文教委員会速記録第一号

令和五年二月九日(木曜日)
第三委員会室
午後一時三十一分開議
出席委員 十四名
委員長入江のぶこ君
副委員長加藤 雅之君
副委員長伊藤しょうこう君
理事桐山ひとみ君
理事斉藤 りえ君
理事とや英津子君
北口つよし君
鈴木  純君
アオヤギ有希子君
大松あきら君
白戸 太朗君
阿部祐美子君
伊藤 ゆう君
清水 孝治君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長横山 英樹君
生活安全担当局長小西 康弘君
次長理事兼務スポーツ総合推進部長事務取扱渡邉 知秀君
理事古屋 留美君
理事川瀬 航司君
総務部長久故 雅幸君
都民生活部長馬神 祥子君
都民安全推進部長小室 明子君
消費生活部長片岡 容子君
私学部長戸谷 泰之君
文化振興部長蜂谷 典子君
スポーツ施設部長小池 和孝君
企画担当部長吉原 宏幸君
治安対策担当部長油谷 行泰君
若年支援担当部長米今 俊信君
文化施設改革担当部長石井 浩二君
国際連携担当部長事業推進担当部長兼務木村 賢一君
事業推進担当部長三浦 大助君
開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務柏原 弘幸君
教育庁教育長浜 佳葉子君
次長福崎 宏志君
教育監藤井 大輔君
総務部長田中 愛子君
都立学校教育部長村西 紀章君
地域教育支援部長岩野 恵子君
指導部長小寺 康裕君
人事部長吉村美貴子君
福利厚生部長田中 宏治君
教育政策担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務秋田 一樹君
高校改革推進担当部長池上 晶子君
特別支援教育推進担当部長落合 真人君
指導推進担当部長瀧沢 佳宏君
人事企画担当部長稲葉  薫君

本日の会議に付した事件
生活文化スポーツ局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化スポーツ局所管分
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 生活文化スポーツ局所管分
・東京都芸術文化振興基金条例を廃止する条例
・東京都障害者スポーツ振興基金条例を廃止する条例
・東京都体育施設条例の一部を改正する条例
・東京都江戸東京博物館(四)改修空調設備工事その二請負契約
報告事項(説明)
・国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドライン及び同ガイドラインを踏まえた世界陸上・デフリンピックの取組について
請願陳情の審査
(1)四第四一号 ゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願
(2)四第四四号の一 笑顔あふれ、温かい触れ合いを通じて互いに学び、成長する学校に関する請願
(3)四第四五号 私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額等を求めることに関する請願
(4)四第四六号 東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(5)四第四七号 私立学校の教育費を増額し、保護者負担の軽減を求めることに関する請願
(6)四第一一五号 東京都青少年の健全な育成に関する条例における不健全な図書類の改称に関する陳情
(7)四第一一九号 マスク着用の有無による差別・偏見等防止の啓発及び換気システムの導入等に関する陳情
教育庁関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和五年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 教育庁所管分
・学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・都立中野工業高等学校(四)改築工事請負契約
報告事項
・都立高校の魅力向上に向けた実行プログラム(案)について(説明)
・令和四年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況について(説明・質疑)
請願陳情の審査
(1)四第四二号 小・中学校の給食費の無償化に関する請願
(2)四第四四号の一 笑顔あふれ、温かい触れ合いを通じて互いに学び、成長する学校に関する請願
(3)四第四六号 東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(4)四第七七号 不登校からの学校復帰成功事例集の配布・備付けに関する陳情
(5)四第一〇五号 学校給食費の補助等に関する陳情
(6)四第一〇八号 都立特別支援学校の寄宿舎指導員の採用試験実施と増員配置に関する陳情
(7)四第一〇九号 不登校児童生徒への多様な学習機会と経済的支援制度を求める意見書の提出に関する陳情
(8)四第一一一号 イチョウ並木を含む明治神宮外苑の名勝指定に関する陳情
(9)四第一一二号 都立高校入学者選抜の英語の学力検査に「四技能」を出題することに関する陳情
(10)四第一一八号 学校給食及び昼食における「心身の健康の増進と豊かな人間形成」の実現に関する陳情
(11)四第一一九号 マスク着用の有無による差別・偏見等防止の啓発及び換気システムの導入等に関する陳情

○入江委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、謹んで申し上げます。
 生活文化スポーツ局の中嶋初史スポーツ総合推進部長は、去る一月四日に逝去されました。誠に哀悼の念に堪えません。
 故人の在職中の功績をしのぶとともに、ご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 皆さん、ご起立をお願い申し上げます。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○入江委員長 黙祷を終わります。ご着席をお願いいたします。

○入江委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局及び教育庁関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取並びに請願陳情の審査を行います。
 なお、本日は、令和四年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況についての報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行います。ご了承を願います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、局長から幹部職員の紹介があります。

○横山生活文化スポーツ局長 先般の人事異動によります当局幹部職員をご紹介させていただきます。
 次長でスポーツ総合推進担当理事及びスポーツ総合推進部長事務取扱の渡邉知秀でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○入江委員長 紹介は終わりました。

○入江委員長 次に、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 令和五年第一回定例会に提出を予定しております生活文化スポーツ局関係の議案についてご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、予算案二件、条例案三件及び契約案一件の計六件でございます。
 私から議案の概要をご説明申し上げます。
 初めに、令和五年度予算案についてでございます。
 お手元の資料第1号、令和五年度予算説明書の一ページをお開き願います。令和五年度局予算総括表でございます。
 令和五年度予算案は、明るい未来の東京の実現に向け、将来にわたって成長と成熟が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算という予算編成方針の下、新規事業や既存事業の拡充も含めまして、積極的な施策展開を図るために必要な経費を計上しているところでございます。
 表の上段、歳入予算総額といたしましては七百九十二億一千万余円で、前年度比百三億百万余円の増となっております。
 続きまして、表の中ほど、歳出予算総額といたしましては二千七百八十六億六千七百万円で、前年度比七十九億二千三百万余円の増となっております。
 続きまして、施策ごとの経費についてご説明いたします。
 まず、生活文化スポーツ費のうち都民生活費でございます。共助社会づくりの推進や女性の活躍推進、多文化共生社会の実現に向けた取組などに要する経費といたしまして、五十六億一千七百万余円を計上しております。
 次に、都民安全推進費でございます。治安対策、交通安全対策及び若年支援の取組に要する経費といたしまして、十七億六千万余円を計上しております。
 次に、消費生活対策費でございます。商品等の安全対策や消費生活相談などの消費者支援の取組に加え、公衆浴場対策などに要する経費といたしまして、十八億一千八百万余円を計上しております。
 次に、計量検定所費でございます。計量法に基づく検査、検定などに要する経費といたしまして、三億九千百万余円を計上しております。
 次に、文化振興費でございます。各種文化振興施策の推進、都立文化施設の運営や改修等、文化振興に要する経費といたしまして、百七十七億一千三百万余円を計上しております。
 次に、スポーツ総合推進費でございます。スポーツ振興、パラスポーツ振興等の各種施策の推進に要する経費といたしまして、百五億七千八百万余円を計上しております。
 次に、スポーツ施設費でございます。都立スポーツ施設の整備、運営に要する経費といたしまして、百三十二億三千二百万余円を計上しております。
 続きまして、学務費でございます。
 このうち助成費につきましては、私立学校に対する経常費補助に加え、保護者負担軽減などに要する経費といたしまして、二千百七十三億七百万余円を計上しております。
 最後に、育英資金費でございます。奨学金の貸付事業に要する経費といたしまして、二億七千四百万円を計上しております。
 以上で令和五年度予算案の説明を終わります。
 続きまして、令和四年度補正予算案についてでございます。
 お手元の資料第2号、令和四年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。補正予算総括表でございます。
 表の右から二つ目、補正予算額の欄をご覧ください。
 表の上段、歳入の補正予算総額といたしましては、二十三億一千四百万余円の減額でございます。
 続きまして、表の中ほど、歳出の補正予算総額といたしましては、三十四億三千八百万余円の減額でございます。
 以上で令和四年度補正予算案の説明を終わります。
 続きまして、条例案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料第三号、令和五年第一回東京都議会定例会議案の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。
 今定例会に提出を予定しております条例案は、東京都芸術文化振興基金条例を廃止する条例、東京都障害者スポーツ振興基金条例を廃止する条例、東京都体育施設条例の一部を改正する条例の三件でございます。
 続きまして、契約案についてご説明申し上げます。
 今定例会に提出を予定しておりますのは、東京都江戸東京博物館で行われる空調の改修工事に係る契約案一件でございます。
 以上で私からの説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明を申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○久故総務部長 今定例会に提出を予定しております当局関係の議案の詳細についてご説明申し上げます。
 初めに、令和五年度予算案について、お手元の資料第4号、令和五年度生活文化スポーツ局予算案の概要−−こちらでございます−−に基づきご説明申し上げます。
 一ページは、先ほどの局長の説明と重複いたしますので、割愛をさせていただきます。
 一枚おめくりをいただきまして、二ページをお開き願います。都民生活、男女平等参画推進の施策でございます。
 令和五年度は五十六億一千七百二十五万円を計上しております。
 まず、1、地域力向上に向けた取組等として十三億六千九百四十六万円を計上しております。
 地域の底力発展事業により、引き続き町会、自治会の活動を支援するとともに、新たに、関東大震災百年、町会、自治会防災力強化助成として、地域防災を担う共助の主体である町会、自治会が、掲示板等で防災の取組を地域住民に周知するとともに、災害への備えを再点検し、防災備蓄品等を購入するための経費を補助いたします。
 また、町会、自治会デジタル活用普及啓発事業として、デジタルを活用した先進的な取組を表彰し、取組事例を動画等を用いて広く発信いたします。
 三ページをお開きください。3、男女平等参画、女性活躍の推進として十三億七千二百二十八万円を計上しております。
 性別による無意識の思い込みへの取組として、新たにテーマパークでの職業体験等を通じて職業への固定観念を払拭する親子参加型のイベント等を実施するほか、企業等と連携した職場体験として、今後、女性の活躍が期待されるデジタル分野等の企業と連携し、女子中高生向けの職場体験ツアー等を新たに実施いたします。
 次に、4、結婚に向けた機運醸成等として一億八千三百八十七万円を計上しております。
 新たに、ライフデザインシミュレーションプログラムとして、仕事や結婚など様々なライフイベントを気軽に楽しくシミュレーションできるオンラインプログラムを提供するほか、結婚支援マッチング事業として、AIを活用したマッチング支援や、都有施設等での交流イベントにより出会いの機会を創出するなど、結婚に向けた支援を充実いたします。
 次に、5、多文化共生の推進として六億五百四十四万円を計上しております。
 新たに、多文化共生に関する中域ネットワークの構築や外国人相談支援システムの構築を行うほか、多文化キッズコーディネーター(仮称)として、日本語を母語としない子供や、その保護者の困り事を把握し、適切な支援につなぐコーディネーターを区市町村が配置する際に係る経費を補助いたします。
 続きまして、二枚おめくりいただき、五ページをお開きください。都民の安全・安心に関する施策でございます。
 令和五年度は十七億六千七十万円を計上しております。
 1、治安対策の推進として九億四千二百六十二万円を計上しております。
 地域における見守り活動支援により、引き続き、町会、自治会や商店街等による見守り活動を支援するとともに、再犯の防止等の推進として、新たに、保護司確保に向けた都退職者への説明会や、保護司、NPOなどの支援者の交流会を開催いたします。
 また、犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援として、トー横などで犯罪被害に巻き込まれないよう、普及啓発イベントなどによる情報発信等を新たに実施するほか、親子で体験メタバース教室の開催として、メタバースの安全な使い方を親子で体験しながら学べる啓発イベントを実施いたします。
 さらに、女性に対する犯罪防止に向けた普及啓発事業として、現場に居合わせた人が見て見ぬふりをしない社会機運を醸成するため、啓発動画等による広報を展開するほか、痴漢撲滅プロジェクトとして、痴漢被害に関する実態調査を行うとともに、痴漢撲滅に向けたムーブメントを創出するため、集中的な広報やイベント等を官民連携して実施いたします。
 六ページをお開きください。2、交通安全対策の推進として四億九千六百八十万円を計上しております。
 新たに、電動キックボード等の交通安全対策として、若年層をターゲットに道交法改正後のルールを周知し、安全な利用を促す教育、普及啓発を実施するほか、自転車イベント、GRAND CYCLE TOKYOと連携した交通安全普及啓発にも取り組んでまいります。
 次に、3、若年支援の推進として二億九千六十六万円を計上しております。
 東京都若者総合相談センター、若ナビαの運営において、新たに、チャットボットの導入による二十四時間体制の相談対応により支援を強化してまいります。
 七ページをお開きください。消費生活の安定と向上のための施策でございます。
 令和五年度は二十二億一千十七万円を計上しております。
 1、消費生活行政の企画調整として一億五千三百四十四万円を計上しております。
 TOKYOエシカルアクションプロジェクトにおいて、エシカル消費を学べる子供向け企画や、エシカル商品を購入できるマルシェなどの体験型事業等を新たに実施いたします。
 次に、2、消費生活センター事業として六億三千七百五十四万円を計上しております。
 建設局が北多摩北部建設事務所の執務室を拡大することから、多摩消費生活センターを移転する必要があり、これに要する経費を計上しております。
 次に、4、取引指導として六千三百十九万円を計上しております。
 新たにデジタル広告への対応力強化として、弁護士等の専門家チームからの助言や支援を受けて監視体制を強化するほか、違反が疑われるデジタル広告の継続的な監視を実施いたします。
 八ページをお開きください。6、公衆浴場対策として七億四千六百十六万円を計上しております。
 公衆浴場クリーンエネルギー化等推進事業については、補助率や補助対象限度額の拡充を行うほか、健康増進型公衆浴場改築支援事業についても、改修工事の補助対象限度額を拡充いたします。
 九ページをお開きください。文化振興のための施策でございます。
 令和五年度は百七十七億一千三百万円を計上しております。
 1、東京文化戦略二〇三〇を実現するための主な取組として二十四億二千百七十五万円を計上しております。
 アーティストや芸術文化活動に対する支援を行うため、新たに、アートマネジメント人材等海外派遣事業として、若手演出家やプロデューサー等を対象に短期派遣プログラムを実施するほか、若手アーティストに対する制作支援を行います。
 また、東京芸術文化活動サポートセンター−−仮称ですが−−として、東京の芸術文化を担うアーティスト等の持続的な活動を支援していくサポートセンターを設置するほか、アーティストの創作環境の整備として、都営住宅の空き店舗等を活用してアトリエを整備し、アーティストへ低廉な賃料で創作環境を提供いたします。
 さらに、パフォーミングアーツ助成として、中小の芸術文化団体による新たな芸術文化の創造、発信を支援するため、公演に係る経費の一部を助成いたします。
 一〇ページをお開きください。新たな芸術文化体験の提供と創造活動への支援については、シビック・クリエイティブ・ベース東京において、新たに、まち中などでのデジタルショーケースを実施するほか、スタートアップ企業や大学との連携により、新たなアートやデザインを創造、発信してまいります。
 現代アートの振興については、新たに、民間事業者との共催によるアートイベントの開催として、大規模なアートフェスを民間事業者と共催するほか、アートウイーク東京の機会を捉えたセミナー等を実施いたします。
 また、東京空襲関連資料のデジタル化として、将来にわたり継承し、活用を図るため、東京空襲関連資料をデジタル化いたします。
 次に、2、Tokyo Arts Fundとして五億七千七百四十五万円を計上しております。
 東京地域芸術文化助成については、地域の団体ニーズを踏まえ、新たな補助上限額の設定や補助要件の緩和を行うほか、規模を拡大してまいります。
 一一ページをお開きください。7、文化施設の計画的な改修として三十一億二千六十一万円を計上しております。
 江戸東京博物館の大規模改修工事の経費等を計上しております。
 一二ページをお開きください。スポーツ振興のための施策でございます。
 令和五年度は百五億七千八百七十六万円を計上しております。
 1、スポーツの振興として二十九億五千六百八十四万円を計上しております。
 スポーツ空間バージョンアップ補助事業として、区市町村のスポーツ施設の統合再編、改修等による新たなスポーツ活動の場の創出や設備の高効率化に加え、大規模国際大会等の開催に必要な改修等に係る経費の一部を補助するほか、地域スポーツクラブ中間支援組織事業補助や競技団体組織基盤強化支援事業を新たに実施いたします。
 また、プロスポーツチーム等との連携事業として、地域密着型のプロスポーツチーム等と連携し、試合会場における都施策のPR等を通じて、様々な地域課題の解決に向けた取組を実施してまいります。
 次に、2、パラスポーツの振興として十九億八千四百五十三万円を計上しております。
 新たに障害児、障害者の運動習慣定着支援事業として、福祉施設等に指導者を派遣し、障害者の運動やスポーツ実施を支援するとともに、地域のスポーツ人材と福祉分野等との関係づくりを促進するほか、おめくりいただきまして一三ページになります、一三ページに記載のとおり、デジタル技術を活用したパラスポーツ、eパラスポーツ事業なども実施してまいります。
 次に、3、国際スポーツ事業の推進として四十九億七千八百七十四万円を計上しております。
 GRAND CYCLE TOKYOの推進として、臨海部において、自転車を体感し、楽しむイベントを実施するとともに、多摩部では、新たに本格的なロードレース等を実施いたします。
 また、デフリンピック開催支援として、二〇二五年デフリンピック競技大会開催に向けて、招致主体である全日本ろうあ連盟と協力して大会準備を遅滞なく確実に進めるため、必要な支援体制づくりや計画の策定を行います。
 さらに、アンダー15女子ソフトボールワールドカップの開催を支援するほか、デフスポーツ競技団体都内活動促進事業として、デフスポーツの中央競技団体が都内で実施する主催大会等に係る経費を補助いたします。
 加えて、国際大会を契機としたスポーツ機運醸成として、二〇二五年に世界陸上及びデフリンピックが東京で開催されることをきっかけに、デジタル技術を活用した情報保障技術の発信などを充実させるとともに、スポーツの価値や魅力をさらに体感できる施策を展開するほか、国際大会の誘致に向けた海外発信を新たに実施いたします。
 一四ページをお開きください。都立スポーツ施設の管理運営でございます。
 令和五年度は百三十二億三千二百八十八万円を計上しております。
 1、体育施設の整備として六十九億四千二百六十七万円を計上しております。
 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館大規模改修工事をはじめ、各都立スポーツ施設の改修工事、整備工事等を行うほか、施設への太陽光発電設備等の設置を進めます。
 次に、2、体育施設の運営として六十一億六千六百七十一万円を計上しております。
 各体育施設の運営として、都立スポーツ施設の指定管理料等を計上しているほか、都立スポーツ施設の戦略的活用として、十八施設のネットワークを生かした情報発信や多様な利用ニーズへの対応、共通コンセプトによるイベントの企画、実施等を行ってまいります。
 一五ページをお開きください。私学振興のための施策でございます。
 令和五年度は二千百九十億八千五百万円を計上しております。
 1、私立学校経常費補助でございます。
 幼稚園、小中高等学校、特別支援学校、通信制高等学校を合わせまして、千二百三十一億七千八百五十三万円を計上しております。
 次に、2、幼児教育の無償化として百八十億三千九百三十九万円を計上しております。
 私立幼稚園等に通う園児保護者の負担軽減を実施いたします。
 一六ページをお開きください。4、私立高等学校授業料の実質無償化として三百七十七億七百十九万円を計上しております。
 特別奨学金と国の就学支援金とを合わせて、都内私立高校の平均授業料まで助成いたします。
 次に、5、私立中学校授業料の負担軽減として四十億円を計上しております。
 私立中学校等に通う年収目安約九百十万円未満世帯の生徒の保護者に対し、授業料の一部として年額十万円を助成いたします。
 次に、7、私立学校グローバル人材育成支援事業費補助として十九億九千七百八十八万円を計上しております。
 グローバルに活躍できる人材育成支援のため、生徒の海外留学や教員海外派遣研修等に係る経費の一部を補助いたします。
 一七ページをお開きください。8、私立学校安全対策促進事業費補助として三十九億九千六百三十四万円を計上しております。
 私立学校の耐震工事や体育館への空調設備の新設等に係る経費の一部に加え、新たに、発災時に児童生徒等の安全を確保するために必要な水、食料等の備蓄に要する経費を補助するほか、第四回定例会において補正予算を計上いたしました私立幼稚園の送迎バス等への安全装置設置等に係る補助について、令和五年度分を計上しております。
 次に、9、私立学校デジタル教育環境整備費補助として三十八億六千八百七十八万円を計上しております。
 私立高等学校等における一人一台端末整備を促進するため、経費の一部を補助するほか、新たに、学校現場のデジタル化を促進するための助言や研修の実施に要する経費等を補助対象に追加いたします。
 次に、10、私立学校省エネ設備等導入事業費補助として十四億七千五百万円を計上しております。
 私立学校におけるLED照明や空調設備等の省エネ設備、機器の導入に必要な経費の一部を補助するものですが、補助率を引き上げます。
 次に、12、学校における体験活動の充実として二億円を計上しております。
 私立の小中高等学校、特別支援学校を対象に、子供の芸術文化体験等を提供する事業を教育庁と連携して実施いたします。
 以上が令和五年度予算案でございます。
 なお、その他の事業等につきましては、お手元の資料第1号、令和五年度予算説明書をご覧ください。
 続きまして、令和四年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の資料第2号、令和四年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。
 歳入でございます。
 社会資本等整備基金繰入金、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金繰入金及び防災街づくり基金繰入金でございます。
 こちらは、各基金からの繰入金を更正することに伴い、それぞれ四十四億八千百万余円、二億百万余円、六億二千六百万余円を減額しております。
 芸術文化振興基金繰入金及び障害者スポーツ振興基金繰入金については、東京二〇二〇大会レガシー基金の新設に伴い、東京都芸術文化振興基金及び東京都障害者スポーツ振興基金を廃止するため、基金の取崩しに係る繰入金として、それぞれ十五億三千万余円、二十四億四千二百万余円を計上しております。
 次に、学務費でございます。
 こちらは、学務費に対する都債を更正することに伴い、九億七千七百万円を減額しております。
 続きまして、歳出でございます。
 生活文化スポーツ費の管理費、文化振興費、スポーツ総合推進費、スポーツ施設費ですが、人件費の実績減やスポーツ施設の工事内容の精査などによる実績減等に伴い、十八億三千四百万余円を減額しております。
 次に、学務費の助成費でございます。
 私立学校安全対策促進事業費補助の実績減に伴い、十六億四百万余円を減額しております。
 以上が令和四年度補正予算案でございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 資料第5号、議案の概要の表紙と目次をおめくりいただきまして、一ページをご覧ください。東京都芸術文化振興基金条例を廃止する条例でございます。
 本条例は、東京二〇二〇大会レガシー基金の新設に伴い、東京都芸術文化振興基金を廃止するものでございます。
 施行期日は記載のとおりでございます。
 一枚おめくりいただきまして、二ページをご覧ください。東京都障害者スポーツ振興基金条例を廃止する条例でございます。
 本条例は、東京二〇二〇大会レガシー基金の新設に伴い、東京都障害者スポーツ振興基金を廃止するものでございます。
 施行期日は記載のとおりでございます。
 一枚おめくりいただきまして、三ページをご覧ください。東京都体育施設条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、海の森水上競技場及びカヌー・スラロームセンターにおける施設の新設等に伴い、利用料金に係る規定を設けるものでございます。
 2、改正内容をご覧ください。
 (1)、海の森水上競技場でございますが、新設する第二艇庫棟の第一多目的室を専用使用する場合などの利用料金の上限額を規定するものでございます。
 (2)、カヌー・スラロームセンターでございますが、新設する第一多目的室または第二多目的室を専用使用する場合などの利用料金の上限額を規定するものでございます。
 このほか、利用料金の上限額として規定を追加するものといたしましては、四ページと五ページに別表としてまとめておりますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 施行期日は記載のとおりでございます。
 次に、契約案についてご説明申し上げます。
 六ページをお開き願います。東京都江戸東京博物館(四)改修空調設備工事その二請負契約でございます。
 工事場所は墨田区横網一丁目四番一号、契約相手は新日空・ヤマト・日設建設共同企業体でございます。
 契約金額は四十六億二千五百三十九万円で、契約の方法は一般競争入札、工期は契約確定の日の翌日から令和六年十一月十八日まででございます。
 工事概要は空調設備工事でございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○アオヤギ委員 それでは、資料要求をさせていただきます。
 まず一つ目、Tokyo Tokyo FESTIVALの主な事業。東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団及び公益財団法人東京都交響楽団。
 次に、私立専修学校修学支援実証研究事業の授業料支援実績額、協力校数及び受給者数の推移。
 三番、私立小中学校等の児童生徒数並びに私立小中学校等就学支援実証事業の国への交付申請者数、受給者数及び実績額。
 四番、私立学校の児童生徒の自殺者数。
 五番、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査の私立学校における活用実績及び教職員の定期検査の実施状況。
 六番、知事附属機関、審議会等の委員数、女性委員数及び女性委員任用率一覧。
 七番、配偶者防止等民間活動助成事業の実施状況、予算額の推移。
 八番、都内配偶者暴力相談センターの相談件数の推移。
 九番、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数(月別)の推移。
 十番、男女共同参画に関する施策についての苦情処理機関の都道府県別設置状況。
 十一番、不健全図書の指定の件数と図書類及び指定理由の内訳、過去二十年間。
 お願いします。

○入江委員長 ただいまアオヤギ委員より資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○入江委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○三浦事業推進担当部長 それでは、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドライン及び同ガイドラインを踏まえた世界陸上、デフリンピックの取組についてご報告いたします。
 お手元の資料第6号をご覧ください。
 初めに、1、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインですが、三つの点についてご説明いたします。
 まず、(1)、策定の経過ですが、今後の国際スポーツ大会における大会運営組織が公正で信頼されるよう、都は、法律等の専門家から成る有識者会議を設置し、有識者からの助言を反映したガイドラインを昨年末に策定いたしました。
 次に、(2)、ガイドラインの概要ですが、まず、〔1〕、ガイドラインの目的につきましては、スポーツの力によって東京の未来をつくっていく観点に立ち、都の関与の在り方について基本的な事項を整理したものでございます。
 続いて、〔2〕、ガイドラインの適用対象ですが、次の要件を満たし、都と大会運営組織が協議の上、ガイドラインに掲げる目的の実現に向けて認識を一致させた大会となります。
 具体的には、多数の国、選手等の参加が見込まれる国際総合大会、あるいは、国際的知名度を有し、多数の選手、関係者等の参加が見込まれる単一競技の大会であり、また、主要な会場が都内に存在し、都市のプレゼンス向上等、都が掲げる「未来の東京」戦略の推進に特に寄与するものを対象といたしました。
 続いて、〔3〕、大会運営組織への都の関与ですが、都は、大会運営組織の取組の具体化に向け、サポートを実施いたします。
 まず、大会運営組織の始動期ですが、ガバナンス確立に向けた体制整備の着眼点に立ち、役員等の適切な選任、コンプライアンスの確保、内部統制、外部チェック、利益相反の管理、情報公開の具体化を、大会運営組織と連携し、進めてまいります。
 続いて、大会運営組織の本格活動期ですが、大会の成功、レガシー具体化に向けた取組の着眼点に立ち、ガバナンスの実効性の確保と適切な見直し、国際スポーツ大会を通じ東京の発展に寄与、国際スポーツ大会への都民の参画の具体化を、大会運営組織と連携し、進めてまいります。
 (3)、今後の国際スポーツ大会に向けてですが、二〇二五年に開催予定の世界陸上とデフリンピックについて、ガイドラインを踏まえ、両大会の準備運営体制の構築を進めてまいります。
 続きまして、一枚おめくりいただき、次ページをご覧ください。ガイドラインを踏まえた世界陸上、デフリンピックの取組として、2、「ビジョン二〇二五 スポーツが広げる新しいフィールド」を策定しましたので、ご報告いたします。
 初めに、(1)、策定の目的ですが、先ほどご報告したガイドラインにおける大会の成功、レガシー具体化に向けた取組のうち、特に東京の発展に寄与及び都民の参画について取組の方向性を示したものでございます。
 二〇二五年に開催される世界陸上、デフリンピックを通じ、スポーツの力によって東京の未来をつくるため、東京都が目指す姿をビジョンとして策定いたしました。
 次に、(2)、ビジョンの概要ですが、まず、〔1〕、名称は記載のとおりです。
 続いて、〔2〕、主な内容ですが、大会を通じてインクルーシブなまち東京の実現に貢献するため、基本的な方針として五つの柱を設定し、具体的な取組の方向性を例示してございます。
 一つ目、(ア)、「みんながつながる」では、デジタル技術などを活用したコミュニケーションや情報保障の充実などに取り組んでまいります。
 次に、(イ)、「世界の人々が出会う」では、文化プログラムの展開や、東京の食や観光、おもてなしの発信などに取り組んでまいります。
 続きまして、(ウ)、「こどもたちが夢をみる」では、競技観戦やエスコートキッズ、アスリートの学校訪問などに取り組んでまいります。
 (エ)、「未来へつなぐ」では、多様性の尊重、シンプルな大会運営、環境への配慮などに取り組んでまいります。
 (オ)、「みんなで創る」では、多様な視点での大会づくり、障害者やボランティアの参画などに取り組んでまいります。
 最後に、(3)、今後に向けてですが、庁内各局、大会運営組織や関係団体と検討、調整し、本ビジョンに記載された取組の具体化を進めてまいります。
 なお、参考資料として、国際スポーツ大会への東京都の関与のガイドラインの本文及び「ビジョン二〇二五 スポーツが広げる新しいフィールド」の本文を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
 説明は以上です。

○入江委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 では、なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○入江委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願四第四一号、請願四第四四号の一、請願四第四五号、請願四第四六号、請願四第四七号及び陳情四第一一九号については、いずれも内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○戸谷私学部長 私学助成の拡充等に関する請願五件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表の表紙と件名表をおめくりいただきまして、一ページをご覧ください。
 請願四第四一号、豊島区の私学助成の拡充とゆたかな教育の創造をめざす都民連絡会、村田茂さん外六千七百七十七人からの、ゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願でございます。
 三ページをお開きください。請願四第四四号の一、国分寺市の子ども・青年の未来を−三多摩子育て・教育問題連絡会、佐藤洋史さん外千百五十九人からの、笑顔あふれ、温かい触れ合いを通じて互いに学び、成長する学校に関する請願でございます。
 四ページをお開きください。請願四第四五号、千代田区の私学助成をすすめる都民の会、今井志郎さん外五万七千二百人からの、私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額等を求めることに関する請願でございます。
 六ページをお開きください。請願四第四六号、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会、池上東湖さん外二万四千百七十二人からの、東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願でございます。
 七ページをお開きください。請願四第四七号、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会、池上東湖さん外十一万九千百十八人からの、私立学校の教育費を増額し、保護者負担の軽減を求めることに関する請願でございます。
 以上の五件でございますが、請願の要旨は、説明表に記載されておりますとおり、私立学校の運営費等に対する各種助成の拡充、保護者の経済的負担の軽減、学校における教育環境の整備、充実などに関するものでございまして、重複する部分が多くなっております。
 このため、現在の状況につきましては、各請願ごとでなく、請願の趣旨、内容により事項を分けて、概略をご説明させていただきます。
 まず第一に、私立学校の運営費等に対する補助でございます。
 私立学校に対する助成は、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減、学校経営の健全性を高めることを目的としておりまして、その充実に努めております。
 初めに、小中高等学校と幼稚園でございます。
 私立学校経常費につきましては、私立学校の標準的運営費の二分の一を補助するという基本的な考え方に基づき行っております。
 高等学校等の学級規模の縮小につきましては、経常費補助におきまして、四十人学級編制推進補助を設けるなど、その実現に努めております。
 私立学校における教職員の雇用の在り方については、各私立学校において判断すべきものであり、各学校における具体的な教員の人数や配置の決定につきましては、設置基準に基づき、各学校の自主的な判断によって行われてございます。
 私立幼稚園のうち、学校法人以外の幼稚園に対する私立幼稚園教育振興事業費補助につきましては、経常費補助の動向を勘案しつつ、その充実に努めております。
 同じく、私立幼稚園における三歳児の就園につきましては、経常費補助などに満三歳児の受入れ補助などを設けてございまして、その充実に努めております。
 私立幼稚園の障害児に対する特別支援教育につきましては、平成二十九年度から私立幼稚園特別支援教育事業費補助の補助単価を増額してございます。
 なお、私立幼稚園の一学級当たりの園児定員につきましては、各園の教育方針等に基づき、基準の範囲内において設置者が決定するものでございまして、都は、各園が適切な環境で幼児教育を実践できるよう支援してございます。
 預かり保育に対する補助につきましては、平成二十九年度から、年間を通じて長時間の預かり保育を実施する私立幼稚園に対し補助単価を増額するなど、私立幼稚園等一時預かり事業費補助を拡充してございます。
 また、平成三十年度からは、より長時間の預かり保育を実施する私立幼稚園への補助単価をさらに増額してございます。
 次に、専修学校、各種学校でございます。
 専修学校の高等課程につきましては、運営費補助として私立専修学校教育振興費補助を行ってございまして、その充実に努めてございます。
 また、専修学校専門課程は、大学、短大と並ぶ高等教育機関という位置づけから、国に助成制度の創設を要望してございます。
 なお、平成三十年度から、専修学校専門課程のうち、職業実践専門課程を支援するための補助を実施してございます。
 第二に、保護者の経済的負担の軽減でございます。
 私立高等学校等の生徒に対しましては、私立高等学校等特別奨学金補助を設けてございまして、平成二十九年度から、年収約七百六十万円未満の世帯を対象に、国の就学支援金と合わせて都内私立高校の平均授業料額まで支援額を拡充し、その後、通信制高校へも適用を拡大してございます。
 また、令和二年度から国が就学支援金を拡充してございまして、この機会を捉えて、さらに幅広い世帯が支援を受けられるよう、私立高等学校等特別奨学金補助の対象を年収約九百十万円未満の世帯まで拡充するとともに、所得制限を超える多子世帯への補助を行ってございます。
 また、入学金等につきましては、学校を通じて入学支度金貸付制度を実施しており、平成二十九年度から貸付額を増額してございます。
 さらに、育英資金や私立高等学校等奨学給付金事業費補助によりまして、授業料以外の教育費負担の軽減を図ってございます。
 なお、高等学校等就学支援金制度は、高校生等に対して教育費負担を軽減する目的で国が創設した制度でございまして、所得制限を含め、その在り方については、国が適切に判断すべきであるというふうに考えてございます。
 在学する学校が、私立小中学校に通う生徒の保護者の家計状況または家計急変の理由によりまして授業料等を減免した場合には、都は、私立学校経常費補助によりまして、減免額の一部に対して補助を実施してございます。
 私立幼稚園等への園児保護者負担軽減事業費補助につきましては、国の幼児教育無償化を踏まえまして、令和元年十月から、全ての世帯について都内平均保育料相当まで補助をするとともに、年収約二百七十万円以下の世帯などには、これまでの軽減水準を維持してございます。
 家計が急変した世帯の学費負担軽減については、家計急変を理由とした授業料等の減免制度を持つ学校が減免を行った場合、私立学校経常費補助におきまして、減免額の一部に対して補助を行っておりまして、現在、新型コロナウイルス感染症による影響も踏まえまして、減免額に対する補助率を五分の四から十分の十へ引き上げているところでございます。
 また、私立高等学校等につきましては、授業料以外の教育費負担を軽減する奨学給付金補助におきまして、令和二年度から、家計急変をした世帯への支援を行ってございます。
 第三に、私立学校における教育環境の整備でございます。
 耐震化が必要な校舎などにつきましては、安全対策促進事業費補助を実施しております。
 また、老朽校舎の改築等につきましては、東京都私学財団が実施しております、長期で低利な施設設備資金の貸付けに対して利子補給を行うなどの支援に努めております。
 さらに、省エネ設備等の補助につきましては、その充実に努めてございます。
 以上が請願五件についての説明でございます。
 続きまして、私立学校に関する陳情一件につきましてご説明を申し上げます。
 一〇ページをお開きいただけますでしょうか。陳情四第一一九号、小平市の全国有志子どもを思う会、小野真帆さんからの、マスク着用の有無による差別・偏見等防止の啓発及び換気システムの導入等に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、私立学校における換気方法に対する指導を行うことでございます。
 現在の状況でございますが、私立学校における新型コロナウイルス感染防止対策につきましては、国の衛生管理マニュアルや換気の徹底に関する通知を各学校に周知しているところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願いを申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 私学助成に関わる請願について質問いたします。
 ちょうど一年前ですけれども、請願陳情の審議の際に、請願者の方が、私立小中学生への十万円の補助の実証実験が今年度で終わってしまうと。国は、家計急変世帯に対象を大幅に狭めるということが大問題となっていました。関係者の皆さんから、これまでどおりの補助制度を維持してほしいという旨の請願があり、私は、関係者の皆さんの願いである都独自の制度の創設を求めました。
 今回、来年度の予算発表の中で、私立中学校の十万円の補助の予算が計上されたことは、請願項目の一つの願い実現であり、歓迎するものです。
 そこでお伺いします。
 この私立中学校の十万円の補助の予算計上の理由をお伺いします。

○戸谷私学部長 子供を育てる上での教育費の負担を軽減し、一人一人が個性に応じて学校選択ができるよう、私立中学校等特別奨学金補助を予算案に計上したところでございます。

○アオヤギ委員 そもそも、この制度は、国の実証実験では私立の小学生も対象にしていました。
 しかし、今回、小学校を対象としていないのはなぜですか。

○戸谷私学部長 私立学校に通う児童生徒の割合は、小学校では約四%でございます。一方、中学校は約二五%、高校は約五七%であり、また、中学、高校では一貫教育を行う学校が多いなど、状況が大きく異なっております。

○アオヤギ委員 教育費の負担軽減をするというならば、小学校も公教育なのですから、負担を軽減すべきだと思います。
 私立の小学校に通うからといって、必ずしも裕福だからというわけではなく、私立ならではのよさに引かれて入学する人も少なくありません。
 また、国の事業だったときにも所得制限がありましたけれども、それでも多くの方が利用していました。そうした実績からも、小学生にも制度を必要とする方はいると思います。
 小学校にも同様の補助をするということになりますと、どれくらいの費用が必要でしょうか。

○戸谷私学部長 私立小学校への補助は検討していないため、推計をしてございません。

○アオヤギ委員 先ほど四%という数だということでありますので、一定の、中学生よりも、もっと低い額でできるというふうに思います。
 これをちゃんと国の実証事業と同じように対象として補助を実施すべきではないですか。

○戸谷私学部長 先ほどもご答弁いたしましたが、私立の小学校に通う児童の割合は、都内小学生の約四%であることなどから、中学校や高校とは状況が異なるため、検討してございません。

○アオヤギ委員 小学校ですから義務教育ですから、所得制限を設けていた中でも、一定、利用者がいたということですから、しっかりと小学生も対象にすべきだ、中学生と小学生で差をつけるべきではないというふうに思います。
 小池都知事は、十八歳以下の子供たちへの五千円の給付金に所得制限をなくしましたが、所得制限で給付の対象にならないことは、あたかも罰を受けているようだと述べていました。
 様々な所得制限がありますが、高等教育には九百十万円の所得制限があります。私学に通わせているお子さんの保護者からは、両親共働きであれば所得制限に達してしまうし、兄弟もいるので学費が大変だというお声があります。
 とりわけ私立は、授業料のほかにも、入学金、施設費などの負担があるわけですから、学費は無償の立場から、高校の授業料の九百十万円の所得制限をなくしていくべきではありませんか。

○戸谷私学部長 私立高校等の授業料の助成につきましては、親の経済状況に子供の学校選択が左右されるべきではないとの考え方などから、国が定めた基準も踏まえまして、年収約九百十万円未満という所得制限を設けて実施しているところでございます。

○アオヤギ委員 日本は、国際人権規約の高等教育の漸進的無償化の条項に批准をして約十年がたちましたが、いまだに公私とも完全な無償化になっていないのは放置できない課題です。
 ですから、私立高校授業料補助の所得制限を撤廃して、子供の給付金には所得制限がないのですから、高校の授業料にも、その考えを反映すべきと求めるものです。
 先ほども申し上げましたとおり、授業料以外に入学金や施設費など、低所得者でも四十六万円の負担があります。多くの県では入学金の補助が行われ、埼玉県では施設整備費を直接補助しています。
 都も補助に踏み出すべきではありませんか。

○戸谷私学部長 東京都は、私立高校に対する経常費補助を通じまして、入学金や施設整備費等の学校納付金の抑制に努めるとともに、授業料については、国の就学支援金と合わせて、都の特別奨学金によりまして都内私立高校の平均授業料まで支援しているところでございます。
 また、授業料以外の負担を軽減する奨学給付金、育英資金、入学支度金貸付けなど、幅広い施策を総合的に活用いたしまして、保護者負担の軽減を図っているところでございます。

○アオヤギ委員 去年の質問のときと同じ答弁でしたけれども、奨学金では、返さなくてはいけなくなる。卒業時の若者の借金を増やすわけにはいかないと思います。
 また、他県でできるのですから、一千二百億円もの予算を組める東京にできないはずはありません。入学金の補助、施設整備費の補助に踏み出すべきです。
 次に、少人数学級についてですが、公立学校でも、今年度、大幅な教員の不足があり、こうした影響が私立校にもある、教員を募集しても、なかなか埋まらないという現状があるとお聞きしております。私立でも、公立のように少人数学級を実施するには、教員の増員が不可欠です。
 そこでお伺いしますけれども、公立のように少人数学級を実現するために、経常費補助を充実すべきではないですか。

○戸谷私学部長 東京都におきましては、これまでも、四十人学級編制を推進するために、経常費補助における特別補助を行っているところでございます。

○アオヤギ委員 四十人学級では多過ぎるということは、公私問わずに分かっている自明のことです。どの子にも行き届いた教育を実現するため、少人数学級を私立でも実施するための経常費補助の増額を求め、質疑を終わります。

○桐山委員 それでは、私の方から、出されております請願陳情の私学の件につきまして質疑をさせていただきたいと思います。
 私立学校は、公教育の一翼を担う重要な存在であることから、教育環境の充実や保護者の負担軽減のためにも、私立学校への支援を行うことは重要であります。
 その一方で、公費助成を受けていることについて、広く一般の人や保護者等の関係者の理解や支持を得るために、財務情報等の公開もまた重要であると考えております。
 そこで、都が所轄する学校法人におけます財務情報等の情報公開のルールについて、まずお伺いいたします。

○戸谷私学部長 都道府県所轄の学校法人は、私立学校法に基づきまして、財産目録、貸借対照表、収支計算書などを事務所に備えておきまして、私立学校に在学する者、その他の利害関係人から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて閲覧に供するということが義務づけられてございます。

○桐山委員 今ご答弁にありましたように、私立学校法に基づいて、財産目録等を各事務所に備え、また、閲覧に供することが義務づけられているということでした。
 そこで、今、利害関係人からの請求があった場合というふうにご答弁の中にありましたけれども、この私立学校法に基づいて請求をすれば、利害関係人だけ閲覧できるとのことなんですけれども、利害関係人とは一体どんな方なのか、ぜひお答えをお願いいたします。

○戸谷私学部長 利害関係人とは、私立学校に在学する生徒やその保護者、教職員など、当該学校法人との間で法律上の権利義務関係を有する者でございます。

○桐山委員 いわゆる私立学校に在学する学生、生徒やその保護者や教職員等ということが主なんだろうなというふうに思うんですけれども、冒頭で申し上げましたように、できるだけ一般の人や、保護者もそうですけれども、理解や支持を得るために、ぜひとも、これらについては公開をしていくべきではないかなというふうに考えております。
 都は、ただいま申し上げていただいた学校法人の財務情報は公開をされているのか、まず伺います。

○戸谷私学部長 都が保有する学校法人の財務計算に関する書類につきましては、情報公開条例に基づく開示請求や、情報提供サービスによる依頼があった場合には、東京都は、同条例に定める非開示情報に該当する情報を除きまして開示をしているところでございます。

○桐山委員 開示をされているというような表現でございましたが、都では、私学振興のための施策の予算として、基幹的補助であります経常費補助をはじめ、ICT、また耐震補強など、学校の規模に沿った様々な補助金を投入しています。
 また、各学校は、そうした補助金を活用して適切に運営を行っていらっしゃるものだというふうにも考えておりますが、保護者や生徒が進学先を決める際に、学校の様々な情報を見ています。そして、そうした学校の取組が反映された財務情報が重要な情報の一つになるとも考えております。
 また、財務情報等の開示については、過去の文科省の中央審議会の大学分科会でも、このように検討もされてきております。
 このことを踏まえまして、都の制度として、義務づけ公開すべきだと考えますが、見解を求めます。

○戸谷私学部長 学校法人は、法令に基づきまして、財務計算書類を整備し、保護者や生徒等の利害関係人の請求に対して閲覧に供しているというところでございます。
 また、東京都は、保有する学校の財務情報につきまして、情報公開条例に基づき開示も行ってございます。
 今後とも、法令等に基づき、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

○桐山委員 私たちは、子供たちの多様な学びの機会の環境をしっかり整備していただいて、また、教育費への保護者の負担軽減を求めています。
 また、私立高等学校等については、保護者負担軽減策として、所得の九百十万円以下の世帯には授業料実質無償化など、こちらの方は評価をしているところですが、親の所得に応じて支援が受けられないために、学校選択に影響があってはならないというふうにも考えております。引き続き、こちらの方は、保護者負担軽減のためにも、ぜひ優先すべき課題であるというふうに思っておりますので、所得制限の撤廃を求めておきます。
 あわせて、私学への直接のこういった様々な助成、補助金、様々な支援を行っており、今後さらに私学の助成制度の拡充を求めていくためにも、各学校の経理の公開は、積極的に公開をし、そして、学校選択の一つとして公開をされていかなければならないというふうに私は思っておりますので、都として制度化をするよう、ぜひ検討していただきたいことを求めて、私の質問を終わりたいと思います。

○入江委員長 では、初めに、請願四第四一号をお諮りいたします。
 本件中、第一項から第三項まで、第五項、第九項及び第十項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第四一号中、第一項から第三項まで、第五項、第九項及び第十項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願四第四四号の一につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第四四号の一は継続審査といたします。
 次に、請願四第四五号をお諮りいたします。
 本件中、第三項、第五項から第七項まで及び第九項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第四五号中、第三項、第五項から第七項まで及び第九項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願四第四六号につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第四六号は継続審査といたします。
 次に、請願四第四七号をお諮りいたします。
 本件中、第四項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第四七号中、第四項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、陳情四第一一九号につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第一一九号は継続審査といたします。

○入江委員長 次に、陳情四第一一五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○油谷治安対策担当部長 東京都青少年の健全な育成に関する条例における不健全な図書類の改称に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております請願・陳情審査説明表の九ページをご覧ください。
 陳情四第一一五号、不健全図書・有害図書制度を改める会代表、栗下善行様から提出された、不健全な図書類の改称に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、東京都青少年の健全な育成に関する条例における不健全な図書類という名称を、成年向けの図書類であることが明確に分かるものに改めていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、東京都青少年の健全な育成に関する条例は、青少年の環境の整備を助長するとともに、青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止し、もって青少年の健全な育成を図ることを目的としているところ、不健全とは、それを妨げることを意味いたします。
 条例において不健全な図書類とは、その内容が青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、または著しく自殺もしくは犯罪を誘発するものとして、東京都規則で定める基準に該当し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるものについて、東京都青少年健全育成審議会における調査、審議を経て、知事が指定するものでございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○鈴木委員 よろしくお願いいたします。
 東京都青少年の健全な育成に関する条例の趣旨ですが、青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止し、もって青少年の健全な育成を図ることを目的にしていると思います。
 この条例で規定する不健全な図書類を指定する制度については、青少年の健全な育成を阻害する可能性のある図書類について、青少年への販売や閲覧等を規制するものであり、条例の目的に照らして、とても重要な制度であると考えております。
 一方で、不健全な図書類の指定の結果、作者や出版業界に不利益を与えるようなことや、表現の自由を制限するようなことはあってはならず、厳正な手続を経て指定を行う必要があると考えております。
 そこでまず、東京都が不健全な図書類を指定する基準や手続について伺わせていただきます。

○油谷治安対策担当部長 都では、東京都青少年の健全な育成に関する条例第八条に基づき、著しく性的感情を刺激するなど、条例施行規則第十五条に定める基準に該当する図書類につきまして、学識経験者等で構成される東京都青少年健全育成審議会の答申を経て、不健全図書類として指定しているところでございます。
 審議会に諮問する図書類につきましては、より慎重な手続を経るため、条例第十八条の二第二項に基づき、出版、図書取次、販売など、自主規制を行っている団体から意見を聴取しているところでございます。

○鈴木委員 この条例の中の不健全図書類の指定に関しまして、こういった適切に手続がなされていることは理解しました。
 不健全な図書類の指定が適切に行われることにより青少年の健全な育成が守られるという一方で、ある図書が不健全な図書類に指定されると、書店等の販売事業者が指定された図書類を取り扱わず、販売しなくなってしまうということも聞いたことがあります。そうなると、この制度は、結果として出版業界や作者の制作活動に多大な影響を与えているということも考えられる。
 そうした点に関しては、都の見解はどのような形になるのでしょうか。

○油谷治安対策担当部長 指定された図書類につきましては、書店等の事業者には、青少年、すなわち十八歳未満の者への販売、閲覧等の禁止や区分陳列等が義務づけられることとなっております。
 ただし、十八歳以上の者への販売等につきましては一切規制するものではなく、作者の制作活動等に何ら制限を課すものではございません。
 都では、不健全図書類を指定した際には、報道発表や都内の書店等への個別周知を行い、指定図書類を十八歳未満の者に販売してはならないこと等を案内しているところでございます。
 なお、事業者が当該図書類を十八歳以上の者へ販売するか否かにつきましては、事業者の自主的な判断に基づくものと承知しております。

○鈴木委員 今回の陳情の趣旨は、この名称ですね、不健全という部分をどうにか変えてほしい、そういった陳情であると認識しております。
 この陳情に関しては、特に私個人としても、所管ともいろいろとやり取りをさせていただきました。陳情された団体の方ともお会いして、その思いも分かりました。不健全なというのが今の時代に合ったものなのかどうか、そういったものも確かに感じます。
 ただ、これを今、不健全という名前を変えるに当たって、では、条例の改正を、ほかのところも、いろんなこともいじらなくてはいけない、今そういった段階に自分の中では来ているのですが、一方で、子供たちの保護者の意見というのは全く入っていない部分であります。そういった部分に関しても、これからやっぱり詰めていかなくちゃいけない。
 そしてさらに、このネーミングが、じゃ、どういうネーミングがいいのか、そういった部分も考えていかないといけないと思います。
 今、これはどうにか−−陳情をいただいた上で、すぐにどうこうできないというふうに私たちの会派は理解しました。
 ということで、私たちの会派は不採択にさせていただきますが、時代に合った名前というのは、確かにこれは、様々な条例、国でいえば法律もありますが、それは時代に沿ったものに変えていかなくてはいけないと思っておりますので、そういった部分では、引き続き、私たち自民党会派も努力していきたいと思います。
 以上です。

○白戸委員 今回の不健全な図書類の改称に関する陳情について、都民ファーストの会東京都議団の意見表明をさせていただきます。
 我が会派ではこれまでも、本会議や委員会での質疑を通しまして、不健全図書の問題について取り上げさせていただいてきました。
 二〇二一年十一月の総務委員会、こちらでは、我が会派の藤井あきら都議より、不健全という言葉の意味合いが強過ぎるのではないかという問題提起をいたしまして、十八歳未満の青少年への販売が禁じられているという実態に即した呼び方とするように提案をさせていただいたところです。
 また、昨年九月の定例会においても、不健全図書に指定された書籍類は、インターネット上の本屋でありますアマゾンにおいて商品登録ができなくなる問題を取り上げまして、小西局長からは、東京都青少年健全育成条例は、青少年の健全育成を図ることを目的としており、不健全図書類に関する規定は、十八歳以上の方への販売等を規制するものではないという答弁もありました。
 都のホームページでの報道発表の際にも、条例の趣旨を明記するようにも取り組んでまいりました。
 このように、不健全図書の名称変更や不利益の解消に向けて、私たちも積極的に取り組んできたところではあります。
 しかし、一方で、本陳情には、不健全な図書類との名称については、条例の趣旨に沿うよう、成年向けの図書であることが明確に分かる名称に改めるべきであるという記載がありますが、この条例自体が成年、成人向けの図書を指定しているわけではなく、本陳情をそのまま採択とするのは難しいと考えます。
 本陳情を通しまして、漫画家をはじめとした多くのクリエーターの方々、都民からも、名称変更を望む声をたくさん私たちにもいただきました。私たちは、この不健全な図書類の指定によって被る不利益を積極的に解消していくということを改めて申し上げ、さらに、行政の皆様には、この解決に向けて、今回を契機として、さらに議論を深めていくことを強く要望し、意見表明といたします。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からも、不健全な図書の改称に関する陳情について伺いたいと思います。
 不健全な図書類とは、東京都青少年の健全な育成に関する条例第八条を根拠に、青少年の福祉を阻害するおそれがあると指定された図書のことだと理解しています。
 改めて条例の目的について読ませていただきました。青少年健全育成条例は、青少年の環境の整備を助長するとともに、青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止し、もって青少年の健全な育成を図ることを目的とするというふうにあります。
 青少年の健全な育成を図ることを目的としているこの条例ですが、この陳情も、こうした側面から検討することが大切だと考えます。
 東京都の青少年問題は、警察主導の規制権限の強化ではなくて、都民と行政の努力により解決を図っていくことを基本の方向として、青少年問題協議会などで議論が行われてきました。
 石原都政になって以降、条例改定による様々な規制強化が行われてきたわけですが、それでも、問題のあるページが一定以上あるなどの基準を設けて一律に規制する包括指定ではなく、一冊ごとに審議会の審議を経て指定する個別指定を維持していることなどに、青少年を人格のある権利の主体として捉えて、言論や表現へのアクセスへの規制は最小限にすること、あるいは、社会的な努力で青少年を保護、育成していくという姿勢が表れていると理解しています。
 条例が青少年の性に関する健全な判断能力の育成を掲げていること、そして、業界に自主的な取組を求めていることなども重要だと思っています。
 そこで伺っていきたいのですが、今回の陳情は、不健全な図書類の指定に関わる問題ですが、この図書類とはどういうものを指すのか、お答えください。

○油谷治安対策担当部長 販売もしくは頒布または閲覧もしくは観覧に供する目的をもって作成された書籍、雑誌、文書、図画、写真、ビデオテープ等を指すものでございます。

○とや委員 書籍や雑誌、つまり本だと思います。それから、文書というのは新聞などのこと、図画や写真は一枚物のブロマイドなど、また、ビデオテープ、それからDVDやコンピューターソフトなどがあると思いますが、条例の二条で定義されていることが分かりました。
 では、この五年間に不健全な図書類に指定された図書類の種類ごとの数はどれくらいになるのか、お答えください。

○米今若年支援担当部長 平成二十九年度から令和三年度の間、都は、東京都青少年健全育成審議会の答申を踏まえ、九十四冊の雑誌、書籍を不健全図書類として指定いたしました。

○とや委員 九十四冊指定したということですが、図書類に指定されたのは、全て雑誌、書籍ということであります。DVDなどは指定されていないと聞きました。これは、事前に映倫で審査され、レーティングされているからだと説明も受けています。
 都のホームページに指定された書籍名が掲載されていますので、見ました。雑誌、書籍といっても、ほとんどがコミック。中でも、BL、ボーイズラブというジャンルの女性向けの漫画本が多くなっていることが確認できました。
 特に、この一年間で指定された十三冊は全てBLコミックで、性的感情を刺激する作品といえば、いわゆる女性の裸を描いたものという従来の指定のイメージから、かなり変化している印象を受けています。
 そこで伺いますが、不健全図書類はどのように選定していくのか、その過程について伺います。

○米今若年支援担当部長 青少年健全育成審議会への諮問に当たりましては、図書類の調査、購入、諮問候補図書類の選定、自主規制団体からの意見聴取という過程を経ております。

○とや委員 審議会の諮問までに、まずは都の担当職員が、本屋さん、書店で図書類を購入してくるわけで、これは毎月百冊ほど購入すると伺いました。
 コミックは、通常、立ち読みできないようにビニールに包まれていますから、タイトルと表紙で判断して購入するということでした。これもすごいなと思ったのですが。
 そして、職員の皆さんが諮問候補の図書類を選んで、その本について自主規制団体から意見を伺うと聞いています。大体、十数人程度の方々の意見、指定該当とか、指定やむなしとか、保留とか、非該当とか、そういった形で理由が記載された資料が審議会に提出をされています。
 そして、百冊の中から選ばれた一冊、時には複数冊が諮問され、諮問されたものは、ほぼ指定に至っている状況だということです。
 不健全な図書類に指定された場合の措置はどのようになるのか、確認をさせてください。

○油谷治安対策担当部長 指定図書類につきましては、書店等の事業者には、青少年への販売、閲覧等の禁止や区分陳列等が義務づけられることとなるものでございます。

○とや委員 青少年への販売や閲覧等はできなくなるということですが、実際には、それだけではなく、先ほども少し出ていましたが、不健全図書に指定されたことで、書店に置いてもらえなくなったり、販売そのものをやめてしまったという声を伺いました。
 不健全図書に指定された図書については、発売禁止にすることが目的ではないと思いますが、いかがでしょうか。

○油谷治安対策担当部長 不健全図書の指定は、十八歳以上の方への販売等を制限するものではなく、青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止し、もって青少年の健全な育成を図ることを目的としているものでございます。

○とや委員 十八歳以上の方への販売等を制限するものではないということを確認しました。
 それから、現在、指定される図書類のほとんどが、先ほども申し上げましたが、BLコミックとなっています。
 BLコミックばっかりが指定される理由を伺いたいと思います。

○米今若年支援担当部長 青少年健全育成審議会に諮問する図書類は、青少年健全育成条例第八条に基づき、条例施行規則第十五条で定める基準に該当するものを選定し、審議会の答申を経て不健全図書類としております。

○とや委員 まあ、そういうことなんですけれども、結果的にBLコミックが指定されているという現状があります。
 そこで伺っておきたいのですが、選定に当たる都職員の男女比、それから、審議会の男女比について伺います。

○米今若年支援担当部長 青少年健全育成審議会への諮問に当たりましては、図書類の調査、購入、諮問候補図書類の選定、自主規制団体からの意見聴取という過程を経ており、現在、男性五名、女性一名、計六名の職員が対応しております。
 また、東京都青少年健全育成審議会におきましては、現在、男女それぞれ十名、計二十名の委員に就任していただいております。

○とや委員 ありがとうございます。選定する職員が、男性五人、女性が一人、審議会の方は同数というふうになっていますが、このバランス、特に購入する際の職員のバランスが少し悪いのかなと思います。
 審議会の議事録と資料を幾つか拝見をさせていただきました。自主規制団体の意見を見ると、十人のうち七人程度、七割程度が非該当となっている本もありました。保留と非該当を合わせて四割から五割になるものも、それなりにあったわけです。
 審議会の議事録では、委員が、自主規制団体と審議会の意見がかけ離れてしまっている、審議会自体が表現を少し抑圧し過ぎているのではないかと発言しているものも読ませていただきました。
 都民の皆さんからは、毎月百冊購入して、ほぼ一冊ずつ指定されるのは、内容の是非よりも、ノルマのようになっているのではないか、担当の都職員に男性が多いので、BLばかりが選定されるのではないかなど、疑念の声も伺ったところです。
 これらが当たっているかどうかはともかく、私としては、青少年の健全育成とは何か、青少年の福祉を阻害するおそれがあるとはどんなことなのか、規制の在り方が青少年にふさわしいものになっているかなど、様々な立場の都民や関係者、また若い世代の人たちも含めて、もっと議論すべきときに来ているんじゃないかなという印象を持ちました。
 こうした背景が、指定されるのは是とするにしても、不健全な図書類の名称を変えてほしいという陳情につながっているのではないかと思ったところです。
 不健全というのは、健全に対しての不健全なのだと思うんですが、曖昧な表現であり、表現の自由との関係では最適とはいえない面もあるんじゃないかというふうに思っています。
 陳情の願意には、成年向けの図書であることが明確に分かる名称に改めていただきたいとありますが、条例がこれらの図書を成人に推奨しているわけではないことや、業界自主規制による成年指定などと紛らわしい名称を避けることも考えながら、例えば、青少年への販売等禁止図書とか、こうした客観的な表現はどうかなど、関係者の意見をよく聞いて進めるべきだと考えます。
 私どもとしては、この陳情については採択を主張して、質問を終わります。

○阿部委員 陳情第一一五号、東京都青少年の健全な育成に関する条例における不健全な図書類の改称に関する陳情について質疑を行いたいと思います。
 私は、昨年の文教委員会の事務事業質疑で、青少年健全育成審議会に諮問された図書の数と指定された図書の数が同数であることを確認いたしました。また、事実上、選定段階で指定図書が決まり、審議会はこれを追認しているという状況も確認させていただいております。
 また、六人の職員の方が、毎回百点程度の図書類を購入されておりますけれども、自主規制団体からの意見聴取をする前に、諮問候補図書数にまで絞られているということが明らかになりました。
 その体制やプロセスに変更はありませんか。

○米今若年支援担当部長 東京都青少年健全育成審議会への諮問に至る過程や体制について、変更はございません。

○阿部委員 変更がないということは、現在でも職員六人の方が−−これもジェンダーバランスが崩れているということは当時も指摘をさせていただきました。この職員の方々が書店で図書類を選び、そこで諮問候補に絞った作品がそのまま、自主規制団体の意見聴取、あるいは、青少年健全育成審議会で何ら変更されることなく、過不足なく指定される。つまり、職員が諮問候補を決めた時点で、事実上、指定作品が決まっているという状況が続いているということを確認させていただきました。
 図書類には、書籍、雑誌等々、様々な媒体がございますけれども、先ほども少し質疑がありました。
 過去三年間に購入した図書類のうち、それぞれの比率を教えてください。

○米今若年支援担当部長 過去三年間というお尋ねでございますが、事務局が調査、購入した図書類は、購入後六か月間保存し、その後、廃棄処分としております。
 現在保存している令和四年八月から令和五年一月までの間に調査、購入した図書類は、全て書籍、雑誌でございます。

○阿部委員 ちょっとご答弁がかみ合わないと思います。購入したものが全て書籍、雑誌類であったというのはいただいたのですが、三年間、これ、別に物がなければお答えができないものではなくて、何を買ったか分からないということではないと思いますので、ちゃんと答えていただければと思います。
 先ほどは、五年間、全て書籍類だったということであったにもかかわらず、今回の答弁では昨年しか分からないというのは、若干、ご答弁が矛盾していると思いますので、もう一度確認したいと思います。本当に記録がないわけではないですよね。過去三年間の比率を教えてください。
 それは後でといいますか、次のご答弁で教えていただくことにして、いずれにしても、書籍、雑誌に極めて偏っております。これは、現在の市場バランスと大変かけ離れております。
 子供たちの多くは、今、ある意味、大変残念なことではありますけれども、実際の書店、店舗で、千円札を握り締めて紙媒体の書籍や雑誌を購入するということは、ここ六十年間の間に激減しております。むしろ、ネット上で作品を閲覧するというのが一般的になっているのではないでしょうか。
 この市場と今の指定の方法、対象の選び方の非常に大きなミスマッチについて、どのようにご説明しますか。教えてください。

○米今若年支援担当部長 なぜ書籍、雑誌等しか指定していないのか、DVDやゲーム等を調査を行い、指定した方がいいのではないかということだと思うのですけれども、映画や映像ソフト、コンピューターソフトウエア関連の業界団体におきましては、第三者機関による事前審査が義務づけられ、レーティング等により、自主的に対象年齢の表示や区分陳列、観覧制限等に取り組んでおります。
 これに対して出版業界では、発行者の自主的な判断による成年向け雑誌マークの表示や、第三者機関が青少年に不適当と認めた出版物への出版後の識別マークの表示、都が連続三回不健全図書類として指定した雑誌類に青少年へ販売できない旨を記載した帯紙を添付することなどにより自主規制に取り組んでおります。
 それでも全てはカバーし切れないということでありまして、条例の趣旨を踏まえつつ、都では、現在、主に書籍、雑誌を中心に調査を行っているところでございます。

○阿部委員 書籍、雑誌に偏っていることについての東京都の一定の解釈については分かりました。
 その前に聞いた、なぜ私の質問では一年分しかお答えがなかったのかについては、後でもう一回教えてください。
 この偏りは、書籍、雑誌だけではありません。この条例の中では、制限の対象として、性的な刺激、残虐表現あるいは自殺、犯罪の誘発などといったものが挙げられておりますけれども、しかし、指定の対象になった分野というのは、性表現に係るものばかりに偏ってしまっております。
 この偏りの説明はできますか。

○米今若年支援担当部長 今、委員のご指摘がございました図書類につきましても、条例上、規定されておりまして、調査、購入等の対象としておりますが、選定過程の中で条例の基準に該当しないため、諮問図書となっておりません。
 先ほどの購入図書類については、基本的に、数の把握については六か月間しかできないのですけれども、指定した図書類については、過去五年間、記録が残っておりますので、数としてカウントしたものでございます。

○阿部委員 分かりました。とすると、公費で購入をした図書類が、一年分しか、何を買ったかが分からない。二年前、三年前に買ったものというのは、それが図書だったのか、DVDだったのか、写真だったのか、その記録が一切残っていないということなのでしょうか。逆にこれは、条例を超えて、公費の使い方とその記録の仕方としてちょっと疑問が残るので、後で説明していただければと思います。
 先ほどの偏りというところでは、さらに偏りがあります。
 それは、先ほども質疑があったように、性的な表現の中でも、さらにボーイズラブ分野に集中している。これは非常に、やはり客観的に見て疑問が残るところです。
 特に、各種の性表現の中で、同性愛の表現だけを著しく不健全とするのは、むしろ同性愛に対する偏見が交じっているのではないか、そのように思われてもおかしくないのではないかと思いますが、この点についてどのようにご説明されるのでしょうか。

○米今若年支援担当部長 青少年健全育成審議会に諮問する図書類につきましては、先ほどもご説明したとおりなんですけれども、東京都青少年健全育成条例第八条に基づきまして、条例施行規則第十五条に定める基準に該当するもの、例えば卑わいな表現がなされているとか、そういうものを選定して、審議会の答申を経て不健全図書類と指定しているところでございます。

○阿部委員 記録の部分のご答弁はまだなかったのですけれども、とすると、今、出版されている様々な雑誌類等々の中で、ボーイズラブ部門に極めて、つまり条例に抵触するような、より不健全な表現が集中しているというふうに、東京都あるいは委員の方々は、職員の方々は判断されているということであろうかと、今のご説明を基に考えれば、そのように受け止められます。
 また、民間の調査では、ボーイズラブ作品の読者の年代層というのは、二十歳以上が約八割程度。十八歳以上になると、さらにそれが多くなると思います。ボーイズラブの作品を読んでいる方々のほとんどは、青少年ではなく、成人であるというふうにいえると思います。
 こうしたことを考えますと、全体として、条例の目的と実際に選定された図書類の中には、かなりな看過できない偏りがあるというふうにいえるのではないかと受け止めております。
 先ほどの三年前までの図書類の内訳の話は、またぜひご答弁いただきたいのですけれども、その上で、この条例は、青少年の健全な育成を図るために制定をされ、図書類については、青少年に販売、頒布し、あるいは貸付け、または観覧させないように求めるものと受け止めておりますが、それでよろしいでしょうか。

○油谷治安対策担当部長 東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づきまして不健全な図書類に指定された図書類につきましては、青少年への販売、頒布、貸付け、閲覧等が制限されることとなるものでございます。

○阿部委員 ありがとうございます。今、確認させていただきましたように、条例が求めているのは、あくまでも青少年への販売や頒布、貸付け。これを超えて成人にまで販売等を規制するものではない、そうした条例は存在するものではないというふうに解釈していいと思います。
 この条例の規定を超えて、青少年に限定せず、全ての世代に対して販売等の場が制限されている、そうした現実を東京都では認識をされていますでしょうか。

○米今若年支援担当部長 青少年健全育成条例に基づきまして不健全な図書類に指定された図書類につきましては、青少年への販売や頒布、貸付け、閲覧等が制限されることとなります。
 なお、条例の趣旨を踏まえた上で、一事業者が当該図書類の商品登録をしないルールを設けていると聞いております。
 それから、先ほどの購入図書類、三年を超えてという話がございましたが、購入図書類の名称等の一覧は五年間保存しておるのですけれども、記録されている内容というのが、名称、金額、発行日、購入日でございまして、種別は登録していないんですね。
 そういうことで、コードとかで、多分、いろいろと、本とか、個別の部分のところには書いてあると思うのですけれども、そういうことで、名称のみなので、ちょっと種別の方まで調べるに至らなかったということでございます。

○阿部委員 ありがとうございます。私たちは記録しますけれどね。
 そういう記録というよりも、過去、職員の方々でどういうものを買ったというのが、これ、一冊一冊、細かい数字まで聞いているものではないので、割合を伺いましたので、そのくらいはご回答いただけるのかなと。後日でも教えていただければと思いますが、いずれにせよ、書籍、雑誌類が全て、または、ほぼ全てであるというふうに受け止めておりますし、それでよろしいという感じですね。−−はい。よろしいとの表情と受け止めました。
 ところで、すみません、本題に戻ります。
 先ほど事業者によってというご答弁もありましたけれども、影響は、やはりそれだけではとどまりません。インターネット販売大手が取り扱わなくなること自体も非常に大きな影響がありますけれども、その他の書店での取扱いが事実上困難になる、あるいは発行停止処分を受けたなどの誤解が広まってしまう、また、指定された作品以外の関連作品も扱われなくなる、さらにはクリエーターの方々の名誉も傷つけられます。作者の方が若手であった場合に、その将来も左右されかねません。
 行政による規制というのは、まさに条例の求める範囲の中で規制がなされるべきであって、実際の社会にそれを超えるインパクトを与えてしまった場合には、それは公権力が過剰な効果を及ぼしているということになります。ですので、より適切な手法に改善していく必要があると私は考えます。
 その際に、やはりこの陳情でもいっているように、現在の不健全図書という名称は、対象を限定する要素の言葉がどこにも入っておりません。
 このことが、条例の趣旨を逸脱した過大な効果、解釈、誤解を生んでしまっているのではないかと考えますが、見解を伺います。

○油谷治安対策担当部長 繰り返しになるところでございますが、東京都青少年の健全な育成に関する条例の目的につきましては、青少年の健全な育成でございます。
 不健全図書の指定は、十八歳以上の方への販売等を制限するものではなく、青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止し、もって青少年の健全な育成を図ることを目的としているものでございます。

○阿部委員 すみません、ちょっとこれ、質問と答弁がかみ合わなかったかなと思うんですけれども、不健全図書という五文字の名称の中に、青少年には制限という意味はどこにも入っていないんです。だから分からなくなってしまう。だから誤解を生んでしまう。このことについて、どう考えているかというふうに伺いました。
 この条例は昭和三十九年に東京都で生まれました。私も、昭和三十九年に東京都で生まれました。当時の大人たちが子供たちの健全な育成を願って、この条例をつくった。このことには敬意を表したいと思います。
 ただ、一方で、六十年近くの間に出版事情も変わりました。社会背景も変わりました。様々な作品の発表の仕方、子供たちがどのように各作品にアクセスをするのか、そうしたプロセスも大きく変わってきました。
 その中で、半ば形骸化したプロセスと名称によって、制作物が条例の趣旨を超えた範囲にまでネガティブな効果を及ぼし、そして、クリエーターの名誉やキャリア、経済的利益を傷つけていることもまた現実です。これでは行政による風評被害ともいえます。
 制度自体の見直しも必要だと私は思いますけれども、まずは、条例の趣旨を超えた誤解を招きやすい不健全図書という名称の見直しをすべきだと考えますが、改めて見解を伺います。

○油谷治安対策担当部長 東京都青少年の健全な育成に関する条例は、青少年の健全な育成を図ることを目的としているものでございます。
 青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書類につきましては、青少年の健全な育成を阻害することを意味する不健全なという表現を用いて不健全な図書類と呼称しているところでございまして、この表現は、条例の目的に照らして適切なものであると考えているところでございます。

○阿部委員 条例の中で、不健全な図書、こういう表現をしていることは承知しております。この表現自体を条例の中で変えようとすると、これには条例改正が必要だと思います。
 しかしながら、こうした表現が条例にあるということと、この選定された図書について一般に使っていく名称とするかどうか、これについては、まだ幅があるのではないかと思います。
 特にこの青少年健全育成条例というのは、何度も繰り返しているように、青少年に向けた販売等の制限です。その中に載っている不健全図書という言葉は、当然にして青少年を対象にしているということがニュアンスに含まれておりますけれども、この条例を飛び出して、それが市中で使われると、そこには青少年という言葉のニュアンスが入らなくなってしまう。このことが大きな問題だと思っております。
 ですので、年齢制限が入っているということが伝わる名称へと、これは書き換えていく。これは非常に合理的な改善の方法ではないかと。
 その意味で、この陳情者が求めている、これは制度の改正の第一歩だと思いますけれども、これはぜひ真摯にご検討をいただきたい。そして、改善をすべきだというふうに考えております。
 この条例の目的は、青少年の健全育成です。最も大切なのは、子供たちへの教育です。性の分野でいえば、包括的性教育を進めていく。自分と他者の心と体を大切にする意識や知識やスキルをしっかりと身につけること、それが何よりも子供たちの健全育成には欠かせないものだと思っております。
 東京都として、真の意味で子供たちの健全育成を図っていく広範な政策を展開していくこと、そして、この条例がその趣旨にしっかりと合った形になっていくことを期待いたしまして、私の質疑を終わります。
 以上です。

○桐山委員 第一一五号、東京都青少年の健全な育成に関する条例における不健全な図書類の改称に関する陳情について意見を申し上げます。
 区分陳列、ゾーニングについては、あってしかるべきだと考えていますが、健全か不健全かということについては規範的な価値基準であり、わいせつの定義についても同様で、時代時代で変わってきます。
 今の時代に合わせて、年齢など対応して図書区分をしていることが分かる表現を検討すべきと考え、陳情に賛成、採択を表明し、意見を終わります。

○入江委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○入江委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第一一五号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十六分休憩

   午後三時四十五分開議

○入江委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○浜教育長 令和五年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 初めに、令和五年度教育庁所管予算案についてでございます。
 令和五年度の教育庁所管予算におきましては、新しい時代を切り開く人材の育成に向け、英語力の強化など様々な施策を推進するための経費を計上しております。
 歳出予算額は八千九百六十四億八千四百万円で、前年度に比べ、二百五億八千六百万余円、二・四%の増となっております。
 また、歳入予算額は千九百二十八億四千万余円で、前年度に比べ、百三十七億六千百万余円、六・七%の減でございます。
 次に、令和四年度教育庁所管補正予算案についてでございます。
 現時点において不用になることが明らかな給与費などについて、百二十六億千二百万余円の減額補正等を行うものでございます。
 次に、条例案についてでございます。
 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例外一件でございます。
 次に、契約案についてでございます。
 都立中野工業高等学校(四)改築工事請負契約でございます。
 以上が教育庁関係の提出を予定しております案件の概要でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明を申し上げます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○田中総務部長 それでは、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、令和五年度教育庁所管予算案についてでございます。
 お手元の令和五年度教育庁所管予算説明書の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。
 歳入歳出予算につきましては、九つの項目及び債務負担行為のⅠを記載してございます。
 私からは、主要な事業の歳出予算を中心にご説明いたします。
 三ページをお開き願います。1、教育委員会及び事務局の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、歳出計は三百九十八億三百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、このページ下段から一二ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明いたします。
 五ページをお開き願います。右の概要欄の中段、(7)、学校における働き方改革の推進でございます。
 教員の働き方改革を推進するため、スクールサポートスタッフの配置支援をはじめといたしまして、副校長を支援する外部人材の配置を行う学校マネジメント強化事業や、社会の力活用事業に要する経費などを計上しております。
 次に、(8)、公益財団法人東京学校支援機構に対する補助でございます。
 教員の負担軽減と教育の質の向上に向けた学校支援を行う同財団の運営に要する経費を計上しております。
 少し飛びますが、一二ページをお開き願います。概要の欄の下段、公立小中学校の施設冷房化事業費補助でございます。
 区市町村が実施する小中学校屋内体育施設等の空調整備の支援などに要する経費を計上しております。
 一三ページをお開き願います。2、小中学校の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、歳出計は四千八百五十四億二千三百万円でございまして、うち職員費として、一行目の四千五百六十一億三千四百万余円を計上しております。
 一四ページをお開き願います。まず、(1)、小学校の運営でございます。
 右の概要欄をご覧ください。区市町村立小学校は、学校数一千二百六十一校、児童数五十九万二千七百七十二人でございます。
 また、区市立義務教育学校(前期課程)は、学校数八校、児童数五千四百九十五人でございます。
 また、都立小中高一貫教育校は一校、児童数は百四十人でございます。
 一五ページをお開き願います。概要欄の上から四行目の計をご覧ください。教職員数は、区市町村立、都立を合わせて三万四千三百四十三人でございます。
 一六ページをお開き願います。概要欄の2、事業費のうち、(10)、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトは、区市町村立小学校におけるデジタル利活用支援員の配置支援等に要する経費を計上しております。
 一七ページをお開きください。(2)、中学校の運営でございます。
 右の概要欄をご覧ください。区市町村立中学校数は、本校、分校を合わせまして六百三校で、うち一校には通信教育を併設してございます。
 生徒数は、本校、分校が二十二万九千三百六人、通信教育が百六十人でございます。
 区市立義務教育学校(後期課程)は、学校数が八校、生徒数は二千九百二十六人でございます。
 その下、都立中高一貫教育校は、学校数が十校、生徒数は四千七百六十人でございます。
 一八ページをお開き願います。概要欄の上から四行目の計をご覧ください。教職員数は、区市町村立、都立を合わせて一万六千三百四十五人でございます。
 一九ページをお開き願います。概要欄の2、事業費のうち、(8)、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトは、小学校と同様に、デジタル利活用支援員の配置支援等に要する経費を計上しております。
 二二ページをお開き願います。3、高等学校の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、歳出計は一千五百二億四百万円でございまして、うち職員費として、一行目の九百五十六億九千二百万余円を計上しております。
 右の概要欄をご覧ください。学校数は、全日制百七十七校、定時制五十三校、通信制三校でございます。
 生徒定員は、全日制十二万四千九百九十人、定時制一万六千三百八十人、通信制二千八十人でございます。
 二三ページをお開き願います。教職員数は、概要欄中段の合計に記載しております一万四百八十一人でございます。
 経費等の内容につきましては、二四ページから二八ページにかけて記載してございます。
 恐れ入ります。二五ページをお開き願います。概要欄、(5)、都立高等学校の改革の推進をご覧ください。
 普通科高校におけるスキルアップ推進校指定制度や、商業高校におけるビジネス人材育成に向けた支援等に要する経費を計上しております。
 二九ページをお開き願います。4、特別支援学校の運営に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、歳出計は九百三十五億一千六百万円でございまして、うち職員費として、一行目の五百八十三億七千八百万余円を計上しております。
 概要欄をご覧ください。都立特別支援学校の学校数は五十八校、幼児、児童、生徒数は一万三千八百四十二人でございます。
 その内訳として、下段、(1)から三〇ページの(5)にかけまして、障害種別ごとに規模を記載してございます。
 三〇ページをお開き願います。区立特別支援学校の学校数は、肢体不自由、知的障害、病弱を合わせて五校、児童生徒数は二百四十五人でございます。
 三一ページをお開き願います。教職員数は、概要欄中段の合計に記載しております六千三百二十一人でございます。
 経費等の内容につきましては、三二ページから三六ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明いたします。
 三二ページをお開き願います。概要欄、(4)、スクールバスの運行費でございます。
 都立特別支援学校のスクールバスの運行に要する経費を計上してございます。
 スクールバスの運行に係る経費や、医療的ケアを必要とする児童生徒の専用通学車両の運行に要する経費を計上しております。
 三七ページをお開き願います。5、教職員の福利厚生に要する経費でございます。
 区分欄の一行目になりますが、令和五年度予算額は十九億四千五百万円でございます。
 概要欄の下段にございます公立学校共済組合東京都負担金等や、次の三八ページにございます教職員住宅の維持管理、建設などに要する経費を計上しております。
 三九ページをお開き願います。6、退職手当及び年金に要する経費でございます。
 事業費は、二百六十六億六千八百万円でございます。
 四一ページをお開き願います。7、教育指導の充実に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、歳出計は三百八十六億五千三百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、このページの下段から四九ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明いたします。
 四二ページをお開き願います。概要欄の中段、4、都立高校生の海外交流事業でございます。
 外国の高校生との多文化交流や、現地でしかできない様々な体験の機会を創出できるよう、世界各国に生徒を派遣するための経費を計上しております。
 四五ページをお開き願います。概要欄の中段、32から34には、学校における体験活動の充実に関する経費を計上しております。
 協調性やコミュニケーション、他者理解など豊かな心を育む体験や、芸術文化体験、アスリートによる指導、講演など、多様な体験の機会を提供いたします。
 資料四六ページをお開き願います。概要欄の上から三行目、38、不登校、中途退学対応でございます。
 いわゆる不登校への対応に係る新たな業務として、公立小中学校及び都立高等学校において、校内の別室で指導等を行う支援員を配置する経費等を計上しております。
 五〇ページをお開き願います。8、社会教育の振興に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、歳出計は百二億六千六百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、五一ページから五七ページにかけて記載してございます。
 五八ページをお開き願います。9、都立学校等施設整備に要する経費でございます。
 区分欄の一行目、事業費は五百億六百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、五九ページから六四ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明いたします。
 五九ページをお開き願います。概要欄にございます、1、都立高等学校の改革に伴う施設整備、六〇ページの2、特別支援学校再編に伴う施設整備、3、特別支援学校の普通教室確保、六三ページにございます、5、都立学校防災機能強化、8、都立学校空調設置などに要する経費を計上しております。
 以上、令和五年度の歳出予算を中心にご説明させていただきました。
 次に、債務負担行為のⅠについてご説明いたします。
 六六ページから七九ページにかけて債務負担行為の内容について記載しております。
 六六ページは、1、都立学校校舎等新改築工事、六七ページは、2、都立学校給食調理等業務委託、六八ページは、3、都立高等学校海外留学等支援業務委託に係る債務負担行為でございます。
 六九ページをお開き願います。4、都立学校生徒用端末整備業務委託に係る債務負担行為でございます。
 高校段階における一人一台端末整備に係る期間が複数年度にわたり、分割契約が困難なため、令和六年度に支出を予定している経費を記載してございます。
 七〇ページをお開き願います。5、都立特別支援学校スクールバスの運行に係る債務負担行為でございます。
 都立特別支援学校生の登下校に必要なスクールバスを安定的に運行するため、令和六年度から十年度までの支出を予定している経費を記載してございます。
 七一ページは、6、問題作成等業務委託、七二ページは、7、教職員人事給与システム用備品賃貸借、七三ページは、8、都立学校授業料等徴収システムの再構築に係る債務負担行為でございます。
 七四ページをご覧ください。9、メンタルヘルス対策業務委託に係る債務負担行為でございます。
 精神的不調を抱えた教員に対する継続的かつ一貫した支援を行うため、令和六年度及び七年度に支出を予定している経費を記載してございます。
 七五ページは、10、都立学校等建物維持管理委託、七六ページは、11、教職員住宅建築工事、七七ページは、12、区部ユース・プラザ運営等事業に係る債務負担行為でございます。
 七八ページ及び七九ページは、既に議決をいただいております債務負担行為を参考として記載してございます。
 以上で令和五年度教育庁所管予算案の説明を終わります。
 続きまして、令和四年度教育庁所管補正予算案についてご説明いたします。
 お手元の令和四年度教育庁所管補正予算説明書をご覧ください。
 一ページをお開き願います。1、補正予算総括表でございます。
 表の上段、網かけをしてございます歳入予算の補正予算額は百四十五億五千四百万余円の減額、次に、表の中段、網かけをしてございます歳出予算の補正予算額は百二十六億一千二百万余円の減額でございます。
 二ページをお開き願います。2、歳入予算の内訳でございます。
 歳出予算事業の減額補正等に伴い、必要な額を更正するものでございます。
 三ページをご覧ください。3、歳出予算の内訳でございます。
 教職員給与費の不用見込額など、現時点で不用となることが明らかな経費につきまして減額補正を行うものでございます。
 以上で令和四年度教育庁所管補正予算案のご説明を終わります。
 次に、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和五年第一回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 提出予定の条例案は、二件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 二ページの新旧対照表をご覧ください。
 令和五年度における児童生徒数の増減、学校の新設及び廃止、学級数の変更等により、学校種別ごとに学校職員の定数を改めるものでございます。
 施行日は、令和五年四月一日でございます。
 次に、三ページをご覧ください。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 四ページの新旧対照表をご覧ください。
 東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画に基づき、東京都立青鳥特別支援学校の改築工事を行うことに伴い、校舎を移転するため、位置を変更するものでございます。
 施行日は、令和五年四月一日でございます。
 次に、契約案についてご説明いたします。
 お手元の資料、令和五年第一回東京都議会定例会議案(契約)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 提出予定の契約案は、一件でございます。
 一ページをお開き願います。都立中野工業高等学校(四)改築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は五十五億一千九百八十万円、契約の相手方は、東京都千代田区九段北四丁目二番二十八号、株式会社ナカノフドー建設でございます。
 工期は、契約確定の日の翌日から令和九年一月八日まででございます。
 三ページから六ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、七ページに契約議案の概要を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○とや委員 では、私から資料請求させていただきます。
 まず、都立特別支援学校スクールバスと医療的ケア児専用通学車両の予算の推移、平成二十六年度から令和五年度まで。
 都立特別支援学校におけるスクールバスと医療的ケア児専用通学車両の配車状況、令和四年度。
 公立小中学校の三十五人学級に必要な教員数及び経費。
 教職員の標準法定数と、標準法に根拠を持つ教職員数の都の定数及び標準法以外の都の定数、校種別。
 次に、公立小中学校児童生徒の就学援助受給者の推移、平成二十四年度から令和三年度までお願いします。
 都内公立特別支援学校の医療的ケアが必要な幼児、児童、生徒の数及び配置看護師数、平成二十三年度から令和二年度まで。
 次に、中一ギャップ加配の活用状況、学級規模の縮小とTTの選択状況、令和四年度。
 都内公立小中学校及び高等学校の不登校児童生徒数と不登校出現率の推移、平成十四年度から令和三年度まで。
 東京都公立学校教員採用選考名簿登載者数、期限付任用教員名簿登載者数等、平成三十年度から令和四年度まで。
 次に、都内小中学校及び都立学校、特別支援学校における副校長、養護教諭、学校栄養職員等、寄宿舎指導員、一般事務及び進路指導担当、特別支援教育コーディネーターそれぞれの標準法定数と標準法に根拠を持つ都の定数の推移、平成二十六年度から令和五年度まで。
 都内公立学校の産休、育休代替教職員及び時間講師の採用候補者名簿登載者の人数と任用人数。
 それから、都内公立学校における新型コロナウイルス感染症への感染が判明した学校数及び人数の状況、校種別でお願いします。
 都内公立学校における都独自のPCR検査活用実績、校種別、使用目的別、教職員の定期検査実施状況をお願いします。
 都内公立小中高等学校の自殺者数の推移、平成二十九年度から令和三年度までお願いします。
 さらに、都内公立中学校三年生における生徒数、英語スピーキングテスト受験者数、不受験申請者数、不受験の申請をせずに受験しなかった生徒数。
 次が、英語スピーキングテストを受験した国私立中学三年生の人数、特別支援学校中学三年生の人数。
 中学校英語スピーキングテスト事業の二〇二三年度予算額のうち、中学三年生のテストと一、二年生のテスト、それぞれの金額と積算根拠をお示しください。
 以上です。よろしくお願いします。

○入江委員長 ただいま、とや理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された理事と調整の上、ご提出を願います。

○入江委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、都立高校の魅力向上に向けた実行プログラム(案)についてを聴取いたします。

○池上高校改革推進担当部長 去る二月二日、東京都教育委員会が公表しました都立高校の魅力向上に向けた実行プログラム(案)につきまして、お手元にございます文教委員会資料(報告事項)の資料1、実行プログラム(案)(概要)によりご報告申し上げます。
 一ページ、1、実行プログラム策定に当たっての背景をご覧ください。
 まず、都立高校を取り巻く状況でございますが、社会生活のDXによる変化やグローバル化の加速など、社会構造が急速に変化しつつある中で、コロナ禍による影響などもあり、様々な不安や悩みを抱える生徒など、多様な背景を持つ生徒の存在が一層顕在化してきました。
 質の高い教育の実現のためには、高い意欲と資質を持った教員の確保や働き方改革の推進など、学びを支える教員への支援も必要となっています。
 また、国や都においては、子供目線に立った政策の展開が進められているところでございます。
 次に、都立高校の現状でございます。
 令和三年度までを計画期間とする都立高校改革推進計画におきまして、総合的に取組を推進し、進学実績の向上や中退率の低下など、一定の成果がありました。
 一方、新たな課題として、困難を抱えた生徒の存在や、都内公立中学生の進路の多様化、都立高校入学者選抜応募倍率の低下傾向などもございます。また、都立高校に対して、デジタルの活用やグローバル人材の育成に関するご意見などもいただいております。
 このように環境が変化する中、新たな課題等の解決とともに、都立高校の魅力向上を図るための施策を体系化したものが本実行プログラムでございます。
 二ページをご覧願います。2、実行プログラムの基本的な考え方でございます。
 三つの施策の方向性に基づき、令和六年度まで集中的に施策を展開していくとともに、取組内容については、毎年度ブラッシュアップするなど、状況の変化等に応じて柔軟に対応してまいります。
 施策の方向性の一つ目ですが、生徒一人一人の能力を伸ばし、自ら未来を切り開く力を育成していきます。
 二つ目は、様々な困難を抱える生徒を支え、生徒目線に立った支援を充実させてまいります。
 三つ目が、生徒や社会のニーズに応える学校づくりを目指し、質の高い教育を実現するための環境整備を推進してまいります。
 こうして生徒一人一人に応じたきめ細かな教育を推進し、未来の東京を担う人材を育成してまいります。
 三ページをご覧願います。実行プログラムにおける施策の体系でございますが、三つの方向性に基づき、三十の施策を展開してまいります。
 主な取組につきましては、次ページ以降にございます。
 四ページ、Ⅰ、自らの未来を切り開く力の育成をご覧ください。
 まず、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトの推進です。
 生徒に関する教育データを可視化、分析するための教育ダッシュボードの開発を進め、エビデンスベースの指導と個に応じた学びを充実させてまいります。
 次に、教科、情報の充実では、プログラミングコンテストを実施するなど、デジタル人材の育成に向けて取組を推進してまいります。
 次に、グローバル人材の育成ですが、オンライン英会話やJETプログラムを活用し、ネーティブとのコミュニケーションの機会を増加させるなど、英語をツールとして使いこなす力の育成を図ってまいります。
 また、国際交流や海外派遣を充実させるなど、様々な取組を通じて、世界で活躍できるグローバル人材を育成してまいります。
 五ページ、Ⅱ、生徒目線に立った支援の充実をご覧ください。
 不登校生徒に対する支援、中途退学の未然防止、ヤングケアラー等に対する支援ですが、自立支援チームにおいて、豊富な支援実績を有するユースソーシャルワーカーを増員するなど、個に応じた支援を充実させてまいります。
 次に、日本語指導が必要な生徒に対する支援では、多文化共生スクールサポートセンター事業を拡充し、日本語指導が必要な生徒が在籍する全ての学校を対象とするなど、体制を充実させてまいります。
 六ページ、Ⅲ、質の高い教育を実現するための環境整備をご覧ください。
 まず、学校の魅力発信ですが、SNSによる情報発信など、量と質の面からPRを強化してまいります。
 次に、普通科の活性化では、スキルアップ推進校のほか、新たな学科の設置の検討なども進めてまいります。
 次に、定時制課程の改善、充実ですが、多様化する生徒のニーズ等に応えていくため、チャレンジスクール等の受入れ規模を拡大してまいります。
 また、夜間定時制課程につきましては、必要な見直しを行うとともに、望ましい学習、教育環境を確保してまいります。
 次に、専門学科の活性化ですが、農業、工業、商業高校等におきまして、魅力向上に向けた取組を推進していくとともに、立川高校の創造理数科に加え、江東区にある科学技術高校の一部を改編し、理数に関する学科を設置してまいります。
 最後に、教員確保策のさらなる充実では、大学三年生での採用選考の一部前倒しなど、多様な層が受験しやすい仕組みについて検討、実施してまいります。
 以上、概要についてご説明いたしましたが、プログラム案の詳細につきましては、別添の全体版資料をご覧いただければと存じます。
 今後の予定でございますが、現在実施しておりますパブリックコメントにより寄せられたご意見等を踏まえまして、本年度中に都立高校の魅力向上に向けた実行プログラムを策定したいと考えております。
 報告は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○入江委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 次に、令和四年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況についてを聴取いたします。

○桐山委員 理事会のときに申し上げましたけれども、今回のESAT-J採点ミス、二月七日火曜日に、スピーキングテスト、ESAT-Jの受験者の評価の修正について発表がされました。
 これについては、瀧沢部長から謝罪もあり、そして、説明がこれから行われることかと思うのですけれども、用意されていると思うのですけれども、実際のところ、浜教育長が最高責任者であると思っているんです。ですので、本来であれば、浜教育長から、まずもって冒頭に謝罪があってしかるべきだと思います。
 なぜならば、過去、令和四年五月二十七日の文教委員会では、令和四年度東京都立高等学校入学者選抜で、二つの都立高校で合格者決定の判定に誤りがあって、三名の受検者が追加合格となる事案が生じたことについては、冒頭に浜教育長から謝罪があり、その後、入試所管である村西都立学校教育部長から、追加合格者についての今後の取組について説明もあり、さらに、最後に謝罪もあったんです。
 そういうことについて、ぜひ浜教育長の謝罪を、まず冒頭にお願いしたいと思います。

○加藤委員 今の桐山理事の発言というのは、動議か何かなんですか。(桐山委員「議事進行動議です」と呼ぶ)動議……(桐山委員「だって、別に不規則発言でもなく、指されたじゃないですか」と呼ぶ)まだちょっと発言の続きです。
 理事会の合意事項を、今のは逸脱しているというふうに思うのですけれども、委員長……(桐山委員「合意はしていない」と呼ぶ)合意はしていなくても、合意はしていないというふうに、こちらは捉えていません。

○入江委員長 はい。私も聞いておりませんで、ただ、手を挙げられたので、資料要求のところでご発言が漏れたのかなと、一旦、思って、桐山理事と申し上げましたけれども、発言内容については、一切、承知もしておりませんし、理事会でも諮られておりません。

○とや委員 今、議事進行動議とおっしゃったんだから、動議は採らなきゃいけないんだから、それは採って、ちゃんと決を採ったらいかがですか。

○加藤委員 手を挙げたときに、議事進行動議を提出しますといって発言をされたわけじゃないんですよ。(桐山委員「じゃ、議事進行動議」と呼ぶ)

○入江委員長 というか、いきなり話されましたから。
   〔「改めていえば」「ちょっとそれは、内容と違うことを……」と呼び、その他発言する者あり〕
   〔桐山委員「委員長、議事進行動議」と呼ぶ〕

○入江委員長 桐山理事から議事進行動議の挙手というか、ご発言がございましたけれども、これにつきまして、皆様のご意見を諮りたいと思います。(「違う、違う……」と呼び、その他発言する者あり)なので、今のいい方は、私のいい方は、動議といっている、この動議を認めるかどうかを……(「まだいっていないから。いってもらったらいい」と呼び、その他発言する者あり)では、動議の内容をお伺いします。

○桐山委員 私から議事進行動議を提出させていただきたいと思うのですけれども、二月七日火曜日に、スピーキングテスト、ESAT-Jの受験者の評価の修正について発表がされました。
 ただいまから、その報告がなされようとしておりますけれども、浜教育長からの謝罪をぜひ行っていただきたいことを要請したいと思います。
 以上です。

○入江委員長 今の桐山理事からの動議につきまして、採決で諮りたいと思います。
 動議に対しては、起立により採決をいたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○入江委員長 起立少数と認めます。よって、浜教育長の謝罪を求める件の動議は否決されました。
 進行を続けます。
 令和四年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況についてを聴取いたします。

○瀧沢指導推進担当部長 私からは、令和四年度中学校英語スピーキングテストの実施状況についてご報告をいたします。
 資料をご覧ください。
 Ⅰ、実施スケジュールについてでございます。
 本年度の実施につきましては、四月から説明会等を行い、申込み、実施結果の通知まで、ご覧の日程で実施をいたしました。
 続きまして、Ⅱ、実施状況につきまして、本試日及び予備日を合わせた申込者数、受験者数はご覧のとおりでございます。
 会場は、都立高校を中心に、大学や民間施設等をお借りいたしました。
 平均スコアは六十・五、段階別評価の分布状況はご覧のとおりとなります。
 二ページをご覧ください。Ⅲ、スピーキングテストの実施体制等についてです。
 テストは、前後半で休憩時間を分離し、生徒同士の接触を防止するとともに、携帯電話を回収し、ご覧のスケジュールで実施をしております。
 当日は、都教育委員会及び事業者が役割を分担し、運営に当たりました。
 また、教育長を実施本部長とする中学校英語スピーキングテスト実施本部を設置して対応いたしました。
 具体的には、試験監督、警備、会場への道案内や携帯電話等に関する業務をそれぞれ分担して実施をいたしました。
 続きまして、Ⅳ、採点等です。
 採点は、高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する者が、事前に本テストの採点に係る研修を受講し、基準を満たした者が行いました。
 また、採点に当たっては、採点基準に従い、複数の専任者による採点、審査を経て評価をし、都教育委員会が採点結果を確認しており、引き続き、詳細な評価、分析に向けて確認を行ってきたところでございます。
 三ページをご覧ください。
 生徒には、ご覧いただいております結果及び情報を提供しております。
 また、音声データの開示につきましては、都立高校入試の合格発表後、希望する生徒に解答音声データを開示いたします。
 Ⅴは、実施結果を総括したものになります。
 申込者数に対する受験者数の割合は九三・四%であり、都立高校入学者選抜の受検率と同程度となっております。
 平均スコアは、昨年度と比較して六・八ポイント上昇いたしました。こちらは、中学校における四技能の指導の成果であると考えております。来年度以降も、小中高校を通した英語教育を一層強化する、ご覧のような取組を推進してまいる予定でございます。
 今年度の都立高校志願者の状況につきまして、令和三年度と比較すると微増しており、ESAT-Jの実施による影響は見られておりません。
 続いて、Ⅵ、解答音声データの再確認における評価の修正についてでございます。
 1の概要からご説明を申し上げます。
 スピーキングテストの都立高校入試への活用等に向けて万全を期すため、テスト受験者の解答音声データ等を再確認してまいりました。
 その結果、八人の解答音声データにつきまして、一定の機械音のみが録音され、解答音声が部分的に確認できない箇所があるということが判明いたしました。
 そこで、当該音声データに該当する受験者について、バックアップの解答音声データにより再度採点を行い、評価を修正いたしました。
 なお、スピーキングテスト受験者全ての解答音声データの点検を行い、ほかに同様の事例はないということを確認いたしました。
 四ページをご覧ください。2、修正内容についてでございます。
 スコア、採点の結果を修正した受験者数は八人、そのうち六人のグレードの評価が上昇いたしました。
 3、スコアやグレード評価を修正した受験者及び保護者に対して、経緯等を説明し、謝罪の上、新たに作成したスコアレポートを交付いたしました。
 当該受験者の都立高校への出願手続につきましては、受験者の希望を確認して対応いたしました。
 先ほどのご説明とも重複いたしますが、希望者には解答音声を開示してまいります。
 このたびは、中学生、保護者、そして学校関係者の方々にご不安、そしてご心配をおかけいたしましたことを、都教育委員会で深くおわびを申し上げます。申し訳ございませんでした。
 続きまして、Ⅶ、今後の実施に向けてをご覧ください。
 今年度の状況を踏まえまして、今後の実施に向けて、次のような点について改善を検討し、よりよい事業となるよう取り組んでまいります。
 まず、1、スケジュールについてでございます。
 申込み、措置申請の手続につきましては、受験申込みや特別措置、追試験等の日程、様式を説明会等で一括して提示し、生徒や保護者、中学校の教員が見通しを持って準備できるようにいたします。
 また、予備日の申込みの手続を簡素化し、生徒や保護者、中学校の教員の負担を軽減してまいります。
 さらに、特別措置等の申請に関して、さらに丁寧な説明を行い、都教育委員会による承認手続の迅速化を図ってまいります。
 会場等につきましても、通知する時期を早め、生徒や中学校の事前の準備期間を確保いたします。
 次に、2、実施体制についてでございます。
 (1)、受験環境につきまして、音声等に配慮し、生徒がより集中した環境で受験できる教室配置等を行います。
 今年度の実施におきまして、教室間で音声が聞こえたとの報道が一部ございましたが、前半と後半で二つに分けて実施した会場におきまして、前半グループと後半グループの平均スコアは、前半は六十・七八、後半は六十・七七で、差はほとんどございませんでした。
 なお、二月二日の教育委員会におきまして、口頭で、前後半の平均点がいずれも六十・七七とお伝えしたところでございますが、先ほどお伝えをいたしました評価の修正に伴い、前半が六十・七八と〇・〇一ポイント上昇いたしました。
 また、(2)、当日のコールセンターの対応につきましては、欠席等の連絡を受ける回線を増やすことなどにより混雑を回避し、応答率を改善してまいります。
 (3)、解答音声データの点検にございますように、バックアップの解答音声データを活用した点検方法の検討を行ってまいります。
 引き続き、次年度以降の実施に向け、改善を図ってまいります。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○入江委員長 報告は終わりました。
 なお、本件に対する質疑は、後ほどご審査いただく関連の請願陳情審査の際、併せて行います。ご了承願います。

○入江委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願四第四二号、請願四第四四号の一、請願四第四六号、陳情四第一〇五号、陳情四第一〇八号、陳情四第一一二号、陳情四第一一八号及び陳情四第一一九号については、いずれも内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○村西都立学校教育部長 それでは、私から、請願四第四二号、第四四号の一、第四六号、陳情四第一〇五号、第一〇八号、第一一二号、第一一八号、第一一九号の八件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元に配布の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 請願四第四二号、小・中学校の給食費の無償化に関する請願でございます。
 本請願は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部代表、佐久間千絵さん外七千二百十三人から提出されたものでございます。
 本請願の要旨は、都において、小中学校の給食費の無償化を実現するために、区市町村への食材費等の補助を行っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、学校給食法では、学校給食は設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされておりまして、無償化につきましては、国の責任と負担によるべきものと考えております。
 区市町村立小中学校の学校給食費につきましては、学校設置者が決定しており、保護者負担の軽減策等につきましても、各自治体の判断により行われていると認識しております。
 二ページをご覧ください。次に、請願四第四四号の一、笑顔あふれ、温かい触れ合いを通じて互いに学び、成長する学校に関する請願でございます。
 本請願は、国分寺市の子ども・青年の未来を−三多摩子育て・教育問題連絡会代表、佐藤洋史さん外千百五十九人から提出されたものでございます。
 本請願の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1から5及び7から11まで、合計十五点でございます。
 まず、1、コロナ禍における三密を避けるために、都の予算で小中学校及び高等学校の全学年で三十五人学級を早急に実施すること、2、都の予算で小学校一年から順次三十人学級に踏み出すこと及び国に対して次の事項を要請することとしまして、3、(1)、三十五人学級を早期に実現するために予算を増額すること及び(2)、三十人以下の少人数学級を実現することでございます。
 現在の状況でございますが、三ページをご覧ください。
 公立小中学校の学級編制、教職員の配置につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、以降は義務標準法と申し上げますが、これに基づき行っております。
 国は、義務標準法の改正により、令和三年度から、小学校の学級編制の標準を、五か年かけて学年進行で三十五人に引き下げることといたしました。
 都教育委員会におきましても、義務標準法の改正内容に基づき、学級編制基準の改正を行っております。
 公立の高等学校の一学級の生徒数につきましては、国の基準により、定時制課程は昭和四十二年度から、全日制課程は平成五年度から四十人が標準とされております。
 都におきましては、定時制課程につきまして、生徒の多様化等に対応するため、昭和四十八年度から都単独で三十人としていることに加え、全日制課程の職業に関する学科につきましては、専門教育の実施に当たっての適切な規模等を踏まえ、平成十二年度から三十五人としております。さらに、全日制課程普通科では、必修科目の習熟度別授業の実施や選択科目の設置等により、多展開による少人数指導を行っております。
 次に、4、コロナ禍の中で、公立学校において、何よりも感染防止を第一とするとともに、以下の対策を取ることとして、(1)、子供たちの変化に気づき、ゆとりを持って対応できるよう、これまでに実施している指定研修や事業、報告文書などを大幅に削減することでございます。
 現在の状況でございますが、四ページをご覧ください。
 都教育委員会は、法令等に基づき、集合研修やオンライン研修等を効果的に組み合わせ、適切に教員研修を実施しております。
 また、都教育委員会が実施する事業につきましては、学習指導要領の趣旨や児童生徒の実態等を踏まえ、必要なものを実施しております。
 さらに、学校から報告を求める事項につきましては、内容を精選しております。
 次に、(2)、クラスターの発生を防止するため、全教職員を対象として定期的にPCR検査を実施することでございます。
 現在の状況でございますが、公立学校では、文部科学省の衛生管理マニュアルなどを踏まえ、基本的な感染症対策を徹底して学校を運営しております。
 加えて、都教育委員会は、感染拡大防止のための検査体制を整備しております。
 次に、(3)、授業時間を確保するために、土曜授業や長期休業期間の短縮を行うなど、子供や教職員に過度の負担をかけないことでございます。
 現在の状況でございますが、学校教育法施行令第二十九条により、公立学校における土曜授業や長期休業日等の休業日の設定につきましては、設置者が定めることとされておりまして、コロナ禍における取扱いについても同様の対応となります。
 なお、都立学校につきましては、設置者である都教育委員会におきまして、感染防止対策の徹底と学校運営の継続に努めております。
 また、都教育委員会では、教員以外でも対応できる教材の準備や校内の消毒作業などの業務を担うスクールサポートスタッフを配置する区市町村教育委員会を支援する事業を実施し、教員の業務負担の軽減を図っております。
 都立学校につきましても、働き方改革を推進しております。
 次に、(4)、十分な薬剤や用具等を支給する体制を整え、看護師を派遣するなど、感染防止対策に十分な予算をつけることでございます。
 現在の状況でございますが、都立学校におきましては、感染症対策物品の購入経費などの予算配付を行っております。
 また、区市町村立学校につきましては、各自治体が国の補助金を十分に活用し感染症対策を図ることができるよう支援し、連携して取り組んでおります。
 次に、5、公立学校に係る高等学校等就学支援金について、所得制限を撤廃し、学費の無償化を進めることでございます。
 五ページをご覧ください。現在の状況でございますが、平成二十六年度から全国の公立高等学校の授業料に適用された就学支援金制度につきまして、都立高等学校において適切に実施しております。
 修業年限や履修単位数が超過する等のために就学支援金制度の対象とならない生徒で、経済的な理由で授業料を納付できない生徒には、都独自に授業料を減免しているところでございます。
 また、経済的支援及び少子対策を目的とし、所得制限により就学支援金を受けられない世帯の中で、二十三歳未満の子供を三人以上扶養している世帯に対して、収入にかかわらず授業料を半額に減額する支援事業を、令和二年度から新たに実施しております。
 なお、就学支援金における所得制限は、国で設定しております。
 次に、7、都立高校の在り方については、中学卒業生が今後急増することを考慮し、統廃合は行わないこと、また、中学生が一〇〇%高校進学の意欲を持つように取り組み、進学希望者全員に教育が保障されるようにすることでございます。
 現在の状況でございますが、都教育委員会では、中学校卒業予定者数や中学生の進路希望等の動向を踏まえ、都立高校への進学を希望する意欲と熱意のある生徒の就学機会の確保に取り組んでおります。
 中学校卒業予定者の増加に対しましては、都立高校二校の新設をはじめ、既存学校の施設の増改築を行う際に普通教室を整備するなど、都立高校と私立高校の現有の教育資産を最大限に活用して生徒を受け入れるという中長期的な視点に立った就学対策の考え方の下、引き続き適切な就学計画を策定してまいります。
 また、生徒が自らの生き方を考え、主体的に多様な進路を選択することができるよう、各学校の組織的かつ計画的な進路指導の実施に向け、引き続き区市町村教育委員会を支援してまいります。
 次に、8、高校教育のセーフティーネットである夜間定時制高校の閉課程を行わないこと、また、都立小山台高校及び都立立川高校の定時制の閉課程を中止し、両校を存続させることでございます。
 現在の状況についてでございますが、夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率、生徒の在籍率はともに低下し、また、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の在籍率も減少しております。
 一方、定時制課程には、全日制高校などへの進学希望がかなえられなかった生徒、不登校を経験した生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍し、教育ニーズも多様化しております。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年二月に策定した都立高校改革推進計画・新実施計画におきまして、生徒や保護者などのニーズの高い昼夜間定時制高校とチャレンジスクールの夜間部の規模拡大や、チャレンジスクールの新設を行い、その進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくこととしました。
 なお、令和五年度におきましては、小山台高等学校定時制及び立川高等学校定時制は、令和四年度と同様に生徒を募集いたします。
 次に、9、障害のある子供に行き届いた教育ができるよう、以下の教育条件の改善を早急に行うことといたしまして、(1)、学校設置基準や東京都特別支援教育推進計画(第二期)に基づき、間仕切りや特別教室、倉庫等の転用による一時的な対応をやめ、増加する児童生徒に見合う教室の新設や増改築を進めることでございます。
 現在の状況でございますが、六ページをご覧ください。
 特別支援学校における教育環境の整備につきましては、国が令和三年九月に公布した特別支援学校設置基準を踏まえつつ、平成二十九年二月に策定した東京都特別支援教育推進計画(第二期)に基づき、学校の新設や増改築をはじめとして、多様な方法を用いて、迅速かつ効果的に教育環境の改善を図り、必要な教室数の確保を進めております。
 次に、(2)、小中学校で実施されている特別支援教室については、巡回形式をやめ、各校に教職員を配置することでございます。
 現在の状況でございますが、特別支援教室は、これまで対象の子供の多くが在籍校を離れて他校に設置された通級指導学級で行ってきた特別の指導を在籍校で受けられるようにするもので、制度上は、国の通級による指導に位置づけられるものでございます。
 特別支援教室の運営におきましては、複数校の子供の指導に関わる担当教員同士が、指導の方法や教材などの多様な事例を日常的に共有、蓄積し合うことや、経験豊富で専門性の高い教員が経験の浅い教員を育成することができるよう、指導を担当する教員を指定された拠点校に集中的に配置した上で、教員がグループ内の学校を巡回して指導する体制としております。
 次に、10、GIGAスクール構想に基づいたICT教育について、ツールであるタブレット等の授業における使用の義務化や強制をしないこと、また、高校生にも無償でタブレット等を提供することでございます。
 現在の状況でございますが、七ページをご覧ください。
 区市町村立学校におけるデジタル活用に関する方針につきましては、設置者である区市町村が学習指導要領にのっとって適切に対応しております。
 また、都立小中学校につきましても、学習指導要領にのっとって適切に対応しております。
 高校生に対しましては、令和四年度新入生から、保護者負担方式により一人一台端末の導入を行っております。
 端末の購入に当たりましては、生徒全員が所有できるよう、全世帯を対象に、端末購入に係る保護者負担額が一定となるよう、都が購入費用の一部を補助する支援策などを実施しております。
 給付型奨学金対象世帯につきましては、端末購入費にも活用できるよう、対象範囲を拡充しております。
 次に、11、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用について、延期、見直しをすることでございます。
 現在の状況でございますが、都立高校の入試におきましては、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められている力が身についているかを測る必要がございます。
 英語につきましては、聞くこと、読むこと、書くこと、話すことの四技能の習得状況を測る必要があり、令和五年度都立高校入学者選抜におきましては、話すことの技能の習得状況について、英語スピーキングテストの結果を活用いたします。
 続きまして、八ページをご覧ください。請願四第四六号、東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願でございます。
 本請願は、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表、池上東湖さん外二万四千百七十二人から提出されたものでございます。
 本請願の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1から3及び5並びに7から15までの合計十三点でございます。
 まず、1、感染症から子供や教職員とその家族を守り、どの子供にもきめ細かな指導、支援を行き渡らせるために、公立の小中学校及び高校の全学年における三十人以下学級を早急に実現すること、また、子供が安心して学ぶ権利と継続性のある指導を保障するために、非正規の教職員ではなく、正規の教職員を増やし、直ちに教員の未配置を解消することでございます。
 現在の状況でございますが、先ほどの請願四第四四号の一でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、2、学校の統廃合をやめ、公立の小中学校、特別支援学級、特別支援学校に必要な学校数、教室数を確保することでございます。
 現在の状況でございますが、一〇ページをご覧ください。
 公立小中学校施設及び特別支援学級等の教育環境の整備につきましては、関係法令に基づき、設置者である区市町村において、それぞれの地域の実情に即して検討されるものでございます。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願四第四四号の一でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、3、小学校から高校までの宿泊行事、教材費、給食費などへの公費負担を増やし、教育の無償化を進めること及び5、子供たちの学ぶ権利を保障するため、公立学校における給付型の奨学金制度を拡充することでございます。
 現在の状況でございますが、義務教育に関わる費用のうち、公費で負担すべきものについては、既に無償化されております。
 小中学校における修学旅行費、学用品費等は、受益者負担が原則でございますが、経済的理由により負担が困難な児童生徒の保護者に対しては、区市町村教育委員会が必要な援助を行っております。
 また、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律に基づき実施しております夜間定時制高校の給食につきましては、有職者や求職中などの生徒を対象に、生徒が負担することとされている給食費の一部を都が独自に補助しております。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願四第四二号及び第四四号の一でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、7、障害のある全ての子供たちの教育を拡充するため、教職員を増やすとともに、教育条件を整備すること、特に、教室不足を早急に解消するため、特別支援学校の新設、増設及び環境整備を進めること、また、特別支援学級の学級編制基準について、八人から六人に改善することでございます。
 現在の状況でございますが、一一ページをご覧ください。
 特別支援学校及び特別支援学級等の教職員数につきましては、義務標準法及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律に基づき都教育委員会が定める学級編制基準による学級数等に応じて、必要な定数を配置しております。
 また、特別支援学級の学級編制基準につきましては、義務標準法に基づき、適切に定めております。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願四第四四号の一でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、8、通常学級に在籍する特別な手立てを必要とする子供たち、障害のある子供、学校に通えない子供、外国人などを支援する体制を整備すること、また、特別支援教室の児童または生徒十二人に一人の教員配置を十人に一人へ戻し、その措置は、区市町村ごとではなく、拠点校ごとに行うことでございます。
 現在の状況でございますが、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒の対応につきましては、都内全ての公立学校におきまして、特別支援教育の充実のための校内委員会の設置や、特別支援教育コーディネーターの指名、特別支援学校のセンター的機能の活用など、体制の整備を進めてきたところでございます。
 また、特別支援教室につきましては、小学校では平成三十年四月に、中学校では令和三年四月に全校導入を完了したことから、教員配置基準に基づき、児童生徒数に応じて適切に教員を配置しております。
 なお、特別支援教室の巡回指導体制につきましては、おのおのの各区市町村教育委員会が地域や各学校の実情に応じて決めております。
 不登校等、学校に通えない状況になっている児童生徒への対応につきましては、学級担任や生活指導主任等を中心として、これまでも学校は組織的な対応を継続して行ってきております。
 こうした学校の取組を支援するため、都教育委員会は、平成七年度からスクールカウンセラーの配置を開始し、平成二十五年度からは全公立小中高等学校に配置しております。
 また、平成二十年度からはスクールソーシャルワーカーの区市町村への配置を順次拡大するとともに、平成二十八年度から、全ての都立学校を対象として、スクールソーシャルワーカーの役割等を担うユースソーシャルワーカーを学校の要請に応じて派遣し、関係機関と連携して児童生徒への必要な支援を行っております。
 外国人児童生徒への対応につきましては、都教育委員会は、日本語指導が必要な児童生徒に対する指導の充実を図るため、平成二十二年度に日本語指導ハンドブックを作成し、全公立学校での活用を促しております。
 さらに、令和二年度に、日本語初期指導に活用できる映像教材、東京の学校生活−日本の学校で楽しく学ぶために−を作成、配布した上で、令和四年度には、この教材を都教育委員会のホームページで公開しております。
 また、都立学校に在籍する日本語指導の必要な生徒が早期に授業内容を理解することができるよう、日本語の習得に向けた支援を実施しております。
 次に、9、三学級以上の大規模な特別支援学級を解消するため、区市町村が設置校を増やせるように、都として適正規模のガイドラインを示し、改善されない場合は、必要な講師を配置することでございます。
 現在の状況についてございます。一二ページをご覧ください。
 区市町村立小中学校の特別支援学級は、法令により、当該学校を設置する区市町村教育委員会が当該学校の児童生徒の実態を考慮して編制することとされております。
 また、時間講師につきましては、学校の実態等を勘案し、適切に時数を措置しております。
 次に、10、公立、私立の高等学校就学計画の計画進学率、現在九四%を引き上げ、希望する全ての子供の高校進学を保障するために、都として支援することでございます。
 現在の状況についてでございます。
 都内全日制高校の就学計画における計画進学率は、都教育委員会と私学関係者とで構成する公私連絡協議会におきまして、これまでの公立中学校卒業予定者の全日制等志望率を踏まえ、令和五年度就学計画では九四・〇%として、公私それぞれの受入れ数を定めているところでございます。
 その受入れ数に基づき、都立高校では募集人員を定め、学ぶ意欲と熱意のある生徒を確実に受け入れております。
 次に、11、都立小山台高校、都立立川高校の二校の夜間定時制課程を存続し、都立雪谷高校、都立江北高校の閉課程を取り下げること、また、子供だけではなく、地域の外国人や高齢者などの学びのセーフティーネットとしての機能を広げるため、夜間中学校、高等学校夜間定時制課程の設置数を増やすことでございます。
 現在の状況についてでございます。
 中学校夜間学級は、関係法令に基づき、設置者である区市町村の判断により設置されるものでございます。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願四第四四号の一でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、12、最新の耐震基準により、震度七に耐え得る公立学校の校舎と非構造部分の耐震化を早急に行うことでございます。
 現在の状況についてでございます。一三ページをご覧ください。
 公立学校施設の耐震化につきましては、関係法令や文部科学省通知等に基づき実施しております。
 区市町村立学校の校舎等につきましては、学校設置者が国及び都の補助制度を活用して耐震化工事を実施しておりまして、耐震化はほぼ完了しております。
 また、都立学校の校舎等につきましては、平成二十二年度末までに耐震化を完了しております。
 非構造部材につきましては、文部科学省通知等を踏まえ、区市町村立学校の設置者は、国及び都の補助制度を活用し、耐震対策を進めております。
 また、都立学校におきましても、武道場等の非構造部材につきまして、耐震対策を計画的に進めているところでございます。
 次に、13、台風などの自然災害に備え、避難場所となる公立学校に冷暖房を完備することでございます。
 現在の状況でございます。
 公立小中学校の施設整備経費は、原則として、設置者である区市町村が負担することとされております。
 一方で、昨今の記録的猛暑を受け、都では、児童生徒の安全な教育環境の確保や良好な避難所環境の確保への取組が早期に行われるよう、公立小中学校の屋内体育施設への空調設置を実施する区市町村に対して、東京都公立学校屋内体育施設空調設置支援事業により財政支援を行っております。
 また、都立学校の体育館につきましては、全ての学校において空調設備の整備を完了しております。
 次に、14、大規模な感染症の流行に備え、公立学校において養護教諭の複数配置や資格を有する看護師の常駐を行うことでございます。
 現在の状況についてでございます。一四ページをおめくりください。
 都の配置基準に基づき、学校規模等に応じて養護教諭の複数配置を適切に行っているところでございまして、引き続き、公立学校における感染症対策には万全を期してまいります。
 次に、15、放射能汚染に備え、公立学校において放射能測定を行うことでございます。
 現在の状況でございます。
 都内には、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域は指定されておらず、現在、公立学校において放射能測定を行う必要はないと考えております。
 次に、一六ページをご覧ください。陳情四第一〇五号、学校給食費の補助等に関する陳情でございます。
 本陳情は、福生市の福生市に学校給食無償化を進める会代表、太田興亜さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次の事項を実現していただきたいというもので、1、公立小中学校の給食費の半額負担を実施すること及び2、国に対して公立小中学校の給食の無償化を求める意見書を提出することでございます。
 現在の状況でございます。
 都立学校におきましては、国の交付金を活用し、給食費の保護者負担の軽減を図っております。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願四第四二号でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 一七ページをご覧ください。陳情四第一〇八号、都立特別支援学校の寄宿舎指導員の採用試験実施と増員配置に関する陳情でございます。
 本陳情は、葛飾区の東京都寄宿舎連絡会世話人代表、坂口暁奈さん外三千九百十一人から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、寄宿舎指導員の採用試験を今年度以降も継続して実施し、都立特別支援学校の寄宿舎に増員配置していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございます。
 寄宿舎指導員の採用につきましては、令和三年度に区立特別支援学校の選考を再開しております。
 都立特別支援学校の寄宿舎指導員の採用につきましては、寄宿舎指導員の配置数が定数を上回っている状況であることから、平成二十二年度以降、選考を実施しておりません。
 二〇ページをご覧ください。陳情四第一一二号、都立高校入学者選抜の英語の学力検査に「四技能」を出題することに関する陳情でございます。
 本陳情は、世田谷区の内田美弥子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、令和六年度の都立高校入学者選抜では、民間事業者が実施する中学校英語スピーキングテストの結果の活用をやめ、都教育委員会が自ら実施する英語の学力検査に、聞くこと、話すこと−−やり取りと発表、読むこと、書くことの四技能に関する問題を出題するようにしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございます。
 都立高校の入試におきましては、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められている力が身についているかを測る必要がございます。
 英語につきましては、聞くこと、読むこと、書くこと、話すことの四技能の習得状況を測る必要があり、令和五年度都立高校入学者選抜におきましては、話すことの技能の習得状況について、スピーキングテストの結果を活用いたします。
 話すことの検査における採点には相当程度の時間を要するため、授業で学んだ内容の到達度の確認等を目的に、民間事業者のノウハウを活用して都教育委員会が自ら実施するスピーキングテストの結果を都立高校入試で活用することとしたものでございます。
 二一ページをご覧ください。陳情四第一一八号、学校給食及び昼食における「心身の健康の増進と豊かな人間形成」の実現に関する陳情でございます。
 本陳情は、小平市の全国有志子どもを思う会代表、小野真帆さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、黙食の緩和に伴い、学校給食及び昼食において、学校給食法や食育基本法にのっとった心身の健康の増進と豊かな人間形成がなされるよう、各区市町村教育委員会に対して、繰り返し周知していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございます。
 食育基本法では、食育の推進に関する施策につきまして、区市町村における計画を作成する努力義務が規定されており、各区市町村は、感染症対策と並行して、計画に基づき食育を推進しております。
 各学校では、学校給食の時間の活用のみならず、各教科や総合的な学習の時間等、学校教育活動全体を通じて食に関する指導を行っており、継続的に食育が実施されているものと認識しております。
 二二ページをご覧ください。陳情四第一一九号、マスク着用の有無による差別・偏見等防止の啓発及び換気システムの導入等に関する陳情でございます。
 本陳情は、小平市の全国有志子どもを思う会代表、小野真帆さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨です。
 都において、今後加速すると予測される、脱マスクを含むマスクに関わる指導等において、諸問題を未然に防止し、児童生徒等の心情等に適切な配慮を行うため、次の事項を実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1及び3でございます。
 まず、1、公立学校に高機能換気設備、二酸化炭素濃度測定器、サーキュレーター、HEPAフィルター付空気清浄機等の換気システムを導入し、換気方法を段階的に見直すことでございます。
 現在の状況でございます。
 都教育委員会は、新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン(都立学校)、以降は都ガイドラインと申し上げますが、これにおきまして、常時換気の徹底を求めております。
 都立学校におきましては、全ての普通教室にCO2測定器とサーキュレーターを設置し、適切な換気に努めております。
 区市町村立学校に対しましては、CO2測定器、サーキュレーター等の設置に当たり、国の補助金の活用を促すとともに、感染拡大に効果的な換気の実施に向け、国の通知や都のガイドライン等を情報提供しております。
 次に、3、様々な事情がある子供がいることから、厚生労働省の通達にある、本人の意に反してマスクの着脱を無理強いすることにならないようという文言を都立学校のガイドラインに明記し、周知することでございます。
 現在の状況でございます。
 都教育委員会は、マスクの着用につきまして、児童生徒等が学校でマスクを着用することの効果や着用する際の注意事項を理解できるよう指導するとともに、一律に着用を促すだけでなく、個々の児童生徒等の事情に応じた配慮が必要であり、そのことを保護者にも周知する必要があることを、従来から都ガイドラインに記載し、周知しているところでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○入江委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げます。
 本件中、生活文化スポーツ局所管分に対する質疑は、既に終了しております。
 また、本件については、先ほどの令和四年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況についての報告事項と併せて質疑を行います。
 再度申し上げますが、質疑の重複はできるだけ避け、理事者の答弁は簡潔明瞭に行っていただくなど、委員会の円滑な運営にご協力いただきますよう、改めてお願い申し上げます。
 では、発言を願います。

○鈴木委員 私は、陳情四第一一八号だけ、ちょっと伺わせていただきたいのですけれども、私、実際に陳情者とも会わせていただいて、いろいろお話を聞いた上でなんですが、黙食の緩和に伴う食育の推進についてなんですけれども、子供たちの豊かな人間形成に向けて、学校給食法や食育基本法にのっとった食育をもちろん進めるべきでありますし、そのようにやっていると思っております。
 コロナ禍において、各区市町村立学校ではどのように食育が実施されてきたのか、伺わせていただきます。

○岩野地域教育支援部長 各区市町村教育委員会では、食育基本法に基づく計画を策定し、各校における食育を推進しております。
 コロナ禍においても、各学校では、学校給食を有効に活用するとともに、総合的な学習の時間や家庭科、社会科など、各教科の授業内容とも関連づけながら、教育活動全体を通した食育の取組が行われております。
 具体的には、生産者の思いや、食材が調理されるまでの過程などを動画で紹介したり、給食の時間に、行事にちなんだ献立について校内放送を行うなど、子供たちの食への理解が深まるよう、学校栄養職員等が創意工夫を行っております。

○鈴木委員 コロナ禍においても−−まあ、黙食というのは、親としては、やはりやらせたくないですし、教育委員会としてもやらせたくないというのは、もちろんあると思うんですね。
 今のコロナ禍においても、そういった学校給食法や食育基本法にのっとって進めているという趣旨で、私たち会派は、反対、不採択にさせていただくのですけれども、もうやっているよという意味で。
 今、現状ですけれども、例えば、昨年、東京都教育委員会さんの方から、黙食の緩和についても各区市町村に通知をしていただいて、それで、実際、僕、全てを分かっているわけじゃないのですけれども、少なくとも自分の住んでいる台東区においては、それに、緩和になっているところは幾つかしかないんですね。
 それはなぜかというと、区の、また保健所の絡みがあったりだとか、黙食をさせるお子さんの家族の方が疾患を持っているとか、いろんな事情でできていない部分があったりとかするので、今後、国の方では、五月八日から五類に下げるというような報道もありますし、実際に政府の方もそういうふうに今いっておりますので、そういったタイミングで何かしらの、これから子供たちの食育についても、本来に戻せるような形がもしできるのであれば、何か前に進むべきことがあれば、いろいろと東京都の方でも発信していただきたいなと思います。
 以上です。

○白戸委員 それでは、私から、中学英語スピーキングテスト、ESAT-Jの実施状況について質疑をさせていただきます。
 昨年から本委員会で多くの議論を重ねてきました英語スピーキングテストは、去年の十一月二十七日、そして、追試験として十二月十八日に、都内全ての公立中学三年生を対象に実施されまして、七万人を超える生徒さんがテストを受験されました。
 本テストは、グローバル人材育成の一環として、都教育委員会が、授業で学んだ内容の到達度の確認や英語指導の充実を図ることを目的として実施されたものであります。
 次代の東京を担う子供たちが、東京はもとより、海外も視野に入れて活躍できるよう、日本の英語教育の一番の弱点とされていた、この使える英語です。この使える英語を育成するための大きな一歩を踏み出したものとして、我が会派は、この取組を評価しているところでもあります。
 来年度予算には、中学一、二年生にもスピーキングテストを導入することが提案されていますが、本件については、別の場で議論させていただきますけれども、東京の英語教育をさらに前進させるよう、取組を進めるべきと考えます。
 そして、今日は、そこでまず、このESAT-Jを実施する目的を改めてお伺いします。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会では、東京都教育施策大綱で示された世界に羽ばたくグローバル人材の育成に向けて、四技能の習得を通じた使える英語力の育成を重視した施策を展開しております。
 また、令和四年三月に大綱を踏まえて策定した東京グローバル人材育成指針において、主体的に学び続ける態度と総合的な英語力を掲げており、目標を持って、主体的に、そして自律的に英語を学ぶ態度や、英語を用いて自分の気持ちや考えを発信し、発表や議論ができる力を育成することとしております。
 スピーキングテストも、こうした取組の一つとして実施するものであり、中学校におけます学習で身につけた話すことの力を客観的に評価することによって、授業で学んだ内容の到達度を確認し、英語指導の充実を図ることを目的として実施するものでございます。

○白戸委員 ありがとうございます。テストをすることが最終目的ではなく、使える英語力を伸ばすことが目的であります。その取組としてスピーキングテストを行うというような理解をさせていただきました。
 それでは、まず、全国初のスピーキングテストを実施した都教育委員会として、このテストの実施状況や成果などについてどのように捉えているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 令和四年度テストにおけます申込者数に対する受験者数の割合は九三・四%で、都立高校入学者選抜の受検率と同程度でございました。
 また、平均スコアは六十・五で、令和三年度と比較して六・八ポイント上昇しております。これは、中学校におけます英語四技能の指導改善、そして、生徒の日頃の学習の成果であるというふうに考えております。
 今後、本テストのデータを分析いたしまして、中学校及び高等学校におけます英語指導の改善や、生徒のさらなる英語力の向上を図ってまいります。

○白戸委員 この英語スピーキングテストの実施は、首都東京における英語教育が改善していく原動力となっていくものだと思います。スピーキングテストのデータは、義務教育段階でのテストの到達度を高校での学習にしっかりつなげていくことや、また、実践的な英語授業の充実に向けて、都教委と区市町村教育委員会が連携協力して取り組むための土台になっていくものと考えます。
 今のご答弁で、このテストの方向性、これ自体は理解することができましたが、これを受検評価の一部に組み込んだことで、高校受験という、子供たちにとって人生の重要なポイントとなりました。そんな大切なテストであるからこそ、公正に、安心して受けられるものでなくてはならないというのは当然だと思います。
 しかし、テストの実施面では、一部の報道等で、前半の受験者の声が聞こえたなどの指摘があったのも事実でございます。
 これを受けまして、都教委として、当然、テストが適切に実施されたことを確認されたと思いますけれども、どのようにこの確認をされたのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、テスト終了後に、事業者及び配置した都職員からの報告及び全ての区市町村教育委員会から状況を聞き取り、待機教室等々では、音声は聞こえても発言内容を聞き分けることはできず、解答に影響を与えるような事例はなかったということを確認しております。
 また、前半と後半で二つに分けて実施した会場におきましても、先ほどご報告申し上げましたように、前半グループの平均スコアは六十・七八、後半グループは六十・七七であり、ほぼ差がないということを検証しております。

○白戸委員 都教委として、こうした指摘に対して、当然のことながら、様々な手段で確認、検証することが大切で、それを進めてきたということは理解しました。
 前半組と後半組のテスト結果の平均点もほぼ同じであったということは、解答に影響を与えるような事例はなかったと、ある一定の裏づけるエビデンスであると考えます。
 しかし、受験生の中には、周囲の生徒の声が録音されて、自分の解答が採点されているのかどうか心配だとかいう声も上がっているそうです。
 大事な受験だからこそ、ふだんよりも不安を感じやすくなるのは当然で、その不安を解消すべく、適正に採点、評価がなされていることを確認してもらうことが大切だと思います。
 都教育委員会として、どのようにこれを対応していくのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 解答音声は、高機能集音マイクを口元に設定して録音するため、本人の音声と周りの生徒の音声は録音状態が異なり、区別は確実にできることを確認しております。
 今回、音声データの全件点検を行っており、受験生自らの解答音声で確実に採点されているということも併せて確認をしております。
 また、都立高校入試の合格発表後、希望する生徒には解答音声データ等を開示してまいります。三月に受付を開始し、順次開示する予定であり、本人が直接確認できる仕組みとしてまいります。

○白戸委員 これは当然のことではありますけれども、受験生自らの解答音声で確実に採点されていることを本人自身が確認できる仕組みは、非常に重要だと考えます。これまで我が会派が求めてきました解答音声データの本人開示、しっかりと進めていただきたいと重ねて要望しておきます。
 また、音読の問題で出題された英文の一部に、中学校の学習指導要領を逸脱した内容が出題されたという指摘もありました。
 本件について、改めて都教育委員会の見解を確認いたします。

○瀧沢指導推進担当部長 中学校外国語の学習指導要領では、生徒が英語を使って何ができるようになるかという観点が重視されており、目的、場面、状況に応じて多様な表現を扱うことが求められております。その際、どのような文法事項を扱うか、また、小中高等学校のどの段階で扱うかについて制限するような趣旨とはなっておりません。
 今回のスピーキングテストの音読のテスト問題につきましては、中学校で学ぶ単語を用い、場面に応じて、英語として自然となるよう文を作成し出題したものであり、学習指導要領を逸脱しているという指摘は当たりません。
 なお、次年度に向け、よりよい試験問題が出題できるよう、引き続き取り組んでまいります。

○白戸委員 なるほど、今の説明を聞いて分かりましたが、現在の学習指導要領では、使える英語という点から、より幅広い表現を状況に応じて活用できるように指導していくことの重要性が強調されているということなんですね。このあたりもかなり新しくなっているということで、この説明で、学習指導要領からの逸脱には当たらないということは理解できました。
 ともあれ、何度もいうようですが、生徒たちにとって、これは非常に大切なテストとなります。今後、この問題の出題に当たりましては、より慎重な検討を行っていただけるよう求めておきたいと思います。
 次に、来年度に向けたこの改善策について伺います。
 まず、この申込みや障害者などの措置申請の手続など、スピーキングテストの運営面に関してどのような改善を行っているのか、具体的に伺います。
 そして、申込手続や出欠の確認など、聞くところによりますと、中学校の教員の負担が随分増えたというようなお話も聞いております。今、教員の働き方改革、我々みんなで取り組んでいるところなんですけれども、ただでさえ業務量の多い教員に負担を改めてまたかけるようでは、本意ではないと考えます。
 この点についても、併せて伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 受験の申込みや特別措置等の申請、出欠状況の確認等につきましては、生徒、保護者が迷うことなく手続を進めることができるとともに、中学校教員の協力を得ながら進めていくことが重要であると考えております。
 そのため、来年度の実施に当たりましては、受験の申込みや特別措置等の申請について、教員対象の説明会やホームページに掲載する動画などにより丁寧に説明を行いまして、都教育委員会によります承認手続なども迅速化を図ってまいりたいと考えております。
 また、会場や試験当日の時程等に関する通知の時期を早めまして、生徒や中学校の事前の準備期間を確保してまいります。
 さらに、本試験の出欠状況の把握、そして追試験の申込みにつきましては、手続の方法や内容を整理いたしまして、効率的かつ確実に申込みが完了できるよう工夫をしてまいります。
 これらを通じて、生徒や保護者、中学校の教員が見通しを持って準備ができるようにするとともに、手続を簡素化し、負担を軽減してまいります。

○白戸委員 今後のスピーキングテストが、これから長期間にわたって事業継続を視野に入れまして、よりスムーズに実施されるよう、申込みの手続や周知の方法などについて、引き続き、まだまだやはり工夫、改善の余地はたくさんあると考えます。
 また、このスピーキングテストは、都教委が区市町村の教育委員会と中学校と連携協力して実施する事業でもありますけれども、現在、先ほども申しましたが、業務軽減を図るべき教員に対して改めて負担を増加させるようでは、本末転倒だと考えます。このことを踏まえまして、この点についてもしっかりと、必ず改善していただきたいというふうに思います。
 また、スピーキングテストの会場をはじめとした受験に適した環境、さらには、当日の欠席連絡がスムーズにコールセンターにつながらなかったというような声も聞いております。
 この実施体制に関して、具体的にどのような改善を図っていくのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 隣の声が聞こえたなどの指摘が一部の報道にございましたが、解答に影響はなかったということを確認しております。
 次年度は、さらに音声等に配慮した教室配置などを行うなど、生徒がより集中した環境で安心して受験できるように試験を実施してまいります。
 また、試験当日の朝に、生徒や保護者からの欠席の連絡を受ける電話回線がつながりにくい状況が生じましたことから、回線を増やすことなどによりコールセンターの混雑を回避してまいります。

○白戸委員 これは何度もいうようですが、やはり生徒にとっては、中学生にとっては大切なテストです。実施体制とか運営面で受験生に不安を与えるようなことがあってはなりません。本課題の解決にしっかりと取り組んでこそ、受験生の力をより発揮できる環境が整うものと考えます。受験生が安心して集中して、ベストに受験できるよう、不断の努力を強くお願いしたいと思います。
 次に、都教育委員会は、スピーキングテストの都立高校入試への活用等に向けて万全を期すために、テスト受験者の全ての解答音声データなどの再確認を進めてきた結果、八人の受験生の解答音声データについて再度採点を行い、評価を修正するに至ったという報告がありました。
 まず、この評価の修正に至った経緯を詳しくお聞かせください。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストの都立高校入試への活用等に向けて万全を期すために、解答音声データ等の点検や検証を予定し、予備日の結果の返却以降、受験者全ての解答音声データ等の再確認を実施いたしました。
 その結果、八人の解答音声データの一部に、一定の機械音のみが録音され、解答音声が確認できない箇所があるということが判明いたしました。
 そこで、当該データに該当する受験者につきまして、タブレット端末の内蔵マイクで録音されておりますバックアップの解答音声データによりまして再度点検を行い、評価を修正いたしました。
 修正内容は、スコアを修正した受験生が八人、そのうちグレードを修正した受験生は六人でございました。
 また、スピーキングテスト受験者全ての解答音声データの点検を行いまして、ほかに同様の事例はないということを確認いたしました。
 今回の事象は、使用する機材の不具合に起因すると考えられ、解答音声の採点に関しましては、適切に実施されたということを確認しております。

○白戸委員 これは受検に関するテストということで、ミスは許されないわけで、だからこそ再点検をしたということで、この事象を発見できたということです。
 もちろん、ミスは本当に、さっきも、何度もいいますが、あってはいけないのですけれども、機械にしても、人間にしても、ミスやトラブルを一〇〇%防ぐということは不可能です。だからこそ、このようなバックアップ、再点検というのが、幾重にもわたって必要だというふうに考えます。
 そして、今回の原因は、採点の誤りということではなくて、機器の不具合というふうに考えられますけれども、今いったように、どんなに万全を期しても、その可能性はあるわけで、当初からそういったことも想定されていたと思います。
 こうした機器の不具合に備えて、テストを適切に実施できるように、どんな準備をされていたのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストでは、タブレット配布後の準備時間において、自分が話した音声について録音できているかの確認をまず一回、テスト開始後におきましても、例題に解答した際の自分の話した音声を確認するための録音テストが二回の計三回、録音テストを実施した上で受験をしております。
 機器トラブルが発生しましても、すぐに対応できるように、テスト中に生徒からの申出があった場合には、速やかに交換をして実施をいたしました。
 さらに、録音に関するあらゆる事態に対応するために、イヤホンマイクのほかにも、タブレット本体にマイクを装備してバックアップ用の音声を録音し、必要となる場合には、この音声で採点可能な仕組みとなることとしており、今回の再採点に当たりましても、全て適切に録音がされていたということでございます。

○白戸委員 機械の不具合を想定した仕組みを取っていたということ、これは非常に大切なことでありますけれども、それならば、せっかくこのバックアップを取っていたのが、なぜ採点をするときに無音状態であることに気づかなかったのか。
 先ほどの答弁にあったとおり、テストで使用する機器には、こうしたバックアップ音声を録音する機能が装備されていたわけですよね。そうすれば、もしそうであれば−−そうであったのですけれども、スコアレポートを生徒に返却する前に再確認するべきではないですか。返却前にバックアップの解答音声データを活用した点検を行うべきでなかったのか。
 この点について答弁を求めます。

○瀧沢指導推進担当部長 バックアップの音声は、解答が全く無音の場合に活用して採点するという手順で運用しておりました。
 今回、評価の修正を行いました解答音声データは、一定の機械音のみは録音されていて、解答音声が部分的に確認できないという箇所があり、受験者が無解答だったのか、機械の不具合によるものなのかの判別が困難であるという事象でございました。
 バックアップの解答音声データを活用した点検方法につきましては、ご指摘を踏まえまして、さらに検討してまいりたいと考えております。

○白戸委員 本当に何度も何度も繰り返しますけれども、やっぱりこれは入試への活用です。受検の一環だったんです。生徒たちにとって大切なテストだったんです。そのスピーキングテストの都立高校入試への活用に向けて万全を期すために、解答音声データの再確認を行うこと自体は、これは当然必要な対応であったし、実際にやられているわけですけれども、やはり何度考えても、こうした確認を、スコアレポートを生徒に返却する前に行うべきだった。これは考えていただきたいと思います。
 それも、結果的に、今回、都立高校の入試直前、出願手続の終了間際の評価の修正ということになってしまいました。当該生徒や保護者にも、心理的にも、物理的にも多大な負担をかけた結果となっています。
 機器の不具合は、ある意味、仕方がない。だからこそ、それを防ぐ方法を取られていたということで、それ自体は評価しますが、その対応のタイミングが適切ではなかったということは申し上げます。
 そこで、この当該の生徒、保護者に対する対応をどのように取ったのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 スコアやグレード評価を修正した受験者及び保護者に対しまして、教育庁の職員が経緯等の説明を行い、謝罪の上、新たに作成したスコアレポートを交付いたしました。
 当該受験者の都立高校への出願手続につきましては、受験者の希望を確認して対応をいたしました。

○白戸委員 こういう言葉で結んでいいのかどうか分かりませんけれども、今回は、本当に不幸中の幸いということで、大きな影響や混乱がなかったと。本当にこれはよかったとは思います。ただ、今回がそうだからといって今後もそうであるということは、もちろんありません。これはもう絶対に、絶対に修正しなければならない事項であり、教育庁には猛省を促して、すぐに来年度に向けて改善を進めていただきたい。強く求めておきます。
 さて、ここまで質疑をさせていただいたように、初回ということで、今後の実施に向けて、改善点が幾つも出てまいりました。
 ただ、そうはいっても、既に目前に迫った今年度の都立高校入試においては、多くの方が、その前提で準備をされてきているのも事実でございます。
 ですから、予定どおり、やはりスピーキングテストの結果を活用していくべきだというふうには考えますが、改めて見解を伺います。

○村西都立学校教育部長 スピーキングテストにつきましては、テスト終了後に、事業者及び配置した都職員からの報告、区市町村教育委員会への聞き取りにより、解答に影響を与えるような事例はなく行われたことを確認しております。
 出題につきましても、学習指導要領の趣旨に照らし、逸脱するとの指摘は当たらないことも確認いたしました。
 また、採点、評価につきましては、スコアレポートの返却の際に、解答例、その解説等を併せて示すとともに、今回、全ての受験生の解答音声データの再点検も行っております。
 これらを踏まえ、スピーキングテストは適切に実施されていることを確認できることから、テストの結果を都立高校入試において活用してまいります。
 今後、都教育委員会は、使える英語力の育成に向けまして、子供たちの英語力の向上や教員の授業改善にさらに効果的に活用できるよう、スピーキングテスト事業の検証及び改善に取り組んでまいります。

○白戸委員 物事は、何事も変化をさせるというのは大変なことです。しかし、世の中の変化に対し、変化をさせていかなければいけないことを−−まあ、変化させたり、進化させたりすることをしなければいけません。そういった意味で、この英語教育も、間違いなく、これまでのとおりではなくて、これからのニーズに対応するものに変化させていく必要もあります。
 そして、この変化の局面というのは、多少なりとも、不慣れな部分であったり、不安や不満が出てくることもございます。そんな不具合、不安、そういったものを全力で解消、修正しながら、今回の本来の目的である、子供たちの使える英語の習得に進んでいく必要があると考えます。
 教育庁の皆さんには、そんな気概を持っていただきまして、引き続き、丁寧に、真摯に、しっかりと取り組んでいただくことをお願いし、私の質疑を終わります。

○大松委員 まず、私からは、報告事項、令和四年度中学校英語スピーキングテストの実施状況について質問をいたします。
 様々な統計がありますけれども、英語は、世界で最も多くの人々に使われている言語であるといわれております。グローバル化が進む世界の中にあって、英語でコミュニケーションを取れるようになることは、ビジネス、教育、友好交流など、あらゆる場面で役立ち、個人の人生を豊かにしていくための重要な能力の一つであります。
 その中で、日本では、大学卒業まで英語を勉強しても、必ずしも英会話ができるようにはなれない。英語でコミュニケーションを取れるようにはなれないといわれておりまして、英語教育の在り方が課題になって久しいことは、改めて申し上げるまでもありません。
 そこで、東京都教育委員会ではかねてから、英語教育を向上させるために、英語科教員の海外派遣研修などを行っています。そうした取組に加えての今回の英語スピーキングテストの導入は、英語によるコミュニケーション能力の向上に向けて、一歩踏み込んだ意欲的な取組であると評価するものであります。
 そこで、まず伺います。東京都教育委員会が英語スピーキングテストに取り組む意義と成果について伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、グローバル化が進む社会におきまして、英語をツールとして使いこなし、広い視野や多様な人々と協働する力を持ち、豊かな国際感覚を身につけて世界を牽引していくことができる人材の育成を目指しております。
 そのため、小中高校におけます一貫した英語教育の推進により、生徒の使える英語力の育成に向け、施策を展開しており、スピーキングテストは、その取組の一つとして実施をいたします。
 昨年十一月及び十二月に実施したスピーキングテストでは、約七万一千人の生徒が受験をしており、平均スコアは六十・五で、令和三年度と比較いたしまして六・八ポイント上昇いたしました。これは、中学校において、スピーキングを含む四技能のバランスのよい指導が継続され、そして、生徒が学習してきたその成果だというふうに考えております。
 引き続き、中学校及び高等学校におきまして、スピーキングテストの結果に基づく指導を充実し、生徒の使える英語力の育成を強力に進めてまいります。

○大松委員 教育といいましても、それは技術でありますから、意欲的に実践をしてみて、その中で出てきた課題に対応して、その解決を目指していく。こうした取組を粘り強く継続していく中で、教育力というものは磨かれ、向上をしていくものと考えています。
 今回のスピーキングテストにおきましても、実施した際に、様々な声が出て、届けられているわけでございますので、それらの課題について質問をいたします。
 まず、試験中に隣の人の声、音が聞こえるといった、そうした声がありましたけれども、このことにつきまして、都教育委員会はどのように対応をしてきたのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 テストは、マイクつきのカナル型イヤホンと呼ばれますイヤホンを装着した上にイヤーマフをつけることで、物理的に外音を遮断するとともに、ホワイトノイズと呼ばれる音を流すことで、周囲の音声を聞こえなくする処理をしております。
 これらによりまして、周りの会話を聞き分けることができないということを検証しております。
 また、生徒間の距離も十分に取ることとしており、ほかの生徒の音声を聞き分けながら解答するということは、現実的には考えにくいというふうに考えております。
 都教育委員会は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告によりまして、待機教室等では、音声は聞こえても発言内容を聞き分けることはできず、解答に影響を与えることはなかったということを確認しております。
 さらに、区市町村教育委員会に対して状況を聴取した結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないということも確認しており、テストは適切に実施されたものというふうに認識をしております。

○大松委員 隣の人の音、声を聞こえなくするために、ホワイトノイズを活用するなどの対策を講じられたとのことでありますけれども、そのほかにも、例えばヘッドホンにノイズキャンセリング機能をつけるなど、様々な取組も考えられるわけでございます。
 英語スピーキングテストをよりよいものにしていくために、新たな技術や工夫を行っていくべきと考えますが、都教育委員会の見解を求めます。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほどと一部重複いたしますが、スピーキングテストは、イヤーマフを装着し、ホワイトノイズの音を流して周囲の音声を聞こえにくくするなどの工夫をして実施したところでございますが、今後とも、委員ご指摘のように、様々な技術の活用や、会場や教室の配置の工夫などを検討いたしまして、生徒がより集中してテストに取り組める環境を整えてまいります。

○大松委員 次に、障害のある生徒への対応について質問いたします。
 視覚、聴覚、また発達障害など様々な障害があっても、その人に応じた環境が整えられれば、その人の持てる力が発揮されることができるわけでございます。
 海外には、こうした多様な障害のある人々に対応した教育機関が数多くあると伺っておりまして、東京都におきましても、そうした教育を受けるための門戸を狭めるようなことがあってはなりません。
 特別措置につきまして、全ての受験生が力を発揮できるよう、ニーズにきめ細やかに対応していくべきと考えますけれども、都教育委員会の見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 令和四年度のスピーキングテストにおきましては、障害等に基づく合理的な配慮として、視覚や聴覚、吃音、発話障害等に係る十四区分を設定し、解答時間の延長、音声を文字化した資材の使用、採点時に注意して聞くといった、障害特性に応じた措置を行ったところでございます。
 来年度に向けて、全ての生徒が安心してテストを受けられるよう、特別支援教育を担当する職員や教員等の意見も聞きながら、引き続き、措置内容について検討してまいります。

○大松委員 次に、陳情四第一〇八号、都立特別支援学校の寄宿舎指導員の採用試験実施と増員配置に関する陳情について、何点か質問をいたします。
 特別支援学校の寄宿舎は、障害があるために通学が困難という児童生徒であっても安心して就学ができるように、学校教育法が設置を義務づけているものでありまして、なくてはならない重要な教育施設であります。
 東京都教育委員会はこれまで、都立特別支援学校の適正配置を進め、またスクールバスを整備することなどによりまして、障害があっても児童生徒が就学できるように、通学困難の状況の解消に努めてこられました。
 その上で、東京都教育委員会は、平成十六年、二〇〇四年に東京都特別支援教育推進計画を策定して、その中で、当時十一舎ありました寄宿舎を五舎に再編することとしたと認識をしているところであります。
 そこで質問です。この寄宿舎の再編により、寄宿舎に配置されている指導員の実員が定数を上回り、その状況が続いていると伺っておりますけれども、まず、その現状について伺います。

○吉村人事部長 都立特別支援学校において、寄宿舎五舎の令和四年度の指導員定数は六十二人であるのに対し、実員は七十二人であり、全ての寄宿舎で定数以上の実員が配置されています。

○大松委員 現状、定数より多く指導者が配置されている過員の状況であるということであります。
 一方、都立の寄宿舎では、十年以上、採用選考を実施しておりませんで、そのため、指導員の高齢化が進んでいると聞いております。
 そこで、現在の寄宿舎指導員の年齢構成について伺います。

○吉村人事部長 都立特別支援学校の寄宿舎指導員の今年度末年齢は、三十代が三人、四十代が二十人、五十代が三十七人、六十代が十二人です。

○大松委員 今、年齢構成を伺いますと、五十代、六十代以上が多くを占めております。この先、年々、定年退職などで実員が減少していくことが想定をされまして、安全で安定した寄宿舎運営をどう維持継続していくのかが今後の課題になってくるものと思います。
 区立の特別支援学校では、令和三年度、二〇二一年度から寄宿舎指導員の採用選考を再開したと聞いておりますけれども、都立の特別支援学校におきましても、寄宿舎運営のノウハウを継承する観点からも、寄宿舎指導員の選考再開について、必要となる時期を見据えて、早め早めに検討していくべきと考えますが、都教育委員会の見解を求めます。

○吉村人事部長 都立特別支援学校における寄宿舎指導員の採用選考につきましても、今後の退職者数等の推移や過員解消の状況を見極めながら、適切に対応してまいります。

○大松委員 ぜひ早め早めに検討を進めて、適切に対応していくようお願いをいたします。
 次に、指導員の定数について質問いたします。
 現在、都立特別支援学校の寄宿舎に配置されている指導員は、全体では過員ということでありますけれども、その一方で、一部の寄宿舎では、都の定数が標準法の定数に達していない状況があると聞いております。
 その理由について伺います。

○吉村人事部長 小中学部及び高等部の児童生徒の入舎がある寄宿舎について、標準法では、小中学部の児童生徒数を基に算出した指導員数に高等部の生徒数を基に算出した指導員数を合算することとしています。
 一方、都の基準では、小中学部及び高等部を分けずに、寄宿舎全体の収容定員を基に指導員数を算出しております。
 このため、小中学部及び高等部の児童生徒が入舎する一部の寄宿舎では、指導員の定数が異なることがございます。
 なお、標準法の算定方法で指導員数を算出した場合であっても、現在、都立の寄宿舎全体でそれを上回る実員が配置されております。

○大松委員 算定方法の違いによって、一部の寄宿舎で、都の定数が標準法の定数に達していない場合があるということであります。全体で見れば、実員は標準法の定数に達しているということでありますけれども、やはり個々の寄宿舎ごとに標準法の定数を確保していくことが望ましいと考えます。
 そこで質問です。
 国は、来年度から特別支援学校設置基準を施行することになっておりますから、それが都の配置の算定方法の改善を図るいいタイミングになるのではないかと思います。我が会派は、昨年末の予算要望におきましても、寄宿舎指導員の標準法定数を確保するよう要望したところであります。
 今後の対応につきまして、都教育委員会の見解を求めます。

○吉村人事部長 令和五年四月一日から特別支援学校設置基準が施行されることも踏まえまして、標準法定数を確保するよう、来年度から算定方法の見直しを行う予定でございます。

○大松委員 最後に、重度重複障害のある児童生徒への対応について質問をいたします。
 寄宿舎運営で最も大事なことは、安心・安全をきちっと確保していくことでございます。
 その中で、寄宿舎には、重度重複障害など、特に手厚い支援を必要とする児童生徒さんもいらっしゃいます。
 例えば、夜間に起き出して暗い室内を歩き回るということなどもありまして、就寝時間においても児童生徒の安全管理を万全にしていく必要があると聞いております。
 こうした児童生徒の皆さんの寄宿舎における生活について、より高い安心・安全を確保する観点からの取組が必要になってくると思います。
 この点につきまして、東京都教育委員会の取組につきまして伺います。

○落合特別支援教育推進担当部長 現在、寄宿舎では、寄宿舎指導員が、仮眠を伴う宿直勤務により、夜間の児童生徒の安全管理を担ってございます。
 来年度は、特に就寝時間の見守りが必要な児童生徒の安心・安全を高めるため、布団の下に設置したセンサーで児童生徒の呼吸や脈拍、睡眠状態等を感知し、寝床を離れた場合などには寄宿舎指導員に端末にアラートを出す見守りシステムをモデル事業として導入いたします。

○大松委員 今後とも、寄宿舎に入舎する子供たちのために、安全・安心で、そして安定的な運営に取り組んでいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○入江委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時四十二分休憩

   午後六時四分開議

○入江委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたしますが、本日の委員会は、大変、長時間になる見込みとなっております。質疑の重複はできるだけ避け、理事者の答弁は簡潔明瞭に行っていただくなど、委員会の円滑な運営に改めてご協力いただきますようお願い申し上げます。
 では、発言を願います。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からは、英語スピーキングテストについて伺っていきたいと思います。
 まず、今日、ご報告いただきました採点ミスの問題についてです。
 先ほどご説明をいただきましたが、都教委は、今月七日、スピーキングテストの評価を修正したと発表をしました。八人の解答音声データの一部に、一定の機械音のみが録音され、解答音声が確認できない箇所があることが分かったということで、その受験者については、バックアップの解答音声データにより採点をし直したと。その結果、八人がスコアが上昇して、六人がグレード評価が上昇したという内容であります。
 都民や私たちが不備をさんざん指摘したにもかかわらず、テストを強行し、試験当日も、音漏れと試験の公平性、公正性を損なう事態が中学生自身から告発されたのにもかかわらず、トラブルはなかったといい張って、調査も検証もしてこなかった都教委への都民の信頼は、地に落ちているといわなければなりません。
 そして、さらにそれを増長する事態です。
 まず、公表の仕方です。
 都立高校入試の第一次募集の願書受付は、まさに七日が締切りで、十三日に取下げ、十四日に再提出できるといいますが、受検生の精神的負担は計り知れません。八人の修正になったという当事者だけでなく、受検生全員が精神的な負担を被ったと私は考えます。入試での採点が、まさにミスだといわなければなりません。
 これだけ大きな問題が起きたのに、私たちが知ったのは報道でした。都教育委員会が記者会見もしていないのに報道されて、私たちが説明を受けたのは、その後です。
 ペーパーが配布され、課長が報告に来られたわけですが、その後、記者会見はされたでしょうか。
 これほどの大問題ですから、会見を開いて、都民に謝罪、説明をすべきですが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 発表の日には、各社に報道から声をかけ、一堂に集まっていただき、オンラインでしたけれども、そこで報告、そして質疑を行ったという状況でございます。

○とや委員 きちんとオープンでやった方がいいですよ。フリーの皆さんなんかは入れないじゃないですか。だから、一部の報道にしかならないんですよ。
 改めてやるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 当日の記者会見を行いまして、その後、マスメディアの方々からのご質問を受け、電話等々でも受け、そちらで、できるだけ詳しく丁寧にご説明を申し上げてきたところでございまして、改めての設定というのは、今のところ考えてございません。

○とや委員 NHKが最初に報道して、それを私たちが知ったわけです。その際、記者会見も何もしていません。ですから、改めてやるべきだと申し上げております。これも強く要求しておきます。
 この問題について、専門家の皆さんに私たちもお話を伺ってきました。この種のテストは、音声が落ちるなど、いろいろなリスクを伴うのは当たり前だといっています。採点の際に、無言だったり、音が出なかったり、あるいは、機械音があれば別のバックアップを確認するよう採点システムを構築しておくのが当然で、なぜ採点者が気がつかなかったのか、普通はあり得ないと、専門家の皆さんから声が届いています。
 通常、こうした採点では、採点者は、一人の生徒のパートワンからパートフォー、一から四まで解答全てを採点するのではなくて、一問だけ採点をする。ある特定の一問を、次の生徒、次の生徒というふうに採点していくと聞いています。そうですよね。
 すると、解答音声データの一部に、一定の機械音のみが録音されて、解答音声が確認できない箇所があるというのは、ある生徒のパート一から四までのどこかの解答音声が確認できなかったのか、それとも、ある生徒のある特定の一問の十秒なら十秒の解答の時間の中の一部が確認できなかったのか、どちらか、お答えいただけますか。

○瀧沢指導推進担当部長 ご質問の趣旨は、一人の音声の中で、問題にまたがる部分があるのか、それとも、一つの問題の中にとどまっていたのかという趣旨かというふうに思いますけれども、どちらも起こり得ることでございまして、それぞれ全ての解答部分については確認をしたということでございまして、今回の八人については、その部分が含まれているものについて、全ての部分を評価し直したということでございます。

○とや委員 ということは、ある一人の生徒のパート一から四までのどこかの解答音声が確認できない場合と、あるいは、ある生徒のある特定の一問の中の十秒、そういうパターンがいろいろあったという理解でいいんですね。違いますか。

○瀧沢指導推進担当部長 すみません、質問を確認させていただくのですけれども、それぞれパートがあって、それぞれの設問があるんですけれども、それぞれ分けていったときの細かな時間の中で収まっていたのか、それとも複数にまたがっていたのかという趣旨かと思いますけれども、複数にまたがっているものもあったということであります。

○とや委員 分かりました。両方あったということです。
 採点者について伺いたいのですが、採点は複数の採点者で行っていると、この間、聞いてきましたが、録音がおかしいことに、二人と聞いていますからね、二人とも気がつかなかったのでしょうか。
 そこら辺をお聞かせください。

○瀧沢指導推進担当部長 これまでのご説明と重複するところでございますが、理事からご指摘があったように、複数で、もともと採点はしています。
 ただ、機械トラブルにより全く無音の状態であるという場合には、もともと、そのバックアップデータの確認をするというルールの下で採点を行っていたわけなんですけれども、今回は、録音自体はされている、ただ、一定期間の機械音であるということから、それが機械によるトラブルなのか、それとも、録音されているので、解答しないで無解答の状態だったのかということの判別が非常に難しいケースであったということで、採点委員自体は、ルールに、採点の基準にのっとって採点をしているわけですけれども、どちらも同じ採点基準に従って採点をしているので、どちらも今回のような事象というものを見つけるというプロセスになっていなかったということであります。

○とや委員 気がつかなかったかどうかということをお聞きしたのですけれども、普通、ベネッセで、フィリピンで非常に優秀な方がやっていらっしゃるわけですから、機械音だったら、もうすぐに気がつくんじゃないかなと思うわけです。
 フィリピンの採点の優秀者の下で採点するとしたはずが、このようなミスで生徒を傷つけたということは、いろいろいいますけれども、許されることではありません。
 万全を期すため、再確認した結果、一定の機械音のみが録音され、解答音声が確認できない箇所があることが判明というご説明がありました。私は、これはおかしいと思います。本来、フィリピンでの最初の段階で指摘されるべきなんですよ。
 今もいいましたけれども、再確認の結果、判明したのはなぜなのでしょうか。八人の解答音声について、初めに生徒に渡された得点は、フィリピンで適当に採点していたのかといわざるを得ないという声も上がっております。
 いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、採点者による採点自体は、採点基準に基づいて、それぞれ同じ基準で全員が行われたということでございます。
 ただ、今回のように、完全な無録音でもなく、そして、音声は録音されているんだけれども、声として入っていないというケースというものを、解答の想定としていなかった、事態として設定していなかったということで行われたということで、採点の不備ということではなく、もともと、発生したものは機器の不具合だろうというふうに今考えておりますけれども、それにより採点の俎上にのらなかったというふうに今のところは考えております。
 いずれにしても、今後も、さらに状況を把握しまして、再発防止にしっかりと努めていきたいというふうに考えています。

○とや委員 採点の不備ではなくて機械の不備だとおっしゃいましたけれども、機械音が聞こえれば、どうなっているのか、ちょっとおかしいんじゃないかというふうなことが分かるはずです。ですから、やっぱり普通は、その場で聞き直すとか、バックアップデータを確認するとかすれば、解答が返ってから、こうしたことにはならないというふうにいわなければならないと思います。
 フィリピンでの採点者は、私が聞いてきたのは、今もいいましたが、二名プラス一名の三名と聞いています。都教委は、いろいろいい訳をおっしゃっていましたけれども、普通の採点者が報告システムがなかったからといって許されるものではないというふうに思います。
 そこで、ちょっとお聞きしておきたいのですが、少なくとも本人と保護者に録音内容をすぐに開示すべきですが、これは、間違った方々にも、録音の音声は公開をされたのでしょうか。
 そこを、まず伺いたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 今回、音声は開示しておりません。

○とや委員 本当に自分の声だったのかどうかも含めて、本来であれば、修正された本人に、私は録音の音声をきちんと聞いてもらうべきだと思います。保護者についても、聞いてもらうべきだと思います。これは、今からでもいいですから、やっていただきたいと思います。
 それから、録音の仕組みについてお聞きしておきたいと思うんですが、音声は、二種類、タブレットに記録されていて、一つはヘッドセットのマイクからのもので、もう一つはタブレットの内蔵マイクからのものだというふうに聞きました。
 どういうタブレットであれば二重録音が可能なのか、ちょっとその仕組みが分からないので教えていただきたいのですが、ヘッドセットのマイクと内蔵マイクの二つから同時に録音するような設定は、どうすれば可能なのか、その方法も含めて教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 ご質問の内容は、技術的にどういうふうに可能なのかという趣旨だとすると、録音する音声が入る入り口が二つあって、それを機械の中のメモリー部分に録音しておくということに尽きるというふうに思います。

○とや委員 そうすると、タブレットが直接に生徒の音を取るから、生徒が持っている位置によってタブレットの音は変わってきますよね。それはそのとおりだと思います。ちょっと後で確認させてください。
 それから、バックアップの解答音声データですけれども、これはタブレットに残っていたものだと思うんですけれども、試験が終わって再確認をした音声は、バックアップデータを確認したということでよろしいでしょうか。全員に。

○瀧沢指導推進担当部長 採点をするのはマイクで録音された音声ですので、基本的に、七万一千人については、そちらで採点を完了しているわけです。そちらを点検した中で、今回の事象が一部に発見されたというところで、バックアップデータとの突合を行っています。
 ただ、もちろん八人だけではなくて、得点が、例えば零点であるとか、そういうものについて、可能性があるかもしれませんので、そこの確認については、もともとマイクで録音されていたもの全てについて、必要に応じてバックアップデータと突合したということであります。

○とや委員 その音声ですけれども、都教育委員会は、実際に音声を−−説明では、ベネッセと都教委と一緒に音声を聞いたというふうに聞きました。これは、そういうことなのでしょうか。
 聞いたのであれば、本当に採点可能な音だったのか、確認したのかどうか、お聞かせください。

○瀧沢指導推進担当部長 採点につきましては、これまでも都教育委員会が確認するという作業で行ってきておりますので、それと同じ考え方の下、今回も行っております。

○とや委員 確認についてはって、私、確認のことは初めて聞いたのですけれども、都教育委員会の職員が、ベネッセの委託先の採点者と一緒に、今回は再確認をしたということでよろしいのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 一緒に採点をするということは、通常でもあまり行われないことですので……(とや委員「採点じゃない。再確認」と呼ぶ)同時に、再確認を行ったということも、あまり一般的には行われないことだと思うんです。
 ですので、その状態等々についてを確認したということであります。

○とや委員 ご報告の中で、生徒の採点ミスがないかどうかの再確認を都教委とベネッセがやったというふうに聞いたのですけれども、それはどうなのかと聞いたんです。
 通常の採点についてはベネッセがやっている、ベネッセの委託のフィリピンでの採点となるわけですけれども、今回の再確認は、都教委の職員も一緒にやったのかどうかを聞いています。

○瀧沢指導推進担当部長 七万一千人掛ける多数の問題があるわけですので、それを、都の職員も全て一緒に確認したということではありません。

○とや委員 では、一部を確認したというふうに理解します。
 それから、ほかに同様の事例はないと、説明の中で記載されています。
 点検した期間が非常に短いというふうに考えますが、点検期間はいつからいつまでなのか、ほかに同様の事例はないという根拠についてお聞かせください。

○瀧沢指導推進担当部長 作業自体は、一月二十七日から始めているというふうに報告を受けています。
 ただ、その後、二月二日の日に、都教委にそういう音声があるということの報告があったわけですけれども、そこから我々の方でも確認を徹底して、全員分、急いでやるようにということでお互いに確認をして、完了したのが二月五日の日曜日であります。

○とや委員 すごい短期間で、七万人からの子供たちの再確認を行っているわけですよね。本当に全ての音声を確認したのかどうか、その体制は明らかにしていただいていないので、疑いが残ると思います。だから、ほかに同様の事例がないのはなぜなのか、その根拠を聞いているんです。
 その根拠についてお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 全てのデータを点検し確認したということを、我々も報告を受け、確認しております。

○とや委員 短期間ですから、一日七千人規模で点検をしなければならないわけです、生徒の音声をですね。もしそれをいうのであれば、どういう体制でやったのかということをきちんとお答えいただきたいと思います。私が聞いても、一切答えていただけませんから。
 それから、疑問としてもう一つあるのが、なぜ今、再確認を行ったかということです。そもそも、音声データを再確認することは、あり得ないと思います。そのために、複数の採点者が万全を期して採点に当たっているはずです。
 協定に再確認することは記載されているのでしょうか。ベネッセの業務の一つなのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 採点を事業者が行うということになっているわけですので、当然、それも今回の一環であるというふうに考えます。
 再点検については、一月二十六日、これが、実は、追試験の日に受験した生徒のスコアレポートを返す日であります。その作業もしながら、同時に、並行して様々な作業をしてきたわけですが、それが二十六日で終了したということも横にありながら、入試も迫っていますし、ミスがあるという前提に立って、改めて万全の体制を期すというために行ったということであります。

○とや委員 実施計画にも協定書にも、そのようなことは書いてありませんでした。
 こうした場合、今回、大変な作業になると思いますけれども、ベネッセとは再度契約をするのでしょうか。そのための予算はどうなっているのでしょうか。
 教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 今回の再点検については、協定に基づいて、お互いに合意の下、実施をしています。まずは、一刻も早く再点検の作業を行うということを優先して行ってきました。
 その予算のこととか、そういうことだと思いますけれども、それも、協定に基づいて、この後、決定していくということになると思います。

○とや委員 予算は新たに発生するのかどうか、お答えいただけますか。経費は新たに発生するのかどうか、教えてもらえますか。

○瀧沢指導推進担当部長 作業の経費自体は、間違いなくかかっているということだと思いますけれども、それをどのように負担するかということについていえば、協定に基づいて決めるということですが、今の時点で、事業者と何かしらの文書等々を取り交わすとか、そういうことを行ったわけではないので、改めて、リーガル等々も含めて、協定に基づいて確定していくという趣旨のことをお話をしております。

○とや委員 ということは、新たに予算が発生するということですね。ですから、今まで想定していなかった、これまで決めていた金額以上のものがかかるということが確認できました。
 それから、今回のような採点ミスが出た場合のスキームですね、どういうふうな手続があるのか、確認させていただきたいのですが。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど、とや理事が私の答弁の後にお話ししましたが、新たに都の負担が発生するという趣旨のことをお話ししたわけではないですので、そこについては……(とや委員「じゃ、かからないの」と呼ぶ)そこについては、改めてお話をさせていただきます。
 手続についてというのは、それは何か契約とか文書とか、そういうことを指しているのかとも思いますけれども、今のところ、これは採点業務を行う責任といいますか、業務は事業者が行うということになっているので、その範囲の中で実施しているということで、ここまで行っているということであります。

○とや委員 ちゃんと確認したいんです。予算が発生するかどうか、これから決めるということですか。
 もう一回、確認させてください。

○瀧沢指導推進担当部長 東京都の新たな追加予算が必要なのかどうかという趣旨についてのお話だと思いますけれども、そこについて、何かしら、今のところで決まっているということではありませんが、今後、協定に基づいて実施をしていくということになるというお話をしております。

○とや委員 今は決まっていないけれども、新たな作業が生じたから、これから話合いをすると。ですから、場合によっては予算が発生するということですよね。分かりました。
 それから、今回は、データの再確認をして、その結果、修正が生じたということですけれども、これは誰の責任で音声データの修正を行ったのでしょうか。
 民間のテストを使って、それが都立高校入試に使われる、既に子供たちは願書も提出している。
 そういう中で、あ、間違えましたといって、勝手にもう修正しましたということになっているわけですけれども、この責任は、誰の責任で修正をしたのですか。

○瀧沢指導推進担当部長 修正を行ったことについてという趣旨で考えれば、この事業は東京都の事業なわけですから、修正するその責任は、一義的に都教委にあるということになると思います。

○とや委員 いや、普通の都立高校の入試だって、先ほども桐山さんから意見がありましたけれども、そんな勝手に、あ、点検したら間違っていました、修正しましたといって、それで済まされる問題じゃないと思うんですよね。これは誰が責任を取るのでしょうか、この場合。
 修正をしましたよね。この間、都立高校の合否判定に間違いがあったことも何度もありました。そして、何度もミスが指摘されてきました。そのときに、当該校の校長先生が処分されたりしてきています。
 今回は、どなたが責任を取るんですか。

○瀧沢指導推進担当部長 今のご質問の中で、何についてのどの部分をということが、かなり曖昧なご質問だと理解しますので、今ここで答弁するのは控えさせていただきたいと思います。

○とや委員 データが間違っていた、採点にミスがあったと。その場合、どういう手続で、誰の責任でデータを修正したのかということを聞きました。そして、最終的に誰が責任を取るんですかと聞いたんです。データの修正をしたことです。間違えたことです。
 子供たちが十一月二十七日、それから十二月十八日にテストをやって、間違えてしまった、点数を修正しなければならなくなった。
 この責任は、どなたが取るんですか。

○瀧沢指導推進担当部長 誰がというお話ではありましたけれども、重ねての答弁になりますけれども、この事業自体は都教育委員会が実施しているものですので、都教育委員会の組織として、今回の事態を招いているという意味での責任があるということになるかと思います。

○とや委員 高校入試の場合は、採点ミスがあったり、合否判定に間違いがあった場合は、当該校の校長先生が処分されています。
 そういう手続を取るんですか、都教委として。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、都教育委員会が事業主体として行っているものですので、都教育委員会に責任があるということだと思います。
 ただ、今、ほかの事例をお話をされましたけれども、それは服務に関することになりますので、それは、通常でもきちんとした手続等々を経て行われるものですので、今ここでお答えするということは控えたいと思います。

○とや委員 入試に使うテストにおいて間違ったと。この事象においては、都立高校の普通の学力テストの入試の問題を間違えたり、合否判定に影響が出たということと同じです。
 だけれども、今回は、英語スピーキングテスト、ESAT-Jでベネッセが行っているテストだから、事業主体は東京都だけれども、全体の責任があるから、都立高校入試ということと同じようなスキームでは考えられないということですか。
 結局、誰も責任を取らないということですか。そこをちょっと、はっきりさせてほしいのですけれども。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、都教育委員会としてスピーキングテストを実施しておりますので、今回の事態に関する実施責任は都教育委員会にあるというふうに考えております。

○とや委員 では、具体的にどういう責任を取るのかということをきちんと考えるべきだと私は思います。このままだと、謝って終わり、ごめんなさいといって終わりです。それでいいのかということですよ。
 既に出願を済ませている生徒、学校がほとんどです。採点ミスにより、スコア、グレードが修正された生徒だけでなく、全ての生徒にとって、ESAT-J結果への不安、疑念が拭えない状況をつくり出しているわけです。
 受検生にとって大きな負担だというふうに思いますか。八人だけじゃない、それ以外の生徒たちにも大きな負担がかかっている、そういうふうに思われていますか。
 浜教育長、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 今回の事態につきまして、中学生あるいは保護者、それから学校の関係者等々の多くの方々にご心配、不安をかけたということについては、都教育委員会として、非常に、大変申し訳ないというふうに考えております。改めて深くおわびを申し上げたいというふうに考えております。

○とや委員 瀧沢部長が謝って済む問題ではありません。私は、こういった、本当に重大なミスが起きた、八人も採点ミスが出たということであれば、このシステムは使えないというふうにいわなければならないです。それなのに、まだやろうとしている。おかしいんじゃないでしょうか。
 このシステムは、もう使えないんじゃないですか、これだけ不備があったら。
 いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 今回のような機械を使った英語の四技能の試験というのは、これまでも、長い間、あるいは世界中で何百万人も行われているものです。その知見等々も踏まえた上で実施をしてきたものであります。
 ただ、共通していえるのは、機械を使うことであっても、あるいは、ほかの人間がやる作業であったとしても、万全な体制を取ってミスがないように行われていくということと、併せて、ミスが起こり得るという前提の下で、そのときにどのようにバックアップ体制を取って進めていくかということを両方やっていくということであって、ミスの可能性がゼロではないからやめてしまうという議論ではないというふうに思います。

○とや委員 私が、三月、五月かな、何かあったときにどうするんですかという質問をしました。フィリピンで採点するわけだからといいました。そのとき、瀧沢部長は、何かないようにするんだ、何もないようにするんだと、そういうふうにおっしゃっていて、何か起きたときのことは何もおっしゃらなかった。
 結局、今回、これだけのミスが起きて、受検生に大変な負担を与えたことに対しても、謝罪して終わりです。
 だから、もうやめるしかないというふうにいわなければならないと思っています。
 まだ入試に使えないという材料はたくさんあります。次に、試験の当日の公平性、公正性について伺います。
 十一月二十七日の試験当日の実施状況について、私も参加する都議会の中学校英語スピーキングテストの都立学校の入学者選抜への活用を中止するための都議会議員連盟があります。及び三つの都民団体はアンケートを行って、一週間で四百七十八件もの回答がありました。六割、二百六十八件が中学三年生、三割、百五十五件が保護者、試験監督は二十五人、中学校教員や塾講師などからも回答をいただきました。
 会場名は任意記入ですけれども、記入があっただけでも、百九十七会場中、百二十五の試験会場から生々しい声、試験が公平、公正とはいえなかった事例が寄せられています。
 私たち、都議団としては、四定の代表質問で、これらの声や事例を示して都教育委員会の見解をただしました。浜教育長の答弁は、テストは適切に実施されたというものでした。中学生の声を何だと思っているのかと、私は怒りを持って聞きました。今日は、この点について伺っていきたいと思います。
 同じ教室内での音漏れについて、先ほど看過できない答弁がありました。
 同じ教室で三十人が一斉に回答しますから、イヤーマフをつけても、前後左右の人の声ははっきり聞き取れたと。声が丸聞こえ、ほかの人の答えが分かってしまっていたなど、防音具のイヤーマフ越しに、ほかの受験者が解答する声が聞こえたという事例が、七十八会場から百六十六件も寄せられました。
 その中には、テスト開始のボタンを遅れて押したり、出題音声のボリュームを下げたりすることでカンニングができてしまうという証言もあったわけです。
 録音確認の際に、周りの生徒の声が録音されていたという証言は、三十五会場から五十五件もありました。
 きちんと採点されるのか心配になったという声もありました。これが本当になったんですよね、今回。
 そして、前半組と後半組の情報漏れがあったと。前半組、後半組に分かれて同じ問題が行われたのですが、隣の教室で待機する後半組に聞こえてきた、それを聞いて問題を予測することができたと。前半組、後半組がトイレで会うことができたなどの声も、四十六会場から九十二件も寄せられています。
 これらの指摘に対して、浜教育長は、多くの受験生が一斉に発語している中で、特定の解答を聞き分けてそれをまねることや、他の生徒の声を聞くために、タブレットからの出題音声の音量を下げて自分の出題を聞こえなくすることが現実的とは考えられないとご答弁されました。
 どうして現実的とは考えられないと断言できるのでしょうか。子供たちが聞き取れたといっているのに、うそだというのかと、私、本当に思います。
 いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど来申し上げておりますけれども、テストは、イヤホンを装着した上にイヤーマフをつけることで、物理的に外音を遮断するとともに、ホワイトノイズと呼ばれる音を流すことで、周囲の音声を聞こえなくする処理を行っております。
 これらによりまして、周りの会話は聞こえたとしても、聞き分けて解答することはできないということは検証をしているところでございます。
 また、都教育委員会は、テストの終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告によりまして、音声が聞こえたとしても、発言内容を聞き分けることはできず、解答に影響を与えるようなことはなかったというふうに、これまで検証してきたことと同じでございますが、それを確認はしています。
 また、区市町村教育委員会に対して状況を聴取いたしましたが、その中でも、解答に影響を与えるような事例の報告というのは中学校から受けていないということを確認しておりまして、テストは適切に実施されたというふうに判断をしております。

○とや委員 試験を受けた子供たち自身が聞こえたといっているんですよ。それを、どうして影響がないといえるんでしょうね。
 保護者の会が、十二月の記者会見で証言ビデオを公開しています。
 そこで体験を語ってくれた中学生が、絵を見て、レストランは建物の何階かを考える問題で、横の子がスタートボタンをかなり遅らせて押していたわけです。みんながツーと答えたのを聞いた後、セカンドと答えていて、周りが、おおっとなったということがあったわけです。スタートボタンを遅らせて押せば、みんなの答えを確認してから答えられて、ずるいと思ったということを話してくれています。
 文字起こしも配布されていましたから、都教委の皆さんもご覧になっていると思います。
 この証言は、非常に具体的で信憑性があります。周りの声が聞こえていた、周りの解答を聞いてから答えることができたことは明らかだと思います。
 いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、耳の中に入れ込むような形でのカナル型のイヤホンを使い、かつ、その上にイヤーマフをつける、そしてホワイトノイズをつけるというような何重にもわたる対策を行って実施しています。
 その下で検証を行っておりまして、周りの会話を−−声が聞こえたと。スピーキングテストなわけですから、音は出るわけですけれども、周りの会話というものを聞き分けて解答するということはできないということを検証してきたということでございます。

○とや委員 瀧沢部長がいっている検証というのは、随分前のことで、それは、正常に行われる状態でイヤーマフ越しに音が聞こえるかどうかを確かめているんですよ。
 子供たちが、セカンドと答えて、周りが、おおっとなったといっているわけですから、イヤーマフ越しに聞こえているんじゃないですか。
 しかも、生徒たちは、イヤーマフを最初に装着したときに、ずれていたり、外れていたり、あまりうまくつけられなくても、触っちゃいけないといわれたんです。だから、ずれていた可能性だってあるじゃないですか。
 そういうことも検証もせずに、何もなかったというのはおかしいでしょう。
 聞こえていたんじゃないですか。いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、何重にもわたるそういう対策を行っていまして、そのために、周りの声を聞いて、それで答えるということはできないということを検証しておりまして、当日もそうであったというふうに考えております。

○とや委員 検証したことは知っています。実験したのも、ちゃんと見ています。最適な環境でイヤーマフを頭にフィットしてつけられていれば聞こえないかもしれませんよ。
 だけど、実際は、今いったように、イヤーマフが合わなかったり、生徒が必ず同時に話すとは限らないわけです。
 一クラスに三十人も詰め込まれて、隣の席が近い−−さっき、遠いといいましたけれども、近いですよ−−などの状況がありました。機器の使い方の説明も、不慣れな試験監督がしている状況があったわけです。それで子供たちは聞き取れたといっているんです。
 この問題は、今いったセカンドの問題は、解答時間十秒で一つの単語を答えればいいわけです。まねることは不可能だといえないんじゃないですか。

○瀧沢指導推進担当部長 短い解答の問題があったことは事実ですけれども、それが実際に行われたと、その可能性をいっている人がいるというだけであって、これはあくまでも、声が聞こえたということを話しているということだと思います。
 ですから、それを、意図的に何か時間を遅らせて、それで解答するような、そういうようなことというのが起こったとは考えにくいというふうにお答えを繰り返ししております。

○とや委員 意図的じゃなくて、実際にはイヤーマフが合わなかったり、初めての子なんて、分からないじゃないですか。一度はめて、もう絶対に触っちゃいけないんだよといわれたら、触らないでしょう。片方しかつけられなかったという子もいましたよ。そういう子は聞こえるでしょう。しかも、その単語が少なければ、これはもうできるでしょう。
 今は、何か、意図的にという言葉を使いましたよね。中学生がうそをついているというふうに思っていらっしゃるんですか、本当に。
 教えてもらえますか。

○瀧沢指導推進担当部長 意図的に何か、ほかの人の声を聞いて、そのためにということをいっているわけではなくて、そういうことが、あの環境の下で行われる可能性というのは考えにくいということを繰り返しお話ししてきたわけで、考えているのは、そういう可能性があるということをあまりに強調することによって、七万一千人の受験者たちは頑張ってやってきているわけですから、そういうことに対して、何かそういうことが実際に行われたかのような、そういう印象を与えるようなことがあってはならないというふうに思います。
 ですから、我々は、確実に、確証が持てる状況として、そういう報告があったかどうかということを、それぞれ報告を正式に上げてもらって、そういうことはなかったということを確認しているということでお話をしているわけですので、そのようにご理解いただきたいと思います。

○とや委員 勇気を振り絞って告発した子供の証言よりも、自分たちの都合を優先する。教育委員会の態度とは思えないです。
 こうした証言一つ取っても、このテストは、とても入試には使えないということが明らかと思います。
 さらに、浜教育長は、事業者及び配置した都の職員からの報告により、受験教室内では、また待機教室等では、音声は聞こえても発言内容を聞き分けることはできず、解答に影響を与えることはなかったことを確認していると答弁しています。
 私は、この答弁にはかなり驚きました。事業者や都職員に、そのようなことが分かるのでしょうか。
 まず、都の職員です。
 これは、試験直前になって募集、動員した六百七十人の都教委の職員ですよね。
 この都の職員は、試験の最中に、試験が行われている部屋にいたのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 職員にも役割がありますので、全ての職員ではありませんが、会場の中には、必ず誰かは入っております。

○とや委員 私たちは、複数の試験監督などから、都の職員は、試験中、都職員の控室で、子供たちから預かった携帯電話の管理をしていたというふうに聞いています。それが職務だったと思います。ですから、試験の教室にはいなかったということを確認しています。
 試験中の教室にいないのに、音が聞こえても発言内容を聞き分けることができないということが、どうして分かるのでしょうか。
 教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 携帯電話の回収を、ずっとそれだけを行っていたわけではありませんので、会場の教室の中に入って、その状況を確認するということも行っているということであります。

○とや委員 では、試験中の教室にいた人もいると。
 何人いるんですか。そういうふうな配置をした人は何人いるんですか。どこの会場にいたのでしょうか。その職員は、イヤーマフをして確認をしたのでしょうか。
 教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 通告の内容としてお伺いしていませんので、具体的な数字をお答えすることはできません。

○とや委員 具体的な数字はお答えしていただけないと。では、後で結構ですから、教えてください。
 試験中の教室にいなかったことは明らかです。その都職員の報告から、音声は聞こえても発言内容を聞き分けることはできないことや、ましてや解答に影響を与えることはなかったことなど、確認できるはずがありません。
 浜教育長に伺います。あまりにもいいかげんな答弁ではないでしょうか。
 いかがですか、浜教育長。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になり、大変恐縮ですけれども、都職員、派遣している職員が状況については確認をしており、そのようなトラブルはなかった、事例はなかったということを確認しております。

○とや委員 でき得ないことを本会議場で答弁してまで取り繕って、適切に実施されたといい張り、これが子供たちのお手本となるべく教育委員会の態度とは、とても思えません。
 事業者からの報告も同じです。事業者の試験監督は、試験中の教室にはいたかもしれませんが、イヤーマフをして生徒の隣に座って、音声は聞こえても発言内容は聞こえなかったなどと確認したわけではないんです。これは監督の皆さんから聞いています。
 音漏れの状況が分かるのは、実際に試験を受けた中学生だけです。どうしてその中学生の声や証言を重く受け止めないで、事実を知りようもない事業者や都職員からの報告で確認したというのか、本当に情けないといわざるを得ません。
 それから、浜教育長は、区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないことを確認していると。今、瀧沢部長もご答弁になりました。
 まず聞きますが、テスト当日の実施状況について学校から報告を求めていると思いますが、どのような内容を求めていたのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 実施した会場からの状況については、事業者が確認を、全ての教室、会場について報告をし、当日、都教育委員会の内部に設置をしました本部においてシステムで確認をしております。

○とや委員 事業者からの報告というのは試験監督からの報告だと思いますが、求められた報告は、人数とか、欠席者とか、出席者以外では、機器のトラブルとか、それから教室を移動した子ですか、そのくらいのことで、それ以外のことの報告は求められていないというふうに聞いています。
 唯一あった報告書を、私も用紙をいただきました。受験の報告完了日、教育委員会名、確認者の名前、中学校ごとの受験人数と欠席人数を記入するだけのものでした。これでは、トラブルがあったかどうかなんて分かるはずがありません。
 四定の代表質問の再質問で、曽根はじめ都議がそのことを指摘しましたら、浜教育長は、中学校は、スピーキングテストの実施状況に限らず、課題があると認識した場合は、いつでも区市町村教育委員会にその内容を伝え、区市町村教育委員会から都教育委員会に報告が上がる仕組みがあり、トラブルがあれば報告が上がるはずだが、上がってこないから適切に実施されたと認識していると、このように答弁をされました。
 そこで、私たちは、そんな仕組みがあるのであれば、文書での取決めや根拠法令があったりするのだから、それをいただきたいと申し上げてきましたが、今日に至るまでいただけていません。
 どんな根拠法令に基づくどんな仕組みなのか、文書での取決めなどがあるのか、この場ではっきりお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 通知などを発出したりすることによって根拠を示すことで情報共有するという仕組みのものもありますが、中学校と区市町村教育委員会、それから区市町村教育委員会と都教育委員会、この中には、日々、毎日の様々な教育活動が行われていく中で、それぞれの情報を共有するという関係を構築しているわけです。様々なことが毎日起こるわけですから、そういう関係を構築して、相互に連携をしながら教育活動を行っている。
 ですから、今、理事もお話をしたように、何か問題等々が起これば、それが共有されるという仕組みになっているというふうに答弁をしたというところであります。

○とや委員 今、通知を発出する場合もあるとおっしゃいましたけれども、通知は今でも来ていませんから。あるんだったら、すぐに持ってきていただきたいと思います。
 都教委と区市町村の教育委員会は、上下関係でもなくて対等な関係です。それぞれ独立した機関ですから、頼みもしない事項や課題の報告がどんどん上がってくる仕組みなど、あるはずがありません。ないから、私たちが説明や資料を求めても、持ってこられないんじゃないでしょうか。
 入試に使う、公平、公正さが最も求められる試験なのに、いいかげんな答弁で切り抜けようという姿勢が、まず、私は教育委員会としておかしいといわざるを得ません。
 一方で、そうはいっても、ESAT-Jは都教委の事業で、入試に使われる予定のものですから、子供たちのことを心配した区市町村教育委員会や中学校から情報がもたらされていると思います。
 その中に、公平、公正さに関わる情報もあるのではないでしょうか。伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 区市町村教育委員会と都教育委員会は対等の立場という表現をされました。それはそのとおりでありまして、だからこそ、情報を緊密に共有をして、連携して仕事をしていこうということであります。
 今ご指摘のような、そういう報告あるいは情報共有というのは、私どものところには来ておりません。

○とや委員 子どもと教育を守る東京連絡会が、昨年末、中学校の先生百九十九人に行ったアンケートの結果を届けてくれました。それによれば、六割の先生が、試験当日のトラブルや困ったことなどの報告が生徒や保護者からあったと回答しています。
 具体的な内容として、やっぱり隣の人の声が聞こえたとか、前半組の声が聞こえたというものも含まれていました。中には、隣の人のライドという声が聞こえたので、電車に乗るという説明ができたと、ある女子生徒が話していましたというものもありました。
 聞こうとしなくても聞こえてくるわけですから、入試として、もうアウトだと思います。
 アンケートの結果は、東京連絡会が都教委に届けたと聞いていますが、認識しているんですか。
 また、中学校からも、区教委を通じて、こうした内容が都教委に届いているんじゃないでしょうか。足立の教育長が訪ねていると思います。それは認識していますよね。
 そういったことも無視するんですか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 把握していることについては、把握をしている、当然、お話をしています。
 足立区がたずねるの、そのたずねるの意味がちょっとよく分からないので、お答えしようがありません。たずねるというのが、質問するという意味なのか、訪問するという意味なのか、よく分からないので答弁することはできませんが……(とや委員「訪問」と呼ぶ)訪問したということなのであれば、区長……(とや委員「教育長ですよ」と呼ぶ)区の教育長との情報共有は、もちろんしています。

○とや委員 足立の教育長が都の教育委員会を訪問し、英語スピーキングテストについて、懸念の問題についてお話をしたと聞いていますが、お会いしていないんですか。

○瀧沢指導推進担当部長 足立の教育長とお会いをするということは、お会いしています。教育長と、部長級職員ですとか、その他が会うということは、先ほどの連携のお話もそうですけれども、通常行われることであります。
 その中で、ESAT-Jのちょうど実施が行われた後なので、様々な報道もある中で、子供たちに不安が生じないように、必要な改善にぜひ今後取り組んでいただきたいという趣旨のお話はいただいております。

○とや委員 あるんじゃないですか。少なくとも、こうした形で生徒の声を聞いているわけです。
 子どもと教育を守る東京連絡会のアンケートには、試験当日だけでなく、事前も事後も、ESAT-Jが学校や子供たちにとってどれだけ負担だったか、手続などに関わる不誠実な対応にどれだけ振り回されたかが詳細に記されているわけです。
 区市町村を通じて中学校から聞いているというのであれば−−中学校じゃないですね、もう教育長じきじきに来ているわけですからね。こうした状況をきちんと確認すべきです。
 当事者である中学三年生や保護者、現場にいた試験監督、子供から話を聞いた中学校の先生など、それも一人や二人ではなく、たくさんの当事者や関係者が、ESAT-Jは公平性、公正性に問題があると告発をしているんです。生徒にしか分からない音漏れの状況について、生徒の声を聞かず、事実を知りようがない事業者や都職員などの報告を基に、解答に影響を与えることはなかったなどというのは、もう論外です。
 子供たちがカンニングしたかどうかより、カンニングができる環境になっていたということ自体が大問題で、アウトだと思うんです。
 こうしたテストの結果を入試に使うことはできないと、改めて強く申し上げたいと思います。
 監督からの声もたくさん届いています。
 試験当日の環境は、もう本当に、生徒にとって最適な環境を用意してきたとはいえません。通常の都立高校の学力テストではあり得ないことが起きていたのではないでしょうか。
 アンケートには、保護者のほかに、監督からのものもたくさんあって、先ほど申し上げましたが、その方々に聞きますと、ほぼ全員がアルバイトだったと聞きました。ほかに責任者、副責任者は、関連会社の社員だったそうです。
 では、この仕事を受けた、この事業をやったベネッセの社員は試験会場にいたのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 試験当日の運営については、協定に基づき事業者が適正に行うということになっております。

○とや委員 ベネッセの社員はいなかったと聞いています。監督、副監督にしても、時間に遅れてきたり、マニュアルがあったとしても、そのとおりにできなかったり、もう本当に大変な状況があったという声が寄せられています。
 瀧沢部長は、この監督の募集について、前回質疑したときに、紹介した募集広告について、英語スピーキングテストとは限らないと答弁をしました。
 昨年の十月に大津由紀雄氏らが記者会見で示した募集広告で、その方−−監督さんは募集をしたそうです。それで監督に採用されたそうです。
 記者会見でも指摘されていましたが、まるでパチンコ屋の募集広告のようだとか、一日だけのレア案件だとか、とても高校受験という子供たちの人生を左右するような真剣な環境で働くとは思えないような広告だったということを私も指摘をさせていただきました。それでも瀧沢部長は、その事実を確認しようともしない。非常に不誠実な対応をしました。
 そうやって募集し、集められた監督の皆さんですけれども、試験監督をするには、研修を受けて、内容を理解しているかどうかの確認テストが必要です。ある派遣会社では、テストの解答を事前に配布するそうです。だから、落ちる人がいないといっていました。
 都教委は、このような募集と研修の状況をご存じですか。

○瀧沢指導推進担当部長 研修の内容については把握をしておりますが、どのような内容であったかは、監督員に応募した人がその内容についてお話をするということは、守秘義務がかけられていてお話しできないというふうに把握をしておりますので、その内容の真偽についても、正しいという前提の下で答弁することは差し控えたいと思います。

○とや委員 私は、その内容について聞いたのではありません。内容ではなくて、解答があらかじめ本人に渡される。事前に配布するそうです。だから、落ちる人がいないんだといっていました。
 これはご存じですかと聞いています。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますが、今お話ししたような内容自体が公開されるということはないはずですので、それを基にお話をするということは控えたいというふうにお話をしております。

○とや委員 きちんと把握していないんじゃないでしょうか。あまりにも無責任だと思います。結局、瀧沢部長が、前回、ESAT-Jの募集かどうか分からないといった募集広告は、ESAT-Jのものだったんです。そこも確認すらしていなかったということです。
 研修はウェブ上で受けて、何回も答え直せて、自宅でビデオを見て回答する、正解があるから誰でも受かる、ビデオを見なくても、流しておいて、確認テストになったら解答を見て答えることができるそうです。つまり、誰でも受かる問題だったそうです。
 しかし、その監督の業務の一つに本人確認があるわけですが、生徒の個人情報も慎重に扱わなければならない。そういう仕事なんです。
 それでお聞きしますが、当日の生徒の情報についての管理は厳格にされていたというふうに確認をされていますか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますが、今のお話の前提となっている個人情報の扱い等々について、それが事実であるという前提の下でお話が進みますので、それは、そういう立場に立って回答はできません。
 それから、研修の内容等々については、都教委として確認をしております。

○とや委員 研修の内容について確認をしている、やり方についても確認していると。問題だと思わないのでしょうか。指摘もしていないのでしょうか。
 結局、実施されたから、こういうことになっているんですよ。いろんな、もう本当に、子供たちが、あの会場でどんな思いをしたか。
 生徒の個人情報や生徒の情報についての管理についても、生徒の氏名や顔写真、受験番号が記載された紙も放ってあったと。片づけのときに控室に戻ろうと思ったら、教室に置きっ放しだった。受験番号や氏名、写真、紙が回収されたのかどうか。責任者にも渡したけれども、驚く様子もなくていたと。
 監督も遅れて、責任者が遅れて来たと。
 入試ではあり得ないことが、この当日に起きていました。
 お互いに誰だか分からない、なりすましもできそうだ、模擬試験の方がよっぽど厳格だというふうにおっしゃっていました。
 個人情報が書いてある名簿を紛失し、ほかの人のをコピーして、その場をしのぎ、紛失をした名簿はそのままということもあったそうです。
 都立高校の一般的な学力テストの入試でこんなことが起きたら、大問題になるんじゃないでしょうか。いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますけれども、当日の運営等々について、今いろいろお話しされましたけれども、それが客観的に事実であるという前提の下でのお話は控えたいというふうに思います。

○とや委員 控えたいということなんですね。
 高校受検に活用する試験なわけですよ。子供に事故やトラブルがあれば、責任が問われてくるわけです。試験会場におけるトラブルやミスについても報告をさせていない。先ほど申し上げましたけれども。
 さっきいいましたけれども、タブレットが壊れたときとか、生徒のフライングなどのミスは、当日の発見された監督に報告をさせています。
 ですから、本当に生徒が困ったこと、トラブルが起きたこと、これは想定していないんじゃないかというふうにおっしゃっていました。
 それから、試験監督の、責任者の巡回もほとんどなくて、控室にいたんじゃないかと。
 機材のトラブルと生徒が間違えたときだけ、そのときだけ報告を上げるということになっていました。
 それから、今回問題になった採点ミスに大きく関わるマイクやタブレットなどの機材についてもどうだったかというと、試験で使用する機材は、当日、試験会場に届けられて、本当にぎりぎりで、責任者の指示もマニュアルどおりではなく、試験監督も手探り状態だったとおっしゃっています。
 本当にこれでは、入試と同等の位置づけを持つ試験の監督の仕事とは、とてもいえないんじゃないでしょうか。これでいいと思いますか。
 お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、今お話しされたようなことというのが事実であるということは、確認はできません。
 今、理事がお話しされているだけであって、そのお話をされた方も、どういう立場でどういうふうにいっているのかも分かりません。
 ですから、そのような形で運営が行われたというような、そういう印象が持たれるということはあってはならないというふうに思いますし、非常に人数は多く、手厚い形で、当日はサポートをしています。
 そのような形で運営が行われ、実際に円滑に行われたという報告を受けているわけですから、今、こういう文教委員会の場で、そういうことについてお話をいただくということで、それに対する回答をするというのは適切ではないというふうに考えます。

○とや委員 二一年度の英語スピーキングテストについては、最終報告がベネッセから提出されています。そこには、たくさんのトラブルが記載されていました。
 今回のテストの最終報告書は、いつ出るのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 年度末、三月末までに提出するということになっています。

○とや委員 ベネッセから最終報告書が三月末に出るという理解でよろしいでしょうか。(瀧沢指導推進担当部長「そうです」と呼ぶ)分かりました。ありがとうございます。

○入江委員長 質問は、簡潔に、重複を避けてお願いいたします。

○とや委員 はい、分かりました。
 模擬試験としても、非常にお粗末で、入試ではあり得ない。その会社が、公平に試験を行おうという理念が本当にあるんだろうかというふうにいわざるを得なかったという証言も聞いていますし、それ以外にも、たくさんの声が私たちのところに寄せられています。今度お渡ししますから、読んでみてください。
 この問題はここら辺にしておいて、ここからは、学習指導要領の問題について、設問の問題について伺っていきたいと思います。
 ESAT-Jの問題、これは学習指導要領の問題で、パートAのナンバーツー、聞いている人に意味や内容が分かるように、英文を声に出して読んでくださいという指示がされています。その文中に、ユー メイ ハブ シーン、この単語、構文があります。このメイ ハブ シーンという表現は、学習指導要領に記載された中学校での学習内容を逸脱しています。
 高等学校学習指導要領、これは平成三十年に告示されているものなんですが、その解説の外国語編の英語編の三八ページには、e、助動詞の用法として、中学校で扱う助動詞は、キャンの許可や依頼を表す用法などであると書いてあります。そのほかに、マスト、マスト ノット、メイ、シュッドなども中学校で扱われる、高等学校では、必要に応じて、助動詞の過去形、助動詞を含む受け身、助動詞と完了形を用いた過去に関する推測の表現なども扱うとあります。
 助動詞と完了形を用いた過去に関する推測の表現を扱うというふうになっているわけですが、それが、該当するメイ ハブ シーン。これが中学校での学習内容を逸脱しているというふうに指摘されています。これは明白だと思います。
 私、文書質問でこのことを取り上げました。答弁は、中学校外国語の学習指導要領では、生徒が英語を使って何ができるようになるかという観点が重視されている、どのような文法事項を扱うか、また、小中高等学校のどの段階で扱うかについて制限する趣旨とはなっていない、今回の音読の問題は、中学校で学ぶ単語を用いて、場面に応じて、英語として自然になるよう文を作成し出題したのであり、学習指導要領を逸脱しているとの指摘は当たりませんというものでした。これは、先ほどもご答弁がありましたよね。
 私たちも、この問題、様々な専門家の皆さんに聞きました。大津由紀雄慶応大学名誉教授、日本認知科学会の元会長、言語科学会元会長は、この見解に対して、都教委自身が、出題は学習指導要領の範囲で行います、だから、ふだんの学習をしっかりしていれば心配要らないと中学生に伝えていたことからも、裏切り以外の何物でもないというふうに怒りを表明しています。
 この先生だけじゃありません。中学校の先生たちも、日々の授業で、内容をよく理解して、それを相手に伝える読み方をしようと、学習を積み重ねてきています。本当に都教委と教育長の答弁は、ただ一語一語それらしく読めればいい、文法の理解は横に置いて、話せればいい、そして、中学校、高校の学習範囲は関係ないというメッセージだというふうにいっていて、中学校の指導と生徒のこれまでの学びを否定するものだとおっしゃっています。本当に、これまでの初歩的な出題ミスは考えられないと、都教委への不信感も募らせていらっしゃいます。
 実際、都教育委員会は、文教委員会でも、学習指導要領に基づいた出題であること、中学の授業を受けていれば解ける問題だと答弁をしてきました。私も、その学習指導要領の問題を昨年に質問したとき、そのように瀧沢部長が答えています。都教育委員会のESAT-Jに関するQ&Aでも、そのように述べています。
 浜教育長は、どのような文法事項を扱うか、また、小中高等学校のどの段階で扱うかについては制限する趣旨とはなっていませんと発言していますが、先ほど私が紹介した高等学校学習指導要領外国語編の解説ですけども、この記述についてどうお考えですか。
 お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 中学校外国語の学習指導要領では、生徒が英語を使って何ができるようになるかという観点が重視されていて、目的、場面、状況に応じて多様な表現を扱うことが求められています。その際、どのような文法事項を扱うか、また、小中高等学校のどの段階で扱うかについて制限をするという趣旨にはなっていないというお話で、今、理事がお話しされたとおりであります。
 今回のスピーキングテストは、音読の問題として、中学校で学ぶ単語を使って、場面に応じて、英語として自然になる文を作成するということから出題したものであり、逸脱をしているという指摘には当たりません。

○とや委員 学習指導要領を逸脱した問題を出題するということは、中学生や保護者に対する裏切り行為ではありませんか。また、日々の授業で、内容をよく理解して、それを相手に伝える読み方をしようと学習を積み重ね、生徒に向き合ってきた教員の努力を認めない、本当に傲慢な態度ではないでしょうか。直ちに訂正をして、中学生と教員など関係者に謝罪するべきだと考えます。これは、答弁を求めると同じことを答えてしまうので、やめておきます。
 大津由紀雄氏は、メイ ハブ シーンという表現形式は未習であっても、音読の問題であり、メイとハブとシーンが既習だから、既に習っている単語だから問題がないというのは、受け入れがたい暴論だとおっしゃっています。与えられた文の成り立ちと意味が理解できて、初めて正しい音読ができるようになると指摘しています。
 音読するためには、文法知識によって、その英文の成り立ちが理解できていることが必要だとおっしゃっているわけですが、この大津氏の見解については間違っているとお考えでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 有識者のご発言に対して、間違っている、あるいは正しいというふうなお答えをする立場にはございません。
 ただ、私たちの考えは、今回の出題に当たっては先ほどお話をしたことで、これまでもぶれていないということであります。

○とや委員 答える立場にないといいながら、都教委自身は独自の考えを持っているわけですから、大津氏の考え、見解は間違っているというふうにお考えになっているんじゃないでしょうか。
 そもそも、文法を理解していなくても音読は理解できるというのであれば、文の形にする必要はなくなるんじゃないでしょうか。
 文の音読という形を取ったこの問題、どうしてこういう問題にしたのですか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 英文を読み上げる目的や場面、状況等を適切に設定した上で、まとまった英文を音読することにより話す力を測るということで出題したものです。

○とや委員 これはすごく大事なことで、文法をきちんと理解していなくても音読ができるということになってしまえば、本当に文の形にする必要なんかなくなっちゃうじゃないですか。何のために中学校の先生が文法を教えて、日々の英語を積み重ねてきているのか。本当に、それを否定することになってしまっているんですよ。もう、何というかな、間違っているということを、何で認められないんでしょうかね。
 去年、これも文書質問でいいましたけれども、二二年三月に行われた兵庫県公立入試において、サッチ アズと。このサッチ アズの、のようなという熟語が出題をされています。この熟語は、一部の教科書にしか登場をしていないために、中学生が習わない熟語ということで、教育委員会は、当該問題は受験生全員を正解扱いとしています。
 こういう措置は講ずる予定はないのですか。検討もしないのですか。

○瀧沢指導推進担当部長 今回のスピーキングテストの音読の問題は、中学校で学ぶ単語を用いて、場面に応じて、英語として自然になるよう文を作成し出題をしたものでありますので、兵庫県の例と同列に考えるということは、異なるというふうに考えております。

○とや委員 これまで答弁してきたことも、これまで中学生が先生たちによって学んできたことも、先生たちの努力も、今の答弁で本当に全部帳消しにする、そういう答弁だと思いました。
 こういう出題をする、設問を出すこと自体、私は、もう本当に問題だと思っています。ESAT-Jが、この問題一つ取っても入試活用に値しない。この問題については、アチーブメントテストとしても値しないと強く指摘して、やめるべきだということを、せめて正答扱いをするべきだと要求をしておきます。
 次に、生徒の個人情報の取扱いについて伺っていきたいと思います。
 東京都とベネッセは、共同事業ということで、五年間の協定を結んで事業を行ってきています。そういう中で、昨年八月に覚書が変更されて、九月には協定が変更され、実施計画も変わっています。
 当時、この五年間の協定を結んだ後、我が党の星見都議が、民間資格、検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト事業における民間活用は、なぜ委託でなく基本協定にしたのですかと質問しているのですが、そのときの答弁は、事業者側の技術革新等による提案を随時生かす、事業者の既存のスキームを活用することによりコストを低廉化する、事業者の資格、検定試験として、私立高校、他の道府県で活用することを可能とする、こうした理由で、委託ではなく協定締結という仕組みにしましたとお答えになっています。
 ここから考えたときに、委託というのは、いつから委託にしたのか。
 それから、覚書を見ますと、個人情報のところに委託という言葉が入っているわけですが、あと事業計画にもそれが入っているわけですが、個人情報のみ委託にしたのか。
 いつから委託にしたのか、それから個人情報のみ委託事業としたのか、二つお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 この事業は、都教育委員会と事業者が協定に基づいて事業を実施しているものであります。
 また、個人情報についてのご質問がありましたけれども、都教育委員会が事業者に本事業を委託しているという関係にはないわけですけれども、個人情報の取扱いについては、本事業の事業主体である都教育委員会から本事業を実施、運営する事業者に委託されているという関係で行っているということであります。

○とや委員 すみません、私がきちんと理解ができなくて申し訳ないのですけれども、もう一回教えていただきたいのですが、共同実施事業だけれども、個人情報については、都教育委員会からベネッセに対して委託をしているという理解でよろしいのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますけれども、協定に基づいて、それで事業を行っているわけですけれども、この個人情報の扱いについては、委託契約ということではなく、都教委がベネッセに対して個人情報の収集管理等を委託する形式を取って実施しているということであります。

○とや委員 委託形式であって、委託ではないということでありますね。そうすると、共同事業が四年前から続いていたということだと理解をしました。
 昨年の決算特別委員会で、池川都議が個人情報保護における重大な法令違反を指摘したときに、これに対して浜教育長は、事業者募集の段階で、募集要項に個人情報保護法や施行令、個人情報保護に関するガイドラインを遵守することを明記しているとお答えになったわけです。
 この場合、適正に個人情報を取得しなければならない個人情報の取得の主体は誰なのか。誰なのか教えていただきたい。子供たちから個人情報を取得する場合、誰がその個人情報を受け取るのか。
 今のお話ですと、共同事業ですから、東京都とベネッセの両者ということになりますが、それでよろしいのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 個人情報を取得する主体は、都教育委員会です。

○とや委員 先ほどの答弁では、委託という形式は取っていたとしても、委託ではないとおっしゃいました。そうすると、個人情報を直接取得しているのはベネッセですから、委託していない以上は、まずベネッセが取得する、で、東京都も使いますから、主体として両者が取得するということになるわけです。その場合は、誰が個人情報を取得するのか。
 子供たちの、入力フォーム、ウェブ上に書かなければならないんです。それを入力フォームに−−インターネット上にありますが、インターネット上には、そのことが書いてありません。
 書いていなければ、例えばベネッセが取得する主体であるといえば、適正取得義務違反になります。個人情報保護法でいえば、二十条一項に違反しています。
 サイト上に明記していませんよね。どうですか。

○瀧沢指導推進担当部長 個人情報の扱いについてですけれども、都教育委員会は、事業者に対して、個人情報の保護に関する必要な措置について、事業者募集の段階で、募集要項に個人情報保護法、同法施行令及び個人情報保護に関するガイドラインを遵守することを明記しているわけです。
 また、基本協定や覚書においても、事業者に対し、募集要項等で定めた個人情報の取扱いの規定を遵守するように求めております。
 なお、実施協定におきましても、法令や条例を遵守し、安全管理や秘密の厳守など、個人情報の保護について必要な事項を具体的に規定をしております。

○とや委員 それは浜教育長の答弁で知っていますが、私がいっているのは、共同実施事業で生徒から個人情報を取得するときには、ちゃんと入力フォームに、誰が個人情報をあなたから取得するんですよ、お願いしますね、同意してくださいねと、そういったことをきちんと書かなければならないんです。
 書いていなければ−−両方書いていないと思うんですね、確認しましたけれども。
 そういう状況で個人情報を取得したんじゃないでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 個人情報の取得の主体は都教育委員会であり、この事業は都教育委員会が実施しているということについては明白であるというふうに理解をしております。

○とや委員 東京都が主体であったら、東京都がウェブ上にそれを書かなきゃいけないんですよ。それも書いていないです、ちゃんと。
 さっき、部長は、ベネッセに対して、個人情報保護法に関して、きちんと約束をしているとおっしゃいました。一般論として、それは可能かもしれませんけれども、生徒の個人情報を取得する場合は、また別の作業が必要になります。手続が必要になります。それをやっていないんです。やっていない。
 しかも、先ほど、委託形式を取ったと、よく分からない答弁をされました。委託形式を取ったとしても、共同実施事業であれば双方に責任があるわけです。その双方が、ウェブ上から生徒の個人情報を取得しますよということをきちんと書いていない。これはもう法律違反です。条例違反です。
 そういう状況で、幾ら協定を書き直したり、実施計画を書き直したりしたとしても、都教委が、ベネッセが生徒たちの個人情報を違法に取得しているということは、もうはっきりしています。これはちゃんと調べた方がいいですよ。
 そういう状況でESAT-Jを続けられるのでしょうか。これは本当に、さっきの採点ミスの問題もそうですけれども、もう看過できない問題です。ですから、中止をすべきだというふうに申し上げておきます。
 最後にお聞きしたいのが、市民の皆さんからの要望であります。
 一月三十日に、入試改革を考える会と、都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会、都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会の皆さんが記者会見をされています。皆さん、ご存じだと思います。同時に、都教委に要望書を出していらっしゃいます。
 その内容は、一つ目が、入試改革を考える会の公開質問状が、第十三回から第十九回まで七回分、回答が返ってきていないというものです。その回答を求める要望書でした。
 二つ目が、入試改革を考える会と都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会が、音漏れに関する実証実験と、生徒や現場教員の声を聞く実施状況調査の実施を求めています。
 これは、都教委にちゃんと出してあるはずです。
 この二つの要望について、どのように受け止めていますか。

○瀧沢指導推進担当部長 お問合せがあったものについて、正式な手続が取られているものについては、順次、回答をしていきます。
 それから、改めて検証するのかということについては、先ほどお答えしたとおりで、適正に実施されているというふうに現在考えておりますので、新たな会を設定するということは今考えておりません。

○とや委員 今、回答するというお答えでした。実証実験と実施状況調査については、今お断りになったわけですけれども、これは私に対して答弁としてやったわけですから、これについても、きちんと回答を出してほしいんです。それから、公開質問状についても、きちんと回答を出すべきです。
 要望の回答期限は、昨日の二十四時です。回答は出されたのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど答弁したように、正式な手続を取って出されたものについては、誠実に対応をこれまでもしてきたというところであります。
 ただ、日付等々について、一方的に指定をされても、様々な業務を行っている中で行っていますので、その点について、その期日までに返すということを担保するものではないということは理解をいただきたいというふうに考えます。

○とや委員 三十日にきちんと出されて、八日間、日にちがあったわけで、誠意を持って回答していただきたいなと思っています。これは、議連としてもきちんと要望したいと思っていますけれども、やっぱり都民の皆さんが真剣に考えて、本当にこの事業を心配して要望書や質問状を出しているわけですから、そこには、ちゃんと正面から答えていただきたいなと思っています。
 今日は、ここまで質問させていただきましたが、どれを取っても、今回の英語スピーキングテスト、ESAT-Jが、入試として、あるいはアチーブメントテストとしても生徒に実施をするには、あまりにも瑕疵が多過ぎます。もう綻びだらけじゃないですか。絶対にやめてほしいなと思っています。
 それなのに、東京都は、今回、一、二年生にまでやるということを決めたわけです。しかも、もう時間に協力するので質問はしませんけれども、局要求段階、十一月の段階で、一、二年生の英語スピーキングテストを導入するということ、二十八億円の要求をしていたということ、ESAT-Jと合わせて三十五億の要求をしていたということは、一切、私たちに報告がありませんでした。これは、やっぱりおかしいです。
 これだけの多額の予算をつけるというときに−−実際、予算になった途端に、表に出た途端に、新聞報道でこの問題が大きく取り上げられました。それだけ注目される事業なのに、局要求のときに黙っていた、隠していたわけです。これは本当にもう、抗議です。
 こういうことをすると、もう本当に、何を信じていいのか分からなくなっちゃいますよ。こういうことは、もう一切やめていただきたいと思います。
 そうやって、東京都はグローバル人材の育成とか−−先日は、私も傍聴させていただきましたけれども、東京都の教育委員会がありました。英語の東京といわれるように頑張りたいと、瀧沢部長はおっしゃっていました。本当にそう思うのであれば、子供たちを企業のための戦士のような育成をするとかじゃなくて、一人一人の子供たちを大切にして、教育の目的である人格の完成のために一人一人が大切にされるような少人数学級をちゃんとやるとか、もう幾らだってやることがありますよ。先生をちゃんと増やすとか。もう、何か全然違う方に走っていってしまっているように思えてなりません。
 改めてESAT-Jについて中止を求めて、質問を終わります。

○入江委員長 改めまして、質疑については、重複は避け、簡潔にお願い申し上げます。
 理事者の答弁も簡潔明瞭に行っていただきたくお願いいたします。
 また、報告事項に関する質問に限っていただきたいとお願い申し上げます。

○阿部委員 私からは、英語スピーキングテストの報告について、また、請願陳情についても質疑を行いたいと思います。
 本日の委員会、大変長き時間が予定されておりますので、運営には協力したいと思いますけれども、そもそも、この英語スピーキングテストは入試制度に関わる非常に大きな問題でして、その報告について、独立した質疑の場を設けるように、前回の委員会で私たちは主張をいたしました。しかしながら、独立した議論の場を設けることなく、今日の委員会で一緒にやるというふうに強く主張をされた会派の皆様方、ぜひ、委員会運営というものについて、もう一度お考えをいただきたいと思います。
 それでは質問いたします。
 アチーブメントテストの対象である公立中三生の総数と、そのうちの何%が受験をしたのか、確認をいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 令和四年度の公立学校統計調査報告書によりますと、スピーキングテストの対象となります公立中学校三年生は、令和四年五月一日現在で七万九千二百七十六人であります。
 スピーキングテストの受験者は合計七万一千百九十七人でありますので、先ほどの七万九千二百七十六人で割ると、約九〇%となります。

○阿部委員 今、数字を上げていただきましたが、若干、その計算式は、算数としてはどうかなというふうに思います。といいますのは、この七万一千百九十七人の中には、公立の中学生だけではなくて、国公私立、都外の中学生も含まれております。これでは割り算が成立をいたしません。
 ゆえに、公立中学校の子供たちが何%受けたかということになりますと、やはり受験者数の中での都内公立中学生の人数の内訳を教えていただかなければ割合を出すことができませんので、その数をお伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 おっしゃるとおりなんですが、これまでどおり、内訳については公表をしておりません。

○阿部委員 公表していないということですけれども、都内の公立中学校の生徒が公費を使ってアチーブメントテストを受けた、この受験者の数を公表しないというのは−−例えば、私立とか都外とか、これを公表しないというのはまだわかります。でも、都内の公立中学生がアチーブメントテストを何人が受けているかというものが公表されないというのは、これは都教委の態度としては少しおかしいのではないかと思います。これについて、再度答弁を求めたいと思います。
 先ほどの計算、ただ、数字としては大幅に狂うところはないと思います。約九割。アチーブメントテストとして、この割合が適当であるかどうか考えているかもお伺いしたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 公立の生徒をいいますと、引き算で残りが分かってしまいますので、国立や私立の中学生等々、多様な背景を持つ方々が受験しているということも配慮して、内訳については公表していないという回答は、同じことを繰り返させていただきたいと思います。
 また、アチーブメントテストとしては、適正に実施できたというふうに考えております。

○阿部委員 繰り返しになりますが、公立中学生の受験者数を公表しないというのは、都教委としてはおかしいと思います。
 この中で、特別な配慮を行った受験者数とその内訳について教えてください。
 また、その数が妥当であったか、必要な人にその配慮が行き届いていたか、それについてどのようにお考えか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 人数はお伝えできませんが、措置の必要な生徒には申請をいただいたというふうに考えています。

○阿部委員 細かい人数をお伝えいただくかどうかというのは、幅があると思います。
 しかしながら、特別な配慮といういい方をしておりますけれども、これは、いわゆる合理的配慮に当たると思います。受験をする子供たちが合理的な配慮を受け得たかどうかということ、これが妥当であると考えるのであれば、それが妥当な、必要な子供たちにその配慮が行われたかどうか、これが客観的に分かる形で示す必要があるかと思いますけれども、それを私は、数字で示す、あるいは概数で示すというのが一つの指標にあるかと思います。
 全くその指標がないというのでは、合理的配慮が行われたかどうかが第三者に分からないんです。
 これはどのように考えますか。そして、どのように根拠を語るのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 内数を示すというのも一つの方法ではありますけれども、それをやらずに、学校等とも連携をしながら、意見を聞きながら、これまでも行ってきたところでございますので、先ほどのとおり、繰り返しになりますけれども、適正に実施をされたというふうに考えております。

○阿部委員 公的な機関が行う施策として合理的配慮が行われたかどうかというのを客観的に示せないというのは、これは大きな問題であると思いますので、ぜひここは改善をしていただきたいと思います。
 吃音等あるいはその他の発声に関わる特性があるとして配慮を受けた者、これには、十秒程度の延長では、配慮として不十分ではないかという意見もあります。
 この妥当性の評価はどのようにして行うのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 今年度のテストにおいては、学校や関係団体等とも様々に意見をお聞きしながら、障害特性に応じた措置を設定して実施をしたところでございます。

○阿部委員 事前の準備として、意見を聞きながら措置を決定した、そこまでは、まだあり得る話だと思っております。しかし、それが適切だったのかどうか、この検証は必ず行わなければいけないと思います。
 それについては、都教委として、どのように取り組むお考えでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 次年度以降も、様々な意見をお聞きしながら、必要な改善は続けていきたいと考えております。

○阿部委員 ここは、ぜひ、形だけではなくて、今の一般論のようなご答弁だけではなくて、具体的にこれは動いていただきたいと思います。これは、そんなに多い人数−−先ほど人数の概数も示していただけませんでしたけれども、これは本人に確認することも可能ですし、また、その点数を見る、あるいは、学校の先生と、その子供の英語力のすり合わせをする、いろいろな形で、これが妥当だったかというのは、必ずこれは検証していただきたいと思います。
 教育委員会が行う事業の中で、そして入試に関わるところで、障害の特性によって不利な状況に子供たちが置かれるということは、決して許されることではありません。ここはきちんと検証してください。
 また、特別支援学校生徒の申込み、または免除申請の数はどのようになっているでしょうか。
 アチーブメントテストである限り、どのような障害の特性を持った生徒であっても、基本としては受験をするという立場になるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 特別支援学校の生徒あるいは公立中学校の特別支援学級に在籍する生徒は、希望により受験することが可能という仕組みにしております。
 人数の内訳についてのお尋ねがありましたが、こちらについては公表を控えたいと思います。

○阿部委員 このテストは、基本的に受験をする、受けられない理由がある生徒については免除を行うというのが原則であったと思います。特別支援学校の生徒や特別支援学級の生徒については、原則受けない、希望すると受けるということになるのでしょうか。
 そのスタンスが正反対にあるというのは、まるで昔の就学免除のような、ちょっと懐かしい言葉を出してしまいましたけれども、そういう考え方で、このアチーブメントテストというのは設計されているんですか。

○瀧沢指導推進担当部長 全くそういうことではなくて、今回のこの試験の対象として考えているのは中学校三年生なわけですけれども、特別支援学校の生徒については様々な状況がありますので、当然、希望して受験をしていただきたいというふうに考えているわけですけれども、それを強制するという立場にはなく、積極的に受験を申し込んでいただき、受験していただけるための措置も、先ほどお話しのとおり、整えていきたいということでありまして、最初から、何かそれを対象としないという考えでは全くありません。

○阿部委員 そこのところが、支援学校もそうですけれども、支援学級のお子さん、あるいは保護者の方にも誤解なく伝わるように、ここはぜひ工夫もしていただきたいと思います。
 ところで、当日、会場までのバスを出した学校数を確認したいと思います。
 そして、その判断を、誰が、いつ、どのような基準で行ったかも伺いたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 試験会場が決定した後に、公共交通機関の運行状況等から、やむを得ないと判断した一部の学校の生徒に対して、市教育委員会と協議の上、中学校十二校を対象に臨時のバスの手配を行ったものであります。

○阿部委員 次に行きます。
 当日の会場スタッフは、計何人必要だったのでしょうか。また、その経費は幾らかかったのでしょうか。その経費は、当初計画の五億円の予算の中に含まれていたのかどうか。追加であれば、この会場数であれば、少なくとも数千万円の人件費が新たに発生したかと思います。ここについてお答えください。
 またあわせて、都教育庁の職員が、当日、何人業務に当たったのか。そして、高校教諭が担った業務があるのかもお伝えください。

○瀧沢指導推進担当部長 事業者が協定に基づいて適正にテストを実施することというふうにしています。運営体制につきましては、試験実施上の運営情報に当たるために、これまでも公表しておりません。
 試験実施の二日間に、合計約七百八十人の都の職員を配置いたしました。
 会場となりました都立高校の職員には、会場の貸出しに関する作業を依頼しております。

○阿部委員 この金額は公表されないとしても、それが、当初、都教委がいっていた五億円の経費の中に入っているか入っていないかはお答えできると思います。
 再度お願いします。

○瀧沢指導推進担当部長 当日の事業者の運営スタッフのお話だというふうに思いますけれども、それは、当初から事業として位置づけられているわけですから、この五億円の中に当然入っています。

○阿部委員 かなり直前になって、急に募集したように見えましたけれども、あれはもう既に五億円の積算の中に入っていたということで、今のご答弁ですと、そのようになるかと思います。
 試験実施中の音漏れ等の問題が多く指摘されております。中学生本人からも指摘をされております。
 都教委では、音漏れがなかったとしておりますが、その根拠を改めて教えてください。
 生徒や学校等に、どのような形でヒアリングその他の調査を行ったのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、都教育委員会は、テスト終了時に、事業者と派遣した職員からの報告により、解答に影響を与えるようなことはなかったということを確認しております。
 また、テスト終了後に区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないということを確認しております。

○阿部委員 先ほど他の委員の質問の中に少しありました、入試改革を考える会や中止を求める会が求めている、ESAT-J試験実施当日の音漏れが解答に影響したかどうかを確認するための実証実験と、そして、生徒や現場教員にESAT-Jの当日試験について実態を調査する実施状況調査を、二月二十一日に行われます都立入試までに行うことが必要だと考えますが、ご見解をお伺いします。

○瀧沢指導推進担当部長 重複した答弁になりますけれども、周りの会話を聞き分けながら解答するということは考えにくい環境だということは、既に検証し、確認を行っております。
 したがいまして、実証実験などを行うことは考えておりません。

○阿部委員 音漏れが聞こえるというのは、いろいろな影響があるかと思います。先ほど、音漏れによる他人の声が聞こえて解答に有利になるのではないかというパターンが議論されていたわけですけれども、逆に私が聞いている話の中では、周りの声が大き過ぎて設問が聞こえなかった、質問が聞こえづらいことによって点数が下がってしまっていると。そういう可能性もあり得るかと思うんですね。
 そういう可能性というのは、都教委として、かなり皆さん、首をかしげていらっしゃいますけれども、ないといい切れますか。どうですか。

○瀧沢指導推進担当部長 準備の段階や、あるいは問題が始まる前に、繰り返し音声についてのテストを行う、そういう手順になっていますので、そういうケースが起こるということは考えられないというふうに認識をしています。

○阿部委員 つまり、都教委としては、そういうことは、七万数千人、誰にも起こらなかったという前提で物事を考えていらっしゃるということだと思います。
 一つ、ご提案があるんですけれども、試験後も、生徒たちは長時間待たされました。この間にアンケートが取れたと思うんですよ。
 音声がよく聞こえた、聞こえにくかった、あるいは操作の方法が分からなかった、機械の接続の操作方法の動画が理解できなくて、うまく接続できないまま終わっちゃった、そういう子もいらっしゃるんです。そういう子もいるということは、多分、都教委は想定していないと思うんですよね。
 いろんなことが起きている。それを個々に把握しようとするのは、非常に難しいと思います。その場にスタッフがいたからといって、それを全て把握できるわけではありません。
 トラブルがあった、なかったという話はありますけれども、外形的に分かるものというのは、スタッフの方も把握ができたかと思います。あるいは、本人からその場で申出があったものについても把握ができる。
 でも、本人から申出がなく、ただ聞こえなかった、子供たちの中には、ほかの人よりもぐっと聞こえにくいのに、それは自分のせいだと思ってしまって、トラブルだと認識できない子は少なくないと思います。
 そうした聞こえ方などについて、あるいは、その事前事後、様々な問題について、子供たち自身の状況を知るためには、少なくとも本人たちから何らかのリアクションを取らなければいけない。
 これは、私は、子供たち一人一人に、せっかく時間もあったわけですからアンケートを取るべきだったと思いますし、今後、アチーブメントテスト等でこういうことをするのであれば、絶対にこれは必要なことでもあるし、改善にとっては不可欠なことだと思っておりますが、見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 まずは、一義的に、その生徒たちにちゃんとした環境を提供するということだと思います。
 ご提言いただいたことについては、認識をいたしました。様々なご意見もいただきながら、改善できる部分については改善していこうというふうに考えます。

○阿部委員 さて、保護者の会から求められている英語スピーキングテストの採点経過が分かるもの、なぜその評価になったか分かる根拠の開示については、都教委はどのようにお答えされるつもりでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 生徒が採点結果の妥当性を確認できるように、採点基準ですとか、あるいは複数の解答例を公表するとともに、スコアや到達度、学習アドバイスなどが掲載された結果帳票を、受験した生徒全員に返すこと、この方が効果が高いというふうに考えておりまして、そのように実施をしたところでございます。

○阿部委員 ありがとうございます。
 その資料に、自らの音声データは含まれていますか。

○瀧沢指導推進担当部長 音声データの開示に関することだと承知いたしましたが、それについては、三月以降、受付をすることで進めておりますので、今のお話は全員にということなんですが、音声データにつきましては、希望する生徒の方にということで、少し資料を分けて対応しております。

○阿部委員 団体の皆様の開示請求の結果によりますと、二回のテストについて、実施事業者からの報告文書は、今のところ存在していないとのことですけれども、音漏れ等の影響、その他当日のトラブルについて、都教委は何をもって大きな影響はないと判断したのか、改めて教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほどの答弁と重複するかと思いますが、試験当日は、教育庁内に本部を設置しまして、事業者のシステムによりまして全試験会場の実施状況を確認いたしました。
 また、都教育委員会では、テストの終了後に、配置いたしました都職員からの報告、それから区市町村教育委員会への聞き取りにより、影響を与えるようなトラブルはなかったということを確認いたしました。

○阿部委員 次に、試験結果についてお伺いしたいと思います。
 当初、報告された内容で、前半、後半の平均点がいずれも六十・七七と、小数点二桁まで同じ数字でした。
 これは、二回のテストの結果として、特に二回目は、集団の数が非常に小さいわけですから、これが小数点以下二桁まで同一であるというのは著しく不自然と考えますが、ご見解を教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 数字について、もう一回、ご説明を補足でしたいと思いますけれども、結果的に六十・七八と六十・七七。午前中の方が、前半の方が〇・〇一高かったということなんですけれども、これは、会場の中で、前後半が隣接している、そういう会場について抽出して、その影響がどうかという観点からもあり、そのような状況についての確認をしたということであります。
 ですから、追試験の日には前後半でやっていないので、十一月二十七日の総数の中で集計をした数字で、数字としては、これ以上でもこれ以下でもないというところであります。

○阿部委員 これ、評価の修正によって、平均点は移動したのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 報告の中でもお話をいたしましたが、前半が六十・七七だったものが六十・七八、〇・〇一上がったという状況であります。

○阿部委員 七万人が二つに分かれて三万五千人の試験で、八人の評価が修正されて〇・〇一上がったということは、総点でいえば三百五十点。四捨五入もあるでしょうけれども、相当大きな変動だったということになるんですかね。普通、動きますか、七万人のテストで。
 数字が分からないので、違和感があるので、説明していただきたいのですけれども、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 数字ですので、客観的な、そのままであります。
 繰り返しになりますけれども、前半後半が隣接する会場の中で限った数字として表わしておりますので、特に今回の八人が非常に大きかったということを表しているものではありません。
 おっしゃるとおり、四捨五入の関係もありますので、ここまで、少数点第二位まで示さないと違いが表れないということもあったので、ここまで出しているということであります。

○阿部委員 この返却された試験結果は、各中学校の英語教諭から見て、おおむね妥当と受け止められているのかどうか、その点についてヒアリングを行っているのかどうかも伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 現在の段階で、教員が妥当というふうに考えるのかどうか、その根拠も含めて把握している段階ではありませんけれども、昨年度までは、プレテストの実施の後に、学校の授業で学んだ内容の到達度を把握して、今後の授業改善に向けた検討に資していただくように情報提供するとともに、中学校教員を対象とした説明会を実施して意見交換などを行ってきましたので、その中での意見、フィードバックというのはあります。
 今年度につきましては、現在、詳細な試験結果を分析しており、今後、その結果を公表して、説明を行ってまいります。

○阿部委員 現在は試験結果を分析しているということで、それはそれで期待をするところではあるのですけれども、例えば、去年のプレテストについては、複数の現場の先生方から、この子がこんな点数であるはずはないというようなお声を聞いているんですよ。でも、それって、都教委には届いていない。
 そういう声は一切なかったということですか。それとも、少ないから、あまり問題にしなかったということなんでしょうかね。

○瀧沢指導推進担当部長 今お話があったようなそういういい方で何か、この子がというような声というのは、私たちの方には届いていません。
 教員が、この子がこの点数というふうに、どういうふうにいうのかも含めて、あるいは、それは通常の英語とスピーキングが違うということもあるかもしれませんので、その先生がもし仮にいたとしたら、その先生も、そういうことが総合的にきちんと判断できるように様々な情報を提供しているということであります。

○阿部委員 この件は、後で少し関連するので、また出てきます。
 それで、この試験結果なんですけれども、これ、GTECを既に活用している、あるいは授業で頻繁に使っている自治体とそうでない自治体で、結果に有意な差があったかどうか、これは分析されていますでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 活用状況について、それぞれの区市町村教育委員会の状況を把握するという調査などは行っておりません。

○阿部委員 これ、大して調査することはないと思うんですよね。というのは、今回の試験の結果というのは、学校単位だけではなくて、都教委としては、当然、自治体範囲でも把握できる立場にあろうかと思います。
 一方、自治体全体で、公立中学校でGTECを授業の中で活用している自治体というのは、これはもう公開情報といいますか、むしろ各自治体が積極的に広報しているような内容ですので、ちょっと調べればすぐ分かる話なんですよ。
 何でこれを聞くかということを、当然、皆様はお分かりだと思いますけれども、自治体によって、GTECを使っている自治体と使っていない自治体で有意に差が出てきてしまったら、特に財政力も関わってくるような内容で、自治体によって都立高校入試に有利、不利が出てしまう、これはぜひ避けなければいけないことではないですか。
 そこは、ぜひこの思いは共有していただきたいのですけれども、そうした意味でも、自治体の英語教育の施策によって都立高校−−その自治体に住んでいるかどうかというのは、子供たちの努力の成果ではありません。それによって有利、不利が出てくるような状況というのが生まれていたら、それに対して、何らか改善あるいは差を埋める努力をしなければいけない。
 その観点から、もう一度伺いたいと思います。
 これはぜひ、この結果を公表するかどうかは別として、分析はすべきだと思いますが、いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 これは、これまでも同じ趣旨の答弁をしてきたかと思いますが、ESAT-Jは、東京都の作成の方針に基づいて作成している独自の問題でありますので、GTECとは別の試験であります。
 ですから、相関関係を確認するという必要はないというふうに考えています。

○阿部委員 今のご答弁、逆だと思います。分析すれば、相関関係があるかないかははっきりするわけで、相関関係がないと思うから分析しないというのは、科学的な態度ではないと思います。東京都の教育委員会ですから、ちゃんとそこは合理的に物事を考えればよろしいんじゃないでしょうか。別にコストがかかる話じゃないですから。よろしくお願いいたします。
 似た質問になりますけれども、試験結果と、生徒の学校外の英語塾等での学習時間との相関関係も調査すべきと考えますが、見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 こちらも同じような答弁になって恐縮ですが、スピーキングテストは独自の問題として行っております。
 ですから、試験の結果と、塾などの学習時間との相関関係ということを調査するということは困難であるというふうに考えております。

○阿部委員 ちょっとご答弁の後半、聞き取りにくかったのですけれども、ただ、東京都教委としては、生徒たちの英語力をつけたいと思っているんですよね。子供たちの英語力というのは、学校の教室内だけでつけられているわけではないというのは、これはもう全体の認識としてそうだと思います。
 その中で、いかに学校教育は、どのような役割を果たして、どのような授業をやっていって、ひょっとするとその背景が違う子供たちに、できるだけ不利がないような教育を展開していくためにはどうしたらいいのか。そうしたことを実態調査するというのは、とても大切なことです。
 こうしたこと、文科省は、学校外の子供たちの学習状況についても調査しています。東京都教委ができないはずはありません。都教委の調査能力がないということではないと思いますし、また、浜教育長を筆頭とする東京都教委が、子供たちの学習実態に関心がないということでもなかろうかと思います。
 単独でこれを調べるのはなかなか大変なことであるかと思いますけれども、先ほど申し上げました試験後のアンケートなどで、学校外での、特に英語の学習状況について、それを、アンケート方式になりますけれども、こういうのはアンケート方式じゃないと難しいので、アンケート方式などで調べて、そして、子供たちの英語能力と、学校外学習経験あるいはその年数、そうしたことをきちんと相関を取っていくということ、これは、英語力を伸ばしたいと思うのであれば絶対に必要なことだと思っております。学校がやっている感だけでやっているのでなければ、ぜひよろしくお願いいたします。
 ちょっとご見解だけでも教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 今、先生がおっしゃっている認識については、同じように共有している部分があろうかと思っていまして、ですので、今回のこの試験につきましても、インターネットの特設サイトで、様々な動画のコンテンツ、非常にたくさんのコンテンツを作成してアップをしています。つまり、塾等々に行かなくても、意欲、関心に応じて、頑張れば英語力を伸ばせる、いつでも、どこでも、誰でも伸ばせるという考えの下、様々な取組をしています。
 あと、先月、新たにまたTOKYO GLOBAL GATEWAYを立川にオープンしましたけれども、最初にお話をしたように、あくまでもこのスピーキングテストは、グローバル人材の育成、使える英語力の育成を目指す中の一つの施策として実施しているものですので、ほかのものと併せて育成していくという考え方については、恐らく同じ方向だと思いますので、引き続き、それについてはやっていきたいと思います。

○阿部委員 そういった意味でも、経済的な背景の格差あるいは住んでいる場所によって、そして家庭の経済力によって都立高校の入試に不利、有利が生まれないように、そうしたことをぜひ留意していただきたいと思います。
 採点の修正についてお伺いします。
 改めて採点プロセスの確認をしたいと思います。
 おのおのの採点に当たる人数と、そしてフロー、これはどのように実施されたのか、確認させてください。

○瀧沢指導推進担当部長 重複するかと思いますけれども、採点につきましては、採点基準に従って、複数の専任者による採点、審査を経て評価しており、都教委が結果を確認してまいりました。
 スピーキングテストの都立高校入試への活用に向けて万全を期すため、受験者全ての音声データを再確認した結果、八人の音声データの一部に解答音声が確認できない箇所があるということが判明し、バックアップのデータにより再度採点を行い、修正を行ったというものでございます。
 採点の運営体制ですとか、採点業務などにつきましては、テストの公平、公正な運営上の機密事項に当たると考え、公表することは控えたいと思います。

○阿部委員 ありがとうございます。
 今ご答弁にありました、都教育委員会が採点結果を確認とあるのは、これは音声データとともに確認をされているのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 音声データの確認も含みます。全てではないですけれども、それも含みます。

○阿部委員 すみません、全てではないというのは、どこにかかってくるんですか。
 都教育委員会は、全ての解答について、音声データとともに採点結果を確認したというわけではなくて、この全てではないというのは、その対象の数ですか。それとも−−例えば、七万人分があると、そのうちの一部を抜き出して音声データとともに確認したということなのか、七万人分の確認はしているけれども、音声データについては一部取り出しでということなのか。どういうこと……。
 何が全てではないのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 私は、今回の修正のことではなく、一番最初のところでお話をしたように、都教委が採点結果を確認してきたというふうにお話をしたわけですけれども、そこでの過程のお話をさしあげました。
 ということで、もちろん七万人全員の音声を全て確認するということではなく、その中で、必要な量について確認をしたということをお話しいたしました。

○阿部委員 ごめんなさい、必要な量、これは、音声データも含めて、七万人全てではなくて、幾つか取り出しで、ピックアップして結果を確認したということでよろしいでしょうかね。
 ここを確認させてください。

○瀧沢指導推進担当部長 音声データについては、そうです。

○阿部委員 何件ぐらいですか。

○瀧沢指導推進担当部長 具体的な採点の業務に関することについては、お話しすることは差し控えたいと思います。

○阿部委員 確かに、いろんな業務を持っている教育委員会の皆さんですから、七万人の音声データを全て確認するということはあり得ないと思っておりますし、決して大きな数ではないのかなというふうに思います。ただ、確認作業をしていないわけではないということであろうかと思います。
 再点検は、協定書の項目には書かれていないというふうに伺っております。再点検を実施することは、ベネッセと東京都の合意事項なのか。実際にこれをすると決めたのは−−基本的に、実施するとか採点するという業務の中に含まれているという解釈だとは思うんですけれども、具体的に再点検を行うというのは、いつの段階で決めたのか。
 そして、これは当初の五億円ではなくて、金額的にはこれから、どちらが負担するかは今後の協議ということなんですけれども、ということは、これは五億円の積算にも入っていないということで、先ほどの答弁はそれを意味しているかと思うんですが、その解釈でよろしいでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほどの同じ質問の趣旨でいただいてお答えしたというふうに思いますが、協定に基づいて今回の作業は行っているということでございます。
 予算につきましては、協定に基づきまして、今後判断をしていきます。
 いつ決めたのかということですけれども、検証、点検を行うということ自体は、先ほどお話ししたように予定をしていたところでございますが、いわば集中的に行う、これにつきましては、二月二日に報告があって以降、集中的に急いでやるということで合意をしたという部分はあるかと思います。

○阿部委員 ありがとうございます。
 録音の不具合について、二月二日にベネッセから第一報を受け取ったと聞いておりますが、その段階では何人分の報告だったのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 二月二日の午後の時点では、一定の機械音のみが録音されて、解答音声が部分的に確認できない箇所があるということを報告を受けたということで、何人分ということではなく、そういう箇所があるという報告を受けたというところでございます。

○阿部委員 この再点検というのは、いわゆる音声チェックのみなのですか。それとも内容チェックもしているのか。
 また、実施した日付、いつから始めて、いつ終わったかというのを確認させてください。

○瀧沢指導推進担当部長 これも重複するかと思いますが、一月二十七日から二月五日までの間に、事業者が、全ての解答音声について、正しく録音されているかを確認いたしました。
 全ての音声データを点検して、機械音のみが録音されて、音声が部分的に確認できない箇所があるケースについては、バックアップ音声を使って再度採点を行ったということで、音声というか、英語ですので、その英語の音声をチェックしたということであります。

○阿部委員 ありがとうございます。
 この再点検、一月二十七日から二月五日まで行われ、十日間で七万人分。これ、採点のときは、四十五日間をかけて七万人分。今回は十日です。しかも、二月二日になってこういうケースがあるということで、集中的にチェックをしております。
 二、三、四、五と非常に短い間で、残りの件数を全てチェックしたということになりますけれども、この音声チェックというのは、人間の耳でやっているんですか。それとも機械的な処理か何かでやっているということですか。

○瀧沢指導推進担当部長 基本的に人間がやるのですけれども、同時に機械的な波形等も使ったり、両方でやっています。

○阿部委員 二月二日になってからそういう話が出てきて、その後、三日間、四日間で残りの人数の分をやったということで、極めて、相当、急に人数を集めて突貫工事的に行ったその風景、大変なことだったと思います。そうしたことが行われたのだろうなということを推察いたします。
 となると、当該音声、いわゆる一定の期間、機械音があるかどうかだけのチェックに集中せざるを得なかったのではないかと思います。
 採点時にも複数体制で当たっていて採点をしていたわけですから、そのときには、内容も含めて、もっと慎重に、かつ時間をかけて聞いているはずですけれども、その最初の採点時に見落とされたのはなぜなのか。複数での採点体制は機能していたといえるのか、見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 これも繰り返しになるかと思いますけれども、無録音であるという状態、つまり、完全な機械のトラブルで無録音であったという部分があった場合にはバックアップデータに当たるということのマニュアルで、採点を既に行っていたわけです。
 ただ、今回は、録音はされているんだけれども、解答をしていないという状況に非常に近い形での音声があって、それについての評価を、バックアップデータを使って突合して確認したところ、解答していることが確認できたので、採点し直しをしたということであります。
 ですので、採点自身は二人を使って、ここで違う採点結果が出れば別ですけれども、同じように無回答ということで採点をされているということでありますから、採点自体は適正に行われていたということだといえると思います。

○阿部委員 最初の採点のときに、機械音に気づいた方は一人もいなかったのでしょうか。それとも、こういう状況があると考えて、気づいた方は、バックアップを聞いて、そこを点数を入れていたということはあったのでしょうか、なかったのでしょうか。
 一人も気がつかなかったのですかね。

○瀧沢指導推進担当部長 波形も使いながら、無録音であるというふうに判断できた場合にはバックアップ音声を参照するというマニュアルになっているわけです。
 ただ、無録音ではなく、一定程度、ちゃんと録音はされているんだけれども、解答としての英語は入っていないという部分については、今回のこの八人については、解答をしなかったというふうに判断をする、そういう採点手順になっていたということです。

○阿部委員 すみません、ちょっと質問と答弁がずれちゃったかと思います。
 今、聞いたのは、八人の話ではなくて、最初の七万人を採点しているときに、一人も、その機械音が一部入っていて音声が入っていないということに気づかなかったのか。それとも、最初の採点の段階でも、何らか確認が必要で、バックアップ音声を活用して採点したというケースはあったのか、なかったのか。

○瀧沢指導推進担当部長 失礼いたしました。
 ですので、通常の最初の採点のときにも、無録音であるというふうに判断した場合には、バックアップデータを参照して、それで採点するということはあります。
 あるのですけれども、それがどれぐらいあったかということについては、数字は持っていません。

○阿部委員 ご答弁を総合しますと、最初の段階から、機械音が入っているなり、何かこう、音声がブランクになっている部分があって、それで聞き直して、修正して採点していたということは間々起こっていたけれども、だけれども、そこで見落としが幾つかある可能性があって、再点検をしたら、やっぱりちょっと見落としが出てきちゃったということなのでしょうか。
 でも、教育長さんは首をかしげているから、この解釈は違うんでしょうかね。

○瀧沢指導推進担当部長 それが間々あったということはないと思うんです。
 通常の、今回の出現率を参照しても、それが間々、たくさん出てきたということは考えにくいと思いますけれども、中には、やはり解答しない生徒もいますが、そこで本当に全く何も答えなかったのではなく、頑張ってやったものについては評価をしてあげようということで参照していて、でも、結果的に得点が入らないということもあろうと思いますけれども、ただ、それがどれぐらいケースがあったかということについては数字は持っていませんが、いずれにしても、たくさんあるということではないと思います。

○阿部委員 ということは、最初の点検をしているときから、いろんな形の聞き直しをしなければいけないケースがあるということは、ある程度認識をされていて、一旦採点を終えて、再点検まではせずに結果を出してきたという流れでよろしいですか。

○瀧沢指導推進担当部長 ちょっと今の説明の仕方はあれですけれども、ただ、どういう状況が起こったとしても、きちんとそれに対して、後ほど対応ができるようにということでバックアップ音声も取っているということであります。
 ですから、何かが起きる可能性はゼロではないわけですから、不断にそういう作業を行っていくという考えの下、行ってきたわけで、最初から、いろんなそういう可能性があるから、それで途中までやっていたということではなく、七万人に対して万全の体制でやってきたということでありまして、ちょっと今の先生のお話のように、何か非常に危険な状況があるのを認識していたのにやらなかったということではなく、万全を期してやってきたんだけれども、改めて今回やったところ、この八人について発見したということであります。

○阿部委員 最初の採点の段階から、こういうブランクで聞き直しの必要があるケースがあるというのは、トラブルといいますか、留意すべき事象の一つとして、採点者に共有されていたのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 これも繰り返しになるかと思いますが、今回のように、録音はされているんだけれども、何か一定の音だけが入っていて音声が入っていないという状況があるということについては、想定の中にある事例ではなかったということであります。
 ですから、全くの無録音であれば対応ができる、あるいは、小さい声であっても対応ができるということなんですけれども、今回のようなことは、事例としては想定をしている対応マニュアルにはなっていなかったということです。

○阿部委員 この件は長くなるので、ちょっとここで切りますけれども、最初、想定していなかったというのは何度も伺いました。じゃなくて、そういう採点作業の中では、実際にはこういうトラブルもあるよねというのが出てくるたびに共有するものだと思うんですよね。こんなのがありましたといったら報告が回って、今度は、じゃ、それについても留意しましょうというのが、いろいろなチェックのフロー、そういった、職場の中では当然に行われることだと思うんですけれども、その中で、最初に出てきたときに共有されたのかということを聞きたかったので、ちょっとさっきのご答弁は違うんですけれども、ここを突っ込んでいると、もっと長くなってしまうので、ちょっと先に進みます。
 それで、そもそも、当初想定していなかった、途中だけブランクになってしまうというようなことが起きた原因については、現在のところ、どのような、原因調査といったらいいんですかね、どのような状況にあるでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 これも、すみません、重複になるかと思いますけれども、もともと、テストの開始の前に、解答が録音できているかどうかの確認を一回します。テストを開始しました後に、録音テストを二回確認します。合計三回、録音テストを実施した上で受験をしています。
 また、トラブルが発生するということも前提にした上で、申出があった場合には、機械のトラブルかどうかの確認をというよりも、もう機械自体を交換することで対応しているということがあります。さらにバックアップの録音もしているということで、想定をして対応してきたということではありますけれども、今回は、解答音声が全く録音されていない状態、つまり無録音という状態とは異なって、解答の一部が録音されていないという、このような事態で、具体的な事例としては想定をしていなかったということで、ただ、あらゆる事態を想定してバックアップ音声を録音していたので、それにより対応をしたということでございます。

○阿部委員 いや、私が聞きたかった原因はというのは、もうちょっと機械的な意味です。
 なぜデータとして、音声データが録音されていなかったのか。何がどういった状況の中で、それが起こってしまったのか。何の不具合であるのか、メーカーに問い合わせましたとか、こういうことが−−そういう事象が起こった原因です。

○瀧沢指導推進担当部長 バックアップ音声は録音されていますので、タブレットは正常であったというふうに考えられます。
 そうすると、ヘッドセットの可能性が高いわけですけれども、今、この短期間ですので、今後、より詳細な原因については分析していきたいと思います。

○阿部委員 これは分析結果を待ちたいと思いますし、ぜひ公表もしていただきたいのですけれども、これは使い回しをしないということですので、七万を超えるそのヘッドセットの中に初期不良のようなものがある程度の割合で含まれていても、それはおかしくないと思うんですよね。とすると、やっぱり、その動作確認も含めて、対応の策というものも一緒に考えなければいけないのではないかなというふうに思います。
 今回のような一部不具合のミスは想定外とのことでしたけれども、全中三生の規模で一斉にアチーブメントテストとしてこれまでも経験を積み重ねていれば、各種の課題は十分に把握できたのではないか。
 同等規模でのテストを実施することなく、いきなり都立高校入試に活用としたことが一つのリスクだったのではないかと思いますが、いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 規模のお話でいえば、昨年度、都内の公立中学校三年生全員を対象にプレテストを行っております。
 プレテストにおいては、同様の事例は報告をされていなかったということであります。

○阿部委員 今のご答弁からいえることが二つあると思います。
 一つは、これ、想定もしなかったんですよね。前回起こらなかっただけではなくて、想定もしていなかった、まるっきりノーマークであった。これは、つまり、昨年も起きていたのに、トラブルとして報告されていなかったがために把握ができなかったという可能性が一つです。
 それから、もう一つ、一回一斉テストをしただけでは、重大なトラブルが全て把握できるわけではない。これもまたいえると思います。これは、可能性というより、いえると思います。
 だから、今回やって、今回のような修正事項が出てきました。これを潰せばもう大丈夫ということではなくて、来年やれば、今回はうまくいったことが別の形で、別のトラブルが、もっと大きいトラブルが出てくる可能性もあるわけです。
 なので、複数回、この規模で繰り返すことによって、幾つものリスクを一つ一つ潰していく。その上で、もうこれはかなりいけるぞとなってから都立高校入試に持っていくというのがリスク回避の考え方だと思うんですよね。
 一番最初に都立高校入試に持っていくというのは、非常にリスクの高いプロセスの踏み方だと思いますが、いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますけれども、昨年度も全員を対象にプレテストを実施しています。正確にいうと、プレテストの二回目でありまして、その前の年のプレテスト、その前の前の年にフィージビリティーテストをやっているということで、非常に長きにわたって実施をしてきている。
 それでもやはり、何かトラブルというのは起きる可能性があるということについては肝に銘じながら、ただ、そういうことが起きないようにという取組をしていくのと同時に、起きたときのバックアップをどのように取っていくのかということと併せてやっていくということで、どの段階になったらゼロになるということは、なかなかいえないと思うんですよね。
 ですから、ゼロに近づけていくという努力をしながら、かつ、より精度を上げていくということを、どの試験でも行っていることだと思いますし、このようなことがないように、全力で来年も引き続き取り組んでいきたいと思います。

○阿部委員 プレテストと呼んでいるものは何度かありますけれども、しかし、一斉でテストをやっているのは、前回と、そして今回のみということですので、それは、努力を尽くしたという回数とは、一般的にはいわれないのではないでしょうか。
 スピーキングテストに関する最後の質問をいたします。
 テストに予算を投入するよりも、語学教育の基本であります少人数での学習環境を学校の中で整備する方が、自然かつ効果的、子供たちにとって英語能力を直接的に伸ばす手段になるのではないかと思いますけれども、東京都あるいは都教委の見解をお伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストは、学校の授業で学んだ内容の到達度を把握するとともに、英語指導の改善、充実を図るということを目的に実施をするものでありまして、次年度に向けて準備を進めてまいります。

○阿部委員 学校の授業で学んだ内容の到達度を把握すると。この学校の授業の内容を充実させる、特に少人数での学習にかじを切っていく、このことの方がより大切ではないでしょうか。
 デイリーの指導の改善の部分にしっかりと予算をかけずに、テストあるいはイベント、箱物、こうしたものばかりにお金をかけていては、逆に遠回りになってしまうのではないでしょうか。
 世界的に行われている語学教育がどういう形で行われているか、皆さん、ご存じだと思います。ぜひ中学校での英語教育の環境の改善こそ力を入れていただきたいと思いますし、逆に、今回のことというのは、中学校の英語の先生にさらに負担をかけるものになってしまっています。
 今、中学校の英語、先生方は本当に大変です。入ってくる子供たち、A、B、Cをうまく書けない子供たちから、英検何級というのを持っていたり、あるいは母国語を英語とする保護者がいたり、海外経験があったり、極めて多様な背景を持っている子供たちを一斉に授業する。これは本当に、大変というより効率の悪い状況になってしまっている。
 こうしたことについて現実を見ていただいて、より効果的な英語教育というのは授業の中にあるということを、ぜひ強調しておきたいと思います。
 次に、請願陳情の方に移りたいと思います。
 請願第四六号、学校給食費についてお伺いします。
 ここは都教委ですので、都立学校のうち、義務教育段階の在籍者数と、特別支援学校の小学部低学年、小学部高学年、中学部の月額給食費について、まずお伺いしたいと思います。

○村西都立学校教育部長 令和三年度の都立中等教育学校や特別支援学校の小学部、中学部等の義務教育段階の在籍者数は一万一千八百九人でございます。
 また、特別支援学校の小学部低学年の月額給食費の平均額は五千四十三円、小学部高学年は五千七百六十二円、中学部が六千七百七十二円となっております。

○阿部委員 ありがとうございます。
 私、単純に計算したところ、都立学校の義務教育段階の児童生徒の給食費の経費というのは、全部で年間約八億円。都立支援学校の小中学部だけなら五億円もかかりません。実際には就学奨励費を受けている家庭も少なくありませんので、年間二億円あれば、都立特別支援学校小中学部の給食費を、まあ食材費ですね、無償化できる計算です。
 現在、無償化に踏み切る自治体も増えている中、同じ自治体の中で、通っている学校によって保護者の給食費の負担に格差が生じようとしている、そんな状況があります。
 こうした状況にも鑑みて、都立学校、特に特別支援学校の小中学部において無償化に踏み切るべきだと考えますけれども、見解をお伺いします。

○村西都立学校教育部長 学校給食法では、学校給食は設置者が実施し、食材費等の学校給食費は生徒の保護者が負担することが明記されております。
 したがいまして、学校給食費の支援につきましては、国の責任と負担によるべきものという考え方に立っております。

○阿部委員 国の責任と負担という原則は、私もよく分かります。私も、本来であれば、これは国が行うべきものと考えております。
 ただ、一方で、東京都の税の使い道として都立学校の給食費に充てることには、様々な政策的効果も期待ができます。
 まず、二億円という数字ですね、これは都の教育予算から見て、決して過大なものではないと考える一方で、各家庭にとっては、援助を受けている家庭も含めて、年間三万円から八万円の負担軽減、これは大きなインパクトがあります。
 また、給食費の引き落とし手続、あるいは引き落としができなかった場合の連絡や手続、これは、保護者だけではなく、教員にとっても、今、大きな負担になっております。数は少ないですけれども、こうしたことが起こると、かなりな負担になります。
 それから、これまた少数ではありますけれども、口座の引き落としに応じなかったり、支払いが滞るご家庭もあります。こうしたご家庭への対応というのも、教員の負担になっております。
 また、最近増えつつあるのが、不登校児童生徒の給食費の支払いについて、保護者側と学校側で意見が異なる、これによる様々な対応というのも、これまた学校の負担、ひいては教員の多忙化の一端になっているところです。
 給食費を無償化することによって、こうした事務的な負担からも、学校は開放されるというメリットがあります。
 先ほども申しましたけれども、今、東京都内の自治体独自の判断で学校給食無償化に踏み切る自治体が出てきておりますし、これからも増える一方だと考えております。
 私の地元品川区でも、新年度から公立小中学校の学校給食費無償化が、食材費補助という形で始まります。品川区長も、本来は、これは国がやるべきという認識を示しつつ、子育て支援強化と教育の無償化の実現のために実施に踏み切ったところです。
 こうした流れの中で、同じ自治体の中で、小中学校の給食費は無償、特別支援学校に進むと給食費は要る、払わなければならないという状態が、都内でだんだんに拡大をしていくこととなります。
 都立学校でも様々な校種がありますが、まずは特別支援学校での無償化を検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。都教委の英断を期待したいと思います。
 また、併せて、都立高校定時制での給食費無償化または軽減を行うことは、学びのセーフティーネット強化の観点からも政策的効果が高いと考えます。請願の内容からは離れますけれども、こちらもぜひご検討いただければと思います。
 次に、陳情の一一九号について質疑を行いたいと思います。
 この陳情自体は、全ての公立学校での換気装置の入替え等を求める内容にもなっておりまして、現実的には難しいものもありますけれども、しかしながら、陳情者の出発点としては、学校におけるマスク指導、その他コロナ対策についての現実と改善の願いであると受け止めております。
 マスク着用についてお伺いしたいと思います。
 令和四年十二月六日に、都教委はガイドラインを改定いたしました。マスクの着用等について緩和した内容となっており、これは一定評価をしているところではあります。
 しかし、今日の質疑の中でも少しありましたように、ガイドラインの改定後も、現場ではなかなか対応が変わっていない状況というのも一部では散見をされます。今も、登校中のマスク着用を全児童に義務づけている、あるいは給食時間中は一切声を発してはいけない、そうした指導も見られます。
 こうしたタイトな指導が続くことは、子供たちの人間関係にもネガティブな影響が出るのではないかと心配をされます。
 都教委は、このマスク着用の緩和についてどのような周知をされているのでしょうか。

○岩野地域教育支援部長 都教育委員会は、区市町村教育委員会に対し、改定したガイドラインに併せ、リーフレットを活用し、活用場所や、場面に応じたマスクの着脱について情報提供しているほか、校長会や指導室課長会などの機会を捉えて周知を図っております。

○阿部委員 ありがとうございます。
 都教委も、また周知に努めていただいているというのは理解しているところではあるのですけれども、例えば、ガイドラインの中ででは、下校時など屋外では、人との距離を二メートル以上離す。それが確保できる場合などは、あるいは会話を行わない場合には、マスクの着用は不要であるとの記載があります。
 しかし、この表現を受け止めて、子供たちは二メートル以上離れて登下校しないでしょう、あるいは、一緒に登下校したらおしゃべりしちゃうでしょうというような解釈の下で、結局、登下校も必ずマスクをというような、逆にこのガイドラインが、マスク着用を事実上義務にするという解釈の根拠になってしまっている部分もあるんですね。
 関連する陳情一一八号にもありますけれども、黙食についても、同様な解釈によって、このガイドラインによって、いまだにタイトな指導が行われてしまっているというような状況も、保護者の方々から訴えを聞くところです。
 ガイドラインは、本編だけで五十九ページもあります。学校現場で十分に読み込んで、どの部分が変わったのか、そして、それをどう行動するのかというのが、なかなか一律に伝わりにくいのではないかと思います。
 教員に対して、あるいは現場に対して、誤解がないような端的なメッセージが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○岩野地域教育支援部長 都教育委員会は、教員によりマスクの着用が不要な場面について適切な指導が行われるよう、児童生徒向けのリーフレットも作成し、各学校での活用を促しております。
 引き続き、リーフレットが活用されるよう、あらゆる機会を捉え、周知してまいります。

○阿部委員 ぜひお願いしたいと思います。
 都教委の資料だけを見ても、リーフレットやガイドラインの資料編の各資料を見ても、メッセージにばらつきがあって、私でも理解しづらいところがあります。あと一歩、工夫が必要なのではないかと思っております。
 さらに、今後、国レベルでもマスク着用が緩和される見通しですが、その際に、マスクの着用の有無で子供たちの関係がナーバスになる、いわゆるマスクいじめのようなことが起こってしまう、あるいは、今でも若干聞いているところではありますけれども、それがさらに、子供たちの判断でといったときに、そうしたトラブルが増えてきてしまうのではないかということは、非常に心配されるところです。
 マスクの着脱は個人の判断が尊重されるという関係をつくるには、やはりこれは大人の側からの意図的な働きかけも必要ではないかと思います。
 一例を挙げますと、埼玉県教委では、既に、こうした観点からリーフレットを作成して、現場に配布をしております。子供たちの現実を見据えたものであり、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
 小中学校では、コロナを契機に不登校が急増いたしました。学校が子供たちの居心地のよい場所になっていくように、ぜひ都教委では、できることを汗をかいていただきたいと思います。
 最後に、陳情第一〇八号、都立特別支援学校の寄宿舎指導員の採用試験実施と増員配置に関する陳情について、これは質疑ではなく、意見だけ申し上げたいと思います。
 現在、都立特別支援学校の寄宿舎指導員は、定数を満たしている状態にあると聞いております。
 一方、三つの区では、寄宿舎においては、定数の多くが不足して臨時的職員の配置になっている。これに対して、都教委では、採用試験を実施して、本年度、十一人の方が合格をされたと聞きました。引き続き、この正規指導員の配置に向けて計画的に進めていただきたいと思います。
 それともう一つは、都立学校の方ですけれども、こちらの方も、先ほどの議論にも出てきましたけれども、この定数、六十八年間、改定をされておりません。
 先ほどのご答弁の中で、既に、配置の積算の方法、算定方法が見直しになるということがありましたので、私としては、これ以上申し上げませんけれども、ぜひ期待をするところではありますけれども、算定方法だけではありません。重度重複が、この六十八年間の中で非常に増えてまいりました。あるいは、高度障害を持つようなお子さんも寄宿舎にはいらっしゃるというふうにも聞いているところです。
 そうした児童生徒の実態に合わせた配置ができるように、ぜひご努力をいただきたいと思いますし、指導員の方々の負担軽減になるような、先ほど機器の導入、見守りセンサーのお話も出ましたけれども、介助等々のための様々な新しい技術も導入していただいて、ぜひ指導員の方の負担軽減を図っていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○入江委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩といたします。
   午後八時五十八分休憩

   午後九時二十分開議

○入江委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 改めてお願い申し上げます。
 質疑の重複はできるだけ避け、簡潔に、そして質疑案件に沿った内容であることをお願い申し上げます。
 理事者の答弁は、簡潔明瞭に行っていただくことをお願いいたします。
 委員会の円滑な運営にご協力いただきますよう、改めてお願い申し上げます。

○桐山委員 よろしくお願いします。
 それでは、まず、英語スピーキングテストの実施状況の報告事項について質疑をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、浜佳葉子教育長の基本姿勢について問いただしていきたいと思いますが、浜佳葉子教育長は、二〇二二年第四回定例会で、私の質問に対し、昨年十一月に実施の英語スピーキングテストについて、適切に実施されているとの見解を繰り返していますが、浜教育長は、テストを受けた生徒たちの声は聞くに値しないと考えているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテスト当日の状況につきまして、都教育委員会は、テスト終了後に、全ての区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を受けるような事例の報告を中学校から受けていないということを確認しております。

○桐山委員 音声データ採点ミスと、今日、報告があったように、採点ミスを犯して信用を失っているのに、都教育委員会は生徒の声を無視するということが今のご答弁で分かりました。
 次に、報告にあります、前半と後半との二部制にしたことについて続けてまいります。
 英語スピーキングテストを二部制にしたとのことで、技術上の問題点が指摘もされています。
 前半組と後半組の二部制に分けた理由を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 約八万人の受験者が適正かつ円滑に試験を受けることができる環境を整えたものでございます。

○桐山委員 八万人の受験者が適正かつ円滑に試験を受けることができた環境だったんだなというご答弁なんですけれども、実際には、前半組の声が漏れていたため、後半組が優位だったのではないかと、先ほども議論があったところでありますけれども、どうして前半と後半が同じ端末で同じ問題なのかも疑問に思うわけであります。
 外部施設での英語スピーキングテストの実施を一斉に実施するのと二部制にするのとでは、外部施設の確保数、配置する人員数及び費用にどのような違いがあるか、教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 一斉実施という仮定の条件による運営体制に関する情報は持ち合わせておらず、答弁することは控えたいと思います。

○桐山委員 そうですね、仮定の条件によることは情報を持ち合わせていないということなんですけれども、これ、私、先ほど費用の件も申し上げましたけれども、費用に関わる問題だと思うんですよ。二部制にするのと一斉にやるのと。その費用に関わることも検討していないんだなということを、今ご答弁で確認をさせていただきました。
 次に、外部施設での英語スピーキングテストの実施を二部制にすると決定したのは、いつ、どのような理由で、誰が決定したのか、教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 令和元年八月二十一日、東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業基本協定その二において教育長が決定しております。

○桐山委員 これまでも議論がありますように、この事業基本協定というのは全然公開されていないから、中身が全然分からないんですよね。それがどういった状況になるか分からないですけれども、二部制に教育長が決定をされたということをご答弁いただいたところです。
 次に、一斉にテストを実施する方法と、二部制にしてテストを実施する方法では、どちらが公平、公正な環境だと考えているのか、それとも、どちらも同じだと考えているのか、お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 試験の運営に当たりましては、いずれにしても、公平、公正な実施に向けて環境を整えることが必要であると考えております。

○桐山委員 公平、公正な実施に向け環境を整えることが必要なのは、当たり前のことなんですよ。一斉にする場合と二部制のどちらも同じかを聞いているわけであります。
 そのあたりについては、もう一回お答えできますか。

○瀧沢指導推進担当部長 どちらの場合であったとしても、公平、公正な実施に向けて環境を整えることは必要であるというふうに考えております。

○桐山委員 一斉にテストを実施すれば、二部制にしたことによる様々な不都合を指摘する声はなかったのですが、前半組と後半組の間の情報遮断をする方策をあらかじめ考えなかったのでしょうか。
 お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 運営に当たりまして、前半の受験者と後半の受験者では休憩が重ならないような時間を設定して実施をいたしました。

○桐山委員 休憩が重ならないことだけが、その方策なのでしょうか。隣の教室の声が聞こえたりしているという、先ほどからも、委員からの様々な子供たちの声というものが上がってきているわけですけれども、実際のところは、隣の教室の声が聞こえたりしてきているんですよね。
 次に、二部制を採用したことによる様々な不都合を指摘する声に対して、事実関係を確認し、試験の公平、公正な環境が確保されていたか、評価する必要があると考えますが、そのような検証をする計画はあるのか、お伺いします。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、都教委は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告により、解答に影響を与えるようなことはなかったと確認をしております。
 また、テスト終了後に区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないことを確認しております。
 したがいまして、公平、公正な環境が確保されたかについて、新たに検証を行うことは考えておりません。

○桐山委員 新たに検証とかするつもりもないということなんですけれども、先ほどから申し上げていますように、今回、音声データ採点ミスがあったわけですよね。採点ミスを犯して、今、信用を失っている状況なんですよ、都教委というのは。大人の関係者の話だけでなく、検証するべきだと思いますけれどもね。しっかりやってほしいと思います。しないとおっしゃっているので、されないんだろうと思いますが。
 次に行きますが、二部制にしたことによる不都合について、生徒や保護者の声を聞いても、公平、公正な環境が確保されていたと判断されているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、都教育委員会は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告により、解答に影響を与えることはなかったと確認をしております。
 また、テスト終了時に区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないということを確認しております。

○桐山委員 子供たち、生徒や保護者の声というのを、本当に話を聞かない都教育委員会なんですね。もうびっくりしちゃいますけれども。
 次に、中学校では公平、公正な環境でテストを実施できていないんじゃないかということについて伺います。
 浜教育長は、前定例会の私の質問に対して、スピーキングテストは、都内公立中学校の三年生全員を対象にアチーブメントテストとして実施するものであり、都立高校入試事務ではありません、公平、公正な環境で実施するために、島しょ部を除き、中学校以外の外部施設を利用することとしていますと答弁しています。
 そもそも、中学校以外の外部施設を利用することが、なぜ公平、公正な環境となるのか、中学校で実施すると、なぜ公平、公正な環境でないのか、明確にお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストは都教育委員会が実施するテストであり、都教育委員会の管理下である都立高校などを主な会場として、公平、公正に実施したものであります。

○桐山委員 プレテストのとき、中学校を使っていましたよね。
 外部施設として都立高校が使用されていますが、都立高校で実施することと中学校で実施することは、場所が違うだけで、中学校では公正、公平な環境が確保されないということになるのか、明確にお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になり、恐縮でございますが、スピーキングテストは都教育委員会が実施するテストであり、都教育委員会の管理下である都立高校などを主な会場として、公平、公正に実施したものでございます。

○桐山委員 先ほど、プレテストで中学校施設を使っていたじゃないかと私は申し上げましたけれども、プレというプレテストのプレが取れて、テストになると都立高校での受験といいますが、都教育委員会が実施するテストは、全て都立高校等で行うんですね。そうすると、都立中高一貫校の生徒のうち別の都立高校を受検する生徒の一部が自分の通う学校で受験しているとのことですが、物すごい優遇措置になります。
 来年度以降、中学一、二年生がスピーキングテストを行う場合も、都教育委員会が実施するテストなので、都立高校等で行うんですね。もし中学校で行うなら、何テストと呼ぶのでしょうか。
 そのことについては意見として申し上げておきますが、非常にこのあたりについても、なぜ中学校じゃ駄目なのかということが、あまり明確にお答えできていないというふうに感じております。
 二〇二二年十一月の英語スピーキングテストより前に実施されたテストは、通い慣れた中学校で実施をされていました。
 二〇二一年のプレテストは、五百六十会場で実施され、そのうち五百五会場が中学校でした。
 これらが公平、公正な環境で実施されなかったという判断に至った事実と理由を明確にお願いします。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘のとおり、プレテストは、都立学校や民間施設、中学校を会場として実施をいたしました。
 スピーキングテストは都教育委員会が実施するテストであり、都教育委員会の管理下である都立高校等を主な会場として、公平、公正に実施したものでございます。

○桐山委員 そもそも、民間施設を用意することが事業者との協定内容だったはずです。
 民間施設が用意できなかったから都立高校にしただけなんですか。
 お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になります。
 スピーキングテストは都教育委員会が実施するテストであり、都立高校を会場として実施したものでございまして、様々状況も変わる中で、このような形で実施をしたものでございます。

○桐山委員 今の、様々な状況が変わったということがよく分からないのですけれども、そこについてご説明ください。
 どう状況が変わったのですか。

○瀧沢指導推進担当部長 一例として、コロナの感染状況等々を含めて総合的に判断したものでございます。

○桐山委員 次に行きます。
 高校での英語スピーキングテストの実施は、都立高校の目的外使用なのではないかということについて質問していきたいと思います。
 浜教育長は、前定例会の私の質問に対して、スピーキングテストの実施についてですが、スピーキングテストは、都内の公立中学校の三年生全員を対象にアチーブメントテストとして実施するものであり、都立高校入試事務ではありませんと答弁をしています。
 英語スピーキングテストは、中学校の授業の到達度を測るアチーブメントテストであるならば、それを高等学校で実施するのは、都立高校の目的外使用になります。
 学校施設は、学校施設令一条、三条によれば、本来、学校教育の目的に使用すべきものとして設置され、それ以外の目的に使用することを基本的に制限されていますが、目的外使用については、政令第三条第一項第二号で、管理者または学校の長の同意を得て使用する場合は使用できるということになっております。
 そこで、都立高校を中学生に対するアチーブメントテストの実施会場として使用することは、都立高校の目的外使用に該当すると考えますが、教育委員会の見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストは都教育委員会が実施するテストであり、都立高校を会場として実施することは、目的外使用には当たりません。

○桐山委員 英語スピーキングテストを都立高校で実施するに当たって、学校施設令上の管理者である東京都教育委員会の同意の手続は、または高等学校の同意の手続はどのように行われたのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストは都教育委員会が実施するテストであり、会場として使用した学校の校長と調整の上、決定をいたしました。

○桐山委員 また、東京都教育委員会が都立高校を使用するに当たって、清掃や光熱費など、都立高校の管理に関わる使用料などの費用の扱いはどうなっているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストは都教育委員会が実施するテストであり、都立高校を会場として使用した場合、校長の了解を得て使用したものでございます。

○桐山委員 そうすると、了承を得て使用できるようにしたということなんですけれども、その費用は学校持ちなんですかね。都の所有地だから、何でも貸してといえば、分かりましたというふうに貸してもらえるものなんでしょうか。
 外部会場となった都立高校について、令和四年度中学校英語スピーキングテスト、ESAT-J、貴校施設を使用させていただくことに関するご回答用紙の開示について、質問欄が全て黒塗りとなっていることについて伺っていきます。
 浜佳葉子教育長は、二〇二二年第四回定例会での私の質問に対し、スピーキングテストの会場についてですが、会場予定となる都立高校の調査の一部については、事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、非開示としておりますと答弁しています。
 外部会場となった都立高校について、令和四年度中学校英語スピーキングテスト、貴校施設を使用させていただくことに関するご回答用紙の開示では、三、施設利用可否、四、貸出可能教室、七、ご質問欄は、全て非開示、黒塗り、ノリ弁となっています。全面ノリ弁状態です。何にも分かりません。
 情報公開に違和感があるのは、学校安全管理、保安上の情報や個人情報が含まれている場合に、公開するかどうか検討することがありますが、公平、公正な環境で英語スピーキングテストを実施するための都立高校の意見を秘匿とする理由が思い当たりません。
 事業の適正な執行に支障があるのではなく、合理的な理由がないにもかかわらず、高等学校に対して教育委員会の権限を振りかざし、使用させるように迫ったのではないでしょうか。それならば、非公開の理由は、教育委員会に不都合な事実だからということになり、まさに不都合な真実の隠蔽になってしまいます。
 一つ一つ伺います。
 三といいました施設利用可否を開示することが、事業の適正な執行を妨げることになるのか、具体的にお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 各学校の個別の状況に係る内容が含まれているということから、学校の状況に関する記載の場所を非開示としたものであります。

○桐山委員 個別の状況に関わらない部分は全くないのでしょうかね。
 次に、四の貸出可能教室を開示することが、事業の適正な執行を妨げることになるのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になります。
 各学校の個別の状況に係る内容が含まれているため、非開示としております。

○桐山委員 個別と共通に分けることもできないのでしょうかね。
 次に、七のご質問欄を開示することが、事業の適正な執行を妨げることになるのか、具体的にお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 改めて繰り返しの答弁になりますが、各学校の個別の状況に係る内容が含まれているため、非開示としております。

○桐山委員 やっぱり真っ黒の黒塗りで、開示できる内容は何もないということをご答弁で理解させていただきました。
 次に、前半組受験中の解答の音声が漏れている、単なる騒音としてではなく、内容も聞き取れた、休憩時間やトイレで接触できたということは、適正な人数にして、前半組と後半組を隔離して実施するための方法は、都立高校の職員や管理者であれば、当然想定できます。
 都立高校からの質問には、そのような意見も含まれていたのではないかと想像しますが、その点はいかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 そのような意見は含まれておりません。

○桐山委員 全くなかったのですかね。疑問に思うばかりです。
 イヤーマフ越しのほかの受験者の解答音声が聞こえた問題点について伺っていきます。
 集中力を阻害する騒音として聞こえるだけでなく、はっきり聞こえたという証言、それが解答に影響を与えた可能性もあるという証言もありました。先ほども議論があったところです。
 開始ボタンを遅れて押したり、出題音声のボリュームを下げることで、意図的にカンニングができてしまうという証言もありました。
 しかも、何らかの理由ではっきり聞こえたとか、先ほどの意図的にテストの開始のタイミングをずらしたり、出題音声のボリュームを下げたりすることによってカンニングができてしまうと受験者が気づいたとか、読む、書く、聞くの試験は、受験者が声を発することなく答案を書きますが、話す技能の試験は声を発していますので、グループ方式での試験でなければ、ほかの受験者がその声を聞くことができない環境をつくり出すことが必要になります。イヤーマフをしていても周囲が解答している声が聞こえたというテスト環境では、公平、公正な環境とはいえないのではないでしょうか。
 そこで、二〇二一年以前の英語スピーキングテストの実施で、イヤーマフを使用していても周囲が解答している声が聞こえたという不具合は、ベネッセの報告で指摘されていたのか、伺います。
 また、ベネッセの報告書には、これまでどのような問題点が指摘されていたのか、報告書を全て公開していただきたいのですが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 事業者からの最終報告書は、実施協定に基づいて、事業者から都教育委員会に対して報告されるものであり、テストの実施状況については、教育委員会にて報告を行っております。

○桐山委員 この最終報告というのは、事業者から三月に出るということが、先ほどの議論の中であったかと思いますけれども、やはり、先ほどから何回もいっていますように、今回の採点ミスのおかげで、さらに信用を失っているんですよ。なので、私は、ちゃんと問題点を公開していくべきだというふうに思っております。
 まず、事実確認をしていきます。
 まず、受験生の声を教育委員会が事実として受け止めているのかどうか、その確認が必要です。
 教育委員会は、これらの指摘は事実だと認めていますか。それとも、生徒のただのたわ言で、聞く必要も、現場検証する必要もないと考えているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、都教育委員会は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告により、解答に影響を与えるようなことはなかったと確認をしております。
 また、テスト終了後に区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないということを確認しております。

○桐山委員 本当に子供たちの声というか、聞かないのですね。
 実際、中学の教員も、職員の皆さんも、直接イヤーマフを使って音がどうなっているとか、実際の状況というのは把握できていないと思うんですよ。実際に分かっているのは、試験を受けた子供たちなんですよ。生徒なんです。その子たちしか、実態は分からないんですよね。
 なので、そういった子たちの声が私たちのところにもたくさん届いているのに、何でその事実確認を行わないのですかね。それは、事実確認を行ってしまうと、事実だと分かると、何か困ることがあるんですか。
 その辺はいかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 改めて繰り返しになりますが、都教育委員会は、テスト終了時に、事業者及び配置した都職員からの報告により、解答に影響を与えることはなかったということを確認しております。
 また、テスト終了後に区市町村教育委員会から状況を聞き取った結果、解答に影響を与えるような事例の報告を中学校から受けていないということを確認しております。

○桐山委員 別にアンケート調査を区市町村で行っているわけじゃなく、子供たちの声を直接聞いた形跡もなく、事業者の報告だけを真に受けて、問題なかった、別にそんな声はありませんでしたと、本当によくいえたものですね。
 やっぱり今後の課題として、引き続きこのスピーキングテストを一、二年生にも導入して、今年度予算にも盛り込まれていますけれども、改善をするために、やっぱり検証しなきゃいけないじゃないですか。それをする気もないというのは、もう制度破綻も甚だしいですけれども、しっかりこの辺は子供の声を聞くべきですよ。
 では、次です。
 二〇二二年十一月に実施された英語スピーキングテストと、二〇二二年以前の英語スピーキングテストを比べて、ヘッドホンの形をした耳栓、すなわちイヤーマフの性能に違いがあったのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 今年度使用したイヤーマフは、これまでと同じものであります。

○桐山委員 イヤーマフは同じだということが分かりました。
 イヤーマフの性能に違いはなかったとすれば、二〇二二年十一月の英語スピーキングテストでイヤーマフによる遮断ができなかったという事実は、あるいは、そのような事実があったとすればという話法を都庁官僚の方々はよく使いますが、それは受験者による操作によるものであると判断しているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、テストは、カナル型イヤホンを装着した上でイヤーマフをつけることで、物理的に外音を遮断し、ホワイトノイズを流すということも加えまして、周囲の音声を聞こえなくする処理を実施しており、音声が聞こえたとしても、周りの会話を聞き分けながら解答することは現実的には考えにくい環境であるということを検証し、確認をしております。

○桐山委員 正確な解答はできなくても、部分的に解答できるんじゃないかなというふうに思います。
 イヤーマフをしていても、ほかの受験者の声が聞こえるというのは、受験者による不適切な操作によるものであると判断しているとすれば、次の問題が生じます。
 それは、一、試験実施者による説明不足なのでしょうか。また、説明をすれば、十分防げるものなのでしょうか。
 二、イヤーマフが適正に使用されているのか、確認を会場でどのようにするのでしょうか。それとも、テストを受ける生徒の自主性に任せるのでしょうか。
 三、イヤーマフをしていても、ほかの受験生の声が聞こえる責任は生徒にあるとして、カンニングとして摘発するのでしょうか。
 教育委員会の見解を求めます。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返し重複するところはございますが、テストは、音声が聞こえたとしても、周りの会話を聞き分けながら解答するということは現実的には考えにくい環境であるということを検証し、確認をしております。

○桐山委員 現実的に考えにくい。このことを含めて、準備をしていなかったから、今回の採点ミスが起こったんじゃないですか。
 第三者も入れて検証すべきだと思いますけれども、そのあたりはいかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 本試験を実施するに当たりましては、これまで、外部等々の有識者あるいは学校関係者等々も含めて、長い時間をかけ検討してきて実施をしており、様々検証してきた結果、実施をしているものでございます。

○桐山委員 他人の解答を聞いて解答するのはカンニングです。しかし、カンニングができてしまう試験会場の環境を提供しているのは教育委員会です。
 都立高校など外部施設で英語スピーキングテストを実施しないと公平、公正な環境が確保できないと強調しながら、カンニングが容易にできてしまう環境を提供しているのでは、受験生の責任を問う前に、教育委員会の責任こそ問われなければなりません。
 スピーキングテストでは、ほかの受験生が解答しているのが聞こえてしまうということをどのように防ぐのか、公平、公正な環境とはどのような環境なのか、改めて伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりまして、恐縮ですが、テストでは音声が聞こえても、周りの会話を聞き分けながら解答することは現実的には考えにくい環境であるということを検証し、確認をしております。

○桐山委員 先ほどから何回もいいますけれども、今回、音声データ採点ミスがあったわけですよ。採点ミスを犯して、今、東京都教育委員会は信用を失っているんです。しっかり検証し、確認といっても、検証しましたといっても、信用できません。第三者を入れて、これも検証すべきだと思っています。
 次に、開始ボタンを遅く押せば、ほかの人の解答を聞いてから答えることができるという意見も出ておりました。私のところにも届いています。
 教育委員会は、実際にそうなのか、検証したことがありますか。伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 テストでは、多くの受験生が一斉に発話している中で、特定の解答を聞き分け、それをまねることは現実的には考えにくいと考えております。

○桐山委員 先ほども申し上げましたけれども、正確な、完璧な解答ができなくても、部分的に解答できるんじゃないでしょうか。
 また、試験中、録音タイム前に間違えて解答を吹き込もうとした子の音声が丸聞こえという意見もあります。これは受験生のミスですが、その受験生を責めることはできません。しかし、その受験生の解答を聞いたほかの受験生は動揺します。
 同じ答えをした場合はカンニングになるのでしょうか。教育委員会の見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますが、テストでは、イヤーマフにより外部の音を遮断するとともに、ホワイトノイズの音を流して周囲の音声を聞こえにくくする処理をして実施しており、音声が聞こえたとしても、周りの会話を聞き分けながら解答することは現実的には考えにくいというふうに考えております。

○桐山委員 聞こえにくいなら、聞こえないわけはないですよね。私は、カンニングになるかどうかを聞いているんですけれども、ご答弁がありません。
 英語スピーキングテストは、生徒をカンニングに誘い込む場ではありません。
 受験生の操作否かによっては、あるいは受験生が解答するタイミングを間違えることによって、ほかの受験生が容易にカンニングできてしまう環境を提供することは、公平、公正な環境が確保されていると評価できないと考えますが、教育委員会の見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、テストでは、イヤーマフにより外部の音を遮断するとともに、ホワイトノイズの音を流して周囲の音声を聞こえにくくする処理をして実施しております。音声が聞こえたとしても、周りの会話を聞き分けながら解答するということは現実的には考えにくいと判断をしております。

○桐山委員 現実的に考えにくいとの繰り返しばっかりなんですけれども、考えにくいのではなくて、解答はできていないというふうにはいい切らないんですよね。不思議ですが。
 カンニングが、なぜ問題になるのかについて伺っていきます。
 そもそもアチーブメントテストは、生徒が自分の到達度を確認し、併せて、教師が生徒の到達度を把握して今後の授業や指導に生かすものであって、生徒にとっても、日頃から生徒を見ている教師にとって、一度限りのテストで、生徒がカンニングをしたかどうかは大きな問題ではありません。
 しかし、二〇二二年十一月の英語スピーキングテストは、幾ら浜佳葉子教育長がアチーブメントテストを強弁しようと、生徒にとっては都立高校受検なんです。だからこそ、カンニングが大きな問題になるわけです。
 教育委員会は、生徒の心に寄り添うことなく、教育委員会の政策に間違いないという官僚の無謬性に固執し、保身に恐々としているとしかいいようがありません。全くチルドレンファーストではありません。
 教育委員会は、アチーブメントテストという虚構と都立高校入学試験という実態とのギャップについてどう考えているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストは、義務教育終了段階において、授業で学んだ内容の到達度を把握するとともに、英語指導の指導充実を図ることを目的として実施しているものでございます。
 都立高校入試では、英語の四技能の習得状況を、それぞれ最適な方法により測る必要があり、話すことの技能においては、スピーキングテストの結果を活用することとしたものでございます。

○桐山委員 後で質問しますけれども、授業で学んだ内容の到達度を把握するのに、授業で学んでいないため、意味が分からない文法もあったじゃないですか。話すことの技能においてはスピーキングテストの結果を活用、つまり、これは都立高校入試であるということだと理解します。
 次に、都教委はあり得ないとしてきましたが、中学生が自分の解答が正しく採点されているのか心配になるほど、周囲の声がはっきり録音されていたという声も多数ありました。ちょっと事実確認をしていきます。
 まず、教育委員会の事実認識について伺います。
 解答練習を重ねた録音確認の際に、周りの人の声が録音されていたことについて、都教委は、あり得ないと何度も主張されていますが、試験会場で現場検証をした結果、あり得ないと判断しているんですか。それとも、ほかのどのような根拠をもって、あり得ないと判断をされているのでしょうか。
 生徒がうそをついているのか、教育委員会がうそをついているのか、はっきりさせる必要があります。
 お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 解答の音声は、高機能集音マイクを口元に設定して録音するため、本人の声と周りの声の音声は録音状態が異なることから、区別は確実にできるということを検証しており、本人ではなく、隣の生徒の音声を採点することはないというふうに申し上げてきたところでございます。

○桐山委員 いやいや、今の答弁だと、生徒がうそをついているということになりますよね。大丈夫ですか。声をまず聞いていないんですからね。
 はっきり聞こえるほど他人の音が入っていた、これなら、自信のない人も、何もしゃべらないで周りの人の声をそのまま録音して出した方がいいんじゃないかなどという話は、果たして適切に採点されるかどうか、不安です。
 採点については、都教委は、採点者は事前に研修を受講し、採点者として基準を満たした人だけが専任で行っています、採点に当たっては、都教育委員会が監修した基準に従って、複数の採点者による採点、審査を経て結果を確定していますと、Q&Aでも述べています。
 しかし、本当にそうなのか。都教委は確認をしたのか。都民は抽象的な説明をされているだけで、その事実を確認することができません。
 事実確認します。
 教育委員会として、二〇二二年十一月の英語スピーキングテストで、他人の声が入っていて自分は黙っていたケースや、複数の人の声が入っていたケースを確認しているのか、伺います。また、その確認方法についても伺います。
 さらに、それ以前の英語スピーキングテストで、教育委員会が同様のケースを確認したことがあったか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になります。
 音声は、高機能集音マイクを口元に設定して録音するため、小さい声や解答時間中の呼吸音も含めて確認をすることができます。
 これにより、隣の生徒の音声は録音状態が明らかに異なるということを実機で確認をしております。

○桐山委員 今回のテストでも確認したんですよね。
 もう一回、聞いていいですか。

○瀧沢指導推進担当部長 確認をしています。

○桐山委員 確認をして、自分が黙っていたケースや複数の人の声が入ってきたケースも確認して、全くなかったという認識でいいのですか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返し重複するところはございますが、自分が全く無解答であれば、周りの声が一定程度小さく入るという可能性はあると思います。
 私が繰り返し答えていますのは、マイクは口元にあって、自分の声と周りの小さな声は、はっきりと区別できるということをお話をしているところでございます。

○桐山委員 でも、フィリピンで採点をしている採点者の方が、実際のところ、本人が黙っているけれども、後ろの声が小さく聞こえている解答のときに、それが本人の声なのかどうなのかというのは、どうやって確認するんですか。

○瀧沢指導推進担当部長 練習として吹き込む音声もありますし、問題を通して聞くということもできますので、あるいはサブ音声という確認の方法もございますので、確認ができます。
 繰り返しになりますけれども、周りの音が入っていることがあることは全くないというふうにいっているのではなく、本人の解答の音声は、ほかとは明確に区別ができるということで確認もしているということを申し上げております。

○桐山委員 受験生が解答した音声データは、受験生に返還をされると、先ほども答弁をもらっていますが、その時期と返還方法について改めて伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都立高校入試の合格発表後、希望する生徒には解答音声データを開示する予定で準備をしており、三月に受付を開始し、順次開示をしていく予定でございます。

○桐山委員 合格発表後にデータを開示するということですけれども、これは、あくまで希望者ですよね。私は、今回、全員に開示をすべきだというふうに考えております。
 また、中学校の方にも生徒全員分の音声データを返却し、今後の授業に生かしてもらえるような形で進めたらいかがかと思うんですけれども、そのあたりについては、今後検討することがありますか。

○瀧沢指導推進担当部長 試験の有効活用については、広く様々な検討をしていきたいと思っております。

○桐山委員 全然、何かあれなんですけれども、私は、今回、音声データミスがあって、とや理事の質疑の中でも、音声データのミスがあった際に、別に、まだ本人にも開示を、音声データを返しているわけじゃないということだったと思うんですけれども、今回は、やはり全員に開示をしないと、本当に今、自分の生徒−−これ、到達度を示すアチーブメントテストといっているのであれば、自分がどこで間違っていて、どういうふうに評価をされているのかということを今後、自分で知ることができるわけですよ。
 今現在、スコアレポートを返されても、読んだ方は分かるかと思うんですけれども、あれを見て、どこで自分がつまずいたとか、どこで自分がこういうふうに評価されているのかというのは、全く分からないんですよ、ペーパーで返されても。マイページでも見られますけれどもね、同じものが。
 ですので、ぜひとも音声データを全員に返却をする。マイページから音声を聞けるような形でもって、別にCDで返せといっているわけじゃないんですけれども、そういうことを今後、まだ返却方法も考えているところだと思うので、ぜひご検討しておいていただきたいなというふうに思います。
 次に、受験した生徒は、複数の人の声が入っていたといっていますが、そのようなケースは、具体的にどう採点されたのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、音声は、高機能集音マイクを口元に設定して録音するため、小さな声や解答時間中の呼吸音も含め、確認することができます。
 これにより、隣の生徒の音声は録音状態が明らかに異なることを実機で確認をしています。
 また、事前準備及び問題の例題で本人の音声を録音し、確認する仕組みとしており、区別は確実にできることを検証しております。

○桐山委員 今回のテストでも確認したんですね。
 都教育委員会では、ベネッセがGTECでの経験があることを高く評価して、英語スピーキングテストの独占的なパートナーとして協定を締結したと理解していますが、ベネッセのGTECは、ほかの受験生の声が入るなどの場合があったのでしょうか。また、その場合、どのような対応をしたのでしょうか。
 あるいは、そのようなケースがなかったとすれば、今回、なぜそのようなことが起こったと考えているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 過去に学校で実施されたGTECでの実施状況を踏まえ、ESAT-Jの実施に当たり、新たにイヤーマフを装着するという対策を講じております。
 テストでは、イヤーマフにより外部の音を遮断することとともに、ホワイトノイズの音を流して周囲の音声を聞こえにくくする処理というものも加えて実施をしており、音声が聞こえたとしても、周りの会話を聞き分けながら解答することは現実的には起こらないというふうに考えております。

○桐山委員 現実的には考えにくい、起こりにくいという確認ばかりなんですけれども、ぜひ考えにくいことも確認はすべきだと思いますよ。しっかりやっていただきたいです。
 次に、令和三年十二月六日のベネッセ打合せ記録を見ると、こちらも見事なまでノリ弁でした。なぜ採点の質を確保する方策がノリ弁になっているのでしょうか。採点基準をあらかじめ明確にするのではなかったのでしょうか。
 ノリ弁の理由をぜひお聞かせください。

○瀧沢指導推進担当部長 採点の基準は公開をしています。
 当該の部分は試験の制度設計に関する情報であって、公にすることにより、正確な事実の把握を困難にするおそれがあり、当該事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとして、公表することをしなかった、非公開としたというものでございます。

○桐山委員 正確な事実の把握をするために公表するのが情報公開じゃないですかね。おそれがある、おそれという言葉を使うのであれば、可能な限り公表する努力をすべきだというふうに申し上げておきます。
 次に、英語スピーキングテストの採点者の氏名を公開することを求めるものではなくて、採点の責任を持つ企業はどこかということをこれまでも伺ってきております。
 ベネッセの名前は公表されていますが、フィリピンのベネッセの子会社の名前を公表すると、事業の適正な遂行にどのような支障を及ぼすのか、また、なぜベネッセの営業秘密なのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 採点業務に関連する具体的な事項につきましては、スピーキングテストの公平、公正な運営上の機密事項に当たるため、非公開、非公表としているものでございます。

○桐山委員 別に、具体的に何かいろいろ聞いているわけじゃなくて、子会社の名前を、ただ名前だけ聞いているだけなんですけれども、それも出せないということでした。
 採点拠点のオンライン視察とありますが、教育委員会は、二〇二二年十一月の英語スピーキングテストの都立高校入試への活用を控えて、採点拠点であるフィリピンへの現地視察を行ったと思います。これはベネッセに任せっきりだったのでしょうか。伺います。
 また、そもそも、採点拠点のフィリピンの子会社との打合せは、過去、何回されているのでしょうか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、公平、公正かつ正確な採点が実現できる体制であるということを確認するために、職員が実際にフィリピンの採点センターを訪問するとともに、定期的、継続的に打合せを行っております。

○桐山委員 なぜ、わざわざフィリピンで採点しなければならないのでしょうか。なぜ、わざわざフィリピンで現地視察をして税金を使わなければならなかったのでしょうか。フィリピンで、こういう形で公正な採点ができるのかというのは、やっぱり不透明なまま終わっているわけであります。
 次に、GTECのことを伺いますが、英語スピーキングテストとGTECとの関係について、利益相反の問題として重要な課題ですが、これまで採点を行ってきたベネッセ子会社は、GTECの採点を行っていないということを確認したのか、確認していないのか。あるいは、GTECの採点も行っていることを確認しているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 採点業務につきましては、試験実施上の運営情報に当たるため、公表しておりません。

○桐山委員 採点経験の豊富な方が採点に当たっているとの説明だけ受けております。
 二〇二二年十一月の英語スピーキングテストの採点は、実人数何人、延べ人数何人で、いつからいつまでの間、幾つの解答について行われたのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 これまでの答弁と同じになりますが、採点業務につきましては、試験実施上の運営情報に当たるために公表しておりません。

○桐山委員 本当に何も公開しないですもんね。あくまでも、採点がどのように行われているのかということは、ずっと隠し続けるということですね。分かりました。
 採点にはミスが起こる可能性がありますが、英語スピーキングテストにおける採点ミスの防止は、ベネッセに任せっきりなのか、それとも教育委員会がチェックするのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 採点は、採点基準に従い、複数の専任者による採点、審査、抽出による点検を経て確定し、都教育委員会が採点結果を確認しております。

○桐山委員 採点は、点検を経て確定をしたのなら、一月二十七日以降の音声データの再確認は必要なんじゃないかなというふうに思います。
 教育委員会が採点ミスをチェックする仕組みをつくらなければ、仮に採点ミスがあったとしても、隠蔽されてしまうことになると考えますが、見解を求めます。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほどの答弁ですが、抽出による点検を経て、その後、都教育委員会が採点結果を確認しているということでございます。
 今の質問に対しての答弁になりますが、採点は、採点基準に従い、複数の専任者による採点、審査、抽出による点検を経て、都教育委員会が採点結果を確認しております。

○桐山委員 つまり、都教育委員会が採点ミスがないよう責任を持っているということでしょうか。
 もう一回、そこをご答弁ください。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストの実施主体として、採点結果に対しては責任を持っていると考えております。

○桐山委員 責任を持っているということなんですね。分かりました。
 採点について、記述式答案など一義的に解答が決まらない答案の場合で、複数人が採点するときは、採点者によって偏りが出てくるため、偏差値を用いて偏りを是正するなどの方法がありますが、高校入試の記述式試験及び英語スピーキングテストでは、採点者による偏りをどのように是正しているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁、重なってしまいますけれども、基準に従いまして、複数の専任者による採点、審査を経て、都教育委員会が採点結果を確認することを通じて、公平、公正な採点を実施しております。

○桐山委員 答弁にありました基準というものなんですけれども、基準もしっかり公開すべきというふうに主張しておきます。
 次に、高校で習う文法を出題した問題点について伺っていきます。
 東京都の特設ページ、中学校英語スピーキングテストQ&Aでは、どのような準備をすればよいですかとの答えとして、ふだんの授業で行っているペアワークやグループ活動、スピーチやプレゼンテーション、教科書の音読などの活動について、これまでどおり取り組んでくださいとしています。
 しかし、都立高校入試に活用される二〇二二年十一月のESAT-Jでは、高校の学習指導要領で学ぶ文法を使った問題が出ていました。入試問題を作成する方にとっては、それはあり得ないことです。
 十一月二十七日実施の英語スピーキングテストでは、パートAでは、全部で二問あります、聞いている人に意味や内容が伝わるように、英文を声に出して読んでくださいと、スピーキングならぬリーディングをするよう指示があります。
 ドゥー ユー ドリンク ティー、ユー メイ ハブ シーン ザット ゼアーズ何々という文章のユー メイ ハブ シーンの意味は、高校の英文法ですから、中学生には分かりません。
 見たかもしれないという意味も理解できずに、どうして意味や内容が伝わるように読めるのか、教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘の英文は、音読の問題として、中学校で学ぶ単語を用い、場面に応じて、英語として自然になるような文を作成し出題したものでございます。

○桐山委員 この議論があったと思うんですけれども、意味や内容が伝わるように読んでくださいと出題していて、ただ単語を読めとはなっていないと思うんですよね。
 問題文のメイ ハブ シーンは、見たかもしれないという意味で使われますが、この文法は高校で習うレベルのもので、中学校での学習範囲を逸脱しています。
 学習指導要領のアチーブメントテストに、高校で学習する英文法を使った問題文を出すことは、アチーブメントテストとして失格だと考えますが、見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 重複する答弁になりますけれども、ご指摘の英文は、音読の問題として、中学校で学ぶ単語を用い、場面に応じて、英語として自然となるよう文を作成し出題したものであり、学習指導要領の趣旨に照らし、逸脱しているとの指摘は当たらないと考えています。

○桐山委員 意味や内容が伝わるように読んでくださいと出題していて、ただ単語を読めとはなっていません。
 学習指導要領の趣旨に逸脱していないとしていますが、ESAT-Jは、授業で学んだ到達度の確認としているのだから、助動詞と完了形を用いた過去に関する推測の表現を、都内の中学生は、いつ学んでいるんですか。
 お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますが、ご指摘のこの英文は、音読の問題として、中学校で学ぶ単語を用い、場面に応じて、英語として自然となるよう文として作成し、出題し、子供たちが解答したものでございます。

○桐山委員 浜教育長は、それぞれのメイ、ハブ、シーンの単語は、中学で学ぶものを用いた、学習指導要領を逸脱しているとの指摘には当たらないと答弁しています。
 過去完了、未来完了、過去完了進行形、未来完了進行形、仮定法過去完了など、高校で学ぶ文法でも、使う単語は中学で学習しています。
 教育委員会は、都立高校入試の学力検査でも、高校で学ぶ文法を使って英語を出題しても一向に構わない、問題はないと考えているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、そのようなことではなく、ご指摘の今回の英文は、音読の問題として、中学校で学ぶ単語を使って、場面に応じて、英語として自然となるような文を作成して出題したものでございます。

○桐山委員 つまり、音読の問題なので、シュッド ハブ シーンも、メイ ハブ シーンも、ウッド ハブ シーンも、クッド ハブ シーンも出題可能で、今後も出題の可能性があるということですか。
 お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 出題方針に従いまして、今後も問題作成検討委員会にて作成をしてまいります。

○桐山委員 すごいですね。今後も出題可能性があるんですね。本当に子供たちは、どんな勉強をしたらいいのか分からなくなっちゃいますね。
 中学校の学習指導要領の習得の程度を測るアチーブメントテストと主張しているESAT-Jで、高校で学ぶ文法を使って出題した段階で、アチーブメントテストとしても問題があると考えますが、それを問題がないといい張る時点で、公教育に対する責任者として失格だと考えますが、浜教育長は、今も問題はないと考えているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘の英文は、音読の問題として、中学校で学ぶ単語を用い、場面に応じて、英語として自然になるよう文を作成して出題したものでございます。
 学習指導要領を逸脱しているという指摘は当たらないということで、これは今後も変わらない。その方針の下で作成をしてまいります。

○桐山委員 ぜひ入試の専門家の見解も聞くべきだと思います。
 また、授業で学んだから出題したんだと思うんです。助動詞と完了形を用いた過去に関する推測の表現を、都内の中学生は、じゃ、一体、いつ学んだのか。
 最後に、この問題についてお伺いしておきたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 個別の、生徒がいつ、どこで学んだか、お答えするのは難しいかと思います。
 いずれにしましても、今回の問題は、音読の問題として、中学校で学ぶ単語を用い、場面に応じて、英語として自然となるよう文として出題したものでございます。

○桐山委員 先ほども申し上げましたけれども、今後、指導要領を逸脱する問題が出題されるとすれば、中学生がどうやって対策をすればいいのかというのは、結構、分からなくなりませんか。
 到達度を示すアチーブメントテストというふうに、授業でこれまで学んできたことを測っていきましょうというふうに都教育委員会が出題をしているわけですから、やはり、このあたりもしっかりとやっていっていただかないと、音読だからいいという問題ではないというふうに思いますので、そのあたりにつきましても、先ほど申し上げたように、ぜひ専門家の意見を聞いて取り組んで、出題方法を考えていただきたいというふうに思います。
 次に、追加の質問に行きますが、この追加の問題は、なぜ追加になったか、皆さん、ご存じだと思いますけれども、我々が報告案件として、今回、二月九日の日に報告を求めてきました。しかしながら、そのために準備をしてきたんだけれども、先ほどから何度も申し上げていますけれども、音声データ採点ミスということで、八人のお子さんのミスが発覚をしたということの報告が追加されたわけです。その追加をされたことに当たって、もう一度、私もそこから質問をさせていただきたいと思います。
 二月二日の教育庁のチラシをいただきましたけれども、情報管理を徹底した環境において、採点基準に従って、複数の専任者による採点、審査を経て評価をし、都教育委員会が採点結果を確認と強調した上で、一月十二日、十一月二十七日実施分、一月二十六日、十二月十八日実施分を通知されたと思います。
 そこで、八人の解答音声の一部が正しく録音されず、無解答と認識をされ、誤って低く採点されていたことが分かった。
 そんなことは、情報管理を徹底した環境において、採点基準に従い、複数の専任者による採点、審査を経て評価をしており、都教育委員会が採点結果を確認した上で採点し、受験者に通知したのではなかったかと思うんですが、そのあたりについてお答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、採点は、採点基準に従い、複数の専任者による採点、審査を経て評価をしており、都教育委員会が採点結果を確認してまいりました。
 スピーキングテストの都立高校入試への活用等に向けて万全を期すため、テスト受験者全ての解答音声データなどを再確認した結果、八人の解答音声データの一部に、解答音声が確認できない箇所があるということが判明をしたものでございます。
 該当する受験者につきまして、バックアップデータの解答音声データなどにより、再度採点を行い、評価を修正したものでございます。

○桐山委員 もう一回聞きますが、都の確認により判明したのか、ベネッセの確認により判明したのか、結果を送る前に判明しなかったのはなぜなんですか。伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 確認作業を行っていたのは事業者であります。
 なぜ以前に確認できなかったのかにつきましては、これまで、重複する答弁になるかと思いますけれども、無録音であればバックアップデータに当たるという作業を行ってきているわけですが、今回は、無録音ではなく、録音されているという状況であったために、解答がされていないというデータであるというふうに判断して採点をしたということにより生じたものでございます。

○桐山委員 最も重要なことは採点ミスをなくすことなんですけれども、受験者に通知後、スピーキングテストの都立高校入試への活用等に向けて万全を期すために再確認とは、何のためだったのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 採点に向けて、複数のプロセスを経て、万全の体制で採点を行うということは、当然行うわけですけれども、それでも何かミスが起こる可能性があるという前提に立って、改めて、今回、この点検作業を行ったということでございます。

○桐山委員 都立高校入試への活用等に向けて、今回、高校入試活用ということで、非常に敏感に、もし採点ミスがあったらどうしようとかと、多分、いろいろとご苦労があったかと思うんですけれども、都立高校入試への活用等に向けて、万全でなかったんじゃないですか。
 採点者、採点の方法に関する今回の協定を含む全資料を私たちは公開を求めていますけれども、今回の協定を含む全資料は公開すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 公にすることにより、正確な事実の把握を困難にするおそれがあり、当該事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある場合を除き、公開できるものは、できるだけ公開をしております。

○桐山委員 公開できるものはしておりますというご答弁なんですけれども、違うんじゃないですかね。やはり採点ミスが起こったのですから、関係者だけで事を進めるのではなくて、情報を出さないと、何が正しくて、何が問題だったのか、分からないと思うんですよね。
 こちらの方も、協定を含む全資料を、ぜひ公開の方を進めていただきたいというふうに、これはやはり今後の信頼度にも関わる問題だと思うので、ぜひ挽回をしていただきたいなというふうに思っております。
 次に、協定に基づき、誰が何を聞き直したのか、もう一回伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 事業者が解答音声データを確認いたしました。

○桐山委員 申し訳ないのですけれども、本当、協定って、私たち、全然、中身を知らないから、どういうふうに協定に基づいてやられているのか、さっぱり分からないんですよ。
 なので、協定の何に基づいたものなのかを、ぜひご説明ください。

○瀧沢指導推進担当部長 事前に通告がございませんから、今日は、全ての協定を持ち合わせておりません。
 ただ、ここで協定といっていますのは、基本協定あるいは実施協定、実施計画等々、事業者との間に結んでいる協定などを想定しているところでございます。

○桐山委員 何か、今のお答えだと、事前に協定書、こういう問題は想定していないからみたいな話だと思うんですけれども、じゃ、今、手元に協定書があったら、何に基づいたか、ちゃんと答えていただけたのでしょうかね。
 一月二十七日から二月五日の十日間で、七万一千百九十七人、聞き直したと思います。これ、一日当たり一分と計算しても、すごい時間ですよね。
 大体、通しで三分だというふうにも伺っているところなんですけれども、まず、一体、何人で聞き直したのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 この期間に集中的に行ったということであります。
 運営体制や採点業務等につきましては、テストの公平、公正な運営上の機密事項に当たるため、公表することは差し控えたいと思います。

○桐山委員 また公開してもらえないのですけれども、何度もいいますけれども、これ、採点ミスを犯して信用を失っている状況なんですから、分からなければ、本当に全部確認したかも分からないんですよ。ぜひ答えていただきたいというふうに思います。
 次に、受験生一人当たり、何分かけたのかも教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 こちらも同じ答弁になり、恐縮ですが、運営体制や採点業務等については、テストの公平、公正な運営上の機密事項に当たるため、公表することはできません。

○桐山委員 また公表してもらえないんですね。
 一人分の解答を何人がクロスチェックをしたのか、教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になります。
 運営体制や採点業務等については、テストの公平、公正な運営上の機密事項に当たるため、公表することはできません。

○桐山委員 またこれも機密事項で公表してくれないんですね。
 何を聞き直したのか、録音状態だけを聞いたのか、お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますが、解答音声データの確認をいたしました。

○桐山委員 全て公開してもらえないことがよく分かったので、次に行きます。
 そもそも、今回、八人分だけというのも、実に怪しいなといわざるを得ないんです。(発言する者あり)えっ、何で。教育委員会がブラックボックスなんですよね。(発言する者あり)しようがないじゃないですか。本当に、フィリピンでどういうふうに採点されているか、全然分からないんですよ。(発言する者あり)でも、全部仕切って……(発言する者あり)それはできるでしょうね。
 ほかにもあるか、ないのか、確認しようがないんですよ。本当に公表してもらえないので。
 全データを、ぜひ第三者に検証させるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテスト受験者全ての解答音声データの点検を行い、ほかに同様の事例はないことを確認しております。
 また、希望する生徒には解答音声データを開示してまいります。

○桐山委員 都教育委員会は、平成二十五年度に実施した都立高校入試で、全ての都立高校で点検し、採点の誤りと追加合格者が出ました。その後、あろうことか、改めて全ての都立高校で再点検をしたら、さらに誤りと追加合格者が発生している事例もあります。
 今回の再点検で終わりではありません。過去に今話した事例があるのですから、第三者も入れて検証しない限り、都教委が幾ら大丈夫だといっても信用できないといわざるを得ません。
 今回、音声データのミスというのは、やはり出願中に起こったミスで、修正ができて、ああ、よかったというふうに済まされる問題ではありません。子供たちは、このスピーキングテストによって、今回、別枠で新たな二十点加点ということで入試に使われるわけであります。ですから、こういうミスはあってはならないんです。
 この件について、冒頭では、私は、ぜひ浜教育長に、子供たちが多く不安を装っているということも含めまして、謝罪するべきだということを申し上げましたけれども、瀧沢部長からの謝罪にとどまっているということです。
 冒頭で申し上げましたように、これまで都立高の、過去の文教委員会では、浜教育長から謝罪があり、その後に、入試所管の部署である部長から、追加合格者などについての今後の取組についての説明や、最後に謝罪があったりと、このときについても、非常に同じことなのではないかといわざるを得ないのですけれども、最後にも、このことについて、浜教育長から一言も何も発せられないのでしょうか。
 浜教育長から、今回の採点ミスについて、ぜひお言葉を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

○瀧沢指導推進担当部長 今回の評価の修正に当たりまして、中学生及び保護者の皆様、そして学校関係者の方々にご不安あるいはご心配をおかけしたことを、都教育委員会として、非常に深くおわびを申し上げたいというふうに考えております。
 改めまして、申し訳なく思っております。申し訳ございませんでした。

○桐山委員 本当は、浜教育長から、ぜひお言葉をいただきたかったなということで、非常に残念ですけれども、早く進めたいので、次に移ります。(発言する者あり)ある。(発言する者あり)違う、次、陳情ですから。
 陳情第一一二号、都立高校入学者選抜の英語の学力検査に「四技能」を出題することに関する陳情について質疑を進めます。
 英語スピーキングテストは、教育施策大綱の審議では議論されていません。これまで教育庁は、英語スピーキングテストは、東京都教育施策大綱に基づくグローバル人材の育成の施策であると答弁をしてきました。
 しかし、小池知事が策定した平成二十九年一月と令和三年三月の東京都教育施策大綱には、英語スピーキングテストは記載されていませんし、公開されている議事録を全て読んでも、アチーブメントテストとして英語スピーキングテストを実施することや、まして高校入試に活用するなど、出席者からは一言も発言がありません。
 むしろ、グローバル人材とは、日本のことをきちんと理解して、しかも、それを今度は外国語を使って伝える人材、英語教育とは別物、グローバル人材とは何かというと、単に英語が話せればいいのではなくて、総合的な人間力であって、英語は話せるけれども、日本文化について知識がなくて話せない人材が多く出ていて、外国の文化人から軽んじられるという発言もなされています。
 よって、英語スピーキングテストを東京都教育施策大綱のグローバル人材の育成と結びつけたのは誰か、明確にしていかなければならないと思います。
 そこで、教育庁が、英語スピーキングテストは東京都教育施策大綱に基づく政策であるとしている根拠を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会では、東京都教育施策大綱で示されたグローバル人材の育成に向けて、四技能の習得を通じた使える英語力の育成を重視した施策を展開しております。
 また、令和四年三月に、大綱を踏まえて策定いたしました東京グローバル人材育成指針において、英語を用いて自分の気持ちや考えを発信し、発表や議論ができる力を育成することとしており、スピーキングテストも、こうした取組の一つとして、授業で学んだ内容の到達度を確認し、英語指導の充実を図ることを目的として実施しているものでございます。

○桐山委員 学力検査は、文部科学省の通達では、中学校の新しい教育課程で重視されるべき能力が適切に反映されるよう、一層の工夫、改善を図ることとされていますが、これまで英語の四技能を学力検査で出題することを検討したことがあるのか、伺います。
 また、英語の四技能を学力検査で出題してこなかった理由についても伺います。

○村西都立学校教育部長 平成二十九年度の東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会や、平成三十年度の英語「話すこと」の評価に関する検討委員会等におきまして、英語の四技能の出題等について検討を行っております。
 また、これまでの英語学力検査では、英文読解等の出題を通じた読むこと、英作文の出題を通じた書くこと、リスニングの問題を通じた聞くことの三つの技能の習得状況を測っております。

○桐山委員 英語の学力検査では、読む、書く、聞くの三つの技能習得状況を測っていると。
 これをわざわざ民間事業者の外部の試験を導入して評価をせず、都立高校の学力検査で英語の四技能を実施することにより、一、国立、私立、公立中学校の生徒の間の仮想得点の付与の問題も生じることなく、受験者の間の平等が確保できると思います。
 二、また、特定の業者が問題の作成から採点まで行うこともなくなり、教育委員会が特定の業者を事実上支援する利益相反の問題もなくなります。
 三、さらに、東京都教育施策大綱策定の審議において有識者から述べられた、グローバル人材とは、日本のことをきちんと理解して、しかも、それを今度は外国語を使って伝える人材、英語教育とは別物、グローバル人材とは何かというと、単に英語が話せればいいのではなくて、総合的な人間力があって、英語は話せるけれども、日本文化について知識がなくて話せない人材が多く出ていて、先ほども申し上げた外国人から軽んじられるという発言もある中、そういったグローバル人材の育成にもかなったと考えています。
 次の質問ですが、都立高校は百八十一校あり、英語の教員の方も数多くいらっしゃいますが、英語の話す技能の検査を学力検査で行わないとしたのは、教育委員会や高校に問題作成能力や採点能力がないからという理由なのでしょうか。それとも、単なる技術的理由からでしょうか。お聞かせください。

○村西都立学校教育部長 英語学力検査におきまして、話すことの検査を実施していない理由は、都立高校入試を受検する生徒は約四万人であり、様々な解答例がある話すことの検査における採点、評価には相当程度の時間を要するため、学力検査の日程内で実施できないことがその理由でございます。
 このため、授業で学んだ内容の到達度の確認等を目的に、民間事業者のノウハウを活用して、都教育委員会が自ら実施するスピーキングテストの結果を都立高校入試で活用することとしております。

○桐山委員 答弁では、都立高校の受検者は四万人で、話すことの検査には相当程度の時間を要するために、学力検査内で実施ができないとのことです。英語のスピーキングテストを学力検査に組み込む上での技術的な問題であります。
 問題の作成は教育委員会が責任を持って行い、また、自主問題を作成する高校では、その学校が行うこととし、試験の実施の監督は、教育委員会の指導の下で当該高校が行い、採点も、当該高校の英語教師が責任を持って行うことで確保されます。
 都立高校の入学者選抜は、その高校への志願者の中から選抜することになりますので、英語の採点の公平性は、その高校の受検者の間だけで保たれればよく、人数も限定されるため、短い期間で公平な採点が可能です。
 また、採点者がその高校の教師であれば、受検者の信頼性も高く、入学後の授業の指導にも生かすことができると考えられます。
 そこで、高校の教員、ALT、補助教員と都立高校各学校の総動員で採点に当たればいいと考えておりますが、見解を伺います。

○村西都立学校教育部長 各都立高校の英語教員は、学力検査の終了後は英語学力検査の採点業務を行う必要がありまして、いずれにしても、話すことの検査の採点、評価は−−学力検査は一週間ぐらいです。日程内で実施することはできません。
 なお、こうした理由があっても、英語の四技能を入試で測るということは極めて重要でございまして、今回、英語スピーキングテストの結果を入試で活用することとしております。

○桐山委員 文部科学省の通達では、高等学校教育については、多様な生徒の個性を伸ばすということを重視して、各高等学校における特色のある個性的な教育の展開を一層推進することが肝要でありますとされています。
 都立高校においても、一つの高等学校の中で、生きる力や職業に生かせる力、個性を生かせる力を伸ばせる複数コースを設定するなどの工夫が必要だと考えています。
 その前提として、高等学校での公教育をしっかりと行うためには、その入り口である入学者選抜において学力を検査する場合は、教育委員会や高等学校が責任を持って、自ら公平、公正な学力検査を行うことが必要であると考えていることを申し添えまして、質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○伊藤(ゆ)委員 本当は、陳情に出ているマスクについて質問しようと思っていたのですけれども、今日、ちょっと一連の質疑を聞いて思うところがあるので、少し質問させていただきたいと思います。質問というよりも、意見にかなり近いので、最後に所見だけ、ちょっと伺おうと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 実は、三日前までドバイに行っていまして、私費でしっかりドバイのまち並みを拝見させていただきました。先進都市、また国際金融都市といわれるドバイがどれだけインバウンドの力を持っているのかというのを、やっぱりこの目で見てみたいなと思いまして、四日間程度回りまして、びっくりしましたね、正直いって。
 建物ももちろんびっくりしましたし、それから、何よりも、二百万人の、今、UAEに住んでいる人口の中で、百七十万人が外国人だそうです。UAEのオリジナルの国民の方というのは三十万人程度。で、所得税はない、法人税もほぼない、しかし、いわゆる賃料として国家は稼ぐということで、インフラ整備を徹底するとともに、働いていらっしゃる三十万人のUAEの国民の皆さんも、それからまた、様々な業種の方々、富裕層も来れば、労働者としても相当な外国人が入っていらっしゃいました。
 そういう意味で、インバウンドでも稼ぎますし、稼ぐ方々も、これはやっぱり、何ができるかというと英語ができるんですよ。働いていらっしゃる中でも、今回、私もいろんなタクシーに乗らせていただきましたが、一つは、余談ですけれども、いいますと、まずタクシーがレクサスですからね。それはやっぱり、どれだけドバイというまちが、ある意味、稼げているまちかということの一つの象徴だとも思いました。
 運転手さんたちは、いろんななまりで、いろんな国の出身の人たちがいましたけれども、やっぱり、基本、全員英語がしゃべれる。ですから、UAEはUAEの言葉があるんだと思いますけれども、あまねく英語で、ある意味、不自由なく旅行程度はできたというふうに思っています。
 で、帰ってきたときに、稼ぐという中において、これから日本もマーケットは小っちゃくなっていくし、人口も少なくなっていくし、そういう意味では、ドバイまでとはいいませんけれども、やっぱりインバウンドで稼いでいかないと、日本はこれからどんどん小さなマーケットとして、ジャパンパッシングされていってしまう。場合によっては、台湾かもしれないし、シンガポールかもしれないし、空間的にも時間的にも、世界がどんどん小さくなっていますよね。私なんかも半日でドバイまで行けちゃいますから、そういう意味では、別にアジアの都市の中ということじゃなくて、世界の都市の中で選ばれる都市にならないと、これは本当に、うちの子供たちや、あるいはその下の子供たちなんていうのは、世界の中で稼いでいけるんだろうかという不安さえありますよ。
 ちなみにいいますと、タクシーの運転手さんたちのお給料も聞きましたけれども、日本人の平均所得の、まず倍ですよ。それから、ドバイの一番階級の低い警察官のお給料も、月額八十万円だそうです。稼げているんですよね。もちろんオイルマネーもあると思います。
 しかし、何よりも、やっぱり稼ぐための一つのツールとして英語をしゃべれるようになるということは、非常に重要なことだと思います。多分、そういう視点で、東京から旗を振って、今回、スピーキングテストを導入しようと。
 私は、いろんなスピーキングテストについてのアプローチはあろうかとは思うんですけれども、やっぱり受験制度が変わらないと、結局、この国の教育は変わらないですよ。それは今までだって、ヒアリングだとか、スピーキングだとやってきたけれども、塾がこれだけ蔓延して、ある意味、ばっこしているのも、受験制度の問題だと思います。私は、これも大いに変えていきたいと思いますけれども、何にしても、しゃべれるようになるというのは、やっぱり受験制度が変わっていくことによって、それはしゃべれるようになっていくと思います。
 で、この通過点にというよりも、出発点に、今、私たちは立っているわけでしょう。私は、今日、正直、聞いていて、いろんなご議論が様々な会派さんからありました。やっぱり本当は、この文教委員会の議論というのは、少なくても、今日の議論というのは、受験生、これから受ける受験生かもしれないし、受けた受験生かもしれないし、それから、今、小学生で、これから中学校に上がっていく子たちのためかもしれませんけれども、この子たちの将来のためにつながる議論をしましょうよという感じですよ。私の心持ちとしては。
 それはやっぱり、一つには、ここで議会で様々な立場がありますから、あまり人の立場のことはいいませんけれども、いい負かすとかいうことを目的にしたり、申し訳ないけれども、中止を目的にするという議論に聞こえちゃうことは、非常に残念だと思います。
 ただ、一方で、いっておきますが、これ、僕、今日すごく感じましたが、初めてやっていることでしょう。東京都にとっても、都民にとっても。それはやっぱり、まずは完璧じゃないということですよ、前提として。絶対完璧じゃないと思いますよ。完璧じゃないものをやるなといったら、これ、受験制度というのは、一切、何も手をつけられないです。
 でも、僕がいいたいのは、それは皆さんにいっているんじゃなしに、教育庁の皆さんに申し上げますけれども、やっぱり、基本的には完璧じゃないという前提にもうちょっと立って−−いろんなご指摘があったと思うんです、いろんな立場の方々から。それは確かに、そこまで全部は開示できないよとか、別にそこまでは全部答弁できないよということもありました、私の中でもね。私の感覚ですけれども。
 でも、例えば、さっきのヘッドホンのずれの話とか、触るなというから、実は、ずっとそれでずれたまま、ひょっとしたら試験をやっていたかもしれないとか、あるいは、具体的な単語が私も出てきませんけれども、とにかく、習ったんだか、習っていないんだか分からない英語、私もあれを見ましたけれども、三十年も四十年も前だからあれだけれども、少なくても自分の中学校のときの感覚からいったら、あまり習っていたような気はしないですね。
 やっぱり、それも、今回初めてのことなので、いろんな課題とかというのがどんどんどんどん見つかってくると思うんですよ。
 今日の委員会でやらなきゃいけないのは改善で、僕がちょっと心配しているのは、報告がなかったから、全くもって何もなかったんだというふうに思っていないと思いますよ、本当のところは。本当のところは思っていないと思うけれども、答弁をそこまではっきりいっちゃうと、それはやっぱり、皆さんの下には、課長がいて、係長がいて、現場があって、教職員さんがいて、あるいは、委託先の事業者さんやアルバイトまでいるわけですから、できる限り、ひょっとしたらそういうことがあるのかもしれないという前提に立って、できるだけこれは改善していこうと。改善する可能性の余白というのを残して答弁していただくと、僕らも安心して、あるいはまた、いろんな議論を積み重ねていってブラッシュアップしていけるんじゃないかと思います。
 だから、四角四面というのかな、今回のテーマというのを質疑するんじゃなしに、いい仕組みになるように、確かに、こういうところはこういうふうに改善すべきなのではないかという余地をぜひ残していただきたいというふうに思います。そこは、ある意味、皆さんの想像力が一番重要なところだと思っていて、報告が上がってこなくても、ひょっとしたらあったかもしれないという想像力をぜひ働かせて、今後に生かしていただきたいというふうに思います。
 そのことを申し上げて、ずっと答弁に立たれている瀧沢指導推進担当部長、一言、今の私に対しての、意見表明で終わると質疑にならないので、なかなか難しい答弁だと思いますけれども、今申し上げたことをご理解いただけたかどうかだけご発言いただければ、ありがたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 ありがとうございます。実は、UAEには今年から生徒を派遣したりということで、まさに都教育委員会あるいは都立高校生が、これまでの英語圏だけではなく、世界中、様々なところに生徒を送って、多文化を理解して、真のグローバル人材に育成していきたい、そういうふうに考えて施策を展開し始めている象徴的な場所でして、非常にご自身の直近の経験に基づくお話をいただいて、まさにグローバル人材教育の重要性というものを改めて感じたところでございます。
 また、後半、叱咤激励をいただいたということで、私も、何分、質問数も非常に多いということもありまして、同じ答弁、繰り返しということになりまして、そういう点で失礼に映ったところもあるかというふうに思いますけれども、ただ、ご指摘がありましたように、初めての事業でございますし、ぜひいいものに育てていって、問題があるからやめてしまえということではなく、ぜひいいものとして実施をし、さらに改善を進めていきたい。それこそが、これからの日本の子供たちの英語力を高め、真のグローバル人材の育成につながっていく、その大きな重要なピースだというふうに考えて行っております。
 ですので、かたくなになるというつもりはございませんで、様々な方からも意見をいただきながら、改善できるところは、ぜひ改善していきたいというふうに考えております。
 引き続き、どうぞご指導をよろしくお願いいたします。

○伊藤(ゆ)委員 以上です。ありがとうございました。

○入江委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後十時五十七分休憩

   午後十一時十九分開議

○入江委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたしますが、再度、改めて、質疑の重複はできる限り避け、質問は簡潔明瞭にお願い申し上げます。
 また、理事者の答弁も簡潔明瞭に行っていただくなど、委員会の円滑な運営により一層ご協力いただきますように、改めてお願い申し上げます。
 発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 まず、陳情第一〇八号、特別支援学校の寄宿舎指導員の採用実施と増員配置に関する陳情について伺います。
 昨年度、十二年ぶりに採用試験が行われましたが、教員採用試験と同じ時期だったために、寄宿舎指導員を希望される教員資格のある方が応募しにくい状況がありました。その結果、採用見込み数は十名、応募人数は十一名、合格者は五名となりました。
 いまだに欠員がある状況ですが、今年度の寄宿舎指導員の募集人数は何人でしたか。いつ試験が行われ、応募者数と合格者は何人だったのでしょうか。

○吉村人事部長 今年度の寄宿舎指導員の採用選考は、都外にある区立特別支援学校を対象に九月十一日に実施いたしました。
 募集人員は若干名、応募者は二十三名、合格者は十一名でございました。

○アオヤギ委員 応募者数二十三人で合格者十一名だったということですが、この合格者が全員採用された場合、欠員は何人になるのでしょうか。

○吉村人事部長 区立特別支援学校において、今回の合格者が全員採用になった場合、令和五年四月一日の欠員は、現時点で四名となる見込みです。
 欠員に対しては、臨時的任用職員を充当する予定でございます。

○アオヤギ委員 今回募集したのは、千葉県にある三つの区の寄宿舎です。
 一方、都内の特別支援学校の寄宿舎指導員は、この間、採用がないため、若手の指導員がいなくなっているということですけれども、現在の指導員の年齢構成、都立特別支援学校の寄宿舎と都外区立特別支援学校の寄宿舎では、それぞれどうなっていますか。

○吉村人事部長 寄宿舎指導員の年度末年齢は、都立特別支援学校では、三十代が三人、四十代が二十人、五十代が三十七人、六十代が十二人、区立特別支援学校では、臨時的任用教員を含め、二十代が二人、三十代が三人、四十代が十一人、五十代が六人、六十代が十一人、七十代が二人となっております。

○アオヤギ委員 都立特別支援学校の方が、やっぱり年齢構成が高いように思います。
 そして、文科省ですけれども、二〇二二年六月に、十三年ぶりに学校施設整備指針を改定しました。
 その総則の記載で、寄宿舎については、改定前と比較してどのような点が変更になったのか、お答えください。

○落合特別支援教育推進担当部長 令和四年六月に改定された特別支援学校施設整備指針の総則では、寄宿舎に関して、自立と社会参加に向けた日常生活の指導を行う観点から施設機能を設定することも有効との記載が追加されているところでございます。

○アオヤギ委員 通学が困難な幼児、児童、生徒のために設置するという観点に加えて、自立と社会参加に向けた日常生活の指導を行う観点から施設整備を設定することも有効ということでありました。
 通学が困難なというのに加えて、日常生活の指導というふうに加わったということで、この意義についてどのようにお考えですか。

○落合特別支援教育推進担当部長 障害のある児童生徒にとって、基本的生活習慣や集団生活におけるマナーを身につけることは、将来の自立や社会参加に向けて重要であることから、全ての特別支援学校において、日常生活の指導を計画的、継続的に実施しております。
 寄宿舎では、寄宿舎指導員や舎監が、学校で指導する教員とも連携しながら、入舎している児童生徒の基本的生活習慣の確立など、将来の自立や社会参加に向けて取り組んでございます。

○アオヤギ委員 これまで寄宿舎に入る要件として、通学が困難な場合ということで、東京都では九十分の通学時間というのが設定されていますけれども、それ以外に、文科省は日常生活を行う観点というのが加わったことは重要だと思います。
 寄宿舎の教育的意義について深く知り、その意義に基づいて、寄宿舎が必要な子供たちが入舎できるようにしなければならないと思います。
 障害のあるお子さんにとって、寄宿舎の役割は大きく、以前も紹介しましたけれども、寄宿舎では、生活のリズムを年齢の違うお子さんと一緒に学んで、学校に行く前も、みんなで歌を歌いながら準備をして、ストレッチをしたり、排せつをしたり、学校に行くまでリズムを整えるということであります。
 そして、保護者の方からは、うちの子は、私としかご飯を食べないと思っていたのが、寄宿舎ではみんなと食べられるようになったと。また、ある寄宿舎卒業生の保護者からは、自分の子供は、発語ができず、コミュニケーションができないというふうに思っていたけれども、寄宿舎に入るようになって、自宅でお母さんが食事の用意をしているのを見ると、食器を棚から出してくれるようになった、とても感激したということの声がありました。
 かけがえのない一人一人の成長に資する教育的な役割を寄宿舎は果たしています。寄宿舎に入舎を希望する方が入られるようにしていくことが求められています。
 先ほど、基本的生活習慣を身につけることは重要とのご答弁がありました。学校施設整備に追加されたように、寄宿にその機能を持たせていくなど、新たな活用を広げていくときだと思います。
 現在の入舎基準は、十六年前につくられたものです。有識者や当事者も加えた検討会をつくり、入舎基準の見直しや設置校の拡大、そのための指導員の確保に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、全員が希望泊数を泊まれていない寄宿舎はどれくらいありますか。あるとしたら、どこですか。

○落合特別支援教育推進担当部長 今年度、希望泊数を泊まれていない児童生徒がいる特別支援学校は、久我山青光学園、葛飾盲学校、文京盲学校でございます。

○アオヤギ委員 先ほどの他の委員の質疑での答弁を確認したいのですけれども、標準法でできるようにと、適用というお話があったのですけれども、それは、小中と高等部の子が一緒にいる寄宿舎では加配になるのですけれども、小中の寄宿舎、そして高等部の寄宿舎では加配にならないということですよね。
 そして、小中高一緒の寄宿舎には加配になるのですけれども、その高等部の子が、もし卒業でいなくなったら減ってしまうということでよろしいですか。
 ちょっと確認します。

○吉村人事部長 ご指摘のとおりでございます。

○アオヤギ委員 ちょっと変動が、増える学校もあれば、そのままという学校もあるし、お子さんが卒業してしまうと減ってしまうということであります。
 それで、複数の障害を持つお子さんが、重度重複児を数多く受け入れる久我山青光学園を希望していますが、寄宿舎が希望の泊数を泊まれなそうだということを知って、それに加えて、スクールバスもバス停が遠くて、本来希望している学校ではなく、近くの知的障害特別支援学校に行くことを考えるという状況があるとお聞きしました。
 複数の障害がある視覚障害児にとって、盲学校の重度重複学級に行くことが望まれますが、視覚と知的の重複障害のお子さんが知的障害特別支援学校に在籍している実態はどれぐらいありますか。

○落合特別支援教育推進担当部長 集計はしてございませんが、そのような事例があることは承知してございます。

○アオヤギ委員 事例があるということで、視覚障害児が、やっぱり視覚障害の基本的な指導というか、そういった訓練を受けられるようにしていくべきだと思います。
 重度重複学級に入れないお子さんの実態が、全体像は分からないということでありましたけれども、先ほども申し上げたとおり、明らかに重度のお子さんでも寄宿舎を諦める、また、スクールバスのバス停が遠過ぎて盲学校を諦める、そういう実態はあります。
 重度重複障害児を数多く受け入れる学校はなかなか、希望の泊数が少ない状況があり、重度重複児には一対一で指導員がつかなければならず、そのほかの子供たちを、あとの一人で対応することになり、非常に大変な状況だということであります。
 そこでお伺いしますけれども、重度重複障害のお子さんがいる寄宿舎の指導員を増員すべきではありませんか。

○吉村人事部長 国においては、重度重複障害のある児童生徒に対応した配置基準はございませんが、都では、肢体不自由特別支援学校の寄宿舎について、独自に重度重複障害のある児童生徒に対応した配置基準を定め、教員を配置しております。

○アオヤギ委員 都の加配は肢体不自由児校のみで、盲学校にはありません。盲学校でも指導員を増員して、希望の泊数を泊まれるようにしていただきたいと思います。
 次に、特別支援学校では、形態食、いわゆるペースト食などですけれども、この提供について、肢体不自由児特別支援学校以外の知的障害児特別支援学校などでも提供できるように、委託先の契約を変えているというふうに聞いておりますけれども、寄宿舎でも形態食を食べるお子さんが入舎しています。
 形態食を出せないことが寄宿舎の泊まる日数の制限とならないように、寄宿舎でも委託業者との契約を結び直しておく必要がありますが、どのようになっていますか。

○落合特別支援教育推進担当部長 寄宿舎におけます舎食の提供につきましては、学校の実態に応じまして、同じ日に複数の形態食を提供できる契約となってございます。

○アオヤギ委員 初期食、中期食、後期食と、どの形態を食べているお子さんでも、希望したら泊まれるように手配をしていただきたいと思います。
 あわせて、寄宿舎の給食調理室の、複数の種類の形態食を提供できる、そういった場所の確保をされておりますでしょうか。

○落合特別支援教育推進担当部長 現在、形態食を提供している寄宿舎の調理室におきましては、可能でございます。
 その他の寄宿舎につきましても、実態を踏まえながら適切に対応してございます。

○アオヤギ委員 寄宿舎でも、その契約や環境、調理室の状況は、どの形態食、初期、中期、後期でも複数提供できるという状況だということを確認しました。
 次に、寄宿舎の事業で、就寝中の見守りシステムの予算が計上されています。
 これは、どういった経緯で計上されたのでしょうか。また、指導員配置との関係でどのような関係があるのか、お示しください。

○落合特別支援教育推進担当部長 見守りシステムについてでございますが、センサーにより児童生徒の睡眠状態を感知し、離床等があれば職員に知らせるシステムでございます。
 今、人員の配置とはということでお話がございましたが、児童生徒の安心・安全を確保するために導入するものでございます。

○アオヤギ委員 あくまで安全のためだということで、人の配置に代わるものではないと思いますので、改めて重度重複児などの寄宿舎への増員を求めて、次に移ります。
 次に、学校給食の無償化の請願についてお伺いします。
 今、物価高騰、食材費高騰が続く中、各区市町村が地方創生臨時交付金を活用して学校給食へ補助を開始しておりますけれども、その都内の実施状況はどのようになっていますでしょうか。

○岩野地域教育支援部長 令和四年度は、都内の全区市町村が、交付金の活用などにより食材費に対する補助を実施しております。

○アオヤギ委員 ちょっとあれでしたけれども、全区市町村が活用しているということが分かりました。
 二十三区の各自治体、葛飾区、北区、荒川区、中央区、品川区、そして足立区は中学校ですけれども、来年度から給食費無償化の流れが、そういった予算となるということが進んでおりますけれども、多摩地域では進んでいません。
 この臨時交付金がなくなれば、ほとんどの自治体が給食費補助をやめてしまいますけれども、都は、こうした状況を把握していますか。

○岩野地域教育支援部長 区市町村立小中学校の学校給食費については、学校設置者が決定しており、保護者負担の軽減策等につきましても、各自治体の判断により行われていると認識しております。
 なお、令和五年度における臨時交付金の動向については、現在、国から示されておりません。

○アオヤギ委員 国から示されていないので、終わってしまうということなんですよね。
 多摩地域の各市では、同時に、今、十八歳以下の医療費助成もやっと踏み出すという自治体もあります。しかし、二十三区では所得制限が撤廃されるのですけれども、まだまだ多摩地域では残っている。こうした医療費助成にも、新たに経年の支出が自治体にはあり、国の交付税不交付団体が数多く占める多摩地域では、なかなかこれ以上の支出を増やせないという声もあります。学校給食の無償化というのには、今回、難しいという自治体もあります。それが実情です。
 二十三区と多摩地域の格差がさらに広がってしまうという懸念をしております。どの地域に住んでいても、子供の学費は無償に、食育である給食費は無償にすることが求められています。
 そこでお伺いします。
 学校給食は食育であり、教育の一環と考えていますか。認識を伺います。

○岩野地域教育支援部長 学校給食を活用した食に関する指導は、児童生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で、重要な役割を果たすものであると認識しております。

○アオヤギ委員 食に関する指導ということですので、教育の一環だということですよね。
 こうした中、物価高騰、食材費高騰により、ふだんの食事に影響が出ている子供たちがいます。
 シングルマザーサポート団体全国協議会のひとり親家庭の物価高による影響調査では、子供の食事の量や回数を減らしたが七%、子供のおやつを減らした、三六%、大人の食事の回数や量を減らした、六二%と、非常に深刻な数字です。
 声では、米、野菜、肉の一回分の食事量が少なく、体の成長がほかの子より遅れぎみ、就学前のお子さん一人、小学生一人、無職の方です。何より、おなかいっぱいにしてあげられない、体重が減ってきているので心配です、小学生のお子さんと無職の方のご家庭。このような深刻な声がたくさん、ここには書かれています。
 また、請願者の方々にも寄せられた声もあります。複数の子供がいる家庭では負担が特に大きいです、ぜひとも無償にしてください、無償化を導入していない自治体があるのは不公平だ、どの子も、どの地域も、保護者の経済状況等に左右されずに食べられるようにしてくださいという声です。この声に東京都が応えるべきときだと思います。
 今回、二十三区の自治体が次々無償化に踏み切ったのは、物価高騰の影響を鑑みて、このまま放置できないと決断したのだと思いますけれども、東京都は、物価高騰が起きており、食材費の高騰が続き、給食にも影響が出ているという認識はお持ちですか。

○岩野地域教育支援部長 物価高騰が続く中、多くの区市町村におきまして、交付金の活用等により、食材の高騰分について適切に対応していると認識しております。

○アオヤギ委員 物価高騰が続く中、食材費高騰が学校給食に影響を与えているという認識はありますか。

○岩野地域教育支援部長 繰り返しになりますが、多くの区市町村におきまして、交付金の活用等により、食材の高騰分について適切に対応していると認識しております。

○アオヤギ委員 食材費が高騰している、物価高騰が起きているというのは、世間の今の社会情勢ですので、しっかり、給食に影響が及んでいるんだという認識は、はっきりお示しいただきたいというふうに思います。
 次に、都が補助をすれば、市でも補助を始めたいという首長さんもいらっしゃいます。そういう自治体があります。
 所得制限についても、小池都知事は、そういった所得制限で罰が与えられることがないようにということで、今回、五千円の給付金、所得制限はありませんという考えであるならば、学費の一部である給食費は無償にする。
 どの地域に住んでも給食費を無償化にするために、都がその一部を補助すべきではないですか。

○岩野地域教育支援部長 学校給食法では、学校給食は設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされており、無償化につきましては、国の責任と負担によるべきものと考えております。
 区市町村立小中学校の学校給食費につきましては、学校設置者が決定しており、保護者負担の軽減策等についても、各自治体の判断により行われているものと認識しております。

○アオヤギ委員 都の責任というのが、まるでないかのようなお言葉でありますけれども、そういった認識ではなくて、今の社会情勢に見合った政策を打ち出していただきたいというふうに思いますし、どの地域に住んでいても格差が生じないように、学校給食費の無償化に向けて、今こそ都が責任を果たすことを強く求めるものです。
 そして、次に、マスクの陳情について意見を申し上げます。
 コロナ感染第八波が収まらないのと、子供たちの命と健康、教育の継続性を守るため、PCR検査の実施やマスク着用など、対策は、引き続き重要です。
 一方、様々な理由でマスクを着用できない子供への配慮や、いじめ、圧力等防止、安心して集団生活が送れるよう、少人数学級の推進、感染対策に有効な空気清浄機の導入を早期に進めるべきだと考えます。よって、陳情第一一九号については賛成といたします。
 それでは、スピーキングテストの質疑に移っていきます。
 まず最初にお伺いします。
 音声データを公開するということでありましたけれども、設問別データの開示、先ほどやり取りがありましたけれども、どういう状況なのか、改めてお伺いします。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、音声データの開示につきましては、入学者選抜の合格発表後に、希望する生徒に対して開示ができるよう、現在、準備を進めているところでございます。

○アオヤギ委員 音声データは分かったのですけれども、設問別データを開示するのは、今どういう状況でしょうか。
 それがないと、何点取ったか分からないのですけれども、どうでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 設問別のデータについては、データを示すのではなく、それぞれの設問の評定ごとに多数の例文を示すという形を全員に取ることによって、開示請求があるなしにかかわらず、誰もが自分の解答の評価を確認できるように、そのような形で行えるようにということで、既に、その資料については全員に配布をし終わったところでございます。

○アオヤギ委員 今、ホームページなどで公表している解答例を渡したということですかね。
 ということは、解答例を示しただけで、音声データ、自分の声とどうやって確認するんだと。各パートごとに何点取ったのかというのが、何点と各パートが評価されたのか分からないということでは困るのですけれども、これは、ずっと私も昨年から聞いてきましたけれども、準備中、準備中ということで、設問別データは結局そういう開示をする。調整中は、今となっては予定がないということであります。
 できないということなんだと思うんですけれども、もともと公表するシステムがないんじゃないですか。

○瀧沢指導推進担当部長 新しい取組でして、今回、新たに音声データを開示するということで準備を進めているというふうにご説明してきたとおりで、今、システムを構築しているところでございます。
 ですから、ないのではないかというのは、今、作成中、準備中であるということでございます。

○アオヤギ委員 さっきから音声データのお答えをしているのですけれども、私、設問別データを開示するシステムがないんじゃないかというふうにお聞きしているのですけれども、この設問別がないと、さっきもいったように、なぜ自分がBになったのか、Cになったのか、分からないんですね。
 そういった声も寄せられていますし、入試に使うわけですから、そういった活用をしたいということで始めているわけですから、入試の場合は、疑義があった場合、点数を公表していますけれども、アチーブメントテストとしても、自分がどのパートができたのか、できないのか、分からないというのは、これは駄目なんじゃないかなと思うんです。
 そうした公開は必要ですけれども、公表できるんですか。設問別データ。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、開示請求を提出した方だけに返すというのではなく、誰もが自分の解答を参照できるという趣旨で、それぞれの学習の改善に生かすということを考えて、それぞれの設問ごとで、かつ評価別の様々、多数の解答例を表示することで、自分が解答した音声を思い出しながら、自分の評価がどうであったかということを確認できるというふうな仕組みにしたということであります。
 ですから、より多くの生徒が、それぞれの改善につなげられるようにという趣旨で、今年について、そのような仕組みを既に実施をしたということでございます。

○アオヤギ委員 九月の段階で、私は、入試に活用するというのは公表が前提だけれども、準備できるんですかと聞いたら、音声データは調整中、設問別データ、まあ、その他のデータについても調整中なんだという答弁が続いていました。だから、今の答弁ですと、入試活用の大前提である、疑義があった場合の公開ができないということであります。
 これは、今ここで、今になって、解答例を示して確かめるなんていい出していますけれども、それは入試に不可欠な情報ですので、重大な都教委の瑕疵だと指摘をします。
 このことをとっても、入試には今回活用できない、そんな、できる状態ではないということです。
 次に、個人情報の削除についてお伺いします。
 今、申込みの時点で、多くの保護者から、いつの間にか登録させられた、ベネッセに情報を漏えいされた経験から、ベネッセに情報を渡したくないという声がありました。
 また、都立高校入試には関係のない私立高校単願のお子さんもいます。
 ベネッセに情報を残したくない方は、削除に応じていただけるのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 個人情報につきましては、都教育委員会が取得し、事業者と締結している基本協定及び実施協定に基づき、都教育委員会の監督の下、厳重に管理しているもので、規則に基づきまして、保存期間が過ぎた場合には削除するということにしております。

○入江委員長 速記を一旦、止めてください。
   〔速記中止〕

○入江委員長 速記を始めてください。
 お諮りいたします。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、委員会を閉会するとともに、明日、午前零時五分に委員会を開会し、質疑を続行したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認めます。よって、明日の委員会の開会時刻は午前零時五分といたします。
 なお、ただいまご出席の皆様には改めてご通知いたしませんので、ご了承願います。

○入江委員長 次に、傍聴券の有効期限についてお諮りいたします。
 本日の傍聴券の有効期間を明日の委員会終了までといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○入江委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十一時五十七分散会

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