文教委員会速記録第七号

令和六年五月二十八日(火曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長藤井あきら君
副委員長平田みつよし君
副委員長小林 健二君
理事田の上いくこ君
理事五十嵐えり君
理事とや英津子君
かまた悦子君
たかく則男君
龍円あいり君
斉藤まりこ君
鈴木  純君
風間ゆたか君
菅原 直志君
川松真一朗君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長古屋 留美君
生活安全担当局長竹迫 宜哉君
次長久故 雅幸君
総務部長奈良部瑞枝君
私学部長加倉井祐介君
国際スポーツ事業部長梅村 実可君
スポーツ施設部長澤崎 道男君
企画担当部長杉山 浩二君
治安対策担当部長事業推進担当部長兼務勝見 恭子君
企画調整担当部長運営担当部長兼務石原  慎君
連携推進担当部長スポーツレガシー活用促進担当部長兼務志村 将憲君
パラスポーツ担当部長上山亜紀子君
大会推進担当部長原 陽一郎君
大会総合調整担当部長巻口 博範君
国際連携担当部長長野 章子君
大会事業推進担当部長木村 賢一君
スポーツ施設担当部長飯沼 健一君
教育庁教育長浜 佳葉子君
次長猪口 太一君
教育監瀧沢 佳宏君
総務部長岩野 恵子君
都立学校教育部長村西 紀章君
地域教育支援部長山本 謙治君
指導部長山田 道人君
グローバル人材育成部長信岡 新吾君
人事部長吉村美貴子君
福利厚生部長吉村 幸子君
教育政策担当部長秋田 一樹君
デジタル推進担当部長DX推進担当部長兼務落合 真人君
高校改革推進担当部長猪倉 雅生君
特別支援教育推進担当部長中西 正樹君

本日の会議に付した事件
理事の互選
生活文化スポーツ局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都安全安心まちづくり条例の一部を改正する条例
教育庁関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(説明・質疑)
・令和五年度東京都一般会計予算(教育庁所管分)の繰越しについて
陳情の審査
(1)六第一〇号 都立立川高等学校定時制課程の募集停止の予告を取り消すことに関する陳情

○藤井委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、委員の退職及び所属変更について申し上げます。
 議長から、去る四月十四日付をもって、公職選挙法第九十条の規定により、伊藤ゆう委員及び西崎つばさ委員が議員を退職した旨、また、去る五月十七日付をもって、新たに五十嵐えり議員及び菅原直志議員が総務委員会から本委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 五十嵐えり委員です。

○五十嵐委員 よろしくお願いいたします。

○藤井委員長 菅原直志委員です。

○菅原委員 よろしくお願いします。

○藤井委員長 紹介は終わりました。

○藤井委員長 次に、西崎つばさ議員の退職に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○鈴木委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○藤井委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、理事には五十嵐えり委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。理事には五十嵐えり委員が当選されました。
 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。

○藤井委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の佐々木洋輔君です。
 議案法制課の担当書記の小関友恵さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○藤井委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局及び教育庁関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに教育庁関係の報告事項の聴取及び陳情の審査を行います。
 なお、本日は、報告事項については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行います。ご了承願います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、生活文化スポーツ局長に古屋留美さんが就任されました。
 古屋局長から挨拶並びに交代のあった幹部職員の紹介があります。
 古屋留美さんを紹介いたします。

○古屋生活文化スポーツ局長 去る四月一日付で生活文化スポーツ局長を拝命いたしました古屋留美でございます。
 藤井委員長をはじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りながら、全力で事務事業に取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、先般の人事異動によります当局幹部職員をご紹介させていただきます。
 私学部長の加倉井祐介でございます。国際スポーツ事業部長の梅村実可でございます。スポーツ施設部長の澤崎道男でございます。企画担当部長の杉山浩二でございます。治安対策担当部長で事業推進担当部長を兼務いたします勝見恭子でございます。企画調整担当部長で運営担当部長を兼務いたします石原慎でございます。連携推進担当部長でスポーツレガシー活用促進担当部長を兼務いたします志村将憲でございます。パラスポーツ担当部長の上山亜紀子でございます。大会推進担当部長の原陽一郎でございます。大会総合調整担当部長の巻口博範でございます。国際連携担当部長の長野章子でございます。大会事業推進担当部長の木村賢一でございます。スポーツ施設担当部長の飯沼健一でございます。最後に、当委員会との連絡に当たります担当部長で総務課長事務取扱の田中正之でございます。
 以上でございます。
 なお、都民安全推進部長の馬神祥子でございますが、病気療養のため、本日は欠席させていただいております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○藤井委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○藤井委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○古屋生活文化スポーツ局長 今定例会に提出を予定しております生活文化スポーツ局関係の議案についてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、条例案一件でございます。
 私から、議案の概要についてご説明申し上げます。
 資料第一号、令和六年第二回東京都議会定例会議案の目次をご覧ください。
 今定例会に提出を予定しておりますのは、東京都安全安心まちづくり条例の一部を改正する条例の一件でございます。
 以上で私からの議案の説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明を申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○奈良部総務部長 引き続きまして、私から、議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 資料第2号、令和六年第二回東京都議会定例会議案の概要の一ページをご覧ください。
 東京都安全安心まちづくり条例の一部を改正する条例でございます。
 1、改正理由をご覧ください。本条例は、東京都薬物の濫用防止に関する条例の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 2、改正内容をご覧ください。薬物濫用防止条例第二条の号ずれに伴い、当該条文を引用している本条例の号番号の整備を行うものでございます。
 3、施行期日は、記載のとおりでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。

○藤井委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、教育長から紹介があります。

○浜教育長 さきの人事異動で教育庁幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 次長の猪口太一でございます。教育監の瀧沢佳宏でございます。総務部長の岩野恵子でございます。地域教育支援部長の山本謙治でございます。指導部長の山田道人でございます。グローバル人材育成部長の信岡新吾でございます。デジタル推進担当部長でDX推進担当部長を兼務いたします落合真人でございます。特別支援教育推進担当部長の中西正樹でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○藤井委員長 紹介は終わりました。

○藤井委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○浜教育長 令和六年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明を申し上げます。
 ご審議いただきます案件は、都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例一件でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○岩野総務部長 それでは、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 資料第一号、令和六年第二回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をおめくりください。目次をご覧ください。
 提出予定の条例案は一件でございます。
 一ページをご覧ください。都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 三ページの新旧対照表をご覧ください。公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償の基準を定める政令の一部を改正する政令の施行に伴い、介護補償の額を改定するものでございます。
 施行日は、公布の日でございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○藤井委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○秋田教育政策担当部長 令和五年度一般会計予算の繰越しにつきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、資料第2号、令和五年度教育庁所管繰越説明書の一ページをご覧ください。Ⅰ、総括表でございます。
 一般会計につきまして、予算現額四億二千万円、繰越明許費予算議決額四億二千万円、翌年度繰越額四億二千万円となっております。
 財源は、全て特定財源でございます。
 二ページをご覧ください。Ⅱ、内容といたしまして、番号1、高等学校等デジタル人材育成支援事業でございます。
 国が令和五年度補正予算において計上した当該事業に係る補助金について繰越しを行いまして、令和六年四月に交付決定の通知を受けましたため、都立高校等におけるICT機器整備経費につきまして、事業に係る財源を繰り越すものでございます。
 説明は以上となります。よろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○藤井委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情六第一〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○猪倉高校改革推進担当部長 陳情六第一〇号、都立立川高等学校定時制課程の募集停止の予告を取り消すことに関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 資料第3号、文教委員会付託陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 本陳情は、国分寺市の東京都立立川高等学校芙蓉会(定時制同窓会)代表、椎野彰夫さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、都立立川高等学校定時制課程の募集停止の予告を取り消していただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率、生徒の在籍率はともに低下し、また、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の在籍率も減少しております。
 一方、定時制課程には、全日制高校などへの進学希望がかなえられなかった生徒、不登校を経験した生徒、外国人の生徒など多様な生徒が在籍し、教育ニーズも多様化しております。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年二月に策定した都立高校改革推進計画・新実施計画におきまして、生徒や保護者などのニーズの高い昼夜間定時制高校とチャレンジスクールの夜間部の規模拡大やチャレンジスクールの新設を行い、その進捗や、夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくこととしました。
 平成二十八年以降これまで、生徒等のニーズに応じて、チャレンジスクールの新設や夜間部の規模拡大を行ってきましたが、夜間定時制課程については、応募倍率が低い状態が続いております。
 こうした状況を踏まえ、不登校経験のある生徒の増大など、困難を抱える生徒のニーズに応えられる受入れ環境を充実するため、令和七年度に立川地区チャレンジスクールの新設及び砂川高等学校の受入れ規模を拡大するとともに、立川高等学校夜間定時制課程については、生徒募集を停止する予定でございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
 この陳情、都立立川高等学校定時制課程の募集停止の予告を取り消すことに関する陳情について質問いたします。
 都教育委員会は、平成二十八年、二〇一六年に発表した都立高校改革推進計画において、都立立川高等学校定時制を含む四つの都立高校の定時制課程を閉課程することに決めています。
 小池都知事が就任して以降、夜間定時制を守ってほしいという多くの声が繰り返し届けられてきましたが、都教育委員会は、こうした声に耳を傾けずに閉課程の強行を続けています。都立雪谷高校と都立江北高校の二つは、既に廃校となってしまいました。
 今回は、都立立川高校定時制課程について、昨年十月に二〇二五年度からの募集停止の予告が出された下で、この取消しを求める陳情が出されました。
 こうして繰り返して都民の陳情が出されるのは、夜間定時制が、困難を抱える子供たちにとって、学びのセーフティーネットとしての貴重な役割を担っているからだというふうに思います。今こそ、夜間定時制が持つ今日的意義を再確認していかなくてはいけないというふうに強く感じています。
 そこでまず、その役割についての認識から伺っていきたいと思います。
 二〇二一年三月の予算特別委員会での立川高校定時制についての我が党の質問に対して、当時の藤田前教育長は、立川高校定時制ではこれまでも、個々の生徒の状況に応じたきめ細かい学習指導を行っており、入学した生徒たちを卒業まで、一人一人自信を持たせ、進路実現を図る教育活動を展開してきておりますと、閉課程が決まった後でも、その役割について重要な答弁をしています。
 まず最初に、教育長にお伺いしたいと思います。
 浜教育長も、このときの認識と同じ認識をお持ちでしょうか。ご答弁お願いします。

○猪倉高校改革推進担当部長 同様の認識でございまして、立川高校定時制課程も含め、全ての都立高校では、生徒の希望する進路の実現に向けて、そのニーズや実情に応じた学習指導を行っているものと認識しております。

○斉藤委員 繰り返し都民の方々から声が寄せられている、こうした基本的な認識について、私は浜教育長に答弁を求めているんですけれども、これに答えないというのは大変残念です。
 さらに伺います。質問を換えて、もう一回伺います。
 小池都知事も、夜間の定時制高校について答弁しています。今日では、不登校を経験した生徒、そして外国人の生徒などの学びの場となっている、そして、きめ細やかな指導を行うなど、社会人としての自立を促す、その上で重要な役割を果たしていると認識をいたしておりますという小池都知事の答弁です。
 この知事の答弁と同じ認識をお持ちか、浜教育長、ぜひご答弁お願いします。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川高校定時制課程も含め、全ての都立高校では、生徒の希望する進路の実現に向けて、そのニーズや実情に応じた学習指導を行っているものと認識しております。

○斉藤委員 今日も傍聴者の方もたくさんおられる中で、本当に繰り返しこの声が届けられていて、こういうことに教育長が答弁されないというのは、本当に私は重大な姿勢だというふうに思います。
 今ご答弁で、立川高校定時制を含めて、全ての都立高校ではというご答弁なんですけれども、知事も、前教育長の藤田教育長も、前教育長も、立川定時制高校について、きちんと答弁をしています。きめ細やかな指導の下に、一人一人に自信を持たせる、また、社会人としての自立を促す、その上で重要な役割を果たしているという認識を示しているんですね。こういうことをきちんと捉えて、さらに今日的意義を再確認していくということが重要だというふうに思います。
 夜間定時制といえば学校給食がありますけれども、これまでは有料で、立川高校定時制でも、年間、注文をしますと約八万円くらいかかるということもあって、どの夜間定時制でも喫食率が低いということが課題になっていました。
 しかし、今年度に無償になってから、私は幾つかの夜間定時制の先生方にお話を伺いましたけれども、給食を食べる生徒が増えているというふうに聞いています。
 立川高校定時制では、昨年五月と今年の五月を比べて、実際に予約数にどのような変化があったのか、伺います。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川高校定時制課程では、令和五年五月の給食の予約数は、一日当たり約五十人、令和六年五月は、一日当たり約九十人となってございます。

○斉藤委員 昨年度が約五十人だったところ、今年度は約九十人と、人数比で一・八倍になっているということですけれども、在校生の数も後から伺いますけれども、在校生の数に対する割合でいうと、昨年が三割ぐらいだったのに比べて、今年度は、六割以上の割合で二倍以上に増えているということが分かります。本当によかったなというふうに思います。
 ある夜間定時制の先生からは、無料になったから食べるという生徒がいたということや、栄養価があっておいしいと評判の給食をたくさん食べてもらえるのはうれしい、もっと早くやってくれたらよかったのにと思うくらいだというお話も伺いました。
 さらに、立川高校定時制ではアルバイトをしている生徒も多く、約五割の生徒がアルバイトをしているというふうに聞いています。仕事で疲れて学校に来て、栄養価のある食事をお金の心配なく食べることができるというのは、成長期の子供たちの健康を支える上でも大きな役割を発揮していくものだというふうに思います。
 次に、立川高校定時制課程の現状について確認をしたいと思いますが、今年度の立川高校定時制の入学者数と、一年から四年までの在籍数について伺います。

○猪倉高校改革推進担当部長 今年度の立川高校定時制課程の入学手続人員は、定員六十人に対して二十七人でございます。
 学校によれば、令和六年五月一日現在の一年から四年までの生徒数の合計は百四十人でございます。

○斉藤委員 今年度は、合計で百四十人の生徒が在籍しているということです。募集停止予告がされても、なお多くの生徒が入学しているということです。
 では、立川高校定時制課程よりも生徒数が多い普通科の夜間定時制課程はあるのか、伺います。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川高校定時制課程よりも生徒数が多い普通科の夜間定時制課程はございません。
 なお、令和五年五月一日現在の夜間定時制課程の生徒数について見ると、普通科では立川高校が百六十一人となっている一方、工業科の工芸高校では二百七十六人、総合学科の青梅総合高校では百六十一人となってございます。

○斉藤委員 立川高校の定時制よりも生徒数が多い普通科の夜間定時制課程はないというご答弁です。
 今、工芸高校や総合科の定時制の答弁もありましたけれども、そもそも学ぶ内容が違うので、普通科に代われる学校ではありません。
 立川高校定時制というのは、それだけ多くの方が希望されている。特に、多摩地域の広範囲から生徒が集まっている学校です。ここが廃校になれば、中央線沿線の夜間定時制がなくなり、生徒たちが通いやすい学校がなくなってしまいます。
 夜間定時制課程で教えていたある先生は、経済的な困難を抱えている生徒も多い夜間定時制課程が身近な範囲にあることが重要だというふうにいっています。生徒が定期代を払えないことがあって、テストの日に八時間かけて歩いて学校に来たということもあったそうです。自転車で通える範囲に学校があって、身近に通いやすいことが重要だというお話でした。
 立川のように交通の要衝であるということも、通いやすい条件として重要です。
 学校規模も大きく、通いやすい立川高校の定時制が、なぜ閉課程なんだという疑問の声が繰り返し寄せられてきましたが、都教委は、納得のいく理由を示していません。
 なぜ昨年十月に立川高校定時制の募集停止を予告したのか、その理由について伺います。

○猪倉高校改革推進担当部長 平成二十八年二月に策定いたしました都立高校改革推進計画・新実施計画におきまして、生徒や保護者などのニーズの高い昼夜間定時制高校とチャレンジスクールの夜間部の規模拡大やチャレンジスクールの新設を行い、その進捗や、夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくことといたしました。
 平成二十八年以降これまで、生徒等のニーズに応じて、チャレンジスクールの新設や夜間部の規模拡大を行ってまいりましたが、夜間定時制課程については、応募倍率が低い状態が続いてございます。
 こうした状況を踏まえ、不登校経験のある生徒の増大など、困難を抱える生徒のニーズに応えられる受入れ環境を充実するため、令和七年度に、立川高校定時制課程から徒歩圏内にある立川地区チャレンジスクールの新設及び砂川高校の受入れ規模を拡大するとともに、立川高校夜間定時制課程については、生徒募集を停止する予定でございます。

○斉藤委員 これまでも繰り返されておりますけれども、ご答弁のとおり、都立高校改革推進計画、今は第二次の計画になっていますが、この中で夜間定時制課程の一部閉課程について、おっしゃるとおり、チャレンジスクールの新設やチャレンジスクールと昼夜間の定時制高校の夜間部の規模拡大を行い、その進捗や、夜間定時制課程の応募倍率の推移を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程しますとしているんですね。
 しかし、現状では、立川地区のチャレンジスクールの新設や昼夜間の定時制高校の砂川高校三部の増学級の前に立川高校定時制の募集停止予告を行っています。
 今年度も、ほかの全日制課程の高校にも匹敵するような生徒の在籍数がある立川高校定時制に対して、この段階で募集停止の予告を出すには、あまりに拙速ではないでしょうか。
 今、生徒からのニーズということもおっしゃいましたけれども、これだけのニーズがある立川高校定時制に、このニーズがあるということをどう認識しているのでしょうか。ご答弁お願いします。

○猪倉高校改革推進担当部長 夜間定時制課程の入学者選抜の状況は、平成二十八年度から令和六年度までにかけまして、募集人員は八百十人減少しておりますが、第一次募集の応募倍率については、平成二十八年度の〇・三八倍から令和六年度の〇・三一倍へと低下しております。
 第一次募集の応募者数につきましても、平成二十八年度の九百十二人から、令和六年度は五百七人と減少しており、さらに、二次募集における応募者が平成三十年度以降大幅に減少し、入学者の減少が顕著となってございます。
 こうした状況を踏まえまして、不登校経験がある生徒の増大など、困難を抱える生徒のニーズに応えられる受入れ環境を充実するため、令和七年度に、立川高校定時制課程から徒歩圏内にある立川地区チャレンジスクールの新設及び砂川高等学校の受入れ規模拡大を予定するとともに、立川地区チャレンジスクールの近隣にございます立川高校夜間定時制課程につきましては、生徒募集を停止する予定でございます。

○斉藤委員 今、応募倍率について詳しく数字のご説明がありましたけれども、私、ここでいいたいのは、そういう数字の問題だけで考えていくのでは、本当に現場に寄り添うものにならないということ、それを認識していただきたいと思うんです。
 応募倍率が低いということを、そのことが悪いことだということで、いつもいわれるのですけれども、倍率が低いということは、不安を抱えている生徒が誰でも入れるという環境だということにもなっているんです。
 生徒や保護者にとって、中学校で不登校などを経験したときに、高校はどこに行けるんだろうかということが大きな不安になります。
 実際に中学校で不登校を経験して立川高校定時制を卒業した方からのお話を聞きましたけれども、学校に行っていなかった自分が行ける高校があるのだろうかと不安だった、しかし、立川高校の定時制に入れるということを知って安心したということです。受検をして受からなかったら、また傷ついてしまう、そう思うと不安で、立川高校の定時制を選んだということでした。実際に入って、先生たちが寄り添って対応してくれた中で、四年間通い切ることができて、自信を持つことができたという生徒さんなんです。
 また、別の夜間定時制の先生からもお話を伺いましたけれども、やはり不登校を経験した生徒やその保護者は、入れる高校があるのかと心配になって、追い詰められることが多いということなんです。夜間定時制高校があるよということが分かると、親子ともに安心に思ってもらえるということなんですね。
 不登校の生徒たちが今増えている中、チャレンジスクールですとか、いろいろ手だてを考えて充実させるということは重要だと思いますが、定時制がその役割を果たしていないということではないんです。試験があって、入れない可能性がある高校、それでは不安だという、そういう子たちもいるということを、ぜひここで改めて知っていただきたいと思うんですね。
 つまずいたり、傷ついたり、不安を抱えた子供たちが安心して誰でも入れる学校があるということが重要なんだということ、先生もお話ししてくださいました。
 入る人数や効率性の視点ばかりで応募倍率を見るということではなくて、生徒にとって入りやすい学校があること、これがまさに子供たちの学びのセーフティーネットになっているんだということ、改めて目を向けていただきたいというふうに思います。
 さらに伺います。夜間定時制課程は、社会人にとっても入りやすいということも、学び直しをしたいという方々からのニーズに応える学校になっています。
 そこで伺いますが、立川高校定時制には、二十歳以上の生徒は何人いますか。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川高校定時制課程につきましては、学校によれば、現在、九割以上が十代の生徒であり、二十歳以上の生徒は一割未満となってございます。

○斉藤委員 九割以上が十代の生徒で、二十歳以上の生徒は一割未満、今年度についてお答えいただいたのですが、具体的な数字はお答えがありませんでした。
 昨年度の立川高校定時制の学校要覧を見ますと、二十代以上の生徒は、昨年度は二十人いらして、一割以上いらっしゃいました。五十歳以上の生徒もいらっしゃいました。
 立川高校の定時制を数年前に卒業した方から、お話、声が寄せられていますけれども、少し年齢が上の人もいたし、八十代の方もいて、みんな一緒に学んでいるということがよかったという声が寄せられています。
 私の地元にあった都立江北高校の定時制に六十代のときに通っていたという方から、お話を伺ったこともあります。
 若い生徒たちが、ご年配のその方に興味津々で、なぜ今、学校に来ているのかということを聞いてきたということです。若い頃に学校に行けず苦労した話、だけれども、頑張って仕事をしてきて、今ようやく、もう一度勉強がしたくて来ているんだという話を、若い生徒たちはじっくり聞いてくれたそうです。心に何か抱えながら通っている生徒たちに、ずっと年上の人生の先輩の生徒の話を聞いて、何かしら思ったのではないかと、その方はお話をしてくれました。そして、年の離れた自分を、仲間として、いつも気にかけたり、声をかけてくれる若い子たちの姿が本当に頼もしかった、そういうお話でした。
 このように、人生の先輩たちからも、同時に一緒に学ぶことができるということも、夜間定時制のよいところではないでしょうか。
 一方で、昼夜間定時制やチャレンジスクールでは、入学試験もあり、砂川高校などは、この夜間中心の三部も含めて制服もあるため、社会人や年がずっと上の方々にとってはハードルが高くて通いにくい現実があります。
 実際に、六年かけて通うことができることになっていますが、四年、五年、六年かけて単位を取ろうとしている生徒以外には、二十歳以上の生徒はいないというふうに私は聞いています。
 幅広い年齢にとって学びの保障につながり、若い生徒も含めて、よい学びの機会につながる夜間定時制高校をもっと生かしていくことが必要ではないかというふうに思います。
 教育の環境整備についても伺います。
 令和七年、二〇二五年度に開設としている立川地区チャレンジスクール、ここは旧多摩教育センターの跡地につくられています。
 立川高校に比べて敷地が狭いということを、以前の委員会で我が党のとや英津子理事が質問していますけれども、新しく開校する予定の立川地区チャレンジスクールには校庭はあるのかどうか、伺います。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川地区チャレンジスクールでは、校庭を設置いたしませんが、校舎に体育館及び多目的コートの設置を進めておりまして、体育の授業や部活動等で活用する予定でございます。

○斉藤委員 校庭はないということなんですね。体育や部活動の内容に制限が出てくる、影響してくるのではないかというふうに思います。
 特に、立川高校定時制では部活動も盛んで、全国大会や都大会に出て活躍している部もあります。グラウンドで行う部活動では、陸上部や野球部、サッカー部などがあります。こうした部活動は、立川地区チャレンジスクールではできないのではないですか。
 実際に、立川地区チャレンジスクールの学校案内を見ますと、設置予定の部活動の中に陸上部、野球部、サッカー部はありません。校庭がないことで、子供たちの部活動に関わる条件を後退させてはならないというふうに思います。
 この点でも、豊かな学校環境を持つ立川高校定時制を廃校にしてはならないというふうに思います。
 次に、日本語指導が必要な生徒への対応について伺います。
 日本に暮らす在留外国人が急速に増える中、都立高等学校等においても、日本語指導が必要な生徒数がこの十年間で二・二倍に増えていることが、都教委の示している外国につながる生徒への指導ハンドブックに掲載されています。その多くが定時制に通っているということも示されています。
 閉課程が決められている小山台高校定時制では、多文化理解や市民科という、学校で設定している科目があって、語学だけでなく、社会に出てから必要な労働法などの知識を身につける取組をしています。
 立川高校定時制でも、日本語指導が必要な生徒の取り出し授業を行っているということで、昼夜間定時制で教えている先生からも、夜間定時制の方が手厚いということも伺っています。
 また、夜間定時制で教えている先生からは、日本語指導が必要な生徒の中には、保護者が日本語が分からないために、在留資格などの申請を生徒がやらなくてはならないケースもあって、教員がそれをサポートしているということも伺いました。一クラスの規模が二十人程度の夜間定時制だからこそ、そうした、きめ細やかな対応ができるということもお話ししてくださいました。
 そこで伺いたいのですけれども、日本語指導が必要な生徒たちのニーズに応えていくためにも、現実に手厚くサポートができる夜間定時制を守り、取組を充実させていくことこそ求められていると思いますが、いかがですか。

○信岡グローバル人材育成部長 日系人を含む外国人の滞在が増加し、これらの外国人に同伴される子供が増加したことを契機に、全国的な調査が実施されております。
 調査等に関する学校現場の事務負担軽減等の特別措置として、平成二十年度以降は隔年度調査が実施されております。
 そういった意味では、全ての都立高校において日本語指導の充実を図っていくことが重要かと考えております。

○斉藤委員 今、ご答弁で、調査が実施されているということ、そういう取組を充実させていくことは重要だということをご答弁がありましたけれども、まさにこれを実践しているのが夜間定時制だと思うんですね。なので、やはり、その答弁にふさわしく、その役割を見直しして考えていただきたいというふうに思います。
 それから、その調査の内容なんですけれども、今回陳情を出された方々は、小山台高校の定時制と立川高校定時制の生徒の中で、外国につながる生徒がどのくらいいるのか、実態把握をしてほしいということを求めております。今後、取組を充実させていく上でも重要なことだと思います。実態把握の下に都民的な議論ができるように、公表することを改めて求めておきます。
 我が党は、第一回定例議会の一般質問でアオヤギ有希子都議が立川高校定時制のことを取り上げましたが、このときに、立川高校定時制に私たちは伺わせていただいて、先生方からお話を伺ってきました。
 この中で、生徒の中には、家族のお世話、介護をする、こういうヤングケアラーの生徒がいるというお話も伺ってきました。
 また、別の夜間定時制で教えていた先生からも、ヤングケアラーだと分かる生徒が複数以上いるということも教えていただきました。病気の母親と高齢のおばあちゃんのお世話をしているという生徒や、年の離れた小さなきょうだいを見ているという生徒がいたということです。
 この点、ちょっとこれも伺いたいのですけれども、定時制課程には、家族の介護や小さな子供の世話をしている、そういうヤングケアラーの生徒も通っている、そういう実態があるということを都教委はつかんでいますか。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川高校定時制課程には、様々な事情を抱えた生徒さんがいらっしゃいます。そういった点を把握しているところでございます。

○斉藤委員 様々な生徒がいるということで、ヤングケアラーの方への認識は、ちょっと示されなかったのですけれども、ぜひこういうことにも目を向けていただきたいと思うんです。
 東京都は、今、ヤングケアラーの支援、都教委としても強化をしている、踏み出しているところだというふうに思います。
 このお話を伺った中では、小さなきょうだいの面倒を見ている生徒が、母親が仕事でいない日中にきょうだいの世話をして、母親が戻る夜に学校に来ていたということです。きょうだいの世話のために、遅刻したりしながらも卒業まで頑張って通っていたそうですが、四年間のゆっくりしたペースだったからこそ通えたのではないかというふうに先生は感じていたそうです。
 まさに、このヤングケアラーの支援に都教委としても取り組んでいるところだというふうに思いますが、定時制課程は、まさにそうした今日的な背景を持つ子供たちの学びを支える上で、魅力的な選択肢となっている貴重な資源だというふうに思いますが、認識について伺います。

○猪倉高校改革推進担当部長 先ほどと若干繰り返しの答弁になりますが、平成二十八年以降これまで、生徒等のニーズに応じて、チャレンジスクールの新設や夜間部の規模拡大を行ってまいりましたが、夜間定時制課程については、応募倍率が低い状態が続いております。
 こうした状況を踏まえ、不登校経験のある生徒の増大など、困難を抱える生徒のニーズに応えられる受入れ環境を充実するため、令和七年度に立川地区チャレンジスクールの新設及び砂川高校の受入れ規模を拡大するとともに、立川高校夜間定時制課程につきましては、生徒募集を停止する予定でございます。

○斉藤委員 いろんなそういう様々な困難を抱えている、そういう子たちの学びを支える上で、既にその役割を果たして重要な選択肢になっている、その認識について伺ったんです。
 今、お話、繰り返しでありましたけれども、困難を抱える生徒のニーズに応えられる受入れ環境を充実させるというのなら、立川高校定時制、これを今、募集停止にするということは、その中身に逆行するという話ではないですか。
 既に、そういった様々な背景、それこそヤングケアラーの生徒さん、外国につながる生徒だったり、不登校の経験者の方々が夜間定時制にも通っているわけです。そこをなくしてしまうということは、理屈が通らないというふうに思います。
 チャレンジスクールや昼夜間定時制、これを充実させるということは、それは重要なことだと思います。しかし、今現在、その役割を果たしている、そして、四年間でゆっくり学ぶこともできる、試験や制服などもなくて安心して通える、こういう学校の選択肢をなくしてしまうというのは、充実するという方向性とは逆の方向になるというふうに私は思います。
 まさに今日的な様々な背景を持つ子供たちが安心して学び、さらに、少人数規模のクラスで一人一人に寄り添う教育を受けられる、そういう環境の中で自信や生きる力を身につけていく場になっているのが夜間定時制課程だというふうに思います。その意義をもう一度見直しして、立川高校定時制課程の募集停止の予告を取り消すことを強く求めます。
 この陳情の採択を求めて、質問を終わります。

○風間委員 私の方からも幾つか質問してまいりますけれども、伺いたいなと思っていた内容を斉藤委員がかなり聞いてくれたので、重複することは避けながら、とはいえ、その答弁内容を伺っていて、全く腑に落ちないなということもありましたので、その辺りは改めて伺いたいなと思っています。
 平成二十八年の計画に基づいて、ようやく廃止決定をされたということですけれども、私自身は、時代の変化に応じて、チャレンジスクールだとか昼夜間、こういったところを充実させていくというところには賛同しているところです。
 夜間定時制に関しては、ニーズの減少、応募倍率の低下、これも理解をできるところなんですが、先ほどの答弁にもあったように、普通科の夜間定時制で、最も入学者数が実際に多い立川高校夜間定時制を狙い打ちしたかのように、八年も前の計画に基づいて、なぜこのタイミングで廃止決定をするのかということが、全く今、先ほどの答弁を伺っていても分からないんですね。なぜ立川高校の夜間定時制--もっと倍率が少なかったり、入学者数の少ない夜間定時制はあるわけですよね。
 なおかつ、立川、八王子、この中央線沿線の普通科夜間定時制がほかにあるわけでもないのに、なぜこの立川高校の夜間定時制を狙い打ちしたかのように廃止するのかということを伺います。

○猪倉高校改革推進担当部長 平成二十八年の都立高校改革推進計画・新実施計画策定以降これまで、生徒等のニーズに応じて、チャレンジスクールの新設や夜間部の規模拡大を行ってまいりましたが、夜間定時制につきましては、応募倍率が低い状態が続いております。
 こうした状況を踏まえ、不登校経験のある生徒の増大など、困難を抱える生徒のニーズに応えられる受入れ環境を充実するため、立川高校から徒歩圏内に、立川地区チャレンジスクールが令和七年度に新設されます。これと砂川高校の受入れ規模を拡大するとともに、立川高校夜間定時制課程につきましては、生徒募集を停止する予定でございます。

○風間委員 そんなことは、さっき聞いたわけですよ。なぜ一番多い立川高校夜間定時制を--ほかにも定時制高校、夜間定時制があるわけですよね。この立川、八王子エリアには、普通課の夜間定時制がない。八年も前の計画。それに基づいて、チャレンジスクール等を整備してきたということは分かります。
 でも、一番入学者数の多い立川高校夜間定時制を、なぜこのタイミングで廃止決定をしたのですかということ。ほかのところは廃止決定していないわけですよね。
 なぜ立川高校夜間定時制、八年も前の計画に基づいて、今したのですかということを伺っています。

○猪倉高校改革推進担当部長 若干繰り返しとなりますが、令和七年度に、立川高校近隣、歩いて行ける距離でございますけれども、こちらに立川地区チャレンジスクール、これは不登校経験がある生徒などを中心に受け入れる学校でございます。こうした学校を新設いたします。これと砂川高校の受入れ規模を拡大するとともに、立川高校夜間定時制課程につきましては、生徒募集を停止する予定でございます。

○風間委員 今の答弁だと、つくるから廃止するという話なんだなということを何となく感じたわけですけれども、じゃ、ほかの夜間定時制で、もっと人数が、入学者数が少ないところに関しては、そういう準備をしていないから、まだ廃止決定をしていないということなんですか。

○猪倉高校改革推進担当部長 夜間定時制課程全体につきましては、入学者数の動向など、ニーズを踏まえた上で必要な見直しを行うとともに、多様な生徒の実態にきめ細かく対応した教育内容等の充実を図るなど、望ましい学習教育環境を確保するため、具体的な検討を進めてまいります。

○風間委員 じゃ、その最も普通科の夜間定時制で人数が多い状況にあるという立川高校の夜間定時制、今年度を含めて過去五年で、どれぐらいの入学者数の変化があったのか、教えてください。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川高校定時制課程の過去五年間の入学手続人員は、定員六十人に対して、令和二年度が四十人、令和三年度が四十一人、令和四年度が二十四人、令和五年度が三十七人、令和六年度が二十七人となっており、減少傾向にございます。

○風間委員 二十人以上、必ずいるという状況なわけですね。多少のその変動はあったとしても。
 ちょっと私、これを聞いて驚いたのですけれども、先日、私の地元近くの夜間定時制高校の入学式に行ったとき、入学者数三人とかでしたね。夜間定時制は、今、そういう状況なんだなということを実感したわけですよ。
 実際には、夜間定時制高校自体は、今、都内にどれだけあって、立川高校夜間定時制よりも入学者数が少なかった学校というのは何校あるんですかね。

○猪倉高校改革推進担当部長 夜間定時制課程が設定されている高校は、都内全体で四十一校でございます。
 令和六年度の入学手続人員について、立川高校定時制課程は二十七人でございましたが、これを下回った夜間定時制課程は三十五校でございます。

○風間委員 普通科の夜間定時制で一番人数が多いというわけですから、普通科に関しては、ほかの夜間定時制は全部下回るわけですね。私が見に行ったのも、普通科の夜間定時制で三名ということでしたから。
 そういったところを廃止決定していくということなら、入学者数三人なら、やむを得ないなと私も思うんですけれども、その八倍も入学者数のいる夜間定時制を、なぜこのタイミングで廃止決定するのかというのが理解できないんですけれども、これはもう八年前に立てた計画で、その四校のうち、もう二校は廃止になったわけですよね。あと二つ、立川と小山台ですか。これ以外はその計画に入っていないから、廃止に関しての検討をする前に、立川高校定時制を先に廃止してしまおうと、こういうことなんですか。確認します。

○猪倉高校改革推進担当部長 平成二十八年の都立高校改革推進計画・新実施計画策定以降これまで、生徒等のニーズに応じて、チャレンジスクールの新設、夜間部の規模拡大を行ってまいりましたが、夜間定時制につきましては、応募倍率が低い状態が続いております。
 こうした状況を踏まえ、不登校経験のある生徒の増大など、困難を抱える生徒のニーズに応えられる受入れ環境を充実するため、令和七年度に、立川高校近隣に立川地区チャレンジスクールの新設及び砂川高校の受入れ規模を拡大するとともに、立川高校夜間定時制課程につきましては、生徒募集を停止する予定でございます。

○風間委員 質問したことに全く答えてくれないわけですね。だとしたら、一番多い学校を廃止決定する前に、もう一回、計画を見直すというのが通常なんじゃないですかね。だって、もっと、一桁の夜間定時制の入学者数の学校というのがあるわけですよね。八年前の計画ですよね。
 であれば、時代の変化によって、高校生人口の減少というものも今後考えられるのでしょうから、計画を見直すという方を先にやるのが筋なんじゃないですか。
 実際にこうやって陳情が上がってきて、今回、廃止決定をしないでほしいという陳情も出ているわけで、実際に入学者数も、そういった高校よりも八倍も現にいるわけですよね。
 だとすれば、その計画を見直しせずに、廃止決定を先にする理由は何なのですか。

○猪倉高校改革推進担当部長 夜間定時制課程につきましては、立川高校も含め、ここ十年程度でございますけれども、大変、生徒数が減少しております。
 夜間定時制課程全体につきましては、入学者数の動向など、ニーズを踏まえた上で必要な見直しを行うとともに、多様な生徒の実態にきめ細かく対応した教育内容等の充実を図るなど、望ましい学習教育環境を確保するため、引き続き具体的な検討を進めていくこととしております。

○風間委員 具体的な検討を進めていくのだったら、ぜひしてください。実際に、立川高校定時制よりも、もっとはるかに入学者数が下回る定時制があるわけですから、そちらの方を先にすべきでないかということを検討するべきなんじゃないですかということを重ねて申し上げておきますね。
 砂川高校と、チャレンジスクールを新設するということで、そっちに移ればいいというような、もともと計画だったというような話で、そこをつくっちゃったから、もう立川高校定時制は廃止決定せざるを得ないんだというようなニュアンスの答弁も先ほどありましたけれども、であれば、同じような環境が確保されているのかということについて、先ほど斉藤委員から、部活動に関しては制約があるというような話があったということから、これは、同じ環境は確保できていないなということは分かりますよね。
 砂川高校の規模拡大をするという話ですけれども、こちらも制服があるために、通常、私服で通うことのできていた入学者たち、これから入学する人たちは、もしかすると、その制服があるために抵抗があるのかもしれないということですけれども、じゃ、このチャレンジスクール、新設するチャレンジスクールの方に関しては、制服はどうなんでしょうか。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川地区チャレンジスクールの学校運営の具体的な事項につきましては今後決定していきますが、制服については定めない方針でございます。

○風間委員 制服については、じゃ、同じ環境が守られるということを確認しました。
 あとは時間ですね。日中働いている方たちが、今の定時制課程と同じような時間帯で学ぶことができるのかどうか。
 あとは、四年間なのか、三年間なのかということも含めて、今の立川高校定時制と同じような時間帯での学びの環境、また、その期間での学ぶ環境が担保されるのかどうかを確認します。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川地区チャレンジスクールは、自分のライフスタイルや学習ペースに合わせて、午前、午後、夜間の三つの部の中から、いずれかを選んで入学する定時制の高校でございまして、夜間の部の授業は、立川高校定時制課程とほぼ同じ時間に開始する予定でございます。

○風間委員 今、学びの期間も、三年間、四年間ということも伺いましたが、これはどのようになるのでしょうか。

○猪倉高校改革推進担当部長 立川地区チャレンジスクールにつきましては、定時制の総合学科高校、単位制の学校でございまして、四年で卒業するというのが基本となりまして、ただ、希望する生徒は、ほかの授業を取ることで三年で卒業することも可能、そういう学校となってございます。

○風間委員 私自身は、チャレンジスクールのことは否定しませんし、むしろ、そのように三年で学びたい人は選択できるというような環境もあるという意味では、一歩前進した制度なんだろうなとは思うので、それは、そういう学校を希望する生徒は通うことになるだろうなと思います。
 ただ、立川高校定時制に関しては、伝統もあり、この学校で、普通科で夜間定時制で学びたいという人たちが、これほど毎年いるということですね。
 ほかに、もっと減少している、入学者数の少ない普通科の夜間定時制が都内にはたくさんあるということも確認できましたので、やはり、八年前の計画に基づいて、立川高校の夜間定時制をこのタイミングで廃止決定するというのは、合理的な説明がなされていないと思うんですね。今の答弁を伺っていて。
 ですから、この辺りは、計画をやはりもう一度しっかりと見直した上で、廃止決定する学校というのは選定していく必要があるのではないかなと私は思います。
 ですので、この陳情に関しては、私たちも趣旨は受け入れていきたいなと考えているところです。
 以上で終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情六第一〇号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三分散会