文教委員会速記録第二号

令和六年二月十六日(金曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長藤井あきら君
副委員長平田みつよし君
副委員長小林 健二君
理事田の上いくこ君
理事西崎つばさ君
理事とや英津子君
かまた悦子君
たかく則男君
龍円あいり君
斉藤まりこ君
鈴木  純君
風間ゆたか君
伊藤 ゆう君
川松真一朗君

欠席委員 なし

出席説明員
教育庁教育長浜 佳葉子君
次長田中 愛子君
教育監藤井 大輔君
総務部長山田 則人君
都立学校教育部長村西 紀章君
地域教育支援部長岩野 恵子君
指導部長小寺 康裕君
グローバル人材育成部長瀧沢 佳宏君
人事部長吉村美貴子君
福利厚生部長吉村 幸子君
教育政策担当部長秋田 一樹君
企画調整担当部長DX推進担当部長兼務篠  祐次君
高校改革推進担当部長猪倉 雅生君
教育改革推進担当部長根本浩太郎君
特別支援教育推進担当部長落合 真人君
人事企画担当部長矢野 克典君

本日の会議に付した事件
教育庁関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和六年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
・令和五年度東京都一般会計補正予算(第五号)中、歳出、繰越明許費 教育庁所管分
・東京都公立学校情報機器整備基金条例
・東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
・東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
・都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・都立新国際高等学校(仮称)(五)造成及び擁壁改修工事請負契約
報告事項
・「東京都教育ビジョン(第五次)(案)」について(説明)
・「東京都学校教育情報化推進計画(案)」について(説明)
・令和五年度 中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況について(説明・質疑)
請願陳情の審査
(1)五第四五号 笑顔あふれ、温かい触れ合いを通じて互いに学び、成長する学校に関する請願
(2)五第四七号 東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(3)五第五〇号 明治神宮外苑の百四十六本のイチョウ並木を名勝に指定することに関する請願
(4)五第九三号 都立特別支援学校の給食費・寄宿舎食費の実質無償化に関する陳情
(5)五第九五号 東京都内の夜間中学校八校に専任の養護教諭を迅速に配置することに関する陳情

○藤井委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取及び請願陳情の審査を行います。
 なお、本日は、令和五年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況についての報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○浜教育長 令和六年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明を申し上げます。
 初めに、令和六年度教育庁所管予算案についてでございます。
 令和六年度の教育庁所管予算におきましては、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育を一層推進するための経費を計上しております。
 歳出予算額は一兆九十四億一千三百万円で、前年度に比べ、千百二十九億二千九百万円、一二・六%の増となっております。
 また、歳入予算額は二千四百十二億五千万余円で、前年度に比べ、四百八十四億一千七百万余円、二五・一%の増でございます。
 次に、令和五年度教育庁所管補正予算案についてでございます。
 国庫補助事業である公立学校情報機器整備事業などについて百十四億二千万円の増額補正を行うとともに、現時点において不用になることが明らかな給与費などについて百八十一億九千百万余円の減額補正を行うものでございます。
 次に、条例案についてでございます。
 東京都公立学校情報機器整備基金条例外七件でございます。
 次に、契約案についてでございます。
 都立新国際高等学校(仮称)(五)造成及び擁壁改修工事請負契約でございます。
 以上が教育庁関係の提出を予定しております案件の概要でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○山田総務部長 それでは、提出予定案件の詳細につきましてご説明を申し上げます。
 初めに、令和六年度教育庁所管予算案についてでございます。
 資料第1号、令和六年度教育庁所管予算説明書の表紙をおめくりいただきまして、目次をご覧ください。
 歳入歳出予算につきましては、九つの項目及び債務負担行為のⅠを記載しております。
 主要な事業の歳出予算を中心にご説明いたします。
 三ページをご覧ください。1、教育委員会及び事務局の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和六年度予算額の歳出計は七百二十三億千百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、このページの下段から一二ページにかけまして記載しておりますが、主な事業についてご説明いたします。
 五ページをご覧ください。右の概要欄の中段、(7)、学校における働き方改革の推進でございます。
 教員の働き方改革を推進するため、スクールサポートスタッフの配置支援をはじめといたしまして、副校長を補佐する外部人材の配置を行う学校マネジメント強化事業やエデュケーションアシスタント配置支援に要する経費などを計上しております。
 少し飛びますが、一一ページをご覧ください。概要欄の下段、6、学校給食費の負担軽減でございます。
 区市町村が行う学校給食費の保護者負担軽減に向けた取組の支援に要する経費などを計上しております。
 一二ページをご覧ください。概要欄の下段、公立小中学校の施設冷房化事業費補助でございます。
 区市町村が実施する小中学校屋内体育施設等の空調整備の支援などに要する経費を計上しております。
 一三ページをご覧ください。2、小中学校の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和六年度予算額の歳出計は五千百二十八億一千三百万円で、うち職員費として、一行目の四千七百十八億二千百万余円を計上しております。
 一四ページをご覧ください。まず、(1)、小学校の運営でございます。
 右の概要欄をご覧ください。区市町村立小学校は、学校数千二百五十八校、児童数五十九万四百三十四人でございます。
 また、区市村立義務教育学校(前期課程)は、学校数十校、児童数六千三百八十四人でございます。
 その下、都立小中高一貫教育校は一校、児童数は二百十人でございます。
 一五ページをご覧ください。概要欄の上から四行目の計をご覧ください。
 教職員数は、区市町村立、都立を合わせまして三万四千八百三十一人でございます。
 一七ページをご覧ください。概要欄の上から三行目、(10)、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトは、区市町村立小学校におけるデジタル利活用支援員の配置支援等に要する経費を計上しております。
 一八ページをご覧ください。次に、(2)、中学校の運営でございます。
 右の概要欄をご覧ください。区市町村立中学校数は、本校、分校を合わせまして六百二校で、うち一校には通信教育を併設しております。
 生徒数は、本校、分校が二十二万七千百五十二人、通信教育が百六十人でございます。
 区市村立義務教育学校(後期課程)は、学校数が十校、生徒数は三千三百四十六人でございます。
 その下、都立中高一貫教育校は、学校数が十校、生徒数は四千八百八十人でございます。
 一九ページをご覧ください。概要欄の上から四行目の計をご覧ください。
 教職員数は、区市町村立、都立を合わせまして一万六千三百八十六人でございます。
 二〇ページをご覧ください。概要欄の2、事業費のうち、(7)、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトは、小学校と同様に、デジタル利活用支援員の配置支援等に要する経費を計上しております。
 二三ページをご覧ください。3、高等学校の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和六年度予算額の歳出計は千五百五十三億四千五百万円で、うち職員費として、一行目の九百五十六億八千三百万余円を計上しております。
 右の概要欄をご覧ください。学校数は、全日制百七十七校、定時制五十三校、通信制三校でございます。
 生徒定員は、全日制十二万六千四百九十五人、定時制一万六千五百六十人、通信制二千八十人でございます。
 二四ページをご覧ください。教職員数は、概要欄中段の合計に記載しておりますとおり一万五百五十一人でございます。
 経費等の内容につきましては、二五ページから二九ページにかけて記載しております。
 二六ページをご覧ください。概要欄の三行目、(5)、都立高等学校の改革の推進でございます。
 都立学校魅力発信事業や、工科高校における実践的なスキル習得支援等に要する経費を計上しております。
 三〇ページをご覧ください。4、特別支援学校の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和六年度予算額の歳出計は一千九億六千二百万円で、うち職員費として、一行目の六百九億六千三百万余円を計上しております。
 概要欄をご覧ください。都立特別支援学校の学校数は五十九校、幼児、児童、生徒数は一万四千二百十六人でございます。
 その内訳として、下段、(1)から三一ページの(5)にかけまして、障害種別に応じて規模を記載してございます。
 三一ページをご覧ください。区立特別支援学校の学校数は、肢体不自由、知的障害、病弱を合わせまして五校、児童生徒数は二百六十五人でございます。
 三二ページをご覧ください。教職員数は、概要欄中段の合計に記載しております六千五百六人でございます。
 経費等の内容につきましては、三三ページから三七ページにかけて記載しておりますが、主な事業についてご説明いたします。
 三三ページをご覧ください。概要欄の下から四行目、(4)、スクールバスの運行費でございます。
 都立特別支援学校のスクールバスの運行に要する経費を計上しております。
 スクールバスの運行に係る経費や、医療的ケアを必要とする児童生徒の専用通学車両の運行に要する経費を計上しております。
 三八ページをご覧ください。5、教職員の福利厚生に要する経費でございます。
 区分欄の一行目、令和六年度予算額は二十八億七千二百万円でございます。
 概要欄の下段にございます公立学校共済組合東京都負担金等や、次の三九ページにございます教職員住宅の維持管理、建設などに要する経費を計上しております。
 四〇ページをご覧ください。6、退職手当及び年金に要する経費でございます。
 区分欄の一行目、令和六年度予算額は四百四十八億五千百万円でございます。
 四一ページの概要欄にございます公立学校教職員の退職手当などに要する経費を計上しております。
 四二ページをご覧ください。7、教育指導の充実に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和六年度予算額の歳出計は四百三十六億八千九百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、このページの下段から五〇ページにかけて記載しておりますが、主な事業についてご説明いたします。
 四三ページをご覧ください。概要欄の中段、4、都立学校の国際交流プログラムでございます。
 外国の高校生との多文化交流や、現地でしかできない体験の機会を創出できるよう、世界の様々な国に生徒を派遣するための経費を計上してございます。
 四六ページをご覧ください。概要欄の下から五行目、33、不登校、中途退学対応でございます。
 公立小中学校及び都立高等学校において、校内の別室で指導等を行う支援員を配置する経費等を計上しております。
 五一ページをご覧ください。8、社会教育の振興に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和六年度予算額の歳出計は百八億三千万円でございます。
 経費等の内容につきましては、五二ページから五八ページにかけて記載しております。
 生涯学習審議会や文化財保護審議会の運営、図書館などの社会教育施設の管理運営等に要する経費を計上しております。
 五九ページをご覧ください。9、都立学校等施設整備に要する経費でございます。
 区分欄の一行目、事業費の令和六年度予算額は六百五十七億四千万円でございます。
 経費等の内容につきましては、六〇ページから六五ページにかけて記載しておりますが、主な事業についてご説明いたします。
 六〇ページをご覧ください。概要欄にございます、1、都立高等学校の改革に伴う施設整備、六一ページにございます、2、特別支援学校再編に伴う施設整備、3、特別支援学校の普通教室確保、六二ページにございます、4、都立学校校舎等の増改築、六四ページにございます、7、都立学校空調設置などに要する経費を計上しております。
 以上、令和六年度歳出予算を中心にご説明させていただきました。
 続いて、六六ページをご覧ください。債務負担行為のⅠについてご説明いたします。
 1、都立学校校舎等新改築工事など、十五件の債務負担行為がございまして、六七ページから八三ページにかけて詳細を記載しておりますが、主な事業につきましてご説明いたします。
 少し飛びまして、七七ページをご覧ください。11、公立小中学校児童生徒用端末整備費補助に係る債務負担行為でございます。
 都内公立学校の生徒用端末等を複数年度にわたり整備する自治体へ補助を行うため、令和七年度に支出を予定しております経費を記載しております。
 七八ページをご覧ください。12、都立高等学校における特別な指導、支援業務委託に係る債務負担行為でございます。
 発達障害等のある生徒に対する継続的かつ一貫した指導、支援を行うため、令和七年度から八年度までに支出を予定しております経費を記載しております。
 少し飛びまして、八二ページ、八三ページにつきましては、既に議決をいただいております債務負担行為を参考として記載しております。
 以上で令和六年度教育庁所管予算案の説明を終わります。
 続きまして、令和五年度教育庁所管補正予算案についてご説明いたします。
 資料第2号、令和五年度教育庁所管補正予算説明書の表紙から二枚おめくりいただき、一ページをご覧ください。1、補正予算総括表でございます。
 表の上段、網かけをしております歳入予算の補正予算額は百一億一千二百万円の増額、表の中段、網かけをしております歳出予算の補正予算額は六十七億七千百万余円の減額でございます。
 次に、表の下段、網かけをしております繰越明許費につきましては四億二千万円を計上してございます。
 二ページをご覧ください。2、歳入予算の内訳でございます。
 国庫補助事業である公立学校情報機器整備事業及び高等学校等デジタル人材育成支援事業に係る国庫支出金の受入れに伴う増額補正並びに歳出予算事業の減額補正により、必要な額を更正するものでございます。
 三ページをご覧ください。3、歳出予算の内訳でございます。
 公立学校情報機器整備基金の積立て及び高等学校等デジタル人材育成支援事業の実施により増額補正を行うとともに、教職員給与費の不用見込額など、現時点で不用となることが明らかな経費につきまして減額補正を行うものでございます。
 四ページをご覧ください。4、繰越明許費の内訳でございます。
 高等学校等デジタル人材育成支援事業について、繰越明許費を計上するものでございます。
 以上で令和五年度教育庁所管補正予算案のご説明を終わります。
 続きまして、条例案についてご説明いたします。
 資料第三号、令和六年第一回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。
 提出予定の案件は八件でございます。
 一ページをご覧ください。東京都公立学校情報機器整備基金条例でございます。
 国が、令和五年度補正予算によりまして、児童生徒の一人一台端末等の整備に係る補助金を計上したことを受け、都内公立小中学校等における情報機器の計画的な更新に向けて基金を設置するものでございます。
 施行日は、公布の日でございます。
 三ページをご覧ください。東京都教育委員会の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 四ページの新旧対照表をご覧ください。
 都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例及び非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部改正により、令和六年度から、会計年度任用職員に対して勤勉手当が支給されることに伴い、区市町村が処理する事務に会計年度任用職員への勤勉手当の支給事務を加えるため、規定を整備するものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日でございます。
 五ページをご覧ください。学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 六ページの新旧対照表をご覧ください。
 令和六年度における児童生徒数の増減、学校の新設及び廃止、学級数の変更により、学校種別に学校職員の定数を改めるものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日でございます。
 七ページをご覧ください。東京都教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 八ページの新旧対照表をご覧ください。
 令和六年一月の東京都特別職報酬等審議会の答申を踏まえまして、東京都教育委員会の委員の報酬月額を改定するものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日でございます。
 九ページをご覧ください。東京都教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 一〇ページの新旧対照表をご覧ください。
 こちらも東京都特別職報酬等審議会答申を踏まえた改正でございまして、東京都教育委員会教育長の給料月額を改定するものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日でございます。
 一一ページをご覧ください。都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 一二ページの新旧対照表をご覧ください。
 安定的に質の高い授業を実施するため、時間講師が教科の授業に位置づけられていない授業についても受け持つことができるよう、時間講師の勤務時間に係る規定を整備するものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日でございます。
 一三ページをご覧ください。学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 一四ページの新旧対照表をご覧ください。
 令和六年四月一日に、教育庁小笠原出張所を設置いたします。これに伴いまして、出張所に勤務する学校職員に対して小笠原業務手当を支給するため、規定を整備するものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日でございます。
 一五ページをご覧ください。東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 一六ページの新旧対照表をご覧ください。
 こちらも教育庁小笠原出張所の設置に伴う改正でございまして、出張所に勤務する東京都教育委員会の職員に対して小笠原業務手当を支給するため、規定を整備するものでございます。
 施行日は、令和六年四月一日でございます。
 最後に、契約案についてご説明をいたします。
 資料第四号、令和六年第一回東京都議会定例会議案(契約)の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。
 提出予定の契約案は一件でございます。
 一ページをご覧ください。都立新国際高等学校(仮称)(五)造成及び擁壁改修工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十九億九千四百五十二万円、契約の相手方は、東京都中央区京橋二丁目十六番一号、清水建設株式会社でございます。
 工期は、契約確定の日の翌日から令和七年十一月二十八日まででございます。
 三ページに案内図を、四ページに平面図、標準断面図を、五ページに契約議案の概要を記載してございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○斉藤委員 資料要求をお願いしたいと思います。全部で十八点あります。
 一つ目、都立特別支援学校スクールバスと医療的ケア児専用通学車両の予算の推移、平成二十七年度から令和六年度まで。
 二つ目、都立特別支援学校におけるスクールバスと医療的ケア児専用通学車両の配車状況、令和五年度分。
 三点目、公立小中学校の三十五人学級に必要な教員数及び経費。
 四点目、教職員の標準法定数と、標準法に根拠を持つ教職員数の都の定数及び標準法以外の都の定数、校種別でお願いします。
 五点目、公立小中学校児童生徒の就学援助受給者の推移、平成二十五年度から令和四年度までお願いします。
 六点目、都内公立特別支援学校の医療的ケアが必要な幼児、児童、生徒の数及び配置看護師数、平成二十四年度から令和三年度まで。
 七点目、中一ギャップ加配の活用状況、学校規模の縮小とTT等の選択状況、令和五年度についてお願いします。
 八点目、都内公立小中学校及び高等学校の不登校児童生徒数と不登校出現率の推移、平成十五年度から令和四年度までお願いします。
 九点目、東京都公立学校教員採用選考名簿登載者数、期限付任用教員名簿登載者数等、平成三十一年度から令和五年度まで。
 十点目、都内小中学校及び都立高校、特別支援学校における副校長、養護教諭、学校栄養職員等、寄宿舎指導員、一般事務及び進路指導担当、特別支援教育コーディネーターそれぞれの標準法定数と標準法に根拠を持つ都の定数の推移、平成二十七年度から令和六年度までお願いします。
 十一点目、都内公立学校の産休、育休代替教員及び時間講師の採用候補者名簿登載者等の数と任用人数。
 十二点目、都内公立小中高等学校の自殺者数の推移、平成三十年度から令和四年度までお願いします。
 十三点目、都内公立中学校三年生における生徒数及び令和五年度中学校英語スピーキングテスト、ESAT-J受験者数をお願いします。
 十四点目、中学校英語スピーキングテスト、ESAT-J事業の令和六年度予算額のうち、中学三年生のテストと一年生、二年生のテスト、それぞれの金額。
 十五点目、中学校英語スピーキングテストで、五年前のベネッセ事業応募時の経費の見積額と今年度のブリティッシュ・カウンシルの同様の見積額。
 十六点目、中学校英語スピーキングテスト予算額と決算額及びその内訳を、事業開始時から来年度予算案までお願いします。
 十七点目、スクールカウンセラーの学校種別の配置校数と、週七時間四十五分を超えて配置している学校数とそれぞれの配置状況。
 十八点目、スクールカウンセラーの東京都での経験年数の分布。
 以上です。

○藤井委員長 ほかに。--ただいま斉藤委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○藤井委員長 この際、傍聴人の人数についてお諮りをいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○藤井委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、東京都教育ビジョン(第五次)(案)について外一件の報告を聴取いたします。

○秋田教育政策担当部長 それでは、東京都教育ビジョン(第五次)の案につきましてご報告させていただきます。
 お手元の資料第5号をご覧いただければと思います。
 本案につきましては、これまで、外部有識者や、各地区教育委員会や校長会の代表等で構成する検討委員会において協議を行うとともに、子供たちからも様々な形で声を聴取するなどして検討を重ねてきたものでございます。
 初めに、資料左上、1、東京都教育ビジョンの位置づけでございます。
 国が昨年六月に定めました第四期教育振興基本計画を参酌いたしまして、都教育委員会として取り組むべき施策展開の方向性を定めるものとなります。
 計画期間は、令和六年度からの五年間でございます。
 なお、基本的な方針等につきましては、令和三年三月に知事が策定いたしました東京都教育施策大綱と共有をしてまいります。
 続いて、資料右上、2、策定の背景でございます。
 国際社会の中で未来を切り開く人材の育成が急務となっていること、真の共生社会の実現が求められていることなどを踏まえて策定してまいります。
 続いて、資料左下、3、未来の東京に生きる子供の姿、東京の目指す教育でございます。
 学校、家庭、地域、社会が連携して、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育を推進することによりまして、未来の東京に生きる子供の姿の実現を目指してまいります。
 続いて、資料右下、4、第五次ビジョンの特徴でございます。
 一点目は、自ら未来を切り開く力の育成など三本の柱を設定しているところでございます。
 二点目といたしまして、十二の基本的な方針を設定いたしまして、中でも、教育のインクルージョンの推進や困難を抱える子供へのサポートの充実などの内容を強化しているところでございます。
 三点目といたしまして、子供にとっても分かりやすく、読みたくなる、使いたくなるビジョンになるよう、表現を工夫するなどしております。
 続いて、資料二枚目をお開き願います。5、東京都教育ビジョン(第五次)の体系でございます。
 三つの柱、十二の基本的な方針の下、三十の施策展開の方向性を位置づけまして、それぞれに主な施策を示しているという形でございます。
 例えば、施策展開の方向性〔3〕、デジタルトランスフォーメーション時代を生き抜く人材の育成の中では、都立学校専用の生成AIの整備や、教育ダッシュボードを活用したエビデンスベースの指導の展開などを示しております。
 また、施策展開の方向性〔19〕、様々な困難を抱える児童生徒への支援の充実の中では、東京型のいわゆる不登校特例校として、校内分教室型のチャレンジクラスの設置や、スクールソーシャルワーカー等の専門人材の活用促進などを示しております。
 また、施策展開の方向性〔26〕、教員が心身ともに健康に、やりがいを感じながら職務に取り組める環境の整備の中では、学校における働き方改革の着実な実施として、スクールサポートスタッフ等の外部人材の活用や、部活動の地域連携、地域移行の推進などを示しているところでございます。
 以上、主な施策についてご説明いたしましたが、詳細につきましては、資料第6号が全体版となってございますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 最後に、資料下段、6、策定のスケジュールでございます。
 本案につきましては、今月一日に公表したものでございまして、現在、パブリックコメントを実施しているところでございます。様々なご意見を踏まえまして、三月末に策定、公表してまいりたいと考えております。
 説明は以上となります。よろしくお願い申し上げます。

○篠企画調整担当部長DX推進担当部長兼務 東京都学校教育情報化推進計画(案)についてご説明いたします。
 資料第7号をご覧ください。
 本計画は二章構成で、第一章、総論において、策定の背景、計画の位置づけ、期間、対象などを示しております。
 策定背景といたしまして、子供たちの意欲を引き出し、主体的に学び続ける力を育むとともに、教育課題の解決を図る教育のデジタルトランスフォーメーションを推進して、学び方、教え方、働き方を改革していくことが必要となっております。東京都学校教育情報化推進計画を策定し、学校教育の情報化を一層加速してまいります。
 計画は、学校教育の情報化の推進に関する法律及び国の計画を踏まえて策定し、東京都教育ビジョンの分野別計画と位置づけます。
 計画期間は令和六年度から十年度まで、また、計画の対象は都立学校といたしますが、区市町村教育委員会や関係機関などとの連携についても示してまいります。
 続いて、学校教育の情報化を通じて目指す姿ですが、全ての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ、デジタルの力を生かして一人一人の力を伸ばしていくとしております。
 そのために、教員の知見とデジタルの力を組み合わせて、学び方、教え方を改革し、学びの転換を図ります。また、教員の働き方改革を推進して、子供たち一人一人に向き合い、きめ細やかに指導を充実させるとともに、技術革新等を踏まえた、よりよいICT環境や推進体制の構築を図ってまいります。
 次頁をおめくりください。第2章といたしまして、基本的な方針と施策の方向性を、(1)、ICTを活用した児童生徒の資質、能力の育成、(2)、教職員のICT活用指導力の向上と人材の確保、(3)、ICTを活用するための環境の整備、(4)、校務の改善とICT推進体制の整備の四つの柱ごとにまとめております。
 詳細につきましては、資料第8号をご覧ください。
 本計画案について、二月一日より三月一日までパブリックコメントを実施しております。その後、いただいた意見も踏まえて、今年度中に計画を策定、公表する予定でございます。
 説明は以上です。

○藤井委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○藤井委員長 次に、令和五年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況についての報告を聴取いたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 資料第9号、令和五年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況につきましてご報告をいたします。
 まず、実施スケジュールについてでございますが、七月から受験申込みを始め、十一月二十六日に本試日、十二月十七日に予備日の試験をそれぞれ実施いたしました。
 テストの結果等につきましては、本試日分と予備日分ともに、一月に本人に通知を完了しております。
 続いて、実施状況についてでございます。
 申込者は七万六千二百七十人、受験者は、本試日が七万五十六人、予備日が千百四十九人の合計七万一千二百五人で、いずれも昨年度とほぼ同じ人数でございました。
 当日の欠席者につきましてですけれども、中学校からは、申込みを行ったものの、例えば、不登校等の個別の状況から欠席した生徒がいるなどと聞いているところでございます。
 会場につきまして、記載のとおりでございますが、昨年度と比較して、本試日に三十会場、予備日に二会場それぞれ増やすなど、受験者が自宅から少しでも近い会場で受験できるようにいたしました。できるだけ多くの生徒が、特別な措置など、それぞれの状況に応じて受験できるよう、今後も会場の設定などに努めてまいります。
 テストの結果についてでございますが、平均スコアは六十五・二で、昨年度の六十・五から五ポイント近く上がっております。
 段階別評価の度数分布でも、ESAT-JグレードのA、Bを取得した受験者の割合が増加し、D、Eの割合は減少しているところが確認できます。
 授業改善に向けてですけれども、各中学校で努力されたこと、あるいは、子供たちが話すことに対する意欲が向上して学習に取り組んだ成果であるというふうに考えております。
 なお、昨年度は、高校入試への活用の初年度でございました。このこともありまして、本試日の実施時点での平均スコアですとか、あるいは前半、後半それぞれの平均スコアなども報告をしたところでございますが、有意な数値とはならないと判断し、今年度は数値を算出、公表はしておりません。
 二ページをご覧ください。次に、実施体制等についてでございます。
 時程等にありますように、受験者は十二時三十分に試験会場に着席することとし、軽食を取ることができる時間を設定いたしました。
 前半の試験を実施している間は、後半の受験者は自習を、同様に、後半の試験を実施している間は、前半の受験者は自習を行い、十五時三十分に退出をいたしました。
 続きまして、試験当日の運営体制などについてでございます。
 都教育委員会は、私、グローバル人材育成部長を本部長とする実施本部を設置し、庁内において進行管理をするとともに、生徒や保護者からの問合せに対応をいたしました。
 また、テスト中に不具合等があった場合には、会場で申し出るように周知をしておりましたが、その場で申し出ることができなかった受験者のために、実施後にも、電話による個別の申出にも対応をいたしました。
 八件の問合せがございまして、音声がきちんと録音できているか心配だというお問合せですとか、採点に関する問合せやご意見などがございました。音声がきちんと録音できているか心配だという方には、都教委が録音状況を確認しまして、問題がないことを個別にお伝えするなど対応をしたところでございます。
 そのほか、当日の実施に当たりましては、受験者の携帯電話など通信機器に関する業務ですとか、看護師派遣業務などを委託したところでございます。
 事業者は、各会場を運営するとともに、問合せ窓口を設け、生徒などからの連絡に対応をいたしました。
 区市町村教育委員会とは、受験申込みや各種申請の手続ですとか、中学校から連絡があった個別の状況などの報告について、連携して実施をいたしました。
 都立学校には、施設管理者として、必要最低限の協力を依頼いたしました。
 続きまして、採点についてご説明をいたします。
 採点につきましては、昨年までと同様に、高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する者が実施をしております。
 三ページをご覧ください。採点体制についてです。
 昨年度、解答音声データの再確認における評価の修正が発生した、こういう状況を踏まえまして、録音状況などの確認を徹底して行ったところでございます。
 先月、受験者に対しては、ESAT-Jグレード、そして、スコア、学習アドバイスなどを記載したスコアレポートを返却いたしました。
 今年は、二次元コードを掲載しまして、受験者が取得したグレード別の学習教材などが紹介されておりますウェブサイトに飛べるようにするなど、学習に役立てられるようにしているところでございます。
 現在、三月一日から音声データ提供の申請手続が開始できますように準備を進めているところであり、こちらにつきましては、受験者、保護者宛てに、既に通知をしたところでございます。
 続きまして、Ⅴ、再度の受験機会の設定の欄をご覧ください。
 今年度、機器の不具合や、イヤーマフ、イヤホンの装着の状況などの理由により、再試験の対象となりました受験者が六十人おりました。
 生徒自身によるものではない理由ということで試験が完了できなかった場合、再度の受験の機会を設定し、当該生徒の受験機会をできる限り確保することが、試験を実施する立場であります都教委としての必要な対応でございます。受験者及び保護者に説明、謝罪の上、希望される方に対して再度の受験機会を設定し、受験していただき、採点、結果の返却をそれぞれ完了しております。
 再試験につきましては、試験当日の生徒からの申出のほかにも、試験実施後に中学校あるいは区市町村教育委員会を通じて申出があったケース、あるいは直接都教委に申出があったケースなどがあり、状況を確認した上で、それぞれ個別に対応をしたところでございます。
 再試験に当たりましては、都教委が交通費を負担する措置を講じます。
 なお、再試験の対象となった生徒につきまして、人数が極めて少なく、個人が特定されるおそれがございます。そのため、具体的な説明は差し控えたいと思っております。
 現在、都立高校入試の受検の期間でもございます。再試験に関する内容に言及することは、慎重さが求められるものというふうに捉えております。
 来年度の実施に向けて、機器の使用方法を周知するなど、再試験となる生徒が発生しないように、次期事業者と様々な点で検討してまいります。
 現在、一、二年生を対象とするスピーキングテストを実施しており、その状況も踏まえながら、様々な改善を行ってまいります。
 最後に、今後の実施に向けた取組についてのご説明でございます。
 まず、来年度のESAT-Jは、事業者が替わっての実施となります。都教委と事業者が綿密な打合せを行いまして、実施手順を改めて確立をし、円滑に実施できるよう準備をしてまいります。
 また、事業者が替わることに伴いまして、使用する機器も更新されることになります。既に、一体型のヘッドホンを使用することなどを、一、二年生の生徒や、あるいは保護者にもリーフレットを配布し、周知を行っているところでございます。今後も、機器の使用方法について、動画やリーフレットにより情報提供に努めてまいります。
 報告は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。

○藤井委員長 報告は終わりました。
 なお、本件に対する質疑は、後ほどご審査をいただく関連の請願陳情審査の際、併せて行います。ご了承願います。

○藤井委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願五第四五号、請願五第四七号、陳情五第九三号及び陳情五第九五号については、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○村西都立学校教育部長 請願五第四五号、請願五第四七号、陳情五第九三号及び陳情五第九五号の四件につきましてご説明を申し上げます。
 資料第10号の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 請願五第四五号、笑顔あふれ、温かい触れ合いを通じて互いに学び、成長する学校に関する請願でございます。
 本請願は、国分寺市の子ども・青年の未来を-三多摩子育て・教育問題連絡会代表、佐藤洋史さん外千六百五十九人から提出されたものでございます。
 本請願の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1から5及び8から11まで、合計九点でございます。
 まず、1、小学校における三十五人学級を完成させ、中学校、高等学校においても、早急に三十五人学級を実現することでございます。
 現在の状況でございます。
 公立小中学校の学級編制につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、以降は義務標準法と申し上げますが、これに基づき行っております。
 国は、義務標準法の改正により、令和三年度から、小学校の学級編制の標準を、五年かけて学年進行で三十五人に引き下げることとしました。
 都教育委員会におきましても、義務標準法の改正内容に基づき、学級編制基準の改正を行っております。
 公立の高等学校の一学級の生徒数につきましては、国の基準により、定時制課程は昭和四十二年度から、全日制課程は平成五年度から四十人が標準とされております。
 また、都におきましては、定時制課程について、生徒の多様化等に対応するため、昭和四十八年度から都単独で三十人としていることに加え、全日制課程の職業に関する学科につきましては、専門教育の実施に当たっての適切な規模等を踏まえ、平成十二年度から三十五人としております。さらに、全日制課程普通科では、必修科目習熟度別授業の実施や選択科目の設置等により、多展開による少人数指導を行っております。
 次に、2、深刻な教員不足を一刻も早く解消するための抜本的な手だてを速やかに講じることでございます。
 現在の状況でございますが、都教育委員会では、教員確保に向け、現在、増やす取組としての応募人員増加策や、減らさない取組としての教育支援体制の充実策、教員の負担軽減などの対策を強化しております。
 次に、3、教職員が子供たちにゆとりを持って対応できるよう業務内容を見直し、業務量に見合った教職員を配置することでございます。
 現在の状況でございます。
 都教育委員会はこれまで、外部人材の活用による役割分担の見直しやICT化による業務の効率化等、教員の働き方改革を進めてまいりました。引き続き、今年度策定いたします学校における働き方改革の推進に向けた実行プログラムに基づき、教員が担う業務の精査等を進めていくこととしております。
 また、公立学校の教職員につきましては、義務標準法及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づく都の配置基準により適切に配置しております。
 次に、4、小中学校の給食費無償化を全都で実現するため、財政支援を行うこと、特に遅れている三多摩地域の各自治体への支援を強化することでございます。
 現在の状況でございます。
 学校給食費の在り方については、全国共通の課題であり、本来は国の責任と財源において無償化を進めていくべきものでございます。都としても、国に対して強く働きかけを行っております。
 こうした考えの下、国の方策が講じられるまでの間、国に先行し、都内区市町村が行う学校給食費の保護者負担軽減に向けた取組を支援することといたしました。
 具体的には、区市町村が学校給食費の保護者負担軽減に取り組む場合、その費用の二分の一を都が支援いたします。
 次に、5、公立学校に係る高等学校等就学支援金について、所得制限を撤廃し、学費の無償化を進めることでございます。
 現在の状況でございます。
 平成二十六年度から全国の公立高等学校等の授業料に適用された就学支援金制度につきまして、都立高等学校等において適切に実施しております。
 就学支援金における所得制限は国で設定しておりますが、都は、令和六年度から所得制限を撤廃し、都立高等学校等の授業料を実質無償化いたします。
 授業料以外の教育費につきまして、国は、平成二十六年度から、高校生のいる低所得世帯の経済的負担の軽減を目的として、教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給する奨学のための給付金制度を設けており、都においても、この制度を適切に実施するとともに、国に対し、同制度のより一層の充実を図るよう要望を行っております。
 さらに、平成二十九年度から、高校生等が家庭の経済状況にかかわらず自らの未来を切り開いていく力を伸長できるよう、都独自の給付型奨学金により、多様な教育活動を対象に保護者の教育費負担の軽減を図っております。
 次に、8、高校教育のセーフティーネットである夜間定時制高校の閉課程は行わないこと、また、都立立川高校及び都立小山台高校の定時制の閉課程を中止し、両校を存続させることでございます。
 現在の状況でございます。
 夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率、生徒の在籍率はともに低下し、また、昼間に学校に通うことのできない勤労青少年の在籍率も減少しております。
 一方、定時制課程には、全日制高校などへの進学希望がかなえられなかった生徒、不登校を経験した生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍し、教育ニーズも多様化しております。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年二月に策定した都立高校改革推進計画・新実施計画におきまして、生徒や保護者などのニーズの高い昼夜間定時制高校とチャレンジスクールの夜間部の規模拡大や、チャレンジスクールの新設を行い、その進捗や、夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくこととしました。
 これに基づき、令和七年度に、立川地区チャレンジスクールの新設及び昼夜間定時制高校である砂川高等学校の受入れ規模の拡大をするとともに、立川地区チャレンジスクール近隣の立川高等学校夜間定時制課程については、生徒募集を停止する予定でございます。
 なお、令和六年度においては、立川高等学校夜間定時制課程及び小山台高校夜間定時制課程は、令和五年度と同様に生徒を募集いたします。
 次に、9、特別支援学校設置基準や東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画に基づき、増加する児童生徒に見合う教室の新設、増改築を行うこと、小中学校の特別支援教室については、巡回式をやめ、各校ごとに教職員を配置することでございます。
 現在の状況でございます。
 特別支援学校における教育環境の整備につきましては、国が令和三年九月に公布した特別支援学校設置基準を踏まえつつ、平成二十九年二月に策定した東京都特別支援教育推進計画(第二期)に基づき、学校の新設や増改築をはじめとして、多様な方法を用いて迅速かつ効果的に教育環境の改善を図り、必要な教室数の確保を進めております。
 特別支援教室は、これまで対象の子供の多くが在籍校を離れて他校に設置された通級指導学級で行ってきた特別の指導を在籍校で受けられるようにするもので、制度上は、国の通級による指導に位置づけられるものでございます。
 特別支援教室の運営においては、複数校の子供の指導に関わる担当教員同士が指導の方法や教材などの多様な事例を日常的に共有、蓄積し合うことや、経験豊富で専門性の高い教員が経験の浅い教員を育成することができるよう、指導を担当する教員を指定された拠点校に集中的に配置した上で、教員がグループ内の学校を巡回して指導する体制としております。
 次に、10、ICT教育について、ツールであるタブレット等の授業における使用を強制しないこと、また、高校生にも無償でタブレット等を提供することでございます。
 現在の状況でございます。
 区市町村立学校におけるデジタル活用に関する方針につきましては、設置者である区市町村が検討するものでございます。
 都立学校においては、学習指導要領にのっとり対応しております。
 また、高校生に対しては、令和四年度新入生から、保護者負担方式により一人一台端末の導入を行っております。
 端末の購入に当たっては、生徒全員が所有できるよう、全世帯を対象に、端末購入に係る保護者負担額が一定となるよう、都が購入費用の一部を補助する支援策などを実施しております。
 給付型奨学金対象世帯については、端末購入費にも活用できるよう、対象範囲を拡充しております。
 次に、11、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用を中止すること、また、中学一、二年生を対象としたスピーキングテストを中止することでございます。
 現在の状況でございます。
 都立高校入試におきましては、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められているスピーキングを含めた英語の四技能の習得状況を測る必要があり、引き続き、英語スピーキングテストの結果を都立高校入試に活用いたします。
 また、中学校において、三年間を通じた英語指導の充実、改善を行い、英語の話す力を高めるため、一、二年生でスピーキングテストを実施いたします。
 続きまして、六ページをお開き願います。請願五第四七号、東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願でございます。
 本請願は、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表、池上東湖さん外二万九十九人から提出されたものでございます。
 本請願の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1から3及び5並びに7から15までの合計十三点でございます。
 まず、1、公立の小中学校及び高校の全学年における三十人以下学級を早急に実現すること、また、学校の統廃合をやめ、少人数学級の実施に必要なゆとりある学校数、教室数を確保することでございます。
 現在の状況でございます。
 公立小中学校の教育環境の整備については、関係法令に基づき、設置者である区市町村において、それぞれの地域の実情に応じて検討されるものでございます。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願五第四五号でご説明申し上げたことと同様でございます。
 次に、2、子供が安心して学ぶ権利と継続性のある指導を保障するために、非正規の教職員ではなく、正規の教職員を増やすこと、また、教職員の未配置を解消するために、教職員の処遇を改善することでございます。
 現在の状況です。
 都教育委員会では、年度当初に必要な教員を正規教員で配置することを基本としており、多様な層が採用選考を受験しやすいよう、選考制度の改正や広報活動の充実を図っております。
 教員の給与に関しましては、他職種との均衡にも配慮しながら、その職務の特殊性を踏まえた給与体系を構築しております。
 現在、文部科学省において、教員の勤務制度を含めた処遇改善の在り方についての検討を行っており、その動向を注視しております。
 次に、3、小学校から高校までの宿泊行事、教材費、給食費などへの公費負担を増やし、教育の無償化を進めること及び5、子供たちの学ぶ権利を保障するため、公立学校における給付型の奨学金制度を拡充することでございます。
 現在の状況でございます。
 義務教育に関わる費用のうち、公費で負担すべきものについては、既に無償化されております。
 小中学校における修学旅行費、学用品費等は、受益者負担が原則でございますが、経済的理由により負担が困難な児童生徒の保護者に対しては、区市町村教育委員会が必要な援助を行っております。
 高等学校における教育費につきましては、先ほどの請願五第四五号でご説明申し上げたことと同様でございます。
 学校給食費につきましては、国の方策が講じられるまでの間、国に先行して、都立学校の保護者等が負担する学校給食費について都が負担するとともに、先ほどの請願五第四五号でご説明申し上げたとおり、都内区市町村が行う学校給食費の保護者負担軽減に向けた取組を支援することといたしました。
 次に、7、障害のある全ての子供たちの教育を拡充し、教室不足を早急に解消するため、特別支援学校の新設、増設及び環境整備を進めること、また、特別支援学級の学級編制基準について、八人から六人に改善することでございます。
 現在の状況でございます。
 特別支援学級の学級編制基準については、義務標準法に基づき、適切に定めております。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願五第四五号でご説明申し上げたことと同様でございます。
 次に、8、通常学級に在籍する特別な手だてを必要とする子供たち、障害のある子供、学校に通えない子供、外国人などを支援する体制を整備すること、また、特別支援教室の教員配置を児童または生徒十人に一人へ戻し、その措置は、区市町村ごとではなく、拠点校ごとに行うことでございます。
 現在の状況でございます。
 通常の学級に在籍する障害のある児童生徒の対応につきましては、都内全ての公立学校において、特別支援教育の充実のための校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名、特別支援学校のセンター的機能の活用など、体制の整備を進めてまいりました。
 また、平成二十八年度から導入を進めてきた特別支援教室については、小学校では平成三十年四月に、中学校では令和三年四月に全校導入を完了したことから、教員配置基準に基づき、児童生徒数に応じて適切に教員を配置しております。
 なお、特別支援教室の巡回指導体制につきましては、おのおのの区市町村教育委員会が地域や各学校の実情に応じて決めております。
 不登校等、学校に通えない状況になっている児童生徒への対応につきましては、学級担任や生活指導主任等を中心として、これまでも学校は組織的な対応を継続して行ってきております。
 こうした学校の取組を支援するため、都教育委員会は、平成七年度からスクールカウンセラーの配置を開始し、平成二十五年度からは全公立小中高等学校に配置しております。
 また、平成二十年度からはスクールソーシャルワーカーの区市町村への配置を順次拡大するとともに、平成二十八年度から、全ての都立学校を対象として、スクールソーシャルワーカーの役割等を担うユースソーシャルワーカーを学校の要請に応じて派遣し、関係機関と連携して児童生徒への必要な支援を行っております。
 外国人児童生徒への対応につきましては、都教育委員会は、日本語指導が必要な児童生徒に対する指導の充実を図るため、平成二十二年度に日本語指導ハンドブックを作成し、全公立学校での活用を促しております。
 さらに、令和二年度に、日本語初期指導に活用できる映像教材、東京の学校生活-日本の学校で楽しく学ぶために-を作成、配布した上で、令和四年度には、この教材を都教育委員会のホームページで公開しております。
 また、都立学校に在籍する日本語指導の必要な生徒が早期に授業内容を理解することができるよう、日本語の習得に向けた支援を実施しております。
 次に、9、三学級以上の大規模な特別支援学級を解消するため、区市町村が設置校を増やせるように、都としての適正規模のガイドラインを示し、改善されない場合は、必要な講師を配置することでございます。
 現在の状況でございます。
 区市町村立小中学校の特別支援学級は、法令により、当該学校を設置する区市町村教育委員会が、当該学校の児童生徒の実態を考慮して編制することとされております。
 また、時間講師につきましては、学校の実態等を勘案し、適切に時数を措置しております。
 次に、10、公立、私立の高等学校就学計画の計画進学率、現在九四%を引き上げ、希望する全ての子供の高校進学を保障するために、都として支援することでございます。
 現在の状況でございます。
 都内全日制高校の就学計画における計画進学率は、都教育委員会と私学関係者とで構成する公私連絡協議会におきまして、これまでの公立中学校卒業予定者の全日制等志望率を踏まえ、公私それぞれの受入れ数を定めております。
 令和六年度就学計画では、通信制課程への志望者数の増加傾向の継続などにより、全日制等志望率の減少が続いていることから、計画進学率を九三・〇%としております。
 就学計画の受入れ数に基づき、都立高校では募集人員を定め、学ぶ意欲と熱意のある生徒を確実に受け入れております。
 次に、11、都立小山台高校、都立立川高校二校の夜間定時制課程を存続すること、また、子供だけではなく、地域の外国人や高齢者などの学びのセーフティーネットとしての機能を広げるため、夜間中学校、高等学校定時制課程や通信制課程の設置数を増やすことでございます。
 現在の状況でございますが、中学校夜間学級は、関係法令に基づき、設置者である区市町村の判断により設置されております。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願五第四五号でご説明申し上げたことと同様でございます。
 次に、12、最新の耐震基準により、震度七に耐え得る公立学校の校舎と非構造部分の耐震化を早急に行うことでございます。
 現在の状況でございます。
 公立学校施設の耐震化については、関係法令や文部科学省通知等に基づき実施しております。
 区市町村立学校の校舎等については、学校設置者が国及び都の補助制度を活用して耐震化工事を実施しており、耐震化はほぼ完了しております。
 また、都立学校の校舎等については、平成二十二年度末までに耐震化を完了しております。
 非構造部材については、文部科学省通知等を踏まえ、区市町村立学校の設置者が国及び都の補助制度を活用し、耐震対策を進めております。
 また、都立学校におきましても、武道場等の非構造部材について、耐震対策を計画的に進めております。
 次に、13、台風などの自然災害に備え、避難場所となる公立学校に冷暖房を完備することでございます。
 現在の状況でございますが、公立小中学校の施設整備経費は、原則として、設置者である区市町村が負担することとされております。
 一方で、昨今の記録的猛暑を受け、都では、児童生徒の安全な教育環境の確保や良好な避難所環境の確保への取組が早期に行われるよう、公立小中学校の屋内体育施設等への空調設置を実施する区市町村に対して財政支援を行っております。
 また、都立学校の体育館につきましては、全ての学校において空調設備の整備を完了しております。
 次に、14、大規模な感染症の流行に備え、公立学校において養護教諭の複数配置や資格を有する看護師の常駐を行うことでございます。
 現在の状況でございます。
 都の配置基準に基づき、学校規模等に応じて養護教諭の複数配置を適切に行っているところであり、引き続き、公立学校における感染症対策には万全を期してまいります。
 次に、15、放射能汚染に備え、公立学校において放射能測定を行うことでございます。
 現在の状況でございますが、都内には、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域は指定されておらず、現在、公立学校において放射能測定を行うことは必要ないと考えております。
 続きまして、一三ページをお開き願います。陳情五第九三号、都立特別支援学校の給食費・寄宿舎食費の実質無償化に関する陳情についてでございます。
 本陳情は、東村山市の東京都寄宿舎連絡会代表、赤祖父久美子さん外三千四百七十二人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次の事項を実現していただきたいというもので、1、都立特別支援学校の給食費、寄宿舎食費を実質無償化すること及び2、給食費、寄宿舎食費における就学奨励費について、家庭の実費負担がなくなるよう、制度の改善を国に求めることというものでございます。
 現在の状況でございますが、学校給食費につきましては、先ほど請願五第四七号でご説明申し上げたとおり、国の方策が講じられるまでの間、国に先行して、都立特別支援学校など都立学校の保護者等が負担する学校給食費について都が負担いたします。
 また、都では、国の法令により、寄宿舎食費を含め、特別支援学校への就学のために必要な経費の一部を、就学奨励費として、保護者等の経済的負担能力の程度に応じて補助しております。今後とも、国の制度に準拠して適正に実施してまいります。
 続きまして、一四ページをお開き願います。陳情五第九五号、東京都内の夜間中学校八校に専任の養護教諭を迅速に配置することに関する陳情でございます。
 本陳情は、葛飾区の夜間中学校と教育を語る会代表、庄司匠さん外七百八十七人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、夜間中学校への専任の養護教諭の加配を国に申請し、東京都内の夜間中学校八校に迅速に配置していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございます。
 義務標準法におきましては、夜間学級は独立した学校ではなく、昼間の学級と合わせて一つの学校として教職員定数を算定することとされております。
 そのため、都教育委員会では、夜間学級を設置する中学校八校に対し、養護教諭を一人配置するとともに、夜間学級への措置として、都が任用する非常勤教員の養護教諭の配置や、必要に応じて設置自治体が最大で週五日、会計年度任用職員を配置できるよう、経費の支援を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げます。
 本件中、生活文化スポーツ局所管分に対する質疑は既に終了いたしております。
 また、本件については、先ほどの令和五年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況についての報告事項と併せて質疑を行います。
 それでは発言を願います。

○龍円委員 よろしくお願いいたします。
 英語スピーキングテストについて質問いたします。
 試験当日の運営体制を見てみますと、都教委は、庁内において進行の管理や、生徒、保護者、会場からの問合せに対応したほか、実施した後も個別の申出が八件あって、それに対応したという報告がございました。
 去年九月の文教委員会では、伊藤ゆう都議から、試験を受けた後に、子供たちの声を拾って改善につなげる努力をしてほしいという提案をさせていただきましたけれども、実施後にも連絡できる電話での窓口を開設したことは、いい取組だと評価したいと思います。
 また、実際にこうやってお声が寄せられたのには、会場で申し出ることができなかった、そして困ったことについて、後からでも申し出ることができるよという周知をしたということもあって、こういった声が寄せられたのかなというふうに思います。
 さて、重要なのは、その寄せられた生徒からの声を踏まえて必要な改善を図っていくことにあると思います。
 この八件の内容と東京都教育委員会の対応についてお伺いいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 都教育委員会には、自分の音声の状況などの録音に関するもの、それから、テストの採点に関する問合せや意見などが寄せられたところでございます。
 これらに対しましては、音声の録音状況や採点結果の確認などを行うなど、個別に状況を確認し、対応をいたしました。
 また、中学校や区市町村教育委員会を通じて都教育委員会に寄せられた問合せにつきましても、それぞれ対応をいたしました。
 今後、これらの生徒から寄せられた意見も踏まえながら、生徒が不安に感じた事項につきまして、より分かりやすく情報提供したり、試験当日の案内を工夫するなどに取り組み、より安心して受験できるよう、今後も不断の改善を図っていきたいというふうに考えております。

○龍円委員 個々に寄せられた不安等について、録音状況や採点結果の確認をするなどし丁寧に対応したということでありました。また、今後も子供たちの声を聞きながら改善を図っていくということでしたので、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、このスピーキングテストについて、私はこの委員会で質問を続けてきたのが、特別な配慮を必要とする生徒が適切な支援や配慮を受けながら受験できる体制を整える点についてでございます。
 東京都教育委員会は、特別措置に関する案内書によって、実際にどのような支援や配慮があるのかを事前に分かるようにしまして、特別措置を必要とする生徒向けの特別会場を設置しておられます。
 この特別会場のスタッフは、研修を受けて準備もしているということでありますけれども、私からは、東京都教育委員会で特別支援教育に関わっている職員が会場でサポートすることを提案させていただきまして、実際に、前回は都教委の職員に特別会場を見回っていただきました。
 今回の中学校英語スピーキングテストについて、試験当日の特別な配慮を有する生徒への支援について、今年度の実施状況についてお伺いいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 合理的配慮を要する生徒に向けまして、特性に応じた措置を行うとともに、合理的配慮を提供する特別会場を設置したところでございます。
 今年度は、特別会場の数を、十一月の本試日には二十一会場、そして、十二月の予備日には十二会場といたしまして、昨年度より会場を増やすことで生徒の移動時間が短くなるようにというような改善をしたところでございます。
 また、特別会場では、合理的配慮に関する研修を受けた試験監督が業務を行うとともに、特別支援教育を専門とする都教育委員会の職員を派遣いたしまして、実施の状況の把握ですとか、生徒への支援を行いました。
 来年度の実施に向けまして、新規事業者と綿密な連携を図りまして、実施手順を調整するなど、引き続き実施体制を整備してまいります。

○龍円委員 今年度は、特別会場の数を増やしたことでアクセスを改善し、特別支援教育を専門としている都教委職員を派遣して、実際に生徒への支援にもつながったということでありました。本当によかったと思っております。
 こちらについても、受験したお子さんからお声をぜひ聞いていただくなどして、今後も、多様なニーズのある生徒も安心して受験できる体制を整えていただけますようお願いいたします。
 ちょっと気になった点について共有させてください。
 ウェブサイトの特設ページに、特別措置に関する案内のリンクを張っていただけると大変ありがたいです。ホームページに貼り付けてあるリーフレットの中に、特別な配慮が必要な方のために特別措置を設置しますとだけ書いてありまして、どのような措置があるのかとか、どのような生徒が対象になるかなどがすぐに調べられないのが、少し残念だなというふうに思いました。
 特設ページにそのリンクがないと、それ以上の情報がウェブサイトに出ていないと思ってしまう方もいると思います。私は、その後、検索エンジンを使って、東京都教育委員会英語スピーキングテスト特別措置というふうに検索しまして、この案内書にたどり着いたわけなんですけれども、この案内書があると事前に知っているので、たどり着けたわけなんですけれども、知らない方だと諦めてしまうこともあると思いますので、ぜひこのリンクをしていただけるようお願いいたします。
 これは二〇二二年の第三回定例会の文教委員会で申し上げたというふうに記憶しているんですけれども、この特別措置に関する案内で、できれば合理的配慮という言葉についても使用していただきたいです。
 今、答弁の中では合理的配慮というお言葉をいただいたのですけれども、案内書の中には、そういう言葉が使われていないんですね。その合理的配慮という言葉を使っていない背景には、障害のないお子さんも、この特別措置の対象になるからという意味があるのかなというふうに推測しているところではあるんですけれども、スペシャルニーズのある子の親として、この特別措置という言葉は、ちょっとだけ、やっぱり抵抗を感じてしまうところがあります。
 goo辞書で調べてみますと、措置というのは、事態に応じて必要な手続を取ること、取り計らって始末をつけることというふうに出てきます。
 障害の社会モデルをベースにして考えますと、確かに、受験をする上で困ったことがあるのは、社会側の障害が事態ということになるんでしょうけれども、何となく障害による特別なニーズそのものが、困った解決すべき事態というふうに捉えられてしまうような響きも感じてしまいまして、やや違和感を感じてしまいますので、ぜひ言葉の配慮もしていただけるとありがたいです。
 そして、前回の質問、そのときの質問でもお伝えしたのですけれども、知的障害のある生徒への対応は、案内書の冒頭の一覧では触れていないんですね。あれ、知的障害児は、そもそも英語スピーキングテストを受けないと思われているのかなというふうに、ちょっと心配になりつつ読み進めていくと、各特別措置の詳しい説明の中の発達障害の区分のところで、米印がついて、知的障害の生徒で措置を希望する場合は、措置区分10または11で申請してくださいというふうに出てきます。
 知的障害のある生徒で措置を希望しない場合という方が少ないと思うのですけれども、この説明ですと、いないと思うけれども、万が一、知的障害のある生徒で受験したいという人がいたら、発達障害の区分で申請してねというニュアンスがあるように感じてしまいまして、何となく知的障害児の親としては、どうせ知的障害児は英語スピーキングテストの対象として想定していないから、こうなっちゃっているのかなというふうな受け止め方になりましたので、ちょっと残念に思います。
 なので、昨年に続いて、最後、要望させていただきますが、合理的配慮という言葉を使用していただけるようにすることと、仮に知的障害児が本当は受験者がいないとしても、知的障害についても、もう少し丁寧な説明をしていただけますようお願い申し上げます。
 なお、私の子供は、特別支援学校に先日転校したのですけれども、学校を見てみますと、やっぱり学校の中にも、海外にルーツのある児童や生徒の姿を見かけます。そもそも私の息子も、日本語よりも前に英語を覚えて、五歳ぐらいまでは英語を中心に使って育ちました。
 将来のことを考えたときに、英語を話せることが選択肢を広げるというのは、知的障害があっても一緒ですので、英語スピーキングの教育は、同じく大切だと考えております。そういう観点からも、知的障害についても、特別措置について、改めて項目に入れていただけますようお願いいたします。
 なお、この英語スピーキングテストを通じて、ユニバーサルデザインの受検体制について、都教委としても考えていただけていることに感謝申し上げます。
 都立高校の受検等でも、障害のある受検者への特別な措置というウェブサイトがありまして、受検する学校長へ特別措置を申請するようになっているところであります。
 ただ、この英語スピーキングテストと比べますと、どのような措置があるのかといった説明などが、こちらの方はあまり説明がないんですね。なので、ぜひこのスピーキングテストの経験を踏まえまして、都立高校の受検においても、より一層、ユニバーサルデザイン化について進めていただけますと、さらにありがたいです。
 さて、話は変わりますけれども、私の地元の渋谷区の松濤中学校は、二〇〇四年から英語教育重点校というふうに指定されまして、約二十年間、英語スピーキングに力を入れていきました。
 校長先生にお伺いしますと、この英語スピーキングテストの結果は日本一だったというふうに話されておりました。
 松濤中では、毎朝、英語の教育の時間があったり、英語の授業は少人数制、そして、英語以外の音楽、体育、美術、家庭科なども外国人の先生と一緒に実施したり、給食や掃除の時間も外国人指導員と共に行っているということで、一週間当たりの英語による学習や活動が七百二十五分もあるということなんですね。
 英語スピーキングに特化した教育を既に二十年実施しているということもありまして、この学校から巣立っていった卒業生が、その後どうなったのかというのも見えてきているんですけれども、このお話を伺いますと、自身のやりたいことを究めるために、日本国内ではなくて、海外の一流の高等教育や大学に進学している方もいらっしゃいますし、海外で起業したりですとか、グローバルな活躍をしている卒業生が少なくないということでありました。
 英語が話せるということが将来の可能性を広げているということを、この学校の卒業生たちからも、その姿からも実感しているところであります。
 東京都教育委員会としても、この第五次教育ビジョンの中で見ましても、異なる言語や文化を乗り越えて関係を構築する力、新しい価値を創造する力の育成を掲げまして、小中学校における学校教育の充実等も推進することが示されているのは、大変意義があると思います。
 都は、今年度から中学一、二年生を対象とした英語スピーキングテストを開始し、中学校の全学年において実施する体制を整えました。このスピーキングテストが英語教育に与える波及効果というのは大きいというふうに考えています。
 改めて、都教委が英語スピーキングテストに取り組む意義についてお伺いいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 都教育委員会は、グローバル化が進む社会において、英語をツールとして使いこなして、広い視野や多様な人々と協働する力を持ち、豊かな国際感覚を身につけて、世界を牽引していくことができるような、そういう人材を育成するということを目指しております。
 そのため、小中高校における一貫した英語教育を推進することで生徒の使える英語力の育成に向け、様々な施策を展開しており、スピーキングテストは、その取組の一つとして実施をしているものでございます。
 今年度の平均スコアは六十五・二ということで、先ほど報告したとおりでございます。昨年度から五ポイント近く上昇するなど、成果が上がっているというふうに考えております。
 今年度からテストの対象を一、二年生にも拡大し、客観的な評価に基づいた指導を学年ごとに実施をするということで、学年を超えて学習の成果を円滑に接続していくということを目指してまいります。
 現在、TOKYO GLOBAL GATEWAY、英語村ですね、こちらの活用ですとか、あるいは外国人指導者の活用、それから、高校生には海外派遣などの取組を様々推進しております。こうした取組ですとか、このスピーキングテストの様々な施策を相乗的に実施をするということによりまして、英語力を基盤として、子供たちが世界を視野に新たな時代を切り開くことができるように、グローバル人材の育成を今後も引き続き進めてまいります。

○かまた委員 まず、私からは、陳情五第九五号、夜間中学校八校に専任の養護教諭を迅速に配置することに関する陳情についてお伺いをいたします。
 都内には、義務教育未修了の方などが通う夜間学級を設置する中学校が八校あり、義務教育を受ける機会を実質的に保障するための役割を担っています。
 先ほど、都の対応として説明がありましたとおり、この夜間学級は、昼間の学級と合わせて一つの学校としてカウントされており、養護教諭の配置が学校全体で一人となっているため、結果、夜間学級の時間帯には養護教諭が不在となっています。
 設置自治体による会計年度任用職員の配置などもなされておりますが、昨年度は、配置に至らなかった学校が一部あると聞いております。
 また、夜間学級は、年齢も幅広く、不登校経験者や外国籍の方なども多く通っており、養護教諭が力を発揮する場面が、むしろ昼間より多いと感じていますし、突然の身体の変化で救急車を呼ぶ事例も伺いました。
 ここで、四つの事例を簡単にご紹介させていただきます。
 一つは、外国籍の生徒が、学校の自転車置場で突然倒れました。見回りをしていた教員が声をかけましたが、意識がなく、養護教諭もいなかったので、救急車を要請。救急車到着前には意識は戻りましたが、頭を打っている可能性があったため、そのまま病院に搬送。異常は認められず、無事に自宅療養となりました。
 また、二つ目は、給食後の体育の授業前に、生徒が急に腹痛などを起こし、非常勤養護教諭が救急車を要請。養護教諭も救急車に同乗し、病院での検査でアレルギー反応と判断され、無事に帰宅をしました。
 また、三つ目は、八十代の高齢者が教室で実習を行っている際、突然、胸の痛みを訴えましたが、年間五十日担当の臨時養護教諭の勤務日ではなく、養護教諭は不在。職員全員が集まったものの、誰も対応できず、救急車を要請。検査の結果、命に別状ないとのことで助かりましたが、養護教諭の必要性を実感したとのことです。
 そして、四つ目は、教員に関する事例となりますが、教員が急に激痛を訴えたそうです。その日は、経験の浅い週二日の臨時養護教諭がいましたが、昼間のベテラン養護教諭が残っていたため、初期の対応を行った上で関係病院に連絡し、すぐにタクシーで救急搬送。手術の結果、大動脈解離という緊急事態でありましたが、ベテラン養護教諭の的確な判断で職場復帰を果たしたとのことです。
 これらは一例ですが、昼間と同様に、また、昼間に比べて様々な環境に置かれた生徒が集まっているからこそ、養護教諭の必要性を感じます。
 そうした状況にある中、都議会公明党としても養護教諭の配置を求めてきましたが、都は、今年度、会計年度任用職員の配置に取り組む自治体を支援するため、新たな制度を開始しました。
 まずは、その内容についてお伺いをいたします。

○吉村人事部長 設置自治体が会計年度任用職員を配置する場合に、最大で週五日、一日五時間までの配置に係る経費を全額支援しております。

○かまた委員 昨年度は、一部の中学校夜間学級で会計年度任用職員も配置されていない学校があったと聞いておりますが、今年度の状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。

○吉村人事部長 令和五年度は、夜間学級を設置している中学校八校全てにおいて、養護教諭の資格を有する会計年度任用職員または非常勤教員の養護教諭を配置しております。

○かまた委員 新たな支援策もできまして、以前に比べて状況も改善しているとのことです。
 最大で週五日、五時間までの経費を十分の十支援するということで、充実した制度だと思いますが、一方で、現場の校長先生や地区の教育委員会に聞いたところ、人材の確保が難しい場合もあると聞いております。
 どの職場も人材不足が叫ばれていますが、夜間に週五日働ける方を探すことが難しい場合なども想定されると思います。
 現場が困っている場合にはどのように対応すればよいのか、お伺いをいたします。

○吉村人事部長 会計年度任用職員について、必要な勤務日数は各設置自治体において定めておりますが、週五日程度配置している自治体の中には、数日勤務できる人を複数人雇用し、組み合わせて配置している例もございます。
 今年度開始した支援制度では、複数人を雇用した場合であっても、週五日、一日五時間の範囲で支援することが可能でございます。

○かまた委員 複数人を組み合わせて配置するといった、柔軟な活用もできることが分かりました。
 今年度は制度開始初年度ということもあり、準備が整わず、十分活用できていない自治体もあるのではないかと思います。
 せっかくの支援制度ができたわけですので、その活用が進むよう、柔軟な活用方法も含めて設置自治体への制度周知、活用促進に努めていくべきと考えますが、見解を求めます。

○吉村人事部長 これまでも設置自治体に対し、制度内容のQ&Aの配布などを行ってまいりましたが、今後、各自治体の工夫による配置方法を周知するとともに、TEPRO人材バンクを活用して人材確保を後押しするなど、一層の支援制度の活用を促進してまいります。

○かまた委員 学校側に聞きましたところ、加配する分、昼間の養護教諭を非常勤や講師に置き換えたりして工夫をしているとの話も伺いました。
 夜間学級は、昼間に比べて、家庭環境が複雑な生徒が多く、精神面でも負荷がかかっていると思います。
 また、コロナの期間は生徒数も減少していましたが、むしろ、感染症など不測の事態に対応できるように配慮しないといけないのではないかと思います。
 今年度からスタートした新たな支援制度が十分に活用され、各自治体が必要な日数を配置できるよう、都としてもしっかりと対応するよう求めておきます。
 そして、改善が図られることを見届けるため、現時点では継続を主張して、今後の推移を見守りたいと思います。
 続きまして、英語スピーキングテストの質問に入らせていただきます。
 このスピーキングテストの議論は長期化をしておりますけれども、本当に子供たちの利益を考えるならば、どうすれば一日も早くこの議論が落ち着くのか、どうすれば全ての子供たちに安心を届けられるのかを最優先するべきであります。
 教育委員会が正しいとか、逆に、ただただ教育委員会を攻撃し続けるとか、そういう大人の価値観で論じていくのではなく、その作戦はもうやめるべきであります。教育委員会を追及することのみを主眼に置いているとしたら、その議論は間違いであります。
 子供を真ん中に置いて論じる本委員会の議論は、攻撃ではなく、よりよい方法を提案したり、現状を打開するための道筋を示したりするべきであり、その前向きな姿勢が子供たちの利益につながるということを強く申し上げて、私の質問に入らせていただきます。
 本番のテストでは、事故や不具合などをなくし、生徒たちに余計な不安をかけないよう努めることが必須条件であります。
 スピーキングテスト本番では、機器の不具合等により再度の受験機会を設定した生徒が六十人いるとの報告がありましたが、昨年度の状況と、本年度の六十人の発生原因についてお伺いをいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 昨年度でございますが、機器の不具合等によります再度の受験機会の設定が必要となった生徒は二十七人でございました。
 今年度対象となりました六十人につきましては、特別措置会場において、複数生徒に対する再度の受験機会の設定が必要になったケースであるほか、機器の不具合あるいはイヤーマフ、イヤホンの装着等の申出などが生徒からあった場合に、それに対応したというものでございます。

○かまた委員 まず、発生原因につきましては、しっかりと対策を講じていただきたいと思いますけれども、昨年度は二十七人で、今年度は六十人の生徒から申出があったとのことで、この人数の増加は、都教育委員会が生徒の意見を直接聞く体制を整えたからこそだと私は考えております。
 実際に、私自身も、受験をした子供たちとか、また、英語を指導している現場の先生方とか、また、校長先生、区とか市の教育委員会の方にも話を伺ってまいりました。皆さんの話の中に共通していたことがあります。それは、何かあればすぐ伝えてくださいという都教育委員会のメッセージが伝わっていたという、そういうことでありました。
 このように、あらゆる立場の方々が同じように話していたということは、都教育委員会が、一人一人の生徒に対して丁寧に対応していこうという姿勢を貫き、実際に一人一人に対応していたからこそだと私は思っております。
 ぜひ未来を生きる子供たちには、困ったことがあったら自分で申告をするという、そういう力も身につけてほしいというふうに私は願っておりますので、周りの大人が代弁をするというよりは、なるべく本人に申告させるなど、このテストの機会を、困ったことがあれば自分で伝えるという、その力をつける好機にしていただきたいというふうに思っております。
 また、その一方で、都教育委員会として力を注いでいただきたいことは受験環境の整備であることはいうまでもありません。先ほどの答弁にも、機器の不具合などの申出があったとありましたけれども、今年度の実施状況について十分に検証し、今後の改善につなげていくことが重要であると考えます。
 都教育委員会の取組についてお伺いをいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 生徒自身によるものではない理由によりまして再度の受験となった生徒が生じたことにつきましては、本当に申し訳ないというふうに考えております。試験を実施する教育委員会として、まずは、当該の生徒に受験の機会を確保したというところでございます。
 要因としましては、繰り返しになりますけれども、機器の不具合の申出あるいはイヤーマフ、イヤホンの装着、まあ脱着に関連するもの、あるいは現場対応の誤りなどでありまして、生徒からの申出などに対して、それを十分に受け止めるという姿勢で個別に対応したものであります。
 来年度からは、新たなタブレットですとかイヤホンを使用するということになります。現在実施しておりますYEAR1、YEAR2の実施状況なども踏まえて改善をしていくということとともに、その使用方法を生徒に分かりやすく案内をしていきます。
 さらに、試験実施に向け、今後、試験会場における生徒の案内など、具体的な実施手順を新しい事業者と綿密に調整をしながら、受験環境をしっかり整えてまいります。

○かまた委員 ぜひ、今ご答弁をいただきましたように、受験環境の整備につきましては全力を尽くしていただきたいと思います。
 また、この受験環境の整備につきましては、今後は教育委員会と学校現場に任せるべきだと私は考えております。
 なぜかといいますと、答弁にもありましたように、都教育委員会は、環境整備につきまして真摯に取り組んでくださっております。
 また、何よりも私が任せたいと思うことは、受験をした生徒の声には様々な背景、また様々な子供の実態が隠れているため、その声を受けた大人、また教師がどのように対応を進めるのかということについても、そこには教育者の意図があります。また、教育の目的が必ず含まれています。だからこそ、第三者が横から来て、貴重な教育の場を損なうことはあってはならないと私は考えております。その教育の目で対応を進める学校や教育委員会をしっかりと守っていくのが私たちの責務だというふうに思っております。
 しかしながら、改めて、都教育委員会には、今後も一人一人の声を聞いていくという、この体制を取り続けていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、英語スピーキングテストの都立入試への活用についてお伺いをいたします。
 この都立入試への活用につきましても、あらゆることが論じられておりますけれども、基本的には、選抜試験とか選考試験というのは、選抜する側の選抜方法にのっとって受験する側も対応するべきだというふうに思います。
 しかしながら、教育現場で行うアチーブメントテストについては、教育の一環としての行為になりますので、事前に評価の方法とか評価内容をきちんと伝えるということが、評価を行う側の責務でもあります。
 そして、今回の議論は、選抜試験と評価、評定が別の事柄であるにもかかわらず、混同されたまま議論が進んでいるのではないかなと私は考えております。
 ただ、大学入学者選抜におきましても、多様な背景を持った者を対象とする選抜につきましては、受験者の状況を鑑みまして、選抜の趣旨とか方法を伝えることとしておりますので、今回の中学校英語スピーキングテストの入試への活用につきましても、教育活動とリンクしていますので、都教育委員会が丁寧に周知を行った上で実施しているのだと私は認識をしております。
 そこで、改めまして、学校や保護者、生徒にどのように説明をしてきたのかについてお伺いをいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 都立高校入試へのスピーキングテスト結果の活用につきましては平成三十一年二月に、具体的な活用方法につきましては令和三年九月にそれぞれ公表しており、受検生への十分な事前周知を図った上で実施をしてきたところでございます。
 令和三年九月以降、区市町村教育委員会や進路対策担当の校長会など様々な機会を捉えまして、繰り返し中学校への周知を図るとともに、生徒や保護者に対しては、令和四年四月以降、全ての生徒にリーフレットを配布するなど、事業の周知や内容を周知してまいりました。
 さらに、令和五年度には、生徒や保護者への周知を分かりやすく工夫したほか、困ったことにつきましては、東京都教育委員会が直接申出などを聞く体制を改めて周知し、改善を図っており、引き続き着実に実施をしてまいりたいと考えております。

○かまた委員 今のご答弁でも、困ったことなどについて、都教育委員会が直接申出を聞く体制を整えているというふうにありましたけれども、まさに、この聞く体制が重要だというふうに私は考えております。
 今回は選抜試験への活用ということがテーマでありますので、本来ならば、この場で議論を進めるものではなく、選抜試験実施側の方法にのっとっていくべきですけれども、都教育委員会の皆様が丁寧な対応を進めてくださっていますので、子供たちが安心する丁寧な対応について再確認をさせていただきます。
 大事なことは、事前の周知、説明と、何かが起きたときの相談体制であります。その相談体制の場として、都教育委員会の皆様が場をつくってくださっていますので、まずは、この丁寧な対応をきちんと進めていただきたいと思いますし、子供たちには、この聞く体制があるよということを、またさらに伝えていただきたいと思います。
 いずれにしましても、教育者が意図を持って、子供たちのよりよい未来を考えながら進めているのが、この英語スピーキングテストであります。
 現場の校長先生の中には、私たちの議論とは異なる次元で子供たちの未来を考えて、どうしたら英語で発話することを楽しめるか、子供たちの英語力を向上させられるかということを考えまして、もう既に新しいアプリとか学習方法にたどり着いている先生もいらっしゃいます。
 教育の価値は、真に子供の未来を考えている者にしか生み出せないと私は考えます。ぜひ教育委員会の皆様には、今後も、堂々と自信を持って、教育者としての信念を語り抜いていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。終わります。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からは、まず、夜間中学についての質問をさせていただきます。
 夜間中学は、義務教育を十分に受けることができなかった人たちの今からでも学びたいという思いに応え、設置されている学級です。
 文科省によれば、現在、二十三都道府県に四十四校が設置されて、来年度には七都道府県に、二五年には、新たに六都道府県に設置される予定とありました。
 国も、未就学者、不登校、外国にルーツを持つ人たちの増加を受けて、夜間中学を重視し、設置に力を入れ、この間、教育環境の充実にも取り組んでいますが、専門職の配置など、まだ課題が残されております。
 文科省は、二〇一五年に、中学校の既卒者も夜間中学入学可とする通知を出しました。それ以降、元ひきこもりだった若者の入学が増えて、さらに外国籍の生徒や中高年齢者など、幅広く多様な生徒が夜間中学で学んでいるとお聞きしています。
 都内には八校の夜間中学がありますが、ここに通う生徒の状況について、全体の在籍数、国籍、年齢についてお答えください。

○岩野地域教育支援部長 都内の中学校夜間学級には、令和五年五月一日現在、二百六人の生徒が在籍しており、国籍は、日本、ネパール、中国、フィリピンなど十八か国、年齢は、十歳代から八十歳代までの生徒が在籍しております。

○とや委員 文字どおり、年齢も性別も国籍も違う幅広い人たちが夜間中学に通ってきています。これは、先ほど申し上げました、一五年の、文科省が中学校の既卒者も夜間中学可としたことも大きいと思います。
 陳情者の趣旨にもあるとおり、元不登校、ひきこもりだった若者が多く入学しておりますが、私も夜間中学の卒業生にお会いする機会があって、その夜間中学の先生に救われたというお話や、社会に出て十年以上たっても、そのときの恩は忘れていないなど、語っていたことを思い出します。
 夜間中学の必要性は多くの関係者によって語られ、広がり、また、ニーズを国も認識するようになって、二〇一七年には教育機会確保法を制定しています。それ以来、夜間中学の設置への支援をはじめ、様々な支援を実施してきております。
 今日は、特にお聞きしたいのが、この間、何度か夜間中学については求めてきましたが、養護教員の配置やスクールカウンセラーの配置についてです。
 都としてどのように取り組んでいるのか、また、養護教員あるいはスクールカウンセラーの配置の重要性についてお答えください。

○吉村人事部長 養護教諭は、生徒の健康相談等の中心的役割を担っており、都教育委員会では、国の標準法を踏まえ、夜間学級を設置する中学校に対して、昼間の学級と合わせて一人の養護教諭を配置するとともに、夜間学級への措置として、都が任用する非常勤教員の養護教諭の配置や、今年度からは、設置自治体が最大で週五日、会計年度任用職員を配置できるよう、経費の支援を行っております。
 また、児童生徒を取り巻く様々な課題に対し、専門性を生かして心理面から支援を行うことが重要であることから、全ての公立小中学校にスクールカウンセラーを配置しております。
 夜間学級設置校では、夜間学級に在籍する生徒に対応するため、校長の判断により、必要に応じてスクールカウンセラーの勤務時間を柔軟に設置できるようにしております。

○とや委員 養護教諭は、健康相談の中心的な役割を担っているということです。また、スクールカウンセラーは、児童生徒を取り巻く様々な課題に対し、心理面からの支援を行うことが重要ということで配置をされているとのお答えでした。
 夜間中学には、発達障害などで個別支援が必要な生徒もいることから、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、高齢の生徒を支援する介助者、養護教諭の拡充を訴える意見も多く寄せられ、どちらの職種も、生徒が安心して学習できる環境を整えるために、なくてはならない役割を担っていると思います。
 そこでまず、ここからは養護教諭について伺いたいと思います。
 今、述べましたように、夜間中学には多様な人々が通学をしています。国際結婚や仕事の関係で来日した外国人とその家族、これらの人たちは、日本語が分からず苦労していると聞いています。分からないから学校を休みがちになり、それを先生たちが何とか支えているという現状もお聞きしたことがあります。
 また、メンタル面での困難を抱える人たち、貧困や家庭の悩みもあり、疲労も蓄積し、健康面でも問題を抱える人たちもいらっしゃいます。こうしたとき、学校で欠かせないのが養護教諭ではないでしょうか。
 東京都は、今年度から、養護教員を配置した区市町村に対し、人件費を補助しているということです。これは、それまでの状況から見ても前進であり、歓迎したいと思います。
 しかし、学校によって勤務状況は異なり、生徒の現状やニーズに応え切れていないのではないかと懸念があります。
 そこで、それぞれの夜間中学に配置されている養護教諭の週の勤務日数についてお答えください。

○吉村人事部長 設置自治体が設定している会計年度任用職員の勤務日数は、令和五年五月において、おおむね、墨田区立文花中学校及び世田谷区立三宿中学校が週二日、足立区立第四中学校及び八王子市立第五中学校が週三日、大田区立糀谷中学校、荒川区立第九中学校及び江戸川区立小松川中学校が週五日となっております。

○とや委員 ありがとうございます。
 それぞれの夜間中学の養護教諭の勤務日数についてお答えいただきましたが、昨年度はゼロ配置の学校もありましたが、現在は、マックスで五日間勤務している学校は三校だということが分かりました。八校のうち三校だという実態があるわけです。そして、他の五校は三日ないし二日間勤務です。非常勤の勤務校が一校ありますから、しかし、これはマックスでも週四日ということになります。
 通常の中学校と比較して、あまりにも差があると思います。毎日、養護教諭が在校していない状況をつくることは、生徒にとっても危険を伴うものであり、放置することは許されません。
 また、学校にばらつきがあるわけで、東京都の会計年度職員のシステムも大きな要因だと思います。
 会計年度職員は、大体五年で再度任用の試験を受けなければならないわけです。
 また、現在、養護教諭の職は時給千八百円と聞いていますが、一日の労働時間は五時間。週五日勤務しても、月収十八万、年収二百十万円、手取りは百万円台というふうに聞いております。まさに官製ワーキングプアそのものであります。そのため、他の職種と兼務をしている人などもいて、養護教諭が週五日勤務している学校が三校にとどまっているのは、そのせいではないかと思います。
 会計年度職員であることから、収入が低く、長く勤務できる職場でないことで、学校も人材を探すのに大変苦労していると聞いております。
 また、毎日勤務できない勤務状態では、生徒の健康状態の把握や、メンタル面での支援、相談などに対応することはできません。
 この状態は、適切とはいえないのではないでしょうか。

○小寺指導部長 夜間学級を含む全ての学校におきまして、教育相談体制の下に、教職員、これは様々な教員や、それから、それ以外の外部等の指導員も含めてですが、連携して、日常的に児童生徒の心身の状況を把握するとともに、必要な支援を行っているところでございます。

○とや委員 必要な支援を行っているといいますが、教職員が連携して生徒の状況を把握するのは、専任養護教諭が毎日配置されている通常の学級でもやっていることです。
 陳情者によれば、養護教員がいない学校で、健康診断に際して、教科を指導する教員が校医やエックス線の検診車を手配したり、健康カードに記入したりしなければならなかったことがあったということが記載されておりました。
 今でも、週二回など少ない勤務日数の学校では、またこういう事態が起こり得るのではないかと考えます。
 学校において、通常、健康診断時の校医やエックス線の検診車の手配あるいは健康カードへの記入の業務は誰の仕事でしょうか。養護教諭の職務についても、併せてお答えください。

○吉村人事部長 養護教諭は、健康診断の計画、実施等において中心的な役割を担っております。
 健康診断の実施に際しましては、各学校において、校長の指導の下、学級担任等と連携して業務に当たっているものでございます。

○とや委員 国の保健体育審議会の答申では、養護教諭については、現代的な課題など近年の問題状況の変化に伴い、健康診断、保健指導、救急処置などの従来の職務に加えて、専門性と保健室の機能を最大限に生かして、心の健康問題にも対応した健康の保持増進を実践できる資質の向上を図る必要がある、このような答申が出ています。
 これは九七年に答申されたものですが、養護教諭の職務について、健康診断や保健指導、救急処置は従来の職務となっていて、基本的な職務として、まさに位置づけられているわけです。このことを都教委として十分認識していただきたいと思います。
 ある学校では、養護教諭が来ない日に、生徒が授業を終えて帰宅しようとしたところ、突然倒れてしまったという事例もあると聞いています。関係者からは、養護教諭は週五日つけないと、いずれ死亡事故につながるなど最悪の事態を起こすことになるのではないかと語っていると聞きました。
 学校は、生徒が学び成長する場所であると同時に、安全な場所でなければなりません。その責任を負うのは設置者であると同時に、教員配置についていえば、都教育委員会の責任は大変重いといわなければなりません。
 国は、教育機会確保法制定以降の支援で、既設の夜間中学においては、多様な生徒の受入れを図り、それぞれの能力に応じた指導を充実させるためには、教員、養護教諭、スクールカウンセラー等の教職員体制の充実を求める声が多いとして、養護教諭などの加配についても財政的な支援をしております。
 都としても加配を要求すべきではないでしょうか。

○吉村人事部長 都教育委員会では、設置自治体が最大で週五日、会計年度任用職員を配置できるよう、経費の支援を行っております。
 各設置自治体が本支援制度を活用し、会計年度任用職員を必要な日数配置できるよう、周知を行っております。

○とや委員 周知をしても、今の不安定な雇用状態では、勤務したくてもできないわけですよ。ある区では、養護教諭が見つからなくて、助産師さんが見かねて来てくれているという学校もあるというふうに聞きました。そんな状況がいつまでも続けられるとは到底思えないわけです。
 全国夜間中学校研究会の調査では、全国の夜間中学の多くが専任養護教諭を置いていることが明らかになっている資料がございます。十七自治体三十一校で、全体の七四%に上ります。
 私は、夜間中学を設置している他県に、直接お話を聞かせていただきました。そのお話を聞いたところ、専任の養護教諭を置くのは、生徒を預かっている以上、当たり前であるとおっしゃっていました。養護教諭がいないときは、通常学級、昼間の学級と同様、他の教職員でカバーをするけれども、それは専任の養護教諭がいることが前提だというお話でした。先方は、なぜ当たり前のことを聞くのかという様子でありました。
 都としても、専任の養護教諭をきちんと置いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○吉村人事部長 都教育委員会では、国の標準法を踏まえ、夜間学級を設置する中学校に対して、昼間の学級と合わせて一人の養護教諭を配置するとともに、夜間学級への措置として、必要に応じて設置自治体が最大で週五日、会計年度任用職員を配置できるよう、経費の支援等を行っているものでございます。

○とや委員 いつまでも今の不安定雇用状態を放置しないで、生徒の命と健康に責任を持つ都としても、専任の養護教諭を配置するために、国に加配を求めていただきたいと強く要望しておきます。
 次に伺いたいのがスクールカウンセラーの配置です。
 文科省の有識者会議では、夜間中学校におけるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を促進するとして、夜間中学校を重点配置の対象として、人件費の三分の一の支援のメニューをつくって支援をしています。
 都として、夜間中学におけるスクールカウンセラーの必要性についてどうお考えでしょうか。お答えください。

○小寺指導部長 都教育委員会は、児童生徒を取り巻く様々な課題に対し、専門性を生かして心理面からの支援を行う必要があることから、夜間学級を設置する全ての中学校にスクールカウンセラーを配置しておりまして、必要に応じて勤務時間を柔軟に設定できるようにしております。

○とや委員 今のご答弁を聞いていると、夜間中学には全てスクールカウンセラーが配置されているように聞こえるんですが、決してそうではありません。昼間の学校に配置されているスクールカウンセラーが、校長の判断などで時間を変更したり、生徒に早く来てもらったりして対応しているという実態があるわけです。
 夜間中学では、生徒の家庭環境などの複雑化もあって、養護教諭同様、スクールカウンセラーなどの配置の重要性はますます高まっています。しかし、今申し上げたように、東京の夜間中学では、昼間の学級にのみスクールカウンセラーが配置されて、必要なときに生徒に早く来てもらうとか、カウンセラーが勤務時間をずらして対応しているという話もあります。
 スクールカウンセラーは週一回の配置であり、通常の学級でも相談待ちがあったり、あるいは相談内容も複雑化をして長期にわたる支援が必要になるなど、夜間と掛け持ちでは現実的ではありません。
 国の支援は、現場からの声を受けてのものであります。都としても、夜間学級へのスクールカウンセラーの配置に向けて検討していただくよう強く求めます。
 不就学であった高齢者や不登校の児童生徒、外国人など、学びたいと願う人々の学びに門戸を開き、基礎学習や日本語を学び、巣立っていく人たちの未来を明るくする夜間中学です。さらなる充実を求めます。
 陳情には、私ども賛成の立場でありますが、継続という会派のお声もありますので、継続を表明し、この質問を終わらせていただきます。
 次に、寄宿舎についてです。
 都立特別支援学校の給食費や寄宿舎食費について伺います。
 今年は、東京都の障害児全員就学実現から五十年の年に当たります。革新都政の下で、都は国に先駆け、どんなに重い障害があっても、全ての子供たちに教育を保障し、子供たちの成長、発達する権利を保障していくことになりました。
 先生方は、一人一人の状態に合った教材や教え方を工夫して、発達を支えてきました。
 子供たちの体づくりに欠かせない給食も、当時は直接雇用だった調理士や栄養士、教員たちが協力して、その子の状態に合わせた内容に発展していったと伺っております。
 今では当たり前となっている四種類の形態食は、肢体不自由の子供の舌を動かす力や、かむ力を育てています。
 また、偏食が克服できるようにと様々な工夫がされて、家では限られたものしか食べられなかった子供も、食の幅を広げています。
 友達と一緒においしいものを楽しく食べることは、子供たちの感情を豊かにし、意欲につながるなど、給食は、障害児教育にとって、本当に大きな意義を持っているものと思います。
 今日の請願陳情でも要望されている都立特別支援学校の給食無償化は、来年度予算案に計上されました。予算案発表前に出された請願陳情ですから、声を上げてきた都民の皆さんの粘り強い運動の大きな成果、運動が実ったということです。大いに歓迎したいと思います。
 そこで、まず伺いたいのが、特別支援学校に通う児童生徒にとって、給食は重要な位置づけと考えますが、学校や特別支援学校の寄宿舎での取組と、その重要性について伺います。

○落合特別支援教育推進担当部長 給食については、学校給食法の、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものでございますと規定されております。
 寄宿舎での食事については、入舎している児童生徒の基本的生活習慣の確立など、将来の自立や社会参加に向けた取組の一環として、日常生活に必要な食事を提供しているものでございます。

○とや委員 給食も寄宿舎の食事も、大変重要な役割を持っていることが分かりました。
 特別支援学校の給食無償化について、来年度予算案で計上されている金額についてお答えください。また、寄宿舎の食事はそこに含まれているのかも、併せてお答えください。

○落合特別支援教育推進担当部長 都立学校給食費負担軽減事業では、特別支援学校に係る予算として約十二億円を計上してございます。寄宿舎の食事は含まれてございません。

○とや委員 都立学校の給食無償化予算は、来年度予算案で全体で二十億円ですが、そのうち十二億円が特別支援学校ということであります。しかし、寄宿舎の食費は対象外だということです。
 寄宿舎の食費は就学奨励費の対象で、障害児に教育を保障するための支援の一つと位置づけられているわけですから、寄宿舎の食費も含めて無償にしてもよいのではないでしょうか。費用的にも、東京都にとって、できない負担ではないと思います。
 そこで伺いますが、都立特別支援学校の寄宿舎の食費、夕食と朝食とおやつが含まれていますが、一泊当たり、平均幾らになりますか。また、寄宿舎全体で年間にかかっている費用は幾らになるでしょうか。お答えください。

○落合特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校における寄宿舎の食費について、令和五年度の一泊当たりの平均単価は九百二十六円であり、これに入舎児童生徒数及び平均宿泊回数を掛け合わせた額は約七百万円でございます。

○とや委員 七百万円ということです。十六兆六千億円の東京都の予算、一般会計だけでも八兆五千億円の東京都の予算から見れば、ほんの僅かな金額ではないでしょうか。しかも、就学奨励費で既に負担している部分もあるわけですから、新たに必要な金額は、さらに少なくなるわけです。
 特別支援学校の就学奨励費の所得の段階区分別の児童生徒の割合はそれぞれ何%か、確認させていただきます。

○落合特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校における令和五年度の就学奨励費の段階別人数は、一段階が六千四百二人で四七・九%、二段階が二千六百七十八人で二〇・一%、三段階が二千八百九十一人で二一・六%でございます。

○とや委員 一段階の方は、全額補助となる段階です。二段階の方は半額補助ですから、計算すると、既に負担している就学援助部分を除いた、新たに必要となる経費は二百九十万円程度です。やろうと思えば、すぐにできる金額です。
 寄宿舎の食費についても無償化するべきだと思いますが、いかがですか。

○落合特別支援教育推進担当部長 特別支援学校の寄宿舎では、学校給食法に基づき、学校において教育活動の一環として提供される給食とは別に、入舎している児童生徒に対して、他の児童生徒が自宅で食べているのと同じように夕食や朝食を提供してございます。
 このような寄宿舎の食事は、ほぼ全ての児童生徒が毎日喫食する給食とは異なり、寄宿舎に宿泊する児童生徒のみが宿泊する際のみ喫食するものであることから、給食との性質の違いや、自宅から通学している児童生徒との均衡を考慮し、支援対象とはしてございません。
 なお、寄宿舎食費については、就学奨励費により、保護者等の経済的負担能力の程度に応じた補助を実施してございます。

○とや委員 先ほども申し上げましたけれども、そもそも寄宿舎の食費も就学奨励費の対象になっているということは、教育とは関係ない費用ではないわけです。障害児に教育を保障するために必要な費用だとみなされているということだと思います。そういう観点から、寄宿舎の食費も、ぜひ無償の対象にしていただきたいと思います。これは強く要望しておきます。
 この就学奨励費ですが、その改善に話を進めたいと思います。
 改めて、就学奨励費の目的と保護者への支給方法について教えてください。

○落合特別支援教育推進担当部長 就学奨励費は、特別支援学校への就学のために保護者等が負担する経費の一部を、その負担能力の程度に応じて支給するもので、保護者の負担を軽減することにより、特別支援教育を普及、奨励し、教育の機会均等を実現することを目的としてございます。
 保護者等への経費の支給方法については、保護者が一旦負担した金額について口座振込などにより支給する金銭支給を原則とし、一部の経費については、現物支給による支給をしてございます。

○とや委員 就学奨励費は、給食費や通学費、学用品、修学旅行や校外活動に係る費用、教材費、寄宿舎の費用などを支給する制度ですが、ご答弁のとおり、原則、保護者が一旦負担し、後から支給する仕組みになっています。そのため、特別支援学校では、給食費や修学旅行の積立てなどで毎月一万五千円くらい徴収するのが一般的です。
 そうした中で、高等部にお子さんが通っている保護者から、後から戻ってくるとはいえ、この一万五千円の支払いがとても負担で、修学旅行には行かせられないというお話を聞いています。一旦保護者が支払うことで、学びの機会を諦めざるを得ない状況が生まれてしまっているんです。
 就学奨励費が保護者の負担を軽減し、子供の学習権を保障する役割を果たしていなければ、適切な支給とはいえないのではありませんか。お答えください。

○落合特別支援教育推進担当部長 就学奨励費については、金銭支給を原則とし、一部の経費については、現物支給により支給をしてございます。
 都立特別支援学校では、校外学習及び修学旅行の参加費用や学校給食費及び寄宿舎食費の延納者への支給については現物支給を可能とし、保護者の負担を軽減してございます。

○とや委員 修学旅行費などは現物支給が可能だと。つまり、一旦払わなくてもよいということになっているということなんですよね。しかし、少なくとも、この保護者の方にはそうした案内は届いていなかったということです。
 知り合いの特別支援学校の教職員にも聞いてみましたけれども、支払いが大変な保護者には配慮している学校もあるけれども、どの学校でも当たり前に現物支給しているわけではないとおっしゃっていました。
 就学奨励費は、保護者の経済的負担を軽減するものです。その目的から見れば、一旦全額支払うのは制度の趣旨に反します。
 都教委から各学校に通知を出すなどして、学校が就学奨励費から直接各種費用を充てることとし、家庭から徴収しないようにすべきですが、いかがですか。

○落合特別支援教育推進担当部長 都では、金銭支給を原則とし、一部の経費については、現物支給により支給してございます。
 現物支給の方法については、各学校の経営企画室職員に対し、毎年説明を行ってございます。

○とや委員 毎年、最低一人は参加を呼びかけてオンラインで開催しているとお聞きしましたけれども、ほかにも説明することがたくさんある中で、なかなか徹底が難しいのではないかと想像します。
 子供の学習権に関わることですから、改めて通知を出すとか、一旦、払わない方法もありますよと保護者に伝えるチラシを作成して配布するとか、もし現物支給をしづらい理由が学校にあるとすれば、解決するなど、都教委として対応していただきたいと思います。
 寄宿舎における就学奨励費には、帰省費や用品費、食費がありますが、食費を見ると、幼稚部が第一段階で年額十五万六千二百十円、第二段階が七万八千百五円です。ところが、食事の量が格段に多い高等部の生徒は十三万九千七百五十円、六万九千八百七十五円と幼稚部より低くなっています。この理由を伺います。

○落合特別支援教育推進担当部長 寄宿舎食費に関する就学奨励費については、国において限度額が設定されてございます。
 金額設定理由は、都教育委員会としては承知してございません。

○とや委員 分からないということですが、誰が考えても、幼稚部が十五万六千円なのに、高等部が十四万円弱なのはおかしいと思いませんか。
 実際に各学校が保護者から徴収している食費の平均額を事前に教えていただきましたが、幼稚部は、今はないから分かりませんが、小学部は、夕食と朝食の合計で八百十円、中学部は一千四十九円、高等部は一千六十二円と、体が大きくなるにつれて当然高くなってきているわけです。こうしたことから、実際にかかる食費が就学援助額の限度額を超えてしまう状況が生じていると聞いています。
 例えば、島からの寄宿生を受け入れている八王子盲学校の寄宿舎では、島からの寄宿生は、土日も寄宿舎で過ごしますから、食費が就学奨励費だけでは足りないことは、以前の委員会でも質疑をさせていただきました。
 全寮制の光明特別支援学校の病弱部門の場合は、実際の食費が分からないので平均額で計算しますと、一泊一千六十二円掛ける週四日掛ける三十八週で十六万一千四百二十四円で、就学奨励費を二万円以上も超えてしまいます。さらに、昨今は物価高騰が深刻ですから、現在の金額のままでは、ますます矛盾が生じてしまいます。
 学校給食費無償化に寄宿舎食費を含めれば解決する問題ではありますが、最低限、就学奨励費にも改善の目配りをしていただきたいと思います。
 就学奨励費は、本来、保護者の負担を軽減し、教育の機会均等を実現することです。ところが、物価高騰で奨励費だけでは賄えず、保護者の負担が大きくなり、修学旅行を諦める家庭、食費の支給額も子供の発達に見合ったものになっていないなどの状況があるわけです。
 支給金額の見直しを国に求めるべきではありませんか。

○落合特別支援教育推進担当部長 都教育委員会としては、就学奨励事業については、国の財政支援制度を維持するとともに、補助率に見合う国庫補助額を確保することなどを国に対して要求しており、特別支援教育を推進するため、引き続き、必要な施策の財源措置を求めてまいります。

○とや委員 国が改善するまで、不足しないよう、都として支援上限を引き上げることも必要だと思うんですよね、私は。
 いかがでしょうか。

○落合特別支援教育推進担当部長 就学奨励事業は国の制度であるため、都教育委員会は、国の法令等に基づき、特別支援学校へ就学するために必要な経費の一部を就学奨励費として適切に補助してございます。
 引き続き、国の制度を踏まえ、適切に対応してまいります。

○とや委員 寄宿舎食費も無償化すること、就学奨励費の支給方法や限度額の改善など、子供たちのために積極的に取り組んでいただくことを求め、次の質問に移りたいと思います。
 私からの質問なんですけれども、まず、私から、平均点などの情報提供の問題、それから個人情報の問題などについて伺いたいと思います。そしてまた、先ほど瀧沢部長からご報告があった実施状況報告について、一部、少し伺いたいと思っています。
 うちの会派からは、後ほど斉藤委員が、今年度のESAT-Jをめぐって、都民と議連などが出した四団体での実施状況調査の問題や都教委に宛てた要望書、また、本日提出された実施状況報告書など、詳しい問題について質問させていただきます。
 まず、先ほどちょっと、攻撃という言葉があったのですけれども、保護者も、都民の皆さんも、それから私たちも、攻撃という言葉になるようなことはしておりません。むしろ、英語スピーキングテストにいえば、よりよいものにしてほしい、問題をやっぱり排除してほしいという思いがあっていってきたわけですよ。
 英語の教育をしっかりやって、授業をしっかりやって、子供たちが英語を覚えて話せるようになって、コミュニケーションのツールとして使えるようになれば、これは本当に世界が広がっていいことだと思っています。そういう立場で、この間、質問してきているわけです。誤解のないようにしていただきたいというふうに思います。
 ちょっと確認なんですけれども、先ほどの、実施状況報告書についてご説明をいただいたんですが、昨日、NHKの報道で、去年の十一月と十二月のテストで六十人が適切な試験を受けられなくて再試験の対象になったということと併せて、東京都教育委員会において、昨日、二十七人の人たちが、一昨年のテストで同じような形での再試験の対象となったということが報道されていましたが、そのことについてはご説明をいただいたでしょうか。それをちょっと確認してください。
 もし説明をしていないのであれば、なぜ説明をしないのか、お答えください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 昨年度の時点で、二十七人という数字は挙げていません。
 報告事項の内容につきましては、状況を踏まえて、毎年検討して報告をしております。
 昨年度は、実施の初年度でもあるということもありまして、それぞれの進行に応じて、例えば、スコアレポートを返したタイミングで、返しましたということをお知らせをしたり、情報を提供しておりました。
 ただ、その内容につきましても、それぞれ判断をして、それぞれの段階でお話をしているということでございます。

○とや委員 今年は六十人の生徒の公表をしたわけですよ。都の担当者はということで、かけなくてもいい負担をかけてしまい、責任は重いと感じていると。先ほどの答弁の中でも、それと似たようなことをおっしゃっていましたけれども、じゃ、一昨年はそういうことはなかったのですか。かけなくていい負担をかけてしまったとか、責任は重たいというふうに感じていなかったのでしょうか。
 私たちは、これまで何度も、何度もですよ、トラブルはありませんでしたか、八人の機械不具合以外の同様の例はなかったのですか、トラブル以外にも報告すべきことはなかったのですかと、本当に何度も何度も繰り返して聞いてきました。
 ところが、都教委は、こうした質問に対して、まるで何もなかったことのように、試験は適切に行われた、適切に対応してきたと、このように答弁してきて、事実を隠してきました。
 私は、これは、二元代表制という議会と行政の形を取って、行政の事業について、一つ一つ都民の声を届けてチェックをして、よりよいものにする、予算の使い方をきちんとチェックをする、その役割を果たせなくなってしまいます。説明責任を果たさない、事実を全くいわない、いわば、もっといえば虚偽答弁をしてきたといわれても仕方がないですよ。
 それで、昨日の教育委員会で初めて明かしたと。しかも、今日いってくださるのかと思ったら、それもなかったと。どういうことなんでしょうか。ちょっとびっくりして言葉がないくらい。
 私は、教育長に申し上げたいのですが、都民にも議会にも報告しないで、一年以上も放置してきました。この場で議会と都民に謝罪すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 再試験につきましては、もともと試験を受験した段階で、例えば、機械のトラブルの申出があった場合あるいはイヤホンの脱着をしてしまったというような生徒からの申出等々、そういうことがあるということも想定した上で、もともと実施要項に試験をもう一度やることを含めた計画を立て、その実施要項に基づいて、昨年度も今年度も実施をしています。
 昨年度につきましても、もちろん、再試験を実施していることにつきましては報告をしているわけです。ただ、今年度に……(とや委員「してないよ」と呼ぶ)十二月に実施しているということは、その日に再試験を実施しているということですから、そのことについては報告をしております。
 ですので、何かそのことを隠しているようだというような指摘には当たらないというふうに考えますし、今年度につきましては、より詳細に、先ほど報告をしたということであります。

○とや委員 初めて二十七人という数字を出して明かしたというふうに報道されているし、私たち、二十七人なんていう数字を聞いたことはありませんよ。しかも、やっぱりきちんと文書も出して報告すべきで、そのことについて、きちんと今答弁もいただいていないわけですよね。ごまかさないでいただきたいですね。ちょっとおかしいんじゃないかと思うんですよね。
 そこで聞きたいのですが、一昨年に行った二十七人の方には謝罪をしたんですか。また、何人が再試験となったんですか。お答えください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 再試験に至る経緯については、様々な事情があります。必要に応じて、謝罪が必要だと判断したものについては、もちろん謝罪をした上で再受験をしてもらっております。
 繰り返しお話をしますけれども、そのように再受験をする機会が必要だということは、当然、最初から認識をした上で、試験の仕組みを立てて実施をしています。
 その点につきましては、当然、区市町村教育委員会や学校、生徒も理解をした上で受験をしており、当然、去年も受験した生徒がいるわけですから、それを何か隠しているとか、そういうような指摘は全く当たらないというふうに考えております。

○とや委員 先ほど私は、機器のトラブルだとか、あとは、トラブル以外にも報告すべきことがなかったのか、適切な対応といえないような事例はなかったのか、ずうっと聞いてきましたよね。一切いわないできた。二十七人なんていう数字は、初めて聞きました。報道でも、初めて明かしたとなっています。
 それはいっていると。それは予備日のことをいっているんだろうと思いますけれども、それは予備日はあるでしょうよ。だけれども、予備日に謝罪をしなければならない不適切な状況があったか、そのことについて、一回も説明は受けていません。ごまかさないでください。
 謝るようなことをしなければならない状態になったわけですよ。これで適切だというふうにいえるのでしょうか。お答えください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 試験の実施、事業の実施という観点から見ると、七万一千人の応募をいただき、その受験を実施し、その評価について完了したという点で、事業については適切に実施できたということについて、これまでお話をしているところです。
 再受験をしたということにつきまして、繰り返しの答弁になりますが、最初に実施要項でも示しているとおり、再試の機会を設定することとしていて、その中で実施をしたということであります。
 付議いたしますが、再試験になるに至った状況については、様々、生徒からの申出があった場合には、その生徒の申出を最大限配慮することによって、例えば機械のトラブル等についても、本当に機械のトラブルかどうかということをその場で判断するのではなく、そういう申出があった生徒に対して最大限配慮するということで、その希望に応えるということで再試の機会を提供しているものであります。
 ですから、その機会が生じたということをもって、何か不適切な運営が行われたというような数字の見方をするということは、我々はそうは考えておりませんので、その数字がゼロになることをもって、ベストな方法で実施してきたというふうに判断するべきものではない。それぞれの生徒の申出に、適切に、柔軟に対応していくという結果であるというふうに考えております。何か隠すような、そういうものではございません。

○とや委員 生徒にどういう対応をしたかということを聞いているのではないんですよ。一年以上も黙っていたことについてですよ。議会を何だと思っているんだといわなきゃならないですよ。
 プレテストのときに報告されていたトラブルは、教室が騒がしく出題が聞こえなかったとか、監督補助員が状況を正しく確認できなかったとか、誤ってフライング対応として別室誘導とか、タブレットから聞こえる音声が飛んでいたとか、イヤーマフもイヤホンも外れてしまっただとか、そういった具体的なことがたくさん書かれていました。
 別室受験は八百八十件、タブレット不具合百三十六件、イヤホン不具合四十八件、イヤーマフを使用できなかった者は二十二件など、詳細な報告があります。
 これらの報告を本試験で求めても、適切に行われた、適切に対応したなどといって、全く拒否してきました。
 一体、何が起きているのか。今回の報告で、改めて疑わしいと。都民からは、何も信じられないという声が寄せられております。
 プレテストのときと同等の検証報告を、二二年度、二三年度の試験分も含めて出すべきですが、いかがですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 報告は事業者が作成するものというのが原則であります。その内容については、私たち都教委とも協議の上、内容についても検討の上、報告をするということにしてきたと。
 それでこれまでも受けてきましたし、今年度、最終年度ということになりますので、その報告もしっかり受けていきたいというふうに思います。

○とや委員 この間、何度も報告書に対して、プレテストと同等のものを出してほしいといってきたにもかかわらず、都教委は拒否してきたんですよ。本当のことをちゃんと語ってこなかったわけですよ。今頃になって、六十人と同じときに、実は、一昨年、二十七人もトラブルがあったんだ、謝罪をしなければならない不適切な状況があったんだということを明かしたわけです。
 こんなことをされたら、もう都教委のやっていることなんか、誰も信じられなくなってしまいますよ。それを払拭したいのであれば、やっぱり二年分の検証報告書については、詳細なものとすることを求めておきます。
 この問題だけ、ずっとやっているわけにもいかないので、質問に入りますが、ESAT-Jにおけるテストの情報提供について伺います。
 生徒も保護者も、テストの結果がどうだったのか、志望校を変える必要があるのかなど、ESAT-Jの配点が二十点もあることから、この時期の悩みは尽きないわけです。
 いち早く生徒や保護者に実施状況を伝える必要があると考えますが、個人の成績とともに、全体の平均点がどうなっているのか、これは生徒にとっても進路を左右する大事な問題です。
 ところが、都教委は、平均点について、昨日の教育委員会、そして今日の委員会で、ようやく報告するという事態となりました。
 そこで伺いますが、昨年度は、平均点をいつ都民に公表しましたか。今年度は、昨日の都教育委員会が初めてでしょうか。大幅に遅れた理由をお答えください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 昨年度は、令和五年一月二十六日に公表しております。
 なお、先ほど少し言及しましたが、昨年度は、入試に活用する初年度であったということもあり、事業の進捗をその都度公表してまいりました。
 その結果を返却する、つまり成績を返却するときに、その結果を返却したという報告とともに、本試験、それから全体のスコアを算出して公表したという経緯があります。
 今年度は、二年目に入ったということもありまして、進捗状況の都度の公表をすることはしていません。
 昨日の定例教育委員会で、実施状況の報告として全体の平均スコアを報告したものであり、遅れたものではありません。

○とや委員 昨年度は、一月十二日に本試験の平均点が公表されました。その後、二十六日に全体の平均点が公表されているんです。
 生徒にとって進路を左右する試験の平均点が一体何点なのか、自分の点数と比較して判断する重要な材料だとは思わないのでしょうか。
 本当に、遅れたものではないといっているけれども、明らかに去年から比べれば遅いわけですよ。生徒のことを考えているといいながら、自分たちの都合を優先させている、そうとしか思えないです。本当に軽く扱っているんじゃないかといわなければなりません。
 ESAT-Jを入試に活用するといって、都民の批判も無視してESAT-Jを実施した都教委の責任って、本当に重たいと思うんです。
 しかも、都は、よりよくしていくとして、試験の実施について改善したと、この間いってきましたが、平均点の公表の遅れは大きな後退です。生徒の進路を左右する判断材料を提供しないとなれば、責任を果たしていないということになります。厳しく指摘をしておきます。
 また、テストが公平、公正に行われたのか、都民の判断を仰ぐための情報公開は、非常に重要です。おととしもやりませんでしたけれどもね。
 今年度の試験について、前半、後半の平均点をお答えください。また、日程別の平均点もお答えください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ご承知かと思いますが、評価に当たっては、項目応答理論、IRTですね、これを用いることにより、生徒の話すことの能力を、国際的な基準であるCEFRに照らして、絶対評価として測定するということで対応をしております。
 客観的に評価することが可能であることから、前後半、試験日といった、それぞれ条件別の平均的なスコアは算出をしていません。

○とや委員 昨年は公表した数値を、今年は公表しないと。テストの公平性、公正性を検証する上でも大事な指標となる数値を出さなければ、ますます都教委の信頼は後退することになります。
 前半、後半の平均点のスコアについては、都民からも疑義がこの間出されてきました。後ろめたいことがないのであれば、IRT処理をしていようが、していまいが、出しても差し支えないはずです。実際、去年は出したのですから、前半、後半、実施試験日別の平均スコアを出すべきだと考えます。
 実際、昨年は、八名の修正が出て平均点のスコアが上がったわけですが、都教委は、その根拠となる資料について、いまだに都民に示すことができていないではありませんか。その上に今年度のデータも出さないとなれば、これはまた何かあるのではないかと都民に疑われても仕方がありません。
 また、今回の平均点は六十五・二点、昨年は六十・五点、その前はプレテストですが、五十三・七点。二年間で十一点以上、上がっていると。平均点の急上昇が、生徒の実力が急上昇したものなのか、それとも、タブレットを使用するということが浸透して、生徒が塾や模試で練習したことによるものなのか、あるいは、本当にこの三年間の問題は、等化をされて同じ難易度だったのか。等化の方法にも疑問が呈される中で、検証したいと思うのは、都民として当然の考えではないでしょうか。
 その検証材料として、前半、後半、予備日の平均点など、全て公開すべきなんです。今からでも公開することを求めておきます。
 そして、昨年度の本試験ですが、前半の平均点について、八名の修正が出たことで、六十・七七から六十・七八に変更がされました。前半、後半の平均点について、根拠となるデータを持ち合わせていないのでしょうか。
 ベネッセから電話で聞いたと都民に説明しているということですが、具体的に、いつ誰が聞いたのかなど、状況を説明してください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 都教育委員会は、二月上旬に修正の対応を行った際に、修正後の平均スコアを、事業者から口頭による報告で都の職員が確認をしています。

○とや委員 平均点の修正についての報告を、なぜ電話でするようなことを、電話で済ませるようなことをしたのでしょうか。あまりにも非常識で、もう社会的に通用しないと思いますよ。
 もう一つ聞きます。
 都教委は、事業者から、全ての解答音声データを確認し、八件以外の録音不良事例はなかったと、報告を書面で受け取りましたか。それとも、対面や電話などで聞き取ったんですか。そうだとしたら、いつ誰が対面や電話で聞き取ったのでしょうか。お答えください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 教育委員会は、二月上旬に、事業者からの口頭による連絡で都職員が確認をしております。
 先ほどの前半、後半につきましても、口頭で私の方から報告をしているということでございます。
 それは、昨年度、前半、後半で有利、不利があるのではないかというご指摘もあったことも踏まえて、補足として私が口頭で報告をしたものであり、その内容について、電話で事業者から報告を受け、私からいったということですが、付議すれば、その差異は全くなかったわけです。
 そういうことも判断して、今年度については、それぞれ出すということはしておりません。

○とや委員 今、私が二問聞いたのですけれども、どちらも書面でなく口頭での連絡です。あり得ないと思います。生徒の受検に活用するといって、億単位で税金を投入しているんですよ。メールもないんじゃないですか。
 民間事業者との契約であるわけです。公費が投入されている以上、そんないいかげんなことで済ませないでいただきたいと申し上げておきます。
 こうしたテストをめぐっても、本当にずさんで、軽々しく扱うようなことをしていれば、先ほどもいいましたが、多額の税金投入について、都民の納得を得ることができないじゃないですか。もうきっぱりと中止した方がいいと思いますよ。
 それから、今年度から始まっているYEAR1、YEAR2についてもお聞きしたいと思います。
 これは一、二年生のテストを始めたわけですが、これについてもおかしなことが起きています。
 生徒の個人情報と保護者の名前を記載する同意書が、中学三年生のESAT-Jの個人情報提供まで約束をさせるものでした。
 これは修正されたわけですが、しかし、最初に書いた人は修正しなくてもよいと。中三時点で登録する個人情報は含まないものと読み替えると都教委はいっていますが、そのような同意書って成り立つのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 今のご質問について、ちょっと補足も含めてご説明しますが、つまり、都教委が発出している保護者向けの文書を訂正を出した、そういうことであります。
 最初に、その同意書の訂正を発出するということになったという点については、保護者の皆様にご迷惑をおかけしたということを自覚しております。申し訳ないと思っております。
 その上で、同意書の訂正に関する都教育委員会の取扱いにつきましては、全ての保護者に改めて通知をしているところでございます。

○とや委員 この訂正なんですけれども、混乱を避けるために配布していない学校もあると聞いているんですよ。そうした学校の保護者も生徒も、自筆で名前を書いて同意書を取られているんですよ。後で訂正したということは知らない人もいるんですよ。そんなことでいいんでしょうか。
 そもそも、訂正をするというのであれば、訂正をするための同意書を取らないといけないんじゃないでしょうか。そういったこともしないで読み替えるというやり方が、あまりにも雑で、保護者の心配、不安をあおるものになっているというふうに私は思います。
 修正前の同意書が同意書として成り立たない場合は、個人情報を勝手に持ち出すことはできません。そもそも、修正後の同意書が混在することで混乱を招いています。都教委の対応があまりにもずさんであることを、もう少し自覚していただきたいと思います。
 さらに、不可解な点はまだあります。
 YEAR1、YEAR2の受験において登録した個人情報を、なぜ卒業後四年間も保管する必要があるのでしょうか。マイページはなくなるのに、なぜ四年間保管するのでしょうか。理由をお答えください。
 必要のない個人情報を民間事業者が管理するようなことはやめるべきですが、いかがでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ESAT-JのYEAR1及びESAT-JのYEAR2では、学校名、学年、組、氏名を登録するということにしています。これらは、保護者の同意を得た上で、ESAT-Jの受験の際の基礎情報として、引き継いで活用するということを想定しています。
 ESAT-Jの結果が都立高校入試に活用されるという、今お話ししたようなことも視野に入れながら、都立高校に在学する可能性のある期間として四年間保存するということでお示しをしているところでございます。

○とや委員 要するに、YEAR1、YEAR2で提供した情報は、中学三年生のESAT-Jと、その基礎情報は統合するということですよね。こんなことを保護者の皆さんは知りませんよ。そんな説明は受けていませんよ。
 保護者の同意を受けた上で、ESAT-Jの受験の際の基礎情報として、本人も含めて活用するといったけれども、そんなこと、同意書に書いていないじゃない。
 卒業後はマイページがなくなるわけです。子供は見ることもできないのに、氏名や中学校や個人情報を、卒業後四年間保管する意味がありません。
 公文書、公的な文書で、曖昧さは本当に許されないと思うんですね。中学三年生でESAT-Jを受験する場合は、改めて個人情報は取られるわけですよね。だから、今、そんなことをする必要はないわけですよ。
 しかも、都立に行く生徒というのは約四万人。私立や国立に行く子供たちは、データを四年間も保存する必要はないでしょう。
 YEAR1、YEAR2の受験のために提供させた個人情報は中三で使うなど、それについても書いていないですよね。アチーブメントテストなわけだから。
 個人情報は、卒業と同時に削除すべきです。お答えいただけますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ちょっと繰り返しになりますけれども、YEAR1、YEAR2の成績データにつきましてですけれども、今後、三年生になったときに、保護者の同意を改めて得た上で、ESAT-Jの受験の際の基礎情報として使うということを進めていくということであります。ですから、もう一度、三年生のときに同意を取るということで進めております。
 その上で、ESAT-JのYEAR1、YEAR2の成績データにつきましては、該当の卒業時に削除をいたします。
 なお、ブリティッシュ・カウンシルが作成した事業計画において、音声データを四年間保存する予定という記載があるんですけれども、これについては、その後、ブリティッシュ・カウンシルとの協議の結果、卒業時に削除するということを確認して進めております。

○とや委員 その四年間保管するという記載を私も見ましたけれども、それを本当に削除する、四年間じゃないんだということを、どうやって説明するんだろうかと思っているんですよ。保護者の不信感、生徒たちの不信感を拭えないと私は思っています。ここは、もうちょっと保護者の声も聞いて、個人情報というデリケートなことを扱うわけですから、見直していただきたいということを申し上げておきます。
 最後に、基本協定について伺いたいと思います。
 ブリティッシュ・カウンシルとの基本協定その二には、海外での採点も想定した条項があります。
 これは個人情報を海外に持ち出すことを意味しているわけですが、今後、ブリティッシュ・カウンシルが取り扱う個人情報はどのようなものがありますか。具体的にお答えください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ブリティッシュ・カウンシルが取り扱う個人情報についてですけれども、受験者が登録する内容ですが、在籍する中学校の名前、それから、組、番号、氏名、生年月日、顔写真、電話番号、eメールアドレスなどであります。
 ですから、本人と確実に連絡を取るために必要なもの、あるいは本人であることを確実に確認する上で必要なものということにしております。
 そのほか、テストの結果、これはESAT-Jグレードですとか、あるいはスコア及び解答音声のデータ、各種申請に係る申請状況及び審査結果、特別措置の申請に関わることですとか、予備日の受験の申請ですとか、不受験申請等、これらにつきましても共有するということになります。

○とや委員 生徒の氏名や生年月日だとかという基礎情報のほかに、解答音声のデータも個人情報ということが分かりました。
 生徒の個人情報は多岐にわたり、非常にデリケートなものです。どのように利用されるか分からないという懸念もある中、保存年限も保護者の納得のいくものではありません。そして、ベネッセもブリティッシュ・カウンシルも、海外での採点を想定しています。取り返しのつかないことになる前に、ESAT-Jは中止すべきです。
 以上で質問を終わります。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時四十六分休憩

   午後四時十分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○風間委員 私からは、英語スピーキングテストの報告について質問していきますけれども、私たちの会派としては、繰り返し申し上げてきたところでありますけれども、中学生が英語の四技能の現在地点を把握するということは大変に重要なことであって、そこから自ら向上していく、そんな取組が中学校生活の中であればいいなと思っていますから、スピーキングテスト、スピーキングの能力について現時点で各学年で把握しながら、その能力を伸ばしていくということに関しては大切なことだと、まず考えています。
 しかし、これを中学生が都立高校、入試するという際に、そのスコアが反映されるということに関しては、公平、公正でなければならないという視点から大いに問題があるということで、これを是正するために、かなりその問題を具体的に指摘し、改善を求めてきたところでありますから、語気が強くなることもありますし、そういった都民の声を代弁しているという自負で行っております。
 これについて攻撃的だというような評価をする人もいるようですけれども、決して攻撃をしているわけではなく、こういった不利益を被る可能性のある中学生の立場になってみれば、少し声を荒げることがあるということもご理解いただければなと思いますし、全くこういった問題を無視して、都教委側にお願いしますと、こういった声があります、お願いしますといって、判断を教育委員会側に委ねていくやり方が真に都民の声を代弁しているのかといわれれば、私は、それでは責任を果たし切れないと思っていますから、今回もその視点で質問をしてまいります。
 まず、今回報告がありました申込者数と受験者数ということについてですけれども、数値的な報告が先ほどもありました。実際に申込みをしている生徒、そして、実際に受験をした生徒、この数値にかなり開きがある。七%程度の生徒が実際には受けていないというような状況について、これは何でなんだろうと昨年も思いましたし、今年も同じような数値になったというところから伺っていきたいと思います。
 先ほどの説明ですと、不登校の生徒も申込みはしていて、やっぱり当日は行かなかったというような報告がありましたけれども、七%程度の子たちということを考えると、不登校の子供たちの数よりは、やはり少し多いのではないかなというところから、都の教育委員会としては、当日、実際に受験をしなかったということに、そういった生徒がいるということについては、ほかにどんな理由があると分析しているのかを教えてください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 先生もご承知だと思います、学校には様々な状況があるということが大前提だと思います。
 その上で、重複することになりますけれども、当日の欠席者については、中学校からは、申込みを行った者も、例えば体調不良もあります。それから、不登校なども含めて、個別のそれぞれの状況から欠席した生徒がいるというふうに聞いております。

○風間委員 体調不良で、季節的にも、当日来られないという生徒がいるだろうなというのは想像できます。
 一方で、もう私立にしか行かない、都立は受検しないから受験しないんだというような声も少し漏れ聞こえてくるところですけれども、こういった--本来はアチーブメントテストですから、全ての生徒が受けて、その立ち位置を知るということが重要だと思いますけれども、もう都立は受検しないから受けないんだというような子たちが一定数いるのかいないのか、そのことについて、都の教育委員会はどの程度把握しているのか、教えてください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ご指摘のような事例があるかどうかについては把握をしておりません。
 本来、これはアチーブメントテストですから、入試であるかのような議論が先行していますので、そのような誤解があるとすれば残念なことであり、今、委員がおっしゃったように、アチーブメントテストとしての趣旨を十分に理解していただきながら、引き続き、受けていただけるように、区市町村教育委員会とも連携して対応していきたいと思っております。

○風間委員 莫大な予算を使って行う事業ですから、しっかりとその意図が中学校の現場、そして生徒たちにも伝わって、より多くの生徒たちが自分のスピーキング能力の立ち位置を知るということが大変に重要だと思います。
 そのことについて現状を把握していないということについては、少し問題があるというか、残念なことではありますし、そのことはきちんと調査をするべきだと思います。
 また、七%程度の生徒が受けていない、二年連続でですね。という状況について、これを改善するために、都教育委員会は、来年度やるんだとすれば、どのように考えているのか、教えてください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 繰り返しの答弁になりますが、それぞれの生徒の事情があると思いますので、不受験の理由を調査するということは、今、考えておりません。
 もちろん、様々な事情から、申込みをしたけれども、受験の日は欠席したという生徒がいるということは想定されます。
 引き続き、事業の趣旨を踏まえて申し込んでいただけるように、区市町村教育委員会などとも連携をしてまいります。

○風間委員 ということは、七%程度の不受験者がいてもしようがない、構わないというのが今の都教委のスタンスということなんですね。その改善策も考えていないということなのであれば、そういうものだと、こちらは理解します。
 次に、スコアと採点というところについて少しお伺いしていきますけれども、平均スコアが五ポイント弱上がったということについて少し議論がありましたけれども、これは、問題の難易度は昨年同等であったかのような、または、今年の受験者たちは頑張ったとか準備したとか、そういうような答弁もあったところでありますけれども、本当にこれは、問題の水準としては同等のものだったと都教委は評価しているのかどうか、教えてください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ちょっと質問の趣旨について不明な点も含まれると認識をしています。
 評価に当たっては、IRTですね、項目反応理論、これを用いることによって、生徒の話すことの能力を、国際的な基準であるCEFRに照らして測定するものというふうにしております。
 ですから、問題の難易度ということの定義に関わりますけれども、この問題が、例えばこちらの問題が易しいと感じるとか、難しいと感じるか、そういうことにかかわらず、経年で評価をすることができる、そういう比較をすることを可能としている制度設計になっています。

○風間委員 もう一つ、評価をしている人たちということについては、去年同等のレベルがあったと都教委は確認しているのかどうかも確認します。

○瀧沢グローバル人材育成部長 採点については、協定に基づいて事業者が適切に実施をしておりまして、今年度の採点者についても、高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する者が、事前に本テストの採点に係る研修を受講した上で、基準を満たした者が採点するということは、これまでもお話ししていることですし、今年度についても同じであります。
 そのために、毎年、全ての採点者が同じ水準で採点を行っているというふうに認識しています。

○風間委員 初年度に実施するに当たっては、現地に行って確認もしてきたというような答弁もあったと覚えていますけれども、今年は、二年目については、そのようなことはなく、業者に委ねているというか、業者のいうことを信じてという状況なのか、実際に現地に行ったのかどうかも確認します。

○瀧沢グローバル人材育成部長 現地にも行って確認をしています。

○風間委員 続いて、Fの評価、ゼロ点であるという生徒が若干数値としては増えているというふうに、この報告では見受けられますけれども、数にすると八百人弱程度でしょうか。わざわざ交通費を払って、もしくは交通費を払っていない人もいるとは思いますけれども、受験をして何も話せなかったのか、もしくは何か話しても零点だったのか分かりませんが、そういった生徒が八百人もいるというのは、全体の一%強、少し多いなという印象があるわけですけれども、これについては、そういったスピーキング力がゼロと評価されるのが実情だと都教委は判断をしているのか、もしくはほかの何らかの理由があると考えているのか、教えてください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ちょっと実情ということの指す意図が分かりませんけれども、ゼロ点という評価をしたということは、その数字のとおりであります。
 多様な生徒が受験をしております。様々な要因が想定されると思います。委員が今ご指摘のようなこともあるのかもしれませんが、先ほどの当日の欠席者についてもそうですけれども、様々な生徒がいますので、それに対して受験をさせるとか、あるいは解答をさせるとか、そういうことをもって改善するというふうに直接評価するかどうかについては、慎重に配慮してやっていくべきだというふうにも考えております。
 ですから、今のご質問のように、昨年と変化をして増えているということもあったとしても、何か特定してこの要因であるということを分析するというのは、そもそも困難であるというふうに考えています。

○風間委員 ゼロ点であることに関しては様々な理由があるということでしたけれども、それぞれの生徒のスピーキング力の現状を知り、そこから、特に一年生、二年生の場合については、その先も、学校の現場で授業等を通じて指導していくということになるんでしょうから、そういった現状の生徒がどれぐらいいるのかということを都教委としても把握するわけですし、各市区町村の教育委員会、そして学校現場も知るということで、授業の改善等にもつながっていくのかなと想定をしています。
 個々の生徒の能力を向上していくための授業ということは大変重要だと思いますけれども、これが、YEAR1、YEAR2等において学校等の序列を決めるようなものであってはいけないなと。
 特に業者テストに関しては、そういった議論がこれまでにもありましたので、感じるところですけれども、先ほど、ほかの委員からの話だと、ある中学校は一番だったというような話がありましたが、これは、スピーキングテストにおいて、こういった各都内中学校での序列が分かるようなデータの示し方というのはしているんですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 当然のことながら、そういうデータについては、十分な配慮をした上で行っておりますので、そのような状況は提供しておりません。
 先ほどの松濤中の例でいえば、全国でというお話だったと思いますので、今回のこのスピーキングテストの個別の点数を取って、学校の方がお話ししたということではないというふうに私は理解いたします。

○風間委員 それぞれの学校の現場で、個別の生徒の現状を教員が把握をする、そして、そこから学年を経るにつれて能力が向上していく、そのような指導を行っていくというのは重要だと思いますので、ぜひこのスピーキングテストは、そのような形で学校等の序列が分かるようなことが今後もないようにしてもらえればなと思います。
 続きまして、解答音声データの確認ということについて、昨年はトラブルがあったということで、今回は改善したというような報告が先ほどありました。
 どのタイミングで、どのような手法で、誰が確認をしたのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 昨年度、いわゆる一定の機械音だけが録音されて、解答音声が部分的に確認できない箇所があった、その件についてのお話だと思います。
 当初、受験者が無解答であるというふうに判断したために再採点を行ったということでございますが、今年度は、こうしたことが起こり得ることも最初から念頭に置いた、昨年度と同じ時期に、未解答音声データについての確認を徹底いたしました。

○風間委員 その確認の徹底をしたというのは、採点者側が現地で徹底をしたということなんでしょうか。都の教育委員会が早い段階から確認をしたということなんでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 採点を行うのは事業者ですので、作業者が確認を徹底するというのが一義的にはそうです。
 ただ、どういう時期にどういうふうにやっていくのかについては、もちろん、都教委とも確認の上、進めてきているということで、今のお話でいえば両方だと思います。

○風間委員 昨年は、無音声であって、本体に音声が残っていたというようなことを把握するタイミングが遅かったために、一度、点数を伝えた後に修正があったと認識をしていますけれども、都教委がその音声の確認をしたタイミングというのは、今回、早めたということですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 繰り返しの答弁になって恐縮ですけれども、昨年度も踏まえて徹底するということは、採点は事業者が行うわけですから、それについては昨年度のスケジュールを基準に行っております。都教委についても、基本的には同じタイミングで行っております。
 結果として、今年は去年のようなことはなく、予定していた日に、全ての成績については返却することを完了しています。

○風間委員 続いて、再度の受験者という報告のところについて伺いますけれども、今回、対象者が六十人いたということでした。
 この六十人は、全員再受験をしたのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 受験した生徒の内情については、数も非常に少ないということも配慮しまして、答弁は差し控えたいと思います。

○風間委員 数が少ないというのは、この六十人よりも少ないということなんでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 六十人とイコールなのか、それより少ないのかも含めて、六十人という、そもそもの分母自体が少ないということをお話をしております。
 そのために、これ以上、具体的なことについては、生徒への配慮が必要だというふうに判断して、細かいことについてのご説明は控えたいと思いますということでご理解いただきたいと思います。

○風間委員 六十人、こういった本人の責任以外の要因で再受験という形になった生徒がいるという中で、もし、二度も行くのは大変だなというようなことなのか、行かない生徒がいたのだとしたら、これはまた大変で残念なことかと思います。
 十二月の実施に関しては十五会場ですか、用意をしているということですが、これは、十一月二十六日に予定されていたテストに病気等のきちんとした理由で行けなかった生徒も、この十二月に受けたという認識ですが、それでよろしいですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ご指摘のとおりで、もともと実施要項で十一月と十二月の二日設定をしているということは、十二月の日には、私たちは再受験と追受験、追試と再試というふうに呼び分けていますけれども、今、委員のお話しのような病気ですね、そういうような事柄については追試というふうにして、一応、区別をした上で、それで受験をしてもらっているということであります。

○風間委員 再受験に関しては、本人の理由でないというところから二度目の受験ということで、交通費は自己負担なんですかということをあらかじめ聞こうと思っていましたが、これは都教委が負担をするということで報告がありましたので、それは理解できます。
 一方で、一回目の受験に関しても、住んでいる地域だったり、受験会場だったりによって、その交通費が本人の希望にかかわらず大分差があるというのは、一回目の昨年度の取組のときにも指摘をしたところでありますけれども、今年は、交通費の自己負担ということに関しては、徒歩圏内という学校もあったと聞いていますし、公共交通を使って、ある程度の負担を強いられるということもあったと認識していますけれども、どれぐらいの差があったのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 どれぐらいの差というのは、去年との差ということなのか、それとも生徒間の差なのか、ちょっとあれですけれども、今、委員おっしゃっていただいたように、今年は、去年もやっぱり近くで受験をさせてほしいという意見、十分我々の方にも届いていて、改善に取り組んできたということで、それは区市町村教育委員会や中学校からのご意見も踏まえて改善をした点で、ご報告したとおりであります。
 今年は、都立学校を中心に会場を大きく増やしたために、地元の学校で受ける生徒が非常に増えたということで、全体で見れば、交通費については、大幅に昨年度よりも低廉化されたというふうに認識をしています。

○風間委員 差というのは、昨年と比べてということもそうですし、同じ中学三年生の生徒間での差ということも気になるところなので伺ったところですけれども、本人の希望にかかわらず受験場所が決められるということですから、極力、自己負担のない範囲で、これを別の徒歩圏内でないところでやることに関しては、検討する必要があるのではないかなと感じるところであります。
 最後に、今後の実施に向けてという項目で、新規事業者との調整とありますけれども、この調整とは何を指すのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 実施の手順の確立ですとか、新規事業者によります、円滑にテストが実施できるようにという点で、様々な点について協議をしてまいります。

○風間委員 実施手順の確立とありますけれども、その実施の手順に関しては、その申込みをする、そして会場が決まる、現地に行く、受験するというような、流れは、そもそもそんなに変わることはないのかなと想定しますけれども、むしろ今年度と手順が変更になることというのはあるんでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 申し訳ありません、言葉の定義の問題だと思います。
 今お話ししたのは、例えば、生徒にとっての申込みの手順ということだと思います。それは基本的に変わらないだろうというふうに、今のところは想定をしています。
 ここで記載してある実施の手順というのは、もっと広い意味で、当日の実施あるいは事前の準備あるいは実施後等々も含めて、全ての点について、実施に関わることについて様々協議をしていくという趣旨で記載をしたところでございます。

○風間委員 今年は、既にもうYEAR1、YEAR2で実施をしている学校もあると聞いています。
 これは、実際に七%程度も不受験者がいるのかどうかということについては、受験の場所やタイミング等にも関わってくるのかなと想定できるわけですけれども、YEAR1、YEAR2を既に実施しているところの不受験者比率的なものは、既に把握はしていらっしゃいますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 先月開始したところですので、まだそのような数値について承知していません。

○風間委員 アチーブメントテストということで実施していくということについては、YEAR1、YEAR2の今回の結果、そして、その報告、分析等を私たちとしてもしっかりと見据えた上で、このアチーブメントテストということについて、ESAT-Jの在り方については、また意見をしていきたいと思いますけれども、いずれにしても、高校入試に反映するということについては、今日は触れませんけれども、大きな問題があると。公平性という観点から問題があるということは、これまでも指摘してきたところですので、その問題が解決しない限り、都立高校入試へ反映させるということはやめるべきだということを意見として申し上げまして、私の質問は終わりにします。

○田の上委員 ミライ会議の田の上いくこです。
 まず、陳情請願について伺っていきたいと思います。
 四五号、四七号にある学級数についてです。
 請願四五号では、小学校における三十五人学級を完成させ、中学校、高等学校においても早急に三十五人学級を実現することが要望されており、四七号では、三十人以下の学級編制が求められています。
 先ほどもご説明が少しありましたけれども、小学校における三十五人学級移行の進捗について改めて伺います。

○岩野地域教育支援部長 国は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、いわゆる義務標準法の改正により、令和三年度から、小学校の学級編制の標準を、五年かけて学年進行で三十五人に引き下げることといたしました。
 都教育委員会におきましても、同法の改正内容に基づき学級編制基準の改正を行っており、令和五年度は、小学校第四学年まで学級編制基準を三十五人としております。

○田の上委員 小学校第四学年までは三十五人学級となっており、来年度は五年生、再来年度は六年生で対象とされていくということであります。
 中学校は四十人を標準としていると認識しておりますが、中学校及び高等学校における学級編制について、教育委員会の見解を伺います。

○岩野地域教育支援部長 義務教育における学級編制は、義務標準法に基づき行っており、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。
 公立の高等学校における学級編制は、公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律により、全日制課程及び定時制課程は四十人を標準としております。
 都におきましては、定時制課程については、都単独で三十人としていることに加え、全日制課程の職業に関する学科については、三十五人としております。
 また、全日制課程普通科では、習熟度別授業の実施等により、多展開による少人数指導を行っております。

○田の上委員 都立高校では、定時制などにおいて、四十人より少ない人数を標準とし、また、習熟度別授業で少人数指導もしているということであります。
 小中学校の現状について、本当は、今、実際、各クラス何人ぐらいなんだというのを聞きたかったのですけれども、都教委ではなかなか答えられないのかというふうに思っております。
 しかしながら、ゆとりある教育を目指すためには少人数が望ましく、今後の入学者数の状況などを見ながら、中高においても、三十五人ないし教員に負担の少ない人数が実現できるよう、ぜひ検討していただきたいと要望いたします。
 次、働き方改革です。
 四五号では、教員の業務量内容の見直しと業務量に合った教職員の配置、四七号では、正規の教職員を増やすことが要望されています。
 私もこれまで、教員の働き方改革の中で、業務や行事の精選を訴えてまいりました。
 現状、学校では業務内容の見直しに取り組んでいるのでしょうか。また、都教育委員会はどのように関わっているのかを伺います。

○矢野人事企画担当部長 各学校におきましては、保護者や地域の理解を得ながら、留守番電話の活用による勤務時間外における電話対応の見直しや、学校行事の精選等に取り組んでいます。
 都教育委員会では、こうした取組が円滑に進むよう、業務改善の取組事例を学校に周知するとともに、保護者等の理解を促進するためのチラシを配布するなど、現場の取組を支援しております。

○田の上委員 業務改善の取組を支援するために、普及啓発もしてくださっているということであります。
 業務の見直しに当たっては、清掃業務など外部委託の活用が有効と考えておりますが、どこまで進んでいるのか、伺います。

○矢野人事企画担当部長 昨年十二月に文部科学省が公表いたしました令和五年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査の結果によりますと、学校内の清掃につきまして、民間委託等をしている都内の自治体の割合は五七%でございます。
 また、学校行事等の準備、運営につきまして外部委託を図るなど、負担軽減を図るよう学校に促している都内自治体の割合は六四%です。

○田の上委員 ご答弁いただきました。学校によって異なるのかと思いますが、もっと外部委託できるものがあるのではないかと思いますので、例を示して、また啓発にご尽力いただきたいというふうに思っております。
 令和四年度教員勤務実態調査では、いまだ昨年四月に発表された速報値で止まっています。その六年前の平成二十八年度の数値と比較し、若干減ってはいるものの、いまだ平日当たりの在校等時間の平均は、教諭で見ると、小学校十時間四十五分、中学校十一時間一分、高校十時間六分となっています。
 ここで使われる在校等時間の等とは何なのか、伺います。
 また、部活動の活動時間は、この在校等時間に含まれるのか、伺います。

○矢野人事企画担当部長 在校等時間の等とは、教員が学校の外で勤務した時間を指しまして、研修や児童生徒の引率等の職務に従事している時間がこれに当たります。
 部活動指導の時間についても、在校等時間に該当いたします。

○田の上委員 部活動指導の時間も、ここに含まれるということであります。
 最近では、中学校での教員の土日の部活動指導を廃止するというような自治体も出てきました。在校等時間がより短くなるように工夫をする必要がありますので、申し上げます。
 教員の業務の見直しへの一つの対応策として、外部人材の活用もありますが、TEPRO Supporter Bankの登録人数や学校での活動実績について伺います。

○篠企画調整担当部長DX推進担当部長兼務 TEPROは、令和二年四月にSupporter Bank事業を開始し、様々な活動分野のサポーターが教育活動を支援することで、教育の質の向上や教員の負担軽減を図ってございます。
 Supporter Bankには、令和六年一月末現在、一万四千六百八十八人のサポーターが登録しており、前年度末よりも二千名以上増加しております。
 また、学校からの要望に応じ、教員をサポートする学習支援、事務支援など、今年度は、先月末までに千四百七十名のサポーターが活動を行ってございます。

○田の上委員 Supporter Bankの登録者数は増えているということです。分野によってはサポーターが集まりにくいものもあるというふうに考えますが、今後も、新規登録を増やすことで、現場のニーズに合うように進めていただきたいと思います。
 業務内容の見直しは、現場でないとなかなか分からないものもありますが、私も子を持つ親としても、削減、精選できるものはあるというふうに思っております。引き続き、都教委も学校現場での業務見直しが進むようご協力いただきたいと、改めて要望いたします。
 次に、特別支援学校について、四五号、四七号で触れられております。
 特別支援学校の教室不足は、私がおります江戸川区を含め、城東地区でよく聞くところであります。
 都は、東京都特別支援教育推進計画(第二期)に基づき、教育環境の改善に取り組んでいるものと認識をしておりますが、現場の実態に即して、増えている児童生徒に対応し、適宜、新設や増改築を含め検討していただき、子供たちの学ぶ環境を整えていただきたいと要望をさせていただきます。
 次に、給食費、寄宿舎食費についてです。九三号になります。
 都立特別支援学校における児童生徒の寄宿舎の食費の一泊当たりの平均単価と、年間総額は幾らなのか、伺います。

○落合特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校における寄宿舎の食事について、令和五年度の一泊当たりの平均単価は九百二十六円であり、これに入舎児童生徒数及び平均宿泊回数を掛け合わせた額は約七百万円でございます。

○田の上委員 次に、都立特別支援学校における就学奨励費の段階別人数と割合について伺いたかったのですが、先ほど、同じ質問が他の委員からありましたので、割愛をさせていただきます。
 例えば宿泊回数も、どの段階の児童生徒が何回なのかという詳細が分からないので、正確には計算ができないのですが、現在、都が負担している金額を合わせても、寄宿舎の食費の年間総額は七百万円程度ということが分かりました。
 寄宿舎を利用する児童生徒は、教育のためにあえて寄宿舎を活用している場合もあるというふうには聞いておりますが、通学に困難がある場合が多いものと認識をしています。そういった状況の中で、さらなる食費の支援を検討してもよいのではないかと考えます。
 今回、継続審議というふうになるような形ですが、私としては要望をしたいと思っております。
 次に、養護教諭についてです。
 夜間学級は独立した学校ではなく、昼間の学級と合わせて一つの学校として教職員定数を算定することとされていると説明がありますが、実際には、一人が朝早くから夜遅く八時、九時まで働くということは無理であります。そこで、今年度から、会計年度職員として、夜間中学校での養護教諭配置が可能になったことは評価をいたします。
 しかしながら、最大週五日、一日当たり五時間までの予算措置があるにもかかわらず、実態を見てみると、週五日勤務となっているのは八校中三校のみです。なぜ週五日になっていないのかと疑問に思います。
 そこで、短時間勤務を望み、あえて週二日しか勤務しない方もいるとは思うのですが、予算内で複数人の雇用が可能なのか、伺います。
 また、養護教諭の不足も考えられるのですが、現状を伺います。

○吉村人事部長 会計年度任用職員について、必要な勤務日数は各設置自治体において定めておりますが、今年度開始した支援制度では、複数人を雇用した場合であっても、週五日、一日五時間の範囲で支援することが可能でございます。
 今年度は、夜間学級を設置している中学校全てにおいて、会計年度任用職員等の養護教諭を配置しており、引き続き、制度の周知及び活用促進に取り組んでまいります。

○田の上委員 予算内であれば複数名雇用することも可能であるというふうに、分かりました。
 養護教諭自体も少なくて、応募がないなどの理由もあるのかなというふうには思っておりますけれども、制度周知にも取り組んでいただく。養護教諭そのものが不足しているわけではないのかなというふうに、それでいいですか、その認識。--うなずいていただきました。
 では、自治体でどのような採用をしているのか、聞いてみる必要があるのかと思います。他の自治体では、東京以外ですね、常勤職員として雇用しているところが多く、都は非常勤職員であることから、処遇の問題で応募がないということも考えられます。
 都としては、何が課題なのか区市町村教育委員会に聞き取りをするなど、調査することが必要なのではないかと思いますので、要望させていただきます。
 次に、中学校英語スピーキングテストです。四五号になります。
 まず、中学校一、二年生のスピーキングテストの実施状況について伺います。
 未実施の学校があるのでしょうか。また、学校ごとで実施するにしても、さらにクラスごとに別日で行っている例はあるのでしょうか。伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 一月に実施を開始しまして、三月までに全校で実施する予定であります。今、進行中です。
 原則として、各学校同一日に、第一、第二学年ともに、今、実施をしております。
 学校、区市町村教育委員会と連携しながら、学校の中で運営しやすいような形で実施をしてまいります。

○田の上委員 原則として、各学校同一日に、第一、第二学年とも実施ということで、同一時間かどうかは分からないということでしょうか。
 私の知っている中学校の事例では、機材が一部前日に届いたり、またその後、当日の朝に届いたり、かなり大変だったようであります。そして、順次クラスごとに実施をしたということで、各学年一斉にというわけにはいかなかったというふうに聞いております。
 テスト内容についてなんですが、これは、学年ごとに全て同じものであるというふうに聞いております。
 学校ごとに実施日が異なったり、同じ学校でも、今の事例のように、クラスごとに実施時間が異なったりします。内容が漏れないように工夫をしているのでしょうか。伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ご案内のように、この試験、タブレットを使用した上で音声によるテストであります。そのため、広く拡散していくようなものではないというふうに基本的には考えています。
 また、試験の性質についてですが、もとよりアチーブメントテストとして、各自一人一人の到達度を測ることを目的として実施をしているものでありまして、入試での活用とか、あるいは教科としての評価を想定しているものではありません。
 ということから、特段の措置を講じる必要はないというふうに考えています。

○田の上委員 タブレットを使用した音声テストなので、あまり拡散するものではないだろう、書面ではないのでというようなことであると思います。そしてまた、アチーブメントテストとして達成度を測るんだけれども、入試での活用や教科としての評価を想定しているものではないので、特段の措置を講じる必要はない、漏れても特段問題がないというようなお答えかと思います。
 教科としての評価を想定していないのは、なぜなのでしょうか。これは、例えば結果の返却が次年度なので、教科としての評価はできないということもあるのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 学習の評価については、学校における教育活動に関して児童生徒の学習状況を評価するものであるということであります。ですから、YEAR1やYEAR2の結果を中学校における成績の判定の材料とするということは想定をしていないということであります。
 時期の問題で、間に合わないからということではありません。

○田の上委員 あくまで達成度テストであるので、評価する必要がないというようなお答えでありました。
 では、達成度テストとして何を採点しているのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 中学校第一学年及び第二学年で学習した四技能のうちの話すことの力を、到達度を三つの観点ですが、コミュニケーションが達成できているか、つまり相手の求めていることに答えているかどうか、それから言語使用は適切であったか、そして相手に伝わる音声で話せているか、これはESAT-Jと同じですけれども、評価の観点も、これはずっと示してきているものです。この三つの観点により評価をしております。

○田の上委員 三つの観点により評価しているということでありますが、教科としての統一した評価もないのであれば、達成度テストであれば、中学校独自で達成度テストを作成して行ってもいいのではないかというふうに思えてしまいます。
 この採点方法というのは、どのようにしているのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 採点方法というお尋ねですが、解答音声について、高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する複数の者が採点をして、審査、点検を行うなどして評価をしています。

○田の上委員 今の回答だと分からなかったのですけれども、時期がずれながら各中学校で実施されているテストの採点なんですが、誰が行うのか。
 専門性を有する者だけじゃ分からないのですけれども、まさかフィリピンでは行っていないと思うんですけれども、ブリティッシュ・カウンシルの中で行うのか、それとも関連会社なのか、中学校の先生なのかとか、そういった詳細を教えていただけますでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 まさかフィリピンではないという趣旨もちょっと、どう理解するか、今考えていますけれども、今お話をしたとおり、採点については、求められる基礎的な力として英語力、それから専門性、こういう方が複数で採点をしているという方法で、これはこれまでもお話をしてきているところですが、個人の属性については、ほかの入試の採点と同じように公表はいたしません。

○田の上委員 公表しないということなんですが、じゃ、誰の責任で採点をするんでしょうか。
 達成度テストですよね。教えてください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 誰の責任でというのは、その評価を確定するに当たっては、三つの観点で、それぞれの評価の基準に基づいて複数の者が採点をして、点検をして、最終的に都教委が点検をし、確定をしているということで、これまでと同じであります。

○田の上委員 そうすると、中学校で採点しているのではなく、ブリティッシュ・カウンシルで採点し、そして、それを都教委が確認をしているという答えということでいいですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 採点は、ブリティッシュ・カウンシルが当然行います。

○田の上委員 中学校から実施後に意見を聞くべきだと思っておりますが、調査などの予定があるのか、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 都教育委員会は、区市町村教育委員会と連携して実施の状況を把握しております。また、これからもしていきます。
 また、各学校における具体的な実施の状況については、事業者が適切に把握をしております。
 これらの結果を踏まえて、事業者と連携して、引き続き、より効果的に実施できるように不断の改善に取り組んでいくということで、しっかり実施していきたいと思います。

○田の上委員 今そのような形のお答えがありましたが、私の知っている中学校から聞き取りをしたところ、アンケートがあったというふうに伺いました。教員が書くアンケート、それから生徒が書くアンケートがあったと。ただ、生徒はクラスに一人だけだったというようなことを聞きました。
 一歩前進ではありますが、やはりしっかり声を聞くためには、複数の人たちから集計をするべきであり、クラスの代表が、学級委員がアンケートを書くというのもちょっとおかしな話ですので、その辺りは見直していただき、適宜、この課題はあるのかないのか、そこも含めて調査をしていただきたいと要望いたします。
 次に、昨年度実施のテストの平均スコアについてです。
 昨年度実施のテストについて、平均スコア、八人分の得点修正によって前半の平均点を六十・七七点から六十・七八点にするときに、どのような説明をベネッセから受けたのか、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 昨年のテストの結果についてのお尋ねだと思いますけれども、八人の修正後のスコア、これを反映して再度計算をした結果であり、その報告を受けたということであります。

○田の上委員 得点修正によって前半平均スコアが六十・七七から六十・七八となったのは、どういう計算をしたのでしょうか。どういう計算の結果、そのようになったのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 平均スコアを出すということですので、全ての受験者、つまり前半であれば前半の全ての受験者のスコアから、改めて事業者が平均の計算をして出したということです。

○田の上委員 その分母だとか、そういったものは教えていただけないのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 分母等の細かい数字をお伝えするということは考えていません。

○田の上委員 では、八人の得点修正のうち、前半は何人で、後半は何人なのか、八人の得点修正は、それぞれ何点から何点に変わったのか、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 個人に関する極めて、個人的な成績の数字に関わるものですので、これについては回答を控えます。

○田の上委員 個人を特定することはなかなか難しいと思うのですが、回答できないということです。
 では、八人の合計得点が、前半組に足されたのか、あるいは引かれたのか、後半組に足されたのか、あるいは引かれたのか、それは何点ずつなのか、それも答えられないということでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 お答えは差し控えたいと思います。

○田の上委員 そもそも論でございますが、東京都は、得点修正がどのように行われたのか把握していますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 得点集計がどのように行われたのかということですが……(「修正」と呼ぶ者あり)得点修正ですか。得点修正がどのように行われたかについては、全ての解答音声を再度点検したということで、昨年報告したとおりです。

○田の上委員 計算の仕方についてはお答えいただけないということだと思うんですけれども、平均スコアは、ベネッセからスコアレポートとしての提出があったのでしょうか。
 先ほどもちょっと似たような答弁がありましたけれども、改めて伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 先ほどに補足しますけれども、平均ですので計算で出しているということ、それ以上でもそれ以下でもないです。
 それから、昨年、平均スコアについてのレポートの提出があったのかについては、先ほども答弁いたしましたけれども、修正後の平均スコアを、事業者からの口頭による連絡で確認をしたところであります。

○田の上委員 口頭による連絡ということですが、先ほどの答弁、聞いていただけだったので、はっきりと確認できないのですけれども、瀧沢部長が電話で受けて、それを記録したということで合っていますかね。
 あと、もう一つですね。
 都教委とベネッセは、東京都中学校英語スピーキングテスト事業実施協定というものを令和四年度に結んでいて、令和四年度の実施計画に、ベネッセが平均スコアを含めたスコアレポートを出すことというものは書かれていないのでしょうか。確認をいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 スコアレポートというのは、生徒に一人一人返すものを我々は指していますが、その全体での得点については、当然、提出はあります。それに基づいて公表もしています。
 また、例年、より分析を細かいものにしたものについては、定例の教育委員会でも報告していまして、今年度も今後報告していくことになると思います。

○田の上委員 じゃ、より詳細な分析がされているものがあるということなんですが、委員会として資料請求に加えていただくことはできますでしょうか、今後の議論の。

○瀧沢グローバル人材育成部長 今お話ししたのは、今あるということではなくて、今後、定例の教育委員会で、いつもと同じように、毎年と同じように報告をするという趣旨のことをお話をいたしました。

○田の上委員 ちょっと意味が分からないのですけれども、教育委員会には提出するけれども、委員会の資料要求には応じないという意味でしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 定例の教育委員会で報告した報告の内容あるいは資料については、文教委員の先生方にお配りをしているはずです。ですから、当然、先生方にも確認いただけるというふうに思います。開示請求するまでもないと思います。

○田の上委員 じゃ、次の教育委員会が開かれるまでは分からないということですね。そういうことですね。違うんですか。違うの。(瀧沢グローバル人材育成部長発言を求む)違うんですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 教育委員会で報告をするという点については、お話しのとおりです。ただ、次の教育委員会とはいっていないので、昨年度のことについていえば、四月に行っています。ですから、教育委員会で報告することを、今年も今、想定をして準備をしています。

○田の上委員 じゃ、次ではなくて、分かりませんということですね。いつだかは分からないということだと思います。
 事務事業質疑のときに委員会の資料要求をした件について伺います。
 都立高校の入学者、受検者の出身中学校は、公立、国立、私立、都外でそれぞれ何名か教えてほしいという要求をさせていただきました。資料要求の資料において、提出されたものには五校の数値の記載がありませんでした。
 学校要覧で生徒の居住する区市町村別の人数の情報提供はなぜ行われるのか、伺います。

○村西都立学校教育部長 各学校の入学者に係る個別情報の取扱いや具体的な情報提供の内容につきましては、それぞれの学校の実情や地域の状況、そして、目的に応じて各学校が判断すべきものであると考えております。
 これら五校の学校では、生徒が多様な地域等から通学していることなどを保護者や地域住民等に説明する目的などから、在籍生徒の居住する区市町村別の人数につきまして、学校要覧等で情報を提供しております。

○田の上委員 居住する区市町村は提供してもよいという個別情報であるというふうに各学校が判断しているということであります。
 保護者や地域住民等に説明する目的等から情報を提供するとおっしゃいました。
 公式な委員会資料要求をしましたが、東京都議会議員は各学校が説明する関係者に含まれないのか、伺います。

○村西都立学校教育部長 入学者など在籍生徒の居住する区市町村別の人数につきましては、保護者や地域住民、そして都議会議員の皆様も含めて、誰もが学校要覧等で情報を確認できるところでございます。
 なお、各学校が行う情報提供の具体的な内容については、関係者が誰であるかという判断基準ではなくて、それぞれの学校の実情や地域の状況、そして、目的等に応じて判断するものであると考えております。

○田の上委員 ということは、関係者が都議会議員であっても、都教委の方であっても関係ないということですね。
 たとえ都教委が要求をしても、それは各学校が判断すれば出さなくてもいいということですかね。

○村西都立学校教育部長 質問の趣旨の一応確認なんですけれども、都教委が各学校に情報を……(田の上委員「情報提供を……」と呼ぶ)提供する、情報提供しろと都教委が指示した場合に、各学校が……(田の上委員「判断して……」と呼ぶ)判断すると。(田の上委員「私たち……。これだと入らなくなっちゃう」と呼ぶ)はい。まず、どのような情報提供を対外的に行うかどうかは、校長の権限でそこは判断すると。都教委は、各校長を一般的には指揮監督できる立場にございますので、そことの関係とはちょっと異なるものと考えております。

○田の上委員 ですので、都教委が求めた情報提供であっても、各学校が判断して拒否することができるということでいいんですよね。
 そういう意味じゃないんですか。違うんですか。

○村西都立学校教育部長 この委員会で資料要求をいただいた入学者の私立、国立の内訳については、都教委が指示するという考えもございません。それは、各学校が具体的にどんな情報を提供するかと判断する。それは、都教委もそうだと考えております。

○田の上委員 じゃ、関係者ではなく、今回の私立か国立か公立か都外か、その質問に関しては、各学校が判断して答えなかったと、そういうことなんですね。
 出身中学校の公立か国立か私立かということは、入学者に係る個別情報に入るのか、伺います。

○村西都立学校教育部長 入学者の出身中学校につきましては、当然、入学者の個別情報に当たると考えております。

○田の上委員 では、東京都情報公開条例における不開示情報の個人に関する情報に当たらないのか、伺います。

○村西都立学校教育部長 東京都情報公開条例第七条二号では、個人に関する情報で特定の個人を識別することができるもの、または特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるものにつきましては、個人に関する情報として開示請求を受けた場合でも、これを不開示とする旨を定めております。
 入学者に係る個別情報が、この情報公開条例におけるこうした不開示情報に該当するかどうかは、改めて当該開示請求の趣旨や対象文書の性質、その記載内容等の個別の事情を総合的に検討した上で判断されるべきものと考えております。

○田の上委員 不開示情報に当たるかどうかは分からないというようなことだと思います。
 入学者の居住する区市町村も個別情報であります。分類に当たるものであり、情報提供しても差し障りがあるというふうに思えません。
 分析、検討するためには、正確なデータがなくてはなりません。何度も申し上げていますが、資料としては成り立たないことを改めて主張し、次に移ります。
 次は、報告事項についてです。
 実施状況のペーパーをいただきました。先ほどもご説明をいただきました。
 まず、昨年度のテストから見直されたことを教えてください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 昨年度の実施状況や中学校、区市町村教育委員会からの意見も踏まえて、まず一つは、試験会場を増やしたこと、それから二つ目として、生徒や保護者への周知を分かりやすく徹底したこと、そして三つ目として、体験受験の新設ですとか申込期間の延長など、合理的配慮を拡充させたなどの改善を行ったところでございます。

○田の上委員 申込者数は七万六千二百七十人、受験者数七万一千二百五人とのことですが、その差五千六十五人は全てが不受験者ではないと思うんですが、内訳を伺います。
 先ほど似たようなご答弁もありましたが、お願いいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 申込者から受験者数を差し引いた人数をお示しなんだろうと思いますけれども、これは、スピーキングテスト当日、受験しなかった者の人数であります。

○田の上委員 そんなことを聞いているのではなくて、例えば、突然体調が悪くなって不受験者となった方もいれば、不受験者の扱いで点数が入った方もいれば、そうでなくてゼロ点になった方もいるんじゃないでしょうか。把握していないのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 質問の中での不受験者という言葉の定義が共有されていかないからだと思うんですけれども、その差の五千六十五人ということですが、これについては、スピーキングテストというアチーブメントテストの不受験者であります。
 理由ということについて言及がありましたが、それについては、先ほど答弁したように、その理由については把握していません。

○田の上委員 定義が共有されていないということなんですが、仮想得点が与えられる人なのかどうかということを聞きたかったです。

○村西都立学校教育部長 スピーキングテストを受験しなかった者が、イコール都立高校入試における……(田の上委員「だから内訳を聞いている」と呼ぶ)ちょっと待って……。都立高入試における不受験者の扱いを受ける方とイコールではありません。
 本番のスピーキングテストを受けられなかった、やむを得ない事由で受けられなかったということが、ちゃんと申請で、都立高入試を受けるときに申請があって、承認をされた方だけが不受験者の扱いとして都立高入試で得点が付与されるという仕組みでございます。

○田の上委員 それは存じております。ですので、その内訳を伺っております。申し込んだけれども受けなかった方々の中に、その人たちが何人ぐらいいるんですかというのを聞いています。
 それは計算していないということですか。先ほど、理由は分からないというふうにおっしゃっていましたけれども。

○村西都立学校教育部長 不受験者の措置は、例えば、吃音や緘黙等の障害、疾患のある生徒、事故や病気に当日なった生徒、そういったやむを得ない事情で不受験者の申請をして承認をされた生徒です。
 このデータについては、都立高校を受検する各高校に不受験者の承認書を出すという形になっておりますので、各高校で管理されて、データとしては保有しているということでございます。
 したがって、都教委として、それを全体として把握しているわけではございません。

○田の上委員 ちょっともう、堂々巡りなので、やめますけれども、何がいいたいかというと、これ、申し込んだけれども行かなかった方でも、すごく発熱してしまった、感染症にかかった方もいるんでしょうから、それが後からまた申請して仮想得点の扱いになる方もいるんじゃないですかということを聞いています。出ないということだと思うんですけれども……。何、まだ何かありますか。(村西都立学校教育部長発言を求む)いいですよ、いいですよ、もう。説明をね、不受験者というか、仮想得点が与えられる人の説明を聞きたいんじゃないんですよ。割合を聞きたいんです。
 あと、もう一ついわせていただきますと、申込者数七万六千二百七十人となっているんですけれども、実際、対象者が何人いたのか、これもデータとして今後提出していただきたいというふうに思います。対象者が何人いて、申込者が何人で、それで受験者数が何人でというところで、きちんとお願いをしていきたいというふうに思っております。
 次の質問へ行っていいですか。--いいですか。
 平均スコアでは、令和四年度は六十・五となっていますが、今年度、前半と後半に分けないで平均スコアを出している理由は何でしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 今年度も、昨年度と同様に、全ての受験者の平均スコアを資料に記載し、説明をしているところであります。
 繰り返しの答弁になりますが、昨年度は、都立高校入試への活用の初年度でありました。そのことも考慮し、前半、後半それぞれの平均スコアを算出して報告をしたということでございます。
 今年度は算出をしておりません。

○田の上委員 昨年度と違って、今回は必要がないから、前半、後半に分けなかったということなんだと思うんですけれども、先ほど来、何度もいっているんですけれども、同じようにしなければ比較ができませんので、じゃ、今後はずっと、前半、後半もみんなまとめて出していくということなんですが、その内訳に何が入っているのかというのを書かないと、やっぱり分からないというふうに思います。
 次に、等化の問題を質問しようと思っていましたが、先ほど同じ質問がありましたので、割愛をします。
 実際に中学校でESAT-J向けの英語の授業をしているので、平均スコアが上がったと考えているのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ESAT-J向けの英語の授業というものがどういうものなのかという定義によると思うんですけれども、中学校では四技能をバランスよく指導をしている、それで、話すことも含めた力を伸ばしているというふうに認識をしています。こうした指導の結果であるというふうに認識をしています。

○田の上委員 それでは、これまでと変わらない四技能の習得のための指導がされているということであります。
 スコアの分布でございますが、ゼロが令和四年度の〇・九%から令和五年度は一・一%に拡大をしています。
 どのように分析しているか、教えていただけますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 質問の趣旨としては、先ほどの質問と同じなのかと思いますけれども、Fというのは、ゼロというスコアだった者を指します。
 その内容については、様々な生徒が受験している中で、様々な要因があるというふうに考えております。

○田の上委員 違います。それではなくて、成績が上がったというふうに判断されているということなんですが、ゼロの値の人は増えていますよねということで、それについて、都教委はどういうふうに見ていますかという質問です。

○瀧沢グローバル人材育成部長 平均スコアが上がったということ、それからゼロが若干増えているということ、そこの間の因果関係がどういうふうにあるのかということについて、数字は平均として出しているものですから、それぞれ、全体として上昇したことについては、学校での指導、それから生徒たちが頑張って学習した結果であろうし、ゼロというスコアがついた者についてのその理由については、今お話ししたとおりに、様々な理由があるというふうに考えます。
 ゼロのスコアがついた人の数字も含めて、全体の平均スコアは出されている。いうまでもなくですね。ということだと思います。

○田の上委員 分布を見ると、段階別の評価なのですが、先ほど来お話がありますが、Fは、分布範囲がなくてゼロであります。ゼロだけ、ゼロという単位なんですね。
 スコア別の分布でないと、きちんと分析ができないというふうに考えますが、見解を伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 繰り返しになるかもしれませんが、Fという評価をするというのは、ゼロというスコアがついた生徒であります。
 スコア別の分布についての言及がありましたが、これは先ほども少し言及したように、スコア別の分析というのも毎年しています。定例の教育委員会で報告を昨年もしていますので、今年度も行う予定で準備をしています。

○田の上委員 ぜひスコア別の分布も公表を、そうですね、委員会での資料の公表としてお願いをしたいというふうに思います。
 軽食の時間があったなど、見直しをされたとはいえ、今年度も前半、後半に分かれてテストが実施されました。十五分のテストなのに、拘束時間が長いことは変わりません。
 この形式でテストを実施する理由を改めてお聞かせください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 前半、後半に分けて実施をするということは、テストの運営上、必要な措置であると考えています。

○田の上委員 テストの運営上ということです。タブレットの数の問題であると理解できなくもないのですが、受験生の時間がかなり奪われてしまうので、テストは一斉に実施することが一番望ましいと思います。課題を取り除く努力をするべきだというふうに申し上げます。
 機器の不具合などで再度受験する生徒が六十人となっていますが、この方々のスコアを含めて、平均スコアは再提出されるのでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 先ほども少しお話ししましたが、この再受験というのは、去年も今年も、最初から実施をするという前提で進めていて、スコアレポートも、スケジュールとして予定していた日までに返却を完了しているわけです。ですから、ご報告した点数も、この六十人についても当然含んだ上で算出をしているものであります。
 ですから、再提出ということはありません。

○田の上委員 テストの結果等の通知は、今年度も一月十一日となっていますが、中学校の授業の改善に使うのであれば、スケジュールそのものを見直すべきと考えますが、見解を伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 テストの日程についてですけれども、区市町村教育委員会ですとか、あるいは中学校などからの意見を踏まえて、中学校三年生までの学習の成果を発揮できるよう最適な時期ということで、複数の観点に立って決定をしております。
 返却されたテストの結果を基に、中学校において進路指導を行う期間も確保する必要があるということで、それについても達成できているというふうに認識をしています。

○田の上委員 私が聞いているところでは、やはりもっと早くしてほしいというような声を聞いているんですが、聞き取りをして、話し合った上で、これが最適な時期であるというふうに判断をされているということなんですね。
 これまでにも何度も質問をしてきており、改めて伺いますが、またここで、中学校一、二年生にはアンケートを、ちょっと対象は少ないとはいえ実施をしたというふうに聞いているんですが、中学校で、この三年生の分についてもアンケート集計を取るべきであると考えますが、見解を伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 三年生を対象とした、いわゆるESAT-Jですけれども、こちらについては、昨年度と同様に、既に事業者及び都教育委員会が実施状況を確認しています。
 生徒に対しては、重複しますけれども、当日会場で困ったこと、分からないことがあったら、その場で監督などに声をかけるとともに、試験中にも伝えられなかった場合には、試験終了後に申し出るようにということで周知を徹底しているところであります。
 また、会場で申し出ることができなかった場合には、保護者の方と相談して、試験実施後であっても、都教委にも直接連絡することは可能であるということで、全員に周知をしているところであります。
 このように、生徒の申出を直接聞くという体制を整えて周知をしております。
 先ほど、八人からの直接の都教委への問合せもあったというお話をいたしましたけれども、そのように申出があった場合には、当然、誰のことなのかということを把握できますから、それについては、丁寧に、個別に最適な方法で対応をしてきているところでございます。
 ですので、これまで、その申出ができるようにという体制を徹底していくということを、この文教委員会の中でもお話をしてまいりました。ですので、その結果として、都教委にも直接これぐらいの問合せがありましたということをお話をして、その中に再受験につながる生徒がいたということですので、それに関連して、六十人、そういう再受験の人というのがいたということも併せて、今年度についてはご報告をして、結果として、スケジュールどおり、成績の返却については完了しているということを、昨年度に加えてご報告をしたという趣旨でございます。

○田の上委員 先ほども申し上げましたが、中学校一、二年生のテストに関してはアンケートがあると。これは、もしかしたら試行的なものがあって、それをやっているのかもしれないですけれども、ある程度、各学校が意見を書けるようなものがあると。クラス一人だけれども、生徒が書けるようなものがあると。
 今、瀧沢部長がおっしゃっているのは、去年と同じ方法のことをおっしゃっているんだと思うんですが、それから、申し出るようにということなんですが、こちらの方から、どんな意見があるか、いいことも含めて、悪いことも含めてですけれども、アンケートというような形で声を取る必要があるのではないかと。議論はしませんけれども、そのように申し上げます。
 受験をするに当たり、個人情報の話でありますが、先ほど同様の質疑がありましたので、意見だけ申し上げますが、やはり民間企業が四年間個人情報を保存するということは理解しにくいところであります。ベネッセは、今度、撤退なわけですが、結局、撤退後も保管をするということなんでしょうか。この期間も含めて、個人情報の扱いについては、再度見直していただきたいというふうに思っております。
 今回のテスト実施を経て、教育庁として、反省点とか改善するべき点はあるでしょうか。あれば、どのようにブリティッシュ・カウンシルに引き継がれるのでしょうか。基本協定が改定されるのでしょうか。伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 今後の実施に向けて、新規事業者、ブリティッシュ・カウンシルと綿密な打合せを行って、実施手順を確立してまいります。
 また、ちょっと先ほどお話ししましたように、使用する機器が更新されるということになります。その使用方法について、動画やリーフレットなどによって情報提供をしてまいります。
 基本協定を今後改定するかという趣旨のご質問ですけれども、基本協定については改定する必要はないと考えています。

○田の上委員 つまり、見直しするほどの改善点というか、課題というのはないというふうに判断しているということなのかと思います。いずれにしても、新規事業者と綿密な打合せを行うという答弁でありました。
 東京都教育委員会とブリティッシュ・カウンシルとの間で締結された、令和五年八月十六日付、基本協定その一及び令和五年十月十六日付、基本協定その二は公開されているのでしょうか。伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 基本協定その一、その二について、例えばホームページ等で公開するということはしていません。
 仮にですけれども、開示請求などがあった場合には適切に対応していきたいと思っております。

○田の上委員 仮に開示請求があれば適切に対応しますということですが、公開するべきではないですかね。先ほど来、こうやって質疑をしていて、当然こうです、当然こうですと、そういう答弁がすごい多いのですけれども、だったら、きちんと公開をして、分かるようにしていただくというのは必要なんじゃないかなというふうに思います。
 先日開催された教育委員会で、つい先日ですね、中学校英語スピーキングテストの実施状況が報告という形でされました。そのとき、委員から何か発言はあったのでしょうか。伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 教育委員の皆様からのご意見ですけれども、例えば、教員へのスピーキングテストの意義の周知が重要であるということであったり、あるいは、スピーキングを含めた四技能全体の英語力の向上が重要であるということであったり、自国の文化や歴史を英語で伝えることができるようになることが重要であるということであったり、再度の受験機会の設定をしている、これは、危機管理としても今後も必要であるということなどの意見が出されたところであります。

○田の上委員 今回も、協議ではなくて報告という形だったのですが、教育委員会がやはりきちんと機能するためには、様々な課題において協議をするべきであるというふうに思っておりますので、要望させていただきます。
 先ほど来出ています、六十人の再試験の話です。
 昨年度も再試験の方がいたという報道もありました。
 この試験について、各再試験は、具体的に、いつ、どこで、どんなテストが行われたのか、結果はもう返されたというお話でありましたけれども、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 繰り返しの答弁になりますが、再試験の対象となった生徒に関する具体的な対応内容につきましては、人数が極めて少なくて個人が特定されるおそれがあるので、十分な配慮が必要であると考えており、回答は控えたいというふうに考えております。
 なお、再受験した生徒の結果については、あらかじめ示しているスケジュールのとおり、一月二十五日に通知をしたところでございます。

○田の上委員 先ほど、ほかの委員の質疑の中で、十二月の予備日に再試験をしたというようなご答弁もあったかと思います。
 十二月の再試験、十一月の本試験で不備があった場合には十二月に受けられるんだけれども、例えば、さらに十二月の予備日のときに不備があったときには、もう一回、何か試験があるのか、三回目のテストがあるのかどうかというのは答えられますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 十二月の予備日の受験者はさらに少ない。ですので、いた、いないについては答弁しません。
 仮にいたとしても、そうすると非常に、本当にいても、ゼロとか一とか、そういうふうになる可能性もありますので、その内容についてお話をするということは、個人的な状況であるということも配慮して、お話をするのは差し控えたいと思います。

○田の上委員 じゃ、いい方を変えますね。
 都教委として三回目の試験を用意していたかどうか、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 内容については、協定に係ることに触れますので、公開していることかどうかも含めて確認が必要ですので、ここでの回答は差し控えたいと思います。

○田の上委員 一回目の本試があって、二回目の予備日があって、そこでも不備があった場合、聞こえなかったとか、そういったことがあった場合、どうするのか。それがあったのか、なかったのかもお答えいただけないというようなことであります。
 試験問題として、きちんと用意してあったかどうかというのもお答えいただけないということでありますが、ここで私の質疑は終わりにさせていただきますが、私たちミライ会議は、この中学校英語スピーキングテスト導入のときから、様々な疑問を持って投げかけてきました。そして、いろんな課題がある中で、解決されないまま実施がされ、そして、それを都立高校の入試に使われていくということで、大変懸念をして表明をしてきたわけであります。
 今、改善点という形で、今回の試験がどうであったかということで様々ご報告をいただいたのですけれども、一回目のテストで受験した方々は、本当に気の毒であります。やはりプレテストと同じような形になってしまったんじゃないかと。
 これが、何というんですかね、プレテストのような試験ではなくて入試に使われてしまうということが、やっぱり大問題であるというふうに思います。ですので、本来であれば、一回立ち止まって、ただの達成度テストにするとか、そういった見直し、配慮というものが必要なのではないかと改めて申し上げます。
 一、二年生のテストについても、成績に反映しないから関係ないというふうにおっしゃってはいるんですけれども、でも、やはり学校現場では、同じテストを別の日、別の時間にやるというのは考えられないことだというふうに先生たちはいっています。
 やっぱり子供たちも、テストとして緊張感を持って臨むわけでありますから、もっときちんと体制を整えて実施をしていくべきであると申し上げ、質問を終わります。

○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いします。
 私からも、請願五第四五号に関わって英語スピーキングテストの問題と、本日報告されました令和五年度の英語スピーキングテスト、ESAT-Jの実施状況について伺います。
 この間、報道でも取り上げられてきましたけれども、入試改革を考える会、都立高校入試への英語スピーキングテスト導入の中止を求める会、そして都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会、この都民三団体と私たち英スピ議連は、十一月二十六日に行われた英語スピーキングテスト、ESAT-Jの当日の実施状況について、ネットでのアンケート調査を行いました。
 その結果について、我が党は十二月の代表質問でも取り上げましたが、今日は、委員会で取り上げる初めての場となりますので、まずは、この四団体が行ったアンケート調査に基づいて、実際の生の声を取り上げながら質問していきたいというふうに思います。
 まず、この英スピ議連と都民三団体の共同によるESAT-J実施状況調査には、ネット上から二百六十六件の回答が寄せられました。試験会場名の記載のあった回答は二百九件で、百二の会場から声が寄せられています。
 周りの生徒が何をいっているかが分かったという声や、イヤーマフが痛い、痛くて集中できない、また、試験監督について、タブレットの音声を聞いているときに試験官がしゃべり始めて、どちらを聞いたらいいのか分からなかったですなど、明らかに試験の瑕疵、試験体制の不備といえるような声がたくさん寄せられています。全体で二百二十七の会場のうちの百二の会場の生徒からの声です。
 一つや二つの会場で起きているというような少数のことではなくて、全会場の半数に近い会場から寄せられているもので、とてもそのまま放っておけるような規模ではないというふうに思いますが、見解を伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 テストは、イヤーマフにより外部の音を遮断するとともに、教室や机の配置を工夫するなど、生徒がより集中した環境で受験できるよう工夫して実施をしております。
 繰り返し答弁をしておりますとおり、多くの受験生が同じ場所で受験している中で、特定の解答を聞き分けて、それをまねるということは現実的ではないというふうに考えています。
 なお、事業者及び配置した職員からの報告から、本年度のテストも適切に実施されたというふうに考えています。
 中学校や区市町村教育委員会、また都教育委員会に寄せられた問合せに対しては、問合せがあった場合には、個別に状況を確認するなど、適切に対応をしたところでございます。

○斉藤委員 これまでの答弁を繰り返されているんですが、声の規模についての言及はありませんでした。
 百二もの会場の生徒たちから声が寄せられているという事実に対して、どう受け止めますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 ネットで集められた調査だと承知しております。基本的に匿名だと思います。
 会場や、個別に誰なのかということが特定できない以上、対応することができないですので、なので、これまで繰り返し、様々なルートを通じて、何かあった場合には都教委に連絡をしてほしいということをお話ししているわけで、もし、今、このような中で、何か本当に対応してほしい、そういうことがあれば、恐らく声が上がったんだろうというふうに思います。
 ですので、これをもって、数がたくさんあるということをもっても、それに対する認識を問われても、お答えすることは難しいと思います。

○斉藤委員 会場等が分からないと。これは十二月の代表質問でも教育長がおっしゃっていたので、私たちは会場名を示しました。
 今の部長のご答弁だと、個別の対応ができない、個人が確認できないからといっていますが、そもそも個別に対応できるような話じゃないんですよね。全体の体制の問題について声が上がっているわけなんです。
 いろいろおっしゃって、生徒がより集中した環境で受験できる工夫をして実施したなどともいいますけれども、それでも、結果として、このようなアンケートのような声が多く寄せられているというのが現実なんです。
 今年度のテストも適切に実施したと繰り返しておりますけれども、圧倒的な当事者の声、中学三年生や保護者の声に背を向けたまま強弁しているということは、もはや理性も知性も欠いた、およそ教育者と思えない態度です。
 アンケートに届いている声について、私たちは、同類の声に分類しながら結果をまとめていますが、周りの生徒が何をいっているかが分かったという回答が今回も多数で、八十六件もありました。
 声がでかい人がいて、めっちゃ聞こえていましたと、意図しなくても聞こえてしまう状況や、誰かが少し先に進んでいると、その人の声だけ、何をいっているのか丸聞こえです、その人の解答を基に解答することもできますと、カンニングも可能な状況、また、ほかの受験生の声が聞こえてきたため、自分が考えていた内容が飛んでしまい、うまく解答できなかった、こういう切実な声。
 まさに他人の声や解答が本人の解答に影響を及ぼしている具体的な実態だと思いますが、どう感じますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 これまでこちらでもお話をしてきたように、スピーキングのテストなので、周りの声が出るのは、それは当然ということで承知をしているところなわけです。
 しかし、多くの受験生が同じ場所で受験している中で、特定の音声を聞き分けて、それをまねるということは現実的ではないというふうに検証もしているところであります。
 事業者及び配置した都職員からの報告などからも、本年度のテストも適切に実施されたと考えております。
 繰り返しになりますが、中学校や区市町村教育委員会、また都教育委員会に寄せられた問合せ、これに対しては、個別に状況を確認するなど対応をしております。

○斉藤委員 先ほどと変わらない答弁なんですね。
 最初の質問に対しても、多くの受験生が同じ場所で受験している中で、特定の解答を聞き分けて、それをまねることは現実的とは考えられないと。これ、使い古されてきている言い訳ですけれども、このご答弁のとおり、現実的とは考えられないというのは都教委の主観ですよね。考えにすぎないわけです。現実はそうなっていないということを、生徒は鮮やかにこれで教えてくれているんじゃないですか。
 この中には、解答が聞こえるくらい大きな声で話している生徒がいたり、タイミングがずれてしまえば、意図せずとも解答が聞こえてしまう、こういう実態になっている、丸聞こえになる、そういう状況が発生しているということを、具体的に受験生が証言しているわけです。
 それをまともに調べもせず、検証もせずに、現実的とは考えられないと。これ、都教委の願望なのかもしれないですけれども、こうした非科学的な態度を取り続けているということに、多くの都民が本当に失望しています。
 違うというんだったら、ちゃんと検証して調べて、そんなことはないということを科学的に立証できなければいけないんじゃないですか。どうですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 本人の解答に影響があった場合には、こちらの方に申出をするようにということを繰り返し周知しているということであります。
 それ以外のことについて、ネット上で匿名で集めたこれの言及について、それを基に、何かこちらの方で、それを基に、それに対する見解についてお答えするのは差し控えたいと思います。

○斉藤委員 ネット上で無記名で個人が分からないということをいうのですけれども、このカンニングができるかのような状況になっていると。本人のカンニングが疑われかねないような情報を、なぜ直接、受験生が都教委にいえると思いますか。そこからして間違っていると思うんです。こういう声に向き合えないから、大きな不信を招いているんじゃないですか。
 試験当日、周りの声が、音が聞こえたかなどについて、この四団体の調査だけでなく、大手の塾の調査や教員からも同様の声があります。しかも、イヤホンとイヤーマフをつけて試験を受けた生徒にしか分からない内容なわけです。
 都教委や試験監督は、当日、どのように確認したのですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 都教育委員会は、事業者と派遣した職員及び区市町村教育委員会からの報告により、解答に影響を与えるような事例はなかったということを確認しています。

○斉藤委員 事業者と派遣した都の職員、区市町村教育委員会からの報告で、解答に影響を与えるような事例はなかったということを確認したということですが、では、都の職員は、試験当日、何人派遣され、どのような職務に就いていましたか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 都の職員についてですけれども、本試日、これは十一月の試験日には約三百四十人、そして、十二月の予備日には約四十人を派遣したところであります。
 職務内容についても問合せがありましたが、学校との打合せですとか、実施本部--これは本庁ですね--との連絡調整、あと、登校時の見守り、携帯電話の回収や返却時の監督、委託業者の履行状況の確認などを行いました。

○斉藤委員 二百二十七の会場がありましたから、三百四十人だと、一会場当たり一人か二人ということですね。
 多岐にわたる業務をやっていたということが今のご答弁で分かりますが、つまり、教室に常時入って、生徒と同じようにイヤホンをつけて、他人の解答が聞こえるかどうかの確認は行っていないということは、今のご答弁からも明らかなわけです。
 さらに、アンケート調査の結果から伺います。
 イヤーマフがきつくて痛いという声も深刻です。イヤーマフが痛い、集中できないなど、苦痛を与えている声は七十六件にも上っています。耳が本当に痛い、全然集中できないくらい痛かったという声や、イヤーマフがきつ過ぎる、イヤーマフのせいで、自分が何を話しているのか分からなかった、また、イヤーマフがとてもきつくて体調を崩してしまったなど、体調に影響が出るような実態が寄せられています。
 このイヤーマフがこれほどきつい状況については、どう考えていますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 イヤーマフは、防音用に使用しているということでございます。
 今年度は、昨年度と同じイヤーマフを使用しているわけですけれども、生徒に対しては、事前にイヤーマフの使用用法をリーフレットなどで詳しく案内をしているところです。つまり、大きさの調整であるとか、初めに開いてからつけるべきであるというようなことも含めて、使い方について周知、案内をしてきたところであります。
 なお、装着状況に不安などがあった場合には、試験中はもとより、試験終了後においても、会場にいる試験監督やその他の係員に声をかけるように周知をしているところであります。

○斉藤委員 いろいろご答弁されているんですけれども、つまり、防音のためにイヤーマフの装着をしているのだと。つまり、そのイヤーマフが痛いほどきついというのも、防音のためだということだというふうに思います。
 重大なのは、周りの音を遮断するためにきついイヤーマフを装着するという、そういう処置をしておきながら、なおも、他人の、ほかの人の解答が聞こえるという回答が八十六件も寄せられているということ、また、イヤーマフが痛いという声が七十六件も上がるほど子供たちに犠牲を強いて、対策をしてもなお、他人の、ほかの人の解答が聞こえるという状況を解決できていないということ。
 これは、そもそも公平、公正な試験として成り立っていない、破綻を意味しているんじゃないですか。どうですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 繰り返しになりますけれども、ここで今お話しされているアンケートの調査の結果に基づいて、それに対しての認識というのは、回答するのは避けたいというふうに思います。
 ただ、今お話をしているように、イヤーマフについては、周りの音を遮断するという目的のために実施をしているものですし、周りの音が聞こえることは分かった上で--事前のテストを行うのですけれども、そこでは周りの声が録音されるんですね。そういうことも含めて、いろいろな状況の中での話だというふうに思います。
 それらも含めて、解答に影響を与えるようなことはないというふうに考えているということであります。

○斉藤委員 いろいろおっしゃられても、解答に影響があるようなことはないと考えていると、考えているということから脱することができていないわけですね。
 去年よりも、イヤーマフの説明について詳しく説明しているということもありますけれども、でも、結局は、子供たちに犠牲を強いた上でもなお、十分に防音し切れていないというのが実態です。一度に一つの教室に二十八人もの生徒を入れて行うような、このスピーキングテストの構造そのものの問題だというふうに思います。
 多くの民間試験ではどうなっているか。大規模な一斉受験を避けて個別のブースで受験させる、あるいは席の近い受験者には異なる問題を配信するなどしています。
 ところが、ESAT-Jでは、経費節約のためか、難易度が同じ複数の問題を用意するのが難しいからなのか、近距離で同じ問題を一斉に受験する。イヤーマフで音を遮断するという対応でやっていると。ところが、そのイヤーマフが用途を果たしていない実態がある。それどころか、生徒が苦痛を感じても、試験だから逃れることができないという人権侵害ともいえる深刻な状況を生み出しています。
 要するに、ESAT-Jは、入試に使うテストとしては未熟なものだといわなければならないと思います。それを無理やり実施して、公平、公正という生徒に対する責任を果たさず、生徒に苦痛を与える。教育委員会としてあるまじき状況だということを厳しく指摘しておきます。
 試験監督についても、深刻な実態が浮き彫りになっています。一日限りのアルバイトの試験監督による運営が、受験生に負担をかけ、公平、公正さにも影響するような内容が四十七件寄せられています。
 例えば、こういう声です。何名かしゃべっている生徒がいたが、注意していなかった、また、子供に、前回はどうしたと聞いてきたそう、初めてなので分かりませんと答えたら、そうなのと試験官にいわれた、こういう保護者の方の声、さらには、連携がうまく取れず不機嫌になる試験監督、試験中に泣き出している試験監督までおり、生徒の前、この態度はどうなんだろうと感じた、こういう中学三年生の声があります。
 教育長は、十二月の我が党の代表質問に対して、試験監督について、当日のみ勤務するスタッフに対しても、事業者が適切に対応しておりますと答弁されましたが、このような声が中学三年生、受験生やこの保護者から寄せられていても、事業者は適切にやっているとお考えですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 テスト当日の運営に関しては、事業者により適切に対応されたというふうに認識をしております。
 テストの実施に当たりましては、非正規職員だからできないというような、そういうことではなく、適正な採用を行い、研修を行い、そして、当日の運営体制をしっかり取って行っていくということが問題なのであり、引き続き、そういう観点から、今後の実施についても改善をしていきたいというふうに考えておりますが、当日のみ勤務をするスタッフに関しても、事業者が適切に対応しているというふうに考えています。

○斉藤委員 また適切に対応していると考えているという、そういう答弁なんですよね。あくまで考えなんですよね。子供たちのこうした声を一切聞こうとする姿勢がないからこそ、同じような答弁、ずっと強弁するしかない、そういう状況なんだというふうに思いますね。
 この適正な採用や研修、当日の運営体制が重要というふうに答弁もされているんですけれども、そうなっていない実態を、私たちは繰り返し突きつけてきました。
 一日限りの単発バイトで、経験不問、隙間バイトという言葉で試験監督が募集されているということを示してきました。これ、何も私たちは、非正規雇用の方々の問題、そういう個別の人たちの問題というふうなことでは全く捉えていません。体制の問題です。こういうやり方をしていることが問題だということを私たちはいっています。
 事業者に、試験監督の募集や研修の仕方について、これは確認したのですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 事業者により適正に行われているというふうに認識をしていますし、適宜報告を受けています。

○斉藤委員 確認したのかどうか、明確な答弁すらないんですね。確認もまともにせずに答弁もされないような状況で、こういう状況を放置しているのは、都教委の、この中学三年生、受験生に対して果たすべき責任を果たしていないということと同じだというふうに思います。
 もう一年以上も前から、議会で指摘されています。ベネッセが今回で終わりだからということでは済まされません。昨年度と同じように試験監督の問題が起きているということを重大に受け止めるべきです。
 この四団体が行ったESAT-J実施状況調査について十二月の代表質問で取り上げた際、都教委は、教育長のご答弁でしたけれども、試験会場や受験者が特定できず、事実確認が困難と回答しました。
 その回答を聞いて、都民の皆さん方、この三団体の皆さん方、それならば、会場を示して、そして無記名アンケート、東京都に再調査してもらおうというふうに考えて、年末の本当にそれぞれに忙しい時期でしたけれども、十二月二十七日に、会場名をわざわざ示して、声とリンクさせて、そして都教委に示しました。調査してほしいと求めました。
 しかし、結局、都教委はこの調査を拒否しました。なぜですか。その理由を明確に示してください。

○瀧沢グローバル人材育成部長 繰り返しの答弁になりますが、都教育委員会は、事業者と派遣した職員及び区市町村教育委員会からの報告により、解答に影響を与えるような事例はなかったということを確認しています。
 また、事業者や都職員、区市町村教育委員会や中学校などを通じて、生徒の申出などを把握し、個別に対応をしております。
 教育長からの答弁にあったように、試験会場や受験者が特定できず、事実確認が困難ということです。そのとおりで、受験者を特定できなければ事実確認を行うことは困難ですので、何かあった場合には申し出てくださいということを複数のルートを通じて周知をし、その対応をしたということについては、先ほど報告したとおりであります。

○斉藤委員 今度は、会場が分かっても、受験者が特定できなければ事実確認を行うことは困難という言葉で、今、逃げているんですね。会場が分からず、事実確認が困難だといった答弁は何だったのでしょうか。いいかげんな言い訳をしているというふうに思わざるを得ません。
 しかも、私たちは、個人を特定して、そして個別の対応を求めているということではないんです。
 そもそも、さっきもいいましたけれども、ほかの人の解答が聞こえるといった、この声が多数あること、これは個別に対応できることではありません。カンニングができてしまうような状況は、個々の生徒の問題ではなくて、そんな試験体制になっている、そういう試験体制をつくっている都教委の問題なのであって、それを検証する必要があるというふうにいっているんです。
 個人の特定をするなど、個人の問題にすり替えようとするその都教委の姿勢は、責任転嫁も甚だしい。私、恥ずかしい姿勢だというふうに思いますよ。
 さらに伺います。
 都教委は、窓口を設けており、生徒が申し出れば対応するというふうに、先ほど来ずっと繰り返されております。
 生徒が名乗って連絡することは、カンニングを疑われたり、再試験を受けるようにいわれるリスクを伴うもので、生徒から連絡を期待する、そのこと自体が非現実的ではありませんか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 受験上に何か影響があったということなのであれば、それは申出をすることにためらう理由は何もないというふうに思います。会場で困ったことがあったとか、あるいは会場で申し出ることができなかった場合には都教委に連絡するように周知をしている、それから、生徒や保護者の申出も直接聞く体制を整えているわけで、もし何か影響があったのであれば、そこでお話しをいただけるものということだと思います。
 また、中学校においては、担任の先生などが生徒からの相談などにも日常的にも対応しております。直接、都教委に電話するということに仮にハードルがあるということであったとしても、スピーキングテストについても同様であって、都教委としても、中学校や区市町村教育委員会から寄せられた問合せに対しても、個別に状況を確認するなど、適切に対応しているというふうに考えています。
 つまり、生徒は、都教委以外の窓口の方法、ルートでも申し出ることができるというふうに考えています。

○斉藤委員 今のご答弁について詳しく伺っていきたいと思いますけれども、都教育委員会に連絡するように生徒全員に伝えているといいますけれども、他人の解答が聞こえるといったカンニングも可能になってしまう状況について、生徒がカンニングを疑われてしまうようなリスクを負って、わざわざ直接、都教委にいえるというふうに本当に思うんですか。もう一回お願いします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 本人がカンニングを疑われる可能性があるという状況だということは、ちょっとどういうことを想定しているのか分かりません。
 生徒が気持ちがどうかということについて、私が答弁するのは差し控えたいと思いますけれども、少なくとも本人が解答に影響があったという状況なのであれば、それについては複数のルートで話をしてもらいたいと。
 繰り返しますが、都教委に直接いうことだけではなく、複数のルートを設定しているということを、先ほどお話ししたとおりです。

○斉藤委員 最初にどういう状況か分からないといいましたけれども、繰り返し最初からいっているように、他人の解答が聞こえるという、そういう回答です。そういう情報は、じゃ、それを聞いてカンニングしたのかと思われる可能性があったり、あるいは再試験を受けろという、そういうリスクが伴うわけですね。そういうことを、連絡がないならないと考えるというのは、あまりに私は上から目線、高圧的だというふうに思います。
 それで、様々なルートからいってほしいということも、今、繰り返されていますね。様々なルートに、この議会は入らないんですか。
 都民の皆さん、議連と協力しながら、直接的に私たちとつながりのない受験生たちの皆さんが声を寄せてくれている。ここで訴えている。この議場の場は選択肢に入らないということですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 今、ちょっと議論がかみ合っていないと思うんですけれども、議連の方が把握したことであっても、個別に何か対応が必要なのであれば、それは都教委に連絡をしていただけるようにということと背反することではないですよね。都教委にいっていただければいいんだと思います。
 もし、個別に議連の方々が把握しているような情報があるということなのであれば、ぜひ、すぐに何らかの方法で問合せをしてくださいというふうにいっていただければいいんじゃないでしょうか。
 ですから、この中の、様々な無記名の記載がある中にも、当然、もう問合せがあったものもあるかもしれませんし、それから対応が済んでいるものもあるかもしれません。今回のこの話について、何かそれは入らないからそれはどうだということの、そういう議論になるものではないです。
 繰り返しになりますけれども、直接、具体的な名前が分かる状態で情報をいただかなければ対応のしようがないということであります。

○斉藤委員 個別の対応に落とし込もうとするから、そうなるんじゃないですか。全体の検証としても受け止めていく必要があるんじゃないですか。
 あまりに、この、いってこなければ知らないというようなこと、そして、議会軽視の姿勢、本当にとんでもない状況だと思います。無記名のアンケートだからこそ、ありのままを答えることができる、そういう声を聞く姿勢を私は持つべきだというふうに思います。
 今回も、教員の方々からも声が上がっています。
 東京教育連絡会が教員に対してアンケートを行ったところ、生徒や保護者からトラブルや困ったことなどがあったかという質問に、七十四人が回答しています。周りが解答をまねしていたというのが十七人、イヤーマフが合わない、画面が変わらない、音声を認識しないなどのトラブルは二十五人にも上ります。これらの現場の教員からの声にも基づいて、やはり調査を行うべきだと思います。
 直接いってくださいということをずっと繰り返されているんですけれども、直接いえないような、いうにははばかられる、そういう声がたくさん、教員の下にも、私たちのところに届いている。これを無視しないでほしいんですね。
 どうですか。調査。

○瀧沢グローバル人材育成部長 はばかられる声があるということについて、ちょっとそこに、その記載については事前にも聞いていませんので、それに基づいたことについて答弁することはいたしませんけれども、当日、機械の不具合などがあって申出があった場合には、個別に対応をしているということであります。
 また、違う団体でのアンケートについての言及がございましたが、このアンケートでは受験者が特定できません。事実の確認が困難であります。

○斉藤委員 個別の問題、個人の問題に落とし込めるような話を私はしているんじゃないということを再三申し上げています。
 現場の教員の声が都教委に届かないという訴えも寄せられています。ある教員は、ESAT-Jが授業に活用できない、高校でも活用しているとは聞いていないという声が上がっています。自分の授業を削られていく、生徒との仕上げの授業を全部崩されてきた、生徒に楽しい授業をしたい、現場の声を聞いていただきたいといっています。
 テスト漬けは困ると区教委に伝えると、校長を通していってくれといわれた、校長にいえば、上から決まったことだというふうにいわれたそうです。
 現場の声が上がらないシステムになっていることを、どう思いますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 各中学校では、学校の経営方針の下、適切に学校経営が行われていると考えております。

○斉藤委員 所管外の中学校のことだからでしょうか、とても、随分とふんわりとしたお答えなんですけれども、つまり、都教委がいうような意見が上がってくる仕組みなんていうのはないんです。現場の先生たちは、校長にいっても、区市町村教委にいっても八方塞がり。都教委に意見など上げられないんです。
 私がここで厳しくいわなければならないのは、教員の人事を握り、そして大きな権限を持っている都教委に声が届かない、そういう現場の教員の声、そして中学三年生の声、そういう声を届けなきゃいけないからこそ、私たちは、ここで厳しくそれを指摘しなければならないんですね。
 それでも、昨年度は、懸念の声を直接、教育長宛てに伝えに来た勇気ある区教委もありました。私の地元の足立区です。とや理事が昨年に質疑で取り上げましたが、足立区の教育長が中学三年生のことを心配して、区議会で議論になったことについて、その懸念を伝えに来ました。しかし、都教委は、それでもテストは適切に行われたと強弁するだけ。
 それでは、幾ら誰が問題を伝えても、都教委はその声を聞かずに、ただ暴走するだけ、そういうことではないですか。とても民主主義の国の教育とは思えません。子供たちにとって、まねしてはいけないような恥ずかしい大人の姿勢ではないかというふうに思います。本当に情けない状況だといわなければならないと思います。
 ここから、本日報告された実施状況について伺います。
 まず、去年の報告にはなかった、再度の受験機会の設定についてです。
 報告によれば、機器の不具合、疑い例も含むものですね、それから、イヤーマフ、イヤホンの装着関連、現場対応の誤りなどによって、再度の受験の対象になった受験生が六十人もいたということです。受験生及び保護者に謝罪することになったという重大な問題だというふうに思います。
 しかも、とや理事が先ほど取り上げたとおり、昨年度のテストでも同様のことがあって二十七人の方が再試験の対象者になっていたということが、今頃になって、昨日ですね、報道で明らかになりました。
 その午前中の教育委員会で報告したのが最初ということだと思いますけれども、トラブルはなかったのかと繰り返し議会で聞いてきた中で、そのことに一度も触れずに来たことは、都民を欺く行為だということをいわなければなりません。トラブルを隠蔽してきたといわれても仕方のない状況で、都教委の責任、これは重大だということを私からも厳しく指摘いたします。
 この再度の受験機会の設定についてですが、機器の不具合、イヤーマフ、イヤホンの装着関連、現場対応の誤りなど、六十人が対象となっていますが、対象となった生徒は十二月十七日の予備日に受験したのですか。予備日の受験者は全体で何人ですか。まず、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 先ほども、別の、副委員長あるいは委員からも質問があったと思いますが、再試験の対象となった生徒に関する具体的な対応内容については、人数が極めて少なくて個人が特定されるおそれがあるため、回答は控えます。
 予備日の受験者についてのご質問がありました。千百四十九人であります。

○斉藤委員 同じ報告の中で、電話での問合せは八件と、少なくても公表しているんですから、人数が極めて少なく、個人が特定されるおそれがあるというのは、言い訳にしか聞こえないんですね。
 しかも、再受験日のこの日を公表することと個人情報は関係がありません。再受験日をいえないというのは、十二月十七日以外に再受験した生徒もいたということですか。
 また、十二月十七日の予備日に受験して、機器の不具合などで再受験がさらに必要になった場合、どうしているんですか。先ほどの質問ともちょっと重なりますけれども、重要な点だというふうに思いますので、改めて伺います。
 この十二月の予備日の受験日、機器の不具合などでさらに再受験になる、そうした生徒は十二月にはいなかったということでいいですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 繰り返しの質問ということで、繰り返しの答弁になって恐縮ですけれども、再試験の対象となった生徒に関する具体的な対応内容につきましては、人数が極めて少なく、個人が特定されるおそれがありますので、配慮を要するというふうに考えています。そのために回答は控えます。

○斉藤委員 いわないということなんですね。
 でも、この十二月十七日以外の日に再受験した人もいるとすれば、それも重大な問題です。どんな問題で、どんな環境で受験したのかいわないということは、ブラックボックスじゃないですか。試験の公平性、公正性、透明性が保たれません。こんな対応、あり得ません。
 また、再試験の日は十二月十七日だけだったとすれば、十七日に不具合が発生した場合、もう試験日がないから諦めてくださいということになったんじゃないですか。そういうことで済まされているという疑問も生じます。
 個人が特定されるという、言い訳にならない言い訳を述べて隠すということは、都民の不信をさらに募らせるだけです。きちんと答えるべきです。
 再受験の対象者は六十人だったということですが、実際に再受験を希望して受けたのは何人か、これもいえないのですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 その質問も先ほどあったかと思いますが、詳細についてはお話しいたしません。

○斉藤委員 何にも明らかにしないんですね。いつ再受験したのかも、何人再受験したのかもいえないと。中学三年生にすれば、この時期に、もう一日時間を使って受験しなければならないというのは、非常に重い負担です。再受験のこの機会を設けたとしても、都合が合わなくて諦めてしまった、こういう生徒もいるんじゃないでしょうか。
 都教委側の不備、責任で、特定の生徒に重い負担を負わせる、あるいは諦めさせるような運営で、こういうことでは、やはり入試に使うのに適した試験とはいえないと思います。そうじゃないというなら、情報を公開するべきです。入試活用はやめるべきだということを改めて主張いたします。
 また、こうした深刻な状況が昨年度も起こり、二十七人も再試験の対象になったのに、それは隠してきた、いってこなかった。また、今年度は六十人もいたのに、昨年度も今年度も、都教委は、試験は適切に行われたと強弁しています。
 何十人もの保護者に謝罪し、特定の生徒に重い負担を負わせる、しかも、その再試験はブラックボックス。これで適切だというふうに強弁するとしたら、都民の都教委や入試への信頼は保つことはできないということを厳しく指摘しておきます。
 この再度の受験機会の設定となった具体例についてですが、事例ごとの内訳の件数を伺います。
 また、受験会場での不備ですから、どんな機器の不具合があったのか、イヤーマフやイヤホンの装着でどんな問題があったのか、現場対応の誤りとは何だったのか、具体的にベネッセから書面で報告を受けていますか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 書面での報告は受けておりませんが、電話等で随時、情報共有を受けております。

○斉藤委員 現場での不備ですから、事業者はきちんと書面で報告するのが当然だと思いますけれども、それを受けていないというのは本当に驚きです。
 では、ベネッセから電話等で情報提供を聞き、都教委は、その内容を書面にして、組織内で共有はしているんでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 共有というか、必要な所管の中では、共有ですかね、それはしております。

○斉藤委員 書面で共有しているんですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 内容に応じて書面も含まれます。

○斉藤委員 では、そうした文書を、もちろん個人情報は分からない形で結構ですけれども、不具合や誤りの事例をきちんと公表するべきだというふうに思います。透明性の確保や今後の改善を考えれば、当然のことです。
 とや議員の質疑でも、ベネッセからの平均点の報告、録音状態の不備の確認の報告などは、他会派の方からもありました、口頭での連絡だったということが明らかになりました。
 行政と事業の委託を受けている事業者との関係で、試験会場で運営側の不適切な対応などで再受験の対象になった生徒がいた、また、採点ミスがあり、去年のことですけれども、全体にも影響があった、これらの報告が口頭のみ。これで都教委もよしとしているという対応は、あり得ないと思います。そのこと自体が不適切だということを厳しく指摘するものです。
 それから、この実施状況報告書には、テストの実施後に電話による個別の申出に対応したのが八件ということが数字で示されています。
 どのような内容で、どう対応したのか、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 記載があると思うんですけれども、自分の音声の状況など録音に関するもの、あるいはテストの採点に関する問合せや意見などであり、録音状態や採点の確認などを行うなど、対応をしたところであります。

○斉藤委員 問合せの中には、対応できなかったようなこともあるんじゃないでしょうか。次のような問合せをしたという方、もうどうしようもなくて情報を寄せていただいた方がいらっしゃいます。
 生徒は、マイページから採点結果を確認することができますが、自分の評価と採点結果が違うと思った場合、音声を確認したいと思った場合はどうするのか。音声開示は三月になっていて、しかも受検が終了した後です。
 これに対しては、どう対応したのですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 それは個別の問合せに対する対応のことをお聞きになっているのでしょうか。問合せがあったことについては、個別に対応をしています。
 ただ、私たちが把握して対応したものの詳細についてお答えすることは差し控えたいと思います。

○斉藤委員 通告している質問なので、ちゃんと答えてほしいんですよね。
 再確認ですけれども、音声開示の目的というのは、入試の結果の透明性を確保したり、疑義があったときに納得してもらう、そういうことも含めた透明性を確保するというために行っているものということで間違いはないですか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 音声の提供につきましては、一義的には、その後の学習にも生かしていただくということが一つ。それから、もう一つは、今、透明性を高めるというお話もありましたが、そういうことも、副次的には目的としてあるというふうに思います。

○斉藤委員 つまり、入試の結果の透明性を確保するためということも含まれるということなんですね。
 しかし、この問合せをした方は、採点に疑義があっても、音声の確認を三月に入るまで、しかも、不合格者しか三月の時点では開示ができなくて、納得がいかなくても確かめようがないというのが現状です。
 音声の開示の問題は、アチーブメントテストとしての有効性も問われる問題です。自分が何といったのか確かめることができなければ、自分の到達度を確認して改善するということもできません。根本問題に関わる意見についてもきちんと向き合って、検証、対応することを求めます。
 昨年度は、採点の後、結果を生徒に返した後に、音声データの再確認から八人の採点ミスがあったということが分かり、今でもこのことが大きな問題になっています。
 今年度は、そのようなことを防ぐためにどのような対策を行ったのか、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 今ご指摘のあった点についてですが、昨年度は、一定の機械音のみが録音されて、解答音声が部分的に確認できないという箇所があった、そういうことで、当初は受験者が無解答であるというふうに判断したケースがあったということをご指摘なんだということだと思います。
 今年度は、こうしたことが起こり得ることを初めから念頭に置いて、無録部分があっても、受験者が無解答であったのかどうかを確認するなど、解答音声データの確認を徹底しております。

○斉藤委員 要するに、そういうケースがあったときには、バックアップ、サブデータの方で再確認するということを行ったというふうに聞いています。二度とあってはならないことで、対策を行うことは当然のことです。
 しかし、これまで質疑してきたとおりですけれども、都立高校の入試への活用を開始して二年目ですけれども、適切に受けられなかった受験生が、受けられなかった、その対象として都教委が認めているという人が六十人にも増えている。根本的に入試に堪えられないテストだということは明らかだというふうに思います。
 しかも、来年度からは、事業者がまた替わり、また一からの模索になります。
 公平性、公正性、そして安定性が求められる入試に、不安定なこのテストを活用し続け、生徒たちに犠牲を強いていくようなことは本当に許されません。
 一言申し上げておきたいと思うんですけれども、私たちも英語スピーキング力を向上させていく取組は大事なことだというふうに思っています。先ほどは、渋谷区の中学校の取組のお話もありました。ALTなど外国人講師の配置を厚くして、少人数で英語の授業を行う。本当に、こういうことこそ求められているんじゃないかというふうに思います。
 私も十一月の質疑では、今後、ブリカンに見積もっている金額があれば、区市町村の全ての中学校にALTの配置を週二回行ってもお釣りがたくさん出る、こういうことを試算して、前向きな提案を行っています。
 公平、公正性の破綻がますます明らかになっている、この英語スピーキングテストの都立高校入試への活用はきっぱり中止することを強く求めて、質問を終わります。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後六時三十三分休憩

   午後六時四十五分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○西崎委員 私からも、英語スピーキングテストに係る報告から、前半にも話がありましたけれども、特別措置について伺いたいと思います。
 病気や障害などのために配慮が必要な生徒に対し、十四区分にわたる特別措置を設けているということでありますけれども、その特別措置による受験者数及び内訳について伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 個人情報に関わる事項でございますので、配慮した上で答弁は控えたいと思います。

○西崎委員 個人情報に配慮するというのは非常に大事だと思うんですけれども、一方で、その特別措置について考えるために、全体の規模感を把握するということも大事だと思います。
 内訳になると細かくなるので、それは結構ですので、そうしましたら、その特別措置に関する全体の受験者数だけ、もう一度伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

○瀧沢グローバル人材育成部長 同じ答弁で恐縮ですけれども、そちらについても答弁を控えます。

○西崎委員 さすがに全体の受験者数は個人情報と結びつかないんじゃないかと思うんですけれども、今回、特別措置で配慮の必要な生徒のために様々やられているものがどうなのかという、その在り方を考えるために、必要な数字なんじゃないかと思うんですよね。
 一方で、特別措置の会場となった部分というのは、さきの委員に対する答弁でもありましたけれども、十一月分が、全体二百二十七会場あるうち特別措置会場が二十一会場、十二月は、全体が十五会場で特別措置の方が十二会場あるというようなお答えはあったところです。
 その中でも、昨年よりこの数を増やして行きやすくなったというような話もあったところですけれども、じゃ、この実際の割合だとか、対応されている現場の負担感などが分からないと、ちょっと我々も、議論のしようも、判断のしようもないと思うんですよね。
 もう今、二回にわたってお聞きをしましたので、今聞いても出てこないということは分かりましたけれども、総数くらいは、やっぱり明らかにすべきじゃないかと思いますので、ちょっとこれは、ぜひご検討いただきたいということをまず申し上げておきます。
 次に、この特別措置は、受験申込みとは別に、申請をしてから、その後、申し込むというものでございますので、特に特別措置の申請に関しましては、一旦学校に書面を提出し、そして、処理を受け、返却を受けた後に申請を行うといった、少し手間がかかるものとなっているわけでございます。
 ここでお聞きしたいのは、このように特別措置申請を行ったという方が大勢いらっしゃるかと思うんですけれども、承認をされなかったというケースがあるのか。また、あるとしたら、どういう理由によるものなのか、お聞きをいたします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 これも、申請があった後、個別に承認をするというプロセスを経ています。ですから、そのプロセスに対する予断を与えるということも避けるべきだと思います。
 繰り返しの答弁になって恐縮ですけれども、個人情報に関わる、非常に配慮を要する事項だと我々は考えておりますので、答弁は控えたいと思います。

○西崎委員 皆さんがその配慮をしたいという思いは分かりますけれども、あるかないかくらいは答えられるんじゃないかと思います。個人の特定をする意図なんか全くないですし、そういった情報を求めているわけでも全くないです。
 特別措置のこの仕組みがある中で、そうした申請、また、それに対する対応というのは適切にやっているんだろうと思いたいですよ。しかし、その申請に対して、承認をされたとか、もしくは承認をされなかったという状況が分からないと、じゃ、例えば、今ある十四区分が適切なのかとか、特別措置の内容が十分なのかとか、そもそも申請の受付方法に問題はないのかとか、この判断ができないですよね。
 先ほど来、話がありますけれども、こういう情報をきちんと出していただけないとか、正面からお答えいただけない、こういうことが続いているから、いつまでたっても議論が落ち着かないんじゃないかと私は思います。
 ちょっとこれ、何度聞いても進まないので次の質問に移りますけれども、この特別措置の中で、吃音や発話障害関係の対応についてお聞きをいたします。
 この特別措置の区分でいうと8になるわけですけれども、この採点について、当初から課題があると専門家等からの指摘をされていた部分であります。
 そこで、この吃音や発話障害関係の採点の対応について、また、この採点者の専門性について伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 英語の専門性に加え、特性に応じた採点方法に関する研修を受けた採点者が、採点時に注意して聞くなど、合理的配慮を十分考慮した上で採点を行っております。

○西崎委員 案内書には、採点時に注意して音声を確認する措置を行うということなどが書かれているわけでありますけれども、今お答えがありましたように、合理的配慮のお話もありました。障害特性に応じた採点方法に関する研修も受けているということですので、その採点者に関しては、一定そういったことを踏まえて採点に臨んでいるというお答えだと思いますので、それは、ここでは信じたいと思います。
 特に吃音や発話障害に関しましては、逆に、これはテストに限らないですけれども、聞き手側は、やっぱり相手に対してせかさないとか、言葉が出るまで待つとか、そもそもゆっくり話しかけるとか、そういった配慮が必要だと一般的にいわれているわけでございます。
 このスピーキングテストということに関してみますと、会場でせかされるということはないと思いますけれども、一方で、じゃ、約三倍に解答時間が設定をされておりますけれども、それが適切なのかとか、もしくはテスト資材が今、同じという状況かと思いますけれども、それで大丈夫なのかとか、そういった点を振り返ることも必要ではないかと思います。
 そこでお聞きをいたしますけれども、こうした様々な特別措置が十分な内容となっているかについて、検証は行っているんでしょうか。伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 学校や関係団体などから様々な意見を聞きながら特性に応じた措置を設定した上で、これも繰り返しになりますが、試験当日に、必要に応じて特別支援教育を担当する指導主事などの専門性を有する職員を試験会場に配置して状況を把握しており、適切に対応している。
 引き続き、今後も対応していきたいというふうに考えております。

○西崎委員 引き続きというような話が最後にありましたけれども、適切に対応しているから検証は要らないんだというふうに、どうしても聞こえてしまうんですよね。
 特に、この特別措置に関していうと、そういった特性のある生徒が試験を受けやすい体制になっているかというのはもちろんですけれども、そういった子供たちが実力を発揮できる環境がきちんと用意できているのか、こういう側面、それぞれから考えられるかと思います。
 まだ本格実施二回目でありますし、事業者も今後替わっていくというようなこともありますから、ここはきちんと、やはり絶えず改善を図っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、これまでも話が出ておりますけれども、機器の不具合について確認をしたいと思います。
 先ほど来ありますように、様々な理由で再受験の対象となったのが六十名というご報告があったところでございます。
 そこでまず、当日、機器の不具合があった場合の対応については、どう対応されているのかということについて確認をさせてください。お願いします。

○瀧沢グローバル人材育成部長 試験の開始前に受験者から申出があった場合には、機器を交換して実施しております。また、試験開始後の不具合については、再試の対象としております。
 今、ご質問の中にあった機器の不具合ということについてですけれども、これは、実際に機器に不具合があったかどうかにかかわらず、申出があった場合にはそのように対応をしているということであります。
 その結果、本人の希望も受けて、再試験の機会というものを提供しているということで、先ほどお話ししたような六十人につながっているということでありますので、もちろんゼロにしていくのがベストですけれども、そのような対応も並行してやっていくということは必要だというふうに認識をしています。

○西崎委員 最後におっしゃっていたのが、要は、機器に不具合、まあ、いろんな理由で再受験になったという方がいらっしゃるところですけれども、必ずしも全部が、機器に不具合があったから、そのまま再受験になったというわけではないというような趣旨で、多分、今、お答えをいただいたのかなと思います。
 今回のスピーキングテストにつきまして、この機器の不具合という観点から、もう少し伺いますけれども、私の地元の目黒区議会でも、これ、議論が行われておりまして、当日の機器トラブルについての報告が委員会の議事録に残っています。
 これ、そのまま読み上げたいと思いますけれども、始める前に、一回、自分の声を吹き込んで、吹き込まれたか聞くというテストがあるんですけれども、その段で、吹き込まれたものが再生できないという機材に当たってしまったお子さんがいて、その子につきましては、試験会場で再試験の方に回ってくださいというふうにいわれて、次の予備日の方でもう一度受験するということになった生徒さんが一名いるというところは把握しているというような、これは議事録に残っている話です。
 自分の声が吹き込まれたかを確認するテストというのは、試験開始前に当たるんじゃないかと思うんですよね。すると、先ほどの答弁の内容とは異なる対応が取られたのではないかと、非常に不安に感じるんですけれども、ちょっと改めて、代替機による対応がどうなっているのか、伺います。

○瀧沢グローバル人材育成部長 今、紹介があった事例と特に矛盾するということではなくて、どの段階でそれの申出があったかということによって、それぞれ対応が分かれるという可能性はあります。
 当然、当日、機械をすぐ交換することで受けていただくことが望ましいというふうに思いますが、生徒からの申出の内容等々、あるいはどのタイミングでなのかということを踏まえて、状況によっては再試という対応をするということもあるということで、その時間によって、状況によって、どちらもあるということで、特にそれが矛盾するということではないということをお話ししたいと思います。

○西崎委員 今、私が申し上げたのは、どちらかというと、部長がご答弁されたことがおかしいんじゃないかということをいったのではなくて、現場の対応は大丈夫だったのかということを少しお話をしたいという趣旨で申し上げたところでございます。
 機器のトラブルが試験開始前に分かれば別の機械で対応するというようなことが、恐らく原則としてあるかと思うんですよね。
 一方で、先ほど目黒区議会で報告をされた話を申し上げましたけれども、これはネットの匿名のアンケートとかじゃなくて、公の議会で理事者が答弁した内容です。しかも、答えたのは、都から行っている方だと思いますけれども。
 そういった意味でも、受験者がそのときにどこのタイミングで申し出るかによって、もちろん対応が変わってきちゃうということは、現実的には理解はいたします。でも、それがあったときに、すぐにきちんと申し出るという環境がつくれないと、それはやはり体制として不足しているんじゃないかなと思うんですよね。
 いうまでもありませんけれども、受験者、生徒さんにとっては、当日のために勉強して、体調を整えて受験会場まで行って、それにもかかわらず、この機器トラブルに見舞われて、本来は、例えば、申し出れば代替機で対応できたというにもかかわらず--いや、分からないですよ、今、私が申し上げた例が、そのときにいったけれども再試験になったのか、それとも、終わった後に、いや、あのとき自分の声のテストをしたんだけれども、その声が入っていなかったんですと後で--そんなことあり得ないと思いますけれども、そういう、つぶさには分かりませんけれども、そもそもそうした対応が、そうしたことがあったらすぐに代替機で対応するということができない限り、やっぱりちゃんと安心して受けられる体制になっていないと思うんです。
 生徒さんがそれを理解していなかったら、それはやはり都教委の周知が足りないと思いますし、もし、先に申し出たのにもかかわらず、予備日に受けてくださいといったのだったら、もう完全にこれは対応としておかしい話になろうかと思います。こういうのは、やっぱり絶対にあってはならないことだと思うんですけれどもね。
 この目黒区議会で議論された場でも、こういったことがないように、区から都に強く伝えるという見解が区教委から示されていますけれども、私自身も、この場で強く、これは皆様の方にお伝えをさせていただきたいと思います。
 最後に、これまでもいわれてきたようなことでありますけれども、私の意見を改めて申し上げたいと思います。
 私自身が東京外語大の英語科の卒業でして、決して優等生ではなかったですけれども、それなりの環境で学問としての英語を学んでまいりました。その立場からしても、スピーキングテストがあるから英語を話せるようになるとは到底思えないわけです。英語を話せるようになるためには、とにかく日常的に使うことだと思います。スピーキングで、テストなどで正しい文法とか正しい発音を求めるというのは、むしろ英語で話す意欲を減退させ、逆効果になりかねないと危惧をしています。
 結果、このスピーキングテストの結果を入試に結びつければ、必要に迫られてスピーキングに取り組むだろうという、そういう魂胆があるのか分かりませんけれども、やっぱり一過性のものでは効果は薄いと思いますし、むしろスピーキングを嫌なものとか、大変なものと認識させてしまうおそれもあると私は思います。
 児童や生徒に日常的に英語でコミュニケーションをさせるための取組というのは、都教委も様々なすばらしいメニューを提供していると思います。ですので、むしろ、そちらの方を徹底的に充実させるということで、子供たちがグローバルに活躍できる力を育んでいくべきであるということを私から申し上げて、質問を終わります。
 以上です。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 これより採決を行います。
 初めに、請願五第四五号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○藤井委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第四五号は不採択と決定いたしました。
 次に、請願五第四七号をお諮りいたします。
 本件中、第四項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、請願五第四七号中、第四項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、陳情五第九三号をお諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第九三号は継続審査といたします。
 次に、陳情五第九五号をお諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第九五号は継続審査といたします。

○藤井委員長 次に、請願五第五〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岩野地域教育支援部長 請願五第五〇号、明治神宮外苑の百四十六本のイチョウ並木を名勝に指定することに関する請願についてご説明申し上げます。
 請願・陳情審査説明表の一二ページをお開きください。
 本請願は、千代田区の大橋智子さんから提出されたものでございます。
 本請願の要旨は、都において、東京の代表的景観である明治神宮外苑の百四十六本のイチョウ並木について、その歴史的遺産としての価値を重んじ、都の名勝に指定することを検討していただきたいというものでございます。
 これに関します現在の状況でございます。
 東京都指定名勝につきましては、所有者及び関係自治体の意向を踏まえ、東京都文化財保護条例に基づき、東京都文化財保護審議会に諮問し、答申を受けた後、東京都教育委員会が指定をしております。
 現時点で、明治神宮外苑のイチョウ並木を名勝指定することにつきましては、所有者及び関係自治体の意向は示されておりません。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○とや委員 改めて共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 明治神宮外苑のイチョウ並木の名勝指定について伺います。
 百年以上の歴史を持つ外苑のイチョウ並木は、東京のみならず、世界各国の人々が訪れる美しい並木です。
 同時に、子供たちの遊び場でもあり、学習の場としても活用されていると聞いております。
 例えば、幼稚園の年中組の園外学習では、事前にバスの中で、イチョウの木には雄と雌があること、雄と雌の葉っぱの形が違うこと、雌に銀杏がなることなどを話し、実際に葉っぱを見せて話すことで、子供たちは興味津々の様子で、期待を持たせてから現地に到着し、観察するなどの取組が行われています。また、子供たちが自主的に企画した観察会も行われていると聞きました。
 四列のイチョウ並木と絵画館が織りなす風景、百年前の人々が、百年後の未来に美しくなるように、それからの百年もずっと美しくなるようにと考えて設計した遠近法に感動する子供たちや、また、三十度を超える夏日なのに、イチョウ並木の下に来ると、木の下にいたら涼しいとか、風が気持ちいい、爽やかなどの声があり、環境も歴史も学べて感性を養える場所であります。
 百年以上も生き続けている百四十六本のイチョウ並木を学習教材にできるのは、東京の子供にとっても宝物ではないかと思います。
 文化財として名勝指定すべきものの以前に、東京にこのような価値あるイチョウ並木は、今後も児童生徒の学習教材として大変重要な場所であり、教材としてもふさわしいと考えますが、いかがですか。

○小寺指導部長 学校における教材の選定につきましては、児童生徒の発達の段階や特性、地域の実情等を考慮し、多様な教材の活用に努めることとされており、こうした趣旨の下、各学校では、自然や文化等に親しむ機会として遠足等の校外学習を設定しております。

○とや委員 各学校では、自然や文化等に親しむ機会として校外学習を設定していると。その中に神宮外苑のイチョウ並木も入っていると思います。
 東京で暮らす子供たちにとって、百年を超える樹木、しかも、それが一まとまりになった並木であり、整えられた樹形や紅葉の名所として、ほかに類を見ない価値ある場所だと思います。都教育委員会としても、このような名所を今の状態で子供たちに残すために、特段の努力を求めるものです。
 そして、このイチョウ並木を後世に引き継ぐために有効な手段として、都の名勝指定があります。前回、私、質疑をさせていただきましたが、その質疑でも確認をしているんですが、名勝指定をされると、その管理または修理に多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えられない場合などは、所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができるということです。
 イチョウ並木の四列のうち、道路側の二列は東京都の都道沿いなので都の管理になりますが、外側の二列などは明治神宮に管理責任があります。負担の重さもあり、管理が行き届かなければ、都民の財産ともいえるイチョウ並木を枯らすことになりかねず、貴重な文化財が東京から消えてしまう可能性もあります。
 そこで、文化財保護条例について確認です。
 前回の質疑において、都指定名勝の指定については、都文化財保護審議会の審議を通して判断されるものですと答弁されていますが、では、諮問をするのは誰になりますか。

○岩野地域教育支援部長 都指定文化財の指定につきましては、東京都文化財保護審議会に諮問するのは東京都教育委員会となります。

○とや委員 東京都が諮問をするということです。
 これまで東京都が重要文化財や名勝をしてきた文化財は数多くありますが、その中には、私も存じ上げている方が所有する文化財もあります。所有者にとっても、指定文化財になることは、とても誇らしいことだと思います。都にとっても、都民にとっても、子供たちの学習にとってもメリットが大きいと思います。
 指定に当たり、条例では区市町村との協議が必要だということになっているわけですが、区市町村との協議は、それは必要だと思います。思いますが、文化財として諮問する必要性を判断するのは誰ですか。

○岩野地域教育支援部長 都文化財保護審議会に諮問する文化財につきましては、都文化財指定基準に加え、所有者及び関係自治体の意向も踏まえ、都教育委員会において判断しております。

○とや委員 諮問も東京都であり、そして、都教育委員会において文化財にするかどうか、最終的な判断は東京都教育委員会だということが確認できました。つまり、答申を受けても、最終的に判断するのは都教育委員会なんですよ。
 文化財保護条例第三十三条には、教育委員会は、都の区域内に存する記念物、これは法律の中で史跡とか名勝とか天然記念物に指定されたものは除いていますが、このうち、都にとって重要なものを東京都指定史跡、このようにいって、東京都指定旧跡、東京都指定名勝または東京都指定天然記念物、これなどを指定するというふうにいっていて、これができるのは東京都の教育委員会です。
 機を逸して、都内の貴重な文化財を失うようなことがあってはならないと思います。そのためにも、地元自治体との協議を積極的に行うことを求めておきたいと思います。
 神宮外苑は、港区と新宿区にまたがって位置をしていますが、地域住民の関心も高く、区議会でも議論が行われていると聞いています。
 港区議会の二二年十一月、区議会議員の質問への答弁で、これは区の教育長が答弁しているようですが、イチョウ並木について、区の区域内だけでなく、その一部が新宿区にまたがり、また絵画館は新宿区にあることから、広域的な名勝指定の観点を含め、新宿区や東京都と意見交換を続けてまいりますと、このように港区の教育長が答弁をしていますが、どのような協議をしてきましたか。

○岩野地域教育支援部長 港区及び新宿区とは、令和五年三月、所有者の意向の重要性や区域の確認などについて意見交換を行っております。

○とや委員 昨年の三月というと、この文教委員会で質疑をしたのが二月ですから、この問題についても共有したというふうに聞いています。意見交換を行ってくださったのは、本当によかったと思っています。そして、その意見交換からもう一歩踏み出して、自治体と所有者を後押ししてほしいと思います。
 条例第四条では、教育委員会は、都の区域内に存する有形文化財のうち、都にとって重要なものを東京都指定有形文化財に指定することができるとあります。
 二項には、前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならないとあります。
 港区がイチョウ並木を公的に保全するための名勝指定を検討して、明治神宮に意向確認していることをご存じでしょうか。また、それに対し、明治神宮がどのような意向を示しているのか、お答えください。

○岩野地域教育支援部長 港区が所有者である明治神宮を訪問したことにつきましては、承知しております。
 港区からは、今後も所有者においてイチョウ並木を守り続けていくことを確認したと聞いております。

○とや委員 ご存じだということです。報道によれば、港区は、イチョウ並木を公的に保存するための名勝指定を検討しているということです。
 昨年十月に、国際記念物遺跡会議、イコモスですね、イコモスの国内委員会が国の名勝として指定するよう提言したことを受け、二月には、名勝指定を検討する陳情書が区民から出され、議会でも議論するようになったこと、名勝指定には所有者の同意が必要なため、港区が明治神宮に意向確認を行いに行ったところ、名勝指定は否定しない、再開発が控えているけれども、イチョウ並木は万全を期して保全するから今後も協議を重ねたい、こういった趣旨の回答があったとありました。
 区の図書文化財課ですね、これは港区の図書文化財課というのがあるようですが、四列のイチョウ並木を保全すると回答を得ることができたのは収穫だと話しているそうです。
 これが報道の大体の概要ですが、一方、イチョウ並木を良好な状態で保つには、良好な環境と徹底した管理が必要と聞いています。
 この間、環境影響評価審議会も行われ、審議され、私もその記録を読ませていただきました。ところが、事業者が環境影響評価審議会に提出した資料では、イチョウ並木は健全との報告があったようですが、実は、二〇二一年頃より一部衰退をする、枯損が急速に進んでいることが専門家による昨年の調査で判明をして、今年一月、記者会見が行われています。
 記者会見の資料は日本イコモスのホームページにも公表されており、私もそれを読ませていただきました。危険な兆候を示すイチョウについて、本当に一本一本、丁寧に観察の経過が述べられており、生きている樹木を守るためには時間との勝負であるというふうに感じました。イチョウ並木を守るため、一刻も早く関係自治体と検討し、名勝指定すべきではないでしょうか。
 民間の個人や法人が所有する東京都の指定文化財について保存活用計画を立てる際、東京都は、文化財の所有者等からの依頼に基づいて、指定された文化財が適切に保存、活用されるよう指導助言を行うため、都の職員が計画策定のための委員会に参加をする、こういった事例もあるようです。
 東京都が積極的に関わることで、都民の重要な財産を守ることができます。ぜひ名勝指定をご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○岩野地域教育支援部長 都教育委員会では、文化財の指定に当たりましては、所有者及び関係自治体の意向を踏まえ、都文化財保護条例に基づき、外部有識者で構成する都文化財保護審議会に諮問し、答申を受けた後、指定をしております。
 明治神宮外苑イチョウ並木の名勝指定につきましては、現時点で所有者及び関係自治体の意向は示されておりません。

○とや委員 はっきりと意向が示されていなくても、この間、協議も行って、港区も明治神宮の方に出かけていって、意向の確認や話合いも行われているわけですから、本当に東京都がその気になって自治体と話合いを行う、所有者との話合いを行うということは、本当に大事だと思うんですね。
 明治神宮外苑の造営は献費により行うことが決まって、明治神宮の奉賛会が組織され、全国及び海外からの献金と献木により竣工されたものであります。つまり、市民によって外苑がつくられ、支えられてきたということであります。やっぱりこの辺を踏まえて行動してほしいと、私、本当に思うんですね。
 そこで伺っておきたいのですが、外苑のイチョウ並木についての文化的、歴史的価値について、都はどのように認識していらっしゃいますか。

○岩野地域教育支援部長 明治神宮外苑イチョウ並木につきましては、平成二十四年に国が公表いたしました近代の庭園・公園等に関する調査研究報告書におきまして、名勝の指定の可能性がある事例のうち、重要なものとされていることは承知しております。

○とや委員 二〇一二年当時から、国は、イチョウ並木について、本当に重視してきているんですよ。記録が残っているわけです。
 都民的な運動になっている神宮外苑のイチョウ並木について、文化財保護指定という権限を持つ東京都教育委員会が今こそ主体的に動いていただいて、市民の声を聞き、提案を受け入れ、イチョウ並木については名勝指定できるよう、関係自治体や所有者と話し合うことを求め、陳情は採択を主張したいところですが、今後の経緯も見守りたいということで、継続ということで質問を終わります。ありがとうございました。

○田の上委員 ミライ会議の田の上いくこです。
 東京の代表的景観である明治神宮外苑の百四十六本のイチョウ並木について、その歴史的遺産としての価値を重んじ、都の名勝に指定することを検討してほしいという内容でございます。
 まず、東京都にある国の名勝指定は幾つあるのでしょうか。庭園のみではなく、ほかにどんな場所があるのかも含めて教えてください。

○岩野地域教育支援部長 令和五年三月現在、指定されている国指定の名勝は十四件でございます。
 庭園でない名勝といたしましては、小金井サクラがございます。

○田の上委員 小金井サクラがあるということでありました。
 それらは、どんなところが評価されて名勝指定となったのでしょうか。指定までの手続についても伺います。

○岩野地域教育支援部長 国におきましては、史跡名勝天然記念物に関する指定基準を定めており、この指定基準に該当するかにつきましては、文化審議会の審議を通じて判断されるものでございます。
 国指定文化財の指定につきましては、都道府県及び区市町村の教育委員会からの意見具申を踏まえ、文化財保護法に基づき、文部科学大臣が文化審議会に諮問し、その答申を受けて行うこととされております。

○田の上委員 手続までお答えいただきました。
 一部質問を割愛いたしますが、東京都の指定名勝は幾つあるのでしょうか。また、それらは、どんなところが評価されて名勝指定になったのか、こちらも指定までの手続についても伺います。

○岩野地域教育支援部長 令和五年三月現在、都指定の名勝につきましては十二件ございます。
 東京都文化財指定基準における都指定名勝の指定基準につきましては、風致景観の優秀なもので、古くから名所として知られているもの、または芸術的もしくは学術的価値の高いものとされており、その指定基準に該当するかにつきましては、東京都文化財保護審議会の審議を通じて判断されるものでございます。
 文化財の指定に当たりましては、所有者及び関係自治体の意向を踏まえ、都文化財保護条例に基づき、外部有識者で構成する都文化財保護審議会に諮問し、答申を受けた後、指定しております。

○田の上委員 それでは、都指定名勝の十二件ですが、それらは、皆、同じ手続を経て指定されたのでしょうか。

○岩野地域教育支援部長 ご質問の都指定名勝につきましても、所有者及び関係自治体の意向を踏まえ、条例に基づき、審議会に諮問し、答申を受けた後、指定をしております。

○田の上委員 それでは、所有者の同意や関係自治体からの具申がなく、都指定文化財に指定する方法はあるのでしょうか。伺います。

○岩野地域教育支援部長 都指定文化財の指定に当たりましては、東京都文化財保護条例に基づき、所有者及び関係自治体の意向を踏まえた上で指定を行っております。

○田の上委員 東京都文化財保護条例に基づき指定しているということであります。
 一部質問を割愛しますが、同じイチョウでいえば、芝の東照宮のイチョウもありますが、これは巨樹として都指定の天然記念物になっているというふうに伺っているところであります。
 今回のイチョウ並木、皆さんも何らかの思い出があるのではないかと思うような、大変すばらしい並木であります。そしてまた、歴史的遺産としての価値を認めるのであれば、条例以外の方法も検討することができるのではないかと考えております。
 また、先ほど、港区との話合い、協議のことも、とや理事から出ておりましたけれども、そういったことも含めて、様々検討ができるのではないかと考えています。
 昨年は、ミライ会議の桐山ひとみ議員が、文化財保護法や都の文化財保護条例について質問をいたしました。そして、文化財保護法の第百十条に、緊急の必要性があるときは、都道府県の教育委員会には史跡名勝天然記念物の仮指定を行うことができるという規定があるという旨や、そういったことが都で適用できないかということを質問させていただきました。
 都の場合は、陳情の場合は、都文化財保護条例に基づく都指定の名勝指定であり、それは適用できないというようなお答えもあったのですが、緊急性があれば都でも、やる気があれば、要綱をつくるですとか、改正するであるとか、できるのではないかと考えております。ぜひ検討をしていくべきであるというふうに思います。
 私たちミライ会議は、今後、東京が目指すべきは、江戸の庭園と歴史を大切にする庭園文化であるというふうに考えております。そこで、本当は、都の認識として近代の庭園・公園等に関する調査研究報告書におけるイチョウ並木の評価について伺いたかったのですが、質問が重複しておりますので、割愛をさせていただきます。
 しかしながら、これまでにもずっと訴えてきておりますけれども、明治神宮外苑は、明治天皇と皇后の昭憲皇太后のご遺徳を長く後世に伝えるために、全国民から寄附金と献木、そして、青年団による勤労奉仕によって造成されたものであります。
 今、それが壊れつつあり、その危機感を持って、東京都としてできることを考えていくべきではないか、また、引き続き港区との協議も求めて、質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、請願五第五〇号は継続審査といたします。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分については、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時二十九分散会