環境・建設委員会速記録第二号

平成十六年五月二十七日(木曜日)
第九委員会室
午後一時十五分開議
 出席委員 十三名
委員長鈴木 一光君
副委員長小磯 善彦君
副委員長林田  武君
理事小松 恭子君
理事花輪ともふみ君
理事三原 將嗣君
河野百合恵君
いなば真一君
倉林 辰雄君
宮崎  章君
馬場 裕子君
木内 良明君
大西由紀子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
環境局局長小池 正臣君
総務部長西野 和雄君
企画担当部長梶原 秀起君
都市地球環境部長百合 一郎君
環境改善部長松葉 邦雄君
参事柿沼 潤一君
自動車公害対策部長山本 憲一君
参事月川 憲次君
参事中島  博君
自然環境部長徳毛  宰君
廃棄物対策部長福永 富夫君
廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務松本 保幸君
環境科学研究所次長宮本  孝君
建設局東京都技監建設局長次長兼務小峰 良介君
道路監岩永  勉君
総務部長町   格君
用地部長矢口 貴行君
道路管理部長須々木亘平君
道路建設部長柿堺  至君
公園緑地部長住吉 泰男君
河川部長鈴木  進君
企画担当部長田中  亨君
総合調整担当部長熊谷  清君
道路保全担当部長依田 俊治君
道路計画担当部長阿部  博君
公園管理担当部長内海 正彰君

本日の会議に付した事件
 理事の辞任及び互選
 建設局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・環二地下トンネル(仮称)築造工事(十六 二-環二東新橋)請負契約
・相生陸橋(仮称)鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(十六 四-環八若木)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十一)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十二)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十四)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた及び鋼支柱製作・架設工事(その二十五)請負契約
・日暮里・舎人線鋼けた製作・架設工事(その二十六)請負契約
・都道の路線の廃止について
・東京都立小山内裏公園の指定管理者の指定について
・東京都が管理する都市公園を埼玉県三郷市の区域に設置することに関する協議について
報告事項(説明・質疑)
・平成十五年度予算の繰越しについて
請願陳情の審査
(1)一六第八号の三  都立スポーツ施設の使用料の値上げにつながる条例の改正反対等に関する請願
(2)一六第一四号   中野区指定保護樹林保護のための都市計画道路補助一三三号線事業化見直しに関する陳情
(3)一六第一九号の二 区部都市計画道路整備に関する陳情
(4)一六第二〇号   都市計画道路補助第九〇号線の早期整備に関する陳情
(5)一六第二四号の一 大原交差点、みずほ銀行所有地の公的利用に関する陳情
 環境局関係
報告事項(説明・質疑)
・東京都における実効性ある温暖化対策について(答申)
・産業廃棄物の適正処理の徹底について及び廃プラスチックの発生抑制・リサイクルの促進について(答申)
・東京都環境白書二〇〇四について
・平成十五年度予算の繰越しについて
事務事業について(質疑)
請願陳情の審査
(1)一六第一五号 たばこの箱にモラルアップのメッセージ印刷を求める意見書提出に関する請願
(2)一六第一六号 産業廃棄物積替え、分別、一時保管に係る申請等に関する陳情
(3)一六第三〇号 杉並区井草中継所健康影響問題に係る独自調査の要望に関する陳情

○鈴木委員長 ただいまから環境・建設委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○鈴木委員長 初めに、大西由紀子理事から理事を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、大西由紀子理事の辞任は許可されました。

○鈴木委員長 次に、ただいまの大西由紀子理事の辞任に伴い、理事一名が欠員となりましたので、これより理事一名の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○花輪委員 委員長の指名推選の方法によるものとし、直ちに指名をしていただきたいと思います。

○鈴木委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、理事には小松委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、理事には小松恭子委員が当選をされました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○鈴木委員長 次に、第二回定例会中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において協議の結果、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、建設局の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、建設局及び環境局関係の報告事項の聴取、環境局関係の事務事業に対する質疑並びに建設局及び環境局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料を要求することにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、また、報告事項につきましては、本日、説明聴取の後、質疑終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより建設局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い幹部職員の一部に交代がありましたので、小峰東京都技監より幹部職員のご紹介がございます。

○小峰東京都技監 四月一日付の人事異動に伴いまして新たに説明員となりました幹部職員をご紹介させていただきます。
 公園管理担当部長内海正彰でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕

○鈴木委員長 紹介は終わりました。

○鈴木委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○小峰東京都技監 第二回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 お手元配布の環境・建設委員会資料(建設局所管分)をごらんいただきたいと存じます。
 今定例会でご審議いただきますのは、環二地下トンネル(仮称)築造工事(十六 二-環二東新橋)を初めとする契約案七件、都道の路線の廃止についてを初めとする事件案三件でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 詳細につきましては、総務部長よりご説明申し上げます。

○町総務部長 第二回定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
 最初に、当局関係の工事請負契約議案七件につきましてご説明申し上げます。
 資料1の一ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、環二地下トンネル(仮称)築造工事(十六 二-環二東新橋)でございます。
 本工事は、環状第二号線新橋・虎ノ門地区及び汐留地区における交通の利便性の向上並びに環状第二号線の渋滞の緩和を目的に整備する、環二地下トンネル(仮称)の築造工事でございます。工事場所は港区東新橋二丁目地内、契約の相手方は鹿島・鉄建・京急建設共同企業体、契約金額は二十二億八千九百万円、工期は平成十九年二月十三日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法により締結しようとするものでございます。
 二ページの下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、港区東新橋二丁目の補助第三一三号線を地下で通過する百六十メートルのトンネル工事を行うものでございます。トンネルの形状は、三ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、四ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、相生陸橋(仮称)綱けた及び綱支柱製作・架設工事(十六 四-環八若木)でございます。
 本工事は、環状第八号線における交通の円滑化並びに渋滞の緩和を目的に整備する、相生陸橋(仮称)の綱けた及び綱支柱製作・架設工事でございます。工事場所は板橋区若木三丁目地内から同区相生町地内、契約の相手方は株式会社宮地鐡工所、契約金額は二十二億六千百七十万円、工期は平成十七年十月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法により締結しようとするものでございます。
 五ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、相生陸橋(仮称)の綱けた百九十一メートル及び綱支柱三基を製作・架設するものでございます。綱けた及び綱支柱の形状は、六ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、七ページをごらんいただきたいと存じます。七ページ以降は、区部北東部における交通の利便性を向上し、放射第一一号線、通称尾久橋通りの慢性的な渋滞の緩和を目的に整備する、日暮里・舎人線にかかわる工事五件でございます。
 まず、日暮里・舎人線綱けた及び綱支柱製作・架設工事(その二十一)でございます。
 工事場所は荒川区東尾久四丁目地内から同区東尾久五丁目地内、契約の相手方は日立造船株式会社、契約金額は十六億二千九百六十万円、工期は平成十八年五月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法により締結しようとするものでございます。
 八ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、放射第一一号線及び赤土小学校駅(仮称)の綱けた五百二十三・五メートル及び綱支柱三基を製作・架設するものでございます。綱けた及び綱支柱の形状は、九ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、一〇ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線綱けた及び綱支柱製作・架設工事(その二十二)でございます。
 工事場所は荒川区東尾久五丁目地内から同区東尾久八丁目地内、契約の相手方はJFEエンジニアリング株式会社、契約金額は十六億五千七百九十五万円、工期は平成十八年五月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法により締結しようとするものでございます。
 一一ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、放射第一一号線及び熊野前駅(仮称)の綱けた六百十四メートル及び綱支柱五基を製作・架設するものでございます。綱けた及び綱支柱の形状は、一二ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、一三ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線綱けた及び綱支柱製作・架設工事(その二十四)でございます。
 工事場所は足立区扇二丁目地内から同区扇三丁目地内、契約の相手方は矢田工業株式会社、契約金額は六億七千六百二十万円、工期は平成十八年五月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法により締結しようとするものでございます。
 一四ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、放射第一一号線及び高野駅(仮称)の綱けた四百三十六・五メートル及び綱支柱七基を製作・架設するものでございます。綱けた及び綱支柱の形状は、一五ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、一六ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線綱けた及び綱支柱製作・架設工事(その二十五)でございます。
 工事場所は足立区江北一丁目地内から同区西新井七丁目地内、契約の相手方は三井造船株式会社、契約金額は二十億三千百七十五万円、工期は平成十八年五月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法により締結しようとするものでございます。
 一七ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、放射第一一号線及び江北駅(仮称)の綱けた八百二十・五メートル及び綱支柱七基を製作・架設するものでございます。綱けた及び綱支柱の形状は、一八ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、一九ページをごらんいただきたいと存じます。件名は、日暮里・舎人線綱けた製作・架設工事(その二十六)でございます。
 工事場所は足立区舎人公園地内から同区入谷一丁目地内、契約の相手方は川田工業株式会社、契約金額は十五億四千三百二十九万円、工期は平成十八年五月三十一日までとする工事請負契約を、一般競争入札の方法により締結しようとするものでございます。
 二〇ページ下段の平面図をごらんいただきたいと存じます。本工事は、放射第一一号線の綱けた七百四十九メートルを製作・架設するものでございます。綱けたの形状は、二一ページの側面図及び断面図のとおりでございます。
 次に、事件案三件についてご説明申し上げます。
 まず、資料2、都道の路線の廃止についてをごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。本件は、道路法第十条第一項に基づき、路線を廃止するものでございます。
 路線名は東村山停車場で、起点は東村山駅、終点は都道の東村山東大和線との交点でございます。
 廃止の理由でございますが、本路線につきましては、従来から地域住民の生活に密着した地域内道路となっているため、地元市である東村山市と移管について協議を続けてまいりました。このたび協議が調いましたので、都道の路線を廃止するものでございます。
 次ページに別図がございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 次に、資料3、東京都立小山内裏公園の指定管理者の指定についてをごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。本件は、平成十六年第一回定例会における東京都立公園条例の改正により、都立公園の管理運営業務に民間事業者等も参入できることとなりましたので、本年七月に新規開園する小山内裏公園の指定管理者を、地方自治法第二百四十四条の二第三項の規定に基づき指定するものでございます。
 まず、公の施設の名称及び所在地は、東京都立小山内裏公園で、八王子市及び町田市の両市にまたがる公園でございます。
 次に、指定管理者の名称及び主たる事務所の所在地は、名称が日比谷アメニスグループ、所在地は、港区三田四丁目の株式会社日比谷アメニス内でございます。
 指定の期間は、スタートが、小山内裏公園が新規開園する平成十六年七月一日、終期は、既に管理委託しております他の都立公園についても平成十八年四月から指定管理者制度への移行を予定しておりますので、平成十八年三月三十一日としております。
 次に、資料4、東京都が管理する都市公園を埼玉県三郷市の区域に設置することに関する協議についてをごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。本件は、埼玉県三郷市に位置します水産試験場の跡地を都立水元公園として開園するため、公の施設の区域外設置について、地方自治法第二百四十四条の三第一項の規定に基づき、埼玉県及び埼玉県三郷市に協議するものでございます。
 区域外設置をする位置は、第三にございますように、埼玉県三郷市大字高須字堤外で、面積は約三万五千四百平方メートルでございます。
 三ページに図面がございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 経費の負担者は東京都でございます。
 使用等の条件及び方法は、東京都立公園条例及び東京都立公園条例施行規則の定めるところによるものでございます。
 その他必要な事項は、東京都知事と埼玉県知事及び三郷市長が協議して定めることとしております。
 以上で平成十六年第二回定例会提出予定案件についての説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。

○鈴木委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○町総務部長 平成十五年度予算の平成十六年度への繰り越しにつきまして、ご報告を申し上げます。
 予算の繰越使用につきましては、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定によりまして、議会に報告するものでございます。
 恐れ入ります、資料5、平成十五年度繰越説明書の一ページをお開き願いたいと存じます。平成十五年度繰越明許費総括表でございます。
 まず、一般会計でございます。土木費の繰越明許費予算議決額は、予算現額の次にございますが、四百四十五億九千七百二十五万四千円、翌年度への繰越額は二百十億二千七百八十四万三千円となっております。財源は、分担金及び負担金、国庫支出金、都債、繰越金でございます。
 次に、用地会計でございます。この会計は財務局の所管でございますが、当局が執行委任を受けて執行したものでございます。繰越明許費予算議決額は九億四千二百八十万円、翌年度への繰越額は五億二千五百六十四万円でございます。財源は、都債と繰越金でございます。
 以上、一般会計と用地会計を合計いたしますと、繰越明許費予算議決額は四百五十五億四千五万四千円、翌年度への繰越額は二百十五億五千三百四十八万三千円となります。
 なお、脚注にございますように、予算現額及び繰越明許費予算議決額は、明許繰越を生じた事業分だけを記載してございます。
 三ページをお開き願います。一般会計の主な事項についてご説明申し上げます。
 1は生活再建資金貸付でございます。これは、公共事業の施行に伴う移転資金貸付条例に基づいて実施しております建築物の移転資金及び土地購入資金の貸し付けにつきまして、移転先物件の建物再建等に日時を要したため、事業の一部を翌年度に繰り越したものでございます。
 次の2、道路補修から六ページの8、道路災害復旧までが道路橋梁費でございます。
 繰り越しの主な理由は、道路工事に伴う地元住民との調整や、用地買収に伴う関係人との折衝などに日時を要したことによるものでございます。
 七ページをお開き願いたいと存じます。9、中小河川整備から八ページの12、河川災害復旧までが河川海岸費でございます。
 繰り越しの主な理由は、河川の護岸や防潮堤の整備工事に伴う地元住民との調整や、用地買収に伴う関係人との折衝などに日時を要したことによるものでございます。
 九ページをごらん願いたいと存じます。13、公園整備は公園霊園費で、繰越理由は、用地買収に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一一ページをごらん願いたいと存じます。用地会計による公共用地先行取得でございます。
 繰越理由は、用地買収に伴う関係人との折衝に日時を要したことによるものでございます。
 一二ページをごらん願いたいと存じます。この表のうち、上段は、繰越明許費予算の議決をいただきましたが、年度内に事業が完了したため翌年度に繰り越しをしなかった事業を参考として掲げたものでございます。また、下段は、土木費として繰越明許費予算の議決をいただきましたが、都市整備局への事業移管により都市整備費として繰り越す事業を参考として記載させていただいております。
 次に、事故繰越についてご説明申し上げます。
 一三ページをごらん願いたいと存じます。平成十五年度事故繰越総括表でございます。
 予算の繰り越しは、繰越明許費の議決をいただいて行うのが原則でございますが、契約等の支出負担行為を済ませた後に、避けがたい事故のため年度内に支出が終わらなかった経費につきまして、地方自治法第二百二十条第三項ただし書きの規定に基づき、繰り越して使用するものでございます。
 一般会計の繰越額は十五億七百四十三万四千円でございまして、財源は国庫支出金及び繰越金でございます。用地会計の繰越額は一億四千五百三万七千円でございまして、財源はすべて繰越金でございます。以上、一般会計と用地会計を合計いたしますと、繰越額は十六億五千二百四十七万一千円でございます。
 一五ページをごらんいただきたいと存じます。一般会計の事項についてご説明申し上げます。
 1、交通安全施設と、2、街路整備は道路橋梁費でございまして、繰り越しの理由は、街路整備工事に伴う地元住民との調整や、用地買収に伴う物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 一六ページをお開き願います。3は公園霊園費の公園整備でございまして、繰り越しの理由は、用地買収に伴う物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 一八ページをごらんいただきたいと存じます。用地会計の公共用地先行取得でございます。繰越理由は、用地買収に伴う物件移転に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、平成十五年度予算の平成十六年度への繰り越しにつきましてのご報告を終わらせていただきます。

○鈴木委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○鈴木委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、一六第八号の三、都立スポーツ施設の使用料の値上げにつながる条例の改正反対等に関する請願を議題とします。
 理事者の説明を求めます。

○内海公園管理担当部長 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 一枚おめくりいただきまして、整理番号1の請願一六第八号の三をお開き願います。
 これは、都立スポーツ施設の使用料の値上げにつながる条例の改正反対等に関する請願で、豊島区、新日本スポーツ連盟東京都連盟理事長伊賀野明さん外八百五十三名の方々から提出されたものでございます。
 その要旨は、都のスポーツを振興する方針において重要な次のことを実現していただきたいというものでございます。
 要旨の1、2につきましては、文教委員会に付託をされ、第一回定例都議会において審査済みでございますので、本委員会に付託されております3、4についてご説明申し上げます。
 要旨の3でございますが、これは、アマチュアスポーツ団体が競技会を開催するために使用する施設の使用料の減免について、建設局が所管する都立公園が管理する各スポーツ施設においても、都教育委員会と同様の減免制度の適用を図っていただきたいというものでございます。
 この請願要旨に対する現在の状況でございますが、建設局所管の都立公園は、都民が休息、観賞、散歩、遊戯、運動等のレクリエーションを行う場所でございます。公園内のスポーツ施設は、これら公園の効用を全うするための施設の一つとして設置をしております。
 一方、都教育委員会のスポーツ施設は、教育施策の一環として、体育・スポーツ及びレクリエーションの普及、振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与するために設置をしております。
 このように、建設局所管の都立公園内のスポーツ施設と都教育委員会のスポーツ施設とでは、その設置目的が異なっておりますことから、本件請願のアマチュアスポーツ団体に対する使用料の減免について、都教育委員会と同様な取り扱いは困難であると考えております。
 次に、請願要旨の4でございますが、これは、都立公園の指定管理者制度の導入に当たっては、営利のためのスポーツ振興になることなく、各都立スポーツ施設の設置目的に合致できる指定管理者となるよう、慎重な対応を行っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成十五年六月の地方自治法の改正により、現在、管理を委託している施設は、平成十八年度までに指定管理者制度を導入することとなります。建設局所管の都立公園につきましても、都全体の方針等を踏まえ、必要な準備、検討を行ってまいります。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○河野委員 私は、初めに、都立公園の中にあるスポーツ施設の使用料の負担がどれくらいかということについてお伺いいたします。
 都立公園内には、野球場、サッカー、テニスコート、ホッケーですか、いろいろ施設がありますけれども、例えばよく使われる野球やテニスなど、こういう施設については、どれくらいの使用料負担が都民の皆さんにかかっているのでしょうか。大体どういう時間帯に使われて、どれくらいの負担がされているのか、お答えをいただきたいと思います。

○内海公園管理担当部長 野球場、テニスコートは、通常、二時間単位で利用されておりまして、一面当たりの使用料は、野球場の場合は平日で三千円、土曜、日曜、祝日は三千六百円、テニスコートの場合は、平日、土曜、日、祝祭日とも三千円でございます。

○河野委員 そうすると、大体一試合というか、そういう形で皆さんお借りになるんだと思うんですが、ここに書いてあります、競技会などを開催するために使用する施設の使用料についてということで、こういう場合は、ほぼ一日あるいは二日間にわたって利用されるんだと思うんですね。そうしますと、今お示しいただいた金額で、野球の場合ですと、平日、二時間で三千円ですから、一日借りたとして、四単位ということで一万二千円、それから、土日になりますとさらに高くなるということで、アマチュアのスポーツ団体の方にとってみれば、比較的大きなお金の負担になるのではないかと思っています。
 こちらの請願者の方がおっしゃっていますが、東京都教育委員会のスポーツ施設については使用料減額が行われているということで、設置目的が教育委員会の方と都立公園の方は違うんですよというご説明だったんですけれども、やはり都立公園内のスポーツ施設は、アマチュアスポーツの愛好家の方々にとっては、大切な利用されている施設だと思うんです。減免制度を求めておられますが、設置目的が違うということだけで、そうですかということで納得できるものではないと思うんです。私は、減免制度を実施する、そういう検討をしてもいいのではないかと考えているんですが、いかがでしょうか。

○内海公園管理担当部長 ただいまもご説明申し上げましたように、都教育委員会のスポーツ施設は、教育施策の一環として、スポーツ振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与するために設置をしているところでございます。
 一方、私ども建設局が所管をしております都立公園は、主として都民がレクリエーションのために利用することを目的として設置をしておりまして、公園内のスポーツ施設もスポーツ振興のみを目的としているものではございません。
 このように設置目的が異なるということでございますので、都教育委員会と同様の取り扱いは困難でございます。

○河野委員 都立公園の条例を見てみました。条例の中では、中学生の生徒さんとか養護学校の生徒さんについては、生徒等への、入場料ですけど、減免という制度が設けられております。それから、児童福祉施設の子どもたちへも入場料を免除ということで書かれているんですが、今、説明と答弁それぞれ同じことだったので、あえて繰り返しませんが、教育的な視点ということから考えたときに、アマチュアスポーツの愛好家の人たちのスポーツ活動そのものを、社会教育、生涯教育という、人間にとっての教育活動の一環としてとらえていいのではないかと思っているんですね。
 そういう意味で、レクリエーションのため施設を提供しているんですよということなんですが、やはりスポーツのすそ野を広げて支援していくということに、東京都が全体として立つ上でも、この使用料の減免については今後の検討課題にしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、地方自治法の改正によって予定されている指定管理者制度についてお伺いいたします。
 法律では、公の施設の管理運営は、選択肢として、自治体が直営でもできるということになっていると思います。都立公園は、子どもさんから高齢者まで広範な都民が利用しておりますから、管理運営については直営で行うということも視野に入れていい施設であると考えています。建設局が、ご説明にありましたように、都全体の方針を踏まえて必要な準備、検討を行っていくということで、今、指定管理者制度に向けて準備されているわけなんですけれども、この制度を導入する場合の建設局としての基本的な考え方をお伺いしておきます。

○内海公園管理担当部長 現在、都立公園につきましては、直営のものと、公園協会に管理委託しているものとございます。昨年度の自治法の改正によりまして、現在、公園協会に管理委託しておる公園につきましては、新しい指定管理者制度を導入していくということになるところでございます。
 都立公園の管理運営につきましては、創意工夫のある企画や効率的な運営などによりまして、公園利用者の多様なニーズにこたえ、質の高いサービス提供を行っていくため、指定管理者制度を導入していくものでございます。

○河野委員 先ほどのご説明と同じなんですが、現在、数えますと、この建設局からいただきました都立公園ガイドですね、これで見ますと、都立公園の中に三十一園ですか、スポーツ施設を持っている公園があって、テニスコートの一面、二面と数えていくと、全部で、野球場なども含めまして四百近いスポーツ施設が都立公園の中に設置されている。私、計算してみて、改めてその数の多さに驚きました。
 各施設の管理運営は、スポーツを行う人にとって良好な状態で提供されることが望ましいし、そのことによってまたスポーツが振興していくということになると思うんですが、このスポーツ施設について、やはりちゃんと都民に使いやすい形で提供していくには、専門的なメンテナンスとか、いろんな意味での技術が必要だと思うんですね。
 請願されている方は、指定管理者制度導入に当たって、各スポーツ施設の設置目的に合致できる管理者を選ぶ、このことを望まれているわけなんですけれども、この問題では、建設局としてはどういうお考えでしょうか。

○内海公園管理担当部長 都立公園内の公園施設には、スポーツ施設を初めといたしまして、園路でありますとか広場、花壇、噴水、休憩所、自然観察園など、非常に多くの施設がございます。今後の指定管理者の導入に当たりましては、これらさまざまな公園施設をそれぞれ適正に管理し、質の高いサービスが提供できる団体を管理者とするため、都全体の方針等を踏まえ、必要な準備、検討を行ってまいります。

○河野委員 ぜひ請願者の意向にも沿って準備を進めていただくようにお願いしておきます。
 冒頭申し上げましたように、アマチュアスポーツ団体の方々は決して経済的に恵まれた状況のもとでスポーツ活動をしているわけではありません。使用料の減額などについても検討していただくことが必要となっておりますし、指定管理者制度については、法律が変わって、これまでの公的セクターによる管理委託制度から、民間企業などの参入も認められることになりましたから、営利の追求が優先される不安もあるとの声も少なくなく聞こえてまいります。都立公園にふさわしい管理運営のあり方を、建設局としてもしっかりと検討していただくことが必要になっていると思います。
 私は、この請願は採択していただくようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、請願一六第八号の三は保留といたします。

○鈴木委員長 次に、一六第一四号、中野区指定保護樹林保護のための都市計画道路補助一三三号線事業化見直しに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○柿堺道路建設部長 整理番号2の陳情一六第一四号をお開き願います。
 本件は、中野区指定保護樹林保護のための都市計画道路補助一三三号線事業化見直しに関する陳情で、「私たちの街の森を守りましょう」の会代表川上美那子さん外六百十八人の方から提出されたものでございます。
 要旨は、中野区保護樹林第九号のほぼ中央を通る都市計画道路補助一三三号線事業化の見直しを実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、本路線は、環状七号線と環状八号線の中間に位置する地域幹線道路で、区部西部地域の渋滞緩和と防災性や安全性などの向上に寄与するものでございます。
 本路線では、目白通りから千川通りまでの延長四百十五メートルの区間と、本件陳情箇所に隣接する杉並区境から早稲田通りまでの延長三百メートルの区間で事業を行っております。
 本陳情箇所は、平成十六年三月十七日に策定した区部の第三次事業化計画で優先整備路線となった新青梅街道から杉並区境までの区間の南端に位置し、中野区指定の保護樹林がございます。
 当該区間の整備は、並走する中杉通りの交通を分散し、沿道の商店街の活性化に寄与するとともに、交通渋滞の緩和や地域の安全性の向上が図られることから、樹林等に十分配慮しつつ、地元区と連携して事業化の検討を進めてまいります。
 なお、本件陳情者から同様の陳情が中野区議会に提出されており、平成十六年三月に不採択の決定がなされております。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○小松委員 今説明がありましたように、本陳情箇所は、区部都市計画道路整備の第三次事業化計画で優先整備路線となったわけでして、ここにもありますように、これらは区部西部地域の渋滞緩和と防災性や安全性などの向上に寄与するものである、こうおっしゃっているわけですけれど、ここの道路は、まず渋滞緩和、本当にこれ必要だと思うんですよ。私もこの道路はよく知っているんですが、バスがすれ違うだけで大変。だから、いずれは何らか考えなければならないんだけど、この渋滞緩和にもう一つ重なっているのが、西武新宿線の踏切なんですね。この西武新宿線、特に最近、私も西武新宿線を使っておりますが、小江戸号が走り出してからは、ほんと大変なんですね。私なんかがおりるのは久米川、東村山とあっちの方ですけど、それでも結構ね。
 ですから、ここにおりますと、例の武蔵小金井じゃありませんけど、あれほどではないけど、しかし踏切がほんとにあいてる、時間数えたら、きっとその方が時間的に少ないんじゃないかと思われるぐらい、ここが一番渋滞のネックなんですよ。ですから、ここのいわゆるボトルネックというんでしょうかね、ここを解決しない限り、幾ら補助一三三号線を、新しい路線を引かれて--新しい路線でもないんだ、計画は結構前にあった。これをもし解決して、路線を引いたとしても、これでは全然渋滞緩和にならないんですよ。
 ですから、この踏切の問題、これがまず第一だと思うんですが、いかがでしょうか。

○柿堺道路建設部長 今のお話にございましたように、本路線と並行しております中杉通りにつきましては、JR阿佐ケ谷駅から西武新宿線鷺ノ宮、また西武池袋線の中村橋まで、一日に六百本のバスが通っているということで、本当に市民の生活を支える大変重要な路線だということで、全体的な整備が必要だと思っているわけでございます。
 その中で、お尋ねの踏切の件でございますけれども、都内に、ご承知のように現在千二百カ所の踏切があるということで、これらの踏切によりまして生じているさまざまな問題を解決するということで、現在、都市整備局と連携しまして、踏切対策の基本方針を策定している段階でございます。
 当該踏切につきましても、バス路線であると同時に、歩行者、自転車等、利用者も大変多い場所でございますので、補助第一三三号線の事業化に当たりましては、交通の円滑化、安全の確保を図るために、踏切対策も含めて検討していく必要があるというふうに考えております。

○小松委員 踏切対策も含めてはもちろんなんですけれど、この踏切が実際に一番ネックになっていくだろうということと、それから、踏切というのは物すごく時間がかかるんですよ、話し合いが済んで、計画ができて、でき上がるまでね。まして、踏切を解決しようと思ったら、平面交差ではだめだっていうことでしょう。下になるのか上になるのかって、それぞれ大変な問題があるわけですよ。ですから、これだけでも大変な問題だということでは、これがまず第一だということを、私、申し上げておきたいと思います。
 そうして、さらにこの中で、現在の状況で、並走する中杉通りの交通を分散して、沿道の商店街の活性化に寄与する、こういうふうに今説明されているわけですけれど、交通の分散が、中杉通りが並走する区間に限られているわけですね。既に阿佐谷の方は分散したところもありますけれど、しかし、その区間の中杉通りでは、現在の商店街のにぎわい、これが失われるんじゃないかって、この中杉通りの方々、心配しているんですよ。事実、阿佐谷の方のあの通りは、まるっきり廃れちゃったわけではないけれど、その中心部分は、やっぱり新しい道路ができて歩道も広くなれば、そっちにだんだん移っていくんですよ。
 ですから、こういった分散が、並走する中杉通りの沿道の商店街の活性化に寄与するということには到底ならないのではないかと思われますが、いかがでしょうか。

○柿堺道路建設部長 今ご質問のありました阿佐ケ谷駅の北側についても、かつて私どもが事業をしてバイパスとした部分でございます。その部分についての商店街の評価というのもさまざまあろうかと思いますけれども、旧道は旧道で独特の当時の趣があるのかなというふうに私は思っているところでございます。
 商店街の活性化自体は、個々のお店の魅力ですとか、商店街全体の努力ということもありまして、私どもとしては、そういうことでお客さんが来られるようなインフラの整備ということになるわけでございますけど、そういう観点から申し上げれば、中杉通りの現在の通過交通が排除されることによりまして、買い物をされる方が安心して利用できる、そういうインフラのある商店街が形成される、そういうことにつながるというふうに考えているところでございます。

○小松委員 私が申し上げているのは、この道路はそのままね、そして、並行して広い道路でしょう、これね。そうしますと、そちらにむしろ活性化が移るんではないかということなんです。これ、お聞きしても同じ答えが返ってくると思いますので、これ以上聞きませんが、そういうこともしっかり考えないと、分散化することで、もとの道路に活性化が戻ってくる、バスが行っちゃって、というのはとんでもないということを指摘しておきたいと思います、きょう、たくさんありますので余り時間がとれないので、次へ行ってしまいますけれど。
 それから、一番問題は、この地域に、この路線を引いたところに、ここにもありますように、ここでは何といってましたっけ、中野区保護樹林第九号という名前までついた保護樹林地帯があるわけですね。これ、私とても懐かしいんですよ。ここのすぐ近所は、昔、田んぼで、今は都営住宅や公団住宅になっていますけど、私は実はここで遊んで育ったんです。夏なんか、田んぼの中で--田んぼの中でということないね。思い切り泥んこになって、私もちょっと男の子みたいでしたから、遊んで、暑くなったり疲れたりすると、この保護樹林の、この大きな木の下に行って、ああ暑い、あそこへ行こうといって、休むんですよ。一息ついて、そしてまた田んぼへ戻ってくるという、私たち子どものときにもとても大切な樹林。(「ウン十年前」と呼ぶ者あり)そう、何十年前でしょうね。全然変わらないんですよ。残念なことに、少し何か狭くなったような感じするんですけれど。
 ここを道路、バイパスが分断する。とんでもないと思ってね、これは、きょうは私にやらせてって買って出たんですけれど、とんでもないですよ。あの大切な木、これ、聞くところによれば百六十年。だから、私がウン十年前でも、立派な木があったんですよ。そんな木がいっぱい茂っているところを、これを分断する。緑に配慮するなんて、きっとおっしゃるんじゃないの。配慮するったって、真ん中ぶった切っておいて、どうして配慮ができるんですか。もうこのこと一つとったって、これは全くできないというふうに思いますけれど、いかがでしょうか。

○柿堺道路建設部長 先生がご幼少のころからですので、木は非常に太くなっておるのは事実でございますけれども、ただ、先ほど来申し上げていますように、この区間、ことしの三月に事業化が決定したばかりの区間でございまして、そういう意味では、私どもとして、まだ測量ですとか調査を行っておりません。そういうことで、例えばそういう貴重な太い樹木ですとか、それと車道がどういうふうにかかわってくるのかということについて、位置関係を私どもまだつかんでない段階にございます。
 そんなことで、今後、道路とそういう貴重な樹木との位置関係等調査し、保護樹林をできるだけ保全できるような道路構造の検討をしながら、地元の区や地元の方々と相談してまいりたいというふうに考えております。

○小松委員 そうですよ、これは守っていただきたい。
 それで、私、ちょっと緑被率を見てみたんですけれど、この近隣、中野区ですから杉並とか練馬、見ますと、お隣の杉並は一七・六%ですね、緑被率。練馬は二〇・九%。これが新宿だと一七・四。渋谷に至ると二〇・六%。ところが、この中野区、どのぐらいだと思います。九・五%。これ、平成十年ですよ。さらに減っているんじゃないでしょうかね。緑被率からいっても、残念ながら大変少ないところ。何としてもこの緑を--後から環境局で、温暖化だとかヒートアイランドだとかいろんな問題が出てくるんです。建設局もこれは、うちの方は道路をつくるんだからというのではなく、ぜひ守っていただきたい。これ、重ねてお願いしておきますよ。
 それで、そうした今までのことを考えますと、この補助一三三号線の計画ということ自体、現道のないところに新しく道路を引っ張る。こういうことでは、たしか区部道路の方針を出す中間まとめかどこかで私読んだと思うんですけれど、できるだけ現道を使うということがいわれている。その方が費用だって時間だって少なくて済むじゃないかと、今、費用対効果というならばね。そういう意味では、新たに、ましてわざわざ樹林地をぶった切るような、こんな現道のないところにというようなことはやめて、そして変更すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○柿堺道路建設部長 失礼しました。先ほど、本路線のことを、ことし三月に事業化というふうに申し上げたようでございますが、優先整備路線として決定したということで、訂正をさせていただきます。
 ただいまの現商店街に計画線を振ったらどうかというお尋ねでございますけれども、当然、お尋ねのように、道路整備に当たって費用対効果について十分検討して、効率的、効果的に事業を進めていくというのは大変重要な観点でございます。
 先ほど申し上げましたように、まだ詳しい調査を行っているわけでございませんけれども、例えば現道拡幅をする場合には、用地買収面積は、現道がございますので減少するわけでございますけれども、現在の中杉通りの沿線には、既に堅固な建物や商店街があるわけでございますので、通常ですと補償費は増加するものと考えられる。
 また、一般論としてでございますけれども、既に都市計画決定をして長いわけでございますので、これを変更するということに関しては、合意形成等さまざまな意見があるわけでございまして、多くの困難を伴うのかなという感じもいたしております。
 そういうこともございますし、本路線については現計画での整備促進を求める強い要望も一方ではございますので、事業化に当たっては、現地調査を行うとともに、地元の方々の意見をよく聞きながら着実に進めてまいりたいと考えております。

○小松委員 もうそろそろ最後にしますけれど、いろいろいわれてみますと--もちろん事業化とは私も思っていないんですけれど、訂正していただきましたけど、この第三次事業化計画で優先路線に加えられたと。しかし、この道路の事業化、まさしく今おっしゃったその見通しというのはどういうことなんでしょうか。

○柿堺道路建設部長 第三次の事業化計画の優先路線でございますけれども、都施行で百三カ所、約七十六キロが位置づけられておりまして、それぞれ道路交通の円滑化に資する骨格幹線道路、あるいは防災性の向上に資する骨格防災軸となる都市計画が入っております。
 そういうことがございまして、今後、財政状況あるいは事業の優先度を十分に勘案しながら、地元の意向も聞いて事業化を図ってまいりたいと考えております。

○小松委員 ぜひこれは、地元の本当に意向を、特にこの現道のない人々、それから、この周りの地主さんの方々を含めて。聞くところによると、地主さんの中に賛成している方がほんとに少ない、ほとんどの方が反対だという中で、これはきちっとその合意をとっていただきたいと思います。
 それから、ここにありますが、ちょっと一言申し上げておきたいのは、この最後に、「本陳情者から同様の陳情が中野区議会に提出され、平成十六年三月に不採択の決定がなされている。」ということですが、これ、よくよく調べましたら、実際に出されているのは二つあったわけですね、中野区議会には。東京都に見直しを働きかけてくれというのと、保護樹林をしっかりと拡充、支援をしてくれということで。そして、都に働きかけてくれというのが不採択になったわけですけれど、なぜ不採択かというと、この陳情者に対する説明では、東京都がもうそういう決定をしちゃった、だから区で、区議会で働きかけといっても、もう決定された後だからできないよということで不採択にしたということのようですよ。
 ですから、こういうように書きますと、区議会が、地元がこうやって不採択なんだから、やっぱり都議会でもと、採択、不採択に影響しないでもないわけなんです。そういう意味ではやはり慎重であってほしいということを、これは厳重に申し上げておきたいと思います。
 私は、この陳情こそ、やはり緑を守り、そして地元の皆さんの合意形成ができるような道、まちづくりということでお願いし、採択ということを求めながら、終わらせていただきます。

○柿堺道路建設部長 ただいまの中野区議会のお話でございますけれども、ほかの議会のことですので詳しくは申し上げませんけど、三月十七日付の議事録の写しを見ますと、中野区指定保護樹林第九号を保護し都市計画道路補助一三三号線の事業化を見直すことについてを議題にしておりまして、賛成者の挙手少数により不採択にすべきものと決しますという記録になっております。
 そういうことで、私どもとしては、同様の趣旨の陳情であるという認識をしているところでございます。

○小松委員 もう終わっているはずだって、私、答え求めないで、厳重にと申し上げたんですけれど、今、違う答えが返ってきたので申し上げておきますけれど、ここに陳情文がありますよ。中野区指定の保護樹林第九号のほぼ中央を通る都市計画道路補助一三三号線事業化の見直しを東京都に働きかけてくださいという、この東京都に働きかけて、これが不採択になっているんですよ。
 二つあって、中野区はおもしろいところで、一と二を不採択と採択にしているんですけど、二は、保護樹林の保護、育成のために施策の拡充をしてください。題名自体が保護樹林第九号の保護といっているわけですから、これは二番目、採択はいいですね。
 それで、この一番目は、東京都に働きかけてくださいというところで、もう決まっちゃったものを東京都に働きかけても意味ないんだということでの、その不採択だということで陳情者は説明を受けているようですので、その行き違いだけきちっとしておきたいと思います。--またそこでいっちゃうというと、今度、切りないよ。

○柿堺道路建設部長 改めて申し上げますけれども、区議会の議事録の写しでございますが、委員長と書いてございまして、第一五号陳情、中野区指定保護樹林第九号を保護し都市計画道路補助一三三号線の事業化を見直すことについてを議題といたします。本件について質疑はございますかということで、賛成が少数だったという結論でございます。

○大西委員 私も、それに関して質問していきたいと思います。
 今回のこの事業計画、そもそもの経過を教えていただきたいんです。いつごろこういうものが起きて、そして見直し等が行われたと思うんですけれども、その辺を教えてください。

○柿堺道路建設部長 補助第一三三号線でございますが、昭和四十一年の都市計画道路再検討におきまして、細街路廃止に伴う道路ネットワークの再編や現地の状況等勘案されまして、現位置への都市計画決定が行われております。その後、昭和五十六年度と平成十五年度に必要性の検証が行われております。

○大西委員 事業計画は四十一年に決定ということですね。で、何年か前に中杉通りの拡幅計画もあったと聞くんですけれども、それはどういうようなものだったんでしょうか。

○柿堺道路建設部長 中杉通りの補助一三三号線と並走する区間について都市計画事業で拡幅するという計画は、私ども、現段階で持ち合わせてございません。
 また、ご質問にございました地元区あるいは住民の方から拡幅要望があったかについては、ちょっと急な話でございまして、大変恐縮ですけれども現段階で掌握できていないので、お許しいただきたいと思います。

○大西委員 いつごろあったかということもわからないんですか。--わかりました。
 今回、この新たなバイパス計画は、地権者四十一名中三十八名が反対していると聞いております。このような状況において、この計画をどのように進めていこうと思っていらっしゃるんでしょうか。

○柿堺道路建設部長 先ほど小松理事にもお答え申し上げましたけど、本路線、ことしの三月に第三次事業化計画の優先路線に位置づけられたという段階でございまして、そういう段階で現地調査等も当然行っておりませんので、ご質問にあったような形の地権者数あるいは地元の意向について、現段階では把握をしておりません。
 先ほど申し上げましたように、本路線について、今後の財政状況あるいは事業の優先度を勘案しながら、当然地元の意向も聞きながら事業化を図っていきたいと考えております。

○大西委員 先ほど小松理事からも質問がありまして、この中には、何よりも西武線の踏切事業計画もあり、それについてもこの道路計画とあわせて今検討中だということもいっていらっしゃいましたし、本当に大きく道路が動く中では、そういうものもすべて検討課題に入っていくと思います。で、今、位置づけられたという時期なわけですので、これからいろんなところで大いに住民の意見を聞かなければいけないんですけれども、そもそもこの計画が四十年前で、そして、そのまま、ある意味塩漬けになってきたものが、こうやって動き出すときには、まず、どういうふうな市と区の働きかけとか、この位置づけに行くまで、どういう協議が行われておりますか。

○柿堺道路建設部長 詳細には都市整備局の所管でございますけれども、今回の第三次事業化計画の優先整備路線決定に当たりましては、それぞれ都は都として、事業者がどこを整備するかを決める、あるいは区の方も二十三区で連携してどこをやっていくかということで、それぞれ事業者がみずから整備すべき路線を定めてきたと。都としてこれから事業を実施していく区間につきましても、当然、区と連携した協議会の中で打ち合わせをしながら決定してきたというものでございます。

○大西委員 本当に四十年も眠っていたような計画がぱっと動き出すにしては--ある意味、市や区、それから住民も含めて意見を聞いたというふうな説明はあるんですけれども、現実には、昨年の十二月に入ってからそういう話が出てきて、そして一月のこの慌ただしい、みんなまだ正月気分のときに、二回ほど地区説明会が行われていて、それが本当に一部しか知らない人たちが詰め寄せるというような現状ですよね。非常にこれは、本当に町が動き出すこの大きな道路計画の中では、余りにもお粗末な住民説明会というようなあり方で、相変わらず、お上のやることには口出すなというような、何となくそういう姿勢が見え隠れすることが気になります。
 特にここの場合は、中野区の保護樹林がばあんと位置づいた、その中を通そうという計画ですので、やはりこういう動きがあれば、市民の関心、それを惜しむ声というものが出てくるのは当然ですよね。
 で、先ほどからいわれていますが、中野区の緑被率は二十三区内でも最低の九・五%です。そういう意味では、今回の百五十年、百六十年もの樹齢があるこの木を、たくさんある木を、まずは何より守っていくという視点での道路計画のあり方が問われていいんじゃないかと思うんです。そういう環境優先ということを、建設局だって今後の道路計画の中でうたっていますよね。その方針には間違いありませんか。

○柿堺道路建設部長 保護樹林の樹木をどう保護するかというのは、先ほど小松理事にもお話ししましたので、さておきまして、都道の中の例えば緑地についても、公園に対しての緑地の--道路としての緑の比率も一割以上あるわけでございますし、昨年で申し上げますと、道路の中の例えば緑地帯ですとかそういう中で、日比谷公園の約半分に匹敵するような緑地を道路としても設けている。そういうことで、環境にも配慮しながら道路整備を進めてまいりたいというふうに考えております。

○大西委員 環境に配慮する、そのやり方というのがちょっと違うのかなと思いますけれども、新しく道路をつくって、そこに緑をぱぱっとばらまけばいいというものではなくて、やっぱりこういった固まりのある緑というものは取り返しができないわけですから、環境優先の道路計画の中に、既成の森とかそういうものを守るというような姿勢もぜひ位置づけていっていただきたいなと本当に思っております。
 先ほども出ておりましたけれども、今の道路の、中杉通りの商店街の四十年前の様子と現状との違い。そういう意味では、そこの拡幅がいいのか、それとも本当にここをつぶしたバイパスがいいのかということを比較検討する時間が、位置づけられたとはいえ、十分あると思いますので、ぜひこの問題は、こういう市民の方たちの集まりもできております、そういう人たちの声をよく聞いて、やはり二十一世紀型の道路計画に沿った中で検討していただきたいと思います。
 私たちも、本当に暮らしている中で道路の重要性は十分承知しながらも、環境とどうやって折り合いをつけていくかというのが問われているし、この陳情の方たちも、すべてそのような思いで出されていると思うので、ぜひその辺を、住民の声をよく聞いて、環境と道路計画が同じ方向になるような形で、難しいでしょうけれども、検討していただきたいと思います。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第一四号は不採択と決定いたしました。

○鈴木委員長 次に、一六第一九号の二、区部都市計画道路整備に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○柿堺道路建設部長 整理番号3の陳情一六第一九号の二をお開き願います。
 本件は、区部都市計画道路整備に関する陳情で、区部都市計画道路整備問題連絡会代表平塚晴夫さん外七百四十二人の方から提出されたものでございます。
 要旨は、区部都市計画道路の事業化に当たり、道路公害対策やまちづくり等について、関係住民等との合意形成、協働を図っていただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、都市計画道路は、都市の骨格を形成するとともに、交通渋滞の解消や都市環境の改善、東京の都市再生などに資する極めて重要な都市基盤施設であり、着実に整備を進めていく必要がございます。
 都市計画道路の事業化に当たって、都はこれまでも、すべての路線において事業概要の説明会や測量説明会などを開催するとともに、東京都環境影響評価条例の対象路線については、環境影響評価書案の説明会や都民の意見を聞く会などを開催し、住民の理解と協力を得るよう努めてまいりました。
 また、道路事業を進める際には、用地説明会、工事説明会や個別説明会を行うなど、十分かつきめ細やかな対応をしてきております。例えば調布保谷線や白山通りでは、地元住民との協議会を設置し、歩道の整備などについて地元住民の意見を聞きながら、地域の人々に親しまれる道路づくりに取り組んでいるほか、環状八号線では、模型の展示や工事進捗状況を知らせるインフォメーションセンターを設置するなど、事業規模や事業期間に応じたPR活動も行っております。
 このように、個々の路線や箇所の地域特性に応じて沿道環境に配慮するとともに、地元住民の意見が反映しやすい仕組みづくりに積極的に取り組み、合意形成に努めております。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○いなば委員 この陳情は、事業化に当たって関係住民等との合意形成を図ってほしいという趣旨のようですけれども、路線や場所を特定しないので、抽象的な印象がぬぐえないような感がするんですね。
 関係住民との合意形成といえば、私の地元で板橋区では、例の先ほどもご説明のあった相生町、そこの交差点の問題、いわゆる環状八号線ですね、都は、法令に基づく手続や事業の流れに沿った説明はもちろんですけれども、地元からの要請を受けて個別の説明などに応じて、現場の事務所は大変努力をしているというふうに私は受けとめています。私も何度かその現場に赴きまして、みんな汗を流している状況をつぶさに観察してまいりましたし、また、あれはたしか私が前の委員会、都市・環境委員会ですか、キンランとかなんとかという、ネットの方からもそういう話がありましたけれども、そんなところもよくよく見てまいりました。
 そこで、まず、昨年十月に事業認可された環状八号線の相生町交差点の立体工事についてですけれども、これまで、地元住民の理解と協力を得るためにどのような取り組みを行ってきたのか、あえて具体的にその辺のところをお尋ねしたいと思います。

○柿堺道路建設部長 相生町のオーバー立体につきましては、近傍の大和町交差点と類似の構造ということから、当初、地元住民の方々あるいは板橋区から、アンダー立体にしてほしいという強い要請がございました。私どもとしては、もろもろ検討した中でオーバー立体を採用する理由、あるいはその際の環境対策などについて、図面や資料を用いてきめ細やかな説明を継続的に行いまして、約三年の時間を要しましたけれども、地元住民の方々あるいは板橋区の理解を得てきたところでございます。
 具体的に申し上げますと、都の主催の説明会を七回、地元の要請による話し合いを主なものだけでも二十七回開催したほか、さまざまな方法で合意形成に努めてまいりました。
 このような取り組みを通して、地元十三町会から早期整備の要望が提出されるような段階になったほか、町会連合会からも工事の早期着工の要望書が提出されておりまして、現在の円滑な工事の実施につながったものというふうに考えています。

○いなば委員 今の答弁から、環状八号線のように、都内の道路の中でも特に重要な骨格幹線道路で完成が急がれている状況下においても、都は、地元住民への情報提供や意向の確認に十分努力しているということは伺えると思うんですね。
 本陳情は、これまでの取り組みと実績、成果に対して誤った認識をしており、環状八号線のこの事例を知る上でも、私は、このような陳情が提出されるという背景がよくわからないんですね。相生町の、よくそうやって取り組んできた姿勢を見ても、ちょっと私は理解できないんです。
 そこで、この陳情者について伺うんですけれども、区部都市計画道路整備問題連絡会というふうにして記されていますけれども、どのような組織なのか、お示しいただきたいと思います。

○柿堺道路建設部長 お尋ねの連絡会の詳細でございますけれども、私ども以前から折衝している団体ではございませんので、詳細については不明でございますけれども、最近、都庁に来庁されまして、その中で、例えば都道補助五二号線に反対する会、また補助第一三三号線、先ほどの路線でございますが、それの中杉通りのバイパス道路に反対する白鷺地域住民の会の方々などがございまして、複数のいわゆる住民団体から構成されているようでございます。

○いなば委員 そこで、この連絡会を構成する住民団体の名前に、道路に反対、こうくくってありますけど、そうついた団体もあるようですけれども、これらの団体は道路整備についてどのような意見を持って活動しているのか、お尋ねしたいと思います。

○柿堺道路建設部長 先ほども申し上げましたけど、都はこれまで、道路整備に当たっては測量説明会あるいは用地説明会などを行っておりまして、道路整備の必要性あるいは沿道環境の保全についてできるだけわかりやすく、さらに個別の相談に応じるなど、理解と協力が得られるように努めてきたところでございます。
 しかし、残念ながら、一部には、事業の趣旨をなかなか理解していただけず、とりわけ沿道環境対策などについて自分たちが納得するまで、工事あるいは事業に着手してはならないと主張する方々がおられるのも事実でございます。道路の早期整備を求める要望も多い中で、事業の長期化などの一つの要因になっているものというふうに考えております。

○いなば委員 では、今後、区部の都市計画道路を整備していくに当たりまして、そうした反対派の住民への対応も含めて、どんな取り組みをしていくのか、お伺いしたいと思います。

○柿堺道路建設部長 都市計画道路は、都市の骨格を形成し、都市再生あるいは沿道環境の保全など、都民生活にとって極めて重要な都市基盤施設でございます。この整備を着実に進めるために、個々の路線や箇所の地域特性に応じまして沿道環境に配慮するとともに、事業の必要性や沿道の住民の方の疑問等について十分こたえるなど、きめ細かな対応をこれからも行いまして、今後とも地元の方々の理解と協力を得て事業を進めてまいりたいというふうに考えております。

○いなば委員 では、私も意見表明をしたいと思いますけれども、今求められているのは、これまでの取り組みと成果を踏まえた未来志向の道路づくりだと思うんですね。これからも都市計画道路を着実に整備していくために、培ったノウハウを最大限に生かして、地元の理解と協力が得られますように努力を惜しまないでほしいと思います。
 本陳情は、建設局の努力を正当に評価していないようですけれども、こういう点からして、不採択すべきと私は考え、意見表明をしたいと思っております。

○小松委員 ちょっと私の質問をする前に……。
 今、部長のご答弁の中で、こうした団体が、道路整備が大変急がれる中で障害になることがあるんだみたいな、それらしきことをおっしゃっていたようです。今、区部都市計画道路整備問題連絡会から出された陳情を審議しているんですけど、そうなんですか。障害になっているんですか。私は逆に、こういう連絡会などができて、こういう人たちと話す--この方々は、私はすべて知っているわけではありませんが、いろいろお会いする中で、どうしたら住民が納得でき、よいまちづくりができ、よい道路ができ、それで泣く人ができるだけいないようにと、すごい努力をされながら都と話し合っているというふうに思っていたんですけど、そうじゃないんですか。

○柿堺道路建設部長 先ほど、いなば委員にお答えいたしましたのは、道路の早期整備を要望、求める声が多い中で、事業の長期化の一因になっているというお答えを申し上げました。
 個人的な経験に基づくお答えで大変恐縮でございますけれども、例えば私どもが説明会を実施いたします。私どもとしては、地元の道路整備に対する疑問ですとか不安ですとか、そういう本当の地元の声にお答えしたいというふうに思っています。ところが、すべてとは申しませんが、この構成団体の方の中には、地元といいながら、どこの説明会に行っても同じ顔が見えるようなことがあるわけですね。そういう方々、場なれをしているといいますか、事業についての性格を知っているということもあると思うんですけれども、そういう人たちがどうしても質問の主役になってしまう。そうすると、本当に地元で聞きたい方は、初めての経験ですから、なかなか質問ができない。それで、説明会の時間がないとか、我々もいろいろな苦情を受ける場面がございます。
 そのフォローもあって、我々、個別対応もしているわけでございますけれども、そういう意味で先ほどの趣旨のことを申し上げました。

○小松委員 何か、いかにもそういう方々が、こういう連絡会の方々が長期化させているというような雰囲気がありましたけれど、いや、だからこそ道路づくりというのは、その当事者なんかと最初からきちんと合意形成のできる組織的な場を設定した方がいいというふうに思うんですよ。そういう話し合いの中でやっていけば、今、PI方式とかいいますけれど、そういう中で、反対、反対だけいってないでしょう。
 それでは、この道路整備に当たって説明責任と合意形成の必要性、どのように考えておられるんでしょうか。

○柿堺道路建設部長 先ほど来再々ご説明を申し上げてございますが、道路整備を進めるに当たりましては、地元の方々の理解と協力を得るためにさまざまな説明会を行っておりまして、必要性あるいは環境保全等について説明をしているわけでございまして、そういう点では、私ども、説明責任を十分に果たしながら事業を進めていると考えております。

○小松委員 説明責任はありますから、説明はすべきなんです。しかし、説明を一方的にするということと、それこそその道路をどうやって住民と一緒に、住民のための道路としてつくり上げていくかという合意形成の場を、組織的にそういう場をきちっとつくっていく、そういう中で進めていくということは考えられないんでしょうかね。説明を一方的にして、もう説明はしました、あと、わかってくれないんならという、そういう態度ではなくてということです。

○柿堺道路建設部長 私ども、個々に現場がございますので、その現場、現場に応じて調査ですとか検討ですとかした上で地元の方々にご説明させていただいているわけでございまして、先ほど、いなば委員からもございましたけれども、先生がおっしゃるような一方的な説明であれば、都の現状の道路整備さえできていないのではないかなと。我々としては、一方的な説明ではなく、きちっと合意をとりながら事業を進めているというように考えております。

○小松委員 繰り返しになりますけれど、余り繰り返したくないんですけど、組織的な合意形成の場を設定していくということはどうなのかということです。

○柿堺道路建設部長 地域の中の、例えば自治会ですとかそういう組織がございますけれども、そういうところとも、先ほど、いなば委員がおっしゃったような形で、きちっと合意形成を重ねて事業を進めておるところでございます。

○小松委員 だったら、この陳情を採択できるわけでありますよね、私は趣旨採択をしたいと思いますけれど。
 今回は区部の整備路線の決定がされたわけですけれど、これから多摩に移って、多摩も今年度に整備方針を策定するというようなことも聞きますので、この過程で、でき上がっちゃって、そして、はい、これよっていうのではないということなんですよ。このことでは、本当は都市整備局に申し上げたいんでね。やっぱり建設局になりますと事業化ということになりますので、そのできる上がる前に、線を引く前にということで、都市整備局にぜひ伝えていただきたいし、建設局としては、事業化に当たっては、最初から説明という立場だけでなく、合意形成をつくる。時には、そういういいつくり方をしているところ、確かにあるんです。そうしたものをたくさんつくっていただいて、納得のいく、そして喜ばれる道路づくりということでぜひやっていっていただきたいということを要望し、そして、この陳情には趣旨採択ということで、終わります。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第一九号の二は不採択と決定いたしました。

○鈴木委員長 次に、一六第二〇号、都市計画道路補助第九〇号線の早期整備に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○柿堺道路建設部長 整理番号4の陳情一六第二〇号をお開き願います。
 本件は、都市計画道路補助第九〇号線の早期整備に関する陳情で、栃木弘さん外八名の方から提出されたものでございます。
 要旨は、地域住民の交通安全と地域環境整備のため、都市計画道路補助第九〇号線の早期整備を促進していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、は、明治通りを補完し、荒川区内の道路交通の円滑化や防災性の向上などに資する重要補助第九〇号線な路線でございます。本路線については、尾竹橋通りから都電荒川線荒川遊園地前駅に向かって順次事業を進めており、尾竹橋通りから尾久橋通りまでの延長千七十メートルの区間は完成しております。現在は、尾久橋通りから都電荒川線荒川遊園地前駅までの延長八百八十メートルの区間で事業を行っております。
 本陳情箇所は、事業中区間に続く、都電荒川線荒川遊園地前駅から明治通りまでの延長九百メートルの区間でありまして、平成十六年三月十七日に策定した区部の第三次事業化計画で優先整備路線に位置づけられております。当該区間の整備により、生活道路に流入する通過交通が排除され、学童及び歩行者等の安全性が向上いたします。
 今後は、財源確保に努めるとともに、事業中区間の進捗を見ながら、地元区と連携を図り、事業化を進めてまいります。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○河野委員 私は、本陳情に関連して意見を申し上げます。
 陳情で整備が求められている補助九〇号線は通学路になっていますが、ボトルネックといわれている場所は、車が一台通ると自転車の通行も難しくて、歩行者の通行の危険が指摘されています。
 九〇号線の整備に当たって、住民要望の第一は、事業に着手する段階から、用地買収の対象になる地権者はもちろん、近隣住民に対しての丁寧な説明を行い、事業への合意形成の努力をすること。そして二つ目は、当然ではありますが、歩行者の安全確保のために十分な歩道を確保することです。三つ目は、北区堀船四丁目にあるキリンビール跡地の新聞印刷会社からの搬送トラックの通行の問題です。現在は、荒川区西尾久七丁目、八丁目など狭い道を三ルートに分けて明治通りに出るようになっているわけですが、新しく九〇号線が整備されると、これらの搬送車が入ってくることが当然予想されます。新聞印刷工場の搬送車の通行については、不安のないように住民に対する説明を行うなど、これら三点について、東京都としての努力をされることを求めておくものです。
 以上です。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一六第二〇号は趣旨採択と決定いたしました。

○鈴木委員長 次に、一六第二四号の一、大原交差点、みずほ銀行所有地の公的利用に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○依田道路保全担当部長 整理番号5の陳情一六第二四号の一をお開き願います。
 これは、大原交差点、みずほ銀行所有地の公的利用に関する陳情で、杉並区、杉並住環境を守る会代表白井加都子さん外三百七十八名の方々から提出されたものでございます。
 その要旨は、大原交差点の環状七号線にエレベーターつきバリアフリーの歩道橋を建設してほしいというものです。
 現在の状況でございますが、大原交差点は、国道二〇号線、甲州街道と都道の環状七号線が交差し、国道二〇号線の上部には平行して首都高速四号新宿線が通っております。交差点の四方向に、自転車通行帯が併設された信号機つきの横断歩道が設置されており、段差及び勾配等についても、高齢者、子ども、身障者等に配慮したバリアフリー対応の構造となっております。
 環状七号線の横断距離は十九メートルであり、信号時間は、点滅時間を含め青信号時間三十秒、赤信号時間は百二十秒でございます。
 通勤通学時間帯における横断歩道の利用状況は、歩行者用信号一サイクルにつき、歩行者二十人前後、自転車は十台前後であり、三十秒の青信号で安心して渡れる状況でございます。
 横断歩道構造及びその利用状況から、当該箇所について横断歩道橋を整備する予定はございません。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○河野委員 大原交差点は、今ご説明にありましたように、甲州街道が二層に分かれ、上に首都高速四号線が走り、環七が交差しているという、三層構造の大変大きな交差点です。この道路の構造は、四十年前の東京オリンピックのころからこういう構造になったと伺っておりますけれども、私も現地に行ってみました。終日、相当の交通量だということがわかりまして、ここは、ラジオなどの交通情報でもしばしば渋滞のひどい地域ということで報じられているところだと認識しています。
 この大原交差点の交通量の状況、そして、わかったら、交通事故の発生状況などについて建設局として把握されておられることがあったら、ご説明いただきたいと思います。

○依田道路保全担当部長 まず交通量でございますが、平成十一年度道路交通センサスによりますと、十二時間交通量で、甲州街道、国道二〇号線でございますが、これが約五万四千台、環状七号線は約四万六千台でございます。
 それから、事故の件数の状況でございますが、警視庁の調べによりますと、大原交差点における平成十五年の一月から十二月までの一年間に発生した交通事故は十六件でございます。そのうち、横断歩道上での車と歩行者との接触事故は二件でございます。そのほかは、自動車対自動車あるいは自動車の単独事故が十二件でございまして、また二件は、歩道上での自転車と歩行者の接触事故というふうになっております。
 なお、これら十六件の事故はすべて軽微なものであったというふうに聞いてございます。

○河野委員 今、平成十一年の交通センサス、ちょっと古いかなと思います。合計しても十一万台ということで、もう少し詳しいデータ、ぜひこの機会にとってみていただきたいと思っていますが、相当の交通量です。
 私も交差点の周辺を歩いて、住民の方のいろいろな声も伺いました。都内でも本当に有数の交通渋滞地帯ということで、びっくりしたんですが、特に大型のトラックの通行、この陳情者が改善を求めている環七のところにつながっている甲州街道ですね、ここを通過するトラックが多いということを感じていました。甲州街道から上ってきて、そして環七で左折するという車がかなり多いんですけれども、この大原交差点で左折する角にあるのが、この陳情文にもあります、みずほ銀行が今持っている土地ですよね。
 ここの問題は、いろいろほかの局でもお話しになるということなので、きょうは、ここに立ち入ってお話はできないわけなんですが、建設局は、都道である環状七号線、甲州街道から左折する車がたくさん入ってくる環状七号線の道路管理者ということになっております。この場所を横断する歩行者の状況について、今、交通事故の点では軽微なものがほとんどだというお話だったんですが、現実にどういう状態で歩行者の人たち、住民の人たちがこの横断歩道を使っておられるか、状況把握されていたら答えてください。

○依田道路保全担当部長 環状七号線の車道の部分を横断する距離は、当該箇所では十九メートルでございまして、歩行者用の青信号の時間は三十秒ございます。そうしたことから、お年寄りや車いすご利用の方も、その三十秒の中で安全に横断できる状況であるというふうに認識しております。

○河野委員 今お答えいただいたことと、実際にこの横断歩道を渡っている住民の方々の感じ方というのは全然違うんですね。実際に、歩く速度についても個人差があります。だから、高齢者も安心して渡れるということでお話があるかとは思うんですが、やはり三十秒でも短いと感じておられる方がいらっしゃるというのが事実です。その渡っている歩行者に対して、今申し上げましたように、甲州街道から左折してくる車が、歩行者をせかせるように少しずつ移動してくるということ、そのことで危険を感じている方もいらっしゃるという声を伺いました。
 一方で、環七に左折してくる車、これがまた大変だと思うんです。延々と甲州街道の左折ラインを待っているわけですよね。要するに、環七の信号のところで一たんとまって、歩行者を渡してから自分の車が通過しなくちゃならないから、一つの信号で渡れるトラック、乗用車の台数というのは非常に限りがありまして、そのために、この甲州街道から上ってくる左折車というのは物すごい渋滞の中を我慢して並んできているので、ドライバーの心境から考えると、早く渡ってくださいということで、どんどん、何というんですか、少しずつ寄ってくるというのも、心境としてはわかる気がいたします。
 私がお会いした住民の方々は、平成十五年の調査で、これはどこから出された調査かということはおっしゃっておりませんでしたが、交通事故に対して、人身事故で二十二件、物件で六十件、合計八十二件の事故が起こったということもデータとして持っているということもおっしゃっていたので、先ほどの数字とかなり違いますけれども、実際にはこういう数字もあるということを申し上げておきたいと思います。
 私は、こういう交差点については、安全対策を行わないと、実際に大きな事故が起こってから手を打っても間に合わないということも感じています。
 この陳情の審査と関連してなんですが、今月二十五日に新聞に、分離信号さえあればということで、品川の戸越の交差点の記事も出ました。ここも同じように国道と都道が交差している大きな信号のようですが、ここで、やはり左折車が幼稚園の子どもさんをひいて、命が犠牲になっちゃったということで、この地域では、警察とも相談して、左折車対策ということで分離信号を設置したということなんです。この信号の設置については、警察の所管ですので建設局とは違うんですが、大原交差点においても、住民の皆さんがこうした不安を出されている中で、やはり車優先ではなくて、人命、歩行者優先の立場に立って何らかの対応をしていかなくてはならないのではないかと思っています。
 陳情者がエレベーターつきの横断歩道の設置を求めていて、そういうつもりはないというようなお考えも述べられましたけれども、こうした現実、要望も踏まえて、やはり何らかの人を守る上での安全対策、こういう問題について建設局としてのお考えがあったら、改めてお示しいただきたいと思っています。

○依田道路保全担当部長 先ほどの事故の件数につきましては、私ども、警察以外の情報は持ち合わせておりませんので、私どもとしては警察の発表された件数が正しいものというふうに理解をしております。
 それから、交差点での安全でございますが、交差点に限らず道路そのものは、体の不自由な方も含めまして、人と車が安全で安心して利用できることが不可欠であることは言をまたないところでございます。そのために、道路の構造や信号管制システムなどのハードの整備はもとより、交通安全教育だとか啓発、マナーといったソフトも含めて、総合的な安全対策を進めてきております。今後も、その延長線上で進めていく考えでございます。

○河野委員 建設局は、こういう交通量の多い、渋滞の発生がしばしば起こるという交差点をたくさん抱えておられると思うので、一つ一つについていろいろな対策をとっていくのは大変な仕事かと思ってはおります。しかし、安全に暮らし続けたいと願うということは、住民にとって当然の願いでありますので、都議会にもこうした陳情が出されているこの大原交差点については、できるだけ時を急いで、問題点も分析しながら安全対策に努力していただきたいと思っております。
 そして、東京都が国や関係機関に働きかけることも含めて、エレベーター設置という要望も出されている、将来的にそういうことも視野に入れて対策をとっていただけるように強く求めて、私は、この陳情は趣旨採択ということで決定していただければと思っておりますので、そのことも申し上げて、発言を終わります。

○大西委員 今の質疑を聞いていて思ったんですけれども、確かに先ほど、現状の中で、通勤通学時間帯における利用状況はこうで、三十秒の間で人は渡り切れる、安心して渡り切れる状況であるという説明がありましたけれども、果たして本当にそうなのかなと思います。あそこ、すごい道路幅があるわけですし、それこそ、渡るぞと、用意ドンの構えでさっと行ったときは三十秒で渡れるかもしれないけれども、毎日の生活の中で、そういう状況は必ずしも予測されていないわけですので、それは余りにもしゃくし定規の答弁だなと思ったので、ちょっと一言いわせていただきたい。
 もう一つは、こういう高齢化社会に入っているし、ああいう車優先の道路が既にできているところの交差点とかそういうものが、こういう問題のときに、一つは交通事故の件数というのが、データとしてやるかやらないかの物差しになると思うんですけれども、あそこは、ああいう道だからということで、歩行者にしてみれば割に注意して渡っている。だから、本当に事故としてなったのは、最悪の最悪の状況だと思うんですね。そういう意味では、こういう事故の件数だけで設置するか設置しないかを決めるんじゃなくて、もう一つ別の物差しというか、そういうものが要る時代に入っているんじゃないかと今感じましたので、その辺もぜひこれからの中で検討していただきたいということを一言いわせていただきます。
 そして、私は、これは趣旨採択と思っています。

○依田道路保全担当部長 先ほど来申し上げましたとおり、環七の横断につきましては、車道が十九メートルということで、これについては、私どもの職員、私も含めまして当該場所でずっと現地調査をしました。その際に、お子さんの手を引いて、それから乳母車ですか、そういうものを引いた方たちがどのぐらいで通過するんだろうということで、おおよそ十五秒ぐらいで十分通過できるというふうに認識しております。
 ただ、青信号になりまして二十秒、二十五秒たってから渡り始めた方が青のまま通ることを確保するということは私どもは考えておりませんので、その辺はまた別の問題かなというふうに思います。
 高齢者につきましても、おじいさん、おばあさん等につきまして、千差万別でございますのでいろいろありますけれども、やはり私ども、この三十秒の間で渡れるというふうに考えております。
 それから、大原交差点のこの箇所につきましては、先ほど来申しているように、四方向に、自転車の通行帯が併設されて、自転車と歩行者が分離された横断歩道の白線が引いてありまして、信号のついた交差点でございます。段差も勾配もバリアフリー化されておりますので、この平面で渡る交差点は、今、安全に、そして利便性が高い交差点だろうというふうに考えております。

○鈴木委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕

○鈴木委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一六第二四号の一は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で建設局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時二分休憩

午後三時十三分開議

○林田副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより環境局関係に入ります。
 初めに、理事者からの報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○百合都市地球環境部長 平成十四年十二月に東京都環境審議会に諮問をいたしました東京都における実効性ある温暖化対策につきまして、この五月十日に答申が出されましたので、ご報告をさせていただきます。
 お手元の資料1が答申の概要、資料2が本編となっております。説明は、資料1に基づきましてさせていただきます。
 まず、最初のページでございますけれども、第1、東京における新しい温暖化対策の必要性では、1、東京が直面する二つの温暖化において、東京が、地球温暖化とヒートアイランド現象という二つの温暖化に直面している現状を明らかにしております。
 2、温暖化対策の現状と課題では、京都議定書をめぐります国際的動向やCO2排出量の増加傾向に歯どめがかかっていないことを説明しております。また、現行制度の課題につきまして、先行して進めてきた都の対策とその課題として記述をしております。
 二ページをお開き願いたいと思います。3、新しい温暖化対策の必要性におきまして、東京のCO2排出の特徴や建築物の更新期を迎えるという地域特性を踏まえるとともに、地域の実情に通じた都が、独自の対策を強力に推進していく必要性を述べております。
 続きまして、第2、温暖化対策に関する新たな制度の基本的考え方といたしまして、1、温暖化対策の基本理念及び2、制度構築の基本的考え方を示しております。
 第3、諮問事項に係る各制度の方向性についてご説明をいたします。
 1、大規模事業者におけるCO2削減の推進の制度強化のねらいでは、現行制度よりも全体の削減水準を引き上げる考え方について述べております。
 大多数の事業者に実現可能なレベルで一律の目標基準を設けるという手法も検討されましたが、その場合、削減余地がかなりあっても、基準を満足するだけの低いレベルにとどまるという懸念があり、それよりも、積極的に取り組み、より高い削減を達成した事業者が社会的に評価される仕組みとすることが有効であるとしています。
 制度強化の内容につきましては、五ページの制度フローをごらんいただきたいと思います。左側が東京都、右側が事業者の行う内容となっております。まず、計画策定時でございますけれども、都は、評価基準や具体的な削減対策メニュー等を記載いたしました対策指針を策定いたします。事業者は、この指針に基づきまして削減対策計画書を作成し、削減目標の設定、自己評価、公表などを行います。その際、都は、より高い目標が設定されるよう指導助言を行うとともに、事業者の取り組み状況を公表いたします。
 中間年におきましては、事業者は取り組み状況を報告し、都が指導を行います。
 また、計画終了時には、事業者が結果報告書を作成し、取り組み結果について自己評価、公表するとともに、都も達成状況などを評価、公表し、特にすぐれたものについては表彰をいたします。また、取り組みが著しく不十分な事業者に対しましては、都が調査、指導、勧告等を行うこととしています。
 恐れ入りますけれども、三ページにお戻り願いたいと思います。次に、2、新築建築物等の環境配慮設計の推進でございます。
 制度強化のねらいでは、温暖化対策の視点から、新築建築物の環境配慮設計を一層進めるとともに、環境に配慮した建築物が評価される市場の形成を促していくべきとしております。
 強化すべき制度の主な内容として、省エネ性能の評価基準の強化、ヒートアイランド対策の追加、次に四ページに移りまして、マンションの環境性能の表示、説明の制度の導入の三点を述べております。
 次に、3、消費者への省エネ情報等の確実な伝達において、まず、ラベリング制度の目的として、温暖化阻止を都民の意識に根づかせ、消費者行動にまで反映させていくことを述べております。
 創設すべきラベリング制度の主な内容では、販売者が店頭の家電製品に省エネ性能水準や消費電力量、電気料金、ノンフロン等が一目でわかる省エネラベルを表示すべきことなどを述べております。
 最後に、第4、今後の展開に向けてにおいて、他の自治体との連携を強化するとともに、提言した制度の検証と見直しを行うべきことを述べています。
 また、すべての主体による総合的な取り組みの実施として、運輸部門対策と家庭部門対策を含む施策の総合的な展開と国への要請内容について記述をしております。
 なお、六ページに新築建築物の環境配慮設計の推進、また、次の七ページに、消費者への省エネ情報等の確実な伝達につきまして詳細を記載してありますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上、答申の概要についての説明とさせていただきます。

○福永廃棄物対策部長 昨年六月に東京都廃棄物審議会に諮問いたしました産業廃棄物の適正処理の徹底について及び廃プラスチックの発生抑制・リサイクルの促進についての二点につきまして、五月十八日に同審議会から答申が出されましたので、ご報告申し上げます。
 お手元の資料5が答申本文、資料3がそのうち産業廃棄物に関する答申の概要、資料4が廃プラスチックに関する答申の概要となっております。
 まず最初に、産業廃棄物の適正処理の徹底についてご報告いたします。資料3の概要に基づきましてご説明させていただきます。
 まず、一ページの第1章、産業廃棄物処理の現状と不適正処理では、公共セクターにより、ほとんどが都内処理される上下水汚泥を除いて、都内からは年間千百八十四万トンの産業廃棄物が排出され、中間処理の五九%、最終処分の七七%が都外で行われるとされております。
 また、国内では、年間千件前後の不法投棄事件が発生しており、これらの中に東京から排出されました産業廃棄物が含まれる例も少なくないとされています。
 さらに、これまでの廃棄物処理法の改正や都の施策により、排出事業者が優良な処理業者を選定しようとする機運も高まりつつあるものの、排出事業者及び処理業者全体に適正処理の意識と行動が浸透しているとはいいがたいとされております。
 次に、二ページをごらんください。第2章、今後の施策の方向でございます。
 不適正処理の主な要因といたしましては、安易な委託を行う排出事業者が多く見られること、処理業者の事業の状況が不透明になっていることなどが絡み合い、不法投棄が発生するとされています。
 今後の施策の方向といたしましては、産業廃棄物を多量に排出する事業者などに対し、社会的責任の徹底を求めるとともに、その取り組みが広く公表され、社会的に評価されるような仕組みの構築を進めるべきであるとされております。
 また、産業廃棄物処理業が健全な静脈産業として発展していけるような仕組みの構築を進めていくべきであるとされております。
 続きまして、二ページから三ページにかけての第3章、適正処理の確保に向けた新たな施策では、まず、排出事業者の適正処理への取り組みを公表する制度の創設として、産業廃棄物を多量に排出する事業者などに対して、適正処理の徹底を確保するための取り組みについて報告を義務づけ、それを公表する制度を創設すべきであるとされております。
 次の三ページでは、処理業者の産業廃棄物処理の状態を公表する制度の創設といたしまして、施設を有する産業廃棄物処理業者に対しまして、搬入搬出実績など処理の状態を確認できるデータを定期的に報告することを義務づけ、公表する制度を創設すべきであるとされております。
 さらに、その他の新たな施策として、優良な処理業者を第三者機関が評価する制度の導入の検討や、GPS等を活用した産業廃棄物の追跡システムの普及などについて述べられております。
 最後に、今後の課題といたしまして、新たな制度の効果を一層発揮させるためにも、広域的な仕組みを構築していくべきであるとされております。
 続きまして、廃プラスチックの発生抑制・リサイクルの促進についてご報告いたします。資料4の概要に基づきましてご説明させていただきます。
 一ページをごらんください。第1章、廃プラスチック処理の現状と課題では、都内において、一般廃棄物と産業廃棄物と合わせ年間百二十五万トンのプラスチックが排出され、廃プラスチックの五割強の六十七万トンが、何ら有効利用されることなく埋め立てられているとされています。
 また、廃プラスチックの発生抑制の現状については、さまざまな取り組みにもかかわらず、抑制効果がまだ不十分であることが示されています。
 また、容器包装リサイクル法の課題として、廃プラスチックの発生抑制、リサイクルに大きな役割を果たすべき同法が、現状では十分な成果を上げていないことが示されております。
 マテリアルリサイクルの現状については、汚れたものや複合素材などは素材としてのリサイクルが難しいことが示されています。
 さらに、サーマルリサイクルの位置づけとして、都内の多くの区市町村では、一般廃棄物の廃プラスチックは、不燃ごみとしてその大半が埋め立てられているが、エネルギー回収や環境対策等の技術開発が進展し、サーマルリサイクルが有効な手段となっているとされています。
 二ページに移りまして、第2章、発生抑制、リサイクルの基本的考え方では、発生抑制を促進する社会的仕組みの確立と最適なリサイクルシステムの構築を目指すべきであり、そのためには、都はコーディネーターとして重要な役割を果たすべきであるとされております。
 続きまして、第3章、今後の施策では、まず、廃プラスチックは貴重な資源であり、埋立不適物であるとされています。
 そして、そのためには、まず環境活動の促進や事業者との連携、さらに、経済的インセンティブにより発生抑制を促進すべきであるとされています。
 三ページに移りまして、ペットボトルやトレーなど単一素材のものについては、マテリアルリサイクルを一層徹底すべきであるとされています。
 また、それに適さない場合は、サーマルリサイクルを行い、埋立処分量ゼロを目指すべきであるとされています。その際、都民の信頼にこたえるべき環境コミュニケーションを一層促進していくべきであるともされています。
 さらに、今後の取り組みに向けてとして、廃プラスチックは貴重な資源であり、埋立不適物であるという観点に立って、都は、積極的に都民や事業者、また区市町村に対し問題提起していくべきであるとされております。
 あわせて、都は、広域的な立場から発生抑制の促進について先導的に取り組んでいくべきであって、国に対しては、現行の容器包装リサイクル法の抜本的な見直しを強く求めていく必要があると提言されております。
 以上、東京都廃棄物審議会の答申の概要について説明させていただきました。

○梶原企画担当部長 続きまして、東京都環境白書二〇〇四についてご説明申し上げます。
 お手元に資料6、東京都環境白書二〇〇四概要を、また、資料7といたしまして白書本体をお配りしてございます。ここでは、資料6の概要に従いましてご説明申し上げます。よろしくお願いいたします。
 資料6の一ページ、概要をごらんください。東京都環境白書は、東京都環境基本条例の規定に基づきまして、都民に環境の状況、環境の保全に関する施策の実施状況等を明らかにするために作成されているものでございます。
 今回の白書は、四つの特徴がございます。その1は、東京の環境の危機の克服に向け、東京の環境の現状と都の施策の方向性を示してございます。2は、都民、事業者との協力連携による環境改善に向けた取り組みを数多く紹介させていただいております。3は、最新の情報や写真を数多く使用し、東京の環境をわかりやすく解説をしております。4として、多彩なコラムで関係情報を広く紹介させていただいております。
 白書の主な内容でございますが、資料6の一ページの内容の欄をごらんいただきたいと存じます。第1部では、東京の環境において特に重要な二つの課題について、特集として取り上げてございます。
 特集1は、ディーゼル車規制の取り組みと成果について、昨年十月に都を初めとする八都県市で開始されましたディーゼル車規制についてでございます。
〔林田副委員長退席、委員長着席〕
 その内容でございますが、1として、東京の深刻な大気汚染の状況とディーゼル車規制の必要性についてでございます。
 これは二ページの図1に図表を掲げてございますが、ディーゼル車が都内の粒子状物質排出量の大きな要因になっているということを示してございます。
 次に、内容の2でございますが、関係業界、八都県市との連携協力、事業者の理解と努力による規制対応ということでございます。
 次に、3といたしまして、ディーゼル車規制による大気汚染の改善効果について述べさせていただいております。
 これにつきましては、二ページ下段の図2をごらんいただきたいと存じます。環状八号線井荻トンネルや道路沿道の調査で、ディーゼル車から排出されるカーボンですとか発がん物質が大幅に削減しているデータを例示させていただいております。
 次に、特集2でございますが、都市と地球の温暖化の進行と東京発温暖化対策についてでございます。
 都市と地球の温暖化の進行につきましては、二ページの図3で、東京におけます顕著な気温の上昇をグラフで示させていただきますとともに、行ったり来たりで申しわけございません、三ページ図4に掲げてございますように、ヒートアイランド現象の進行をあらわす図などで示させていただいております。
 また、東京のエネルギー消費の増大と地球温暖化及びヒートアイランド現象によります、私どもが申し上げております二つの温暖化の要因につきまして、三ページの図5及び6で記載をさせていただいております。
 今後、東京の地域特性を踏まえ、都が取り組むべき実効性ある温暖化対策でございますが、大規模事業者に対するCO2削減対策、新築建築物の省エネ性能の向上、家電製品の省エネラベリング制度の創設など、都が今後進めていきます温暖化対策につきまして示させていただいております。
 以上が特集の概要でございます。
 続きまして、第2部、一ページの下段の方でございますが、ご説明申し上げます。
 第2部では、大気環境対策、有害化学物質対策の推進、騒音、振動等の防止、環境配慮を優先した都市づくりの推進、廃棄物の発生抑制、リサイクルと適正な処理の推進、自然環境の保全と再生等々、環境の状況、環境保全に関する施策の実施状況をそれぞれ明らかにしてございます。
 資料7の本文の方でございますけれども、先ほど来ご説明申し上げましたように、四ページから四九ページまでが第1部の特集記事でございます。以下、第2部に入りまして、先ほど来の特徴の2で申し上げました、都民、事業者などとの連携協力につきましては、持続可能な社会の形成に向けた都の取り組みや都民、事業者などとの連携協力という表題で、一二九ページから一四〇ページまで記載させていただいております。
 以上、簡単でございますが、東京都環境白書二〇〇四の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○西野総務部長 平成十五年度一般会計予算のうち、環境局所管分の繰り越しについてご報告申し上げます。
 予算の繰り越しにつきましては、地方自治法施行令百四十六条第二項、百五十条第三項の規定に基づき、議会に報告することになってございます。
 それでは、お手元の資料8、平成十五年度一般会計繰越説明書に従いましてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。
 繰り越しは明許繰越及び事故繰越で、明許繰越額は十億五千二百九十六万三千円、事故繰越額は十一億四千三百三十六万二千円、合計で二十一億九千六百三十二万五千円でございます。
 財源の内訳は、繰越金と国庫支出金でございます。
 二ページをお開きください。
 明許繰越でございますが、対象事業は二つありまして、第一にディーゼル車対策融資あっせん事業でございます。繰越明許費予算議決額は一億九千五百三十六万八千円でございます。
 繰り越しの内容につきましては、資料右側の説明欄に記載してございますように、ディーゼル車の走行規制に係る新たな融資制度におきまして、年度内に支出が終わらなかったため、四千二百六十九万七千円を翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 次に、産業廃棄物処理施設の整備支援でございます。繰越明許費予算議決額は十億一千六百五十万円でございます。
 繰り越しの内容につきましては、東京臨海部における廃棄物処理、リサイクル施設を総合的に整備するスーパーエコタウン事業におきまして、年度内に支出が終わらなかったため、十億一千二十六万六千円を翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 三ページをごらんください。事故繰越でございます。
 対象となりました事業は、粒子状物質減少装置の装着促進事業でございます。繰越額は十一億四千三百三十六万二千円でございます。
 繰り越しの内容につきましては、ディーゼル車の走行規制に係る粒子状物質減少装置の装着促進事業におきまして、規制開始に向けて全国的に装置の需要が急増し、装置装着の調整に日時を要したため、補助金を翌年度に繰り越して支出するものでございます。
 以上をもちまして、十五年度一般会計予算の繰り越しについてご報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○鈴木委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑は、次に行います事務事業に対する質疑と一括して行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料につきまして理事者の説明を求めます。

○西野総務部長 それでは、去る四月二十二日の当委員会におきましてご要求いただきました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元配布の資料9、環境・建設委員会資料の表紙をおめくりください。目次のとおり、ご要求いただきました資料は十二項目でございます。
 まず、一ページをお開き願います。1、都内の二酸化炭素排出量の部門別推移でございます。
 京都議定書の基準年であります平成二年度及び平成四年度から十三年度までの各年度の部門別排出量の推移でございます。
 二ページをお開き願います。2、主な二酸化炭素削減対策の実績でございます。
 二酸化炭素削減のための主な施策とその実績でございます。
 三ページをお開き願います。3、二酸化窒素、浮遊粒子状物質の環境基準適合状況及び全国上位十局の推移でございます。
 まず、(1)、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準適合状況の推移でございますが、アとして二酸化窒素、イ、浮遊粒子状物質ともに、表の上段が一般環境大気測定局における平成十年度から十四年度までの各年度の測定局数、環境基準適合局数及び適合率の状況で、表の下段が、同じく自動車排出ガス測定局における状況を示してございます。
 次に、四ページをお開き願います。(2)、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質濃度の全国上位十局の推移でございます。
 四ページに記載のア、二酸化窒素、五ページに記載のイ、浮遊粒子状物質ともに、平成十年度から十四年度までの各年度における全国の測定局の上位十局の推移でございます。
 六ページをお開き願います。4、都内環境中のダイオキシン類調査結果でございます。
 まず、(1)、環境大気中のダイオキシン類調査結果でございますが、測定調査二十地点の位置図と各調査地点の平成十年度から十四年度までの各年度の測定値の推移でございます。
 次に、七ページに記載の(2)、公共用水域のダイオキシン類調査結果でございます。
 調査地点六十九地点の調査対象別内訳、位置図及び環境基準超過地点の水質並びに底質の状況でございます。
 八ページをお開き願います。5、規制対象ディーゼル車都内登録車の対応状況でございます。
 平成十四年三月末現在、二十万二千台であった都内登録の規制対象車の各時点における対応状況でございます。
 九ページをお開き願います。6、違反ディーゼル車の取り締まりの状況でございます。
 (1)は、平成十五年十月以降半年間の取り締まり実施場所及び箇所数を、路上、物流拠点等の区分に分けて記載してございます。
 (2)は、その取り締まり状況を、取り締まり実施場所の区分別、取り締まり車両の登録地域別に記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。7、都内における軽油及びガソリン価格の推移でございます。
 平成七年から十六年までの各年四月十日現在の軽油及びレギュラーガソリンの価格の推移を示してございます。
 一一ページをお開き願います。緑被率、みどり率の推移でございます。
 まず、(1)、都内の緑被率とみどり率の推移でございますが、昭和四十七年から平成十年までの各調査における緑被率とみどり率の推移でございます。
 次に、(2)、緑被率の地域別推移でございます。各調査年度における都全体及び区部、多摩の地域別の緑被率と経年変化でございます。
 次に、一二ページに記載の(3)、みどり率の地域別、区分別比較でございます。アは、樹林地、草地などの区分ごとの都内のみどり率の地域別経年変化でございます。イは、同じく区分ごとの多摩の地域別経年変化でございます。
 一三ページをお開き願います。9、保全地域に係る指定面積、公有化面積、公有化予算額、決算額でございます。
 平成七年度から十六年度までの各年度における保全地域の指定面積、公有化面積、公有化の予算現額及び決算額でございます。
 一四ページをお開き願います。10、河川の環境基準点における水質の順位でございます。
 まず、(1)、水質の良好な河川でございますが、平成十年度から十四年度までの各年度におけるBOD年度平均値の低い河川を十地点記載しております。
 次に、一五ページの(2)、BODの高い河川でございます。同じく、BOD年度平均値の高い河川を十地点記載しております。
 一六ページをお開き願います。11、産業廃棄物の排出量及び処分量の推移でございます。
 平成十年度から十三年度までの都内から排出された産業廃棄物の排出量及び最終処分量でございます。
 なお、下段に産業廃棄物の種類別排出量を、平成十三年度の実績に基づき円グラフで示してございます。
 一七ページをお開き願います。12、豊能郡環境施設組合のダイオキシン類を含む廃棄物の都内における処理計画案の概要でございます。
 上段に処理計画案の概要を、下段にこれまでの経過を記載してございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○鈴木委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、先ほど聴取いたしました報告事項に対する質疑とあわせて、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○倉林委員 それでは私は、今説明のありました産業廃棄物の適正処理の徹底についての答申と、東京都における実効性ある温暖化対策の答申、この二点について質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、産業廃棄物対策についてお伺いいたしますが、廃棄物審議会の答申は、産業廃棄物の適正処理のさらなる徹底に向けて、排出業者と処理業者からそれぞれ取り組み状況や処理状況を報告してもらう、そしてまた、これを公表する制度を新たに設けるという、こういう内容だというふうに思います。全国に先駆けて都が行うわけでありまして、私は、大変有効な対策だというふうに評価をいたしております。特に東京都は、その中でも多数の排出業者を抱えておりまして、排出業者、事業者にはどのように適正処理に向けた取り組みを行ってもらうかが、これまでの課題の一つであっただろうと、こう思います。
 今回、そういう意味では、一定規模以上の建設業者やすべての病院などを対象に報告、公表制度を設けるということは、都内の建設廃棄物への発生量が多いことや、医療廃棄物が不法投棄された場合に周辺環境等への悪影響が当然懸念されるわけでありますから、まさに時宜を得た有意義なものである、こう思うわけであります。今後、早急に制度化をしていただきたい、まず、このことを申し上げておきたいと思います。
 聞くところによりますと、昨年五月から、医療廃棄物については先行的な取り組みとして、都の呼びかけを契機に、東京都医師会などが葛飾区内の、委員長の住んでいるところでありますが、病院や診療所から出る医療廃棄物の収集あるいは運搬や処理を適正に行うためのモデル事業を始めたと、こういうことのようでありますけれども、これについて具体的に説明をお願いいたします。

○福永廃棄物対策部長 ご指摘のとおり、先行的な取り組みとして、昨年五月から葛飾区内で、東京都医師会及び葛飾区医師会、東京産業廃棄物協会、東京都環境整備公社の三者が共同して、医療廃棄物適正処理モデル事業を行っております。
 これは、医院や診療所約百四十カ所から排出をされます感染性医療廃棄物につきまして、医院等からの搬出時と中間処理施設への搬入時に、バーコードによりまして情報を読み取ることで個々の廃棄物の識別及び追跡を可能にし、収集、運搬から中間処理までの情報管理を確実に行うことを目指した、全国で初めてのシステムとなっております。
 このモデル事業では、中間処理及び最終処分については都外で処分が行われておりますけれども、このシステムによりまして、適正かつ確実に処理されているところでございます。

○倉林委員 今説明がありましたように、モデル事業では、バーコードなどIT技術を活用して、個々の廃棄物が確実に処理されることを確認できる先進的な取り組みである、こういうことであります。ぜひ葛飾区だけでなくて、できるだけ早く都内全域に拡大をしていただきたい、このことも要望しておきます。
 また、このモデル事業を聞いて、都外で適正に処理されているということがわかったわけでありますけれども、感染性廃棄物のようなものは、できるだけ都内での処理率を向上させていくということも大切なことだと、こう思うわけであります。
 現在、東京都が進めておりますスーパーエコタウン事業において、感染性廃棄物の処理施設の整備が計画をされておりますけれども、施設整備によってどのような効果を期待しているのかをお伺いいたします。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 医療廃棄物には感染性のものもありまして、また、人の健康や生活環境に影響が大きいこともありますので、東京都は、平成十四年に策定しました東京都廃棄物処理計画の中で、都内の医療廃棄物の全量都内処理を目指すことを目標に掲げております。
 スーパーエコタウン事業で中央防波堤内側埋立地に整備されますガス化溶融等発電施設では、感染性廃棄物の専用焼却炉を備えまして、年間約一万八千トンの感染性廃棄物を焼却する予定でございます。
 施設の完成は十八年度を予定しておりますが、この施設が稼働すれば、都内から排出される感染性廃棄物の全量を都内で処理できる能力が確保される見込みであります。

○倉林委員 都内から排出される感染性廃棄物の全量を都内で処理できる能力が確保されるということは、これも評価するわけでありますけれども、同様に特別な管理が必要な廃棄物として、さらにPCB廃棄物があります。
 PCBは、昭和四十七年に製造が中止されて以来、処理施設の整備が進まなかったということはご案内のとおりでありますけれども、このために、事業者による保管は三十年以上の長きにわたっているわけでありまして、紛失などによる環境リスクの拡大も大きく懸念をされているわけであります。
 平成十三年にPCB特別措置法が定められまして、全国で処理施設の整備が進められているわけでありますが、東京都のスーパーエコタウン事業で整備をされておりますPCB廃棄物処理施設では、都内だけでなく一都三県のPCB廃棄物を受け入れる計画であると聞いております。どのような考え方でこのような計画になったのか、その経緯を教えてください。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 都は、二十世紀の負の遺産ともいうべきPCBの散逸による環境汚染のリスクを一刻も早く取り除くため、まだ国の対応が定まらない平成十二年の東京構想二〇〇〇の中で、都内のPCB廃棄物を十年以内に全量処理する方針を打ち出しました。
 さらに、平成十三年三月に、都が区に提言しました首都圏スーパーエコタウン構想の中では、一都三県の広域連携により、PCB廃棄物など産業廃棄物の処理施設の立地を誘導することを提案しました。
 国は、十三年六月にPCB特別措置法を制定しまして、以後、拠点的広域処理施設整備構想の推進に着手しております。この構想に基づく国からの要請を受けまして、都は十四年四月、一都三県のPCB廃棄物を無害化処理する施設の受け入れを表明したものでございます。
 なお、全国を五つのブロックに分けまして、東京のほか、北九州市、愛知県豊田市、大阪市、北海道室蘭市に拠点的広域処理施設を整備しまして、この五施設により、全国のトランス、コンデンサー等のPCB廃棄物を平成二十七年三月までに処理する計画となっております。

○倉林委員 PCB廃棄物は平成二十七年三月までに処理をする計画になっていると、こういうことでありますけれども、産業廃棄物の中間処理、いわゆる最終処分の多くを他県に依存している東京都が、これまで処理の進まなかったPCBの廃棄物の分野で、他県のものまで広域的に処理する施設を積極的に取り入れた。相互協力の姿勢という意味では評価をするわけでありますけれども、施設の運営や収集、運搬に当たっての安全対策に万全を期しながら、当然着実に事業を推進してもらいたい、こう思うわけでありますが、実は私は、今、都市計画の審議会の委員をやっております。先月のたしか四月二十日前後だったと思いますが、このPCBの無害化処理施設を中央防波堤の内側の埋立地内に都市計画決定をしたいと、こういう議案が提案されまして、ある政党の方は、環境の未然防止に万全が期されていない、いわゆる環境が整備なされていないので同意できない、もっと具体的にいうと、明確に反対だと、こういう発言がありました。
 もちろん、多数で採決されたわけでありますけれども、もしこれが不同意にでもなったら、私は、PCBの処分に大変大きな影響をもたらすであろうと、こう思っております。ただ単にそれだけの理由で反対するということについて、私は大変疑問を感じました。残念な理解だなと、このことをちょっとだけ申し上げておきます。
 ところで、要求資料を見ますと、大阪のダイオキシンを含む廃棄物が都内で処理される計画案があるとされておりますが、どのような事情でこのような計画が持ち上がってきたのかも教えてください。

○福永廃棄物対策部長 平成九年、大阪府豊能郡能勢町の豊能郡美化センター周辺の土壌などから高濃度のダイオキシン類が検出をされ、焼却炉の運転が停止をされました。美化センターを管理する豊能町と能勢町で構成する豊能郡環境施設組合は、焼却炉を廃止することとし、平成十一年度に焼却施設の解体工事を行い、現在、解体に伴う廃棄物等をドラム缶に密閉保管をしております。豊能郡環境施設組合は、解体廃棄物等を適正に処理するために、地元に光化学分解方式の処理施設を建設するとともに、その施設では処理ができない一部の廃棄物につきまして、都内の民間の廃棄物処理施設で処理することとしております。

○倉林委員 このいただいた新聞の資料では、十六年の三月三十一日付で、地元の自治会が処理施設の建設計画の覚書を白紙撤回した、こう出ております。そういう状況では、当然都内処理も進んではいないんだろうと、こう思うわけでありますけれども、現在の時点でどのような状況になっているのか教えてください。

○福永廃棄物対策部長 豊能郡環境施設組合からは、地元からの反対要請を受けて、今月の十一日に、組合の管理者である豊能町長が組合の議会で、豊能町内での処理施設の建設を断念し、今後、新たな建設用地を探す旨報告したと聞いております。
 現在の状況ですが、地元処理施設の建設の見通しが立っていない状態でございまして、都内の処理計画についても、組合と都内処理施設の業者との間ではいまだ処理契約が締結をされていないなど、具体的な進展はございません。
 なお、豊能郡環境施設組合からは、地元施設で処理を行うことなく都内で処理することはないというふうに聞いております。

○倉林委員 今の答弁をお聞きしますと、現地では処理の見通しも立っておらないので、都内での処理計画も未定となっている、こういうことでいいわけですね。
 実は、これも余談でありますけれども、宮崎委員長いらっしゃいますけれども、たしかこの話題については、予特の中で大分議論がありましたよね。私も聞いておりまして、その中では、東京都がもう処理をするものだみたいな考え方に立ちまして、環境局の態度は極めて不透明だとか、疑惑に満ちているとか、余り記憶力がよくないんで、言葉はよくわかりませんが、失格者だとか、かなり不適切な言葉の中でこの質疑が行われていたというふうに思うわけで(「テレビ放映もあったのよ、あのころは。テレビがそういっていたのよ」と呼ぶ者あり)委員会でいっているということをいってるんだよ。そういう……(「だから、うそをいったわけじゃないのよ」と呼ぶ者あり)あの手の党の方ですが、ご案内のとおりです。
 しかし、これをやってもしようがないから申し上げるのをやめますが、これ以上は。しかし、今後……(「大変なことじゃない、ダイオキシンが来るといったら」と呼ぶ者あり)来るといってないでしょう。ちゃんと、そういっているからいってるんじゃないか。
 しかし、今後仮に、万が一、現地処理が行われるようになって、ダイオキシン類を含む廃棄物の一部が、万が一、都内で処理されるようになった場合には、まさに都民の不安を解消することが絶対に必要だと考えるわけでありますけれども、ここでひとつ都の見解をきちっと明確にしてください。

○福永廃棄物対策部長 都といたしましては、産業廃棄物は、廃棄物処理法では広域処理が認められており、法令にのっとり、許可の範囲内で適正に処理が行われるものである限り、基本的には問題がないと考えております。
 また、今回、地元自治会が処理施設の建設計画の覚書を白紙撤回したことを豊能郡環境施設組合に事実確認いたしました際、組合に対しまして、処理計画案にあるように、まずは可能な限り地元で処理するよう求めております。
 今後、仮に都内施設で処理する場合には、組合に対して、施設周辺の地元自治会等から要請があれば、理解を得るために十分な説明を行うことなどを求めてまいります。また、都内の処理施設に対し、処理に当たっては、法令に従い、適正に処理するよう指導してまいります。

○倉林委員 産業廃棄物は、廃棄物処理法では広域処理が認められている。法令にのっとり、許可の範囲内で適正に処理が行われるものである限り、基本的に問題はない、こういうお話のようでありますけれども、産業廃棄物は広域処理が認められているという、今の法的な部分では理解するわけですけれども、その場合、何といっても、安全かつ確実に処理するということが基本なわけであります。
 仮の話としての説明を今、私は求めたわけでありますけれども、どうぞ東京都においては、先ほど答弁がありましたように、施設組合には十分な説明を求めていくなど、適切な対応をきちっととりなさいということを申し上げておいて、次の質問に入ります。
 続いて、同じく、東京都環境審議会で答申の出ました東京都における実効性ある温暖化対策について質問させていただきます。
 今月十日に東京都環境審議会から、実効性ある温暖化対策についてということで答申が出たわけでありますけれども、ご案内のように、東京の桜はもう三月中旬に開花するというふうに早まったり、四月の東京都心の平均気温が平年よりも二度ぐらい高くなったというような、観測以来の基準値が出てきたようなということが報道されております。
 聞くところによりますと、ことしの夏もかなり厳しい暑さが続くであろうというような長期報道がなされておりますけれども、東京における地球温暖化やヒートアイランドという二つの温暖化が身近なところで進行しているわけでありますが、東京を取り巻く二つの温暖化を阻止することは、まさに喫緊の課題であると、こう思うわけであります。
 東京都は、これまでも温暖化阻止東京作戦を展開して、臨海部での大型風車の建設や日本初の燃料電池バス営業運行をするなど、全国に先駆けた取り組みを進めてきているわけであります。
 我が都議会においても、ご案内のように、議会棟の屋上には太陽パネルを設置したり、屋上の緑化にみずからが進んで取り組んでいるわけでありますけれども、本来、地球温暖化の防止については、京都議定書で温暖化効果ガス排出量の六%を削減するという国際公約になっておりまして、国の役割が重要なことはいうまでもありません。
 しかし、先日、環境省が発表した二〇〇二年度の温室効果ガス総排出量は、基準年の九〇年度比で何と七・六%増となっているようであります。その意味では、温暖化対策の抜本的な見直しが急務である、こう思うわけでありますけれども、このような状況において、東京の地域性を踏まえた、まさに地に足のついた、実効性ある温暖化対策について環境審議会の答申がここで出されたわけでありますけれども、その意味では、まことに時宜を得たものだと。ぜひとも、この言葉に書かれておりますとおり、実効性のある温暖化対策、実効性のある制度として取り組んでいただきたいなと、こう思うわけであります。
 そこでお尋ねしたいと思いますが、この答申に関する報道の中には、当初予定しておりました大規模事業所のCO2の排出量一律削減の義務化を見送ったことは、大きな後退であり、実効性は期待できないなどとするものもあったようであります。
 今回、その意味では、義務化でなく、誘導とした理由についてお聞かせいただきたいのと、そのための具体的な誘導策、これについてちょっと教えてください。

○百合都市地球環境部長 大規模事業者の現在の省エネの取り組みにつきまして、都が実態を調査したところによりますと、これまで熱心に省エネに取り組みまして二酸化炭素の削減に成果を上げている事業者がいる反面、省エネの余地がかなりあっても、まだ取り組みのおくれている事業者も存在するというような、状況は非常に多様でございます。
 また、業務実態を見てみましても、営業時間ですとかテナント入居率の変動など極めて多様でございまして、単純に一律の削減義務を設けることは困難な状況にございました。
 また、仮に一律の削減義務を課した場合、その削減率は、既に省エネ成果を上げて、削減余地の少ない事業者の達成可能レベルを考慮いたしまして、低い水準に設定せざるを得ないこととなります。また、さらに削減余地がまだかなりある事業者が、一律の削減義務を満たすだけの低い取り組みレベルにとどまってしまうことも懸念されます。
 このために、事業者に一律の削減目標を課すというのではなく、個々の事業者がそれぞれの実態に応じて、自主的に削減目標を設定するということにしたものでございます。
 個々の事業者の方々の目標設定につきましては、都が定めるガイドラインや評価基準等に基づきまして、個々の事業者に対する指導助言を行うとともに、事業者の取り組み状況を都が評価、公表いたしまして、特にすぐれた事業者を表彰することなどで、より高いレベルに誘導し、実効性ある制度としていくもので、決して後退ということではなく、都が全国に先駆けて実施する先駆的な制度でございます。

○倉林委員 一律削減の義務化を見送ったことは、決して後退ではない、こういうお話であります。
 事業者の取り組み状況を都が評価し、公表し、特にすぐれた事業者を表彰することで、より高いレベルに誘導し、実効ある制度としていく、こういうお話でありましたが、確かに一律削減の義務化というのは、いろいろな意味で難しいのかなと思いますし、また効果が薄いのかなという部分もわかりましたが、そういう中で、今お話のありました、評価して公表して表彰する、単に表彰程度という思いが、あるいはあるかもわかりませんが、ほかの表彰などとは違いまして、こういう意味での表彰というのは、お墨つきを与えることで社会的な評価を受けたと、こういう大きな意味合いの表彰だというふうに私は認識するわけであります。
 そこで、個別の事業者によってエネルギー利用形態はさまざまであるわけで、省エネの取り組み成果もまたさまざまであることから、一律の削減基準を当てはめることは確かに困難であるかもしれません。今回の答申で示されたように、個々の事業者をより高いレベルへ誘導していく制度の方が、行政側も確かに大変だとは思います。
 そういう意味では、本当の意味できめ細かい対応ができて、実効性がまた確保できるのかなというふうにも思うわけであります。
 しかしながら、個々の事業者について見ますと、これまで余り省エネに取り組んでいない事業者は、多くの総量削減が可能となりますけれども、逆に過去に省エネの努力を一生懸命進めてきた事業者にあっては、今後の削減余地が少なくなっていくんだろうと思うんです。総量削減目標は低くならざるを得ない、こう思うんであります。
 総量削減目標が少ない事業者であっても、これまでまじめに省エネに取り組んできた事業者を正当に評価してあげなければ、事業者のやる気をなくすだろう、かえって不公平な制度となるのではないかなと私は危惧いたします。
 都は、このような事業者をどのように評価していくのか、ちょっとそこを教えてください。

○百合都市地球環境部長 今回の答申におきましては、評価基準につきまして、CO2の総量削減を目指すために総量削減率を原則とするとしております。
 ただし、これまで事業者が行ってまいりましたCO2削減の取り組みの成果や計画期間中の生産量の増減など、事業規模や内容の変化といった事業者の個別事情を適切に評価するために、削減率の評価に加えまして、対策の取り組み程度に基づく評価をできる仕組みとするとしてございます。
 答申に示されましたこのような考え方に基づきまして、先生おっしゃるような、まじめに取り組んできた事業者が適切に評価され、不公平感のない評価基準をこれから検討してまいりたいと考えております。

○倉林委員 ありがとうございました。評価基準については、事業者も注目しているところであります。その設定に当たっては、事業者のこれまでの取り組みも踏まえた公平な制度になるようにお願いしておきたいと思います。
 そこで次に、実際にこの制度の対象となります大規模事業者は、都内に一体どのぐらいあるんだろうか、ちょっと教えていただけますか。

○百合都市地球環境部長 平成十三年でございますけれども、東京都事業所・企業統計によりますと、都内の事業所数は総数で約七十二万カ所でございます。
 一方、今回の答申の対象でございます大規模事業所は、現行制度の対象範囲である、いわゆる省エネ法の第一種及び第二種エネルギー管理指定工場を基本といたしまして、一定量以上の二酸化炭素を排出する事業所を対象とする予定でございまして、その件数はおおよそ一千カ所程度と見込んでおります。

○倉林委員 都内事業者数では約七十二万カ所、対象となる事業者は千カ所、これだけ聞きますと、事業所数の一%に満たないわけであります。今の答弁では、都内事業者数の総数と比べて、対象が非常に少ないわけでありますよね。これで一体、果たして効果があるのかなというふうに私は思うわけでありますけれども、大規模事業所に特に限定したという、そこのところを、今の比率から見てもうちょっと説明してくれませんか。

○百合都市地球環境部長 今回の制度の対象となります大規模事業者からの二酸化炭素の排出量の総計でございますけれども、これは先ほど申し上げました七十二万カ所の都内全事業所からの排出量の約三割という高い割合を占めております。
 今回の制度は、環境負荷の大きさを考慮いたしまして、事業者の二酸化炭素排出量の大きさに応じた応分の取り組みを求めることを基本といたしまして、一定規模以上の二酸化炭素を排出する大規模事業所を対象としたものでございます。

○倉林委員 そうしますと、大規模事業所のCO2の排出量が都内全排出量の約三割を占めている、こういうことでありますけれども、逆にいうとまだ七割が残っている、今回の制度対象外の中小規模事業所が排出していると、こういうことになるわけですよね。
 その点では、中小規模事業所の削減への取り組みもまさに重要であると、こう思うわけでありますが、一方で中小規模事業所に取り組みを促す場合には、よりきめ細かい配慮こそ、まさに必要だと思うわけであります。中小規模事業所への働きかけについては、こういう時世の中でどのように進めていくのか、ちょっと教えてください。

○百合都市地球環境部長 ご指摘のとおり、対象規模以下の事業者の排出量七割ということですから、これらの事業所の温暖化対策の取り組みが非常に重要というふうに認識をしております。
 とりわけ、情報が不足しがちで社内体制もとりにくい中小企業に対しましては、都としても必要な支援をしていく必要を感じております。
 具体的には、都が今回の制度の中で作成、公表してまいります削減対策ガイドラインの中に、削減対策メニューや省エネ事例を掲載いたしまして、中小規模事業者に対しても広く情報提供しますとともに、中小企業の先駆的な設備導入に対しましては、国の石油特別会計を活用いたしました補助金や制度融資など、きめの細かい支援措置を行いまして、都全体の温暖化対策をさらに有効なものとしていきたいと考えております。

○倉林委員 これは答申が出たばかりですから、確かにまだまだ中小事業者に対しては情報が行き渡っていないだろうと、こう思います。今後の問題は、十分な普及啓発ということについて、きめ細かい支援のお願いだけをとりあえずしておくということになるわけであります。
 そこで、今回の答申に関して、これから進んでいくスケジュール、これはどうなっていくんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回、環境審議会の答申を受けまして、都といたしましては、今後精力的に検討を進め、年内を目途に実効性ある温暖化対策を構築していく所存でございます。

○倉林委員 年内を目途に実効性ある温暖化対策を構築していく、条例改正していくことになるんだろうと思うわけでありますが、今後都において、鋭意制度化に向けた検討をしていくと思うわけでありますけれども、冒頭にも申し上げましたとおり、温暖化問題は今生きている我々の周りにも影響が出始めておりまして、今ここで行動を起こさなければ、将来の子孫や人類以外の生態系にも大きな禍根を残すことに相なるわけであります。
 それは申し上げるまでもない実態でありますが、今回の実効性ある温暖化対策に関する答申を踏まえて、東京都が国に先駆けて速やかに独自の具体策を取りまとめていただきますようにということを申し上げて、質問を終わります。

○花輪委員 では、私の方からも温暖化対策について伺いたいと思います。
 今、倉林先生からもいろいろありました、きょうはどうも最後の杉並病のところまで行くまでには八時過ぎるみたいな話もありますので、なるべく重ならないようにやりたいというふうに思っています。
 きょう、インターネットで温暖化対策ということで検索しましたら、ある映画が出てきました。「デイ・アフター・トゥモロー」という、六月五日からロードショーされるような映画ということでございます。
 ちょっとこれ、ストーリーが載っていたんで、簡単にどんな映画かといいますと、要は地球温暖化がどんどん進んでいっているうちに、大変なことになるぞといわれながらも、老練な政治家であるアメリカ副大統領のだれかさんという人が、経済コストを盾にそれを放っておいたらば、東京には巨大なひょうが降って死者が二千人を超える惨事が起きると。パリやヨーロッパは雪と氷に閉ざされてしまう。最終的には、ニューヨークを直撃する、すごい寒いハリケーンがやってきて、スーパーフリーズというハリケーンなんですが、果たして人々を待ち受ける運命はということでストーリーは終わっているわけですね。多分、優秀な、勇敢なアメリカ人が最終的には地球を救うと、そういうストーリーだというふうに思います。
 この監督はローランド・エメリッヒさんというんですが、地球が危機に陥ると、勇敢なアメリカ人が救ってハッピーで終わるのが映画のあれなんですが、なるべく日本も、また地球も、こういう危機にならないというようなことのために、皆さんもご尽力いただいていることと思います。
 そんな観点から、若干質問させていただきたいと思います。
 一九九七年に京都議定書が採択されたわけです。アメリカが後ろ向いて逃げちゃったりとか、ロシアが様子見とか、大きな国がなかなか動き出さないというのが現状の中で、だけれども、我々日本人としては、地球環境を守るんだという観点から、また経済の先進国であるという、その自負からも、この問題には積極的に取り組んでいかなければいけないと思います。
 まず、九七年のこの京都議定書以来、東京都が取り組んできた温暖化対策、こういうものについてご説明いただければと思います。

○百合都市地球環境部長 京都議定書が採択されました後の都の対応でございますけれども、都は地球環境保全東京アクションプラン、東京エネルギービジョンを策定し、その後、平成十二年、環境確保条例を制定し、地球温暖化対策計画書制度と建築物環境計画書制度を全国に先駆けて導入いたしました。
 また、平成十四年には、東京都環境基本計画を改定いたしまして、東京都の温室効果ガス排出量を一九九〇年度比で六%削減するという目標を設定したところでございます。
 さらに、同年十一月、都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針を発表いたしまして、基本理念や各部門別の対策などを示し、そのうち制度強化が必要な対策について、平成十四年十二月に東京都環境審議会に諮問を行い、このたび答申をいただいた次第でございます。

○花輪委員 今のご説明の中で、東京都環境基本計画を改定し、東京都の温室効果ガス排出量を一九九〇年度比で六%削減するという目標を設定したとおっしゃっていましたが、この目標に変わりはありませんか。

○百合都市地球環境部長 現在までのところ、改定は行っておりません。

○花輪委員 では、これまでの取り組みの中で、大体どのぐらい、その目標が達成というか、達成まで行っていないんですけれども、進んでいるんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 私ども、環境基本計画におきまして設定いたしました六%の目標値でございますけれども、これは部門別の積み上げ方式というような形をとっておりませんで、京都議定書におけます削減目標や、それから国の動向を踏まえながら、都民、事業者、行政が一体となって行動していくことを目指して、排出権取引などを含まない、東京の地域特性に応じた、より高い目標として設定したものでございまして、個別の取り組みの数値的な成果というのは、今のところ出しておりません。

○花輪委員 私が今聞いたのは、そこの部分ではなくて、これまでにどのくらい削減が進んだかということですね。これまでの取り組みを、逆にいえばどのくらい評価されているかということをご答弁いただけますか。

○百合都市地球環境部長 これまで環境基本計画の改定等から、さまざまな制度を実施しております。そういった中で、例えば全体で東京都のCO2の排出量を見てみますと、九〇年度に排出量一〇〇としたときに、二〇〇一年度は一〇五というような形で、CO2の総量そのものはふえております。

○花輪委員 現状ふえてしまっていると。ですから、今までの皆さんの取り組みというものが、ご努力を一生懸命されているのはよくわかるんですが、なかなかうまいことは進んでこなかったという、そんな印象を受けております、今、現状ふえてしまっているということであれば。
 それで、六%削減に向けて、これからさらに努力してもらわなきゃいけないんですが、二〇一〇年までの目標ということでいうと、これから毎年、どのくらいの削減を努力していくのかとか、あとまた、部門ごとに、例えば産業部門ではどのくらい努力してもらうか、家庭ではどのくらい削減していくか、業務部門では、運輸部門では、それぞれ部門を皆さん分けて、もともと検証数字をつくっていらっしゃるわけですから、その部門ごとに目標の設定とか具体的な数字の設定というのはされていますか。

○百合都市地球環境部長 先ほどちょっと申し上げましたけれども、今回目標を設定するに当たりましては、全体の目標数値をなるべく高くして努力していこうという意志のあらわれということで設定していまして、それぞれの部門で何%、何%というような形では仕分けはしておりません。
 ただ、今回実施いたします、例えば大規模事業所のCO2の削減等につきましては、一定の時期でそれぞれの効果については測定できるというふうに考えております。

○花輪委員 その測定されるということも大事だと思うんですが、その前段で、どこの部門ではどのくらいのという目標を持つべきだと思うんですね。確かに国もなかなか動いてくれないというのも実態だと思います。
 ですから、東京都として六%を何とか削減したいんだと。その六%のうち、国の政策、施策、自動車のさまざまな規制をどうするこうするで、二%削減してもらいましょう、国が動けば二%変わりますと。残った四%は、運輸部門はどのくらい、家庭、皆さんの生活の中ではどのくらい、そして業務部門、オフィスとかホテルがどのくらい、産業部門ではどのくらいというのが、やはり皆さんそれぞれが東京都としての目標を僕はしっかりと持つべきではないかと思うんですね。
 それを持ってこなかったということが、私は今までの反省ではないかな、そんなふうに考えているんですが、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 確かに、削減目標なり削減計画の中で、それぞれの分野に応じて、どういった対策を講じて、どれだけ減らしていくということを明確に示すことは、大変有効だと思います。
 ただ、現在のところ、こういった政策、対策を行うことによって、これだけ削減できるという確かな数値なり、ないしは方式なりというものがまだ確定しておりません。ですから、できるものについては、当然、可能な限り、都民の方々にもそういった形で効果をお示ししていくことも大切ですし、実際にこれからやろうとしております。
 ただ、まだまだすべての対策がストレートにこれだけCO2削減につながっていくというような形でお見せするというのはなかなか難しい部分もありますので、今後それは検討させていただきたいというふうに思っています。

○花輪委員 今部長が検討されるということですので、やはり我々の仕事にしても、皆さんのお仕事にしても、そしてまた今行政評価システムというのがいろいろと導入されていますが、具体的な目標を設定して、そこに何とか到達していくんだと。到達できれば、そこで大きな評価が得られる、そういう仕組みにしていくこと、頑張るインセンティブですね、何か表彰も大事でしょうけれども、その前に自分たちが努力して目標達成したんだと、それを皆さんとしても自分たちの目標が達成できれば、それはうれしいでしょうし、仕事していてよかったという気持ちにもなると思います。ですから、ぜひその目標を具体的に持っていただきたい、そんなふうに改めて要望しておきたいと思います。
 それで、ここに二〇〇二年、平成十四年十一月に出された地球温暖化阻止東京作戦第二ステージという、こんなパンフレットがあります。
 ここでは、都市と地球の持続可能性の確保のために六つの挑戦ということが書いてあります。
 挑戦1、オフィスなどの大規模事業所にCO2排出量削減を義務化、挑戦2、新築建築物に対し、より高い省エネルギー性能の達成を義務化、挑戦3、消費者に省エネルギーの情報が確実に伝わる仕組みを推進、この後は強化とか、そういう話になっていくんですが、今の挑戦1、挑戦2、そこには明確に義務化という言葉がうたわれているんですね。
 そこから見ますと、今回の答申というのは、先ほど倉林先生のご質問の中で、その方が効果が上がるんだみたいなことが若干あったようにも聞こえるんですが、どうなんでしょう、私にはいささかトーンダウンというような、そんな気がするのですが、そのあたりをもう一度ご説明、ご答弁いただけますか。

○百合都市地球環境部長 ただいま先生ご指摘ございました第二テージといいますか、二つの温暖化の阻止に向けた挑戦ということで、平成十四年十一月に東京都としては六つの挑戦事項を挙げ、その挑戦1と挑戦2の中で義務化というような言葉を使用しております。
 その後、環境審議会の方に、この挑戦1から3までの諮問を行って、実効性のある対策について審議していただいたわけでございますけれども、その間、私どもといたしましても、事業者の実態をまず把握しなければいけないということで、都の事業者に対する実態調査を実施いたしました。
 その中で明らかになったことといたしましては、先ほど若干申し上げましたけれども、一律の削減義務を課すというようなやり方でやりますと、業務形態ですとか、これまでの努力ですとか、さまざまな個別の事業者の個別事情に対して非常に公平感に欠ける、ないしは削減率の低い形での対応しかできないということが、どうも調査を見ますとわかってきたと。
 つまり、一律でやるために、一定の法則性なり一定の、一律性の合理性がなきゃいけないわけですけれども、実態を見ますと非常にさまざま、多様化しております。
 そういう意味では、やはり個別事情に応じた形で削減目標を設定する方が、最終的にトータルで見たときには削減率が高くなるという考え方をとったということでございます。

○花輪委員 実態的にということが何度か出てきましたし、また一律という言葉も出てきたんですが、私、思うんですけれども、その一律にかけるという話、この義務というのは、一律とはここには書いてないわけですよね。
 皆さんがよくいわれるのが、一律にかけてしまうと、今まで頑張ってきたところが損をするみたいな、頑張らなかったところが得するから、頑張ってきたところに合わせるとなると、目標そのものが低くなってしまうというような、そんなお話に聞こえるんですが、私は頑張ってきたところというのは、恐らく過去にどれだけ頑張ってきたかというのは数値は残っていると思うんです。頑張っていないところは、数値は残っていないと思うんですよ。
 だから、頑張ってきたところに対しては、しっかりその頑張りを先に評価してあげればいいと思うんです。その上で、義務化というような形で、少し厳しい形で、私はやっていった方が効果が上がっていくんじゃないのかなと思うんですよね。
 まず、指導助言しながら、自己目標を設定してもらって、それができたらば、よくできましたという評価をする。それも大切でしょう。世間から、またいろいろなところから、あなたの会社は頑張りましたよと評価されることは、企業にとっても大きなプラスになると思います。
 でも、それだけではなくて、そういうものを望まない、別に社会から評価されたって、されなくたっていいんだという企業にも、逆にいえばついてこさせなければいけないわけですね。
 評価されてうれしいと思う企業は、結構既に頑張っている企業が多いかもしれないわけです。頑張っていない企業、そういうところを引きずり上げてこなきゃいけないわけですから、そのあたりで、私はもうちょっと強制的というか力強い、そういうシステムをつくっていくべきだと思うんです。いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 ただいまのご議論のような形でのご議論は、審議会の中でもございました。
 ただ、やはり実態を踏まえた実効性のある制度ということで、私どもお願いしていたという経緯もございまして、義務化といったときに、やはり条例なり規則なりで一定の率を出さざるを得ないと。その場合は、一律にならざるを得ないという制度上の問題がございます。
 そういった制度になったときに、先ほど申し上げたような、実態を踏まえると低い水準になっていかざるを得ないだろうということがございます。
 それから、先ほどちょっとご説明足りませんでしたけれども、もう一方、私ども、社会認識といたしまして、先生ご案内のとおり、いわゆる企業の社会的責任ということが昨今、大分叫ばれておりまして、環境への取り組みを一つの経営の大きな柱とするというような事業者も非常にふえております。また、金融機関によりまして、そういったことを企業格付というような形で積極的に後押しするというような社会的な現象も出てきています。
 こういったことも一つの背景と考えまして、今回のような制度を提言いただいたということでございます。

○花輪委員 これ以上議論してもあれですから、恐らく皆さんも私たちも、とにかくこの問題は大きな問題で、頑張らなきゃいけないという認識は変わらないと思います。
 ぜひ、先ほどの数値目標も含めて、答申にとどまらずに、それ以上に一歩も二歩も進んでいくような、そういう施策をつくっていただきたい、そんなことを要望して終わります。

○小磯委員 それでは私は、大きい項目として、地球温暖化、それからディーゼル車規制の取り締まり、スーパーエコタウン、それから光化学オキシダントということで、ちょっとまとめて質問させていただきます。
 まず、地球温暖化でございますけれども、ちょっといろいろ省きまして、まず、今回の答申は三つの制度について方向を示しているわけでございますが、その中の大規模事業者、これの削減目標に誘導するために、削減対策ガイドライン、これを示すことになっておりますけれども、これの具体的なメニューはどうなっているのか。
 それからもう一つ、対策の導入効果を示すとありますけれども、具体的にCO2の削減量を示すという、そういうことなのかお伺いしたいと思います。

○百合都市地球環境部長 お話の削減対策ガイドラインでございますけれども、これは事業者の積極的な取り組みを引き出しまして、高い削減目標へ誘導していくというために、対象事業所の業種ごとに、運用対策ですとか設備改修等の対策を省エネ対策メニューとして具体的にお示しするものでございます。
 また、個々の省エネ対策によりまして、その対策を実施いたしました事業者が削減できる二酸化炭素の算出方法をお示ししまして、事業者みずからが経済効果を含めた導入効果を把握できるようにするものでございます。

○小磯委員 この大規模事業所の削減対策メニュー、その中に再生可能エネルギーといったものもしっかり入れるべきだと、こう思いますが、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 削減対策メニューは、今申し上げましたように、さまざまな省エネ手法について、コストの回収期間ですとか導入効果をわかりやすく説明するものでございますけれども、再生可能エネルギーの取り扱いにつきましては、この対策メニューの具体化の中で検討してまいりたいというふうに思います。

○小磯委員 ぜひ再生可能エネルギーを入れていただきたいと、こういうふうに思います。
 それから、頑張っている事業所については表彰するということでありますけれども、もう一つは、そういった事業所が玄関のところにラベル表示するとか、そういった取り組みも大事じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回の審議会の方から提言されました制度では、都が作成する評価基準によりまして事業者の取り組みを評価し、その結果を公表することで事業者の積極的な取り組みを引き出すと。それによって、高い削減目標に誘導していくものでございますけれども、このためにすぐれた取り組みに対する表彰制度ということを含め、事業者の取り組みを広く都民にわかりやすく伝えるということが極めて重要というふうに私ども認識しておりますので、今後、その効果的な手法につきましては検討させていただきたいと思います。

○小磯委員 大規模事業所は、以上でございます。
 建築物環境計画書制度でございます。
 答申では、ヒートアイランド対策に関する評価項目の追加が挙げられておりますけれども、どのような対策を評価項目として盛り込んでいくのかお伺いしたいと思います。

○百合都市地球環境部長 今回提言をされました建築物環境計画書制度におきましては、ヒートアイランド対策の視点から、人工排熱対策とともに、建築資材等の技術開発の発展を踏まえ、保水性建築資材ですとか高反射性塗料を活用いたしました被覆対策を新たな評価項目として追加しております。
 また、建築物単体の性能ばかりではなく、周辺地域との関連性を配慮することも重要であり、風通しや緑の連続性といった項目についても、評価項目として検討していくとしております。

○小磯委員 今回の答申のための諮問の中に、大規模な新築建築物等に対する自然エネルギー利用の義務づけを検討する必要がある、このような諮問がしてあるわけですね。これに対する答申はどうなっているのか。私、ちょっと見た限りでは、この自然エネルギー利用の義務づけというのは今回入っていないなと。なぜ入っていないのかなというふうに思うんですが。

○百合都市地球環境部長 自然エネルギーにつきましては、現行の建築物計画書制度の中でも一定の触れ方をしておりましたので、今回につきましては、特にこの審議会の中で具体的な提言という形では出てこなかったところでございますけれども、建築物の新たな計画書制度の中では、やはりそういったことにつきましても、さらに深く検討するということでやってまいりたいというふうに思っております。

○小磯委員 それから、この答申を受けて、年内に対策をつくるということでございますけれども、例えばこれまでの取り組みの中でいえば、地球温暖化阻止東京作戦というのがありますよね。それともう一つは、東京都環境基本計画の策定、それから都市と地球の温暖化阻止に関する基本方針の策定とかありますけれども、今回、この答申を受けて、年内に取りまとめる対策というのは、これはある意味では、私の思いとしては、この地球温暖化阻止東京作戦をはるかに上回るといいますか、基本計画の策定と基本方針とか、そういったものを上回るぐらいの、いわゆる重い位置づけではないかな、こう思うのが一つと、それから、これはいわゆる環境確保条例の改正だけで終わるのか、それとも、ある意味、この地球温暖化防止条例といいますか、そこまで昇華させていくべきではないかなと、こう思うわけですが、いかがでしょうか。

○百合都市地球環境部長 今回、審議会で答申をいただいておりますのは、先生おっしゃるような六つの挑戦の中の三項目について、具体的な実効性ある対策ということで答申いただいております。
 今後我々、先ほど申し上げましたとおり、年内を目途にこの三つの制度の提言に対して、具体的な制度構築をしていきたいというふうに思っていますが、先ほど来申し上げているとおり、温暖化対策、非常に幅が広い、またほかの挑戦項目もあるということで、総合的な対策を進めていくことが非常に重要だというふうに認識しています。

○小磯委員 この環境基本計画の目標である一九九〇年度比六%削減、これが二〇一〇年度に達成できるのかというのが、一つの大きな課題であろうかと思います。
 先ほど花輪理事からもありましたけれども、二〇一〇年度の推定でいくと、九〇年度比で一五%増である。九〇年度よりも六%、さらに削減ということであれば、足して二一%削減ということになると、二〇〇四年度でございますので、あと六年間の中で二一%というと、かなりしんどい作業になるのかなと思うわけでございますが、その辺の認識を伺いたいと思います。

○百合都市地球環境部長 数値的にいいますと、先生おっしゃるとおり、二一ポイントの削減ということが現況では必要だということでございますけれども、今回答申いただきました三つの制度、これは一つ非常に重要な、また実効性のある制度だと思っておりますし、これを実際に実現していくということが一つございます。
 それから、先ほど申し上げましたけれども、これ以外にもやはり挑戦を三項目挙げていますし、それ以外のまた温暖化対策、これも総合的に進めていくという必要があろうかと思います。
 こういったことを進めていく中で、何とか目標達成に向けて努力していきたいというふうに考えております。

○小磯委員 今回、私が資料要求いたしました主な二酸化炭素削減対策の実績、再生可能エネルギー導入については、この太陽光発電とか風力発電によって、年五千トンの削減ができるでしょう。それから、地球温暖化対策計画書では十二万九千トンの削減ができるでしょう。ここまでは削減量を示していただいたわけでありますが、例えば低公害車の導入でどれだけCO2削減になるのかは出てません。屋上等緑化についても、これは面積でいくと東京ドームの九・六倍の屋上緑化をしていただいたと。これは評価できるんですけれども、それによって、どれだけCO2が削減になるのか、これは出てません。建築物環境計画書でも、提出件数は出ていますけれども、どれだけ削減になるかは出てません。地域冷暖房導入も出てない。環境家計簿も出てない。
 ということで、これは、私はディーゼル車規制のときに一生懸命皆さんが頑張ってお金を投入して、そしてディーゼル車規制に通るようにDPFをつけたり、また新車に切りかえした、その事業者の人のことを思うと、どれだけ東京の空がきれいになったか、それをしっかりとあらわすことが大事なんだということを申し上げて、東京都はペットボトルのこととか、発がん性物質が削減になったということを示していただいたわけでありますが、全体の、総量削減は積み重ねが大事なんでありまして、例えば屋上緑化なんかにしても、こういう植物だとこれだけど、こういう対策だとこうだと、そういうものをいろいろ計算して平均値を求めて、それで削減量を私は示すべきだと、こう思っております。
 例えば、建設局なんかは、道路をつくったらどれぐらいの経済効果があるかということで、大体二百億円とばあんと数字をはじくわけですよね。そういった意味で、CO2削減というのは数字との勝負でありますから、個々の対策でどれぐらいCO2削減が図られるのか、その数字を示すということは、これは本当に大事なことである。
 その数字すら示されないで、何で屋上緑化だとか地域冷暖房を導入しろとか、それがいえるのであろうかと思っております。そんなことで、ぜひとも数字をわかりやすくお示しいただきたいと思います。

○百合都市地球環境部長 個々のCO2削減対策の数量的な効果ということでございますけれども、今回、委員会資料二ページにありますように、おっしゃるような形で二点の対策についての数値をお示ししたわけですけれども、確かに個別の対策によってどれだけのCO2削減につながるのかということを明確に示すということは、非常に大事なことだと思っていますけれども、現段階でそれを個別、それぞれの対策でどれだけ減るかということをお示しするのは、定量化するというような形でお示しすること自体、まだ技術的な課題等もありまして、なかなかできない部分もございます。
 ただ、おっしゃるとおり、やったことがどれだけの効果があったのかということを具体的に示すということは、大変重要なことだというふうに私どもも考えておりますので、その手法については、今後検討させていただきたいというふうに思っております。

○小磯委員 私、三月の一般質問で質問したときに、都知事からは、都は独自に先駆的な温暖化対策に取り組み、明確なメッセージを発して、何とかこれを微力でも重ねて食いとめようという志を持つ人の輪を広げて、国を動かす大きなうねりとしていきたいと思っております、その過程において、ご提案の都民にわかりやすい情報発信について声かけていきたいと思っておりますと。こんなことで、微々たるものでも、それを重ねて、それで国を動かす、やっていきたいと。
 そしてまた、都民にわかりやすい情報発信を心がけていきたいということで、例えば東京都のホームページの中に、こういったCO2削減がこれぐらい進んでいます、これぐらい削減ありますよという、そういったビジュアル的なことも大事であろうかと思いますし、それからまた、今回の答申の二八ページには、CO2の総量削減にどの程度寄与できたかどうかを検証し、その結果を踏まえて社会の変化に対応した必要な見直しを行っていくべきであるということで、検証しようということまで答申としてなっているわけであります。
 そういった意味で、局長に、この対策効果をわかりやすく示して、例えば局内にCO2削減量検証チームみたいなものを立ち上げて、そして事業者、都民の積極的な取り組みを引き出し、環境基本計画の目標達成を目指していく必要があると思いますが、ご決意を伺いたいと思います。

○小池環境局長 ただいまいろいろとご質問、ご意見がございましたように、温暖化対策に取り組んでどれだけの効果があるのかと、そこらあたりを具体的にわかりやすい形で示すというのは非常に重要だと思っております。
 これまでの温暖化をめぐりますご議論をいただきましたところでもありますように、温暖化の進行を阻止するということが一番大きな課題だということを認識しておるわけですが、温暖化の問題につきましては、社会の構成員一人一人が温暖化をみずからの問題ととらえまして、すべての主体が社会的責任を自覚して、それぞれの役を果たしていくということが基本でもあり、また不可欠だろうと思います。
 そのためには、私ども認識しておりますのは、企業、都民の方が温暖化問題をまず身近な問題として感じとっていただくということと、温暖化対策に積極的、主体的に取り組んでいく、こういうことを、姿勢といいますか、そういう姿を促していく仕組みづくり、ここが一番大切なところじゃないかと思います。
 その意味で、今お話がありましたように、各主体の方の積極的な取り組み、これを引き出すためにも、温暖化対策に取り組めば、CO2がどれだけ削減されて、またそれは、本来は企業にとってはコスト縮減にもつながりますし、家計にとっても家計が助かるという、その経済的なメリット、効果もあるわけですね。そこらあたりを具体的にできるだけ示しながら、積極的な取り組みを促していくなりというふうなことが行政に求められる課題だと思いますので、そこらあたりは今後、一生懸命工夫してまいりたいと思います。
 もう一つ、さらに重要なことと考えておりますのは、先ほど来議論がございましたが、大きな仕組みづくりというのが重要なことだろうと思っております。
 今回の提言にありますように、ここで提言されていますのは、評価と公表ということを一つの基軸にしておりまして、その制度化は極めて重要であると思っています。
 この制度化によりまして、多くのエネルギーを消費している事業者、これは特に企業が、都の中では産業部門、業務部門、運輸部門にわたりまして、企業活動のウエートが非常に大きいということがございますので、事業者の方々が社会的な責任の一環として、取り組みの効果あるいは成果をまず公表していただいて、その取り組み状況が市場や消費者、さらに都民の方から社会的な評価を受ける、こういうようなことによって、それぞれの方々がより高い削減水準に努力していこう、そういうことを誘導できるような仕組みということで、私どもは意識しておるわけでございます。
 このただいま申し上げました評価と公表の制度は、環境基本計画に環境配慮が内在化された社会システムの構築と、こういうふうに高らかにうたっているわけですが、それに通じるものだと思っておりまして、今後、年内を目途に、実態を踏まえた実効性のある制度設計というものに十分力を注いでまいりたいと思っております。

○小磯委員 ただいま局長の並々ならぬ決意を伺いまして、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それから、違反ディーゼル車の取り締まりについての質問でございますが、きのう、取り締まり強化が打ち出しをされまして、新聞各社に取り上げられております。
 そういった中で、私が資料要求した中で、この半年間で取り締まりの総台数は三千三百五台ということであります。
 東京都への一日の流入車台数は十八万台ということでありますので、そういった意味では、今回の捕捉は〇・〇一%であるというふうにいわれるわけでございますが、私の実感としてはちょっと少ないんじゃないかな、こう思うんですが、いかがでございましょうか。

○山本自動車公害対策部長 規制開始後の取り締まりにつきましては、二つの方法で実施しております。
 一つは、自動車公害監察員が路上、物流拠点等において直接車両を検査し、取り締まるものでございます。走行車両を停止させる権限がないため、そのような調査台数となっております。
 もう一つは、自動車公害監察員が移動カメラによりまして走行車両のナンバープレートを撮影して、違反車両を取り締まっております。この移動カメラによる取り締まりを合わせますと、調査台数は三万台を超えております。
 なお、自動車公害監察員は、こうした取り締まりの後に、必要となる運行禁止命令に向けた調査、確認のほか、事業者指導や総合相談業務なども行っております。

○小磯委員 今回の違反の割合を把握するためのアンケート調査ということであればわかるんですけれども、これは取り締まりということでございます。
 今回、東京都内のトラック事業者の方々は、大変な思いで資本を注入して規制に対応したと。中には廃業したトラック事業者もおられるわけであります。そういった意味では、東京都内の事業者は大変なご苦労をされたということでありまして、だから、そういう方々のことを思えば、東京都に流入してくるトラックについては、しっかりとチェックすると、これが大事ではないかなというふうに思っております。
 今の三万台ということは、十八万台の半年分のいわゆる〇・〇九%ということでございます。今後、この調査台数を伸ばすということについてはいかがでございましょうか。

○山本自動車公害対策部長 規制への対応が着実に進んでおりまして、これまでの路上、物流拠点等における取り締まりの違反率は二%台となっております。
 しかしながら、都外車両に違反が多く、流入車対策の強化が必要と考えております。また、規制に対応した事業者の方からは、ただいまございましたけれども、厳しく取り締まってほしいとの声も寄せられております。
 そこで今後は、流入車対策として、首都高速道路六カ所への固定カメラの設置や、都県境において移動カメラを活用するほか、黒煙ストップ一一〇番の開設、巡回車両による路上荷さばき車両の取り締まり、六月を取り締まり強化月間とすることなどによりまして、取り締まりを強化充実してまいります。

○小磯委員 特に、高速道路における固定カメラというのは、流入車両の取り締まりに重要と考えるわけでございますが、どのような効果が期待できるか、お伺いしたいと思います。

○山本自動車公害対策部長 これまで都内への流入車や通過車両が走行する高速道路につきましては、人の立ち入りが難しく、取り締まりに制約がございました。
 そのため、今般、流入車対策を強化するため、首都高速道路に固定カメラを設置し、この六月から本格稼働させることにいたしました。この固定カメラの設置によりまして、取り締まりの調査台数を大幅にふやすことができるとともに、車両や時間帯を特定した取り締まりなど、目的的な取り締まりができるというふうに考えております。

○小磯委員 けさの新聞に、カメラは通過車両の交通量が多い路線に設置と。監視を始めた場合、首都高を避けて都内外を行き来する車両の増加が予想される、カメラを避けて一般道路に行っちゃうと。都県境での取り締まりにも力を注ぐというふうに出ているわけでございますが、その辺の効果ある取り締まりについてはいかがでしょうか。

○山本自動車公害対策部長 効果ある取り締まりということでございますけれども、先ほどございましたが、規制に対応した事業者の方々の声を踏まえながら、首都高速道路における取り締まりと、一般道路における移動カメラや検問等による取り締まりをうまくかみ合わせることによりまして、今後、実効ある取り締まりに最大限努めていきたいというふうに考えております。

○小磯委員 次に、スーパーエコタウン事業のことでございますが、ちょっとはしょって、スーパーエコタウン事業の目的として都内処理率の向上等が挙げられておりますけれども、施設の整備によって、具体的にどのような効果が期待できるのかお伺いしたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 中央防波堤内側埋立地に整備しますガス化溶融等発電施設では、都内の産業廃棄物の廃プラスチック排出量の三割以上に相当する年間約十六万五千トンの廃プラスチックを受け入れまして、これを燃料として高効率の発電を行ってエネルギー回収することにより、年間約十四万トンの最終処分量を削減するものであります。
 さらに、この施設では、年間約一万八千トンの感染性廃棄物を焼却処理することによりまして、都内から排出される感染性廃棄物を全量都内処理できる能力が確保されるものであります。
 また、城南島に整備します建設混合廃棄物のリサイクル施設では、二施設合わせまして年間約五十五万トンの廃棄物を受け入れまして、八五%以上の高いリサイクル率を実現するものであります。このことによりまして、都内で発生する建設混合廃棄物のほぼ全量の都内処理が可能となるものであります。
 また、食品廃棄物リサイクル施設二施設では、都内のホテルやレストラン等から排出される食品残渣を、二十三区内からの排出量の約二〇%強に相当する年間約八万トンを受け入れまして、バイオガス発電や飼料化によるリサイクルを行う施設でありまして、食品廃棄物リサイクルのモデルとなるものであります。

○小磯委員 これは、事業の進捗状況というのはどのような状況でございましょうか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 平成十四年七月の事業選定以降、各事業者の事業実施計画に基づきまして、都市計画決定などの法定手続を経まして事業を進めているところであります。
 既に廃情報機器類のリサイクル施設一施設が稼働を開始しておりまして、さらに今年度中には、建設混合廃棄物のリサイクル施設二施設が稼働する予定であります。
 また、PCB無害化処理施設がこの七月に建設着工しまして、来年十一月に稼働開始する予定であります。
 ガス化溶融等発電施設、食品廃棄物バイオガス発電施設など他の施設も、平成十八年度ごろまでに順次稼働する予定であります。

○小磯委員 まさに事業が着実に進んでいるということでありまして、うれしく思っております。
 スーパーエコタウン事業においては、すぐれた技術で高度なリサイクルを行うというだけでなくて、施設運営に当たっての環境配慮、また情報公開についても特段の配慮をして、他の模範となるようなものをつくり上げるべきである、こういうふうに思っております。
 事業の概要を見ますと、これがこの地域にできるとすると、本当に日本が誇る健全な静脈産業のモデルになるんじゃないかなというふうに思っております。特に、こういう食品製造残渣などを使ってメタン発酵させて、そこから水素を取って燃料電池を稼働させるとか、またPCBの無害化処理とか、本当にすばらしい事業ではないかなというふうに思っております。
 そういった意味で、だからこそ、逆に地域の環境配慮、それから情報公開には特段の配慮をすべきである、こういうふうに思っているわけでございますが、いかがでございましょうか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業の公募におきまして、技術やシステムの先進性、安全性の確保に加えまして、環境配慮や情報公開なども要件としまして事業を選定しております。
 各事業者は、廃棄物処理法に基づく施設設置許可申請に伴いまして生活環境影響調査を実施しておりますが、法令の規制値を遵守するだけでなく、騒音等の自主管理値を設定するなど、環境負荷の一層の低減に向けて努力しているところでございます。
 また、通常の民間廃棄物処理施設を建設する場合と異なりまして、都市計画決定手続の中で住民に対する説明会を開いて意見交換を行ってきております。
 施設稼働後は、各事業者がホームページに情報提供や施設の一般公開を行うだけでなく、進出事業者で構成します連絡協議会を設立させまして、施設間の連携による見学対応や全国に向けての情報発信等を図っていくこととしております。
 また、PCB処理事業につきましては、東京都、地元区、住民代表等で構成します環境安全委員会を設立しまして、施設の稼働状況などにつきまして説明しまして、安全確保等についてご理解を得ていくこととなっております。

○小磯委員 我が党は、循環型社会形成推進基本法という、いわゆる環境を循環させていくという、そういう基本法というのをつくりまして、その中に何本もの具体的な法律をつくらせていただいたわけであります。そういうものの中で、そういうのを踏まえて、今回スーパーエコタウン事業による施設整備が進められているということで、本当に具体的な姿が見えつつあるということで、これを全国にもどんどんPRしていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、光化学オキシダントが環境白書の中で、これだけが最近伸びちゃっているんですね。そんなことで、光化学スモッグの状況が過去からどのように推移してきたのかお伺いしたいと思います。

○松葉環境改善部長 光化学スモッグの状況でございますが、光化学スモッグ注意報の発令日数などを見ますと、昭和四十八年度に四十五日だったのを最高に、その後減少いたしまして、増減を繰り返した後、平成十二年度と十三年度では発令の日数が二十三日という状況でございます。
 また、その際、被害の届け出の人数でございますが、昭和四十六年度に二万八千二百二十三人でございましたが、それを最高にいたしまして、その後減少いたしました。平成十四年度におきましては四百十人でございまして、近年、再び届け出人数は増加傾向にございます。
 光化学オキシダントの平均的な、年平均の濃度でございますが、昭和四十年代から昭和五十年代の初めまで〇・〇三ppm程度の高い濃度で推移してございました。その後、減少いたしましたが、平成二年度以降、再び増加傾向にございまして、平成十四年度には〇・〇二七ppmとなりました。
 なお、平成十五年度は、夏に曇りの日や雨の日が多かったために、注意報の発令日数は八日となりまして、被害の届け人数は十二人でございました。

○小磯委員 二問まとめてお伺いしますが、光化学オキシダントの発生メカニズム、それと、なぜ近年になって、このオキシダント濃度が上昇してきているのか、その上昇の原因、これを二つまとめてお願いしたいと思います。

○松葉環境改善部長 まず初めに、どのようなメカニズムで発生するかということでございますが、光化学オキシダントは、自動車とか、それから工場などから排出されます窒素酸化物と、それから炭化水素が太陽からの強い紫外線を受けまして化学反応を起こすわけでございます。それによりまして発生するわけでございますが、その際、光化学オキシダントの主な成分というのはオゾンでございます。
 したがいまして、日差しが強く、気温が高く、それから風の弱い日には光化学オキシダントが高濃度になりやすいという状況でございます。
 続きまして、濃度が上昇している原因ということでございます。
 近年、光化学オキシダントの原因物質であります窒素酸化物とか、あるいは炭化水素の濃度が年々減少してきているわけでございますが、光化学オキシダントは逆に上昇傾向にございます。
 こういうことがございまして、東京都では昨年六月に光化学オキシダント対策検討会を設置いたしまして、濃度の上昇している原因などについての解明について、今現在、検討を進めているところでございます。
 最終的な結論はこれからになるわけでございますが、現在までのところの検討状況でございますが、光化学オキシダント濃度の上昇原因の一つといたしまして、日射量が増加傾向にあることなど、気象条件の変化によるものが考えられます。
 また、近年、自動車排出ガス対策などによりまして、大気中の窒素酸化物の低減が進む一方、炭化水素への対策が十分でなかったために、窒素酸化物に比べまして炭化水素の濃度の割合が相対的に高くなり、これによりまして大気中の炭化水素と窒素酸化物の濃度のバランスの変化が生じました。このことも高濃度のオキシダントが発生しやすくなった原因の一つであると考えられています。

○小磯委員 最後になりますけれども、国は大気汚染防止法の改正をやって、揮発性の有機化合物の排出規制、大規模な施設、これをやるようでございますけれども、都としては、この光化学オキシダント対策はどのように進めていくのかお伺いして、終わりたいと思います。

○松葉環境改善部長 光化学オキシダントを抑制するためには、炭化水素の削減が大変重要であるというふうに考えております。
 このため、都は現在、先ほど申し上げました検討会を設置いたしまして、オキシダント上昇要因の解析と対応策について検討してございます。
 また、現在、都内の工場とか事業場などの発生源からの炭化水素の排出実態を把握するとともに、中小企業向けの処理装置の技術開発促進に努めてございます。
 今後、これらを踏まえまして、東京の実態に即しました光化学オキシダント対策を積極的に推進してまいります。

○鈴木委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後四時五十八分休憩

午後五時十七分開議

○小磯副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 発言を願います。

○河野委員 私は、廃棄物審議会の答申、そしてスーパーエコタウンに関連して何点か質問してまいりたいと思います。
 質問の冒頭に申し上げたいことが一つございます。--(八十五字削除)--私たちはPCBの処理法、法律ができたときに関して、もちろん反対はしておりませんし、処理の推進については異論がありません。PCBの問題を今申し上げております。
 PCB処理法で進められる、それからスーパーエコタウンの中で設置されるPCB処理場、これは環境事業団、今何か組織改編になりまして、特殊会社ですか、日本環境安全事業株式会社となったようですが、ここが実施するわけですよね。
 このいわゆる前身であります環境事業団は、PCBの廃棄物の化学処理の実績とかノウハウを持ち合わせていない、安全性確保にいろいろな不安がある、しかも、PCB処理施設の設置に関しては、住民参加や情報公開の法的な根拠も比較的薄いということ、--(四十五字削除)--それから、猛毒でありますダイオキシン及びPCBについては、オンサイトという言葉を使うんだそうですが、地元で、現地で処理するというのが、一般のこういう、廃棄物と違うわけですから、学者さんやいろいろな方に私たちも意見を伺いましたけれども、その現地処理ということが最大の安全を確保する原則になるということで、これまでの私たちの議会、都計審などでの意見を申し述べておりますので、そのことはまた改めて別の機会に申し上げることがあるかもしれませんけれども、申し上げておきます。--(百八十七字削除)--

○小磯副委員長 暫時休憩いたします。
午後五時十九分休憩

午後五時二十三分開議

○小磯副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

○河野委員 --(六十字削除)--

○小磯副委員長 --(六十六字削除)--

○河野委員 --(七十六字削除)--

○小磯副委員長 続いて質問してください。

○河野委員 では、質問をいたします。
 廃棄物審議会の答申についてお伺いしていきますが、産業廃棄物、廃プラスチック、ともに発生抑制について私自身のとらえ方として、企業の責任についての打ち出し方が弱いのではないかと感じております。
 特に、廃プラスチックの問題なんですが、生産の際に企業がいかにプラスチックを使用しないで製品を市場に提供するかということが重要になってくると思います。これは、発生抑制の原点といえると思いますけれども、答申を見ますと、消費者の意識を高めることが大事となっています。
 今、いろいろな発生抑制の取り組みの中で、ガラス瓶などのリユースの仕組みづくりなどが以前からいわれておりますが、まずこの答申にもありますリデュース、発生抑制に対して、企業自身の姿勢を切りかえて取り組むことが急がれるというふうに私は感じるものですけれども、東京都のご見解はいかがでしょうか。
〔小磯副委員長退席、委員長着席〕

○福永廃棄物対策部長 都では、従来から区市町村の過度の財政負担を軽減し、発生抑制とリユースを促進するため、拡大生産者責任の考え方に基づきまして事業者に回収義務を課すなど、現行の容器包装リサイクル法を見直すよう国に求めているところでございます。
 今回の廃棄物審議会の答申を受けまして、今後とも全国の自治体と連携しながら、十七年度に法の見直しが予定されておりますので、それに向けまして容器包装リサイクル法の抜本的な見直しを国に強く働きかけてまいります。

○河野委員 大消費地の東京におきましては、やはり発生抑制について企業への働きかけ、東京都独自の取り組みも大事になっていると思います。
 今、プラスチックが使い勝手がいいとか、いろいろな理由で広範に出回って、企業も利益性や簡便性の問題で優先して使っているわけですけれども、こういうあり方からの転換を促進するためにも、この発生抑制に対する企業の努力に対して、私は国のそういう法改正も大事なことではありますが、東京都独自の取り組みもお願いしておきたいというふうに思います。
 二つ目なんですが、プラスチックの発生抑制に関連して、答申では家庭ごみの有料化の問題が打ち出されております。
 多摩の七市で有料化によってごみの減量化に効果があったというようなことが書かれておりますが、私は今、ごみの有料化ということは、必ずしも即減量化にはつながっていかないというふうに認識しています。むしろ不法投棄などもふえることにつながって、都民にとっては経済的な負担増になってしまいます。高齢者などには本当に厳しい負担がかかることになるわけですが、家庭ごみの有料化について、今回答申に盛り込まれた、この問題について都のお考えをお伺いしておきます。

○福永廃棄物対策部長 家庭ごみの有料化は、排出するごみの量に応じた負担を排出者に求めることによりまして、ごみになりやすいものは買わない、あるいはリサイクルを進めるなどの行動を排出者である住民に促し、ごみの減量を期待するものでございます。
 多摩地域において家庭ごみを有料化している市が七市ということでございまして、その効果を見ますと、可燃ごみ、不燃ごみ、ともに減少し、資源ごみは増加するなど、ごみの減量とリサイクルの推進の効果が出ております。
 また、可燃ごみ、不燃ごみと資源ごみを合わせた合計の量も減少しておりまして、発生抑制の効果もあらわれてきております。また、特に不法投棄等がふえたということはございません。
 このため、都は、発生抑制やリサイクルを進めるために、家庭ごみの有料化に取り組む区市町村を支援してまいります。

○河野委員 東京都としては、そういう方向で促進していきたいというお考えかもしれません。しかし、発生抑制を本当に進めていくというのであれば、こういう方向ではなくて、都民の協力によって進めるということを念頭に置くのであれば、私はやはり都民への啓発活動にこそ力を注ぐべきではないかと考えています。
 もう大分以前になりますけれども、中央防波堤の内側の処分場がほとんど使えなくなるというのが何年先ってなったときに、消費者団体の人たちを初めとして、ごみ問題とリサイクルの問題とか、真剣な都民の取り組みがありました。
 今、このごみの減量化、発生抑制ということに取り組むのであれば、そういう教訓も東京都として持っているわけですから、これを生かしながら都民への啓発活動などに力を注ぐことの方が、より私は効果的な取り組みになるということを都の方に申し上げておきたいと思います。
 次に、スーパーエコタウンの問題でお伺いいたします。
 答申では、臨海部のスーパーエコタウン事業の推進がうたわれております。
 予算の説明のところで、繰越明許で約十億円ですか、このスーパーエコタウン事業の処理場に対する国の国庫補助の適用の問題でありましたけれども、このスーパーエコタウン事業、国のお金も入って進められているわけですが、そもそもスーパーエコタウン事業とはどのような事業の内容を持っているのかをご説明いただきたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業は、産業廃棄物の都内処理率の向上、最終処分量の削減、リサイクルの推進などを目的としまして、公募で選定した民間事業者を事業主体としまして、すぐれた技術やシステムを用いた廃棄物処理リサイクル施設を東京臨海部の中央防波堤埋立地及び大田区城南島に拠点的に整備するものであります。
 中央防波堤内側に整備します施設は、PCB無害化処理施設とガス化溶融等発電施設でありまして、また大田区城南島には、建設廃棄物、食品廃棄物、廃情報機器類などのリサイクル施設七施設が整備される予定であります。

○河野委員 環境局のホームページを見ましたら、国の都市再生プロジェクトの一つとして東京都と一緒になって進めていくということも書かれてありました。
 ところで、環境局のホームページに出されている問題なんですが、廃棄物の処理場をつくる場合に、敷地面積が九千平方メートル以上は環境アセスメントを行わなくてはならない、対象になるということが書かれております。
 この基準で、スーパーエコタウンの地域の中で、中央防波堤の内側のガス化溶融施設とPCB処理施設はそれぞれ三ヘクタールということですから、アセスメントが実施されたと思うんですけれども、城南島で今設置が予定されたり稼働している民間事業者の七つの施設については、それぞれが環境アセスメントの対象にならないということを聞いています。
 その七施設の敷地面積、かなりのものだと思うんですが、城南島のスーパーエコタウン全体が四ヘクタールとか五ヘクタールとかある中で、一つ一つの施設はアセスメントの対象にならなくても、全体が一つのものとして稼働していくわけですから、これはスーパーエコタウンの地域全体、城南島のその部分について、環境アセスメントを東京都の責任として当然行うべきなんじゃないかというふうに思うんですけれども、この点では都はどのようにお考えでしょうか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 スーパーエコタウン事業の公募要綱におきまして、環境への配慮も条件の一つとしております。
 都は、事業者に対し、法令の規制値を遵守するのみならず、自主管理値を設定することなどにより、環境負荷の一層の低減に向けて努力するよう指導しております。
 大田区城南島に整備する七施設は、それぞれ民間事業者が主体となりまして、建設廃棄物、食品廃棄物などを受け入れ、選別、破砕等の工程を経て、高度なリサイクルを実現するものであります。
 各施設は、東京都環境影響評価条例の対象とはなっておりませんが、廃棄物処理法に基づく施設の設置許可申請に当たりまして、生活環境影響調査を実施しております。
 生活環境影響調査の取りまとめに当たりましては、粉じんの発生が懸念される破砕処理等は建屋内で行うこと、当該地は工業専用地域であるため、騒音、振動の法律の規制基準は適用されないものの、準工業地域に準じた自主管理値を設定して対策を講じること、また、運搬車両のルート及び時間帯をできるだけ分散させることなどを指導しておりまして、環境に著しい影響を与えることはないと考えております。

○河野委員 今おっしゃった生活環境影響調査をやっているということなんですが、一つ一つの施設について、そういう影響調査をやったとしても、あそこは一つのまち全体としてスーパーエコタウンという機能を発揮していくわけですよね。
 通過する交通も、それぞれの施設にどんどん流入してきて、廃棄物を運んできて、そして加工された、処理されたものをまた搬出していくということでは、交通量の発生なども、全部の施設ができた段階では相当のものが予測されるわけなんですけれども、こういう全体のものについて、今ご説明いただいたものですと、運搬に当たる振動とかいろいろは、その生活環境影響調査ですか、そこで数字としては個々に出てくるわけだけれども、全体として出ないということについて、やっぱり私はおかしいと思うんですね。これは、一つのブロックとして、まちとして影響調査を行っていくことが大事なんじゃないかと思っています。
 それで、この各施設の、なぜアセスの対象にならないのかなと思いながら見ていたんですが、例えば今、建設されている建設混合廃棄物リサイクル施設、これは何平米あるかというと、九千平米がアセスの対象ですから、九千を超えたらアセスメントをやらなくちゃいけないんですが、敷地面積八千九百九十七、わずか三ヘクタールですね。それからもう一つの、これも建設混合廃棄物リサイクル施設、これも八千九百九十五、本当にわずかのところでアセスの対象にならないと。
 三平米とか五平米とか、その面積がないためにアセスの対象にならないと。こういう点では、これだけの処理施設が集積している、この地域の近隣の人たちにとっては、大変心配な問題、特に車両の増加などについて不安があるんじゃないかと思うんですが、こういうことがあっていいのかなと私は思うんですけれども、どうなんでしょうか。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 城南島に進出します各事業者は、それぞれの事業の目的に照らし合わせまして用地面積を判断しておるところでございます。基本的に、先生おっしゃられた内容の趣旨で敷地面積を判断したものとは考えておりません。

○河野委員 私は、この九千平米の基準に照らして、こういう状態で施設が設置されていくということにちょっと疑問を感じますし、それから、それをやはりそれでいいんだと考えている東京都環境局の環境に対する認識というんですか、それはもっと今の時代に合った認識に到達させていかなくちゃいけないんじゃないかと感じます。
 本当にエコタウンといっているわけですから、環境のまちですよね、訳すと。エコタウンというのなら、それもスーパーがついていますから、名前にふさわしい環境保全の立場での取り組みがされて当然であります。
 そういう意味で、スーパーエコタウン、城南島の地域全体でアセスメントは実施するべきであるということを、これは東京都の責任として実施していただくことを改めて強く求めておきたいと思います。
 次の質問なんですが、城南島では今後、食品廃棄物の処理施設ができて、残滓を動物の飼料として加工するところができると聞いています。環境白書では、来年度にも稼働が始まるということも書かれております。
 五月九日の新聞報道というか、新聞の記事なんですけれども、食糧廃棄物の中に二%程度のプラスチックが混入していても、これはその処理施設で受け入れていくことになるということが書かれていました。
 プラスチック類については、環境ホルモンの問題とか発がん性の問題など、健康への影響が大変心配されている問題がありますが、もし動物がこの食品廃棄物の中に混入したプラスチックと一緒になった残滓を加工して、でき上がった飼料を食べて、それを例えば鶏や豚が食べたとして、食物連鎖で私たち人間がその肉を食べたときにどのような影響が出てくるのかというのは、これは検証されていない問題じゃないかと思うんです。
 プラスチック類を二%まで混入して搬入してきていいですよということになっていることについて、現在の段階での環境局のご見解をお伺いしておきたいと思います。

○松本廃棄物技術担当部長スーパーエコタウン担当部長兼務 食品廃棄物の飼料化施設は、食品製造工場のほか、大都市に数多く存在するホテル、レストラン、スーパーマーケットなどからの食品廃棄物を一日約百四十トン受け入れまして、油温減圧乾燥技術という先進的技術を利用しまして、養鶏、養豚用の配合飼料の原料を製造するものであります。食品廃棄物のリサイクルの一つのモデルとなると考えております。
 一般的に食品残渣には、生ごみを入れるポリ袋などの夾雑物が含まれることが想定されます。現在稼働中の同様の施設がありまして、受け入れる食品残渣中の夾雑物の比率を五%以下とする受け入れ基準を設定して稼働しております。
 今回整備されますスーパーエコタウン事業の施設では、この夾雑物の比率を最大でも二%以下というふうに設定することとなっておりまして、先ほどの二%入るということとはちょっと違うということをまず申し上げまして、その基準を確実に遵守させるため、排出事業者、収集、運搬事業者などを含めました連絡協議会を、事業者は設立の準備を行っているところであります。
 飼料製造過程で、夾雑物はふるい選別や風力選別によりまして、できる限り取り除かれるものであります。でき上がった製品につきましては、飼料安全法に基づく有害物質等にかかわる基準が適用されることとなっております。独立行政法人であります肥料やえさを検査する肥飼料検査所による安全検査を経まして、農林水産省の認定を受けることとなります。
 飼料の安全性を確保するため、最大限努力しておりまして、特段の問題はないと認識しております。

○河野委員 おっしゃった飼料安全法は、プラスチックについてはチェックの対象になっていないということもいわれているんですね。
 もう長くはいいませんけれども、食品の安全問題はこの間、いろいろなたくさんのことがありまして、多くの人が不安を抱いております。東京都は、今のところ特段問題はないといっているようですけれども、本当に問題がないというふうにきちんと都民に説明ができるように、事業者に対して万全の対応をしていただくように、この機会にお願いしておきたいと思います。
 次は、ダイオキシンの調査地点の問題についてお伺いいたします。
 ダイオキシンについて幾つか資料を出していただきました。大気中のダイオキシンは、都内二十カ所で調査地点が設けられて測定されておりますが、現在行われている測定のあり方についてご説明をお願いいたします。

○柿沼参事 ダイオキシン類の大気環境での測定の考え方でございますけれども、ダイオキシン類については大気環境基準が定められております。この大気環境基準に対する適合状況については、年間平均値で評価することになっておりまして、測定は年間四回以上が望ましいとされております。東京都では、平成九年から測定を開始しております。平成十二年度からは、年に十二回の測定をしております。
 平成十年以降の測定結果を見ますと、清掃工場のダイオキシン類対策の進展やダイオキシン類の排出規制の強化が行われた結果、都内の大気中のダイオキシン類の平均濃度は、平成十年度の〇・三六ピコグラムから、平成十四年度には〇・一二ピコグラムと、三分の一に低下し、さらに平成十五年度の速報値では〇・〇六七ピコグラムと、大幅な低下が見込まれております。
 平成十六年度からは、年六回の測定を行っていく予定でございます。

○河野委員 今ご答弁いただきましたけれども、確かにいろいろ焼却炉の性能が高まったとか、燃やさないといういろいろな市民、都民の方の取り組みがある中で、ダイオキシンの濃度が減ってきているというのは事実だと思います。
 しかし、東京都がこれまで続けてきた月一回の測定を年六回ということに減らしたのは、私は問題が大きいというふうに考えています。
 空中に飛散するダイオキシンは、専門家の方のいろいろな意見を聞きますと、常時測定をすることができるだけ好ましいし、その必要性は強いものがあるといわれています。
 民間事業者などを見ますと、廃棄物処理施設などでは定期的に調査するということが法律で決められているようですが、それにしても年一回だけの調査という現状もあります。これでは全く不十分ではないかと思うんですが、私はせめて都民の健康と安全、命に責任を持つ環境局としては、十二回やっていたのを六回に減らすのではなくて、回数をふやすとか、常時測定の体制をとっていく必要があるのではないかと考えているんですけれども、ご答弁をお願いいたします。

○柿沼参事 大気中のダイオキシン類の測定でございますが、この測定は環境省のマニュアルに基づいて実施しているものでございます。具体的には、測定地点で大気試料を採取して、そのサンプルを測定機関の試験室で分析するという方法によっております。
 現在のところ、ご指摘のようなダイオキシン類をリアルタイムで連続的に測定できる技術というのは実用化されておりません。また、個々の事業所の排出については、事業所の測定の報告を求めるほか、随時立入検査等を行いまして、指導を行っているところでございます。

○河野委員 なかなか私たちが要望していることについては否定的なんですけれども、スーパーエコタウン事業は、城南島のほかに中央防波堤の内側にガス化溶融施設とPCBの処理施設の設置が予定されていることは、先ほど来いろいろな質疑がありました。
 こうした施設の設置については、都民としては不安が払拭し切れていないというのも現状ではないかと思います。城南島とあわせて、多くの処理施設が臨海部に集中して、そして、その一方では、港湾局の方では、やはりこれも国の取り組みの一つで、都市再生プロジェクトの一つとして、静脈物流港ということを臨海部に位置づけて、いろいろな廃棄物が集積されてくることになってまいります。
 ところが、スーパーエコタウン事業が展開されている、この臨海部について、一つ申し上げたいんですけれども、出していただきましたダイオキシンの二十カ所の測定地点の資料を皆さんもお手元にお持ちだと思うんですが、その地図に落としていただいたのを見ていただくとわかると思います。この資料ですね。
 私、これだと見づらいので、少し拡大したんですが(図示説明)限界がありましたけれども、ここが臨海部です。こういうふうになっていまして、緑で塗ったところが、ダイオキシンを今、東京都の責任で二十カ所測定しているところですけれども、東京湾の中のこの一角は全く真っ白で、ダイオキシンの測定がされていない、調査地点として位置づけられていないわけですね。
 この周辺の区を見ますと、江東区、墨田区、台東区、文京区、千代田区、新宿区、渋谷区、品川区、こういう、いわゆる都心も含めて、東京湾に面したところに全くダイオキシンの測定局、測定地点が置かれてなくて、なおかつ申し上げましたように、スーパーエコタウンであるとか静脈物流港であるとかということで、廃棄物なり処理場なりがここに集積してくるということでは、私はこういう場所にこそ、都の責任でダイオキシンがどうなっているのか、そういう調査地点を設けるべきではないかと思いますが、この空白の部分について、東京都はどのようにとらえておられますか。

○柿沼参事 ダイオキシン類の調査地点の選定でございますが、これは専門家による検討会で検討され、近県を含む広域的な発生源の影響をも加味しました拡散シミュレーションの結果に基づいて、都内全体で二十地点とすることを決めたものでございます。
 ダイオキシン類に係る環境基準に対して、都内の大気の適合状況を判断するためには、現状の調査地点で十分に状況把握が可能というふうに考えております。
 なお、先ほども申しましたが、ダイオキシン類対策特別措置法の対象となる個別の施設に対しては、法に基づく事業者の自主測定結果の報告を受けるとともに、定期的な立入検査を行って指導しているところでございます。

○河野委員 なかなか都の思いと、それから環境問題を真剣に考えておられる都民の皆さんの思いがかみ合っていないという気がいたします。
 東京都の方も、専門家による拡散シミュレーションで、こういう調査地点の配置を行ったということでありますが、この問題でいろいろな研究や取り組みをされている方に伺いますと、できるだけメッシュを定めて、それも三キロとか五キロとか網の目を細かくして調査地点を設けることが、今の時にふさわしい取り組みだというふうに意見を持っておられる方もいらっしゃいます。そういうこともぜひ、これからの施策の中で受けとめていただいて検討していただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、環境問題は二十一世紀の人類が取り組まなくてはならない最大の課題となっております。まさに、先ほどもお話がありましたけれども、地球全体の命運がかかっている問題です。きょう伺いましたダイオキシンについては、特に毒性が極めて強い物質であるということでありますが、日本は世界の取り組みから十年も二十年もおくれていると指摘されています。
 今東京都の環境局がこうした情勢のもとで予算を削ったり、測定の回数を減らしていることは私は納得がいきませんし、都民の世論は今後も東京都の対策の充実を求めて高まっていくのではないかと推測いたします。
 都の環境保全のために積極的な努力をしていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
 以上です。

○大西委員 東京都廃棄物審議会の答申から少しお聞きしたいと思います。
 東京から排出されます産業廃棄物は、上下水汚泥を除くと、年間一千百万トンに達して、これらは排出事業者の責任で処理されているわけですが、中間処理量の五九%、約六百七十万トン、そして最終処分量の七七%、約百七十万トンは都外で処理されています。
 このように、東京の産業廃棄物の処理は圧倒的に他県に依存している状況であります。相次ぐ産業廃棄物の不法投棄事件が大きな社会問題となっており、国内最大となった青森、岩手の不法投棄事件でも東京の廃棄物が見つかっています。
 そこで、お聞きいたします。
 東京から排出されています産業廃棄物の不法投棄を撲滅することは、東京都の重要な責任であると考えます。今回の答申では、排出事業者の適正処理への取り組みを公表する制度の創設、そして処理業者の産業廃棄物処理の状態を公表する制度の創設が提言されていますが、都の今後の取り組みを教えてください。

○福永廃棄物対策部長 今回の廃棄物審議会の答申では、一定規模以上の排出事業者を対象に、委託処理の履行状況の確認方法など、適正処理を確保するための取り組みについて報告を求め、それを公表する制度や、中間処理施設や保管、積みかえ施設などを有する処理業者に施設への産業廃棄物の搬入量、施設からの搬出量のデータなどの報告を求めまして、これを公表する制度を創設することが提言されております。
 これらは、排出事業者に社会的責任の自覚を求めますとともに、産業廃棄物処理の透明性を高めるものでございまして、産業廃棄物の適正処理を徹底する上で、非常に重要な提言であるというふうに受けとめているところでございます。
 今後、この答申を踏まえまして、実効性のある制度を構築すべく、対象となる事業者の範囲や報告を求める項目などにつきまして具体的な検討を進めまして、年度内を目途に施策の具体化を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

○大西委員 不法投棄は、収集、運搬、それから中間処理、最終処分に至る、これらの流れの段階で、違法な業者に流出することで発生しています。
 今回、処理業者の産業廃棄物処理の状態を公表する制度では、中間処理業者や最終処分業者など七百五十社が、その対象にされているわけですけれども、都内には、このほかにも九千社の収集、運搬業者があると聞いています。不法投棄を撲滅するためには、これらの収集、運搬業者に対しても何らかの対策が必要と思います。
 確かに、この七百五十社によって不法投棄の八割はカバーできるということも聞いておりますけれども、やはり不法投棄には、何といってもそこから漏れている、対象となっていない九千社の業者がかかわっているように思っておりますので、その辺の対策はどうなんでしょうか。

○福永廃棄物対策部長 産業廃棄物が集積する中間処理施設や保管、積みかえ施設などから、廃棄物が無許可業者等に流出し、不法投棄につながるという例が後を絶たないということから、まずこれらの施設に焦点を当てまして、産業廃棄物処理の透明性を高めていく必要があるというふうに考えているところでございます。
 また、今回の排出事業者を対象とした報告制度によりまして、収集、運搬業者の処理の履行状況などを十分確認するように求めるということを通じまして、処理の透明性向上の流れが産業廃棄物処理の全体に波及していくというふうに考えているところでございます。
 今後、施設を有しない収集、運搬業者につきましても、適正処理を徹底するための仕組みについて検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○大西委員 東京の産業廃棄物が都外で不法投棄されている実態を防止するには、最終処分量をできる限り削減し、都外に流出する量を減らしていくこと、やはりここが重要になってまいります。
 確かに、業者の仕組みを検討するということをおっしゃいましたので、その辺はそのところで期待しているんですけれども、一方で量を減らしていくことが、まずは重要になってきます。
 都は、先ほど問題になっておりましたスーパーエコタウン事業のリサイクル施設が稼働すること等により、平成十七年度の最終処分量を平成十一年度対比五三%減の百三十六万トンにするという計画を掲げていますが、この目標を実現するための具体的な取り組みについて伺います。

○福永廃棄物対策部長 平成十四年一月に策定いたしました東京都廃棄物処理計画では、平成二十二年度までに最終処分量を半減させるという国の目標を大きく前倒しをいたしまして、平成十七年度における産業廃棄物の最終処分量を、平成十一年度の対比で五割削減するということを目標にしております。
 最終処分量の約九割は建設廃棄物であることから、これを削減するために建設リサイクル法の徹底を図り、国の目標を上回る再資源化目標を掲げた都の指針を策定いたしまして、コンクリート、アスファルト、木材の再資源化を推進しているところでございます。
 また、スーパーエコタウン事業におきまして、建設混合廃棄物のリサイクル施設の整備を推進しているほか、東京都の関連工事から発生する建設泥土を、埋め戻し材や処分場の覆土材としてリサイクルするなどの取り組みも進めているところでございます。
 都の調査では、既に平成十三年度で産業廃棄物の最終処分量は二百二十二万トン、平成十一年度対比でいきますと、約二四%の減となっております。
 今後も引き続き、廃棄物処理計画の目標が達成できますよう全力を尽くしてまいります。

○大西委員 先ほどの答弁の中で、この問題については実効性ある制度を構築し、年度内を目途に具体化していくというふうにお答えいただきましたけれども、それは具体化というと、具体的に条例なり何なりつくっていくということでとらえていいんでしょうか。

○福永廃棄物対策部長 報告、公表を義務づけるというふうな制度を考えておりますので、当然条例化ということを念頭に置いて具体的に進めております。

○大西委員 最終処分量を、まずは削減するためにリサイクルを推進していくことが必要なんですけれども、リサイクルを進める上では、何といっても再生品の流通を一層促進することが不可欠です。
 しかし、リサイクル製品は市場性が低いということで、なかなかその促進が進まないという面があるわけですけれども、やはりここを動かしていくには、都はそのような製品を率先して使用し、その情報を事業者にも提供していくことが必要になっていくんじゃないかと思います。
 岩手県でしたか、やはりこういう条例の中にそれをしっかりと盛り込んで、県が、こういうものをちゃんと使っているし、こういう製品、大丈夫だということをその中にうたっているわけですので、こういう制度をつくる中にこのことも盛り込んでいただかなければリサイクルが進まないということがありますので、ぜひこれも検討していただきたいということを最後にお願いしておきたいと思います。
 次に、環境白書から少しお聞きしたいと思います。
 四年ぶりに環境白書が出てきて、そしてちょっと見させていただきました。これまでの取り組みやその成果、そして課題が把握できて、とてもおもしろく拝見させていただきました。
 同時に、これから環境問題、本当に長いスパンの中で考えるべき、それから即手をつけなければならないことと、いろいろあって、そしてその問題も一筋縄ではいかないことがたくさんあるわけで、本当に大変な問題を抱えているなというのを、この白書を読みながら改めて感じております。
 そこで私は、大気環境対策と交通問題について少しお聞きしたいと思います。
 昨年十月、ディーゼル車対策がスタートいたしまして、都内の大気がきれいになったと感じる方が多いということがいわれております。具体的な環境数値の変化はどのようになったのか、取りまとめてあるんでしょうか。

○月川参事 環境白書のご報告の中でもご説明いたしましたけれども、ディーゼル車規制開始に向けまして、大変厳しい経済環境の中で、多くの事業者の方々の理解と努力によりまして規制対応が進み、確実に粒子状物質、PMの削減がなされております。
 規制開始後、環境科学研究所が、気象などの影響を受けない自動車専用の井荻トンネルにおいて、ディーゼル車に由来しますカーボン、元素状炭素や発がん性物質の濃度を測定し、過去のデータと比較したところ、カーボンについては四九%、発がん性物質については最大五八%の低減が見られております。

○大西委員 この中の測定局の数値を見ますと、二酸化窒素や粒子状物質の環境基準の達成には、今だんだん減っているとはおっしゃっていますけれども、まだまだその環境基準達成には至っていないと書いてあります。
 そして今後、この環境基準をまずは達成するために、どのように取り組んでいくのか教えてください。

○月川参事 二酸化窒素や浮遊粒子状物質などによります大気汚染の改善が進まない根本的な原因は、国の自動車排出ガスの規制の怠慢にあると考えておりますが、中でも排出総量に関連します事項といたしまして、ディーゼル車から排出されるPMの規制開始のおくれとともに、規制にかかわります国の試験モードが渋滞の多い東京の走行実態に即していないために、窒素酸化物の排出量の削減が想定どおりにあらわれていないことが挙げられます。
 本年三月に自動車NOx・PM法に基づきまして、東京都自動車排出NOx・PM総量削減計画を策定いたしましたが、計画の中でこうした問題点を指摘し、平成二十二年度までに二酸化窒素、浮遊粒子状物質にかかわります環境基準を達成することを目標として掲げております。
 都としては、目標を達成するため、環境確保条例による都独自のディーゼル車規制などの単体対策を強力に推進するとともに、交通需要マネジメントや道路ネットワークの整備などの施策を実施し、さらには国に対して新長期規制以降の世界一厳しい規制の早期導入、使用過程車対策の抜本的な見直しなどを要請してまいります。

○大西委員 そういう努力をするということとともに、どうしても都内の自動車交通量は減らないというか、増加している現状もこの中に入っております。
 都市計画局じゃなくて環境局として、その増加の原因をどのようにとらえていらっしゃるんでしょうか。

○月川参事 国土交通省の平成十一年度までの交通センサスによりますと、都内の貨物車走行量は減少傾向にあるのに対し、乗用車の走行量が増加しており、その結果、全体として走行量も増加しております。
 こうした走行量の増加の原因につきましては、一概にはいえませんが、一般的には経済社会の動向、生活様式の多様化など、社会的、経済的な複合要因によってもたらされているものと考えられます。

○大西委員 こういう渋滞とか、そういうものが大気を悪くするというようなことで、今東京としては、三環状線の建設というものに重要--まずは道路整備だというところで進んでいると思うんですけれども、確かに道路の整備というものも必要かもしれませんが、しかし一方では、道路の整備をすることによって、かえって新たな交通を誘発してしまうという、そういう矛盾も抱えている現状があると思います。
 いただいた資料とか、いろいろなところでこういう図が出てきます。道路ネットワークの整備、道路構造の改善等ということで、現況のネットワークはこういう中途半端な状況だ、三環状をやると、こういうふうになったときには、NOxや粒子状物質がこれだけ削減できるという数値が次々に挙げられているんですけれども、そのとき、いつも私、一度聞いておかなきゃと思っているんですけれども、この計算の出し方なんですが、今の車の現状から、そういう道路をつくることによって、こういうふうに車が通ることによって、これだけ解消するという数値が出てくるんだと思うんですけれども、そのときによくいわれている、先ほど申し上げた誘発交通とか、そういう部分はこの中には入っているととらえていいのでしょうか。

○月川参事 今回、先生お示しされています道路ネットワーク整備の中の削減量の算出に当たりまして、詳しい交通量の、走行量の予測手法については、私ども承知しておりませんけれども、通常ですと交通量の、走行量の予測におきましては、経済状況を加味いたしまして、車のトリップ、どのように車を使うかというところを予測しながら、道路整備を前提にして、どのような交通の流れになるかということを把握、シミュレーション、予測いたしまして、この削減量、車から出ます排出ガスの量を加味して算出しているものと考えております。

○大西委員 この辺は、今の答弁ではなかなかはっきりわからなかったんですけれども、確かにこのとおりいくのかどうかというのは、確かではない部分もあるし、また誘発交通がどのように影響していくかということも考えられると思います。
 これは東京だけじゃなくて、大都市共通の問題ですし、渋滞改善のために道路整備を行う、そして一時的には解消されても、また誘発交通がふえていくというような、本当に道路をつくればつくるだけ車がふえていくという、この現実があるわけですし、これをどういうふうに今後クリアしていくのかということが問題になってくると思います。そういう中で、TDMの取り組みとか、そういうことが行われているわけです。特に、こういうものの取り組みの中には、ぜひ環境局が中心になって、他局との連携の中でやっていただければと思っております。
 それで、TDMを推進していきたいというところで、ちょっとTDMについても伺います。
 つまり、車に頼らない世の中にしていこうということで、四年前でしたか、交通需要マネジメント、TDMが推進されて、今それの取り組みが進んでおります。平成十二年には、都はTDM東京行動プランを策定しましたが、中でもパーク・アンド・ライドとかロードプライシングとか自動車使用に関する東京のルールの取り組みとか、いろいろいわれておりますが、なかなか市民、都民にとって、どういう状況になっているかということがよくわからないんですけれども、その辺の取り組み状況を教えていただけますか。

○月川参事 これまでTDM東京行動プランに基づきまして、各種のTDM施策に取り組んでまいりました。
 その施策の一つでありますパーク・アンド・ライドの取り組み状況についてでございますけれども、平成十三年度に六つの駐車場、三百四十台分で開始いたしまして、平成十五年度には十八駐車場二千二百二十九台と、当初の六倍以上の規模に拡大しております。
 次に、ロードプライシングについての取り組み状況でございますが、東京都ロードプライシング検討委員会報告書に対します、都民、事業者などからの意見を踏まえまして、課題の整理を行ってまいりました。
 主な課題といたしましては、迂回交通の影響対策や課金区域に流入する膨大な量の自動車に対します確実、公平な課金徴収手法など、難しいものがございます。こうした課題につきまして、現在、さまざまな角度から検討を進めているところでございます。
 最後に、自動車使用に関する東京ルールの取り組み状況でございますが、平成十二年十二月に制定した環境確保条例におきまして、自動車の使用抑制の努力義務、アイドリングストップや、二百台以上の自動車を使用する事業者に対します低公害車導入の義務づけなどを規定しているところでございます。
 あわせて、天然ガスバスの導入や天然ガススタンドの設置に対しまして補助を行うことによりまして、低公害車の普及を図っているところでございます。

○大西委員 やはり都心への車の流入をなるだけ防ぐという意味では、このパーク・アンド・ライドの取り組みというのは、各地域でなるだけ取り入れてほしいなと思っております。
 確かに、駐車場の数がふえているというのを今教えていただきましたけれども、これをもっともっとふやすには、利用する人たちが、これは便利だとか、これをすることによって経済的にもこういう効果があるとかいうものを実感できることも必要なんですが、なかなかそのPRが不足しているんじゃないかと思います。
 そしてもう一つ、このパーク・アンド・ライドを進めていく中では、乗りかえなきゃいけないわけですから、JRや、それから私鉄各線各社への働きかけ、そういうものをぜひ行政としてやるべきだと思うんですけれども、そういう働きかけ、そのようなのはどういうふうになっているでしょう。

○月川参事 TDMを推進するためには、都民の皆さんの協力、理解を得ることが重要でございます。そのために、具体的なTDM施策の開始に合わせましてPRしていくことが効果的であると考えております。
 直近の事例で申し上げますと、本年、パーク・アンド・ライド駐車場の拡大及びインターネットによります駐車場案内の開始に際しまして、歩道橋への横断幕設置、実施駐車場への垂れ幕設置、ホームページによります発信、パブリシティーの活用など、さまざまなPRを実施いたしました。
 今後、パーク・アンド・ライドにつきましても、関係局と連携して充実を図ってまいります。
 また、今後とも各局と連携し、より効果的なPRを工夫し、実施してまいります。

○大西委員 この取り組みは、本当に地味なものが多くて、しかし確実に進めていただいて、そしてこれを私たちが実感することによって、またより進んでいくというような問題だと思います。
 特に、先ほどのパーク・アンド・ライドの問題は、JRを初め、そういう鉄道会社との連携、それからバスとの連携、そういうものも欠かせませんので、行政としてこういうところこそ力を発揮していただきたいと思います。各局との連携とともに、そういうところの連携で、ぜひこれも地道に進めていただきたいなということをお願いしておきたいと思います。
 最後に、温暖化対策で、壁面緑化についてちょっと伺いたいと思います。
 屋上緑化を平成十五年、緑化計画書等の中で義務づけられています。そして、その取り組みが、屋上緑化も進んでいるということは聞いているんです。まずは、都庁の屋上緑化もあるわけですけれども、と同時に、やはり壁面緑化というものも進めてもらいたいと思っているんですけれども、その壁面緑化の取り組み状況を教えていただけますか。

○百合都市地球環境部長 都では、自然保護条例によりまして、一定規模以上の敷地を有します建築行為等に対して緑化計画書の届け出制度を設け、緑化等を義務づけております。
 平成十五年度におきまして、都で受け付けをいたしました緑化計画書は、全部で千二十七件ございまして、総面積は約十二万平方メートルございます。このうち壁面緑化を計画している件数が五十四件、その面積は約一万一千平方メートルということでございます。

○大西委員 これは取り組み状況としては、進んでいるのか進んでいないのか、ちょっと迷う数字なんですけれども、どうなんでしょうか。それとか、いろいろなやってみようというような、そういう問い合わせとかはどうなんですか。もし進んでいないというんだったら、この数字が進んでいないというんであれば、何が原因で進んでいないのか。

○百合都市地球環境部長 進んでいるか進んでいないか、ちょっと基準がございませんので、私も何とも申し上げようもございませんけれども、一つの見方でございますけれども、これは事業者等から私どもが窓口等でお話を伺っている限りの話でございますけれども、壁面緑化の場合、施工方法によりますけれども、設置費ですとか、それから管理費、こういったコストが若干高くなるというような話もございますし、それから植物の繁茂による外壁などの躯体劣化、そういった懸念もあると。それから採光を阻害したり、デザイン上、ちょっと工夫が必要だと、そんなことがあって一定の、進んでいないといいますか、ちゅうちょしている向きもあるというふうに聞いております。

○大西委員 新しい建材とか、そういうものがいろいろ開発されて、そういう取り組みもあるかもしれませんけれども、やはり夏のあのぎらぎらという照り返しは、どんなに建材が進んだりしても、それは防止できないんじゃないかと思うんです。そういう意味では、意識的にもその壁面緑化の効果というのはかなりあると思うので、ぜひ壁面緑化を今後も進めていけるような技術開発とともに、望みたいと思っております。
 それからもう一つ、学校の屋上緑化とか校庭の芝生化とか、それから公共施設の空間の芝生化、まずは都庁のあそこの広場の芝生化とかも一度いわれていましたけれども、ああいう問題はどういうふうになっているんでしょうか。

○百合都市地球環境部長 都有施設における、そういった有効な屋上ですとか庭等の緑化につきましては、先ほどもお話もございましたけれども、都議会議事堂の屋上緑化をしたり、それからまた学校施設に対して、校庭の芝生化とか、そういったことで私どもの方で可能な限り、緑化が可能な部分については、いろいろと調べて、調整しているという段階でございます。

○大西委員 今回の環境白書、いろいろ眺めて思ったことは、それこそ本当に環境問題はすぐにということはないわけですけれども、ぜひせっかく環境がこちらへいらして、委員会に所属しておりますので、今後ともしっかりと提案していきたいと思っております。
 きょうは、この辺でやめておきます。

○いなば委員 もう時間も押してますので、私もなるべく簡潔、簡素にいきたいと思っております。
 環境局の事務事業の一つと思っておりますけれども、まず環境保全対策の一つであります花火大会について、ちょっと視点が違いますけれども、お伺いしたいと思います。夢のある質問をしたいと思います。
 花火は、夏の代表的な風物詩でありますし、江戸時代からずっと万人の楽しみの一つでもあります。私の住む板橋区におきましても、かなり大々的に長いこと催してきておりますし、これも板橋区のみならず、東京の隅々から訪れるような状況にもなっております。ことしは、八月七日に予定されております。
 ことしも都内各地で例年どおり、このような花火大会というものがあちこちで催されると思いますけれども、聞くところでは、都民約五百五十万人ぐらいが見ているというふうに仄聞しております。
 多くの人が集う場所での花火の打ち上げは、やはり危険と隣り合わせということでもありますし、都民が安心して参加できる花火大会とすることが関係者の責務と思っております。
 そこで、花火大会の安全確保の観点から幾つか質問させてもらいます。
 まず、都内における花火大会の開催状況はどんなふうになっているのかお尋ねしたいと思います。

○松葉環境改善部長 花火の打ち上げは、学園祭で行われるような小さなものから大きな花火大会まで、さまざまな形で行われております。
 都が許可している花火大会は、年間約八十件でございまして、このうち花火の打ち上げ個数が三千発以上の大きなものは約二割に当たる十数大会でございます。
 ことしも、板橋の花火大会を初め隅田川、東京湾、調布市などの花火大会が予定されてございます。

○いなば委員 また、都内での花火大会の事故の発生が、いろいろいう人がいますけれども、ほとんど私は耳にしたことはないんですね。
 しかしながら、昨年、大雨の影響を受けて花火師が多摩川の中州に取り残されて、ヘリコプターで救出されたというふうなこともあったと記憶しておりますけれども、花火大会は都民の多くが、先ほどもいったように楽しめる有意義な行事なんですけれども、一年のうちでも、ほとんど、特にこれだけがお目当てというような人も、うちの板橋にはそういうふうな熱いファンもいるわけですけれども、先ほどもいったように常に危険と同居していることを前提に、事前に十分な対応を図ることが大事であると思います。
 そこで都は、大きな花火大会の許可に際しまして、どのように対応しているのかをつけ加えてお尋ねしたいと思います。

○松葉環境改善部長 都知事の許可が必要な花火大会は、火薬類取締法に定めておりまして、打ち上げる花火の大きさや数によって異なります。例えば、花火大会の主催者が直径六センチの花火を五十発を超えて打ち上げる場合などには、都知事の許可が必要となります。
 都内で行われる花火大会の場所は、会場の周辺に人家が密集していたり、それから、その場所に多数の観客が集まる状況になってございます。都では、このような都の地域特性を考慮いたしまして、許可に際しての独自の基準を設けてございます。
 都では、法律や、こうした都の基準に基づきまして、許可に当たっての審査を行うとともに、警視庁や消防庁の意見を聞いて、花火の打ち上げを許可してございます。

○いなば委員 独自の基準というんですけれども、その許可の基準なんですけれども、どんなところを基準にしているんですかね。
 それで、またつけ加えて、一番でかい花火大会というのはどこで催されているんですか。これ、通告してませんでしたけれども、その辺のところがわかれば。

○松葉環境改善部長 都では、法律の基準が抽象的なため、地域特性を考慮いたしまして、きめ細かな基準を東京都煙火消費に関する基準として設けてございます。この基準では、主催者や打ち上げの業者がみずからの責務を明示するとともに、安全の確保のための仕組みづくりについて規定してございます。
 また、この中で、観客が立ち入りできない立入禁止区域とか、それから強風が一定時間継続したときの花火の中止等の判断基準などを具体的に明示してございます。
 なお、現行基準は、多摩川での事故を契機に、専門家の意見、それから警視庁や東京消防庁との意見交換などを踏まえ、一層の安全の確保のため、この三月に従来の基準を見直したところでございます。
 それから、花火大会でございますが、今正確な数字はございませんが、東京湾とか隅田川の花火大会というものが、都内では大きいものと承知してございます。

○いなば委員 花火で最後の質問になりますけれども、その基準を主催者に守ってもらって、真に安全な花火大会とするために、どんな取り組みが挙げられるのかお示しいただきたいと思います。

○松葉環境改善部長 花火大会における安全については、主催者や打ち上げ業者みずからが安全に対する認識を十分持って対応することが重要であると認識してございます。
 このため、都では、この三月に煙火消費に関する基準の解説とか、あるいは煙火消費許可申請の手引を作成いたしました。それを主催者や打ち上げ業者に対しまして説明会を開催し、その上で事故の未然防止について要請したところでございます。
 また、花火の打ち上げの許可に当たりましては、許可申請書に花火大会当日の管理体制あるいは情報収集体制、荒天等による気象の変化に応じた花火打ち上げの中止の判断基準などの記載を求めてございます。また、必要に応じまして、事前に主催者あるいは警視庁や消防庁等との打ち上げ場所の現場の調査を行っております。こうした安全を確認した上で、許可を行っているところでございます。
 さらに、大規模な花火大会の場合は、花火大会当日、警視庁や東京消防庁と合同で立ち会いを実施してございます。これらを通じまして、都といたしましては花火大会における事故の防止に万全を期してまいります。

○いなば委員 最後におっしゃいましたように、まさに事故のないように、指導に最大限、今後も努力を傾注してほしいと思っています。
 次に、この環境白書の七三、七四ページにも触れてありますけれども、化学物質の適正管理について伺いたいと思います。
 私の地元であります板橋区では、光学器械、かつてはレンズが地場産業でありましたけれども、それが中心で産業が発展してきたわけでありますけれども、現在はむしろ印刷業が地場産業と打って変わっておりますけれども、大田区に続くような工業の集積地域であります。
 このような産業を健全に発展させつつ、安全な生活環境をつくるには、工場で使われる化学物質による環境汚染を未然に防止していくことが重要なわけであります。そのため、国では平成十一年に化学物質管理促進法、いわゆるPRTR法を制定したわけでありますけれども、事業者が化学物質の排出量などに関して国に届け出て、国がそれを集計して公表することによって、事業者が自主的に排出量を減らすことを促す制度がつくられたわけであります。
 都においては、平成十二年の環境確保条例の改正によって、化学物質適正管理制度を規定しまして、平成十三年十月から施行されております。都の制度では、法律より規模の小さな事業所にも化学物質の使用量などの報告を求めており、事業者の中には、化学物質の使用状況を詳細に計算して報告することが負担となっているところもあると聞いております。
 このような事業者の負担により報告されている情報でありますから、都にとっては安全な環境づくりに、事業者にとっては業務の改善に、それぞれ十分役立つよう運用されることが、これまた重要であります。
 そこで改めて、この国のPRTR法に加えて制度化された都の適正管理制度のねらいは何なのかお示しいただきたいと思います。

○柿沼参事 環境確保条例による化学物質適正管理制度は、工場などの事業所がみずから使用する化学物質を適正に管理し、事業者の自主的な取り組みにより、化学物質の使用総量の削減を図ることを目的としております。
 このため、PRTR法で届け出対象としていない使用量、出荷量の項目についても報告を求めておりまして、使用された化学物質のうち、蒸発などによって環境に排出される量、製品に含まれて出荷される量、廃棄物として処理される量など、化学物質の購入、使用から廃棄に至る流れを事業者自身が数量的に明らかにする仕組みとしております。
 これにより、事業者が一連の工程の中で化学物質のむだな使用箇所を見出して、使用量の削減を実施するなどの改善が図られることをねらっているものでございます。

○いなば委員 そこで、平成十四年度の集計結果が去る三月二十九日に公表されたわけであります。この集計結果からわかった都内の化学物質の排出状況の特徴は何なのか、これまたお尋ねしたいと思います。

○柿沼参事 去る三月に公表した結果は、年間を通しての集計としましては、条例施行後初めてのものでございまして、経年の比較というのは次年度以降の集計を待つ必要がございますけれども、平成十四年度分の集計からは、排出される化学物質の上位十三位までが、いわゆるシンナーなどの揮発性が高くて、大気中に排出されやすい有機溶剤で占められております。
 これらは、東京の地場産業でございます印刷業や金属製品製造業などからの排出が多いという、都内の排出実態の特徴でございまして、今回の条例による化学物質適正管理制度の導入によりまして初めてわかってまいりました。
 こうして得られた情報を活用して、今後の化学物質の排出削減指導を充実させていきたいというふうに考えております。

○いなば委員 この化学物質の使用や排出の実態などが把握できるようになったことは、今後の環境対策を進めるにはよいことだと思いますけれども、地場産業を支える規模の小さな事業所にとっては、手間暇のかかる報告なんですから、事業所の側でもその情報が十分活用されることが大事だと思います。
 条例の制度の導入によって、どんな成果があったのかお尋ねします。

○柿沼参事 条例による制度は、事業所にとっても、化学物質の使用工程全体を見直す契機となっております。ある事業所からは、生産工程で化学物質の流れを量的に把握できたということで、原材料をむだに消費する箇所が判明して、化学物質の排出削減、さらに経費節減の両面に役立てることができたとの感想をいただくなど、制度導入の効果があらわれてきております。

○いなば委員 では、条例の制度を運用して環境の改善を図ることはもとより、薬品の使用量が節約できるなどによりまして、事業所にも経済的なメリットが生ずるような、制度の趣旨を一〇〇%生かすよう、事業所に対する指導を充実されるべきと考えます。
 条例の制度をより効果的に運用していくために、今後事業者に対してどのような働きかけを行うのか、最後にお伺いしたいと思います。

○柿沼参事 この制度によりまして、事業所の自主的な取り組みによって有害な化学物質の使用総量の削減を図り、ひいては環境への排出も低減されるということを目指しておりますものですから、事業者に対しては、これまで業種別のマニュアルを配布して説明会を開催するなど、取り組みが容易に行えるようにバックアップを図ってまいりました。
 また、条例の事務を担当する区や市の職員に対する研修も実施しまして、制度の円滑な定着を図ってまいりました。
 今後は、これらに加えまして、集計結果を事業所にフィードバックすること、あるいは化学物質の管理の改善によって、使用量や排出量を削減できたり、経費を低減できたり、こういった事例をホームページなどで広く情報提供することによりまして、事業所による自主的な適正管理の促進というのを図ってまいりたいと思っております。
 さらに、事業者団体との情報交換の場を設置して、事例紹介や意見交換を行うことによりまして、化学物質の適正管理が効果的に推進され、安全な地域環境が守られるよう働きかけていく考えでございます。

○いなば委員 以上のように、管理、環境改善のことから考えて、これは余分なことかもしれませんけれども、「平家物語」の巻頭に祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きありと、こうありますけれども、いわゆるこの諸行無常というのが、形あるものが千変万化するという変化、変化に対する、環境というのは、そういう取りざたされる局だと思います。
 変化に対する対応、いわゆる無常であるならば、無我と申しましょうか、縦の関係と横の関係、諸行無常が変化なら、関係依存という、そういう変化に対する対応ということがこれから叫ばれる局ではなかろうかと思っております。
 これからも一生懸命、そういう意味で汗を流していただきたいということをお願いして終わります。

○馬場委員 このたび配布されました東京都環境白書二〇〇四を拝見させていただきました。これからの環境行政は、都市づくりへの環境の配慮がますます重要となっていくとの思いを強く感じました。
 実は、地元の課題を抱えておりますので、環境配慮を優先した都市づくりの推進には、特に興味を持ちましたので、本日はこの中から、環境アセスメント制度について具体的な例を含めながら質問、また意見をさせていただきたいと存じます。
 地球環境への取り組みの重要性は、極めて大きなものがありますが、同時に地域のことも重要なことであるということはいうまでもありません。特に、大規模な開発で絶え間なく変化する都市東京のようなところでは、環境の変化に目を光らすアセスメントは重要ではないでしょうか。
 私の地元品川区でも、今大規模開発に対するアセスメントが実施されております。都市高速道路中央環状品川線建設事業というものです。今この先の山手通りで工事を行っております。ごらんになった方も多いと思いますが、山手通りの地下に首都高速道路を通す工事ということで、新宿線に引き続き、渋谷から品川の八潮まで、この品川線、延びていくという地下道路の工事をしております。
 このことをめぐり、実は地元では反対の声が多く出ております。環境問題でももちろん、総論賛成、各論反対という状況が多く見られるわけですが、道路ネットワーク充実により、今回の道路の問題においては、交通の流れをスムーズにして渋滞をなくし、そのことで大気汚染などの環境対策を進めていく。私ももちろん地元の者も、このことに異を唱えているわけではございません。
 しかし、そのような事業を進めるに当たり、一部の人や地域に被害が集中することになってはいけないと思います。そのようなことが各論反対に結びつく、つまり総論賛成、各論反対の大きな問題になってくるというふうに思っています。アセスメントは、このような一部の人にも目を向けていくということを忘れてはならないというふうに思います。
 この工事のことで、地元五反田で都民の意見を聞く会というのが開催されました。二十人近くの地元の人々が審議会の委員の方々などを相手に意見を口述なさいました。特に、換気所のできる近辺の方々は多く参加され、本当に切実な意見を訴えたと聞いております。
 また、品川区を初め、周辺区からもこの事業が実施されたときの環境面の配慮を強く訴える意見が文書で提出されたと聞いております。今後どのようにそれらの意見が反映されていくのか、地元を初め、多くの人々が見守っている状況です。
 そこで、お尋ねします。このようにさまざまな意見が出されておりますが、これがどのように取り入れられていくのか、その点をまずお答えください。

○百合都市地球環境部長 環境影響評価法に基づきますアセスメント手続における住民の意見でございますけれども、法におきましては、事業者が作成いたします環境影響評価方法書並びに環境影響評価準備書に対しまして、住民が事業者に意見を提出し、事業者はこれらの意見を踏まえた環境配慮を行うような形で、それを反映するという制度になってございます。
 さらに都におきましては、都条例に基づきますアセスメント手続と同様に、今お話、ちょっとございましたけれども、区市町村長の意見並びに都民の意見を聞く会の意見を東京都環境影響評価審議会や知事に提出いたしまして、審議会の審議に反映できる仕組みを条例で規定しているところでございます。
 今お話のございました中央環状品川線のアセス手続につきましては、ことし三月二十九日に都民の意見を聞く会を開催いたしまして、四月には品川区長を初め関係区長のご意見を提出いただき、五月に開催いたしました環境影響評価審議会におきまして、これらの意見を踏まえた審議を行い、四十件の指摘を意見書として取りまとめたところでございます。
 これらの意見につきましては、五月二十四日に知事の意見書として都市計画決定者に送付したところでございます。

○馬場委員 ありがとうございました。住民が関与していくという、この制度の仕組みというか、関連がわかりました。
 そもそもこのアセスメントは、いただきましたパンフレットにもあるように、環境に与える影響を予測、評価し、良好な環境を保全するため未然防止対策をしていく、その際に、住民や関係自治体などの意見を聞き、審査に生かすということがきちんと記されております。
 しかし、今お聞きしたように、住民の関与が制度化されていても、住民の生活の中に浸透しているかといえば、どうも今回の件に関しても、そうではないように私は感じております。単なる説明をすればよいのではないかといった手続だけになってしまっていないでしょうか。
 特に、この五反田品川線については、工事期間も長く、広範囲にわたり、地下方式という、新しいというんでしょうか、工法を採用する品川線のような場合は、特に住民の不安は大きなものがあります。
 アセスメントは、事業に対する住民の毎日の生活の中での思いや、いたずらに大きくなる不安を解消すべく、環境面から見て事業を適切にしていくように導いていくことが重要なことだと思います。そのため、アセスメントが住民の中に浸透していく、アセスがその目的を達するために大きな力になると考えます。
 その点から、住民自身がこのアセスメントの情報に身近になる工夫が重要と思いますが、そのためには環境局はどのようなことをお考えでしょうか、お伺いいたします。

○百合都市地球環境部長 現在、都の環境アセスメント制度におきましては、アセスメント図書の公示、縦覧ですとか都民意見の提出、また東京都環境影響評価審議会の傍聴などを通じまして、住民が関与できる機会を確保しているところでございます。
 また、アセス関連情報につきましては、環境局のホームページへの環境影響評価調査計画書の電子ファイルの掲載ですとか、各案件データの公開などを行っているところでございます。
 今後ともホームページをさらに充実させ、アセスメント制度のPRを進めるとともに、環境影響評価書などアセス図書が住民の皆さんにとってわかりやすい図書となるよう指導してまいります。

○馬場委員 お取り組みの状況はわかりました。しかし、品川線にとどまらず、大規模な事業が実施される、そういう地元の住民は、その工事や施設が完成したときはもちろんですが、その工事期間が長くかかること等、環境面から見て困った状況に置かれるかもしれない、そんな不安を抱えて、この状況を見守っているわけです。
 なぜならば、今触れた品川線でも、特に五反田の換気所というふうに予定されている付近の住民は、この問題について近隣町会や商店街を挙げて、不安を抱えているがために学習会をし、検討会を行い、さまざまな疑問に対して真摯に取り組んでいるわけですが、そんな中で公聴会等、意見を提出しているという状況です。
 しかしながら、今回のこの道路の建設は、先ほども述べましたように地下形式であるということ、また今ある道路の下につくるというさまざまな問題の中から、この換気所の周辺住民に限って、その影響がしわ寄せとして来てしまう、このことが大変大きく懸念されております。
 私の方に寄せられた資料でも、これは新宿線でつくられたパンフレットなんですが、まず排気塔の大きさなんですが、四十五メートルの高さというような形で、こんなふうに新宿線はつくられるということで確定していると聞いています。
 場所も、新宿線で十六本でしょうか、建てられるというふうに聞きました。この換気塔、幅七メートル、長さ二十七メートル、高さ四十五メートルという状況です。
 これは新宿線の図ですが、これが今五反田で予定されているところは、この側面がそれぞれ同じぐらいの十四、五階の高さの住宅が建っている。その道路の真ん中にこういう換気塔ができるということで、今地域の皆さんは大変危惧しております。
 なぜこういうふうになるんだろうかということで、そのことも含めて皆さんが危惧している状況は、まずこの換気塔ができること、それから、この地下の出口、入り口ができること--インターチェンジというんでしょうか、そして工事期間が十年というふうに予定されている。
 せっかくこの地域の皆さんは、山手通りの道路拡幅に協力し、その結果、この沿道に住宅を建てて、いい環境をつくってきたところに、また今度の問題が起こってきたということで、新宿線と、またそれ以上に、ここは複合の被害を受けるのではないかということで、今とても心配をなさっています。
 この五反田、今までの山手通りの通行量だけでも、公害病というんでしょうか、発生している。それが、さらにこの交通量が集中する、こういう予定、これは、事業者の自分の都合でできたのではないかという、こうした不信感がぬぐえません。
 そういう意味で、今回このアセスに対して、地元も、そしてもちろん先ほどお話いただいたように、地域の品川区からも大変丁寧な意見が出されているということでありますし、またそれを受けて、局は、事業者に対しての、今回五月二十四日に意見書を出されたと伺っております。
 そうした状況の中で、五月二十四日の知事の意見でも、換気所からの窒素酸化物や粒子状物質の削減技術などでの最新技術の導入を検討することというような条件がつけられております。もちろん品川区からも、土壌脱硝方式など最新技術の導入を訴えております。
 現在、そして将来にわたって、こうした環境技術の進歩は、先ほどからの委員の皆さんの質疑の中でも、これからの技術革新というものを期待できる、そういう状況の中で、こうした最新技術の適用を初め、知事意見に盛り込まれている、こうしたことが実際に実行されるようなことを私は望んでおります。
 こうした五月二十四日に出された知事意見につきまして、もう一度地域住民の皆さんの不安を払拭するためにも、環境局の取り組みとしてご決意等を聞かせていただければありがたいというふうに思います。

○百合都市地球環境部長 今お話の五月二十四日に知事意見書として都市計画決定権者に送付した意見、先ほど四十件と申しましたけれども、その中で特に大気汚染、それから騒音、振動につきましては、ご指摘の換気所にかかわる部分の意見として九件ほど、今改善等のお話がございましたけれども、指摘いたしました。
 今後、これらの意見を踏まえて事業者が実際に事業に入っていくわけですけれども、私どもはアセス条例の手続から申しますと、今後はこの工事の着手から完了までの間に、都条例のアセスメント手続に基づきます事後調査の実施など、事業者に対して適切な指導を行っていくというふうに考えております。

○馬場委員 ありがとうございました。法では、事後のモニタリング等は必要に応じてというふうな、私どもにとっては不十分な条件なんですが、都では、そういう意味では、評価制度の中でもきちんと工事、事業後の調査手続の中にも、必要に応じて、審議会の意見を聞いた上で、報告書の内容を審査し、環境に著しい影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、直ちに事業者や規制権者に対して必要な措置をとるよう要請するというふうに述べられております。
 今私が述べましたように、環境が……
   午後六時五十五分

   午後七時九分
〔委員長退席、林田副委員長着席〕

○林田副委員長 本日は、この程度にいたしまして委員会を閉会したいと思いますが、よろしくお願いします。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○林田副委員長 次回の十日に、この次はすべてやらせていただきますので、ご了承願いたいと思います。
 傍聴されている方は、きょうこういう事態をごらんになったと思いますので、申しわけございませんけれども、十日によろしくお願いします。
   午後七時十分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る