文教委員会速記録第五号

令和六年三月十九日(火曜日)
第四委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長藤井あきら君
副委員長平田みつよし君
副委員長小林 健二君
理事田の上いくこ君
理事西崎つばさ君
理事とや英津子君
かまた悦子君
たかく則男君
龍円あいり君
斉藤まりこ君
鈴木  純君
風間ゆたか君
伊藤 ゆう君
川松真一朗君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長横山 英樹君
生活安全担当局長竹迫 宜哉君
次長理事兼務渡邉 知秀君
次長久故 雅幸君
総務部長奈良部瑞枝君
都民生活部長柏原 弘幸君
都民安全推進部長馬神 祥子君
消費生活部長片岡 容子君
私学部長戸谷 泰之君
文化振興部長蜂谷 典子君
スポーツ総合推進部長小池 和孝君
国際スポーツ事業部長稲垣 敦子君
企画担当部長吉原 宏幸君
都民活躍支援担当部長山崎 利行君
男女平等参画担当部長宮本  均君
女性活躍推進担当部長樋口  桂君
治安対策担当部長米今 俊信君
若年支援担当部長村上  章君
文化戦略推進担当部長宮永 浩美君
文化施設・連携推進担当部長富岡麻紀子君
企画調整担当部長巻口 博範君
スポーツ担当部長齊藤 陽睦君
パラスポーツ担当部長澤崎 道男君
大会推進担当部長河野 和久君
事業調整担当部長国際連携担当部長兼務木村 賢一君
事業調整担当部長三浦 大助君
事業調整担当部長清水俊二郎君
経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務高島 慶太君
スポーツ施設担当部長永井 伸芳君

本日の会議に付した事件
生活文化スポーツ局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化スポーツ局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十二号議案 東京都体育施設条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京二〇二五世界陸上 財政計画について
・東京二〇二五デフリンピック 大会規模(計画額)について
・ビジョン二〇二五 アクションブックについて

○藤井委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、生活文化スポーツ局所管分、第五十二号議案及び報告事項、東京二〇二五世界陸上財政計画について外二件を一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○奈良部総務部長 去る二月十四日の当委員会におきまして要求のありました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布の令和六年文教委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のありました資料は十件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、私立専修学校修学支援実証研究事業の授業料支援実績額、協力校数及び受給者数の推移でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの実績を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、私立学校における児童生徒の自殺者数及び不登校児童生徒数でございます。
 平成三十年度から令和四年度までの状況を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、知事の附属機関(審議会等)の委員数、女性委員数及び女性委員任用率一覧でございます。
 令和五年四月一日時点の状況を五ページまで記載しております。
 六ページをお開き願います。4、配偶者暴力防止等民間活動助成事業の実施状況、予算額の推移でございます。
 令和二年度から令和五年度までの実績と令和六年度の予算額を記載しております。
 七ページをお開き願います。5、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数の推移でございます。
 都と区における平成二十四年度から令和四年度までの実績を記載しております。
 八ページをお開き願います。6、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数(月別)の推移でございます。
 都と区における令和元年度から令和五年度までの実績を記載しております。
 九ページをお開き願います。7、男女共同参画に関する施策についての苦情処理機関の都道府県別設置状況でございます。
 都道府県別の設置状況を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。8、不健全図書類の指定件数、名称及び指定理由でございます。
 平成十五年度から令和四年度までの指定件数と、令和二年度から令和四年度までの不健全図書類の名称及び指定理由を記載しております。
 一二ページをお開き願います。9、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館の条例の利用料金及び実際に適用している利用料金でございます。
 改定前の条例の利用料金と実際に適用している利用料金及び改定後の条例の利用料金を記載しております。
 一三ページをお開き願います。10、世界陸上及びデフリンピックにおける開催支援予算額の内訳、各運営組織への都派遣職員数(役職別)でございます。
 令和六年度の予算額の内訳と令和六年三月一日時点の都派遣職員数を役職別に記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○龍円委員 よろしくお願いいたします。
 まずは、START Box ササハタハツについてお伺いしていきます。
 私は、地元の渋谷区の笹塚、幡ヶ谷、初台という三つの地域をつなぐ東京都道、水道道路沿道のまちづくりに取り組んでおります。ササハタハツというのは、この笹塚、幡ヶ谷、初台の頭文字から取った名前となっているわけなんですけれども、この水道道路という道は、ほかにあまりないユニークな通りとなっております。
 西新宿から西に向かって走っている三キロメートルの通りなんですけれども、車道が広くて、さらに、自転車帯が整備されていて、両側にガードレールつきの歩道があって、その上、カーブしていなくて真っすぐで、すごく見通しがよく整斉とした道なんです。
 しかし、首都圏の大動脈である甲州街道の上、北側を並行して走っている上に、アクセスが悪いということで、迂回道にもなっていないので、どこかに向かって走り抜けていく方ですとか、物流という意味では、ほとんど活用されていない道になっています。
 この三キロメートルの道に垂直に関わるような形で五つの商店街がありますので、この三つの地域で暮らす人が地域内で移動するために使っている通りが、この水道道路になっています。
 これだけの条件がそろっていると、普通だと華やかな通りになっているかというふうに思われるのですが、三キロメートルのうち、その半分の一・五キロメートルには無機質な都営住宅が立ち並んでいて、さらに、その一階部分が、昔は排ガスの理由で住居が入れられなかったということで、吹き抜け、ピロティーになっているほか、現在は利用されていない空き店舗が立ち並んでいるということで、そのため、この道全体が薄暗く、そして、何とも活気のない通りとなってしまっているのがこれまでの課題でありました。
 この都営住宅の一階部分のピロティーや空き店舗を地域で活用していきたいということで取り組んでまいりましたが、昨年、念願だった都営住宅一階の空き店舗がリノベーションされまして、生活文化スポーツ局がSTART Box ササハタハツを開設しました。これによる再利用が始まったということで、本当にうれしく思っております。
 ここでは、若手アーティストのためのアートの活動の場所を提供するほか、利用アーティストと地域住民が交流するなど、地域コミュニティの活性化にもつながる取組をしているというふうに認識しております。
 間もなく開設から一年がたとうとしているところです。
 そこで、開設以降のSTART Box ササハタハツにおける活動の状況についてお伺いいたします。

○宮永文化戦略推進担当部長 アーティストの継続的な活動を支援するため開始したSTART Box ササハタハツは、これまで二十二名が利用しており、ここでの活動をきっかけに海外の展覧会やコンクールで活躍するなど、利用者のステップアップを支える場になっており、今月も有楽町で九名の方の作品発表を予定しております。
 また、定期的に開催しているオープンアトリエなどの地域住民等との交流を、地元区とも連携しながら実施しており、アーティストにとっても、よい刺激となっています。
 アーティストの交流は、住民にアートを身近に感じてもらう有意義な機会ともなっており、引き続き、地域とも連携した取組を進めてまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。START Boxを利用したアーティストの方々が次のステップに踏み出すきっかけとなっていることが分かりました。
 また、地域との交流を大切にしていただきたいと、これまでお伝えしてまいりましたが、このSTART Boxは、定期的に、今お伝えいただいたオープンアトリエを開催しまして、地域の方々との交流をしてくださっております。
 私がこのオープンアトリエにお伺いした際には、アーティストたちの作品を拝見させていただきながら、さらに、そのアーティストと気軽にお話をしたりすることができました。若手アーティストの方からは、なかなか創作活動ができるアトリエを確保できないことから、このスペースがあることで、集中して創作することができたというふうに伺いました。
 また、このオープンアトリエでは、創作活動を地域の方が体験できるようにしてくれていて、大人から子供まで楽しんでいる様子も見られました。
 このササハタハツの隣には、渋谷区が空き店舗の一区画を借りておりまして、地域コミュニティスペース「あつまると」を開設しております。このアーティストの中には、「あつまると」とも交流してくださっていて、本当に地域とアートをつなげてくれていて、大変ありがたいと思っております。
 少しずつですけれども、この水道道路に彩りがあふれるまちへと進み始めているというのを感じているところであります。
 さて、来年度の予算を確認しますと、アーティストの創作環境の整備事業の予算が増額しているところなんですけれども、今後、START Box ササハタハツにおけるアーティスト支援などについてどのように充実させていくのか、お伺いいたします。

○宮永文化戦略推進担当部長 アーティストの持続的な活動を支援するためには、創作活動の場を提供するだけでなく、作品発表の機会を設けるなど、アーティストの活動を広く紹介していくことが有効でございます。
 都が共催する文化イベント等においてSTART Boxで制作した作品を発表する場の提供を、来年度は拡充するとともに、SNSで利用者の活動情報を発信するなど、若手アーティストの活動支援を一層充実させてまいります。
 多くの若手アーティストがSTART Boxでの活動を契機に未来に羽ばたけるよう、取組を進めます。

○龍円委員 来年度は、作品を発表する場を拡充していくということでありました。先ほどの渋谷区の方の「あつまると」も、その名前の由来が、アーツ、アートのアートと集まるというのを合わせて「あつまると」というふうにしていますので、地域におけるアートの活動や展示に力を入れているスペースとなっておりますので、ぜひ今後も連携した活動を活発に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 さて、私は、インクルーシブアートという活動に力を入れて取り組んでまいりました。スペシャルニーズのある人やない人、それから地域のいろんな人がアート制作に携わることで、アートを通じたインクルーシブな交流が生まれるほか、その作品が公共空間に展示されることで、その地域にスペシャルニーズのある人が暮らしているんだよ、多様な人が暮らしているんだよということを知ってもらえるようなきっかけになってほしいという思いから進めているものです。
 去年の一般質問では、東京都が発注する工事の仮囲いにインクルーシブアートを展示することが評価の加点にならないかという質問を、財務局に対してですけれども、しまして、加点の対象になり得るという答弁をいただいたところであります。
 都は、来年度、新規事業として工事現場を活用した新たな魅力創出プロジェクトを挙げておりまして、誰もが身近にアートを楽しむ環境づくりをするとしております。今回の工事現場を活用したアートプロジェクトにおいても、アートを通じたインクルーシブなまちづくりの推進という意味でも期待をしております。
 そこで、この事業、工事現場を活用したアートプロジェクトの取組概要と進め方についてお伺いいたします。

○蜂谷文化振興部長 都は、令和六年度より、工事現場をキャンバスとした東京の新たな魅力創出プロジェクトとして、都や民間の工事現場を活用したまちなかアートを展開してまいります。
 工事現場を活用したこの取組を通じて、まちの中に子供から大人まで身近に芸術文化を楽しめる空間をつくり出すことを目指してまいります。
 実施に当たりましては、地元自治体など様々な関係者とも意見交換をし、それぞれの場所や地域の特色に合わせた進め方を検討してまいります。

○龍円委員 まちの中に芸術文化を楽しめる空間をつくり出すことを目的とした事業だということでありました。
 私の地元の渋谷区の青山通りには、旧こどもの城がございます。コロナ禍では酸素ステーションとして利用されていましたが、今はその役目も終えて、近隣の地域との一体的な活用に向けた検討が進められているところです。
 その検討は、それで見守っていくつもりなんですけれども、このこどもの城の周辺には、既に、もう何年も無機質な白い仮囲いが設置されているところであります。再整備に向けて動き出すまで、この仮囲いは、さらに数年は続く可能性があります。
 この仮囲いの前には、岡本太郎さんの有名な作品、こどもの樹が設置してあります。青山通りに面していることから、通行人も多い通りですので、巨匠のアートの作品の後ろに子供やスペシャルニーズのある方々に関わる作品を仮囲いに展示することは、大きな意義があるのではないかなと思っております。
 ぜひ事業の実施に当たっては、この仮囲いの活用についても検討の一つにしていただけたらと思いますので、お願いさせていただきます。
 次に、パラスポーツの施策についてお伺いしてまいります。
 これまでの文教委員会では、スペシャルニーズのある方々が日常的に身近なところでスポーツや運動を楽しめるようにするためにはという視点から質疑を続けてまいりました。
 その中で課題だなと感じてきたのが、スポーツ用の義足、ブレードといった体に合わせて使うようにするような器具というのは、製作するのに技術が要ることから、その価格が数十万円と高価になってしまって、つくった後も、利用した感覚に合わせて細かい調整をする必要があるため、継続的に専門家の支援も必要となります。こういったことから、なかなか一般の方が利用するのは難しいということがありました。
 さらに、子供の頃からスポーツを楽しんでもらいたいと私は思うんですけれども、こういう用具は成長に合わせて買い換えていく必要がありますので、一般の家庭だと、とてもではないのですけれども、負担することができません。
 生活文化スポーツ局として、スペシャルニーズのある方々がスポーツや運動に必要となる高価な専門器具に関して支援をしていただきたいというふうに思っておりますし、これまで要望を続けてきたところであります。
 そこでまず、障害者のスポーツ実施に必要なスポーツ用義足や車椅子に関して、都としてどのようなニーズを把握しているのか、お伺いいたします。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、今年度、スポーツ用の義足や車椅子に関するニーズなどを把握するため、障害当事者へのアンケートや、医師、義肢装具士等、専門家へのヒアリングなどの調査を行いました。
 調査の結果、利用に当たっての課題として、用具が高額であること、身近に触れる機会がないことなどが挙げられました。
 さらに、専門家からは、用具を利用するには、義肢装具士や指導者等によるサポートに加え、競技継続の受皿となる競技団体等につなぐ仕組みが重要との意見がございました。

○龍円委員 今年度は実態調査をしてくださったということが分かりました。大切な一歩だと思います。
 この調査結果を踏まえて、競技スポーツを始めたいスペシャルニーズのある方々に対してどのような支援を行っていくのか、来年度の取組についてお伺いいたします。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、現在、国際大会などを目指す次世代選手を発掘、育成するため、競技の体験と競技団体とのマッチング等を行う競技体験会を実施しております。
 来年度は、これに先立ち、義肢装具士などのサポートの下、参加者に合わせて用具を調整し、慣れてもらう場を新たに提供いたします。その上で、調整済みの用具を用いて競技体験会に参加することで、より深く競技の魅力に触れていただくこととしております。
 こうした取組を通じて、障害のある方が競技スポーツを始めるきっかけをつくってまいります。

○龍円委員 今年度の実態調査を踏まえて、来年度は次の取組につなげていく予定であることが分かりました。
 体験会の当日ではなくて、それに先立って、専門的な用具を専門家によって選んでもらって、効果的に使用することができるような指導を受けて、さらに、しばらくその用具を自宅とかで使ってみて、慣れる期間を置いてから体験会に参加するということでありますので、それを通じて、その用具が本当に自分にとって必要なのかどうかというのも判断することができますし、その競技にそもそも取り組みたいのかどうかもしっかり考えることができると思います。
 用具を返却する際にヒアリングをするなどして、より詳しいニーズを把握していただき、実際に、これらの用品の購入の補助ですとか、専門家による支援体制の構築について都として進めていただきますよう、改めて要望させていただきます。
 次に、スポーツに取り組めていない方への支援についてお伺いしてまいります。
 スペシャルニーズのある方の中には、身体的な様々な理由で外出が簡単ではなく制限がある方、スポーツをする上で身体的な制限で動かしにくいという方もいらっしゃいます。また、子供の頃からスポーツとか運動を経験したことがない、少ないという方も少なくないことから、スポーツに関心がないよという方も少なくありません。スポーツや運動をする上での障壁や制限が多く、実施していない人も多いのが現状です。
 こうした課題に対しては、物理的、心理的バリアを取り除く効果のあるデジタル技術の活用も有効だと思われます。
 都では、来年度、新たにバーチャルスポーツを活用した事業を実施するということでありますが、具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。

○澤崎パラスポーツ担当部長 ゲーム機等を用い、画面を見ながら体を動かす、いわゆるバーチャルスポーツには、関節の可動域が狭い方などでも、体の動きが画面上に拡幅されるため取り組みやすいことや、動作の指示などが音声や文字など多様であるといった特徴がございます。
 この特徴を生かし、福祉施設などにおいて、様々な障害のある方に競技スポーツやフィットネスを体験いただきます。その上で、理学療法士等の専門家と連携して障害特性に応じた運動メニューを作成し、実施方法を解説するパンフレットや動画により広く周知を行います。
 これにより、自宅や福祉施設など、身近な場所で気軽に体を動かすきっかけを創出し、障害者のスポーツ実施を促進してまいります。

○龍円委員 デジタル技術を活用したスポーツ体験を、スペシャルニーズのある方がふだんいらっしゃる自宅ですとか福祉施設で楽しめる体制をつくっていくということでありました。
 デジタル技術を活用すれば、日常的に継続することもできるのが大きいと思います。これがきっかけで、関心がなかったよという方が、やってみたいという気持ちも高まる可能性があります。
 今後も、スペシャルニーズのある人々の様々なニーズや現状を踏まえて、スポーツに参加できる場を広げてくださいますようお願い申し上げます。
 次は、都立スポーツ施設における情報保障についてであります。
 国においては、二〇二二年に障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行されまして、全ての障害者があらゆる分野の活動に参加するためには、情報の十分な取得、利用、円滑な意思疎通が極めて重要として、スペシャルニーズのある方への情報を保障していく施策が推進され始めています。
 東京都では、二〇二五年、デフリンピックが開催される予定で、近づいてまいりました。東京体育館や東京武道館など、競技会場となる都立スポーツ施設においても情報の保障ということが重要になってまいります。
 都立スポーツ施設の情報保障設備の整備内容についてお伺いいたします。

○永井スポーツ施設担当部長 デフリンピックに向けて、会場となる都立スポーツ施設では、聴覚障害のある選手や観客が競技を楽しみ、安全に使うことができるよう、当事者や専門家等からの意見を参考に情報保障設備の整備を行います。
 具体的には、東京体育館などのトイレや更衣室、シャワー室等に、火災警報をランプの点滅により知らせる光警報装置や、音声案内に加え、光の点滅により避難出口を知らせる誘導灯を設置いたします。
 また、駒沢オリンピック公園の体育館や東京武道館等の観客席に、集団補聴設備であるFMワイヤレス補聴システムを設置いたします。

○龍円委員 ハード面で、誰もが施設を安全に利用できる、アクセシビリティーに配慮した整備を進めていくということが確認できました。
 さらに、利用される個々のスペシャルニーズにも応えていく必要がありますが、その点についてはどうするのか、お伺いいたします。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 現在、都立スポーツ施設では、施設の案内表示を多言語化したり、筆談等により窓口で直接相談に応じる体制を整えています。
 さらに、施設利用者の需要に合わせ、離れた場所の手話通訳者を介してコミュニケーションを行う遠隔手話通訳サービス等を行っている施設もございます。
 来年度は、音声を翻訳、文字化し、リアルタイムで透明ディスク上に表示するユニバーサルコミュニケーション機器を導入し、利用者サービスの向上を図ってまいります。

○龍円委員 来年度は、ユニバーサルコミュニケーション機器を導入して、さらにコミュニケーションにおける障壁を減らしまして、様々なコミュニケーションの選択肢を増やしていくということが分かりました。重要なことだと思います。
 東京都では、オリ・パラの会場では、アクセシビリティーを向上させるために、多くの当事者からの意見をヒアリングするアクセシビリティ・ワークショップを開催したというふうに記憶しております。これは非常に重要な取組だったと感じております。
 ワークショップが開催された会場は、非常にスペシャルニーズのある方々が利用しやすい施設となっていると思います。
 一方で、当事者の目が入っていない施設とか場所については、アクセシビリティーに課題がある場所もあることが、これまでの委員会で指摘させていただいたところであります。
 新しい取組を導入するということなので、必ずそれを利用する可能性がある当事者の方々に、利便性が大丈夫なのかどうかなどヒアリングをしていただけますよう、改めてお願い申し上げます。
 東京都の施設における情報保障の在り方というのが、都内全体の情報保障の考え方や整備方針に影響していくと思いますので、しっかりとした取組を今後もよろしくお願いします。
 以上で質疑を終えます。ありがとうございました。

○川松委員 私からは、都議会自民党が主張していますけれども、世界で一番の都市東京に向けて、生活文化スポーツ局の皆さんの所管の範囲でこんなことをやったらいいんじゃないかというような、感じていることを今日は幾つか質問させていただきますが、まず初めに、我が会派の本会議の代表質問におきまして、世界陸上、デフリンピックの開催に向けて、大会の開催機運を高めていくためには、都民の皆さんにとって一番身近な区市町村との連携が不可欠であって、さらに強化をしていく必要があるんだということを我が会派から要望させていただきました。
 その際、皆様方からは、来年度、競技を体験できるコンテンツの充実や、区市町村の取組に対する補助率の引上げなど、一層の支援を行うという答弁をいただいたところでありますけれども、そこで、その答弁を受けてということになりますが、大会に向けた機運を高めていくために、じゃあ、東京都は、来年度、区市町村との連携を具体的にどのように強化していこうとしているのか、考えをお聞きします。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 多くの都民に世界陸上及びデフリンピックの魅力を知ってもらい、応援してもらうことが重要であることから、都は、区市町村と連携し、住民に身近なイベント等で大会をPRしております。
 来年度は、大会情報の発信に加え、子供たちが安全に体験できるよう工夫しながら、やり投げやハードル走など、競技の魅力を実感できるコンテンツの充実を図ります。
 また、区市町村が独自の事業を展開できるよう、両大会の機運醸成に係る取組について補助率を三分の二に引き上げるとともに、補助限度額も増額いたします。
 これらを通じて区市町村における取組の促進を図り、東京全体での盛り上げにつなげてまいります。

○川松委員 これは非常に重要なところでして、決して都民の皆さんや各区市町村の皆さんに一緒になって盛り上げてくださいとお願いをするだけの効果じゃないと思うんですね。
 繰り返し主張していますけれども、本来であれば二〇二〇年に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピック、ここで、東京にはこんないいものがありますよと、グルメにしてもそうですし、様々な産業にしてもそうですし、そして、そこにいる人、あるいは江戸時代から続く地域の文化というものを、世界中から来られる皆さん方、それは選手も含め、あるいはVVIPと呼ばれる人たちも含め、皆さんに発信する場、世界中に東京の魅力を伝える場なんだということで、私たちは二〇二〇年に向けて準備をしてきました。
 しかし、新型コロナウイルスが流行して、結果として、東京オリンピックという大会は無観客になり、私たちが考えているような情報発信も、世界からお客さんが来られませんでしたから、できない状況の中で、誘致をし、そして開催となったのが、この世界陸上であります。
 ですので、区市町村の皆さん方にご協力を−−補助率を上げますよというだけじゃなくて、皆さん方に協力してもらって機運醸成して、そして大会が成功するとき、そのときには、一緒になって今度は区市町村の皆さんのをアピールをしていきましょうと。このことが区市町村の繁栄とかプラスにもつながるし、いろいろ地域で持っている文化だとか産業だとかがあるならば、そこをきっかけに、もう一度、東京の経済を動かしていくと。
 東京のGDPが落ち込んでいるわけです。二〇二二年から二三年に向けても、都市の評価指数でも東京のGDPが下がっていますけれども、これを−−インバウンドが今来ました。日本全体で見れば、二〇二三年のインバウンドは、二〇一八年、一九年に比べて八割までしか戻っていないけれども、五兆円を超えていると。
 このインバウンド消費がさらに上乗せしていく中で、もっと−−今、一部の人たちだけがもうかっているといわれていますけれども、そうじゃなくて、こういった世界的な大会をきっかけとして、多くの皆さん方にいろんな富が行き渡って、そして、もう一度、五年後、十年後、東京がニューヨークを抜き、そしてロンドンを抜き、一番になるためのきっかけなんだということで、補助率の引上げのPRも一緒になって区市町村にしていただきたいということを強く要望させていただきます。
 次は文化事業でございますが、将来に向けて、世界で一番の東京を一緒につくっていこうという中で重要なのは、将来を担う子供たちです。
 子供たちが未来へ明るい希望を持てる東京を築いて、それぞれの夢だったり、感動だったりと出会える様々な体験機会の充実を図っていくのは、我々、今こういった行政に携わっている全ての皆さんを含めて、政治家も含めての責務だと考えています。
 その際、生の芸術文化に直接触れるという経験は、いうまでもなく、創造性が育まれる過程にある子供たちにとっては、何物にも代え難い貴重なものとなります。未来の東京を支える子供たちに芸術文化のすばらしさを体感し、将来に向けて豊かな心を育んでもらうことが重要であります。
 特に、長い歴史の中で築いてきた伝統文化、芸能をはじめ、芸術文化は東京の魅力の源泉であって、より多くの都民がそれらに触れる機会を創出することを、私たち都議会自民党はこれまでも求めてきました。
 伝統芸能のような優れた文化を未来につないでいくために、子供の頃からその魅力を身近に感じて親しむ機会を拡充すべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○蜂谷文化振興部長 伝統文化の魅力を伝えていくため、都は、子供たちが能や狂言などの本格的な稽古を重ね、発表会を行うキッズ伝統芸能体験などの事業を展開してまいりました。
 来年度は、伝統芸能活動体験助成の対象に華道、茶道、書道を加えるなど、子供たちが身近で参加できる文化の選択肢を拡大いたします。
 また、新たに開始する芸術活動の体験事業の中にも、伝統芸能に関するプログラムを設けます。
 東京の子供たちが一流や本物に触れられる機会を充実させ、優れた伝統文化を未来に継承してまいります。

○川松委員 今、本当に答弁いただいたとおりですが、本物の文化を間近で見る、また、その道の一流の方々に直接教えてもらう、そういった体験は、なかなかふだんできないんですね。
 だから、こういった、東京都とか皆さん方がそういった機会をつくって、プログラムをつくって初めて、そこで一流の道の達人たちと東京の子供たちが触れ合うという場ですから、ぜひこういう大変貴重な機会を積極的につくり、発信していっていただきたいと思うんですが、そのことが、優れた伝統文化を未来へ継承していくために、より多くの子供たちがその魅力を体感できる機会となっていくと思いますので、取り組んでいっていただきたいと思います。
 今までも、例えば東京オリンピック・パラリンピックの前であればリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックとか、いろんな世界の人たちに向けては、東京の伝統芸能を発信しましょうとやってきましたが、やっぱり、まず足元、もう一度足元を固めて、子供たちや、恐らく、子供たちが来るということは、その保護者の皆さん方もそこに集うわけですから、また一度、東京の中からも伝統文化の盛り上げを皆さんとさせていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次は江戸東京博物館の話をさせていただきますが、先般の予算特別委員会の我が会派の一般質問の中でしたが、江戸の歴史、文化の魅力発信というものを取り上げました。その中で、東京において江戸の魅力発信の拠点といえるのは江戸東京博物館であり、現在は改修工事中であるが、国内外の方々にとって、より一層、魅力あふれる施設にしてほしいという要望を我々はしたところであります。
 今後の展開ということで思っていることがあるんですが、現在の江戸東京博物館は、確かに、中に入れば江戸を感じるわけですよ。それは、もういろんなものがあります。皆さん方は当然ご承知のとおり、いろんなものがありますが、ところが、これ、外から見たら江戸を全く感じないんですね。そういうデザインでつくってきて、三十年前からあのまま。だから、今、江戸東京博物館というと、あの姿勢を思いつきますけれども、僕らは、市場がなくなって更地の状態からつくっていくときに、考えてみれば江戸は感じないなと。
 そこで、江戸の魅力発信というふうに皆さん方がおっしゃるんだったら、この拠点としてこの施設を活用するためには、建物の外側に江戸らしさがにじみ出てくるような機能を強化すること、今回の改修工事に合わせて、ぜひつくっていただきたいと思うんです。
 例えば両国駅、JRの両国駅でも大江戸線の両国駅でもいいと思う。特にJRの両国駅から国技館の周りまでは江戸を感じるんですけれども、こっち側の江戸博の敷地に入った途端に江戸を感じなくなるので、こういうものを工夫すべきなんじゃないかというふうなところを、まず要望いたします。
 今回の改修工事は、建物の劣化を修繕するだけではなくて、国内外の方々にとって、江戸−−これは漢字の江戸というよりも、多分、恐らくEDOと出てくるかもしれません。この江戸を世界中の皆さんがイメージしたときには、江戸はここなんだと思われるような江戸文化を国内外へ広く伝える新たな施設へ進化させるべきだと考えておりますが、江戸東京博物館を進化させるため、現在、どのような改修工事を進めているのか、改めて伺います。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 竣工から約三十年がたちました江戸東京博物館では、屋根等の防水機能に劣化が見られることや、経年により設備機器等の更新が必要となったことから、開館後初めてとなる大規模な改修工事を行っております。
 改修工事に当たりましては、こうした劣化更新に加えまして、江戸東京を発信する東京の中核的施設として、これまで以上に来館者を引きつける博物館となりますよう、国内外の先進事例も参考にしながら、駅からのアプローチも含め、展示への期待を高める魅力的な空間づくりにも取り組んでおります。

○川松委員 ぜひ、今、駅からのアプローチもということで答弁いただきましたので、いろんな試行錯誤をしながらでありますけれども、リニューアルオープンを楽しみにしていきたいと思います。
 経年劣化の改修工事という面だけじゃなくて、今までも江戸東京博物館は、皆さん方の文化事業を支える大きなコンテンツでありましたけれども、改めて国内外の観光客を引きつける空間づくりに取り組むということも理解をしたところでありますが、私は、あの辺りをよく歩いて、今日も歩いて来たわけですけれども、あの辺りを歩いていますが、今、休館中だということを知らないで江戸東京博物館に来られる方が結構いるんですよ。観光客の方は、バッグをしょって歩いてきて、ああ、やっていないんだみたいな方もいます。
 ですので、もう一度、おもてなしということであるならば、江戸東京博物館が休館中であることを国内外に−−周知しているとは思いますけれども、今もしていると思うけれども、改めて強化をしていただきたいという意味で、現在の周知内容について伺います。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 江戸東京博物館では、国内外の利用者に向けまして、休館中であることを公式ウェブサイトに多言語で掲載しますほか、SNSでも随時発信をしております。
 また、施設を目指して訪れた方に休館中を周知できますよう、両国駅で看板を掲出するとともに、施設の入り口に視認性の高い掲示を行っているところでございます。

○川松委員 ありがとうございます。
 当然、そういうふうな周知徹底をされていると思いますが、観光客、国内外、特に海外の方は、何を基に自分たちの行き先を決めるか、分かりません。特に個人旅行の方たちは、人が発信した過去のものを見たりとかして来たりしますので、なお一層、来た人たちががっかりしないような仕組みづくり−−今、両国駅で看板とありましたけれども、両国駅に来たらもう遅いので、両国駅に来る前の段階でこのことを知るような、都内中のいろいろと情報発信の在り方というのを模索していただきたいなと。そのことで困らないようにしていただきたいという、そういう情報発信を強く求めていきたいと思います。
 加えて、東京都として、江戸の歴史、文化を世界遺産にという目標を掲げ、全庁横断的に進めようとしている中、江戸博には、休館中も存在感を発揮していただきたいと私は考えているわけですね。
 たとえ休館中であったとしても、この江戸文化を伝えるとともに、むしろ休館中だからこそ、新しく生まれ変わる江戸東京博物館に期待感を生み出す取組を進めていくべきだと考えますけれども、そこで、江戸東京博物館の休館中における取組について伺います。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 江戸東京博物館では、休館中におきましても、都立文化施設や民間施設での出張展覧会や海外での企画展を実施するほか、学校でのワークショップ等を通じまして、江戸東京の歴史や文化を伝えるとともに、その魅力を発信しております。
 令和六年度は、子供や外国人にも江戸の暮らしや知恵に親しみを持っていただけますよう、復元模型等を活用した体験型展示を都内各所で展開するなど、リニューアルオープンへの期待を高める取組を着実に進めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。
 今もいろんな取組を進めて、休館中でも取組を進めていくということでありますけれども、江戸博のある両国には、私の地元でありますが、江戸東京博物館だけでなく、国技館、あるいは、この館内にある相撲博物館、墨田区の北斎美術館、そして刀剣博物館といった、江戸から伝わる歴史や文化を発信する施設が多数存在しているエリアです。
 隅田川を越えれば日本橋があったり、浅草があったり、このエリアは、インバウンドを引きつけるポテンシャルが非常に高いエリアであるということはいうまでもありませんが、江戸博は、その中核として東京観光のシンボルとなることを期待しているんですけれども、世界遺産にという話でいけば、世界遺産って、いろんな世界遺産があるわけですが、都市総合ランキングでいくと、観光資源という項目の中の世界遺産への近接性が十九位になっています。
 これは、大体いつもこの辺、十九位なんですけれども、一方で、今、劇場のコンサートホール数とかは上位にあるし、美術館、博物館数もそれなりに数があるので、もっとうまく活用することによって、この世界遺産もそうですし、美術館事業、博物館事業ということも併せて発信していくような工夫を、休館中の今こそ、逆に動き始めちゃって、企画展示なんていうのは、次から次へとどんどん決まっていくわけですから、今、心に余裕があるときに五年、十年後の先までのビジョンを掲げて、江戸東京博物館のリニューアルのときを迎えていただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
 観光資源と、今、私はお話をしましたけれども、その観光の中でいくと、ナイトライフの充実度というのが、直近のデータで都市ランキングで三十位です。二三年が三十位で、二二年が二十七位。
 そのために、ナイトタイムを充実させることは重要で、いろんな意見は出ていますけれども、都庁舎のプロジェクションマッピングは、そういう意味では必要なんじゃないかと、重要な一つのコンテンツになるんじゃないかということを取り上げました。
 夜の観光を盛り上げるためには、プロジェクションマッピングだけじゃなくて、旅行者が夜間にも芸術文化を楽しめることができる環境をつくる必要があるんじゃないかというふうに思っております。
 このことをいろいろ調べていくと、文化の事業に携わる皆さん方は、夏休みとかだったら開館時間を延長していますよとかとお話をされるんですけれども、海外から来る方は夏休みは関係ないので、一年中通して夜間の充実みたいなことが必要だと思いますが、ナイトタイムの価値を向上するためという視点で、夜間の芸術文化の取組を私は充実していただきたいと思いますけれども、都の見解を伺います。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 東京文化戦略二〇三〇では、観光分野におきましても、国内外から訪れる観光客を東京の先進的な芸術文化やエンターテインメントの力で魅了するためのプログラムを充実させることとしております。
 これまでも、都立の美術館、博物館における夜間開館やユニークベニューとしての活用、夜間に行われるアートフェスティバルなどを実施してまいりました。
 来年度も、このような取組を通じまして、夜間においても東京の優れた芸術文化に触れる機会を創出してまいります。

○川松委員 皆さん方が関係する文化事業というのは様々なものがあるし、美術館、博物館だけじゃなくて、劇場だったり、音楽だったりあるわけですけれども、例えばインバウンドの皆さん方向けの公演を企画してみるとか、インバウンドの皆さん方向けだから、ある程度、中身も工夫を凝らして、通常よりは思い切った入場料金というか、料金設定をする。これ、例えば都響だったら、都響の皆さん方の収入アップの一つの方策にもなるんじゃないかと思うんですね。
 いろんなところで都響の皆さん方の待遇をどうするかということが議論されている中で、なかなか上げるのは難しいですよというときに、これから増えていくだろうインバウンド消費の皆さん方に、東京都にはこんなすばらしい楽団がありますということをアピールするとか、あるいは、世界の都市ランキングでは、食事、グルメに関しては一位の座をずっとつかみ続けている中で、海外のオペラ座だ、スカラ座だというのを見てみれば、食事をしてそういったところに、劇場に行くという文化がありますけれども、どうしても今の状態だと、食事をした後に劇場に行くというような時間設定になっていないので、観光のためにも、こういうことが重要なんだと、今、東京文化戦略二〇三〇の話がありましたけれども、やっぱり観光政策って、もっと横串を突き刺す形で、このナイトタイムの価値向上というのに取り組んでいただきたいと。
 これは結構大変かもしれないし、そんなことをいっても東京都の施設だしと思っているかもしれませんが、誰かが手を出さなければ世界の都市に負けますと。海外のヨーロッパの都市であれば、もっと江戸東京、僕らが発信していこうという江戸の文化とはまた違った意味での芸術性の柱があって、その上に成り立っている文化ですから、そこの上を飛び越えていくような文化の仕掛けというのを、ぜひ局の皆さん方一丸となって取り組んでいくことで、東京を世界で一番に押し上げていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 次に、トー横問題ということに移っていきたいと思いますが、先般も予算特別委員会で、竹迫局長とのやり取りが中途半端に終わってしまいましたけれども、まず、もう一度確認をしたいと思いますが、トー横問題というのは、言葉だけが走っていて、一体、何を指すのか、僕はよく分からないのですけれども、東京都として、トー横問題というのは、まずもって何なんですか。
 トー横問題、トー横問題って、いろんなところで議論をされていて、メディアでも取り上げられていますが、トー横問題というのは、一体、皆さん方は何だと思っているのか、まずそれを教えてください。

○米今治安対策担当部長 トー横問題についてでございますが、基本的にトー横キッズといわれる青少年の犯罪被害抑止の問題と、あと、ホスト関係の、基本的に売り掛け等、女性の方が被害を受けている問題とか、あとは青少年の問題もございますけれども、問題行動、オーバードーズとか、そこら辺、非常に問題になっているかなと思っております。

○川松委員 ちょっと追加でもう一回お聞きしますけれども、その問題って、トー横だけの問題なんですか。今いわれている、悪意のある大人がいるとか、オーバードーズがどうだというのは、別に何か、東京中のいろんな子供たちにもそういう心配があると思うんですが、それがトー横問題というふうに捉えられるのかどうか。
 要は、僕はそこが、トー横で起きている問題に限らなくて、それは東京中の問題だと思うんですけれども、青少年の治安対策を見るという意味ではどのように捉えているのか、教えてください。

○米今治安対策担当部長 今、先生ご指摘のとおりで、幅広い問題であるんですけれども、答申でも触れられているんですけれども、今回の青少協でございますけれども、そこで、基本的には、トー横が今、例えば青少年、モデル的な基本的問題がかなり目立って起きているわけですね。
 そういう点から、都内広域で、もし同じような事例が起きた場合には、基本的には対応していきたいと思っておりまして、今回、トー横に関して、喫緊の課題だという認識は都にありますので、対応しているところでございます。

○川松委員 今ちょっと、こんな話を導入で聞いたわけですけれども、そこで、もともとこれは皆さんの局の事業ではありませんが、若年被害女性等支援事業というのが別の局で行われてきた。
 これはまさに若年被害に遭いそうな女性等を、アウトリーチなので、早く見つけたりとか相談したりとかということで、東京都内各地で様々な活動をする団体に、昨年度までだったら委託で事業を出して、そして、未然に防いでいたりとか、いろんな相談をしましょうということをやってきたわけです。
 私は、そういった事業をやるんだったら、それは、警察だったり、あるいは立場のある公務員とか、そういう皆さん方が積極的に動いていくことで抑止できるんじゃないか、そういうふうに話をしていたら、いや、そういう悪意のある大人に、被害に遭いそうな子たちというのは、そもそも、警察とか行政とか、あるいは家庭とか、そういうものから離れたい、距離を置きたい人たちだから、東京都が出ていったら、みんな逃げちゃいます、だから、そういう現場をよく知っている人たち、団体の人たちじゃないと、こういう事業はできないんだということで推し進めてきたのが若年被害女性等支援事業です。
 これは若年被害女性と女性に限定した事業ですけれども、トー横は別に男子も女子もいますが、今、一般論の中でいいますね。そのときに、当然、新宿もその対象エリアの一つになっていますけれども、行政が声をかけると意味がないというか、あんまり効果的じゃないから委託をしているにもかかわらず、皆さんの局では、今度はトー横で臨時窓口、これ、行政で設置しているわけですね。
 私は、この間もちょっと予算特別委員会で聞いて、もう一回、今お聞きしますけれども、片側では、行政が来たらこれは効果的じゃないからといって民間に出しているのに、こちら側の局では、行政がやらなきゃ駄目と臨時窓口を置くということは、僕は矛盾すると思うんですけれども、改めてもう一度、局長がこれは矛盾しないとおっしゃったので、改めて、その矛盾しない根拠を教えていただきたいんですよね。

○米今治安対策担当部長 なぜ委託事業の形を取ったのかということだと思うんですけれども、まず一つとして、事業の実施形態は、その目的等を考慮して決定しておるところでございます。
 二番目として、青少年が気軽に立ち寄れるようにするためには、トー横の直近に窓口を設け、専門の資格を有した相談員を常設させる等して事業を行う必要があると判断しております。
 三つ目として、このような環境を整備するため、都が主体的に事業を行う必要があるため、委託事業としたところでございます。

○川松委員 いや、ちょっとずれているのは、委託事業はそうなんですけれども、今回窓口をつくったときに、東京都として、私たちが臨時窓口をつくりました、東京都の相談窓口ですと、皆さんは発信、PRされましたよね。それを広報リリースしていったじゃないですか。
 だけれども、ほかの事業で、この新宿で動いている事業というのは、東京都を出すと、要は、行政が出てくるとみんないなくなっちゃうから、行政というのは一歩後ろに引っ込んでおいて、この前にある、受けた団体が全面的に動くんですといっていたのが、今回は東京都を前面に出して窓口を置くということは、僕、矛盾しているんじゃないんですかと。
 それは矛盾しないんですかということをお聞きしたいんですよ。

○米今治安対策担当部長 今回の設置した窓口につきましては、犯罪被害防止に係る啓発ということで臨時窓口を設けておりまして、基本的にはそういう側面から、基本的には行政で行っていくべきものだと考えているということでございまして、それで、さらに専門的な資格を有した相談員が一人一人に寄り添った相談対応ができるということで、行政の方でやっているということでございます。

○川松委員 ちょっと今、ここは引っかかっているんですが、先に一回行きますけれども、じゃ、この臨時窓口を皆さん方が設置されました。
 その実績はどんな状況だったのか、お伺いします。

○米今治安対策担当部長 トー横臨時相談窓口は、十日間で延べ二百九十五名の若者が利用いたしました。
 窓口では、社会福祉士等の専門の資格を持った相談員が気軽に相談に応じるほか、適切な機関へ引き継ぐなど、必要な支援を実施いたしました。

○川松委員 先ほどの質問で、窓口が必要なので構えたんだというふうなお話をされまして、今、実績、十日間で延べ二百九十五人の若者が利用されたということですけれども、改めて、この臨時窓口の効果をどういうふうに捉えていらっしゃるのか、教えてください。

○米今治安対策担当部長 トー横臨時相談窓口には、犯罪被害等に遭う可能性のある青少年等が多く訪れ、被害防止に向けた啓発や必要な相談対応を行えたことから、一定の成果があったものと認識しております。

○川松委員 私は、その窓口を否定しているのではなくて、トー横に集まる子たちというのは、いろんな子たちがいると思います。それは、積極的にSNSなどで、何か自分たち、いいか悪いかは、いろんな、それぞれあると思いますけれども、目的を持って集まった子たちもいれば、何かこう、自分の居場所がなくて東京に行ったら、あるいは、その中で歌舞伎町に行ったらといって集まってきた子たちもいるかもしれません。
 その子たちが今回の窓口に集まって、犯罪被害に遭う可能性があるよということを皆さん方がお伝えして、必要な相談対応を行えたということですけれども、現実的には、歌舞伎町というまちとか、あるいはトー横の中で、警察組織の皆さん方と連携しながら、東京都の行政としてどう見回りをしていくかとか、あるいは−−窓口って構えているじゃないですか。待ちなんですよ。
 それよりも、ほかの事業でやっているアウトリーチとかのようにプッシュ型で、もっと行政が出ていって、いや、みんな危ないよ、皆さん方のいう悪意のある大人がすぐ来て、例えばこんなことでお金を稼げるよといわれたら危ないんだとか、あるいは、これをやってみたら楽しいぞといわれたけれども、いや、それは危険な薬物じゃないかみたいなことをプッシュプッシュでどんどん伝えていく方が、そこで止めると同時に、さらにその先の抑止までつながると私は思うんですね。
 だから、そう思ったときに、冒頭いった、もう一回、若年被害女性等支援事業、これは女性対象ですけれども、アウトリーチで声かけをしていく事業と、この臨時相談窓口というのは、役目としても僕は重複が結構あると思うんですけれども、そこは重複はないのですかね。
 この二つの事業は、他局の事業ではありますけれども、この違いについての見解をお伺いします。

○米今治安対策担当部長 事業目的につきまして、若年被害女性等支援事業は、若年女性の自立の推進を主な目的としているという一方、臨時相談窓口は、トー横の青少年の犯罪被害等の防止を主な目的としておるところでございます。

○川松委員 根拠法になる法律だとかに縛られて、引っ張った状態の中で各局の部署の話をすれば、今、部長のおっしゃったとおりだと思うんですけれども、本質的な問題はどこにあるのかということだと思うんですよ。
 それで、くしくも部長が冒頭に、トー横問題には悪質なホストクラブの被害者も出てきかねないから助けなきゃいけないんだという趣旨の答弁がありましたけれども、これ、ホストクラブの相談窓口は、また別途、皆さんの局の中の部にあるわけですよね。
 そうだとするならば、これ、事業の効率とか、ある程度ノウハウとか、効果的に考えたら、トー横の問題で皆さん方の部署がある、ホストクラブの対応で生活文化スポーツ局の中の違う部署がやっている、もっとトー横全体を考えるんだったら、今度は違う局のものがあるんだったら、東京都として窓口だったり事業を一本化して、歌舞伎町かいわいで悪意のある大人に導かれそうな人たちをみんなで助けるというふうに一致団結して、そこにパワーを集中させる方が僕は効果的だと思いますけれども、違うんですかね。

○米今治安対策担当部長 今おっしゃった、いろいろとそれぞれ窓口はあるわけでございますけれども、それぞれの事業目的があることでそれぞれ事業が行われておって、それぞれの窓口はそれぞれの役割を担っていると考えております。

○川松委員 いや、私が思うのは、事業が違うというのは、目的を細かくしちゃっているからそうですけれども、それぞれの事業ごとで委託する団体があったりとか、あるいは協力してもらう団体があったりとか、これ、みんな何かオーバーラップしているわけですよ。似たような団体が出てくるんです、それぞれの事業で。
 それだったら、この地域の問題だとかというので一つにまとめた方が、何個も同じ−−Aという事業に対して特定の団体がついてくる、でも、ここについていた団体がBという事業にもついてくるという、このいびつな構造は、もっと何というか、整理すべきだし、事業目的が異なるのは分かりますよ。でも、細かくいったら異なるんだけれども、大きくいったら一緒じゃないですか。
 犯罪から、青少年だったり、困っている人たちを助けましょうというんだったら、皆さん方の、何というのかな、役所的な発想というのか、縦割りとか原理原則で動いていたとしても、その先を飛び越えて、時代の先端にいるトー横だとか、様々な青少年問題に取り組むのだったら、もっと構造的な問題を東京都庁として取り組まないと、どんどん追いつかなくなると思いますよ。どんどんどんどん相手側の方が先に先に進んでいってしまって、行政側が遅くなるんじゃないかなと私は思います。
 じゃあ、そのトー横、今これをピンポイントでいったときに、若年被害女性等支援事業という、比較している事業は、トー横に限らず、東京都内のいろんな繁華街が出てきて、その対象にしていますけれども、僕が冒頭から部長に聞いているトー横問題というのは、歌舞伎町のトー横限定のことを指しているわけですね、エリアを限定で。
 これって新宿区の問題だと思うんですけれども、この相談窓口を、その点でいえば新宿区に任せたらどうかと思うんですが、そういうわけにはいかないのですかね。

○米今治安対策担当部長 トー横におきましては、新宿区も現在対策を講じているところでございます。
 それ以外の地域の青少年も多く来ていることから、広域自治体である都としても対応すべきとの答申、青少協の答申でございますが、踏まえまして、新宿区と連携して実施する必要があると承知しております。

○川松委員 今の答弁というのは、トー横は新宿区にありますよ、でも、トー横に来る人たちは新宿区民以外も来るから、東京都がやるべきだというふうな話がありました。
 そういう答申があったという話ですけれども、だけれども、これ、東京都民以外も来ますよ。この答申を出してる人たちは、これは、じゃ、政府がやれとかと答申には入っていないんですか。
 だって、今のは変じゃないですか。新宿区にある事業は、区民以外が来る東京の広域でやりなさいといっているけれども、今度、東京都の立場からしたら、千葉県からも来ます、埼玉県からも来ます、神奈川県からも来ます、でも、全部、東京都が背負いますというのも、僕は何か違うと思いますけれども、そういう話は出てこないんですかね。

○米今治安対策担当部長 現に都内で問題が生じておりまして、都として早急に対策を講じる必要があると認識して対応しているところでございます。

○川松委員 いや、それはそうでしょう。だから、今やっていると思うんですが、要は、これ、政府に対してとか、あるいは全国的な組織に対して、一緒になってこのトー横問題に取り組みましょうというのを呼びかけたり、あるいは、何かしら申し入れたりとかと、そういうことは過去にありましたか。

○米今治安対策担当部長 これまで、そういうことはございません。

○川松委員 これ、そこをクリアしないと結構大変だと思うんですけれども、例えば、未成年の子たちがいたときに、皆さんだったら、児相につなぐとか、様々な公的機関につなぐというところまであるとするならば、都県をまたいで情報共有をしたりとか−−今、僕は、たまたま近隣だから、千葉とか、神奈川とか、埼玉といいましたけれども、トー横に集まっている子たちというのは、もっと遠くからも、広域に集まってくるわけじゃないですか。
 その地元の公的機関なり、自治体に対して連携をするということを考えたら、これは、トー横問題はオールジャパンの問題であるということを発信して、より行政がコミットしながらやっていかないと、皆さん方が頼っている個別の団体、民間の団体は、彼らなりに努力をしながら悪意のある大人から守っていこうとしていますけれども、僕は本質的にかなわないと思いますけれどもね。
 これをクリアできないと思うんですが、なぜ東京都だけで背負おうと思ったのか、呼びかけようとしなかったのか、考えもしなかったのですか。

○米今治安対策担当部長 繰り返しとなりますけれども、現在、都内で問題が生じており、喫緊の対策として対応すべきもの、都として早急に対応を講じる必要があると認識して対応しております。

○川松委員 呼びかけていないから、これ以上の答弁は出てこないということですけれども、でも、これ、実際にトー横に行けば分かりますけれども、どう見ても未成年、十八歳未満。二十歳未満、十八歳未満、成年のいろんな考え方はありますけれども、どう見たって、年齢に届いていない子たちがお酒を飲んだりして歩いていますよ。
 今の法律だったら、竹迫局長、お酒を飲んで歩いている子たちを罰することができないわけですよね。売った方には責任があるかもしれませんけれども。だけれども、トー横に集まってくるということは、あの子たちにお酒を売った人、たばこを売った人、必ずどこかにいるわけですよ。
 ただあの子たちだけにアプローチするんじゃなくて、そういう法律、今、根拠法が−−要は、この問題を僕が取り上げていうときに、警察もそうだし、行政も含めて、その根拠法がないから動きづらいという話をされてきましたけれども、少なくとも、お酒を販売する、あるいは飲んでいる子たちに対しては注意はできるわけですけれども、より積極的に皆さん方でそういうものに対策した形跡が見られない。行けばすぐ分かるんですから、何でそういうできることからやろうとされていないのか。
 概念的に、東京都がやる事業はこういうものだとか、窓口をつくるとか、助けてあげるとか、そういうことじゃなくて、思い立ったら、そこに行って、いや、駄目だぞ、じゃ、どこから酒を買ったんだっといって動いていった方がよっぽど、しらみ潰しに抑止力になると思いますけれども、何でそういう行動に出ないんですかね。

○米今治安対策担当部長 今、委員からのご指摘があったのですけれども、職務権限やノウハウを持っている警察官等が法律等に基づき街頭補導等を実施していると承知しているところでございます。

○川松委員 僕は別に、皆さんに補導してくれと頼んでいないですよね。
 だけれども、これ、私が東京都の立場に成り代わってトー横に行ってやろうかといったら、現場の皆さんは、それは行っちゃまずいですよと止めるから、僕はやっていないですけれども、お金をかけて事業をやる前に、今ある状態でお金をかけなくても防ぐことって、いっぱいできると思うんですよ。
 だから、補導するという権限は、職務権限はあるかもしれませんけれども、いや、あなたは法律違反ですよ、それでいいのと注意するのは、別に誰でもできるんじゃないですか。できないのですか、私がそれをやったら問題になるんですか。

○米今治安対策担当部長 基本的に、やはり職務権限やノウハウがないと、なかなか法律等に基づいた指導はできないのかなというふうに考えております。

○川松委員 とするならば、じゃ、皆さん方がいろいろ相談に乗ってもらったりとか、委託してお金を出したりとかとやっている団体も職務権限はないですよね。立場は一緒ですよね、警察官じゃないから。
 そうしたら、効果的なものって、どうやって進んで出てくるんですか。職務権限を盾にするならば、皆さん方が委託したりとか、窓口をやっていることも一緒じゃないですか。
 僕がいっているように、プッシュ型で確保していこうとするんだったら、職務権限のない人たちに皆さんはお願いをして、一緒になって事業をやりましょうということはおかしくないですかね。違いますか。

○米今治安対策担当部長 委託事業に関しては、基本的に、犯罪被害の防止の目的に沿って、お願いできる分をお願いしていくということでございますので、そこで、私たちがそういう声かけはできないということじゃないですけれども、基本的には、やはり職務権限を持った者がやっていくのが適切なのかなと思っております。

○川松委員 いや、職務権限がないのは、だから、皆さんもそうだし、私もそうだし、頼んでいる人たちも職務権限はないけれども、なおさら、そこに予算をつけるんだったら、もっと効果的に前に進めるようなことをやっていただきたいと思いますけれども、これはちょっと、このトー横の問題をまとめますが、いずれにしても、このトー横の問題というのは、目の前で今、冒頭、部長に聞いたように、いろんな問題が存在しています。
 確かに、悪意のある大人がいたりとか−−ただ、トー横問題って、今、トー横キッズ、トー横キッズといっていますけれども、今はキッズだけじゃないですよね。トー横のあの柵も、いろいろ行政で置いたりとかしていますけれども、逆にキッズが目立たなくてシニアがいたりとか、もう荒れ果てた状態の中で、きれいになったり、また戻ってきたりと繰り返しているのが今のトー横の現状だと思いますけれども、その職務権限とか根拠法とかというのではなくて、根本的に、このトー横に集う老若男女ですね、キッズだけじゃなくて老若男女を、そこに搾取されたりとか、悪意のある大人に何か悪い方に導かれるんだったら守っていくためには、職務権限とか根拠法は警察にしかないというんだったら、この後、どういうふうにトー横の人たち、関わる人たち、歌舞伎町のまちを守っていこうとされるのか、竹迫局長の考えをお聞かせください。

○竹迫生活安全担当局長 今、委員がおっしゃいましたとおり、いろいろ問題は多様なんですけれども、職務権限の話を、先ほど米今担当部長からさせていただきましたけれども、いろんな機関がそれぞれの立場でやっていくということがあろうかと思っております。
 したがいまして、例えばノウハウ、職務権限ということで、若干、強権的な話については警視庁が行うと。
 我々の方については、犯罪被害に遭わないように啓発をやっていくということでございまして、アウトリーチの話が出ましたけれども、相談窓口でも、受託業者の方で支援員の方を雇いまして、ただ単に待ちの姿勢だけではなくて、トー横キッズみたいな子を、窓口があるよ、いろいろと相談に乗れるよということで中に呼び寄せるということもやっております。
 じゃ、それを呼び寄せて、そこに話す内容が、じゃ、職務権限が必要なのかというお話がございましたけれども、ちょっと先ほど米今担当部長の答弁でありましたけれども、社会福祉士であるとか臨床心理士であるとか、職務権限はないんだけれども、やっぱり子供に、行政にはちょっと敷居が高いとおっしゃいましたけれども、そういうところを突き破るような心理的、もしくは精神保健福祉士ですか、精神的な専門知識がある方がざっくばらんに話す中で、本音を聞き出してアプローチをして問題を解決していくということが必要なのかなと思っております。
 そういうことも踏まえまして、次期の、今後どういうことをやっていくのかということでございますけれども、我々といたしましては、犯罪被害の防止が目的でございますので、答申の方に記載されている内容ではございますけれども、青少年への対策、先ほどちょっとシニアの話をされましたけれども、悪意ある大人への対策、そして被害場所等となり得る空間への対策ということで、例えばホテルであるとか、そういうところに不法滞在というか、借りた人と違う人が大量に入り込んで泊まって、そこに居着いて犯罪被害に遭ってしまうと。その三本柱に沿って、きちんと対策を打っていくということを総合的にやっていきたいと思っております。
 もちろん生活文化スポーツ局だけではなくて、それぞれの、警視庁であるとか関連機関、情報連絡会もやっておりますので、そういうところでいろいろと連絡をしながら、やっぱりそれぞれの機関で、じゃ、どういうことをノウハウと職務権限に基づいてやっていくことが必要かということを総合的にやっていきたいと考えております。

○川松委員 局長、ありがとうございました。
 私は、今、皆さん方が個別にやっていることを否定しているというよりは、局の問題とか部の問題ではなくて、東京都の課題として、このトー横問題に取り組むときには、もっと効率的に力の出し方があるんじゃないかということで今日は質問させていただきました。
 そして、当然、警察行政の在り方あるいは取締りの在り方の専門の竹迫局長が、この問題は、現時点においては指揮を取って取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、アウトリーチの話も、要は、例えで、窓口だからこういういい方をしましたが、僕がいっているのはプッシュで、繰り返しになりますけれども、どう見たってお酒を飲んじゃいけないような、もしかしたら中学生かもしれないような子たちが、そこでお酒を飲んで歩いているのに、それを大人が注意もしない。周りにいる人たちが、それは一般の人たちは見て見ぬふりかもしれませんけれども、行政マンだったり、僕らが注意するのは、それは社会秩序のためには正義だと思うし、必要だと思うんじゃないかということで今日は聞かせていただきました。
 引き続き、竹迫局長、部長を含めて、皆さんが中心になって、このトー横問題というのを解決に当たっていただきたいと思います。
 次に、DVセーフティーネット強化支援交付金ということについてお話をしますが、私は、この間の事務事業質疑でも……(パネルを示す)このボード、令和五年度東京都配偶者暴力被害者等セーフティネット強化支援交付金というものを出して、今まで予算審議をしてきているのに、決算になったとしても、これは全部白塗りで、情報公開といわれている東京都政において、日付まで不開示、幾ら出ているか金額も不開示で真っ白で、果たして、これで事業の正当性は議論できるのかというふうにお話をいたしました。
 その際、担当部長からは、いや、日付をオープンにしたら、これはDV被害に遭っている人たちを助けなきゃいけない事業ですから、シェルターの場所が特定されたらDVの被害者を守ることができなくなるから、日付も白だし、金額も白なんだというお話をしていましたけれども、これはあくまで交付申請書なんですが、今日は私、パネルは用意していませんけれども、ほかの、例えば交付申請額とか概算払いですね、概算払いというのは、先にお金を払うと。予算が決まって、先にお金を払う書類がありますけれども、この団体に、幾ら前払いでお金を払ったかも分からない。
 それで、これ、一体、何でこんなふうに真っ白になっているのかということは、ちょっと僕にはよく分かりません。前払いで、要は全額じゃないわけですよ。
 前払いで幾らぐらい団体に出したのということも含めて、何でそれがシェルターの特定につながるのか、改めて見解を伺います。

○宮本男女平等参画担当部長 配偶者暴力被害者等の安全確保を最優先に、公にされていないシェルターの存在や、その所在地等の特定につながり得る情報につきましては、不開示と判断してございます。
 交付申請額や、お話しの概算払いの金額につきましては、交付対象団体名やシェルターの存在、所在地等を推測し得るものであったため、不開示と判断してございます。

○川松委員 DV被害者の皆さん方を助けるというのは、別に僕は否定もしていないし、当然の話だと思っています。ですから、シェルターに逃げ込んだ方々が安全に生活を日々送ることを担保するということは行政として重要だと思いますが、金額は、私は前の事務事業質疑でも委員長にお願いをしましたけれども、我々の委員会だけでも、その数字を見て、本当に適切に管理されているのかということをどこかでチェックしなきゃいけないというお話をしました。
 あれから、今日は、今、予算審議の中でこの問題を取り上げていますけれども、よくよくこう見てみると、北海道から沖縄まで全国で見たときに、シェルターを構えているいろんな団体をホームページとかいろいろ見たりすると、団体が限られています。
 仮に、じゃ、例えば全国で百五十あるとすれば、DV加害者に被害者の場所を特定されることは危険ですけれども、もうその時点で、加害者が追いかけようと思ったときに、シェルターは、全国の中で限られたパイの中に決まるわけですよ。
 この金額を出したらいけないというのは、皆さん方の、その金額から推測されると、これしか答弁されないので、ずっといろいろ考えたのですけれども、何で金額を隠すとシェルターが特定されるのかなというのが、僕の頭の中でずっとよく分からず、何か月も考えてきたのですが、要は、シェルターの規模感とか、団体の運営とか、団体の財政とかによって補助金額が決まるとするならば、ある程度、そのお金が入っている団体によって、この場所が東京都が契約しているシェルターなんだみたいなことが表に出ちゃうのが危ないというふうに判断されているのかなというふうに私は思いました。皆さん方がそれを肯定するのか否定するのか分かりませんけれども、私は感じています。
 一方で、さらにいうと、シェルターというものがあって、この運営はいろんな特徴がありますけれども、今いったように、全国でどのシェルターがどの規模で動いているかということは、みんなよく分かりません。当然、シェルターですから。
 ただ、シェルターの事業ですから、ここに書いてあるように、配偶者暴力被害者等のセーフティーネットをつくるという事業ですけれども、本当に、この皆さん方が事業を出している施設に逃げ込んでいる人たちが今何人いるのか、誰がいるのか、そういうことを確認しながら作業しなきゃいけないと思うんですよ。
 それは、この間の事務事業の質疑では、私たちに任せてくださいというのが皆さんの答弁でした。私は、皆さん方のことは信じているけれども、少なくとも議会で予算や決算の審議をするんだったら、我々にも断片的な情報でもいいからいただいて、この事業の在り方を考えていきましょうといったわけです。
 何で、今こんな問題が、私だけじゃなくていろんな、ネットも含めて全国的に注目をされているかというと、令和三年度、四年度はこの情報が出ているんですよ。皆さん方が世の中に開示されたのは、令和三年、四年は白抜きになっていない。令和五年度になった途端に不開示になっちゃっている。
 まず、ここが疑問点なんですが、これも皆さんお答えにならないんだけれども、結局、令和五年度になった途端に、もうDV被害者のみ、シェルターを持っている団体のみしか対象にならないといいました、皆さん方が。令和三年、四年までは、シェルターがなくても、相談したりとかと、ほかの事業があれば予算をもらえていたけれども、今、少なくとも、この事業をもらっている団体は絶対にシェルターがあるんだという前提だとすると、被害者を守らなきゃいけないというのは分かりました。
 本当に今シェルターに逃げ込んでいる人たちがいるのかどうかというチェックは、恐らく、秋に中間チェックがあったと思うんですよ。
 この事業でも、三月末の年度の前の中間チェックがあったと思いますが、そのときにはちゃんと、担当部長、これチェックされて精査して、この申請されたシェルターには、みんな、いわゆるDVの被害者がいるということを確認されたのでしょうか。

○宮本男女平等参画担当部長 団体の執行状況につきましては、各交付団体から、人の受入れも含めまして、活動内容の詳細や現時点での実績を報告させ、裏づけとなる領収書等により支払い実績を確認し、必要に応じてヒアリングや現地確認を行ってございます。
 その結果、特段の問題は認めておりません。

○川松委員 ということは、今いったその秋の中間報告では、問題なく推移しているということでありますけれども、もう一度、原点に立ち返ったときに、東京都が予算をつくって、予算を執行して、事業をつくりました。それなりの金額が、トータルすれば金額が出ています。
 この税金がどう使われているかということをチェックするのは、私は、皆さん方の事業執行も含めてチェックする、理事者と議会の関係であり、議会の責務だと思ってここまでやってきているわけですけれども、でも、先般の事務事業質疑でも、私たちが局として、担当部としてしっかりチェックするから大丈夫なんだと。
 要約すれば信じてくれという話で、じゃ、僕は、一体、何のために議員をやっているんだ、何のためにこの委員会にいるんだ、何のために、この事業チェックをできないで、私は悶々とこの質問してるんだろうかということをいいつつ、ここから十二月になって、一月、二月、三月を迎えたわけですけれども、ここはすごい重要で、こうやって全部不開示で出したのは皆さん方なので、少なくとも日付とか、もうちょっと−−だって、この書類が存在しているかどうかもよく分からない状態なんですよ。実態的にはどうなっているのか。中が真っ白なのかとか、よく分からないです。僕ら。
 だから、令和六年度以降の事業体制の中には、疑念を抱かれないような申請書のベースのつくり方とか、申請方法とか、そういうものを工夫していただきたいということを要望しますけれども、改めて、この交付金の適正な執行を、事務事業のときは部長でしたけれども、局として、局長、どのように我々に対して決意を述べていただくのか、見解をお伺いします。

○横山生活文化スポーツ局長 本事業につきましては、各交付団体の支出の裏づけとなる領収書などと併せまして、活動実績について、当局としてしっかり確認をし、また、必要に応じてヒアリングを行うなど、適切に対応してまいります。
 そうした中で実績を確認しつつ進めていくわけですけれども、この事業の実績、成果等につきましては、決算の審査などを通じてご説明をしながら、またご審議をいただくということになろうかと思います。
 なお、今ご指摘がございましたけれども、日付ですとか金額等が、団体ないしはその所在地等を推測し得るものだということでありまして、これは、それぞれ団体ごとに、いわば特徴がある書きぶりになっているということから生じているものでございますので、そうしたことが団体ごとに差異が出ないような形で、次年度以降の書式等の内容あるいは書きぶりについての工夫はしていきたいというふうに思っております。

○川松委員 ありがとうございます。今、そういうふうに局長がおっしゃいましたけれども、やっぱり情報公開というテーマで、小池都知事の下、東京大改革だったり、都民ファーストの精神というのをやってきましたが、この真っ白な状態で出すというのは、僕は都知事が都民に約束した内容とはちょっと違うだろうし、今、局長がいったように、要は書きぶりだとかとお話がありましたけれども、でも、工夫をすれば−−僕らはシェルターの場所を教えてくれとはいっていないんですよ。今、この決算などの審査を通じて説明といっても、数字を出さなかったら、細かい決算の審査なんて僕らはできないじゃないですか。
 だから、これ、もう一回、ここ、今、局長がおっしゃいましたが、自助努力で自らここを開示していくということ、そのことによって、ちゃんとした予算の執行の審査ができるということをご理解いただきたいということを強く要望しまして、私の質問を終わります。

○かまた委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 私からは、初めに、町会、自治会のデジタル支援についてお伺いをいたします。
 町会、自治会は、それぞれの地域において、住みやすいまちづくりのために、防犯や防災、環境美化など多くの貢献をしてくださっていますが、町会の関係者からは、役員の成り手が見つからず高齢化が進んでいることで地域活動の負担が重くなっているなど、活動に苦労されているという話を伺います。
 一方で、デジタルの活用や地域団体の協力を得ることで、若い人も巻き込むことに成功した町会があるということも伺っております。
 そこで、町会、自治会が地域社会において役割を果たすことができるように、こうしたデジタルの活用や、町会、自治会の支えとなる地域団体との連携を支援していくべきだと考えますが、都の取組をお伺いいたします。

○柏原都民生活部長 昨年実施いたしました地域交流アプリの導入支援事業では、町会等からのお知らせや行政情報の発信機能により、素早い情報伝達や作業の効率化などにつながった例がございました。
 先月、アプリの導入による効果等を分かりやすくまとめた事例集を区市町村に配布したほか、町会、自治会にも紹介いたしまして、活用が広がるよう普及を図っております。
 さらに、地域の底力発展事業助成で、こうしたデジタルの活用に加え、PTAや学校、NPOなどの地域団体と連携した取組を支援しており、LINEをはじめとした都の様々な広報媒体を活用して制度を広め、引き続き、多様な活動の後押しを進めてまいります。

○かまた委員 効果的な取組でありますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 続きまして、地域の防災力向上についてお伺いをいたします。
 地域には、戸建て住宅に加えまして、マンションやアパート、都民住宅など様々な共同住宅があり、多くの都民が暮らしております。また、集合住宅につきましては、管理組合等の組織があるところもあれば、組織がないところもあります。
 また、今後、地域の町会と共同住宅における関係の構築は、防災や防犯、住民間の交流という点で大きな課題を抱えております。
 そのような中、都は来年度、町会、自治会とマンションが合同で防災訓練を行う支援を実施します。これまでも各会派の予算特別委員会の質疑などで取り上げられてきましたけれども、改めて、町会・マンションみんなで防災訓練の事業内容と、町会との連携先として想定しています共同住宅についてお伺いをいたします。

○柏原都民生活部長 本事業は、町会、自治会から申請を受け付けましてコーディネーターを派遣し、マンションとの合同防災訓練の支援を行うことを通じて地域防災力の強化を図るものでございます。
 初年度は、三十の町会、自治会を目途に支援を行う予定でございまして、連携の主体となり得る管理組合が組織されている分譲マンションから取組を開始いたします。
 事例を積み重ねながら、地域における共助の取組が広がりますよう支援を進めてまいります。

○かまた委員 まずは、連携の主体となり得る管理組合が組織されている分譲マンションから取組を開始するとのことですけれども、ぜひ今後は、答弁にもありましたように、住宅政策本部などとも連携をしまして、本事業の対象を拡大していただきたいと考えております。
 実は、私のところに、都民住宅にお住まいで、地域の消防団でも活躍をされている方から、何度もご相談がありました。それは、自分が住んでいる住宅には自治会などの組織がないため、都の様々な防災対策の支援が受けられない、しかし、防災対策は非常に重要であるので、自分も何とかしたいと考えている、ぜひ都でも支援策の構築をしてほしいとのことでした。
 地域防災力を高めることは、急務な課題であります。そこで、自治会や管理組合等の組織がない集合住宅や、また、町会や自治会がない地域などの対策を含めまして、都内の全ての地域で地域防災力が高まる取組をぜひ早急に検討していただきたいと思いますので、要望させていただきます。
 続きまして、世界陸上とデフリンピック、それぞれの大会開催に向けた財政支援について質問をいたします。
 世界陸上の財政計画では、計画額百五十億円のうち八十億円を、また、デフリンピックの財政計画では、計画額百三十億円のうち百十億円を、都や国へ公的支援として要望していくこととしております。
 また一方、都は、令和六年度予算案で、その開催支援として、世界陸上については十八億円、デフリンピックにつきましては十一億円の計上としております。
 大会まで一年半余りという状況からすれば、世界陸上、デフリンピックとも都負担が十億円台にとどまっており、これはかなり厳しく精査されたものといえます。
 そこでまず、今回、都は、両大会の開催支援についてどのように予算を計上したのか、お伺いをいたします。

○三浦事業調整担当部長 両大会の運営組織は、昨年十二月、大会運営を効率化する視点に立って財政計画を策定し、公表いたしました。この計画を踏まえ、令和六年度に支援が必要と見込む経費について、運営組織から都に要望がございました。
 都は、要望内容を精査、確認し、東京の魅力や共生社会へのメッセージ発信など東京の価値を高める大会とするとともに、そうした大会とするのに必要な環境を整備するために来年度必要な経費であることから、所要額を計上いたしました。

○かまた委員 令和六年度予算案について、大会運営を効率化する視点に立って、まず、必要な経費を計上しているということを確認させていただきましたけれども、続きまして、経費の内容についても確認をさせていただきます。
 東京の価値を高める大会とするために必要な経費を計上したとのことですけれども、それぞれの大会でどのように経費が計上されているのか、また、都として、その経費をどのように精査したのかについてお伺いをいたします。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上については、令和六年度の開催支援として、仮設等に十三・八億円、オペレーションに二・〇億円、広報等に一・一億円、その他輸送等に一・三億円を計上しております。
 デフリンピックについては、令和六年度の開催支援として、広報、管理等に五・三億円、オペレーションに四・六億円、その他輸送等に一・三億円を計上しております。
 都は、令和六年度の要望内容について、東京の発信や国際大会の知見の蓄積など東京の価値向上につながるか、また、そうした大会とするのに必要な環境整備かという観点で運営組織に確認しながら精査を行いました。

○かまた委員 予算計上された経費につきましても、理解をいたしました。ぜひ東京の価値を高める大会につなげていただきたいと思います。
 しかし、近年の国際的なイベントでは、資材価格や人件費の高騰などの影響により、当初の予算見込みより経費が大幅に増えるという例が見られたことから、本会議の代表質問でも指摘をいたしました。両大会の運営組織のガバナンスの下、適切な財政運営を行うよう、都として強く求めていくべきであります。
 また一方で、都が関与し、財政支援を行うのであれば、都民の皆様にとって意義のある大会としなければなりません。都議会公明党はこれまで、世界陸上とデフリンピックを通じて都民参画、共生社会の実現などといったことを求めてまいりました。
 都は、今後、こうした取組の実現に向けて、各組織と連携をし、それを踏まえ、両大会への支援の考え方を整理し、しっかりと都民へ説明していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○三浦事業調整担当部長 両大会の成功に向けて、各運営組織の適切な財政運営が重要であり、都として、各組織に予算管理や収入確保の取組の徹底を求めてまいります。
 さらに、両大会が人々に感動や夢をもたらすとともに、東京のプレゼンス向上や共生社会づくりの加速化などのきっかけとなるよう、各組織に対しても未来の東京につながる取組を求めてまいります。
 今後、都は、これらの取組を含めた大会準備の進捗状況を踏まえ、両大会への支援の内容を精査、検討し、その上で支援の考え方や全体像を明らかにして、都民の理解を得られる大会となるように取り組んでまいります。

○かまた委員 まずは、世界陸上、またデフリンピックともに、各運営組織と連携をして予算管理を確実に行っていただきたいと思います。
 続きまして、デフリンピック東京大会を通じたレガシーについてお伺いをいたします。
 初めて東京で開催をされますデフリンピックは、さきのパラリンピックと同様に、本大会を通じて、共生社会づくりに向かう共感の輪の拡大がレガシーとして残り、広がる大会にしてまいりたいと思います。
 そこで、本大会の開催を機に、都民の皆様が聴覚障害者に対する理解を一層深めつつ、共生社会の進展に向け、大きな前進を刻む機会としていきたいと考えます。
 都は、都民に対する取組を広めるためにも、まずは、都の職員が率先をしまして、デフリンピックへの出場を目指すアスリートや監督、関係者などを招き、積極的に理解促進の取組を推進していくべきと考えますが、見解を求めます。

○清水事業調整担当部長 デフリンピックは、共生社会の重要性に気づき、考えるきっかけとなる大会であり、都職員自らも、ろう者の文化などへの理解を深めていくことが重要でございます。
 このため、大会準備が本格的に始まった本年度、生活文化スポーツ局のデフリンピック担当職員を対象に、全日本ろうあ連盟から講師を招き、手話への理解などを深める研修を実施いたしました。
 この研修について、来年度は、他局も含め、より多くの職員が参加できるようにするとともに、内容についても、当事者団体と連携し、充実を図ってまいります。

○かまた委員 ぜひ来年度は、他局を含めた研修もよろしくお願いいたします。
 続きまして、運営組織と一体となった大会準備についてお伺いをいたします。
 当事者団体と一体となってデフリンピックの成功に取り組もうと、関東近県をはじめ、全国の自治体から、自ら経費を担い、ろうあ連盟デフリンピック運営委員会に職員を派遣する動きが始まっております。
 しかし、残念ながら、都は、スポーツ文化事業団に職員を派遣しているのにとどまっており、都内自治体も含めて、現状、一団体も、ろうあ連盟デフリンピック運営委員会に派遣をしておりません。
 全日本ろうあ連盟の久松事務局長は、都の協力に感謝をしつつも、一体となって大会準備を進めることで、共生社会への思いを後世に伝えるレガシーの核となる自治体職員やボランティア有志がこの機会に育つことを期待しております。
 そこで、都としても、当事者との協働を積極的に進めるべきと考えますが、見解を求めます。

○清水事業調整担当部長 都は、二〇二五年の大会におきまして、デフアスリートが主役となり、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、大会準備連携会議を設けるなど、全日本ろうあ連盟をはじめとした当事者団体との連携を強化してまいりました。
 昨年公表いたしました開催基本計画につきましても、アスリート会議等において、当事者の意見を十分に踏まえて策定し、加えて、今後、大会が近づく中で、当事者団体とより身近に協働して準備を進めていく体制を検討してまいります。
 都職員が、ろう者と共に大会をつくり上げる経験から、共生社会への理解を深め、大会後の東京のレガシーとして次世代へつないでまいります。

○かまた委員 協働して準備を進めていく体制を検討していくとのことで、期待をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、デフアスリートの発掘についてお伺いをします。
 デフリンピックの盛り上がりを契機として、デフスポーツをより一層振興していくということも、レガシーの一つとして重要であります。
 さきのトルコで行われました冬季大会では、日本選手団が銀メダル四個、銅メダル三個というすばらしい成績を収めました。次の二〇二五年夏季大会は東京開催であり、日本選手の一層の活躍を期待したいところであります。
 しかしながら、全日本ろうあ連盟からお伺いをしたところでは、一部、選手の確保が難しい競技もあり、その発掘が課題だとのことであります。大会まで二年を切る中で、そのような競技につきましては、積極的なアプローチで選手の発掘、育成を行うことが急務であります。
 特に、聴覚障害がありながら一般の様々な競技大会に出場しているアスリートへの声がけが重要であります。
 我が国の障害認定では、七十デシベル以上の聴力が一つの要件とされていますが、ICSD、国際ろう者スポーツ委員会は、五十五デシベル以上の聴力を出場資格としていることに注目すべきであります。
 都として、当事者団体と一体となって、この点を広くアピールし、一人でも多くの参加アスリートの発掘と育成に貢献し、大会を盛り上げるとともに、大会後のデフスポーツの交流につなげるべきと考えますが、見解を求めます。

○澤崎パラスポーツ担当部長 デフリンピックの盛り上げとデフスポーツの振興のため、参加資格を満たすアスリートが、大会出場に向け挑戦できる環境を整えることは重要でございます。
 都は、デフリンピックの二十一競技も対象とした競技体験会を行っており、来年度は、このうち発掘、育成の体制が十分でない四競技について、関連する団体と連携して、有望な選手を発掘する機会を別に設けます。
 これらの事業の広報に際して、聴力基準などの情報についてもチラシ等に掲載した上で、広く健聴の競技団体や都内の学校にも周知し、発掘、育成につなげてまいります。

○かまた委員 ぜひ来年度は具体的な取組を進めていただきたいと思います。
 最後に、要望だけさせていただきます。
 両大会の開催につきましては、まずは信頼を得られる予算管理を徹底していただきたいと思います。
 そして、その上で、デフリンピックにつきましては、大会後につながるレガシーを残すことに力を注いでいただきたいと思いますので、特に、大会開催に向けて参画いただく企業や団体などの方々には、大会後も共生社会づくりの担い手となっていただけるよう、機運を高める取組を工夫していただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
 資料の提出をありがとうございました。
 私からは、通信制高等学校とデフリンピックと世界陸上、そして平和の取組について伺います。
 まず、通信制高校についてです。
 通信制高校は、かつては働きながら通う人が多かった時代から、今では、不登校経験のある生徒や外国にルーツのある生徒など、多様な生徒が選択する進学先の一つになっています。
 二〇〇三年に国が株式会社による学校開設を認めてから急増し、生徒数も右肩上がりで、文科省によれば、二〇二三年度の速報値で、生徒数は約二十六万人に上ります。
 不登校などの生徒たちの進学先として私立の通信高校が急増する一方で、不適切な教育活動などが多く指摘される中、国は、昨年十一月に、都道府県が定める通信制高等学校の認可基準の標準例を策定し、全国の私学行政の担当所管に通知を出しました。
 まず、都が認可している通信制高校の数と全体の生徒数について伺います。

○戸谷私学部長 都が認可しております通信制高等学校は八校ございます。
 生徒数につきましては、令和五年五月一日現在、八校全体で約九千二百人でございます。

○斉藤委員 都が認可している私立の通信制は、例えばNHK学園高等学校や科学技術学園高等学校、また東海大学付属望星高等学校など、老舗の学校が多いというふうに伺っていますが、生徒数は、八校全部で約九千二百人だということです。
 文科省はこれまで、認可基準をまともに定めてこなかった中で、通信制高校をめぐっては、二〇一五年に、株式会社立の通信制高校で就学支援金の不正受給事件が発覚したり、教員免許がない人が指導をしていたり、また、百人を超える生徒に教員が一人で面接指導していたりと、一部で不適切な教育内容があることが報じられてきました。
 設置認可を担う都道府県でも、報道によれば、三分の一は認可基準を設けていなかったということですが、都は、設置基準などを設けているのか、また、教育の質の確保のために、これまでにどのように対応してきたのか、伺います。

○戸谷私学部長 都は、東京都私立高等学校通信制課程に係る認可基準を定めておりまして、通信制高校を設置する場合の生徒の教育環境を確保しているところでございます。
 具体的には、通信制高校においても、一定程度の対面授業や面接指導等が必要であることから、一人当たりの教室面積を規定しているほか、実験、実習のための特別教室や、運動場等の体育施設を設置することを規定してございます。
 また、補習等の実施の仕方に合わせまして、基準以上の教職員を置くことも規定してございます。

○斉藤委員 つまり、東京都では、都独自の基準を定めて対応してきたということです。
 今までは、義務教育を終えた十代の生徒たちが多く通う中で、教育の質の確保がますます重要になっています。教員の配置も、養護教諭を置くことを努力義務にしているなど、よりよい教育環境のためには重要なことだというふうに思います。
 しかし、国が構造改革特区で株式会社による学校開設を認めてから私立の通信制高校が増え、特に、本校舎の所在地以外で直接指導を行うサテライト施設が急増しています。
 都外に本部を置く学校は、その道府県が所轄庁になり、都の手が直接及ばなくなるのがこのサテライト施設ですけれども、都は、都内にサテライト施設が幾つあるのか、把握していますか。

○戸谷私学部長 令和五年度に各都道府県に対し示された国のデータによりますと、他の道府県が認可した通信制高等学校が設置する都内のサテライト施設は四百三十か所ございます。

○斉藤委員 今年度の国のデータによると、都内のサテライト施設は四百三十あるということです。その一覧を見ると、北海道や茨城、沖縄に本拠地を置く学校のサテライト施設が都内に多くあるのが分かります。
 中には、雑居ビルの一室がサテライト施設になっていると見受けられるところも多く、十分な教育環境が確保されているのか、心配です。
 一つの高校で都内に五十以上のサテライト施設を持っている学校もあり、地方に本拠地を置きながら、人口の多い東京都や都市部が、大きな市場として生徒を集める場になっているんじゃないかということも懸念されます。
 昨年、二〇二三年十一月の文科省の通知では、サテライト施設を設ける場合には、設置先の都道府県の意向を考慮することを求めています。
 都は、都外に本校舎を置く事業者が都内へサテライト施設の設置を行う場合に、報告をさせ、教育の質の担保も確保していく責任があると思いますが、どのように対応していきますか。

○戸谷私学部長 国の通知によりますと、学校がサテライト施設を他の都道府県に設置する場合は、サテライト施設所在地の都道府県が定める認可基準も参考にすることとされております。
 都といたしましては、新たにサテライト施設を設置する学校や、その所轄庁である道府県から問合せがあった場合には、都の認可基準について改めて明確に伝え、留意するよう、引き続き求めてまいります。

○斉藤委員 他の道府県に本校舎がある通信制高校が都内にサテライト施設を設置する場合は、今後は、その道府県から東京都に意向を確認することが前提になりますが、都として、都内の子供たちの教育環境の確保を行うためにも、都の認可基準を守らせるなど、徹底していただきたいというふうに思います。
 また、道府県から都に問合せがない場合や、サテライト施設が都に設置されたことを道府県側も知らないということがあると聞いています。
 通信制高校に通う生徒数は、高校生全体の一割弱を占めるといわれています。
 都として教育の質の保証を行っていくためにも、国や他県とも連携しながら、施設数や教育環境の実態などをつかんでいく必要があると思いますが、いかがですか。

○戸谷私学部長 通信制高校の在り方につきましては、制度を所管する国が責任を持って構築するものであり、現在、国が様々な検討を行ってございます。
 なお、国の通知によりますと、学校がサテライト施設を他の都道府県に設置する場合には、サテライト施設所在地の都道府県が定める認可基準も参考にして、本校の所轄庁の認可を受けるとともに、適切な維持管理にも努めるべきであることが記載されております。
 都に照会があった場合には、都の認可基準を伝え、留意するよう求めているところでございます。

○斉藤委員 ご答弁のとおり、このサテライト施設に、都の認可基準を守るよう求めていくことは重要なことだというふうに思います。新しく設置する施設だけでなく、現在既にある施設も、できる限り基準を満たした施設となるよう、都としても対応していってほしいというふうに思います。
 私立の通信制高校やその他のサテライト施設では、子供に寄り添い、献身的に教育を行っているところもあります。そうした取組は大切にしながら、その教育環境の向上を図っていただきたいというふうに思います。
 同時に、私立の通信制のサテライト校に通う不登校経験のある生徒たちなど、多様な背景を持つ都内の子供たちが増えていることには、今の公教育の在り方が問われる問題だというふうにも思っています。この十年間で、小学校の不登校は五・五倍、中学校も二・五倍にもなっています。学校にグローバル人材の育成などが押しつけられて、本来の姿である、子供の学びを支え、人格の形成を促す学校ではなくなってきていることなどが背景にあると考えます。
 私学部や都教委をはじめ、全庁的に、この小中学校の教育の在り方について真剣に考えていただきたいというふうに思います。
 通信制高校については、都として、国や道府県との連携を強めて、実態把握と、教育環境の質の確保のための取組を強化していくことを改めて求めておきます。
 次に、デフリンピックについて伺います。
 デフリンピックの歴史について、東京での開催が決まってから知った方も多いのではないかと思います。私自身も、今回、認識を新たにする機会になりましたが、パラリンピックよりも長い、百年の歴史があるということです。
 今回、初めて日本で行われるということで、聴覚障害のある方のスポーツへの参加や、障害のあるなしにかかわらず、共にスポーツを楽しむ機会や、共生社会の実現に向けて、とても重要な機会になるものだと思います。
 しかし、デフリンピックの認知度は、まだ低いことも指摘をされています。
 デフリンピックの認知度を高めていくために一層の取組が必要だと思いますが、これまでの取組と新年度の取組内容について伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 都はこれまで、大会特設サイト等での情報発信に加え、幅広い世代に訴求力のあるアンバサダーを起用するなど、様々な取組を展開しており、来年度は、大会一年前の節目を捉えた取組なども実施し、デフリンピックの魅力を広く伝えてまいります。

○斉藤委員 来年度の取組内容は、まだ具体的には決まっていないというふうに伺っていますけれども、認知度を高め、特に、障害のない方にも関心を持ってもらえるような情報発信を求めます。
 そして、都としてすぐできる取組として、都営地下鉄や都バスを使った広報などの取組を積極的に行うことを求めますが、いかがですか。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 都はこれまでも、都営地下鉄駅へのデフリンピックエンブレムポスターの掲出をはじめ、大会の魅力などを広く発信しており、今後も、様々な機会を捉え、効果的な広報を展開してまいります。

○斉藤委員 都営地下鉄の駅へのポスターの掲出を行っているということですけれども、そのほかにも、車内液晶モニターのチカッ都ビジョンや車内の広告ポスターも活用できると思いますし、都バスのラッピングなども活用できるのではないかと思います。今後も、様々な機会を捉えて広報を展開ということなので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 デフリンピックの大会運営のためには、聴覚障害のある方と、また、海外の選手やスタッフたちとの情報保障を万全にしていくことが必要です。
 今年度は、大会での情報保障のために国際手話人材の育成に取り組んできたということですが、その実績と、来年度にはどのくらい増やしていくのか、今後の見通しについて伺います。

○清水事業調整担当部長 都は、今年度から、国際手話の習得に係る受講費用を支援しており、二月末時点で延べ三百三十一人の申込みがありました。
 来年度も、引き続き人材育成を進めてまいります。

○斉藤委員 国際手話の習得に係る受講費用の支援は、もともと二年間で百六十人分を計上していたと伺いましたが、想定の二倍以上の、延べ三百三十一人の申込みがあったということで、多くの方に関心を持っていただいているということが分かります。
 実際にどれくらいの国際手話の担い手が必要になるのか、人員配置計画はこれからだということですが、多くの方が活躍できるように取組を進めていただきたいというふうに思います。
 聴覚障害のある方でもない方でも、コミュニケーションのバリアフリーが進むことも大切だというふうに思います。
 手話言語をテキストに変換する技術などデジタル技術を活用して、聞こえる、聞こえないにかかわらず、誰もがつながることができる、みるカフェが、昨年十一月に期間限定でオープンしましたが、利用者からはどのような声があったのか、伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 みるカフェを利用された方からは、聞こえる人に対しても、聞こえない人に対しても優しい環境で、とてもよかったなどの声をいただきました。

○斉藤委員 アクションブックにも掲載されていましたけれども、高評価をいただいたということはよかったというふうに思います。
 私も、実はお知らせをいただいて、とても行きたかったのですけれども、忙しくて行けなかったこともあり、こうした機会がもっとあれば、関心を持って訪れる人も増えるのではないかと思います。
 また、カフェでは、聴覚障害の方がスタッフとして働くと伺っていますが、そうした方々の雇用を増やす、また、そうしたきっかけづくりの場にもなるのではないかと思います。
 一回で終わりにするのではなく、みるカフェを今後も開催することや、協力店などを増やして拡充することを求めますが、いかがですか。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 都は、障害当事者との相互理解を深めるため、みるカフェをはじめ、当事者との交流を促す取組を実施しており、引き続き、共生社会づくりに向けた様々な取組を進めてまいります。

○斉藤委員 様々な取組を進めていくということですけれども、せっかく好評価をいただいている取組なので、ぜひ新年度、そして二〇二五年の大会の年も、みるカフェの開催を継続してお願いしたいと思います。
 デフリンピックなど大きな国際大会を通じてレガシーとして発展させていくべきことの一つが、都民スポーツの充実だと思っています。
 デフリンピックを契機に、聴覚障害のある方やその他の障害のある方、また障害のない方も含めて、身近に障害者スポーツが楽しめる環境整備が必要だと思いますが、認識を伺います。

○澤崎パラスポーツ担当部長 障害の種別や有無にかかわらず、誰もが身近な地域でパラスポーツに取り組めるよう環境を整えることが必要であると考え、様々な施策に取り組んでいるところでございます。

○斉藤委員 障害の種別や有無にかかわらず、身近な地域で取り組めるように環境を整えることが必要という大事な認識だと思いますけれども、まずは、障害のある方がバリアフリーの中で安心してスポーツに取り組めることが重要です。
 都立スポーツ施設でのデフリンピックに向けたアクセシビリティー設備の整備などの取組状況と、主なデフリンピック会場における障害者スポーツの団体利用について伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 デフリンピックの会場となる都立スポーツ施設では、火災警報を光の点滅により示す光警報装置や、避難出口を知らせる誘導灯などを整備します。
 このほか、都立スポーツ施設の窓口に、音声を翻訳、文字化して表示するユニバーサルコミュニケーション機器を導入いたします。
 デフリンピック会場におきまして、利用者から申出のあった範囲で障害者スポーツの団体利用として確認したものは、令和五年四月から令和六年二月までの実績で、例えば東京体育館で十一件、駒沢オリンピック公園総合運動場で十件、武蔵の森総合スポーツプラザで七件などとなっております。

○斉藤委員 デフリンピックの会場となる都立スポーツ施設での施設整備と障害者団体の利用実績についてお答えいただきました。
 こうした会場で利用が進むことは貴重な前進ですけれども、デフリンピックの会場となる施設だけでアクセシビリティー設備の整備を終わらせることなく、全ての施設でバリアフリーを実現していくことを求めます。
 また、今回、可能な限りで利用実績についてお答えいただきましたけれども、パラリンピックやデフリンピックを通じて、障害のある方にもスポーツを楽しむ機会がどれだけ増えているかをつかんでいくためにも、今後は、統計が取れるように、各施設での利用状況を、可能な限り、都として把握していくということを求めます。
 障害のある方にも身近にスポーツを楽しむために重要なのが、バリアフリー整備が整っている都立特別支援学校を利用したスポーツの機会の提供です。
 都立特別支援学校の体育館等について、一般の団体、障害者団体と、そのうち聴覚障害者団体それぞれの利用状況について伺います。

○澤崎パラスポーツ担当部長 令和五年度の特別支援学校活用促進事業の利用実績について、施設を貸出可能な日数は、令和六年二月末時点で延べ四千七百二十五日でございます。
 一般の団体への貸出日数は延べ千七百九十四日で、貸出可能な日数に占める割合は約三八%でございました。対して、聴覚障害を含む障害者団体への貸出日数は延べ千八百四十日、約三九%でございました。そのうち聴覚障害で登録している団体への貸出日数は延べ三百七十三日で、約八%、障害者団体の貸出しの約二割でございました。

○斉藤委員 都立特別支援学校の体育館等の施設について、障害者団体の今年度の利用実績は、一般の利用よりも、若干ですけれども、割合が高いというご答弁でした。また、そのうちの約二割が聴覚障害の団体の方々の利用だということです。この数字を出していただいたのも初めてだったということで、ご答弁いただいたことに感謝いたします。
 しかし、やはり、先ほども申し上げたとおり、パラリンピックやデフリンピックを通して障害者スポーツの裾野がどれだけ広がっていくのか認識をしていく上でも重要な統計だと思いますので、これからも都として把握していくということを求めます。
 次に、大会運営組織の在り方について伺います。
 東京二〇二〇大会では、その開会前に、大会組織委員会会長だった森喜朗氏が、女性がたくさん入っている会議は時間がかかるなどと女性蔑視の発言を行ったことが国際的にも大きな問題となりました。
 デフリンピックや世界陸上では、ジェンダー平等の視点や多様性を認める視点を大切にすることが求められています。
 都が一昨年十二月に示した国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインには、大会運営組織における適切な役員等の体制について、取組事例として、外部理事や女性理事の目標割合などを定めた方針の策定ということが示されています。
 大切なことだというふうに思いますが、デフリンピックと世界陸上の両大会の運営組織において、外部理事と女性理事の割合はどのようになっているか、伺います。

○清水事業調整担当部長 世界陸上財団における外部理事の割合は五〇%であり、女性理事の割合は四〇%となっております。
 デフリンピックについて、運営実務を担っている東京都スポーツ文化事業団の外部理事の割合は七一%、女性理事の割合は四三%となっております。
 また、全日本ろうあ連盟デフリンピック運営委員会における外部委員の割合は七五%、女性委員の割合は五〇%となっております。

○斉藤委員 スポーツ庁が示しているガイドラインでは、女性理事の割合は四割以上、外部理事は二五%以上と示されていて、その目標は達成しているということになりますが、女性理事が四割とすると、今の名簿で見ると、男性が六割という状況です。
 女性が四割いればよいということではなくて、もっと多くてもよいと思いますし、また、多様な性の反映ということでは、男性がもっと少なくてもよいとも思います。
 理事のほかにも、リーダー的な役職の女性比率を高めることも含め、今後も努力を続けることを求めます。
 また、デフリンピックについては、聴覚障害のある当事者の理事や委員への参加や、意見を反映する仕組みが重要ですが、どのようになっているのか、伺います。

○清水事業調整担当部長 全日本ろうあ連盟デフリンピック運営委員会には、聴覚障害のある当事者が複数入っており、当事者の意見を踏まえ、準備を進めております。
 また、大会開催基本計画策定時には、アスリート会議で当事者の意見を聞くなど、当事者と連携して進めております。

○斉藤委員 全日本ろうあ連盟から複数の当事者を理事としていること、また、連盟に意見を聞きながら進めていくという仕組みだということです。私たちのことを私たちなしで決めないでという合い言葉を守れるように取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、計画額について伺います。
 今回、デフリンピックと世界陸上の計画額が報告されました。
 デフリンピックの計画額は百三十億円ということですが、そのうち、都が新年度に負担する額は十一億円と伺っています。
 デフリンピックの来年度の予算額、この十一億円の内訳について、大会を通じて東京の価値を高める経費に五・三億円、東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費に五・九億円ということで、今日の資料要求でも提出をいただいているところです。最後のページになりますけれども。
 具体的にはどのような内容なのか、伺います。

○清水事業調整担当部長 大会を通じて東京の価値を高める経費といたしまして、広報、管理等に五・三億円を計上しております。
 東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費といたしましては、オペレーションに四・六億円、その他輸送等に一・三億円を計上しております。

○斉藤委員 続けて伺います。
 世界陸上については、来年度の予算額十八億円の内訳について、大会を通じて東京の価値を高める経費に一・一億円、東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費に十七・一億円ということですが、こちらも具体的にはどのような内容なのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 大会を通じて東京の価値を高める経費として、広報等に一・一億円を計上しております。
 東京の価値向上に資する大会開催に向け、必要な環境整備を行う経費として、仮設等に十三・八億円、オペレーションに二・〇億円、その他輸送等に一・三億円を計上しております。

○斉藤委員 この世界陸上についてですけれども、仮設については、この財政計画では予算が三十億円ですから、五割近くを都が負担するということですね。なぜ、これらの項目に都の支援を行うのかと事前に伺いましたら、大会がうまく運営され、成功すること自体が東京の価値を高めることにつながるからだというご説明でした。
 その理屈でいえば、大会成功のためには、都がどれだけでもお金を出すことができるということになってしまい、そのままでいいのかというふうに思います。
 財政計画の文書には、仮設、輸送、オペレーション、広報など各項目の事業について、それなりに詳細に記載されています。その中のどの部分に、どういう理由で都が財政していくのか、明確にしていただくことを強く求めます。
 さらに伺いますが、世界陸上とデフリンピックで、それぞれ都が負担する額は全体で幾らになるのでしょうか。

○三浦事業調整担当部長 今後、都は、大会準備の進捗状況等を踏まえ、大会への支援の内容を精査、検討し、その上で支援の考え方や全体像を明らかにして、都民の理解を得られる大会となるように取り組んでまいります。

○斉藤委員 これから支援の考え方や全体像を明らかにしていくということなんですけれども、大会まであと一年半という段階で、まだ支援の考え方が決まっていないというのは、どういうことなのかなと思います。
 また、支援の考え方が決まっていないとすれば、来年度予算案の額はどうやって決めたのかというふうになりますが、いかがですか。

○三浦事業調整担当部長 来年度予算につきましては、運営組織から計画額を踏まえた要望があり、都は、その内容を精査、確認し、所要額を計上しております。

○斉藤委員 要望がありとおっしゃるのですが、その中身は分からない、そして支援の考え方が決まっていないということなんですよね。納得できる答弁ではないと思います。
 では、いつどのような形で支援の考え方や全体の金額を明らかにするのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 今後、都は、大会準備の進捗状況等を踏まえ、大会への支援の内容を精査、検討し、その上で支援の考え方や全体像を明らかにして、都民の理解を得られる大会となるよう取り組んでまいります。

○斉藤委員 いつどのような形でということにはお答えがないんですね。
 財政計画を見ると、収入の計画額のその他の項目の金額が八十億円となっていまして、これは全体の予算の百五十億円の五割以上を占めています。
 そして、その欄外には、その他については、今後大会経費のさらなる精査を行いながら、東京都に支援を要望していくとともに、国による大会への全面的支援を、東京都を通じて要望していくと記載されています。つまり、その他の収入の収入源として、東京都と、場合によっては国を想定しているということだと思います。
 つまり、東京都の負担、支援は八十億円。国が支援してくれれば少し減るかもしれないですが、そうなる可能性もあるという理解でよろしいですか。

○三浦事業調整担当部長 繰り返しになりますが、今後、都は、大会準備の進捗状況等を踏まえ、大会への支援の内容を精査、検討し、その上で支援の考え方や全体像を明らかにして、都民の理解を得られる大会となるように取り組んでまいります。

○斉藤委員 支援の考え方がいまだ、一年半という段階でも決まっていないと。
 この財政計画を普通に読めば、その他の収入源として、東京都と、場合によっては国しか想定されていないわけですから、国の支援がなければ、都の支援額は最大で八十億円で計画されているというふうに読めます。
 それをきちんと都民の前に明らかにせず、まだ決まっていないというふうに、この直前でも、いい続けているという状況は、本当に五輪の教訓を踏まえ、透明で都民の理解を得ながら国際大会を支援しようとしているのか、疑問です。
 この八十億円というのは、全体の五割以上の額になります。都民の前に分かりやすく明らかにしていくことを改めて強く求めます。
 都が一昨年に策定したガイドラインでは、都が財政支出を行う場合には、その支出に限定せず、都と大会運営組織が共同でチェックするということになっています。大会の財政支出にチェック機能がしっかり働くかどうかというのは、とても重要なことだというふうに思います。
 共同チェックの内容について、議会への報告、都民への公表が行われるのかという我が党のとや理事の質問に対して、共同チェックにおける対応については、今後、必要な検討をしていくというご答弁でした。
 その検討状況について伺います。

○三浦事業調整担当部長 都と運営組織等が共同で契約、調達のチェックを行っており、入札経過など、その内容をホームページに公表しております。
 ガイドラインにおいて、情報公開の仕組みの構築は重要であると規定しており、今後も、この趣旨を踏まえて適切に対応してまいります。

○斉藤委員 情報公開について、今お答えいただきましたけれども、都議会への報告はどうなっていますか。再度伺います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいて、情報公開の仕組みの構築は重要であると規定しており、この趣旨を踏まえて適切に対応してまいります。

○斉藤委員 繰り返しのご答弁をされているんですけれども、都議会への報告はされないのかという単純なことなんです。なぜこれに、検討にそれだけ時間がかかるのか。以前の質問は九月の質問です。本当に真剣に透明性を図っていこうという姿勢があるのか、疑問です。
 以前の質疑では、海外の世界陸上では、議会で積極的にこの支出の、行っている事例を紹介させていただきました。世界大会にふさわしく、東京二〇二〇大会のことも反省も踏まえて、大会に係る支出については議会に報告するよう、改めて強く求めておきます。
 そして、都民のスポーツ振興に関わって、今回提出されている東京都体育施設条例の一部を改正する条例について意見を述べさせていただきます。
 先ほども申し上げたとおり、世界大会を通じて発展させるべきレガシーとして、都民のスポーツの振興を図っていくということは、とても大切だというふうに思っています。
 しかし、この改正案では、駒沢オリンピック公園の体育館の利用料が一部値上げになっている内容です。スポーツの裾野を広げていくことが求められているときに、値上げすることは許されないということを申し上げておきます。
 次に、平和の取組について伺います。
 ウクライナや中東での戦争が続く中、平和を求めて行動する市民の活動がいかに大切なものか、また、そうした市民の活動を封じ込めることがいかに危険なものか、世界中の人々が痛感しているところだと思います。
 ロシアやイスラエルでも、反戦の声を上げる国民が政府からの弾圧を受ける深刻な状況を見ると、日頃から平和な社会をつくるための国民の努力と、それを大切にする政治、行政の在り方が今問われているというふうに思います。平和な社会を望む願いは、党派を超えた普遍的なものです。
 都は、平和について考え、平和な社会をつなげていこうと発信し、行動する都民の活動の重要性について、どのように認識していますか。

○蜂谷文化振興部長 戦争の記憶を風化させることなく、次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要であると認識しております。

○斉藤委員 重要な認識を示していただきました。今年は終戦から七十九年になりますが、三月十日の東京都平和の日にこの記念式典が行われ、私も参加をさせていただきました。
 そして、その前後の期間に毎年開かれている東京空襲資料展では、今回初めて空襲体験者の証言ビデオが公開されました。
 証言ビデオは、今から四半世紀も前、東京都平和祈念館の建設の機運の高まりの中で、平和祈念館での資料にするために一九九〇年代に収録された映像です。しかし、平和祈念館の建設が都議会で凍結されて以降は、ずっとこの証言ビデオも都の倉庫に眠ったままだったもので、この公開を求めて長年の活動をしてきた方々にとって、悲願の公開となりました。
 証言ビデオの公開は、都庁も含めて都内四か所の東京空襲資料展で行われましたが、今回の来場者数と、前年との比較について伺います。

○蜂谷文化振興部長 今年度の東京空襲資料展等の来場者数は五千五人であり、前年度の二倍近くとなっております。

○斉藤委員 来場者は、前年度の二倍近い五千五人ということで、証言ビデオへの注目や関心が大きかったのではないかというふうに思います。
 証言ビデオに協力された方々は、戦争の惨禍を二度と繰り返さないためにも広く伝えていきたいという思いで協力されてきたということを、私も空襲体験者の方々から伺ってきました。その意味でも、来場者が増えたことは本当によかったというふうに思います。
 私も東京芸術劇場での資料展に伺い、とや英津子理事と一緒に伺いましたけれども、証言ビデオも拝見してきました。二十五年以上も前のビデオですので、空襲体験者の方々もまだ若く、時代を感じる映像でしたけれども、東京での状況だけでなく、神戸での空襲に遭った方のお話もあり、改めて知ることの多い内容でした。
 来場者の中にはご高齢の方もいて、当時のことに思いをしのばせているような様子で、ずっと見ている方もいて、待ち望んでいた方々が多くいたのではないかと感じました。
 会場では感想用紙も配られていましたが、来場者からはどのような声が寄せられているのか、伺います。

○蜂谷文化振興部長 来場者の皆様からは、実際に体験者が語る言葉が胸に迫った、当時の様子が生で聞けたことはよかったなどの声が寄せられております。

○斉藤委員 ちょうど昨日、生文局で東京空襲資料展の来場者数等についてのプレスリリースがありましたが、この中で、来場者の声が紹介されていました。体験者のお話は想像を絶する状況で、胸が潰れる思いだ、また、戦争を知らない世代に広く伝えていくことが大切だという評価する声が多数あります。
 私自身、実は、東京都が二十五年以上も前に空襲体験者の証言ビデオを撮っていて、それがお蔵入りになっていたということは、都議会に来るまで知りませんでした。知れば、そんなことがあったのかと関心を持つ人が多いのではないかというふうに思います。その意味で、証言ビデオを活用した資料展のお知らせは広く行うことが重要だと思います。
 そこで伺いますが、今回の資料展では、一九九〇年代に収録した証言ビデオが初めて公開されることについて、都民にどのようにお知らせしてきたのでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 東京空襲資料展における証言映像の公開につきましては、本年二月二十二日に報道発表を行いました。

○斉藤委員 ちょっとこれ、驚いたのですけれども、都としては、二月二十二日にプレスリリースしただけだということなんですね。あとは新聞報道などがあったおかげなのかもしれませんが、空襲体験者の方々が長年公開することを求めてきて、ようやく四半世紀を経て公開されたものなので、もっと都からの広報を積極的に行っていただきたいというふうに思います。
 今回の資料展のチラシには、証言ビデオについての掲載が間に合わなかったということですけれども、次回からはチラシに掲載し、多くの人の目に触れるよう、学校などにも配布をして、SNS等での発信なども積極的に行って、若い世代にもお知らせが届くようにすることを求めます。
 証言ビデオについてですけれども、当時収録された証言ビデオは三百三十名分ということですが、今回は、公開の同意が取れた百二十二名分のビデオが一人十分程度にまとめられて各会場で公開されました。
 残りの二百八名分については、現在、どのような状況でしょうか。

○蜂谷文化振興部長 証言映像の当事者の意向確認につきましては、引き続き行っております。

○斉藤委員 意向確認について、引き続き行っていくということなんですけれども、私は、証言ビデオの公開や東京都平和祈念館の建設を求めて長年活動してこられた方々、空襲体験者の方々とお話をしてきましたけれども、証言ビデオに協力した方々は、戦争の惨禍を語り継ぎ、多くの人に知ってもらいたいという思いで話してくれたのだから、特別な理由がない限り、全て公開するべきだと求めて、二〇二二年九月に都知事宛てにも要望を出されております。そうした切実な願いに寄り添って対応するべきではないでしょうか。
 証言ビデオの残りの分について、本人が亡くなっていて、親族も見つからない場合は、公表についての公示を行うなどして全ての証言ビデオを公開するべきですが、いかがですか。

○蜂谷文化振興部長 回答が得られていない方々につきましては、引き続き、電話等によりまして意向確認を行ってまいります。

○斉藤委員 引き続き意向確認を行っていくということなんですけれども、二回、三回と繰り返し当たっていくということは、もちろん否定はしませんけれども、しかし、ずっと行っていて、駄目なら公開しないということは、私は、本当に伝えたいという思いで話してくれた方々の思いを鑑みると、その対応はどうなのかなというふうに思います。
 ご本人が亡くなっていて、親族も見つからない場合は、公表についての公示を行って、何もなければ全ての証言ビデオを公開するという方法もあるのではないでしょうか。
 ぜひ、話してくれた空襲経験者の思いに寄り添って、その声を風化させない取組を行うことを求めます。
 今回の資料展では、証言ビデオだけでなく、デジタル化された資料についても、幾つか初めて公開をされています。
 その展示物の内容について伺います。

○蜂谷文化振興部長 空襲による被害情報についての文書や、都民の戦時中の服装に関する要綱などでございます。

○斉藤委員 展示物の充実を図っていくことも大切です。デジタル化された空襲の被害情報の文書や都民の戦時中の服装に関する要綱などが初めて公開されたということです。
 今回は、百二十二の証言ビデオの編集も大変な作業だったというふうに思いますけれども、ぜひこの展示物の充実を進めていくということも要望いたします。
 また、空襲体験者で今回の資料展に足を運んだという方から感想を伺いましたけれども、三月十日に下町を中心に起きた大空襲の当時の写真については、パネルが一枚しかなく、当時の惨禍を伝えるものとしては不十分だということでした。
 大空襲の様子が分かるような展示物のさらなる充実を図っていく必要があると思いますが、いかがですか。
 また、資料展の開催場所を拡充していくことを求めますが、いかがですか。

○蜂谷文化振興部長 資料展につきましては、実施箇所を増やすなど、企画検討委員会の意見もお聞きしながら、資料のより広い活用方法の検討を進め、充実を図ってまいります。

○斉藤委員 資料展の実施場所を増やして、より広い活用方法の検討を進めるということで、貴重な前進です。
 同時に、この展示は、デジタル化も重要ですけれども、やはり実物を当時の状況等も分かるように展示していただくことも重要です。こうした展示物の拡充を進めることを重ねて求めます。
 今回の東京空襲資料展の来場者からの声として、会場で取られていたアンケート、感想用紙には、大切な取組だと思うからこその要望もあることが、プレスリリースからも分かります。
 時期を限らず、年間を通して証言ビデオを見られる機会を設けていただくよう要望する、また、もう少し広い部屋を使うべき、ビデオの前の椅子が少な過ぎる、こういう声があります。こうした来場者の声を踏まえて、資料展での証言ビデオのコーナーをもっと拡充すること、また、期限を限らず、活用できる機会をつくっていくことが必要です。
 今回、公開された証言ビデオは、数日間の期間限定の資料展だけでなく広く活用していくこと、また、都のホームページで公表することを求めますが、いかがですか。

○蜂谷文化振興部長 証言映像につきましては、企画検討委員会のご意見もお聞きしながら、より広い活用方法の検討を進めてまいります。

○斉藤委員 企画検討委員会の意見も聞きながら、より広い活用方法を検討するということです。
 企画検討委員会では、日の出町の田村みさ子町長さんが委員になっておられますが、ビデオをお借りできるようなことがあるといい、三月十日や終戦記念日の頃に流せば、とても皆さんの心に響くと思うという発言をされています。そのほかにも広く活用できるようにすることを求める声が上がっています。
 ぜひご答弁のとおりに広く活用できる方法の検討を進めていただきたいというふうに思います。
 証言ビデオの活用方法について、例えば広島市や長崎市でも、原爆の被爆経験者の証言ビデオを学校に貸出しを行って、平和教育にも役立てています。市外の学校にも貸出しをして、修学旅行等の事前学習にも活用できるようにしています。
 子供たちが戦争の惨禍や平和の大切さについて身近に学べるように、都としても、学校などの教育現場で証言ビデオの活用ができるよう検討していただきたいと思いますが、いかがですか。

○蜂谷文化振興部長 証言映像につきましては、企画検討委員会のご意見もお聞きしながら、より広い活用方法の検討を進めてまいります。

○斉藤委員 またご答弁は同じご答弁をいただいたのですけれども、お話を伺ったこの空襲体験者の方々も、学校で活用できるようにしてほしいとおっしゃっていました。子供たちの世代にも平和な社会をつないでいくためにも大切な取組だと思います。ぜひ検討していただきたいと思います。
 東京大空襲の経験者の方々は、戦争の惨禍を語り継ぎ、平和な社会をつなげていくためにと、自分たちで、語り継ぐ東京空襲という……(資料を示す)このような雑誌ですね。ちょっと小っちゃいので、今、見づらいと思いますが、証言者の当時の様子を記載しています。
 検討委員会の中でも、委員の海老名香葉子さんも委員の皆さんにご紹介していたというふうに思いますが、こうした民間で作成している証言集なども重要だと思いますが、見解を伺います。

○蜂谷文化振興部長 戦争の記憶を風化させることなく、次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくということは重要であると認識しております。

○斉藤委員 平和の大切さを伝えていくことの認識、重要だということをまたご答弁いただきましたけれども、民間で収集されているものや、こうした証言集も、ご答弁のとおり、戦争の記憶を風化させることなく、平和の大切さを伝えていく上で重要なものだというふうに思います。こうした民間での取組も、広く伝えていきたいという思いで行われています。こうした記録が散逸して風化していくことがないように、公的に継承していくことも必要だと思います。
 こうした冊子や、民間で掘り起こされ、継承されている資料なども、都として収集、閲覧できるようにしていくこと、さらに、図書館への配置や都としての活用、また、これらの民間の活動の支援も含めて検討していただきたいというふうに思います。
 東京都平和の日の記念式典について一言触れたいと思います。
 式典の内容の充実と、もっと都民に開かれたものにしてほしいという要望が繰り返し届けられ、我が党もこの場でも繰り返し求めてきましたけれども、今回は私も参加させていただいた中で、やはり東京空襲に思いをはせる者としては物足りなさを感じました。
 これまで空襲体験者の方々にも求められているように、もっと体験の証言を柱にするような式典に変えていくなど、工夫が必要ではないでしょうか。あるいは、式典で証言ビデオを幾つか流すということも今後はできるのではないでしょうか。
 式典については、企画検討委員会での海老名香葉子さんの発言が本当に、議事録を見ますと切実なものでした。多くの方はご存じかもしれませんが、海老名香葉子さんは、幼いときに、三月十日の大空襲で家族全員を亡くされました。その家族を探し求めて焼け野原を一人で歩き回ったという、本当につらい経験をされ、これまでも戦争被災者やご遺族の方々に寄り添う地道な活動をされてきました。
 その海老名さんが、平和の日の式典について、誠におざなりの会、心が籠もっていないということを発言されています。音楽を聞いて、バッハやモーツァルトの生い立ちを聞いても、どうなるのかと。もう少し、もう最後、もう限界です、ここでもう一度、平和の日を見詰め直していただきたい、このように発言されており、部長さんも、じかに聞いていることと思います。
 この平和の日の式典の充実についても、何度も要望を受けてきたと思います。式典の内容の見直しと充実、そして、都民に開かれた式典とすることを改めて求めておきます。
 来年は、終戦から八十年になります。ウクライナやガザでの悲惨な戦争が続き、世界中の市民、社会が平和を求めている今こそ、平和憲法を持つ日本の首都東京から平和へのメッセージを大きく発信していくことが国際社会に大きく貢献することになるのではないでしょうか。
 ぜひこの機を捉えて、四半世紀の時を経て公開された証言ビデオを広く活用していくと同時に、空襲体験者や多くの都民が平和な社会を未来につなげていくために願ってきた平和祈念館の建設に向け、踏み出していくことを求めますが、いかがですか。

○蜂谷文化振興部長 証言映像につきましては、企画検討委員会のご意見もお聞きしながら、より広い活用方法の検討を進めてまいります。
 なお、東京都平和祈念館(仮称)の建設につきましては、平成十一年の予算審議におきまして、都議会の合意を得た上で実施することとの付帯決議がなされた経緯があり、都議会での一定の審議と合意が必要であると考えております。

○斉藤委員 都議会での一定の審議と合意が必要と、いつものご答弁なんですけれども、議会では、この間、平和に向けての行動を一致して私たちは行ってきました。ウクライナからのロシア軍の即時撤退と速やかな平和の実現に関する決議、それから、パレスチナ自治区ガザ地区における人道目的の停戦等の実現に関する決議、これを全会派一致で採択しました。
 今を、そして、これからを生きる私たちにとって、平和への願いは、党派を超えて一致できる普遍的な願いではないでしょうか。戦争体験者の方々が長年願ってきた取組を前に進めるために行動を起こすことを議員の皆さんにも呼びかけて、質問を終わります。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時四十四分休憩

   午後四時五分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○風間委員 私からは、まず、子供のスポーツの環境をより整えていくという視点から質問を進めていきます。
 昨年の事務事業質疑でも求めましたけれども、スポーツの振興ということにおいては、東京都としては、特に子供のスポーツ環境ということに力を入れていくべきだということを求めたところであります。
 来年度の予算を見てみますと、幾つか予算増となっているところもありますので、そのことを中心に確認をしていきますけれども、ジュニア育成地域推進事業が来年度予算増額となっておりますけれども、どういったところに予算増となっていくのか、どういうところに注力をしていくのかを伺います。

○齊藤スポーツ担当部長 都では、地域のジュニアスポーツの裾野拡大を目的として、地区の体育協会が実施するスポーツ教室や大会などの運営経費のほか、暑さ対策として、飲料やあめ、氷のう等を購入する経費を支援しております。
 昨今の厳しい暑さの中、安全かつ安心してスポーツを実施するため、来年度はこれに加え、暑さ対策がより適切に講じられるよう、必要な物品などについて支援の対象とします。

○風間委員 子供のスポーツの環境を整えていくという意味では、特に、この前の夏に関しては、この暑さで、もうスポーツやるのを嫌になっちゃうというような子供がいたかは分かりませんけれども、病気等になるリスクもありますので、そういったことを含めて、引き続き、子供のスポーツ環境に関しては、東京都としても力を入れていくように求めるところであります。
 もう一つ予算が、新規事業として計上されていたのがTOKYOジュニアスポーツアンバサダーということでありますけれども、これは、どういった目的で、どういったことを行っていくのかというのを伺います。

○齊藤スポーツ担当部長 都は、来年度、オリンピック実施競技などに限らず、多様な競技に取り組むジュニア選手の世界での活躍を後押しするとともに、同世代におけるスポーツ機運を醸成するため、TOKYOジュニアスポーツアンバサダー事業を開始します。
 事業内容としては、国際スポーツ大会へ出場するジュニア選手をアンバサダーに任命し、競技の魅力や国際大会での経験を発信します。

○風間委員 既に十代でオリンピックでメダルを取るような選手も出てきているということで、こういった選手については、スポンサーなどがついていて、思うように活動できている、そして活躍につながっていくということもあろうかとは思いますけれども、多くのジュニアアスリート、世界大会等に出るようなジュニアアスリートは、手弁当でやっている選手も多いわけですし、特にそういったスポンサーがつかないようなマイナースポーツというのでしょうか、みんなからそれほど注目されないようなスポーツなんかもありますので、そういったスポーツにも日が当たるように、特に、一生懸命頑張っている、こういったジュニアアスリートを支援するというのを、もう少し幅広くやっていってもらえればなと思います。
 また、そういった啓発事業の中から、もっと幼い子供たちが、その選手を目標に頑張るというような環境をつくっていってもらえればなと求めておきます。
 スポーツ環境という意味でいうと、子供たちは、今の話もそうですけれども、見る側から、少し自分もチャレンジしてみようかなということもあるかと思いますし、スポーツに取り組む子供たちにしてみれば、世界で活躍する選手たちと触れ合う機会だとか、そういったことについては、触れてみたいもんだなと、私も子供がいますけれども、そんな声をよく聞くところであります。
 その意味では、世界陸上とデフリンピックが東京で行われるというのは、東京の子供たちにとって、またとない機会になるとは思いますけれども、どのように関わっていくのかということについては様々あると思います。
 エスコートキッズなんかもあるとは思うんですけれども、ただ観戦をしたということから一歩踏み出して、自分もその場にいたんだ、その大会に関わったんだと思えるような環境をつくっていくことも大変重要だなと思います。
 それは、総じてボランティアといういい方をすることもありますし、スポーツに関わるボランティアという意味でいえば、子供たちがブーケをつくってメダルの選手に渡すようなプロジェクトを行っているようなことも私も見たことはありますけれども、様々な子供たちが関わる環境、ボランティアとして関わる環境をつくっていくことができるのではないかと思います。
 ぜひこの二つの大会においては、子供たちが様々な形で関われるように準備をしていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上及びデフリンピックの開催基本計画におきましては、多様な人々がボランティアとして活躍できる機会を設けることとしており、現在、ボランティアの規模や活動内容等について、各運営組織において検討しております。

○風間委員 大人のボランティアは、かなり参加も多いですし、この前の東京マラソンに関しても、多くの人たちがボランティアで参加していたと認識しています。
 東京オリンピックの際にも、高校生からはボランティアで参加ができたということでありましたが、ジュニアアスリート、中学生でもボランティアに参加したかったというような声が聞こえてきますので、ぜひ、もう中学生ぐらいから、いろいろな保険等の問題はあるとは思うんですけれども、子供たちが保護者同伴も含めて関われるような環境を整えていってもらえればなと思います。
 子供たちのボランティア参加という意味では、ちょうど今月末に、MXテレビのトウキョウもっともっとでですか、子供たちのボランティアの環境をどうつくっていくのかということをテーマに放映されるということで、先日、私も各会派の皆さんと議論をするという機会をいただきました。
 東京都のこども基本条例から、子供たちが地域社会に参加をしていくために、東京都としてその環境を整えていくということが掲げられているわけであり、子供たちの地域社会、地域といっても東京全体という捉え方もありますので、子供たちがボランティアに参加をしていく環境をつくっていくというのは、ある意味、東京都としての責務なんだろうと考えるわけです。
 そこで伺いますけれども、学校を通じて教育の一環としてボランティアをする機会というのは当然にあろうかと思いますけれども、地域社会で生活をしていく上で、子供たちがボランティアに参加できる機会というのはまだまだ、それほど多いわけではないんだと思います。
 このテーマについては、どうしても幼い子供だと保護者同伴ということになりがちですけれども、今、様々な家庭の状況の子供たちがいるわけですから、こういった子供たちのボランティア参加を促すような団体等もかなりありますので、そういったことも含めて子供たちのボランティアをする機会というものをつくっていく、環境を整えていくというのも東京都の責任であろうと思いますが、東京都の見解を伺います。

○柏原都民生活部長 都は、東京ボランティア・市民活動センターを支援し、都民のボランティア活動を推進しております。
 本センターは、例年、区市町村の社会福祉協議会とも連携いたしまして、夏の体験ボランティア事業を実施いたしまして、子供や学生さんなどに、オンラインで気軽にできるものをはじめ、ボランティア体験の機会を提供しております。
 この事業を通じまして、学生などが、デイサービスを利用する高齢者の方とオンラインで交流する活動や、放課後に障害を持つ子供たちと遊ぶ活動などを行っております。

○風間委員 先ほど申し上げたように、なかなか情報が届かないということもありますし、子供がこういうことを経験してみたいと思っても、なかなか保護者の都合がつかないということもあったりするかと思いますので、一つは、こういった子供たちのボランティアをサポートするようなNPO等を支援していくというのも、今後、より力を入れてもらえればなと思います。
 特に今、大学受験が変わってきていて、高校生が自分の関心に沿ってボランティア参加をしたいというニーズも高まってきておりますので、中高生が自分の興味、関心に沿ってボランティア参加できるような環境というのも、東京都として注力してもらえればなと求めておきます。
 続いて、トー横キッズの支援について伺います。
 先ほど、かなり、このトー横問題に関しては議論がなされていて、東京都としてかなり細かく答弁があったので、東京都としての考え方もよく理解したところでありますけれども、私自身も、昨年は青少協に参加をし、発言をしたところでもありますし、事務事業質疑、一般質問等で、度々、トー横キッズの問題、この課題解決するための提案も行ってきたところであります。
 一つ、青少協でも申し上げたところではありますけれども、トー横問題、先ほど話に上がりましたように、様々な問題があります。特に女性支援は、既にもう行ってきていたというところですが、私が現地で見てきたこと、また、現地で支援をしている、手弁当でやっているボランティア団体の話を聞いたところ、この女性支援をしている団体では、トー横キッズへの支援は、必要な支援が届かないんだというお話でありましたし、手弁当でやっているボランティアの皆さんも、世代が近いからこそ親身になれるし、逆に信頼もしてもらえるんだというような話がありました。
 ですから、手弁当でやっていくことの限界もあろうかと思いますけれども、そういった団体と東京都、そして警視庁等々が連携してやっていくことが必要だということも求めたところであります。
 それぞれの役割分担があると思いますし、それぞれが活躍をしながら、このトー横キッズの課題解決に取り組んでいくことが重要だと考える中で、一つ、私も提案をしてきたのが、やっぱり、その現場で公的機関がいつでも相談に乗れる体制を設けるということ、これが重要だということも、福岡市の事例を紹介しながら求めてきたことであり、このたび臨時の窓口を設置し、成果が上がったと。来年度に関しては、これを常設で設置する方向で進めていくということに関しては、一歩も二歩も前進したものだと、大変に期待をしているところであります。
 そこで、来年度行います常設の窓口については、どのような体制で、どのように行っていくのか、伺います。

○米今治安対策担当部長 歌舞伎町かいわいの若者の悩みに応えるため、来年度早期に常設の相談窓口を開設いたします。
 この窓口では、本年一月の臨時相談窓口の成果を生かし、利用者が立ち寄りやすい環境を構築し、専門の相談員が一人一人の悩みに寄り添った支援を行います。

○風間委員 トー横に集まる子供たちには様々な背景があると伺っていますし、実際、私がコミュニケーションを取った際にも感じたことでありますが、発達障害を抱えている子供たちも結構多いんだというような話を支援団体の方からも伺ったところであります。
 その意味では、専門的な相談対応ができる人たちが関わるということは大変に重要なことだと思いますし、都の福祉部門との連携、これも非常に重要なことだと思いますけれども、これをどのように行っていくのかも確認します。

○米今治安対策担当部長 相談窓口におきましては、相談内容に応じて適切な支援機関等につなぐこととしており、福祉局や民間団体等と連携してまいります。

○風間委員 そういった様々な状況、背景のある子供たちが集まるというところから、保護者としても、認めざるを得ない状況であったり、または、いつもいなくなってしまってということで本当に困っているという話なんかも聞いたことがあります。
 支援団体に連絡がかかってくることもあるということを伺っておりますけれども、こういった現地に相談窓口があるということであれば、保護者としても、そこに確認をすることもできるかもしれないわけでありますけれども、こういった保護者の相談も受けるという機能がやはり重要なんだと思いますが、そういった対応も含まれるのかどうか、伺います。

○米今治安対策担当部長 来年度設置予定の総合相談窓口におきましては、青少年の保護者からの相談にも応じる予定でございます。

○風間委員 こういった現場での相談窓口を設置するということに関しては、一つの課題解決に向けて連携して取り組んでいくということ、大変期待しております。
 今後は、もう一つ提言をしていました、場の問題ですね。そこについては、まだ具体的な解決策が見えてきませんので、引き続き取り組んでいくことを求めておきます。
 続いて、名もなき家事の普及啓発について伺います。
 私が都議会議員になって、なりたて、最初の事務事業質疑でこの文教委員会で質問しましたのが、この名もなき家事ということでありました。
 名もなき家事自体は、もう十年ぐらい前でしょうか、割と名称も含めてネットを中心に広がっていき、やっているつもりになっている男性と、全くやっていないという認識の女性側にかなりギャップがあるということであり、私自身もやったつもりになっている男性側だったと自覚をしたことから、実際にこの男女平等参画という観点からいうと、しっかりと名もなき家事の存在自体を男性側、女性側双方で認識をした上で、しっかりと分担をしていくということが今後のあるべき姿なのではないかということで、一旦しぼみつつある、この名もなき家事に関して、いま一度、東京都として普及啓発していく必要があるのではないかという観点で二年前に伺ったところであり、これが来年度、東京都として取り組むということですから、大変に期待もしているところであります。
 具体的にどのようなことを行っていくのか、伺います。

○樋口女性活躍推進担当部長 都が実施した男性の家事・育児実態調査では、妻が夫に分担してほしい家事は、洗剤の補充などの名もなき家事が最も多い結果となる一方、その認知度や分担状況については、男女間で大きな差が生じていることが分かりました。
 そのため、名もなき家事につける名前を募集し、広く普及啓発することで、都民の認知度と理解の促進に取り組むこととしております。

○風間委員 いま一度、そういった名もなき家事に焦点が当たり、その先には、しっかりとそれを分担していくというところまで、ぜひ広がっていくような取組をご期待します。
 続いて、エシカル消費についても度々質問をしてきましたので、確認をします。
 TOKYOエシカルの予算が、来年度予算は増えていますけれども、来年度、どのように取り組んでいくのか、伺います。

○片岡消費生活部長 TOKYOエシカルは、令和四年十二月の開始から一年がたち、二百を超えるパートナー企業の参加を得て様々な取組を行ってまいりました。
 来年度は、持続可能な未来へつなげるイベント、SusHi Tech Tokyoに合わせ、パートナーと協働してマルシェを開催し、多くの都民がエシカル消費を体験できる場を創出いたします。
 また、都民、パートナーと共に、SNSや店頭でエシカル消費に関する発信を集中的に行うキャンペーンを展開し、ムーブメントを生み出す取組を行います。
 期間中には、次代を担う子供、若者がエシカル消費を学び、成果を発信するシンポジウムを開催いたします。

○風間委員 エシカル消費、フェアトレードなどに地道に取り組んできた方たちから話を伺うと、こういった東京都がイベント的に行うことも歓迎なんだけれども、まだまだエシカル消費自体の名称も含めて普及していない。
 東京都の職員の皆さん、相当数、人数がいらっしゃるから、職員、私たち議員もですけれども、一人一人がこのエシカル消費について取り組んでいくことが重要なんだなんていう指摘を受けたことがあります。
 これも質問で取り上げたことがありますけれども、都庁職員一人一人が、このエシカル消費に取り組んでいく必要があろうかと思いますけれども、何か取組をしているのかどうか、確認させてください。

○片岡消費生活部長 当局では、毎年、若手職員を対象とした消費生活に関する研修を行っておりまして、令和三年度からはエシカル消費をテーマに実施しております。
 今年度より、受講対象を全庁の希望する職員に広げまして、外部講師による講義のほか、TOKYOエシカルの取組や各局で取り組んでいるエシカル消費に関連する事業を紹介するなど、具体的な理解を促すプログラムとしてございます。

○風間委員 都庁職員だけでなく、東京都自体が法人としてエシカル消費を行っていくべきだということも求めているところでありますので、東京都が率先して、職員の皆さんと都庁全体で推進していくように求めておきます。
 最後に、結婚支援事業についても伺っておきます。
 事務事業質疑でも伺いましたけれども、本当にこれは東京都が大きな予算をかけてやるべきものなのかどうかということについては、いまだに懐疑的なところがあります。
 これが増額になっているということですから、増額をする以上、その効果検証はなされているんだろうなとは思いますけれども、どのように効果検証されて、今回、増額予算となっているのかを伺います。

○山崎都民活躍支援担当部長 都の結婚支援事業ですけれども、結婚を希望しながらも一歩を踏み出せない都民を後押しし、社会全体の結婚機運の醸成を図ることを目的としてございます。
 今年度行いました機運醸成イベントでは、参加者から、結婚に前向きになった、婚活に役立つヒントをもらったといった声がありました。
 出会いの場を提供する交流イベントでは、独身証明書の提出を必須としたところ、参加者から、安心して参加できる、異性と接することにより婚活への意識が変わったなどの声がありました。
 また、婚活イベントに初めて参加する人が四割以上いたなど、事業の成果は上がっていると認識しております。

○風間委員 声が上がっているということは、それは参加した方からはいろいろな声が上がるとは思いますけれども、実際にこれだけのお金をかける意義があるのかどうかということを我々はチェックしていくという観点からいうと、もう少し、新規参加者がどれぐらいいたのかとか、そこから結婚につながる人たちがどれぐらいいたのかというようなことも含めて、しっかりと検証していただきたいなと思うところであります。
 新規予算で五千万円ほど計上されている、新たな結婚にまつわるエピソードの漫画化、結婚思い出ソング、これは予算委員会でも取り上げられていましたけれども、この効果検証はどう行うのでしょうか。

○山崎都民活躍支援担当部長 都の結婚支援事業は、結婚を希望しながらも一歩を踏み出せない都民を後押しし、社会全体の機運の醸成を図ることを目的としております。
 婚活にちゅうちょしている人に結婚をポジティブに捉えてもらうためには、様々な角度からのアプローチが必要でございまして、この事業もその一つというふうに認識してございます。

○風間委員 今、若者たちが家庭を持ちたいと思っていても、なかなかちゅうちょしているということ、私の周りにも二十代、三十代の若者がたくさんいますけれども、出会いがないというのは、確かに一つの理由であったりはしますが、一方で、家庭を持ってきちんとやっていけるかどうか、経済的な不安があるというような声も圧倒的に多いわけであり、そういったところへの対策というのもやっていかなければならないことなんだろうと思います。
 いろいろなことをやって、それは相応の啓発ということで、結婚したいという機運は高まるのかもしれませんけれども、思ったところで、そこの先、本当にできるのかというのは、また現実的な別な問題があるということでもありますから、いたずらにこういった普及啓発−−特に結婚ということに関しては、民間事業者でもかなりやっていることですから、しっかりとその効果があるかどうかということは検証した上で来年度は取り組んでいくよう求めまして、私の質問を終わります。

○田の上委員 ミライ会議の田の上いくこです。
 今年度、関東大震災の節目で関東大震災百年町会・自治会防災力強化助成が実施されました。この件については、総務委員会や決算特別委員会などで他会派からも質疑がありました。選挙管理委員会事務局長が、生活文化スポーツ局から、公職選挙法上、抵触する箇所はないかを確認したい旨の照会があったというふうに述べています。
 今回と同じような町自治会の助成は、過去二回あり、各戸配布が求められる場合もありました。この七月には東京都知事選挙を控えている中、選挙まで四か月を切っており、公職選挙法に抵触する可能性がないのか、懸念をいたします。
 現在も、都内各地の町自治会の掲示板で、このチラシの掲示を見ます。この事業の実施期間は、助成金の交付決定日から令和六年一月三十一日までとなっています。
 第六回の場合は、交付決定予定が令和五年十二月中旬で、事業終了まで一か月半という短い期間での事業ですが、小池都知事の顔などが掲載されたチラシは、いつまで掲示することを想定していたのでしょうか。伺います。

○柏原都民生活部長 本チラシは、町会から加入を呼びかけるメッセージとともに、災害への備えの重要性を伝えるために知事のメッセージを掲載したものでございまして、掲示期間は、町会、自治会の任意の期間でお願いしておりました。
 なお、本事業は一月末で終了しておりまして、来年度予算に計上はしておりません。

○田の上委員 掲示期間は任意というご答弁でありました。そして、来年度は予算計上していませんよというようなことでありました。
 本事業は、一月三十一日までという決められた事業でありまして、その後は掲示板から外さなくてはいけないことを町自治会に伝えるべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○柏原都民生活部長 掲示期間は、町会、自治会の任意でお願いをしておりました。
 なお、本事業は一月末で終了しております。

○田の上委員 あくまでも掲示期間は町自治会の任意であるということでありますが、選挙の候補者ないし予定候補者の顔の掲示については、やはり行政機関として慎重であるべきであると考えます。
 このまま掲示が続くと、選挙期間にかかる可能性もあります。来年度、同様の事業の予算計上はないということでありますが、都の事業が都民から疑われることがないように、事業終了と同時に掲示の終了についても、案内等に記載してもよかったのではないかというふうに思います。
 また、チラシの下半分は、各町自治会の会員募集であるとか、防災に対するような啓発になっておりますけれども、自治会のお知らせとして継続掲示するということも想定して工夫をしていくべきだったのではないでしょうか。
 生活文化スポーツ局の今後の都事業におきましては、この一連の掲示や配布について再考し、公職選挙法抵触の疑いにかからないよう改善をしていただきたく、検討していただきたく要望いたします。
 次に、デフリンピックです。
 デフリンピックは、共生社会の実現に向けて大きな推進力となる大会です。
 昨年十一月に、デフリンピック二年前イベントとして、都が開催したみるカフェは、聞こえる人と聞こえない人との相互理解を深めるという意味で、意義のある事業であったと感じました。
 デフリンピックを契機として、共生社会の実現に向け、障害当事者との相互理解を深めていく取組を今後も実施していくことが必要であると考えますが、見解を伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 都は、聞こえないスタッフと様々な交流ができるみるカフェを大会二年前に実施したほか、都立ろう学校において、障害のあるなしにかかわらず、アスリートと交流する事業などを展開してまいりました。
 来年度も引き続き、アスリートとの交流事業のほか、大会一年前の節目を捉えたイベントを工夫して実施するとともに、その内容を大会特設サイトで幅広く発信するなど、大会を通じて障害当事者との相互理解を深める取組を進めてまいります。

○田の上委員 みるカフェの実施のほかにも、障害のあるなしにかかわらず、アスリートと交流する事業などを展開しているというようなご答弁でありました。
 ろう者のコミュニケーションは、手話、口話、筆談等があります。
 都は、デフリンピックや世界陸上を契機として、ユニバーサルコミュニケーションの技術の活用も進めています。
 令和四年、議員提案にて東京都手話言語条例が制定され、手話が独自の文法を持つ一つの言語であるという認識の下、手話に対する理解の促進及び手話の普及に関する基本理念を定め、普及啓発や環境を整える都の責務も条文化をいたしました。
 デフリンピックは、手話に関心を持っていただくよい機会となり、全日本ろうあ連盟や東京都聴覚障害者連盟からも、この条例の理念に基づき取り組んでほしいと要望をいただいております。
 そこで、大会を通じて手話に触れる機会を設けていくことが重要と考えますが、都の見解を伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 都では、デフリンピックや手話について漫画形式で学べ、共生社会について考えるきっかけとなるよう、学習ハンドブックを製作いたしました。
 今後、都内の小学校の児童等に配布するほか、イベント等においても活用してまいります。

○田の上委員 みるカフェで配布した、学ぼう!デフリンピックという冊子がありますが、漫画形式でデフリンピックや手話のことも書かれており、手に取った方からは、分かりやすくて、いい冊子だという感想もいただいております。
 この冊子は、当初、三百冊のみの印刷で、みるカフェ等で全て配布しましたが、今後、増刷して都内の小学校の児童に配布をするというふうにも聞いております。
 冊子を配布して終わりではなくて、都民が手話の簡単な挨拶や拍手など、分かりやすいものを教えてもらったりできる機会もぜひつくっていただきたいと要望をしておきます。
 次に、世界陸上です。
 決算特別委員会や事務事業質疑でも、世界陸上については質問をしてきました。東京二〇二〇大会の反省を踏まえ、透明化を図るために、情報公開を第一に進めていただきたいと考えております。
 昨年十二月二十六日、東京二〇二五世界陸上競技選手権大会の財政計画について発表がありました。
 収入については、日本陸連十億円、協賛金、寄附金収入目標額三十億円、チケット収入目標額三十億円を設定、その他八十億円で、合計百五十億円となっていますが、その他八十億円ではどのような収入を見込んでいるのか、伺います。都の支出も含まれるのでしょうか。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団の財政計画におきまして、その他収入については、大会において東京の発展や都民の参画のための取組を行うことを前提に、今後、大会経費のさらなる精査を行いながら、都や国に支援を要望することとしております。
 財政計画を踏まえ、来年度に支援が必要と見込む経費について財団から要望があり、都は、その内容を精査、確認し、令和六年度予算案に所要額を計上しております。

○田の上委員 その他八十億円というのは、都や国に支援を要望するということですね。また、財政計画を踏まえて財団から要望があり、来年度は、来年度分として十八億二千四百七十八万円が計上されているということだと理解をいたします。
 都の支出においては、今後、どのように精査をし、決定していくのでしょうか。伺います。

○三浦事業調整担当部長 今後、都は、大会準備の進捗状況等を踏まえ、大会への支援の内容を精査、検討し、その上で支援の考え方や全体像を明らかにして、都民の理解を得られる大会となるように取り組んでまいります。

○田の上委員 大会準備の進捗状況等を踏まえて、支援内容を精査、検討していくということでご答弁をいただきました。都民の理解を得られるよう取り組むということですが、都民に説明責任を果たせるような形で、基本的には情報公開であるということを念頭に支援を検討していただくことを要望いたします。
 十二月の質疑でも質問をいたしましたが、そのときには、財団において、公募など透明性の高い手法を検討するという答弁がありました。
 改めて、スポンサー募集に当たっては、東京二〇二〇大会での経験を踏まえて、いつからどのような形で行うのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上においては、スポンサーの確保に当たって、世界陸上財団が直接選定する方式を採用しており、一月に、入札を行うための公募を開始しております。

○田の上委員 世界陸上においては、スポンサーの確保に当たって、直接選定をする方式を採用しているというご答弁でありました。また、プロポーザル方式等ではない競争入札ということでありました。
 電通は、東京五輪の入札談合事件により、二〇二三年二月から二〇二四年八月八日まで入札停止の措置を受けていますが、広報、マーケティングを含む運営に関して、広告代理店の選定は、いつどのように行うのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団においては、契約、調達に当たって、都に準じた仕組みを導入しており、適切に対応していくものと認識しております。

○田の上委員 時期の詳細はご答弁にありませんでしたが、契約、調達に当たっては、財団においても、都に準じた仕組みで行うということであります。
 東京二〇二〇大会に言及し、談合に関与したとされる大手広告代理店の採用はするべきではありませんが、見解を問いますというような質問を十二月にいたしましたが、そのときには、評価点数を減じる仕組みがあり、また、その仕組みを厳正に構築するよう求めていくというような旨のご答弁でありました。
 他局にはなりますけれども、都庁第一庁舎を使ってのプロジェクションマッピングでは、電通一〇〇%出資の電通ライブが運営を担当していました。
 評価点数を減じる仕組みは、一〇〇%出資の子会社には適用されないのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団においては、都に準じて、過去に指名停止を受けた事業者の評価を減じる仕組みを導入していると聞いております。

○田の上委員 都に準じる仕組みで行うということで、指名停止を受けた事業者の評価を減じる仕組みということでございますので、電通本体にしか適用されないということかと思います。
 一〇〇%出資の電通ライブについて、ネット上では批判が大きくなっております。制度の課題は財務局が所管なのかもしれませんけれども、子会社であれば、一〇〇%出資であっても、評価の減点もなく、停止もなく入札ができるというふうになれば、今後、何か不祥事が起こったときの公募の抜け道になってしまう可能性があります。
 都民から見て疑われることのないよう選定をしていただきたいと考え、財団にも都から助言をしていただくことを要望いたします。
 次に、高校授業料実質無償化についてです。
 来年度予算では、高校無償化は、私立校では六百億円、都立校では四十一億円減となっています。予算から見ると、高校無償化は私立高校助成策であることが明確であります。
 次の百年は、人口減少、少子化の時代です。
 二月の一般質問では、米川議員が、国の就学支援金に上乗せする私立高校授業料の負担軽減について世帯の所得要件を撤廃することで、私立高校への依存度が高い東京都では、今後、確実に高校生の数が減っていく中で、かつての都立高校への学校群制度の導入以上に都立高校の衰退をもたらし、現在でも定員割れをしている都立高校の統廃合を加速するのではないかと危惧しているというふうに述べました。
 そこで、教育無償化が定着する中で、二十年、三十年、五十年後の私立高校の生徒数をどのように推計しているのか、伺います。

○戸谷私学部長 私立学校は、建学の精神に基づいて、それぞれの学校が個性的で特色ある教育を行ってございます。
 その運営や教育活動については、それぞれの学校法人や学校が判断すべきものであることから、都として長期的な生徒数の推計は行ってございません。
 なお、高校授業料の実質無償化は、私立高校の運営に対する助成策ではなく、保護者の経済状況にかかわらず、子供たちが安心して学ぶことができる環境を実現するために、保護者の教育費に係る負担軽減を行うものでございます。

○田の上委員 いつものご答弁で、私立学校は、建学の精神に基づき、それぞれの学校が判断するべきものであるというようなお話でありました。また、都として長期的な生徒数の推計は行っていないということでありました。また、私立学校の運営に対する助成策ではなくて、保護者の負担軽減によって子供たちが安心して学ぶ環境を整えるということが目的であるということであります。
 今回の授業料の実質無償化については、運営側への支援ではなく保護者への支援だから、未来の推計はしないということだというふうに理解をいたしますが、都が来年度、私学振興に支出する予定の金額は二千七百十二億円超であり、そのうち経常費補助が千二百六十八億円超であります。
 関係者が要求すれば閲覧できるというふうにはなっていますが、経理の公開は、学校任せでほとんどされておりません。
 これまでにも、都は、私学に対して大変大きな金額で支援をしてきました。来年度はさらに大きくなります。
 今後、私学でありながら、東京都のコントロールが全く及ばないままで、そのままでいくのか、それとも方針などを含めて都立の補完というふうになっていくのか、それとも高等教育を全て私立に任せていくのかなど、教育の方向性を都として考えていくべきであり、要望されたものを支出していくだけのノープランではいけないというふうに思っております。
 学校経営は、五年という短期的な視野ではできません。二十年、三十年、さらに五十年、百年という長期の視野が必要です。
 子供の数が減少していけば、少人数教育を充実して学校経営をしていくことも考えられますが、人口減少の中では教員の数も減少していきます。
 遅かれ早かれ、高等学校の統廃合が避けられないというふうに考えますが、私立高校の統廃合についてどのように対応するのか、その将来ビジョンについて伺います。

○戸谷私学部長 私立学校は、私人の寄附財産等により設立され、運営を自律的に実施しております。
 また、建学の精神に基づき、それぞれの学校が個性的で特色ある教育を実施してございまして、私立学校の運営や教育活動は、それぞれの学校法人や学校が判断すべきものでございます。

○田の上委員 こちらについても、それぞれの学校法人や学校が判断すべきものであるというようなご答弁でありました。都の関与が大きい以上、このまま将来ビジョンについても何もしないということでいいのでしょうか。意見を申し上げます。
 公私を問わず、高等教育においては、普通科偏重の高校教育を見直して、生徒の個性を引き出すことができる多様なコースを提供できるように組み替えていくべきだと考えますが、総合教育会議における将来ビジョンについて伺います。

○戸谷私学部長 私立学校は、建学の精神に基づき、それぞれの学校が個性的で特色ある教育を実施してございまして、私立学校の教育活動は、それぞれの学校法人や学校が判断すべきものでございます。
 総合教育会議は、知事と教育委員会が教育政策の方向性や重点的な施策等について協議、調整する場でございまして、必要に応じてテーマを選定し、開催するものでございます。

○田の上委員 偏差値至上主義教育に固執することなく、これは私立も都立も同じだと思うのですが、教育に関わる方の価値観の転換が必要だと考えます。
 また、少子化時代の私学と都立学校をどのようにしていきたいのか、総合教育会議などで意見をまとめていくべきです。都も、しっかりとした教育の将来ビジョンを持つべきであると意見として申し上げます。
 次に、青少年健全育成審議会についてです。
 東京都青少年健全育成審議会は、知事が東京都青少年の健全な育成に関する条例第十八条の二の規定に基づき、青少年を健全に育成することを目的として、図書類、映画等、玩具類、刃物及び広告物について推奨、指定または措置命令をするに当たり、世論の代表として適切な審議を行い、もって公正な意見を述べるために設置した知事の附属機関であるとされています。
 不健全図書の指定が該当するか、また優良映画の推奨などを決める合議体でありますが、審査会ではなく、審議会である理由について伺います。

○村上若年支援担当部長 知事は、条例に基づき、不健全図書類の指定や優良映画の推奨等に当たり、東京都青少年健全育成審議会の意見を聴取することとなっております。
 この審議会は、知事の恣意的な判断を防ぐため、第三者機関の客観的な意見を聞くことにより手続の公正を期すことを目的としております。

○田の上委員 第三者機関の客観的な意見を聞くことにより手続の公正を期すことが目的の審議会であるというご答弁でありました。
 現在、調査、審議事項に関しては非公開とされており、全てが公開になっていません。
 審議会であれば、全ての時間において傍聴が可能ではないかと考えますが、見解を伺います。

○村上若年支援担当部長 本審議会は、不健全図書としての指定が決定する前の段階で、その図書類の名前が公開されることにより、出版社に不利益をもたらすおそれなどがあるため、非公開としております。

○田の上委員 指定が決定する前の段階で図書類の名前が公開されることによる不利益があり、非公開であるというようなご答弁でありました。指定されなかった場合でも名前が事前に出てしまうことで、図書発行事業者等の名誉、利益を害する場合があるということかと思います。
 審議会にかかっている図書が特定されないためには、ブックカバーをするなど工夫をすれば、公開も可能なのかと思います。また、それで図書が特定されないかどうか、試行的にオンラインの公開をしていくことも考えられます。
 審議会の運営要領には、審議会は公開で行うものとする、ただし、図書類の指定等、調査及び審議に係る部分については、審議会の決定により非公開とすることができるとされています。
 私も委員をしていたことがありますので、期の初めに決定していくことを記憶しております。
 基本は、情報公開であると考えます。公開をすることで、都民の判断ができるようになります。
 一方、非公開にするためには、個人のプライバシー保護、企業秘密保護、法令等による公開禁止などの原則があります。現状の非公開から公開に向けて、何が障壁となるのか、解決できないものなのか、具体的に検討していただくことを要望いたします。
 これまで、不健全図書という名称について陳情が出された経緯もあります。不健全であり、健全ではないという言葉はとても強く、指定をされることで大きなダメージを受けるという声も聞きます。
 青少年健全育成審議会の調査時間はとても短く、その中で委員の主観により健全か不健全かを決めることは、委員にとっても荷が重いものではないでしょうか。
 青少年健全育成条例では、十八歳未満の青少年の健全な育成を阻害する図書類を不健全な図書類として指定しています。
 そこで確認をいたしますが、これらの指定された図書類は、成人に対して不健全であるという意味を持たないということでよいでしょうか。

○村上若年支援担当部長 都による図書類の指定については、少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書類が青少年の目に触れ、また、青少年がこれを容易に購入などすることのないようにするためのものでございます。

○田の上委員 青少年というのは十八歳未満というふうに定義しているんだと思いますので、条例上、十八歳未満を対象としていることであり、十八歳以上にとっては不健全ではないということでいいですかね。答えられますか。

○村上若年支援担当部長 委員ご指摘のとおり、青少年健全育成に関する条例におきましては、青少年とは十八歳未満を対象としてございます。

○田の上委員 つまり、十八歳以上は対象ではなく、十八歳以上にとって不健全図書ということはないということだと思います。
 しかしながら、不健全図書という名称は包括的に聞こえます。成人に対しても不健全であるという認識を持たれています。
 不健全以外の別の名称を検討するべきだと考えますが、見解を伺います。

○村上若年支援担当部長 青少年の健全な育成を阻害するものとして都が指定する図書類については不健全な図書類としており、この表現は、条例の目的に照らして適切なものと考えております。

○田の上委員 あくまでも条例上は適切であると。条例には、そうやって書いてあるということであります。不健全な図書類と表現されているというようなご答弁でありました。
 私は、青少年の成長段階によって、知ってしかるべきものもあると考えますが、一方で、小さい子供、小学生などが安易に何でも手にできる状況はよいと思わず、最低限の区分はあっていいと思っております。
 しかしながら、健全か不健全かという大きなくくりは、不健全に指定された場合の影響が大変大きいというふうに聞いております。例えば、映画などではR18などの表示があります。図書においても、区分けとしての工夫がもっとできるものというふうに考えております。
 改めて名称の変更を検討していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

○鈴木委員 よろしくお願いします。
 初めに、公衆浴場支援について伺わせていただきたいと思います。
 「未来の東京」戦略 version up 二〇二四によりますと、都内のキャッシュレス決済比率は、二〇二二年の時点で五四・一%となっており、二〇二六年には六〇%、二〇三〇年には八〇%という目標が掲げられております。
 銭湯においても、来年度、キャッシュレス決済導入促進事業を新たに実施するとのことでありますが、本事業の内容について、まず伺わせていただきます。

○片岡消費生活部長 本事業は、キャッシュレス決済導入に伴う経費負担やデジタル機器の操作への不安等の理由により、都内銭湯にキャッシュレス決済が浸透していない現状を踏まえまして、決済機器を新たに導入する場合の費用の一部を助成するとともに、導入に係る研修なども行うものでございます。
 こうした取組によりまして、利便性向上と若者などの新たな利用者層の開拓を図りまして、銭湯の利用促進につなげてまいります。

○鈴木委員 こういった取組によって、幅広い、若者も含めて利用する機会の方が増えることを期待しております。
 東京都観光産業振興実行プランによりますと、訪日外国人旅行者数は、水際対策緩和以降、回復基調が鮮明で、二〇二三年十二月は、コロナ前の二〇一九年同月を上回る水準となっているとのことであります。
 江戸から続く日本の大事な文化である銭湯をインバウンド向けにPRできるいい機会と考えておりますが、一方で、入浴マナーを知らないことで、ほかの利用者、まさに常連客の方、そういった方々が困るというようなことがないような配慮も非常に大切だと思っております。
 来年度は、東京を訪れる観光客向けに、銭湯の魅力発信・利用促進プロジェクトを新たに実施するとのことでありますが、改めて、その取組内容について伺わせていただきます。

○片岡消費生活部長 このプロジェクトは、外国人観光客数が回復してきた機を捉えて、観光資源として潜在的な魅力を持つ銭湯を広く国内外に発信することで、さらなる利用者の呼び込みにつなげることを目的としております。
 国内外からの観光客や海外メディアに東京の銭湯をPRするとともに、都内銭湯の割引入浴クーポンを配布いたします。
 あわせて、銭湯におきまして外国人の受入れ体制整備が進むよう、入浴マナー等についての多言語表記やレクチャーの実施、おもてなしマニュアルの作成などを行う銭湯に対しまして支援を行います。

○鈴木委員 外国人観光客には、日本の伝統文化体験や日常生活体験が非常に人気があると仄聞しております。このプロジェクトを通して、東京を訪れた外国人観光客に、銭湯という文化への理解を深めていただくことを期待しております。
 次の質問に入ります。
 障害者のスポーツ振興について伺わせていただきます。
 我が会派は、身近な地域で障害者がスポーツに取り組めるようにする環境整備の一つとして、これまでも特別支援学校の活用拡大を求めてまいりました。
 特に体験教室については、予約不要で出入り自由とすることで参加のハードルを下げたり、文化プログラムを取り入れることでスポーツに関心のない方の参加のきっかけとなるよう取り組むなど、工夫を重ねていることを確認してまいりました。
 一つ目の質問に入ります。
 この特別支援学校を活用した事業の来年度の取組について伺います。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、特別支援学校の体育施設を活用して、身近な地域でのパラスポーツの場の充実を図っており、令和六年度は、未実施区の二校を対象校に追加して三十三校とし、工事中の一校を除いた三十二校で実施いたします。
 体験教室につきましては、障害の有無にかかわらず、誰もが参加できる教室を引き続き実施するほか、来年度は、障害種別に、特有の悩みやニーズを踏まえたプログラムを充実させてまいります。
 例えば、バランスを取ることが苦手な傾向のある知的障害者を対象に、リズム体操やダンスなどを取り入れます。
 また、けがの後遺症等により体を動かすことに不安がある方には、理学療法士からストレッチの指導を受けた上で、ボッチャ等のスポーツに取り組んでいただくこととしております。

○鈴木委員 実施校もまた増やしていただくということで、また、体験教室も、ニーズに応じて様々な選択肢を用意していくということで、今後も、障害当事者の声を聞いていただいて、工夫を重ねて、さらなる努力をしていただきたいと思います。
 次に、運動習慣定着支援事業について伺わせていただきます。
 この事業については、昨年三月の文教委員会で、令和五年度から、福祉施設を対象に指導者を派遣して、運動の習慣化やスポーツ施設利用のきっかけづくりに取り組む事業を新たに始めるとの答弁をいただいておりまして、その後、十一月の事務事業質疑でも取組状況を確認したところであります。
 私の地元である台東区の福祉作業所も一か所対象となっており、この取組の意義は、都がモデル的に実施したその成果を発信することで、多くの地域で同様の取組が行われ、障害者がスポーツに取り組める環境が都内に広がっていくことだと考えております。
 そこで、運動習慣定着支援事業の本年度の成果と、それを踏まえた来年度の取組について伺わせていただきます。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、今年度、福祉作業所等十二施設を対象に、施設内や近隣の体育館において、利用者の障害特性に応じた運動プログラムを提供してまいりました。
 福祉施設職員からは、作業所内で定期的に運動を楽しむようになった、利用者がボッチャ教室に参加した等の声があり、運動の習慣化や地域のスポーツ活動への参加につながる事例が確認できたところでございます。
 来年度は、こうした成果を取りまとめた事例集を福祉施設や自治体等に周知し、運動に取り組む動機づけやノウハウ等の普及を図ってまいります。
 また、対象を六施設増やして十八施設にするとともに、地域のスポーツ団体等にプログラムへの関わりを促し、地域での運動指導の担い手が増えるよう取り組んでまいります。

○鈴木委員 来年度は、対象とする施設を増やし、事業を継続していくとの答弁をいただきました。障害者や福祉施設の状況は様々ですので、今後も多くの事例を蓄積し、都内のほかの福祉施設や自治体にも普及を図っていただきたいと思います。
 次に、防犯カメラの設置補助の拡充について伺わせていただきたいと思います。
 我が会派といたしましても、防犯カメラは、その整備を契機に、地域の見守り活動の活性化や地域防犯力の向上に大きく貢献するものであるとして、その設置促進に尽力してまいりました。
 そこでまず、都による区市町村への補助により町会、自治会等が設置した防犯カメラの設置台数の実績について伺わせていただきます。

○米今治安対策担当部長 都の区市町村を通じた補助により町会、自治会、商店街等が設置、更新した防犯カメラは、今年度末累計で約二万五千台でございます。
 その内訳は、町会、自治会等約一万九千台、商店街等約六千台でございます。

○鈴木委員 東京都は、来年度予算において、町会、自治会等の防犯カメラ設置補助率の引上げを計上しております。
 この補助率の引上げについては、東京二〇二〇大会の直前にも、地域の防犯力を一層高めるために町会、自治会、商店街等が新規に設置する防犯カメラに対して補助率を引き上げているところでありますが、今回の補助率引上げに関しまして、防犯カメラの引上げのその理由について伺わせていただきます。

○米今治安対策担当部長 地域防犯力の向上を図る上で、防犯活動の担い手である町会、自治会等の地域団体の見守り活動が重要でございます。
 地域団体による防犯カメラの設置、更新を迅速に推進するため、刑法犯認知件数の増加など、現下の厳しい治安情勢を踏まえた緊急措置として、来年度から三年間、設置費用の補助率を引き上げ、地域団体の負担を軽減いたします。
 町会、自治会等が本事業を有効に活用できるよう、今後も、区市町村と密接に連携し、地域の見守り活動等の活性化を図ってまいります。

○鈴木委員 町会、自治会等の防犯活動を支援する取組については、引き続き、これからも進めていただきたいと思います。
 地域における防犯力向上のためにも、今回の防犯カメラの補助率引上げについて、できれば、これは三年間といわず、これからもずっと継続していただきたい、そのように思っております。
 実際に私の町会等でも、防犯カメラが六個かな、設置させていただいているんですけれども、これが、もともとは警察立会いの下でつけさせていただいて、また、何かあったときには警察−−私たち、町会の人が勝手に見ることは基本的にはできないような形になっております。
 これを年間を通して、やはり一年間のコストもかかります。その設置の補助もいただいて、うちの町会もつけさせていただいたのですけれども、これはやはり、一応、町会も警察等に協力しているというような認識がありますので、何というんでしょうね、個人情報保護の観点から、録画映像の閲覧、外部提供の範囲を、カメラを設置する町会、自治会が運用基準を作成して定めているということは承知しているんですけれども、設置後の活用についてというのが、やはりメンテナンスとかもいろいろあるわけですけれども、ある程度の金額がやはり町会によって負担になっている。
 お金がない町会もやはりあるわけですので、できれば、ただとはいいませんが、こういった高い補助率の部分を続けていただければ、より町会も協力しやすいのかなと思っております。
 また、どこかでカメラを取り替えたりする金額もまたかかってしまいますので、今回のはそういった部分にも使えるということで、できれば、三年といわずに、これからもこういった形で続けていただければ大変ありがたいなと。そういったことを、できればお願いさせていただいて、要望して終わらせていただきます。
 以上です。

○たかく委員 それでは、私の方から質問させていただきます。
 最初に、体育施設条例の改正について伺います。
 私の地元にあります駒沢オリンピック公園総合運動場の体育館は、一九六四年の東京オリンピックにおいて、レスリングの競技会場として使用されました。
 その後も、バスケットボール等、様々なスポーツの全国大会などの会場として、あるいは地元の学校の体育祭、また区民のスポーツイベントなど、身近なスポーツの場としても利用されております。
 多くの人が利用する施設の利用料金が改定されるということですので、今日は、その内容について、三点お伺いさせていただきます。
 まず、条例の利用料金について、その設定の考え方についてお伺いいたします。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 条例の利用料金の上限額は、社会経済情勢などの変化に対応し、受益者負担の適正化を進めるために、原価計算に基づく受益者負担調査を実施し、類似施設の利用料金等も勘案しながら設定いたします。
 原価計算は、施設を管理運営する上で直接必要となる経費として、人件費、維持管理費及び施設の減価償却費を基に算出しております。

○たかく委員 今のお話ですと、原価計算に基づいて受益者負担調査を実施していると。それで、利用料金というのは、施設の運営に関わる経費、いわゆる人件費、維持管理費、減価償却費を基に計算を出しているということでありました。
 次に、この料金の改定ですが、なぜこのタイミングで行われるのか、伺います。駒沢公園の体育館ではどういった変化があったのかも含めて、ご教示お願いいたします。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 条例料金は、指定管理者を選定する年度の前年度、または施設の改修や改築などにより原価や利便性に変化が生じた場合に受益者負担調査を実施し、この結果を踏まえ、必要に応じて改定いたします。
 駒沢オリンピック公園の体育館につきましては、今回、改修工事を実施し、利用者の利便性の向上が図られることなどから、改めて原価計算を行い、それに基づく利用料金に改定するものでございます。

○たかく委員 駒沢公園の体育館は、昨年四月から休館となり、現在も改修工事を行っております。その改修において利便性が向上するとのことでありますが、その内容は、利用者にとってプラスになるものでなければなりません。
 今回の改修工事により、具体的にどのように施設の利用者サービスが向上するのか、伺います。

○永井スポーツ施設担当部長 改修工事では、老朽化したアリーナ床の全面更新や省エネ型空調への更新など、施設全体をリニューアルいたします。
 また、映像や照明機器等を設置できる、つりバトンを新設し、利用者の多様なニーズに応えるとともに、車椅子に対応したエレベーターや観客席を増設いたします。
 今後も、スポーツ振興の拠点として、より使いやすい施設となるよう、改修工事を着実に進めてまいります。

○たかく委員 この駒沢公園の体育館は、都民のスポーツ振興の拠点であると同時に、地域から親しまれる施設であります。改修工事後の開館に当たっては、料金の改定に見合うよう、利用者サービスをさらに充実していただくことを要望しておきます。
 さて、この駒沢オリンピック公園は、二〇二五年のデフリンピックの競技会場にもなります。
 次に、デフリンピックにおける情報保障の取組について伺います。
 二〇二五年のデフリンピック大会は、当然のことながら、これまで以上に、音声情報と同じ内容を、できる限りタイムラグなく、多面的に文字として、情報として伝えていける大会とすべきであります。
 その点、大画面だけで文字情報を伝えていたのでは、何かと制約が残り、不便性も解消されないと思います。試合観戦上に必要な情報だけでなく、緊急時の観客の誘導などの点においても、大画面の前ではなく、例えば、手元のスマートフォンなどで情報や案内、試合解説を入手できるようにすべきと考えます。
 デフリンピックでは、聴覚障害のある方が多数来場することが見込まれるため、情報保障環境の整備が必要であり、競技会場内の情報保障の充実をすべきと考えますが、見解を伺います。

○清水事業調整担当部長 デフアスリートをはじめとした聴覚障害者が海外からも多数集まるデフリンピックにおきましては、情報保障を充実していくことは重要であります。
 このため、都は、大会に向けて、国際手話人材の確保に努めるなど、円滑にコミュニケーションできる環境整備を進めております。
 加えて、競技会場において、観客がスマートフォンでスムーズに競技の情報を取得できる技術の活用など、東京二〇二〇大会でも使用された、音声情報を多言語で文字化する取組についても検討してまいります。

○たかく委員 今の答弁では、様々な技術を用いながら競技会場内の情報保障の取組を検討していくとのことでありました。
 さて、こうした取組を実現する技術について、私は昨年十一月に、デジタル技術を活用して言語を見える化し、聞こえる、聞こえないにかかわらず、誰もがつながることができるコンセプトカフェ、みるカフェの視察に行ってまいりました。
 カフェでは、入店から注文、スタッフとの交流、会計まで、デジタル技術を活用し、聴覚障害者、聞こえないスタッフと円滑なコミュニケーションを図ることができました。
 このカフェでは、音声、また、キーボードで入力した内容を透明ディスプレー上に表示できる技術や、手話をテキストに変換できる技術など、新たなコミュニケーションの取組を学ばせていただきました。
 一方で、みるカフェに来訪された方の中には、機器の使い方についても戸惑う場面が見られるなど、発展途上の技術ゆえの課題も同時に認識した次第です。
 技術を活用したデフリンピックの情報保障の充実に向けては、様々な場面で実際に技術を活用するなど、丁寧に検討を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 都はこれまで、大会における情報保障技術の活用を検討するため、デフリンピックのエンブレムの発表や、大会二年前の取組である、みるカフェなどにおいて、様々な技術の実証に取り組んでまいりました。
 来年度は、四月から五月にかけて開催されるSusHi Tech Tokyo 二〇二四のショーケースプログラム等へ技術を出展し、来場者に体験してもらう予定であります。
 加えて、大会に向けて実施される各種競技大会のほか、各局が実施するイベントなどにおいても技術を積極的に活用し、実証を積み重ねてまいります。

○たかく委員 しっかりと検証を進めていただいて、すばらしい大会をつくり上げていただきたいことを要望して、次の質問に移ります。
 次は、スポーツを通じた健康増進事業について伺います。
 二〇二五年の大会に向けてスポーツ機運が高まることも期待されるところでありますが、この機会を捉えた都民の健康増進も大変重要と考えます。
 東京都はこれまで、社会人などの働き盛り世代の運動の機会が急減した令和三年度から三年間、アーバン・フィットネス事業を展開しており、我が党は、率先して視察や提言を重ねてきたところであります。
 このアーバン・フィットネス事業については、フィットネス産業団体と連携し、オフィス街等で開催された催しであり、フィットネスマシンの使用体験や運動能力測定、さらには、有名インストラクターによるレッスン体験や体力に応じた効果的な運動アドバイスなどに多くの都民が訪れ、好評を博しました。
 社会人を対象にした運動継続の取組は、介護や医療といった社会保障の増大を抑える効果も期待でき、極めて有意義な取組と考えます。
 東京都は、本事業の成果を総括し、都内の区市町村が同様の取組を意欲的に展開し、本事業の効果が都内全域に及ぶよう推進を図るべきと考えますが、見解を求めます。

○齊藤スポーツ担当部長 都は、フィットネスクラブ等と連携し、働き盛り世代を主な対象として、継続的な運動につなげるきっかけを提供する事業を実施してまいりました。
 この事業の成果も踏まえ、来年度から、区市町村が都と連携して健康増進に資する事業を実施する場合、補助率を三分の一から二分の一に引き上げます。
 また、新たに、都も地域のイベント等に十回程度出展し、体力測定などの機会を提供してまいります。

○たかく委員 事業実施に当たっては、地域のスポーツ資源であるフィットネスクラブも有効活用するとともに、区市町村との連携を進め、都民の健康増進を図るよう取り組んでいただきたいことを要望して、次の質問に移ります。
 次は、私立高校生の海外留学支援について伺います。
 今年二月に行われました都立高校生の海外派遣研修成果報告会に私も参加いたしました。発表された生徒さんからは、多文化共生を学ぶことができた、世界には多くの価値観があり、それを体と心で知ることができた、言葉は通じないものの、新しいことに挑戦する勇気をもらった、自ら積極的にコミュニケーションを取ることができたなどの報告がありました。
 この都立高校の高校生の報告を聞いて、感受性豊かな高校生時代に、このような海外での体験を得ることは、非常に価値あることと感銘いたしました。
 資源が限られた日本において、人材育成こそ最重点であります。特に、高校生の頃から海外における交流を経験し、国際感覚を醸成することは、将来、世界で通用する人材の育成につながるものと考えます。
 海外での交流を経験することだけでも得られるものはもちろんありますが、一定期間、現地の言葉で学習し、現地の生徒たちと交流することが、国際感覚を磨く意味で大切ではないかと考えます。
 都は、都内の私立高校に在学する生徒に対して、私立高等学校海外留学推進補助により留学する生徒を現在支援しておりますが、この補助制度の意義、そして内容について、改めて伺います。

○戸谷私学部長 都は、都内の私立高校に在籍している生徒が、豊かな国際感覚や語学力を身につけ、世界で活躍するグローバル人材として成長することを目的といたしまして、私立高等学校海外留学推進補助を実施しているところでございます。
 本補助制度は、私立高校が責任を持って実施する海外留学プログラムに生徒が参加する場合、留学プログラムの参加費用や航空運賃などの一部を助成し、保護者の費用負担を軽減するものでございます。
 なお、補助の目的とする効果を高めるために、おおむね三か月以上の長期の海外留学を対象とするほか、期間に応じた補助額を設定してございます。

○たかく委員 今回、令和六年度予算案においては、この補助制度の拡充が予定されております。
 これまでの制度の拡充経緯、そして今回の拡充内容について伺います。

○戸谷私学部長 都は、より多くの私立高校の生徒が留学の機会を得られるように、これまでも、この海外留学推進補助制度を拡充してきてございまして、予算額については、利用実績を踏まえて、平成二十九年度以降、ほぼ毎年増額をしてございます。
 学校ごとの補助上限額につきましては、平成二十七年度に同一高校での留学者が多かったことに鑑み、五百万円から六百万円に引き上げてございます。
 また、平成二十九年度には、留学に係る経費の増加を加味し、六百万円から六百六十万円に引き上げてございます。
 来年度は、新型コロナウイルスも終息し、各学校における留学機運が高まっていることから、補助上限額をさらに引き上げ、八百万円といたします。

○たかく委員 ありがとうございます。今の答弁では、各学校における留学の補助上限額を引き上げて八百万円にするということで、今回、各校ごとの補助上限額が増額されることを評価させていただきます。
 今後も、より多くの私立高校生が海外でしっかりと学ぶことを後押しするために都が取り組んでいただくことを期待して、次の質問に移ります。
 次に、東京文化戦略二〇三〇について、何点か伺います。
 二〇二〇年から新型コロナ感染症が拡大、多くのアーティストや芸術文化を支える方々が厳しい状況下に追い込まれました。コロナ禍の中で、東京都は、アートにエールを!東京プロジェクトを立ち上げ、幅広い芸術文化活動を支援してまいりました。
 芸術文化は、人々の心を癒やし、日々の生活にはなくてはならないものであると考えます。
 私の地元の世田谷区の下北沢では、演劇やライブハウス、古着屋などで有名で、全国、また海外からも多くの若者が集まってきております。
 その下北には、演劇のまちと呼ばれるほど多くの劇場があって、毎年二月に下北沢演劇祭が開催され、多くの演劇ファンが集まってきております。
 しかし、コロナ禍の中では、対面での活動を自粛せざるを得ない状況がずっと続いて、オンラインでの舞台配信も続いておりました。
 コロナ感染症が昨年五月に五類に移行しましたが、その後も、リアルでの鑑賞に加えてオンラインでの配信も必要との声を、下北沢の地域の演劇関係者からお声をいただいております。
 都民の鑑賞、参加機会を増やす上からも、演劇などの舞台公演のオンライン配信に対してもさらなる支援をすべきと考えておりますが、見解を伺います。

○蜂谷文化振興部長 現在、演劇などの舞台公演では、オンライン配信が広く行われております。
 小規模な演劇団体などの公演活動を支援する東京ライブ・ステージ応援助成をはじめとしまして、都の各種の助成制度では、オンライン配信に必要な経費も助成の対象経費としております。
 今後とも、助成制度の適切な運用や周知を通じまして、オンライン配信を含めた多彩な芸術文化活動を支援してまいります。

○たかく委員 下北沢で活動する演劇団体の中には、将来、活躍が期待されている新進若手の人たちも多くいらっしゃいます。活動を継続し、新たな創作をしていくための資金の確保に苦労していることも聞いております。
 東京の芸術文化を振興していくためには、都が、その担い手となる、こうした新進若手アーティストを資金面から支援していくことも必要と考えます。
 東京都では、活動歴三年未満のアーティスト等を対象に、制作費などの資金を援助するスタートアップ助成を実施しており、大変多くの申込みがあるとのことで聞いておりますが、このアーティストのニーズに応えた取組はさらに必要かと思います。
 このスタートアップ助成について、さらに制度をブラッシュアップし、新進若手アーティストたちがより利用しやすい制度にしていくべきと考えますが、見解を伺います。

○蜂谷文化振興部長 都では、活動歴の浅いアーティストや芸術団体等がチャレンジする新たな芸術創造活動を支援するため、スタートアップ助成を実施しております。
 令和三年度に予算額六千五百万円で開始いたしまして、令和四年度からは一億円に増額いたしました。個人は三十万円、団体は百万円の範囲内で対象経費の全額を助成しております。
 本年度から、より円滑に申請できますよう、オンラインによる受付としたところでございまして、来年度は、助成決定後の報告書等のオンライン化を進めるほか、申請受付期間を長くするなど、一層利用しやすくなるよう工夫を行ってまいります。

○たかく委員 このスタートアップ助成事業は、多くの個人、また団体が希望しているものの、聞くところによりますと、採択率、申込みで通る率は二〇%程度ということで、八割の個人、団体の人が採択に至っていないということであります。
 来年度は予算額が増えないということでありますから、スタートアップ事業をしっかりとこれから拡充できることを求めさせていただきます。
 この助成事業を通じて活動を支援する取組も重要でありますけれども、演劇関係の多くの皆様からは、演劇には必要不可欠な稽古場が不足しているとの声も届いております。
 特に、若手アーティストや小規模劇団等に対して、継続的な創作活動を支援するために、低廉な料金での創作活動の場の提供が求められております。
 都は、そうしたニーズを受けて、都有施設や都営住宅などの空き施設を活用した創作環境の提供を行ってきていると聞いております。
 そこで、こうした稽古場等の創作場所を提供する取組をさらに拡充させていくべきと考えますが、見解を求めます。

○蜂谷文化振興部長 都は、若手アーティスト等の持続的な活動を支援するため、創作環境をサポートする取組を進めております。
 平成二十二年には、舞台芸術の創造活動を支援するため、都立高校の旧校舎を活用した東京舞台芸術活動支援センター、通称水天宮ピットを開設いたしまして、多くのアーティストに稽古や交流の場として利用されております。
 また、今年度から、都営住宅等の空き店舗をアトリエとして貸し出す取組、START Boxも開始したところでございます。
 今後も、演劇をはじめ、様々な分野で活躍するアーティストが継続的に創作活動ができますよう、他の遊休施設等の活用も検討してまいります。

○たかく委員 今、答弁では、様々な遊休施設の活用を検討していただけるとのことで、今後、さらなる拡充、充実を期待しております。
 アーティストの活動環境を充実するという意味では、施設に限らず、公共空間の幅広い活用が検討できます。先ほど、他会派からの質問にもありましたが、都内には多くの工事現場があり、こうした場所もアーティストの活動環境として活用が期待されるところであります。
 都は、誰もが身近にアートを楽しめる環境の創出やアーティストの活動領域の拡大に向け、工事現場を活用した魅力創出プロジェクトは、まちなかアートを展開することとして、公共空間の活用としては有効な取組と考えます。
 そこでお聞きいたします。
 具体的に、この工事現場を活用したアートプロジェクトは、どのような工事現場で、どのような人にどのようなアートを創出してもらう予定なのか、予算額と併せて伺います。

○蜂谷文化振興部長 まちなかアートの展開は、都民とアートとの接点を充実させるとともに、アーティストの活躍の場の拡大にもつながるものと考えております。
 そこで、来年度より、都内各地にある工事現場の仮囲い等を活用いたしまして、アーティストたちによるアート作品を掲出する事業を開始することといたしました。
 令和六年度の予算額は九千六百万円となっており、都有施設や民間の工事現場で七か所程度の実施を予定しております。
 まちの景観にも配慮しながら、住民に親しまれるアート空間の創出を目指してまいります。

○たかく委員 アーティストの力を借りて、東京のまちをアートで楽しめる空間にしていく、その空間で都民に芸術文化を提供していくことは、誰でもどこでも気軽に芸術文化に触れることができる場の提供となります。
 今後、さらなるアーティストが活躍できる体制をつくっていただきたいことを求め、私からの質問を終わります。

○とや委員 日本共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からも、資料のご提供、ありがとうございました。お礼申し上げます。
 私からは、浴場支援、痴漢被害実態調査、そして芸術文化について、三テーマ、伺っていきたいと思っています。
 まず、浴場支援についてであります。
 銭湯は、都民の公衆衛生とともに、健康増進、また住民相互の交流など、福祉の向上に重要な役割を果たしております。また、日本の伝統文化を継承、発信する存在として、その文化的価値を楽しむ人々が増え、また、スポーツ愛好家や観光客などからの注目も高まっています。
 この間、日本共産党都議団は、二〇一六年と二二年には振興条例を提案し、その後も、本会議や委員会での質問、申入れなどでも支援を求めてきました。
 東京都も、東京都公衆浴場活性化支援事業をはじめ、浴場の事業継続への支援を進めてきています。
 しかし、お聞きしましたら、都内の銭湯は、この条例提案をした当時からもまた減っていまして、昨年十二月現在、四百四十四軒と、減少傾向に歯止めがかかっていません。私の地元も、今年に入って、一軒廃業をするとお聞きしていました。
 さらに、コロナもあって、また、物価、燃料高騰の影響は今も収まっておらず、経営は一層厳しさを増しています。
 来年度の予算案には、観光客向け銭湯の魅力発信・利用促進プロジェクトが盛り込まれました。
 その中で、先ほどもお話がありましたが、国内外への公衆浴場の魅力発信と割引入浴券を提供するということですが、この割引入浴券発行の目的と、見込んでいる効果についてお答えください。

○片岡消費生活部長 このプロジェクトは、外国人観光客数が回復してきた機を捉えて、銭湯を広く国内外に発信することで、さらなる利用者の呼び込みにつなげることを目的とし、観光客や海外メディアへのPRや、銭湯による外国人の受入れ体制整備の支援、ホテル等の宿泊客への割引入浴モバイルクーポンの配布を行います。
 クーポン配布によりまして、東京を訪れた観光客に都内銭湯に足を運んでもらうきっかけとし、利用後、SNSや口コミ等で銭湯の魅力を拡散してもらうことを期待しております。

○とや委員 銭湯を国内外に発信をする、そして利用者の呼び込みにつなげる。
 この中身を聞きますと、都内のホテルに宿泊するとクーポンがもらえるということです。この事業は、これはこれで、銭湯の魅力が国内外に、国外とかにも発信されて、世界の人々に行ってみようかなという気持ちになってもらうということがあって、大事だと思います。
 私もビジネスホテルに泊まりますから、多くの観光客らしき外国の方々、若い人たちも含めて、本当にわいわいがやがやしていて、そういう人たちが銭湯の魅力を知って、銭湯に行ってもらえればいいかなということは思います。
 一方で、じゃ、地元の人たち、地域で暮らしている人たちはどうなのかということを考えると、今回の事業だけで本当にいいんだろうかと思うわけです。
 都は、都民にも銭湯にも喜ばれてきた一〇一〇クーポン事業を終了としました。この一〇一〇クーポン発行によって、今まで銭湯に行ったことのない人、これまでも行ってきたけれども、クーポンのポスターを見て、しばらく行っていないけれども、また銭湯に行ってみようと、そう思った人たちもいて、得した感があって、大変喜ばれておりました。銭湯にとっても、メリットがかなりあったんじゃないかなと思います。
 実態は、一回五百二十円の入浴料というのは、都民にとって−−観光客の人たち、たまに行ってみようかなという人たちは、それほど負担には感じないと思うんですが、それが日常となるとかなりの負担になるので、地域の人たちにも、この一〇一〇クーポンは喜ばれていたと思っています。銭湯好きの若い人たちにとっても魅力的で、ふだん行かない銭湯に行ってみようということになったわけです。
 今回の外国人観光客向けのクーポンのことですが、銭湯を知ってもらい、リピーターになってもらうということですが、私は、今お話しした一〇一〇クーポン、こちらの物価高騰、燃料高騰に対応するとしたクーポンは、本当に大事で、長期的な銭湯ファンをつくるためにも重要だったんじゃないかなと思います。その役割が一〇一〇クーポンの方にあったというふうに思うんです。
 そこでお聞きしておきたいのですが、一〇一〇クーポンの実施状況を確認します。

○片岡消費生活部長 東京一〇一〇クーポン事業は、令和四年度と令和五年度に実施しております。
 令和四年度につきましては、原油価格高騰の影響を受けた浴場の経営支援のための緊急対策として行ったもので、七月から約半年間、無料モバイルクーポンを配布いたしました。約十二万回の利用がありまして、経費は約九千万円でございました。
 令和五年度は、より一層の新規利用者開拓とリピーター定着を目指して、百円で入浴できる割引クーポンとしまして、十一月下旬から約一か月配布を行いました。約二万回の利用がありまして、経費は、組合の補助申請時点での額で約二千四百万円でございます。

○とや委員 無料のモバイルクーポンは、目標十二万回でしたが、七月から一月二十二日の六か月で目標を達成したということです。
 また、一回百円のクーポンも、帰ってきた一〇一〇クーポンとして発行し、目標の二万回は、十二月に開始し、その月の二十三日には目標を達成しています。
 物価高騰で、銭湯を、例えば週五回から三回に減らした人など、また、若者も行ってみようという気持ちにさせる取組だったのだと思います。しかし、こうした取組を銭湯独自にすることはできません。
 そこで伺いますが、一〇一〇クーポン実施事業としてどうだったのか、都でも聞き取りをしていると思いますが、どのような声がありましたか。

○片岡消費生活部長 東京一〇一〇クーポン利用者に行ったアンケートによりますと、これまで銭湯に行ったことがない方々からも、銭湯が好きになった、また行きたいという声が数多く寄せられ、新規利用者開拓につながったことが確認できました。
 また、浴場主に行ったアンケートにおきましては、若者やファミリー層の来店者が増えたという回答が多く見られました。

○とや委員 この銭湯支援事業は、ホテルに泊まらなくても、都立のスポーツ、文化施設に寄ることでクーポンをゲットでき、物価高騰で悩む銭湯にとって顧客を増やす機会となったと思います。また、東京都にとっても、施設の利用者を増やし、知ってもらういい機会となったと思い、メリットがあったと思います。
 一〇一〇クーポンは、リピーターも銭湯の利用者も増やすという優れた効果があったんじゃないかと思っています。
 物価高騰は今でも続いており、銭湯の経営を支えるというのであれば、この事業は、さらに拡大してでも続ける必要があったのではないかと思います。
 そもそも銭湯は、年間、銭湯自体も、皆さん、ご苦労されながら努力もされています。変わり湯だとか、各種イベントなどで工夫をして、利用者増のために努力をしていますが、例えば、今回のように、新たなプログラムだとかクーポンを発行しての事業は独自にできるものではありません。
 この事業は、二二年度は、無料で十二万回ですから、入浴料が六千万円ですね。二三年度は、百円自己負担で二万回で、八百四十万円です。
 入浴料以外にどのような経費がかかったのか、教えてください。

○片岡消費生活部長 東京一〇一〇クーポン事業は、東京都浴場組合が実施する利用促進事業に要する経費を支援したものでございます。
 入浴料のほかに、具体的には、QRコードを掲載したポスターの作成やクーポン配布に係るシステムの運用、広報等に要する経費でございます。

○とや委員 そうすると、事務経費は、二二年度が大体三千万かかってくることになります。そして、二三年度は一千五百六十万円かかったことになります。
 来年度の事業も同じだと思いますが、この種の事業は、組合独自でも銭湯独自でもできず、東京都が補助してこそできる事業だと思います。
 先ほどいいましたけれども、私の地元練馬でも、一軒、銭湯が廃業されたんですね。後継者不足と、老朽化した設備を修繕するにはとても高額で、諦めるしかないということでありました。本当に残念でなりません。
 今でも、公衆浴場は物価高騰で経営難を抱えているところも多いです。
 新しい事業とともに、一〇一〇クーポンは来年度も実施していただきたいと思いますが、いかがですか。

○片岡消費生活部長 東京一〇一〇クーポン事業は、原油価格高騰の影響を大きく受けました銭湯の経営を支援するために、緊急対策として実施したものでございます。
 なお、来年度は、東京に観光客が増えている機会を捉えて、観光客を対象に、利用促進事業において新たな取組を開始することとしており、その一環として、割引入浴モバイルクーポンによる銭湯の体験キャンペーンを行う予定でございます。

○とや委員 割引入浴クーポン、観光客向けのクーポンが悪いといっているわけじゃなくて、やっぱり原油価格の高騰というのはまだまだ続いているわけで、直接応援するような事業を残すというのも一つの手じゃないかなということを申し上げているんですよ。
 今年は、お正月から能登の地震があって、甚大な被害を受けています。特に水道の復旧工事が長期化して、現地の人たちは大変な困難に直面をしています。
 久しぶりにお風呂に入れて本当にうれしいという現地の声も聞こえてきましたが、銭湯は、震災時の水の供給や、入浴の機会を避難している人たちに提供できる貴重な施設でもあります。
 多面的な役割を持つ銭湯を今後も守って、文化の発信拠点としても重視していただいて、定期的にクーポン発行事業などを行っていただきたいと申し上げて、次の質問に移ります。
 痴漢の被害実態調査についてです。
 痴漢をはじめとした性暴力、性加害、被害ゼロを目指す取組と性教育でありますが、まず痴漢の実態調査です。
 東京都は、初めて痴漢被害の実態調査を行いました。生活文化スポーツ局の都民安全が事務局として今回の調査に当たっていただきましたが、調査対象、信頼できるエビデンスも得られ、画期的な調査だと思います。
 調査結果で、女性の四五%、男性の九%、ノンバイナリー、Xジェンダーの三六%が痴漢被害に遭ったことがあるという深刻な状況が分かりました。
 調査結果では、電車内や駅構内での被害経験は、年代別に見ますと、十九歳以下では全体の二七%。最初に受けた被害で、電車内と答えた人のうち、高校生三六・五%、中学生は一一・七%、小学生も五%いました。駅構内で被害に遭った人は、三一%が高校生、中学生は八・一%、小学生は八・六%でありました。
 非常に深刻だなと私は思ったんですが、まず確認ですが、この調査を行うことにした理由をお答えください。

○米今治安対策担当部長 痴漢は、被害者に身体的、精神的な苦痛を与える卑劣で許し難い犯罪であります。
 都は、既に痴漢撲滅プロジェクトに取り組んでおり、痴漢被害の実態及びその傾向を把握し、具体的な対策につなげるため、調査を実施いたしました。

○とや委員 痴漢は、SNS上でも痴漢祭りなど呼ばれ、受験シーズンあるいは夏休みなどに多発し、被害者は泣き寝入りが多いです。そして、加害者は、何の罪の意識もなく犯罪を行っているという実態が明らかになってきています。そのため、実態と傾向を把握し、具体的な対策を行うための調査だと。これは、本当に大事だと思うんですね。ぜひ、この調査を活用して痴漢のない東京にしてほしいと思います。
 そして、痴漢をなくしていくためには、対症療法だけでなく、起きたときにどうするかということだけでは不十分だということで、有識者からのコメントが出ています。私も読ませていただきましたが、今回の調査結果も、有識者のコメントも今後に生かすことができるものだと思いました。
 そこで、今後の取組について伺っていきたいと思います。
 有識者からは、若年層への包括的性教育の普及促進が痴漢防止への意識醸成へとつながるとのコメントがありました。
 包括的性教育というと聞き慣れないかもしれないのですが、世界中の研究とそのエビデンスを基にして効果的なプログラムで構成されている国際セクシュアリティ教育ガイダンスというものがあって、質の高い包括的なセクシュアリティー教育を提唱しています。
 健康と福祉を促進し、人権とジェンダー平等を尊重し、子供や若者が健康で安全で生産的な生活を送ることができるようにすることを目的としています。人権を基盤に、性についてのポジティブなイメージを育ててほしい、これがこのガイダンスの考え方です。
 包括的性教育が、性感染症やHIV、エイズの予防、予期せぬ妊娠やリスクの高い性行動の抑制、性と生殖に関わる健康面の増進、性的な異性関係における自己の権利に関する知識の獲得、性や関係性についての親とのコミュニケーションの増加、リスクの高い状況への対応力など、極めて有効であることを示して、各国における効果的なカリキュラムを開発し、包括的性教育を実施するよう促しています。
 先日、予算委員会でもこの問題を取り上げて、包括的性教育について、有識者の提言であり、プロジェクトチームで共有とお答えになりました。
 実態調査結果が示された後、プロジェクトチームの会議や打合せなどは行われましたか。そこでは、どのようなことが話し合われているでしょうか。お答えください。

○米今治安対策担当部長 痴漢被害実態把握調査の結果につきましては、公表に先立ち、プロジェクトチームにおきまして、内容の確認や情報共有を行いました。

○とや委員 公表に先立ちということで、お聞きしたところ、昨年十二月に開いたということです。つまり、公表後はプロジェクトチームを開いていないということなんです。
 さっきもいいましたが、毎年、受験シーズンや夏休みに痴漢が多く出現し、SNS上では、あしたはJK、女子高校生ですね、痴漢しまくっても通報されない日です、入試は遅刻厳禁だから女子高校生を痴漢し放題、センター試験は絶好の痴漢日和です、受験生は試験に間に合わないと困るので、声を上げないから痴漢し放題などと、卑劣で無神経な言葉が多く流れてきます。痴漢は卑劣な犯罪だということを社会に認知させる必要があると思います。
 この間、私ども都議団も、東京都への申入れや、国にも要請をしてきました。国に要請した際、感じたことは、まだまだ各省庁によって痴漢の認識に温度差があるということを感じているんです。
 東京都でも、やっぱり共通認識をつくってほしいなと思っていて、早急にプロジェクトチームを開催し、都でも各局が共通認識を持ち、対策を検討することが重要だと考えます。
 痴漢加害、被害をなくしていくため、各局それぞればらばらに検討するのではなく、今後、プロジェクトチームとして情報を共有し、課題を整理し、対策の具体化をするべきと考えますが、いかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 痴漢撲滅プロジェクトチームにおきましては、各局の取組や情報を共有し、キャンペーン等に関する意見交換を行うなど、相互連携を図っております。

○とや委員 相互に連携を図っていただいているのは、よかったと思うんですよ。だけれども、私がいっているのは、東京都が初めて実施した痴漢実態把握調査を生かす立場から質問しているんですね。
 公表したままにしないで、もっと重視して、分析して、具体化を早急に図るべきだと考えます。この調査の重みを、せっかくやったわけだから、もっともっと認識してほしいと思います。
 長期にわたって深刻な影響を及ぼす痴漢被害ですが、被害に遭ったとき、第三者が対応を取れば九三%が止まったという結果も出ています。
 都営地下鉄では、より幅広い層への普及啓発を図るため、東京都立大学の学生の意見を取り入れた新たな痴漢対策ポスターを作成しました。このポスターは、昨年の一月から、都営地下鉄等の駅構内や車内で掲出しています。
 ピンクのポスターには、車内非常通報器を押して助ける、二番として、スマホアプリを見せて助ける、三番として、声かけで助けるの三通りの助けるがイラストで分かりやすく表示されていました。
 ほかのシンプルなポスターも、最近は見かけるようになりました。女性専用車両も、朝のラッシュ時のみですが、設置されるようになりました。大きな前進だと思います。
 しかし、アクティブバイスタンダーが行動することによって、九三%も痴漢を止めることができるということは、恐らく、ほとんどの都民は知らないと思います。このことを、もっと多くの都民に知ってほしいと思うんです。
 交通局や各鉄道会社と連携し、アクティブバイスタンダーを増やしていく取組、これが求められていますが、どのように取り組みますか。

○米今治安対策担当部長 都は、現場に居合わせた方の行動変容を促す動画の配信やキャンペーンなどを引き続き実施いたします。

○とや委員 本当に素っ気ないんですよね、答弁がね。たかくさんと比べても。
 都営地下鉄等における痴漢対策では、交通局は、車内の防犯カメラの設置だとか、痴漢撲滅キャンペーンの実施だとか、駅係員の巡回等を継続に行うと。昨年度からは、受験シーズン等に独自の対策強化期間を設けるということで、痴漢を目撃した場合の対処方法を例示したポスターを掲示するなどの取組が行われているのは分かっています。
 そして、この間、私たちは、JRや京王電鉄だとか、申入れを行ってきたわけですが、都営だけじゃなく、JR、各私鉄会社とも連携し、どの会社の電車に乗っても安心という環境をつくってほしいと思うわけです。
 そして、痴漢に遭ったとき、どうするかです。
 調査結果では、痴漢被害は誰にも相談しない、連絡していないとの回答が、被害直後では六割強になっています。痴漢が許し難い犯罪行為であることを認識してもらうと同時に、被害後すぐに連絡等をしてもらえるような環境整備が重要であること、加害者の顔を見ていなくても被害を連絡できること、連絡の意義があることなどの周知活動が重要であるとの有識者のコメントもあります。
 どのように取り組みますか。

○米今治安対策担当部長 都は、痴漢撲滅プロジェクトのホームページで相談窓口を案内するとともに、キャンペーンなどにおきまして、実演劇の実施や呼びかけ等の普及啓発をしております。

○とや委員 今年一月六日から二月二十五日で痴漢撲滅キャンペーンを実施したということですが、期間中は、都内各所で啓発動画とか啓発グッズの配布、初日には、サナギ新宿でキックオフイベントも開催したとお聞きしました。ぜひ、キャンペーン期間中だけでなく、日常的に取組を強化していただくよう求めます。
 痴漢撲滅に向けて、東京都から様々な広報媒体を活用して動画で流すことも重要ですが、取組、活用状況について教えてください。

○米今治安対策担当部長 都は、痴漢撲滅キャンペーン期間中、鉄道事業者等の協力を得て、電車内や駅構内で動画を配信しました。
 加えて、現在もユーチューブで動画を配信しております。

○とや委員 このユーチューブ、私、拝見させていただきました。二か月前から二本ぐらい見たのですけれども、昨日も拝見しました。昨日の時点で配信動画の再生回数は、一本目が九百九十八回、二本目が四百八十回なんですよ。
 都のユーチューブチャンネルにしては、ちょっと少ないのかなと思うんですね。二か月流して四百八十回というのは、ちょっと少な過ぎるんじゃないかなと思いました。
 アクティブバイスタンダーがテーマのものなど、せっかくつくったわけだから、ぜひ都民にもっと見てもらいたいので、もっと広報に力を入れて、都民に広く知らせていただきたいと思います。これはぜひお願いしておきます。
 痴漢実態調査の中には、相談支援機関からのヒアリングの実施もあります。意見を見ますと、性暴力や犯罪被害を主たる対象とした相談窓口に対して、痴漢被害を相談していいのかとのちゅうちょが被害者にあるということでした。
 現在、痴漢被害の相談窓口はどのようなものがありますか。

○米今治安対策担当部長 痴漢被害の主な相談窓口としましては、東京都性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター、東京都若者総合相談センター、若ナビα、東京ウィメンズプラザ等がございます。

○とや委員 確かに、痴漢撲滅キャンペーンのホームページのページのところに、相談先としてあるのを私も確認させていただきました。痴漢撲滅キャンペーンの相談先、幾つかあったのですけれども、しかし、そこをそれぞれ開くと−−警視庁は別ですけれども、痴漢と書いてあるから。でも、警視庁というのは非常にハードルが高いです。
 ですから、それ以外のところとなるんだけれども、そこを開くと、相談ページには痴漢の相談もできることが分からないです。
 これは改善した方がいいと思いますが、いかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 各相談窓口では、女性や若者等が抱える様々な相談に対応しており、その相談対象には、当然に痴漢被害も含まれております。

○とや委員 若ナビαを開いてみました。そうすると、相談事例として、仕事がうまくいかず体調が優れない、何をやってもうまくいかない、全てがつらい、息子が大学を中退したいといい出した、娘が引き籠もっている、万引きをやめられない、正社員になりたい、こういう相談事例でありました。ここに痴漢や性暴力の相談事例はありません。
 実際に若ナビαでは、痴漢被害の相談というよりも若者の悩み全般であり、これでは相談できないです。
 ウィメンズプラザの相談のところを開けますと、配偶者からの暴力、それからもう一つは、夫婦、親子、生き方、職場の人間関係となっており、しかも十八歳以上。これ、若ナビαも十八歳以上ですよ。
 今回問題になったのは、やっぱり小学校、中学校、高校生、この辺の十代の子供たちに対する痴漢被害なんですよ。これじゃ相談できないですよ。
 ですから、唯一、ワンストップ支援センターが性暴力という言葉を使っているわけですね。痴漢撲滅キャンペーンのページだから、当然、痴漢被害も相談に乗れるというのは、ちょっと乱暴じゃないかなと思います。本当に乗れるのであれば、そのことをそれぞれのホームページに書き込まないと駄目ですよ。
 被害者が勇気を振り絞って、ウィメンズプラザや若ナビαに電話をしたら、ほかを紹介されたなどということがあっては絶対ならないと思います。これはぜひ改善してください。強く要望しておきます。
 相談機関からの意見もありました。若年層は電話相談の心理的ハードルが高く、SNSでの相談が適しているとの意見が寄せられています。
 ぜひこの辺りも、拡充、検討してはいかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 東京都若者総合相談センター、若ナビα等でLINE相談を実施しております。

○とや委員 LINE相談も十八歳以上なんですよ。だから、痴漢の被害は小学生から高校生まで幅広い、その層に−−今回のコメントだって出ているでしょう。十代を対象群として捉えると出ていたわけですよ。
 コメントを見ますと、痴漢被害のリスクが高い若年層、とりわけ十代を、痴漢被害から守る対象群として明確に位置づけ、重点的に教育、啓発を進めていくことが必要といっているではありませんか。
 夫からの性暴力とか会社の人間関係の相談ではないんです。本気で痴漢をなくしていく、若年層の被害をなくしていく、後々まで傷を残さないために、本気で取り組む姿勢がもうちょっとあってもいいんじゃないかなと思います。改めて、相談先やLINEでの相談については設置、拡充を求めておきます。
 痴漢撲滅に向けた社会的合意の形成の方向性では、痴漢の発生場所である電車内での広報が重要との意見が見られました。若年層への周知に関しては、SNS動画による広報の効果が高いことが指摘されたとありました。これらも併せて強化を求めておきます。
 そして、来年度からの取組についてです。
 来年度も被害実態調査に取り組む予算が計上されていますが、どのような調査をしますか。

○米今治安対策担当部長 調査の詳細につきましては、今後検討してまいります。

○とや委員 これから考えるということでしたら、ぜひ考えていただきたいのは、日本若者協議会の皆さんが、大江戸線の女性専用車両の導入によってどれほど痴漢が抑止されるのか、利用者の感想についての調査が不十分な状況であること、また、女性専用車両に対しては、一部に反対の声があるのも事実だとして、女性専用車両の導入の効果について、大江戸線の女性専用車両を利用している方の声を集めることで、この車両の実態や、痴漢などの性加害に対する抑止力や改善点などを知りたいとアンケート調査を行うそうです。
 都としても、女性専用車両の導入や、あるいは、それだけじゃなくて、動画や様々なコンテンツ、アクティブバイスタンダーがどれだけ増えているかなど、ぜひ対策の効果を来年度の予算で調査をしていただきたいと求めておきます。
 性加害についても深刻です。
 都において、性加害に対する更生プログラムを実施すべきですが、いかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 国は、更生保護法に基づき、保護観察対象者を対象に性犯罪再犯防止プログラムを実施しており、今後とも国の動向を注視してまいります。

○とや委員 国の動向を注視するということであります。説明を聞きますと、確かに、国がもう少し整理すべき課題があるのかなというのは私も思いました。
 その一方で、例えば福岡県では、独自の条例を定めて、再犯防止専門プログラムの実施や社会復帰のための就労等の生活自立支援、問題行動を是正するための専門医療機関などの紹介を行っています。
 また、大阪府は、地域再犯防止推進モデル事業として、性犯罪者に対する心理カウンセリングを行いました。性犯罪を犯した者のうち、心理カウンセリング等により、矯正施設に収容されなかった大阪府内居住者のうち、心理カウンセリングを希望した十四名に対して、臨床心理士による心理カウンセリングを実施しています。
 こうした事例も参考にしていただいて、ぜひ加害者更生についても、都として取り組んでいただきますよう、お願いをしておきます。
 痴漢加害のターゲットになりやすい電車通学の中学生や高校生、生活文化スポーツ局が所管している私立学校についても伺いたいと思います。
 文科省が、痴漢の被害について、昨年三月、都道府県や私立学校主管課に通達を出していますが、どのような内容ですか。

○戸谷私学部長 国においてまとめられた痴漢撲滅に向けた政策パッケージのうち、特に各学校において留意すべき点について整理をしたものでございます。
 具体的には、学校における安全確保、安全教育の実施や、痴漢被害に遭った児童生徒等への対応について、学校への周知等を求めるものでございます。

○とや委員 この通達を国が出したのは、ここ数年、先ほども申し上げましたが、受験シーズンを狙った痴漢の加害、被害が起きて、市民の声と世論もあって動いたのだと思います。
 私立学校については、受験シーズンの痴漢の加害、被害はどのような対応をしていますか。教えてください。

○戸谷私学部長 都としては、この国の通知、児童生徒等の痴漢被害への対応についてという通知を各学校に周知をしているところでございます。
 私立学校における受験の取扱いについては、各学校が定め、適切に対応するものでございます。

○とや委員 今日もそうだったんですけれども、私学の質問をすると、いつも、各学校が定め、適切に対応するものというふうな答弁になってしまうんですけれども、せっかく出たこの実態調査、私立学校の方には結果を知らせていますか。ちょっと教えていただけますか。

○戸谷私学部長 私立学校に対しては、この通知のほか、国から何回か通知が出てございますけれども、その都度、こうしたものをしっかりと伝えてございます。

○とや委員 いや、今回の痴漢の実態調査の結果を知らせましたかと、今お聞きしたんです。それはどうですか。

○戸谷私学部長 先ほど申し上げたとおり、都においては、同様の国の通知を各学校に周知しているところでございまして、今おっしゃっていただいた報告書については、当然プロジェクトチーム内で情報共有をしてございまして、都のホームページにも掲載をしているところでございます。

○とや委員 プロジェクトチームとして共有をして、ホームページにも掲載されていると。それは知っています。だけれども、私立学校には行っていないということですね。
 今回の調査結果をどう生かすか、本当に東京都が問われていると思うんです。痴漢被害は、先ほどもいいましたが、コメントには、十代を痴漢被害から守る対象群として明確に位置づけ、重点的に教育、啓発を進めていくことが必要といっているんですよ。この意味をきちんと認識してほしいです。
 調査を行ったのは都民安全ですが、実際に被害の対象は、この生活文化スポーツ局でいえば、主に私学部が所管している私立学校の生徒さんたちです。ホームページに掲載しているからいいなどという消極的な態度を改めて、私立学校に調査結果をきちんと知らせてください。私学の方でも、生徒を守るために知りたかった情報だという、そういう内容でもあると思います。
 今回の調査では、私立学校の取組や要望も紹介されていますが、これは全ての学校ではないし、また、都内の学校が新たに自前で痴漢予防プログラムを開発、推進、実施していくには労力がかかるから、行政のサポートが欲しいとも述べているわけです。
 高校生の六割が通っているのが私立学校です。そして、私立中学も含めて電車通学の生徒も多いです。
 ぜひ、痴漢の実態調査をきっかけにして、包括的性教育について受け止めていただき、広く私立中学、高校にも周知、広報すべきと考えますが、いかがですか。

○戸谷私学部長 包括的性教育は、有識者の提言として痴漢被害実態把握調査報告書に記載されてございまして、先ほど申し上げましたが、この報告書は、プロジェクトチームでも情報共有をしているほか、都のホームページにも掲載をしております。
 国におきましては、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切な行動を取れるように、生命(いのち)の安全教育についての手引や講義動画を作成してございまして、これらについて、所管部署を通じて各学校に周知するよう、国の方で求めております。
 都におきましては、この通知を、既に各学校へ周知しているところでございます。
 なお、私立学校における具体的な教育の内容は、私立学校の教育方針に基づいて決められるものでございます。

○とや委員 受験生を狙った痴漢の犯罪が社会問題となって、また、旧ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏によって、半世紀にわたって数百人に及ぶ子供への性加害も行われていました。子供たちを性暴力の被害者にも加害者にもさせないために、人権、ジェンダー教育としての性教育の推進は待ったなしです。
 恐らく、一部の私立高校を除き、ほとんどの学校で包括的性教育は実施されていないと思います。
 生徒が自分の体の権利を学び、自分の体も他人の体も大切にできる人権尊重の教育は、生命(いのち)の安全教育では、残念ながら無理があります。それは、国が生命(いのち)の安全教育を性教育として位置づけていないからです。
 ぜひ私立学校でも包括的性教育を実施できるように、情報提供と支援をしてください。強く求めておきます。
 痴漢被害の実態把握調査は、東京都が初めて本格的に取り組んだもので、先ほども申し上げましたが、画期的だと思います。また、有識者のコメントに包括的性教育という言葉が載ったのも、同じく画期的です。
 この結果を大いに生かしていただき、東京から最も身近な性暴力である痴漢加害、被害をなくす本気の取組を求めて、次の質問に移ります。
 芸術文化についてです。
 東京文化戦略二〇三〇に関連して、芸術文化の社会的、公共的役割について伺っていきたいと思います。
 東京文化戦略二〇三〇が来年度で三年目。予算案には、文化戦略実現の主な取組として、先ほども出ていましたが、ベイエリアにおける芸術文化イベントの実施、文化プログラム、工事現場をキャンバスとした東京の新たな魅力創出プロジェクトなど、新たな事業が示されています。
 また、子供たちの芸術文化への興味、関心を深める取組が、新規事業として七千五百万円盛り込まれました。
 この子供たちの事業、概要と目的についてお答えください。

○蜂谷文化振興部長 子供たちに芸術文化に触れられる機会を提供し、子供たちの創造性を育むため、オペラの舞台制作やファッションショーの運営体験、芸術系大学でのオープンキャンパス等を実施いたします。

○とや委員 一人一人の興味に応じて選択できる方法として、アートファンを増やし、担い手を増やすきっかけになるということです。
 日本は、最近は随分変化してきたと思うんですが、芸術文化というと、ヨーロッパなどと比べて、人々の暮らしから少し遠い感じがあります。これは事実だと思うんですね。
 芸術文化にかける国や行政の予算の振り向け方も違います。子供たち、若者にもっともっと芸術文化を身近なものとして感じてもらい、豊かな感性と創造力を培ってほしいと思います。
 特に、今回は子供に焦点を当てているんですが、学校に行くことをやめた子供たちなど、芸術文化に触れてもらいたいと思っています。
 東京都は、不登校などの実態調査結果を発表していますが、引き籠もって家から出られなかったり、他人とのコミュニケーションを苦手とする子供たちが参加しやすい環境をつくることが重要です。
 また、より多くの子供たちが参加しやすくするために、どのような取組をしますか。お答えください。

○蜂谷文化振興部長 様々な状況にある子供たちを含めまして、あらゆる子供たちが芸術文化に触れられる機会を提供するために、それぞれの興味、関心に応じて主体的に選択できるプログラムを実施いたしまして、より多くの子供たちの参加を促してまいります。

○とや委員 ぜひ、どの子も行きたくなるようなプログラムと、それから、利用料金はこれからということですが、低廉なものとを設定していただきたいと思います。
 都の取組の一つに、今、三月で、都立美術館、博物館、劇場、ホールでは、十八歳以下の人たちが気軽に芸術文化に親しんでもらえる機会としてWelcome Youthを開催しています。
 この間の実績について伺います。

○宮永文化戦略推進担当部長 歴史文化財団が実施しているWelcome Youth事業につきましては、春休みの期間を捉えて、令和五年三月十八日から四月二日まで、東京都美術館をはじめ、五施設において実施いたしました。
 約一万三千人の方々にご来場いただき、今後も続けてほしいなど、参加者から好評をいただいております。

○とや委員 このWelcome Youth、春休みだけということですけれども、やっぱり年間を通じて、あるいは、せめて夏休みも実施していただきたいと思います。
 私も先日、庭園美術館の四十周年の記念の旧朝香宮邸のAtoZに行ってきました。この日は、庭でシャンソンのコンサートも行っていて、非常に盛況でありました。
 庭の中の茶室の天井のつくりや、朝香宮邸当時に使用していた漆塗りのテーブルだとか、非常に美しく、きちんと保存されているのがよく分かりました。
 中に入ると、何というか、ぜいたくなつくりになっていて、びっくりしたのですけれども、何ですかね、レトロな建築様式は私は好きなので、全部見て回りましたが、家具や使用されているガラスのデザイン、タイルとか凝ったデザインで、当時の最高のものを使ったのかなと思われるような美術館でありました。東京で暮らし、学んでいる若い人たちに、一度は見てもらいたいと思います。
 ぜひ、先ほどもいいましたが、Welcome Youth、春休みだけじゃなくて、年間を通じて、あるいは夏休みなども実施していただくよう求めておきます。
 都の文化戦略では、若者にもっと芸術文化を身近に感じてもらう取組の一環として、都立文化施設の料金体系の検討に入るという記載がありました。
 検討状況を伺います。

○富岡文化施設・連携推進担当部長 指定管理期間の中間年を目安としました事業計画の見直しにおきまして、指定管理者であります東京都歴史文化財団から、今後、都立文化施設の子供、若者の料金体系の在り方について検討を進めるとの提案を受けております。

○とや委員 ようやく検討に入っていただけるということです。
 以前、私どもは、若者が低廉な料金で都立の文化施設を利用できるようにと条例提案をしました。その際、文化施設の利用料金を調べたのですが、国立美術館の場合、高校生及び十八歳未満は無料です。大学生は一般の半額と、より若い世代に配慮した観覧料となっています。
 また、他県の県立美術館も、高校生まで無料の美術館が少なくありません。フランスのルーブル美術館は、EU圏内の在住であれば二十六歳未満は無料です。都の政策連携団体である東京都交響楽団は、主催公演で二十六歳未満のチケットを半額にしています。
 美術館等の観覧料無料あるいは低く抑えることは、若い世代の鑑賞機会の拡大に大きな効果があると思います。ぜひ若い人たちが気軽に文化施設を訪れることができるよう、検討をお願いしたいと思います。
 ここからは、ちょっとワークショップのお話に移っていきたいと思うんですが、文化や芸術は、人々を楽しませるだけでなく、教育や福祉など多様な分野に波及効果をもたらし、よりよい社会づくりの原動力になるというふうなことが、この文化戦略の中にも示されています。
 全国各地で、社会的に孤立している青少年、在日外国人、高齢者などを対象として、劇団によるワークショップが取り組まれています。成果を上げています。
 例えば、文化庁の委託事業である日本劇団協議会のやってみようプロジェクトでは、演劇の手法が様々な社会課題解決に役立つ可能性があることが分かってきたとあります。
 このような取組は、文化戦略にある人々のウエルビーイングの実現に貢献することになると思います。
 都でも広げることが重要ですが、いかがですか。

○宮永文化戦略推進担当部長 都は、都立文化施設、幼稚園、学校、福祉施設等におきまして、アーティストと協働して取り組むワークショップをはじめ、多様な価値観を認め合う居場所づくりなど、ウエルビーイングの実現に貢献する様々な取組を行っております。
 引き続き、共生社会の実現に向けた様々な取組を実施いたします。

○とや委員 私がお話を聞いた例として、岐阜県のことがあるんですけれども、プロの演出家や俳優等を講師としてワークショップを実施することによって、自己表現を通じてコミュニケーション能力や自己表現力を向上させることを目的として、シアターゲームを行っているそうです。
 シアターゲームとはどういうものかといいますと、みんなでやる遊びだそうです。誰しも一度はやったことのあるマジカルバナナのような手軽な遊び、また、ミラーといって、対になって立ち、片方がゆっくり動いて、もう片方は、その動きを鏡になってまねをする、こうしたゲームをやりながら、演劇表現の手法を活用してワークショップを行っているそうです。
 このゲームのすごいところは、とことん他者受容。勝ち負けはどうでもよく、メンバーと遊べて最高に面白かったと、それぞれがそれぞれにリスペクトを持てるというものだそうです。
 身体能力向上にもつながり、もともと俳優のトレーニングとして活用されていた全身を使うゲームもあるということをお聞きしています。
 この岐阜県ですが、文学座と俳優の竹下景子さんが講師として協力をしていました。これは学校の取組なんですが、このワークショップを行うことによって、中途退学者が減ったり、生徒の自己肯定感が上がるなどの成果を上げています。
 都でも様々な取組を行っているとご答弁があったのですが、文化戦略にある、だれもが文化でつながるプロジェクトで、クリエイティブ・ウェルビーイング・トーキョープロジェクトがその一つ、障害のある人もない人も、そして海外にルーツを持つ人たち、誰もが文化施設やアートプログラムと出会って、参加しやすいように、文化芸術へのアクセシビリティー向上に取り組むプロジェクトとあるわけですが、どのような取組をしているか、昨年度の実績と併せて伺います。

○宮永文化戦略推進担当部長 都立文化施設では、芸術文化による共生社会の実現に向けて、アクセシビリティー向上や、障害者、高齢者、乳幼児などを対象としたプログラムを実施しております。
 昨年度は、音楽やダンスなどのワークショップや、世代、障害を超えて、誰もが楽しめる公演を実施いたしました。

○とや委員 東京には、他県にはない芸術文化の集積があります。これは本当に都民の宝だと思います。
 ワークショップについては、東京文化会館などの都立直営の施設で行うことと併せて、都内の劇団などの力を借りて、ワークショップの可能性をさらに広げてほしいと思います。いかがですか。

○宮永文化戦略推進担当部長 都は、都立文化施設、幼稚園、学校、福祉施設等において、ワークショップをはじめ、多様な価値観を認め合う居場所づくりなど、様々な取組をアーティストなどの協力を得て行っております。

○とや委員 最後に、ワークショップに参加することにより、文化や芸術に興味を持ち、鑑賞する機会が増える、将来の夢として一歩を踏み出すきっかけになってほしいと思いますが、ワークショップ参加者が、その後、芸術文化にアクセスしやすい環境をどのようにつくっていくのか、どう取り組むのか、お答えください。

○蜂谷文化振興部長 都は、芸術文化を「未来の東京」戦略にも位置づけますとともに、東京文化戦略二〇三〇を策定し、各施策に取り組んでおります。
 引き続き、これらの戦略に沿って、誰もが芸術文化に身近に触れられる環境を整えてまいります。

○とや委員 ありがとうございます。
 最初のところでも述べましたが、日本は、文化や芸術というと、いまだ経済的に豊かな人たちが楽しむものという印象もありますが、芸術文化における社会的包摂、これはすごく大事だと思って、この言葉を調べますと、社会的に弱い立場に置かれている人たちを排除するのではなく、包摂する社会を築いていこうという考え方。その対象は、障害者や高齢者、子供や子育て中の女性、経済的弱者やセクシュアルマイノリティーなど社会的に困難を抱える人など、様々なマイノリティーの人々が含まれるとあります。そのマイノリティーを、マジョリティーの基準にただ当てはめる、加われるようにするのではなく、違いのある人たちを違いを尊重したまま受け入れ、共に支え合う社会をつくることが目標とありました。
 ぜひ都においても、芸術文化をよりよい社会に貢献できるものとして、ワークショップなども取り入れながら、文化や芸術を公共的な、非常に価値あるものとして位置づけて、取組を強めていただくよう求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後六時三十四分休憩

   午後六時五十五分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○西崎委員 お願いいたします。
 初めに、町会・マンションみんなで防災訓練の事業について伺います。
 今定例会で、いろんな場所でかなり議論されておりますので、なるべく重複を避けながら伺いたいと思います。
 町会、自治会や共同住宅の住民間のつながりというのが希薄化しているということは、私の地元に鑑みても理解ができるところでありまして、私も町会側にいるわけですけれども、例えば、新しいマンションの建設があった際など、区とも連携しながら、あの手この手で呼びかけているんですけれども、やっぱり苦労があるということでございます。
 こうした中で、この合同防災訓練に意義があるということは、何となくは分かるんですけれども、具体的なイメージが少ししづらいなと思っております。町会や自治会の現状の防災訓練にマンション住民にも参加をしてもらうということは、今でもやっているわけでございます。
 そこで、この事業の特徴を少し明らかにするためにお聞きをしたいと思いますけれども、まず、お示しをされているのがコーディネーターを派遣するということなんですけれども、本事業において、予算の内訳と、そして、コーディネーターの派遣以外の支援についてどうなっているのか、伺います。

○柏原都民生活部長 本予算は、合同防災訓練の支援事業に係る委託費から成っておりまして、三十の町会に対するコーディネーターの派遣に係る経費のほか、訓練で用いる機材のリース料、動画作成費などから成っております。
 コーディネーターによる訓練実施の支援に加えまして、この動画を活用いたしまして、町会とマンションにおける共助の重要性について普及を行ってまいります。

○西崎委員 ありがとうございます。つまり、今回の合同防災訓練の事業として、まず、まるっと委託をして、この中にコーディネーターの派遣であるとか、また、今、訓練に必要な機材であるとか、あとは動画の作成費も含まれているということでございます。
 たしか先日の予算委員会かな、議論で想定が三十町会でしたかね、ごめんなさい、間違っていたらすみません。これを横展開していくような趣旨で、動画を作成して啓発していくというようなことも予定をしているということでございます。
 ここで改めて、都の狙いについてお聞きをしたいと思います。
 先ほども申し上げましたように、地域の防災訓練にマンションの住民が参加をするということは今でも行われているわけでありますけれども、私自身も参加していて、ちょっとリアリティーを感じづらいなという部分が、今、現状、感じています。
 すなわち、例えば初期消火の訓練で、消火器であったり、スタンドパイプであったり、D級またはC級ポンプを使う訓練というのは非常に行われているわけでありますけれども、じゃ、もし実際に大規模地震が発災をして、地域で火災が発生しているというときに、例えば、エレベーターが止まっているかもしれないマンションから住民が下りてきて、地域住民と一緒に火を消しましょうと。本当にそうなるのかなという、ちょっとリアリティーの部分で疑問があるわけでございます。
 もちろん、そうやって協力し合うのが理想的なんですけれども、延焼の危険性が低ければ、どうしても自分たちのことで、そのマンション内のことで手いっぱい、精いっぱいになるんじゃないのかなという疑問も少し感じるところでございます。
 そこで、この合同防災訓練について確認をさせていただきますけれども、本事業は、そうした有事の際にどういう効果を期待するものなのか、伺います。

○柏原都民生活部長 本事業では、災害が発生した際に、町会とマンションの住民が相互に助け合う関係の構築につながることを目的としております。
 関係が構築されることによりまして、避難の際に助け合うことや、所有する防災資器材やスペースを相互に融通し合う、こういった関係が構築されることが期待されるところでございます。

○西崎委員 関係の構築から、さらにそこから先に、避難の際の助け合いだとか、防災資器材ないしはスペースの融通というお話でございました。
 すると、じゃ、従前の防災訓練ももちろんそうなんでしょうけれども、今回の事業としては、どういう防災訓練が行われるということを想定しているものなのか、伺います。

○柏原都民生活部長 本事業は、町会とマンションの住民が一緒に行う炊き出し訓練や、町会とマンションの備蓄倉庫の場所や備蓄資材の確認などを想定しております。

○西崎委員 ありがとうございます。炊き出し訓練であるとか、備蓄資材、倉庫の確認ということで、そういうことからすると、先ほど少し事前に出しました、初期消火でどうこうというよりは、発災した後、助け合いに焦点を当てるというようなところがこの事業のポイントであるんだろうなというふうに受け止めました。
 すると、やはり、これからこの事業を、いざやろうといって呼びかけていく際に、相手が町会なのかマンションなのか、両方だとは思いますけれども、この狙いというものをきちんとクリアにしていかないと、今、実際に防災訓練等を担っておられる方々も、これはよく分からない、イメージできないということにもつながりかねないと思いますので、こうしたこの事業の狙いを明確にして、ぜひ呼びかけて実施をしていただくよう、地域の防災力、災害対応力の向上を図っていただきたいということをこの場では要望いたします。
 続きまして、スポーツについて伺います。
 昨年の事務事業質疑でも少し取り上げましたけれども、私は子供の野球チームの代表をしているものでありますから、どうしても競技スポーツへの関心というものが日頃強いわけでございます。
 ちょうど昨日から春の選抜高校野球がスタートいたしましたけれども、昨年も申し上げました、甲子園に出場する早生まれの子供は、四月から六月に生まれた子供の半分以下であるということを、その在り方や問題点について指摘をしたところでございます。
 ただ、今日、お聞きしたいのは、もう少しライトな、軽いスポーツや運動についてお聞きをしたいと思います。
 適度な運動を継続的に行っていくことが健康に資するというのは、誰もが、多くの方が認めるところであろうかと思いますけれども、やはり、さきのオリンピックやパラリンピック、また、今日も様々議論はありますが、来年の世界陸上やデフリンピック、これらは競うスポーツの大会でありますけれども、こうした世界的な大会の開催をきっかけに、多くの方が日常的にスポーツや運動に親しむようになる仕掛けを施すということは、やはり重要であろうかと思います。
 私の地元の目黒区でも、かつてオリ・パラに合わせて十キロの公道マラソン大会が開催をされたということもございまして、それまで運動を敬遠していたような方もジョギングを始めてみるかというような、そういう効果があり、現在、これは休止となっていますけれども、惜しむ声というものも耳にしています。
 そこで、そうした、いわゆる日常的なスポーツ、運動という観点からお聞きをしたいのですけれども、都は、都民のスポーツに関する状況を調べるためにスポーツ活動に関する実態調査を行っているかと思います。
 最新の調査が昨年の秋に行われて、三月下旬頃には、分析も含めて結果を公表するとされておりますけれども、現時点での結果についてお聞かせください。

○小池スポーツ総合推進部長 令和五年十月に実施いたしました実態調査では、速報値として、スポーツ実施率は六六・三%となっておりまして、現行のスポーツ推進総合計画を策定した平成三十年から五年間で九・一ポイント増加しております。
 調査結果では、この一年間に実施したスポーツや運動につきましては、ウオーキング、散歩が最も多く、七九・七%でございました。
 スポーツや運動を実施した理由といたしましては、健康維持、体力づくりのためが七七・四%となっております。

○西崎委員 ありがとうございます。計画策定期間の平成三十年から五年間で九・一ポイント、いわゆるスポーツ実施率が増加をしたということでございます。これはどこで切り取るかというのは難しいのですけれども、これ、十五年間ほどで見ると二〇ポイント以上増えているということで、非常に日常的にスポーツや運動をされる方が増えているということで、これは非常にいい結果なのかなと思います。
 今ここまで申し上げてきたように、健康維持であるとか、体力づくりのために、ウオーキングや散歩などの軽い運動をする方が多いという結果をお示しをしていただいたところでありますけれども、やはり、競技スポーツというものも一つの魅力がありますけれども、こうした日常的にスポーツを実施する方の割合が増えているということは非常に重要なことでありまして、心身の健康維持増進にとって、よい影響が期待されるものであるかと思います。
 今回、予算案の中でも、スポーツに関連して様々な事業が計上されておりますけれども、重要なのは、イベント等で単発で終わってしまうのではなくて、都民が継続的にスポーツや運動に触れていくための工夫というものが必要であると思いますけれども、今後のスポーツ実施率の向上に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。

○小池スポーツ総合推進部長 都はこれまで、スポーツ実施率の向上に向け、都民がスポーツに親しめるよう、スポーツ推進総合計画に掲げた様々な施策を展開してまいりました。
 来年度は、都民一人一人の好みに合ったスポーツを見つけられるよう、区市町村等とも連携した競技体験やアスリートとの交流などによりまして、スポーツの魅力に触れる機会を創出し、継続的なスポーツ実施につなげてまいります。

○西崎委員 ありがとうございます。様々、スポーツの魅力に触れる機会を提供していくということでございまして、ここで、来年の世界陸上であるとかデフリンピック、こうした大会も控えているということで、これについてお聞きをしようと思っていたのですけれども、今日は、かなり様々、質疑もありましたので、ここはちょっと割愛をさせていただきますが、さきの委員からもありましたけれども、やはり区市町村との連携というところを、ぜひ強化をしていただきたいと思っております。
 やはり区市町村ごとの取組、地域ごとに、結構、温度差があるようにも感じておりますので、ただ補助事業というだけでなく、主体的な取組を促進していくことであるとか、都と自治体の連携をさらに強化していただきたいということをこの場ではお願い申し上げます。
 次に、ここからは消費生活、消費者行政について伺ってまいります。
 まず、子供の事故予防、すみません、毎回しつこいようでありますけれども、子供の事故予防からSafe Kidsについて伺います。
 子供のけがを減らすためのプラットフォーム、Safe Kidsについては、昨年も運用の課題などについて議論をさせていただいたところでありますけれども、この間、Safe Kidsでは、例えば消費者からは、子供の顔の高さにある看板の危険性であるとか、もしくは、これは台湾の製品なんですけれども、ベランダからの転落防止ワイヤーの情報提供、こうしたものが投稿をされています。
 また、企業、団体からは、丸くて表面がつるつるしている食べ物の危険性の周知。私も先週、ウズラの卵について、この文教委員会で少し取り上げさせていただきましたけれども、ミニトマトであるとかブドウなども含めて、こうした食品に関する啓発の投稿が見られるということでございます。
 こうした情報交換によってプラットフォームの役割が果たされるということはすばらしいことである、本来の目的にかなうものであると思いますけれども、ちょっと最近、気になっているのが、子供政策連携室のこどもセーフティプロジェクトが始まったということでございます。
 これは別に、これはこれですばらしいものだと思うんですけれども、他局の事業になっちゃいますけれども、昨年十二月に開設されたこのサイト、こどもセーフティプロジェクトのサイトでは、事業者向け、保護者向け、それぞれコンテンツが分かれておりまして、かなり充実したつくりになっています。
 事業者向けには、安全な製品やサービスの参考のための情報であるとか都の支援制度の紹介、こんなものもございました。また、保護者向けにも、安全な住居や家具、グッズの情報、さらには、事故予防お役立ちツールのまとめというものも提供をされており、また、Safe Kids内の投稿と同じイベントの周知というものも見られるところでございます。
 このこどもセーフティプロジェクトのサイトの説明を見ると、子供政策連携室をはじめとした関係各局がそれぞれの役割を果たしながら、チームの一員として連携し、子供を事故から守る環境づくりに取り組んでいることも特徴の一つですという説明がございまして、生活文化スポーツ局もこのチームの一員であるということが明示をされているところでございます。
 同様に、東京都は、産官学民で連携しながら、エビデンスに基づいた事故予防策を展開し、子供にとって安全な環境づくりを進めていきますとも説明されており、これはまさにSafe Kidsが目指しているところなのかなというふうにも思えるわけでございます。
 つまり、何が違うかが非常に分かりづらいというふうに率直に感じております。
 他局の事業になるので、その部分は触れられないかもしれませんけれども、このこどもセーフティプロジェクトとSafe Kids、何がどう違うのか、お聞きをしたいと思います。いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 Safe Kidsは、製品等による子供の事故を減らすために、消費者と事業者、行政とをつなぐプラットフォームでありまして、都と民間団体が協働して構築し、運用は民間団体が行い、都はその運用を支援しております。
 消費者が製品の安全性に関する情報を気軽に投稿して、事業者がその情報を生かすという双方向の情報交流ができまして、また、企業からの製品PRや景品の提供など、民間団体による柔軟な取組も可能となっております。
 さらに、関係局と連携し、相互にリンクを張るとともに、子供に関する都の様々な取組を発信しております。

○西崎委員 今、Safe Kidsのプラットフォームとしての特性というものをご説明いただいたかと思います。双方向の情報交流であるとか、様々、製品PRなども可能だということで、その意義というものは分かりますし、また、関係局と連携ということも今お答えにあったところでありますけれども、やはり懸念をするのは、情報が分散してしまって、ユーザーにとって分かりづらくなったり、もしくは使い勝手が悪くなっちゃうということを少し心配しているところでございます。
 事業的には、別の局の別の事業ということでありますけれども、概念的には、Safe Kidsというのはこどもセーフティプロジェクトに包含されるものじゃないかと思うんですけれども、だとすれば、もうまとめちゃった方がいいんじゃないかというような意見も当然にあり得ると思うんですけれども、その中で、来年度も、Safe Kidsについては運用を支援する予算というものが計上されているわけでありますけれども、どのようにこの運用支援を行っていくのか、伺います。

○片岡消費生活部長 Safe Kidsは昨年度末開設しており、都は、認知度向上を図るため、イベントやSNS等で紹介するほか、保育所、幼稚園等への広報や、福祉局の出産・子育て応援事業と連携した周知、事業者向けの説明など、民間団体の運用を支援してまいりました。
 来年度も、Safe Kidsにより多くの消費者、事業者の参加を得るため、引き続き広報に努めるとともに、アクセス解析等を通じまして活発な情報交流を促進してまいります。

○西崎委員 今の情報交流の活発さというものが適切なのか、もっとあった方がいいのか、これはもう何というか、基準がありませんので、それについてとやかくいうつもりはありませんし、皆様の取組の趣旨というものは、もう十分に理解をしておりますし、応援をしたいという思いがあるんですけれども、私の思いの根底にあるのは、やはり都庁全庁的に子供の事故予防の周知に取り組んでいただきたいということであって、その中の一つがSafe Kidsであるというふうに思うわけでございます。
 そうすると、それぞれの局がばらばらにPRをしていくということも一つでありますけれども、一元化していくということも視野に入ってもいいのかなというふうに、今のこの二つ並んでいるものを見ると、正直、思ってしまうわけでございます。
 特に、Safe Kidsに関しましては、皆さんのご支援をいただいているということはありますけれども、運用する民間団体も不安を抱えながら取り組んでいるというのが現状でありますので、皆様の目的としている成果というものが、どのようにやったら効率的に得られるのか、これは引き続き検討いただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
 ここからもう最後の項に入りますけれども、今日的な消費者の課題について、二問伺います。
 まず、物流二〇二四年問題についてお聞きをいたします。
 いよいよ来月一日から時間外労働の上限規制が適用ということでございまして、今年でいわれる輸送力一四%の不足と見込まれるものをどうカバーしていくか、対策が求められているところでございます。
 予算案の中でも、各局で物流効率化の取組であったり、事業者への支援、もしくは都民の再配達削減への啓発という事業等が示されているものでございます。
 ただ、この問題は、行政や事業者による対策だけでなくて、消費者の意識改革なども求められているのではないかと思います。
 そこで、生活文化スポーツ局においても、消費者の行動変容に向けた働きかけを行うことが必要であると考えますが、見解を伺います。

○片岡消費生活部長 いわゆる物流二〇二四年問題への対応におきましては、消費者の物流に対する意識や行動の変化も求められていることから、消費生活情報誌、東京くらしねっとで、この問題についての解説や消費者が心がけたいことなどを掲載し、啓発を行っております。
 今後も、ホームページやSNSなどで都民への啓発を行ってまいります。

○西崎委員 ありがとうございます。問題ももう認識をしていただいて、これまでも広報されているということでございました。
 昨年は、消費者庁において、ネット通販などにおける送料無料という表示が適切なのか、九回にわたる意見交換会が行われたということもございました。
 今や、いわゆる物流の業界におきましては、三四%の輸送力が不足をされると見込まれる二〇三〇年問題、二〇二四年問題じゃなくて二〇三〇年問題なんだと、こういうふうに呼ぶ方もいらっしゃいます。
 もちろん、行政であるとか事業者の対策というものも求められるわけでありますけれども、引き続き、皆様からも消費者への啓発というものを強化していただきたいということを求めておきます。
 最後に、カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラについて伺います。
 都議会立憲民主党は、昨年の九月にカスハラ対策プロジェクトチームを会派内に設置いたしまして、条例制定に向けた議論を行い、また、本会議等で都にも求めてきたところでございます。
 この間、都は、検討部会を設置し、先月上旬に意見が示されたことを受けて、今定例会で条例制定に向けた検討を開始すると表明をしたところでございます。
 さきの検討部会におきましては、カスハラ防止のルールづくりにおける論点の一つとして、消費者による苦情を申し立てる権利との関係についてどのように整理することが必要かという項目が挙げられていたと承知をしております。
 そこで、消費者行政において、消費者が事業者に対して苦情を申し立てることについてどのように考えられているのか、伺います。

○片岡消費生活部長 消費者が事業者に意見を伝えることは、事業者の提供する商品やサービスの改善を促し、消費者自身を含め、多くの消費者や社会の利益につながるものでございます。
 一方、近年、行き過ぎた要求などが社会的な問題となっていることから、意見が適切に伝わるように、伝え方には留意が必要であると考えられます。

○西崎委員 ありがとうございます。今後のカスハラ対策条例に向けて議論をしていく前提ともいえる大事な見解をお示しいただいたものと思います。消費者が事業者に意見を伝えることは、消費者や社会の利益につながるものであるということでございます。
 カスハラ対策は急務である一方、消費者が正当な苦情であるとか意見をいいづらい環境になるということも、やはり避けなければなりません。
 何がカスハラで、何がカスハラでないのか、この線引きというのは非常に難しいわけでありますけれども、企業や労働者、そして消費者の間で社会的な合意が得られるよう、目指していくことが必要であると考えます。
 これから条例の検討に向かっていくということでありますけれども、そうした観点からいうと、消費生活部の皆様の役割、生活文化スポーツ局の役割というものも非常に重要であると思いますので、今後の取組に期待を申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○平田委員 まず初めに、報告事項のビジョン二〇二五アクションブックについてお伺いします。重複を避けて端的に伺いたいと思います。
 世界陸上、デフリンピックの両大会の成功やレガシー、こういったものをつくり上げるための指針となるのが、今般、都が作成したビジョン二〇二五アクションブックであろうと思います。
 そこで、ビジョン二〇二五アクションブックについて、その位置づけや内容、考え方をお伺いいたします。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務
ビジョン二〇二五アクションブックは、全ての人が輝くインクルーシブなまち東京の実現に貢献するという目標に向かって、両大会を通じて取り組んでいく方向性や主な内容などを取りまとめた指針であります。
 具体的には、両大会を都民のウエルネス向上等につなげる推しスポーツプロジェクトや、社会変革の推進力にするための十のアクションについて記載しております。
 今後、これらの内容を踏まえ、子供たちに夢と希望を与える取組や、区市町村と連携した両大会の魅力発信などの取組を一層加速し、機運の醸成や大会後のレガシー創出を進めてまいります。

○平田委員 世界陸上とかデフリンピックというのは、国際大会であるというだけではなしに、社会を変革する力になるというのが、このアクションブックの考え方であろうと思います。ぜひそれぞれの取組をしっかり進めていっていただきたいと思います。
 一方で、記載されている個々の内容を見ますと、スポーツだけにとどまらず、様々な分野の取組について記載されています。これらの達成には、都庁横断的な取組が求められているというふうに考えます。
 そこで、アクションブックに記載されている取組をどのように進めていくのか、見解を伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 ビジョン二〇二五アクションブックの策定に当たっては、庁内各局等と意見交換を重ねており、スポーツをはじめ、両大会を通じた東京の魅力発信や、学校における学び、環境への配慮など、多様な取組を取りまとめました。
 これらの取組を実現していくため、引き続き、各局や両大会の運営組織など関係者と密接に連携しながら、具体的な方策について検討を進めてまいります。

○平田委員 よろしくお願いいたします。ぜひ両大会の開催が、まさに「未来の東京」戦略につながるレガシーを残していただけるように要望させていただきたいと思います。
 さて、二〇二〇大会は、残念ながら競技場での観戦はかなわず、無観客での開催となりましたけれども、やはり世界レベルの競技を間近で見る迫力や緊張感、また競技場の活気など、その興奮と感動は、現場でないと体感できないものだと思います。
 世界陸上、デフリンピックでは、多様な種目が複数の会場で展開されます。オリンピックほどではないかもしれませんけれども、こうしたハイレベルな大会は、そう頻繁に開催されるものではありません。
 国際大会には、種目数、屋内、屋外あるいは水上など会場の違いなど、大小様々ではありますけれども、いずれもアスリートがもたらす感動や興奮、時には敗北や挫折といったものでさえ、見る者に次の夢や希望を与えてくれるものであります。そうしたスポーツの感動、一流アスリートの活躍をレガシーとして、都民がいろいろなスポーツに親しむ機会が継続的に創出されていくことが重要と考えます。
 そこで、引き続き、様々な国際大会が都内で開催されるよう取り組むべきと考えますが、都の見解をお伺いします。

○河野大会推進担当部長 国際大会の開催は、東京のスポーツ振興はもとより、国際スポーツ都市としての東京のプレゼンス向上にも寄与するものでございます。
 都は、国際大会の開催地として東京が選ばれるよう、新規恒久施設を含む都立スポーツ施設や充実した宿泊、観光資源など、大会の開催にふさわしい都市としての魅力を、様々な機会を活用して海外のスポーツ関係者などに発信しております。
 これに加えまして、大会の開催主体となる競技団体が行う誘致活動や大会の開催に対し、一定の条件の下に支援を行っておりまして、来年度はさらなる充実を図り、これらを含めまして、引き続き、様々な国際大会が東京で開催されるよう、取組を推進してまいります。

○平田委員 本当に、これはぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 これまで国際大会を開催したことがない競技や団体ですとか、また、ここ東京での初開催を目指している競技、国際大会、まだまだあるというふうに伺っております。こうした取組に支援する制度があるというふうにも伺っておりますけれども、ぜひ引き続き積極的に支援していただいて、この東京でより多くの国際スポーツ大会が開催されることを期待しております。重ねてお願い申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、自転車交通安全対策に関連して、自転車に小さなステッカーを貼る事業について伺います。
 政府が、自転車の交通違反に青切符を交付する制度の新設を柱とした道路交通法改正案を閣議決定するなど、自転車交通安全対策は大きな転換期にあると認識しております。しかし、残念ながら、いまだに自転車の交通ルールは守られていないというのが多くの都民の実感だと思います。
 警視庁の統計でも、昨年の自転車事故は、発生件数、死者数ともに、一昨年よりも増加しております。大変深刻な事態だと考えます。
 今般、都は、自転車は左側通行という、自転車に小さなステッカーを貼る事業を実施すると伺っています。
 そこで、自転車に小さなステッカーを貼る事業について、その導入経緯、内容についてお伺いします。

○馬神都民安全推進部長 自転車に小さなステッカーを貼る事業は、都民の声を都の施策等に直接反映させる都民提案の中から、都民の投票により選出されました。
 この事業は、自転車は左側通行という交通ルールを徹底することを目的としております。
 ステッカーは、分かりやすいデザイン、自転車に取り付けやすいサイズとし、自転車利用者だけでなく、ステッカーを目にする方々にも交通ルールを啓発できるものとしてまいります。

○平田委員 本事業を提案された都民の方に、ぜひ敬意を表するとともに、自転車利用者に交通ルールを遵守する意識が啓発されることを切に希望するものであります。
 自転車は軽車両で、車やバイクの仲間というふうにされていますけれども、やっぱり信号無視、一時停止違反など、危険な行為が横行しています。
 はっきりいって、ルールを守っている人の方が少ないんじゃないかなというぐらいの、そんな印象さえあるわけなんですけれども、特に、左側通行を無視して、いわば逆走するという行為が極めて危険であることはいうまでもありません。
 都が、自転車は左側通行というステッカーを自転車に貼ることでルールの周知を図ることは、大変意義があることだと評価するものであります。
 一方で、当然ながら、ステッカーをつくっても、使われないと意味がありません。使われるための工夫をどのように行うのか、伺います。
 また、併せて、配布枚数、何枚配布するのかについてもお示しいただきたいと思います。

○馬神都民安全推進部長 製作に当たりましては、夜間でも目立つように反射素材を使うほか、デザインは、イベント等において都民に投票してもらい決定するなど、多くの方に活用していただける工夫をしてまいります。
 また、自転車は左側通行に加えまして、都民投票の際にご意見をいただきました、ヘルメット着用を呼びかけるステッカーも合わせて約二百万枚作成いたしまして、都内小中学校及び高校、自転車販売店、区市町村等を中心に、警視庁をはじめ各種関連団体と連携し、幅広く都民に配布してまいります。

○平田委員 すみません、今、枚数については、ごめんなさい、今、私、聞こえなくて……。

○馬神都民安全推進部長 枚数につきましては、自転車は左側通行に加えまして、ヘルメット着用を呼びかけるステッカーも合わせて約二百万枚作成いたします。

○平田委員 二百万枚ということで、また、ヘルメット着用という努力義務についても非常に重要なことだと思います。ぜひ、より多くの自転車にこのステッカーを貼付していただいて、自転車事故が限りなくゼロに近づくようにお願いして、次の質問に移ります。
 最後に町会・マンションみんなで防災訓練についてお伺いする予定だったのですが、重複を避けて質問しようかなと思ったのですが、先ほど、かまた委員、また西崎理事からも、質疑の中で、大体、論点が出尽くしておられたように感じますので、これについては割愛して、私の質問を終わりたいと思います。

○小林委員 それでは、初めに、女性活躍の支援についてお伺いをいたします。
 都議会公明党は、女性活躍について、キャリアチェンジやキャリアアップなど、様々な観点から議会でも取り上げてまいりました。
 主に産業労働局を中心として、女性のチャレンジ支援などの事業に取り組んでおりますが、これから社会に出ていく若い世代の女性が希望を持って活躍できる取組を進めていくことも重要と考えます。
 生活文化スポーツ局では、来年度、東京ウィメンズプラザにおける女性のキャリアアップ等支援を行う新規の予算を盛り込んでおります。
 この新規事業において、女子中高生向けの女子大学生との座談会を開始するとのことでありますが、その目的と事業の概要についてお伺いいたします。

○樋口女性活躍推進担当部長 科学技術分野、いわゆるシステム分野での女性活躍を推進するため、昨年度から開始した女子中高生向けオフィスツアーの参加者からは、働き方だけでなく、進学時の学部選択などの悩みを相談したいという声が多数寄せられました。
 そのため、来年度から、女子大学生と女子中高生の交流を目的とした座談会を開催いたします。東京ウィメンズプラザが女子学生を支援する民間団体等と連携して、年二回実施することとしており、女子中高生の個人相談にも応じるなど、より幅広い若年層のキャリアアップ支援に取り組んでまいります。

○小林委員 ありがとうございます。若年層へのキャリアアップ支援ということで、非常に大事な取組であると思いますので、着実な推進をお願いしたいと思います。
 本年四月、困難女性支援法が施行されますが、法律に基づいて、都道府県には基本計画の策定が義務づけられており、現在、都において、困難女性支援基本計画の年度内の策定を目指して取組を進めていると聞いております。
 私も地元において、様々な困難を抱える女性からのご相談をいただくことがありますが、その一つが配偶者暴力被害であります。
 都では、配偶者暴力相談支援センターとして、東京都女性相談センターや、さきに答弁にもありました東京ウィメンズプラザにおいて配偶者暴力の相談に対応していますが、配偶者の暴力で苦しむ女性を守り、新たな前進ができるよう、支援を広げていかなければならないと考えます。
 都では、配偶者暴力被害者等セーフティネット強化支援事業に取り組んでいますが、来年度も、DV被害者などを支援する民間シェルターなどの先進的な取組を促進する補助事業の予算が盛り込まれておりますが、具体的にどのような先進的な取組を支援していくのか、お伺いいたします。

○宮本男女平等参画担当部長 本事業では、配偶者暴力被害者等を支援する民間シェルター等の先進的な取組について、受入れ体制整備事業、専門的、個別的支援事業、切れ目ない総合的支援事業の三つの事業を交付対象とし、一団体当たりの補助上限額は一千万円としてございます。
 具体的には、SNSを活用した相談支援や、専門職による被害者への心理的ケア、弁護士等による法的支援、被害者の自立に向けた支援プログラム、退所後の交流会の実施など、民間シェルター等による様々な活動を支援してございます。

○小林委員 私も、配偶者暴力に苦しむ女性からご相談をいただいた中で東京ウィメンズプラザの相談窓口をご紹介したこともありますが、セーフティネット強化支援事業も含め、配偶者暴力被害から女性を守る施策の一層の充実をお願いしたいと思います。
 次に、公衆浴場対策についてお伺いいたします。
 先日の予算特別委員会において、都議会公明党の玉川議員の質問でも公衆浴場振興について取り上げましたが、その際、玉川議員が次の新聞記事を紹介しておりました。
 能登半島地震で発災直後から対応に当たっていた珠洲市の男性職員が、休みを取って一か月ぶりに金沢市の銭湯で湯舟につかったとき、こんなに心も体も温まるのかと、涙が出そうになったとの記事であります。
 私もこの記事を目にしましたが、改めて銭湯の持つ価値を再認識させられました。
 現在、石川県では、能登半島地震で入浴ができない被災者に対し、県内に所在する公衆浴場において無料入浴支援を行っていますが、災害時だからこそ、衛生面においても、心のケアという面においても、湯舟につかるという入浴は欠くことのできない支援の一つであるのだと感じました。
 私は、九年前の文教委員会でも公衆浴場について質問しましたが、その当時の答弁では、都内の公衆浴場数は六百六十軒で、全盛期の四分の一にまで減少しているとのことでしたが、直近の推移を見ますと、九年前からさらに二百軒以上減少しております。改めて、銭湯文化を守り、振興する施策をさらに充実させていかなければならないと考えます。
 一方、公衆浴場は老朽化した施設も散見されますが、安全に営業を続けていけるように、さらに、災害時においても被害を軽減させるためにも、公衆浴場施設の耐震化も重要であります。
 都では、公衆浴場耐震化促進支援事業の予算を来年度も盛り込んでおりますが、改めて補助内容についてお伺いするとともに、本事業の直近三か年の利用実績について併せてお伺いをいたします。

○片岡消費生活部長 公衆浴場耐震化促進支援事業は、都内公衆浴場の耐震補強工事に要する経費の一部を補助することにより耐震化を促進し、利用者の安全・安心の確保を図ることを目的としております。
 外壁や屋根等の耐震補強や部分的腐食の修理、設備の転倒防止対策等に対して補助を行っております。
 こちらの利用実績ですけれども、令和二年度三十三件、三年度三十件、四年度三十四件でございました。

○小林委員 さきの予算特別委員会で、玉川議員は外国人観光客の受入れ体制の整備について質問をいたしましたが、外国人観光客をはじめ、国内の若い世代にも気軽に銭湯を利用してもらうための方策を様々な観点で講じていく必要があると思います。
 キャッシュレス決済の導入ということが、新たに今回盛り込まれておりますけれども、先ほど質問がありましたので割愛をいたしますが、よき伝統を残しつつも、時代に合わせて、銭湯の魅力を知ってもらう取組が大切だと思います。
 そうした銭湯の変化に向けた取組を、しっかり支援を今後もしてもらいたいというふうに思います。
 次に、東京文化戦略二〇三〇についてお伺いします。
 都は、東京二〇二〇大会での文化プログラムやコロナ禍で得られた経験や知見を生かし、文化芸術の力で都民の生活をより豊かなものとするための新たな文化政策として、二〇三〇年までの長期計画である東京文化戦略二〇三〇を令和四年三月に策定いたしました。
 この戦略では、目指すべき東京の姿を、芸術文化で躍動する都市東京としており、目標の実現に向け、様々な取組が進められております。
 そこで、文化戦略二〇三〇策定以降、東京の芸術文化政策がどのように充実されたのか、お伺いをいたします。

○蜂谷文化振興部長 都は、芸術文化に身近に触れられる環境の整備や、アーティストや芸術文化団体の継続的な活動を支援する仕組みづくりなど、四つの戦略を柱とする東京文化戦略二〇三〇を令和四年三月に策定いたしました。
 本戦略の策定以降、東京の多彩な芸術文化の魅力を創出するため、新たに芸術文化魅力創出助成を立ち上げるなど、都民が芸術文化に身近に触れられる環境づくりを進めてまいりました。
 また、アーティストや芸術文化団体の持続可能な活動を支援する仕組みづくりとして、都内で活動するアーティスト等を総合的に支援する窓口、アートノトをオープンするなど、担い手の支援も充実させております。
 東京文化戦略二〇三〇を実現するための主な取組として計上している令和六年度の予算額は三十四億五千七百十七万円となっており、これは、戦略策定後初年度である令和四年度の予算と比較して、二倍以上に増額しております。

○小林委員 来年度の予算額が三十四億五千七百十七万円となり、戦略策定後初年度の予算と比較して、二倍以上に増額したとのことですが、平成十三年に、国で文化芸術振興基本法が制定されたのを契機に、文化庁予算が初めて一千億台に乗りましたが、やはり、本腰を入れて文化芸術振興に取り組む姿勢を具現化していくことが重要であると思います。
 一方で、こうした長期計画の目標を達成するためには、予算や事業を拡充するだけでなく、評価と検証を行うことが重要であります。
 文化戦略二〇三〇において、目標の達成度合いを計測、監視するための指標となるKPI、重要業績評価指標が設定されております。私は、令和四年の予算特別委員会で、KPIは大事な指標であり、定期的に議会にも報告をいただきたい旨、要望させていただきました。
 昨年の事務事業質疑においても、KPIの進捗状況について伺ったところですが、都からは、KPIを定期的に測定し、各事業の評価、見直しに反映するとの答弁をいただきました。
 戦略策定後三年目を迎えますが、改めて進捗状況をお伺いいたします。

○蜂谷文化振興部長 東京文化戦略二〇三〇におけるKPIは、本戦略で掲げる四つの戦略ごとに、若者の鑑賞割合や、アーティスト等による東京の制作環境の評価など、各戦略の考え方と方向性に応じた指標を、専門家や有識者の意見を踏まえ設定いたしました。
 本戦略を策定後三年目となります令和六年度は、策定時に測定したKPIを基に、改めて芸術文化団体等の協力も得ながらKPIの測定を行いまして、進捗度合いを確認の上、各事業の評価、見直しに生かしてまいります。

○小林委員 ありがとうございます。改めて来年度にKPIの測定を行うとのことですが、その結果をさらに文化戦略の充実強化に生かし、都民が文化芸術に親しむ取組の推進をお願いしたいと思います。
 最後に、トー横問題についてお伺いいたします。
 トー横に青少年が集まり、性被害などに遭うなどしている憂慮すべき状況である中、都では、昨年七月の第三十三期青少年問題協議会の答申、犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援を基に、様々な取組を進めていると認識しております。
 昨年八月に啓発イベントを行ったほか、本年一月にも臨時の相談窓口を開設し、延べ約三百名の青少年らが来所したほか、SNSを活用した啓発も実施していると聞いております。
 こうした対策を講じている一方で、なお悪意ある大人による青少年に対する加害行為が散見される状況であります。青少年を被害から救うための対策はもとより、悪意ある大人への対策も急務であります。
 また、一部の青少年がホテルなどを拠点としてトー横に長期滞在するなどしており、こうしたホテルなどの空間に対しても啓発を行う必要があると考えます。
 こうした対策について、来年度においても、手を緩めることなく、一層の対策を講じていくことが重要であると考えますが、担当局長の見解をお伺いいたします。

○竹迫生活安全担当局長 トー横に集まる青少年の犯罪被害等の防止のため、答申に即し、来年度も取組を強力に推進してまいります。
 青少年の支援のため、常設の相談窓口を設置するほか、関係機関と連携した啓発キャンペーン等を実施してまいります。
 また、デジタルサイネージ等を使い、悪意ある大人に警告メッセージを発するとともに、トー横かいわいのホテル等に向けたパンフレットを作成し、青少年の利用実態等に係る啓発を行ってまいります。
 関係機関とも緊密に連携し、青少年が犯罪被害等に遭わず、安全で安心して生活できる環境を整備してまいります。

○小林委員 先ほども触れました、今年度策定を予定されている困難女性支援基本計画案の今後の取組の一つにも、関係機関と連携したトー横問題への対応が掲げられております。
 私が昨年、民間団体の方とトー横のパトロールにご一緒させていただいた際も、若い女性への声かけを中心に行っておりましたが、女性を守る取組を強化するとともに、性別を問わず、次代を担う青少年が犯罪被害等の危険にさらされることなく健やかな成長ができるよう、一層の対策をお願いいたしまして、質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、予算案、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時四十五分散会