委員長 | 小山くにひこ君 |
副委員長 | かつまたさとし君 |
副委員長 | 星 大輔君 |
理事 | 米川大二郎君 |
理事 | 風間ゆたか君 |
理事 | とや英津子君 |
磯山 亮君 | |
龍円あいり君 | |
斉藤まりこ君 | |
大松あきら君 | |
伊藤こういち君 | |
白戸 太朗君 | |
松田 康将君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化スポーツ局 | 局長 | 古屋 留美君 |
生活安全担当局長 | 竹迫 宜哉君 | |
次長理事兼務 | 渡邉 知秀君 | |
次長 | 久故 雅幸君 | |
総務部長 | 奈良部瑞枝君 | |
都民生活部長 | 柏原 弘幸君 | |
都民安全推進部長 | 馬神 祥子君 | |
消費生活部長 | 片岡 容子君 | |
私学部長 | 加倉井祐介君 | |
文化振興部長 | 蜂谷 典子君 | |
スポーツ総合推進部長 | 小池 和孝君 | |
国際スポーツ事業部長 | 梅村 実可君 | |
スポーツ施設部長 | 澤崎 道男君 | |
企画担当部長 | 杉山 浩二君 | |
都民活躍支援担当部長 | 山崎 利行君 | |
男女平等参画担当部長 | 宮本 均君 | |
治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 | 勝見 恭子君 | |
若年支援担当部長 | 村上 章君 | |
調整担当部長 | 石岡 由江君 | |
文化戦略推進担当部長 | 宮永 浩美君 | |
デジタル推進担当部長 | 松下 裕子君 | |
文化施設・連携推進担当部長 | 富岡麻紀子君 | |
スポーツ担当部長 | 齊藤 陽睦君 | |
パラスポーツ担当部長 | 上山亜紀子君 | |
大会総合調整担当部長 | 巻口 博範君 | |
大会事業推進担当部長 | 木村 賢一君 | |
事業調整担当部長 | 三浦 大助君 | |
事業調整担当部長 | 清水俊二郎君 | |
経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 | 高島 慶太君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
生活文化スポーツ局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化スポーツ局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第六十六号議案 東京都私立学校教育助成条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都スポーツ施設条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都子供・若者計画(第三期)の策定について
・東京都スポーツ推進総合計画の改定について
・ビジョン二〇二五アクションブック バージョンアップについて
・武蔵野の森総合スポーツプラザにおける外部資金の導入について
○小山委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、意見書、決議について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○小山委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
令和七年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和七年三月十四日
東京都議会議長 増子ひろき
(公印省略)
文教委員長 小山くにひこ殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十四日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十一日(金)午後五時
(別紙1)
文教委員会
第一号議案 令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 文教委員会所管分
(別紙2省略)
○小山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
第一号議案、令和七年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化スポーツ局所管分、第六十六号議案、第六十七号議案及び報告事項、東京都子供・若者計画(第三期)の策定について外三件を一括して議題といたします。
本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○奈良部総務部長 去る二月十三日の当委員会におきまして要求のありました資料についてご説明申し上げます。
お手元に配布の令和七年文教委員会要求資料をご覧ください。
目次をご覧ください。こちらに記載のとおり、今回要求のありました資料は十件でございます。
一ページをご覧ください。1、私立学校における児童生徒の自殺者数及び不登校児童生徒数でございます。
令和元年度から令和五年度までの状況を記載しております。
二ページをご覧ください。2、知事の附属機関(審議会等)の委員数、女性委員数及び女性委員任用率一覧でございます。
令和六年四月一日時点の状況を四ページまで記載しております。
五ページをご覧ください。3、配偶者暴力防止等民間活動助成事業の実施状況、予算額の推移でございます。
令和三年度から令和六年度までの実績と令和七年度の予算額を記載しております。
六ページをご覧ください。4、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数の推移でございます。
都と区における平成二十六年度から令和五年度までの実績を記載しております。
七ページをご覧ください。5、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数(月別)の推移でございます。
都と区における令和元年度から令和六年度までの実績を記載しております。
八ページをご覧ください。6、男女共同参画に関する施策についての苦情処理機関の都道府県別設置状況でございます。
都道府県別の設置状況を記載しております。
九ページをご覧ください。7、東京都青少年の健全な育成に関する条例第八条の規定による図書類(八条指定図書類)の指定件数、名称及び指定理由でございます。
平成十六年度から令和五年度までの指定件数と、令和三年度から令和五年度までの八条指定図書類の名称及び指定理由を記載しております。
一一ページをご覧ください。8、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館の条例の利用料金及び実際の利用料金でございます。
改定前後の条例の利用料金と実際の利用料金を記載しております。
一二ページをご覧ください。9、世界陸上及びデフリンピックにおける開催支援予算額の内訳、各運営組織への都派遣職員数(役職別)でございます。
令和七年度の予算額の内訳と、令和七年三月一日時点の都派遣職員数を役職別に記載しております。
一三ページをご覧ください。10、きみまも@歌舞伎町の月別来所者数でございます。
月ごとの来所者数を男女別、年齢別に記載しております。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○小山委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○星委員 よろしくお願いします。
私からは、まず、デフリンピックにおける子供の観戦についてから伺ってまいります。
先日の予算特別委員会、松田委員の代表質問におきまして、ろう学校を含む都内の公立、私立の小中学校及び特別支援学校等を対象として、学校単位での観戦機会を提供予定としており、特に、ろう学校については、個別に事業概要を説明して参加を促すなど、子供たちの学びの機会の確保に努めるとの答弁がありました。
都内には、私立、そして公立を合わせて六つのろう学校があります。様々な年齢層や障害の程度の児童生徒がおりまして、各ろう学校の状況に応じた観戦内容としてほしいと思っております。
そこでまず、ろうの当事者の子供たちの競技観戦についてどのように調整をしていくのか、伺います。
○清水事業調整担当部長 ろう学校に対しましては、直接連絡を取り、観戦事業の趣旨や内容を丁寧に説明するとともに、それぞれの学校の意向を個別に聞き取っております。
今後、その内容を踏まえ、必要な情報保障の提供など、当事者の子供たちが観戦を通じてデフスポーツの魅力に触れられるよう取り組んでまいります。
○星委員 ありがとうございます。私も先日の一般質問において、世界陸上の子供の参画というところで質問をさせていただきました。
このデフリンピックにおきましても、各ろう学校と、今ご答弁いただいたように丁寧に対応していただいて、子供たちの夢の創造であったりだとか、あとは希望となるような取組をぜひよろしくお願いいたします。
次に、アートプロジェクトについて伺います。
昨年、私の事務事業質疑において、世界陸上、デフリンピックの開催を契機として展開されるアートプロジェクトについて質問し、舞台制作ではオーディションを行い、障害の有無を問わず、誰もが参加できるようにするとの答弁をいただいたところです。
いよいよ今年は本番の年であり、準備が進んでいると思いますが、舞台制作のその後の進捗について伺います。
○蜂谷文化振興部長 都が世界陸上、デフリンピックに向けて実施する舞台作品のうち、東京二〇二〇パラリンピック開会式を引き継ぐ新作の舞台では、三百名を超えるオーディションへの応募がございました。障害のある方を含め、五名の方に出演いただくことになり、稽古が本格的に始動したところでございます。
ろう者と聴者が協働して制作する舞台では、現在、出演者オーディションの選考中でございます。
また、ろう者、聴者問わず、一般の方に幅広く参加いただけるワークショップを、これまで二回行っております。
○星委員 出演者オーディションも含め、順調に進んでいるということでありました。さらにワークショップも行われるということでありまして、出演者と参加者、ろう者と聴者が垣根を越えて参加するワークショップは、ほかに類を見ない取組なのではないかなと思います。
そこで、そのワークショップの内容についてお伺いします。
○蜂谷文化振興部長 このアートプロジェクトでは、聞こえる人と聞こえない人とが相互に理解を深めることを目的としておりまして、そこから得た新たな気づき、発見を創作に反映しております。
今年度行ったワークショップでは、ろう者と聴者がそれぞれの異なる言語や文化を知り、学び合う機会を提供し、その過程は記録動画を通じて公開しております。
ろう者とろう文化に対する社会的認知を向上させ、作品への理解をより深めていただけるよう、こうした取組を積極的に発信してまいります。
○星委員 デフリンピックは、共生社会の実現に向けて取組を広く社会に普及させる絶好の機会であると思います。秋の上演に向けて、多くの方に本番を楽しんでいただけるよう、制作やそのプロセスの発信を一層進めていっていただくことを要望させていただきます。
次に、私立幼稚園の支援について伺います。
こちらも昨年十一月の事務事業質疑で、現行は、園児六十名に一人となっている私立幼稚園の職員配置への経常費補助について質疑を行いました。
この基準について、小規模幼稚園の状況などを踏まえて必要な検討を行っていくとの答弁をいただきました。
そこで、私立幼稚園経常費補助における職員配置の基準について、検討状況を伺います。
○加倉井私学部長 令和六年度における都内私立幼稚園の園児数の状況を見ますと、経常費補助の対象であります四百十七園のうち四十九園と、約一割の園で園児数が六十名以下となっております。
幼児教育の無償化や預かり保育の充実等により、幼稚園における事務が増加、複雑化している中で、小規模幼稚園においても、運営に支障が生じないよう、園児数にかかわらず、複数名の事務職員を配置できるような基準への見直しを行ってまいります。
○星委員 ぜひよろしくお願いいたします。
また、私立幼稚園の満三歳児保育についても質疑を行わせていただきました。幼稚園に対する補助は、園児一人当たり年額三千円であるとのことでありました。満三歳児保育には、教員の配置や保育室の確保が必要となるため、園の負担に見合うよう支援の充実を図ってもらいたい、その旨の要望をさせていただきました。
そこで、満三歳児保育を行う幼稚園への補助の充実について、改めて見解を伺います。
○加倉井私学部長 満三歳児保育を実施する幼稚園への支援としましては、経常費補助の一般補助に加え、特別補助におきまして、定額六十万円に加えて、前年度の三月一日時点での受入れ人数に単価三千円を乗じた金額の補助を行っております。
特別補助における単価につきましては、各園の実施状況を分析し、受入れを促進できるよう、必要な検討を行ってまいります。
○星委員 私立幼稚園のさらなる支援、今後もしっかりと行っていただくことを要望させていただいて、次の質問に入ります。
続きましては、私立学校教員向けの奨学金返還支援について伺います。
報道などでも取り上げられているとおり、公立学校の教員の採用倍率は下降が続いています。
私立学校につきましても、学校により状況は異なりますが、採用に苦労しているということも多く聞いているところであります。
このような中で、今回創設された奨学金返還支援制度において私立学校も対象としたことは、非常によいことだと思います。
そこで、改めて本制度の目的と支援の仕組みについて伺います。
○加倉井私学部長 今回、都が創設する奨学金返還支援制度は、東京の教育や都市の強靱化を支える人材を安定的に確保することを目的としております。
この目的を実現するため、都は、奨学金を借りていた学生が都内の教員や技術系の公務員になった場合に、返還総額三百万円を限度として、その半額を本人に代わって返還いたします。
○星委員 今ご説明をいただいた仕組みとのことでありますが、私立学校については、具体的にどういった方が対象となっているのか、伺います。
○加倉井私学部長 都内の私立幼稚園、小中高等学校、特別支援学校に令和七年四月以降に採用された教員を対象として、奨学金の返還を支援いたします。
新規に就職する方だけではなく、既に奨学金を返還している社会人経験者等も対象とするとともに、利子の有無を問わず、貸与型の奨学金を返還する方を幅広く支援いたします。
○星委員 幅広く支援をされるということでありました。
予算案では、公立、私立を合わせて三千人規模となっています。そのうち私立学校を対象とする人数について、算出方法とともに伺います。
○加倉井私学部長 令和六年三月に日本学生支援機構が公表した令和四年度学生生活調査結果によれば、全国の約四割の学生が貸与型奨学金を利用しております。
こうした状況から、令和七年度の採用者につきましては、今年度の採用一年目の教員数約二千五百名の四割に当たる一千名程度に対する支援を想定しております。
○星委員 教員が安心して働き続けられるように、しっかりとPRも行っていただきたいと思います。このことを要望させていただきまして、次の質問、これが最後になりますけれども、移らせていただきます。
東京都は、子育て支援、様々なことを行っていただいているかと思いますけれども、私も、少子化が進む中、まず結婚をしてもらう、そういったことも本当に重要だと考えております。
都は、出産、妊娠、子育てなど様々な面で支援を、今申し上げたとおり行っておりますけれども、少子化の原因の一つとして婚姻数の減少もあろうかと思います。結婚への支援は大変重要だと、先ほども申し上げたとおりでございます。結婚関連団体など幅広く業界全体を巻き込んで、東京全体でこの盛り上げをしていくことが重要だと考えます。
そこで、都は今年度、結婚関連の民間団体と官民連携会議を立ち上げているということでありますが、その目的とこれまでの取組について伺います。
○山崎都民活躍支援担当部長 昨年六月、社会全体の結婚機運を高め、婚活、結婚にちゅうちょしている人に一歩を踏み出す勇気を持ってもらうため、マッチングアプリ、結婚相談所、式場、婚礼関係などの各団体と官民連携会議、結婚おうえんTOKYOミーティングを立ち上げております。
これまで、マッチングアプリの第三者機関による認証の周知、結婚相談所のサービス体験、著名なインフルエンサーの結婚式イベントのウェブ配信などに取り組んできております。
○星委員 ありがとうございます。
東京全体での盛り上げとしては、こうした民間団体との連携は必要不可欠であると思いますし、また、市区町村との連携も有効だと考えます。
市区町村との連携による来年度の取組をお聞かせください。
○山崎都民活躍支援担当部長 都はこれまで、区市町村と連携いたしまして、交流イベントやライフデザインセミナーなどを開催してきております。
来年度は、交流イベントの回数や参加人数を拡大するほか、都民の身近な地域で様々な企画を展開いたしまして、都全域で結婚機運を醸成してまいります。
○星委員 私の地元の町田市でも、町田市立陸上競技場、GIONスタジアムがあるんですけれども、Jリーグを行っているスタジアムですけれども、そこで前撮りをするような支援も市内事業者がやったりしております。
そんな中で、今ご答弁でもあったとおり、市区町村にとっても地域の魅力をPRをするような取組を今後もぜひ行っていただきたいと思いますし、連携も強化していただいて、この結婚支援をさらに進めていただくことを要望して、質問を終わります。
○白戸委員 よろしくお願いします。先週の予算特別委員会に続きまして、このような状態ですが、ご容赦いただきたいと思います。
さて、平成二十九年の開業以来、隣接する味の素スタジアムと併せまして多摩地区の一大スポーツ拠点として形成してきました、武蔵の森総合スポーツプラザ、東京二〇二〇大会ではバドミントンや近代五種が開催され、その後も多くのスポーツ大会が開催されるとともに、地域スポーツの拠点として多摩のスポーツ振興に貢献してきました。
また、最大一万人が収容できるメインアリーナを生かし、音楽イベントなどの大規模イベントなどの会場としても地域のにぎわいに貢献するなど、様々な形で都民に利用されてきた施設でもあります。
これは本当に、駅からもアクセスがいいし、バリアフリーが充実しているということで、利用者からも、そして観戦者からも評価が高い施設であると認識しております。
今回、この施設のネーミングライツを活用し、指定管理者が外部資金を導入するということなんですが、昨年のlivedoor URBAN SPORTS PARKに続いての、このネーミングライツ導入ということになります。
そこでまず、都立スポーツ施設へのネーミングライツの導入について、都の現状認識を伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 都立スポーツ施設のネーミングライツの導入に関するこれまでの検討におきましては、有識者や企業等へのヒアリングなどを通じて、社会経済情勢をはじめ、様々な要因を考慮する必要があることなどを把握いたしました。
また、都立スポーツ施設は、運営形態や利用状況、企業との連携の状況も施設ごとに様々であるため、ネーミングライツにつきましては、各施設の状況に応じて、導入手法などを個別に検討していく必要があると考えております。
○白戸委員 このネーミングライツの導入には、その時々の社会情勢、経済情勢はもちろんですが、その施設ごとの状況を踏まえた個別のアプローチが必要だということ、これは考えてみると当然のことで、その時々、その施設の状況を見極めなければ決められるはずもありません。
それでは、今回の武蔵の森総合スポーツプラザについて、どのような背景で導入するのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 都は、従前から各指定管理者に対して、外部資金など財源の確保に取り組み、事業の充実等を図るものとしてきました。
今回、指定管理者より、ネーミングライツを活用し、施設を通じたスポーツの振興や地域貢献を希望する企業から外部資金を導入する提案がございました。
都としましては、施設と相手方企業とのこれまでの関係性や提案内容を踏まえて検討し、指定管理者の提案を認めるものでございます。
○白戸委員 この外部資金を獲得することで施設での事業が充実することは、これは大変いいことだと思います。
今回、施設への収入が年額八千万ということなんですが、重要なことは、この施設にとって新たな財源を有効に活用し、施設の利用者や地域にしっかりと還元していくことだというふうに考えます。
そこで、このネーミングライツによって、地域や施設においてどのようなことが期待されるのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 武蔵野の森総合スポーツプラザと地元の交通インフラを担ってきた相手方企業とは、これまで、施設でのスポーツ大会への協賛やPR活動等を通じて協力関係と信頼関係を構築してきました。
今後、これまでの連携や取組が一層促進されることで、施設での都民向けのスポーツ機会の提供や利用者サービスのさらなる充実、地域の活性化などが期待されます。
また、外部資金の一部を用いて、都が負担する施設の運営費である指定管理料を減額する提案となっており、都民負担の軽減にも寄与するものであります。
○白戸委員 これまでの企業との連携や協力の積み重ねがあってこその提案ということで、施設がそうしたつながりをここまで構築してきたということは評価したいと思います。
民間企業でも、人の付き合いでも、その事象だけではなくて、これまでの相手との関係値や価値観の一致というのは非常に大切です。そうした意味でも、京王電鉄は地域に根差した企業ですから、今後一層、施設や地域に対する貢献が期待されます。
さらに、外部資金の一部を指定管理料の低減に充て、都に還元するという提案になっているそうですが、これは都民への還元として歓迎すべきことだと思います。
そこで、この指定管理料について、具体的にどの程度の低減の提案になっているのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 指定管理者の提案では、外部資金の年額の二〇%相当分について、各年度の指定管理料を減額するとしております。
○白戸委員 都が負担する施設の運営経費である指定管理料の低減は、都民の負担軽減に資するものということがいえます。そして、外部資金の大きな導入効果ではないかと考えます。
都立のスポーツ施設は、スポーツはもとより、イベントなどで様々な目的で多くの都民に利用されるよう、有効に活用されることが重要です。
今回提案のあった企業との連携などにより、都民の負担を軽減しつつ、より一層都民に、そして地域に親しみを持っていただけるような施設となるよう、引き続き取組を進めていただけるよう要望し、次の質問に移ります。
次に、ビジョン二〇二五アクションブックバージョンアップについて伺います。
いよいよ今年、世界陸上とデフリンピックが開催されます。さきの予算委員会において、知事から、両大会を成功させ、スポーツの力で東京の新たな未来を切り開くという決意を伺ったところでありますが、二〇二〇大会同様、大会開催がゴールではなく、大会開催を契機としてレガシーが生まれるよう取り組んでいく必要があります。
都として、こうした考え方をまとめたものが今回のビジョン二〇二五アクションブックであると理解しております。
そこでまず、今般策定されましたビジョン二〇二五アクションブックバージョンアップについて、その位置づけや改定の経緯、そして主な取組を伺います。
○巻口大会総合調整担当部長 ビジョン二〇二五アクションブックバージョンアップは、昨年度策定したアクションブックを改定し、両大会を通じた取組や、その中で創出されるレガシーを体系的に示したものでございます。
両大会を都民のウエルネスの向上等につなげる推しスポーツプロジェクトや、社会変革の推進力にするための十のアクションについて具体的な取組を盛り込むなど、内容の充実を図っております。
例えば、大会においてユニバーサルコミュニケーション技術を活用し、身近な環境での情報保障の充実につなげていくことや、大会を通じた東京の魅力発信により、都市のプレゼンスを向上させていくことなどを掲げております。
○白戸委員 都が両大会を通じて目指す姿や、そこに向けての取組、その方向性について理解することができました。
ただ、これは計画を立てることが目的ではなくて、これらのアクションをいかに遂行していくかが重要になります。
このアクションブックの実現に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
○巻口大会総合調整担当部長 アクションブックは、スポーツにとどまることなく、文化や教育、観光など様々な分野を横断する取組指針であることから、庁内各局等との連携が不可欠でございます。
芸術文化の発信や学校での学びなどをはじめ、様々な取組について、両大会を通じて関係者と共に検討を深め、具体化し、今回取りまとめたバージョンアップ版の実現を目指してまいります。
○白戸委員 今回の計画は、今おっしゃったようにかなり幅広で、この二つのスポーツ大会を様々な分野に広げていこうとするものであります。
そうした意味では、ぜひ都庁においても局を横断して進めていかなければ、これはなかなかできないことだと考えております。ぜひアクションブックで示した目指す姿になっていくよう、関係者とも十分に連携し、実効性のある取組を期待しております。
次に移ります。
経済は文化のしもべという私の好きな言葉があります。これはベネッセの福武總一郎氏がいった言葉で、この解釈は様々ありますけれども、私は、経済で稼ぎ、文化で消費する。つまり、人はお金のために生きるのではなく、人は豊かになるために生きるのであるということだと私は理解しております。
国や都市も全く同じで、お金のためにお金を稼ぐのではなく、豊かな生活を送るために稼ぐものです。もちろん、寝食などの最低限のものは必要ですけれども、人の生活は、豊かになるための文化、芸術、スポーツが必要であるということだと考えております。
その観点から、都が基本計画や東京文化戦略などにおいて、誰もがアートに親しめる機会や若手アーティストの活躍の場の創出、そして東京の芸術文化の海外発信などを目標に挙げ、様々な施策を行っているのは、非常に重要なことだと思います。
今回、その施策の一つである東京お台場トリエンナーレ二〇二五について、先日、現在の枠組みでの開催は見送り、体制などを見直した上で、新たな形で、東京にふさわしい国際美術展の開催を目指していくという発表がございました。
今後、新たな形で国際美術展を検討していくということですが、例えば開催場所については、お台場に限らず、臨海エリア全域、例えば江東区なども検討に加えていくことで、より東京の水際空間のにぎわいが幅広に創出されるものと考えます。
そこで、新たな国際美術展の検討状況について伺います。
○蜂谷文化振興部長 新たな美術展の開催に向けましては、例えば開催場所については、お台場エリアの持つ高いポテンシャルを生かしつつ、臨海地域でのより拡張した展開も想定するなど、これまで準備し、積み上げてきたものを生かしながら、実施体制や開催時期など、あらゆる可能性について検討を進めております。
○白戸委員 これは一度決まっていたことが再スタートとなったわけで、再検討には様々な困難も伴うと思いますが、ぜひ本来の目的を失わず前向きな検討を進め、多くの人がアートに触れるきっかけとなるような国際美術展の開催を目指してほしいと思います。ある意味、もう一度リスタートということは、もう一度考える機会があるということですので、ぜひ前向きに捉えていただければなというふうに思います。
さて、令和六年第四回定例会の代表質問において、我が会派からの新たな文化芸術祭が必要であるという質問をしたところ、より多くの都民が楽しめるよう、都内の文化イベントやコンテンツを活用し、新たなフェスティバルを展開していくという答弁をいただいております。
このフェスティバルにおける大きなコンテンツの一つが今回のトリエンナーレであったとは思いますけれども、残念ながら、開催時期を含めて検討中というのは先ほどの話です。
都は、現在もクラシックの音楽祭や大規模な演劇公演など、様々なイベントを開催しております。
来年度は、こうしたものも含めて、文化でどのようなにぎわいをつくっていくのか、伺います。
○蜂谷文化振興部長 来年度、都は、民間のものも含めまして、都内で開催されている数多くの芸術文化イベントと連携して共同プロモーションを展開いたします。
都が主催している東京芸術祭と都民芸術フェスティバルにつきましては、エンターテインメント性のある作品やまち中での公演など、都民が親しみやすい多彩な演目を取り入れた新たな舞台芸術祭として再構築いたします。
こうした東京の優れたコンテンツをつなぎ合わせ、一体感のある新たな文化芸術祭として、国内外へ打ち出してまいります。
○白戸委員 今ご説明のあった舞台芸術祭や検討中の新たな国際美術展が、国内外に評価されるようなすばらしいものになることを期待しております。
また、東京が既に持っている芸術文化、エンターテインメントコンテンツについてもしっかりと磨き上げ、文化芸術祭の取組を通じて、東京をスポーツの力だけではなく、アートの力でも盛り上げて、真の意味で豊かな東京へ推進いただきたいとお願いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○かつまた委員 スポーツ振興について、初めに伺います。
スポーツをする際には、安全、正しく、楽しく指導し、スポーツの本質的な楽しさやすばらしさを伝える、正しい知識を持った指導者の存在が不可欠であります。
しかし、高齢化の進展により指導する人材が不足しており、私は、さきの本会議で、指導者の確保、育成を進めるべきと質問をいたしました。
これに対し、都からは、スポーツ指導者資格の取得への支援を実施すると答弁がありましたが、今後の計画を踏まえて、具体的にどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
○齊藤スポーツ担当部長 地域のスポーツ環境の整備や活性化につなげるため、来年度から、日常的なスポーツ活動の場である地域スポーツクラブなどを通じて、所属する指導者の資格取得を後押しします。
具体的には、安全・安心で基礎的なスポーツ指導や運営に当たるスポーツコーチングリーダーや、安全で効果的な活動を提供するスタートコーチなど、日本スポーツ協会の公認する資格を取得する際の費用を、一クラブ当たり二十万円を上限に支援いたします。
○かつまた委員 スポーツの指導者は、競技者のニーズや要望に応え、安全かつ公正な環境でスポーツに親しむことをサポートする役割を担っており、スポーツを支える人材として、身近なスポーツ環境の整備に貢献しております。質の高い指導者の育成、確保に取り組んでいただきたいと思います。
次に、パラスポーツにおける支える人材の確保について伺います。
障害のある人は、障害種別や程度が様々であり、障害特性に応じた配慮ができる多くの人材が必要となります。
さきの予算委員会で都議会公明党は、デフリンピックのボランティア応募者に継続的なサポーターになっていただくよう求め、都からは、ボランティア向けポータルサイト、障スポ & サポートへの登録を呼びかけていくとの答弁がありました。
そこで、デフリンピックを契機に、ボランティアに応募した方を含め、多くの方を支える人材として確保していくことが重要であるというふうに考えますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○上山パラスポーツ担当部長 都はこれまで、TOKYO障スポ & サポートにおきまして、ボランティア活動に役立つ知識やスキルを得るためのeラーニング講座や講習会の情報とともに、ボランティア活動機会の情報も発信し、パラスポーツを支える機会につなげております。
デフリンピックを機にパラスポーツへの関心が高まっていることから、今後、大会のボランティアに応募した方をはじめ、新たにパラスポーツの担い手となるよう、広く都民に登録を呼びかけてまいります。
また、ボランティアの方が、専門知識を生かした指導やサポートを行えるパラスポーツ指導員として活躍できるよう、養成講習会の案内も行ってまいります。
○かつまた委員 ぜひ多くの方をパラスポーツの担い手として確保し、障害のある方が地域で継続的にスポーツに親しめる環境構築につなげていただきたいというふうに思います。
次に、世界陸上とデフリンピックの大会開催に向けた財政支援についてお伺いをいたします。
来年度予算案に、両大会への開催支援に係る経費として、世界陸上は五十二億円、デフリンピックは百十一億円が計上をされております。
我が党はかねてから、開催に当たっては、ガバナンスの確保はもちろん、大会運営組織における財政基盤の安定も重要であるというふうに指摘をしてまいりました。
今般、予算案に計上された都の財政支援も、その実現に寄与するものでありますが、その内容について、きちんと確認しておく必要がございます。
そこでまず、今回計上された開催支援経費の内訳とその内容についてお伺いをいたします。
○巻口大会総合調整担当部長 世界陸上につきましては、大会を通じて東京の価値を高める経費として、広報等に二・二億円を計上しております。
また、東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費として、仮設等に二十四・七億円、オペレーションに十四・一億円、その他輸送等に十一億円を計上しております。
デフリンピックにつきましては、大会を通じて東京の価値を高める経費として、広報、管理等に三十・七億円を計上しております。
また、東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費として、オペレーションに六十一・四億円、その他輸送等に十八・九億円を計上しております。
○かつまた委員 今のご答弁で、今回計上された経費がどのようなものか、確認ができました。
次に、都として両大会を支援する意義についても明らかにしていきたいと思います。
そこで、都は、どのような考えに基づき開催支援経費を来年度予算案に計上したのか、お伺いをいたします。
○巻口大会総合調整担当部長 世界陸上とデフリンピック両大会の開催は、スポーツ振興はもとより、共生社会の実現や東京のプレゼンス向上など、多様な価値をもたらします。
都は、こうした価値を踏まえ、運営組織において適正かつ効率的な運営が確保されることを前提として、財政面からもサポートを行っております。
予算案に計上した開催支援経費は、昨年末に、各運営組織から来年度に必要と見込む経費の財政的なサポートを求める要望を受け、大会を通じて東京の価値を高める経費や、そのために必要な環境整備を行う経費を都として確認した上で計上したものでございます。
○かつまた委員 今のご答弁で、都が財政支援を行う上での考え方や、予算案への計上に当たってどのように確認してきたのか、理解ができました。
そして、先日の都の予算案発表において、大会経費全体に対する都の負担額として、世界陸上が六十億円、デフリンピックが百億円であると示されました。
また、昨年度に各運営組織が公表した財政計画では、両大会とも、収入における都と国の支援については、合わせてその他とされておりましたけれども、今般、国による支援をそれぞれ二十億円と見込み、収入計画の具体化が図られております。
しかしながら、公費負担の増加を懸念する人もいることが考えられます。こうした不安を払拭するためにも、しっかりと収支をコントロールしていくことが重要と考えます。
そこで、大会の収支均衡に向け、大会組織による取組はもちろん、都としてもしっかりと関与していくべきと考えますが、見解を求めます。
○巻口大会総合調整担当部長 両大会の財政運営は、主催者等、関係者との密な協議によるサービスレベルの見極めや予算管理の徹底、協賛等の収入確保の取組などにより、各運営組織の責任の下で適切にマネジメントされているものと認識しています。
都としても、その運営に当たり、ガバナンス確立に向けたチェックやコンプライアンスの徹底、情報公開などの取組を適切にサポートしてきました。
引き続き、円滑な運営準備と適切な財政運営の両立に向けて、都として必要なサポートを行ってまいります。
○かつまた委員 運営組織における適切な財政運営も、大会成功の大事な一要素と考えます。引き続き、運営組織とも連携して、しっかりと取り組んでいただきたいことを要望いたします。
さて、ここまで答弁いただいた内容においては、大会を成功させるために重要な要素であるというふうに考えます。
同時に、我が党がかねてから申し上げているとおりに、両大会を青少年の健全育成や共生社会の構築につなげていくこともまた重要であります。都としても、大会を通じて様々な施策を展開していく必要があると考えます。
この点、来年度の東京都予算案の概要において、大会経費のほか、大会連携事業費として、世界陸上で五十二億円、デフリンピックで四十四億円が計上されており、都としても重点的に取り組んでいく分野であるというふうに受け止めております。
そこで、大会連携事業費の考え方や内容についてお伺いをいたします。
○巻口大会総合調整担当部長 大会連携事業費は、大会に向けて、都が全庁を挙げて連携し、重点的に取り組む事業に要する経費をまとめたものでございます。
このうち、世界陸上につきましては、大会を契機としたスポーツ振興等に三十一・五億円、関連施設の改修等に十二・二億円、ユニバーサルコミュニケーションの促進に三・一億円、環境配慮の取組に二・六億円など、計五十二億円を計上しています。
デフリンピックにつきましては、大会を契機としたスポーツ振興等に十六・七億円、ユニバーサルコミュニケーションの促進に十四・七億円、文化関係の取組に八・九億円、関連施設の改修等に三・五億円など、計四十四億円を計上しております。
○かつまた委員 今のご答弁で、大会連携事業費がどのような経費なのか、理解ができました。
さきに答弁いただきました大会経費における都負担と合わせると、世界陸上で百十二億円、デフリンピックで百四十四億円となります。ぜひ一つ一つの事業にしっかりと取り組み、東京の新たな活力につなげていってもらいたいことを要望いたします。
次に、被災地の子供たちの観戦招待についてお伺いをいたします。
さきの第四回定例会において、我が党からの問いに対しまして、東北三県と石川県の子供たちにも世界陸上やデフリンピックへの観戦機会を提供する考えを都は明らかにいたしました。
昨年一月の能登半島地震で大きな被害を受けた石川県の子供たちはもちろんのこと、東日本大震災を風化させないという意味でも、東北三県の子供たちにも両大会を観戦してもらうことは大変意義のあることだというふうに考えます。
ぜひスポーツの持つ力で被災地の子供たちに元気を届けられるように取組を進めていきたいというふうに考えます。
そこで、この被災地の子供たちを都内会場に招待する具体的な実施内容についてお伺いをいたします。
○木村大会事業推進担当部長 世界陸上とデフリンピックでは、岩手県、宮城県、福島県、石川県から、引率者を含む児童生徒約二百八十名をご招待いたします。
また、被災地の子供たちに様々な経験をしてもらえるよう、競技の観戦に併せ、都内の文化施設などを見学できる機会も提供いたします。
各県と密接に連携しながら、着実に準備を進めてまいります。
○かつまた委員 今後も被災県の意向をしっかりと伺い、被災地の子供たちにとってすばらしい体験となるよう取り組んでいただきたいことを最後に要望し、質問を終わります。
○とや委員 日本共産党のとや英津子です。
資料の提出、ありがとうございます。私からは、まずスポーツ推進総合計画、そしてアクションブックについて伺っていきたいと思います。
スポーツを楽しむ権利は誰にでもあります。
東京都は、東京都スポーツ推進総合計画を改定し、二〇二五年度から二〇三〇年度までの六年間の計画として次期計画案を発表しました。
スポーツは、健康増進や人との交流、豊かな人間性を育み、子供たちの成長や発達に寄与しています。また、スポーツを観戦することも、日々の暮らしの楽しみを広げることにつながります。ぜひ都民のスポーツ環境を拡充してほしいと思います。その立場から質問します。
まず、確認です。
スポーツの目的と都民がスポーツをする権利について、東京都の考え方を伺います。
○小池スポーツ総合推進部長 スポーツ基本法では、スポーツは、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得等が目的とされ、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利であるとされております。
東京都スポーツ推進総合計画におきましても、スポーツ基本法の趣旨を踏まえまして、スポーツ振興に取り組むこととしております。
○とや委員 スポーツは人々の権利、そのとおりだと思います。そして、東京都は、その趣旨を踏まえて計画に取り組むということです。文字どおり、誰もがスポーツをする権利を行使できる環境を整えてほしいと思います。
計画の内容について伺っていきます。
都は、計画でスポーツ実施率を七〇%に引き上げることとしており、計画の達成度を把握することなどのために、毎年、都民のスポーツ活動等に関する調査を行っています。この調査ですが、比較的軽いスポーツ、趣味を生かしたスポーツ、運動、競技的スポーツのカテゴリーの調査では、それぞれ一年間に一度でも行ったスポーツの種類を答えてもらうアンケートがあります。
そこで伺いますが、散歩や階段利用など比較的軽いスポーツを行った人はどのくらいいるのか。また、競技スポーツも同様に、どのくらいの方が行っているのか。二二年度、二三年度の数字をお答えください。
○小池スポーツ総合推進部長 都民のスポーツ活動に関する実態調査によりますと、令和四年、令和五年ともに、比較的軽いスポーツ、運動を実施した人の割合は約九割、いわゆる競技的スポーツを行った人の割合は約二割でございました。
○とや委員 一年間に一度でもスポーツした人の中で、比較的軽い運動、ウオーキングやペットの散歩、意識的な階段利用などを行った人の割合は九割に上っています。これに対して、テニスやサッカー、野球や卓球、バレーボール、水泳、陸上などの競技的スポーツをした人は二割にとどまっている状況です。つまり、軽い運動が実施率に大きく影響していることが推測できます。
では、どういう世代の人たちがスポーツをしているかであります。世代別のスポーツ実施率についても併せて伺います。
○小池スポーツ総合推進部長 本年一月に速報値として公表いたしました令和六年の調査結果によりますと、週一回以上スポーツをする人の割合であるスポーツ実施率は、全体で六三・三%でございましたが、年代別で見ますと、二十代は五〇%、三十代は五六・二%、四十代は六〇・六%、五十代は六二%、六十代は七〇・三%、七十歳以上は七三・二%でございました。
○とや委員 年代別の実施率をお答えいただきました。
六十代、七十代の人たちは、都の目標値である七割を超えています。一方、現役世代の人たちは、五割から六割台にとどまっており、この目標に追いついていません。同時に、六十代以上の人たちも、やっぱりウオーキングや散歩、階段昇降をしている人が多くて、競技スポーツをしている人たちは少ないといえるんじゃないかと思います。
問題は、二十代、三十代の現役世代です。現役世代の人たちは、散歩や階段昇降などの軽い運動でも行っている人が少なく、競技スポーツはもっと絞られてくるのではないでしょうか。
二〇二三年度の東京都の調査では、運動頻度が週一回に満たない理由として、仕事や家事、育児が忙しくて時間がないからが五一%でトップでした。これは前年度より一ポイント増加しています。面倒だからが二二%、機会がなかったからが二〇%に続いて、お金がかかるからが一割もいました。
国の調査でも、二〇二四年度ではスポーツの阻害要因という調査がありました。二十代から五十代の現役世代では、仕事が忙しいという人は、男性で五割を超えています。女性は、家事が忙しい、三十代から五十代で二〇%から三四%と一番高くなっています。お金に余裕がないからという人は一割くらい。女性は、それより高くて一四%から一六%になっていました。
現役世代の人たちは、仕事が忙しくてスポーツをするゆとりがなく、女性は、それに加えて、家事や育児などの負担が大きくてできない。現役世代のスポーツ環境の向上は、これらのデータからも大きな課題であり、社会全体で自由な時間と経済的なゆとりを保障することが、スポーツという観点から見ても、極めて重要ではないかと思います。適切な政策に結びつけるという上でも、私は実態をリアルに見ることが大切だと考えます。
東京都には、スポーツ実施の定義に階段昇降も含めております。通勤通学あるいは買物に出かけても階段を使えばスポーツというのであれば、ほとんどの人がスポーツをしていることになり、本来のスポーツ実施率向上から乖離してしまうのではないか、疑問を感じます。
しかし、階段昇降がスポーツという定義に入ったのは、じゃ、ずっと昔からなのかというと、そうではないと思います。
そこで伺いますが、階段昇降をスポーツ実施と定義したのはいつからでしょうか。
○小池スポーツ総合推進部長 都では、従前からスポーツの範囲を幅広く捉えておりまして、いわゆる競技スポーツだけではなく、健康や気分転換を目的として行うウオーキング等についてもスポーツに含めております。
なお、平成三十年三月に策定いたしました現行の計画で、階段の利用をスポーツの例と示したところでございます。
○とや委員 平成三十年、つまり二〇一八年の計画の改定で、階段昇降がスポーツとして定義づけられたということです。ですから、それ以前の計画にはなかったということです。
これは、国が二〇一七年度の調査で、その前の年、二〇一六年度の種目に対して階段昇降を加えたためです。同じ時期に、東京都の計画も、それまでになかった階段昇降がスポーツの定義に加えられました。
この変更について、国も都も、説明も根拠もほとんど示していません。だから、今のような答弁になるんじゃないでしょうか。
笹川財団の上席研究員である熊谷哲氏は、この定義の変更で、国は、成人のスポーツ実施率が二〇一六年の四二・五%から二〇一七年度は五一・五%へと九ポイントも押し上げられている、これでは施策の成果をかさ上げするための恣意的な変更という疑念を呼び起こすと述べていらっしゃいます。
都の調査も、競技スポーツの実施率はほとんど変わらないです。だけれども、施設などを使わなくてもすぐにできて、すぐにやめられるウオーキングや散歩に加えて階段昇降が入り、都のスポーツ実施率は、これらの実施率に影響を受けるようになっているんじゃないかと思います。
また、もう一つの問題点として、東京都の調査では、実施した時間あるいは強度が測られていません。一回当たりの運動に要した時間や、どの程度の速度なのかも問われていません。ウオーキングや散歩なども、回答者の主観に委ねるものとなっています。
WHOが定める世界標準化身体活動質問票では、仕事、移動、余暇、座位の四領域が設定されて、スポーツは、運動、レクリエーション、体を動かす趣味と並んで余暇に位置づけられています。
その中でも、呼吸や心拍数が大幅に増加し、少なくとも十分間続くような強度の高いスポーツ、運動、レクリエーションを行っているかと。単位時間や強度の基準となる質問が設定されて、その上で、一週間当たりの頻度や一回当たりの実施時間が問われる構成です。非常に科学的です。
イギリスの定期調査でも、ウオーキング一つ取っても、立ち止まることなく連続的に歩いたもの、道路を渡るときなど短い間隔で止まったときの場合、お店の周りのウオーキングは除くとか、犬の散歩は含めるとか、とても細かく問う構成になっています。
時間でも、百五十分以上を活動的、三十分以上百五十分未満をかなり活動的、三十分未満は非活動的としています。一週間に二日ウオーキングをしていると回答しても、全体で三十分未満であれば非活動的となります。
先ほど紹介した方は、行っている事実の調査は、調査の厳密性や分析、評価の発展性の点で限界があるとおっしゃっています。
都の調査は、国の調査の範囲を出ておらず、都民のリアルな実態を厳密には反映していないのではないかと指摘します。調査方法の改善、そして工夫を求めておきます。
次に、都の計画にある子供のスポーツについても伺います。
子供の基礎体力と運動能力が長期に低下傾向を示しています。都の調査では、子供の体力がコロナ前に戻っていないことが明らかになっており、一度失われた運動習慣を取り戻すことは容易ではないと、都も認識を示しています。
そのため、特に、子供がスポーツに楽しむ機会と、自由に遊び、ボール遊びなどができる場所を増やすことが重要と考えます。都の認識と取組について伺います。
○小池スポーツ総合推進部長 先ほど、都のスポーツ実態調査に関しましてのお話がございましたが、今回の計画の改定に当たりましては、学識経験者や関係団体、アスリートなどで構成する東京都スポーツ振興審議会に諮問いたしまして、その答申を踏まえ、計画を改定しているところでございます。
この次期計画案におきましては、重点政策テーマとしてチルドレン・スポーツ・プロジェクトを設定しておりまして、その中で、気軽にスポーツができる場所等が必要であるとしております。
○とや委員 子供の体力が落ちたままというのは、非常に私も懸念しています。
先ほど紹介した笹川財団では各種調査を実施しているんですが、子供の頃から体を動かす経験を積まずに成長すると、つまずいて転んで手がつけない、ボールが飛んできても目が閉じられないといった現象もあるようで、もともと人間が持っていた最低限の危険回避能力を今の子供たちは身につけていないと。そのくらい運動経験が少なくて、危機的な状況が出てきているということが分かると述べています。
二〇二四年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果が出ていますが、子供の体力、運動能力は、この十年間で大きく低下していることが分かります。
小学校五年生の男子では、総合評価は十年前の七一・四から六四・三へ、コロナ前、二〇二〇年ですが、六九・六にも戻っていません。同じく女子では、七六・〇から六九・五へ低下し、コロナ前七七・四からも低下したままとなっています。
こども都庁モニターアンケートを拝見しました。スポーツをすることが好きかとの問いに、好きと答えた子供は六二・八%いました。どちらかというと好きと答えた子は二七・七%で、合わせると九〇・四%が好きであることが分かります。子供たちの多くが、体を動かすことが好きだということなんですよね。しかし、その機会がなかなかないと。
どのような機会や環境があると、今よりスポーツが好きになるかとの問いに対して、気軽にスポーツができる場所があると答えた人は六八・七%でした。これは小学生から高校生まで一位の結果が出ていて、世代にかかわらず、子供たちは、スポーツをする場所が近くにあることが非常に重要だということが分かります。
東京都の計画では、将来のビジョン、先ほどもお答えいただきました。Ⅰで、子供の頃から好きなスポーツと出会い、楽しみ、成長し、健康、幸福に生きているを目指し、チルドレン・スポーツ・プロジェクトを推進するとしていますが、子供がスポーツを気軽にできる場所はどこでしょうか。また、子供がスポーツをするために、どう都として取り組んでいるのか、伺います。
○齊藤スポーツ担当部長 子供がスポーツを身近にできる場としては、例えば区市町村のスポーツ施設があり、都は、こうした施設の整備や、区市町村が実施するジュニアスポーツ大会などを支援しております。
○とや委員 都庁モニターアンケートでは、できるようになりたいスポーツで一番多いのが水泳です。そして、ダンス、球技でした。しかし、現在、水泳でいえば、都内も含めて、全国的に学校プールの廃止が進められて、水泳の授業は、民間スポーツクラブにバスで行って、民間インストラクターの指導により実施するなどの状況が生まれています。
その背景には、国が進める公共施設等総合管理計画があります。公共施設の統廃合などを推進し、経済効率性が最優先されているわけです。
気軽にスポーツできる場所とは、保護者が同伴しないといけないスポーツクラブなどではなくて、近所にある公共施設あるいは学校ではないでしょうか。
アンケートの自由意見では、公園でボール遊びや自転車など、いろいろなことを禁止されないこと、大人が自分が子供だったときのことを思い出して、子供に優しい社会にしてほしいと書いてありました。本当に胸を打つ言葉ではないでしょうか。
私などが子供の頃は、道路で遊んでも、お寺で遊んでも、どこでも子供の遊び場であり、自由に遊べる場所、空間がありました。しかし、今、子供たちは、どこで遊んでも禁止事項が多くて、体を動かして遊べる場が本当に少なくなっているのではないでしょうか。
また、アンケートでは、子供とスポーツの関係で保護者が困っていることも聞いています。ここには、スポーツ用具など、備品にお金がかかると答えた人は四七・三%でした。お金がかからず、気軽にスポーツする場を保障することが東京都に求められていると思います。
子供から大人まで、身近な場所でスポーツを楽しめるよう、区市町村がスポーツ施設をさらに整備する際などに支援をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○齊藤スポーツ担当部長 都は、誰もが身近な場所で気軽にスポーツができる場の確保に向け、スポーツ空間バージョンアップ補助事業を設け、区市町村がスポーツ施設などに係る工事を行う際に財政支援を行っております。
○とや委員 東京都の計画案では、区市町村スポーツ推進補助事業として、誰もがスポーツを楽しみ、スポーツを行う人が輝くスポーツ振興を実現するため、身近な場でスポーツができる環境の拡大やパラスポーツの普及など、区市町村が実施するスポーツ振興事業に対して補助を行うとしています。
そして、今おっしゃったスポーツ空間バージョンアップ補助事業があるということですが、これは、オリンピック・パラリンピック大会前は限度額は一億円でした。しかし、現在は、その半額の五千万円に減額をされています。
今、区市町村は、この限度額を上げてもらわないと、新たに子供たちをはじめとした都民が気軽に使えるスポーツ施設をつくろうという認識になかなか立てないのではないかと思います。
アンケートでは、保護者からも声が寄せられています。球技をしたいが、球技禁止の公園が多いため、できる場所がない、区主催のスポーツ教室は募集人数が少なく、抽せんにほとんど当たらないため、参加できないと回答がありました。
東京都の調査からも、子供の体力低下と現役世代のスポーツ環境が大きな課題であることは明らかです。
都として支援を強めて、お金がなくては行かれないスポーツクラブではなくて、気軽にスポーツができる場所の確保など、環境整備に力を入れていただくことを求めておきます。
次に、一般都民のスポーツ環境ということもお聞きしたいと思うんですが、この間、東京都は、東京体育館、東京武道館、カヌー・スラロームセンターで各一回、駒沢オリンピック公園総合運動場内の施設で、それぞれ改修時のタイミングで増額改定を行っています。この駒沢オリンピック公園は、施設によりますが、一回ないし二回の利用料金引上げを行っています。
東京体育館は、アマチュアスポーツで入場料を取らずスタンド不使用の場合、土日祝日にメインアリーナを一日使用すると、十二万二千円から二十七万五千百円、二・二五倍になりました。実際、平日料金でも一日二十二万百円、一・八倍の値上げです。しかし、プロスポーツ使用の値上げ率は、最高でも一・五倍。不公平という声が届いています。
こうした値上げは、都民が参加する身近な大会も最も影響を受ける、都民のスポーツ参加のハードルを上げることになります。
アマチュアスポーツを応援するため、都立体育館などの使用料金、施設の利用料を引き下げるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○澤崎スポーツ施設部長 都立スポーツ施設では、都民へのスポーツ振興に寄与する役割を踏まえまして、その料金について、アマチュア団体の利用を想定した料金区分を他の区分より低い水準としております。
○とや委員 今、数字も示して高くなったといったじゃないですか。アマチュアスポーツ団体では、体育館などの値上げによる団体スポーツ大会の参加費を値上げせざるを得ない状況になっております。都民のスポーツ参加のハードルが上がっているのは明らかなんです。
その一方で、都はオリンピックのレガシーといいながら、有明アリーナのメインアリーナは、七割がイベント、コンサートで占められ、アマチュア団体が入る余地は全くありません。有明アリーナは、そもそもアマチュア団体が申し込んでも当たったこともないそうです。ここもすごく高いです。
東京都は、誰でも気軽にスポーツが楽しめるようにといいながら、手の届かない利用料では楽しむこともできないではありませんか。
都のスポーツ施設を民間企業に委ねれば、有明アリーナのように、スポーツとは関係のないコンサートなどで会場は占められ、都民は利用することができません。
このスポーツ推進計画は、スポーツへの参画方法として、する、見る、支えるに加え、さらに、応援するも加えるとしています。スポーツをすることに加え、見たり、支えたり、応援したりすることもスポーツの楽しみであることは否定はしませんが、それが殊さら強調され、スポーツビジネスと結びついて企業の収益の対象になり、巨額の税金が投入されていることに疑問を感じている都民も少なくありません。
都民のスポーツする権利を保障するための計画策定、税金の使い方をしてほしいということを改めて求めておくものであります。
社会的、経済的格差がスポーツの実施や見る、支える機会の格差につながることなく、誰もが平等にスポーツを楽しむ機会を保障し、スポーツをすることは権利であることを都として堅持していただくことを求めておきます。
次に、世界陸上とデフリンピックについて伺います。
この質問は先ほどもありましたが、大事なことなので、重なっても質問します。
世界陸上、デフリンピックそれぞれの都派遣の職員の人数について資料をいただきました。今年三月一日時点で、東京二〇二五世界陸上財団には八十八名、東京都スポーツ文化事業団デフリンピック準備運営本部には九十八名の職員を派遣するということです。これは三月の数字ですから、四月以降はもっと増えると伺っています。
どちらも多くの職員が派遣されて世界陸上とデフリンピックを支えるわけですが、加えて、税金投入もばかになりません。
まず、世界陸上について、来年度予算案に計上された開催支援の内訳としてはどのようなものなのか、また、大会経費のうち、都と国の支援額は幾らになるのか、伺います。
○三浦事業調整担当部長 世界陸上については、来年度予算案に、大会を通じて東京の価値を高める経費として、広報等に二・二億円を計上しております。
また、東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費として、仮設等に二十四・七億円、オペレーションに十四・一億円、その他輸送等に十一・〇億円を計上しております。
大会経費百五十億円に対し、都の支援として六十億円を見込んでおります。また、国については、運営組織において二十億円の支援を見込んでいると聞いております。
○とや委員 今、いろいろ修飾語がついていましたが、来年度予算としては、要するに、広報に二億二千万円、仮設施設等に二十四億七千万円、オペレーションに十四億一千万円、その他輸送等に十一億円、合計五十二億円を計上しているということです。
そして、大会全体を通しては、大会経費百五十億円に対し、都、六十億円、国、二十億円を支援するということです。
改めて伺います。国が二十億円、都が六十億円と費用を分担した根拠と支援の考え方をお答えください。
○三浦事業調整担当部長 都の開催支援については、運営組織から必要と見込む経費の財政的なサポートを求める要望を受け、都として、大会を通じて東京の魅力を発信し、そのプレゼンスを向上させるなど、東京の価値を高める経費や、そのために必要な環境整備を行う経費を確認した上で計上したものでございます。
国の支援については、運営組織がスポーツ振興くじ助成金による大会への全面的な支援を要望し、総額二十億円を想定していると聞いております。
○とや委員 百五十億円のうちの八十億円、半分以上を国と都で賄うということですから、相当な財政支援だということになります。
根拠と考え方ということで伺いましたら、今のご答弁も、前のご答弁もですが、東京の価値を高める、東京の価値向上に資する、プレゼンスを向上などという言葉が繰り返し語られました。しかし、東京の価値を高めるというのは、抽象的でよく分かりません。
例えば、仮設施設がなぜ東京の価値を高めるのか、輸送がなぜ東京の価値を高めるのか、支援の考え方について、分かるように説明をしてください。
○三浦事業調整担当部長 都は、運営組織から来年度に必要と見込む経費の財政的なサポートを求める要望を受け、大会を通じて東京の価値を高める経費や、そのために必要な環境整備を行う経費を都として確認し、計上したものでございます。
○とや委員 私が聞いたのは、例えば、非常に抽象的ないい方なんですよ。仮設施設をつくることが、なぜ東京の価値を高めるのでしょうか。輸送が、なぜ東京の価値を高めるのか。支援の考え方について、ちゃんと分かるように説明してくれないと。
もう一度お願いします。
○三浦事業調整担当部長 繰り返しになりますが、都は、大会を通じて東京の価値を高める経費や、そのために必要な環境整備を行う経費を都として確認し、計上したものでございます。
○とや委員 東京の価値を高めるという修飾語は、何につけても成り立つ修飾語であります。その経費を東京都が支援する必然性を説明しているとはいえません。例えば、東京の価値を高める施設整備、東京の価値を高める大会運営、何にでも使え、説明になっていません。
昨年の質疑では、支援の内容を精査、検討し、その上で支援の考え方や全体像を明らかにするとしていたじゃありませんか。ここを明確にしなければ、都民の納得は得られないということを指摘しておきます。
次に、今回の世界陸上も、オリ・パラ大会と同様、関連経費があります。大会経費とは別に計上されている世界陸上の大会連携事業費について、考え方や内容について伺います。
○巻口大会総合調整担当部長 大会連携事業費は、大会に向けて、都が全庁を挙げて連携し、重点的に取り組む事業に要する経費でございます。
具体的には、大会を契機としたスポーツ振興や関連施設の改修、ユニバーサルコミュニケーションの促進、環境配慮の取組などに要する経費でございまして、世界陸上では、計五十二億円を計上しております。
○とや委員 これも結構な金額を使うんですよね。
内容をお聞きしたのですが、世界陸上では、大会を契機としたスポーツ振興等で三十一・五億円使います。大会関連施設の改修で十二・二億円、ユニバーサルコミュニケーションの促進で三・一億円、環境の配慮の取組で二・六億円、その他二・六億円となっています。
デフリンピックも、大会を契機としたスポーツ振興等は十六・七億円、ユニバーサルコミュニケーションの促進十四・七億円、文化施設の取組で八・九億円、大会関連施設の改修等で三・五億円、その他〇・五億円となっています。
スポーツ振興にもかなりの税金が投入されるわけですけれども、これらのお金は大会経費の外ですから、都民には非常に分かりにくいです。詳細をもっともっと明らかにして、議会がチェックできるように、都民がチェックできるように報告をしていただくよう求めておきます。
この質問の最後に、デフリンピックの周知について伺っておきます。
デフリンピックについて、来年度予算案に計上された開催支援の内訳と使途はどのようなものでしょうか。また、大会に係る事業費と関連経費など全体の経費のうち、都と国の支援額は幾らになるのか、伺います。
○清水事業調整担当部長 デフリンピックにつきましては、来年度予算案に、大会を通じて東京の価値を高める経費として、広報管理費等に三十・七億円を計上しております。
また、東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費として、オペレーションに六十一・四億円、その他輸送等に十八・九億円を計上しております。
大会経費百三十億円に対し、都の支援として百億円、国の支援として二十億円を見込んでおります。
○とや委員 デフリンピックについても、世界陸上と同じようなことがある程度いえるのかなと思います。ただ、一方、なかなか、デフリンピックを開催していくため、成功させるための力量ということを考えると、ある程度の東京都の支援は必要だというふうに思います。
今年十一月開催のデフリンピックは、楽しみにしている人たちも多く、認知度は三九%まで上がっているということです。
その調査結果を見ますと、認知している三九%のうち、一度でも見たり聞いたりしたことがあると答えた人が二七%、ある程度の一〇・一%と、よく知っている一・七%とを合わせると一一・八%です。
ある程度以上にしてほしいと思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、具体的に伺います。
○木村大会事業推進担当部長 都は引き続き、大会を知り、関心を持っていただけるよう、節目イベントの実施や、広報誌、SNSによる情報発信など、様々な機会を捉えて大会をPRしてまいります。
○とや委員 東京で開催する大会として、ぜひ成功していただきたいと。そのためにも認知度を上げていくということは大事だと思います。
それから、デフリンピックのレガシーとして、都民が障害者スポーツに親しめるように都としてどのように取り組むのか、具体的に伺いたいと思います。
○上山パラスポーツ担当部長 都は、障害のある人とない人が交流できるよう、パラスポーツの参加体験型イベントなどを毎年実施しております。
引き続き、都民がデフスポーツを含むパラスポーツに親しめるよう、取組を実施してまいります。
○とや委員 この質問をしたのは、実際に、都民の皆さんとかアマチュアスポーツ団体の方から寄せられた声があったからです。やはり障害のある人とない人たちが一緒にスポーツを楽しむということは、理解を促進する上でも非常に大事なことだと思いますので、ぜひこの取組を引き続き強めていただくよう求めて、この計画、そして、世界陸上、デフリンピックについての質問を終わります。
次に、選択的夫婦別姓についてです。
今、世界で夫婦同姓を法律で義務づけている国は日本だけです。
国民世論も、既に七割以上が選択的夫婦別姓制度の導入に賛成し、日本経済団体連合会、経団連も、制度の導入を求めて政府に提言を出しました。
国連の女性差別撤廃委員会も、日本政府に対して繰り返し、法律で夫婦同姓を義務づけることは女性差別であり、直ちに改正すべきだと勧告をしてきました。
一九九六年に、法制審議会が選択的夫婦別姓制度を導入する民法の一部を改正する法律案要綱を答申していますが、実現されないまま、既に四半世紀以上が経過しており、夫婦別姓を可能にする法改正は待ったなしであります。
司法の場では、夫婦同姓を求める現行規定は、法の下の平等、婚姻の自由をうたう憲法に反するとして、多くの裁判が戦われてきました。二〇二一年六月の最高裁大法廷では、憲法に違反していないと判断したものの、国会での立法による解決を促しています。
こうした動きを背景にして、東京都も、選択的夫婦別姓について男女平等参画計画で位置づけました。この計画策定時ですが、私も審議会の委員として意見を述べてきました。
一日も早く法改正を望むものでありますが、選択的夫婦別姓については、毎年、東京都から国に要望が出ています。いつから、何回、要望していますか。
○宮本男女平等参画担当部長 令和三年度から、四回、国に提案要求をいたしております。
○とや委員 東京都は、国に対する提案要求書で、都民に生じている不便、不都合を解消する観点から、選択的夫婦別姓制度に係る議論を早急に深め、結論を出すことと述べ、選択的夫婦別姓の実現を国に要望しています。
都としても、都民の不便、不都合を認識しているということであり、歓迎するものであります。
さらに、都は、国の動向を注視しながら研究を進めるとしていますが、どのような研究をしているのか、そして、どこで公表しているのか、お答えください。
○宮本男女平等参画担当部長 国の世論調査、国会での審議、海外の状況などの情報を収集し、研究を行ってございます。
公表はいたしておりません。
○とや委員 研究をぜひ深めていただきたいんですよね、私。
世論調査でいえば、最近の朝日新聞社の世論調査があります。夫婦が同じ名字にするか、別々にするか、法律を改正して自由に選べるようにするか、選択的夫婦別姓について賛否を聞いたところ、賛成が六三%、反対の二九%を大きく上回っています。
賛否に男女差はほぼなくて、年代別では、十八歳から二十九歳で賛成八〇%、反対一六%など、六十代までのいずれの年代でも賛成が大きく上回っていました。一方、七十代以上では四七%対四二%と、賛否が分かれていました。
都として研究をしているというのであれば、ぜひ公開して、都民に示していただくことを求めておきます。
選択的夫婦別姓が実現していない下で、旧姓使用されている方々も多くいます。都庁で働く皆さんの中にもいらっしゃるのではないかと思います。
そこでお聞きします。東京都の職員は、申出により旧姓使用ができますが、何人の職員が旧姓使用をしているのでしょうか。男女別に伺います。
○宮本男女平等参画担当部長 総務局によりますと、警視庁、東京消防庁及び教育職員を除いて、令和六年四月一日時点で、旧姓を使用する職員は二千五百二十四人、うち男性が九十九人、女性が二千四百二十五人とのことでございます。
○とや委員 ありがとうございます。男性九十九人、女性が二千四百二十五人、合わせて二千五百二十四人もの人たちが旧姓使用をしているということです。しかも、女性が圧倒的に多いです。この方たちは、選択的夫婦別姓が認められれば、そうしたいという方々ではないでしょうか。
今おっしゃってくださった、その数字ですが、この数字の母数となる都の職員数は三万三千人です。先ほどおっしゃったように、学校教職員や警察、消防は入っていませんから、含めれば、さらに増えると思います。
この状況一つを見ても、選択的夫婦別姓は直ちに実現すべきであることは明らかであります。
そして、選択的夫婦別姓を望む皆さんは、制度が実現するのを待ちながら、様々な困ったことに遭遇をしています。
二〇二一年度、令和三年度に、選択的夫婦別姓に関する意識調査を東京都は行っていますが、特徴について伺います。どのような不便や不都合が生じると思うかという意見についても紹介してください。
また、改姓に関する国の調査結果、経済界の声も紹介してください。
○宮本男女平等参画担当部長 令和三年度に実施いたしました選択的夫婦別姓に関する意識調査では、改姓による不便、不都合の有無についての質問に対して、何らかの不便、不都合を生ずることがあると思うと回答した人が約四八%でございました。
不便や不都合の例といたしましては、金融機関や運転免許証などの手続に手間やお金がかかる、旧姓を使用する際に二重管理が必要となることなどを選択した人が多いという結果でございました。
また、内閣府が公表いたしました令和四年の夫婦の姓に関するデータでは、婚姻届を提出した夫婦の約九五%は女性が改姓しており、経済界からは、海外訪問時にパスポート上の戸籍名と旧姓の不一致によりトラブルが生じるなどの声がございます。
○とや委員 改姓による不便、不都合を感じている人が五割近くに上っているということであり、様々な不都合に直面しているということが分かり、なおかつ、経団連もやはり声を上げているという状況があります。
新日本婦人の会が選択的夫婦別姓についてアンケートを行っています。この調査では、結婚に伴う改姓で別人になった気がした、これは四十代の方ですが、また、アイデンティティーの崩壊を感じた、三十代の方です。こうした意見のほか、今からでも別姓を選択したいと記入した七十代の女性もいました。
実際の声を紹介します。結婚することで名前が変わることで、これまでの名前で生きてきた自分が奪われる感覚があります、男性のことを思うと、女性側の名字に変えることで社会的に差別されることもあるため、申し訳なく、婿養子になってほしいということもちゅうちょします、女性の権利という話ではなく、両性が自分が名のりたい名前を名のることができる、選択する権利が持てる未来を希望します、ビジネス、アイデンティティーなど、現在、様々な理由で選択的夫婦別姓が求められています、同姓がいい人、別姓がいい人など、多くの人が生きやすい社会になることを期待しています、世界の中で姓を選択できないのは日本だけというのが恥ずかしいです、早急に導入することを期待したいですなどなど、選択的夫婦別姓を望む声が寄せられています。
選択的夫婦別姓は、結婚したら夫婦同姓にしたい人、結婚後もそれまでと同じ姓を使い続けたい人、どちらの思いも尊重されます。
そして、この制度が導入されれば、公的手続でも、仕事上のキャリアでも、海外でのビジネスでも課題が解消できます。何よりもジェンダー平等の社会をつくる大きな一歩になるのではないでしょうか。
今、国会開催中で、予算委員会で選択的夫婦別姓についても議論が交わされています。この機に、全会派一致して国に意見書を上げて、都議会の良識を示そうではありませんか。皆さんに呼びかけ、質問を終わります。
○風間委員 私からは、まずは私立学校について伺います。
私立への授業料の負担軽減ということで、今年度から所得制限なく取り組んでいるということに関しては、私たちも求めてきたことであり、大変に評価をするところでありますけれども、残念なことに、高校生の保護者で、このことを知らなかったという声が結構届いていまして、一月の申請締切りを過ぎた後に知ったということで、何とかならないのかというような相談もいただくような状況でありました。
家計を考えれば、私立の平均授業料というところで、これが入ってこない、入ってくるとなると大きな違いがあると思いますけれども、令和六年度の都の特別奨学金というんですかね、この申請状況について、申請者数の割合、対象者となっている人たちの割合と併せて、申請しなかった方、家庭の数を伺います。
○加倉井私学部長 令和六年度の都の特別奨学金につきましては、対象者の約九七%の方から申請をいただいております。
未申請者数は、約三千人と見込んでおります。
○風間委員 九七%というと、かなり多く、ほとんどの家庭が申請したのかなと思いがちなんですけれども、三千人も申請をしなかった家庭があるということを考えると、果たして、本当に三千人も余裕があるから都からの補助を受けずに大丈夫なんだという子育て家庭があるのかと考えると、ちょっと疑問が残ります。
恐らく、私のところに届いたように、知らなかったという家庭も一定数あるのではないかなと思いますが、せっかく都が重い決断をして取り組んだ事業ですから、その対象者にしっかりと行き渡っていく必要があると思うんですね。
あわせて、今回、この私立学校の無償化という言葉が独り歩きをしていて、今、私も中三生の保護者なので、受験をした際に、私立に行っても授業料がただだから私立にしようという声なんかも聞こえてくるんです。でも、実際には私立の授業料の平均額なんですよというと、驚かれたりとかということもあったりするわけですね。
すなわち、これはきちんと情報が伝わっていないのではないかということが考えられるわけですけれども、所管が違うと思いますけれども、中学校でのそういった情報提供というのも重要だと思いますが、東京都として、しっかりとこういった情報伝達をしていくということが必要だと思います。
私学という意味では、都の見解はちょっと伺っておきたいのですけれども、いかがでしょうか。
○加倉井私学部長 私立高校の授業料につきましては、国と都の制度を合わせて、都内私立高校の平均授業料までを支援しております。
国と都の制度を分かりやすく説明したリーフレットや申請の手引を配布するとともに、「広報東京都」、SNS等を活用しての制度周知を行っております。
○風間委員 教育庁とも連携しながら、各中学校には、私立の高校を受験する際に、無償化ではなくということはしっかりと情報伝達を、来年度はさらにしていくように求めるところでありますし、また、今年度は三千人申請がなかったことが見込まれるわけですけれども、来年度はこういったことがないように、私立高校によっては保護者宛てのメールだけで終えているようなところもあったりして、そのメールが保護者がきちんと見られるメールボックスに入っていなかったなんていう話も聞こえてきたりしますので、せっかくの事業ですから、高校側に対しては、しっかりとその情報が保護者に届いているかの確認も含めて行うように進めてもらえればなと要望しておきます。
私立高校の授業料の無償化によって、私立高校の授業料の便乗値上げというような声も聞こえてくるところですけれども、都は、こういった便乗値上げを抑止する方策を講じているのかどうか、伺います。
○加倉井私学部長 私立学校の授業料などの学費は、各学校が自主的に決定するものでございますが、変更に当たりましては、事前に都への届出が必要でございます。
学費変更予定の学校からは事情を聴取し、妥当性を確認するとともに、全校の学費を集計し、これを公表しております。
○風間委員 働く先生方の給料等も上がっていかなければなりませんから、人件費が上がっていくということで授業料が上がっていくということは、一定理解されることだと思います。
しかし、急激に告知なく、平均よりも低い学校だから選んだのに、それが急な授業料値上げによって平均を超えて保護者負担が出てきたということになると、またそれは困った状況になってくると思いますから、そういうことがないように、東京都としても注意が必要だと思います。
続いて、教員採用における奨学金の返済支援ということについて伺います。
さきの文教委員会でも、私は、特に小学校の教員採用というところにおいて、公立の倍率低下ということが大変な懸念事項だということから、奨学金の返済支援というものも提言をしてきたところでありますけれども、このたび東京都が、公立のみならず私立も含めて幼稚園から高校まで、教員採用をした際には二分の一の返済支援を行うという取組をしたことは、人手不足といわれる学校現場において、非常に重要な取組だと考えております。
私立の中高の若手教員の採用ということに対しては、非正規が多い学校もあったりするわけですけれども、小学校は、やはり私立でも採用が厳しいと聞いています。
一方で、中高は、こうやって、非正規で若手の教員を採用している学校なんかも結構あったりすることを考えると、そこまで採用難なのかなということについては、学校によっては違うと思うんですけれども、状況は異なると思いますが、東京都としての認識はどうなのでしょうか。伺います。
○加倉井私学部長 私立学校関係者からは、学校により状況は異なりますが、採用に苦労しているという話は聞いております。
○風間委員 教職を取っている学生に聞いてみても、私立であっても公立であっても大変な仕事だということから、教職を取っていても、民間に、企業に就職してしまうケースなんかが最近はよくあるということも聞いておりますので、一定程度の採用難ということは想定できるところであります。
例えばその私立、先ほど、非正規、単年度契約だったりの若手採用も結構している学校があるといいますけれども、こういった非正規の教員採用の際にも奨学金の返済支援二分の一というのは行っていくのかどうか、伺います。
○加倉井私学部長 制度の詳細につきましては、現在、調整中でございます。
○風間委員 まだ決まっていないということなのでしょうかね。
公立の方ですと、いわゆる単年度契約の非正規の方々には、この二分の一の奨学金返済支援は行わないというような話であって、私学も、基本的にはそれには並んでいくという話も聞いているところなので、私の懸念としては、非正規の方の場合ですと、異動もかなりある、転職も結構あるということですので、そういった、例えば奨学金の返済支援を目的として学校を異動するようなことがあると、また私立の学校の現場にも混乱を来すのではないかなということで伺ったところであります。決まり次第、また教えてもらえればなと思います。
続いて、スポーツ、世界陸上、そしてデフリンピックといったことについて伺います。
東京都による世界陸上の子供の観戦、これは希望者への招待を考えているようなお話でしたけれども、私としては、見たいと思う東京の子供たちが抽せん漏れなどで見ることができないという残念な思いをしないように取り組んでほしいなと思うところですけれども、どのような制度設計なのか、伺います。
○三浦事業調整担当部長 観戦招待に当たりましては、都の子供向け広報媒体の活用など、広く子供たちに事業の周知を図れるよう、関係機関と連携してまいります。
○風間委員 先ほどは、奨学金の件では周知が足りなかったという話でありましたから、子供たちに対しても周知を一生懸命していくというのは重要なことだと思います。
私の懸念は、希望しながら見ることができなかったという子供が出ないように、しっかりと取り組んでもらいたいなというところですので、それは要望をしておきますね。
デフリンピックでは、一方で、学校単位での観戦を予定しているということですけれども、学校現場等からは、移動における交通費負担は誰が行うのかということ、これは東京オリンピックの際にも話題に上がってきたところでありますけれども、保護者負担ということであれば、行けない、断念する、そんな子供たちが出てくる懸念もありますし、自治体負担ということになりますと、場所によっては重たい負担になってくる可能性もあります。
これは、東京都がしっかりと移動手段の確保、またはその費用を含めて支援するということを取り組むべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○清水事業調整担当部長 デフリンピックでは、都内の公立、私立の小中高等学校及び特別支援学校等を対象に観戦機会を提供することとしており、教育関係者と連携して実施してまいります。
○風間委員 ぜひ都がしっかりと負担をしてもらって、安心して行けるように取り組んでもらえればなと求めておきます。
また、世界陸上とデフリンピックの観戦ということについては、被災地四県の子供たちを招待するということであります。
具体的にどの程度招待するのかを教えてください。
○木村大会事業推進担当部長 被災地の子供たちにもスポーツのすばらしさや夢と希望を届けるため、岩手県、宮城県、福島県、石川県から、引率者を含む児童生徒約二百八十名を両大会に観戦招待いたします。
○風間委員 四県ということで二百八十人。単純に計算すると、一県当たり七十名程度ということになるのでしょうか。
被災した子供の状況というのは様々だと思いますし、特に、昨年、能登で被災を実際に体験した被災児、被災した児童生徒と、十四年前の東日本大震災、まだ生まれる前の出来事でありますから、こういった子供とでは、状況が全く異なると思うんですね。
そう考えると、やはり都民の税金で支援をしていくということなのであれば、より被災を経験した、心身にダメージを負っている子供たちを支援していってほしいというのが率直な感情じゃないかなと思うんですね。
ですから、私としてはこういった、石川県の中でも、特に能登地方で希望する児童生徒に対象を絞った上で、優先的に取り組んでいってもらいたいなと、これは要望しておきます。
次に、スポーツの振興ということについては、これまでも文教委員会で、私は、特に子供の支援に力を入れていくように求めてきたところであります。
来年度予算案というところを見ていきますと、新規として区市町村スポーツ振興補助事業として三億円を計上されていますが、これはどのように支援していくのか、伺います。
○齊藤スポーツ担当部長 都は、誰もが身近な場所で気軽にスポーツを楽しめるよう、区市町村が主体となって実施するジュニア向けスポーツ教室などのスポーツ振興事業等の経費を補助しており、引き続き、来年度も地域の取組を後押ししてまいります。
○風間委員 世界陸上、デフリンピックということで、子供たちのスポーツをやりたい、またはもっとうまくなりたい、上手になりたい、こういった期待感も高まってくると思いますので、しっかりと支援をしていってもらえればなと思います。
子供たちのスポーツ環境支援ということでは、暑さ対策も重要で、東京都も取り組んできているところですけれども、新規予算としては、スポーツ関連団体への暑さ対策支援事業というものが今回計上されております。
これまでの違いを含めて、ご説明願います。
○齊藤スポーツ担当部長 都は今年度から、安全・安心にスポーツを実施するため、地区の体育、スポーツ協会を対象に、暑さ対策として飲料や氷のうなどに加え、備品を購入する経費も支援しております。
来年度は、より参加者の多い大会や強化練習会でも活用できるよう、都内を統括する競技団体も新たに事業の対象に加えます。
○風間委員 大会の暑さ支援ということも、お話が上がりました。私も、昨年の夏に子供の大会を日差しの強いところで見ていても、本当に、観戦をしている保護者たちもみんな参っていたということを経験しておりますので、ぜひそういったところも含めて幅広に支援をしていってもらえればなと思います。
続いて、安全・安心ということでしたので、青少年の安全対策ということや支援について伺います。
さきの文教委員会でも私が取り上げました、歌舞伎町トー横キッズの問題、特に、きみまも@歌舞伎町についてですけれども、きみまもが二十一時で閉まってしまうことの問題も指摘をしたところでありますし、未成年と青年が一緒の場所にということに対する懸念も指摘をしたところであります。
来年度は、きみまもに関する予算が増額となっているようですけれども、拡充予算は何に充てていくのかを伺います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 来年度は、より広いフロアに移転するほか、相談員等の増員など相談体制も強化いたします。
また、七夕や節分などの季節の催しを企画するなど、歌舞伎町を訪れる青少年や若者が気軽に立ち寄れるような工夫をいたします。
多くの青少年や若者を受け入れ、民間支援団体等とも連携し、支援につなげてまいります。
○風間委員 時間の延長ということには触れられなかったようで、まだそこは取り組む予定がないようですけれども、これも大変な重要な問題だと思いますので、引き続き検討を進めてください。
また、フロアを拡大するということですから、やはり未成年と青年のエリア的な区分けであるとか、場合によっては男女の区分けなどといったことも含めて、より安心できる場所となっていくよう求めておきます。
続いて、若者の安全対策という意味では、闇バイト、ブラックバイトといったようなところに対しての啓発を行っていくと。これまでも行ってきたことかと思いますけれども、都が新たに予算を充てて取り組むということなのであれば、しっかりとこういった対象者にリーチしていくことが重要だと思うわけですね。
特に、SNSを中心に生活をしている若者たち、タイパということを意識して、単なる広告とかですと読み飛ばしてしまう傾向にもあったりしますから、しっかりリーチしていくような取組が必要だと思います。
来年度の新たな取組について伺います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 都ではこれまで、十五歳から三十九歳を対象に、ターゲティング広告を用いて闇バイトの危険性を訴えるなど、効果も確認しながら、若者に届くよう啓発に取り組んでまいりました。
来年度は、各年代の若者がより身近な問題として捉えられるよう、年齢層に応じた漫画を作成し、多様な媒体で展開いたします。
○風間委員 漫画というアイデアは、きちんと見てもらえるのか、読み飛ばされるのかということもまだ分かりませんけれども、しっかりそういった効果検証も行っていく必要があると思いますので、改めて、その辺りは求めておきます。
続いて、困難を抱える若者への支援についてです。
来年度から、困難を抱える若者からの意見聴取をするということで、都民提案事業で行っていくということですけれども、この事業の目的及びその活用について伺います。
○村上若年支援担当部長 この取組は、社会的自立に向けた若年支援施策の一環として、困難を抱える若者からの意見を聞き、実効性の高い支援策を推進していくことを目的としてございます。
テーマを庁内募集した上で、若者にヒアリングすることとしており、聴取した意見につきましては、関係局に還元することとしております。
○風間委員 都民提案といいましたが、間違っていましたね。青少年協議会から上がってきた、その若者たちからの意見が出てきた、その場に私もいましたけれども、そういった声を受けて取り組むということで大変期待しております。
意見を聞いて、各局にフィードバックをして終わりということではなくて、その成果、東京都としてどう取り組んでいったのかということが意見を聞いた若者たちにきちっとフィードバック、報告ができるような体制構築も含めて取り組んでいくことを求めておきます。
この件の最後には、都民提案事業である地域とつながる若者フォーラムということを来年取り組むということですので、これはどんなスキームで実施するのかを伺います。
○柏原都民生活部長 来年度の若者フォーラムの実施に当たりましては、都が実施内容を企画し、運営の方針を定め、参加いただく有識者の選定や関係団体との調整等を行います。
一方で、会場の設営や撤去、参加者の誘導、参加者の募集、受付など、開催に必要な業務につきましては外部委託する予定でございます。
○風間委員 私の周りにも、学生たちでこういった地域おこしをしていたりとか、地域おこしのボランティア活動をする団体の学生たちが結構いますので、話を伺ったりしますけれども、なかなか入り込んでいくのが難しいことであったりとかというのは伺っています。
また、これは事業者任せにしてしまうと、事業者主導となってきて、若者の活躍の場がなかなかなくなってしまうんじゃないかという懸念もあったりしますので、こういった若者のアイデアを募集していくためにどんな工夫をしていくのかということも伺っておきます。
○柏原都民生活部長 本フォーラムは、都民の方から、若い世代の地域活動への参画を促進する事業として提案していただいたものでございまして、実施に当たりましては、広くフォーラムへの参加やアイデアを募集するために、都内の大学や高校などにご協力いただき、学生の方にお知らせするとともに、SNSなども活用して周知を図る予定でございます。
○風間委員 こういったことに問題意識を持って取り組んでいる学生団体等もありますので、ぜひ連携しながらやってもらえればなと思います。
最後に、文化振興について伺っていきます。
先ほどもお話がちょっとありましたけれども、都は、個々のイベントを国内外へ一体的にプロモーションする総合的な国際芸術祭を開催するとのことでありますけれども、東京といっても、区部、多摩地域または島しょ部という、広域にまたがってシナジーを生み出していくというプロデュースは、相当ハードルの高い取組だと感じています。
都は、この国際芸術祭について、どのような工夫をしながら取り組んでいくのでしょうか。伺います。
○蜂谷文化振興部長 来年度、都は、民間や区市町村のものも含めまして、都内で開催されている数多くの芸術文化イベントと連携する共同プロモーションに取り組むこととしております。
東京の様々な優れたコンテンツをつなぎ合わせて、一体感のある国際芸術祭として国内外へ打ち出してまいります。
○風間委員 実際に民間で懸命に取り組んでいる人たち、または各区市町村でもこういった事業に取り組んでいる担当の方たちもいらっしゃるかと思います。これがしっかりとシナジーを生み出すように、こういった方々と連携、または意見を伺いながら進めていくように求めておきます。
東京の魅力発信という意味でいうと、江戸文化の世界遺産登録を見据えた予算が来年度二億円計上されていますが、これはどのような取組を行うのか、伺います。
○石岡調整担当部長 令和七年度は、江戸文化の価値の整理や魅力の発信に向けた有識者会議の開催や、プロモーションを展開してまいります。
○風間委員 世界遺産を登録するというと、これまた、なかなかハードルの高い取組にチャレンジしていくということ、首都東京がより魅力ある都市になっていくためには必要な取組であると思いますし、二億円でできることというのも限られていると思います。息の長い取組になることも承知しておりますけれども、高いハードルを乗り越えて取り組んでいってもらえればなと思います。
江戸といえば、一年後にリニューアルオープンする江戸博がありますけれども、この期待感醸成として四億円計上されているわけですね。
四億円、江戸文化の魅力発信とどのように連携をしていくのかも伺います。
○富岡文化施設・連携推進担当部長 江戸東京博物館は、江戸東京の歴史と文化を体感できる中心的な拠点として、都民や国内外からの観光客が必ず訪れたくなる博物館を目指しております。
令和八年春のリニューアルに向けた期待感を高めるとともに、世界遺産を見据えた取組も踏まえまして、江戸文化の魅力、価値を発信してまいります。
○風間委員 そうですね。世界に誇る博物館になるように、ぜひ進めていってもらえればなと思いますし、国内外含めてこういった発信をしていくことによって、さらなる東京の魅力、価値が高まっていければなと思いますので、ぜひしっかりとやってもらえればなと思います。
江戸文化といえば、今現在、NHKの大河ドラマでも、ちょうど江戸がテーマとなって取り上げられているところであります。
この内容については、賛否両論あることは承知しておりますけれども、関心が高まっているというところで、既に、東京都はNHKとタイアップをしてイベントも実施したというふうに伺っていますが、その取組についても伺います。
○富岡文化施設・連携推進担当部長 本年一月、大河ドラマ「べらぼう」と連携をいたしまして、ドラマ出演者と江戸東京博物館の学芸員がドラマの時代背景や江戸文化を紹介するトークイベントを行いました。
○風間委員 今回、質疑を通して、全般的に子供支援ということを軸に質問させていただきましたけれども、この文化ということについても、やはり子供のうちから文化に触れていくということ、自分たちの住んでいる東京が江戸という魅力のある文化都市であるということも、ぜひ子供たちには知ってもらいたいと思いますし、江戸を時代として社会で学ぶだけのものではなくて、実際にそこが自分たちの先祖が暮らしてきた、つくってきたまちなんだということも体感できるように、こういった教育部門とも連携しながら取組を進めていってもらえればなと思います。
そして、最終的には、江戸文化の世界遺産登録ということ、この悲願達成ということにつながっていけばいいなと思いますので、しっかりこれからも取り組んでいってもらえればなと思います。私の質問は終わります。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時九分休憩
午後三時二十五分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○米川委員 よろしくお願いします。
まず初めに、町会、自治会のデジタル化推進助成について伺います。
私も地元町会の会員となっておりますが、現在、持ち回りで担当します班長というものをしております。回覧板を回したり、年一回ですが、町会費の集金を行っております。
そこで、新規事業の町会・自治会デジタル化推進助成では、回覧板や町会費徴収におけるデジタル化を支援と説明がありますが、具体的にどのような取組なのか、伺います。
○柏原都民生活部長 本事業では、地域の情報や行政からのお知らせを共有する電子回覧板、会費の徴収で活用できるQRコード決済の導入を支援いたします。
具体的には、システムの導入に伴う利用料や決済手数料などを助成いたします。
○米川委員 東京都として、町会、自治会のデジタル化に向けたチャレンジを後押しするとのことですが、実施をためらう団体に対して、どのように支援を進めていくのか、伺います。
○柏原都民生活部長 本事業の実施に当たりましては、これまで行ってまいりました地域交流アプリの導入支援や、町会デジタルコンテスト等でできた好事例なども活用して普及を図ってまいります。
また、スマートフォンの操作に不慣れということで、ためらう高齢の方などがいる場合には、町会等に働きかけまして、スマートフォン教室や説明会の実施につなげてまいります。
○米川委員 町会の規模、これは様々ですが、デジタル化が進むことで、こういった平常時だけではなく、非常時にも、正確な情報をダイレクトに住民である町会の会員に伝えていくこともできるのではないかと考えております。
本事業を通して、多くの町会、自治会のデジタル化が進むよう取り組むことを求めます。
続きまして、私立学校グローバル人材育成支援事業費補助のうち、生徒の海外留学を支援する海外留学推進補助について伺います。
令和六年度の予算額は、令和五年度から一億円増の七億円、一校当たりの上限を六百六十万円から八百万円に引き上げましたが、令和五年度の補助の実績は何校、何人だったのかと、今年度の申請状況について伺います。
また、令和七年度の予算額及び事業の仕組みはどのようになっているかについても伺います。
○加倉井私学部長 本補助は、私立高校が責任を持って実施する海外留学プログラムに生徒が参加する場合に、留学プログラムの参加費用や渡航運賃などの一部を助成し、保護者の費用負担を軽減するものでございまして、令和五年度の補助実績は百三十一校、八百二十八人、令和六年度の申請は百四十三校となる見込みでございます。
令和七年度の予算は、約七億円を計上しております。
○米川委員 令和六年度は、予算額も増えたことで、実施する学校数も増えたことが分かりました。
令和七年度予算は約七億円と、六年度と同じ額ですが、私立高校の数は二百校以上あるため、まだまだニーズはあるのではとも考えております。
そこで、次に、都立学校の海外派遣プログラムでは、報告会というものが行われております。事業の成果について共有する仕組みがありますが、この海外留学推進補助の事業ではどのようになっているのか、伺います。
○加倉井私学部長 本事業の補助を受けて留学を終えた生徒は、在籍する学校に対し、成果報告を行うこととしております。
○米川委員 私立学校の場合は、私学の独自性があるため、学校単位で取り組んでいることが改めて確認できましたが、参加費用の一部ですが、東京都が支援して行われるものです。何らかの形で、都民にもその成果が還元できるよう検討されることを求めます。
次に、私立学校教員向けの奨学金返還支援について伺います。
私立学校教員向け奨学金返還支援についてですが、事業の規模が公立と合わせて年三千人となっていますが、そのうち私立の対象人数は何人なのか、伺います。
また、対象者はどのように算出したのか。例えば、奨学金を返済している現役の職員の状況調査を行った上で算出したのか、伺います。
○加倉井私学部長 日本学生支援機構の発表によりますと、全国の約四割の大学生が貸与型奨学金を利用しております。
令和七年度の採用者につきましては、今年度の採用一年目の教員数約二千五百名の四割に当たる千名程度に対する支援を想定しております。
○米川委員 この事業の期間は十年間と長期間ですが、奨学金の返済が完了する前に事業を廃止することがあるのでしょうか。伺います。
○加倉井私学部長 本事業では、奨学金返還総額三百万円を上限として、その二分の一を、採用二年目から十一年目まで十年間にわたり、都が本人に代わって返還することとしております。
○米川委員 十年間ということなので、途中で終わることがないのであろうと推測します。
事業は、返済総額三百万円の二分の一を都が本人に代わって返還となっています。一年当たりに換算しますと、十五万円となります。保育士への実質的な家賃補助となっております保育従事職員宿舎借り上げ支援事業と比べると、随分少ない額なんだなと考えております。
そうしますと、幼稚園教諭免許と保育士資格というものは、同時に取得することも可能です。両免許資格併有者というものなんですが、幼稚園教諭への支援が保育士と差がある場合、保育士を選択することも考えるのではないかとも考えますが、幼稚園教諭については、保育士と同様に家賃補助の支援とすべきと考えますが、見解を伺います。
○加倉井私学部長 私立学校における教員の家賃補助の実施につきましては、各学校において判断すべきものでございます。
○米川委員 保育の従事者の宿舎借り上げ支援の場合は、国の補助があったり、東京都単独ではなく区市町村の補助があったりして、また仕組みが違うのでしょうが、資格を両方持った同じ一人の人がどちらかを選択するというのが、もしこの事業で、やっぱり保育士の方が多いよとかというのがあった場合には、ぜひ保育士と同様な支援となるような検討も進めていっていただきたいと思います。
最後に、若者支援の推進について伺います。
子供、若者自立等支援体制整備の推進についてですが、現在、都は広域自治体として、若ナビαや、若者をサポートするポータルサイト、若ぽたプラスを昨年の十一月に開設し、若者相談支援の取組を充実させています。
十二月の第四回定例会一般質問では、身近な区市町村の若者相談を充実させていく必要があるとして質問を行いました。
令和七年度予算には、区市町村が取り組む困難を抱える若者の居場所づくりを集中的に支援とありますが、区市町村での居場所づくりの状況はどのようになっているのか、伺います。
○村上若年支援担当部長 令和五年十二月に都が行った調査では、十八歳以上の若者も対象に含む居場所を運営している都内の区市町村は二十一自治体となっております。
○米川委員 事業の予算額が、令和六年度と比べまして倍増しておりますが、区市町村が居場所づくりを設置していく上での課題はどのようなものがあるのか、伺います。
○村上若年支援担当部長 第三期子供・若者計画の策定に当たって、区市町村に課題をヒアリングしたところ、居場所整備の検討から開設に至るまでの負担が大きいなどの意見がありました。
○米川委員 若者も対象に含む居場所を運営する区市町村は、これまでの質疑で二十一自治体と、まだまだ十分ではありません。地元の葛飾では既に実施しているんですが、ぜひ二か所目、三か所目ができるように支援を拡大していっていただきたいと思っています。
区市町村に課題をヒアリングもされているとのことですので、身近な区市町村での取組が進むことを求めまして、質問を終わります。
○松田委員 私は、町会、自治会に関して、まず先に質問させていただきます。
先ほどの、第一回定例会の代表質問や一般質問、そして予算特別委員会などでも議論がありまして、今、米川理事からもデジタル化についてお話がありましたが、この町会、自治会支援というのは非常に大切なことでありまして、まず最初に要望したいのですけれども、地域の底力は平成十九年からですかね、ずっと続けてきているんですが、来年度は、これ、締切りが結構早まるんですよね。
おかげさまで予算額を二億五千万に増額をして、最近、八割ぐらいの執行だったのが、今年はかなり増えていて事務作業が追いつかないということを伺っているんですけれども、例えば来年からデジタル化をするわけですね、申請書におきまして。
ですので、そういったことをうまく活用して、例えばAIで事前審査をする、そしてチェックするとか、いろんな工夫をしていただいて――どうしても、特に夏の申請が一番多くて、盆踊りだったりとか、夏祭りだったりとか、夏休みの子供祭りが多いということがありますので、その申請の締切りが、例えば今年度だと五月十三日だったのですが、来年度は四月三十日。こうなると、町会の総会も間に合わないということで、なかなか不便をしている部分がありますので、ぜひそういったところは、まずご検討を要望して、質問に入りたいと思います。
質問は、みんなでマンションなんですね。今年から始まりました町会・マンションみんなで防災訓練、これは、町会側、そしてマンション側が連携することによって町会の加入促進をするという事業でありまして、全部で十七か所ぐらいやられたと思うんですが、板橋区内でも二か所やっていて、私、二か所とも見に行かせていただきました。
一か所は、子供の土曜授業を利用して町会とマンションが一緒にやるということで、学校で土曜日にやるので、子供たちと町会と、そしてマンションの方々と一緒にやるということは、非常にいい取組だなというふうに拝見をしました。
もう一か所は、雨が降っちゃったのですけれども、それでもマンションの集会室を使ってマンションと町会が連携をしてやる取組、そういったことを見させていただきました。
今年に関しましては、住宅政策本部の方からマンション側に百万円分の防災資機材が出るということなんですが、来年度から、都は、町会に対しても防災資機材の助成を行うとしておりますが、その内容をお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 ご質問にお答えする前に、今の、今年度の町会・マンションみんなで防災訓練の実績につきまして、最新の数値を申し上げますと、十九の町会、自治会から申出がございまして、二十六のマンションと一緒に訓練をやったということになっております。
ご質問に対するお答えでございます。
来年度、都は、マンションとの合同防災訓練を実施する町会等に対しまして、次年度以降も訓練で活用することを条件に、二十万円を上限といたしまして防災資機材の購入費用を助成いたします。
対象といたしましては、消火用のスタンドパイプ、AED、蓄電池などを予定しております。
○松田委員 ありがとうございます。十九自治会、二十六マンションということは、一自治会と複数のマンションがやられたということを、今のご答弁で改めて認識をさせていただきました。
ごめんなさい、ここで素朴な疑問なんですが、今年やった町会が、来年、同じマンションとやるのは、これは対象になるのか、それとも、違うマンションとやれば今年行った町会も対象となるのか。今年は、一町会に対して三マンションまでが対象でしたが、来年は、果たしてどの程度まで対象となるのかを伺います。
〔発言する者あり〕
○柏原都民生活部長 失礼いたしました。
今年行った町会、自治会も、対象を変えて、組合せを変えれば来年度の対象ということになります。(松田委員「今年のマンションは駄目ということですね」と呼ぶ)マンションの相手を変えれば……。
○松田委員 ありがとうございます。こうした取組がどんどんどんどん広がっていくのは、私はすばらしいと思いますし、マンション側にとっても、町会側にとってもメリットのある取組だと思っておりますので、これからもどうぞよろしくお願いを申し上げます。
そして、町会、自治会関連でもう一問ですが、都の施策というのはなかなか、それぞれの区市町村に伝わりづらいということがあります。
先ほど少しお話をした地域の底力に関しても、これはもう十五年以上、二十年近くやっているのにもかかわらず、あまりこれを知らないんですね。板橋区内のいろんな町会長さんの集まりでお話をすると、何それ、何で今までいってくれなかったのということが間々あります。
これは区の町会、自治会ですので、区の事業は、説明はそれぞれ丁寧にできるんですが、都の事業だと、どうしても資料を配布しても説明まで至らないということが各区市町村はあるんだなというふうに思っています。
そこで、都の施策をもっともっと区に知ってもらうために、これは情報発信の取組が必要だと思いますが、見解を伺います。
○柏原都民生活部長 都は来年度から、町会、自治会の広域連合組織でございます東京都町会連合会と共同で、地域の掲示板を活用した情報発信の事業を実施いたします。
具体的には、例えば熱中症対策や悪質商法への注意喚起など、都民に周知したい事項につきまして、分かりやすく解説したお知らせなどを掲示していただきます。
○松田委員 ありがとうございます。これ、やっていただくからには、町会側にも様々なメリットがある取組になっていただくようお願いを申し上げます。
次に、私立高校の海外留学の支援について伺いたいと思います。
都立高校でも国際化ということが取り上げられて、これからどんどん子供たちの留学に向けて支援を東京都としてもしていくものだと思いますが、教員に対する、この海外への支援に関して、使い勝手が悪いということも一部伺っております。
そこで、私立学校教員の海外派遣研修事業の内容と近年の利用実績を伺います。
○加倉井私学部長 本補助事業は、指導力向上を目的に教員の海外派遣研修を行う私立の小学校、中学校、高等学校を対象に、講座受講料や現地滞在費用、渡航経費など、海外派遣研修に要する経費の一部を補助するものでございます。
利用実績は、令和元年度は八名、新型コロナの影響で、令和二年度及び三年度は募集を中止し、再開後の四年度は一名、五年度は七名でございます。
○松田委員 ありがとうございます。本事業は、平成二十八年に開始をして、当初、英語教員のみだったところから五教科、国語、数学、英語、理科、社会ということで拡大をして、令和四年度から小学校も対象ということなど、見直しをして充実をさせてきていることは理解をしております。
一方で、学校現場からは、四週間以上という研修期間、四週間以上やってくださいというのを、補助要件として緩和してほしいという声も上がっています。
そこで、この事業の令和七年度からの支援内容の拡充について、さらに使い勝手がよくなるようにどのような工夫をしているのか、伺います。
○加倉井私学部長 来年度からは、より多くの教員が海外で先駆的な教授法を学ぶことができますよう、対象教科をこれまでの主要五教科から全ての教科に広げ、研修先の国につきましても、英語を公用語等とする国以外の国も可能といたします。
また、夏休みなど長期休暇での利用がしやすくなりますよう、派遣期間を最低四週間程度から最低二週間程度に短縮いたします。
さらに、昨今の物価高騰を踏まえまして、補助限度額を教員一人当たり百万円から百五十万円に増額いたします。
○松田委員 ありがとうございます。使いやすく弾力的に、四週間から二週間以上に引き下げるというんですかね、変更するということと、物価高騰を踏まえて、一人百万円から百五十万円。
弾力的にということなんですけれども、せっかく私学部なので、弾力的にと予算特別委員会でも申し上げたのですけれども、私立高校に関しては、来年度から四十九万円まで授業料が無償化ということで、今年は四十八万四千円だったんですね。
特に私立幼稚園から今、要望をいただいておりまして、全国一律で国が二万五千七百円、東京都が千八百円上乗せをしているのが、これ、当時の平均授業料が二万七千五百円だったので、千八百円を二万五千七百円に上乗せたと。
今、平均の幼稚園の保育料が三万二千百七十四円ということで、差額が六千四百七十四円まで開いてきておりますので、こういったところも現状に合わせて弾力的に、物価高騰、そして人件費高騰、資材高騰、いろいろありますので、こういったところの幼稚園の声にも、ぜひしっかり耳を傾けて今後は取り組んでいただけることをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○龍円委員 こんにちは。私は、この文教委員会での質疑を中心に、東京都で暮らしているスペシャルニーズ、障害のある子供たちへの教育、特にインクルーシブな教育の推進について質疑を続けてまいりました。
私は、私立学校においても、インクルーシブな教育の推進というのは重要だと考えております。
私立学校は特色豊かな教育をしていることから、公立学校の学び以外の選択肢として、スペシャルニーズのあるお子さんにとっても私立学校を選択できる必要があると考えています。しかし、現状では厳しい状況にあると考えます。
まず、私立特別支援学校は、ほかの私立学校とは違って、生徒数による助成制度になっていることから、人数によって助成額が変動してしまうことによって、大変厳しい学校運営をされているというふうに認識しております。
ある程度、潤沢な予算によって運営されている都立特別支援学校は、日本一とも称されるような教育を進めている中で、厳しい財政状況で運営をする私立特別支援学校が選ばれるような教育環境を提供する難しさがあるというふうに認識しています。
しかしながら、都立特別支援学校というのは、自立支援ですとか就労などを目指した教育的な特色が強いので、それ以外の教育の選択肢として、私立特別支援学校の存在はとても重要であります。私立特別支援学校への支援の拡充は重要だと考えています。
公立では、特別支援学校や特別支援学級の在籍者が右肩上がりで増え続けているわけなんですけれども、私学においては、特別支援学級の数が、設置すれば補助があるにもかかわらず増えていないという現状もあります。
そして、そもそも、私立学校というのは入試制度がありますので、障害などがある児童生徒にとっては合格が難しいということもあります。
このことから、私学においては、インクルーシブな教育環境というものがなかなか推進されにくいという現状にあると認識しております。
とはいえ、私学においても障害児が増えているということも伺っております。私学関係者からは、発達障害がある、その特性がある子供が増えている、しかし、なかなか十分な対応が難しいんだというお声を伺っております。
私立学校に通う発達障害などの特性があるお子さんたちも、必要な配慮などが提供されまして、その学校で学び続けることができる環境づくりを進めていくことで、少しでも私学におけるインクルーシブな取組が進むことを期待しています。
先日の文教委員会におきまして、東京都教育委員会に対する質疑で、都立特別支援学校のセンター的機能、これを活用して、私立学校においても、要請に応じて支援を行うという答弁がありました。生活文化スポーツ局におきましては、この機能を活用できることを各学校へ周知いただきますようお願いいたします。
私学においては、特別支援学校や特別支援学級を担任したことがある教員がいらっしゃることが少ないということから、都立特別支援学校における専門性を活用した支援をしていくということは大変重要です。
しかし、一方で、アドバイスをもらうというだけでは、スペシャルニーズ、障害のある児童や生徒に対して十分な支援を行うというのは、まだ簡単ではないと感じております。そこで、私学の教職員の方々の障害への理解ですとか対応力の向上というのは必要です。
私立学校における障害のある生徒への学びの支援について、今日はお伺いしたいと思います。
令和六年第三回定例本会議の代表質問で、私たちの会派に対して、私学における障害のある生徒の学びの支援に関して、ディスレクシアの当事者を招き、学校関係者への実践的な研修を新たに行うとの答弁がありました。
研修の実施結果について、そして、その成果についてお伺いいたします。
○加倉井私学部長 私ども私学部におきましては、昨年十一月に合理的配慮の提供に関する研修を開催し、私立学校の教職員等、約百名が参加いたしました。
本研修では、中学、高校の現場で発生した事例や対応方法等、合理的配慮の提供に係る実践的な講義を行いました。
参加者からは、ディスレクシアに限らず、授業や試験の各場面で生徒の立場に立った学びの支援につき、新たな視点が得られた等の感想が得られました。
○龍円委員 私立学校の教職員向けに対してこのような研修を行ったのは、今回が初めてということでありましたけれども、百名が参加したということでありましたので、現場のニーズに合った研修だったことが分かりました。
また、基本的なことにはなりますけれども、事業者にとっては義務となっています障害者差別解消法における合理的配慮の提供についても実践できるような内容を提供したということで、意義のある研修だったと思います。
ぜひ今後も、このような研修を継続的に進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
発達障害の特性というのは、幼児期や小学生の低学年頃から現れてくることも多く、なるべく早期に周囲の方がその特性に気がついてあげることができ、早期からの適切な支援をしていくことが、その後の学習ですとか学校生活においても、よい影響を与えることが知られています。
今回の研修成果も生かして、幼稚園や小学校向けの取組も行っていく必要があると考えますが、都の見解についてお伺いいたします。
○加倉井私学部長 今回の研修受講者のアンケートによりますと、幼稚園にテーマを限定した研修を行っていただきたいという意見もございました。
こういった意見も踏まえまして、幼稚園や小学生等の低年齢の児童についての対応も今後検討してまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。
次に、私立学校における放課後についてお伺いいたします。
都民ファーストの会では、小一の壁を打破するために認証学童クラブ制度の創設を強く提案いたしまして、いよいよ二〇二五年度からこの制度がスタートすることになっているところであります。
まずは、面積ですとか人員配置といった物理的な質の向上を定めた認証制度としてスタートしたわけなんですけれども、今後は、より放課後の時間を質の高い体験ですとか遊び、学習などができる豊かな時間にしていくための施策を進めるべきではないかという議論も併せて行っているところであります。
私立に通う児童にとっても、同様に、この放課後の居場所、放課後の時間というのは重要であります。
私立学校の中には、新渡戸学園のアフタースクールのように、児童にとって大変質のいい放課後時間を提供しながらも、親の就労支援にもなるような先進的な取組をしているところもございます。
私立学校における学童保育は、在校生が中心になってしまうと思いますし、地域への一般開放という面においては課題もあるかもしれませんが、特色のある教育を活用した学童クラブは、児童や保護者のニーズも高いと考えられます。
私立学校でのアフタースクールについて、都の認識をお伺いいたします。
○加倉井私学部長 現在、都内私立学校の中には、自主事業として、放課後に児童を受け入れ、NPO法人等と連携して、アートや科学、スポーツ等のプログラムを提供しているケースがあることを把握しております。
○龍円委員 ありがとうございます。都としても、私学での放課後時間を活用した活動などについて把握しているところということでありました。
東京都の認証学童クラブ制度も始まりますし、私学においても、それぞれの学校の特色を生かしたような放課後時間支援についてもサポートができないかどうか、考えていただけますよう、よろしくお願いいたします。
続いて、文化振興についてお伺いしてまいります。
私の地元の渋谷区の笹塚、幡ヶ谷、初台をつなぐ水道道路沿道のまちづくりの一つにもなっておりますSTART Box ササハタハツについてお伺いいたします。
都営住宅の一階で長年空き家となってしまっていたところをリノベーションして、若手アーティストのアトリエとしての活用が二年前から始まりました。
最近は、外壁もきれいに塗装していただいて、START Boxのロゴも見やすく掲示していただいたことによって、外を通りかかる地域住民にも認知度が格段に今上がっているところであります。
そこで、これまでのSTART Box ササハタハツの取組状況と今後の展開についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 START Box ササハタハツは、現在利用中のアーティストを含め、これまで四十二名が利用しており、作品制作や活動のリサーチ及び地域やアーティスト間の貴重な交流の場として活用されております。
今後は、利用アーティストの活動をさらに後押しするため、作品発表の機会の提供に加えまして、個展の開催やアワードの受賞など、活躍状況の情報発信に力を入れてまいります。
○龍円委員 私も入居者の方々からお話をお伺いしまして、集中して活動ができるんだといったような喜びの声をいただいております。入居者のアーティストの活躍の後押しになっているというふうに伺っているところであります。
さて、私は、多様な人が交じり合って一緒にアート制作を楽しむインクルーシブアートの観点から、入居するアーティストの皆さんがアトリエに籠もってしまうのではなくて、地域との積極的な交流をすることで、アトリエのアートがまちに染み出して、まちの彩りになっていくような交流をしていただきたいと、これまでもこの委員会で質疑を続けてまいりました。
そこで、START Box ササハタハツにおける地域との交流の取組状況についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 地域住民が気軽にアートに触れる機会を創出するため、アトリエを開放し、アート作品や活動状況を鑑賞できるオープンアトリエを定期的に開催し、これまで九回実施しております。
また、渋谷区等が主催する地域イベントにてアートのワークショップを開催した際には、多くの子供たちが参加し、にぎわったほか、参加アーティストからも、よい経験になったと伺っております。
今後も、隣接する渋谷区の地域交流スペースとも連携して、地域との交流を進めてまいります。
○龍円委員 昨年十一月に水道道路を使って開催された、渋谷区が主催する北渋RunRunフェスタでは、START Box ササハタハツからもワークショップブースを展示していただきまして、今お話しいただいたように、多くの子供たちが参加して楽しんだというふうに認識しております。START Boxの地域での認知拡大にもつながって、水道道路ならではのアートやカルチャーを育てる取組を進めていることが確認できました。
水道道路沿道の都営住宅については、これから二十年かけて、二十七棟全てが建て替えをしていく計画になっています。ぜひ建て替えした後もSTART Box ササハタハツを継続していただきたいと思いますので、ここで要望をさせていただきます。
また、現在のSTART Box ササハタハツでは、創作活動をするアーティストに対しての支援を行っていると思いますが、建て替えした後は、ぜひ防音室なども整備していただいて、ピアノとかバイオリンなど、楽器などを地域で練習したい方とか、それから音大生とかミュージシャンの練習の場にもなると思いますので、これらを通じて、地域住民が音楽やアートに触れられることができるようなまちづくりを進めたいと考えております。
そういった長期的な視点に立ったササハタハツ、START Boxの展開に向けて、住宅政策本部や渋谷区とも連携して運営を続けていただけますよう、よろしくお願いいたします。
続いて、これまでもこの委員会で取り上げてまいりました、渋谷の公園通りにありますCCBT、シビック・クリエイティブ・ベース東京についてお伺いいたします。
開業から二年が経過いたしましたが、まず、参加者の数など、これまでの実績についてお伺いいたします。
○松下デジタル推進担当部長 シビック・クリエイティブ・ベース東京、CCBTは、アートとデジタルテクノロジーの活用を通じて、東京を創造性あふれる、よりよいまちに変えていくことをミッションに掲げ、渋谷公園通りを拠点に活動しております。
令和四年十月の開設以来、令和六年十一月末までの実績といたしまして、新進気鋭からベテランまで三百二十名を超えるアーティスト、クリエーター、研究者、企業関係者等の協力を得まして、作品展示やワークショップ、トークイベントなど約二百九十のプログラムを実施いたしました。
その結果、拠点内外やオンラインでの参加者は約三万八千名となっております。
○龍円委員 約二年を通じまして、大変多くの方がCCBTの作品展やワークショップなどに参加されてきたということでありました。
この地元の公園通商店街なども含めたデジタルとアートを融合した巨大な渋谷のまちを舞台にしたイベント、DIG SHIBUYAというものがあるんですけれども、こちらにもCCBTが参加してくださって、地域のアートの形成に貢献してくださっていると認識しておりますが、これまでの具体的な取組内容や成果についてお伺いいたします。
○松下デジタル推進担当部長 CCBTでのメインのプログラムとなりますアートインキュベーションでは、CCBTのパートナーとして活動するアーティストフェローを毎年五組公募、選考し、DIG SHIBUYAはじめ、まち中でのアート作品の展示やワークショップなどを通じまして、都民が最先端のアートを体感できる機会を提供しております。
さらに、フェローの成果発表会がきっかけとなり、感覚過敏の症状がある人やその家族が安心して過ごせるセンサリールームを国内の空港施設に設置するプロジェクトが始動するなど、CCBTの取組が社会実装されようとしております。
また、庁内連携により、都が有する地下調節池や浄水施設等での映像作品の撮影が実現し、アーティストの表現を通して東京のインフラが都民に紹介されるなど、新たな取組につながっております。
○龍円委員 センサリールームについては、二年前の事務事業質疑でインクルーシブなアート活動としてお伺いしまして、期待を寄せておりましたが、今回、大きく成果が花開いたと伺い、大変うれしく思います。
このセンサリールームはスヌーズレンと呼ばれるもので、七〇年代にオランダで発祥したものです。光、音、香り、感触、水、振動など様々な感覚を刺激しながらもリラックスできるような空間で、知的障害や発達障害、自閉症や認知症など多様な方々の支援として活用されているものであります。
集中力の向上、安心感を高めて不安を減らすといった効果があるということでありまして、障害のある人だけではなくて、ない人にとってもリラックスできる空間になると思います。
そのため、空港という海外や国内外の様々な方が利用する場所において、このセンサリールームができるということは、大変いい効果に当たるのではないかなということで期待しているところであります。
それがこの成果発表会がきっかけになったということで、このように、CCBTが目指した東京をよりよい都市に変える表現として、公募したものが社会実装されていくことを大変うれしく思います。
では、このCCBTにおいて、来年度、場所を原宿へ移転するというふうに聞いておりますけれども、その経緯についてお伺いいたします。
○松下デジタル推進担当部長 現在の拠点は、ホテルの宴会場だったスペースを賃貸借しておりますが、今年の九月末で契約終了予定となるため、移転を検討いたしました。
移転に当たりましては、CCBTの創造拠点としての機能が引き続き十分に発揮できるよう、アートやデザインなどのクリエーティブ産業や人材が集積するエリアであること、これまでの渋谷での活動を承継発展できること、人が多く集まるエリアであることなどを考慮いたしまして、移転先を原宿といたしました。
○龍円委員 原宿には様々なカルチャーがあるわけなんですけれども、竹下通りなんかでは、かわいい文化をはじめとしまして、現在は竹下ぱらだいすとか、しなこちゃんなどなど、多様性あふれる方々がこの地域から強烈な個性を発揮して発信を始めており、独自の文化を形成している地域であります。そして、その影響力は、若い世代を中心に大変大きいというのも特徴です。
CCBT移転後は、ぜひ原宿や竹下通りの地域性と一緒に発信していってはどうかなと考えております。移転した後の展開についてお伺いいたします。
○松下デジタル推進担当部長 CCBTの活動を通じて東京をよりよいまちに変えていくためには、アーティストや都民をはじめ、地域や学校、企業、団体など様々な方を巻き込みながら、プロジェクトやネットワークをつくり出していくことが重要でございます。
そのため、これまでも、拠点での活動のほか、積極的に渋谷で開催されるまちイベントや国内外の大規模なアートフェスティバル等とも連携してまいりました。
移転後も、CCBTの取組がまちや様々な分野の方に波及していくよう、引き続き、これまでの拠点で培ったネットワークを大切にしながら、新たに原宿のまちや企業、団体等とも連携を進め、ファッション、音楽などの原宿ならではの文化資源も活用して活動を展開してまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。これまで培ったネットワークを大切にしながらも、新たに原宿のまちとも連携をしながら活動を展開していくということでありました。これからのCCBTの活躍に、さらに期待をしたいと思います。
次に、同じく公園通りにありますアールブリュットの振興拠点である東京都渋谷公園通りギャラリーについてであります。
私にとっては、本当に大好きな渋谷のスポットになっておりまして、折に触れて立ち寄るようにしております。
インクルーシブアートとして、スペシャルニーズのある人やない人、大人から子供、そして日本人や外国の方々が、アートを通じて共に活動しているというのが大変気持ちのいい空間になっているところであります。
渋谷公園通りギャラリーでの二〇二五年度の取組についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 都は、アートを通じて共生社会の実現に寄与するため、東京都渋谷公園通りギャラリーにおいて、アールブリュットをはじめとする様々な作品を展示することにより、多様な創造性や新たな価値観に人々が触れる機会を提供しております。
令和七年度は、三つの企画展や区市町村と連携した巡回展を実施いたします。
また、障害のある子供もない子供も、誰もが自由に楽しく作品を制作するワークショップや、多様な参加者同士がアート活動を通じて交流を深めるプログラムなども実施する予定でございます。
○龍円委員 渋谷公園通りギャラリーは、地元の渋谷区や観光協会などが実施する渋谷芸術祭などに参加して、地域を盛り上げてくださっております。今後も、さらに多様な人が交流するインクルーシブな取組を進めていただけますようお願いいたします。
さて、インクルーシブアートという流れでは、文化施設へのアクセシビリティーも重要であります。
東京都には、東京都庭園美術館、江戸東京博物館、東京都写真美術館など多くの都立文化施設がございますが、アクセシビリティーをより一層向上させることが重要だと考えます。
都立文化施設におけるアクセシビリティーの向上について取組をお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 都立文化施設では、障害の有無にかかわらず、誰もが芸術文化を鑑賞できるよう、アクセシビリティー向上に取り組んでおります。
来年度は、これまでの手話スタッフやコミュニケーションボードに加えまして、様々な障害に対応できるスタッフを窓口に配置するなど、環境整備をさらに進めてまいります。
また、大会開催の秋を中心に、静かな環境での鑑賞に不安がある方も安心して楽しめるリラックスパフォーマンス、手話通訳や音声ガイドなど様々な鑑賞サポート付プログラムを展開してまいります。
○龍円委員 都立文化施設での鑑賞サポートの取組が進んでいることが分かりました。
国の方では、令和四年度に障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行されました。
この法律では、全ての障害者が、社会、経済、文化、そのほか、あらゆる分野の活動に参加するために必要とする情報を十分に取得、利用し、円滑に意思疎通を図ることができることが極めて重要だとして、これらに係る施策を総合的に推進し、インクルーシブな社会の実現に資することを目的として定められたものになっております。
都議会では、情報コミュニケーションプロジェクトチームによる施策の推進についても議論が進められているところであります。また、今年の秋には、東京でデフリンピックが開催される予定でもあります。
こういった社会の潮流も受けて、都立文化施設における情報アクセシビリティーやコミュニケーション支援についても、今後も積極的に推進いただけますよう、よろしくお願いいたします。
次は、町会、自治会への支援についてになります。
先日の一般質問で藤井あきら都議が、地域の底力発展事業のオンライン化について、スマホでレシートを読み込む機能などを可能にするなど、ユーザビリティーを向上するべきではないかという質問に対して、領収書などはスマホで撮影したデータを提出できるようにすることですとか、提出書類の削減や様式を工夫して、町会、自治会の皆様が使いやすさを実感いただけるように取り組むとの答弁がありました。
オンラインの申請の開始に当たりまして、申請する方々の負担軽減について、そのほかはどのように取り組んだのかをお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成は、これまで紙の申請書類の作成や押印を必要としておりましたが、マイナンバーカードによる認証を使いまして、オンラインで手続が完結できるようにいたしました。
あわせて、事業計画書や収支予算書の記載事項も簡素化いたしました。
○龍円委員 地元の町会、自治会の方々と話していますと、もう申請するのを諦めたくなるほど申請が大変過ぎるというお声もいただいていましたので、この手続を簡素化することで、関係者にとっては、とても申請しやすくなるのではないかと期待を寄せております。
東京都のいろんな申請に関して、次年度は、前年度の登録情報を継続して申請を簡素化してほしい、簡単にしてほしいという要望もよく聞きます。今回、マイナンバーカードを使って、押印をなくしてオンラインで完結できるようにしたということでありましたので、申請者が同じであるならば、基本的な情報については、前年度の情報を更新するみたいな形にしていただけると、引き続き、手続のユーザビリティーの向上に資するのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、町会、自治会の活動では、災害に備えた取組も重要であります。
我が会派では、マンション防災というのが重要だと考えまして、東京とどまるマンション制度を進めております。
都は今年度から、町会、自治会とマンションが合同で防災訓練をする取組について、この後、質問する予定だったのですけれども、先ほど松田委員に対して、十九町会から申請があって、二十六のマンションで訓練が実施されたというふうなお話がありましたので、次の質問については割愛させていただきたいと思います。
さて、二〇二五年度はさらに利用が進むことを期待したいところなんですけれども、地元の町会関係者と話してみると、マンション関係者と、説明を行って理解を得るところにハードルがあるというふうに伺っております。
マンション住民の方々は、日中不在だったりですとか、誰が自治会の役員をしているかも、外からだと分かりにくいなんていうこともあるかと思います。
町会、自治会とマンションの間で事業の実施に向けた理解が進むよう、都として支援をしていくべきだというふうに考えますが、見解をお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 今年度、町会の声を受けまして、マンションに合同防災訓練への協力を求める際に活用できる資料を作成し、ホームページに掲載いたしました。
来年度は、マンションとの関係づくりに難しさを感じる町会などへの相談体制を強化いたしますとともに、要請に応じましてコーディネーターを派遣し、訓練に向けたマンションとの調整等も支援してまいります。
○龍円委員 来年度は、コーディネーターを派遣して、訓練に向けた調整を支援するということでありました。この支援によって、制度を利用しやすくなると思います。
町会、自治会の方々がこの事業を活用しようと思っていただけるように、コーディネーターを派遣しますよということもしっかり周知していただいて、活用を促進していただけますよう、よろしくお願いいたします。
来年度は、我が会派が予算要望いたしました町会、自治会の防災備蓄倉庫の支援が実施されることも大変重要であります。
そこで、防災備蓄倉庫の支援が広く町会に活用されるよう周知を図っていく必要があると考えますが、この件について見解をお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 防災備蓄倉庫への支援についてでございますが、町会、自治会に身近な相談窓口でございます区市町村の地域コミュニティ部署と防災担当部署にご協力をいただきながら、周知を行ってまいります。
あわせまして、町会、自治会の連合組織への情報提供やホームページへの掲載なども行い、本助成が活用されるよう取り組んでまいります。
○龍円委員 ありがとうございました。地域の底力発展事業支援のオンライン化、防災訓練支援、防災備蓄倉庫支援などなど、地域の支援に本気で取り組んでいくことを確認することができました。ありがとうございます。
最後に、スペシャルニーズ、障害のある方々が日常的に運動やスポーツを楽しめる環境を推進していくための施策についてお伺いいたします。
かねてより、スポーツ用の義足であるブレードですとか、スポーツ用の車椅子などは、体に合わせてカスタマイズする必要がある用具なんですけれども、これが値段が大変高いということもありまして、子供の場合だと、成長に合わせて用具を買い換えていくという必要があることもあり、障害のある人や子供が子供の頃からスポーツや運動を継続することが、この用品が高いということによって難しいという観点がありまして、こういった用品に関する支援を創設していただきたいと、この委員会で要望を続けてまいりました。
都は、これを踏まえて、今年度は、スポーツ用の義足や車椅子の体験を試行するなど、一歩一歩着実に取組を進めてくださっております。
そこでまず、今年度の取組状況についてお伺いいたします。
○上山パラスポーツ担当部長 都は、次代を担うパラアスリートを発掘するための競技体験会を実施しております。
これに先立ちまして、今年度は新たに、体の状況に合わせて調整した義足や、様々な種目の競技用車椅子を試してもらう用具体験会を実施いたしました。
用具体験会では、義肢装具士等の専門家やパラアスリートから体の動かし方等を学びながら、ジョギングや車椅子テニスなどに挑戦をいただきました。
参加者からは、数十年ぶりに走る感覚を思い出した、自分の可能性を感じることができたといった声をいただくなど、競技スポーツへの関心を高めるきっかけとなったところでございます。
○龍円委員 今年度の体験会では、個別丁寧なサポートを行うことによって、走る喜びを感じたりとか、日常生活にも前向きな変化が起きるなど、有意義な取組になったということでありました。
しかし、体験だけですと、その後、つながらない場合も多いのではないかと思います。スペシャルニーズ、障害のある方々が競技用品を必要とする競技スポーツに継続的に取り組むことができるよう、支援をさらに進めていくべきだと考えますが、二〇二五年度はどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○上山パラスポーツ担当部長 障害のある方が競技を始めるだけでなく、継続できるよう、来年度は新たに、スポーツ用車椅子を一定期間無料で貸し出す制度を創設いたします。
本制度では、子供の頃から様々なスポーツに親しめるよう、複数の種目に対応できる子供用の車種のほか、テニスやバドミントンなどの競技専用の車椅子についても複数のサイズを用意し、体の成長や体格に応じてスポーツに取り組める仕組みといたしました。
貸出しに当たりましては、希望者に使い方のサポートを行うとともに、競技団体等と連携し、体験会や練習会などで指導を受けながら活動できる場の情報を併せて提供することで、多くの方の利用を促してまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。スポーツ用の車椅子を、来年度からは無料で貸し出す制度を新たに創設するということでありました。体の成長に応じてスポーツができる取組をまずはスタートするということで、大変ありがたい一歩になるのではないかなと感じております。
高価な用具を用いるスポーツへのハードルを下げるために、着実に取組を進めてくださっていることは分かったのですけれども、競技用具体験会の参加者の声も踏まえまして、今後もその義足ですとか、様々な競技用具の支援についても検討していただけますよう要望をさせていただきます。
私からの質疑は以上です。ありがとうございました。
○伊藤委員 それでは、私からは、まず初めに、令和七年度から都が新たに開始をする都民向けの防犯機器等の補助事業について伺ってまいりたいと思います。
海外から行った詐欺事件や強盗事件の指示などの犯罪グループの一部が逮捕される報道の一方で、いまだ、いわゆる闇バイトによる事件が相次いでおり、社会に大きな不安と衝撃を与えています。
都議会公明党は、町会、商店街など地域団体への防犯カメラ等の設置補助だけでなく、住宅などへの防犯設備の補助も実施すべきと、重ねて都に求めてまいりました。この要請に応え、都は来年度から、二年間の緊急対策として、住宅についても防犯機器の購入補助を行うこととなりました。
私の地元品川区では、今年度から、既に防犯カメラと録画機能付インターホンの二品目を対象に助成事業を実施しておりまして、都の予算案発表以降、区民の方から、都からの補助は、区とは別に重ねて補助をしてもらえるのかとか、申請についてはどのようにすればいいのかなどの問合せが来ております。
そこでまず、この事業の概要について伺いたいと思います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 本事業は、住宅における緊急の防犯対策といたしまして、防犯機器等を購入、設置する都民に対し、一世帯当たり二万円を上限に、経費の二分の一を区市町村を通じて補助いたします。
事業の実施主体となる区市町村が、地域の実情に応じて、住宅への侵入を防ぐのに有用な品目を定め、住民への周知、申請の受付、補助金の支払い等を行います。
○伊藤委員 区市町村が事業の実施主体となって、補助の対象となる品目を定めるということでありました。
また一方で、住宅についてですけれども、戸建て住宅もあれば、マンションなどの集合住宅もあれば、賃貸住宅もあれば、また公営住宅などもあるわけでありまして、対象となる住宅についても、多くの都民がこの補助の対象になれるように、ぜひとも区市町村を促していただきたい、このように思います。
ところで、住宅の侵入を防ぐための防犯機器については、防犯窓ガラスフィルムや、あるいは防犯砂利、サイレン付防犯灯など様々なものがあります。
今回の補助では、複数の品目を購入して備えたいという都民のニーズにも応えるべきというふうに思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 本事業では、補助上限の二万円までであれば、都民は一回の申請で複数の品目の助成を受けられるようにしてまいります。
○伊藤委員 安心しました。例えば、今申し上げた防犯窓ガラスフィルム、ネットで調べると数千円ぐらいで買えるようでございます。また、防犯砂利についても数千円で買えるようでありますので、上限二万円まで、こうして複数の品目を買うことができるということでありました。
ぜひ、昨今の情勢に不安を感じている都民の具体的な防犯対策が進むように、来月四月からの実施に向けて準備をしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
続きまして、若ナビαについて伺ってまいりたいと思います。
今の質問にも関連しますが、闇バイト対策について、私は昨年の決算特別委員会でも、若者が犯罪に手を染めてしまう前に悩みを受け止める先として、若ナビのさらなる取組を求めたところでありました。
都議会公明党は、若者の様々な悩みや不安を寄り添いながら受け止める相談窓口の設置を求め、若ナビの創設以来、一貫して議会質問や予算要望などで事業の拡充等を訴え、本事業を強力に推進をしてまいりました。
現在策定中の第三期東京都子供・若者計画の中では、この若ナビαについて相談体制の増強などが記載をされておりまして、評価するところであります。
そこで、今後、この若ナビαにおいてどのような相談環境の整備を行っていくのか、伺いたいと思います。
○村上若年支援担当部長 令和二年度に開始したLINE相談では、夜間にアクセスが集中していることから、来年度、人員の増加を図ります。
また、新たなシステムを導入し、音声を文字化する技術により短時間で相談記録を作成するとともに、電話番号で相談履歴を即時表示することで、前回とは違う相談員でも、これまでのやり取りを踏まえた円滑な対応を行うなど、より満足度の高い相談対応を実現してまいります。
○伊藤委員 若ナビαには、年間で一万件以上の相談が寄せられておりまして、これらは若者の悩みを捉える貴重な情報とも考えられます。
この相談内容をAIで分析をして、若者の悩みを的確に把握していくということでありますけれども、分析するだけではなくて、その結果をどのように活用して生かしていくのか、そして若者支援につなげていくのか、これについて伺いたいと思います。
○村上若年支援担当部長 来年度から導入するシステムでは、AIによって類似の悩みをグループ化することで、今、若者がどのような困難を抱えているのか、その状況を可視化します。
また、ニーズの多い分野の相談内容をさらに具体的に分析することで、どのような傾向を持つのかなど、詳細に把握をします。
この分析を基に、若ナビαでは、ニーズに応じた研修を強化し、相談員のスキル向上を図るとともに、関係局や支援機関の参考となるよう分析結果を共有していきます。
○伊藤委員 若者が様々な悩みに潰れてしまうことがないように、本事業をさらに発展させていただきたい。
あわせて、もっともっとこの若ナビαについて、私は、アピール、PRをするべきだというふうに思います。若者と意見交換をすると、この若ナビについて知らないという青年が結構いますので、もっともっとアピールをしていただきたいというふうに思います。
次いで、都議会公明党が本会議や委員会等の質疑で度々取り上げてまいりましたエシカル消費について伺ってまいりたいと思います。
持続可能な社会の実現に向けて、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費の理念を広く都民に普及していくことは大変に重要なことだと考えます。
エシカル消費は、単にエコな商品を買おうということだけではなくて、倫理的消費という深い意味を持っております。
例えば、エシカル消費の取組の一つでありますフェアトレード商品の購入とは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することによって、発展途上国の生産者や労働者の生産力や経済状況の向上につなげていくという、世界規模での有益な行為であると思います。
さらに具体的には、世界で一億六千万人存在するといわれる児童労働の問題も一つとして、私たちが何げなく毎日のように飲むコーヒーでありますけれども、缶コーヒーも含めて、このコーヒーの原料になる豆は誰がどこで取っているのかと、ふと考えてみると、私たちは意外と知らないこともあります。世界では、子供たちが学校に行けず、その豆の収穫に当たって働いている、こんなことも世界で現実に起きております。
私たちは、これまでの生活の中で、あまり気にしなかったことや考えが及ばなかったことへの気づきや理解を深めていく上でも、エシカル消費の普及啓発を着実に進めていくことは大変に重要なことであります。
都は、TOKYOエシカルアクションプロジェクトを推進しておりますけれども、TOKYOエシカルのパートナー企業、団体は、既に二百六十を超えているというふうに聞いております。
都は、都民のエシカル消費の実践につなげるため、これらパートナーと協働事業を実施しておりますけれども、今年度の取組について伺いたいと思います。
○片岡消費生活部長 TOKYOエシカルでは、都民に向け、日常生活の中でエシカル消費が実践できる情報発信を行うとともに、交流会等を通じて、パートナー企業の連携した取組を後押ししております。
また、次世代を担う子供向けの企画としまして、今年度は、中高生がファッションウエアを制作しながら、消費の背景にある社会課題とその解決を考える連続ワークショップを実施いたしました。
さらに、初の取組としまして、テレビ、車内広告やパートナーの店舗等での発信など、都民にエシカル消費を一斉、集中的に広報するTOKYOエシカルキャンペーンを昨年十月から十一月にかけて展開いたしました。
○伊藤委員 しっかり企業と共に、団体と共に進めていただいているということでありますけれども、今後は、こうしたパートナー企業、団体が連携した取組をさらに後押しすべきと考えますけれども、来年度の取組について伺いたいと思います。
○片岡消費生活部長 TOKYOエシカルでは、来年度、エシカル消費を都民に普及啓発するために、複数のパートナーが連携して実施する効果的な取組に対し、新たに助成を行います。
具体的には、普及啓発の取組に係る経費の二分の一につきまして、一件当たり三十万円を上限に助成金を交付し、これを支援いたします。
○伊藤委員 パートナー企業、団体に向けた取組については、助成制度を活用し、一層進展することを期待しております。
TOKYOエシカルでは、これまで子供向けの企画も実施をしてきておりますけれども、次世代の消費を担う世代がエシカル消費を当たり前に実践していくことは非常に重要なことだというふうに思います。
そこで、来年度の子供向けの啓発の取組もさらに拡充していくべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○片岡消費生活部長 環境やSDGsについて学校で学び始める小学校四年生から六年生を対象に、エシカル消費につながる暮らしの中の行動をコンテスト形式で募集いたします。
応募いただいたものを基に、カレンダー等の啓発物を作成し、都内全ての小学校に配布いたします。
消費者としての価値観が形成されていく小学校中高学年の時期に、社会課題と自らの消費行動との関係性を理解し、自分にできることを考える体験をすることで、エシカル消費が当たり前の世代を育成してまいります。
○伊藤委員 今、子供の取組について答弁いただきましたけれども、非常に重要な取組だと私は思います。
先ほど、児童労働が世界で一億六千万人いるというお話をさせていただきました。日本の人口より多い数の子供たちが、今、世界で、学校に行けないで働いている、こういう現実があるわけです。
これを、日本の、ましてや東京の子供たちがそうした世界状況も理解をしながら自分たちの生活を考えていく、消費を考えていく、これはとっても大事な取組だと思いますので、ぜひ成功していっていただきたい、このように思います。
続きまして、世界陸上とデフリンピックについて質問してまいりたいと思います。
両大会では、東京二〇二〇大会を通じて広がったボランティア文化を継承、発展させることが重要でありまして、多くのボランティアの方々と一緒に、世界陸上とデフリンピックの両大会をつくり上げていくための取組が求められております。
まず、世界陸上のボランティアについて伺ってまいりたいと思いますが、昨年の十一月から募集が行われ、先日、各応募者には採用結果の通知がされているということでございます。
そこで、応募状況はどうだったのか、また、どのように採用を決定したのか、伺いたいと思います。
○三浦事業調整担当部長 世界陸上のボランティアは、国籍や障害の有無などを問わず、三千人程度を募集することとし、八千二百七十六人から応募がありました。
多くの方に応募いただいたこと及び活動内容の精査などにより、全体として三千四百人に活動いただくこととしました。
採用に当たっては、語学のスキル、希望する活動場所や日数等を考慮いたしました。
○伊藤委員 採用が決定をし、今後、大会に向けていろいろと準備をしていく段階となるわけでありますけれども、今回初めてボランティアに参加される方もいらっしゃるので、研修をしっかりと計画的に実施していくことが重要であると考えます。
また、世界陸上では、トップアスリートが集まる国際的な大会でございまして、ボランティアも国内外から参加が見込まれるため、それに対応した実施方法を検討する必要があります。
そこで、今後どのように研修を実施していくのか、伺いたいと思います。
○三浦事業調整担当部長 まずは四月にオリエンテーションを実施し、世界陸上への理解を深めるとともに、グループ活動などを通じてチームワークを高めていきます。
その後、七月頃にボランティア活動に関する基礎的なルールを学び、大会前には、実際の活動場所や役割に応じた研修を実施いたします。
研修は、遠隔地の方でも参加できるようにオンラインを活用するとともに、海外の方も受講しやすいよう、英語でも実施いたします。
○伊藤委員 ボランティアの方が活躍できるよう、大会本番に向けて検討されているということでございました。着実に準備を進めていただきたいと思います。
次いで、デフリンピックのボランティアについて伺ってまいりたいと思います。
デフリンピックにおいては、共生社会の実現につなげていくため、聴覚障害者当事者の方々をはじめ、様々な方々がボランティアなどで活躍いただくことも重要であります。
デフリンピックのボランティアについても、昨年十一月から募集が行われ、本年一月末で応募が締め切られておりますけれども、ボランティアの応募状況について伺いたいと思います。
○清水事業調整担当部長 ボランティアの募集につきましては、ボランティアレガシーネットワークやSNSを活用した広報を行うとともに、当事者の参画につながるよう、全日本ろうあ連盟などとも連携し、幅広い周知を行っております。
その結果、約三千人の募集に対しまして、聞こえない方なども含め、一万八千九百三人の方にご応募いただきました。
希望する活動場所や国際手話等のスキルを踏まえ、抽せんを行い、三月下旬を目途に結果を通知する予定でございます。
○伊藤委員 ボランティアの募集においては、幅広く周知を行ったことで、当事者の方々も含めて一万九千人という、三千人の募集に対して一万九千人ですから、本当に大変な方から応募いただいたということになるわけでありますけれども、それだけデフリンピックの関心が高まっているということで、私は大変喜ばしいことだというふうに思います。
三月下旬、もう間もなくであります。ボランティアが決定するということでありまして、その後に、それぞれの活動場所が決まっていくものと思われますけれども、特に当事者の方々の活躍に向けて、研修や配置等を丁寧に行っていくことが重要であります。
そこで、大会に向けてボランティアに対する研修や配置等をどのように実施するのか、伺いたいと思います。
○清水事業調整担当部長 ボランティアにつきましては、競技会場等における選手や観客の誘導案内やメディア対応の補助、開閉会式等でのサポートなど、様々な活動機会を設けることとしております。
今後、多様な方が活躍できるよう、それぞれのスキルや配慮事項等を踏まえ、活動場所や役割等の調整を進めるとともに、手話言語や、ろう者の文化、役割に応じたオペレーションに関する研修を行ってまいります。
○伊藤委員 様々な方がボランティアとして活躍をし、一人一人が互いに支え合う社会づくりを体現するとともに、今後のよりよい社会につながる大会としていただきたい。そのためにも、着実に取組を進めていただきたいというふうに思います。
私は、本日の局の中にいらっしゃる部長さんも共に、二〇一二年のロンドン・パラリンピックに参加をさせていただきました。
そのときに、世界大会で活躍するボランティアの姿を初めて私は見ました。驚きました。私も英語はしゃべれませんので、聞きたいことがあっても聞けないわけですけれども、ちゃんと察して、しかも、その方は、普通のロンドンに住んでいる、多分、主婦の方なんだろうと思います。普通の方がボランティアをされていて、例えばトイレがどこだとか、どこの会場に行くのはどうすればいいんだというこの案内も、スポンジの、こんなでっかい指をつけて、こっちとか、あっちとか指さしてくれて、本当に求めていることにしっかり応えてくださるボランティアの姿を初めて目にいたしました。
また、このロンドン・オリンピック・パラリンピックの最大の成功の立て役者は誰か。それはボランティアだったというふうに論じている方もたくさんいらっしゃいます。
私はそのとおりだと思うし、東京は二〇二〇大会を経験しましたけれども、残念ながら、コロナ禍において制約されたボランティア活動だったかもしれませんけれども、やっぱり東京においても、このボランティアは東京の宝だというふうに思いますので、今回の世界大会を機に、さらにボランティアの文化を根づかせていただきたい、このように思います。
続いて、子供の観戦招待について伺いたいと思います。
昨年の第四回定例会における我が会派の代表質問において、都は、世界陸上では、子供たちが保護者と一緒に観戦、デフリンピックでは、教育関係者と連携し、観戦する競技や移動の方法などを調整するという答弁をいただきました。
そこでまず、世界陸上における子供の観戦について伺いたいと思います。
世界陸上では、保護者と一緒に観戦するということでありますけれども、家庭の事情等によっては、親の引率が難しい場合も想定されます。こうした場合も観戦できるように、柔軟に対応すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○三浦事業調整担当部長 観戦招待に当たりましては、地域のスポーツチームの指導者など、大人が一緒であれば観戦できるようにいたします。
また、日中のセッションでは、中学生以上であれば、大人が同伴していなくても観戦できるよう検討しております。
○伊藤委員 世界陸上を子供たちが観戦できるようにするために、観戦方法について工夫をしているということでございました。子供たちにとって貴重な機会となるよう、引き続き着実に準備を進めていただきたいと思います。
次に、デフリンピックにおける子供の観戦について伺いたいと思います。
デフリンピックにおいては、学校単位で子供の観戦を実施するということであります。
学校によっては特定の競技を観戦したいなど、それぞれの希望があるというふうに思います。また、一度に多くの子供たちが移動することから、安全な移動方法を確保することも重要なことでございます。
そこで、デフリンピックでの子供の観戦について、学校の意向も踏まえて、これもやはり柔軟に観戦事業を実施していくべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○清水事業調整担当部長 現在、学校から観戦を希望する競技や移動手段などを聞き取っており、その意向も踏まえ、実施方法について検討しているところでございます。
特に移動手段につきましては、バスを希望する声も多くいただいていることから、子供たちが安全かつスムーズに観戦できるよう、バスでの移動も含め、準備を進めてまいります。
○伊藤委員 先ほどもありましたけれども、世界陸上は、東京開催が、一九九一年以来、三十四年ぶり、デフリンピックは日本初開催でありまして、子供にスポーツのすばらしさ等を知ってもらう、またとない絶好の機会であります。子供たちにとって一生の思い出に残るすばらしい経験となるよう取り組んでいただきたいというふうに思います。
世界陸上、デフリンピックにおける子供たちの観戦事業に続きまして、都議会公明党が重ねて都に求めてまいりました、被災地の子供たちと都内の子供たちのスポーツを通じた交流事業について伺いたいと思います。
昨年、能登半島は、地震と豪雨という度重なる被害に見舞われました。震災後、グラウンドには仮設住宅が建つなど、当たり前にできていたスポーツの活動がままならず、子供たちは、メンバー不足や練習場所の確保に苦労をしております。
我が会派としては、子供たちにスポーツの機会を与えるよう都に求めてまいりましたけれども、これを受けて、都が被災県をはじめとした関係者と連携し、能登地方の子供たちを都内に招いてスポーツ交流を行ったことは大いに評価できます。こうした交流は、能登地方の子供たちの成長の一助となることと思います。
そこで、改めて、今年度はどのような内容で実施をしたのか、また、来年度は機会を増やして取り組むべきと考えますけれども、併せて見解を伺いたいと思います。
○齊藤スポーツ担当部長 都は、昨年夏、軟式野球の試合やプロ野球観戦、地域の人たちを交えた交歓プログラムなど様々な交流を実施し、子供たちからは、いい友達がたくさんできてうれしかったなどの声がありました。
来年度は、震災などからの復興の状況を見定めつつ、被災自治体などとも連携し、実施する競技や招待するチームを増やすなど、交流機会の拡充に取り組んでまいります。
○伊藤委員 今年度より、また来年度はさらに拡充をしていただけるということでございました。引き続き、現地の実情を踏まえて、運動機会の提供など、能登地方の復興に向けた支援に取り組んでいただくよう求めておきたいと思います。
今年の夏は、今申し上げた被災地の子供と都内の子供たちとのスポーツを通じた交流もあり、九月には世界陸上があり、十一月にはデフリンピックがあります。いわばスポーツイヤーであります。
各イベントが大成功となるよう、そして、子供たちを含めて世界中が笑顔で元気になるよう、局長を先頭に局一丸となって取り組んでいただくことを期待いたしまして、質問を終わります。
○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
資料のご提出をありがとうございます。
私からは、子供・若者計画(第三期)について質問をさせていただきます。
今回の計画では、施策推進の視点として、新たに、子供、若者を権利の主体として認識という点と、当事者である子供、若者の意見を聞くということが掲げられたことは、本当に重要なことだというふうに思います。
今回の計画の策定に当たっても、青少年問題協議会に若者部会を設置して議論されたことや、若者の意識調査が行われたということは、大事なことだったというふうに思います。
今後の子供、若者の施策の策定や計画の実行に当たって、子供や若者の声や要望を聞き、施策に反映させていくということが重要だというふうに思います。
施策推進の視点2には、子供、若者の目線に立って意見を聞き、対話をしながら支援に反映するとありますけれども、具体的にどのように意見を聞いていくのか、伺います。
○村上若年支援担当部長 子供・若者支援協議会等で意見を聞くこととしてございます。
○斉藤委員 計画の進捗を確認していく子供・若者支援協議会で意見を聞いていくということですけれども、今後も、施策の決定や計画の策定に当たっても、やっぱり若者の意見が反映できるようにしていくべきだと思います。
そういう点では、青少年問題協議会の若者部会も常設とするべきですけれども、いかがでしょうか。
○村上若年支援担当部長 子供・若者支援協議会に設置する若者部会におきまして、継続して意見を聴取することとしてございます。
○斉藤委員 先ほどもご答弁がありましたけれども、子供・若者支援協議会に若者部会を設置するということ、これ自体は大事なことだというふうに思います。
青少年に関する施策を検討する青少年問題協議会も大事な役割を担っているというふうに思います。こちらにも、ぜひ若者部会を常設していただきたいというふうに思います。
私の地元の足立区では、今年度からアダチ若者会議を設置して、高校生を対象に、公募型と、それから、都立高校に行政が出向いて会議を行うアウトリーチ型で高校生の声を聞き、施策に反映していくための取組を始めています。
参加者からは、同年代で集まれる場所が欲しい、ゆっくりできる場所、勉強できる場所が欲しい、また、私立の学費が高いから給付をしてほしい、意見をいうことができてよかったなど様々な声が寄せられています。
都としても、積極的に子供や高校生、若者の声を聞く仕組みをつくっていただきたいというふうに思います。
痴漢対策について伺います。
我が党は、若い皆さんと共に、痴漢対策の充実をと求めてきました。我が党が行った痴漢の被害の実態調査でも、また、その後に行われた国の調査でも、初めて痴漢に遭った年齢は、小学生を含めた学齢期が多いということが分かっています。
学齢期の若い子供たちにとって身近な犯罪である痴漢についてどのように認識しているか、伺います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 痴漢は、被害者に身体的、精神的な苦痛を与える卑劣で許し難い犯罪であり、都では、関係機関等と連携し、被害防止に向けた様々な取組を進めております。
○斉藤委員 ご答弁のとおりですけれども、痴漢は、被害者にとって身体的、精神的な苦痛を長期にわたって強いるものです。
我が党が行ったアンケート調査には、痴漢に遭って電車が怖くなり、途中下車してしまうため不登校になった、何とか入学した大学も、朝の電車に乗れず、結局は中退してしまった、こういう声や、中学三年生の通学のときに電車で被害に遭い、遅刻して泣きながら登校したという声や、八年ほど鬱の症状で苦しんでいた、ひきこもりになってしまった、こういう声が、若い被害者の方々の苦しむ声がたくさん寄せられています。
特に小中学生では、被害に遭ってもそれが認識できなかったり、助けを求めるということもできずに、ずっと一人で苦しみ続けるということもあります。
子供、若者に対して相談できる場を増やし、周知していくこと、また、社会全体で痴漢を許さない、子供たちを痴漢被害から守るというメッセージを発信し続けるということが求められているというふうに思います。
そのためにも、計画における基本方針Ⅱの部分ですけれども、子供、若者の福祉を害する犯罪対策等、ここに痴漢対策を位置づけるべきだというふうに思いますが、見解を伺います。
○村上若年支援担当部長 本計画では、犯罪被害の防止のための子供、若者に対する普及啓発等として、基本方針Ⅰの子供、若者一人一人の健やかな成長と社会的自立を支援に掲載してございます。
○斉藤委員 子供、若者一人一人の健やかな成長と社会的自立を支援というところに書いてあるということで、計画の四七ページになるんですけれども、しかし、痴漢という言葉は記載はされているんですけれども、これは本当に中身が不十分だというふうに思います。
まず、被害に遭わないように注意というような書き方だけになっているんですけれども、そもそも加害をしてはいけないという加害側への警告や、痴漢という行為が人権に関わる問題なんだということ、こういうことも明記するということが必要だというふうに思います。
先ほどのご答弁、認識を示していただきましたけれども、卑劣で許し難い犯罪であるという認識を持っているということであれば、ちょっとこの記述だけでは不十分だと思うんですが、見解を伺います。
○村上若年支援担当部長 都としては、痴漢は、被害者に身体的、精神的な苦痛を与える卑劣で許し難い犯罪であり、都では、関係機関と連携し、様々な取組を進めておりまして、こうしたことから、都は、犯罪被害を防止するための子供、若者に対する普及啓発として、本計画の子供、若者一人一人の健やかな成長と社会的自立を支援する項目に記載しているところでございます。
○斉藤委員 そういう認識を示していながら、やはり表示は、ここに掲載されていることは本当に、見ていただければ分かると思うんですけれども、不十分な内容なんですね。もうちょっと、子供たち、若者に身近な犯罪であるこの痴漢対策、痴漢の問題というものをしっかりと位置づけていただきたいというふうに思います。
この別のところ、子供、若者の福祉を害する犯罪対策等というところには児童ポルノのことが書いてあるんですけれども、もちろん児童ポルノに対する対策というものも重要なんですけれども、やっぱり子供たちにとって身近な犯罪である痴漢についても、ここに位置づけて、対策全般について記載をしていただくということを改めて求めます。
次に、青少年の活動支援や居場所について伺います。
こども基本法に示されているように、全ての子供が生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することを保障すること、そのために、都が役割を果たしていくことが求められているというふうに思います。
こども基本法の中で、年齢及び発達の程度に応じた意思表明機会や社会的活動に参加する機会を確保することが位置づけられていますけれども、都として、青少年が主体的に活動できる機会や居場所の確保についてどのように取り組んでいるのか、伺います。
○村上若年支援担当部長 都では、区市町村が行う青少年健全育成活動の推進や、来年度から補助を拡充することとしている若者の居場所等の設置に対し、支援をしております。
○斉藤委員 区市町村が行う青少年の活動を推進する、その支援を、来年度からも補助を拡充するというご答弁ですけれども、ぜひこれは対象も含めて広げてやっていただきたいというふうに思います。
足立区では、区民のやりたいことがかなうまち、やってみたいでつながる、やってみたいを後押しするというコンセプトで、これは、全世代を対象にして区民がつながる拠点づくりを行っています。
これまでに二百五十四件の区民のやってみたいことという相談があり、そのうち百六件が実践されています。子供や若者の取組も含まれています。
小学生が学校帰りに勉強するスペース、居場所のような活用をしていたり、あるいは、タイでバックパッカーの経験をしてきた方を中心に、タイ料理のキッチンカーでの販売の取組があったり、様々な活動が行われています。
こうした取組にも柔軟に支援ができるように、対象の拡大もぜひ進めていただきたいというふうに思います。
若者の居場所、そして主体的に活動することを支える取組について、私と、とや理事は、昨年、ソウル市に自費で行きまして現地視察を行ってきました。
この中で、ソウル市教育委員会の方からもお話を伺ってきました。少しご紹介したいというふうに思います。
ソウル市では、不登校や貧困など様々な困難に、若者を取り巻く社会環境を背景に、若者が主体的に活動する場や社会参加ができる場所として、ハジャセンターというセンターを設置して取組を行っています。
ハジャセンターは、青少年が望む未来を自ら創造し実行する進路空間であるというビジョンを掲げて、一九九九年に延世大学がソウル市から委託を受け設立したソウル市立の青少年のための施設です。
施設の中は、ゆったりできるカフェや、料理教室もできるキッチンがあったり、本格的な美術室、木工室、3Dプリンター室、そして音楽作成ができる音楽機器を備えた防音施設だったり、ミラーボールがあるホールだったり、自転車等を創作するスペース、工具置場などもありました。そして、動画を撮影して発信できるスタジオみたいなものもありました。若者がやってみたいということを応援する環境が、とても整備されているという状況でありました。
利用者は年平均で十五万人、三十六のプログラムがあり、主要事業は、短期一回から四回の未来進路ワークショップというものから、長期一年の未来進路学校や、分野別、専門別の技術習得を目的とした未来進路作業場、そして、十九歳から二十四歳向けの企業に出向くインターンシップがありました。
ここを利用して卒業した若者の中には、有名なドラマの脚本家やエッセイの著者、ドキュメンタリー映画監督、またKポップアイドルなど、多彩な分野で活躍をしているということでした。
若者のやってみたいという思いを力にして自分の生きる道につなげていく、その取組は、本当に多くの学ぶべき点があったと感じています。
若者たちが直面する経済社会や競争社会、自殺者が増えているということなど、深刻さを増す韓国の状況は、日本にも通じているというふうに思います。ここに通う生徒たちの生き生きとした姿がとても印象的でした。
東京都としても、国内外のこうした先進例に学びながら、若者の主体的な取組を後押しできる環境整備を進めていただきたいというふうに思います。
質問の最後のテーマですが、きみまもについて伺います。
歌舞伎町で運営している相談施設、きみまもについて、来年度は予算を増額するということになっています。
先ほどの質問もありましたけれども、改めて、新年度予算額の内訳とその考え方について伺います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 令和七年度のきみまも@歌舞伎町の運営等に係る予算額は五億三千万円であり、令和六年度に対し、約二億四千万円の増となっております。
増額の内訳は、相談員の増員など運営に係る経費が約一億七千万円、フロア移転に係る経費が約七千万円の増でございます。
○斉藤委員 きみまもは、都の健康プラザハイジアの中に設置されていますけれども、この中で別のフロアに移転するということです。
フロア移転の理由とその目的について伺います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 今年度は、想定以上の利用があり、利用制限を行うこともございました。
このため、令和七年度は、より多くの青少年や若者を受け入れられるよう移転いたします。
○斉藤委員 想定以上の利用があったということで、より多くの青少年や若者を受け入れられるように移転するということです。
また、先ほどのご答弁で、相談員増員などで約一億七千万円の増額ということですが、警備員も増やすということを伺っています。
十一月の質疑で、とや理事が明らかにしていますけれども、警察OBも警備に当たっているということです。
きみまもでは、昨年七月に二件の性被害が起きて以来、警察OBを配置して対応しているということですけれども、そもそも男女一緒に受け入れているということに問題があるということを我が党は指摘してきました。
移転したフロアでは、男女やその他の性自認によって使用するスペースを分けるのか、伺います。
○勝見治安対策担当部長事業推進担当部長兼務 移転したフロアでは、個別相談スペース、フリースペース等を設けることとしております。
なお、警察OBの業務内容でございますが、相談窓口の安全確保、相談窓口の運営委託先との連携、運営補助などでございます。
○斉藤委員 いずれにしても、警備員が必要だということですね。
ご答弁がありませんでしたけれども、個別相談スペースとフリースペースをつくるということだけで、男女を分けるのかということにはご答弁がありませんでした。つまり、男女は分けないということなんですね。
警備員も増やして対応するということですが、そういうやり方をしているから、こうした増員も必要になるということではないかと思います。
利用者が増えているというふうにいいますけれども、どういう利用者が増えているのかという分析も必要だというふうに思います。
資料要求で、きみまも@歌舞伎町の月別来所者数を出していただきました。十番目の資料です。
それを見ると、女性で一番利用が多いのは、十八歳未満の若年層。まさにトー横などで性被害に遭いやすい年齢の子供たちです。女性に関していえば、十八歳未満が約半数、十八歳、十九歳も入れると、七割が十代という状況です。
一方で、男性で最も利用が多いのは、二十歳から二十九歳の大人の年齢です。
この二十代以上の若者にも、もちろん、困難や悩みを解決するための相談体制は必要だというふうに思います。
しかし、とりわけ歌舞伎町やトー横で問題になっているのは、居場所のない若年女性が悪意のある大人から性被害などの搾取に遭うということが多いということ。これは、青少年問題協議会での、この議論の出発点でもありました。被害者になりやすい若年女性、少女たちと大人の年齢の男性を同じ施設で受け入れるというのは、この地域の特性を見ても適切ではないというのは明らかではないでしょうか。
困難を抱える若年女性への支援というのは、今、具体的には福祉局での事業になっていますけれども、居場所をなくした若年女性が多く集まるトー横や歌舞伎町に一番近いアクセスを持っているのが、このきみまもの事業です。
当初の目的に立ち返って、相談体制、居場所の確保は男女別に、また、年齢も、未成年やその他の若者で、その年代に合った居場所や相談を行えるように改善することを強く求めて、質問を終わります。
最後に、意見を一つ述べさせていただきます。
武蔵野の森総合スポーツプラザにおける外部資金の導入について意見を述べさせていただきます。
ネーミングライツを活用した外部資金導入の報告についてですけれども、相手方は京王電鉄株式会社で、武蔵野の森総合スポーツプラザの通称を京王アリーナTOKYOとすることで、施設への収入は年間八千万円だということです。
私たちは、この間、この外部資金の導入が、本当に都民へのサービス向上につながるのかどうかという視点で意見を申し上げてきました。
例えば東京スタジアムでは、ネーミングライツパートナーである味の素株式会社が、一年当たり十日間、全施設を無償で使用できる権利が付与されました。
今、この武蔵野の森もそうですけれども、都が進める新規恒久施設の六施設へのネーミングライツの導入でも、年間の上限日数を定めた上で、優先的に無償または有償で使用できる権利を企業側が得るということも、以前にご答弁がありました。
ネーミングライツパートナーにとっては魅力的なことだというふうに思いますが、その一方で、都民や一般スポーツ団体の利用枠は、その分、少なくなってしまいます。最も大事な都民の施設利用権が削られていくということにつながります。
都民の利益を最大限にするということならば、スポーツの振興のため、あるいは環境整備のための予算をしっかり確保するということが本来ではないかというふうに思います。安易な導入については、見直しをする必要があるというふうに思います。
今、オリンピック憲章や、FIFAなど世界大会で、商業目的の施設の通称を規制する流れがあります。市民にとって公平、公正なスポーツ大会、スポーツ事業の運営が求められています。
また、企業名の通称では、都民誰もが使うことができる都立のスポーツ施設だということが分かりにくくなります。名は体を表すともいいますけれども、名前でどんな施設かがすぐ分かることも重要だというふうに思います。
今、都に求められているのは、スポーツビジネスを優先させることではなく、都民のスポーツ施設利用を保障する運営に力を注ぐことだというふうに思います。
都民のスポーツ振興、スポーツする機会を保障するための環境整備の予算を増額させることを求めて、意見とします。
以上です。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時十分散会
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