさまざまな経過、さっきも申し上げたのでいいませんけれども、住民の方々の不安をあおるような経過があっただけに、誠実に、真摯に対策には取り組んでほしい、こういうふうに思うんですが、どうでしょうか。

○梶原環境改善部長 ただいまるる経過をご説明申し上げましたとおり、今後も引き続き適切な対応をとるよう、事業者の指導を含め、対応してまいります。
 また、ご指摘のとおり、周辺住民の皆さんへの説明が大変重要であるというふうに十分認識いたしましたので、その点でも事業者に対し十分な指導を行ってまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○木内委員 土壌汚染をめぐっては社会の認識が高まってきておりまして、東京都の環境確保条例などで土壌汚染対策のこうした仕組みができる前には、住民を不安に陥れるさまざまな土壌汚染問題があったわけでありまして、今一定のシステムができたとはいえ、今もるる部長が認識を示されたように、今回の問題というのは、にもかかわらずさまざまな問題を惹起した、このことを十分理解をされたいと思うんです。
 同じ江東区で、ある新築マンションが、分譲後に土壌汚染があったことが判明しましたけれども、かつて、事業者は建設中に既にそれを知りながら、告知せずに販売をしたため、入居予定者を大きな不安に陥れ、さらに契約をめぐって大きな混乱が起きた事例というのがありました。
 都の環境確保条例により、開発行為に先立って調査や対策を行う仕組みができて、土壌汚染にかかわる住民の不安解消という視点からは一歩前進したけれども、しかし調査や対策が適正に、的確に行われなければ、これは画竜点睛を欠くことになって、かえって逆に不安を増す結果をもたらしてしまう、このことを申し上げたいと思うのであります。さまざまな角度からの認識を今回新たにできましたので、私の質問は以上にいたします。

○河野委員 私は、請願の趣旨に賛成の立場から意見を申し上げます。
 東京都は、昭和四十年代から六価クロム対策に取り組んできましたが、今回、有害物質の六価クロムが東京都の土壌汚染対策指針に基づいて処理された後に検出されたことは重大な問題だと思います。六価クロム鉱滓を含む土壌汚染は、でき得る限り完全に閉鎖することが必要で、溶出水による流出、河川への流入、微粒子の飛散、毛細管現象による溶出水の上昇や、クロム酸塩の結晶の出現などは絶対に許してはならない、これは六価クロム汚染土壌の処理に対する基本です。あってはならないことが起きている、この中で、近隣住民の皆さんの不安は大きなものがあると判断をいたします。
 このような事態が起こった原因について東京都はきちんと調査をし、その結果を今後に生かす必要があると感じます。
 さらに、都の責任で、六価クロム汚染土壌の処理に当たっては、将来にわたって安全性が守られるよう万全の対策をとること、あわせて、住民の健康を守るための対策を講じられるよう求めまして、意見といたします。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第二項及び第三項は趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第二六号中、第二項及び第三項は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。

○鈴木委員長 これより建設局関係に入ります。
 初めに、建設局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○岩永建設局長 六月二十四日付で建設局長を拝命いたしました岩永勉でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 鈴木委員長初め委員の皆様には、建設局の事業につきまして平素よりご理解とご支援を賜り、まことにありがとうございます。
 当局の事業につきましては、適正かつ効率的な運営に努めておりますので、委員長を初め委員の皆様のより一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元の名簿に従いまして、人事異動で新たな説明員となりました当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長の浅倉義信でございます。道路監の柿堺至でございます。総務部長の東岡創示でございます。道路管理部長の石渡秀雄でございます。道路建設部長の依田俊治でございます。河川部長の原田龍次でございます。企画担当部長の野村孝雄でございます。道路保全担当部長の林健一郎でございます。最後に、当委員会との連絡を担当いたします参事で総務課長事務取扱の小林清でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕

○鈴木委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○鈴木委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○岩永建設局長 第三回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、多摩大橋鋼けた製作・架設工事(その二)を初めとする契約案三件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明申し上げます。

○東岡総務部長 第三回定例会提出予定の案件につきましてご説明申し上げます。
 最初に、当局関係の工事請負契約議案三件につきましてご説明申し上げます。
 資料1の一ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、多摩大橋鋼けた製作・架設工事(その二)でございます。
 本工事は、八王子市から昭島市を経て武蔵村山市に至る主要地方道八王子武蔵村山線第五九号の慢性的な交通渋滞の緩和を目的に、現在ある橋の上流側に新たに橋を架設し、拡幅整備する多摩大橋の鋼けた製作・架設工事でございます。
 工事場所は八王子市小宮町地内から昭島市宮沢町三丁目地内、契約の相手方は松尾橋梁株式会社、契約金額は十九億四千百四十五万円、工期は平成十八年六月三十日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 二ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、多摩大橋の鋼けた二百五十二メートルを製作・架設するものでございます。鋼けたの形状は、三ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、四ページをお開きいただきたいと存じます。四ページ以降は、区部北東部における交通の利便性を向上し、放射第一一号線、通称尾久橋通りの慢性的な渋滞の緩和を目的に整備する、日暮里・舎人線に係る工事でございます。
 まず、日暮里・舎人線鋼けた製作・架設工事(その二十八)でございます。
 工事場所は荒川区西日暮里二丁目地内から同区西日暮里五丁目地内、契約の相手方は株式会社横河ブリッジ、契約金額は十四億八千五十万円、工期は平成十八年八月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 五ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、日暮里・舎人線の綱けた五百七十一メートルを製作・架設するものでございます。鋼けたの形状は、六ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、七ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十九)でございます。
 工事場所は荒川区西日暮里五丁目地内から同区東尾久四丁目地内、契約の相手方はトピー工業株式会社、契約金額は十七億五千八百七十五万円、工期は平成十八年八月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法によりまして締結しようとするものでございます。
 八ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、日暮里・舎人線の鋼けた六百九十二メートル及び鋼支柱二基を製作・架設するものでございます。鋼けた及び鋼支柱の形状は、九ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 以上で平成十六年第三回定例会提出予定案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。

○鈴木委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一六第二一号の一、足立区扇一丁目西交差点の早期改善に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○依田道路建設部長 お手元に配布してございます資料2、請願陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 整理番号1の請願一六第二一号の一をお開き願います。
 本件は、足立区扇一丁目西交差点の早期改善に関する請願で、扇一丁目西交差点対策委員会代表田中栄一さん外千八百七十八人の方から提出されたものでございます。
 要旨は、扇一丁目西交差点について次の二項目を早期に実現していただきたいというものでございます。
 1、交差点を従来の位置まで広くとり、停止線を従来の位置まで戻し、信号機を設置すること、2、当地域住民の生活様式の変更等にかかわる事項については、住民の意向を尊重し実施することでございます。
 現在の状況ですが、まず1の項目についてご説明いたします。
 扇一丁目西交差点は、尾久橋通りと補助九一号線との交差部であり、平成十五年十月、補助九一号線の整備により新たに設けました。その際、本交差点から約四十メートル南側にありました尾久橋通りと斜めに交差する区道との旧扇一丁目西交差点は、交通の安全を図るため廃止いたしましたが、その区道の通行機能につきましては、他の区道を利用することで確保しております。
 次に、2の項目についてでございます。
 道路整備に当たっては、これまでも説明会やパンフレットの配布などを通じて事業内容や工事方法などを適時説明し、地元への周知を図り合意形成に努めてまいりました。
 今後とも、事業の進捗に合わせ、工事説明会の開催や個別相談により地域住民への周知の徹底を図り、着実に事業を推進してまいります。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○三原委員 それでは、私から請願について二、三質問させていただきます。
 最初に、私は実はこの紹介議員になっているのですけれども、当初、この請願は警察・消防委員会に提出されるというふうに理解をしていたものですから、当環境・建設委員会での審議はないだろうと、こう解釈したものですから紹介議員になったので、本来は、紹介議員でない立場でここで質疑をした方がよかったのかと、こう思いますが、その点、委員の皆さんにご理解をいただきたいと思います。
 そこで、この請願の主たる内容は、信号機の設置等、警視庁交通部の管制課あるいは規制課、そういったところが所管する内容について請願をしておられますので、きのう警察・消防委員会があったそうでございまして、趣旨採択になっているそうでございます。
 そこで、当委員会にかかわる部分について、警察・消防委員会が趣旨採択しているのに建設局所管分では不採択というのでは、まことに問題になりますから、ぜひ委員の先生方も慎重にご検討を賜りたい、こう思うわけであります。
 最初に、趣旨の1の、交差点を従来の位置まで広く取り、停止線を従来の位置まで戻し、信号機を設置することというのがあるのですが、これは建設局が信号機をつけるわけではありませんし、停止線をどこにするかというようなことを決めることも含めて警視庁所管の事業でございますから、要旨の1については、ここで建設局と信号機をつけろ、つけないで議論することはできませんから、これはむしろこの委員会で審議をしないで警察・消防委員会でやっていただくというのが本来の趣旨だったろうなという気がいたします。
 2の当該地域住民の生活様式の変更等にかかわる事項については、住民の意向を尊重して実施することという、この2の項目が当委員会での最も重要な項目になるだろう、こう理解をしていますので、その辺に重点を置いて質問をいたしたいと思います。
 私も足立区生まれではありませんから、古い話はよくわかりませんけれども、少なくとも今回問題にされている、地元の住民の皆さんが長い間生活道路として利用してきた区道、これは恐らく明治はもちろんのこと江戸時代からあった通路ではないか、こういう気がいたします。
 したがって、地元の皆さんから見ると、もちろんそばに大変幅の広い放射一一号線、尾久橋道路というような道路があったり、その上に、今建設局のご尽力等で新交通システムの日暮里・舎人線が建設中でありますけれども、そういった道路ももちろん幹線道路として生活につながっていますが、江戸の昔から、まさに毎日の生活の道路として使ってきた区道が、ある日突然、自由には行けませんよというような形で、通行どめのような形になれば、これは当然、地元の人は大混乱をされるわけでありますから、はて、そのことについて、建設局はもちろんですけれども、区役所とかあるいは警視庁とか、そういう方が、地域のその道路を利用して生活をしておられる皆さん方に十分にご理解をいただいた上で通行形態を変えようということをやったのだろうかなということに、一番疑問を感じます。
 実は、まことに恥ずかしいことですが、私を含めて足立区内の六人の都会議員も、この区道がある日突然特定の方向にしか行けなくなる、それに伴って信号等の位置が変わるということを、事前には全く聞いておりませんでした。
 したがいまして、それを承知しなかった我々地元の都会議員も反省をしなきゃならない、こう思っていますが、建設局として、特にこれは新交通建設事務所が窓口になって対応したはずですが、地元の皆さんに、いつどのような形でこういうことをやりますよという事前の説明をする機会を持ったのか。やった後に、大騒ぎになったから説明の機会を持ちましたというのは、これは後の話で、事前にこういうふうになりますよということを周知徹底するための説明会をやったのか、説明というよりむしろ相談会ですね、そういうものをやったのかどうか、それについてお伺いをしたいと思います。

○依田道路建設部長 現在事業中の補助九一号線は、地域の渋滞解消を図る上で重要な道路でございまして、江北橋から尾久橋通りまでの延長七百メートルの区間で工事を進め、平成十五年、昨年の十月、補助二五一号線交差部から尾久橋通りまでの四百五十メートルの区間が開通いたしました。
 その際には、補助九一号線及び補助二五一号線の交通開放と補助九一号線の尾久橋通りへの接続に関しまして、チラシの配布などにより、都と区が分担して地元の町会長、自治会長、沿道の住民の皆さんにお知らせをいたしました。
 今回の請願箇所でございます扇一丁目西交差点については、開通後にも地元から改善要望が出されたことを受けまして、昨年の十月、十二月に、連合町会役員の皆さんなどと、交通処理についての話し合いを行ってきたところでございます。

○三原委員 わかりました。つまり、昨年の十月十三日、昨年と簡単にいうけれども、一年前ですからね。もう一年も経過しているのですが、昨年の十月十三日から交通形態が変わりますよということを、地域の住民にお知らせするのは印刷物を配っただけだった、こういうことですよね。
 したがって、印刷物を見た人はあれっと思われたかもしれませんし、まことに残念ながら、きっと見なかった方もおられるのでしょう。したがって、これは建設局、区役所あるいは警視庁、そういったところが合同で事前にきちっと説明会をして、地域の皆さんのご理解をいただいた上で、今回のような交通規制、道路規制をすべきであった、今の時点で、私を含めて反省していますが、局としてはいかがですか。

○依田道路建設部長 先ほど申しましたような、チラシ等によります広報に努めてはまいりましたけれども、結果的に、十分皆さんに周知が図れていなくて、今このような、地元の皆さんから再度の要望が出ているということについては、結果的には、若干十分でなかったところもあったのかなというふうに考えております。

○三原委員 道建部長のおっしゃるとおりで、本当に残念ですが、そういう結果だったと思うのですよ。ですけれども、それを今、私も責めてどうしようというのではありませんし、地元の議員の一人としても、六名の都会議員が協力をし、改めてその原点に戻って、建設局関連の新交通建設事務所、それから第六建設事務所、そして地元の区役所の土木部、警視庁の交通部、あわせて地元の西新井警察署の交通課、そういうところを入れて、もう一遍きちっと地元の皆さんに、昨年の十月十二日の時点に戻って事の経緯をきっちりご説明申し上げ、かつ今日まで約一年たちますから、一年間、十月の終わりとか十二月とか、説明会をなさいました。それからせんだっては、警視庁の交通部長みずから現場に立たれて、交通状況の判断をされたそうであります。
 そういうことも踏まえて、今日まで関係局が努力をされてきた状況、それから、じゃあこれから、皆さん方のきょう出されている請願に基づく警察・消防委員会での趣旨採択内容、それからここでの議論、そういうことを踏まえて、正式とか正式でないとかいういい方は存在しないのですけれども、あえていえば正式な説明会をきちっと一度持たれて、そこから関係住民の皆さんの合意をいただく方向に努力をするということがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○依田道路建設部長 道路整備を進めるに当たりましては、理事ご指摘のように、積極的な情報提供や、地元住民の皆さんとの話し合いを行って、理解と協力を得ることが不可欠であるというふうに、常々考えております。
 本交差点付近では、今後、新交通日暮里・舎人線の工事の進捗や補助九一号線の江北橋の取りつけ、補助一三六号線の整備により、交通の状況が変化してまいります。したがいまして、それぞれの工事の段階で日程や内容など事前に地元へ説明し、理解と協力を得るよう努めてまいります。
 この交差点につきましても、区や警察と連携協力しまして、地元の皆さんとの話し合いを進めてまいります。

○三原委員 地元の皆さんとの改めての話し合いをきちっと進めるという部長さんのご意見ですから、そこで私、三つほど提案しておきますから、それを含めて、ぜひ検討してください。それは、建設局がやれないことも入りますから、警視庁交通部とよくご相談いただきたいと思います。
 まず第一点は、旧来の区道を昔のままのように、放射一一号線を斜めに横切って自由に行き来できるようなことができるのかどうか。これは物理的な問題があるわけですから、素人が簡単に、いや昔のように真っすぐ信号つけて行かせろよというようなことは、余り議論すべきでないと思うのですね。
 広い道路の真ん中に、今度は日暮里・舎人線の橋脚が立ちます。そういうことは頭では想像できますけれども、現実は全然わからずに、何となく斜めに通れるのじゃないのと、こういうわけですけれども、橋脚の位置がどこになるのか、橋脚の陰に車がどういう形で隠れるのか、それが信号との連携でどうつながるのか、正直、それはとてもとても素人が想像していうような議論ではないです。
 したがって、これは建設局の詳細な舎人新線の設計図面なんかあるわけですから、そういうものからきっちりと道路形態を割り出す、あるいはまた警視庁の管制課、規制課が、道路の真ん中に橋脚があって自動車がどういう形で隠れて見えなくなるのかというようなことは、実態としてよくわかると思いますから、そういうことを踏まえて、しっかりした物理的なというか、科学的なといいますか、そういうことを地元の人に説明をして理解を求めるというのでないと、お互いに何か想像でできるのじゃないか、やれそうじゃないかとか、難しいのじゃないか、危ないのじゃないかということをいうべきでない、こう私は思いますから、旧来の区道が、旧来のような形で斜めに自由に進行するという形態については、科学的にきっちりと検証してもらう、これが第一の要望です。
 第二番目は、現在の交差点の形態が少し従前より変わってきている、それは大きな道路が交差するようになったからですけれども、そこで、当然、旧来の区道の停止線がなくなりまして、前の方に停止線が出てしまったものですから、したがって、今、区道からの出入りが難しい、こうなっているわけですが、一つの考え方として、現在の交差点の停止線を、旧来の区道の出口に信号があって車が停止をした、旧来の停止線まで停止線を引き下げるといいますか、戻してみる、こういうことについて、かなりきちっとした検証をしてもらいたい、こう思います。
 これは交差点の、俗にいう広さというか、交差点の真ん中から停止線までの距離といいますか、そういう問題があって、かなり警視庁の交通部は難しい論理があるようなんですよ。したがって、これは想像でいうことではないのですが、でも、物理的には戻してみるということができるのではないかなというふうに思います。これはぜひあわせて、建設局側は、東京都内に類似の交差点があるのではないかと思いますから、そういう交差点もきちっと引き合いに出して警視庁さんと議論をする、その中で、交差点の中心から停止線まで何メートル離れている交差点が、現にこことかここにあるじゃないかということをいわれれば、警視庁側の考え方も、また変わってくると思うのです。
 私なんか素人でいいますと、北区の田端新町の交差点とかというのが、よく似たような交差点なんですよ。停止線から交差点の中心まで結構距離がある。あるいは、国道ですからちょっと形態は違いますが、足立区の梅田交差点なんていうのも、道路の真ん中に橋脚があったり、停止線がかなり中心線から離れています。
 こうした類似の交差点をきちっと検証して、この交差点と比較をし、旧の区道の出入り口のところまで停止線が戻せないかということについて、これは警視庁が考えることですけれども、皆さん方は類似の交差点をもって検証するという意味で協力をするという意味で、二番目の提案にしておきます。
 三番目は、もうちょっと荒川の土手の方に近いところに信号があります。扇橋北交差点とかいっていると思いますけれども、この扇大橋の北交差点の信号と、扇一丁目西交差点の信号とを時間差で、こちらを早く赤にして、中の車を行かせて、それからこっちを赤にすると、ここのところはちょうど車両が空間になるわけですから、そうすると途中から出てくる車が出やすいということも考えられます。ですから、専門用語で何というか知りませんけれども、赤信号にするのを時間差でコントロールするというようなことをやってみたらどうなんだろうか、こう私は思います。
 これも、警視庁は今コンピューターで信号をコントロールしていますから、そこの交差点だけ勝手にいじるわけにいかないのだと思いますけれども、ある一定の範囲を調整すればそういうことが可能だということになれば、これも実行、実験してみる価値がある、こう思います。
 この、私が申し上げた三つのことを検証してもらい、かつ考えていただいて、地元の皆さんにもきっちり説明をしていただいて、そして最終的に交差点で、旧来の生活道路である区道をどういう形で生かしていくかという方向に進めていかなければいけない、こう思いますから、この三つをぜひご検討いただきたいと思います。これは今そうしますともいえないでしょうし、検討してもらわなくちゃだめですから、私からの要望ということで三つのことを申し上げておきますから、道建部長、ひとつ、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
 そこで、最後に建設局長にお伺いをしますが、実はこれは一交差点地域の皆さんの生活道路の問題という、これはそういう意味で重要なんですけれども、それ以上に、あわせてこのことを地域の住民の皆さんにご理解をいただいて進まないと、新交通日暮里・舎人線の事業の進捗にも私は影響が出てくる、こういうふうに考えています。
 それは、たまたま地域の皆さんが今いろいろ意見を出されているところに駅ができる予定でありまして、駅ですから、当然、両側におりる階段を設置しなきゃならない。そういうことによって、地域の皆さんにご協力をいただいて、少し上りおり用の階段をつける用地を新たに取得をしなければいけないというような事態が起きるやに、私は承知をしています。
 したがって、この交差点のことで地元の皆さんがきっちり理解をしていただかないと、そして協力していただかないと、今度は駅をつくりました、乗りおりの階段を用意しますという段階で、再び地元の皆さんと摩擦を起こすということがあるのではないかと、私は心配するのです。
 そこで私なども、ほかの都会議員も含めて、この問題は重要だと、こう申し上げているわけでありますし、請願までされた皆さんの紹介議員になったのは、そういうところに一つ、要点もあります。
 旧来、新交通事務所、大変ご尽力をいただいて、難問中の難問といわれた荒川の上にかける鋼けた設置も四月に本当に無事終えていただいて、その並々ならない努力には、心から敬意を表します。
 また、今回も二つの工事案件がこの委員会に付託されているわけでありますが、こういったあらゆる事業をぜひ順調、無事に進めて、十九年度に開業するという方向で、ぐらぐらしないようにしてもらわなければと、こう地元としては思っています。
 先日も石原国土交通大臣に、局の方もご一緒ですが、陳情に行きまして、国土交通省も補助金でしっかりご協力しますと、こういう約束をしていただきました。そういうことも踏まえて、局長、ぜひ地元の皆さんにこういう問題もしっかりご理解いただき、ご協力いただいて、十九年度の日暮里・舎人線の開業に向けて全力を挙げていくというご決意があると思いますが、新しい局長さんになられましたから、ぜひその決意を聞かしていただきたいと思います。

○岩永建設局長 新交通日暮里・舎人線ですけれども、ご案内のように、これは平成九年十二月に工事に着手いたしまして、順次工事を進めてまいりました。途中、開業年度の変更ということもございました。私どもといたしましては、いわば背水の陣で、この事業に取り組んでいるつもりでございます。
 これまでに、下部工事につきましては全線にわたり完了しております。あるいは施工中であるという状況になっております。また、けたにつきましても、この年度内には全区間で工事が始まる、もう既にかなりの部分が始まっておりますけれども、全区間でこれが始まる。引き続き、ご指摘の交差点の問題の解決も含めまして、今、駅舎や走行路などの工事を順次実施いたしまして、平成十八年度にはインフラ部の工事を完了させたいと思っております。
 今後とも、地元住民及び関係機関の理解と協力を得まして、また地下車庫を実際に建設いたします東京都地下鉄建設株式会社等とも十分連携を図りまして、十九年度開業に向け全力を尽くしてまいります。

○三原委員 どうもありがとうございました。終わります。

○河野委員 ただいまの質問と重なるものもありますけれども、二つ、お伺いをしたいと思います。
 まず、扇一丁目西交差点の問題です。
 尾久橋通りで分断された区道が以前のように通行できる方策を考えてほしいと、地域の皆さんが強く望んでおられます。現在は尾久橋通りを左折するしかできなくなっている、交差点を右折して、扇大橋病院への通院などが可能になるような改善策が考えられないかと、このような声も伺っております。
 お話がありましたように、昨日の警察・消防委員会では、左折のみを可能とした道路について、従来どおり通行できるようにしてほしいとの要望が込められた請願が趣旨採択されまして、警視庁は、今後の道路整備状況と交通の流れを踏まえて検討するとの考え方を示したと伺っております。
 住民の皆さんの要望は、停止線を区道の線まで戻して信号を設置する、この問題とあわせて、新交通日暮里・舎人線の中央分離帯の設置の仕方を工夫すること、こうしたことがいわれておりますが、この要望に対して、現段階でどのような努力方向が探れるのか、建設局のお考えを伺っておきたいと思います。

○依田道路建設部長 本交差点の形状につきましては、建設、設計を担当する私ども、それから交通管理を担当する警察、それから地元の区等で、交通の安全、円滑性を確保するという観点から、今の形状になっているものでございます。
 ご指摘の中央分離帯を切り開く等につきましては、尾久橋通りを車が横断するといったような通行が発生するため、安全な通行が確保できず危険であるということから、現時点では極めて困難であるという認識でございます。

○河野委員 中央分離帯の話は、先ほどもご質問の中でありましたけれども、住民の皆さんの声をぜひ聞いていただいて、警視庁は、今度新しくできる一三六号線ですか、そのことも含めて全体の流れを見通して検討していきたいということもおっしゃっているようなので、ぜひ、引き続きいい方向で解決の道を探っていただくように、改めてお願いをしておきたいと思います。
 次に、地域内の生活道路の問題で伺います。
 これはちょっといただいたものを拡大コピーしてきたのですが、昔からあったこの道路が尾久橋通りで切られて、先ほど部長のご説明では、この道路のかわりにその他の区道を使って交通の確保を図っているということをいわれました。ここにあります九一号線に抜けていくこの道路は、扇小学校がここにありますから、通学路になっております。それから扇大橋北交差点に抜けていくこの道路は、私も現地に行ってみましたけれども、大変狭い人家の中にある、本当に歩行者の安全の確保すら、車が通れば難しいといわれている狭い道路でありました。
 そして問題は、この二つの道路を使えば交通の流れは心配ないのだというようなお考えであるようなんですが、実際には、この二つの道路に、昨年の十月からいわゆる古い区道が使われなくなりましたから、車がどんどん入り込んできて、子どもたちの通学路の安全、こういうものに心配が起こっておりますし、こちらの尾久橋通りに抜けていく通りについても、いろいろ交通安全対策でどうなんだろうという声が上がっています。
 私は、大きな事故が起こってからでは本当に遅いと思います。扇二丁目地域内の車の流れの変化を東京都がきちんと把握されておられるのか、このことは大変大事な問題でありますが、今、現状についてどういう認識をお持ちか、また迂回路になっている二つの道路の安全対策についてお考えをお持ちのことがあったら、ぜひお答えをいただきたいと思います。

○依田道路建設部長 先ほど申しましたように、交通管理上非常に危険な交差点にならないようにということで、今の交差点になっておりまして、その際には、周辺の区道がかわりの機能を果たすというふうに考えておるところでございます。
 ご指摘の検討でございますが、先ほどご答弁いたしましたように、今後の地元等との話し合いでの意見を踏まえながら、周辺区道のより一層の活用などについて、交通管理者や地元足立区さんと連携をして、検討を進めてまいります。

○河野委員 ここの交差点の安全対策はもちろんなんですが、中で生活したり学校に通う区民、子どもたちの安全対策も、本当に必要なことだと思うのです。やはり命にかかわる問題にもなりますので、ぜひご答弁にありましたように、関係機関と十分連絡をとり合うことと、住民の皆さんの声をしっかりととらえた安全対策ということで、ご努力をいただかなくてはならないというふうに考えています。
 私は、要望を一点、申し上げておきたいと思います。
 道路建設部長もお話しになりましたけれども、日暮里・舎人線の開通が約三年後の平成十九年度、これによってこの周辺の交通の流れ、人や車の流れがまた大きく変化するということが予想されます。駅の南側になっていく扇大橋北交差点ですか、ここに扇二丁目から出てくるさっきの細い道は、本当に狭い道路で、交差点自身も大きくないという構造になっています。日暮里・舎人線の新しい駅ができた後で、人や車の交通量がどのようになっていくのか、今からしっかりとした調査や予測を行って、そして住民の皆さんの意見や要望などを尊重して対応される、このことが大事だと思いますので、この機会に、ぜひ東京都がそういう方向で努力を重ねられるように、お願いをしておきたいと思います。
 最後に、請願についての意見を述べさせていただきます。
 どうして住民が、多数の皆さんが交差点の改善を求めているのか、このことを、やはり東京都はしっかりと考えるべきだと思います。古くから使われてきた区道は、狭い歩道ではありますけれども、しっかりとしたガードレールに支えられて、歩行者の安全のための道も設けられてありますし、住民生活になじんできた大切な生活道路です。その道が、昨年十月に突然閉ざされた状態になってしまったのですから、本当に皆さんにとっては納得ができないというのが当然だと思います。交差点の大幅な変更について、東京都の住民への説明が極めて不十分であったということも明らかではないかと感じています。
 今後、扇一丁目西交差点の改良に関しては、皆さんの意向、住民の方々の意向を尊重して、生活の安全と利便性が損なわれることのないように、東京都が一層努力していただくことを求めておきます。
 請願は採択ということでお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中、第二項は趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第二一号の一中、第二項は趣旨採択と決定いたしました。

○鈴木委員長 次に、一六第四三号、汐先橋交差点周辺地区のアクセス改善に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○林道路保全担当部長 整理番号2の陳情一六第四三号をお開き願います。
 これは汐先橋交差点周辺地区のアクセス改善に関する陳情で、中央区築地浜離宮地区自治会会長の関口敏幸さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、築地地区、汐留地区及び浜離宮恩賜庭園の接点である汐先橋交差点周辺地区の相互アクセスについて、安全で快適な往来が可能となるよう改善してほしいというものでございます。
 現在の状況でございますが、汐先橋交差点は海岸通りと新大橋通り、汐留地区内からの環状二号線が交差する四差路となってございます。海岸通りの上部及び地下には、平行して首都高速都心環状線があるとともに、下水管渠や地下駐車場などの施設もございます。
 交差点のうち、築地地区と汐留地区とを結ぶ箇所には横断歩道が設置されており、築地地区と浜離宮とを結ぶ箇所には横断歩道橋が設置されております。汐留、東新橋一丁目側と浜離宮恩賜庭園側とのアクセス改善につきましては、汐先橋交差点南側に平成十五年二月、横断歩道を設置したところでございます。
 築地側と汐留側のアクセス改善につきましては、歩行者がより利用しやすい交差点の改良につきまして、検討を進めてまいります。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第四三号は趣旨採択と決定いたしました。

○鈴木委員長 次に、一六第四四号、都立武蔵国分寺公園のドッグラン設置計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○内海公園管理担当部長 整理番号3の陳情一六第四四号をお開き願います。
 これは都立武蔵国分寺公園のドッグラン設置計画に関する陳情でございまして、国分寺市武蔵国分寺公園の環境を考える会代表、田辺龍郎さんから提出されたものでございます。
 その要旨は、都において、都立武蔵国分寺公園にドッグランを設置する計画を白紙撤回してほしいというものでございます。
 現在の状況でございますが、ドッグランは今後多くの利用が見込まれる施設であり、犬の放し飼いに対する苦情対策としても有効であると判断しております。
 今後は、検討対象の公園内に設置可能な場所があること、駐車場が確保できること、ボランティアの協力が得られること、他の公園利用者や近隣住民の方の理解が得られることなどの条件整備を図りまして、都立公園内にドッグランを設置してまいります。
 現在、都立公園のドッグランは駒沢オリンピック公園及び神代植物公園の二カ所で、平成十四年十二月からの試行の後、平成十五年十一月から本格的に実施をしております。
 当面は、地域的なバランスも考慮いたしまして、区部では城北中央公園、舎人公園、水元公園、代々木公園の四公園を、また多摩地区では小金井公園、桜ヶ丘公園の二公園、合計六公園でドッグラン設置に向けた検討を行ってまいります。
 今回陳情のありました武蔵国分寺公園は、都立公園の中でも比較的小規模な公園であり、周辺は大規模団地のほかマンション、戸建て住宅などが連檐する住宅地域に近接しております。そのため、どこにドッグランを設置できるかといった設置可能場所の検討や近隣住民の方との調整など、ドッグランの設置に向けた条件整備を図ってまいります。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小松委員 このドッグランについては、一昨年の四定にやはりこの武蔵国分寺公園、またはそこに隣接する都有地にドッグラン早期建設を求める陳情が出されまして、最終的に全会一致で採択をした経過があるわけですが、今回は、同じ場所でのドッグラン計画を白紙撤回してほしい、つまり、前回の陳情とは全く逆の立場からの陳情であるわけです。
 先ほどの説明にもありましたように、さきの全会一致で採択の陳情を受けて、東京都は今お話がありましたように二カ所の公園でドッグランの六カ月の試行後、昨年十一月から本格実施をして、他に六公園、ドッグラン設置に向け準備をしている、こういうところだということです。
 そこで伺うわけですが、昨年十一月から本格実施を始めました二カ所でのドッグランの実施状況、これはいかがなものでしょうか。また、現時点での問題点など、もしありましたらお伺いいたします。

○内海公園管理担当部長 先生ご指摘の二つの公園の状況でございますけれども、近隣住民や他の公園利用者からドッグランについての苦情は、特にございません。ドッグランの管理運営に当たりましては、ボランティアの人たちが清掃などに積極的に取り組み、適切に管理をされております。
 なお、犬同士がかみ合うというような幾つかのトラブルがあったことは承知をしておりますけれども、そうした問題は、飼い主の自己責任により、当事者同士で処理をされております。

○小松委員 全体的には大変スムーズに施行されているようですので、ぜひ今後もこのような形で進んでいかれるよう、お願いしたいわけですけれども、さらに六公園でのドッグラン設置に向けた検討、先ほど幾分お話もありましたけれども、このそれぞれの進捗状況、もう少しお伺いできないでしょうか。

○内海公園管理担当部長 ドッグランの整備でございますけれども、ドッグランは、都がまずボランティアの方々と設置場所や利用規約について協議をいたしまして、次に、他の公園利用者との調整を経た上で、最終的には、住民説明会を開催して整備をしていくというふうに考えてございます。
 対象六公園のうち、城北中央公園、舎人公園、小金井公園の三公園につきましては、現在、ボランティアの方々と設置場所の選定や利用規約について協議を行っているところでございます。残りの三公園、水元、代々木、桜ヶ丘の公園につきましても、これからボランティアの募集を行い、近隣住民との調整など、ドッグラン設置に向けた条件整備を図ってまいります。

○小松委員 今、六公園の中にはこの武蔵国分寺公園は入っておりませんけれども、先ほどもありましたように、比較的小規模な公園だから云々かんぬんという言葉がありました。
 それで、今後の見通しということでは、一応六公園あって、それ以外になるわけですけれども、ここについての見通しということは、どういう形になるでしょうか。

○内海公園管理担当部長 武蔵国分寺公園におきましては、ドッグランの設置を希望する方々が、本年の六月に自主的に犬のしつけ教室を開催したところでございます。
 現在、都は、その人たちと話し合いを持ちまして、意見を聞いているところでございまして、今後、設置可能な場所の確保や近隣住民との調整など、条件整備を図ってまいります。

○小松委員 そうすると、進める方向でいくというふうにとらえていいかと思いますが、しかし、今回出された陳情は、この武蔵国分寺公園にドッグランを設置する計画を白紙撤回してほしいということですね。
 その理由としまして、第一、第二、第三ということで、三点にわたって書かれております。それは、都立武蔵国分寺公園の整備方針が一、二、三あって、これとは成り立たないのだということでございますけれども、この辺に関しまして、都はどういう所見、見解をお持ちでしょうか。

○内海公園管理担当部長 平成八年一月十六日の公園審議会の答申による整備方針は、大きく四点ございます。
 第一点は、現況の樹木をできる限り保存、活用すること、第二点は、文化的、歴史的遺産に配慮をし、周辺湧水群の涵養域としての役割を保全すること、第三点目は、防災拠点としての整備を行うことでございます。四点目でございますけれども、四点目は、さまざまなイベントやコミュニケーション等の地域活動、広域性のある野外レクリエーションを展開する空間を提供するということでございます。
 この四点目の整備方針は、人々の出会いと交流の場を提供するという目的を持っておりまして、ドッグランはその目的に合致する施設と考えております。

○小松委員 この三点に対しても、ドッグランはその目的に合致するというお考えのようでございますが、この陳情にもありますように、当公園の崖下には真姿の池湧水群があるわけで、これは国分寺市民ならずとも、私たち都民のかけがえのない大切な湧水であって、オアシスであるわけです。
 この涵養域である公園は、当然大切に守らなければならないということだと思いますが、その意味でも、この公園に隣接する建設中の巨大マンションこそ、湧水保全に全く逆行する以外の何物でもない、こういう点では、陳情者と考えを同じくするものです。
 しかし、ドッグランは、この巨大マンションと同列視すべきものでしょうか。私は、ドッグラン設置を求めておられる方々も、同じ市内や多摩地域の皆さんで、同じく湧水保全を求めておられる方々です。ぜひ近隣の方々のご意見、これも十分お聞きし、これら自然を壊すことなく、湧水群を守りながらドッグラン計画ができると思われます。
 私は、この立場から、この陳情は残念ながら不採択せざるを得ないということを申し上げて、終わりにしたいと思います。

○大西委員 私も、陳情の願意、ドッグランの設置計画を白紙撤回してくださいという、これにつきましては、残念ながら採択するのは難しいというものがあります。しかし一方で、心配なさっていることももっともだということもあります。
 湧水群もそうなんですが、何よりもこの公園がある意味、小金井公園や桜ヶ丘公園に比べて小規模であるということ、それから駐車場もそれなりに小規模につくってあるということです。そして、ドッグランを設置するには四つの条件、駐車場の設置はどうなのかということや、可能な場所があるかどうか、それから住民合意、ボランティアの確保、協力員の確保、こういうものがクリアできなければ、設置することはできないわけですが、特にドッグランをつくったら、そこの地元住民だけが使うのではなくて、やはりいろいろなところからいらっしゃるということであれば、その駐車場の問題、そして駐車場がなければその周りに不法駐車してしまう、それがちょっと可能なような土地柄でもありますので、そういう面をぜひしっかりと調査しながら、そして何よりも国分寺市では市民参加のまちづくりが進んでおりますので、住民合意を大切にしながら、ドッグランを設置するに当たりましても、規模等、そこに合った規模にしていただきたいということを要望しておきます。
 以上です。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第四四号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十分散会

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