文教委員会速記録第十一号

令和五年九月二十九日(金曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長入江のぶこ君
副委員長伊藤しょうこう君
副委員長加藤 雅之君
理事桐山ひとみ君
理事斉藤 りえ君
理事とや英津子君
北口つよし君
アオヤギ有希子君
大松あきら君
鈴木  純君
白戸 太朗君
阿部祐美子君
三宅 正彦君
伊藤 ゆう君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長横山 英樹君
生活安全担当局長竹迫 宜哉君
次長理事兼務渡邉 知秀君
次長久故 雅幸君
総務部長奈良部瑞枝君
都民安全推進部長馬神 祥子君
スポーツ総合推進部長小池 和孝君
国際スポーツ事業部長稲垣 敦子君
スポーツ施設部長梅村 実可君
企画担当部長吉原 宏幸君
治安対策担当部長米今 俊信君
パラスポーツ担当部長澤崎 道男君
事業調整担当部長国際連携担当部長兼務木村 賢一君
事業調整担当部長三浦 大助君
事業調整担当部長清水俊二郎君
経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務高島 慶太君
教育庁教育長浜 佳葉子君
次長田中 愛子君
教育監藤井 大輔君
総務部長山田 則人君
都立学校教育部長村西 紀章君
地域教育支援部長岩野 恵子君
指導部長小寺 康裕君
グローバル人材育成部長瀧沢 佳宏君
人事部長吉村美貴子君
福利厚生部長吉村 幸子君
教育政策担当部長秋田 一樹君
特別支援教育推進担当部長落合 真人君

本日の会議に付した事件
意見書について
教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十八号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
生活文化スポーツ局関係
報告事項(質疑)
・第三十三期東京都青少年問題協議会答申について
・国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインの改定について
・第二十五回夏季デフリンピック競技大会 東京二〇二五大会概要について
・有明アリーナ管理運営事業報告書の公表について(令和四年度)

○入江委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○入江委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁関係の付託議案の審査並びに教育庁及び生活文化スポーツ局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百六十八号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○山田総務部長 去る九月十五日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 今回要求のございました資料は一件でございます。
 それでは、一ページをご覧ください。1、都立八王子南特別支援学校(仮称)普通科の通学区域(令和六年度)でございます。
 令和六年度の高等部普通科一年生の通学区域を記載したものでございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○伊藤(ゆ)委員 第百六十八号議案について質疑をさせていただきたいと思います。
 特別支援学校の教員確保について伺いたいと思います。
 今回、特別支援学校の設置条例に関連をいたしますので、この教員確保、とりわけて、このところ、特別支援学校に限りませんけれども、東京都教職員の確保には大変な困難が伴ってございます。過去に比べて教員になりたいという方々の数が格段減っておって、その倍率が、特別支援学校あるいはまた普通校においても下がり続けているというふうに認識をしてございます。
 今回、来年度新設をする八王子南特別支援学校以降も、増えていらっしゃる特別支援学校に通うお子さんに向けて、複数の学校設置を計画されているというふうに承知をいたしておりますが、当然、学校が増えれば、それに伴って必要となる教職員の数も増えてまいります。
 一方で、申し上げたように、教員の確保が困難になっている実態について伺いたいと思いますので、まず、東京都の特別支援学校教員の過去五年間の受験倍率の推移と今年度の受験状況を伺いたいと思います。

○吉村人事部長 東京都公立学校教員採用選考における特別支援学校の受験倍率は、令和二年採用選考が三・二倍、令和三年が三・一倍、令和四年が二・八倍、令和五年が一・四倍、本日発表いたしました令和六年採用選考が一・三倍でございます。
 なお、令和六年採用選考では、小学校や中学、高校と特別支援学校との併願受験制度を開始いたしまして、特別支援学校の受験者数が昨年の四百九十九名から七百二十六名へと増加しております。

○伊藤(ゆ)委員 受験者数が増加したことは結構なことだとは思うんですけれども、しかし、根本の志願をされる選考の倍率という意味でいうと、令和二年が三・二倍だったのに対して、最新だと思いますけれども、令和六年が一・三倍。この僅か四年間だけでも、これだけ倍率が下がっている。一・三倍というのは、ほぼ選考がないに等しいような倍率だと、ちょっとこれは厳しく申し上げておきたいというふうに思います。
 そういう意味では、この特別支援学校に限らず教職員全体の問題かとは思うんですけれども、とりわけて教職課程にある大学生の生徒さんたちにとってみますと、小学校や中学校の教師とは別に、特別支援の学校の先生のやりがいというものを感じて、ここなら、より多くの子たちに、自分がありがたい存在として能力発揮できるというふうに思って、特別支援学校の先生を目指す方々も少なくないというふうに思います。
 ただ、恐らくですけれども、ご家族にそうした身障者の方々がいらっしゃらないケースも多いと思いますので、むしろ、特別支援学校の中でどのような教育活動が行われているのかというのを知っている生徒さんたち、教職課程にある方々というのは、決して多くないのではないかというふうに思います。
 むしろ、こうした特別支援学校において、そうした支援を必要とするお子さんたちに対して真心を込めて接している先生たちの実態とか姿が伝わると、私も同じように働きたいという方々が出てくるのではないかと、このように推察をいたします。
 そういう意味で、教職員志望者に特別支援学校の実態を知ってもらうことが重要ではないかと考えるのですが、都教委の見解を伺いたいと思います。

○吉村人事部長 都教育委員会では、教員志望者に対し、特別支援学校を含めた東京都の教育現場の実際の状況や魅力を伝えるため、採用セミナー、TOKYO教育Festa!において、現職教員から直接話を聞くことができる相談コーナーやミニセミナーを設けるなど、様々なPRを実施しております。
 今年度は、新たな取組といたしまして、特別支援学校の見学会を予定しておりまして、実際の教育内容や特別支援学校で働くことの魅力を伝え、特別支援学校を目指す希望者の増加につなげてまいります。

○伊藤(ゆ)委員 例えばですけれども、お医者さんでいえば、例えば大学一年生で医学部に入って、五年生、六年生ぐらいになるまでに、どこの科に進むかというのを決めますよね。その過程の中において、実習ももちろんあるでしょうし、あるいは、学校教育課程の中だけじゃなしに、いろんな場面で、例えば外科医だったら、こんな仕事をするんだろうなとか、ドラマで見ることもあるかもしれませんし、映画で見るかもしれませんし、ドキュメンタリーで見るのかもしれません。
 今お話しいただいたTOKYO教育Festa!、この取組は非常に、今後も進めていただきたいと思っておりますので評価をしておりますが、今お話しのようなことを、文言でとか口頭で伝えられてもなかなか--やはり、特別支援学校の中において先生の存在がいかに子供たちに重要なものであるのかとか、それからまた働きがいのあるものかというのは、言葉だけだとなかなか伝わらないところがあるのではないかと思います。
 中には、こういうドキュメンタリー映画とか、あるいは、そうした報道番組なんかも既にあるわけですから、そういう動画というのをうまく東京都として吸い上げて、こういった紹介できる場面で紹介されたらどうかと思います。
 ちなみにですけれども、これはオリ・パラの特別委員会で申し上げたかもしれませんが、有明アリーナとか東京都の新規恒久施設がいかに様々な建築技法を凝らして造られているかというドラマがNHKでつくられていて、これを今既に、御局だったか政策企画局だったかが買い取って、これをいろんなところに周知していくという取組も始まっているというふうに聞いています。
 ですので、学生の皆さんにやっぱりそれが伝わるような動画というのを、自前でつくらなくても結構ですから、売っているものを買ってくるとか、ぜひそういうものを活用していただきたいなということは要望しておきたいと思います。
 それから、今年度からは、新たに特別支援学校の見学会を予定しているということでありますが、この見学会の応募者数の増には大いに期待したいと思っています。
 こうした都が開催するイベントで特別支援学校の魅力を発信するだけではなくて、積極的にこちらから出向いていって、来てくださいということではなしに、アウトリーチ型の学生へのPRも効果的と考えますが、都教委の見解を伺いたいと思います。

○吉村人事部長 都教育委員会では、教員免許状が取得できる大学に働きかけまして、現地やオンラインで直接学生に説明会を開催しております。昨年度は六十四の大学で実施いたしました。
 大学説明会は大学構内で実施いたしますことから、学生が比較的容易に参加でき、教職に就くかどうか迷っている層を含めた多くの学生へのPRの場となっております。
 こうしたアウトリーチ型の説明会におきましても、特別支援学校の情報発信を充実させてまいります。

○アオヤギ委員 共産党のアオヤギ有希子です。八王子南特別支援学校について質疑をします。
 八王子南特別支援学校の資料、ありがとうございます。学区域が変更になる地域の町名が示されました。
 八王子の場合は、八王子西特別支援学校の高等部が数年前に新設されており、そこに通う子供たちと、もう一つの八王子市の南側、いわゆる多摩ニュータウン地域ですけれども、このエリアの子供たちは多摩桜の丘に通っていました。このエリアに住む子供たちと多摩市の一部のエリアに住む子供たちが、今回新設される八王子南特別支援学校に通うことになります。また、町田市の子供たちは、全員、町田の丘一校に通っていましたけれども、今回、隣接する地域は八王子南特別支援学校になります。
 そこでお伺いします。学区が変更になる町田の丘、多摩桜の丘は、現在の転用教室、間仕切り教室があると考えられますけれども、それぞれどういう状況にあるのか、転用、間仕切り教室の数をお示しください。

○落合特別支援教育推進担当部長 令和四年五月一日現在、町田の丘学園における転用教室数は十一教室、間仕切り教室数は三教室で、多摩桜の丘学園は、それぞれ九教室、六教室でございます。

○アオヤギ委員 町田の丘、多摩桜の丘それぞれ、転用教室も、間仕切り教室も多くなっています。
 それでは、八王子南特別支援学校に学区が変更されたら、町田の丘、多摩桜の丘では、間仕切り教室、転用教室はどのように解消されるのでしょうか。

○落合特別支援教育推進担当部長 町田の丘学園及び多摩桜の丘学園の学校規模は、各年度の児童生徒数等により決まるため、現時点では確定できませんが、八王子南特別支援学校の設置は、両校の児童生徒数の増加への対応に有効でございます。

○アオヤギ委員 転用教室、間仕切り教室を減らすということに有効だということでした。
 それ自体はよいことなんですけれども、子供たちにとっては、通う場所が変わったり、友達が変わったり、学ぶ環境の変化がありますので、事前に学校の見学や説明などを十分に行っていただきたいと思います。
 次に、特別支援学校の設置基準ですけれども、八王子南特別支援学校は、設置基準は満たしているのでしょうか。校舎、グラウンド、特別教室など、お答えください。

○落合特別支援教育推進担当部長 令和三年に公布された特別支援学校設置基準のうち、施設及び設備に関する規定は、令和五年度以降、建設工事を開始する学校に適用されます。
 八王子南特別支援学校は令和三年に工事着工しており、当該基準は適用外でございますが、この基準に本校の状況を照らし合わせると、校舎面積及び校舎に備えるべき施設は基準を満たしてございます。
 運動場の面積については基準を下回っておりますが、本校の設置に当たりましては、教育上支障がないようにするため、中庭等の活用や運動場、施設借り上げ等の工夫を適切に行ってまいります。

○アオヤギ委員 グラウンド以外は設置基準を満たしているということです。特別教室も、設置すべきものは設置されているということです。子供たちが増えた場合に、これらの特別教室を転用することなく、新設で対応していただきたいと思います。
 また、転用教室や間仕切り教室があるような場合、余裕教室もなくなって子供たちが落ち着く場もない、それだけ多くの子供が通うと、バスもいっぱいいっぱいになるために強度行動障害の症状が出る、また、それを見て不安になるなど、子供たちにとって決してよくない環境の学校もあると保護者の皆さんからお話を伺っています。
 ぎりぎりまで子供たちを詰め込むのは、子供たちのとても大きな負担になっています。ですから、学校には、余裕教室など一定の余裕を持たせることが不可欠です。
 強度行動障害のお子さんなど重度重複学級に入るべきお子さんがこの南特支に入学した場合、そのときは対応できる教室や体制があるのですか。
 また、重度重複学級が増えれば、生徒数が同じでも学級数が増えますから、教室数も多く必要になります。そして、生徒が増えると教室がぎゅうぎゅう詰めになってしまい、その影響で子供たちが落ち着きがなくなるなど負担がかかります。
 この八王子南特支では、新入生から順次学年が持ち上がって教室が埋まっていくと思いますが、三年生まで入った場合でも余裕教室はあるのですか。

○落合特別支援教育推進担当部長 今、委員からは強度行動障害についてお話をいただきましたが、重度重複学級に該当した場合を想定させていただいてございますが、重度重複学級も想定して施設規模を定めており、三学年がそろった場合でも普通教室が不足することがないよう考えてございます。

○アオヤギ委員 重度重複学級も想定しているということです。強度行動障害のお子さんでも重度重複学級に入っているお子さんはたくさんおられますので、想定しているということです。重度の子供、重複障害の子供たちが適切に重度重複学級に入れるようにしていただきたいと思います。
 また、障害のあるお子さんには、ゆとりのあるスペースが不可欠であると思いますので、間仕切り教室ができるほど詰め込まないでいただきたいと重ねて要望します。
 このエリアでは、南特別支援学校ができることで、高等部の詰め込み状態の学校は解消していくと考えますけれども、都内には、多摩地域、特に二十三区でも特別支援学校が大幅に足りません。特別支援教育推進計画第二次実施計画では、いまだ新設や増設の計画が検討中と書かれたままです。
 この八王子南特別支援学校は一次実施計画のもので、今まで時間がかかるものです。二次計画の目標を示して、それに向かって具体的に動いていかなければ、遅々として進まないし、都民に理解を得て進めることは困難ではないでしょうか。
 そこでお伺いします。この計画で新設、増改築の計画を立てる目的は、間仕切り教室や転用教室の解消が大前提だと思いますが、そういう目的なのでしょうか。確認します。

○落合特別支援教育推進担当部長 特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画における施設整備計画は、児童生徒数の将来推計や全都的な配置バランスなどを勘案した上で、教育環境の改善を図ることを目的としたものでございます。

○アオヤギ委員 今、教育環境の改善であると答弁がありましたけれども、そこには、当然、間仕切り教室や転用教室の解消が入ると考えます。
 今、都内を見ても、今回、八王子のエリアは一定解消されるのだと思いますけれども、二十三区を中心に、何年間も新築、増改築の計画もなく、ぎゅうぎゅう詰めの学校があることを、第一回定例会の一般質問で我が会派の原純子都議が指摘しました。一刻も早く、都政の中心課題として解決されなければならない問題です。
 教育庁だけでなく、都庁全体、区市町村にも協力してもらい、土地の確保をしていくことが必要です。そのためには、特別支援学校に通う子供たちがどういう状況にあるのか、広く都民に知っていただき、理解を得るため、設置計画を速やかに公表すべきですが、いかがですか。

○落合特別支援教育推進担当部長 特別支援学校の施設整備計画は、児童生徒数の将来推計や全都的な配置バランスなどを勘案した上で、関係者とも調整しながら新設や増改築などを検討しており、決定後に公表する予定でございます。

○アオヤギ委員 特別支援学校の教室不足の問題は、特別支援学校に通う子供たちだけの問題ではありません。今、様々な障害のある子供たちが、通常の学校では適切な教育やケアを受けられないと、通常の学校から特支に入るケースも増えていると聞いています。
 通常の学級で子供たちが多い状況があったり、また、教員不足で特別支援学級、特別支援教室の先生が担任となり、学級がなくなったり、通う日数が減り、手厚いケアを受けられる特別支援学校を選ぶというお子さんが少なからずいると思います。
 ですから、それぞれの教育環境が影響し合って、切っても切り離せないというふうに私は考えます。どの学校でも、どの学級でも充実した教育が受けられるように体制整備が求められています。これを中心課題にすることが重要です。
 特別支援学校においても、学校の整備をはじめ、都内全体の教員不足の解消、少人数学級の実施を行い、どの子も充実した教育が受けられる環境整備を求め、質疑を終わります。

○入江委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○入江委員長 次に、報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○阿部委員 報告事項、私債権の放棄について一言申し上げます。
 既に、この件に関する図書館の支払いについては、前払い制度に改めたことにより、同様の事態が起こらないというふうには認識をしております。
 ただ、私債権放棄に至るに当たり、職員の方が回収に赴くなどの手続を行ったということで、職員の人件費を含めた回収コストの方がはるかに債権額より大きくなっているとのことです。ですので、教育庁に限らずなんですけれども、職員の労力も勘案した仕組みづくりを今後もお願いしたいと思います。
 なお、現在の前払い制度なんですけれども、こちらも、納入通知書を発送して、それから切手を郵送するというような形をデフォルトにしているということで、ペイジーなどほかの手段もあるにはあるけれども、金融機関にお問い合わせくださいというような素っ気ないご案内になっておりますので、こうしたことも、利用者の利便性という点から、より使いやすい仕組みを目指していただければと思います。
 以上です。

○入江委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。

○入江委員長 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 報告事項、第三十三期東京都青少年問題協議会答申について外三件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○奈良部総務部長 去る九月十五日の当委員会におきまして要求のありました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布の令和五年文教委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくり願います。
 目次に記載のとおり、今回要求のありました資料は三件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、都のガイドラインと国の指針の概要でございます。
 項目ごとに、都のガイドラインと国の指針の概要を記載しております。
 四ページをお開き願います。2、一般財団法人東京二〇二五世界陸上財団の役員等一覧と都派遣職員数の推移でございます。
 役員等の一覧と都からの派遣職員数の推移を記載しております。
 五ページをお開き願います。3、有明アリーナのメインアリーナ及びサブアリーナにおけるスポーツ利用とそれ以外の利用の件名、利用日数等でございます。
 各アリーナ、利用目的ごとに、件名、利用日数等を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 よろしくお願いします。
 私からは、これからの国際スポーツ大会について、二点伺わせていただきます。
 東京二〇二〇大会終了後に汚職や談合事件が発生したことは誠に残念であり、東京都は、この問題を真摯に受け止め、今後の国際スポーツ大会に向けて、しっかりとガバナンスの確保等に取り組んでいかなければならないと考えております。
 そのような中、東京都は、国の指針等も踏まえて、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインの改定を実施するなど、ガバナンスのさらなる強化に資する取組を実施すると、今回も報告でありますが、一方、以前、本委員会でも申し上げましたが、大会運営組織と力を合わせ、スポーツの力によって東京の未来をつくっていく必要があると考えています。
 そこで、これからの国際スポーツ大会の開催に向けて、東京都はガイドラインをどのような考え方に基づいて策定したのか、伺わせていただきます。

○三浦事業調整担当部長 これからの国際スポーツ大会の開催に向けては、大会運営組織がガバナンスを確保し、スポーツの根幹であるフェアネスを体現した信頼されるものとなる必要がございます。
 加えて、大会を通じて、未来の東京につながるレガシーを残していくとともに、都民と共に大会をつくり上げ、大会開催の意義を社会に浸透させていくことも重要でございます。
 都は、こうした基本的な考え方の下、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインを策定いたしました。

○鈴木委員 ありがとうございます。東京二〇二〇大会のような、ああいった事件が今後起こらないように、引き続きしっかり準備をお願いいたしたいと思います。
 私は、本委員会においても、世界陸上、デフリンピックを契機として、次世代を担う子供たちに夢や希望、多くの学びが与えられるよう取り組んでいただきたいと以前要望いたしましたが、そこで、世界陸上、デフリンピックについて、スポーツの力で都民、そして子供たちに夢や感動を届ける大会を実現していけるよう取り組んでいくべきだと考えておりますが、東京都の見解を伺わせていただきます。

○三浦事業調整担当部長 両大会の開催は、広く人々にスポーツのすばらしさを伝えるとともに、子供たちの夢や希望を育む機会となります。
 このため、大会開催に向けては、幅広く都民、とりわけ子供たちの参画機会を提供するなど、大会への期待を高めていくことが重要でございます。
 そこで、アスリートとの交流や競技体験、大会を象徴するエンブレム等の作成への参画など、子供たちがスポーツの喜びを体験する取組を具体的に検討してまいります。

○鈴木委員 引き続き、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

○白戸委員 よろしくお願いします。
 現在、中国の杭州で開催されていますアジア大会、連日、地上波で放送されまして、ラグビーのワールドカップと相まって、国際スポーツの日本での盛り上がりを大いに感じるところでございます。
 やはり、ふだんのスポーツと違って、日本を代表して選手たちが戦っている姿、こういったものは、それぞれの種目の理解は浅くても心を動かされるものが、いわゆる、にわかといってしまえばそれまでですけれども、あるのかもしれません。
 東京都でも、都市のプレゼンスの向上、世界への発信力強化、都民のスポーツマインド熟成、そして健康増進など、多くのメリットがあるこの国際スポーツの誘致を積極的に進めているところです。
 中でも、二〇二五年には、世界屈指のスポーツイベントである世界陸上と、日本で初めて開催されるデフリンピックが開催されることになりました。それぞれの誘致にご尽力いただいた関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。
 しかし、国際スポーツイベントの開催時に向けられる目は、さきの二〇二〇大会の贈収賄、そして談合の問題もありまして、非常に厳しい目が向けられているのは当然のことでございます。
 中でも、多くのスポンサーが関与し、運営規模の大きい世界陸上ではなおさらです。だからこそ、大会の準備を着実に進めていくことは重要ですが、大前提として、その前にガバナンス体制の確保は不可欠だと考えます。
 今後は、公正、透明性の一層の確保を図り、都民、国民の信頼を得るための具体的な取組をしていかなければなりません。
 そんな中で、世界陸上財団は、都のガイドラインを踏まえ、ガバナンス体制をしっかりと確保した上で設立されたものと認識しておりますが、このガバナンス確保の取組を具体的にどのように進めていくのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団は、設立時に公表した財団運営の方向性において、ガバナンス確保に向けた取組を明示してございます。
 具体的には、役員等の公正な選考のため、有識者を含む選考委員会を設置し、選任方針の策定及び選任理由の公表を行う、また、厳正な契約手続のため、財団内外に外部専門家を含むチェック体制を構築するとともに、利益相反問題の防止のため、スポンサー確保では、公募など透明性の高い手法を検討することとしております。さらに、監査室、監事、会計監査人が密に連携する三様監査体制を構築し、監査機能を強化するとともに、情報の公開を原則に、非公開情報については、その適正性等を第三者委員会がチェックする仕組みを構築することとしております。

○白戸委員 これはある意味、二〇二〇大会で失ったスポーツイベントの信頼を取り戻す大きなチャンスでもあると考えております。ぜひ今回の得た、かなり痛みを伴って得た多くの教訓をしっかりと生かして、国際スポーツイベントのモデルとなるような、そんな大会をつくっていただきたいと思います。
 一方、同年に開催するデフリンピック、こちらにおきましては、ガバナンスの確保はもちろんなんですけれども、最大の課題は、開催に当たっての収入の確保であるかなと考えます。
 既に民放等では広報が開始されている世界陸上とは違いまして、その認知度はまだまだ途上にあるといっても過言ではないと思います。
 ですから、同じ国際イベントであっても、課題が異なることを認識し、対応を検討していく必要があると思います。
 デフリンピックは、共生社会の実現など社会を変える力があり、その意義を実現するためにも、適切な公的負担を検討していくべきだと考えます。それとともに、今後、大会計画や財政運営の検討を深めていく上で、民間からも広く資金を確保することも重要だと考えます。
 そこで、このデフリンピックについて、大会を成功させるために幅広い協力を得ていく必要があると考えますが、皆様の見解を伺います。

○清水事業調整担当部長 デフリンピックは、デフスポーツへの理解を広げ、障害の有無にかかわらず共にスポーツを楽しみ、共生社会の実現に寄与する意義を有した大会です。
 先般公表いたしました大会ビジョンにおいても、誰もが個性を生かし力を発揮できる共生社会の実現に貢献していくとしたところでございます。
 このような大会開催の意義を広め、多くの都民の理解と共感を得ることで、公的支援に加え、寄附や協賛を含めた協力を幅広く募っていけるよう工夫してまいります。
 こうした取組を通じ、幅広い支援を得て、着実に大会の準備を進めてまいります。

○白戸委員 デフリンピックについては、やはり多くの賛同を得て参画していける仕組み、こういったものをつくるなど、大勢で、みんなでサポートしていくということが重要だと考えます。今後、幅広い支援を得ていくためにも、寄附、協賛も含めまして、いち早く取組を進めることを要望しておきます。
 先日の我が会派の代表質問で、世界陸上とデフリンピックの両大会の一体的な機運醸成を行っていくという答弁をいただきました。
 さきにもお話ししたとおり、この二つの大会は知名度も特徴も異なりますが、その二大会を同年に開催する東京は、ともに取り組んでいくことでシナジーを生み出していけるのではないかというふうに思います。
 ぜひ、世界陸上のトップアスリートの魅力、共生社会を強く推進するデフリンピックの魅力、さらに人間の無限の可能性を感じさせてくれる両大会の相乗効果で、二〇二五年に向けて、両大会を大いに盛り上げていただきたいと考えます。
 そこで、この両大会を一体的にPRしていくために、具体的にどのように取り組んでいくのか、伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 都は、二〇二五年の世界陸上とデフリンピックを通じて目指す姿をまとめたビジョン二〇二五を定め、様々な機運醸成の取組を進めているところであります。
 具体的には、先般開催した世界陸上のシンポジウムにおきまして、陸上のデフアスリートである高田裕士選手にご登壇していただきました。
 また、デフリンピック二年前の節目イベントにも陸上競技のアスリートをご招待する予定です。
 あわせて、SusHi Tech Squareをはじめ、様々なイベントにおきまして両大会のPRを行うブースを出展するなど、一体的な取組を展開しております。
 今後も、こうした取組を継続し、両大会の魅力を広く伝え、二〇二五年に向けた機運を醸成してまいります。

○白戸委員 東京都のホームページでは、両大会が同じページに表記されておりました。まさにこういうところから始まるんだなというふうにも感じました。
 ともあれ、どちらか一つの開催だけでも大変なんですが、その両方を同じ年に開催するというのは、決して簡単なことではないと思います。しかし、経験豊富な、二〇二〇大会もそうですけれども、多くの国際スポーツイベントを開催してきた東京だからこそできる、そういったことも感じるところでございます。
 先日、私は、トライアスロンのアイアンマンの世界選手権でニースを訪ねてきまして、そのときに、副市長でありますクリスチアーヌ・アミエルさんという女性の方がいらっしゃるんですが、この方にお話を伺ってまいりました。
 ニースは、現在のクリスチャン・エストロジ市長になってから、非常にスポーツ、それから文化のイベント誘致、盛んでございます。ご存じの方もいらっしゃると思いますが。
 このときも、まち中を、全部まちを使ったような世界選手権のその一週間後には、何と今度はラグビーのワールドカップの開催を控えていました。ちょうど日本とイングランドの戦いのときですね。これ、非常に大変なことだと思います。
 アミエルさんに、これだけ大変なイベント、そして、こんな大きなイベントを頻繁に誘致する理由とは何ですかということを尋ねたところ、彼女がいったのは、やはりまちは眠ってはいけないんだ、世界から注目され、世界から人が入ることで新しい空気が入り、発展していく、そして、市民がスポーツや文化に触れ、生活を豊かにする機会でもあるんだ、スポーツや文化は、まちにとって大切なカンフル剤なんですというふうにおっしゃっていました。
 これは東京も全く同じだと思います。人の人生を豊かにするのは、文化でありスポーツです。そして、その経験であり体験です。
 様々な世界クラスのイベントを東京で開催することで、東京のアップデートを引き続き行っていただきたいと要望しておきます。
 続きまして、有明アリーナの管理運営事業の公表について伺います。
 有明アリーナは、昨年の八月、開業しまして、多くのイベントが開催されております。コロナ禍の中のスタートということでもありましたけれども、昨年の実績を見ますと、メインアリーナの稼働率は七割弱、東京二〇二〇大会の競技会場の後利用としては、しっかり使われているなというのは評価できると思います。
 ただ、先ほどの要求資料の中にもありましたけれども、スポーツの利用日数が要求水準よりもちょっと下回っているなというのも印象です。
 収益を重視するならば、スポーツより音楽の方が手っ取り早い。これはなかなか理解できます。
 なのですが、どうしてもそちらに偏りがちなんですけれども、これはどうなのかということで、ぜひ、こうした実績を都としてどのように考え、運営権者に何を求めていくのか、伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 有明アリーナは、東京二〇二〇大会のレガシーを引き継ぎ、質の高いスポーツ観戦機会の提供や魅力的なエンターテインメントの開催などにより、東京の新たなスポーツと文化の発信拠点となる施設でございます。
 スポーツ利用としましては、昨年度は、トップアスリートによる国際大会や全国大会などの競技スポーツや、都民がパラスポーツ等を体験するイベントなどが行われましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による大会数の減少などにより、メインアリーナの利用日数は要求水準に満たなかったと運営権者から聞いております。
 昨年度、不足しましたスポーツ利用日数につきましては、令和五年度から令和七年度の三年間、毎年六十日以上のスポーツ利用をすることにより不足分を補い、要求水準を達成すると運営権者から申入れがございました。
 都としましては、運営権者に対し、早期の関係団体への働きかけや新規利用者の獲得などにより、要求水準書に定めるスポーツ利用日数の確実な達成に向けた取組を徹底するように求めてまいります。

○白戸委員 誤解していただきたくないのが、私は別にエンタメを否定しているわけではなくて、本当に活用していただくことは非常にありがたいことでございます。
 ちなみに、この有明アリーナというのは、大体、観客数が一万数千ということで、いわゆる業界的には箱といういい方をしますけれども、都内でこのぐらいの箱というのはあまりないんですね。ですから、音楽業界では非常に有明アリーナというのは注目されているというのは、業界の方からも聞いております。そんな状況なので、エンタメ業界から非常に引き合いが多いというのは理解できます。
 それはそれでいいのですけれども、有明アリーナはやはり、一つの大きな目的としてスポーツの発展のための施設でもありますので、このあたりのバランスをしっかりと気配りいただければなというふうに考えます。
 一方、イベント開催時には、ありがたいことですが、多くの人が有明の現地を訪れます。そのために、来場者の騒音、それから通過経路、滞留など、地域住民の方から様々な声が私に届いておりますし、その声は、当然、東京都や運営権者にも届いていると思います。
 近隣対応業務として、これまで地域住民からどのような声があり、運営権者はどのように対応してきたのか、また、その取組と都の見解を伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 地域住民からは、運営権者に対し、来館者の有明アリーナ周辺での滞留、マンション敷地への立入り、ごみの投棄などについてご意見をいただいております。
 こうしたご意見を受け、運営権者は、来館者動線の分散、警備員、誘導員の追加配置やスタッフによるごみ回収など、随時対応を行ってきました。
 また、運営の改善を図るため、地域住民と定期的な意見交換の場を設けており、都の担当者も出席しております。
 都としましては、運営権者に対し、運営に伴い寄せられる様々なご意見について、主催者と連携して丁寧に対応するよう、引き続き求めてまいります。

○白戸委員 地域住民の皆様と定期的な意見交換の場を設け、常に地域の声を聞きながら運営されていることは分かりました。
 非常に意識のギャップが生まれるところは、イベントに来ている方からすると、一年に一回、もしくは半年に一回、それほど頻度が多いものではありませんけれども、地元の皆さんには週に何回もあるんですね。そういった状態になってしまうということで、なかなか地元の皆さんも、どうしてもこういう声が出てくるということなんですが、これはある意味、当初から、ある程度想定されていたことでもあります。ぜひ今後も、これまで以上に丁寧に進めていただきたいと思います。
 また、この地域住民の声の中には、有明アリーナ周辺の話だけではなくて、有明アリーナに向かう交通アクセスへの言及もございました。
 東京駅と有明方面を結ぶ都バス05-2という系統があるんですけれども、有明方面の人口増加や、もう一個手前の新豊洲のチームラボに来館されるインバウンドの方々、そして、それに有明アリーナのイベント時の来場者などが重なりまして、東京駅から肝腎の住民の方が乗れないというようなこともあると聞いておりました。また、実際、このバス乗り場に人があふれているというのを私も何度も見ております。
 そんな中で、都バスについては、先月増便されまして、日常的な混雑の緩和はかなり期待されるところではあります。しかし、アリーナのイベント開催時には、移動のタイミングがどうしても集中しますことから、これではなかなか解決ということには思えません。都バスの増便以外の対策を取る必要があるのかなと考えます。
 イベント開催日の都バスの混雑緩和に向けて、運営権者はどのように対応してきたのか、その取組と都の見解を伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 イベントの開催時には、運営権者は主催者と共に、有明アリーナの来館者に対しまして、BRTや「ゆりかもめ」など、都営バス以外の公共交通機関の利用を案内しております。
 また、運営権者は、多くの来館者が見込まれるイベント開催時には、東京駅と有明アリーナ間のシャトルバスを臨時で運行しております。
 都としましては、運営権者に対し、イベント開催時の混雑状況に応じ、シャトルバスの利用を促進するとともに、その効果的な運行を検討するなど、混雑の緩和に向けた一層の取組を求めてまいります。

○白戸委員 これは、運営権者の方がシャトルバスの運行など努力いただいているということは分かるんですが、実際はなかなか解決していないんですよね。いまだに混雑があるということが現実でございます。周知拡大、増便、まだまだこういった工夫が必要なのではないかなというふうに考えます。
 特に都営バスの混雑、乗れない、乗れるという話は、本当、生活のライフラインということなので、引き続きこの取組を強化して、地域住民のインフラの確保に努めていただきたいと思います。
 一方、この有明アリーナは、有明親水海浜公園に隣接し、運河を望むすばらしいロケーションに立地しております。
 開業後、運営権者の投資によって桟橋も整備されたと聞いておりますけれども、あまりこれを利用されているのを私も見ていないですね。せっかく設置したこの桟橋を利用しないのは、非常にもったいないなと考えます。有明アリーナの価値向上につながる使い方が大いにあるのではないかなと考えております。
 そこで、この桟橋のこれまでの活用状況及び今後の活用方法について、都は運営権者にどのように確認しているのか、また、確認していれば、その内容と都の見解について伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 本桟橋は、運営権者が設置したものでございまして、これまでイベント主催者と連携したクルーズ船の運航などで活用されております。
 運営権者からは、今後は、クルーズ船の運航に加え、非常時に人や物資の運搬を行う防災用の桟橋などとしての活用も検討していると聞いております。
 都としましては、この桟橋が有効活用されることは、来館者のサービス向上、災害時の安全・安心の確保につながるものと期待しております。

○白戸委員 まずは、先ほど質疑でも少し触れましたけれども、例えばイベント時のインフラとして利用できるのではないかなと考えます。
 例えばですけれども、日の出桟橋からイベントとタイアップ装飾をした船で観客を直接輸送する、何かこういうことができますと、バスの混雑緩和にもつながりますし、顧客の満足度の向上にも資するのではないかと考えます。
 また、それのみならず、日常的な利用が図られることも地域の魅力向上につながるのではないかとも思います。
 近くにはアーバンスポーツパーク横に親水公園などもできまして、水辺空間との共存が、この辺りは非常に進んでくるところでございます。ぜひそうした地域との連携も深めながら、桟橋の活用について様々な検討をしていただくことを要望し、私の質問を終わります。

○加藤委員 それでは私から、世界陸上財団の設立に関しまして、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインの改定から質問を行います。
 都議会公明党は、東京二〇二〇大会に関連した事件がどうして起こったのか、どこに問題があったのかにつきまして、議会で繰り返し厳しく問題点を指摘してきました。
 私も、昨年十一月に開かれました各会計決算特別委員会の全局質疑で取り上げまして、不透明な役員の選任経緯や、契約の仕組みや、金額の公表などについてやり取りをしまして、国際スポーツ大会のガバナンス改革を求めました。
 小池知事からは、二〇二五年には世界陸上、デフリンピックが開催されるということで、その成功に向け、大会のガバナンス、情報公開、都の関与の在り方など、都民、国民の信頼を得るための基盤を強化していくことが求められるとして、東京二〇二〇大会の経験も踏まえ、有識者会議で議論いただいて、その成果をガイドラインとして取りまとめていくなど、都としての取組を進めていくという答弁があったわけでございます。
 今後の国際スポーツ大会開催においては、今回の贈収賄や談合事件のように、都民の不信を招くようなことがあっては断じてならず、同じ轍を踏むことは許されないわけでございます。
 そうした意味で、二〇二五年の世界陸上に向けては、特に重要な取組として、役員等の中立性の確保、利益相反問題の防止、情報の原則公開、実効性ある監査手法の導入を我が党は訴えて主張してきましたけれども、こうしたことがガイドラインで反映されてきたというふうに認識をしております。
 そこで、これらの点につきまして、ガイドラインを踏まえて、七月に設立されました世界陸上財団においてどのように対応しているのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上財団の設立に向け、役員等の選任においては、外部専門家を含む役員等選考委員会を設置し、競技や大会への知見、組織運営経験、政治的中立など必要な資質を明確にした選任方針を策定の上、選考手続を進め、選任後には、その理由等を公表してございます。
 また、設立時に公表した財団運営の方向性において、専門人材の直接雇用等の活用、都に準じた情報公開制度の導入、不正の未然防止、早期発見のためのリスクアプローチ監査手法の導入を明記し、現在、それに基づいて必要な規定整備等を順次進めてございます。

○加藤委員 我が会派の主張してきたことが、世界陸上財団の設立に当たって反映しているということが確認をできたというふうに思います。
 不正の未然防止等のためにリスクアプローチの監査手法を導入するという答弁もなされましたけれども、不正の未然防止には、契約段階における取組も重要であります。ガイドラインでは、契約、調達についての外部チェックの仕組みの構築が規定されるなど、必要な対応は盛り込まれていると認識をしております。
 一方、さらなるガバナンスの強化に向けては、都も経費面のチェックに積極的に関与していくことも有効だというふうに思います。
 そこで、ガイドラインでは、契約、調達について、都はどのように関与することになっているのか、また、世界陸上においてはどのように対応していくのかという点について答弁をお願いします。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインでは、都が財政支出を行う場合、大会運営組織に対し、都と大会運営組織が共同でチェックを行う仕組みを整備することとしており、その対象は、都の財政支出分に限定するものではございません。
 世界陸上においては、公正性の確保に向けた取組を一層強化する観点から、都が財政支出を行うか否かによらず、都と財団等が共同でチェックを行うこととしております。

○加藤委員 ぜひ共同チェックをしながら、二度とこういうことが起こらないようにやっていってもらいたいと、そのように思っているわけでございます。
 このガイドラインには、今後の国際スポーツ大会のモデルを示すと、このようになっているわけでございます。そうした意味で、この二〇二五の世界陸上が本当にそのモデルになった、このように後世からいわれるように、ぜひそうした取組をやっていただきたいと期待をいたしまして、質問を終わります。

○アオヤギ委員 共産党のアオヤギ有希子です。
 有明アリーナについて質問します。
 この施設は、東京都が施設整備費三百七十億円という財政投入をして建設されました。コンセッション方式によって、九十四億円で、株式会社電通を代表企業とするグループ、株式会社有明アリーナが運営権を取得して、本格的に開館してから初年度の報告です。
 私どもはこの間、繰り返し、事業の目的や施設運営の考え方などに、都民のスポーツ振興の促進について明記するよう求めてきた施設でもあります。
 また、事業者に対する要求水準書が、年間スポーツ利用が六十日とされていることにも、非常に低い水準であるということを指摘してまいりました。
 私たちは、この施設について、スポーツレガシービジョンに掲げられたスポーツのさらなる活用ということが大前提であり、スポーツの祭典のオリンピックのレガシーというのなら、都のスポーツ振興に寄与する施設となることを引き続き求めるものです。
 その上で、まず、有明アリーナ管理運営事業報告書には、初年度に必要な年間利用日数が達成できていないと指摘をされ、予約管理を進めるなど工夫が必要だったとありますが、具体的にどういうことでしょうか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 運営権者からは、新型コロナウイルス感染症の影響等により、都内での大規模スポーツ大会の開催数が減少したため、要求水準書に定めるスポーツ利用日数を達成できなかったとの報告がございました。
 このため、運営権者として、早期から関係団体への働きかけや新規利用者の獲得などの工夫が必要であったと指摘したものでございます。

○アオヤギ委員 コロナの影響があるにしても、メインアリーナは、コンサートなど興行が三十件、百三十日と利用実績に占める割合が、スポーツ利用十件、二十日間と比べて大きくなっています。
 私たちは、この要求水準書のスポーツ利用年間六十日、今回は八月二十日から三月三十日までの開設した日数ですので、それを反映させると年間三十七日の要求水準は、もともと低い水準であると考えますが、しかし、それすらも達成できなかったということです。
 初年度に必要な年間利用日数が達成できていないと指摘されたことについて、都はどのように改善を求めていくのですか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 都としましては、運営権者に対し、早期から関係団体への働きかけや新規利用者の獲得などにより、要求水準書に定めるスポーツ利用日数を確実に達成できるよう、その取組の徹底を求めております。

○アオヤギ委員 関係団体への働きかけというのは、もちろん必要だというふうに思いますけれども、スポーツ利用をする場合の使い勝手の問題も、この利用の少なさに表れているのではないかと考えます。
 そこで、メインアリーナの予約の仕方について伺います。
 メインアリーナでは、一年前より仮予約申請を受け付けますが、これを申込みできるのは、大規模な国際スポーツ大会等、これにより難い場合はと書かれ、つまり一年以上前に予約をしたい場合は、有明アリーナにご相談くださいとなっていますが、この大規模な国際スポーツ大会等の等に入るのは、何が入るのでしょうか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 運営権者によりますと、大規模な全国大会や広域的な大会などのスポーツ利用やイベント、公演などが含まれるとのことでございます。

○アオヤギ委員 つまり、ほとんどの小規模なスポーツ団体などは、通常、一年前から一斉に予約を取りますけれども、大規模な国際大会や国内の大会を含め、そして一部のコンサートなどは、二年や三年前ということで予約がしたいという希望で会場を押さえることができるということです。
 そうすれば、おのずと日程がコンサートなどで埋まってしまっていくことになると思います。
 また、一年前の予約で興行とスポーツ団体の利用したい日が重なった場合、事業者が初めは利用調整をすることになっていますけれども、私は、最初からくじ引をした方が要求水準書で書かれている予約の透明性の確保につながると思いますので、利用が進むよう工夫をしていただきたいと思います。
 また、事業者は営利企業ですので、お客さんを入れて料金最大一日七百十五万円のコンサートと、入場料金を取らないスポーツの団体の料金は六十六万円を比べたときに、収益の高い事業者を優先するという心理が働くことも懸念されます。
 そこで伺います。なぜ一年以上前の予約にコンサートなどが入るのでしょうか。このルールは誰が決めたものでしょうか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 一般的には、大規模な国際大会やイベント等は、一年以上前から日程調整が必要であることから、早期の受付を行っております。
 なお、有明アリーナの利用規約は運営権者が定めており、それに基づき予約管理を行っております。

○アオヤギ委員 一年以上前の予約ができる団体にコンサートも入れたのは事業者であるということです。
 やはり運営権を譲渡するコンセッション方式では、都が都有施設の運営内容に深く関与できず、利益が最優先となるという欠点があるということを指摘しておきます。
 また、周辺環境にも影響を与えていると報道がされています。五輪レガシー、住民困った、ライブ開催のアリーナということで、有明アリーナに隣接してマンションが建ち並んでおり、保育園もあるということです。
 この住民の皆さんから、コンサートなどがあると、渋滞や騒音、マンション内へのバイクの無断の駐車などに悩まされているということですが、こうした住民の声に対して、改善策を示していますか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 地域住民からのご意見に対しまして、運営権者が来館者動線の分散、警備員、誘導員の追加配置やスタッフによるごみ回収など、随時対応を行っております。
 また、運営の改善を図るため、地域住民と定期的な意見交換の場を設けております。

○アオヤギ委員 この有明アリーナにはコンサートに来た人の駐車場はなく、交通の便も悪い場所です。その上、海外のアーティストなどが来れば、全国から観客が来ることになり、車で来ると、どこに止めていいか分からないということになることは十分考えられることです。警備員の増員だけでは、なかなか解決できないことだと思います。
 他の横浜アリーナなどでは、住宅とアリーナが離れているので、そのような声はないということで、大規模なコンサートがこのエリアに共存できるのかが問われています。住民の方からは、五輪のレガシーと思って当初は期待もあったが、これでは迷惑施設だという厳しい意見も出ています。
 そこで伺いますが、要求水準書には、周辺のにぎわい創出と、近隣対応業務で、近隣からの苦情や要望等については、必要に応じて都に報告するとともに、適切な対応を行うことと、どちらも書かれています。
 近隣の苦情を解決するには、このにぎわい創出というのを抑制する必要があるのではないでしょうか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 運営権者は、運営の改善を図るため、地域住民と定期的な意見交換の場を設けてございます。
 都としましては、運営権者に対し、運営に伴い寄せられる様々なご意見について、主催者と連携して丁寧に対応するよう、引き続き求めてまいります。

○アオヤギ委員 このにぎわい創出という要求が本当に住民が望んでいることなのか、疑問に思います。
 もしこの施設がふだんからスポーツを利用する大小のスポーツ団体だったら、このような混雑は起きないと思います。大規模なコンサートが、この有明アリーナの周辺環境には不向きであると指摘をします。
 次に、財務状況ですけれども、税引き前当期純損失が発生したと報告書にありますが、この理由をお示しください。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 令和四年度は、施設の開業が八月以降となりましたが、開設準備の期間についても、人件費や施設の維持管理費等の固定費を要しております。
 また、センターハングビジョンや館内サインなど、有明アリーナ開業に向けた追加投資を実施したため、税引き前当期純損失が発生したものであります。

○アオヤギ委員 大規模大会、コンサートなどで使うセンターハングビジョン、また、スポーツジムやカフェなどを造った費用が追加投資であるということです。
 資料第8号の報告書一五ページには、損益計算書があります。ここでスポーツジムの売上げが七か月で六十一万円となっており、利用が少ないようですが、この理由をお示しください。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 ジムスタジオは、昨年九月に開業しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、利用者数が伸び悩んだと聞いております。
 都としましては、都民のスポーツの場としてさらに活用されるよう、運営権者に対し、サービスの向上や情報発信の強化などの取組を求めております。

○アオヤギ委員 周辺にはスポーツジムがあるということで、周辺のニーズとは合っていないのではと思います。
 また、ホームページを見ても、一見、どこにジムがあるのか、有明アリーナの中にあるのか分かりにくいし、利用の仕方もあまり前面に書いていません。これではジムがあることが分からないのではと思います。
 ジムですと、近くにある場所を選び、習慣的に通う方が多いのではと思いますが、そう考えますと、別の競技のスポーツの場にするなど、検討し直した方がよいと考えます。
 メインアリーナの利用についてですが、オリンピックのスポーツレガシーの役割を果たすため、様々工夫をして要求水準以上のスポーツ利用を目指していくべきだと考えます。
 そこでお伺いしますけれども、メインアリーナのスポーツ利用を増やすには、団体だけではなく、場所を区切って貸し出すなど、都民が個人や少人数でも借りられるように工夫すべきではないですか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 有明アリーナは、東京の新たなスポーツ、文化の拠点となる施設として、国際大会、全国大会などの大規模なスポーツ大会やコンサート等を開催し、都民に質の高い観覧機会を提供することとしております。
 都は、運営権者に対し、早期から関係団体への働きかけや新規利用者の獲得などにより、スポーツ利用日数を達成できるよう求めてまいります。

○アオヤギ委員 文化ということが入っていますけれども、私は、スポーツはスポーツ、文化は文化ときっちりと分けて振興していくべきだと思います。
 特に、この施設を含め都のスポーツ施設は、数が少なく貴重なものなのに、料金が高い、二十三区に集中しているなど、住民にとっては使い勝手のよい状況ではありません。これを改善しなければ、都が進めるスポーツ振興を進めることはできないと思います。
 今、メインアリーナの一番低い料金は、入場料を徴収しない場合でも五十五万円です。例えばメインアリーナを区切って貸すことで、借りやすくなる、料金も低くすることができ、スポーツ利用も増やすことができます。有明アリーナがスポーツ施設としての役割を果たすことを強く求めるものです。
 そこで伺いますが、料金についても、無料の日をつくることや、子供や障害者が利用するときに安価にするなど、工夫をしてスポーツ利用を進めるべきではないですか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 スポーツ利用の際のアリーナの利用料金につきましては、要求水準書に基づき、入場料金が廉価なスポーツ利用を妨げないよう配慮し、利用者が設定、徴収する入場料金の多寡に応じて、運営権者がその額を設定しております。
 また、運営権者は、サブアリーナにおきまして、障害者スポーツ利用の料金を半額に設定して障害者のスポーツ利用の促進を図るとともに、都民に無料で施設を開放する日を設けるなどの工夫をしております。

○アオヤギ委員 利用料金も運営権者次第であるということですから、株式会社ですので、収益を上げることが目的ですから、観客を入れて入場料金を取る一番高い料金を支払う団体に貸したいという原理が働くのは当然です。
 都としてスポーツ振興に寄与する施設にしていくために、要求水準書も協議をすれば変えられるのですから、スポーツ利用を引き上げることを求めます。
 そこで伺いますが、資料によりますと、メインアリーナをコンサートなどで使われると、コンサートの前の日、後の日などもメインアリーナを使い、また、物販などでサブアリーナを取ることもあると聞いています。
 サブアリーナは、要求水準書で、運営権者が自ら利用するイベント等は、原則として都民スポーツ利用の多い時期や曜日を除いて実施するよう配慮するものとするとあります。
 なぜメインアリーナにも求めないのですか。メインアリーナにも同様に求めてはどうでしょうか。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 メインアリーナは、大規模なスポーツ大会や各種イベント、コンサートなどでの利用、サブアリーナは、地域のスポーツ大会や障害者スポーツの場などとしての利用を想定しております。
 なお、メインアリーナの利用につきましては、運営権者がそれぞれの大会やイベントの主催者と必要に応じて調整することとなります。

○アオヤギ委員 メインアリーナにコンサートなど興行が入ると、メインアリーナも数日間押さえられ、また、サブアリーナも、先ほどいったように物販などで押さえられてしまうことになります。ますますスポーツ利用の時間が減ってしまうのが現状です。
 また、周辺の混雑もなかなか解消できるものではありません。
 都は、メインアリーナについて、事業者が料金を取らない自主事業や地域のスポーツ大会を想定していないという答弁です。
 やはりこうしたコンセッション方式ですと、都のスポーツ振興の目的とは違う使われ方となり、利用の中身も事業者任せになり、スポーツ施設として極めて不十分だと指摘するものです。
 スポーツレガシーとして存在する施設なのですから、都民のスポーツ振興に寄与する役割をこの施設が果たすよう強く求め、質問を終わります。

○阿部委員 初めに、東京都青少年問題協議会による答申、犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援についてお伺いをいたします。
 今回の答申は、特に困難な背景を抱える未成年に寄り添う姿勢が打ち出されており、この姿勢は大変貴重なものであると受け止めております。
 ただし、歌舞伎町の若者たちと長年関わってきた関係者の方々によると、いわゆるトー横に社会の注目が集まることで、結果的により多くの若者をトー横に集め、さらには注目を集めるような行動に駆り立ててしまう面もあるとのご意見をいただいております。
 また、トー横に集まる未成年や若年層の背景、とりわけ家族や学校、友人との関わり、これも様々なものであり、一律に支援という視点だけでは捉えられないものもあると考えております。
 その上でお伺いします。トー横にフォーカスした取上げ方をして、さらにこれをマスコミが報じ、SNS上でも拡散されるという連鎖の中で、トー横の、ある意味、ブランド力を強化してしまわないよう、今後の対策に当たっては、関係者の意見も聞きながら、青少年の特性を踏まえた慎重なアプローチをすべきと考えますが、ご見解をお伺いします。

○米今治安対策担当部長 トー横には、現に青少年が集結し、犯罪被害等が発生するなどしており、その対応は喫緊の課題でございます。
 今後、答申を踏まえ、青少年や関係者の意見を聞きつつ、都が実施する取組等について課題を整理してまいりたいと思っております。

○阿部委員 関係者の意見も聞きつつということですので、ぜひ青少年、若い人たちの行動の特性、発想の特性を踏まえた様々な対策を打っていただきたいと思います。
 この答申なんですけれども、おわりにの中でも、この提言が、問題の解決に向けた、いわゆる対症療法にすぎないという限界があるとの認識が示されております。
 このことを踏まえて、都としては、トー横の問題を全体としてどのように捉え、その中で答申をどのように位置づけているのか、お伺いをいたします。

○米今治安対策担当部長 答申は、トー横の問題の解消に向けては、青少年がトー横に集まる背景にある課題等への対応の必要性を述べております。
 その上で、現にトー横で生じている被害等の対策が喫緊の課題であることから、その対応を念頭に置いたものであると認識してございます。

○阿部委員 ここにも多くの支援策あるいは様々な内容が書かれているわけですけれども、決してこれだけではない様々な課題があるということも踏まえて対策に当たっていただければと思います。
 その一つとして、トー横かいわいでは、近年、いわゆるコンセプトカフェですとかメンズカフェといわれるような業態が増えております。これは、風営法許可も不要で、未成年でも利用が可能です。
 若い世代がアイドルに熱中することはいつの時代でもあることですし、また、今でいうところの、いわゆる推しに熱中するということそのものを否定するものではありません。
 ただし、会いに行けるというだけではなくて、様々な付加サービスにそれぞれお金がかかるシステム、これは利用回数や金額がかさみやすいという特性も持っています。利用の仕方によっては、家庭や学校との関係が悪化したり、中には性犯罪等の被害に遭う者が出てきている、そのようにも聞いております。
 都として、このような状況をどのように認識し、対応していくのか、お伺いをいたします。

○米今治安対策担当部長 トー横の青少年の犯罪被害等の解消に向けては、まずは、もう一歩踏み込んだ実態把握を行うことが重要であると考えております。
 今後、答申を踏まえ、実態把握の在り方等について課題を整理してまいります。

○阿部委員 まずは実態把握というのは、私も同感のところです。まちは動いていますし、日々、子供たちもここに集っているので、ぜひ迅速かつ実態に合った対応をしていただきたいと思います。
 特に、今問題にしているこのエリアにおいては、コンセプトカフェ等々だけではなくて、ホストクラブにまつわる問題も多いというふうに認識をしています。こちらは風営法の対象で、利用客も成人が主なといいますか、対象になっているものではありますけれども、特に若年女性が、月に数百万円の売り掛けを抱え、社会的にも、あるいは経済的にも行き詰まって、風俗業に自ら転じたり、あるいは強制をされたり、犯罪に巻き込まれたり、そのような例もあるというふうに聞いております。
 先ほどご答弁をいただきました、いわゆるコンカフェなどがこうした構図にからめ捕られていくきっかけにならないよう、注意が必要だと思っております。
 また、ホストクラブでの極めて高額な売掛金は、利用客側に寄り添った判例も出ており、弁護士に相談するなど適切に対応すれば免れる可能性が高いことなど、こうしたことも積極的な情報提供をしていくことが効果的であると考えますので、申し上げておきます。
 これまでお話をしてきたように、繁華街には、それぞれの魅力もありつつ、危険も潜んでおります。ほとんどの利用客は、危険と距離を取りながら利用しているとはいえ、犯罪にからめ捕られてしまう者、特に青少年もおります。
 青少年に対して、その危うさやリスクについてしっかりと伝え、被害の未然防止を図るべきと考えますが、都としてどのように対応していくか、お伺いいたします。

○米今治安対策担当部長 今後、答申を踏まえ、ターゲティング広告をSNSで発信するなど、啓発を行ってまいります。

○阿部委員 繰り返しになりますけれども、実態を踏まえた上で、ぜひ迅速に、また、関係機関と連携しながら取り組んでいただきますようお願いいたします。
 次に、大会ガイドライン、こちらについてお伺いをしたいと思います。
 国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインを改定されました。国のガイドラインも出ましたけれども、国にのっとって、東京都としてもこのようなガイドラインを策定されたのは、私としても評価したいと思います。
 また、こうしたガイドラインが策定される背景としては、二〇二〇大会での事件の反省を踏まえてというふうにも理解をしております。
 ただ、大会招致に関わる問題は、既に立件をされた買収事件だけではなくて、招致委員会からの様々な疑惑というものもあり、問題が出尽くしたとは、必ずしも社会的に受け止められていないのではないかと思います。
 そうしたことを踏まえながら、東京都が協力するための、このガイドラインに沿った組織をつくっていくことが必要だという、そうした性格を持ったこのガイドラインについて質問をしていきたいと思います。
 このガイドラインに沿って、一旦、協力関係をつくってしまったら、それでもう都はオーケーということではなくて、招致の段階から大会の終了、そして組織の解散までコンプライアンスを守り続ける、ある意味、動的な機能を保つことが大切だと考えます。
 そこで伺います。大きな国際大会を開くときには、国際競技連盟の発言力も非常に大きいものがあります。国際連盟の要求と国内で提供できる資源に乖離があり、歩み寄りだけでは埋まらない、こうした状況の中で、コンプライアンス違反が起こる可能性が生まれます。
 このガイドラインは、そうした状況に対しても機能し得るものなのか、見解を伺います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいては、コンプライアンス委員会を組織内に設置し、委員会と監事等の間で相互に適切な情報共有が行える体制を構築するとともに、役職員等に対しては、就任時、採用時を含め、継続的にコンプライアンス教育を実施するなど、継続してコンプライアンスを確保する仕組みを整備することとしております。
 都は、コンプライアンス確保を含め、ガイドラインに規定している取組の実施状況を確認し、必要に応じて助言を行うことで、その実効性を担保してまいります。

○阿部委員 ご答弁ありがとうございます。
 その上で過去のオリンピックを振り返ってみますと、招致の段階でのIOCの委員の買収問題などもありました。
 招致段階での法令遵守や条件の対等性などについても、一定の指針を持つべきではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

○三浦事業調整担当部長 都のガイドラインは、国際スポーツ大会への東京都の関与の在り方について基本的な事項を定めたものでございます。
 ガイドラインにおいては、国際スポーツ大会は、競技数や規模、運営主体の経験などが異なることから、その特性等に応じて、ガイドラインの趣旨を踏まえた対応を工夫することとしております。

○阿部委員 確かに、国際スポーツ大会と一口でいっても、その規模あるいは性格、そしてまた、それに対する東京都の関与のレベルといったらいいのでしょうか、様々ありますので、なかなか一律に基準をつくっていくということは難しいかと思います。
 ただ、それがあまりに曖昧なガイドラインでは、なかなか機能させるのは難しくなってまいりますので、このガイドラインも、一回つくったら終わりということではないと思いますので、今後の大会を踏まえながら、より明確なガイドラインにしていっていただければと思います。
 さて、この内容ですけれども、民間からの出向者の扱いについて、利益相反の部分で詳しく書かれております。
 利益相反は、当然あってはいけないことではありますけれども、一方では、関与に当たって、専門性を生かした合理的な組織運営も必要であると考えております。
 専門知識を有する人をその関連部門の意思決定から遠ざけてしまうことが現実的なのか、どのようにバランスを取っていくのか、その見解、考え方を伺います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいては、利益相反問題を防止するために、専門性を有する人材の直接雇用の活用等、民間企業からの出向受入れに頼らない工夫を行い、出向者を活用せざるを得ない場合も、ポストや業務内容、権限の公表等の対策を講じることこととしております。

○阿部委員 スポーツ界というのは、非常に人脈、特に縦の人間関係の影響が強い傾向にあるというふうに受け止めております。
 その中で運営の適正さを確保する、その中で、今ご答弁もありましたような、ルールのある意味厳格化、その運営の中でどのようなルールでやっていくかということと、もう一つの考え方としては、やはり透明性の確保や検証可能性の確保、何をやっているかというのが、その時点あるいは後から検証できるようにして、それを抑止力にするという、そうした考え方もあるかと思っております。
 通報制度がこのガイドラインの中でもうたわれておりますけれども、通報者の保護について伺います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいては、通報者の保護に配慮し、通報しやすい仕組みを備えた内部、外部の窓口設置について規定しております。
 通報者の保護については、国の指針を踏まえ、通報窓口の担当者に相談内容に関する守秘義務を課し、通報窓口を利用したことを理由として、通報者に対する不利益な取扱いを行うことを禁止することとしております。

○阿部委員 通報制度、そのように、当然ながら通報者の不利益があってはいけないという規定を設けている。それは大変結構なことなんですけれども、先ほども申したように、やはりスポーツ界、人間関係の影響というのは非常に大きいところですので、ぜひ実効性のある保護制度にしていただきたいと思います。
 また、もう一つ、透明性の確保ということでは情報公開制度が定められております。ただし、これは一部非公開を留保しております。
 こうしたスポーツ大会、民間がいろいろな場面で関わるというのは、ある意味、当然なことですので、この規定が抜け穴にならないかという、その面での見解をお伺いいたします。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいては、情報の公開を基本としつつ、非公開とする必要がある情報については、その理由を含めて丁寧に説明するとともに、その公正性を担保できる仕組みを構築することとしております。

○阿部委員 国際スポーツ大会の組織そのものが、コンプライアンス上、あるいは、もちろん違法なことをしていかないということは大切なんですけれども、特に東京都の立場でいえば、やはり東京都からの出向者がそうしたことに巻き込まれないといいますか、東京都としての倫理性というものがより強く求められるものと考えております。
 都庁からの出向者の出向期間中並びに出向を解かれた後のコンプライアンス上の位置づけをお伺いいたします。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいて、大会運営組織の役職員等は、法令、定款、規程等を遵守することとなっております。

○阿部委員 簡単にお答えいただきましたけれども、そこは一つ、まだ弱いところだと思っているんですね。
 出向した方が組織の中で様々なコンプライアンス上の責任を負っていく、これは当然のことだと思っているんですけれども、その出向が解かれた後に、一体、どのような形で責任を持っていくのか。
 出向先の守秘義務といったものを守っていく、こういうのは非常に分かりやすいところではあります。しかしながら、出向先で何を見聞きしたのか、あるいは指示をしてきたのか、そうしたことが、出向が解かれた後に、ある意味、免れる、あるいは事実上、後追いされにくい、あるいは組織が解散してしまえば、事実上、それを追われることがないというような仕組みのままだと、ちょっとこれ、組織として、仕組みとして弱いと思うんですよね。
 そうしたことについても、まだまだ--これは局の問題というよりも人事の問題になってくるかもしれませんけれども、そうした組織の弱さを残さないように、ぜひ今後のスポーツ大会への出向といったときには、都庁の職員がどこまで倫理性を高いまま保つことができるのか、帰ってきてもそれを証明できるのか、そうしたことについても十分な配慮あるいは検討をお願いしたいと思います。
 私の質問は以上です。

○桐山委員 私から、それでは、全ての案件に対して質疑を進めてまいりたいと思います。
 まず、青少年問題協議会からの答申に対してから質問を進めていきたいと思います。
 二〇二三年七月二十七日付で犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援ということで、この答申は、実態解明を行った上で対策の検討を行うべきところ、それを待っていては、トー横における青少年の被害等が増え続ける可能性が高いことから、本協議会においては、緊急に実施すべき対策について提案をしたものであり、現に生じている犯罪被害者への対処を念頭に置いたもの、そして、問題解決に向けた、いわゆる対症療法にすぎないという限界があるというふうに答申をいただいているかと思います。
 細かい質問に入る前に、まず、少し諮問の中身について伺います。
 諮問は、もちろん都知事小池百合子ということで、知事から諮問文が出され、また、この協議会の会長であります小池百合子殿という形で諮問文が出されているその最後の方に、SNSに関する対策をはじめとした各種対策を一層強力に推進し、青少年が安全・安心して生活できる環境を整備しなくてはなりませんという文言が入っております。
 何人からか、問合せといいますか、どういう意味かということを問われているので、お伺いしたいのですが、SNSに関する対策を強力に推進しということなので、今後、そのSNSに関わる規制を行うことということで読み取れるんじゃないかということもいただいておりまして、そのあたりについて、どういうことなのか、まず伺いたいというふうに思います。

○米今治安対策担当部長 答申では、青少年はSNS等に精通しており、SNS等を活用した啓発等を推進することも重要である旨が述べられており、規制については触れられておりません。

○桐山委員 分かりました。ありがとうございます。
 それでは、トー横の青少年のこれまでの対応について順次伺っていきたいと思います。
 このトー横に青少年が集まり始めたのはいつ頃からで、それが青少年の被害などが増え続ける可能性があって、都が対策の必要性を認識したのはいつ頃なのか、また、その端緒は何だったのか、伺いたいと思います。

○米今治安対策担当部長 警視庁等の関係機関からは、トー横には数年前から青少年が集まり始めたと聞いております。
 また、これまでも関係機関と連携しつつ各種対策を実施してきております。

○桐山委員 数年前から集まり始めたということだと思うんですけれども、一概にトー横という表現になっておりますが、これは時代の変化の流れの中で、場所場所を変えて、いつの時代でも、こういった青少年に関わる問題というのがこれまでもあって、都としても対策を講じてきたのかなというふうには感じております。
 次ですけれども、青少年健全育成のために、特にトー横に対する対策について、不十分という言葉も答申の中にありますが、何が不十分でないかというものを分析されてきたのかということ、それから、これまでどのような対策をされてきたのか、伺います。

○米今治安対策担当部長 都としては、関係機関からのヒアリング等を実施し、状況把握をしているところでございます。
 また、これまで、警視庁等の関係機関と連携しつつターゲティング広告を用いた啓発等を実施しております。

○桐山委員 これまでは、都としては、関係機関からヒアリング等、実施はしているんだということであります。答申の中では、関係機関からのヒアリング等、実施はしているけれども、実態調査といいますか、実際の声を聞いていくべきだということも述べられていたところであります。
 それで、諮問事項の中にもありますけれども、喫緊の課題に対処していくために、都が重点的に取り組むべき対策について検討し、速やかに所要の結論を得る必要があるというふうに書かれております。
 今回受けた答申の結論には至っていないとは思うんですけれども、この喫緊の課題としては、都はどのような対策を考えているのか、伺います。

○米今治安対策担当部長 答申につきましては、有識者等から構成される協議会が取りまとめ、都に提出されたものでございまして、今後、これを踏まえ、対策を検討、実施していくものでございます。
 この答申は、現にトー横で生じている被害等への喫緊の対応を念頭に置いたものであると認識しております。
 今後、答申を踏まえ、都としての取組等について課題を整理してまいります。

○桐山委員 答申は、トー横で生じている被害者への喫緊の対応を念頭に置かれているものだというふうに認識をしております。
 この中でも、トー横と呼ばれております青少年たちには、これまでも議論になっておりますが、飲酒や喫煙、オーバードーズ、リストカット等の自傷行為、これはいわゆる犯罪行為ではありませんけれども、大変命に関わる行為であるかと思います。
 今後、抑止をしたり、正しい情報を知らせるためには、これまでどのような対応を取られてきているのか、伺いたいと思います。

○米今治安対策担当部長 それぞれの関係機関におきまして、啓発や相談対応を実施しております。

○桐山委員 飲酒だったり、喫煙だったり、オーバードーズ、リストカットというと、多分、今、この局の中で対応できる問題ではないのかなというふうには認識はしています。
 オーバードーズの薬物乱用だったり、そういったところは福祉局でやっていたり、自殺対策をやっていたりとかということも分かってはいますけれども、やはり今の青少年が置かれている状況を考えますと、やはり一局だけでは対処できないという問題というのは多岐にわたっているということが、先ほどの委員の質疑の中でも明らかになっているかと思います。
 しっかりとこういった関係機関との連携が不可欠なんですけれども、やはり全庁を挙げて、こういった問題はどういうふうに対応をしていくのかということは、様々な情報を各局から取って取り組んでいく必要があるのかなというふうに考えています。
 そして、答申で述べております、もう一歩踏み込んだ実態把握とは、具体的に何をせよといっているというふうにつかんでいるのか、伺っていきたいと思います。

○米今治安対策担当部長 答申では、トー横に滞留する青少年の被害体験等を含めた生の声を直接聞くこと等が提言されております。
 今後、答申を踏まえ、実態把握の在り方等について課題を整理してまいります。

○桐山委員 このもう一歩踏み込んだ実態把握ということ、先ほども--多分、いつも行政側がやることというのは、関係機関にヒアリングをして、それで終わってしまって、いわゆる例えば子供たちの声を聞くとか、そういった青少年たちの生の声を聞いていくということがあまり見受けられないといいますか、都庁の中で完結をしてしまうことが若干多いのではないかなというふうに感じております。
 今、答弁の中で、青少年の生の声を直接聞くことが大切であるよということが述べられているとは思うんですけれども、答申の中にもありましたが、やはり今のトー横に置かれている立場の子たちは、様々な家庭環境だったり、様々な背景がある中で集まっている子たちだというふうに認識しておりますが、書いてありましたよね。大人から上から目線でいわれることに、非常にこう、対応しないというんですかね、やはり大人目線、大人が直接何かに従わせるようなことだったりとか、例えば自分たちが排除されるんじゃないかとか、そういうふうな思いを、例えば行政側の相談員が生の声を聞く。
 どういう手法をこれから取られるかは分からないのですけれども、そういったことではなくて、やはり寄り添って、伴走型で時間をかけて声を集めていくというのは大事なことかなというふうに思っているので、そのあたりも今後検討されていくと思いますけれども、しっかりと子供たちに寄り添いながらの、あと、何というのですかね、見守るということも大事だと思うんですね。
 そして、もちろん、歌舞伎町周辺で客引きとか、いろんな犯罪に巻き込まれないようにしなきゃいけないということについても、しっかりと警察と連携して取り締まっていただかなくてはいけないのかなというふうにも思っているので、そのあたりもしっかりと検討していただきたいというふうに思います。
 それから、相談窓口を設置すればいいのかということもあるとは思うんですけれども、答申の中では、メタバース等を活用して相談窓口を設置すべきということも述べられておりますが、これも、今後どのように取り組んで、どのように感じ取られているのか、伺いたいと思います。

○米今治安対策担当部長 答申では、将来的にメタバース等を活用し、ネット空間上に相談窓口等を設置し、トー横から窓口等に誘導することも考えられる旨、述べられています。
 今後、答申を踏まえ、相談体制の在り方等について課題を整理してまいります。

○桐山委員 今、教育の方でも、不登校の子たちに対応したメタバース空間を使ったプラットフォームを進めていかれたりとか、若者にとって、相談というんですかね、立ち寄れるというような空間も必要なことかなというふうに思っているので、ここも、改めてまたしっかりと課題整理をしていただきたいというふうに思います。
 それから、トー横という現実の場所が、これらの青少年に何かしらの居場所を与える魅力というものがあると思うんですけれども、その魅力についてどのような分析をされているのか、伺いたいと思います。

○米今治安対策担当部長 都としては、関係機関等からのヒアリング等を実施し、状況把握をしているところでございます。

○桐山委員 何かしらの居場所は、今後しっかりつくっていかないといけないのかなというふうに思っているんですけれども、こちらもしっかりと、何というのでしょうかね、今の青少年たちの置かれている背景をいろいろ総合的に考えながら、それを提供できるような環境づくりを行う方策というものを考えていかなきゃいけないのかなと思っておりますが、これも答えられないと思いますが、どのような人と組織、今後予算も考えていかなきゃいけませんが、それらについても、答弁は求めませんが、しっかりと課題を整理して取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 私も、今ちょうど十代、中高生を育てている母の一人として、例えば今までは、幼少期の頃は意外に親子関係良好みたいな感じで、本当にいろんなことを、悩みを相談したりとかという状況、それぞれの家庭の状況はあるとは思いますけれども、やはりそういった親に反抗するという時期というのは必ずあるわけで、その中で、例えばずっと不登校になっているお子さんとか、ちょっと引き籠もって外に出ないけれども、ネット空間でつながっていることが、実はその子にとっての居場所だったりしたりとか、あるいは、急に、親としては、みんなそれぞれスマホを持っているから、LINEでつながっていて安心だと思っているけれども、こっちが一方的に送っても既読にならないことが例えば何日も続いたりとかすれば、本当に何か犯罪に巻き込まれているんじゃないかというふうに、親はそう思いますよね。
 答申でも書かれていましたが、警視庁は一斉補導するとありますけれども、一斉補導、親の感覚としては、例えば本当に何か犯罪に巻き込まれているんじゃないかと思ったときに、その先が、もしも自分の子供が補導してもらって、それで安全に確保してもらえるのであれば、警察に補導してほしいという気持ちもあるし、一方で、その先に、その子たちが家庭の事情によって本当に帰れなくて児童相談所に送られたり、一時保護所で過ごさなきゃいけなかったときに、そこの環境が劣悪だったら、やっぱりもう二度と入りたくないというふうになっていくと思うんですよね。
 そういった状況は、福祉局の中でも、児相とか一時保護所のそういった議論もあったと思うので、ぜひそういった、総合的に、複合的に考える中で、保護者にとっての支援も付け加えていただきながら、対症療法と書いてありましたけれども、やはり犯罪に巻き込まれない、そういった対応をぜひ検討していただきたいというふうにお願い申し上げたいと思いますので、この質問は終わります。
 次、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインの改定について質疑をさせていただきます。
 私たちミライ会議は、東京二〇二〇大会組織委員会の経理情報や管理監督責任の情報公開について、東京都に何度も質問してきましたが、東京都と組織委員会は別法人で、組織委員会から情報をいただけないなどの理由で、全く回答をいただけませんでした。
 また、東京二〇二〇大会組織委員会は、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法が制定されて、職員はみなし公務員とされたにもかかわらず、組織委員会の情報は出てきませんでした。
 東京二〇二〇大会についての情報を明らかにできない東京都というふうに、私たちはそういうふうに思ってしまっていて、そう思わないようにさせていただきたいなと思うんですけれども、二〇二五年に予定されている世界陸上大会でも同じことになるではないのかというふうに危惧をしておりますので、何点か質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、都の条例に準じた情報公開制度の導入というふうに示されておりますが、条例で情報公開を義務づけていくのか、伺います。
 また、世陸の財団の件も同時にやっていきますが、特定の一般財団法人に対して、条例で情報公開を義務づける立法事実について伺っていきたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインは、国際スポーツ大会の運営組織に対する都の関与の在り方について基本的な事項を定めたものでございます。
 都としては、本ガイドラインにより、大会運営組織が都の条例に準じた情報公開制度を導入することを求めており、条例等で義務づけるものではございません。

○桐山委員 今のご答弁で、条例で情報公開を義務づけることがないということでした。
 条例でこの情報公開を義務づけることがなければ、一般財団法人に対しては、情報公開の強制力も、審査請求も、情報公開訴訟もできませんが、都の見解を伺います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいては、大会運営組織がガイドラインを踏まえた運営を行うことを求めており、都は、組織運営や事務執行の適正性の確認など、必要な対応を行うこととしております。

○桐山委員 次に、ガイドラインの実効性について進めていきたいと思います。
 世界陸上では、ガバナンスの確保について、財団は正面から取り組んでいくと述べていますが、都が定めるガイドラインに一般財団法人が従う義務があるのか、また、ガイドラインの実効性の確保の法的根拠がありましたら、教えていただきたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインは、大会運営組織に対する都の関与の在り方について基本的な事項を定めたものでございます。
 また、都は、必要と認められる場合には、大会運営組織に対して、大会準備状況や収支等に関する報告を求めるとともに、必要に応じて是正を求めることとしております。

○桐山委員 東京二〇二〇大会組織委員会のように、談合などの不正経理、その他不祥事が生じた場合は、東京都は、一般財団法人東京二〇二五世界陸上財団を監査し、監査結果を都民に公表する権限があるのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいては、大会運営組織に対して報告を求めるとともに、必要に応じて是正を求めることとしております。

○桐山委員 今のご答弁では、公表する権限があるのかということでしたけれども、ガイドラインの中では、報告は求めていくんだけれども、これらについては特段、必要に応じて是正ということでとどまっているのかなというふうに思っております。
 一般財団法人東京二〇二五世界陸上財団に東京都から監査委員を派遣することがあったとしても、法律でみなし公務員とされた東京二〇二〇大会組織委員会でさえ、都から派遣された監査委員から、東京都からの情報を得ることができないという対応に終始をしたというふうに思います。
 そこで、一般財団法人の意思決定は理事会、評議員会で行われ、東京都のガイドラインは、理事会や評議員会での議論の参考の位置づけを出ないと考えますが、都の見解を伺います。

○三浦事業調整担当部長 都として、大会運営組織に対しては、ガイドラインを踏まえた運営が確保されることを前提に、必要なサポートを行うこととしております。

○桐山委員 今、必要なサポートをしていくんだということでした。
 この一般財団法人が、その決定事項に違反をした場合、東京都は何ができるのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 都は、必要と認められる場合には、大会運営組織に対して、大会準備状況や収支等に関する報告を求めるとともに、必要に応じて是正を求めることとしております。

○桐山委員 次に、服務規律について進めていきたいと思います。
 これまでミライ会議としては、談合事件、オリ・パラの件ですけれども、起訴された局次長の上司であった、都から派遣されていた局長の監督責任を明らかにするよう求めてきましたが、都は、一貫して身内をかばう姿勢に終始をしているということも指摘をしてきたところです。そして、調査もしませんでした。
 そこで、一般財団法人東京二〇二五世界陸上財団にも、東京都がお給料を支払って職員の身分のまま派遣する予定なのか、伺います。

○三浦事業調整担当部長 都は、大会運営組織に対して、ガイドラインを踏まえた運営が確保されることを前提に、人的、財政的支援等を通じ、必要となるサポートを行うことができることと規定しております。
 こうした規定を踏まえ、職員を派遣しているものでございます。

○桐山委員 今、質疑をした形で、そのままの身分で派遣するということだということで理解させていただきました。
 東京都が派遣をした組織委員会の職員が、また、東京都派遣職員の監督下にある組織委員会の職員が不祥事を起こした場合は、まず、組織委員会において処分がなされ、先ほどちょっと議論がありましたけれども、いわゆる出向先において処分がなされ、都庁の職員としての懲戒処分は、東京都において行うこととなるというふうに考えるのですけれども、東京都派遣職員の懲戒処分の手続について、分かりましたら教えてください。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいて、大会運営組織の役職員等は、法令、定款、規程等を遵守することとなっております。

○桐山委員 かなり私たちは、ここも非常に重要だというふうに思っておりまして、今後、しっかりとそこは整理していただきたいのですけれども、明らかにしていただきたいのですが、何か不祥事があった場合に、派遣されている間に何か不祥事が起こった場合は、出向先で処分をされるのかなというふうに思うんですが、公務員という位置づけの中で出向しているので、公務員として戻られた後の処分についても、今後--多分、これは総務局人事に関わることなので、ここではお答えできないというふうに伺っておりますので、これ以上踏み込みませんが、そのあたりが非常に弱いのではないかなというふうに思っております。
 私たちは、東京都が国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインの検討に対しましては積極的に、今後このようなことがないことをしたいんだということを、何というんですかね、前回の二〇二〇大会の教訓を生かしながら進めていくということで、そこのあたりの一生懸命さは非常に評価をするのですけれども、最終的にどうやって進めていくのかは、一般財団法人、この世陸の財団だというふうに思います。
 ですので、職員派遣を含めて、都民の税金を、財政支援もしていくのですから、やはり都民には、資金面の部分とか情報開示を含めて、しっかり公表をしていかなければいけないというふうに思っているんですけれども、今のガイドラインではその強制力がないということで、今のご答弁を聞いていて、すごく感じたところです。
 引き続き、こういったガイドラインについて、相手方の--直近にありますのは、二〇二五年に迫っている世界陸上とデフリンピックもありますけれども、しっかりとその面も、私たちも厳しく今後チェックをさせていただきたいということを申し上げまして、このガイドライン改定については終了します。
 次は、デフリンピックの概要が出ておりましたので、デフについて、引き続き質疑をします。
 私たちは、デフリンピックの東京開催は強く求めてきましたので、この大会開催については、大いに歓迎をしております。
 また、デフリンピックの東京開催は、以前から私どもも要望しておりまして、以前、まだ招致を決定する前は、東京都は、東京都が手を挙げると費用の負担が国から押しつけられるから手を挙げないんだということで、ちゅうちょされていたことは記憶をしているところです。
 今回、示された大会概要では、大会ビジョンの中に、大会を通じた手話言語の理解、普及、拡大など従来からの情報保障の推進ということが示されていて、この件については、全会派一致で議員提案で手話言語条例を制定した背景も踏まえて、手話が言語であるということを明確にお示しをいただいているということと、改めて、多様なコミュニケーションツールの開発とか、社会の促進に期待が込められているビジョンだというふうに理解をしているところであります。
 そこで、デフリンピックの機運醸成と手話言語の理解促進には、福祉と教育との連携というものも欠かせないと思います。
 特にデフリンピックに向けて、東京都手話言語条例を踏まえて、様々な部署と連携をしながら取り組む必要がありますが、生活文化スポーツ局としてのどのような施策展開を今後考えているのか、伺います。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務
デフリンピックの開催に向け、ダンスで手話を簡単に学べる動画を作成するほか、各局等が主催するイベントへのPRブースの出展など、関係機関と連携しながら機運醸成に取り組んでおります。

○桐山委員 やはりデフリンピックの機運醸成というところで、ぜひ手話言語の条例の趣旨をしっかり酌み取っていただいて、他局との連携というものも欠かせませんし、もちろん担当局で進めていかれる、今ご答弁いただきました、こういったダンスで手話を簡単に学べる動画を作られて普及啓発をしていくということですので、ぜひコミュニケーションが手話で取れるような、そういったことで、ぜひ様々な取組に期待をしていきたいというふうに思っております。
 次に、大会会場及び選手の練習会場などにおけます視覚情報などによる情報保障の確保はどのようになっていくのか、伺います。

○清水事業調整担当部長 多くのデフアスリートが集まるデフリンピックでは、手話をはじめとした情報保障が求められます。
 このため、先般公表いたしました大会概要においても、大会開催を機に情報のバリアフリーをさらに推進することとしており、引き続き検討してまいります。

○桐山委員 今後、大会会場--今回、会場が決定しておりますけれども、大会会場、都有施設もありますし、区市町村の施設もあったり、民間の施設もあったかと思うんですが、やはり視覚情報ですね、観客の方もそうですし、競技者ももちろんそうなんですが、こういった情報保障の部分で、今現状の施設が必ずしもそれに対応できているかどうかというのは分からないわけでありまして、そういったところをしっかりと本番に向けて、例えば移動式のもので済む話なのか、それとも、今後のことを考えてしっかりと、会場、そういったところに、情報保障の部分で、様々な障害のある方に対応できる、施設に足りないところを補っていくのか、そういったところもぜひ検討していただきたいなというふうに思います。
 特に今気になっていたのが、これは質問しませんが、駒沢体育館が現在、大規模改修が行われていて、二〇二五年の六月まで館が中止になっているんですね。それでちょうど、いわゆる改修工事とか、そういったことが二度手間にならないようにということで懸念をしていたのですけれども、バリアフリーとか、あるいは視覚情報の部分で、足りないところは補強していくというようなことも伺っていましたので、そういったところが二度手間、三度手間にならないように、できるだけ当事者の声を聞いたり、現場に行っていただいて、何が必要なのかという声も聞く必要があるのかなというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 デフリンピックの開催、想定される予算規模及び予算の国と東京都の分担はどうなったのか、伺いたいと思います。

○清水事業調整担当部長 二〇二五年のデフリンピック大会の事業規模については、全日本ろうあ連盟が都の助言などを参考に試算したものでございます。
 今後、過去大会の状況も踏まえ、関係者で精査、検討していくこととしております。

○桐山委員 分かりました。今後、しっかりとまた数字が出てくるのかなと思いますので、ぜひお示しをいただければと思います。
 今回、大会準備と運営については役割分担が決まりましたが、都の職員が東京都スポーツ文化事業団デフリンピック準備運営本部に何人の職員が派遣されているのか、また、その役割について伺います。
 また、全日本ろうあ連盟が主とするデフリンピック運営委員会には都の派遣はいないのか、伺っておきたいと思います。

○清水事業調整担当部長 現在、運営実務を担う東京都スポーツ文化事業団に、都から七十五名の職員が派遣されており、競技、会場運営などの準備を進めております。
 全日本ろうあ連盟デフリンピック委員会に対しては、現在、職員は派遣しておりません。

○桐山委員 都から七十五名の職員が、現在、もう既に派遣をされているということが分かりました。この方々は、競技ですとか会場の運営などにそれぞれが当たられるのかなというふうに伺っておりますが、ぜひ先ほど申し上げたそれぞれの施設に多分担当の職員がつくのだとすれば、そこのおのおのでしっかりと、何が必要で何がこれから--例えば改修を予定していなかったけれども、本当に必要なんだとすれば、そういったところの対応が速やかにできるように、うまく連携を取っていただきたいというふうに思います。
 それから、デフリンピックは最後ですけれども、デフリンピックは、ろうあ者の競技大会であるため、一般財団法人全日本ろうあ連盟の意向を最大限尊重するべきであります。
 同連盟が推薦をする、例えば専門家を入れて対応するなど、共同の実を上げるべきだと考えますが、都の見解を伺います。

○清水事業調整担当部長 デフリンピックに向けましては、全日本ろうあ連盟や、国などで構成する大会準備連携会議を設置いたしまして、関係者で協議しながら準備を進めております。
 それに加え、大会の知見があるデフスポーツの競技団体とも日常的に意見交換を重ねておるところでございます。

○桐山委員 ぜひ、東京都の職員と、あるいはスポーツ文化事業団の職員だけではなくて、できるだけこのデフ競技者団体とも、日常的に意見交換を重ねられているということですので、そういった声をしっかり聞いて、実のある大会運営に努めていただきたいということで、デフについては終わります。
 最後の有明アリーナの管理運営事業報告書の公開について質疑をさせていただきたいと思います。
 有明アリーナの管理運営を担う株式会社東京有明アリーナの財務状況ですが、令和四年度については、税引き前の当期純損失が発生をしたと書かれております。メインアリーナを中心に売上げを伸ばしているなど、財務状況が悪化しているとまでは認められないということでした。
 また、公共施設等運営権対価については、予定どおり都に納付されているとのことでしたが、この公共施設等運営権対価等は、どういう取決めで、令和四年度はどうだったのか、具体的に伺っていきたいと思います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 運営権者は、実施契約に基づき、毎年、公共施設等運営権対価を都に納付することになっており、令和四年度は、予定どおり都に納付されております。
 さらに、業績連動支払いとして、運営権対価支払い後の税引き前当期純利益の五〇%の金額を都に納付することになっておりますが、令和四年度は、税引き前当期純損失が発生したため、都への納付はございませんでした。

○桐山委員 この有明アリーナは、新規恒久六施設のうちの唯一黒字になる施設だということだったと思いまして、納付されている費用というのが、毎年、その黒字分のことだというふうに理解していますが、令和四年度は、しっかりと予定どおり納付されたということが分かりました。
 次ですけれども、公共施設等運営権対価について、今、伺った件ですけれども、税引き前当期純損失であっても都に収入がある。これはどういうふうに--税引き前の当期純損失があっても、毎年、都に三・五億円でしたっけ、五億円でしたっけ、二十五年間入るということになっていたかと思いますが、この報告書の一一ページにはモニタリングの実施手順が載っていますが、二十五年間という長期の間、運営権者の財務状況が悪化をした場合、それも払えないという状況になった場合などはどのような対応になるのか、伺います。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 運営権対価等を支払うべき期日を過ぎても支払わない場合、都は、実施契約に基づきまして、運営権者に対して是正勧告等を行います。
 一定期間内に是正策の提出及び実施を求めた上で、運営権者が当該期間内に是正することができなかったときは、直ちに契約の解除をすることができます。
 なお、契約解除した場合、解除までの期間に相当する運営権対価等の未払い分につきましては、運営権者に支払いを求めることとなっております。

○桐山委員 ありがとうございます。やはり唯一黒字になるということで期待をされている施設の一つですので、二十五年ともいう長い、長期にわたる期間の中で、毎年入ってくる費用、その三・五億円が途中で払えなくなってしまうという状況になるというのは非常に、考えられないかもしれないのですけれども、やはりこういったことで、今伺ったところでは、是正することができなかった場合は契約解除をすることができるということが答弁の中にあり、また、契約解除した場合、払えないといっても、しっかりと最後までは、未払い分については払っていただきますよということでご答弁いただきました。
 次ですけれども、地域住民の要望など質問を予定しておりましたが、先ほど答弁の中で--同じような質疑が出ておりました。地域住民の意見をしっかり踏まえた上で、こういった混雑の解消とか、先ほど有明アリーナ間のシャトルバスの臨時運行の話ですとか、そういった動線の確保といいますか、いわゆる分散とか、警備員を増やすとか、誘導員を追加の配置をしていくなど、そういったところで随時対応して実施しているんだということだと思います。
 コロナのときでも、よくそういう、ちょっと規模が違いますけれども、例えば劇場とか、分散退場とかあったと思うので、一気にわっと出てしまうと、先ほどの白戸委員の話ではありませんが、非常に混雑をしているということの地域住民の声というものがあることも私どもも聞いておりますので、分散退場とか、そういった取組を事業者においてやれるようなことも、ぜひ今後検討していただければなと思います。
 最後ですけれども、都民利用やアマチュアスポーツ、障害者スポーツへの配慮など、公共施設としての役割を果たしながら、有明アリーナのスポーツの施設としての稼働率を上げていくため、大変重要なことだと思いますが、今後の予定について伺っておきます。

○高島経営企画担当部長戦略的活用担当部長兼務 スポーツ利用としては、昨年度は、トップアスリートによる国際大会や全国大会などの競技スポーツや、都民がパラスポーツ等を体験するイベントなどが行われましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による大会数の減少などにより、メインアリーナの利用日数は、要求水準に満たなかったと運営権者から聞いております。
 運営権者は、本年度以降は毎年六十日以上のスポーツ利用を達成し、要求水準を満たすよう、予約管理、誘致活動を進めていくこととしております。

○桐山委員 ありがとうございました。
 私も、やはりここは、もちろん一方で、側面として、先ほど出ていた文化の部分においては、イベントやコンサートで集客を得るという側面というのも理解はしますけれども、しかしながら、オリンピックのレガシーを受けた流れを考えますと、スポーツの施設ということでの稼働率というものは、やっぱりメインアリーナとしても--サブアリーナの稼働率がすごくいいのは理解をするのですけれども、やはりあの広い施設と一万席以上ある観客席に対応でき得る国際スポーツを誘致するというのは結構、多分、日本のスポーツ界の中でもかねり、非常に難しいと思うんです、特にアマチュアスポーツなんかは。
 今、バレーボールなんかはすごく人気があって、入って集客を得ているとは思うんですけれども、そういった面もしっかりと、年間、毎年六十日以上ということが目標に掲げられているので、やはりこれは達成していただかなければいけないので、ぜひその要求水準を満たすように、先ほども出ておりましたけれども、利用料金の話とかもあるとは思うんですけれども、そういったことも総合的に勘案しながら、どうしたらそこのアリーナの稼働率が上がるのかということも、お任せばかりではなくて、東京都からもしっかりと、招致も含めて考えていく中で取組を検討していただければいいのかなというふうに思います。
 以上で終わります。

○入江委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十四分休憩

   午後三時四十四分開議

○入江委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○伊藤(ゆ)委員 それでは、私の方からは、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインの改定について質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、東京二〇二〇大会を振り返りますと、これも何度か申し上げましたけれども、まず、コロナ禍という、まさに前代未聞の状況の中で、東京都は、一年延期したとはいえ、無事に大会を終えることができたと。このガバナンス能力の高さは、他の都市に類を見ないものがあったというふうに思います。
 少なくても他都市のスポーツ関係者の皆様あるいは大会運営者の皆様は、東京都の運営能力の高さに対して大変な敬意を払われていると思いますし、また、約束を果たすという意味で、延期したものの、中止ということをせずに、しっかり大会運営ができて国際的な公約を果たすことができたことは、今後のスポーツ大会を開催する上で非常に重要なことだったというふうに思います。この点については高く評価をいたしたいと思います。
 一方で、いわゆるですが、高橋事件、あるいは、いわゆる元次長による談合事件が発生をして、まさに今、係争中、裁判中にございます。
 この二つの事件については、私は、性格はかなり大きく異なるものだというふうに思っていますが、いずれにせよ、いずれの事件においても、組織体のガバナンスの在り方が厳しく見直されることとなったのは間違いございません。
 東京二〇二〇大会の課題を踏まえて見直される、世界陸上のいわゆる運営団体である財団の改善点が、まずどこにあるのか、端的に伺いたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 談合調査報告書では、東京二〇二〇大会において、組織委員会の設立後に、ガバナンスについて、透明性の高い意思決定プロセスの確保や内部統制の強化等の観点から体制が整備されたが、その機能が十分には発揮されなかったとされております。
 世界陸上においては、都のガイドラインを踏まえ、財団設立の当初から、役員等の適切な選任、コンプライアンスの確保、利益相反問題の防止など、ガバナンス体制を整備しております。
 都は、今後、ガイドラインに規定している取組の実施状況を確認し、必要に応じて助言を行い、ガバナンスの実効性を担保してまいります。

○伊藤(ゆ)委員 今回、政策企画局の皆さんが中心となって出された報告書、また、東京都監査委員が出した検証報告書、いずれにおいてもガバナンスという言葉が多々出てまいります。
 ただ、このガバナンスという言葉で一くくりにしてしまいますと、何が問題だったのかのピンポイントな検証というのが不十分になりやすいので、私は、今日は幾つかに絞って、この点について、よくよくこの質疑を通じて検証させていただきたいというふうに思います。
 まず、少なくても二〇二〇大会の組織委員会においては、三千人を超える職員の方々が働かれ、東京都からはおよそ一千人程度の出向者が出ていったと思いますが、併せて、民間企業、特に、いわゆる受注者側になる企業からの出向者というのも大変多くいらっしゃいました。
 私は、世界的な大会、今度の世陸もそうですけれども、とりわけてオリンピックのような大きな大会においては、少なくてもこれまでの日本のイベントを取り巻く状況からいうと、やはり大手代理店からの出向者が組織委員会の中に入って、そして、例えば大会マネジメント、あるいは一番大きな問題になるのは、大会運営に当たっての積算見積りをやはり積み上げていかないと、都庁の職員の皆さんの中で、これだけ世界的な大会の積算見積りができる方というのは、日常的にはなかなか育たないと思いますし、育てようもないというふうに思っています。
 ただ、やはり、今回のことでも明らかになったのは、発注者側、いわゆる大会運営者側に受注者側の出向者がいたことによって大きな問題の要因になっているということは指摘せざるを得ないというふうに思います。
 そういう意味では、発注者の側、ですから大会運営側に受注者が出向者として入っている状態については、今回、見直しがなされるというふうに聞いていますが、世界陸上における改善、どのように図られるのか、伺いたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 発注側、受注側それぞれが同じ組織に所属することで生じる利益相反については、その取引が組織の利益や公正性を損なう問題を防ぐことが重要であります。
 世界陸上においては、専門性を有する人材の直接雇用の活用等、民間企業からの出向受入れに頼らない工夫を行うとともに、出向者を活用せざるを得ない場合においても、ポストや業務内容、権限の公表等を行うなどの対策を講じることとしております。

○伊藤(ゆ)委員 じゃ、せっかくですからパネルを使わせていただきますけれども、(画像表示)今回、二〇二〇大会が上の、基本的にはガイドラインというのかな、規定になっていて、そして都のガイドラインというのが、まさしくこれから、出捐金の問題やら、あるいはまた理事会の立てつけなどによって変わってくる部分もあろうかと思いますが、いずれにせよ、都のガイドラインとして、今後の大きなスポーツイベント大会ですから、世界陸上も適用されるものと思われるガイドラインに基づいていうならば、今後は、出向元との利益相反があるので、専門性を有する人材を直接雇用する、そして、出向者を活用せざるを得ない場合において、そのポストと業務内容、権限の公表を行う、このようにガイドラインで新たに規定をしたということで間違いないでしょうか。いいですか。--ということだと思います。
 簡単にいえば、都のガイドラインにおいては、新しく、今後は、基本的には出向者は受け入れない、どうしても出向者が必要なときだけ、このように対応するということだと思いますので、かなり二〇二〇大会とは出向者との関係というのが変わってくるというふうに思います。
 これは大きな改善点だというふうに評価をしたいと思いますが、問題はここからで、先ほどもちょっと申し上げたように、だとするならば、今後、例えば世陸の運営団体において、とはいっても、東京都の職員だけで、あるいはまた、例えば陸連のプロパー職員だけで、これだけ大きなイベントを回せるかというと、なかなか運営するのは難しかろうというふうに思います。
 直接雇用ということは、そういう意味では、例えば大手広告代理店に現在採用されていない方、フリーランスの方などが対象になって直接雇用するということになるんだと思うんですけれども、果たして本当に、世界的な大会に携わった経験のある経験知の方がフリーランスでたくさんいらっしゃるかという問題がありますし、それから、これは一時的に採用するのであって、少なくても、大会が終われば、そこで一回また解雇をするというのか、解雇ではないかな、団体がなくなることによって、いずれにしてもフリーランスに戻るという形になるので、ずっと雇用するというわけでもありません。
 ですから、本当にそんなに都合よくいい人材を確保できるかというのは、これはやりながらじゃないと、なかなか確認していけないところがあろうと思います。
 実際問題、やっぱり出向者と、それから--要するに、発注者側に出向者が出ていることについては、やはり利益相反のおそれがある。それからまた、積算見積りなどを行う、あるいは事業者選定を行う部署に、まさにその受注者側の出向者がいたということの問題点は、さきの監査委員の報告でも指摘をされていましたよね。
 ですから、新しいガイドラインのような取組方というのは、当然試みられるべきものだと思うんですけれども、もう一度いいますが、これだけ大きな大会をやるに当たっては、それだけの十分な積算能力のある職員、スタッフを臨時雇用しなければならない。実は、ここは非常に難しいテーマだと思っています。
 そこで、私は、これは一つのアイデアベースとして申し上げておきたいのですけれども、やっぱり大会運営において、例えばですけれども、このぐらいの大会をやるときには、例えばこのぐらいの警備員が必要だとか、動線の確保が必要だとか、あるいは、今の最新の陸上競技をやるためには、これだけのスタッフや準備が必要だということが分かる--それを把握するためには、フリーランスの方で雇える方は雇ったらいいと思いますけれども、雇えない場合のことを想定して、これは積算委託というのはできないのでしょうかということは、ぜひご検討いただきたいというふうに思います。
 問題は、今までは少なくても専属代理店というのがあって、専属代理店は、今まででいえば、二〇二〇大会でいえば電通さんですけれども、その電通が専属代理店になって、そして、一方で、協力会社的な形で大手広告代理店が、今回事件の中でも名前が挙がっていますけれども、入っておられました。
 その出向者によって見積りがつくられた、つくられないというのが一種、争点になっていますけれども、例えば、私は、どんな大会でも、大きい大会においていうと、スポンサー契約に関していうと、三社にも四社にも分割発注してやることというのは事実上不可能だと思います。
 あの会社からも、実はこの大会においてスポンサー契約をお願いされているんだけれども、こっちの広告代理店からもお願いされているんだろうということを、一つのビール会社でも自動車会社でもいいんですけれども、それは営業を受けたら、どっちに幾ら分だけ配分するかなんてことをやることはなかなか不可能なので、私はやっぱり、実際問題、どんな指摘があっても、これはスポンサーを獲得していく営業に関していうと、一社にお願いをしていくという交通整理をせざるを得ないというふうに思います。
 ただ一方で、専属代理店から外れた広告代理店というのは、逆にいえば、ある意味、業界の中ではライバルなんです。このライバルの方々のところに、例えばですけれども、その積算見積りを業務として委託をすると。そこが基本的な積算を行っていって、そして、それに対して今度は発注をかけて、例えばイベントに関していえば、イベント運営は入札にかけられますから入札にして、そこで競争していただくと。ただ、当然、見積りを出した会社は、そこは申し訳ないけれども入らない。排除していく。
 こういう形で、つまり、できることならば、そのプロパーの職員を臨時的に雇うのが一番いいのかもしれませんけれども、雇い切れない。雇い切れないというか、それだけの人材を確保し切れない場合であったりなどすることがありますので、この積算委託事業者をこういう大きなイベント大会においては決定して任せていくということも一つの考え方なんじゃないかと思いますが、その手法について、都としての見解を伺いたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 利益相反問題の防止に向けた取組は重要であり、世界陸上財団としては、今後、大会の準備を進めていく中で、専門的な対応が必要となる分野につきましては、人材の直接雇用や委託等、様々な手法を検討していくこととしております。

○伊藤(ゆ)委員 今の段階としては精いっぱいの答弁をありがとうございます。ただ、これは一つの手法として、ぜひご検討いただきたいということは併せて申し上げておきたいと思います。
 そして、もう一つは、これも既に報告書等で指摘をしていただいていますけれども、やはり理事会の議事録問題が東京二〇二〇大会においてはありました。
 というのも、議事録なるものを拝見しましたけれども、まず発言者の氏名がない。それから、発言した内容も、一日の中での全員分の要旨をまとめているものなので、細かなニュアンスを全く読み取れないというようなものでありました。
 今回、都が発表したガイドラインにおいては、理事会の意思決定プロセスなど、組織の重要な決定事項については積極的に情報発信をしていくというところがございましたので、ここは、私にいわせれば、正直、二〇二〇大会の議事録といわれているものは、あれは議事要旨であって議事録になっていない。このなっていないことが、結果、何が問題として起きたかといえば、どういう問題が起きたかといえば、例えばですけれども、私は、高橋理事、これまでスポーツ界に多大なる貢献をされたかもしれませんけれども、今回のことに関していうならば、なぜに--一番最後の三十六番目だったかもしれません。理事として、最後に滑り込む形で理事に選任されましたが、誰がどういう理由で高橋さんを理事に選任したのかというのは、やっぱり解明しなきゃいけない一番のポイントだと思います。
 だって、これ、なぜかというと、もちろん理事会に出られていた方は分かると思いますし、あるいは我々も大体のことは承知していますが、スポーツ界の代表、あるいは、例えばですけれども、運営競技団体の代表、こういう肩書をしっかり持って、そして、その立場でご発言されている方が多くは理事としてお務めになられています。例えば、都議会からも理事として出られている方は、都議会における立場を背負って理事として選任されてきました。ですから、ここは説明が非常に明確だと思うんです。
 ところが、高橋氏についていえば、元電通の専務ということであって、必ずしも、その肩書だけで、選任の理由が私たちには少なくても分かりません。分からないからこそ、理事会の中でどんな議論があって高橋氏が選任されたのか。そして、選任された以上は、今度はみなし公務員になるので、当然のことながら、今まで民間でやっていたら、それはある種の正当なフィーとして取れるものが、これは収賄という形になるわけでございます。
 ですから、今回とちょっと、みなし公務員になるならないの部分は違いますけれども、今後こうした影響力の大きな、例えば世陸における財団においても、例えば誰を理事にするのか、新たに理事に選任するのかについては、まさしくこの議事録をしっかり残すということを改めて求めたいというふうに思います。
 この点について、理事会の発言を正確に記録しておく必要についての所見を伺いたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 大会運営組織が開示する情報は、都民との信頼関係を醸成するために重要であることから、都は、ガイドラインにおいて、理事会の意思決定プロセス等、組織の重要な決定に関する積極的な情報発信に取り組むことを規定しております。
 これを踏まえ、世界陸上財団においては、理事会の記録として発言者名、発言内容等を記載した議事録を作成し、財団のホームページで公表することとしております。

○伊藤(ゆ)委員 そして、もう一つ重要なのが、この下の都のガイドラインの中に新たに書かれている、都の条例に準じた情報公開制度を導入するなど、公開を基本とし、非公開とする必要がある情報については、その理由を含め丁寧に説明するということなんですが、これは非常に重要なことだというふうに思っています。
 ただ、先ほど来の質疑の中でも、やはりこれはちゃんと整理しておいた方がいいんじゃないかということを改めて感じています。というのは、世陸財団に関していうと、どういう財団、そして、どういう都との関わり方になるのかと明確に規定できるだけの整い方がまだされていないですよね。
 これから、例えば出捐金の問題であったりとか、あるいは都からの出向者の人数であったりとかというのが明らかになってきて初めて、その立ち位置、関係というものが明瞭になるんだというふうに理解しています。
 というのも、私たちは、二〇二〇年の三月に五輪文書の保管条例という議員提案条例をつくらせていただきました。このときに、何で公益財団である組織委員会に対して、こんな東京都の公文書と同じような公開義務を課せられるんだというような議論というのは、この議会の中でも何度もございました。
 そのときに私たちは、少なくても定義したのは、東京都の政策連携団体と同じようにみなせるんだとすれば、それは東京都政策連携団体に対しても東京都の公文書管理条例に準じたものが適用されているので、組織委員会に対しても適用可能だろうという政策判断でした。
 なぜかといえば、東京都の出捐金が、少なくても組織委員会に対しては約二分の一、それから一千名を超える出向者、これでいえば、いわゆる政策連携団体以上の関与があるだろうと。
 ただ、今回に関しては、まだ世界陸上の財団に対して、それだけの政策連携団体か、それ以上の関与というものが明確ではないですよね、まだ現段階では。どうなるかというのは、これからまさに国や、あるいは陸連との協議の中でこれは決まってくるものだと思います。
 ですので、あえて今日は、仮定の話で申し上げるならば、二〇二〇大会ほどの関わりは持てない、出捐金の部分でも、出向者の部分でも。であるとするならば、当然、東京都が主体となって五輪文書保管条例のようなものを世陸の財団に対して求めることは、仮にも今申し上げたような前提条件であれば難しいというのが行政としての当然の立場であり、我々議員としても、その見識を持っていなければいけないというふうに思います。
 ただし、ただし、一方で、やはり一定程度の東京都の公的な関わり方というのが、当然、この世界陸上の財団に対しても発生をするはずですので、そこはやはり都民の感情あるいは視点、過去の経緯を踏まえて、しっかり都として、なぜ二〇二〇大会のときには、五輪文書保管条例が議会の、たしか全会一致だったと思いますけれども、全会一致でこれが採決され、そして条例として成立したのかという意図を、しっかり陸連なり、あるいはまた、世界陸上の財団、運営組織体にお伝えをいただくという必要があろうというふうに思います。
 ですから、都の条例に準じた情報公開制度を導入するという、この一言に尽きるのかもしれませんが、この文言に至る二〇二〇大会における私どもの議員提案条例を踏まえた経緯というのをしっかりお伝えいただく必要があるのではなかろうかと思いますが、その点について都の所見を伺いたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 都のガイドラインの規定の実効性を担保するためには、文書の適切な保管、承継が重要であることから、大会運営組織が必要な措置を行うこととしております。
 都は、今後、文書の保管、承継に向けて、世界陸上財団に対し必要な助言を行ってまいります。

○伊藤(ゆ)委員 五輪文書保管条例については、質疑の経緯も、一時間どころじゃなくて、何時間という質疑の経緯がございました。ぜひご担当の理事者の皆様には、この点もよく読んでいただいて、そして、世陸に限りませんけれども、これからの大きなスポーツイベント大会において、都民の思いあるいは都議会の思いというものをお伝えいただきたいと思います。
 もう一個、同時に、何でもかんでも東京二〇二〇大会と同じ立てつけじゃありませんから、これからの。いろんなイベントは、いろんなイベントの形態があると思います。どこが主体なのかというのを、やっぱりこれは出捐金あるいは出向者、都がどれぐらい関与しているかということをよく整理していただいて都議会にご報告をいただき、少なくても都議会議員の多くが正しい理解の下に質疑が成り立つように、ぜひその点についてはご協力を願いたいということを最後に申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○北口委員 じゃ、私からは、トー横の青少年犯罪被害対策についてお伺いをさせていただきます。
 トー横に限らず、いわゆる繁華街には多くの若者たちが集まりますけれども、特に世界有数の繁華街であるこの歌舞伎町は、若者にとっては非常に魅力的で、また刺激的な場所、非日常が味わえる場所なのだというふうに思います。
 先日、私も現地へ行ってまいりましたけれども、歌舞伎町タワーも開業しまして、いわゆるトー横の広場では派手なBGMが鳴り響き、若者のみならず、外国人観光客も多数集まっておりました。また、にぎやかな客引きとか商業施設などが集積し、広場全体が一つのアミューズメントパークのような雰囲気がありました。
 しかし、広場全体の華やかな雰囲気とは反対に、高校生前後と思われる若者の集団が地べたに座り込んでいたり、また、大きなキャリーバッグを転がしながら広場にたたずむ若い女性など、ちょっと心配になる状況も確認をしてまいりました。
 こうした若者たちが犯罪などトラブルに巻き込まれずに安全に過ごしてもらい、彼らの心の葛藤や悩みの解決につなげるために何ができるのか、こうした根本解決は、なかなかすぐには難しいとは思いますけれども、少なくとも安全に過ごしていただくことが大事なのかなというふうに思っております。
 今般、取りまとまりました青少年問題協議会の答申では、まずは犯罪被害防止策の一つとして、さらなる啓発の重要性が指摘されております。私も全く同感であります。まちの至るところにある大型スクリーンやSNSなどを活用しまして、若者に寄り添った啓発動画などを定期的に発信する等、青少年問題協議会の答申に基づいて着実に施策を推進してほしいというふうに思っております。
 そこでまず、青少年の犯罪被害防止に向けた啓発について、都としてどのように取り組んでいくのか、見解をお伺いいたします。

○米今治安対策担当部長 青少年が犯罪被害に遭わないようにするためには、本人の防犯に関わるリテラシーの向上に資する啓発を行うことが重要でございます。
 協議会の答申を踏まえ、青少年が危険を察知し、自ら身を守ることができるよう、彼らの心情に寄り添ったターゲティング広告をSNSで発信するなど、青少年に響く啓発に取り組んでまいります。

○北口委員 ぜひ施策の着実な実施を期待しております。また、犯罪に巻き込まれないための啓発活動と併せまして、犯罪に巻き込まれてしまったときのサポート、相談窓口についても、ぜひ同様に体制の構築、周知徹底に努めていただきたいと要望しておきます。
 さて、本答申にもありますけれども、青少年の保護者に対する支援も大変重要だと考えております。そこに集う若者たちと同様に、その保護者も、我が子の行動を心配し悩んでおります。
 昨年になりますけれども、我が子がトー横に通っているようだという保護者の方のお話を伺いました。お子さんが何日も自宅に戻らないということが続いたそうでございます。児童相談所に相談しても、命に直接関わるような案件ではないためか、なかなか対応してもらえず、歯がゆい思いをしたというふうにおっしゃっておりました。
 こうした保護者の方々が悩みを相談できる場所にタイムリーにつないでいくということが大切であるというふうに感じたところでございます。
 こうした状況も踏まえまして、答申を受け、今後、都として、青少年の保護者の支援についてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○米今治安対策担当部長 協議会の答申では、青少年の被害等の防止に向けては、青少年の保護者が悩みを抱えた際に、適切な機関に相談できることが大切であり、保護者にそうした機関を工夫して周知する必要がある旨、提言されています。
 都としては、協議会の答申を踏まえ、有識者や関係機関の意見も参考としつつ、保護者が適切な相談先につながることができるよう、今後、対策を検討してまいります。

○北口委員 どうかよろしくお願いいたします。そこに集う子供たちよりも、もしかしたら保護者の悩みの方が深いのかなという気もしておりますので、よろしくお願いいたします。
 また、もし適切な保護者の相談窓口がないのであれば、若者の相談窓口と併せて、その保護者も相談できるようにするなど工夫していただきながら、若者とその保護者の双方が困ったときにしっかり支援できる、こういう体制づくりをお願いして、この質問を終わりにしたいと思います。
 次に、デフリンピックについて、一問だけ質問させていただきます。
 我が党が東京開催を強く求め推進してきたデフリンピックが、二〇二五年にいよいよ開催をされます。
 大会概要によりますと、世界八十か国、地域から約三千人の選手が参加の予定と聞いておりますが、まだまだデフリンピックに対する都民の皆様の認知度は、パラリンピックに比べると低いというふうに感じております。
 これから二〇二五年大会に向けて、様々なPR活動やボランティアの取組、また、躍動するアスリートの姿などを通して、都民の皆様への認知度の向上や、聴覚障害に対する深い理解を広めたいというふうに思っております。
 そして、これを機に、聴覚障害者への情報保障など、あらゆる意味でのバリアフリーをより一層推進していきたいというふうに考えております。私もこの観点で、様々な場面で発信をしていきたいなというふうに思っております。
 さて、この二〇二五年のデフリンピックは、百周年の節目の大会ということでございます。この記念すべき大会を成功に導くためには、まずは、世界中から参加されるデフアスリートの皆様にとって最高の舞台となるよう準備をしなければいけないというふうに思います。
 そのためには、デフアスリートの皆様が不安なく、大会で最高の力が発揮できるよう、アスリートの皆様の日本での生活も含めて、あらゆる場所で情報保障の配慮など、しっかりとアスリートの皆様の声を聞く必要があるというふうに考えます。
 デフリンピックに向けて、残り二年となる中、デフアスリートの皆さんの視点も踏まえながら大会準備を加速させていくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○清水事業調整担当部長 二〇二五年の大会に向けて、デフアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、デフアスリートなど当事者の視点を踏まえ、大会の準備、運営を進めることが重要です。
 このため、今般、デフアスリート等から構成されるアスリート会議を開催し、その意見も踏まえて大会ビジョンを策定いたしました。
 引き続き、デフアスリートなどと意見交換を重ねながら、競技や会場の運営をはじめ、デジタル技術の活用も含めた情報保障なども検討してまいります。
 今後とも、当事者の目線に立って準備を進め、誰もが個性を生かし力を発揮できる大会としてまいります。

○北口委員 アスリート会議等を開き、デフアスリートの声を聞き、当事者の視点も踏まえて大会準備を進めているということを確認させていただきました。
 今大会を契機として、共生社会の実現にまた一歩近づくことを期待して、質問を終わります。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からは、まず青少年問題協議会の答申について、それから国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドライン、さらにデフリンピック競技大会について伺っていきたいと思います。
 まず初めに、青少年問題協議会の答申についてです。
 新宿区の繁華街、歌舞伎町のシネシティ広場など、新宿東宝ビル周辺、いわゆるトー横に居場所を求めて集まる未成年たちがいます。
 彼らはトー横キッズと呼ばれていますが、家庭での虐待や生活の貧困、いじめなどで学校や家庭に安全な場所がなかったり、居場所を失った子供たちが多く、そこに付け込み、利用しようとする大人たちから性被害を受けたり、犯罪に巻き込まれたりしています。そして、その行為はますます巧妙になり、表面化しづらくなっています。
 私もこの間、若年女性の支援団体のアウトリーチあるいはスタディーツアーに参加し、新宿や秋葉原のまちを歩き、子供たちの様子を見てきました。夜のまちに未成年、中学生ぐらいの女の子もいましたが、キャリーバッグを引いて歩いていたり、何人かでたむろしている子、大人に声をかけられている子供もいました。本当に危険で、大人の責任は重大だと思っています。
 今回、都の諮問を受けて、犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援についての答申が出されたことは、青少年が安心できる環境をつくる上で重要だと思います。同時に、この答申を受けて、東京都の本気の取組が問われてくることになります。
 そこでまず、お聞きしたいのが、この答申の中に、はじめにというところがあるわけですが、ここには、都や警視庁、関係機関が相互に連携しつつ、各種対策を講じているものの、この状況には改善が見られないとあります。
 なぜ改善できないのか、都として分析をしておりますか。

○米今治安対策担当部長 都としては、関係機関からのヒアリング等を実施し、状況把握をしているところでございます。
 答申を踏まえ、今後、状況の分析等、都が実施する取組等について課題の整理を行ってまいります。

○とや委員 都は、この間、警察、新宿区、児童相談所と連携し、各種対策をやっていらっしゃいましたよね。しましたが、結局、今日までなぜ改善が見られないのか、むしろ悪化しているのか、その原因について分析をするために、各種取組について、本当に青少年の深刻な事態を解決するための手段として適切だったのか、そういうことが今もって分からないということが今のご答弁で分かりました。
 私はやっぱり、今回、自分たちの取組を見直すということは、各局が本気で取り組んでこなかったことの証左ではないかと思います。そして、トー横では、上から目線の大人は信用できないと、子供たちはなかなか近寄りません。近寄りませんから、少女や少年たちの声をちゃんと聞いて、寄り添った対応が求められています。
 ところが、そういった対応が求められていたにもかかわらず、結局、排除や警察の補導で対応してきたために、子供たちはいられる場所を失い、実態が見えにくくなっているのではないでしょうか。
 答申では、行政機関等の公的な機関には甚だしい拒絶感を有している者が多いということも触れられていますが、自然にそうなったわけではありません。そうしたことも含めて、これまでの取組の検証を求めておきたいと思います。
 答申では、今よりも一歩踏み込んだ実態調査を行う必要があるという認識も示されました。協議会でも、我が会派の米倉都議が性搾取の実態把握を都の取組として行うよう求めて、被害体験も含めた生の声を直接聞くことが盛り込まれました。これ自体、本当に重要なことだと思います。
 そこでお聞きしますが、これはどのように実施するのか、お聞きしたいと思います。また、加害の実態調査も行うべきですが、いかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 答申につきましては、有識者等から構成される協議会が取りまとめ、都に提出されたものでございまして、今後、これを踏まえて対策を検討、実施していくものでございます。
 答申では、青少年が悪意のある大人により児童買春等の犯罪被害等に遭う事案が発生していると述べられております。
 今後、答申を踏まえ、トー横の実態把握の在り方等の検討に向け、課題の整理を行ってまいります。

○とや委員 歌舞伎町には、お金に困っていたり、行き場のない子供たち、だまされて性被害に遭う少女を求め、次々に少女たちに声をかける買春目的の男性、性売買のあっせん業者が毎日二百人以上いるというふうにいわれております。
 こういう大人たちにも焦点を当てなければ、本当の実態はつかめないと思います。ぜひ加害の側の実態もつかんでいただき、根本解決につなげてほしいと思います。これは要望しておきます。
 その根本解決にどうやってつなげるかということですが、夜のまちをさまよう子供たちをトー横から排除しても、また歌舞伎町に戻ってきます。家庭での虐待などのリスクもありますし、別な場所で被害に遭うなど、根本的な解決にならないというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 トー横には、現に青少年が集結し、犯罪被害等が発生するなどしており、その対応は喫緊の課題であると認識しております。
 取組については、青少年に寄り添ったものとすることが重要であり、今後、答申を踏まえ、課題を整理してまいります。

○とや委員 青少年に寄り添うということについては、ぜひ具体化していただきたいなと思っています。
 まちにいたら補導されたり、叱られたりして、家に戻される可能性があるので、声をかけてくる男たちとホテルなどを転々とせざるを得ない状況があるといわれています。また、少女たちの性の商品化、性搾取が巧妙になり、エンターテインメントやビジネスのように社会に認識されるようになり、問題も深刻化している、こういうふうな見方もあります。
 私が歩いたあるお店では、奥のコーナーに成人用のDVDが並んで、その表紙を飾っているのは子供でした。とてもショックでした。だまされて動画を撮らされた少女の保護者から、過去、私は相談を受けたこともあります。こんな目に遭っていたら、大人なんて信用できないと思うのではないでしょうか。
 人権侵害から子供たちを守るためには、大人がしっかりと人権感覚を持ち、これまで深刻な状況を野放しにしてきたことを、私たち一人一人が自覚することが必要だと思っています。
 答申では、相談窓口と居場所についても述べられています。案の段階から居場所について加筆をされたことは大変重要だと思いますが、相談がある人だけが来るのでは居場所機能とはいえないと思うんですが、相談の有無にかかわらず寄ることができる居場所機能を持たせることが必要ではないかと思います。いかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 答申では、従来の支援活動にとらわれない相談窓口等の体制を構築すべきであると提言されています。
 今後、答申を踏まえ、相談体制の在り方等について課題を整理してまいります。

○とや委員 課題の整理、課題の整理と繰り返すのですけれども、従来の支援活動にとらわれない認識が示されたのは大変重要だと思っています。ぜひ東京都も、この立場で具体化してほしいと思っています。
 大人を信用していなかったり、自分が相談をしていい存在だと思えなかったり、自分が何に困っているのか分からなかったりする子供たちは、相談する場所に行くことは考えにくいわけで、相談をしなくてもいることができる場所があって、そこで関係をつくることが必要だと思います。
 一方、まちにたむろする子供たちを、被害者としてというより非行の当事者として見ていて、まずは補導する、あるいは児童相談所につなげるというやり方が都政でも問題になってきましたが、一時保護所が安心していられる場所でなかったなどの状況を続けてきたことが、大人を信用できない状況をつくってきたのではないかと考えます。
 安心できる居場所をつくることこそが求められています。都として、この間、各種団体と連携をしてきましたが、さらなる連携の強化も併せて求めておきたいと思っています。
 さらに、居場所を提供している関係団体と連携するということでありますが、東京都はどのような取組をするのか。関係機関に丸投げをするのではなく、都として、きちんと関わって取り組むことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○米今治安対策担当部長 答申では、従来の支援活動にとらわれない相談窓口等の体制の構築に当たりまして、居場所も提供している関係団体等と連携すべき旨も提言されております。
 今後、答申を踏まえ、相談体制の在り方等について課題を整理してまいります。

○とや委員 居場所を提供する団体とも連携をするということが入りましたけれども、やっぱり民間団体と協力することは必要なんですよ。そして、大事なことです。そして、子供たちの人権を守る責任を、やっぱり私は、行政が負っているんだということを大前提に据えて取り組むことを求めたいと思います。
 なぜ事態を深刻化させてきたのか。その原因がつかめないのは、支援団体に丸投げしてきたからではないでしょうか。新宿のまちで支援活動をしている人たちと一緒に、少女たちの様子を見に行ってほしいと思います。丸投げではない、少女たちに寄り添った、青年たちに寄り添った、信頼してもらえるような取組をお願いしておきます。
 それから、その答申の最後、おわりにでは、本来なら実態解明を行った上で対策の検討を行うべきところとありますが、今後、調査、解明の予定はどうなっているのでしょうか。お答えください。

○米今治安対策担当部長 答申では、一歩踏み込んだ実態把握が必要であると提言されています。
 今後、答申を踏まえ、実態把握の在り方等の検討に向け、課題を整理してまいります。

○とや委員 結局、これからなんですよね。それを待っていてはトー横における青少年の被害等が増え続ける可能性が高いということで、緊急に実施すべき対策について提案したというふうになっているんですよ、答申は。
 並行して行うというふうにもなっていて、私、今まで質問してきましたけれども、これまでの質問から、全部、今後の課題の整理ということで整理されているんですよね、答弁が。
 一体、いつまで課題の整理をして、いつから取り組むのですか。

○米今治安対策担当部長 先ほど述べましたとおり、答申につきましては、有識者等から構成される協議会が取りまとめて、都に提出されたものでありまして、今後、これを踏まえ、対策の検討を実施していくことでございます。
 現在、これについて課題の整理を中心に行って、検討できる部分については検討していくという状況になっております。

○とや委員 先ほどミライ会議の桐山さんの質疑の中で、こういった状況が生まれてきたのはいつからだという話で、もう数年前からだという答弁がありましたよね。だから、深刻化してきたのは、もう数年前から分かっていたことなんです。
 分かっていたことだから、やっぱり何とかしなきゃいけないという認識を持っていたわけですよね。それなのに、答申が出て、これから検討ですというのは、ちょっとおかしいんじゃないかなと思っています。
 協議会の答申が示されたのは七月二十七日です。既に二か月たっています。また、今いったように、この問題は、七月に突然出てきた話ではありません。その前から問題になってきたものなんです。ぜひ早急に具体化することを求めておきます。
 この問題の最後のテーマとして、東京都の取組についてです。
 各種取組をしてきたけれども、なかなか改善ができなかったということが答申の中で述べられていたわけですが、それでもいろんな取組があって、性被害などから少女たちを守るため、青年たちも守るため、様々な取組を東京都は行ってきています。
 この夏にも、きみまも@歌舞伎町というイベントが行われています。ホームページを拝見しますと、青少年の悩みだとか被害の実態などについて、みんなで一緒に考えるイベントですと、初めに掲載されております。
 このイベントですが、出演者はどのように選ばれたのでしょうか。選定基準についてお答えください。

○米今治安対策担当部長 受託事業者がイベントの目的等に即し都に提案したものを基に選定したものでございます。

○とや委員 イベントの目的等に即したものだと。
 熊本の県立高校の修学旅行中、女子生徒三十人が、入浴中に男子生徒から盗撮やのぞきの被害に遭ったという、そういう事件がありました。これに対して、このイベントの出演者の一人が、男子生徒はのぞけるならのぞく、当たり前だろ、そこでのぞきに参加しなかった生徒の方がまともじゃないよねというツイートをSNSで発信しているのをご存じですか。

○米今治安対策担当部長 お話しの内容については承知しておりません。

○とや委員 事前にお話を伺ったところ、調べていただいたのですけれども。
 部長のところにお話が行っていないんですか。もう一度お答えください。

○米今治安対策担当部長 昨日、課長の方からお話を伺いましたが、この選定のときに関しては、先生のお話しの点については承知していないということでございます。

○とや委員 今は知っていますか。

○米今治安対策担当部長 先生のお話しされた内容についての概要については把握しております。

○とや委員 把握しているということです。
 このイベントは、受託事業者による提案を受けて総合評価で選定されるということを聞きました。そして、株式会社日テレイベンツという事業者が一千九百九十六万五千円で落札をしています。
 出演者は事業者の選定だと思いますが、仕様書を見ると、目的は、青少年や保護者その他周りの大人等を対象として、性被害をはじめとしたトラブルから身を守るための情報発信を行うということが書かれていました。社会全体で青少年を被害から守る機運を醸成するとも書かれています。
 詳細仕様書では、著名人等の選定では、本事業の趣旨を十分理解した上で、青少年に対して自らの体験を語れる者、またはオーソリティーとして一定の知名度がある者であり、青少年からの認知度が高く、集客力、話題性のある者とする、履歴を十分に確認し、都の事業を広報する上でふさわしい者とするとあります。詳細仕様書も、ちゃんと私、読ませていただいたんですよ。
 もう一回繰り返しますけれども、のぞこうと思えばのぞけるような露天風呂を選んだ学校が悪い、男子生徒はのぞけるならのぞく、当たり前だろ、そこでののぞきに参加しなかった生徒の方がまともじゃないよな。
 この発言そのものが性暴力ではないでしょうか。許されることではないと考えますが、いかがですか。

○米今治安対策担当部長 業者の選定に関しては、受託事業者が都に提案したものを基に、イベントの目的を総合的に勘案して選定したものでございます。

○とや委員 私が聞いているのはそんなことじゃないですよ。この発言の中身に対しての評価を聞いているんです。
 こういう発言をした、これをSNSで発信したということ自体、性暴力じゃないんですか。大事なことですよ。ちょっと答えてください、ちゃんと。局長でもいいですよ。

○米今治安対策担当部長 今の内容につきまして、私の立場で評価する立場にはないと考えております。

○とや委員 あなたの立場だから評価しなきゃいけないんでしょう。何をいっているんですか。これを性暴力とか性加害と認定できなかったら、あなたたちは一体何をやっているんですかという話になりますよ。もう一回お答えください。
 先ほどいった、SNSで発信した、もう一回いいましょうか。これね、一千百五十一万件の表示があります。それだけの人たちが、このSNSを見ているんです。のぞこうと思えばのぞけるような露天風呂を選んだ学校が悪い、男子生徒はのぞけるならばのぞく、当たり前だろ、そこでのぞきに参加しなかった生徒の方がまともじゃないよな。
 この発言は性暴力ではないのですか。

○米今治安対策担当部長 現在の発言の内容につきましては、学校が悪いということをいっているのであって、確かに最初の部分について、のぞき見については、基本的にはやはり犯罪行為だと思うので、そこら辺のことは、確かに性暴力の部分はあると思います。

○とや委員 学校のことじゃないでしょう。この発言の本質を聞いているんですよ。その本質も分からなかったら問題ですよ。のぞきに参加しなかった生徒はまともじゃないよなっていっているんですよ。学校なんて関係ないですよ。
 男子生徒はのぞけるならのぞく、当たり前だろって、性暴力ですよね。きちんと答えてください。

○米今治安対策担当部長 のぞきについては犯罪の……(とや委員「性暴力かどうかです」と呼ぶ)性暴力だと思います。

○とや委員 のぞきは性暴力だし、犯罪ですよ。そんなことは誰だって知っていますよ。この言葉をいっているんです。この発言についてどうか聞いているんです。

○米今治安対策担当部長 学校が悪いという部分はございますが、(とや委員「学校なんか……」と呼ぶ)基本的に、のぞき見を……(とや委員「この発信はどうかと……」と呼ぶ)誘導することについては、基本的にはよからぬことだと思います。

○入江委員長 不規則発言はお避けください。そして、質問は簡潔に、答弁も簡潔にお願いいたします。

○とや委員 大事なことだからやっているんですよ。
 いいですか、答申を出しているんですよ。それを具体化しなきゃいけない局なんですよ。性暴力から子供たちを守るために。
 イベントをやって、その出演者が性暴力の発言をするということは許されないことですよね。どうなんですか。その発言自体。

○米今治安対策担当部長 まず、発言について、最終形のところは学校が悪いということが書いてありますけれども、基本的には、のぞき見をして、それを是認することに関しては性暴力だと思います。

○とや委員 今、部長にお答えいただきましたけれども、本来だったら、私、局長がお答えするものだと思いますよ、竹迫局長。
 性暴力を肯定する発言をする人を性暴力防止のイベントに出すことは問題だと思います。子供たちが性被害、搾取や暴力のない安心できる環境で暮らしていけるように、都として力を尽くしていく矢先に、堂々とSNSで性暴力を当然視する発言をする人をイベントに呼ぶというのは、あってはならないことだと思います。
 詳細仕様書には、本業務の進捗状況は、随時都に報告し調整を図ることというふうにもなっているんですよ。ですから、随時報告が行っていなきゃいけなかったんですよ。知らないというのもおかしいですよ。
 ですから、主催者として、都の責任はとっても重たいです。チェックが行き届いていなかったということでは済まされません。
 今後、このようなことを二度と起こさないようにどう対応するのか、局長、お答えください。

○竹迫生活安全担当局長 今回のきみまものイベントに関しましては、その趣旨にのっとった人を採用するということで進めてまいりまして、実際の選定の時点では、そういったことは認識しておりませんでした。
 今回のSNSの投稿につきましては、今、米今担当部長から答弁がありましたように、適切なものではなかったというふうに考えております。
 今後、何といいますか、事業というのは一連の流れで進んでいきますので、個人の発言を一〇〇%フォローというのはできないと思いますけれども、適正な事業の遂行に努めていきたいと考えております。

○とや委員 ありがとうございます。性暴力をきっぱりと否定する立場でなければならないと。その立場で子供たちを守るために頑張っていただきたいということをお願いしまして、次の質問に入ります。
 国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインについてです。
 国際スポーツ大会への都の関与のガイドラインについては、今年三月末に示された国の大規模スポーツ大会の指針に準じて作成される内容となっています。資料もお示しいただきましてありがとうございました。
 そこでまず、国の指針が作成された背景を伺っておきたいと思います。また、指針には強制力があるのかどうかも併せてお答えください。

○三浦事業調整担当部長 国の指針におきましては、本指針策定に至る経緯として、令和四年八月、東京二〇二〇大会組織委員会の元理事が受託収賄容疑で、スポンサー企業関係者が贈賄容疑で逮捕され、その後、起訴される事件が発生。同年九月、公益財団法人日本オリンピック委員会と札幌市は、北海道・札幌二〇三〇オリンピック・パラリンピック冬季競技大会に向けてと題する宣言文を発表。その後、東京二〇二〇大会組織委員会が発注したテストイベントに関連する業務の入札において、東京二〇二〇大会組織委員会の元職員と業者との間で事前の受注調整が行われた疑いがあることが発覚し、その関係者が逮捕、起訴される事件が発生。今後、国内においては、様々な国際スポーツ大会の開催を控えている中、今後設置される大会の組織委員会等のガバナンス確保に向けた仕組みとして、国において策定することとしたといったことが記載されております。
 なお、国として本指針を遵守した運営を要望したものと認識しております。

○とや委員 東京二〇二〇大会の汚職事件は、まだ解決していません。スポーツを通じて心身を向上させ、文化、国籍など様々な違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神を持って、平和でよりよい世界の実現に貢献するというオリンピック精神の理念は大きく汚されました。
 二年後には、大規模な国際大会である世界陸上が東京で開催される予定で、デフリンピックも東京で初開催です。それだけに、今後行われる国際大会については、都の関与の在り方も厳しく問われてくると思います。
 国際大会の運営に、基準に近いものができたことは、ガイドラインが前進だと思うんですが、国の指針も強制力はありません。ガイドラインにもありません。国際大会での汚職などの歯止めになるのかどうか、大変懸念があります。その上で確認をしていきたいと思います。
 まず、ガイドラインには、利益相反について、企業からの出向者が高度な専門性を大会準備に生かせる一方、利益相反のリスクを内包することから、適切な対応が求められるとあります。
 一方、直接雇用については可としていますが、原則は利益相反にブレーキをかけながら、本気で利益相反を防ぐ規定とはいえないんじゃないでしょうか。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインにおいては、利益相反問題を防止するために、専門性を有する人材の直接雇用の活用等、民間企業からの出向受入れに頼らない工夫を行い、出向者を活用せざるを得ない場合も、ポストや業務内容、権限の公表等の対策を講じることとしております。

○とや委員 二〇二〇大会では、電通からの社員が多く出向していました。出向元と密接な関わりのある部署に配置されたために利益相反も見えにくくなって、直接雇用であっても利益相反のリスクを内包するということが分かっていながら、原則は原則として歯止めがないわけです。抜け道をつくっているのではないでしょうか。原則ではなく、禁止とはっきりいうべきと私は求めておきたいと思います。
 もう一つ、国の指針もそうなんですが、ガイドラインでは専任代理店契約も一律に排除していません。その理由を教えてください。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインでは、マーケティング業務について、委託等に関する方式の検討経緯や選択理由等を公表し、公正性を担保することとしております。

○とや委員 本当に公正性が担保できるのでしょうか。ここでも中途半端な規定になっていると思います。
 二〇二〇大会で、組織委員会は、スポンサー集めで電通と専任代理店契約を結んで、業務を丸投げしました。そのために、この部分がブラックボックスになって、汚職で起訴された元電通の高橋元理事の独走を許す結果になったんじゃないでしょうか。
 汚職の大きな要因に思い切ったメスを入れないで大会が行われれば、いずれ同じ過ちを犯すことになるのではないかと思います。
 そこで、焦点となった専任代理店契約について伺います。
 世界陸上の場合は、報道では、マーケティング部門の代理店契約は専任代理店としないということが示されて報道されていたわけですが、そのような理解でよいのでしょうか。実際どうなるのでしょうか。また、直接雇用は行うのかどうか、お答えください。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上においては、利益相反問題を防止するため、専門人材の直接雇用等を活用するとともに、スポンサー確保では、公募など透明性の高い手法を検討することとしております。

○とや委員 出向はないけれども、直接雇用はあるということです。
 そして、スポンサー確保については、公募など透明性の高い手法を検討するということなんですが、私はその報道を読んだときに、尾縣代表理事は、一つの代理店には絞らないと述べていたのですが、手法について事前に聞くと、例えばスポンサー自体を直接公募する方法とか、代理店を公募して業務を行ってもらうという二〇二〇大会と同じ方法を取るとか、さらに複数の代理店を公募するなど幾つかの方法があるという話でした。尾縣代表理事の考え方と違う方向で動いているのか、どうも解せないというふうにいわざるを得ません。
 しかも、今いいましたけれども、二〇二〇大会と同じ手法、専任代理店もできるということを世界陸上でも検討するということです。
 私は、今回の二〇二〇大会の汚職の実態を見ても、やっぱりこういう抜け道はつくるべきではないと思います。強制力はなかったとしても、ガイドラインについては修正をすべきだというふうに思います。これは厳しく求めておきます。
 ガイドラインは非常に、強制力もないというものなんですが、公正な大会とするために、せめて第三者のチェックは重要だというふうに思うんですが、ガイドラインでは、大会コンプライアンス委員会は組織内に設置する、内部監査、監事監査、会計監査人監査の連携による三様監査体制の構築といいますけれども、第三者による審査制度を私はガイドラインに盛り込むべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインでは、三様監査体制の構築により内部統制を確保するとともに、契約、調達についての外部チェックの仕組みを構築することとしております。

○とや委員 外部チェックの仕組みを構築するということなんですが、その第三者も、外部も大会事務局が選定するということなんですよ。本当にこれで第三者といえるのかなと思います。
 世界陸上では、やっぱり第三者による審査制度をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上におきましても、三様監査体制を構築するとともに、外部の専門家を含む会議体を設置しております。

○とや委員 海外の五輪組織委員会のケースでは、政府や議会が監査や監視を積極的に行ったそうです。
 二〇一二年のロンドン五輪では、議会の支出の番犬といわれる下院決算委員会が、開催決定の翌日から毎年公聴会を開き、政府とは異なる立場で組織委員会の監査を実施していたそうです。
 二四年のパリ五輪は、国の腐敗防止庁による監督等が規定され、組織委員会への監視機能が整えられていると聞きました。
 大会そのものは、時限的な組織を立ち上げて実行部隊として大会運営などが取り組まれていくわけですが、時限的であったとしても、国や議会などを含む第三者機関のチェックが欠かせないと思います。
 この仕組みをつくっていくことは、今回の二〇二〇大会などの汚職を防ぐためにも本当に重大だと思います。これはぜひやっていただきたいと求めておきます。
 さらに、今回のガイドラインでは、国の指針にない部分として、都が財政支出を行う場合、都と大会組織が共同でチェックを行う仕組みを整備するという規定が設けられました。
 これは、都が支出した範囲にとどまらず、事業費全体をチェックできるという理解でよいでしょうか。先ほども出ていましたけれども、改めてお答えください。

○三浦事業調整担当部長 ガイドラインでは、都が財政支出を行う場合、その支出に限定せず、都と大会運営組織が共同でチェックを行うこととしております。

○とや委員 都の財政支出があれば、都の支出の範囲を超えた全体のチェックができるということです。
 共同チェックの内容なんですけれども、当然、議会などにも報告され、都民に公表されるということでよろしいのでしょうか。お答えください。

○三浦事業調整担当部長 共同チェックにおける対応については、今後、必要な対応をしてまいります。

○とや委員 必要な対応というのは、ちょっと分からなかったのですけれども、これはすごく大事なことで、チェックをしたとしても、都民に明らかにしない、議会にも報告しないということでは、これはやった意味がないです。
 報告すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○三浦事業調整担当部長 共同チェックにつきましては、今後、精査の上、内容を整理の上、適切に対応してまいります。

○とや委員 それだとちょっと、何というかな、共同チェックの意味がなくなっちゃいますよ。これ、きちんと公開をするということでお願いしたいと思います。
 今日はここまでにしておくのですけれども、都が関与する大会は、特に透明性が高く、都民の信頼を得られるものにする必要があります。
 また、財政面でも、東京二〇二〇大会では、組織委員会の収入不足を補う形で東京都が財政支出をしたんです。スポンサー選定をめぐる汚職がなければ、組織委員会はもっとスポンサー収入を得ることができ、その分、都の財政支出は少なくて済んだという側面もあります。
 都がチェックすることに加えて、きちんと議会と都民に公表、報告することも必要だということを強調しておきます。
 では、共同チェックの仕組みは、世界陸上ではどのように具体化するのか、伺っておきたいと思います。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上におきましては、都と世界陸上財団等が共同でチェックを行うこととしております。

○とや委員 ぜひ共同チェックをきちんとしていただいて、議会や都民に公表するということを求めておきたいと思います。
 さらに、東京都が必要なサポートを行う場合、定期的に大会運営組織に対して、大会準備状況や収支等に関する報告を求めるとともに、是正を求めることとするとなっています。
 世界陸上の場合、どのような取組をしているのか、お答えください。

○三浦事業調整担当部長 世界陸上におきましては、ガイドラインを踏まえ、都が財団に対して報告を求め、必要に応じて是正を求めることとしております。

○とや委員 東京都は、大会実施において、アドバイスや助言など、あらゆるサポートを行うこととなっています。いただいた資料では、既に都の職員は九月一日時点で六十三人派遣されています。
 しかし、先ほども出ていましたが、この規定は、あくまで求めることができるということなんですね。最初に確認したように強制力はありません。世界陸上も、過去、汚職がありました。こうした世界規模の大会は事業費も莫大で、利益を求めて汚職が起きやすい構造だと思います。
 国の指針を決めたとき、スポーツ庁長官の室伏氏は、スポーツ界に公正性を取り戻す不退転の覚悟を共有し、一致団結して最大限の努力をすると述べたようです。
 二〇二〇大会で失った信頼を取り戻すために、都の役割は非常に大きいと考えます。ガイドラインについては、もっともっと厳格に基準を定め、公正なスポーツ大会を実施できるよう全力を挙げていただけるよう求めて、次の質問に移ります。
 デフリンピックです。
 デフリンピックの原点は、一九二四年のパリ・オリンピックの関心の高まりの中で、ろう者のためのスポーツ大会、国際サイレント大会にあるということを、私、今回質問するに当たって知りました。大変古い歴史を持っています。
 そして、東京でデフリンピックが開催されるのは初めてです。二年後に迫ったデフリンピックで、当事者から期待の声も寄せられています。
 そこで、障害者スポーツの重要性について、特にデフリンピックについては、東京都としてどのように重要性を認識していますか。

○清水事業調整担当部長 デフリンピックは、デフスポーツへの理解を広げ、障害の有無にかかわらず共にスポーツを楽しみ、共生社会の実現に寄与する意義を有した大会と認識しております。

○とや委員 東京都聴覚障害者連盟からは、デフリンピックを東京で開催する意義について、障害のある人もない人も多種多様な人々とコミュニケーションできる心のバリアフリー浸透と、全ての人に開かれた言語コミュニケーション環境づくりが推進され、誰一人取り残さない社会の推進にもつながるというふうにおっしゃっていました。
 一方で、デフリンピックを当事者だけの大会にさせず、誰もが楽しめる大会にするためにも、広く国民に知ってもらうことが重要だと思います。
 デフリンピックの認知度について、いろいろ調べると、やっぱり課題があるといわれています。
 どの程度の認知が広がっていると認識しているのか、広げるためにどう対応するのか、お答えください。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 デフリンピックの開催に向け、大会の認知度を高めていくことは重要であり、都は、本年八月に特設サイトを開設したほか、九月にはエンブレムデザインの投票、発表イベントを開催するなど、様々な機運醸成の取組を展開しております。

○とや委員 頑張っていただいているのは、お話を聞いて分かったのですが、例えば自治体イベントへの参加について事前にお聞きしたら、足立区、江戸川区、渋谷区、多摩市、日野市、台東区、目黒区、板橋区、文京区、江東区などのスポーツイベントでブースを出展し、デフリンピックをPRする予定のことだと聞いています。
 オリンピックだとかパラリンピックのアピールと比較して、まあ、大会の規模自体が小さいのですけれども、でも、当事者からすれば、やっぱり全国的に広めてもらいたいということがあると思います。
 パラリンピックのときはテレビでコマーシャルをしたということもあるそうですが、さらに広く都民にデフリンピックを知らせる努力をしていただきたいと思います。これは要望しておきます。
 また、聴覚障害者団体からは、障害者スポーツ週間を設け、都民向けのイベントなどで幅広い障害者スポーツの啓発を行ってほしいという要望が、昨年も今年も届いています。
 現在、パラスポーツ月間ということで、いろいろ取り組まれているようですが、パラリンピックに聴覚障害の方々の種目はないし、デフリンピックは独自の歴史を持って現在に至っています。ですから、この月間については重要ですが、聴覚障害者の方々もより楽しめる、配慮された、デフスポーツをより多くの人たちが知る機会ともなるよう、ぜひ配慮をお願いしたいと思います。
 そして、デフスポーツに特化したスポーツ週間も検討していただけるよう要望しておきます。
 それから、もう一つの課題として、デフリンピックの選手の練習環境の向上が求められていると思いますが、現在どのような課題があるのか、教えてください。

○澤崎パラスポーツ担当部長 デフリンピックを目指す選手の競技力向上に向けた課題としては、障害に起因するコミュニケーションの問題や、高い技術や専門知識を持つ専任の指導者の不足のほか、強化合宿費や手話通訳費といった費用の負担などがあると聞いております。

○とや委員 コミュニケーションの問題もやっぱり大きいなと私は思っていまして、これもぜひ支援していただきたいと思っているんですが、専門のコーチの獲得、経済的負担、休暇の取得、情報提供、選手の練習環境の向上に東京都の支援は大変重要だと思うんですが、都の支援について伺いたいと思いますが、いかがですか。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は、デフアスリートも含め、国際大会への出場が期待される東京ゆかりの選手に競技用具等の購入費や海外遠征費等、選手の競技力向上に資する活動に対して支援を実施してまいりました。
 加えて、コーチやトレーナー、デフスポーツに不可欠な手話通訳者など、選手を支える様々なスタッフを東京パラスポーツスタッフに公認するとともに、競技支援活動に取り組みやすいよう、スタッフの職場宛てに活動への理解、協力を依頼しております。
 また、都内の競技団体を対象に、指導者の育成や講習会、強化合宿等の経費を支援しております。
 さらに、デフリンピックに向けましては、デフスポーツ中央競技団体を対象に、団体が都内で活動する経費の支援を行っているところでございます。

○とや委員 様々な支援があるということです。デフアスリートの皆さんは、ふだん事業所で働く会社員が多いと聞いています。職場の理解が不可欠だということで、知事名で理解、協力を依頼していただいたということです。これは非常に重要なことだと思っています。二年後に向けて、アスリートの皆さんの練習環境をさらに向上していただくよう求めておきます。
 また、競技に関する専門知識を持った手話通訳者が不足すると聞いています。大会での配置は手話連盟が担当なんですが、育成について、都の関与も必要ではないかと思います。また、都の事務局にも手話通訳ができる職員が必要と考えますが、何人ぐらい配置するのか、教えてください。

○清水事業調整担当部長 デフリンピック大会において、大会主催者である国際ろう者スポーツ委員会や各国選手団等とのコミュニケーションを円滑にするため、都は、今年度から国際手話育成講座の受講費用の支援を行い、国際手話人材を育成しております。
 なお、大会運営の実務を担う東京都スポーツ文化事業団では、手話人材の派遣を依頼するなど必要な対応を行っているところです。

○とや委員 国際通訳自体が世界ではまだ主流になっていないとお聞きしていて、手話育成講座を実施し、既習者については年額八万円の全額を補助すると。そして、初めて学ぶ方は二分の一の四万円補助とお聞きしました。
 受講した人々がすぐに即戦力で使えて、やれるかというと、そうでもないという話もありましたが、大会に向けて、ボランティアとか、いろいろ皆さんの力を貸していただけるような工夫をお願いしたいと思っています。そして、今後も引き続き、手話通訳者については育成をしていただきたいと求めておきます。
 デフリンピックについても、都民、国民からの信頼を得るため、公平、公正な契約、調達と透明化は重要です。どのように取り組みますか。

○清水事業調整担当部長 国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインにおいては、都と大会運営組織が共同でチェックを行う仕組みを整備することとしております。
 デフリンピックにおきましても、ガイドラインを踏まえて対応することとしております。

○とや委員 でも、予算規模が百億を超えていますからね、都民感覚からしたら大きいのですけれども、やっぱりデフリンピックといえども公平、公正な調達、契約に努めていただきたいと求めておきます。
 それから、デフリンピックを契機に、身近な地域で障害者がスポーツを楽しめるよう、地域の体育館だとか、学校の開放だとか、障害者の皆さんが使いやすいような環境を整えるべきだと考えます。これについていかがでしょうか。

○澤崎パラスポーツ担当部長 都は昨年度、障害のある方のスポーツ施設利用に際し、施設管理者等が配慮すべき点をまとめたマニュアルを充実したものに改定いたしまして、研修や動画配信などを通じ、スポーツ施設等への周知を行っております。
 また、都立特別支援学校の体育施設を活用するなど、誰もが身近な地域でスポーツ活動ができるよう取り組んでいるところでございます。

○とや委員 研修もやっていただいていると。様子もお聞きしていますが、なかなか障害者の方々が、地域の体育館だとかで、バリアフリーや、その配慮がされた上でスポーツを楽しむ環境が整えられているかというと、まだまだだと思います。ぜひこれからもご努力をお願いしたいと思います。
 デフスポーツそのもので見ると、競技の種類は多くてもアスリートが多くいなくて、近くに専用施設がある方々というのは、やっぱり少ないと思います。それだけに、学校体育館、地域のプールなどが使えれば本当に助かると思います。ぜひ今後も、さらに障害者が使える地域の施設を増やしてください。お願いします。
 そして、二年後のデフリンピックが、障害があってもなくても多くの人が楽しめる公正な大会となるよう、都として必要な支援をしていただけるよう求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○斉藤委員 立憲民主党の斉藤りえです。
 本日は、二〇二五年に東京で開催される第二十五回デフリンピック競技大会について取り上げさせていただきます。
 まず、デフリンピックの予算規模についてお伺いします。
 第一回定例会の際も議論をしましたが、徐々に準備が進む中で、現在の予算規模で十分であるのかどうか、改めて都の見解をお伺いします。

○清水事業調整担当部長 デフリンピックは、デフスポーツへの理解を広げ、障害の有無にかかわらず共にスポーツを楽しみ、共生社会の実現に寄与する意義を有した大会であり、現在、関係者が連携して準備を進めております。
 今後、過去大会の状況を踏まえ、適正なサービスレベルを確保しつつ、適切な予算となるよう、関係者で精査、検討してまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。こうして世界中からアスリートや関係者、お客様をお迎えしてデフリンピックを開催できる機会はとても貴重であり、オリンピック・パラリンピックと続くダイバーシティの旗を掲げて進む東京の姿を国内外に示していくことがとても重要だと考えています。
 その際に、準備や先々までの投資的観点も含め、どのような大会を実現していくのか、パラリンピックに比べても、しっかりとしたメッセージ性とホストシティとしてのプレゼンスを発揮できるのか、進捗の中でも常に意識していくべきかと考えています。
 そうした観点から考えたときに、オリンピック・パラリンピックではメイン会場として存在感を発揮した国立競技場を、デフリンピックの開会式などで使用することへの期待の声もあったと聞いています。
 今般公表された大会概要の中では、開会式について、当初予定していた駒沢オリンピック公園総合運動場から東京体育館へと変更していますが、その理由をお伺いします。

○清水事業調整担当部長 開閉会式会場につきましては、当初、屋外施設である駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場での実施を予定しておりました。
 その後、関係者との調整を踏まえ、大会が開催される十一月の気温でも選手のコンディションを維持しやすく、来場者にとっても、天候に左右されず観覧しやすい環境となるよう、屋内施設である東京体育館に変更することといたしました。

○斉藤委員 この件については、アスリートファーストであり、来場者ファーストであることは当然のことであり、開催時期にとってベストな選択をしていただければ幸いです。
 一方で、やはり施設が持っている存在感やスケールはとても重要で、デフリンピックが、ほかの競技大会に比べて、その世界観が縮小されているような印象を持つことは絶対に避けなくてはいけません。
 選手のコンディションや気候の問題など、複合的に考慮することがあり、大変だとは思いますが、演出的な視点も含め、東京で開催されるデフリンピックが障害者スポーツやデフスポーツの新しい景色を見せていく、そういった意識を共有しながら準備を進めていただければと思います。
 続いて、ユニバーサルコミュニケーションについて質問します。
 デフリンピックは、聴覚に障害を抱えるアスリートによる競技大会です。その特徴から、大会運営に係るコミュニケーションは、相当に工夫が必要になってきます。私は当事者でもあるので、競技大会におけるコミュニケーションの難しさを、オリンピック、パラリンピックと感じてきておりますが、日々発展する技術革新は、そうした難しさを、徐々にではありますが、克服、改善していっているとも感じています。まさにバリアをフリーにしていくことに、テクノロジーは大きく寄与していると感じています。
 昨年七月の東京二〇二〇大会一周年記念セレモニーでは、巨大なパネルで表示されたQRコードをスマホに読み取ることで、場内アナウンスなどを文字で表示する取組を行っていました。私自身、アナウンスのほか、司会者、ゲストのお話まで理解することができ、大変よい取組であったと感じています。テレビ放送等で音声を文字化する技術がまだまだ弱い中で、この技術は、リアルタイムで音声を文字化し、多言語化も可能になります。
 全世界から来日する外国人に対する手話通訳者の数には限りがある中、デフリンピックに向けては、こうしたAI等が、発話を多言語かつリアルタイムで文字にするような技術も積極的に活用していくべきと考えますが、ご見解をお伺いします。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 デフリンピックを契機に、ユニバーサルコミュニケーション技術の活用を促進していくことは重要であり、都はこれまで、各種スポーツイベント等において、聴覚障害者の方への情報保障の取組の一つとして、音声文字配信等を実施してまいりました。
 今後も、デフリンピックの機運醸成における取組等において、アナウンスを会場内のビジョン等に文字表示する技術などの活用を進めてまいります。

○斉藤委員 日本においては、こうした技術も含め、民間企業が様々な情報コミュニケーションツールを開発し、デフリンピックにとっても画期的な商品も多く登場しています。
 それらを体験したり、展示するブースを用意して、日本の技術を見てもらう機会などがあれば有用だと考えていますが、ご見解をお伺いします。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 ユニバーサルコミュニケーションの促進に当たり、優れたデジタル技術をPRしていくことは重要であります。
 都はこれまで、優れた最新技術の調査、発掘を行うとともに、各種イベントにおいてこうした技術の展示を行ってきました。
 今後も、関係局や事業者等と連携し、様々な機会を捉え、技術のPRを行うなど、ユニバーサルコミュニケーションの取組を進めてまいります。

○斉藤委員 繰り返しになりますが、デフリンピックは、東京のダイバーシティを示していく、とても貴重な機会になります。これは、対外的なことに限らず、私たち都民の意識を押し上げていく機会としても重要です。デフリンピックを契機に、様々な分野において連携しながら、パッケージでダイバーシティを高めていくべきとも考えます。
 昨今、手話が出てくるドラマや映画などが注目を浴びています。このように、日本が誇るコンテンツを活用し、デフリンピックが持つ共生社会のメッセージを発信していくことも重要だと考えていますが、ご見解をお伺いします。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 デフリンピックを契機に、共生社会への都民の理解を一層深めていくことは重要であります。
 そのため、都では、訴求力のあるイラストを活用したホームページにおいて、大会の概要や開催意義、デフアスリートや聴覚障害者の活動を発信しております。

○斉藤委員 ありがとうございます。様々な分野と連携、協働をしながら、ダイバーシティの実現を目指していければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
 最後に、二点、デフリンピックの準備の中で私が不安を感じている要素についてお伺いします。
 一つ目は、宿泊施設や飲食店などの情報保障です。
 宿泊施設においては、筆談対応やフラッシュライトなど、フロントとの連絡を電話や会話以外の方法で対応できる箇所を増やしていく必要があると思います。
 また、食事や飲物の指さしメニューなどは、世界からお客様が来日する際には、とても有用となります。
 大会に向けては、こうした宿泊施設等における情報保障にも取り組んでいく必要があると考えていますが、ご見解をお伺いします。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 宿泊施設において、フロントでの対応のほか、客室に滞在する大会関係者への音声以外の方法による情報提供が求められます。
 このため、先般公表した大会概要においても、大会開催を機に、情報のバリアフリーをさらに推進することとしており、引き続き検討してまいります。

○斉藤委員 二つ目は、災害時の対応についてです。
 地震などの災害時の対応については、どのように考えていますでしょうか。地震に慣れていない諸外国からの来日では、不安も大きいと考えられます。
 また、有事が起きたときの対応は音声となる場合が多く、手話通訳が伝えればいいと思っていても、夜だったり、停電したり、手話通訳が見える位置にいなかったら混乱するので、そのあたり、現場において当事者を含めて訓練し、課題を出してもらうなども必要になると考えますが、災害を含めた有事対応についてのご見解をお伺いいたします。

○清水事業調整担当部長 大会運営において選手や大会関係者の安全を確保するに当たり、デフリンピックの特性を踏まえ対応していくことが重要です。
 有事の際の対応も含め、会場の運営について、当事者の意見も踏まえながら検討を進めているところでございます。

○斉藤委員 ぜひ参加する選手や関係者、サポーターの皆さん、都民の皆さんが安心して楽しめる大会になればと願っています。私も微力ながら応援をしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○大松委員 私からは、デフリンピックについて質問をさせていただきます。
 第二十五回夏季デフリンピック競技大会が、二〇二五年、東京で開催されることになりました。日本では初めての開催であり、一九二四年にパリで開催されてから百周年という佳節を迎えての歴史的な大会となります。ぜひ大会を盛り上げて、成功を期していただきたいと思います。
 大会の成否を決する最大の要素の一つはレガシーであります。大会の開催を契機に、デフスポーツや、ろう文化への理解の輪が広がり、障害のあるなしにかかわらず、互いの違いを認め、尊重し合える共生社会づくりが進んでいくようにしていくことが重要であります。
 そこで忘れてはならないのが、聴覚だけではなく、視覚障害も併せ有する盲ろう者の存在であります。
 例えば、盲ろう者にとりまして、手話は、手と手が触れ合う触手話であれば伝わるわけでありますけれども、離れたところで行われる手話は見えませんので、その内容は伝わりません。
 また、文字を読むことも、絵を見ることもできないわけでございまして、特に先天性の盲ろう者の場合は、言葉の存在というものを認知していただくところから始めていかなければならないなど、様々なハードル、バリアがあるわけでございます。
 聴覚障害や、また視覚障害者のそれぞれの個別の配慮がなされても、視覚、聴覚の重複障害に対応したさらなる配慮がなければ、盲ろう者の皆様方は、なかなか社会に参画ができないということでございます。
 今回の東京デフリンピック大会は、こうした盲ろう者に対する理解や、社会参加のための環境整備が進む好機となるような大会にしていただきたいと思います。
 東京二〇二〇大会では、パラリンピック聖火リレーの点火セレモニーに、盲ろう者の方がランナーとして参加をされました。このイベントは、盲ろう者の皆様方に勇気を与え、そして、その社会参加をさらに促進する大きな契機となりました。
 デフリンピックやパラリンピックなど、こうした大きなイベントにおいて、盲ろう者をはじめとする様々な障害のある方々に参画をしていただく、こうした取組は大変に重要であります。
 東京二〇二五デフリンピックにおきましても、東京二〇二〇大会での取組を参考に、様々な方々に参画してもらい、大会をつくり上げることが必要と考えますが、東京都の見解を伺います。

○清水事業調整担当部長 デフリンピックは、障害のあるなしにかかわらず、互いの違いを認め、尊重し合う共生社会づくりに貢献できる意義のある大会です。
 先般、策定いたしました大会概要におきましても、あらゆる人が協働し、多様な視点を大切にした大会運営を目指すとしたところでございます。そのため、障害のあるなしにかかわらず、様々な方に参画いただけるよう検討していきます。
 大会を機に、誰もが個性を生かし力を発揮できる社会の実現に貢献してまいります。

○大松委員 今後も引き続き検討を進め、盲ろう者も含め、誰もが参画できる大会にしていただきたいと思います。
 盲ろう者は、コミュニケーションを取る際に、自分の手と通訳者の手を重ねて、指で指をたたく指点字を使われます。その指点字を遠隔操作で使える電子デバイスが近年開発をされまして、以来、盲ろう者の皆様方の活動範囲が広がっているところでございます。
 二〇二〇大会のパラリンピックの聖火の点火セレモニーに盲ろう者の方が参加できたのも、このデバイスを使うことによって、盲ろう者の方が伴走者なしで一人で走れるようになったということから実現をしたわけでございます。
 盲ろう者の支援といたしましては、これまでも、コミュニケーション支援、生活支援という視点はあったわけでありますけれども、スポーツを楽しめるように、スポーツへの参加を支援する、こういう視点は弱かったと伺っております。それが、このデバイスの開発によりまして、スポーツ参加への支援にも力が入れられるようになったそうでございます。
 こうした盲ろう者のスポーツ参加という視点からも、デフリンピック大会の企画の検討を進めていただくように要望をしておきたいと思います。
 現在、東京国際展示場、ビッグサイトで第五十回国際福祉機器展&フォーラムが開催をされております。障害のある方々や高齢者のQOLを上げて社会参加を促進する最新の福祉機器の数々が出展をされております。私も昨日行ってまいりましたけれども、多くの福祉関係者、行政の関係者の皆様方が来場されていらっしゃいました。
 この中で、先ほど申し上げた、盲ろう者のための指点字の遠隔操作の電子デバイスが多くの関係者の注目を集めておりました。
 ICTの発展は日進月歩でございます。そうした日進月歩で発展する、それに伴いまして、ICTを活用した障害のある方々を支援する機器の機能の向上も目をみはるものがございまして、今回の福祉機器展でも、そのことを実感してきたわけでございます。
 盲ろう者をはじめとする障害者のコミュニケーションを支援し、社会参加を促進するために、こうした福祉機器の普及を図っていくことは非常に重要であると考えます。
 都におきましても、東京二〇二五デフリンピックを契機に、様々な方と円滑にコミュニケーションを図ることができる技術を多くの人に知っていただけるように取り組んでいくべきと考えますが、都の見解を伺いまして、私の質問を終わります。

○木村事業調整担当部長国際連携担当部長兼務 海外から多くの選手、大会関係者が東京を訪れるデフリンピック大会の機会を捉え、最新のデジタル技術を活用し、共生社会の実現につなげていくことは重要であります。
 昨今では、外国人向けの多言語対応の技術や、聴覚障害者、盲ろう者など、多様な方を対象にした様々なコミュニケーション技術の開発が進んでおります。
 関係局や事業者等と密接に連携しながら、ユニバーサルコミュニケーション技術のPRに取り組んでまいります。

○入江委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三十三分散会

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