文教委員会速記録第十号

令和四年九月十五日(木曜日)
第三委員会室
午後六時四十四分開議
出席委員 十四名
委員長白戸 太朗君
副委員長斉藤やすひろ君
副委員長ほっち易隆君
理事内山 真吾君
理事風間ゆたか君
理事とや英津子君
竹平ちはる君
土屋 みわ君
龍円あいり君
斉藤 りえ君
アオヤギ有希子君
清水 孝治君
谷村 孝彦君
山田ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化スポーツ局局長横山 英樹君
生活安全担当局長小西 康弘君
次長理事兼務渡邉 知秀君
理事古屋 留美君
理事川瀬 航司君
総務部長久故 雅幸君
都民生活部長馬神 祥子君
都民安全推進部長小室 明子君
消費生活部長片岡 容子君
私学部長戸谷 泰之君
スポーツ施設部長小池 和孝君
企画担当部長吉原 宏幸君
男女平等参画担当部長樋口  桂君
治安対策担当部長油谷 行泰君
事業推進担当部長三浦 大助君
開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務柏原 弘幸君
教育庁教育長浜 佳葉子君
次長福崎 宏志君
教育監藤井 大輔君
総務部長田中 愛子君
都立学校教育部長村西 紀章君
地域教育支援部長岩野 恵子君
指導部長小寺 康裕君
人事部長吉村美貴子君
福利厚生部長田中 宏治君
教育政策担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務秋田 一樹君
高校改革推進担当部長池上 晶子君
教育改革推進担当部長佐藤 聖一君
特別支援教育推進担当部長落合 真人君
指導推進担当部長瀧沢 佳宏君
人事企画担当部長稲葉  薫君

本日の会議に付した事件
生活文化スポーツ局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 生活文化スポーツ局所管分
報告事項(説明)
・東京都消費生活基本計画(素案)について
・有明アリーナ管理運営事業報告書(令和三年度)の公表について
・特定事業(有明アーバンスポーツパーク整備運営事業)の選定について
請願陳情の審査
(1)四第六号の二 宝生ハイツの建て替えにより想定される学校法人桜蔭学園の教育環境等に関する請願
(2)四第一三号の二 女性用トイレの維持及び安心・安全の確保に関する陳情
(3)四第二〇号の一 児童相談所における児童の環境改善等に関する陳情
(4)四第二一号の二 別居・離婚後の共同親権及び共同養育に係る法整備等を求める意見書の提出に関する陳情
教育庁関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 教育庁所管分
・学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)四第九号 中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用の延期・見直しに関する請願
(2)四第二〇号の一 児童相談所における児童の環境改善等に関する陳情
(3)四第二七号 都立小山台高校定時制・都立立川高校定時制の存続に関する陳情
(4)四第三三号 東京都教育委員会公益通報弁護士窓口制度の条例化に関する陳情

○白戸委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 冒頭、まず、本日の開会時間、六時二十分という時間を皆さんに招集させていただきましたが、私の調整不足により、こちらの方に来ることができませんで、大変お待たせいたしました。理事者の皆さん、そして各議員の皆さん、大変申し訳ありませんでした。
 そして、本日、理事会で決議事項がなかなかまとまりませんで、調整に時間を要してしまいました。これに関しましては、理事者の皆さんに大変長くお待ちいただき、お待たせすることになってしまいました。こちらも重ねておわび申し上げます。すみませんでした。
 こういった状況で委員会を開催させていただきますので、この後、時間が非常に厳しくなっております。ぜひ、理事者の皆さんの説明、そして委員の皆さんの質疑、こちらも極力短縮をしていただきまして、短くしていただきまして、なるべく本日中にこの委員会を終了させたいというふうに考えておりますので、何とぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る九月十四日付をもって、もり愛議員が当委員会から都市整備委員会に変更になり、新たに、山田ひろし議員が都市整備委員会から当委員会に所属変更になった旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員をご紹介します。
 山田ひろし委員です。

○山田委員 よろしくお願いいたします。

○白戸委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりにいたしますので、ご了承願います。

○白戸委員長 次に、陳情の取下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、陳情四第五〇号、明治神宮球場の文化財としての保存・活用に関する陳情については、議長から取下げを許可した旨、通知がありましたので、ご了承願います。

○白戸委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化スポーツ局及び教育庁関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、生活文化スポーツ局関係の報告事項の聴取並びに生活文化スポーツ局及び教育庁関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、本日は、提出予定案件及び報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求するにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより生活文化スポーツ局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、局長から紹介があります。

○横山生活文化スポーツ局長 先般の人事異動による当局の新任幹部職員をご紹介いたします。
 スポーツ総合推進担当理事の川瀬航司でございます。事業推進担当部長の三浦大助でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○白戸委員長 紹介は終わりました。

○白戸委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○横山生活文化スポーツ局長 今定例会に提出を予定しております生活文化スポーツ局関係の議案の概要についてご説明を申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、予算案一件、令和四年度補正予算案でございます。
 お手元の資料第1、令和四年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。
 Ⅰ、補正予算総括表の表の右から二つ目、補正予算額の欄をご覧ください。
 歳入の補正予算額は二億一千六百万余円でございます。
 歳出の補正予算額は二億六千百万余円でございます。
 二ページをお開き願います。Ⅱの内容でございますが、歳入は、国庫支出金の総務費国庫補助金を計上しております。
 歳出予算の財源となる国庫補助金を計上するものでございます。
 歳出は、生活文化スポーツ費の消費生活対策費及び学務費の助成費を計上しております。
 以上で私からの議案の説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○久故総務部長 議案の詳細をご説明いたします。
 お手元の資料第2号、令和四年第三回東京都議会定例会議案の概要の一ページをお開き願います。
 1、公衆浴場関係です。
 燃料費高騰緊急対策事業として二億一千六百万円を計上しております。
 公衆浴場の負担軽減に向けた、国の臨時交付金を活用し、支援金を支給いたします。
 2、私立学校関係です。
 PCR検査の実施として四千五百万円を計上しております。
 児童生徒等の感染が判明した場合、感染拡大を未然に防止するため、PCR検査を実施いたします。
 以上、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○とや委員 一点目は、公衆浴場向け燃料費高騰緊急対策事業の一浴場当たりの支援額の算出根拠。
 二つ目、都内私立学校における新型コロナウイルス感染症への感染が判明した学校数及び人数の状況。学校種別でお願いします。
 それから三点目、新型コロナウイルス感染症に関わるPCR検査の私立学校における活用実績及び教職員の定期検査の実施状況。
 以上、三点お願いいたします。

○白戸委員長 ただいま、とや理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○白戸委員長 次に、理事者からの報告の申出がありますので、これを聴取します。

○片岡消費生活部長 それでは、東京都消費生活基本計画(素案)につきまして、資料第3号によりご説明申し上げます。
 1、改定の経緯及び予定をご覧願います。
 東京都消費生活基本計画につきまして、現行計画が今年度末で終了するため、本年十二月に計画を改定いたします。計画期間は、令和五年度からの五か年となります。
 素案を先月末に公表、現在、都民意見を募集しており、いただいたご意見を踏まえた検討を行いまして、十二月中旬に計画公表予定でございます。
 次に、2、計画の概要です。
 本計画は、東京都の消費生活に関連する施策、事業を計画的、総合的に推進していくための基本指針とするものです。
 改定に当たっては、サステーナブルなライフスタイルの推進とデジタル社会の急速な進展に伴う新たな課題への対応を二つのポイントとしております。
 続きまして、二枚目の別紙、計画構成案をご覧ください。
 計画では、具体的施策を体系的に推進するための五つの政策の柱を設定し、今後の取組の方向性と具体的施策を盛り込んでおります。
 主な重点施策としまして、エシカル消費の推進、不当なデジタル広告への対応力の強化、子供の安全確保のための取組を位置づけております。
 以上が東京都消費生活基本計画(素案)の概要でございます。
 なお、資料第4号、計画素案本文は、後ほどご参照いただきたく存じます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○柏原開設準備担当部長戦略的活用担当部長兼務 それでは、令和三年度の有明アリーナ管理運営事業報告書の公表についてご報告させていただきます。
 お手元の資料第5号をご覧ください。
 本件は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、PFI法に基づく公共施設等運営事業、いわゆるコンセッション方式による有明アリーナの管理運営事業について、運営権者である株式会社東京有明アリーナの令和三年度の業務実施状況とその事業評価の結果を公表するものでございます。
 まず、1、対象となる事業期間でございますが、令和三年四月一日から令和四年三月三十一日まででございます。
 次に、業務実施状況についてでございますが、東京二〇二〇大会の開催に伴い、令和三年度は、維持管理期間における統括管理業務及び開業準備業務を実施したところでございます。
 具体的な内容でございますが、(1)、統括管理業務につきましては、追加投資計画に関する内容の確定やモニタリング等を実施いたしました。
 次に、(2)、開業準備業務でございますが、開業後のイベントスケジュール案についての協議や地域住民への説明などを実施いたしました。
 続きまして、3、事業評価の実施でございます。
 事業評価の実施手順は、記載のとおりでございます。
 二ページをお開き願います。令和三年度の事業評価を取りまとめたものが、4、事業評価の結果でございます。
 (1)、統括管理業務につきましては、それぞれ要求水準書の内容に従い実施されております。
 (2)、開業準備業務につきましては、運営開始の準備は進捗しておるところでございます。
 なお、地域住民への説明の中で、確認や意見交換を要する事項が認められ、調整を続ける必要がございます。
 (3)、財務状況等につきましては、財務状況の悪化等の問題は認められませんでした。
 以上を踏まえまして、(4)、総合評価でございます。
 要求水準書等の未達状態等は認められず、開業に向けた準備が進捗しているものと認められます。
 一方で、業務実施の体制づくりをより一層進めるとともに、地域住民に対し、引き続き丁寧な対応が必要であるところでございます。
 また、運営業務の開始後、運営につきモニタリングが確実に行われるよう、都と協議の上で進めていく必要がございます。
 なお、参考資料と、してモニタリング委員会の委員名簿、資料6として事業報告書を添付しております。後ほどご覧いただければと存じます。
 続きまして、特定事業(有明アーバンスポーツパーク整備運営事業)の選定についてご説明いたします。
 お手元の資料第7号をご覧ください。
 まず、1、特定事業の選定についてでございます。
 (1)、概要に記載のとおり、有明アーバンスポーツパーク整備運営事業を、PFI法に基づく特定事業として選定するものでございます。
 選定に当たり、都が自ら管理運営する場合と比べ、効率的かつ効果的に実施できることを基準とし、客観的な評価を行いました。
 客観的評価におきましては、定量化が困難な場合は、客観性を確保した上で定性的な評価を行うこととなっており、本事業については、定性的な評価により選定いたしました。
 次に、(2)、定量的評価についてです。
 本事業は、多目的ゾーンを事業者の提案により整備できることとしており、当該提案内容により業務内容が大きく異なるため、定量的評価は優先交渉権者決定時に行います。
 なお、多目的ゾーンの施設内容によって変動する効果を除いて、PFI事業とすることにより、多目的ゾーンの施設整備に係る経費、約七億円及び大会レガシーゾーンに係る指定管理料、年間約一千四百万円を縮減が期待できる経費として、参考としてお示ししております。
 次に、(3)、定性的評価についてです。
 定性的評価の内容としては、民間の創意工夫やノウハウを生かした施設整備や事業活動を行うことで、少ない都の財政負担により良質なサービスの提供ができること、施設整備から維持管理、運営等を一体的に行うことにより、効率的な業務の実施が可能となること、リスク分担の明確化による安定した事業運営ができることを評価しております。
 以上、(4)、結論として、PFI法に基づく特定事業とすることが適当といたしました。
 次に、2、今後のスケジュールについてでございます。
 記載のとおりとなっております。
 併せまして、資料第8号として、特定事業(有明アーバンスポーツパーク整備運営事業)の選定について、全文を添付しております。後ほどご覧いただければと存じます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○白戸委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願四第六号の二を議題とします。
 理事者の説明を求めます。

○戸谷私学部長 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 請願四第六号の二、桜蔭学園理事長・校長、齊藤由紀子さんほかから提出されました、宝生ハイツの建て替えにより想定される学校法人桜蔭学園の教育環境等に関する請願でございます。
 要旨は、都において、私学振興の立場から、私立学校の教育環境は守られるべきであることを表明することというものでございます。
 現在の状況でございますが、東京都は、教育基本法にのっとり、私立学校の有する公の性質及び学校教育において果たす重要な役割に鑑み、その自主性を尊重しつつ、私立学校教育の振興に努めているところでございます。
 簡単ですが、説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 宝生ハイツの建て替えにより想定される学校法人桜蔭学園の教育環境等に関する請願について質疑させていただきます。
 桜蔭学園は一九二四年に設立されました。前年の関東大震災後の女子教育機関の不足を補うために設立されたということで、義務教育が確立されていない戦前の時代に、女性に教育を九十八年間提供してきた、歴史の深い、由緒ある学校です。
 一九七七年になり、宝生ハイツの建設に際し、覚書で、現宝生ハイツの高さ--位置及び容積を含む--を超えては、将来とも一切構築物を設置しないと、建築会社と桜蔭学園、社団法人宝生会が取決めをしています。
 しかし、今回、建て替えをし、二十階のビルが教室のすぐ横にそびえ立つことになります。これにより、様々な学びの環境の悪化が懸念されています。
 文科省は、学校施設整備指針を定め、健康的でかつ安全で豊かな施設環境の確保をすることを定めています。
 そこでお伺いしますが、子供たちが健康的でかつ安全で豊かな施設環境の確保をしていくことは重要だと思いますが、見解を伺います。

○戸谷私学部長 学校施設整備指針は、学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために、学校が施設整備に係る計画及び設計を行う際の留意事項を示した国のガイドラインでございます。
 施設整備を行う際には、学校自らが、本指針に基づき施設機能の確保に努めるということは重要でございます。

○アオヤギ委員 今回の建て替え計画では、当初、学校の教室に向かい合う面が、下層階から全面バルコニーとなる設計でしたが、それを、十一階まで室外機を置くテラスとすりガラスの窓、そして、その上の階から最上階まではベランダに変えたらよいだろうという計画が提出されています。
 しかしながら、現在の宝生ハイツは、学校側に面するところは通路になっており、数十メートル離れているのですけれども、建て替えとなると、教室の窓から向こうの窓まで十四メートルというところが宝生会の建物の窓になります。
 現在は、宝生ハイツと桜蔭学園には高低差があり、桜蔭学園の方が坂の上にあるので、桜蔭学園の最上階からは遠くの建物も見渡せる解放感がありますが、もし、その十四メートル隣に垂直に二十階の建物がそびえ立てば、教室は日が当たらなくなります。
 もし外部の要因で教育環境が著しく悪化する場合、都の対応はどのようになりますか。

○戸谷私学部長 学校と近隣との関係につきましては、当事者間で調整を図るものでございます。
 なお、学校から施設改修等について相談があった場合には、助言等を行っているところでございます。

○アオヤギ委員 防犯上も大きな懸念を抱えている現状があります。
 そこでお伺いしますけれども、桜蔭学園からこれまで、盗撮など、防犯上、危険な被害があったかどうか、把握していますか。

○戸谷私学部長 特段の報告は受けてございません。

○アオヤギ委員 かつて、数年前ということですけれども、宝生ハイツの屋上から教室を盗撮していた事例があり、隣の都立学校から教えてもらい、判明したそうです。実際、こうした被害があったということで、学校側は、防犯の対策に非常に苦慮されています。盗撮の被害から生徒を守ることも必要です。
 この建て替え案によると、容積率や高さ制限の緩和を受け、二十階建てにするために、公開空地をつくらなければなりません。設計図によると、この公開空地は学校のすぐ近くに設けられ、誰でも入られるスペースとなり、教室がそこから丸見えとなります。
 学校によると、女子校なので、更衣室というのは基本的になく、教室で着替えもする、もちろんカーテンを閉めるけれども、コロナの感染症対策で窓を開けざるを得ない、生徒の日常の会話なども、宝生ハイツが近づいてくると聞こえてしまうということでした。
 盗撮など、被害を防ぐために、都はどのような支援をしていくのでしょうか。

○戸谷私学部長 こうした対策は学校が行うものでございまして、学校から都に個別に相談があった場合には、助言等を行っているところでございます。

○アオヤギ委員 ぜひこういった声にも、ちょっと耳を傾けていただきたいというふうに思います。
 私学振興の立場から、私立学校の教育環境は守られるべきと考えますけれども、いかがお考えでしょうか。

○戸谷私学部長 東京都は、法令等に基づき、私立学校の自主性を尊重しつつ、私立学校教育の振興に努めているところでございます。

○アオヤギ委員 私立学校というのは公教育であって、東京都や都民にとって、なくてはならない存在だと考えていますが、いかがお考えでしょうか。

○戸谷私学部長 私立学校は、公教育の担い手としての建学の精神に基づく教育活動を実践し、社会の発展に大きく貢献しているものと考えてございます。

○アオヤギ委員 大きく貢献しているということでありました。
 桜蔭学園は百年近い歴史を持ち、公教育を担い、東京の子供たちになくてはならない存在である私立学校の施設環境や子供たちの安全が、都の総合設計制度による規制緩和により脅かされようとしています。
 本来、この制度は環境改善を目的とするものですから、総合設計制度を使った結果、隣の学校の環境が悪化するなどということはあってはならないと思います。
 先ほど、私立学校は公教育の担い手である、社会の発展に大きく貢献してきたとご答弁がありました。だとしたら、ぜひ私学部として、私立学校の環境悪化を傍観するのではなく、私学振興、私学に通う子供たちを守る立場で動いていただきたいと思います。
 請願は採択を主張して、質疑を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第六号の二は継続審査といたします。

○白戸委員長 次に、陳情四第一三号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○油谷治安対策担当部長 お手元に配布しております陳情審査説明表の二ページをご覧ください。
 陳情四第一三号の二、女性スペースを守る会共同代表、永田マル様から提出された、女性用トイレの維持及びその安心・安全の確保についての陳情でございます。
 要旨ですが、女性用トイレを維持し、女性の安心・安全という権利と法益が守られるよう諸方策を取ることについて、国に対し意見書を提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、国は、関係する規則の改正をしたものの、トイレを男性用と女性用に区別して設置する原則を維持しており、また、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を策定するなど、女性の安全・安心に向けた諸方策に取り組んでおります。
 なお、都では、東京都安全安心まちづくり条例等に基づき、犯罪の防止に配慮した施設整備を推進するほか、女性への犯罪被害を防止するため、講習会の開催、相談窓口等を掲載したリーフレットの配布等をしております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○龍円委員 女性用トイレの維持及び安心・安全の確保に関する陳情についてですが、陳情者の女性スペースを守る会-LGBT法案における『性自認』に対し慎重な議論を求める会-のホームページを見ますと、国会においてLGBTに関する法律を制定させることを立ち止まるように求めている団体です。
 都議会において、LGBTQ、性的マイノリティーに対する差別を禁止し、生きづらさや不便さを解消するために動いてきた立場から質疑させていただきます。
 この団体のホームページによりますと、トランスジェンダーの女性の存在を法律で認めてしまうと、トランスジェンダー女性が女性用トイレを使うことが公認されてしまい、そのことによって、女装をした男性による性犯罪が増える可能性があるから、トランスジェンダー女性の存在を法律で認めるのは立ち止まるべきだとのお考えのようです。
 この論理は、そもそも根底から破綻しています。トランスジェンダー女性と性犯罪者は、全く異なる話です。
 そもそも性犯罪は、その犯人がどんな格好をしていようが、犯罪は犯罪であり、許されるものではありませんし、取り締まられる必要があります。
 犯罪者による性犯罪とトランスジェンダー女性の人権とは一切関係がなく、一緒に議論する余地のあるものではありません。
 現状の日本では、ありとあらゆる様々な不当な扱いや差別をされ、人権が十分に尊重されておらず、生きにくさの中で苦しみ、明日へつながる希望や気力を見いだせない当事者が多いトランスジェンダーの皆さんについて、その存在や人権を尊重したら性犯罪者が増えるから認めるべきではないというのは、あまりに暴力的で、差別そのものといえる主張です。
 また、このような発信を続けることで、まるでトランスジェンダー女性が犯罪者だという印象まで世間に与えようとしているかのようで、許し難いと思っています。
 この日本においてというか、世界のどこであっても、誰々の人権を認めると犯罪が増えるから、誰々の人権を認めてはならないという差別があってはなりません。
 この陳情でこの文教委員会に付託されている部分としては、女性の安心・安全という権利と法益が守られるように諸方策を取ることが掲げられています。
 女性の安心・安全が確保されるのは、もちろん重要です。また、同等に、男性も、トランスジェンダーも、多様な性自認の方々も含め、全ての都民の安心・安全がひとしく確保されることが大切だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○油谷治安対策担当部長 全ての都民が安全で安心して暮らすことができる社会の実現を目指すことは重要であり、都では、東京都安全安心まちづくり条例等に基づき、犯罪の防止に配慮した店舗等や公園の整備に努めるなど、各種施策を推進してきているところでございます。
 今後とも、都民の安全・安心に資する施策に着実に取り組んでまいります。

○龍円委員 全ての都民が安心で安全に暮らせる社会の実現を目指して施策を推進しているとのことです。
 トイレということでいいますと、様々な人が必ず利用する必要があるものです。全ての人が安心・安全に、快適に利用できるものである必要があります。
 私の地元の渋谷区では、こちら……(資料を示す)スペシャルニーズのある方、親子連れ、性的マイノリティーの方や外国の方など、様々な人が利用しやすいトイレの整備方針をまとめた渋谷区トイレ環境整備基本方針というのがあります。
 これを読んでいただいても分かりますが、トイレの利用について、日常的に苦しみ、困っていて、トイレの利用が怖いから、外出すること自体が困難である当事者も多いのがトランスジェンダーの方々です。
 そんな現状があるにもかかわらず、トランスジェンダー女性が女性トイレを利用することを公認すると性犯罪が増えるというようなことをいうのは、言語道断で許し難い考え方です。何とか今日を生きているトランスジェンダーの方々から明日への希望を奪い去るような差別的な発言をされている人たちがいることに、心から憤りを感じています。
 トランスジェンダーの方々も含め、多様な人が安心して利用しやすいトイレを整備してもらいたいですし、性自認及び性的指向による差別を禁止する東京都人権尊重条例を守りながら、今後も、全ての都民が安心で安全に暮らせる東京都として施策を推進してくださるよう、お願いいたします。ありがとうございます。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第一三号の二は不採択と決定いたしました。

○白戸委員長 次に、陳情四第二〇号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○戸谷私学部長 説明表の三ページをご覧いただければと思います。
 陳情四第二〇号の一、広島の全国の児童相談所が行う子どもに対する人権侵害を阻止する会代表、江邑幸一さんから提出された、児童相談所における児童の環境改善等に関する陳情でございます。
 要旨は、都において、児童虐待の把握のため、私立学校で行われる自殺願望、いじめ関係のアンケートに、児童虐待の有無に関する項目を追加することというものでございます。
 現在の状況ですが、文部科学省は、虐待と疑われる事案につきまして具体的な対応の在り方を示す、学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きを定めてございます。
 都は、これを都内の私立学校に周知しておりまして、各私立学校は、それぞれの判断により、児童虐待防止のための取組を行っているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 発言がなければ、本件につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第二〇号の一は継続審査といたします。

○白戸委員長 次に、陳情四第二一号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○樋口男女平等参画担当部長 説明表の四ページをご覧ください。
 別居・離婚後の共同親権及び共同養育に係る法整備等を求める意見書の提出に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 広島県広島市の全国の児童相談所が行う子どもに対する人権侵害を阻止する会代表、江邑幸一さんから提出された陳情です。
 要旨ですが、子供の最善の利益を実現するため、次の事項を盛り込んだ意見書を国に提出していただきたいというものです。
 配偶者暴力防止法の運用改善に向けて、(1)、配偶者暴力防止法の悪用を防止するため、警察の捜査を義務づけ、証拠主義とし、親権、監護権を目的とした主張や、親子の引き離しを目的として配偶者等からの暴力について虚偽の主張することは作為的な行為であると認定し、罰則を強化すること。
 (2)、配偶者等からの暴力に関する相談が警察にあった場合は、児童相談所が子供を一時的に保護し、警察の捜査により事実が確認できれば、相談を受理するとともに、区市町村が配偶者暴力防止法に基づく届出を受理し、子供を相談者へ引き渡すこと。
 現状ですが、配偶者暴力防止法では、地方公共団体の責務として、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切な保護を図る責務を有すると規定されています。
 東京都では、同法に基づき、配偶者暴力の未然防止から被害者の安全確保、自立生活再建のための支援に至るまで、切れ目のない支援を行うことで、被害者及びその子供の救済に取り組んでおり、警察など関係機関が連携し、事実確認を慎重に行うなど適切に対応しております。
 説明は以上です。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第二一号の二は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化スポーツ局関係を終わります。

○白戸委員長 これより教育庁関係に入ります。
 冒頭、まず、議事の調整に非常に手間取りまして、理事の皆さんを大変長らくお待たせいたしたことをおわび申し上げます。申し訳ありませんでした。
 さらに、この後、非常にタイトな時間での委員会運営ということになりますので、理事の皆様、そして委員の皆様も、できるだけ発言を短くしていただきまして、速やかな運営にご協力いただきたいと思います。よろしくお願いします。
 初めに、第三回定例会において提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○浜教育長 令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明申し上げます。
 初めに、令和四年度教育庁所管補正予算案についてでございます。
 新型コロナウイルスの感染拡大を未然に防止するため、都立学校及び区市町村立学校におけるPCR検査の実施についての経費を計上しております。
 また、教職員の新型コロナウイルス感染症陽性者を早期に発見し、学校での感染拡大を防ぐため、都立学校及び区市町村立学校における教職員等への抗原定性検査の実施についての経費を計上しております。
 以上を合わせまして六億五千四百万余円を計上しております。
 次に、条例案についてでございます。
 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例外三件でございます。
 以上が教育庁関係の提出を予定しております案件の概要でございます。
 詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○田中総務部長 それでは、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、令和四年度教育庁所管補正予算案についてご説明いたします。
 お手元の令和四年度教育庁所管補正予算説明書をご覧ください。
 一ページをお開き願います。1、教育庁所管補正予算総括表でございます。
 表の上段、網かけをしてございます歳入予算の補正予算額は二億四千八百万余円の増額でございます。
 表の中段、網かけをしてございます歳出予算の補正予算額は六億五千四百万余円の増額でございます。
 二ページをお開き願います。2、歳入予算の内訳でございます。
 内容は、高等学校費、特別支援学校費及び教育指導奨励費の補正に伴う更正でございます。
 三ページをご覧ください。3、歳出予算の内訳でございます。
 都立学校及び区市町村立学校におけるPCR検査の実施、教職員への抗原定性検査の実施でございます。
 内容は、PCR検査については、児童生徒等の感染が判明した場合や、修学旅行などの宿泊を伴う教育活動、部活動の大会参加等の校外活動を行う際に、児童生徒等に実施するものでございます。
 加えて、都立学校の入学者選抜実施時に教職員へのPCR検査を実施するものでございます。
 また、教職員等への抗原定性検査については、公立中学校、中等教育学校、都立高等学校及び特別支援学校において実施するものでございます。
 次に、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和四年第三回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 提出予定の条例案は四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 三ページの新旧対照表をご覧ください。
 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の一部を改正する条例の成立により東京都パートナーシップ宣誓制度が実施されることに伴い、関係する規定を改めるほか、所要の改正を行うものでございます。
 施行日は、令和四年十一月一日でございます。
 次に、六ページをご覧ください。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 八ページの新旧対照表をご覧ください。
 こちらも、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の一部を改正する条例の成立により東京都パートナーシップ宣誓制度が実施されることに伴い、関係する規定を改めるものでございます。
 施行日は、令和四年十一月一日でございます。
 次に、一二ページをご覧ください。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 一三ページの新旧対照表をご覧ください。
 Society五・〇を支える工業高校の実現に向けた戦略プロジェクトNext Kogyo START Projectに基づき、高等学校教育の振興を図るため、工業高等学校の名称を変更するものでございます。
 施行日は、令和五年四月一日でございます。
 次に、一五ページをご覧ください。学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 一六ページの新旧対照表をご覧ください。
 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例の改正による工業高等学校の名称変更に伴い、関係する規定を改めるものでございます。
 施行日は、令和五年四月一日でございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○とや委員 まず一点目、都内公立学校における新型コロナウイルス感染症への感染が判明した学校数及び人数の状況。校種別。
 二点目、都内公立学校における都独自のPCR検査活用実績。校種別、そして使用目的別でお願いします。
 三点目、教職員の定期検査実施状況及び陽性の疑いが判明した数。
 四点目、都内各自治体の物価高騰に対する学校給食費の保護者負担軽減状況及び負担軽減に当たっての新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用状況。
 以上、四点お願いします。

○白戸委員長 ただいま、とや理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○白戸委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願四第九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○瀧沢指導推進担当部長 請願四第九号、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用の延期・見直しに関する請願についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 本請願は、千代田区の都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会代表、池田真澄さん外二千百八十七人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用について、延期、見直しをしていただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、中学校英語スピーキングテストは、中学校における学習により身につけた話すことの力を客観的に評価し、中学校と高校における英語指導の充実を図るとともに、全ての中学生が英語を学習することの意義や価値を実感し、生涯にわたり学び続ける意欲を高めることができるよう実施をいたします。
 都教育委員会では、グローバル人材の育成に向けて、使える英語力の育成を重視しており、四技能の育成を目指した施策を展開しているところでございます。
 都立高校入試におけるスピーキングテストの結果の活用につきましては、こうした考えの下、適切に配点したものでございます。
 本テストの終了後には、スコアや到達度及び個々の解答状況に応じた学習アドバイスが記載された結果帳票を、受験した生徒一人一人に返却をいたします。
 また、評価につきましては、自分のことについて質問に答えたり、話したりすることができる、身近な話題について相手と意見交換ができるなど、英語を使って何ができるかを示した基準に従い、到達度を総括的に六段階で表し、入学者選抜では、日頃の学習の成果として段階別評価を点数化し、適切に活用いたします。
 都立高校入試にスピーキングテストの結果を活用する上では、本テスト実施日--これは予備日を含みますが--に、インフルエンザ等に罹患した者など、やむを得ない理由により受験することができなかった生徒などに対し、不利にならないような取扱いが必要となります。
 こうした本テストの結果がない生徒に対して点数を付与するのに当たり、都立高校入試において最も参考になり得る数値であります英語学力検査の得点を勘案し、得点を算出することとしたものでございます。
 具体的には、当該生徒と英語の学力検査の得点が同じ者などの本テストの結果の得点の平均値を用いて点数を算出いたします。
 本テストの日程につきましては、区市町村教育委員会や中学校等からの意見を踏まえて、中学校三年生までの学習の成果を発揮できる最適の時期を決定しており、返却されたテスト結果を基に、中学校において進路指導を行う期間等も確保しております。
 本テストは、学習指導要領の目標を踏まえて東京都が決定した出題方針に基づき、都独自の内容で出題をいたします。
 都教育委員会は、小学校、中学校、高校における一貫した英語教育の推進により、生徒の使える英語力の育成を図るため、中学校英語スピーキングテストを着実に実施し、都立高校入試にも活用してまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○ほっち委員 それでは、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用の延期・見直しに関する請願について質疑をさせていただきます。
 我々、都議会自民党は、この間、一貫して、次代の東京を担う子供たちが、東京はもとより、海外をも視野に入れて活躍できるようにするために教育が果たす役割は極めて大きいことを踏まえ、グローバル人材の育成に向けて取組を強化するための提案を行ってまいりました。
 そこでまず、グローバル人材の育成に向けて都教育委員会が取り組んでいる施策について、具体的にお伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 世界を舞台に活躍するグローバル人材の育成に向けて、生徒が自らの考えや意見を積極的に発信する、使える英語力をさらに伸ばす必要がございます。
 都教育委員会では、英語を聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの力を伸ばす指導の充実を目指し、都内公立中学校の全英語科教員を対象とした研修や指導資料等により、授業の改善にこれまで取り組んでまいりました。
 また、話す力を強化するための取組として、体験型英語学習施設TOKYO GLOBAL GATEWAYの開設、外国人指導者の全都立高校への配置、様々なニーズに応じた英語学習コンテンツの配信、オンラインで海外と交流をするTOKYO ENGLISH CHANNELなどを展開してまいりました。
 これらの取組により、都の中学生、高校生の英語力は、国の目標値を上回るなどの成果が現れております。

○ほっち委員 我が会派は、スピーキングテストの導入についても、これまで都教育委員会が進めてきたグローバル人材育成の一環であると捉えており、その取組を大きく進める段階に来たものというふうに受け止めています。
 また一方で、初めての導入で、生徒はもちろん、保護者、そして、指導する先生方からも様々なお声を我々にもいただいているところであります。
 そこで、都立高校の入試にスピーキングテストの結果を活用することの意義について、改めてお伺いいたします。

○村西都立学校教育部長 都立高校の入試におきましては、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められている力が身についているかをはかる必要がございます。
 英語については、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの四技能の習得状況をはかることが重要でございます。
 今回新たに、話すことの技能の習得状況に関する評価を導入し、受検者が中学校の学習で身につけてきた英語の四技能に係る学習の成果をはかるために、スピーキングテストの結果を都立高校の入試で活用するものでございます。

○ほっち委員 私は、都立高校の入試は、義務教育段階の学習の目的地を指し示す、いわばマイルストーンの役割があると考えています。生徒がこれまで学んできた英語の四技能の学習の成果をはかり、また、助言することはもとより、授業における教員の指導力向上にもつながるものであり、テスト結果を都教育委員会が入試に活用することは、極めて重要な要素であるというふうに考えています。
 スピーキングテストは十一月に実施をされ、来年二月に行われる令和五年度の都立高校入学者選抜から活用が開始されますが、テストの導入に向けたこれまでの取組についてお伺いをいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、平成二十九年度から、外部有識者や学校関係者等から成る検討委員会を設置し、スピーキングテストの実施方法等について協議を重ねてまいりました。
 具体的には、学習指導要領に準拠した問題の作成や、多摩及び島しょ地区の生徒に配慮した試験会場の設置など、円滑な実施に向けた検討を重ね、令和元年度は都内公立中学校第三学年約八千人、令和二年度は約九千二百人を対象にプレテストを実施いたしました。
 昨年、令和三年度は、都内公立中学校第三学年の全生徒約八万人を対象にプレテストを実施するとともに、都立高校入試における活用や、中学校及び高校における指導改善への生かし方について検討するなど、着実な準備を進め、英語教育のさらなる充実を図ってまいりました。

○ほっち委員 今の答弁を伺って、都教育委員会はこれまで、長年にわたり、スピーキングテストの実施に向けて着々と準備を進めてきたということは分かりました。
 私、先ほども申し上げましたけれども、指導する側の教員の皆さんからも、今回のこの導入について、多くのご意見もいただいています。
 そこで、学校現場の取組はどのように進んでいるのか。特に、現場の教員のスピーキングに関する指導力の向上は図られているのか、お伺いをいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、生徒の話すことの力を伸ばすため、都内公立中学校の全英語科教員を対象とした研修や海外派遣研修の実施、生徒の発話を引き出すための工夫に関する指導資料の配布などにより、英語教員の英語力、そして英語指導力の向上に取り組んでおります。
 また、専用のウェブサイトを通じて、話す練習ができる動画教材でありますとか、スピーキングテストの問題などを提供し、指導に活用できるよう、学習環境を整備しております。
 こうした取組により、授業を英語で進める教員の割合が八割を超えるなど、着実に授業改善が行われております。

○ほっち委員 今後も教員の指導力向上に積極的に取り組んでいただきたいと同時に、教員の皆さんも、新しいことを初めてやられるという形になっていますので、心のケアというか、しっかりと寄り添った形で、教える側の先生もしっかりと見ていただきながら、やはり一番大事なのは、生徒さん、また保護者の皆さんという形なので、しっかりと寄り添っていただいて取り組んでいただきたいというふうに思っています。
 次に、都教育委員会は、スピーキングテストの実施に当たり、障害のある生徒など、特別な配慮が必要な方向けに特別な措置を設定しています。
 その具体的な内容についてお伺いをいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 全ての生徒が安心してテストを受けることができるため、障害等に基づく合理的な配慮として、視覚や聴覚、吃音、発話障害などに係る十四区分を設定し、解答時間の延長、音声を文字化した資材の使用、採点時に注意して解答を聞き採点するといった、障害特性に応じた措置を行っております。
 今年度は、特別措置に関する情報を、リーフレットに加えて、ウェブサイトを通じて提供するとともに、申請の受付期間を延長することにより、生徒、保護者が教員などと十分に相談しながら措置を申請できるように対応いたしました。

○ほっち委員 誰一人取り残さない教育の実現のために、スピーキングテストにおいても、全ての子供に対して学びの機会を保障することは大変重要であるというふうに思います。今後も関係者の意見をしっかりと聞いていただいて、前進していただきたいと思っています。
 次に、スピーキングテストの入試活用に当たって、請願の理由になっている論点について確認をしていきたいと思います。
 まず、スピーキングテストの配点を二十点としたことにより、英語の配点が、国語や数学など他の教科よりも高くなることについて、都教育委員会の見解をお伺いいたします。

○村西都立学校教育部長 都教育委員会では、グローバル人材の育成に向けまして、スピーキングを含めた四技能の習得を通じた使える英語力の育成を重視した施策を展開しているところでございます。
 都立高入試におけるスピーキングテストの結果の活用に当たりましても、学習指導要領で求められる四技能の習得状況をはかり、使える英語力の育成を重視するという考え方の下、適切に配点したものでございます。
 その結果としまして、英語は他の四教科よりも配点は高くはなりますが、国語や数学など、都立高校入試でのその習得状況をはかっている全ての教科が重要であると認識しております。

○ほっち委員 入試において重要なことは、学習指導要領で求められる成果、すなわち英語においては、話すことを含めた四技能をしっかりと検証して、はかることであると思います。
 また、先ほどから述べているとおり、将来を担う子供たちには使える英語力の強化が不可欠であり、都教育委員会がこれを重視した結果が、今回のこの配点に表れているというふうに思います。
 英語力重視は時代の要請であり、こうした考えをもっと積極的に都教育委員会として発信をしていくべきと考えます。
 次に、八万人の受験者の採点を、基準に従い公平に行うことが可能なのかということをお伺いしたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 採点は、大学の学位や英語教授法の資格を持つなど、高度な英語力と英語教育に関する専門性を有した者が、事前に本テストの採点に係る研修を受講し、基準を満たし合格した者のみが専任で行っております。
 また、情報管理を徹底した環境において、採点基準に従い、複数の専任者による採点、審査、抽出による点検を経て評価を確定し、都教育委員会がその結果を確認しております。
 さらに、五月十五日から十七日までの間、フィリピンの採点センターを訪問し、セキュリティや採点体制など、採点業務の実施について直接確認をしてまいりました。その結果、現地採点センターでは、採点に係る体制が構築されており、公平、公正な採点が実施できる環境であることを確認いたしました。
 引き続き、現地の訪問等を通じて、採点業務の確実な実施を確認してまいります。
 なお、令和三年度に都内全公立中学校の三年生を対象に実施いたしましたプレテストにおきましても、所定の期間内で公平、公正に採点を完了できたことを確認しております。

○ほっち委員 スピーキングテストの解答正解は、一律に決まるものではないということは当然であります。言語はコミュニケーションの手段ですので、様々な表現もあり得ます。しかし、だからといって、評価ができないとか、能力を検証できないということでは全くないのではないでしょうか。
 基準をつくり、研修を受けた複数の専任者が関与することで正しい評価は可能であると思いますし、当然、その結果を入試に活用することも可能であるというふうに私自身考えています。
 次に、英語教育に関する教材を出版し、通信教材を販売している民間事業者がテストを実施し、採点を行うことが利益相反につながるのではないかと危惧する声もよくお聞きをしています。
 そこで、見解を伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、事業者と締結をしている基本協定及び覚書におきまして、事業者が本テストに関する模擬試験や関連教材の作成、販売をしたり、本テストの申込みのページや教員向けのウェブサイトなどにおきまして教材の購買を勧誘する表記を行ったりするなどの具体的な禁止事項を明記し、利益相反行為を禁止しております。
 また、都教育委員会は、定期的にウェブサイトなどを閲覧するなど、利益相反行為が行われていないことを確認しております。

○ほっち委員 今のお答えのとおり、利益相反行為については、協定で明白に禁止されていることは分かりました。この協定が守られるよう、しっかりと都教委として管理していくことも重要なので、そのことに留意をしっかりしていただいて進めていただきたいと思っています。
 次に、テストの実施日に、コロナに感染してしまったなど、やむを得ない理由によりスピーキングテストを受験できない、または受験できなかった生徒のような不受験者が都立高校の入試を受検する場合は、具体的にどのような取扱いをするか、お伺いします。

○村西都立学校教育部長 吃音や緘黙、様々な事情から登校できないなどの事由によりテストを受験できない生徒、または、テストの実施日、予備日にも、インフルエンザ等の罹患などの事由によりテストを受験することができなかった生徒など、やむを得ない理由により、実施要綱に基づき承認を受けた生徒が都立高校の入試を受検する場合は、不利にならないよう、点数を付与する措置が必要でございます。
 こうしたスピーキングテストの結果がない生徒に対して点数を付与するに当たり、都立高校入試において最も参考になり得る数値である英語学力検査の得点が同じ者等のスピーキングテストの結果の平均値を用いまして、スピーキングテストに相当する点数を算出することとしておりまして、合理的な最善の方策であると判断しております。

○ほっち委員 やはり八万人の方が受けるとなれば、その当日、インフルエンザですとか、様々な状況というのが出てくるというふうに思っています。
 やはり、やむを得ない理由でスピーキングテストを受験できなかった生徒に対して、何の措置を講ずることもなく、スピーキングテスト相当の部分はゼロ点ですというのは、かえって納得性が得られないのではないかというふうに思いますし、様々な状況が想定される受検生に対する姿勢としても問題があるというふうに私自身考えています。
 こうした特例的な措置、すなわち、何らかの得点を付与する措置が必要となるということが大前提であります。
 また、英語の学力検査の得点を参考にして、同じ水準の受検生のスピーキングテストの結果の平均を基に算出するという方法についても、与えられた入試選考材料の中で実施ができる代替的な手段としては妥当であるというふうに考えますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 最後になります。
 今年度の申込みは、九月六日で一旦締め切ったということでありますけれども、申込み状況についてお伺いをいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 申込者数は、都内全公立中学生のうち約七万六千人でございます。在籍生徒数に対する申込者の割合は約九五%でございます。
 なお、申込みを行っていない生徒は、主に夜間学級、不登校生徒、希望により受験が可能としている特別支援学校、特別支援学級などの生徒でございます。

○ほっち委員 これまで、スピーキングテストやその入試への活用について、論点を中心に質疑を行わせていただきましたが、都教育委員会の実施方針や制度設計にはしっかりとした理由があり、最善の方策で臨んでいることが確認できた、また理解できたというふうに思っています。
 今回、このスピーキングテスト、初めての導入、初めての実施とするということで、様々な困難も伴うし、生徒や保護者はもとより、関係者の不安があることは当然のことだというふうに思っています。だからこそ、都教育委員会にはより丁寧な説明が求められるし、この点においても一層の努力が必要だというふうに考えています。
 申込み状況からも、教育現場では、スピーキングテストの実施に向けて準備が相当進んでおり、入試への活用も含めて、受検に向けて準備を進めている中学生を不安にさせることがないよう、万全の体制で実施をしていくことが都教育委員会の責務であるというふうに考えています。
 重要なことは、次代を担う子供たちのために、使える英語力を身につけられるよう、スピーキングテストを含めて積極的に施策を進めていくことであります。
 我々、都議会自民党は、この大きな目標において、ぶれることなく、今後も、グローバル人材育成に向けて都教育委員会に様々な提案をしていくことを申し上げ、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○内山委員 私から、また質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、英語教育というのは、私、今、四十二歳ですけれども、例えば私が若い若いといっても、受けた中学校の英語教育というのは、何年前だ、三十年近く前なわけです。そこから、当然、四技能であるとか、スピーキングテストとか、また、昨今ではICTの教育機器も入ったり、様々、教育環境というのが変わっている中で、少なくとも、我々、ここにいらっしゃる方、全ての英語教育を受けた経験値で語るというのは、なかなかこれはギャップが生じるのではないかなと思っています。
 そこで、まず最初にお伺いしたいのは、今の英語教育の現状認識というところであります。
 試験を行うということは、前提として、それをはかるだけのしっかりとした教育が行われているということが必要不可欠だと思いますが、英語の授業の現状について、状況について、まずはお伺いしたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの英語四技能のバランスのよい指導を目指し、授業改善に取り組んでおります。
 都内公立中学校におきましては、英語を使って、関心のある事柄について即興で話し合ったり、自分の考えや意見を伝え合ったりする力を育成する指導が行われており、話すことのいわゆるパフォーマンステストも、一校、年平均五回程度実施されております。
 また、都内公立中学校の全英語科教員を対象とした研修、海外大学と連携した集中研修、指導資料等によりまして、英語教員の英語力、そして英語指導力の向上に取り組んでおります。
 こうした取組により、確実に授業改善が行われていると認識しており、都の中学生の英語力も、国の目標値を上回るなどの成果が現れております。

○内山委員 ありがとうございます。
 そういった中で、聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと、まさにこの四技能をバランスよく、しっかりと習得していくという中で、日本人は本当に、何十年間、話すことがなかなかうまくいかないんだと。私も、一年間、カナダに留学経験がありますが、読み書きはできるんだけれども、話すのはできないという--私は、読み書きも当時はできませんでしたけれども、そういった日本人の留学生をたくさん見てきました。
 そういった中では、授業改善も行われてきて、それでも、いよいよ今度は入試に活用していくことで、しっかりと四技能をバランスよく出していくんだと。もっといってしまえば、今、このスピーキングは、四技能の中でも立ち後れてしまっているところだから、そこをしっかりと、特出ししてでも進めていきたいんだという都教育委員会の思いというのは、私も共感するところであります。
 しかし、さりとて、初めてのことですから、様々な請願陳情、前定例会でも審議がありましたが、保護者の方、当事者の方、現場の方、様々な方から不安や懸念の声が上げられるというのは、これは致し方ないことであると思いますし、そういった声に、一つ一つしっかりと応えていかなくてはならないというのも、私は感じているところであります。
 そういった中で、まず一点目としましては、経済格差の問題があります。
 これはもう、このスピーキングテストだけではありませんが、どうしても家庭の経済格差というものが子供の学力格差につながってしまうという、そもそも根底の課題があると思うんです。
 そこを何とか、これまで都教委としても、スタディ・アシスト事業だとか、塾代支援だとか、こういった様々な政策を打っていくことによって、まだこれは途上だと思いますけれども、できるだけ家庭の経済の格差が子供の学力格差につながらないような仕組みをやられているという中において、新しくこのスピーキングを入れるとなれば、当然、民間の塾とかもスピーキング対策講座とかを打ち出してやって、当然、経済的に余裕のあるご家庭や意識のあるご家庭はそこに行くということも想像できるし、実際、そういうことが起きているわけです。
 そういった中では、家庭の経済格差がテストの得点の差に結びついていく可能性がある中で、私は、そういったことにならないように、都教育委員会としても対応していくべきと考えますが、対応を伺いたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストは、中学校での学習内容から出題し、その成果をはかるものであり、授業で学習したことを習得することで十分に対応できる内容で出題をいたします。
 中学校における授業では、生徒が事実や自分の意見を英語で伝え合う活動に取り組むなど、コミュニケーションを図る場となっております。
 また、都教育委員会は、子供たちが興味や関心に応じてスピーキングの練習ができる動画教材を無料で配信しているほか、スピーキングテストの過去の問題、解答例をウェブサイトに掲載しております。
 ただ、その一方で、家庭における学習環境の違いによってテストの結果に影響が出るのではないかと不安に思う生徒や保護者の声があることも承知をしております。
 こうしたことから、経済的な負担がなく、全ての生徒がスピーキングの力を伸ばすことができるよう、テストに向けた学習の仕方や練習問題、アドバイスなどをまとめたスピーキングテストの準備動画をまた新たに作成いたしまして配信をする予定でございます。

○内山委員 ありがとうございます。ここに対する意見は、次の質問の後にまとめて申し上げたいと思います。
 次の質問は何かというと、今度は、これは経済格差ではなくて、自治体間格差が生まれるのではないかという懸念が寄せられています。
 ESAT-Jを請け負うのがベネッセコーポレーションということもあって、そこのGTECの試験内容、やり方に酷似しているということが指摘をされています。このGTECを導入している自治体というのが一定数ありまして、その受検経験がある方が、このスピーキングテストの受験に有利になるんじゃないかという指摘があります。
 これについて、都教育委員会の見解を伺いたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほどの答弁と重複いたしますけれども、スピーキングテストは、学習指導要領の目標を踏まえて東京都が決定した出題方針に基づき、都独自の内容で出題する新しいテストでございます。
 もとより、GTECの受検経験により、スピーキングテストの受験が有利になるという根拠はございません。
 中学校で行われている通常の授業で学習したことを習得すれば十分に対応できるテストとして出題をいたしますので、授業での学習にしっかり取り組んでもらいたいというふうに考えております。

○内山委員 GTECの受検経験により、スピーキングテストの受験が有利になるという根拠はないという答弁でしたが、例えば、同じ学力でも、その測定方法によって、やはり慣れていればそれだけ、出てくる得点が変わってしまうという、この保護者の方々の懸念というのは、私は無視できないと思うんです。
 そういった意味では、もちろんGTECかどうかということだけではなくて、残念ながら、はっきり申し上げて、各自治体の様々な意識によって、教育格差とか、何に力を入れているかというのは違います。リスニングに力を入れているところもあれば、英語に力を入れているところもあれば、読み書き、国語に力を入れているところもあるので、そこは確かに、自治体によっての格差というのは出てしまうかもしれないのですが、一方で、経済格差と同じように、都教委の方で様々なコンテンツや教材というものをしっかりと用意して、意欲のある子供たちがそこにアクセスをすれば、無料で幾らでも勉強ができるという環境を整えていただけるということだったので、そこをしっかりとやっていただくことによって、仮にGTECを受けている自治体が有利なんじゃないかと思っても、それは教材を探すことによって、都教委からの教材をしっかりとやることによって、その差というのは、もう限りなくゼロに近づいていくという、そういった取組をしていっていただきたいなというように思っています。
 続きまして、得点の換算方法というところで、百点満点のものを六段階に分けて、それが一つ一つが四点刻みだと。それによって、一点を争う入試において、この四点刻みというのは、合否判断、先ほど申し上げましたが、一点で合否を判断する入試においては、活用するのは妥当ではないんじゃないかという、こういう懸念の声も寄せられています。
 この辺りについて、まずは都教育委員会の見解を伺いたいと思います。

○村西都立学校教育部長 スピーキングテストにおける評価、外国語運用能力等の国際的な基準であるCEFRと呼ばれるグレードを踏まえまして、自分のことについて質問に答えたり、話したりすることができる、身近な話題について相手と意見交換ができるなど、英語を使って何ができるかを示した基準に従いまして、その到達を、総括的に六段階で表したものでございます。
 入学者選抜におきましては、英語の四技能の習得状況をはかる上で、最適な方法により検査を実施することとしておりまして、話すことの技能においては、スピーキングテストにおけるこの六段階の評価を段階別に点数化し、適切に活用してまいります。

○内山委員 ありがとうございます。今、国際的な基準であるCEFRというグレードを踏まえてという答弁がありました。
 私も恥ずかしながら、CEFRというのを知らなかったので、調べさせていただいたところ、よく懸念をされている方が、大学の共通一次で使うのを検討したけれども、国はそれを断念したというところにおいて、これは入試には適さないんじゃないかというご意見もいただいているのですが、一方で、各大学ごとの入試を調べてみると、二〇二一年においては、七百三十五校中四百十三校、実に五六・二%、半数以上の大学が、このCEFRというものを使ってグレードごとに点数を算出している。東京都の今出されているのは四点刻みですが、中には、五点刻み、十点刻みという入試を設定されている大学というのも、ごくごく一般的であるということが、調べた結果、明らかになりました。
 そういった中においては、まさにこのグローバルスタンダードの中で、どう英語の技能をはかっていくかというものと、一方で、一点刻み、普通の入試も一問一点ではありませんけれども、でも、最終的には積み上げてみたら、一点刻みというものに対して懸念の声があるというのは十分、分かる一方で、どうしても、やはり一番は子供たちがスピーキング能力をどうやって育んでいくかということになっていくと思いますので、点数換算に関しては、極力、これ、本当に専門分野の話ですから、普通に説明するだけだと、なかなかご理解いただけないことも多いと思いますので、しっかりと--そもそもの世界的な基準の中のCEFRというものの中でグレードをどうやってつくっていくかというものが、それが、例えば一点は一点じゃないんだという、この極めて分かりづらい部分というものを、引き続き、都教委としても説明、発信をしていただければなというように思っております。
 続きまして、不受験者の扱いというところで質問していきたいと思います。
 先ほど、ほっち副委員長から、不受験者の中で、様々な障害のあるお子さん、様々な受験に困難のあるお子さん、もしくは、二回のチャンスですから、コロナにかかって、インフルエンザにかかったと、もしくは、あってはならないですけれども、事故になって一か月入院しなきゃならなくなった、本当に本人の意思ではどうにもならない理由で不受験になるというところに関して合理的な配慮を都教委はしていくんだということは、私は本当にあるべき姿だなというふうに思っています。
 一方で、できるだけ合理的な配慮で救える子たちは救っていきたいというところが先行してしまうと、そこを逆手に取った戦略的不受験が可能であるかのような懸念が、心配されている皆さんから寄せられているところであります。
 私、ここは、合理的な配慮をしっかりとして、できるだけ救済で救っていきたいということをやるのであれば、一方で、それを受けられる子供たちというのは厳格にしていかなくてはならないのではないかと。要するに、苦手だから受けなくて、平均点もらえるからいいやではなくて、しっかりと、基本的には何があっても受けるんだと。
 でも、その上で、先ほども部長から答弁がありましたが、本当にどうにもならない事情で、しかも、それにはしっかりと証明もついて、客観的に見て、これはもうしようがないよねという環境でなければ、この不受験者の扱いにはするべきではないというふうに思っているのですが、都の教育委員会の対応、見解を伺いたいと思います。

○村西都立学校教育部長 今、理事から申し上げられたとおり、不受験者の扱いと対象になる生徒の要件でございますけれども、吃音や緘黙、様々な事情から登校できないなどの事由により、テストを受験できない生徒がいらっしゃいます。また、テストの実施日、予備日にも、インフルエンザ等の罹患などの理由により、テストを受験することが結果的にできなかった生徒の皆さんもいらっしゃることが想定されると。
 こうした受験者本人の責めによらず、やむを得ない理由によりスピーキングテストを受験できない、または受験できなかった生徒につきましては、実施要綱に基づき、まず、中学校の校長先生に所定の申請書を出していただいて、それを校長を通じて都教育委員会に提出していただきます。さらに、教育委員会では、承認を受けた場合に、不利にならないよう不受験者の扱いとして対応すると。二段階の対応を取っております。
 また、これに加えまして、不受験者としての措置を承認するに当たっては、原則として、実施日及び予備日のどちらも受験することができなかった理由を証明する医療機関の証明書などを添付することを求めるなど、適正に対応してまいります。

○内山委員 ここは本当に、救済と厳格化というのは、まさに両輪となって必要な部分だと思いますので、そういった対応をしていただくようお願いしたいと思います。
 引き続きまして、都内の公立中学校以外の生徒の受験、私立だとか、国立だとか、もしくは都外の子たちの受験についてお伺いしたいと思います。
 そういった内容について、先日、発表がありました。正直申し上げて、遅いんじゃないかという感想を私自身も持っています。様々な関係機関と調整をされてきた結果だとは思いますが、それにしても、もう一般の子たちは申込みが終わった段階でこれが出てくるというのは、かなり遅いと私は思います。
 そういう意味では、かなりここから巻き返しを図っていっていただかなければならないと同時に、現在の一、二年生に関しても、今後は受験の対象となっていくことですから、今後の周知に力を入れていくべきであると考えますが、都教育委員会の取組について伺いたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 都内公立中学校以外の生徒に向けた周知の取組として、都内国私立中学校には受験に関する案内を提供するとともに、都教育委員会のウェブサイト上に情報を掲載しております。
 また、相談窓口を案内し、スピーキングテスト全般についての質問や相談を受け付けております。
 今後も、関係機関と調整を進めながら、丁寧に周知を図ってまいります。

○内山委員 ありがとうございます。
 どうしても一般的に頭に思い浮かぶのは、私学の子たちが都立高校を受けたいというケースかなというふうに思います。そういった中で、私学ともしっかりと連携をしながらというところが、難しい部分もあろうかと思いますが、しっかりと都教育委員会の責任において、そういった周知徹底をしていっていただきたいなと思います。
 続きまして、不受験者の得点の開示についてお聞きしたいと思います。
 都教育委員会はこれまで、都立高校入試の学力検査の得点や答案を開示し、透明性を担保して信頼性を高めてきました。
 やむを得ない理由によってスピーキングテストの受験ができなかった不受験者の得点について開示されないのではないかという理解をされている方がかなり、私の元には不安の声として届いてきています。
 この不受験者の得点についても、私どもは開示をしていく必要があるというように思いますが、都教育委員会の見解を伺いたいと思います。

○村西都立学校教育部長 スピーキングテストの不受験者は、都立高校入試の実施要綱に基づきまして、開示請求書を各都立高校に提出することによりまして、不受験者の措置として算出されたスピーキングテストの結果を確認することが可能にいたします。
 開示請求書につきましては、不合格者は三月上旬から、合格者は五月上旬から、各都立高校で受付を開始いたします。
 開示請求書を受け付けた都立高校では、不受験者の措置として算出されたAからFまでのスピーキングテストの結果も記載した学力検査等得点表を請求者に交付いたします。

○内山委員 これは極めて重要な答弁をいただいたかと思います。不受験者の得点の開示が、これまではされないんじゃないかというふうな理解だったものが、今の答弁だと、不受験者の得点の開示もしていくということでありましたので、透明性の担保という点からも、これはしっかり進めていただきたいと思います。
 さらに申し上げると、今度は、不受験者ではなくて受験者の方です。
 受験者の方が採点結果を確認するという中において、これまでは、そもそもアチーブメントテストなんだから結果が出ているじゃないかという、こういう答弁だったと私は記憶をしているのですが、そうではなくて、一歩踏み込んで、例えば音声データ、こういったところまでしっかりと開示をして、この入試の透明性を確保していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 十一月二十七日のテスト終了後には、なるべく速やかに、採点基準や、設問ごとにそれぞれの評価に対応した複数の解答例を公表することで、採点について理解することを促進していきたいと考えております。
 また、採点の終了後には、スコアや到達度、学習アドバイスが記載された結果の帳票を、受験した生徒一人一人に返却することで結果をお知らせいたします。
 なお、先生からご指摘のございました音声データにつきまして、これは希望する受験者が確認できるよう、現在、準備を進めております。

○内山委員 こちらも大変重要な答弁をいただいたのではないかなと思っています。
 本当に透明性の確保というのは、入試においてはかなり重要なテーマだと思いますので、しっかりとこの二点、不受験者の得点の開示、また採点結果の開示も、音声データも含めてしっかりとできるように準備を進めていただきたいというように思います。
 続きまして、個人情報についての懸念についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど、ほっち副委員長からは、利益相反についての質疑がありました。私からは、もちろん利益相反ということも当然なんですが、個人情報の漏えい事故を起こしたことのあるベネッセコーポレーションというところに個人情報を預けることや、もしくは、個人情報がその企業の営利目的に使用されるのではないか。先ほどの利益相反だけではなくて、そういったことに利用されるのではないかという不安を覚える保護者もいます。
 何かのアンケートに答えて、いや、何も資料とかは送らないですよといいながら、私も、よく子供が何かゲームをしたいからといって書くと、送らないんですねといって確認しておきながら、そこから山のように資料が送られてくるという経験をしたことがありますので、そういった意味では、保護者の方が当然こういった--ベネッセに限ったことじゃないですよ。民間の企業が、こういった個人情報というのはやはり宝ですから、それを自分のところの利益に使うんじゃないか、もちろん情報漏えいも心配だし、また、そういった利益目的に使用されるんじゃないかということも心配だということがあるんだと思います。
 こういった不安を払拭するためには、しっかりと覚書をつけて対応していくということが重要だと思いますが、都教育委員会の対応を伺いたいと思います。

○瀧沢指導推進担当部長 二つの観点からご質問いただきました。
 まず、個人情報につきましては、事業者と締結している基本協定及び実施協定に基づきまして、都教育委員会の監督の下、厳重に管理し、東京都教育委員会文書管理規則に基づき、四年間保存した後、削除をいたします。
 また、基本協定及び覚書等において、個人情報は、スピーキングテストの実施の業務の用途に限定して使用するというふうに定めております。
 また、ウェブサイト等において教材の購買を誘導する広告を行うことなど、具体的な禁止事項も明記し、利益相反行為を禁止しております。

○内山委員 今、答弁いただきましたように、一般的に保護者の皆さんが心配されているようなことは、明確に基本協定や覚書等によって規定されているということでありました。ぜひここを、都教育委員会の皆さんには厳格な対応をしていただきたいというように思っています。
 ベネッセであろうがなかろうが、個人情報の流出というのはあってはならないし、それを利益相反、営利目的で使うということもあってはならないことだと思います。そういったところを厳格に対応していただきたいというように思っています。
 最後です。周知の徹底というところでお伺いをしたいと思います。
 この間、スピーキングテストに向けて、都教育委員会としては、チラシというか、こういったものを……(資料を示す)毎月配ったりとか、ホームページで周知したりというふうにされてきましたが、それもなかなか保護者の方々や子供たちには伝わり切っていないという現状も指摘をされています。
 そういった中で、もうスピーキングテスト実施まで二か月半というところまで来ていまして、生徒たちがテストに向けて安心して準備ができるように、周知をさらに行っていくことが必要であると思います。
 また、私たちの要望を受けていただきまして、相談窓口の設置などもしていただきました。
 ただ、この相談窓口も、まだ設置して間もないですから、もちろん、あること自体も知らない保護者の方が多いと思いますので、この相談窓口での対応などの具体的な対策をしっかりと行っていっていただきながら、情報をしっかりと保護者の皆さん、生徒、当事者に出して、不安をできるだけ払拭していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、今月新たに、これまでの配布物や動画をまとめたスピーキングテストの特設ページをウェブサイト上に開設いたしました。
 今後は、スピーキングテストに向けた学習の仕方やアドバイスを伝える動画を配信するとともに、テストに関するFAQや、当日の受験の仕方などをまとめた手引などを配布してまいります。
 また、相談窓口を周知し、生徒の質問等に丁寧に対応してまいります。

○内山委員 ありがとうございます。私どもも、様々な都民の皆さん、また、教育現場の皆さん、当事者の皆さんのお声を伺ってまいりました。
 今、るる質疑させていただいた内容は、主に不安、懸念ということを寄せられた皆さんからのをベースに質疑をさせていただいたり、改善要望をさせていただいたり、様々させていただいたわけですが、一方で、これからの英語教育を考えたときに、しっかりとこのスピーキングテストは進めていってほしい、これは本当に改革なんだと。現場で様々な意見がある中で、それでも、これまで立ち止まってしまったものを何とか進めてほしいんだという意見も、私どもの方には寄せられています。
 そういった意味では、第一歩を踏み出す都教育委員会の皆さんでございますので、ただやみくもに突っ走っている感じは私は見受けられないですけれども、しっかりと、こういった懸念されている保護者の皆さんにも寄り添いながら、私たちも引き続き、様々なご相談または要望をお届けさせていただきたいと思いますので、ぜひこの中学校英語スピーキングテストが公平、公正、透明な実施となるよう、引き続きご尽力いただきたいとお願いと意見を申し上げまして、私たちは、本請願には不採択という立場を表明させていただきたいと思います。
 私からは以上です。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 請願四第九号、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用の延期・見直しに関する請願について伺います。
 この請願の願意は、公立中学校三年生全員の約八万人を対象に行われる中学校英語スピーキングテスト、ESAT-Jの結果について、都立高校入試への活用は、多くの問題をはらみ、ふさわしくないため、延期、見直しをしていただきたいというものです。
 七月から、実際に申込みが始まりました。しかし、問題が続出しています。締切りの延長や不受験者の対象変更など、申込み開始後に新しく学校に通知されることも多く、当事者も、保護者も、学校現場も混乱しています。
 そのため、保護者の不安や怒りは大きく広がり、都議会での集会や都教委への要請行動、住民監査請求も起こされ、都内各地で集会や学習会が開かれ、ズームやユーチューブ、また、ツイッター、ツイッタースペースなどで、連日、問題点の指摘や中止を求める声が発信されてきました。
 来年の高校入試を控えた中学三年生にとって合否を左右する問題だけに、多くの保護者や教員、専門家らの反対の声が上がり、その世論はますます強くなっているのです。
 東京都教育委員会に、こんな状況で突き進んでよいのか、鋭く問われています。
 多くの問題を抱える英語スピーキングテストですが、私どもは、この間、予算特別委員会をはじめ、文教委員会、代表質問と、問題点を指摘し、見直しを求めてきましたが、今日は改めて、様々な重大な点がありますので、順次伺います。
 まず、不受験者についてです。
 五月に、不受験者はどんな生徒を指すのかが発表され、とや議員が不登校や場面緘黙の子はどうするのかと聞いたら、個別に判断という曖昧な答弁で当事者を不安にさせていましたが、そのまま七月に申込みが始まっています。
 あるご家庭は、不受験申請をしようとしたら、学校が区市町村教育委員会に問い合わせ、ESAT-Jの登録が必要だといわれて諦めた生徒もいます。
 そこでお聞きしますが、不受験申請に当たり、ESAT-Jの申込みは必要ですか。

○瀧沢指導推進担当部長 やむを得ない理由によりESAT-Jを受験できない生徒に対する特別措置申請の対象となる場合には、ESAT-Jの申込みは不要でございます。

○アオヤギ委員 必要ないということですけれども、学校では判断できず、教育委員会に問い合わせて、ESAT-Jの申込みをするよういわれたそうです。実際、七月二十一日には、突然、新聞に、吃音の生徒は不受験でもよいと方針が報道されました。
 八月三日には、区市町村に吃音や場面緘黙、不登校などは不受験申請できると通知されています。九月三日になっても、不受験申請ができることを知らない不登校の母親もいました。学校に問い合わせたが、よく分からなかったという声もあります。
 そこでお伺いしますけれども、区市町村や学校に対応が徹底されていません。間違った情報が伝わっているのはおかしいではありませんか。いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 今、委員ご指摘の不受験者の取扱い、あるいは特別の措置の申請につきましての情報につきましては、各教育委員会、それから学校に正式な通知として情報提供しておりますので、それに基づき対応がなされているというふうに理解をしております。

○アオヤギ委員 対応しているといわれても、実際に現場は混乱して、正確な情報が締切り間際になっても伝わっていないのです。これで高校入試としてこのまま実施できるとは、とても思えません。
 そもそも、障害のある生徒など特別申請の期間延長も、テストの申込期間も延長されるなど、そういったことが次々発表されました。そして、変更の通知が学校にたくさん送られ、先生も対応に追われています。
 こういった状況は、都教委としてどのような認識ですか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、正確な情報が学校あるいは生徒、保護者に伝わるよう、正式な文書等々で周知をしてきているところでございます。
 学校あるいは教員等の意見を丁寧に聞き取る中で、追加の対応ということで行ってきている点はございますが、それは変更というよりも、学校の要望に応えるということで対応してきているもので、それにより混乱が生じているというふうに私たちは認識をしておりません。

○アオヤギ委員 混乱が生じているとおっしゃいましたけれども、さらに、不受験者になったからといって安心できるものではないということであります。
 不受験者の生徒の点数を推計することにより逆転現象が起こり得ると、多くの方は指摘しておりますけれども、このことをどう認識していますか。

○村西都立学校教育部長 そもそも逆転現象というのがどういう現象を指すかというのは定かではございませんが、一般的には、学力検査の得点の高い方のスピーキングテストの結果と低い方のスピーキングテストの結果が、不受験者の場合、たまたまそれが入れ違ったというのをいうとすれば、それは不利にならないように取り扱った一定のルールの下に算出した結果でございますので、これを逆転現象というかどうかというのは、我々はそうではないというふうに考えております。
 いずれにしても、やむを得ない理由によりスピーキングテストを受験することができなかった生徒らに対して点数を付与するに当たりまして、都立高校入試において最も参考になり得る数値である英語学力検査の得点が同じ者等のスピーキングテストの結果を平均値を用いてスピーキングテストに相当する点数を算出することが、起こり得る様々なケースを想定しても、合理的な最善の方策であると判断しております。

○アオヤギ委員 今の答弁は、これは答えておりません。これは逆転現象は起こり得ます。このテストを二十点加えることで、そして不受験者のは類推で出している点数ですので、これは、受けなかった場合と受けた場合で逆転現象が起きるのは当然のことだと思います。
 そして、部長は、前回のとや都議の質問に対して、不受験者の点数の算出の仕方は相関性がないとおっしゃっておりますけれども、学力テストの点数の近い、ほかの生徒のスピーキングテストの点数から不受験者の生徒の点数を推定するということに、皆さんから驚きの声が上がっています。
 また、入試なのに、自分の点数が他人の点数によって決まるということがあり得るのかと、批判の声が高まっています。
 本人の実力でない推計によりスピーキングテストの点数が決まり、逆転現象が起こり、合否が入れ替わる可能性もあります。
 本人の実力でない部分でこうしたことが起こるとしたら、とても公平な入試とはいえないと、生徒や保護者から声が上がっていますけれども、どう考えますか。

○村西都立学校教育部長 都立高校の入試は、四万人の方が受検します。先ほどから繰り返し述べているとおり、不受験者の対応というのは、コロナにかかった、または場面緘黙の方、吃音の方、そういった本人の責によらない、やむを得ない事情によりスピーキングテストを受験することができなかった、または、できない生徒に対しての措置ということでございます。そういった生徒たちは点数がないわけですから、では、そこを、全くないということは、全く合理性がないというふうに思います。
 そこで、都立高校入試において、入試材料の中で最も参考になり得る数値である英語学力検査の得点が同じ水準の結果の方の平均値を用いて点数を算出することとしました。
 こういったことで、起こり得る様々なケースを想定しても、合理的で最も最善な方策な代替手段であると判断しております。

○アオヤギ委員 合理的だとおっしゃいますけれども、もうこのテストを導入することが不受験者という方たちをつくって、そして、何としてもスピーキングテストをやろうというために、点数を類推、推計値によって付与するということが、いろんな入れ替わり、本人の実力ではない、そういった点数で入れ替わるというのは事実であります。
 スピーキングテストをやめることが一番ですけれども、問題はそれだけではありません。
 国私立中学生は受験できないとされていましたが、突然、九月九日に、希望者は受験できると発表されました。
 国私立中学生は、受ける、受けないを選べますけれども、公立中学生は、条件に当てはまらない限り、選べません。これで公正、公平といえますか。

○村西都立学校教育部長 都内公立中学校の方は、全員をスピーキングテストの対象としております。
 国立、私立の中学生の方は、基本的には原則対象外といたしますけれども、希望すれば、積極的に活用したいということであれば、受験する機会をきちんと保障しております。
 そういった意味で、全く問題はないというふうに考えております。

○アオヤギ委員 とんでもないと思いますよ。そんな、全く問題ないなんて。任意性がないんですよ、こっちの公立中学生には。拒否することはできないんですよ。公立中学生は、受験するかしないかの選択の自由はありません。
 穴だらけの英語スピーキングテストを高校受検に無理に活用しようとして批判を受け、そのたびに方針をころころ変える。その結果、入試に不可欠な公平性、公正性も後退していくのです。
 また、都立高校によっては、二割が国私立中出身です。その生徒が不受験者として登録されていれば、公立中学校の生徒も影響を受けることになるのではないでしょうか。いかがですか。

○村西都立学校教育部長 先ほど、二割という数字がありましたが、基本的にはそんなに高くないと思います。実質上、今、手元に数字はありませんけれども、そんなに高くございません。
 もう一度、整理しますけれども、私立中学の方、国立中学の方、やむを得ない事情の方にはスピーキングテストの点数がないわけですから、何らかの措置を講ずることが、むしろ公平性、また合理的な選択になるということを我々は考えております。そこで、こういった不受験者の換算措置という形で我々は決めているということでございます。

○アオヤギ委員 今、高校によってはと申し上げましたけれども、二割が国私立中学出身は事実です。公立中学校の生徒も影響を受けることになるのではないかというふうに聞いていますけれども、お答えはありませんでした。公立中学生にとっても、これは人ごとではありません。
 自分の努力が結果として得られるかどうかも分からない公平さを欠く入試はやめるべき、入試はやるべきではありません。厳しく指摘をしておきます。
 また、さらに問題はあります。
 不受験者の得点の開示について、先ほど時期までおっしゃいましたけれども、合格発表後、不受験者へ知らせていくというふうにいっておりました。開示請求が可能といいますが、それは合格発表の後です。
 多くの受検生は、模擬テストを受け、その結果と直近の調査書点も入力して志望校を決めています。ところが、ESAT-Jの点数がないため、不受験の生徒は、判断材料が欠けた状態で志望校を決定しなければなりません。最高二十点という大きな点数が欠けた状態で志望校を選べば、自分の行きたい学校、実力に見合った学校などを判断することはできません。極めて重大な欠陥だといわざるを得ません。
 生徒の個人情報についても伺います。
 個人情報をベネッセのサイトに登録したくないという生徒がいます。過去に情報漏えいを起こしたことがあれば当然です。この問題は、住民監査請求まで起こっています。個人情報漏えいを起こしたベネッセに個人情報を登録したくない、名前や生年月日、顔写真、連絡先を登録したくないという人もいます。
 個人情報を渡したくない人は、やむを得ない事情に該当しますか。不受験者の対象ではないでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 個人情報は、受験票の発行ですとか、テスト会場における本人確認あるいは結果の帳票などの作成に用いるもので、必要不可欠のものでございます。その旨を周知した上で、ご理解をいただき、情報を登録するということを求めております。
 ご理解をいただいた上で申し込みいただいており、それを不受験の理由というふうにすることについては考えておりません。

○アオヤギ委員 こういった事情を考慮しなければ、当然、これを諦めざるを得ないという方はいらっしゃると思います。また、自らの障害などデリケートな情報を民間の事業者に渡すのに抵抗がある親もいます。しかし、登録がなければ受験できない。零点になってしまいます。
 このテストは、個人情報の提供や個人情報の取扱いに同意せずに登録する方法がありません。冒頭で紹介した住民監査請求では、任意性のない同意は無効としています。都教委は、こうした指摘を重く受け止めるべきです。
 そして、さらに問題はあります。
 生徒の個人情報の取扱いについて伺っていきます。
 先ほどの委員への答えで、個人情報をいつ削除するのかということは、四年間保存し、削除とおっしゃいましたけれども、入試の採点ミスがあったときに、少なくとも在学中は確認できるようにという判断だと思いますけれども、採点ミスの可能性を考えれば四年間の保存は当然ですが、では、誰が保存、管理するのか。
 都教委が、直接保存、管理するのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 音声データは、都教育委員会が所有し、事業者が管理をいたします。

○アオヤギ委員 都教委が所有し、事業者、ベネッセが保存するということです。結局、ベネッセであります。
 もう一つ伺います。
 誰がこのテストの音声を管理するのか。
 音声は、開示は先ほどやるといいましたけれども、お答えいただいているかもしれませんが、もう一度、設問別の点数は開示するのか、お伺いします。

○瀧沢指導推進担当部長 データにつきましては、都教育委員会が所有し、事業者が管理をいたします。
 それから、音声につきましては、先ほどの答弁のとおりでございまして、現在、音声あるいは付随する情報についても含めて、なるべく生徒に還元できるようにということで準備しているということは、先ほど答弁を申し上げたとおりでございます。

○アオヤギ委員 準備しているということでありますけれども、こういったことも、今まで本当に知らされていないわけですね。そんな中での申込みが続いております。
 当初、音声データも開示できないとしてきたのが、今、開示できるということがとても不思議であります。しかし、都教委が所有するといっても、実際はベネッセが持っているということです。
 設問別データについてはどうでしょうか。開示するのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほどの答弁の繰り返しになりますが、音声データあるいはその他につきましては、現在、何をどのような形で、いつするかについて、最終の調整を行っているということでございます。
 この間も、音声データを開示しないというふうに答弁したことはございません。なるべく生徒の指導の学習の改善に生かせるようにということで、日々、取組の改善を続けているということですので、その点につきましてご理解いただければというふうに思います。

○アオヤギ委員 音声データを開示しないといったことはないとおっしゃいますけれども、ずっと答えていないじゃないですか、どうするかというのは。そして、調整中ということで、いまだにそれは分からないということです。
 自分がどう話したのかの音声データと、それが何点だったのかというのが、セットで分からなければ意味がないではありませんか。
 何より、デリケートな生徒の情報が民間事業者にいとも簡単に手に入る仕組みがESAT-Jであることが分かります。教育産業は、子供たちの個人情報を喉から手が出るほど欲しがっています。それを都教委自ら差し出しているようなものです。
 これまでの質疑で、生徒や保護者が求める情報開示は一歩進みそうでありますけれども、一方で、一番慎重に取り扱うべき生徒の個人情報は、民間企業の手のひらにあるということが分かりました。これでは、生徒や保護者の不安がいまだ払拭されているとはとてもいえません。
 こんな状況で試験が行われ、入試に活用されれば、事故が起きてもおかしくありません。住民監査請求で指摘されている違法性、保護者の声に真摯に向き合うことを求めておきます。
 次に、ベネッセの委託先についてお伺いします。
 都教委とベネッセコーポレーションとの基本協定には、権利義務の譲渡等について書かれております。乙、ベネッセですけれども、ベネッセは、甲、都教委の事前の書面による承諾がない限り、本協定上の地位及び権利義務の全部または一部を第三者に対して譲渡し、またはその他の処分をしてはならないということで、つまり、他の事業者への委託の原則禁止を取り決めていますが、事前の書面による承認があれば可能と読み取れます。
 事前の書面による承認は、何社とどの業務について、都は承諾したのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘の内容については、公開をしておりません。
 もし再委託等々を行う場合には文書を提出するということになっておりますので、都教育委員会の方で適切に確認、管理をしております。

○アオヤギ委員 公開をしなければ、例えばその中に、かつてベネッセの関連会社で情報漏えいを犯した企業が入っているかどうかとか、全然、分かりません。安全性は担保できないと思います。
 私たちが、日本共産党都議団が開示請求をした資料では、ベネッセコーポレーションと、学力評価機構、ベネッセ・ベースコム、ベネッセインフォシェルとの誓約書があり、この三社には、都が承諾した上で事業を委託していることが分かります。
 都民の皆さんが開示請求をした資料では、委託先は黒塗りで十六社あるようですけれども、さっきいった三社以外は黒塗りになっております。
 先日、派遣会社の募集で、十一月二十七日の試験監督の募集が公表されていましたけれども、こういったものは、都教委が書面で承諾した会社ですか。

○瀧沢指導推進担当部長 ご質問の趣旨が、ESAT-Jに関する募集を都教委が承知しているかということかというふうに思いますけれども、都教委と、それから事業者との間の協定に基づき進めているもので、都教育委員会の管理の中で実施をしております。

○アオヤギ委員 ベネッセコーポレーションとは、協定書で事前の書面の取り交わしが必要だということでありますけれども、その書面は全社そろっているのでしょうか。いるかいないか。

○瀧沢指導推進担当部長 そろっております。

○アオヤギ委員 それで、派遣会社が一社あったのですけれども、今ちょっと見られなくなっているのですけれども、派遣会社に委託したということはありますか。

○瀧沢指導推進担当部長 秘匿事項に関わることもございますので、個別の会社等々につきましての答弁は差し控えたいと思います。

○アオヤギ委員 個別ではなくて、派遣会社とやったことがあるかないか。個別の会社名をいえとはいっていません。
 あるかないか。答えられますか。

○瀧沢指導推進担当部長 有無を答えることも含めて、それで会社を想起することにもつながりますので、それについても併せて、回答は差し控えたいというふうに思います。

○アオヤギ委員 私が見たそのサイトでは、今は消しております。こういうやり取りをしている中で、この数日間で消えたわけですけれども、もし、承認していないのに勝手に委託をしていたら、重大なベネッセの違反になると思いますので、各社委託先、何社なのか、しっかり確認をお願いいたします。
 再委託、再々委託を都教委が承認したとしても、中学生に対し、履歴書不要、面接なしというような表記があったり、一日限りで募集したアルバイトに試験官をさせるのは心配だという声が届いております。高校の教員など、試験官がする学力検査とは全然違います。全く異質の危険性があると思います。子供たちの安全が脅かされるとの懸念をいただいております。
 また、試験監督には、中学三年生の一親等以内の親族または同居人は応募できないといいますけれども、都教委はどんな書類でそれを確かめるのですか。

○瀧沢指導推進担当部長 委員ご指摘の基準に基づいてやっておりますので、それを都教委が確認しています。

○アオヤギ委員 どんな書類でというふうに私は申し上げたのですけれども、それは示されませんでした。
 そして、そうした異質の危険性についても指摘をしておきます。入試をこうして民間委託していけば、協定を結んでいても、次々と委託され、協定の遵守が甘くなり、子供たちの安全性が担保できなくなることもあるということを指摘しておきます。
 次に、GTECとESAT-Jが酷似しているという問題についてもお伺いします。
 ベネッセの商品であるGTEC、中でも中学生向けのGTEC Coreという英語テストとESAT-Jは、出題形式も、出題数も、各パートの準備時間も、解答時間も、何から何までそっくりだと指摘され、テストのサンプル問題をやった中学生は、まんまやん、といったと報道されました。
 とや都議が五月にこの問題を質問した際に、瀧沢部長は、都が独自の内容で出題するものなんだ、試験構成、あるいは採点の観点、これらを大きな枠として捉えて、それで似ているというのは、内容について把握を十分にしていない意見だといいました。今でもそうお考えですか。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど来の答弁と重複をいたしますが、改めて、今回のスピーキングテストは、学習指導要領の内容を踏まえて都教育委員会が決定した出題内容に基づき、都独自の内容で新たに問題を作成して出題しております。
 もとより中学生の学習内容から出題するということになりますから、そこから出題するという観点からの制限があるということは認識をしておりますが、内容が酷似しているということについて答弁する立場にはございませんし、GTECの問題については、基本的にサンプルが一つ出ているだけであって、その全ての問題が常に公開されているものではないというふうに承知をしておりますので、似ているという指摘そのものが根拠が不十分であるというふうに認識をしております。

○アオヤギ委員 根拠不十分といいますけれども、それでは、都教委は、GTECとESAT-J、名前も伏せ、秒数も隠した場合、この二つのテストをどのように見分けるのですか。教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 どのように見分けるかというのは、その違いをどのように判別するのかという趣旨かというふうに思いますけれども、出題の内容あるいはやり取り等々、やり取りの出題の仕方ですね、これもGTECとは違うというふうに考えておりますので、それを見れば、当然違うということは、一目瞭然でよく分かります。
 ですので、繰り返しになりますけれども、GTECの問題というのは、サンプル問題が一部出されているだけであって、それ以外の問題については十分に開示されていません。これは、私たちの実施するESAT-Jと非常に異なる、大きな相違点であります。
 私たちの問題は、新たにつくり、かつ、それを全部公開し、解答についても公開することによって、その後、生徒の学習あるいは教員の指導に生かしていくということのために、通常の民間資格、検定試験で行われていない、その点を改善して行っているという点をぜひ考慮してお話しいただければ幸いです。

○アオヤギ委員 ちょっと意見は違いますけれども、内容はほとんど同じです。やった子供たちがそういっているんです。これが受験対策になることは間違いないと考えます。
 前回、とや都議の質疑の答弁では、他の関連商品もあるといっておりましたが、他社が、もしこのGTECのようなテストをつくったら、私は著作権の問題などで訴えられるのではないかと。ここまで似せてつくることは、ベネッセだからできることだと私は思います。都教委の皆さんは違うといいますが、どう見ても一緒です。
 二〇二〇年三月、我が党の星見てい子前都議が質問していますが、二〇一九年度の英語スピーキングテストは、名前が中学校英語スピーキングテストSupported by GTECとなっていました。GTECの支援を受けてつくっていますと、こういったことを堂々と書いておりました。GTECとそっくりなのは当たり前ではないですか。堂々と示していたわけです。
 いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 ご承知のとおり、ベネッセと協定を結んで、この試験を実施、準備してきたことは周知のとおりでございます。特に試験を開始する規模が小さい時点におきましては、協定を結んでいる事業者が使うシステムを有効に活用、安定的に活用するという観点から、そのような名称の下で実施をしてきたというのは事実でございます。
 ただ、その後、プレテスト、確認プレテスト、年度を追って拡充をしてくる中で、名称を新たに与え、独自の試験であるということについて丁寧に周知をしてきたということでありまして、かつてSupported by何がしというふうに書いてあることをもって、問題が同じであるという指摘は当たらないというふうに考えております。

○アオヤギ委員 それでは、お伺いしますけれども、ESAT-Jの運営体制は、ベネッセコーポレーションと、その下に十六社あるという体系図が開示されています。会社名が一部非開示ですけれども、その名前の横に、採点、そして、試験監督と担当する業務が書いてあり、制作と書かれている会社があります。
 これはテストを制作するということですか。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘の文書が手元にございませんので、正確な答弁は差し控えたいというふうに思いますが、都教育委員会と共に問題の作成を行い、それを機械に落とし込んでいくという作業が当然必要になりますので、そのような業務を行うということについては、そのとおりであります。

○アオヤギ委員 二〇一八年、最初の年だけ、都教委は、英語検定協会、英検と組んでスピーキングテストをやっていましたが、このときは、形式も、問題も、GTECとは全然違いました。
 実態とは、ベネッセのGTECと同じものを提案されて、それを都教委が承認したんじゃないですか。制作と書かれていることは、そういうことだと思います。
 二〇一九年から、GTECを土台にベネッセがつくっている。GTECとそっくりにならないわけがないといわざるを得ません。
 そして、公平、公正であるべき入試に民間企業の商品を使うことで、問題が生じます。
 都は、二〇二〇年三月の予算特別委員会で、我が党の星見てい子前都議が、ベネッセが大学入学共通テストの記述式の採点業務に関わる旨を高校関係者に配布していたことの認識を問うと、本事業におきましては、毎年度、都教育委員会と事業者が実施協定を締結し、事業者は、本スピーキングテストに関する模擬試験や関連教材の作成、販売は行わないこととしておりましてと答弁していました。実施協定で、模擬試験や関連教材を販売しないといっています。
 しかし、実施協定を確認すると、模擬試験や関連教材の作成、販売を禁止する内容の記載がなく、そのことを、とや都議が質問する中で、二〇二〇年六月に、覚書で初めて関連教材の販売の禁止を締結したことが判明いたしました。
 三月の予算特別委員会の段階では、覚書はなく、協定書にも記載がなかったということです。虚偽の答弁は許されないということを改めて指摘しておきます。
 現在、覚書の中に禁止事項が書かれています。少し長いですが、引用させていただきます。
 第一条、本スピーキングテストの対策に特化した解説本、練習用教材を作成し、販売すること及び本スピーキングテストの対策に特化した模擬試験を実施すること。以下、省略します。
 (3)、本スピーキングテスト問題を流用した解説本、練習用教材を作成し、販売すること、また、本スピーキングテスト問題を流用して模擬試験を実施することと書かれております。
 そこでお伺いしますが、GTECというのは、この覚書にあるスピーキングテスト対策の教材や模擬試験、また、スピーキングテストの問題を流用した教材や模擬試験には当たらないのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、スピーキングテストとGTECは別の試験でありますので、関連するものにはなりません。

○アオヤギ委員 別のものだから違うといいますけれども、都民の認識はそうではありません。GTECをやればESAT-Jの対策になる、ずるくね、というのが、先ほどのサンプル問題をやってみた中学生の感想です。
 中学校の先生も、これまでは生徒たちに英検、実用英語技能検定を案内してきたけれども、GTECは学校単位でしか受けられない、試験において、慣れはとても大事、ぱっと見て、生徒がこれをやったことがあると感じるのであれば、GTECにした方がいいと思うと話したと報じられています。
 少なくとも都内九自治体が、GTECを中学校に導入していることが分かっています。GTECをやっている自治体とやっていない自治体が都内にはありますけれども、GTECを受けていない自治体は、十七区二十三市二町の子供たちは不利になるのではないでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 中学生の意見で、そっくりという意見があったという言葉ですけれども、中学生はそう感じたのかもしれませんが、違う問題であるということについては、これまで繰り返し答弁をしてきたところでございます。
 GTECを受検したことがスピーキングテストに有利に働くという、その因果関係に関する根拠は全く示されていないというふうに理解をしております。
 ですので、GTECを受けたことが有利だということについての立場にはありません。

○アオヤギ委員 似ている根拠も示されていないけれども、似ていないということも証明できないんじゃないですか。
 確かに、過去の問題をやれば、解答例はウェブに掲載されていますけれども、自分でやってみても、どう答えれば、どれくらいできたことになるのか、分かるようにはなっていません。
 採点の基準も公表されていますが、誤りが非常に多かったら一点、誤りが多かったら二点、正確だったら三点、非常に正確だったら四点という感じで、どこまでが正確で、どこまでが非常に正確なのか、分かりません。もし表示されている点を足したとしても、絶対に百点にはならないというものです。
 そうなってくると、やはり一度、自分の答えを採点してもらえるGTECを受けてみたい、自分の自治体や学校の生徒には受けさせて広げようという気持ちになってくるのではないでしょうか。
 英語スピーキングテストは、全くの都教委のオリジナルで、それをほかの塾事業者が研究して模擬試験をつくったというものではありません。都教委がベネッセと協定を結んで、GTECそっくりのESAT-Jをつくったから、GTECが試験対策になるというのは、事実上の利益相反、覚書は、意味のない空文にすぎなくなるということではないですか。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますが、全く違うものとして、独自につくっている問題であります。
 何か、あたかも特定の試験を受けることによって有利に働くというような誤解、風評が広がらないように、出題の内容、先ほど申し上げましたけれども、問題も開示をし、それに対する採点基準あるいは解答例も示し、それを参考にしながら指導、学習していただくことを目指しているわけで、GTECを有利だというふうに判断するということ自体が適切ではないということだと考えておりますので、その点についても、引き続き丁寧に周知、情報提供していきたいというふうに思います。

○アオヤギ委員 本当に信じられません。GTECの販売を許すということは、この覚書が意味がないものだということになるということであります。(発言する者あり)関連商品ですから。関連商品を禁止しているわけですから、GTECというのは関連商品ではないというふうにいい切れない、そういうふうに思います。
 ベネッセは、スピーキングテストも都から受託をし、関連商品を買っていない残りの区市町村に販売を広げていくことができる。これは、私は正常な状態ではないと指摘をしておきます。
 次に、多くの都民の皆さんが、なぜベネッセなのか、中学生からも、大事な受験を金もうけの場として利用するなとの疑問の声や怒りの声が寄せられています。
 都立高校入試でスピーキングテストを実施することについて初めて言及されたのは、都教委が設置した、平成二十五年から開かれた東京都英語教育戦略会議でした。
 二〇一三年から二〇一六年まで開かれた英語教育戦略会議で、ベネッセのGTECが検討されています。
 二〇一四年一月二十八日に開かれた第四回英語教育戦略会議専門部会で、株式会社ベネッセコーポレーションの英語力判定統一試験、GTEC for STUDENTSの検討を始めたのはなぜですか。
 開示請求をした、開示した議事録からは経緯が読み取れません。その経緯をお示しください。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘の英語教育戦略会議の年度を見ていただければ、今、先生がお話ししたとおり、ベネッセとの協定を結ぶよりも、はるかに前に行っているものであります。
 試験にどれを使うかについても、選定の会議を開き、適正な過程を経てGTECを使用したものであります。
 また、なぜベネッセを今回のスピーキングテストで使うのかというご指摘もございましたけれども、これは、選定を行った際に、広く資格、検定試験を既に実施している実績があるということを応募の条件とし、その中から、外部有識者等々を含めた選定会議を開き、決定したものであり、それぞれが独立しているものであります。
 ベネッセにつきましても、GTECという指摘が今まで何回もございましたが、GTECも、先ほど来、CEFRのお話がありましたが、大学等々の資格、検定試験の一つとして、広く大学入試や就職試験、留学試験などで使われている試験でございます。それに基づいて選定を行っているという状況でございます。

○アオヤギ委員 信じられないのは、このGTECを、検討をやるに当たって入札でベネッセが落札していると聞いていますけれども、この検討をする英語戦略会議に、委員としてベネッセが入っているということです。
 そして、ここで都立高校入試にスピーキングテストの検討をと報告書に書かれ、この事業の受託者が、この数年後に、この委員が、ベネッセがなるということであります。
 私は地方議会に身を置いてきましたけれども、このように露骨に事業者と事業について話し合うなど、厳しく問われ、事前に分かった場合には事業がストップした事例もありました。
 それだけではありません。民間試験の事業者、また、それに関わってきた研究者など、この委員にかなり入っております。英語戦略会議の委員は、ベネッセ、英検、そして楽天、一般財団法人英語教育協議会のほか、英検のTEAPという商品を開発した研究者、そしてGTECの推薦をしている研究者など、ほとんどが民間企業やそれに関わる方たちであります。それと文科省から来た委員もいます。
 なぜこの会議は開かれたのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 英語教育戦略会議の開催の目的でございますけれども、東京都における中長期的な英語教育及び国際教育の施策を広く検討するという観点で開催したものでございまして、中に、二十八という、非常に多様な、様々な施策の提言が、方向性が示されているということでございます。
 そのために、実際に英語教育に関わる専門家、今、委員からもお話がありましたが、多くの大学の教授でありますとか、その他学校の関係者でありますとか、文科の方々等々、幅広い英語教育に関わる専門家の方にお集まりをいただき、議論をし、戦略会議の報告書としてまとめたものでございます。

○アオヤギ委員 私は、国の大学入試の民間試験導入のまねをしたのではないかと思います。
 東京都英語戦略会議が開かれたのは二〇一三年六月からでありますけれども、同年一月に、国では、安倍政権の下、教育再生実行会議が開かれ、五月には教育再生実行会議が、TOEFLなどの民間試験の活用などを含む提言を、安倍総理、当時に提出しました。
 文科省の英語の資格・検定試験とCEFR--先ほどもいいましたけれども、ヨーロッパの英語の習熟度の指標--との対応関係に関する作業部会のメンバーは、八人のうち五人までもが、GTECのベネッセや英検の日本英語検定協会など、民間試験を実施する団体の幹部職員だったということを週刊誌は報じています。
 ベネッセ、英検が東京都英語教育戦略会議のメンバーと一緒。楽天は、この時期、文科省に社員を出向させ、英語の四技能化を進めたということで、文科省の大学入試の民間試験導入に深く関わっていました。さらに、都の戦略会議のメンバー、TEAPを開発した大学教授、GTECの推薦者の大学教授も、教育再生実行会議の作業部会の主査と主査代理だったということをマスコミが報じています。
 中止された大学民間試験導入に深く関わっていた人たちが、東京都英語戦略会議に多く委員として入っています。
 まさに文科省が、民間企業も呼び寄せ、大学入試に民間試験を実行しよう、そういったときに、東京都も同じように、民間企業を呼んで戦略会議を開いたということではないですか。この会議を開いた意図をお示しください。

○瀧沢指導推進担当部長 繰り返しの答弁になりますけれども、報告書の中には二十八項目についての方向性が示されていて、スピーキングテストといいますか、英語の入試の改善は、そのうちの一つであります。
 また、国の流れとの比較についてのお話がありましたが、国の流れをまねしたかのようにいわれるのは、担当者としては、じくじたる思いでございまして、当然、国の動きは踏まえた上で検討はしていきますけれども、これは民間試験を使うということを進めるということではなく、英語の四技能をはかると。四技能の授業を進めているんだから、四技能、スピーキングを含めた評価をすることが重要だと。そのために、どういう方法ならできるかということの中で、既に百万人を超える、数百万人単位で受検者がいる実績のある民間資格、検定試験を使おうと。それが唯一、安定的に行われる方策であるという結論に至ったわけで、その結論に至るのは、国も、我々東京都も同じであります。それ以外に方法がないからです。
 ですが、国の方は、残念ながら、共通テストとしては使うことはやめるということについては、先ほど内山理事からもお話がございましたが、そこで指摘されていた格差等々の問題についても、私ども十分に留意をし、受験料の負担であるとか、受験の会場についての格差であるとか、そういうものについては生じないようにきめ細かく対策をして、ここまで積み上げてきているものであります。
 ですから、あたかも民間の試験を使うことを前提として、国も都も動いてきたかのような解釈というのは、極めて一方的な見方であるというふうに認識をしております。

○アオヤギ委員 メンバーが一緒なんですね。会社も、それから研究者も。その方たちが、議事録を見ると発言されていますけれども、その方たち以外にも、たくさん英語の教員、また、英語の研究者はいらっしゃいますよ。だけれども、方法がないなんて、そんなことはいえないと思いますけれども。
 安倍政権は、教育再生実行会議を私的諮問機関と位置づけましたが、一方、地方自治体である東京都は、私的諮問機関を持つことはできません。なぜなら、地方自治法にある首長の附属機関の条例主義に反するからであります。
 首長の下に設置される附属機関は、都の条例上に、どんなメンバーにするのか、何に関することを審議するのか、明確に定められ、条例改正時は都議会の議決が必要です。議会の監視が入ります。
 また、採決を取って、賛成か反対かなど明確な答えを出し、首長に答申します。首長は、その答申や提言を使って、議会に政策提案、予算案を提案します。
 しかし、都が私的に集めたメンバーで検討会が開かれた場合は、諮問や答申、提言をすることはできません。
 ですから、総務局も、意見表明に、そういった意見はとどめよと通知を出しています。総務局は教育庁に対して、各局に出した通知と同様の附属機関等設置運営要綱の取扱いについて、これを通知しています。
 そこには、懇談会等は、合議制機関として機関意思を表明する附属機関とは異なり、あくまで出席者の意見の表明または意思の交換の場であるという基本的な性格に鑑み、次の事項に十分留意すること、委員の意見の取りまとめについては、個々の委員の意見表明の形を取り、機関の意思の表明と紛らわしい諮問、答申の形を取らないこととしています。これは、地方自治法が定める附属機関の役割と明確に分けるために通知されたものです。
 しかし、東京都英語戦略会議では、意見表明にとどめず、東京都英語教育戦略会議報告書をまとめ、その中では、都立高校入試においてもスピーキングテストを加え、四技能をはかる入試問題の実施方法の工夫について検討していくべきであると、はっきり書かれています。
 開示された議事録では、一部の委員で、都立高校入試で四技能をはかるべきと述べていますけれども、他の委員からは、岩手では入試にスピーキングテストを実施した、評価にぶれがあり中止したなど、否定的な意見も見受けられ、必ずしも全員が合意したとはいえない状況にもかかわらず、報告書では、一つの意見、都立高校入試でスピーキングテストを加えと書かれているのはなぜでしょうか。
 議事録と報告書の内容に大きな乖離があると思いますが、都がまとめたのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど来からの戦略会議についてですが、これは、委員からご説明があった諮問機関であるとか、答申であるとか、そういう位置づけではございません。
 ですから、この戦略会議の内容の資料についても、委員のお手にあるんだろうというふうに思いますが、都教委がその後のグローバル人材の施策を展開していく上での行政計画として作成をしました東京グローバル人材育成計画’20の後に、附属として、同じ冊子として印刷をしているものでございます。方向性を示す、それを求める、そのために開催したわけですから、改善していくべきであるという、そのような記述があるのは、ある意味、当然でございます。
 さらに加えますが、委員の個別の意見についてお話をすることは慎重になるべきだというふうに考えますが、今のお話は、極めて内容を曲解している部分があると思いますので、それは一部しか開示されていないので仕方がないことだというふうに思いますが、他県で事例があったことについて採点にぶれがあるというのは、そういうふうにその事例で評価されているのは事実ですので、ぶれがあるので、そういうふうにならないように適切な方法を、対策を取っていくことが必要だという趣旨で発言がされたものであります。
 何か、一部の方が話したことを、単独で方策として挙げているというようなことは全くございませんで、内容についても、全ての委員から確認をいただき、そして報告書としてまとめたものであることも申し加えます。

○アオヤギ委員 何か、大分前の資料だから持っていないとおっしゃいましたけれども、先ほどちょっと、提言というか、報告とか方針といい換えられましたけれども、そういった資料を、そこで初めて都立高校入試に導入ということを示したわけですから、持っていないとか、それはとんでもないことだと思いますよ。もし持っていなければ。
 それと、意見表明を、議事録を私は読んでいるだけです、曲解なんかしていません。もう議事録がそれだけなので、それが意見を確認する場ですけれども、その意見、議事録と報告書が物すごく乖離があるわけです。全員の意見じゃないということなんです。
 そして、提言という話も出てきました。英語戦略会議では、その時々によっても、話す内容が決まっていない。平成二十五年十月二十八日の会議では、突然、座長が、オリンピックの開催が決まったので、英語でおもてなしできる人材に育てていくことについても話していただけるとありがたいと始まる回もあります。
 また、委員が、自分が開発した商品について言及した回もあって、その商品が報告書には、なお、大学入試の一環として、〇〇大学とどこどこが共同で開発した商品名を書いて、それは四技能を正しくはかるテストとして試行されているというふうに書いてあるわけですよ。その商品名が報告書に記載されています。
 特定の商品名を書き込むことは、私は行政の報告書として不適切だと思いますけれども、いかがですか。

○瀧沢指導推進担当部長 最初に、持っていないとお話ししましたのは、今は持っていないという意味ですので、失礼いたしました。
 それから、採点にぶれがあるということについては、記録を見た上でということですが、改めて、個人が特定される形でどのような発言をしたかということには慎重になるべきだというふうに理解をいたしますが、そこで、私も参加をしていた中で議論されたことが、先ほどお話ししたように、ぶれがあるので、ぶれが生じないように方策をつくっていくべきだという発言があったということをお話しいたします。
 なお、個別の商品名があるということですけれども、例えばTOEFLであるとか、TOEICであるとか、IELTSであるとか、TEAP、これらは民間の資格、検定試験として広く社会に知られているものですので、ある一般の、しかも、試験としては数が非常に限られていて、社会的にも認知されているものですので、個別の商品の名前を書くという指摘は当たらないというふうに考えます。

○アオヤギ委員 本当にびっくりしますけれども、民間の試験を、何で個別の固有名詞を報告書に書いて、そしてこれを、後で提言というんですよ。そういったことまでしている。本当に不適切な対応だと私は考えます。
 とや都議の前回の請願の質疑では附属機関ではないと都が答弁をした、この英語戦略会議ですけれども、地方自治法の附属機関を条例に定める条例主義に反し、総務局が通知をした意見表明にとどめることから逸脱し、意見をまとめ、報告書をつくったことは違法状態です。
 そこでお伺いしますが、この報告書は提言ですか、提言ではないですか。

○瀧沢指導推進担当部長 議決を伴うようなものではございません。意見をまとめたものでございます。

○アオヤギ委員 提言ではありません。提言でない以上、都が都立高校入試にスピーキングテストを実施する根拠はないということであります。
 条例に定めのある附属機関ではない英語戦略会議の報告書をそのまま、ほかの検討をしないで内容を執行するのも、総務局はしないように求めています。
 しかし、都は、英語戦略会議の報告書が出た後、開かれた入学者選抜英語検査改善検討委員会の冒頭、この会議はなぜ開くことになったのか、当時の出張教育監がこういっております。
 そこで、今回の検討課題でありますが、都立高校の入学者選抜における英語検査の改善についてでございます、これは、昨年九月に公表されました東京都英語教育戦略会議の最終答申の中にございまして、話すことを含める四技能をはかる入試の実施方法の工夫について前向きに検討すべきだということの提言をいただいたところであります、本年度は、この提言を受けて、本検討委員会を設置いたしまして、それぞれの立場から意見を求めたという発言でありました。中略させていただきます。
 つまり、英語戦略会議で最終答申、提言が出て、それの具体化をするために開かれた、そのために集まったといっているということです。そして、この戦略会議の提言をそのまま実現する具体的な検討を始めてしまっています。
 さらに、先ほど来おっしゃっている東京グローバル人材育成計画’20(Tokyo Global STAGE'20)を策定し、冊子が出ていますけれども、その中では、先ほど部長が少しいっておりましたが、進捗状況を表で表して、いつの間にかそれが、全ての報告書の内容が提言1、提言2と、全部が提言になっています。条例上定めのない検討会の委員や、そこに来た民間企業に提言を出す資格はありません。
 また、スピーキングテスト導入の具体化として、その後に開かれた英語「話すこと」の評価に関する検討委員会の報告書では、こちらでも都立高校入試選抜英語検査改善検討委員会の内容を提言すると述べています。
 知事の附属機関ではない、これらの検討会は、意見表明にとどめるべきものです。提言、答申が出たとしながら、違法状態でずっと突き進んで現在に来ています。
 議会の議決を得ない委員で構成される検討会を開き、その中で話されたことを実行に移し、委員がその事業を受託する。英語教育行政をゆがめてきたことは極めて重大だと厳しく指摘するものです。
 都教委は、この戦略会議の結果にこだわっていたことが議事録でも分かります。
 入試選抜検討委員会は、ある委員の方が、この議論は、四技能の中の話すことの到達度をはかり、今後の指導に生かすということが第一にあった、先ほどの説明だと、第一に入試での活用の機能があると説明されたが、変わったのかと問われ、都教委がこういっています。
 平成二十五年に設置された東京都英語戦略会議の中で方針が出された、その中で、四技能をはかる高校入試検査導入の検討という提言があった、この提言では、学習指導要領上、中学校で話すことを学習しなければならない中で、高校入試において話すことを評価しないという実態があり、四技能をはかるべきであるという内容であった、そこからこの議論は始まっている、こうおっしゃっております。
 現場の先生の委員の率直な疑問を、こういった答えで一蹴しています。
 英語戦略会議の報告書について、広く都民から、パブリックコメントなど意見を聴取しましたか。

○瀧沢指導推進担当部長 委員の個人がどのような言葉を使って発言したかについては、それぞれであると思います。
 提言というのも、広く一般語としても使われることもあるので、ご指摘のような、法的な位置づけの下で、この英語教育戦略会議から進めてきたという、法的な根拠、施策の根拠として位置づけている発言ではございません。
 それから、広く意見を聞いたのかということですが、もともと委員の中に、様々な方を委員としてお招きしているということで、学校現場あるいは保護者等々の代表として意見をお伺いしているということでございます。

○アオヤギ委員 答弁をはぐらかして逃げるようなことをされていますけれども、本当に許されないですよ。パブコメしていないんですから。中学校のスピーキングテストで、子供たちは逃げられないですからね。何で逃げるんですか、そうやって。パブコメしていないと、はっきりいってください。(瀧沢指導推進担当部長発言を求む)いいです。パブコメしていません。
 入試選抜検討委員会からは、委員となった……(発言する者あり)だからパブコメしておりません。
 委員となった現役の先生方が、様々な率直な疑問、都民から出されている疑問を同じように投げかけています。
 ある委員の方は、英語スピーキングテストの結果を活用する際に、過去十五年ほど前に、業者のテストを入学者選抜に活用した件で中学校の教員が処分されたことがあった、業者のテストの点数を一切使わないようにという指導が東京都教育委員会からあり、それを中学校は十五年以上守ってきた、その中で、英語スピーキングテストの実施に当たり業者に委託する状況について、そごが生じることはないか、今回、その方向性が変わることで、中学校は不安に感じるとともに、保護者への対応に関して困惑する、業者が算出した英語スピーキングテストの結果を高校に提出する中で、生徒の個人情報の取扱いについて問題がないか、中学校側として懸念をするという意見や、入試の活用は難しいと考えるという意見や、入試の合否に関わるので、少しでもマイナス要素が入ってはいけない、マイナス要素がないことが担保できないと、入試で活用する高校が困ることになるなど、現場の先生たちは、入選検で、不受験者の扱いや入試に使えるか、私立高校の不受験の扱いなども含めて、疑問、意見を述べていたのに、なぜ聞き入れなかったのでしょうか。

○白戸委員長 アオヤギ委員、開催時間の短縮にご協力ありがとうございます。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど答弁漏れがございましたので、パブコメについては、先ほどもお話しいたしましたが、戦略会議というのは有識者等々を集めて議論をしたもので、それに基づき、その後、東京グローバル人材育成計画’20(Tokyo Global STAGE'20)を行政計画として作成したときには、パブコメを取っております。ですので、広く様々、都民の方々の意見を、最終的に方針を決めるときには伺っているということを、先ほど答弁漏れしましたので、付け加えさせていただきたいというふうに思います。
 また、様々な話がありましたが、業者のテストにつきましては、かつて、いわゆる業者テストが過度に進路指導に活用されるというような弊害があったということがあって、安易な使用を禁止するという方向が、学校で広く行われたということを指しているものであります。
 この英語の資格、検定試験は、一部民間という扱いにはなりますけれども、先ほどお話ししましたように、年間に数百万人規模で実施が行われ、そして、その結果については広く、日本人だけではなく世界中の方々に信頼され、入試あるいは留学、就職等々で活用されているものでございます。
 現在、まだ高校ではスピーキングは導入されていませんが、いずれにしても、この先、今の子供たちは、将来、大学や就職、あるいは仕事の中で自己実現をしていく上で、スピーキングの能力が非常に重要になっていくというその流れの中で、まず、何とか導入する方法を探しているというものでございます。

○アオヤギ委員 全然、答弁がかみ合っておりません。お答えになっていません。
 グローバル人材計画のときにパブリックコメントを出したとおっしゃっていますけれども、これにはもう提言と書いてあるんですよ。提言と書いた状態でパブコメをやっています。戦略会議は、報告書をそのまま提言として位置づけて、そして、これをつくっているわけです。それはそのまま執行したということなんです。パブリックコメントも、広く都民からの意見も聞いておりません。
 こうした現場の先生たちも含めて、訴えに耳を貸さずに、その場しのぎで答えをいってきました。ですから、申込み最中だというのに、このまま実施すれば、子供たちに取り返しのつかない重大な不利益や不公平を起こす問題が発覚している現状があり、都教委はESAT-Jを導入断念すべきです。
 申込みの最中に、吃音などの障害を不受験に加えることや国私立中学校からの受検生が受験できるなどの表明が、つい先日されるなど、本当に一体、何をしているのかといいたくなります。
 また、提言でないものを提言として、都教委は突き進んできた実態があり、広く都民に、入試にスピーキングテストを入れるのかどうか、この是非を一度も聞いたことがありません。
 東京都こども基本条例には、子供の学ぶ権利、子供の意見表明権が明記されています。子供には学ぶ権利があり、不受験の障害のあるお子さんにも、英語で話す力を身につける権利があります。吃音の子でも、このようなテストではなく、対面で、授業の中でじっくり教えてもらえる環境があれば、身につけられるのではないでしょうか。アチーブメントテストといいながら、不受験ではその権利が奪われます。
 また、英語戦略会議でしきりにいわれていたグローバル人材をつくることについても、本当に子供たちがそのような価値観を望んでいるのか、意見を聞いたのか。子供たちにも問うべきです。
 子供の生活実態調査では、勉強が分かっているか、こう小学生に聞きますと、小学生の低学年で授業が分からないという子が一定割合いて、保護者の所得層が低い層で割合が多くなっております。こういう実態も報告されています。
 入試で検査する、こういったことではなくて、子供の意見を聞けば、素直に分からないと今いっている状況があるわけですから、こうした状況に、今こそ真剣に都が対応すべきです。
 また、英語の教員も足りない、そんなときがあったというふうに聞いておりますから、しっかり教員を増やして行き届いた教育環境を整えることこそ、都教委が行うべきです。
 また、数々の問題が解決されていないことが明らかになりました。どれをとっても、子供たちの将来に関わる重大な問題ばかりです。
 今、申込みを都教委が続けていますが、直ちにやめ、スピーキングテスト中止をすべきだと申し上げ、質疑を終わります。

○白戸委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間の休憩といたします。
   午後九時四十二分休憩

   午後九時五十四分開議

○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を再開します。
 冒頭にも申し上げましたが、本日、大変遅い時間となっております。皆様におかれましては、できるだけ短くできるようにご協力をいただきたいと思います。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○風間委員 立憲民主党の風間です。
 既に、三会派から様々な視点で幅広い質問がなされていましたので、私の方からは、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用の延期・見直しに関する請願という、この文書の内容に沿って、端的に質問を進めていきたいと思います。
 まず、理由のところにあります、中段辺りに、提出者の文章の中から、都立高校入試においてESAT-Jの結果が六段階二十点満点で換算される、この合理的な理由がないというふうに記載をされていますけれども、この合理的な理由というのがあるのかどうかということを、先ほど答弁を聞いている限りでは、合理的なものというのは私の中では聞こえてこなかったものですから、改めて伺います。

○村西都立学校教育部長 都教育委員会では、グローバル人材の育成に向けまして、スピーキングを含めた四技能の習得を通じた使える英語力の育成を重視した施策を展開しているところでございます。
 都立高入試におけるスピーキングテスト結果の活用に当たりましても、学習指導要領で求められる四技能の習得状況をはかり、使える英語力の育成を重視するという考え方の下、適切に配点したものでございます。

○風間委員 今まで聞いていた文言そのままでしたし、なぜ二十点なのかということも、よく分からないままです。適切に配点という言葉でしたので、これが合理的であるというふうには、一般的には捉えられないものだなというふうに感じます。
 続いて、その下辺りに書かれてあります、ESAT-Jは、開示請求をしても、得点の具体的な理由が明らかにされない仕組みになっていると記載されてありますね。
 これは、今日も、ほかの方からの答弁で、答弁があった部分も一部ありますけれども、なぜ明らかにしないのでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 開示請求をしても得点が明らかにされないというご趣旨のことが書かれておりますけれども、開示請求の手続をしなくとも、採点が行われた後に、生徒には、改善に生かしていただきたいという趣旨から、スコアや到達度、アドバイスなどが記載された結果帳票を全員一人一人に返却するという仕組みにしているということで、結果をお伝えしています。
 また、繰り返しになりますが、音声データにつきましても、希望する受験者が確認できるように、さらに結果を改善に生かしていけるようにという趣旨で、希望する受験者が確認できるよう、今、準備を進めているというところでございます。

○風間委員 なぜ開示されないのかということについて、音声データを開示するという話でしたけれども、また、各生徒に返却をされると。我が家にも、その返却されたシートを息子が持ってきましたので、見ましたけれども、結果のみが書かれているから、なぜこの点数になったのかということは分からない状態なわけですね。
 それに対して、音声データは開示するということが今日明らかにされましたけれども、それで何点だったのかということが分かることは、一歩前進なのだと思います。個別の設問に関して点数が出るのであれば。
 しかし、それが、何が足りなかったからその点数だったのかということまで生徒が分からなければ、その詳細が明らかになるというところまではいえないのではないのかなと思いますので、その辺りも、ぜひ検討を進めてもらえればなと思います。
 続きまして、そのまた下ぐらいにあります、ESAT-Jは、百点と六十五点の三十五点の差でも、六十五点と六十四点の一点差でも、入試における換算後の差は四点となるということですね。
 これに関しては、やっぱり納得いかないというような保護者の声もよく聞くわけですけれども、今日も、るる説明がありましたが、なかなかこれは理解をされにくいところだと思うんですけれども、これをもっと踏み込んで、理解してもらうためにどのような努力をしていくのか、伺います。

○瀧沢指導推進担当部長 グレード別に示すことの試験の成り立ちについては、もう答弁をしてきましたので、割愛させていただきます。
 ただ、委員のお話もありました、先ほどCEFRの話も出ましたけれども、もともと入試の試験というのは、集団の中で順位をつけるために行う、相対的な評価をするための試験ですが、このスピーキングテストは、そもそも、もともとCEFRという基準に準拠する形で、絶対的な子供の英語力、スピーキング力をはかるという仕組みになっているということもあって、なかなか、TOEFL、TOEIC等々を受けたことがある方は理解が進むのかもしれませんが、必ずしも、現状で理解が進まないというところもあるというふうには認識をしております。
 ですので、このCEFRについては、先ほど来お話ししているように、高校に入った後も、それから、大学等に進学をしたとしても、就職等々でも履歴書に書くとか、ずっとCEFRに準拠した英語力というのを示していく必要がございますので、その後も含めて、中学生、そして、それだけでなく高校生にも、この試験の目指すものというものを理解していただくよう、分かりやすい資料をつくって、周知を引き続き行っていきたいというふうに考えています。

○風間委員 今の説明も含めて、保護者等にこういった基準で進めていくということを、より分かりやすいようにホームページ等でさらに説明をしていく努力は必要なんだと思います。
 次に、請願文書の中の二枚目のところに記載されております不受験者の件ですけれども、既に質問をされていて、どういった生徒が不受験に値するのかということについては、話を伺っていて理解は進んだところですが、不受験者の中で、例えば現在は都外に住んでいて都外の中学生である、しかし、例えば、引っ越しが決まっていて、高校生は都立高校に入ることを目指しているなんていう生徒も、一定数、毎年いるようなことを耳にするわけですけれども、こういった生徒たちは、受験を希望しても受けられないという状況なのかどうかを確認させてください。

○瀧沢指導推進担当部長 今お話しいただきました、都外在住で都外の中学校に在籍する生徒については、受験することはできません。

○風間委員 受けることができないということで、中には、受けたくても受けることができないということで、中には、スピーキングに非常に自信があって満点を取れるというような子がいたとしても、当日の筆記試験で、英語でちょっと点数が取れなかった場合には、その平均値の、近辺の他者の成績によって、自分のスピーキング能力、仮の数値というんですかね、これが決まってしまうという制度なわけですけれども、ここに対して、やっぱり不受験者の仮のESAT-Jの結果の算出方法というところに関して、ほかの受検生の数値を持ってきて自分のものが決まるということですから、このような形で選考している例というのはほかにあるのか、伺います。

○村西都立学校教育部長 入試要綱では、既に中学校を卒業した方や私学からの受検者など、都教育委員会が各中学校に求めている選考に必要となる書類が提出されないというケースもございます。
 そうした受検者の調査書点を算出する際には、やはり学力検査の得点等、参考にできる資料を活用して、各都立高校が調査書点を求めるということをしております。

○風間委員 この話は、今、私も初めて知りましたけれども、例えば、いわゆる浪人をした方だったりとか、私学からの受検者などに関しては、調査書点が出ないという場合には、自分の点数とは関係ない、当日の試験の数値からこの調査書点が決まってしまうという、同じようなシステムを使っているということですか。

○村西都立学校教育部長 該当する、先ほど説明した既に中学校を卒業した方には、調査書点がないわけですね。ないものをどうやって点数換算するかといったときに、その方の学力検査と、今の、現在の不受験者と大体同じ方の前後にいる方を参考にして調査書点をある意味算出するという方法を、やはり同じように用いております。
 四万人も受検する中で、様々なケースには、こういった対応は、必ず例外的、特例的措置は必要となりますので、我々としては合理的な理由があるというふうに考えております。

○風間委員 この仮のESAT-Jの算出方法については、心理統計学を専門とする南風原東京大学名誉教授は、平均値が安定せず、逆転も容易に起きることが予想され、入学者選抜として成り立たないと評価しているというふうにあります。
 この方は、中高の校長先生もされていますし、入試の評価制度についても明るい先生ということで、私も知っている方ではありますけれども、例えば、こういう専門家の評価があるという一方で、東京都の教育委員会はこのような形で進めていくということですから、こういったことが正しいんだというような専門家の意見というのは仰いだのかどうか、伺います。

○村西都立学校教育部長 こうした不受験者の算出方法につきましては、行政委員会たる教育委員会、教育に識見のある専門家である教育委員に報告の上、適切に決定しております。

○風間委員 報告をしたということですから、報告ですよね、そのお言葉のとおり。意見を仰いだということでもなく、評価をされたというわけでもないんだとすれば、専門家の意見を聞かないまま、教育委員会が決めた方式で進めているということなんだと理解します。
 次に、ESAT-Jの結果の返却時期が一月中旬に返却するのでは、受検校を十二月に決めている入試スケジュールに全く合っていないというようなことがここに記載されていますね。
 実際に、昨年の息子の進路志望だったりとか、いつ、何をやったかということをちょっと思い出してみても、例えば、一月中旬にこのESAT-Jの結果を把握して、思ったよりも低かった、では、そこで志望校を変えなきゃならないかもしれないなんていう話になってきたりすると、もう受検間近で、進路指導の先生方だったりとか、本人も含めて、相当混乱するであろうなということは想像できるわけですけれども、それは仕方ないことなんだというのが教育委員会としての見解なのかどうか、確認させてください。

○瀧沢指導推進担当部長 スピーキングテストの日程を決定するに当たりましては、区市町村教育委員会や中学校からの意見を踏まえて最善の時期を決定したという経緯について、先ほど来、お話をしているところでございます。
 返却されたテスト結果を基に、中学校において進路指導を行う期間というものは確保しているというふうに考えておりますし、早期から日程について周知をしておりますので、学校で対応しているというふうに認識をしています。

○風間委員 こういう試験制度に関しては、実際に変更を伴うというときには、相当、その年の子供たちには影響を及ぼすものだと思います。それについては、やっぱり、より丁寧な説明をということを、私もこの委員会等で求めてきたところですけれども、一月中旬だということが最近知れ渡り、かなり混乱の声も聞いているところですから、やっぱりこの辺りの対応というのは、より丁寧にやっていく必要があるんだろうなと思います。
 最後、GTECということについても、この請願に触れられていますので、ここには、今回のような形式のテストは、GTECを受けている自治体は有利になる可能性が高くというふうに記載されていますけれども、その相関関係は分からないというようなところが、先ほどからの答弁、やり取りから、教育委員会の見解なんだなということは分かりました。
 であれば、実際にプレテストを行ったわけですから、この九つの自治体のプレテストの結果、平均値みたいなものが、ほかの自治体と変わりないということなのであれば、優位性はないということを主張できると思うんですね。
 プレテストをもう既にやっているわけですから、そういった分析等はされているのだと思いますけれども、やっているのかどうか、教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘のような相関を取るようなことは行っておりません。
 これは、区市町村教育委員会がそれぞれ独自に行っている施策というふうに理解をしていることが前提であるのと、仮に相関が出ても、それが因果関係があるというふうに判断することは極めて難しいというふうにも考えております。
 いずれにしましても、現在のところ、そのような対比によって、統計的に分析するということは考えておりません。

○風間委員 GTEC自体は、各市区町村の教育委員会がやっているということは承知しておりますけれども、何のためのプレテストだったのかということを考えれば、やっぱり分析もしっかりやってもらいたいと思うんですね。なぜならば、こういう懸念が出ているということであって、懸念を払拭するために、やっぱり教育委員会として、教育庁としては努力をしていく必要があるんだと思います。
 ですから、プレテストの結果等で相関関係がないということが証明できるのであれば、信頼性も高まっていくことだと思いますので、ぜひそのことは検討していただきますように要望しまして、私からの質問を終わります。

○龍円委員 私からは、このテストについて、スペシャルニーズ、つまり特別な支援を必要としている生徒の対応についてお伺いさせていただきます。
 先ほど、ほかの委員の答弁にありましたので、最初の質問は省きますが、テストでは、障害等に基づいた合理的な配慮を提供するとのことでした。
 この特別措置に関する案内書、まとめてホームページに公開して、事前に一般に広く知らせるようにしたのも、合理的な配慮の一つだなというふうに感じております。
 都立高校の入試という観点から見ると、特別な支援を必要とする生徒さんは、特別措置を受けて受験するか、または不受験による措置という、二つの選択肢があるということで、きめ細やかに対応されようとしていることが分かりました。
 ただ、ちょっと周知に工夫が必要なのかもしれないです。合理的配慮という言葉は、一般にすごく浸透しているんですけれども、特別措置という言葉が、あまりなじみのない言葉なんですよね。
 ホームページを拝見すると、特別措置に関する案内書というふうに書かれているんですけれども、その横などに合理的配慮の提供についてというようなことを書き加えていただきますと、保護者としては、より分かりやすいのかなというふうに思います。
 特別支援学校や支援学級、通常の学級にいる発達障害などのお子さんも含めて、希望する皆さんが試験を受けられることが大切なのかなと思いますが、希望する誰もが受験できるのか、お伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 少し分けてご説明いたしますが、通常の学級に在籍する発達障害のある生徒は、もとより受験の対象となっております。
 また、特別支援学校や公立中学校の特別支援学級に在籍する生徒、こちらにつきましては、希望により受験することが可能でございまして、いずれにしても、希望すれば必ず受けることができる。なるべく多くの人に受けてもらいたいというふうに考えています。

○龍円委員 全ての生徒さんが、希望すれば受験が可能とのことでした。
 ちなみに、受験は希望しているものの、会場に物理的に来られない院内学級のお子さんなどについてはどのように対応するのでしょうか。お伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 公正、公平な試験運営を行うために、原則として、設定しております会場での受験をお願いしております。

○龍円委員 会場に物理的に来られない生徒については、都立学校の入試を受ける場合は、不受験による措置を申請することになるのかなと思います。
 院内学級の生徒さんは、病気の具合によっては外出が制限されていたり、コロナ感染のリスクを考えても、会場に行く許可を得るのが難しい面も、今はあるのかなと思います。
 また、特別支援学校の訪問籍のお子さん、生徒さんも、物理的な移動が難しいことが多く、受験したいと、もし思ってくれたとしても、出かけることがちょっと難しいのかなと思います。
 これらの生徒さんは、移動が制限されているという状態が継続的に続いていますので、行けないということがかなり前から分かっている状態です。ですので、来年度以降は、院内での実施とか、訪問での受験が可能とできるように、公平、公正の観点も必要なんですけれども、そういった方法も検討のトピックに入れていただけたらと思います。
 ところで、この特別措置において、知的障害のある生徒の受験についてはどのように対応するのか、お伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 ホームページにも資料を掲載しておりますが、特別措置に関する案内書に記載のとおり、受験会場の配慮、試験時間の延長、機材装着準備の代行及び試験準備時のタブレットへの入力作業の代行などの措置についてご案内をしております。

○龍円委員 私、実はこの案内書を最初に見たときに、知的障害児の合理的配慮の項目がどこに書いてあるのか、見つけられなかったんですね。
 知的障害のある生徒への対応というのは、項目としては発達障害の項目の中に、米印で、知的障害をお持ちの生徒で、措置を希望する場合は、措置区分10または11、つまり発達障害の項目で申請してくださいというふうに注意書きがあるんですが、それを見落としてしまいました。
 これは、なぜ見落としてしまったかというと、特別支援教育の中では、知的障害と発達障害というのは、海と山くらい違う障害として扱いを受けております。
 例えば、特別支援教育では、発達障害のある通常学級に在籍しているお子さんは特別支援教室を利用できるけれども、知的障害児は利用できないということがあったりとか、発達障害のあるお子さんについては、通常の学級にいることが基本的に想定されて制度設計がされているんですけれども、インクルーシブ教育を推進したい私としては、ちょっと不満があるんですけれども、文科省は、知的障害児は、通常の学級を学びの場として想定していなくて、特別支援学校や特別支援学級というのが推奨されているわけなんですね。
 つまり、発達障害のあるお子さんと知的障害のあるお子さんについては、特別支援教育の中では、物すごくニーズが違うというふうに扱われているわけなんですね。なので、特別措置の案内では、まるっと一つの項目に入れてしまっているので、ちょっと意外だったので見落としてしまいました。
 発達障害と知的障害児は、ニーズが全く一緒というわけではありませんので、来年度以降は、知的障害もきちんと項目を立てて扱っていただけると、大変うれしいです。
 さて、障害種別などによって、解答時間を延長するなどの配慮を予定していることが分かりましたが、個々の子供によって必要な配慮が異なってくる場合もあると思います。
 その点についてはどのようにフォローしていくのか、お伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 できるだけ多くの生徒が力を発揮できるようにしたいと考えております。
 生徒の障害特性等は様々であるということも踏まえまして、ご相談いただいた上で、個別のケースに応じて判断し、例えば複数の措置を講じるということも含めて対応をしております。

○龍円委員 個別のケースに応じて判断してくださるということで、ありがとうございます。
 合理的配慮を提供する会場というのは、合理的配慮の特別措置の専門の会場をつくるということだったのですが、事業者が運営して、合理的配慮についても、事業者のスタッフが提供するというふうに伺いました。
 事業者は、ふだんは特別支援教育に従事する教員やスタッフではないので、対応で苦慮される場面が出てくる可能性があります。スペシャルニーズのある子は、私の周りには多くいるわけなんですけれども、行動を予想していても、突発的に、または俊敏に判断しなきゃいけないような場面が結構あるわけなんですね。だから、やはり経験とか知識というのが非常に重要になってきます。
 なので、個別のケースに応じて判断してくださるという答弁が今あったのですけれども、個々のニーズの把握だったりとか、専門的な知識や経験がないと、なかなか、現場では判断の難しさもあるのかもしれないというふうに感じております。
 そこで、できれば、都教委の特別支援教育の教職員がサポートに入れる体制にしてほしいんですけれども、対応についてお伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 公平な試験の運営のためには、説明の内容ですとか、方法を均一にするという必要性があると考えています。このため、原則として在籍校の教員がサポートに入るということは予定はしておりません。
 ただ、一方で、合理的な配慮を提供する会場では、申請に応じて、個室ですとか、少人数での対応などの措置を講じることと併せて、合理的配慮に関する研修を受け、十分に理解をしている試験監督等が業務を行うことというふうにしております。また、併せて介助者をつけることも可能としております。

○龍円委員 受験する生徒の在籍校の教員がサポートに入るのは難しいということだったのですけれども、在籍校の教員でなくてもいいので、ふだん特別支援教育に従事している教職員ですとか、スタッフを会場に配置していただけると、大変ありがたいなというふうに思っております。
 合理的な配慮の研修を受けて、頭では十分に理解したつもりであったとしても、実際にお子さんを目の前にして、不測の事態が起きた場合に十分に対応できるのかというと、難しさがあるかもしれないです。絶対あるとはいえませんけれども。
 私も、スペシャルニーズのある周りの方たちを見ていても、支援者が対応を誤ってしまうと、事態が悪化してしまって、収拾がつかなくなってしまうというのも何度も見てきました。
 特にスペシャルニーズのあるお子さんは、環境の変化に弱いんですよね。会場では、様々な困難さに直面するお子さんがいらっしゃるのではないかなということで、その辺をちょっと心配しているわけなんです。
 介助者をつけることが可能ということなんですけれども、多くの場合は保護者が同行することになるのかなというふうに思います。保護者がいれば何とかなると思われがちなんですけれども、保護者は、ふだん学校に付き添っていないことがほとんどなので、テストにおいてどんな支援をすればいいのかと、私自身もそうなんですけれども、よく分からないんですよね。
 なので、様々な場合を想定しまして、特別支援教育の教員が会場にいれば、困ったという事態に、それならこうした方がいいよとか、この子の場合は今こうした方がいいよというアドバイスがいただけるのじゃないかなと思いますので、何かのために、特別支援教育に携わっている教職員の方をその会場に配置していただけますよう要望させていただきます。
 この特別措置専用の会場での合理的配慮の提供について十分であったのかどうかというのを振り返るときに、事業者自身で判断するのは難しいのかなと思います。なので、受験者からのヒアリング、または、都教委の特別支援教育分野の担当者が現場を見て評価するなどしてほしいと思います。
 それを踏まえて来年度以降の運営に生かしてほしいと考えますが、見解をお伺いいたします。

○瀧沢指導推進担当部長 先ほど来、この試験が目指す目的というものについてお話をさせていただいてきました。ぜひ一人一人の子供が自らの力を存分に発揮できるよう、子供や保護者の様々な意見を丁寧に聞きながら、個々の状況に応じたきめ細かな支援を行うということが極めて重要であるというふうに認識をしております。
 該当生徒や、あるいは特別支援学級の教員へのヒアリング等によりまして、今年度の実施状況を把握し、次年度の実施に生かしていきたいと考えております。

○龍円委員 ありがとうございます。生徒や教員へのヒアリングをして実施状況を把握して、次年度以降にも生かしてくださるということでした。
 ただ、話が戻ってしまうのですけれども、会場に特別支援教育の教職員がいない状況で実施して、現場を見ていない教員に話を聞くよりは、現場を見聞した教員がいてくださると、非常に貴重な意見が聞けるのではないかと思いますので、ぜひ特別支援教育の教職員をアドバイザー的な役割として会場に配置することを検討していただけますよう、よろしくお願いいたします。
 今回は、一般の受験会場とは別に、特別措置を提供する会場を設けているので、その会場には、ありとあらゆるスペシャルニーズのあるお子さんたちが集まってくることになると思います。一つの会場に集まるということになると、ちょっと障害のあるいろんな方が集まった状況を想像しますと、大変な場面も出てくるのかなというふうに想像しております。
 各会場で少人数の合理的配慮を提供するブースをつくるみたいな方が、もしかするとうまくいくケースもあるかもしれないので、その辺も検討の課題に上げていただいて、ぜひ来年度に生かしていただけたらと思います。
 スペシャルニーズや特別な支援を必要とする生徒らも、このスピーキングテストにおいて、持てる力を十分に発揮できるような体制、準備をさらに進めていただけますようお願いいたしまして、質問を終えさせていただきます。ありがとうございます。

○白戸委員長 発言は終わりました。

○とや委員 この際、請願四第九号の継続審査を求める動議を提出いたします。
 都議会では、複数会派が継続審査を求めたときには、結論を出すのではなく、審査を継続し、引き続き議論することを、各会派合意の下で進めてきました。
 今回も継続としていただきたく、提出をいたします。よろしくお願いします。

○白戸委員長 ただいま、とや理事から、請願四第九号の継続審査を求める動議が提出されました。
 この際、本動議に対し発言の申出がありますので、これを許します。

○ほっち委員 本委員会に提出された請願四第九号、中学校英語スピーキングテスト結果の都立高校入試への活用の延期・見直しに関する請願の採決に当たり、意見を申し述べさせていただきます。
 本請願は、来年度の都立高校入試にスピーキングテストの採点結果を反映させることを延期もしくは見直すことを求めるものですが、請願が理由とする事項は、既に本委員会や本会議において議論されてきたものであり、来年度の高校入学試験におけるスピーキングテストの活用は、十分な検証と議論を経たものであると考えています。
 都教育委員会は、スピーキングテストの実施に向けて、令和元年、二年、そして三年と段階的に準備を進めながら、都立高校入試への活用や中学校、高等学校における英語指導の改善などについて検討することで、英語教育の充実を図ってきています。
 その過程において、フィリピンの採点センターを視察し、情報管理を徹底した環境で複数の専任者が採点、審査を行い、抽出による点検も行うことで、公平、公正な採点が実現できる体制であることを確認し、令和三年度には、都内全公立中学校三年生を対象としたプレテストにおいて、所定の期間内に採点を完了できることも確認をしています。
 あわせて、様々な理由でスピーキングテストを受験できない受検生には、英語の学力検査の得点が同じ受検生のスピーキングテスト結果の平均値を当該受検生の点数として付与することで、やむを得ない事情でスピーキングテストを受験できない受検生が不利にならない仕組みも設けております。
 スピーキングテストを受験できなかった受検生の不利を救うためのこの対策は、当該高校入試における選考材料に基づく代替的手段という観点から、合理的かつ妥当なものであると考えます。
 スピーキングテストの実施、その結果を高校入試に反映することに関しては、本委員会はもとより、本会議においても議論を重ねてきたところであります。来年に試験を控えた今、入試への活用を延期もしくは見直すという請願を継続審査とすることは、既にスピーキングテストの申込みをしている受検生を大きく惑わせることになりかねません。
 確かに、これまでなかった試みであり、不安を感じる方もいるのも事実でありますが、立ち止まるのではなく、誠意を持って、受検生、また保護者に丁寧に説明を尽くすことが重要であると考えます。
 最後に、東京都議会自由民主党は、本請願は不採択とすべきであり、継続という形で先送りをすべきではないと申し上げて、終わります。ありがとうございました。

○内山委員 先ほどの質疑の中で、私は不採択という意見を述べさせていただきました。質疑の中でも、様々あった懸念も、私どもとしては晴れたということで、そういった意味では、この請願は不採択というふうに意見を述べさせていただきましたが、一方で、とや理事から提案がありましたように、これまで都議会におきましては、少数会派であっても、複数会派が継続審議にすべきだという意見を出された場合は、特段の、格別な理由がない限りは継続にしてきたという経緯があります。それは、まさしく少数意見にしっかりと留意、留保していこうという議会の表れではないかと思っています。
 一つ一つの請願陳情は重いですから、それに大小はありませんが、今回の件が、これまでの都議会が大事にしてきた少数意見を超えてまで不採択にするというところまでは、私は至らないのではないかと思いますので、継続審査に関しては賛成をしたいと思います。

○斉藤(や)委員 都議会公明党を代表いたしまして、ただいま日本共産党から提出されました継続審査の動議に反対の立場から、一言、意見を表明したいと思います。
 まさしく都民ファーストの会の今のお話を聞きますと、まさに受験を直前に控えたこの状況の中で、受検生や保護者、あるいは、懸命に英語のスピーク力を高めようと頑張っている学校関係者、そのような方々に、この議会の態度によって不安に陥れるような態度を取るべきでないという立ち位置から、私は本動議に反対をいたします。
 これまで第一回定例議会、第二回定例議会と重ねて、様々な意見があり、私も、都議会公明党を代表して質問をしてまいりました。その都度、前進をし、そして、価値あるスピークテストの姿がいよいよ見えてきた中で、九〇%、九五%近い方々が挑戦されるその環境を見守り、成功させることに一丸となることこそ、議会の役目であるというふうに心から思うわけでございます。
 不受験者の問題、採点の公正さ、これは公正らしさも大事でございます。個人情報の扱いなど、様々な提案を試み、よりよいものにしようと変えることに対して、ころころ変わると批判をする、あるいは、意見を聞かないと、意見を聞かないといって批判をする。批判のための批判では、何のための議会でございましょうか。
 私は、様々なお立場があると思いますが、ここは、都民に向かって、きちんと議会がこの請願に対して態度を表明し、私は、不継続、継続をしない、不採択であるという意見表明をすることがとても大切なときだと考えますので、都議会公明党は、この動議に反対をいたします。

○風間委員 今日の質疑を通じて、新たに出てきた情報などがあったりしました。例えば音声データを開示するということですとか、やっぱりこれは、この間、多くの都民の皆さんからの声を反映させた教育庁の努力なんだなということで、評価をするものであります。
 私たちは、今の子供たちに英語スピーキング能力をつけていくということに関しては賛成をしておりますし、その強化策に取り組む教育庁の姿勢は評価をしております。
 今回の陳情に関しては、ただし、まだまだ懸念点があるということが表明をされていて、その点を今日、私は確認させていただきましたが、まだまだ不明瞭な点が、または、私たちが問うているところにきちんと答弁をしていただけないようなところもあったと感じております。
 まさにこれから始まります第三回定例会においては、このスピーキングテストに関しても、議論をより深めていくことによって、教育庁の新たな歩み寄りも期待したいと思っておりますし、この願意は、あくまでも都立高校入試に反映をさせるなということであったりもしますから、それは不公平、不公正であるというような観点からの願意であると、私たちは酌み取っているところであります。
 ですので、第三回定例会の議論によって、この懸念が払拭される可能性もあるというところから、この陳情に関しては継続審査をする必要があると思いますので、とや理事からの継続という話に関して、私たちは賛成をいたします。

○白戸委員長 発言は終わりました。
 ほかに発言がなければ、本動議は起立により採決いたします。
 本動議に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立多数と認めます。よって、請願四第九号の継続審査を求める動議は可決されました。
 それでは、請願四第九号は継続審査といたします。

○白戸委員長 次に、陳情四第二〇号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小寺指導部長 陳情四第二〇号の一、児童相談所における児童の環境改善等に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の三ページをお開き願います。
 本陳情は、広島県広島市の全国の児童相談所が行う子どもに対する人権侵害を阻止する会代表、江邑幸一さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、児童虐待の把握のための取組として、公立学校で行われる自殺願望、いじめ関係のアンケートに、児童虐待の有無に関する項目を追加することというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、都教育委員会は、都内公立学校における取組を定めたいじめ総合対策の中に、児童生徒を対象に定期的に実施するアンケートの例として、家族や家庭のことで、気になることや悩んでいることがあるという項目や、その内容を記述する欄を示し、児童虐待を含む家庭での不安や悩みについても把握するよう、学校に対し指導助言を行っているところでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げます。
 本件中、生活文化スポーツ局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。

○風間委員 公立学校で行われる自殺願望、いじめ関係のアンケートに、児童虐待の有無に関する項目を追加することというのが記されております。
 私も地方議員として、教育現場において、子供たちの様子を気にしている先生方の日頃の努力ということは重々承知をしておりますし、子供によっては、家庭の中で虐待を受けていたとしても、例えばアンケートなどに簡単に記入できない状況にあるというような子がいることも承知をしているところです。
 ですから、アンケートに児童虐待の有無に関する項目を追加するということだけでは、家庭の中で生きていくのも困難な状況にあるような子供たち全てを把握していくことはできないことなんだと思っています。
 そこで伺いますけれども、既に、各市区町村の教育委員会でこういった取組は進んでいると思いますけれども、東京都の教育委員会、教育庁としての見解としては、こういったことは、既に様々な形で子供の状況というのを把握できる体制にあるのかどうかということを確認させてください。

○小寺指導部長 都内公立学校におきましては、教職員による日常的な対話や注意深い観察、また定期的なアンケート、そしてスクールカウンセラーによる相談支援等を行うとともに、必要に応じて関係機関等と連携しながら、家庭の中で子供が抱える問題を把握するよう努めているところでございます。

○風間委員 ありがとうございます。
 引き続き、様々な形で子供の状況を把握する教育現場であるよう取組を進めていただきますよう、お願いいたします。終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第二〇号の一は不採択と決定いたしました。

○白戸委員長 次に、陳情四第二七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○池上高校改革推進担当部長 陳情四第二七号、都立小山台高校定時制・都立立川高校定時制の存続に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の四ページをお開き願います。
 本陳情は、国分寺市の三多摩子育て・教育問題連絡会立川高校定時制の廃校に反対する会外二団体代表、相田利雄さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、都立小山台高校定時制と都立立川高校定時制の閉課程を中止し、存続を決定していただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率、生徒の在籍率はともに低下し、また、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の在籍率も減少しております。
 一方、定時制課程には、全日制高校などへの進学希望がかなえられなかった生徒、不登校を経験した生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が存在し、教育ニーズも多様化しております。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年二月に策定いたしました都立高校改革推進計画・新実施計画におきまして、生徒や保護者などのニーズの高い昼夜間定時制高校とチャレンジスクールの夜間部の規模拡大やチャレンジスクールの新設を行い、その進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくことといたしました。
 また、平成三十一年二月に策定した都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)において、都立高校改革推進計画・新実施計画に基づく取組を継続することとしております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 陳情四第二七号、都立小山台高校定時制・都立立川高校定時制の存続に関する陳情について伺います。
 この陳情の願意は、両高校の定時制の閉課程を中止し、存続の決定を求めるものです。
 東京都教育委員会は、二〇一六年に都立四校の定時制課程を閉課程にすることを決めています。既に、そのうちの二校、雪谷高校定時制と江北高校定時制は、生徒募集が停止をされています。
 私どもは、この間、文教委員会で陳情質疑や予算特別委員会を通して、四校の閉課程には関係者の反対の声が多く寄せられていること、どの学校も、生徒にとってなくてはならない学びの場所であることが明らかであること、そして、この四校の閉課程の理由、なぜ四校が閉課程の対象になったのか、明確な理由も示されていない中で、計画についての強行はすべきではないと反対をしてまいりました。
 今回も、関係者の皆さん、卒業生、同窓生の皆さんが、立川、小山台定時制はなくさないでほしいと、一万筆近い署名を集め、都議会に陳情されているわけです。
 まず伺いたいのですが、夜間定時制高校についての評価です。
 昨年三月の予算特別委員会で、夜間定時制高校について、小池知事は、不登校を経験した生徒、外国人の生徒の学びとなっている、きめ細かな指導を行うなど、社会人としての自立を促す上で重要な役割を果たしていると認識、存続を求めるなど、様々な意見があることも承知していると答弁をされました。
 教育庁としても、この知事答弁と同じ認識でいるかどうか、確認をさせてください。

○池上高校改革推進担当部長 夜間定時制課程に入学する生徒は、勤労青少年が大幅に減少している一方、不登校を経験した生徒や全日制高校から転学してきた生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍しております。
 こうした状況を踏まえ、個々の生徒の状況に応じたきめ細かな学習指導や生活指導を行っており、真に社会人として自立した人材を育成する上で重要な役割を果たしていると認識しております。

○とや委員 同じ認識だということです。
 では、立川夜間定時制、小山台定時制についても同じ認識でしょうか。確認させてください。

○池上高校改革推進担当部長 立川高校夜間定時制及び小山台高校夜間定時制につきましても、同様に認識しております。

○とや委員 同様の認識だということが確認できました。
 陳情者も述べていらっしゃるわけですが、両校の閉課程が決まっている下でも、夜間定時制の意義について知事が発言したことは、異例のことだと考えます。この発言の重みを、東京都教育委員会としてもしっかり認識していただきたいと思います。
 立川も、小山台も、昼間働いている生徒や外国につながる生徒、若いときに学ぶ機会を逃した年配者、夜間中学の卒業生など、様々な生徒の学びの場所であります。きめ細かな指導で社会人としての自立を促す上で重要な役割を担っています。
 ところが、東京都は、二つの高校の閉課程の方針をいまだに改めていないわけです。なぜ立川、小山台を閉課程にするのか、いまだに都民の納得のいく説明がありません。
 ぜひ今日はお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○池上高校改革推進担当部長 都立高校改革推進計画におきまして、都民のニーズの高いチャレンジスクールの新設や、チャレンジスクール及び昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大を行うとともに、その整備の進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、一部の夜間定時制を閉課程することといたしました。
 立川高校、小山台高校の夜間定時制につきましては、生徒は様々な地域から通学しているため、通学の選択肢となり得る夜間定時制が複数存在しております。
 以上のようなことから、二校の夜間定時制を閉課程することといたしました。

○とや委員 私、この質問は、前回の陳情質疑でもさせていただいたんですね。今日はきちんとお答えいただきたかったのですが、前回の答弁と同じ、一般論と、そして、広範囲から通学している生徒が多いから、近くの定時制でカバーできるだろうと、そういう中身の答弁でありました。今回も、やはり本当の理由を述べていただけなかったわけです。
 さらに、この間の質疑の中で、なぜ立川、小山台定時制が閉課程になるのか、その経緯が分かる資料も存在しないということが分かっているわけですが、あまりにも不透明だと思います。
 答弁は、広範な居住地から通学しているから、近くの学校でカバーできるだろうというものですが、地元の子供たちが多く通う江北高校は、既に閉課程になって募集停止になっていますが、ここは地元の子供たちが多く通っています。こういった高校も閉課程にされました。
 おっしゃっていることに矛盾があるのではないか。いかがですか。お答えください。

○池上高校改革推進担当部長 都立高校改革推進計画におきましては、チャレンジスクールの新設ですとか、昼夜間定時制高校の夜間部の拡大などを行うとともに、その整備状況の進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などを考慮して、一部の夜間定時制を閉課程することとしております。
 高校によりましては、複数の地域から通ってくるということで、先ほど申し上げましたけれども、都内には、まだ多くの夜間定時制課程も存在しておりますので、閉課程をしていくところの生徒につきましても、代替となる学校があるということで閉課程をしております。

○とや委員 今のはお答えになっていないんですよね。結局、今の、最初の答弁を繰り返されただけなんです。
 近くに高校があって、狭い範囲で通っている子供たちが多い高校も潰した、募集停止をした。そして、小山台、立川も、今度は、遠くから来ている子が多いから閉課程だと。この二つが矛盾しているんじゃないですかと聞いたわけです。結局、それでもお答えにならなかったということです。
 合理的な理由がないのに、夜間定時制を、小山台、立川を潰すことは許されることではありません。このことは厳しく指摘しておきます。
 ここからは、それぞれの学校について伺っていきます。
 まず、小山台夜間定時制についてです。
 小山台は、外国籍の生徒が多いと聞いています。カリキュラムの特色をぜひお聞きしたいと思います。
 また、前回の質疑の中で、小山台を閉課程しても、ほかに同じような教育を行っている学校があると、こうして挙げた六郷工科高校や六本木高校のカリキュラムの特色も併せてお聞きします。

○小寺指導部長 小山台高等学校定時制課程は、普通科で、外国につながる生徒が多いことから、学校設定教科、多文化理解や市民等を設置しております。
 また、六郷工科高等学校定時制課程は、単位制の普通科と工業科で、外国につながる生徒等に対する日本語教育や、地域と連携した学校行事等の充実を図っております。
 また、六本木高等学校は、昼夜間定時制の単位制、総合学科で、チャレンジスクールとして、外国につながる生徒を含め、多様な生徒の実態を踏まえ、国際理解や、環境と共生等の選択科目を設置しております。

○とや委員 小山台、そして六郷工科高校、六本木高校、このカリキュラムの違いは、必修科目と選択科目にあると思います。
 冒頭、私、述べたように、社会人としての自立を促す上で重要な役割を果たしているのが夜間定時制高校だというふうに申し上げさせていただきました。これは知事も答弁されているわけですが、そのために、小山台では、外国籍の生徒、外国にルーツを持つ生徒が、自立して社会に出ても困らないようにと、市民という学校の設定教科を必修科目にしています。
 また、この学校も、人権教育、それから多文化共生教育は、前も紹介しましたが、都教委や文科省の指定校にもなって、実績もあります。よくご存じだと思います。
 今日は、一部、紹介させていただきたいのですが、多文化理解、ことばと生活で中国語や韓国語を学び、多文化への関心を深め、世界と出会う、ここでは、日本文化の理解と他国の文化を理解、尊重する人間を目指すと。
 市民科の社会参加で、日本の選挙制度、健康保険や年金保険など社会保険の仕組みや、労働法の基礎知識も学べるというふうに聞いています。日本人と外国人の生徒が共生し、社会に参加していくために必要なことを学ぶ。
 共に生きるという授業があります。ここでは、お互いを尊重し合える態度を身につける学習で、自己表現の方法や他者理解を学ぶそうです。
 外国につながる生徒のために、母語による相談会を月一回開催しているということも聞いています。
 他校ではなかなか見られない取組がたくさんあります。
 都教委は、今でも繰り返し、小山台定時制がなくなっても、近隣のチャレンジスクールや定時制で同じような教育が受けられるといっていますが、やはり小山台のような、体系的に、きちんと系統的な学習ができる教育環境は、ほかにはないと思います。都教委としても、こうした教育を、むしろ伸ばしていただきたいと思います。
 ここで、昨年の教育委員会の定例会、十月にあったわけですが、ここでの議論を私は読ませていただきました。この陳情が教育委員会にも出されていたわけです。
 その中で、北村委員が、学校全体として、プログラムとして目に見える形で提示しているかというと、ちょっと限られていると述べて、小山台の教育は、やっぱり教育委員から見ても、きちんと体系的にやっているんじゃないか、ほかにはないんじゃないかというふうにおっしゃっているわけです。
 そして、新井委員です。新井委員は、今、日本で長く働いていらっしゃる、バックグラウンドが外国にある保護者の方のうち、日本で生活基盤がしっかりしてきた頃に、子供たちが中学を卒業して、日本に呼び寄せることも多い、しかし、東京都教育委員会は、把握する対象にしていない、これが社会問題になるとおっしゃっています。
 そして、やっぱり、日本語が全く話せないという状態で来日されたときに、多くの子供たちが就労もできない、そして、学業にも就けないというような状況に置かれていることが多いといっています。こういうのは、長い目で見て、都において、よいことだとは思えないと、ここまでおっしゃっているわけです。
 この教育委員会の定例会における新井委員の発言をどのように受け止めていますか。

○小寺指導部長 新井委員の発言につきましては、外国とつながりのある子供の高等学校等への進学を、様々な方策により促進することが重要であるという趣旨と受け止めております。

○とや委員 そういう趣旨もあるかもしれませんが、それだけではありません。だから、わざわざ、あえて紹介したのですが、日本語が全く話せない状態で来日する子もいるだろう、そういう子は就労もできない、学業にも就けないような状況に置かれていることが多い、それを懸念して、ぜひ実態調査もしてくれと、そこまで踏み込んで発言をされております。
 ぜひ、どういう環境が子供たちにとって必要なのか、東京都として調査をしていただきたいと求めておきます。
 私は、この小山台の問題で、高校生の在留資格の相談を先生から受けてきた弁護士さんからもお話を伺うことができました。小山台の先生は、家族滞在や在留資格で困難を抱えている生徒がいると、そういった生徒のために、常に意識して、生徒を卒業までつなぐ努力をしている、一緒にやってきて、それを痛感しているとおっしゃっていました。
 以前、家族滞在の場合、子供は正規で就労することができなかったのですが、それを国にも働きかけて、十七歳までに日本に来て、高校卒業の見込みがあれば、正規での就労が可能になった、ここまで動かしてくれたというふうにおっしゃっていました。それが小山台の先生たちでもあったということでした。高校を卒業することが、日本社会で自立していくためにとても大切だ、ですから、ぜひなくさないでほしいというふうにおっしゃっていました。ぜひ私からも小山台高校定時制を存続させていただきたいと思います。
 立川夜間定時制についても伺います。
 立川高校定時制の入学者は、この五年間の推移を見ますと、応募倍率も、ほかの定時制--大体、夜間定時制は低いですけれども、でも、立川は、凸凹はありながらも、一定の水準を維持してきているというふうに思います。そして、歴史もあり、人気のある定時制高校です。
 部活動が盛んで、陳情書にも、多くの生徒が九時五十五分までのクラブ活動に励んでいるとあります。夜間のクラブ活動を終えて帰るわけで、駅から近い立川高校は、生徒の安全性にとても、とっても重要な要素だと思います。
 この問題については、他県の例を挙げて、前回、意見を述べましたが、都教育委員会が生徒の安全性を第一に考える、これは当然のことだと思います。この点でも、立川定時制の重要性は明確だと思います。
 そして、今申し上げましたが、この学校は、クラブ活動によい、豊かな環境があります。都教委は、前回の質疑で、立川定時制が閉課程になっても、立川地区チャレンジスクールなど、ほかの学校があるよと答弁しているのですが、クラブ活動の面でも、立川の優位性というのは明らかじゃないかなと思います。
 そこでお聞きしたいのですが、立川高校定時制、そして、立川地区チャレンジスクールの校地面積と校庭面積をそれぞれ聞きます。

○池上高校改革推進担当部長 立川高校の敷地面積は三万二千九百十三・一九平米、校庭面積は一万六千百十九平米でございます。
 立川地区チャレンジスクールの敷地面積は九千二十八・五九平米で、敷地内には校庭はなく、屋上に多目的コートを設置することとしております。

○とや委員 立川定時制は、長年にわたって継承されてきたクラブ活動の歴史もあるわけです。恵まれた校庭や施設が、それを保障しております。もちろん、小さくても、工夫しながらクラブ活動をしているという学校もありますが、今ある環境を生徒たちにやっぱり保障していっていただきたい。後退させるようなことはするべきではないと考えます。
 立川定時制が培ってきた活発な部活動をはじめとする歴史と伝統について、東京都の評価をお聞かせください。

○池上高校改革推進担当部長 立川高校定時制のホームページでは、校長が、昭和十二年に東京府立第二中学校夜間中学として開設され、地域からは立定の名で親しまれ、これまで六千六百名を超える卒業生を輩出している、学び直しをしたい、好きな部活動を楽しみたい、いろいろな行事を通して気の合う友人と充実した時間を過ごしたいなど、様々な事情や目的意識を持った幅広い年齢層の生徒を受け入れ、じっくり時間をかけて、生徒一人一人に目を向けた教育を展開しているというふうに紹介しております。
 都教育委員会は、立川高校定時制を含む全ての都立高校におきまして、生徒全員の能力を最大限に伸ばす学校づくりを推進しております。

○とや委員 今ご答弁いただいた中身というのは、とても大事なことで、子供たち、生徒の学びたい、学びに関する様々な要求を正面から受け止めてきた、そういう歴史が立川定時制にはあるんだということだと思います。それを受けて、東京都教育委員会としても、引き続き、夜間定時制については適切な運営に努めていくというふうにおっしゃったんだと思います。歴史と伝統のある立定を守ろうという方々の意をぜひ酌んでいただきたい、このように思っています。
 小山台や立川定時制の継続を望む人々は、この間、チラシも作って、区の掲示板に貼らせてもらったり、中学校に送ったり、関係のありそうなところを回っているそうです。そうやって生徒を、募集を減らさないようにしてきたという、本当に努力をしてきました。
 私は、東京都教育委員会としても、最初にご答弁いただいたように評価をしているわけですから、夜間定時制高校をもっとアピールしてもらいたい。多くの人たちに知ってもらえるような努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○池上高校改革推進担当部長 都教育委員会は、毎年度、全ての都立高校を紹介する東京都立高等学校に入学を希望する皆さんへと題する冊子を、公立中学校三年生全員に配布しております。加えて、定時制課程につきましては、定時制課程、通信制課程入学案内を毎年度作成し、公立中学校に配布しております。

○とや委員 今の都教委としての学校紹介や、定時制に特化した冊子があるということについては、私も拝見させていただきましたけれども、それはそれで、今後も、その部数を増やすとかという努力をしていただきたいと思います。
 同時に、もうちょっと頑張っていただきたいなと思っていて、夜間定時制の魅力をもっと発信してほしいと思います。
 例えば夜間中学、最近、注目されてきました。マスコミも取り上げたりして、結構、全国に知られるようになって、入学希望者が増えているんですよ。知られれば、やっぱり入学希望者は増えるということです。
 小山台には、外国とつながる生徒が多く在籍しています。多文化共生の教育に熱心なので、例えば、読み仮名をつけた「やさしい日本語」バージョンのチラシを作ったり、高校から自転車で通える範囲のお店を検索して、片っ端から回っているとか、日本ムスリム協会、ペルシャじゅうたんのお店、南米関連の食材を扱うお店も、支援者の皆さんは回っているそうです。そして、困ったときの連絡先として、少しでもつながりがつくれたらいいともおっしゃっています。実際に、いろいろ相談に乗っているそうです。
 こうした人たちからは、まだまだ必要な情報が必要な子供たちに届いていない、こうした声もあります。
 夜間定時制の魅力を、都教委としてもさらにPRしていただいて、立川、小山台ともに発展できるよう力を尽くしていただくことをお願いして、質問を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第二七号は不採択と決定いたしました。

○白戸委員長 次に、陳情四第三三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○田中総務部長 陳情四第三三号、東京都教育委員会公益通報弁護士窓口制度の条例化に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の五ページをお開き願います。
 本陳情は、足立区、上原昌仁さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、東京都教育委員会公益通報弁護士窓口制度を条例化していただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、東京都教育委員会公益通報弁護士窓口は、東京都教育委員会公益通報弁護士窓口の設置に関する要綱に基づきまして、教育庁、教育事務所、教育庁出張所、事業所及び都立学校並びに東京都内の区市町村立学校のコンプライアンスの推進に資することを目的として設置しております。
 担当弁護士は、本要綱の規定に基づきまして、公益通報の窓口として都民等から公益通報を受け付けて教育庁窓口に報告するとともに、通報された内容が苦情、要望、意見または相談に該当するときや、同一の通報者からの同趣旨の公益通報であるときなど、本要綱の第二条第九号に該当すると判断した場合には、当該事案を相談として対応し、相談内容に応じた窓口を案内するなど、適切に対応しております。
 なお、東京都教育委員会公益通報弁護士窓口になされた公益通報は、通報された内容を担当する部所担当課が適切に調査をしておりますが、通報内容が区市町村立学校におけるコンプライアンスに関するものである場合には、区市町村教育委員会等と連携して適切に対応しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○ほっち委員 今の、いただきました陳情について質問をする予定でありますが、委員長も含めて、理事会でも皆さんと話合いをして、できるだけ早くということでありますので、質問ではなくて、意見を一言述べさせていただいて、終わらせていただきたいと思っています。
 本件の陳情にある通報者からの公益通報について、私にもご意見をいただいておりますが、今後、本件に限らず、法令違反や不適切な事実があると思って通報する通報者の声にしっかりと耳を傾けていただいて、適切な運営を今後とも続けていただきたい旨を強く皆様に要望して、終わります。

○アオヤギ委員 陳情四第三三号についての意見です。
 願意の東京都教育委員会公益通報弁護士窓口制度の条例化については、地方自治体は法律の範囲内で条例をつくることができますので、条例化することは可能で、他の自治体でも条例化している自治体もあるため、願意についてのみ趣旨採択としたいと思います。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第三三号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会します。
   午後十一時十一分散会

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