委員長 | 小山くにひこ君 |
副委員長 | かつまたさとし君 |
副委員長 | 星 大輔君 |
理事 | 米川大二郎君 |
理事 | 風間ゆたか君 |
理事 | とや英津子君 |
磯山 亮君 | |
龍円あいり君 | |
斉藤まりこ君 | |
大松あきら君 | |
伊藤こういち君 | |
白戸 太朗君 | |
松田 康将君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化スポーツ局 | 局長 | 古屋 留美君 |
次長理事兼務 | 渡邉 知秀君 | |
次長 | 久故 雅幸君 | |
総務部長 | 奈良部瑞枝君 | |
都民生活部長 | 柏原 弘幸君 | |
スポーツ施設部長 | 澤崎 道男君 | |
企画担当部長 | 杉山 浩二君 | |
調整担当部長 | 石岡 由江君 | |
経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 | 高島 慶太君 | |
教育庁 | 教育長 | 坂本 雅彦君 |
次長 | 猪口 太一君 | |
教育監 | 瀧沢 佳宏君 | |
総務部長 | 岩野 恵子君 | |
都立学校教育部長 | 村西 紀章君 | |
地域教育支援部長 | 山本 謙治君 | |
指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 | 山田 道人君 | |
グローバル人材育成部長 | 信岡 新吾君 | |
人事部長 | 吉村美貴子君 | |
福利厚生部長 | 吉村 幸子君 | |
教育政策担当部長 | 秋田 一樹君 | |
デジタル推進担当部長DX推進担当部長兼務 | 落合 真人君 | |
特別支援教育推進担当部長 | 中西 正樹君 | |
指導推進担当部長 | 市川 茂君 | |
人事企画担当部長 | 矢野 克典君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
生活文化スポーツ局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百七十二号議案 旅券法関係手数料条例の一部を改正する条例
・第二百九十四号議案 東京辰巳アイスアリーナの指定管理者の指定について
教育庁関係
契約議案の調査
・第二百八十一号議案 都立清瀬特別支援学校(六)改築及び改修工事その二請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百七十三号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第二百七十四号議案 都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・「東京都特別支援教育推進計画(第二期)第三次実施計画(素案)」について
○小山委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○小山委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和六年十二月十一日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
文教委員長 小山くにひこ殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第二百八十一号議案 都立清瀬特別支援学校(六)改築及び改修工事その二請負契約
2 提出期限 令和六年十二月十三日(金)
○小山委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の契約議案の調査、生活文化スポーツ局及び教育庁関係の付託議案の審査並びに教育庁関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、局長から幹部職員の紹介があります。
○古屋生活文化スポーツ局長 先般の人事異動によります当局幹部職員をご紹介させていただきます。
調整担当部長の石岡由江でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○小山委員長 紹介は終わりました。
○小山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第二百七十二号議案及び第二百九十四号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○白戸委員 よろしくお願いします。
今年十月に、江東区にlivedoor URBAN SPORTS PARKが全面開業しました。これで、東京二〇二〇大会を契機とした都立スポーツ施設の整備も、残すところ辰巳アイスアリーナだけということになりました。この辰巳アイスアリーナは、来年の九月の開業に向けて現在工事中ということであります。
都内の氷上スポーツの競技人口は、実は北海道よりも少し多いというぐらいなのに、実は施設の数、北海道が三十四、ちなみに東京は、まだ今、現状四つということですから、ほぼ九分の一しかないというのは、令和四年の十一月の文教委員会でも私が指摘させていただいたところなんですけれども、関係者が待ちに待ったアイスアリーナが、いよいよ都内に誕生するということになります。
今回、その指定管理を任せる候補者として、セントラルスポーツ株式会社が決定されました。事業者選定に当たっては、公平性はもちろんなんですが、その提案が実現性を伴っているかどうか審査することが、今後の辰巳アイスアリーナを運営していく上で大切なことだと考えます。
まず、この選定方法及び評価した点について伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 公募に当たりましては、都民が利用しやすい効率的な施設運営など、都の運営方針を周知するとともに、具体的な業務内容を明示しまして、事業者のノウハウを生かした実現性のある提案を引き出せるようにしております。
選定委員は、五名中四名を専門的知見を有する外部委員としまして、書類審査とプレゼンテーションの二回にわたって審査を行いました。
審査におきましては、アイスリンク施設をはじめ、多様なスポーツ施設の運営実績によるノウハウがあること、その運営実績に基づく利用者目線に立った具体的な提案内容となっていること、大会の観戦招待や競技の体験プログラムなど氷上スポーツの振興に貢献する取組が盛り込まれていることなどを総合的に評価しました。
○白戸委員 今回の候補者は、辰巳水泳場時代も、実はこの指定管理者の一員として運営に参加されていたということなので、本施設の管理運営の安定感という意味ではあるかと思いますが、水と氷、扱いも異なりますので、安心・安全の確保とともに、大事なことは、やはりお子様から年配の方まで多くの方が訪れて、氷上スポーツの振興につながる施設運営をお願いしたいというふうに思っております。
先ほども申し上げましたけれども、辰巳アイスアリーナは、この氷上スポーツの関係者にとっては待ちに待った、悲願の本格的なアイスリンクです。そうなりますと、必然的に、練習利用などで、もうたくさんの予約が埋まり、一般の方が滑りたくても滑れないというような状況が起きてくる可能性もあります。
今まで複数の関係者で少ないリンクを分け合っており、既に競技団体の方からも、辰巳が開業したらたくさん使いたいんだというような声も届いております。
そうした声は、ある意味、非常にうれしい反面、逆にいうと、ふらっと来て滑りたいというような一般の人がなかなか滑れないというようなことにもなりかねません。
このように非常にニーズの高い施設では、できるだけ多くの人に利用していただくことが重要だと考えますけれども、候補者は、運営上どのような工夫をしていくのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 都では、公募時におきまして、都民が気軽に利用できる施設として、氷上スポーツの裾野を広げることを求めております。
候補者の提案は、その方針を受け、日中の利用しやすい時間帯は、基本的には一般利用として運用し、夜間から早朝の時間帯は、練習の場として予約を受け付けるなど、二十四時間利用可能なリンクとしまして、様々な需要に柔軟に対応する内容となっております。
また、類似施設の運営ノウハウに基づきまして、日中の練習需要にも備え、フィギュアスケートのジャンプやスピンが可能な練習エリアと一般滑走エリアを効果的に区分するなど、利用者の技術に応じた使用場所の設定を行うことで、効率的なリンク運営を実現するとしております。
○白戸委員 これ、都立の施設で二十四時間というのはなかなか画期的なことだと思いますけれども、いずれにしても、一般の方が気軽に滑れる環境を提供するということがスポーツ実施率の向上や競技の振興にもつながりますので、ぜひ柔軟な運営をお願いしたいと思います。
また、これまで、練習する場所を求めて都外のリンクに通うという競技者が多いと聞いておりますけれども、二十四時間利用できるということが、都内にそういう施設が誕生するということで、移動の負担がかなり軽くなるということも見込まれます。そうなりますと、その分、練習する時間が当然増えるわけですから、東京からウインタースポーツのトップアスリートが生まれることにもつながります。辰巳から将来のオリンピアン、パラリンピアンが生まれることを期待しております。
過去の冬季オリンピック・パラリンピックでは、フィギュア、そしてアイスホッケー、ショートトラック、カーリングなど、連日テレビ中継がありまして、トップアスリートのひたむきな姿に感動を覚えたものです。
辰巳アイスアリーナは、国際規格のメインリンクを持っていますので、トップレベルの競技大会の開催に加え、アイスショーなど、見るスポーツとしての会場として使用することも多くなると思います。
都民にトップレベルの競技を見ていただくことは、氷上スポーツの振興につながる大切な取組ですけれども、するスポーツの視点も忘れてはなりません。都内で希少なアイスリンクは、個人利用にも十分活用しなければなりませんが、この立派なリンクができたのであれば、トップレベルの大会から初心者の個人滑走まで、あらゆるレベルで氷上スポーツを楽しむことができる場とすることが重要です。
見るスポーツとするスポーツの両立が辰巳アイスアリーナの施設運営の鍵になってくると思いますが、それをどのように実現していくのか、候補者の取組を伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 候補者の提案では、見るスポーツとして、年間二十大会、五興行の誘致目標を掲げておりまして、競技団体などと連携し、大会などを積極的に誘致することで、都民に魅力的な観戦機会を提供していくこととしております。
これ以外の日は一般の利用に供するとともに、メインリンクで大会などが開催される日につきましても、主催者と調整し、可能な限りサブリンクを一般利用として開放することで、するスポーツの機会を確保していく提案内容となっております。
加えて、リンクの空き状況に応じて、初心者、親子連れ、障害のある人、高齢者など、誰もが参加できる教室や体験会などを行うことで、氷上スポーツの裾野拡大を図っていくこととしております。
○白戸委員 見るスポーツの観客として、するスポーツのプレーヤーとして、たくさんの人に辰巳アイスアリーナに来ていただきまして、氷上スポーツの振興拠点になることを期待しております。
競技団体などの関係者は辰巳アイスアリーナの開業を心待ちにしていますが、一方、一般都民の皆様には、この開業時期はおろか、そもそも、この辰巳がアイススケート場になるということなどもまだ知らないという、情報がまだ行き届いていないんじゃないかというふうにも思います。
これは本来の目的とは若干ずれますけれども、来年の開業予定の九月はかなり暑いというのが予想されますので、涼を求める場所としても需要があるのかななんていうふうにも思います。
そこで、開業に向けて、どのようにこの施設、アイスアリーナをPRしていくのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 辰巳アイスアリーナにつきましては、水泳場の後利用の検討段階から、その内容を公表し、パブリックコメントを実施するなど、それぞれの段階で情報発信を行ってきました。
候補者の提案では、利用者の期待を高めるため、開業に向けて、複数回に分けたカウントダウン告知を行うほか、マスメディアへの積極的な働きかけ、周辺地域への折り込みチラシの配布、グループ会社の情報発信手段の活用など、広報活動を積極的に行うこととしております。
都におきましても、デジタルサイネージやSNSなど、各都立スポーツ施設が持つリソースを生かし、一体的な発信を行うなど、候補者と連携した広報活動を実施することで、多くの人に辰巳アイスアリーナの開業をPRしてまいります。
○白戸委員 この辰巳水泳場、私もよく泳がせていただきましたし、私の子供の大会や練習でもよく行った、非常に思い出深いところですね。プールがなくなることに関しては、正直寂しさもあります。しかし、今回、新しくスケートリンクとして生まれ変わり、多くの方でにぎわい、新たなドラマが生まれていくというのも、今度は楽しみではあります。
二〇二六年には、冬季のミラノ・コルティナダンペッツォの大会が控えております。辰巳アイスアリーナの開業をきっかけとして日本選手の強化が進み、氷上スポーツの人気が高まることで、この辰巳の利用者増につながる、こうした好循環をもたらす運営になることを要望し、質疑を終わります。ありがとうございました。
○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。
私からも、辰巳アイスアリーナ、この指定管理の管理者の指定について質疑をさせていただきます。
この施設は、都立のスポーツ施設として初めて氷上スポーツができるアイスリンクを備える施設であり、その設置を歓迎する声が私たちにも届いています。都民の期待に応えて、身近な場所で、低廉な料金で氷上スポーツに親しむ機会を広く都民に提供できるようにすることが重要だというふうに思います。
都立スポーツ施設は、体育、スポーツ、レクリエーションの普及と振興を図り、都民の心身の健全な発達に寄与することを目的として設置されるものです。
東京都スポーツ施設条例にあるように、スポーツやレクリエーション活動のための施設を提供するとともに、調査研究や資料収集やその提供、スポーツの指導や普及、健康や体力に関する相談なども事業として位置づけられています。
辰巳アイスアリーナも、この目的に応じた役割を果たしていくということが重要です。そうした観点から幾つか伺います。
指定管理者として応募したのは、セントラルスポーツ株式会社の一者だけだったということです。二〇二〇年に都がつくった施設運営計画では、国際、国内競技大会は年間約二十回、アイスショーは年間五興行を想定していますけれども、セントラルスポーツの事業計画書、これを拝見しましたけれども、ここでも同様に示されて計画されています。
年間の来場者は二十八万三千人を目標にしているということですけれども、利用目的別の来場者目標はどうなっているか、また、利用目的別の使用日数や回数はどのように計画されているか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 利用目的別の来場者目標や、使用日数や回数につきましては、選定委員会で説明を受けておりますが、候補者の運営ノウハウとなるため、公表はしておりません。
なお、来場者目標の合計は二十八万三千人であり、都の示した目標を達成する提案となっております。
○斉藤委員 セントラルスポーツ株式会社が提出している事業計画の三ページに、利用目的別の来場者目標の表があるんですけれども、中身は白塗りで非公開なんですね。今ご答弁があったように、利用目的別の来場者目標や使用日数、回数などについては、事業者のノウハウに関わるということで明らかにできないということです。
都の施設運営計画では、大会利用、専用利用、個人が利用する一般利用、自主事業、興行利用別に目標数の想定を出しています。これに対応した数字があるはずですけれども、それを隠されると、事業者が何に力を入れようとしているのかが都民には分かりません。運営ノウハウといって非公開にするのは、いかがなものかなというふうに思います。
ほかにも白塗り、非開示の部分が目立ちます。例えば、事業計画の一七ページ、優先受付に関して、優先受付にするものが一部白塗りで非開示になっていますけれども、ここは何を想定しているのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 氷上スポーツの裾野の拡大につながる内容の提案でございますが、候補者のノウハウに関わる内容であるため、公表はしておりません。
○斉藤委員 具体的には、ノウハウに関わるから非公表ということで、何が優先されるのかということが答えられない、開示できないということですけれども、つまり、どんな場合に施設を優先的に借りられるかということに関して非開示部分があるのは、公平性に関わりますし、極めて不透明な在り方ではないでしょうか。
都立スポーツ施設では、都民へのスポーツ振興に資するように、貸館を行うことも重要な事業であり、都が実施を求めるスポーツ振興事業などに対して優先的に貸出しの受付を行うことなどが定められています。
一般受付は優先受付の後に調整されるというふうになっておりますけれども、この事業者の計画提案、指定管理者候補者の計画提案では、優先受付後の一般受付において、さらに優先的な日程調整を行うということが示されていますが、これまでの都立スポーツ施設の利用受付や減免の基準というものが変更になるということなのでしょうか。伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 一般受付についての候補者の提案につきましては、都が公募時に公表している基準に沿ったものとなるよう、選定の過程において指摘しております。
利用受付や減免の基準を変更するものではありません。
○斉藤委員 ちょっと再確認なんですけれども、要するに、この事業計画のとおりにはそこはやらない。一般受付の中で、さらに何か優先的に利用させるということはないということでよろしいでしょうか。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 公募時に示した利用受付や減免の基準を変更するものではございません。
○斉藤委員 つまり、この点については、都が示している基準に沿うように一般受付を行うことをこの候補者に指摘をして、利用受付や減免の基準は変えるということはしないということを確認いたしました。
この事業計画には、これまでのプール事業とは大きく変わる運営についての提案があります。予約があれば二十四時間営業とすることや、アイスショーの興行を行うなど、国際水泳場時代とは異なる運営が行われることになり、近隣住民への影響も懸念されます。
近隣住民への配慮はどのようになっているのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 候補者の提案では、早朝、深夜の利用におきましては、利用者へマナーに関する周知徹底を図るなど、近隣住民に配慮して運営することとしております。
○斉藤委員 深夜、早朝の利用に対して、利用者へのマナーに関する周知徹底を行うということですけれども、開業前に、こうした運営になるということを近隣住民に丁寧なお知らせをしていくことも必要だと思います。
予約があればということですけれども、フィギュアスケートやアイスホッケーなどの選手の練習が深夜や早朝に行われることが想定されると伺っていますので、ごくまれということではなく、毎週、毎回とか、定期的な利用になるのかなというふうにも思います。
また、アイスショーなどの興行利用もこれまでにはないことですので、開業後も随時、近隣の皆さんのご意見もよく聞いて配慮していただきたいというふうに思います。
指定管理の候補者であるセントラルスポーツ株式会社が全体としてどのような運営をしていくのか、都民へのスポーツ振興や、低廉で安心して都民が広く利用できる施設の在り方をどう促進していけるかという観点で見ていく必要があると思います。
この事業計画で、二〇二五年度と二〇二六年度のスポーツ振興事業としての体験や教室、講習会などの回数と参加人数はどのようになっているのか、また、自主事業としての教室などはどうなっているか、また、その参加料はそれぞれどうなっているのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 候補者の提案では、スポーツ振興事業の令和七年度の回数は二十回、参加者数は三百六十人、令和八年度の回数は二十六回、参加人数は四百九十五人となっております。
また、自主事業の令和七年度の回数は二百二十二回、参加人数は六千九百三十人、令和八年度の回数は四百三十二回、参加人数は一万二千六百六十人となっております。
利用料金につきましては、候補者の運営ノウハウとなるため、公表はしておりません。
○斉藤委員 開業となる来年度は、都が実施を求めているスポーツ振興事業としての体験や教室、講習会はほとんどが単発で、実施回数は二十回、参加人数が三百六十人となっている一方で、自主事業としての教室は継続的なものが多く、回数は今ご答弁あったとおり二百二十二回、そして六千九百三十人の参加者を見込んでいるということで、再来年度も同様に、参加人数で比べると、スポーツ振興事業よりも、指定管理者の自主事業での参加人数の想定の方が約二十倍の規模で大きくなっているということです。
民間企業は、当然ですけれども、いかに利益を大きくできるかということが事業の原動力になります。そちらに力のかけ方が偏れば、低廉に安心して広く都民が活用できる、こういう機会が少なくなっていくということにもつながりかねないことだと思います。
料金についても確認しますが、自主事業の参加料は、条例上の利用料金は適用されないという理解で間違いないでしょうか。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 自主事業は候補者の提案で実施するものであり、その参加料は条例で決めるものではないが、参加料を設定する場合は、公の施設であることを考慮することとしております。
○斉藤委員 つまり、指定管理者が自由に決められるということだと思います。
本来、自主事業は、指定管理者が都立施設としての施設の運営を行った上で、その運営に差し支えない範囲で都立の占用利用料を払って独自に行うものです。
しかし、同時に、自主事業も、都の規則で優先的受付の対象になっているため、一般利用より優先的に施設を利用するということが可能です。
全国的にはこれまで、指定管理者が自らのもうけを優先して、自主事業の教室等をたくさん設定し、一般利用が圧迫されるという例も発生しています。教室等の内容や料金設定も、都民全体に広くあまねくというよりも、お金を払ってくれる層をターゲットとすることになるのが自主事業です。
今回の提案で、自主事業が都が求めるスポーツ振興事業の二十倍も予定されているという状況が、都立スポーツ施設にふさわしいといえるのか、事業者のもうけ優先とならないのか、疑問を呈さざるを得ません。
さらに伺いますが、今回の指定管理の候補者の事業計画では、積極的な外部資金導入を位置づけて、協賛金や物品提供、事業協力などに取り組むとしていますけれども、それらと指定管理料との関係はどのようになるのか、また、外部の助成制度の例示が白塗りになっていますけれども、何を想定しているのか、伺います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 候補者の提案は、収入確保や経費削減、事業の充実を図るため、外部資金導入に向けて検討するとしていますが、検討段階のため、現時点の収支計画に反映しておりません。
外部資金の導入は、基本的には指定管理者の収入となりますが、一定の利益が出た場合は、利益の一部を当該施設への還元などに充てることとなっております。
外部の助成制度の例示につきましては、候補者のノウハウに関わる内容であるため、公表しておりません。
○斉藤委員 外部資金は、基本的には指定管理者の収入になるということ、そして、外部の助成制度の中身については、候補者のノウハウになるため、非公表ということです。
質疑でも明らかなように、利用目的別の想定や何が優先受付に影響するのか、都民の利用に関わることが非公表とされ、また、この施設で行われる事業の参加料も、民間企業である指定管理者が決めるということになり、都立のスポーツ施設であることから見れば、非常に不透明な運営になるということが分かります。
冒頭に申し上げたとおり、私たちは、都立で初となるアイスリンクの設置に対しては反対するものではありません。これまでになかった氷上スポーツに触れられる貴重な施設になることが期待されます。
しかし、完全な民間事業者に多くの部分がお任せとなるようなこの指定管理の在り方には、大きな懸念があると思っています。指定管理制度とは、端的にいえば、公の施設の管理を民間に投げ出す制度です。
一方で、公の施設は、地方自治法に照らして、住民の福祉の増進をする目的をもって、その利用に供するための施設です。
原理原則が違う民間企業に大部分がお任せとなり、もうけのために開放する、こういうようなことになる今回の指定管理の在り方には反対を主張して、質問を終わります。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
○小山委員長 これより教育庁関係に入ります。
初めに、坂本教育長から発言の申出がありますので、これを許します。
○坂本教育長 議案の訂正につきましてご報告をいたします。
去る十一月二十九日の当委員会でご説明申し上げました資料、令和六年第四回東京都議会定例会議案(条例)におきまして、学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例に一部不備があり、議案の訂正をいたしました。
東京都人事委員会勧告等に伴い必要となる改正のうち、宿日直手当の上限額を引き上げる改正を含めていなかったため、資料第一号、訂正表のとおり訂正をしたものでございます。
訂正内容を反映した条例案は、資料第二号のとおりでございます。
このたびの訂正によりまして、小山委員長をはじめ委員の皆様方にご迷惑をおかけいたしましたことをおわび申し上げます。
以上、簡単ではございますが、議案の訂正についてのご報告とさせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○小山委員長 発言は終わりました。
○小山委員長 次に、契約議案の調査を行います。
第二百八十一号議案を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○とや委員 共産党、とや英津子です。よろしくお願いいたします。
私から、契約議案、清瀬特別支援学校の改修、改築計画について質問させていただきます。
この間、知的障害を持つ児童生徒は、特に増加の傾向にあり、都内特別支援学校は、普通教室をパーティションで仕切り、特別教室を普通教室に転用するなど、子供たちの教育の場が向上するどころか、詰め込みによって、むしろ後退している現状が続いています。
そうした中、清瀬特別支援学校は改修、改築することとなりましたが、この学校は、二〇二一年に高等部が移転したものの、今後、増加傾向にあるとのことで、大規模校になる予定であります。
障害があってもなくても、子供の持つ力を引き出し、伸び伸びと学べる環境を保障することは、都教育委員会の使命であり、教育の質の向上に責任を持っていただきたいと思います。
まず、お聞きしたいのが、この清瀬特別支援学校児童生徒数の増加についてです。
清瀬特別支援学校は、現在、小学部が百三十八人三十二学級、中学部が百二人二十三学級で、二百四十人五十五学級ですが、改修、改築によって、小学校では九十六人十学級が増える、中学校で五十一人五学級増えていきます。
その結果、小学部二百三十四人四十二学級となり、中学部では百五十三人二十八学級、合計三百八十七人七十学級となります。
結局、百四十七人増の四百人規模の学校となる予定です。この数はどのように算出したのか、児童生徒増加の推計の根拠を伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 清瀬特別支援学校の規模につきましては、清瀬特別支援学校の児童生徒数の状況と児童生徒数の将来推計を踏まえて設定してございます。
○とや委員 先ほども申し上げましたが、清瀬特別支援学校は小中高の学部を置いていましたが、過密になって、高等部が東久留米特別支援学校へ移転をしています。それでもまだ、将来的に児童生徒が増加すると。さらに、全都的に見ても、対象となる子供たちは増えていくということだと思います。
知的障害の児童生徒数は増加が顕著であることは、東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次の実施計画、今の計画ですね、ここでも示されていましたが、どこの地域でも生徒数の増加があるということ、その現状を反映しているのだと思います。
今回の清瀬特別支援学校の推計で約百五十人も増えるのであれば、二百人規模の学校を二校つくって子供たちの教育環境をよくしていく、それが本来の都教委の仕事ではないかと思います。これは指摘をしておきます。
改築前の校舎の図面もいただきましたが、校舎が分散して五棟建っていて、それを一つにまとめることで増加人数をカバーするだけの校舎が建てられるということでありましたが、中庭があるんですけれども、敷地に目いっぱい建てている印象があります。しかも、子供の人数が増えるのに、校庭の広さは今と同じということでした。
四百人規模の子供たちを擁する学校として、校庭が狭いのではないでしょうか。基準は満たしていますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 運動場の面積につきましては、国の基準を踏まえ、適切なものとしてございます。
○とや委員 国の基準ですが、小学部が二百四十人以下で二千四百平米、中学部では二百四十人以下だと三千六百平米、そして、どちらか面積の大きい方を採用するというものであります。清瀬特支の場合は、小学部、中学部とありますから、三千六百平米の方を採用するということになります。
今の学校の運動場は四千平米を超えているので、基準は超えているというわけですが、そもそも国の基準は、小学部、中学部ともに二百四十人以下の場合を想定しており、小中合わせて四百人規模の学校の場合の基準がありません。この基準自体が緩過ぎるということ、そして、基準を満たせばよいというものではありません。
しかも、国の設置基準を定めるに当たって、文科省から、二〇二一年には各都道府県の教育長などに通知が発出されています。そこには、慢性的な在籍者数の増加により、慢性的な教室不足が続いている特別支援学校の教育環境を改善する観点から、特別支援学校を設置するために必要な最低限の基準なんだということが述べられております。
清瀬特支は、トラックは一周で百メートルしかありません。直線コースは八十メートルですよ。決して広い校庭ではないわけです。そこに百五十人の生徒が増えていく。一つの学校規模の子供たちが増える推計をしているのに、校庭の面積はそのままというのは、教育環境の後退といわれても仕方ありません。生徒が思い切り運動できるのか、疑問であります。運動会の際などは、特にぎゅうぎゅう詰めになってしまうのではないでしょうか。
しかも、公立学校の統計調査で確認しましたところ、この清瀬特支の高等部の移転直前の児童生徒数が三百六十五人なんですよ。それが狭いということで高等部が移転したのに、なぜそれ以上の規模の学校をつくるのか、これも疑問です。校庭以外、近くの運動場などがあるのか。保護者や教員の声をよく聞いて、配慮していただきたいということを申し上げておきます。
一方、今回、設計図を見させていただきました。子供たちが体を動かす場所としては、体育館とプールがありますが、プールは室内につくっていただけるということです。去年も今年も、猛暑でプールの授業ができなかった学校が多くありました。猛暑の夏でも子供たちがプール指導を受けられるような環境で、本当によかったと思います。
ここは、プールは二つあって、小さい方は加温式になっているんですが、メインのプールが水であるということです。ぜひ温水にしていただいて、年間通じて利用できるようにしてください。要望しておきます。
次に、子供たちが使うトイレについてです。
教室と教室の間にトイレがあるのは何教室ありますか。教室と教室の間にあることは、どのような教育効果が見込めるのか、お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 教室の間にトイレがある教室は、六室となる予定でございます。
トイレにつきましては、児童生徒が利用しやすい位置に配置してございます。
○とや委員 児童生徒が利用しやすい位置に配置しているということですが、では、教室からトイレに直接行ける部屋は何室ありますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 教室から直接トイレに行ける教室は、七室でございます。
○とや委員 ここの学校は、直接教室からトイレに行けるお部屋が七室あるわけですね。先日伺った特別支援学校でも、教室と教室の間にトイレがありました。そこの学校でもお聞きしましたが、トイレが教室から近くて、排せつ指導をしているときに教室の子供の様子がよく分かって、先生も生徒に目が行き届く構造であると思いました。こうした配置は、ぜひほかの学校でも同様にやっていただきたいと思います。
先日、斉藤都議が質疑をしましたが、北多摩特別支援学校ではそのような構造にはなっていません。ぜひ、新設、改修、改築の際には、教室と教室の間にトイレを配置していただく、あるいは教室からトイレに直接行ける、そういった構造をつくっていただきたいと求めておきます。
職員室の配置についてもお聞きします。
改築後の図面を見ますと、職員室は一階の中心にあります。教育庁が作成している特別支援学校施設整備標準では、職員室は運動場が見える位置に配置することが望ましいとされております。
清瀬特支では、そうなっていません。なぜでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 職員室につきましては、学校の意見等を踏まえ、適切に配置する予定でございます。
○とや委員 学校の意見等を踏まえたということですが、子供たちのバスの乗降の様子が見えるように設計されたと聞きました。しかし、現在の校舎、既に解体がされていますが、校庭に面していたと聞いていました。大規模校になって、階段の近くで、教室にもすぐ駆けつけられる配置にするには、中心に職員室を設ける、この配置が合理的だということで設計されたと推測します。
教員の動線、バスの乗降の様子、校庭での様子がよく分かる配置にするには、やはり規模は大き過ぎるんですよ。大規模校の弊害の一つであるということを指摘しておきます。
特別教室についても伺います。
この図面を見ますと、音楽室は一つしかありません。いずれ四百人規模となる学校で、子供たちの教育環境あるいは授業の充実から見て、足りないのではないでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 音楽室につきましては、都の定めたルールに基づき、必要な室数を整備する予定でございます。
○とや委員 東京都が定めたルールは、確かに音楽室は一つですよ。しかし、四百人規模の子供たちがそこで学んでいくわけです。
例えば、小金井の特別支援学校では、学年を二つに分けて、音楽室を二つ使って授業をしていると聞きました。生徒の特性に合わせて授業をするとなれば、音楽室などの特別教室は二つ以上必要だと聞いています。実際に、七十学級では、二学級一緒に音楽をしたとしても、音楽は週に一回も使えません。
結局、子供の人数が多いために、十分なゆとりを持って特別教室も配置できないのではありませんか。
音楽室の準備室が視聴覚室との間にあって、どちらからも出入りが可能な図面となっています。だから、視聴覚室も音楽室として使うことができる、そのように想定して配置しているのではないかと思いました。本来ならば教室の機能に合わせて使用すべきなのに、初めから転用を可能にするというのは、子供中心といえるのか、疑問です。
バスの出入りについてもお聞きします。
改修後の施設について、通学バスの台数を伺います。また、放課後デイサービスのバスの台数。これらのバスの移動や転回はどのように行うのでしょうか。お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 今回提出いたしました資料の配置図にお示ししましたとおり、スクールバス十九台、放課後等デイサービスの車両十九台を同時に駐車が可能な施設としてございます。
バスの移動や転回が適切に行うことができるよう整備する予定でございます。
○とや委員 大型で五台、中型で八台、小型六台と、バスも、子供が増えれば台数も増えていくわけです。狭い敷地で一方通行で、バスは出入りできません。だから、転回しなきゃいけないんです。
朝送ったら、一度切り返して同じ校門から出ることになって、子供の安全上、全てのバスが入ったら、子供が降りて校舎に入ることになるわけです。そうなれば、子供はバスの中で無用に待たされることになり、大きな負担です。
そして、授業の開始時間は、おのずと遅れがちになります。その間、先生たちは必死で生徒を教室に連れていくわけで、朝、生徒をゆとりを持って出迎えるどころの話ではありません。
また、放課後デイサービスの車も、バスの車庫の左上に配置するという図面をいただきましたが、バスが全て出ないと入れませんし、このスペースだと、最初に入ってきた放課後デイの車は最後に出ることになって、子供たちも待たなければなりません。敷地に目いっぱい建てると、こういうことになってしまうんです。
総じて、土地の面積から見て、四百人規模の学校とするのは無理があるんじゃないでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 校舎の面積につきましては、国の基準を踏まえ、適切なものとしてございます。
○とや委員 今、何問か聞いていて、お分かりになったと思うんですよ。どう見ても無理があるんです。先ほども述べましたが、基準は、最低限守らなければならない、そのためにつくられているんです。狭い校庭、教室の転用も視野に入れたつくり、職員室の配置など、課題があるのではないでしょうか。北多摩特支のようなむちゃなつくりでないものの、子供のことを考えると、本当に胸が痛みます。
改築については、保護者からも声が寄せられています。
保護者からは、門の位置を敷地側に下げて――門扉を閉開する際に、自動車を止めておけるスペースが今ないんですよね。これをぜひやってほしいという声があります。
隣に小学校もあり、安全確保のため、改築と併せて対応していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 清瀬特別支援学校では、児童生徒の登下校の時間帯に正門を常時開けた状態としまして、教員等が歩行者や車の誘導を行うなど、通行の安全管理を徹底しております。
引き続き、学校運営において、歩行者等の通行の安全管理を行います。
○とや委員 この問題は、何度も保護者から要望が上がってきたはずです。子供の体調だとか、その日の状況で、時間どおりに登校できない日もあります。それは、皆さん、よく分かっているはずです。
その際、保護者は――人がいなくなりますから、登校時間帯だけだから、人がいるのは、門が開いているのは。保護者は、正門の前に、車を歩道に乗り上げて一旦止めてから、門を開けて敷地内に入って、また門を閉めて駐車をして、子供を連れて校舎に入るわけです。歩道に乗り上げざるを得ない構造のため、地域からも何とかならないかと声もあって、学校に要望していたということです。こうした声に応えるべきです。
校舎の躯体自体を変更するものではなくて、校門の位置をずらすというもので、技術的には可能なはずです。ぜひ対応してください。
また、学校に入る際、校門の門扉が重たく、開けるのに苦労しているとの声も寄せられています。改築で改善されますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 ご指摘の校門につきましては、適切に整備する予定でございます。
○とや委員 今、適切とおっしゃったのですけれども、何が適切か分からないんですよ。
今、校門で使っている材質、それから改築後の材質を教えてください。
○中西特別支援教育推進担当部長 現在の校門はスチール製でございます。改築後の校門につきましては、アルミ製を予定してございます。
○とや委員 最初からそういうふうにいってくださいよ。軽くなるということであります。よかったです。
特別支援学校は、車で子供を送るなど、通常の学校より保護者が学校に行く機会も多いです。子供も、保護者も、教員も納得のいく学校施設としていただくよう重ねて求めておきます。
次に、仮設校舎についても伺います。
清瀬特支の子供たちは、昨年九月に仮設校舎に既に移転をしています。仮設であっても、二〇二八年四月まで、あと三年以上も使用するわけですから、子供たちの教育の場は良好な環境を保障していただきたいと思います。
そこでまず、バスについて伺います。
仮設の校舎に入るバスは何台でしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 仮設校舎につきましては、敷地内にスクールバス十五台を駐車することが可能でございます。
○とや委員 ここは、都営住宅の跡地を活用して仮設を建てていると聞いています。十五台のバスが毎日出入りをして、それほどゆとりのある敷地ではない場所に建てられた学校に子供たちが通ってくるわけです。安全の確保はもちろんですが、スムーズに校舎に入り、教室へと移動できるようにすることが重要です。
十五台ものバスが敷地内に入るのは、かなり時間がかかるのではないかと思いますが、全てのバスが敷地内に入り終わるまで何分かかりますか。生徒は、バスの到着順に降りて教室に移動できていますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 スクールバスで到着した児童生徒は、担任等の付添いの下、順次、安全に教室に移動してございます。
○とや委員 今、順次とおっしゃいましたが、保護者から聞きました。仮設校舎も、敷地内にバスが入るのに時間がかかり、授業時間に間に合っていないということを聞きました。順次入れていないんですよ。待機しているんです。
確認していますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 学校の実情につきましては、学校から必要に応じて情報を入手しております。
○とや委員 もう一度、確認をしてください。今、子供は待機していますから。きちんと直近で聞いていますから、私。
子供たちは、早く家を出て学校に向かうわけです。ところが、授業に間に合わないというのは、本当にどういうことなのかと思います。
子供への負担も大きく、人を配置して安全を確保しながら順次校舎に入れるようにするなど、改善すべきではありませんか。お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 子供の安全につきましては、基本的にしっかりと守って対応してまいります。
○とや委員 ぜひ人を配置して、順次授業に間に合うように、子供の負担がないように移動できるようにしてください。
もう一つ、声が届いています。仮設校舎の学習発表会の場所が狭過ぎ、子供たちは十分に体を動かすこともできなかったと聞いています。
学校行事の場合など、子供たちや保護者の声を聞いて、別のホールなどの場所を用意すべきではありませんか。
○中西特別支援教育推進担当部長 仮設校舎の整備に当たりましては、学校の状況を踏まえ、適切に対応しております。
○とや委員 適切に対応していないから、保護者からも、子供自身からも声が上がっています。子供たちは、思うように体を動かすことができなかったと訴えているそうです。
本来、十分な広さと環境を整備して、学んできたことを保護者や先生、地域の方々に見てもらって、褒められたり、反省したりする過程で、自信もつけて成長していく、これが教育ではないでしょうか。
仮設についても、通常の学校と同等の施設として整備をしていただきたいんですよ。敷地が狭く限界があるというのであれば、どうしたら生徒が快適に過ごせるのか、伸び伸び学べるのか、考えるべきではないでしょうか。
ここの学校は、体育館がない。通常の学校にある発表する場がありません。多目的室を使っているそうです。ですから、やっぱり子供たちがきちんと間隔を取って、伸び伸びと学習発表もできるような別の場所を用意していただきたい。
その用意はありますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 仮設校舎の整備に当たりましては、学校の状況を踏まえ、適切に対応しております。
○とや委員 適切に対応していたら、こんな声、上がってきませんよ。子供からも上がっているんですよ。子供の声をちゃんと聞いてください。
そして、近くのホールを保護者の皆さんは提案しているそうですよ。ぜひ学校とも相談して、それこそ適切な対応してくださいよ。重ねて要望しておきます。
私たちは、この清瀬特支が建設される、改築されるということについては反対するものではありません。しかし、やっぱり四百人規模というのは大き過ぎるんですよ。百五十人も増えるんだったら、二百人ずつに分けて学校をつくればいいじゃないですか。
この学校は、生徒の増加に合わせて校舎を増築し、高等部を移設しても、なお増加が顕著なんです。建て替えに合わせて、教育環境の向上より、まず詰め込むということを優先するのではなく、東京都が持つ子供の権利条例に位置づけられているように、子供の発達において最善の環境を子供たちに保障することを最優先にして施設を整備してください。重ねて求めて、質問を終わります。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○小山委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第二百七十三号議案及び第二百七十四号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○小山委員長 次に、報告事項、東京都特別支援教育推進計画(第二期)第三次実施計画(素案)についてに対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○磯山委員 特別支援教育推進計画第三次実施計画(素案)では、発達障害のある子供が通常の学級で安心して過ごすよう支援を行う人材に対する補助事業について、さらに推進していくとしておりますけれども、この補助事業について、インクルーシブ教育支援員のうち、通常学級における発達障害教育等支援員の事業の説明と、これまでの配置実績について伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 通常学級に発達障害教育等支援員を配置する事業は、令和三年度から実施してございます。
小中学校の特別支援教室で指導を受けている、または退室した児童生徒が通常の学級で学ぶときや、特別支援学級の児童生徒が交流及び共同学習として通常の学級で学ぶときなど、区市町村教育委員会が支援員を配置する場合に、都教育委員会が必要な経費を補助しております。
この支援員は、令和三年度に九地区百十五校、令和四年度に二十一地区三百六十一校、令和五年度に二十八地区六百二十四校、令和六年度は十二月時点で三十七地区八百六十三校に配置されております。
今後とも、区市町村教育委員会と連携し、発達障害のある児童生徒の学びの充実に向け、支援してまいります。
○磯山委員 発達障害教育等支援員のこれまでの実績と、今後の学びの充実についてご答弁をいただきました。
特別支援教育推進計画第三次実施計画では、本補助事業の事務処理を担当する事務支援員についても補助の対象としております。
また、現在、発達障害教育等支援員の配置に係る市区町村の負担は二分の一になっているんですけれども、少ない方がより活用がしやすくなると思います。市区町村の負担軽減については、さらなる検討を進めていただきたいと思っております。
この事業については、私も一般質問等で取り上げさせていただきました、令和五年、六年と。実績の方も増えてきております。ぜひ、通常学級での発達障害のある子供への支援により、子供たちが安心して円滑に学習できるようになることで、さきの事務事業でもいいましたけれども、不登校対策にもなると考えられますので、ぜひ本事業のさらなる促進をしていただくことを望みまして、次の質問に移ります。
次に、特別支援学校の職業教育について伺います。
本年四月に、板橋区が地元の松田委員と共に、都立志村学園を視察させていただきました。軽度の知的障害をお持ちの生徒の皆さんの授業の様子を拝見し、カフェやホテルの一室を再現した部屋、清掃などの業種について学べる環境が整備されておりました。
障害者雇用率の段階的引上げがなされる中で、今後、障害者の就労につなげる取組はますます重要になると思います。
そこで、就業技術科、職能開発科における職業訓練について、知的障害の程度が軽度である高等部就業技術科や職能開発科における職業教育の取組について伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都立知的障害特別支援学校の就業技術科及び職能開発科では、生徒が適性に合った仕事に就けるよう、一年次から段階的な就業体験を実施するなど、主体的に進路を選択できる力を育んでおります。
各学校では、パソコンを使った事務処理などを学ぶとともに、カフェの営業や介護に必要なベッドメーク等について具体的な指導を受ける職業コースを設置しております。
各コースの授業では、調理師や介護福祉士等の専門性を持つ技術者から具体的な指導を受けることにより、職務を正確に遂行する能力や、状況に応じ判断する力を高めております。
その結果、毎年度、就業技術科、職能開発科合わせて九四%以上の生徒が企業就労を果たしております。
○磯山委員 九四%以上の生徒が就労を果たしているというご答弁がございました。引き続き、さらなる向上を目指していただきたいと思います。
障害者の雇用先の業種は多様化してきており、農福連携やOriHimeに代表されるロボットなどの新しい技術、また、ヘラルボニーというような、アートを切り口にすばらしい作品を世に提供するファッションブランドなど、大きく広がる可能性を感じております。
社会全体の人手不足もあります。障害者の方々の、就労し、自立した生活を送りたいという思いに応えるためにも、支援学校においても、きめ細やかな職業訓練の展開が必要です。
そこで、次に、高等部普通科における職業教育について伺います。
知的障害の程度が中重度である高等部普通科における職業教育について、現在の取組と今後の方向性について伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、知的障害特別支援学校の高等部普通科を対象に、清掃や喫茶接遇サービスに関し、各分野の専門家から助言や支援を受けながら、都独自の職業技能検定を実施しております。
各学校では、これらの検定を活用し、生徒が目標に向けて、自ら学ぼうとする意欲を養うとともに、就労や社会生活に必要な能力や態度を育て、卒業後の進路選択の可能性を広げております。
今後、他県等の取組について情報収集し、今後の技能検定について検討を行うなど、職業教育をさらに充実させてまいります。
○磯山委員 都独自の検定などに取り組んでいらっしゃるということであります。
私の地元の小平市に東京都障害者職業能力開発校がございまして、そこでは、毎年、アビリンピックが開催されています。清掃やフラワーアレンジメント、カフェの接遇やパソコンを使用したポップの作成、段ボール箱の組立てなど、そういういろいろな競技種目がございまして、そこで技能を競い合うというものです。
検定に取り組む真剣な姿勢というのは、見ている観客の胸を打つものがございます。今後も、目標に向かって学ぶことができる教育施策の充実を要望いたします。
さて、職業教育においては、ソフトの充実はもとより、ハードの充実も同時に行うことも重要だと思います。
そこで、知的障害特別支援学校の高等部普通科において職業教育を充実させるためには、改築等に合わせて施設、設備を整備することも重要と考えますが、現在の取組について伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 高等部普通科を設置する知的障害特別支援学校については、改築や大規模改修等を行う際、学校の要望等を踏まえまして、清掃や喫茶、販売、事務を行う実習室を設けるなど、職業教育の実施に当たり必要となる施設、設備の整備に取り組んでおります。
今後とも、職業教育の充実に向け、校舎の改築等の際に、必要な施設、設備を整備するなど適切に対応してまいります。
○磯山委員 支援学校卒業後のそれぞれの人生において、就労は大きな影響を与えるんだろうと思っております。そういった意味においては、教育庁だけではなく、産業労働局や福祉とも連携していくことが必要なんじゃないかなと思っております。
生徒一人一人の人生の幸せの実現に焦点を当てた教育の実践に今後も努めていただきますことをお願いして、次の質問に移りたいと思います。
次に、北多摩地区特別支援学校(仮称)について伺います。
改めて、北多摩地区特別支援学校(仮称)設置の意義を伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 知的障害教育部門として、東大和市から奥多摩町までを通学区域としている羽村特別支援学校では、在籍者数が増加しております。
そこで、羽村特別支援学校及び周辺校の教室不足に対応するため、北多摩地区特別支援学校、仮称でございますが、こちらの設置を計画いたしました。
○磯山委員 設置箇所についてなんですけれども、東大和市ということで、私の地元小平市からも近いんですね。隣なんですけれども、地元からは、新しい特別支援学校が近くにできるということで、小平市の利用者は通えるのかといったお問合せや、できたら通いたいなといったご要望も既にいただいているところでございます。周辺市の利用者にとっては、通学地域に、今、非常に関心が高まっている状況であります。
そこで、確認をさせていただきたいのですけれども、北多摩地区特別支援学校(仮称)の通学地域をどのように定めていくのかについて伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 北多摩地区特別支援学校、仮称でございますが、こちらの通学区域につきましては、羽村特別支援学校の通学区域を中心に、児童生徒の在籍状況を勘案しながら、近隣の都立特別支援学校とも調整の上、設定する予定でございます。
○磯山委員 通学区域の設定については、今後行っていくということでありますけれども、周辺市の状況や、お声をしっかり聞いていただいて、利用者の利便性の向上にもつながるものになるようにしていただけることを要望いたします。
次の最後の質問です。特別支援学校へのスクールカウンセラーの設置についてでございます。
都教育委員会は、第二次実施計画において、一部の都立特別支援学校にスクールカウンセラーを配置するモデル事業を実施してきました。
スクールカウンセラーは、学校現場における子供や保護者、教師の相談や支援を行う心理の専門家であり、障害のある子供であっても、保護者や先生には、いいにくい悩みを相談できる場があることは重要です。
そこで、二次実施計画において、モデル事業として特別支援学校へスクールカウンセラーを配置してきたと思いますけれども、その成果と今後の取組について伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、令和四年度から、知的障害特別支援学校高等部の就業技術科及び職能開発科と聴覚障害特別支援学校に、週一回、スクールカウンセラーを配置するモデル事業を実施しております。
配置を行った学校からは、カウンセラーへの相談により、生徒が心理的に落ち着く様子が見られた、家族との関係に悩む生徒の状況を把握し、関係機関につなぐことができたなどの成果が報告されております。
今年度は、就業技術科及び職能開発科十二校と視覚障害特別支援学校四校、聴覚障害特別支援学校四校の計二十校に配置しております。
今後、本モデル事業による成果検証も踏まえ、都立特別支援学校におけるスクールカウンセラーの活用について、さらに検討を進めていきます。
○磯山委員 今後は、モデル事業での成果を踏まえて、肢体不自由の子が通う学校だったり、障害が重度の子供たちへの対象拡大など、スクールカウンセラーの活用がさらに充実していくことを期待し、私の質問を終わります。
○龍円委員 よろしくお願いいたします。
これまでも都教委では、インクルーシブ教育の推進に努めてきてくださっているというふうに認識しておりますが、今年度はインクルーシブ教育支援員の創設もありまして、まさに本格的なインクルーシブ教育が、この東京都で幕開けになったのではないかなと感じておりまして、今後の動きに期待を寄せているところであります。
東京都特別支援教育推進計画(第二期)第三次実施計画では、インクルーシブな教育に関する個別事業を2部、第3章に集約しまして、新たな取組分野として、インクルーシブな教育のさらなる推進に向けた取組として設定し、関連事業を体系的に示しておられることからも、都教委の意気込みを感じているところであります。
本計画の中で、さらなるインクルーシブ教育の推進のため、どのように取り組むのか、お伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会はこれまで、特別支援教室や高校での通級による指導の充実、インクルーシブ教育支援員の配置など、障害のある児童生徒等のニーズに応じた環境で学ぶ仕組みづくりを行ってまいりました。
これまでの取組も踏まえ、障害のある子供とない子供の相互理解を深め、日常的に交流する環境の整備等に関する検討会を設置いたしまして、今年度中に方向性を示す予定でございます。
また、インクルーシブな教育をさらに推進するため、都立特別支援学校と都立高校の実情に応じて交流を進めるとともに、小中学校等における特別支援教育の充実や、教員の特別支援教育に関する専門性の向上など、様々な分野における取組を行ってまいります。
○龍円委員 都教委として、インクルーシブ教育の推進のために、体系的に様々なレイヤーで取組を進めていく方向であることが分かりました。
地域の小中学校でのインクルーシブな教育環境を整備するためのボトルネックとなっていた予算面での課題を解消するインクルーシブ教育支援員は、事務事業質疑で三十二地区、二百二十六校、三百十四人の支援員が配置されたというふうに伺いましたが、これはボトルネックを解消するだけではなくて、特別支援学校判定のお子さんであっても、希望すれば地域の学校で地域の子供たちと一緒に学び育つことができるんだという、都教委からの強いメッセージにもなっていると感じています。
インクルーシブ教育を進めるためには、このボトルネックは解消しても、さらに課題はいっぱいありまして、地域の小中学校の特別支援教育力を高めていくということが最も重要になってくると考えております。
これまでの委員会の質疑では、特に教員の方々の困り感を取り除いていく必要があるとの視点で質問させていただいてまいりました。特別支援学校と地域の学校教員が人事交流していく異校種期限付異動についてですとか、特別支援学校教諭免許の取得のための補助、それから、通常の学校の先生であったとしても、発達障害分野についてのことを学ぶことができる補助、それから、インクルーシブ教育推進のために、この異校種人事ネットワークづくりなどを進めていることについて、これまで伺ってきたところです。
そこで、今日はさらに踏み込んで、学校内のインクルーシブ教育推進にとってキーパーソンとなる管理職である校長先生や副校長先生、それから、特別支援教育を中心的に担っていく教員の育成、特別支援コーディネーター、そして、インクルーシブ教育と特別支援教育の向上についてお伺いしていきたいと思っております。
地域の学校でのインクルーシブ教育と特別支援教育の充実のためには、各学校の校長先生、副校長先生がキーパーソンであるというふうに考えているわけなんですが、今の学校の体制だと、校長先生の裁量というのがとても大きいので、校長先生の考え方によって、その学校内にいるスペシャルニーズのある児童生徒の環境というのが大きく変わってくるというふうに感じているところです。
地域の学校にお子さんを通わせている多くの保護者から、日常的にいろんなお話を伺ってまいりましたけれども、校長先生によって、あまりに学校での対応が違い過ぎるのではないかなと感じている部分があります。
校長先生がとっても頑張ってくださっていて、本当に聞いていてうれしくなる事例も、もちろんあります。
ある学校では、特別支援学校判定のお子さんが通常の学級に在籍しているんですけれども、ここの校長先生が、この子はうちの学校の生徒だ、インクルーシブな環境も、そして学びも諦めないというふうにおっしゃってくれて、合理的な配慮の提供はもちろんのこと、校長先生自らが特別支援学校と連絡を取り合いながら、精度の高い個別の指導計画を立てたり、教材についても工夫してくださっているというふうに伺っております。このお子さん、安心して学校に通っているというふうに伺っておりまして、大変うれしく感じているところであります。
一方で、特別支援教育以前に、障害者理解についても足りていないというふうにいわざるを得ない校長先生がいらっしゃることも、残念ながら、いらっしゃると伺っております。あまりにちょっとひどい内容だったりするので、この委員会で触れることは控えますけれども、子供の健全な育成というのを害したり、尊厳を傷つけている可能性もある事例も伺っているところであります。
障害者差別解消法や障害者虐待防止法といった法令について校長先生の理解が不足していることも推測されますので、さきの好事例よりは、残念ながら、こういった困った事例の方をお伺いする機会の方が多く、懸念しているところであります。
令和四年三月に文科省から発表された特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議の報告によりますと、小学校または中学校の校長自身の特別支援学級、通級による指導、特別支援学校など特別支援教育に関わる教育経験がない校長は、小学校の場合は七〇%、中学校の場合は七五%に上っているそうなんです。この報告には、多くの学校で、特別支援学級等での教職経験のない校長が特別支援教育を含めた学校運営を行っているというふうに書かれております。
保護者の皆様から聞いている話とこの数字は、ある意味、一致したようにも感じられました。このことから考えますのが、校長先生が変われば学校が変わるということであります。
都教委は、任命権者として、校長先生や副校長先生がインクルーシブ教育への理解、特別支援教育への理解、そして障害者への理解を深めていくことが重要だと考えます。
先ほどの文科省の報告には、都道府県教育委員会の任命権者は、特別支援教育に係る専門性を教員育成指標により明確に位置づける必要がある、任命権者は、当該指標を踏まえた教員研修計画に基づき、初任者研修や中堅教諭等資質向上研修等を含む研修において特別支援教育に係る内容を充実させることと書かれております。
東京都の今回の計画案の中では、事業番号85に、特別支援教育に関する指導経験を踏まえた教員の専門性向上が書かれております。
その中で、令和五年二月に改定した東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質の向上に関する指標では、新たに特別な配慮や支援を必要とする子供への対応に関して各職層に求める素養等について基準を示しましたと書かれておりますが、こちらについては具体的にどのような基準を定めたのか、お伺いいたします。
○吉村人事部長 指標では、教職に必要な素養として、特別な配慮や支援を必要とする子供への対応についての項目を新たに掲げました。
職層に応じ、例えば教諭については、特別支援教育等に関して身につけた知識に基づき、児童生徒の実態を把握するとともに、ほかの教員、保護者と連携して個別指導計画等を作成し、支援することができるとしております。
主任教諭については、多様な児童生徒のニーズに対応するために必要となる知識や方法を身につけ、学習上、生活上の配慮や支援を工夫することができるとしております。
また、校長については、特別な配慮や支援への対応について、学校全体で取り組むための組織編制を行い、組織全体で推進することができるとしております。
○龍円委員 ありがとうございます。この指標の中に、新たに特別な配慮や支援を必要とする子供への対応という項目を追加してくださり、それぞれの職層ごとに、この項目で必要な資質というのを定めたということですよね。
教諭からだんだんと階層が上がっていくごとに、だんだんとその対応力も上がっていくことになるので、学校全体の特別支援対応力も、ひいては上がっていくということを期待したいと思います。
この指標の中で、校長先生は、学校全体で取り組む組織編制をして組織全体で推進することができるとしています。ぜひこのような資質を持っている校長先生が実際に増えていただきたいと考えております。
将来的には、インクルーシブ教育推進のために、特別支援教育の経験やスキルがある、または十分な理解と思いがある教員こそが校長先生になるというのが普通になってほしいと考えます。これは、子供たちの多様性に配慮ができる校長先生が増えていけば、スペシャルニーズのある子供だけではなくて、ひいては全ての児童生徒にとっても居心地のよい学校になるのではないかと考えています。
先ほどの国の報告には、任命権者は、管理職の特別支援教育に関する知見や経験を蓄積するために、各管理職の特別支援教育に関する経験を聴取し、その後の管理職養成や研修の企画立案等に活用することとしております。
東京都においても、管理職の養成や研修において、特別支援教育や障害者理解についてどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、教員研修計画において、管理職等を育成するための具体的な取組の一つとして、特別な配慮や支援が必要な子供への対応を示しております。
この計画に基づき、教育管理職選考の合格者は、特別な配慮や支援を必要とする子供の状況をつかみ、具体的な支援の方策を提案してまいります。
また、副校長は、校内の課題を踏まえた解決方法を企画、心理の専門家など関係機関との連携等、子供を支える校内の支援体制について計画してまいります。
これらを通し、各学校では、校長が教育管理職等の育成を図っております。
○龍円委員 教員の研修計画の管理職育成においても、特別な配慮や支援が必要な子供への対応を示しているということでありました。
特別支援教育に関する経験や理解が少ない管理職の方も、先ほども触れましたけれども、まだまだいらっしゃると思いますので、改めて、今後さらに、障害者差別解消法における合理的配慮の提供がどのようなことなのか、それを提供することが学校の義務であるということをしっかりとお伝えいただきたいです。
また、この障害者差別解消の方は、まだ教員の皆様にとってもなじみがあると思うんですけれども、障害者虐待防止法というのは、学校は障害者虐待を防止する側として法律の中で挙げられているんですけれども、実際には、そのつもりはないのですけれども、この状況を見てみると障害者虐待だよねという状況が起きてしまっているケースを伺っております。
これはなぜかというと、障害者虐待というのは、一見、虐待なのか虐待じゃないのかが分かりにくいという点があるかと思います。
この法律のガイドラインを見てみましても、虐待しているという自覚は問わないということや、障害者本人が虐待を受けていると自覚しているかどうかは問わないとも書かれているんですね。それぐらい無自覚に、この障害者虐待というのは起こりやすい点があります。
そのことからも、ぜひこの研修の中で、改めてこういった法令についても知っていただく機会をつくっていただけますよう、ここで要望させていただきます。
次に、人事的な工夫によって地域の特別支援教育の充実を図っていくことができるのではないかという点で質問させていただきます。
地域の学校の中でも、特別支援教育にすごく思いを持ってくださっている教員もいらっしゃいます。その教員が中心になって、その学校の中での特別支援学級改革を進めていったりしていただきたいのですけれども、急遽、人事の都合で通常の学級の担当になったりとかすることもあるかというふうに伺っておりますが、こういった思いのある教員が腰を据えて取り組んでいくことができるようになる必要があると考えておりますので、その点から人事的な工夫をしていただきたいと思っております。
計画案の中では、教員の特別支援教育に関する経験に基づく専門性の向上に努めるとともに、各教員の経験を人事異動や校長の人事構想に反映し、より一層の人材育成を進めるための方策を検討しますと記されております。
これは非常に重要ではないかと注目しておりますが、具体的にはどのような検討をしていくのか、お伺いいたします。
○吉村人事部長 先ほどの指標を基に、校長が自己申告等の場で各教員の特別支援教育に関する経験や希望を把握しており、その情報を人材育成や配置に生かしております。
あわせまして、小中学校において、特別支援教育の専門性を高めたいと望む教員が特別支援学級での継続した経験が可能となるよう、異動の仕組みを整えております。
今後、一層、教員自身が特別支援教育に関するキャリアプランを形成していけるよう、仕組みを充実させてまいります。
○龍円委員 特別支援学級から特別支援学級へと異動することが可能になるような取組などを整備してくれているということが分かりました。
先ほどの国の報告では、原則として、全ての教師が比較的若い時期に特別支援教育を担当することが最も有効という見解を示しているんです。
この比較的若い段階で特別支援学校や教室を担当するというのはいいことなんですけれども、同じ学校の中にベテランの教員がいてくださらないと、特別支援学級や支援教室は若手職員だらけという状況になってしまって、逆に特別支援教育力がダウンしてしまうことを懸念しておりますので、こういった国の方針も踏まえて、人事的な工夫などを通じて、地域の学校でも特別支援学級の指導的な立場になるようなスペシャリスト教員が増えていくような取組を進めていただけますよう、要望させていただきます。
さて、先ほどからお伝えしているように、校長先生が変われば学校が変わります。副校長、校長は、必ず特別支援教育の知識が十分にあるということが将来的に保障されるようになってほしいと思っております。
国の報告書には、任命権者は、管理職選考に当たって、特別支援教育の経験も含めて総合的に考慮することとし、人事計画の中で適時適切に経験する機会を提供することというふうに示しております。
東京都においても、管理職の選考や人事計画において、特別支援教育の経験やスキル、そして思いも踏まえていただきたいと考えますが、都教委の取組についてお伺いいたします。
○吉村人事部長 管理職につきましても、指標の改定を踏まえまして、特別な配慮や支援を必要とする子供への対応に関する取組や経験、希望等を人材情報として把握しており、適切な配置に役立てております。
○龍円委員 管理職になる方々についても、取組や経験を把握して、現在、配置に役立てているということでありました。
現状では、過半数以上の校長先生が経験がないというわけなんですけれども、将来的には、特別支援教育の経験者や理解が深い校長先生が増えるように工夫していただけますよう、よろしくお願いします。
さて、将来的にはそうなんですけれども、今現在、小中学校で校長先生や副校長先生をされている方々に対しても、適切な支援というのが必要になってくると思っております。その上で重要になってくるのが、特別支援学校が実施しているセンター的機能だというふうに理解しております。次期計画の中でも、センター的機能の一層の活用促進をしていくことが明記されております。
センター機能をご存じない校長先生や副校長先生も、まだまだ少なくないと思います。しっかりとこの機能を知っていただくとともに、どのように活用していくことが有益なのかも理解していただく必要があると思います。
具体的に、小中学校の校長、副校長に対してセンター的機能の活用方法などを周知するための取組についてお伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、特別支援学校と地域の小中学校との日常的な学校間連携や、各地域における教育、保健、医療、福祉、労働等の各分野の連携により、地域性と専門性を兼ね備えたシステムとしてエリアネットワークの整備を図ってまいりました。
拠点校となる学校として、知的障害特別支援学校を各エリアのセンター校に指定し、地域との連携強化に取り組んでおります。
エリアネットワークの取組を周知する中で、特別支援学校が果たすセンター的機能の役割について理解を深めているところでございます。
○龍円委員 センター的機能について周知を図っているということでありました。まだ御存じのない校長先生がいらっしゃいますので、例えば、今後、教員向けのウェブサイトにそれを掲載していただくですとか、その活用方法で好事例を共有していただくなどについても検討していただけますよう、よろしくお願いいたします。
さて、センター的機能を担っている特別支援学校の役割はとても重要です。地域の学校に人事交流していた教員が、特別支援学校に戻ってきてから、このセンター的機能を担って活躍してくださっていることも伺っているところであります。しかしながら、ふだんの教育活動をしながら地域の支援もするというのは、ご負担になっているとも伺っています。
地域の小中学校における特別支援教育を推進するために、特別支援学校のセンター的機能が果たす役割は大きいですが、都教委が行っている特別支援学校への支援についてお伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校は、区市町村教育委員会や各小中学校等の要請に基づき巡回相談や研修会への講師派遣など、特別支援教育の推進、充実に向けて、センター的機能の役割を果たしております。
都教育委員会は、特別支援学校がセンター的機能を発揮するため、小中学部を有する特別支援学校のうち、十二校に教員の加配を措置するとともに、そのほかの学校に時数軽減を行うほか、特別支援学校の教員向けの研修などの支援を行っております。
○龍円委員 加配や負担軽減、そして研修を通じてセンター的機能の支援を行っているということでありますので、今後もしっかりと支援を続けていただけますようお願いします。
インクルーシブ教育推進においては、特別支援学校の児童生徒も、日常的にインクルーシブな環境で交流とか共同学習ができることも重要であります。そこで、副籍交流について質問してまいります。
二次実施計画においては、特別支援学校に在籍する小学生の五七%、そして中学生の三〇%が副籍制度による交流を行っているということでありました。これが多いのか少ないのかなんですけれども、ちょっと私としては少ないのかなと感じているところであります。
この交流率、さらに向上させていただきたいと考えますが、副籍制度を広めていくための三次実施計画での取組についてお伺いいたします。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、現在、令和五年度に改定した副籍ガイドブックに基づき、効果的な事例やアイデアをまとめた副籍交流事例集の作成を行っております。
第三次実施計画の素案においては、副籍ガイドブックや事例集の内容を各特別支援学校や区市町村教育委員会に周知し、交流開始に向けた学校間の効果的な打合せの工夫や、児童生徒が安心して交流できる活動のアイデアなどについて理解を促しております。
このような取組により、引き続き副籍交流の実施率の向上を図ってまいります。
○龍円委員 ぜひ、こういった取組を通じまして、ほとんどのお子さんが希望すれば交流、共同学習を積極的に行える環境の推進をお願いいたします。
地域の学校に話を戻しますけれども、キーパーソンは校長先生だということなんですけれども、もう一人、特別支援教育コーディネーターも活躍していただく必要があると考えております。
コーディネーターは、学校内だけではなくて、特別支援教育全体を見渡せるような知見ですとか、それから障害福祉の知見、そしてその地域ならでは障害児をめぐる現状などに関する知見も必要になってきます。また、充実した個別の指導計画を策定するスキルなども必要になりますが、これらの知見とかスキルを身につけるというのは簡単なことではないことでもあります。
また、地域の小中学校における障害のある児童、スペシャルニーズのあるお子さんの数が増えていくにつれて、業務も膨大になっているのではないかなと思っております。
そこで、特別支援教育コーディネーターのスキルアップのための研修をどのように充実してきたのか、また、次期計画の中ではどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会はこれまで、特別支援教育コーディネーターが関係機関と連携し、子供のニーズに応じた具体的な支援策を講じ、学校内の特別支援教育を推進する中心的な役割を果たせるよう、経験に応じた研修を充実させてまいりました。
具体的には、経験の浅いコーディネーターに対しては、個別の指導計画の作成など基本的なスキルを高める研修を行っており、令和六年度からはオンラインでの配信も行い、受講者の拡大を図っております。
また、経験豊富なコーディネーターに対しては、学校内における教員研修の企画立案に関する講義、演習も取り入れております。
今後、子供たちの自立に向けた指導の在り方について、受講者同士が各校での取組を共有し、意見交換する機会を拡充するなど研修を充実させ、コーディネーターの役割について理解を深めてまいります。
○龍円委員 研修などを通じてコーディネーターのレベルアップを図っているということでありました。
そして、このコーディネーターが十分に活躍できるように、都教委では支援が必要だと思うんですけれども、どのような支援を行っているのか、お伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、特別支援教育コーディネーターの事務的補助を行う支援員の配置について支援を行っております。
特別支援教育コーディネーターが活躍できる環境を整備するため、区市町村に本補助事業の活用を促しております。
○龍円委員 コーディネーターの事務補助を行う支援員を配置できる仕組みがあるということであります。
事務補助も重要なんですけれども、個別の指導計画などを作成するためにはスキルや経験も必要なことから、外部の専門人材に頼れるようにすることも考えたいところだと思っております。
都立高校では、通級制度を実施するに当たって、教員だけでは難しいことから、外部専門家とチームを組んで取り組んでいるというふうに伺っております。例えばなんですけれども、社会福祉士などといった外部専門家によるサポートをコーディネーターに対してできるようにすることで、より充実した活動、そして仕事ができるようになるのではないかなと考えておりますので、ぜひご検討いただけたら幸いでございます。
次に重要なポイントとして、個別の指導計画の策定と、それに基づいた教育ができることだと考えております。
先日の事務事業質疑では、第二次実施計画に基づき、特別支援学校において個別の指導計画の活用の改善、充実を図るための研究を実施している、研究の成果も踏まえて、小中学校に対して個別指導計画の重要性を周知し、通常の学級に在籍する特別な支援が必要な子供について作成していくよう促していくとの答弁がありました。
より充実した内容の個別の指導計画を地域の小中学校で作成し、それを確実に実施していくことができるようにするため、次期計画の中ではどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、異校種期限付異動で特別支援学校から公立小中学校に配属された教員や、その地域のセンター的機能を担う特別支援学校の教員等が相互に連携するネットワークの構築に取り組んでおり、情報交換、好事例の共有、支援力向上のための講演会等を行っております。
次期計画において、このネットワークを活用して、小中学校に対して個別指導計画の重要性についても周知し、好事例の共有を行い、区市町村の特別支援教育の推進を図ってまいります。
○龍円委員 このネットワーク、インクルーシブ教育を推進するための要となる教員の皆様になってくると思いますけれども、その中で、個別の指導計画の重要性も周知して、好事例を共有しながら充実を図っていくということでありました。これらの教員が各学校でも核となって、ほかの教員が計画を作成するための助言なんかができるようになるとありがたいと思いますので、そのような取組もぜひ後押ししていただけたらと思います。
次期計画の中でもしっかりとインクルーシブ教育を推進していただけますよう、改めて要望させていただきます。
では、次に、特別支援学校について質問させていただきます。
事務事業質疑で学校図書館について質問した際に、特別支援学校における読書活動の一層の推進を図っていくとの答弁をいただきました。
先日もお話しさせてもらいましたけれども、息子は、特別支援学校に転校してから、ぐっと本を読む量が増えてまいりました。自分のレベルに合った文章を読み書きする練習を通して、興味が爆発的に広がっているように感じます。以前は、紙があるとお絵描きしていたのですけれども、最近は、思いつくことをいろんな文章を書くようにもなってまいりました。
地域の学校だと、図書室の本というのがちょっと難し過ぎるという面があったのですけれども、特別支援学校では、自分の興味や関心に合った文章に触れられるというのが魅力だと考えております。
第三次実施計画においては、新たに言語や文化に親しむ教育の推進という項目が設けられ、特別支援学校の図書館システムに関する記載があります。
特別支援学校の学校図書館はどのように活用されていくのか。また、図書室が設計されていない特別支援学校があると伺っておりますけれども、都教委の見解についてお伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 特別支援学校における学校図書館は、児童生徒の豊かな心や想像力を育む読書活動の場であるとともに、学習への理解を深めたり、将来にわたって自ら必要な情報を収集し、活用する能力を身につけたりする場として重要でございます。
現在、都立特別支援学校は、五十校に図書室が設置されておりまして、図書室の設置がない九校においては、共用スペースに図書コーナーを設置しております。
特別支援学校を新設する際には図書室を設置していくとともに、九校については、増改築等を行う際に整備を行ってまいります。
○龍円委員 図書室の整備や、そして、スペースの配置を通じて充実を図っていくということでありました。
事務事業質疑では、都立高校に追加配置した図書館専門員が特別支援学校に出向いて図書館の充実を図っているとの答弁がありました。
第三次実施計画では、学校図書館の読書環境の充実に向けてどのような取組をするのか、お伺いします。
○中西特別支援教育推進担当部長 特別支援学校に在籍する児童生徒等の読書活動の推進を図るため、今年度からモデル事業を実施し、都立高校に追加配置した図書館専門員が、在籍校で学校司書から指導助言を受け、週二日程度、特別支援学校に出向いて学校図書館の充実を図っております。
本年度は、葛飾ろう学校、志村学園、久我山青光学園の三つの特別支援学校でモデル事業を行っておりまして、今後、検証を行った上で、効果的な特別支援学校図書館の運営体制を検討し、学校図書館の読書環境の充実に向け、支援を行ってまいります。
その他、学校の実情に応じ、学校司書の指導や相談を含む指導助言を受けた外部専門員が選書、読書環境整備等への助言等を実施し、こちらにつきましても、実態に合わせて検証を行ってまいります。
○龍円委員 今後、さらに特別支援学校における読書環境が充実されていくことが分かりました。
スペシャルニーズのある子にとって、読みたくなる、読んでいて楽しい、そして、そこから世界が広がることや、言語や表現が広がっていく本と出会っていくことはとても重要だと思いますので、引き続きの取組に期待させていただきます。
最後に、特別支援学校の教室不足解消についてお伺いいたします。
令和六年第一回定例会の文教委員会において、教室不足の解消に向けた一層の取組として、新たに特別支援学校施設整備に関する検討委員会を設置して、施設整備の在り方について検討するという答弁をいただきました。
検討委員会では、新築や増築だけではなくて、様々な手法についての議論があったというふうに伺っており、第三次実施計画案にも反映されていると考えております。
新たな考え方に基づく施設整備の検討事項の意見を計画案にどのように反映しているのか、お伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 検討委員会では、外部有識者や特別支援学校長のほか教育庁職員が、限られた土地を有効活用することで施設と教育環境の充実の両立を図る施設整備について検討しております。
限られた敷地の中で効率的に学校を設置するために、知的障害特別支援学校の高層化や普通教室面積の弾力的な取扱い、緊急、一時的な増築棟の設置などについて議論を行っております。
○龍円委員 特別支援学校の児童生徒が増え続けている中で適正な教育スペースを確保していくことは、とても重要なことだと考えます。
インクルーシブ教育を推進している私としては、限りある予算の中で、特別支援学校を新築、増改築だけをしていくのではなくて、それ以外の解決策の検討というのは大切な視点だというふうに考えております。
ただ、スペシャルニーズのある子たちにとっては、安全の確保というのがとても重要です。
そこで、子供たちの安全と学びの場の適切な確保の観点で、検討事項の内容について幾つか確認をさせていただきたいと思います。
まずは、校舎の高層化について確認させてください。
児童生徒が高層階で過ごす場合には、これまで以上に安全に配慮した対応が重要になってまいります。
児童生徒の安全を確保することについて、見解をお伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 特別支援学校につきましては、東京都建築安全条例第十二条ただし書により、教室や廊下等に排煙設備を設けるなどの一定の施設整備上の配慮により、四階以上に児童生徒の居室を設けることが可能となっております。
都教育委員会では、本条例を踏まえ、特に児童生徒数の増加が著しい知的障害特別支援学校の新築や改築等において高層化に取り組み、限られた敷地を有効活用することで、必要な居室を確保できるよう検討しております。
高層化に当たりましては、建物内の移動の安全性を十分に配慮した整備の実施や、障害の状況に応じて教室を配置するとともに、非常時には確実に避難できる対応を取るなど、安全の確保を徹底してまいります。
○龍円委員 校舎の高層化に当たっては、児童生徒の障害の状況に応じて安全に配慮した対応をするなど、運用の工夫で安全の確保を徹底していくということでありました。
特別支援学校では、頻繁に防災訓練をしているという印象を受けております。今後も、ハード面での充実と併せて、しっかりと身を守れる行動が取れるよう、防災訓練の実施なども引き続きしっかりと取り組んで、子供たちの安全確保に努めていただくようお願いいたします。
次に、普通教室の弾力的な取扱いについて議論があったとのことでありますが、そうしたことを踏まえて、具体的にどのような対応を考えているのか、お伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、特別支援学校施設整備標準により、特別支援学校の普通教室面積について、授業だけでなく、個別指導を実施するスペースを見込んだ標準を設定しております。
これを踏まえ、特に児童生徒数の増加が著しく、限られた土地を効果的に活用する必要があるエリアにおいては、知的障害特別支援学校の新設や改築に当たり、授業用のスペースと個別指導用のスペースを別途設けることを検討しております。
このことにより、施設標準の考えを維持しながら、校舎内のスペースの効率的な活用と、個に応じた効果的な指導が期待できます。
○龍円委員 おかげさまで、最近、私は、週に一、二回は特別支援学校に子供を送っていく関係で、いわゆる日常の学校内での様子を拝見することが多くなりました。特別支援学校は、地域の学校に比べますと、かなりつくりに余裕を持ってつくられているなという印象を受けております。スペースを有効活用していく観点というのは合理的だなと考えます。
最後に、緊急、一時的な増改築はどのように整備するのか、考えているのか、お伺いいたします。
○中西特別支援教育推進担当部長 児童生徒の増加傾向が継続している知的障害特別支援学校の中でも、特に在籍者数の増加が著しく、敷地内に追加で建物をつくる用地がある学校を対象に仮設校舎を設置することで、一時的に教室を確保し、教育環境を改善してまいります。
仮設校舎の設置により屋外運動場のスペースが制限される場合には、学校外の施設を活用するほか、既存の中庭やピロティー等に安全面などを重視した改修を行い、運動スペースとして活用することなどにより、十分な教育環境を確保してまいります。
○龍円委員 教室不足を解消するために、施設整備等在り方検討委員会において検討されている特別支援学校の高層化や弾力的な運用、緊急、一時的な増改築などの考え方を取り入れながら、多角的に教室不足の課題に対応していくことが分かりました。
また、今の答弁で、施設基準を守りながら限られた土地を有効活用する場合も、良好な教育環境を確保していくことが確認できました。
こうした新しい整備手法については、しっかりと学校の関係者への説明を十分に行うことに留意しながら、今後、さらに具体的な検討を委員会において進めていただけますよう、よろしくお願いします。
以上で私の質疑を終えます。ありがとうございました。
○伊藤委員 それでは、私からも報告事項の特別支援教育推進計画の第三次実施計画素案について質問してまいりたいというふうに思います。
本年の十月、都教委は、特別支援教育推進計画の第三次実施計画の素案を公表いたしました。本計画は、平成二十九年から始まる第二期特別支援教育推進計画を締めくくる最後の三年間であるというふうに位置づけられております。
新たな計画を推進していくためには、これまでの取組を振り返り、課題があればしっかりと向き合い、取り組むことが重要であるというふうに思います。
そこでまず、現在の第二次実施計画の進捗状況について伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 令和四年度から本年度までの三年間を計画期間とする第二次実施計画では、共生社会の実現に向けた全ての学びの場における特別支援教育の充実を図るため、特別支援学校につきましては、令和四年度に立川学園、令和六年度に八王子南特別支援学校を新たに開校いたしました。
また、増改修につきましては、令和六年度に、あきる野学園、練馬特別支援学校、墨田特別支援学校の供用を開始いたしました。
また、知的障害特別支援学校の三校に職業教育を主とする専門学科である職能開発科を新たに設置し、生徒の企業就労を促進してまいりました。
さらに、医療的ケア児への支援の充実を図るため、令和五年度からは、医療的ケア児が在籍または新たに入学する全特別支援学校を対象に、保護者の付添期間の短縮化に向けた事業を実施いたしました。
あわせて、小中学校においては、インクルーシブな教育のさらなる推進を図るため、交流及び共同学習の研究事業等の着実な実施に加え、新たにインクルーシブ教育支援員の配置補助事業を実施しております。
こうした取組の状況と成果を踏まえ、第三次実施計画をつくり上げてまいります。
○伊藤委員 まずは現行の第二次実施計画の進捗状況を確認させていただきました。
答弁にあったように一定の成果が認められる一方で、特別支援学校に通う児童生徒数が増加傾向にある中、第二期第二次実施計画における新たな施設整備計画について、具体的な設置場所を特定できないものもありました。
そこで、教室不足への対策について、具体的にはどのような状況になっているのか、伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 第二次実施計画におきまして、新設や増改築に係る施設整備について、新たな設置場所を決定するために用地の選定や関係自治体との調整などに時間が必要であるために、具体的な内容を公表せずに取組を進めることといたしました。
また、知的障害のある児童生徒の増加が第二次実施計画の推計を上回る状況があり、普通教室を想定より多く確保する必要が生じました。
第三次実施計画の策定に当たりましては、新設や増改築等の施設整備に向けた関係者との調整を確実に進めることを通じ、普通教室の確保により一層取り組んでまいります。
○伊藤委員 これまで必要な教室数が児童生徒数に追いついていない理由が、児童生徒数が予想を超えて増加しているということや、関係自治体の意向を十分に踏まえる必要があるということでありましたけれども、これらの事情については一定程度は理解はできるものの、一方で、誰一人取り残さない教育を実現することは教育委員会の責務であり、教育の場が十分に整えられないことで、子供たちの学びに支障があってはならないというふうに思います。
東京における土地の確保が、最近ではますます難しくなっている状況はありますけれども、新設や改築に向けた用地の確保に万全を期すとともに、あらゆる手段を講じて教室の確保を着実に進めていただきたいと強く要望したいというふうに思います。
さて、これまでの第二次実施計画では、新たな特別支援学校の開校や職能開発科の開設、医療的ケア児への支援、インクルーシブ教育支援員の配置補助事業の実施など、着実に障害のある児童生徒等の教育環境の整備、確保を進めてきたところであります。
そこで、次期計画である第三次実施計画の重要な柱となる考え方について伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 社会状況の変化に対応した施策を一層推進するため、四つの施策の方向性に基づき事業を推進してまいります。
具体的には、特別支援学校における教育の充実として、都立特別支援学校の施設整備や医療的ケア児への支援の充実に取り組んでまいります。
また、小中高等学校における特別支援教育の充実といたしまして、発達障害等のある児童生徒が在籍学級で安心して過ごせる体制を整備してまいります。
さらに、変化する社会に対応した取組として、特別支援学校と都立高校等の協働による取組を推進してまいります。
加えて、特別支援教育を推進する体制整備といたしまして、就学相談の機能を充実いたします。
以上の取組を通じまして、特別支援教育をさらに充実させてまいります。
○伊藤委員 第三次実施計画は、四つの施策の方向性を示して推進していくということでありました。障害のある児童生徒等の自立に向けて、全ての学びの場における指導と教育環境の充実を図るために、しっかりと取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
さて、四つの施策に基づく事業として都立特別支援学校の施設整備が挙げられております。これまでの第二次実施計画では調整中のままとされていた施設整備計画でありましたけれども、子供たちの学びの場の充実に向けて、教室不足を解消していくことは喫緊の課題であります。
そこで、第三次実施計画では、具体的にどのように教室不足への対応を進めていくのか、伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 令和六年度の知的障害特別支援学校における児童生徒数は、令和三年度推計を上回り、増加しております。
近年の児童生徒数の増加につきましては、過去の推計とは異なり、大きな伸びを示している状況を踏まえ、現在、最新の状況を反映した知的障害特別支援学校の在籍者に関する将来推計を行っております。
現在、必要な用地の選定や関係者との調整などを進め、新築や増改築を盛り込んだ施設計画の実現に向けて取り組んでおります。
計画の実施に当たりましては、関係自治体などと引き続き調整を進めるとともに、現在検討している新たな考え方に基づく多様な手法による施設整備も取り入れてまいります。
こうした内容を新たに策定する実施計画に位置づけ、公表し、教育環境の充実を確実に前進させてまいります。
○伊藤委員 ただいま答弁の中にもありましたけれども、特別支援学校の在籍者の将来推計、これについては速やかに行っていただきまして、それを反映した、また、それ以上を想定した整備計画として、急ぎ進めていただきたいというふうに思います。
児童生徒の増加に伴って、不足するのは教室だけではありません。例えば、給食調理室が手狭になってきており、改善を望む声が都議会公明党に寄せられました。
これを受けて、私は、同僚議員と共に、昨年、その学校を視察いたしましたけれども、確かに児童生徒数が増えています。開設当時の給食室のままでありますので、手狭さと使い勝手、これに課題があるように感じました。
教室だけでなく、こうした学校施設の改善も、様々なところに課題があると思いますので、ぜひ、この計画を進めていく中で、この改善については重要な課題でありますので、今後、計画推進する中で検討していっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
次に、第三次実施計画の素案の中にある寄宿舎について伺いたいと思います。
特別支援学校の寄宿舎は、障害があるために通学が困難という児童生徒であっても安心して就学ができるよう、学校教育法が設置を義務づけているものでありまして、重要な教育施設であります。
現在、都内の寄宿舎では、それぞれ障害の状況に合わせた運営がされておりますけれども、最近では、重度重複障害のある児童生徒が一定数おり、日常的なケアや生活指導を行っている寄宿舎指導員の負担が大きくなっているというふうに聞いております。
そこで、寄宿舎で生活する児童生徒の安全・安心を確保するために、寄宿舎指導員の負担を軽減する取組が必要だと考えますけれども、寄宿舎の現状や課題について併せて伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校寄宿舎は、通学困難な児童生徒に対して寄宿舎を提供し、就学を保障することを目的として設置しております。
寄宿舎は、都内に五舎設置されておりまして、令和六年五月一日現在で九十九人の児童生徒が入舎しております。
こうした中、複数の障害を有することなどにより個別対応が必要な児童生徒がおり、寄宿舎指導員の負担を軽減し、子供の安全・安心を確保していくことが必要となっております。
そのため、令和六年度から、希望する寄宿舎にドアの開閉センサーや人感センサー、集音マイク等を配備するとともに、舎生の見守りや食事の介助等を補助する人材派遣職員を配置しております。
これらの取組により、寄宿舎で生活する児童生徒の安全・安心をより高めてまいります。
○伊藤委員 令和六年度から新たに、センサーや、また人材の配置を行ったということでありました。いずれにしても、寄宿舎指導員の負担を軽減しながら、子供たちの安全・安心をしっかりと確保していただきたいというふうに思います。
次に、医療的ケアについて伺ってまいりたいと思います。
都議会公明党では、令和五年の第四回定例本会議代表質問において、初期食の胃瘻からの注入について、食育の観点からメニュー別の注入も検討すべきと提案をいたしまして、見解を求めました。その際、都教委からは、経口摂取の併用等について、実施に向けた検討を進めるとの答弁がありました。
さらに、令和六年第一回定例会文教委員会において、今後の具体的な取組について見解を伺いました。その際には、都教委からは、初期食の注入を安全に実施するため、都教委が作成した胃ろうからの初期食シリンジ注入に関するガイドラインについて、栄養バランスや実施時間等の留意事項を追記し、令和六年度から肢体不自由特別支援学校全校の対象者に対して本格実施するとの答弁がありました。
このたびの第三次実施計画素案の四二ページにあります事業番号27、医療的ケア児への支援の充実の中で、胃瘻からの給食の注入の項では、令和六年度からは、食育のさらなる推進の観点などから、経口摂取と胃瘻からの注入の併用、一品ずつの注入を都立肢体不自由特別支援学校で開始しましたというふうに書かれております。
都議会公明党が求めてきた医療的ケアの実施体制の整備が着実に進められているというふうに思いましたけれども、初期食の経口摂取と胃瘻からの注入の併用について、実際の実施状況について伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 特別支援学校では、給食時に経口摂取と胃瘻からの注入の併用で初期食を取る場合の対応につきまして、都教育委員会が作成したガイドラインでお示ししてございます。
ガイドラインでは、初期食を経口摂取した後、残りを胃瘻から注入することを示しております。また、食事にかける時間や量、経口摂取と胃瘻からの注入の配分等は、給食の時間及び前後の休憩時間内に注入が全て終了する範囲で主治医から指示を受けることをお示ししております。
その指示を基に、学校の指導医が保護者同席の下、時間や量、配分について適切であるか確認し、実施されるものでございます。
今年度は九校十六名が対象となっております。
○伊藤委員 都議会公明党が求めたとおり、胃瘻からの給食の注入、確実に推進されているということが確認できました。ぜひ一人でも多くの児童生徒に安全な注入ができるよう、今後も実施方法の検討を進めることを求めておきたいと思います。
もう一点、医療的ケア児への支援を充実させるため、事業番号27の医療的ケア児専用通学車両の運行など様々な事業を計画されておりますけれども、どの事業にも大きく関係するのが看護師の存在だというふうに分かります。
都議会公明党は、昨年の決算特別委員会で、非常勤看護師のニーズを踏まえた人材確保の取組について伺い、非常勤看護師の報酬単価の引上げや、新たな総合非常勤看護師の配置について確認をいたしました。
そこで、医療的ケア児の専用通学車両の運行について、乗車中の医療的ケアを行う看護師が不足する状況に対し、看護師の勤務形態を拡充していくこととしておりますけれども、これまでの成果について伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、医療的ケア児の支援に必要な看護師を確保するため、常勤の学校看護師に加え、平成十八年度から非常勤看護師の配置を始めました。
その後、勤務時間が週十九時間以内の非常勤看護師に加え、平成三十年度に週三十一時間勤務の主任非常勤看護師、また、令和四年度に週三十一時間勤務で医療的ケア児専用通学車両へ乗車する総合非常勤看護師の職を創設いたしました。
看護師の勤務形態を拡充した成果として、令和二年九月の一か月間、六二・三%だった看護師の医療的ケア児専用通学車両への乗車率が、五年後の令和六年九月の一か月間では八六・六%に向上したことが挙げられます。
○伊藤委員 具体的な取組から看護師を着実に確保する取組が成果を上げているということで確認をいたしましたけれども、看護師の乗車率、今、答弁にあったとおり八六・六%ということでございます。ですので、残りの一五%くらいのお子さんについては、親御さんが付き添ったりとか、様々なまだご苦労があるというふうに思います。どうか一〇〇%をぜひ実現していただきたいということを求めておきたいと思います。
令和三年度に医療的ケア児の支援法が施行され、医療的ケア児と家族に対する支援に関して、国と地方公共団体の責務が規定されるとともに、医療的ケア児の健やかな成長と家族の離職の防止が目的と明記をされました。
都立特別支援学校の医療的ケアについてはこれまで、都議会公明党の要望を踏まえて、人工呼吸器の管理や胃瘻からの初期食注入など、着実に取組が進められてきました。今後も医療的ケアの実施体制の整備を進め、都立特別支援学校における医療的ケア児に対する支援を充実させていくよう求めておきたいと思います。
最後に、第三次実施計画事業番号33のセンター的機能を活用した小中学校教員の専門性の向上について伺ってまいりたいと思います。
特別支援教育の進展に伴って、特別支援学級等に在籍する児童生徒は増加傾向が続いており、共生社会の実現に向け、障害のある児童生徒への理解を深めることが求められております。
都議会公明党は、どの学校、どのクラスにも発達障害などの特別支援教育が必要な児童生徒が在籍していることを踏まえて、都教委に対し、全ての学校に特別支援教室の設置を求め、都教委は、この教室の設置を進めてきたところであります。
個々の児童生徒への指導、支援や合理的配慮の適切な提供をすることについては、非常に重要なことだというふうに考えております。
区市町村の小中学校の教員、できれば、私は全ての教員が特別支援教育について理解と力量を上げていくことを願っておりますけれども、そのためには、都はどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○中西特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校は、地域の小中学校等における特別支援教育の推進、充実に向け、区市町村教育委員会や各小中学校等の要請に応じ、巡回相談や出前授業などの取組を実施しております。
また、障害のある児童生徒に対する理解を深め、特別支援教育に携わる教職員の専門的資質の向上を図ることを目的として、特別支援学校が地域の教員や地域住民等を対象とした研修を企画しております。
昨年度は、特別支援教育に関する指導法や、教材、教具や、読み書きに困難のある児童生徒への支援などのテーマで実施され、計三十二回の研修に支援を行っております。
都教育委員会は、特別支援学校のセンター的機能を活用したこれらの取組により、教員の質の向上を図っております。
○伊藤委員 教員だけでなく、地域住民等も対象にした研修を特別支援学校が企画して実施しているということでございました。こうした取組は、教員の資質の向上に資するとともに、障害のある児童生徒に対する理解が地域も含めて深まっていく、そして、共生社会の実現のために非常に重要なことだと思います。これからも特別支援学校がセンター的機能をぜひ発揮をしていっていただきたい、このように思います。
私の地元品川には品川特別支援学校があります。この学校に電車、バスで通う生徒、子供たちは、大井町という駅の商店街を通っていくわけですけれども、また、学校の帰りもそこを通っていくわけですけれども、この商店街の方々が、朝は行ってらっしゃいと手を振ってくれたり、帰りは頑張ったね、お帰りと手を振ってくれたり、地域ぐるみで特別支援学校の子供たちを見守ってくださっております。
ぜひ、今、答弁にもあった地域住民等も対象にした研修、こうした触れ合いを、どうか大事にしていただきたいというふうに思います。
ましてや、いつ首都直下地震が迫ってくるか分からない状況の中で、この特別支援学校は、ともすると福祉的避難所にも指定されているというふうに思います。地域の方が、いざとなったときに、こうした特別支援学校も頼りの一つとなれるように、ぜひその役割を果たしていっていただきたい、このように思います。
本日は、特別支援教育推進計画の第三次実施計画素案に関連して、教室不足の課題、そしてまた、寄宿舎における子供の安全・安心、医療的ケア児への支援、特別支援学校のセンター的機能の活用などを質問してまいりました。
特別支援教育を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、この計画が令和九年度の総仕上げに向けて、このたびのこの計画を着実に実行して東京の特別支援教育が一層充実されることを期待して、質問を終わります。ありがとうございました。
○小山委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時十九分休憩
午後三時三十五分開議
○小山委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○斉藤委員 私からも特別支援教育推進計画の現在の素案について質問をいたします。
私からは、この教育の実践について、この間、現場や保護者の方々から寄せられている声を基に、計画の内容に沿って伺っていきます。
まず、全体を通しての基本的なところなんですけれども、素案の一四ページに、第二次実施計画の実施状況報告は本計画公表時に記載しますと書かれています。しかし、もうパブリックコメントも締め切られている段階で、現在の第二次実施計画の実施状況が、なぜ今報告されていないのか。
本計画の発表前に報告と議論を行って、次期の計画に反映させていくというのが本来の進め方だと思いますが、見解を伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 第一次実施計画及び第二次実施計画に基づく施策の展開により、特別支援教育は着実に進展、充実している中、第三次実施計画をつくることとしております。
○斉藤委員 第一次実施計画及び第二次実施計画、今のご答弁で、特別支援教育は着実に充実していると一言で済まされているわけなんですけれども、前回の第二次実施計画の策定のときには、素案の段階で前期の第一次実施計画の実施状況についての報告がありました。
それまでの実施状況から、通常なら、よかった点や課題について都民からの声も含めて検証して次の計画に生かしていくからこそ、計画は発展していくのではないでしょうか。
前回できていたことが今回できていないというのは、なぜなのでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 第二次実施計画において、新設や増改築に係る施設整備について、新たな設置場所を決定するために、用地の選定や関係自治体との調整などに時間が必要であるために、具体的な内容を公表せずに取組を進めることといたしました。
○斉藤委員 何か今、設置場所とかいうことがあったのですけれども、私、別に、施設の整備についてということで聞いているわけじゃないんですね。何か、まともにこの答弁がされないというのは、本当にちゃんと特別支援教育に向き合っているんだろうかという、ちょっと都教委の姿勢が問われるというふうに思います。
実施状況報告は、本計画の発表時ということではなく、この計画への反映が可能になるように、速やかに公表するということを求めます。
この素案の中に掲げられている事業について伺っていきます。
今回の素案では、初めて強度行動障害のことが掲載、記載されました。都教育委員会は、今年の二月に、初めて強度行動障害のある児童・生徒への効果的な指導の在り方を策定し、教育現場での対応の指針を示されました。その取組について次期の計画素案に盛り込まれたことは重要です。
現場で対応されてきた皆さん方、よくご存じのことだというふうに思いますけれども、強度行動障害は、自分自身や周りの人を傷つけたり、物を壊したりするといった行動が見られる状態で、先生がけがをしたというお話も私も伺っています。
また、重度の知的障害を伴う自閉症の人に多いといわれていますが、生まれ持った障害とは異なって、学齢期から発生する傾向が強いということもいわれています。学校という環境の中で、こうした子供たちの状況を悪化させないようにするためにも、教育現場での丁寧な対応は欠かせないものだというふうに思います。
強度行動障害の対応については、学級担任に任せず、複数の教員で対応できるよう、ゆとりある体制をつくることが重要だと考えますが、見解を伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 自分自身や周りの人を傷つけたり、物を壊したりする行動が頻繁に見られる強度行動障害の児童生徒について、特別支援学校では、学級担任も含めた教員間で情報共有し、組織的に対応をしております。
○斉藤委員 学級担任任せにせず、複数の教員で対応ができるよう、ゆとりある体制をつくることが必要ということは、皆さんが示された指導の在り方にも示されているものです。学級担任も含めた教員間で情報共有し、組織的に対応するというご答弁ですから、それを実現できるような環境づくりを行うことが都教委には求められているというふうに思います。
強度行動障害を持つ児童生徒に丁寧に対応し、安全に安心して学べる環境をつくるためにも、都として教員の配置を増やしていくということが、今、現場でも最も求められています。
そのことを計画に位置づけていくべきだと考えますが、いかがですか。
○吉村人事部長 教職員定数につきましては、いわゆる標準法に基づく都の配置基準により、適切に配置をしております。
○斉藤委員 教員を増やすということになると、いつもこのようなご答弁でトーンダウンになっちゃう。私は、これがやっぱり今の都教委の一番の問題なのではないかと思います。
強度行動障害のお子さんに向き合って、何とか頑張ろうとしている学校現場は、本当に、そもそも人手が足りていない中で疲弊をしています。現場がこのことに向き合うために今一番に求めているのが、やはり教員の配置の充実です。努力を学校現場に任せるだけでなく、都教委としての役割こそ果たすことを強く求めます。
次に、特別支援学校での子供たちの長期欠席、不登校について伺います。
まず初めに、都教委は、特別支援学校に不登校の児童生徒がいることを認識しているのか。また、不登校の児童生徒の数について伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都立特別支援学校における不登校を含む長期欠席の子供については、各学校において一人一人の状況を把握し、適切に支援を行っております。
○斉藤委員 私は、数をつかんでいるのかというふうに聞いたんですね。そのご答弁はないわけなんです。
伺いますけれども、長期欠席、不登校の児童生徒がいるということについては認識はされておりますか。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 不登校を含む長期欠席の子供については、各学校において一人一人の状況を把握し、適切に支援を行っております。
○斉藤委員 数を聞いても、また同じ答弁を繰り返していらっしゃるんですね。
不登校者数は調査していないということなんですけれども、それはなぜか。調査するべきだと思うんですが、いかがですか。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 特別支援学校における長期欠席の子供については、各学校において一人一人の状況を把握し、適切に支援を行っております。
○斉藤委員 また同じ答弁をされているんですけれども、一人一人の状況を把握しているというなら、数についても本来把握できるはずです。調査を行ってもいないのに、なぜ適切に実施しているといえるのかというのも、本当に、何というか、それこそ適当に答弁されているのかなと思ってしまう、そういう中身ですよね。
さらに伺いますが、特別支援学校において、不登校やその傾向にある児童生徒とその保護者にはどういう対応を行っているのか。
相談の実績と、学校に来られなくなった理由を聞いているのかどうか、伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都立特別支援学校における長期欠席の子供については、各学校において一人一人の状況を把握し、適切に支援を行っております。
○斉藤委員 だから、同じ答弁を、今、五回ぐらい繰り返したんだと思うんですけれども、何を聞いても……(「四回だよ、四回」と呼ぶ者あり)三回でしたかね。何を聞いても、同じことばっかりいっているんですね。
相談の実績も答えられない、理由を聞いているのかも答えられないという状況で、適切に実施というのが何でいえるのかということ、本当に疑問です。つまり、各学校でやっているだろうけれども、都教委は知らないということだというふうに思います。
私は、肢体不自由の特別支援学校に通うお子さんの保護者の方から、お子さんが学校に通えなくなってしまったという切実なお話を伺いました。
おうちや放課後等デイサービスでは、よくおしゃべりをするようになったお子さんが、学校ではおしゃべりがまだできないお子さんたちのクラスの中にいて、学校ではおしゃべりをせず、笑顔もなくなってしまった、おしゃべりができる子たちのクラスで楽しく学校に通って成長できるようにしてほしいと先生に再三相談したけれども、学校ではおしゃべりをしていないから評価できませんといわれてしまったということです。
ほかにも、おむつが気持ち悪くて替えてほしいとお子さんが伝えても、介護職員の方にすぐには替えてもらえずに、授業中は待たされて、後からトイレから戻ってきたお子さんは、本当に怒った顔をしていたということを保護者の方は教えてくれました。そうしたことの積み重ねで、そのお子さんは学校に行きたがらなくなってしまったということなんです。
小児の診療科に三つも通ったけれども、そこでいわれたのは、学校がストレスの原因になっているということでいわれたと。学校には何度も相談してきたのに、子供の成長に応じた対応をしてもらえず、通えなくなってしまったことに、本当に悔しい思いがあるということを保護者の方は訴えています。
私が問題だと思うのは、個々の学校や先生の問題ではなくて、やはり子供たちに向き合える学校にできるように、本来は都教委が向き合う必要があるというふうに思うんです。
今までのご答弁では、子供一人一人の状況は各学校で把握しているということなんですけれども、それを学校任せにするんじゃなくて、都教委こそが不登校の実態について把握する必要があると思いますが、見解を伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都立特別支援学校における長期欠席の子供については、各学校において一人一人の状況を把握し、適切に支援を行っております。
○斉藤委員 何か、このかみ合わない、血の通わないようなやり取りをずっとされていて、これ、聞いている都民の方、そして当事者の方々、保護者さんとかが聞いていたら、何て冷たいんだろうかと思うと思うんですよ。都教委として向き合うつもりはないのかというような状態だと思います。
これでは、問題があっても、それすら認識されずに解決されていかないということだと思います。特別支援学校での不登校のお子さんたちは、置き去りにされていくというばかりだと思います。不登校の実態を都教委こそ把握して、学校現場にどういう改善が必要なのか、手だてを打っていくということを改めて求めます。
不登校に悩む保護者さんにとって、先生ときちんと相談できる体制と同時に、スクールカウンセラーの配置も重要だというふうに思います。
特別支援学校でのスクールカウンセラーの配置は、現在どのようになっているか、伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、今年度、知的障害特別支援学校高等部の就業技術科及び職能開発科十二校と視覚障害特別支援学校四校、聴覚障害特別支援学校四校の計二十校に、週一回、スクールカウンセラーを配置しております。
○斉藤委員 ご答弁のとおりですけれども、知的障害でも比較的軽度なお子さんたち、また、視覚、聴覚障害の学校に配置をしていると。しかし、肢体不自由のお子さんや重度の知的障害を持つお子さんについても、お子さん自身が十分にお話ができないということもあるからこそ、保護者の方々が本当に子供の状況を何とかしたいということで悩んでおられるんですね。
知的や聴覚、視覚だけでなく、肢体不自由の学校にもスクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーの配置を行い、児童生徒のことをよく知る教員と連携していくということが必要だと考えますが、いかがですか。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、令和四年度から、知的障害特別支援学校高等部の就業技術科等にスクールカウンセラーを配置するモデル事業を実施しております。
今後、本モデル事業における成果検証も踏まえ、都立特別支援学校におけるスクールカウンセラーの活用について、さらに検討をしてまいります。
ユースソーシャルワーカーについては、引き続き、学校の要請に応じ派遣し、児童生徒の支援に取り組んでまいります。
○斉藤委員 今後は、モデル事業による成果検証も踏まえて、スクールカウンセラーの活用についてさらに検討していくということと、ユースソーシャルワーカーについても、引き続き、学校の要請に応じて派遣をして支援していくということですから、ぜひ計画の中に位置づけて進めていただくことを求めます。
さらに、今回の計画の素案の中に、不登校やその傾向にある児童生徒への対応についての言及がないということが、そもそも問題だというふうに思います。しっかりと計画に位置づけていくことを併せて強く求めます。
小中学校、高等学校では毎年行われている不登校数の調査が、特別支援学校にはありません。特別支援学校には不登校がいない、障害児が学校に来なくても、それは障害によるものだから仕方がないなどと捉えられ、お子さんへの適切な対応につながらないということをなくすためにも、特別支援学校の不登校の数もきちんと調査をするということを重ねて求めます。
次に、素案の中の自立活動の充実に関わって伺います。
都教委は、肢体不自由の特別支援学校に学校介護職員の導入を行っていますが、その導入状況について伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 平成二十一年度から肢体不自由特別支援学校に学校介護職員を導入し、教員と学校介護職員がそれぞれの専門性を発揮しながら、連携、協働して指導を行う体制を構築しております。
○斉藤委員 学校介護職員の導入により削減された教員数は何人ですか。この学校介護職員の導入人数と併せてお答えをお願いします。
○吉村人事部長 学校介護職員の導入が完了した平成二十九年度までに、教員定数の見直し数は二百二十四人である一方、五百人以上の学校介護職員を配置しております。
○斉藤委員 つまり、削減する教員一人に対して、二人ぐらいの学校介護職員に置き換えているということなんですね。子供たちに関わる大人、人手を増やしていくということは必要なことだというふうに思います。しかし、同時に、二百二十四人もの教員が、この間、減らされてきたということは問題だというふうに思います。
続けて伺いますが、障害を持つ子供たちにとって、食事をすることや、着替えや排せつなど身の回りのことが自分でできるようになっていくということは、自立して生きていく上で重要であり、この自立活動は教育的意義が高いものだと考えますが、認識を伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 食事や着替え、排せつなどの指導については、特別支援学校において行う教育活動の一つであります。
○斉藤委員 これ、大切な教育活動の一つなんですよね。そして、身の回りのことができるようになるということは、児童生徒の喜びや成長につながる、本当に重要なものであって、子供たちの尊厳にもつながる大事なものだというふうに思います。その教育的意義を捉えて、児童生徒に対応していくということが求められていると思います。その意味でも、教員が大幅に減らされてきたということは問題だというふうに思います。
そして、今、実際に、そうした児童生徒の尊厳が守られているのか、成長の機会が保障されているのか、疑わざるを得ないような状況があります。
私のところには、せっかく、家ではおむつを外してトイレで排せつができているお子さんが、学校では、授業時間の優先のために、おむつをつけさせられているという声が幾つか届いています。
肢体不自由の児童生徒について、こうした、家ではおむつを外して排せつできる子なんだけれども、学校ではおむつの着用をさせられている、そういう状況があるということを把握しているのか、伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都立特別支援学校では、児童生徒一人一人の障害の状態等に応じて、適切に指導を行っております。
○斉藤委員 今もお答えになっていないんですね。こういう状況があるかどうかということを聞いているんだけれども、そこには答えずに適切にやっていますと。これ、こういう実態を、せっかくこの場で届けていても、それを受け止めないという姿勢ですよね。こうした実態があることに目を向けずに適切にやっているというのは、本当にこうした実態に一切背を向ける、そういう答弁だというふうに思います。
先ほども事例についてお話ししましたけれども、不登校になってしまったお子さんのお話ですけれども、まさにそのおむつがぬれてしまって気持ち悪い、替えてほしいと訴えているお子さんに対して、授業が優先になってしまって、すぐ替えてあげないということも実際に起きて、学校に行きたくなくなってしまっているということも声が届けられているわけです。
トイレで排せつができる子供に対して、おむつをはかせて排せつさせるということは、子供たちの尊厳にも関わる問題だというふうに思いますけれども、認識はいかがでしょうか。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都立特別支援学校では、児童生徒一人一人の障害の状態等に応じて、適切に指導を行っております。
○斉藤委員 いや、認識を聞いたんですよね。もうちょっと、やっぱり血の通った対話が、何で都教委の皆さんはできないのかなと思うんですね。同じ答弁をいえばいいということでやり過ごすのか、ちょっと、そういう何かよくない習慣だと思うんですよね。
こうした今起きている実態について目を向けないということだと、何もよくなっていかないということじゃないでしょうか。都教委が知らぬ存ぜぬという状況では、子供一人一人に向き合う学校現場の実現など不可能だというふうに思います。
もう一つ伺います。医療的ケア児の食事についてです。
先ほど質疑がありましたけれども、私のところにも保護者の方からのお声が届いています。
今、経口食と胃瘻での食事を行っているお子さんについて、どのような配分で、また、胃瘻への注入はどのように行っているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 特別支援学校において、給食時に初期食を経口摂取と胃瘻からの注入の併用で取る場合の対応につきましては、都教育委員会が作成したガイドラインに示しております。
ガイドラインでは、初期食を経口摂取した後、残りを胃瘻から注入することとしております。また、経口摂取と胃瘻からの注入の配分につきましては、主治医からの指示を基に実施することとしております。
○斉藤委員 この胃瘻への注入の方法、そして、それはどういう条件でやっているのか、ちょっと改めて具体的にご答弁いただけませんか。
○中西特別支援教育推進担当部長 胃瘻への注入につきましては、事前の混合、デザートのみ別、一品ずつ注入する場合がございまして、保護者の希望、医師の助言、所要時間、実施体制等を基に実施してございます。
○斉藤委員 この注入の方法について、今年度から一品ずつ注入するということも始めているということがありましたけれども、その方法の決め方については、保護者の希望、医師の助言、そして、所要時間や実施体制等を基に注入の方法を決めているということです。
経口食と胃瘻食での食事を今、実際に行っているお子さんの保護者の方から伺いましたけれども、経口食で摂取できる時間や量を、その子の成長に合わせて伸ばしてあげたいと思っていても、給食時間の制限や体制の不足の中で経口食の時間が決められてしまっていて、子供の成長に合わせて経口食の時間を延ばすということがなかなかできないということがご相談がありました。
また、胃瘻からの注入についても、お子さんは、たとえ胃からの注入だとしても、上がってくる匂いで、何を食べているのかということを認識することができるそうなんですね。なので、やっぱりおかずを混ぜてしまうというのでは、何を食べているのかが逆に分からなくなっちゃう。そういう意味で一品ずつ注入させてほしいということで、こうした対応を広くできるようにしていくべきだというふうに思います。
きめ細かな対応で子供たちの食育や成長の機会を守っていくためにも、都教委のこうした役割、体制を取っていくということについての役割を発揮していくことが重要だと思いますが、見解を伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 特別支援学校におきまして、給食時に初期食を経口摂取と胃瘻からの注入の併用で取る場合の対応につきましては、都教育委員会が作成したガイドラインに示してございます。
○斉藤委員 それはもう聞いたので分かっているんですけれども、だから、その体制がつくれるように、都教委が役割を発揮していくべきなんじゃないですかということなんですね。
こういうことにきちんと向き合ってほしいと思うんですけれども、先ほどもいいましたけれども、障害のある子供たちにとって身の回りのことができるようになるということは、自立にとって何よりも重要で、尊厳に関わることです。そして、子供たちにも大きな喜びにつながる、こういう大切なものだと思います。
しかし、実際には、国語や算数などの教科の勉強がより重視されてしまう傾向があって、食事や排せつなどのケアが後回しになってしまっているんじゃないかという懸念の声が保護者の方々から届けられています。
自立活動の重要性、教育的意義を見直して、教員を増やしながら自立活動の充実を図る必要があると思いますが、いかがですか。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 食事や着替え、排せつなどの指導については、特別支援学校において行う教育活動の一つであります。
特別支援学校におきましては、児童生徒一人一人の障害の状態等に応じて、適切に指導を行っております。
○斉藤委員 大切な教育的意義ということを認識しながら、しかし、それにふさわしい対応を取るということは一切いわずに適切にやっているという現状から動かないという状況を、やっぱり変えていく必要があると思うんです。
自立活動を含めて、子供たち一人一人に応じた教育を行っていくために、現場から最も求められているというのが、やはり教員を増やすということです。このことに踏み出すことを改めて求めます。
次に、寄宿舎について伺います。
まず、寄宿舎の意義についてご答弁をお願いします。
○中西特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校寄宿舎は、通学困難な児童生徒に対して寄宿舎を提供し、就学を保障することを目的として設置しております。
○斉藤委員 都教委は、寄宿舎の目的を、通学困難な児童生徒に就学を保障するためにということで限定しているんですね。
その意義について、また後ほど伺いますけれども、現在、寄宿舎の利用者は何人で、申し込んでも利用できなかった人は何人でしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 令和六年五月一日現在、寄宿舎に入舎している児童生徒数は九十九人でございます。
また、令和六年度の申込みにおいて、各学校の入舎基準に照らし、一人通学が可能であることから寄宿舎の利用ができなかった児童生徒数は四人でございます。
○斉藤委員 申し込んだうちの四人は、通学可能というふうに判断をされて、寄宿舎には入れなかったということです。
都教委は、国が施設整備基準の中で示している寄宿舎の教育的入舎について、この目的にも加えていない、そして、計画案にもそういうことも示されていないわけですけれども、これはなぜなのか。お願いします。
○中西特別支援教育推進担当部長 寄宿舎は、必要性に応じて整備してございます。
○斉藤委員 寄宿舎は必要性に応じて整備と。なぜかという問いには答えない答弁なんですけれども、都教委がいう寄宿舎の必要性というのは、先ほどあったとおり、通学困難な場合だけということなんですね。
我が党は、繰り返しこの問題を取り上げてきましたけれども、国は、施設整備基準の中で、寄宿舎について、通学困難な幼児、児童生徒のために設置するという観点に加えて、自立と社会参加に向けた日常生活の指導を行う観点から施設機能を設定することも有効だというふうに掲げています。つまり、日常生活の訓練という教育的意義の観点から入舎することができるということです。
都は、かつてはこうした教育的意義からの入舎を認めていましたが、今は、その目的、意義を後退させてしまって、そして寄宿舎を縮小してきてしまいました。しかし、今でも通いたいという方は、意義、目的も広めれば、たくさんいらっしゃる状況です。
新たな計画の策定に当たって、障害を持つ子供たちのより豊かな教育を実現していくためにも、教育的観点を含めて、寄宿舎の入舎の基準を改めていくということを強く求めます。
都は、今年度から寄宿舎に人材派遣の職員の配置を行っていますが、現在は何人か、また、どのような資格や経験がある人を採用しているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 今年度、寄宿舎に配置している人材派遣は五人でございます。
また、人材派遣の職員は、それぞれ教員免許や保育士、看護師等の資格や経験を有してございます。
○斉藤委員 教員免許や保育士、看護師等の資格や経験を持つ方々、五人が配置されているということです。
寄宿舎では指導員の手が足りず、増員がこの間ずっと求められてきました。子供たちに関わる資格のある方々が奮闘されているということだと思いますけれども、障害を持つ子供たちの特性に応じて対応していくためには、専門性や継続性も求められます。
人材派遣からの不安定な雇用ではなく、正規の指導員として雇用していく、そういう方をぜひ入れてほしいという声、今でも届いております。働き続けられる職員を現場から求める、こういう声が上がっています。高い専門性と子供たちとの信頼関係をつくっていくということが不可欠な仕事として、正規の指導員としての雇用を増やしていくということを求めます。
次に、スクールバス医ケア車両、そして看護師の配置について伺います。
本計画の素案には、都立肢体不自由特別支援学校におけるスクールバスの平均運行時間を六十分以内にすることを目標にしているという記載がありますけれども、知的障害のある児童生徒のスクールバスの運行時間の目標はどうなっているか、また、平均の運行時間はどうなっているか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 第三次実施計画の素案にも掲載しておりますとおり、肢体不自由のある児童生徒の中には体温調節が困難な児童生徒もおりますので、そのスクールバスの平均運行時間を六十分以内とすることを目標としており、令和六年度の肢体不自由特別支援学校の平均運行時間は五十四分となってございます。
○斉藤委員 今、私が聞いたのは肢体不自由のスクールバスじゃないんです。知的障害の方はどうなっていますかという質問をしたんです。今ご答弁されたように、それは、肢体不自由の方は計画に記載されていて、私もさっきいったとおり、分かっているんです。
何で知的障害の児童生徒のスクールバスのことについて、目標がないならないと、そういう答えでもいいのに、ちゃんと答えないというのは、本当に何というか、かみ合わない答弁のままなんですよね。
ちょっと繰り返しこちらも聞かざるを得ないですけれども、知的障害のスクールバスの運行時間の目標の設定がなぜないのか、平均時間は調査していないのか、きちんとかみ合う答弁をお願いします。
○中西特別支援教育推進担当部長 知的障害の特別支援学校につきましても、適切に運行してございます。
○斉藤委員 時間が何分かかっているのかとかも示すことができないで、また適切と。何か適切といえば全部もう許されるんだという、そういうことになっているのかなと思うんですけれども、本当に何か、この答えられない、都合が悪いということは、こういうことでやり過ごすというのがずっと繰り返されていますけれども、ちゃんと向き合わない姿勢は、都民、特に教育現場、当事者の方々にとって本当に失礼な態度だと思いますよ。
知的障害のある児童生徒のスクールバスについては、運行時間が長くても問題視しないという姿勢なのかなというふうに思うんですけれども、長時間バスに乗っているということは、知的障害のあるお子さんにとっても、本当に大きな負担です。学校に着く前に疲れてしまう、あるいはバスの中で落ち着かなくなる状況を改善していくためにも、運行時間の目標を持って短縮をしていくということを求めます。
肢体不自由のスクールバスの現在の運行時間は、ご答弁がありましたように五十四分ということですけれども、この計画の素案にも書かれていますが、過去十年間の推移について伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 これまで公表された実施計画にございますとおり、平成二十七年は六十分、令和三年は五十五分、令和六年は五十四分でございます。
○斉藤委員 短縮を図る努力をされてきたということだと思いますけれども、しかし、二〇一五年からの十年間で僅か六分間の短縮ということで、肢体不自由のお子さんたちにとって五十四分というのは、まだまだ負担が大きい状況ではないでしょうか。こちらも、子供や保護者の負担軽減のためにも改善を続けていただきたいというふうに思います。
医療的ケア児が車両に乗るためには、看護師もしくは保護者がいないといけないということで、付添いをする保護者にとっては仕事に行くことができないなど、大きな課題でした。私たちも、繰り返しこの問題も取り上げてきましたけれども、都教委は、二〇一八年から看護師の乗車の導入をしてきました。
医療ケア車両に同乗する看護師の人数について、この推移を伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 これまでの事務事業質疑の際に、要求を受け、ご提出いたしました資料のとおり、各年度九月の一か月間について申し上げますと、令和二年は六二・三%、令和三年は六九・六%、令和四年は七八・五%、令和五年は八三・二%、令和六年は八六・六%でございます。
○斉藤委員 二〇一八年の導入時からの比較ができればよかったのですが、二〇二〇年以降ということで、二〇二〇年比では乗車率を二四%引き上げてきたということですけれども、まだ保護者がついていかなければいけない実態というのもあります。引き続き努力をしていただきたいというふうに思います。
都教委は、医ケア車両に乗る方も含めて、看護師の配置も増やしてきました。しかし、様々な雇用形態や職種で看護師が細分化されている実態もあります。非常勤の看護師さんがほとんどですけれども、その中でも、週の勤務時間が短く抑えられている看護師さんが多くいます。
肢体不自由の学校に配置されている看護師のうち、週の勤務時間が十九時間以内の非常勤看護師の割合を伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 先日の事務事業質疑の際にご提出いたしました資料のとおり、令和六年九月一日時点で、都立特別支援学校に勤務している非常勤看護師は四百七十五名、うち勤務時間が週十九時間以内の非常勤看護師は四百名、割合といたしましては八四・二%でございます。
○斉藤委員 週の勤務時間が十九時間以内という看護師が八四・二%で、圧倒的に多い状況です。
なぜ十九時間で区切っているのでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 先ほど申し上げました週十九時間以内の数についてでございますけれども、この勤務形態は、看護師の多様な働き方の一つでございます。
○斉藤委員 多様な働き方ということで、いいようにおっしゃっているんですけれども、質問は、なぜ十九時間以内なのかということなんですね。しかし、そこにはご答弁されないと。
この週十九時間以内というのは、つまり社会保険に加入させなくてもいい、そういうラインなんですね。本来、特別支援学校では人手が足りないという中で、時間を都教委の都合で短く区切るのではなくて、フルタイムで働ける方には雇用を広げていくということが必要ではないでしょうか。
あくまでも都教委の人件費を抑えたいという思惑が、教員にしても、看護師にしても、抜本的に増やすという根本的な解決につながらない背景にあるというふうに思います。その結果、子供たちの教育環境にしわ寄せが行くというような現状を変えていかなければならないというふうに思います。
その視点に立って、もっと予算を増やして抜本的な改善に踏み出すことを強く求めます。
最後に、特別支援学校の役割とインクルーシブ教育について少し伺います。
計画の素案では、都立特別支援学校の役割として、特別支援教育のセンター的機能を発揮する重要な役割を担っているとされていますけれども、この役割の発揮のために、都教委が特別支援学校に行っている支援にはどのようなことがありますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、特別支援学校がセンター的機能を発揮するため、人員の配置や研修などを行っております。
○斉藤委員 センター的機能の発揮のために人員の配置ということで、その教員の配置はどうなっているのか、加配の状況も含めて伺います。
○吉村人事部長 小中学部を設置している特別支援学校をセンター的機能を有する学校としており、このうち十二校に教員の加配を行うとともに、そのほかの学校については時数軽減を行っております。
○斉藤委員 小中学部を設置している特別支援学校というのは、都立だけでも全部で五十以上ありますので、そのうちのまだ十二校しか教員の加配が行われていないということですね。まだまだ不十分だというふうに思います。こうした役割を特別支援学校に求めるなら、教員の配置を速やかに増やしてほしいという声が現場から届けられています。
また、インクルーシブな取組についてですけれども、国連の障害者権利委員会における日本政府に関する総括所見において、よりインクルーシブな取組を求める勧告が出されました。障害のある子もない子も共に生きる共生社会の取組が重要です。
単に、一緒に学ぶという一義的な意味だけでなく、どの場で学ぶとしても、全ての子供たちの発達を保障する教育環境の整備を進めていくということが求められているというふうに思います。社会に包摂していくという視点を持つことが重要だと思います。
そうした中でも、一歩ずつ歩みを進めている取組として、先ほど質疑もありましたけれども、副籍制度での児童生徒の交流があります。現在、副籍制度で児童生徒が交流している実績、このご答弁がありました。第二次の実施計画によると、令和二年度、直接交流、間接交流を実施した特別支援学校の児童生徒の割合は、小学校で五七%、中学部で三〇%というご答弁がありました。さらにこれを増やしていくということを求めたいというふうに思います。
今回の計画の素案でも、特別支援学校に求められる役割は、センター的機能やインクルーシブ社会に向けての取組など、多岐にわたっています。都立特別支援学校が、計画にあるように、区市町村や区市町村立学校と連携しながら、センター的機能を発揮したり、インクルーシブ教育を進めていくということなら、各区市町村ごとに、それこそ特別支援学校を設置することが必要ではないかということが、現場の方々からも声が寄せられています。
こうした視点に立って、抜本的な取組にふさわしい計画を立てていくということが必要だと思いますが、見解を伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、推進計画の第二期でも、障害のある人も障害のない人も共に尊重し合いながら活躍できる共生社会の実現に向け、特別支援教育をさらに推進し、障害の種類や程度にかかわらず、より一層社会に参加、貢献できる人材を育成することを基本理念としており、今後もこのように取り組んでまいります。
○斉藤委員 私は、先日、地元の花畑学園を視察させてもらいました。今回で二回目というふうになるんですけれども、花畑学園は、ご存じのとおり、知的と、そして肢体不自由の子たちの併置の学校なんですけれども、四百人規模の大規模校でもあるんですが、比較的、土地は広い方だというふうに思うんですが、この中で、現場の先生方、そして学校介護職の方々、本当に真剣に取り組まれていて、私も、医療的ケアの子たち、知的の教室も見させてもらいましたが、医療的ケア児の子からも笑顔を見せてもらったり、本当に皆さんが懸命に取り組んで、学校の現場をよりよいものにしているということを実感してきました。
しかし、やはり教員不足だったり、どうしても手が足りないことというのは、きちんと話を聞けば、やはり届けられてくる声です。こうした学校現場を支えていくことこそが求められているというふうに思います。
学校現場で努力していくということも、もちろんあると思いますが、何よりも、都教委の皆さんが特別支援教育に当たる学校現場の方々にきちんと支援を抜本的にしていけるようにするということを改めて求めて、質問を終わります。
○風間委員 今回のこの計画を見ていても、これまでの質疑のやり取りを見ていても、東京都の教育委員会として、特別な支援を必要とする子供たちへの取組というものについては、先進的なものも含めて、かなり努力をしてきているものだと評価をしています。
一方で、先ほどもお話がありましたけれども、東京都の教育委員会の進めていくことについて学校現場がついてきているのかということについては、私もこれまで、様々な保護者からの相談を受けてきている中で、学校現場に一緒に行って校長先生とお話ししたこと等もありますけれども、あまりにも障害を持つお子さんのご家庭に対して差別的とも捉えられるような発言であったりとか、要求であったりとか、そんなこともまだまだあるような状況で、とてもそれは残念なことだと感じていることです。
先日も、インクルーシブ教育ということで、障害があっても地元の学校に行きたいという保護者さんからのお話では、学校長と就学相談をしている際に過度な要求をされたということで、結局は断念をしたというようなお話もあったりして、校長先生の意識の差、または、そもそもインクルーシブ教育に関する理解の差、こういったものによって、大分まだまだ異なるのではないかなと感じるところであります。
そういったことから、神奈川県で令和二年から取り組み始めたインクルーシブ教育の校内整備に関するガイドラインということは非常に参考になるということで、東京都の教育委員会として進めていることを広く学校教育現場の先生方に理解をしてもらう、徹底してもらうという意味でも、こういったガイドラインの整備が必要ではないかということを、事務事業質疑では提案もさせていただいたわけですけれども、残念ながら今回の計画を見ていると、インクルーシブ教育に関する記載については、かなり分厚いこの計画の中でも僅か二ページ程度というような状況であります。
せっかく取り組んでいるのに、インクルーシブ教育ということについての取扱いがほんの二ページ程度ということについて、教育委員会としてどのように考えているのか、見解をお聞かせください。
○中西特別支援教育推進担当部長 インクルーシブな教育を推進するため、都立特別支援学校と都立高校の交流等を進めるとともに、小中学校等における特別支援教育の充実や、教員の特別支援教育に関する専門性の向上など、様々な分野における取組を行ってまいります。
○風間委員 そうなんですよね。その二ページ以外にも、事業番号35から37等に記載されている特別支援教室などは、まさにインクルーシブな教育、発達障害のある子供たちも、通常は既存の学級で学びながら、その学校の中で学べる環境ということに関しては、まさにインクルーシブな教育の推進ということだと思うんですね。
このことについても、学校現場が追いついていないというか、教員によっては、担任の先生が発達障害のある子への理解がなかったりだとか、そういった子供に対しての支援員の配置を、市区町村がかなり頑張っているところ、そうでないところがあると思いますけれども、もう本当に人手が足りていないということで、そういった発達障害のある子供の振る舞いによってけがをしてしまう同級生がいたり、またはそういったことに対する学校側の対応が不適切だったということで不信感を持って、そのまま不登校になってしまうなんていう事例も、私の地元で、かなりの学校で事例として聞くわけですね。
こういったことについては支援をしていくと事業番号37で記載されていますので、これから市区町村に対しての支援というものは期待をするところなんですけれども、こういった東京都の教育委員会が進めていくというところに関して、現場としてまだまだ足りていないということが声として上がっています。
各市区町村立の小中学校であれば、それは自助努力でやれということなのかもしれませんけれども、とにかく支援員の配置ということに関しては、もう足りない。予算も足りない、人も足りないというような声が上がっておりますので、この辺りはしっかりとフォローしていくということを求めるとともに、せっかく推進しているんですから、やはりインクルーシブ教育のガイドラインを、東京都の教育委員会としての方針を都内の学校の先生方に周知する手段として今後検討していただきますように求めまして、私の質問を終わります。
○米川委員 それでは、報告事項、東京都特別支援教育推進計画(第二期)第三次実施計画(素案)の六三ページ、事業番号56、言語活動及び読書活動の充実と事業番号57、特別支援学校における図書館システムの導入の項目について質問します。
学校図書館は、学校図書館法でも、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備となっております。これは特別支援学校の小学部、中学部、高等部も含むものであります。
そこでまず、現在、都立特別支援学校の学校図書館の充実に取り組む体制はどのようになっているのか、伺います。
また、研究指定校を設けていますが、どこの学校が研究指定校になっていて、研究指定校の体制がもし異なっていれば、どのようになっているのかも併せて伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都立特別支援学校においては、司書教諭を含めた全教職員の協力体制の下で、学校図書館の活用に取り組んでおります。
都教育委員会は、研究指定校として、毎年異なる学校を指定しております。
○米川委員 司書教諭を含めた全教職員の協力体制の下との今答弁がありましたが、都立高校などでは、十二学級以上の学校は司書教諭を発令するとしていますが、確認のため、特別支援学校も同じ基準で発令されるのでしょうか。
また、研究指定校として、今、毎年度異なる学校を指定との答弁ですが、今年度はどこの学校が指定されているのでしょうか。確認のため、伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 今年度の学校名について正確にお答えできない、ご質問を受けていない観点から、答えは控えさせていただきます。
○米川委員 いや、研究指定校は各年度につくるじゃないですか。どこの学校と出しているので。今あれですよね、毎年度異なる学校を指定ということなので、どこの学校が――去年じゃないです。今年、今年度はどこの学校かと聞いているんですけれども、お答えください。
それと、あと、特別支援学校でも、十二学級以上だったりすれば司書教諭が発令されるのかということを、確認のため、伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 では、今年度ということで、花畑学園、矢口特別支援学校、青鳥特別支援学校、立川学園、八王子西特別支援学校、青峰学園となっております。
○米川委員 ありがとうございます。
次に、司書教諭を含めました教員が対応されているということですが、あまり学校図書館の業務に、この先生方というのは業務に割くことができないんじゃないかと私は考えております。
実際、どのくらいの時間を学校図書館関係の業務に当てているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 各学校の実情に応じて対応してございます。
○米川委員 各学校の実情に応じて対応との答弁ですが、何か具体的な例、一つでいいのでお示しください。
また、都立高校では、司書教諭に発令されていた場合、授業時数の軽減というのがあるじゃないですか。これ、特別支援学校の場合でも、司書教諭に発令された方というのは、図書の業務を授業軽減とかを受けて対応されるような制度となっているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 理事ご質問の先ほどの時間数につきましては、各学校の実情に応じて対応してございます。
○米川委員 なぜここを聞くかというと、先生方が図書館の業務にどのくらい従事されているのかが分からないと、例えば、今、外部の人をつけるとかどうだとか、学校司書をつけてくれとかという話にもならないんですよ。なので、その辺のことを皆さん方が認識されているかなということでお聞きしたのですが、具体的な例は把握されていないということでよいですね。
次の質問に行きます。
次に、令和五年度に都立特別支援学校全校に学校図書館システムが導入されているとのことですが、蔵書の登録や貸出しの管理等は、誰が、いつ、どのように行っているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 司書教諭や教員等が必要に応じて行っております。
○米川委員 必要に応じて行うとの答弁ですが、必要に応じてとは、具体的にどのようなことなのか、確認のため、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 繰り返しのご答弁となりますが、司書教諭や教員等が必要に応じて行うものでございます。
○米川委員 必要に応じてしっかりと業務がなされていればいいのですが、こちら、今回パネル……(「パネルっていったの」と呼ぶ者あり)はい、いっています。
一枚目です。これは葛飾の水元小合学園の図書館になります。
入り口に入ってすぐのところにこういう本があるんですが、これが、本がある、この本というのが、夏目漱石だったり、芥川龍之介の本となっております。
そして、ここに白い紙が貼ってあるんです。大きく拡大しました。ISBNコードなし、こちらの棚の図書は持ち出し厳禁と書いてあります。ISBNコードなしと書いてあるんですが、ISBNコードというのが、本の情報として、どこの国の本か、そして出版社名がどこか、本の名前が何かということを特定して、書籍の取引や図書目録の編さんに活用されるものとなっております。
このISBNコードがないものというのは、一九八〇年代に日本でもISBNコードというのを導入しましたので、それ以前の書籍になるんですね。そうすると古い本なんですよ。こういったものが学校図書館の一番目立つところに置いてあるというのは、図書の専門家からすると、どういう管理をしているのかなというのが一つ出てくるんですよ。
大体、こういう全集というものは、もし図書館の中に置くのであれば、一番奥まったところに置くものなんですね。
また、芥川龍之介などの文学全集なので、別にこれを持ち出し厳禁とするのは、通常あり得ないなというのが専門家の考えであるし、私も、いろんな図書館、学校図書館へ行っているんですが、入ったところは一番目立つので、すごいいろんな、こういうポップとかがいっぱい目立つようにして、どんどん学校図書館へ来てくださいとなっているんですよ。
でも、まだ開校して十周年の小合学園では、学校の先生が中心となって頑張っていらっしゃるのですが、こういった実態があるのは、先生による対応だと、どうしても専門の知識だったり、あとは対応する時間が十分にないのではないかということで、この事例をちょっと紹介させていただきました。
ですので、ぜひ教育庁の方たちには、実際に先生方がどのくらいの時間、図書の業務に割いているのかというのを、特別支援学校については調べた上で、今後の取組に生かしていただきたいと思っています。
次に、都立図書館が用意した図書セットを貸し出す取組というのがあるんですけれども、これは、誰が、いつ行うことを想定しているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 司書教諭や教員等が必要に応じて行っております。
○米川委員 司書教諭や教員等が必要に応じて行うとの答弁ですが、相手のある業務なんですよね。都立図書館とやり取りするわけですから。
本来、どこの学校は誰が責任者かということを決めた上で行うと考えるのですが、その考えでよろしいでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、司書教諭や教員等が必要に応じて行っております。
○米川委員 今の再質問のところでは、どういう方が各学校ごとに決められているよということを確認したのですが、それはないということが分かりました。
それで、次、申請したパネル二枚目になります。これは葛飾特別支援学校になります。葛飾特別支援学校です。
先ほど龍円委員のときに、学校図書館があるところと、図書のルームというんですかね、そういうのがあるというのがありましたけれども、葛飾特別支援学校は、こっち側に昇降口がありまして、入ってすぐ右側に、こういった図書のスペースがあります。
でも、実際、これを見ていただくと、結構空いているんですよね。ぱんぱんには入れないというんですよ、図書というのは。こう横にして表紙を見せたりしなきゃいけない、そういう展示とかがありますので。ですけれども、こういうところがすかすかだというような現状がありますので、本も半分しかないところなので、実際、蔵書としてどうなのかなというのがあります。
そこで、学校図書館の蔵書の相互貸借というのを可能にするとしておりますが、各学校の蔵書数、これはどのようになっているのか。また、相互貸借の業務は、誰が、いつ行うことを想定しているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校は、各学校の判断により必要な蔵書を整備してございます。
また、学校間で蔵書の相互貸借についてでございますが、司書教諭や教員等が必要に応じて行っております。
○米川委員 各学校の判断により必要な蔵書を整備との答弁ですが、蔵書数は把握していないのでしょうか。こういった状況もあるんですけれども。
把握していないのでしょうか。確認のため、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校は、各学校の判断により必要な蔵書を整備しております。
○米川委員 私、葛飾区議会議員時代にも学校図書館を取り上げました。当時は、非常勤の人が週十二時間勤務という状況だったのですけれども、そういうやり取りをする、何人か学校図書館を取り上げる方がいたのですけれども、それぞれの学校の蔵書数がどうなっているかという資料は出てきましたよ、すぐに。さらに、どういった分類の本がどのくらいあるかという、そういったことも普通は把握しているんですよ。それがあるから学校図書館として運営ができるんですよ。学級文庫とかとは違うんですよ。
最低限このぐらいのことがない限りは、学校図書館としての運営というのはなかなかできませんので、ぜひ、その辺の数も調査するようにしてください。
先日の本会議一般質問で、坂本教育長は、特別支援学校の学校図書館について、適切な体制を整えている、そして、必要な図書を購入していると答弁しましたが、私が先月行きました葛飾区内の特別支援学校を視察しても、先ほどパネルで示したような状況を見れば、十分ではありませんよ。
都立高校の方は、本もありますし、いろいろと教育委員会の方の努力のおかげで図書館の専門員も配置され、充実を図っておりますよ。特別支援学校の生徒たちに、やっぱり差を設ける――皆さんは設けていないかもしれない、思っていないかもしれないけれども、やっぱり設けるように思われるような体制は、ぜひなくしていっていただきたいと思っています。
次に、今年度、都立高校に配置された専門員が特別支援学校へ派遣されているということですが、どのような資格を持った方が、どこの学校に配置され、何日間そこで勤務して、どのような業務を行っているのか。また、そこから派遣先に行って、何日間勤務して、どのような業務に従事しているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 司書または司書補の資格を有する図書館専門員が、週二日程度、在籍校である高校の学校司書から指導助言を受けまして、週二日程度、特別支援学校に出向いて司書業務を行っております。
今年度は、葛飾ろう学校、志村学園、久我山青光学園の三つの特別支援学校でモデル事業を行ってございます。
○米川委員 すみません、私、もう一つ聞いていたのが、その図書館専門員の方が、まず、どこの学校に配置されているのかというのをお聞きしているんですよ。そこから今の葛飾ろうとかに行っているということは分かるんです。
まず、どこの学校に配置されているのか、それをお答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 先ほどご答弁申し上げましたが、司書または司書補の資格を有する図書館専門員が、週二日程度、在籍校である高校の学校司書から指導助言を受け、週二日程度、特別支援学校に出向いて司書業務を行ってございます。
行き先は、先ほど申し上げましたとおり、葛飾ろう学校、志村学園、久我山青光学園でございます。
○米川委員 質問の意味が分からないでしょうか。どこの学校に配置されたかと聞いているんですけれども、答えないんですね。答えないということでいいですね。それも分からないのですね。どこの学校に配置されて、葛飾ろうにとかという。
大丈夫ですか。
○中西特別支援教育推進担当部長 先ほどご答弁申し上げました三つの特別支援学校に行っておりますのは、足立高等学校、板橋高等学校、豊多摩高等学校の職員ございます。
○米川委員 どうもありがとうございます。一回でいっていただければ、こんなに時間かからなかったので、ぜひよろしくお願いします。
次に、都立高校に学校図書館専門員が配置されていますが、学校司書から指導助言を受けることなく勤務していますよね。
そこで、この図書館専門員が、週二日程度、在籍校である足立高校だったり、板橋高校の学校司書から指導助言を受けることになるわけじゃないですか。
そうすると、この図書館専門員の方というのは、常に助言、指導を受けなければ業務ができないような、そういった職員の方なのでしょうか。伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 理事ご質問の、そちらの配置された、都立高校に配置された専門員が特別支援学校へ派遣されている件でございますが、司書または司書補の資格を有する図書館専門員が、週二日程度、在籍校である高校の学校司書から指導助言を受けて、週二日程度、特別支援学校に出向いて司書業務を行っているものでございます。
○米川委員 要は、この方たち、専門の資格を持って、能力も持っている方たちなんです。多分、都立学校に配置されている学校図書館専門員とあまり変わらない能力を持っていると思うんですね。その方たちというのは、学校司書さんから指導助言をもらわなくても勤務しているんですよ。
そうすると、何をいいたいかというと、当初、例えば一か月ぐらいだったら、学校司書とかから、いろいろと指導助言を受けるというのはありかと思うんです。その後は、例えば年度内ずっと契約があって勤務していただくのだったら、実際に三日間行ったらどういうふうに学校が変わるのかとか、四日間行ったら図書館の状況がどう変わるのかというような、そういったことも含めて、ぜひ今年、まだあと三か月ありますから、年度末までこの図書館専門員の方が配置されるのであれば、そのような柔軟ないろんな業務の仕方をして、どういうパターンでやれば、より有効な形になるかというのをぜひやっていただきたいと思います。
次に、都立学校の学校司書の指導助言を受けた外部専門員を派遣という文章もあるんですが、学校司書は特別支援学校の勤務経験はないのですけれども、指導助言はそもそも行えるのでしょうか。伺います。
また、教育庁では学校図書館スーパーバイザーを配置しているじゃないですか。わざわざ学校司書に指導助言を行わせている理由というのは何なのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 外部専門員につきましては、各学校の実情に応じて特別支援学校の学校図書館の充実を図ってございます。
○米川委員 今お聞きしたのが、学校司書の方は特別支援学校の勤務経験はないけれども、指導助言を行えるのか。あと、スーパーバイザーを置いているので、何でわざわざその方たちから助言を行わせるのかお聞きしたのですが、答えないということで、次の質問に行きます。
外部専門員を派遣しとあるのですが、派遣元はどこを想定しているのでしょうか。この57番のところですかね。特別支援学校での勤務等がどのようになっていると想定しているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 学校の実情に応じ、外部専門員は、選書のほか、読書環境整備等への助言などを行ってございます。
○米川委員 ちょっと聞き方を変えます。都立学校の学校司書の指導助言を受けた外部専門員とあるんですが、この外部専門員という方はどのような方なのでしょうか。私は図書館専門員かと思ったら、図書館専門員とはまた別の方になるのでしょうか。伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 外部専門員につきましては、各学校の実情に応じて特別支援学校の学校図書館の充実を図っているものでございます。
○米川委員 まとめます。
学校図書館の業務を今質問してきましたけれども、教員による対応では、やっぱり教員の発想というんですかね、業務の優先度からすれば、授業かな、あとは生徒対応、そういったものをどうしても優先的にすると思っております。
ですので、学校図書館の関係で、もっとやりたい、もっと業務をやりたいと思っても、時間的にどうしても、やりたくてもやれない業務というのが出てくるのではないかと思っています。だからこそ、先ほどパネルで見せました水元小合学園の図書の本棚に、古い本がばあっと並んでいたりするような状況があるのかなと考えております。
また、教員の働き方改革というのが、そういった点からも、教員に負担を強いるのではなくて、できたら、やっぱり図書館専門の方を、資格を持った専門の方を配置して、その力を生かすことで、また教員が生徒と向き合う時間を増やすというふうにしていくべきだと考えます。
また、この六四ページの上から六行目のところに、こう書いてあるんです。また、都立学校の学校司書の指導助言を受けた外部専門員とあるんですね。外部専門員というからには、図書の業務の専門的な知識や能力があると思うんですよ。あるからこそ外部の専門員という名前がつくのでしょうから、ぜひこの文章のところは、都立学校の学校司書の指導助言を受けたという文言は削除するように求めまして、以上で質問を終わります。
○大松委員 東京都特別支援教育推進計画につきまして質問させていただきます。
教育費の負担軽減と同時に重要なことは、申し上げるまでもなく、教育の質の向上を図っていくことでございます。そして、その教育の質は、何よりも教員の力量にかかっておりまして、教員の皆様方のスキルアップを支援して、その力を伸び伸びと発揮していただけるような環境を整えることが重要であると考えます。
特に、特別な配慮が求められる多様なお子様たちが学んでいる特別支援学校においては、子供たち一人一人の障害の種類や状態に応じて、質の高い指導、支援を行えるよう、教員の専門性を高めていくことが何よりも重要でございます。
その専門性を裏づけるものが特別支援学校教諭免許状でございます。特別支援学校の教員は、幼稚園、小学校、中学校または高等学校の免許状とともに、特別支援学校の免許状を有していなければならないわけでございます。
その一方で、教育職員免許法では、幼稚園、小学校、中学校または高等学校教諭の免許状を持っていれば、当分の間は特別支援学校の教員になることが可能とされておりまして、このため、多くの自治体では、採用時に特別支援学校の免許状の保有を求めておらず、東京都教育委員会においても、採用後五年以内に免許を取得することを条件に受験は可能としております。
そこで、教員の特別支援学校教諭免許状の取得に向けて、東京都教育委員会としてどのように取り組んでいるのか、伺います。
○吉村人事部長 都教育委員会では、特別支援教育の専門性向上の観点から、特別支援学校教諭の免許状の取得を促進しております。
具体的には、法に基づく認定講習を夏季休業期間中に開催し、複数年にわたって免許状の授与に必要な単位を修得できるようにしており、令和五年度は千三百名を超える教員が受講いたしました。
また、教員が認定通信教育を受講し、免許状を取得した場合に、その受講費用を補助しており、令和五年度は五十二名が免許状を取得いたしました。
これらによりまして、特別支援学校において特別支援学校教諭の免許状を保有する者は年々増加しており、令和五年度は四千六百名を超えております。
○大松委員 国の調査によりますと、通常の学級に在籍し、学校生活に著しい困難があるとされている子供は、小中学校で八・八%と推定され、全ての学年や学級に特別な教育的支援を必要とする子供が在籍していることが示されています。
そこで、都教育委員会は、発達障害のある子供が校内で必要な支援を受けられるように、都内全ての公立小学校に特別支援教室を設けています。このため、公立小中学校の全ての教員が発達障害に関する専門的な知識を身につけることが重要になり、その研修が重要であると考えます。
都教育委員会の取組について伺います。
○山田指導部長グローバル人材育成調整担当部長兼務 都教育委員会は、東京都教員研修計画において、全ての教員に必要な素養として、特別な配慮や支援を必要とする子供への対応を位置づけ、区市町村教育委員会とも連携し、教員の経験年数等に応じた必要な研修を実施しております。
具体的には、採用一年目の若手教員に対して、子供の様子に合わせた声のかけ方など、支援の方法に関する研修を実施しております。
また、中堅の教員を対象に、心理の専門家や発達障害に対応している医療機関などとの連携に関する研修を行っております。
さらに、希望する教員に対して、専門性を高めるため、大学等と連携して、インクルーシブ教育や特別支援教育における情報活用に関する研修などを実施しております。
今後、職層や経験年数に応じた研修を計画的に実施するとともに、特別支援教育を取り巻く最新の動向等を踏まえた内容とするなど、研修のさらなる充実を図ってまいります。
○大松委員 私は、教員は、医師と同様に、専門的で、非常に高度なスキルが求められる職業でありまして、それにふさわしい待遇、そして、その能力を発揮できる環境が必要であるというふうに考えております。
教員には、学校現場における実践者という側面と教育技術を磨く研究者という両面がございますから、この研究、研修を十分に行えるようにその環境を整えていくことは、非常に重要でございます。
特に高度な専門性が求められる特別支援教育では、それに携わる教員を大切に育てていただきながら東京の特別支援教育の向上を目指していただくように要望いたしまして、質問を終わります。
○とや委員 共産党、とや英津子です。よろしくお願いします。
特別支援教育第二期の最後、第三次計画素案が示されました。清瀬特別支援学校の質疑でも述べたように、東京都こども基本条例に基づき、子供に最善の教育環境を保障していく立場で計画を策定していただきたいと思います。
私からは施設整備を中心に伺います。
特に、一つの教室をカーテンなどで仕切って二学級で使ったり、特別教室などを普通教室に転用する教室不足の状況は、一刻も早く解消する必要があります。
まず、現在の第二次計画についての都教委の認識について、何点か伺っていきたいと思います。
二〇〇四年度以降、現在の第二期第二次実施計画を含め、特別支援教育推進計画は五回にわたり策定されてきました。第二期第一次実施計画までは、新設をはじめとする学校施設整備の計画については学校名や新設校の建設地域が具体的に素案に示され、保護者や都民の意見を聞いた上で計画策定されてきました。
ところが、二〇二一年度に示された第二期第二次実施計画の素案では、学校の新設や新たな増改築については検討中とされ、具体的なものが示されず、保護者、関係者は衝撃を受けました。
同時に、第二次計画の素案の発表時期に、国では特別支援学校設置基準が策定されたので、素案が計画になった際には、国の基準に合わせて改善した計画が示されるのではないかと期待もしていたわけですけれども、結局、素案が計画に変わっても、学校の新設や増改築については検討中のまま、具体的なものは何も示されませんでした。
第二期第二次実施計画について、学校施設整備計画が示されなかったのはなぜでしょうか。伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 用地の選定や関係自治体との調整に時間が必要なためでございます。
○とや委員 保護者も教員も、いつになったら施設の整備計画を示してくれるのか、待ち望んでいました。私たちも、何度も何度も本会議や委員会で特別支援学校の教室不足と新設について指摘をして、早急に示すよう求めてきました。しかし、第二次が終わる今になっても示されていません。
第二次実施計画では、新設校や増改築は計画期間中に決定後公表するとされていましたが、なぜ決定、公表できなかったのですか。
○中西特別支援教育推進担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、用地の選定や関係自治体との調整に時間が必要なためでございます。
○とや委員 関係自治体との調整が必要なのは当たり前です。第一次計画でも調整はしてきたのではないでしょうか。第二次計画で計画が示せない理由は調整が必要だというのは、言い訳にもなりません。
用地というのは都有地でしょうか。また、用地の選定や関係自治体との調整は、現在どのような状況ですか。伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 用地の選定に当たりまして、関係自治体との調整、こういったものは、今、現在進行中でございます。
○とや委員 進行中だということで、結局、具体的なことは何もいえないということなんですね。
これまで、私たちや都民の方が問合せをすると、相手のあることなので、決まるまではいえないというような説明を都教委は繰り返してきました。しかし、三年たっても決まらないという状況では、もはや隠している場合ではありません。
保護者や関係者の皆さんは、まちを歩いて空き地を探して、あの都有地は今後何かに使う予定があるのだろうかと、私たちも問合せをいただいて一緒に調べて、この土地はどうかと、都教委の皆さんに提案したこともあります。障害のある子供たちの教育環境整備の必要性を世論に広く訴えて、土地を確保していく姿勢が求められているんじゃないでしょうか。
さらに聞きます。第二期第二次計画では教室不足は解消するとしていましたが、進捗状況はどうなっているでしょうか。達成できる見込みですか。
パーティション教室、転用教室は何室ありますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 知的障害のある児童生徒の増加が第二次実施計画の推計を上回る状況がございまして、普通教室を想定より多く確保する必要が生じたところでございます。
なお、今年度、パーティション教室は、事務事業質疑の際に提出いたしました要求資料のとおり二百十二、転用教室は四百五十七でございます。
○とや委員 間仕切りのある教室は二百十二、転用は四百五十七ということです。第二次計画策定時の二〇二一年度の数字を過去の委員会資料で出していただいていますので、調べましたら、間仕切りのある教室は百七十八室、転用教室は三百七十四室でした。教室不足は、全く解消されていないどころか、間仕切り、転用を合わせて百十七室も増えているということになります。
しかも、これは、東京都が教室配置上、普通教室と特別教室を入れ替えて使用している場合など、授業の実施に支障が生じていない教室の数を除く判断をした上での数字です。
二〇二一年の国の調査では、調査項目が七項目あったのですが、仮設の建物の借用教室は百八十三教室が転用、特別教室の転用は三百一、管理諸室の転用は百二十九、教室の間仕切りは二百七十八、体育館、廊下等の間仕切りは一、倉庫、準備室等の転用は四十四、その他の対応は二百六十七教室あって、合計一千二百三教室となっていました。
このときから全く解消されていないということが分かります。事実をきちんと都民に明らかにして、対策を立てるべきだと考えます。子供たちの教育環境向上のために、国の数字で教室不足を解消してください。
ご答弁で、知的障害の子供の増加が第二次実施計画の推計を上回っているとおっしゃいましたが、第二期第二次計画で示した児童生徒の増加の推計について、計画期間中に何人から何人に増えると推計しましたか。
また、全体の数字と知的障害の児童生徒の増加人数を伺います。
また、第二期第二次計画中の増加した児童生徒数分の学校の新設はできているのか、伺います。
○中西特別支援教育推進担当部長 第二期第二次実施計画でお示しした数字についてでございますが、第二期第二次実施計画のこちらの計画書にございますとおりでありますが、特別支援学校では、令和三年度の実数が一万三千四十五人に対しまして、令和六年度は一万四千五百二十九人ということで見込んでいたところでございます。
なお、知的障害のある児童生徒の増加が第二次実施計画の推計を上回る状況である中、令和四年度に立川学園、令和六年度に八王子南特別支援学校を新たに開校したところでございます。
今後も、普通教室の確保により一層取り組んでまいります。
○とや委員 今、立川学園と八王子南特支のお話がありましたが、この二つの特支の在籍可能な児童の数、規模についてお答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 理事からご質問のありました二校の、こちらの想定していた整備教室数でございますが、立川学園につきましては、聴覚障害の部門で四十三クラス、知的障害教育部門のクラスで三十一クラス、八王子南の特別支援学校につきましては、こちらは全体で三十三クラスで整備教室数を想定してございます。
○とや委員 すみません、両方の子供たちの人数について、今、クラス数をお答えいただきましたが、人数についてもお答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 理事ご指摘の立川学園でございますが、現在、生徒数は二百八十八名、八王子南特別支援学校につきましては、現在三十七名でございます。
○とや委員 それは在籍児童生徒ということなので、もうちょっと多いのかなと思うんですけれども、二次計画で示した増加分の人数は、全体で一千四百八十四人、知的で一千三百六十二人です。
二次期間中に開校したのは、今おっしゃった数。もうちょっと増えると思いますが、推計分の学校施設の整備も追いついていません。二次計画期間中の推計増加人数分も達成ができていないんですよ。
本来、児童生徒増の推計プラス間仕切り教室や転用教室の解消分も含めた施設整備が必要です。結局、推計を上回る増加があったからと先ほどから繰り返していらっしゃいますけれども、できなかったというのは理由にもなりません。
そもそも都教委は、第二次実施計画で、新設校と増改築等について、設置場所については検討中として、二〇二二年度計画決定後公表として、児童生徒数の将来推計や全都的なバランスなどを勘案した上で候補地を選定となっていました。
しかし、結局、何も公表しないまま、第三次の時期がもう来てしまっているんですよ。適切に実施してきた、着実に進捗させてきたと、いろいろおっしゃっていましたが、結局できなかったと。二次計画について、都としてきちんと詳細な総括をすることを求めておきます。
このままだと、第三次計画の三年間でも教室不足は解消できないことになりかねません。これはもう本当に、何が何でもやり遂げなければならない最優先課題です。厳しく指摘をしておきます。
ここからは第三次計画の内容について伺っていきたいと思います。
これまで計画にあったような児童生徒数の推計が第三次計画素案にはありません。その理由を伺います。そして、早急に示すべきではないでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 理事ご質問の推計値でございますけれども、現在、こちらの方は作業中でございます。
そして、三次計画で、こちらは現在、素案では出してございませんが、その辺りにつきましては、今後、公表に向けて検討してまいります。
○とや委員 今、推計中ということですが、推計が終わるのはいつなのか。そして、いつ公表するのでしょうか。はっきり答えていただきたいのですが。
○中西特別支援教育推進担当部長 推計値につきましては、公表できる時期になりましたら公表するものでございます。
○とや委員 大体、素案に推計値を示さないと、どうやって需要を把握するのか。そういう材料をここで示してこそ議論になるんじゃないでしょうか。それで、今聞いても、いつ発表するか分からないと。そういう無責任な答弁はないと思いますよ。
計画の完成を待たず、公表することを求めます。必ず公表してください。本当だったら、今日、公表しなきゃ駄目なんですよ。
また、第三次計画における具体的な施設整備計画も素案にありません。いつ公表しますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 第三次実施計画の中で公表する予定でございます。
○とや委員 施設の整備計画は、第三次の実施計画完成時には公表するということです。
それは、新設の予定地とか増改築の学校名も含めて、具体的に公表されるのでしょうか。お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 公表内容についても含めて、第三次実施計画の中で、公表に向けて、こちらは作業してまいります。
○とや委員 今、私が聞いたのは、新設の予定地、何々地区とか、あるいは増改築の学校名、仮称どことか、そういったことも含めて具体的に公表されるのですかとお聞きしました。
もう一度、教えていただけますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 現在、詳細につきましては検討中でございまして、第三次実施計画の中で公表する予定でございます。
○とや委員 現在検討中ということでありました。第二次計画のように、また検討中としたり、また曖昧な表現でお茶を濁すのではなくて、必ず具体的に示してください。
本来は、素案のときに都民に示して意見を聞くべきなんですよ。これも計画の完成前に案として示していただいて、意見を聞くことを求めます。
第二期計画は、今回の第三次で終了となります。第三次計画終了時には、間仕切り教室とか転用教室は解消しますか。お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 現在、内容の詳細につきましては検討中でございます。
○とや委員 いや、内容じゃなくて、終了時に――この第三次の計画がこれから始まっていくわけですけれども、間仕切りとか、さっき何百とありましたよね。転用教室は解消する予定なのかどうかを聞いているんですよ。検討中とかいわないでください。
お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 繰り返しになりますが、詳細な内容につきましては検討中でございます。
○とや委員 本当に曖昧な答弁しかなさらないんですよね。村西さんはいろいろおっしゃっているみたいだけれども。
私、この素案を読みましたが、事業番号10、ここには知的障害特別支援学校の適正な規模と配置という項目があって、普通教室の確保というのがあります。
第二次計画の同様の部分には、普通教室を間仕切りして使用している教室を解消します、特別教室等から転用した普通教室についても解消します、このようにあるんですよ。
ところが、第三次実施計画の素案には、現状、転用教室や間仕切り教室があることは書いてありますが、それを解消するとは書いていません。東京都はずっとこれを解消すると掲げてきたのに、投げ捨ててしまうとしたら、とんでもない後退ですよ。
第三次実施計画にも、きちんと転用教室、間仕切りの解消を明記することを求めます。いかがでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 第三次実施計画の素案にも記載いたしましたとおり、今後、迅速かつ効果的に教育環境の改善を図ってまいります。
○とや委員 結局、今の計画、第二次実施計画に書いてある、掲載されている文言をお答えになれないんですよ。諦めちゃっているんですか。障害児の子供たちの教育環境の確保なんです。目標を後退させることなく、必ず明記することを求めます。
子供たちへの特別支援教育の推進、そのための学校の施設整備をきちんと取り組んでいただけるのか、さらに懸念せざるを得ないのが事業番号の22です。先ほど来、質問もありました。この事業番号22で、東京都は、東京都立特別支援学校の施設整備等在り方検討委員会を立ち上げ、検討しているとしています。
ここでは、新たな考えに基づく施設整備の展開として、知的障害教育部門において今後も児童生徒数の増加傾向が続くとして、五点挙げているんですね。知的障害特別支援学校の高層化、特別支援学校施設整備標準に定める普通教室面積の弾力的扱い、中庭等を活用した小規模、分散型による屋外運動場の設置、児童生徒数の増加に応じた緊急、一時的な増築棟の設置、そして、在校する児童生徒数の増減や多様な学習内容に対応できる柔軟な教室の設置、この五点です。
どれも規制を緩和するもので、劣悪な教育環境を固定化するような検討だといわざるを得ません。
そこで伺いますが、第三次計画素案の検討に当たり、東京都立特別支援学校の施設整備等在り方検討委員会は、どのような人が委員でしょうか。どのような考えで委員を選定しましたか。
○中西特別支援教育推進担当部長 検討委員会の委員につきましては、外部有識者や特別支援学校長、都の教育庁の職員が検討に当たってございます。
○とや委員 私、名簿をいただいて見たのですけれども、外部有識者とは、大学の先生二名、あとは校長先生四人と教育庁の職員九人なんですよ。つまり、子供たちに日常的に関わっている人はいません。保護者も入っていません。
保護者や現場教員を入れない理由を伺います。特に保護者の声は重要ではないでしょうか。お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 東京都立特別支援学校の施設整備等在り方検討委員会において、特別支援学校長を通じ、様々な意見を聞いてございます。
○とや委員 校長を通じてというのはおかしいですよ。直接意見を聞かなければ、その意見はどんどん薄まってしまいます。校長の裁量一つで取捨選択もされます。校長は保護者ではありませんよ。その論法は、もうやめた方がいいと思います。
特別支援学校の在り方を考える際、保護者の声を直接聞かなくてどうするのでしょうか。教員は、日常的に子供の学校での様子も知っています。校長は、常に子供に関わっているわけではなくて、間接的に聞くだけではないでしょうか。
保護者は、我が子の成長、発達を願い、よりよい環境で学んでほしいと思っています。一番子供に身近なのが保護者なんです。そして、教員は、現場で日々、子供に向き合い、成長を促し、自信を持って生きることができるよう支援し、保護者と連絡を取り合い、一緒に子供を育てている存在です。
一番子供のことを理解している存在を検討委員会に加えず、特別支援学校の在り方を決めることはあり得ないです。今からでも入ってもらってください。強く求めます。
この事業22について具体的に伺っていきたいと思いますが、先ほど曲がりなりにも、普通教室の確保に一層取り組むとご答弁がありました。これ自体、重要な答弁なんですが、そのやり方に懸念があるわけです。
まず、学校施設の高層化についてです。
先ほどもご答弁でありましたが、東京都建築安全条例の第十二条、小学校及び特別支援学校並びにこれらに類する専修学校及び各種学校の用途に供する特殊建築物の四階以上の階には、教室その他の児童または生徒が使用する居室を設けてはならないとしています。つまり三階までなんですよ。
国の整備指針でも、高層化はやむを得ずと、やむを得ない場合にと限定されています。
特別支援学校の児童生徒の安全を確保する観点からも、高層化は危険ではないでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 安全性に十分な配慮を行いまして整備等を行ってまいります。
○とや委員 安全性に十分配慮すると今おっしゃったのですが、その安全性に十分な配慮をするというのはどのような配慮をいうのか、お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 高層化に当たりましては、建物内の移動の安全性を十分に配慮した整備の実施や、障害の状況に応じて教室を配置するとともに、非常時には確実に避難できる対応を取るなど、安全の確保を徹底してまいります。
○とや委員 移動への配慮だとか、障害の状況に応じての教室の配置というお答えがあったわけですけれども、大体、もう先生たちは減らされているじゃないですか。どうやって配慮するのかなと思いますよ。しかも、教室は、どんどんどんどん大規模化しちゃっているじゃないですか。
例えば、知的障害でも歩くことが不自由なお子さんや、強度行動障害などの障害の状態は、大体、子供は様々ですよ。
災害などの際、高層階からの避難は困難が伴うのではありませんか。いかがでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 安全性に十分な配慮をし、整備等を行ってまいります。
○とや委員 同じ答弁をしないでいただきたいんですよね。
保護者の方に意見を伺いました。広い意見を確保するためには、高層化も仕方がないと考える方もいらっしゃるかと思いましたら、とんでもありません。どの方に伺っても、安全面を考えたら高層化は絶対にやめてほしいという、そういうご意見でした。保護者に聞けば、そういう意見になってくる。
学校内では、限られた人員で生徒を避難させなければなりません。保護者も働いている方も多くて、すぐに駆けつけられるものではありません。
そもそも、災害時はエレベーターが使えなくなることが想定されます。階段での移動になってしまいます。そうしたとき、一人一人を避難させるのは極めて困難ではないでしょうか。だからこそ、特別支援学校は低層にして児童生徒の安全性を確保しているのではないでしょうか。
そもそも子供の増加に合わせて学校を新設してこなかった都教委の責任を、子供たちの教育環境の悪化を招くようなやり方で乗り切るのはやめてください。そして、高層化して、あとは学校に任せると、こういうやり方も絶対にやめてください。
さらに、普通教室面積の弾力的な取扱い、すなわち、教室不足を子供の生活空間を狭くして対応しようとしています。今でもパーティションで区切って使っているため、教室が狭くて教育の質が問われているのに、それを解消するのではなく、狭くてもよいとするということでしょうか。
普通教室面積を減らすことは教育の質の低下を招くのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 効率的な活用や、児童生徒に応じた効果的な指導が期待できるものと考えております。
○とや委員 では、お聞きしますが、効率的な活用とは具体的にどのようなことをいうのでしょうか。また、効果的な指導とはどのような指導ですか。教えてください。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、特別支援学校施設整備標準によりまして、特別支援学校の普通教室面積について、授業だけでなく、個別指導を実施するスペースを見込んだ標準を設定しております。
これを踏まえまして、特に児童生徒数の増加が著しく、限られた土地を効果的に活用する必要があるエリアにおきましては、知的障害特別支援学校の新設や改築に当たり、授業用のスペースと個別指導用のスペースを別途設けることを検討してございます。
このことにより、施設標準の考えを維持しながら、校舎内のスペースの効率的な活用と、個に応じた効果的な指導が期待できるものと考えております。
○とや委員 普通教室の面積を減らして個別の教室、個別指導をやると。間違っていますよ。面積は面積でしっかりと確保しながら、個別指導ができる教室をちゃんと配置する、それが本来の考え方です。それを、普通教室が足りないからと狭くして、みんなでシェアして使いましょうというのは、あまりにもお粗末じゃないでしょうか。
この間、幾つかの特別支援学校を視察させていただいてまいりましたが、教室が不足していて、間仕切り教室がどこでもあって、隣のお部屋の声や音が丸聞こえという教室がありました。これで子供たちは授業に集中できるのだろうかと思っていました。
音が漏れるだけではありません。狭い教室では教育活動も制約されますし、子供に応じた落ち着いた環境を整えることも簡単ではありません。
国の指針では、個別の指導計画等の実施に基づく多様な部屋や空間の利用、幼児、児童生徒の障害の状態や特性、発達段階等に柔軟に対応できる空間とすることが重要である、その際、個別の指導計画等の実施に当たり、個人情報の保護もやれるようにしましょうと、そういったことも重要性を記載されていました。
また、教員等が指導、介助のしやすい環境を構成できる面積や形状等とすることが重要であること、複数の障害に対応した施設とする場合は、おのおのの障害の特性等を十分勘案し、考慮し、相互の交流に留意しつつも、相互の利用に支障のないよう、面積、形状等を計画することが重要であると述べられています。
教室の面積を減らせば、生徒の教育環境が後退するのは目に見えています。国の指針を具体化しようと思えば、教室面積の都の標準を引き下げるなどということはできないはずです。やめるべきだと強く要求します。
さらに聞きます。生徒数の増加の際、緊急、一時的に仮校舎を建設することは校庭面積を減らすことで、既に多くの既存校が国の設置基準を満たしていない下で、問題があるのではないでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 学校外の施設を活用するなどにより、教育環境を確保していくものでございます。
○とや委員 校内の敷地で体育や屋外活動ができないこと自体、教育の質の低下です。学校外の施設に行くことは、子供にとって安全性に配慮が必要になります。校外の施設へ出かければ、時間もかかり、効率的ではありませんし、教員の負担も大きいです。教育環境の確保は困難だといわざるを得ません。
これらの基準の緩和は、どれも教育の質低下を招くものであり、見直すべきではありませんか。
○中西特別支援教育推進担当部長 限られた土地の有効活用と教育環境の充実の両立を図る施設整備について検討してございます。
○とや委員 限られた土地に詰め込んで、教育環境の充実と両立するわけがありません。自己矛盾だらけだということに気がつかないのでしょうか。
事業番号22には、特に都心部においては、新設や改築を行うための学校用地に適した十分な大きさの土地を確保することが課題とあります。きちんと探しているのでしょうか。
保護者の中では、築地市場の跡地に特別支援学校をつくってくれればよいと話になっているそうですよ。私も本当にそうだと思いました。企業に再開発をさせ、大型ホールや富裕層向けマンションをつくるためには都有地を差し出すけれども、特別支援学校はつくれないというのは差別的だと思います。
また、大規模校をつくって生徒を詰め込むということが前提になっているから、こうした発想になって土地も見つからないんです。
この間、何度も述べてきましたが、児童生徒の規模は百五十人程度とすること、これは教員の皆さんも求めているではありませんか。保護者も同じ思いです。この立場で、全庁を挙げて土地を探すことを求めるものです。
自らつくった設置基準も守れない、国の基準も守らない、子供たちの教育環境より、とにかくつくればいいという姿勢は改めるべきです。生徒は物ではありません。大規模校舎に詰め込むのではなく、中小の規模の土地を見つけて、ゆとりある落ち着いた環境で発達、成長できるよう取り組むことを強く求めます。
次に、事業番号23、老朽校舎の改築、大規模改修についてです。
この間、私どもは、都立特別支援学校を含む学校施設の視察を行って、老朽化が激しく、改修、改築や部分的な改善なども必要な学校が多くあることを指摘してまいりました。
学校は、生徒が毎日通い、一日の大半を過ごし、学ぶ施設です。避難拠点にもなって、安全で清潔で快適な環境を保障するのは都の責任です。適宜、改修や改善、定期的な大規模改修などが都に求められています。
そこでお聞きします。都教育委員会は、どのような基準で特別支援学校の学校施設の改修や改築、修繕などを行っていますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、都立特別支援学校について、各施設の状況に応じ、随時必要な修繕、改修を実施いたしますとともに、築年数や老朽化の度合い等を総合的に勘案し、改築や大規模改修を進めております。
○とや委員 随時必要な修繕、改修を行っているということですが、私たちがこれまで拝見してきた学校では、長期間修繕がされずに放置され、指摘されて慌てて修繕を行うというものでした。このようなやり方は改めて、計画的にきめ細かな修繕や補修などを行えば、学校はもっときれいで長もちするのではないでしょうか。
各自治体では、国の方針に基づいて学校施設の長寿命化計画などが策定されていますが、特別支援学校の改修、改築計画はありますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、都立特別支援学校について、築年数や老朽化の度合い等を総合的に勘案し、都の主要施設十か年維持更新計画に位置づけ、改築や大規模改修を計画的に進めております。
○とや委員 学校に特化した計画はないわけです。しかも、十か年維持更新計画は大規模改修や改築の計画でしかなくて、先日も、私、申し上げたのですが、大規模改修に至る前の細かな点検や改修、設備更新が必要です。
改築や大規模改修も、十か年計画の俎上にいつのるのか分からないのが現状です。計画にしないと、大規模改修まで長期間放置されることになります。都教育委員会として責任を持って計画策定をすることを求めます。
また、老朽化した学校を大規模改修したり、気候変動に対応し、ZEB化やエアコンの設置とセットで学校の断熱化をすることが重要です。
都は、ZEB化の手引き(学校編)を策定し、学校施設の整備において、省エネ・再エネ東京仕様を最大限活用し、外皮の高断熱化などの建築をして省エネ対策を徹底することによる設備の小容量化、そして機器の効率化などによって、一次エネルギーの消費量の削減を図るということを示しています。
都立特別支援学校において、改修、改築の際、ZEB化や断熱改修はしていますか。学校施設はZEB化し、普通教室、特別教室、体育館など校内施設の断熱を進めるべきですが、いかがでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校におきましては、改築等の際に、屋根や外壁のほか、窓等の断熱性を高める省エネ・再エネ東京仕様に基づき断熱性の向上を進めております。
また、この省エネ・再エネ東京仕様では、本仕様を適用した建築物の改築等におきましては、ZEB化を目指すとされております。
○とや委員 ぜひ進めていただきたいです。
また、学校の断熱化に取り組む専門家は、天井と壁の断熱、窓の断熱、室内のCO2濃度を抑制する換気設備の三点セットを、学校の教室を低コストで断熱改修する方法として提唱しています。
学校施設において最も熱の出入りが大きい場所は窓です。窓から入る直射日光や照り返し、奥まで差し込む西日などによって室温が上昇します。このように窓が大きく広いという特徴を持つ学校施設の場合は、窓に断熱、遮熱を行うことが空調設備のエネルギー削減に有効です。日射熱を大幅にカットして、熱が室内に入り込むのを効率よく防ぎ、冷房の負荷を低減します。
体育館のようなエアコンが効きにくい施設でも、断熱化すれば熱効率がよくなるのではないでしょうか。
ZEB化に至る前でも、既存施設でぜひ取り組んでいただくことを求めておきます。
ここからは、施設の具体的な問題についてお聞きします。石神井特別支援学校についてです。
都立石神井特別支援学校では、高等部が練馬特別支援学校に移って三十七学級になりましたが、その後も児童生徒数が増加し、小学校三十五クラス、中学校十六クラスになって、現在、五十一学級、二百五十九名、間仕切り教室は二十四学級になっています。
来年も学級増となる見込みで、教室の改修を行う予定だそうです。
学校の新設は予定していますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 児童生徒数の将来推計や全都的な配置バランスなどを勘案した上で、特別支援学校の新設や増改築などを実施しております。
○とや委員 既に間仕切り教室が二十四学級あるんです。看過できません。
モニターテレビなども置く場所もなく、和室は乗務員の控室になり、廊下の端に生徒や先生の更衣室があって、教室のドアを片方利用できない場所もあります。
早急に改善すべきではないでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 児童生徒数の将来推計や全都的な配置バランスなどを勘案した上で、特別支援学校の新設や増改築などを実施しております。
〔とや委員「答弁違うんじゃないの」と呼ぶ〕
○中西特別支援教育推進担当部長 大変失礼いたしました。
ご答弁申し上げます。普通教室のドアは利用でき、出入りに支障はないことを確認してございます。
○とや委員 私たちが伺った際は、廊下の幅の三分の二ぐらいを教職員の更衣室としてパーティションで仕切って、残りの一メートルもないような幅の通路にはモニターテレビなどが置いてあり、教室の扉は一つしか使えない状態でした。しかも、近々、教室をパーティションで間仕切りをして使うという説明も受けました。
そうなると、一方の側の生徒は直接広い廊下に出られますが、もう一方の側の部屋を使う生徒は、狭い通路を通って出入りしなければなりません。非常に危険です。こうした劣悪な環境は、すぐに改善してください。
校庭も拝見しました。私たちが伺った際は子供たちが体育をしていましたが、住宅街の一角にあるため、今は運動会ができないそうです。都教委として、近隣住民に回っていただいて説得するくらいのことをしてほしいです。
そして、校庭の門扉はさびついていました。生徒がけがをしないように、学校がビニールで養生して応急処置をしています。
放置をせずに、早急に修繕を行っていただきたいです。いかがですか。
○中西特別支援教育推進担当部長 校庭の門扉につきましては、既に修繕する予定でございます。
○とや委員 では、門扉と人工芝の改修はいつやるのでしょうか。
いつやるか、お答えください。人工芝と門扉。
○中西特別支援教育推進担当部長 校庭の門扉につきましては、既に修繕する予定でございます。
○とや委員 答弁漏れですよ。人工芝も聞いたのですけれども、お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 失礼いたしました。
校庭の人工芝につきましても、既に修繕する予定でございます。
○とや委員 校庭の人工芝は、古くて削れているんですよ。そして、生徒が座ると、体育着にかすが付着すると聞きました。マイクロプラスチックの危険もある。これはご存じでしょうか。こうしたことをすぐに改善してほしいんですよ。ぜひお願いします。
大体、私が視察したとき、都教委の皆さんや学校経営支援センターの皆さんもいたじゃないですか。そのとき、改修の予定があるなどという話はしていませんでしたよ。指摘されたから慌ててやることにしたのに、既になどというのは、何かメンツを保ちたいかもしれない、そういうふうに受け取られても仕方ないですよ。おかしいと思います。
学校を点検して、都教委が率先して修繕に乗り出すべきです。学校が適切に、学校が適切にと、現場の責任ばかりにしている。設置者は東京都教育委員会じゃありませんか。両方とも、とにかく早く実施していただくことを求めます。
それから、先ほど、私、申し上げましたが、マイクロプラスチックの危険性、これについてお答えいただけますか。
○中西特別支援教育推進担当部長 学校施設の維持管理等を適切に行うことは当然であると認識しておりまして、都教育委員会は、その施設等の状況に応じて、必要な修繕、改修等を適切に実施することとしております。
○とや委員 なぜ聞いたことに答えられないんでしょう。マイクロプラスチックというのは危険じゃないですかと聞いたのですけれども。修繕とかそういうこと以前に、危険じゃないでしょうか。
人工芝は、マイクロプラスチックが、こすれて削れてくると危険なんですよ。生徒の体内に入ると、子供たちの体内に入ると。そのことについてお答えくださいといったんです。
いかがでしょうか。
○中西特別支援教育推進担当部長 繰り返しになりますが、学校施設の維持管理等を適切に行うことは当然であると認識しております。都教育委員会は、その施設等の状況に応じて、必要な修繕、改修等を適切に実施することとしております。
○とや委員 じゃ、お聞きしますが、この人工芝というのは、一般的に有害物質であるPFASが含有されていると聞いているんです。含まれていれば、子供たちの健康にとっても重大問題になります。
検査していますか。お答えください。
○中西特別支援教育推進担当部長 重ねてのご答弁となりますが、学校施設の維持管理等を適切に行うことは当然であると認識しております。都教育委員会は、その施設等の状況に応じて、必要な修繕、改修等を適切に実施することとしております。
○とや委員 だから、やっていないんですよ。ずっと放置されてきたの。それで、保護者から、子供の体育着についちゃっていると。そういう声が上がるまで放置なんですよ。その危険性についても学校任せなの。これは本当に早く改善していただいて、安全な校庭にしていただきたい。強く求めておきます。
この間、都立学校を視察して思うことは、長い間、修繕がされず、応急措置だけになっている学校が多いことです。エアコンが壊れたり、蛍光灯がつかなかったり、体育館の雨漏り、草が生えて蚊が発生しているのに放置、網戸もつかないなどなど、一体、どこの老朽施設なのかと思わせるような状況であります。保護者も切実な声を上げているじゃありませんか。
学校は、生徒が一日の大半を過ごす場所。先ほど申し上げましたが、成長の場所であります。教室不足を規制緩和で緩めて乗り切るなど、言語道断です。最優先で、ゆとりがあって安全で落ち着ける学校を創設し、教室不足を解消することを求めて、質問を終わります。
○小山委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小山委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で教育庁関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時五十六分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.