環境・建設委員会速記録第三号

平成十六年六月十日(木曜日)
第九委員会室
午後一時五分開議
 出席委員 十三名
委員長鈴木 一光君
副委員長小磯 善彦君
副委員長林田  武君
理事小松 恭子君
理事花輪ともふみ君
理事三原 將嗣君
河野百合恵君
いなば真一君
倉林 辰雄君
宮崎  章君
馬場 裕子君
木内 良明君
大西由紀子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
環境局局長小池 正臣君
総務部長西野 和雄君
企画担当部長梶原 秀起君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長松葉 邦雄君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長山本 憲一君
参事月川 憲次君
参事中島  博君
自然環境部長徳毛  宰君
廃棄物対策部長福永 富夫君
廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君
建設局東京都技監建設局長次長兼務小峰 良介君
道路監岩永  勉君
総務部長町   格君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長須々木亘平君
道路建設部長柿堺  至君
公園緑地部長住吉 泰男君
企画担当部長田中  亨君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長依田 俊治君
道路計画担当部長阿部  博君
公園管理担当部長内海 正彰君

本日の会議に付した事件
 意見書、決議について
 建設局関係
契約議案の調査
・第百七十六号議案 環二地下トンネル(仮称)築造工事(十六 二-環二東新橋)請負契約
・第百七十七号議案 相生陸橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(十六 四-環八若木)請負契約
・第百七十八号議案 日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十一)請負契約
・第百七十九号議案 日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十二)請負契約
・第百八十号議案  日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十四)請負契約
・第百八十一号議案 日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十五)請負契約
・第百八十二号議案 日暮里・舎人線鋼けた製作・架設工事(その二十六)請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十五号議案 都道の路線の廃止について
・第百八十六号議案 東京都立小山内裏公園の指定管理者の指定について
・第百八十七号議案 東京都が管理する都市公園を埼玉県三郷市の区域に設置することに関する協議について
 環境局関係
付託議案の審査(説明・質疑)
・第百八十八号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都における実効性ある温暖化対策について(答申)
・産業廃棄物の適正処理の徹底について及び廃プラスチックの発生抑制・リサイクルの促進について(答申)
・東京都環境白書二〇〇四について
・平成十五年度予算の繰越しについて
事務事業について(質疑)
請願陳情の審査
(1)一六第一五号 たばこの箱にモラルアップのメッセージ印刷を求める意見書提出に関する請願
(2)一六第一六号 産業廃棄物積替え、分別、一時保管に係る申請等に関する陳情
(3)一六第三〇号 杉並区井草中継所健康影響問題に係る独自調査の要望に関する陳情

○鈴木委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でございますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加いたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○鈴木委員長 次に、意見書、決議について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件、決議一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

〔委員長退席、林田副委員長着席〕

○林田副委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局関係の契約議案の調査、付託議案の審査及び環境局関係の付託議案の審査、報告事項及び事務事業に対する質疑並びに請願陳情の審査を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十六年六月九日
東京都議会議長 内田  茂
環境・建設委員長 鈴木 一光殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
  記
1 契約議案
第百七十六号議案 環二地下トンネル(仮称)築造工事(十六 二-環二東新橋)請負契約
第百七十七号議案 相生陸橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(十六 四-環八若木)請負契約
第百七十八号議案 日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十一)請負契約
第百七十九号議案 日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十二)請負契約
第百八十号議案  日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十四)請負契約
第百八十一号議案 日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十五)請負契約
第百八十二号議案 日暮里・舎人線鋼けた製作・架設工事(その二十六)請負契約
2 提出期限 平成十六年六月十一日(金)

○林田副委員長 これより建設局関係に入ります。
 まず初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 鈴木河川部長は、所用のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承いただきたいと思います。
 これより契約議案の調査を行います。
 第百七十六号議案から第百八十二号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○三原委員 それでは、契約議案について質疑をさせていただきます。
 七議案出ておりますけれども、自民党としては全議案賛成でございますが、ただ一点だけ、この契約議案でいいますと、五番になりますかね。日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十四)、これはいただいた資料ですと、矢田工業株式会社というところが落札、仮契約をされております。
 ただ、私が最もこのことでびっくりするというか、大変関心を持ちましたのは、建設局が明示された予定価格、十一億三千二百万余円に対して、落札額が六億七千六百万余円。簡単な計算でいうと、五九%ぐらいといいますか、六〇%をちょっと切っているという感じでございます。
 入札にはいろいろなやり方があるでしょうし、また、いわゆる工事物件のようなものと、物品調達のようなものと、いろいろ入札のやり方も違います。したがって、この契約は極めて厳正かつ公明に行われていることは間違いないと思いますけれども、一都民の立場から見ますと、十一億三千二百万円ぐらいを予定していたものが六億七千六百万円ぐらいで落札できるというのは、一体どこでどういうことが、考え方が違っているんだろうかと当然素人的な疑問を持つわけでございますので、その点をあえて一都民の立場からお尋ねをしておきたい、こう思ったわけでございます。
 まず入札形式、これは財務局の所管かもしれませんけれども、建設局として、入札の形についてお話をいただきたいと思います。

○町総務部長 本件の契約方式は、指名競争による入札を実施しております。

○三原委員 極めてわかりやすいお話でありますが、いいんです。指名競争入札であったことは事実ですから。ただ、もうちょっとあえて私の方から--いいんですよ。余りご心配なさらないで。入札のやり方の中で、最低制限価格制度というようなやり方と、低入札価格調査制度というようなやり方と、二種類あるやに聞いているんです。これは皆さんに聞いたんじゃなくて、財務局の方で伺いました。
 そこで、最低制限価格というのは、当然、これより下だったらだめですよ、こういうことですから、わかりいいですね。たしか八〇%から六六%ぐらいの間におさまらないとだめということですから、今回のように五九・七%で応札すれば、当然だめだということになるわけですけれども、低入札価格調査制度というのは、そういった最低制限価格というようなものを設定しないというんですかね、かなり低くても、その後調査などをして実態把握をして、よければ、落札されたんだから仕事をしてもらおうというような形になるやに財務局から聞いていますけれども、その辺のことをもう一度お願いします。

○町総務部長 低入札価格調査制度についてご説明申し上げます。
 この制度は、意欲ある事業者の技術力等の活用、発注コストの縮減を図るため、一定の予定価格以上の入札におきまして調査基準価格を設定し、その価格を下回る入札があった場合には、その入札価格で契約に適合した履行がなされるか否かを調査いたしまして、不合理であると判定されたときは、その者を失格とし、次の順位の者を落札者とする制度でございます。

○三原委員 わかりました。要するに、最低制限価格ではなくて、調査基準価格というものを設けて、それより下だったら会社内容を調査しますよ、こういうことのお話です。
 今回はそういう制度を適用されたから、五九・七%ぐらいでも契約ができるということになったわけなんでしょうけれども、そこで私が素人ながら心配しますのは、矢田工業さんというのが、いただいた資料だけでは、どこのどういう会社だか、どういう実績をお持ちなのかということが正直わからないわけです。
 それは一議員の立場では必要ないことなのかもしれませんが、あえて今回は、そういう価格が低かったんで、当然調査をされたというふうに私は理解をしていますから、矢田工業という会社についての簡単な内容と、それから工事の実績についてお話しください。

○阿部道路計画担当部長 矢田工業の会社の概要でございますけれども、本店は福島県の郡山市、資本金が八千万円、職員数百二十名の会社でございます。完成工事高につきましては、平成十五年で約三十八億円でございます。主な受注先としては、官公庁が九割、民間が一〇%、こういう会社でございます。
 なお、メタルの橋だとか水門等の工事を主にやっている会社でございます。

○三原委員 わかりました。かなりそういう専門の会社さんということですから、各方面でご実績があるんだろう、こう思います。
 それは何も新聞やテレビをにぎわすような超一流会社でなければいけないなんていうことは考えておりませんから、きちっと立派な工事をやっていただけばそれでいい、こうは思いますけれども、それでもう一つ、十一億余と六億余と、その差がかなりありますけれども、どの部分を一体圧縮するというか、企業努力をして安い価格で応札されたのかなというのは非常に興味があるんです。
 これはその中身まで我々が立ち入る必要はないのかもしれませんけれども、例えば今、鉄鋼素材はもう一時期の倍以上の値上がりをしている。これは中国や何かの国が大変景気がいいので、鋼材がどんどん輸出されたために鋼材が値上がりをしている、こういわれているわけですけれども、そういうことを考えると、原材料の部分は余り圧縮できないんじゃないかな、こう思います。
 会社の従業員さんや何かの、まさかお給料をへずってまで応札はしないと思うんですけれども、仮に大変猜疑心を持って見れば、工場で働く方、あるいはまた取りつけ現場で働く方、そういったいわゆる従業員の方、労働者の方、さらには恐らくこれは鋼けたの製作が事業として中心でしょうから、実際の取りつけなんかは、経験豊かな下請の方をお使いになるということが多分にあると思いますが、そういう下請企業に対して非常に安いコストを押しつけるというような、下請を圧迫させる、そういう事態はまさかないだろうけれども、ないのかなと素人は思ってしまいます。
 そこで、原材料の部分なのか、工場の運営に当たる部分なのか、あるいは架設の工事の部分なのか、あるいはもう全体の管理費の部分なのか、どこを一体企業努力をされて、この五九・七%ぐらいの低価格で落札をされたのか、逆に非常に知りたいなとも思いますが、その辺まで突っ込んだ調査をしておられますか。

○阿部道路計画担当部長 今回の価格の見積もりについて、どういう努力をして、どういうところを削ったのかということでございますが、まず初めに、低価格で落札をした理由というものを紹介をさせていただきまして、それからその次に、価格の見積もりをどうしたのか、どの部分を削ったのかということで説明をさせていただきたいと思います。
 本工事におきましては、低入札価格の調査をいたしまして、その調査に当たりまして、あらかじめ調査票、低価格で入札をした理由、それから入札価格の内訳書などを提出してもらいます。そして、その内容を確認しております。
 ここで低価格の主な理由としては、確認をしたところによりますと、工場製作におけるコストの縮減に努めている、工場などの施設が自社所有であるということからのコスト縮減、また工場の効率的な生産体制の確保をする、あるいは雇用の安定を図るということなどが挙げられております。
 そして、本工事の費用でございますけれども、これにつきましては大きく二つに分かれます。工場製作費、そして現場架設費でございます。このうち主に工場製作費につきまして低く見積もられております。
 工場製作費について見ますと、先ほども鋼材の値上がりの話がございました。材料調達に要する費用については、市場価格を反映しております。一方、工場の効率的な生産体制の確保のために、製作及び工場の管理に要する費用等を低く抑えている。そのようなことをしながら雇用の安定化を図っているということでございます。

○三原委員 よくわかりました。我々が請負会社の内容まで事細かくせんさくするというのもいかがなものかという気もいたしますし、今のご説明で、今までの事業経験もかなりあるということですし、また、今回は特に企業内努力をしっかりしておられる、こういうことでございますから、あえてそこで要望を三点だけしておきますから、架設が終了するまで、監督官庁たる建設局がしっかりと引き続いて見守っていただくというか、指導していただきたいと思います。
 やっぱり万全の措置を講じながら、最新の技術でいい工事をやっていただくということが一つ。
 もう一つは、先ほど申し上げましたが、働いている人とか下請の人にしわ寄せが行くというようなことが、仮にでも公になるようなことがあってはいけないわけですから、働いている人や下請の人などが困らないように、この請負価格の中でちゃんと仕上げることをよく監督しておいてもらいたい。
 それから三つ目は、特に架設工事は、この会社としてのご専門というわけではないのかなという気もいたします。恐らく専門工事屋さんを下請で使われるというようなことがあると思います。あるいは、鋼材を運搬するにも専門の運搬会社もあるでしょう。そういうことも考えれば、とにかく架設が終了するまで、安全第一ということに、より重点を置いてこの会社が事業を行うように、ぜひしっかりと指導していただきたい、こう思います。
 この低価格の落札については、事情がよくわかりましたので、了としたいと思います。
 そこで、今安全に万全の技術でということを申し上げましたが、実は先般、日暮里・舎人線の中で最も大変な工事ではないか、それこそ土木技術者の皆さんが、日本じゅうの方が注目をするといわれた架設工事がございました。我々都会議員も、そして地元の区議会議員の方等々もぜひ参考にということで、お招きをいただいて見学をさせていただきましたが、それは首都高速環状線川口線の交通をとめて、そこを九十メートル、七百トンのけたを移動させて架設をする、こういう工事であったわけでございます。
 たまたま初日は風が非常に強くて、なかなか工事の開始が号令をかけられない。二日目は雨が降るというようなことがあったり、三日目もちょっとそういう事情もあったようでございますし、四日目は無事終えたようですけれども、特に二日目が終わった時点で、予備日として三日目を押さえておられたのかなと推測はいたしますが、十七、十八と工事をやったところ、十九日の夜も、建設局長のご決断で多分首都高をとめていただくようにお願いされて、予定外の首都高速道路の交通どめを夜間実施して、三日間連続して工事をやるというようなことが行われました。
 今もまちの人たちも、あの工事は本当に大変だったのによく無事に終えたなというようなことを、まちの人はみんな素人ですけれども、大変関心を持ち、かつ感激をしながら話題にしているぐらいでございます。
 そこで、高速道路を横断するけたかけ工事、専門的なことは必要ありませんが、かなり難しく、日本でも初めての難工事だろうというふうにいわれたと聞いていますが、当時現場で監督された皆さん方から、ぜひ一部の事情をお話しいただければ幸いだと思います。

○阿部道路計画担当部長 ただいまお話にありました架設工事でございますが、四月の十七、十八、そして二十六日の夜間、延べ三日間で行う予定でございました。今ご指摘にあったように、初日の悪天候などによりまして架設工事におくれが生じたために、関係機関との調整やラジオ等での事前広報を念入りに行った上で、四月十九日の夜間といいますか、十二時ですので、四月二十日の零時からということになりますが、そこで再度通行どめを行いまして工事を実施し、延べ四日間の通行どめということで終わりました。
 首都高速道路の通行どめにつきましては、午後の十時から翌日の五時まで、四月の二十日につきましては、この日だけは午前零時から四時までということで行いまして、けたの架設工事を実施したところでございます。首都高速道路公団、警視庁などとの連携、また、公団、警視庁からの多大な協力によりまして、交通に混乱を招くことなく無事に工事を終えることができたということでございます。

○三原委員 先ほども請負会社さんのことをいろいろ聞いて、ちょっと失礼なところもあったかと思うんですけれども、当日たしか、あのけたかけ工事はトピー工業さんというところが請負業者さんだったように思いますけれども、しかし、日本で一、二を争うようなジャッキ会社さんが参加されて、無事終わったというようなことを現場でも伺いました。
 一つは、現場の新交通建設事務所の所長さん以下職員の皆さんがとにかく三日間全く不眠不休、徹夜で頑張られたということ。そして、請負会社さん、またその下請の専門家の皆さん、一致団結して一ミリ単位に七百トンのけたを動かしていくというようなことは、口で説明しても、目で見てもわからないですよね。だけど、それだけ大変なことをとにかく無事に終えられたということ。
 そしてもう一つは、もし二日目で中断してしまったら、全体的な河川の使用の状況とか工程とかで大混乱を来したんじゃないか、こう思うんですけれども、これが局長などの決断で、三日目も連続して夜間工事をやっていただけるようになったということ。これは局長さんなどの決断もあるでしょうし、それから、首都高さんだとか警視庁さんとか、そういうところのご決断もあったと思いますが、それはすべて皆さん方の熱意が動かしたんだろう、こう私どもは思っています。そういう意味で、大変貴重な事業の世間に対するアピールがあったな、こう思いますが、そういう意味で、ぜひ現場の関係者の皆さんには、この場からご慰労申し上げたいと思います。
 そこで、最後に局長にちょっとお尋ねをしますが、お尋ねの前に建設局の皆さんにもあわせて要望しておきますけれども、日暮里・舎人線はお客さんが十分乗ってくれるのか、採算は合うのかという議論がいつも出ます。
 もちろんいろいろの議論はありますけれども、我々は地元として、最大限お客さんに乗っていただくよう努力をしなきゃいけない、こう思っていますので、建設局も、道路の一部として新交通はつくるわけですから、つくって交通局に渡したらもう関係ないよと思わないで、沿線で建設局絡みで努力できることは引き続いて努力してもらうということが重要だと思っておりますので、ぜひ建設局の皆さんにもお願いします。
 その一つは、舎人公園を魅力あるものにしようということで、桜をアドプト制でやっていただくということを今検討していただいています。やることは決まりましたから、どういうふうに具体的に進めるか検討していただいています。
 それから、私などは突拍子もないことを申し上げたようでしたけれども、都市計画局さんに、今ある足立のトラックターミナルをもう少し郊外に移設して、あいた土地を活用して、日暮里・舎人線に乗ってこられるお客さんを確保するというようなこと、例えば上野動物園の分園をつくったらどうですかってなことを申し上げたわけですが、さらに、最近足立区は新東京タワーを誘致しようということで、入谷八丁目に小学校の跡地がありまして、ちょうどあの面積がその建設面積にほぼ匹敵する。その隣に同面積の区立公園もありますので、これらを併用すれば、非常に新東京タワーの適地になるということで、もう既にそういう区を挙げて動き始めたことが新聞報道もされています。
 これは当然、舎人新線に乗って大勢のお客さんに見に来ていただける。舎人新線のどこかの駅からピストン輸送のバスを出せばいいわけで、距離にして、舎人新線から二キロぐらい離れるか離れないかという感じですから、十分バスで対応できます。そういうことができれば、新交通システムの集客力に大変役立つ、こう思って我々は努力をし始めているところなんですけれども、建設局さんも、新東京タワーを建てることは建設局さんには何も関係ありませんが、当然、関連の道路整備や何かはお知恵をかりなきゃいけないわけですから、そういう意味でも、広く建設局のお知恵をかしていただきたいな、こう思います。
 そこで、いろいろなことをいっても、最終的に十九年度、つまり平成二十年三月に開通しなくちゃだめなわけなんで、今日まで建設局長、都技監は、建設局技監あるいは道建部長等々、この事業に大変中心的な役割を果たしてこられましたので、ぜひ最後に局長の今までの経緯と先へ向かってのお考えなどもあわせて聞かせていただければと思います。

○小峰東京都技監 日暮里・舎人線は、私、課長時代からずっとかかわってまいりまして、そのときは都市計画局におりましたが、その後、ある時期、区の部長をしていました。荒川でしたが、これも地元だということでございます。さらに、都に戻りましてからは、建設局で道路計画担当の参事、それ以降今まで、日暮里・舎人線につきましては、三原理事からお話がありましたようにかかわってまいりました。
 東京全体の中での交通の重要性、その中での日暮里・舎人線の重要性というのは、我々、都市をつくる側からも大変重要なものだと思っていますし、また、地元の皆様の大変熱い希望というのも、期待というのも承知しているつもりでございます。
 施設は、あるいは新交通はできたけれども、お客さんから人気がないというのでは困りますので、私どもが直接所管します舎人線はもちろんでございますけれども、そのほか、今お話がございましたような民間での動き、それから、足立区や荒川区のいろいろな開発計画など、また、三局のいろいろと再編の中で都市整備局ができましたが、都市整備局はやっぱり面開発の点などではかかわりますので、そういった連携も図りながら、日暮里・舎人線ができてよかったと、多くの方に利用できるようなことが実現できればというふうに思っていますので、これからも私ども局としても全力を挙げて整備そのほか対応していきたいというふうに思っています。

○町総務部長 冒頭のご答弁の中で、一般競争入札と申し上げるべきところを指名というふうに申し上げました。大変失礼いたしました。訂正をさせていただきたいと思います。

○河野委員 私は、百七十六号議案、環二地下トンネル築造工事と、それから百七十七号議案、相生陸橋の工事契約、それから百八十号議案に関連して質問をいたします。
 最初に、環状二号の地下トンネルの問題ですが、この環状二号線の道路建設事業の事業目的について、ご説明をお願いいたします。

○阿部道路計画担当部長 環状二号線の事業目的についてでございます。
 道路は、都市の骨格を形成し、都市活動や都民生活を支える最も基本的な都市基盤でございます。
 東京臨海地域は、首都東京の再生のかぎを握る東京湾岸地域の中心に位置をしておりまして、業務、観光、コンベンション施設などが多く立地をしております。また、今後土地利用転換が見込まれるなど大きな潜在力を持つ地域であり、引き続き都の総力を挙げて開発に取り組んでいく必要がございます。
 環状二号線でございますが、環状二号線の虎ノ門から湾岸道路までの区間は、都心部と臨海部とを結び、東京臨海地域における交通、物流ネットワークの強化のため不可欠であり、その整備を推進してまいります。

○河野委員 環状二号線については、中央区などの区民の方からもいろいろな意見が出されております。特に築地市場の移転問題とも絡めて複雑な問題が起きております。新橋・虎ノ門再開発事業との関連で今回の工事契約議案が出ているわけなんですけれども、環二の地下トンネルの工事に今手をつけていくことがどうなのかということでは、私は疑問を持っておりますが、現在の段階で整備を進めなくてはならない、その理由を教えていただきたいと思います。

○阿部道路計画担当部長 環状二号線の虎ノ門から湾岸地域までの区間ですが、都市再生緊急整備地域に指定されており、民間開発を誘導するなど、東京臨海部の潜在力を引き出しまして、経済的活力を高めることが期待されております。
 このため、環状第二号線の早期の整備が必要であり、東京の都市再生の実現に向けまして、豊洲・晴海開発整備計画などに基づき積極的に推進をしてまいります。

○河野委員 経済効果というか、経済的な活力を高めるとか、いろいろお考えはあるようですけれども、あわせて、今こういう大きな工事に入っていくときに、特に道路建設などについては、周辺の環境がどうなるのかということもやはり大事な問題だと思います。
 環状二号線について、このトンネル工事を含めて、環境アセスメントは実施されているのでしょうか。環境対策については、どのような対策がとられているのか教えてください。

○阿部道路計画担当部長 環境アセスメントにつきましては、環境影響評価条例に基づきまして、平成五年二月に新橋から臨海部にかけて実施をしております。その後、汐留地区につきましては、平成十年十二月、掘り割り及び平面構造からトンネル及び取りつけのランプの構造へと変更をいたしました。この変更となったことから、環境アセスメントにつきましても適切に手続を行ってきております。
 この構造変更によりまして、地表部の交通量が減少いたしました。減少したことから、大気汚染や騒音などの環境への影響はより小さいものになっております。

○河野委員 地下化によって環境悪化を招くことはないというご答弁だったと思うんですが、私は、今後この問題はやはりしっかりとした検証が必要だと思っているんです。
 それで、地下トンネルのところの予算の問題なんですが、これはどのくらいの金額になっていくんでしょうか。そして、この予算の内訳、財源内訳についてもお示しをいただければと思います。

○阿部道路計画担当部長 事業認可を取得した区間は、桜田通りから海岸通りに至る延長千四百九十メートルの地下トンネル部分でございますが、その事業費は約四百七十億円でございます。この事業費のおおむね二分の一に国庫補助金を予定しております。

○河野委員 国庫負担の二分の一ということはおっしゃっていただいたんですが、東京都が出すお金ですね、起債の金額とか予定されているものがあると思うんですが、そういうものについては、今の段階でご答弁をいただくわけにはいかないんでしょうか、都の負担分について。

○阿部道路計画担当部長 四百七十億のうち約二分の一が国庫補助、国庫支出金ということで国庫補助金を予定しているわけですが、その残りの約二分の一が東京都の一般財源となります。そのさらに内訳については、まだちょっと今の時点では一般財源ということでご理解をいただきたいと思います。

○河野委員 私もいろいろ、この環状二号の道路が通ります汐留、虎ノ門の再開発について、どれくらいのお金がかかるんだろうかということで少し数字を調べてみまして、再開発事業だけで千六百億とか千六百六十億とかいう数字が出されておりました。それに合わせて今の四百七十億円、半分は国費ということですが、やはり相当なお金がこの再開発事業と地下トンネル工事に投入されるということになるわけですね。
 臨海部の開発、今この道路が湾岸の方へ抜けていくというお話がありましたが、抜けていく臨海部の開発もなかなか予定どおりに進まない、あるいは破綻しているということもいわれている中で、私は、現在の段階で環状二号線の工事を急ぐ必要はないのではないかという意見を持っておりますので、そのことを述べておきたいと思います。
 次に、環状八号線の相生陸橋についてお伺いをいたします。
 環状八号線の相生陸橋の建設問題については、さきの第一回定例会で住民の方々からの陳情が審議されておりますので、簡潔にお伺いをしていきたいと思います。
 環八道路から住民の暮らしと環境を守る会という団体の方が、長年にわたって勉強会を開いたり、関係行政機関への働きかけを続けているのは、東京都の建設局もご存じだと思います。相生陸橋については、この交差点が国道と高速道路と環八の三層構造になるということから、大気汚染、騒音被害などがないように、環境対策を最も強く望んでおられます。
 こうした住民の皆さんに対して、東京都がどのように合意形成をしていく努力をされたのか、私はここが一番問題になるのではないかと思います。やはり住民の皆さんの納得、合意に基づくまちづくりが大前提になっていくわけですが、この契約議案が議会を通過すれば着工ということになっていくわけですから、住民との合意について、今都はどのような努力をされておられますか。教えてください。

○阿部道路計画担当部長 相生町交差点の立体形式につきましては、地盤沈下を起こしやすいピート層が広く分布しているということが判明したことや、大規模な下水道幹線の切り回しが必要となるということなどから、シェルターつきオーバー立体で整備することといたしました。
 相生町交差点のこの立体化に当たりましては、環境対策を中心にこれまで七回の地元説明会を開催するとともに、別途、各町会や住民団体等へも個別の説明や話し合いを重ねるなど、ご理解をいただくよう、その促進に努めてきたところでございます。
 その結果、十三の町会から早期整備の要望書を受けました。さらに、昨年十月には町会連合会から工事の早期要望が提出をされております。
 なお、本年三月下旬には工事説明会を開催いたしまして、大方の住民の皆様の理解が得られておりますので、七月、下部工事に着手をする予定ということで今考えているところでございます。

○河野委員 大方の理解ということについては後で申し上げたいと思いますけれども、それでは、これまで東京都と地元自治体の板橋区、それから板橋区議会がいろいろな意味で意見交換をしてきたと思うし、区段階のところから要望書が出ていると思うんですが、今回この契約工事を発注するに当たって、区とか区議会とかとの話し合いというのはどういうふうになっているんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 環状八号線は板橋区にとりましても非常に重要な路線であるということから、機会あるごとに板橋区の所管の部署とも情報交換を行っております。ちなみに、板橋区の都市整備部とは、都区連絡会と称しまして、緊密な連携をとって情報交換をしているところでございます。
 また、板橋区議会からの要請に対しましても、そういう要請があるたびにお邪魔いたしまして説明をしてきております。

○河野委員 ちょっと済みません、答弁を補足していただきたいんですが、区議会から要請があるたびにということは、今回については、今回の工事発注に当たって、七月着工ということに向けて区議会から特に要請がなかったし、都からもそういうことで説明に行かれるつもりがないのか、あるのかというところがちょっと気になりますが……。

○阿部道路計画担当部長 今回、この件につきまして、板橋区議会からの説明等の要請はございませんでした。あれば、いつでも行くという心構えでおります。

○河野委員 三月に行われました当委員会の陳情審議では、一つ目に、百四十メートルシェルターの計画を見直して、陸橋全体にシェルターを設置してほしいということ、そして二つ目に、換気塔を環境保全にふさわしいものにしてください、それから三つ目に、環境対策の上で緑地帯の確保がどうしても必要と、この三つの陳情項目がありました。
 そして、二項目、三項目ということでの趣旨採択の結論でありましたが、建設局は、委員会が示したこの判断について、どのように今対策を立てておられるでしょうか。特に換気塔の構造や機能についてどうなのか。それから、緑地帯の確保、こういうことが議会の要望としてもあるわけですけれども、これについてはどのような状況になっているのか、お示しをいただきたいと思います。

○阿部道路計画担当部長 前回陳情が出されました三つの項目につきまして、第二、第三の項目が趣旨採択をされたということで、それに対しましては、可能な限りその実現に向けて今努力をしているところでございます。
 また、特に今緑化のお話が出ました。緑化についてお話をさせていただきますが、相生町交差点の道路区域内には、大和町交差点で、その付近で確保したオープンスペースの約三倍の二千平方メートルの緑地帯が既にございます。道路の整備に当たりましては、そのような状況から、道路区域内での緑化に努めてまいりたいと考えております。

○河野委員 先ほどのご答弁で大方の理解ということがありました。大方の理解を得られているという建設局の判断なんですが、果たしてそうなんでしょうかと思ってしまうんです。というのは、住民の皆さんの中に、初めにご紹介いたしました環八道路から住民の暮らしと環境を守る会というところがあって、この会がことし五月に、東京都が示している百四十メートルのシェルターの案では環境を守れないということで、東京都の公害審査会に調停の申し立て、申請をされていると伺っております。
 これは五月ですから、現在六月で、まだ出たばかりですよね。調停にこれから入っていくんだと思うんですが、そういう場での結論が出ていないと。そこで東京都が今回、七月の着工を目指して工事の発注契約をする、そのことによって着工されれば、この住民の皆さんとの関係はもっと矛盾が深まってしまうのではないかと感じるんです。
 私は、建設局はまず住民、あるいは区議会でも呼ばれればいつでも行きますよということでしたけれども、こういう自治体への対応、議会への対応、そして、そういうことを最善の努力をするということが必要なんじゃないかと思いますが、このまま工事を強硬に進めてしまえば、必ず都のやり方に批判が出てしまうと思うんです。
 公害審査会の調停を待ち、合意を築いた上で工事を発注するという方法、こういうことについてはご検討はされないんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 建設局といたしましては、この交差点について環境予測を行いまして、先ほど来お話の出ております百四十メートルのシェルター等の環境対策を提案しながら合意形成に努めてきておりまして、公害審査会の調停におきましても、これらのことについて同様に主張していこうと考えております。地元から早期整備の要望もございますので、工事は着実に進めていくという考えでございます。

○河野委員 私は、相生陸橋の工事にこのままの状態で入れば、いろいろな矛盾が拡大してしまうと思います。きょうは議案の審査でありますので、都が合意形成に向けて最大の努力を尽くすべきであるということを述べて、この問題では質問を終わらせていただきたいと思います。
 最後に、百八十号議案の問題で、ご質問も先ほどございました低価格入札制度についての問題であります。
 予定価格で計算いたしますと、五九・六%ということで入札をされております。これまでに日暮里・舎人線の工事で低価格入札の例はあったのかどうかということをお伺いしたいんです。
 私はあわせて、今回落札をした会社の方のいろいろ実績とかもお伺いしようと思ったら、先ほど他の委員からご質問がありましたので、それは省略いたしますが、これまでこの日暮里・舎人線での低価格入札の例についてどういう状況だったのか。入札率とか、契約業者がどうだったのか、企業体がどういう規模であったのか、それはご答弁をいただきたいと思います。

○町総務部長 日暮里・舎人線におきまして、これまで低入札価格調査制度を適用して調査をいたしました案件は二件ございます。このうち一件は既に竣工しておりまして、もう一件も現在順調に施工中でございます。
 入札率というお尋ねがございましたが、いずれの案件も、二件とも六〇%をやや下回る入札率になってございます。入札した事業者は、一件が日本鋼管、もう一件が横河ブリッジでございます。

○河野委員 低価格入札制度というんですか、この制度については、国土交通省が、公共交通のコストダウンと企業の経営努力を求めるとして、それぞれの自治体に導入をするようにという方針も出していると聞いております。
 しかし、この制度については、先ほどの三原委員の質問にもありましたように、いろいろな懸念も出されております。工事の質がきちんと保たれるのか、低価格で受注することで下請業者への影響はないのか、労働者への影響はどうなのか、そういうことが懸念されているわけですけれども、私は一番心配なのは、東京都と契約した受注業者が倒産をしたとか--なければいいんですが、もしそういう場合とか、そういう何かがあった場合に、下請が被害を受ける、そのようなことがないセーフティーネットというんでしょうか、そういうものが必要だと思うんです。
 この低価格入札制度は、財務局の方で業者との関係をずっと詰めていくというふうに聞いておりますので、それはそうなのかなと思うんですが、建設局として、そういうものを防ぐ対応というんですか、かかわり合いというんですか、そういうことで努力できるものがあるとしたらどういうものか、どういう努力がされているのか、そこのところだけご説明をいただけますか。

○阿部道路計画担当部長 低入札価格の調査、調査票の提出と、それから直接の業者からのヒアリングによりまして、下請会社がどんな工事を受け持つか確認をしております。それは現場架設工事、クレーン作業、橋げた輸送、安全保安業務等でございます。
 これらの施工に当たりましては、事前に元請から施工体制台帳を提出していただき、確認をいたします。この元請会社への指導監督を通じまして、適正な工事の履行に努めてまいります。

○河野委員 もう一点だけ伺っておきます。
 今回も予定価格の六〇%に満たない額で受けたわけですが、こういう低価格で受注できる、そういう工事があるということは、もともと東京都なりが設定している予定価格そのものが高いのではないかという疑問も出てくるのではないかと思うんですね。東京都の工事見積金額の設定が適切、正確だったということで、都民に対して十分な説明も必要になってくると思うんですが、その点ではいかがでしょうか。
 これで私の質問を終わります。

○阿部道路計画担当部長 本工事の予定価格でございます。
 この予定価格につきましては、建設局が定めた積算基準により算出をしております。この基準に用いた労務費、材料単価等は、実態調査を行いまして市場価格を適切に反映したものでございます。こうしたことから、本工事の予定価格につきましては適切なものでございます。

○大西委員 私は、百七十七号議案、相生陸橋の架設工事請負契約について少しお聞きしたいと思います。
 ちょっと同じようになるんですけれども、三月十八日のこの委員会で、地元の住民の方、サンシティ管理組合から陳情が出ておりました。そのときもこの陳情の中身、道路については反対というわけではないけれども、やはり環境についての最大限の配慮が欲しいという趣旨だったと思います。
 その後、住民との合意に向けてちゃんとやりますというような答弁もありましたので、その後の経過、そして、住民との話し合いの中身も含めて、経過を教えていただけますでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 初めに、陳情の件で整理をさせていただきますが、平成十六年、都議会第一回定例会の建設・住宅委員会での陳情審査におきまして、三つの項目、第一項が陸橋部全域にわたりシェルターを設置してほしい、第二項が大気浄化システムを必要数設置してほしいこと、第三項が交差点周辺の緑化量を現状より多くしてほしいの審査がなされました。第一項の陸橋部全域にわたりシェルターを設置してほしいこと、これを除きまして、第二項、第三項が趣旨採択ということになったわけでございます。
 この後、本年三月下旬に工事説明会を開催し、先ほど申し上げましたように、大方の住民のご理解が得られておると考えております。ということで、七月に下部工事に着手するという予定を今しているところでございます。

○大西委員 大方の了解ということですけれども、緑化も皆さんの、住民の要望どおりふやします--それから、換気塔の構造もどういうものが提示されて、そして、住民にそういうものが提示されて意見交換とかもできているんでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 先ほどの答弁で一つ追加をさせていただきますが、その後サンシティの管理組合の対応をしております。それは四月の二十八日でございます。
 なお、サンシティの管理組合とは、昨年の夏から何回か打ち合わせ、あるいは説明をさせていただいてきております。
 また、大気浄化システムの機能とか構造というようなものを具体的に示して、そして説明してきているのかということですが、それにつきましては、各社いろいろな機能を今開発をしていて、さらに開発されるという可能性もありますので、まだ検討しているところでございます。はっきりとその方向が見えてきた段階で、当然地元の皆さんには説明をしていくということを考えております。

○大西委員 もう一度確認させていただきますが、陳情を出したサンシティ管理組合の方たちも、大方の合意ができているというふうに理解していいんですか。

○阿部道路計画担当部長 そのとおりでございます。

○大西委員 三つの項目が出された中で、確かにシェルターについては四百までは難しいけれどもということで、次の二項目が、ちょっと今阿部部長の話を聞いただけで、すんなりと住民の方の合意ができているかどうかということは、私が聞いてさえもううんと思っておりますので、その辺はそちらの局の説明ということで受けとめておきます。
 そういう中、ことしの五月、環八道路から住民の暮らしと環境を守る会というところから、都の公害審査会に調停の申請が出されているという動きがありますよね。このような事例が今まであるのか。そして、こういう公害審査会に出されているまま、工事というものは工事差しとめ請求がない限りは進んでいくのか。こういうものの取り扱いをこれまでどういうふうにしてきたのか教えていただけますか。

○阿部道路計画担当部長 これまでの事例ということでございますが、公害審査会で扱った事例として、中央環状新宿線及び環状六号線の拡幅中止を求めた調停の事例がございます。これにつきましては、調停をしていった結果、最終的には打ち切りということで整理をされております。

○大西委員 打ち切りということは、調停ができなくて、そして、そのまま工事だけが進んでいったというふうに受け取っていいわけですね。
 サンシティ管理組合と住民の暮らしを守る会というのは、先ほどの説明で、陳情を出した人たちの大方の了解は得たんであれば、改めてこういう守る会から公害審査会に調停の申請が出るということはないんじゃないかと思うんですけれども、その辺はどういうふうに理解していらっしゃるんですか。

○阿部道路計画担当部長 サンシティの方を初め、地域の皆さんでいろいろな考え方をお持ちの方がいらっしゃいます。私どもの方が説明をしていき、そして、その説明の場で質問とかご意見等をいただいてきておりますが、そういうものを受けまして、私どもの方としては大方のご理解が得られているというふうに考えております。
 また一方で、調停の申請をされたということにつきましては、またそういう考えをお持ちの方たちが、さらに三項目について、実現方ぜひお願いしたいということで調停を申請されたものというふうに理解しております。

○大西委員 やはり不安が解消されないからこそ公害審査会に調停の申請が出されているというふうに、私としてはこの関係を受け取っていかなきゃいけないのかなと思っております。
 そういう中でちょっとお聞きしたいんですけれども、もともと三層式にやらなければならない計画、近くに大和町の三層式の交差点があって、それがもうずっと長年のあしき例であり、そして、いまだに環境基準をオーバーしている状況ですよね。クリアできていない状況。こういう三層式の構造の場は、都内でほかにまだあるんですか。

○阿部道路計画担当部長 道路が三層で交差しているところは幾つもあると思いますが、地平面、平面で四車線の道路が通っている、その上に四車線の道路が交差し、そしてさらにその上に四車線の道路が交差するというところは、現在ただ一カ所、大和町交差点でございます。相生町交差点が二つ目の例ということになるものでございます。

○大西委員 そうすると、やはりこの場合は、住民の不安は本当にもっともだというふうにとらえておりますし、そうしたら、それなりに環境への配慮というものはつけていかなければならないんじゃないかと思っております。
 今、相生町の現在の交通量はどれくらいあるのか。それから、将来予測、将来交通量というのがどれくらいあるのか。そしてさらに、今の大和町の交通量はどれくらいあるのか教えていただけますか。

○阿部道路計画担当部長 相生町と大和町の交差点の交通量でございます。
 相生町の一日当たりの現況交通量は十三万台でございます。将来交通量は、環状八号線開通予定の平成十七年度で十七万台予測しております。
 一方、大和町交差点でございますが、平成十三年の現況調査の資料がございます。これによれば、大和町交差点の交通量は二十四万台でございます。

○大西委員 相生町の現在の通過交通量が、今これ、環状八号線と--済みません、現在の通過交通量、路線ごとにはどうなるんですか。

○阿部道路計画担当部長 現在の交通量は十三万台と申し上げましたが、その内訳ということでございますが、まず首都高速五号線、これは直接ちょっとはかって、近くのところで推計しておりますが、八万台でございます。環状八号線が一万六千台でございます。そして、補助二〇一号線が三万六千台、合わせて十三万二千台となりますが、十三万台というふうに申し上げました。

○大西委員 そういう中で、現在の、今の状況の中で、この交差点のバックグラウンド濃度というんですか、大気の。二酸化窒素でいいんですけれども、それは幾つで、それから、沿道濃度、自排局が検査したところの数値は幾つですか。

○阿部道路計画担当部長 バックグラウンド濃度が〇・〇二五ppm、そして、さらにそれに環状八号線等が開通をするということで上乗せをいたしまして推計した数値というものが、一番高いので〇・〇五六ppmであったと記憶しております。いずれにいたしましても、予測値も現況値も環境基準値を下回っております。

○大西委員 現在のバックグラウンドが〇・〇二五でしたか、そして、十七年度に十七万台通るようになったときに〇・〇五六。そして、大和町の現在のバックグラウンドは幾つですか。それと、大和町には自排局の数値もあると思いますが、それも教えていただけますか。

○阿部道路計画担当部長 バックグラウンドというのは、一つの背景となる広域的な濃度でありまして、それに各路線等の排気ガス等の濃度が加わって推計値を出したりしております。逆にいうと、今の数値を現況でとらえるとすると、バックグラウンドとその路線から排出されるガスの濃度とが、どの割合かわかりませんが、合計されて現在の現況値が出てくるということでございます。
 そういうことでいいますと、今の大和町のバックグラウンド濃度は幾つかといわれると、今数字はございません。

○大西委員 自排局のもありますよね。

○阿部道路計画担当部長 自排局自体は、バックグラウンド濃度と各路線の--自排局の数字自体はあります。

○大西委員 それを教えていただきたいんです。

○阿部道路計画担当部長 失礼しました。大気汚染状況ということで環境省が平成十四年度調査をしたのをまとめてありますが、二酸化窒素濃度が〇・〇八三ppmでございます。

○大西委員 どうも済みません。今この環境基準というのが〇・〇六ppmですので、現状の中で十三万台通っているので〇・〇二五、そして、十七万台になると〇・〇五六になるということで、一応環境基準はカバーできますというふうにあります。
 ところが、自排局が置かれている大和町の交差点は現在でも〇・〇八三で、いわゆるオーバーしているわけですよね。そして、ここの相生町の方には、自排局はそこの中で、累計になると、そこではかるわけですから、同じような状況になるということで、この数値とか、設置場所とかも、もっともっとここの相生町につけるとか、そういうことも考えなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っておりますが、単純に〇・〇二五から〇・〇五六のいわゆる環境基準の値まで非常に近くなるわけですので、住民の方たちの不安が解決できないということもありますし、この数値の問題は、いろいろなデータのとり方云々によって本当に微妙ですし、それをどう判断するかということは、私たち普通の市民にとっても非常に大変なことですし、やはりその辺の説明を丁寧にやっていくことが必要だと思っているんです。
 こういう問題では、本当にだれもが便利な暮らしは維持しつつ、環境問題をどういうふうにクリアすればいいのかということでみんな頭を悩ませているわけですから、そういうデータを、行政が持つものはやっぱり住民にしっかり示して、そして、それをどういうふうに判断していくかということをちゃんとやっていくことが必要なんですけれども、やはりいいくるめられたんじゃないか、いやいや、そんなことはないという、これが今でも続くというのはおかしいことで、そういう意味では、この方たちが公害審査会に第三者的な判断を仰ぐということは、本当に当然のことなんだろうなと思っております。
 この大気汚染装置も、大和町の交差点で今実験しておりました土壌浄化の方は非常に実験結果もいいというふうに出ていますけれども、これを採用するのか、それからもっと違う形があるのかというのを今検討中ということなんですよね。例えばこの大和町の方式、土壌浄化の方をここに持ってくるということは可能なんですか。

○阿部道路計画担当部長 土壌浄化システムをここへ採用することは可能かということですが、スペース等があれば、当然理論上は可能でございます。
 ただ、現在は、立体構造でシェルターをかける、そういうことを前提にして、全体の構造を見ながら判断、検討しているところでございますが、機械式の浄化システムを今検討しております。その中でどのようなものを使うかということについて、さらに検討を深めていきたいと考えております。
 それから、先ほどの大和町と相生町交差点、同じような状況になるのではないかというお話がありましたので、説明をさせていただきたいと思うんですが、大和町と相生町の交差点とはかなりいろいろな面で違います。
 まず、交差点の面積でいきますと、大和町は九千八百平方メートルですが、相生町は一万二千三百平方メートルと非常に広い交差点になっております。
 さらに、大和町ではみずほ銀行の用地を買収しましたが、その三倍の用地が既に交差点に近接をして、二千平方メートルのいわゆる三角公園といわれている樹林地があります。そういう意味で、既にオープンスペースがあいているところでございます。
 また、首都高速が上にかぶさっておりますけれども、地上からのけた高は、大和町は十一メートルぐらいですが、相生町は十四メートルとかなり高いところを通っております。さらに、決定的になると思いますが、交通量でございます。大和町は二十四万台ですが、相生町は、予測ではございますが十七万台ということでかなり下回っております。
 したがいまして、それらを総合的に見ますと、大和町の交差点のような大気汚染状況に相生町交差点はならないというふうに考えております。さらに、それでもシェルターをかけ、交差点に排気ガスが集中しないような工夫を今しているというところでございます。

○大西委員 これが進んでいってしまえば、完成した後に、いわゆる事後アセスというのがあると思うんですけれども、それはしっかりやっていくということなんでしょうね。
 それからもう一つは、今後工事を進めるに当たって、住民へのまだちゃんとした理解が得られていないというこの現状に対して、どういうふうな対応をとっていくおつもりでしょうか。

○阿部道路計画担当部長 先ほど来、公害審査会への調停申請ということで、まだ理解が得られていないというご指摘でございますけれども、私どもの方は先ほど、サンシティのD棟の皆さんを中心に説明会をやってきておりまして、サンシティの皆様方の大方の了解は得られていると私は理解しております。ただ、それでも出てくるというのは、環八の関係の守る会の皆さんが中心になって公害審査会の方に調停を申請しているということで、若干違うところがあるかなというふうに考えております。
 なお、これからの地元の皆様へのいろいろな説明につきましては、その都度、機会を逃すことなく、例えばシステム等が決まり、計画が固まり、そして工事の予定等もはっきりしてくれば、いつでも皆様方に説明をしようと思っておりますし、また、要請があれば、いつでも出向いて説明等をし、話し合いをしていくというつもりでおります。

○大西委員 アセスについては……。

○阿部道路計画担当部長 失礼しました。事後アセスの件でございますけれども、事後アセスにつきましては、東京都環境影響評価条例に基づきまして手続を進めてきております。当然、工事の完了後には、この条例に基づきまして事後調査を実施いたします。事後調査の実施後、その結果を踏まえまして、必要な項目が出てくれば、その都度適切に対応してまいります。

○大西委員 このアセスというのも、住民にとりましたら、すべての大きな工事区間だけのアセスでありますので、ある意味、交差点だけのアセスというものを求めるという声もあると思うんです。そういう意味では、こういうものも少しきめ細かに制度自体にもやっていかなければ、なかなかこういう大きな工事の住民合意ができないんじゃないかなというふうに思っております。
 私としましては、環境基準そのものが本当に大人も子どもも赤ん坊も一緒の中で決められているという中、子どもたち、それから赤ん坊への影響はどうなのかということを考えたときに、もっともっと環境--道路は必要だけれども、それじゃ、そのかわりにあらゆる環境への配慮をすべて試してみてやっていくということに対しては、貪欲になっていただきたいという思いがあります。そういう意味では、今回、公害審査会に今調停中であるので、その結果を待ってからでもいいんじゃないかなというふうに思っております。

○林田副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。

○河野委員 まず、百七十六号議案について意見を申し上げます。
 環状二号線地下トンネルがつくられる新橋・虎ノ門の再開発事業は、従前から居住している住民も引き続き住み続けられるまちづくりということで始められましたが、現状を見ると、当初の都の説明とはかなり違ってきています。
 三月の当委員会の中で小松委員が質問をいたしましたが、例えば借地権者で見ますと、平成十二年の数、八百六十一人、三年たった平成十五年には四百二十七人と半減しており、これらの人が、再開発事業が終わっても、もとの場所に帰ってくる保証はありません。都市再生緊急整備地域の指定による開発は、結局生活者が住み続けられないまちになっていくのではないでしょうか。
 また、財政面でも都の負担が大きく、都財政を圧迫することにつながります。いろいろな角度から考えて、都民のためのまちづくり、道路建設とは評価できないために、当議案に反対をいたします。
 次に、百七十七号議案について意見を述べます。
 環八相生交差点の陸橋工事は、長く粘り強い住民運動があります。環境対策について問題が多く残されており、現在住民の合意形成がない中での着工は中止すべきであると判断し、議案に反対の態度を表明いたします。
 以上です。

○大西委員 百七十七号議案、相生町の交差点事業につきましては、本当にこれまでの住民との協議の中で、都の説明云々も、いろいろ歩み寄った点も、ある意味評価している部分もあります。しかし、もう一歩、やはり環境への配慮ということが足りないということと、それから、今公害審査会に調停を申請中であるということを考えれば、今回のには賛成しかねるということを意見として申し上げます。

○林田副委員長 発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○林田副委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百八十五号議案から第百八十七号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○小磯委員 私は、東京都立小山内裏公園の指定管理者の指定について質問をいたします。
 この指定管理者制度といいますのは、昨年の地方自治法改正で創設をされ、九月から施行されております。公の施設の管理について、地方公共団体の指定を受けた指定管理者が管理を代行する制度であり、民間事業者等の参入を可能とし、住民サービスの向上と経費削減を図ることを目的としたものということでございますが、今回の小山内裏公園は、都立公園の第一号の指定管理者制度ということで大変注目をされていたんだ、こういうふうに思っております。
 また一方、この小山内裏公園というのは、町田市と八王子市にまたがった大変広大な四十六ヘクタールの敷地ということで、わき水もありますし、またオオタカの巣もあるということで、大変自然豊かな丘陵の公園であるというふうに認識をしている次第でございます。
 そこの指定管理者が今回指定されるわけでございますけれども、日比谷アメニスグループというところが指定管理者として選定されたわけであります。日比谷花壇がこの公園をいわゆる管理するんだということを聞きましたら、何か大変期待されるね、期待しちゃいますね、こういう意見がございました。
 本当にこの小山内裏公園が花いっぱいに花壇のようになるんじゃないか、そんなことを思っている方もおられるわけでございますが、まず、この日比谷アメニスグループが選定された理由についてお伺いをしたいと思います。

○内海公園管理担当部長 今回の指定管理者の選定に当たりましては、応募者が提出をいたしました事業計画書、これは事業計画の基本方針でございますとか、支出、人員計画等々でございますが、その内容を精査いたしまして団体の能力を検証するとともに、管理運営水準が確保されているか、また管理運営の効率化がなされているかというような観点から審査を行い選定したものでございます。
 日比谷アメニスグループは、グループ企業の技術やノウハウを生かした事業展開に創意工夫があり、管理運営水準がすぐれて確保されているという点を高く評価したものでございます。

○小磯委員 日比谷アメニスグループが出しました事業計画の内容についてお示しをいただけますでしょうか。

○内海公園管理担当部長 日比谷アメニスグループの事業計画の主な内容でございますけれども、第一に地域密着型公園として利用価値を高める管理運営、第二に自然体験教室、ガーデニングなどのセミナーや文化的活動の実施、第三に自然環境の保護、保全、第四に情報システムの活用による公園利用者へのサービス提供などでございます。

○小磯委員 今回の指定管理者制度のいわゆる公募でございますけれども、どういった業種から応募があったのか。そしてまた、応募者のうち日比谷アメニスグループの見積額、それとほかの応募者の見積額、その概要についてお示しいただきたいと思います。

○内海公園管理担当部長 今回の指定に当たりまして応募いただいた団体は十七団体でございます。応募者の重立った業種は、造園関係の民間業者の方が多うございました。
 日比谷アメニスグループの事業計画書における支出計画額でございますが、十六年度で七千二百万円、十七年度で八千六百万円、二カ年の合計で一億五千八百万円でございます。また、他の応募団体における二カ年の合計の支出計画額の中で、最も低い計画額をご提示いただきました方が一億三千八百万円、最も高い計画額のご提示がありましたものが二億九千九百万円でございまして、約二倍の開きがございます。

○小磯委員 最高額の二億九千九百万円というのは、かなりの高額だったという感じがいたしますけれども、日比谷アメニスグループの見積額について、東京都はどのように額については認識をしておられるか。それから、このグループへの評価と期待についてお聞かせいただきたいというふうに思います。

○内海公園管理担当部長 まず、見積額についての私どもの見解でございますけれども、日比谷アメニスグループの事業計画の内容を精査の上、費用と効果を比較考量し判断いたしますと、この支出計画の額は妥当な金額であるというふうに認識をしております。
 また、アメニスグループは、小山内裏公園における事業展開に新たな創意工夫が見られ、それを生かして公園利用者の多様なニーズにこたえ、質の高いサービスの提供ができるものと期待をしております。

○小磯委員 いわゆる都立公園などの場合は、これまでこういう委員会等の質疑において、この公園はこうすべきだ、ああすべきだ、このようないろいろな提言とか、また意見とか、我々議会の方からしていたわけでございますが、指定管理者制度になったと。決められた、いわゆる落札された予算がある、そういう中で、私どものこういった議会の提案、提言、意見、こういったものは今までどおりと変わらず反映するのかどうか、そのあたりの確認といいますか、また我々の意見をしっかり受けとめて対処していくというのは従来どおりであるのか、その辺を伺っておきたいと思います。

○内海公園管理担当部長 今回都立小山内裏公園に導入いたしました指定管理者制度は、公の施設の適正な管理を確保しながら、住民サービスの質の向上を図ろうとする制度でございます。最終的な管理権限は、施設の設置者として、私ども都の責務でございます。指定管理者による管理のもとにおきましても、従来どおり議会の先生方を初め、多くの方のさまざまなご意見をいただき、公園の管理運営に反映させてまいります。

○小磯委員 そういうことで、ここの議会での発言についてはしっかりと反映される、そういう認識のもとで、この小山内裏公園でございますけれども、関心を高めるために、一つは道路標識をしっかりと--新しい公園でございますので、また新しいまちのわきに新しい公園ができているということで、多摩ニュータウン通りの方には結構この標識があるんですけれども、例えば町田街道とか、またいわゆる通称とい道路といわれているところにおける道路標識がちょっと設置が少ないんじゃないかなというのが一つ。ですから、それを設置していただきたいということ。
 それからまた、多摩境駅が一番この公園に近いわけでございますが、その多摩境駅にこの案内板を設置してはどうか。また、東京都の広報紙はもちろんのこと、町田、多摩、八王子等の各市の広報にPRを掲載すべきではないか、そう思うわけでございますが、いかがでございましょう。

○内海公園管理担当部長 小山内裏公園への案内標識につきましては、これまでも多摩ニュータウン通りを中心に設置に努めてまいりました。先生ご指摘の箇所につきましては、引き続き道路管理者などの関係機関と協議をしながら、公園へのアクセスの充実に努めてまいります。
 また、地元市の広報の活用につきましては、公園内でイベントを開催するなど地元住民へのお知らせの手段として、町田市など各市へ広報が活用できるよう働きかけてまいります。

○小磯委員 以前小山内裏公園の中の谷戸において、小学校等の環境教育の一環として、小学生に田植えをやってもらったりした方がいいんじゃないか、そんなような提案もさせていただいたんでございますが、これについてはいかがでございましょうか。

○内海公園管理担当部長 ご指摘の水田の管理についてでございますけれども、公園内にはご案内のとおりオオタカが営巣しておりまして、それに配慮をいたしまして、この水田は八十平米という非常に狭い場所で、しかも、限られたボランティアの方々にお願いをしているところでございます。先生ご指摘のように、大勢の生徒さんがそこに集まるということになりますと、大変にぎやかな状態になりますので、オオタカへの悪い影響というようなことも懸念をされるわけでございまして、学校教育の場としてこの水田を利用するということは難しいというふうに考えております。

○小磯委員 オオタカが内裏公園から小山公園の方に移っちゃったんですかね。まあそんなのがありましたね。
 そうはいえ、この近隣の教育委員会、市の教育委員会等に呼びかけて、小中学校の遠足の場として活用したりとか、また、この小山相原区画整理事業地内には、本当に町田市の新しい小学校が、小山ヶ丘小学校が今建設中でございますし、また、育英高専ですか、これもまた間もなく開学ということになるわけでありまして、本当に内裏公園の近くにそういう学校ができますので、そういう学校とも積極的な連携をとって、この公園を親しいものにしてもらえれば、こう思いますが、いかがでございましょうか。

○内海公園管理担当部長 小中学校の児童生徒の皆さん方に公園を利用していただくということは、公園の利用の活性化やPRのために大きな効果があるというふうに考えてございます。小中学校に積極的に公園を利用していただけるよう、指定管理者から市の教育委員会や各学校へ働きかけていくとともに、また、新しく開校する学校に対しましても利用の促進や必要な連携をしてまいりたいと思います。

○小磯委員 今回建設局が思い出ベンチ事業というのをされまして、これは大変反響があった事業であるというふうに伺っております。都立公園、都立霊園に寄附者の名前入りベンチを設置する事業と。結婚、出産など心に残る人生の節目、野球大会優勝などの記念にベンチを寄附していただくことにより、多くの皆様に支えられた親しみやすい公園、霊園をつくることを目的としているということで、十五万円のベンチ、また二十万円のベンチというのがあるわけでありまして、記念プレートの文言も寄附する人が自分たちで考えて、この公園で出会い結婚しましたとか、そういうプレートをつけるということでございます。
 小山内裏公園はこの七月一日から開園でございますので、まだ小山内裏公園そのものに思い出がある人はいないんですけれども、その地域に思い出のある方はおられると思います。ただ、この申し込みを見ますと、丘陵地公園は対象外というふうになっているんでございますが、せっかくの小山内裏公園でございますので、丘陵地にふさわしい思い出ベンチなどの導入もすべきではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。

○内海公園管理担当部長 先生ご指摘の思い出ベンチは、現在、市街地にある公園を対象に実施しております。これは日比谷公園にそぐうような非常にモダンなデザインでございますので、丘陵地の公園は、現在対象にしてございません。
 丘陵地公園での実施につきましては、やはりその丘陵地にふさわしいようなベンチというようなことが必要でございますので、今後デザインに工夫を重ねるなど、導入に向けて検討してまいります。

○小磯委員 今丘陵地に合うようなベンチを考えていただけるということで--我々都会議員は寄附ができないもんですからね、このベンチ、寄附したくてもできないんで済みません。
 それで、公園協会が、ここの管理については、地元ボランティアを受け入れた都民協働で管理する予定だったというふうに聞いているわけでございますが、今回の日比谷アメニスグループは、地元ボランティアを受け入れた都民協働を行うのかどうかお伺いをしたいと思います。

○内海公園管理担当部長 日比谷アメニスグループは、地元ボランティア団体などと連携をいたしまして、公園内のさまざまな活動に取り組むとともに、公園での催し物を通じてボランティアの育成を図り、自然学習活動などを実施してまいります。

○小磯委員 たとえ民間企業であったとしても、地元のボランティアの方と一緒にやっていくということで安心をいたしました。
 ただ、今回いろいろな新聞等で、公園協会が入れなかった、アイデア勝負は民間に軍配が上がった、このような記事等もあるわけでございますが、今回の指定について、公園協会はどのように受けとめておられるのかお伺いしたいと思います。

○内海公園管理担当部長 公園協会が発行しております広報紙などを見ますと、指定管理者には従来の実績とは異なる新たな発想が求められており、今後の指定管理者制度導入に向けて総力を挙げて周知を集め、万全の準備をしていくというようなことが書かれてございます。
 なお、私どもは、公園協会は結果として今回選定されなかったわけでございますけれども、小山内裏公園の指定管理者としての能力は十分に持っているというふうに考えております。

○小磯委員 都立公園というのは五十六公園、また九庭園あるわけでございますが、ほかの都立公園の指定管理者制度の導入スケジュールがどうなるかということでございます。平成十七年度の夏に募集、平成十七年度の秋に事業者の選定、平成十七年度の四定で議決、平成十八年度導入というスケジュールである、そんなふうになるといわれているわけでございますけれども、そのスケジュールについての局の考え方についてお示しをいただきたい。
 それからまた、すべて民間参入がいいかどうかということを、またひとつよく考えていただければなというふうに思います。例えば恩賜公園でありますとか、また動物園などは、慎重に考えていかなければならないんではないかなと私は思っているわけでございますが、いかがでございましょう。

○内海公園管理担当部長 現在管理委託をしている公園につきましては、平成十八年四月に指定管理者制度に移行する予定でございまして、遅くとも平成十七年夏ごろから募集を行う必要があるというふうに考えております。
 今後、公園や動物園の特性を十分に考慮しながら、効果的、効率的な管理運営ができるよう指定管理者制度の導入の方策について検討してまいります。

○小磯委員 今回は一つの公園の指定管理者制度のいわゆる指定管理だったわけでございますが、都立公園五十六、それから九庭園については、公園の特性ごとに管理レベルを一定に保ち、効率的に管理する必要があるというふうに思っております。そういった意味で、公園のグループ化が必要と、グループに分けて、そして指定管理者制度の指定をするということが必要だ、こう思うわけでございますが、いかがでございましょうか。

○内海公園管理担当部長 既に開設をしております公園に効果的に指定管理者制度を導入するためには、公園の機能でございますとか、また地理的条件、そういったものを考慮して幾つかのグループに分けて、今度年度末までに検討してまいります。

○小磯委員 それから公園というのは、災害なんかがあった場合の避難場所として大変大事な施設であるというふうに思っております。災害時の、緊急発生があった場合の、そういったときの指定管理者の対応についてお伺いをしたいと思います。

○内海公園管理担当部長 災害時における公園管理者の対応は非常に重要でございます。指定管理者は、都の指示に基づきまして災害対策マニュアルを策定し、災害時の体制と指揮系統を確立するとともに、警察、消防など関係機関と連携して、災害時の緊急事態に対応いたします。

○小磯委員 今回の日比谷アメニスグループ、小山内裏公園が指定管理者のパイロットケースということであろうかと思います。そういった意味では、ここの指定管理者制度の七月一日からの開園、これをしっかりと日比谷アメニスグループにはやっていただいて、また、東京都としても、その事業の内容等についてはしっかりと見ていただいて、以後の公園、庭園についての指定管理者制度に反映をしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

○小松委員 私もこの小山内裏公園の指定管理者の指定について、何点か伺いたいと思いますが、その前に一点、通告していないんで申しわけないんで、もしお答えいただけなければ仕方ないんですけれども、第百八十五号議案の都道の路線の廃止、これは私、地元の東村山の問題でもありますので(「だめだよ。通告もしていないのにいきなりやっちゃ」と呼ぶ者あり)通告をしていなければだめだという規則をつくるんでしたら、それに従いますけれど。(「規則じゃない。常識でだめだ」「質問の中身によっては。賛成ならいいですよ」と呼ぶ者あり、笑声)冗談は抜きにいたしまして、大賛成でございます。この第百八十五号議案の都道の路線の廃止については、東村山駅の西側のほんの六十メートルぐらいのところを廃止するわけですけれども、この目的はこれから西口の開発に入るわけですけれども、ここでの市とのやりとり、経緯、そして、どのような形で、都に対してどういうふうに使うということをいわれていたのか、その点だけお伺いしておきたいと思います。

○須々木道路管理部長 都道の東村山停車場線でございますけれども、平成十三年四月に私どもの方から移管につきまして協議を持ちかけて、話を進めてきております。それで、この間、特に特別こうしてほしいとか、こういうことではなく、今回の開発の中できちんと整備していくということで合意に達しておるものでございます。

○小松委員 意見は、あす述べさせていただきたいと思います。
 それでは、小山内裏公園で、大分今質問が丁寧にやりとりされておりましたので、ダブらない部分だけさせていただきたいと思います。
 今回の契約が、これは平成でいうならば十八年三月までということで、あと一年九カ月なわけですね。ということで、これだけの間とりあえずは都が直営でやるとか、または今までやっている公園協会が受けるというような形で、この間の中で--まあ私どもは指定管理者制度そのものには反対ではございますが、都としてもその中で準備をするという、そういうことは考えられなかったんですか。

○内海公園管理担当部長 先生ご指摘のように、平成十八年四月からは、この小山内裏公園も含めまして、また新たに指定管理者を選定するということで、今回の期間は先生ご指摘のように一年と九カ月でございます。
 その間どうするかということを検討いたしましたけれども、私どもといたしましては、新たに開園する小山内裏公園につきましては、民間活力の活用により利用者サービスの向上を図るため、直営による管理ではなく、管理委託制度にかわり新たに設けられた指定管理者制度での対応が望ましいと判断したものでございます。

○小松委員 意見は異にしますので、それは後にしまして、都の考えはわかりましたけれど、一年九カ月なんて、とりあえずは都でやっておきなさいよというのは私、申し上げたいと思います。
 ただ、今回アメニスグループというところが契約できるようですけれども、今お聞きした範囲で、アメニスが非常に何かこれからすばらしい公園をつくるように、今の質疑のやりとりですと聞こえたんですけれども、このアメニスグループ、今まではどのような実績で--これは三団体が入っているようですね。その辺の団体の内容というのですか、お聞かせ願いたいと思います。

○内海公園管理担当部長 日比谷アメニスグループは四つの企業で構成されております。代表の株式会社日比谷アメニスは日比谷花壇系列の企業でございまして、もともと日比谷花壇の造園土木を担当している部門が分社化をしたところでございます。その日比谷アメニスの子会社でございます株式会社インテリアスケープは、アメニスグループの中で主に室内緑化を担当してございます。また、子会社であります株式会社エコルシステムは、日比谷グループの中のシステム関係の会社でございます。それに系列外ではございますけれども、日建総業株式会社、これは道路、公園の維持管理とか清掃業務なんかをやっておる会社でございますけれども、こういうものがそれぞれその企業の特質を出し合いまして、グループとして応募してきたものでございます。

○小松委員 そして、選定に当たってアメニスが見事(「当選」と呼ぶ者あり)当選というか、契約ができたというわけでございますが、このアメニスは、先ほど公園協会の広報によりますと、これからはもっともっと斬新的なものが求めれるということでしたけれども、アメニスグループが公園協会より高い評価を受けたそのポイントというのは、一番何だったんでしょうか。

○内海公園管理担当部長 日比谷アメニスグループの事業計画は、先ほどもご説明申し上げましたが、ノウハウを活用した業務展開に対する創意工夫の面がすぐれてございました。例えば、ガーデニングなどのセミナー開催でございますとか、NPO法人との連携、情報システムの活用によるサービスの提供、技術能力育成体制の充実といったようなものが評価されたものでございます。

○小松委員 そして、この七月から実際に管理するわけですけれども、そうしますと、指定管理者としての業務の範囲というのは、どのようになってくるのでしょうか。と同時に、都との役割分担というか、都が今後この指定管理者制度で管理される公園にどのようにかかわっていくのか、あわせてお伺いしたいと思います。

○内海公園管理担当部長 小山内裏公園におきます指定管理者の業務の範囲でございますけれども、公園施設の維持管理、使用受け付け及び案内業務などがございます。具体的には、公園管理所の運営でありますとか、園内施設の維持管理、動植物の保護保全業務、環境学習活動の企画調整、都民協働事業の企画運営などでございます。
 また、東京都との関係でございますが、先ほどもご説明申し上げましたが、施設設置者としての最終的な責任は都にございます。したがいまして、その都の責任を施設管理者は代行して行うということでございます。

○小松委員 そうしますと、今公園協会などが行っている管理のあり方と、それから今度はアメニスなどが管理するあり方の違い、そしてまた東京都との違いというのは、どういう形になってくるんでしょうか。

○内海公園管理担当部長 管理委託制度におきましても、民間活力の活用により公園利用者サービスの向上に努めてきたところでございます。今回の指定管理者制度の導入によりまして、指定管理者の持つ能力やノウハウを活用して、より一層のサービスの向上が期待できるというふうに考えております。

○小松委員 一層のということでしたけれども、気になるのは、事業計画が出ているからお尋ねしたいんですが、どのぐらいの人員配置をされようとしているのか、それをまず伺っておきたいと思います。

○内海公園管理担当部長 公園の管理運営業務として、公園利用者の接遇や利用指導、緊急時の対応などのため、公園管理所に適切な人員を配置するということになってございます。日比谷アメニスグループの事業計画では、常勤四名と非常勤三名の計七名を配置し、ローテーションにより週七日の管理運営を行います。

○小松委員 こういう公園においてよりサービスをということをやろうとしたら、やはり人的配置というのが非常に一つのポイントになってくると思うんですが、何をいっても民間業者ですから、これは営利を、利潤を追求しなければならない。そして、実際の管理の中で、例えば施設、備品だとか、資材だとか、そういうものは調達するのにそうお金は変わらないわけですから、結局は人件費に一番差が出てくるんではないか。
 ということは、いいものはできるんだけど、実際には働く人々が大変重労働になってくるんではないかという、その辺が大変心配されるんですが、その辺はどう思っていらっしゃいますか。

○内海公園管理担当部長 応募された団体の方々の事業計画書を見ましても、また、従来から私どもが管理を委託しております公園協会の実績等々と比較いたしましても、ただいま申し上げました日比谷アメニスの配置人員は相当な数字だというふうに考えてございます。

○小松委員 その辺の人件費、人的サービス、この辺ではやはり今後とも東京都が、これまでまるっきり知らないよという関係ではないわけですので、しっかり見ていっていただきたい。と申しますのは、公園協会の中でも私、何回か、公園問題については、公園協会で管理を担当されているところの働いていらっしゃる方々とお話ししたことがあるんですけれども、大変なんだと。だんだん都からのお金も少なくなってくるんだよということでは、できるだけ削るとなると、やはり自分たちも大変な労働の問題になってくるみたいなことをおっしゃっていました。だけど、まあこういう仕事が好きだからねということで頑張っておられる。やはりそういう好きだからということで頑張っておられる方々が、本当に無理のない形で、きちんと権利が保障されるという中で働いていただきたいなというふうに思うわけです。
 そこで、先ほど伺っていてちょっと気になったんですが、水田を利用するのがオオタカの営巣があるから難しいというお話がありましたが、一方では、近くにいっぱい学校がある、積極的にこの小中学校に活用してもらいたいんだということですね。小中学生がわあわあと来れば、それはもう何ていったってにぎやかになるわけですね。水田だけをやめてもそれは意味ないんであって、むしろオオタカの営巣を守るためには、どこの部分をどうすればいいのかということをきちんと保護しておいて、そして、水田の活用だってできるんじゃないかと思うんですけど、いかがなもんでしょうか。

○内海公園管理担当部長 小山内裏公園は全体で四十六ヘクタールという大変広い公園でございます。そのうちの約十七ヘクタール、約三七%ぐらいになりますけれども、これはサンクチュアリーと申しまして保護地域になっておりまして、どなたも入れないというような形で運営をしていくものでございます。
 オオタカはその中に営巣しておりまして、先生ご指摘のように、例えば周りの小中学校の方が遠足でパークセンターの方に来るというんであれば、これはもう相当場所が離れてございますので、それは心配がないものだというふうに考えてございます。

○小松委員 そうなんですよ。私もここをきちんと見たわけじゃないので、ちょっとその辺はいえないんですけれども、四十六ヘクタールのうち十七ヘクタール、サンクチュアリーがあるといえば、その中でオオタカが十分営巣を守れるというところでは、水田も活用の仕方でできるんじゃないかと。ぜひ子どもたちが楽しみにしている、こういうところだから水田と思うんだけれども、それもこれからはだめよというのでは、四十六ヘクタールもあるわけですから、ぜひこれは何とかならないのかというのがお願いです。
 それから、ボランティアも受け入れていくということで、今既にボランティアの方々が頑張っていらっしゃる部分、これはもうよろしくお願いしたいんですが、何かお話もし合ったということのようですが、具体的に今後ボランティアとの関係ではどういうふうにやっていらっしゃるおつもりでしょうか。

○内海公園管理担当部長 現在、小山内裏公園では既に二つのボランティア団体が活動してございます。指定管理者による管理が始まりましても、公園の管理運営方針に沿って、従来どおり都民との協働を積極的に推進してまいります。

○小松委員 小山内裏公園そのものについての意見はあした申し上げますけれども、やはりボランティアの方も今までどおり中で本当に気持ちよく活動ができるように、そして住民の方々が、また住民じゃない、外からもいっぱい、ここはこれから訪れると思います。よい公園であるためにやっていただきたいというふうに思います。意見はあした申し上げます。

○大西委員 都立小山内裏公園指定管理者制度について一つだけ確認させていただきたいんですが、今回公園協会はNPOとの連携で応募し、だめでしたけれども、かわりに日比谷アメニスがとって、そこも地域のボランティアとやっていくということで、だれもがこれからのこういう事業においては、NPOやボランティアとの協働というものがキーワードとしてあるのかなというのを認識しているんだというのを今感じたわけなんですけれども、前回のときも申し上げましたけれども、こういう公園事業において、障害者、特に知的障害者やいろいろな障害を持っている方、それから高齢者の方々、こういう人たちの職場として、公園事業というものは適しているんじゃないかなというふうに思っております。
 そういう人たちを雇用の中に入れていくには、NPOとの協働というのがまず欠かせないということもありますので、この指定管理者制度、今後六十四公園がそういうふうになっていくわけで、それはそれぞれの公園に適した制度がどうなるかということで今検討中ということなんですが、私が聞きたいのは、ボランティア団体やNPOなど、こういう地元団体との協働が必要であるということ自体は今だんだん認識されつつあるんですが、今後この公募に当たって、そういうところとの協働の基本的な考え方、都はどういうふうに思っていらっしゃるか、そこをお聞かせいただけますか。

○内海公園管理担当部長 都民との協働は、現在の公園事業を進める上で重要なテーマであるというふうに考えてございます。地元のボランティア団体やNPO法人との協働、連携によりまして、公園利用の活性化や地域と密着した公園の管理運営が期待できるというふうに考えております。

○大西委員 ぜひこれから、やるということは変わりはないと思うんですけれども、やはりその中に本当に障害者の部分、そういうところと関係しているNPOといかに協働していけるかということが今後の課題だと思いますので、その辺をぜひしっかりと取り組んでいただきたいということを要望して終わります。

○宮崎委員 第百八十六号議案、三名の方からお話がありましたが、私の方から、今回の小山内裏公園における指定管理の指定は、民間における公園管理の第一号の議案であります。これまで都が行ってきました施設管理のあり方を転換するもので、時代の変化を象徴する大きな改革であろうというふうに高い評価をいたしております。建設局は、道路、公園、河川の整備と管理を行っていますが、こうした大きな改革は、小峰東京都技監の強いリーダーシップがあったからこそ実現したのかなと私は思っております。
 都技監は昭和四十三年に都庁に入られました。ほぼ一貫して都市基盤の整備の仕事に携わってまいりました。ここ十年で建設局、近くは建設局で東京都の再生を図るため先頭に立って、多摩地域については、中央線の連続立体交差化事業や多摩都市モノレール、さらには南北の道路、基盤整備を進めるとともに、区部では、環状八号線や日暮里・舎人線、さらに汐留地域の土地区画整理や、先日皇太子殿下が視察された神田川環七地下調節池の整備などを推進してこられました。
 また、社会資本ストックが一層都民に親しまれ、便利なものとして活用されるようになってまいりました。民間活力の導入や規制緩和には積極的に今後とも取り組んでいただきたい。
 東京都の都市基盤整備のために日夜大変ご努力をいただきました小峰東京都技監に、東京のこれまでの成長を振り返りながら、都市基盤の整備や施設管理のあり方など、今後の都市再生に向けての見解をお伺いしておきたいと思います。

○小峰東京都技監 東京の成長を振り返りながら、今後の都市再生の道筋ということですが、今宮崎先生のご質問、ことしの秋に私、還暦になりますので、そのことに絡んでのご質問という、大変身に余るお話でございました。御礼申し上げます。
 お話にありました道路等都市基盤の整備の推進でございますが、これはひとえに都議の皆様の指導、支援のたまものというふうに考えております。大変感謝申し上げます。
 お話にありましたように、私、昭和四十三年に入都いたしましたが、ちょうどオリンピックを契機として、首都高速道路や、それから市街地の再開発などが大変活発に行われておりまして、その都市の建設のぐあいを見まして、私、魅せられて入都いたしました。
 道路を振り出しに、港湾、空港、漁港、鉄道、河川、公園、それから市街地整備などにかかわってまいりました。多くの職員の皆さんとともに仕事をしてまいりました。今日の都市基盤の整備、管理の一端を担ってくることができたというふうに思っています。入都以来、東京の都市建設に携われましたことを大変幸運に思っております。
 今回の本会議での質疑でもございましたけれども、東京は、例えば世界の大都市との競争に勝ち抜いていかなくてはいけませんし、これは大変グローバルな問題でございます。また、都民の生活環境の質の向上ということで、これは都民一人一人にかかわることで、地球規模の問題から本当の地域の一人一人の問題、そういったことにきちっと対応できるような首都東京の再生というのが必要だというふうに思っております
 そのためには、議会でも、本会議でも大分いろいろ議論されましたが、多くの困難な問題を解決しなくちゃいけないというふうに思っています。慢性的な交通渋滞、大気汚染、緑の減少などの環境問題、災害に脆弱な都市構造、老朽化の進む膨大な社会資本ストックなどがございます。さらに、急速に進んでおります技術革新への対応といったことも必要だというふうに思います。厳しい都財政下での財源確保、それから、今質疑の対象となってございますが、指定管理者制度の導入など都民、民間企業との協働、それから規制緩和、コスト縮減など、こういった課題を克服していかなくちゃいけないというふうに思っています。
 建設局といたしましては、職員が一丸となりまして、創意工夫をするなど持てる力を発揮し、一日も早く活力と魅力、そして品格のある東京の再生を実現していきたいと考えております。今後とも、都議会の皆様のお力添えをお願いいたしまして答弁とさせていただきます。

○宮崎委員 大変短い時間の中でのいろいろな思い出等を含めてお話をしていただきましたが、本日の委員会、明日の委員会、最終本会議で、何かうわさによりますと、都庁ご卒業というお話を承っておりますので、都市再生にご努力いただきましたことを心から感謝申し上げて質問を終わります。

○林田副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で建設局関係を終わります。
 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
午後三時八分休憩

午後三時二十一分開議

○林田副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百八十八号議案を議題とします。
 追加提出されました第百八十八号議案について、理事者の説明を求めます。

○小池環境局長 平成十六年第二回定例会に提出させていただきました環境局関連の案件の概要につきましてご説明申し上げます。
 お手元の平成十六年第二回都議会定例会提出案件の概要をごらんください。
 今回提出させていただきました案件は、条例案一件でございます。
 おめくりいただきまして、一ページをごらん願います。都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案についてでございます。
 これは、水質汚濁防止法に定める排水基準を定める省令の一部を改正する省令の改正に伴い、東京都における公共用水域に排出する汚水の硼素、弗素の排出基準に係る暫定基準を改めるものでございます。
 以上、今定例会に提出しております案件の概要につきまして、ご説明申し上げました。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○西野総務部長 それでは、条例案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 資料1、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案についてでございますが、一ページをお開き願います。
 改正の理由でございますけれども、ただいま局長が申し上げましたように、水質汚濁防止法に定める、排水基準を定める省令の一部を改正する省令の改正に伴いまして、東京都における公共用水域に排出する汚水の硼素、弗素の排出基準に係る暫定基準を改める必要があるためでございます。
 改正案の内容でございますが、第一に、附則第二項に定める排出基準の適用期限を省令の改正に合わせ、平成十九年六月三十日に改めるものでございます。
 第二に、附則別表を省令の改正に合わせ改めるものでございます。その内容を二ページから四ページにお示ししてございます。
 四ページをお開きください。条例の施行期日でございますが、平成十六年七月一日としております。
 五ページから九ページは本条例案、一〇ページから一八ページは新旧対照表でございます。
 以上で条例案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○林田副委員長 説明は終わりました。
 本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○いなば委員 これは我が党から意見書案が出ているわけでありますけれども、今回のいわゆる環境確保条例の改正に関して、硼素、弗素の暫定排出基準の見直しについて質問したいと思っております。
 日本の製造業は、すぐれた技術、技能を持つ中小企業に支えられまして、東京はその最大の集積地であります。例えばメッキ産業は、東京のハイテク産業を支える基盤であり、東京のものづくりを代表する重要な地場産業であります。しかし、メッキ産業には、水質汚濁、土壌汚染対策など環境への配慮が求められておりまして、その対応に苦しんでいるのが現況であります。
 環境省は、これまで硼素、弗素の暫定排出基準を設けてきましたけれども、今回その基準を見直すとともに、一部の業種については、暫定期間を三年の間再延長するとしております。環境省令をこの五月三十一日に告示したと聞き及んでおります。
 そこで、まず環境省令の改正内容について、改めて確認したいと思います。お示しいただきたいと思います。

○徳毛自然環境部長 環境省は、水質汚濁防止法の省令改正に当たりまして、業種ごとの排水の処理状況を確認しまして、現実的に適用可能な排水処理の基準となる見直しを行いました。
 その中で、メッキ業など一部の業種につきましては、硼素、弗素の排水処理技術が十分確立されていないことなどから、新たに暫定排出基準を定め、平成十九年六月三十日まで延長することとしております。
 先生ご指摘の電気メッキ業では、現行の硼素の暫定基準の七〇ミリグラム・パー・リットルが、七月一日から改正暫定基準で五〇ミリグラム・パー・リットルとなり、三年後の一律基準適用では、その値が一〇ミリグラム・パー・リットルとなります。
 弗素でも同様に、現在の七〇ミリグラム・パー・リットルから、改正暫定基準で五〇ミリグラム・パー・リットルとなり、三年後には八ミリグラム・パー・リットルへと移行することとしております。

○いなば委員 では、一律基準の適用による中小企業への影響ということでお聞きしたいんですけれども、環境省令の改正内容については、三年後の厳しい状況ということがわかりました。
 ところで、現在でも都内の中小事業者は排水の処理に相当苦慮していると聞いております。例えば東京のメッキ工場は、従業員十人以下の小規模なものが多いと思いますけれども、工場の面積も狭くて、排水処理施設の規模も限られたものになっているわけであります。
 さらに、処理の過程で発生するスラッジですか、これは産業廃棄物に該当するものでありますし、その処理コストが経営上の負担になっておるわけでありますけれども、今回改正された暫定排出基準、三年間の猶予が与えられていますけれども、問題は、その後に予定されている法の一律基準への移行だと思います。
 そこで、三年後に厳しい一律基準の適用が予定されていますけれども、現時点でこの基準を達成している事業所がどのぐらいあるのか、お伺いしたいと思います。

○徳毛自然環境部長 環境確保条例の対象となります河川等公共用水域に排水している事業所は、電気メッキ業の三事業所と電子部品製造業の一事業所の計四事業所でございます。
 一方、下水道法の対象となります公共下水道に排水している事業所のうち、例えばメッキ業の届け出件数につきましては二十三区で五百事業所を超えております。このうち硼素、弗素を使用しているメッキ事業所は、下水道局が行った平成十四年度の調査によりますと約二百あり、硼素では約九割、弗素では約七割の事業所が現時点で法の一律基準を達成しております。

○いなば委員 三年後の一律基準に向けて、都はどういうふうに対応していくのかをお伺いしたいと思うんですけれども、中小企業への影響はわかりましたけれども、しかし、問題なのは、答弁にもありましたように、今現在一律基準を達成できない事業所が存在するのが事実なわけであります。硼素では一割、弗素では三割にも上っている。弗素を使用するメッキ工場の三件に一件近くが、三年後に予定されている法の一律基準に対応できていない状況にある。
 メッキ業界も環境を守る責務があるのは当然のことですけれども、一方、この業界は、板橋にも多いわけですけれども、地場産業として東京の経済を支える重要な存在でもあるわけです。環境保全と中小企業の健全経営の両立は、我が党にとって重要な政策課題の一つにもなっております。
 しかし、このままでは、都内の重要な地場産業である中小のメッキ業にとっては、大変厳しい状況が今後予想されるわけでありまして、都は、排水規制を実施していますけれども、三年後の法の一律適用及び国の新たな規制強化の動きにどのように対応していくのか、最後にお伺いしたいと思います。

○徳毛自然環境部長 硼素、弗素の一律基準に対応するためには、排水処理方法の抜本的な改善等が必要となりますが、現在ある排水処理技術を中小の事業者に導入するには、多大な処理コストや発生する大量の汚泥の処分の問題がございます。
 そこで、中小事業者向けの低廉な排水処理技術の研究開発が求められますが、現時点では国の取り組みが進展しておらず、未開発の状況でございます。このため、都はこれまで独自に都立産業技術研究所で研究開発に取り組んでおり、硼素の代替剤となるメッキ液を開発しまして、現在その実用化に向けた研究を進めているところでございます。
 排水処理技術の研究開発につきましては、中央環境審議会の答申にもあるとおり、本来国が主体となって行うべきものであることから、今後国に対しまして、技術の早期開発及び実用化に努めるよう強く要求してまいります。

○河野委員 ただいまの質問に重なる部分もありますけれども、二、三お伺いしたいと思います。
 最初に、お話にありましたように、三年後、平成十九年から法による一律の基準値になっていくということが予定されていて、これはかなり厳しい規制になると伺っております。
 前回のときに、零細な経営体が多いメッキ業界などのことを考慮して暫定基準値を決めたわけなんですけれども、今お話にありました、こういう零細な事業者に対しての都としての支援策ということで、比較的低廉で簡易な処理技術とかいうことの開発も産技研中心に進められているということですが、具体的にどういう方法があって、どこまで開発が到達していっているのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

○徳毛自然環境部長 硼素、弗素の排水処理技術といたしましては、凝集沈殿法などがございます。しかし、これらの排水処理技術を中小の事業者に導入するには、多大な排水処理コスト及び発生する大量の汚泥の処分の問題がございます。
 中小企業向けの排水処理技術の研究開発につきましては、先ほどもご答弁しましたように、国の取り組みが進展していない状況にございます。このため、都では独自に都立産業技術研究所で研究開発に取り組んでおりますが、硼素の代替剤となるメッキ液を開発しまして、現在その実用化に向けた研究を進めているところでございます。
 排水処理技術の研究開発につきましては、本来国が主体となって行うべきものであることから、今後国に対しまして、早期の開発及び実用化に努めるよう強く要求してまいるつもりでございます。

○河野委員 一律法基準というんですか、この法基準値になっていくと、硼素や弗素が含まれている排水を流す場合に、海域に流す場合、そして河川に流す場合ということで、その基準値、定められている値が違うということも伺っておりますが、例えば葛飾区の小菅処理場なんかは河川に流すんだと思うんですね。
 やはり零細業者がたくさんいるそういうところで、よりきつい、海域に流す排水よりもきつい基準値が定められていくということになると、これは大きな影響になると思うんですが、どうして海と川とで流す場合の基準値が変わってくるのか、この辺のご説明をいただいておきたいと思います。

○徳毛自然環境部長 例えば硼素につきましては、自然界におきまして、河川の硼素の濃度レベルは低く、一般には硼素の環境基準の一ミリグラム・パー・リットルを下回っております。一方、海水中には硼素が比較的高濃度で存在するため、海域には硼素の環境基準が設定されておりません。
 まず、河川につきましては、環境基準を維持達成し、人為的な汚染を防止するため、硼素の排水基準は環境基準の十倍の一〇ミリグラム・パー・リットル以下に設定されております。一方、海域につきましては、環境基準が設定されておりませんが、人為的な汚染が進まないようにするため、硼素の排水基準を二三〇ミリグラム・パー・リットルに定めております。
 この基準の設定に当たりましては、主な排出源である石炭火力発電所や電気メッキ業等の排水濃度の実態、現時点で適用可能な硼素の排水処理技術レベル等を勘案して設定しております。

○河野委員 なかなか専門的な問題であれなんですけれども、一遍にはのみ込めない問題もあるんですが、いずれにいたしましても、やはり暫定基準値、そして今回、改正暫定基準値が考慮されたように、零細な業者の方には大変な問題だと思います。そして、この規制の中で、おっしゃった技術面での支援と合わせて、規制に合わせてどう対応していくかということで、当然必要な設備もかかるわけなので、こうした設備への資金的な面での支援も考慮しなくてはならないんではないかと思うんですが、東京都として、経営的に苦しい立場にある零細事業所への資金的な面での融資や助成制度についての方策については、考えておられるでしょうか。

○徳毛自然環境部長 中小企業者が排水設備の導入や設備改善等を行う場合には、東京都中小企業制度融資を利用することができます。
 なお、環境確保条例の対象となります河川等公共水域に排水しております事業所は現在四事業所で、このうち、改正暫定排水基準が適用されるメッキ事業所三社は、既に基準を達成しております。残る一事業所は電子部品製造業でございますが、現在、作業工程の改善や排水処理施設の改良に取り組んでいると聞いております。

○河野委員 わかりました。私たち、いろいろな方からお話も聞きました。そして、お話をずっとしておりますように、メッキ業などの零細経営の多い業界では、やはり今回、三年間、改正暫定基準値ということで、値が一定緩和されたものが設定されたことで非常に救われているというお話もありますが、これから先のことを考えると、業界だけの対応、力では難しいので、ぜひ東京都や国にいろんな意味で要望しておきたいということもおっしゃっておられました。
 資金面のお話、制度融資のこともございましたが、やはり規制に合った設備をする場合に、特別融資の制度をしていくこととか、助成制度を設けるとか、やむなく転廃業になった場合には、次の立ち上がりに向けての基金の制度も設けてほしいとか、いろいろなことが要望されておりますので、この機会にお伝えをしておきたいと思います。
 改定暫定基準値は十九年の六月三十日まで、三年後はもっと厳しい規制がかかっていくわけですから、そのときに向けて十分な対応をしていただくように求めまして、質問を終わります。

○大西委員 私も、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例について、お聞きしたいと思います。
 硼素、弗素というと、よく聞いているんですけれども、改めて、どういう用途で使われて、そして私たちの体にどのような健康被害が、影響があるのかということを、考えてみると何か知らないなと思っておりますので、その辺から教えていただけますか。

○徳毛自然環境部長 まず硼素ですが、ガラス原料や陶磁器の上薬に使用されるほか、硼酸として医薬品、メッキ用の薬品などとして使用されております。
 硼素による人の健康影響といたしましては、高濃度の摂取により、嘔吐、腹痛、下痢などを起こすとされております。
 弗素は、ガラス加工などに使われるほか、金属の研磨やステンレスの洗浄目的で使用されております。
 弗素による人の健康影響といたしましては、飲料として過剰な弗素の摂取により、歯に白い斑点ができる斑状歯を起こすとされております。

○大西委員 その硼素、弗素が平成十二年十二月に国の中央環境審議会で有害物質に指定され、その前年に環境基準が定められたと伺いましたが、これらの物質の環境基準は、どのような科学的根拠で定められていたのか。この環境基準は、硼素、弗素を人体が摂取した場合の安全基準としてとらえていいのか。ちょっと根本的なところなんですが、お聞きしたいと思います。

○徳毛自然環境部長 硼素の環境基準は一ミリグラム・パー・リットル、弗素の環境基準は〇・八ミリグラム・パー・リットルでございます。
 この環境基準は、動物実験等の科学的な方法によりまして、人に対して影響がないとされる一日当たりの最大限の摂取量を定めたものでございます。この基準は、飲料水の水質基準と同一でございまして、人が一生涯摂取しても健康に影響が出てこない安全な基準と考えているものでございます。

○大西委員 環境確保条例の対象業種となるのは、先ほどからのお尋ねですので、事業者数が四社あってということが聞かれておりまして、多分答弁が重なっちゃうと思うので、次に飛ばしたいと思っております。
 河川等における硼素、弗素の調査結果について聞きたいのですが、都は河川や地下水などの硼素、弗素の調査をいつから始めているんでしょうか。そしてまた、調査した結果、都内における河川の硼素、弗素の環境基準は達成しているのか、さらに、地下水の硼素、弗素の汚染状況はどのようになっているのか、ちょっと聞かせてくださいますか。

○徳毛自然環境部長 まず、環境基準の調査地点でございますが、公共水域及び地下水の硼素、弗素につきまして、平成十四年度は、河川で硼素に関しましては七十三地点、弗素に関しましては七十六地点で測定を行い、地下水についても七十一地点で硼素、弗素を測定しております。
 硼素、弗素の水質測定調査は平成十一年度から開始しており、平成十四年度までの間では、いずれの項目につきましても、すべての地点で環境基準を達成しております。

○大西委員 先ほど来の、今回の環境確保条例の中の対象業種の、四事業種しか対象事業はないわけですけれども、いただいた資料によりますと、その四事業種は、電子部品の製造業者が一種だけ、規定基準へ近づけていくために努力は必要なんですが、一応電気メッキ業者はそれをクリアしているというような、非常に良好な状況にあるわけなんですけれども、問題はここじゃなくて、下水道法による国の改正暫定排出基準と同様の規制の対象となっている事業者、これが非常に数も多く、問題があるんではないかなというふうに、この資料を見て思うんですけれども、このような都内の中小企業に対して、都はどのように対応するつもりなんでしょうか。

○徳毛自然環境部長 下水道局は、これまで硼素、弗素を排出する事業所に対しまして、水質の実態把握に努め、排水基準を超えるおそれのある事業所には、排水処理施設や作業工程の改善など、きめ細かい指導を行ってまいりました。
 しかし、硼素、弗素の一律基準に対応する現在の排水処理技術を中小の事業者に導入するには、多大な排水処理コストや発生する大量の汚泥の処分の問題がございます。
 都では、産業技術研究所におきまして、排水処理技術の開発や硼素を使用しないメッキ液の実用化に向けて研究中でございます。
 先ほどもご答弁しましたけれども、今後、国が主体となって、中小企業が導入可能な排水処理技術の研究開発を推進し実用化に努めるよう、改めて東京都として国に対して強く要求してまいります。

○大西委員 同じく資料によりますと、先ほど河野委員も疑問に思っていらしたんですが、一律排水基準、海域以外は一〇ミリグラム・パー・リットル、そして、海域にそのまま流す場合は二三〇ミリグラム・パー・リットルと非常に、二十倍以上も差があるというので、環境基準を設定していないので二三〇ということで、これっていいのと本当に素朴に疑問に感じてしまうんですけれども、その辺はどのように解釈すればいいんでしょうか。

○徳毛自然環境部長 先ほどご答弁しましたけれども、特に硼素につきましては、自然界におきまして河川の濃度レベルが低く、一般には硼素の環境基準一ミリグラム・パー・リットルを下回っております。
 一方、海水中には硼素が比較的高濃度で存在しておりまして、海域には環境基準が設定されておりません。そういうこともございまして、河川につきましては、排水基準は環境基準の十倍の一〇ミリグラム・パー・リットルで設定されておりまして、海域につきましては、環境基準が設定されていないということでございますが、人為的な汚染が進まないようにするために、二三〇ミリグラム・パー・リットルということで定めております。
 先ほどもご答弁しましたけれども、この基準の設定に当たりましては、主な排出源である石炭火力発電所や電気メッキ業等の排水濃度の実態、現時点での適用可能な硼素の処理技術レベルを勘案して設定をしておりまして、答申によりましても、この技術レベルがある程度高度化するというか、しましたら、また基準の見直しもあるというような、そういうことが答申ではいわれております。

○大西委員 では率直に、この海域の二三〇は、環境基準を設定しないのであれば、やっぱり環境基準は必要なんですよね。そういうことも含めて、今後東京都としては、国の方へ、どのような要求をしていくべきものがあるのか。また、都でこれに環境基準を必要であれば設けるなり、何らかの対策をとることがあるのであれば、どのようにやっていくのか。国と、みずからやる部分をちょっとお聞きしたいと思います。

○徳毛自然環境部長 先ほどからご答弁していますが、特にメッキ業など一部の業につきましては、硼素、弗素の排水処理技術が確立されておりません。そこで、新たな暫定基準を定めて、三年間延長するということにしたわけでございます。
 電気メッキ業につきましては、硼素の処理技術につきまして、現在、都立産業技術研究所で研究開発をしておりますけれども、また、本来、国が主体となって開発するべきだということが答申に書かれております。なかなか国の処理技術が進まないというのが現状でございますので、都としては、処理技術の開発を含めて、東京都もやりますけれども、国の方に強く処理技術の開発について今後要求していきたいと考えております。

○林田副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 ご異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○林田副委員長 次に、報告事項、東京都における実効性ある温暖化対策について、産業廃棄物の適正処理の徹底及び廃プラスチックの発生抑制・リサイクルの促進について、東京都環境白書二〇〇四について、平成十五年度予算の繰越しについて及び事務事業に対する質疑を、前回五月二十七日の委員会に引き続き、一括して行います。
 発言を願います。

○馬場委員 前回の委員会におきまして、私の質疑中に鈴木委員長が急に体調を崩されたために委員会が終了となりました。本日、ごあいさつを受け一安心いたしましたが、委員長の一日も早いご回復を願っているものでございます。
 本日は、前回の質疑で終了しております部分を簡単にまとめて、意見を述べさせていただきたいと存じます。
 質疑は、環境配慮を優先した都市づくりの推進、特に環境アセスメント制度が都民からの期待どおりに機能するものになっているかについてでございました。
 まず、法アセスメント制度において、住民の意見がどのように反映されていくのか、その仕組みを伺いました。続いて、住民が意見を述べる機会はできていますが、住民にとって、環境アセスメントでの情報がより身近になるような工夫についてお伺いをしました。最後に、今アセス対象になっています高速品川線の課題を例に挙げて、都アセスの状況と今後の対応についてお伺いをいたしました。
 ご答弁はそれぞれ受けまして、情報については、ホームページ、またアセス図書が住民にとってわかりやすいものになるように指導していくというご答弁、それから、中央環状品川線のアセス手続については、平成十六年三月二十九日に都民の意見を聞く会を開催し、四月には品川区長を初め関係区長の意見を提出していただき、審議会の審議を踏まえ、五月二十四日に知事の意見書を都市計画決定権者に送付した、環境局として、今後は工事の着手から完了までの間、都条例のアセスメント手続に基づく事後調査を実施させ、事業者に対して適切な指導を行っていくということでありました。
 このときも述べましたが、この品川線は、五反田という地域に重複をしてさまざまな問題点があるということを指摘させていただきました。品川線の出入り口、そして、巨大な換気塔ができるということ、そして、さらに工期が長い、十年の予定である、そういうことで、この都民の声ということでは、こうした状況に最大の都の配慮が欲しいというようなご意見がたくさん出されました。
 これを受けて、品川区でも、都に対して、環境影響評価準備書に対する意見ということで、かなり丁寧に住民の意見を反映した回答を出されております。
 それを受けて、都も環境局として、アセスとして、都知事に対して、この品川線に対する意見というもの、意見書を出されております。この中を見させていただきますと、総括的事項のところでも、計画路線周辺への環境影響が極力少なくなるよう考慮すべき、また、住民に対しての十分な説明、大気汚染については、換気所関連についてということで、ア、イ、ウ、エと、四つ項目を出して、品川の意見、そして、都民の意見を反映するものになっているというふうに私は読ませていただきました。削減技術の適用について検討すること、それから、窒素酸化物及び粒子状物質の排出濃度を明らかにすることなどなど、必要なことはここに盛り込まれているというふうに私は読み取らせていただきました。
 都は十四年にこの条例改正をして、都が策定する計画に対し、みずからということですが、立案段階に行う計画段階環境アセスメント制度の導入と、それから事業の後に行う事後調査、これを十分に行うという、アセスとしては国に先駆けて都が初めてということでしょうか、つくられたということで、大変期待をしております。
 そして、今回の環境白書、それから、その前にいただきました東京の環境等にもきちんと触れられておりまして、実効性の確保と今後の課題というところで、これからの都の姿勢というものをきちんと出していらっしゃいます。
 つきましては、今アセス、ちょうどこの問題に都民から大変不信感を持たれて、まだ解決しておりませんこの品川線につきまして、地下構造であること、そして、地域が大変広いという状況、先ほど大西委員さんからもありましたが、広い地域だけでなく、特定の場所、先ほどは大和町交差点、それから相生の交差点がありました。そういう広い中で一部問題のある、そんな場所についても、丁寧な調査をし、住民とともに十分な解決策をとるべきだというふうに考えております。
 そういう意味で、この品川線でアセスの制度が十分効果を発揮されて、都民の不安が取り越し苦労であったというような状況になることを願って、私の意見とさせていただきます。

○小松委員 私は、温暖化対策関連について、何点か質疑をさせていただきたいと思います。
 この問題については、既に何人もされ、また昨日、一昨日なども出てきた問題でありますが、最近の新聞紙上もよくにぎわしております。これは六月八日の新聞ですが、気象庁が七日に、このCO2など、温暖化ガス排出が高水準で続くと、あと百年近くですが、二一〇〇年には、埼玉県を中心に関東平野の広範囲で気温が三十五度を超え、明け方も二十五度を下らない熱帯夜が関東平野のほぼ全域に広がるというのが、読売や東京新聞など、出されております。
 先日の委員会でも、「デイ・アフター・トゥモロー」の映画の話がありましたけれども、決してこれが荒唐無稽な話ではないという、そして、温暖化がもたらす気候激変のシナリオが大変激論されているんだと、温暖化が氷河期招くなどというのが出ております。
 すなわち、先進工業国にこの温室効果ガスの削減目標を義務づけました京都議定書の採択から六年半たつわけですけれども、日本政府は二〇〇二年に京都議定書を批准し、一九九〇年度比六%削減を世界に約束したことは、もういうまでもありませんけれども、しかし、二酸化炭素の排出量、二〇〇二年が前年比二・二%ふえて、九〇年度比では七・六%を上回っていて、目標達成には一三・六%の削減が求められていると。ですから、この温暖化対策においては、決定的に国の役割が基本でありますが、しかし、この温暖化対策でも一番役割を持たなければならないのが首都の東京ではないかと思うわけですけれども、この東京の役割、まずどのように考えるでしょうか。

○百合都市地球環境部長 東京都の役割ということでございますけれども、ご指摘のとおり、温暖化は地球規模の問題でございまして、もとより国の役割は決定的に重要でございます。しかしながら、国は実効性ある政策をいまだに打ち出せないという状況にございます。
 東京はカナダ一国に匹敵する経済規模を有する大都市でございまして、エネルギーを大量に消費し、二酸化炭素、排熱など、大きな環境負荷を与えており、温暖化対策に率先して取り組む必要があると認識をしております。また、東京は熱汚染ともいうべきヒートアイランド現象が加わりまして、二つの温暖化という大都市特有の問題を抱えております。
 そこで、都は、二〇〇二年、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針を定めるとともに、温暖化対策計画書制度や建築物環境計画書制度など、国に先駆けた取り組みを行ってきたところでございます。
 今後とも、東京の地域特性を踏まえまして、自治体として独自の実効性の高い施策を展開して、国を動かしていくことが必要であると考えております。

○小松委員 そうですね。いつも知事もおっしゃっておりますが、とにかく国を動かしていく、そういう立場で今回諮問をされ答申を受けたということですが、それでは、この答申の結果による義務化に頼らないで六%減が実際にできるのかというのが、まず第一でございます。
 この東京都環境基本計画にもはっきりうたっております。二〇一〇年度には、平成二年度比でおおむね一五%程度増加することが予測されるから、平成二十二年度には、平成二年度比六%削減の目標を達成するためには、約二〇ポイントの削減が必要であるということを、これは具体的に数字でうたっていて、そこから出た東京都のかつての諮問であり、そして義務化であったはずですけれども、義務化がやられないで、六%削減できないのではないかというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回の答申で示されました制度は三つほどございますけれども、これは業務部門対策など、東京の特性を踏まえた実効性の高い対策であると考えておりまして、CO2の削減に極めて有効であると考えております。
 この実効性のある三つの制度を実施をいたしますとともに、ただいまお話のございました環境基本計画の削減目標を目指しまして、CO2排出量の増加が著しい運輸部門対策など、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針で示した六つの挑戦などに、総合的に取り組んでまいりたいと考えております。

○小松委員 今はそうおっしゃっているんですよね。でも、地球の温暖化ということでは全く変わらずに、徐々にゆっくりではあるが、悪い方向に今行っている。そういう中で、東京都が出したこの平成十四年三月の温暖化阻止東京作戦、百年後の地球と人類の存続をかけた東京都からの提案です。私はこれを初めて手にしたとき、ああ、東京都もやるじゃないという非常に感激を持って見たわけです。
 この中には五つの政策提案ということで、1から5まで、既に皆さんご存じのことと思いますので、あえてここで繰り返しませんが、CO2排出削減義務を導入とか、このパンフレットの中に義務づけとか、義務導入、義務化というような言葉がずらっと並んでおり、そして、国においてはということで、この実効性のある温室効果ガス抑制策は導入が先送りされているという指摘や批判が加わっているわけですね。大変すばらしい提案だったと思うんですが、そして、この立場で諮問をされたと思うんです。
 都は環境審議会にこの諮問を行った際、数値目標を定めたCO2排出削減義務の導入を検討ということでいたわけですけれども、にもかかわらず、答申では誘導的な手法に変わってしまった。これはどういうことでしょうか。

○百合都市地球環境部長 平成十四年に環境審議会へ諮問をしたわけですけれども、その時点におきましての問題意識といたしましては、一律の削減義務化という考え方があったことは事実でございます。
 これは同年、十四年に全国に先駆けて施行いたしました温暖化対策計画書制度での事業者の任意の取り組みということですけれども、これを集計したところが、削減目標が三年間で平均二%といった低いレベルにあったというようなことを踏まえまして、より実効性の高い制度とするためには、具体的な数値目標を定め、その達成を義務づける必要があると考えたということがございます。
 しかし、その後、対象事業者の実態調査を行ったところ、事業者における省エネ対策の取り組み状況は、既に削減努力がかなり進んでおり、削減余地の少ない事業者がある一方、取り組みがおくれ、努力次第で相当の削減が見込まれる事業者も多数あると、さまざまな状況でございました。また、さらに業務形態におきましても、IT関連ですとか外資系の業務ビルにつきましては二十四時間稼働されているところもあるなど、さまざまでございます。
 このような状況の中で、一律の削減義務を課すことは非常に難しいというところでございます。また、仮に一律に削減義務を課した場合、低いレベルに設定せざるを得ず、高い削減効果は期待できないという問題がございます。
 このために、答申では一律削減義務を課すのではなく、個々の事業者の削減努力を最大限引き出す制度とすることが実効性が上がるという基本的な考え方に基づきまして、制度の具体的な提言をいただいたということでございます。その具体的な内容につきましては、都は削減対策の具体的メニューですとか、その効果を示すガイドラインや、また評価基準を作成いたしまして、事業者はこれに基づいて、都の指導助言によりみずから削減目標を設定し、公表する。また、都は事業者の取り組みを評価、公表することによりまして、事業者が社会的に評価されるということで、より高い削減水準に誘導する仕組みとしたものでございます。
 なお、ご指摘の義務化という点でございますけれども、事業者はみずから目標を設定し、公表するなど、一連の手続につきましては、当然義務化ということになっております。

○小松委員 大変ご丁寧にご答弁いただいたわけですが、今のご答弁の中に、何点か気になる問題もあるわけですけれども、まず、実態調査ということをおっしゃっていますが、どういう調査を、どのような形でやられたのでしょうか。

○百合都市地球環境部長 この制度の対象事業者は、おおむね千社前後というふうに私どもは考えています。それはすべてまだ調査をできたということではございませんけれども、この諮問をした後に、まず百社程度サンプリング調査ということで、実際にどのような削減努力をしているか、また、どのような削減努力がされていないか。そういうところで、どの程度、ある程度の、例えば五年なら五年の改修期間で設備投資なり何なりをしたときに、どの程度の削減効果が見込めるかということを、事業所別に個々に調べたというところでございます。
 その結果、ただいま申し上げましたとおり、大変進んでいるという事業者もありますけれども、なかなか経営者の認識ですとか、削減に対する一つの手法論なり方法なりということについて余り知悉されていないために、ほとんど努力はされていなくて、努力すればかなり削減が進むと見込める事業者もあるということがわかったということでございます。

○小松委員 実態調査をされたからこうわかったということは、この段階では実態調査はなく、口だけ、机上で格好いいことをいってしまったということなんですか。

○百合都市地球環境部長 当然対策のために、東京都としては、全国に先駆けて、一つの制度として地球温暖化対策計画書制度ということで制度をつくりまして、事業者さんから任意の目標ではございますけれども、削減目標を提出していただいた。そこからが一つのスタートになっているところでございまして、当然その当時においては、自治体として、そういった調査をしているところもありませんし、国はやっていません。そういう意味では、非常に先駆的な取り組みがそのときに始まったということで、それは完全な形ではなかったということでございます。

○小松委員 いい過ぎたらごめんなさい。(笑声)私は、むしろこのパンフレットが非常によかったので感激していたんだけれども、その後にまたがたっと、実態調査をやってみたらこれは無理だったんだというお答えだったんで、東京都は一体何なんでしょうという率直な言葉をいってしまいました。
 それで、義務化が一律化だとできない、できないとおっしゃっていたんですけれども、義務化というのは何も一律にしなくてもいいんじゃないんですか。一律にしないと義務化ってできないものですか。

○百合都市地球環境部長 義務化と一言に申しましても、確かにいろんな手法がございます。今回、答申で提言されていますものは、一つの手続面における義務化ということは、はっきり明確になっております。
 ただ、目標設定、それから設定してそれを履行することを、一定の罰則をもって強制的に義務化するという場合に、別々に、個別のものを設定するということは非常に難しいということがございます。ある程度一律のものとして、例えば条例なりという形で決めざるを得ません。そういった条例手続作成上の手法等々もありまして、千社ある事業所に対して、一件一件、あなたはこれがその義務です、これが義務ですという形で、それを履行しない場合にはこういう形で罰則が適用されますという形は、制度としては非常に困難性が高いということでございます。

○小池環境局長 ただいまの説明、若干補足させていただきますが、義務化ということでのご質問でございますけれども、今回の答申の中身につきまして、前回ご説明申し上げたとおりなんですが、そこにも記載されておりますように、一律に決めることについては、先ほど来、なかなか難しい点があると申し上げたわけですね。では、どういうような点で、その最終的な目的は、それぞれの事業者が総量削減という形で、総量を削減するにはどういうふうにしてもらおうか、そのための手だてをどう考えるかということが焦点になったわけですね。
 そのときに、今までの計画は任意にそれぞれが、現行制度はあるんですけれども、任意の計画書を出して、そこから先は一歩も進まない。その結果が、いろいろ集計してみたら、今後三年間、二%程度にとどまったということで、じゃあもっと上げる手だてをどうするかということで議論されたわけですけれども、今回の中では、まず任意の形ではない、東京都が策定する対策指針、ガイドラインとかいっておりますけれども、それをまず東京都が作成します。それぞれいろんなメニューとかそういうことを用意いたしますので、それに基づいて作成してくださいと。それからまた、それと同時に、その対策指針の中には評価基準を用意いたします。つまり、あなたの取り組み状況はどういう形になって、どのレベルですよと、評価基準を用意いたします。そして、その評価基準をみずから行ったところに示してください、その結果については、東京都に報告すると同時に、それを世の中に公表してくださいと。そこまでは完全に義務づけているわけです。ですから、総量削減計画を策定して、自分が事業体としては総量を削減することは義務づけられているわけです。
 ただ、先ほど来申し上げましたように、数値量を、あなたの企業にとって一律に決めるのは非常に難しい。例えば百トンやりなさいというのは、かえって非常に不公平だし、これはなかなか実効性あるものにならないだろう。個別のことは、あとはそれだけに、事業者がみずからやりますけれども、今度は東京都が指導助言いたしますよ、東京都も、いただいたものについては、各事業者が評価していただいたものを世の中に全部明らかにしますよ、ですから、都民の方はそれを全部知る形になりますよという形にしているわけです。
 それは何かというと、公表という意味は何かといいますと、世の中が知るということは、企業の取り組みは、皆さん、社会的に評価していただきましょうと。ですから企業の中、今回の答申に、最終的な段階になりましたときに、世の中に発表すると、逆にいえば社会的公約になる、これは大変なことだ、こうおっしゃっている企業の方もいらっしゃいます。そのような中身を持っているということでご理解していただければと思います。

○小松委員 大変ご丁寧な突然の局長のご答弁、ありがとうございます。それを私は、全くそんなやり方だめなんだということでは--もう一歩、やっぱりこの諮問のときにありましたように、一定規模以上の事業所に対して、数値目標を定めたCO2排出削減義務の導入を検討する場合の基本的な考え方の中に、この対象事業所、削減義務量、実効性の担保措置など、これを整理する、このやり方をどうしていったらいいですかと諮問したんじゃなかったんでしょうかね。
 それが、いつの間にかこういうものじゃなくなって、そして、何を義務づけるかといったら、報告を義務づけるとか、そういう方向に行ったようですけれども、今局長や部長がいわれたやり方というのも、本当に一会社ずつやっていったら、大変なことになると思うんですよ。とするならば、それだけ労をかけるならば、やはり義務化というのが一定にあって、そのもとでそれぞれの会社のという、いってしまえば〇・一%の大企業で三割の大変な排出量があるというわけでしょう。特に東京はそういう事業部門が多いというわけですから、これはぜひ私、やっぱりお願いしたいと思うんですね。
 何かこれ、やりとりもっとしたいんだけれども、していると時間がないので、もう一つお聞きしてあれなんですけれども、そういうあり方で、やっぱりそこの対象事業とか、削減義務量とか、実効性の担保措置の、まさにこの部分での義務化を求めたいと思うんですが、これを求めていたにもかかわらず、途中で変わったというのは、これはまさに経団連など財界からの圧力があったんではないかということをいわれておりますけれども、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回の諮問に際しましては、実効性ある温暖化対策の推進という趣旨に即しまして、専門的な意見を可能な限り広く伺うということから、新たに産業界並びに学識経験者の方を委員として追加をしたわけです。経団連からの臨時委員の方をお願いいたしましたのは、温暖化対策はもとより経済活動と密接な関係にありますし、このために広く経済から事業所の現場の取り組みを踏まえた専門的な知見をお聞きしたいというためにお願いをしたものでございます。
 審議会におきましては、各委員による活発なご議論が十分交わされた上で、実効性のある制度として、今回の答申が取りまとめられたということでございます。

○小松委員 そうおっしゃいますけれども、具体的な新聞報道でも幾つかあるんですけれども、時間がありませんので、そんな幾つも出せません。例えば審議の過程で産業界から反発が強く、自主的に取り組む内容に後退している。これ、日経のことしの二月二十四日ですね。この近辺になりますと、読売なんかですと、産業界から強い反発が続いたためだとか、義務化に対し産業界出身委員から反対意見が相次いだ。結局、削減義務化を断念した。これらの報道、マスコミってしようがないなという受けとめ方ですか。

○百合都市地球環境部長 ご指摘の新聞記事は私も拝見をしております。その産業界の反発ということでございますけれども、経団連としては、自分たちの一つの自主行動計画というような形でやっているということは、審議会の中でもご意見としてございました。ただ、今回、それに対して、当初考えていたような義務化というような手法もやはり捨てるべきではないという議論も中でありました。
 私どもも、また、今回の調査に基づいたデータについてもお示しをした上で、最終的に審議会として実効性のある--この最終目標は、制度設計は、あくまでも実効性のある、削減効果の高い制度をどうするかということでございますから、それに沿った形で審議会の意見がまとまって、今回の答申になったということでございます。

○小松委員 いいですか。やはり今、経団連がまさにおっしゃっていた環境自主行動計画、この目標が産業部門及びエネルギー転換部門からの排出量を九〇年度レベル以下に抑制するよう努力するというもので、削減といえるものではないんですね。この委員を入れたということでは、最初からそういうものが、先が見えているじゃないですか。
 これ以上申し上げても、恐らくやりとりだけになると思いますので、それをただ私はしっかりと申し上げたいと思います。
 大体が、ディーゼル車対策では中小企業も含めて義務化を行ったわけですね。今回の制度の対象は、先ほども申し上げましたように、〇・一%の事業所で三割という大規模事業所がまずは対象です。ディーゼル問題も抱えながら、ディーゼル問題は一挙にやったから効果があるのであって、義務化しなければその効果は薄いと思うわけですが、このディーゼルと関連してお答えください。

○百合都市地球環境部長 ご指摘のように、ディーゼル車規制につきましては、義務化という形でございましたけれども、ディーゼル車は販売時期による排気、排ガスの規制値が明確でございまして、DPFですとか酸化触媒などといった特定の技術を持ち込むことによりまして、都が定める一定の基準を満たすことができることから、排ガスの一律低減が可能となったということでございます。
 一方、今回の私どものCO2削減につきましては、都の実態調査を踏まえますと、先ほど申し上げたとおり、さまざまな状況がございまして、一律に削減量を義務化するということが困難だということがわかったということでございます。
 したがって、都が事業者に対して助言指導するなどの誘導的な手法によって、高い水準を目指すということにしたということでございます。

○小松委員 こう薬と理屈はどこにでもくっつくということがありますから、やはり東京都がこうやって持ってきたからには、何としてもそれをいわなければならないということでは、私はやはりそれをお聞きしても、一律な義務化というのではなく、先ほどあれだけ細かい今後の指導をしていくならば、そこできちっと事業所に合わせた義務化が、一定のガイドラインをつくった上でできるのではないかということを、あくまで申し上げておきたいと思います。
 残念ながら、ちょっと先がありますので、今回はここで終えて--もう一点だけ。(発言する者あり)今のこれだけよ。申し上げたいのは、今後これをやっていく、この年度内にということがありましたけれども、このスケジュールだけちょっとお聞かせください。

○百合都市地球環境部長 スケジュールということでございますけれども、先ほど来ご説明しておりますガイドラインの作成、これが大変重要になってくるわけですけれども、その基礎資料とするための制度対象となる都内大規模事業所について、設備の保有状況ですとか、電気、ガス等のエネルギー消費量など、詳細な実態調査ですとか、また削減対策事例の収集などを今実施をしております。
 こういった調査結果を踏まえまして、年内を目途に実効性のある制度構築を進めていきたいというふうに思っております。

○小松委員 まだ今年度、また秋の事務事業の質疑の時間もありますので、その時間まで譲りたいと思いますが、どうしても今回お伺いしておきたかったのは、六月二日に中小テナントビルの省エネ対策について出されましたね、この補助制度。これにつきまして、お聞きしたいことをばばっと羅列してしまいますので、一挙にお願いしたいと思います。
 例えばこれの都内の対象事業がどのくらいあるのかということと、それから、対象事業、そして募集期間を見ますと、大変厳しいんではないか。
 といいますのは、例えばここですと、募集期間が平成十六年六月三日から七月二十六日までだと。きょう、この後五時ごろから説明会だというので、早く終わってほしいんでしょう。だから急ぎますけれども、これでは実際に、今本当にたまたまその準備があったというところは結構ですよ。そして、さらにこれは、実際にこの工事が済んでいなくてはならないということもあることから、これでは厳しいんじゃないかということと、それからまた、金額が二億円という、石油特別会計そのままですね。やはりこれだけいいことを、国がやるとしたら、東京都をとったんですから、都の上乗せなりができないのか。これは一千万の上限額で二億円ですから、二十社ということですね。ということになりますと、それ以上という数の問題、または額の問題、それができないのか。
 そして、こういうのは私も大変評価いたしますので、単年度事業でなく、次年度以降も続けるべきと思うんですが、いかがでしょう。全部一遍に申し上げます。

○百合都市地球環境部長 何点かにわたるご質問ですので、私も一遍にご答弁をさせていただきますけれども、まずこの中小テナントビル補助金の制度でございますけれども、これは、先ほど来お話のある省エネ対策を実施する際に、テナントとオーナーの関係、これがさまざまでございます。
 例えば、光熱水費をオーナーが負担するのかテナントが負担するのかといったような契約形態ですとか、さらには、いわゆる設備改修工事を実施する際に、工期の調整などでやはりテナントとの十分な協議が必要だと。こういった省エネ対策をテナントビルが進めるためには、必要なオーナーとテナントの協力体制が大変重要になってくるという視点から、中小のテナントビルに対して、こういった補助金の制度ができたという経過がございます。
 これは私どもが国の方へ、いわゆる今後のCO2削減対策を実施していく上で、テナントビルの対策が非常に課題が多いということで国に要請をさんざんしてまいりまして、やっとこれが石特会計という形で二億円という形でついたという経過がございます。
 そういった経過を踏まえて、私どももこの補助金の活用については十分目的に沿った形で、効率的に運用したいと思っていますけれども、まず一点目の件数ということですが、テナントビルだけを、東京都内のテナントビルがどれだけあるかという形で集計したデータは、残念ながらございませんでした。それに近いといいますか、データ的な話としては、総務局の統計資料によりますと、平成十五年の資料ですけれども、非木造家屋で、いわゆるテナントとおぼしき、用途としては事務所、店舗、百貨店というのもございますけれども、これらの非木造家屋での事務所、店舗、百貨店の合計棟数としては、約十一万七千棟ほどございます。
 一方、民間のデータでございますけれども、民間ビル協会という団体がございますが、ここでは都内の会員の所有ビルのデータがございました。ここでのデータを見ますと、今回、補助金の対象としております三千平方メートルから一万平方未満というビルの占める割合が約四割ございまして、二百七十八棟というふうな結果になっております。
 これらのデータに対しまして、今回の二十件という件数が多いか少ないかというご指摘がございましたけれども、これは私ども初めてモデルとして、モデル事例を収集するということで今回補助金がついたわけで、先ほど申し上げたとおり、有効に活用して、効率的な収集に努めたいというふうに思っております。
 募集期間の問題ですけれども、当然国の補助金ということもございまして、年度内、つまり三月までには補助金を支払わなきゃいけないという一つの枠がございます。その最終的な枠を順次さかのぼってまいりますと、例えば九月には着工して、一月には工事を終了し、その検査をしなきゃいけないとか、そういう日程上の都合がございまして、当然なるべく長く期間をとりたいところでございましたけれども、最終的には、七月二十六日までを募集の期間としたということでございます。
 ただし、この周知につきましては、おっしゃるとおり、六月の二日にこの募集についてのプレス発表をいたしておりまして、これは業界紙を含みます新聞各紙がほとんど取り上げております。そういったことで、また環境局といたしましても、ホームページに紹介をしております。先ほどお話もございましたけれども、きょうとあした二日間で、その手続の説明会を予定しておりまして、現在のところは、百件近い申し込みがあるということで、周知についてはおおむね十分なされているのではないかというふうに認識をしております。
 あと、この制度の継続の問題ですけれども、先ほど申し上げたとおり、これは都が提案した制度を国が予算化したという経緯もございますので、この予算額の拡充並びに継続的に都に補助がされるよう、今後とも国に働きかけていきたいと思っております。

○小松委員 今のは、ぜひ国に働きかけ、次年度以降もということで、都もそれ以上の上乗せなどを考えていただきたいと思います。
 本当はここで次の緑地保全対策に入るのでしたけれども、時間がないので、これは秋に譲ります。そして、最後に一言だけいわせていただいて終わります。
 これは昨日の一般質問の中で、都庁舎のライトアップ問題のやりとりがあって、知事は一日一万二千円ならやってみてよい、やってみようではないかと積極的な発言の一方で、環境的立場からの心配もということでありました。確かに都庁の夜のライトアップは、その及ぼす影響を考えなければ、見ただけでは圧巻だと思いますが、しかし、予算厳しい中での年間計算すると四百三十八万というよりは、温暖化対策の立場から、都庁は挙げて省エネを叫んでいるこのさなか、都庁舎のライトアップになるわけで、都民感情も含めて、慎重に対応することを求めるものです。
 以上です。
〔林田副委員長退席、小磯副委員長着席〕

○三原委員 それでは、ちょっと先日いろいろありましたから、私も頭の中を一遍整理し直さなくちゃいけないような状況で、十分な質問ができないかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
 私は、都会議員を十一年間ですけれども、そのうちの七年は建設・住宅委員会なものですから、建設局の方とやりとりするなら平常心でやれるんですけれども、環境局とやりとりする委員になろうとは夢にも思っておりませんでしたものですから、先日来の皆さん方のやりとりを聞いていて、大変アカデミックな議論もあるし、花火もあったり、ライトアップもあったり、カラスもあったり、実に幅広いお仕事だなと、こう感じながら聞いておりました。
 私も環境行政についてはちょっと一つだけ思い出がありまして、昭和五十五年の秋に、環境庁の大臣秘書官になったんですが、それまでは環境問題というと「成長の限界」とかいう本がバイブルのようになっていて、そのことがわかっていればいいという感じでしたけれども、昭和五十六年に地球規模の環境問題ということが初めて世に問われるようになりまして、政治家が地球規模の環境問題というようなことを口にするようになりました。
 それまでは、どなたかとはいいませんけれども、国会においても、当時の環境庁あるいは厚生省の方などがNOxとかSOxとかについて話していると、おい、ちょっと待て、靴下がどうしたんだ、こういうぐらいのレベルだったんですよ。しかし、今やNOx、SOxといっても、どなたも靴下と取り違えるような人は政治家の中にはいないでしょうし、それのみならず、地球規模においてどうかということを議論する、むしろそれがもう地方議会といわず、国会といわず、当たり前のようになっているということで、昭和五十六年から二十数年たって、国民挙げて環境問題に深い理解ができているということを改めて感激をしているわけであります。
 とはいいましても、申し上げたように、私は、環境局とやりとりをする委員になろうなんて思っていなかったものですから、果たしてそんなアカデミックな議論についていけるだろうか、こう思っています。ですけれども、できるだけ勉強して皆さん方と歯車がかみ合うように頑張ってみたいと思いますから、ぜひご指導いただきたいと思います。
 そこで一つだけ、先日来のこともありましたから、我々どなたも健康と、そして環境とというのを議論しているんですけれども、皆さん方の中に、幹部の方に医療職の方がおられないというのを、実は初めてわかったんですよ。私は当然、環境省なんかにも医官の人がおりますから、もちろん化学ご専門の方も何人もおられたりして、その中で医療職の方がおられて、環境ホルモンの問題とか、大気、ぜんそく、そういったようなことを議論するときに、医療職の方が管理職でおられて、答弁に立たれるというようなことは、僕は大変価値のあることだと思います。
 ですから、これはひとつこれから先、環境局を挙げて、医官の職があってもいい、医療職の方のポストがあってもいいというご要望をされるべきだと思いますし、ひとつ局長さんや総務部長さんは人事に携わられるとき、総務局の人事部にそのようなご要望をされるべきではないか、こう思いますから、答弁は要りませんけれども、ぜひ参考にしていただきたい、こう思います。
 さて、本題に入りまして、昨年十月一日から、環境局の大変なご尽力で、ディーゼル自動車の排ガス規制が行われました。その十月一日に至るまでの間、私も非公式の場で、皆さん方にかなりいろいろのことを申し上げて、大変失礼だったことがありますけれども、しかし私は、ディーゼル自動車の排ガス規制をやることは大変いいことだと基本的に認識をしています。ただ、やる段取りといいますか、手順というか、そういうものが皆さん方の机の上の議論と実際に現場で対応しなければならない人たちとの間にギャップがあっては、どちらかがつらい思いをしなくちゃいけない。したがって、ぜひ同じ土俵、同じ立場、同じ考えで、一緒に大気をきれいにしていくんだという気持ちでやってもらいたい、こう思ったものですから、いろんな席で申し上げてきたわけです。
 しかし、実施しましてから約七、八カ月ですか、その間に新聞報道等では大変空気がきれいになったというようなことをいわれておりますし、ことしの春の花粉症が少なかったのも、そういうことも影響しているんではないかというような大変いい評価もしているわけです。
 そこで、ちょっと今までの本会議の質問や何かと重複するかもしれませんが、現時点で、最近の測定値のようなものがありましたら、お示しをしていただきたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 大変厳しい経営環境の中で、多くの事業者の方々の理解と協力によりまして、規制への対応が進み、確実に粒子状物質の削減が図られております。幹線道路沿いに設置した自動車排出ガス測定局におきましては、気象であるとか、あるいはディーゼル車以外の発生源からも影響を受けますけれども、浮遊粒子状物質の濃度は、規制が開始された昨年十月以降の六カ月間で見ますと、前年同期と比べまして一三%改善しております。

○三原委員 大変結構なことでございます。今一三%という数字が出ましたけれども、いろんな数値によっては、三割、四割減っているというような評価をされているところもあります。これは都民にとって大変いいことであるということは間違いありません。そのことは、第一線でご苦労なさった環境局の皆さんを私は高く評価をしたい、こう思います。
 高く評価はいたしますが、同時に、十月一日というタイムリミットもありまして、かなり強行突破のような感じがあったなという部分もないわけではありません。私どもが昨年の七月の時点でお話を聞いたぐらいのところでも、まだかなり大量の措置できていない車があるというような状況がありまして、あとわずか二カ月ぐらいでできるんですかというようなことを、本当に口角泡を飛ばして議論をせざるを得ないというようなこともありました。
 結果として、十月一日を起点に、未措置の車については措置をするという確認書のようなものを出すというようなことでしのがれましたけれども、これは十月一日をもって実施すると決断をするのと、来年の一月一日からやりますよというのを決断するのと、結果は同じですね、我々から見ると。
 ですから、実施は十月一日ですけれども、できなかったものは経過措置で認めますよ、こういうのと、三カ月実施をおくらせますから、その間に絶対にやってくださいよというのと、結果は同じなので、ただ、それは見る立場が違いますから、我々は、やや強行突破だったなというふうに思わざるを得ないんですが、そこで、どうであれ、十月一日以降、規制対象車がまちを走っているわけですが、現時点で、全部措置が終わっておるだろうかなというのがちょっと心配なわけです。
 そこで、十月一日に規制を開始した時点で未措置であった車がどれぐらいか、ごく最近のデータで未措置の、まだ措置ができていない車がどれぐらいあるのか、それが繰越明許の提示されている金額や何かで、事故繰越、こういうものと絡んでいると思うんですが、ちょっとそれを教えてください。

○山本自動車公害対策部長 今のご答弁に入る前に、先ほど粒子状物質の削減のところで一点ちょっと落としましたので、追加で説明をさせていただきます。
 粒子状物質の削減につきましては、規制開始後、環境科学研究所の方で、気象などの影響を受けない自動車専用の擁壁トンネルにおいて、ディーゼル車に由来するカーボンや発がん性物質の濃度を測定いたしまして、規制開始前のデータと比較したところ、カーボンにつきましては四九%、発がん性物質につきましては最大五八%の低減が見られているということを、ちょっとつけ加えさせていただきます。
 次に、ただいまのお話にありました昨年の十月の時点というような規制の状況でございますけれども、自動車登録データによりますと、都内の規制対象車両は、平成十四年三月末の時点で二十万二千台でございました。それが規制開始前までにその八割に当たる十五万八千台がPM減少装置の装着であるとか、あるいは新車への買いかえ等による対応を図っております。
 ことし三月末時点の対応状況について、今調査をしていますけれども、二月末の時点ということになりますと、全体の九割を超える十八万五千台が対応しておりまして、残りの一万七千台、これが現在、未対応車両ということになっております。

○三原委員 二月末で一万七千台、三月、四月、五月と来ましたから、現時点ではかなり処置が終わっているかなという気はいたしますが、それでもきっとあるんでしょう。それはかなりそれなりの事情があるというところが、我々も含めて、環境局も考えなきゃいけないところだと思うんですけれども、事故繰越が十一億四千万余円あって、これがいわゆるDPFをつけるときの補助金等を繰り越したものだと、こういうふうに私は理解をしていますけれども、そういういまだにどうしてもつけられない、またはつけない、そういう業界の事情というのをどういうふうに理解をしておられますか。事情を把握しておられますか。

○山本自動車公害対策部長 事故繰越となりました十一億の実際の装置の台数は五千七百台ほどでございますけれども、既にそのうちの四千台ぐらいは装着が終わっております。ただ、実際の補助金を支出する手続が若干おくれているということで、こういった事故繰越が生じているという状況でございます。
 こういった装置がまだ未装着な状況にある事業者の状況ということでございますけれども、なかなかこれはそれぞれのやはり経営の事情があるかと思いますけれども、私どもでは、かねてからできるだけ規制に対応していただくように働きかけてきておりまして、そういったいろんな事情がございますけれども、今後とも引き続き対応していただくということを、いろんな形で働きかけていくことにしております。

○三原委員 今いみじくもご説明の中でも出ましたけれども、装着はかなり終わっているんだけれども、補助金の交付が手続上おくれている、こういうことです。実はそこのところが一番問題でもあるわけで、自動払い出し機じゃないですから、申請書を入れたら下からお金が出てくる、そういうものではないことはわかっていますけれども、トラック業者さんは補助金をもらわずに、先に取りつけ費用を全部払って、同時に、取りつけましたよという証明書をつけて申請をするということになるから、実際にお金が出てくるのには日にちがかかる、こういうことだろうと思うんですね。したがって、では補助金が出るまで、どれぐらいの期間がかかっていますか。

○中島参事 ただいま理事お話しのように、PM減少装置の補助金につきましては、装置装着後、事業者に実績報告書を提出していただいてから、装置装着証明書や請求書等の内容を審査し、その後、出納機関を経て指定の口座に振り込まれることになります。
 報告書を提出していただく時期にもよりますけれども、平均的には一カ月ないし一カ月半程度要しております。

○三原委員 わかりました。三十日から四十五日ぐらいかかる、こういうことのようです。皆さん方から見ると、極めて順調に、できるだけ早く処理をしてあげているというお気持ちだと思うんですけれども、私は経営者になったことはないので偉そうにはいえませんけれども、実は三十日とか四十日とかいう日にちは、月末などをまたぐと、経営者にとっては大変な、重要なことなわけですね。月末で決済しなきゃいけない、しかし、その前に払うものを払っていれば、その分のお金が月末に足らないわけですから、本当は補助金が入っていれば決済に間に合うのになというようなことが、私は中小零細の経営者の方には必ずある、こう思うんです。
 したがって、三十日ないし四十五日ぐらいの期間が短いと見るか、経営者の立場から、これは月をまたいだりすると大変なんだよというふうに見るかは、まさに都民の目線で行政ができるかどうかというふうにかかっていると思いますから、私も三十日ないし四十五日が長いのか短いのか、ここで議論するつもりはありませんが、ぜひそういう観点に立って、たとえ三十という日にちであっても見ていただきたいなと思いますし、これはたしかどなたかの質問が前にあったように記憶しているんですが、例えば装置を取りつけて、全部装置の代金から、取りつけ手数料から含めて払いますけれども、トラック業者さんの方が自分のところで払うべきものだけ払って、補助金はDPFの業者さんとか整備工場がかわりに受け取ってくださいよといえば、仮に百万円支払うべきところが五十万とか六十万で済むということもあるわけで、むしろそういうふうにしてあげた方が、トラック業者さんにとっては親切だったかなとは思うんですね。
 ただ、かわりにもらうDPFの装置屋さんとか取りつけ業者さんとかは何日か待たされるから、同じ負担がかかるじゃないかという理屈は再び出てきますけれども、それでも私は、トラック業者さんは、基本的にトラック業者さんが悪いことをしたために今回の規制が入ったわけではないですから、そういう意味でできるだけ配慮するとすれば、全額払った後に報告書を出すのではなくて、必要な部分だけのお金を払って、補助金は代理業者が受け取るというやり方の方がよかったのではないか。そうすべきではないかという意見が従前、議員側からもあったように私は承知していますけれども、その辺はどうでしょうか。

○中島参事 ただいま理事ご指摘のような事業者からの声がありまして、そうした声にこたえるべく、平成十四年度において、整備工場が直接補助金を受け取る方式について検討いたしました。平成十五年度からは、事業者が装置装着の際、整備工場と代理受領の契約を結ぶことで、費用の全額ではなく、補助金を差し引いた資金手当てで済む仕組みを整えました。この間、四十社、百八台分が代理受領されておりまして、多少とも資金繰りの一助になったと考えております。

○三原委員 わかりました。いいことを考えていただいたんですけれども、百八台しか利用していないというのは、PRが足らなかったのか、その方が手続が余計面倒だったのか、ちょっとよくわかりませんが、本来はこういうこともしっかり我々も含めて、よく承知をしておくべきだったなと思います。これからどういうことがあるかわかりませんが、もしそういう、都が補助金を出して何かやるというようなときには、ぜひこういうことも中小企業対策の一環として考えていただきたいと思います。
 そこで、私はそういうことも含めて、トラック業者さんや何かに対する皆さん方のご配慮が少し足らないのではないかという部分を、今までも何度か非公式の場で申し上げてきました。たまたま私が紹介議員になっているので、手前みそになってしまいますけれども、トラック業者さんの有志から、昨年請願が出されました。これは環境問題は国と国民全体の問題であり、その解決コストが少数の業界等の極端な負担となることは不平等である、本条例にかかわる費用を荷主、メーカー等へ分散するような行政指導の実施が必要であるが、そうしてもらえないかという請願だったわけです。
 その請願が趣旨採択されて、せんだって処理経過報告みたいなものが出されましたが、そこで環境局さんの方は、ディーゼル車メーカーに対して、業者の負担軽減に特段の配慮をしなさい、つまり、これは買いかえや何かに当たって、自動車メーカーさんが負担の軽減について配慮をしなさいよと、こういうことをやっていますと。それから、ディーゼル車メーカーとかPM減少装置メーカーから、価格の動向について事情を聴取して、事業者の負担軽減に配慮するように対応しております、こういうふうに書いてあるんです。
 そのこともやっていただいて重要なんですが、請願の中に、荷主さんもこういった費用の分担をしてもらうべきだという趣旨のことがうたってあって、そのことは局側もご理解していただいていると思うんですが、つまりそれは、トラック業者さんは自己資金を持ち出してDPFをつけざるを得ない。満額補助じゃありませんよね。都の補助、国の補助、トラック協会の団体の補助というのはありますけれども、それは満額補助じゃないですから、足らない部分は業者が持ち出す。
 それは五台とか十台の方は余り負担じゃないと皆さんは思われるかもしれませんが、もし二十台、三十台、あるいは五十台持っている業者さんから見ると、大半が該当するとなると、たちまち何千万というお金になるわけでして、そういうことを考えますと、その分を自分のところの今までの蓄えでちゃっと処理できれば問題ありませんが、借り入れたり何かしてやるということになると、経営に大変負担がかかります。そこで、荷主さん、済みませんが、そういう事情があって少し運賃を値上げさせていただけませんかということをいいたいけれども、そんなことをいっていけば、おまえのところを雇わなくても、ほかで安くやるのがあるから、よその運送屋に運送させるよといわれちゃえば、仕事がなくなっちゃいますから、いいたくてもいえないんです。
 だけど、これは環境局のご指導でそういうDPF装置なんかをつけるためにお金を出して、それをできるだけみんなで公平に負担しましょうよという建前なんですから、荷主さんにもそういうことをいってくださいよという趣旨の請願だったはずなんです。けれども、処理経過の報告では、荷主さんにそういうことについて話をしたということは一行も入っていないんですが、その辺はいかがですか。

○山本自動車公害対策部長 お話にもございましたけれども、自動車メーカーや装置メーカーに対しましては、昨年来、積極的に協議を行っておりまして、事業者が厳しい経営環境の中で努力している実情を伝えながら、新車への買いかえや装置装着に当たっては、事業者の負担軽減に十分配慮するよう要請してまいりました。
 あわせて、都は、販売価格の動向についても把握に努めております。都の融資あっせんにおける見積もり資料におきましては、新車販売の値引き率は二〇%台後半から三〇%台前半で推移しており、また、装置装着補助の実績でも、販売価格は同水準または若干の低下傾向となっております。
 また、荷主に対しましては、この間、装置の供給のおくれ等で対応が間に合わない事業者に対しまして、配送や工事等の契約で事情に配慮した取り扱いを行うように周知徹底に努めてきております。
 運賃の問題につきましては、何というか、独占禁止法との関係もありまして、直接働きかけることが難しい状況にございます。したがいまして、私どもとしては、先ほどお話ししたような配送とか工事の契約等で、極力不利益を受けないという点で、事情に配慮した取り扱いを求めてきたところでございます。
 なお、本年四月からは、独占禁止法によりまして、荷主が物品の運送を委託する場合、一方的な値下げ要請等の不公正取引が禁止されたというような状況にございます。

○三原委員 独禁法のことまでいわれちゃうと、それはいいようがないんですけれども、ただ皆さん方は事前の段階で、DPFを装置したりしてちゃんとした車にしない未措置車は使わないでくださいよと、一生懸命荷主団体さんのところを歩いたんだよね。記録にもいただいていますよ。全国百の荷主団体に対し要請をした。そのうち、二十四団体には説明会を実施した。要するに、皆さん方の規則を守らせるためには、荷主も動かしているんですよ。荷主が、おまえ、DPF装置をつけていないような車は使わないからなといいなさいよといっているんだから。
 だったら、それが独禁法とどう絡むかは、私は専門家でないからわかりませんけれども、現実に自腹を切って装置をつけざるを得なかったトラック業者さんは、荷主さんから賃料を上げてもらって努力するしかないんですよ。だけど、それは何も倍にしろとか、そういうことではありません。しかし、そういう要請が来るだろうから、そのときはこういう経過で措置をしたんだから、よく相談に乗ってやってくれよというぐらいのことは皆さん方から発言があっても、それで独禁法で問題になるなんて、それはそっちの方が問題だと思いますよ。
 もともとこのDPF装置をつける云々は、トラック業者さんには、運送業者さんには何も責任ないんだから。それは国がメーカーを指導しないんだから一番いけないんで、知事流にいえば、国がけしからぬ、こういうことですよ。けれども、トラック業者さんは定められたとおりに、定められたようにやっているだけで、何もそんな不正があるわけじゃないですから、そういうことを考えると、皆さん方の規則を守らせるためには、こういうふうに百の荷主団体にまでアプローチをして徹底を図っているなら、この百の荷主団体に対して、そういうふうに個々のトラック業者さんが何かいうときには、ちゃんと聞いてやれよというぐらいの姿勢は、私は、当然あるべきだと思いますよ。
 だけれども、それは今ごろいったって遅いのかもしれませんが、まだまだその自己負担したお金を何とか回収しなければと努力をしていることは事実ですから、ぜひそういうことを皆さん方は肝に銘じておいてもらって、これからいろんな措置を講じていってもらいたい、こう思います。
 そこでもう一つ、じゃあそれがどういうふうにトラック業者さんの経営に圧迫が来ているかということをずばり書いた印刷物がありますからね。これは皆さん方のOBですよ。都庁のOBの方が、これらのトラック運送業界の内容はほとんどが小企業である、経済不況による貨物運送量の減少、荷主企業による相次ぐ運賃切り下げ等、極めて厳しい経営を強いられている中、昨年十月から始まった東京都環境確保条例、もう一つ、自動車NOx・PM法もありますが、による自動車排ガス規制は、経営悪化に追い打ちをかけるものとなった、環境コストはみんなで公平に負担すべきものとの行政のかけ声も、荷主企業、生活者の値下げ要請の声にかき消されている--これは皆さん方のOBが書いているんでしょう。
 だから、私が思いつきでいっているんじゃないの。現に皆さん方の先輩でも、トラック業界をよく見ている人は、こういうふうにちゃんと公の文書に書いているんですから、皆さん方がおやりになったことは、結果は大変すばらしいけれども、そのプロセスに幾らか問題があったんじゃないのということを、あえて私はここで申し上げておきたいわけです。まだ今からだってそういう荷主さんに働きかけをすることが間に合わないわけじゃありませんから、そういう相談があればしっかり相談に乗ってやってくれよという局のご意向が働いてもいい、こう私は思っているんです。これはあえて答弁を求めません。
 そこで、昨日の本会議の一般質問でも、我が党の佐藤議員さんが、「ディーゼルこそが、地球を救う」という本を見せながら質問をしておられましたけれども、まさにヨーロッパでは乗用車を中心に、ディーゼル自動車がむしろ地球のために優しい車だといわれているということが書いてあります。私もこの本をもっと早い時期に買って読ませていただきました。
 そこで、たまたまこれまたある新聞の報道によると、東京都の環境審議会が温暖化対策の答申をこの間、出され、我々も説明を受けましたが、その中でディーゼル自動車をどう扱っていくべきか。もちろんトラックについてはいろいろ問題がありますが、ディーゼル自動車については、乗用車についてはどう扱っていくべきか、あるいはまた将来のディーゼル自動車はどうあるべきかというようなことについての議論がほとんどされていないのではないかというふうに、某新聞が報道していました。温暖化対策の答申、私も精密に読ませてもらったわけではありませんが、確かに拝見した範囲内では、ディーゼル自動車については触れておられないような気がいたしました。
 もちろんヨーロッパとはまちの形態とか、道路の形態とか、生活習慣とか、皆違いますから、ヨーロッパイコールすぐ東京とかいう議論にならないんですけれども、ただ、ディーゼル自動車そのものについての評価は正しくしていかなきゃいけない。そのことは、佐藤議員が一般質問で申し上げたとおりですけれども、温暖化対策の答申にはそういうことが余り出てこないなという気が私もしましたので、あえてそこを伺いたいと思います。いかがでしょう。

○梶原企画担当部長 審議会の事務局を務めさせていただいた関係で、ただいまのご質問にお答えさせていただきます。
 今回の環境審議会では、運輸部門対策につきましては直接の諮問事項ではございませんで、運輸部門から排出されるCO2が、現に東京のCO2排出割合の約三割を占めているという実態から、直接諮問事項ではないけれども、何度か委員の各メンバーの皆さんからご質問がございました。審議の過程で、運輸部門の対策、取り組みが必要であるという意見も述べられたところでございます。
 こうしたご意見を踏まえまして、答申の中でも、対策の具体化が重要であるというふうに述べておるところでございまして、今後、都といたしましても、この答申をちょうだいしましたので、CO2の削減について、運輸部門につきましても、効果的な対策を考えていく必要があるというふうに考えてございます。
 確かにきのうのご議論にもございましたとおり、ディーゼル車については、燃費効率の面からCO2削減については有効な側面もございますけれども、大気汚染という観点からは、現状ではなお課題が残されているというふうに認識をしてございます。例えば現状のディーゼル乗用車の規制値は、NOxについては、なお三・五倍の格差がございます。ガソリン車からはほとんど出ないPMを排出しているといったような問題点もございます。
 こうしたことから、大気汚染の改善が喫緊の課題でございます東京におきましては、昨日の知事答弁にもございましたとおり、ディーゼル車が再評価されるためには、ガソリン車並みに排出ガスが改善されることが先決であり、何よりも必要であるというふうに考えておるところでございます。
 このため、都がかねてから主張しております世界一厳しい排出ガス規制をさらに強め、高性能で低燃費なディーゼル自動車の一層の技術開発が図られるよう、私ども、国に対しまして引き続き規制の強化を要望してまいりたいと考えております。

○三原委員 お約束した時間が参りましたので、あと二つだけ済みません。
 まず一つは、十七年規制という議論が業界でいわれているそうです。私も専門的な知識は十分ありませんからわかりませんけれども、とにかく平成十七年になると、せっかく今回PMは、DPFや何かをつけたんだけれども、またあれはだめになってつけかえなきゃいけないんじゃないかとか、あるいはまた、全部新しい装置をしなきゃいけないんじゃないかとか、いろいろ業界でもよくわからないから大騒ぎになりつつあるというふうに私は思っていますが、いただいた資料なんかを見ますと、十七年四月から国の方では新長期規制に入るので、PMについて、新車については、その時点から国の新長期規制の数値でやらなきゃいけない。それでなきゃ登録できない、こういうことのようですけれども、既存車については、十七年四月一日以降、知事が定める日をもって規制を強化する、こういうことになっているんだそうですが、さあ、そこで十七年四月一日といったら、もう一年ないわけですよ。
 先ほどの弗素、硼素の話も、何のことはない、環境省が早くに延期しますといえば大騒ぎにならないものを、土壇場になるまでやらないから大騒ぎになるので--ほかの手段があればいいですよ、ほかの手段がないというのは専門家でわかっているくせに、ぎりぎり来ないと決断しないから。それで出てきた答えは単純じゃないか、三年間延期するというだけですから。
 したがって、この十七年四月一日からのPMに関する知事の規制を強めるかどうかという決断も、来年の三月の定例会あたりでやると大混乱になるわけですから、早いうちからどうするんだということについて、我々議員も含めて、きちっと議論をして、煮詰めておかなければいけない、こう思います。
 ただし、今の時点から、来年の四月一日はこうしますとはいえないだろうと思いますけれども、しかし三月の定例会あたりで知事が突然発言して、それが延期になるとか、あるいは三カ月後に実施しますとかいうとえらい騒ぎになることは間違いないんで、十七年四月一日からのPMに関する知事の新しい規制について、どう対応していくのが、業界を含めて世の中を混乱させないか、そのことについてお伺いします。

○山本自動車公害対策部長 環境確保条例では、平成十七年四月一日以降の、知事が別に定める日から粒子状物質の排出基準を強化することとしております。平成九年以降に発売された長期規制車が主な規制対象となりますけれども、事業者の方が困ることがないように、実施時期につきましては周知期間を設けるなど、十分配慮してまいります。

○三原委員 今の時点では、そういうお答えしかできないと思いますが、これは今から実施まで三回、定例会がありますので、ぜひその間にこの環境局を対象に、この委員会でしっかり議論をしていただいて、業界が混乱しないようにやっていただきたい、こう思います。
 最後に、局長に環境行政についてお伺いしたいと思いますが、昨年の十月一日からのディーゼル自動車の排ガス規制は、局の大変なご苦労で成果が得られたということについて、私も高く評価をいたします。しかし、ただ一点、先ほど来申し上げたように、そういった環境にかかわるコストはみんなが平等に負担するという精神で事を進めるか、一〇〇%役所が責任を持ってやるか、それとも排出責任者が一〇〇%責任を持つか、三つのやり方しかないわけです。
 今回の場合は、みんなが平等にという建前であったんではないかなと思いますけれども、その割には荷主等に対してトラック業者が何もいえない、こういう状況ですから、必ずしも国民全体が平等に負担をして、空気をきれいにしましょうねという方向に、やや進み損なったという気がします。
 したがって、申し上げたように、やり方は三つしかないですから、どれで行くのが最も都民に信頼され、期待されるか。そういうことも含めて、これからの環境行政の進め方について局長のご意見を伺って、質問を終わりたいと思います。

○小池環境局長 先ほど来委員からお話がありましたように、今回のディーゼル車規制につきましては、最終的に一番負担がかかるというのは、本当にトラック業界の皆さん方でありますし、それからバス事業者の皆さん方だということで、空気がきれいになるということは、都民の方にしろ、事業者の方にしろ、みんなのプラスになるわけですが、負担ということにかかわりますと、やはり事業者の方に最終的に帰結している、こういうことは十分認識しております。
 そんな中で、事業者の方々が非常に経営厳しい折、また、先ほどお話がありましたように、経営環境は厳しいというのは日本経済全体が厳しいし、運賃競争の中でもなかなか厳しいものがあるということでご協力いただいた、そのおかげで、今回のディーゼル車規制が一定の前進を見たというふうに理解しております。
 ただいま申し上げました負担の面につきまして、私どもも、空気がきれいになることはみんなにとってのプラスですから、それぞれが負担ができるようにということで、どうやればいいかということにつきましてはいろいろ考えたわけですが、一つは、直接空気がきれいになるということについては、やっぱり都民の方も皆さんがプラスになるということになりますので、これは東京都の財政的に非常に厳しい中でございましたけれども、十五年度予算は、環境局のこのディーゼル規制だけは約百三十億だったと思いますけれども、突出して予算をつけていただいたということで、これは結果的には、都民の税金から賄っているということで、都民の方々も負担していただいたという格好になっているかと思います。
 メーカーの話がありました。メーカーはどうするか。先ほど来部長からご説明申し上げていますが、直接的にこれを負担するという格好ではなくて、メーカーの負担につきましても、いろいろ議会の中でもご意見をいただきまして、不当な便乗値上げ、ひとり勝ちではないかというようなご意見もいただきましたので、そういうことがないように、自動車の新車の供給にしろ、それからDPF等のPM減少装置の供給に当たりましては、低廉なものがつくように、事業者に負担にならないようにということをいろんな協議会の中で要請してきた。荷主に対してのお話がございましたが、直接的にそれはなかなか難しいということもございましたが、精神はただいま申し上げましたようなことで、常に意識しながら対応してまいったところでございます。
 今後、お話がございましたように、行政施策を進めるに当たりましては、過度に負担がかかることがないように、公平、公正に十分配慮していくことが基本だと思っておりますので、今後の環境行政を進めるに当たりましても、こういった点に十分留意しながら進めてまいりたいと思っております。

○林田委員 東京都における実効性ある温暖化対策に関連して、質問をいたします。
 答申で示された制度案の内容については、さきに質疑がありましたので、私は、都及び公共的施設についての温暖化対策への取り組みが重要だという認識から、何点か質問をいたします。
 今回、答申で述べられているように、地球温暖化の原因は、我々の社会経済活動に伴うCO2の排出が主な原因であります。端的にいうならば、増加傾向に歯どめがかからないCO2の排出をいかに抑制するかが喫緊の課題であるということであります。このCO2削減の取り組みに当たっては、何よりも都民や事業者の皆さんに、この問題を十分認識していただき、産業部門、業務部門、家庭部門、運輸部門の各部門すべてCO2対策を強化し、排出量の削減を進めていくことが必要であると思います。
 今回の答申は、CO2排出量の多くを占める都内の大規模事業者などから、まず最初に対策をとるものと認識しておりますが、今後、東京都が制度を円滑に実施する際には、だれもが納得する公平で客観的な制度としていくことはもちろん、事業者の理解が不可欠であると思います。厳しい経済環境の中で、事業者の協力を得ていくために、何としても都庁みずからが率先してCO2削減のための行動を起こし、その姿勢を事業者や都民に示していくことが必要であると考えますが、いかがですか。

○百合都市地球環境部長 ご指摘のとおり、温暖化対策につきまして、事業者の理解と協力を求めていくためには、都みずからが率先して行動し、温暖化対策の範を示していくということは極めて大切なことだと認識をしております。
 都は、これまで都庁みずからの取り組みといたしまして、事務事業のあらゆる場面に環境配慮の視点を盛り込んだ地球をまもる都庁プランを策定いたしまして、省エネルギー対策など、地球温暖化防止のための取り組みを進めてきたところでございます。このプランの計画期間が終了いたします今年度中に、プランを改定いたしまして、東京都みずからの温暖化対策を一層強化し、都民、事業者に、都庁の率先行動を広く示していきたいと考えております。

○林田委員 都庁全体として、温暖化防止のための率先行動を行っていくことは非常に重要なことであるので、ぜひとも幅広く取り組んでいただきたいと思います。
 さて、今回の制度化の対象となる事業所については、一定量以上のCO2を排出する大規模事業所とされております。このような大規模事業所は、何も民間施設に限ったものではなく、都有施設の中にも本庁舎や病院のような大規模事業所は存在しているし、都以外の国や区市町村の施設も該当するはずであります。都民や事業者に温暖化対策を呼びかける立場の公共部門についても、今回、強化する地球温暖化計画書制度の対象とするべきではないのか、お伺いいたします。

○百合都市地球環境部長 地球温暖化対策推進法におきまして、国及び自治体は、みずからの事務事業に関して、温室効果ガスの排出を抑制するための措置を盛り込んだ五カ年の実行計画を策定するということにされております。
 東京都におきましては、この実行計画に該当いたしますものが、先ほど申し上げました地球をまもる都庁プランでございまして、国や他の自治体も、それぞれ法に基づいた実行計画を定めているところから、公共部門の個別施設は、都の地球温暖化対策計画書制度から、これまでは対象外としておりました。
 しかしながら、公共部門におきましても、多くの大規模施設が存在いたしますし、いわゆるESCO事業などを導入することによりまして、一定量のCO2削減も見込まれることなどから、公共部門を制度の対象とすることについては、今後検討してまいりたいと考えております。

○林田委員 今ご答弁いただいたように、都庁の施設、さらに国や区市町村の公共施設におけるCO2削減の取り組みの重要性が明らかになりました。そこで地球的規模で温暖化対策を進めるためには、例えば都内の米軍施設における温暖化対策についても、同じように取り組んでもらうということは大切であるという認識を我々は持っております。
 横田基地は条例が適用されないということは承知しておりますが、基地内でボイラー燃料に使用するオイル約三万キロリットル、ドラム缶にして十五万本、大変な量のエネルギーを使用しており、CO2の排出量も大量であります。都の温暖化対策計画書が対象とする大規模事業所は、原油換算で年間千五百リットル以上ということですから、規模的には大変な大型施設であるといえます。
 そうした観点から、私は米軍横田基地の温暖化対策の請願の質疑を、二年前の平成十四年十一月に行いました。その後の経過などについて、この際、お聞きしたいと思います。
 これは平成十四年十一月二十七日の都市・環境委員会の請願質疑の中で、私が質問した事項でありますが、この請願は、福生市の横田基地の公害排除を求める会代表石川元福生市長からの請願でありますが、我が党全員が署名している極めて重要な請願であると考えております。
 まず、この請願に関して、その後の都の対応についてお伺いいたします。

○百合都市地球環境部長 ただいま申し上げましたように、都は環境確保条例に基づきまして、地球温暖化対策計画書制度を十四年から開始をしたわけですけれども、横田基地につきましては、この条例の適用外の施設となっておりまして、直接的な対応は困難な状況にございました。
 そこで、平成十四年七月に、防衛施設局に対しまして、基地内の施設の設置状況や排ガスの状況等、具体的な情報の提供を要請いたしまして、防衛施設局の保有する環境情報について提供を受けたところでございます。また、同年十一月の請願を受けまして、米軍横田基地に対し、エネルギー使用量及び省エネに係る情報提供を文書で直接要望いたしました。これにあわせ、横田基地における温暖化対策の推進を、防衛庁並びに環境省に求めてまいったところでございます。

○林田委員 ところで、横田基地では、平成十四年度からボイラー等の新設改修工事が始まっていると承知しておりますが、この工事はどのような内容なのか、お伺いいたします。

○松葉環境改善部長 横田基地は国内法の適用を受けないこととなっておりますが、更新するボイラーにつきましては、大気汚染防止法に定められております事項に関する届け出が、多摩環境事務所に提出されております。このボイラーの環境に及ぼす影響の負荷等については、こういうことで把握してございます。
 横田基地では、平成十四年度からボイラーの更新工事を行っておりまして、この工事は、横田基地内三地区のボイラーが昭和四十年代から五十年代に設置されていて、老朽化が進んだことに伴い、順次新設のものに更新していく計画であると聞いております。
 また、東京防衛施設局が横田基地の温暖化対策の請願を踏まえ、環境への配慮の必要性から、ガス併用化を進めることで、米軍と具体的な調整を行っていると承知してございます。

○林田委員 ただいまガス併用化を進めていくという朗報が報告されましたが、ちなみに横田基地のCO2排出量を削減するために、仮に石油燃料をすべて天然ガスに転換したとすると、CO2の発生を一万八千百三十三トン、およそ二五%削減できるとのことであります。一万八千百三十三トンは、林野庁の試算によると、五十年生杉の一本で一年に十四キロのCO2を吸収しますので、約百三十万本の杉に換算できることになります。
 先ほどもお話ししたように、横田基地は膨大なエネルギーを使用しているわけで、やはり環境に配慮した取り扱いが求められていることはいうまでもないことであります。そうした観点でいえば、この問題について、やはり真剣に取り組んでもらう必要があります。
 今後も、都として、引き続き国や米軍に地球温暖化対策を進めるよう強く働きかけてもらいたいと要望して、質問を終わります。
〔小磯副委員長退席、林田副委員長着席〕

○林田副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 報告事項及び事務事業に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 異議なしと認め、報告事項及び事務事業に対する質疑は終了いたしました。

○林田副委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一六第一五号、たばこの箱にモラルアップのメッセージ印刷を求める意見書提出に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○福永廃棄物対策部長 恐れ入りますけれども、先ほど配布をさせていただきました資料2をごらんいただきたいと思います。
 一ページをお開き願います。
 整理番号1、請願番号一六第一五号、たばこの箱にモラルアップのメッセージ印刷を求める意見書提出に関する請願についてご説明を申し上げます。
 この請願は、新宿区の歩きタバコNO都民会議代表武田侃蔵さんからのものでございます。
 請願の要旨は、たばこ事業法を所管する財務省に対し、たばこの箱にモラルアップの啓発メッセージ印刷を求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 たばこ事業法第三十九条により、製造たばこには、たばこの消費と健康との関係に関し、注意を促すためのたばこ事業法施行規則に定める文言を表示することが義務づけられております。
 現在は、「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」という文言の表示が義務づけられており、これに加えて、社団法人日本たばこ協会の自主的取り組みにより、製造たばこの箱に「喫煙マナーをまもりましょう」という表示が行われております。
 平成十五年十一月に同規則が改正され、この文言が大幅に充実されることになりました。平成十七年七月以降に販売される製造たばこには、同規則別表第一及び別表第二のそれぞれのうちから一つ以上の文言を、大きく読みやすいように表示することが義務づけられます。
 別表第一の文言には、「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約二倍から四倍高くなります。」など、別表第二の文言には、「たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。」などがございます。
 都内の多くの区市町村では、地域の特性を踏まえつつ、住民の健康保持や喫煙マナーの向上だけでなく、火災予防あるいは景観保持など、総合的な観点から路上禁煙対策に取り組んでおります。都は、区市町村が効果的に取り組むことができるように、引き続き関係情報の提供や事業者等への研修の実施に努めてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

○林田副委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第一五号は趣旨採択と決定いたしました。

○林田副委員長 次に、一六第一六号、産業廃棄物積替え、分別、一時保管に係る申請等に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○福永廃棄物対策部長 資料2の二ページをごらん願います。
 整理番号2、陳情番号一六第一六号、産業廃棄物積替え、分別、一時保管に係る申請等に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、練馬区の高野京子さん外千二百七人の方々でございます。
 陳情の要旨は、産業廃棄物積みかえ、分別、一時保管に係る申請等について、次のことを実現していただきたいというもので、1として、練馬区春日町四丁目三十の二十四にある有限会社に、都に申請中の自宅一階を作業場とする産業廃棄物の積みかえ、分別、一時保管の許可をしないこと、2として、同有限会社に対する産業廃棄物処理に係る指定作業場の許可を撤回するよう練馬区に指導すること、3として、第一種低層住居専用地域においては、産業廃棄物処理をできないように法制化することを国にも働きかけることというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 都は、産業廃棄物積みかえ保管施設の設置に関する許可申請手続に先立ち、法令に基づく届け出や施設の構造等について、事前指導を行っております。
 本件につきましては、練馬区は、施設の設置予定地が第一種低層住居専用地域であり、産業廃棄物の積みかえ保管施設を設置することは建築基準法に抵触すると判断しており、都としても、建築基準法に抵触する施設は設置できない旨を指導いたしました。
 環境確保条例に基づく指定作業場の設置の届け出の受理は、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例により特別区が処理することが規定されており、練馬区は届け出を受理いたしましたが、建築基準法に抵触するため、現在、届け出の取り下げを求めております。
 建築基準法により、第一種低層住居専用地域におきましては、産業廃棄物施設の設置は制限されております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議いただきますようお願いいたします。

○林田副委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第一六号は保留といたします。

○林田副委員長 次に、一六第三〇号、杉並区井草中継所健康影響問題に係る独自調査の要望に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○西野総務部長 請願陳情審査説明表の三ページをごらんいただきたいと存じます。
 整理番号3、陳情番号一六第三〇号の杉並区井草中継所健康影響問題に係る独自調査の要望に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は杉並区の廃棄物系化学物質による健康影響被害者支援科学者グループ代表大谷育夫さん外八十六人の方でございます。
 陳情の要旨は、杉並区井草中継所周辺健康被害問題について、次のことを実現していただきたいというもので、1、健康被害はいまだ継続、発生し、重症者の困窮が甚だしいため、被害住民と合議して、実情に沿った健康被害状況や環境汚染状況についての調査を実施すること、2、この調査により、危険性に疑いを認めた場合には、人道的立場に立って速やかに施設稼働を停止するなどの対策をとることというものでございます。
 現在の状況でございますが、杉並中継所は都が不燃ごみ積みかえ施設として設置したもので、平成八年四月から操業を開始しておりますが、平成十二年四月の清掃事業の区移管に伴い、現在は杉並区の施設となってございます。
 杉並中継所では、操業開始直後の四月から、周辺住民の間で、のどの痛み、頭痛、目まいなどの健康不調を訴える人が多発いたしました。そこで、当時の清掃局では、地元杉並区の関係部署と対応を協議するとともに、平成八年七月十八日から排水の直接放流を停止し、平成九年三月に排水処理設備を設置いたしました。また、大気、排水等について、十六回に及ぶ環境調査を行いましたが、調査結果からは、健康被害に結びつくデータは確認されませんでした。
 このため、当時の環境保全局では、専門家による調査委員会を設置し、健康影響の原因について調査を行いました。その結果、平成十二年三月、健康不調の訴えの主な原因は、杉並中継所の未処理の排水に含まれていた硫化水素が、住宅内の配管や道路上の雨水ますから放出されたためと判断されました。
 この判断を受けまして、東京都では、硫化水素を起因とする損害賠償を行うこととし、六名の申請を受け付けましたが、医師、弁護士等で構成される認定審査会による審査の結果、平成十三年一月、申請人はいずれも損害賠償の対象に当たらないとされました。
 また、平成九年五月、健康不調を訴えた住民十八人が、国の公害等調整委員会へ原因裁定を申請し、五年という極めて長期間の慎重な審理を経て、平成十四年六月二十六日に原因裁定がなされました。裁定では、杉並中継所の操業に伴って排出された化学物質と周辺住民の健康不調との因果関係について、化学物質は特定されておりませんが、一部申請人を除き、平成八年四月から同年八月までの間に限りこれを認め、一方で、同年九月以降の健康不調については棄却されたところでございます。
 都としては、この原因裁定を尊重し、原因裁定に基づく損害賠償を行うことといたしました。この賠償につきましては、一名から申請がありましたが、医師、弁護士等で構成される認定審査会による審査の結果、平成十五年三月、申請人は損害賠償の対象者には当たらないとされました。
 現在、杉並中継所における環境調査につきましては、中継所を所管する杉並区が定期的に行っており、その測定結果は、いずれの項目も基準値内であると聞いてございます。
 また、杉並中継所を起因とする健康不調の相談については、杉並保健所では、原因裁定以降三件ございましたが、いずれも他の疾患と診断されているとのことでございます。同じく、練馬保健所では、都の賠償に関する問い合わせが一件あったのみで、各種健康診断等においても、健康不調者が杉並中継所周辺で目立つことはないとのことでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査をお願いします。

○林田副委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を求めます。

○河野委員 陳情について順次質問をさせていただきます。
 最初にお伺いしたい問題は、平成八年の四月に健康不調を訴える人が発生というか、どんどんとそういう訴えが出てから既に八年がたっております。陳情文によりますと、いまだに健康被害が継続、発生しているとの文言がありますが、当時の杉並中継所の設置者、管理者として東京都があったわけですが、今、都はこの訴えについてどのように受けとめておられるのかをお伺いいたします。

○西野総務部長 先ほどの説明でもさせていただきましたが、杉並中継所周辺における健康不調問題につきましては、平成十四年六月二十六日の国の公害等調整委員会から原因裁定がなされました。裁定では、先ほども申し上げましたように、化学物質は特定されておりませんが、一部申請人を除きまして、平成八年四月から八月までの間に限り、これを認めてございます。しかし、同年九月以降の健康不調については棄却されているというものでございます。
 また、これまで東京都、当時の清掃局でございますが、並びに杉並区が実施した各種の環境調査の結果及び杉並区及び練馬区の保健所での健康相談状況等から、杉並中継所に起因する健康不調が現在も継続しているとは考えてございません。

○河野委員 そういうご答弁なんですが、しかし陳情者は、この方々は健康被害を受けた方々を支援する科学者グループという方々のようですが、その被害者の方も含めて、支援者グループの方が、今もなお杉並中継所から体に不調を及ぼす物質が排出され、実際に体調が崩れている方がいるといっておられるわけです。
 東京都は初め、施設の仮稼働が始まった平成八年の三月から八月までについて、杉並中継所の排水の中に含まれていた硫化水素が原因だったと認めて、補償の対象ということで明らかにしたわけですが、その後、ご説明にありましたように、五年たった平成十四年の六月二十六日に、国の公害等調整委員会ですか、ここの出した結論によって、八年の四月から八月までの五カ月間を補償の対象として、健康被害と杉並中継所との因果関係を認めたという経過があります。
 大変長い時間かかって、この国の裁定も出たわけなんですが、そのことに改めて驚きを持ってしまいますが、被害を受けた、または受けているという住民の方々は、今なお苦しみの中にあることを訴えておられます。
 杉並中継所と健康被害に因果関係があると認めていながら、こういう認定の期間が五カ月間に限定されてしまっている。これはどういうことで五カ月間ということになってしまうのか、この辺のご説明をもう一度お願いしたいと思います。

○西野総務部長 平成十四年六月二十六日の公調委の原因裁定でございますけれども、杉並区が実施いたしました住民への健康不調等への聞き取り調査、並びに同じく杉並区が実施いたしました疫学調査の結果から、健康不調の発症時期が平成八年四月から同年八月にかけて多発し、杉並中継所の操業開始時期と一致していること及び発症者の分布が杉並中継所周辺に集中していることをもって、公調委は平成八年四月から同年八月の間に限り、申請人の健康不調と杉並中継所の操業に伴って排出された化学物質との因果関係を認定したものでございます。
 これは、東京都が、先ほどもご説明申し上げました当時の環境保全局が設置した専門家による調査委員会の調査結果におきまして、硫化水素を起因とする健康影響の時期、平成八年の春から夏にかけてとこちらの方ではしておりますけれども、時期的には同じ内容となってございます。違うところは、当時の環境保全局の設置いたしました調査委員会では硫化水素といたしましたが、公調委の方では原因物質が不明な部分があるけれどもということで、原因物質は特定していないけれども因果関係を認めたというところが、違っているところでございます。

○河野委員 それぞれ硫化水素である、あるいは物質は特定できないと、国も都も違う見解の中で、ずっと苦しんでいる方がいるのは事実だと思います。
 私は、その陳情者の方が求めておられる健康被害調査とか環境汚染の問題の調査とかについて伺いたいんですが、東京都がやはり初めに原因物質として判断した硫化水素がなぜ発生したかということも、振り返ってみなくてはいけないんではないかと思います。わかっているのは、その施設、中継所の中に設けられた施設に流れ込む排水、その水槽が大き過ぎて、実際には一日、晴天時で一・二五立方ぐらいだったのに、かなり大きな水槽をつくって、そこに何日間も排水を流し込んだと。それが二十二立方メートルまでたまると排水をしていた。だから、計算すると二十日とかそういう時間が貯留されていたわけですね、汚染物質が含まれている水分も含めて、その貯水槽の中に入って。ちょうど稼働が始まったのが四月ですから、四月から八月という気温の上がる時期に、その排水が腐敗をする、あるいは化学変化を起こして、硫化水素も含めたさまざまな化学物質が外に出ていってしまったということが、原因の一つとして考えられるわけですね。
 そうすると、この杉並病といわれている、住民の方に大変被害を及ぼしている問題が起こったのはなぜか。最大の原因をつくったのは東京都の責任ではないかと私はいってもいいのではないかと考えてしまうのです。
 ご答弁では、杉並区が環境調査を行ったり、練馬、杉並の二つの保健所で相談を行っていて、今、杉並病という方の相談はないというような趣旨のご答弁でしたけれども、やはりそもそもの原因に立ち返って、そして苦しんでいる人たちがいる今の中で何をなすべきかと考えると、東京都として、やはり住民の皆さんや支援者の方が求めている調査、疫学調査も行ってほしいという要望も出ているようですけれども、こういうことを実施する、きちんとした原因究明のための調査を実施するということが、今、大変大事になっているんじゃないかと思うんですが、その辺のご検討はいかがでしょうか。

○西野総務部長 平成八年四月当時の硫化水素の問題については、先生ご指摘のように、施設の設置につきまして一部ふぐあいがありましたので、早速早急に使用停止をして、翌年の三月には施設の改善をしてございます。それ以後、ですから平成八年の七月以降、硫化水素が外に漏れ出すということはございません。
 硫化水素は、極めて大量の硫化水素を浴びれば、暴露されれば、慢性疾患になるという可能性がありますが、杉並中継所から漏出した程度の硫化水素であれば慢性疾患になることはないということが、医学的なご意見でいただいてございます。したがいまして、硫化水素を起因とする損害賠償制度についても、慢性疾患の方については対象とせず、一時的な健康不調等を対象としてやったわけでございます。
 それから、東京都、当時の清掃局並びに杉並区等がいろいろ調査をやってまいりました。これにつきましては、例えば当時の清掃局は、いうならば事業主体がみずから調査をやったわけで、私どもも、当時の清掃局でも、その中からデータが見つからないということであったわけですが、杉並区の疫学調査あるいは健康相談というのは、今は清掃事業を移管して事業主体になっておりますが、当時は、いうならば客観的な第三者の調査でございます。
 それからまた、私どもが調査した内容につきましては、公害等調整委員会で別に大気とか化学等の日本の一流の知見を有する専門家三名を委員に選びまして、平成十二年に詳細な調査分析を行っていただきました。その結果、当時の清掃局が行った調査から杉並中継所に起因する健康不調の原因は見当たらないというような内容も出てございます。
 それらのことから、先ほど来申し上げているとおり、健康不調の原因が杉並中継所にあるということについては、そうではないのではないかということを再三申し上げてきているわけでございます。
 また、もう一つご説明させていただきますが、不燃ごみの中継所は、この杉並中継所のほかに五カ所ございます。その五カ所とも、いずれも杉並中継所と同じようなコンパクターを用いて不燃ごみを二分の一程度に圧縮する、同じような構造を持ってございます。それで、その中でも、特に新宿中継所というのは杉並中継所から一年おくれて開設した施設ですが、こちらも杉並中継所と同じように地下式の構造となっています。この新宿中継所も含めて、ほかの中継所では、いずれもこのような周辺で健康不調を訴えているという方はございません。
 他の中継所ではないということと、先ほど来申し上げていますように、客観的な第三者である公調委、なおかつ専門家を設けて検討した、それから当時の客観的な立場で杉並区が健康調査等をした、こういったことでいずれも杉並中継所を起因とするものではないということでございますので、健康不調が続いているということについては、私ども直接は承知しておりませんが、それと杉並中継所との因果関係はないというふうに考えてございます。

○河野委員 今のご説明ですと、硫化水素による健康被害は一過性のものであるということで、このことによって、今も被害はないだろうし、それから、いろんな調査とか専門家の意見も聞いて、今そういう症状を訴えていても、それは杉並中継所が起因するものではないというようなお考えかなと思います。
 しかし、私も、この支援者グループの方以外で、住民の方から意見を聞いてみました。その方も杉並病ということで苦しんだ方の一人でありましたが、やはり杉並中継所の南側の地域に住んでいて、平成八年当時に目の痛みとかいろんな症状があって、今もなお、やはり苦しい思いをしているということはおっしゃっているんですね。だから、新たに発生したかどうかは別にしても、継続して苦しんでおられるということは事実として存在しますので、その辺のご認識はいただきたいというふうに思っております。
 私は、この住民の方々の訴えていることと、都とか国とか、あるいは今、杉並区も中継所の管理運営をやっていますけれども、そういう行政との認識の差がどうして相入れることなく続いているのかというのが、一つ疑問なんですね。ですから、ご答弁でダブるかもしれないんですが、その辺のご認識を伺っておきたいのと、もう一つは、陳情文にありますが、国の公害等調整委員会による原因裁定の中での意見が紹介されておりますが、今後、化学物質の解明が進展し、これが被害者の救済につながることを強く期待するものであるということですけれども、こうした見解に基づいて、東京都として、今、杉並病の原因となっていると考えられる化学物質の解明を今後行っていく、こういうことが必要ではないのかと考えますけれども、この二つの点でお答えをいただけますか。

○西野総務部長 先ほど来ご説明申し上げておりますように、私どもとすれば、中継所の運営と、硫化水素の部分は別でございますけれども、今も続いている健康被害との間には因果関係がないというふうに考えてございますので、どうして両者の間にこう食い違いが生じるのかということについては、全く理解できません。
 なお、参考までに申し上げれば、公害等調整委員会に原因裁定を申し立てた人の中で、主な活動をしていた人でございますけれども、先ほど説明いたしました新宿中継所について、開業に先立ちまして、住民説明会等々をいろいろやらせていただきました。その方は、平成九年二月十一日の住民団体が主催する説明会において、新宿中継所は高田馬場と新大久保の間にあるところでございますが、高田馬場の駅をおりたら目まいとのどの痛みを感じたということで、住民の前でご発言をなさっています。しかしながら、新宿中継所の試運転開始は平成九年三月三日でございまして、その間は機械も動かしていなければ、ごみも動かしてございません。こういうような状況の中で、廃棄物施設が原因であるというようなご主張をなされることについては、先ほど来申し上げましたように、全く理解できません。
 それから、原因裁定の中でいわれております化学物質の解明が云々というくだりがございますけれども、これは杉並中継所から発生する化学物質について調査せいといっていることではなくて、原因裁定の中でいろいろ議論なされた主な争点といたしまして、化学物質過敏症というのがございます。それで、化学物質過敏症につきましては、公調委の中でもいろいろ議論されたわけですが、平成十年、当時の環境庁が、非常に難しいわかりにくい名前なんですが、本態性多種化学物質過敏状態の調査研究、いうならば化学物質過敏症についての研究を、日本の一流の知見を有するドクターだとか科学者を集めてやっておりますが、その結論は、化学物質過敏症については、現時点ではその病態生理と発生メカニズムはいまだ仮説の段階であって、確証に乏しいというのが結論でございます。
 したがいまして、公調委の指摘は、こういったことを踏まえて、化学物質が二千数百万ありますが、その圧倒的多数の物質については毒性を初めとする特性は未知の状態にあるので、今後そういった化学物質の解明が進展し、これが被害の救済につながることを強く期待するということでありまして、いうならば一般論をいったことでございまして、杉並中継との関連で述べているものではございません。
 したがって、都としては、化学物質過敏症等あるいは化学物質の解明について、今後、その解明を行うような調査を行うつもりはございません。

○河野委員 本当にこの被害が出てから八年という長い時が経過しています。この間、体調不良を訴え、健康を害した方は、長い苦しみの中に置かれているわけです。それで、その上で行政への働きかけも粘り強く続けておられます。平成十二年度から清掃の区移管ということで、二十三区に東京都の清掃局の仕事が移りましたけれども、もしそうじゃなくて、従前のとおりの制度であれば、杉並中継所は東京都が直接管理していく施設ですから、今のように一つ置いた感じじゃなくて、やはり東京都は直接健康被害を訴えた方と相対するということになっていると思うんですね。
 そういう点で、やはり原因について、私は、東京都がきちんとした責任を持つ必要があると思いますし、健康被害を受けた方の実態調査を初めとして、杉並区などと協力して原因の解明に努力すること、これが急がれる問題だと感じています。ですから、陳情は趣旨採択ということを求めて、質問を終わりたいと思います。
 以上です。

○林田副委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○林田副委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第三〇号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で環境局関係を終わります。
 なお、本日及び前回五月二十七日において審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分で、執行機関に送付することを適当と認めるものについては、これを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十一分散会

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