環境・建設委員会速記録第四号

平成十六年六月十一日(金曜日)
第九委員会室
午後一時十八分開議
 出席委員 十四名
委員長鈴木 一光君
副委員長小磯 善彦君
副委員長林田  武君
理事小松 恭子君
理事花輪ともふみ君
理事三原 將嗣君
伊沢けい子君
河野百合恵君
いなば真一君
倉林 辰雄君
宮崎  章君
馬場 裕子君
木内 良明君
大西由紀子君
 欠席委員 なし

 出席説明員

環境局局長小池 正臣君
総務部長西野 和雄君
建設局東京都技監建設局長次長兼務小峰 良介君
道路監岩永  勉君
総務部長町   格君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について
 付託議案の審査(決定)
・第百八十五号議案 都道の路線の廃止について
・第百八十六号議案 東京都立小山内裏公園の指定管理者の指定について
・第百八十七号議案 東京都が管理する都市公園を埼玉県三郷市の区域に設置することに関する協議について
・第百八十八号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
 請願陳情の継続審査について
 特定事件の継続調査について

○鈴木委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、意見書、決議について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書、決議中、意見書三件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

自動車NOx・PM法の規制に関する意見書(案)
 東京の深刻な大気汚染を改善し、都民の生命と健康を守るため、東京都は、平成十五年十月から首都圏一都三県で連携して、ディーゼル車走行規制を実施している。
 この規制に対応するため、都内の事業者は、厳しい経営環境にある中で、粒子状物質減少装置の装着や新車への買換え等を進めてきた。
 一方、国においても、自動車NOx・PM法が施行され、平成十五年十月以降、首都圏を始めとする対策地域内では、車検登録できない車両が順次出始めている。この規制への対応としては、新車への買換えに限られているのが実情である。
 しかしながら、法による規制は、対策地域外で登録した車両が流入した場合には適用されないため、排出ガス性状の悪い車両であっても対策地域内を自由に走行できるという重大な欠陥を抱えている。これは、大都市地域の大気汚染の早期改善を図るべき法の趣旨に反すると言わざるを得ない。
 また、車両の登録地によって事業者の負担が大きく異なることは、法の下の平等に反し、看過できない問題である。
 大気汚染対策に根本的責任を持つ国は、大気汚染物質の排出基準を満たさないまま使われている車両(使用過程車)への抜本的な対策を早期に実施する必要がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、自動車NOx・PM法における規制に関して、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 大都市の環境改善のため、対策地域外からの流入車両も対象とすること。
二 自動車メーカーに対し、車両の低価格化を要請すること。
三 使用過程車のためにNOx・PM除去後付装置の開発をすすめること。
四 新車への買換えが困難な中小業者のための、買換え融資制度や税制上の軽減措置を充実すること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十六年六月 日
東京都議会議長 内田  茂
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣  あて

ほう素、ふっ素等の排水基準への対応に関する意見書(案)
 ほう素、ふっ素等の排水基準については、暫定の排水基準が設定されているが、今回、その基準が強化されるとともに適用期間が三年間延長された。しかし、新たな暫定基準の適用期間が終了する平成十九年からは、更に厳しい一律の排水基準が適用されることになる。
 東京都内には、多数の中小企業が集積しており、これらの事業場では、その対策に苦慮することが予測される。
 例えば、都内二十三区には五百を超える電気めっき事業場が集積しているが、節水型の施設が多いため、排水濃度が高くなる傾向にある。また、これらは、市街地に立地し、狭あいな施設で事業を営んでおり、排水処理施設の設置スペースも見いだしにくい実情がある。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、大都市に立地する中小企業の事情を勘案の上、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 平成十二年十二月の中央環境審議会が答申しているように、国が主体となって、大都市に立地する中小企業が導入可能な安定的な排水技術の調査研究・開発を早期に推進し、その普及・実用化に努めること。また、その際、中小零細企業への財政援助も行うこと。
二 地方自治体が行っている排水処理技術の研究・開発等に対して、必要な財源措置等を講じること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十六年六月 日
東京都議会議長 内田  茂
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
環境大臣  あて

地球温暖化対策の推進に関する意見書(案)
 「京都議定書」で約束した温室効果ガス削減目標の達成が困難との見通しが示され、政府としても、環境税を含む抜本的な対策を検討せざるを得ない状況となっている。
 環境省では、ようやく、中央環境審議会の地球環境部会で、東京都などの地方自治体の制度を参考に、オフィスビルなどの温室効果ガス排出量の報告制度の検討を始めたが、その取組は極めて遅いものとなっている。
 国が温暖化対策に向けて取り組むべきことは、一刻も早く「京都議定書」が発効するように外交努力を行うことであり、国内では事業者による任意の取組や国民に対する普及啓発にとどまらない、総合的かつ実効性ある温暖化対策を直ちに開始し、推進していくことである。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対して、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 地方税を主体とした温暖化対策に係る税の創設、排出権取引等の経済的手法の導入など、実効性のある対策を早急に実施すること。
二 ヒートアイランド対策を推進するため、地方自治体や事業者等が実施する駐車場など建築物敷地の芝舗装や道路の保水性舗装などの被覆対策、屋上緑化などに財政支援を行うこと。
三 再生可能エネルギーの普及・拡大が進むよう、RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)の目標を大幅に引き上げること。また、再生可能エネルギー導入に対する補助を充実し、事業者に対する税制上の優遇措置を講ずるとともに、家庭向け太陽光発電システムに対する助成を継続すること。
四 運輸部門における対策を推進するために、現在の重量別燃費水準を強化するとともに、車両重量化の抑制や重量車両の一層の燃費改善を図るため、欧米で既に実施されている「平均燃費規制」を追加導入すること。また、自動車に係るグリーン税制を充実すること。
五 家庭部門における対策を推進するために、家電製品における省エネ法のトップランナー基準の目標達成期間を短縮化し、より高い基準値を設定するとともに、設定品目の一層の拡充を図ること。
六 我が国の森林が二酸化炭素吸収源としての機能を確実に果たすことができるよう、環境面からの森林管理を強化し、そのための必要な財政措置を講じること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成十六年六月 日
東京都議会議長 内田  茂
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣  あて

○鈴木委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の決議につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○鈴木委員長 今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせました。ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十五号議案から第百八十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対して発言の申し出がありますので、これを許します。

○小松委員 第百八十六号議案に反対の立場から意見を述べさせていただきます。
 四十六ヘクタールという広大な自然を取り込んだ小山内裏公園の開園は、地元住民はもとより、多くの都民が待ち望んでいたものであり、この公園が、利用者にとっても、公園で働く者にとっても、快適な都民のオアシスであり続けることを願うものです。であるからこそ、この都民の財産、宝を営利、利潤追求の企業などに、その管理すべてをゆだねてしまうことに疑義を持つものです。
 今回落札したアメニスそのものは、造園業としても技術的に評価が高い業者であるやに伺っておりますが、そもそも公園とは、都民の憩いの場であり、災害時、いざというときの避難場所であり、また温暖化防止策として有効な場であるなど、あらゆる点からして、都民の守り場として不採算部門であり、自治体としてすべて責任を持たねばならず、指定管理者制度などなじまないところだと思います。
 不採算事業を営利事業が受け持てば、当初は配慮されても、行く末、必ず安上がり管理になり、それはサービス低下につながりかねません。それは利潤追求しつつも、採算に合わなければ、必ずどこかにしわ寄せが来るからです。表面的には青葉が茂り、花咲き乱れる公園であっても、その裏で、そこに働く人々の働く権利や生活が保障されている職場でなければ、真の都民の財産とはなり得ないからです。
 財源問題をいうのであれば、臨海開発や国直轄事業などのむだ遣いに始まって、首都高の利息分だけでも一千億円などから比べ、公園管理費など微々たるもの、民間やボランティアの知恵や力をかりながらも都が直営で行う、このことが都立公園を都立公園として末永く存続し続ける唯一の保障であると念じ、当議案に反対するものです。
 なお、百八十五号議案については、あくまで街路整備としての市への移管ということで、賛成するものです。
 以上です。

○鈴木委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第百八十六号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立多数と認めます。よって、第百八十六号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十八号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立多数と認めます。よって、第百八十八号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 次に、第百八十五号議案及び第百八十七号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十五号議案及び第百八十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○鈴木委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○鈴木委員長 この際、所管局を代表いたしまして、東京都技監より発言を求められておりますので、これを許します。

○小峰東京都技監 お許しをいただき、所管二局を代表いたしまして、一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 今定例会に提案をいたしました議案につきましては、慎重かつ熱心なご審議、ご調査を賜り、まことにありがとうございました。今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、鈴木委員長におかれましては、過日の当委員会において健康を害され、心配しておりましたが、昨日、本日と元気なお姿を拝見し、安心いたしました。今後とも、環境、建設行政の発展のため、ご指導賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 甚だ簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○鈴木委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕

○鈴木委員長 速記を再開してください。
 小峰技監の発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十七分散会

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