文教委員会速記録第一号

令和四年二月十日(木曜日)
第三委員会室
午後一時十一分開議
出席委員 十四名
委員長白戸 太朗君
副委員長斉藤やすひろ君
副委員長ほっち易隆君
理事内山 真吾君
理事風間ゆたか君
理事とや英津子君
もり  愛君
竹平ちはる君
土屋 みわ君
龍円あいり君
斉藤 りえ君
アオヤギ有希子君
清水 孝治君
谷村 孝彦君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長武市 玲子君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
古屋 留美君
広報広聴部長久故 雅幸君
都民生活部長馬神 祥子君
消費生活部長工藤 穣治君
私学部長戸谷 泰之君
文化振興部長蜂谷 典子君
都政情報担当部長内山 裕道君
男女平等参画担当部長赤羽 朋子君
オリンピック・パラリンピック準備局局長延與  桂君
次長小池  潔君
技監荒井 俊之君
理事総務部長事務取扱渡邉 知秀君
理事中澤 基行君
事業連携担当部長折笠眞由美君
計画推進部長競技・渉外担当部長兼務川瀬 航司君
パラリンピック部長丸山 雅代君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務柏原 弘幸君
スポーツ推進部長鈴木 研二君
教育庁教育長藤田 裕司君
教育監増田 正弘君
総務部長安部 典子君
都立学校教育部長谷 理恵子君
地域教育支援部長小菅 政治君
指導部長藤井 大輔君
人事部長浅野 直樹君
福利厚生部長田中 宏治君
企画調整担当部長岩野 恵子君
教育改革推進担当部長佐藤 聖一君
特別支援教育推進担当部長滝沢  毅君
指導推進担当部長瀧沢 佳宏君
人事企画担当部長黒田 則明君

本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
・令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出、繰越明許費 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
・東京都体育施設条例の一部を改正する条例
報告事項(説明)
・TOKYOスポーツレガシービジョンの公表について
・東京都パラスポーツトレーニングセンター施設運営計画の策定について
・有明アリーナ管理運営事業報告書(令和二年度)の公表について
生活文化局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 生活文化局所管分
・令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出 生活文化局所管分
・東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
・東京都消費者行政活性化基金条例を廃止する条例
報告事項(説明)
・「東京都男女平等参画推進総合計画(素案)」について
・「東京文化戦略二〇三〇(素案)」について
請願陳情の審査
(1)三第四二号 ゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願
(2)三第四三号の一 笑顔あふれ、人と人との温かい触れ合いを通じて学び、成長する学校に関する請願
(3)三第四四号 私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額等を求めることに関する請願
(4)三第四五号 東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(5)三第四六号 私立学校の教育費を増額し、保護者負担の軽減を求めることに関する請願
(6)三第一〇八号 東京都平和祈念館(仮称)の建設に関する陳情
教育庁関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 教育庁所管分
・令和三年度東京都一般会計補正予算(第十八号)中、歳出 教育庁所管分
・学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
・学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
・東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・都立小台橋高等学校(三)改修及び新築工事請負契約
請願陳情の審査
(1)三第四三号の一 笑顔あふれ、人と人との温かい触れ合いを通じて学び、成長する学校に関する請願
(2)三第四五号 東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願
(3)三第一〇九号 特別支援学校寄宿舎の改善に関する陳情
(4)三第一一〇号 特別支援教室の教育条件の改善に関する陳情
(5)三第一一七号 児童・生徒が安心して受けられる学校健診の実現に関する陳情

○白戸委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局、生活文化局及び教育庁関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、オリンピック・パラリンピック準備局及び生活文化局関係の報告事項の聴取並びに生活文化局及び教育庁関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取し、資料要求をするにとどめ、質疑は会期中の委員会で行います。ご了承願います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○延與オリンピック・パラリンピック準備局長 令和四年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております議案の概要につきましてご説明申し上げます。
 本定例会で委員の皆様にご審議いただきますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件は、予算案二件、条例案一件の三件でございます。
 説明に先立ちまして、本年四月の組織改正によりまして、当局の事業は、東京二〇二〇大会後の各種調整業務については政策企画局へ、スポーツ振興施策等については生活文化スポーツ局へ、それぞれ移管させる予定でございます。今後は、大会のレガシーを都の政策に根づかせていくため、これまで以上に各部署ともしっかり連携してまいります。
 先般、当局では、大会の成果を今後どうスポーツ振興に生かし、都市の中で根づかせていくか、その姿を示すため、TOKYOスポーツレガシービジョンを取りまとめ、公表いたしました。組織は変わりますが、このレガシービジョンを具現化し、大会のレガシーを着実に前に進めることで、大会で得た成果をスポーツフィールド東京の実現にしっかりとつなげてまいります。
 それでは、初めに、令和四年度予算案の概要についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第1号、令和四年度予算説明書をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開きください。予算総括表でございます。
 上段の網かけの行をご覧ください。歳入といたしまして百十七億三千二百三十五万余円を計上してございます。前年度と比べ、三千六百八十七億五千五百一万余円の減となっております。
 これは、大会関係の事業終了に伴いまして、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金からの繰入金などが大きく減となったためでございます。
 それぞれ括弧書きで政策企画局と生活文化スポーツ局への移管分を記載してございます。
 続きまして、中段の網かけの行をご覧ください。歳出といたしまして三百九億五千六百二十万余円を計上してございます。前年度と比べ、三千八百十二億六千三百七十九万余円の減となっております。
 こちらも、大会に向けて実施してきた様々な事業が終了したことにより減額となっております。
 それぞれの局への移管分については、括弧書きで記載のとおりでございます。
 続きまして、令和三年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、令和三年度補正予算説明書をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、一ページをお開きください。補正予算総括表でございます。
 補正予算額といたしまして、歳入は五十五億四千九十五万余円の減額補正を、歳出は七十九億一千二百七十四万余円の減額補正を行っております。
 以上、予算案二件について説明を終わらせていただきます。
 次に、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第3号、令和四年第一回東京都議会定例会提出予定案件(条例案)の概要をご覧ください。
 表紙をおめくりください。東京都体育施設条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例案の改正点は、二点ございます。
 一点目は、東京都パラスポーツトレーニングセンターでございます。
 改正理由は、同センターの新設に伴い、関係する規定を追加するものでございます。
 二点目は、東京体育館等五施設でございます。
 改正理由は、東京体育館の改修等に伴い、利用料金の上限額を改定するほか、所要の改正を行うものでございます。
 詳細につきましては、引き続き理事からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○渡邉理事 引き続き、私から、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 最初に、令和四年度予算案についてご説明申し上げます。
 お手元資料第1号、令和四年度予算説明書の二ページをお開きください。政策企画局移管分の総括表でございます。
 四年度予算額の網かけの行をご覧ください。歳入といたしまして十三億八千四百三十七万余円を、歳出といたしまして三十五億九千七百三十一万円を計上してございます。
 次に、三ページをご覧ください。政策企画局移管分の事業区分別予算一覧でございます。
 政策企画管理、オリンピック・パラリンピック調整の二つの事業区分ごとに予算額と財源内訳を記載してございます。
 一枚おめくりいただきまして、四ページをご覧ください。第一の事業区分、政策企画管理でございます。
 オリンピック・パラリンピック調整事務に従事するための職員費として二十六億八百九十七万余円を計上しております。
 次に、五ページをご覧ください。第二の事業区分、オリンピック・パラリンピック調整でございます。
 オリンピック・パラリンピック調整費として九億八千八百三十三万余円を計上しております。
 オリンピック・パラリンピック後の調整として、輸送拠点の原状回復工事などを行ってまいります。
 続きまして、二枚おめくりいただき、六ページをご覧ください。生活文化スポーツ局移管分の総括表でございます。
 四年度予算額の網かけの行をご覧ください。歳入といたしまして百三億四千七百九十七万余円、歳出といたしまして二百七十三億五千八百八十九万余円を計上してございます。
 次に、七ページをご覧ください。生活文化スポーツ局移管分の事業区分別予算一覧でございます。
 生活文化スポーツ管理、スポーツ総合推進、スポーツ施設の三つの事業区分ごとに予算額と財源内訳を記載してございます。
 一枚おめくりいただき、八ページをご覧ください。第三の事業区分、生活文化スポーツ管理でございます。
 生活文化スポーツ事務に従事するための職員費及び管理事務費として四十四億一千八百二十三万余円を計上しております。
 次に、九ページをご覧ください。第四の事業区分、スポーツ総合推進でございます。
 スポーツ総合推進費として八十億九千八百四万余円を計上しております。
 主な事業についてご説明いたします。
 資料、中ほどⅡ、経費内訳の項番1から9につきましては、世界最高水準のスポーツ実施率に向け、子供から高齢者まで幅広い世代に対し、各種取組を行っていくための予算を計上してございます。
 具体的には、東京二〇二〇大会一周年記念事業やアーカイブ資産の活用など、大会の成功をレガシーとして着実に継承していくための取組や、区市町村のスポーツ振興施策への支援など、様々な施策を展開するための予算を計上しております。
 次に、項番の10、マラソン祭りの開催等でございます。
 安全な東京マラソンの大会運営を支援するとともに、東京の魅力を国内外に発信していくための予算を計上しております。
 また、来年度は、東京二〇二〇大会のレガシーを末永く残していけるよう、パラリンピックマラソンコースを活用した東京レガシーハーフマラソンをマラソン財団と共に創設いたします。
 最下段の項番11、パラスポーツの振興でございます。
 東京二〇二〇パラリンピックで高まった機運を継続、発展させていくため、大会後も途切れることなく、パラスポーツを根づかせるための様々な取組を行ってまいります。
 二枚おめくりいただき、一一ページをご覧ください。第五の事業区分、スポーツ施設でございます。
 スポーツ施設費として百四十八億四千二百六十一万余円を計上しております。
 主な事業についてご説明いたします。
 資料、中ほどⅡ、経費内訳の項番1、体育施設の運営でございます。
 新規恒久施設や既存施設を大会後も有効に活用していけるように、効果的な運営を行うための指定管理料等を計上してございます。
 項番2、障害者スポーツセンターの運営でございます。
 こちらは、障害者総合スポーツセンターと多摩障害者スポーツセンターの指定管理料を計上してございます。
 次に、項番3、体育施設の整備等でございます。
 大会後の都民利用に向けた改修や老朽化対策などの改修を計画的に行うための予算を計上してございます。
 また、東京都パラスポーツトレーニングセンターや有明アーバンスポーツパークなど、新たな施設の開設準備に必要な設計や改修等の経費を計上してございます。
 続きまして、債務負担行為についてご説明いたします。
 三枚おめくりいただき、一三ページをご覧ください。債務負担行為総括表でございます。
 債務負担行為のⅠといたしまして、四件で十九億八千三百二十三万余円を計上してございます。
 主な事項についてご説明いたします。
 一枚おめくりいただき、一四ページをご覧ください。上段の1、駒沢オリンピック公園総合運動場改修工事でございます。
 債務負担の期間を令和五年度まで、限度額を三千五百万円としております。
 債務負担の理由といたしましては、設計期間が複数年度にわたり、年度ごとの分割契約が困難なためでございます。
 一枚おめくりいただき、一五ページをご覧ください。下段の4、体育施設等の整備でございます。
 債務負担の期間を令和六年度まで、限度額を十三億三千六百三十九万円としております。
 債務負担の理由といたしましては、工事期間が複数年度にわたり、年度ごとの分割契約が困難なためでございます。
 続きまして、令和三年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料第2号、令和三年度補正予算説明書を二枚おめくりいただき、二ページをお開きください。補正予算内容でございます。
 今回の歳入の補正予算額としまして五十五億四千九十五万余円を減額しております。
 主な内容としましては、歳出予算の補正等に伴い、財務局所管の社会資本等整備基金等からの繰入金として五十億九百七十六万余円、また、都債として五億四千万円を更正したものでございます。
 続きまして、中段の網かけの行をご覧ください。歳出の補正予算額といたしまして七十九億一千二百七十四万余円を減額しております。
 オリンピック・パラリンピック準備費及びスポーツ推進費における現時点で不用となることが明らかな経費について減額補正を行うものでございます。
 一枚おめくりいただき、三ページをご覧ください。繰越明許費でございます。
 翌年度に継続実施する見込みのある事業について、令和三年度予算の一部を計上するものでございます。
 共同実施事業等について七十億九百六十二万余円を計上してございます。
 以上で予算案二件の説明を終わらせていただきます。
 次に、資料第3号、令和四年第一回東京都議会定例会提出予定案件(条例案)の概要をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、一ページをご覧ください。今回提出を予定しております条例案は、東京都体育施設条例の一部を改正する条例でございます。
 初めに、1の東京都パラスポーツトレーニングセンターの新設に伴う改正でございます。
 こちらは、味の素スタジアムに設置される本施設につきまして、名称、位置及び利用料金の上限額の規定を追加するものでございます。
 続いて、2の東京体育館等五つの体育施設に係る利用料金の上限額の改定等でございます。
 こちらは、(2)のアにございます、東京体育館の改修に伴い、利用料金の上限額を改定するほか、二ページのウにございます、海の森水上競技場に係る宿泊室の専用使用の場合の利用料金の上限額を規定するなど、所要の改正を行うものでございます。
 一枚おめくりいただき、三ページをご覧ください。3の施行期日でございますが、東京都規則で定める日としております。
 ただし、海の森水上競技場及び大井ふ頭中央海浜公園ホッケー競技場の改正規定は公布の日を、東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場及び東京アクアティクスセンターの改正規定は令和五年四月一日を施行期日としております。
 なお、それぞれの利用料金の上限額につきましては、四ページから九ページに別表として取りまとめておりますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 最後に、お手元配布の資料第4号につきましては、提出させていただきます議案となります。後ほどご覧いただければと存じます。
 以上、簡単ではございますが、本定例会に提出を予定しておりますオリンピック・パラリンピック準備局関係の案件につきまして説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○アオヤギ委員 それでは、資料要求させていただきます。
 まず、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金繰入れに係る予算額の推移。これからいうものは、全て令和四年度までお願いします。
 次に、大会経費に係る事業と予算額の推移。
 次が、東京二〇二〇大会に関係する主な事業と予算額の推移。
 四番目が、東京二〇二〇大会に係る共同実施事業等の予算額内訳。
 次が、東京都から組織委員会への派遣職員数等、大会期間中と現在。
 次が、主な都立体育施設の稼働率。
 次が、主な都立体育施設の利用目的別件数。
 次が、都立スポーツ施設の指定管理料の推移。
 最後に、都立体育施設の指定管理者における利用料金収入の推移。
 以上です。

○白戸委員長 ほかにございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 ただいまアオヤギ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出をお願いします。

○白戸委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取します。

○折笠事業連携担当部長 それでは、TOKYOスポーツレガシービジョンの公表についてご報告いたします。
 お手元の資料第5号をご覧ください。
 まず、1、策定の背景ですが、大会の成果を今後どうスポーツの振興に生かし、都市の中で根づかせていくかを示すため、TOKYOスポーツレガシービジョンを取りまとめ、先月二十一日に公表いたしました。
 都は、大会で得た成果をスポーツフィールド東京の実現につなげてまいります。
 次に、2、主な内容ですが、ビジョンでは、都立スポーツ施設の戦略的活用など七つの点について、主な取組を示しています。
 まず、(1)、都立スポーツ施設の戦略的活用ですが、大会を契機にバージョンアップしたスポーツ施設を活用し、都民の皆様に届ける価値を最大化してまいります。
 具体的には、十八施設のネットワークや各施設の特性を生かしながら施設の活用を促進してまいります。
 また、順次、再開業を迎える新規恒久施設では、数多くの大会等を開催してまいります。
 続いて、(2)、国際スポーツ大会の誘致、開催ですが、様々な国際スポーツ大会開催によるスポーツのにぎわいを都市の活力へつなげてまいります。
 次に、(3)、スポーツの場を東京の至るところに拡大ですが、二〇二一年の調査で都民のスポーツ実施率が六八・九%まで向上しました。機を逃さず、スポーツへの関心を、都民のする、見る、支えるにつなげてまいります。
 具体的には、スポーツの魅力の拡大、企業等との連携、DXを活用したイベントや自転車のライドイベント等によるスポーツとの新たな接点の創出などを進めてまいります。
 裏面をご覧ください。(4)、パラスポーツの振興ですが、障害の有無にかかわらず、共にスポーツを楽しみ、交流する取組を推進し、今後も共生社会の実現に貢献してまいります。
 具体的には、幅広いパラスポーツの普及や場の確保等を進めてまいります。
 次に、(5)、東京のアスリートの活躍ですが、二〇二〇大会では、都が発掘、育成、強化した選手が多数活躍しました。今後は、競技力の向上とともに、アスリートがその経験を基に地域で活躍し、スポーツの裾野を拡大する循環をつくり出してまいります。
 続いて、(6)、ボランティア文化の定着ですが、多くの大会関連ボランティアの方に活動継続の意向を示していただいています。こうした機運、経験、人材を将来に受け継ぎ、ボランティア文化の定着を図ってまいります。
 最後に、(7)、未来へのメッセージですが、大会によって発信された被災地復興、持続可能性等の重要なメッセージを未来に継承していく取組を進めてまいります。
 具体的には、アーカイブ資産等の活用とともに、本年七月から十月にかけて開催する大会一周年記念行事等の機会も活用してまいります。
 なお、参考資料としまして、TOKYOスポーツレガシービジョンの本文を添付しております。後ほどご参照いただければと存じます。
 説明は以上です。

○鈴木スポーツ推進部長 続きまして、東京都パラスポーツトレーニングセンター施設運営計画の策定についてご報告いたします。
 お手元の資料第6号をご覧ください。
 まず、1、これまでの経緯でございますが、令和三年三月に、「未来の東京」戦略にて、東京二〇二〇パラリンピックのレガシーとして、味の素スタジアム内施設のパラスポーツ練習拠点としての活用を検討することを公表いたしました。
 その後、検討を進め、令和三年九月に東京都パラスポーツトレーニングセンター(仮称)施設運営計画(中間まとめ)を公表し、文教委員会にてご質疑をいただくとともに、同月から十月にかけてパブリックコメントを実施いたしました。
 頂戴したご意見等を踏まえまして、令和四年二月に東京都パラスポーツトレーニングセンター施設運営計画を策定したところでございます。
 次に、2、主な内容でございますが、まず、(1)、施設の概要として、所在地は東京都調布市西町三百七十六番三、こちらは味の素スタジアム内の施設でございます。延べ床面積は約六千百九十五平米。体育室等を備え、バリアフリー設備が整備されたパラスポーツの練習施設でございます。
 (2)、運営の基本方針は、次の二点としております。
 〔1〕、パラスポーツの競技力向上の拠点、〔2〕、障害のある人もない人もパラスポーツに親しむことのできる普及振興の場の二点でございます。
 (3)、主な施設の構成と利用方法でございますが、まず、体育室は、競技団体やチーム等による練習利用やパラスポーツ教室での利用を、トレーニング室は、アスリートをはじめとする個人によるトレーニング利用を想定しております。小体育室と多目的室は、競技団体やチーム等による練習利用を想定しております。
 裏面をご覧ください。(4)、年間の利用者数の見込みとしまして、年間約三・四万人の延べ利用者数を想定しております。
 (5)、管理運営として、指定管理者制度による管理運営を行うこととしております。
 概算費用から概算収入を引きました年間運営費の試算としましては、約二・〇二億円を見込んでおります。
 なお、障害者手帳をお持ちの方が個人で本施設を利用する場合、利用料金は徴収いたしません。
 また、障害者手帳をお持ちの方を含む団体が本施設を利用する場合につきましては、東京二〇二〇大会後のパラスポーツ振興の視点や、類似施設でのパラスポーツの実施状況等を踏まえまして、利用料金は当面徴収しないこととしております。
 最後に、(6)、今後のスケジュールでございます。
 本年六月頃に指定管理者の募集を開始し、夏頃に改修工事を開始、その後、本年十二月に指定管理者候補者を決定し、令和五年三月に開業を予定しております。
 なお、本施設につきましては、現在、酸素・医療提供ステーションとして利用しておりますので、その状況を踏まえつつ、準備を進めてまいります。
 また、参考資料としまして、東京都パラスポーツトレーニングセンター施設運営計画の本文を添付しておりますので、後ほどご覧いただければと存じます。
 説明は以上でございます。

○柏原開設準備担当部長利用促進担当部長兼務 続きまして、令和二年度の有明アリーナ管理運営事業報告書の公表についてご報告させていただきます。
 お手元の資料第7号をご覧ください。
 本件は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく公共施設等運営事業、いわゆるコンセッション方式による有明アリーナの管理運営事業について、運営権者である株式会社東京有明アリーナの令和二年度の業務実施状況とその事業評価の結果を公表するものでございます。
 まず、1、対象となる事業期間でございますが、令和二年四月一日から令和三年三月三十一日まででございます。
 次に、2、業務実施状況についてでございますが、施設の本格的な利用がまだ始まっていない維持管理期間に該当し、統括管理業務及び開業準備業務等を実施しているところでございます。
 具体的な内容ですが、(1)、統括管理業務につきましては、主なものとして、追加投資計画に関する関係者との協議やセルフモニタリングの実施などがございます。
 次に、(2)、開業準備業務でございますが、主なものとして、開業後のイベントスケジュール案の協議、競技大会等の誘致に向けた各種スポーツ団体との協議、東京二〇二〇大会延期に伴い、施設利用が可能となったことによる無観客ライブ等の配信の実施などがございます。
 次に、(3)、運営業務でございますが、大会延期により運営権者による工事実施が可能となったため、東京二〇二〇大会にも利用できるロールバックチェアを、当初計画を前倒しして整備しております。
 続きまして、3、事業評価の実施についてでございます。事業評価は、運営権者による適正かつ確実なサービスの提供がなされているかを、モニタリングにより確認、評価するものでございます。
 実施手順は、記載のとおり、〔1〕の運営権者によるセルフモニタリングを行った後、裏面をご覧いただき、〔2〕の都のモニタリングを行います。都のモニタリングの際には、有明アリーナ管理運営事業モニタリング委員会を設置し、第三者による専門的な見地からの意見も聴取いたします。モニタリング委員会での意見を踏まえて、モニタリング結果を事業評価として取りまとめます。
 令和二年度の事業評価を取りまとめたものが、4、事業評価の結果でございます。
 (1)、統括管理業務につきましては、それぞれ要求水準書の内容に従い実施されております。
 (2)、開業準備業務につきましては、競技大会の誘致活動や予約システム等の検討を着実に進めているとともに、無観客ライブ等の配信は、大会後の利用促進等に資するものと評価できます。
 (3)、運営業務につきましては、ロールバックチェアの前倒し整備により、大会後の運営への円滑な移行が期待できるとともに、大会組織委員会や都の財政負担の軽減にも寄与するものと評価できます。
 (4)、財務状況等につきましては、財務諸表上、財務状況の悪化等の問題は認められませんでした。
 以上を踏まえまして、(5)、総合評価でございます。
 東京二〇二〇大会延期に伴い、先送りした業務はあるものの、要求水準等の未達状態や財務状況の悪化等は認められず、開業に向けて着実に業務を実施していると認められます。
 無観客ライブの実施など、有明アリーナのイメージ向上に努めている点も評価しております。
 一方で、追加投資計画や各種公演招致計画など、新型コロナウイルス感染症による利用者の行動変容等による本事業への影響については見極めていく必要があるところでございます。
 なお、参考資料1として事業報告書、参考資料2としてモニタリング委員会の委員名簿を添付しております。後ほどご覧いただければと存じます。
 説明は以上です。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○白戸委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○武市生活文化局長 議案のご説明に先立ちまして、令和四年度に予定しております組織改正につきましてご説明させていただきます。
 令和四年四月一日に、オリンピック・パラリンピック準備局のうち、スポーツ振興やスポーツ施設の管理運営に関連する事業及び都民安全推進本部を生活文化局に統合し、生活文化スポーツ局が設置される予定となっております。
 また、当局事業のうち、広報広聴に係る事業は政策企画局へ、情報公開に係る事業は総務局へ、それぞれ移管をいたします。
 それでは、今定例会に提出を予定しております生活文化局関係の議案の概要についてご説明申し上げます。
 今回提出を予定しております議案は、予算案二件、条例案二件の計四件でございます。
 初めに、令和四年度予算案についてでございます。
 恐縮ですが、お手元の資料第1号、令和四年度生活文化スポーツ局所管予算説明書の一ページをお開き願います。令和四年度局予算総括表でございます。
 令和四年度予算案においては、東京都の予算編成方針の下、新規事業や既存事業の拡充も含めまして積極的な施策展開を図るとともに、過去の決算や執行状況等を踏まえ、必要な経費を計上しているところでございます。
 表の上段、歳入予算総額といたしましては六百八十九億一千二百万余円で、前年度比五十七億九千百万余円の増となっております。
 続きまして、表の中ほど、歳出予算総額といたしましては二千七百二十三億二千六百万円で、前年度比百十一億三千六百万余円の増となっております。
 続きまして、施策ごとの経費についてご説明いたします。
 まず、生活文化スポーツ費のうち都民生活費でございます。多文化共生社会の実現に向けた取組や共助社会づくりの推進、女性の活躍推進などに要する経費といたしまして四十七億二千三百万余円を計上しております。
 次に、消費生活対策費でございます。消費生活相談や商品等の安全対策、公衆浴場対策などに要する経費といたしまして十四億八千八百万余円を計上しております。
 次に、計量検定所費でございます。計量法に基づく検定、検査などに要する経費といたしまして三億七千三百万余円を計上しております。
 次に、文化振興費でございます。各種文化振興施策の推進、都立文化施設の運営や改修等、文化振興に要する経費といたしまして百九十二億五千百万余円を計上しております。
 続きまして、学務費でございます。
 このうち助成費につきましては、私立学校に対する経常費補助に加え、保護者負担軽減などに要する経費といたしまして二千百十二億千九百万余円を計上しております。
 最後に、育英資金費でございます。奨学金の貸付事業に要する経費といたしまして三億円を計上しております。
 このほかに、組織改正に伴いまして、都民安全推進費、スポーツ総合推進費、スポーツ施設費が新たに加わるほか、広報広聴費は、政策企画局及び総務局の予算として計上されております。
 以上で令和四年度予算案の説明を終わります。
 続きまして、令和三年度補正予算案についてでございます。
 恐縮ですが、お手元の資料第2号、令和三年度生活文化局所管補正予算説明書の一ページをお開き願います。補正予算総括表でございます。
 表の右から二つ目、補正予算額の欄をご覧ください。
 表の上段、歳入の補正予算総額といたしましては四十二億二千七百万余円の減額でございます。
 続きまして、表の中ほど、歳出の補正予算総額といたしましては三十億七千百万余円の減額でございます。
 以上で令和三年度補正予算案の説明を終わります。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の資料第4号、令和四年第一回東京都議会定例会議案の表紙をおめくりいただき、目次をご覧ください。
 今定例会に提出を予定しておりますのは、東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例及び東京都消費者行政活性化基金条例を廃止する条例の二件でございます。
 以上で私からの議案の説明を終わらせていただきます。
 詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○古屋総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 引き続きまして、私から、今定例会に提出を予定しております議案の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、令和四年度予算案について、お手元の資料第3号、令和四年度予算案の概要に基づき、ご説明申し上げます。
 一ページ目は、先ほど局長がご説明したとおりでございます。
 二ページをお開き願います。都民生活、男女平等参画推進の施策でございます。令和四年度は四十七億二千三百万余円を計上しております。
 まず、1、多文化共生の推進として三億七千四百万余円を計上しております。
 新たに、地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業としまして、国の事業を活用し、区市町村、国際交流協会の地域日本語教育に係る活動を支援いたします。
 また、新たに、やさしい日本語リーダー養成研修を開始いたします。
 次に、2、共助社会づくりの推進としまして三億七千万余円を計上しております。
 ボランティア文化の定着として、ボランティアレガシーネットワークの運用とボランティア機運の維持向上に向けたイベントを実施いたします。
 また、レガシーネットワークを通じた活動等の交流に関するポイント制度を新たに開始いたします。
 続きまして、三ページをお開きください。3、地域力向上に向けた取組等として十億三千七百万余円を計上しております。
 地域の底力発展事業助成によりまして、新たに、町会・自治会応援キャラバンとして、担い手不足等の課題を抱える町会、自治会を、区市町村と連携し支援する仕組みを構築します。
 また、町会・自治会による防災対策普及啓発事業助成としまして、地域における防災意識の醸成につなげるため、町会、自治会が地域住民に対し、防災対策に係る情報提供と併せ、防災グッズを配布する啓発事業を新たに助成いたします。
 次に、4、男女平等参画、女性活躍の推進として十二億九千百万余円を計上しております。
 性差に関する無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャスバイアスに気づかせる教育に関する実態調査としまして、男女平等参画に関する教育の実態について、新たに調査を実施いたします。
 また、男女平等参画の推進に向けた意識改革として、経済団体やプロスポーツチームなどと連携し、幅広い世代に対する取組を新たに実施いたします。
 続きまして、五ページをお開きください。消費生活の安定と向上のための施策でございます。令和四年度は十八億六千二百万余円を計上しております。
 まず、1、消費生活行政の企画調整としまして九千七百万余円を計上しております。
 エシカル消費の普及啓発としまして、新たに、エシカル消費の推進に積極的な企業、団体等と協働してTOKYOエシカル・アクション・プロジェクト(仮称)を開始いたします。
 六ページをお開きください。5、危害防止対策として四千七百万余円を計上しております。
 新たに、安全対策啓発用プラットフォーム構築支援としまして、製品による子供の事故が起こりにくい社会を目指して、消費者、事業者、行政が製品事故に関する有益な情報を収集、発信するための仕組みを民間団体と連携して構築いたします、
 次に、6、公衆浴場対策として六億六千四百万余円を計上しております。
 耐震化促進やクリーンエネルギー化等推進などの各種補助事業や、公衆浴場の利用促進事業に要する経費への補助を実施いたします。
 続きまして、七ページをお開きください。文化振興のための施策でございます。令和四年度は百九十二億五千百万余円を計上しております。
 初めに、1、新たな文化戦略を実現するための主な取組として十六億八千六百万余円を計上しております。
 だれもが文化でつながるプロジェクトでは、芸術文化による共生社会のための国際カンファレンスを開催いたします。
 また、新たに、大規模文化事業推進助成(仮称)といたしまして、コロナ禍により低下した芸術文化やエンターテインメントを楽しむマインドの回復を目指すとともに、多くの都民が楽しめる大規模イベントを助成し、アーティストや芸術文化団体の活動、発信を支援いたします。
 さらに、アートを身近に感じてもらうための取組としまして、都内に点在するギャラリー、美術館を巡る体験型イベントなどを実施いたします。
 次に、八ページをお開きください。デジタルアートデザインラボ(仮称)としまして、新たに、最先端機器の提供やトップクリエーターとの交流等を通じ、デジタルとアートを融合させて新たな創造を行うアーティストの活動を支援するとともに、誰もがデジタルアートに触れられる機会を提供いたします。
 次に、7、文化施設の計画的な改修として五十四億九千五百万余円を計上しております。
 令和四年度から江戸東京博物館の大規模改修工事を開始することから、工事に係る経費等を計上しております。
 九ページをお開きください。私学振興のための施策でございます。令和四年度は二千百三十一億七百万円を計上しております。
 1、私立学校経常費補助としましては、幼稚園、小中高等学校、特別支援学校、通信制高等学校を合わせまして千二百二十億五千三百万余円を計上しております。
 次に、2、幼児教育の無償化としまして百八十八億五百万余円を計上しております。
 私立幼稚園等に通う園児保護者の負担軽減を実施いたします。
 一〇ページをお開き願います。4、私立高等学校授業料の実質無償化としまして三百七十八億五千五百万余円を計上しております。
 特別奨学金と国の就学支援金とを合わせまして、都内私立高等学校の平均授業料まで助成いたします。
 6、私立学校グローバル人材育成支援事業費補助としまして十九億二千万余円を計上しております。
 グローバルに活躍できる人材育成支援のため、生徒の海外留学や教員海外派遣研修経費の一部を補助いたします。
 一一ページをお開き願います。7、私立学校安全対策促進事業費補助としまして二十九億四千五百万余円を計上しております。
 私立学校の耐震工事や体育館への空調設備の新設等に係る経費の一部を補助いたします。
 次に、8、私立学校デジタル教育環境整備費補助として四十二億五千二百万余円を計上しております。
 従来の補助に加え、新たに、私立高等学校等における一人一台端末整備を促進するため、端末整備や保護者の端末購入費用への負担軽減に取り組む学校に対しまして、経費の一部を補助いたします。
 11、私立幼稚園等教育体制支援事業費補助(仮称)としまして四億九千六百万余円を計上しております。
 国の幼稚園の教育体制支援事業を受けまして、新たに幼稚園教諭等の処遇改善に取り組む幼稚園等に対して、必要な経費の一部を補助いたします。
 12、子供を笑顔にするプロジェクト(仮称)といたしまして一億四千二百万余円を計上しております。
 教育庁と連携し、私立の小中高等学校、特別支援学校を対象に、芸術やスポーツなど多様な体験活動の機会を新たに提供いたします。
 一二ページをお開き願います。組織改正に伴い、移管される事業でございます。
 まず、都民安全推進本部から移管される都民安全推進事業としまして十六億五千三百万余円を計上しております。
 なお、一部、都民生活部と広報広聴部から移管される経費もここに含まれております。
 次に、オリンピック・パラリンピック準備局より移管されるスポーツの推進事業としまして八十億九千八百万余円を、同じく都立スポーツ施設の活用事業としまして百四十八億四千二百万余円を計上いたします。
 続きまして、一三ページをお開きください。組織改正に伴いまして政策企画局及び総務局に移管される広報広聴及び情報公開のための施策でございます。令和四年度は三十二億五千五百万余円を計上しております。
 1、広報広聴の推進として三十一億六千八百万余円を計上しております。
 動画ポータルサイト、東京動画におきまして、子供たちの視点で都政を取り上げ、発信する動画を新たに制作するほか、「広報東京都」子供版の発行としまして、子供が都政や世の中について考えるきっかけとなるコンテンツを提供いたします。
 また、デジタルポータルサイトの構築として、今年度構築する簡易ポータルサイトの運用状況を踏まえ、高度なパーソナライズ等を行う本格運用サイトを構築するほか、東京都公式ホームページデザインの統一として、必要な情報に容易にたどり着けるよう、各局のホームページデザインの統一に向けた取組を実施してまいります。
 以上が令和四年度予算案でございます。
 なお、その他の事業等につきましては、お手元の資料第1号、令和四年度生活文化スポーツ局所管予算説明書をご参照ください。
 続きまして、令和三年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 恐縮ですが、お手元の資料第2号、令和三年度生活文化局所管補正予算説明書の二ページをお開き願います。
 歳入でございます。
 消費者行政活性化基金繰入金をご覧ください。こちらは、国から交付された地方消費者行政活性化交付金を財源とした消費者行政活性化基金の清算手続に伴いまして、同交付金を国に返還するため、基金の取崩しに係る繰入金として千八百万余円を計上しております。
 社会資本等整備基金繰入金及び防災街づくり基金繰入金でございます。こちらは、社会資本等整備基金及び防災街づくり基金からの繰入金を更正することに伴いまして、それぞれ十八億五千七百万余円、十一億三千三百万余円を減額しております。
 次に、生活文化債でございます。こちらは、生活文化費に対する都債を更正することに伴い、三億二千八百万円を減額しております。
 次に、学務債でございます。こちらは、学務費に対する都債を更正することに伴い、九億二千八百万円を減額しております。
 続きまして、歳出でございます。
 まず、学務費の管理費をご覧ください。オリンピック・パラリンピック教育推進事業の実績減に伴い、二億七千四百万円を減額しております。
 次に、助成費の私立幼稚園等教育体制支援事業費補助(仮称)でございます。
 国が、学校法人立の幼稚園に対し、教職員等の収入の引上げを目的とする幼稚園の教育体制支援事業を開始することに伴いまして、同事業の対象とならない個人立等の幼稚園及び類似施設の処遇改善に係る費用の一部を補助するため、必要な経費として三千万余円を計上しております。
 また、私立学校等特別奨学金補助等の実績減に伴い、二十八億二千七百万余円を減額しております。
 以上が令和三年度補正予算案でございます。
 続きまして、条例案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料第4号、令和四年第一回東京都議会定例会議案の一ページをお開き願います。東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例は、引用する省令の名称を変更するものでございます。
 施行期日は、公布の日でございます。
 提案理由につきましては、総務省令の一部を改正する命令の施行による総務省令の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
 二ページをご覧ください。東京都消費者行政活性化基金条例を廃止する条例でございます。
 本条例の施行期日は、記載のとおりでございます。
 提案理由につきましては、国の基金事業の終了に伴い、設置の所期の目的を達成したため、廃止するものでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○アオヤギ委員 それでは、資料要求させていただきます。
 まず最初に、Tokyo Tokyo FESTIVALの主な事業。東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団及び公益財団法人東京都交響楽団、令和三年度実施分。
 次に、私立専修学校修学支援実証研究事業の授業料支援実績額、協力校数及び受給者数の推移。
 次に、私立小中学校等児童生徒数並びに私立小中学校等就学支援実証事業の国への交付申請者数、受給者数及び実績額。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に関係する事業と予算額の推移。
 次に、私立学校の児童生徒の自殺者数。
 最後に、新型コロナウイルス感染症に係る都独自のPCR検査の私立学校における活用実績、また、教職員の定期検査の実施状況。
 以上です。

○白戸委員長 ただいまアオヤギ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることについてご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○白戸委員長 次に、理事者からの報告の申出がありますので、これを聴取します。

○赤羽男女平等参画担当部長 それでは、東京都男女平等参画推進総合計画(素案)につきまして、お手元にあります資料第5号によりご説明申し上げます。
 1、改定の経緯及び予定をご覧願います。
 男女平等参画推進総合計画につきまして、現行計画の計画期間が令和三年度末で終了いたします。このため、計画期間を令和四年度から令和八年度までの五か年とする計画に改定いたします。
 改定に当たりましては、昨年四月に、知事より審議会に対し、計画改定に当たっての基本的考え方について諮問をいたしまして、本年一月二十四日に答申がなされたものでございます。
 都では、答申を踏まえ、計画の検討を進め、今回、都の施策を計画の素案として取りまとめました。
 今月三日に計画の素案を公表し、三月四日まで都民意見を募集しております。
 この後、都内の事業者団体等の取組も盛り込みまして、三月末に計画を公表する予定でございます。
 次に、2、計画の概要でございます。
 総合計画は、女性活躍推進計画と配偶者暴力対策基本計画を合わせた、東京都男女平等参画基本条例に基づく男女平等参画の促進に関する都の施策及び都民、事業者の取組を推進するための行動計画となっております。
 また、改定に当たっての基本的な考え方といたしまして、男女平等参画の推進に向け、企業の取組を加速させるとともに、家庭、職場など、あらゆる場面での意識改革等を促していくこととしております。
 この基本的考え方の下、ライフ・ワーク・バランスの実現と働く場における女性の活躍推進、男女平等参画の推進に向けたマインドチェンジ、配偶者暴力対策を三つの柱といたしまして、具体的な取組を進めていくこととしております。
 続きまして、二枚目の別紙、具体的施策をご覧ください。計画の具体的な施策を記載しております。
 計画では、第2部第1章から第3章までを女性活躍推進計画、第3部第2章及び第3章を配偶者暴力対策基本計画として取りまとめております。
 第2部第1章、ライフ・ワーク・バランスの実現と働く場における女性の活躍推進では、生活と仕事を両立できる環境づくりなど、七つの項目を挙げております。
 なお、計画では、こうした項目ごとに、現状と課題、取組の方向性、都の施策を盛り込んでおります。
 第2部第2章、男女平等参画の推進に向けたマインドチェンジでは、生活と仕事における意識改革など、三つの項目を掲げております。
 第2部第3章、多様な人々の安心な暮らしに向けた支援では、ひとり親家庭への支援など、五つの項目を掲げております。
 第3部第2章、配偶者暴力対策では、暴力を許さない社会形成のための啓発と早期発見など、八つの項目を掲げております。
 第3部第3章、男女平等参画を阻害する様々な暴力への対策では、性暴力被害者に対する支援など、四つの項目を掲げております。
 なお、この総合計画におきまして、PDCAサイクルによる計画の実効性を高めるため、取組に応じて目標や達成年度などを設定しております。
 以上が男女平等参画推進総合計画の素案の概要でございます。
 なお、資料第6号といたしまして、計画素案本文をおつけしてございます。具体的な都の施策を掲載しておりますので、後ほどご参照いただきたく存じます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○蜂谷文化振興部長 それでは、東京文化戦略二〇三〇(素案)につきまして、お手元の資料第7号によりご説明申し上げます。
 お手元資料第7号、東京文化戦略二〇三〇(素案)についてをご覧願います。
 東京二〇二〇大会が終了し、新型コロナウイルス感染症の影響など社会環境が大きく変化しているタイミングを捉え、策定することといたしました。
 「未来の東京」戦略とも連動しており、東京芸術文化評議会での審議を経て、本年二月三日からパブリックコメントを実施しております。
 いただいた意見や都議会での議論も踏まえ、今年度中に策定、公表する予定でございます。
 続きまして、別添の東京文化戦略二〇三〇(素案)をご覧願います。
 恐縮ですが、二ページをお開き願います。本戦略は、二〇四〇年代における東京のあるべき姿を描き、東京都の文化行政の方向性や重点的に取り組む施策を示したものとなっております。
 資料の三ページをご覧願います。ここから六ページにわたり、東京二〇二〇大会レガシー等から導かれた方向性を挙げております。
 六ページでは、都内各所で実施するまちなかアートやオンラインなど新たな手法を用いて、誰もがどこでも気軽に芸術文化を楽しめる取組を強化するなど、本戦略の方向性を四点掲げております。
 資料の七ページをご覧願います。目指す二〇四〇年代の東京の将来像を記載しており、八ページでは将来像のイメージを掲載しております。
 芸術文化で躍動と豊かさが両立した社会、芸術文化で躍動する都市東京を目指してまいります。
 資料の九ページをご覧願います。将来像を実現するため、誰もが芸術文化に身近に触れられる環境を整え、人々の幸せに寄与するなど、二〇三〇年に向けた四つの戦略を設定しております。
 一〇ページをご覧願います。四つの戦略を実行していくために、デジタルテクノロジーの活用などの視点を重視してまいります。
 一一ページでは、参考といたしまして、四つの戦略と重点手法のイメージ図を掲載しております。
 一二ページをご覧ください。四つの戦略の進捗度合いを確認し、施策の評価や見直しに反映するため、KPIを設定いたします。
 続きまして、資料の一四ページ、戦略と戦略実行のための推進プロジェクトをご覧願います。ここでは、四つの戦略を実行するための推進プロジェクトとして、地域活性化プロジェクトやアート&エンターテインメント・プロジェクトなど、十のプロジェクトを挙げております。
 一五ページから五〇ページまでは、それぞれの戦略の現状分析や考え方と方向性、主なKPIを記載するとともに、各推進プロジェクトの方向性や目指すべき姿、主な取組を記載しております。
 資料の五一ページ、五二ページをご覧願います。本戦略を実現するために、都と政策連携団体である東京都歴史文化財団、東京都交響楽団の推進体制を整備してまいります。
 五三ページをご覧願います。本戦略が目指す芸術文化で躍動する都市東京のイメージを掲載しております。
 五四ページ以降は、参考といたしまして、本戦略の策定の背景と経過について記載しております。
 以上が東京文化戦略二〇三〇(素案)の概要でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○アオヤギ委員 それでは、東京都男女平等参画推進総合計画について資料要求させていただきます。
 まず最初に、配偶者暴力防止等民間活動助成事業の実施状況、予算額の推移。
 次に、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数の推移、平成二十三年度から令和二年度まで。
 次に、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数、月別の推移、令和元年度から令和三年度まで。
 次に、男女平等に係る苦情処理委員会の都道府県の設置状況。
 最後に、審議会等、知事の附属機関の委員数、女性委員数及び女性任用率。
 以上です。

○白戸委員長 ただいまアオヤギ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出をお願いします。

○白戸委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願三第四二号、請願三第四三号の一、請願三第四四号、請願三第四五号及び請願三第四六号については、いずれも内容に関連がありますので、一括して議題としたいと思います。
 理事者の説明を求めます。

○戸谷私学部長 私学助成の拡充等に関する請願五件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表の表紙と次の件名表をおめくりいただきまして、一ページをご覧ください。
 請願三第四二号、豊島区の私学助成の拡充とゆたかな教育の創造をめざす都民連絡会、村田茂さん外六千五百五十人からのゆたかな教育、私学助成の拡充に関する請願でございます。
 三ページをお開きください。請願三第四三号の一、国分寺市の子ども・青年の未来を−三多摩子育て・教育問題連絡会、川上千恵さん外千三百九十四人からの笑顔あふれ、人と人との温かい触れ合いを通じて学び、成長する学校に関する請願でございます。
 四ページをお開きください。請願三第四四号、千代田区の私学助成をすすめる都民の会、鴨志田勇さん外四万九千五百四十八人からの私立幼稚園に対する公費助成の大幅増額等を求めることに関する請願でございます。
 六ページをお開きください。請願三第四五号、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会、池上東湖さん外二万三千五百三十八人からの東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願でございます。
 七ページをお開きください。請願三第四六号、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会、池上東湖さん外十二万七百十二人からの私立学校の教育費を増額し、保護者負担の軽減を求めることに関する請願でございます。
 以上、五件でございますが、請願の趣旨は、説明表記載のとおり、私立学校の運営費等に対する各種助成の拡充、保護者の経済的負担の軽減、学校における教育環境の整備、充実などに関するもので、重複する部分もございますので、現在の状況につきましては、請願の趣旨、内容により、事項を分けて概略をご説明申し上げます。
 まず第一に、私立学校の運営費等に対する補助でございます。
 私立学校に対する助成は、教育条件の維持向上、保護者の経済的負担の軽減、そして学校経営の健全性を高めることを目的としてございまして、その充実に努めております。
 初めに、幼稚園と小中高等学校でございます。
 私立学校経常費補助につきましては、私立学校の標準的運営費の二分の一を補助するという基本的な考え方に基づいて行っております。
 高等学校等の学級規模の縮小については、経常費補助において四十人学級編制推進補助を設けるなど、その実現に努めております。
 教職員の雇用の在り方については、各学校において判断すべきものであり、具体的な教員の人数や配置の決定につきましては、設置基準に基づき、各学校の自主的な判断によって行われてございます。
 幼稚園のうち、学校法人立以外の幼稚園に対する補助につきましては、経常費補助の動向を勘案しつつ、その充実に努めております。
 三歳児の幼稚園就園につきましては、経常費補助等に就園促進補助などを設けており、その充実に努めております。
 私立幼稚園の障害児に対する特別支援教育につきましては、平成二十九年度から補助単価を増額してございます。
 なお、一学級当たりの園児定員につきましては、各園の教育方針等に基づき、基準の範囲内において設置者が決定するものでございまして、都は、各園が適切な環境で幼児教育を実践できるよう支援してございます。
 預かり保育に対する補助につきましては、平成二十九年度から、年間を通じて長時間の預かり保育を実施する幼稚園に対し補助単価を増額するなどの補助の拡充をしてございます。
 また、平成三十年度からは、より長時間の預かり保育を実施する幼稚園への補助単価をさらに増額してございます。
 次に、専修学校、各種学校でございます。
 専修学校の高等課程につきましては、運営費補助を行っており、その充実に努めてございます。
 また、専修学校専門課程は、大学、短大と並ぶ高等教育機関という位置づけから、国に助成制度の創設を要望してございます。なお、平成三十年度からは、職業実践専門課程を支援するための補助を実施してございます。
 第二に、保護者の経済的負担の軽減でございます。
 高等学校等の生徒に対しましては、平成二十九年度から、年収約七百六十万円未満の世帯を対象に、国の就学支援金と合わせて、都の特別奨学金補助を都内私立高校の平均授業料額まで支援額を拡充してございます。平成三十年度からは、都認可の通信制高校へ適用を拡大してございます。
 また、令和二年度から国が就学支援金を拡充しておりまして、この機会を捉えて、さらに幅広い世帯が支援を受けられるよう、補助の対象を年収約九百十万円未満の世帯まで拡充するほか、所得制限を超える多子世帯への補助を行ってございます。
 入学金等については、学校を通じた貸付制度を実施しておりまして、平成二十九年度から貸付額を増額してございます。
 さらに、育英資金等によりまして、授業料以外の教育費負担の軽減を図ってございます。
 なお、就学支援金制度は、教育費負担を軽減する目的で国が創設した制度でございまして、所得制限を含め、その在り方につきましては、国が適切に判断すべきであるというふうに考えてございます。
 私立小中学校に通う生徒の保護者の家計状況または家計急変の理由により学校が授業料等を減免した場合には、都は、経常費補助によりまして、減免額の一部に対して補助を実施しているところでございます。
 幼稚園等への園児保護者負担軽減事業費補助につきましては、国の幼児教育無償化を踏まえまして、令和元年十月から、全ての世帯について、都内平均保育料相当まで補助を行ってございます。
 家計が急変した世帯の学費負担軽減につきましては、家計急変を理由とした授業料の減免制度を持つ学校が減免を行った場合、経常費補助において、減免額の一部に対して補助を行ってございます。令和二年度及び令和三年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえて、減免額に対する補助率を五分の四から十分の十へ引き上げてございます。
 なお、私立高等学校等については、授業料以外の教育費負担を軽減する奨学給付金補助において、令和二年度から家計急変した世帯への支援を行ってございます。
 第三に、私立学校における教育環境の整備でございます。
 耐震化が必要な校舎等に対しましては、安全対策促進事業費補助を実施してございます。
 また、老朽校舎の改築等については、私学財団が実施している長期で低利な施設設備資金の貸付けに対し利子補給を行うなどの支援に努めております。
 さらに、省エネ設備等の補助については、その充実に努めてございます。
 私立学校におけるオンライン授業等に必要な経費への補助は、都のデジタル教育環境整備費補助あるいは国の情報機器整備費補助金等により実施してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 生活文化局に付託されました請願陳情は六本ありまして、私立学校や幼稚園の公費助成、保護者負担の軽減や、平和祈念館の建設に関するものであります。
 私どもは、これらの陳情の願意は、どれも切実で、都として実現可能なものばかりだと考えます。そのため、全てに賛成をしたい、あるいは継続として十分な審議をしていくべきだというふうに考えています。今日は、その立場から質疑をさせていただきます。
 私からは、今日は私立幼稚園教諭の処遇改善について少し質問します。
 私立幼稚園の先生方からは、この間、日々の教育に当たる中での苦労あるいは職場環境の改善を求める声を伺ってまいりました。また、今回は、幼稚園の経営に携わる方々からもお話を伺うことができています。
 どちらも、人件費、処遇の改善、給料の低さから人手不足になって、また、負担が今増えている、経営者としても大変だという悩みを抱えていることが分かりました。
 そこでまず、東京における幼稚園教諭の平均賃金、初任給と最高額を教えてください。

○戸谷私学部長 令和三年三月に公表されました文部科学省の学校教員統計調査によりますと、都内私立幼稚園の令和元年度の本務教員の平均給料月額は二十三万八千五百円でございます。
 なお、初任給や最高額につきましては、統計調査の対象となっておりませんので把握してございません。

○とや委員 平均給料月額が二十三万八千五百円と、ほかの職種と比べても低いといわれているのが幼稚園の先生の給料です。
 私がお話を伺った園では、こうした状況もあって教員が集まらないとか、あるいは、シングルマザーの先生もいらっしゃって、生活を成り立たせるためには非常に大変な思いをしていて、資格がある人は公立の保育園に流れてしまっているということもあると聞きました。
 また、二十年働いている人がいる幼稚園もあるわけですけれども、年収は五百万円に満たないというふうに聞いています。
 さらに、今コロナになって、教員が一人休みになると、例えば三クラスだった場合、二人で三クラスを見なければならなくて、ほかの負担まで生じていると。これは、学校でもどこでも一緒だと思うんですけれども、非常に大変だという声を聞いて、これまでにない負担もあるということを伺っています。
 支援を拡充する必要があると思いますが、現在、東京都として、私立幼稚園教員の人件費に関わって、どのような支援がありますか。

○戸谷私学部長 都は、様々な補助事業を通じて、私立幼稚園における教員の人件費等を含む運営費の一部を補助してございます。
 例えば、私立幼稚園経常費補助におきましては、教育活動に要する運営費の一部を補助しております。
 また、私立特別支援学校等経常費補助、そして私立幼稚園特別支援教育事業費補助におきましては、障害児が通園する私立幼稚園に対して運営費の一部を補助しているところでございます。

○とや委員 今、挙げていただいた補助事業等は、私も以前、質問させていただきました。経常経費についても、人件費は一部含まれているのですけれども、全体として足りないという声があって、その引上げを求める声が寄せられていて、こうした経常経費補助が保育の質にも関わってくるというお話をさせていただきました。
 さらに、障害児を預かっている幼稚園についても補助があるのですけれども、その補助金が支給される時期についても改善を求める声がありました。
 こうした要望がいろいろ出ているわけで、ぜひ拡充をしていただきたいと思います。使い勝手のよいものにする、あるいは金額も上げていただきたいということを求めておきます。
 先ほどお話ししました幼稚園の現場からは、年間百万円ぐらい人件費を上げてほしい、それじゃなきゃ、やっていけないんだという切実な声が届いています。
 この点で、今回、人件費については、月額一万一千円の賃金引上げを行った園に対しては国が補助を行う、個人園についても、都が横出しをするという予定であります。経常経費補助のような形ではなくて、ダイレクトに賃上げにつながるという補助が求められている、そういうときに、こうした事業をやるということについては歓迎したいと。ぜひ今後、引上げも含めた拡充を求めておきたいと思います。
 また、コロナ禍で、私立学校や幼稚園は、人的負担とともに、感染から子供たちも自分も守らなければなりません。特に子供たち、高齢者の感染は、現場を不安にさせ、ストレスがたまる毎日と聞いています。
 コロナ禍において、私立幼稚園でも感染者や濃厚接触者が出ていますが、幼稚園教諭への定期検査やワクチン接種は、早期に、そして確実に行うべきですが、いかがでしょうか。

○戸谷私学部長 新型コロナウイルス感染症に係る定期的な検査につきましては、新たに幼稚園の従事者も対象とすることとなり、既に各幼稚園に周知を行ったところでございます。
 また、ワクチン接種につきましては、都も、大規模接種会場において私立学校の教職員を対象とする接種を行ってまいりました。現在、三回目の接種を開始しておりまして、既に各幼稚園に周知をしたところでございます。

○とや委員 私ども、こうした幼稚園あるいは保育園、学校関係、私学も含めて東京都に申入れを行ったところなんですが、検査でいえば、キットが不足しているという状況もあったり、検査結果が出るまでに時間がかかったり、症状も出ていても医療にかかれないなど、深刻な実態が報告されております。
 生活文化局としても、都内私立幼稚園からの要望などをよく聞いていただいて、定期検査も含めて、どの園でも満遍なく行えるように周知をしていただいて、キットが足りないだとか、検査に時間がかかるといったことも含めて、他局とも連携しながら、感染を早期に抑えるための努力を惜しまず行っていただくよう求めて、質問を終わります。

○アオヤギ委員 日本共産党のアオヤギ有希子です。
 私からは、私学の小中学校の学費負担軽減についてお伺いします。
 まず、国制度の負担軽減についてお伺いします。
 二〇一七年度から五年間、国は、実証実験として、私立小中学校に通う家庭に直接授業料補助をする制度が行われていました。
 国のアンケートによると、この利用者の半分が家計急変の家庭で、残りの半分は、もともと低所得という結果でした。にもかかわらず、国は、これを家計急変のみに絞る方針を打ち出しています。
 この現行制度は、年収四百万円未満の世帯に年間十万円を補助しています。今年度の実績を伺います。

○戸谷私学部長 私立小中学校等就学支援実証事業の令和三年度の実績につきましては、受給者数が約七百名、補助額は約七千万円となる見込みでございます。

○アオヤギ委員 約七百名ということで、大変多くのご家庭で利用されています。こうした方々が、来年、家計急変と絞られた場合、補助を受けられなくなる家庭が一定数出てきてしまいます。
 一方、都は、私立学校に通う授業料等の減免に対し、経常費補助の特別補助で補助を行っています。その中で、家計急変の場合の減免に対しては十分の十で補助をしています。
 制度を持つ学校で実施できますけれども、この制度を持つ学校数と家計急変の補助の実績、中でも私立小中学校でどうなっているか、伺います。

○戸谷私学部長 私立学校が家計急変による授業料等の減免制度を整備している場合及び実際に生徒の授業料等の減免を行った場合につきましては、私立学校経常費補助の特別補助の対象となりまして、実施の翌年度に補助金の申請及び交付がなされることとなってございます。
 令和三年度の補助金交付実績につきましては、減免制度を整備している中学校は百二十五校、実際に減免を行った生徒数は七十八名、減免制度を整備している小学校が三十一校、実際に減免を行った生徒数は三十三名となってございます。

○アオヤギ委員 この制度も一定の方が補助を受けており、学校が決めた補助額で、対象者に対して十分の十の補助を行うので、こちらも本当になくてはならない制度です。
 先ほどもいったとおり、来年度は、国の実証実験で行っていた補助制度の要件を家計急変のみに変更し、なおかつ経常費補助の特別補助の中に設けるとしました。
 これでは、現行の都の制度とあまり変わらないように見えるのですけれども、どこが違うのか、ご説明をお願いいたします。

○戸谷私学部長 学校が生徒の授業料等の減免を行った場合に、学校に対して補助をする制度という点では同じでございますが、現時点では国の制度の詳細が決まっていないという状況でございます。

○アオヤギ委員 先ほどのご答弁では、授業料減免制度を持つ小中学校は百五十六校で、全体の七割となっており、学校に制度がないために、国の制度も、都の制度も受けられない児童生徒が出てきてしまいます。
 都として、どのようにこの方たちに対応するお考えでしょうか。

○戸谷私学部長 各学校における授業料等の減免制度の整備、活用が進むよう、都の授業料等の減免に関する経常費補助の特別補助について、私学団体とも連携いたしまして、各学校に制度の活用を働きかけているというところでございます。

○アオヤギ委員 国制度では七百人もの方が利用する状況ですので、最低限、減免制度を持つことを全校に進めていっていただきたいと思います。
 そして、この国制度と都の制度を合わせた場合に、非常に補助が狭くなってしまうということも考えられます。
 国の補助の要件は、家計急変で急変後の年収が四百万円未満相当、そして資産保有額が七百万円未満などとするということを聞いています。また、補助の上限も、全国の授業料平均である三十三・六万円ということで聞いております。これでは、現在の都の制度より、かなり条件が厳しくなってしまうと思います。
 都の制度の方は、私立学校それぞれが数十万円単位で全額補助している場合もあります。
 ですから、都の制度を国の制度に合わせ、資産要件や補助の上限を設けるなどのことがあってはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。

○戸谷私学部長 令和四年度における都の経常費補助の特別補助の内容につきましては、今後、東京都私立学校助成審議会への諮問、そして答申を経て決定されるものでございます。

○アオヤギ委員 審議会に諮問するということですので、諮問の内容を、ぜひ現行制度よりも後退せずに、引き上げた提案をしていただきたいと思います。
 国制度ができたことで、今まで都独自でやっていたものがありますから、都の財政負担が減るのでしょうか。その辺もお答えください。

○戸谷私学部長 現時点では、国の制度の詳細が決まっていない状況でございます。

○アオヤギ委員 先ほども少しいいましたけれども、国制度と都の制度を合わせてしまうと、都の予算というのは減ってしまいますので、都の財政負担を減らすことなく、むしろ、現行より制度が後退することのないよう財政措置をしていただきたいと思います。
 そして、少なくとも、今、国の補助を利用している家庭が、来年度から補助の枠を外れることのないようにすべきでありますけれども、いかがですか。

○戸谷私学部長 国が本年度まで実施してきた実証事業と同様の支援を都が行う予定はございません。

○アオヤギ委員 そうしますと、家計急変に国が絞ってしまうということで、一定額の補助がやっぱり必要だというふうに思います。コロナ禍でも、さきの議会でも、私もこの補填も述べましたけれども、いろんな方が、家計急変も含めて、そして経済状況も厳しくなっておりますので、そういった方に補助していただきたいというふうに思います。
 都独自に私立小中学校に通う低所得者家庭への授業料の補助を行うことを求めますが、いかがでしょうか。

○戸谷私学部長 都は既に、保護者の家計状況または家計急変の理由によりまして私立小中学校等が授業料等を減免した場合に、私立学校経常費補助により、減免額の一部に対して補助を実施しているというところでございます。

○アオヤギ委員 ですから、家計急変だけに絞ってしまうと、決して−−七百人もの方が、現行の四百万円以下の、奨学金をもらえているわけですから、そういった低所得者に対する学費負担軽減というのをぜひ実施していただきたいと要望します。
 次に、私立学校におけるコロナ対策として、私立学校における都独自のPCR検査の実績を伺います。

○戸谷私学部長 本年一月末までに、延べ四十一校、一千百八人の検査を行っておりまして、検査の結果、陽性疑いの判定がされた方は十一人おりました。

○アオヤギ委員 かなり検査を行っているという印象です。
 そして、コロナ感染拡大のために、これまでも求めてきましたけれども、中止や延期となった修学旅行のキャンセル料について、保護者や学校の負担にならないよう補助をするべきと考えますが、いかがでしょうか。

○戸谷私学部長 都に緊急事態宣言の発出や蔓延防止等重点措置の適用がなされたために、やむを得ず修学旅行を中止または延期したことでキャンセル料が発生している私立学校もございます。
 そのため、都は既に、令和三年四月から九月までの期間における、それらの学校のキャンセル料への支援を行うということにしてございます。

○アオヤギ委員 キャンセル料を払っていたということで、キャンセル料については、本当に一生に一度の修学旅行ですので、そういったことを進めて学習の保障をしていただきたいというふうに思います。
 次に、東京都の私立高校の入学金と施設整備費、このことについてお伺いしますけれども、この平均額についてお答えください。また、全国平均額は幾らでしょうか。

○戸谷私学部長 令和三年度における都内私立高校の入学金の平均額は二十五万三千百十六円でございます。
 実験実習費や冷暖房費等を含む施設整備費等の平均額は二十一万三千四百六十七円でございます。
 また、国の調査によりますと、全国平均額は、入学金が十六万三千二百七十九円、施設整備費等が十四万八千三百十五円となってございます。

○アオヤギ委員 これは、九百十万円以下の収入のご家庭には、都も上乗せして補助をしていていいのですけれども、そのほかに入学金と施設整備費がかかるということで、東京の平均を足し合わせますと四十数万円になるということです。やはりこの四十数万円が低所得家庭には重い負担になるということで、進学を諦めざるを得ないとか、そういったことも考えられます。
 こうしたことに都独自で補助をしていくべきではないでしょうか。いかがお考えですか。

○戸谷私学部長 都は、私立高校に対する経常費補助を通じて授業料等の抑制に努めるとともに、授業料については、国の就学支援金と併せて、都の特別奨学金により都内私立高校の平均授業料まで支援しているところでございます。
 また、授業料以外の負担を軽減する奨学給付金、育英資金、入学支度金貸付など、幅広い施策を総合的に活用いたしまして、保護者負担の軽減を図っているところでございます。

○アオヤギ委員 やはりこれは貸付けになりますので、返さなきゃいけないものになります。低所得者の家庭のお子さん、高校生から借金してしまうということを防ぐ意味でも、やはり今、こういった施設整備費や入学金にも目を向けて、財政援助を都としてしていただきたいと要望いたします。
 ほかの経常費補助の増額なども求めるたくさんの要望、この請願項目が出されています。ぜひ採択して、本当にこれを、負担軽減を実現していただきたい、私学のそういった学びを保障していただきたいと要望して、質疑を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、請願三第四二号をお諮りいたします。
 本件中、第一項から第三項まで、第五項、第九項及び第十項を趣旨採択することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、請願三第四二号中、第一項から第三項まで、第五項、第九項及び第十項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願三第四三号の一につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、請願三第四三号の一は継続審査といたします。
 次に、請願三第四四号をお諮りいたします。
 本件中、第二項、第三項、第五項から第七項まで及び第九項を趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、請願三第四四号中、第二項、第三項、第五項から第七項まで及び第九項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、請願三第四五号につきましては、教育庁所管分もございますので、決定は教育庁所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、請願三第四五号は継続審査といたします。
 次に、請願三第四六号をお諮りいたします。
 本件中、第四項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、請願三第四六号中、第四項は趣旨採択と決定いたしました。

○白戸委員長 次に、陳情三第一〇八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○蜂谷文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)の建設を求めることに関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております請願・陳情審査説明表の九ページをご覧ください。
 陳情三第一〇八号、「東京都平和祈念館(仮称)」建設をすすめる会代表、宇都宮健児さん外一万七百四十七人から提出された東京都平和祈念館(仮称)の建設に関する陳情でございます。
 要旨でございますが、東京都平和祈念館(仮称)を一日も早く建設することでございます。
 現在の状況でございますが、東京都平和祈念館(仮称)につきましては、平成十一年第一回都議会定例会において、次のような付帯決議が付されております。
 平和祈念館(仮称)については、次の事項に配慮すること。(1)、平和祈念館の建設に当たっては、都の厳しい財政状況と従来の経緯を十分踏まえ、展示内容のうち、いまだ議論の不十分な事実については、今後さらに検討を加え、都議会の合意を得た上で実施すること。(2)、東京空襲犠牲者追悼碑の早期建立に取り組むこと。(3)、東京空襲犠牲者名簿の収集、作成を平成十一年度の早期に開始すること。
 これを受けまして、平成十二年度に、東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑を建立し、東京空襲犠牲者名簿の作成を行っております。令和三年三月現在、東京空襲犠牲者名簿は八万一千二百九十五名を登載しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○とや委員 この陳情の願意を読ませていただきました。昭和二十年三月十日の東京大空襲をはじめ、百回以上に及ぶ東京空襲の実相と都民の空襲体験、戦争体験を語り継ぎ、戦争の実相と歴史を学び、歴史を繰り返さず、平和につなぐことができる施設とすること、また、東京空襲の犠牲者を追悼できる施設とすること、平和と戦争に関する情報、意見の交流を通じ、平和への取組を支援する施設とすること、これが陳情者の願意であります。
 この間、私、この平和祈念館、平和事業については、前期を含めて何度も質問させていただいてきました。しかし、東京都の答弁は、必ずしも陳情者の願意、遺族や戦争体験者の願意に沿うものではありませんでした。そうした中で出されたのが、この陳情であります。賛成の立場から質疑をさせていただきます。
 まず、平和の日の式典を開催する意義についてお答えください。

○蜂谷文化振興部長 都は、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓い、東京大空襲により、一夜にして多くの尊い命が失われた三月十日を東京都平和の日と定め、この趣旨を広く都民の皆様に伝え、次の世代に語り継ぐため、毎年、平和の日記念式典等を実施しております。

○とや委員 東京都が三月十日の日を平和の日と定めたということで、その目的は、戦争の惨禍を再び繰り返さない、そして、東京大空襲によって、一夜にして多くの尊い命が失われたこの三月十日を絶対忘れず、次の世代に語り継ぐ、この責任があるということでご答弁いただいたと思います。
 そうであるなら、それにふさわしい東京都の姿勢が、取組が求められているというふうに思います。
 そこでお聞きします。現在、「広報東京都」が、三月十日について、記念式典とかを広報してくださっておりますけれども、この内容についてどのように決めているのか、掲載時期と併せてお答えください。

○蜂谷文化振興部長 平和の日記念式典につきましては、二月と三月の年二回、「広報東京都」に掲載しております。
 記念式典をはじめとする記念行事の広報内容につきましては、東京都平和の日記念行事企画検討委員会の意見を聞きながら、都として決定しております。

○とや委員 平和の日の記念式典については、二月と三月の二回、掲載していらっしゃる、そして企画検討委員会の意見を聞いてきたということです。
 「広報東京都」を拝見させていただいたのですけれども、確かに二回掲載されているのですが、私が懸念するのは、この記事の扱いです。
 過去の広報を見ました。例えば平成八年から十一年、この広報を私、見せていただいたのですけれども、三月一日は(資料を示す)必ずこうやって、一面を使って、全部、平和の日にしているんですよ。これ、東京都の広報ですけれどもね。これだけ大きく取り上げてきた。
 それがだんだんだんだん小さくなってしまっているんです。扱いがどんどんどんどん縮小してしまっている。
 一面に記事があったときは、東京空襲のことや平和への願いが都民によく分かる、そういう記事でした。なぜ平和の日と定めたのか、その記載もちゃんとされているわけです。
 遺族の方々や戦争体験者の方々からすれば、こうやって縮小されてしまったというのは、本当に悲しいことで、東京都の後退してしまった姿勢が問われるんじゃないかというふうに思います。
 どうしてこんなに小さくしてしまったのか、扱いをこんなに変えてしまったのか、お答えください。

○蜂谷文化振興部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、記念行事の広報内容につきましては、東京都平和の日記念行事企画検討委員会の意見を聞きながら、都として決定したものでございます。

○とや委員 企画検討委員会でやりながら決定してきたといいますけれども、この企画検討委員会は、十五年間も開いていなかったというふうに聞いています。開いていない間に、東京都が、自分たちの中で勝手にというか、忖度してというか、記事を小さくしていったのではないかということが推測されます。
 式典についても、都民の意向をちゃんと聞いてきているのか、もっと多くの人を呼べるようにとか、いろいろ意見が、この間、寄せられていたはずです。式典については、改めて都民の意向をよく聞いて開催すべきだと考えます。誰でも参加できるようにしていただきたいと思います。
 この間、コロナでなかなか、縮小せざるを得なくなっているわけですけれども、そうした状況が改善したら、ぜひ都民の意見を聞いて、誰でも参加できるようにしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 式典の内容につきましては、東京都平和の日記念行事企画検討委員会の意見を聞きながら、都として決定しております。
 都民の式典参加者につきましては、「広報東京都」等を通じて公募しております。
 平成二十八年度からは、式典のインターネット中継も行っております。

○とや委員 企画検討委員会は、お話をお聞きしましたら、公開で行って、傍聴者も募ってくださっていると。そこは前進面だと思っています。だけれども、それは二〇一六年からなんですよ。その前の十五年間は、やっぱりやっていないわけですよ。開催しないで、どうやって都民の意見を聞いたといえるのかなと思うわけです。
 改めて、式典の内容についても、都民の意見を幅広く聞いていただくよう求めておきます。
 また、例えば、検討委員会の議事録も私は読ませていただきましたが、平和の日の検討委員会で、広く都民に取組を知らせるために、市町村の庁舎に垂れ幕などを掲げてはどうかという意見も寄せられていましたが、いま一度検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 東京都では、毎年、担当者と担当者連絡会等を通じまして、各区市町村に対し、東京都平和の日に係る周知等の協力を呼びかけております。
 各区市町村において、住民に対し、どのように東京都平和の日について周知するかは、区市町村個々の判断と負担において行われておりまして、都としては、今後とも協力を働きかけてまいります。

○とや委員 こういうところに東京都の姿勢が出てくると思うんですよ。本気で平和を都民と共に考えて、区市町村も一緒に、三月十日を都民に広く知ってもらう取組としてやっていくということであれば、東京都の予算からすれば、垂れ幕ぐらいできるでしょうといわれても仕方がないと思います。きちんと検討していただきたいということを求めておきます。
 また、若い世代に三月十日の意義を伝えていく。この意見は、複数の方々からも出ていらっしゃいました。
 語り部がどんどん減っている中で、例えば海老名香葉子さんの話を聞きたいとか、こうした意見もちゃんと取り入れるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 都は、三月十日の東京都平和の日記念式典におきまして、東京空襲体験者に体験談を話していただくとともに、冊子として取りまとめ、ホームページに掲載するなど、東京空襲の記憶を後世に語り継ぐよう努めております。

○とや委員 私も記念式典に出席をさせていただいたことがあります。その際、確かに体験談を話していただいたことを聞きました。
 聞きましたけれども、この体験談の所要時間、体験者が話した時間は何分ですか。

○蜂谷文化振興部長 体験談につきましては、式典での体験談は三分としていただいております。

○とや委員 たった三分で、どうして体験談といえるのでしょうか。例えば、海老名香葉子さんに三分で挨拶ということを要請できますか。本当に戦争体験を語ってもらおうと思えば、三、四十分は最低でも要るし、一時間語っても、語り尽くせないのじゃないでしょうか。
 また、報告書は、式典の報告書であって、戦争体験ではありません。
 もっとちゃんと都民の意見を聞くべきだと思います。
 私、ここまで質問させていただいて、本当に、いっていることとやっていることが違うというふうにいわざるを得ません。
 三月十日は、アメリカのB29、戦略爆撃機(発言する者あり)不規則発言やめてください、谷村委員。
 三百機が千七百トンもの焼夷弾を、主に東京下町地域を中心に攻撃をし、十万人ともいわれる都民が虐殺されました。その他、多数の人々が障害者、戦災孤児となるなどの被害を受けているわけです。
 私もいろいろ調べる中で、戦災孤児となった人たちの記述だとか、話も聞きました。父母と兄と妹の四人が亡くなって、母親の実家に引き取られたけれども、食べ物も足らない、厳しい祖母につらく当たられて親戚をたらい回しにされていた人、戦災時に十歳だった仲間の少年は、空襲で父母を失って孤児仲間と暮らしていたが、仲間の一人がトマトを盗んで逃げるとき、ジープにひかれて即死してしまったとか、生き残った人たちも大変な体験をしながら戦後を生きてきました。孤児たちを助ける人は、本当に当時は少なくて、国も行政も、助けるどころか山に捨てたといっています。
 こうした人たちをはじめ、生きている人たちは本当に少なくなってしまって、時間がありません。せめて平和の日は、遺族の方をはじめ、多くの人が平和について考え、若者も共有できる日として、式典をはじめ、様々な取組を開催してほしいと思っています。
 そのため、よく検討していく。そのために、広く都民を募って、検討委員会委員の増員をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 東京都平和の日記念行事につきましては、ここ数年、企画内容が定着し、参加者、来場者からも多くの賛意を得られておりますことから、委員の増員は行っておりません。

○とや委員 定着してきたというのですけれども、もちろん参加した人は、やってよかった、これからも続けてほしいという意向を表明するのは当たり前だと思います。私も出席して、この取組をやっぱり途中でやめてはならないというふうに思いましたし、皆さんが努力されて式典の準備をされてきたということは分かるわけですよ。
 だけれども、やっぱりこの間の経緯を考えると、どんどんどんどん縮小しちゃっている、そういうふうにいわざるを得ないわけですよ。ぜひ検討をお願いしたいと。
 そこで、ちょっと聞いておきたいのですが、東京大空襲の被害の実相と平和の尊さを伝える責任は東京都にあるとお考えですか。

○蜂谷文化振興部長 戦争の記憶を風化させることなく、次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要でございます。
 都は、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓い、東京大空襲により、一夜にして多くの尊い命が失われた三月十日を東京都平和の日と定め、この趣旨を広く都民の皆様に伝えるため、毎年、平和の日記念式典をはじめ東京空襲資料展の開催、東京空襲犠牲者名簿の収集などの平和関連事業を実施しております。
   〔発言する者あり〕

○とや委員 委員長、ちょっといいですか。(発言する者あり)私は(発言する者あり)ちょっと止めていただけますか。

○白戸委員長 速記を止めますか。

○とや委員 はい。

○白戸委員長 はい。
   〔速記中止〕

○白戸委員長 続けてください。

○とや委員 今(発言する者あり)

○白戸委員長 とやさん、続けてください。

○とや委員 不規則発言をやめさせてもらえませんか。

○白戸委員長 谷村さん、不規則発言、お願いします。

○とや委員 戦争の記憶を風化させることなく、次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要だと、このようにおっしゃるのなら、それにふさわしい取組と責任を果たしてほしいと先ほどから申し上げております。
 それは、「広報東京都」をもう少し拡充してほしいとか、あるいは記念行事を幅広くやってほしいとか、それだけにとどまりません。長い間、懸案になっている平和祈念館の問題があります。
 平和祈念館の問題を議論する中で付帯決議がありました。先ほども読み上げていただきましたが、改めてご答弁として、一九九九年、平成十一年当時の付帯決議はどのような内容であったのか、お答えください。

○蜂谷文化振興部長 平成十一年三月に、平成十一年度東京都一般会計予算に付された付帯決議の内容についてでございますが、平和祈念館(仮称)については、次の事項に配慮すること、(1)、平和祈念館の建設に当たっては、都の厳しい財政状況と従来の経過を十分踏まえ、展示内容のうち、いまだ議論の不十分な事実については、今後さらに検討を加え、都議会の合意を得た上で実施すること、(2)、東京空襲犠牲者追悼碑の早期建立に取り組むこと、(3)、東京空襲犠牲者名簿の収集、作成を平成十一年度の早期に開始することの三点でございました。

○とや委員 お答えいただいた三点の決議内容のうち、追悼碑の建立や犠牲者名簿の収集は少しずつ進んできたというふうに認識します。
 問題は(1)ですが、展示内容のうち、いまだ議論の不十分な事実については、今後さらに検討を加え、都議会の合意を得た上で実施とあります。つまり内容の合意が必要だということです。
 では、お聞きしますが、都立の平和祈念館を建設するために、展示内容については東京都が提案したのでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)基本計画につきましては、都が策定し、平成六年五月に公表したものでございます。

○とや委員 東京都が提案して、その内容が議論されて合意が取れなかったということです。そうであるなら、当然、東京都が、内容について、都議会に改めて提案して議論をしてもらう、そういった取組が必要なのじゃないでしょうか。
 これまで、内容のたたき台など、議会に提案されてきましたか。

○蜂谷文化振興部長 東京都平和祈念館(仮称)の建設につきましては、平成九年から十一年にかけまして、当時の都議会において、展示内容などをめぐり議論がなされ、展示内容に係る歴史認識や見解に相違がございました。
 そして、大方の合意が得られずに付帯決議がなされたと理解しておりまして、その重みを十分認識しているところでございます。
 したがいまして、改めて都議会での一定の審議と合意がなされなければ対応は難しいと考えているところでございます。

○とや委員 重みを十分認識しているというのであれば、決議の内容を正確に受け止めて、内容について議論を都議会でしてもらうために提案すべきなんですよ。
 その提案をこれまでしてきましたかと聞いていますが、いかがですか。

○蜂谷文化振興部長 今もご答弁申し上げましたとおり、改めて都議会での一定の審議と合意がなされなければ対応は難しいと考えているところでございます。

○とや委員 要するに、付帯決議は、内容についての合意が取れなかったと。そうであるなら、設計内容について提案した東京都が、改めてたたき台ぐらい示して、そして都議会で議論を促すという、それをすべきなんですよ。
 ところが、これまで、この付帯決議を理由にして、東京都は提案すらしてこなかったというのが実態です。
 付帯決議は、平和祈念館の建設の是非で合意できなかったのではないんです。建設は決定していて、その上で展示内容での合意が必要だということなんです。どうして逃げるのでしょうか。決議のとおり合意を得るために、ぜひたたき台を出していただきたいと求めておきます。
 この間、私は、何度も平和祈念館のことや行事のこと、DVDのことなどを取り上げさせていただいてきました。戦争を体験した人々にとって、遺族にとって、本当は思い出したくないような記憶を、振り絞って語ってくれた人々の記録もあります。そして、今でも平和のために渾身の力を振り絞って取り組んでいる人たちもいます。
 若い人たちに、戦争は悲惨だけでなく、侵略戦争を行ってきた、そのこと、加害の歴史、被害の歴史、両方を教えなければいけないと、教員をやっていたという、ある女性はおっしゃっていました。いなくなる前に若い人たちに引き継ぎたいというふうにおっしゃっています。
 東京都として、こうした人たちの声に耳を傾けて、逃げずに平和祈念館の建設に踏み出してほしいと強く求めておきたいと思います。
 昨年は核兵器禁止条約が発効したわけですが、残念ながら日本は批准していません。そういう中にあっても、東京都が平和の取組を強めて全国に発信すると。首都東京がやれば、その影響は大きいですよ。ぜひその先頭に立っていただきたいと申し上げて、質問を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三第一〇八号は継続審査といたします。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間の休憩といたします。
   午後三時八分休憩

   午後三時二十五分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○藤田教育長 令和四年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件につきましてご説明を申し上げます。
 初めに、令和四年度教育庁所管予算案についてでございます。
 お手元の令和四年度教育庁所管予算説明書の二ページにございます総括表をご覧いただきたいと思います。
 令和四年度の教育庁所管予算におきましては、新しい時代を切り開く人材の育成に向け、デジタルを活用した教育の充実など、様々な施策を推進するための経費を計上しております。
 歳出予算額は八千七百六十三億八千百万円で、前年度に比べまして、百二十六億八千六百万円、一・五%の増となってございます。
 また、下段の歳入予算額でございます。二千六十八億三千四百万余円で、前年度に比べまして、百二十四億八千百万余円、五・七%の減となってございます。
 令和四年度教育庁所管予算案につきましては、以上でございます。
 そのほかの提出を予定しております案件につきましては、項目のみご説明を申し上げます。
 まず、令和三年度教育庁所管補正予算案についてでございます。
 現時点において不用になることが明らかな給与費などにつきまして、減額補正等を行うものでございます。
 次に、条例案についてでございます。
 学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例外三件でございます。
 最後に、契約案についてでございます。
 都立小台橋高等学校(三)改修及び新築工事請負契約でございます。
 以上が教育庁関係の提出を予定しております案件の概要でございます。
 詳細につきましては、この後、総務部長からご説明を申し上げます。ご審議のほどよろしくお願いを申し上げます。

○安部総務部長 それでは、私の方から、提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 初めに、令和四年度教育庁所管予算案についてでございます。
 お手元の予算説明書の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 歳入歳出予算につきましては九つの項目及び債務負担行為のⅠを記載してございます。
 私からは、主要な事業の歳出予算を中心にご説明申し上げます。
 三ページをお開き願います。1、教育委員会及び事務局の運営に要する経費でございます。
 区分の欄の上から三行目、令和四年度予算額の歳出計は三百五十八億六千九百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、このページの下段から一二ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明いたします。
 五ページをお開き願います。右の概要欄の中段、(7)、学校における働き方改革の推進でございます。
 教員の働き方改革を推進するため、スクールサポートスタッフの配置支援をはじめとしまして、副校長を支援する外部人材の配置を行う学校マネジメント強化事業や社会の力活用事業に要する経費を計上しております。
 次に、(8)、一般財団法人東京学校支援機構に対する補助でございます。
 教員の負担軽減と教育の質の向上に向けた学校支援を行う同財団の運営に要する経費を計上しております。
 少し飛びますが、一二ページをお開き願います。概要欄の下段、公立小中学校の施設冷房化事業費補助でございます。
 区市町村が実施する小中学校屋内体育施設等の空調整備の支援などに要する経費を計上しております。
 一三ページをお開き願います。2、小中学校の運営に要する経費でございます。
 区分の欄の上から三行目、令和四年度予算額の歳出計は四千七百一億三千百万円でございまして、うち職員費としまして、一行目の四千四百三十二億二千二百万余円を計上しております。
 一四ページをお開き願います。まず、(1)、小学校の運営でございます。
 右の概要欄をご覧ください。区市町村立小学校は、学校数千二百六十五校、児童数五十九万六千八百三十五人でございます。
 また、区立義務教育学校(前期課程)は、学校数八校、児童数五千三百九十四人でございます。
 また、都立小中高一貫教育校は一校、児童数は七十人でございます。
 一五ページをお開き願います。概要欄の上から四行目の計をご覧ください。教職員数は、区市町村立、都立を合わせて三万三千六百三十人でございます。
 令和四年度につきましては、小学校三年生の三十五人学級の実施や立川国際中等教育学校附属小学校の新設などにより増となっております。
 一六ページをお開き願います。概要欄の2、事業費のうち、(9)、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトは、公立小学校におけるデジタル利活用支援員の配置支援などに要する経費を計上しております。
 一七ページをお開き願います。次に、(2)、中学校の運営でございます。
 右の概要欄をご覧ください。区市町村立中学校数は、本校、分校合わせまして六百四校で、うち一校には通信教育を併設してございます。
 生徒数は、本校、分校が二十三万六百八十一人、通信教育が百六十人でございます。
 区立義務教育学校(後期課程)は、学校数が八校、生徒数は二千九百三十五人でございます。
 その下、都立中高一貫教育校は、学校数が十校、生徒数は四千五百六十人でございます。
 一八ページをお開き願います。概要欄の上から四行目の計をご覧ください。教職員数は、区市町村立、都立を合わせて一万六千百二十四人でございます。
 令和四年度、中学校では不登校生徒対応に向けた取組等を推進するための教員を増やしております。
 一九ページをお開き願います。概要欄の2、事業費のうち、(8)、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトは、小学校と同様に、デジタル利活用支援員の配置支援等に要する経費を計上しております。
 二二ページをお開き願います。3、高等学校の運営に要する経費でございます。
 区分の欄の上から三行目、令和四年度予算額の歳出計は千四百三十七億五千百万円でございまして、うち職員費として、一行目の九百二十一億一千万余円を計上しております。
 右の概要欄をご覧ください。学校数は、全日制百七十七校、定時制五十三校、通信制三校でございます。
 生徒定員は、全日制十二万四千四百三十人、定時制一万六千三百二十人、通信制二千八十人でございます。
 二三ページをお開き願います。教職員数は、概要欄の中段の計に記載しております一万四百三十三人でございます。
 経費等の内容につきましては、二四ページから二八ページにかけて記載してございます。
 二六ページをお開き願います。概要欄の二行目、(14)、産業教育設備の整備充実でございます。
 Society五・〇を支える新しい工業高校の実現に向け、最新の実習機器の整備などに要する経費を計上しております。
 概要欄の中段、(19)、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトでございます。
 通信環境の増強に要する経費等を計上してございます。
 二九ページをお開き願います。4、特別支援学校の運営に要する経費でございます。
 区分の欄の上から三行目、令和四年度予算額の歳出計は八百六十七億九千四百万円でございまして、うち職員費として、一行目の五百四十九億八千万余円を計上しております。
 概要の欄をご覧ください。都立特別支援学校の学校数は五十八校、幼児、児童、生徒数は一万三千三百七人でございます。
 その内訳として、下段、(1)から三〇ページの(5)にかけまして、障害種別ごとに規模を記載してございます。
 三〇ページをお開き願います。区立特別支援学校の学校数は、肢体不自由、知的障害、病弱を合わせて五校、児童生徒数は二百十四人でございます。
 三一ページをお開き願います。教職員数は、概要の欄、中段の合計に記載しております六千二十人でございます。
 経費等の内容につきましては、三二ページから三六ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明申し上げます。
 三二ページをお開き願います。概要欄の下から五行目、(4)、スクールバスの運行費でございます。
 都立特別支援学校のスクールバスの運行に要する経費を計上してございます。児童生徒の増なども踏まえたスクールバスの運行に係る経費や、医療的ケアを必要とする児童生徒の専用通学車両の運行に要する経費を計上しております。
 次に、(6)、医療的ケアの整備でございます。
 肢体不自由特別支援学校における非常勤看護師の配置などに要する経費を計上しております。
 三七ページをお開き願います。5、教職員の福利厚生に要する経費でございます。
 区分の欄の一行目になりますが、令和四年度予算額は九億五千百万円でございます。
 概要の欄の下段にございます公立学校共済組合東京都負担金等や、次の三八ページにございます教職員住宅の維持管理、建設などに要する経費を計上しております。
 三九ページをお開き願います。6、退職手当及び年金に要する経費でございます。
 区分の欄の一行目になりますが、令和四年度予算額は四百六十九億六千三百万円でございます。
 四〇ページの概要欄にございます教育委員会事務局職員及び公立学校教職員の退職手当などに要する経費を計上しております。
 四一ページをお開き願います。7、教育指導の充実に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和四年度予算額の歳出計は三百億五千八百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、このページの下段から四九ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明申し上げます。
 四二ページをお開き願います。概要欄の中段、5、多摩地域における体験型英語学習施設の運営補助等でございます。
 TOKYO GLOBAL GATEWAYと同様の特徴を備えた体験型英語学習施設を多摩地域に整備し、運営する経費を計上しております。
 四四ページをお開き願います。概要欄の下から七行目、25、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトでございます。
 高校段階における一人一台端末の整備に係る経費などを計上しております。
 四五ページをお開き願います。概要欄の下から四行目、34、不登校、中途退学対策の(1)、公立小中学校等における不登校対策でございます。
 区市町村が設置する教育支援センターの機能強化補助を行うとともに、フリースクール等に通う児童生徒及びその保護者に必要な支援等を把握するためのモデル事業に要する経費を計上しております。
 四六ページをお開き願います。概要欄の一番下、43、子供を笑顔にするプロジェクト(仮称)でございます。
 コロナ禍における子供の笑顔を取り戻すため、文化やスポーツなど多様な体験活動の機会を確保するための事業に要する経費を計上しております。
 四七ページをお開き願います。概要欄の一行目、44、第四十六回全国高等学校総合文化祭の開催でございます。
 国内最大規模となる高校生の芸術文化活動の祭典を本年夏に開催する経費を計上しております。
 次に、二行目、45、小学校副担任配置支援事業でございます。
 小学校一学年から三学年における担任の事務補助等を行う副担任の配置を支援し、学校の組織体制の充実に要する経費を計上しております。
 五〇ページをお開き願います。8、社会教育の振興に要する経費でございます。
 区分欄の上から三行目、令和四年度予算額の歳出計は九十七億五千二百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、五一ページから五七ページにかけて記載してございます。
 少し飛びまして、五八ページをお開き願います。9、都立学校等施設整備に要する経費でございます。
 区分欄の一行目、事業費の令和四年度予算額は五百二十一億一千二百万円でございます。
 経費等の内容につきましては、五九ページから六四ページにかけて記載してございますが、主な事業についてご説明いたします。
 五九ページをお開き願います。概要欄にございます1、都立高等学校の改革に伴う施設整備、六〇ページの2、特別支援学校再編に伴う施設整備、そして3、特別支援学校の普通教室確保、少し飛びまして、六三ページの一行目、5、都立学校防災機能強化、中段にございます8、都立学校空調設置などに要する経費を計上しております。
 以上、令和四年度の歳出予算を中心にご説明させていただきました。
 次に、債務負担行為のⅠについてご説明いたします。
 六六ページから七五ページにかけて債務負担行為の内容を記載しておりますが、六六ページは都立学校校舎等新改築工事、六七ページは都立学校給食調理等業務委託、六八ページは都立高等学校海外留学等支援業務委託に係る債務負担行為でございます。
 六九ページをお開き願います。都立学校生徒用端末整備業務委託に係る債務負担行為でございます。
 高校段階の学びにふさわしい一人一台端末体制に向けて、端末整備に係る期間が複数年度にわたり、分割契約が困難なため、令和五年度に支出を予定している経費を記載してございます。
 七〇ページをお開き願います。デジタル技術を活用した戦略的広報業務委託に係る債務負担行為でございます。
 教員確保に向けた広報業務の委託を安定的に運用するため、令和五年度及び令和六年度に支出を予定している経費を記載してございます。
 七一ページをお開き願います。都立特別支援学校スクールバスの運行に係る債務負担行為でございます。
 都立特別支援学校生の登下校に必要なスクールバスを安定的に運行するため、令和五年度から九年度まで支出を予定している経費を掲載してございます。
 七二ページは、教職員住宅実施設計委託に係る債務負担行為でございます。
 七三ページから七五ページは、既に議決をいただいております債務負担行為を参考として記載してございます。
 以上で令和四年度教育庁所管予算案の説明を終わります。
 続きまして、令和三年度教育庁所管補正予算案についてご説明いたします。
 お手元の補正予算説明書をご覧ください。
 一ページをお開き願います。1、補正予算総括表でございます。
 表の上段、網かけをしてございます歳入予算の補正予算額は十一億二千六百万円の減額、次に、表の中段、網かけをしてございます歳出予算の補正予算額は百五億七千百万余円の減額でございます。
 二ページをお開き願います。2、歳入予算の内訳でございます。
 教育費に対する都債が更正されたことに伴い、減額補正を行うものでございます。
 三ページをご覧ください。3、歳出予算の内訳でございます。
 教職員給与費の不用見込額など、現時点で不用となることが明らかな経費につきまして減額補正を行うものでございます。
 以上で令和三年度教育庁所管補正予算案のご説明を終わります。
 次に、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和四年第一回東京都議会定例会議案(条例)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 提出予定の条例案は四件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 二ページの新旧対照表をご覧ください。
 令和四年度における児童生徒数の増減、学校の新設及び廃止、学級数の変更等により、学校種別ごとに学校職員の定数を定めるものでございます。
 施行日は、令和四年四月一日でございます。
 次に、三ページをご覧ください。学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 五ページの新旧対照表をご覧ください。
 支給対象となる業務の委託化に伴い、船員勤務手当を廃止するものでございます。
 また、六ページのとおり、教員特殊業務手当の支給上限額を引き上げるとともに、小笠原業務手当の支給期限を令和七年三月三十一日まで延長するほか、規定の整備を行うものでございます。
 施行日は、令和四年四月一日ほかでございます。
 次に、八ページをご覧ください。東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 九ページの新旧対照表をご覧ください。
 こちらも、学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例と同様に、船員勤務手当を廃止するとともに、次の一〇ページのとおり、小笠原業務手当の支給期限を令和七年三月三十一日まで延長するほか、規定の整備を行うものでございます。
 施行日は、令和四年四月一日ほかでございます。
 次に、一一ページをご覧ください。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 一三ページの新旧対照表をご覧ください。
 都立高校改革推進計画・新実施計画及び東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、東京都立荒川商業高等学校及び東京都立立川ろう学校を廃止するものでございます。
 施行日は、令和四年四月一日でございます。
 次に、契約案についてご説明いたします。
 お手元の資料、令和四年第一回東京都議会定例会議案(契約)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 提出予定の契約案は一件でございます。
 一ページをお開き願います。都立小台橋高等学校(三)改修及び新築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は十四億四千九百八十万円、契約の相手方は、愛知県名古屋市中村区名駅一丁目一番四号、名工建設株式会社でございます。
 工期は、契約確定の日の翌日から令和五年十二月八日まででございます。
 三ページから八ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、九ページに契約議案の概要を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○アオヤギ委員 それでは、資料要求させていただきます。
 まず最初に、都立特別支援学校スクールバスと医療的ケア児専用通学車両の予算の推移、平成二十四年から令和四年度まで。
 都立特別支援学校におけるスクールバスと医療的ケア児専用通学車両の配車状況、令和三年度。
 次に、公立小中学校の三十五人学級に必要な教員数及び経費。
 次に、教職員の標準法定数と、標準法に根拠を持つ教職員数の都の定数及び標準法以外の都の定数、各校種別。
 次に、公立中学校児童生徒の就学援助受給者の推移、平成二十三年度から令和二年度まで。
 次に、都内公立特別支援学校の医療的ケアが必要な幼児、児童、生徒の数及び配置看護師数、平成二十二年度から令和元年度まで。
 次に、中一ギャップ加配の活用状況、学級規模の縮小とTTの選択状況、令和三年度。
 次に、都内公立小中学校及び高等学校の不登校児童生徒数と不登校出現率の推移、平成十二年度から令和二年度まで。
 次に、東京都公立学校教員採用選考名簿登載者数、期限付任用教員名簿登載者数等、平成二十九年度から令和三年度まで。
 東京二〇二〇大会に関する事業と予算額の推移、平成二十六年度から令和四年度まで。
 次に、都内小中学校及び都立学校、特別支援学校における副校長、養護教諭、学校栄養職員等、寄宿舎指導員、一般事務及び進路指導担当、特別支援コーディネーターそれぞれの標準法定数と標準法に根拠を持つ都の定数の推移、平成二十五年度から令和四年度まで。
 次に、都内公立学校の産休、育休代替教職員及び時間講師の採用候補者名簿登載者数と任用人数。
 次に、都内公立学校における新型コロナウイルス感染症の感染が判明した学校数及び人数の状況、各校種別。
 次に、都内公立学校における都独自のPCR検査の活用実績、校種別、使用目的別、また、教員の定期検査の実施状況。
 次に、都内公立小中学校、高等学校の自殺者数の推移、平成二十八年度から令和二年度まで。
 最後に、都立学校への生理用品の配備状況と利用状況。
 以上です。

○白戸委員長 ただいまアオヤギ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○白戸委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願三第四三号の一、請願三第四五号、陳情三第一〇九号及び陳情三第一一〇号においては、いずれも内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○谷都立学校教育部長 請願三第四三号の一、笑顔あふれ、人と人との温かい触れ合いを通じて学び、成長する学校に関する請願、請願三第四五号、東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願、陳情三第一〇九号、特別支援学校寄宿舎の改善に関する陳情、陳情三第一一〇号、特別支援教室の教育条件の改善に関する陳情の四件につきましてご説明を申し上げます。
 お手元に配布の文教委員会付託請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 請願三第四三号の一、笑顔あふれ、人と人との温かい触れ合いを通じて学び、成長する学校に関する請願でございます。
 本請願は、国分寺市の子ども・青年の未来を−三多摩子育て・教育問題連絡会代表、川上千恵さん外千三百九十四人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1から4及び6から10まで、3については、(1)から(4)まで四項目ございますので、合計十二点でございます。
 まず、1、コロナ禍における三密を避けるためにも、改正された公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づいた三十五人学級を、都の予算で至急全学年で実施すること、また、中学校、高等学校においても、早急に三十五人学級を実施すること、及び2、国に対し、早急な教職員増及び三十人以下の少人数学級の実現を求めることでございます。
 現在の状況でございますが、二ページをお開きください。
 公立小中学校の学級編制及び教職員の配置につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律、以降は義務標準法と申し上げますが、これに基づき行っております。
 義務教育における学級編制は、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。
 国は、義務標準法の改正により、令和三年度から、小学校の学級編制の標準を五年かけて学年進行で三十五人に引き下げることといたしました。
 都教育委員会におきましても、義務標準法の改正内容に基づき、学級編制基準の改正を行っております。
 公立の高等学校の一学級の生徒数につきましては、国の基準により、定時制課程は昭和四十二年度から、全日制課程は平成五年度から四十人が標準とされております。
 都におきましては、定時制課程につきまして、生徒の多様化等に対応するため、昭和四十八年度から都単独で三十人としていることに加えまして、全日制課程の職業に関する学科につきましては、専門教育の実施に当たっての適切な規模等を踏まえ、平成十二年度から三十五人としております。さらに、全日制課程普通科では、必修科目の習熟度別授業の実施や選択科目の設置等によりまして、多展開による少人数指導を行っております。
 次に、3、コロナ禍の中で、公立学校において、何よりも感染防止を第一とするとともに、以下の対策を取ることとして、(1)、授業時間の確保のために、土曜授業や長期休業期間を短縮するなど、子供や教職員に過度の負担を強いないことでございます。
 現在の状況でございますが、学校教育法施行令第二十九条により、公立学校における土曜授業や長期休業日等の休業日の設定につきましては、設置者が定めることとされておりまして、コロナ禍における取扱いについても同様の対応となります。今後とも、感染防止対策の徹底と学校運営の継続に努めてまいります。
 なお、都教育委員会では、教員以外でも対応できる教材の準備や校内の消毒作業などの業務を担うスクールサポートスタッフを配置する区市町村教育委員会を支援する事業を実施することで、教員の業務負担の軽減を図っております。
 次に、(2)、教科の授業時間、教材研究の時間を保障するため、現代的な諸課題に関する様々な教育(いわゆる○○教育)や指定研修、事業を精選することでございます。
 現在の状況でございますが、三ページをお開きください。
 現代的な諸課題に関する様々な教育につきましては、各学校が、児童生徒や地域の実態等を考慮しまして、学校の特色に応じて重点的に指導する内容を精選し、実施しております。
 また、教員の研修につきましては、新型コロナウイルス感染症への対応等の観点から、研修形態を、従来の集合研修から動画研修やオンライン研修を組み合わせた研修に変更するなど、内容の精選、充実を図っております。
 次に、(3)、十分な薬剤等を支給する体制を整え、看護師を派遣するなど、感染防止対策に十分な予算をつけることでございます。
 現在の状況でございますが、都立学校におきましては、感染症対策物品の購入経費などの予算配付を行っております。
 また、区市町村立学校の感染症対策への財政的な支援につきましては、国の補助金を各区市町村が十分に活用を図れるよう、連携し支援を行っております。
 次に、(4)、全教職員を対象とした定期的なPCR検査を実施することでございます。
 現在の状況でございますが、感染者が発生した都立学校につきましては、管轄の保健所の調査により濃厚接触者であると特定された全教職員、児童生徒に対して、保健所の指示によりPCR検査が行われております。
 また、感染拡大時におきまして、学校内の感染拡大を未然に防止するため、児童生徒、教職員等の感染が判明した際に保健所による濃厚接触者の特定及び検査が即時に実施されない場合に、感染者と感染可能期間中に接触した者等にPCR検査を実施するなど、必要な検査を実施しております。
 加えて、教職員に対する定期的な抗原検査を進めているところでございます。
 次に、4、公立学校に係る高等学校等就学支援金について、所得制限を撤廃し、学費の無償化を進めることでございます。
 現在の状況でございますが、四ページをお開きください。
 平成二十六年度から全国の公立高等学校の授業料に適用された就学支援金制度につきまして、都立高等学校において適切に実施しております。
 修業年限や履修単位数が超過する等のために就学支援金制度の対象とならない生徒で、経済的な理由で授業料を納付できない生徒には、都独自に授業料を減免しているところでございます。
 また、経済的支援及び少子対策を目的とし、所得制限により就学支援金を受けられない世帯の中で、二十三歳未満の子供を三人以上扶養している世帯に対して、収入にかかわらず授業料を半額に減額する支援事業を、令和二年度から新たに実施しております。
 なお、就学支援金に関する所得制限は、国で設定しております。
 授業料以外の教育費につきましては、国は、平成二十六年度から、高校生のいる低所得世帯の経済的負担の軽減を目的として、教科書及び学用品等に充てるための給付金を支給する奨学のための給付金制度を設けており、都においても、この制度を適切に実施するとともに、国に対し、同制度のより一層の充実を図るよう要望を行っております。
 さらに、平成二十九年度から、高校生等が家庭の経済状況にかかわらず自らの未来を切り開いていく力を伸長できるよう、都独自の給付型奨学金により、多様な教育活動を対象に保護者の教育費負担の軽減を図っているところでございます。
 次に、6、都立高校の在り方については、中学卒業生が今後十年間急増することを考慮し、学級増や私立学校への依存ではなく、新規増設に取り組むこと、また、中学卒業生が一〇〇%高校進学の意欲を持つよう取組を強化することでございます。
 現在の状況でございますが、都教育委員会では、中学校卒業予定者数や中学生の進路希望等の動向を踏まえ、都立高等学校への進学を希望する意欲と熱意のある生徒の就学機会の確保に取り組んでおります。
 中学校卒業予定者の増加に対しましては、都立高等学校二校の新設をはじめ、既存学校施設の増改築を行う際に普通教室を整備するなど、都立高等学校と私立高等学校の現有の教育資産を最大限に活用して生徒を受け入れるという中長期的視点に立った就学対策の考え方の下、引き続き適切な就学計画を策定してまいります。
 また、生徒が自らの生き方を考え、主体的に多様な進路を選択することができるよう、各学校の組織的かつ計画的な進路指導の実施に向け、引き続き区市町村教育委員会を支援してまいります。
 次に、7、高校教育のセーフティーネットである夜間定時制高校の閉課程を行わないこと、また、都立小山台高校及び都立立川高校の定時制の閉課程を中止し、両校を存続させることでございます。
 現在の状況でございますが、五ページをお開きください。
 夜間定時制課程の入学者選抜応募倍率、生徒の在籍率はともに低下し、また、昼間に学校に通うことができない勤労青少年の在籍率も減少傾向にございます。
 一方、定時制課程には、全日制高等学校などへの進学希望がかなえられなかった生徒、不登校を経験した生徒、外国人の生徒など、多様な生徒が在籍し、教育ニーズも多様化しております。
 このため、都教育委員会は、平成二十八年二月に策定した都立高校改革推進計画・新実施計画及び平成三十一年二月に策定した都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)におきまして、多様化する生徒や保護者のニーズに応え、チャレンジスクールの新設や、チャレンジスクール及び昼夜間定時制高等学校の夜間部の規模拡大を行い、その進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移等を考慮しながら、一部の夜間定時制課程を閉課程していくことといたしました。今後とも、多様なニーズに対応すべく、計画に基づく取組を継続してまいります。
 なお、令和四年度におきましては、小山台高等学校定時制及び立川高等学校定時制は、令和三年度と同様に生徒を募集いたします。
 次に、8、特別支援学校について、三密を生じさせないよう、児童生徒増に伴う教室不足を直ちに解消すること、また、一方的な統合や寄宿舎の廃止は行わないことでございます。
 現在の状況でございますが、特別支援学校における教育環境の整備につきましては、国が令和三年九月に公布した特別支援学校設置基準を踏まえつつ、平成二十九年二月に策定した東京都特別支援教育推進計画(第二期)に基づき、学校の新設や増改築をはじめとして、多様な方法を用いて迅速かつ効果的に教育環境の改善を図り、必要な教室数の確保を進めております。
 また、寄宿舎につきましては、特別支援学校の適正な規模と配置の実施による通学区域の縮小やスクールバスの整備等による通学時間の短縮により、通学困難を理由とする入舎対象が著しく減少してきたことを踏まえまして、平成十八年度末から平成二十八年度末までの間に、十一舎から五舎に再編したものでございます。
 次に、9、デジタル機器普及の影響と考えられる視力低下などが急増しており、ICT教育は慎重に進める必要があることから、ツールであるタブレットの授業における使用を義務化、強制しないこと、また、格差が生じないよう環境を整えることでございます。
 現在の状況でございますが、五ページの下段をご覧ください。
 Society五・〇時代に生きる子供たちは、デジタルを活用し、膨大な情報から何が重要かを判断する力や、自ら問いを立ててその課題解決を目指す力、他者と協働して新たな価値を創造する力などを身につけていく必要がございます。
 一人一人の理解度や進度に応じた個別最適な学びの実現など、子供たちの学ぶ意欲に応え、子供たちの力を最大限に伸ばすため、デジタルを活用した教育の充実を推進してまいります。また、活用に当たりましては、長時間使用により健康を害さないよう、学校や家庭が配慮することとしております。
 なお、区市町村立学校におけるデジタル活用に関する方針につきましては、設置者である区市町村が定めるものでございますが、都は、区市町村教育委員会がデジタル環境を整備できるよう、校内通信ネットワークの整備や端末導入時の支援員に対する補助を実施しているほか、都内の全公立学校を対象に、教員のデジタル活用の総合的な能力を高める研修を実施しております。
 また、都は国に対し、ICT支援員の配置や端末整備完了後の費用等に対して、継続的かつ十分な支援を行うことなどについて要望しているところでございます。
 次に、10、都立高校の入学試験について、英語のスピーキングテストは民間業者への丸投げであることから、中止することでございます。
 現在の状況でございますが、六ページをお開きください。
 都教育委員会は、小中高校における一貫した英語教育の推進により、生徒の使える英語力の育成を目指しており、中学校英語スピーキングテストは、その取組の一つでございます。
 本テストにつきましては、資格、検定試験の実施のノウハウを持った民間事業者と協定を締結し、その内容に基づき、都教育委員会の監修の下に作成した問題により、令和元年度から行っております。令和三年度には、都内公立中学校等第三学年の生徒約八万人を対象として実施いたしました。
 本テストによりまして、中学校における英語指導をさらに充実させるとともに、その結果を令和五年度入学者選抜から活用することで、高校における話すことを含めたコミュニケーション能力を総合的に育成してまいります。
 続きまして、七ページをお開きください。請願三第四五号、東京の全ての子供たちに行き届いた教育を進めることに関する請願でございます。
 本請願は、千代田区のゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表、池上東湖さん外二万三千五百三十八人から提出されたものでございます。
 本請願の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、教育庁所管は、1から3及び5並びに7から15までの合計十三点でございます。
 まず、1、新型コロナウイルス感染症から子供や教職員とその家族の命と健康を守るために、公立の小中学校及び高校の全学年における三十人以下学級を早急に実現すること、また、子供の学ぶ権利と健全な学校生活を保障するために、臨時教職員ではなく、子供たちと直接向き合う正規の教職員を増やすことでございます。
 現在の状況でございますが、先ほどの請願三第四三号の一の1及び2でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、2、学校の統廃合をやめ、公立の小中学校、特別支援学級、特別支援学校に必要な学校数、教室数を確保することでございます。
 現在の状況でございますが、九ページをお開きください。
 公立小中学校施設及び特別支援学級等の教育環境の整備につきましては、関係法令に基づき、設置者である区市町村において、それぞれの地域の実情に応じて検討、実施されるものでございます。
 特別支援学校の教育環境の整備につきましては、国が令和三年九月に公布した特別支援学校設置基準を踏まえつつ、平成二十九年二月に策定した東京都特別支援教育推進計画(第二期)に基づきまして、学校の新設や増改築をはじめとして、多様な方法を用いて迅速かつ効果的に教育環境の改善を図り、必要な教室数の確保を進めております。
 次に、3、小学校から高校までの宿泊行事、教材費、給食費などへの公費負担を増やし、教育の無償化を進めること、及び5、子供たちの学ぶ権利を保障するため、公立学校における給付型の奨学金制度を拡充することでございます。
 現在の状況でございますが、義務教育に関わる費用のうち、公費で負担すべきものについては、既に無償化されております。
 小中学校における修学旅行費、学用品費等は受益者負担が原則でございますが、経済的理由により負担が困難な児童生徒の保護者に対しては、区市町村教育委員会が必要な援助を行っております。
 また、給食費は、学校給食法により、児童生徒の保護者が負担することとされておりますが、区市町村教育委員会の判断により、公立小中学校における保護者負担の軽減が講じられております。
 また、夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律に基づき実施しております夜間定時制高校の給食につきましては、有職者や求職中などの生徒を対象に、生徒が負担することとされている給食費の一部を都が独自に補助しております。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願三第四三号の一の4でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、7、障害のある全ての子供たちの教育を拡充するため、教職員を増やすとともに、教育条件を整備すること、特に教室不足を早急に解消するため、特別支援学校の新設、増設及び環境整備を進めること、また、特別支援学級の学級編制基準について、児童または生徒八人に一人の教員配置を六人に一人へと改善することでございます。
 現在の状況でございますが、一〇ページをお開きください。
 特別支援学校及び特別支援学級等の教職員数につきましては、義務標準法及び公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律、以降は高校標準法と申し上げますが、これらに基づき都教育委員会が定める学級編制基準による学級数等に応じて、必要な定数を配置しております。
 また、特別支援学級の定員につきましては、義務標準法をはじめとする法令に基づき定めております。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願三第四三号の一の8でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、8、通常学級に在籍する特別な手だてを必要とする子供たち(障害のある子供、学校に通えない子供、外国人など)を支援する体制を整備すること、また、特別支援教室の児童または生徒十人に一人の教員配置を八人に一人へと改善し、その措置は、区市町村ごとではなく、拠点校ごとに行うことでございます。
 現在の状況でございますが、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒の対応につきまして、都内全ての公立学校におきまして、特別支援教育の充実のための校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名、特別支援学校のセンター的機能の活用など、体制の整備を進めてきたところでございます。
 また、平成二十八年度から導入を進めてきた特別支援教室につきましては、小学校では平成三十年四月に、中学校では令和三年四月に全校導入を完了し、教員配置基準に基づき、指導児童生徒数に応じて適切に教員配置を行っております。
 なお、特別支援教室の巡回指導体制につきましては、それぞれの区市町村教育委員会が地域や各学校の実情に応じて決めております。
 不登校等、学校に通えない状況になっている児童生徒への対応につきましては、学級担任や生活指導主任等を中心として、これまでも学校は組織的な対応を継続して行ってきております。
 こうした学校の取組を支援するため、都教育委員会は、平成七年度からスクールカウンセラーの配置を開始し、平成二十五年度からは全公立小中高等学校に配置しております。
 また、平成二十年度からは、スクールソーシャルワーカーの区市町村への配置を順次拡大するとともに、平成二十八年度から、全ての都立学校を対象として、スクールソーシャルワーカーの役割等を担うユースソーシャルワーカーを学校の要請に応じて派遣し、関係機関と連携して児童生徒への必要な支援を行っております。
 外国人児童生徒への対応につきましては、都教育委員会は、日本語指導が必要な児童生徒に対する指導の充実を図るため、平成二十二年度に日本語指導ハンドブックを作成し、全公立学校へ配布するとともに、都教育委員会のホームページで公開し、活用を促しております。
 さらに、令和二年度に、日本語初期指導に活用できる映像教材、東京の学校生活−日本の学校で楽しく学ぶために−を作成、配布し、活用を促しております。
 また、都立学校に在籍する日本語指導の必要な生徒が早期に授業内容を理解することができるよう、日本語の習得に向けた支援を実施しております。
 次に、9、三学級以上の大規模な特別支援学級を解消するために、区市町村が設置校を増やせるように、都として適正規模のガイドラインを示し、改善されない場合は、必要な講師を配置することでございます。
 現在の状況でございますが、一一ページをお開きください。
 区市町村立小中学校の特別支援学級は、法令により、当該学校を設置する区市町村教育委員会が、当該学校の児童生徒の実態を考慮して編制することとされております。
 また、時間講師につきましては、学校の実態等を勘案し、適切に時数を措置しております。
 次に、10、公立、私立の高等学校就学計画の計画進学率(現在九五%)を引き上げ、希望する全ての子供の高校進学を保障するために、都として支援することでございます。
 現在の状況でございますが、都内全日制高等学校の就学計画における計画進学率は、都教育委員会と私学関係者とで構成する公私連絡協議会におきまして、これまでの公立中学三年生の全日制等志望率を踏まえ、令和四年度就学計画では九四・〇%として、公私それぞれの受入数を定めているところでございます。
 その受入れ数に基づき、都立高等学校では募集人員を定め、学ぶ意欲と熱意のある生徒を確実に受け入れております。
 次に、11、都立小山台高校、都立立川高校二校の夜間定時制課程を存続し、都立雪谷高校、都立江北高校の閉課程を取り下げること、また、子供だけでなく、地域の外国人や高齢者などの学びのセーフティーネットとしての機能を広げるため、夜間中学校、高等学校夜間定時制課程の設置数を増やすことでございます。
 現在の状況でございますが、中学校夜間学級は、関係法令に基づき、設置者である区市町村の判断により設置されるものでございます。
 そのほかの点につきましては、先ほどの請願三第四三号の一の7でご説明申し上げたことと同様でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、12、最新の耐震基準により、震度七に耐え得る公立学校の校舎と非構造部分の耐震化を早急に行うことでございます。
 現在の状況でございますが、一二ページをお開きください。
 公立学校施設の耐震化につきましては、関係法令や文部科学省通知等に基づき実施しております。
 区市町村立学校の校舎等につきましては、学校設置者が国及び都の補助制度を活用して耐震化工事を実施しておりまして、耐震化はほぼ完了しております。
 また、都立学校の校舎等につきましては、平成二十二年度末までに耐震化を完了しております。
 非構造部材につきましては、文部科学省通知等を踏まえ、区市町村立学校の設置者は、国及び都の補助制度を活用し、耐震対策を進めております。
 また、都立学校におきましても、武道場等の非構造部材につきまして、耐震対策を計画的に進めているところでございます。
 次に、13、台風などの自然災害に備え、避難場所となる公立学校に冷暖房を完備することでございます。
 現在の状況でございますが、公立小中学校の施設整備経費は、原則として設置者である区市町村が負担することとされております。
 一方で、昨今の記録的猛暑等を受け、都では、児童生徒の安全な教育環境の確保や良好な避難所環境の確保への取組が早期に行われるよう、公立小中学校の屋内体育施設への空調設置を実施する区市町村に対して、東京都公立学校屋内体育施設空調設置支援事業により財政支援を行っております。
 また、同様の趣旨から、都立学校の体育館への空調設置を進めております。
 都立高等学校につきましては、改築等工事中の学校を除き、全ての高等学校について、令和三年度末までに整備を完了する見込みでございます。
 都立特別支援学校につきましては、改築等工事予定の学校を除き、全ての特別支援学校について整備を完了しております。
 次に、14、大規模な感染症の流行に備え、公立学校において養護教諭の複数配置や資格を有する看護師の常駐を行うことでございます。
 現在の状況でございますが、一三ページをお開きください。
 養護教諭につきましては、都の配置基準に基づき、学校規模等に応じて適切に複数配置を行っているところでございまして、引き続き、公立学校における感染症対策には万全を期してまいります。
 次に、15、放射能汚染に備え、公立学校において放射能測定を行うことでございます。
 現在の状況でございますが、都内には、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域は指定されておらず、現在、公立学校において放射能測定を行うことは必要ないと考えております。
 一四ページをお開きください。陳情三第一〇九号、特別支援学校寄宿舎の改善に関する陳情でございます。
 本陳情は、府中市の東京都寄宿舎連絡会世話人代表、石井海音子さん外五千二百八十五人から提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 まず、1、国に対して都が提出している寄宿舎指導員の配置基準の改善要望について、重複障害児や島しょ生の人数に応じた配置基準が必要であることを具体的に記載するとともに、寄宿舎指導員の配置基準の見直しについての要望書を単独で提出することでございます。
 現在の状況でございますが、特別支援学校の寄宿舎指導員につきまして、義務標準法及び高校標準法に基づき、都の配置基準を定め、必要な定数を配置しております。
 都は国に対して、寄宿舎指導員につきまして、重度重複障害のある児童生徒に応じた配置基準を設けるよう要望しているところでございます。
 次に、2、寄宿舎の入舎基準にある通学に九十分以上を要するを、都のスクールバスの改善基準である六十分以上の通学時間に合わせ、通学に六十分以上を要するに改定することでございます。
 現在の状況でございますが、児童生徒は、できる限り自宅から通学することが望ましいのですが、寄宿舎の入舎基準におきましては、児童生徒の健康面及び学習面への影響を考慮して、常に九十分以上の通学時間を要する場合について、通学困難と判断しております。
 なお、都教育委員会といたしましては、特別支援学校の適正配置やスクールバスの整備等により、通学時間の短縮に努めております。
 次に、3、寄宿舎食費に関する就学奨励費が、週末も寄宿舎に滞在する島しょ生に対応した金額になるよう、島しょ生の寄宿舎食費の上限金額を引き上げることでございます。
 現在の状況でございますが、一五ページをお開きください。
 都では、国の法令に基づき、特別支援学校への就学のために必要な経費の一部を、就学奨励費として、保護者等の経済的負担能力の程度に応じて補助しております。
 寄宿舎食費につきまして、国の基準では、長期休業日等を除き通常支給する一日三回の食事及び一日一回の間食、おやつに関する経費を支給対象としており、土日や休日も含めて年間の上限額を定めております。
 今後とも、国の制度を踏まえ、適正に実施してまいります。
 一六ページをお開きください。陳情三第一一〇号、特別支援教室の教育条件の改善に関する陳情でございます。
 本陳情は、江東区の障害のある子どもたちの教育・生活をゆたかにする東京の会代表、三原瑞穂さん外一万九千八百五十七人から提出されたものでございます。
 本陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 まず、1、特別支援教室の担当教員一人が担当する児童生徒の人数が十人以下になるように教員を配置することでございます。
 現在の状況でございますが、特別支援教室につきましては、教員配置基準に基づき、指導児童生徒数に応じて適切に教員配置を行っております。
 次に、2、特別支援教室で児童生徒の課題に対応し、継続した指導を実施できるように、原則の指導期間を設けないことでございます。
 現在の状況でございますが、令和三年三月に策定いたしました特別支援教室の運営ガイドラインでは、児童生徒の学習上または生活上の困難に応じた指導目標、指導方針、週当たりの指導時数などを適切に設定し、指導を行い、学校生活の一年間のサイクルが終了する時点で、必ず振り返りを行う趣旨で、指導期間を原則一年間と定めております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 念のために申し上げます。
 本件中、生活文化局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。

○ほっち委員 私からは、特別支援学校寄宿舎の改善に関する陳情について、一言要望させていただきます。
 我々の会派にも、団体の皆さんからお声をいただいて、様々な声をいただいています。その中で、各寄宿舎の整備ですとか、補修ですとか、そういう、できるものに関しては、教育庁の方にもお願いをして、一つ一つ実現をさせていただいています。
 その中で、今回のこの趣旨、いろいろありますけれども、これからも、この団体の皆さんの思いですとかに寄り添って、実現可能なものについては、極力できるように取り組んでいっていただきたいということを要望しまして、私のお願いとさせていただきます。
 終わります。

○龍円委員 こんにちは。特別支援教室の教育条件の改善に関する陳情について質問をさせていただきます。
 私は、インクルーシブ教育は万人のための教育であるという理念の下、スペシャルニーズのある全ての児童生徒が、在籍する教育の場がどこであろうと、通常の学級の中で日常的かつ継続的に共に学び育つインクルーシブな教育の実現を目指して、これまで質疑を続けてまいりました。
 昨年末の質疑でもお話しさせていただきましたが、現在の日本、東京の教育現場には、あらゆることが複合的に重なって、スペシャルニーズのある児童生徒が、まるで遠心分離機で振り分けられているかのような遠心力が働いていて、通常学級の児童生徒たちとは物理的に別の場所で教育する分離教育が進んでいます。
 分離教育をインクルーシブな教育にシフトしていくには、遠心力を生んでいる一つ一つの原因を分析して、そこに反対のベクトルの力、つまり求心力が働くように工夫をしていく必要があります。この観点から、これまでも委員会でも、一つ一つの遠心力となる要素について質疑をしてまいりました。
 先日発表された「未来の東京」戦略version up版の中にも、学びの場のインクルーシブを推進と明記されていまして、東京都教育庁の皆さんが見ている未来は、きっと同じ方向だと信じています。
 教育現場に求心力が生まれれば、少しずつでもスペシャルニーズのある児童生徒が同じ教室の中で学び育つ姿が普通のものになっていき、そして、将来、インクルーシブな社会を担っていく世代を育てていくことを願っています。
 さて、特別支援教室の配置は、都教委として、インクルーシブな教育の推進の要となる事業として進めていこうとしていると理解しております。
 しかし、インクルーシブな教育推進派の人たちからは、特別支援教室に対して懸念の声も聞かれています。さらに通常の学級から分離する新しい仕組みをつくっているのかということを心配されているわけです。物理的に分離できる場所を全ての学校に整備しているわけですから、確かにこの懸念も分かります。
 学校現場には、放っておけば、どんどん分離する遠心力が働いているため、運用面をしっかり詰めておかないと、分離教育を推進する政策になってしまう可能性があります。特別支援教室があることによって、スペシャルニーズのある児童生徒が通常の学級でより一層学びやすくなり、通常の学級の求心力を高めるものであるべきだという視点から質問させていただきます。
 私がインクルーシブ教育について、いつも参考にしているアメリカは、スペシャルニーズのある児童生徒のほとんどが通常の学級で学んでいますが、お子さんによっては、別の教室にて個別の教育や療育を受けています。ただ、これは、法律上で非常に厳格なルールによって実施されていました。
 一年に一回、お子さんの成長やニーズに関するアセスメントを実施した上で、IEP、個別の教育計画を策定するために、学校の先生、支援をする教育者、療育の担当者、保護者、学校区の担当者などが一堂に会して、アセスメントを踏まえて、次の一年についてどのような支援をしていくのかを決めます。その中で、通常の学級から取り出した支援をする場合は、どのような支援をどれくらいの頻度でするのか、その支援が本当に、教室から取り出してまで実施するほど効果を上げるものなのかどうかというのを議論して決めていきます。
 アメリカの特別支援教育に関する法律は、一丁目一番地がインクルーシブですので、分離する場合には、それくらい慎重に実施しています。
 ただ、逆に見ますと、インクルーシブであるということにこれだけ重みを置いている教育現場であっても、通常学級から取り出して個別の教育や療育をすることが、そのお子さんにとってよい教育的効果があるということも分かっています。
 このことを踏まえて特別支援教室について考えると、大きく三つのことが重要だと考えています。
 一番目が、一番重要ですけれども、特別支援教室での支援や指導の質です。そのお子さんを取り出してまで実施したことで、戻ってきた在籍する通常学級での生活がしやすくなった、学びやすくなったという教育的な効果が発揮されなくてはなりませんし、それが発揮されているのかどうかを確認する必要があります。
 二つ目は、特別支援教室を利用する必要があるのかどうかを厳正に見極めて、一年に一度のアセスメントによって達成度を確認して、そして、次の指導方法や支援について設定していく必要があるということです。
 何となく、発達障害があるし、支援教室で学べばいいんじゃないか、せっかく支援教室があるんだしというような理由ではなくて、客観的に見て、明らかに特別支援教室を利用することで効果的だと説明できる必要があります。特別支援教室での教育がどのような効果があったのか、それともなかったのか、その次の一年も取り出しての支援が必要であるのかどうかを慎重に検討する必要があると思います。
 そして、三つ目は、特別支援教室内で完結するのではなくて、通常の学級との連携と連続性のある指導です。
 この三つがなければ、特別支援教室は効果を十分に発揮しなくなってしまい、ただ、そのお子さんを分離するためだけの遠心分離機のスイッチみたいになってしまうと思います。
 私の見たところでは、既にこの特別支援教室を休憩する場所というふうに捉えているお子さんもいらっしゃるようです。確かに、最初は、そのお子さんにとって、通常の学級がストレスフルな場所であって、特別支援教室はそのように感じてもいいのかもしれません。ただ、特別支援教室がずっと休憩場所になってはいけないと思います。
 そこで質疑を始めていきますが、一番重要な特別支援教室の教育や指導の質についてお伺いします。
 これまでの委員会質疑でも触れてまいりましたが、特別支援学校に比べて、地域の学校の特別支援の対応力、ノウハウ、経験の差は、すごく開きがあるというのが課題になります。
 また、地域の学校の中で特別支援教育に従事する先生たちは、身近に頼れるノウハウがある先輩の先生が少ないとか、いないこともあって、孤独でもあります。地域の先生たちが自信を持って対応できるような、先生たちへの支援をしてほしいと話してまいりました。
 特別支援教室を担当している教員の中には、そのような課題を抱えている先生も少なくないことと思います。
 特別支援教室の教員が自信を持って適切に児童生徒の指導に当たれるよう、教員の指導スキルの質の向上について、今後の取組についてお伺いいたします。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 発達障害教育に関する指導の充実を図るため、都教育委員会ではこれまで、特別支援教室担当教員養成講座を実施するなど、教員の専門性の向上に取り組んでまいりました。
 今後は、学校種別や経験により、教員がキャリアや自身のニーズに応じて研修の内容を選択し、受講できるようにするなど、さらにこの研修を充実してまいります。
 また、都教育委員会は、特別支援教室での指導をさらに充実するため、令和三年三月に策定した特別支援教室の運営ガイドラインを、区市町村教育委員会や全ての都内公立小中学校へ配布し、周知しております。
 加えて、都の巡回運営指導員が、特別支援教室での指導の充実等のために、学校を訪問し助言を行っており、今後も、こうした取組により学校や教員を支援してまいります。

○龍円委員 都教委としても、課題認識を持って、特別支援教室の教員の指導の質を上げる取組を充実するということが確認できました。
 今回の陳情には、特別支援教室の担当教員一人が担当する児童生徒の人数が十人以下になるように教員を配備することと求めております。これが教員側の目線からなのか、保護者、児童生徒側からの目線の要望なのか、分からないのですけれども、もし教員側の目線で、特別なニーズのある児童生徒を十人以上見るのは大変過ぎるということであるのであれば、それは現場の先生方の負担感から来ているのかなというふうに想像いたします。
 では、なぜ負担に感じるのかというと、支援教室に一気に十人以上のお子さんが来るわけではないので、どちらかというと、一人一人のお子さんに真摯に向き合って、その子に合った指導をするために、様々な工夫とか、ご苦労をなさっておられるのかなというふうに思います。
 ただ、その負担感は、人数を一人、二人減らすというよりも、教員ご自身が一人で抱え込まなくても大丈夫という教員に対する支援があることと、それから、教員ご自身の指導力が向上して、自信を持って児童生徒に対応できるようになることが重要なのかなというふうに考えています。
 つまり、私は、現状の都教委の対応を一層進めてほしいというふうに思っています。
 また、もしこれが保護者や児童生徒側からの目線で、教員が担当する児童生徒の数がより少ない方が手厚くてきめ細やかな支援を受けられると思うから十人以下でとおっしゃっているのでしたら、確かに、指導力が足りない先生が一人で、例えば、毎日違うお子さんを五人ずつ、月曜日から金曜日まで二十五人担当するというふうになれば、やはりきめ細やかな指導は難しくなってしまうのかなと思います。
 ただ、私も障害児の親なので分かりますが、自分の子供に合っている指導をしていただいて、効果が目に見える形で現れていれば、ほかにその先生が何人のお子さんを担当していようが、どうでもいいということなんですよね。
 だから、結局、指導力を向上していくということが、保護者、児童生徒のサイドから見たときにも重要だというふうに考えています。
 続いて、二つ目のポイントについてお伺いしていきます。
 まず、入室の段階で、特別支援教室を本当に利用する必要があるのかどうか、しっかり見極めること、そして、利用するからには、一年ごとに、ふわっとしたものではなくて、明確にこれをできるようになるというような目標を設定して、そのための指導計画を立てて、そして一年後に、アセスメントによって、それが実現できたのかどうか客観的に評価をする、評価を基に、次の一年も、引き続き特別支援教室を利用する必要があるのかどうかを慎重に検討する必要があります。
 そこをきっちりしておかないと、支援教室の効果を分析せずに、漫然と利用を続けてしまうことになります。惰性の法則で、不要に長く分離され続けるお子さんが出てきてしまう懸念があると考えております。
 ガイドラインでは、指導の成果を振り返り、指導開始当初の指導目標の達成状況を確認することが重要というふうに規定されています。こうしたアセスメントや評価はどのように行うのか、お伺いいたします。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援教室の運営ガイドラインでは、特別支援教室で指導を受ける児童生徒の目標の達成状況について、巡回指導教員を含めて学校全体で確認を行うこと、児童生徒本人とその保護者との合意形成を図ることなどとしております。
 また、学校の判断を踏まえ、区市町村教育委員会が、教育学、医学、心理学等の専門的な観点から総合的に判断することなどを規定しています。
 なお、退室の決定に当たっては、在籍学級における支援や指導についても検討し、児童生徒本人とその保護者に説明し、合意することなども定めております。

○龍円委員 達成状況を確認するということは、つまりアセスメントをするということだと理解いたします。
 また、学校と本人や保護者と合意形成を図るということは、目標としていたものが達成できたのかどうか、次に取り組むべきことがあるのかどうか、あるのだったら、それは通常の学級の中でできるのか、引き続き特別支援教室で続けていくべきものなのかを話し合う検討の場を設けるというふうに理解いたしました。これはとても重要なことだと思います。
 では、続いて、三つ目の特別支援教室と通常学級の連携と連続性のある指導についてです。
 スペシャルニーズのある児童生徒の中には、身につけたスキルや学んだことを別のシチュエーションで応用していくことが簡単にはいかないこともあります。
 特別支援教室で学んだことを、支援教室を退室したから、そこで終わりとするのではなくて、引き続き、通常の学級で支援や指導法についても検討するということでした。これも非常に重要なことです。
 特別支援教室で学んだことを通常の学級で十分に発揮していくには、通常の学級の先生側も、そのお子さんの課題を理解し、対応方法を知り、通常学級の中でも連続性のある指導をしていくことも重要だと考えます。
 そこがしっかりしていないと、支援教室だとうまくいったんだけれども、通常学級に戻ってくるとうまくいかないという経験を繰り返してしまって、自信を失ってしまう児童生徒も出てくるかもしれないし、教育的な効果も低くなってしまうと思います。
 そのためには、特別支援教室で指導を行う巡回指導教員と、そして在籍学級の担任などが連携していくことが必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 児童生徒と関わる時間が長い在籍学級担任や教科担任は、発達障害のある児童生徒が抱える困難や、その改善状況等を十分に把握し、指導することが重要です。
 そのため、特別支援教室の運営ガイドラインにおいて、巡回指導教員や在籍学級担任、特別支援教育コーディネーターなどの関係教職員が、特別支援教室での指導の成果などを共有し、連携しながら、適切に在籍学級での支援を行うことなどについて定めております。

○龍円委員 特別支援教室での指導と通常の学級を連携させるとのことで、児童生徒がより一層インクルーシブな環境の中で学び、過ごしやすくしていく取組を進めることが確認できました。
 特別支援教室に求められる三つの重要な要素は、それぞれ、しっかりガイドラインの中に盛り込まれていることも確認できました。これらは非常に、とても重要なことだと思いますので、各学校現場でガイドラインがしっかりと守られるように徹底していただく必要があります。
 そのためにも、都教委は、ぽんとこのガイドラインを通達するだけではなくて、区市町村の教育委員会に対して、ガイドラインの意義をしっかりと理解していただいて、積極的にこのガイドラインを守っていただけるようにしていただきますようお願いいたします。
 さて、一度は目標を達成して特別支援教室を退室したお子さんで、在籍する通常の学級でうまく学べていたお子さんであっても、例えば、クラス替えがあったり、ご本人が転校したり、小学校から中学校に上がったりといった環境の変化によって新たな課題が出てきたり、または、年次が上がっていくうちに、発達とともに新たな課題が出てくることもよくあることだと思います。
 こうした場合は、特別支援教室での指導を改めて受けることができるのか、お伺いいたします。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援教室を退室した児童生徒が、学校での校内委員会において改めて支援が必要と判断された場合は、区市町村教育委員会が、教育学、医学、心理学の観点から入室の適否を総合的に判断することになります。
 判定の結果、指導が必要と判断されれば、改めて障害による困難の状況に応じた指導目標を設定した上で、特別支援教室での指導を開始することとなります。

○龍円委員 ありがとうございます。ということは、特別支援教室は、一回だけしか利用できないというものではなくて、そのお子さんのその時々のニーズに応じて指導が受けられるということが分かりました。必要な児童生徒が、必要なときに、必要な期間利用できるということなので、非常に合理的な運用だと思います。
 今回の陳情には、特別支援教室で児童生徒の課題に対応し、継続した指導を実施できるように、原則の指導期間を設けないこととあります。これまでの質疑の中で、児童生徒が特別支援教室を利用する必要があれば継続的に利用できることも、一度退室しても、また必要になったら利用できるという現状が確認できました。
 ただ、この必要があるのか、ないかは、期間を設けて、区切りごとにアセスメントと評価と検討と合意を経て決めていくことがとても重要です。それがないと、先ほどからしつこいようですけれども、学校現場の遠心力を加速させてしまって、より一層、分離教育が推進されてしまうので、都教委のこの方針は絶対に必要ですので、厳守していただきますよう要望させていただきます。
 また、私の中の行政あるあるということなんですけれども、その政策に対して熱い思いを持ってくださっている担当者さんがいらっしゃるうちはいいのですけれども、担当者さんが替わると、急にトーンダウンしてしまうこともあると思います。そのためにも、こういったガイドラインなどで期間をしっかり定めておくことが、後々のためにも重要だというふうに思っております。
 特別支援教室がいよいよ全ての学校でスタートしたことで、地域の小中学校での特別支援教育がパワーアップすることになります。都のこの動きは、ほかの自治体からもすごく注目を受けています。
 ただ、箱を増やしても、特別支援力がすぐにアップするというわけではありません。都立特別支援学校のすばらしいノウハウ、スキル、人材などを、地域の学校に惜しみなく提供していただきたいと思っております。
 特に特別支援学級や特別支援教室の先生らは、周囲に気軽に相談できる環境もなくて、孤独でスキルアップも簡単なことではないというふうに想像いたします。
 そこで、最後に、地域の学校を様々に下支えしていく、学校そのものを支援する今後の仕組みについてお伺いいたします。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、小中学校からの要請等に応じて、都立特別支援学校の特別支援教育コーディネーターが学校を訪問するエリアネットワークを構築し、巡回相談や研修会の企画、サポートなど、学校における発達障害教育に対する支援を行っています。
 また、令和三年九月からは、指導の改善に向けた学校の取組を支援することなどを目的に、小中学校の特別支援教室での指導の好事例等をウェブサイトで紹介する取組を開始いたしました。
 都教育委員会は、今後も、こうした取組により各小中学校を支援してまいります。

○龍円委員 都立特別支援学校のノウハウを地域の学校に伝授し、下支えしていくという取組も非常に重要ですので、どうか積極的に進めていただきますようお願いいたします。
 今日は、インクルーシブな教育を推進するという観点からの特別支援教室の在り方について質疑をさせていただきました。
 子供たちが学校に通うのは、長い人生からすると、本当に短い期間となります。しかし、その後の人生に与える影響はというと、非常に大きいものです。社会の中で生きていくということを考えたときに、その社会の縮図ともいえる地域の学校の通常の学級の中で、生きていくソーシャルスキルなどを身につけることはとても重要です。
 特に、現状では、知的発達に遅れがない発達障害の児童生徒がこの教室では対象になっていますので、社会ではこの子たちは、特別な支援がなく生きていくお子さんも多くおられるのではないかなというふうに思います。
 特別な空間での、その中だけでの支援を考えるのではなくて、そのお子さんが、自ら自分らしく社会参画する方法を身につけていくことがすごく重要ですので、この特別支援教室を使って、そういった力を伸ばしていく後押しをしていっていただきたいと思っております。ありがとうございました。

○斉藤(や)委員 各会派、協力をして、審議がスムーズに進んでいるので、大変ありがたいと思います。
 私の方からも、短く、二つの請願陳情について質問したいと思います。
 まず最初に、陳情の三第一〇九号、東京都寄宿舎連絡会の皆様から寄せられた陳情でございます。特別支援学校の寄宿舎について質問します。
 都立特別支援学校の寄宿舎については、我が会派としてこれまで、文教委員会におきまして同僚委員が、現場の要望を踏まえまして様々な質問をさせていただきました。
 令和二年には、寄宿舎は、通学困難な児童生徒に対して宿舎を提供し、就学を保障することを目的としていること、また、入舎基準においては、常に九十分以上の通学時間を要する場合について通学困難としていることを確認していたところです。
 寄宿舎の入舎基準につきまして、九十分以上の通学時間以外に、どのような場合に通学困難としているのかを改めて伺いたいと思います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 寄宿舎の入舎基準では、常に九十分以上の通学時間を要する児童生徒のほか、島しょ地区に在住する児童生徒の場合、視覚障害があり、通学における安全性を確保する必要がある場合、家族に複数の障害児、障害者がいたり、病気や家族の介護等の理由により、保護者の通学の付添いが困難な状況が長期で継続的な場合、これを通学困難としております。

○斉藤(や)委員 今回のご陳情では、入舎基準を通学時間九十分以上から六十分以上に改定することとありますけれども、入舎基準において、常に九十分以上の通学時間を要する場合を通学困難としている理由について、改めて伺いたいと思います。なぜ九十分以上なのでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、児童生徒は、できる限り自宅から通学することが望ましいと考えていますが、児童生徒の健康面及び学習面への影響を考慮して、寄宿舎の入舎基準においては、常に九十分以上の通学を要する場合を通学困難と判断しております。
 通学時間についてでございますが、都教育委員会では、特別支援学校に在籍する児童生徒の負担軽減を図るため、その時間の短縮に努めております。
 特に肢体不自由特別支援学校に通学する児童生徒の中には、体温調節や自力での体位変換が困難であるなど、長時間のスクールバス乗車が負担となる者も在籍していることから、バスの小型化による増車やコース設定の工夫等により、乗車時間の短縮に努めているところでございます。

○斉藤(や)委員 実際にバスの小型化による増車やコース設定の工夫などを行っていただいておりまして、乗車時間の短縮に努めておられることを評価するものであります。
 今後も利用者の声に耳をしっかり傾けていただきまして、寄宿舎を希望する方については、できる限り希望に添えるように、今ご答弁の中では、児童生徒は、できる限り自宅から通学することが望ましいと考えているとのご答弁がありましたけれども、しっかりと皆様の希望に寄り添う形で、できる限り、実際の学びの機会を確保していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 今日、この賛否を明らかにするに当たって、お声を伺っておりましたので、政調会長等、我が会派のほかのみんなとも話をしまして、質問をとにかくさせていただきましたが、できるだけこの声に応えていただきたいという要望はさせていただきたいと思います。
 続きまして、寄宿舎指導員について、関連でお伺いしておきたいと思います。
 さきの定例会の当委員会におきまして、都議会公明党の伊藤こういち都議会議員が、今年度の区立特別支援学校寄宿舎の指導員の採用選考に関しまして質問させていただいたことを受けて質問したいと思います。
 今年度の採用選考状況について伺いたいと思います。

○浅野人事部長 令和三年度採用候補者選考四年度採用における採用見込み数は十名、応募人員は十一名、合格者数は五名となりました。

○斉藤(や)委員 今のご答弁ですと、採用見込み十名に対して合格者五名。これは見込み数に達しなかったということであります。これは大変残念なことです。
 しかし、大事なことは、一方で、学校に係る人材は、単に人数を確保すればよい数合わせじゃないわけでありまして、人数を確保すればよいというわけではないというのが都議会公明党の、我が会派の考え方であります。
 この寄宿舎指導員は、時には親に代わって子供の生活に寄り添う大切なお仕事であります。必要な知識、技能に加えて、しっかりとその人物を見極めて採用していただきたいと思うわけでございます。
 その観点から質問させていただきますけれども、令和四年度の採用選考に向けて、都教育委員会はどのように取り組むのか、その姿勢を伺いたいと思います。

○浅野人事部長 次年度の採用選考の実施に当たっては、大学やホームページにおける周知に加え、寄宿舎の所在する地域を所管するハローワークを活用することや、寄宿舎の沿線に広告を出すなど、PRに努めてまいります。
 このような取組により、より多くの方に応募していただき、必要な人材の確保に努めてまいります。

○斉藤(や)委員 この人材の確保というのは、各分野分野、大変ご苦労がある時代であると思います。少子化問題等によって、選ばれる側というか、採用を受ける側が仕事を選ぶような時代が続いておりますけれども、ご苦労はあると思いますけれども、単なる数合わせ、定員充足させるだけでなくて、しっかりと寄宿舎指導員の人材の質を確保しながら採用をしていただきたいと強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
 最後の質問になります。目の健康についてです。
 これも、私も事務事業でかつて質問させていただきましたが、今回、請願三第四三号の一の九番目に、デジタル機器等について、視力低下の問題が指摘されております。これに関連して質問させていただきます。
 これまで私は、事務事業等を通じて、ICT機器、一人一台端末を使っての教育がいよいよ本格化することに伴い、子供の目の健康を確保するための注意喚起をしてほしいとの現場の声を伺いまして、注意喚起のため、都がしっかりと取り組んでいただきたいことを質問してまいりました。
 一人一台端末を適切に活用して学習を進めていくこと自体、これからの時代の教育においては必要であることはいうまでもありません。
 義務教育課程で学んだ生徒が高校段階に進学するこの令和四年の四月からは、都立学校でも、生徒所有による一人一台端末を整備することになってまいります。
 そこで、改めて、生徒が学習者用端末を使用する上で目の健康などを守るための注意喚起について、都の取組について伺いたいと思います。

○藤井指導部長 子供たちが一人一台端末を活用する上で、長時間の使用により健康を害さないよう、学校や家庭が配慮していくことが必要となります。
 都教育委員会はこれまで、学校向け指導資料の中で、目を休めることの大切さについて示したり、文部科学省が制作した目の健康等に関する子供及び保護者向けのリーフレットを学校に配布したりするなど、健康に留意した端末の活用について、繰り返し周知をしてまいりました。
 今後、都立学校における高校段階の一人一台端末が整備されるに当たり、各学校が実施する端末活用に関する新入生及び保護者向け説明会の中で、視力をはじめとする健康面の留意事項について、子供及び保護者に啓発してまいります。

○斉藤(や)委員 質問は以上にいたします。
 この目の健康、スマホを使う時間が長い−−これは私の目のこともそうですけれども、眼底のそうした目のダメージというのは、本当に加齢とともに深刻になってまいります。
 学校という現場は、みんなが一緒になってそういうことに取り組んでいくとなると、自分だけできないとか、なかなかいいにくい環境も出てくると思うのですけれども、これは本当にきめ細かく、この目の健康については、国がまずしっかりとガイドラインを示しながら進めていくことでございますけれども、より一層、目の健康については注意喚起をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 教育庁所管分として付託されている陳情は、全部で五本あるわけで、どれも大変重要で、子供たちの成長、発達を第一に考えて教育環境の充実を願い、都民から提出されたものです。
 これらの陳情請願については、私どもは全て賛成であります。その立場から、全ての項目について取り上げて質疑したいところですが、本日は、私からは、特別支援学校寄宿舎の改善に関する陳情について、後で審議があります児童・生徒が安心して受けられる学校健診の実現に関する陳情について質疑をさせていただきます。
 まず、陳情三第一〇九号、東京都寄宿舎連絡会の皆さんから提出をされている特別支援学校寄宿舎の改善に関する陳情について伺います。
 寄宿舎で規則正しい生活や、同年代の友人や職員との触れ合い、主体的な生活を経験することで、子供たちが大きな変化を見せているとお聞きしています。保護者からも、家に閉じ籠もりがちだった子供が、寄宿舎に入舎することで前向きになってきたという話も何度も聞いてまいりました。
 障害を持っている子供たちにとって、仲間との生活や家庭から離れた生活の重要性は明らかになっていると専門家からもいわれています。
 寄宿舎での生活の中で、子供たちの成長、発達を促す決定的な役割を担っているのが寄宿舎指導員であります。
 まず、伺っておきたいのが寄宿舎指導員の役割と重要性についてです。お聞きします。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 寄宿舎指導員は、特別支援学校の寄宿舎に入舎している児童生徒に対して、日常生活における世話や生活指導に取り組むなど、寄宿舎の円滑な運営に必要な職務を果たしていると考えております。

○とや委員 保護者の就労や健康、養育困難などの家庭の事情も抱える子供たちが、近年では多くなっています。生活教育を通して発達を保障し、家族支援も含めた実践を展開している指導員の役割はとても重要です。
 しかし、この間、寄宿舎指導員の増員が行われなくて、子供の成長、発達を保障するために必要な指導員が不足したり、あるいはノウハウの継承も危機的な状況になっています。そうした中で出されたのが今回の陳情だと思います。
 この寄宿舎指導員の配置について、特に重重や島しょの子供たちの配置基準をしっかりと定めてほしいということで陳情が出されているわけですが、これらの寄宿舎指導員の都の配置基準について、島しょや重度重複障害児の配置基準は実際あるのか、また、都立の各寄宿舎には指導員が何人配置されているのか、改めてお聞きします。

○浅野人事部長 都の配置基準では、肢体不自由特別支援学校の寄宿舎について、重度重複障害のある児童生徒二人に一人の指導員を配置することとしております。
 島しょ地区に在住する児童生徒に応じた配置基準は設けておりません。
 また、令和三年五月一日現在、文京盲学校が定数十二人に対して実員数十五人、葛飾盲学校が定数十二人に対して実員数十四人、八王子盲学校が定数十四人に対して実員数十八人、久我山青光学園が定数十二人に対して実員数十四人、光明学園が定数十二人に対して実員数十四人となっております。

○とや委員 島しょの子供の配置基準もないし、重重については、肢体不自由校のみ、東京都が独自に二対一で職員を配置していると。これはずっと変わっていないということであります。
 それでは、寄宿舎に入舎している重度重複児の人数は何人いるのか、寄宿舎ごとに示してください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 令和三年五月一日現在、寄宿舎に入舎している児童生徒のうち重度重複学級に在籍している人数は、文京盲学校寄宿舎十一人、葛飾盲学校寄宿舎七人、八王子盲学校寄宿舎四人、久我山青光学園寄宿舎十一人でございます。
 なお、光明学園寄宿舎に入舎している児童生徒については、重度重複学級に在籍している者はおりません。

○とや委員 光明学園寄宿舎を除いて、全ての寄宿舎に重度重複障害児が在籍をしています。
 この在籍数、大体どのくらいで推移しているのかとお聞きしましたら、例年同じくらいの人数で推移しているとお聞きしました。急速に増えるとか、急速に減るとか、そういうことではないということだと思います。
 しかし、先ほどお答えいただいたように、それぞれの宿舎に対して指導員の数が足りないという声が出てきております。基準がないために、非常に指導員の皆さんが苦労しているし、重重の指導員の配置基準がないために、例えば、この中で文京盲学校は、お答えいただいた数字を申し上げますと、在籍児は三十四人いるのですが、重度重複障害児は十一人在籍しています。しかし、指導員は、定数が十二に対して、実人員は十五人ということです。
 この間、議論してくる中で、一日に泊まれる人数が、指導員は四人と聞いています。そういう中で、例えば、今年度は文京盲学校の生徒の希望泊数をかなえることができなかったと聞きました。
 文京盲学校の生徒は、社会に出るために自立に向けた訓練が必要だからと、希望泊数は、小中の寄宿舎と比較しても多くなっています。四泊希望しても二泊、三泊希望しても二泊と、希望どおりにいかなかったと、保護者の皆さんからも訴えが届いています。
 このまま基準も定めずに寄宿舎の指導員の自然減を待っていればどうなるでしょうか。
 この間、ずっと採用もしてきていない、定数よりも実人員が多いのは、この間、十一舎あった寄宿舎を五舎に減らしてきた、そのときに配置されていた指導員がそれぞれの寄宿舎に配置されているから実人員が多くなっているだけであって、退職すれば不補充となり、そのまま自然減になってしまいます。寄宿舎に求められる役割を果たせなくなるということは明らかです。
 実人員がこれだけいても、この間、何度も何度もいってきているのですけれども、希望泊数がかなえられないという状況が生まれています。都教委として、この実態を放置すべきではないと思います。
 特に重度重複障害児の在籍に見合った基準を定めることが必要だということで、この間、質問もしてきましたが、都教委は、国に対して、寄宿舎指導員の定数について改善要望を出しています。その理由をお答えください。

○浅野人事部長 教職員定数の改善については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。
 寄宿舎指導員については、国において重度重複障害のある児童生徒に対応した基準がないことから、国に対して定数改善を要望しております。

○とや委員 都としても、重度重複障害児の定数改善は必要との認識に立っているということで、今回、来年度に向けての予算要望書で書き込んでいただいたということです。
 ただ、毎年の国への要望書では、養護教諭やその他の職種と同じ項で寄宿舎指導員の定数改善が述べられています。
 今いったように、今年度からは、重度重複障害のある児童生徒に応じた配置基準を設けることと、文言をはっきりと重重児と書き込んでくれたということでいえば一歩前進です。
 しかし、国に真剣に受け止めてもらうようにして、本気で定数改善に踏み出してもらうためには、養護教諭や寄宿舎指導員、それぞれ別々に職種ごとで要望書に掲載をして出していただきたいと思います。いかがでしょうか。

○浅野人事部長 特別支援学校における諸課題の解決のためには、児童生徒の実態に応じて、様々な職種を含めた定数改善を行うことが必要であることから、寄宿舎指導員の定数改善については、養護教諭等と併せて国に要望しております。

○とや委員 それぞれ役割が違うわけだから、ぜひ別々な項目を設けて要望書を出していただきたいと重ねて求めておきたいと思います。
 そして、国の責任だというふうにおっしゃいました。確かにそれはあります。ありますが、当面、実態に即した形での改善ということを実現するためには、国の改善を待たずに、都独自でも重重児及び島しょも含めた基準を定めていただきたい、そのことを強く求めておきます。
 次に、入舎基準です。
 先ほど質問がありまして、入舎基準を通学時間九十分としている理由についてお答えがありましたので、割愛しますが、できる限り自宅からの通学が望ましい、児童生徒の健康面、学習面への影響を考慮し、常に九十分以上の通学時間を要する場合を通学困難と判断したということがあります。
 児童生徒の身体への負担を考慮して、入舎基準を九十分以上ということなんですが、全国的に見ますと、例えば愛知県あるいは大阪などをはじめ、六十分以上で入舎を認めているという自治体があります。
 東京で考えれば、朝はとても交通事情が悪くて、子供の体への影響を考慮するというのであれば、九十分以上というのはかなりの負担なんじゃないかと思いますし、そういう声が寄せられています。
 そこでお聞きしておきたいのですが、特別支援教育の推進計画素案が今出ていますけれども、ここでも、肢体不自由児特別支援学校のスクールバスの平均運行時間を六十分以内とし、短縮の努力をしているというふうに書き込まれているわけです。
 これ、ずっといってきているのですけれども、その理由をお示しください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 肢体不自由特別支援学校に通学する児童生徒の中には、体温調節や自力での体位変換が困難であるなど、長時間のスクールバス乗車が負担となる者も在籍しております。
 このため、都教育委員会では、乗車時間の短縮に努めているところでございます。

○とや委員 通学に要する時間を六十分以上とするその訳は、体温調節が困難など、体の負担が大きいということでありました。そういった子供たちの体の負担を認識しているのに、何で寄宿舎入舎は九十分でよいのかというふうな疑問が湧いてきます。
 同じように六十分とするのが筋ではないでしょうか。お答えください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 通学困難を九十分とした理由についてでございますが、寄宿舎の入舎基準を見直した際、児童生徒の健康面及び学習面を考慮した上で、通学時間の状況等を踏まえ、九十分と定めたものでございます。

○とや委員 通学に要する時間を六十分以内にしなきゃならない、その理由は、子供たちの体の負担を考慮してとおっしゃっているのに、寄宿舎だけは九十分でいいんだということ自体、やっぱりおかしいんですよ。六十分で合わせるべきです。
 そういう中で、子供たちが今どういう状況になっているかです。寄宿舎に宿泊できなかった、家庭から学校に通学する。
 宿泊できなかった次の朝の子供の様子について把握をしていますか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都立特別支援学校では、在籍する児童生徒が登校した際、表情や態度などを確認するなど、児童生徒の健康状況を把握しております。
 寄宿舎に入舎している児童生徒が登校した際の様子につきましても、寄宿舎への宿泊の有無にかかわらず、当該児童生徒が在籍する学校の教員が把握をしております。

○とや委員 では、その教員から子供たちの様子、あるいは保護者から様子は聞いていますか。お答えください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 子供たちの朝の登校時の状況については、学校において適切に把握をしているところでございます。

○とや委員 学校において適切に把握するのは当たり前です。しかし、基準を決めているのは都教委なんですよ。学校の先生たちや、あるいは保護者から、つぶさに子供たちの様子をきちんと聞いて、その上で基準を定めるべきです。
 そもそも都教委は、二〇〇四年に、十一舎あった寄宿舎を五舎にしていく計画を打ち出して、その際、スクールバスでカバーすることを説明しました。ところが、実際は保護者が子供を学校まで送り届けるために、かなりの負担が子供にも親にもかかっているということになっているんですよ。
 例えば朝は、着替えと食事をするために、いつもより本当に早く起きなければなりません。ある家庭では、自家用車で八十分もかけて来るから、家を出る時間はもう本当に、八時に学校に着くためには大変な苦労があります。
 そうなると、子供は、起きたばかりで胃も働かないから、朝食は抜かすとか、食べずに来る、そういった日もあるそうです。トイレは自分で行ける子が、おむつをして車に乗っていかなければならないというときもあるそうです。
 さらに、排便する時間も取れないから、一限目は、子供の体と心を目覚めさせることに使うしかない。そして、二時限目は排便の時間に使うことになるそうです。教育の機会を保障するという観点から見ても、やっぱり問題じゃないでしょうか。
 一方、寄宿舎から通学する日は、大体、子供たちは朝六時半ごろに起きるそうです。みんなで顔を合わせて歌を歌ったり、手拍子をしながら、体も心も目覚めることができます。食事に課題のある子は、先生が横について、指導員が横について、ゆっくり食事を取ることもできます。寄宿舎の効果であります。
 子供の実態に合わせた入舎基準とし、少なくとも六十分以内ということで改善をしていただくことを求めておきます。
 さらに、寄宿舎の教育的意義についてもお聞きしたいと思います。
 通学困難が入舎基準とされている寄宿舎ですが、実は、人との関わりや社会性を育み、生活支援と発達支援にも大きな役割を果たしているのが寄宿舎であります。
 寄宿舎の役割を考える上で、中教審の答申があるわけですが、二〇一九年の答申では、寄宿舎の教育的意義が掲載されています。
 この中教審答申について、都教委の認識を伺います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 中央教育審議会答申、「令和の日本型学校教育」の構築を目指してにおいて、特別支援学校の寄宿舎については、特別支援教育における教育的意義を踏まえ、引き続き、その機能の維持に努めるべきであると記載されていることは承知しております。
 都教育委員会では、学校教育法等の関係法令に基づき、寄宿舎を適切に運営してまいります。

○とや委員 国答申、中教審の答申も、寄宿舎の教育的意義について記載をされているわけです。
 東京都として、寄宿舎の教育的効果についてはどのように考えているのか、お答えください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 障害のある児童生徒にとって、基本的生活習慣や集団生活におけるマナーを身につけることは、将来の自立や社会参加に向けて重要であることから、全ての特別支援学校において、日常生活の指導を計画的、継続的に実施しています。
 寄宿舎では、寄宿舎指導員や舎監が、学校で指導する教員とも連携しながら、入舎している児童生徒の基本的生活習慣の確立等、将来の自立や社会参加に向けて取り組んでおります。

○とや委員 複数の専門家の皆さんからは、学校から離れた生活だとか仲間との生活が、障害を持つ子供たちの自立性や社会性の力をつけていく上で非常に重要だと述べていらっしゃいます。
 また、山梨県の特別支援教育振興審議会の答申も見たのですが、自立した生活能力や集団での生活能力を育成することができる施設だと寄宿舎は位置づけています。児童生徒の自立と社会参加を促す役割を担っており、児童生徒の状況に応じた活用が効果的であると述べられています。
 このように、寄宿舎は、通学困難にとどまらず、教育的意義を持つものとして存在しているといえると思うんです。
 そういった点からも、入舎基準には、教育的意義、この部分もしっかりと入れていただきたい、そういった子供たちに対しても、希望があれば入舎を認めるということを求めておきたいと思います。
 次に、就学奨励費です。
 この問題もずっと取り上げてきたわけですが、島しょ生は、毎週帰島することが、親の負担だとか本人の負担などから困難な状況にある。そういったことから、島しょ部の教育委員会からも、要望書が都教委に出されています。
 帰島が困難な中、この間、宿泊費については一定の改善が行われてきたわけですが、令和二年第一回定例会において、寄宿舎に関係する就学奨励費の改善について趣旨採択がされました。
 これを受けて、都教委は、国の基準では船便の利用しか認められていなかった大島への帰省に伴う交通費を見直して、航空便も認めることとしました。また、やむを得ず宿泊する場合の本人と付添人の宿泊費についても、一泊五千円の上限額を六千円に引き上げました。その理由を確認させてください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 就学奨励費につきまして、大島への帰省に伴う交通費については、大島が、都の島しょ地域の中で、唯一、国の航空機利用の基準を満たさないため、島しょ間の均衡を図る観点から、令和二年度より航空便の利用を認めることにいたしました。
 また、やむを得ず宿泊する場合の本人及び付添人の宿泊費につきましては、島嶼会館の利用料等を踏まえ、令和二年度から、一泊五千円の上限額を六千円に引き上げることとしたものでございます。

○とや委員 今ご答弁いただいたように、やむを得ず宿泊することになれば、それだけ費用が多くかかるから負担がある、その一方で、ずっと寄宿舎に滞在することも、本人の精神的な安定を図る上で困難なわけで、島しょ生のご家族や本人と相談の上、現在は帰島日を柔軟に設定してきたという経過があります。
 そういう中で、実際に昨年度まで在籍していた八丈島の保護者からは、年間二十五万円の食費実費がかかることは説明されていなかった、島に特別支援学校がないために寄宿舎を利用しているのに、費用面での負担が大きいのは納得できない、改善してほしいと要望が出されております。
 この問題については、食費が、島しょにいることで、例えば金、土、日と泊まってしまえば、本島にいる子よりも、年間お金がかかってしまうということから、こうした声が出てきているわけです。
 島しょ生に食費の負担が生じていることについて、本島から通学している子供たちとの不平等が生じているのではないでしょうか。お答えください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 就学奨励事業は、保護者の経済的負担を軽減することにより、特別支援教育を普及、奨励し、教育の機会均等を実現することを目的とする国の制度であり、特別支援学校への就学のために保護者等が負担する経費の一部を、負担能力の程度に応じて支給する制度でございます。
 寄宿舎食費につきましては、国の制度にのっとり、寄宿舎に入舎している全ての児童生徒に同じ基準を適用しております。

○とや委員 就学奨励費については、所得段階に応じて補助が行われています。しかし、島しょ生は、二週間に一遍、二週間ルールによって帰省することになっています。
 負担を生じないようにするためには、例えば毎週帰るとか、ほかの子供たちと同じように帰れば全額公費負担になる、これが今の制度です。食費を工面するよりも、都の負担は増えるんじゃないかと思います。
 東京都が、本人や家族の状況に基づいて帰島する日を決めているわけだから、当然、寄宿舎に滞在している期間の食費は就学奨励費の対象とすべきです。
 現在は、自己負担が高額であっても、それでも保護者は、何とか子供を高等部に通わせてあげたい、そうした気持ちで無理をしているという実態があります。払えなければ進学を諦めるしかないということになれば、教育の機会均等と先ほどおっしゃいましたが、この立場からいっても、都教委のいい分は通らないと思います。
 現状では、八丈島にしか、高等部の特別支援教育を受ける都の機関がないわけですから、当然、改善は東京都の責任で行っていく。就学奨励費を都の負担で改善すべきです。
 食費負担の軽減を図るため、この就学奨励費の補助の引上げを強く求めます。いかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、国の法令により、特別支援学校への就学のために必要な経費の一部を、就学奨励費として、保護者等の経済的負担能力の程度に応じて支給しています。
 引き続き、国の制度を踏まえ、適切に対応してまいります。

○とや委員 負担能力の程度に応じて支給されていないから、引上げを求めているわけです。教育の機会均等の意味からも改善を求めておきます。
 指導員の採用についてです。
 今年度の区立の特別支援学校寄宿舎における寄宿舎指導員の採用見込み数と応募人数、合格者数について伺います。
 また、試験の期日についても、併せて示していただきたいと思います。

○浅野人事部長 令和三年度採用候補者選考四年度採用における採用見込み数は十名、応募人員は十一名、合格者数は五名でございました。
 選考は、六月二十五日に選考実施要綱発表、九月十八日に選考実施、十月二十二日に合格発表を行いました。

○とや委員 十名程度の募集をしたけれども、結果的に、採用は五名ということです。この問題は昨年も質問させていただいたわけですが、やっと採用してくれるということで、保護者の皆さんは本当に喜んだわけです。
 ところが、結果的に、採用は五名になってしまったと。もう本当にがっかりしています。やっと新規採用してもらえると期待していたにもかかわらず、来年度も正規の欠員が生じることになるわけです。
 なぜ定員が埋まらなかったのか、その穴埋めはどうしていくのか、どういうふうに都教委として検証しているのか、お答えください。

○浅野人事部長 都教育委員会は、寄宿舎指導員として必要な資質、能力を満たす者を採用することとしております。
 今回の選考では、採用基準を満たす者が必要数に達しませんでした。
 引き続き、臨時的任用の寄宿舎指導員の活用も含めて、適切に対応を行ってまいります。

○とや委員 寄宿舎指導員としての資質を満たす者を採用する、当たり前のことです。その点数に満たなければ採用できないというのは当たり前なんですよ。それは事実は事実です。
 だけれども、この間、十二年、採用してこなかった。そのまま放置してきたわけです。その責任はどう考えているのでしょうか。
 今のご答弁だと、本当に何か、都教委は悪くないけれども、結果的に五人しか受からなかった、それだけじゃないですか。
 十二年間、採用してこなかった、放置してきた、その責任をどう考えているのか、お答えください。

○浅野人事部長 寄宿舎指導員は、児童生徒と起居を共にし、その世話及び寄宿舎における生活指導等の教育に当たるため、必要な資質、能力を満たす者を採用することとしております。
 この間、採用してございませんでしたが、今年度は採用しようとしたものでございます。
 来年度の採用については、採用に向けた周知に努めてまいります。

○とや委員 この十年以上、採用がされてこなかったことで、臨時の方を採用してきた。そういう中で、保護者の皆さんは、本当に待ち焦がれていたわけですよ。その責任を、今のご答弁でもちゃんと述べられませんでした。きちんと感じていただきたいと思います。
 引き続き臨時的任用も含めてと今おっしゃいましたけれども、全く適切な対応ではありません。寄宿舎は、夜勤の仕事もあって、普通の教員よりも、希望する方のハードルが非常に高い傾向にあると思いますが、次の試験では、必ず定数を確保するということが必要だと思います。
 それ以前に、やっぱり、どうしてできなかったのか、そこをきちんと検証していただきたいんですよ。
 例えば、試験期日が一般教員と同じ時期だった。第二次試験は九月だからね。この時期に寄宿舎の指導員の試験もやられているんですよ。以前は十二月にやったときもあった、そういうふうに聞いています。
 試験の期日だとか、あるいは年度途中でも採用する必要があるんじゃないかとか、そういったことも含めて、ぜひ検討していただきたいと思います。
 教育の質という意味でも、どういう人を採用するかということ、どういう人たちが子供たちに支援を行っていくのかというのは、とても大事なことだと思います。
 そこで、改めて聞きたいのですが、区立寄宿舎の指導員の年齢構成と平均年齢を確認していきたいと思います。

○浅野人事部長 令和三年五月一日時点で配置されている区立特別支援学校の寄宿舎指導員の年度末年齢は、二十代が二人、三十代が四人、四十代が十人、五十代が七人、六十代以上が十二人でございまして、平均年齢は五十一・〇歳となっております。

○とや委員 去年が五十歳だから、今年は五十一歳ということですが、教育の質を確保していく、これまで培ってきたスキルを継承していくため、年齢だとか経験、そして年齢構成のバランスというのは非常に大事だと思っています。そういった意味で、安定的な継続した採用をしていく必要があると思います。
 来年度の採用はどのように行うのか、確認させてください。

○浅野人事部長 経験豊富なベテランのノウハウを活用、承継し、若手の育成を行う観点は必要でございます。
 また、来年度の採用については、寄宿舎指導員を適切に確保できるよう、採用に向けた周知に努めてまいります。

○とや委員 子供たちがちゃんと成長して、発達をきちんと保障してもらうためには、寄宿舎での生活の質を考える必要があります。
 幅広い年齢層の指導員がいることで、先ほど申し上げましたが、これまで培ってきた指導員のスキルを継承することができます。年齢のバランスが取れていれば、いろんな年代の指導員と子供たちは触れ合うことができるわけです。そうすると、社会的な経験をしていくためにも、非常に大きな力になっていくと思っています。
 ぜひ保護者や関係者、そして、何よりも子供たちのためにしっかり採用していく、そのために取り組んでいただきたいということを申し上げて、終わります。

○白戸委員長 この際、議事の都合により、短くて恐縮ですが、おおむね五分間の休憩といたします。
   午後五時二十九分休憩

   午後五時三十五分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行します。
 発言を願います。

○風間委員 請願審査に関しての質疑だと思いますので、請願審査に関しての質問を行っていきますね。
 まず、請願三第四三号の一の中の十番目の項目にあります、英語スピーキングテストは民間業者への丸投げであることから中止することということについて伺いたいと思います。
 この英語スピーキングテストについては、様々な課題、問題があるなという認識はあるものの、教育委員会として、丸投げであるというふうに書かれていることについて、教育委員会の見解、実情、実態について教えてください。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、小中高校における一貫した英語教育の推進により、生徒の使える英語力の育成を目指しており、スピーキングテストは、その取組の一つとして行っております。
 本テストにつきましては、都教育委員会が資格、検定試験の実施のノウハウを持った民間事業者と協定を締結し、その内容に基づき、令和元年度からプレテストを行っております。令和三年度には、都内公立中学校など第三学年生徒約八万人を対象として実施いたしました。
 都教育委員会は、引き続き、学習指導要領に準拠した問題の作成や、公平、公正な採点の実施に定期的、継続的に関与することにより、本事業を適正に実施してまいります。

○風間委員 今のお話だと、教育委員会としては丸投げという認識ではないということなのかなというふうに捉えましたけれども、そもそも、今日も報道で見ましたけれども、英語のスピーキングテストが民間事業者によって行われる、採点、評価もされるということを突如として知ったときに、保護者としても、やっぱり驚くことであり、私も公立中学校の三年生保護者でしたけれども、聞いたときには、やっぱり驚きました。
 ほとんど今の中学生の保護者が知らないという状況で、こういうニュースが飛び込んできたときに、どういうことなんだろうということなんだと思うんですね。
 しかも、民間事業者がやっているということばかりが先行するので、この丸投げという表現が出てきたのかなと思いますけれども、やっぱり周知がされていないんじゃないかと思います。
 これについて、教育委員会はどのような見解でしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、平成三十一年二月にスピーキングテストの実施に関する方針を公表し、区市町村教育委員会や中学校、英語教育に係る研究会等に周知を行ってまいりました。
 また、令和元年度のプレテストの実施以降、問題や採点基準、解答例をホームページに掲載をしております。
 令和三年度につきましては、都内全公立中学校での実施に当たり、説明会を四月下旬に区市町村教育委員会に、五月中旬に全中学校を対象にそれぞれ開催し、本事業の目的や実施方法、授業改善に向けた活用方法等について周知をいたしました。
 また、都内公立中学校第三学年の全生徒に、出題内容や、申込みから受験までの流れが分かるリーフレットを配布するとともに、スピーキングテストを模擬体験できる動画をウェブサイト上に掲載するなど、円滑な実施に向けた周知徹底を行ってまいりました。
 さらに、来月、中学校を対象に、テストの結果に基づく学習指導の工夫についての説明会を開催するとともに、全ての生徒、保護者向けに問題の狙いや学習の方法などを説明する資料を作成し、生徒や保護者への理解に向けた取組を行っていくことにしております。

○風間委員 周知をしているというお話でしたけれども、なかなか保護者は、周りに聞いていても、知らない人ばかりということで、さらには、来年度からこれが入試の点数につながってくるということを知ると、皆さん、相当、驚くわけですね。
 そのことも含めて、なぜこのような周知状況でありながら、来年度、その子の人生を左右する入試に反映させるということになるのか、また、来年度、これは絶対やらなきゃならないことなのかということについて確認させてください。

○瀧沢指導推進担当部長 都教育委員会は、話すことを含むコミュニケーション能力を総合的に育成する指導を目指し、都内公立中学校の全英語科教員を対象とした研修や指導資料等により授業改善を支援してきたところでございます。
 令和二年度、各中学校では、英語の授業において、年四回程度、既に話すことの力を評価するテストを実施しております。
 これらの取組により、都の中学生の英語力は国の目標値を上回るなど、一定の効果が現れております。
 今後、中学校での学びを土台として、高校において、生徒が自らの考えや意見を積極的に発信する、使える英語力をさらに伸ばしていく必要がございます。
 こうしたことから、都教育委員会は、義務教育修了段階において、話すことの力を客観的にはかるため、スピーキングテストを実施し、その結果を中学校及び高校における授業改善や都立高校入試に活用することにより、生徒の使える英語力の育成を目指した英語教育を推進してまいります。

○風間委員 今日も報じられていましたけれども、今日の報じられ方では、吃音の子供に対してどのように対応していくのかということも問うていかなければなりませんが、それは、今後の委員会や予算委員会もありますので、そういった場で議論を深めていかなければならないなと思っていますけれども、丸投げでないということ、教育委員会として関与しているということは確認できましたので、この件については終わりにします。
 次に、特別支援教室について伺いますけれども、先ほど特別支援教室に関しての質疑が他会派からもありましたが、特別支援教育の在り方云々については、これまた別の場でしっかりと議論を進めていく必要があるんだろうなと思っていますけれども、確認させていただきたいのは、これまで一人の教員が十人というようなことだったものが十二人になるということで、今回のこの請願では、十人以下にしてくれというものなのだと理解をしています。
 先ほどの他会派とのやり取りを聞いていても、なおもよく分からないのが、一人の教員が十二人を担当する、十人を担当する−−これ、今受けている人たちの不安感という意味で話を聞くと、どうやら自分たちの、利用者というか、子供が受ける特別支援教室での教育が薄まってしまうのではないかというような懸念を抱かれる、そんなことを伺うわけですね。
 そういうことが実際に起こるのかどうかということについて、確認させてください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、小中学校における発達障害のある児童生徒が在籍する学校で指導を受けられるよう、平成二十八年度から、教員が巡回により指導する特別支援教室を導入するとともに、巡回指導教員を支援する専門員の全校配置や、心理士等の全校配置を実施しています。
 また、令和二年度には、特別支援教室の運営や指導の充実につながる助言を行う都の巡回指導も開始いたしました。
 さらに、令和三年度からは、区市町村が在籍学級へのサポート人材を配置する場合に、その費用を補助する事業を開始するとともに、各地区の指導の好事例等をウェブサイトで紹介するなどの取組を行っております。
 こうした取組により、区市町村教育委員会と連携しながら、特別支援教室及び在籍学級での総合的な指導の充実を図ってまいります。

○風間委員 私が聞きたかったのは、薄まってしまうのではないかと感じている保護者たちに対して、そういうことであるのかないのかということを伺いたいんですね。
 それについてはいかがですか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援教室は、令和三年度に小中学校全ての導入が完了いたしましたが、既に小学校の平成二十八年度からノウハウを積み上げ、教材等の開発も進んでいるところでございます。
 そうしたことを踏まえると、引き続き充実した指導が行われるものと考えてございます。

○風間委員 今の答弁でも、なおも疑問は解消されないのですけれども、ノウハウがたまってきたことによって、一人の教員が十人担当してきたところを十二人担当できるんだということなのかなとも捉えることができますが、先ほどのスピーキングテストと同様に、やはり周知がきちんとされないまま、今、利用している子供たちの特別支援教室−−非常に評判がいいところがあるということを認識していますし、であるからこそ、利用希望者も増えているということも認識しています。増えているから教員が対応できないから、一人十二人持つんじゃないかというような邪推されることもあるわけですので、引き続き周知徹底していくということを求めるとともに、これが周知徹底されるまでは、やはり一人十人、現状を維持するということを求めたいなと思います。
 もう一つの請願で書いてあります、運営ガイドラインで一年で切るというふうに捉えられてしまう。先ほどの質疑でもありましたけれども、これ、通常、今までやってきた、特別支援教室を利用してきた児童生徒、一年を超えてやってきた人たち、少しずつ成長してきているということを保護者も実感している中で、来年から一年でばっさり切られてしまうんじゃないかというような、これまた伝わり方をしちゃっているわけですけれども、確認です。
 そういうことではないということでよろしいですか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 指導期間につきましては、原則一年間と定めておりますが、必要な場合は一年間延長し、終了時には、特別支援教室での指導継続を含め検討し、適切に支援することができることとなっております。

○風間委員 確認できましたので、これも表現が独り歩きしているということもあるかと思いますので、この願意を私たちは酌み取りたいなと思っています。
 正しい情報がきちっと伝わっていくように、引き続き周知徹底していくことを求めまして、私からの質問を終えます。

○アオヤギ委員 私からは、まず夜間定時制高校についてお伺いします。
 都立小山台高校と都立立川高校の夜間定時制課程を閉課程にする計画が二〇一六年に決められました。この決定に対して、都教育委員会委員への働きかけや陳情、多くの方々の宣伝などが行われてきました。
 今回の請願とは別に、二〇一九年以降、小山台、立川それぞれ一万筆を超える署名が集まり、都教委に届けられていると思います。
 昨年十月に都教委に届けられた署名は何筆でしたか。

○佐藤教育改革推進担当部長 令和三年十月十四日、第十六回教育委員会定例会で報告した夜間定時制課程の閉課程に関する請願についての署名数は二万九千百九十六筆でございます。

○アオヤギ委員 三万近い、立川、小山台共同の署名が三万弱になっております。この署名を届けた様子が都政新報に掲載されております。
 この活動をライフワークにしていた中心人物の鏡さんという方がおりましたけれども、小山台高校の卒業生で、署名を手渡している写真が掲載されているんですが、残念ながら、鏡さん、十一月二十八日に急逝されました。私と同じ年なんですけれども、本当に残念です。
 鏡さんの願いは、自分の母校、小山台定時制をなくさないでという願いで、鏡さんは、別の取材の記事で、小山台定時制についてこう答えています。
 夜通うとき、下校する全日制の生徒と擦れ違うのがコンプレックスだったけれども、同級生に、四年間通うのはすごいことじゃん、その分、楽しいじゃんといわれ、そうかと思った、一人一人を尊重してくれて、気軽に通える雰囲気があった、今も必要としている人たちがたくさんいるんだと知って、存続への思いが強くなりましたと語られています。
 そんな思いで活動を続けている人がたくさんいるということを、まず受け止めていただきたいというふうに思います。
 毎年のこうした活動、運動があり、都教育委員会は、両校の生徒募集を二〇二二年度も募集されています。多くの関係者をはじめ、学校OBの皆さん、現役高校生、両校の教育実践を評価して、母校をなくさないでほしいという、そういった皆さんの願い、それに共感する都民の願いが結実したものであります。
 小山台定時制高校は、多文化共生の教育を先進的に進めています。
 そこでお伺いしますけれども、夜間定時制高校に通う生徒のうち、外国籍の人数について、全体とその人数をお示しください。

○佐藤教育改革推進担当部長 令和三年五月一日現在の夜間定時制課程の生徒数は二千八百五十二人であり、そのうち外国人生徒数は三百八人でございます。

○アオヤギ委員 今お示しいただいたのは全体の数のみなんですけれども、小山台には、特に多くの生徒、外国籍の方が通われております。
 外国籍で、校内は日本語、タガログ語、ネパール語が飛び交っていると。在留資格も、かなり学校側が把握して、時には、学校の先生たちが大使館にも行って、連絡を取って対応しているということであります。
 小山台定時制高校の多文化共生の取組は高く評価され、文部科学省の研究指定校にもなってきました。文部科学省のホームページに、小山台定時制高校が紹介されていると。
 多文化理解を深める学校教科や、市民科で社会参加という授業で社会保障制度を学ぶ、共に生きるでは、お互いを尊重し合える態度を身につける学習、また、外国につながる生徒や保護者の理解を助けるためにプリントなどにルビ、通訳の派遣協力で多言語の保護者会を実施して、外国につながる生徒のための母語による相談会を月一回実施と、非常に専門性が高い授業を行っています。
 小山台定時制の多文化共生の取組は高く評価されておりますけれども、こうしたノウハウを都教委は生かしていくべきだというふうに私は思います。
 また、立川定時制高校は、違う特色を持つ高校です。私も以前、立川定時制高校に通う方や卒業生からお話を聞いたことがありますけれども、娘さんを通わせていた方は、人見知りだった娘さんは、初め通信制を選んだけれども、立川高校が家から近いということで、行く習慣をつけさせようと立川高校にした、欠席は一日だけだった、もしなくなったら、遠いところに行かなくてはならなくなって、行けなくなってしまうのではといっておられました。
 八王子にあった夜間定時制高校は四つともなくなり、定時制を選ぶ方は、八王子市民の方は立川に行く方が非常に多くなっております。八王子市近隣で働いて学校に行くためにも、あまりに遠いと通えなくなるという実情ですから、八王子市民にとって、立川定時制高校はとても重要な学校だ、なくてはならない学校となっております。
 そこでお伺いします。立川定時制高校と小山台定時制高校の生徒の居住地、住居地はどこの地域が多いでしょうか。多い順に、それぞれお答えください。

○佐藤教育改革推進担当部長 令和三年五月一日現在の立川高校定時制課程在籍者の主な居住地は、人数の多い順に、立川市、八王子市、東大和市、日野市、昭島市、東村山市、小平市、国分寺市、世田谷区、武蔵野市などであり、小山台高校定時制課程につきましては、大田区、品川区、目黒区、港区、新宿区、府中市、武蔵野市、杉並区、江東区、世田谷区、豊島区などとなってございます。

○アオヤギ委員 立川定時制高校では、今回の調査では二番目に多くなっております。かつては一番多い年もありました。八王子市民にとっては、一番交通の便がよいのは、立川駅から近い立川定時制高校であるということだと思いますけれども、ここでもまた多様な学びを保障しています。
 ある八王子市民の生徒は、中学一年生のときに、男性教師とのトラブルをきっかけに不登校になり、男性不信、また教師不信で、ほとんど出席できないまま卒業しました。そんなとき、立川定時制高校を知り、入学し、そのときまで欠席ゼロと。こういった教師不信も残っているんだけれども、この学校は分かるまで教えてくれる、部活も、中学でできなかったから頑張りたいとおっしゃっていました。
 あらゆる環境、条件で暮らす子供たちの学ぶ権利の保障について、いかがお考えでしょうか。こども基本条例に基づいて、引き続き学ぶ権利を保障すべきではないでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 東京都こども基本条例を踏まえ、子供の権利を尊重することは重要でございます。
 都教育委員会は、進学指導重点校やエンカレッジスクール、チャレンジスクールなど、個々の生徒の希望、適性に応じた多様な学校づくりを推進してまいりました。
 引き続き、全ての都立高校において、生徒全員の能力を最大限に伸ばす取組を推進し、真に社会人として自立した人間に育成するよう努めてまいります。

○アオヤギ委員 学び直しという点からも、定時制高校は求められています。チャレンジスクールは、年齢制限こそありませんけれども、制服などもあり、若い方を想定しているというふうに思います。一方、中卒で働き出して大人になった方の学び直しができるのが定時制高校です。
 私の知り合いの方は、女性ですけれども、中学卒業後、地方で就職、結婚して三人の子育てを終えてから、定時制高校に通い、大学の夜間部に行き、卒業しました。もう一度学びたいという方も、かつてよりは減ったかもしれませんけれども、一定数おられると思います。
 また、コロナ禍で、外国人の方の受験が以前よりも減っている可能性もありますけれども、一方、格差と貧困の広がり、小中学校の不登校の子供たちも、過去最多の十九万人に上っていると報道されています。
 定時制高校は、学び直しや不登校、貧困、障害のある方、また、外国籍の方々にきめ細やかな学びを保障し、かけがえのない居場所になっています。
 このような多様な学びを、今、より一層充実させなければならない状況ですけれども、いかがお考えでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 夜間定時制高校では、勤労青少年に加え、学習習慣や生活習慣に課題のある生徒、全日制から転学してきた生徒、外国人の生徒などの学びの場となっております。
 都教育委員会は、引き続き、各学校における個々の生徒の状況に応じたきめ細かい学習指導や生活指導、社会人としての自立を促す教育の充実、改善に向けた支援を行ってまいります。

○アオヤギ委員 昨年の教育委員会では、小山台の多文化共生の教育は、学校全体として体系的に取り組まれている、小山台が取り組んでいる教育活動を継承することは重要である、どのような形でほかの定時制に継承できるかも、具体的な形を示してほしいや、また、外国から来ている保護者が、義務教育を終えた子供を日本に呼び寄せる例が増えてきている、彼らは日本語ができないので仕事にも就けない、調査して都立高校で受け入れる対応をしていく必要があるのではないかと意見が出されているそうです。
 こうしたことも考慮して、立川定時制高校、小山台定時制高校、募集継続すべきではないでしょうか。いかがお考えでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 都立高校改革推進計画においては、都民のニーズの高いチャレンジスクールの新設や、チャレンジスクール及び昼夜間定時制高校の夜間部の規模拡大を行うとともに、その整備の進捗や夜間定時制課程の応募倍率の推移などの状況を考慮し、一部の夜間定時制を閉課程することといたしました。
 なお、令和四年度におきましては、引き続き、小山台高校定時制及び立川高校定時制の生徒募集を行います。

○アオヤギ委員 引き続き募集を行うということですので、都民の意思、そういったものも反映して存続していただきたいと要望して、次の質疑に入ります。
 次に、PCR検査についてです。
 東京都は、昨年八月に、学校で幅広くPCR検査をするキットを補正予算で用意しました。小中学校では、当初は濃厚接触者のみなど、範囲が狭かったわけですけれども、改善され、都立校、小中学校では、修学旅行前後のPCR検査や、一つの集団で陽性者が出た場合、クラス全体に検査ができ、陰性だったら、教育活動を五日間程度で再開できるなど変更されてきました。
 陽性者が出たときのPCR検査をクラス全体にやってよいということで、小中学校と都立校の、そうしたこの事業の実績と検査の陽性者もお示しください。小学校は、配備した区市町村もお答えください。

○小菅地域教育支援部長 感染が判明した場合のPCR検査の実施状況につきまして、区市町村立学校は、昨年九月一日から本年二月六日までに実施した自治体数が六か所、実施校数が七校、実施検査数が百五十二件、そのうち陽性の疑いは五件でございます。
 都立学校では、同期間の実施校数は百十七校、実施検査数が二千八百五十五件、そのうち陽性の疑いは九十三件です。
 また、希望する区市町村には、検査キットを常時五十キット配備してございますけれども、その区市町村数は三十七自治体になります。

○アオヤギ委員 区市町村の検査数を見ますと、非常に少ない状況です。まだ知らない区市町村や、前の通知のままの認識という区市町村が多くあると感じていますけれども、周知をして、手渡しで一回に渡す数も、区市町村の感染状況によって五十キット以上渡すべきではないでしょうか。

○小菅地域教育支援部長 保健所が逼迫した際に使用するPCR検査は、申込みを受けてから配送するまでに日数を要するため、希望なさる自治体には、常時五十キットを配備し、迅速に検査できる体制を整備するとともに、区市町村の求めに応じて学校に配送しております。
 配備するキット数は、一クラス全体をカバーできる、自治体当たり五十キットが適正な数と判断しております。

○アオヤギ委員 今の学校の感染状況、聞いているところによりますと、一つの地区で数十校とか、そういう状況で、そういうクラス数が出ています。そのまま検査しないで待機ということも出てきておりますので、せっかくあるPCR検査キット、そして、陽性者が出たときにできるわけですから、ここは柔軟に渡していただきたいというふうに思います。このままいくと、執行残になる可能性があります。
 現場では、保健所でも医療機関でも検査ができない、学校で発生しても検査ができないということもありますので、あらかじめ大量に渡して、陽性者が出たところには使ってよいと、工夫をしながら仕組みをつくっていただきたいというふうに思います。
 私も、この補正予算の議論では、検査後の陽性となった場合の保健所への届出の簡素化など、事前に保健所と連携していくことを求めてきました。しかし、このシステムでは、第六波までですけれども、陽性になったら、もう一度、医療機関でPCR検査をやるという流れでした。
 国会では、無料の検査場で陽性になった人は、もう一度、医療機関で検査する必要はないとされてきたことが確認されています。それが、先日の都教委の通知では、医療機関の判断でもう一度検査をやらないことがある旨、通知されています。これが現場で徹底されることが望まれています。
 学校のPCR検査も、こういったことで二度手間を防ぐために、医療資源を圧迫しないために、陽性という結果を持っていけば、もう一度検査する必要はない旨、改めて通知して、また、いろんな手段で区市町村に知らせてはいかがでしょうか。

○小菅地域教育支援部長 都立学校の対応につきましては、区市町村教育委員会教育長宛て、令和四年二月二日に、新型コロナウイルス感染症に係る都立学校における臨時休業、出席停止等の学級単位の措置の考え方についての改定及び都立学校におけるPCR検査の実施についての通知によりまして、PCR検査の陽性の結果を医療機関に持っていけば、改めてもう一度検査する必要はない旨、周知してございまして、再度の対応は考えてございません。

○アオヤギ委員 やっぱり現場は混乱していまして、こういった通知だけでは、まだ知らないという自治体も本当に多くあります。今こそ丁寧に知らせて、もうPCR検査、渡すということが大事ではないでしょうか。
 また、今、PCR検査キットが医療機関などでは不足している場面も出てきております。こういったことから、ふだんから定期検査をやるという、そういった方針を持ってPCR検査キットを調達することで、業者も生産をし、そして調達をするということになっていくと思いますけれども、感染拡大時に広げようと思っても、できないというのが、なかなか進まないというのが今の状況だと思いますが、キット不足にならないようにしていただきたいと思います。
 抗原検査の定期検査が始まるのですけれども、これは十二歳未満の教員に対してのみ始まるのですが、まず、子供たちにも、しっかりと感染の把握をしていくということが必要です。
 今現在の学校の状況を見ても、そういった学校内でのPCR検査ということが必要だと思いますけれども、子供たちへの定期検査についてのお考えをお聞かせください。

○小菅地域教育支援部長 公立学校では、都教育委員会のガイドラインなどに基づきまして、手指の消毒やマスクの着用、教室等の換気、健康状態の把握など、基本的な感染症対策を徹底して学校運営を行っております。
 学校において陽性者が判明した場合には、接触者情報を詳細に収集いたしまして、保健所に提供しており、感染の可能性がある対象者に保健所によるPCR検査が実施されます。
 保健所による調査が行われていない場合には、濃厚接触者の候補となる者等をPCR検査の対象としております。
 また、教育活動におけるPCR検査の活用機会を拡大しております。
 子供に対する定期的な検査は考えてございません。

○アオヤギ委員 濃厚接触者の候補とか濃厚接触者を指定するということが、学校の養護教諭なども医療従事者じゃないので、こういったことはすごく煩雑になるんですね。
 ですから、幅広く定期的にやるということをしながら感染拡大防止に努めることが重要だと思いますけれども、今はもう、こういった生産体制がなかったから、キット不足のため、濃厚接触者の検査もされないなどの事例が発生しています。
 抗原検査キットの配布も、今の第六波のさなかで決められたもので、もっと早めに準備しておいて定期検査がされていれば、こういう状況はなかったというふうに思います。
 また、オミクロン株がこれほど日本国内で蔓延してしまったのも、空港検疫が抗原検査だったこと、また、米軍基地の検査なしの入国が一番の原因です。
 こうしたことを踏まえると、無症状の陽性者の把握には、抗原検査ではなくPCR検査が望ましいと思います。
 感染の波が収まってきたときにこそ、この体制をつくっておくことが極めて大事だと申し上げますけれども、PCR検査で定期検査をして、また、プール方式も含めて検討してはどうでしょうか。

○小菅地域教育支援部長 都は、オミクロン株対策といたしまして、厚生労働省のエッセンシャルワーカーを対象とした集中検査の実施を踏まえまして、教職員を対象に、抗原定性検査による週に一度の定期検査を実施しております。即時性が必要なことから、短時間で結果が出る抗原定性検査を活用しておるところでございます。
 抗原定性検査を活用することにより、感染拡大を防止してまいります。

○アオヤギ委員 高齢者施設、障害者施設は、もうこの間ずっと、特養などでは定期検査はPCR検査でやられてきて、感染を把握したり、そういった無症状の方にやられてきました。こういったやり方も学びながら、その期間については改善できることかなというふうに思いますので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 次に、特別支援教室についてお伺いします。
 この陳情の取組は急速に広がって、二か月から二か月半という短期間で、紙の署名が二万筆、ネット署名が二万五千も集まっていると伺っております。
 それだけ多くの保護者や教員、関係者が特別支援教室の教育を大切に思い、教員配置を十二対一にするのではなく、来年度以降も十対一のままにしてほしい、期限を切らずに、子供たちが必要な間は、何年でも特別支援教室で指導を受けられるようにしてほしいと願っているということだと思います。
 私たちも、本会議代表質問や文教委員会で、この問題を繰り返し取り上げてきました。その中で、小池百合子都知事からは、現場や保護者の声を踏まえながら、発達障害のある子供たちに寄り添った支援を行うことで、誰一人取り残さない教育を実現していくとご答弁をいただきました。
 また、教育長から、指導期間は二年で終了というわけではなく、必要な期間、継続できるという旨、ご答弁いただき、また、部長からも、原則の指導期間を一年としたのは、一年間のサイクルで振り返りを行うという趣旨で、退室をせかすものではないというご答弁もいただきました。
 二年を超えた指導継続が可能だということについて、区市町村にも改めて周知徹底を図っているというご説明もいただきました。
 ですから、私たちは、この陳情項目の2の指導期間の問題については大丈夫だ、子供たちが、三年でも四年でも、必要なだけ継続した指導を受けられると理解していました。
 ところが、議会で答弁があったのかもしれないけれども、学校や保護者には、必ずしもその説明が届いていない現状があるとお聞きしております。都教委の皆さんは説明しているといいますが、届いていないんです。私も驚きました。
 なぜそうなっているかというふうに考えると、結局、学校に配布されているのは、特別支援教室運営のガイドラインということなんです。ここにまだ、原則一年、最大二年と明記されていると。ガイドラインという立派に書かれた本の、冊子の中で、延長した場合でも最大二年間という言葉が何回も出てくる。ガイドラインを読むと、原則一年、最大二年というニュアンスしか伝わってこないということなんです。
 基本であるガイドラインを、議会の答弁の趣旨のように訂正すべきではないですか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、令和三年三月に作成した特別支援教室の運営ガイドラインにおいて、原則の指導期間の考え方、必要な場合の指導期間の延長、延長終了時に、特別支援教室での指導継続を含め検討し、適切に支援することなどについて定めています。
 区市町村教育委員会には、ガイドラインに定めている指導期間の考え方を示した資料により、担当者向け説明会などで周知徹底を図っております。

○アオヤギ委員 説明しているということなんですけれども、現場には伝わっていないんです。ガイドラインは届いているけれども、説明の資料は受け取っていないという教員もいます。
 今月初めに伺いましたら、ある区では、原則一年、継続してもあと一年、再入室もありと書かれているとか、別の区では、原則一年間であり、どうしても難しければ継続指導ができると、ガイドラインを基に話があった、また、幾つかの区や市では、最大二年と聞いているという状況でした。
 保護者面談で伝えたら、涙を流していた、どこにいえばいいんですか、親の声を届けたいですとおっしゃっていた、面談で指導期間について保護者に説明しましたが、一年で退室させられた後のことを非常に不安に思っている方がほとんどです、一年の指導で変わるのなら、今までこんなに苦労していませんと、憤りを感じている方もいらっしゃいました、子供たちも、自分たちが輝ける場所として、特別支援教室をよりどころにしている子が多くいますなどの声を寄せてくださいました。
 都教委がいっている、六年間だって在籍できるということが伝わらないと声が上がっていますけれども、分かりやすい保護者向け、教員向けの資料を作って、直接配ったらいかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、保護者などへの説明に活用できるよう、指導期間の考え方を示した資料を作成し、令和三年十月、十一月及び令和四年一月に区市町村教育委員会に配布をしております。

○アオヤギ委員 保護者向けの説明に活用できるようということで配ったのが、これなんですね。(資料を示す)こういう、学校などに配っているこの文言です。これは、昨年秋の区市町村教委へ説明を書面開催でしたときに、やったものと全く同じです。
 この資料は、行政の職員であっても、読み手にはいろんな解釈がされてしまっていたことは、昨年の文教委員会でも申し上げました。
 最近も、これを見た先生から、この資料は、ガイドラインの原則一年、最大二年を強調しているものだとしか思えないとか、指導を継続できるといっても、すごくハードルが高く、例外的な場合に限られるように受け取られると指摘されていました。
 資料を配布して、保護者などに説明しようとなさったことは重要だというふうに思いますけれども、こんなときはこうするんですというような分かりやすいQ&Aを作って、現場に周知していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、令和三年三月に、特別支援教室の入退室の流れや指導目標の設定の考え方などを掲載した特別支援教室の運営ガイドラインを作成し、全ての公立小中学校に配布をしております。
 また、区市町村教育委員会などから問合せがあった場合は、ガイドライン等を踏まえ、具体的内容に対応した回答を行っております。

○アオヤギ委員 そのガイドラインが分かりづらいから、二年までいられないのではないかという不安が広がり、また、区市町村や学校から、保護者にそうした説明がされるという事態になっているんです。
 一月十五日に臨時保護者会を開いて、原則の指導期間は一年だと説明した学校もあるそうです。原則一年と保護者に説明する立場になるのがつらいというお声もいただきました。
 今に及んでも、学校現場や保護者がこのような状況になっていることについて、どのようにお考えでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会はこれまでも、区市町村教育委員会と連携し、保護者などへの周知を図ってまいりました。
 引き続き、継続して理解を図ってまいります。

○アオヤギ委員 引き続きといいますけれども、やはりちゃんと分かりやすく、答弁のとおり、保護者にも分かりやすいものを作っていただかないと、なかなか徹底できないというふうに思います。
 今の状況では、原則一年、最大二年で子供たちを退室させてしまう区市町村や学校が出かねません。ガイドラインの解釈によって対応に違いが出てしまったということのないように、都教委の責任で周知していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 繰り返しになりますが、引き続き、区市町村教育委員会と連携し、保護者への理解を図ってまいります。

○アオヤギ委員 ガイドラインが元でこうした事態になっているわけですから、やはりガイドラインを訂正して、子供に必要な年数だけ在籍できると、はっきり書いていただくことが一番分かりやすいと思います。現場への周知はガイドラインというのなら、そういったことをしていただきたいと思います。
 分かりやすい資料や疑問に答えるQ&Aも作っていただいて、原則一年、最大二年で子供たちが退室してしまう区市町村や学校が出ることのないようにしっかりお願いして、重ねて要望します。
 次に、指導期間について、もう一つお伺いします。
 都教委は、原則一年というのは退室を促すものではないといいながら、通常級で子供たちをサポートする発達障害教育支援員の区市町村への補助について、特別支援教室の退室実績が前年度を上回る場合は補助率が二分の一、下回る場合は四分の一にするとしています。
 これは、子供の退室を促すことにつながるのではありませんか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会は、区市町村による在籍学級でのサポート人材の配置を促進するため、その配置に係る費用の一部を補助する事業を令和三年度から開始いたしました。
 本事業では、児童生徒の障害による困難を改善することを目的に、指導目標の達成状況を考慮した支援を実施しております。
 具体的には、区市町村が在籍学級でのサポート人材を配置する場合に、都の規定に基づき、配置に係る費用の四分の一を補助しております。
 さらに、一定程度、児童生徒の困難さの改善が図られた場合には、四分の一を上乗せして行っております。

○アオヤギ委員 指導目標の達成状況を考慮した補助にしたので、退室実績が前年度を上回ったら補助率を上げる、これはおかしいと思います。
 前の文教委員会でも指摘をしましたが、子供たちが二年を超えて特別支援教室に在籍するのは、指導目標が達成できなかったからではありません。特別支援教室の先生は、そもそも一つの目標が二年も達成できないなどということはないといっておられました。目標が達成できないのではなく、一つの目標を達成しても、次の目標があり、また、年齢に応じた新たな課題が生じてくるから、二年を超えて在籍する必要があるのです。
 例えば、最初、勝ち負けにこだわり、失敗を受けられない子供が、まあ、いいかと気持ちを切り替えることで、指導を通じて学んでいく、次に、仲間集団の中で、相手のことを考えることの大切さを学んでいく、そういうことをしているうちに思春期に差しかかって、自分と他者を比べるようになると、うまくいかない自分とどう向き合うかを身につける、また、合理的配慮を求める力をつけていくという、数年後の成長を見通して指導を行っていくのです。
 退室に対し、補助率アップというインセンティブをつける、しかも、前年度より実績が上がれば補助率がアップというやり方は、子供たちの大切な教育を弱めることにつながりかねません。発達支援教育の支援員の補助率は、どの区市町村に対しても二分の一にすることを強く求めるものです。
 次に、教員の配置基準についてです。
 都教委は、現在、区市町村ごとに児童生徒数十人につき教員一人となっている特別支援教室の教員の配置基準を、来年度から十二対一に引き下げる方針です。
 そのため、東京都全体で、小学校で四百二十八人、中学校で八十一人、合わせて五百人以上もの教員が過員になる。つまり減らされなければならないとしています。大幅な削減です。
 発達障害の子供たちを対象にした特別支援教室は、そもそも五年前に大幅な教員削減が行われてきました。削減前は、子供たちが拠点校に通う通級学級でしたが、学校ごとに十対一の教員の配置基準だったのが、教室になって区市町村ごとに十対一に引き下げられ、その結果、教員数は約三割減になることが文教委員会でも答弁されています。
 その影響について、今回、東京都公立学校情緒障害教育研究会が行った調査報告を見せていただきました。今年度の都内の全公立小中学校特別支援教室の五月一日現在の実態について調査し、回収率は、小学校九九%、中学校九四%とのことです。
 特別支援教室の導入前の二〇一五年度、六年前とも比較をされています。
 それによりますと、まず、先生方の経験年数は、全体として経験の浅い先生の割合が高く、情緒担当が三年目までの先生が全体の半数弱を占めています。
 それから、週の指導時間については、小学校では二時間以下が九割を超えたとされています。中学校も二時間以下が九割以上。特に、一時間の生徒が四割を超えています。六年前は、小学校で七割、中学校では八割近くが四時間以上の指導を受けていましたから、大幅減少です。
 指導形態については、グラフから読み取ると、六年前は、小中とも九割以上が小集団指導と個別指導の両方を受けていました。今年度は、小学校では八割に下がっています。中学校は、個別指導のみの生徒が四割に増加しているという結果です。
 そして、調査から考える課題がまとめられていますけれども、指導時間数の減少については、要因としては、教員数に対する在籍数の増大が考えられるとされています。また、小集団指導については、中核的な課題である社会性を養っていく上で欠かせないのが小集団指導です、しかし、指導時数の減少や巡回指導の影響で、やむなくその機会が減少していますと述べられています。
 つまり、教員に対して子供たちの数が増えたので、指導時間数が減り、その影響で大切な小集団指導が減っていると分析されています。今ですら教員に対する子供たちの数が増えて影響が出ているという、この東京都公立学校情緒障害教育研究会の結果です。
 来年から、それを改悪して十二対一にするという方針ですから、見過ごすわけにはいきません。
 教員を減らすということは、特別支援教室の質や量を引き下げますけれども、その認識はありますか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、特別支援学級及び通常の学級に対して様々な支援策を講じており、総合的に発達障害のある児童生徒への支援を充実させてまいります。

○アオヤギ委員 総合的に充実といいますけれども、都の教育現場のこういった結果からも、時間が減るというふうに書いてあります。
 また、実際、五年前の配置基準引下げで指導時間も短くなり、そのせいで小集団指導が減っていると分析されています。
 さらに、この調査報告では、来年度から教員定数の削減による影響が懸念されますと、都の研究会ですから、非常に控え目ないい方ですけれども、懸念が表明されているのです。
 現在の十対一の配置基準を維持し、しっかりと人員を確保すべきではないでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援教室の教員配置基準につきましては、都教育委員会で、特別支援教室の制度導入を円滑に進めるため、平成二十八年度から暫定的な基準を適用し、導入完了後に見直すこととしてまいりました。
 令和三年度に全ての公立小中学校への特別支援教室の導入が完了したことから、教員配置基準について見直しを行い、今後は、令和四年度から適用する児童生徒十二人に対して教員一人とする新たな基準により教員を配置してまいります。

○アオヤギ委員 平成二十八年、五年前の基準は暫定的だったと述べられておりますけれども、五年前のガイドラインには、十対一が暫定的なものなどとは一言も書いてありません。前回も指摘しましたけれども、都民や保護者に全く説明していないことを五年前から決めていたかのようにいうのはやめていただきたいと思います。
 加えて、今、様々な要因で特別支援教室の教員が欠員状態になる例があるということを聞いています。例えば、特別支援教室の先生が産休に入ったが、代替教員が見つからないこともあるそうです。
 また、ある学校では、通常級の教員が欠員になり、代わりに教員を探したが、どうしても見つからず、特別支援教室の教員が通常級の担任をせざるを得なくなり、その結果、特別支援教室で指導を受ける子供たちの指導時間を、二時間から一時間に減らさざるを得なかったということです。
 そのような現状を把握しているか、伺います。

○浅野人事部長 公立小中学校において教員に欠員が発生した場合は、通常、区市町村教育委員会からの申請を受け、都教育委員会が教員を補充しております。
 仮に、お話しのような事案について区市町村教育委員会から相談を受けた場合は、実態を詳細に把握し、適切に対応していくことになります。
 なお、不測の事態が生じた場合でも、各学校は、グループ指導の方法や時間割を見直すなどの工夫により、子供一人一人に必要な指導を行うようにしております。

○アオヤギ委員 欠員が生じた場合、都教委が補充、適切に対応と、何か都教委が代わりに先生を派遣してくれるようないい方ですけれども、実際は全く違います。
 産休、育休代替にしろ、病休の講師にしろ、実際は、学校で、主に副校長先生が百本、二百本と電話かけをして探し、それでも見つからない状況があることは、私たちはこれまで何回も指摘をしてきました。改善を求めてきました。
 こうした状況の中で、代わりの教員がどうしても見つからず、様々な状況から担任に入れる先生がいなくて、やむを得ず、特別支援教室の先生が通常級の担任に回ったと聞いています。そのしわ寄せが子供に押しつけられているわけで、本来は、学校のせいにするのではなく、欠員には、教育委員会がきちんと代わりの教員を配置すべきです。
 それから、特別支援教室は年度途中の児童生徒が増えていくわけですけれども、それに見合った教員配置がなく、四月当初の教員配置で対応しなければなりません。
 よりきめ細やかな、その子に合った指導を継続できるように、年度途中の増加を見込んで教員を増員すべきですが、いかがでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援教室の教員配置につきましては、通常の学級編制に伴う教員配置と同様に、年度当初の基準日現在における児童生徒数を基に、配置基準により適切に教員を配置しております。
 特別支援教室におきましても、年間を通じて安定した指導ができる体制を維持するため、年度途中に児童生徒数が増減した場合でも、教員の増減は行っておりません。
 なお、国におきましては、いわゆる義務標準法を改正し、平成二十九年度から、通級による指導を担当する教員数の標準につきまして、指導を受ける児童生徒数十三人に対し一人としておりますが、こちらにつきましても、基準日を設けて運用がされているものでございます。

○アオヤギ委員 四月一日というのは、まだクラスに入っていない、そういった方も多くいて、昨年からの継続の数だというふうに思いますけれども、そういった一番少なくなっている時期で配置するべきではないと。しっかり増えていくのに対応していただきたいと思います。
 そして、安定して指導できる体制を維持する、これはどういう意味でしょうか。年度途中に子供が増えたため、一人の教員が十七人、十八人の子供の担当をすることになったり、また、一人当たりの指導時数を減らさなければならない場合もあると聞いています。
 安定しているどころか、子供たちにとっては、全くよくない状況だというふうに思いますけれども、認識をお伺いします。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援教室におきましては、年間を通じて、児童生徒数が増をする場合、あるいは減をする場合がございます。
 年度途中に児童生徒数が増減した場合でも、教員数の増減は行ってございません。

○アオヤギ委員 教員数増を行っていない、そういう答弁ですけれども、安定しているかどうかというふうにお聞きしたのですけれども、お答えはありませんでした。
 現状でも、教員の欠員や年度途中の児童生徒増により、子供たちの指導時間に影響が生じたり、あるいは、指導時間を減らさなければならないために、先生方が過重労働のような状態になったりする場合があります。そうしたときに、教員を全体で五百人も減らす十二対一への配置基準引下げを認めるわけにはいきません。
 五年前の配置基準の引下げにより、子供たち一人当たりの指導時間が減ったことは明らかです。今回も配置基準を引き下げれば、最終的に影響が出るのは子供たちです。
 現場の先生は、十二対一になっても、子供たちに影響が出ないように頑張ってやる、そういうこともいっておられます。しかし、労働条件の悪化は、教育に影響すると思います。先生を犠牲にしてよいはずはありません。
 冒頭にも紹介しましたが、小池都知事は、現場や保護者の声を踏まえながら、発達障害のある子供たちに寄り添った支援を行うことで、誰一人取り残さない教育を実現していくと答弁されました。
 子供たちに寄り添うには、十分な教員配置が必要です。誰一人取り残さないために、その子供に必要な指導時間を保障し、制限を設けるべきではありません。
 そして、現場や保護者の声を踏まえながらというのならば、今日の四万筆の署名のついた陳情を聞いていただきたいと強く訴えたいと思います。
 陳情の採択を主張して、質疑を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、請願三第四三号の一の採決をいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立少数と認めます。よって、請願三第四三号の一は不採択と決定いたしました。
 次に、請願三第四五号をお諮りいたします。
 本件中、第四項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、請願三第四五号中、第四項は趣旨採択と決定いたしました。
 次に、陳情三第一〇九号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三第一〇九号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情三第一一〇号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三第一一〇号は不採択と決定いたしました。

○白戸委員長 次に、陳情三第一一七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○小菅地域教育支援部長 陳情三第一一七号、児童・生徒が安心して受けられる学校健診の実現に関する陳情についてご説明申し上げます。
 請願・陳情審査説明表の一七ページをご覧願います。
 本陳情は、港区の安心できる学校健診を考える会代表、高田愛子さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというもので、まず、1、児童生徒に着衣での内科検診を求める権利があることを周知すること及び2、児童生徒に胸を見せる内科検診の拒否ができることを周知することでございます。
 これに対する現在の状況でございますが、東京都の学校健診における内科検診では、診察や心電図検査等については、全ての校種、学年で男女別の実施をしており、事前に本人等の意向を踏まえた上で、診察に支障の出ない範囲で着衣のまま実施しております。
 また、同性の間でも、衣服を脱ぐことに抵抗を感じる場合が想定されるため、本人等の意向を踏まえた上で、養護教諭は学校医と相談しつつ、個別に受診方法の工夫を行うなどの対応を取っております。
 次に、3、学校健診における児童生徒の所感調査及び対応状況の情報共有を行うことでございます。
 これに対する現在の状況でございますが、学校健診を実施するに当たっては、児童生徒等の心情への配慮と正確な検査、診察の実施を可能にするため、学校と学校医の十分な連携の下、脱衣を含む実施方法について共通認識を持ち、必要に応じて事前に児童生徒等の意向を踏まえた上で、保護者の理解を得るなど、円滑な健康診断実施のための環境整備に努めております。
 次に、4、女性医師の学校健診への参画を推進することでございます。
 現在の状況でございますが、都内公立学校では、地元の医師会等の協力を得て学校医を確保しております。
 健康診断に当たっては、学校医の性別にかかわらず、事前に健診の方法や役割分担、物や人の配置、対応について十分な打合せを行い、実施しております。
 同性の間でも、衣服を脱ぐことに抵抗を感じる場合が想定されるため、本人等の意向を踏まえた上で、養護教諭は学校医と相談しつつ、個別に実施するなどの対応を取っております。
 具体的には、都立学校での健康診断において、女子生徒の心電図検査の際に、女性職員が行うことですとか、検査実施中は上半身をタオルなどで覆うなどの配慮を行うこと、男子生徒の場合でも、裸になることに抵抗を感じる生徒には配慮することなどを定め、適切に実施しております。
 区市町村立学校におきましても、男性の学校医が診察する場合には、女性の養護教諭が同席するなどの配慮をしております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○龍円委員 児童・生徒が安心して受けられる学校健診の実現に関する陳情について質問させていただきます。
 この陳情者の高田さんから、都民ファーストの会の文教委員会のメンバー全員にメールが届きました。このメールを読んだ上で、都民ファーストの会の全議員と、この件について協議しました。多くの女性議員を中心に、この陳情の趣旨に賛同するというふうな声も上がったところです。
 私自身、自分の子供の頃の学校の健康診断について思い出してみますと、小学校の中学年頃まで、クラス全員が上半身裸で、パンツ一枚の姿で一列に並んだような記憶が、うっすらとなんですけれども思い出されまして、それがとても恥ずかしかったのを思い出しました。確かに、もっと配慮があってもよかったのかなというふうに思います。
 もし、現在もそういった内容の健康診断が行われている学校があるのだとすれば、改善をする必要があるだろうという認識を持ったところです。
 そこで、まず初めに、都内の公立学校では、現在どのような健診が実施されているのか、伺います。

○小菅地域教育支援部長 都内公立学校の児童生徒の健康診断は、学校教育法及び学校保健安全法に基づいて行われます。
 学校保健安全法では、学校における児童生徒等の健康の増進を図るため、学校における保健管理について定めており、学校における健康診断は、その中核に位置するものでございます。
 学校健診は、文部科学省監修の下、日本学校保健会が発行している児童生徒等の健康診断マニュアルや、令和三年三月二十六日、文部科学省通知、児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点についてに基づきまして、各学校が実施しております。

○龍円委員 去年の三月に、文科省から、健康診断で脱衣を伴う場合の検査をするときの留意点が記された通知があったとのことで、それを都教委としても都内の全ての公立学校に周知したとのことです。
 では、この文科省の通知も踏まえて、都内の公立学校における学校健診においてどのような配慮をしているのか、お伺いいたします。

○小菅地域教育支援部長 学校健診においては、診察や検査等に支障のない範囲で、発達段階に合わせた児童生徒等のプライバシーの保護に十分な配慮を行っております。
 保健室などの検査会場では、待機する人数を最小限にするなど、診察の場面だけでなく、検査を待つ間もプライバシーの保護に配慮した環境づくりに努めております。
 検査の際には、個別の診察スペースの確保や、実情に応じて、学校医と記録係や補助係の教職員を数人体制にするなどの配慮をしております。
 さらに、検査時の服装については、事前に学校医と教職員が共通認識を図り、児童生徒は検査を受けやすい服装で実施しております。

○龍円委員 プライバシーの保護に十分な配慮を行うこと、検査を待つ間もプライバシー保護に配慮した環境づくり、個別の診療スペースの確保などが行われていることが分かりました。
 この通知は去年三月に出されたということだったので、陳情された高田さんや、高田さんが実施したアンケートに回答した方々が学校に通っていた頃は、この通知がまだ行っていなかったことが考えられ、高田さんがおっしゃるとおりに、学校によっては、もしかすると、昔ながらの配慮に欠いた健康診断の運用がされていたところがあったのかもしれません。
 もっと早くこのような配慮を促す通知があってもよかったのかなと思いますが、ここに示された配慮が学校で確実にしっかりと守られることが重要です。
 東京都ではこども基本条例が施行されまして、都は、子供を権利の主体として尊重し、子供が社会の一員として意見を表明することができ、かつ、その意見が施策に適切に反映されるよう環境の整備を図るものとすることが定められています。
 子供は、自身の意に反して、裸にさせられたり、裸を他人から見られるべきではありません。そして、子供自身が、自分には自分の体について決定する権利があることを知ることは、長い人生を考えますと、セクシュアルライツやセクシュアルヘルスの意識を育てる重要な役割を果たすはずなので、とても重要なことです。
 学校健診の際、児童生徒がほかの児童生徒に裸を見られない配慮を徹底しているのか、そして、子供自身の意向を学校側に伝えて、着衣のまま健診を受けることができるのか、お伺いいたします。

○小菅地域教育支援部長 診察や心電図検査等につきましては、全ての校種、学年で男女別の実施としておりまして、事前に本人や保護者の意向を踏まえた上で、診察等に支障のない範囲で着衣のまま実施しております。
 診察の場面におきましては、つい立てやカーテンなどを用意いたしまして、個別の診察スペースを確保しております。
 特に配慮が必要な児童生徒等に対しましては、検査の時間をほかの児童生徒とずらすなど、個別に対応しております。

○龍円委員 裸を見られないような配慮を徹底していることと、本人の意向も踏まえるとの回答がありました。
 ぜひ都教委では、改めて、子供の権利という観点から、子供が健康診断の際に自身の意向を表現していいのだと伝える取組を実施していただきたいです。
 学校の健康診断で傷つくのは、女子だけということではありません。当然、男子の中にも不安や不快を感じる児童生徒がいると思います。また、性自認について悩んでいらっしゃる場合は、それこそ生涯忘れられないような苦い経験になることもあります。身体的なハンディがあるお子さん、そして成長に違いがあるお子さんもそうかもしれません。
 配慮が必要な児童生徒については、検査の時間をずらしたり、個別対応することも示されました。それはそれでとてもいいことなんですが、配慮が必要な児童生徒の中には、学校側がそのことを把握していない、気がつけていないお子さんがいると思うんです。対応から抜け落ちてしまうお子さんがいることが想像されます。
 ですので、何よりも重要なのは、児童生徒ご自身が個別の配慮を求めなくても、全ての児童生徒がプライバシーの配慮が徹底されていること、そして、裸を見せないとならない場面は、児童生徒本人に事前に説明しておくことや、それに対して嫌だと意見表明することができて、それに対して、何で嫌なのかと説明を求めることは、より傷つけてしまうことがある可能性もあることから、なぜ嫌なのかについて説明する必要がないことを知らせておく必要があります。
 都民ファーストの会では、子供たちの性と体と心の健康を守り育てるユースクリニックの取組を進めるよう要望したところです。
 子供たちのセクシュアルヘルスを育て、セクシュアルライツについて知ることは、長い人生においては、自身を大切にし、他者を尊重することができるようになる、とても重要な取組です。
 文科省の通知だけにとどまらず、こういった考え方に基づいて、改めて都内の学校現場で、しっかりとした考え方を基に、健康診断において配慮が行き届くよう取り組まれるよう要望します。ありがとうございました。

○とや委員 私からも、児童・生徒が安心して受けられる学校健診の実現に関する陳情について伺っていきたいと思います。
 この陳情の願意は、児童生徒に着衣での内科検診を求める権利があることを周知してほしい、胸を見せる内科検診の拒否ができることを周知してほしい、そして、学校における健診の在り方に関わり、生徒の意思の尊重を求めるものだと理解しました。
 そこでまず、児童生徒の健診の目的について伺おうと思ったのですが、先ほど、どのように健診が行われているのかという質問に対して、児童生徒等の健康診断は、学校教育法及び学校保健安全法に基づいて行われるものだ、そして、その学校保健安全法では、学校における児童生徒等の健康の増進を図るため、学校における保健管理について定めており、学校における健康診断は、この中核に位置するというふうにお答えいただいておりましたので、質問は割愛します。
 私からは、毎年、児童生徒の健康の増進を図るために保健管理をするというふうになっているわけですが、お話を聞きますと、現在、六月三十日までに健康診断の機会を提供する義務が学校にはあるということですが、児童生徒は必ず健康診断を受けなければならないということではないわけです。
 児童生徒に健康管理をちゃんとしていく、その責任は学校にあります。問題は、どのように健康管理をするかということだと思います。健康診断をして、いろんな嫌な思いをして具合が悪くなってしまっては本末転倒だと思います。
 陳情者が、この陳情の願意、理由の中にも書いてありますアンケート調査を行ったということですが、内科検診で医師に胸を見せる経験をした人の六三%が現在もトラウマを抱えている、回答者のうち九七%は二十代以上の成人で、長きにわたり心の傷を与えていることが浮き彫りになったというふうにありました。
 このアンケートを拝見させていただきまして、五百人からの人たちが、昨年十二月から今年一月の短い期間にたくさん声を寄せています。
 例えば、上半身裸で保健室の前の廊下で並ぶことが今回あって、帰宅後、泣いてしまった、小学校から中学校卒業まで、上半身裸で健診を受けさせられた、今でも思い出すと苦しくなると。
 保護者の方からも来ています。これは男性ですね。息子はアトピーがひどく、六年生のとき、内科検診でみんなの前で肌をさらすことをとても嫌がり、休んだことがありました、性別にかかわらず、強制的にクラスの人の前で肌をさらさなければいけない状況はない方がいいというふうなアンケートが寄せられています。
 実は、この中に、現役、九歳の女性からも答えがありました。大人の健診のように下着を着ることや、服を脱がすことのない健診が受けられるようになってほしい、このようなアンケートもありました。
 まだまだいっぱいあるのですけれども、男性の医師に、大分胸が大きくなったといいながら、指で胸を数回押さえられたこともある、こうしたアンケートも寄せられていました。
 小学生から、五十代、六十代になってもトラウマを抱えている人たちもいて、内科検診は裸でやるのが当たり前だというふうにいわれてきたわけですが、こうした下で、様々な人たちから声が上がって、文科省の通知が出ていると思います。
 この文科省の通知ですが、都教委としてどのように受け止め、対応しているのか、具体的に示してください。

○小菅地域教育支援部長 ご指摘のありました令和三年三月二十六日付の文部科学省通知、児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点についてを、都は、当日収受し、同日付で区市町村教育委員会に、また、三月三十一日付で都立学校に宛てて通知をいたしました。
 都教育委員会としましては、学校における健康診断の実施に当たっては、児童生徒等のプライバシーの保護や男女差等への配慮を行い、児童生徒の心情も考慮して実施することが必要と認識しております。
 また、学校と学校医の十分な連携の下、実施方法について共通認識を持ち、必要に応じて事前に児童生徒等の意向を踏まえた上で、保護者の理解を得るなど、円滑な健康診断を実施するための環境整備が必要と考えております。
 具体的には、診察や心電図検査等につきましては、全ての校種、学年で男女別の実施としており、また、事前に本人等の意向を踏まえた上で、診察に支障のない範囲で着衣のまま実施しております。

○とや委員 児童生徒等の心情にも考慮して実施することが重要だとお考えになっているという重要なご答弁をいただきました。この立場を、ちゃんとやっぱり堅持していただきたいなと思っています。
 今ご答弁の中で、必要に応じて事前に児童生徒等の意向を踏まえるというふうにおっしゃいましたが、必要に応じてとはどういうことなのか、また、児童生徒の意向を踏まえてといいますけれども、児童生徒の意向の確認方法はどういうふうにしているのか、また、実際に健診を拒否したり、下着をつけたままや、本人の意向に沿って着衣で健診を行っている学校はちゃんとあるのか、確かめているのか、小中学校、高校、それぞれお答えください。

○小菅地域教育支援部長 まず最初に、先ほどの答弁の中での必要に応じてにつきましては、児童生徒、保護者から健診に対する要望があると考えられる場合を想定してございます。
 また、学校健診に関しまして、児童生徒、保護者の意向は保健調査票などで事前に確認しておりまして、健診に対する要望がある場合には、その状況に応じて個別に対応しております。
 個別に学校に聞き取りを行ったところ、小学校、中学校、高等学校におきまして、児童生徒が衣服を脱ぐことが困難な場合には、診察に支障のない範囲で着衣のまま実施しております。

○とや委員 児童生徒や保護者から健診に対する要望があったり、あるいは意向の確認を保健調査票であったりということでありますが、この答弁を聞きますと、生徒や保護者からの申出によって対応するということになっています。
 一方、文科省からの通知もあって、時代の要請もあって、学校が改善されているということも今ご答弁いただいたわけですが、いまだに大人のように着衣のままで健診を求める声が小学生から出ているわけですから、例えば、健診時期が近づいたときの学校長会とか、副校長会とか、学務課長会とか、学校関係者が集まる際にぜひ徹底していただきたい、これは求めておきます。
 陳情理由にもありますが、小中学校での健診によって、多くの人たちがトラウマを抱えたり、フラッシュバックがあるという方々がいらっしゃるわけですが、こうした事例があることを都教委はご存じでしょうか。

○小菅地域教育支援部長 都教育委員会は、長期間にわたる深刻なトラウマの実情については把握してはございません。
 学校における健康診断の実施に当たりましては、児童生徒等のプライバシーの保護や男女差等への配慮を行い、児童生徒等の心情も考慮して実施することが必要と考えております。
 都教育委員会は、各学校や区市町村教育委員会に、令和三年三月二十六日、文部科学省通知等によりまして、学校健診が適切に実施されるよう促しているところでございます。

○とや委員 長期間にわたってのトラウマとかフラッシュバックがあるということは、なかなかつかむのは難しいかもしれない。だけれども、その状態があるんだということが把握された場合は、ぜひ個別に学校健診における配慮等を行っていただきたいというふうに思います。
 トラウマを抱えたり、フラッシュバックがある方というのは、過去の経験から来るもので、実際、先ほど紹介したアンケートでも、二十代から六十代、七十代の方もいらっしゃいました。
 都教委だけで、これにどう対応するかというのは難しいかと思いますけれども、関係各局と連携を取っていただいて、東京都全体で、こうした人権に関わる問題ですので、取り組んでいただきたいと思います。
 もう一つお聞きしておきたいのが、具体的な健診についてなんですが、公立学校の健診に携わる女性医師、そして男性医師の割合はどうなっているのか、お答えください。

○谷都立学校教育部長 都内公立学校では、地元の医師会等のご協力をいただき、学校医を確保しております。
 令和三年十月時点で、都立学校における学校健診に従事する内科の学校医の割合は、女性医師が一三%、男性医師が八七%でございます。

○とや委員 男女の比率のアンバランスがいまだに存在しているわけです。こうした現状を見ても、嫌な経験を児童生徒にさせないという工夫をしていただくことが必要です。そのため、文科省の通知を生かした健診をこれからも追求していただきたいと思います。
 陳情者の方からもいわれているのですが、改めて健診のやり方について検討するために、児童や生徒などにぜひアンケートを取ってもらいたいということですが、また、各学校の健診の実施状況についてもきちんと調査をした上で、事実に基づいた検討が今後必要になってくると思うのですが、いかがでしょうか。

○谷都立学校教育部長 現在、学校健診は、診察や検査等に支障のない範囲で、発達段階に合わせた児童生徒等のプライバシーの保護に十分な配慮を行っており、また、事前に児童生徒等の意向を踏まえた上で健診を実施することになっておりますことからも、調査することは考えておりません。

○とや委員 調査することを考えていないと切り捨てるのじゃなくて、やっぱり、実際どうなっているのか、本当に子供たちが傷ついていないのか、健診はどうやって行われているのかと、事実をきちんと調べようじゃないかという検討ぐらいするべきですよ。申し上げておきます。
 そして、通知がとにかく、そもそも出されたのが昨年の三月で、まだ一年たっていないわけですから、通知がちゃんと生かされていない学校があるんじゃないかというふうに思いますので、ぜひ調査をして、人権を守る立場で健診を行っていただきたいと思います。
 そして、日頃からの教育に、自分の体のことをちゃんと知って、権利についても学ぶことが重要と考えます。
 児童生徒が、自分の体に誰がどこにどのように触れることができるのか決める権利を持っていることを、教育現場でも学ぶ機会を持つことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 各学校においては、自分の大切さとともに、ほかの人の大切さを認めることができるよう、児童生徒の発達の段階に応じて、各教科、道徳及び特別活動など、教科等横断的に指導をしております。
 具体的には、日常の生活指導の場面のほか、水泳の授業や、宿泊的行事の事前指導などで、プライベートゾーンの扱いについて、必要に応じて指導をしております。

○とや委員 誰が自分の体にどこにどのように触れることができるのか決定権を持っているかというこの教育は、国際セクシュアリティ教育ガイダンスから来るものです。
 国際セクシュアリティ教育ガイダンスで提唱された包括的性教育は、科学的な根拠に基づき、人権、ジェンダーの視点に立って、子供、若者の発達、年齢に適した知識、態度、スキル、これらの獲得を可能にする教育内容が示されています。
 同意、プライバシー、体の保全では、さっきもいいましたが、五歳から八歳で、誰もが自分の体に誰がどこにどのように触れることができるのかを決める権利を持っていることを学習し、不快と感じたときに、信頼できる大人に相談するスキルも習得するわけです。
 公立学校でも、こうした視点での教育を導入すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○瀧沢指導推進担当部長 ご指摘のございましたガイダンスは、様々な文化、社会、宗教などを背景とした諸外国における性教育の状況等について紹介されているというふうに認識しております。
 日本の学校におきましては、学習指導要領の内容を踏まえ、教育活動全体で、生命を大切にする考えや相手を思いやる態度などを育むとともに、危険を回避する能力、SOSを出す力などを身につけるようにしております。

○とや委員 学習指導要領にないから学べないということはないはずです。子供たちにとって、世界水準の教育、特に性教育は本当に大事だと思っています。ぜひ取り入れていただくよう求めて、この陳情については趣旨採択ということで質問を終わります。ありがとうございました。

○風間委員 質問の最後になりますけれども、ほかの会派からの質問で、伺いたいことはおおむね確認できましたので、確認ですけれども、文科省の通知が去年の三月にあって、一年もない。その後に行われた内科検診等は、恐らく一回程度だということから考えると、都内の公立学校で行われた内科検診が、本当にこの通知どおり行われたのかどうかということについて、都の教育委員会としては、ちゃんとこの通知どおり行われたんだといい切れる状況なのかどうか、教えてください。

○小菅地域教育支援部長 学校健診は、文部科学省監修の下、日本学校保健会が発行している児童生徒等の健康診断マニュアルや、令和三年三月二十六日、文部科学省通知、児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点に基づき、各学校におきまして適切に行うものということでございますので、調査することは考えてございません。

○風間委員 私は今、調査してくださいとも求めていませんし、行われているといい切れるのかといったことに対して、求めているというような答弁でしたので、求めているだけで、本当に行われているのかどうかというのが、今の答弁だと全く分かりませんし、恐らく、答弁から推測するに、行われていない学校もあるんだろうなと思ってしまうわけですね。
 今、ほかの会派からも話がありましたように、これ、きちんと人権の観点からも徹底されるということが重要なんだと思いますので、繰り返しませんけれども、徹底するように、今度の新年度になったら、また健診があると思いますので、徹底をさらにしっかりと行ってもらいますように要望しておきます。
 また、男性と女性医師の問題も質問を用意しておりましたけれども、比率、都立高校に関してはお話がありました。
 私の地元の近隣小中学校全て、学校健診医は男性です。やっぱりそのことからも、比率としては男性が高いんだろうなと思いますけれども、子供たちが女性、男性を選べるという状況にまで持っていくのは難しいかもしれませんが、養護教諭が立ち会うというような配慮も行っているという話もありましたので、なるべくそういった、女性の医師を希望する子供には、そういった環境が提供できるように今後工夫していくことを求めまして、以上で質問を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三第一一七号は趣旨採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で教育庁関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会します。
   午後七時十七分散会

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