文教委員会速記録第六号

令和五年三月十六日(木曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長入江のぶこ君
副委員長加藤 雅之君
副委員長伊藤しょうこう君
理事桐山ひとみ君
理事斉藤 りえ君
理事とや英津子君
北口つよし君
鈴木  純君
アオヤギ有希子君
大松あきら君
白戸 太朗君
阿部祐美子君
伊藤 ゆう君
清水 孝治君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長横山 英樹君
次長理事兼務スポーツ総合推進部長事務取扱渡邉 知秀君
総務部長久故 雅幸君
教育庁教育長浜 佳葉子君
次長福崎 宏志君
総務部長田中 愛子君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 文教委員会所管分
・第百十号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 文教委員会所管分
付託議案の審査(決定)
・第四十四号議案 東京都体育施設条例の一部を改正する条例
・第四十五号議案 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・第四十六号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○入江委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書三件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○入江委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、文教委員会所管分及び第百十号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、文教委員会所管分を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○鈴木委員 都議会自民党を代表し、当委員会に付託されました令和五年度予算関連議案について意見開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 令和五年度予算案は、コロナの分類変更を踏まえた今後の感染防止策と医療体制の見直し、物価高に苦しむ都民、都内事業者に対する支援、激甚化する自然災害への対策強化、少子高齢化対策の充実、そして、コロナ後の東京の発展に向けた環境対策、情報化の推進など、多岐にわたる課題に対応していくための予算です。
 令和五年度の一般会計は、都税収入の伸びを背景に八兆円を超え、過去最大となっておりますが、長引く物価高騰、先行き不透明な国際情勢など、東京の経済状況は予断を許さない状況にあり、引き続き、中長期的視点に立ち、健全かつ持続可能な財政運営に努めていくことが求められています。
 コロナ感染への備えを怠ることなく、多様な行政課題の解決に向けて、実効性のある対策を迅速かつ効率的に実施していくためには、都民や都内事業者のご理解を得ながら、都内区市町村との事前調整を丁寧に進め、都議会と議論を重ねることで、東京の実態に即した形で事業を進めていくことが必要であります。
 本委員会所管事業に関する意見開陳の冒頭に当たり、このことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 初めに、教育庁関係について申し上げます。
 一、日本人としての自覚や誇りを高め、自国の立場を堂々と主張できる力を伸長するなど、世界の人々と協働して課題を解決していけるようにするための施策を充実されたい。
 一、子供たちの豊かな心を育むため、多様な体験活動の機会の提供に引き続き取り組まれたい。
 一、特別支援学校の生徒を含め、障害の有無にかかわらず国際社会で活躍できるよう、海外での体験活動などの取組を推進されたい。
 一、小学校における三十五人学級の実施を着実に進めるとともに、教員加配による習熟度別指導を今後も継続できるよう取り組まれたい。
 一、教育支援センターの機能強化や不登校特例校の設置促進とともに、学校内の別室における指導、支援や、安心して悩みを相談できる居場所づくりなど、不登校の児童生徒への支援を充実すること。また、スクールソーシャルワーカーの活用充実を図るとともに、ヤングケアラーへの支援を充実強化されたい。
 一、豊かな人間性を養い、規範意識を高めるため、都独自の教材集などを活用し、学校、家庭、地域が一体となった道徳教育のさらなる推進を図られたい。
 一、都立高校においては、今後、デジタル技術や外部の人材を活用し、IT化の進展など社会の変化に対応できるよう、教育のデジタル化や一人一台端末の導入により蓄積されたデータを活用した教育内容の充実を一層推進されたい。
 一、高度IT社会において東京の成長を支えるため、工科高校の生徒のものづくりへの意欲や技術を一層向上されたい。
 一、島しょ地域の教育を充実させていくため、校務のデジタル化を一層支援されたい。
 一、これまでの理数教育の成果も踏まえ、STEAM教育の推進を図られたい。
 一、子供たちの体力向上に向けて、学校での体育授業のみならず、子供たちが運動を行える環境充実を図られたい。
 一、特別支援学校において、企業への就労支援や職業教育の充実とともに、児童生徒の自立と社会参加を促す取組を推進されたい。
 一、肢体不自由特別支援学校において、スクールバス乗車時間の短縮や、医療的ケアが必要となる子供の学習機会の拡充に向けた施策を推進されたい。
 一、都立高校に多数在籍する発達障害のある高校生に対し、就労支援などの取組を推進されたい。
 一、学校における働き方改革を推進するため、スクールサポートスタッフなど外部人材の配置を拡充されたい。また、専門性の高い外部人材を授業で活用する取組についても推進を図られたい。
 一、国の動向を踏まえ、都として中学校における部活動の地域移行、連携を推進されたい。
 次に、生活文化スポーツ局関係について申し上げます。
 一、安全で安心なまちづくりを一層推進するため、区市町村等と連携して、巧妙化する特殊詐欺への対策強化や防犯カメラの設置促進等を通じた地域の防犯環境の整備などに取り組まれたい。
 一、第十一次東京都交通安全計画に基づき、交通安全がより一層確保された社会の実現に向けて、子供や高齢者の交通安全の確保や、自転車の安全利用、改正道路交通法施行に合わせた電動キックボードの安全利用など、各種対策を進められたい。
 一、青少年のインターネット上の被害やトラブルを防止するため、SNSの適正利用に関する普及啓発の強化や相談環境の整備に取り組むとともに、犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援等、各種対策を推進されたい。
 一、町会や自治会連合会への支援を推進するため、地域力を向上させ、地域の課題を解決するために設けられた地域の底力発展事業助成や町会・自治会応援キャラバンなど、事業のさらなる拡充を図られたい。
 一、多くの都民がボランティア活動に関する情報を容易に得られるよう、情報提供、相談体制を充実し、区市町村のほか、企業、学校、地縁団体など多様な主体との連携を推進することで、ボランティア機運の醸成を図られたい。
 一、多文化共生社会に向けて、民間団体が行う都内の在住外国人支援活動に対して財政的な支援を行うなど、区市町村と連携しながら、在住外国人が安全・安心に暮らせる環境の確保に努められたい。
 一、東京都男女平等参画推進総合計画に基づき、女性活躍推進に向けた先進的な取組事例などの積極的な広報展開を行うなど、各種施策を推進されたい。
 一、新たな文化戦略に基づき、誰もが気軽に芸術文化に触れられ、参加できる機会を創出するため、地域のにぎわいの創出にもつながるきめ細かな支援を行うなど、地域における多様な芸術文化活動のさらなる活性化を図られたい。また、デジタルテクノロジーを活用したアートなど新たな分野においても、子供や若者の体験機会の拡充を図られたい。
 一、都民の浴場利用機会の確保と浴場経営の安定化に向け、耐震化やクリーンエネルギー化、新規顧客層の開拓など、浴場組合が行う事業を着実に支援されたい。
 一、東京の公教育に果たす私立学校の重要性を踏まえ、教育条件の向上、保護者の負担軽減、学校経営の健全化等を図るため、私立学校に対する基幹的補助である経常費補助については、堅持、充実に努められたい。
 一、児童生徒等の安全確保に向けて、耐震補強、改築工事及び非構造部材耐震対策工事に対する補助事業など、私立学校安全対策促進事業費補助のさらなる充実に努められたい。
 一、私立高等学校が行うグローバル人材育成事業への支援を充実するとともに、ICTを活用した教育を進めていくため、私立小中高等学校におけるデジタル機器を活用した教育環境整備などの支援を図られたい。
 一、東京二〇二〇大会のレガシーを東京のスポーツ振興につなげていくため、大会開催記念事業やアーカイブ資産の活用など、レガシーを発信、継承する取組を着実に推進されたい。
 一、都立スポーツ施設については、大会のレガシーとして、都民の様々な利用ニーズに応えるよう、積極的に幅広く活用するとともに、多くの都民が利用し、様々な体験ができる取組を行われたい。
 一、都立スポーツ施設の活用やパラスポーツの振興、都民のスポーツ観戦機会の創出などの観点から、国際大会の誘致や開催への支援を積極的に行われたい。
 一、国際大会などで活躍する東京アスリートの競技力向上を図るとともに、ジュニアスポーツの裾野を広げ、競技力向上の底上げを図られたい。
 一、障害のある人もない人も、誰もが身近な地域でスポーツに取り組めるよう、区市町村との連携を一層深め、区市町村のスポーツ振興を支援するなど、スポーツ環境のさらなる充実、拡大に取り組まれたい。
 一、障害者スポーツの場の開拓や整備、パラスポーツを支える人材育成、パラスポーツへの理解促進と普及啓発、競技力向上など、パラスポーツの振興をより一層強力に推進されたい。
 一、スポーツ実施率向上に向けた働き盛り世代などへの施策の強化、女性アスリートの育成やスポーツ団体への女性参画支援などを強化されたい。
 一、東京マラソン及びマラソン祭りなどについては、万全な安全対策の下、参加者誰もが楽しめるスポーツイベントとして引き続き実施されたい。
 一、二〇二五年に開催される世界陸上及びデフリンピックの成功に向けて、関係者との連携体制を構築の上、着実な準備、検討を進められたい。また、大会運営組織のガバナンス確保はもちろんのこと、両大会の開催を通じ、東京の魅力発信や大会への子供の参画などの取組を進め、都の政策実現につなげられたい。
 以上をもちまして、都議会自民党の意見開陳を終わります。

○白戸委員 都民ファーストの会東京都議団を代表し、当委員会に付託されました令和五年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 令和五年度予算は、新型コロナウイルス感染症への対応に社会や経済が縛られた三年間から大きく一歩を踏み出し、東京、そして日本の未来を左右する大きな転換点としていく、未来につながる予算となっています。
 また、政策評価と予算編成の連携などにより、事業見直しの精度を高め、ワイズスペンディングを徹底しためり張りのある予算としています。
 具体的には、経済対策の強化、子育て支援、女性活躍、高齢者支援、気候変動や災害に強いまちづくり、多摩・島しょ振興など、都民生活にとって欠かすことのできない大切な施策が数多く盛り込まれています。
 都民ファーストの会東京都議団が要望して実現しました、十八歳までの子供たちに月額五千円の給付や第二子の保育料無償化、出産応援事業、赤ちゃんファーストの継続と、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援への改善、卵子凍結への新たな支援、介護度の改善を実現する介護事業者への報奨金制度の創設、マンション防災の強化、町会、自治会による防災備品の購入支援など地域防災の強化、多摩地域の交通ネットワークの検討調査、スタートアップ施策の大幅な強化などの予算が計上されたことを高く評価します。
 あるべき東京の未来を想定し、未来への投資を積極果敢に進めるとともに、都民の安全・安心を確保する効果的でスピード感のある政策の実現を強く要望いたします。
 それでは、各局事業について、まず、生活文化スポーツ局です。
 一、地域の底力発展事業助成について、子供や子育て世代を巻き込んでいる事例などを幅広く紹介し、町会、自治会の活動に関わる世代を広げていかれたい。
 一、いまだに減らない特殊詐欺対策に、体験型啓発事業など、より具体的な予防策と、AIやクラウドサービスを利用したデジタルの力活用の防止策を組み合わせて、引き続き取り組まれたい。
 一、人口の七割が住むとされている集合住宅における防災能力を高めるべく、町会、自治会と連携し、マンション防災の強化を進められたい。
 一、電動キックボードの安全な利用を啓発する際には、その普及を阻害する形ではなく、推進するための交通安全対策が行われるよう、事業者と協議の上で連携し進められたい。
 一、ニーズの高まっているフリースクールに対し、利用者への支援拡充とフリースクールの認証を進め、支援されたい。
 一、国際都市はもちろん、働き手の減少対策としても、留学生、外国人の高度人材を積極的に受け入れることは大切で、そのために必要な受入れ体制の一つである日本語学校の拡充を進められたい。
 一、コロナで傷ついた芸術文化魅力創出助成の拡充や、中小規模芸術文化団体等を支える新たな支援、アーティストなどの活動環境への支援など、芸術文化の活動を推進し、東京の魅力を取り戻し、さらに発展させていかれたい。
 一、東京二〇二〇大会組織委員会での賄賂や談合という不正による社会的影響の大きさを考えると、前例にとらわれず、東京都は厳しい態度で臨み、今後は外部の有識者を入れてさらに調査を深め、都派遣職員に加え、受注業者などからも聞き取り調査を行うなど、徹底した調査を進められたい。
 一、談合事件の問題が解決されるまで、清算法人を清算結了させるべきではなく、談合が認定された場合、清算法人が損害賠償請求を行われたい。
 一、今後計画される国際大会の開催に当たっては、大会開催等の受委託をしている企業以外からの人材を登用し、実務面から汚職、癒着の可能性を減らし、大会関与のガイドラインを策定し、ガバナンス確保の視点で取り組まれたい。
 一、デフリンピックの開催に向けては、開催意義を積極的に発信し、都民、国民の理解、納得を得ていきながら準備を進められたい。
 一、デジタル技術を活用したインクルーシブな社会の実現に向けて、パラスポーツにユニバーサルコミュニケーション技術を生かし、eパラスポーツの推進や、障害者の社会活動への普及を促進されたい。
 一、多様なパラスポーツの体験機会の確保や大会支援を継続的に行い、普及促進の取組を続けられたい。
 一、海の森水上競技場においては、ボートやカヌーにこだわることなく、幅広いスポーツができるように門戸を広げ、利用促進のために開放時間や利用方法について工夫を重ねられたい。
 一、GRAND CYCLE TOKYOプロジェクトを通じ、自転車の魅力を発信し、関心や注目度を高めながら、自転車利用における社会的理解を深め、誰もが楽しく安全に自転車を活用できる社会の実現へ進められたい。
 教育庁関係。
 一、好評を得ている子供を笑顔にするプロジェクトにおいては、子供たちがより主体的な体験が得られる協働して課題解決に取り組む体験や、他者理解、共生社会に資する体験、科学、技術に触れる体験を充実し、積極性、協調性、コミュニケーション力など、豊かな心の育成につながるよう取り組まれたい。
 一、子供たちが国の垣根を越える交流ができるための使える英語の習得に向けて取組を強化されたい。
 一、高校生の海外派遣先を様々な国や地域に広げ、国際的な視野から多様な価値観を持つ人々と協働して、よりよい社会を築いていく力の育成に向けた取組の充実を進めるべき。さらに、単なる異文化交流ではなく、共通の課題に向けて協力していく課題解決型学習などを通し、多様性や違いが価値を生み出す経験ができるよう設計するなど取り組まれたい。
 一、デフ大会に向けて、ろう学校の教育を一層充実させるとともに、大会を契機とした共生社会の実現に向けて、広く聴覚障害理解に関する教育を推進していかれたい。
 一、子供たちが気軽に最新のテクノロジーに触れられる機会や場所を積極的に整備されたい。
 一、いじめや不登校など子供たち一人一人に寄り添う支援員やスクールソーシャルワーカーなど、さらに拡充を進められたい。
 一、部活動の地域移行、地域連帯については、人材の確保、育成の仕組み構築、関係団体との調整などが円滑に進むよう、都が積極的に支援されたい。
 一、思春期特有の様々な悩みに対して、学校現場で医療的な専門知識に基づいた産婦人科医の助言を気軽に受けることができるユースヘルスケアをさらに拡充されたい。
 一、教員の質の向上、人材確保のためにも、デジタル化や時数軽減、職員室改善など、教員の負担軽減や働き方改革を進められたい。
 一、工業高校改革が進み出しているが、外部人材や企業などとの連携をさらに促進させ、社会で必要とされる能力を身につけられるよう進められたい。
 一、都立学校施設における太陽光パネルの設置をさらに促進させるべく、支援の継続とその周知拡大を進められたい。
 一、特別支援学級の子供が、日常的に地域の小中高学校の児童生徒と交流や学びの機会を持ち、交流促進を図られたい。
 以上をもって、都民ファーストの会東京都議団の意見開陳を終わります。

○北口委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された令和五年度予算関連議案について意見開陳をいたします。
 令和五年度一般会計予算案は、子供たちへの投資、環境貢献、防災機能の強化など、持続可能で美しい地球を未来に残すための様々な取組を事業化しています。
 具体的には、第二子の保育料無償化や高校生世代までの医療費無償化、私立中学校等の授業料負担軽減、中小企業のゼロエミッション化に向けた支援、耐震改修への補助の拡大など、都議会公明党が強く求めてきた施策が随所に盛り込まれており、高く評価するものであります。
 また、外部有識者を活用し、より客観性の高い評価を実施するなど、政策評価、事業評価制度のさらなる充実を図るとともに、事業評価では千二百七件の見直し、再構築、一千百四十一億円の財源確保へとつなげています。さらに、基金を戦略的に活用する一方、都債発行抑制を継続するなど、中長期を見据え、財政対応力の堅持にも努めています。
 今後は、リーマンショック時などのような急激な景気変動にも耐えられる財政対応力の備えを目指し、さらなる基金の積立てなど、一層の取組を求めるものです。
 あわせて、予算の執行段階においても、さらなる創意工夫を行い、無駄の排除の徹底や迅速かつ的確な事業実施を行うとともに、評価制度をさらに充実させ、施策の新陳代謝の一層の促進に努めることを強く望むものであります。
 次に、各局別に申し上げます。
 初めに、生活文化スポーツ局関係について申し上げます。
 一、子供たちが安全・安心に暮らせる社会を実現するため、区市町村やボランティア、事業者等と連携し、子供の安全確保に向けた取組を促進すること。
 一、東京都若者総合相談センター、若ナビαについて、デジタル技術を活用し、若者が利用しやすい相談環境の整備を進め、若者の相談を受け止め、適切な支援につないでいくこと。
 一、成人年齢が引き下げられたことに伴い、若年層の消費者被害防止に向けた取組の充実を図ること。
 一、区市町村や警視庁、関係団体等とも連携し、幅広い世代に対応した自転車や電動キックボードなどの安全教育に取り組み、社会全体で安全利用を図ること。
 一、結婚を望む方の不安や悩みを解消し、結婚に向けて踏み出せるよう、結婚相談窓口を設置し、結婚支援事業の充実を図ること。
 一、男女平等参画に関する施策を一層推進するとともに、東京ウィメンズプラザにおける相談事業や、配偶者暴力対策を推進し、関係機関との協力体制を充実させ、被害者支援に努めること。また、国や区市町村、民間団体などと連携し、加害者対策にも努めること。
 一、審議会等の女性委員の割合については、目標である四〇%以上を達成したが、引き続きこれを維持し、都の施策に女性の意見を十分反映すること。
 一、多くの男性が家事、育児に参画する情報を効果的に発信するとともに、性別による役割分担意識や無意識の思い込みに対し、様々な世代の意識改革に努めること。
 一、様々な規模の芸術文化活動にもきめ細かな支援を行うことで、東京の芸術文化全体の活力向上につなげること。
 一、芸術文化サポートセンターについては、ワンストップで相談できる、利用者目線に立ったきめ細かな支援を実施すること。
 一、芸術文化団体等とも連携しつつ、子供が芸術文化に親しむ環境づくりを一層充実させること。
 一、地域の底力発展事業助成や防災力強化助成など、町会、自治会の支援策については、デジタル等を活用し、申請書類の手続ができる限り簡易となるような検討をすること。
 一、グローバル都市としての多文化共生を推進するため、つながり創生財団も活用して、在住外国人への情報提供やNPO等の民間団体に対する支援の充実を図ること。
 一、私立学校に対する基幹的補助である経常費補助をはじめ、保護者負担軽減など、各種補助の一層の充実を図ること。
 一、東京二〇二〇大会の記憶や記録といったレガシーを未来へ引き継ぐため、アーカイブ資産等の展示の取組を具体的に進めること。
 一、復興オリ・パラでもある東京二〇二〇大会のレガシーとして、被災県でスポーツ交流事業を行うなど、今後も被災地に寄り添う取組を継続して行うこと。
 一、スケートボードなどを楽しむ有明アーバンスポーツパークを整備するとともに、自治体や競技団体等と連携し、マナーや安全対策に係る普及啓発に取り組むこと。
 一、障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツに親しめるよう、場の開拓、人材育成、情報発信など、パラスポーツの環境づくりをより一層推進し、スポーツを通じて障害のある人とない人の相互理解がさらに進むよう、様々な取組を実施すること。
 一、東京都パラスポーツトレーニングセンターは、パラスポーツの競技力向上の拠点及び普及振興の場として、パラアスリートや障害のある方が利用しやすい施設とすること。
 一、デフアスリートの育成に向け、聴覚障害の当事者団体や一般の競技団体、特別支援学校などとの連携を深め、積極的なアプローチで次世代を担う選手の掘り起こしを行うとともに、支える人やデフスポーツ競技団体への支援を行うこと。
 一、ラグビーワールドカップ二〇一九のレガシーを継承し、子供や女子をはじめ、ラグビー文化の普及振興につながる取組を行うこと。
 一、今後の国際スポーツ大会の開催に向けて、関係団体や国とも緊密に連携しながら、計画的に準備を進めていくこと。なお、デフリンピックについては、大会のコミュニケーションの担い手である国際手話人材の育成に取り組むこと。
 一、東京二〇二〇大会の贈収賄事件や談合事件について、運営ガバナンスの徹底した見直しを行い、都民の信頼回復を図るとともに、今後の国際大会運営でも、反省点を踏まえ、透明性を持って公正な運営に努めること。
 最後に、教育庁関係について申し上げます。
 一、教員同士の国際交流ネットワークを構築し、教育研究成果を共有するなど、国際交流で教員力の一層の向上を図り、多文化共生などグローバルな視野を持つ教員育成を推進すること。
 一、教員に対するメンタルヘルスに係るサポート等を充実させ、安心して活躍し続けられる職場環境を整備すること。
 一、教員不足の解消に向け、円滑なカムバック採用や各学校における教育実習生の受入れ環境整備など、様々な方策を推進すること。
 一、産休、育業代替教員を通年で前倒し任用するなど、教員が安心して産休、育業を取得できる環境を整備すること。
 一、いじめの未然防止と早期発見、早期対応に努め、SNSを活用した相談体制を拡充するなど、子供たちがより相談しやすい体制の整備を図ること。
 一、不登校及び中途退学者対策、児童虐待の防止を強化するため、スクールソーシャルワーカーの配置拡充や、フリースクール等との連携を推進すること。また、フリースクールに係る調査研究事業をより一層充実させること。
 一、夜間中学と定時制高校の連携を図り、継続した学習が可能となるような仕組みを構築し、新たなグローバル人材の輩出に向けて取組を推進すること。
 一、ヤングケアラー対策を強化するため、ユースソーシャルワーカーの体制を強化するなど、福祉などの関係機関と連携して適切に支援につなげること。
 一、医療的ケアを必要とする児童生徒の学習の機会を拡充するため、学校における医療的ケアの実施体制や通学支援の充実を図るとともに、保護者付添い期間の短縮化を進めること。また、やむを得ず保護者に付添いを依頼する場合でも、テレワーク環境の整備を行うなど、離職防止を図ること。
 一、全ての都立学校の障害の困難さを抱える生徒が、就労し社会の中で自分らしく活躍できるよう、職場定着まで支援する体制の構築を推進すること。
 一、帰国、外国人児童生徒への相談体制や、切れ目のない充実した教育が行えるよう、指導、相談体制の強化を図ること。
 一、多文化共生コーディネーターを、必要とする全ての学校に配置するなど、日本語の学習など支援の充実を図ること。
 一、デジタル教材、防災ノートなどを活用し、各学校における防災教育を推進すること。
 一、工科高校が企業等と連携し、時代にふさわしい教育を展開するため、社会で活用されている最先端の知識、技術を教員が習得し、学校の教育内容の充実を図ること。
 一、東京都中学校英語スピーキングテストは、万全な運営体制で、都教育委員会が責任を持って実施すること。
 一、都立高校におけるオンライン英会話の取組を継続的に推進し、英語力向上に努めること。
 一、一人一人の多様な幸せを目指し、STEAM教育等を実践し、創造力にあふれ、課題解決力に優れた、真にグローバルな人材育成を推進すること。
 一、子供たちが芸術文化に親しめる環境の充実に向け、体験活動事業を推進すること。
 以上をもちまして、都議会公明党を代表しての意見開陳といたします。

○アオヤギ委員 それでは、日本共産党東京都議会議員団を代表して、二〇二三年度一般会計予算案関連議案について意見開陳を行います。
 多くの都民、中学生、保護者の反対を押し切って、中学校英語スピーキングテストを強行し、入試に不可欠な公平性、公正性を投げ捨て、入試の合否判定に活用したことは言語道断です。
 申込み時点での個人情報取得の違法性、試験会場での不公平、採点ミス、不受験者への点数付与で起きる逆転現象、どれを取っても、ずさん、不公平であり、入試に活用できる状況ではありません。
 また、中学一、二年生へのスピーキングテスト導入の予算の積算根拠も、予算の審議にもかかわらず、まともに示されず、タブレット端末購入費用まで計上されていることは無駄であり、スピーキングテストの三十五億円の予算は削除を求めるものです。
 教員の働き方については、教員不足解消、長時間労働の是正、子供の意見を聞き、人格の完成を進める主体である教員が、意見を述べ、研究の自由が保障される職場をつくることが求められています。三十五人学級の早期実現、正規教員の配置を求めるものです。
 女性に対する犯罪防止普及啓発事業の予算が計上され、現場に居合わせた人が積極的に被害を止めるなど、アクティブバイスタンダーの社会機運醸成のための政策がつくられたことは重要な一歩です。さらに、生徒児童が痴漢被害に遭ったときの学校での対応を求めます。
 また、デフリンピックの開催は歓迎しますが、国際スポーツ事業予算が大幅に増額されています。一般都民のスポーツ振興をさらに進めるべきです。
 東京都こども基本条例において、子供は権利の主体、学ぶ権利の保障する立場が明記されています。今こそ本気で東京都教育委員会及び生活文化スポーツ局が実践することが求められています。その立場を堅持して、施策に反映することを強く要望いたします。
 以下、各局別に申し上げます。
 まず、生活文化スポーツ局です。
 私立高校生への学費負担軽減は、授業料に加え、入学金や施設費など学校納付金も対象とし、所得制限をなくしていくこと。
 私立小中学生に十万円の授業料補助を行うこと。
 奨学給付金の支給額、支給対象を拡大すること。
 私立専修学校専門課程の学生への授業料補助を都として行うこと。
 私立幼稚園の入学金への補助を行うこと。
 幼児教育無償化は、都の認定した幼稚園類似施設以外の幼児教育施設と外国人幼稚園も対象に含めること。
 私立学校、幼稚園の老朽化の改築、耐震化、特別教室や体育館、武道場のエアコン設置、太陽光発電や緑化、省エネ設備導入、バリアフリー化への補助を実施、拡充すること。
 東京都こども基本条例の誰一人取り残さない立場に立ち、朝鮮学校への運営費補助を再開すること。
 ジェンダー平等の施策に関わる調査活動の予算を計上し、区市町村を支援すること。
 男女平等参画推進計画の第三者機関は、専門家を増やし、都民公募も行い、実効性ある機関として機能させること。
 中小の芸術団体、アーティスト、文化芸能従事者に対し、助成額を十分の十にし、上限を引き上げること。
 都立文化施設で、若者の入館料の無料化や引下げを行うこと。十八歳以下の若者を無料で招待するWelcome Youthの期間を延長し、対象年齢を引き下げること。
 旧統一協会のマインドコントロールに苦しむ人や宗教二世の相談、支援を充実させること。
 成年年齢引下げに伴い、未成年者取消し権は使えないこと、契約書面の電子化について、高校生本人に直接伝えること。
 東京都平和祈念館建設に向けた準備を始めること。
 東京空襲の証言ビデオは原則全員公開とし、戦災資料も含め、学校や都民の学習など、広く閲覧、視聴できるようにすること。
 東京二〇二〇大会の新規恒久施設は、都民が利用しやすい低廉な利用料金とすること。
 五輪の汚職、談合の原因究明を都として行い、今後、国際大会の適正な開催のガイドラインに生かすとともに、都民に公表すること。
 スポーツ団体や自主的なサークル等の実態調査を行い、大会や活動に補助をすること。
 障害者スポーツセンターを、障害者が利用しやすいように、開館時間を改善し、サポートスタッフを充実させること。コロナによる利用の制限を行う場合にも、スタッフの雇用を保障すること。
 区市町村の障害者スポーツ教室、体験会などへの助成を拡充するとともに、指導員の育成、配置を強化すること。
 区市町村の体育施設の新設や拡充、バリアフリー化に助成すること。
 特別支援学校を地域の障害者スポーツの拠点として活用する都立学校活用促進事業を拡充すること。
 次に、教育庁です。
 英語スピーキングテスト、ESAT-Jは中止し、中学一、二年生にも導入しないこと。
 三十五人学級を、東京都独自の努力で小中学校全学年で実施すること。
 特別支援教室は、必要な児童生徒が通えるようガイドラインを見直すこと。教員一人につき児童生徒十人の配置基準とすること。
 学校体育館のエアコン設置を着実に進め、区市町村立学校への補助の補助率を二分の一から三分の二に戻すこと。
 小中学校、特別支援学校の図書館に専任の司書を配置すること。都立高校については、正規職員を基本として配置すること。
 都立及び区市町村立小中学校、特別支援学校、夜間定時制高校の給食費を無償にすること。
 食育推進のため、栄養教諭の配置を増やすこと。
 小中高等学校、特別支援学校で行う文化芸術鑑賞やスポーツ活動、体験活動を支援すること。
 児童生徒、教職員を対象に、包括的性教育を実施すること。
 学校での生理休暇や生理中の体育の対応についてガイドラインをつくること。
 日本語指導が必要な子供のために、都教委の中に総合的、専門的に担当する部署を置くとともに、小中学校の日本語学級や日本語指導教室の設置拡大を支援すること。
 神田一橋中学校通信制課程の対象年齢を引き下げるとともに、教職員体制を拡充すること。
 フリースクール等に通う児童生徒等への調査研究事業の協力金を二万円に増額すること。
 スクールソーシャルワーカーの配置を拡充すること。
 不登校対応専門教員の配置を増やすとともに、小中高等学校の別室指導や居場所のための支援員を配置すること
 小中学校の特別支援学級の大規模校に教員を増配置すること。
 都立高校生に対する給付型奨学金を拡充し、適用する教育活動の範囲を拡大すること。
 立川、小山台をはじめとする夜間定時制は廃止しないこと。
 都立学校へのユースソーシャルワーカーの人数を増やし、自立支援チームの派遣、配置を拡充すること。
 特別支援学校の教室不足解消、教育環境確保、大規模校解消のために、学校を新設すること。
 重度重複学級を児童生徒の実態に合わせて増やすこと。
 寄宿舎の入舎基準を緩和するとともに、寄宿舎指導員の新規採用を増やし、配置を増やすこと。
 人工呼吸器の使用を含め、医療的ケアを必要とする児童生徒の通学保障のため、専用車両と乗車する看護師を拡充すること。
 産休、育休代替の臨時的任用教員は、四か月前倒し採用を通年で行うとともに、正規教員も配置すること。
 スクールサポートスタッフや、副校長を直接補佐するスタッフを全校に配置すること。
 教員の一年変形労働時間制は導入しないこと。
 教員のパワハラ相談窓口や公益通報窓口は、相談とともに直接調査をする専任の第三者機関を設けること。
 以上をもちまして、日本共産党都議団の意見開陳を終わります。

○阿部委員 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された令和五年度予算案に係る議案について意見の開陳を行います。
 東京都の令和五年度予算は、法人二税、地方消費税等の都税収入の増加を背景に、昨年に続き過去最高の一般歳出予算額となりました。私たちは、未来に向けて投資をするとともに、コロナ禍で苦しんだ末に、急激な物価上昇にあえぐ都民、中小零細事業者に寄り添った支援策にもしっかりと取組が行われるかとの観点から、予算案に対する質疑を行ってまいりました。
 物価高騰は歴史的な水準に達しており、実質賃金の減少で都民生活に大きな影響が出ています。打撃を受けている事業者や都民に手厚く支援することを求めます。
 何よりも、物価上昇を上回る賃上げが必要であり、都としても率先して機運醸成に努めていただくよう求めるものです。
 賃上げは、正社員だけのことではありません。同一価値労働同一賃金、フリーランスや一人親方などの個人事業主にも公平、公正な対価を支払うこと、買いたたきや下請いじめをなくすことなど、長年続いたデフレマインドを払拭し、経済を好循環させるためにも、社会全体での見直し機運を高めるよう取り組まれることを求めます。
 子供、子育て支援については、より一層の拡充を求め、特に学校給食の無償化については、教育の無償化に向けた最優先課題として強く要望をいたします。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、各局に関わる事項について申し上げます。
 まず、生活文化スポーツ局について述べます。
 一、新しい公共の醸成に向けて、事業継続の意思のあるNPOへのサポートなど、適正管理に努めること。
 一、初期日本語教育に関して、地域で実績のある団体の活用を図るなど、様々な課題を抱える子供たちに対して、多言語によるきめの細かな相談事業を実施すること。
 一、配偶者暴力対策として、教員への研修などを通じて、面前DVを経験している子供たちの早期発見、さらには、子供自身の気づきを促すアプローチをするとともに、加害者向けプログラムを積極的に実施すること。また、民間団体が行うデートDV対策などの活動等を積極的に支援すること。
 一、男性の主体的な家事、育児を促すよう取り組むこと。また、職業への固定観念の払拭、アンコンシャスバイアスに気づかせるための取組を進めること。
 一、痴漢対策について、被害実態調査の実施をはじめ、調査結果を待たずとも、時期を捉えた啓発活動の実施など、できる対策を早期に強化すること。また、アクティブバイスタンダーの機運醸成に取り組むこと。
 一、若ナビについて、地域の支援団体や自治体との連携を実質的に確保し、若者の様々な状況に合わせて適切な相談、支援が行える体制とすること。また、ユースワークの場への支援やユースワーカーの育成に取り組むこと。
 一、子供や若者がメディアリテラシーを育むことができるよう施策を実施すること。
 一、エシカル消費について、消費者自らが考え行動を変容させていくという視点で取り組むこと。
 一、霊感商法を含めた悪質事業者の取締りを強化するとともに、勧誘手口となっているSNSへの監視を強化すること。
 一、若手アーティストへの支援やアートマネジメント人材育成、中小の芸術文化団体への支援などに取り組むこと。また、アートウイーク東京について、アクセスの拡充や民間とのタイアップ等の工夫を凝らすなど、より多くの都民が芸術文化に触れる機会の創出に取り組むこと。
 一、平和に関連する施策を一元的に取りまとめるとともに、平和の日記念行事事業など、平和施策の充実を図ること。また、平和祈念館(仮称)の整備に取り組むこと。さらに、東京空襲の証言映像のデジタル化などを推進するとともに、その活用を積極的に進めること。
 一、二〇二五年のデフリンピック大会に向けて、国際手話人材の育成に積極的に取り組むとともに、ピクトグラムや最新の情報技術を活用するなど、ユニバーサルコミュニケーションの促進を図ること。また、つながる音楽会など各種イベントにおいても、スクリーンへの文字表示や様々な工夫を凝らすなど、機運醸成に向けて取り組むこと。さらに、デフリンピックのガバナンスの構築、情報公開に積極的に取り組み、約百三十億円と試算される開催資金についても、民間からの多くの賛同が得られるよう、都として大会開催の意義を積極的に発信すること。
 一、パラスポーツの推進のため、障害者自身がスポーツに親しめる身近な場と支える人材の確保を進めること。
 一、私立学校の教育の無償化に向けて、私立高等学校の特別奨学金制度の所得制限を撤廃すること。奨学金の早期支給を図ること。大学課程も含めた奨学金制度の創設に取り組むこと。
 次に、教育庁関係について述べます。
 一、教育費の無償化に向けて取り組むこと。特に、小中学校及び都立学校、とりわけ都立特別支援学校における給食の無償化に取り組むこと。
 一、産休、育休等の代替教員をはじめ、教員を確実に確保すること。また、教員のメンタルヘルス対策を充実すること。
 一、教員による性暴力やセクシュアルハラスメントの相談に的確に対応するとともに、その予防に向けて、教職員への研修や生命(いのち)の安全教育の実施など、学校全体で取り組むこと。高校生が痴漢被害防止に向けて主体的に学ぶ機会を設けること。
 一、英語スピーキングテストは、公平性、平等性に対する懸念が払拭されたとはいえないため、その結果を高校入試に活用しないこと。
 一、全ての特別支援学校で医療的ケア児の保護者付添い期間を短縮するとともに、特別支援学校において医療的ケア児専用通学車両運行を実施するなど、医療的ケアに係る保護者負担を軽減すること。また、都立高校への看護師の配置等を進め、受入れ体制を確保すること。
 一、特別支援学校のスクールバスの安全確保を推進すること。
 一、手話言語条例の制定を踏まえ、ろう学校において、手話での情報保障や手話によるコミュニケーションへの支援拡充を図ること。また、デフリンピック開催を見据え、ろう学校におけるデフリンピック教育の充実を図るとともに、聴覚障害に対する理解教育の普及を進めること。
 一、都立特別支援学校の図書館については、子供たちにより多くの本が貸し出せるよう充実を図るとともに、司書の配置も含め、人によるサービス向上を検討すること。
 一、都立高校に在籍する発達障害等の困難を抱える生徒に対し、発達障害に理解のあるNPO等を活用して、就労に関する実効性のある支援を実施すること。
 一、児童生徒の不登校の分析と対策を拡充するとともに、不登校時の学習保障や再登校の学習支援などに取り組むこと。また、スクールソーシャルワーカーの配置促進など、不登校、ヤングケアラー等への支援を充実すること。
 一、学校以外の多様な教育機会を確保する観点から、仮想空間上も含め、多様な学習環境を創出すること。また、通信制中学校の体制拡充並びに通信制高校の伴走支援拡充を検討すること。さらに、フリースクール等に通う不登校児童生徒及び保護者等に対する支援策を拡充すること。
 一、小中学校における外国人児童生徒に対し、日本語指導の充実を図るため、外部人材やデジタルの活用など、区市町村が行う多様な取組を支援すること。また、就学していない可能性がある外国人児童生徒等の就学機会を確保するため、日本語指導教室の設置など、区市町村が行う就学促進に関する取組を支援すること。
 一、都立高校において、日本語指導が必要な生徒の状況に応じた適切な指導を行うとともに、入学を希望する生徒に対しても、高校入試ガイダンス等を実施すること。給付型奨学金制度をはじめ、必要な情報を多言語で提供すること。
 一、インクルーシブ教育の推進に向けて、まずは各種書類の「やさしい日本語」での記載やピクトグラムでの表記など、学校から社会のスタンダードを発信できるよう取り組むこと。また、インクルーシブ実践研究事業を充実すること。
 一、いじめ防止に向けて、全ての教職員に周知徹底を図るとともに、スクールカウンセラーの配置拡充や勤務日数の増大を図ること。
 一、都立学校でのユースヘルスケア相談については、対象校をさらに拡大するとともに、ユースヘルスケアに関する理解促進に向けた取組を推進すること。また、生理による体調不良のための欠席に対しては、引き続き、不利益を被ることのないよう十分配慮すること。
 以上をもちまして、都議会立憲民主党の意見開陳といたします。

○桐山委員 ミライ会議を代表し、当委員会に付託された令和五年度予算関連議案について意見を述べます。
 令和五年度一般会計予算は、過去最大の一般会計予算八兆四百十億円が計上され、前年度比一〇・一%増の税収増を背景に、予算規模が年々拡大している状況です。
 しかしながら、日銀総裁の十年ぶりの交代など金融政策の変化や、長引くロシアのウクライナ侵攻の影響によるエネルギー等の高騰に歯止めをかけることができず、税収が維持されるとは限りません。人口減少や緊急事態にも対応できる基金の積み増しや都債残高の減少など、投資のみではなく不透明な財政への対応を強化していくべきです。
 人口減少に対応する少子化対策に焦点が当てられ、子育て関連予算が今までにない大きな金額となっています。
 しかしながら、公平性を担保する税制における所得再配分も行わず、継続性も不確実な一時金となっており、都民理解を得るための制度設計が必要であることを申し上げます。
 都の情報公開は、ノリ弁が横行し、後退しているといわざるを得ない状況です。これだけ多額の予算を投入して新規事業を増やしているのですから、全てを公開して、隠し事のない都政、都民の目から見える都政にするべきです。
 また、これまでの三年間は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための対策やコロナの影響を受けた事業者等への対応策が多く盛り込まれてきましたが、今後も予断を許さない新たなコロナ株の蔓延にも備え、引き続き、状況に応じ、平時、準緊急時、緊急時を臨機応変に切り替え、柔軟に対応できる体制の構築が求められます。
 また、止まらない物価高騰により、高齢者をはじめとする低所得世帯は生活がままなりません。原油価格高騰等に対応する事業者への対策は見られるものの、個人への施策を充実させることを求めます。
 また、未来への投資を強調するがあまり、戦後日本をつくり上げてきた高齢者の方々の切捨てにならないよう、様々な年代の都民に対応できる物価高騰対策を求めるものです。
 脱炭素社会の実現に向けた施策については、温室効果ガス削減量を計算して都民が理解できるように公表するとともに、太陽光パネルの維持管理や製造段階から廃棄時を考えた循環型社会形成ルール、内外の人権尊重のルールなどを、都が明確に姿勢を示すことを求めます。
 中学校英語スピーキングテストは、レイマンコントロールを欠いた教育委員会と特定企業の暴挙であり、子供の視点に立たないばかりか、区市町村や公立中学校に事務を強いる状況です。教育長及び東京都教育委員会の責任や地方教育行政組織の在り方を含めて、公教育の根本的な見直しが必要です。学校の教員を信頼し、授業に専念できる環境を整備し、中学校英語スピーキングテストは廃止して、公平、公正な都立高校入試制度の構築を求めます。
 都民が見える情報公開と行財政改革を改めて求め、以下、各局事業について申し上げます。
 まず、生活文化スポーツ局について申し上げます。
 一、組織委員会を立ち上げて開催する二〇二五年世界陸上競技大会は、贈収賄や談合事件を起こした東京二〇二〇大会組織委員会の経理情報を都議会や都民に公開しないならば、即刻中止の決定をされたい。
 一、デフリンピックの成功に向けて、競技環境の整備とデフリンピックの認知拡大に向けて周知を加速されたい。
 一、東京の文化を向上させるため、ニューヨークのブロードウエーやロンドンのウエストエンドに匹敵する文化、芸術、エンターテインメント地域の創設に取り組まれたい。また、体系的なエンターテインメント産業の育成に取り組まれたい。
 一、仮称東京芸術文化活動サポートセンターについて、個人事業主やフリーランス等、ジャンルや経験を問わず、契約や税制相談、助成事業の情報提供や、専門家と連携しつつ、複雑かつ厳格になりがちな申請手続を実際に手助けする機能を有するよう整備されたい。
 一、文化、芸術、エンターテインメント分野で利活用が期待されるメタバース、仮想空間について、国の動きを注視し、積極的に活用できるよう研究されたい。
 一、イチョウ並木を含む神宮外苑が国の名勝に指定されるよう、文化財保護法の仮指定を行うほか、その価値について、東京都文化財保護審議会で審議されるよう進められたい。
 一、少子化対策は結婚が全てではありません。結婚支援、すなわち官製婚活の在り方を見直し、悪質なマッチングアプリへの被害対策については、より一層推進されたい。
 一、特別支援学校活用促進事業に当たっては、内部での選定基準を検討し、加速されたい。
 一、最新テクノロジーを活用し、誰もが、する、見る、支えるスポーツに参画できるよう取り組まれたい。
 一、私立高校の所得制限を撤廃し、授業料の無償化を実施されたい。
 次に、教育庁関係について申し上げます。
 一、教育長をはじめ、教育庁の職員全員に対して、東京都こども基本条例の研修、周知を徹底されたい。
 一、児童生徒の声を聞き、人権侵害がある場合は第三者機関で審議し、勧告する制度を設けられたい。
 一、児童生徒に対して、うそをつかない、隠し事をしない教育を進めるため、教育庁が率先して情報公開を徹底されたい。
 一、教員による授業を充実し、公教育を立て直すため、教員免許がなくてもできる学校業務はそれぞれの専門職などに委ねることを制度として確立されたい。また、都立大学などを活用して、体系的に専門職などの人材育成、人材を確保されたい。
 一、児童生徒の多様な能力を引き出し、開花させる教育を推進するため、偏差値重視の民間教育産業を公教育に導入しないようされたい。
 一、都立高校の入試のための英語学力検査は、英語の四技能を取り入れたものとし、各都立高校の受検生に対しては、その都立高校が責任を持って採点することとされたい。
 一、不平等、不公正な中学生英語スピーキングテストの都立高校入試への活用は中止されたい。
 一、学習指導要領の達成度を確認するアチーブメントテストは、各区市町村の教育委員会または中学校が自主的に選択し、実施することとし、都は区市町村に補助することとされたい。
 一、義務教育の完全無償化のため、給食費の無償化、補助教材の無償化、学校行事の無償化を実現されたい。
 一、不登校や児童虐待の防止を強化するため、心理士の資格を持つ相談員やスクールソーシャルワーカーの配置拡充と、福祉等の関係機関と連携し、訪問型支援をされたい。
 一、特別支援学校の教室不足の解消とバリアフリー化を最優先として教育環境の整備を促進し、外部人材を活用した様々な体験の機会を設け、技能向上に向け支援されたい。
 一、担任を補佐するエデュケーションアシスタントの配置については、申請がある自治体には速やかに事業が実施できるよう財政措置をされたい。
 一、都立学校図書館については、全て正規の学校司書による運営となるよう取り組まれたい。
 一、GIGAスクール構想における一人一台端末に対する更新経費の費用負担及び各学校ネットワーク環境の増強に対する費用負担に対し、国へ強く要望し、国と都の補助制度となるよう検討されたい。
 以上でミライ会議の意見開陳を終わります。

○入江委員長 以上で予算に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において予算調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○入江委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第四十四号議案から第四十六号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○とや委員 第四十四号議案、東京都体育施設条例の一部を改正する条例について申し上げます。
 本条例案は、海の森水上競技場及びカヌー・スラロームセンターにおける施設及び附属施設の新設等に伴い、利用料金に係る規定を設けるものです。我が党は、本議案に反対します。
 もとより施設の利用料金は指定管理者に定めさせず、条例で規定することも可能です。両施設の新設施設における料金設定については、近傍同種とはいえ、大学生などのクラブ利用などの場合は減額はなく、スポーツ振興の点でも配慮が必要です。
 都は、都民の声を聞き、利用しやすい施設として責任を持つべきであり、低廉な料金を設定することを求め、意見といたします。
 以上です。

○入江委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、第四十四号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○入江委員長 起立多数と認めます。よって、第四十四号議案は原案のとおり決定いたしました。
 次に、第四十五号議案及び第四十六号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、第四十五号議案及び第四十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○入江委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情及びお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○入江委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、浜教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○浜教育長 所管二局を代表いたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 ただいま、本定例会にご提案申し上げました議案につきましてご決定を賜り、誠にありがとうございました。
 入江委員長をはじめ委員の皆様方におかれましては、様々な視点から調査、ご審議等を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 審議等の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望を踏まえ、これからの事務事業に万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。

○入江委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時散会

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