文教委員会速記録第十一号

令和四年九月三十日(金曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長白戸 太朗君
副委員長ほっち易隆君
副委員長斉藤やすひろ君
理事風間ゆたか君
理事内山 真吾君
理事とや英津子君
山田ひろし君
竹平ちはる君
土屋 みわ君
龍円あいり君
斉藤 りえ君
アオヤギ有希子君
谷村 孝彦君
清水 孝治君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長横山 英樹君
次長理事兼務渡邉 知秀君
理事古屋 留美君
総務部長久故 雅幸君
消費生活部長片岡 容子君
私学部長戸谷 泰之君
スポーツ施設部長小池 和孝君
企画担当部長吉原 宏幸君
開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務柏原 弘幸君
教育庁教育長浜 佳葉子君
次長福崎 宏志君
教育監藤井 大輔君
総務部長田中 愛子君
都立学校教育部長村西 紀章君
地域教育支援部長岩野 恵子君
指導部長小寺 康裕君
人事部長吉村美貴子君
福利厚生部長田中 宏治君
教育政策担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務秋田 一樹君
高校改革推進担当部長池上 晶子君
教育改革推進担当部長佐藤 聖一君
指導推進担当部長瀧沢 佳宏君
人事企画担当部長稲葉  薫君

本日の会議に付した事件
意見書について
教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十三号議案 令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 教育庁所管分
・第百八十一号議案 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十二号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第百八十三号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第百八十四号議案 学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十一号 東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例
生活文化スポーツ局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十三号議案 令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 生活文化スポーツ局所管分
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十号 東京都公衆浴場振興条例
報告事項(質疑)
・東京都消費生活基本計画(素案)について
・有明アリーナ管理運営事業報告書(令和三年度)の公表について
・特定事業(有明アーバンスポーツパーク整備運営事業)の選定について

○白戸委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○白戸委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁及び生活文化スポーツ局関係の付託議案の審査並びに生活文化スポーツ局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 委員外議員の発言の申出について申し上げます。
 竹井ようこ議員から、会議規則第六十三条の規則により、議員提出議案第十一号について、本日の委員会に出席して発言したい旨の申出がありました。
 この際、本件に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○風間委員 私どもで議員提出議案第十一号で説明をする議員として、共にこの条例づくりに関わってきました竹井議員を委員外議員として説明メンバーに入れたいということで、よろしくお願いをいたします。

○白戸委員長 本件は、起立によって採決いたします。
 竹井ようこ議員の発言を許可することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立少数と認めます。よって、竹井ようこ議員の発言は許可しないことに決定いたしました。

○白戸委員長 これより教育庁関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百七十三号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、教育庁所管分及び第百八十一号議案から第百八十四号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しており、その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○田中総務部長 去る九月十五日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 今回要求のございました資料は、二件でございます。
 それでは、一ページをご覧ください。1、都内公立学校における新型コロナウイルス感染症への感染が判明した学校数及び人数の状況(校種別)でございます。
 教職員、児童生徒等の感染が判明した学校数及び感染が判明した人数を、校種別、月別に記載したものでございます。
 二ページから三ページをご覧ください。2、都内公立学校における都独自のPCR検査活用実績(校種別、使用目的別)、教職員の定期検査実施状況及び陽性の疑いが判明した数でございます。
 (1)は、教育活動の際のPCR検査の実施など、都が独自に行うPCR検査の活用実績について、使用目的別、校種別、月別に、学校数、検査数及び検査の結果、陽性の疑いが判明した数を記載したものでございます。
 四ページをご覧ください。(2)は、教職員を対象とした抗原定性検査による定期検査の実施状況について、校種別、月別に、学校数、検査数及び検査の結果、陽性の疑いが判明した数を記載したものでございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、今回、都立工業高校の名称変更が、東京都立学校設置条例の一部を改正する条例として提案されておりますので、この工業高校の名称変更についてお伺いをしたいというふうに思っています。
 この工業高校の名称変更は、皆さんのお手元にもあると思いますが(資料を示す)こちらの戦略プロジェクト、本年二月につくられたこの戦略プロジェクトの施策の一つというふうに聞いております。
 まず初めに、このプロジェクトの目的と工業高校の将来像についてお伺いしたいと思います。

○佐藤教育改革推進担当部長 本年二月に策定したSociety五・〇を支える工業高校の実現に向けた戦略プロジェクトNext Kogyo START Projectでは、技術革新やDXの推進など変化する社会に対応できる技術人材の育成や、こうした技術人材の裾野を拡大するための工業高校の魅力の向上、発信を目的としております。
 本プロジェクトでは、今後、工業高校においては、企業等との産学連携による学習や課題解決型学習の推進、IT等の学習の充実などにより、将来、技術を駆使し、新たな価値の創出や都市課題の解決に貢献できる技術人材の輩出に取り組んでいくこととしております。

○ほっち委員 これからのデジタル社会に活躍できる人材育成に向けて、都教育委員会は新たな施策に取り組むとのことでありますけれども、具体的にはどのようなことに取り組むのか、お伺いをいたします。

○佐藤教育改革推進担当部長 全ての工業高校において、課題解決型学習であるPBLを推進するとともに、産業社会における先端技術との関わり方やプログラミングなどを学ぶIT科目を導入します。
 また、各学校の特色を生かし、例えば産業用ロボットの学習を行うロボティクスコースの開設や、専門学校、IT企業等と連携したデジタル人材育成のための教育プログラム、Tokyo P-TECH事業の実施校の拡大など、工業学科の一層の充実に取り組みます。
 さらに、生徒の研究活動の機会を充実するため、AIやIoTなど先端的な学習を行う東京未来ファクトリー事業や、国外での先進的な取組を見聞する海外派遣事業を実施してまいります。

○ほっち委員 新たな施策の一つとして、今回、工業高校の名称変更がありますが、なぜ工業高校の名称を変更することになったのか、その経緯をお伺いいたします。

○佐藤教育改革推進担当部長 令和元年に設置した高度IT社会の工業高校に関する有識者会議では、都立工業高校の名称を、教育内容の改善を踏まえて変更していくことについては、イメージ向上の選択肢になり得ることが示されました。
 都教育委員会は、本プロジェクトの内容が、ロボティクスコースの設置など学科のアップデートを行う学校や、全校におけるIT等の学習、企業連携、生徒の研究機会の創出など多岐にわたることから、工業高校の将来像にふさわしい名称についての検討を行うことといたしました。

○ほっち委員 都立高校なので、やはり多くの卒業生の方がいらっしゃると思いますし、また、都立高校ならではの地元に密着した、地元の方も学校を応援していただいて、その学校が成り立っているという部分も多くあると思います。
 私自身も都立高校出身なので、やはり、学校帰りに近所のお店でちょっと買物をしたりとかすると、その方と知り合いになって、学校にも愛着を持ってもらったり、悪いことをすると、いろいろ怒られますけれども、でも、いいことをすれば、スポーツですとか学力で頑張れば、よかったわねと、地域の方も一緒に、親同様に喜んでくれたという経験も、私自身も持っているところです。
 そこでお伺いをしたいのですけれども、やはり学校名を変えるというには、様々な意見を聞く必要があるというふうに考えています。
 この名称変更に至った経緯と関係者からの声についてお伺いをしたいと思います。

○佐藤教育改革推進担当部長 都立工業高校名称検討委員会には、学識経験者や東京商工会議所、東京都商工会連合会、都立工業高校の校長会や同PTA連合会の代表者が参加し、名称変更の対象となる工業高校の範囲や名称案についての意見交換を行いました。
 その中で、東京の成長を支え、技術の力で新たな価値を創出し、課題解決を図る資質、能力を育む専門高校として、工学と科学を融合した工科の名称に変更するなどの意見がございました。
 さらに、都教育委員会は、令和三年十二月から中高生からの意見を募るとともに、令和四年四月に、名称変更の該当校十五校を訪問し、学校関係者からの意見を聴取いたしました。

○ほっち委員 今の答弁を伺っていると、いろんな方の意見を伺ったり、様々な方の声というものを都教委もしっかりと聞いた上で変えていこうという思いというのは感じさせていただいたところです。
 できるだけ多くの−−いい声もあれば、様々な、ちょっと厳しいご意見もあるし、もともとその学校の名前で卒業した卒業生の方たちにとっては、自分の母校の名前が変わってしまうというのは、やはりちょっと悲しい部分もあると思います。
 私も、小学校が名前が変わったり、中学校が名前が変わったりというと、やっぱり、もともとの自分の母校の名前がなくなってしまうんだというのは非常に寂しいなというふうに実感がありますので、そういうところも丁寧にしていただいた上で、地域に愛される学校づくりをしていただきたいなというふうに思います。
 続いて、社会を支える技術人材を輩出するためには、企業との連携が不可欠であります。
 都立学校では、先ほどお話しいただきましたけれども、Tokyo P-TECHとして先進的な取組を行っていますが、全ての工業高校で企業との連携を積極的に行うべきというふうに考えますが、今後の計画についてお伺いをいたします。

○佐藤教育改革推進担当部長 Tokyo P-TECH事業につきましては、昨年度から実施している町田工業高校に加え、今年度からは新たに二校で導入し、IT企業と連携した専門的な技術を学ぶ授業などの教育活動を行っております。
 また、これまで商業高校を支援してきた企業等による商業教育コンソーシアムにつきまして、工業高校等をその支援対象に含め、企業連携の推進に取り組んでいるところでございます。
 さらに、企業等との連携が一層推進されるよう、各学校の企業等との連携学習を支援するとともに、工業科教員が先端技術を有する企業等を視察し、技術者との意見交換を行う研究活動や、企業等から最前線で活用されるデジタル機材を学ぶ研修活動を支援しているところでございます。

○ほっち委員 技術というのは、常に新しく進化をしていろんな、常に学んでいかないと追いついていかないというのが現状だというふうに思います。
 また、今、答弁にもありましたけれども、各学校が取り組む企業との連携した学習をしっかりと支援するとか、あと一番大事なのは、生徒の方はもちろんなんですけれども、やはり教える側、指導する側の、工業科の教員の、先生方のレベルアップというのが必ずなくてはいけないというふうに思っていますので、先ほど、視察をしたり、意見交換したり、研修活動をするというふうなことがありましたけれども、しっかりと教員の皆さんのレベルアップも一緒に考えながら取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、先日の本会議代表質問で、我が会派の質問に対し、今年度から新たに専門学科の高校の生徒の海外派遣を行うという答弁をいただきました。
 この事業について、目的と期待される効果及び工業高校ならではの特徴あるプログラムについてお伺いをいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、今年度から、専門学科の学びに関連した海外施設等の視察を通じ、自らの学びをよりよい社会づくりと結びつけることを目的として、専門学科高校の生徒を海外に派遣いたします。
 今年度は、工業や商業、農業等の高校の生徒四十五人を、十二月に中東、三月にオセアニアに派遣いたします。
 工業高校を対象としたプログラムでは、先端技術を生かした世界最大規模の太陽光発電や廃棄物処理の施設などの訪問を通じて、専門分野の知識や技術などを高めてまいります。
 生徒が帰国した後も、派遣の成果を発表会などにより還元していくことで、専門学科高校における探究的な学びの一層の充実を図ってまいります。

○ほっち委員 私、今回、質問をさせていただくに当たって、いただいたこのプロジェクト(資料を示す)もう一回、しっかり読み直してみました。これを見ていると、本当に夢があっていいなと、すごく感じます。自分たちが学生のときに、こんな工業高校だったら行ってみたいなとか、やっぱり思うように、感じました。
 ですので、やはりこれをここの中だけで終わらせるのではなくて、名称変更が今回出ていますけれども、それ以外にいろんなことを進めていく。その中で、しっかりとこの魅力というか、こういうふうに目指すんだよというものを、これから工業高校を目指す子、そして、まだまだ工業高校に入ろうかなと思っていないけれども、工業高校に入ればこういう道もあるんだよという道筋をしっかりと広報というか、お子さんはもちろん、その親御さんにも届くようなことを−−せっかくやっていても、このままで終わったら、都庁だけで終わっても意味がないので、しっかりとその子供たちに届くように、そして夢を持ってもらえるような形で、せっかくつくったいいプロジェクトだからこそ、しっかりと広報に取り組んでいただいて、技術人間、日本を支える人材づくりというものを積極的にやっていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○龍円委員 よろしくお願いいたします。
 令和二年の十二月の文教委員会で、介護休暇の対象になる要介護者について、同一の世帯に属する者として、同性パートナーについても対象になるという条例改正があり、その審議をさせていただきました。
 その際に、東京都人権尊重条例で性自認や性的指向による差別を禁止していながらも、介護休暇以外の福利厚生をすぐ改正できないのは、そもそもパートナーとの関係性を客観的に証明するパートナーシップ制度が東京にないことに起因しているということがありました。
 そういったことから、東京都におけるパートナーシップ制度の創設の実現を目指すということを、総務委員会ではなく、この文教委員会で宣言したことを、昨日のことのようによく覚えております。
 その二年後、東京でこのようなパートナーシップ制度が創設されることになりまして(資料を示す)それに合わせて福利厚生に関する条例改正を審議できることを大変うれしく思います。パートナーシップ制度の開始とともに、この東京都の福利厚生についても同時に使えるようにするというのは、都として大変な情熱で注力をしてきたことがうかがい知ることができます。その本気度に敬意を表します。
 東京が変われば民間も変わりますので、期待を込めて質疑をさせていただきます。
 今回、提案されている学校職員の勤務時間と給与に関する条例改正案について、パートナーシップ制度関連の条例改正による変更点について、分かりやすく教えてください。

○稲葉人事企画担当部長 今回の条例改正は、東京都パートナーシップ宣誓制度の趣旨を踏まえ、学校職員の勤務時間や休暇制度等について、事実婚関係にある者を含む配偶者を対象とする制度に、パートナーシップ関係の相手方であって、同居し、かつ生計を一にしているものを追加するものでございます。
 具体的には、扶養手当、住居手当等の制度について、パートナーシップ関係にある者に関しても認められることになります。

○龍円委員 東京都パートナーシップ宣誓制度自体は(資料を示す)要綱を見てみますと、同居していることや生計を一にしていることを求めているものではありません。
 今回の条例改正案において、同居かつ生計を一にしていることを要件としたのはなぜなのでしょうか。お伺いいたします。

○稲葉人事企画担当部長 今回の条例改正で、パートナーシップ関係にある者についても、法律婚や事実婚の場合と同様に休暇制度等の対象とするに当たり、法律婚や事実婚の場合に求められる同居かつ同一生計という要件を、パートナーシップ関係にある相手方についても同様に求めるものでございます。

○龍円委員 ありがとうございます。つまり、結婚している夫婦や事実婚カップルに求められているものと同じ要件を求めているということで理解いたしました。
 この東京都のパートナーシップ宣誓制度で同居を求めていないのには、同居したくても同居することができないパートナーが多いという事実も踏まえています。東京都がこの制度開始に合わせて作成した啓発動画というのがユーチューブに上がっているので、ぜひ見ていただきたいのですが、その中にも具体的な困難事例として挙げられているのが、同性で住宅を賃貸、貸していただきたくても、審査が通らなく、なかなか住宅を貸してもらえないということが多いことですとか、同居することで二人がパートナー同士であることを第三者に知られてしまうことを避けるために別々に住んでいるパートナーが多いというのが現状としてあります。
 こういう困難さを減らしていくためにも、このパートナーシップ制度が創設されたわけですので、制度の普及とともに、同居したいなと思うパートナー同士が同居できる東京になってほしいと願っています。
 都教委においても、職員から申請したい旨の申出があったときに、もし同居していなかった場合に、冷たくあしらわずに、こういう背景があるということを理解して対応していただきますよう、よろしくお願いいたします。
 さて、この東京パートナーシップ制度では、パートナーで育てている子供について登録することができるようになっていて、大変歓迎されている大きな特徴の一つになっています。
 ファミリーとして登録できると、どういったことが可能になるかというと、保育園のお迎えだったりとか、学校のPTAに参加する場面でも、どうして同性の方が一緒に来るのかというのが分かりやすく説明できるとともに、理解されやすくなるという効果が期待されています。
 また、お子さんが病気とかけがをしてしまった場合にも、両方のパートナーが家族として付き添うことができたり、医療の意思決定に関わることができるようなこともありまして、重要な場面での活用も切望されているところでございます。
 子育てしているパートナーも、この東京では徐々に増えてまいりました。ただ、精子提供を受けるなどして出産したパートナーとお子さんとの間には法的な関係性があるのですが、もう一方のパートナーとは法的な親子関係にないことも多々あります。
 そこで、福利厚生において、子供の扱いについて確認いたします。
 パートナーシップ制度で子供を一緒に登録した職員で、そのお子さんが法律上はパートナー側のお子さんだった場合、超過勤務とか深夜勤務をしなくてもよくなるのでしょうか。結婚や事実婚と同等の扱いになるのか、お伺いいたします。

○稲葉人事企画担当部長 育児を行う職員の超過勤務の免除、制限及び深夜勤務の制限に関しては、当該職員が養育する子供が実子または養子等である場合には、法律婚や事実婚の場合と同様に、パートナーシップ関係にある相手方の子供である場合にも認められます。

○龍円委員 結婚や事実婚であったとしても、実子または養子である場合に限られるということで、パートナーシップ制度で子供として登録していたとしても、実子または養子でないと、子供の場合は超過勤務や深夜勤務を制限する対象にはならないということでありました。これを聞いて、ちょっと、なかなかハードルが高いのかなというふうに思いました。
 例えばなんですが、トランスジェンダー男性で戸籍上は女性の方と女性のカップルでお子さんを育てているパートナーで考えてみますと、女性が出産した場合、トランスジェンダー男性とお子さんの間に血縁関係はありませんので、親子として法的な関係を結ぶためには、このトランスジェンダー男性は、お子さんと養子縁組を結んで、トランスジェンダー男性なんですけれども、養母になる必要があります。これに対して、すごく抵抗感を感じる方もいらっしゃると思います。
 また、現在、法律で家族になれないので、パートナー同士で養子縁組をしているケースもありまして、パートナー同士で親子に対して、さらに子供がいる場合、孫みたいになったりとか、結構複雑で、家族になろうとする難しさがここにもありますので、なかなか難しいのかなという印象を受けました。
 そもそも、結婚している夫婦であっても、この制度ですと、前のパートナーとの間のお子さんを連れて再婚した場合は、養子縁組をしていない場合、使えなかったりとか、事実婚で実際のお父さんであったとしても、認知の手続をしていない場合は対象外になってしまうということで、実際に子育てをしているという状況であっても認められないケースがこれまでにもあったんじゃないかなというふうに想像いたしました。
 この点については、同性パートナーであるかどうか以前に、実際に子育てしている現状に即した活用ができるように、行く行くは見直していく必要もあるのではないかなという印象を受けました。
 次に、今回の改正で、結婚している夫婦は利用できる制度で、パートナーシップを利用する職員が利用できない制度はあるのでしょうか。お伺いいたします。

○稲葉人事企画担当部長 今回の改正では、例えば地方公務員法で対象者が規定されている配偶者同行休業のように、国が法令等により制度の対象者を具体的に定めている場合などは見直しの対象とされてございません。

○龍円委員 ありがとうございます。国の法令による縛りがあるものについては改正できなかったということなので、国の方での議論が進むことを望みます。
 今回の条例改正のほかにも、いろいろな休暇制度とかがあると思うんですが、そのほかの制度に関してはどのように対応していくのか、お伺いいたします。

○稲葉人事企画担当部長 東京都パートナーシップ宣誓制度が十一月一日に運用開始になることに合わせ、学校職員の慶弔休暇や短期の介護休暇等の取得についても、必要な規則改正等を行うことにより対応することとしています。

○龍円委員 今回の委員会に付託されているのは条例改正の部分だけれども、規則についても、十一月一日の制度スタートを目指して改正するということで、期待したいと思います。また別の機会に質問させていただきたいと思います。
 今回の条例改正では、東京都のパートナーシップ制度だけではなくて、都知事が認めるほかの自治体の制度利用者も対象にするということが書かれているのですが、どの自治体が対象になるのかは、まだ公表されていないということです。
 子供の扱いなども、今日、質疑させてもらって明らかになったのですけれども、一般的にはちょっと分かりにくいなというところもありますので、ぜひ、パートナーのいる職員が上司にわざわざカミングアウトして聞かなくても、どの自治体の制度が対象になるのかとか、制度についてすごく細かく説明が分かるような、ホームページなどに情報を記載していただきますようお願いいたします。
 この制度開始に合わせて、相談を受けた上司が誤って、SOGIハラという言葉があるのですけれども、性自認や性的指向に関して、うっかりハラスメントをしてしまったりとか、申請の過程で、その職員の性自認とか性的指向が、その職場で広く、本人の意に反して知られてしまうみたいな状況が、アウティングというのですけれども、被害が起きないように、対応については、マニュアルをつくるとか、十分な配慮を行き届かせていただきたいと思います。
 性的マイノリティーの当事者は、生涯でたくさん嫌な思いやつらい経験をされていることもありまして、特にご自身の職場は逃げられないということもありまして、この制度を活用するのは、すごく慎重になると思うんですよね。制度を利用したいと思う当事者が安心して利用できるように、SOGIハラの防止とアウティングの防止の徹底をして、運用の開始をしていっていただきますようにお願いいたします。
 性的マイノリティー当事者の職員の皆様も、安心して、自分らしく生き生きと仕事ができる職場づくりを引き続き進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 まず最初に、補正予算のPCR検査について伺います。
 昨年の夏休み期間中に感染拡大が起きて、保健所の調査が学校に入らない状況を受け、都教委独自にPCR検査に予算をつけました。夏休み明けから始まった学校でのPCR検査ですが、この場の質疑でも、申入れ等でも、繰り返し、拡充や、陽性者が出た場合の受診の流れなどの改善を求めてきました。
 様々な通知も、学校現場に変更の都度出されていますので、まず最初に確認をしますが、この学校でのPCR検査は、陽性者がクラスで出たときの検査と、修学旅行や部活動の大会の前後に行う検査という、これまでの対象の範囲と変わらないのか、確認します。

○村西都立学校教育部長 PCR検査の検査対象については、これまでと変更はございません。

○アオヤギ委員 直近の通知では、陽性者がクラスで出たときの検査については、感染防止の対策をしなかった場合というふうに範囲がなっておりますけれども、現状では、学校からの要請があれば、そのまま渡しているということですので、感染拡大防止のために、より学校現場が使いやすい運用にしていただきたいと思います。
 そして、この間、第七波の感染拡大では、発熱外来が逼迫し、医療機関での陽性者登録が追いつかなくなる。陽性者の一部が自分で陽性者の登録をするよう変更されました。
 学校のPCR検査で陽性になった場合、その検査結果を持っていけば、医療機関でもう一度検査をする必要はないというふうに、この間、改善されてきましたけれども、そして、保健所の方では、陽性者の登録の仕方が、自分でやる仕組みが始まっているわけですが、学校の検査で、現在、陽性になった場合の流れをお示しください。

○村西都立学校教育部長 本PCR検査では、学校から検査キットを児童生徒に配布、検体を採取後、検査機関に送付、検査機関から検査結果を学校に通知、学校から児童生徒に検査結果を通知するというプロセスの四段階のプロセスとなっております。
 結果が陽性である場合には、医療機関を受診することを併せて促しております。

○アオヤギ委員 医療機関を受診するという流れになっております。医療機関受診後、もう一度検査をするということが当初ネックになっていましたが、その必要はなくなりました。
 特に体の弱い子供たちも含まれますから、医療機関での判断は必要だと思います。しっかり保健所や医療機関に経過観察されるような流れを維持していただきたいと思います。
 次に、この補正予算額についてですけれども、都立学校と区市町村立学校では、圧倒的に区市町村立学校の数は多いはずなんですけれども、予算は都立学校が大幅に多くなっています。
 その理由をお示しください。

○村西都立学校教育部長 補正予算につきましては、令和四年四月から同年七月の検査実績等に基づき積算しております。

○アオヤギ委員 実績に基づいたということでありました。
 都立学校PCR検査キットの配布方法ですけれども、当初は、陽性者が出たときの検査を五十キットと、修学旅行などの行事の前後の検査キットを五十、配備を最初にしていたわけですけれども、これは現場ですぐ使えるので、実績が多くなったのではと思います。
 現在は、どのようにして検査キットを渡していますか。

○村西都立学校教育部長 学校からの申請に基づき、必要数を配布してございます。

○アオヤギ委員 都立学校では、今、申請したら渡しているということでありました。この間、各学校でのやった実績もあるので、利用しやすいのではないかというふうに考えます。
 一方、区市町村ですが、各地区の独自の判断や各保健所の判断が違うため、地区単位で申込みをしないと検査が実施できない現状があります。
 せっかく予算がついているわけですから−−また、現場では、感染拡大し、検査キットが医療機関で不足する事態も起きていて、検査を早く受けさせたいと考える保護者の方も少なくありません。こうした要望があるにもかかわらず、なかなか行き届かない現状があります。
 そこでお伺いしていきますけれども、区市町村立学校で実施を進める工夫をしていただきたいですけれども、いかがお考えでしょうか。

○岩野地域教育支援部長 区市町村立学校におけますPCR検査は、各自治体が検査の実施を判断しており、都教育委員会は、各自治体が必要な検査を実施できるよう検査体制を整えております。

○アオヤギ委員 強制はできないのは承知しているのですけれども、保護者の段階では、受けさせて、早く陰性か陽性か判断をつけたいという強い要望もあります。区市町村に対しては、通知も参考にというだけではなくて、活用を促す分かりやすい周知をしていただきたいと思います。
 そして、何より、新型コロナウイルスの感染拡大は、一つも軽視できない状況が今も続いております。国立感染症研究所の報告によりますと、二十歳未満の死亡事例では、今年一月から現在までの四十一死亡事例中、実地調査ができたのは三十二例であります。その内訳で、基礎疾患があったのは十四例、なかったのが十五例と、基礎疾患があるかないかにかかわらず死亡事例があることは非常に深刻であり、決して、かかって直す病気ではないということです。
 基礎疾患を持っている、または体調、体の弱いお子さんも、たくさん都内には住んでおります。都立特別支援学校、区市町村立学校にもいらっしゃいます。でも、日々、様々なケアを受けながら教育活動をしていますから、細心の注意が払われなければなりません。こうした現場で、定期的な検査や、陽性者が出たときの検査は積極的に活用して、早く把握をし、治療に入ることが何よりも必要です。
 また、同報告書では、一番多い症状は発熱ということがあります。普通の発熱から始まって死亡に至るということで、誰が重症化するのか分からないということであります。
 また、発症から亡くなるまでの期間がゼロ日から二日が二五%、三日から六日が五八%、七日以上が一七%と、亡くなるまで一週間足らずでというのがほとんどであります。
 そして、都の福祉保健局への我が党の資料要求でも、東京でも子供の死亡事例があるということであります。その数字を見ますと、十代や十歳未満、合計で三人ということで、特に第七波のBA・5で増えているということであります。こうしたBA・5の深刻な感染拡大から子供たちの命を守り、そして、なおかつ教育を保障していく責務が都教委にはあります。
 都教委は、今年度末までのPCR検査の予算をつけました。そうしたことから、都教委は、検査をしながら子供たちをコロナから守り、教育活動を保障する立場であると考えますが、都教委の見解をお示しください。

○岩野地域教育支援部長 都教育委員会は、各学校が必要な検査を実施できるよう体制を整えており、感染症対策と教育活動の両立に取り組んでおります。

○アオヤギ委員 ぜひこのPCR検査の活用を進めて、感染拡大をさせずに子供の命を守り、教育を保障していただきたいというふうに要望して、次に移ります。
 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例についてお伺いします。
 まず、最初にお伺いします。
 今回の条例改正で工科高校に変更することで、学校のカリキュラムというのはどう変わるのか、お示しください。

○佐藤教育改革推進担当部長 Next Kogyo START Projectの実施により、ロボティクスコースなど、その目的に合致したカリキュラムの編成に取り組んでいるところでございます。

○アオヤギ委員 確かに、文科省でも、先端技術の活用で一人一人の子供に個別最適化された学びを推進する流れになっていますし、教育内容も時代によって変わりますが、何よりも、豊かな学びを実現するために、教員の充実した指導や、そのための条件整備を都教委としても進めていただきたいと思います。
 それで、名称変更の理由ですが、高度IT社会の工業高校に関する有識者会議の提言により、今回、工業高校を工科高校に名称変更するとしています。しかし、提言というのは、条例上、定めのある附属機関が首長に対して出すものです。これは、地方自治法百三十八条の四の規定の、附属機関は条例で定めるという規定に違反することになります。
 提言があちらこちらでかなり出てきていますけれども、条例上、定めのない有識者会議が提言−−答申を出せないので、総務局が紛らわしい表現を使わないようにと各局に通知を出していますが、提言としたのはなぜですか。

○佐藤教育改革推進担当部長 高度IT社会の工業高校に関する有識者会議が取りまとめた報告書「高度IT社会に相応しい創造へつなぐ、未来志向の工業高校の実現に向けて」では、多様な意見を束ねたものでございます。

○アオヤギ委員 多様な意見を束ねたものであるということですので、提言でなければ、紛らわしいので、総務局のいうとおり、提言という文言を訂正してはどうでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 高度IT社会の工業高校に関する有識者会議は、新しい時代を見据えた工業高校の実現に向けて、出席者の意見交換を行ったものでございます。
 本報告書は、個々の委員の意見を束ねたもので、それを提言という用語を用いて表現したものでございます。

○アオヤギ委員 意見交換という内容であったということでありますけれども、提言は訂正されないようですけれども、後々、困るというか、問われるのは都教委の方ですので、訂正をした方がいいのではないかと要望いたします。
 また、都が検討会をつくることも十分あり得ることですが、特定の企業や、直接、議題となる事業に関わっている人などは、客観性がなく、恣意的な結果を生み出す可能性がありますが、この有識者の会議の委員はどんな方々でしょうか。また、議題になっている事業や内容の関係で、利害関係者は入っておりますでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 有識者会議のメンバーは、大学教授等の学識経験者や東京商工会議所、東京都商工会連合会等の企業関係者、中学校長会、保護者などであり、利害関係者は含まれておりません。

○アオヤギ委員 利害関係者は含まれていないということを確認しました。
 次に、パブリックコメントはやっていますか。どんな意見がありましたか。

○佐藤教育改革推進担当部長 都民からのご意見の中には、工業高校の名称をすぐにでもSociety五・〇にふさわしいネーミングに変更してほしいなどがございました。

○アオヤギ委員 この有識者会議のことについても、パブコメを踏まえて条例改正しているということを確認しました。
 今後、予算を伴う事業というのは、この計画にあるのでしょうか。予定。

○佐藤教育改革推進担当部長 学科改編など、工業高校の将来像の実現に向けて様々な施策を進める予定でございます。

○アオヤギ委員 進める予定ということで、予算を伴う事業はまだないということであります。その事業を有識者が受託するということはないようにしていただきたいと思います。様々な事業を行う上でも、都民、子供の声を聞きながら進めていただきたいと思います。
 また、提言という中には、そういう表現でいっている中には、技術を学び続け、複雑化、多様化する社会問題に向き合い、技術で人々の暮らしを豊かにするエンジニアとしての素地を育成すると書かれています。誰のための学びなのかということを、常に念頭に置いていただきたいと思います。
 産業界や経産省からの要請であるSociety五・〇への対応など、これからの社会で活躍できる人材の育成ということが掲げられていますが、子供たちに押しつけにならないように、多様な学びを保障し、教員の充実した指導や、そのための条件整備を都教委として進めていただきたいと述べ、質疑を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○白戸委員長 次に、議員提出議案第十一号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○斉藤(り)委員 東京都議会立憲民主党の斉藤りえです。
 皆様にこのような発言の機会をいただき、感謝申し上げます。
 私は聴覚に障害があり、音声ソフト、音声読み上げソフトを使用するため、多少のタイムラグなどがあるとは思いますが、ご容赦いただければ幸いです。
 それでは、議員提出議案第十一号、東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例案について、提案理由を申し上げます。
 私たちは、東京都教育委員会が都立高等学校の入学者選抜に活用しようとしている中学校英語スピーキングテストは、評価及び判定の基準を標準化することが困難であり、評価者による評価及び判定のばらつきを完全に避けることは難しいことから、入学者の選抜の平等性及び公平性を確保する必要があると考えています。
 そのため、東京都議会立憲民主党と東京維新の会との共同提案で東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例案を提案するものです。よろしくご審議のほどをお願いいたします。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 都立高等学校の入学者選抜方法に関する条例について質問をさせていただきます。
 本日の質疑では、まず提案されている条例案への質疑、また、教育委員会所管事務について条例を定めることへの質疑、大きく分けて、この二つの観点から質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、条例案の内容についてお伺いをいたします。
 この条例案は、スピーキングテストに関する議論に端を発して提案されたものというふうに理解をしておりますが、条例の表題は高等学校の入学者選抜方法に関する条例、つまり入学者選抜そのものに関する条例となっています。
 そこで、現在の都立高校の入学者選抜の、まずは、どこに、そして、どのような問題があり、それをこの条例によってどのように解決しようとしているのか、お伺いをいたします。

○斉藤(り)委員 教育委員会は、令和四年九月二十二日に開催された教育委員会で、令和五年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱を報告し、令和五年度の都立高校の入試に英語スピーキングテスト、ESAT-Jを活用することを正式に表明しました。
 英語スピーキングテスト、ESAT-Jは、評価及び判定の基準を標準化することが困難であり、評価者による評価及び判定のばらつきを完全に避けることは難しいことから、入学者の選抜の平等性及び公平性を確保することができません。
 このため、令和五年度の都立高校の入試及びそれ以降において、現況の英語スピーキングテスト、ESAT-Jを導入せず、令和四年度の都立高校の入試と同じく、入学者の選抜の平等性及び公平性が確保された都立高校の入試とする必要があるからと考えています。

○ほっち委員 すみません、私の質問と、多分、ちょっと違う感じが。私が求めている、質問に対しての答えという感じではなくて、今の答弁は、皆さんが考えていらっしゃるスピーキングテストの問題点だけをいっているだけであって、私の質問には全く答えられていないなというふうに私は感じております。
 これ以上、答えることができますでしょうか。もし答えられるのであれば答えていただき、できないのであればできないというふうに、時間の関係もあるので、お願いをいたします。−−では、もう一度、質問をいいます。
 現在の都立高校の入学者選抜の、まずは、どこに、どのような問題があり、それを今回提出された条例によってどのように解決しようとしているのか、お考えをお伝えいただきたい。この三点です。
 答えられなければ、答えられないというふうに答弁をお願いします。時間の都合がありますので、よろしくお願いします。−−お答えいただけなかったということで、次の質問に移らせていただきます。
 この条例が定める平等性、公平性確保の責任は、誰が負うことになるのでしょうか。
 現在、東京都教育委員会が、受検の平等性、公平性を確保しながら高等学校の入学者選抜を実施しているというふうに理解をしていますが、この点に変更はあるのでしょうか。
 この二点、お伺いをいたします。

○風間委員 誰が責任を負うのかということについてですが、これまでどおりと変わりがないものと考えています。

○ほっち委員 今お答えいただいたように、これまで同様ということは、教育委員会が負うというふうに考えます。
 であるならば、教育委員会が高校入学者選抜実施の責任を負って平等性、公平性確保の役割を担っていくのであれば、今回ご提出いただいた条例は、第一条、そして第二条の第一項というのは、現在の手順が記載をされているだけであり、東京都教育委員会が実施する学力検査結果の成績は総合成績の資料には含めないとする、こちらに書いてある第二条第二項だけに実質的な意味があるというふうになりますが、こうした理解でよろしいでしょうか。
 理解でよいのか、違うのか、その二択でお答えください。

○風間委員 令和三年度までに行われていた入学者選抜のままであるようにと、私たちはこれまでも主張してきましたが、英語スピーキングテストを入れることによって問題があると私たちは考えております。

○ほっち委員 すみません、また質問が食い違っているので、もう一回、聞きます。
 今、そちらが出されている条例の中で、第一条と第二条の第一項については、現状と同じだというふうに認識しています。そうすると、第二条第二項だけに実質的な意味があるのか。お出しになった条例の中で、ここは前回と違うところだよというふうな意味で、実質的な意味があるのか。
 あるのかないのかを伺っています。時間がないので、端的にお願いします。

○風間委員 第一条、第二条ともに必要なものとして提案させていただいております。

○ほっち委員 すみません、必要か必要じゃないかという質問ではなくて、今、実質的な意味があるのは、この第二条第二項ですかというふうにお聞きをしているんだけれども、ご理解いただけるかな、いただけないかな。−−じゃ、いいや。次、行きます。
 それでは、すみません、お答えいただけなかったので、次に移らせていただきます。
 先ほどいただいた提案理由の中で、スピーキングテストに関して、評価、判定の基準の標準化が困難、評価及び判定のばらつきを完全に避けることは難しい、このため、選抜の平等性、公平性を確保する必要があるとしています。
 スピーキングテストという個別具体の試験に問題があるとして提案された条例ですが、第二条第二項では、東京都教育委員会が実施する学力に係る検査結果の成績を総合成績の資料には含めないと。つまり、スピーキングテストに限らず、全ての学力検査を総合成績から除外する条文になっているように読めます。
 現在行われているスピーキングテストはもとより、今後、都教委が学力に係る検査を行うことになった場合には、その内容を検証することもなく、全てを総合成績から除外することになるという理解でいいのでしょうか。
 また、そうであるならば、現時点で都教委が実施する学力に係る検査を排除することをあらかじめ決めてしまう合理的な理由をお示しください。
 こちらでは、全てを総合成績から除外することになるという理解でいいのかというのが一問目。二問目が、合理的な理由が二番目です。
 一、二、時間、端的にお願いいたします。

○斉藤(り)委員 今後、学力検査では、記述式、論術式問題やスピーキングテストなど、一義的な正答を示せない試験も出題されることが想定されます。これについては、入試も教育行政の一部ですから、公正かつ適正に行われなければなりません。そのため、附則二項で検討条項を置いています。
 すなわち、教育委員会は、学力検査において、一義的な正答を示すことができない記述式及び口述式の解答を求める問題等を受検者に課すに当たっては、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備し、入学者の選抜の過程全体を通じて平等性及び公平性を確保するため、その方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとしており、これにより公正かつ適正に入試が行われることになると考えています。

○ほっち委員 また、すみません、私の質問と全く違う答えが返ってきていまして(発言する者あり)質問しているので、ちょっとすみません、委員長、何とかいってくださいよ。

○白戸委員長 静粛にお願いします。

○ほっち委員 すみません。私、質問しているので。
 多分、私がいっている言葉は理解いただいていると思うんですよ。ですので、そこは、分からないなら分からないでいいので、今すぐ答えられないなら答えられないでいいので、答えられるか答えられないのか、いってください。そうしないと、物事が進まないし、時間だけが執拗にかかっちゃうので、すみませんけれども、お願いいたします。
 今、私が聞いたのは、全てを総合成績から除外することになるという理解でいいのか、もしそうであるならば合理的な理由を、質問が分からないならば次の質問に行きたいのですが、今お答えいただいた中でいくと、逆に−−今現在やっている国語の記述式の問題ですとか、この文章の中でどういう思いですかとか、そういうことに関しての答えというのは様々だと思うんですね。正しい、一つの答えというのはないんですよ。それを今、平等性を持って、教育委員会の皆さんは、多分、評価をしているんですね。と思うんです。
 であるならば、実際のところ、今お答えいただいた答えというのは、ちょっと違うんじゃないかなというふうに私は感じています。実際、ご答弁を聞いても、よく、答えが来ないので。
 条文には、スピーキングテストとは一言も書いてありません。都教委が実施する学力に係る検査の成績とだけ書いてあります。この文言では、スピーキングテストだけがこの条文に該当するとは理解ができない。
 さらに、仮にスピーキングテストのことだとした場合でも、今、実施されているスピーキングテストだけが該当し、今後さらに改善された場合は該当しなくなるのでしょうか。
 いずれにしても、条文解釈として無理があるというふうに思っています。条文を読んだ都民には理解ができないのではないでしょうか。
 もしお考えがあれば、再度お聞かせいただき、なければ次の質問に移らせていただくので、あるかないかでお答えいただきたいと思います。お願いします。

○風間委員 すみません。質問の意図が正確に把握できているという自信がありませんけれども、合理性、平等性を保つために本条例提案をさせていただいていますので、今、提案されているスピーキングテストに関しては、それが確保できないというところから、この条例が必要だと考えております。

○ほっち委員 であるならば、今回の条例は、今回のこのスピーキングテストを都立高校の入試で反映させないために出された条例だというふうな理解でいいのでしょうか。

○風間委員 そのとおりです。

○ほっち委員 そのとおりというお答えをいただいたので、また後ほど、その件については触れさせていただきます。
 続いて、先ほどちょっと出てきました条例案の附則についてお伺いをしたいというふうに思います。
 附則の2を見ていただくと、括弧して検討というふうに文字があります。こちらの検討のところについて伺いますけれども、ここでいう、学力検査と書いてありますけれども、この学力検査は、第二条第一項の二の学力検査のことを示すという理解でよろしいでしょうか。
 よろしいのかよろしくないのか、お答えいただきたいと思います。−−すみません、見ていただくと、皆さんからいただいたこの検討のところに、教育委員会は、学力検査においてと。この学力検査というのが、こちらの一番最初の第二条の二の学力検査というのと同じことなのかということを聞いただけです。ご理解いただけますでしょうか。

○風間委員 同じことであります。

○ほっち委員 この附則に記載されている内容は、第二条第一項の二の学力検査に必要な措置に関するもので、これはまさに本則そのものですが、なぜ附則としたのでしょうか。附則として本文から分けることで、条文を読むだけでは、学力検査に関する規定全体を理解できないつくりになっているというふうに感じます。
 こちらを附則とした理由があるのであればお聞かせをいただき、特にないというのであれば、ないというふうにお答えいただきたいと思います。

○斉藤(り)委員 附則について、参議院法制局によれば、法律には、その附則において、見直し条項とか検討条項というように呼ばれる条項が置かれることがありますが、これは、政府は何々について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするといった形で規定され、その法律の制定時に積み残した課題や、あるいは将来の状況の変化に対し、立法措置も含め、適切な対応を取ることを確保するために設けられる規定です。
 法律の制定時に積み残した課題とは、例えば、与野党で合意ができなかった事項について、附則で検討事項として規定するということがあります。
 法律には、これに類似した規定が附則に置かれており、本条例案も、今後の検討課題という趣旨で附則に置きました。

○ほっち委員 仮に、私が先ほどお話ししたとおり、本則だというふうに考えるのであれば、あともう一つ、学力検査というのが同じ学力検査なのであれば、第二条の二なりにして、学力検査についてはというふうな形で本文の方に入れるべきではないのかなというふうに考えますが、それ以上、聞いてもしようがないので、この附則、えっ、というふうに考えます。
 また、この附則で、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備しとありますけれども、整備された体制と教育委員会との関係はどのようなものになるのでしょうか。
 また、現在、教育委員会が設置もしくは設置できる検討組織との違いはどこにあるのでしょうか。
 二点、お答えいただきたいと思います。

○斉藤(り)委員 この附則は、一部の大学の医学部医学科の入学者選抜が問題になったことを受けて設立された大学入学者選抜の公正確保等に関する有識者会議が令和元年五月三十一日に最終報告として取りまとめた大学入学者選抜の公正確保等に向けた方策についてを参考に規定しています。
 今後の検討課題ということで条例が制定されれば、執行機関において適切な対応がなされるものと考えています。

○ほっち委員 すみません、また私の質問の答えとは、全くよく理解ができないのですけれども、それで答えなのでしょうか。ごめんなさい。

○風間委員 附則についてのお尋ねということですので、附則につきましては、先ほど申し上げましたように、この条例が制定された後に教育委員会の方で検討していくものと考えております。

○ほっち委員 私の今の質問は、実際、その附則に書かれている、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備しというのがありますけれども、その整備された体制と今の教育委員会との関係というのはどのようなものになるんですかと。そちらは、整備された中で教育委員会と一緒に考えるんですか。一緒に考えるのか。その関係はどうなっているのかというのが一つ目。
 それで、あとは、教育委員会が設置したりとか、設置できる検討組織との違いというのは、そちらがいっている、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制というのと違いがあるんですかという質問なんですけれども。

○風間委員 この条例が制定された後に、広く聞いていく体制ということについても教育委員会が行っていくものと考えております。

○ほっち委員 そうすると、教育委員会が今やっていることと、何がどう違うのでしょうかね。

○風間委員 この英語スピーキングテスト、ESAT-Jに関しましては、例えばフィリピンで行われて判定がされるということも含めまして公平性に欠けるということを提案理由でも説明をさせていただきましたけれども、こういったやり方等についても、広く専門家の意見を聞いていくということが望ましいものと考え、この条例を提案させていただいております。

○ほっち委員 であるならば、私、思うんですけれども、出された東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例というのではなくて、その提案理由にあるスピーキングテストを入学者選抜に使わないというふうなことの方を、ちゃんと言葉を出して、スピーキングテストという言葉を出しての条例にした方が、より分かりやすく明確になると思うんですけれども、なぜ入学者選抜方法に関する条例といういい方で出してきたのかというのが一点と、あともう一つ、であるならば、逆に、しっかりとスピーキングテストという文言を、こちらの−−第何条という本則には全く書いていないんですね、スピーキングテストをやめなさいという文言が。それを入れておくべきだというふうに私は考えるのですけれども、そこら辺のご理解はどうでしょうか。

○風間委員 この条例案を作成するに当たりまして、様々な検討を行いましたが、スピーキングテストを禁止するというようなことをこの条例の本文の中に入れていくということは、条例制定の趣旨から考えますと、あまり適切ではないと考えましたので、今回のような条例提案をさせていただいております。

○ほっち委員 この条例案では、先ほどちょっと伺って、私は、違うという答弁が来るかなと思って考えていたのですけれども、ただ単にスピーキングテストを排除というか、今回は取り入れるなということが目的だというふうに、先ほどお答えをいただきました。
 私は、それであるならば、スピーキングテスト中止を文言に入れるべきだと思うんだけれども、明言する条文ではなくて、一般化した条文にすることで、これ、実際、将来も含めて、都教委が学力に係る検査を行った場合、その全てを総合成績から排除してしまうというふうに−−今いただいている条文だと、この第二条の2、高等学校に進学しようとする者が高等学校に志願する前に東京都教育委員会が実施する学力に係る検査の成績に関する事項は、調査書に記載されている場合であっても、前項の総合成績の資料には含めないということになるのであれば、実際、スピーキングテストを中止させるためにこれを出しているんですとおっしゃっているけれども、今後、事前に何らかのテストをしたけれども、それは絶対に総合成績には入らないというふうな条例だというふうに私は理解しているんですけれども、その理解でよろしいでしょうか。

○風間委員 私どもが、今回、提案理由とさせていただいておりますのは、現在、教育委員会が進めております英語スピーキングテスト、ESAT-Jが、教育委員会主導で、志望を出す前に行われるという在り方について問題があるというふうに考えておりますので、今後、必要に応じて、この条例制定後に、教育委員会が新たに進めていこうという制度に問題があるようであれば、その条例というものは、また改正していく必要もあろうかと思います。

○ほっち委員 でも、実際、この条例を見ると、どのテストをやっても、その中に入れるなというふうに見られますよね、この条例だと。であるなら、もっと分かりやすい形で、スピーキングテストを中止にしろというふうに明確に書いた方がいいと思うんですけれども。
 これだと、今後、教育委員会で変えろ、変えろといっても、実際、皆さんがつくる条例の中で、今回、そのスピーキングテストを止めるためだけにこの条例をつくりましたと。
 そんな簡単に条例というのはつくるものじゃないというふうに認識を持つのですけれども、いかがなものでしょうか。

○風間委員 先ほど申し上げましたように、今、進められている英語スピーキングテストの在り方に問題があると考えておりますものの、条例を制定する上で、検討しました結果、今のような表現が適切であると考えたことですので、ご理解をいただければと思います。

○ほっち委員 いただいている条例ですと、一般化した条文にすることで、将来も含めて、都教委が学力に係る検査を行った場合、その全てを総合成績から排除してしまうというふうに、非常に乱暴な内容になっているなというふうに感じます。
 さらに、本来、条例本文で記載すべき内容が附則とされていることで、条例本文だけでは制度全体を理解できないつくりになっているなど、条例のつくりそのものに課題があるということをご指摘して、次の質問に移らせていただきます。
 次に、このような条例を定めること自体についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、受検生への影響について、どのようにお考えになっているのか、伺います。

○風間委員 たくさんいる受検生の九割方が、今回の英語スピーキングテストを申し込んでいるというふうに聞いております。この中には、積極的に、英語スピーキング力に自信があって、それを成績に反映させてほしいというような思いを持っている生徒もいることかと思います。
 しかし、私どもは、平等性に欠けることの方で不利益を被る生徒の方が圧倒的に多数ではないかと考えまして、今回、このような条例を提案させていただいた次第です。

○ほっち委員 実際、前回の文教委員会でも、様々な委員から、この件についてはいろんな話が出てきました。実際、不安を感じているよとか、そういう声も、確かに私のところにも来ているのも事実です。
 それで、都教委としても、皆さんご存じのとおり、いろんなお知らせを作ったり(資料を示す)不安に応えようということでやられている部分もあります。
 私自身はやはり、これからというタイミングに、こうした条例を出して提案した場合、受検生の方もどうなっちゃうのかな、親御さんもどうなっちゃうのかなというふうな心配の声が多いというふうに感じています。
 そこで、話は変わるのですけれども、条例案と教育委員会制度との関係についてお伺いをしたいと思っています。
 そもそも教育委員会制度をどのようなものと認識されているのでしょうか。見解を伺います。

○風間委員 教育委員会は、執行機関として、首長とは業務を分けた行政委員会であると認識をしております。

○ほっち委員 文科省から出ている概要を話しますと、教育委員会制度の概要は、教育委員会は、都道府県及び市町村等に置かれる合議制の執行機関であり、生涯学習、教育、文化、スポーツ等の幅広い施策を展開しますよと。意義があって、政治的中立性の確保、継続性、安定性の確保、地域住民の意向の反映というふうになっています。
 そもそも、この条例が定める内容は、東京都教育委員会による都立高校入試に関する判断を拘束するものになるのでしょうかというのが、まず一つ、お聞きしたいことです。
 また、仮に拘束するもの、そうであるのであれば、そうである場合、この条例と現在の教育委員制度との関係はどのようにお考えになっているのか。
 二つ、お伺いしたいと思います。

○風間委員 条例につきましては、教育委員会が、教育行政において執行機関ではあれど、条例を制定することができないものと認識しておりますので、教育行政に関する条例制定については知事が行うものだ、または議会で行うものだと考えております。
 二番目の質問、すみません。聞き取れなかったので、もう一度、お願いできますでしょうか。

○ほっち委員 一問目は、拘束するものになるのかどうかというのをお聞きして、仮に拘束するものであるのであれば、この条例と現在の教育委員制度との関係はどのようにお考えになっているのかと。

○風間委員 教育行政に関する条例というのは、ほかの都道府県でも制定されている事例がありますので、条例で定められたものに関しては、教育行政はこれに従うものだと考えております。

○ほっち委員 この条例は、本来、教育委員会が専権で決定する高校入試科目について、都議会が介入することになるのではないでしょうか。
 教育行政制度の中立性、先ほど申し上げましたけれども、公平性を侵害するおそれがあるのではないか、こうした疑問が拭い切れません。
 入試科目には口を出せるけれども、それ以外は駄目といった都合のいい条例制定ではないとすれば、今後は、各教科の指導内容や学校行事などについても、各自治体が議会で決めることができるとお考えなのでしょうか。特定の指導内容をやめさせる、特定の行事をやらせない、それを条例で決めるという前例になるのではないでしょうか。
 そこで伺います。
 教育行政について定める地方教育行政の組織及び運営に関する法律の趣旨を損なうことになるのではないでしょうか。見解をお伺いいたします。

○斉藤(り)委員 学校教育法施行規則は、執行機関内部の所掌事務の配分関係についての記述であり、議会と執行機関の関係について述べたものではありません。
 したがって、これらの主張は、執行機関内部における所掌事務を変更する条例は、法令の範囲内を逸脱するものであるという主張としてなら理解できます。
 しかし、本条例案は、執行機関内部における所掌事務を変更する条例ではないので、法令の範囲内の条例であり、適法です。

○ほっち委員 適法ですと。ありがとうございました。
 そこで、同じ質問を、皆さんではなくて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づいて教育行政を所管されている教育庁の方にお伺いしたいというふうに思います。

○秋田教育政策担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都教育委員会といたしましては、本条例案につきましては、政治的中立性の確保等が求められている教育委員会制度の趣旨に反するものと考えております。
 なお、本条例案につきましては、地方教育行政制度を所管する文部科学省に確認しておりまして、見解を得ておりますので、申し上げます。
 まず、地方教育行政は教育委員会制度の下で執行されており、教育委員会制度では政治的中立性の確保等が求められているということ。
 次に、入学者選抜については、教育内容に関わるものであり、政治的中立性の確保が求められるものと考えられるが、今回の条例案は、こうした入学者選抜に関して、調査書の具体的な活用方法という極めて技術的な内容を定めるものである、このような事項に関しては、教育委員会がその知見を生かし、その権限と責任において総合的に判断することを想定しているということ。
 そして、入学者選抜の実施方法について、条例によって教育委員会の意思決定を拘束することについては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の趣旨を損なうものと考えるということ。
 以上が文部科学省の見解でございます。

○ほっち委員 そういう今のお答えを聞きますと、教育庁と条例を出されている立憲民主党の方たちとの認識も違うんだなというふうなことがよく分かりました。
 高校受検は一生に一度ですが、同時に、試験制度が欠かせないものである以上、改善を重ねて、受検生の能力を幅広く検査ができるものにしていくことも必要であると思います。
 スピーキングテストについても、その他の入試科目と同様に、毎年の試験結果を検証しながら改善を図ることで、よりよいテストにしていくことが可能であるというふうに考えています。
 そして、現行のスピーキングテストについて、さらなる改善を望むのであれば、入学者選抜方法に関する条例などといった看板倒れの条例ではなく、分かりやすい言葉で、そして具体的に提言を行うべきではないかというふうに感じています。
 条例提案という策を弄したことで、かえって論点がぶれ、多くの受検生、ご家族を不安に陥れているのではないでしょうか。
 さらに、教育行政への議会の介入という大きな課題も抱えていると感じています。
 試験制度に完全なものはないというふうに思いますが、スピーキングテスト実施に向けた、この間の、平成二十九年から取り組んできた教育委員会の取組、また、テストの実施体制、評価の手順などを勘案すれば、このような条例を提案してまで中止を画策しなければならないものとは到底思えません。
 以上で、条例提案に反対であることを申し上げて、質問を終わります。

○白戸委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間の休憩といたします。
   午後二時三十一分休憩

   午後二時五十分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を再開します。
 質疑を続行します。
 発言を願います。

○山田委員 それでは、私から、立憲民主、維新さん共同提案の条例案について質疑させていただきたいと思います。
 条例案について、まず条例案第二条、こちらは都立高校の入学者選抜の方法。これ、総合成績の判断の資料を、第一項において一号から四号まで列挙されています。
 これは、こちらに列挙されている調査書、学力検査、選抜のための実技検査、面接、小論文、作文、志願理由書、これら以外の資料は、入学者選抜において考慮してはならないというふうな規定の趣旨でよろしいか、確認します。

○風間委員 そのとおりです。

○山田委員 では、ここに列挙されている以外の資料は考慮してはならない規定の趣旨であるということですね。
 つまり、条例案は、都立高の入学者選抜の資料を条例によって限定している、そういう形の条例になっている、規定だというふうに思っております。今のご答弁からですね。
 では、ここで、関係法令において、都立高の入学者選抜の在り方がどのように規定されているのか、これを一つ一つ確認させていただきたいと思います。
 学校教育法五十九条を受けた施行規則九十条五項では、公立の高等学校に係る学力検査は、当該高等学校を設置する都道府県または市町村の教育委員会が行うというふうに定めています。
 この規則を受けて、旧文部省の通知ですけれども、選抜を行うことができる者は校長であるが、選抜方法については、教育委員会が必要に応じて決定できるというふうに定めております。
 この内容についてご存じでしょうか。

○風間委員 教育委員会が決定できるということに関しては、確認できておりません。

○山田委員 では、行政の内部の規則において、選抜を行うことができる者は校長であるが、選抜方法について、教育委員会が必要に応じて決定できるというふうに規定されて定められておりますので、そちらはご確認、ご理解いただければと思っています。
 では、次に、教育委員会の職務権限について確認していきたいと思います。
 先ほどもお話がありましたけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律二十一条四号、教育委員会の管理、執行すべき事務としまして、学齢生徒及び学齢児童の就学並びに生徒、児童及び幼児の入学、転学及び退学に関することを定めております。
 これはどういうことかといいますと、児童生徒の入学に関しては、法律上は教育委員会が管理、執行すると定められていますけれども、この点について、ご認識はいかがでしょうか。

○風間委員 定められていることは承知しております。

○山田委員 児童生徒の入学に関しては、法律上、教育委員会が管理、執行であるということはご認識されていらっしゃることが今、明らかになりました。
 では、次に、法律と条例の関係性について確認させていただきたいと思います。
 条例は、法律の範囲内でしかつくることができません。
 条例が法律に違反しているかどうかを判断するには、法律と条例それぞれの趣旨、目的、内容、効果を比較していくというふうに、これは、徳島市公安条例判決というもので最高裁から示された考え方なんですけれども、この点について、ご認識はございますでしょうか。

○風間委員 認識しております。

○山田委員 ありがとうございます。
 ここまでご認識を確認させていただきまして、児童生徒の入学に関しては、法律上、教育委員会が管理、執行するものだというふうに規定されている。大前段として最初に確認させていただきましたけれども、今回の条例案は、都立高の入学者選抜の資料を条例によって限定する、そういう趣旨の条例であるというふうなご答弁がありました。
 この両者の関係について、どのように整理されていらっしゃるか、お願いします。

○風間委員 地教行法で定められているものに関しましては、教育委員会の所掌事務として規定されているものと認識しております。

○山田委員 所掌事務として規定されているからと。どういうことなのかというのは、すみません、ちょっとにわかには理解が私では難しいのですけれども。
 先ほど理解、確認させていただきました、法律と条例、違反しているかどうかというのは、両者を、趣旨、目的、内容、効果を比較するということなんですけれども、今回、最初に確認させていただきましたとおり、入学者選抜の資料を縛って限定されているものだということですよね。入学者選抜の根拠資料を限定すると。
 じゃ、これは、入学者を選抜する、評価する、その観点とか視点も、おのずと強く限定されていくものだというふうに考えておりまして、これは極めて程度の強い縛りではないかと考えておりまして、教育委員会が管理、執行すべき児童生徒の入学に関する所管について、かなり強度の縛り、干渉となってしまっているのではないかと考えておりますけれども、その点について、ご認識はいかがでしょうか。

○風間委員 条例文に記載してあるとおりでありまして、その縛りが強いか強くないかということに関しては、こちらの方で申し上げることはできません。

○山田委員 その縛りが強いかどうかは、なかなか判断は難しい、答弁できないというふうなご趣旨の答弁だったかなと思いますけれども、では、先ほどの、副委員長からもご質問がありましたけれども、重要なところなので改めて、すみません、こちらは教育庁に伺わせてください。
 実際に入学者選抜を執行する立場から、教育委員会、教育庁として、今回の条例の適法性等について、どのように受け止めているのでしょうか。
   〔秋田教育政策担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務発言を求む〕

○白戸委員長 ちょっと地震ですから、一旦。

○山田委員 失礼。

○白戸委員長 はい。

○山田委員 では、改めて、実際に入学者選抜を執行する立場から、教育委員会、教育庁として、今回の条例案の適法性等について、どのように受け止めているのでしょうか。

○秋田教育政策担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 都教育委員会といたしましては、本条例案につきましては、政治的中立性の確保等が求められている教育委員会制度の趣旨に反するものと考えております。
 なお、先ほどもご答弁いたしましたけれども、本件につきましては、文部科学省からの見解も得ておりますので、繰り返しとなって恐縮でございますが、いま一度申し上げます。
 まず、地方教育行政は教育委員会制度の下で執行されており、教育委員会制度では政治的中立性の確保等が求められているということ。
 次に、入学者選抜については、教育内容に関わるものであり、政治的中立性の確保が求められるものと考えられるが、今回の条例案は、こうした入学者選抜に関して、調査書の具体的な活用方法という極めて技術的な内容を定めるものである、このような事項に関しては、教育委員会がその知見を生かし、その権限と責任において総合的に判断することを想定しているということ。
 そして、入学者選抜の実施方法について、条例によって教育委員会の意思決定を拘束することについては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の趣旨を損なうものと考えるということ。
 以上が文部科学省の見解でございます。

○山田委員 ありがとうございます。今回の条例は、法律の趣旨に反するというふうな趣旨のご回答だったと思います。
 もちろん、最終的な適法性、違法性は裁判所が判断するものではありますけれども、私としては、以上述べてきたことから、今回のご提案されている条例案は、法律上、教育委員会が管理、執行すると定められている都立高の入学に関する事項について、入学者選抜の資料を限定するということで介入している。大きく矛盾して、法律に違反する可能性が高いものと考えています。
 では、この条例の適法性、違法性について、ご提案前にどのように検討されたでしょうか。

○風間委員 本条例を提案するに当たり、何人かの弁護士の助言やリーガルチェックを受けて、私どもで検討し、策定いたしました。

○山田委員 失礼、ごめんなさい、末尾が聞きづらかったのですが、弁護士等のリーガルチェックを経たという理解でよろしかったでしょうか。すみません。

○風間委員 何人もの弁護士の助言やリーガルチェックを受けて、私どもで作成したものになります。

○山田委員 では、差し支えなければ、そのリーガルチェックを受けた弁護士の方の具体的なお名前であるとか、経歴であるとか、受けたタイミング、そういったところについてご説明いただくことはできるでしょうか。

○風間委員 相談をしました、助言を受けました何人かの弁護士の方から、個人名を出すことに関しては了解を得ておりませんので、差し控えさせていただきます。

○山田委員 今のご答弁ですと、法曹、法律資格を有する複数の弁護士から確認は得たが、その具体名等については、説明、答弁は難しいというふうな趣旨のお話ですかね。
 では、それを前提にいたしまして、私が先ほどご説明したような観点からの法律の範囲なのかどうなのかというふうなところの議論について、そのリーガルチェックの過程で具体的な検討等がされていれば、その中身について、今、ご説明いただけませんでしょうか。

○風間委員 質問の趣旨が理解できず、恐縮ですけれども、検討するに当たって様々な法的な助言をいただいてきておりますので、具体的に、どの件に関して、どのようにこの条例に反映させたのかということについてお答えすることができません。

○山田委員 すみません、失礼しました。
 では、確認なんですけれども、今申し上げてきたとおり、教育委員会が管理、執行すべきと考えられる法律上の権限について、今回の条例案がその根拠資料を縛っている点について法律違反ではないかというふうな観点から、弁護士、専門家の方から検討を経て、今ご説明した観点で検討があって、その上で出されたものなのかということを聞かせてください。

○風間委員 所掌事務に関しては分担できるものということで助言を受けておりますので、この条例案に関しては、法令違反には当たらないということで確認をしています。

○山田委員 所掌事務は分担できるというのが、ちょっと趣旨がよく分からないのですけれども、ちょっとその点について、もう少し具体的に今ご説明いただくことができれば伺わせていただけますでしょうか。

○風間委員 すみません、質問の趣旨を把握し切れなかったので、もう一度、お願いします。

○山田委員 失礼しました。
 今のご答弁の中で、所掌事務は分担できるというふうな単語、ご説明があったというふうに、すみません、私、今聞きまして、そうであれば、その点をもう少し詳しく教えていただきたいというのが趣旨の質問でございます。

○風間委員 地教行法に関しましては、教育委員会の事務分担を示したものであるということから、条例提案をすることに関しては違法でないというふうに認識をしております。

○山田委員 法律が教育委員会の事務分担を定めたものであると。それが法律で定まっていれば、その法律を乗り越えて条例をつくることは−−条例は法律の範囲内だと思うのですけれども、今のお話ですと、事務分担の法律だったら、別に条例で幾らでも変えられるかのようなご説明のように私は認識したのですけれども、そういったご趣旨でよろしいのか、確認をお願いします。

○風間委員 執行機関内部での所掌事務ということでありますので、所掌事務の首長と教育委員会との分担を定められたものと認識しておりますので、条例を制定することに関しては違法でないと認識しております。

○山田委員 失礼、ちょっとすみません、繰り返しになりますけれども、例えば執行機関とほかの機関との権限分配があったとして、それが、ただ法律で定まっていれば、それを条例で変えることに問題がないというふうな趣旨のご答弁に聞こえたのですけれども。
 ちょっとこのやり取りが長くなってもあれですので、改めて伺いたいのが、例えば、その執行機関内部の話であったり、執行機関とほかの機関との関係を定めているのでも何でも結構なんですけれども、それが法律で定まっているにもかかわらず、それを条例で変えていくことは特に問題ないというふうな趣旨のご意見なのかどうか、ちょっと最後に確認させてください。

○風間委員 議会の条例制定権ということから、事務に関しては条例提案できるものと認識しております。

○山田委員 もうこれ以上、この点については、やり取りは避けようと思いますけれども、もちろん議会の条例制定権も、当然ですけれども、法律の範囲内でございますので、法律で明確に定められたものを条例で変えられるんだというふうな法解釈、ちょっとそれは不適当であるというふうに、やはりいわざるを得ないかなと考えます。
 では、ちょっとすみません、次の観点に移らせていただきたいと思います。
 確認ですけれども、今回、入学者選抜に関する条例が提案されました。一度定めた条例を変えるには、どのような手続が必要になりますでしょうか。

○風間委員 一般論でいえば、条例を変える場合には条例の修正が必要なものと認識しております。

○山田委員 議会での、だから、都議会での過半数の議決ということになるんだと思います。
 先ほども少しお話が出ましたけれども、やっぱり時代が変化するにつれて、東京だったり、日本の未来を担っていく子供たちにどういう能力が期待されているのか、それは変わっていくものだと思います。それを都立高入試においても、やっぱり適切に評価できるようにしていく。それは必要だと思います。
 ですが、今回の条例で、入学者選抜に用いることができる資料を限定するというふうなところなんですけれども、こうすることによって、時代の変化に合わせて新しい対応をしていく、これが難しくなってしまうのではないかなと考えますけれども、この点についていかがでしょうか。

○風間委員 これまでも都議会で、条例の修正に関しては、議会の中で議論をしてきたかと思いますが、都民の代表として選ばれた都議会議員が、その過半数をもって条例修正をできるということを鑑みれば、その時々に選ばれた都議会議員によって、時代に応じたものに変えることができるものだと考えております。

○山田委員 今のご回答、ご答弁に対して、先ほども少しお話がありましたけれども、教育委員会制度の意義というのについて、文部科学省のウェブサイトでこういった説明があります。
 教育委員会制度の意義、政治的中立性の確保、個人の精神的な価値の形成を目指して行われる教育においては、その内容は、中立、公正であることは極めて重要である、このため、教育行政の執行に当たっても、個人的な価値判断や特定の党派的影響力から中立性を確保することが必要であるという点が教育委員会制度の意義で掲げられております。
 特定の党派的影響力から中立性を確保するというようなことが記載されておりますけれども、先ほど来、確認させていただいているように、条例というのは、都議会の過半数の議決で制定、変更されていくものですけれども、先ほど来、時々の都民の代表としての議会だというふうなお話がありましたが、まさしく党派的影響力というふうなものに左右されてしまうのではないかというふうなところが、今のご答弁を伺って、少し懸念として持っておるところでございます。
 党派的影響力をまさしく体現する一つといえる条例だと思うんですけれども、その条例をもってして、今回のような入学者選抜の資料をやはり限定していくというのは、今申し上げたような教育委員会制度の意義に照らしても、極めて問題ではないかと考えておりますけれども、この点についていかがでしょうか。

○風間委員 教育行政における政治的な中立性は、大変に重要なものと認識をしております。
 今回の条例提案に関しましては、英語スピーキングテスト、ESAT-Jが平等性に欠けるということから、これを高等学校一般入試に反映させないために提案をしているものであります。
 それから、議会の過半数をもって制定をすることができるということになりますので、本日もこのようにご審議をいただいているものと認識をしておりますので、こういった提案に関しましては、その時々の議会で審議をされていくものだと考えております。

○山田委員 先ほど来、申し上げているとおり、教育委員会制度の、特定の党派的影響力から中立性を確保するということが重要な意義として掲げられております。
 条例というのは、議会の過半数、その時々の都議会、もちろん民意でございますけれども、それによって左右されるもの。その条例を制定するにも、変えるにも、都議会の過半数じゃなきゃいけないというところで限定されていくというのが、まさしく党派的影響力から中立性確保というものに対して、やはり大きな疑義があるかなという点は、改めて指摘させていただきます。
 では、その他の観点からも伺わせていただきたいと思います。
 現状の東京都の位置づけでは、このスピーキングテストは到達度をはかるというものでありますけれども、仮にその位置づけを学力検査ですと位置づければ、この条例案にかかわらず活用できるということになるのでしょうか。

○風間委員 今のESAT-Jを学力検査に位置づけることができればというお話だったかと思います。
 私どもが提案した条例に関していえば、例えばこれが一般入試の当日に行われるものであれば、それは学力検査に当たるという解釈もできる条例かと思います。

○山田委員 今の点は、恐らく二項に関係するところだと思っているんですけれども、今のご答弁ですと、仮にの話になりますけれども、当日に行われる学力検査と位置づけられれば、条例にかかわらず可能であろうというふうな趣旨のご答弁であったと思います。
 関連してなんですけれども、ちょっとその二項について伺わせていただきたいのですけれども、二項では、都教委が実施する学力に係る検査の成績に関する事項は、調査書に記載されている場合であっても、総合成績の資料には含めないというふうに規定されておりますけれども、ちょっとこの規定の趣旨について、改めてご説明をお願いします。

○風間委員 先日、教育委員会の方で定められました令和五年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱では、英語スピーキングテストの成績は、調査書、東京都教育委員会は、諸活動の記録(英語スピーキングテスト結果を含む。)としてありました。
 諸活動には英検などの取得も含まれていますけれども、そこに英語スピーキングテストの成績を記載させて、都立高校入試の総合成績の判断のための資料として勘案しようとしております。
 ゆえに、これを認めないというために設けたものになります。

○山田委員 今のご説明ですと、じゃ、都教委のスピーキングテスト、ESAT-Jは難しい、駄目だけれども、例えば、英検だとか民間の検査であれば大丈夫だということになるのでしょうか。

○風間委員 私どもの提案しております、この条例案の中で、第二条に四つのものが示されておりますけれども、この中には英検は当たらないものと考えておりますので、いわゆる英検といわれる英語検定の結果は反映されないものとなっているかと思います。

○山田委員 分かりました。では、今のご説明ですと、英検はあくまで例ですけれども、英検など、そういった民間の試験だとか検査については、やはり入学者選抜の根拠資料にはしない、してはならないというふうな趣旨のご説明だったと思います。
 やはり、先ほど来、申し上げておりますけれども、そういった入学者選抜の根拠資料を、今の例のように、かなり限定するというような規定の条例だと思いますので、改めて、問題が大きいのではないかと、今のご答弁を受けて考えた次第であります。
 今までは、条例の法令の適法性だったり、各条文について伺ってきましたけれども、ちょっとすみません、別の観点から伺わせていただきたいと思います。
 入学者選抜の平等性だったり、公平性だったりというところの議論について伺わせていただきたいと思います。
 条例一条では、この条例の目的としまして、都立高の入学者選抜の平等性、公平性を確保するということが掲げられております。
 入学者選抜における、まず平等性、公平性の確保というものについて、具体的にどのようにお考えになってご提案されたのか、ご説明いただければと思います。

○風間委員 これまで行われてきた、令和三年度に行われた高等学校入試に関しましては、平等に行われてきたものと認識しております。

○山田委員 では、ご認識としては、これまでの都立高の入試選抜については適切であったであろうというようなご認識であると。
 先ほど来、お話に出ていますけれども、今回から始めるESAT-J、スピーキングテストについては問題意識をお持ちだということだと思うんですけれども、では、そのスピーキング、ESAT-Jについて、どのような点が平等性、公平性の観点から問題とお考えか、ご答弁をお願いします。

○風間委員 これまでも文教委員会で議論をしてまいりましたけれども、一つは不受験者の扱いということで、例えば、東京都外に住んでいる公立の中学生が引っ越し予定等で都立高校を受検しようという場合には受けられないものとして、他者の数値でその数値が決まることなどを含めまして、平等性が担保されていないものだと認識しております。

○山田委員 主に、今、不受験者の取扱いについてご説明いただきましたけれども、じゃ、採点の在り方であるとか、そういった点については、特に問題意識は持っていらっしゃいませんでしょうか。

○風間委員 採点の在り方に関しても、この文教委員会でかなり議論がなされていたものと認識しております。
 その中で、平等でないと感じる委員の発言もありましたので、ここに関しても、これまでどおりの同じ水準の平等性が保たれていないのではないかという疑念はあろうかと思います。

○山田委員 今のご答弁ですと、これ、前回まで、去年までの都立高入試でやるような平等性、公平性が、今回のESAT-Jでは確保されていないのではないかというふうなご趣旨のご答弁だと理解しましたけれども、ちょっとこれ、確認で教育庁の方に伺いたいのですが、スピーキングテストの採点の平等性、公平性の担保のためにどういった取組をされていらっしゃるのか、そこを聞かせてください。

○瀧沢指導推進担当部長 採点につきましては、大学の学位や英語教授法の資格を持つなど高度な英語力と英語教育に関する専門性を有する者が、事前に本テストの採点に係る研修を受講し、基準を満たした者のみが専任で行っております。
 また、採点に当たりまして、基準に従い、複数の専任者による採点、審査、抽出による点検を経て評価を確定し、都教育委員会が結果を確認しております。
 また、五月にフィリピンの採点センターを訪問し、セキュリティや採点体制など、採点業務の実施について直接確認をしたところでございます。
 なお、昨年、令和三年度につきましては、都内全公立中学校三年生を対象に実施したプレテストにおきましても、所定の期間内で公平、公正に採点を完了しているということを確認しております。

○山田委員 ありがとうございます。今のは、今までの文教委員会でもご答弁いただいたところですけれども、評価基準を設けた上で、英語が公用語であるフィリピンの方で、大学の学位だったり、英語教授法の資格を持つなどの一定の専門性を有する方が、かつ一定のトレーニングを受けた方が複数の目で見ているというようなところが今ご答弁あったところだと思います。
 こういった形で、スピーキングテストの評価について、公平性等について、都教委から説明がありましたけれども、それでは、先ほど、去年まで入学者選抜は適正ということだったとご答弁されましたけれども、去年までやられている、そして、条例案に列挙されている調査書、学力検査、選抜のための実技検査、面接、小論文などなど、その一つ一つについて、平等性、公平性がどういった形で検討されているのかというところと、ちょっと比較していきたいと思っています。
 まず、調査書について伺っていきたいと思います。
 調査書は絶対評価だと今いわれておりますけれども、親御さん、生徒さんからは、やっぱり学校ごと、クラスごとにいろんな差があるんじゃないか、地域ごとにいろんな傾向があるのではないかとか、いろんなお声があることも私自身も伺っているところでありますけれども、じゃ、ここの調査書も、事実確認で教育庁に確認したいのですけれども、この調査書の内容の中身の平等性等を担保するためにどういった取り組みをしているのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 各学校では、学習指導要領に基づきまして、学習指導の目標を明確にするとともに、適切な内容を設定し、その目標及び内容と対応した評価基準を設定しております。
 あわせて、評価基準で示されております資質、能力を評価するのに適した方法を選択しております。
 また、教員の主観に流れることなく、誰が評価をしましても同じ結果になるように、適切な評価基準や評価方法を校内の全ての教員で共有し、学校全体で組織的、計画的に行っております。

○山田委員 ありがとうございます。もちろん、学習指導要領等に基づいて一定の基準がある、学校の先生、専門性を有する方が、学校全体の中で複数の目でチェックしているというふうなところだと思います。
 この条例案において、こういった調査書の活用は可だとしているその一方で、スピーキングテストについては駄目だというようなご趣旨だと思うんですけれども、その点について見解を伺わせてください。

○風間委員 一番の違いは、この日本の教員免許を持っているかいないかというところに違いがあろうかと思います。
 また、調査書の点数につきましては、その中学校の教員が行っているということで、どういう体制で、どの人物が責任を持って、まあ、学校長が最終的に策定するものということで、学校長に確認することができますけれども、ESAT-Jに関しましては、どういった、具体的な人物名についても上がってくることは、公開されることは、これまでの文教委員会質疑ではありませんでしたし、その人物がどのような有資格者なのかということについても公表されていないということから、大きな違いがあるものと考えております。

○山田委員 では、英語のスピーキング、話す力なんですけれども、これは何のために身につける必要があるのでしょうか。
 日本人と話すために必要なのか、それとも外国の方とコミュニケーションを取るために必要なのか。どのようにお考えでしょうか。

○風間委員 文教委員会でも、かなり様々な意見が出されてきまして、文教委員の中には、海外での生活経験をされてきて、英語スピーキングが堪能な方がいらっしゃるというような話も出てきました。
 この英語スピーキング力に関しましては、どの国とかいうことを限定することなく、英語を使ってコミュニケーションを取れるスピーキング力が求められるものだと考えておりますので、これに関して、私たちは否定はしておりません。

○山田委員 ごめんなさい、ちょっと私の質問の趣旨が、もしかしたら正確に伝わっていないのかもしれないのですけれども、先ほど日本の教員免許があるからだというようなところが重要だというふうなお話がありましたけれども、英語を、例えば日本人同士で、もちろん学校の教育の場とかは除いて、日常のコミュニケーションにおいて、日本人同士で英語を使ってコミュニケーションするというふうなことではなくて、基本的には、海外の方とコミュニケーションを取るために英語というのは存在しているんだというふうに思っておりますけれども、この点について認識の違いはありますでしょうか。

○風間委員 認識が異なると思います。
 日本人にかかわらず、今、日本国内においても、日本人同士で英語を使ってコミュニケーションをする人たちが実際にいると認識をしておりますので、世界中の人と英語を用いてコミュニケーションをしていくために、この英語スピーキング能力は必要なものだと認識しております。

○山田委員 日本人同士で英語を使ってコミュニケーションする機会も、もちろん、なくはないとは思いますけれども、基本的には日本人が−−まあ、認識が違うということなので、もうこれ以上、やり取りしても仕方ないのかもしれないのですけれども、すみません、今、確認しておきたいのが、ご提案された議員の方としては、日本人同士でも英語でコミュニケーションする場面があって、だから、英語が公用語であるフィリピンの方が評価されるというふうなことではなくて、日本の教員免許を持っている人が評価する方がいいのではなかろうかと、そういうふうなご認識なのでしょうか。

○風間委員 ご質問の件は、この条例提案と直接関係があるか、少し分かりませんけれども、そのようなことは、こちらは一切申しているわけではありません。
 英語スピーキングテストを評価する者が日本の教員免許を持っていない方だということ、そして、何という方が、何という、どのような資格を持って評価をしたのかということが分からない状態であるということから疑念があるということを申し上げております。

○山田委員 ちょっとすみません、分かったようで分からないので恐縮なんですけれども、私としては、英語は、もちろん世界とコミュニケーションを取って、やり取りしていくための、それが主眼だと思っております。日本人に通じる英語、日本人同士で通じる英語の価値と海外の人に通じる英語の価値、どちらが高いといえば、海外の人としっかりとコミュニケーションできるということに主眼があるべきだと思いますので、なかなか見解が違うのかもしれませんが、ちょっとご主張、ご意見が、少し理解しがたいかなというふうなことは受け止めました。
 では、ちょっと次に行かせていただきたいと思います。
 次に、学力検査について伺わせていただきたいと思います。
 都立高の学力検査において、これは選択式だったり、マークシートじゃない、例えばアとかイとかを選ぶ選択式というものと、それ以外の、例えば、国語で二百字とか何百字での作文があったり、英作文もありますし、社会で記述式だったり、いろんなバリエーションの解答があると思います。
 この現在の学力検査については是とされていらっしゃるということですけれども、じゃ、これについて、どういった形で平等性、公平性について捉えていらっしゃるのか、ちょっと伺いたいと思います。

○風間委員 これまで教育委員会から説明を受けてきた中で、平等性に欠けるというふうに感じておりません。

○山田委員 一義的な正答を示すことができないということはあるのかなと思うんですけれども、その点については、そういった認識で−−例えば作文だったり、記述式問題について、一義的な解答を示すことはなかなか難しいであろうと思うんですけれども、条例案の中では、なかなかそういった一義的な解答を示すことができないことが懸念であるかのような条文も、ご説明があるかと思うんですけれども、そういった点については、特に懸念はないですかね。

○風間委員 学力検査というお話でしたので、学力検査に関しては、平等性は担保されているものだと認識しております。

○山田委員 ありがとうございます。私も、実はそう思って、認識はしているんですけれども、じゃ、ちょっとここで、改めて、教育庁さんに確認でまた伺いたいのですけれども、先ほど来ありました、例えば国語での作文だったり、社会での記述式問題だとか、そういったものについて、その具体的な採点の在り方について、ちょっとご説明をお願いします。

○村西都立学校教育部長 都立高校の入試の学力検査では、既にこれまでも、国語や社会などの教科におきまして記述式の問題を出題しております。
 記述式問題の採点に当たりましては、定められた採点基準に従い、二人の採点者がそれぞれ採点を行い、採点結果が一致した場合に確定をいたします。一致しなかった場合につきましては、再度二人の採点者が点検を実施し、採点結果が一致するまで再確認を行うことで、適正に評価を定めております。

○山田委員 ありがとうございます。
 私も、先ほど来ありますように、これも、もちろん採点の基準を設けて、専門性を有する教員が見て、かつ、ダブル以上のチェック、複数人の目でチェックしてきているというようなところで、平等性、公平性は確保、担保されているんだと思うんですけれども、結局、先ほどの話に戻ってしまうのですが、冒頭のスピーキングテストについても、フィリピンの方が、大学の学位や英語教授法の資格を持つ一定の専門性を有する者が、さらに採点に関する研修を受けて、もちろん採点基準は決まっていますし、そのようなトレーニングを受けた一定の水準を満たす方が複数でチェックしてきているというのが、ESAT-J、スピーキングに関する採点の在り方なんです。
 私は、じゃ、今、説明をもらったような記述式だったり、作文だったり、条例ご提案の方も適正であるというふうに考えていらっしゃるやり方と、スピーキングの今の採点のやり方が、片方がよくて、だから作文や記述式はよろしい、ただ、その反面で、こちらのスピーキング、ESAT-Jはよろしくないということだと思うんですけれども、そこの違いがはっきり分からないなと思っておりますが、この点についていかがでしょうか。

○風間委員 先ほども申し上げましたように、ESAT-Jを評価する人間と、今の学力試験の論述式等で判断をする人の圧倒的な違いがあると考えております。
 日本の教員免許を持った高校の教員によって、複数名で判断、評価をするという体制をしいていることと、フィリピンの有資格者というお話でしたが、何という人物なのかも分からない、どこの、どのような資格を持っているのかも分からないという体制で、まさにブラックボックスであるということは、この文教委員会の中でも議論があったところであり、ここが明快になっていないままの状態で行うのは公平性に欠けるというふうに考えております。

○山田委員 先ほど来の議論の続きになってしまうのですけれども、日本の教員がいい、すばらしいという英語と−−ただ、英語、特に話す力というのは、基本的には日本人以外の方とやっぱりコミュニケーションを取っていくのが主眼だと思います。海外の方とちゃんと通じるのかどうなのか、コミュニケーションが取れる英語なのかどうなのかというのを判断するのは、日本の教員免許がそこまで決定的に重要なのかどうなのかというところについて、やはりこれは大きな疑念があります。
 これについては、何回も今までやり取りさせていただいたので、もうこれ以上はと思いますけれども、やはりちょっと、その点においても不適切ではなかろうかと思っています。
 以上、一つ一つ伺わせていただきましたけれども、特に児童生徒、子供の能力、そういったものをはかっていくというのは、決して簡単なことではないと思っています。
 例えば、一つの尺度、選択式だけではかるというのも、例えば、テストで時間に追い込まれて、最後、よく理解していないけれども、選択を適当に書いてしまった、でも、それが合っていて正解になった、それで、もしかしたら入試の結果が変わってしまう可能性もよくあるとは思います。ですので、選択式も、公平のように思いますけれども、必ずしもそうではない部分もあるんだというふうに認識しています。
 あらゆる試験の方法にメリット、デメリットというのは存在していると思うんですけれども、だから、様々な評価手法を適切に組み合わせていく。これが試験の平等性だったり、公平性だったり、そういったものの確保につながっていくんだというふうに思います。
 今まで都教委からも説明をもらいましたけれども、調査書だったり、また記述式の問題だったりというのも、一定の基準を設けて、一定の専門性を有する人物が複数でチェックして担保しているというところ、そして、同じ趣旨の仕組みがESAT-J、スピーキングでも採用されていると思うんですけれども、今回のスピーキングテストについてだけ、採点の公平性だったり、問題性にだったり、大きな問題があるというふうなご認識で条例をご提案されていると思うんですが、私は、今まで質疑させていただいたとおり、やはりそのご認識、この条例は、おかしい面が多々あるのではなかろうかというふうに感じているところであります。
 では、また、ちょっとすみません、別の観点から伺っていきたいのですけれども、何年も前からスピーキングテストの準備の実施は行われて、準備が進んできましたと。
 今の中学生は、都立高の入試でスピーキングテストの結果が活用される、そのことを前提にして準備を積み重ねてきたと思うんですけれども、スピーキングテストのこういった実施を前提に努力を積み重ねてきた子供たちを、事前に公表されている、説明があった、そのとおりの手法を用いて評価するということも、子供の能力だったり、将来性を多面的、公平にはかっていく上で重要な要素だと思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。

○風間委員 先ほども申し上げましたように、英語スピーキング能力をはかってほしいという生徒が一定数いると考えます。
 しかし、一方で、このスピーキングテストが受検に反映されるんだということを、この夏の申込みまで知らなかった中学三年生は、これまた一定数いるものだということで声が届いてきているところであります。
 では、このスピーキングテストを前から準備してきたのだから、知らなかった方が悪いだろうというような主張をされる方もいらっしゃいますけれども、これが平等性が確保されるテストであるならば、そのまま都立高校一般入試に反映させるということに関して、私たちも検討の余地があると考えますけれども、これまで申し上げておりますとおり、平等性に疑義があるということから、都立高校の一般入試に反映させるということに関しては、これまでも私たちは見送るように求めてきたところであり、いまだに見送るという判断にはなりませんでしたので、今回、この条例を提案させていただいたということであります。ご理解、よろしくお願いいたします。

○山田委員 仮に、この条例が可決されたとしましょう。そうすると、スピーキングテストを実施しても入学者選抜には用いられないということが起きたとすると、受検生、受検される方、スピーキングテストが活用される前提で、今までお金だったり、時間だったりを使ってきたというところが、準備を積み重ねてきたということがあると思います。
 もし最初からスピーキングテストを今回受検に使わないというようなことが分かっていたならば−−この条例が制定されたことによって、今まで積み重ねてきた、そういったお金だったり、エネルギー、時間、そういったものについて、どうしてくれるんだ、損害が生じたんだというふうな形で、何らかの紛争なりも起きる可能性も否定はできないんじゃないかと思うんですけれども、この点についてはご認識いかがでしょうか。

○風間委員 ご指摘のようなこともあろうかと思いますが、似たようなケースで、国は、統一テスト実施の直前に中止をしているという例がありまして、大学入試センター試験から大学入試共通テストへの変換に当たって、直前に白紙撤回をしたという事例があったかと思います。
 直前であっても、課題が大きいと認識したまま強行するよりも、勇気を持って中止をする、延期をするという責任のある対応が必要なんだと考えております。

○山田委員 この点は、そもそも、多分、根本認識がかみ合わないところもあるかと思いますので、これ以上はと思いますけれども、ただ、先ほども申し上げたとおり、スピーキングの力、ちゃんとそれを育成することが大事だということで、中学生の間、もしかしたら、その少し前からちゃんと準備して積み重ねてきた、その子供たちに対する、この条例の制定によって、そういった子供たちの努力だったり、労力だったり、そういったものに対しても、しっかりと向き合ってご提案されるべきだというふうには思っています。
 それでは、ちょっとすみません、最後の方に近づいてきたのですけれども、改めて、英語を学習する目的について、どういったご認識がありますでしょうか。

○風間委員 英語の学習に関しましては、四技能ということで文部科学省の方で定められており、それに基づき、中学校でも、この四技能をバランスよく指導していると認識しております。
 この四技能は等しく身につけていくべきだという考え方に関しては、私どもも賛同しているところであり、高等学校の一般入試、または推薦入試も含めてですが、この四技能が等しく評価されるような制度であってほしいと願っております。

○山田委員 ちょっとごめんなさい、もしかしたら、ご質問の趣旨が少しずれてしまったかもしれないのですけれども、私はやっぱり、先ほども少しかみ合わない面もあったんですが、英語というのは、だんだんだんだん日本が長期的に人口が減少していくというステージで、だんだん国内市場が縮小していくというところがあります。そうすると、これからの未来を生きていく子供たちは、もう既に今現在もそういう傾向は出ていますけれども、これまで以上に、世界の舞台で、世界を相手にしてやっていかなきゃいけない。恐縮なんですけれども、日本人同士で英語を評価し合っているとか、そういったご認識、ご答弁は、やはりちょっと不適切な面があるのじゃないかと思っているところがあります。
 私自身、日本の英語教育、これまで結構、真面目に取り組んできた認識、自負はあるんですけれども、社会人になってアメリカの大学へ行かせてもらうことになったんですが、やっぱりTOEFLで四技能といったときに、リーディングだったり、リスニング、ライティングは、日本の英語の学びの基盤があったので、何とかなった面もあるんですが、やっぱりスピーキングについて、私自身は本当に苦労してきましたし、もっと早くから話す力を鍛えておきたかったというふうに思っています。
 だから、今、教育において話す力、英語を使って話して、ちゃんとコミュニケーションを取れる力をもっともっと進めてほしいし、もっと私自身も教えてほしかったと思っていますし、今の子供たちに私と同じような思いはしてほしくないというふうに、やっぱり強く思っています。
 四技能を適切に伸ばしていくというために、やっぱり今回のスピーキング、ESAT-Jは、極めて重要性の高いものだと考えておりますので、今回の条例案は、今までの質疑でいろいろ明らかになったところはあると思いますが、まず根本として、法律に違反している可能性が高いというふうに考えているのが一点目。
 そして、二点目が、同じくですけれども、評価資料だったり、根拠を限定しているということ、そういう趣旨の条例だということですけれども、それによって子供を多面的に評価するということが、かえって縛って、しにくくなっているのではなかろうかというところ。
 そして、これまでの入試であったように、記述式だったり、作文だったりというところでも、事前に基準を設けて、専門性の高い者が複数の目でチェックするという形で担保されてきたところ、今回のESAT-Jにおいても同じ仕組みでやられていると認識していますので、殊さらに、どちらだけ駄目で、こっちだけよいというふうな発想は、やはりおかしいのではないかと考えております。
 主に、今の二点。
 そして、やはり英語において話す力をどうやってしっかり確保していくか、それが、このスピーキングテスト、ESAT-Jが非常に大きな契機になると思っていますので、それを入れないためのご提案の条例というのは、極めて問題が大きいというふうに考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。

○谷村委員 大変にお疲れさまです。
 立憲民主党の皆様から提出された東京都立学校の入学者の選抜方法に関する条例案について質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、私自身これまで、議員提出条例案というものに関わってまいりまして、原案作成にも携わり、それらの審議に二度ほど答弁に立たせていただいた条例制定の経験をしておりますので、今、そこにお座りのお気持ち、大変よく分かります。もう何でも聞いてくれというのもあろうかと思いますし、想定外の質問にもお答えになっていらっしゃるんだろうなということで、この条例案に対して答弁をされていることに敬意を表しながら質問させていただきたいと思いますが、まず一つは五輪文書等管理条例。
 これは、一昨日の立憲民主党さんの代表質問のところでも、御党の幹事長が共同提案をしましたというふうに触れてくださっておりました。
 正式には、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例というものでした。これは、オリンピック・パラリンピックの組織委員会に対し、東京都が文書等の保管及び承継に関して必要な指導及び調整を行うためのものということで、その条例的根拠を定めた。東京都が所管していない文書、組織委員会が持っている文書を東京都がしっかり管理をさせるという、それの条例的根拠なんですが、これは、十年間は清算人が持っている、保管するという大前提になっておりますので、すぐに東京都にそれが来るという性格のものではありませんけれども、大会開催経費を検証できるようにするための一つの条例であります。
 これは、二〇二〇年、もう二年前になりますけれども、三月十八日に文教委員会で、都民ファーストの会の伊藤ゆう議員と一緒に答弁に立たせていただきました。答弁のために文教委員会に移りまして、私も委員外議員としてということを希望したのですけれども、なかなか、事例がもう二十数年間ないということもありまして、委員に移って答弁させていただきました。
 もう一つは、東京都こども基本条例。
 これは、子供に対するあらゆる差別の禁止、子供の最善の利益の確保、それから、生命、生存、発達への権利及び子供の意見の尊重を一般原則とし、全ての子供が誰一人取り残されることなく、将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに育っていく環境を整備しなければならないとしたものでして、これは、去年、二〇二一年三月十五日に厚生委員会で、都議会公明党のまつば多美子議員、現在の政調会長ですけれども、一緒に二人で答弁をさせていただきました。このときも、事前に厚生委員会に移って答弁させていただきました。
 特に、この条例の原案作成の際には、大変に数多くの専門家の方、また大学教授の先生方のご見解もいただき、こちらも、まつば議員がリモートで何回も何回もご指導いただきながら、一言一句つくり上げたものであります。
 一方で、私の方は、息子が弁護士をしているものですから、先ほどの山田先生には遠く及びませんけれども、先輩に司法試験一位合格の方とか、予備試験一位の先輩とかが身近にいてくださったものですから、司法試験も一発合格組で、今、もう五、六年たつのですけれども、母校で講師とかチューターとかをやっておりまして、その息子に、もう何回も何回もリーガルチェックをしました。当然、おいしいものを食べさせながら、かえって高くついたかもしれないのですけれども。
 それで、先日、日本弁護士政治連盟の先生方にお会いしたときに申し上げたのですが、弁護士本人と、その弁護士の父親はどっちが偉いですかと聞いたら、皆さん、一様に笑いながら、お父さんの方が偉いですといってくださっておりまして、皆さん、ここは笑っていただくところですけれども、笑える雰囲気じゃないところなのであれなんですが。
 こども基本条例の場合は、構想から着手して、可決に向けては、実は半年間かけてやっております。そして、最後まで全会一致で成立をさせようということで、他党、他会派等の皆さんとの調整に全力で取り組みましたので、厚生委員会で可決したのは、二十二日にあったわけですけれども、三月二十三日の朝方、午前四時二十分であります。
 こういう経験をしている者としてご質問をさせていただく意味で申し上げているわけですが、議会局には議案法制課というものがあります。大変優秀な方々がそろっておられまして、ひょっとしたら、この質疑をご覧になっているかもしれませんけれども、議員提出議案につきましては、先ほど来出ておりますけれども、地方自治法は当然のこと、国の他の法令との関係、それから東京都の他の条例との整合性を確認して、その上で議会運営委員会に提出するという手はずを取っております。
 国でいうと、先ほど斉藤議員の方から答弁されておりましたけれども、衆議院法制局であったり、参議院法制局みたいなところで、これは、国会議員が議員立法をする際に、その原案を必ず衆議院法制局、参議院法制局が審査をするという、こういう手続になっているんです。お手伝いだけじゃなくて、この議員がつくった議員立法案、法案というものが、当然、まず憲法に触れないか、そして、他の主要な法令に触れないか、最後、万般な法令に抵触しないかという。抵触する場合は、その関連法案も一緒に改正するということをすれば問題ないわけですけれども。
 加えて、この衆議院法制局、参議院法制局というのは、委員会、本会議の運営等もしておりますので、議会局でいう議事部、この議事部というのは、議案法制課と議事課に当たりますので、ちょうどこの衆議院あるいは参議院の法制局のような立場でご活躍をいただいているわけですけれども、議案法制課を通してチェックを入れるわけですけれども、さらに東京都では、総務局の文書課というのがありまして、そこでもう一回チェックをしていただくという、議員提出条例案というのは入念に、時間もかけて、様々、関係部署にお願いをして確認していただいて、これは問題ないということで提出をする。
 さらには、これはマストではありませんけれども、ニーズとして、執行機関との調整も最重要課題となります。これは予算執行が伴ったりいたしますので、二元代表制の中で議員が提出議案を出すという分に当たっては、この執行機関調整ということも最重要課題であります。最重要ステップであります。
 先ほどの五輪文書等管理条例につきましては、まずは総務局が絡んでまいりますし、それから、組織委員会が絡んできますので、当時のオリンピック・パラリンピック準備局等が絡んできました。
 こども基本条例案のときは、これは、基本的に各局横串にしていくための条例案でしたので、本来、政策企画局が主管でやっていただくべきという、こちらの主張ではありましたけれども、ただ、子供という位置づけだったので、福祉保健局さんがかなり前面に出てきていただきましたけれども、他に教育庁さんにもお世話になりましたし、そういう様々な執行機関との調整というのも出てまいります。
 そこで、議案提出者の方にお尋ねをしたいと思いますけれども、この条例案を議会運営委員会に出される際に、議会局の議案法制課、また総務局の文書課では、本条例案につきまして、立憲民主党さんが出されたこの条例案につきまして、他の法令との関係についてどういう見解を出されていたのかということについて、まずお尋ねをしたいと思います。

○風間委員 本条例を提案するに当たりましては、議会の議案法制課に相談をしているというステップは経ておりまして、ほかにも議会上のルールを守って行ったものと認識をしておりますが、今回、限られた時間の中での条例提案ということでしたので、ご紹介のありました、既に制定されましたこども基本条例のようなスケジュール感とは異なると承知しております。

○谷村委員 大変失礼ながら、私の方でも確認をさせていただいたのですけれども、議会局の議事部あるいは議案法制課にご相談されたのが九月八日あたりという、かなりスピード、何というのでしょうか、緊急性があったのかもしれませんけれども、通常は最低でも、こども基本条例でも半年以上かけましたが、それは構想からでしたので、ただ、様々なチェック−−条例案というもの、これ、条例によって、都民の皆様の生活にあるいは人生の進路に関わる問題ですので、基本的には、一か月ぐらいは猶予をいただかないと様々なチェックができない、間に合わないというふうにおっしゃっていたかと思うんですけれども、そこら辺のご認識はどうでしょうか。

○風間委員 限られた時間の中での条例案の作成でしたので、こども基本条例のような時間のかけ方をすることはできませんでしたけれども、このままですと英語スピーキングテストが都立高校一般入試に反映されてしまうということに対して、今定例会で提出をする必要があるということでしたので、限られたスケジュールの中で、定められたルールにのっとって行ったものと認識しております。

○谷村委員 そうですね。様々、先ほど来の質疑の中で、他法令との関係ということで出ておりました。この形を見ますと、様々、課題が多い条例案で、時間もなかったのかもしれませんけれども、一つの都議会が制定する条例案としては、他法令との関係で、様々、大きな課題があると思いまして、これは議会局にちゃんと確認したのですかというぐらい、すみません、お尋ねをいたしました。
 内容や法的チェックというのは、議事部あるいは議案法制課の方ではなかなか時間がないということで、それは会派の方でされるということだったんだろうというふうに伺っておりますけれども、会派の方で、他法令あるいは他の条例とのどういうチェックというのをされたのでしょうか。

○風間委員 先ほど申し上げましたように、限られた時間ではありましたものの、複数の、何人かの弁護士に相談をしながら、この条例案を策定いたしました。

○谷村委員 今回の出されているのは、教育という前提に、何というのでしょうか、いわゆる教育行政に関わる条例案ですので、弁護士の方も、多岐にわたる、いろんな分野のことに携わっていらっしゃる方が多いと思いますので、複数の弁護士の方といっても、さっき、よろしかったらお名前をというふうにお尋ねがありましたけれども、その前提ではないということだったのですけれども、これは本当に弁護士の方がチェックをされているものなのかなという、非常に私としては納得いかないのですが、それを議論しても仕方がありませんので。
 じゃ、教育的な見地から、学者さんだったり、教育関係を専門にされている方というのは、どなたかこれをご覧になって、あるいは行政でもいいと思いますけれども、確認されているのでしょうか。

○風間委員 ご指摘のとおり、弁護士の資格を有する方々の中には、それぞれ専門性もあろうかと思います。
 私どもが相談した方の中に、こういった教育に関する法律に詳しい方がいるかという問いだったかと思いますが、その方は、その見識があるという前提で相談をしておるものであります。

○谷村委員 分かりました。
 私も、五年になりますか、六年になりますか、豊洲移転の百条委員会のときがありました。そのときも、リーガルチェックは当然お願いをしまして、やっぱりそれは、それなりの専門の方にしていただかないと、なかなか難しいんだということをかなり痛感もいたしましたけれども、そういえば、御党にも弁護士の議員の方がいらっしゃいますよね。いらっしゃいましたよね。
 当然、会派の中でそういう角度でご覧いただいているということで、ちょっと今思いついた質問で恐縮なんですけれども、そういった、当然、ご覧になっていますよね。

○風間委員 会派としてこの条例を作成することを検討してまいりましたので、今、十五人のメンバーがおりますけれども、全員確認をしているところであります。

○谷村委員 それで、本文に入る前なんですけれども、ちょっと本文に触れさせていただきたいのですが、条例案の附則に検討という項目が入っている条例というのは見たことがないという方が多いんですね。
 なぜ、検討というこの条項が、さっき、ご説明もちらっと伺いましたが、もう一度、なぜ、この検討という−−結構、この条例案の骨格をなすような内容に見えます。
 多分、第二条第二項と、それから、この検討という項目が、この条例案の結構、柱になっていると思うんですが、なぜこれが附則という位置づけであるのでしょうか。

○風間委員 先ほどの答弁の繰り返しで恐縮ですけれども、附則について、参議院法制局によれば、法律には、その附則において、見直し条項とか検討条項というように呼ばれる条項が置かれることがありますが、これは、政府は何々について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするといった形で規定され、その法律の制定時に積み残した課題や、あるいは将来の状況の変化に対し、立法措置も含め、適切な対応を取ることを確保するために設けられる規定です。
 法律の制定時に積み残した課題とは、例えば与野党で合意ができなかった事項について、附則で検討事項として規定するということがあるようです。
 法律には、これに類似した規定が附則に置かれており、本条例案も、今後の検討課題という趣旨で附則に置きました。

○谷村委員 東京都の議会局の方にちょっと資料をいただきまして、附則という項目があるんですよ。議案を作成するに当たっての、附則というのはどういう位置づけかという。
 附則とは、当該条例の施行期日、施行(セコウ)といっていますが、施行期日、それから経過規定、関係条例の改廃等に関する事項等、当該条例の附属的事項を規定する部分の総的名称であると。
 当該条例の附属的事項。当然、附則というところに、こう附則と位置づけてあるわけですから、当該条例の附属的事項を規定する部分の総括的名称であって、本則の後に置くんですね。
 しかも、それも原則があるんです、さらにこの附則の置き方というのは。
 まず第一に何が来るかというと、施行期日。施行(セコウ)期日といいますが、いつからこの法律が施行されるか。それから廃止規定。既存の条例等の廃止に係る規定で、附則で廃止されましたとか入れる場合。それから経過規定。経過措置に関する規定ですね。この条例案ができました、けれども、これが施行するまでは経過措置としてこうしますよというもの。あと改正規定。既存の条例等を改正するたびに、附則でこういうのが乗っかってきましたというのを日付を入れたり。あと、その他の規定というふうになっているわけですけれども、この本条例案の骨格の二つのうち、一つがなぜ附則に置いてあるのか。
 参議院法制局の見解は見解として、通常でいくと付随事項なんです。本則の後に置かれるものなんですね。
 それがなぜ、この条例案では附則のところに置かれているのか、ちょっと見解を、資料の読み上げではなく、見解をお尋ねしたいと思います。

○風間委員 条例を提案された谷村委員のご指摘も、そのような認識を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、私どもも、この条例を作成するに当たり、どのような条例が適切なのかということを、複数の、何人かの弁護士に相談をしながら、最終的にこのような形が望ましいという判断をした次第であります。

○谷村委員 その弁護士の方に、こういう−−ひょっとしたらご覧になっているかもしれませんけれども、条例案を新設するには、ちょっとおかしな位置づけになっているかなと思います。
 検討というふうに入れているということは、この条例案の四行というのを、方策について検討を加えということなんでしょうけれども、これは本来、きちんとした条項の中に入れて、その方向については、検討を今後加えていくとか、必要な措置を講ずるものとするというものであって、これが検討という項目でいいのかどうかなんですけれども、都議会に出される条例案としては、ちょっと不可思議な形のものになっているということを、まず申し上げておきたいと思います。
 ここで、まず二つ目に入ります。
 今回、この条例案を出されて、この条例案を拝見して、一番大きな問題は、都議会とということになるかもしれませんけれども、教育委員会制度、この認識に、先ほど来の質疑もあったかと思いますけれども、この議案提出者と、そして私どもとの間に−−議案提出者というよりは議案提出会派と申し上げた方がいいですね、失礼があったら申し訳ないですけれども−−認識が違うのかなというふうに思うんですけれども、我が国の地方教育行政において教育委員会制度を導入している意義について、どういうご見解を持たれているでしょうか。

○風間委員 執行機関の首長からの権限の独立と認識しております。

○谷村委員 それ以外にも幾つかあると思うんですけれども、意義とか特性とか。
 そのほかについてどうですか。そこだけが必ずしも焦点ではないので。

○風間委員 そのほかに、合議制とレイマンコントロールという三つの趣旨があると認識しております。

○谷村委員 特性として、そういうことになると思うんですけれども、文科省が教育委員会制度について、まず意義をつけているのが、先ほどおっしゃった政治的中立性の確保、それから継続性、安定性の確保、三つ目が地域住民の意向の反映という、これがレイマンコントロールにつながっていくんだと思いますけれども、教育委員会制度の特性として、首長からの独立性、今おっしゃった合議制、それからレイマンコントロールという、この三つにそれぞれなるんだろうと思うんですけれども、平成二十七年四月から、新しい教育委員会制度がスタートしました。
 それ以降の新しい教育委員会制度と、それ以前の教育委員会制度の違いについては、どういうご認識でいらっしゃるでしょうか。

○風間委員 これまでの合議制の中で、教育委員長と教育長の責任の所在が曖昧であったということから、教育長一本化で責任の所在が明確になったものと認識をしております。
 また、教育長の任期も別途定められまして、首長と意見交換をしていくというような項目もつけられたと認識しております。

○谷村委員 ご案内のとおり、中教審、平成二十五年十二月、ここで答申が出るわけですけれども、その前に諮問があって、当然、答申が出るのですが、私も教えていただいたことですけれども、当然、答申は全部拝見しておりますけれども、両論併記になっているんですね。
 両論併記になった後に、どうしようかということで、その後、国が関与をして、結局、最後、与党協議にまで行くわけであります。
 そこで一つの、今の形の新教育制度が出来上がるということで、大きく三ついえるのが、先ほどおっしゃった、一つは、教育委員長と教育長を一体化した新しい教育長、二つ目が、教育長へのチェック機能の強化と会議の透明化。この二点。これは、実は、自公の協議中で公明党が加えた条項になります。なぜ加えたかというと、いわゆる教育長、新しい教育長に物すごく権限が行きますので、それまでの教育委員長と教育長が一体化するわけですから当然のことですけれども、それをつけました。
 三つ目が、総合教育会議というのを設置して、この総合教育会議で、首長の考え方と教育委員会、委員、教育長も含めて教育委員会の協議をする会議をつくったと。
 もう一個ありまして、教育に関する大綱を首長が策定すると。
 こういう新しい教育委員会制度になったわけですけれども、この中教審の議論の中で、たかだか三十ページぐらいかと思うんですけれども、一番中心に出てくるのが教育の政治的中立性の確保ということが−−要するに、機能していない教育委員会から機能する教育委員会へということでずっと議論をされるけれども、結局、最後は両論併記にはなってしまうのですけれども、一番主眼に置かれたのが教育の政治的中立性の確保。それ以外に、継続性と安定性の確保。これは同じぐらいの量が来るわけですけれども、この中で、中教審がいっている中の、大きく三つあるんですが、一つは教育の政治的中立性の確保、二つ目が知事の所属する党派の利害に影響を受けちゃいけない、三つ目は、そうはいっても、政治的な課題が残っているので、ここは注意しなきゃいけないというので、事例として挙げられているのが、安全保障とか、国際貢献とか、歴史認識とか、政治的中立性を保つために細心の注意が払われているわけであります。
 教育委員会というのは、繰り返しになりますけれども、首長から独立した行政機関なんだということが、これは、旧教育委員会でも、新教育委員会でも、当然、受け継がれるとともに、その関係性というのを一番注意を払って議論がなされているんですね。
 前回のこの文教委員会のときに、日本共産党のとやさんがちょっとおっしゃっていて、分かりやすい例なので申し上げるんですが、陳情がありました。
 都立小山台定時制と都立立川高校定時制の存続に関する陳情のことで、定時制高校について、知事は何といっていますか、教育委員会はどう思っていらっしゃいますか、一緒ですねということを確認して、最後、同じ認識だということですと。実は同じじゃないんですけれども、無理やり同じ認識ですねとおっしゃって、何とおっしゃったかというと、陳情者も述べていらっしゃるわけですが、両校の閉課程が決まっている下でも、夜間定時制の意義について知事が発言したことは異例のことだと考えます、この発言の重みを東京都教育委員会としてもしっかり認識していただきたいと思いますと。
 知事がそういっているんだから、教育委員会はやりなさいよといわれても、違うわけです。独立しているわけですから。ここを私どもはよく理解して、この教育行政というのはしていかなきゃいけない。
 かつては、逆もおっしゃっていたんですよ。日の丸・君が代でやるときに、知事がこういうことをやっているからだとかと、こうおっしゃっているんですけれども、そのときも、基本的には教育委員会というのは独立していまして、教育委員会として進めていったわけですので、いわゆる首長と、そして教育委員会というのは完全に独立をしているんだということの認識というのを私たちは持った上で、この議論を進めていかなければならないと思うんですね。
 九月七日に、これ、くくれば都民ファーストの会、会派名は入っていないんですけれども、都議会議員六名という肩書で、都民ファーストの会の現職六人、元職三人の名前が記載されて、東京都教育委員会教育長、浜佳葉子様宛てに出されている。
 何て出されているかというと、都教育委員会が都立の高等学校の入試制度に組み込むことには多くの問題点があり、その解決が不可欠です、不完全な制度のまま導入し、不都合なところがあれば直していけばよいということは、受検生に対して無責任です、受検生は実験台ではありませんという内容を、お名前を申し上げますと、桐山ひとみさん、関野たかなりさん、田の上いくこさん、保坂まさひろさん、もり愛さん、米川大二郎さん、あとは元職の三人の東京都議会議員という名前で出されているわけですね。
 顔を見れば、なるほどということで、いわゆる先ほどの中教審で語っていた知事の所属する党派の利害、逆にいうと、厳密にいうと所属するというわけじゃないんでしょうけれども、ただ、知事が顧問になっている党派の都議会議員の名前で出ている。これを中教審では違うんですよという。
 もう一つ、立憲民主党幹事長名で本条例案を提出されたときの談話、これが中教審でいう教育の政治的中立性の確保に抵触してくるわけですけれども、仮にどんな立派な条例案とか、目指すべき方向だなと思って条例を浜教育長に渡すと、こういうご提案を立憲民主党の皆様からいただきましたので、早速、教育委員会に諮ってやっていきましょうと、できないんですよ。
 都民ファーストの会に、正確にいうと、知事が顧問になっていらっしゃる政党、会派の議員の方が六人も名前を連ねていただいている方から要請書を受けました、では、これを次の教育委員会にかけますとやっちゃうと、先ほどの中教審が一番気にしていた、知事の所属する政党だったり、あるいは政治的中立性の確保だったりにぶつかってしまって、その内容いかんにかかわらず、逆にいうと、そっちの方向では動けなくなってしまうというぐらい神経を使わなきゃいけない内容なわけですね。
 もっといえば、一党一派から出された条例案ですから、教育の政治的中立性の確保が侵害されてもそれをやりましょうとなると、もう教育執行権の独立を侵すことになってしまうという、そこをぜひご理解いただきたいと思うんですけれども、本条例案の提出者として、この教育の政治的中立性の確保について、どういうお考えなのかをお尋ねしたいと思います。

○風間委員 委員もご承知のとおり、議会で教育行政にできることが幾つかあろうかと思います。議会の中で、教育行政に対して、この文教委員会でもかなり様々な議論がなされていると承知しておりますし、私どもも、会派として教育長宛てに、英語スピーキングテスト、ESAT-Jを見直し、延期することを求めるということは提出をしてきたところであります。
 同様に、今、委員から、るるお話がありました教育の政治的中立というものは維持されるべきものだと思っておりまして、今回、条例提案をさせていただきましたのは、これまで要請してきたものが、私たちが要請書を提出した五月二十五日から一向に変わる気配がありませんでしたので、私どもにできる手段の一つとして、今回、この条例を提案させていただいたということであります。

○谷村委員 そこで、そのご説明も、私も、先ほど来からずっと伺っておりましたけれども、議案提出者として、あるいは立憲民主党さんとして、政治的中立性の確保というのは、どこで線を引かれているのかというのをちょっと教えていただきたいのですが。

○風間委員 内容によるものだと考えております。

○谷村委員 その内容を、どこで線を引かれているかですね。
 先ほど、多分、ご答弁だったか、ご質問だったか、おっしゃっていたとおりなんですけれども、この独立させた教育委員会には、予算提出権とか、議案提出権というのはないわけです。それはもう、当然、総合教育会議の中で施策をして、その予算をしっかりと責任を持つというのが首長なんだから、しっかり首長を関与させましょうというふうにして新教育委員会というのをつくったわけですから。その権限というのは、そのまま残っているわけなんですね。
 ここの議会で議論するというのは、平たくいうと、出された条例案あるいは出された予算案ということについて議論するというのは、都議会の権能の当然のものだと思いますけれども、どこかで立ち入っちゃいけない線があるんだというご認識はあるかと思うんですけれども、それはどこで線を引かれていらっしゃいますでしょうか。

○風間委員 今、委員からお話がありました教育行政に関しては、幅広くこの文教委員会等でも議論ができるものだと承知をしております。
 その線引きがどこなのかということに関しては、見解の一致するところがあるのかないのかと問われれば、ないものだと考えております。

○谷村委員 そこは、ここで議論して、こうだという、お互いに意見が分かれるところでいいと思うんですけれども、先ほどの、新しい教育委員会制度になったときに、首長が総合的な教育の施策大綱というものを策定することになったんです。その策定権は首長にあるんですけれども、その策定のためには、総合教育会議というのを開いて、そこで議論をして、当然、合意された内容は双方に尊重する義務があるわけですけれども、首長が教育委員会と調整がついていない事項をその政策大綱に記載したとしても、教育委員会というのは、勝手に合意のないまま首長が掲げた事項については尊重する義務は生じないんですね。それぐらい独立をしているわけなんです。
 ただ、教育長の権限が集中してはいけないので、直接的な任命権というのは−−古い、過去の教育委員会というのは、相互によって教育委員会の中から委員長が決まったり、事務局の方の教育長という手続だったかもしれませんけれども、直接の任命権ができて、それを議会が合意をするという、こういう関係にあるわけですね。議会と首長と教育委員会というのは。
 そういうことがあるという前提で、少しお話を進めさせていただきますけれども、教育委員会制度あるいは教育委員会というものの存在によって、教育の政治的中立性は確保されているんだといっても過言でないと思うんです。教育委員会制度があるから−−これは中教審の議論でもありました。そういうことがあるので守られている。
 その教育委員会が決定できる範囲と、その予算あるいは条例案で審議する範囲というのは、明確に線引きがなされているわけです。その線引きが内容によって異なるとなってしまうと、この条例案そのものが、教育の政治的中立性を確保できていない条例案だねといわざるを得なくなるんですね。
 だから、こういう原則で政治的中立性の確保をしています、この部分でそれができていますというのがありましたら、お示しをいただきたいと思います。

○風間委員 文部科学省は、教育委員会制度の意義として、教育は、結果が出るまで時間がかかり、その結果も把握しにくい特性から、学校運営の方針変更などの改革、改善は漸進的なものであることが必要であるとしています。
 私たちの提案は、何か新しいことを教育行政に求めているわけではありません。むしろ、平等性及び公平性に課題のある教育庁の急進的な取組に待ったをかけるものであり、教育委員会制度の意義とも軌を一にするものと考えております。

○谷村委員 急進的な改革というのは、ちょっとイメージとしてどういう、何を指して急進的とおっしゃっているのでしょうか。
 漸新的であるというのは教育の継続性、安定性、これは教育の政治的中立性と同じですので、当然、継続性と安定性は要るのですけれども、今回のこの条例案を出される立法趣旨として、何の急進性をおっしゃっているのでしょうか。

○風間委員 漸進的なものの対義語として急進的という言葉を用いましたが、まさに今回の条例案の趣旨であります、英語スピーキングテストを高校入試の選考に反映させるというものがそれに当たると考えております。

○谷村委員 では、教育委員会がこの英語スピーキングテストを入学試験に入れますよと正式にいったというのは、どの時点だと思われたのでしょうか。ご認識でしょうか。

○風間委員 これまでにも文教委員会等で、その方向性で話が進められてきたと考えておりますけれども、先日の教育委員会で正式に文書として出てきた、報告として出されたものだと認識しております。

○谷村委員 多分、そこの認識がちょっと誤認があるんじゃないかと。私が確認する限り、一年前、実施を考えると一年半ぐらい前になると思います。昨年の九月ですかね、正式に、令和五年度の入学選抜試験からこの英語スピーキングテストを導入しますよと発表してあるわけです。
 だから、急進的というのは、最近の九月二十二日に、教育委員会の中で正式な手続がありました。それだったら、私も急進的と思いますけれども、きちんと、ある意味で、来年、受検生になる、あるいは中学校三年生になる子供たちの中学二年生の二学期ぐらいに発表されているわけです。なおかつ、都教委の中でも五年以上かけて議論されてきているわけですね。
 だから、実施から一年以上も前に発表されているものが急進的といえるのでしょうか。

○風間委員 委員がご指摘の点は理解できます。
 しかしながら、この英語スピーキングテストを導入するということは、もう少し前から教育委員会が準備してきたものと承知しておりますし、先ほど申し上げましたとおり、この文教委員会でもかなり議論をされてきたものであります。
 一方で、これを受ける側の立場にしてみると、この夏に初めて知ったというような生徒、保護者のかなりの声が上がっていることから、急進的という表現を使った次第です。

○谷村委員 急進的という言葉に私はこだわっていませんので、揚げ足を取るつもりは毛頭ありませんけれども、先ほどの委員の質疑の中で、私のじゃなくて、来年から英語スピーキングテストを実施するということを、今おっしゃったように知らない方が一定数いらっしゃるという表現をされておりました。
 一定数というのは、どのぐらいの感じで受け止めていらっしゃるのでしょうか。

○風間委員 まさに東京都内でたくさんいる今の中学生の中のどれぐらいの比率かというところまでは把握し切れておりません。調査もしておりませんので、一定数という表現にさせていただきました。

○谷村委員 既に七万五千人の方々が、生徒の皆さん、受検生の皆さんが申し込んでいらっしゃるわけですよね。だから、その申込みは完了しているわけですよ。そうなると、申込手続も説明しなきゃいけないし、締切りも日程も設定していなきゃいけないし、それをずっと準備するわけですね。
 まして、各学校に担任の先生もいらっしゃれば、進路指導の担当の先生もいらっしゃると思います。そうした方々が、去年、正式に都教育委員会から英語スピーキングテストを導入しますよという発表になって、一生懸命、中学校二年生のときからスピーキング力をつけようねといって取り組まれている。これ、物すごく多くの学校でされていると思うんですね。
 このスピーキングテストが令和五年度の入学選抜試験から行われる、実施するということを知らないというのは、どういう方が知らないのでしょうか。

○風間委員 まさに私自身も中学生の子供がおりますので、地域の中には、今、中学三年生の知り合いも多数おります。その中でも、知らなかったという声が届いておりますので、一定数いるだろうということで申し上げた次第です。

○谷村委員 スピーキングテストが行われるということは、議案提出者もご理解されていると思うんですけれども、令和四年度予算に実施のための予算が入っているわけですよね。立憲民主党さんとしても、その予算案は一般会計ですから、賛成されていますよね。
 ですので、私どもの方に届く声としては−−予算審議が行われて、その中に英語スピーキングテストというものが実施されるという前提の予算が組み込まれていて、賛成をされているわけですね。共産党さんみたいに反対されているなら、知らなかったといってもいいですけれども、賛成されているわけです。
 それが、ご自分のご子息が当然ご存じだと思いますし、えっ、知らなかったのといったら教えてあげるというのが、地域に根差した私ども東京都議会議員じゃないかと思うんですけれども、知らなかったという人がどういう単位でいらっしゃるのか、ちょっと私は理解できないんですけれども。
 こういう想定があるから知らなかったというバージョンはありますよ。例えば、帰国子女でこの時期に帰ってこられたりだとか、留学へ行かれていた方でこういうタイミングで帰ってこられたりとか、そういうことだったら一定数いらっしゃるから、もっとこういう配慮をしなきゃいけないねということは、多分、ここの議論になると思うんですけれども、その人数の度合いですよね。
 物すごい数多くそれがいらっしゃるのであれば、私どもも体を張って実施を止めなきゃいけないと思いますけれども、現状で、受検対象となる方々の九五%が申込みをされているわけですね。
 だから、ご存じないという方は、その残りの五%に入るのか、それとも、この九五%の中でいらっしゃるとおっしゃっているのか。ここをちょっとご答弁お願いします。

○風間委員 先ほども少し触れましたが、地域の方々と話している中で、例えば、都議会議員から聞いた、区議会議員から聞いたとか、そういう話ももちろん聞こえてくるところでありますけれども、本来、周知するということに関しては、議員を通じてのみのものではなく、学校を通じて、ひとしくその生徒に周知するものだろうと考えており、私も文教委員会での質問で、その周知の徹底ということは求めてきたところであります。これは昨年度の質疑でも求めたところであります。
 しかし、今年度になってから、知らなかったという声が、またあちらこちらから聞こえてきましたので、それがどの比率なのかといわれれば、都内全域の中学生のどれくらいの比率かということまで調査しておりませんので、把握できておりませんけれども、九五%の方が申し込んでいるうちの一定数は、申込みをする必要があるんだよということで初めて知ったという声も聞いておりますので、いるのだと考えております。

○谷村委員 ということは、先ほど議案提出者の方がおっしゃいました急進的な改革では必ずしもないですよね。ちょっと周知が足りなかったとか、知らなかったという人がいますけれども、でも、この申込みはちゃんとされているわけですから。あまりにも急進的で突然だったからというのだったら、申込みにも間に合わなかったということで、それは急進的で、これは教育の継続性、安定性に触れてしまいますけれども。
 その学校とか、学年とか−−学年は大体一緒ですよね。何で学校は徹底していないんだということを確認はされていないのですか。
 こだわるようで申し訳ないのですけれども、一定数いるということの想定として、そういう−−例えば、私がもし仮にそうだったら、ちょっと市の教育委員会に聞いて、こういう子がいるけれども、徹底されてないのといったら、いや、徹底していますよというリアクションだったり、聞いて、徹底していませんよというパターンはないと思うんですけれども、私が確認しました各地教委の皆さん、あるいは、このスピーキングテストの対象となる中学校の先生方、校長先生を中心とする、進路指導も含めて先生方が知らなかったという前提はないというふうに伺っているのですけれども、どうでしょうか。

○風間委員 谷村委員の周囲の中学三年生や先生方が皆さん知っていたということに、少し私も驚きましたが、実際に、地元の中学校の教員でも、英語の教員でない場合は、今年度に入ってから、それが行われることを知らなかったという教員もいました。
 その人だけが知らなかったのかもしれませんけれども、そういう声も上がってきており、九五%申し込んだというお話でしたけれども、これも、委員ご承知のとおり、当初想定していた申込み締切日を延期せざるを得ないような状況だったと。すなわち申し込んでいなかった生徒もいるということだと認識しておりますので、知らなかった生徒は一定数いるものだと考えております。

○谷村委員 そこの感覚ですよね。この条例案を出して、いわゆる今回の入試の対象にするなというほどの数なのかどうなのかという。先ほど来、首を振っていらっしゃる方がいらっしゃるので、私、眼鏡を外しているので見えないんですけれども、そこの急進的な、対応しなきゃいけない数かどうかということだと思うんですけれども、ここでちょっとお尋ねしても大丈夫ですか。
 いわゆる、現在中学三年生になっていらっしゃるわけですね。去年九月ぐらいにはもう、この英語スピーキングテストを高校入試に導入しますよと発表しているわけですね。ですから、多分、去年の今頃の中学二年生の皆さん方が、ざっと八万人ほどいらっしゃるかもしれませんけれども、去年の二学期ぐらいからずっときて、今度、三年生になるときもやっぱり、どういう方向にするかと、様々、進路指導を受けると思うんですけれども、今年度になって三年生になる、あるいは受検生になるという生徒の皆さんに、いわゆる学校と、お立場的には地教委を通してということになると思うんですけれども、どういう形で昨年来から今日まで、英語スピーキングテストを実施しますよと徹底してこられたかということ。
 長くしゃべっているのは、準備をしてもらうために長く話しているんですけれども、大丈夫ですか。

○瀧沢指導推進担当部長 これまでの周知についてでございますが、周知する戦法が幾つかありまして、それを非常に重層的にやってきたというふうには認識をしております。
 まず、一般の報道という観点で、教育委員会で報告をし、それが報道されるということがありまして、それは平成二十九年度以来、重ねて行ってきております。
 また、区市町村教育委員会あるいは中学校につきましても、令和元年以降、説明会を教育委員会対象等々で繰り返し行ってきております。今年度に入りましても、四月の上旬、それから、全ての英語等々の担当者への説明会等々も行ってきております。
 最後に、生徒や保護者の方々にということでございますけれども、こちらにつきましても、令和二年度以降、三年、そして今年と、リーフレット等々を作成し、全中学生を対象に配布をしたりということを行ってきております。
 また、昨年度は、全校を対象にプレテストを実施しておりますので、受けた生徒は学年は違うということになりますけれども、学校で実施しているということについてはご理解されているということだというふうに理解をしております。

○谷村委員 ということで、徹底されているわけですね。私も、小学校、中学校、真面目に学校へ行った方ではないので、学校を休んでいて、そういう知らせがあったということを知らなかったケースも、私みたいな人間にはあるかもしれませんが。
 令和元年からプレテストを三千人からでしたっけ。令和二年度が七千、八千人ぐらい対象で、去年、令和三年度が全学校にと。ここまでやっているわけですね。
 だから、この周知に対する瑕疵、周知の仕方がおかしいとか、周知の仕方が遅いとか、やり方が問題だということがあって、結果的に急進的に受け止められる場合は、これはもう当然やっちゃいけないと思うんですけれども、ここまでやっていて知らないお子さんがいらっしゃるというのは、それはやっぱり個々に、学校なのか、そこのクラスなのか、ひょっとしたら教員なのかということに問題の光を当てるべきであって、令和五年度入学選抜試験からスピーキングテストを実施しますよといって、ずっと手続を踏んできた中で、知らない方があったから急進的な改革はおかしいというのは、ないのではないかと思います。
 これは、ちょっとやめておきますね。九月二十日に提出されたときの御党の幹事長さんの談話なんですけれども、これも非常に、職務権限が知事から独立をしているという前提じゃないようなことなんですけれども、これはちょっと置いておきます。
 教育委員会のトップ、教育長さんは、今、浜佳葉子さんですけれども、その前が藤田裕司さんで、その前が中井敬三さんで、多分、中井敬三さんのときに教育委員会制度が変わったんですね。その前が比留間英人さん、大原正行さん、中村正彦さん、横山洋吉さんまでは、私もよく、長くやっているものですから、ずっと拝見していますけれども、皆さんが東京都の職員であったり、部課長を経られて局長になられて、その後、教育長になられるというケースが多いので、教育委員会が首長から、知事から独立した行政執行機関だという認識が、途中、失われてしまう可能性もあるのかなというふうに思うんですが、やはりこの入学選抜試験については、これは、先ほど山田ひろし委員からもお話がありましたけれども、教育委員会の職務権限なわけですね。
 中教審の議論で、政治的中立性の確保で一番神経を使っているのは、首長と教育長、首長と教育委員会という、この関係で政治的中立性を守らなきゃいけないということで、これでもうすごい議論をしているわけです。ああでもない、こうでもないと。
 都議会と教育委員会、都議会と教育長との関係で、こういう事態になるということは、実は想定されていない。
 だから、今回、こういう条例案が出されているんだと思うんですけれども、先ほど、議会の過半数で条例を決めて、また今度、その議会が多数派が変わったら、また条例が変わってというのは、教育の政治的中立性と、教育の継続性と、それから教育の安定性、この三つを多分に侵すものであるということを、ちょっと申し上げておきたいと思います。
 ただ、もし今回、この委員会で、あるいは都議会本会議でこの条例案が可決された場合、どうなるんだろうなというふうに想定をすると、実はこれ、多分ですけれども、首長の、知事の拒否権の発動、再議に付されるという形になっていく。いわゆる首長にも存在しない教育委員会、教育長の職務権限に関して、議会がこういう条例案をつくりましたということ自体に、首長として拒否権発動、再議に付すということ。
 これがもう一回、都議会で仮に過半数をしたとしたら、今度は総務省と協議をするという手続になるぐらい、都議会と教育長、都議会と教育委員会の関係というのは、それぐらい配慮した上での、前提での議論。
 当然、予算を審議するわけですから、あるいは学校の位置を決める条例を審議するわけですから、それに付随して、あるいは、いじめや自殺、体罰という重大事案については、議会としても、どういう取組をしているのかというのは聞きますけれども、しかし、教育委員会の職務権限に関わる事項については、これは控えなければならないし、控えなくてもいいんですけれども、やっても、結局、無効になりかねないと思います。
 今回、学力検査が七百点換算で、調査書が三百点換算で、プラス二十点とあるわけですけれども、調査書三百点換算でいいのかなと、私は個人的に思うんですけれども、ここで発言しても、あるいは会派として要望しても、それは教育委員会の職務権限の話ですので、ご意見としては賜りますけれどもと。また、公明党としてそんなことをいわれたら、余計、ちょっと一党一派の意見を聞くわけにもいきませんのでというぐらい、これは独立した権限というものをお持ちなんだということを、ぜひ今回のこの条例審議の中でご認識いただければなと思います。
 それで、知事から再議に付すということが出る根拠としては、これ、法令、地方自治法上で定められているわけですけれども、そのご認識についてお尋ねをいたします。

○風間委員 すみません、質問のご趣旨を理解できませんでしたので、もう一度、お願いできますでしょうか。

○谷村委員 今回、仮に本委員会で、あるいは本会議で可決して、この条例が議会では可決、成立しても、これ、先ほど申しましたけれども、再議に付される。いわゆる知事の拒否権というやつですね。で、もう一回、これを都議会に再議にかけて、また議会が同じように可決した場合、今度は、知事は総務省にこれをかけて、問題ないかというふうな手順になっていくんです。これはご認識ありますよね。
 それで、私がなぜこういうことをいうかと、地方自治法上、そうした大前提が、難しい条文じゃありません、そういう決まりがあるわけですけれども、それに対するご認識を教えていただければと思います。

○風間委員 繰り返し、ありがとうございました。
 私ども、この条例が制定された場合には、議会の意思として尊重されるものだと認識しておりますので、谷村委員からお話があったような流れというのは想定しておりません。

○谷村委員 そうですよね。そうおっしゃると思うんですけれども、条例案提出のときに御党のコメントが、都議会で何度も取り上げたにもかかわらず、あるいは要望書を出したにもかかわらず、教育委員会が動かなかった、だから本条例案を出したということです。コメントを短く申し上げると。
 だけれども、それは、何度も取り上げられても、いわゆる教育委員会の職務権限というのがあるんですよ。だから、いろんな意見、質問するのはいいのですが、職務権限を侵すような条例制定というのは法律でできないことになる。そういうご認識はありますか。

○風間委員 議会からの条例の提案に関しましては、法令に反しない限り、提案できるものと認識しておりますので、それには当たらないと考えております。

○谷村委員 先ほどの山田委員の質疑のところにも出ましたけれども、法令に違反しない限りという、この法令というのは、何と想定されていますでしょうか。

○風間委員 一般的に、法令に反しない限りということに関しては、この国の法律に反しない限りということだと認識しております。

○谷村委員 そうですね。複数の弁護士の方と確認をしていただいたというふうに、先ほどおっしゃっていましたけれども、さっきと同じご質問になって恐縮ですが、見ていただいて、ちょっと引っかかる可能性がある法令は、これとこれがあるけれども、こういう流れがあるから大丈夫だよといっていただいたはずなんですね。それがないとリーガルチェックじゃないわけです。ああ、大丈夫、大丈夫、大丈夫となると、それは、弁護士は見ていないんじゃないの、ちゃんと見てくれましたかといわなきゃいけない。分かりますよね、当然。
 だから、地方自治法第十四条に挙げられている、法令に違反しない限りだぞということでこの条例案をつくったけれども、見てくださいねといって、見ておられるわけですね。しかも複数の弁護士の方に。
 とすると、その引っかかる可能性はここかもしれないけれども、これはこういうことだから大丈夫だよという、この可能性のある法令というのはどういうものか、あるいはご指摘があったものはないかということを教えていただきたいと思います。

○風間委員 法令に反しない限りということですので、あらゆる法令に反しないかどうかということをチェックしておりますので、その中で違法性はないということを確認したわけでありますので、具体的にどの法律が危ないとか、そういうような指摘があったわけではありません。

○谷村委員 もし、その弁護士さんに相談料を払っているとしたら、返還を求めた方がいいと思いますね。
 こうやって議論になるわけですから。そうすると、この法令に違反するぞと切り込まれてきますよと。(発言する者あり)想定ね。だけれども、これはこういうものだから、その弁護士さんとしては、あるいは法律家としては、こういうふうにいえばいいですよというものが何もなく、オーケーですといったとしたら、相談料を返してもらった方がいいですよね。払っていないのかもしれませんけれども。もし払っていらっしゃるとすればですね。
 全くスルーですか。

○風間委員 全くスルーと、こちらで申し上げたつもりもありませんし、相応の相談をさせていただき、様々な助言をいただいたものと認識をしております。

○谷村委員 それで、これも山田委員の中でお話が出ていたかと思いますけれども、じゃ、地教行法第二十一条との関係については、何かご助言。全くないようだからあれですけれども、この地方自治法の第十四条に抵触しないという理由をお尋ねしたいと思います。

○風間委員 先ほど申し上げましたとおり、地教行法に関しましては、首長との所掌業務の分担というふうに認識しております。

○谷村委員 これ、さっき出た、所掌事務とおっしゃっていましたっけ。所掌事務と職務権限というのは異なりますよね。所掌事務というのは、扱う担当の範囲の事務のことであって、法律や政令、省令で決められているものというのは所掌事務じゃないですよ。さっきもそういうふうにご答弁されていたから、ちょっと申し上げなきゃいけないかなと思うんですけれども、所掌事務にどうこうじゃないんです。
 首長との関係とおっしゃいますけれども、行政上、教育行政においては、首長と教育委員会は完全に独立しているわけですから。その職務権限として定められているものですので、それに抵触しないというのは、所掌事務とは異なる内容ですので、もう一度、お答えをいただけますでしょうか。

○風間委員 職務権限が何を指すのか、少し分かりませんけれども、地教行法に関しましては、知事との、まさにその分担をしていることで、教育委員会の業務を明示しているものだと認識しております。

○谷村委員 職務分担をしているんじゃなくて、知事の権能と、首長の権能と、教育委員会のいわゆる行政執行権の権能を表しているわけです。所掌事務じゃないんです。
 例えば、知事にも職務権限があります。だから、議会でどうこう縛れないものもあります。教育委員会にも、教育委員会でしか決定できないという職務権限というのはあるわけですね。それが地教行法に入っているわけで、今回のこの条例案が抵触していると、先ほど来から出ているわけです。
 それは所掌事務という話じゃないんですよ。首長と教育委員会の業務分担の話でもないんですね。
 もう一度、申し訳ないですけれども、ご見解を。

○風間委員 申し訳ありませんが、見解の相違と認識しております。

○谷村委員 分かりました。
 二十一条で、教育委員会の職務権限の中で、入学に関することは教育委員会が管理、執行すると、職務権限として明確に記載されているわけです。これを議会でいろんな条例をつくってやれるとしたら、それこそ大変なことになってしまうわけです。右の人と左の人が入ってきて、時の過半数を持った政党勢力が条例で決めちゃえとかとやると、教育委員会の職務権限なのに、大変なことになるわけです。だから、独立して、教育委員会の職務権限として、入学に関することは教育委員会が管理、執行するんだと宣言しているわけです。
 もう一つは、今度はこれは文科省の省令になりますけれども、先ほども触れられていましたが、学校教育法施行規則第九十条第一項で、高等学校への入学の許可、入学者の選抜は校長が行うと。この入学許可の校長の権限を議会なり首長なりが判断したら、これも大変なことになるわけです。
 その行政実例の中で、入学者の選抜は学校長が決める、ただ、その選抜方法については、教育委員会が必要に応じて決定するとなっているんです。ここに、議会の同意も、過半数の承認も要らないんです。それだけ独立しているんです。この省令に反する。
 もう少し申し上げますと、第九十条の第五項に、公立の高等学校の学力検査は、当該高等学校を設置する都道府県または市町村の教育委員会が行うというふうに書いてあります。これを議会で変えられるとなると、教育の中立性、継続性、安定性というのは、もうめちゃくちゃになっていくわけです。
 これは、初中局長、現在の初等中等教育局長の回答で出ている文書ですけれども、教育委員会は高等学校の入学者選抜方法を決定できるか。学校長が入学許可をするわけですから、その選抜方法を、学校長が決めるのか、教育委員会が決めるのかということが議論になったときの局長回答として、入学者選抜を行うことができる者は校長であるが、選抜方法については、当該教育委員会が必要に応じて決定できるというふうになっている。
 地方自治法に戻りますけれども、議会の権限で、第九十六条第一項、ここに議会が議決する案件というのが出ています。十五項目、ばあっと。いわゆる普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
 これについては、地方自治法の逐条解説では、この十五項目というのは、議会の議決事項について制限列挙主義を採用しているんだと。この十五項目は議会で議決できるけれども、それ以外のものはできませんよということで列挙している。
 特に、この十五項目以外は、長その他の執行機関が−−というのは教育委員会とか行政委員会を含みます。長その他の執行機関が、それぞれ自己の権限内で自ら決定し、それが団体の意思とされると。だから、この十五項目以外に都議会が−−長その他の執行機関、今回の場合は教育委員会です。教育委員会が、それぞれの自己の権限内で自ら決定し、それが行政委員会として教育委員会の団体の意思とされるというふうになっている。
 だから、踏み込めるところと踏み込めないところがある。
 法令が明瞭に、長その他の執行機関に属する権限として規定している事項及び事柄の性質上、当然に長その他の執行機関−−今回は教育委員会です。その他の執行機関の権限と解さざるを得ない事項については、議会の議決権は及ばないものとされている。
 すなわち、教育委員会の職務権限に関することは、議会の、それはどういう形を取っても議決権が及ばないというのは、条例という形を取ろうが、何を入れようが、例えば意見書でもいいです。それをやろうが、それは、議会として意思を仮に示したとしても、教育委員会の職務権限のことは、議会の議決とは関係ありませんよという内容になっているわけであります。
 先ほど再議に付せるという話は、地方自治法第百七十六条第四項に書かれておりますので、ぜひ後ほどご覧いただければと思います。
 私の時間はまだありますか。(発言する者あり)もう少し。まだありますか。大丈夫ですか。すみません。
 じゃ、ちょっと、ここまで入り口論でしたので(笑声)なんですよ。条例案に対する審議をしていないんです。
 最初の、附則というところには触れましたけれども、いわゆる条例提出者との、教育行政権の独立についての考え方をずっとご質問をしたわけでして、まず、本論へ入っていきますけれども、この条例案の提案理由についてですが、条例案の提案理由では、英語スピーキングテストは、評価及び判定の基準を標準化することが困難であり、評価者による評価及び判定のばらつきを完全に避けることは難しいことから、入学者選抜において平等性及び公平性を確保する必要があるとなっているわけですが、果たして、この事実認識が正しいのか、妥当性があるのか、教育庁にお伺いします。
 英語スピーキングテストは、どのような基準でどのように採点されて評価が定まるのか。条例提出の提案理由にあるように、評価や判定のばらつきが生じることになるのか。ここは、すみません、ちょっとご専門の立場からお願いします。

○瀧沢指導推進担当部長 重複するところもあるかもしれませんが、採点につきましては、コミュニケーションの達成度、語彙や表現の使い方や論理構成などを見る言語使用、それから、発音、イントネーションを見る音声、この三つの観点というものを明確に示しておりまして、これに沿って行います。
 また、採点につきましても、重複いたしますが、高度な英語力、英語教育に関する専門性の資格を有する者が事前に研修を受講し、基準を満たした者のみが採点を行っております。
 また、評価に当たっても、複数の者が採点、審査を行うということでございます。
 また、誰が採点するかということについての質疑もございましたが、問題の作成や採点に関わる者の個人的な情報については、公平性、公正性を担保するという観点から、逆に秘匿性の高い情報であるということから、先ほどお話ししたようなことについてはお話をしていますが、押しなべて、一般の資格、検定試験を通じても細かい情報が明らかにされることはないというふうに、担当としても認識をしております。

○谷村委員 何年か前にも、司法試験でありましたよね。司法試験をつくる大学教授の方が、自分のゼミの女性だったでしょうか、そこに質問を事前に、答えも提示したのでしょうかね。それがかかって−−物すごい難関な質問だったみたいなんですよ。それが、いわゆる満点で評価されたということで疑われて、調べて調べていったら、質問出題者の学生さんだったということが分かったりしましたけれども、それぐらい、どういう人が採点するかとか、どういう人が出題するかというのは秘匿しなきゃいけないわけです。
 幾ら議会に聞かれたからといって、それがオープンじゃないから、この試験がおかしいといっている方がおかしいわけで、司法試験だって、誰が質問をつくっているかなんて、そんなのをオープンにしたら大変なことです。でも、慶應の先生が多いみたいですよね。(発言する者あり)何かね。
 ですので、スピーキングテストの解答は、一義的に正答が定まるものではない。コミュニケーションとして成立すればよいわけですから、多様な表現があるわけです。
 日本には四季がありますというのだって、幾つかいえますよね、龍円さんね(発言する者あり)一つじゃないですよね。日本には四季がありますというだけでも−−こっちに聞いた方がよかったですかね。二つ、三つありますよね。There areというか、A year hasというか。
 だから、多様なのがあるわけですけれども、言語、言葉がしゃべれる人は、全部分かっちゃうわけですね、その表現もオーケーだよというのが。それぐらいの能力、しかも学位を持っていらっしゃるわけですから、評価にばらつきが出るから公平性が確保できないとか、一方的に決めつけることは、論理の飛躍があり、事実とも異なる、かなり乱暴な議論であるかと思います。
 既に英検やTOEFLなどで民間で広く実施されている英語の各種検定試験においては、スピーキング力を測定することが普通に行われているわけです。
 うちの息子の話ばかりしたら、後で奥さんに怒られるのですけれども、中学二年生で英検準二級まで行って、高校二年生のときに二級まで行きました。頑張った方ですかね。でも、英語の成績は悪かったんですよ。だから、何というんですかね、中学、高校の英語というのは変わってもらいたいよね。スピーキングできる、本当に会話ができるようなものに変わっていかなきゃいけないし、変えてもらいたいと思うんですけれども、基準の標準化が困難だとか、評価にばらつきが出るから問題となっているという話自体が、私は指摘として間違っているのではないかと思います。
 都教委が今回実施するスピーキングテストにおいても、都教委において、先ほどご答弁いただきましたが、採点、評価基準に従い、研修を受けた複数の専任者が−−これも先ほどご答弁が、前の質問の方のときにありました。採点、評価基準に従い、研修を受けた複数の専任者が関与することで正しい評価は可能であること、しかも、昨年実施したプレテストにおいても、公平、公正な採点、評価ができることを既に確認していると。
 だから、去年のプレテストで問題があったといって、ここで取り上げるのだったら、ああ、そうかとなるわけですけれども、プレテストまでしっかりやってあるわけですね。当然、その結果は、都立高校の入試に活用することも、今後、可能になっていけるものだと思います。(発言する者あり)時間が来ましたか。

○白戸委員長 あと二、三分。

○谷村委員 分かりました。では、時間が来たようです。(発言する者あり)ありがとうございます。原稿がどこまでいったか分からなくなる。(発言する者あり)ありがとうございます。
 では、この学力検査における記述式の問題点についても、ちょっとお尋ねしてもよろしいでしょうか。
 この条例案の附則では、附則で書くことがおかしいでしょうと申し上げておきますけれども、学力検査において、一義的な正答を示すことができない記述式及び口述式の解答を求める問題等を受検者に課すに当たっては、都民や学識経験者の意見を聞く体制を整備し、平等性及び公平性を確保するための方策を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずると求めていると。
 現在の都立高校の入学者選抜、先ほどもご答弁があったかもしれませんが、学力検査においては、既に記述式の問題が出題されていると思いますが、どのように採点が行われ、記述式の問題で評価にばらつきがあったのか。平等性や公平性を確保するために、何か新たな対応が必要となっているという事実があるのか、お尋ねをしたいと思います。

○村西都立学校教育部長 都立高校の入試の学力検査では、もう既に、国語や社会などの教科において記述式の問題を出題しております。
 記述式の問題の採点に当たっては、定められた採点基準に従いまして、二人の採点者がそれぞれ採点を行い、採点結果が一致した場合に確定します。一致しなかった場合には、再度二人の採点者が点検を実施し、採点見解が一致するまで再確認を行うことで、適正に評価を定めることが可能となっておりますので、現在のこういった、いわゆる一義的に解答が定まらないという、仮に記述式の問題であっても、適正な採点を行っているということがしっかりといえるというふうに考えております。

○谷村委員 二系統でチェックして、それで異なった場合は協議をして、さらに上司の、いわゆる、また上役の責任者の方で相談をして、それでオーケーだったらオーケーにしましょうよという、ここまでするという、しかも七万五千、八万人弱の方に対して、そこまでやりますよという取組をされているということを確認させていただきました。
 もう一つ、都立高校の入学者選抜を行う権限について、法令等でどのように整理されているか、先ほども申し上げましたけれども、お願いいたします。

○村西都立学校教育部長 都立高校の入学者選抜を行う権限につきましては、先ほど来、委員ご指摘のとおり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十一条一項におきまして、教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行するとされ、さらに同条第四号におきまして、学齢生徒及び学齢児童の就学並びに生徒、児童及び幼児の入学、転学及び退学に関することと規定されております。
 また、学校教育法施行規則におきましては、高等学校の入学は、第七十八条の規定により送付された調査書その他必要な書類、選抜のための学力検査の成績等を資料として行う入学者の選抜に基づいて、校長が許可するとはっきりと規定されています。
 さらに、選抜方法につきましては、先ほど、委員のお話にありましたとおり、当該教育委員会が必要に応じて決定することができることを、国の局長回答で示されております。
 このように入学者選抜につきましては、教育の中立性の確保という観点から、教育内容に関わるものでございまして、政治的中立性を確保する観点から、繰り返しになりますが、教育委員会の明確な職務権限と規定されております。

○谷村委員 明確な職務権限であります。地教行法あるいは学校教育法施行規則の規定に基づいて、今お話がありましたけれども、都立学校の入学者の選抜方法に関する規則というのをつくっているわけです。これに立ち入ることは、教育の中立性に対して侵すものであります。
 あと、もう一つ、毎年十二月に三者面談というのが行われて、スピーキングテストの結果が一月十二日に来る。そうすると、年末にやった意味がなくなるから、もっと早い方がいいんじゃないかというのですけれども、年末と定めて、この三者面談というのは終わるのでしょうか。それとも、一月十二日のものを含めて、そのスピーキングテストの結果をもって、きちんと三者面談というのは、必要に応じて随時行われるのでしょうか。この点、お願いします。

○村西都立学校教育部長 中学校におきましては、通常、七月、十一月、十二月に、生徒、保護者、担任の教員の三者で進路相談、三者面談を行っております。また、調査書に記載する事項が確定し、都立高校全日制の第一志望調査の結果を、都教委が一月に発表いたします。また、学力検査に基づく選抜の応募倍率が確定する二月中旬にも、例年、志望校を変更する生徒がいるために、必要に応じて、現場では三者面談を実施し、進路相談を行っているところでございます。
 今年度の入試では、今、委員がおっしゃるとおり、一月中旬にスピーキングテストの結果が返却された後にでも、家庭としっかり連携を図り、生徒の気持ちに寄り添いながら、希望する進路の実現に向けて前向きな取組ができるよう、必要に応じて三者面談などを行うことなどによりまして、より丁寧な対応を、都教育委員会から中学校にお願いをしてまいります。
 都教育委員会から中学校への要請につきましては、都校長会や、区市町村教育委員会の指導室課長会等の機会を捉えまして、繰り返し行ってまいります。

○谷村委員 ありがとうございます。
 最後、もう一つだけ。
 この条例案の提出の理由で、受検に使わないから混乱が起きないんだといういい方をされています。テストは行う、だけれども、それを入試に使わないんだから混乱が起きないんだというふうになっていますけれども、これ、今の段階で入試に使わないとなりますと、そのまま普通にできますでしょうか。それとも、どんな状況が起こるでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 混乱という状況をどう認識するか、あるいは、それぞれの個人でも違うとは思いますけれども、委員が先ほど来、お話しいただいているように、長期にわたり、この仕組みについては周知をする、それを受けて学校で頑張っている生徒たち、そして、それを、スピーキング力も含めて指導しようと頑張っている教員たち、それにとっての影響というのは極めて甚大であるというふうに思います。
 必ずしも入試で使うことのみが目的であるということはないとはいえ、つまり、様々な施策の中の一つとして位置づけてはおりますけれども、やはりここまで頑張ってきた子供たちの成果をしっかりと見取ってあげたいというふうに考えておりますので、万全の準備を進めてまいりたいというふうに思います。

○谷村委員 最後に大変熱い思いを述べていただきまして、大変にありがとうございました。
 以上で終わります。ありがとうございました。

○とや委員 共産党のとや英津子です。
 私からも、立憲民主党さんご提出の条例案について、これまで論点がかなり出ておりますけれども、大事な問題ですので、重なる場合もありますが、ご容赦ください。
 都教育委員会は、二〇二三年度の都立高校入試に英語スピーキングテスト、ESAT-Jを活用しようとしています。十一月二十七日のテスト実施まで二か月となりましたが、この間、保護者や中学校の英語教員、それから、専門家からも問題点が多数指摘され、都内各地で反対の声が上がっています。
 まずお聞きしたいのが、この条例案を提出することとした経緯、理由について、改めてお答えください。

○斉藤(り)委員 ご質問ありがとうございます。
 高校入試に英語スピーキングテスト、ESAT-Jを活用することに対しては、保護者や中学校の英語教員、専門家からも問題点が多数指摘されていることは私も承知しており、私の選挙区である大田区からも、反対する人たちによって会が結成されています。
 また、私も参加しましたが、八月十八日には、都立高校入試への英語スピーキングテスト導入の見直しを求める夏の市民大集会が開催されるなど、見直しを求める人たちの声はますます大きくなっているように感じます。
 さらに、九月九日には、大学教授や中学生の保護者らが停止勧告などを求める住民監査請求を行ったとも報じられています。
 私たち東京都議会立憲民主党としても、五月二十五日に、都立高校入学者選抜における中学英語スピーキングテスト(ESAT-J)導入の延期・見直しに関する要請を教育長宛てに行っています。
 本来であれば、教育委員会が、こうした議会や市民の声を聞いて自主的に見直されることが最も望ましいと考えています。しかし、その後も、様々な課題が明らかになる中でも一向に見直される気配がない中で、何とかしなければ、見過ごすことはできないとの強い危機感の下、今回、条例案を提案させていただきました。

○とや委員 ご答弁ありがとうございます。教育委員会が議会や市民の声を聞いて自主的に見直すことが最も望ましいと。これは、私たちも同じ思いであります。
 英語スピーキングテストのことは、私たちも二〇一九年から、繰り返し質問や、教育長に直接面会しての申入れなどをしてきました。中止を求めてきたわけですけれども、今、保護者あるいは英語の教員、専門家、最近は、子供たちのネットでの発信も増えています。
 ここで少しご紹介しますが、うちの区は、ESAT-JにそっくりなGTECを実施していない外れの区です、機械も見たことはありません、スピーキングが大事なのは分かりますが、入試に使うのは本当にやめてください、また、人の大事な受検を金もうけの場として利用するなと、こうした切実な声が寄せられております。
 都教委は、子供たちや保護者の声を重く受け止め、自ら中止、延期、見直しを決定してほしいというのが私たちの思いでもあります。
 それでは、ESAT-Jの何が問題だと考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。

○斉藤(り)委員 立憲民主党は、五月二十五日に、都立高校入学者選抜における中学英語スピーキングテスト(ESAT-J)導入の延期・見直しに関する要請を行いましたが、以下の四点は、いまだ問題が解決されていないと考えています。
 一つには、民間事業者が手配した日本の教員免許を有しない人物が生徒の能力評価を行うことをはじめ、公正、公平な採点が行われるかどうかの検証をすることができないこと。
 また、その評価結果を都立高校一般入試選考に加えること。
 さらに、その入試選考における英語スピーキングテストが千二十分の二十点という、学力検査を実施する教科一つの評定点に近い比重であること。
 加えて、スピーキングテスト不受験者に対しては、学力検査からスピーキングテスト点分を類推するということが公平、公正とはいえないこと。
 以上のことが、生徒の人生を左右する都立高校入試合否に関わる大変重大な問題をはらんでいると考えています。

○とや委員 採点の公平性が担保されない問題では、先ほど来、議論がありましたが、採点をする事業者も、フィリピンにあるベネッセの関連企業だというだけで、名前も明らかにされていません。ですから、これはブラックボックスで検証もできません。
 さらに、調査書の中で、ほかの教科に比べ、英語スピーキングだけが比重が重い問題。
 不受験者の点は、二月の入試の学力検査の点が近い生徒から推測するという点。これに科学的根拠がないということは、都教委自身がご答弁されています。
 私たちも、今ご答弁でご指摘のあった問題は、本当にそのとおりだと思っています。公平、公正さが求められる入試に、このような試験は使えないと思います。
 さらに、テストを実施するベネッセに個人情報を渡したくないという方々もいらっしゃいます。ベネッセがGTECなどの商品を販売しています。試験の中立性、公平性を損なう利益相反の疑いも拭えません。また、過去に個人情報漏えい問題を起こしていますので、個人情報を渡したくないという方々がいらっしゃるのは当然だと思います。
 そして、一昨日、私ども代表質問させていただきましたが、ここでまた出させていただきましたが、ESAT-Jを実施する法的根拠です。先ほど来、権限の問題もありましたので、ここで都教委に、重大な問題なので質問させていただきたいと思います。
 我が党は、おとといの代表質問で、そもそも都教委は、アチーブメントテストであるESAT-Jを区市町村教育委員会や学校に強制する権限はないのに、高校入試に使うことで、事実上、強制をしている。これは教育基本法が禁止する教育の不当な支配に当たるから、やめるべきだと指摘をさせていただきました。
 浜教育長は、不当な支配ではないとはいいませんでした。不当な支配ではないといえないのであれば、即刻中止すべきだと思いますが、教育長は、ESAT-Jは、教育基本法十六条第三項を持ち出して、それにのっとっているかのように答弁をされました。
 しかし、この条文は、一昨日、教育長も答弁の中で読み上げていましたが、地方公共団体は教育を振興する役割と責任がありますよと一般的に述べたものです。
 そして、教育長のいう教育基本法十六条第三項の教育の振興を図る観点からというのは、ESAT-Jを行う目的であって、都教委がESAT-Jを実施できる法的権限を示したものではありません。
 そこで伺っていきたいのですが、同じような例で、国は、学力テストを、教育基本法十六条第二項、地方自治体は三項に当たるわけですが、この観点から、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、先ほどから出ている地教行法です。第五十四条第二項を根拠に実施をしています。
 五十四条第二項とは、国は地方自治体やその教育委員会に対して、都道府県教育委員会は区市町村やその教育委員会に対して、東京都でいえば、都教委は二十三区や東京都内の区市町村に対して、必要な調査、統計その他の資料または報告の提出を求めることができるというものです。
 求めることができるだけで、強制はできないので、国の場合は、教育委員会に参加をお願いして、毎年、参加した教育委員会の数を、学力テストにおいては発表しています。
 ESAT-Jも、実施できる根拠は、同じ地教行法第五十四条第二項なのではありませんか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 本テストは、教育基本法第十六条第三項に定める地域における教育の振興を図る観点から、都教育委員会が行うものでございます。

○とや委員 先ほどから権限の話をさんざんしていたじゃないですか。教育基本法は、教育の原則を定めた法律です。これは、皆さんの方が、私なんかより、よく知っているんじゃないですか。それだけでは行政の運営はできないです。
 具体的な教育行政の組織や運営については、地教行法で、教育委員会の仕事や首長との事務分担、また、国や都道府県教育委員会、区市町村教育委員会がどんな関係にあるのかなどが定められているわけです。先ほど地教行法のことをお答えになっていましたよね。
 都教委は、ESAT-Jをやる場合、当然、この地教行法に従って行わないといけないのではないですか。都教委の見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、本テストは、教育基本法第十六条第三項に定める地域における教育の振興を図る観点から、都教育委員会が行うものでございます。

○とや委員 私は、この間、何人もの教育行政の専門家にお話を伺ってきました。都教委が公立中学生にESAT-Jのような学力テストをするとしたら、したらですよ、区市町村教育委員会にも、中学校にも参加を強制することはできない。この地教行法五十四条第二項に基づいた調査のお願いをする以外にできないんです。そのことは都教委自身が一番よく分かっているんじゃないでしょうか。教育長、分かっていると思いますよ。
 ここに、私、今日は要項を持ってきたのですが、要項には、ESAT-Jの実施体制は次のとおりとするとあるんですね。今年度の要項です。
 (1)として東京都教育委員会となっていて、アが、事業者と協定を締結し、区市町村教育委員会の協力を得て実施すると書いてありました。
 次、イが、都立学校に対して指示、指導、助言等をするなどにより実施に当たると書いてあります。
 区市町村教育委員会に対してと都立の中学校などの都立学校に対しては、はっきりと書きぶりが違うわけです。区市町村教育委員会に対しては、協力を得てとなっているわけです。
 これは、都教委自身が、区市町村教育委員会に対しては協力をお願いするしかないということがよく分かっているから、こういう書き方になっているんじゃないでしょうか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘の要項における表現についてでございますが、繰り返しになりますけれども、今、ご指摘の指示という表現の違いにつきましても、本テストを円滑に実施するために必要な対応を管下の学校に求めるという趣旨で書いてあるものであり、そもそも、この実施要項自身、教育基本法に基づき実施するこのテストの実施内容として、新たに実施要項として示したものであります。

○とや委員 教育基本法しかいえないのですか。ちゃんと根拠法令があるはずですよ。
 五十四条に基づかなきゃできないんですよ、このテストは。協力をお願いするわけでしょう、区市町村に。その場合の法的根拠は、地教行法五十四条第二項なのではないですか。
 どうですか。お答えください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、本テストは、教育基本法第十六条第三項に定める地域における教育の振興を図るという観点から、都教育委員会が実施するものでございます。

○とや委員 あくまで答えない、教育基本法十六条第三項だと、いい張るわけですね。
 五十四条の二に基づく調査だと答えてしまった瞬間に、強制できないものを強制していることになって、ESAT-Jそのものが破綻してしまうからではないでしょうか。子供たちに教育を行う皆さんが、そんないい方でいいのかと私は思いますよ。
 ESAT-Jは、入試の学力検査ではありません。アチーブメントテストですから、区市町村教育委員会や公立中学校、中学生に強制することはできません。ところが、ESAT-Jの結果を高校入試に活用するとした途端、テストを実施しなければ生徒に不利益が生じるので、区市町村教育委員会や中学校は実施しないわけにはいかなくなるわけです。
 これは事実上の強制であり、教育基本法第十六条第一項の禁じる不当な支配になります。十六条三項で行っているけれども、十六条一項が禁じている不当な支配です。そこを認めてください。いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しになりますけれども、教育基本法第十六条三項に定める教育振興を図る観点から実施するものであり、不当に当たるというご指摘は当たりません。そのように考えております。

○とや委員 五十四条も答えない、不当な支配でもないと。ご自分たちがしていることが法に違反していると分かりながら、それをごまかして、何が何でも実施する、入試の合否判定に使う。そんなことがあってよいのでしょうか。子供たちの教育に関わる、携わる教育委員会とは思えない、あるまじき行為だと指摘させていただきます。子供たちにどの顔を向けてそんなことができるというのかと、絶対に認めることはできません。
 都教委ができるのは、あくまでも、適切に事務を行うのに必要な資料を集めるための、地教行法第五十四条二項に基づく行政等調査としてのテストです。学校の教育活動の一環としてテストを行うことを強制することもできませんし、その調査で、学校の教育実践をコントロールしたり、誘導したりすることも許されません。根本的な問題です。ですから、ESAT-Jは中止するしかないと申し上げておきます。
 ここまで都教委の皆さんに質疑させていただきましたが、やっぱり都教委による教育への不当な支配だというふうにいわざるを得ません。
 そこで、私たちが思うのは、教育への不当な支配については、本当に慎重に考えなければいけないということです。教育基本法に、教育は不当な支配に服することなくと、なぜ書いてあるのか。
 歴史を振り返りますと、戦前の日本は、絶対主義的天皇制の下で、国家が末端に至るまで教育を統制して、学問の自由も、自由な教育も弾圧してきました。そして、日本国民は天皇に忠誠を尽くすという崇高な使命を持った国民だと信じ込ませ、日本の進めている戦争は正しい戦争だと信じさせて、軍国主義を暴走させていきました。
 その反省から生まれたのが教育基本法であり、教育委員会制度です。日本軍国主義の誤りを二度と繰り返さない。そのために、教育の地方分権や民衆統制、いわゆるレイマンコントロールです。一般行政からの独立の三つを根本原則とした教育委員会制度がつくられて、教育の自由や自主性を守ろうということになったわけです。
 教育に関しては、学校の設置や教職員の定数、給与など教育条件整備に関わるものは条例で定められていますし、予算の議決などは議会の役割ですから、私たちも、その充実に努めなければなりません。
 一方、教育の目的や内容、方法に関することは、大いに議論することは重要ですが、条例で多数決で決めて押しつけることはあってはならないというのが、守らなければならない重要な考え方だと思っています。
 そうしますと、ここからは条例提案者の方にお聞きしますが、そもそも都立高校の入試方法については、教育の目的、内容、方法などに関する事項、つまり教育の内的事項に属します。
 ここに政治が踏み込むことには慎重であるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○斉藤(り)委員 当然、慎重であるべきだと考えています。
 条例を提案するに当たっては、法律の範囲内であることは当然のこととして、とりわけ教育基本法の教育への不当な支配とならないよう、慎重な検討が必要だと考えています。
 また、教育に関して条例提案すると政治介入だと思われがちですが、それは条例案の内容で判断してほしいと思います。
 例えば、文部科学省は、教育委員会制度の意義として、教育は、結果が出るまで時間がかかり、その結果も把握しにくい特性から、学校運営の方針変更などの改革、改善は漸進的、ゆっくりと進めていくという意味の漸進的なものであることが必要であるとしています。
 私たちの提案は、何か新しいことを教育行政に求めているわけではありません。むしろ、平等性及び公平性で課題のある教育庁の取組に待ったをかけるものであり、教育委員会制度の意義とも軌を一にするものと考えています。

○とや委員 教育への不当な介入とならないよう、慎重な検討が必要だと。重要なお答えだと思います。
 そうしますと、やはり懸念されるのが、条例で教育の内的事項を決定してよいとなると、時の議会の多数派だとか、政治勢力によって、内的事項の統制を容易にすることにならないかということです。いかがでしょうか。

○斉藤(り)委員 文部科学省は、教育委員会と議会との関係は、教育行政における住民自治の観点から極めて重要であるとして、教育委員会が自らの教育行政について説明責任を果たす上で、議会における質疑に対する教育長や教育委員長の答弁は大きな役割を果たしており、教育委員会は、議会を通じ、住民に対する説明責任を積極的に果たしていくことが望まれるとしています。
 しかし、議会の質疑等を踏まえても、なお都教委の対応が住民自治の観点から十分ではない場合、議会としても、質疑だけにとどまらない対応が必要であると考えます。
 私たちは、住民意見の反映に向けて、議会の質疑だけでなく、請願陳情の採択や予算の否決、修正、付帯決議など、様々な手段を講じることがありますが、例えば英語スピーキングテストに関する予算を減額修正し、これが実施できなくなったとしても、これほど法的、政治的なご指摘を受けることはないと思います。
 私たちは、アチーブメントテストとして英語スピーキングテストを実施することを否定するものではなく、その結果を高校入試に活用すべきではないと考えています。
 もちろん、条例を提案する場合であっても、法律の範囲内であることは当然のこととして、とりわけ教育基本法の教育への不当な支配とならないよう慎重な検討が必要であり、こうした観点からご判断いただければと思います。

○とや委員 私たちも、議会で大いに議論することは大変重要なことだと思っています。また、質疑だけにとどまらなくて、おっしゃるとおり、請願や陳情の採択、予算の否決や修正、決議など、様々な方法で住民の皆さんの意見を示していくことが重要だと思っています。
 実は、私たちも、今年の三月議会で、英語スピーキングテスト、ESAT-Jの予算を削除する組替え提案を行っています。
 福井県では、五年前に、教育行政の根本的見直しを求める決議が県議会で上がっているわけですが、このとき、その後、県独自の学力テストは見直されているわけです。こうした動きを都議会でも大きくつくっていきたいと思っております。
 しかし、教育の内的事項を条例で縛ってよいとなると、教育の自主性や自立性を侵すことにつながりかねないので、やはり慎重であるべきだと思っています。
 ここからは、条例の内容について質問します。
 先ほどのご答弁で、斉藤委員は、条例を制定するとしても、法律の範囲内であることは当然だ、私たちの提案は、何か新しいことを教育行政に求めているわけではありませんとおっしゃいました。
 立憲民主党さんの条例案は、条例第一条は目的が定められていて、第二条で選抜方法を規定しています。高等学校の入学者の選抜については、学校教育法施行規則の第九十条で規定されていますが、条例案の第二項は、この施行規則の中にある内容でしょうか。教えてください。

○斉藤(り)委員 学校教育法施行規則にはない内容です。
 一方で、東京都教育委員会は、令和五年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱において、調査書に記載する事項に、諸活動の記録(スピーキングテスト結果を含む。)としていますが、これは、調査書に名を借りた、学校教育法施行規則も、東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する規則も想定していなかった脱法的ともいえる手法であると考えます。このような脱法的手法を封じ込めるために第二項を置いています。
 また、一昨日の御党における代表質問でもあったとおり、入試の学力検査でないテストを東京都教育委員会が区市町村教育委員会や公立中学校に強制することは、区市町村教育委員会と公立中学の自主性、自立性への侵害であり、都教委による不当な支配に当たるとのご指摘はもっともだと思います。
 条例案の第二項は、要綱によって区市町村教育委員会などを不当に支配しようとする都教委に対して、待ったをかけるものだとご理解ください。

○とや委員 条例第二条の二項は、学校教育法施行規則にはないということでありました。
 私たちは、この第二条の二項がとても気になっておりまして、この条例案は、第二条の一項で、高校の入学選抜では、高等学校の校長が、学力検査−−これは、学力検査というのは二月の入試のことを指しますが−−これを受けた者のうちから、次の各号におけるもののうち受検者に課したものの総合成績により決定しなければならないとなっていて、一号が調査書、二号が学力検査、三号が実技検査、面接などとなっています。そして、校長が入学者を決定するということです。
 そして、第二条二項に、都教委が実施する学力テスト、この学力テストは、今回の場合はESAT-Jのことです。この成績に関する事項は、調査書に記載されている場合であっても、前項の総合成績の資料には含めないとあります。
 ということは、高校の校長が、総合成績の資料に含めずに合否を決定するという意味でよいでしょうか。

○斉藤(り)委員 ご指摘のとおりです。
 条例が制定されれば、それに基づき、規則や要項も変更になりますので、高等学校の校長など、現場が判断に悩むことはなくなると考えています。

○とや委員 そうすると、この条例案は、都教委がESAT-Jを入試に活用するために、その結果を最高二十点として調査書に記載するようにすることをやめさせるのではなくて、高校の校長先生に対して、調査書にESAT-Jの点数が記載されていたとしても、それを合否判定のための総合得点に加えさせないという内容になっているということになります。
 子供たちや保護者、専門家、都民の声に反して、また、延期、見直しを求める請願を都議会が継続審査にして結論を出していないにもかかわらず、二十二日の教育委員会定例会で入試要綱を発表して、ESAT-Jの入試への活用を強行したのは都教委なんですよね。その都教委に規制を加えるのではなくて、都教委も飛び越えて、学校の校長に直接命令する形になっていることは問題だと思っています。
 以上、立憲民主党さんから出された条例案については、質疑の中でも述べさせていただいたように、幾つか問題が−−条例をつくることそのものが教育の内的事項に踏み込み、統制するものになってしまうと、私どもは考えざるを得ません。
 今回のことでは、教育委員会は、もっと子供の声や都民の世論、都議会での請願の継続審査の重みをきちんと受け止めるべきだったと思います。
 そして、私たちは、立憲民主党さんもそのとおりだといってくださいましたが、ESAT-Jを入試に活用することで、事実上、強制するのは、教育基本法が禁止する教育の不当な支配だと指摘をさせていただきました。しかし、教育長はまともに答えることができませんでした。
 犠牲になるのは子供たちです。私たちは、ESAT-Jを実施させないために、引き続き、都民の運動と力を合わせるとともに、都議会でも党派を超えた取組によって、英語スピーキングテストを中止させるために全力を挙げたいと思います。
 やっぱりこのテストは、手直しすればやってよいというものではありません。どこまでいっても不当な支配に当たりますから、根本的に考えていただいて、中止をしていただきたいと申し上げて、質問を終わります。

○白戸委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十五分間の休憩といたします。
   午後六時四分休憩

   午後六時三十分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○内山委員 それでは、私の方からも、幾つか、立憲民主党、そして維新さんの共同提案であります条例案について質疑をさせていただきたいと思います。
 二元代表制の議会において、ともすると議員同士の議論というものは、こうやって意識的につくっていかないと、どうしても行政と議会側の議論になっていくというところにおいては、本日も、かなりここまで長丁場が続いていますが、議員同士の議論ができているということは、私は、一つ、大きな評価ができるなと思いますし、そういった機会が前期から幾度となく出てきていることに関しては、議会の議論が活発化されているということに関しては、すごくいいなというふうに思っています。
 一方で、さりとて、やはり、この間、多くの議員の皆さんからご指摘があったように−−どうしても我々の議会活動、議員活動の中では、意見の相違というのはあってしかるべきだと思うんです。例えば、このスピーキングテスト、ESAT-Jが入試に堪え得るものではないという意見もあれば、それが、いや、これは先ほどの話のように、多角的にいろんなものをはかっていかなきゃいけないし、スピーキング力を高めていかなきゃならない、いろんな命題の中で、これは十分堪え得ると。ここは意見の相違なんだと思います。
 一方で、教育の政治的中立の確保という点と違法性の有無、ここに関しては、先ほど、風間理事からは見解の相違という答弁がありましたが、この二つにおいては、見解の相違というものがあっていいのかどうか。
 すなわち、谷村委員からもありましたが、どこまでがという線引きというのは、ここに関してはあまり、ルールですから、線引きが曖昧だったり、見解の相違があってはいけないんじゃないかなと私は思っています。
 そういった中で、私も、るる、いろいろ質疑がありましたので、重複するところはできるだけカットさせていただいて、残ったところを幾つか、この教育の政治的中立の確保、また違法性、そして、この条例の中身という三点について質問させていただきたいというように思っています。
 スピーキングテストの是非に関しましては、請願の際に議論されておりますし、もちろん、この条例の中身のところでかぶるところは、ここは確認をさせていただきたいと思いますが、今回は、その三点について質問させていただきたいと思っています。
 まず、先ほど来からありました政治的中立の確保、この線引き。
 これ、答弁では、斉藤委員からも、風間理事からも、内容によるという答弁があったかと思うんです。
 この内容というのは、一体全体、誰が決めるのでしょうか。

○風間委員 私、見解の相違ということも申し上げましたが、法の解釈に関しても、解釈の仕方に違いがあるものだと考えております。
 中身によると申し上げましたのは、その法の解釈によって、これは適法、違法だというのは、双方の意見が、実際に、この学校教育行政に関しても、これまで訴訟になったこと等もありますので、最後は司法判断なんだと考えています。

○内山委員 ということは、内容によるというのは、司法がその都度決めていくという、そういう理解ですかね。

○風間委員 今回、私どもが提案している条例に関しては、私どもは違法性はないというように考えておりますけれども、本件に関して、違法だという指摘が今回ありました。
 よって、最終的には司法によって判断されることになるかと考えています。

○内山委員 ここに関しては、本当に多くの委員からも指摘があったところなので、そんなに長く時間を取るつもりはないのですが、やはりどうしても気になったのは、先ほど、とや理事からも、戦争をしていた時代まで遡って、時の権力者から、例えば教育を独立して守るためにも、そのときそのときで教育に政治が入ってはいけないんだという、こういうご指摘がありました。
 珍しく、そうだと声を私も上げてしまったぐらいの、やはりそういうことがあるわけですが、教育委員会制度の意義というのは、もう本当にこれも、るるありました、特定の党派的影響力から中立性を確保していく。
 その時々の都議会の過半数で決まる条例こそ、それこそ正しく党派的影響力ではないかと思うんですが、そのあたりの見解を伺いたいと思います。

○風間委員 今回の条例案に関しましては、先ほど来申し上げておりますとおり、英語スピーキングテストを都立高校一般入試に含めないということを趣旨に提案をさせていただいておりますので、それには当たらないと考えております。

○内山委員 ということは、条例は改正されていくものだというふうに先ほども答弁されていましたけれども、それを今後変えていくというものに関しては、都議会の過半数をもって行うということであれば、その内容をいかようにも−−要するに、今回は、まさに冒頭で、ほっち副委員長がご指摘していたように、スピーキングテストに関する条例案ではなくて、東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例案なんです。
 ということは、この題材であれば、そのときの都議会の多数派によって、いかようにも変えられてしまうという懸念があると思うんですが、これは、先ほど内容によってオーケーだという判断をされたということなんですが、これは立憲民主党さんとしてはオーケーだという判断で出されたということでしょうか。

○風間委員 質問の趣旨に答えられていなければ恐縮ですけれども、私どもが提案した条例案に関しましては違法性はないと認識しておりますし、また、これが仮に成立したという際に、今後、そのことに関して修正案を出していくということに関しては、同様に内容によるものだと考えております。

○内山委員 分かりました。このあたりに関しては、もうさんざんありましたので、次に進みたいと思います。
 まず、条例の中身、私も、我が会派でも検討させていただきました。その中で気になった点を幾つか教えてください。
 まず、第二条の2、高等学校に進学しようとする者が高等学校に志願する前に東京都教育委員会もろもろと、こうあります。この中で、志願する前に学力に関わる検査の成績と。まさしく、これは学力検査ではないと思うんですね。当日やる学力検査でなくて、志願する前に実施する学力に関わる検査。恐らく、含意としてはスピーキングテストのことなんだと思いますが、それを総合成績の資料には含めないということなんです。
 しかし、目的に書かれているのは何かというと、平等性及び公平性が確保されるためと。要するに、平等性、公平性を確保するために、この条例を制定しているんだということでありますが、では、仮に平等性、公平性が確保されたとして、この2というのは、実施時期によって、これは駄目よというふうに規定をしているものだと思うんですが、なぜ、確保されても、実施時期が異なるだけで制限をかけてしまうのか、そのあたりの考え方を教えてください。

○風間委員 本条例案を提案させていただく際に、現在のスケジュール感、また、内容で行うESAT-J、スピーキングテストを都立高校一般入試に加えないということが目的としてありますので、このような書きぶりになっております。
 時期によってということで、仮にESAT-Jが平等性が確保されたのであれば可なのかという問いかと認識しましたけれども、その仮が、この期間の中には、これまで私たちが検討した中には確保できるめどが立たないということから、このような書き方をさせていただいております。

○内山委員 これも、るる、ほかの委員が指摘されていることですが、答弁ではスピーキングテストを指していますというふうにおっしゃっていますが、条例は、その性格じゃないんですよ。これは、先ほど申し上げましたが、スピーキングテストに関する条例ではなくて、東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例なので、全てに網がかかってしまうんです。
 そういった中で、仮に、時期をずらすことによって平等性、公平性が担保できるような試験制度ができたときに、これはそれを禁じてしまっているわけですよね。
 じゃ、これを、時期を同一にしたら平等性、公正性が担保できないという、もし、そういう性格のものがあった場合はどうするんですか。

○風間委員 すみません。仮の話で、ちょっと理解ができなかったものですから、もう一度、お願いします。

○内山委員 あくまで平等性、公平性の確保が、恐らくこの条例の一番の趣旨ですね。この目的で書かれているように。
 ただし、この第二条の2というのは、時期が違うことによって実施ができないというふうに、普通に読み取ったら、そういう条文ですよ。
 そうすると、じゃ、時期と平等性、公平性の因果関係というのはどういうことなんですか。

○風間委員 先ほど、ほかの会派の意見表明でもありましたように、教育委員会が東京都内の公立中学校にこのスピーキングテストをさせるということに対しては疑義があるというようなお話もありましたけれども、それを入試に反映させるということが大変な問題がある、強制力を発するというようなお話が先ほどあったかと思います。
 ゆえに、私どもは、教育委員会が行うテストをその前に行うということに関しては、この条例によって防ぐ必要があるということから、その書き方をしておりますが、では、これが、時期として前でなければよいのかというような問いに関して、先ほど、ほかの方から質問がありましたけれども、例えば二月の入試当日にテストが行われるということなのであれば、この条例に関しては、それを妨げるものにはなっていないと認識しています。

○内山委員 すなわち、時期と平等性、公平性の担保には因果関係がないということですかね。

○風間委員 時期と平等性、公平性の因果関係ということが、すみません、私の頭では理解できませんので、ちょっとお答えのしようがありません。すみません。

○内山委員 いやいや、この条例案を出してきているのは皆さんですよ。先ほど谷村委員からもありましたが、前期で私たちも条例提案を幾つも出させていただいて、かなり厳しい質疑をお受けして、その中で、少しでも答弁ができなかったり、曖昧なことがあったら、もう委員会が止まるような質疑をお受けして、条例を成立させてきたわけなんです。
 その中で、今−−だから、この一言一句というのは、もうひとしく−−これは全会派の皆さんがご同意いただけると思うんですが、東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例というのは、かなり重要な条例ですよ。これはもう、疑義の挟みようがないぐらい重要。ここに書かれていることが、皆さんの言葉を借りるのであれば、それこそスピーキングテストの、これは万に一つも間違いがあってはいけない条例なんです。
 で、ここに書かれているのは、時期と平等性及び公平性。これは私たちがいっているんじゃないんです。皆さんが書いてあるんです。で、私たちは質問をしているんです。
 理解できないのだったら、ここは削除すべきじゃないですか。

○風間委員 私が理解できないと申し上げたのは、因果関係が何を意味するのか、理解できないという意味であります。

○内山委員 だから、ここに書いてあるのは−−いや、別に、スピーキングテストが皆さんの前提になっているのは分かります。ただ、この条例はスピーキングテストが前提になっていないんです、書き方は。入学者選抜方法に関する条例なんです。スピーキングテストのスの字もないんです。ということは、これが、ひとしく一言一句、生徒の入学者選抜に係ってくるんです。
 その中で、ここに書いてあるのは、志願する前にと書いてある。ここが、今、じゃ、因果関係は何なのですかという質問なんです。

○風間委員 繰り返しになりますけれども、因果関係の意味するところが理解できませんので、お答えしようがありません。

○内山委員 じゃ、この2は何なんですか。因果関係−−いやいや、笑っているけれども、条例というのはそういうものなんです。あなたたちはスピーキングテストを前提にしていますよ。だから、これが意味分からないなんて分からないとお花畑なことがいえるかもしれないけれども、これは違うんです。これは入学者の選抜方法に関する条例なんです。その重要性を分かっていますか。
 じゃ、そう考えたときに、この2は何なんですか。
 先ほど、ほっち副委員長がスピーキングテストと書けばいいじゃないかと。そうしたらスピーキングテストにしか係らないんですよ。でも、ここには違うんです。志願する前に実施する学力に関わる検査の成績全てなんです。じゃ、これは何といわれたら、目的には平等性、公平性を確保するためと書いてある。
 そうしたら、因果関係は何ですかと、普通聞きませんか。因果関係があるから、ここに書いてあるんですよね。もう一回、お願いします。

○風間委員 因果関係という意味に当てはまるか分かりませんが、高等学校に志願する前にとは、高等学校に志願する行為の時点を示すものであり、その前に課されたテストを都立高校入学試験の判定に用いるべきではないという意味からすれば、因果関係はあるということになろうかと思います。

○内山委員 すみません。六十分で終わりそうもないので、じゃ、次に行きたいと思います。
 じゃ、因果関係に関しては、具体的な提示はされませんでしたけれども、あるというご答弁だったと思います。
 続いて、検討というところです。ここは何なのかなと思っていましたら、先ほど谷村委員が丁寧に聞いていただいたので、ここは割愛させていただきたいと思いますが、ここの学力検査においてというのは、まさに第二条の二の学力検査に係ることだということは、ほっち副委員長の質疑でご答弁いただいていましたが、この学力検査において、一義的な正答を示すことができない記述式及びとありますけれども、この解答を求める問題等を受検者に課すに当たっては、全て例外なく、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備するべしと、ここに検討で書いてあるのですが、それで認識はよろしいでしょうか。

○風間委員 今後、学力検査で、記述式、論述式問題やスピーキングテストなど、一義的な正答を示せない試験も出題されることが想定されます。これについては、入試も教育行政の一部ですから、公正かつ適正に行われなければなりません。そのため、附則の二項で検討条項を置いています。
 すなわち、教育委員会は、学力検査において、一義的な正答を示すことができない記述式及び口述式の解答を求める問題等を受検者に課すに当たっては、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備し、入学者の選抜の過程全体を通じて平等性及び公平性を確保するため、その方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとしており、これにより公正かつ適正に入試が行われることになると考えています。

○内山委員 そんなことを聞いているんじゃなくて、だって、今、既に学力検査で記述式はありますよね。そこに、もう既に様々な教科である中で、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備しなければ、それはもう成り立たないというふうに、ここでは検討しなさいということを検討で書かれているということですよね。
 先ほども、何回も申し上げているように、スピーキングテストというのは、一回、ちょっと頭から外してもらって、これはあくまで−−これは皆さんが出している条例ですからね、私たちが別に出しているわけじゃなくて。そこでは入学者選抜の方法に関する条例なんです。スピーキングテストは、別に頭に入れておいてもいいですけれども、ちょっと隅にやってもらって、全体像を見てほしいんです。
 その中で記述式−−だって、これ、もしなったら、教育庁さん、どうしますか。記述式とか、全部ですよ。そんなこと現実的ですか。お答えください。

○風間委員 可能かと問われれば、可能だと考えています。

○内山委員 ということは、立憲民主党さんと維新の皆さんが出された入学者の選抜方法に関する条例では、皆様が考えるのは、記述式だとか、口述式だとか、論述式とかも、先ほど口頭でいわれましたけれども、全てしっかりと、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備しろということですね。はい、分かりました。そういうご認識だということですので、次に行きたいなと思います。
 では、逆に申し上げたいのが、今、既に、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制というのはあると私は思っているんです。入選検というやつだと思うんですけれども、じゃ、これだと足りないから、入選検だと足りないから、これをさらにやるべきだというご意見なのでしょうか。
 じゃ、何が足りないんですか。今の何が課題で、何が足りないんですか。

○風間委員 先ほど来申し上げていますとおり、これまで行われてきました都立高校一般入試に関して、当然、学力検査も含めてですが、公平性が担保されていると思いますので、課題があるとは、こちらは申し上げておりません。

○内山委員 このスピーキングテストに関しても、同じようなことをしているわけですよ。あえて入選検ではなくて、ここに書かれている条文を出されている。じゃ、何が違うんですか。学識経験者と広く都民。
 入選検でいわれている、具体的に誰で、それが−−誰というのは名前じゃないですよ、肩書ですよ。どんな人たちがいて、それじゃ足りないから、こういう肩書の人たちが欲しいんだというふうなのが現実的だと思うんですね。答えてください。

○風間委員 英語スピーキングテストに関しては、これができているとは考えておりません。

○内山委員 入学者選抜検討委員会の委員の皆さんじゃ、不十分だという意味でしょうか。

○風間委員 先ほど来申し上げていますとおり、フィリピンで行われる体制等々について疑義があるということは、ほかの会派からも意見があったかと思いますので、不十分であると考えております。

○内山委員 ということは、今の入学者選抜検討委員会のメンバーでは、広く都民でもないし、学識経験者でもないという見解ということですね。
 PTAの方とかも入っているし、大学教授も入っているし、中学校、高校の校長も入っているし、そういう方々が入っているけれども、その人たちは、広く都民でもないし、学識経験者でもないと。

○風間委員 私どもは、人選について不十分であるということを申し上げるつもりはありません。
 結果として、この英語スピーキングテストがこのような状況で進められることに対しては、十分ではないと考えております。

○内山委員 私、この人選の、中Pとか、高校のPTAの人たちが誰なのかなんていうことは話をしていなくて、そういう方々が集まってやられている中で、結果的には、こんなスピーキングテストを是としたんだから不十分だった、こういうことなんだろうなというふうに思っています。
 じゃ、どうすればいいのでしょうか。どうすれば広く−−私は、結構、中学校のPTAとか高校のPTAとか、もろもろ、今、ばあっと申し上げた人たちが入っているというのは、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制というのは整備されているなと思っているんです。
 ただ、それじゃ足りないから、ここで検討しなさいと書いてあるわけです。それだと、ここが、入選検が間違った答えを出しているから、だから、さらに整備しなきゃいけないんだ、不十分なんだと、今、答弁されたんですよね。
 じゃ、どうすればいいか。教えてもらえますか。

○風間委員 この検討のところに記載されておりますのは、広く都民及び学識経験者の意見を聞く体制を整備し、入学者の選抜の過程全体を通じて平等性及び公平性を確保するため、その方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするということで、検討というふうに入っております。
 この条例が制定された暁には、これに沿うような形で教育委員会が取り組んでいくものと考えております。

○内山委員 だから、入学者選抜検討委員会がそれを担っているわけですよ。でも、それじゃ不十分だというんだから、これを書いているということは、じゃ、どうすれば十分になるかというのが−−だって、書いてある。これは何度もいうけれども、僕らが書いたんじゃなくて、皆さんが書いたわけですよ。
 まさか入選検を知らないというわけじゃないでしょうから、じゃ、それを含めた上で、どうすればいいのかというのを聞くのは、当然の−−だって、今やっているものが書かれているのに、じゃ、何が足りないんですか、どうすればいいんですかと聞くというのは、別に普通のことだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○風間委員 繰り返しになりますけれども、この条例が制定された際には、この附則、検討というところに関して、教育委員会が取り組んでいくものと考えております。

○内山委員 教育委員会さんも大変ですね。何が悪いのか、どうするべきかともいわれずに、やれというわけですから。まあまあ、いいでしょう。そういうご主張だということは理解しました。
 一方で、この条例の根幹をなす部分が何かというと、違法性とか、そういうのは脇に置いておいて、この条例案の根幹をなすものは何かなと、私、考えたら、やっぱり平等性と公平性なんだろうなと思いました。
 我々の会派としても、そのあたりが肝になっているんだろうなと思ったのですが、公平性というのは、ルールが一緒という意味なのかなと思いました。誰が受けても、同じルールの下で実施されるのが公平性なんだろうなと。それは、私は、今回のスピーキングテストはクリアしていると思うんです。だって、誰が受けたって、運用が一緒だから。
 一方で、平等性というのは−−じゃ、まず、公平性というのは、そういう意味じゃないのか。僕は担保されていると思うんですが、担保されていないというふうなご認識であれば、その理由を教えてください。

○風間委員 これも先ほど申し上げましたとおり、都立高校を受検する中学三年生が、受ける機会の公平が担保されていないと考えております。
 申し上げましたように、都外在住の都以外の公立中学校に在籍をしていて、将来、引っ越し等で都立高校に行きたいと思って受検する生徒は、私が質問しました答弁にもありましたように、受験することができないということで、機会の公平が担保されておりません。

○内山委員 ということは、この公平性というのは、不受験者がどうとか−−最終的には不受験者にもなるのでしょうけれども、受けたいのに受けられないというのは、都外在住、在学の方だけですよね。都内に在住か在学であれば、等しく誰でも受けることができるわけですから、ここの公平性は担保できていると思うんです。
 で、今もご指摘いただいた、都外の在住、在学の方だけ、受けたくても受けられない。ここに公平性−−ここだけが唯一の瑕疵ですか。

○風間委員 現段階で明らかに公平性が担保されていないというのは、その点だと考えております。

○内山委員 分かりました。じゃ、そこがクリアになれば、公平性はクリアになると。分かりました。
 続いて、平等性。ここは、結構、難しいなと僕は思っていて、先ほどまでの答弁だと、令和三年度までの入試制度は、公平性もそうですけれども、平等性が担保されている、オーケーなんだという答弁をされていたと思うんですが、それは間違いないですか。
 今までの入試制度は、等しく公平であり、今回の私の質問は、平等だったのか、教えてください。

○風間委員 これまでも、私も質問等で、課題、懸念点については教育委員会に対して指摘をしておりますので、完全にこの平等性、公平性が担保されているというところまでいい切ってはいないわけですけれども、ご質問の平等性ということに関していえば、例えば、昨年行われましたプレテストの中で、持ち時間に関して、皆さん、ひとしく同じ時間でなかった事故もあったというふうに聞いております。
 今回、十一月に行われますスピーキングテストで、こういうことが起こらないようなことになっているのかどうかということに関しては、まだまだ疑念がありますので、平等性に疑念が残るというようなことであります。

○内山委員 じゃ、ちょっと都教委にお伺いしたいです。教育庁さんにお伺いしたいです。
 今の平等性が担保できない、時間が違ったんじゃないか、これに関してどうですか。

○瀧沢指導推進担当部長 時間が違ったという案件があったという意味が、ちょっとよく分からないので、そのような事象があったというふうには私たちは認識をしておりません。そのような事象は把握していません。

○内山委員 分かりました。ただ、あったというわけですから、万が一にもあってはいけないので、そこは、ぜひご留意いただきたいなと思います。認識はないということでありました。
 じゃ、そのほかに、平等というのは何なのか。
 例えば、世田谷ご選出の風間理事や大田区、もろもろ、皆さんいらっしゃると思うんですが、一つの尺度で、GTECを受けているところが有利なんじゃないか、似ているじゃないかという、こういうご指摘がありました。
 これが平等性に引っかかるというふうなご認識はありますでしょうか。

○風間委員 先般の質問で、私がその件も取り上げましたけれども、九つの区でGTECが導入されていて、その自治体でGTECを受検したことがある生徒に関しては有利に働くのではないかという疑念の声があるということから質問させていただいたわけでありますが、これについて平等性に欠くということまでは、私は申し上げておりません。

○内山委員 そうおっしゃっていないということでしたが、じゃ、そこはどう思われているんですか。

○風間委員 今申し上げましたとおり、疑念はあるということであります。

○内山委員 じゃ、GTECを受けているところと受けていないところで格差が生じるという懸念が、疑念があるということなんだなと思います。
 じゃ、漢検をやっている学校もしくは英検をやっている学校、もしくは、学校によって理数系に力を入れている学校、自治体、様々あると思うんです。そこは平等ですか。

○風間委員 まず、学校単位で漢検や英検をやっているところがあるのかということに対しては、これは民間の試験でありますから、私はやっていないと認識しておりますけれども、やっているとしたら、PTA主催とかということは認識しているものの、それで有利かどうかということであれば、学校主導である場合には有利に働く可能性はあろうかと思います。それが平等なのかどうかと問われれば、私がそれが平等でないと主張することは現段階ではありません。

○内山委員 各自治体によって、いろいろ特色があって、いろんな取組をされていると思うんです。それが平等か平等じゃないかといわれれば、今、平等だという答弁でしたね。−−僕、語尾が分からなくて。
 いろんなところで力を入れている。ここは理数に力を入れている、こっちは体育に力を入れている、こっちは、じゃ、GTECでもいいですよ。GTECじゃだめか、ほかの。
 各自治体で力を入れている、もしくは学校単位で力を入れているんだから、これは別に、平等性を確保できているという認識でしょうか。

○風間委員 各市区町村ごとに教育の特色があると認識しておりますので、それを否定するものでもありませんし、その取組があるからといって平等性を損なうということまでは、私は申し上げておりません。

○内山委員 いや、そのとおりだと僕は思わないですよ。だって、全然、自治体によって、財政力も違うし、考え方も違うから、それは格差はあるから、私は広域行政が是正していかなきゃいけないという、僕は逆の立場なんです。
 でも、一方で、そこで各自治体が学校の特色があると認めておきながら、何でGTECは駄目なんですか。何でGTECだけ駄目なのか。
 例えば、似ているという話が、この間の請願の中でありました。じゃ、例えば漢字テストの読み、似ていませんか、テスト。漢字の書き、似ていませんか。
 GTECとESAT-Jが似ているというふうにおっしゃっていた。でも、あのとき、これは共産党さんのご質疑だったと思うけれども、都教委の皆さん、教育庁の皆さんは似ていないといった。ここは完全に、全くかみ合わなかった。
 ここで、もう一回、教育庁さんの方に聞きたいのですけれども、この似ている似ていないというのは、確かに主観ですよ。主観ではある。だけれども、じゃ、何でここまでかみ合わない議論が起きているのか、ちょっと答弁できますか。

○瀧沢指導推進担当部長 これまで、繰り返し議会でも答弁させていただき、また、学校や生徒、保護者にも説明をしてきた内容ではございますが、スピーキングテストは、学習指導要領の目標を踏まえて東京都が決めます出題方針に基づいて、都独自の内容で出題するテストであります。
 スピーキングテストの出題に当たって、私たちが大原則として設定をしていますのは、中学校の学習の範囲内で出題するということであります。つまり、中学校で行われている通常の授業で学習したことを習得すれば十分に対応できる、そういうテストにするということが重要だというふうに考えて作成をしています。
 そうすると、学習指導要領に示されている目標ですとか内容、それに基づいて、出題方針や内容とか、評価の観点とか、そういうものを決定していく必要があります。
 中学校で使われる教科書というのは六種類あるんですけれども、どの教科書で学んでも有利、不利がないように、学習指導要領に基づいて、様々、決めながら出題をしているということであります。
 ご指摘のGTECのお話ですけれども、例えば、ある団体が中学校三年生向けに試験をつくろうとして、その根拠として学習指導要領を設定しようと思って、そこから出題するのであれば、ESAT-Jであっても、あるいはほかの試験であっても、似たようなものになるという蓋然性は高いということはいえると思います。ただ、だからといって、ある特定の試験が有利になるということはないというふうに私たちは考えています。
 一つ、ご紹介いたしますと、英検についても、我々のスピーキングテストと同じように、例えば音読があったり、イラストについての描写があったり、質疑があったり、意見を述べるというような出題内容がなされていますので、それをもって似ているというふうに考える方もいると思いますけれども、繰り返しになりますけれども、GTECを受けることのみが、何か特異な、有利になるということはないというふうに考えています。
 いずれにしても、そのような誤った認識が広がらないように周知もしていきたいと思いますし、中学校で行われています通常の授業で学習したことを習得すれば十分に対応できるんだということですので、ぜひ授業の学習にしっかり取り組んでもらいたいというふうに考えています。

○内山委員 ありがとうございます。極めて重要な答弁だったと、私、思うんです。
 さっき、傍聴席の立憲の皆さんから笑い声が出ていましたけれども、漢字の読みが同じようになってきますよねといった。これは、形式的に見ればそうですよ。でも、テストの肝というのは、ここに何の問題を当てはめるかが肝なんです。形式じゃないんですよ。こんなことも分からないで嘲笑しているというのは、この条例を出しておかしいと思いますよ。
 そういう意味では、似ているといえば英検も似ている。確かにそうですよね。何だったら、模擬試験は一番似ていますよね。
 そうなってくると、でも、中身の肝が、まさに今、部長が答弁されたように、どうやったら今の子供たちが到達度テストの中で、学校の授業で学んでいる中で、その到達度に行けるか、習得できるかというところの、ここというのは、先生たちが試験をつくるときも、かなり頭を悩ませるところでありますし、足し算、引き算、それはみんな形式は一緒ですよ。でも、ここにどういう数字を当てはめるかとか、方程式でも、そこが肝なわけであって、そこが難易度なわけですよ。
 そこが似ている似ていない、だからGTECは平等性を欠く、でも、理数だとか国語、いろんなものを多様なことをやっているところは、多様な教育をやっているから平等性は担保されているんだと。これはダブルスタンダードじゃないですか。どうなんですか。

○風間委員 私が申し上げていないことを前提にお話をなさっていることが結構多いので、確認しますけれども、私は、GTECに関して平等性を欠くということは、これまでも申し上げたことがありません。
 GTECに関しては、受けている自治体の生徒が有利になるのではないかという陳情の文章がありましたので、そのことに関して、そうでないというのであれば、きちんとエビデンスをもって提示するべきではないかということを教育委員会に申し上げましたが、明確な答弁はありませんでした。
 そもそも学力試験に関しては公平、平等で行われるというものでありまして、その中に英語のテストがあり、国語のテストがあり、漢字も中にはあるでしょう。それに対して、各市区町村によって特色を持って、どこに力を入れていくのか、そこの自治体の生徒が強くなるのか、弱くなるのかということに関しては、それぞれの地域の特色があるものだと考えております。
 スピーキングテストに関しては、新たに二十点プラスされるということで、これは、一生に一度の高校入試において非常に重要な、大きな数字二十点がつくということに関して、有利、不利があってはいけないのではないかという観点から、これまで申し上げてきたところであります。

○内山委員 なるほど。では、GTECに関しては、立憲さんとしては別に、明確に平等性が担保できないのではなくて、疑義があって、先ほどの部長の答弁をもってしても、その疑念は晴れない。要するに、まだ疑惑の段階だけれども、疑念は晴れないという認識だということですね。分かりました。
 じゃ、一方で、自治体の財政力格差が子供たちの教育格差につながっているという指摘はどう考えますか。

○風間委員 本条例に関して、提案者が十六人おりますので、その件に関して十六人で協議をしたことはありませんので、その問いに関して、私個人の見解を答えるわけにはいかないと考えております。

○内山委員 平等性というのは、かなり重要なんですよ。先ほどから、よっぽど私のいっていることの方が、平等性をしっかりと考えて何とかしていこうという、多分、真っ当な意見だと思いますよ。でも、そこも議論しないで、入試全体に関わる条例をつくったのに、スピーキングテストしか頭になくて、それで、公平性とか平等性というのをここに入れてくることの重要性。
 もし、そう思うのであれば、今ある問題にも目を背けずにやってもらいたいんですよ。
 だって、申し訳ないけれども、さっき、これまで、令和三年度のものまで戻してもらえば我々はオーケーだといっていたけれども、そうですか。本当にあれは平等性が担保できていますか。今の入試制度。
 その中で、僕もさんざん−−また立憲さん、笑っているけれども、そうなんだ。平等性が担保できているかできていないかというのは、そんなに面白いんだ。いや、できていないですよね。
 その中で、でも、多角的に、これは文科省もいっていますけれども、一義的なマークシートの、要するに、正答がちゃんとぶれがないようにすることばかりにこだわって全部マークシートにするんじゃなくて、いろんな角度から子供たちの力をはかっていきましょうというのがこれからの、まさに多様性のある中での子供たちの入試ですよ。
 その中でいけば、じゃ、マークシートなら、平等なのか、公正なのか。さいころを転がして当たったやつは、これは平等ですか。いろんな、マークシートのだって、できないやつができちゃったりするんですよ。でも、できるやつが、八割ぐらい考え方は合っているのに、最後の最後で間違ったりするんですよ。全然、平等じゃないですよ、マークシートだって。
 だったら、考え方を全部やって、それをどこまでできているとやって点数化するなら、平等かもしれない。
 でも、じゃ、そもそも、この問題が得意な子もいれば、こっちが得意な子もいる。でも、たまたまこっちが出ちゃった。これだって平等性の疑義があるわけですよ。
 そういう中で、いろんな角度で様々なものをやって、その中でのベストを出すから、まあ、完璧に平等性、公平性が担保できているとはいわないけれども、多角的に子供たちのいろんな能力だとか学ぶ力というものをはかることができて、でも、それは、いろんな指摘がある中で、不断の努力をしながら変えていくという努力を教育委員会の皆さんはされているから、先ほど来からおっしゃっているように、政治がそのときの考え方でばあんと入るんじゃなくて、一個一個の継続性だとか、冒頭もいいましたけれども、党派性とか政治性ではなくて、そういったものをやっていかなきゃならないという、肝は、僕、そこにあると思うんです。
 もちろん、それが行き過ぎちゃえば、先ほどあったように、戦争のときの間違った教育に走っていくとかそういうことは、極端に行けば、まさにそういうことがある。
 でも、日々の中でいえば、よっぽどそっちの方が大事なんだと私は思うんです。
 そういった中で、そこに、申し訳ないけれども−−子供たちに関わる皆さんが、そんな答弁でいいんですかと、さっき、とや理事は教育庁にいいました。私も、同じことを皆さんにいいたいです。ここにちょうど、今、傍聴席にも立憲の方々が来られているし、恐らく中継でも、立憲の方や維新の方は見られていると思いますよ。子供に関わる条例に対しての質問が、そんな答弁でいいんですか。私はよくないと思う。
 多分、いろいろ反対というか、懸念されている方々もご覧になっていると思うけれども、だったら、よっぽどスピーキングテストに特化して出された方が潔かったですよ。スピーキングテストの形だけを取って、そこを禁止するような条例にしているから、これは、ほかのところまで派生しちゃっているんですよ。こんなのを通したらどうするんですか。
 あわせて、さらにそこに教育の政治的中立の確保が危ぶまれているというのは、スピーキングテストに反対をされる共産党ですら、疑義を呈している。(発言する者あり)というふうに感じました。そこは、私は本当に−−だから、冒頭に戻ります。スピーキングテストに対しての議論は、大いにやってもいいですよ。やりましょうよ。今までやってきたし。だけれども、ここは、谷村委員のおっしゃった、超えてはいけない一線なんだと思うんです。
 傍聴されている方々も、ネットでも、何で内山はスピーキングテストの内容をもっとやらないんだと思われるかもしれないけれども、それ以前の問題なの、これは。しかも、そもそもスピーキングテストの条例じゃないでしょう。
 ということで、私は−−もう一個だけ、いいですか。もう一個だけ。
 斉藤りえ委員の答弁の中で、アチーブメントテストとしては否定しないという答弁がありました。一方で、インターネット等では、アチーブメントテストとしても破綻をしているというご意見もあります。
 先ほど、まさに答弁があったから、私は聞いているんですけれども、この条例を出した立憲さんの認識としては、アチーブメントテストとしては否定はしないんですね。

○風間委員 英語スピーキングテスト、ESAT-Jに関しては、様々な問題をはらんでいるということは、この間、指摘してきたところであります。
 もう既に九五%の中学三年生が申し込んでいるという状況で、十一月に行われるということが決まっているという状況で、これをやめろというところまでの否定はしておりません。

○内山委員 では、アチーブメントテストとしては破綻しているけれども、もう申し込んでいるんだから、それはやった方がいいよという意味ですか。

○風間委員 アチーブメントテストとして破綻をしているということを、私どもが申し上げたことはありません。あくまでもアチーブメントテストとしても疑義があるということを申し上げているわけでありまして、その疑義がある状態のまま行うということに関しては、大変に遺憾なことではありますが、しかし、既に申込みをしている生徒が九五%いるということから、それを否定するものでもありません。

○内山委員 先ほどからの答弁では、九五%の人が申込みをしても、それは止めるべきだというのが入試への活用なわけでしょう。でも、今、アチーブメントテストに関しては、疑義があっても、九五%が申し込んでいるから、やりましょうということですか。まあまあ、いいです。
 一つ、昨日の一般質問の中で−−東京新聞さん、いらっしゃるのかな。東京新聞の方から、気になる見出しがありました。何かというと、受けなくても損しないという見出しなんです。その中で、公立中の生徒も受けない方が得だと考え、戦略的不受験が起きかねないというのが新聞に載っています。
 私、この間のこの文教委員会の請願の審査の中で、戦略的不受験ができないように、公立校の子供たちはしっかりと、受けなかったらゼロ点、でも、例えば、コロナになって、インフルになった、もしくは事故が起きちゃって、一か月間、もう丸々二か月間、無理で受けられない、こういった子たちは救済してあげるべきだけれどもとか、吃音とか、いろんな配慮をする場合は。だけれども、そうじゃない場合は、これは厳密にしていかなきゃいけないんだ、すなわち、戦略的不受験なんてできないようにすべきだというふうにして、そこで、私、そういう答弁をいただいたと思うんですが、ここの記事とは、明確にそこが違うんですが、そこをちょっと、大事な点なので確認させてください。

○村西都立学校教育部長 まず、明確に申し上げたいというふうに思います。
 これまで、先ほど内山先生からあったとおり、繰り返し答弁をしてまいりましたが、テストを受けない方が有利と、今、戦略的不受験とか、意図的不受験などというような理由でテストを受験しなかった場合は、得点の付与はなく、ゼロ点です。
 そもそも不受験の扱いとなる対象者は、テストの実施日または予備日にも、インフルエンザ等の罹患などの事由によりましてテストを受験することができなかった生徒でありまして、これに加えて、吃音や緘黙、様々な事情から登校できずテストを受験できない生徒、私立、国立中の生徒らに対する極めて限定的な、特例的な措置でございます。
 こうした受験者本人の責めによらず、やむを得ない理由によりスピーキングテストを受験できない、または受験できなかった生徒については、実施要綱に基づいて、中学校の校長が所定の申請書を教育委員会に提出して、承認を受けた場合に限り、不受験者の扱いとして対応いたします。
 したがって、申請書を提出すれば辞退できるというような仕組みには、そもそもなっておりません。
 また、教育委員会は、不受験者としての措置を承認するに当たっては、実施日及び予備日のどちらも受験することができなかった理由を証明する医療機関の証明書などを添付することを原則としております。厳格に本措置を運用してまいります。
 このように、対象に該当するか否かは、個別の事情を中学校が聞き取り、丁寧に確認して、教育委員会が判断するため、書類提出のみで機械的に判断することもございません。
 こうした運用については、中学校校長会等の機会を捉え、繰り返し周知徹底してまいります。

○内山委員 改めて確認できてよかったなと思います。
 様々な懸念点とか、もし本当に足りない部分があったりとか、疑義が生じるところに関しては、そこはしっかりと子供たちのために議論すべきだし、この段階においても変えなくてはならないことが出てきたら、それは対応するというのは、別に私、全く反対じゃないですよ。
 ただ、今の、るる申し上げていただいた中で、止めるべきだというほどの材料は、私は、今の質疑の中では感じなかったなと思いますし、特に、今回のメディアに出てしまったという、こういう間違った情報が出てしまったというのは、我々も自戒の念を込めて、しっかりと発信、我々こそがしっかりと正しい情報を発信していかなくてはならないなというのを感じています。
 共産党さんが、先ほど質疑の中で、民間の方が教育に関わるのは金もうけだという発言もありました。(発言する者あり)でも、紹介されたでしょう。
 あとは、過去に過ちを犯した会社を使うのかと。一度過ちを犯したら、駄目なんですか。だからこそ、都教委はベネッセさんと、かなりの協定書だとか覚書を交わして、そういったことが起きないように対策を取っておられるわけです。(発言する者あり)何ですか。(発言する者あり)覚書、違反しているんですか。覚書に違反していたら大変なことですよね。いや、覚書に違反しているんだったら、それはそれでちゃんとやりましょうよ。
 でも、今のところ、そういうことはなく進んでいるわけなので、そこはしっかりとやっていただきたいし、今のところ、私たちは、信頼に足るだけのちゃんとした、先ほどもいった協定書だとか、覚書とか、そういったものをやられているというふうに判断をしています。
 いずれにせよ、とはいえ、これからまた新たな課題が出てくるかもしれないし、問題が出てくるかもしれないし、新たな疑義が出てくるかもしれない。そういったところを我々はしっかりと、特にこれは党派を超えて、賛成、反対関係なく、しっかりとしながら、これはもう、もちろん今年もそうですし、何年かけてでも、これまで日本の英語教育がずっと向き合ってこなかったスピーキングの課題について、しっかりとこの東京から改革をしていくというのは本当に重要なことだと思うし、そこはぜひ教育庁の皆さんにも、歯を食いしばって、子供たちのために頑張っていただきたいなというふうに思っておりますし、時には、我々もそれに対して厳しいことをいうかもしれませんが、しっかりとご対応、ご理解いただければとお願い申し上げまして、私からの質疑を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。

○白戸委員長 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百七十三号議案、令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、生活文化スポーツ局所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○久故総務部長 去る九月十五日の当委員会におきまして要求のありました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布の令和四年文教委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、資料は三件でございます。
 一ページをお開き願います。1、公衆浴場向け燃料費高騰緊急対策事業における一浴場当たりの支援金の算出根拠でございます。
 支援金の算出根拠を記載してございます。
 二ページをお開きください。2、私立学校における新型コロナウイルス感染症の陽性報告学校数及び感染者数でございます。
 学校種別ごとに、報告のあった学校数及び感染者数を記載しております。
 三ページをお開き願います。3、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査の私立学校における活用実績及び教職員の定期検査の実施状況でございます。
 活用実績と実施状況を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 私からは、知事提出案件の令和四年度一般会計補正予算案のうち、公衆浴場への支援につきましてお伺いしたいと思います。
 銭湯は、地域住民の日常生活において、健康、衛生上、必要なもの。これはお題目であるわけでございますが、そういったものであると同時に、やはり江戸時代から続く日本の伝統文化、入浴だけじゃなくて、最近では銭湯アートなんていうものもございますが、そういったものでも注目をされているものでございます。私ども都議会自民党は、今後も守っていかなければならない銭湯というふうに考えております。
 しかしながら、後継者不足ですとか、あるいはコロナの影響、そして、昨年来の原油価格の高騰に伴うエネルギーコストの上昇によりまして、銭湯の経営環境はますます悪化しており、事業継続に暗雲が立ちはだかっているような状況になってしまっているわけでございます。
 他の業界等におきましても、同様に物価高騰の影響を受けている中、今回、燃料費高騰の対策といたしまして、公衆浴場向け燃料費高騰緊急対策事業、二億一千六百万が計上されておりますが、まずは、銭湯にこの緊急支援を行う意義についてお伺いをしたいと思います。

○片岡消費生活部長 銭湯の営業費用において大きな割合を占める燃料費のさらなる高騰は、銭湯の経営を直接的に悪化させ、経営者の高齢化、施設設備の老朽化など、厳しい環境にある銭湯業界に追い打ちをかけています。
 統制額が指定されている銭湯の入浴料金に経費の値上がりを転嫁することができず、多大な負担が及んでいる銭湯経営を下支えするために、燃料費高騰影響分につきまして、国の臨時交付金を活用して支援いたします。

○清水委員 ありがとうございます。昨日の本会議でも、物価高騰対策につきましては、小池知事の方から、価格転嫁が困難な事業者等に対して直接的な支援を行うんだと、繰り返しの答弁があったかと思います。
 ただいまご答弁いただいたように、銭湯には、もう皆さんご承知のとおり、入浴料に統制額というものが適用されております。今年の六月、都の公衆浴場対策協議会で、二十円のプラス改定であって、これは、大人の入浴料は五百円になったそうでございますが、現場からは、せめてもう百円、何とかならないかという声もいただいているのが事実だと思います。それだけ苦しい経営状況であるというふうなことだと思うわけであります。
 ただいまの答弁で、銭湯へのさらなる支援が必要ということが改めて確認できたわけでございますが、都内の銭湯は、規模は大小様々でございまして、使用燃料につきましても、ガスが約七割と多いものの、その他の廃油ですとか、重油ですとか、店舗によって異なるというふうに伺っております。
 そこでお聞きしたいと思うんですが、都内の銭湯は、規模や燃料の種類は様々でございますが、個々の銭湯への支給はどのようになるのか、区市から補助金を受けているような場合はどのようになるのか、お伺いしたいと思います。

○片岡消費生活部長 緊急支援金は、都内の全ての銭湯を対象に、半年分の影響額として算出した四十五万六千円を上限としまして燃料費の実負担額を支給します。
 区市から補助金を受けている場合などは、重複支給にならないよう調整を行います。

○清水委員 ありがとうございます。ぜひそうしてください。
 銭湯経営の実情は大変厳しいようでございまして、先日も、我が党に対しまして、公衆浴場関係団体の方からお話を伺った機会がございました。コロナの影響で、集客は何と二割減。その一方で、かかる経費は、ガス代が五割、電気代が三割、消耗品が一・五割増加してしまったそうでございます。
 ただいまの答弁で、特に燃料費の負担が大きくなっている銭湯に対しまして、適切に支給される制度であることが分かったわけでございますが、この銭湯の経営は、本当に切迫しております。冬を迎える前に、一刻も早い支給が必要であると考えるわけでございます。
 そこで、銭湯文化をこれからも維持するため、個々の銭湯に速やかに支援を届けることが重要と考えますが、どのような形で支給を行っていくのか、お伺いしたいと思います。

○片岡消費生活部長 今後、速やかに要綱を定め、申請の簡素化を図り、迅速に受付を開始いたします。年内を目途に支払い手続を行うことによりまして、早期に各銭湯を支援いたします。
 こうした支援を通じまして、東京の銭湯文化を支えてまいります。

○清水委員 ありがとうございました。年内を目途にというふうなご答弁を頂戴したわけでございます。
 ご案内のように、これからいよいよ冬が訪れるということでございます。コロナの影響が続く中、銭湯業界では、一度も、一度もクラスターを発生させていない団体なんですね。それだけ業界内でご努力をされているということを、ぜひご評価いただきたいと思います。
 冬は、燃料の使用が大変大きくなります。銭湯業界にとりましては、この冬が事業継続の山場であるそうでございますので、できる限り早い執行をお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○山田委員 私も銭湯でございますけれども、なるべくコンパクトに伺いたいと思います。
 公衆浴場向け燃料費高騰緊急対策事業についてです。
 銭湯は、この十五年でほぼ半減してきていると。三鷹市内でも数えるぐらいしかありません。隣の武蔵野市でも、去年、老舗の銭湯が廃業されてしまったといった事態もあります。
 そういった中で、やっぱり銭湯は、地域の公衆衛生の基盤である、また、東京の伝統文化の一つでもある、海外からの関心も極めて高い、重要な東京の都市としての資産になってくると思っています。
 東京都はこれまで、経営支援のために様々な取組を行ってきたというふうに私も理解はしております。ただ、今年に入ってから、やはりロシアによるウクライナ侵攻を発端とする原油価格の高騰が銭湯の経営に与える影響は極めて大きくなっているというところでありまして、前回の定例会においても、銭湯に対する補助事業強化、新たな利用促進事業についての補正予算などが編成されておると理解しております。
 今回、改めて、この取組に加えて、今回の補正予算で、燃料費高騰対策として銭湯の燃料費への直接支援が盛り込まれておりますけれども、その意義について伺います。

○片岡消費生活部長 銭湯は、都民の公衆衛生水準を確保するとともに、地域交流の場となるなど、重要な役割を担っています。
 一方、ウクライナ情勢や円安の影響を受けた燃料価格の高騰が長期化しており、経営が圧迫されています。
 このため、今回、国の臨時交付金を活用しまして、燃料費について支援を行うものでございます。

○山田委員 ありがとうございます。極めて重要な取組だと思っております。先ほどの質疑でもありましたけれども、十二月、年内をめどだということでありますけれども、事業者に速やかに届けていただけますようにお願いしたいと思います。
 他方で、大変重要ではあるのですけれども、今回のような支援金は、どうしても単発での支援になってしまうということはあります。
 ただ、今後も、燃料費の価格の動向は見通せないところだと思います。銭湯の入浴料金は統制されている一方で、やはり都内は地価が高い、施設の老朽化も進んできている、経営環境は大変厳しい状況が続いてきているところであります。
 そういった中で、エネルギー効率の向上であったり、また、老朽化の対策、燃料費の高騰など、事業環境の変化に即した支援など、銭湯の持続可能な経営の実現に向けて、取組をやはり強化していくべきと考えますけれども、見解を伺います。

○片岡消費生活部長 これまでも都は、社会的課題に対応し、耐震化のための補助を行うとともに、クリーンエネルギー化事業の補助率を二分の一から三分の二に引き上げるなど、銭湯への支援を強化してまいりました。
 さらに、新たな利用者開拓のための無料入浴券、東京一〇一〇クーポンの配布など、銭湯のさらなる利用促進を図る取組も実施しています。
 今後も、様々な施策により銭湯の経営を支援してまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 改めてとなりますけれども、銭湯は、地域の公衆衛生だったり、交流の基盤であるというところもあります。私も地域の事業者の方とお話しさせていただくことがあるのですけれども、やはり高い使命感を持って事業を取り組まれていらっしゃいます。ぜひ東京都としても、引き続きしっかりとした支援を行っていただくことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○竹平委員 よろしくお願いいたします。
 今回の本定例会に提出されました第百七十三号議案の補正予算案に公衆浴場への支援策が計上されておりますけれども、この公衆浴場への支援につきましては、既に六月の補正予算でも、ウクライナ危機を発端とする原油、原材料価格の高騰や、円安の進行に伴います物価高騰などの影響を踏まえまして、スポーツイベント等と連携した公衆浴場利用促進事業補助が始まっております。
 そこで、まず初めに、その事業の実施状況と、銭湯経営者や利用者の反応についてお聞かせいただきたいと思います。

○片岡消費生活部長 東京一〇一〇クーポンは、七月から、イベント等におきまして約二十万枚を配布しております。九月からは、新たに都立スポーツ、文化施設、都立庭園、動物園等で入手できるようにするとともに、SNS等による広報を行っております。
 公衆浴場組合からは、若い人が来るようになった、友人グループなどでも利用されているなどの声を聞いています。
 また、利用者からは、あまり銭湯は行かないが、行く機会ができてうれしい、利用するきっかけとなったという声が聞かれ、今後の配布対象イベントへの期待も寄せられています。

○竹平委員 ありがとうございます。
 また、同じくこの六月の補正予算で、新たに補助率の引上げや、また補助対象経費の拡充を行った、太陽光発電設置などの再エネのための補助も行っていると思いますが、そちらの実施状況も教えてください。

○片岡消費生活部長 太陽光発電装置につきましては、六月中旬から募集を開始しまして、一件、交付決定を行いました。
 今後、様々な機会を捉えてPRするとともに、併せて、設置事例を紹介するなどの働きかけを行いまして、補助事業の利用を促してまいります。

○竹平委員 今の太陽光発電装置については一件という実績で、大変少ないのではありますけれども、この厳しい状況の中で、都が進めている再エネにご協力をくださっていることは大変にありがたいことだと思います。今後、設置を希望される方へ、より丁寧な周知を要望したいと思います。
 一方、モバイルクーポンにつきましては、今ご説明がございました。徐々に利用が進んでおりまして、利用する方、また、事業者の方からも喜びの声もあるということが分かりました。
 これは提案ですけれども、現在、都立のスポーツ施設や文化施設でやってございますが、そこだけではなく、都民の身近な区市町村のスポーツ施設などにも取り入れていただくのもどうかなというふうに思います。区市町村の施設での周知となりましたら、身近なお風呂屋さんを利用してもらいやすくなりますし、都のより多くのお風呂屋さんが恩恵を受けられるというふうに思います。
 もうすぐ十月十日は銭湯の日でございまして、今年はちょうど三連休にもなります。銭湯の強化期間にして、浴場組合と協力し、新たな趣向を凝らし、PRにも力を入れていってはどうかと思います。
 さらに、お風呂に行った方には銭湯サポーターとなってもらいまして、お風呂のよさ、魅力をSNSで発信してもらうなど、利用促進への一層の工夫を要望したいと思います。
 そして、今回の本題でございますけれども、今回の補正予算案の公衆浴場向け燃料費高騰緊急対策事業についてでございます。
 この事業では、燃料費高騰に直面する公衆浴場の負担軽減に向けた緊急対策として、国の臨時交付金を活用して公衆浴場への支援金を支給するということでございます。
 本事業を決めた、先ほどちょっと経緯もありましたので、そこを伺おうと思いましたが、そこは結構でございます。
 一浴場につきまして四十五万六千円にした根拠について、改めてお聞かせください。

○片岡消費生活部長 根拠につきましては、公衆浴場協議会における統制額の検討のため、令和三年の燃料費実績額と令和四年の燃料費推定額を算定していますが、その差額から、統制額引上げによる増収分のうち燃料費充当想定額を差し引いた額を基に積算いたしました。

○竹平委員 ウクライナ危機が終わりの見えない状況にありまして、公衆浴場を営んでいる事業者の方々からは、燃料費高騰への不安の声を伺ってまいりました。
 都議会公明党としましても、九月七日に小池知事に対しまして、原油高、物価高騰、またコロナ対策に対する緊急要望も行ったところでございます。その中で、燃料の高騰の影響が大きく、都民生活に身近な公衆浴場への経済的な支援を行うよう要望してまいりましたけれども、今回、このような形で補正予算案に盛り込まれましたことは高く評価したいと思います。
 地元のお風呂屋さんの皆様にも、この補正予算が出たというお話もさせていただきましたところ、大変喜んでおられ、期待をしているところでございます。
 そこで、この支援金について、各浴場、お風呂屋さんにはどのように周知をし、手続を進めていかれるのか、お聞かせください。

○片岡消費生活部長 東京都浴場組合の協力を得まして、各銭湯に漏れなく周知し、年内を目途に支払いを行います。
 申請期限が迫っても申請のない浴場に対しましては、意向を確認し、支援が確実に届くよう取り組んでまいります。

○竹平委員 今回の燃料費高騰に対するこの支援金の給付は、浴場業者の経営、直接的にこの支援に結びつくものだというふうに思います。希望する事業者の方が活用できますよう、丁寧に周知をしていただきますことをお願いいたします。
 一方で、現在予測している以上のエネルギーの逼迫、燃料の高騰等が加速した場合は、今回の支援金だけでは厳しい場合も出てくるかもしれません。公衆浴場は、人々の健康、また活力にも寄与する大事な役割を担っております。決してお風呂屋さんが倒産に陥らないように、今後の様々な景況、また情勢によっては、さらなる支援策を講じていただくよう要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○とや委員 共産党のとや英津子です。
 私からも、補正予算、公衆浴場に対する燃料費高騰に対する負担軽減緊急対策を伺っていきたいと思います。
 六月の補正のときに、私の質問の中で、燃料費高騰に苦しむ公衆浴場さんはやっぱり多いというお話をさせていただいて、ぜひ燃料費も含めた直接支援をお願いしたいというふうに申し上げてきました。今回、補正に入ったことは歓迎したいと思います。
 国の臨時交付金を二億一千六百万ということで活用するということですが、先ほど出ていましたように、一浴場当たり四十五・六万円ということです。公衆浴場協議会における統制額検討のために、昨年、令和三年の燃料費実績額と今年の燃料費推定額を算定して、その差額から、統制額引上げによる増収分があって燃料費の充当想定額を差し引いた額を基に積算したということです。この計算では、一浴場当たり月七万六千円ということですが、十月分から支給するとして半年分相当になると思います。
 一方、先ほども出ていましたが、区市町村も、浴場に対しては支援をしているわけで、区市町村との重複の支給はしないということですが、区市町村の補助とは、どのような補助制度との重複を避けるのか。例えば、今回の臨時交付金を活用した燃料費支援を対象として、それと重なれば重複支給しないのか。そこら辺をちょっとお聞かせください。

○片岡消費生活部長 区市が臨時交付金を活用しているかどうかにかかわらず、区市による燃料費の補助と重複しないように調整をいたします。

○とや委員 臨時交付金からの支援の重複を避けるということではないということですね。
 臨時交付金支出の重複を避ける区市町村補助と都の補助の合算をして助成を受けると。例えば、地方自治体、区市町村で様々な支援があって、あるいは東京都も支援があって、それと合算して支援をする事業というのは、ほかにもあると思うんです。そういったこともありなんじゃないかなと私は思いまして、重複を避けるというのが、ちょっとどうかなというふうに思っています。
 この間の燃料費の高騰は、公衆浴場の経営を本当に圧迫しています。先ほど、燃料費高騰が長期化しているというお答えがありましたけれども、本当にそうだと思います。それに加えてコロナもあって、東京都が行ってきた、三年間で終わったのですが、活性化の実証事業も、最後の年は、ほとんどできなかったというふうに聞いています。
 そういう中で、燃料費の値上げが顕著で、ガス価格が四二・五三%、廃油は一六・七一%増加だと。手厚い支援が必要だと思います。
 東京都は、今回の支援額を決めるに当たり、都内四百八十軒の浴場から四十軒ぐらい調査をしたとありますけれども、どのように四十軒を選んだのか、教えてください。

○片岡消費生活部長 今回の支援額を決めるに当たりまして、統制額の検討を行った公衆浴場対策協議会資料から支援額を算出いたしました。
 統制額の検討に当たりましては、燃料の種類や入浴料金収入などの選定条件に基づきまして、都内の標準的な浴場を選定しています。

○とや委員 標準的な浴場を選定したということなんですが、私も、この間、何軒か公衆浴場さんを尋ねさせていただいて、お話も伺ってきました。
 公衆浴場、今、銭湯が大好きな若い人たちが働いていたり、サウナが好きで銭湯で働き続けたいという人たちもいまして、先日は、二十六歳の店長さんとお会いして、銭湯経営についてお話を伺いました。浴場を訪ねますと、若いのは店長だけじゃなくて、開店の準備に当たっていたのは、大体、二十代の女性だったりとかしたわけです。そういう公衆浴場は、本当に活気があって、ユーチューバーの人がその銭湯を借りて撮影をしていたりとか、そういうこともあったんです。
 一方、家族で長く営んできた浴場もあって、経営者が高齢化をしてしまって苦戦している姿もあります。例えば、九十代の方が、十時、十一時になっても番台に座っていなきゃいけないとか、そういう浴場もあったわけです。
 浴場によって、本当に経営状況にかなり差が出てきているんじゃないかというふうに思っています。私は、今回、標準的な浴場を対象にして計算をしたというのですけれども、やっぱり一番大変なところに照準を当てていただきたいなというふうに思いました。ぜひそこら辺を検討していただきたい。
 今回の補助は半年ということですが、燃料の高騰は長期化をしている。昨年、一昨年から起きていて、苦しい経営を強いられている銭湯が多いわけですが、半年分では不十分ではないでしょうか。

○片岡消費生活部長 原油価格高騰への対策としましては、本年第二回定例会における補正予算により、利用促進のための事業等を実施しています。統制額の引上げも行っています。
 今回の支援金は、燃料費高騰の長期化、物価高騰等の影響の拡大を踏まえまして、国の臨時交付金を活用して支援を一層強化するものでございます。

○とや委員 今、二定の補正予算についてのご答弁があったわけですが、このときの支援は、スポーツイベントと連携した公衆浴場の利用促進事業補助と、クリーンエネルギー化推進のための補助率の引上げが主なものだったと思います。どちらも大事な事業ではあるわけですが、直接の経営に、今回のような燃料費の支援をするというものではありません。
 例えば、太陽光発電の補助率の引上げでも、過去の補助実績を見ても、なかなか実績が上がらないということもありました。こういう補助は、これからも、うちの公衆浴場はどんどん投資もやって前向きに経営していこうという見通しがあって、初めて利用が進むんじゃないかと思うわけです。まずは、今の原油高騰による苦境を乗り切るための支援をやっぱり手厚くしていただきたいと思います。
 冬季の燃料代は、やっぱり高くなります。年間影響額を単純に月割りして半年分を算出するのは、ちょっとどうなのかなと思います。せめて年度当初から支給するとか、あるいは冬のための加算をするとか、こういったことは考えられないのでしょうか。

○片岡消費生活部長 今回の支援金につきましては、令和三年実績額と令和四年推定額の差額を基に影響額を算出しまして、支援の金額を定めました。

○とや委員 ちょっとお答えになっていないのですけれども、やっぱり手厚い支援をして、今の苦境を乗り切れるための支援をお願いしたいと思っています。
 私ども、今定例会には、これからアオヤギ委員が提案しますが、公衆浴場振興条例を提案させていただいております。もう今や四百八十軒までに減ってしまっている中で、物価高騰の影響もあるし、それは燃料費だけではないわけですね。ですから、ぜひ支援をもっとお願いしたいなと思っています。
 先ほどもありました、公衆浴場は、ただただ公衆衛生のためとか、それだけじゃなくて、コミュニティの場としても、あるいは、文化や歴史的な価値もある大事な財産だと思います。そこら辺もぜひ認識して−−認識はしていらっしゃるでしょうけれども、重く受け止めていただいて、今後も公衆浴場支援に力を入れていただきたいと申し上げて、終わります。
 以上です。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了といたしたい思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○白戸委員長 次に、議員提出議案第十号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○アオヤギ委員 それでは、東京都公衆浴場振興条例案について説明をさせていただきます。
 公衆浴場、銭湯は、都民の公衆衛生とともに、健康増進や住民相互の交流など、福祉の向上に重要な役割を果たしています。また、日本の伝統文化を継承、発信する存在として、その文化的価値を楽しむ人が増え、また、スポーツ愛好家や観光客などからの注目も集まっています。
 この間、銭湯は減り続け、日本共産党都議団は、二〇一六年には振興条例を提案し、その後も、本会議や委員会での質問、申入れなどで支援を求めてきました。
 都も、東京都公衆浴場活性化支援事業をはじめ、浴場の事業継続への支援を進めてきました。
 近年は、若い経営者が様々な工夫をして魅力ある銭湯をつくり、銭湯文化やコミュニケーションを楽しむ場として利用者を増やしている例も増えています。銭湯が好きで、銭湯に関わる仕事がしたいと考える若い人がいることも分かってきました。これらの銭湯を愛する方々を支え、東京の文化として銭湯を発展させていくことが重要です。
 また、風呂がない家もまだまだ存在する中で、衛生を保つ公衆浴場の役割も守らなければなりません。
 しかし、都内の銭湯は四百八十軒と、減少傾向に歯止めがかかっていません。さらに、長引くコロナ禍や物価、燃料高騰の影響で、経営は一層厳しさを増しています。
 第三回定例会では、補正予算で燃料費に新たに踏み込んで補助が提案されていることは大変重要です。こうした支援をさらに強化していくことも求められています。
 そこで、日本共産党都議団は、東京都がこれまで以上に総合的、継続的に施策を推進するための公衆浴場振興条例を都議会に提案します。
 条例案の主な内容ですが、公衆浴場振興は、一、浴場経営者や関係団体の主体的な取組を促進するものであること、二、経営の規模や形態、地域の特性、立地条件等に十分配慮して行うことなどを定めています。
 また、都の責務として、一、施策を総合的かつ計画的に実施することや、二、浴場経営者や関係団体、区市町村の取組に必要な支援を行うことを明記しました。
 また、施策の総合的、計画的な推進を図るため、公衆浴場の振興に関する計画を策定することも定めました。
 計画策定に当たっては、浴場関係者や都民の意見を反映するよう努めなければならないとしました。
 浴場振興施策として、一、都民等の公衆浴場の利用の機会の確保、二、情報提供、三、次世代への継承、四、東京都の他の施策との連携、五、経営安定への支援、六、資金の円滑な供給、七、必要な助成や上下水道料金の軽減等の措置、八、事業継承への支援、九、文化的、歴史的価値の保存、継承及び活用、十、地球温暖化防止対策への支援の十項目を上げ、東京都が必要な財政措置を講じて推進することとしました。
 以上が条例の内容です。何とぞ各会派の皆さんのご賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、提案説明とさせていただきます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○白戸委員長 次に、報告事項、東京都消費生活基本計画(素案)について外二件に対する質疑を一括して行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 報告事項につきまして、まず初めに、東京都消費生活基本計画(素案)につきましてお伺いしたいと思います。
 今回、報告されています計画の改定素案につきまして、重点、目玉の施策として、エシカル消費の推進と不当なデジタル広告への対応力の強化が上げられておりますが、エシカル、倫理ですとか、道徳的ということなんですかね。この件につきましては、別の機会がありましたら、させていただきたいと思います。今回は、デジタルについてお伺いをしたいと思います。
 デジタル広告は急速な進展を示しておりまして、昨年、日本のインターネット広告費は、マスコミ四媒体、新聞、雑誌、ラジオ、テレビの合計の広告費を上回ったとされております。また、都内の消費相談におけるインターネット通販の相談件数も高水準が続いておりまして、デジタル広告は、都民の消費生活に大きな影響を及ぼしていることがうかがえるわけであります。
 デジタル広告の発達は、消費者の利便性を向上させ、利益をもたらす反面、スマートフォンに勝手に飛び込んできますターゲティング広告など、これはどうなのかなと私は思っているわけでございますけれども、それに加えまして、中には、本当に悪質な広告も横行しているのではないかと思うわけであります。
 そこでお伺いしたいと思うんですが、不当なデジタル広告への対応力の強化とおっしゃいますが、どのような広告が不当なものとして調査、指導あるいは措置命令などの対象となるのか、具体的な例も含めましてお願いしたいと思います。

○片岡消費生活部長 消費者に、実際のものよりも優良であると誤解させたり、有利であると誤解させるような広告は、不当表示として景品表示法に違反するため、措置命令の対象となります。
 具体的には、サプリメントを飲むだけで痩せるとうたう広告や、事実と異なる期間限定セールの広告などが不当表示に該当する場合がございます。

○清水委員 ありがとうございました。飲むだけで痩せる、いいですね。
 インターネット上で消費者に誤解をさせて契約をさせるような広告は、景品表示法に違反するということでございました。
 私のいいました、このターゲティング広告は、指導や措置の対象にならないというふうなことになるのですかね。
 考えてみますと、テレビCMなども、時間帯によって、まさに視聴者のターゲットを絞って様々なCMが、広告されているわけであります。最近は、サプリメントもそうですけれども、健康器具ですとか食品が多いですね。私もよく買っております。
 そんなテレビCMよりも複雑多様化、いい換えれば巧妙といってもよい、このデジタルの世界だと思うわけでございますが、都はこれまで、インターネット上の不当な表示にどのように、また、どのような体制で対応されてきたのか、お伺いをしたいと思います。

○片岡消費生活部長 都は、平成二十一年度から、インターネット広告監視を実施しており、年間二万四千件の広告を調査し、不当な表示に該当するおそれのある二百件から三百件程度の広告につきまして、改善指導を行ってまいりました。
 体制としましては、常勤職員三名、非常勤の指導員三名と業務委託により対応しています。

○清水委員 ありがとうございます。年間二百件から三百件、指導しているというふうなことでございますが、聞くところによりますと、この広告監視による指導件数というのは減少傾向にあるんだというふうに伺っております。
 そこで、素朴な疑問なんですが、そういった指導件数が減少傾向にある中で、なぜ今回、不当なデジタル広告への体制強化に取り組むようになったのか、その訳をお聞かせいただけたらと思います。

○片岡消費生活部長 近年のデジタル技術の進歩に伴い、不当表示の主戦場は、インターネット広告監視の対象である事業者の公式サイト等から、SNSや動画広告等に移行しています。
 こうした新たなデジタル広告は、表示場所や表示内容が刻々と変化し、実務上、これまでとは異なる知識と技術が必要となるため、対応力強化に取り組むことといたしました。

○清水委員 ありがとうございます。
 いろんな技術がこの世界でも出てきているんだなというふうなことだと思うんですが、ちょっとこれ、私ごとで恐縮なんですけれども、私も、そろそろ年相応の腕時計が欲しいなと思いまして、ちょっと手の届かないような腕時計をネットで検索したところ、SNSを見るたびに、毎回、その時計が出てくるわけでございます。全く手が届かないわけでございまして、毎回、複雑な思いをしているわけでございますけれども、それと同時に、ネットのニュースなんかを拝見しますと、何か小さな広告みたいなのが出てくるんですよね。誤ってこれを押したりなんかすると、ちょっと卑わいな、あるいは幼稚な広告が出てきて、本当に嫌な思いをするわけでございます。
 ですから、そんな広告から、思いも寄らぬ課金ですとか、契約なんかにつながってしまうと、これは本当に大変なことになるのだなと思います。
 しっかりと消費者を守ってほしい、まずはこう思うばかりでございますが、今後、デジタル広告への対応力強化にどのように取り組んでいくおつもりなのか、お聞かせをいただければなと思います。

○片岡消費生活部長 最新のデジタル技術や広告業界の動向などに精通した人材や弁護士等の活用により、新たなデジタル広告への対応力を向上させます。
 また、違反が疑われるデジタル広告を継続的に監視、追跡する体制を構築いたします。
 こうした取組によりまして、新たなデジタル広告の適正化を進めてまいります。

○清水委員 ぜひ強力に進めていっていただければなと思います。
 六人の職員に加えまして、外部の専門家の力も借りる、そして、新たなデジタル広告の適正化に取り組むということだそうでございます。
 インターネットの世界では、無限に現れては消えるデジタル広告があふれているんですよね。職員と専門家の力だけでは、デジタル広告の全てに対応するのは難しいんじゃないかなと思うわけでございます。
 そこで、デジタル広告全体を適正化していくために、どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お伺いしたいと思います。

○片岡消費生活部長 まず、悪質な不当表示を行う事業者に対しましては、今回の対応力強化により、措置命令などの厳正な措置を取ってまいります。
 また、事業者による法令遵守に向けた取組を促進するため開催している講習会の規模拡大や内容充実を図ってまいります。
 様々な事業者に対する幅広い働きかけによりまして、不当なデジタル広告のない健全な市場の形成を目指します。

○清水委員 ありがとうございます。ぜひとも、まずは悪質な不当表示を行う事業者に対してご指導願いたいと思います。
 私は、どう見てもアナログな人間でございまして、デジタルを目の敵にしているわけじゃないんですよ。不当な広告が横行することは、デジタル化の推進を阻害するものだと思っております。消費者にとってはもちろん、真面目な事業者にも不利益をもたらすものであると考えております。それが心配なんです。
 ですので、都は、本計画の改定を、デジタル広告の適正化をしっかりと進めてもらいたいと申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、有明アーバンスポーツパーク整備運営事業の選定について伺いたいと思います。
 東京二〇二〇大会レガシーの一つといたしまして、仮設施設を有効活用してアーバンスポーツの普及を図るということでございます。
 聞きますと、スケートボードですとか、3x3、バスケットですよね、ボルダリングなどを考えているようでございますが、つくづく時代は変わったんだなと思っている次第でございまして、これは、すばらしいといっているつもりなんですけれども、前回の定例会の文教委員会におきまして、アーバンスポーツパークの整備運営事業実施方針案が報告されまして、PFI手法を用いることの是非が議論をされたわけでございますが、これは、おおむね賛成の意見が多かったんだと私は理解しているわけでございます。
 当定例会におきまして、いよいよPFI法に基づきます特定事業の選定について報告がなされたわけであります。選定に当たって、本事業の評価が行われたとの説明でございましたが、その内容につきまして、何点かお伺いをしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今回、特定事業の選定につきまして、客観的評価といたしまして、バリュー・フォー・マネーなどの定量的評価を行わず、やむを得ず定性的な評価で選定したということでございますが、やむを得ずでも定量的評価を行わないで定性的な評価をした、その根拠を改めてお伺いしたいと思います。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 国のガイドライン等によれば、客観的評価は、PFI事業とすることにより、整備等が効率的かつ効果的に実施できることが基準となっております。
 その客観的評価は定量的に行うことが望ましいが、定量化が困難な場合は定性的な評価を実施することとされております。
 当事業におきましては、多目的ゾーンは、事業者の提案により整備内容や運営等の内容が異なるため、現段階での定量的評価は困難でございます。
 そのため、定量的評価は優先交渉権者決定時に行うことといたしまして、定性的評価を実施したところでございます。

○清水委員 定量的、定性的、ちょっとかみますよね、これ。
 この事業につきましては、定量的評価が困難で、定性的評価で特定事業の選定をしたんだというふうなご答弁でございました。また、国のガイドライン等でも、それでよいということだそうでございます。優先交渉権者が決定した時点で、改めて定量的評価を行うという話もございました。
 施設の整備、運営に当たりましては、様々な手法がございますが、今回の有明アーバンスポーツパークの報告では、定性的評価の結果、PFI手法が優れているんだということであります。
 そこでお伺いしたいと思うんですが、PFI手法が、この定性的評価におきまして、直営ですとか、あるいは指定管理者制度と比較をして、施設整備や運営、維持管理を行う上でどのような優位性が認められたのか、具体的にお伺いしたいと思います。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 当事業におきまして、民間事業者のノウハウや資金等を活用し、施設整備から維持管理、運営を一体的に行うことで、直営や指定管理制度よりも、さらなる効果が期待できるところでございます。
 具体的には、スポーツ施設等を、将来の運営や維持管理しやすいように整備ができまして、例えば、スポーツ教室、スポーツ大会等を見据え、諸室等の配置、整備が可能となります。
 さらに、運営期間中は、様々な需要変動に応じた追加投資を行うことで、時宜を得た施設整備、運営、維持管理や安定的な運営が可能となります。
 こうしたことから、本事業をPFI法に基づく特定事業として選定したところでございます。

○清水委員 ありがとうございます。ただいまのご説明で、本事業をPFIで行うことにより、他の事業と比べて効果的に行うことができるというふうな確認ができました。
 また、思い返しますと、我が国におきましても、二〇〇〇年ごろから、ニューパブリックマネジメントの理念を用いまして行財政改革が行われてまいりました。そのスローガンでございます、民間でできることは民間にだったと思います。小さな政府の実現だったと思うわけでございますが、近年、行政サービスは多岐にわたってきたなと思っております。
 特に、今回のアーバンスポーツパークの整備運営、この手のサービスは、およそ公権力の行使とはいいがたいと思います。したがいまして、直営を望む声も若干あるようでございますが、私は、これ、時計の針を戻すことがないようにと、都にお願いをしたいと思います。くれぐれもお願いをいたします。
 さて、定量的評価は改めて実施するとのことでございましたが、その一方で、今回、参考値というものが示されております。例えば、多目的ゾーンの施設整備費は七億円ですとか、大会レガシーゾーンの指定管理料が、十年間で一・四億円という数値が示されております。
 今回、参考値として金額を提示されておりますが、それはどのような意味があって提示をされたのか、お伺いしたいと思います。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 多目的ゾーンの整備費について、現段階では施設内容が確定していないことから、実施方針等の考え方に基づきまして施設内容を想定いたしまして、都で整備した場合には七億円程度必要と積算いたしました。
 同様に、大会レガシーゾーンの運営、維持管理につきましては、類似施設の利用料収入や維持管理費を参考に、都で実施した場合には、指定管理料が年間千四百万円程度必要と積算したものでございます。
 これらの経費につきましては、PFI事業により、民間の資金を活用することで、都の財政負担の縮減が期待できるため、参考として数値をお示ししたところでございます。

○清水委員 ありがとうございます。定量的評価は困難とのことでございますが、少なくとも、レガシーゾーンと多目的ゾーンがあって、この多目的ゾーンの整備費や大会レガシーゾーンの指定管理料相当分につきまして、他の手法に比べて、財政支出の削減、縮減が期待されるというふうなことだと思います。その分、お金がかからないということですよね。
 先般、国におきまして、PFIの推進策を抜本強化いたしまして、公共の施設とサービスに民間の資金と創意工夫を最大限活用するという方針が示されたわけでございます。
 この施設におきましても、民間事業者のノウハウを活用し、よりよい施設として行ってもらいたいと思うわけでございますが、しかしながら、幾ら民間事業者のノウハウを活用し、あるいは整備運営を担ってもらうといっても、これは、あくまでも公共施設であるということは忘れてはならないかと思います。
 民活導入によりまして有明アーバンスポーツパークの整備運営を行うわけでございますが、都民の施設として、利用料金も含め、どのような施設を目指しているのか、お伺いしたいと思います。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 PFI事業とすることによりまして、民間事業者のノウハウを最大限活用し、東京二〇二〇大会のレガシーを生かし、アーバンスポーツを楽しめる場を整備してまいります。
 質の高いスポーツ大会、スポーツ教室等、事業者の様々な仕掛けにより、スポーツの裾野を拡大してまいります。
 また、各種スポーツ施設や売店、カフェ等を柔軟に組み合わせ、幅広い利用を促進するとともに、周辺の海上公園や水辺空間と調和した施設整備を実施してまいります。
 利用料金につきましては、類似施設の利用料金等を踏まえた一般的な水準といたしまして、都と協議の上、定めることとしており、過度な収益性の追求はせず、公共性のある施設を実現してまいります。
 これらの取組によりまして広く都民が利用できるようにし、アーバンスポーツを中心としたスポーツ施設として、有明北地区のにぎわい創出に貢献してまいります。

○清水委員 ありがとうございます。
 この利用料金のことなんですけれども、やっぱり心配なさっている方がいらっしゃるんです。都が設置する施設であるがため、公共性と採算性を両立させていただいて、幅広い方に利用してもらうよう、利用料金の設定をしていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 アーバンスポーツに対します世間の見方は、悲喜こもごもだと思っております。一部に、本当にとんでもないマナーの悪い方がいらっしゃいまして、騒音ですとか、指摘されることがある一方で、これまでのスポーツのモットーでございます、あるいはオリンピックのモットーでございました、より速く、より高く、より遠くへに加えて、新たに危険さや華麗さ、いい換えますと、離れ業を魅力としているのがこのアーバンスポーツだということでございます。
 アーバンスポーツ、また、それを取り巻く大きな概念で、エクストリームスポーツというのがあるそうなんですね。これは直訳すると過激なスポーツということでございまして、エクストリームスポーツの中で都市部でできるのをアーバンスポーツというふうなことで、私も、今回のこの質問に当たりまして勉強させてもらったわけでございます。
 過激なスポーツを行う、危険だから興奮するんだというふうなところがあるんです。だからこそ、ニュースポーツを秩序よく伸ばしていくために、私は、この公共、つまり東京都の役割というのはすごく重要だと思っておりますので、頑張っていただきたいと思います。
 そのためには、これまで、民間による管理、運営のメリットについて、私はやり取りをさせていただいたわけでございますが、そのサービス水準を維持しながら事業運営に取り組んでいくことが重要なんだなと思っております。
 本事業は、その過程をモニタリングにより監視していくとのことでございますが、事業全体を民間事業者に任せっきりにするのではなくて、東京都として、しっかりとモニタリングをしていかなければならないかと思います。
 そこで、厳格にモニタリングを実施していくに当たり、都の意気込みをお伺いしたいと思います。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 当事業におきまして、PFI事業者はセルフモニタリングを実施し、その結果及び財務書類等を基に、都は、モニタリングにより業務実施状況を確認いたします。
 モニタリングに当たりましては、外部有識者による評価を行うなど、専門的な知見を活用し、実施してまいります。
 その結果、要求水準書の未達状態や財政状況の悪化等が認められる場合は、都が是正勧告を実施いたします。
 質の高いサービスが継続的に提供されるよう、モニタリングを通じ、適正な運営を確保してまいります。

○清水委員 ありがとうございました。ただいまご答弁にあった方策によりまして、モニタリングをぜひとも適切に行っていただき、事業者の適正な運営を確保していっていただければと思います。
 ここまで、有明アーバンスポーツパークの整備運営をPFI事業により実施することの重要性というものを確かめたわけでございます。
 このアーバンスポーツパークを都内におけるアーバンスポーツの拠点として、より多くの方に競技の魅力を知っていただくとともに、競技力の向上を図ってほしいと思っているわけでございます。そのためには、ぜひ多摩地域にも造ってください、こういうのを。もし、施設を新たにというのがなかなか難しいということでしたら、既存の民間施設の活用を後押しするような、そんなことだってできるかと思うんですよね。
 やっぱりこのアーバンスポーツ、都民にひとしく、満遍なく、公平に、平等に広めていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思いますので、今後のアーバンスポーツの普及につきまして、考え方についてお伺いしたいと思います。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 東京二〇二〇大会で関心が高まりましたアーバンスポーツを、レガシーとしてさらに普及させていくことは重要でございます。
 有明アーバンスポーツパークにおきましては、体験会や競技会を行い、様々なレベルの利用ニーズに応えていくことに加えまして、競技団体や都内の類似施設と連携し、競技の裾野拡大を図ってまいります。
 また、身近な場におけるスポーツ環境整備に向けて、区市町村との連携が必要でございまして、都では、区市町村に対する補助も実施しております。
 引き続き、競技団体や区市町村と連携を図りながら、アーバンスポーツのさらなる普及に取り組んでまいります。

○清水委員 終わります。ありがとうございました。

○龍円委員 私も、有明アリーナとアーバンスポーツパークについてお伺いしていきたいと思います。
 白戸委員長の地元でもありまして、地元のお声ですとか、スポーツやエンタメ振興の観点から質疑をさせていただきます。
 まず、この有明アリーナは、オリンピック・パラリンピック会場として整備が行われて、新規の恒久施設として八月二十日にオープンしました。二十四日には、パラリンピック一周年の記念行事が行われたところです。とっても趣向を凝らしたイベントで、スペシャルニーズのある方々のスポーツ振興や運動について、この委員会で質疑を続けてきた立場からも、こういう象徴的な場所が、今後は都民のために活用が続けられていくことの意義を感じております。
 有明アリーナは、収容が最大一万五千人規模ということで、都心部で、このサイズの施設は最もニーズが高い施設だということです。地元渋谷区でも、この規模のイベント会場があったらいいなという声も、たくさんこれまで聞いてきたところなので、都心部のニーズに合ったものなのかなと思います。
 既に、週末を中心に音楽イベントも幾つか開催されて、この東京に新たなミュージックシーンを生み出そうとしているというふうに感じています。
 イベントの際には、一万人を超える観客が有明を訪れるということで、まちの新たなにぎわいを生み出していますが、一方で、開業前にはなかったような多くの人が一気にまちに訪れて、かつてはなかったような人流が生み出されているということで、有明アリーナの周辺に住んでいる方々にとっては、自分たちの住む環境が変わってしまって大きな影響を受けていると戸惑っている方もいらっしゃるというふうに伺っております。
 今回のこの委員会に提出されました報告書においても、地域住民への確認や意見交換を要する事項が記されていますことから、調整を続ける必要性が認識されていると思います。
 地域住民に対して、有明アリーナの管理運営について丁寧な説明や対応が必要であると考えますが、これまでの実施状況についてお伺いいたします。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 都は、施設の開業に先立ちまして、施設所有者として、地元自治会や学校、保育園などに対し、イベントの際等の警備、案内誘導、騒音、振動対策、駐車場出入口など、丁寧に説明を行ってまいりました。
 また、地域住民からの要望を受けまして、運営権者であります株式会社東京有明アリーナとも協議の上、営業時間、警備員の配置、施設周辺でのイベント参加者の滞留抑制など、改善を行ってまいりました。
 開業後も、地域住民からの要望聴取や、現場でのイベント等運営状況の確認等を実施し、関係機関と連絡調整するなど、運営権者と連携して、引き続き丁寧に対応しているところでございます。

○龍円委員 有明アリーナのオープニングイベントなんですけれども、ビリー・アイリッシュという有名なアーティストが来日されまして、公演があったというふうに伺っています。ふだんの有明では、あまりなじみのない、何というか、エキセントリックなファッションの方とかカルチャーの観客がまちに大勢訪れて、入退場の際の人や車の混雑に加えて、コンビニエンスストアなどにたまって騒いだりしたことから、地域住民から苦情があったというふうに伺っております。
 引き続き、地域住民が安心して生活を続けることができるように配慮を行う必要があると思われます。
 有明アリーナの運営について、今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 イベント参加者の入退場動線の問題など、運営に対する地域住民の要望につきましては、運営権者でございます株式会社東京有明アリーナが対応することとなっておりまして、都といたしましても、寄せられた要望、意見を運営権者に速やかに連絡しているところでございます。
 また、都は、可能な限り、交通事業者や所轄警察署などの関係機関と協議を行うなどにより、引き続き、運営権者の的確な対応につなげております。
 このほか、モニタリングにより運営権者の運営状況を点検、把握し、適切に実施されていないと判断した場合は是正を勧告するなどにより、適切な運営を確保してまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。ということで、寄せられたお声は運営権者に伝えていただくほか、モニタリングなどをすることによって運営状況を的確に把握し、改善していくということでありました。ありがとうございます。
 さて、私の地元は渋谷区の千駄ヶ谷でございまして、まさに国立競技場が見える場所でございます。というか、あるまちです。
 東京二〇二〇大会の際には、国立競技場の運営に関して、地域住民との話合いが頻繁に行われました。住民からの要望に対して、運営側は行政機関と連絡を丁寧に行ってくれることで、信頼関係を築いてまいりました。東京都の当時のオリ・パラ準備局の担当者様も、地域住民との対話の場に来てくださったりして、良好な関係が築けたというふうに思っております。アナログではあるんですけれども、こういった顔の見える関係を築いていくことで、地域の中にある競技場として、一層愛されるようになってきたというふうに感じています。
 東京二〇二〇大会が開催される少し前に、地元の商店街とか町会、それから子育てしているママやパパとかが、このまちをきれいにしようということで、国立競技場の周辺のごみ拾いを自主的に始めました。これがそのまま大会後もレガシーとしてなっていまして、国立競技場で何かイベントがあるたびに地域住民がごみ拾いをするような姿が、まちに今、定着しております。
 こういったことを踏まえて、有明アリーナについても、地元調整に当たっては、住民と施設との信頼関係の構築が不可欠なのではないかなというふうに考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 地域住民との信頼構築は、施設を円滑に運営していく上で重要であると認識しております。
 そのためには、事業につきまして、十分に地域住民に説明し、理解を得られるよう取り組んでまいりますとともに、地域住民の声に耳を傾け、可能な限り、運営内容を改善していくことが求められております。
 引き続き、運営権者と共に地域住民との良好な関係構築に努め、有明アリーナが東京の新たなスポーツ、文化の拠点として、都民の皆様に末永く利用していただける施設となるよう取り組んでまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。地域住民との信頼関係の構築のために取り組んでいってくださるということでした。どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、有明アーバンスポーツパークの方になりますけれども、第二回定例会のこの委員会にて、このアーバンスポーツパークが、ぜひ、一部のスケートボーダーだけが独占的に利用して、ほかの利用したい人が肩身が狭かったり、初心者や親子連れが遠慮してしまうような場所にならないようにしていただきたいというふうに要望をさせていただきました。
 民間の力を活用するのは、とてもすばらしい手法で、大いに歓迎するものですが、一方で、公共施設でもありますので、スケートボードならスケートボード業界全体を底上げして盛り上げるような取組が重要であり、一部の企業や一部の利用者が独占しているような状況にならないようにしていくことが東京都としての責務であるかなというふうに思います。
 特定の事業者の運営により施設の利用者が限定されることなく、様々なレベルで幅広く多くの方に利用されるよう運営していくことが必要であります。このことをどのように担保するのか、見解をお伺いいたします。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 本施設は、東京二〇二〇大会のレガシーを生かし、アーバンスポーツをはじめ、各種スポーツの裾野拡大に貢献する施設としてまいります。
 そのために、初心者から上級者まで幅広く利用できるよう、様々なスポーツ教室等を実施し、多くの人がアーバンスポーツに触れられるように取り組みます。
 また、事業者選定におきましては、外部委員を含めた審査委員会にて選定することを予定しておりまして、競争の公平性や公正性を確保いたします。
 運営に当たりましては、都の各種施策との連携や透明性の確保に十分配慮するとともに、モニタリングにより適切な運営を確保してまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。幅広く利用される施設としていくというような答弁でした。今後の施設整備や運営に期待していますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 先般、十月中旬に、この有明アーバンスポーツパークにおいて、アーバンスポーツTOKYO二〇二二が開催されることが公表されました。このイベントなんですけれども、パルクール世界選手権をはじめとしまして、スケートボードの国内大会、BMX、ブレイキン、ダブルダッチ、ヒップホップダンス、パルクールのデモンストレーションや競技体験会が行われるというふうに伺っております。
 私の息子の同級生が、このパルクールというのに非常に憧れていまして、ユーチューブとかを見ると、建物から建物に飛び移っていたりとか、塀の上にぴょんと乗って飛び降りたりとか、それは、ある程度、安全が担保された中でやっていることだと思うんですけれども、それに憧れている小学生がいるんですが、この日本では、あまりリアルでこういったパルクールを見ることがこれまではかないませんでした。
 こういったアーバンスポーツを身近に見たり、感じたりする機会が増えていくことは、東京都ならではの活気を生み出していくというふうに思います。
 アーバンスポーツの裾野を拡大して、お互いに褒めたたえ合う姿勢を若い人たちや子供たちに広め、よりよい影響を及ぼしていってほしいと思います。そのことが、地域にも新たなにぎわいをもたらして、よりよいまちづくりにもつながっていくと思います。今後の施設の発展を期待し、質問を終了いたします。ありがとうございました。

○斉藤(や)委員 私の方からは、報告事項の東京都消費生活基本計画(素案)について、何点か質問させていただきます。
 大きく二つありますが、成年年齢の引下げについての取組についてと、先ほど清水委員が遠慮されましたけれども、エシカル消費にちょっと触れさせていただきたいと思います。簡潔に、質問も合わせてお伺いもしたいと思います。
 まず、都議会公明党といたしましては、これまでも、成年年齢の引下げに向けた取組について質疑を行わせていただきまして、その取組状況をその都度確認しながら、さらなる消費者教育の充実について要望してまいりました。
 事の発端は、工科高校、工業高校の先生から、都立で卒業した後、そのまま社会に出ていく生徒たちが社会の中でいろんな被害に遭うことを懸念しているという声を最初に伺ったのがきっかけで、私も関心を持った分野なんですけれども、今年の三月の文教委員会でも、都議会公明党の質疑に際しまして、この四月に法律が施行された後の取組について、さらに充実していくという答弁をいただいております。
 そこで、成年年齢引下げがもう行われているわけですけれども、現在、若者を取り巻く消費者の被害状況についてどんな認識を持っているのか、また、引き下げられた四月以降の若者の消費者被害の未然防止のための具体的な取組について、併せてお伺いしたいと思います。

○片岡消費生活部長 成人になったばかりの若者は、社会的な経験や知識が十分ではないこともあることから、悪質事業者のターゲットにされやすい傾向がございます。成年年齢引下げにより、これら若年層の被害も拡大するおそれがございます。
 そのため、若者へ、より早い時期から消費者教育を行っていく必要があると考えます。

○斉藤(や)委員 この四月から、さらにどんな取組をしてきたかも、併せてお伺いをしたいと思うんですが、続けてご答弁いただきたいと思います。

○片岡消費生活部長 成年年齢引下げの対策としまして、東京くらしWEBの特設ページやSNS、「広報東京都」で集中的な注意喚起を行いました。
 法施行日の四月一日当日には、知事からも、若者へ被害防止を呼びかけました。
 また、若者に自分事として考えてもらうため、消費者トラブル防止のCMシナリオ、動画コンテストを実施しています。
 さらに、今後、懸念される消費者被害の低年齢化に対応するため、高等学校に加え、中学校等へも消費者教育の充実に向けた働きかけを拡大しています。

○斉藤(や)委員 すみません、急に二つの質問を一つにまとめてしまいましたので、失礼しました。
 今お話がございました、若者に自分事と捉えていただくための動画コンテスト、私、これを楽しみに見ているわけですけれども、応募が大変増えておりまして、令和元年度が二百六十五件だったのが、今は二千七百九十一件、十倍になっていて、自分たちで作っているからこそ話題性もあり、大変に啓発に効果があるというふうに思っております。
 今後も、こういったことを通じて、若者の仲間が、自分で自分のことを守るのは当然なんですが、仲間も巻き込まれないようにということで、お互いに注意し合っていくことが重要であると思います。
 また、今のご答弁でありましたように、高等学校に加えまして、より若い中学校の方にも、その教育に向けた、充実の働きかけを拡大しているというお話でございました。
 このたび次期消費基本計画の素案が公表されておりますけれども、この計画の中では、若者の消費者被害防止策として、どんな具体的なことを行っていこうと計画しているのか、その計画の中身を、主なものをお伺いしたいと思います。

○片岡消費生活部長 成年年齢の引下げに対応した消費者教育の強化を次期計画に盛り込み、教育現場に対する啓発活動や支援を強化します。
 具体的には、消費者教育コーディネーターの活動の、小学校を含む義務教育への拡大や、教育現場で活用しやすい教材の作成など、教育プログラムの充実を図ってまいります。
 さらに、消費者団体、NPOなど関係機関と連携し、消費者教育を受ける機会のない若者向けなど、学校以外でもより幅広い啓発を展開します。
 これらの取組によりまして、成年年齢の引下げに伴う若者の消費者トラブルの未然防止、拡大防止を充実してまいります。

○斉藤(や)委員 中学校はもとより、さらに、小学校を含む義務教育への拡大ということが注目されますけれども、小学生がどういった教材で学んでいくのか、これからいろいろ具体化していくんだと思いますけれども、しっかりとフォローして、私も、こういった消費者トラブルに若者が巻き込まれないように、できるだけ未然に防止していくという視点から応援していきたいと思っております。
 また、これから−−様々な面で日本の教育の中で欠けてきたというふうに思われるのは、お金の教育ですね。大人の世界は、資産を増やしていくとか、いろいろ話題になっておりますけれども、お金に関する教育と併せて、それにまつわる消費者トラブルというものも、この教育の中で併せて受けていくことが増えていくのかなというふうに思いますが、自分のことは、まずしっかり自分で守るという力をつけて成年を迎えていただくような流れをつくっていきたいというふうに思います。
 成年年齢の引下げについては以上でございます。
 そして、もう一つの方でありますが、エシカル消費の推進についてであります。
 このエシカルという言葉は、大変認識も増えてまいりまして、このデータを見ますと、倍増しているというか、二〇一八年から直近までで倍増して、認識も広がっているようでございます。
 具体的には、どういう行動がエシカルな消費につながるのかという自分事として捉える中で、様々な知恵なども消費者の中で広がっているようでございます。
 我が会派がこれを推進して、二〇一八年、一七年でしたか、イの一番に、代表質問でもエシカル消費の重要性について取り上げさせていただきました。
 そして、今、SDGsの実現に貢献する取組だということで、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費の理念を広く都民に普及していくことは重要であることはいうまでもありません。
 新型コロナウイルスの感染拡大によりまして日常生活の変化に合わせる形で、消費者の意識も大きく変化している昨今でございますが、消費者の意識も、社会とのつながりを重視する方向に変化している様子もあります。
 都としても、この状況を好機として捉えて、今後もエシカルな消費をしっかりと推進する取組をしていただきたいと思っております。
 今回の次期消費生活基本計画におきまして、エシカル消費の推進は、どういった形で位置づけられているかをお伺いしたいと思います。

○片岡消費生活部長 今回の計画改定に当たりましては、民間企業等と協働し、エシカル消費を日常にするための社会的ムーブメントを創出するプロジェクトの展開を基本計画の重点施策の一つに掲げてまいります。

○斉藤(や)委員 ありがとうございます。次期計画においても、エシカル消費の推進が重要施策に位置づけられていることを確認させていただきました。
 今のエシカル消費の推進に向けての具体的な取組を、もう少し詳しくお伺いしておきたいと思います。

○片岡消費生活部長 来年度からの次期基本計画に先立ち、今年度からTOKYOエシカルアクションプロジェクトを立ち上げ、今月から、都と協働して積極的にエシカル消費に取り組む企業、団体の募集を開始しました。
 このプロジェクトでは、何がエシカルなのかや参加企業等の取組などを分かりやすく伝える情報発信と、都民が参加して学べる体験の場の提供を行う協働事業を二本柱としまして、エシカル消費を実践しやすい環境の構築と機運の醸成を目指してまいります。

○斉藤(や)委員 企業の参加もいただきながら、情報発信と協働事業が二本柱ということでございます。
 これまでは、どちらかというと、まず認識が広がることが大事なので普及啓発が中心でしたが、一歩進んで具体的なアクションをプログラムとして用意していらっしゃるということが分かりました。
 これからもよりよい未来をつくるために行うエシカルな消費の理念は、未来を支える子供たちにこそ学んでほしいと思っております。
 また、今日は、質問は以上で終わりますけれども、実はこのエシカルの考え方は、非常に広い連携が必要だと思っております。
 私は、実は森林に注目しているんですけれども、目黒区の都議会議員だからこそ、東京の多摩産材、多摩エリアの森林に大変関心を持っております。
 森林譲与税というか、人口割で基礎自治体に森林に関するお金が入ってくるんですけれども、その使い方が分からない。それで、今、森林の関係では、森育といいまして、子供たちが森を見に行く。その多摩産材を見て、いろいろ体験しながら、その木を活用した、多摩産材が学校で使われる。自分の学校にあるものは、あのときみんなが見た木が、こういうふうに姿を変えて、違った命をまたそこに表しているんだよというような教育もございますし、それが、まあ公共調達、グリーン調達ですので、直接エシカル消費ということではないと思うんですけれども、こうしたエシカルの視点というのは、非常に幅広い。
 産業労働局などとも関係しますし、教育庁とも連携すると思いますので、ぜひとも、この生活文化スポーツ局の消費生活部がいろんなところと連携しながら、エシカル消費をさらに都民に、自分事として進めていくように、しっかりと頑張っていただきたい。
 私の質問は以上でございます。ありがとうございます。

○白戸委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間の休憩といたします。
   午後八時五十三分休憩

   午後九時十九分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 質疑を続行します。
 発言を願います。

○とや委員 共産党のとやです。よろしくお願いします。
 有明アリーナについて質問します。
 東京都が施設整備費三百七十億円という財政投入をして建設された有明アリーナですが、コンセッション方式によって、九十四億円で、株式会社電通を代表企業とするグループ、株式会社有明アリーナが運営権を取得しています。
 私どもは、この間、繰り返し、事業の目的や施設運営の考え方などに、都民のスポーツ振興の促進について明記をするよう求めてきた施設でもあります。
 今回の事業報告は、二〇二一年四月一日から二二年三月三十一日の期間の管理運営業務ということです。
 まず伺いたいことが、この施設は、東京五輪でバレーボール、それから車椅子バスケが行われた場所でもありますが、スポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックのレガシーとするのであれば、当然、都民のスポーツ振興に寄与する施設としなければなりません。
 そういった施設として開業するための準備の一年間ということでよろしいでしょうか。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 有明アリーナは、国際大会等の質の高いスポーツ観戦機会を提供し、スポーツムーブメントを創出するとともに、コンサート等のイベントの開催による文化の発信により、東京の新たなスポーツ、文化の拠点となることを目指しております。
 令和三年度は、本年八月の開業に向けた準備期間として、スポーツ大会等の誘致や広報等を行いました。

○とや委員 開業は八月からということで、様々なイベントも開催されたようですけれども、スポーツムーブメントを創出するというからには、多くの都民が利用ができる、自らスポーツを楽しむことができる施設として運営していただきたいと思っています。
 報告を見ますと、競技大会後の誘致に向けて、各種スポーツ競技団体等と協議をしたということですが、団体の数と種類、どのような協議をしたのか、教えてください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 令和三年度は、運営権者である株式会社東京有明アリーナにおいて、各種スポーツ団体と施設の利用方法、条件等についての協議を行っておりますが、都が行うモニタリングにおきましては、要求水準を満たしているかどうか、財政状況の著しい悪化状態が見られるかどうかを評価するものでございます。
 お尋ねの内容につきましては、今回、要求水準の未達状態が確認されていないため、把握しておりません。

○とや委員 要求水準についても、この間、繰り返し、水準が本当に、都民の要求から見てどうなのかということを私ども指摘してきたわけですが、要求水準が未達成にならない限り、どのような運営をしているのか、あるいは協議をしているのか、把握をしないということでありました。事業者と定例で協議の機会もあるわけですから、きちんと把握をすべきと思います。これは求めておきたいと思います。
 そこで、次に、メインアリーナの利用について伺っていきたいと思います。
 メインアリーナにおいて、スポーツ利用は六十日ということですが、これは最低六十日という理解でよろしいでしょうか。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 要求水準書におきましては、メインアリーナにつきましては、スポーツ利用の利用料金区分で貸し出す日を、少なくとも年間で合計六十日以上とすることとしております。

○とや委員 年間で合計六十日以上と設定しているということですが、要求水準自体が非常に低いと、私ども申し上げてまいりました。年間、十二か月、そのうちの約二か月しか、スポーツ利用の利用料金区分では利用しないというのは、スポーツムーブメントといっている都としてどうなのかといわなければなりません。それにふさわしい施設として運営するよう、事業者には、その旨をしっかりと伝えていただきたいと思っています。
 この施設は、東京五輪が延期になったために、開業も一年間遅れているわけですが、先ほど申し上げたように、今年八月から開業しています。
 有明アリーナでは、開業に向けて準備を進める中で追加投資を行うということです。どのようなものに投資をするのか、その内容をお示しください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 運営権者による主な追加投資といたしましては、館内では、通信環境の向上のための高密度Wi-Fiの整備や、来場者の利便性向上のためのデジタルサイネージ、誘導サインの整備を行っております。
 また、メインアリーナにおきましては、来場者の観戦に資するための大型映像ビジョンやロールバックチェア等の整備を行ったほか、来館者へのおもてなし等のためのカフェ、売店の整備を行っております。
 さらに、サブアリーナにおきましては、利用者の競技映像確認等のためのプロジェクタースクリーンの配備や、ジム、レストランの整備を行っております。

○とや委員 ありがとうございます。新たな投資の内容をお聞かせいただきました。Wi-Fiあるいは誘導サインなどは必要なものだなというふうに思います。
 しかし、本当に都民が日頃スポーツを楽しむとか、あるいはアマチュアの競技大会が、小さな大会を開催するために必要なもの、こういったものもきちんと用意していただきたいというふうに思っています。イベントの開催のためのものが多いのではないかということも思いました。
 さらに、メインアリーナは、一日十二時間単位のみの利用です。区画を区切って、都民が自らスポーツを楽しむ余地がありません。入場料も、土日祝日は六十六万円。
 サブアリーナは、辛うじて半面貸しがありますけれども、土日祝日は、二時間でも一万一千八百円します。
 アマチュアの競技団体あるいは個人にとっても厳しい金額だといわなければなりません。
 都民の税金を投入した施設として、本当にコンセッション方式が適切なのか、この報告書を読んでも、なかなか疑問は晴れません。
 最後に、先ほども出ていました地域住民との関係です。
 総合評価で、地域住民に対して、引き続き丁寧な対応が必要であるという記載もありました。
 改めて、なぜこのような記載になったか、お聞かせください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 有明アリーナの開業に当たりましては、地域住民から、運営内容について、例えばイベントの際等の警備、案内誘導、駐車場出入口など、様々な意見や要望がございまして、これを受けて、モニタリング委員会において丁寧な対応を求める意見があったものでございます。

○とや委員 私はやっぱり、東京都として、施設を整備してきた所有者として役割を果たしていただきたいと思うんですけれども、この問題は、近隣との関係、以前から懸念されていた問題です。
 マンションが建って周辺の人口が増える下で、イベントなどの際には公共交通に施設利用者が流れてくる、イベントのときにね。地域の皆さんのふだんの暮らしを乱すことになりかねないということで苦情が入っているということであります。
 交通手段も、駅からだと「ゆりかもめ」がメインになって、住民が迷惑する。さらに、会場周辺に人があふれれば、地域の安全にも心配の声が寄せられるというお話を聞いています。
 今後、これから本格運営になって、どんどんイベントのスケジュールが入ってくると思います。そういう中で、特に近隣への配慮ですね。これはほかの施設でも同じですけれども、先ほど、地域から愛される施設へというふうに部長はおっしゃっていましたから、近隣への配慮をきちんと求めて、都として役割をしっかりと果たしていただきたいと求めて、質問を終わります。

○斉藤(り)委員 立憲民主党の斉藤りえです。
 本日は、有明アーバンスポーツパークについてお伺いをいたします。
 オリンピック・パラリンピック東京大会から一年がたちました。私は当初から、オリ・パラは、その期間だけのイベントではなく、その機会を活用して文化や価値観を醸成させていくための、まさにレガシーをどのように残していくか、つなげていくかが重要であると訴えてきました。
 東京においては、オリ・パラを契機に、多様な価値観を享受していく機運は高まり、様々な分野へ波及していっていると感じています。これは、お世辞ではなく、都職員の皆さんをはじめとする、連綿と取り組んできた方々のおかげでもあると感じております。
 そのような状況において、私たちは、レガシーについて、さらに大きな責任を感じております。せっかくここまで来れたのですから、しっかりと文化として残していく、さらには、この蓄積の上に多様な発展につなげていくことは、オリ・パラの理念が目指すところであると考えています。
 有明アーバンスポーツパークは、スケートボードの会場として、多くの国民が日本人選手の活躍と同時に認知をした東京大会の象徴的な場所であります。東京大会で新たに新種目として追加されたスケートボードでは、国を超えた選手たちの関係性や、たたえ合うリスペクトの姿勢に、新しいアスリートの姿はもちろん、多様性を尊重する次世代の可能性を感じた国民は多いと思います。
 その象徴的な有明アーバンスポーツパークですから、何としても、よい形でレガシーとして、また、都民の方々がさらなる感動を受けることのできる施設として運営をしていってほしいと考えています。
 そこでお伺いしますが、有明アーバンスポーツパークの特定事業の選定について、評価の部分で創意工夫を生かした施設整備の文言がありますが、具体的にどのような環境整備でしょうか。
 また、その事業活動はどのような状況、状態を指しているのか、教えてください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 有明アーバンスポーツパークにつきましては、大会の仮設施設を活用し、発展させていくとともに、有明レガシーエリアのにぎわい創出に貢献する施設として整備してまいります。
 具体的には、施設の整備、改修を、事業者のノウハウを生かし、各種スポーツ施設や売店、カフェ等を効果的に組み合わせ、柔軟な発想で幅広い利用を促進するとともに、周辺の海上公園や水辺空間とも調和した施設整備を実施してまいります。
 また、スポーツ大会、各種イベントやスポーツ教室など、民間事業者の様々な仕掛けによりスポーツの裾野を拡大し、良質なサービスを継続的に提供することで、多くの方に訪れてもらえるように取り組んでまいります。

○斉藤(り)委員 私は、レガシーは、誰にとってもという視点が重要であるとも考えていますが、これは、運営業者が決定していない現時点では、とても難しい話であることは承知ですが、障害を持っている方々にとってもレガシーを感じられる場になってほしいなと考えています。
 そこでお伺いをしますが、アーバンスポーツエリアでは、聴覚障害者などの障害をお持ちの方々も快適に活用できる環境とすることができるのでしょうか。また、都は、そうした視点を運営業者に求めていく考えはあるのか、教えてください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 都は、スポーツフィールド東京の実現に向けまして、スポーツをする、見る、支えるという観点を掲げており、障害の有無にかかわらず、誰もがスポーツに親しめる環境を整備することが重要であると考えております。
 当施設におきましても、施設間の動線や施設内のサインなど、バリアフリーに配慮し、誰もが快適に過ごせるよう整備してまいります。
 今回、本事業を特定事業に選定し、民間事業者の創意工夫を生かし、利用しやすい施設となるような提案を募ってまいります。

○斉藤(り)委員 ありがとうございます。障害やバリア一つとっても多様であり、全ての方々にとって満足いく施設の設置は難しいと理解しています。ただ、ぜひ民間事業者を募る際には、そうした姿勢や都の考えに共感をしていただける方々に積極的に提案いただきたいと期待しております。
 先日、二〇二五年のデフリンピックが東京で開催される決定がなされました。オリ・パラの東京大会の成功があったからのデフリンピックの招致であると私は感じております。そうした背景を考えますと、オリ・パラのレガシーがデフリンピックなどにもしっかりと接続できる、活用できるというストーリーは、とても重要だと思っています。
 世界が再び東京に目を向けるときに、オリ・パラ以上の感動や多様な価値観の発信を東京から行えるように、今回のようなレガシーについても、しっかりと丁寧に向き合っていければと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。

○山田委員 それでは、私からは東京都消費生活基本計画(素案)について伺っていきたいと思います。
 素案で示された基本的な考え方や主な重点施策などは、いずれも重要だと思っています。他方、現在、社会的な関心が高まっている消費者課題の一つとして霊感商法の問題があると思います。
 先日の我が会派の代表質問への答弁に対して、都民の関心が高まっている現状を踏まえ、庁内連携会議を開催しまして、福祉、人権などの相談窓口を持つ局、警視庁などと情報共有、そして、都民への注意喚起を集中的に実施していくということに加えて、緊急の特別相談の実施など、一定、踏み込んだ答弁をいただいたというところで、大変ありがたく思っています。
 そして、こういった取組を、一つの、まず第一歩といたして、今こそ積極的に取り組んでいただきたいと思っているのですけれども、現在の素案において、霊感商法はどのように位置づけられているのか。そして、必ずしも明確に十分に取り上げられていないならば、明確に課題として設定して、計画に位置づけるべきと考えますけれども、見解を伺います。

○片岡消費生活部長 計画素案におきましては、被害防止や不適正取引対策、相談対応などの具体的な施策により、霊感商法を含む様々な消費者トラブルに対応する内容となっています。
 霊感商法を含め、消費生活をめぐる諸課題の計画上の位置づけにつきましては、現在募集中の都民からの意見等を踏まえまして、十二月に予定している計画改定に向けて検討してまいります。

○山田委員 ありがとうございます。政府の方でも様々議論はあると思っておりますけれども、そういったものを踏まえて、ぜひ積極的に検討いただければと思っています。
 霊感商法に関する対策の強化としまして、まさしくこの生活文化スポーツ局は、その対策を都庁内でぜひ積極的に主導すべき立場にあると思っています。
 霊感商法と、一つ取り上げても、様々な関連する課題があると思っています。中身に応じて、例えば、お金を返すべきであるというふうな紛争に近いものであれば、専門性の高い弁護士への連携であったり、ネグレクトだったり、経済的な子供の困窮に至ってしまうとか、そういった場合であれば福祉的なサポート、これは福祉保健局だと思いますけれども、そういったところと、今、生文スポーツ局が抱えていらっしゃる消費者相談の窓口、じゃ、どうやってそういったところと連携を強化していくのかどうかというところ、庁内を挙げての対策の取組の強化、各局がちゃんと、それぞれ問題意識を持って、主体的に課題を洗い出していくということが極めて重要だと思っています。
 教育だったり、福祉だったり、警察だったり、そういった関係各局に対して、今の生活文化スポーツ局から具体的な検討課題を投げかけていくということが重要と考えますけれども、見解を伺います。

○片岡消費生活部長 来月実施いたします緊急特別相談に寄せられた相談内容等を踏まえまして、庁内連携会議において関係各局等と課題を共有し、適切な対応につなげてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。生活文化スポーツ局がしっかりとした課題認識を持っていらっしゃるということを、私、これまで意見交換させていただいて、その点、大変力強く思っているところであります。
 先ほど申し上げたとおり、教育だったり、また福祉だったりと、あらゆる観点から課題をしっかりと洗い出して、対応策を都庁全体で検討されるように、改めて強く要望いたしますし、今、この委員会でこういった意見が出ているということを、庁内の連携会議でも、ぜひ共有いただきたいと思います。
 さて、そういった霊感商法だったり、反社会的なカルトといわれるものに対する勧誘に関して、これまで、大学生の勧誘が特に問題視されてきた側面が多いと思います。
 ただ、現在、一人で契約可能となる成人の年齢というのが引き下げられまして、十八歳になったというところがあります。
 先日、こういった問題に詳しい弁護士の方だったりにお話を伺うと、やっぱり、最近、そういった反社会的なカルトというようなものがSNSを通じて巧みに近づいてくる、そういった事例があるというような話を聞いております。
 やっぱりコロナの影響もあったりして、例えば、何々大学に入学する人が、ツイッターとかで同じ大学に入る仲間を探すというふうなこともあるようなんですけれども、そこでうまく接触して、そういった反社会的なカルトの接触の一つの入り口になってしまっている事例もあるというふうには聞いておるところであります。
 そういったSNSなど、今、若年層の行動に対する一定の強い影響力というものがあるがゆえに悪用されてしまう、そういった場面もあり得ます。その有用性を踏まえながら対策していく必要があると思います。
 特に若年層を被害から守るため、SNS等を通じた霊感商法だったり、消費者被害への対策を強化していくべきだと考えますけれども、現在の基本計画素案における検討の状況について伺います。

○片岡消費生活部長 基本計画素案におきましては、ライフステージに応じ、最新の被害事例や注意点など、消費生活に関わる様々な話題について分かりやすく情報提供することとしています。
 若者には、SNS等を効果的に活用するなど、デジタル社会に対応した伝わる情報発信を進めてまいります。

○山田委員 ありがとうございます。
 最後になりますけれども、やっぱり霊感商法全般に対して、消費者問題としての切り口、法改正が必要になる場合は、やっぱりそれは国で行われるべきものではありますけれども、今、議論になっている寄附の形式、どうやってやるのであるのかとか、じゃ、その寄附金をどうやったら返還訴訟できるのかといったときに、そもそも、一体、幾ら、いつ寄附したのか、渡したのかというところがはっきり分からないというふうなお声も、こういった問題を専門的に取り扱う弁護士の方々からもご意見いただいているところがあります。やっぱり、いつ、幾ら渡したのか、それがそもそも分からないと、なかなか訴訟するのも難しいというところもあるというところです。
 こういった取引だったり、寄附の履歴の開示、ちょっと少し問題が別の話になるのですけれども、貸金業者に対して過払い金返還訴訟というのが、最近は落ちついてきましたけれども、少し前に大きな課題となりました。こういったときに大きな効果を発揮したのが、そういった取引の履歴、そういったものを、法律の根拠があるから、裁判所が開示しなさいというふうに積極的にいうことが、これは対策として大きな効果があったというところもありますので、いろんな形での法規制というのも、議論があり得ると思っています。
 都としても、そういった法律上の課題を含めて、自治体の視点で霊感商法対策の強化に関する課題を整理した上で、国に対しても、必要に応じて要望していくべきだと考えますけれども、見解を伺います。

○片岡消費生活部長 都はこれまでも、社会経済状況の変化に伴いまして、消費者被害を防止するための法規制等の対策が必要な場合に、国に対して提案や要望を行ってまいりました。
 霊感商法等の対策につきましては、現在、国において検討が進められています。こうした動向を見極め、必要な対応を検討してまいります。

○山田委員 大変ありがとうございます。
 質問はこれで終わりますけれども、改めて、庁内一丸となって課題を洗い出していただく、ぜひその先頭に立っていただいて、霊感商法をはじめとする悪質商法の対策の強化、被害者救済、そういった取組を強化していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 私からも、消費生活基本計画についてお伺いします。
 八月に消費生活対策審議会があり、私も委員として意見を述べました。その中身は、統一協会の霊感商法の対策についてであります。被害の実相が次々に明るみになる中で、相談窓口の充実が求められていることなどについて申し上げました。
 この間、国の方でも被害額などを明らかにしておりますが、統一協会などによる霊感商法の被害額はどのようになっていますか。

○片岡消費生活部長 消費者庁によりますと、令和三年度のいわゆる霊感商法等に関する消費生活相談件数は千四百三十五件でありまして、相談者の申出情報に基づく平均支払い金額は約九十六万九千円でございます。
 なお、霊感商法等とは、全国消費生活情報ネットワークに開運商法のキーワードで登録されたものでして、例としましては、占い、祈祷サービス、印鑑、数珠等の販売でございます。

○アオヤギ委員 被害額平均が百万円近くなっており、この数字は把握された数字のみですから、実際の被害額というのは、もっと多いのではないかと考えられます。また、被害に遭っている被害者の相談に当たる弁護士などからも、そのように指摘されています。
 また、被害が現在進行形で続いているのも深刻です。こうした統一協会のことが明るみになる中で、実際に被害に遭ったという方の声が、少しずつまた増えてきていると思います。
 しかし、統一協会は、布教活動そのものが裁判で違法だと判断を受けているわけですから、しっかりと被害を把握して、防止していかなければならないと思います。
 小池都知事も、統一協会の認識についても、団体の活動等の助長につながるようなことを行うべきではないというふうに答弁されました。
 相談窓口をこれからしっかり拡充して、被害者の救済を進めていくときだと考えます。
 消費生活対策審議会の八月時点では、都は、霊感商法という言葉ではなく、開運商法として相談をふだんから受けているというお話でしたが、今回、十月四、五に行われます特別相談会には霊感商法と書かれました。
 この霊感、開運商法の特別相談会が開かれますが、どういう経緯で開かれ、どういった内容で行われるのか、お答えください。

○片岡消費生活部長 都民の関心が高まっている現状を踏まえまして、弁護士会の協力を得まして、特別相談を二日間実施いたします。

○アオヤギ委員 二日間ではありますが、霊感商法に関する相談会が開催されることになったことは重要です。
 さらに対策の充実を求めますが、被害者の方々、そして、二世、三世の方々の苦しみや、当事者がマインドコントロールが解けた後も、心の傷が大きいと聞いております。相談窓口の必要性を、団体の方からも、そういった声があると聞いております。
 そこでお伺いしますが、マインドコントロールで苦しむ方々の相談窓口について設置していくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。

○片岡消費生活部長 都では、消費生活や福祉、人権などの相談窓口を設置しており、弁護士会等の関係機関とも連携し、多様な相談に対応しています。

○アオヤギ委員 こうした連携先である団体などの実情を把握して、支援していくことも大事です。
 全国霊感商法対策弁護団や被害者の当事者団体などに聞き取りをして、施策に生かしてもらいたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○片岡消費生活部長 都では、関係機関と連携しながら、都民からの様々な相談に、相談者個々の事情を踏まえ、丁寧に対応しています。

○アオヤギ委員 関係団体と連携しているということでありました。全国霊感商法対策弁護団や被害者の団体などに対して、ちゃんと聞き取りを行って、ぜひ、そこで出された声を参考に支援につなげて、連携先である団体の皆さんに支援をして、被害者救済に取り組んでいただきたいと思います。
 そして、消費生活基本計画には、消費者被害救済委員会による紛争解決という項目があります。そこには、こう書かれております。委員会によるあっせん、調停が不調となった案件について訴訟が提起された場合、条例が規定する要件を満たすときは、委員会の意見を聞いて、当該被害者に対し、訴訟資金の貸付け等、訴訟活動に必要な援助を行うということがありますが、この支援件数はおよそ、聞き取りをしましたら、十年間で二件ということでありました。
 霊感商法の実態が明らかになって、そうした霊感商法対策弁護団の相談も、本当にパンク状態というところもお聞きしております。
 この訴訟活動の支援の事業の拡大が必要になると考えますが、いかがお考えでしょうか。

○片岡消費生活部長 東京都消費生活条例に基づく訴訟援助は、都内の消費生活センターに寄せられた消費者契約に係る相談が対象となります。
 そのうち消費者被害救済委員会に付託された紛争につきまして、同一または同種の被害が多数生じるなどの要件を満たす場合に、委員会の意見を聞くなどの手続を経た上で実施します。
 なお、制度創設以来、霊感商法等に関しまして、消費者被害救済委員会に付託された事例はありません。

○アオヤギ委員 十年間で二件ということでありますので、霊感商法に対してはないということですが、被害の相談が増える見込みがあることと、まだまだ知られていないという実態もあるのではないかと思います。
 また、被害者は、財産を奪われ、訴訟費用に困っているケースもあると考えられますので、この制度の周知徹底と被害者の救済を、さらに都として進めていただきたいと述べて、この分野の質問は終わります。
 次に、アーバンスポーツパークについての意見です。
 この問題については、さきの文教委員会でも指摘をしたとおり、PFI事業が最初から大前提に検討されてきたことは問題であると考えます。そのため、都の募集要項を見ると、事例にPFIやPFI方式でつくられる特定目的会社、SPCによる事業を想定とも書かれ、十二の企業から聞き取りを行っています。
 また、PFI手法の導入の建前であるバリュー・フォー・マネー、VFM、簡単にいうと、直営と比べてPFIがどれくらい予算を縮減できるかを示して、PFI手法を選ぶという理由にするのですが、いまだにVFMですら算出されていないということでありました。
 VFMについても、会計検査院から、他のPFI事業について、VFMの見積りが多く、収益が、結局、PFIの方が小さかった、そして、サービスの水準が下がったなどの指摘がされていますが、そもそもVFMを出さないということも、なぜ優位なのか分からない状態です。
 民間を使いたいから使うということでは、説明責任を果たしているとはいえません。説明のところに書いてある金額は、VFMではないということであります。直営方式が最初から排除されていることは問題であると指摘をしておきます。
 さらに、多目的ゾーンは、事業者が建設をし、建物は事業者のものになり、十年後には更地にする計画です。そうしますと、ここで行われる競技の選手や愛好家の方々の行き場がなくなるのではないかという懸念や、料金設定が条例で定める利用料金ではないので、都民が親しめるような料金になるのかなど、懸念は拭えません。
 都は、スポーツ振興の立場から、スポーツに親しむ都民の場の提供をしていかなければならないのですから、都が直営で行い、料金を安価にし、都民が安定的に利用できるような施設にすることを求めて、意見とします。
 以上です。

○風間委員 ようやく質問ができる側に回りましたので、最後の質問者ということで、重複したものは省いて、私も手短に質問していきたいと思います。
 まず、東京都消費生活基本計画(素案)ということですが、これはやはり、これからの東京都の消費生活に関しての道しるべになるものだと思いますので、大変に重要なものだと思います。特に、言葉で記してあるということが大変に重要なものだと認識しておりますので、結構、読み込ませていただいたところであります。
 概要版には、重点として三つの項目が載っておりまして、まさに時代に応じた形で重点していくべきものが記載されているということで、これも非常に重要なものだと思いますが、特にエシカル消費の推進と子供の安全確保、これはやっぱり、私もすごく重視をしているところなんですけれども、この道しるべとなる基本計画の素案の第2章が、やはり全体像を見せているものなんだと思うんですね。
 三四ページから三七ページまでにあるところの計画の視点と政策の柱、また、施策の方向性というところに、このエシカル消費という言葉と子供の安全確保という言葉が入っていないんですね。
 やはり、これからの東京都の消費生活の方向性を示していくという意味においては、このキーワードをきちんと、この三四から三七の中に入れていくことが非常に重要なんだと私は考えますけれども、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 計画素案におきましては、エシカル消費の推進は、政策の柱四の施策の方向性の一つである持続可能な社会の形成に貢献する消費行動の促進として位置づけております。
 子供の安全確保についても、重要な施策ということで、計画素案の中に記載しております。

○風間委員 すみません、全く聞こえなかったのですけれども。大丈夫です。議事録には残るんだと思いますので。
 先ほど申し上げたように、言葉を残していく。まさに行政の基本計画ですから、言葉に入れていくということが重要だと思います。まだ素案の段階だと思いますので、ぜひこのあたりは、かがみになるところの三四から三七の中に、この重点施策の二つのキーワードは入れてもらいたいなと思います。
 それから、エシカル消費ということで、七四ページに、エシカル消費とはという図が書いてあります。従来のSDGsの取組というところから、この消費生活というところに関しては、まさにこのエシカル消費が、大変にキーワードとして重要だと考えておりますので、これを進めていく上で、こういった図を載せていくというのも大変に重要だと思います。
 この中にフェアトレード製品の購入ということがありまして、これもやはり国際都市東京として、今後、人権への配慮という意味において、フェアトレード製品を購入していくというのを促進していくのも、非常に重要なエシカル消費の視点なんだと思います。
 しかし、これまた、フェアトレード製品の購入に関しては、それ以降、全く記載されていないんですね。ですので、これもまた、文言として、きちんとその後の具体策というものも記載していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 都は、フェアトレードも含めました幅広いエシカル消費の理念について普及啓発を行ってきておりまして、その趣旨は計画素案にも含んでいます。
 今後も、引き続き取り組んでまいります。

○風間委員 趣旨が盛り込んであることは、重々承知しております。しかし、例えばSDGsというキーワードが非常に普及したように、また、小池都知事は、こういったキーワードを広めていくということが大変にお上手な方だと思いますので、このフェアトレードという言葉をきちんと入れていって普及をさせていくということが大変に重要なことだと思いますので、ぜひこれを取り入れていくことも検討していただきたいなと思います。
 そして、先ほど申し上げましたように、先進国は、こういった途上国の人々の暮らしだとか、人権に配慮するということは、責任なんだと思います。
 アジアでは、お隣、韓国の首都ソウル、また、台湾の首都台北がフェアトレードタウン宣言をしております。国内でもフェアトレード宣言をしている市はありますけれども、まさにこの東京こそが、アジアを代表する先進国の責任として、フェアトレード宣言ということを今後目指していくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 フェアトレードタウンは、日本では、全国で六市が認定されており、都内の自治体においても目指す動きがあることを承知してございます。

○風間委員 承知しているだけではなく、ぜひ東京がこのフェアトレードタウン宣言をするように取り組んでいってもらいたいなと求めておきます。
 エシカル消費が普及していきますと、普及させていく様々な案がここにも記載されておりますけれども、エシカルウオッシュによる消費者問題というものも生じてくるんだと思います。
 エシカルウオッシュによる消費問題が生じないように、エシカル推進協議会等とも連携しながらエシカルウオッシュをなくしていくような取組も進めていくということも、記載できるかどうかを含めて、これから議論かと思いますけれども、都の見解を伺います。

○片岡消費生活部長 エシカル消費の意義や理念につきまして、有識者の意見もいただきながら、都民への適切な情報発信を行ってまいります。

○風間委員 次に、消費者教育という観点で伺ってまいります。
 東京都としても消費者教育には力を入れていくということで、教育庁の方にも掲げられていることでありますけれども、まさにこのエシカル消費ということも、フェアトレードということも含めてですけれども、小中高生にもっともっと知ってもらうために、消費者教育の中にエシカル消費ということも入れ込んでいくべきだろうと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 都はこれまで、エシカル消費を学べる中学生向けウェブ教材や小学生向けDVD教材の作成など、未来を担う若い世代を中心にエシカル消費の普及啓発を行っています。

○風間委員 子供たちは、例えばSDGsという言葉も、いっときは大人よりも子供の方がよく知っているというような状況はありましたし、これから自分たちが生きていくこの社会の中で必要なこととして、こういうものを吸収して実践していくという力があるものだと感じておりますので、ぜひこれも進めていってもらえればなと思います。
 消費者教育という観点で、続けて質問していきますけれども、先ほど来、悪質商法だとか霊感商法ということで、ほかの委員からも質問がありましたけれども、やはり消費者教育でこそ、霊感商法だとか悪質商法に対して重点的に取り組んでいく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 計画素案において、被害防止や不適正取引対策、相談対応などの具体的な施策により、霊感商法を含む様々な消費者トラブルに対応する内容となっています。

○風間委員 そういった消費者教育について、この基本計画の中には、このところ、都内で十数校の高校で出前講座が行われているというふうに記載されておりますが、印象としては、少し少な過ぎるかなというふうに感じるわけですね。
 教育委員会としても、消費者教育には力を入れていくということで示しているわけですから、教育庁ともしっかりと連携をして、また、私学だとか区市町村と連携をもっと積極的に行っていくこと、また、こういったプログラムを提供しているNPO団体等としっかりと連携して、もっともっと普及させていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 都では、学校教育部門と消費生活部門が連携して消費者教育を推進しておりまして、その他の関係部門とも連携しながら、引き続き取り組んでまいります。

○風間委員 若者たちに、教育という以外に、楽しみながら広めてもらうことというのも非常に重要だと思います。
 先ほど斉藤副委員長からもお話がありましたように、私も、六二ページにある取組は、非常にこれからの可能性を秘めているなと思うんですね。
 しかしながら、残念なことに、令和元年度は、自ら動画を作ってコンテストに応募する、二年度、三年度と、ラジオのCMコピーの応募型になってしまったというところで、これから、今の若者たちの中では、CツーCマーケティングといいますか、自らがコンテンツを提供する側になって参加をしていくということで、それを周りの人たちが見て広めていくということが可能な時代になっていると思うんですね。
 この令和元年度のように、これもコンテストとかということではなく、例えば、#TOKYO怖話みたいな形でどんどん作ってもらって、どんどん若者たちに見てもらって、それぞれの作品が自然と広まっていくような仕掛けみたいなことを今後は検討していってほしいなと思うところですけれども、こういったさらなる工夫ということについて、都の見解を伺います。

○片岡消費生活部長 若者向け消費者被害防止啓発事業は、令和元年度からは、若者からの作品募集による啓発事業として実施しています。
 昨年度は、学校との連携強化を図り、授業に取り入れてもらうなどの取組を行った結果、啓発コピー、約二千八百件の応募がございました。
 今年度は、啓発シナリオや動画の公募を開始しまして、より多くの若者に参加いただけるよう取り組んでおります。

○風間委員 重点施策の中の子供の安全確保ということについても、少し、一点だけ伺いたいのですけれども、商品等の安全性に関する事業者のPRということで、ここに記載されていますけれども、子供向けの商品の安全性ということについては、ぜひ客観的な指標で安全性というものを確保していただきたいなと思います。
 自らですと、どうしても事業者はPRというようなことになってしまいますから、NPOや研究機関などと連携しながら、この安全性の確保というのを客観的に評価するような仕組みというものも入れていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 都は、NPO法人キッズデザイン協議会など、子供向け商品の安全対策に取り組んでいる非営利団体と連携し、安全・安心な商品の見本市の実施や、消費者と事業者が交流する商品安全のためのデジタルプラットフォームの構築を行っています。

○風間委員 基本計画の構成の中の視点の3、多様な主体との連携、協働による取組の強化というものも、消費生活という意味では大変に重要なことだと思います。
 特に、犯罪から守るという意味においては、警視庁との連携というものが大変に重要なことになってこようかと思いますし、または、情報弱者といわれるような高齢者だったりとか子供たちの安全確保という意味では、福祉関係機関との連携なんかも重要になってくるんだと思います。
 この具体策の中を見ていても、警視庁という言葉自体が三か所ぐらいしか、私が確認したところでは出てきませんので、ぜひ都庁内部の連携をより深めていただきながら、外部の団体とも連携を深めていくというような形で進めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○片岡消費生活部長 都はこれまでも、庁内関係部署、庁外の関係機関と連携しながら消費者行政を推進してまいりました。
 次期計画素案におきましても、取組の推進体制としまして、庁内連携、国や他自治体、また、消費者団体、事業者団体等との連携や協働により計画を推進していくことを記載しています。

○風間委員 続きまして、有明アーバンスポーツパークの件で伺いたいと思います。
 昨日、一般質問でも取り上げましたけれども、スケートボードの文化の普及という観点から、絞って質問させていただきます。
 以前の委員会では、龍円委員から、フェンスなどが自由な雰囲気を壊して分断をするというようなお話がありましたこと、私も大変共感をしているところであり、スケートボードを楽しむ人たちの文化を普及していくということについては、ぜひそういった細かなところに気を配っていっていただきたいなと。
 私が聞いたお話ですと、例えば、海外の聖地といわれるような場所には禁止看板などはないと。自由にお互いが楽しめるような空間づくりというようなことを、それぞれが守るような雰囲気づくりがあるなんていう話を聞いたことがありまして、片や国内のパークとなると、禁止看板とか、ルールとか、そういうものが常に目に入ってしまって、そういった自由な雰囲気を阻害するんだなんていう話を聞いたことがあるわけですね。
 せっかく有明にああいうすばらしい施設を造っていくということで、まさにここが聖地となっていくということなのであれば、そういった文化を醸成するような取組というのが非常に重要なんだと思いますけれども、今後、PFI事業者にこういったことを求めていくことはできるのか、伺います。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 先般公表いたしました要求水準書案の中で、施設利用者や近隣住民等が快適に過ごせるよう、施設利用開始時のマナー説明やスポーツ教室開催時のマナー啓発などを実施するよう、事業者に対して求めております。

○風間委員 ぜひそのような施設になっていくように、東京都としてもしっかりとチェックをしていっていただきたいなと思います。
 あの場所を使って、七月にスケートボードの都民体験会というようなものが行われたと聞いています。それがどういう目的で、どんな趣旨で実施し、実際にどのような成果があったのかを教えてください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 東京二〇二〇大会時のスケートボード施設をいち早く都民の皆様にお使いいただくため、大会一周年記念事業の一つとして体験会を実施いたしました。
 また、オリンピアンも含め、著名スケートボーダーによるデモンストレーションを実施し、スケートボードの魅力も感じていただくため、開催したところであります。
 参加者は、七月三十日、三十一日の二日間で、体験者、観覧者を合わせ、五百名以上の方が参加いたしました。

○風間委員 裾野が広がってきていますので、もっともっと多くの方たちが実際に楽しめるような工夫というのは今後期待したいところではありますけれども、スケートボードをやっている方たちから耳にしましたのは、やはり、あそこのパークはかなり上級者向けのものがあって、今後は、初級者のコースも、初心者用のコーナーも整備していくということでしたけれども、まさにレベルを問わずに、誰もがあそこに集まれるような場所というのが今後求められると思いますけれども、こういったことについては、PFIの事業者も当然考えていることかと思いますけれども、現段階でどのような状況なのかを聞かせてください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 東京二〇二〇大会を契機としてスケートボードを始める方が増えており、初心者から上級者まで、幅広い技術レベルの人が楽しめる機会を提供していくことが重要であります。
 大会で使用されたスケートボード施設に初心者向けのエリアを加えるとともに、インストラクターの配置等により、様々なレベルの教室を開催するなど、最大限活用していきます。

○風間委員 ぜひそうなるように期待しておりますので、よろしくお願いします。
 最後になりますけれども、スケートボードは、必ずしも競い合う競技をする人ばかりではないということは、昨日も少し触れましたけれども、こういった文化を醸成していくという意味では、まさに競技団体、競技は競う技術と書きますので、競技団体というところだけではなく、スケートボードを愛する様々な人たちからの意見を取り入れた聖地になっていっていただきたいなと思いますけれども、こういった人たちの意見も聞きながら進めていくことができるのかを聞かせてください。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 有明アーバンスポーツパークでは、民間事業者のノウハウを生かして、様々なレベルの利用ができるよう取り組むこととしておりまして、競技団体をはじめ、スケートボードを楽しむ利用者の意見も聞きながら、幅広く利用される施設としていきます。

○風間委員 以上で終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。
 皆様のご協力に感謝いたします。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時二十分散会

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