委員長 | 藤井あきら君 |
副委員長 | 平田みつよし君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
理事 | 田の上いくこ君 |
理事 | 西崎つばさ君 |
理事 | とや英津子君 |
かまた悦子君 | |
たかく則男君 | |
龍円あいり君 | |
斉藤まりこ君 | |
鈴木 純君 | |
風間ゆたか君 | |
伊藤 ゆう君 | |
川松真一朗君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化スポーツ局 | 局長 | 横山 英樹君 |
次長 | 久故 雅幸君 | |
総務部長 | 奈良部瑞枝君 | |
教育庁 | 教育長 | 浜 佳葉子君 |
次長 | 田中 愛子君 | |
総務部長 | 山田 則人君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 文教委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第五十二号議案 東京都体育施設条例の一部を改正する条例
・第五十四号議案 東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・第五十七号議案 東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
・第五十八号議案 都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
・第五十九号議案 学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・第六十号議案 東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○藤井委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
過日の委員会で理事会にご一任いただきました意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
案文の朗読は省略いたします。
就学奨励費における寄宿舎食費の支給限度額の見直しに関する意見書(案)
就学奨励費は、特別支援学校への就学のために保護者が負担する経費の一部を保護者の負担能力の程度に応じて支給するもので、保護者の負担を軽減することにより、特別支援教育を普及奨励し、教育の機会均等を実現することを目的としている。
寄宿舎に入舎している幼児・児童・生徒の保護者に対しては、就学奨励費として、帰省費や用品費、食費が支給される。そのうち食費については、支弁区分が第Ⅰ段階(生活保護受給世帯等)の場合、年間の支給限度額は、幼稚部では十五万六千二百十円であるが、高等部では十三万九千七百五十円と低くなっている。しかし、都立特別支援学校の寄宿舎で実際に掛かる食費は、高等部まで学部が上がるに従い食事の量が増えて高くなり、一部の生徒について支給限度額を超過する状況が生じる場合がある。
よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、就学奨励費の寄宿舎食費について、学部ごとに実際に掛かる食費に見合った支給限度額に見直すよう強く要請する。
以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
令和六年三月 日
東京都議会議長 宇田川聡史
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 宛て
○藤井委員長 本件は、議長宛て提出の手続を取りたいと思いますので、ご了承願います。
○藤井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
これより予算の調査を行います。
第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、文教委員会所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に質疑を終了しております。
これより意見の開陳を行います。
順次発言を願います。
○鈴木委員 よろしくお願いします。
初めに、各局共通事項について申し上げたいと思います。
令和六年度予算は、都税収入の伸びを背景に総額八兆円を超え、東京都は、防災対策、少子高齢化対策、環境対策、DX推進、そして新たな感染症対策など、様々な施策を展開しています。
そして、少子高齢化対策において、所得制限の撤廃や新たな都独自の支援策など、我が会派の要請も踏まえ、矢継ぎ早に展開しております。
こうした積極的な取組は重要ですが、明確な目標や事業の終期を示すなど、責任ある計画をつくり、事業の全体像、将来計画を都民に明らかにした上で取り組んでいくことも必要です。
東京の経済は予断を許さない状況にあり、さきの予算特別委員会でも指摘しましたが、都の税収が今後も右肩上がりで推移していくとは限りません。かつて都の財政が困難な状況に陥ったことを忘れず、負の側面を常に想定した財政運営が必要です。
本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各事業について述べさせていただきます。
教育庁関係について申し上げます。
一、日本人としての自覚や誇りを高め、自国の立場を堂々と主張できる力を伸長するなど、世界の人々と協働して課題を解決していけるようにするための施策を充実されたい。
一、子供たちの豊かな心を育むため、多様な体験活動の機会の提供に引き続き取り組まれたい。
一、生徒の英語力向上のため、グローバル人材の育成に係る都の取組の成果を検証し、さらなる施策の改善を進められたい。
一、小学校における三十五人学級の実施を着実に進めるとともに、小学校高学年の教科担任制を推進されたい。
一、教育支援センターの機能の強化のほか、チャレンジクラスや学校内の別室における指導、支援、安心して悩みを相談できる居場所づくりなど、不登校の児童生徒への支援を充実すること。また、スクールソーシャルワーカーの活用充実を図るとともに、ヤングケアラーへの支援を充実強化されたい。
一、豊かな人間性を養い、規範意識を高めるため、都独自の教材集などを活用し、学校、家庭、地域が一体となった道徳教育のさらなる推進を図られたい。
一、都内全ての自治体で一人一台端末が着実に更新されるよう取り組むとともに、利活用が一層推進されるよう支援されたい。また、全ての子供たちが学びへの意欲を持ち、主体的に学習に取り組めるよう、デジタルを活用した新たな指導法の普及を推進されたい。
一、工科高校の生徒のものづくりへの意欲や技術を一層向上させるため、ものづくりのスペシャリストの育成に向けた資格取得の支援、最新のデジタル機器の導入、海外派遣研修等の充実を進められたい。
一、島しょ地域の小中学校で運用を開始する統合型校務支援システムや教育データを利活用しながら、教育のデジタル化を進められたい。
一、学校給食費の負担軽減について、より多くの自治体で取組が行われるよう、区市町村と連携し、支援に取り組まれたい。
一、子供たちの体力向上に向けて、学校での体育授業のみならず、子供たちが運動を行える環境充実を図られたい。
一、特別支援学校において、企業への就労支援や職業教育の充実とともに、児童生徒の自立と社会参加を促す取組を推進されたい。
一、肢体不自由特別支援学校において、スクールバス乗車時間の短縮や、医療的ケアが必要となる子供の学習機会の拡充に向けた施策を推進されたい。
一、学習に困難を抱える子供たちが、一人一人の状況に応じて学んでいけるように支援の充実を一層推進されたい。
一、学校における働き方改革を推進するため、スクールサポートスタッフなど外部人材の配置を拡充されたい。また、専門性の高い外部人材を授業で活用する取組についても推進を図られたい。
一、国の動向を踏まえ、都として中学校における部活動の地域移行、連携を推進されたい。
次に、生活文化スポーツ局関係について申し上げます。
一、安全で安心なまちづくりを一層推進するため、区市町村等と連携して、巧妙化する特殊詐欺への対策強化や、防犯カメラの設置、交換の促進を通じた地域の防犯環境の整備などに取り組まれたい。
一、第十一次東京都交通安全計画に基づき、交通安全がより一層確保された社会の実現に向けて、子供や高齢者の交通安全の確保や、自転車や電動キックボードの安全利用など、各種対策を推進されたい。
一、青少年のインターネット上の被害やトラブルを防止するため、SNSの適正利用に関する普及啓発の強化や相談環境の整備に取り組まれたい。
一、犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援に当たっては、関係区市町村と連携し、民間団体による取組との関係を整理するなど、関係機関が一体となって、対策をより効果的かつ効率的に推進されたい。
一、町会や自治会連合会への支援を推進するため、地域力を向上させ、地域の課題を解決するために設けられた地域の底力発展事業助成のさらなる拡充を図るとともに、自治会連合会の活動体制を支援されたい。
一、能登半島地震では、地域で声を掛け合って津波被害を免れるなど、地域連携の重要性が再認識されました。町会、自治会と近隣マンションが合同防災訓練を通じて地域の防災の輪が広がるよう取り組まれたい。
一、多くの都民がボランティア活動に関する情報を容易に得られるよう、情報提供、相談体制を充実し、区市町村のほか、企業、学校、地縁団体など多様な主体との連携を推進することでボランティア機運の醸成を図られたい。
一、多文化共生社会に向けて、民間団体が行う都内の在住外国人支援活動に対して財政的な支援を行うなど、区市町村と連携しながら、在住外国人が安心・安全に暮らせる環境の確保に努められたい。
一、東京都男女平等参画推進総合計画に基づき、女性活躍推進に向けた先進的な取組事例などの積極的な広報など、各種施策を推進されたい。
一、誰もが気軽に芸術文化に触れられ、参加できる機会を創出するため、地域のにぎわいの創出につながる支援など、多様な芸術文化活動の活性化について区市町村と連携しながら取り組むとともに、デジタルテクノロジーを活用したアートなど、新たな分野において子供や若者の体験機会の拡充を図られたい。
一、現在休館中の江戸東京博物館においては、開館後を見据え、周辺の文化施設との連携も含めた魅力ある展示に向けた取組を進められたい。
一、都民の浴場利用機会の確保と浴場経営の安定化に向け、耐震化やクリーンエネルギー化、新規顧客層の開拓など、浴場組合が行う事業を着実に支援されたい。
一、東京の公教育に果たす私立学校の重要性を踏まえ、私立学校に対する基幹的補助である経常費補助の堅持、充実に努められたい。
一、児童生徒等の安全確保に向けて、耐震補強、改築工事及び非構造部材耐震対策工事に対する補助事業など、私立学校安全対策促進事業費補助のさらなる充実に努められたい。
一、私立高等学校が行うグローバル人材育成事業への支援を充実するとともに、ICTを活用した教育を進めていくため、私立小中高等学校におけるデジタル機器を活用した教育環境整備などの支援を図られたい。
一、東京二〇二〇大会のレガシーを東京のスポーツ振興につなげていくため、大会レガシー継承事業やアーカイブ資産の活用など、レガシーを発信、継承する取組を着実に推進されたい。
一、都立スポーツ施設については、東京二〇二〇大会のレガシーとして、都民の様々な利用ニーズに応えるよう、積極的に幅広く活用するとともに、多くの都民が利用し、様々な体験ができる取組を行われたい。
一、都立スポーツ施設の活用やパラスポーツの振興、都民のスポーツ観戦機会の創出などの観点から、国際大会の誘致や開催への支援を積極的に行われたい。
一、国際大会などで活躍する東京アスリートの競技力向上を図るとともに、ジュニアスポーツの裾野を広げ、競技力向上の底上げを図られたい。
一、障害のある人もない人も、誰もが身近な地域でスポーツに取り組めるよう、区市町村との連携を一層深め、区市町村のスポーツ振興を支援するなど、スポーツ環境のさらなる充実、拡大に取り組まれたい。
一、障害者がスポーツを行える場の開拓、整備、パラスポーツを支える人材育成、パラスポーツへの理解促進と普及啓発、競技力向上など、パラスポーツの振興をより一層強力に推進されたい。
一、スポーツ実施率向上に向けた働き盛り世代などへの施策の強化、女性アスリートの育成やスポーツ団体への女性参画支援などを強化されたい。
一、東京マラソン及びマラソン祭りなどについては、万全な安全対策の下、参加者誰もが楽しめるスポーツイベントとして引き続き実施されたい。
一、二〇二五年に開催される世界陸上及びデフリンピックの成功に向けて着実に準備を進め、機運醸成とともに、将来を見据え、東京、そして都内区市町村の魅力を世界に発信する取組を進められたい。
以上で都議会自民党の意見開陳を終わります。
○龍円委員 都民ファーストの会東京都議団を代表して、当委員会に付託されました令和六年度予算の関係議案について意見開陳を行います。
令和六年度予算は、ポストコロナ時代において、東京、日本の抱える構造的な課題の解決に取り組みながら、新時代を切り開く一人一人の人の挑戦を後押ししていく予算となっております。
政策評価、事業評価を緻密に実施することによる財源の確保額が過去最大になりまして、財政面での絶え間ない改革の成果が表れていると考えます。
また、子育て、教育支援、女性活躍支援、高齢者施策、障害者施策、多摩をはじめとする地域振興、防災、防犯施策など、各分野において、私たちが議会で提案し、重点項目として要望してきた施策が盛り込まれております。
具体的には、私立中学校の授業料支援、都立高校、都立大学、私立高校の授業料無償化の各施策における所得制限の撤廃、認証学童保育制度の創設、フリースクール等への支援、女性活躍施策、介護従事者やケアマネジャー等への賃上げ支援、多摩地域の公立小中学校の給食費の無償化支援や交通網の整備施策、デジタル地域通貨プラットフォームの構築、町会、自治会やマンションの防災力強化支援など、私たちの要望に対し、幅広い分野にわたって予算が計上されたことを高く評価いたします。
東京、日本のあるべき姿について高い理想を掲げながらも、現実を直視し、これまでの東京大改革のレガシーである未来への投資をたゆみなく進めること、そして、都民にとっての課題の一つ一つを解決する政策を着実に実行していくことを要望いたします。
それでは、各局事業について、まず、教育庁関係について申し上げます。
教員の長時間勤務が常態化し、メンタルや健康面での不調を訴える教員の数も少なくない中、働き方改革をより一層推進されたい。区市町村の小学校にエデュケーションアシスタントや教科担任が確実に配置できるよう、区市町村に対する周知とサポートをされたい。
教員の処遇については、国では教職調整額の支給割合を見直す方向で検討が進んでいますが、物価や賃料が高い東京都においては十分ではない可能性もあることから、東京都独自の処遇改善策について検討をされたい。
学校徴収金について、文科省は学校以外が担うべき業務と示していますが、区市町村の小学校では、その九割を学校の教職員が担い、負担となっています。区市町村の学校徴収金業務の負担を軽減させるための支援策を講じられたい。
高等教育を志願する生徒の中には、不登校、発達障害がある、日本語を母語としていないなど、多様な生徒が増えています。都教委は、検討委員会において都立高校の入学者選抜の在り方について検討を進めていますが、調査書や学力検査などの在り方を見直す際には、こういった多様な生徒にも高等教育を保障ができるような制度設計を進められたい。
東京の学びのセーフティーネットを確立できるよう、都立高校の役割も踏まえて検討されたい。
東京都におけるインクルーシブな教育環境を推進するために、都立高校と特別支援学校の一体的な設置については、速やかに検討を進められたい。その際には、農業や芸術など、特別支援学校の生徒らにとって卒業後の進路の可能性を広げることができるような、親和性の高い専門的な教育をしている都立高校との一体的な設置についても検討されたい。
目黒区の都立芸術高校の跡地については、教育財産として再活用をするため、速やかな検討を進められたい。この跡地において、都立高校と特別支援学校との一体設置についても検討されたい。
特別支援学校と区市町村の小中学校との一体的設置についても、速やかに検討を進められたい。区市町村にとっては、小中学校の建て替えが財政を圧迫していることから、一体的設置の校舎の整備については、都が負担されることを検討されたい。
区市町村の小中学校におけるインクルーシブ教育を推進するため、都教委が新たに創設したインクルーシブ教育支援員については、速やかに学校現場での活用が進むよう、区市町村が積極的にこの事業を利用するよう、都教委からの周知や働きかけを進められたい。
特別支援学級の児童生徒が日常的に通常の学級で交流や共同学習ができるようにするため、インクルーシブ教育支援員を積極的に活用するよう、区市町村教育委員会や学校長会などを通じて学校の現場に周知されたい。
インクルーシブ教育支援員が、インクルーシブな教室運営の在り方を理解し、よりインクルーシブな支援方法についての知識を持っていることは非常に重要であります。インクルーシブ教育支援員への研修や啓発について、しっかりと取り組まれたい。
インクルーシブ教育を区市町村に根づかせていくためには、重点地区における総合的な支援や、都教委が構築しつつある教員同士のネットワークは、非常に効果的な取組であります。継続的にしっかりと推進されたい。
公立小中学校のバリアフリー化について、国の補助に都が上乗せする補助を実施していますが、今後も補助を継続されたい。
特別支援学校の副籍交流については、日常的な交流が実施されるよう、積極的な支援を進められたい。また、保護者が地域の小中学校に付き添うことができないなどの理由で、希望するほど交流ができない児童生徒については、オンラインを活用するなどして交流を促進されたい。
医療的ケア児が保護者の付添いなく特別支援学校に通学できるよう、総合的な支援を進めていると認識していますが、引き続き、保護者や児童生徒に寄り添った支援策を進められたい。
特別支援学校の児童生徒の数が急激に増えていることから、特別支援学校では普通教室の数が十分ではないという課題があります。特別支援学校の施設整備に関して、しっかりとした検討を進め、必要な施策を速やかに進められたい。一方で、特別支援学校の児童生徒の数が増え続けている背景には、地元の学校に通うことを希望しているにもかかわらず、特別支援学校に通わざるを得ない状況に置かれている児童生徒の存在もあります。児童生徒や保護者が希望する場所で学べる東京全体のインクルーシブ教育を併せて推進されたい。
障害のある人が生涯にわたって学びを継続できるよう、インクルーシブな学び東京コンソーシアムにおいては、参加するNPOや団体と共に、積極的かつ東京都ならではの先進的な取組を推進されたい。
不登校となっている児童生徒の中には、発達障害がある、またはその可能性があるものの、支援につながっていない子供も一定数います。不登校になると特別支援教室が利用できなくなったり、教育支援センターでは、十分に発達障害の特性による課題に対応ができていない区市町村もあることから、発達障害のある、その可能性があり、不登校になっている児童生徒への効果的な支援が可能となるような支援策について検討されたい。
高校無償化については、国立の高校及び高専も対象とするよう検討されたい。
次に、生活文化スポーツ局関係についてでございます。
障害のある人が日常的に身近な地域でスポーツや運動がより一層できるよう、今後もその支援について継続されたい。
都立スポーツ施設におけるバリアフリー化や情報コミュニケーションの保障に関わる設備を設置するに当たって、障害のある当事者に実際に利用してもらって、その利便性について効果的であるかどうかなどフィードバックをもらい、確実にアクセシブルな施設整備に努められたい。
スポーツ用の義足であるブレードといった、障害のある人の体に合わせてつくり、専門家による微調整や指導が必要となる用品について、その価格が非常に高価になることから、スポーツや運動することを諦めてしまう障害のある人が多くいます。東京都による支援の構築をするため、検討を速やかに進められたい。
工事現場を活用したアートプロジェクトについては、岡本太郎さんのこどもの樹を取り巻くようにして建てられている旧こどもの城における仮囲いにおいても、その取組をすることを検討されたい。
都営住宅の空き店舗を活用した若手アーティストを支援するSTART Box ササハタハツにおいては、地域のコミュニティスペースである「あつまると」等と連携しながら、地域交流についても、なお一層推進されたい。
東京都では、ナイトタイムエコノミーに関する総合的な計画が求められています。ナイトタイムエコノミーにおける芸術文化の推進について、生活文化スポーツ局においても取組を積極的に進められたい。
以上、都民ファーストの会東京都議団の意見開陳を終わります。
○かまた委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託をされた令和六年度予算関連議案について意見を開陳いたします。
令和六年度一般会計予算案では、人への投資や国際競争力の強化、安全・安心の確保など、東京が日本の成長を牽引し、持続可能な都市へと発展するための様々な取組が事業化されております。
具体的には、高校授業料実質無償化の所得制限撤廃や公立小中学校、都立学校における給食費の負担軽減、介護職員の処遇改善に向けた支援、さらには、激甚化する豪雨に対応可能な調節池の整備やマンション防災の取組の強化など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価いたします。
都市の強靱化や福祉先進都市の実現に向けた施策の財源として、基金を積極的に活用する一方、事業評価による見直しの徹底により、過去最高となる千二百六十六億円の財源を確保しています。また、都債についても、その残高を着実に減少させており、持続可能な財政運営にも配慮した予算案となっています。
引き続き、急激な景気変動にも耐えられるよう、財政調整基金への積み増しを行うなど、財政基盤の一層の強化を求めるものです。
あわせて、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や、迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
次に、各局別に申し上げます。
初めに、生活文化スポーツ局関係について申し上げます。
一、子供たちが安全・安心に暮らせる社会を実現するため、地域住民等と協力して、子供の安全確保に向けた取組を促進すること。
一、区市町村や警視庁、関係団体等とも連携し、幅広い世代に対応した自転車や電動キックボードなどの安全教育に取り組むこと。
一、東京都若者総合相談センター、若ナビαについて、周知広報の強化や、若者が利用しやすい相談環境を整備し、適切な支援につなげていくこと。また、困難を抱える若者が夜の時間を安心して過ごすことができるよう、トー横をはじめ都内各所に居場所の設置を進める支援や、NPOなど民間団体との連携について検討を進めていくこと。
一、結婚を望む方への結婚支援事業の充実を図ること。
一、東京ウィメンズプラザにおける相談事業や配偶者暴力対策を推進すること。また、国や区市町村、民間団体などと連携し、加害者対策にも努めること。
一、審議会等の女性委員の割合については、目標である四〇%以上を達成したが、引き続きこれを維持し、都の施策に女性の意見を十分反映させること。
一、多くの男性が家事、育児に参画する情報を効果的に発信するとともに、様々な世代の意識改革に努めること。
一、様々な規模の芸術文化活動にきめ細かな支援を行い、東京の芸術文化全体の活力向上につなげること。
一、芸術文化サポートセンター、アートノトを機動的に運営し、アーティスト等の持続的な活動をきめ細かく支援すること。
一、新進芸術家や芸術団体への支援と地域の芸術文化活動に対する支援を拡充すること。
一、芸術文化団体等とも連携しつつ、子供が芸術文化に親しむ環境づくりを一層充実させること。
一、デフリンピックの開催を契機とし、情報保障の充実など、聴覚障害者をはじめ、誰もが芸術文化を安心して楽しめる取組を進めること。
一、地域の底力発展事業助成など町会、自治会の支援策では、デジタル等を活用し、申請書類の手続が簡易となるよう、早急に検討すること。また、町会、自治会の防災力強化に向けた取組を進めること。
一、多文化共生を推進するため、つながり創生財団も活用し、在住外国人への情報提供やNPO等の民間団体に対する支援の充実を図ること。
一、若年層の消費者被害防止に向けた取組を進めること。
一、私立学校に対する経常費補助をはじめ保護者負担軽減など、各種補助の一層の充実を図ること。
一、東京二〇二〇大会のレガシーを未来へ引き継ぐため、アーカイブ資産等の展示の取組を具体的に進めること。
一、これまで築いてきた被災地との絆をレガシーとして、被災県でスポーツ交流事業を行うなど、今後も被災地に寄り添う取組を継続して行うこと。
一、有明アーバンスポーツパークの開業に向け準備を進めるとともに、自治体や競技団体等と連携し、マナーや安全対策に係る普及啓発に取り組むこと。
一、障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツに親しめるよう、パラスポーツの環境づくりをより一層推進し、スポーツを通じて障害のある人とない人の相互理解がさらに進むよう、様々な取組を実施すること。
一、東京都パラスポーツトレーニングセンターは、パラスポーツの競技力向上、普及振興の拠点として、パラアスリートや障害のある方が利用しやすい施設とすること。
一、デフアスリートの育成に向け、聴覚障害の当事者団体や一般の競技団体、特別支援学校などと連携を深め、次世代を担う選手の掘り起こしを行うとともに、支える人やデフスポーツ競技団体への支援を行うこと。
一、今後の国際スポーツ大会の開催に向けて、関係団体や国とも緊密に連携しながら、計画的に準備を進めていくこと。なお、デフリンピックについては、大会のコミュニケーションの担い手である国際手話人材の育成や、参加アスリートの発掘と育成に貢献すること。
一、東京二〇二〇大会の贈収賄事件や談合事件について、運営ガバナンスの徹底した見直しを行い、都民の信頼回復を図るとともに、今後の国際大会運営でも、反省点を踏まえ、透明性を持って公正な運営に努めること。
最後に、教育庁関係について申し上げます。
一、教員同士の国際交流ネットワークを構築し、教育研究成果を共有するなど、国際交流で教員力の一層の向上を図り、グローバルな視野を持つ教員育成を推進すること。
一、教員に対するメンタルヘルスに係るサポート等を充実させ、安心して活躍し続けられる職場環境を整備すること。
一、外部人材の活用などにより働き方改革を進め、魅力ある職場としていくことで教員の確保を図ること。
一、いじめの未然防止と早期発見、早期対応に資する体制準備を図ること。
一、不登校及び中途退学者対策、児童虐待の防止を強化するため、スクールソーシャルワーカーの機能強化の支援に取り組むこと。
一、不登校生徒の居場所をつくり、多様なニーズに対応するため、チャレンジスクールの整備や中学校のチャレンジクラスの設置を確実に進めること。
一、困難を抱える生徒の支援を強化するため、ユースソーシャルワーカーの体制を強化するなど、関係機関と連携して適切に支援につなげること。
一、部活動の円滑な地域移行に向けた支援を着実に進めること。
一、医療的ケアを必要とする児童生徒の学習の機会を拡充するため、看護師の安定的な確保や専用通学車両の台数拡大を図るとともに、保護者付添期間の短縮化を進めること。
一、在京外国人生徒の募集枠を設置する都立高校の拡大に向け、適切な募集規模を検討し、夜間中学校と都立高校の連携による日本語指導、支援の充実を図ること。
一、日本語指導を必要とする生徒が在籍する全ての都立高校において、一人一人の状況に応じて十分な日本語指導が行えるよう支援を行うこと。
一、都立高校において、地域と連携した防災訓練等の取組を推進すること。
一、工科高校が企業等と連携し、教員が最先端の知識、技術を習得し、学校の教育内容の充実を図ること。また、農業人材を育成するため、農芸高校における教育の充実を図ること。
一、生徒及び教員に対する多様な国や地域への海外派遣事業を拡充するとともに、各学校が創意工夫を凝らして国際交流等の取組を推進できるよう支援を行うこと。
一、子供たちが芸術文化に親しむとともに、デフリンピックの東京開催を契機として聴覚障害への理解を深められるよう、体験活動事業を推進すること。
一、より多くの自治体が学校給食費の負担軽減に取り組めるよう、支援を行うこと。
以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳とさせていただきます。
○斉藤委員 日本共産党都議団を代表して、二〇二四年度一般会計予算案関連議案について意見開陳を行います。
新年度予算案には、学校の給食費無償化への支援と都立、私立高校の授業料の実質無償化のための予算が盛り込まれました。都民の運動の広がりと都議会での論戦の中で生まれた貴重な前進です。しかし、区市町村への支援が二分の一では、多摩格差を生み、不十分です。全額の補助とすることを求めるものです。
英語スピーキングテスト、ESAT-Jは四十三億円が計上されました。中学三年生のESAT-J及び一、二年生のYEAR1、YEAR2についての公平、公正性、成績の有効性に影響する深刻な問題を指摘する声に、都教委は耳も貸さず、生徒の個人情報取得に関わる問題も情報公開を拒んでいます。問題だらけのテストは、きっぱり中止するべきです。
不登校の児童生徒の増加と教員不足、メンタルによる休職率の増加が深刻です。一人一人の子供に向き合い、安心して通える学校の環境をつくることが待ったなしです。根本的な対策として、教員の持ち時数の改善と定数改善や、三十五人学級の早期実現などを求めるものです。
都が初めて痴漢実態把握調査を行ったことは重要です。有識者が指摘した包括的性教育の実施や、痴漢の加害、被害をなくすためのアクティブバイスタンダーを増やす取組の強化を求めます。
デフリンピック、世界陸上ともに、事業費の透明性、公正性が求められています。スポーツの裾野を広げるために、都立スポーツ施設の利用料の値下げが必要です。
東京都こども基本条例において、子供は権利の主体、学ぶ権利の保障する立場が明記されています。その立場を堅持して、施策に反映することを強く要望いたします。
以下、各局別に申し上げます。
まず、教育庁です。
小中学校の給食費無償化の支援は、区市町村に対して全額の補助を行うこと。
授業料の無償化は、都立高校の留年生のほか、区立、国立高校の生徒も対象とすること。
公平性、公正性、透明性がなく、アチーブメントテストとしても不適切な英語スピーキングテスト、ESAT-JとYEAR1、YEAR2は中止すること。
教員不足と長時間労働の解消のため、教員の持ち時数の改善と定数改善を行うこと。
産休、育休代替教員は、正規教員も配置すること。
スクールカウンセラーの雇い止めは撤回し、配置を拡充すること。
小学校高学年に教科担任制のための教員を配置すること。
小学校低学年の副担任相当の業務を担うエデュケーションアシスタントを全校に配置すること。
中学校の校内分教室として東京型不登校特例校を設置し、教員を配置すること。
小中学校で学ぶ障害のある児童生徒のための指導員の配置に補助を行うこと。
部活動指導員の配置を拡大すること。部活動の地域連携は、保護者負担増とならない形で行うこと。
不登校対応専門教員の配置を増やすとともに、小中高等学校の別室指導や居場所のための支援を拡充すること。
三十五人学級を、都として小中学校全学年で実施すること。
特別支援教室は、必要な児童生徒が通えるようガイドラインを見直すこと。教員一人につき児童生徒十人の配置基準とすること。
学校体育館のエアコン設置を着実に進め、区市町村立学校への補助の補助率を二分の一から三分の二に戻すこと。
小中学校、特別支援学校の図書館に専任の司書を配置すること。都立高校については、正規職員を基本として配置すること。
食育推進のため、栄養教諭の配置を増やすこと。また、オーガニック給食への支援を行うこと。
小中高等学校、特別支援学校で行う文化芸術鑑賞やスポーツ活動、体験活動を支援すること。
児童生徒、教職員を対象に包括的性教育を実施すること。
日本語指導が必要な子供のために、小中学校の日本語学級や日本語指導教室の設置拡大を支援すること。
フリースクール等に通う児童生徒への支援について、関係局と連携して拡充すること。
小中学校の特別支援学級の大規模校に教員を配置すること。
立川、小山台をはじめとする夜間定時制は廃止しないこと。
都立学校へのユースソーシャルワーカーの人数を増やし、自立支援チームの派遣、配置を拡充するとともに、小中学校への支援も強化すること。
特別支援学校の教室不足解消、教育環境確保、大規模校の解消のために学校を新設すること。
重度重複学級を児童生徒の実態に合わせて増やすこと。
寄宿舎は教育目的の入舎も可能とし、寄宿舎指導員の新規採用を増やし、配置を増やすこと。
人工呼吸器の使用を含め、医療的ケアを必要とする児童生徒の通学保障のため、専用車両と乗車する看護師を拡充すること。
スクールサポートスタッフや、副校長を直接補佐するスタッフを全校に配置すること。
教員のパワハラ相談窓口や公益通報窓口は、相談とともに直接調査をする専任の第三者機関を設けること。
次に、生活文化スポーツ局です。
私立高校の授業料無償化は、事前に保護者が負担しなくてもよい仕組みにすること。
私立高校の入学金や施設費など学校納付金も無償化すること。
私立中学生に加えて、私立小学生へも十万円の授業料補助を行うこと。
私立小中学校の児童生徒の昼食代の支援を行うこと。
奨学給付金の支給額、支給対象を拡大すること。
私立幼稚園の入学金への補助を行うこと。
幼児教育無償化は、都の認定した幼稚園類似施設以外の幼児教育施設と外国人幼稚園も対象に含めること。
通信制高校のサテライト施設について、国と道府県との連携を強め、実態の把握と教育環境の質の確保を図ること。
私立学校、幼稚園の老朽化の改築、耐震化、特別教室や体育館、武道場のエアコン設置、太陽光発電や緑化、省エネ設備導入、バリアフリー化への補助の実施、拡充をすること。
東京都こども基本条例の誰一人取り残さない立場に立ち、朝鮮学校への運営費補助を再開すること。
都が実施した痴漢実態把握調査を生かし、学校での包括的性教育の実施とアクティブバイスタンダーを増やす取組を強化すること。
公衆浴場の経営を物価高騰から守るため、一〇一〇クーポンを復活するとともに、観光客向け銭湯の魅力発信・利用促進プロジェクトを進めること。
都として、トー横に集まる青少年やホストクラブをめぐる被害の実態調査を行うこと。立ち寄りやすい居場所の確保と常設の相談窓口を設置すること。
中小の芸術団体、アーティスト、文化芸能従事者に対し、助成額を十分の十にし、上限を引き上げること。
都立文化施設で、若者の入館の無料化や引下げを行うこと。十八歳以下の若者を無料で招待するWelcome Youthの期間を延長し、対象年齢を引き下げること。
東京空襲の証言ビデオは原則全員公開とし、戦災資料も含め、学校や都民の学習など、広く閲覧、視聴できるようにすること。
東京空襲資料展の開催場所や期間を拡充するとともに、東京都平和の日の式典の内容の充実を図ること。また、東京都平和祈念館建設に向けた準備を始めること。
東京二〇二〇大会で使用した施設や都立のスポーツ施設は、都民が利用しやすい低廉な利用料金とすること。
世界陸上とデフリンピックの大会経費、東京都の負担額について、透明性、公正性を図り、議会や都民に説明すること。
デフリンピックを通じて、障害者スポーツの振興と共生社会のための取組を進めること。
スポーツ団体や自主的なサークル等の実態調査を行い、大会や活動に補助をすること。
区市町村の体育施設の新設や拡充、バリアフリー化に助成すること。
特別支援学校を地域の障害者スポーツの拠点として活用する都立学校活用促進事業を拡充すること。
以上です。
○西崎委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和六年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
東京都の令和六年度予算は、法人二税等の都税収入の増加を背景に、昨年に続き、過去最高の一般歳出予算額となりました。
私たちは、未来に向けて投資をするとともに、障害の有無、雇用形態、性別を問わず、個性と能力を十分に発揮することができるジェンダー平等の確立、性的指向や性自認、家族構成などで差別されない社会を東京から実現していくことが必要との基本理念の下、都民の経済や暮らし、生活に対する満足度を向上させていく取組が十分行われるか、政策の持続可能性は十分かとの観点から、予算案に対する質疑を行ってきました。
物価高騰は歴史的な水準に達しており、実質賃金の減少で都民生活に大きな影響が出ています。東京の産業、経済を支える中小企業においても、物価上昇を上回る賃上げが実現できるよう、都としても、率先して機運醸成に努めていただくよう求めるものです。
子供、子育て支援については、より一層の拡充を求め、特に学校給食の無償化については、全ての区市町村で実施することができるようにすることを、教育の無償化に向けた最優先課題として強く要望いたします。
以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
まず、生活文化スポーツ局関係についてです。
一、町会・マンションみんなで防災訓練については、合同訓練のイメージを明確にして、地域の防災力、災害対応力の向上について取り組むこと。
一、男女平等参画施策について、男性が主体的に家事や育児を行うよう、男性の意識改革を推進すること。都庁職員への研修など、都の事務事業からアンコンシャスバイアス解消に取り組むこと。
一、家事、育児に係る意識改革及び行動変容につなげるため、名もなき家事に名前をつけ、見える化する取組を推進すること。
一、女性のキャリアアップ等への支援や女性管理職の登用を推進するとともに、ジェンダーギャップ比率が大きい分野での就業体験の拡充など、男女平等参画社会を推進すること。
一、結婚支援マッチング事業について、事業効果を検証し、その結果を明らかにすること。
一、トー横対策として、一人一人に寄り添った支援を実施するとともに、悪意のある大人たちに対して、都として毅然とした対策を講じること。また、青少年本人のみならず、保護者の相談にも対応できる総合相談窓口を整備すること。
一、エシカル消費についての発信や行動を起こすキャンペーンを実施するとともに、都庁職員へのエシカル消費の理解促進を図るなど、エシカル消費の普及啓発を推進すること。
一、カスタマーハラスメント対策の構築に合わせ、消費者が正当な意見をいいづらくならないよう、カスハラについての消費者等の理解が深まるよう取り組むこと。
一、子供の事故を予防するため、プラットフォーム、Safe Kidsについて、情報の蓄積、分析を進め、都の施策に生かすとともに、同類のこどもセーフティプロジェクトとのすみ分け、あるいは統合を検討すること。
一、誰もが芸術文化を楽しめる環境づくりを推進するとともに、アーティスト、芸術文化団体の活動支援等を総合的に展開すること。
一、平和施策を推進すること。仮称東京都平和祈念館の整備に取り組むとともに、東京空襲関連の証言映像などの活用を積極的に進めること。
一、子供や学生に対するボランティア活動について、学校の教育活動で行われることに加え、学校外での活動が広がるよう取り組むこと。
一、東京都こども基本条例第十一条、こどもの参加の促進に鑑み、世界陸上、デフリンピックでの子供のボランティア参加に向けて取り組むこと。
一、頑張って練習を重ね、国際大会を目指している子供たちへの応援となるよう、TOKYOジュニアスポーツアンバサダーの取組を推進するとともに、より多くの子供たちが参加できるよう、ジュニア育成地域推進事業に取り組むこと。
一、都民のスポーツ実施率の向上に向けて、イベントなどの単発開催ではなく、都民が継続的にスポーツや運動に触れていくために工夫して取り組むこと。
一、子供のスポーツの推進に向けて、指導員への講習や都民への情報提供など、事故やけが、熱中症の予防に取り組むとともに、指導者の暴言やハラスメント等への対策を推進すること。また、早生まれの子への配慮など、全ての子供がスポーツを続けられる環境づくりを進めること。
一、私立学校の教育の無償化に向けて、私立高等学校の特別奨学金制度の所得制限を撤廃するとともに、奨学金を早期支給するなど、授業料の保護者の肩代わりを解消すること。また、入学金や施設費等に対する補助制度を新設すること。大学課程も含めた奨学金制度の創設に取り組むこと。
次に、教育庁関係について申し上げます。
一、義務教育の完全無償化に向けて取り組むこと。公立小中学校や都立学校の給食無償化を実現すること。有機栽培農産物も含めて地産地消を推進すること。
一、全ての特別支援学校で医療的ケア児の保護者付添期間を短縮すること。また、潜在看護師の掘り起こしや離職防止を進めるなど、看護師確保に取り組むこと。
一、スクールカウンセラーの配置を拡大するとともに、採用に当たっての勤務実績の考慮など、高まる教育相談のニーズに適切に対応すること。
一、小中学校における不登校児童生徒への支援を強化するため、校内別室指導を進めるとともに、支援員の対応力底上げに向け、採用や研修についても支援すること。また、校内別室指導を行う中学校への教員配置や学習環境の整備を進めること。都立高校での校内別室指導を進めるなど、不登校生徒に対して寄り添った対応を推進すること。
一、包括的性教育を推進するとともに、生命(いのち)の安全教育を推進すること。性教育の授業に産婦人科医を活用すること。
一、英語スピーキングテストは様々な課題があることから、都立高等学校の入学者選抜に活用しないこと。
一、教員不足の解消に向けて、合格発表の早期化など選考方法を改善するとともに、希望する日勤講師の採用促進など、教員確保を図ること。また、教員のメンタルヘルス対策の強化など、退職防止に取り組むこと。
一、教員の多忙解消に向けて、区市町村の人材確保も含めて、エデュケーションアシスタントの配置支援を推進すること。また、学校生活支援型のスクールサポートスタッフの配置を広げること。さらに、部活動の地域連携、地域移行の推進に向け、各地域の優良な事例なども参考にしながら、区市町村への支援を強化するとともに、経済的理由によって子供たちに格差が生じないように支援すること。
一、コミュニティスクールの設置を進めようとする区市町村立小中学校に対して、経費の補助や研修会の開催など、引き続き支援を行うこと。
一、子供の事故予防という観点から、安全教育推進校での取組の成果を都内全学校で生かせるよう情報共有を進めること。
一、子供たちが学校の校外活動等で川や海で活動する際にはライフジャケットの着用を義務づけるなど、子供の水難事故防止に向けた取組を強化すること。
一、体育活動や校外学習を実施する際には、必ず暑さ指数を計測するなどガイドラインを徹底するとともに、活動中止も含めたルールを設定するなど、熱中症対策を強化すること。
一、都立学校での施設及び設備に起因する事故防止に向けて、最新の知見等を参考に、適宜点検内容の改善を図るとともに、外部人材の活用など、安全点検に万全を期すること。
一、学校内で、万が一、事故が発生してしまった際の対応として、速やかに事故原因を確認し、注意喚起を行うとともに、学校事故事例等データベースを分析するなど、再発防止策まで徹底共有できる体制づくりを進めること。
以上で東京都議会立憲民主党を代表しての意見開陳とさせていただきます。
○田の上委員 ミライ会議を代表して、当委員会に付託された令和六年度予算関連議案について意見を述べます。
令和六年度の一般会計予算は、過去最大の一般会計予算八兆四千五百三十億円が計上され、前年度比三・〇%増の税収増を背景に、予算規模がさらに拡大している状況です。
インフレが進めば税収も増加するという計算になりますが、他方で、インフレが進むことによって生活上の困難に直面する方々のことを忘れてはなりません。私たちは、政治は貧しい人のため、困難を抱えている人のためにあるという、セーフティーネットを提供することが政治の役割の一つであることを強調したいと思います。
次の百年は、人口半減、少子高齢化社会です。これは、全ての施策を規定する条件です。
少子化が急激に進む中、東京都の出生率は全国最低です。にもかかわらず、子供の数で見ると、減少率は全国最低です。この二つから、東京は、各地から出産年齢の女性を集め、出産しにくい環境を提供しているということが分かります。
知事は、国に先駆けて少子化対策を打つといって、今年度から〇一八サポートを始めましたが、子育て支援策が少子化対策にどれほど効果があるのか、何ら検証がされていません。また、多くの無償化政策が打ち出されていますが、税金を投入するからには、その効果が期待されるという要素も忘れてはいけません。PDCAを回し、効果検証ができる政策を構築するようにするべきです。
議会で許容された予算を執行することが都の仕事ではなく、目的を掲げ、成果を上げることが都の仕事です。
人への投資は重要です。まず、AIの時代を迎えて、国語能力の涵養が最も重要です。古い形式の教育を根本的に変更して、子供の個性を伸ばす多様な教育を提供するシステムに変えていかなければなりません。
また、人口半減、少子高齢化の都市機能の再定義も重要です。人口半減社会に適応した、次の百年に対応した都市ビジョンと、それに基づき東京の文化を生かした、都民が決める、都民と進める都市開発とすべきです。
各局事業について述べさせていただきます。
初めに、生活文化スポーツ局関係について申し上げます。
一、東京二〇二五世界陸上競技選手権大会では、今後の都の支出の内容を精査し、都民に公開されたい。
一、広告代理店の選定においては、都民に説明できる選定方法を検討するよう、財団に助言されたい。また、その他の選定においても、透明化した手法を取られたい。
一、都派遣職員については、係る人件費が分かるように公開されたい。
一、ガバナンス確保においては、監査内容も含めて公開されたい。
一、デフリンピックの成功に向けて、競技環境の整備とデフリンピックの認知拡大に向けて一層の周知をされたい。
一、デフリンピックを契機として、障害当事者との相互理解を深めていく取組を進めるとともに、都民が手話に触れる機会を設けられたい。
一、障害者の運動定着支援や、デジタルを活用したeパラスポーツの普及など、福祉局と連携し、取組を一層拡充されたい。
一、文化、芸術、エンターテインメント分野で利活用が期待されるメタバース、仮想空間について、国の動きを注視し、積極的に活用できるよう研究されたい。
一、官製婚活は、民間事業を圧迫することのないようにされたい。
一、特別支援学校活用促進事業では、内部での選定基準を検討し、加速されたい。
一、私学の経理では、利害関係人から請求があった場合のみの閲覧ではなく、公に公開するよう、都から積極的な情報公開を促されたい。
一、高校授業料実質無償化に当たっては、人口減少、少子化を鑑み、都立高校とのバランスや統廃合などを含めた将来ビジョンを都として示されたい。
一、普通科偏重、偏差値偏重を見直し、生徒の個性を引き出せる多様なコースを提供できるよう、総合教育会議で検討されたい。
一、町自治会助成事業においては、公職選挙法に抵触する疑いのかけられないよう、助成条件や期間などを見直されたい。
一、青少年健全育成審議会においては、公開の障壁を検討し、公開に向けて尽力されたい。また、不健全図書の不健全の名称を変更されたい。
一、トー横キッズをはじめ青少年の犯罪被害等の防止に向け、相談事業を充実させるとともに、関係局が横断的に協力をしながら取り組まれたい。
一、DVなどの相談事業においては、多言語かつSNSの活用を積極的に取り組まれたい。
一、再犯防止推進においては、性犯罪についても検証し、積極的な再犯防止に取り組まれたい。また、就労や住居の確保について、国と連携して情報提供に取り組まれたい。
一、カスタマーハラスメント対策については、消費者の意見も取り入れながら取り組まれるようにされたい。
次に、教育庁関係について申し上げます。
一、教員の応募人員が増えるよう、魅力発信とともに、働き方改革を徹底されたい。
一、業務の精選や外部委託については、好事例を紹介し、各学校で効率化を図られたい。
一、教員の精神的、物理的負担軽減を図り、過労死をなくす取組を徹底されたい。
一、教員の通勤時間や距離について、おおむね九十分以内とされていますが、異動時には六十分以内を基本として検討されたい。
一、SPCなどのスポーツ推進校の顧問異動においては、安易に異動させず、やむを得ない場合には、早い時期に入学予定者や在校生に対して周知し、今後の対応について十分な説明をされたい。
一、児童生徒の多様な魅力を引き出し、開花させる教育を推進するため、普通科偏重、偏差値偏重を見直し、多様なコースを提供されたい。
一、高校授業料実質無償化による影響、これからの人口減少、少子化を鑑み、私立高校とのバランスや統廃合などを含めた将来ビジョンを都として示されたい。
一、都立高校の入試のための英語学力検査は、英語の四技能を取り入れたものとし、各都立高校の受検生に対しては、その都立高校が責任を持って採点することとされたい。
一、不平等、不公平な中学生英語スピーキングテストの都立高校入試への活用は中止されたい。
一、学習指導要領の達成度を確認するアチーブメントテストは、各区市町村の教育委員会または中学校が自主的に選択し、実施することとし、都は、区市町村に補助することとされたい。
一、中学校英語スピーキングテストを受けた生徒や学校現場の先生の声を検証されたい。
一、不受験者の得点付与においても、不受験者を抱える学校同士の相互点検を実施されたい。
一、教育委員会の形骸化を招かないよう、重要な案件や新規案件については、報告のみならず、議題として諮られたい。
一、義務教育の完全無償化のため、給食費の十分の十補助での無償化、学用品等補助教材の無償化、学校行事の無償化を実現されたい。
一、不登校や児童虐待の防止を強化するため、スクールソーシャルワーカーの配置拡充をされたい。また、福祉等の関係機関と連携し、訪問型支援をされたい。
一、フリースクール等に通う不登校児童生徒及び保護者の支援ニーズや、フリースクール等での活動内容の調査を踏まえ、適当な支援を検討するとともに、国の支援を要望されたい。
一、スクールカウンセラーの雇用年限の撤廃や常勤を検討するとともに、各学校に週五日カウンセラーがいる体制を確立されたい。
一、特別支援学校の教室不足の解消とバリアフリー化を最優先として教育環境の整備を促進し、外部人材を活用した様々な体験の機会を設け、技能向上に向け支援されたい。
一、担任を補佐するエデュケーションアシスタントの配置については、学校の声を聞きながら、さらに一年生から三年生までの各学年一人ずつ全校配置を実施できるよう、財政措置をされたい。
一、都立学校図書館においては、全て正規の学校司書による運営となるよう取り組まれたい。
一、性教育については、導入校を増やすよう取り組まれたい。
一、GIGAスクール構想における一人一台端末の更新に当たっては、タブレットの軽量化を図るための補助の増額と関連必要経費の補助、また、デジタル教科書の早期導入を国に強く要望されたい。
一、保護者へのお知らせや連絡を含め、デジタル化を進めることにより、即時情報発信と文書保存機能を強化されたい。
一、外国ルーツの児童生徒が授業についていけない状況を回避するため、日本語教育と支援員の充実のための施策を講じられたい。また、外国ルーツの児童生徒の保護者にも理解できるよう、入試等説明会など、多言語対応できるよう工夫されたい。
一、明治神宮外苑の百四十六本のイチョウ並木を、関係自治体との十分な話合いを経て名勝指定することを検討されたい。
以上でミライ会議の意見開陳といたします。
○藤井委員長 以上で予算に対する意見開陳を終わります。
なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
以上で予算の調査を終わります。
○藤井委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第五十二号議案及び第五十四号議案から第六十号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。
○とや委員 日本共産党都議団を代表して、当委員会に付託された条例案について意見開陳を行います。
まず、議案第五十二号、東京都体育施設条例の一部を改正する条例についてであります。
この条例は、一点目が、改正スポーツ基本法の施行等、都を取り巻くスポーツ行政の実情を踏まえ、東京都体育施設条例から東京都スポーツ施設条例に改めるものです。
二点目は、東京辰巳国際水泳場を廃止し、東京辰巳アイスアリーナの名称、位置及び利用料金の上限額を規定するものです。
三点目が、駒沢オリンピック公園総合運動場内の体育館の改修に伴い、利用料金の上限額を規定するものです。
東京辰巳アイスアリーナは新しい施設となりますが、特に個人利用の場合の利用料金が一千二百九十円と一種類であり、子供料金や平日、祝日など区分を分ける必要がありますが、これは指定管理者に委ねられており、上限額は高めに設定されております。
駒沢オリンピック公園総合運動場体育館の改修内容は、天井のLED化、空調、床をクッション性のあるものにしたということですが、メインアリーナと多目的室に分割して貸し出す。そのため、料金が二通りになります。
オリンピックで利用したアクアティクスセンターの椅子二千席を再利用するなど、工夫はありますが、一部料金が値上げとなり、看過できません。
都民がスポーツを気軽に行う機会をより多く保障するという立場から、この条例については、値上げが入っており、賛成し難く、反対です。
次に、議案第五十七号、東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例について意見を申し上げます。
東京都特別職報酬等審議会での意見が示されましたが、特別職については、報酬等改定の基準となる都の指定職給料表の改定内容を踏まえて報酬等の額を引き上げるとしております。
厳しい物価高騰の下で、都民の生活困窮が深刻になる中、高額である教育長の給与の引上げは都民の理解を得られるとは考えられず、反対です。
以上で議案に対する意見開陳を終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 発言は終わりました。
これより採決を行います。
初めに、第五十二号議案及び第五十七号議案を一括して採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○藤井委員長 起立多数と認めます。よって、第五十二号議案及び第五十七号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
次に、第五十四号議案から第五十六号議案まで及び第五十八号議案から第六十号議案までを一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、第五十四号議案から第五十六号議案まで及び第五十八号議案から第六十号議案までは、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
○藤井委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○藤井委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
○藤井委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、浜教育長から発言を求められておりますので、これを許します。
○浜教育長 所管二局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
ただいま本定例会にご提案申し上げました議案につきましてご決定を賜り、誠にありがとうございます。
藤井委員長をはじめ委員の皆様方におかれましては、様々な視点から調査、ご審議等を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
調査、審議等の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望を踏まえまして、これからの事務事業に万全を期してまいりたいと存じます。
今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。
○藤井委員長 発言は終わりました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時五十八分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.