委員長 | 藤井あきら君 |
副委員長 | 平田みつよし君 |
副委員長 | 小林 健二君 |
理事 | 田の上いくこ君 |
理事 | 西崎つばさ君 |
理事 | とや英津子君 |
かまた悦子君 | |
たかく則男君 | |
龍円あいり君 | |
斉藤まりこ君 | |
鈴木 純君 | |
風間ゆたか君 | |
伊藤 ゆう君 | |
川松真一朗君 |
欠席委員 なし
出席説明員生活文化スポーツ局 | 局長 | 横山 英樹君 |
生活安全担当局長 | 竹迫 宜哉君 | |
次長理事兼務 | 渡邉 知秀君 | |
次長 | 久故 雅幸君 | |
総務部長 | 奈良部瑞枝君 | |
都民生活部長 | 柏原 弘幸君 | |
都民安全推進部長 | 馬神 祥子君 | |
消費生活部長 | 片岡 容子君 | |
私学部長 | 戸谷 泰之君 | |
文化振興部長 | 蜂谷 典子君 | |
スポーツ総合推進部長 | 小池 和孝君 | |
国際スポーツ事業部長 | 稲垣 敦子君 | |
スポーツ施設部長 | 梅村 実可君 | |
企画担当部長 | 吉原 宏幸君 | |
都民活躍支援担当部長 | 山崎 利行君 | |
男女平等参画担当部長 | 宮本 均君 | |
女性活躍推進担当部長 | 樋口 桂君 | |
治安対策担当部長 | 米今 俊信君 | |
文化戦略推進担当部長 | 宮永 浩美君 | |
デジタル推進担当部長 | 松下 裕子君 | |
文化施設・連携推進担当部長 | 富岡麻紀子君 | |
スポーツ担当部長 | 齊藤 陽睦君 | |
パラスポーツ担当部長 | 澤崎 道男君 | |
自転車活用推進担当部長 | 原 陽一郎君 | |
事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 | 木村 賢一君 | |
事業調整担当部長 | 三浦 大助君 | |
事業調整担当部長 | 清水俊二郎君 | |
経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 | 高島 慶太君 |
本日の会議に付した事件
議席について
生活文化スポーツ局関係
事務事業について(質疑)
○藤井委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、本委員会室の議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。
○藤井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○奈良部総務部長 去る十一月二日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元に配布の令和五年文教委員会要求資料をご覧ください。
表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は十六件でございます。
それでは、一ページをお開き願います。1、消費生活相談員数及び都、区市町村ごとの相談受付時間等の状況でございます。
都、区市町村の消費生活相談員数及び相談受付曜日や時間について記載しております。
二ページをお開き願います。2、文化振興施策に係る予算及び決算の推移でございます。
令和元年度から四年度までの予算額及び決算額の推移、令和五年度の予算額を施策別に記載しております。
三ページをお開き願います。3、都立文化施設等に係る予算及び決算の推移でございます。
令和元年度から四年度までの予算額及び決算額の推移、令和五年度の予算額を施設別に記載しております。
四ページをお開き願います。4、都立文化施設に係る収支状況(令和四年度)でございます。
施設ごとの経常収益と経常費用、当期経常増減額を記載しております。
五ページをお開き願います。5、都立文化施設等の職種別職員数の推移でございます。
令和元年度から五年度までの職員数について、職種別に記載しております。
六ページをお開き願います。6、私立学校経常費補助(一般補助)の生徒一人当たり単価及び全国順位並びに全国平均単価の推移でございます。
平成三十年度から令和四年度までの推移を学校種ごとに記載しております。
七ページをお開き願います。7、私立幼稚園等一時預かり事業費補助及び私立幼稚園預かり保育推進補助の対象園数と補助実績の推移でございます。
それぞれの実績につきまして、平成三十年度から令和四年度までの推移を記載しております。
八ページをお開き願います。8、私立学校の耐震化の状況でございます。
耐震化の状況について、学校種ごとに記載しております。
九ページをお開き願います。9、私立外国人学校教育運営費補助の推移でございます。
平成二十三年度から令和四年度までの実績の推移を学校ごとに記載しております。
一〇ページをお開き願います。10、東京都若者総合相談センター、若ナビαの相談件数(令和五年度)でございます。
令和五年度の実績を月ごとに記載しております。
一一ページをお開き願います。11、東京都における自転車事故の状況でございます。
平成三十年から令和四年までの状況の推移を記載しております。
一二ページをお開き願います。12、TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業の協力先及び利用実績でございます。
平成三十年度から令和五年度までの実績の推移を協力先ごとに記載しております。
一三ページをお開き願います。13、都立スポーツ施設における利用状況でございます。
施設別に利用人数の推移を記載しております。
一五ページをお開き願います。14、都立スポーツ施設における主な利用料金(アマチュア利用)でございます。
施設別に主な利用料金を記載しております。
一六ページをお開き願います。15、区市町村スポーツ施設等への補助実績でございます。
施設別に補助実績を記載しております。
一八ページをお開き願います。16、令和五年度の配偶者暴力被害者等セーフティネット強化支援交付金の申請に関する情報開示の取扱いについて議論の経過でございます。
情報開示の取扱いに関する経過について記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○龍円委員 こんにちは。都民ファーストの会の龍円あいりです。
今日は、アート、地域支援、スペシャルニーズのある方々のスポーツ、私学における特別支援等についてお伺いしてまいります。
まずは、アートからです。
私は、誰もが自分らしく輝きながら参加しているという実感が持てて居場所があるインクルーシブな社会を目指しております。
昨年は、地元の渋谷区で、落書きがひどかった、およそ二百メートルある壁に、落書きを防止するインクルーシブアートを施すプロジェクトに関わりました。十一回のワークショップを通じて、スペシャルニーズのある人やない人、小さい子から大人まで、延べ三百人に参加していただきました。
この活動を通じて強く実感したのが、アート活動は、物理的なバリアとなるものを取り除けば、スペシャルニーズがあってもなくても、年代に関係なく、言葉などの違いも超えて一緒に活動ができますし、喜びや楽しさは共有できるということであります。アート活動は、穏やかに人と人をつなげ、笑顔を生み出しました。
これは、その中でも印象的だったのですけれども、スペシャルニーズ、障害の方々のアートに、いわゆる健常者と呼ばれるアーティストが感銘を受けていたことであります。アート活動においては、違いがあることが魅力となることも改めて感じたところであります。アートを通じて、スペシャルニーズのある人たちがアーティストとして活躍していくという道が可能であることも分かりました。
このアートウオールのように、一般の方が目にするインクルーシブアートは、その地域のインクルーシブコミュニティを形成したり、美化活動にも資することができます。アートとインクルーシブは、非常に相性がいいと確信しまして、インクルーシブアートによるまちづくりも推進していきたいと考えるようになりました。
そこで、インクルーシブアートという観点から質問させていただきます。
まずは子供とアートなんですけれども、子供にとっては、アートは心を豊かにしてくれることと実感しております。
都では、令和四年三月に東京文化戦略二〇三〇を策定し、そのうちキッズ・ユース・プロジェクトでは、都立文化施設におけるWelcome Youth事業の本格実施をうたっております。
私たちの会派では、さきの第三回定例本会議の一般質問において、子供たちの様々なアート活動を後押しするため、都の公共施設を無料にするなどの多様な体験の機会の創出を求めたところであります。
この春、実施したWelcome Youth 二〇二三の内容と、その成果についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 歴史文化財団が実施しておりますWelcome Youth事業につきましては、春休みの期間を捉えて、令和五年三月十八日から四月二日まで開催し、十八歳以下を対象に、東京都美術館をはじめ五施設における展覧会を観覧無料とするなど、気軽に芸術文化に親しんでいただくための取組を実施いたしました。
実施期間中、約一万三千人の方々にご来場いただき、多くの若い世代に芸術文化に触れてもらう機会を創出いたしました。
○龍円委員 Welcome Youthを通じて多くの若い世代に芸術文化に触れてもらえたということで、とてもいい取組になっていると思います。ぜひとも、今後とも積極的に継続していただきたいと思います。
今後のWelcome Youthの取組についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 次回は、これまで都立美術館、博物館の無料観覧期間が二週間程度であったものを一か月程度に延長し、来春に実施する予定でございます。
また、実施していなかった東京文化会館、東京芸術劇場におきましても、令和六年二月から三月頃の主催公演への無料招待を実施する予定でございます。
こうした取組により、子供や若者に良質な芸術文化を鑑賞してもらう機会を増やし、未来の魅力ある東京を支える若者の創造力や発想力を育んでまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。
さて、アートによるまちづくりということですと、私の地元の渋谷区では、今年、大きな動きがありました。去年の第四定例本会議の一般質問で、笹塚、幡ヶ谷、初台の三つの地域をつなぐ水道道路の沿道にある都営住宅の空き店舗を芸術文化の振興の場として活用できないかと質問し、アーティストの活動や交流、発信の場を提供し、芸術文化の振興を図っていくという答弁がありました。
都は、これを受けて、この地域の都営住宅の空き店舗を活用した創作スペース、START Box ササハタハツを開設いたしました。
このSTART Box ササハタハツの取組についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 若手アーティストにとって、東京の地価が高いことなどから、作品制作のための拠点を構えることが難しい場合が多く、作品づくりのための場の提供が求められてまいりました。
そこで、アーティストの継続的な活動を支援するため、住宅政策本部と連携し、令和五年四月から、水道道路沿いの都営住宅の空き店舗六区画を活用したアトリエの利用を開始し、これまでに十八名が利用しております。
○龍円委員 このササハタハツ、START Boxでは、入居したアーティストの皆さんとも、機会があるごとにお話をさせてもらっておりますが、おおむね好評を得ていると思います。これまで活動場所がなかったとか、とても快適だといったお声をいただいております。
さて、私が最も重要視しているのが、インクルーシブアートを通じた地域づくりであります。アーティストにとって、ただの貸しアトリエとなってしまうのではなくて、そのアートがまちにしみ出していくような、水道道路ならではのアートやカルチャーを育てて、地域コミュニティを育てる場所にしたいというふうに考えております。
START Box ササハタハツにおける地域との交流や地元の渋谷区との連携についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 START Box ササハタハツでは、アーティストによるオープンアトリエやワークショップなどを通じて地域住民との交流を図るイベントを定期的に展開し、地域住民が気軽にアートに触れる機会を創出してございます。
また、渋谷区も、同じ都営住宅内で空き店舗を活用した地域交流スペースを運営しており、地域との交流イベントに当たりましては、広報活動をはじめ、区とも連携して行っております。
○龍円委員 積極的な地域との交流、ありがとうございます。
開設当時、このSTART Box ササハタハツの利用期間は三か月と伺いました。入居しているアーティストに聞いても、一つのプロジェクトをするにはちょうどいいのですけれども、腰を据えるには、少し短いというお声もいただきました。
また、私としては地域とのつながりが生まれてほしいのですが、アーティストの方々と地域の方とがつながって、そこから一緒に何かを生み出すには、少し短過ぎる長さでありました。
これまで足を何度も運んでいるのですけれども、アーティストの方々は、集中したいのだとは思いますけれども、カーテンを閉め切ってしまっていて作業をしていることが多く、地域とのつながりを生むために必要な時間的な余裕がないようでした。もう少しアーティストが長期間利用できるような取組が必要だと、局にもこれまで伝えさせてもらってきました。
現在、START Box ササハタハツの利用期間についてどのようになっているのか、お伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 利用期間につきましては、より多くのアーティストにSTART Box ササハタハツを活用してもらうため、当初、利用期間を約三か月として開始いたしました。
利用者からの意見等を踏まえ、十月から、六区中二区画について、利用期間を六か月に延長して実施しております。
引き続き、アーティストからの意見等を踏まえ、START Box ササハタハツを運営してまいります。
○龍円委員 六か月枠も設けたということでありました。今後も、アーティストの方々の声を基に、利用期間について調整していただきますようお願いいたします。
なお、START Boxの並びには、渋谷区が地域コミュニティを活性化させるためのスペース「あつまると」も、この秋からオープンしました。START Boxには財団からの管理人の方が派遣されていますので、ぜひこの管理人と「あつまると」とで、コミュニティ形成に向けて、コミュニケーションを取りながら、地域とアーティストをつなげていく取組を進めてください。
さて、START Box開設からおよそ半年が経過しましたけれども、アーティストの活動にはどのような支援となっているのか、確認したいと思います。
START Box ササハタハツを利用したアーティストの活動実績についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 START Box ササハタハツで制作した作品を個展や海外のイベントで発表するなど、利用者の活動のステップアップにつながる場所になっております。
また、アーティストは、イベントを通じて地域やアーティスト同士で交流を深めるなど、有意義な活動を行っております。
さらに、都が共催する文化イベント等において、START Boxで制作した作品の発表の場を提供しており、今後も若手アーティストの活動を支援してまいります。
○龍円委員 活動支援にもなっているということが見えてまいりました。
今後、START Box、道に面した外壁をきれいにしたり、そこに日陰をつくって人が立ち止まりやすくするなどの工夫をすることで、アート作品を地域の方々に見てもらいやすくしたり、交流が生まれる仕組みも進めていただけたらと思います。
また、都営住宅の壁を使ったインクルーシブアートウオールも実現したいと思っておりますので、生活文化スポーツ局には、しっかりサポートをお願いしたいと思います。
さて、去年、渋谷には、シビック・クリエイティブ・ベース東京、CCBTも新設されました。
このCCBTについて、立ち上げからこれまでの取組状況について教えてください。
○松下デジタル推進担当部長 都は、昨年十月、アートとデジタルテクノロジーの創造拠点として、シビック・クリエイティブ・ベース東京、CCBTを渋谷に開設いたしました。
CCBTは、ラボ機能やスタジオを備えており、アーティストの創作支援をはじめ、子供から大人まで、一人一人がアートやテクノロジーに親しめるよう、ワークショップやトークイベントなど様々なプログラムを展開しております。
開設以来、延べ一万五千人以上の方々にご参加いただいております。
○龍円委員 子供から大人まで、一人一人がアートやテクノロジーに親しめるプログラムを展開しているということであります。
デジタルやテクノロジーは、スペシャルニーズのある方々にとっては、とても心強い味方です。そこで、CCBTにおいても、インクルーシブアートの視点を持つことが重要です。
CCBTにおけるインクルーシブな取組についてお伺いいたします。
○松下デジタル推進担当部長 CCBTでは、東京をよりよい都市に変える表現をテーマに、アーティストフェローを公募し、その創作活動を支援するとともに、発表の場を提供しております。
令和五年度は、公募テーマの一つとして、障害の有無にかかわらず、みんなで楽しめるプロジェクトの構築を掲げ、現在、選ばれたアーティストフェロー、スヌーズレン・ラボが、来年の発表に向け、制作を進めているところでございます。
CCBTがプラットフォームとなり、アートの力で共生社会の実現を目指してまいります。
○龍円委員 CCBTのアーティストとしてスヌーズレン・ラボが選ばれたのは、とってもすばらしいことだと思っております。
スヌーズレンは、一九七〇年代に、オランダが発祥で、スペシャルニーズのある人の余暇活動として始まったものであります。光、音、香り、振動、そして触感を優しく刺激するものが配置されている空間になっています。
世田谷区の医療的ケア児向けのショートステイ、もみじの家の中にも、このスヌーズレンがあるので、体験させてもらったことがあります。ゆったりとした、気持ちが穏やかに静まる一方で、感覚の刺激によって感性は覚醒していくような不思議な空間になっておりました。
スペシャルニーズのある方々にとって、とってもいい効果がありまして、海外では、学校内にもこのスヌーズレンが配置されているところがあるというふうに聞いております。そこを利用することで、子供らの学習にもよい影響があるということなんです。
スヌーズレンは、スペシャルニーズだけではなく、子供や大人、誰にとってもいい空間になるはずです。これを、福祉文脈ではなくアートにしていくことで、よりいろんな形でスヌーズレンがまちの中に広がっていくのではないかというふうに期待してまいります。
さて、CCBTのすぐ近くには、アール・ブリュットの拠点である東京都渋谷公園通りギャラリーもございます。
実は、私がアートとインクルーシブの相性がいいんじゃないかというふうに気づくきっかけをくれたのが、このギャラリーにおいて開催されましたワークショップでありました。スペシャルニーズのある人やない人、大人や子供、日本人や外国の方々が交流しながら、それぞれ自由に表現しているんですけれども、最終的には、それを一つの作品に仕立て上げていくという展示でございました。
渋谷のまち中にこのギャラリーがあることも、いい発信拠点になっているというふうに感じております。
この東京都渋谷公園通りギャラリーでの取組内容についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 都は、共生社会の実現に寄与するため、東京都渋谷公園通りギャラリーなどにおいて、アール・ブリュットをはじめとする様々な作品を展示しております。
令和四年度は、四つの企画展を行ったほか、練馬区、府中市、八丈町と連携し、巡回展を実施いたしました。
令和五年度は、企画展をはじめ、墨田区、立川市、羽村市と連携した巡回展も展開してまいります。
○龍円委員 アール・ブリュットの作品展示についても、区市町村と連携しながら積極的に行っているということが分かりました。スペシャルニーズのある作家にとっても、貴重な場となっていることと思います。
さて、私も参加させていただきましたインクルーシブなアートワークショップも、このギャラリーの重要な取組だと思います。
東京都渋谷公園通りギャラリーにおいて、スペシャルニーズのある人もない人も参加できるインクルーシブな取組についてどのようなことを行っているのか、お伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 都は、多様な参加者同士がアート活動を通じて交流を深め、互いの理解を促進するため、参加型の交流プログラム等を実施しております。
例えば、障害のある子供もない子供も、誰もが参加し、みんなで作る紙芝居のワークショップや、作家と共に渋谷のまちを描くイベント等を実施いたしました。
○龍円委員 このワークショップ、すごくいい取組なので、ぜひぜひ今後も定期的に続けていってくださいますようお願いいたします。
さて、都においては、公園通りギャラリーだけではなくて、様々なインクルーシブアートの取組を広げていくべきだと考えております。
そこで、生活文化局の見解をお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 都では、渋谷公園通りギャラリーでの取組のほか、アーティストと福祉施設等が協働し、アートの力で社会課題の解決に向けて取り組むTURN LANDプログラム等を実施しており、今年度は、芸術文化による共生社会の実現に向けた先進事例を共有し発信する、だれもが文化でつながるサマーセッション二〇二三も開催いたしました。
また、都立文化施設において障害のある方のための特別鑑賞会を行うとともに、都民ホールを活用して、障害者が演奏、合唱等を行う場を提供する、つながる音楽会等も開催しております。
芸術文化による共生社会の実現に向けて、こうした取組を着実に実施してまいります。
○龍円委員 このTURN LANDプログラムなんですけれども、テーマが、様々な違いを超えて多様な人々と魅力的な日常をつくるとなっていて、とってもすてきだと思います。まさにインクルーシブアートの実践の場になっていると思いますので、ぜひ今後もしっかりと取組を続けていってください。
さて、冒頭でお話しした渋谷区のインクルーシブアートウオールは、都の助成制度も受けて、大変力になりました。
アートの力で社会課題を解決したいという取組に対する都の支援制度の概要と実績についてお伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 様々な社会環境にある人が個性を尊重し合いながら創造性を発揮することができる芸術活動や、芸術文化の特性を生かして社会や都市の様々な課題に取り組む活動などに対する芸術文化による社会支援助成を平成二十七年度から実施しております。助成金額は二百万円を上限とし、助成対象経費の三分の二としております。
令和四年度は、ご指摘のありました壁画を制作するプロジェクトや、演劇を通じて、就職、就学をしていない若者の社会参加をサポートするプログラムなど、二十三の事業を採択いたしました。
○龍円委員 東京都の社会課題に取り組むアートに対する支援は、本当に意義があると思いますので、こちらについても、今後ともしっかり取組を続けてください。ありがとうございます。
次に、スポーツ、運動に関して伺っていきます。
私はこれまで、パラスポーツや、スペシャルニーズのある方々が日常的に運動やスポーツを継続できる施策についてを中心に質問を続けてきましたことから、その観点から伺ってまいります。
私の地元には東京体育館がございます。つい先日、十一月五日に東京体育館で開催された、パラスポーツの祭典ともいえるBEYOND STADIUM 二〇二三に子供と一緒に参加してまいりました。これまでのパライベントと比べて、かなり子供に振り切った内容になっていたのが印象的でした。
誰でも簡単にまねができて、踊って、そして歌いながらパラスポーツについて知ることができる曲、みんなでパラダンスでは、会場の大勢の方が一緒に踊っていたのがとても印象的でありました。一緒に踊ってくれたのが、体操のお兄さん、ミドリーズ、てれび戦士、HIMAWARIちゃんねるのおーちゃん、まーちゃん姉妹など、子供からすると、とっても大好きなメンバーが勢ぞろいしていました。
子供たちには、それが来場したきっかけになっていたかもしれないのですが、会場内では様々なパラスポーツを楽しむことができるようになっていたので、遊びの延長で様々なパラスポーツを知ることができる工夫になっていたと思います。
東京二〇二〇、そしてパラリンピック大会が終わっても、パラスポーツの魅力を知り、体感していただくイベントを、次世代に意識を向けて続けていることがすばらしいなというふうに思いました。
BEYOND STADIUMを開催した意図と参加者の受け止め、そして、今後の方針についてお伺いいたします。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、東京二〇二〇パラリンピック後も、パラスポーツのファンを増やすプロジェクト、チームビヨンドにおいて、競技体験やアスリートとの交流など、誰もが気軽にパラスポーツに触れる機会を創出してまいりました。
十一月五日に開催したBEYOND STADIUM 二〇二三では、次代を担う子供たちを中心にパラスポーツの魅力を感じていただけるよう、ファミリーで楽しめる様々なコンテンツを実施いたしました。
当日は約二千四百人が来場し、イベント参加者からは、体験して選手のすごさが分かったなどの感想が寄せられました。
こうした取組を通じて、誰もがパラスポーツに親しむことができるよう、今後も積極的に取り組んでまいります。
○龍円委員 今回の取組が、子供を中心に、ファミリー層に訴える意図を持っていたことが分かりました。とてもいい取組なので、今後も続けていってください。
さて、東京体育館のアリーナについてなんですけれども、そのイベントがあった会場ですね。平成二十九年度の決算特別委員会において、再整備するに当たって、アクセシビリティ・ワークショップを開催して、様々な障害種別の当事者に参加してもらって、当事者目線で見て使いやすい施設となるように意見を聞いたということをお伺いしたところでありました。
このワークショップでは、実際に会場を見て回って、例えば車椅子使用者、オストメイト、乳幼児連れといった利用者ごとに使用できるトイレを分散して用意することにしたことや、補助犬を連れている方のための席の位置をコンコースからアクセスしやすい場所にすることにしたなどといったことも伺いました。
地元だということもあって、このアリーナで東京都のイベントが開催されるときは、なるべく参加するようにしておりますが、バリアフリーなだけではなくて、安全で、かなり快適に利用しやすい会場になっていると感じております。BEYOND STADIUMのようなイベントを開催するには、最適の施設なのではないかと思います。
さて、先日の決算特別委員会では、東京体育館のアリーナの脇にある、ジムやスタジオやプールがある個人利用施設について、どのくらいスペシャルニーズ、障害のある方が利用しているのか、お伺いいたしました。コロナ前よりは利用者が減っているものの、数は増加しつつあって、令和四年度は、介助者も含めて利用者が三万人いたということでありました。
アリーナの方は本当にすばらしいのですけれども、こちらの個人利用施設については、改善すべき課題がまだまだあると感じていることから質問をさせていただきます。
東京体育館の個人利用施設における現在のスペシャルニーズ、障害への対応状況をお伺いいたします。
○梅村スポーツ施設部長 プールやトレーニングルームなど個人利用施設につきましては、改修工事により、階段に手すりや点字ブロックを新設するほか、多目的トイレにフラッシュライトを設置し、プールの更衣室入り口の幅を広げるなどの整備を行いました。
また、運営面では、指定管理者において、初級障害者スポーツ指導員の資格を有するスタッフや、介護福祉士等の資格を有するパーソナルトレーナーを配置し、障害を持った利用者のニーズにも対応し、サポートできるよう努めております。
東京体育館のホームページでは、アクセシブルルートや、障害者手帳を提示して施設を利用する方法など、写真つきで分かりやすく案内しております。
○龍円委員 個人利用施設についても、設備や運営面において対応を実施したことが理解できました。
私自身も、東京体育館を親子で日常的に利用しており、スペシャルニーズがある子供の親として、当事者の立場としてこの施設を見てみますと、対応が十分とはいえない部分があるというふうに感じております。
特に車椅子用の更衣室とシャワー室のルートは、その設備があることは評価できるのですけれども、厳しい言葉になってしまって、申し上げるのがちゅうちょされるのですけれども、身体的なハンデがある車椅子ユーザー当事者がチェックしていたとしたら、こうはならないだろうなと思わせるような施設になっています。
具体例を挙げると長くなってしまいますので、避けますけれども、実際は、介助者がいるような車椅子ユーザーが利用するのは厳しいのかなというふうに思います。
息子は、身体的なハンデはないのですけれども、知的障害があるため、一人で更衣室を利用することが難しいので、私と一緒に行くと異性介助ということになりますので、この車椅子用のルートを利用しないとならないんですね。この異性介助者についても、配慮が十分ではないというふうに感じました。
また、こちらのルートは、子供が利用することも想定されていないことから、利用が大変不便になっております。
一般利用者の施設は、非常に気持ちよく利用できる施設なのに対して、スペシャルニーズや車椅子用のルートは、あまりに環境が配慮されていなく、その落差があることにも驚きました。
また、働いている職員の方々ですとか運用ルールなどを、これまで利用しながら見てきたのですけれども、障害者用の施設のファシリティーについて職員の方がご存じなかったり、または、知的障害や精神障害など、見た目だけでは分かりにくい特性がある人も利用していることが想定できていないんじゃないかなと感じる場面も多々ありました。まるで障害者はお客さんじゃないといわれたような、つらい気持ちになりました。
私と同じような経験をした方々は、施設にはその声を届けることなく、二度と来ないと思われますので、その声は、なかなか東京都には届きにくいのではないかなと思います。
都立施設は公的な施設でありますから、スペシャルニーズのある人も利用者として想定されている必要がありますので、ぜひさらなる改善に取り組んでいただきたいと思います。
そこで重要となるのが、当事者からのヒアリングだと思います。現在利用している人たちからの声を聞くだけではなくて、そもそも、利用したくても、この施設では利用できないと諦めてしまった人の声も聞くために、アクセシビリティ・ワークショップのような当事者らによる点検などをすることで改善できたらと思います。
このような現状を踏まえて、今後、東京体育館では、どのようにスペシャルニーズへの対応を行うのでしょうか。
○梅村スポーツ施設部長 都立スポーツ施設では、改修工事の際、障害者などの意見を参考にアクセシビリティーの向上を図っており、今後、東京体育館においても、同様の取組を行い、施設改修を進めてまいります。
また、指定管理者においても、毎年度、利用者アンケートを実施するほか、日々の利用に際して利用者からの声をいただくなど、利用者ニーズの把握やサービスの向上に努めていきます。
今後も、指定管理者と連携しながら、利用者の声に耳を傾け、都立スポーツ施設として、障害がある方もない方にとっても使いやすい施設となるよう取り組んでまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。施設管理者とも連携をしながら、利用者の声に耳を傾け、また、改修の際には、障害者の意見を参考にしながら、使いやすい施設になるように取り組むとのご答弁をいただきました。
さて、今回は、東京体育館をたまたま当事者として利用していたことから気がつけたのですけれども、ほかの都立施設においても、設備はあるんだけれども、実際は利用しにくいとか、配慮が行き届いていないことなどが同様にある可能性があるというふうに感じました。ぜひ、東京体育館だけではなくて、ほかの都立スポーツ施設でも同様に、スペシャルニーズのある人たちにとっても利用しやすい施設であるかどうかを見直しまして、改善する必要がある点があったら取り組んでいただきますよう要望させていただきます。
さて、今年三月から東京都パラスポーツトレーニングセンターがオープンいたしました。整備前にこちらの委員会で質疑したことから、開所するのを楽しみにしておりました。
事務事業の要求資料として、パラスポーツトレーニングセンターの令和五年三月から九月までの利用者数を確認することができました。
当センターは、スペシャルニーズのある方々もない方々もパラスポーツを楽しむことができる普及振興の場として開業したというふうに認識しております。
パラスポーツトレーニングセンターでの令和五年三月から九月までの利用者数のうち、スペシャルニーズのある方々とない方、それぞれの利用数をお伺いいたします。
○梅村スポーツ施設部長 パラスポーツトレーニングセンターが開所した令和五年三月から九月までの利用者数は、六千二百二十九人でございました。
そのうち、障害のある方が二千八百二十四人、その付添人が八百二人、障害のない方は二千六百三人でございました。
○龍円委員 スペシャルニーズのある方もない方も、バランスよく利用されているということが分かりました。
パラスポーツトレーニングセンターは、普及振興の場だけではなくて、パラスポーツの競技力向上の拠点でもあります。
一般のスポーツ施設にはないようなパラ用の競技備品について、競技団体の声を聞きながら整備したというふうに伺っておりますが、この備品の配備状況についてお伺いいたします。
○梅村スポーツ施設部長 競技団体からのヒアリングなどを踏まえて、センターを練習拠点として活用できるよう、必要な備品を配備いたしました。
具体的には、シッティングバレーボール用の支柱とネット、ブラインドサッカー用ゴールやサウンドテーブルテニス台などを配備いたしました。
また、東京二〇二〇パラリンピック大会のレガシーとして、組織委員会より、パラパワーリフティング用ベンチプレスや車椅子フェンシング用ピストなどを引き継いでおります。
○龍円委員 競技団体の声に応えて、競技力向上のための様々な備品を整備したということが分かりました。
さて、令和四年の一定の委員会質疑では、このセンターをレガシーとして開設するのであれば、人に着目をしまして、競技で活躍している選手たちがロールモデルになりまして、次の世代ですとか一般の利用者と関わることで、競技やスポーツに関わる人を増やしたり、この施設そのものがコミュニティやつながりが生まれる場所としてなってほしいという話をしました。
その際に、地域のパラスポーツ団体などに体験教室の運営に協力してもらうなどして、コミュニティやつながりが生まれるような取組を検討していくという旨の答弁がありました。
地域のパラスポーツ団体の協力の下、開催した体験教室などの実績についてお伺いいたします。
○梅村スポーツ施設部長 パラスポーツの普及振興のため、地域のパラスポーツ団体などに協力いただきながら様々な事業を実施しております。
例えばスポーツの日記念事業では、東京都車いすフェンシング協会や、都内のブラインドサッカーチームなどのアスリートに協力いただき、競技体験会を実施し、延べ四百五十八人が参加いたしました。
また、パラスポーツの体験会や教室をこれまでに六回開催し、都内の競技団体や地元のスポーツ協会に協力いただき、障害のある人もない人もパラスポーツを楽しめる機会を継続的に提供しております。
○龍円委員 取組を進めてくれていることが確認できました。こちらについても、利用者等の意見をよく聞いていただいて、ただのスポーツ施設ではなくて、ここをパラスポーツのカルチャーを創造していくつもりで場所を育てていっていただきますようお願いいたします。
さて、スペシャルニーズのある方々にとっては、日常的かつ継続的にスポーツや運動をするためには、身近な地域で運動できる必要があります。
そこで、都立施設だけではなくて、区市町村などのスポーツ施設や民間施設においても、スペシャルニーズのある人も安心して利用できる環境を整備できるように支援をすることも重要だと考えますが、具体的な取組についてお伺いいたします。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、障害のある方のスポーツ施設の利用促進に向け、今年度から、希望する区市町村スポーツ施設に対してアドバイザーを派遣し、施設の状況やニーズに合わせた改善策の提案を行っております。
具体的には、アドバイザーが障害のある人と一緒に、受付などの共用部分や体育館などのスポーツ施設の使いやすさを障害のある利用者の視点から検証し、改善に結びつけております。
また、教室などの事業を実施する上で必要なソフト対応等の助言を行っております。
さらに、公立、民間スポーツ施設の職員向けに、障害理解やコミュニケーション方法等を習得する研修を実施しております。
また、視覚障害の疑似体験や車椅子のサポート方法など、実技研修も実施しております。
こうした取組を通じて、障害のある方が身近な地域でスポーツに親しめるよう、環境整備を促進してまいります。
○龍円委員 ぜひ、この支援を通じて、誰もが身近なスポーツ施設を利用できるよう、取組を進めてください。
さて、スポーツをする場所も重要なんですけれども、機会を増やしていくことも大切です。
この委員会では、特別支援学校の体育館を活用した体験教室について、繰り返しお伺いしてまいりました。毎年、少しずつ規模を拡大しながら、いろいろな工夫や改善をしていることは、とても評価ができます。
令和四年度からは、パラアスリートを招いて交流できるプログラムも始めているというふうに伺っております。こういう教室は、在校生や卒業生にとっても安心して行きやすいですし、また、ふだんはかなり閉鎖的な特別支援学校を地域に開いていくインクルーシブな取組にもなっております。
特別支援学校活用促進事業の体験教室のうち、アスリートとの交流プログラムについて、今年度は二年目の実施となりますが、どのように取り組んでいるのか、参加者からの声も含めてお伺いいたします。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、特別支援学校を活用した体験教室を実施しておりまして、昨年度からは、従来の教室に加え、アスリートの卓越した技に間近に触れながら交流できるプログラムを実施しております。
今年度は、十月に、デフリンピックに出場した卓球のメダリストを迎え、二〇二五年の東京大会に向けた意気込みを語っていただいたほか、選手と試合を行う機会を提供いたしました。
当日は、特別支援学校の在校生や卒業生のほか、近隣の企業や高校も含めて、多くの方にご参加いただきました。
参加者からは、特別支援学校の卓球部に入っており、デフリンピック選手と一緒にプレーができて楽しかった、耳栓をして耳が聞こえづらい状態で卓球をしたことで、新たな体験を得られたなどの声がございました。
今後も、より多くの障害者のスポーツ参加を促すとともに、障害の有無にかかわらず交流できる場となるよう取り組んでまいります。
○龍円委員 特別支援学校を活用した体験教室をこつこつと続けていることは、大変意義があると思います。スペシャルニーズのある方だけではなく、近隣にお勤めの方、高校生など、大会のレガシーとして多様な人が交流する場にもなりつつありまして、インクルーシブにも寄与しているというふうに感じます。この活動を通して生まれた東京都教育委員会との連携も財産にしていただきまして、活動を引き続き広げていくことで、スペシャルニーズのある方々のスポーツや運動、余暇活動を充実させていただきますようお願いいたします。
さて、スペシャルニーズのある方々の中には、二十四時間医療的ケアが必要だったり、身体的ハンデが重度であるなど、運動やアクティビティーに参加することに制限がある方々もいらっしゃいます。その上、コロナ禍の影響で、福祉施設では、外出したり、人と交流する機会が少なくなったというふうに聞いております。
世間では、五類に移行して、以前の生活に近い状況になりつつありますが、これらの方々にとっては、なかなかコロナ前のような状況には戻れていません。
都では、様々な理由から外出が難しいスペシャルニーズのある方々がスポーツ活動に参加し、交流できる機会を提供していますが、これらの方々に対する取組状況についてお伺いいたします。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、障害のある方が、遠隔操作ロボットにより、福祉施設等にいながら競技への参加や試合を観戦するなどの機会を提供しております。
今年度は、福祉施設同士による分身ロボットを活用した競技形式の交流会を初めて実施いたしました。参加された施設のスタッフからは、久しぶりに他施設と交流できて楽しそうだったなどの声をいただいております。
また、障害のある方が操作できるように開発された機器を福祉施設に貸し出し、オンラインで対戦できる機会を提供するeパラスポーツ事業を今年度から開始しており、異なる福祉施設の利用者同士が交流できる場も提供してまいります。
今後も、障害のある方が様々な面からスポーツ活動に参加し、多くの方と交流できる機会を創出いたします。
○龍円委員 先ほどのCCBTでも触れましたけれども、デジタル技術とスペシャルニーズは相性がいいというふうに感じております。それを生かした取組を進めていることは、大変評価できます。また、楽しそうだったという声は、純粋にうれしいなと思います。今後も、こういった工夫をしながら取組を進めていってください。
東京都のスポーツ推進計画を見ますと、政策目標、二番目に、スポーツを通じた共生社会の実現というのを掲げてくれております。この計画なんですけれども、二〇一八年から二〇二四年までということなので、この間に東京二〇二〇大会が開催されたことで、確実にこの目標に資する取組を進めてきたことを、この質疑からも感じております。
さて、次期計画がスタートする二〇二五年は、デフリンピックと世界陸上が開催されますので、またスポーツの盛り上がりの山が来ると思います。これを契機に、二〇二〇大会のレガシーをさらに飛躍させていただきたいと思います。
そのためには、これまでの取組を通じたスペシャルニーズ当事者のご意見を聞いていくことなども含めて、幅広い都民の意見を広く聞いていっていただきたいと思います。
今後、どういった流れで次期スポーツ推進計画に向けた検討を進めていくのか、お伺いいたします。
○小池スポーツ総合推進部長 平成三十年三月に策定いたしました東京都スポーツ推進総合計画は、令和六年度までの計画となってございます。
今後、スポーツ振興審議会の中で、現在のスポーツ施策の課題や社会状況の変化につきまして、委員からご意見を賜りながら、論点の洗い出しを行いまして、次期計画へつなげてまいります。
また、計画に対する都民等の意見を聞くことにつきましても、適切な時期や方法等に関して、併せて検討してまいります。
それらを踏まえて一層議論を深め、東京のスポーツのあるべき姿を見極めながら、次期計画の検討を進めてまいります。
○龍円委員 スポーツを通じた共生社会の実現というのを、しっかり次期計画でも進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
さて、次のトピックに参ります。
先日の決算特別委員会では、福祉局に対して、保育所や認定こども園におけるスペシャルニーズ対応についてお伺いしたのですけれども、東京都の保育の利用児童数が令和四年は三十二万人で、障害児加算の対象児童が五万四千八百九十九人で、一六%のお子さんが対象になっているということでありました。かなり手厚い支援を東京都がしているという実態が、この質疑から見えてまいりました。
保育におけるスペシャルニーズ対応は、かなり進んでいることが分かったのですけれども、私立幼稚園においても取組を進めていることと思いますので、ちょっとお伺いしたいと思います。
私立幼稚園の特別支援教育を推進するためにどのような支援を行っているのかと併せて、昨年度の実績についてお伺いいたします。
○戸谷私学部長 東京都は、特別支援教育に取り組む私立幼稚園に対しまして、私立特別支援学校等経常費補助及び私立幼稚園特別支援教育事業費補助によりまして、対象の園児数に補助単価を乗じた金額を補助してございます。
令和四年度の実績は、対象園児数が二千九百五人、補助額が約二十二億七千七百万円でございました。
○龍円委員 全く同じ質問を、令和二年度にもこの委員会でお伺いさせていただきましたが、対象児童の数は増えているということが分かりました。
また、令和四年度の全体の園児の数は約十一万四千人で、この対象の児童が二・五%いるということが分かりました。保育に比べると少ないという印象ではありますけれども、私立幼稚園におけるインクルーシブも少しずつ進んできていますので、引き続き、普及も含めて取組を進めていただきますようお願いいたします。
次に、私立の小学校、中学校における特別支援教育を推進するためにどのような支援を行っているのか、また昨年の実績について、併せてお伺いいたします。
○戸谷私学部長 都は、特別支援学級を置く私立の小学校、中学校に対しまして、私立特別支援学校等経常費補助によりまして、対象の学級に通う児童生徒数に補助単価を乗じた金額を補助してございます。
令和四年度の実績は、対象児童生徒数が二百八十八人、補助額が約一億六千六百万円でございます。
○龍円委員 こちらの支援は、特別支援学級を置く小中学校に対しての支援なので、限られた学校のみとなってしまいますけれども、令和二年の二百七十七人から微増して二百八十八人になったことが分かりました。
スペシャルニーズのある子たちにとって、私立学校というのは、ハードルがかなり高い面があります。一方で、私立学校の先生らにお話を伺うと、近年、発達障害等があるお子さんが増えていることによる支援が必要とのお声もいただいているところであります。
そこで、まずは特別支援学級を置いていくことで支援を強化していく方法があるということを私立の学校にお伝えいただけたらと思います。豊中市の方式を使えば、通常の学級の中にいる障害児についても、支援を手厚くしていくことも可能だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、職業教育を特色としている私立高等専修学校における特別支援教育を推進するためにどのような支援を行っているのか、また昨年度の実績について、併せてお伺いいたします。
○戸谷私学部長 都は、高等課程を置く私立専修学校のうち特別支援教育に取り組む学校に対しまして、私立専修学校特別支援教育事業費補助によりまして、対象の生徒数に補助単価を乗じた金額を補助してございます。
令和四年度の実績につきましては、対象生徒数が百七十八人、補助額が約一億三千九百万円でございました。
○龍円委員 こちらは、令和二年度とほぼ同水準ということでありました。
スペシャルニーズのある子たちにとって、高校については、選択肢が区市町村立の公立学校がなくなってしまう中で、ほぼ特別支援学校一択という状況が長年続いてまいりました。
東京都教育委員会では、全ての都立高校に特別支援教室を配置するなど、選択肢を増やしていくことに注力をしてくださっております。ぜひ足並みをそろえていただいて、私立学校でも、スペシャルニーズのある児童生徒が学べる環境の整備に視点を置いた取組について検討を進めていただけますようお願い申し上げます。
さて、最後に、インクルーシブな地域づくりについて期待をしております町会、自治会への支援制度について、決算特別委員会でもお伺いしたところであります。
この制度のことそのものをご存じない町会があることから、デジタルを活用して情報発信をしていくことですとか、手続に苦労している町会もあることから、簡略化していくことも重要かと思います。
今年度、地域の底力発展事業助成について、申請してもらいやすくするために工夫を行ったと聞きましたけれども、そのシステムの概要と期待する効果についてお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 今年度から、ガイダンスに従ってウェブフォームに入力やチェックを入れますと申請書の作成ができるサポートシステムを導入いたしました。
システムを使って作成を進めていただきますと、入力の省略化が図れるほか、漏れがない申請書類を作成することができ、町会、自治会の作成の負担軽減につながると考えております。
○龍円委員 このシステムについては、今年度、どのぐらいの町会が利用したのか、利用者数と全体に占める割合についてお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成について、三回目の募集までに受け付けた三百七十一町会のうち五十四の町会、自治会、約一五%がご利用になっております。
○龍円委員 まだこのシステムの利用率は低いのですけれども、かなりニーズがあるはずです。町会、自治会に次の世代に入ってきてもらうためには、必ず必要なステップだと思いますので、引き続き進めていただきますようお願いします。
都では、今年度、デジタルを活用している町会、自治会の活動を知ってもらうためのコンテストを行っているというふうに伺っております。
このデジタルコンテストの概要と実施目的についてお伺いいたします。
○柏原都民生活部長 都は、今年度、デジタルを活用して交流の活性化や加入促進の取組などを行っている町会、自治会を表彰する、町会つながる!デジタルコンテストの募集を行っております。
来年一月に表彰を行う予定でございまして、SNS広告や新聞等を積極的に活用し、受賞した好事例を他の町会にも広げるなど、若い世代をはじめとする都民の町会、自治会活動への関心を高めてまいります。
○龍円委員 ありがとうございます。このコンテストを通じて、町会、自治会のデジタル化、そして、次の世代へのハードルを下げていくために一助となると思います。
また、決算特別委員会でもお伝えしましたが、地域に暮らすスペシャルニーズのある方々も参加しやすい働きかけについても、今後さらに考えていただきますよう、よろしくお願いいたします。
そして、今後も、生活文化スポーツ局全体でインクルーシブな社会づくりに資する取組を進めていただきますようお願い申し上げまして、質疑を終えます。ありがとうございました。
○平田委員 よろしくお願いいたします。
まず、芸術文化の振興についてお伺いします。
芸術や文化は、都民が豊かな生活を送るために欠かせないものであり、そのためには、誰もが芸術や文化に触れて、また、自ら参加できる環境を構築していくことが必要です。
都内各地には、それぞれの地域の特色を生かした様々な芸術文化活動があり、地域の歴史や伝統を継承しつつ、新たな魅力を創出しています。
こうした取組を応援し、より多くの都民が芸術文化に親しむことができる機会を増やしていくためには、都がさらなる支援を行うことが極めて重要であると、我が会派は繰り返し主張してまいりました。
そうした我が会派の主張もあって、本年度において、そうした活動を支援する助成制度の拡充を図られたと認識していますけれども、どのような拡充が図られたのか、お伺いします。
○蜂谷文化振興部長 無形民俗文化財の公開活動や地域の文化資源を活用する取組を支援する東京地域芸術文化助成につきまして、地元の方々が意欲を持って活動できるよう、本年度から、規模を拡充し、地域芸術文化活動応援助成として開始いたしました。
地域のニーズにきめ細かく対応し、多彩な芸術文化活動が広がるよう、対象事業の拡大を図りましたほか、多くの人が参加できる取組につきましては、助成金の上限金額を二百万円とする区分を新たに設定するなど、支援を強化いたしました。
○平田委員 この拡充を高く評価するものであります。
ただいまのお話で、新たに二百万円を上限とする区分を設けたとのことでしたけれども、実績についてどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
○蜂谷文化振興部長 本助成制度について、本年度は、これまでに二回の公募、審査が終了いたしまして、このうち二百万円を上限とする区分は二十二件となっております。
クラシック音楽を通じたまちづくりや、まちの活性化を目的とした事業、地域に伝わる民俗芸能を紹介するイベントなど、地域の人々や団体、コミュニティとの連携や、多くの観客を集める発信力と工夫などのある事業を採択いたしました。
○平田委員 ただいまご紹介いただいたように、大変幅広い、バラエティーに富んだ事業が展開されていると私も仄聞しているところでございます。今後とも、積極的な展開、また、さらなる拡充も要望いたします。
ところで、助成枠を拡充し、使いやすい制度にしていただいても、実際に活用していただかなければ、芸術文化活動の担い手の皆様への支援とはなりません。
そこで、新たな助成制度について、しっかりと周知をしていくことが必要であると考えますが、どのように取り組んでいるのか、伺います。
○蜂谷文化振興部長 開始に当たりまして、チラシ、ポスターを作成し、都内区市町村とのネットワークも活用して公共施設などで配布や掲示を行いましたほか、これまで文化事業に参加いただいた団体に情報提供を行いました。
また、アーツカウンシル東京のホームページやSNSを活用するなど、幅広く情報発信を行いました。
○平田委員 区市町村とも連携していただいて、様々な手段を活用し、広報に取り組んでいると認識いたしました。芸術文化に親しむ環境をつくるためには、都と区市町村の連携が不可欠であると考えます。引き続き、より一層連携を深めて、足並みをそろえて施策を展開していくことが重要と考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
ところで、都は、区市町村との情報共有の場として、東京都区市町村ネットワーク会議を昨年度より開催していますが、これまでの取組状況についてお示しいただきたいと思います。
○蜂谷文化振興部長 東京都区市町村ネットワーク会議は、昨年十一月に初開催いたしまして、都内四十の区市町村が参加いたしました。
本年六月には二回目の会議を開催し、令和六年度予算要求に先立ち、都内自治体の先進事例や事業課題に関して情報交換を実施いたしました。
また、区市町村職員に向けて、文化事業の企画や事業運営のノウハウを伝える講座も行っており、都と区市町村との連携を深めております。
○平田委員 ぜひよろしくお願いいたします。
また、会議等を通じた連携と併せまして、地域で身近に芸術文化へ触れられる取組として、都と区市町村の連携事業を新たに進めていると伺っておりますけれども、この事業の趣旨と今年度の実施状況についてお伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 区市町村連携事業は、都と地元自治体が連携して、地域のニーズに即した芸術文化の鑑賞機会を創出するとともに、地域における文化事業の企画実施力向上を目指すものとして立ち上げた事業でございます。
今年度は、羽村市、青梅市、江戸川区の三自治体と連携協定を締結しており、六月には羽村市、十月には青梅市において、住民に身近な地域の施設での親子向けのコンサートを実施いたしました。来年二月には、江戸川区で親子向けの公演を予定しております。
○平田委員 ありがとうございます。都が区市町村の取組を様々に後押ししていただいておりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
我が会派は従前から、都民が芸術文化に触れたり、参加する場所は、美術館や劇場だけではなくて、地域の身近な公共施設や、あるいは、まち中で芸術文化に親しむ機会を創出していくべきであると主張してまいりました。地域における文化芸術の振興がより活発に行われるよう、今ご答弁いただきましたとおり、引き続き区市町村との連携を深めていくことを求めまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、ビジョン二〇二五に基づく取組についてお伺いします。
東京二〇二〇大会は、コロナ禍による大会の延期や無観客という困難な状況の中で、大会を成功裏に終わらすことができ、結果として有形無形のレガシーが生み出されました。
そのレガシーを東京の未来の発展につなげていくために、二〇二五年に開催される世界陸上やデフリンピックは極めて重要であり、この二つの国際大会に対する都民、国民の理解を得て、また再び成功に導かなければならないと思っております。
そのために、大会の開催意義や、また、大会がもたらすであろうレガシーを分かりやすく伝えていく必要があると思います。このことは、我が会派も、さきの第三回定例会で申し入れてきたところでございます。
ところで、都が二月に策定しましたビジョン二〇二五にも、こうした大会の意義やレガシーの方向性が取りまとめられております。
そこで、都は、本年二月に策定したビジョン二〇二五を通じてどのような姿を目指し、その実現に向けてどのように取り組んでいるのか、改めて伺います。
○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務
ビジョン二〇二五は、世界陸上、デフリンピックを通じて都が目指す姿として、全ての人が互いの違いを認め、尊重し合うインクルーシブなまち東京を掲げ、その実現に向けて、世界の人々が出会うや子供たちが夢を見るなど、五つの基本的な方針を定めたものであります。
このビジョンに基づき、デフリンピックの大会エンブレムを都内中高校生が選ぶ取組など、様々な取組を始めております。
引き続き、庁内各局や両大会の運営組織等と緊密に連携しながら、ビジョン二〇二五の実現に向け、具体的な取組を進めてまいります。
○平田委員 どうぞよろしくお願いいたします。デフリンピックの開催を機に、聞こえる聞こえないにかかわらず、誰もが快適に意思疎通できる共生社会の構築を進めていかなければならないと考えます。
一昨日、原宿に、みるカフェがオープンしました。我が会派からも、政調会長の川松真一朗文教委員が現場を視察されて、音声などの言語を文字に換えて見える化する最新のデジタル技術を通じた円滑なコミュニケーションを体験されたと伺っております。
こうした様々な取組事業を通じて、二〇二五年の二つの国際大会が、都民、国民、とりわけ子供たちに夢や希望を届けることができる、真に意義ある大会にしていただきたいと考えます。スポーツの力で未来の東京につながるレガシーがつくり上げられることを強く願っております。
ところで、両大会を盛り上げていくためには、多くの都民、国民に参加していただくことが重要です。そのためにも、区市町村との連携が欠かせません。
そこで、都は、世界陸上、デフリンピックの開催機運を盛り上げていくために、区市町村とどのような連携を行っているのか、伺います。
○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 東京全体で世界陸上、デフリンピックの開催機運を盛り上げていくためには、区市町村との連携が重要であります。
そのため、都は、区市町村での機運醸成に活用できる大会ポスター等のコンテンツの提供や、区市町村が主催するスポーツイベントにおいて、両大会の概要や開催意義を発信するなど、連携した機運醸成の取組を進めております。
引き続き、区市町村等と緊密に連携しながら、競技の魅力を感じられる体験型の展示等、より効果的なコンテンツを展開するなど、一人でも多くの方に両大会へ参画いただけるよう取り組んでまいります。
○平田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。地元を回っていましても、まだちょっと、世界陸上とかデフリンピックに関する認知度というか認識が、まだまだ課題があるのかなと思います。今後さらに、区市町村が主体的にこの機運醸成に取り組めるよう、都としてもサポートをお願いしたいと思います。
同時に、これまで我が会派として、東京二〇二〇大会での経験も踏まえて、二〇二五年の大会への都民、国民の理解と支持がしっかり得られるように、いわゆるガバナンスの確保に取り組んでいく必要があることも指摘してまいりました。
そこで、改めて伺いたいと思いますが、世界陸上につきましては、都のガイドラインを踏まえ、財団が設立されていますが、ガバナンスの確保の取組は、具体的にどのような体制で進めていくのか、伺います。
○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団は、設立時に公表した財団運営の方向性において、ガバナンス確保に向けた取組を示し、その具体化を進めております。
コンプライアンスの確保に向けては、役員の中からコンプライアンス担当理事を選定し、その下で委員会を設置の上、研修等の具体的な計画を策定しております。
また、契約手続につきましては、財団内外に外部専門家を含むチェック体制を構築するとともに、監査室、監事、会計監査人が密に連携する三様監査体制を構築しております。
さらに、利益相反の防止や情報の公開等について、財団の取組の適正性等を外部の専門家が審査する第三者委員会を設置しております。
○平田委員 ぜひ都民、国民に信頼されるような大会となるよう、引き続き、コンプライアンスの確保に着実に取り組んでいただくように強く要望させていただきます。
この二つの大会が国際スポーツイベントの新しいモデルとなるよう、ぜひ頑張っていただきたいと激励申し上げまして、次の質問に移ります。
最後に、自転車の安全確保について伺います。
都においては、環境に優しく、健康にもよい自転車の活用促進、安全啓発に取り組んでいただいております。
来週、勤労感謝の日にはGRAND CYCLE TOKYOプロジェクトのレインボーライド、また、来月にはROAD RACE TOKYOの開催も予定されております。先日、BSで放映されましたPR番組も、私も楽しく拝見したところでございます。
都民、国民にとって、便利で手軽な乗り物である自転車ですが、一方で、全ての交通事故のうち、自転車が関与している割合が増えていると聞いております。
今年四月からは自転車のヘルメット着用努力が始まり、自転車事故に対する都民の意識も高まっていると感じるところであります。
そこで、その自転車事故についてお伺いする予定でしたけれども、要求資料の一一ページに、自転車事故の状況につきまして資料をいただいて、データも出していただいておりますので、その質疑は省かせていただきます。
いずれにせよ、自転車の事故が増加傾向ということで、憂慮するべき事態と考えます。
そこで、自転車の安全利用の普及啓発について、どのように取り組んでいるのかについて伺います。
○馬神都民安全推進部長 都はこれまで、自転車シミュレーターを活用した交通安全教室や事業者向けセミナーの実施、リーフレットの配布など、様々な手法により自転車安全利用教育を推進してまいりました。
本年二月には、スマートフォン等を利用することにより、場所や時間の制約なく、手軽に自転車の安全利用を学ぶことができる東京都自転車安全学習アプリ、輪トレをリリースいたしました。
また、都民の自転車乗車用ヘルメットの着用促進を早期に図るため、今年度より、自転車乗車用ヘルメット購入補助を行う区市町村への支援を開始いたしました。
○平田委員 ぜひ引き続き、そうした周知、啓発をお願いしたいと思います。
私の地元でも、スピードを出し過ぎたスポーツタイプの自転車がぶつかってきて、落ち度のない歩行者を死亡させてしまったという、非常に痛ましい事故がありました。亡くなられた方とかご遺族にとっては、決して許すことのできない残酷な出来事でございましたけれども、一方で、手軽な乗り物である自転車は、誰しも加害者になり得る、他人にけがをさせたりとか、命を奪ってしまうという重大事故を招く可能性があることを認識しなければならないと思います。誰にとっても人ごとではないわけであります。
であればこそ、自転車の利用に当たりましては、事故に備えた自転車損害賠償保険等への加入が極めて重要と考えます。
そこで、自転車損害賠償保険の加入促進に向けた都の対応をお伺いいたします。
○馬神都民安全推進部長 都は、令和二年より、東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例において、自転車利用中の対人賠償事故に備える保険等への加入を義務化いたしました。
都の調査によると、条例改正前の令和元年度の保険加入率は五割弱だったところ、令和四年度は約七割に上昇しております。
保険加入率のさらなる向上に向けて、学校、区市町村等へのリーフレットやポスターの配布、ホームページやSNS広告を通じて、保険加入の必要性を都民に対して啓発しております。
○平田委員 これは、ぜひ、やれることは全て総動員して周知、啓発をお願いしたいと思います。
私の地元葛飾区は、いわゆる東部低地帯でございまして、全域が平たんな地形ということもあって、自転車の利用が大変多いところであります。昨年度、葛飾区内のJR新小岩駅前の放置自転車が都内ワーストワンにランキングされるなど、そういった自転車利用が多いのですけれども、区も駐輪場整備に鋭意取り組んでいるところですが、人口増加ということもあって、なかなか追いついていません。
私は、個人的には、駅を利用する人が自転車を利用しているわけですから、鉄道事業者こそが駐輪問題にもっと積極的に関わるべきだというふうに考えているのですけれども、残念ながら、放置自転車に対するクレームというのは、鉄道事業者にはほとんど行かないで、ほとんど行政に向けられるというのが実態だと思います。こうした構図もちょっと課題じゃないかなと思うんですが、ただ、行政としてやるべきこともやらなきゃいけないということで、大変難しいところだなというふうに考えております。
そこで、改めまして、東京都として放置自転車対策をどのように行っているのか、お伺いいたします。
○馬神都民安全推進部長 都は、区市町村など行政機関や鉄道、バス事業者、商工業団体などを構成員とする駅前放置自転車クリーンキャンペーン推進委員会を設置し、毎年十月、放置自転車について広く都民に訴えるため、統一標語を掲げ、各機関、団体がそれぞれの役割に応じて、多様な媒体を活用した広報活動を実施しております。
また、毎年、駅前放置自転車の実態調査を実施、公表し、各地域における放置台数や自転車等駐車場の設置状況等を区市町村や事業者と共有することにより、必要な取組を促しております。
○平田委員 東京都におかれましては、個々の区市町村の取組を応援する、また、区市町村単位だけでは取り組むことが難しいマクロ的な、そういった放置自転車対策にぜひ取り組んでいただくように要望いたします。
自転車は、移動手段、スポーツ、娯楽、また環境といった幅広い効用を有している乗り物でありますし、生活文化スポーツ局におかれましても、自転車文化の普及と同時に、今申し上げましたような安全確保であるとか、あるいは放置対策といったものを両立させていただくように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○小林委員 それでは、よろしくお願いいたします。
私からは、三つのテーマについて質問させていただきます。
初めに、交通安全対策についてお伺いをいたします。
私が日々いただくご相談案件の中で、交通安全対策に関するご相談は大変多くございます。交通安全対策は、交通規制、道路の形状、車や自転車を運転する当事者のモラルの問題など、あらゆる角度による対策を講じていく必要があります。
痛ましい交通事故が頻繁に報道される中、昨今は、ドライブレコーダーの普及により、事故の発生状況や危険な運転を行う映像などがテレビなどで放映され、改めて人命を守るための交通安全対策の重要性を認識していかねばならないと思います。
東京都は、交通安全の総合的かつ計画的な推進を図るため、東京都交通安全計画を策定していますが、交通事故のない社会を達成するため、本計画では、道路交通事故に関し、令和七年度までに二十四時間死者数を百十人以下とするなどが目標とされております。
初めに、現在の東京都交通安全計画は第十一次となっておりますが、さきの第十次計画からの変更点や目標設定の考え方についてお伺いいたします。
○馬神都民安全推進部長 東京都交通安全計画は、交通安全対策基本法に基づき、交通の安全に関する総合的な施策の大綱を定めるものでございまして、第十一次計画の期間は、令和三年度から令和七年度までの五年間になってございます。
現在の第十一次計画では、第十次で定めた高齢者の安全対策や自転車の安全利用の推進などに加えまして、悲惨な事故から次世代を担う子供の命が守れるよう、子供の交通安全の確保を重点的な課題とし、事故発生率の高い横断歩行時の安全教育の強化などに取り組むことといたしました。
目標につきましては、人口推計や近年の交通事故の減少傾向を踏まえまして、関係機関の協議を経て設定いたしました。
○小林委員 本計画における事業を実施するに当たって、多くの関係機関が連携して取り組んでいくことになりますが、その中で生活文化スポーツ局が担っている役割についてお伺いいたします。
○馬神都民安全推進部長 生活文化スポーツ局では、飲酒運転の根絶や自転車の安全利用の推進などに向け、主に交通安全意識の啓発に取り組んでおります。
また、先ほどの東京都交通安全計画について、事務局として都内の陸上交通の安全に関する施策を取りまとめ、毎年、当該年度に取り組むべき具体的な施策を実施計画として定めております。
○小林委員 交通事故の中でも、自転車関与の事故の占める割合が増えております。本年四月からは、道路交通法の改正により自転車利用者のヘルメット着用が努力義務として規定され、さらに、悪質、危険な違反については、交通反則通告制度、いわゆる青切符の導入を警察庁が検討しているとの報道もなされております。
気軽に利用できる自転車でありますが、気軽である分、交通安全の意識、交通規則の遵守が希薄になりがちな側面もあることは否めないかと思います。
また、自転車を取り巻く環境も、一昔前とは変わってきております。ここ数年で、道路上に自転車道、自転車専用通行帯、自転車レーンが多く整備されてきており、そこを走行する自転車も多くなってきております。
ここでちょっとパネルをご覧いただきたいのですが、こちらのパネル、これは私の地元練馬区内の都道にある自転車通行レーンです。この青色のところがレーンですが、白色の白線が点線となってあります。この点線、徐々に狭まっていって、やがて自転車レーンの存在がなくなってしまうようになっています。
昨年、この自転車レーンを、高齢の男性の方がこちらを走行しておりましたが、自転車レーンがなくなってしまう状況に、これは見えるわけです。そうした中で、じゃ、左側の歩道に移動しようと思っても、ガードレールがあって塞がれているという状況で、もう逃げ場がないような状況でした。結果、この高齢男性は、後ろから来たトラックと接触をして、尊い命を失われました。
自転車レーンの存在がなくなったように見えたわけで、そのまま直進はできるのですが、道路における自転車走行の分かりにくさが、取り返しのつかない痛ましい事故を招いてしまいました。
もちろん、トラックドライバーの不注意もありますが、お亡くなりになった男性のご遺族の方より、こうした道路状況の改善の要望をいただき、道路管理者である建設局の方にも相談をいたしまして、今は、より分かりやすい標示がなされております。
こうした自転車利用における環境の変化、危険性を、より迅速、的確に都民に啓発し、安全利用に資する取組が重要であると考えます。
都は、自転車の交通ルールについて、これまでも普及啓発に取り組んできていると思いますが、自転車利用時の危険性についての都の取組についてお伺いいたします。
○馬神都民安全推進部長 都内交通事故件数に占める自転車関与事故の割合は四六%、全国平均二三・三%の約二倍となっておりまして、自転車利用時の危険性について周知することは、交通事故防止のために重要でございます。
都では、スタントマンが交通事故を再現する交通安全教室を、区市町村等とのイベントと連携して開催するなどの啓発を行っております。
また、事業者向けに実施している自転車安全利用TOKYOセミナーでは、事故の実態を理解するために、ドライブレコーダーの記録映像を活用し、注意を促しております。
今後も、最新の事故動向等を踏まえ、自転車利用時の危険性を周知する普及啓発に取り組んでまいります。
○小林委員 自転車の安全利用への普及啓発は、東京都交通安全計画を推進していく上でも重要な眼目であり、あらゆる機会、あらゆる手段を視野に入れて、都民に届く分かりやすい普及啓発の取組をお願いしたいと思います。
また、交通事故によって、未来の宝である多くの子供の命が失われているという事実も真剣に受け止めなければなりません。
子供政策連携室が策定したこども未来アクションでは、子供を事故から守る環境づくりという視点が掲げられております。先月まで私も所属しておりました総務委員会において、子供政策連携室に対し、子供を交通事故から守る取組についても質問をしてきました。
その際にも紹介した話ですが、二〇〇六年の第一回定例会の一般質問で、我が党の伊藤こういち議員が、チャイルドビジョンといわれる幼児視野体験眼鏡を議場で掲げ、この眼鏡をつけると、大人でも五、六歳児の子供と同じ視野を体験することができると紹介し、子供の目線に立った交通安全対策について質問をしました。これがそのチャイルドビジョンでございます。よくご存じかと思います。
このチャイルドビジョンに最も関心を持たれたのが当時の石原知事で、すぐやろうとのことで東京都版チャイルドビジョンを作り、活用されるようになりました。
こうした子供の目線を大切にしながら、交通事故から子供を守り抜くという取組を一層強化すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○馬神都民安全推進部長 都はこれまでも、自転車シミュレーターや歩行者シミュレーターを活用した参加、体験型の交通安全教室を小学校等で実施するほか、保護者向けリーフレットを配布しております。
また、東京都自転車安全学習アプリ、輪トレでは、スマートフォン等を利用し、自転車運転の疑似体験やクイズによる効果測定を行いながら、保護者と共に、交通ルールやマナーを楽しみながら学習する機会を提供しております。
引き続き、各区市町村教育委員会等とも連携し、子供を事故から守る取組を進めてまいります。
○小林委員 ありがとうございます。私が交通安全対策のご相談をいただくたびに、自身にいい聞かせている言葉があります。政治家とは、交通事故一つ取っても、不運な事故であったなどと局外者のように捉えるのではなく、自分の問題として受け止め、事故の絶滅のために、当事者の苦悩の解決のために、ありとあらゆる対策を講じていく人であるとの言葉であります。交通安全対策の一翼を担う局の皆様も、一層の取組をお願いしたいと思います。
次に、新宿区歌舞伎町のTOHOシネマズ周辺に集まる若者が犯罪被害に遭う事案、いわゆるトー横問題についてお伺いいたします。
トー横問題については、多くのマスコミも取り上げ、大きな社会問題として認識されています。小池知事も、トー横に赴き、視察されていますが、都として喫緊に対策を講じるべき課題であります。
私も先日、トー横に行きまして、そこに集まる若者へアウトリーチ支援に取り組んでいる団体の方々と声かけパトロールに同行させていただき、実際に現場の状況を見て、ご意見を伺ってまいりました。
都において、十月三十日に「トー横」における青少年の被害等の防止に係る情報連絡会が開催されましたが、どのような内容が共有されたのか、お伺いいたします。
○米今治安対策担当部長 ご指摘の情報連絡会につきましては、本年七月に青少年問題協議会が取りまとめた答申を踏まえ、いわゆるトー横の問題に関し、関係機関と情報共有等をすることを目的として設置したものでございます。
十月三十日に開催された第一回の情報連絡会では、都から答申の概要及びそれを踏まえた今後の取組の方向性を説明したほか、参加の関係機関から現在の取組状況等が共有されました。
○小林委員 都が本格的に対策の検討を始める中、既に民間団体が先んじて支援に取り組んでおります。
こうした民間団体の経験、情報を対策に反映させていくために、団体との連携を図っていくことが大切であると考えますが、見解をお伺いいたします。
○米今治安対策担当部長 トー横の問題の解消に向けて、地元の民間団体等との連携、協力が必要でございます。
そこで、次回の情報連絡会におきましては、まず、トー横かいわいで活動している民間支援団体を招聘し、現状認識等の共有を図ることといたしております。
○小林委員 この支援している団体の方と意見交換をした際に指摘されていたことの一つに、悪意ある大人から若者を守るためには、そうした悪意ある大人から搾取させない仕組み、加害者処罰に力を入れるべきとの指摘がありました。
犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援と題した第三十三期青少年問題協議会の答申の中で、加害者となり得る悪意のある大人が青少年の周りに存在しているとの認識が示されております。
若者のケアを充実させるとともに、こうした悪意ある大人を遠ざける取組を徹底すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○米今治安対策担当部長 トー横に集まる青少年の周辺に、児童買春等を目的として、加害者となり得る悪意のある大人が集まっている状況があります。こうした大人について、都としても、警視庁をはじめ関係機関と連携し、さらなる対策を講じることが必要不可欠であると認識しております。
答申では、ターゲティング広告を用いた啓発等の充実強化等が提言されておりまして、こうしたことも踏まえ、効果的な啓発方法等を検討してまいります。
○小林委員 ぜひともよろしくお願いをいたします。
トー横に集まる若者は、都内在住者だけではなく、都外からも多くの若者が来ていると聞いております。先日、私がパトロールに同行させていただいた際も、キャリーバッグを引いた若者も散見され、地方から、自身の荷物だけを持ってトー横を目指して来る若者も多くいるとのお話がございました。
こうした都外から集まる若者も多く確認されていることから、関係自治体との連携の必要性もあると考えますが、見解をお伺いいたします。
○米今治安対策担当部長 答申では、トー横に集まる青少年について、必ずしも都内からではなく、都外からも来ている実態が認められることから、必要に応じ、関係の道府県とも連携を取り、対応に当たる視点も大切である旨記載されております。
今後、答申を踏まえ、他自治体との連携の在り方等について検討してまいります。
○小林委員 さきの答申を踏まえた上で、都が実効性ある対策を、このトー横問題、早急に実施すべきと考えますが、今後の都の取組について見解をお伺いいたします。
○竹迫生活安全担当局長 トー横におきまして青少年が犯罪被害等に遭う状況につきましては、非常に憂慮すべき状況であると認識をいたしております。
先日、今年の八月でございますけれども、実施いたしましたトー横における啓発イベントにおきましても、多数の青少年から、それぞれが抱える悩みや今後の要望に係る声を聞きまして、改めてしっかりとした対策を講じていく必要性を感じたところでございます。
今後、トー横における問題の解消に向けまして、答申に述べられております、青少年、悪意のある大人及び被害場所等となり得る空間の三本柱に即しまして、実施可能な施策を速やかに実施し、青少年が犯罪被害に遭わず、安全・安心して生活できる環境を整備してまいります。
○小林委員 ありがとうございます。トー横の問題の取組に当たっては、若者を犯罪被害から守るということはもちろんのこと、根本は、次代を担う若者の未来を展望し、若者を信じ、慈しむものでなければならないと思っております。こうした視点を持って実効性ある迅速な対策を講じていただきますよう、よろしくお願いをいたします。
最後に、芸術文化振興についてお伺いいたします。
二〇〇一年に私が国会議員の秘書をしていた際に、議員立法で成立した文化芸術振興基本法の制定過程を間近で勉強させていただく機会があり、以来、都政に送り出していただいてからも、芸術文化振興は、取り組むべき大事な課題の一つとして、都議会の中でも、折に触れて繰り返し質問してまいりました。
初めに、都政における芸術文化振興の役割や位置づけについて、都の認識をお伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 芸術文化は、まちに彩りを与え、人々を楽しませるだけではなく、教育や福祉、産業、観光など多様な分野へ波及効果をもたらし、よりよい社会づくりの原動力ともなります。
芸術文化の振興を通じて都民生活をより豊かなものとするために、施策を総合的かつ効果的に推進するとともに、都が行う様々な施策に文化の視点を取り入れるよう努めることは、都の責務でございます。
こうした認識の下、都は、芸術文化を都政の柱の一つとして「未来の東京」戦略にも位置づけるとともに、東京文化戦略二〇三〇を策定し、各施策に精力的に取り組んでいるところでございます。
○小林委員 私が九年前に文教委員会に所属していた際の事務事業質疑においても、芸術文化振興について取り上げさせていただきました。その際、東京の文化的特性をどのように捉えているのかとの質問をさせていただきました。
九年が経過をし、様々な社会の変化もありました。改めて、東京の文化的特性を都としてどのように捉えているのか、お伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 東京では、アーティストやホール、劇場、美術館などの芸術文化資源の集積を生かし、伝統芸能から現代演劇、デジタルテクノロジーを活用した最先端のアートなど、多様な芸術文化活動が行われております。
また、東京二〇二〇大会での文化プログラムの実施等を通じまして、国内外の芸術文化団体等とのネットワークも構築されてきております。
都は、こうした文化的特性や社会環境の変化を捉えて東京文化戦略二〇三〇を策定し、子供や高齢者などが芸術文化に触れる機会の拡充や、若手アーティストの育成、国際発信力の強化など、芸術文化を振興する取組を推進しております。
○小林委員 今ご答弁にもありましたように、九年が経過をして、新たな、また東京の文化的特性というものを捉えて、今、芸術文化振興を進めておられるということでございますけれども、私は、令和三年の第一回定例会の一般質問で、コロナ禍での経験を生かし、文化芸術の力で都民に希望を送る新たな文化政策を今後検討していくべきだと質問させていただき、小池知事より、今後、文化施策の検討に当たって、コロナ禍で得られた経験や知見を生かしていくとの答弁があったところでございます。
その後、東京文化戦略二〇三〇が策定されましたが、この戦略の中において、目標を達成する上で、その達成度合いを計測、監視するための指標となるKPI、重要業績評価指標が設定されております。
そこで、東京文化戦略におけるKPIの設定をどのように行っているのか、また、その進捗状況についてお伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 東京文化戦略二〇三〇におけるKPIは、本戦略で掲げる、誰もが芸術文化に身近に触れられる環境を整え、人々の幸せに寄与するなど四つの戦略ごとに、若者の鑑賞割合などの各戦略の考え方と方向性に応じた指標を、専門家や有識者の意見を踏まえ、設定いたしました。
今後、KPIを定期的に測定し、進捗度合いを確認の上、各事業の評価、見直しに反映してまいります。
○小林委員 このKPIについては、大事な指標であると思いますので、定期的に議会にも報告をいただきたい旨、昨年の予算特別委員会でも要望させていただきましたので、改めてよろしくお願いしたいと思います。
芸術文化振興に当たって、都議会公明党が今まで繰り返し取り上げてきた課題についてお伺いをいたします。
芸術文化を振興していくためには、その担い手となるアーティストや芸術文化団体の活動をサポートしていくことが大切であります。
さきに述べた文化芸術振興基本法の制定に当たっても、芸術文化団体の方からヒアリングでいただいた大きな要望の一つであり、特に新進のアーティストに対する支援の強化が注目されておりました。
そこで、都の行っている新進のアーティストなどを支援する助成事業の概要と今年度の実施状況についてお伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 新進のアーティストや芸術団体がチャレンジする新たな芸術創造活動を支援し、若い才能が今後の芸術活動の基礎を築くためのスタートアップ助成を令和三年度から実施しております。
都内または海外で実施する公演や展示、アートプロジェクトのほか、国際フェスティバルへの参加などを対象といたしまして、個人の場合は三十万円、団体の場合は百万円を上限に助成対象経費の全額を助成しております。
本年度は四回の公募を予定しておりまして、これまでに二回の公募、審査が終了し、八十一事業を採択いたしました。
○小林委員 ありがとうございます。先ほど申し上げた文化芸術振興基本法の策定を進めていく中にあって、多くの文化芸術団体の方のヒアリングを聞いてまいりましたけれども、その中で、特に、やはり若手の方々から、自分たちはどういう支援が受けられるんだというご要望、お声というものが大変強くございました。
そうした意味では、今回、都の行っている、この新進アーティストを支援する助成事業、大変に重要であると思いますので、ぜひとも、今後とも拡充、またさらに普及啓発をお願いしたいと思います。
また、地域における芸術文化の息吹を絶やさず、大きくしていくことも重要であります。都内では、各地域の特色ある文化の醸成や発展を促進する芸術文化活動や、文化財、文化資源を未来に向けて継承していく様々な取組が行われています。私も地域を歩く中で、こうした取組への支援を求める声も多くいただいております。
この点については、先ほど平田副委員長の質疑の中で地域芸術文化活動応援助成のご答弁がございましたので、ここでは質問を割愛させていただきますが、この地域芸術文化活動応援助成については大変に役立っているとの喜びの声も、私ども都議会公明党に届いております。今後も、より充実した使い勝手のよい支援制度として取り組んでいただきますよう、お願いをいたしたいと思います。
芸術文化は、人々を楽しませるだけでなく、教育や福祉など様々な分野によい効果をもたらし、持続可能な、よりよい社会づくりの原動力にもなります。
都における芸術文化の特性を生かして社会課題を解決している取組について、今年度の実施状況と併せて見解をお伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 様々な社会環境にある人が個性を尊重し合いながら創造性を発揮することができる芸術活動や、芸術文化の特性を生かし、社会や都市の様々な課題に取り組む活動などに対する芸術文化による社会支援助成を平成二十七年度から実施しております。こちらは二百万円を上限といたしまして、助成対象経費の三分の二を助成しております。
本年度は二回の公募を予定しておりまして、これまでに一回の公募、審査が終了し、十一事業を採択いたしました。
○小林委員 今まで芸術文化振興を都議会の中で質問するに際して繰り返し申し上げてきた歴史の挿話でありますが、一九三〇年代、世界恐慌下にあったアメリカで、ルーズベルト大統領によるニューディール政策において、不景気に沈んでいたアメリカ国民を文化によって奮い起こしていくために、文化芸術政策が一つの柱として位置づけられました。
また、一九四六年には、第二次世界大戦後、疲弊したイギリスを復興させるために、経済学者のケインズが初代議長となって英国芸術評議会が設置され、文化芸術で復興させていく取組がなされております。
次元は異なるかもしれませんが、社会の課題解決における芸術文化の使命、役割を示す一つの挿話であると思いますが、この事業が持つ意義も大変大きいと思いますので、一層の推進をお願いしたいと思います。
都議会公明党は、令和三年の第四回定例会の代表質問で、助成制度などの支援情報やアーティストが必要とする情報を分かりやすく手軽に入手できるようにするために、一元的な窓口を整備していくべきと提案し、昨年の予算特別委員会では、アーティストの様々な相談に対してワンストップで対応可能とすべきと主張いたしました。
さらに、昨年の第四回定例会の代表質問で、東京を芸術文化で躍動させていくためには、芸術文化を担い、志す方々の活動を支援し、積極的なサポート体制構築に取り組むべきと質問し、繰り返し芸術文化を担うアーティストへの相談体制の構築を訴えてまいりました。
先月、アーティストの支援に取り組むため、東京芸術文化相談サポートセンターがオープンをいたしました。大変に喜ばしいことであり、開設に向けご尽力いただいたことに、心より感謝を申し上げます。
まだ開設して間もないですが、東京芸術文化相談サポートセンターの機能と、開設からの相談対応状況についてお伺いいたします。
○宮永文化戦略推進担当部長 アーティスト等の持続的な活動を支える東京芸術文化相談サポートセンター、アートノトを十月二日にオープンし、オンラインを活用した相談窓口を設置いたしました。
アーティストやスタッフから、創作活動に関することをはじめ、活動資金やハラスメントなどの多岐にわたる相談が寄せられており、相談者に寄り添って丁寧に対応しております。
また、都や国、民間の助成事業などの情報を一元的に提供するとともに、確定申告など、必要な知識を身につけられる講座も行っており、活動する上で役立つとの声をいただいております。
引き続き、アーティスト等の身近な存在となるよう尽力してまいります。
○小林委員 今後、このアートノトを運営していく中で様々な価値が蓄積されてくると思いますので、多くのアーティストが活躍できる扉を開ける役割を果たしていけるよう期待したいと思います。
私は、昨年の予算特別委員会において、東京の芸術文化振興に当たって、東京の芸術文化の拠点整備を今後検討していただくことを要望しました。
十月三十一日には、日本の誇るべき文化の一つでもあるアニメの拠点として、池袋にアニメ東京ステーションがオープンしました。
まさに次は、東京の芸術文化の拠点整備に向け、具体的に検討を開始すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○蜂谷文化振興部長 都は、令和四年三月に策定した東京文化戦略二〇三〇において、芸術文化関係の情報収集や交流の場となる新たな拠点を構築することを掲げております。
この拠点につきましては、国内外の先行事例の調査や有識者等へのヒアリングなどを通じまして、東京芸術文化評議会等でのご議論も踏まえながら、今後の方向性について検討してまいります。
○小林委員 私は、二〇一五年の一般質問で、世界一の都市東京を目指すにおいて、文化芸術を根本としてよって立つ文化芸術立都を目指すべきと主張しました。
今、今後の方向性について検討していくとのご答弁がありましたので、ぜひとも文化芸術によって立つ東京を象徴するような拠点整備に向けて取り組んでいただくよう要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十七分休憩
午後三時五分開議
○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○とや委員 日本共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
資料の提供、ありがとうございました。
私からは、私学の問題について伺っていきたいと思うんですが、東京では、公立学校をはじめ私立大学、専修学校、専門学校、各種学校など、生徒、学生が様々な学ぶ場が提供されております。
専門学校では、専門的な知識を身につけ、就職や職場のスキルアップなどを図ることができるとして、この間、設立をされてきました。しかし、各学校の経営基盤は脆弱で、経常経費補助の増額など、毎年この時期は、予算編成に当たっての要望もいただいております。東京で学ぶ学生、生徒の教育の質の向上を図るため、都として、さらなる支援をお願いしておきます。
同時に、私立学校の運営は、基本的に自主的に行われているため、なかなか問題が起きても表面化しづらく、是正も難しい状況にあります。多くの生徒、学生が学ぶ東京において教育の質を維持向上させるために、都が果たす役割はとても重要です。どの学校においても健全な運営が行われるよう、指導監督をしっかりとしていただきたいと思います。
今日は、今いいましたように、私立学校、特に専門学校の運営状況について伺っていきます。
都は、学校法人の所轄庁として認可している学校におきまして、東京では、ほとんどの学校は問題なく正常に運営されていると考えますが、一部の学校の不祥事が起きていることを把握されていますでしょうか。
○戸谷私学部長 一般的に、いじめ重大事態や事件、事故等、法令などに基づきまして、学校が所轄庁に報告しなければならない事項などにつきましては把握をしてございます。
一方で、法令等で報告の定めがないものや、所轄庁となっていない学校の報告などにつきましては、特段把握してございません。
そのほか、生徒や保護者等から情報が寄せられる場合もございます。
○とや委員 多くの学校が存在しますから、様々な情報が入ってくると思いますが、今回は、今問題になっている、大体、東京に住んでいれば誰でもご存じの、専門学校、アテネ・フランセのことを伺います。
アテネ・フランセは、一九一三年設立の百年以上の歴史を持つ語学学校です。谷崎潤一郎や坂口安吾が通ったことで知られていますが、この学校は、講師を不当に解雇するなど、問題が起きております。
東京都は、学校法人アテネ・フランセの不当労働行為をご存じでしょうか。知っているのであれば、具体的にお答えください。
○戸谷私学部長 有給休暇を取得した講師の補講に係る賃金の支払いがなされていないことや、育児のための有給休暇が認められないことが、労働基準監督署から学校に対し是正勧告されたということにつきまして、報道されていることは承知してございます。
○とや委員 報道で知っているということですが、是正勧告されたもの以外にも、雇用契約の変更に合意しなかった講師らが、八月三十一日限りで契約終了となったり、つまり解雇をされているわけですね。引き続き雇用されて授業を実施できるよう措置することを訴えております。
都は、そうしたこともご存じでいらっしゃいますか。
○戸谷私学部長 その内容につきましても、承知はしてございます。
○とや委員 今までは、報道の範囲で部長はご存じだということですが、実際、報道だけでなくて、東京都にも、都庁の方にも来られたと思いますが、確認をさせてください。
○戸谷私学部長 東京都には、この件につきまして、署名が持ち込まれてございます。
内容といたしまして、雇用契約の変更に合意しなかった講師らが八月限りで契約終了となるが、引き続き雇用され、授業を実施できるように措置することを訴えているものでございます。
なお、この学校の所轄庁は千代田区でございまして、また、これは学校における個別の労働問題であると認識してございます。
○とや委員 講師の皆さんが雇用されているのは学校法人です。学校法人の所轄庁は東京都です。学校で働く皆さんは、所轄庁である東京都に指導をしてほしいと署名を持ってきています。そのことを重く受け止めてください。
解雇された三名の講師の雇い止めの撤回と復職を求めて、オンライン署名が行われています。八月二十七日から九月の二十八日の一か月間で、約八千七百筆の署名が集まったそうです。私たちのところには、九月五日以降に集まった千七百九十三名分の署名をお持ちになられました。
アテネ・フランセでは、フランス人講師の有給休暇取得に関して補講賃金の支払いを拒否し、労基署の是正勧告が出ると、この人の子供は本当に保育園に入園できるのかなど、嫌がらせの電話を保育園に入れたりしていました。お子さんの運動会が土曜だから、有給休暇を取って、ぜひ行かせてほしいということを何度もいっていたのに、できなかったと。そして、ようやく行けたのは、解雇された後だったということでした。
こうした一連の出来事というのは、明らかな労働法違反です。この学校では、本当に信じられないことが起きているということが分かりました。
もう一人の講師も、有給休暇取得を拒否されており、産休の手当、産休も取れなかったと。法人の態度が講師を委縮させました。朝、お子さんが熱がないか、心配しなければならない、毎日毎日。急に病気になっても、ベビーシッターも病児保育も使えない。お子さんが入院したときも、付添いも認められなかった。熱を出して休めば、休み過ぎだといわれ、いつもその方はストレスを抱えていたそうです。
私立学校は、建学の精神に基づき特色ある教育内容を行って、東京の公教育を支えるものだと思います。そこで働く教職員について、学校が労働法に違反していれば、教育の質にも関わる事態です。
都として、調査、聞き取り、指導が必要ではないでしょうか。
○戸谷私学部長 学校現場における教職員の雇用につきましては、各学校が法令等を遵守して、適切に対応すべきものであると認識してございます。
なお、それぞれの所轄庁が所轄する私立学校において、生徒の教育環境に支障が生じる場合には、事実確認を行うとともに、必要な指導を行うこととしてございます。
○とや委員 教育環境に支障が生じれば必要な指導を実施するということですが、働く人にとって当然の権利である有給の取得に対して補講の支払いを拒否するというのは、ここは特に教育機関ですからね、法令を守っていない、当然の権利である有給の取得に対して、本当に法令を守っていないということは、教育にとっていいわけがありません。学校法人が正常な運営をしているとは、とても思えないような状況です。東京都として、調査、聞き取り、あるいは指導をするべき事案だと思います。
そして、学校法人を所轄するのは東京都ですが、同時に、先ほどおっしゃったように、専門学校を所管するのは、これは特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例というのがあって、アテネ・フランセの場合は千代田区が事務を担当していると聞きました。
千代田区とも協議、連携して、当該法人、学校の調査、指導に入るべきですが、いかがでしょうか。
○戸谷私学部長 私立学校は、学校の運営や教育の実施に当たりまして、法令や国の基準、通知などに基づいて、それぞれの学校において適切に対応していくものでございます。
また、区市が所轄庁である学校に関しまして、生徒の教育環境に支障が生じている場合には、区市が学校の指導を行うこととなります。
さらに、そうした相談等が都にあった場合には、所轄庁である区市に情報提供を行うなど、必要な対応を行っているところでございます。
○とや委員 情報提供だけじゃなくて、ちゃんと情報を共有して指導してくださいといっています。
法令や国の基準、通知に基づき適切に対応するべきものだというのは、当たり前のことだと思います。ところが、この学校は、講師は労働者ではないから労働法は適用されないといい張り、講師が法人と雇用関係にあることを認めてきませんでした。十月に労災が認められたアマゾンと同じ例があるわけです。
アテネ・フランセの場合は、講師の給料は完全時給制、交通費や諸手当、賞与、定期昇給もなし、雇用保険や社会保険もありません。労働組合をつくって交渉すると、今度は労働者として認めると、一転、考えを変え、新たな雇用契約の条件として、最低労働時間を一時間も保障しないという驚くべき内容の提案でした。講師は三か月先まで予定を空けなければならないわけで、しかし、空けたとしても、新しい契約は、生徒数が五人に満たなければ閉講する、講師に一円も保障しないというものです。
普通、労働者であれば、賃金の保障は、するのは当たり前ですよね。もう常識だと思うんですけれども、それがされていない。その最低限の常識というものが、法令も守らない上に、これに合意しなければ今年八月末で雇い止めという内容だったわけです。
講師の皆さんは、既に五年、十年、十八年と働いている人たちばかりです。労働者として認めるのであれば、無期限に働く権利があって、実際に無期転換権の申請をしていたわけです。しかし、法人は、申請も拒否をして、今年八月に雇い止めを強行しました。
学校の行為は、労働契約法十八条に基づく無期契約を一方的に破棄して講師たちを解雇したことになり、不当解雇に当たると考えます。教育の質を担保するためにも、労働法違反の実態を調査し、指導すべき内容だと考えます。
私立学校法第六十条というものがあります。ここでは、所轄庁は、学校法人が法令の規定、法令の規定に基づく所轄庁の処分もしくは寄附行為に違反し、またはその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該学校法人に対し、期限を定めて、違反の停止、運営の改善その他必要な措置を取るべきことを命ずることができるとあります。
都として、調査の上、期限を定めて、違反の停止、運営の改善を求めるべきではありませんか。
○戸谷私学部長 私立学校法第六十条では、所轄庁は、学校法人に対し、法令違反や著しく適正を欠く運営があると認められる場合において、措置命令を行うことができるとされてございます。
文部科学省の通知によりますと、具体的に所轄庁が措置命令を行うことができるのは、学校の運営に必要な資産の不足により教育研究活動に支障が生じている場合及び理事会において必要な意思決定ができず、教育研究活動への支障や学校法人の財産に重大な損害が生じている場合であるとされております。
○とや委員 労働基準監督署は、講師たちが労働者であることを認めているし、行政指導も行っているんですが、現在も是正に応じていないんですよ。
学校は、先ほども申し上げましたけれども、講師は労働者じゃない、業務委託だといって、行政指導を無視して、さらに講師を不当解雇したわけですね。それ以前は、学校は行政に対して、講師は労働者であると説明していたと。本当に矛盾した言動を繰り返してきています。
そして、二〇二〇年、コロナ禍の下で、感染拡大で多くの学校が休校になったわけですけれども、このときは講師たちに休業手当を支給するんですが、政府から多額の雇用調整金をもらっているんですよ。労働者として雇っているから、もらっているわけです。
ところが、都合が悪くなると労働者じゃないという。これは、何というかもう、この通知以前の話ですよね。行政指導が入ると、雇用関係がないという。何だろうと。極めて悪質です。
二〇〇五年から十八年と五か月働いて解雇された講師は、休みも取ることもなく、遅刻することもなく働き、法人に貢献をしてきたとおっしゃっています。しかし、リスペクトもなく簡単に捨てられたと。この方は、アテネ・フランセの教科書や単語帳も作った方です。そして、解雇された後も学校のホームページに載っているという、ちょっと考えられないようなことが起きています。NHKの語学講座の教科書の広告にも載っているそうです。
理不尽な新契約に合意しないからと、アテネ・フランセに貢献してきた人たちを簡単に解雇したわけですよ。講師の皆さんはフランス人の方々です。労働法のことも、なかなかやっぱり、私たちでさえそうですが、よく知らないし、無権利状態でずっと働いてきたわけです。こんな理不尽なことを許しておいていいわけがありません。ぜひ指導に入っていただきたいと。
少なくとも、所轄庁である東京都が調査、指導に入るべきではないでしょうか。
○戸谷私学部長 私立学校は、学校の運営や教育の実施に当たりまして、法令や国の基準、通知などに基づきまして、それぞれの学校において適切に対応していくものでございます。
学校が対応していくという前提の上で、一般的に所轄庁は、学校において生徒の教育環境に支障が生じている場合には、事実確認やそれに伴う指導を行うことがございます。
○とや委員 教育環境に支障が生じているでしょう。こんなことが学校内で起きていたら、生徒だってみんな知っていますよ。やっぱり、教育現場で起きているということを認識していただきたいと思います。法令違反を放置することは、学校で学ぶ生徒によい影響を与えないと思います。直ちに調査に入り、必要な指導をしてください。
そして、この法人は、解雇や有給休暇取得の妨害だけでなく、ハラスメントも行っています。本当に無法地帯のようです。
二歳半のお子さんがいる講師は、妊娠したとき、産休を取れませんでした。さっきもいいましたけれども。出産十日前まで働いて、校長の態度が本当に冷たくてショックだったとおっしゃっています。十三年間もフルタイムで働いていたのに、とても残酷だった、許せないとおっしゃっています。
お子さんが発熱で休まなければならなかったときは、自分で生徒に連絡しろと、学校が始まる前に。朝、子供が熱が出ているのに、もうてんやわんやなのに。そういうふうにいわれたそうです。有給も取れず、子供が具合が悪くても、生徒に朝から電話をしろという、完全にハラスメントです。
ハラスメントに関しては、関係法令がこの間、改正されてきました。各事業者や都道府県に通知が届いているはずです。周知すればいいというものではありません。
都として把握し、この問題でも指導すべきです。いかがでしょうか。
○戸谷私学部長 労働関係法令では、職場におけるハラスメント防止のために、雇用管理上、必要な措置を講じることは事業主の義務とされております。
各学校においても、ハラスメント防止のための取組については、法令等を遵守して適切に対応すべきものでございます。
なお、都としても、生徒の教育環境に支障が生じる場合には、事実確認を行うとともに、必要な指導を行うこととしてございます。
○とや委員 指導は必要ですから、絶対やってくださいね。
こうした不正常な運営が都内の幾つかの、都内だけじゃないですけれども、学校法人で行われ、問題になってきました。私立学校で不祥事が起きたり、教職員に対して不当労働行為が起きる背景、これは、やっぱり経営者の学校の私物化やワンマン経営があるんじゃないかと考えます。
こうした下で、国では、各地で起きる私立学校の不祥事があって、今年、私立学校法が改正され、五月に公布をされました。内容についてご説明ください。
そして、各学校にどのように周知徹底をされたでしょうか。
○戸谷私学部長 改正法の趣旨は、社会の要請に応え得る実効性のあるガバナンス改革の推進でございます。
具体的には、執行と監視、監督の役割の明確化及び分離による建設的な協働と相互牽制の確立でございます。
都は、改正法の内容につきまして、令和七年四月の施行に向けて、学校法人向けの寄附行為の作成例や解説を作って周知を開始しておりまして、各学校からの意見や問合せにも対応しているところでございます。
○とや委員 ぜひ東京都が力を発揮して、東京にある私立の学校を正常な運営として、アテネ・フランセのようなことが起きないように指導していただきたいと思います。
この法律は、これまでは運営を監視される側が監視する者を選任できた、そういう形を取っていました。理事会と評議員会は兼任になっていたということですから、法人の監視は形骸化してきたわけです。今回の法人のように、法律違反をしても、内部で牽制することもできない、自ら自浄能力を発揮することもできない、是正する気もないという状況が生まれてきたわけです。
法改正が行われても、実態が伴わなければなりません。法の実施を待つことなく、今回の法の精神にのっとり、東京都として法人を指導していただくことを求めておきます。
アテネ・フランセは、初めに述べましたが、谷崎潤一郎だとか坂口安吾なども通った、百年以上続く老舗の専門学校です。こうした学校が教育の質を担保するためにも、正常な学校運営に戻れるよう、都として責任を持って指導されることを重ねて求めて、次の質問に移りたいと思います。
スポーツの環境の充実について伺います。
東京都は、スポーツ推進計画で、スポーツの力で東京の未来をつくる、都民のスポーツ実施率七〇%を達成し、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京を実現します——すごいですよね——と述べていますが、特に一般都民、アマチュアの競技団体の皆さんのスポーツの実施を広げるために、都としてどのような工夫や努力をしているのか、お答えください。
○齊藤スポーツ担当部長 これまで都は、都民体育大会など、多くの都民が参加できる各種スポーツ大会を開催するほか、都立スポーツ施設をアマチュアの競技団体や個人などにも利用いただいてきました。
また、身近な地域でスポーツに親しめるよう、区市町村におけるスポーツ環境の整備や競技体験イベントの開催、障害のある方がスポーツを楽しめる事業等への支援も実施してきました。
こうした取組により、誰もが、いつでも、どこでもスポーツを身近に感じ、楽しめる環境づくりに努めております。
○とや委員 誰もが、いつでも、どこでもスポーツを身近に感じ、楽しめる環境づくり、これはすごく、とても重要だと思います。
都は、今年度、昨年度と比較して、スポーツ予算をかなり増額をしました。その額に見合った、都民のスポーツの裾野を広げる取組をさらに進めてほしいと思います。
特に、一般都民がスポーツを楽しめる環境をつくることが重要です。ところが、この間、スポーツ施設の利用料が値上げになるなど、都民利用を狭めるような動きがあります。
今年八月から都立スポーツ施設の利用料金の値上げが行われているわけですが、例えば東京体育館、ここの値上げ率は非常に高くてびっくりしたのですが、前年度と比較して、どのくらいの率で値上げがされているのか。
アマチュアとその他のスポーツ、これはプロのことを指すのですが、それぞれ平日と休日でどの程度の値上げになったのか、お答えください。
○梅村スポーツ施設部長 東京体育館メインアリーナの利用料金は、平日をより利用しやすくするため、平日と平日以外の利用料金区分を新たに設け、平日料金を安価に設定いたしました。
アマチュアスポーツの平日における入場料なし、スタンド使用なしの区分は二十二万百円へ改定し、改定率は約一八〇%、平日以外の同区分は二十七万五千百円となり、改定率は約二二五%でございます。
また、その他スポーツ等の平日における最も高い区分は三百九十一万八千九百円であり、改定率は約一〇三%でございます。平日以外の同区分は四百八十九万八千六百円となり、改定率は約一三〇%であり、この金額は、ほぼ条例に定める上限額となっております。
○とや委員 プロの団体の皆さんは、そもそも入場料を取る場合が多いから、そもそもの料金が高くなりますが、値上げ率は低いわけです。
アマチュア団体に対しての値上げ率がかなり高くなっていますが、その理由を伺います。
○梅村スポーツ施設部長 今回の料金改定は、光熱費の高騰をはじめとする昨今の物価上昇の中、都民に質の高いサービスの提供を維持していくため、新たな指定管理期間の開始に当たり、条例料金の範囲内で、指定管理者の収支計画に基づき料金改定を行ったものでございます。
都といたしましては、利用料金の改定が条例料金の範囲内で行われており、さらに、都民利用の多いアマチュア料金については、改定後も条例料金より低い水準で維持されていることなどから、類似施設等の状況なども勘案し、指定管理者からの申請を承認したものでございます。
類似施設につきましては、例えば、東京体育館では代々木競技場第一体育館を参考としております。
○とや委員 アマチュア料金が条例料金より低い料金水準が維持されるのは、当たり前です。値上げ前は、平日と休日の区分けがなかったんですよ。さっき、ご説明いただいたけれども。
ところが、今回は、平日と休日と別料金になり、二通りの料金設定になりました。アマチュアの皆さんは、平日はほとんど仕事をしていますから、休日に大会などを実施してスポーツを楽しんでいましたから、今の答弁ですと、平日以外の入場料なしの区分になり、約二三〇%の値上げになってしまいます。
これに対してプロは、スタンド利用で、入場料は大体七千円以上取るそうですから収入もあるし、それなのに平日では一〇三%、休日でも一三〇%の値上げなんです。
プロの場合、平日で千円以上三千円未満の場合は八一・七%、三千円以上七千円未満の入場料の場合は八五・六%と、むしろ値下げになってしまっています。
今回の値上げは、都民のスポーツの機会を狭めるやり方だといわざるを得ないです。都のスポーツ推進計画の目標に照らしても、逆行していると思います、誰でも、いつでも、どこでもという。
料金値上げの経緯について伺いたいと思います。
○梅村スポーツ施設部長 東京体育館につきましては、平成十六年の条例料金改定以降、十九年間、利用料金の改定が行われておりませんでしたが、光熱費の高騰をはじめとする昨今の物価上昇の中、都民に質の高いサービスの提供を維持していくため、指定管理者により料金改定が申請されました。
引き続き、都民に快適で安全な施設を提供するとともに、施設を活用して様々なスポーツ教室の開催や体験会の開催など多様なプログラムを提供し、都民のスポーツ振興に取り組んでまいります。
○とや委員 この間、東京体育館の場合は、コロナもあったり、オリンピックもあったりして、閉館の時期がとても長かったという経緯があります。私は評議員もやっていますから、予算、決算も聞いています。そうすると、本当に赤字で大変な状況がありました。設置者としての責任が、私、本当に問われていると思うんですよね。
そもそも、昨年三月に条例料金の改定があった際、この文教委員会で、都立体育施設の利用料金の上限の引上げの条例案について、その上限を上げる理由について、施設の改修をしたからだと説明がありました。
ところが、東京体育館は、オリンピック仕様にするということで、ライトがLEDになったり、車椅子エレベーターが設置されたわけですが、それ以外は変わっていないんです。
オリンピックのレガシーとしてオリンピック仕様にしたものを利用料に反映されたら、一般都民は納得がいかない、こういうふうに、昨年、我が党のアオヤギ委員が意見を述べています。
バリアフリーについても、これはもう設置者の責任で行うべきですよ。それを都民に利用料として、値上げとして転嫁するのは、やっぱりおかしいと意見を述べました。
今回の値上げは都民のスポーツ利用を狭めるものだと、改めていわざるを得ません。そもそも、都は、設置者として責任をしっかりと果たすべきです。
その上で伺いますが、都は、前年度に、電気料金などが値上がりした際、光熱費を補填しております。各施設の補填額についてお答えください。また、補填する際の基準についてもお答えください。
○梅村スポーツ施設部長 令和四年度、光熱費高騰の影響により、当初、都が認定した収支計画に対して乖離が大きくなった施設について、必要な経費として指定管理料を増額して支払いました。
具体的には、東京体育館に約一千七百万円、駒沢オリンピック公園総合運動場に約一千五百万円、辰巳国際水泳場に約二千四百万円、武蔵野の森総合スポーツプラザに約一千四百万円でございました。
○とや委員 収支計画と乖離した場合ということですが、こうしたことができるわけですから、指定管理料で調整をして都民の利用を狭めないようにする、そして、利用料金は低く抑えるべきだと考えます。
都として、値上げを抑えるために、施設への財政投入をさらに行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○梅村スポーツ施設部長 都は、サービスを利用する方と利用しない方との公平性を担保する受益者負担の考えに基づき条例料金を設定しており、指定管理者は、条例料金の範囲内で、実際に適用する利用料金を定めております。
今回の利用料金の改定は、新たな指定管理期間の収支計画に基づき、指定管理者より利用料金改定が申請されたものでございます。
都といたしましては、利用料金の改定が条例料金の範囲内で行われており、さらに、都民利用の多いアマチュア料金については、改定後も条例料金より低い水準が維持されていることなどから、指定管理者の申請を承認したものでございます。
○とや委員 大体、受益者負担という考え方が公立施設で通用するんだろうかと思いますけれどもね。
東京体育館は、アマチュアの皆さんがこれまで利用してきた大変いい施設だと思っております。こうした皆さんは、ふだんは仕事をしています、先ほど申し上げましたが。土日休日こそ、施設を利用して大会出場ができるわけです。利用料金が非常に高額になると、それができなくなるとおっしゃっています。
利用料が高ければ、例えば種目によって、参加チームが少ないと主催者の持ち出しが多くなる、土日に使えなくなってしまうと平日に大会をやらざるを得ず、その場合、チームの誰かが仕事を休めず、チームの力が落ちるなど、都民のスポーツの楽しみにマイナス要因をつくることになってしまうわけです。
ぜひ利用料金については引き下げる、あるいは今ある減額制度を改定するなど、値上げ前の水準に戻していただきたいと強く求めておきます。
都民のスポーツをする機会を広げていくという意味で、アマチュアの皆さんのスポーツ大会等を応援してほしいと思います。しかし、この間、長く続けてきた、例えばスポーツの祭典は補助金がカットされております。一般都民が楽しめるスポーツの祭典こそ、応援すべきではないでしょうか。
補助金を復活すべきですが、いかがでしょうか。
○齊藤スポーツ担当部長 平成十五年度に行われました東京都スポーツ振興審議会の分科会において、スポーツ大会への財政支援の在り方について議論が行われ、ご質問のあった東京スポーツ祭典については、財政支援ではなく、名義使用承認などの支援をすることに整理されました。
都は、それを踏まえ、名義使用承認を行っております。
○とや委員 かなり前ですよね。平成十五年というと、もう二十年も昔の話なんですけれども、このときの状況と今って、やっぱり変わってきていると思うんですよ。
このとき、青年会議所の全国青年大会も含めて整理したとお聞きしましたが、都は、先ほどいいましたが、今年度の予算でも、国際大会にはかなりの金額を割いています。スポーツの予算だけでも、昨年度と比較しても大幅に増額しました。それだけ力を入れるのであれば、一般都民のスポーツ祭典もぜひ応援してほしいと思います。補助金については、ぜひ復活の検討をしていただくよう求めておきます。
障害者スポーツについても伺います。
一昨年のパラリンピックと前後して、障害者のスポーツ振興にも力を入れているとして、都は、様々なイベントを行ったり、二五年にはデフリンピックも開催されます。障害者のスポーツ大会として、全国大会の派遣選手選考会も兼ねた東京都障害者スポーツ大会も今年行われています。
この障害者スポーツ大会の大会の意義と競技種目数、そして出場者数について伺います。
○澤崎パラスポーツ担当部長 東京都障害者スポーツ大会は、障害者が体力の維持増進及び社会参加と相互交流を促進させるとともに、障害者に対する理解の増進を図り、もって障害者の自立の促進とスポーツ振興に寄与することを目的として開催している大会でございます。
大会では、陸上競技や水泳など十五競技を実施しております。
今年度は、本年五月から来年二月までが大会期間であり、選手の人数は約三千人と見込んでおります。
○とや委員 事前にお話をお聞きしたところ、競技種目は、平成十五年度は十三競技だったのが、十六年から十八年で十四競技に増えて、そして、十九年から今年度は十五競技まで増えて、参加者も増えてきたということが分かりました。
二〇一七年には五千六百八十人、一八年は五千七百八十七人、一九年は五千六百四十三人と、六千人弱の人たちが参加していたのですが、コロナになって二年間中止になって、昨年は三千九百十八人、今年は約三千人ということです。多くの人たちがこうした大会で楽しめるよう、戻ってきてほしいと思います。ぜひアピールも強化してほしいとお願いしておきます。
では、選手の競技環境について伺いたいと思います。
今年は、東京都障害者スポーツ大会の水泳競技が五月に行われていますが、せっかく五輪会場になったアクアティクスセンターが会場だったのに、予算の都合で、タイム計測にプリンティングタイマーを使えなかった、ストップウオッチで計らなければならなかったというお話を聞きました。
東京都主催——共催ですけれどもね、協会とね——の大会にもかかわらず、なぜこのようになったのか、伺います。
○澤崎パラスポーツ担当部長 大会の運営主体である東京都障害者スポーツ協会に確認したところ、プリンティングタイマーでの計測に当たっては、機材が運用でき、かつ審判員の資格を持った人材が必要ですが、その確保が困難であったことから、ストップウオッチでの計測を採用したものでございます。
○とや委員 今回の東京都障害者スポーツ大会は、当事者の皆さんにとって初めてのアクアティクスセンターでした。だから、やっぱりわくわくしていたんだと思うんですよね。それなのに使えなかったというがっかり感は、すごくよく分かるんです。
今のご答弁を聞いていますと、本当に、人材を配置できるように、どこまで努力をしてくださったのだろうかと思うわけです。審判の資格を持ち、プリンティングタイマーを運用できる人材は、東京には、一人や二人じゃなくて、たくさんいるんですよ。協会の方が探したといいますけれども、日常的にアクアティクスセンターで大会をやっている団体だとか、いろいろ探せば必ずいるはずです。そういった団体から、都から要請して派遣してもらえばいい話だと思うんです。
まるで、何か一人しかいないようなことをいって、せっかくアクアティクスセンターで泳げて、ゴールしたときに自分のタイムが瞬時に分かるというアスリート体験ができると思っていた方々をがっかりさせたわけです。
当事者団体にお聞きしましたが、今いいましたけれども、年間予算があるから駄目だったのかとおっしゃっていたわけです。そんなことを思わせるような対応は、今後はしないようにしてください。お願いしておきます。
大会に出場し、一流アスリートと同じ本格的な会場設備で競技できることは、スポーツをする都民にとって、大きな目標や励みになります。
都主催の大会で都立施設を利用するのですから、しっかりとした競技環境を整えていただくことを求めますが、いかがですか。
○澤崎パラスポーツ担当部長 今年の五月に開催した東京都障害者スポーツ大会の水泳競技では、東京二〇二〇パラリンピックの会場となった東京アクアティクスセンターを使用するとともに、大型映像装置や音響装置を用いた演出も取り入れました。
今後も、東京都障害者スポーツ協会や競技団体と連携し、競技環境を整えてまいります。
○とや委員 障害者の皆さんの競技環境は、健常者と比較して、やっぱりまだまだ遅れていると思うんですね。ですから、協会や競技団体とも連携し、声も聞いて、その環境を整えていくことを求めておきます。
それから、順位やタイムなどの記録についてです。
大会の結果をホームページに公表してほしいというご意見も伺っています。入賞者をたたえることも大事です。
また、東京都障害者スポーツ大会は全国大会の予選も兼ねていて、全国レベルに行くには、どの程度のタイムが必要か分かれば、出場を目指す方の目標になるということであります。
都民体育大会では、大会記録は公開されていますので、ぜひ障害者スポーツ大会の記録も公表していただくことを求めますが、いかがですか。
○澤崎パラスポーツ担当部長 東京都障害者スポーツ大会では、障害区分や年齢ごとに競技を行っておりまして、競技結果を公表することは、選手本人の障害に関する情報を公開することになります。そのため、個人情報を保護する観点から、大会記録の公表は行わないこととしております。
大会の記録に関するお問合せには、東京都障害者スポーツ協会において個別に対応しております。
○とや委員 個人情報を保護する観点からとお答えになったわけですが、東京都障害者スポーツ大会は全国大会の派遣選手の選考会でもあります。ここに出場した選手で入賞した選手が全国大会に派遣されていくのかな。そういうふうにして全国から集まってくるんだと思うんですが、私、今年は全国大会が鹿児島だということで、そこのホームページを拝見しました。すると、出場した選手の名前も、タイムも、順位も出ているわけです。
なぜ全国大会で公表できて、都大会では公表できないのか。都大会に出る人たちは、全国大会を目指していく人が多いと思いますよ。いかがですか。
○澤崎パラスポーツ担当部長 東京都障害者スポーツ大会は、体力の維持増進や社会参加の促進などを目的としておりまして、誰もが気軽に参加でき、楽しめる大会となるよう取り組んでおります。
大会の参加者は、競技志向の強い選手から体を動かすことを楽しみに参加している選手まで幅広く、結果の公表については様々な意見がございます。
そのため、現時点では、個人情報を保護する観点を重視いたしまして、大会記録の公表は行わないこととしております。
○とや委員 個人情報を保護するというのであれば、それを分ければいいでしょう。公表してもらいたい、モチベーションのアップをしたい、そういう人たちは公表してあげたらいいですよ。嫌だという人は公表しなければいいんです。そのぐらい、できるはずです。そういった柔軟性を持っていただきたいと思います。できるところから始めてほしいというふうに思います。
私、この質問をするに当たって、いろいろお話を聞きましたけれども、個人情報を保護する観点とおっしゃるのですが、結局は、非常に——見て分かったのですけれども、レベルもいろいろあるし、それから競技種目もいろいろあるし、かなり細分化されているということが分かって、それを公表するとなると手間もかかるというのも分かりました。で、その手間を惜しんでいるだけなんじゃないかというふうに思っちゃったんですよね。
そうではなくて、当事者の皆さんにもよく聞いて、公開してほしいという方については公開をする、それはやめてほしいという方についてはやめる、ぜひそれはお願いしたいと思います。当事者の皆さんの声をきちんと聞いて、本気で取り組んでいただくことを求めておきます。
東京都は、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化するスポーツ都市東京を実現しますとスローガンを掲げています。計画が絵に描いた餅にならないよう、当事者の声、一般都民のスポーツを楽しみたい、レベルアップしたいなどの要求に応えてほしいと思います。
そこで、最後にお聞きしますが、都のスポーツ推進計画の計画期間は二〇一八年から二〇二四年となっています。改定時期が近づいております。
改定に向けての作業は、いつから行いますか。その際、都民アンケートや各競技団体などから意見を聞くべきと考えますが、いかがでしょうか。
○小池スポーツ総合推進部長 平成三十年三月に策定しました東京都スポーツ推進総合計画につきましては、令和六年度までの計画になっておりまして、今後、スポーツ振興審議会の中で論点の洗い出しを行い、次期計画につなげてまいります。
また、計画に対する都民等の意見を聞くことにつきましても、時期や方法等に関し、併せて検討してまいります。
○とや委員 スポーツは人権だと思います。都民のスポーツする権利を尊重し、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しめる東京を目指していただくよう求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
○西崎委員 よろしくお願いいたします。
初めに、男女平等参画施策について伺ってまいります。
私も非常に、ジェンダー平等に強い問題意識を持っておりまして、都議会議員として初めての一般質問でも、一番目にジェンダー平等について伺わせていただいたことがございます。その中でも、特に男性側の意識変革が必要であるということを指摘させていただいたところでございます。
もちろん、その意識ということもそうでありますし、日常生活、様々な行動から改めていくということが非常に重要であると思いますけれども、都の取組において、男性がより積極的に家事や育児に参加をするといういい方が、私、非常に嫌いなんですが、男性の家事、育児に対する都の取組について、まずは伺います。
○樋口女性活躍推進担当部長 都は、男性の家事、育児を社会全体で考え、変えていくため、ウェブサイト、TEAM家事・育児におきまして、子育て中の夫婦やプレパパ、プレママ、企業経営者や管理職等を対象に、時短テクニックなど役立つ情報を発信しております。
また、特に二十代から四十代の男性に効果的に訴求するため、野球やバスケットボールなどのプロスポーツチームと連携し、試合会場におきまして、男性の家事育児応援イベントを実施しております。
○西崎委員 ありがとうございます。様々な情報発信もされているということで、特にスポーツの、神宮でしたかね、なかなかターゲットをうまく設定をした取組だなというふうに感心をした記憶がございます。
そうした家事、育児というところもそうでありますし、やはり、その根底にある考え方というものも併せて変えていかなければならないと思います。
その中で、いわゆるアンコンシャスバイアス、この解消に向けては、最近、政府の方もかなり強く取組を進めていると思いますし、また、東京都も様々な取組を進めているというふうに承知をしております。
これは、今、先ほどお伺いしたような対外的な発信というものも、もちろん非常に重要であるし、都も実施をしているかと思いますが、一方で、都庁内部の取組というものも非常に効果的であろうかと思います。
その中で、東京都は、都庁の職員を対象としたアンコンシャスバイアス研修というものをやっていると伺っておりますけれども、この内容について伺います。
○樋口女性活躍推進担当部長 管理職が職場等におけるアンコンシャスバイアスを知り、気づき、自身の意識改革や行動変容につなげることで、都政運営をより円滑に遂行する能力を向上させることを目的に、今年度から、全ての部長級、課長級職員に対しまして、新規事業等の企画実施、窓口での都民対応などをテーマに研修を実施しております。
○西崎委員 かなり対象も幅広いということで、さらに特徴的なのは、実際の業務を想定したテーマを設定しているというところが特徴的なのかなというふうに思います。
もちろん、それによって職員の意識が変わる、アンコンシャスバイアスがないか、しっかりと見ていくという、その意識変革というのは非常に重要だと思いますけれども、やはりその先に、そういった職員の皆様の気づきによって、都政にどういういい影響があるのかというところが重要かと思います。
そこで、こうしたアンコンシャスバイアス研修が都の事務事業にどう生かされていくとお考えであるのか、伺います。
○樋口女性活躍推進担当部長 受講者の事後アンケートからは、自身のアンコンシャスバイアスへの気づきのほか、事業の企画に当たり、アンコンシャスバイアスがないかどうかを話し合ったり、広報物の表現方法が適切かどうかチェックするようになるなど、具体的な行動変容につながったといった声が寄せられております。
このように、組織運営や事業の円滑化に生かされているものと認識しております。
○西崎委員 アンケートでもそうした声があるということで、やはり先ほど申し上げたような、実際の業務に沿うようなテーマ設定というところも、一定のそうした効果につながっているのかなと受け止めさせていただきました。
さきに申し上げた最初の一般質問では、ジェンダー主流化の概念を職員の皆様が理解をするということが非常に重要であるとお訴えをさせていただきましたけれども、そういう意味では、その当時から、さらに取組が進んでいるものと受け止めさせていただきました。
我が会派といたしましても、また私個人といたしましても、行政の取組の中において、ジェンダー予算という考え方が重要であるということを提唱させていただいています。つまり、ジェンダー主流化の観点から、様々な行政の取組、その予算に関わる全ての事務事業がジェンダー主流化の概念に即しているかということ、この重要性というものを我々はお訴えをさせていただいています。
これはもちろん、引き続き求めてまいりたいと思っておりますけれども、そうした大上段にジェンダー予算だというふうに構えるだけでなくて、今お答えをいただいたようなアンコンシャスバイアス研修のような取組というものも、必ずしもイコールということではないけれども、ジェンダー予算という考え方に近づいていくものなのかなというふうに受け止めさせていただいております。
これにつきましては、スタートして、まだそれほど年月がたっているわけではありませんので、今後、さらに都の事務事業に効果が現れていくということを期待させていただきたいと思います。
次に、最初に申し上げましたように、ジェンダー平等における男性の意識変革というものが非常に重要であると思っているわけでございますが、その背景といいますか、どうしても、そのジェンダー平等、男女平等、共同参画という話になると、女性のディスアドバンテージを解消しようという向きに捉えられがちだという場面が非常に多くあるかと思います。悲しいけれども、現実的にそういうような向きが多いかと思います。
しかし、一方で、男性特有の苦しさ、生きづらさ、これを解消していこうという考え方に基づくと、また一つ、男性がより深く考えていただくというきっかけになるのではないかなと思っています。
まさにこのアンコンシャスバイアスの話でありますけれども、男性だから弱音を吐けないとか人に頼れない、そういった考え方であるとか、具体的に、日本における自殺される方も、男性の方が圧倒的に多いわけでございます。
こうした男性のつらさに寄り添う男性学的な観点からの重要性というものも、この間、私から指摘をさせていただいてきたところでありますけれども、これに関連する取組として、都で、ウィメンズプラザの男性相談、これを行っているかと思います。
これについて、取組と実績について伺います。
○宮本男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザの男性相談についてでありますが、夫婦や親子の問題、生き方、職場の人間関係、配偶者等からの暴力など、男性が抱える様々な悩みに対応するため、電話相談や、必要に応じて面接相談に対応してございます。
令和四年度には、相談日を週三日から週四日に拡充し、相談件数は九百九十七件となってございます。
○西崎委員 相談日が拡充をされたというようなお答えもいただいたところですが、やはり、その件数が増加をしているから、そういうような拡充に至っているのかなと思います。
本来であれば、そうした、男性が悩みを抱えている、相談支援を必要としている方が数字上増えるというのは好ましくないことであると思いますが、この場合は、むしろ、やっと表に出てきていただいたと捉える方が適切なのかなと私は思っております。
体制の拡充という話もありましたけれども、やはり相談のハードルを下げていくということも非常に重要であるかと思います。いわゆるこの取組の周知であるとか、究極には相談スペースのつくり方であるとか、そうした様々なハードルを下げることでしっかりと、生きづらさ、悩みを抱える男性が相談をしやすいような環境というものに取り組んでいただきたいと思います。
次の質問に移ります。
次に、特殊詐欺に関連して伺います。
二〇二二年、昨年の特殊詐欺の被害の件数、そしてまた、被害額が八年ぶりに増加をしたというような報に接しております。また、今年、まだ途中ではありますけれども、上半期だけを見ると、これ、激増しているというふうに報道がなされたところでございます。
私は、地元は目黒区でありますけれども、目黒区も被害がかなり深刻でございまして、八年とか七年減っていた中においても、目黒区だけ増加しているというような時期もございまして、非常に関心を持って、この取組というものを見てきておりました。
この間、東京都の特殊詐欺対策については、かつて自動通話録音機の補助事業というものをやっておりましたけれども、これが終了いたしまして、新たな展開として、被害防止と加害防止の両面から対策を行っているというふうに聞いておりますが、この取組について伺います。
○米今治安対策担当部長 被害防止対策としましては、具体的防止策等をまとめたリーフレットの配布等に加え、高齢者が集まるイベント等で詐欺の電話等の体験をしてもらう啓発事業を実施しております。
加害防止対策としましては、若者の受け子等の犯罪への加担を防ぐため、ヤミバイト等の検索者に対してウェブ上で警告を行うターゲティング広告等を実施しております。
○西崎委員 今おっしゃっていただいたように、被害防止対策、加害防止対策、それぞれ今取り組まれているということですが、特に被害防止に関していうと、本当に詐欺の手口というのが絶えず変化しているというふうに私も受け止めておりますし、じゃ、どういう対策をしていこうと、常に変わっていく手口に対してどういうような対策を打っていけばいいのかというと、なかなか現場も苦労があるのではないかなと推察をいたします。かつてのように、俺だ、俺だといって電話をしてくるというのはゼロじゃないかもしれませんが、もう今はそういう時代じゃなくて、本当に巧妙化をしているということでございます。
そこで、もちろん、日頃、そうした手口の変化というものをウオッチしていることかと思いますけれども、この特殊詐欺における最近の犯行ツールや手口についてどのように捉えているのか、伺います。
○米今治安対策担当部長 特殊詐欺の新たな犯行ツールとしましては、国内電話の規制強化に伴う国際電話の利用が挙げられます。
また、パソコンの画面にウイルスに感染した等の偽の警告画面を表示させ、サポート業者を装って金銭等をだまし取るサポート詐欺が増加しております。
○西崎委員 特に、最近、サポート詐欺の増加ということもおっしゃっていただきました。私もごく最近、知り合いから、パソコンの画面がサポート詐欺のその警告の画面から動かなくなったという連絡をいただいたこともございました。我々の控室にも、警告の注意喚起の文書が貼ってあるところでありますけれども、やはり、そうして常に新しい手口が生まれてきているということで、実際に被害が増加をしているということは深刻だなというふうに思っております。
恐らく今後も、そうした手口というのは、さらに変化をしていくものと思いますので、引き続き、常に被害もしくは加害の状況というものも把握をしながら対策に努めていただくよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
この特殊詐欺ということも少し関連をいたしますけれども、商品やサービスというものが多様化をしていく時代にあって、消費者教育、これが以前にも増して重要になっているのではないかなと考えております。
東京都においては、消費者教育、これが都の消費生活条例で消費者の権利の一つとして定められているという特徴があろうかと思います。
そこでまず、この条例における消費者教育の考え方について伺います。
○片岡消費生活部長 東京都消費生活条例では、消費者が消費生活において必要な知識及び判断力を習得し、主体的に行動できるように、また、その行動が経済社会、環境に及ぼす影響についての理解を深め、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画するため、消費者教育を推進するものとしています。
○西崎委員 ありがとうございます。消費生活において主体的に行動できるようにという部分が非常に重要なのかなと、私なりには受け止めさせていただいたところでございます。
その目的のために、都は、じゃ、具体的に何をしているのかというところ、消費者教育事業の取組内容について伺います。
○片岡消費生活部長 消費者教育としましては、広く都民向けに、消費者被害の防止や食育、エシカル消費等について、各種講座や家庭、地域等における消費者教育に活用できる教材等の作成を行っております。
また、学校への支援としまして、教員向け講座の実施や、授業で使用できるウェブ教材を作成しているほか、消費者教育コーディネーターを設置し、教職員からの個別の相談に対応するとともに、東京都消費者啓発員、コンシューマー・エイドによる出前講座を実施しております。
○西崎委員 多岐にわたる取組をお示しいただいたものかと思います。権利として消費者教育が定められ、それについて様々な事業が行われているということでございますが、現在、この消費者教育において考えなければならない新たな課題として、カスタマーハラスメント、いわゆるカスハラがあるのではないかなと私は考えております。
実際に、様々な業種において、多くの従業員の方であるとか、これは公務員の方も含めて被害に遭っているという調査報告も公表されておりますし、これについては、都も検討部会を設置して、現在、議論をしている最中だというふうに伺っております。
その中において、初めにお伺いをした消費者教育の考え方、条例に定められる考え方の中でも、消費者の行動が経済社会、環境に及ぼす影響についての理解を深めるということが挙げられているところでございます。
消費者庁も、消費者が意見を伝えるポイントという資料を公開しておりますけれども、こうしたものも参考になろうかと思いますが、ぜひ今後、検討の中で、消費者教育という文脈でのカスハラ対策について検討していただきたいということをこの場では要望させていただきます。
次の質問に移ります。
子供の事故予防から、プラットフォーム、Safe Kidsの取組について伺います。
今年の予算委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、子供の事故を減らすために、消費者と事業者などをつなぐSafe Kidsというプラットフォームが運用を開始されたということでございます。
私も、これは定期的にチェックをさせていただいておりまして、少しずつ、本当に少しずつではありますが、投稿もされるようになって、だっこひもであるとか、もしくはベランダの室外機カバーの話であるとか、消費者と事業者の接点となるという事例も、この中で見られているところでございます。
一方で、既存の、例えば製品に不具合や危険性などがあった場合、特に大手企業の場合は、お客様相談室のようなものが設置をされていて、そちらで消費者の声を受け付けているというケースも非常に多いかと思います。
すると、じゃ、このプラットフォーム、Safe Kidsと、そうした各企業のお客様相談室、これは、一体、どういうふうに違うのかということを伺いたいと思います。
○片岡消費生活部長 Safe Kidsは、消費者から行う特定の商品に関する企業への相談とは異なりまして、製品の安全に向けた消費者、事業者、行政、専門家それぞれからの情報発信と双方向の交流がなされるような形となっています。
○西崎委員 つまり、消費者や事業者、そしてまた行政、さらには専門家といった様々な立場の方が双方向の交流をするプラットフォームであると。また、それがオープンにされているということが特徴なのかなと思っています。
一方で、オープンな場だからこそ、特定の商品の危険性を追及するということは、あまりなじまないと思います。性格上、なじまないと思います。例えば、先ほど、だっこひもの投稿の話もいたしましたけれども、ここでは、その企業名であるとか商品名が明らかにされているわけではないということでございます。
そのプラットフォームという性格上、こうした制約を受けてしまうということは避け難いともいえますけれども、やはりこのプラットフォームを運用していくことによって、子供の事故予防に向けたアクションが起こっていくということが最も重要なのかなと思っております。
そこで伺いますけれども、このSafe Kidsの取組が、企業や行政における安全な製品づくりであったりルールづくり、ここにどのようにつながっていくのか、お聞きをいたします。
○片岡消費生活部長 消費者が製品に関する事故やヒヤリ・ハットの情報を気軽に投稿し、その生の声を企業や行政と共有することで、安全な製品の開発や普及、ルールづくりにつながるものでございます。
都としましても、こうした情報の蓄積、分析を通じて、事業者団体への働きかけや、商品の安全性に関する調査に生かす等、施策に活用してまいります。
○西崎委員 今お答えをいただいた中から、都としての調査につながったり、また事業者団体の方への働きかけというところも非常に重要で、都の施策にも生かし得るものだというところも一つのポイントなのかなと思います。そもそものその蓄積、ストックの問題も、課題が現状はあるかとは思いますけれども、せっかくスタートをした取組ですので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
一方で、別の課題といたしまして、運用の問題もあろうかと思っております。プラットフォームが出来上がって以降、この運用というものは民間団体が行っていると聞いておりますが、必ずしも盤石の体制とはいえないというふうに耳にしております。
これに関しましては、繰り返しになりますが、様々な事例がストックしていって、多くの方々が関与していくということが非常に重要でありますから、継続的な運用、これが非常に大事であろうかと思いますけれども、都としてどのように運用支援を行っていくのかという点について伺います。
○片岡消費生活部長 Safe Kidsは、都と民間団体が協働して構築し、運用は民間団体が行い、都は、その運用を支援しております。
運用開始からこれまで、都は認知度向上のための取組を行っておりまして、今後も引き続き、活発な情報交流を促進するために、周知や情報提供を行うほか、アクセス解析等を通じて運用を支援いたします。
○西崎委員 やはり認知度の向上という課題も今現在あるところで、その周知、情報提供というものについての支援もされているということでございました。
一方で、この運用をする民間団体も、本当に不安を抱えながら、今、現状、運用しているというのが実際の課題としてあるかと思いますので、ぜひ今後、この運用の支援に対する強化にも努めていただきたいということをこの場では求めさせていただきます。
続きまして、最後のトピックとなりますけれども、スポーツについて、特に、ここでは子供のスポーツに特化して伺いたいと思います。
私も子供が三人おりまして、そしてまた、地域の学童野球チームの代表も務めております。子供がスポーツや運動に触れるということは、心身の成長にとって、非常に重要な要素であると思います。
しかしながら、時代の変化とともに、そうした機会であるとか、そもそもの物理的な場所も制約を受けることが非常に多くなってきています。すると、運動が苦手だったり、好きではないという子供が、そもそも経験をする機会というものも減ってきてしまうことが懸念をされます。
こうした中、行政の役割というのは、一定程度、求められているのだろうと思っております。
そこで、そうした運動が苦手だったり、好きではないという子供も含めて、子供が運動やスポーツに触れる機会、これがあることが非常に重要であると思いますけれども、都の認識と取組について伺います。
○齊藤スポーツ担当部長 幼少期から体を動かす習慣を身につけることは、子供の基礎的体力の向上や運動習慣の定着につながり、重要であります。
都はこれまで、競技団体と連携した体験教室や、ルールや動きが比較的容易なレクリエーションスポーツ体験会などを実施しております。
加えて、親子や子供たち同士でできる外遊び運動や、運動が苦手な子供たちもできるよう、体を動かすことの楽しさ等を伝える動画を制作し、配信しております。
また、プロスポーツチームや競技団体の協力の下、都内在住、在学の小中学生を試合観戦に招待しております。
○西崎委員 まさにスポーツを見ることであったり、もしくは、実際に体験をすることであったり、さらには、その楽しさを知ってもらうというような様々な取組をされているということを今伺いました。
三つ子の魂百までではないですけれども、やはり幼少期からの経験が、大人になってからのスポーツ習慣にも影響を及ぼすというふうにいわれております。そうした取組は非常に重要だと思いますので、ぜひ引き続き、続けていっていただきたいと思いますが、一方で、スポーツや運動にまつわる事故を防いでいくという考え方、これも、私も子供の事故予防に非常に継続的に取り組んでおりますけれども、重要であろうと思います。
特に近年、近年だけではなくて昔からでありますけれども、熱中症による搬送であるとか、ないしはゴールポストやバッティングゲージの転倒による事故というものも報道もされておりますし、これは長年繰り返されてきております。
そこで伺いますけれども、スポーツを実施する際のけがや事故または熱中症等の予防に向けた東京都の取組について伺います。
○齊藤スポーツ担当部長 安全なスポーツ推進には、事故を未然に防ぐための知識を身につけることが重要であります。
都は、指導者の育成及び資質向上を目的として、暑さ対策やオーバートレーニングなど、現場で生かすことができるテーマで講習会を実施してきました。
加えて、広く都民が情報を得られるよう、都内の競技団体等が加盟する東京都体育協会のホームページにおいても、熱中症をはじめとした各種情報をトップページに掲載し、事故予防の啓発に努めております。
○西崎委員 指導者に対する講習であるとか、都民の皆様への情報提供などをしているということでありますけれども、子供の事故予防を考えたときに、多くは防げるという考え方が、しっかり対策をすれば防げるというものが非常に多いといわれておりますので、これは、その取組がしっかりと広がれば広がるほど、そうした事故は減らせるものであると思いますので、ぜひ力を入れていただきたいと思います。
最後に、子供のスポーツをめぐる課題について、一つお聞きをしたいと思います。
これまでも申し上げてまいりましたように、運動やスポーツは非常に貴重な経験となるという一方で、子供の競技スポーツにおける勝利至上主義の弊害が出ているケースが、やはり、いまだにあまりにも多いというふうに感じております。
最近は、スポーツインテグリティーという考え方も提唱されておりますけれども、そのこと自体は非常にすばらしいと思いますが、現場レベルでは、やはり、まだまだ伝統的な考え方に基づく指導もしくは運営というものが根強く残っておりまして、それが子供のスポーツ離れ、続けられないという事態につながってしまうのであれば、これはまさに本末転倒であると思います。
そこで、子供がスポーツを続けていく上において、指導者の暴力やハラスメント等が起こらないよう、東京都はどのような取組をしているのか、伺います。
○齊藤スポーツ担当部長 都民が安心してスポーツに取り組むためには、指導者等による暴力、暴言やハラスメントなどを根絶することが重要であります。
このため、都は、令和元年度から東京都体育協会と共催で、都内競技団体、指導者等に対して研修を実施しております。
具体的には、暴力根絶を目指す取組について、有識者等による講演やパネルディスカッションを毎年度二回開催しております。
また、その動画を都のホームページに公開し、参加者だけでなく、広く都民やスポーツに関わる方の理解促進も図っております。
○西崎委員 体育協会とも一緒になって様々な研修を、それも、結構、頻度を高く実施をしているということでございます。私も、この内容を少し見たことがございますけれども、非常に今日的な課題を取り上げて研修、講座を行っているものであると認識をしておりまして、ぜひこれは続けていっていただきたいなと思っております。
勝利至上主義ということについて、先ほど取り上げたところでございますけれども、今の取組の中であったような暴言であるとか暴力、またハラスメント、こういうものはもちろん論外でありますけれども、また別の角度から考えると、子供のスポーツに関わっている指導者等が、本来主役であるべき子供を置き去りにしてしまっているという懸念を私は持っております。
子供のスポーツをめぐる話でいいますと、昨年ですかね、柔道が小学校の全国大会を廃止したということが話題となりました。まさに勝利至上主義というものと子供のスポーツというものの在り方に一石を投じる出来事であったかと思います。
私の関与している子供の野球に関して見てみても、いわゆる様々な大会が開かれておりますけれども、一発勝負であるトーナメント制の是非という議論が今起こっています。リーグ戦の方がいいんじゃないかという議論ですね。
これ、何でかというと、もう明らかに数字として出ていまして、野球の話ですけれども、野球の生まれ月の問題というものが、現実に数字として出ています。
例えばプロ野球選手でいうと、生まれ月、何月に生まれたかという統計を見ていくと、四月から六月に生まれた選手というものが約三五%、一方で、一月から三月、いわゆる早生まれは約一五%と、大きな差が出ています。
これ、甲子園の出場選手という、その手前です。だから、甲子園の出場選手というところを見ても、ほぼ同じですね。四月から六月生まれが最も多い。やはり、三七・八%とありますが、多い。そして、一月から三月生まれが一四・六%と。
手元の粗い数字でありますが、明らかに早生まれの子が少ないというのが今の野球の実態です。
これは何でかというと、理由は想定するのが非常に容易でございまして、一発勝負だから負けられない、負けられないから、発達の早い、体格のよい子供が選手として使われていくということで、その結果、早生まれの子供がスポーツを続けていくという機会が有意に奪われているということです。このことについて、非常に私は懸念を今持っています。
今ここで、子供のスポーツの在り方について、都に見解を求めるということはいたしませんけれども、全ての子供がスポーツを続けられる環境が大事であるということは、これは誰にも否定をできるものではないと思っております。
ぜひそうした観点から、今後も、このスポーツの振興について、東京都には取組を進めていっていただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○田の上委員 ミライ会議の田の上いくこです。
文教委員会で青少年問題協議会について報告があり、ミライ会議の桐山議員が、SNSに関する対策を一層強力にしとあるが、SNSに係る規制を行うのかという質問をいたしました。SNS等を活用した啓発等の推進も重要であり、規制については触れられていないとの答弁でありました。様々な側面からの対策が必要と考えます。
生活文化スポーツ局では、相談等、問題の入り口となる部分を中心に行っているものと認識はいたしますが、SNSを介しての性被害について、どのような被害が生じているのか、懸念をするところです。
そこで、SNSを介して知り合った相手との、青少年との性的トラブルの実態について、こたエールで把握している内容について伺います。
○米今治安対策担当部長 都では、青少年のインターネットに関するトラブルや困り事の相談窓口として、こたエールを設置しており、令和四年度の相談受理件数は全体で千六百六十件となっており、このうち性的トラブルについては百八十七件でございます。
この窓口には、SNSで知り合った相手を安易に信用して、自らの性的な画像を送信したなどのトラブルに関わる相談が寄せられております。
○田の上委員 相談受理件数が全体で千六百六十件、そのうち性的トラブルは百八十七件とのことでした。
SNSの利用は低年齢化しており、容易に外部とアクセスができることが便利であると同時に、危険であります。
警視庁では、ネット上の不適切な書き込みに対して、個別に注意喚起や警告等を実施していると聞いておりますが、生活文化スポーツ局では、不適切な書き込みに対して対応しているのでしょうか。SNSに対してどのような取組をしているのでしょうか、伺います。
○米今治安対策担当部長 都では、こたエールによる相談対応等に加え、青少年または大人が青少年の性被害につながりやすい言葉をSNS等で検索した際に、危険性に関する注意喚起の広告が表示されるターゲティング広告を用いた啓発等を実施しております。
○田の上委員 注意喚起がされるようなターゲティング広告などの啓発を実施しているとのことであります。
治安対策というと、一言でまとめるのは大変難しいのですが、トー横の課題について伺いたいと思います。治安という言葉だけでは片づけられない問題と認識をしております。
文教委員会でのトー横キッズに対する対策についての質問では、関係機関からのヒアリング等を実施し、状況把握を実施しているという答弁がありましたが、それで実態把握ができているのか、さらに綿密な調査が必要ではないかと考えるところですが、見解を伺います。
○米今治安対策担当部長 本年七月に取りまとまった青少年問題協議会の答申では、トー横に滞留する青少年の被害体験等を含めた生の声を直接聞くこと等が提言されております。
今後、答申を踏まえ、実態把握の在り方等について検討してまいります。
○田の上委員 青少年問題協議会の中で、青少年の生の声を聞くことなどが提言されているとのことです。方法については今後の協議なのかもしれませんが、ぜひ問題の根幹が理解できるような調査をしていっていただきたいと思います。
補導をされたとしても、結局は一時保護所に連れられていきます。そこで一時保護所がいっぱいで帰宅するということの繰り返しの現状があるというふうに認識をしております。
そこで、保護者への支援も必要であります。
保護者に対してどのような対策をしていくのか、伺います。
○米今治安対策担当部長 答申では、青少年の保護者が悩みを抱えた際に適切な相談機関に相談できるよう、保護者に対する周知を行うことが必要である旨、提言されております。
都では、答申を踏まえ、今後、対策を検討してまいります。
○田の上委員 青少年の保護者が悩みを抱えた際に適切な相談機関に相談できるよう、保護者に対する周知を行うなどの必要があるというような提言があるということであります。
ただ、実際は、保護者から暴力を受けているなどの状況、家庭の状況により、居場所を求めてトー横に来る少年少女も少なくありません。本来は、児童相談所と連携を図りながら、家庭そのものの課題にも踏み込むことが大切だと考えております。あらゆる側面からの課題に向き合うべきと思っております。
警察の補導や児童相談所通告をしても、また同じ少年少女がトー横に戻ってきており、根本的な解決にはなっていないというふうに考えますが、東京都の見解を伺います。
○米今治安対策担当部長 答申を踏まえ、青少年の犯罪被害等の防止に向け、関係機関と連携して、都が実施する取組等について課題を整理してまいります。
○田の上委員 青少年問題協議会の答申を踏まえて、今後、課題を整理していくというご答弁でありました。
この問題というのは、生活文化スポーツ局だけではなく、警視庁や福祉局、教育庁、子供政策連携室などを含めて、関係する局が積極的に、また、協力をしながら取り組む課題であるというふうに考えております。関係機関との一層の連携を深めていただきたいと要望いたします。
次に、私学についてです。
私学助成については、毎年度、増額をされているものと認識をしております。特に用途の定められていない経常費補助につきましては、財務情報の公開が求められるものです。
私立学校法の第四十七条で、学校法人は、毎会計年度終了後二月以内に、文部科学省令で定めるところにより、財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書及び役員等名簿を作成しなければならない、また、前項の書類、第三十七条第三項第四号の監査報告書及び役員に対する報酬等の支給の基準を、作成の日から五年間、各事務所に備えて置き、利害関係人から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを閲覧に供しなければならないとされています。利害関係人からの請求であります。
都からの助成は大変大きく、利害関係人から請求があった場合のみの閲覧というものではなく、公に公開をするべきと考えますが、見解を伺います。
○戸谷私学部長 学校法人に係る財産目録等の情報公開につきましては、私立学校法の規定によるほか、各学校法人がそれぞれの考え方に基づき対応をしているところでございます。
○田の上委員 ご答弁をいただきました。法令の規定を超える部分の情報公開の宛先や対象、方法については、各学校法人による判断というようなことだと受け止めました。
私学への助成は様々な項目がありますが、全体で毎年二千億円を超える公費が投入されております。東京都から、もっと積極的な開示を求めることができないものかと考えます。
大学につきましては、かなり公開が進んでいるものと認識をしております。かなり前のデータも、今、説明させていただきますが、文部科学省の財務情報の公開のページでは、私立大学等の事務局長等を対象とした学校法人の運営等に関する協議会や私学関係団体の各種会議を通じて、機会あるごとに、財務情報の公開について積極的に対応するよう指導してきている、また、毎年、文部科学大臣が所轄庁である学校法人について財務状況の公開に関する調査を実施し、その結果を公表する際にも財務情報の一層の公開を求めており、その結果、各学校法人の情報公開に対する意識が着実に高まり、大分前ですが、平成十四年度において、何らかの形で財務情報の公開を行っている学校法人は、大学法人で四百四十五法人、短期大学法人等で百五十二法人、合わせて五百九十七法人で、全法人六百五十五法人の九一・一%になっているといった記述がありました。つまり、文部科学省では、何度も何度も求めてきた結果、大学における財務情報の公開が進んだのだということであります。
文部科学省のように、一歩踏み込み、私学に積極的な情報開示を求めることができる、東京都でもできるというふうに私は考えるのですが、都では、求めていくお考えというのはありますでしょうか。
○戸谷私学部長 ただいまお話のありました文部科学省が所轄庁である学校法人につきましては、私立学校法で情報の公開をしなければならないことが定められております。先ほどお話のありました財産目録ですとか貸借対照表、こういったものは、文部科学省所轄法人は情報公開しなければならないと定められております。
都道府県の所轄法人につきましては、先ほど申し上げたように、学校法人等に係る財産目録等の情報公開につきましては、私立学校法の規定によるほか、各学校法人がそれぞれの考え方に基づき対応をしていくものでございます。
○田の上委員 公開をしなければならないという状況ではありますけれども、その前の時点で積極的に情報公開を求めてきたという文部科学省の経緯を紹介させていただいたつもりであります。
そして、東京都も、今、義務化はされていないんだけれども、これは東京都の大事な公費がかなり多く投入されている事業であり、これは公開を求めていくということをしていってもいいのではないかと私は訴えているわけであります。ぜひ引き続きのご検討をよろしくお願いいたします。
次の問題に入ります。
都は、私立中学にも保護者負担軽減の助成を決め、今年度から実施をしていますが、この助成の必要性について伺います。
○戸谷私学部長 都内では、中学生の四人に一人が私立中学校に通っておりまして、全国平均の三倍を上回る割合であるなど、私立中学校のニーズが高い状況でございます。
また、都内の多くの私立学校で中高一貫教育を推進してございまして、中学入学の時点で、将来の進路を決める生徒や保護者が多くなってございます。
こうした東京における私学の特殊性を踏まえまして、厳しい家計状況にあっても、生徒一人一人が個性に応じた学校選択ができますよう、都独自の補助を実施しているところでございます。
○田の上委員 それでは、都内の私立中学校及び公立中学に通う生徒の割合をそれぞれ伺います。
○戸谷私学部長 令和四年度の都内の私立中学校に通う生徒の割合は二五・五%、国公立中学校に通う生徒の割合は七四・五%でございます。
○田の上委員 それでは、改めて高校の場合の授業料の保護者負担軽減及び学校への助成の理由についてお聞かせください。
○戸谷私学部長 私立高校の授業料の保護者負担軽減につきましては、家庭の経済状況に子供の学校選択が左右されることなく、希望する教育が受けられるよう支援するものでございます。
また、私立学校への助成は、学校の教育条件の維持向上、また、児童生徒の修学上の経済的負担の軽減、学校の経営の健全性を高めることを目的として実施しているものでございます。
○田の上委員 今、私立中学への助成の理由と高校の助成の理由をお聞かせいただきました。答弁のいい回しは違うのですけれども、子供の学校の選択が経済状況に左右されないようにということであります。
私立中学と高校の保護者負担軽減については、どちらも同じ理由ということでよろしいでしょうか、確認をいたします。
○戸谷私学部長 ただいま申し上げました高校の保護者負担軽減の補助金、それから中学の保護者負担軽減の補助金、基本的には、今、先生がおっしゃったような、学校選択の自由というものが経済状況に左右されることなく、希望する教育が受けられるようという意味では共通してございます。
ただし、私立中学校、それから高校、それぞれ取り巻く状況というのは異なる。私立中学校と、それから高校というのは、先ほど申し上げましたとおり、中学校は四人に一人という状況、それから、高校につきましては、都内の約六割の方が私立高校に通っているという状況の違いはございますが、趣旨としては、基本的には同じでございます。
○田の上委員 ご答弁いただきました。趣旨としては同じだということであります。
これまで私の認識では、都内の高校生の六割程度が私立に進学をしているということや、都立高校だけで、当初、全て受入れができなかった経緯から助成があるものだというふうに考えておりました。
今もおっしゃっていたのですけれども、割合が違うということで、中学生の場合は二五・五%が私学に通っているということであります。
そして、先ほど答弁の中でもありましたが、中学の場合、他府県と比べてニーズが高いんですよというようなお答えもありましたけれども、都立、私立に通う生徒の割合は、この場合、助成の理由に関係ないということでいいのでしょうか。改めて伺います。
○戸谷私学部長 高校の授業料保護者負担軽減、これはそもそも、国の就学支援金という制度、そして、それに加えて東京都の特別奨学金制度、こういったものを併せてやっておるという状況がございます。
先ほど申し上げた、私立中学校を都独自で行っているという理由の中に、そういった二五%、あるいは中高一貫教育であるという東京の特殊性があるということで独自補助を始めたと、こういうことでございます。
○田の上委員 ちょっと認識が違ったら申し訳ありませんけれども、今のご答弁では、二五・五%、私立中学に通っているということで、それも都としては一つ加味をして、それだけの子供たちが通っているので、他府県と比べてもかなり多いので、ニーズがあるので助成をしているというような、そんな認識なのでしょうか。
そうしますと、今後、例えば私立の小学校とかで割合が増えてきたであるとか、ニーズが増えてきたという場合に、そういった小学校も対象になってくる可能性があるというようなことでよろしいのでしょうか。
○戸谷私学部長 ただいまお話のありました私立の小学校、これ、都内では、小学校に行っている方のうち、約四%ぐらいいたんですね、今の段階。
そういった事情も踏まえまして、やはり中高一貫教育という現状があるというところも含めて、現段階では小学校への補助というものは考えてございません。
○田の上委員 つまり、二五・五%という数字、そこが境目になるかどうかは分かりませんけれども、その程度の数字があれば、助成の対象として考えていくというようなお答えなのかなというふうに思います。違っていたら首を振ってください。——あ、違いますか。
○戸谷私学部長 ただいま申し上げたとおり、都内の中学校の東京での特殊性、東京の私学の特殊性という意味で、その二五%であるということで、全国に比して高い比率である。これに加えて、中学校では多くの、中学入学の時点で多くが進路を決める、要は中高一貫教育を推進している私学が多うございますので、その時点で進路を決める生徒や保護者も多くなっている。こういう事情も勘案いたしましてスタートをした補助でございます。
○田の上委員 そうしますと、中高一貫教育の例もありますけれども、進路を中学校入学の時点で決める方も多いので、それも要因として考えたということでありますね。分かりました。はい。
私立中学に関しましては、都独自の補助を実施ということで先ほどご答弁をいただいておりますが、国では、平成二十九年度から令和三年度の五年間で、私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業が終了をいたしました。
国では、つまり実証事業で終わってしまったわけですが、都では必要だということで判断したわけであります。
国との見解の違いがあれば、教えていただけますか。
○戸谷私学部長 今お話のあったとおり、もともと、その国の実証事業というものがございました。これは令和三年度に終了してございますので、東京都といたしましては、そういった終了しているということで、やはり私立中学校への保護者負担軽減が必要だということで始めた制度でございます。
○田の上委員 よく分からなかったのですけれども、国での事業が終了したけれども、都では必要と判断して、都独自の支援を実施しているというようなことですね。——はい。
私立中学に関しての答弁では、生徒一人一人が個性に応じた学校選択ができるよう、都独自の補助を実施ということでありますが、学校選択におきましては、その他の学校を選択する場合もあると考えます。
私立中学生を対象とした助成制度は、インターナショナルスクールや中華学校、韓国学校なども対象となるのか、伺います。
○戸谷私学部長 私立中学校等特別奨学金は、学校教育法第一条に定める学校である私立中学校や私立特別支援学校の中等部などに在学する生徒を対象としてございます。
インターナショナルスクールなどの外国人学校は、学校教育法第百三十四条に定める各種学校であることから、補助対象とはしてございません。
○田の上委員 各種学校は補助対象としていないというお答えでありました。文科省の就学支援金の対象にはなっているけれども、都の対象ではありません、また、学校への運営費補助はしていますというようなことだと思いますが、個性に応じた学校選択とは、一条校のみにするということでありますね。なかなか都のはっきりとした考え方が、理解がうまくできません。
私立中学を選択する生徒は増えています。私も実際に感じています。今後も私立中学を選択する生徒が増えていくことだと思っております。
先ほど、人数の割合もちょっと加味しながらではありますがというような、ちょっと分からなかったのですけれども、今後、どういう場合に助成をしていくのかということを、ぜひ都のしっかりとした考え方を示していただきたい。そして、納得のいく公費助成ということで、これだけ公費が助成されているのはこういう理由だよということで、誰もが分かりやすく理解できるような形にしていっていただきたいというふうに要望いたします。
次に、国際スポーツ大会であります。
今後予定されている二〇二五年の世界陸上に都の職員を派遣されているのか、伺います。もしくは、もう既に派遣されているのでしょうか。
○三浦事業調整担当部長 都は、大会運営組織に対して、都のガイドラインを踏まえた運営が確保されることを前提に、人的、財政的支援等を通じ、必要なサポートを行うことができることと規定してございます。
こうした規定等を踏まえ、十一月一日現在、世界陸上財団に六十六人の職員を派遣しております。
○田の上委員 派遣されている職員について、管理職と一般職の人数の内訳を教えてください。
○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団へは、管理職二十一人、一般職員四十五人が派遣されております。
○田の上委員 現状は、管理職二十一人、一般職四十五人派遣されているということでありました。
管理職、一般職員を派遣している、それぞれの根拠法を教えてください。
○三浦事業調整担当部長 管理職につきましては、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律に基づく派遣法派遣を実施しております。
また、一般職員につきましては、地方公務員法第三十九条を踏まえた企業等派遣研修実施要綱に基づく研修派遣を実施しております。
○田の上委員 オリ・パラのときと同じでありました。管理職については派遣法派遣、そして、一般職員については研修の要綱でありました。
管理職、一般職の派遣に関し、取決め書などはあるでしょうか、伺います。
○三浦事業調整担当部長 管理職の派遣につきましては、職員の派遣に関する取決め書を世界陸上財団との間で締結しております。
また、一般職員の派遣につきましては、派遣研修に関する協定書を世界陸上財団との間で締結しております。
○田の上委員 研修で派遣される場合は、やはり研修ですので、上司に、研修の指導を受けて、そしてまた、研修が終わった後は報告書を出すものだと考えるのですが、研修派遣の職員については、今後、研修報告書を提出させるのでしょうか。
○三浦事業調整担当部長 研修派遣の職員につきましては、研修報告書を提出させることとなると認識しております。
○田の上委員 研修報告書を提出させるということであります。
オリ・パラの組織委員会に派遣されていたときのケースでは、研修報告書は、戻ってきた部署の上司に提出をしておりました。つまり、皆さん、様々な部署に戻っていきますので、研修報告書がばらばらで、どういう結果になったのか、研修結果で何を得られたのかというところがまとまらないのではないかというふうに考えています。
今後、本当に研修だということであれば、ぜひその研修報告書というものをしっかりとまとめて、それがどう生きたのかということを示していただきたいというふうに考えます。
現在、財団職員全体の何割が都の派遣職員なのか、また、今後はどのようになるのでしょうか、教えてください。
○三浦事業調整担当部長 財団の始動期の現時点におきましては、職員全体の約九割となっており、今後、財団において、大会開催に向けた準備状況等を踏まえ、必要な体制整備が検討されるものと認識しております。
また、専門性を必要とする業務への対応につきましては、財団において、人材の直接雇用の活用等を検討してまいります。
○田の上委員 今後、必要な体制整備が検討されていく、また、財団の方で直接雇用もしていくかもしれないというようなお答えだったかと思います。
私は、今の時点では約九割、都の派遣の職員で占めているということですが、その多くがなぜ研修派遣なのか、不思議であります。九割もの方々が東京都の派遣であれば、研修というよりは、むしろ戦力ではないかというふうに考える次第です。なぜこれを研修要綱としているのか。そして、研修であれば、お給料は都が負担するわけなんですけれども、本当にそのやり方でいいのかなというふうに考えております。
ガイドラインがあります。運営組織に対する都の在り方について基本的な事項を定めたものとのことでありますが、都の負担金についてご説明いただけますか。
○三浦事業調整担当部長 ガイドラインでは、大会運営組織において適正かつ効率的な運営が確保されることを前提に、大会運営組織からの求めにより、人的、財政的支援等を通じ、大会規模や態様等に応じて、必要となるサポートを行うことができることとしております。
○田の上委員 人的、財政的支援を通じ、大会規模や態様等に応じて、必要となるサポートができますよということでありますが、はっきりとしたところはよく分からないです。
では、世界陸上における都の負担金についてご説明いただけますか。
○三浦事業調整担当部長 世界陸上の事業費等につきましては、財団において今後検討されるものと認識しております。
○田の上委員 これも今後の検討ということであります。
都が、このスポーツの大会に対して、どのように関わっていくのか。全体でしっかりと支えていくのか。
そして、負担金もそうですけれども、人件費につきましては、都派遣という形で研修にしてしまうと、多分、各部署の管理費の中に組み込まれちゃうんじゃないかと思うんですけれども、そういった形だと、しっかりとした経理に反映されないんじゃないか、そんなふうに懸念をする次第であります。
経理について伺います。
経理については公開されるのでしょうか。保存義務についてはあるのでしょうか。
○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団は、本年七月の第一回理事会におきまして、本年度の事業計画及び予算を決議し、公開しております。
また、財団は、文書の保存について規定を定めております。
○田の上委員 ぜひ積極的な公開をしていっていただきたいというふうに思います。
そして、文書の保存については規定を定めているということでありますが、財団が解散するまで保存しているというのが解釈かというふうに思っております。
組織委員会の場合も、文書の保存が問題になり、都議会の方で条例をつくったという経緯もあります。
結局、その組織が解散されてしまうと、文書がもうどこに行ったか分からないということでは、やっぱりまずいわけであります。
オリ・パラのときも、組織委員会も、ちょっと文書、見つからないものとか公開されていないもの、今もたくさんありますけれども、また、招致委員会の文書なんていうのは、本当に見つからないわけであります。
ですので、これ、都が関わっていく、そして、都が負担金を出していく、都の職員を派遣していくということであれば、これは、しっかりと文書も含めて保存をしていく、そして、できるものを全部公開していくというようにお願いをしたいというふうに思っております。
文書の保存は大変重要だと考えているんですけれども、都の考え方について伺います。
○三浦事業調整担当部長 都のガイドラインの規定の実効性を担保するためには、文書の適切な保管、承継が重要であることから、大会運営組織が必要な措置を行うこととしております。
都は、今後、文書の保管、継承に向けて、世界陸上財団に対し、必要な助言を行ってまいります。
○田の上委員 ぜひ今までの様々な教訓を生かして、しっかりとした対処をしていただきたいと思いますし、世界陸上財団に対しても必要な助言ということですが、保管、継承に向けて、そのように進むようにしていっていただきたいと要望いたします。
最後に、ガバナンスについて、契約の公正性について質問をしたかったのですが、先ほど同様な質問がありましたので、割愛をいたします。つまり、ガバナンス確保に向けた取組について、厳正な契約手続のために、財団内外に外部専門家を含むチェック体制を構築しているというようなことであったかと思います。
オリ・パラの話にまた戻ってしまうのですけれども、現在もなお清算法人があります。そして、いつ解散できるかも分からない状態。そこにも都の職員が、一〇〇%だと思いますが、派遣されていて、お給料も出ているという状況であります。こういったことにならないようにしっかりと、ガバナンスに関して、そしてコンプライアンスに関して取組を強化していっていただきたいというふうに思っています。
最後に、DVについて伺います。DV相談です。
以前のDV相談というのはウィメンズプラザで行っていましたが、直接訪問していくか、電話相談でありました。そこで、私はよく話していたのですけれども、外国人の方で、例えば通信料が払えず、携帯電話もそのままでは通じない、ですので、無料でWi-Fiの通じるところにわざわざ行き、SNSか無料電話を使ってでしか、どこかに連絡を取れないというようなことがよくありました。そういった外国人の方の事例を挙げて、多言語対応とSNSの重要性について訴えてまいりました。
多言語によるDV相談の充実について、現在は何言語で対応しているのでしょうか。どのような形で通訳をしているのでしょうか、伺います。
○宮本男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザにおける外国語によるDV相談についてでございますが、現在、英語、中国語、韓国語、タイ語、タガログ語の五言語に対応してございます。
相談者からの電話相談に対し、相談員が通訳者に電話をつなぎ、相談者、通訳者、相談員で会話をしながら対応を行ってございます。
○田の上委員 以前、多言語化がスタートしたときと変わらないような体制でありますが、現在も五言語で対応できているという認識でよろしいでしょうか。——はい、うなずいていただきました。
私の周りには、外国人の方がたくさんいらっしゃいます。子供のお友達もたくさんいますけれども、ベトナムからいらした方や南米からいらした方などもいるんですけれども、今後、必要性に応じて、ほかの言語についても検討していただきたいというふうに思っております。
LINE相談につきましては、令和二年度の試行から数年がたちました。
DV相談件数は、電話や対面などを含め、令和四年度五千二百七十二件、令和三年度五千百九十六件というふうに聞いております。
LINE相談のこれまでの実績の推移について伺います。
○宮本男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、配偶者暴力やデートDV被害等に関して、年末年始を除く毎日、LINE相談を実施しております。
相談件数につきましては、試行実施をしました令和二年度は、三十一日間で三百三件、本格実施となりました令和三年度は千百九十三件、令和四年度は千九十一件となってございます。
○田の上委員 年末年始を除く毎日、LINE相談を実施していただいているということで、ありがとうございます。令和二年度は三十一日間という件数でありましたので、あまり参考にはならないのかもしれませんけれども、大体、千件を超える件数があるということであります。
相談者一人がLINE相談、電話相談、対面相談という形で徐々につながっていく場合もありまして、はっきりとした数というところではいえないのですが、LINE相談というのは、最初の相談をする一歩であるかというふうに思っております。
DVというのは家庭の中のことなので、外の方になかなか話せないというようなことがあります。ですので、まず第一歩である相談しやすい仕組みというところで、このLINE相談は有効であると思っております。この最初の相談の間口を広げることが大変重要だと思っております。
これからも多言語化とLINE相談のさらなる充実を求めて、私の質問を終わります。
○伊藤委員 それでは、私からは、まず外国人のお子さんの日本語支援の重要性について伺いたいと思います。
いうまでもありませんけれども、多くの外国人の方々が日本で就労されて、そして、お子さんを連れてくるケースも多くなっています。しかし、一方で、その地域地域において、お子さんたちの日本語力がないがゆえに、地域での学校での学習に支障を来しているという例がたくさんございます。
そういう中で、都は、地域のボランティア団体との連携を進めて、この間、多くのお子さんたちの就学援助に努めてこられたことと認識しています。
一方で、ボランティア団体の皆さんの限界というのも、さきのこの委員会での質疑の中でも、私の方から触れさせていただきました。私も、かつて日本語学校を経営していたことがありますけれども、日本語学校の中には、まさにプロフェッショナルな日本語教師がたくさんいます。こうしたプロフェッショナルな日本語教師との連携も重要ではないかということも、かつて、もう既に指摘をさせていただきました。
そこで、今日は現場現場が——基本的には小学校の中で起きている、そうしたお子さんたちの課題でもあります。そういう中で、区市町村と東京都とが連携をしませんと、このお子さんたちの就学支援、また日本語支援というのがなかなか進まないというふうに思います。
この体制づくりをぜひしていただきたいということを、かねてより要望してまいりました。この体制づくり、今、どのようになっているか、伺いたいと思います。
○山崎都民活躍支援担当部長 地域日本語教育に関します体制づくりにおきまして、区市町村に対しましては、日本語教育機関をはじめといたします各団体との連携の必要性について、区市町村連絡会の場などで説明してございます。
また、日本語教育振興協会の協力の下、意見交換ですとか説明会などを通じまして、日本語学校に対し、地域日本語教育の体制づくりの考え方について理解を求めているところでございます。
○伊藤委員 先般、そうした提案をさせていただいて、結果、日本語学校の校長先生を務めていらっしゃる方でもありますけれども、まさに日本語教育振興協会の役員も兼ねている方が、この意見交換会の場に入ったということで、ボランティアの方、また地域の方との意見交換が今後進んでいくことと期待をしてございます。
まさに、さっき申し上げたように、都と、そうした日本語学校あるいは地域のボランティア団体との連携も重要ですが、区市町村との連携がより重要でございます。
都として、今お話のあったような説明をするだけではなくて、区市町村が日本語教育支援をする上で、やっぱりこれは財政的な支援というのも必要になってくるのではないかと考えます。
この区市町村に対する財政的な支援というのは、今、現状どのようになっているのか、伺いたいと思います。
○山崎都民活躍支援担当部長 区市町村に対します地域日本語教育の財政に関する支援でございますけれども、文化庁を財源といたしております補助金を活用して支援しているところでございます。
現在、十の区市が申請をしているところでございます。申請して受けているところでございます。
○伊藤委員 今、国の補助についてのご説明をいただきましたが、とりわけてこの外国人のお子さんに対する日本語支援というのは、東京都内に偏在する課題でもありますことから、ぜひ都としての上乗せ補助、これも今後検討していただきたいということをこの場で要望をいたしたいと思います。
それから、区市町村に対しては、これは財政支援だけではなくて、例えばどこの地域にどの日本語学校があるかというのが、実は、今まで法務省さんだけが承知をされていて、これは非開示の情報でありました。ですから、例えば学校の中で困っているお子さんがいらっしゃっても、区市町村としては、どこどこに日本語学校があるから、例えば訪ねてみたらというような情報提供もできない状況にあったということであります。
そこで、私自身も法務省さんに働きかけをして、ぜひこれを東京都や区市町村に対しては情報開示をしてくれ、そして連携してほしい、こういうことをかねてからお願いをしてまいりました。
都にも、そういう意味では、法務省さんとの連携というのを促してきたわけであります。その対応結果として、どのようになったのか、伺いたいと思います。
○山崎都民活躍支援担当部長 昨年度、ウクライナ避難民を受け入れる際に当たりまして、法務省や日本語教育振興協会などの協力の下、受入れ区市に対しまして、日本語学校の情報を提供しているところでございます。
その際、ヨーロッパ系の生徒が通う学校が避難民にとっては比較的通いやすいというような、日本語学校を選ぶポイントも教えていただいておりますので、それも併せてお知らせしているところでございます。
○伊藤委員 情報が適切に提供されるようになったということで、大きな前進だと思います。含めて、先ほどの体制の中で様々な連携というのを強化していただきたいというふうに思います。
日本人が英語を使いこなすことも当然重要で、教育の中で、こういったものがより一層強化されていくということも重要だというのは、もういうまでもありませんけれども、同時に、日本語を使いこなす外国人が増えるというのは、これは日本への理解者が増えるということと同義でございます。
はっきりいって、私も日本語学校をやっていて思いましたけれども、これは外国人から見たら、非常に難解な上にも難解な言語だと思いますが、しかし、一方で、最も美しい言語であったり、あるいはまた、表現豊かな言語であるということも世界的に評価されている日本語だというふうに思います。
ビジネスマンにしても、我々が英語を使いこなすということも重要ですけれども、日本語を使いこなせるビジネスマンが一人でも増えるということは、これは間違いなく日本の経済にも資することですし、国力にもつながります。
親の都合とはいえ、日本に来て暮らすことになった外国人のお子さんにとってみれば、せっかく最高の日本語を学ぶ、これはチャンスでもあります。その期間に支援をする十分な行政支援がないと、逆に、日本語ができなかったことによって、日本の国内の学校でドロップアウトせざるを得なくなって、日本を嫌いになって帰ってしまうというようなこともあり得なくはありません。
ですので、ぜひ行政的な支援というのを今後もお願いしたいと思います。
そういう意味で、これは何度も申し上げていますが、ぜひ生活文化局の中で、日本語支援課でもいいですし、日本語学校課でもつくってください。これ、今、国の方では、政権与党も野党も含めた議員立法で日本語教育の支援法ですか、こういう議員立法なるものが最近できてきていますけれども、全国的には、まだこうした支援課というようなものが、例えば都道府県の中でできたという話は聞いたことがありません。ぜひ皆さん、全国に先駆けて、日本語支援課とかいうものを設置していただきたいということは要望しておきたいと思います。
それから、次に、美術館、博物館について伺います。
私は、今年は本当に様々な国と地域を回って、ルーブルだとかメトロポリタンとか、果てはなんていってはいけませんけれども、アブダビのアブダビ・ルーブルとか、様々なところに行ってまいりました。
どこの美術館に行っても、ある意味、どんどん近代的になっているなというふうに感じるのは、多言語対応しているデバイスが必ず用意されているということです。
既に、都内の、東京都の美術館や博物館においても多言語対応はされているというふうに承知していますが、例えばルーブル美術館では、面白くて、ニンテンドーDSという、あのぱかっというやつですね、上下に画面が開くものがありまして、それは、耳につけて、そして、マップがそこに表示されて、さながらリアルドラクエ状態を自分で体験できると。ですから、日本のDS、任天堂の製品が、そういう形で世界の方々に使われているというのを見て、誇らしくも思いました。
今、江戸東京博物館が改修中ですよね。その改修に当たっては、この情報通信や情報機器というものを整備して、江戸東京博物館を一層魅力的な施設にしていただきたいと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○富岡文化施設・連携推進担当部長 今回の改修工事では、通信の高速、大容量化や、館内の案内や展示情報のデジタル化、映像音響システムの更新などを視野に入れまして、最新の情報通信環境に適応できる基盤を整備いたします。
こうした整備を着実に進めまして、施設の魅力をより高められるよう取り組んでまいります。
○伊藤委員 自慢じゃないですけれども、本当にいろんなところに今年、行ってきまして、ただ、一番印象的だったのは、実は、エストニアのデジタル化が進んでいるといわれる、小さな国ですけれども、しかし博物館、それから、ニューヨークにある自然史博物館も行ってきました。そこの両方とも印象的だったのは、卓上のデジタルサイネージみたいなものがありまして、いろんなところにそういうものがあって、子供だましじゃなしに、お子さんも大人も、こうやったり、ああやったり、指で動かしながら、展示されているもの、それに対する解説があって、それに対する、ある種のクイズだったり、ゲームだったりみたいなものがあって、ここを動かしながら、まさにインタラクティブな博物館というのを上手につくっていらっしゃいました。これはすごく学ぶべきものがあるというふうに思います。
まず海外、私たちも何とか、コロナが少し明けてきて行けるようになりましたけれども、海外の美術館に生活文化局の皆さんにはぜひ行っていただいて、ご覧いただきたいというふうに思います。
それと、あわせて、デジタルサイネージのうまい使い方のもう一つとして、時代背景がどうしても外国人にとっては分からないような展示物というのも、過去に遡れば遡るほどいっぱいあります。それらの解説というのも、非常に上手にやっているところが多く見受けられました。
私は、かつて江戸東京博物館に行って、篤姫が乗っていたかごというのが、たしか、当時、展示されていたと思うんですね。それを見て、非常に——あの当時、たしか大河ドラマをやっていたので、時代背景は我々は分かりますよ。どういう方が、どういうかごに乗って、どういう用途で使っていたのか、また、どういう方々が担いでいたのかというのは分かるんですが、あれを外国人が見ると、かごという概念がない国や地域なんかはたくさんありますので、立派な陣かさをかぶったお侍さんたちが、かごを担いでいたなんていうシーンを想定できない方々がたくさん世の中にはいるわけで、ぜひ、そういう時代背景が分かる展示というのを、江戸東京博物館や美術館などでもしていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
そういう意味で、海外の事例もぜひ参考にしながら、来館者をより引きつけるような博物館になるような検討が必要だと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○富岡文化施設・連携推進担当部長 江戸東京博物館のリニューアルオープンに向けましては、国内外の施設のデジタル活用の先進事例も参考にしながら、子供や外国人観光客等が江戸東京の文化を楽しんで学べる機会を提供するなど、東京のアイコンとして、何度も訪れたくなる博物館となるよう検討してまいります。
○伊藤委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
続いて、少し季節が変わった中で恐縮ですけれども、暑さ対策について伺いたいと思います。
今年は、本当にとりわけて暑かったと思いますが、今年に限る話ではないので、質問をさせていただきます。
私、真夏に少年サッカーや少年野球も見に行ってきました。選手、子供たちについては、本当にあの暑い中ですけれども、保護者の皆さんとかチームが、氷のうを用意したり、様々な暑さ対策グッズを用意されている姿というものが見受けられたのですけれども、特に少年野球における審判。防具が風通しの悪いものですし、かなり厚みのあるものですし、多くつけていらっしゃるから、本当に暑いわけですよね。暑い中で、チームは、先ほど申し上げたように、保護者の皆さんがグッズを買っていらしたりしている一方で、審判員の方々の暑さ対策のグッズというのはお見かけしなかったんですね、当時。
これ、ぜひ、炎天下で頑張っていらっしゃる審判員や、野球に限りませんけれども、いわゆる競技団体、競技を支えていらっしゃるこういう方々に対する暑さ対策に、都として取り組んでいただきたいと思うんですけど、暑さ対策、都として検討すべきと思いますが、取組状況を伺いたいと思います。
○齊藤スポーツ担当部長 スポーツ活動を安全に実施するため、暑さへの対策を適切に行うことは重要であります。
都は、暑さ対策のため、地域のジュニアスポーツの裾野拡大を目的とした事業において、競技団体が審判員や指導者を含めた参加者の飲料やあめ、氷のう等を購入する経費を支援の対象としております。
また、指導者や地区スポーツ関係者等を対象に地域の体育協会が実施する熱中症予防講習会の開催経費も支援しております。
審判員等を含めた大会の参加者が、夏場でも安全かつ安心してスポーツができるよう、東京都体育協会加盟団体等の意見も踏まえながら、暑さ対策に取り組んでまいります。
○伊藤委員 ぜひ、今お話のあったような、体協さんともお話をしていただきながら、各競技団体が個別に補助申請できるような新しい仕組みを、暑さ対策としてつくっていただきますようにお願いをしたいと思います。
次に、海の森水上競技場について、一問だけ伺いたいと思います。
海の森水上競技場においては、もう既に、様々なところから様々な指摘をこれまでも受けてきたことと思います。競技が競技ですので、競技だけで大会会場の経費を賄うことはなかなか、今後、難しいだろうと思います。
そういう中でイベントを誘致するということになり、去年だったか、クロフェスとか様々なイベントが、ある意味でのあそこの場所の優位性を生かして実施されていて、こうしたものを今後も呼び込んでいくことが必要であろうと思いますが、イベントの開催、主催者などに伺いますと、一番の問題は、やっぱりアクセスの問題です。もちろん電車もありませんし、また、あそこは、自転車もたしか通れないんですよね。
というようなこともあって、やっぱりこれはもう、バスでターミナルの駅から運ぶ以外にないんだろうというふうに思いますが、そのターミナルの駅といっても、便利な駅じゃないと、やっぱり大量輸送がなかなかかないません。
これは、品川駅とか東京駅というのがやっぱり、新幹線のことを考えても飛行機のことを考えても、非常に利便性が高いので、ぜひバスのいわゆるステーションみたいなものを、本来であれば造って用意をして、この辺の輸送力を高めるべきだというふうに思うんですが、既にこれも提案させていただいたことでもあります。
現在の都の取組状況を伺いたいと思います。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 都は、この間、イベント主催者への支援のため、東京駅などのターミナル駅周辺で大型バスの発着が可能な場所に関する情報や、駅周辺でバスを発着しているバス事業者へ輸送業務を委託する方法などの情報を収集してきました。
今後、こうした情報やノウハウを蓄積し、イベント主催者の希望に応じて一覧などで提供することで、施設の一層の利用促進を図るとともに、来場者の利便性を高められるよう、指定管理者と連携して取り組んでまいります。
○伊藤委員 さっき、本当は専用のステーションを造れるといいと申し上げましたけれども、東京駅にしても品川駅にしても、もう様々な施設があって、そう簡単に、多分、道路上に専用のステーションを造ることは容易じゃなかろうというふうに思います。思いますので、特に東京都の政策連携団体の中に、例えばはとバスとかがあって、はとバスさんが占用に近い形で使っているようなターミナル駅の駐停車場というのがあるわけですから、こういうところと積極的に連携をして、イベント主催者の人たちや、また、イベントを見に来る方々に不便な場所で行われるなというふうに思われないような、ぜひしつらえというんですかね、準備というものをしていただきたいというふうに改めて申し上げておきたいと思います。
ちょっと足早に申し上げてまいりましたが、最後に、パラリンピック並びにパラスポーツイベントについて伺いたいと思います。
東京二〇二〇大会は、オリンピック、パラリンピックということで、東京で世界で初めて二度目のパラ大会が行われた都市として開催され、無事成功に終わりました。
このパラムーブメントを一過性に終わらせることがないようにということで、とりわけてパラリンピックの開会式だった八月二十四日という日をメモリアルに残すために、この八月二十四日に周年イベントをするべきだということを再三申し上げてまいりました。
今年は二年目ということで、二年目の周年行事を、まさに八月二十四日、ここ都庁の前の通りで行っていただいたわけですが、このイベントの成果について伺いたいと思います。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、東京二〇二〇パラリンピックが開幕した八月二十四日に、東京大会の感動と記憶を未来に継承するイベントを都庁周辺で開催いたしました。
都庁通りで車椅子レーサーとタンデム自転車の競技デモンストレーションを開催したほか、都民広場や都民ホール等で競技体験やアスリートのトークイベントなど、パラスポーツの魅力を体感できる取組を行いました。
また、白杖を用いた視覚障害体験や補助犬によるデモンストレーションなど、障害理解を深めるための取組も行ったところでございます。
当日は、延べ四千二百人が来場し、アンケートでは、参加者の九八%がパラスポーツに関心を持ったと回答しております。
イベント参加者からは、パラスポーツの体験をして身近に感じることができた、白杖の講座や盲導犬について学べてよかったなどの感想が寄せられました。
○伊藤委員 私も拝見してきました。そういう意味では、アスリートの方々が都庁の前の公道を使ってデモンストレーションを行っていただいたことによって、車椅子競技の躍動感とか迫力みたいなものがリアルに伝わってきて、無観客で見られなかった方々にとっても非常によかった、こういうふうに思います。
あわせて、ちょっと印象として受けたところは、やっぱり都庁の目の前の公道ですから、決して回遊性が高いところではないので、関心のある方が来てくださったんだなという印象もございました。で、これはやっぱり、来年以降、どういうふうにやっていくかということが非常に重要だというふうに思います。
そういう意味では、これまで八月二十四日ということに随分こだわって、私どもも提案をしてきましたけれども、ぜひこれは周年行事としてはやっていただきたい。ただ、これ、八月二十四日って、必ずしも土日になるわけでもないですし、そういう意味では、やっぱり週末の方が人はいろんなところに出ていますし、それからまた、回遊性の高いところでやるということが人の目に触れるというふうに思います。
ですので、来年以降、ぜひ、日にちにかかわらず、むしろ多くの方々が集まる曜日、集まるエリアというものを選考していただきたいというふうに重ねて要望したいというふうに思います。
この回遊性の高いエリアというのは、どこのことを指すかといえば、例えばですけれども、都内には週末にホコ天をやっているところが幾つもありますし、そういうところですと、公道を止めて、まさにパラアスリートの皆さんに車椅子を使ってデモンストレーションをしていただくことも可能であろうかと思います。
こういうところで、やっぱり東京の文化性の高さ、それから、パラアスリートに対する理解力の高さというものをぜひ証明していただきたいということをまず申し上げたいと思いますが、これらについて所見を伺いたいと思います。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都はこれまで、八月、九月をパラスポーツ月間と位置づけ、パラリンピック周年イベントだけでなく、都内商業施設等で競技体験や展示を企画、展開するなど、パラスポーツの普及に取り組んでまいりました。
来年度はパリ大会が開催されます。このパリ大会の開催により、パラスポーツへの関心が高まることが見込まれるため、日頃、パラスポーツへの関心の薄い層に働きかける好機であると認識しております。
周年イベントを含め、来年度の事業実施に当たっては、関心が薄い層にも気軽に参加していただけるよう、大勢の人が集まる場所や実施時期を改めて検討し、さらなるパラスポーツの普及に向けて取り組んでまいります。
○伊藤委員 ぜひお願いしたいと思います。歩行者天国などということで、これらも検討に加えていただいて、そしてまた、東京都が直接的にやるということも重要ですけれども、やはり、こうしたパラスポーツイベントを、ぜひ我がまちでやりたいと思うような区市町村の自治体を募ることも重要ではなかろうかと思います。そういう意味で、ぜひ区市町村にも声をかけていただいて、こうしたエリア、また曜日というものを、日時というものを選定していただければと思います。
ちなみに、私、この間、それこそ、そのパリに行ってきましたけれども、非常に文化性が高いですし、やっぱりすごい、すばらしいまち並みで、様々なものを目にさせていただきましたが、少なくてもハード面においてといったときに、パリの中心地が必ずしもバリアフリーになっているかといったら、私、東京の方がはるかに進んでいると実感しました。
それは地下鉄が最たる例ですけれども、ほとんどエレベーターはついていないし、エスカレーターもついていないです。これから多分、パリはパリでいろんなことに取り組まれるんだと思いますけれども、ハード面については、本当に、この東京二〇二〇大会を通じて、先進性というものがすごく確保されたと東京は思いますけれども、ただ、心のバリアフリーというんですかね、ハードだけじゃなしに、ソフトの面でのバリアフリーというのは、やっぱりこれからまだまだ日本は追求していかなきゃいけない、東京は追求していかなきゃいけない側面がたくさんあるんじゃないか。先ほど、龍円さんの質疑でもあったと思います。
そういう意味で、このパラスポーツを、より東京都内、そして、ひいては日本全国に根づかせていくために、一層の取組が都として必要と思いますが、生活文化スポーツ局長の決意を最後に伺って、質疑を終わらせていただきたいと思います。
○横山生活文化スポーツ局長 東京二〇二〇パラリンピックを契機に高まったパラスポーツへの関心と応援の機運を、大会のレガシーとして社会に定着させることが非常に重要でございます。
都は、障害のある人もない人も、誰もがスポーツを楽しむことができる環境を構築するため、幅広いパラスポーツの普及や、障害のある人のためのスポーツの場の確保などに取り組んでおります。
ただいま八月二十四日の二周年の取組について取り上げていただきました。また、先ほども話題として取り上げていただきましたが、十一月五日には、東京体育館でBEYOND STADIUMを実施いたしまして、ボッチャ大会とパラスポーツの体験会ということで、非常に盛況を博しておりました。
こうした行事につきましても、都度、工夫、改善を加えながら、また、イベントだけでなく、様々な普及啓発、広報なども活用しながら、二年後に東京で開催するデフリンピックも見据えまして、都民のパラスポーツへの関心、理解を一層向上させ、障害の有無にかかわらず、共にスポーツを楽しむことを通じて、共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
○鈴木委員 よろしくお願いします。
初めに、町会、自治会に対する支援について伺わせていただきます。
東京都内には、町会、自治会などの地縁団体の数、約九千弱あると思いますが、私が住む台東区では、百九十八の町会が、犯罪からまちや人を守るための防犯パトロール、催事での自主警備、運動会、餅つきなど住民相互の親睦を深める行事などを行い、地域の安全・安心の確保や、人と人とのつながりづくりにも貢献をいただいております。
新型コロナウイルス蔓延時では町会活動も止まってしまっていましたが、本年五月からは、新型コロナが感染症法上の五類に扱いが変わったことで、地域活動がようやく活発になってきている中、その後押しを都としてもしっかり行っていくべきだと考えます。
そこで、まず初めに、町会、自治会活動を支援する地域の底力発展事業助成の令和五年度の実績と、昨年度と比較した状況について伺います。
○柏原都民生活部長 地域の底力発展事業助成は、地域活動の担い手でございます町会、自治会が行う地域の課題を解決するための取組を推進し、地域力の向上を図る目的で実施しております。
今年度現在、三百七十一の町会、自治会の支援が決定しており、昨年同時期の二百五十件と比べ、百二十一件増加しております。
○鈴木委員 この地域の底力発展事業助成では、初めて申請する町会、自治会は、特例として助成率が十分の十になると思いますが、三百七十一件のうち、初めて申請を行った町会がどれぐらいあったのか、教えてください。
○柏原都民生活部長 今年度は、初めてこの助成の申請を行った町会、自治会及び連合組織が五十三件ございまして、昨年度の四十件に比べて、十三件増加しております。
○鈴木委員 今回、五十三件の町会、自治会等が、初めて地域の底力発展事業助成を活用して地域活動を行ったとの答弁でありましたが、この制度を活用し、町会、自治会が新たな活動に挑戦や活動を充実させることが期待されています。都として、この助成制度の活用が広がるようにしっかりと取り組んでいくことを求め、次の質問に入ります。
東京都は、今年度から結婚支援マッチング事業をスタートさせ、十月には交流イベントとウェブ相談を開始しておりますが、まずは、結婚支援マッチング事業の狙い、そして、交流イベント、ウェブ相談の取組状況について教えてください。
○山崎都民活躍支援担当部長 都は、婚活にちゅうちょしている方が活動を始められますよう、従前の機運醸成に加えまして、新たに結婚支援マッチング事業をスタートさせたところでございます。
十月には、浅草から水上バスで都立潮風公園に行きましてバーベキューを行う交流イベントを実施し、五十二名の方が参加されました。また、イベントの開始時には、コミュニケーションに関するミニセミナーも行っております。
ウェブ相談は、本人、親など、誰でも結婚、婚活に関する幅広い悩みをオンラインで気軽に相談できる窓口として設置しております。十月十二日に開始いたしまして、十一月十四日までの予約件数は二十四件となっております。
○鈴木委員 交流イベントや相談は、順調にスタートしているというふうに見受けられます。
東京都は、今後、AIマッチングシステムを開始すると仄聞しております。最近では、マッチングアプリで出会った人と結婚するケースが増えていると聞きますが、まだまだ婚活をしたくてもできていない人も多いように思いますが、都が行うことで安心感を与え、婚活をやってみようというような形でつながることもあるかと思います。
一方で、これは私の個人的な意見ですけれども、行政の守備範囲というものがあると思います。こういった予算を使って行政がやることなのかどうなのかという部分もちょっと引っかかるところは、私、ありますが、また、マッチングアプリを使って出会った人に知らない店に連れていかれてぼったくりに遭う、投資を持ちかけられるなどの被害に遭ったという報道もよく聞きます。婚活していない人をさらに不安にさせてしまう懸念もありますので、そこで伺わせていただきます。
東京都は、今後、AIマッチングシステムを提供するに当たり、どのような対策を行っていくのか、伺います。
○山崎都民活躍支援担当部長 都のAIマッチングシステム開始時には、申込み時に独身証明書などの提出を必須化するとともに、面談を行うなど、民間よりも厳しい条件とすることとしております。
今後、利用開始に合わせまして、投資の勧誘があった場合はきっぱり断るなど、注意点の周知を徹底するとともに、万が一、詐欺などの疑いがあった場合につきましては、すぐに結婚支援ウェブ相談ですとか消費生活総合センターに相談するように周知徹底を図ってまいります。
○鈴木委員 勇気を持って活動を始めた方が、トラブルに巻き込まれ、やる気をそがれることがあってはならないと思います。今後、実際に事業を進めていく中で、実施主体となる都が責任を取らなくてはいけなくなってしまうケースがないように、しっかりと対策を行ってもらいたいと思います。
次に、パラスポーツの振興について伺います。
二〇二〇大会を通じて、パラスポーツの認知度は向上し、共生社会への関心も大きく高まりました。しかし、大切なのは、この機運を一過性のものに終わらせず、レガシーの定着に向けて取組を続けていくことだと考えます。
私の住む台東区では、大会のレガシーを継承してパラスポーツの普及促進を図ることを目的に、スポーツの祭典、パラリンピック編を実施しています。今年は八月十九日に開催し、私も参加させていただきましたが、パラアスリートをゲストに迎えて様々なパラリンピックの種目を体験できる場で、多くの区民が参加しておりました。
また、障害者を含め、誰でも気軽に参加できる障スポチャレンジという教室を毎週実施するなど、継続的なスポーツの場の提供にも努めています。
こうした取組が、住民に身近な地域で継続して行われていることが重要だと考えております。
そこで、東京都は、区市町村が取り組むパラスポーツ振興の取組に対して支援を行っておりますが、大会開催年度である令和三年度以降の補助実績について伺わせていただきます。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、障害者のスポーツ実施率やパラスポーツへの関心度向上に資する区市町村の取組に対し、補助を行っております。
令和三年度は、都内三十九自治体九十二件、令和四年度は、四十二自治体百十四件の事業に対し、補助を行いました。
今年度は、十月末現在で、既に、自治体数と事業数において昨年度実績を上回る申請をいただいております。
事業内容としては、パラスポーツの普及イベントや知的障害者のフットサル大会、ボッチャや車椅子陸上のスポーツ教室などでございます。
○鈴木委員 令和三年度以降、コロナ禍の影響で事業の縮小があった影響があったにもかかわらず、取組は各地で継続して行われているということを確認させていただきました。今後は、二〇二五年デフリンピックの東京開催を見据え、さらに身近な地域でパラスポーツに親しめる場が増えていくよう、区市町村に対する支援を強化していただくことを要望しておきます。
また、パラスポーツを実施する場や機会が増えていることは評価できますが、加えて、大切なのは参加者層ではないでしょうか。台東区を含め、自治体の担当者からよく聞く話でありますが、パラスポーツのイベントや教室を開催しても、障害当事者の参加が少ない、参加があっても、毎回同じ人で固定化しているという悩みです。ここで、地域のスポーツの場に来ない障害者が大勢いるということ、そして、その方たちが抱える背景に目を向ける必要があると考えます。
その一つの方策として、我が会派はこれまで、スポーツ部門が障害福祉の現場の声をよく聞いて取組を進めることが効果的だと指摘させていただき、都はそれに応えて、区市町村の補助制度の中に、多様な分野が協働して行う事業への支援メニューを令和四年度から追加されました。
このメニューを入れてから、今年は二年目になりますが、スポーツと多分野が協働して行う事業に申請している自治体の現在の取組の状況について伺わせていただきます。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、福祉関係者や医療関係者等とスポーツ関係者が協働して行う事業に対して補助を行っております。
事業内容としては、イベントに際し、福祉関係者の意見を基に、スポーツが苦手な障害者も楽しめる種目を取り入れたり、最寄駅から会場までの誘導を行うサポーターの配置等に取り組んだ地域がございました。
また、イベントにおいて、理学療法士が体の動かし方の相談等に応じる事例がございました。
こうした好事例については、区市町村との会議において紹介するとともに、東京都障害者スポーツ協会による助言も併せて行い、スポーツ部門と福祉部門との連携が広がるよう取り組んでおります。
○鈴木委員 障害福祉の現場ニーズを踏まえた取組が広がっていることが分かりましたので、私は評価したいと思います。
ぜひこうした取組をほかの自治体に広げていただきたいところですが、区市町村の現場に対し、接点が少ない部門同士の連携を促すことは容易なことではないと考えます。取組を後押しするには、会議等での補助制度の周知はもちろん必要でありますが、単に外から働きかけるではなく、都自らがモデル事例をつくり、その効果や具体的な方法を示していくことも有効な策だと考えます。
そこで、都は、三月の文教委員会で、スポーツへの関心が低い人にも、慣れた場所で安心して楽しめる環境を提供することで、気軽に運動に取り組んでいただく事業を今年度から開始するとのことでした。
この事業の現在の取組状況について伺います。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、今年度、福祉作業所など十二事業所を対象に、運動の習慣化や地域のスポーツ施設利用のきっかけづくりに取り組んでおります。
具体的には、各事業所に対して、全十回程度、指導者を派遣し、利用者の障害特性に応じた運動プログラムを提供することとしております。
この間、施設職員からは、運動が苦手だった利用者が運動を楽しみにするようになった等の声が聞かれたほか、利用者が自主的にボッチャの練習を開始し、地域の大会に出場する事業所もございました。
今後は、参加事業所の近隣のスポーツ施設等で運動プログラムを実施していくこととしております。
さらに、地元自治体やスポーツ関係者に、こうした取組への関与を促しており、障害福祉の現場の声を踏まえた取組を行うきっかけづくりや参加者の掘り起こしにつながるよう支援を行ってまいります。
○鈴木委員 スポーツや運動に関心のなかった障害をお持ちの方も、この取組を通じて体を動かす楽しさを知り、将来的には、地域に出かけて、日常的にスポーツを楽しむようになることを願います。そのために、まずは現場からスポーツと福祉の連携が始まり、将来的には、その自治体の中で行政を含めた連携の輪が広がっていくことを期待しております。
今後も、様々な背景を持つ障害者のニーズに寄り添ったスポーツの場を都内各地で増やしていくために、都が積極的に区市町村と連携して環境整備を進めていただきたいと思います。終わります。
○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩といたします。
午後五時四十五分休憩
午後六時五分開議
○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○かまた委員 それでは私からも、初めに、町会、自治会への支援についてお伺いをしますが、一問目と二問目は省略をさせていただきまして、要望のみをさせていただきたいと思います。
都は、地域の底力発展事業助成を設けまして、あらゆる活動でこの事業助成が活用できますように、事業区分を工夫するなど、事業のスキーム改善にも取り組んでこられました。私も、町会の方から、直接、この事業は本当に助かっているという声をいただいておりまして、板橋区がこの助成の恩恵を受けていることを実感しております。
また、今年は、昨年に比べまして一・五倍の申請があったということで、本当に地域活動が活発になっているなということを感じますけれども、実は、私のところに別のご要望がありました。それは、地域によっては、町会や自治会組織がないため、自主防災組織のみがある、そういう活動をしている地域がありますけれども、このような地域でも何か活用できるような、そういう支援をつくっていただき、そういうスキームづくりを、ぜひ今後、推進させていただきたいことを要望させていただきます。
また、この地域底力発展事業助成に関しましては、町会、自治会の皆様から、申請書を作成するのが面倒だというご要望がありました。このことも、先ほど別の委員が質問しましたので、質問は省きますけれども、このサポートシステムにつきましては、申請書の作成を手助けする仕組みとのことですので、実際の申請では、印刷の上、押印をして提出することが必要になってくると伺っております。ぜひ将来的にはオンライン上で申請が済むように、取扱いが変わっていくことも要望させていただきます。
そして、こうしたオンラインの仕組みの活用が進むためには、デジタルデバイド対策が重要となります。
我が党も、この重要性を鑑みまして、様々な場で対策が進むように質問を重ねてまいりましたけれども、地域に根差した町会、自治会の活動を通じた取組も効果的だと考えております。
そこで、町会、自治会を通じた支援策であります、講師おまかせスマホ教室の事業の内容と、今年度の申請状況についてお伺いをいたします。
○柏原都民生活部長 講師おまかせスマホ教室は、スマホを使ったことがない方や操作に不慣れな方に対し、楽しみながらスマホや各種アプリを体験し、学んでいただくことができる教室の開催を支援するものでございます。
今年度、これまで、九十三の町会、自治会の方にご利用いただいておるところでございます。
○かまた委員 このスマホ教室は、町会、自治会が場所を用意すれば、そこに講師が来てくださるという、住民同士が交流をしながらスマホの使い方を学べる仕組みとなっておりますので、ぜひ今後も引き続き進めていただきたいと思っております。
また、町会、自治会の中には、参加者を集めることに苦労したところもあると伺っていますけれども、デジタルデバイド対策を進めるためには、今後、必要なこととして、教室に来られない方々へのデジタルデバイド対策支援も重要だと私は考えております。ぜひ今後も、全ての対象の方々に対しての支援を進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、町会、自治会の中には、スマホ教室もそうですけれども、活動の意欲があるものの、担い手が不足しているなどの理由で一歩踏み出せない町会もあります。
こうした町会を支援するため、都では、町会・自治会応援キャラバンという事業に取り組んでおりますが、町会・自治会応援キャラバンの概要と、具体的な取組例についてお伺いをいたします。
○柏原都民生活部長 町会・自治会応援キャラバンは、つながり創生財団と都が実施しているものでございまして、担い手の不足などの課題を抱えている町会、自治会が、多様な主体との連携協力により運営力を強化していくことや、新たな活動を通じて加入促進などにつなげていくことを支援するものでございます。
今年度は、例えば、公営住宅の団地の自治会が、家具の転倒防止対策の重要性などを知ってもらう防災ミニイベントというものを開催しております。
○かまた委員 新しいことをやろうと考えていても、なかなか担い手が集まらないなど、苦労している地域の方々にとっては、この事業は本当に効果的だと思います。こうした都の支援が今後もさらに広がっていくよう、事業のさらなる周知を期待して、次の質問に移らせていただきます。
続きまして、地域日本語教育についてお伺いをいたします。
都内には、日本語を母語としない外国の方々が多く住まわれており、我が党は、学校現場における支援については、何度も質問を重ねてまいりました。そして、都立学校においては、支援体制の構築がかなり進んでおります。
しかしながら、本来、日本語教育は、学校現場だけではなく、行政や地域も確実に取り組むべき課題であると私は考えています。
先日、地元の板橋区で、日本語指導のボランティアや日本語学級の指導に携わる方々とお話をしました。そうしましたら、その方々から、ボランティアが運営する日本語教室だけでは十分ではないとか、行政側にもっともっと支援をしてほしいという声をいただきました。
都は、地域日本語教育を推進するため、今年の三月に、東京における地域日本語教育の体制づくりのあり方を取りまとめたとのことですので、支援の方向性について確認をさせていただきます。
まず、このあり方において、各地域での体制づくりが進むよう、体制づくりに必要なものについてどのように整理をしたのか、今年度の検討内容についてお伺いをいたします。
○山崎都民活躍支援担当部長 区市町村が体制づくりに取り組む際には、初期日本語を保障するとともに、外国人が地域とつながりを持つことの二つの視点を持ちまして、行政主体による日本語教育の実施と、地域資源の把握などを必要な要素として、あり方の中で整理してございます。
今年度は、本あり方を踏まえまして、体制づくりを進める上で必要となる人材について検討しております。
検討の中で、求められる人材といたしまして、各地域の実情に応じた体制づくりを進められること、地域の様々な主体と連携して取り組めること、日本語教育の専門性を持っていることなどが挙げられております。
○かまた委員 初期日本語を保障すること、そして、外国の方々が地域とつながるようにすることを区市町村が主体となることは、本当に重要であると思います。まさにそれが、日本語教育に携わっておられる方々の願いでもあります。
しかしながら、区市町村には数多くの課題が投げかけられているため、地域の日本語教育の推進につきましても、都やつながり創生財団が区市町村での体制づくりを担う人材の育成やサポートを行うべきと考えますが、見解を伺います。
○山崎都民活躍支援担当部長 都は、つながり創生財団と連携し、文化庁の補助金を活用し、体制づくりを進めている十区市の地域日本語教育コーディネーターに対しまして、他の区市町村などの事例の共有や、コーディネーター同士のつながりもつくるなどの支援を行っております。
今後は、地域日本語教育のあり方に基づきまして、地域の様々な主体との連携の必要性や方法などについてアドバイスや研修を行うなど、体制づくりを担う人材をサポートし、区市町村の取組を後押ししてまいります。
○かまた委員 ありがとうございます。ぜひ引き続き、区市町村への力強い後押しをお願いいたします。
では、続きまして、特殊詐欺対策についてお伺いをいたします。
先日、私の地域にお住まいの九十歳の方が、特殊詐欺被害に遭ってしまいました。その方はお独り暮らしでありまして、おかしいなと思ったとき、近くのご友人に相談をしたそうでありますけれども、その方も高齢だったということもありまして、最終的には被害を受けてしまいました。
私は、今回、改めて、犯人に対して非常に憤りを感じましたし、特に高齢でお独り暮らしの方々を守る手だてを講じなければならないと強く実感をしております。
現在、オレオレ詐欺などの特殊詐欺につきましては、都内における被害認知件数及び被害額は依然として高い水準を推移しております。本年九月末現在にあっても、認知件数こそ前年比から減少しているものの、被害総額は約五十七億円と、前年より約十億円の増加に転じており、極めて深刻な状況であります。
被害が減少しない背景には、犯人グループが規制を逃れるため、新たな手段や手法を駆使しているからだと思われます。
そこで、特殊詐欺の新たな犯行ツールや手口については、先ほど別の委員からも質問がありましたので、省略をさせていただきますけれども、サポート詐欺が増加したり、国際電話が悪用されているとのことで、このように、日々、巧妙化する犯人グループの手口や被害防止対策について、高齢者をはじめとする都民の方々へ周知、啓発を行うことが極めて重要であります。
そこで、現在、都が取り組んでいる特殊詐欺の被害防止対策についてお伺いをいたします。
○米今治安対策担当部長 都では、被害者の八割以上が七十歳以上の高齢者であることに鑑み、この層を中心に、新たな手口の特徴や具体的防止策をまとめたリーフレットの配布、演劇によって手口等を再現する実演式防犯講話を実施しております。
また、高齢者が集まるイベント等に講師を派遣し、実際に詐欺の電話等の体験をしてもらう啓発事業も実施しております。
引き続き、区市町村や警視庁等、関係機関と連携を図りながら、被害防止に向けた取組を推進してまいります。
○かまた委員 電話での体験啓発もしてくださっているということですけれども、私の地域で被害に遭われた方も、最初のきっかけは電話によるものでしたが、詐欺の電話は、八割以上が自宅の固定電話にかかってくるとのことです。
都が配布をしておりますリーフレットでも紹介をされておりますが、知らない番号からの電話に出ないための対策としまして、NTT東日本が、七十歳以上の高齢者や同居の家族を対象に、ナンバー・ディスプレイやナンバー・リクエストの月額利用料を無料にする取組を実施しております。被害者の多くは高齢の方々でありますので、この取組は極めて有効であります。
都におかれましては、防犯対策の周知、啓発を効果的に実施していただきまして、高齢者をはじめとする都民の方々が、例えば、近所でお会いをしてお話をしているときも、また、家族の皆さんが集まって話をしているときも、顔を合わせれば防犯対策の話が自然に出るような、そんな状況を目指して啓発活動を進めていただきたいと思います。
また、今後、高齢の方が増えることを踏まえまして、都民お一人お一人に届く被害防止対策の検討を続けていただきたいことを要望しまして、次の質問に移らせていただきます。
続きまして、私の方からも、結婚支援マッチング事業についてお伺いをいたします。
今でこそ、この事業は、都も力を入れて推進をしてくださっている事業でありますけれども、平成二十四年の予算特別委員会で、我が党の先輩であります栗林元都議会議員が、就職活動については、ハローワーク等での公的支援があるけれども、結婚支援については、いまだ支援がない、だからこそ結婚支援事業が必要だと訴えました。しかしながら、当時は、担当の部署もなく、質問したくても答弁していただけないという、そういう状況でありました。
そして、あれから十一年がたちまして、結婚支援は、課題の一つとして重要視をされるまでになりました。
今年度、都は、結婚を希望しているものの、婚活をしていない方を対象に、結婚支援マッチング事業や交流イベント等を立ち上げまして、第一回の交流イベントは十月二十八日に行われたとのことですけれども、交流イベント事業の狙い、また、実施に当たってはどのように周知をし、参加者は予定どおり集まったのかについてお伺いをいたします。
○山崎都民活躍支援担当部長 都は、結婚に向けて活動していない人に活動のきっかけを持ってもらうことを目的に、交流イベントを開始しております。
このイベントでは、自然な交流が図れるアクティビティーなどを盛り込んだ企画とするとともに、申込み時に独身証明を取るなど、活動に不慣れな人が安心して参加できるようにしております。
第一回のイベントでは、浅草から水上バスで都立潮風公園に行きましてバーベキューを行っております。また、開始時にコミュニケーションに関するミニセミナーを行うなど、気軽に参加できるようにしております。
参加者募集に当たりましては、都のポータルサイトやSNSでの発信に加え、区市町村窓口にチラシ配架の協力依頼などを行い、定員を上回る申込みがございました。
○かまた委員 まだ一回の結果ではありますけれども、定員を上回る申込みがあったとのことで、ニーズが十分にあるということがうかがえます。
都が、婚活のきっかけをつくっていく一歩を踏み出したい方々を後押ししていくという、この事業の目的を私は評価しております。
私の地域では、結婚相手を見つけられないと悩んでいた方の声を受けまして、個人的にNPO小さな奇跡という会を立ち上げて、十四年間もの長きにわたり、こつこつとご自身で出会いの場をつくってくださっているという、そういう先輩がいらっしゃいます。
都で進めてくださっているこの結婚支援マッチング事業に参加をした方が一歩を踏み出せて、そして、このような地域の出会いの場にも参加することで、ますます社会全体での結婚を応援する機運が高まるというふうに思いますので、ぜひ引き続き、本事業を意欲的に進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、続きまして、公衆浴場の利用促進についてお伺いをいたします。
先日の決算特別委員会でも、我が党からしっかりと質問させていただいたところですけれども、公衆浴場の価値は大きいと私も考えますので、質問させていただきます。
まずは、都としまして、公衆浴場の利用促進に向けてどのような支援を行っているのかについてお伺いをいたします。
○片岡消費生活部長 都はこれまで、公衆浴場組合が行う銭湯情報の発信やスタンプラリーの実施などへの補助など、公衆浴場の利用促進を図る取組を支援してまいりました。
これらに加え、昨年度は、若者やファミリー層などの利用者を増やすための新たな取組としまして、都内銭湯に無料で入浴できるモバイルクーポン、東京一〇一〇クーポンを、都が主催するスポーツ、文化イベント、都立施設等におきまして配布いたしました。
○かまた委員 この東京一〇一〇クーポンにつきましては、利用者に行ったアンケートにおきましても、久しぶりに銭湯に行ったという方々から、銭湯が好きになったとか、また行きたいという声が寄せられているとのことです。
また、浴場主さんの皆さんにも行ったアンケートによりますと、若者やファミリー層などの来店者が増えたとの回答が多く見られたとのことであります。
この東京一〇一〇クーポンは、これまで銭湯を利用していなかった方々にも東京の銭湯を強くアピールすることができた、効果の高い利用促進事業であったと思います。
今年も東京一〇一〇クーポン事業を行うとのことですので、昨年度の成果を踏まえて、今年の東京一〇一〇クーポン事業をどのように展開するのかについてお伺いをいたします。
○片岡消費生活部長 公衆浴場のさらなる利用者開拓に向けまして、帰ってきた東京一〇一〇クーポンと銘打ち、今月、イベントでの配布を開始いたします。
あわせて、来月からは、都立スポーツ、文化施設や都営地下鉄駅構内等にもクーポンが入手できるポスターを掲出します。
今回は、クーポン利用者が事業終了後も引き続き銭湯のリピーターになってもらえることを目指し、入浴料金の一部、百円分を利用者が支払う割引入浴券としております。
○かまた委員 今年は、今回は銭湯のリピーターになっていただくことを目指すということで、さらなる成果を期待いたします。
東京都市大学の人間科学部の早坂教授の調査によりますと、毎日湯船につかると、鬱の罹患率が明らかに低くなることが判明したとのことでして、地域の方々と話をしながら楽しく湯船につかることができる銭湯は、今や健康長寿やコミュニティの拠点でありますし、日本の大事な文化の一つであると私も考えております。ぜひ引き続き、銭湯の利用促進に向けたご尽力をお願いいたします。
それでは、最後に、世界陸上、デフリンピックについてお伺いします。
国際スポーツ大会への東京都の関与の仕方や運営の在り方等につきましては、これまでも何度も我が党から質問させていただきましたので、今日は、両大会がここ東京で開催されるということで、東京の子供たちにもたらす価値について質問をさせていただきます。
ふだんは直接見たり感じたりすることのできない世界陸上やデフリンピックが東京で開催されるというこの好機を、子供たちには存分に味わってほしいと私は強く願っております。
また、だからこそ、開催に向けての準備は、都民が不信感を抱かないように、また、参加される選手の皆さんや関係者の方々が気持ちよく競技に専念できるように、しっかりと進めていただきたいと思いますし、また、両大会が子供たちに与える価値を最大に引き出すために、私自身も惜しみなく応援をしていきたいと考えています。
そこで、世界陸上、デフリンピックの両大会が子供たちに対してどのような価値をもたらすのか、そして、その価値を子供たちにどのように届けていくのかについて、都の見解をお伺いいたします。
○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 自らの限界に挑戦するアスリートの姿は、次代を担う子供たちに大きな感動や興奮、夢や希望を届けるものであります。
さらに、二〇二五年に開催される世界陸上、デフリンピックについては、多様な価値観を認め合う共生社会の大切さなど、子供たちの学びにもつながる重要なメッセージを有しております。
そのため、会場での観戦機会の提供や、子供たちが大会の一員として活躍する機会を設けるなどの取組を検討することとしております。
両大会を通じて子供たちが多くを学び、成長することをサポートできるよう取り組んでまいります。
○かまた委員 まさに今、子供たちのための手だてを検討してくださっているとのことですので、大いに期待をしたいと思います。
私は、東京二〇二〇大会を観戦した学校の校長先生と話をしたことがありますけれども、参観した子供たちは本当に喜び、本物を味わう体験から得た感覚や感情は何にも勝る、大きな経験となったとのことでした。
この大会開催前は、酷暑の中で、参加させるべきなのかとか、安全体制が確保できていないなど、当初は本当にネガティブな話題ばかりが持ち出されていましたけれども、子供たちと共に観戦をしました校長先生からは、安全対策を確保するのは教員として当然のこと、その上で、子供たちに最高の経験を提供するためにどうしたらよいかと建設的な内容をぜひ論じてほしかった、議論してほしかったと話をされていました。私も同感をします。
子供たちに最高の経験を与えるためには、安全を確保することは当然でありますし、そのことを担当の職員の方も重々考えながら仕事をしてくださっていると思います。その上で、私たちは、子供にとっての価値という視点で論じていかなければならないと強く感じております。
そこで、今回のこの両大会につきましては、子供たちに最高の経験を提供するため、課題をただ出し合うのではなくて、その課題をどのように克服していけばよいのか、どうしたら子供たちに最高の価値を与えていけるのか、それを十分に議論していきたいと私自身も決意をしております。ぜひ担当される職員の皆様も、建設的なその私たちの議論を見守っていただきたいと思いますし、全力で応援をさせていただきます。
局長をはじめとしまして、担当される皆様には、子供たちにとっての最高の大会となるように、引き続きのご尽力をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いいたします。
男女平等、ジェンダー平等推進について伺います。
初めに、選択的夫婦別姓について伺います。
結婚時に改姓するのは、現在も九六%が女性です。法律が姓の変更を強制していることは、自分のアイデンティティーを奪われると感じるなど、個人の尊厳を脅かしており、女性の人権を守る観点から大変重要な課題となっています。
また、法律婚をして、やむなく旧姓を使用している人も、改姓を避けるために、やむなく事実婚をしている人も、仕事や社会生活を送る上で様々な不便や不利益を受けている状況です。
現在、世界で夫婦同姓を法律で義務づけている国は日本だけです。国民世論も、既に七割以上が選択的夫婦別姓制度の導入に賛成しており、一日も早く法改正すること、そのために東京都も力を発揮していくことが求められています。
一年半前に策定された東京都男女平等参画推進総合計画の一三五ページでは、選択的夫婦別姓など、都では変えることが難しい社会制度等については、国への積極的な提案を検討しますとしています。
現在、どのような検討を行っているのか、伺います。
○宮本男女平等参画担当部長 都は、選択的夫婦別姓について、国へ、議論を深め結論を出すよう提案要求を実施しております。
都としても、国の動向を注視しながら研究を進めることといたしております。
○斉藤委員 国に提案要求を実施していると。
ちょっと再確認なんですけれども、研究を進めるというのは、選択的夫婦別姓制度についての研究を都として進めるということでよろしいでしょうか。
○宮本男女平等参画担当部長 はい、そういうことでございます。
○斉藤委員 選択的夫婦別姓制度についての研究を都として進める、そのとおりだというご答弁でした。
既に、国へのこの提案要求を実施しているということですけれども、この国への提案要求は、二〇二二年三月にこの男女平等参画推進総合計画が策定される前の二〇二一年度から毎年行われており、大変重要ではありますが、その内容は、都民に生じている不便、不都合を解消する観点から、選択的夫婦別姓制度に係る議論を早急に深め、結論を出すことというものです。
この不便、不都合の解消という方向性は求めているものの、議論の結論を出すという要望は、やはりちょっと弱いというふうにいわざるを得ません。だからこそ、その後、策定された男女平等参画推進総合計画では、国への積極的な提案を検討しますと、その積極的な提案の必要性が記載されているのだというふうに思っています。
その点で、今、選択的夫婦別姓制度についても研究を進めるというお答えをいただいたのは、非常に重要だというふうに思います。ぜひ生活文化スポーツ局さんが中心となって、都民の声の掘り起こしや、具体的な不便や不利益、この現状を、ジェンダー平等や人権尊重の観点から見たときの課題など、研究を進めていただきたいというふうに思います。
そして、国への積極的提案を検討する上で大きな役割を果たすことができるのは、男女平等参画審議会ではないでしょうか。
そもそも国への積極的な提案の検討が計画に盛り込まれた経緯として、計画改定に当たっての男女平等参画審議会の答申に、選択的夫婦別姓制度など、東京都だけでは変えることが難しい社会制度等については、国への積極的な提案を検討する必要がありますと示されたことがあります。
そこで伺いますが、計画策定後、男女平等参画審議会の開催状況はどのようになっていますか。また、現在、委員はどのようになっていますか。
○宮本男女平等参画担当部長 男女平等参画推進総合計画の策定後は、審議会を開催しておりません。
また、現在、審議会委員の任期は、令和五年四月十八日で終了しております。
○斉藤委員 計画策定後は、一年以上会議を開催せず、また、今年四月で任期が終了したので、現在は審議会委員はいないということなんですね。
この間、男女平等参画審議会は大体そういうサイクルになっていまして、計画改定の約一年前に委員が任命され、一年弱の期間で、この計画改定に当たっての諮問、答申がなされ、あとの一年強は、この会議が開催されず任期が切れる、その後、三年くらいは、委員の任命もなく休眠状態となり、また次の計画改定が近づくと、この委員の任命が行われるという、この繰り返しになっている状況です。
本来、男女平等参画審議会は、計画だけでなく、男女平等参画に関する重要事項を調査、審議すると条例にも書かれていまして、せっかく知事の附属機関として存在するのですから、積極的にこの活用をしていくということが大事なのではないでしょうか。
男女平等参画審議会で、選択的夫婦別姓についての国への提案について審議することも有効だと思いますが、いかがですか。
○宮本男女平等参画担当部長 既に、都として国への提案要求を実施してございます。
○斉藤委員 国への提案要求をしているというのは、何度も今聞いているんですね。
ジェンダー平等、男女平等を進めていこうという機運が高まっている中で、やはりこの審議会の活用を強化していく、活発化させていくということは、必然的なことだと思うんです。
第三回定例議会で小池都知事は、選択的夫婦別姓についての国での議論は遅々として進まない状況だと述べています。だとするなら、都が現在行っている提案要求にとどまらず、もっと踏み込んで要求していくことが必要ではないでしょうか。
審議会では、諮問、答申のほかに、諮問がなくても意見具申する、建議するということも可能ですが、委員が任命されていなくては動きようがありません。男女平等の推進に、審議会も積極的に活用していくことを求めます。
十月三日の日経新聞で、待ちぼうけの別姓当事者という記事が報道されました。
宇宙航空研究開発機構、JAXAで主任研究開発員を務める女性は、過去五回、同じ夫との離婚届を提出した、特許の発明者や海外出張に必要なパスポートに旧姓を載せ続けるためにペーパー離婚を繰り返してきた、姓が変われば自らのキャリアを証明できなくなるので、不利益や不安があっても、この選択をせざるを得ない、一九九四年に結婚し、一九九六年に国の法制審議会が選択的夫婦別姓制度導入を答申して以来、四半世紀以上も裏切られ続けているという内容です。夫婦別姓が認められない現状の改善を、もうこれ以上先延ばしにはできないということが、この記事からもよく分かります。
家族の在り方は多様化し、夫婦、家族の形は様々です。同性婚も、そして夫婦別姓もどちらもできる、個人の選択に寛容な社会をつくっていくことが求められています。
東京都として、現在行っている要望よりさらに踏み込んで、選択的夫婦別姓の導入や、そのための法改正を求める積極的な提案を行っていくことを改めて強く求めます。
次に、女性の健康について伺います。
私たち日本共産党都議団の下に、女性の教職員の方が、三十四歳の若さで、一歳の赤ちゃんを残して亡くなったというお話が寄せられました。二十九歳で乳がんを発症し、入退院を繰り返しながら、教壇に立つために闘病していたということですけれども、一緒に働いていた教職員の方から、婦人科検診があったら早期発見ができたのではないか、悔やまれるという声が届いています。
東京都男女平等参画推進総合計画の二〇ページには、安心して働き続けるために、ハラスメントのない職場づくりや健康支援などにも取り組むことが必要ですとしていますけれども、働く女性の健康支援の重要性について認識を伺います。
○宮本男女平等参画担当部長 計画では、安心して働き続けるために、ハラスメントのない職場づくりや健康支援などにも取り組むことが必要としております。
関係局において取組を進めております。
○斉藤委員 二〇ページに記載されている内容を繰り返していただいたのですけれども、男女平等を推進する局の立場から、なぜ働く女性の健康支援が重要なのか、もっと深い認識、ご答弁をいただきたかったのですが、いずれにしても、働く女性の健康支援は必要だと考えていらっしゃるということだと思います。
働く女性が増える中、雇用する側も、女性特有の健康課題に対応し、女性が健康を保ちながら快適に勤務し、力を発揮できる環境を整えることの重要性が着目されています。
生理に伴う症状や更年期障害などによりパフォーマンスが低下したり、健康上のことから男性基準の働き方に合わせられず、切り捨てられたり、諦めたり、離職を余儀なくされる方もいます。
男性と女性では、かかりやすい病気が違うのに、これまでの職場健診は、生活習慣病予防など、どちらかというと男性を基準とした対策が中心だったと指摘する声もあります。
働く女性の健康支援は、女性に合う形でこれまで以上に充実させていくことが事業主に求められているということだと思います。
そうした中、多摩地域の小中学校の先生から、これまで職場の健康診断の項目に婦人科検診、つまり、乳がん、子宮がん検診があったが、これが廃止された、復活してほしいという声が寄せられました。
小中学校の教員は、東京都が人件費を負担していますが、健康診断は勤務校の自治体が行います。その婦人科検診が廃止されたということなんです。
女性がかかるがんにはどのような特徴があるのか、男女平等参画推進総合計画にはどのように記載されているのか、伺います。
また、がんの受診率向上は重要ですが、どのように取り組んでいくのか、各局の進捗状況についての報告をどのように受けているのか、伺います。
○宮本男女平等参画担当部長 計画では、女性のがん死亡率に着目すると、乳がんが他のがんと比較して最も高い状況にありますと記載しております。
進捗状況につきましては、所管局における前年度の取組実績等について、ホームページで公表してございます。
○斉藤委員 計画には、都民の死亡率の一位はがんだということも記載されていますが、その中で、がん死亡率、つまり、がんが原因で亡くなった方の人数は、女性では乳がんが最も多いということなんですね。
厚生労働省の全国がん登録罹患数・率報告によれば、女性が最も多くかかるがんは乳がんで、しかも、三十代前半から急増し、四十代後半にピークを迎えます。また、子宮がんは、乳がんより罹患者が増える年齢が低く、現役世代では、乳がんに次ぐ罹患率となっています。
各局の取組として、先ほどホームページで公表しているということで、生活文化スポーツ局のホームページに記載されているんですけれども、都の保健医療局でも、女性特有のがんについて、検診の重要性を訴えて、乳がんや子宮がんのキャンペーンも行っています。つまり、現役世代の女性の健康を守るためには、婦人科検診は大変重要なものだということだと思います。
それを廃止するというのは、ジェンダー平等に逆行し、女性の健康支援の後退だといわざるを得ません。
日本共産党都議団では、都内全区市町村の教職員、それから役所などで働く自治体職員の婦人科検診の実施状況について調査をいたしました。その結果、東京都及び二十三区では、教職員にも自治体職員にも婦人科検診が行われていました。もちろん、職免を使って勤務時間中に受けることができるというふうにも聞いています。
しかし、一方で、驚くべきことに、多摩地域では、自治体職員の婦人科検診を行っている市町村はゼロということが分かりました。教職員の婦人科検診も、約半分の十四市町村でしか行っていなく、大きな多摩格差となっていることが明らかになりました。
しかも、教職員については、かつては多摩地域三十市町村のうち二十七市町村で実施をしていたのに、次々と廃止され、二〇一九年以降も六市が廃止されているということが分かりました。
この背景には、財政難や、各市から委託を受けていた都立がん検診センターが職域検診をやめてしまったことなどがあり、この対応が必要なんですけれども、もう一つの側面として、婦人科検診をおまけのように捉えていなかったかということも問われるのではないでしょうか。
重要性の意識啓発も求められているというふうに思います。
自治体職員、教職員の職場健診を行う都内区市町村に対しても、具体的にがん検診の重要性を普及啓発していくことも重要だと思いますが、いかがですか。
○宮本男女平等参画担当部長 各事業者において適切に対応すべきものと考えております。
なお、がん検診の普及啓発につきましては、所管局において実施されているものと認識いたしております。
○斉藤委員 今のご答弁は、何というか、女性の健康支援に対して、とても前向きとは思えない姿勢だというふうに思うんですね。この計画の中にも健康支援ということをうたっていますので、ぜひ積極的にこれは啓発を進めていただきたいというふうに思います。
職場でがん検診が受けられなかった場合、その方は、居住自治体のがん検診を受診することになります。住んでいる自治体で自分で申し込み、予約を取って、仕事を調整して、有給休暇を取って行かなければなりません。ただでさえ多忙で長時間労働が問題となっている教職員には大きな負担を強いることになり、受診機会を逃しても仕方のない状況をつくってしまっていると思います。
一般的にも、保健医療局のこの調査によれば、がん検診が職場で行われる場合は八割が受診していますが、ほかに受診機会がない場合に受ける居住自治体での検診の受診率は三割未満と激減をして、受診のハードルが高くなることが分かります。
公務員の場合は、職場で受けても、居住自治体で受けても、健診費用を自治体が負担するということに変わりがないわけですから、受けやすい職場健診で婦人科検診を受けられるよう、ジェンダー平等の立場から各自治体に啓発していただきたいというふうに思います。
また、どこの職場でも、女性が健康を保ちながら力を発揮し、離職することなく働き続けられることは、女性自身にとってだけでなく、雇用する側である事業主にとってもメリットになります。婦人科検診を含め、働く女性の健康支援を充実することの重要性を企業や事業主に対して広く啓発し、また支援していただくことを求め、質問を終わります。
○風間委員 私からは、スポーツの振興について、まず質問をします。
今年は、各競技で世界大会が行われ、この日本でも、野球から始まり、水泳、そしてバスケットボール、バレーボールと行われて、大変に盛り上がったかと思いますし、テレビ中継でも、各競技のワールドカップで子供たちが目を輝かせて見ていたのではないかなと感じるところであります。
東京都のスポーツ振興の中でも、この子供たちに対する振興というのは大変に重要だと思っていまして、この局で行っている事業について、まずは伺いますけれども、ジュニア育成地域推進事業、これは都内各地で行われていると認識しておりますけれども、年間でどれぐらい行われているものなのか、まず教えてください。
○齊藤スポーツ担当部長 都では、ジュニア選手の裾野を広げ、地域におけるジュニアスポーツの普及振興を目的として、平成十八年度からジュニア育成地域推進事業を行っております。
令和四年度は、都内五十九地区を対象に、トライアスロンや軟式野球など様々な競技のスポーツ教室を三百三十八事業、競技大会百八十八事業、強化練習会二百四事業などを実施いたしました。
○風間委員 都道府県で比べれば、子供たちの数は、人口は多いこの東京でも、やはり子供たちのスポーツをやる環境というのは、都心ゆえに、それほど恵まれていないことかとも思います。
しかし、こうやって、都の事業として子供たちが本格的にスポーツに取り組む環境というのは非常に重要だと思いますので、引き続き、より多くの子供たちに、裾野を広げていくこの事業を進めていってもらえればなと思います。
裾野を広げた後に、より本格的に取り組んでいこうという小学生から、特に中高生は、やはりそういった、日本代表になることだとか、オリンピアンになることだとかを目指して取り組んでいる子供たちも多いと認識をしています。
東京都でも、そのような子供たちに対してジュニア育成強化の事業を行っていると認識をしていますけれども、これも、より多くの子供たちにその機会が与えられればなと思いますが、どれほどの子供たちに対して行っているのか、これも確認させてください。
○齊藤スポーツ担当部長 都は、平成二十年度から、国民体育大会やオリンピックなどの国際大会を目指すジュニアアスリートのために、競技力向上を目的としたジュニア選手育成・強化事業を行っております。
令和四年度は、有望なジュニア選手に対する強化練習や指導者のレベルアップを図る研修会など、四十九競技を対象に四百二十一事業を実施いたし、延べ八千七百六十名が参加をいたしました。
○風間委員 指導者の研修も含めて、その人数ということですから、より多くの子供たちがこのスポーツ強化指定に入れるような取組をまた広げていってもらえればなと思います。
子供たちにとっては、強化指定になるというのが夢の実現への一歩ということで、これを目指して取り組んでいる中高生もかなり多いと認識しております。
この子供たちが実際にそのスポーツ強化指定を受けられるかどうかというのは、大会等で評価されてということだと認識をしていますけれども、個人競技においては、やはり大会での記録ということが重要になってくるわけですね。
東京都は、公認競技場等をかなり管理していることもあるとは思いますけれども、今年度、大井の競技場で、公式の大会が公認取消し競技場になってしまうということから、その公認記録がなされないということが起こってしまいました。
大井の競技場なので、この局の管轄でないということだと認識はしていますけれども、子供たちにとっては、その時々の大会というのが、本当に人生をかけた勝負ということもあり得ますから、こんなことがあってはならないことだと思います。
そこで伺いますが、当局での管轄している競技場では、このようなことがなく管理されていると思いますので、管理体制等について確認させてください。
○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 都立スポーツ施設では、全国大会等が開催できるよう、各施設の特性に応じて各種競技の公認を取得しており、適宜、その更新を行っております。
今後とも、各種大会の開催に支障が出ないよう、施設の適切な維持管理を行ってまいります。
○風間委員 都が管理している競技場は立派な競技場が多いですから、それが突然、公認競技場じゃなくなるなんてことは、なかなか想定できないことだと思いますから、その相談を受けた際に、私も驚きましたけれども、こういうことが起こらないようにお願いをします。
続いて、健全な青少年の育成という観点から、何点か質問を行います。
私も青少年問題協議会の委員をしておりますから、様々、委員の皆さんから寄せられたトー横問題に関してのお話というものも伺ってまいりましたし、私自身も、支援団体の皆さんと一緒に現場に行って、その様子を見てきたところでもあります。
次々と青少年が集まってくる状況、しかも、その中には、少し焦点が合っていないような子供たちもいたりするような状況を見てきたわけですけれども、その答申を得る前の、これまでの東京都としてのトー横対策の取組について教えてください。
○米今治安対策担当部長 都ではこれまで、検索エンジン等を活用したターゲティング広告等を用いた啓発等を実施しております。
また、本年八月に、トー横において青少年等を対象とした啓発イベントのきみまもを開催したほか、十月に、関係機関の情報共有等を行う情報連絡会を開催しております。
○風間委員 情報共有の連絡会は答申の後だというふうに、先ほど答弁があったことを確認しましたけれども、先ほどのほかの方からの答弁の中にも、答申にもありました、悪意ある大人への対策ということが答申の中にありました。
その中で、先ほどの答弁ですと、大久保公園周辺での売春行為等々というようなことが少し触れられていたように思いますけれども、私が見てきた現場は、大久保公園周辺は少し離れていますから、まさにトー横の現場で、悪意ある大人がトー横の子供たちに近づいていっているというシーンなんですね。
そこはもう、明らかに反社会的な活動をしているような人物もいるような状況で、声をかけていく。支援団体の方に話を聞くと、そういう人たちは、やっぱり麻薬であったりとか、合法的な薬物であったりとか、そういうことを持ちかけているんだなんていう話があったりもしていました。
また、周りには市販の睡眠薬等の箱が散乱していて、そういったことの売買なんかから、もともとは始まっているということ、さらには、そういった青少年をカモにする、お酒は出せないコンセプトカフェの従業員の男性等が近寄っていく、こういった悪意ある大人たちが取り巻いている状況だったわけですね。こういった様々な——その後に、売り掛け等で借金がある青少年が大久保公園の方に行って売春をしていく懸念があると。
こういった様々な懸念があるわけですけれども、こういった悪意ある大人への対策ということについては、先ほど、検討をこれからしていくというお話でしたけれども、具体的に取り組んでいこうと思っていることがあれば教えてください。
○米今治安対策担当部長 トー横に集まる青少年の周辺に、児童買春等を目的として、加害者となり得る悪意のある大人が集まっている状況がございます。
こうした大人について、都としても、警視庁をはじめ関係機関と連携し、さらなる対策を講じることが必要不可欠であると認識しております。
答申では、ターゲティング啓発等々の充実強化等が提言されており、こうしたことも踏まえ、効果的な啓発方法を検討してまいります。
○風間委員 ターゲティング広告が有効であるということは、私も認識しておりますけれども、あくまでも、行こうとしている人たちへの予防というところであったりとか、行っている人たちが見て、こんな怖い思いをするんだということでの、やっぱり予防策なのかなと。
実際にもう来てしまった子供たちに対しては、なかなか都として——警察マターだったりということは認識していますけれども、やはり今後の検討として、具体的にその現場で何ができるかということを考えていってもらえればなと思います。
私たちの会派で、先日、福岡県と市の青少年保護ということでお話を伺ってきた際に、トー横の九州版といわれる、警固かいわいといわれる場所がありますけれども、その場所を実際に見てきたわけですね。
その場所には、交番もあるし、一方で、保護を目的とした支援団体たちが活動できるような安全安心センターというものが併設をされているというのも見てきましたので、そんなことも一つの参考事例になっていくのかなと思います。
悪意ある大人のもう一つの事例としては、泊まる場所がない青少年がトー横にたむろしている、夜通しそこにいる子たちもいれば、眠くなったからということで、ホテルに部屋があるから行こうと声をかける悪意ある大人もいるわけですね。
または、友達同士で何十人も一部屋に泊まっているなんていうケースも報道もされていますけれども、その様子なんかも一緒に、部屋の中までは行きませんでしたけれども、どういったホテルがそれに活用されているのかなんていうことを、支援団体の方たちの案内で私も見てきたわけですけれども、そういったことをしっかりと管理しているホテルもあれば、歌舞伎町かいわいの中には、そういったことを黙認しているようなところもあったりすると。
これは答申の中でも、こういった宿泊施設に対しての指導というものも盛り込まれていましたけれども、今後、このあたりに関してはどのように取り組んでいくのか、教えてください。
○米今治安対策担当部長 答申では、トー横周辺で青少年が利用しているホテル等の空間について実態把握を行うとともに、啓発を行うことが必要である旨、記載されております。
今後、都は、答申を踏まえ、実態把握の在り方等について検討してまいります。
○風間委員 民間の宿泊施設に対して、都が何か具体的に指導していくとなると、かなりハードルの高いことだと思いますし、それこそ警察が行うことなのかもしれませんけれども、先ほどお話に上がった情報連絡会、関係機関で情報共有から始めたということでしたが、どのような機関が集まって行われたのか、教えてください。
○米今治安対策担当部長 十月三十日に開催された第一回情報連絡会には、都の生活文化スポーツ局、福祉局、教育庁、警視庁の少年育成課、新宿警察署、新宿区の危機管理担当部、福祉部、子ども家庭部が参加しております。
○風間委員 かなり幅広く、地元の自治体等も含めて、また警察も、地元の警察、そして警視庁ということで取り組まれているということで、今後のその対策については期待をしたいところであります。
一方で、私からの提案としましては、先ほど申し上げたように、合法的な薬物の大量使用、いわゆるオーバードーズ、これをまず始めるというような話を、その支援団体の方たちから伺いました。
その薬をどうやって入手するのかといえば、東京都民であれば、十八歳までであれば、医療機関を通じて、眠れないということで睡眠薬を大量に処方してもらうと。それを幾つも病院を回るんだそうです。泊まるお金がないというところで、それを友達に売買するようなことも含めて行われているんだと。その箱が散乱している様子を見てきたわけですね。
逆に、東京の子でない場合は、市販、薬局等に行って、それを万引きする子もいるんだというような話も聞いてきました。
ですので、今、情報連絡会の関係機関の中には、こういった所管が入っていないものと思われますので、こういった対策も、ぜひ一緒に検討していってもらえればなと思います。
続いて、トー横に集まってくる子供たちもそうなんですけれども、やはり今の青少年は、スマホを通じて情報収集をするということは周知の事実かと思いますけれども、青少年が犯罪に巻き込まれるリスクというものも、やっぱり、ここのスマホからの情報収集にあると思うんですね。
特にSNSからの情報収集によって、トラブル、犯罪、また性被害等に巻き込まれてしまうというようなことも大いにあるわけですが、東京都としては、これについてどのような対策を行っているのでしょうか。
○米今治安対策担当部長 都では、都内の小学校から高校を中心として、インターネットトラブル防止対策の講座でございますファミリeルールを実施しております。
また、インターネットに関するトラブルや困り事の相談窓口として、こたエールを設置しております。
○風間委員 トラブルに巻き込まれるということに関しては、そのような予防策を取っているということですが、やはりそれを取捨選択していくのも子供たち自身ということで、より一層、そういったところに巻き込まれる懸念がある恐怖感みたいなものを実感できるような取組が今後は必要なのかなと思います。
同様に、安易な気持ちでお金を稼ごうとして、ヤミバイトに手を染めてしまうというところ、アクセスしてしまうなんていうことも、最近ではよく報じられております。
こういったヤミバイトに対しての、青少年を守るという観点からの対策はどのように行っているのでしょうか。
○米今治安対策担当部長 SNS等でヤミバイト関連の単語を検索した若者に対して警告メッセージを表示するターゲティング広告を行っております。
また、アルバイトに従事する機会が増える大学生を対象に、加害防止リーフレットの配布等の啓発を実施しております。
○風間委員 どうしても、こういった対策については、どんな成果があるのかということを検証しにくいとは思いますけれども、このヤミバイト対策を通じて、何か手応え等はあるのでしょうか。
○米今治安対策担当部長 本年十月末現在でございますが、ターゲティング広告から誘導する加害防止特設サイトの閲覧数が月平均約二万七千件と、昨年の平均を上回っております。
また、大学生に対して、加害防止リーフレットを作成し、本年四月に新入生等に約十七万部配布するなど、啓発効果の向上を図っております。
○風間委員 青少年が犯罪に巻き込まれるということについて伺ってまいりましたけれども、七月一日の道交法改正によって、電動キックボードが特定小型原動機付自転車と位置づけられて、高校生でも乗れるようになって、免許不要で運転できるようになったというところから、私の地元でも、青少年が乗っている姿ということを度々目にするようになってきたところであります。
しかし、運転免許を持っていないということは、やはり、たくさんある交通ルール全てを理解しているというわけではありませんから、細かな道路交通法の違反等があるなということで、歩行者としても、運転者としても、危険だなと感じながら毎日過ごしているところであります。
二人乗りをしているだとか、いわゆる歩道を乗っていいナンバープレートがついていないキックボードで、歩道を堂々と走行しているというようなことは、毎日のように目にするわけですけれども、こういったことがないように、取り締まるのは警察だと認識していますけれども、東京都としてどのような取組をしているのでしょうか。
○馬神都民安全推進部長 特定小型原動機付自転車に分類される電動キックボードの利用には運転免許が不要であるため、免許取得時のような交通安全教育を受けないことから、様々な機会を捉え、ルールを周知していくことが必要でございます。
電動キックボードの安全利用を推進するため、区市町村や学校等にリーフレットを配布するほか、制作した動画をホームページやSNS広告を利用して広く周知をしております。
また、区市町村と連携し、ナンバープレートを交付する際に、リーフレットを併せて都民に配布しております。
○風間委員 もちろん大人も乗っていて、大人も危険な運転をしている人たちもたくさんいるわけなので、そういった取組というのは大変に重要だと認識していますけれども、海外の事例なんかを見れば、やっぱり免許を持っていないような若い世代が、実際に自身が大きな事故に巻き込まれてしまうというようなケースもよく目にしているところでありますので、特に若い子たち、高校生、大学生、こういったところへの啓発を強化していってもらえればなと思います。
この電動キックボードに限らず、最近ですと、フル電動自転車といいますか、こがずに、もうバイクのように運転している自転車なども、私の地元なんかでもよく目にして、かなりのスピードで危険だなと感じることが多々あったりするわけですけれども、中には、私がそういったことをインターネットで調べていたりしますと、まさにターゲティング広告で、そういった広告が次々と出てくるわけですね。
その広告を見ていたりすると、これはナンバーがついていなくても乗れるのかなと勘違いするような、そんな広告も多々あるわけですけれども、消費者を保護するという観点から、こういった歩行者を脅かすモビリティーというものについては、どのような啓発を行っているのか、教えてください。
○片岡消費生活部長 道路交通法の基準に適合していない電動アシスト自転車と称する製品で道路を走行すると、法令違反になり、事故につながる危険もございます。
このため、基準に適合していることの認定であるTSマーク等を目安にするなどして確認し、適合しない製品を使わないよう、ホームページ東京くらしWEBやSNSにおきまして、消費者に向けて注意喚起を行っております。
○風間委員 そのようなフル電動自転車も、公道を走るにはナンバープレートの取得が必要ですとかと小さく書いてあったりするわけですよね。実際に走行している動画なんかは、公園の中で走っている様子だったりして、非常に紛らわしいものが多かったりしますので、こういったものも、間違って購入することがないように、しっかりと強化して取り組んでもらえればなと思います。
消費の話になりましたので、エシカル消費について伺ってまいります。
昨年九月に、東京都消費生活基本計画素案に関する質疑を私もさせていただきました。これで、エシカル消費の推進について提案を幾つかしたところでありますけれども、当時、部長からは、エシカル消費の意義や理念につきまして、有識者の意見もいただきながら、都民への適切な情報発信を行ってまいりますとありました。
この一年間でどのような取組を行ってきたのか、伺います。
○片岡消費生活部長 企業、団体とネットワークを構築し、エシカル消費を日常にするための社会的ムーブメントを創出するTOKYOエシカルを昨年十二月に立ち上げ、九十一者にパートナーとしてご参画いただきました。
今年度は、六月に、パートナー約七十者が参加し、連携強化を目的としたカンファレンスを開催いたしました。
また、七月には、エシカル消費を日常に定着させるきっかけとなるマルシェを開催したほか、先月には、小学生を対象に、エシカル消費について楽しく学び、体験できる社会科見学を、パートナー企業と共に実施いたしました。
○風間委員 エシカル消費という言葉自体は、まだまだ一般的ではないと思いますけれども、これはもう地球全人類に関わることでありますし、より多くの人に、このエシカル消費ということを意識した行動をしてもらっていくことが重要だと思いますので、じわじわと広げていくことが必要だと思います。
この一年間やって、当初、七十何者の協力があったということですが、この一年間で、どの程度それは広がったのでしょうか。
○片岡消費生活部長 TOKYOエシカルは、立ち上げ時に、九十一者にパートナーとしてご参画いただいたところですが、現時点で、二百七の企業、団体にパートナーとしてご参画いただきまして、様々な協働事業を行っております。
六月には、パートナーである大手小売事業者からの提案を受け、TOKYOエシカルのロゴマークを配したマイバスケットを都内店舗で販売するとともに、エシカル消費を紹介する店頭ポップを掲出するなど、多くの都民にエシカル消費を身近に感じてもらえる機会を提供いたしました。
このほか、パートナー同士で連携してイベントが実施されるなど、エシカル消費の普及に向けた成果が生まれてきています。
○風間委員 企業は、それでムーブメントをつくって物が売れていくのであれば、ますますエシカル消費を促すような取組をしていくことに関しては歓迎するところでありますけれども、エシカルウオッシュの問題もあると思いますので、そういったことも併せて普及啓発をしていってもらえればなと思います。
また、これを広げていくということに関しては、この東京都庁は、それこそ、この国で最もといっていいほどの消費をしている、調達をしているゆえに消費をしている組織なのかもしれません。都庁全体でもそういった考えを持っていくことと、たくさんの職員の皆さん一人一人が、我々議員もそうですけれども、意識していく必要があるんだろうなと思っています。
続きまして、女性活躍の推進ということについて伺ってまいります。
企業や官公庁において女性管理職が依然として増えていかない状況下、都として男女平等参画に取り組むということに関しては、大変に重要なものだと考えております。
この平等参画については、組織側の人事制度の変革こそが重要であろうと。採用もそうですし、昇進昇格ということもそうなんだと思いますけれども、企業と連携し、こういったことを本来は取り組んでいってもらいたいなと思うところであります。
事務事業の資料を見ていますと、この局では、女子中高生に限定して、そういった企業のオフィスツアーを行っているということを目にしましたけれども、この目的はどこにあるのでしょうか。
○樋口女性活躍推進担当部長 大学等の学生のうち、科学、技術、工学、数学分野に占める女性の割合は、OECD加盟国中、日本が最下位となるなど、大きく後れを取っております。
そこで、都は、特にジェンダーギャップ比率が大きいデジタル分野の企業と連携しまして、女子中高生を対象としましたオフィスツアーを実施し、将来の進路選択を応援することといたしました。
○風間委員 私たち世代は、実際に女性の比率、管理職になる比率も含めて、採用数もかなり違いがあったという認識もありますけれども、実際に女子中学生を育てている親の立場からすると、最近は理系選択する女子中高生も大変に多くなってきているなと感じるところでもありますし、むしろ変わっていかなければならないのは、組織側の問題なんだろうなと思います。
私も、大きな企業の新人の育成等に大分関わってきましたけれども、お話にあった、このデジタルの分野というのは、むしろ今、若い女性がかなり就職をしているという状況でもありますし、むしろ建設業であるとか、もっともっと男性だらけの職場というのはあるんだろうと思いますね。
なので、こういった企業に限定して行うというのも、本来の目的に沿っているのかなということはちょっと疑問でありますし、そもそも、中高生が職場体験をするというのは、非常に有意義なものだと思っています。
これを女子限定にするということに関しては、むしろ、先ほどお話にも少しありましたように、ジェンダーの視点からいくと、少しアンバランスかなと。
男子に対する逆差別じゃないのかなんていう声も聞こえてきそうですが、そのあたりはどのように考えているか、教えてください。
○樋口女性活躍推進担当部長 都では、東京都女性活躍推進計画におきまして、大企業の女性役員比率三〇%を目指しております。
こうしたことも踏まえまして、特にジェンダーギャップ比率が大きいデジタル分野におきまして女子学生の進学を促進するため、進路選択期にある女子中高生を対象として事業を実施しております。
○風間委員 デジタル分野に、本当に最近の採用で女子が少ないかどうかというのは、ぜひ調べてもらえればなと思います。
そもそも、この女性活躍という言葉が政府から発信された当初より、女性からは、活躍を強いられているようだといったような声が聞こえてきたわけであって、女性活躍という言葉自体は、そろそろ都庁としては使うのをやめたらいいんじゃないかなと思いますね。
実際にビハインドな状況にあるということは認識していますから、もう少し文言を換えて、東京都らしい言葉に換えていったらいいんじゃないかなということを提言しておきます。
続いて、結婚支援事業について伺いますけれども、もう既に何人かの方から質問があって、その目的等は確認をいたしましたので、私からは、伺いたいのは、事前にお話を伺ったところ、この結婚支援事業、職員人件費を除けば、年間一億八千万程度の予算を使っているというお話がありました。
先ほど、ほかの委員からもありましたように、行政としての守備範囲というか、どこまでやるべきなのかなということは、私も疑問があります。
特に、そういった事業者のない地方で行政が取り組んでいく、または、基礎自治体のように、その地域の中での出会いを創出していくということであれば、まだ理解はできるのですけれども、一千万人以上が住まう東京で、一億八千万ほどの予算を使って東京都が行う意味は何なのかということを、もう一度確認させてください。
○山崎都民活躍支援担当部長 結婚や出産を希望する全ての人が家庭を築いて安心して子育てできるよう、社会全体で支援していくことが必要であると考えております。
そのため、都は、結婚を希望しながらも一歩を踏み出せないでいる都民の後押しをするため、結婚に向けた機運の醸成に取り組んでおります。
○風間委員 一歩踏み出せない人たちを支援する、東京都がやっているとなると一歩踏み出せるのかなというのは、ちょっと私には分かりませんけれども、今年度始めた結婚支援マッチング事業も、その中での予算半分ほど、九千万円ほどということですけれども、これも、結局、外部に委託をされるわけですよね。
東京都結婚支援ポータルサイトというものをちょっと見てみましたけれども、この中にあるイベントカレンダーは、自治体主催のものなどもありますけれども、一般社団法人などのイベント等も載っていまして、この案内等をさらに見ていくと、結局、入会金等がかかる、いわゆる株式会社がやっているようなサービスとほとんど変わらないような事業というものも掲載されているんだなと、少し驚きました。
この掲載についての基準というのはどこにあるのでしょうか。
○山崎都民活躍支援担当部長 東京都結婚支援ポータルサイト掲載実施要領に定めております掲載基準でございます。
都の結婚支援に係る施策目的に合致すること、都内在住、在勤、在学の者が対象に含まれること、都内またはオンラインで開催されること、商業的宣伝や営利を目的としていないことなどでございます。
また、掲載を申請できるものといたしまして、結婚支援行事などを自ら企画、運営する官公庁、非営利法人であり、それ以外の法人または団体は、官公庁から後援名義の使用の承認など、または補助金や助成金の交付決定を受けているものなどとしております。
○風間委員 そのような基準があるということですが、一般社団法人の中には営利事業をやっているところも結構ありますよね。だけれども、非営利という立てつけだったらいいのかなという、そんなふうに感じましたけれども。
実際にその申込みのサイトを見てみますと、東京都のポータルサイトから入って、そのイベントをクリックしてみると、結局、そこの主催団体のページに飛び、そこの主催団体に申込みをするという感じになっているわけですね。これ、東京都のポータルサイトから入ったのに、結局、申し込んだときには、登録をする際に、その団体に対して自分の個人情報を入れていかなきゃならないということになってしまいます。この個人情報の取扱いということについては、どのようになっているのか。
その団体は、結婚支援事業を通常やっている団体でありますから、当然、そのとき、そこに掲載されているもの以外の営業行為等もできてしまうのかなと、ちょっと心配になったのですけれども、そのあたりはどうなっているのでしょうか。
○山崎都民活躍支援担当部長 結婚支援ポータルサイト掲載実施要領におきまして、結婚支援行事などへの参加者等の個人情報は、主催者の責任の下に厳重に管理し、本人の承諾を得ずに他の目的に利用しないこと及び行事などの終了後、確実かつ速やかに廃棄または消去することと定めております。
○風間委員 なるほど。申し込んだ後に、事業者が行うその後のそういったイベント等には、基本的には営業行為はできないというような立てつけになっているということなんでしょうね。
いずれにしても、こういった一般社団という形で事業を行っていれば、同じような価格帯であっても、こういった東京のポータルサイトに載せることができてしまうと。
一方で、今、東京都内には、中小を含めて結婚の支援をしている事業者というのは、営利、非営利を含めてたくさんあるわけですね。
これだけ結婚したいと思う人たちがたくさんいる状況下で、民業圧迫だというような声も聞こえてくるわけですけれども、このあたり、どのように考えますか。
○山崎都民活躍支援担当部長 結婚を希望する人のうち七割が婚活をしていないという調査結果などを受けまして、都は、一歩を踏み出せないでいる都民を後押しし、社会全体の結婚機運の醸成を図っております。
今年度、結婚支援マッチング事業を開始するに当たりまして、マッチングアプリや結婚相談所などの業界団体などからもヒアリングを行っており、当事業に期待の声もいただいているところでございます。
○風間委員 このポータルサイトの中の一般社団を見てみると、そういった大手企業の業界団体のイベントなんかも載っていましたので、大手の事業者たちにとってみると、そういった機運醸成を税金でやってもらえるなら歓迎をするんだろうなと思いますけれども、小規模でやっているところもたくさんありますので、そういったところに関しては、民業圧迫だという声が聞こえてきても仕方ないかなと思いますね。
あと、七割ほどがまだ婚活に踏み出せていない、じゃ、行政がやったらそれは踏み出せるんだと、もしいうのであれば、その検証というのも、ぜひ行ってもらいたいなと思います。何しろ一億八千万もかけて行っている事業なのであれば、そういった効果検証も行っていく必要があるのかなと思います。
続いて、質問を変えます。
町会、自治会防災力強化助成について伺いますけれども、これは、先日の決算委員会でもほかの会派から質問があったりしましたので、この概要、予算額、実績等、詳細を教えてください、まとめて。
○柏原都民生活部長 町会、自治会防災力強化助成でございますが、都は、関東大震災から百年目の節目において、地域防災力の向上を目的として、町会、自治会が地域防災を担う共助の主体であることを住民に周知するとともに、町会、自治会が備えを再点検し、不足する防災資機材や防災備品等の購入を支援するものでございます。
一町会、自治会において三十万円を上限とする防災資機材等の購入経費を助成しております。
予算額は八億五千六百万円でございます。
○風間委員 実際に都内でどれくらい、今年度、町会、自治会がこれを活用して三十万を受け取れるということになるのですかね。
○柏原都民生活部長 本事業では、全体で六回の募集を行いますが、十月四日の第五回目までの申請受付分までで、累計二千百の町会、自治会から約六億二千万円の申請を受けております。
町会、自治会において、災害時の電源を確保するための太陽光パネルとバッテリー、避難所などで使うテント、トランシーバーなどを備えていただいているところでございます。
○風間委員 実際には、第六回目も含めて三千を超えているなんていう話も耳にするところですけれども、かなり多くの町会が取り組んでいるんだなと思います。
これについて、その要件、条件はどんなものがあるのでしょうか。
○柏原都民生活部長 本事業では、町会、自治会からの防災対策や加入促進に向けたメッセージ等を記載したチラシの掲示を要件としております。
○風間委員 まさに決算委員会でも話題になっていましたけれども、チラシを町会の掲示板に貼ると。
しかも、その上半分が都知事の顔写真と名前入りということで、この必要性はどこにあったのでしょうかね。
○柏原都民生活部長 知事から都民に対しまして災害への備えを呼びかけるメッセージを発することを通じ、防災意識の醸成と地域防災力の向上を図る、そのために行ったものでございます。
○風間委員 都知事選挙が来年あるという状況で、都知事の顔写真と名前入りのものが掲示板に貼られ続けるということに関しては、いささか問題があるんじゃないかなと思いますね。
私どもの会派から総務委員会で確認をしたところ、選挙管理委員会に当局からの確認も行われたということでありますから、それについても懸念はあったということなのかなと推察はしますけれども、本来であれば、そういった疑いが、疑念が持たれないように、局としては取り組むべきじゃないかなと、私なんかは思いますね。
これは町会として備品を確保するということ以外に、実際に各戸に防災グッズを配布している例なんかもあると聞いていますけれども、それについて教えてください。
○柏原都民生活部長 本事業では、備蓄場所がない場合等は、各家庭に対して防災グッズを配布することも可能というふうにしておりまして、一部の町会では、簡易トイレなどが配布されているところでございます。
○風間委員 まさに、こういった有価物ですよね。それを配布して、選挙が一年を切っているこのタイミングでチラシも掲示するということは、少し常識に欠けるのかなと思いますけれども、ぜひそういったことは事務方が抑制的になるべきじゃないかなということを意見として申し上げておきます。
一方で、町会、自治会が加入率が低下していったり、高齢化していったりということは大きな問題だというふうには感じています。
その中で、地域の課題解決、特に若手の不足なんていうところがどこの町会でも聞かれることでありますから、これにプロボノを活用するというような取組を行っていることは、少し注目をしてはいるのですけれども、この概要と実績、まとめて教えてください。
○柏原都民生活部長 地域の課題解決プロボノプロジェクトは、企業の社員等が仕事で培った経験、スキルを生かしてボランティア活動を行うプロボノによって、町会、自治会が抱える課題の解決を支援するものでございます。
プロボノチームが町会、自治会に出向きまして意見交換を行うなどして町会個別の課題の解決策を提案する個別支援と、ホームページの作成などに取り組む町会、自治会をプロボノが伴走支援する実践講座から構成されております。
この事業を通じて得られた成果を他の自治会、町会にも情報を発信して共有しているところでございまして、予算額は千二百万円でございます。
実績でございますが、令和五年度は、現時点で六団体が個別支援を受けるとともに、二十八団体が実践講座に参加してホームページの作成等に取り組んでおるところでございます。
○風間委員 六件というのは、少し残念ですね。どこの町会も大きな課題を抱えているとは思いますけれども、それを解決するために新たなことに取り組むというのが非常におっくうだというような話もよく聞きますから、少し残念なところです。
それに加えて新たな取組も始めたということで、先ほどお話、ご案内がありましたけれども、もう少し取り組みやすさ等も含めて、ぜひ検討していただいて、町会がより活性化していくように支援をしていってもらえればなと思います。
私からの質問は終わります。
○川松委員 まず初めに、町会、自治会の連合組織について聞いてまいりますが、今年は四年ぶりに隅田川花火大会も開催されましたように、地域のお祭りやイベントも再開されまして、まちに活気が戻ってまいりました。
そんな中で、町会、自治会関係者は、こうしたイベントなどを通じたまちづくりのほか、日頃の声がけや夜間のパトロールなど、地域の安全・安心を支える頼りになる存在であることはいうまでもありません。
活動に制約のあったコロナ禍を経て、町会、自治会は活動を本格化しています。
そこでまず、現在、都が取り組んでいる町会、自治会支援施策の全体像についてお聞きいたします。
○柏原都民生活部長 町会、自治会は、地域コミュニティの中核として、住民間の交流や見守りなど地域課題の解決に取り組んでおり、その活動が進むよう支援していくことが必要でございます。
そこで、都は、地域の底力発展事業助成により、防災や防犯、高齢者の見守りなど町会、自治会が取り組む事業を後押しするとともに、講師おまかせスマホ教室を通じて、地域におけるデジタル活用が進むよう取り組んでおります。
また、区市町村やつながり創生財団と連携し、企業やNPO、大学等と協働して事業が実施できるよう町会・自治会応援キャラバンを展開するなど、町会、自治会活動が活性化するよう、多様な事業を通じて支援を進めておるところでございます。
○川松委員 当然といえば当然なんですが、町会、自治会は地域コミュニティの中核であるという、部長の、東京都の認識が述べられました。
じゃ、この地域コミュニティの中核である町会、自治会活動の支援はしっかりと進めていかなければならないわけですけれども、そのためには現状を把握していくということが重要でありますが、その取組について教えてください。
○柏原都民生活部長 町会、自治会活動につきましては、支援に関して寄せられる日頃の相談のほか、区市町村の担当部署とのやり取りを通じて実態の把握に努めております。
さらに、町会、自治会の広域連合会である東京都町会連合会と、活動に関する現状や課題に関しまして定期的に意見交換を行い、施策の推進につなげております。
○川松委員 今の部長の答弁にありました、この東京都町会連合会について、組織の概要と、東京都がどのようにこの連合会と関わっているのかをお尋ねいたします。
○柏原都民生活部長 東京都町会連合会は、都内で唯一の町会、自治会の広域連合会であり、区市町村単位の町会、自治会連合会組織を会員として構成しております。
令和五年三月現在、二十三区と八市の連合会組織が加入しており、全体で五千五百町会、自治会を抱えております。
都は、東京都町会連合会について、地域住民を代表する一つの団体として、防災やHTT、ゼロエミッションなど様々な会議や協議会に参加していただき、都民への周知など、事業推進の協力を得ているところでございます。
○川松委員 今、触れられたように、東京都として、これは地域住民を代表する一つの団体であるという言及がありました。
この地域社会を代表とする、東京都にとっては重要なカウンターパートであるわけですけれども、どう東京都として向き合っていくのかというのが、町会、自治会、これは都内各全域の地域のことを考えれば、極めて重要であるということはいうまでもありません。
今の答弁をなぞることになりますけれども、東京都町会連合会は、都内で唯一の町会、自治会の広域連合会です。ただ、まだ二十三区と八市の連合会組織の加入にとどまっています。
私は、もっと多くの市町村に加入をしていただきたいなと思っているわけですけれども、この未加入がたくさんあるという背景には様々な理由があるわけですが、現状として、東京都町会連合会に対しては、東京都はどんな支援をされているのか、現況を伺います。
○柏原都民生活部長 東京都町会連合会に対しましては、未加入の市町村も含めました区市町村の連合組織の接点づくりの場を定期的に設けておりますほか、地域の底力発展事業助成を通じまして、連合会が取り組む加入促進に係る活動などを支援しております。
○川松委員 都としても、この東京都町会連合会に対して支援をしているということは分かりましたが、それでもなかなか、課題である加入促進というのが進んでいきません。
全ての町会、自治会の連合会、都内全域が加入したら、また団体として格上げというか、見方を変えて支援をするのか、それとも、今の状況からどんどん支援をしていきながら町会、自治会連合会の加入を増やしていくのか、これは鶏が先か卵が先かみたいな議論になりますけれども、私は、現在の東京都の姿勢は、より改めていくべきではないかなと考えています。
今日の質疑で分かったように、東京都としては、東京都町会連合会という組織を重要なカウンターパートだと認識しているということがはっきりしたのは、私は、今日、重大なポイントがここで出たと思っています。
確かに皆さん方は、都内全域の町会、自治会連合会がこの都町連に加入するようにサポートしているということ、これは当然ながら評価されるべきですけれども、ただ、より町会、自治会のコミュニティを活性化させていく、そして、残して伝統を守ったり、あるいは新しいものをつくっていくという意味においては、根本的な課題がそこにあって、この解決に向けて、もっともっと踏み込んだ、より踏み込んだ支援をすべきなんじゃないかなということは強調させていただきたいと思います。
そして、重要なカウンターパートであるという認識を、改めて未加入の地域の皆さん方に、やっぱり東京都町会連合会というのは、東京都として重要なカウンターパートなんです、皆さんはまだ入っていないけれども、この組織は重要なんだということを各地域で訴えていただきたいなと。このことを強く押し出すことで、組織は厚みを持っていくんだろうと思います。
各区市町村の町会、自治会あるいは地域の連合会というのは、それぞれの区市町村事業を発信するような機能を持っていて、それぞれの区市町村の役所とは密接な関係を持っています。この連合体が東京都町会連合会であるということであるならば、東京都知事や東京都庁の施策を各地区隅々に届けていく。東京都の政策はこういうことがあるんだということを、末端のエリアまで、いろんなところまで伝えていくような組織としての機能があるわけですね。存在感がそこにあるわけですから、これをもう一度ここで——東京都町会連合会が発足してから半世紀近くを迎えようとしていますけれども、今こそもう一度、東京都としての向き合い方を考えていただきたいと思っているんですね。
今の運営だと、会長という人がいて、この会長の属人的なマンパワーに頼るしかない組織になっています。果たしてそれが、都内全域の町会、自治会のコミュニティを守るために、属人的なままでいいのかと。
この組織と一緒になって東京都が歩んでいくためには、都の重要なカウンターパートであるという認識を持って、もっと都民の皆さんが安心・安全に地域コミュニティを守っていけるような根本的な財政支援を今日は強く求めて、このパートの質問を終わります。
次に、私立幼稚園における保護者負担軽減について伺います。
国は、幼児教育の負担軽減を図る少子化対策として、また、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性の観点などから、令和元年十月に幼児教育の無償化制度を開始しました。
そこでまず、私立幼稚園における保護者負担軽減制度がどのような仕組みで行われているのかを伺います。
○戸谷私学部長 私立幼稚園における保護者負担軽減制度は、幼児教育に係る給付の実施主体である各区市町村が、園児の保護者に対する支援制度を定めて補助を実施するものでございます。
国及び東京都は、区市町村が行う補助事業に対して、その経費の一部を負担することで、区市町村の取組を支援しているところでございます。
○川松委員 今あったように、区市町村が行う補助事業に対して、国や都は経費の一部を負担するということでありますけれども、じゃ、東京都は、今お話がありました区市町村に対して、具体的にはどのような支援を行っているのでしょうか。
○戸谷私学部長 私立幼稚園における保護者負担軽減制度において、国は、全国一律の支援として、年額三十万八千四百円を上限として設定しまして、国と都と区市町村で負担をしているところでございます。
東京都はさらに、都内私立幼稚園における保育料の状況を踏まえまして、全ての世帯が年額三十三万円上限まで支援を受けられるよう区市町村に追加で補助をすることによりまして、保護者負担のさらなる軽減に取り組んでおります。
なお、年収約二百七十万円以下の低所得世帯等につきましては、年額三十三万円を上回る補助も行っているところでございます。
○川松委員 ありがとうございます。今ございましたように、都は区市町村に対して、国が定める上限額を超えて年額三十三万円までの補助を行い、さらなる保護者負担の軽減を図っているということであります。
それでは、じゃ、この国や都の補助を受けて、各区市町村は、園児の保護者に対してどのような支援を行っているのでしょうか。
○戸谷私学部長 多くの区市町村におきましては、地域の実情を勘案いたしまして、都の補助にさらに上乗せをして、保護者に対する補助額を設定しているところでございます。
○川松委員 私立幼稚園における保護者の負担軽減については、各区市町村が地域の実情に応じて補助額を定めているんだということが分かりました。
ところで、この保育料だけでなく、ほかにも園児の保護者が負担する費用があるわけですね。それは、幼稚園に通わせるといろんなお金がかかります。
でも、私立幼稚園からは、この補助が保育料にしか充てられないんだと。もっといろんなことに使い勝手がよくなれば、本当の意味での保護者負担軽減になる、より充実したものになるんじゃないかという声が、現場から私の下にも届いてきます。
何かしらの工夫を東京都の私学部としてできないのか、考え方を伺います。
○戸谷私学部長 一部の区市町村の補助事業におきまして、保育料のみを補助対象と定めて、教材費などその他の納付金を対象としていない場合があることは認識してございます。
そのため、より効果的に保護者負担を軽減することができるよう、区市町村に対し、柔軟な制度の運用を働きかけてまいります。
○川松委員 ありがとうございます。それぞれの地域の実態に見合った保護者負担軽減を行っていくためには、各区市町村がしっかりと地域の私立幼稚園の実情を把握することが必要であります。
そこに対して、東京都がしっかりと区市町村と連携し、今お話がありましたように、より柔軟な制度となるように、現場の声を勘案して工夫していく。様々な通知を出すのか、いろいろ協議をするのか分かりませんけれども、東京都として区市町村に働きかけていっていただきたい、工夫していただきたいということを要望して、次の質問に行きます。
次は、私立高校生の授業料負担軽減について伺います。
今、このテーマで議論する上で一番注目されているのが大阪府の事例です。大阪府では、来年度から段階的に、所得や世帯の子供の人数に関係なく、公立、私立高校授業料の完全無償化を目指しています。
あわせて、補助の上限である標準授業料を超える授業料について学校負担を求めるキャップ制を実施するというものです。これは、実質的に授業料の金額に上限を設ける制度ですから、学校側がこのキャップ制に応じないと、完全無償化の制度に入れてくれない、入れなくなってしまうというものになっています。これだと、大阪の学校は、徴収できる授業料が限られるものになりますから、私は、これは大阪の事例ですけれども、大きな問題のある制度だと考えています。
この大阪発で、全国にこの制度が広がりかねない状況を大変危惧しているわけですが、このあたりの現実的な授業料の保護者負担軽減の在り方というのはどういうものがいいのか、どういった視点でやれば現場が困らないのかということを今日は考えるために、幾つか質問させていただきます。
まず、私立学校の授業料というのは、一体、どのようにして決まっているのでしょうか。
○戸谷私学部長 私立学校の授業料などの学費は、各学校が独自の教育方針に基づく質の高い教育を行うために、自らの教育内容を踏まえまして自主的に決定するものでございます。
なお、手続としては、都への届出を行うことになってございます。
○川松委員 今、答弁があったように、今、確認で聞きましたけれども、授業料というのは、各学校が自らの教育内容に応じて自主的に決めるものであって、行政側が、皆さんの、あなたの学校は幾らですよと、私学の授業料に制限を設けるということは普通はあり得ないわけですね。そもそも、そういうことをやるのが、私立学校法で規定する私学の自主性を重んじることに反しているんじゃないかというふうにも考えるわけですね。
また、授業料の一部を学校が自ら負担することで、学校の経営が圧迫され、教育の質の確保にも支障を来すケースが、今の大阪の制度だと出てくるんじゃないかという心配があるわけです。
そもそも、私学、私学と一口にまとめていますけれども、そのハードやソフトの、施設やシステムは、当然、各学校でまちまちです。建学の理念、建学の精神から基づく教育のこだわるポイントによって、教員の在り方も、それぞれの学校で異なるわけですね。にもかかわらず上限を決めてしまう。設備の充実していた学校がそれを維持できなくなってしまう、そんなようなこともあるんじゃないかなと思います。
保護者負担軽減が進むということは、誰も反対はしないと思うんですね。それは、みんな進んでほしい、それが一番いいことだと、みんな賛成すると思います。しかし、現場に即さない手法というのは、私は全力で反対をしていかなければならないのかなと考えています。
仮に、私立学校の教育水準の維持向上を図る観点から、今の大阪府のような制度が広がり、東京都でもこういう議論が始まっていったらいけない、そんな思いを強く思っているところでありますが、さて、大阪はこういった状況ですけれども、東京都では、私立高校生の授業料負担軽減について、今、どんな支援を行っているのか、そして、併せて所得制限の考え方についてお聞きします。
○戸谷私学部長 東京都は、家庭の経済状況に子供の学校選択が左右されることなく、希望する教育が受けられるよう、私立高校等に通う生徒の授業料につきまして、国が定めた基準を踏まえて、年収目安約九百十万円未満の世帯を対象に、国の就学支援金と併せて、都の特別奨学金により、都内私立高校平均授業料まで支援をしているところでございます。
あわせて、多子世帯に対しては、年収が九百十万円を上回る世帯であっても、扶養する二十三歳未満の子供が三人以上いる場合には、公立高校授業料の半額相当を支援しているところでございます。
都といたしましては、私立学校教育を希望する生徒が家計状況にかかわらず私立高校を選択することに、この制度が寄与していると考えてございます。
○川松委員 ありがとうございます。大体、年収目安約九百十万円というところはありますけれども、都の授業料負担軽減制度によって、家庭の経済状況に子供の学校選択が左右されることなく就学機会を確保するということで、一定の役割を、今、保っているんだということが分かりました。
ただ、これ、今やこの時代は、保護者の所得だけが、公立を選ぶのか、私立を選ぶのかの要因とは限りません。様々な多角度でそれぞれの自分たちの子供に合う、それぞれがここだと思う学校を選んでいるわけですから、より幅広く支援が届いていく、多角度的に見て助成制度を充実させていく必要があるんだと思います。
ですから、大阪モデルといっていいのか分かりませんけれども、今、大阪でやろうとしているものが広がっていく、近畿から全国、東京にという、そういう声が広がる前に、あえて全国の学校の皆さん方が、特に私立学校が集積しているこの東京都で、これになったらみんな乗れるんじゃないかというものを、東京モデルとも呼べるような授業料無償化モデルを実施していく、そういうことを強く要望いたします。
今後、あらゆる場面で、様々な手法を我々は皆さん方に提案していきたいと考えておりますので、ぜひこの視点を忘れずに、私学振興を皆さんと一緒に考えさせていただきたいと思います。
次は、パネルを今日用意しまして、これが配偶者暴力被害者等セーフティネット強化支援交付金の申請書なんですね。令和五年度、今年度使われた申請書です。
見ても分かるように、この四角でくくってあるところは全部不開示です。これは私が開示請求を実際に行って出てきたものですから、別にネットで出回っているものを拾ってきたんじゃなくて、実際に私が開示請求を局にお願いして、出してもらったら、こんなに不開示がいっぱいありますよということです。一体、何が何だか分からない申請書になっています。
これ、令和五年度で今年度のものなんですが、実は、昨年度の同様の事業については、もうちょっと開示されている部分があったのに、今年度になったら、こんな不開示だらけになってしまいました。
なぜ今年度になったらこんなに不開示が増えたのか、まずその理由を教えてください。
○宮本男女平等参画担当部長 情報公開請求の個別の事案につきましては、詳細のお答えを差し控えさせていただきますが、基本的な考え方として、本交付金の交付要綱の改正により、交付対象団体が配偶者暴力被害者支援団体のみとなったことに伴いまして、情報開示から配偶者暴力被害者等の居場所やシェルターの所在地等が特定されるリスクが高まっているものと考えてございます。
また、本年五月に配偶者暴力被害防止法の改正が行われまして、被害者への接近禁止命令の厳格化や厳罰化など、配偶者暴力被害者の保護強化が図られております。
そのような状況を踏まえまして、配偶者暴力被害者等の安全確保を最優先に、公とされていないシェルターの存在や、その所在地等の特定につながり得る情報は不開示と判断してございます。
○川松委員 今、部長から答弁がありましたように、この事業は配偶者暴力被害者を助ける目的で行われているわけですから、DVから逃げている被害者の居場所が特定されないようにすべきだという考えは、誰も異論を挟むところはないと思うんですね。
その安全確保をするんだ、だから必要な情報——安全確保を脅かすような情報は不開示にしなきゃいけないという趣旨の答弁だったと思いますけれども、とはいっても、これ、交付申請団体や、あるいは所在地が不開示なのは分かりますよ、今、部長がおっしゃったように。それは、こういうところの団体に逃げている人がいるかもしれないというのは、誰が見ても分かりますけれども、例えば、この右上の申請の日付まで不開示にするという、この理由はどういうところにあるんですか。
○宮本男女平等参画担当部長 配偶者暴力被害者等の安全確保を最優先に、公にされていないシェルターの存在や、その所在地等の特定につながり得る情報は不開示と判断してございます。
日付につきまして、記載内容を個別に判断いたしました結果、交付対象団体名やシェルターの存在、所在地等を推測し得るものであったため、不開示と判断したものでございます。
○川松委員 今、繰り返しお話しされましたけれども、配偶者暴力被害者等の安全確保を最優先に不開示というのは分かるんですけれども、今の話だと、日付を隠したのは、日付が出ているとシェルターの所在地が分かるから不開示にしたということなんですね。
じゃ、今、日付でそういう話ですけれども、これ、交付金の申請書ですから、事業の話を今、我々はしているわけですけれども、交付金額も不開示なんですよ。
あと、概算払いをするかどうか。精算払いか概算払いかで、概算払いをするかどうかとか、保護を行う場所があるかどうか、そういったところまで不開示になっているというのは、これ、どういうことなんですか。
日付からシェルターが分かっちゃうとか、今いったように交付の金額さえも出ていないというのは理解できないのですけれども、これはどういう……、不開示の理由は。
○宮本男女平等参画担当部長 配偶者暴力被害者等の安全確保を最優先に、公にされていないシェルターの存在や、その所在地等の特定につながり得る情報は不開示と判断してございます。
交付申請額や配偶者暴力被害者等に対する保護を行う場、部屋の有無、概算払いの希望の有無につきまして、記載内容を個別に判断いたしました結果、交付対象団体名やシェルターの存在、所在地等を推測し得るものであったため、不開示と判断したものでございます。
○川松委員 これ、日付もそうですし、金額が出ていると、保護する場所、シェルターの場所が特定されてしまうというのは、多分、聞いている皆さんは、誰もが全く理解できないと思うんですね。
私は、これ、今回、事前にこの文教委員会において資料要求をさせていただきました。それは、令和四年度までは、結局、ある程度出ていた、令和四年度では開示されたものも、令和五年度、今年度になったら不開示になっている。じゃ、この情報開示の取扱いについて、一体、局でどんな議論をしたのか。つまり、この不開示に変更になる、さらに日付まで隠しちゃうということを、いつ、どこで、誰が決めたのかということを、議論の経過として資料要求したのですが、この一八ページの出していただいた資料を見ても、全くもって、その議論の形跡みたいなのはないわけですよね。法律の在り方とか、あるいは令和四年度はパイロット事業だったけれども、令和五年度は本格実施になったと。
これ、皆さん方、本当に、不開示の在り方を決める検討会だとか協議とかを局内で全くしないんですか。しないで自然に、令和四年度から令和五年度で、パイロット事業から本格実施になったら、こんな不開示が増える、そういう仕事を皆さんはしているんですか。誰か議論していないんですか、こういうことは。
○宮本男女平等参画担当部長 所管部署といたしまして、先ほど申し上げました交付要綱の改正によって、交付対象団体がこれまで幅広だったものが、配偶者暴力被害者支援団体のみになったこと、また、本年五月に配偶者暴力被害防止法の改正が行われて、被害者への接近禁止命令の厳格化や厳罰化等が行われたことなどを踏まえまして、所管として、条例にのっとって、議論の上、こうした判断に至ったわけでございます。
○川松委員 私は、この事業がどういうふうに行われているのか、そして、交付金ですから、少なくとも、東京都から出金した交付金がどういうふうに扱われているのかというのを事業チェックする場面ですよね、今、我々は。
例えば、これ、議会の場で、今、僕らが議論しようとしても、不開示のままであるということ、そして不開示の理由が、今、聞いたように、よく分からないまま、ずっと不開示でいったら、我々は、これは一体、どうやってチェックをするのか。
予算を決めるときには議会で議論をして、個別の議案は各所管に分かれていたりとかしますけれども、全体のパッケージを含めて予算の審議をしているわけですよ。その議会で予算の審議が通ってできたものが、一体、どのように事業チェックされているかということを今確認しようと思っても、これ以上出せなかったら、もう何も、何が起きているか全く分からないわけです。金額も、幾ら出ているかも分からない。
別に私は、シェルターの位置を教えろとは一言もいっていないんですよ。どういうふうにお金が使われているのかということを確認しようとしている。
このままいったら、決算特別委員会が来年度あるじゃないかといっても、同じ状況のままだったら、これ、真っ白な状態で事業のチェックができない。一体、何のために僕らは今、都議会議員としてこの議場に立っているのかも、意味が分からないんです。
これ、じゃ、この事業が正しく行われているかとか、どういうふうに公金が使われているかというのは、この透明性とか公正さというのは、どこで担保されるんですか。
○宮本男女平等参画担当部長 各交付団体から、活動内容の詳細や事業効果、今後の課題等の実績を報告させ、支出の裏づけとなる領収書など、支払い実績について確認するとともに、必要に応じてヒアリングや現地確認を行うなど、適切に対応してございます。
なお、情報公開請求に対しましては、配偶者暴力被害者等の安全確保を最優先に、公にされていないシェルターの存在や、その所在地等の特定につながり得る情報は不開示と判断してございます。
○川松委員 つまり、今、これ、議会でこうやって審議しているけれども、今の部長の答弁というのは、部長以下、都の職員を信じてくださいと。我々はちゃんとやっているという、このことが事業の公正さを担保するということになるんですか。これ、本気でそう思っているのか。
我々が予算の審議をして、それが事業執行されて、こういう場において中身が全く分からない。でも、部長に聞いたら、我々を信じてくれと。このままで私はいいと思わないんですね。
要は、この状態が、議会でこういう場で出されて、いろんなシェルターの位置の特定につながることになったら大ごとになると。それは大ごとだと思いますよ。そうしたら、委員長、この委員会を、こういうものを調べるときは非公開にして、それぞれの委員がここで得た情報は外に出さないとか約束をさせて、そういう特別な立場で委員会を開くということも考えるべきだと思うんですよ。
行政が保有する情報というのは原則公開ですよ。でも、今まで見てきたように、皆さんが納得されたかどうか分からないけれども、局は局として、こういう理由で不開示にしていますが、果たして、この下にどんな数字があって、どういうことが行われているのかというのを、今、所管の委員会として私はチェックすべきだと思いますよ。
ほかの委員会でかつて、そういうふうに資料を外に公開しないということで、それぞれの委員が見て、チェックをして、審議をしたこともあります。
過日の各会計決算特別委員会の全局質疑では、我が党の松田都議が指摘しましたけれども、都民ファーストの会の皆さんは、ノリ弁やめますという公約は、一定の成果を達成したとされて公約から外れたということですけれども、改めて、この状況は情報公開がなされていると思えませんから、委員長の下で、今いったような——これは特殊な事案なんですよ。局側が、理事者が特殊な理由で特殊な不開示をやっているんだから、我々委員会としても特殊な対応をしていただくように委員長に求めます。よろしくお願いします。
最後に、文化施策について伺います。
私はこれまで、都議会の場で、文化施策が充実し、発展していくということが、東京が世界で一番の地位を確立するために最重要であるということを訴え続けてまいりました。
その中で、これをコロナ禍を乗り越えてどうしていくかというときに、今、危惧していること、それは才能の海外流出です。
特に現代アートへの関心が、アメリカ、欧米、アジア、いずれでも過熱している今、日本の首都東京都が先頭に立って、この現代アートに対する策を打ち出していかなければならない、そういうフェーズに入っているんだと思うんですね。
もうこのままだと次から次へと、東京にいる才能、すばらしいアーティストの皆さん方の活動拠点が諸外国へと移っていってしまうんじゃないかという声がたくさん聞かれています。
ただ、そんな中でも、東京には現代美術館があります。まさにこの存在は、今まで以上に重要になっているんじゃないでしょうか。
改めて、東京都現代美術館の役割、今までどのように現代アート振興に貢献してきたのか、伺います。
○富岡文化施設・連携推進担当部長 東京都現代美術館は、現代美術の振興を図り、芸術文化の基盤を充実させることを目的に、平成七年に開館いたしました。
開館以来、世界的なアーティストの大規模個展や、若手アーティストを紹介する企画展などを開催いたしまして、現在、総入場者数は一千万人を超えるなど、東京の多彩な芸術文化を国内外に発信してまいりました。
また、国内外で評価されている作家のほか、作家支援及び育成の一環といたしまして、若手作家の作品を収集してまいりました。
また、地域とも連携した取組を継続的に展開いたしまして、地域の魅力向上にも寄与してまいりました。
現在、清澄白河には、現代アートを中心としたギャラリーの集積が見られるようになっております。
引き続き、こうした取組によりまして、現代アート振興の拠点として、最先端の芸術文化を広く発信してまいります。
○川松委員 今お話がありましたように、平成七年の開館以来、様々な施策を重ねて、現代アート振興に寄与してきたことを強く認識しております。
もう一つ先、現代アーティストを育成、保護する政策というのをもっと推し進めていかなければならないと思いますが、そこで、現代アートを振興するためには、才能あるアーティストが国内で活躍できる基盤整備が必要だと考えますが、局長としてどう捉え、取り組んでいくのか、決意を伺います。
○横山生活文化スポーツ局長 アーティストが都内、国内で十分活躍するためには、現代アートが都民により身近なものとなって、魅力ある作品が購入され、新たな創造につながるという好循環がつくり出されることが必要でございます。
都では、東京文化戦略二〇三〇に基づき、アート作品を都民の日常生活に根づかせる事業に対する助成や、民間団体と連携して、都民が気軽にアートに触れ、購入もできるイベントを実施するなど、都民が芸術文化と出会う機会を創出しております。
また、若手アーティストの成長段階に応じた様々な支援に取り組むなど、多面的に施策を展開しております。
国に対しても、アート市場の活性化や才能ある人材に対する支援を提案要求してきておりまして、国際発信力の高いギャラリー周遊事業の共同実施など、国と連携した文化政策を進めつつあります。
引き続き、国や芸術文化団体とも緊密に連携しながら、アーティストが持続的に活動できる環境を整備し、芸術文化で躍動する都市東京を目指してまいります。
キーワードは持続可能と好循環ということですので、こういったことを念頭に、しっかり取り組んでまいります。
○たかく委員 本日、最後の質疑者として質問させていただきます。
私の方から、私立学校への助成の充実及び強化について質問いたします。
東京都では、私立高校に在学する生徒は約六割、幼稚園や専修学校では約九割以上を私立学校が占めており、重要な役割を担っております。
東京都は、私立学校が公教育に果たしている役割の重要性を考慮し、私学振興を都政の重要課題の一つとして位置づけ、経常経費補助をはじめ、保護者の経済的負担軽減などの助成策を講じて私学振興に努めているところであります。
最初に、私立学校の耐震化促進について伺いたいと思います。
東京都では、関東大震災から百年目の節目となる本年、TOKYO強靱化プロジェクトをスタートさせました。
プロジェクトで示された五つある危機の中でも、地震は、日本が直面する最も大きな自然災害の一つであり、改めて過去の災害から学び、備えを万全にしていく必要があると考えます。特に学校は、子供たちが多くの時間を過ごす場所であり、安全を確保することは最優先事項であります。
最初に、私立学校の耐震化について、東京都はどのような支援を実施しているのかを伺います。
○戸谷私学部長 子供たちの安全を確保するために、私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校等が行う校舎などの耐震診断、耐震補強工事、耐震改築工事に要する経費に対し、最大五分の四の補助率により補助を実施しているところでございます。
また、学校の耐震化が進むよう、様々な機会を通じて学校に補助金活用の周知を行うとともに、耐震化の専門家である建築士を学校に派遣し、アドバイスを行う事業を実施するなどの取組も行っているところでございます。
○たかく委員 最大五分の四の補助率で各学校を支援しているとのことです。
それでは、都内私立学校の耐震化の進捗状況について、学校種ごとに伺いたいと思います。
○戸谷私学部長 令和五年四月一日時点での都内私立学校の耐震化率でございますが、幼稚園で九六・一%、小学校で一〇〇%、中学校で九九・六%、高等学校で九七・二%、専修、各種学校で九二・六%でございまして、これら全体で九五・九%でございます。
○たかく委員 平均で九五・九%ということで、かなり高まっているということは認識いたしました。
これまで、耐震化を促進するための取組をどのように強化してきたのか、また、今後、残った分をどのように取り組んでいくのか、併せて伺います。
○戸谷私学部長 都はこれまで、耐震診断や耐震補強工事に加えまして、耐震改築工事を補助対象にするとともに、倒壊などの危険性が高い建物に対する補助率の引上げや、天井、壁などの非構造部材を補助対象にするなど、補助の拡充を行ってまいりました。これらの取組により、私立学校の耐震化は進んできております。
一方、今後、耐震化に取り組む学校もあることから、引き続き、各学校の耐震化に向けた相談に丁寧に応じるなど、きめ細かな取組を行ってまいります。
○たかく委員 補助制度の拡充など、東京都ではこれまで、耐震化に向けて、いろんな取組を行っていることは理解しました。まだ耐震化が完了していない学校には、それぞれの事情があることを踏まえ、引き続き、個別にしっかりと対応し、生徒たちが安心して学校で学び続けることができる環境確保を進めていただきたいことをお願い申し上げます。
次に、私立学校のデジタル教育環境整備について伺いたいと思います。
児童生徒の学習への意欲や関心を高め、また、学力を向上させるとともに、これからの時代に求められる情報活用能力を育成していくためには、私立学校におけるPC端末やタブレット等のICT機器などのデジタル教育環境の整備促進が不可欠であると考えます。
まず、都がこうしたデジタル教育環境整備のために実施している支援の内容について伺います。
○戸谷私学部長 東京都は、教育用端末や電子黒板等のデジタル機器及び無線LANなどの利用環境の整備を促進するために、都内の私立小中学校、高等学校、特別支援学校を対象といたしまして、私立学校デジタル教育環境整備費補助を実施しているところでございます。
近年では、従来の補助に加えまして、都内の私立高等学校等の生徒一人一台端末の整備や、機器の活用に際して専門的な知見を持つアドバイザーによる助言や研修などを受けられるように、補助を拡充してございます。
○たかく委員 コロナ禍の中でもあって、いろいろICTが進んできたということはいえると思いますが、それでは、デジタル環境の整備状況について、実際どのくらい進んできているのか、直近の推移について伺います。
○戸谷私学部長 普通教室における無線LANの整備状況につきましては、令和三年度が八一・二%、四年度が九二・一%、五年度が九三・七%でございます。
電子黒板等の大型掲示装置の整備状況につきましては、三年度が八八・一%、四年度が九〇・九%、令和五年度は九三・一%でございます。
また、教育端末の整備状況でございますが、令和三年度は一・八人に一台の割合、四年度は一・五人に一台、令和五年度は一・二人に一台の割合となってございます。
○たかく委員 今、お話で、無線LANの整備、また電子黒板等のデジタル環境の整備がかなり進んでいることは理解しました。
特に、子供たちが今後デジタル社会を生き抜いていくためには、学習段階からの一人一台端末を整備することが求められております。
私立高校では、一人一台端末の新たな整備が令和四年度からスタートしております。これにより、さらなる整備促進が図られており、これを今後、私立中学校へも広げてほしいとの声もいただいております。
今後、引き続き、デジタル環境の整備が進むように、学校の声を聞きながら、必要な支援を実施していただきたいことを要望いたします。
次に、私立学校における、いじめ防止に向けた取組について伺います。
いじめは、いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命また身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであります。
今年は、いじめ防止対策推進法が施行されてより十年の節目の年であります。大津市の男子中学生がいじめを苦に自殺したことをきっかけに本法律が成立したことは、記憶に新しいところかと思います。
この法律は、いじめについて、児童生徒間において、被害を受けた子供が心身の苦痛を感じるものと明確に定義をするとともに、学校がいじめに対し真摯に取り組むことを求めております。
この間、法の趣旨に基づいて、各学校や行政がいじめ防止対策に取り組んできているところでありますが、それでも、いじめはかなりの件数があると聞いております。
私のところにも、現在、私立学校に通学している生徒のご両親から、切実ないじめの相談もいただいているところであります。
そこで、現状の都内私立学校におけるいじめの認知件数について伺います。
○戸谷私学部長 令和四年度における児童生徒の問題行動等に係る調査結果におきまして、都内私立学校のいじめの認知件数は、小学校二十七校で三百八十五件、中学校七十七校で二百八十五件、高等学校五十三校で百三十六件、特別支援学校一校で一件でございまして、いずれも前年度よりは増加してございます。
なお、文部科学省の分析によりますと、認知件数が増加している背景といたしまして、単純にいじめが増加傾向にあるだけではなく、各学校において、アンケートなどの実施により、いじめの早期発見、早期解決を実施してございまして、積極的な認知が増えた側面もあるとしてございます。
○たかく委員 いじめの件数がかなり増えている中で、いじめで困っている子供や保護者が孤立しないような状況をつくり出すことが大切であります。
そのためには、いつでも、誰でも相談しやすく、安全で信頼できる窓口があることが必要であると考えます。
子供や保護者がいつでもいじめについて相談できる都の窓口の設置状況について伺います。
○戸谷私学部長 東京都は、東京都いじめ相談ホットラインや、話してみなよ−東京子供ネット−を設置いたしまして、電話相談を受け付けるとともに、相談ほっとLINE@東京におきまして、LINEによる相談も受け付けているところでございます。
○たかく委員 東京都は、子供や保護者からのいじめの相談先を、今のようなことで対応しているということは理解いたしました。
さて、いじめ防止対策推進法では、いじめ重大事態という概念を取り入れて、より深刻ないじめの事態に対し、対処しなければならないことが明記されております。
子供がいじめによって貴重な学びの機会を失することがないよう、いじめの深刻化を食い止めることは喫緊の課題であると考えます。
改めての確認になりますが、いじめ防止対策推進法が規定するいじめ重大事態の定義について伺います。
また、直近のいじめ重大事態の発生件数についてもお伺いいたします。
○戸谷私学部長 いじめ防止対策推進法では、いじめ重大事態を、いじめにより児童生徒の生命、心身、財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき、あるいは相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるときと定義してございます。
令和四年度は、都内私立学校におけるいじめ重大事態の発生件数は三十五件でございまして、前年度の二十二件から増加しているところでございます。
○たかく委員 今、答弁で、重大事態についての定義、それから、発生件数が増えていることをお示しいただきました。
それでは、このいじめ重大事態が発生した場合における私立学校での手続について伺います。
○戸谷私学部長 いじめ重大事態が発生した際には、学校の設置者または学校は、事態に対処するための組織を設け、事実関係を明確にするための調査を行うこととされております。
学校の設置者または学校は、調査の結果に基づいて、被害生徒への支援、加害生徒への指導、教職員の処分、再発防止の徹底などの対応を行うこととなってございます。
都は、学校が調査を進めるに当たって、学校からの相談に丁寧に対応するとともに、今後のいじめ防止などのために必要な措置が講じられるように、指導や助言を行っているところでございます。
○たかく委員 いじめ防止対策推進法では、重大事態が発生した際に、学校において、調査、支援、指導の手続と再発防止に向けた事後対応を行うことが定められており、学校に対して、東京都も必要な支援を行っているということが分かりました。
しかし、本来、学校としては、こうした重大事態に至る前に、いじめの芽を摘み、生徒が安心して学校で授業を受けることができ、楽しい学校生活を送ることができる環境整備が重要であると考えます。
法律においては、日頃からのいじめに対する取組の必要性が記載されており、学校や教員が法の趣旨を理解し、日頃からの学校活動で、いじめ防止の取組を実践していくことが重要と考えます。
子供たちをいじめから守るためにも、全ての学校と全ての教員がこの法律の趣旨をしっかりと認識し、教育活動に当たることが重要であり、学校自らが教員への周知や生徒への対応を行うことは当然として、東京都として、私立学校に対してどのような支援を行っているのか、伺います。
○戸谷私学部長 東京都は、いじめ防止に関する国の通知などを、適宜、学校へ周知するとともに、私立学校の理事長、校長ほか関係者が集まる機会を捉えまして、日頃から、いじめ防止の取組の重要性や重大事態が発生した際の手続などを広く周知しているところでございます。
また、文部科学省の専門官による学校、教員向けのいじめ防止研修会を定期的に開催しておりまして、その中で、今年度は新たに、生徒指導提要に基づく生徒に寄り添った具体的ないじめ防止指導についての解説も行ってございます。
さらに、学校からの相談に対しては、引き続き親身に対応し、必要な助言を行っているところでございます。
○たかく委員 いじめ防止対策は、私立学校が真剣に取り組まなければならないものであり、今後とも、様々な機会を捉えて、学校におけるいじめ防止の取組を支援していくことを求めて、次の質問に移ります。
次に、スポーツを通じた被災地交流事業について伺います。
スポーツは、人々に楽しさや感動をもたらし、多くの人を引きつける力があります。するだけではなく、見る、そして支えるなど、多様な関わり方ができるのがスポーツの魅力であります。また、楽しむだけではなく、人々に勇気を与え、希望の光を照らしてもくれます。
地震とその後の津波によって未曽有の被害をもたらした東日本大震災、そのような困難な状況下で、被災地に希望をもたらしたものの一つがスポーツであります。
都議会公明党は、被災地、特に子供たちが明るく前向きになり、希望が持てるよう、スポーツを通して支援することを求め、東京都は、これに応えて様々な事業を展開してきました。
東京二〇二〇大会成功に向け、東京都と被災県が手を携えて行ってきた多くの取組は、都民と被災県民との絆を生みました。
震災から十年以上が経過し、復興も新たなステージへと移ってきておりますが、今年度の東京都の取組と今後について伺います。
○齊藤スポーツ担当部長 都は、震災直後より、被災地の子供たちを東京に招待し、交流事業やスポーツ観戦事業などを実施してきました。
令和四年度からは、復興の進む東北に会場を移し、被災三県と連携して交流事業を実施しております。
令和五年度は、七月、宮城県で、小学生による女子サッカーの交流試合等と震災学習を、八月、福島県で、東京二〇二〇大会の舞台となったあづま球場において、中学生による女子ソフトボールの交流試合等と復興状況の見学を行いました。
また、十月には、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会の会場であった岩手県の釜石鵜住居復興スタジアムにおいて、小学生によるミニラグビーの交流試合等と震災学習を行いました。
今後も、被災地に寄り添いながら、スポーツを通じた都と被災地の交流を深めてまいります。
○たかく委員 今年度は、昨年の福島、宮城に続き、新たに岩手県も加えて、三県において交流が実施されたとのことでありました。今後も、被災地の意向を踏まえながら、スポーツを通じて東京都と被災地の交流を深め、絆を継承していただくことを求めておきます。
続いて、パラスポーツの振興について何点か伺います。
東京二〇二〇パラリンピック大会を契機に、パラスポーツへの関心が高まりました。この機運の高まりを、いかにパラスポーツ、障害の有無にかかわらず、いつでも、どこでも、いつまでも楽しめるポピュラーなコンテンツにしていくことが重要と考えます。
パラスポーツ振興上の課題の一つが、身近な活動の場の充実であります。障害者団体にとっての場には、バリアフリー環境やアクセスのしやすさなどが必要なほか、車椅子だと傷がつくという誤解から、体育館の利用を断られるなどの話も聞くところであり、一般の団体よりも選択肢が限られているのが現状です。
こうしたことから、東京都は、場を充実させる手法の一つとして都立特別支援学校活用促進事業を実施しているとのことです。
現在、特別支援学校の体育館やグラウンド、テニス施設などを貸し出してスポーツの場を提供しているとのことですが、障害者スポーツ団体等の施設の利用状況と、どのような声が届いているかをお聞きいたします。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、平成二十八年度から特別支援学校の体育施設の活用促進を図っており、現在、三十一校で実施しております。
申込みについては障害者団体を優先しておりまして、本事業の利用団体のうち、障害者団体は、事業開始時の十五団体から、現在は三百三十五団体に増加し、年間の貸出枠のうち半数以上を占めております。
また、団体の障害種別については、知的障害や車椅子利用者などの肢体不自由が多く、種目別では、バスケットボール、バレーボール、ボッチャなどとなっております。
利用団体からは、スポーツ活動の場所が増えたなどの声をいただいており、今後も、本事業を通じて障害者のスポーツの場を確保してまいります。
○たかく委員 ありがとうございます。活動の場の増加につながっているとのことで、今後も、ぜひ多くの団体に利用していただきたいと思います。
次に、スポーツをする機会についてです。
一般的に障害者の余暇活動の場は限られているものが現状で、スポーツに関しても、障害のない方向けの企画が多く、参加しづらいとの声を聞きました。
その点、レクリエーションスポーツは、身体能力や経験を問わず、誰もが公平に参加できるという特徴があります。
私は、現在、世田谷区でティーボールという競技の普及促進に携わっております。この競技は、野球やソフトボールに似たボールゲームで、バッティングティーにボールを乗せて、その止まったボールを打つことから始まるゲームです。ボールも軟らかく、障害のある方でも楽しくプレーができる競技で、障害のあるお子さんや成人の余暇活動の一環として、ゲームをしたときには、本当に皆さんに楽しんでいただいております。
特別支援学校の体育館で、土日を中心にパラスポーツ等の体験教室を開催しているとのことで、ティーボールも実施していると聞きました。
そこで、体験教室について、障害者が参加しやすい内容とするためには、体験教室の種目や方法について工夫していくことが重要だと考えておりますが、具体的にどのように取り組んでいるのか、伺います。
○澤崎パラスポーツ担当部長 特別支援学校活用促進事業の体験教室については、パラリンピック種目だけでなく、レクリエーションスポーツなど、障害があっても取り組みやすい種目を多く取り入れております。
加えて、同じ種目でも、参加者の障害特性に応じてルールを変更しており、例えばティーボールでは、本来、ホームベースに生還して得点となるところを、塁に出るだけで得点できることとするなど、参加しやすい工夫を行っております。
また、例えば様々な障害種別の方が参加するアダプテッドサッカーでは、視覚障害者向けに、音が鳴るだけでなく、大きなボールを使用して蹴りやすくするなど、用具面でも工夫を行っているところでございます。
今後も、参加者の障害種別や程度などにきめ細かく対応したスポーツの場となるよう取り組んでまいります。
○たかく委員 今、特別支援学校の活用促進事業について伺ってまいりましたが、体育館まで出かけてスポーツを楽しめる方がいる一方で、様々な理由で外出自体が困難で、そもそも地域のスポーツの場に出てこられない方もいらっしゃいます。
東京都は、障害により外出が困難な方向けに、福祉施設にいながらオンライン上でスポーツ対戦ができる、いわゆるeパラスポーツ事業を今年度から始めたと聞いております。
具体的にはどのような取組なのか、お伺いいたします。
○澤崎パラスポーツ担当部長 都では、障害のある方向けに開発された機器を福祉施設に貸し出し、オンラインで施設同士のスポーツの対戦ができる機会を提供する事業を今年度から開始しております。
手先の不自由な方でも操作できる大きなボタン型スイッチや、目の動きだけで操作できる視線入力装置などを貸し出しております。
機器の提供に当たっては、作業療法士が操作する方の障害特性や状態を確認し、選定しております。個々の状態に合わせた機器を使用することで、障害のある方が自分自身で操作して、パソコン上で徒競走や玉入れなどのスポーツ対戦を楽しむことができます。
こうした取組により、障害の程度や有無にかかわらず参加できる交流の場を提供し、障害のある方の社会参加の機会を増やしてまいります。
○たかく委員 現在、高齢者がeスポーツを通して、交流やフレイル予防につながる取組を進めている自治体も増えております。今回のこのeパラスポーツを通して、障害のある方の社会参加がしっかりと進んでいくように求めるところであります。
それでは、最後に、国際スポーツ大会のガバナンスについて伺います。
日本では世界陸上を開催するのが二〇〇七年の大阪大会以来十八年ぶり、東京都では一九九一年以来三十四年ぶりとなります。
また、デフリンピックは、日本では初めての開催であり、また、一九二四年にパリで第一回デフリンピックが開催されてから百周年の節目となる大会でございます。
二〇二五年に東京で開催される世界陸上、デフリンピックについては、それぞれ大会運営組織が設立され、開催に向けた準備が進んでいると聞いております。
両大会の運営組織の設立に当たっては、東京二〇二〇大会において、スポンサー契約をめぐり、組織委員会の元理事の汚職事件の経験を踏まえ、適切なガバナンス体制が構築されるよう、東京都では、スポーツ大会のガイドラインを策定しているものと認識しております。
都のガイドラインにおいて、この大会運営組織がガバナンス確保のための、この取組について質問しようと思いましたが、先ほど、他会派からの同様な質問もありましたので、そこは割愛させていただきます。
この両大会の運営組織においては、設立時のガイドラインに沿った体制が整備されていると思いますが、対応が着実に実施されることが重要と考えます。今後、大会準備が本格化していく中で、ガバナンスの実効性をしっかりと担保していくことが必要と考えます。
そのため、東京都は、ガイドラインで規定している、大会運営組織の取組の状況をしっかりと一つ一つ確認していくべきと考えますが、見解を伺います。
○三浦事業調整担当部長 都は、大会運営組織の取組の実効性を担保するため、ガイドラインにおいて、組織運営や事務執行の適正性の確認など必要な対応を行うこととしております。
今月十日には、ガイドライン策定の際に設置した有識者会議を開催し、デフリンピック、世界陸上それぞれの大会運営組織の取組状況について、委員である法律、会計の専門家の方々に確認をいただきました。
各委員からは、両大会とも、ガバナンス確保に向けた体制整備が適切になされており、今後、この体制に基づく取組を着実に進めていくべきとの意見をいただいております。
今後とも、この有識者会議も活用しながら、状況確認等を適時適切に実施し、大会運営組織の取組の実効性を担保してまいります。
○たかく委員 東京都の対応状況については承知しました。
両大会の運営組織のガバナンスについて、東京都としてもしっかりと確認していくことで、この大会が都民、国民にとって信頼できるようなものになるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
その一方で、大会準備が進んでいく中、大会規模についても精査が進んでいると思いますが、デフリンピックについては、全日本ろうあ連盟の試算では約百三十億円程度と、第一回定例会の文教委員会での答弁があったと聞いております。
大会まで二年となり、改めて、デフリンピックについて、大会規模をどのように精査し、財源をどのように確保していくのか、都の考えを伺います。
○清水事業調整担当部長 デフリンピックは、デフスポーツへの理解を広げ、障害の有無にかかわらず、共にスポーツを楽しみ、共生社会の実現に寄与する意義を有した大会で、関係者が連携して準備を進めております。
現在、大会の基本計画の検討を進めながら、過去大会の状況も踏まえ、適正なサービスレベルを確保するとともに、適切な予算規模となるよう、関係者で精査、検討しているところです。
また、財源につきましては、大会の開催意義や魅力などを発信し、民間からも幅広く支援を求め、寄附、協賛や各種助成など多様な協力を得るとともに、国に対しても協力を求めてまいります。
○たかく委員 続いて世界陸上についてですが、こちらは、大会規模について、これまで具体的には示されていないと認識しております。
世界陸上の予算の精査はどのように進めていくのか、また、その財源としては、スポンサー収入が大きなウエートを占めると想定されますが、その確保に当たって、特にガバナンスの観点に立った取組が重要と考えておりますが、見解を伺います。
○三浦事業調整担当部長 世界陸上については、現在、大会の基本計画の策定に向けて、大会運営組織を中心に、関係者と連携しながら検討が進められており、計画の内容も踏まえて予算が精査されるものと認識しております。
その財源として、スポンサー収入は重要であり、都は、ガバナンス確保の観点から、ガイドラインにおいて、大会運営組織が行う取組として、マーケティング業務に関する方式の検討経緯や選択理由等を明らかにすることとしております。
これを踏まえ、世界陸上財団においては、スポンサー確保に向け、公募など透明性の高い手法を検討しております。
○たかく委員 東京二〇二〇大会では、特定の代理店に多くの業務を、いわば丸投げしていると受け取られる構図がございました。そこから汚職と談合という二つの事件につながってしまったということで、誠に残念であります。
今回の世界陸上、デフリンピック等の国際スポーツ大会においては、都が必要な関与を行うためにも、大会運営組織に対して、適切なガバナンスの確保に向けた体制整備の構築ができるように求めて、質問を終わらせていただきます。
○藤井委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたします。
以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後八時四十四分散会
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