文教委員会速記録第十五号

令和三年十一月二十六日(金曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長白戸 太朗君
副委員長斉藤やすひろ君
副委員長ほっち易隆君
理事内山 真吾君
理事風間ゆたか君
理事とや英津子君
もり  愛君
竹平ちはる君
土屋 みわ君
龍円あいり君
斉藤 りえ君
アオヤギ有希子君
清水 孝治君
谷村 孝彦君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長武市 玲子君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
古屋 留美君
広報広聴部長久故 雅幸君
都民生活部長馬神 祥子君
消費生活部長工藤 穣治君
私学部長戸谷 泰之君
文化振興部長蜂谷 典子君
都民活躍支援担当部長小野 由紀君
男女平等参画担当部長赤羽 朋子君
文化総合調整担当部長片岡 容子君
文化施設改革担当部長石井 浩二君
オリンピック・パラリンピック準備局局長延與  桂君
次長小池  潔君
理事総務部長事務取扱渡邉 知秀君
計画推進部長競技・渉外担当部長兼務川瀬 航司君
教育庁教育長藤田 裕司君
次長福崎 宏志君
教育監増田 正弘君
技監矢内真理子君
総務部長安部 典子君
都立学校教育部長谷 理恵子君
地域教育支援部長小菅 政治君
指導部長藤井 大輔君
人事部長浅野 直樹君
福利厚生部長田中 宏治君
教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
稲葉  薫君
特別支援教育推進担当部長滝沢  毅君
指導推進担当部長瀧沢 佳宏君
人事企画担当部長黒田 則明君

本日の会議に付した事件
オリンピック・パラリンピック準備局関係
陳情の審査
(1)三第五三号 原爆暦七十七年八、九月に開催のパラリンピックを返上・即時中止することに関する陳情
教育庁関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
・都立光明学園(三)南棟改築工事請負契約
・杉並区学校教育職員の教育管理職(副校長)任用審査に係る事務の受託について
・東京都立学校における柔道事故に伴う損害賠償の額の決定について
報告事項
・「東京の特別支援教育の充実に向けて 東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画(素案)」について(説明)
・学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について(説明・質疑)
生活文化局関係
事務事業について(質疑)

○白戸委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局関係の事務事業に対する質疑、教育庁関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び報告事項の聴取並びにオリンピック・パラリンピック準備局関係の陳情の審査を行います。
 なお、本日は、給与関係の報告事項については、説明聴取の後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をするにとどめ、質疑は会期中の委員会で行います。ご了承願います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 陳情の審査を行います。
 陳情三第五三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○川瀬計画推進部長競技・渉外担当部長兼務 それでは、お手元の陳情審査説明表をご覧ください。
 二枚おめくりいただき、右肩に整理番号1とあります資料をお開き願います。
 陳情三第五三号、原爆暦七十七年八、九月に開催のパラリンピックを返上・即時中止することに関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、東京都西東京市の植田魅具さんから提出されたものでございます。
 本陳情の要旨は、都議会として、東京都、日本国政府、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会等の関係機関のうち、都議会として意見等ができるところに対し、原爆暦七十七年に東京パラリンピックの開催を返上、即時中止するように意見書等を提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、原子力災害対策特別措置法第十五条に規定する原子力緊急事態宣言につきましては、同条第二項により、緊急事態応急対策を実施すべき区域を公示することとなっておりますところ、同区域には東京二〇二〇パラリンピック競技大会の会場が所在する区域は含まれておりません。
 東京二〇二〇パラリンピック競技大会の新型コロナ対策につきましては、安全・安心な大会を実現するため、国、組織委員会と一体となって、大会関係者の入国における水際対策、入国後の定期的な検査、行動管理、健康管理など感染防止対策を徹底いたしました。
 東京二〇二〇パラリンピック競技大会は、二〇二一年八月二十四日から九月五日にかけて開催され、こうした取組の結果、専門家からは大会は安全に行われたとの評価がございました。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○白戸委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三第五三号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○白戸委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○藤田教育長 令和三年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております教育庁所管の案件は、条例案二件、契約案一件、事件案二件の計五件でございます。このうち文教委員会に付託される予定のものは、条例案一件、契約案一件、事件案二件でございます。
 それでは、付託予定の案件につきましてご説明を申し上げます。
 初めに、条例案についてでございます。
 都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例でございまして、新たに休暇制度を設けますとともに、報酬の取扱いを改めるものでございます。
 次に、契約案についてでございます。
 都立光明学園(三)南棟改築工事請負契約でございまして、老朽化した校舎棟などの改築工事を行うものでございます。
 次に、事件案についてでございます。
 杉並区学校教育職員の教育管理職(副校長)任用審査に係る事務の受託について外一件でございまして、地方自治法の規定に基づき提出するものでございます。
 以上が教育庁関係の本委員会に付託される予定の案件の概要でございます。
 詳細につきましては、この後、総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○安部総務部長 それでは、私から、今定例会に提出を予定しております案件のうち、本委員会に付託される予定の条例案一件、契約案一件及び事件案二件についてご説明申し上げます。
 まず、条例案についてご説明いたします。
 お手元の資料、令和三年第四回東京都議会定例会議案(条例)に基づきご説明させていただきます。
 六ページをお開き願います。都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 少し飛びますが、一一ページをご覧ください。このページに本条例の概要を記載してございます。
 妊娠、出産及び育児と仕事の両立を支援するため、新たに出産支援休暇及び育児参加休暇を設けるとともに、妊娠出産休暇の報酬の取扱いを無給から有給に見直すものでございます。
 施行日は、令和四年一月一日としております。
 以上で条例案の説明を終わります。
 次に、契約案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和三年第四回東京都議会定例会議案(契約)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 今回提出を予定しております契約案は一件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。都立光明学園(三)南棟改築工事請負契約でございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二十三億三千七百五十万円、契約の相手方は、東京都西東京市谷戸町三丁目十七番六号、菊池建設株式会社でございます。
 工期は、契約確定の日の翌日から令和六年二月二十九日まででございます。
 三ページから六ページにかけまして案内図、配置図、各階平面図を、七ページに契約議案の概要を記載してございます。
 以上で契約案のご説明を終わります。
 次に、事件案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、令和三年第四回東京都議会定例会議案(事件)の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。
 今回提出を予定しております事件案は二件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。杉並区学校教育職員の教育管理職(副校長)任用審査に係る事務の受託についてでございます。
 杉並区から、杉並区学校教育職員の教育管理職の任用審査に係る事務を受託するため、地方自治法第二百五十二条の十四第一項の規定に基づき、都と杉並区とが協議により、委託事務の範囲、経費の負担、収入の帰属など、二ページ及び三ページに記載のございます規約を定めるものでございます。
 次に、四ページをご覧ください。東京都立学校における柔道事故に伴う損害賠償の額の決定についてでございます。
 平成二十九年十月二十八日、東京都立青井高等学校柔道場において、同校外三校の柔道部が合同練習を行っていた際、顧問教諭の過失により、生徒に中心性頸髄損傷を負わせたことによる損害につきまして賠償を行うものでございます。
 損害賠償額は四千百三十五万九千五百五十五円、相手方は東京都足立区青井三丁目十七番、佐藤理奈さんでございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○白戸委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取します。
 初めに、「東京の特別支援教育の充実に向けて 東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画(素案)」についての報告を聴取します。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 昨日、十一月二十五日に、都教育委員会が公表いたしました「東京の特別支援教育の充実に向けて 東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画(素案)」につきましてご報告申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の文教委員会資料(報告事項)の一ページをお開き願います。まず第1の、都における特別支援教育の歩みでございます。
 都教育委員会では、平成十六年十一月に東京都特別支援教育推進計画を策定し、その期間中、三次にわたり実施計画を策定してまいりました。その後、障害者権利条約の発効等を踏まえて、平成二十九年二月に、次の長期計画である東京都特別支援教育推進計画(第二期)を策定いたしました。
 推進計画(第二期)では、共生社会の実現に向けた基本理念を掲げ、四つの施策の方向性を明らかにしております。
 現在、推進計画(第二期)と同時に策定した、今年度までを計画期間とする第一次実施計画に基づき、具体的な各事業を推進しているところでございます。
 その下、第2では、これからの特別支援教育の推進の考え方等を示してございます。
 東京都を取り巻く状況の変化といたしまして、国においては、学習指導要領の改訂や中教審の答申、GIGAスクール構想の進展、都においては、未来の東京戦略や教育施策大綱の策定などの動きがございました。
 ページをおめくりいただき、二ページをご覧願います。こうした動きも踏まえまして、2として、特別支援教育の推進の考え方を示しております。
 一点目が、第一次実施計画の成果を踏まえ、さらなる充実に向け、これまでの取組を一層推進していくこと。二点目が、在籍者数の推計を踏まえ、特別支援学校の規模と配置の適正化等を着実に推進していくこと。三点目が、社会状況の変化等に対応するために、インクルーシブな教育の推進、医療的ケア児への支援の充実、デジタルを活用した教育の推進の三つの施策につきまして、重点的に対応していくことでございます。
 これらの取組により、全ての学びの場における特別支援教育を充実させ、障害のある子供たち一人一人の能力を最大限に伸ばし、それぞれの状況に応じた自立や社会参加を促進することで、共に学び支え合う共生社会、インクルーシブシティ東京の実現を目指してまいります。
 続く3が、第二次実施計画の策定でございます。先ほど申し上げましたとおり、現在の第一次実施計画の計画期間が今年度までであることから、今年度中に、令和四年度から令和六年度までを計画期間とする第二次実施計画を策定する予定でございます。
 今回は、これからの特別支援教育の推進の考え方と、それを踏まえた個別事業を素案として取りまとめたところでございます。
 続いて、4、国、都、区市町村が一体となった特別支援教育の推進でございます。
 引き続き、適切な役割分担と連携により、特別支援教育の充実に向けた施策を推進していくことを示しております。
 ページをおめくりいただき、三ページをご覧願います。5、特別支援教育の推進の全体像でございます。
 こちらが、推進計画(第二期)の四つの方向性に沿った特別支援教育の推進の全体像でございまして、特別支援学校だけではなく、小中学校や高等学校などを対象に、今後、具体的な事業を体系的に展開してまいります。
 ページをおめくりいただき、四ページをご覧願います。ここからは、特別支援教育を推進するための主な個別事業案をまとめてございます。
 この四ページは、特別支援学校における特別支援教育の充実に関する事業案でございます。
 まず、上段の主体的、積極的な社会参画に向けた個に応じた指導、支援の充実では、全ての障害者における個別指導計画の評価の活用による教育課程の充実、右側に移りまして、障害種別ごとの進路指導の充実などに取り組んでまいります。
 次に、左下の多様な教育ニーズに応える特色ある学校づくりの推進といたしまして、今後も知的障害特別支援学校の在籍者数の増加が見込まれますことから、引き続き、学校の新設や増改築などにより教育環境の整備を図ってまいります。
 また、これまで四校に設置してまいりました職能開発科を、第二次実施計画期間中に新たに三校へ設置し、生徒の企業就労を促進いたします。
 続いて、右側の質の高い教育を支える教育環境の整備、充実では、医療的ケア児への支援の充実として、肢体不自由特別支援学校で運行している専用通学車両でケアを行う看護師の確保を進めるとともに、肢体不自由以外の特別支援学校での運行を見据え、検討してまいります。
 また、入学後の保護者付添い期間の短縮化について、モデル事業対象校の拡大を図ってまいります。
 ページをおめくりいただき、五ページの小学校、中学校及び都立高校等における特別支援教育の充実でございます。
 まず、左側の小中学校では、知的障害特別支援学級について、指導内容、方法の充実等を行ってまいります。
 次に、特別支援教室につきまして、各校への巡回指導の充実や指導事例の共有等により、一層の充実を図ってまいります。
 また、発達障害のある児童生徒が在籍する学級で安心して過ごせるよう、区市町村のサポート人材の配置等を支援してまいります。
 その下でございますが、副籍制度による特別支援学校と居住地の小中学校などとの交流の充実策を検討するとともに、デジタルを活用した交流を実施してまいります。
 また、区市町村と連携し、交流及び共同学習につきまして、インクルージョンに関する実践的研究を推進してまいります。
 続いて、右側の都立高校でございますが、障害のある生徒の支援のため、施設のバリアフリー化などを引き続き行ってまいります。
 また、通級による指導の充実として、専門的な知識やノウハウを持つ特別支援学校が都立高校を支援する仕組みを整備してまいります。
 ページをおめくりいただき、六ページをご覧願います。変化、進展する社会に対応した特別支援教育の推進でございます。
 まず、デジタルを活用した教育活動の展開でございますが、デジタル教科書やデジタル教材を活用した効果的な指導方法の研究開発とともに、知的障害のある児童生徒のためのデジタル教材を都独自に開発してまいります。
 次に、TOKYOスマート・スクール・プロジェクトの推進としまして、令和四年度の高等部新入生から、生徒所有の端末を一人一台整備し、あわせて、端末等の購入時の保護者への支援の在り方等を検討してまいります。
 続いて、右側ですが、特別支援学校において宿泊防災訓練を引き続き実施していくとともに、次の、豊かな心と健やかな体を育むためのスポーツ、芸術教育等の推進では、オリンピック・パラリンピックのレガシーなども踏まえつつ、障害者スポーツを通した特別支援学校と地域の学校等との交流をさらに活性化し、芸術教育では、新たに写真、映像等のデジタル表現に係る指導内容、方法を研究開発してまいります。
 資料の下段に参りまして、特別支援教育を推進する体制の整備充実では、小中学校と特別支援学校との異動交流の拡充等を検討するとともに、教員の特別支援教育に関する研修の充実を図ってまいります。
 また、右側の、学校や区市町村に対する総合的な支援体制の充実では、就学相談機能の一層の充実や卒業生の職場定着支援なども着実に進めてまいります。
 以上、計画の素案につきまして、その概要をご説明させていただきました。
 ただいまご説明申し上げた素案の全文を冊子としてお手元にお配りしておりますので、後ほどご覧ください。
 また、昨日より、この素案に対して、広く都民の皆様から意見を募集するとともに、子供の目線に立った施策を推進するために、子供にも分かりやすい資料、分かりやすい版を作成し、子供たちの意見も募集しているところでございます。
 それらも踏まえまして、来年二月を目途に、東京都特別支援教育推進計画(第二期)第二次実施計画を策定したいと考えているところでございます。
 ご報告は以上です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○白戸委員長 次に、学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について報告を聴取します。

○安部総務部長 今定例会に提出を予定しております条例案のうち、学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例につきましてご報告させていただきます。
 お手元の令和三年第四回東京都議会定例会議案(条例)の五ページをお開き願います。学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の概要を記載してございます。
 本改正は、東京都人事委員会勧告等に基づく学校職員の特別給の改定を行うものでございまして、期末手当の年間支給月数を表のとおり改正するものでございます。
 施行日は、公布の日及び令和四年四月一日でございます。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○白戸委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。

○白戸委員長 これより生活文化局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、生活文化局長に武市玲子さんが就任されました。
 武市局長から挨拶並びに過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員の紹介があります。
 武市玲子さんを紹介いたします。

○武市生活文化局長 去る十月二十五日付で生活文化局長を拝命いたしました武市玲子でございます。
 白戸委員長をはじめ委員の皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りまして、当局の事業を適切かつ円滑に推進できますよう、職員一同、一丸となって真摯に取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、過日の委員会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介申し上げます。
 都民活躍支援担当部長の小野由紀でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○白戸委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○白戸委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○古屋総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務 去る九月二十二日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布の令和三年文教委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は十一件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、消費生活相談員数及び都、区市町村ごとの相談受付時間等の状況でございます。
 (1)には、令和三年四月一日時点の都及び区市町村の消費生活相談員数について記載しております。
 また、(2)では、都、区市町村の相談受付曜日や時間について記載しております。
 二ページをお開き願います。2、文化振興施策に係る予算及び決算の推移でございます。
 平成二十九年度から令和二年度までの予算額及び決算額の推移並びに令和三年度の予算額を記載しております。
 なお、備考欄には、当該事業区分に係る主な事業をそれぞれ記載しております。
 三ページをお開き願います。3、都立文化施設等に係る予算及び決算の推移でございます。
 平成二十九年度から令和二年度までの予算額及び決算額の推移並びに令和三年度の予算額を記載しております。
 四ページをお開き願います。4、都立文化施設に係る収支状況(令和二年度)でございます。
 令和二年度の都立文化施設ごとの経常収益と経常費用、当期経常増減額を記載しております。
 五ページをお開き願います。5、都立文化施設等の職種別職員数の推移でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までのそれぞれ四月一日時点における職員数について、職種別に区分して記載しております。
 六ページをお開き願います。6、私立学校経常費補助(一般補助)の生徒一人当たり単価及び全国順位並びに全国平均単価の推移でございます。
 平成二十八年度から令和二年度までの過去五年間の推移を学校の種類ごとに記載しております。
 七ページをお開き願います。7、私立幼稚園等一時預かり事業費補助及び私立幼稚園預かり保育推進補助の対象園数と補助実績の推移でございます。
 それぞれの実績について、平成二十八年度から令和二年度までの過去五年間の推移を記載しております。
 八ページをお開き願います。8、私立学校の耐震化の状況でございます。
 令和三年四月一日現在の都内私立学校の耐震化の状況について、学校の種類ごとに全棟数と耐震性のある棟数、その割合である耐震化率を記載しております。
 九ページをお開き願います。9、アートにエールを!東京プロジェクトの応募、支払い状況でございます。
 アートにエールを!東京プロジェクトの個人型、ステージ型について、応募数、個人登録数及び企画採択数、支払い数を記載しております。
 なお、ステージ型の第二回及び第三回の支払い数については、令和三年十一月十二日時点の実績を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。10、都立文化施設等に係る新型コロナウイルス感染症の影響による国と都の財政支出額(令和二年度)でございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、都立文化施設等に対して国と都が財政支出した金額とその内容について記載しております。
 一一ページをお開き願います。11、私立外国人学校教育運営費補助の推移でございます。
 平成二十一年度から令和二年度までの過去十二年間の実績の推移を学校ごとに記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のありました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 それでは、まず、私から、女性の活躍推進についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 東京の未来を切り開き、東京を世界で一番の都市にしていくためには、女性が生き生きと活躍できる社会を実現していくことが重要であるというふうに考えています。しかし、現状を見ますと、女性活躍が十分に進んでいるとはいえない状況であるというふうに思います。
 女性活躍の推進に向け、社会全体の機運を一層高めていく必要があるというふうに考えますが、まず初めに、女性活躍の機運醸成に向けた都の取組についてお伺いをさせていただきます。

○赤羽男女平等参画担当部長 都では、知事自ら発信するシンポジウムや各種セミナーの開催、女性の活躍推進に取り組む企業及び団体等への東京都女性活躍推進大賞の贈呈等により女性活躍の機運醸成を図っております。
 また、東京における女性の活躍推進に関するポータルサイトを運営するなど、広く普及啓発を実施しております。

○ほっち委員 女性活躍の機運醸成に向けて、都の方でも様々な取組を行っているということは理解できました。
 女性活躍をさらに推進するためには、東京都だけの取組では限界があるというふうに思います。社会全体の機運を醸成するためには、行政だけではなく、企業などとの連携も効果があるというふうに考えますが、東京の女性活躍推進に向けた民間企業等との連携した取組について、都の姿勢を伺いたいと思います。

○赤羽男女平等参画担当部長 女性の活躍推進には、行政のみならず、民間団体など、あらゆる主体が幅広い分野で取り組む必要があることから、都では、女性も男性も輝くTOKYO会議を設置しております。
 TOKYO会議は、東京都商工会議所連合会や東京都中小企業団体中央会などの経済団体のほか、医療、教育、地域など幅広い分野の三十二団体で構成されております。
 都の取組の周知や民間の好事例の共有を行うなど、女性の活躍推進に向け、連携を図っております。

○ほっち委員 今、三十二団体で構成して、いろいろと民間企業、また団体の方とも連携しているという答弁がありました。女性活躍に向けた社会全体の機運をより一層高めていただきたいというふうに思います。
 続きまして、配偶者暴力対策についてお伺いをさせていただきます。
 先ほど申し上げたとおり、女性が生き生きと活躍できる社会をつくっていくためには、配偶者暴力対策も重要だというふうに考えます。
 配偶者暴力に関する相談件数については増加をしているというふうに聞いていますが、配偶者等からの暴力に関する相談件数について、都内の各相談機関等における増減の状況等々をお伺いいたします。

○赤羽男女平等参画担当部長 令和二年度の都内における相談件数は全体で六万一千件でございまして、前年度と比較し約五千六百件増加しております。
 このうち、区市町村の相談窓口等は約四万五千件で、前年度と比較し六千四百件増加しております。
 また、東京ウィメンズプラザと東京都女性相談センターでは合わせて七千三百件で、前年度と比較し五百件減少しております。
 警視庁では約八千四百件で、前年度より二百件減少しております。

○ほっち委員 今の答弁で、前年度と比較をすると約五千六百件増加をしているというふうなお答えでした。
 都内全体の相談件数が増えているということでありますけれども、相談件数の増加を踏まえて、今後、相談体制を一層充実させていくということが重要であるというふうに考えますが、相談体制の充実に向けた東京都の取組についてお伺いをさせていただきます。

○赤羽男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、相談体制を強化するため、本年七月二日から、配偶者暴力に関する相談専用ダイヤルを新設いたしました。
 また、区市町村の相談体制の支援に向けまして、相談員養成などの各種研修を実施しております。

○ほっち委員 今の答弁にもありますけど、今、区市町村でも増えているというふうなお答えもありました。こちらの方、相談体制の充実だけで配偶者暴力等々がゼロになるということはありませんけれども、一人でも多くの方の悩みや心配に寄り添えるように、都としても、各市区町村とも協力し合いながら、連携し合いながら支援を充実していっていただきたいなというふうに思います。
 次の質問に移ります。
 防災語学ボランティアについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 東京に居住する外国人の方は今年一月時点で五十四万人を超えており、東京で安心して暮らしていくためには、災害時の備えも重要であるというふうに思います。
 生活文化局では、都に災害対策本部が設置をされた際、外国人災害時情報センターを設置し、在住外国人向けの情報の翻訳や、区市町村からの求めに応じた避難所等への通訳ボランティアの派遣等々を行っているということであります。
 そのため、一定以上の語学力を有する都民を募集して、情報の翻訳や避難所等での通訳支援をしていただく東京都防災語学ボランティアとして登録をしているというふうに聞いておりますけれども、この防災語学ボランティアの方々からは、自ら意欲を持って手を挙げて、登録をして、意欲のある方たちがいらっしゃるというふうに思っています。
 その中で、活動をしない期間が続くと、活動意欲、モチベーションが低下をしてしまうのではないかということも懸念をされます。
 そこでお伺いいたしますけれども、東京都は、防災語学ボランティアのモチベーションを維持するためにはどのような取組を行っていらっしゃるのか、お伺いをさせていただきます。

○小野都民活躍支援担当部長 都は、最新の災害状況が入手できるサイト情報などを掲載いたしましたメールマガジンをボランティアの方々に定期的に配信しております。
 また、避難所での聞き取り方法や心構えを学ぶ研修を実施するほか、都や区市町村が実施する防災訓練における通訳対応など、平常時から活動の場を提供しております。

○ほっち委員 ボランティアの方たちに継続的に情報ですとか研修、活動の場を提供して、いざというときにしっかりと活躍をしていただけるように取り組んでいっているということは理解できます。
 また一方で、実際に災害が発生したときに、災害のときですから、大勢のボランティアの方々に協力をしていただきたくても、やはりその活動の調整を行うということが非常に大変なことだというふうに思っております。
 そこでお伺いをさせていただきますけれども、東京都は、災害時に防災語学ボランティアをどのように活動に結びつけるのか、お伺いをさせていただきます。

○小野都民活躍支援担当部長 外国人災害時情報センターでは、職員が防災語学ボランティアのリストを基に、電話またはメールにより活動の可否を確認し、活動先を調整することとしており、迅速性、効率性の点で課題がございました。
 このため、今年度、災害時に防災語学ボランティアのマッチングを行うシステムを構築しております。今後は、このシステムを活用し、災害時にボランティアの方々と活動の場を迅速かつ確実に結びつけてまいります。

○ほっち委員 職員の皆さんも、実際災害が起これば、その方たちも災害に遭っているということでありますので、今お答えいただきましたとおり、マッチングを行うシステムを構築することとしているということでありますので、DX化、よくいわれますけれども、しっかりと取り組んでいただいて、マッチングを行っていただいて、ボランティアを助けて、しっかりとしていただきたいというふうに要望をさせていただいて、次の質問に移ります。
 続きまして、地域の底力発展事業助成についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 今年度も、コロナ禍による緊急事態措置が続いて、日中も含めて、不要不急の外出、移動の自粛が求められてまいりました。そのような中で、町会、自治会の事業においても、盆踊りですとか子供祭り、様々な地域行事が中止になりました。
 そこでまず、地域活動の担い手であります町会、自治会が取り組む事業に対して支援を行う地域の底力発展事業助成について、今年度の執行状況とその特徴についてお伺いをさせていただきます。

○馬神都民生活部長 今年度、現在までの交付決定件数は百九十四件であり、うち、感染状況を踏まえ、町会、自治会が事業を中止した件数は三十六件となっております。昨年度は同時点の交付決定件数が百七十七件、うち中止件数は九十二件でございました。昨年度と比較すると、交付決定件数が十七件増加し、事業の中止件数は五十六件減少しております。
 特徴としては、本年度から助成対象の事業区分にデジタル活用支援を新設し、高齢者等の見守り活動とともに、助成率十分の十の特例を適用いたしました。
 これに伴い、デジタルを活用する事業が三十五件、コロナ前の令和元年度には八件であった高齢者等の見守り事業も十三件、交付を決定しております。

○ほっち委員 昨年度とは違って、感染対策を講じながら工夫して事業を行っている町会、自治会も出てきているようですけれども、まだまだ活動が停滞しているという状況は否めないというふうに思います。緊急事態宣言が解除されて、町会、自治会の活動にも再開の兆しが見え始めてきておりますけれども、第六波への不安もあり、今こそ後押しが必要であるというふうに考えます。
 そうしたことから、都が時を逸せずに地域の底力発展事業助成の追加募集を今回行ったということで、評価したいというふうに思っておりますけれども、やはり一回止まってしまったものをまた元のように動かしていくためには、非常に大変なエネルギー等々も必要だというふうに思っています。
 そこで、単に追加で募集をしますよというだけではなくて、いつまた感染が拡大するか分からないといった不安を抱える町会や自治会の活動に一歩踏み出すための工夫が必要だというふうに考えますけれども、都の方ではどのような工夫を行っているのか、お伺いをさせていただきます。

○馬神都民生活部長 募集に当たりましては、防災マップの作成など、追加募集の事業期間に実施できるような具体的な活動事例を提案するとともに、例えば、検査キットや空気清浄機など、助成対象となる感染対策例を示し、安心して事業を実施できるようにするなど、工夫を行っております。

○ほっち委員 町会、自治会が活動に踏み出せるような、追加募集でも様々な工夫をしてやっていらっしゃるということが分かりました。また、私の地元でも、高齢者や子供たちが外に出る機会が少なくなっていることを心配して、町会や自治会の皆さんが感染防止対策を徹底しながら、落語会ですとか、そのような交流サロンを開催していただいています。
 今回の追加募集を、多くの町会、自治会の皆さんの活動再開のきっかけとしていけるように、しっかりと後押しをしてもらいたいというふうに思っています。
 そのためにも、区市町村を通してしっかりと周知をしていただきたい。そしてまた、様々な形で、このような事業を東京都がやっているんだということをいろんな方にご案内して、そして、実施を一件でも多くしていただけるように、皆さんにもお願いをして、私の質問を終わります。
 以上です。

○もり委員 都は今年度、東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たって、基本的考え方中間まとめが発表され、現在、パブリックコメントの取りまとめが行われております。
 男女平等参画は徐々に進んでいるものの、働く場を中心に、世界からは大きく遅れ、生涯賃金や、コロナ禍で顕著となっているひとり親家庭の貧困、子供の貧困の背景にある女性の不安定雇用など、長年放置されてきた社会の構造的な課題に対して、計画を通じて、東京都としてどのように前に進めていくことができるか、具体的な施策に盛り込んでいくことが必要だと考えます。
 誰一人取り残さない、女性も男性も共に、家事も、仕事も、育児も、そして、子育ての喜びも実感のできる、誰もが自分らしく生きられる、一人一人が輝く東京の実現を願い、質問をさせていただきます。
 今回、総合計画の策定に向け、若者団体の皆様と会派の女性活躍推進本部のメンバーで意見交換をさせていただき、若者の声が反映されていないとの課題認識を伺いました。
 また、さきの衆議院選挙において、若者世代に政治や社会のニュースを発信するNO YOUTH NO JAPANのアンダー30の若者へのアンケート調査の結果、政治課題で最も関心が高いテーマはジェンダー平等との回答がありました。
 一方、コロナ禍で、デートDVや十代の望まない妊娠など、女性、若者に社会のしわ寄せが起きており、教育庁とも連携をした学校現場での若者へのジェンダー平等の教育と啓発とともに、都の計画策定においても、若者の意見を聞く場を設けて、計画的に若者の意見が反映されるべきだと考えます。都の見解をお伺いいたします。

○赤羽男女平等参画担当部長 男女平等参画推進総合計画は、改定に向けて、男女平等参画審議会において検討いただいておりまして、審議会における答申を踏まえ、都としての計画素案を公表し、パブリックコメントを実施する予定でございます。
 パブリックコメントでは、若者はもとより、広く都民の皆様からご意見を募集いたしまして、ご意見を踏まえ、計画を策定してまいります。

○もり委員 ぜひよろしくお願いいたします。まちづくりのパブコメなどでは、都市計画の段階で、若者や小学生や高校生にもアンケートを取るような局さんもありますので、ぜひそういった取組も踏まえて、多くの意見が集まるように要望させていただきます。
 本計画の推進に当たっては、局の中で達成状況を把握するのみならず、政策の進捗を第三者機関と都民で検証し、意見交換をしながらよりよいものへとブラッシュアップしていくことが求められると考えます。
 目黒、東久留米市では既に住民と意見交換をする場が設けられていると伺いました。ぜひ都においても、都民による第三者評価と意見表明の機会が必要です。
 今後の計画の推進に向け、どのように第三者評価を取り入れ、計画を推進していくのか、都の取組と今後の方向性についてお伺いをいたします。

○赤羽男女平等参画担当部長 男女平等参画推進総合計画につきましては、幅広い分野の民間三十二団体を含む第三者機関でございます女性も男性も輝くTOKYO会議におきまして進行管理を行っており、今後も第三者機関による把握に努めてまいります。

○もり委員 ぜひ多くの都民の意見が反映される計画となるようお願いを申し上げます。
 会派で若者との政策懇談を行った際、若者から寄せられた声の中に痴漢被害を訴える声が聞かれました。東京都配偶者暴力対策基本計画の中で、都内の迷惑防止条例における痴漢被害者の検挙件数は年間千七百件で推移しているとの記載がありますが、実際には、その数倍、数十倍の被害が発生されているともいわれており、通学路、駅、電車内等、若者を痴漢被害から守るため、実態調査の実施、また通報後の取調べにおいても、状況を再現させる等の対応は被害者をさらに傷つけるおそれがあり、被害者への対応の改善に向け、盛り込んでいただきたいと、こちら要望させていただきます。
 世界経済フォーラムが毎年公表するジェンダーギャップ指数において、日本は百五十六か国中百二十位と、いまだ先進国の中でギャップが大きい状況が続いております。
 特に政治と経済の分野でのスコアが低く、都はこれまでも、女性管理職比率の向上に向け取組を行っておりますが、都内企業の女性役職者比率の目標値を上げるとともに、我が会派の提案により実現した都内中小企業の四割が利用する制度融資において、女性活躍に関する指標を国のデータベースに公開するだけで融資条件を最も厚遇する事業を広く発信、活用するなど、具体的で実効ある計画により、都内企業における役職者比率三〇%の実現に向け、強く計画を推進していただきたいと考えます。
 また、都では、女性活躍、自立支援に取り組んでおりますが、経済的自立に向けては、平均賃金が男性の七割にとどまる現状に加え、女性就労者の七割は非正規雇用であり、NPOしんぐるまざあず・ふぉーらむのコロナ禍の緊急アンケート結果でも、コロナ禍で職を失い、ひとり親の五〇%以上が経済的に困窮状態にあるとの調査結果は、先進国で最低レベルの現状があります。
 シングルマザー支援においては、福祉的な支援や貸付けだけではなく、経済的自立に向けて、収入を増やせるような伴走型の支援が求められます。民間支援団体では、平均年収を具体的に上げるための働き方教育、独自の就労支援プログラム、女性活用戦略において、企業と連携した支援に向け、全国で八自治体とひとり親家庭支援に関する連携協定を締結し、実績を上げている民間企業もあります。
 都としても、収入を増やせるような伴走的な支援の実施が求められると考えます。これらの施策は、具体策としては産業労働局、福祉保健局との連携が求められますが、ぜひ、計画の取りまとめを行っていただいている男女平等参画課を持つ生活文化局が計画の推進に向け、施策に横串を刺して、達成にご尽力いただきますようお願いをいたします。
 ライフ・ワーク・バランスの推進に向けた働き方改革として、テレワークの取組を支援してまいりましたが、なかなか進まなかったテレワークの普及率は、緊急事態宣言下では六割以上の企業がテレワークを導入し、子育てと家庭の両立は進んだかのように見える一方で、在宅勤務が可能となっても、家事、育児の母親の負担割合は変わらない。コロナ禍で、むしろ旧来型の役割分担が顕著となったとの声が聞かれました。
 女性活躍の推進には、男性の意識と働き方が変わらなければ社会を変えることはできません。男性の家事、育児参画をこれまで以上に後押しする必要があると考えます。
 東京都では、ライフ・ワーク・バランスの推進に向け、パパズ・スタイル、TEAM家事・育児を立ち上げて、男性の家事、育児への利用促進に取り組んでいます。みんなのマインドチェンジに向けた動画など、ぜひ多くの都民の方に見ていただきたいと思いました。
 こうしたホームページや動画はとてもよい取組ですが、常に関心のある方は検索して見ていただけると思うのですが、これまで家事、育児に参画してこなかった方にどのように届けることができるか、今後のサイトの活用など、都の取組と今後の方向性についてお伺いをいたします。

○赤羽男女平等参画担当部長 男性も女性も当然に家事、育児を分かち合う社会を実現するため、本年十月二十七日から十一月三十日まで、マインドチェンジキャンペーン、男性の家事、育児、みんなで考え変えていく、TEAM家事・育児を実施しております。
 キャンペーン期間中に、ツイッターやフェイスブックなどのSNSや、都営地下鉄、チカッ都ビジョン、民放テレビ局が連携した公式テレビポータルサイト、TVerなど多様な媒体を活用いたしまして、メッセージを発信しております。
 ウェブサイト、TEAM家事・育児などにおきまして、男性の家事、育児を切り口に、子育て中の夫婦、企業等のマネジメント層、若者やシニア層など、男性を取り巻くあらゆる対象に向けて、具体的な行動変容につながる情報を発信してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。とてもよい取組だと考えますので、ぜひ多くのパパにアクセスをしていただくためにも、都民が直接利用する自治体の窓口とも連携しながら、効果的な広報、必要とする方に届く広報をお願いいたします。
 夫婦のマインドチェンジ、企業のマインドチェンジ、みんなのマインドチェンジと、テーマも分かりやすく、ジェンダーギャップ指数が常に四位以内というスウェーデンの取組等の紹介もあり、ぜひご夫婦で、そして、企業にも意識変革に取り組んでいただきたいと感じました。
 東京都としてライフ・ワーク・バランスの推進を具体的に進めていくためには、都民に働きかけるとともに、企業のマインドチェンジが欠かせません。東京都としてどのように働きかけていきますか。都の企業への取組をお伺いいたします。

○赤羽男女平等参画担当部長 都は、東京都商工会議所連合会などの経済団体等へ広く呼びかけ、女性活躍やライフ・ワーク・バランスの推進等について先進的な取組を進める企業や団体等に対し、東京都女性活躍推進大賞を贈呈しております。
 また、受賞した企業の活動内容を、様々な媒体を活用いたしまして広く企業や都民に発信することで、社会全体の機運醸成につなげるなど、受賞企業等との連携を図っております。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひそうした先進企業の取組が多くの企業に広がるよう、引き続きの取組をお願いいたします。
 コロナ禍、専門的な相談に行く前のちょっとした不安に寄り添う相談窓口はとても重要です。問題が重篤化する前に、必要があれば専門窓口につなぐメンターカフェの取組は、コロナ禍だからこそ必要とされていると考えます。
 都のメンターカフェの取組についてお伺いをいたします。

○赤羽男女平等参画担当部長 女性のちょっとした悩みや不安を気軽に相談でき、経験者からアドバイスをもらうことができるバーチャルな居場所として、TOKYOメンターカフェをネット上に開設しております。
 TOKYOメンターカフェは、仕事や子育ての経験を持つ同じ立場の方が都民メンターとなりまして、多様な悩みに寄り添い、共感し、自らの経験を生かした助言を行っております。

○もり委員 ありがとうございます。答える方も、同じ立場の方が悩みに寄り添っていただくことは、不安を抱えている方にとって心の支えになるよい事業だと思います。コロナ禍で女性がより不安やストレスを抱えるとの声が聞かれ、在宅勤務で職場内のコミュニケーションも希薄になっており、より気軽に相談できるメンターカフェの取組の一層のPRが求められると考えます。
 相談を希望した都民の方から、なかなかページにたどり着けなかったとの声も聞かれました。東京都では、必要とする方がメンターカフェにたどり着くためにどのように広報を行っているのか、お伺いをいたします。

○赤羽男女平等参画担当部長 TOKYOメンターカフェの周知を図るため、本年三月の開設に合わせまして、検索サイトやSNSへの広告掲載、経済団体や医療、教育など幅広い分野の民間団体を通じて広報を実施いたしました。
 今年度は、「広報東京都」に事業紹介の記事を掲載するとともに、駅構内のデジタルサイネージへの掲出などを行っております。
 今後も、検索サイトやSNSを活用した広報などを実施してまいります。

○もり委員 ぜひ、必要とする方に届くよう、引き続きの取組をお願いいたします。
 次に、共生社会づくりの推進に向け、ボランティアのレガシーについてお伺いをいたします。
 東京二〇二〇大会は、大会の一年延期、原則無観客など厳しい条件下の開催にもかかわらず、多くのボランティアが活躍し、大会の成功を支えてくれました。こうした大会関連ボランティアについては、今後もその活動を支援するとともに、彼らの活躍による機運の盛り上げを大会後もしっかり引き継ぎ、レガシーとして社会に根づかせていくことが何より重要であると考えます。
 生活文化局は、ウェブシステム、東京ボランティアレガシーネットワークを構築し、今月二日にオープンいたしました。このウェブシステムの概要と狙いについてお伺いをいたします。

○馬神都民生活部長 東京ボランティアレガシーネットワークは、ボランティア活動に興味のある人々とボランティア情報とを結びつけるウェブシステムでございます。
 システムのユーザーとしては、まずはシティキャストやフィールドキャスト、外国人おもてなし語学ボランティアなどの大会関連ボランティアの方々に登録を呼びかけております。
 また、運営に当たっては、東京ボランティア・市民活動センター及び日本スポーツボランティアネットワークのご協力を得るとともに、団体ユーザーとして、都庁各局や都内のボランティアセンター、国際交流協会などに参加を呼びかけております。
 このシステムを通じて、ボランティアに携わる人々や団体が、ボランティアの募集や活動、運営等に関する情報を共有することにより、機運を一過性のものとすることなく、大会関連ボランティアの活動継続と活躍の場の拡大を実現してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 東京ボランティアレガシーネットワークは、ボランティアに関する情報の共有によって、大会関連ボランティアの活動の継続、拡大を支援するシステムということですが、ボランティア情報を発信するシステムはほかにもあり、新しくつくるならば、このシステムならではの機能が必要となると考えます。このシステムの具体的な機能についてお伺いをいたします。

○馬神都民生活部長 このシステムでは、ボラ市民ウェブなどの情報サイトと自動的に連携するほか、福祉、観光、防災、スポーツ、多文化共生など多様な団体の活動を掲載し、ユーザーの幅広い興味、関心に対応できるようにしております。
 さらに、体験談や活動レポートなどの投稿機能などにより、個人ユーザーと参加団体による双方向のコミュニケーションと交流を促進してまいります。
 読み物コーナーでは、ボランティアの魅力を伝える著名人のインタビューや、様々な活動、団体の事例、活動のヒントなどを発信し、ユーザーのモチベーションアップや団体のPRにつなげていきます。
 また、東京二〇二〇大会の軌跡として、シティキャストや外国人おもてなし語学ボランティアの活動の記録や教材資料などをアーカイブ化し、大会の経験や機運を今後も引き継いでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。本当に多彩な分野で、都民生活を都民が支える、また、一方通行の情報発信だけではなく、ボランティア当事者も含めた双方向のコミュニケーションを行うのは大変すばらしい仕組みであると考えます。
 しかし、幾らすばらしい機能を備えているシステムでも、実際に使われなくては意味がないと考えます。このシステムのこれまでの実績と今後の方針についてお伺いをいたします。

○馬神都民生活部長 十一月二日のオープンから約三週間たった十一月二十四日現在の実績では、登録個人ユーザーは約四千八百人となっております。一方、登録団体ユーザーは四十五団体でございまして、掲載される活動情報は常時百件を超える規模となっております。
 また、読み物コンテンツを含むシステム全体のページビューは約十八万件に上り、ボランティア活動に関心を持つ多くの人に閲覧いただいています。
 今後は、引き続き大会関連ボランティアの方々に働きかけるとともに、区市町村や都内のボランティアセンターと連携するなどして、ユーザーの裾野拡大を図ってまいります。

○もり委員 今ご答弁をいただきまして、わずか三週間で四千八百人が登録をいただき、また十八万件の利用があるなど、本当に多くの都民の方に関心を持っていただいていることがすばらしいと思います。
 このようなシステムは、多くのユーザーに使ってもらうことが大事なので、今後もしっかりと広報を行っていただき、ユーザーを増やしていただきたいです。
 また、ボランティア活動を行っている方を見ると、個人で行う方もいますが、仲間で行う方も大変多くいらっしゃいます。ボランティアの機運を引き続き社会に根づかせるためには、システムだけではなく、ボランティア同士の顔の見える交流など、つながりをつくっていく取組も必要だと考えます。都の見解をお伺いいたします。

○馬神都民生活部長 都が以前行った調査によると、ボランティア活動のきっかけは、口コミや知人、家族からの紹介が多いことから、直接顔が見える交流も重要であり、ウェブシステムとイベントとの相乗効果を図っていく必要がございます。
 そのため、ウェブシステムにおける取組に加え、様々なボランティア活動の紹介や仲間づくりを行う場などを提供するイベントも行ってまいります。

○もり委員 ありがとうございます。ボランティア活動を活発化し、都民が共に支え合う社会をつくっていくことで、より住みやすい東京になっていくと考えます。ぜひ、開催に際しても苦労が多かった東京二〇二〇大会ですが、機会を逃さず、今後もボランティア文化が定着することを願っております。
 次に、地域力について伺います。
 地域力の要として、町会、自治会は、自治体の多くの事業、役割を担っておりますが、運営を担っている役員の皆様の高齢化が進んでおり、地域を活性化していくためには、少しでも多くの地域の方が町会活動に参加し、協力していくことが求められます。
 そのような中、都は今年度、町会、自治会のちょっとした困り事と地域のボランティアをつなごうとするパイロット事業、まちの腕きき掲示板を東京都つながり創生財団や区市町村と共同で始めました。
 この事業は、町会、自治会としてはちょっとしたお手伝いから募集することができ、ボランティアする側も、自分の空き時間で気軽に地域貢献ができる仕組みであるとともに、ネット上の掲示板を使うことで、若い方が参加する可能性も秘めたよい取組だと思います。
 この、まちの腕きき掲示板について進捗状況をお伺いいたします。

○馬神都民生活部長 東京都つながり創生財団と事業に参加する区市町村では、緊急事態宣言中も、町会、自治会に対して本事業の説明会を開催するとともに、町会、自治会が抱える困り事のヒアリングなどを行ってまいりました。
 こうした取組により、緊急事態宣言の解除後、既に十の町会、自治会が団体登録を行い、ボランティア募集情報については五件が掲載されています。現在、そのうち二件について、ボランティアとのマッチングが成立しております。

○もり委員 町会、自治会側は、マッチング事例が多く出てきて、この掲示板の有用性が理解されれば、自然と活動も活発化するのではないかと期待します。
 そのため、マッチングに向けて重要となるのは、もう一方のボランティアを行う地域住民に、この、まちの掲示板のことを知ってもらうことも重要です。
 せっかく町会、自治会からたくさんの募集状況が出てきても、この掲示板のことを知っているボランティアがほとんどいない状況だと、意義を発揮しません。ボランティアに向けた広報として、これまでどのような周知を行ってきたか、お伺いをいたします。

○馬神都民生活部長 東京都つながり創生財団と事業に参加する区市町村では、これまで地元の大学や社会福祉協議会、地域のボランティアセンター、NPO等に本事業の説明を行うとともに、区市町村が開催する市民講座などの機会を捉まえ、広報を行ってまいりました。
 今後も、参加する区市町村と共に広く周知を図ってまいります。

○もり委員 ありがとうございます。自治体が考える地域力というのは、やはりどうしても町会、自治会に偏りがちなんですけれども、そうした中、地域のボランティアセンターやNPO等、多くの若い方にも、ぜひこうした町会の活動に参加していただけるよう、これはぜひ周知に積極的に取り組んでいただき、また一つでも多くのマッチング事例を重ね、他の区市町村にも有用なツールとして示せるよう、活動の促進を引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、コロナ禍での在住外国人支援についてお伺いをいたします。
 東京には多くの外国人や外国にルーツを持つ方が居住しております。外出自粛や感染防止対策により、様々な活動に制約が生じたコロナ禍では、日本語が分からない外国人の方が孤立し、困窮してしまう現状があります。こういった方々が母語で相談できる場があるだけで、安心につながると思います。
 都は、コロナ禍で不安を抱える外国人等からの相談に対し、どのような取組を行っているのか、お伺いをいたします。

○小野都民活躍支援担当部長 東京都つながり創生財団の相談事業では、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語など十四言語で在住外国人の生活相談に応じており、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って生じた困り事にも対応しております。
 相談内容に応じて必要な情報提供を行うとともに、適切な機関につないでおり、区市町村等から依頼があった場合には通訳サポートを実施しております。

○もり委員 ありがとうございます。地元の大田区にも多くの外国の方が居住をしているんですけれども、少数言語の方はやはり自治体だけでは対応が難しい現状もあります。都では十四言語で支援を行っているということで、ぜひ自治体とも連携をして、支援の継続をお願いいたします。
 次に、エシカル消費の推進についてお伺いいたします。
 COP26が閉幕をしました。深刻な気候危機にどのように立ち向かっていくか、SDGs、持続可能な開発目標に都民一人一人が取り組むことは難しいことのように思われますが、目標十二の、つくる責任、使う責任、一人一人の日々の消費行動の中で、人や環境に優しい商品を選ぶことで消費行動が変われば、企業を変え、社会を変えることにつながると確信します。
 東京都では、持続可能な社会の実現に向け、人や社会、環境に配慮したエシカル消費の推進に取り組んでいます。我が会派でも二〇一八年から、部会の中でエシカル推進に取り組んでまいりました。
 エシカル消費の認知度数は、平成二十八年の六・一%から、令和二年度には一五・二%と九・一ポイント増加したものの、まだ約八五%の都民がエシカル消費を認知していない現状があります。
 持続可能な社会を実現するためには、都民一人一人の消費行動に働きかける必要があり、東京都では昨年度、スーパーマーケットにおける普及啓発に取り組んでいただき、とてもよい取組であると感じました。
 環境に配慮した商品を選択したいが、近年は様々な認証があり、どれを選んだらいいのか分かりづらいといった声も聞かれます。
 そして、学んで終わりだけではなく、実際に手に取って購入する際に、その商品が手に届くまでにどれだけCO2を排出しているのか見える化する取組も必要です。価格が安くても、農薬や輸送コスト等、実は環境負荷が高かったり、価格は少し高いけど、環境負荷が少ない商品だったり、排出CO2を表示して、よりエシカルで、人と環境に優しい消費行動を促す一助になるのではないでしょうか。
 都でエシカルアプリをつくって、買物や飲食の際、商品をスキャンすると表示したり、エシカルな商品を購入するとエシカルポイントがたまるなど、日々の買物の中で楽しみながら取組を推進できるような、啓発から一歩進んだ具体的な消費行動の変化につながる取組を要望いたします。
 今年度は、幼児と保護者に向けて、デジタル絵本を作成したと伺いました。今回の狙いについてお伺いをいたします。

○工藤消費生活部長 都では、広く都民にエシカル消費の理念を普及啓発し、理解の促進を図っております。
 今年度は、エシカル消費をスタンダードと思う世代を育成していくため、特に幼児とその保護者を対象とした事業を実施することといたしました。

○もり委員 エシカル消費をスタンダードと思う世代を育むというのは、本当に幼少期から環境への視点を育むとてもよい取組だと思います。
 具体的な内容や、工夫した点についてお伺いをいたします。

○工藤消費生活部長 エシカル消費を分かりやすく説明したデジタル絵本は、キャラクターとして登場する森の動物たちの日常の出来事を通して、食品ロスや地産地消など、自然にエシカル消費を学べる内容となっております。
 子育て層に人気のタレント、藤本美貴さんがナレーションを担当し、イメージソングも作成いたしました。
 また、絵本の最後には解説ページも設けることで、保護者に対しても理解促進を図る工夫をしております。

○もり委員 親子で楽しみながらエシカル消費への理解促進を図る内容で、私も娘と一緒に拝見をさせていただきました。
 このデジタル絵本に関連して、あさって、十一月二十八日にはオンラインでのイベントを開催すると聞いております。ぜひ多くの方に視聴していただき、次世代を担う子供たち、そして、消費活動を担う親世代の方にエシカル消費について理解を深めていただくことを期待しております。
 次に、文化について伺います。
 都内には多様な文化施設、美術館、博物館も多くあり、都民の皆様に日頃から文化芸術に親しんでいただきたいと願います。私は高校時代、美術部に所属をしておりましたが、幼少期から母に様々な美術館に連れていってもらったことが強く影響していると感謝をしています。
 昨日は、大田区で被災地支援に取り組んでいる方が、被災地から来た方を復興支援の一環として都内の美術館に案内したとのことですが、入館料が千四百円で、生活に余裕がないと気軽に見に行ける価格ではないのではないかとの声が寄せられました。
 美術館、博物館の常設展の観覧料金の設定の仕組みについてお伺いをいたします。

○石井文化施設改革担当部長 常設展等の入場料は、受益者負担の適正化を図る観点から、人件費、維持管理費、減価償却費の三つを合計した原価に基づいて適正に算定して、条例で上限額を定めております。
 実際の入場料は、その上限額の範囲内におきまして、指定管理者であります東京都歴史文化財団が都の承認を経て決定しています。
 同財団は、都内の類似施設の入場料や、これまでの入場料の推移などを総合的に勘案しながら、適切な入場料を設定しております。

○もり委員 ありがとうございます。例えば映画館の水曜日女性千円デーと同じように、都民がより芸術文化に日常的に親しむことができる取組が重要だと考えます。
 学生時代、フランスに留学した際にも、カルトミュゼという学生向けのミュージアムパスが人気で、休日には終日美術館巡りをした学生が多くいました。長蛇の列をつくっていたルーブル美術館にも並ばず、裏口から入るなど、工夫がされていたのを思い出します。
 子供、若者が文化芸術に親しむことができるよう、都はどのように取り組んでいるのか、都の取組についてお伺いをいたします。

○石井文化施設改革担当部長 都立の美術館、博物館では、常設展等の観覧料につきまして、小学生や中学生を無料とし、高校生、大学生は一般料金より低く設定しているほか、ワークショップを実施するなど、児童生徒向けのプログラムに取り組んでおります。

○もり委員 都立の美術館、博物館において、都内の小中学生が無料となっていること。これは、幼い頃から文化芸術に親しみ、ぜひ多くの都民の方に親子で訪れていただけるよう、学校とも連携して一層の周知をお願いいたします。
 美術館、博物館は基本は静かに観覧する施設ですので、感染リスクは高くない施設だと考えますが、コロナ禍の感染防止の取組についてお伺いをいたします。

○石井文化施設改革担当部長 来場者へのマスク着用の呼びかけ、入場制限、施設内設備の小まめな消毒、換気の徹底、入場時の検温実施など、基本的な感染防止対策を徹底してまいりました。
 さらに、来場者の集中が想定される展覧会におきましては、事前予約システムを導入し、三密を回避してきました。

○もり委員 当然ながら実際に作品を鑑賞していただくことも大切ですが、コロナ禍で作品をオンラインで鑑賞するなど、作品への接し方も様々な形が出ております。
 美術館でオンラインでの取組を開催していただき、好評だったと聞いております。都の取組と今後の方向性についてお伺いをいたします。

○石井文化施設改革担当部長 都立美術館、博物館におきましては、バーチャル展覧会や、通常入れないエリアのドローン映像を公開するなど、芸術文化の多様な楽しみ方の一つとして、オンラインでの発信に取り組んでまいりました。
 今後も、最新技術を活用して、都民が良質な芸術文化に触れる機会を拡大してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。オンラインを活用した取組なども、若い方が芸術文化に触れる機会に大変役立つと思いますので、引き続きの取組をお願いいたします。
 最後に、公衆浴場対策について伺います。
 本日十一月二十六日はいい風呂の日です。私も大好きな銭湯、公衆浴場についてお伺いをいたします。
 都民生活における健康の維持に当たっては、公衆衛生の観点のみならず、高齢者の地域コミュニティの拠点としても、銭湯はとても重要な役割を果たしています。
 都は、公衆浴場の利用者の増加と後継者の育成を目的に、平成三十年度から三か年事業として、公衆浴場活性化支援実証事業を実施しました。
 実証事業は、魅力的な店舗づくりなどの専門家派遣や、担い手、働き手の発掘と育成を行う連続セミナーなどを行うものでしたが、この実証事業の成果と課題についてお伺いをいたします。

○工藤消費生活部長 実証事業におきまして専門家から助言を受けた浴場では、例えば店先の季節感のある装飾がSNSに投稿され、新たな集客につながるなど、利用者増の効果が見られました。
 一方、課題といたしましては、新たな担い手育成のためには、快適な湯加減の調整や清掃、接客など、実体験を通じた習熟が必要であることが分かりました。

○もり委員 ありがとうございます。現在、公衆浴場が抱える三つの問題点として、経営者の高齢化、施設の老朽化、後継者不足が挙げられます。
 後継者不足などによる転廃業により、平成二十三年には七百六十六軒あった都内の銭湯は、令和二年で四百九十九軒と、この十年で三百軒近くの銭湯が姿を消している現状があります。近隣の銭湯が廃業により近くに銭湯がなくなり、離れた場所まで歩いていかねばならず、とても困っていると地域の方から声が聞かれます。
 公衆浴場の存続のためには、後継者の確保は喫緊の課題です。後継者確保に向け、都はどのように取り組んでいるのか、都の支援についてお伺いをいたします。

○工藤消費生活部長 都は今年度から、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合による後継者育成事業を支援しております。この事業では、公募で選ばれた志願者を対象に、浴場経営に必要な基本的知識の習得、一日営業体験などを行っております。
 浴場組合では、全てのカリキュラム修了者を名簿登録し、後継者を探す浴場とのマッチングを行うことで、公衆浴場の存続につなげていくこととしております。

○もり委員 ありがとうございます。後継者の育成とマッチングに力を入れていただき、ぜひ、廃業ではなく、若い方も夢を持って参入していただける支援をお願いいたします。
 一方で、現場からは、近年、企業の参入が旧来型の銭湯の経営を圧迫しているとの懸念も聞かれました。スーパーの出店で商店街の個人商店が姿を消すようなことが公衆浴場の減少に拍車をかけることがあってはならないと危惧します。
 公衆浴場は、公衆浴場法により都道府県知事の認可が必要であり、地域住民の日常生活において、保健衛生上必要なものとして、物価統制令で価格が決められております。民間の経営に行政が介入することは難しいですが、公的な役割を果たしているという背景から鑑みて、民間企業の参入においても、地域の公衆浴場組合と共に、十年、二十年後を見据えた持続可能な公衆浴場の運営に向け、都としてもご指導いただくように要望いたします。
 東京二〇二〇大会においても、Tokyo Tokyo FESTIVALと連動し、日本独自の銭湯文化の発信を行ってきたところです。地元大田区では、都内でも有数の銭湯特区を誇り、ピーク時の一九七〇年代には百八十軒以上の銭湯がありました。しかし、現在は三十五軒と減少している現状があります。いつまでも地域にあってほしい都市のオアシスです。
 東京都としても、都民の公衆衛生に欠かせない銭湯、公衆浴場の振興、活性化の一層の推進を願い、質問を終わります。ありがとうございました。

○谷村委員 それでは、私立学校における空調設備整備への支援について質問します。
 昨年十一月の事務事業質疑でも取り上げさせていただきましたが、その時点では、私立学校の体育館への空調設備の新設については補助を行っていないとのことでありました。
 その際、新たな補助制度を立ち上げ、早急に補助制度を立ち上げていただくよう強く要望させていただいたところであります。
 その後の状況についてどうなったのか、どういう取組をされたのか、お尋ねをいたします。

○戸谷私学部長 近年の猛暑による熱中症リスクの高まりは、児童生徒の命にも関わる事態となっておりましたが、約三割の私立学校の体育館で空調設備が設置されていなかった状況でございました。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、災害の発生時における避難所等につきましては、十分な空間を確保するために、より多くの開設が求められておりまして、私立学校の体育館には、地域の避難所等としての期待が高まっておりました。
 このような状況を踏まえまして、本年度より、私立学校の体育館への空調設備の新設に対して新たに補助を行うことといたしました。
 補助対象限度額は、一校当たり三千万円、補助率は二分の一でありまして、補助に際しては、地元自治体の防災業務に協力することを要件といたしております。

○谷村委員 昨年度も指摘させていただきましたとおり、児童生徒の安全な教育環境の確保という観点だけでなく、災害時における地域の防災力を高めるという観点も踏まえて、本年度から補助制度が新設されたということで、都の取組を高く評価したいと思います。
 都内では最近、特に水災害で頻繁に避難所が設置されておりますが、コロナ対策を踏まえたこの避難所設置のために、ソーシャルディスタンスを考えますと、公立の小中学校の体育館だけでは完全に不足をしており、都立学校、そして、私立学校の施設も活用しないと、収容する必要数が確保できない状況にあります。
 そこで、本年度は事業初年度ということになりますが、実際にどの程度の活用が見込まれているのか、お伺いします。

○戸谷私学部長 本年度の補助事業の募集に対しまして、小学校一校、中学校が十校、高等学校十校の計二十一校の私立学校からの申込みがございまして、現在、補助金交付に関する審査を行っているところでございます。

○谷村委員 ありがとうございます。事業初年度ではありますが、一定の利用が見込まれているとのことで、私立学校の現場からも大変強く求められた事業ということだと思います。来年度以降、まだまだ利用を希望する学校があると思いますので、引き続き、都としてしっかり支援をしていただきたいと思います。
 次に、私立学校におけるデジタル教育の環境整備の支援について質問します。
 こちらも昨年の事務事業質疑で取り上げさせていただき、私立学校の取組をしっかりと支援していくとの答弁があったところでありますが、まず初めに、私立学校におけるデジタル教育の環境整備の必要性について、都としてどのように認識しておられるのか、お伺いします。

○戸谷私学部長 学校現場におけるデジタル教育環境の整備は、動画や音声を用いた学習、海外等との生徒同士の交流など、これからの時代に求められる多様な学びを提供していく上で、また、今般のコロナ禍のような緊急時における学習手段の確保という観点からも重要であると認識しております。

○谷村委員 動画や音声を用いた学習、海外等との生徒同士の交流、コロナ禍でのオンライン授業等々、これからの時代に求められる多様な学びを提供していく必要があるという、こうした認識の下、私立学校の取組を支援しているとのことであります。
 従来より、各学校のニーズに合った取組が重要だと申し上げてきたところでありますが、そうした学校の状況を十分踏まえて対応していただいていると思いますが、本年度の取組状況及び各学校からの申請状況についてお伺いします。

○戸谷私学部長 都は、私立学校のデジタル教育環境整備に係る経費の一部を補助しているところでございますが、本年度からは、学校現場の声を受けまして、補助対象経費の見直しを行い、補助対象限度額について、一校当たり一千五百万円から二千万円に拡充したところでございます。
 本年度の補助事業の募集に対しましては、昨年度の補助実績である二百四十四校を上回ります二百八十二校からの申込みがございまして、現在、補助金交付に関する審査を行っているところでございます。

○谷村委員 昨年度を上回る多くの学校からの申込みがあるということで、私立学校のニーズも非常に高いということであります。デジタル教育の環境整備は時代のニーズでもあり、これは公私の区別なく進めていく必要があると思います。引き続き、私立学校の取組をしっかり支援していただきたいと思います。
 特に、都立高校では、令和四年度から一人一台端末の整備に向けて取り組んでおりますので、同様に、私立高校においても一人一台端末が整備できるよう支援が必要である。これを全力でバックアップしていただきたいということを強く要望しておきます。
 なお、関連して、私学への経常経費をはじめ、様々な支援、また、私立高校の授業料の実質無償化等についても、都のDX、デジタルトランスフォーメーションを強力に進めていただき、私学、そして、保護者のより一層の負担軽減を進めていただくことも強く求めて、質問を終わらせていただきます。

○とや委員 共産党都議団のとや英津子です。よろしくお願いします。
 まず、資料の提供をいただきましてありがとうございました。
 まず初めに、私からは、DV被害が多くなっているというお話が先ほどもありまして、生活文化局が取り組んでおりますLINE相談から伺っていきたいと思います。
 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言に伴って、配偶者やパートナーによるDV被害が増加しているということです。
 昨年の事務事業質疑でもこの問題を取り上げさせていただきましたが、特に日中も含めた不要不急の外出自粛が続く大型連休中は、配偶者やパートナーからの暴力について、電話による相談がしにくい状況が懸念されるということで、暴力被害に悩む方への相談体制を強化するため、生活文化局として、昨年の八月から九月にLINE相談の試行実施をしたということです。
 この事業は、昨年の十一月の段階では本格実施していただきたいということを求めていたわけですが、今年度から本格実施をされたということです。ありがとうございます。
 この相談は、配偶者やパートナーからの暴力被害に対して、若年層でも相談しやすいよう、コミュニケーション手段として浸透しているLINEを活用して実施したものとお聞きしていますが、その結果についてお答えください。

○赤羽男女平等参画担当部長 LINEを活用した相談を令和二年八月から一か月間、試行実施いたしました。友だち登録数は七千八百人を超え、相談件数は二百五十二件、そのうち配偶者等暴力に関する相談は二百三件でございました。

○とや委員 相談したことで、自分がDVを受けていたと気づく人もいたようですし、どうしたらいいか分からないなど、相談する人もいない中で、LINE相談を実施していただいたことは、被害に遭われた人たちにとって、いざというときの相談先として、例えば窓口に足を運んだり、夫やパートナーがいる前で電話もしづらい状況がある下で、ハードルが低くて相談しやすいツールなのではないかと思います。
 一方、試行期間中に、生命、身体への危険が迫る、あるいは自殺や殺害などの緊急対応を要する相談はなかったということでした。しかし、コロナ禍、女性の自殺や痛ましい事件が起きる下では、深刻な事態を未然に防いでいくということでも、このLINE相談の重要性はますます高まっているんじゃないかと思うんですが、都として、こうした被害を未然に防ぐという立場から、今後どのように取り組むのか、お答えください。

○赤羽男女平等参画担当部長 相談内容や相談者の意向に応じて、東京ウィメンズプラザの電話相談をご案内するほか、適切な機関を情報提供しております。

○とや委員 相談内容や相談者の意向を尊重するということで、適切な機関、ウィメンズプラザ等にあります機関や、様々な機関があると思いますが、そこに相談を、機関につないでいるということです。
 先ほどお聞きした、予想を大きく上回る登録があって、相談もあったということですが、さらに相談支援体制の拡充が求められていると思いますが、いかがでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 本年四月末から、毎日午後二時から八時まで、LINEを活用した相談事業を本格的に開始いたしました。
 また、電話相談につきましては相談員を増員しております。

○とや委員 二時から八時まで相談事業を本格的に開始している以外に、DV相談ということで特化した電話相談が、昨年度は一人増員していただいて、今年度は五人増員したとお聞きしました。やはりニーズはあるということで増員を図られたんだと思います。
 女性の自殺、あるいはDVは、コロナ感染が落ち着いても、その影響は長く続くと思われます。さらに強化していただくことを求めておきます。
 試行結果について、さらに拝見させていただきましたが、DV相談ということでコマーシャルしています、広報しているので、多いのは分かるんですが、DV以外の相談もあると。そのDV以外の相談は三十代が五一%で多くなっています。これはやっぱり既婚者がその年代なのかなということだと思うんですが、それに比較して、二十代は一六・三%、十代は八・二%だというふうに記載されていました。
 しかし、二十代前半、十代のDV相談は、それぞれ一一%、一%と少ない中で、これを見ますと、若い人ほどDV被害の相談が多くなっています。二十代から十代への相談の支援体制の強化が必要ではないかと思いました。
 ここからは、そこら辺の年代にどう焦点を当てるかということでお聞きしていきたいと思うんですが、若年層の相談や支援は、TOKYOメンターカフェがあるということをお聞きしています。このサイトを見ますと、何でも相談してくださいというような印象でありました。
 これ自体大変大事な取組ですが、現在、都は、様々な民間団体に女性支援の面で連携を取っていると思います。昨年もコロナの下で、民間のシェルターなど支援団体への衛生用品の支援などが補正予算でも組まれています。
 そこで伺っておきたいんですが、東京都は、女性の相談や支援について、民間団体、NPOなどの団体とどのような連携を図っているのか、お聞かせください。

○赤羽男女平等参画担当部長 都は、配偶者暴力等の被害者支援に取り組む民間のNPOなどの団体と連携会議を開催するとともに、被害者支援に必要な人材育成のための研修や情報提供を実施しております。

○とや委員 連携会議は年に一、二回開催されて、人材育成のための研修はウィメンズプラザの相談員の方々などが当たっているともお聞きしています。その連携団体は大体四十団体ぐらいあるというふうに聞いていますが、DV相談や被害者支援、あるいはアウトリーチ、若年層支援、またシェルター事業など多岐にわたる事業は、やっぱり民間団体の協力抜きにはとても成り立たないのではないかというふうに思います。
 若年層の女性が、コロナで経済的、精神的な困難を抱え、相談も多様化している下で、さらなる民間団体との連携支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 都は引き続き、研修の実施や連携会議の開催などによりまして、民間団体と連携を図ってまいります。

○とや委員 どのように連携を進めていくのかが重要だと思います。
 コロナ禍で、国、内閣府は、地域女性活躍推進交付金事業のつながり型を創設しましたが、その内容についてお示しください。

○赤羽男女平等参画担当部長 地域女性活躍推進交付金のつながりサポート型は、孤独、孤立で不安を抱える女性が、社会との絆、つながりを回復することができるよう、アウトリーチ型支援や居場所の提供などの取組につきまして、NPOの知見を活用して実施する都道府県及び区市町村に対し、経費の一部を助成する事業でございます。

○とや委員 先日、私は、プラン・インターナショナルという団体からお話を聞きました。この団体は現在、外国人の女の子の支援をしているわけですが、それ以外にも、わたカフェという十五歳から二十四歳の青年期の女の子を支援する事業をパイロットで行っています。
 女性への差別のない社会をつくりたいとスタートしたそうですが、青年期に絞ったのは、児童福祉法から外れるのが十八歳以上であると。複数の課題が重なりやすい世代だからだということでした。心理士や社会福祉士、助産師さんがいて、相談を受けています。妊娠や性感染症、性癖などの相談も多く、チャットで受けています。
 しかし、スタッフが、カフェの開催中に相談が来ても受けられなかったり、人手が足りないことがあるということでした。交付金があれば、もっと人を増やせるし、相談にも乗れるし、アウトリーチもできるという声を聞きました。
 先ほど説明をいただきました内閣府の地域女性活躍推進交付金のつながりサポート型を都として行って、民間の女性支援団体を支援し、機能強化を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 本事業は、不安を抱える女性に寄り添ったアウトリーチ型支援を想定しておりまして、福祉事務所や学校など、地域の関係機関等と緊密に連携しながら、地域の実情に応じて実施することが求められております。
 そのため、都は、区市町村に対し、本事業の周知徹底を図り、区市町村における取組を推進しております。

○とや委員 先ほどご紹介した団体は、実は緊急支援も行っていて、コロナ禍で行ったというお話も聞きましたが、義援金給付や宿泊施設の紹介などの支援もしています。
 学校、家族、職場の人間関係、性自認など、一人で悩んで誰にも相談できない人が多くいると聞きました。親の価値観を押しつけられてきたと、そういうものだと思って生きてきた人や、話すことで自分の存在を認めることができるというという話も聞いてきました。経済的に必ずしも困っている人ばかりではないと。高学歴の女の子もいるということです。こうした人たちの困難は非常に複雑だということも聞きました。
 そして、どのようにつくり上げていくのか。これは一つの局だけにとどめられる問題ではないわけですが、男女平等参画社会を目指す生活文化局として、ぜひその先頭に立っていただきたいと求めておきます。
 内閣府の地域女性活躍推進交付金は、広域で活動する民間団体を支援するためには、東京都が事業を立ち上げることが必要です。今紹介した団体も、広域的な地域から相談や支援を求めてアクセスしてくる人たちが多いと聞いています。したがって、区や市が事業をやっていてもこの事業を採択できない、申請することができないそうです。
 そういった意味でも、東京都がこの事業を始めるということが非常に大事だと思います。私は、国、内閣府からも話を聞きました。つながり型の支援は、コロナで深刻化する女性の実態に寄り添う形で、NPOなどの支援のために創設したんだという話も聞きました。そう担当者はおっしゃっていました。
 ぜひ、多くの民間団体から話を聞いてもらって、今回紹介しました女性活躍推進交付金、つながり型を都でも採用していただくことを強く求めて、この質問を終わります。
 次に、私学行政について伺っていきたいと思います。
 東京における私立学校が果たしてきた役割は非常に重要です。実際、高校生の六割近く、中学生の四人に一人が私立学校に通っています。
 生活文化局が実施した平成二十八年私学教育に関する意識調査結果を拝見させていただいていますが、私立小学校に就学している子供が私立を選んだ理由で最も多いのが、建学の精神などに定評があるということでした。高校では、通学の便がいいことが最も多くて、次いで、進路指導がしっかりしていることを理由に挙げていました。私立学校が独自の教育を実施し、豊かに発展させてきたということがこの実態調査からも分かり、保護者や児童生徒の評価につながっているんだと思いました。
 一方、毎年の予算要望では、私学の関係者の皆さんから、経常経費や保護者負担の軽減に対する強い要望も寄せられております。
 現在、生活文化局では私立学校助成を行っていますが、その理由を教えてください。また、私立学校が公教育に果たしている役割は非常に重要だと考えますが、改めてお聞きしたいと思います。

○戸谷私学部長 私立学校は、それぞれの学校の建学の精神に基づきまして、個性的で特色ある教育を展開しており、東京の公教育において重要な役割を担っているところでございます。
 そのため、都は、教育条件の維持向上、修学上の経済的負担の軽減、経営の健全性を高めることで私立学校の振興を図るために、基幹的補助である経常費補助をはじめとして様々な助成を行っているところでございます。

○とや委員 ありがとうございます。これまでも私立学校の果たしてきた公教育における重要性については確認をさせていただいてきたところですが、さらなる支援が必要だと考えます。
 特に、コロナ禍、昨年来の学校休業で、児童生徒は授業が制限されて、また、家計急変で授業料の納入に困難を抱えた家庭もありました。こうしたときだからこそ、子供の学ぶ権利を保障することが東京都に求められていると思います。
 そこで、私立学校に通う生徒の学ぶ権利を保障することの重要性についても伺っておきたいと思います。

○戸谷私学部長 東京の公教育を支える私立学校の教育環境の整備は重要でございます。
 そのため、都は、私立学校への助成により必要な支援を行っているところでございます。

○とや委員 教育環境の整備は重要だということです。大事なご答弁だと思います。ぜひこの立場を堅持していただきたいと申し上げておきます。
 この間、都は、補正予算も組んで、コロナ禍の下で、私立学校に衛生資材だとか、あるいは検査のキットなどの支援も行ってきました。これらの支援は歓迎されているし、必要な取組だと思っています。
 しかし、一方で、予算要望会でもよくいわれるんですが、ICT教育など、求められる教育水準に応えていくため、端末への支援も必要だということも聞いています。都としてどのように支援を検討しているのか、お答えください。

○戸谷私学部長 都はこれまでも、私立学校デジタル教育環境整備費補助によりまして、タブレット等の教育用端末に加えて、無線LANや大型掲示装置等も対象に補助を行っておりまして、今後も必要な支援を行ってまいります。

○とや委員 来年度予算の概算要求の中には、私立学校のICT化を進めるため、一人一台端末の配布についてはどういう制度にしたらいいか、学校へのアンケートを実施しているところだとも聞いています。東京で学ぶ子供たちの教育環境に格差がつくことのないよう支援をお願いしておきます。
 教育環境を改善し、生徒の学びを保障するという点で重要な問題の一つに、現在、都立高校で既に配布が始まりました生理用品を全校に配置する取組であります。私立学校に通う生徒にとって、学ぶ権利自体を保障する上でも、学校への配置は重要ではないでしょうか。お答えください。

○戸谷私学部長 私立学校における生理用品の配置につきましては、各学校設置者において判断するものでございます。

○とや委員 私学の助成をして、ICT環境を進めるために補助を実施したり、いろいろやっている東京都が、生文局が、生理用品を配置してくださいといったら学校の判断だとおっしゃいました。学ぶ権利を保障する上で、配置の重要性について私は聞いたんですよね。
 設置者の責任や学校での判断で備品などを置くのは当然です。しかし、例えばスコットランド、フランス、米国、ニュージーランド、台湾などの国々が、公的責任を果たそうと生理用品をいろんなところに配置するという取組も既に始まっています。
 日本では、生理用品を軽減税率の対象とするという署名活動もあります。日本若者協議会、みんなの生理という若者グループ、皆さんご存じだと思います。このグループが最新のアンケート結果を今月十七日に発表しています。
 ここでは、九割以上の学生さんたちが生理によって学校を休みたいと思ったことがあるにもかかわらず、うち六八%が休むのを我慢していると答え、休めなかった理由は、成績や内申点に響くと思ったといっています。それは答えた人のうち六割にも上っているわけです。
 高校生のときに二回倒れたという人もいました。男性の先生に相談したら、生理なら休む必要ないよねといわれたり、男子生徒からの生理についての理解を得るのが難しいと感じた。そして、学校に早く生理用品を置いてほしいなどなど、生理についてたくさんの書き込みがありました。
 生理の貧困問題はかねてからあったわけですが、コロナ禍による経済の悪化で、より一層、世界共通の課題として浮き彫りになってきたわけです。
 そして、国連女性機関、UN Women日本事務所長の石川雅恵さんは、生理の根本は人権問題だと。衛生的に生理を迎えられる環境の確保は女性の基本的人権として守られるべきだという発言もありました。
 そこで、ジェンダー平等を進める視点からお聞きしたいと思います。
 男女平等参画を進める都として、貧困にとどまらず、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの観点からも、女性が抱える生殖機能の負担を少しでも支えるという考え方、人間の尊厳に関わる問題として生理の問題を捉えることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 女性は、妊娠、出産、月経随伴症状、いわゆる生理の問題や更年期症状など、女性特有の経験をする可能性がございます。
 男女平等参画社会の実現に向けては、男女が互いの身体的性差を十分に理解し合うことが重要と考えております。

○とや委員 先ほども紹介しましたが、これまで生理の問題は、自分で解決する問題だとか、人前で話せないとか、具合が悪くても、生理痛があっても我慢せざるを得ないという、そうした課題を抱えてきました。包括的性教育が非常に不十分ということが背景にあるんだと思うんですけれども、この問題は非常に大きな障壁があったというふうに思います。
 生理用品が買えなくても人にいうこともできないという人たちが多くいました。それがコロナ禍をきっかけに声が上がって、誰もが実は感じてきた困難であって、人間の尊厳に関わる問題として語れるようになったというふうに思います。
 東京都は、男女平等参画基本計画の改定に向けて、現在議論をされている途中ですけれども、現行計画でも記載されているのは、生涯を通じて健康な生活を送ることができるように支援するとともに、男性も女性も、相互に身体の特性を十分に理解し、個人の人権を尊重する意識を育てますというふうに書かれております。
 この記載については、改定がされたとしても、時代が進んだとしても普遍的な問題であり、多くの人たちみんなで共有する考え方だというふうに思います。ぜひこの立場に立って、幅広くリプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツをしっかりと位置づけて、ジェンダー平等を進めていただきたいと思います。
 そこで、もう一つお聞きします。
 男女平等参画基本条例の第四条では、男女平等参画施策を推進するに当たり、都民、事業者、国及び区市町村と相互に連携と協力を図ることができるよう努めると述べられています。事業者である私立学校とも連携し、ジェンダー平等を進めることが必要ではないでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 都では、都民及び事業者と連携協力し、あらゆる場における女性の活躍推進を進め、もって男女が対等な立場であらゆる活動に参画し、責任を分かち合う男女平等参画社会を実現するため、女性も男性も輝くTOKYO会議を設置しております。
 本会議は、私立の教育関係の団体やPTAの団体なども構成員となっております。

○とや委員 今ご紹介いただいた女性も男性も輝くTOKYO会議は、年に二、三回開催して情報交換や共有を行っているとお聞きしています。こうした場でもリプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツ、生理の問題などを話題にしていただいて、公立、私立にかかわらず、児童生徒の健康と権利を尊重し、生理の困難についても社会全体で支えられるような議論をしていただきたいということを求めておきます。
 生理の問題は女性の権利の問題です。そして、人権問題でもあります。この点から見ても、私立学校でも教育条件の向上として捉えて検討していただきたいと思うわけです。
 先ほどの答弁にもありましたが、私立学校は、建学の精神に基づいて、自主性を尊重されるとともに個性あふれる教育を行っています。一方で、私立学校振興助成法では、教育条件の維持と向上、保護者の負担軽減、私立学校の経営の健全化がうたわれています。
 特に教育条件の維持と向上は、生徒が公平で豊かな教育環境で学ぶ権利にも通じると思います。
 こうした立場からも、私立学校への助成をもっと拡充するべきであるし、生理用品についても配置することが必要だと思います。改めてお聞きします。

○戸谷私学部長 都は、私立学校が公教育に果たしている役割の重要性を踏まえまして、経常費補助をはじめとする様々な助成を行うことで、個性的で特色ある教育を行っている私立学校を支えているところでございます。
 なお、生理用品の配置につきましては、こうした私立学校の各設置者が判断するものでございます。

○とや委員 先ほどと同じ答弁を繰り返されているわけですが、判断するのは学校であったとしても、現物がなければ判断もできないんです。私は私立学校の先生方からもお話を伺いました。緊急だったので、八校の先生から伺ったわけですけれども、学校のトイレに生理用品を置く必要があると、あれば助かると答えた方は五校ありました。既に置いてあるという学校もありました。
 生徒の様子を聞くと、重い生理痛や生理不順で相談してくる生徒もいます。試しに六か所置いたら、持ち合わせがないとき助かりますといわれましたという生徒の声も紹介してくれました。学校の判断はあるにせよ、配置することは必要だと、生徒を身近で見ている先生方が多いわけです。
 生徒の中には、私立学校は学費が公立と比べて高額ですから、親を見ていて、学費とかいろんな経費を払ってもらっているんだという意識があって、気にしている生徒も多いというふうな話もありました。自分の体を大切に思うことと家計をてんびんにかけなければならない、そんな状況もなくさなければならないと思います。
 学校からの求めがあった場合は配置をしますか。

○戸谷私学部長 先ほどご答弁したとおり、私立学校における生理用品の配置につきましては、各学校設置者において判断するものでございます。

○とや委員 当たり前のことを何度も答弁してほしくなかったんですけどね。ある先生からは、自分の子供の友人が生徒会で無償配布を求めたところ、学校が置いてくれたという話を聞きました。
 一方、私立学校の先生も様々で、先生たちの中には、自分で用意すべきものとか、トイレに置けばいたずらされるのではないかといった声も聞いています。こうした懸念の声は世間一般にもまだまだあるわけで、対話や啓発で払拭していかなければならない課題だと思います。
 先ほど、男女が対等な立場で活動し参画するという答弁がありましたが、今の日本は対等な立場とはなかなかいえない社会で、リプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの立場から生理を考えて、平等な環境で学ぶことを保障していく。その取組の一つとして、私立であろうが、公立であろうが、学校にきちんと生理用品を置くということはとても重要です。
 私立学校でも共通認識ができるよう、あらゆる機会を捉えて情報交換や議論をしていただいて、ジェンダー平等社会実現に向けて、局を挙げて尽力していただくことを求めて、この質問を終わります。
 次に、平和行政についてです。
 七十六年前、東京大空襲などで都民は、民間人、子供も、女性も、高齢者も無差別に被害を受けました。その遺骨はいまだに土の中に眠ったままのものもあります。
 戦争の惨禍を二度と起こしてはならないと、東京都は三月十日を平和の日と定めて、記念式典などを行っていますが、遺族や関係者の皆さんは、被害の実態、違法性の検証や解明、記憶の継承など、未処理の解決に東京都が先頭に立ち、平和を発信する取組の強化を切に求めています。
 これらの問題は、私、三月の予算特別委員会でも取り上げさせていただいたわけですが、この質疑の中で知事は、さきの大戦で戦争の惨禍を被った歴史を持つ都民にとって、恒久平和の実現は最大の願いであります、また、戦争の記憶を風化させることなく、次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要でございますと答弁をされました。
 一九九〇年七月に公布された東京都平和の日条例、その五年後、一九九五年に発表された都民平和アピールは、東京都が平和行政を進めていく上での土台であります。
 戦災犠牲者はじめ遺族、関係者などから七十六年前の戦争の惨禍を後世に伝えることは、首都東京の重要な役割と考えますが、いかがでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 戦後七十年以上が経過し、戦争を知らない世代が大半を占めるようになっており、次世代に戦争体験や平和の大切さを伝えていく必要があると認識をしております。

○とや委員 平和の大切さを伝えていく必要があるという認識をお示しになりました。
 東京では十万人を超える民間人が短時間の空襲で亡くなりました。生き残った戦争体験者の皆さんも高齢化して、当時の体験を語れる方は少なくなっています。この点を考えても、都の平和への取組は非常に重要だと思います。
 戦争の記憶を風化させないためにどのような取組をされていますか。お答えください。

○蜂谷文化振興部長 都では、三月十日を東京都平和の日と定めて、記念式典を実施しているほか、東京空襲資料展の開催、所有する空襲資料の区市町村への貸出し、東京空襲犠牲者名簿の収集、東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑の維持、公開などを行っております。

○とや委員 昨年は、コロナで平和の日の記念式典は中止になりました。今年は参加者を極力絞って、約七十名だったとお聞きしています。通常は四百人くらいの方々が参列するので、かなり少ない人数です。来年の式典にはぜひ多くの方々が参列できるよう、都として配慮をお願いしておきます。
 東京空襲の犠牲者名簿も作成していただいているわけですが、この問題についても予算特別委員会でも質問をさせていただきましたが、東京空襲犠牲者名簿、現在の登録数は八万一千二百九十五名ということでした。始めたのが二〇〇一年、平成十三年三月ですから、最初に平和を祈念する碑に納めた名簿数、六万八千七十二名、ここから考えると、約一万三千人の方々が新たに名簿に記載されたことになります。
 しかし、建設局の記録では九万八千人という記録があるわけです。少なくともこの数に早期に届くよう努力していただくことを求めておきます。
 この取組は、せめて名前だけでもと、遺族会の方々が空襲死者の氏名を調査、記録していない東京都に対して、空襲遺族の絆を深め、世論に訴える中で実施が実現したものです。さらに追悼、実相の追及、継承を進めてきました。
 しかし、全土が戦場になって、五十万人ともいわれる国内での空襲等による死者、九百万人に及ぶ被害者を生んだ空襲の実相は、国や東京都が取り組まなければ歴史に刻まれることもなくて、風化するばかりです。
 ぜひ、残された遺族や、これから未来を生きる若い人たちに戦争の悲惨さ、平和の尊さを伝えるための取組の強化をしていただきたいと思います。
 その取組の重要な一つに証言ビデオがあります。東京都は毎年三月に、空襲資料展で九人の証言ビデオを公開していますが、実は、そのほかの三百二十名分の方々については公開の対象にしていないということで、日の目を見ていません。重要な証言を後世に伝えていくことを目的としているにもかかわらず、やっていることは全く逆ではないでしょうか。東京都の見解を伺います。

○蜂谷文化振興部長 証言映像は、東京都平和祈念館(仮称)で展示することを前提として収集、作成したものでございます。
 そのうち、都主催の空襲資料展で公開することに同意が得られた九名の方の証言をダイジェスト版として編集し、紹介をしております。

○とや委員 証言映像は平和祈念館以外で使用する同意を得られていないということで、九名の方々以外に公開の了解を得る努力はされていたのでしょうか。亡くなってしまった方も多いと思うんですけれども、では、本人の方々、あるいは関係者などに、遺族などに確認を取るために連絡を取るとか、そういった努力はされたんでしょうか。お答えください。

○蜂谷文化振興部長 証言映像は東京都平和祈念館(仮称)で展示することを前提に収集、作成した経緯がございまして、連絡は取っておりません。

○とや委員 なぜ連絡を取ることもしないのでしょうか。
 今年九月、東京新聞で報道されたんですが、封印されたビデオという題名で六回の連載がありました。この記者さんは、約三百人の東京大空襲など戦争の体験者の証言を収録したビデオが四半世紀も公開されていないと、倉庫で眠っていることを知って、収録に応じた証言者をできる限り探し出して話を聞いたそうです。
 子供のときの体験を鮮明に覚えている人、一枚の扉が生死を分けたとおっしゃって、命の大切さをかみしめているという人もいました。
 作家の早乙女勝元さんは、つらい経験で本当は話したくない人もいたはずだと、二度と繰り返さないようにと口を開いた人たちの思いに応えてほしいといっています。
 証言映像に応じた方々の中には、いろいろなことがあったから証言を残したいと思ったと。後世のためにも大事だと語って、非公開とする東京都の態度に不満を持っています。連絡は何もありませんと語ったとも報道されています。このように証言された皆さんは公開してくれることを望んでいるのではないでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 証言映像に関する報道があったことは承知してございます。

○とや委員 承知しているというご答弁ですけれども、では、この報道を読んで何を感じたのかと。自分の証言が本当は公開されるはずだったのに、いまだに倉庫に眠っていると知ったら、当事者の人、証言をしてくれた人はどう思うかというふうに私は読んで思いました。大変いたたまれない気持ちと、東京都と議会の責任は非常に重たいと思いました。
 そして、今できることとして、せめて、せめて証言ビデオを広く公開して、児童生徒をはじめ、都民が戦争と平和を考えるために活用をすべきではないでしょうか。

○蜂谷文化振興部長 都におきましては、主催する空襲資料展で公開することに同意が得られた方の証言をダイジェスト版として編集し、紹介してございます。
 空襲資料展の開催に当たりましては、若い世代を含め、広く周知を図っております。

○とや委員 同意を得られた人たち、九人の人たちの証言しか公開しない。その公開する場も極めて限定されている場所なんですよ。東京新聞の連載では、東京都に、一生残りますよといわれて、いつ出るのかねと、ずっと気にかけていた方がいたそうです。そのお孫さんが、祖母が亡くなる直前に証言映像をインターネットに上げるからねと伝えると、いいよと二つ返事だったといいます。
 原爆投下された広島や長崎、あるいは沖縄の地上戦の被害者の証言は後世に伝えられています。それなのに、その証言ビデオを公開するはずの東京都平和祈念館計画は凍結されたままです。
 これを理由にして東京都は証言ビデオを公開していないということでありますが、先ほども申し上げましたが、当事者も遺族も本当に高齢化して、八十代、九十代になってしまっている方々が多いです。自由に体を動かすこともままならなくて、最後の力を振り絞って訴えているわけですよ。生きているうちにという悲痛な願いを受け止めて、凍結を解く決断を都議会でもするべきです。
 そして、生活文化局の皆さんにおいても、東京都平和祈念館建設に踏み出すための合意形成を図っていただきたい。そして、すぐに着手できることの一つとして、証言ビデオの公開のために最大限の努力をしていただくことを強く求めて、質問を終わります。
 以上です。ありがとうございました。

○白戸委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時三十五分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤(り)委員 立憲民主党の斉藤りえです。
 まず初めに、若者によるスマートフォンなどの利用に起因したトラブルについてお伺いいたします。
 都が今年七月に公表した令和二年度消費生活相談概要によると、二十九歳以下の若者からの相談件数は約一万七千件と、前年度から一二・五%増加しており、若者を狙った悪質商法による被害はいまだ後を絶たない状況にあります。若者は社会経験や知識等が少ないことから、悪質商法の被害に遭いやすく、日常的に利用しているSNSをきっかけに、思わぬ消費者トラブルに遭うケースも増えていると考えられます。
 デジタル機器を使いこなし、様々な活動を展開している若者の消費者トラブルを未然に防ぐため、都ではどのような取組を行っているか、教えてください。

○工藤消費生活部長 都では、若者の消費者被害の未然防止、早期発見を図るため、関東甲信越の近隣県や政令市等と共同で、悪質商法被害防止キャンペーンを毎年実施しております。
 昨年度は、悪質商法への注意を呼びかける動画を作成し、トレインチャンネルなどで放映するほか、若者に身近なユーチューブやツイッター等を利用して動画広告を配信いたしました。

○斉藤(り)委員 悪質な消費者トラブルは、未来ある若者の人生を狂わす場合もあります。また、消費者トラブルに限らず、デジタル社会においては、深刻なトラブルに発展する可能性も多々あります。
 デジタル社会においては、デジタル機器などのテクノロジーとどのように向き合い、付き合いながら生活をしていくかの能力の育成もとても重要な視点になっていきます。情報モラルはもちろんのこと、近年ではデジタルシチズンシップなどとも表現されますが、デジタル社会において、市民としてどのように生きていくかは、教育分野の大きな課題でもあります。ぜひとも、分野横断的に取り組み、若者たちを守っていければと考えています。
 次に、私学振興についてお伺いします。
 児童生徒の多様化に伴い、教育の選択肢が増えることは、子供たちの未来の選択肢を増やすことでもあると考えています。そうした観点から、公立における教育に適合しない児童生徒が私学を選択肢に含めた場合に、保護者の経済的状況により選択ができなくなることは避けるようにしていきたいとも考えています。
 私立学校における保護者負担軽減では、小学校や中学校を対象に行っていく検討はなされているのか、お伺いします。

○戸谷私学部長 都は、平成二十九年度から今年度にかけて、国の制度である私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業によりまして、私立の小中学校に通う一定の所得未満の世帯の児童生徒の授業料負担軽減を実施しているところでございます。
 本実証事業は国の制度でございまして、その在り方は国の責任において検討すべきものであるため、国の動向を注視してまいります。

○斉藤(り)委員 私学のイメージは、経済的に裕福なご家庭の選択肢というものがまだまだ根強いように感じています。しかし、子供たちも社会も多様で複雑な状況下にある中で、公教育が包摂できることの限界もあると感じています。
 公立における学びと私学における学び、都民の皆様にとって選択肢が多ければ多いほど、子供たちにとっては様々な可能性を見出せる機会の創出になると信じています。
 また、公立学校の教職員の負担軽減も重要な点でもあり、公立が、私学がという区別だけではなく、豊かな教育環境をどのように整えていけるかを様々な角度で検討していければと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
 続いて、男女共同参画についてお伺いいたします。
 近年よく使われる女性活躍という表現ですが、これは単純に女性に対してサポートをしていくことと勘違いされる場合が多いですが、実際は、女性に対してというよりも、その周辺環境を整えていくことが重要です。女性だから支援をするのではなく、女性が活躍することに違和感を持たない職場環境や社会環境を整えていく施策が求められていると考えています。
 そこで、都としては、女性活躍推進の機運醸成についてどのような取組をしているのか、教えてください。

○赤羽男女平等参画担当部長 女性活躍推進の機運醸成につきましては、東京ウィメンズプラザにおいてシンポジウムや各種セミナーを開催しております。
 また、東京における女性の活躍推進に関するポータルサイトの運営などによりまして、普及啓発を図っております。
 加えて、女性が輝くTOKYO懇話会を開催いたしまして、東京動画においてインターネット中継を行うなど、広く発信しております。

○斉藤(り)委員 イベントの開催や各種メディアの活用が機運を高めていくには重要であることは理解しておりますが、意識を変えていくことはとても難しく、長い闘いだと感じています。
 また、そうした際に、様々な層の方々を巻き込んでいくこともとても重要であると感じています。社会全体の意識もそうですし、もっといえば、身近な家族や職場の上司、同僚などです。身近なところでしっかりと理解を広めていくことが社会全体の意識変革につながると考えています。
 そうした観点では、男性の家事、育児を応援するウェブサイト、パパズ・スタイルは、男性の育児参画に関するリテラシーを高めていくことのできる画期的な取組だと評価をしています。こうしたコンテンツを通じて、男性はもちろん、様々な方々が、これまで女性が過度に負担していた部分を、みんなで行うことが当然であるという認識を広めることは有効であると認識しています。
 パパズ・スタイルの内容はとてもいいですが、次の段階として、男性の育児参画におけるハウツー以上に、男性が出産、子育て、家事といった、これまで女性にひもづけされがちであったものを、どのように意識変革を促し、男女協働による取組としていくかが重要と考えています。
 そうした根本にある部分に対してはどのような考えや施策を検討しているのか、また、これは男性自身の意識変革のほかに、男性が所属しているあらゆるコミュニティにおいても同様の意識変革が必要になり、それらが両輪とならなければいけないと考えています。
 ライフ・ワーク・バランスの推進として、今後どのようなステップを踏んで推進を進めていく方針か、ご教示ください。

○赤羽男女平等参画担当部長 男性の家事、育児参画を応援するウェブサイト、パパズ・スタイルでは、当事者の男性だけではなく、妻や親族、職場の上司などを対象に、おのおのの世代に応じた情報を発信しております。
 さらに、夫婦やカップルが共に家事、育児について考えるシンポジウムを開催しています。
 今後も、当事者の男性や経営者層など、対象に合わせ、多様な手段を用いて効果的な情報発信、普及啓発に取り組んでまいります。

○斉藤(り)委員 こうした固定化された価値観を壊していく、変えていくことは容易ではないことは十分承知しています。そういう意味でも、やはり教育が重要になってくるのだと私は考えています。
 新しい時代の新しい価値観、多様で豊かな社会の実現に向けて、また、次世代の子供たちが創造的に社会に参画していくためにも、私たちの世代でしっかりと向き合っていきたいと思います。
 これまでの社会においては、女性の犠牲の上に出産、育児、家事が成立していたといっても過言ではない状況がありました。現に、子育てと仕事の両立が難しいため、出産を機に五割弱の女性の方が退職をするという調査結果も出ています。これは、官民超えて改善に向けて取り組むべき喫緊の課題であると私は感じています。
 柔軟に活用できる保育サービスなどの推進はとても重要ですが、この問題の根幹にある男女の役割分担意識の改善なくしては、前に進まない可能性が高いと考えています。この現状に対し、どのような施策を行っていくのか、お尋ねします。

○赤羽男女平等参画担当部長 日常生活の中で、男は仕事、女は家庭などの固定的な性別役割分担意識が根強く残っている現状を解消することは重要です。
 このため、東京ウィメンズプラザにおいて、自分自身の思い込みに気づいてもらうセミナーや、夫婦が家事、育児の分担を考えるきっかけとなるシンポジウムを開催いたします。

○斉藤(り)委員 男女共同参画は、概念的な部分の取組と同時に、一歩でも二歩でも前に着実に進めていく、改善をしていく取組の両輪がなくてはならないと思います。
 声高に理想論を語っても、この瞬間も厳しい状況にある女性がいたり、孤立して誰にも育児の相談ができないお母さんがいるのが現実です。また、性別に限らず、ひとり親で子育てをしながら苛酷な日常と向き合っているお父さんもいると思います。
 そうした人たちのためにも、男女共同参画の理念を着実に進めて、みんなで協働していく東京をつくっていければと考えております。引き続きよろしくお願いいたします。

○内山委員 私からは、経済的な理由で高校生活を続けられない高校生の問題について質問させていただきたいと思います。
 さきの決算特別委員会の全局質疑の中でも触れさせていただきましたが、都立高校に関しては、令和二年度の、経済的な理由で高校生活を続けられない高校生を何人把握しているのかということを教育庁の方に質問させていただいたところ、ゼロ名という回答が返ってきました。
 コロナ禍によって、多くの家庭が、もしくは子供たちが経済的に厳しい状況になっている中で、果たしてこのゼロ名というのが現状を捕捉できているのかどうかということは、私は大変大きな危機感を抱いているわけです。
 そういった中で議論を深めさせていただいたところ、どうしても、主たる理由を一つ挙げるという中で、特に都立高校においては、学業だとか、人間関係だとか、もちろんそのうちの一つに経済的な理由というものがあるわけですが、そういった複合的な、ある種、合わせ技で学びを諦めるという中で、最後の主たる原因の一つということに経済的な理由というのは、プライベートなことですから挙げづらいということ。もしくは、貧困というのはそもそも前提としてその子たちの中にある問題ですから、最後の一つにはなりづらいという指摘がありました。
 そういった中で、私学においても同様の課題があるのではないかと思いまして、その辺りを少し質問させていただければと思います。
 都立学校においても、国の文科省が毎年中途退学については数を捕捉しているわけですが、都内の私学高校において、経済的な理由で中途退学を余儀なくされた子供たちは、直近五年間、どのような数で推移をしているのか、伺いたいと思います。

○戸谷私学部長 文部科学省調査の都内私立高等学校における経済的理由による中途退学者数については、平成二十八年度が六十六人、平成二十九年度が四十七人、平成三十年度は二十四人、令和元年度が十六人、令和二年度が二十二人となってございます。

○内山委員 調査結果では、平成二十八年度の六十六人からは徐々に減少しているということで今答弁がありました。
 コロナ前の令和元年で十六名、二年で二十二名ということで、減少傾向にあった中で六名増えたということでしたが、先ほど都立校の例を挙げさせていただいたとおり、やはり主たる要因というものが一つである以上は、なかなか現状というのが捕捉できないのかなというのも思っています。
 また一方で、私学の場合は、経済的な理由でそのまま退学というケースももちろんあると思うんですが、一方で、公立校に転学するというケースもあります。転学するケースに関しては、学びは継続されているという理由で、現状把握をされていないということも伺いました。ぜひ総合的な視野に立って、経済的な理由で、私学に通っている子供たちにどういう影響を及ぼしているのかということは、ぜひ一歩踏み込んで調査をしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 一方で、そういった中でも、私立の高校生に対して教育費の負担軽減というのは行っているかと思いますが、具体的にどのような取組を行っているのか、改めて伺いたいと思います。

○戸谷私学部長 都は、私立高校の授業料につきまして、国の就学支援金と都の特別奨学金によりまして、年収約九百十万円未満の世帯を対象に、都内私立高校の平均授業料額まで支援しているところでございます。
 また、低所得世帯向けに、授業料以外の負担を軽減する奨学給付金、あるいは育英資金、入学支度金による無利子貸付けなど、幅広い施策を総合的に活用いたしまして、教育費負担の軽減に取り組んでいるところでございます。

○内山委員 ありがとうございます。
 そういった取組に加え、令和二年度からはコロナという要素が出てきて、家計が急変する世帯というのが増えているというふうに私も認識していますが、そういった世帯の生徒に対する支援はどのように行っているのか、伺いたいと思います。

○戸谷私学部長 家計急変世帯への対応といたしましては、令和二年度に制度を拡充いたしまして、奨学給付金について、前年の収入状況で判断するだけでなく、当該年に家計が急変して、新たに低所得となる世帯も対象としたところでございます。
 また、授業料等の減免制度がある学校が、保護者の家計急変を理由といたしまして授業料等を減免した場合、都が学校に対して行う補助に適用する補助率を、減免額の五分の四から十分の十に拡充しております。

○内山委員 今、経済的に厳しい生徒たちにこれまでどのような支援をしているのか、また、コロナ禍での家計急変の世帯にどのような支援をしているのかということでご答弁をいただきました。
 こういった都の様々な施策によって、先ほどご答弁あったように、平成二十八年度から見てみれば、だんだん成果を上げて着実に減ってきているものの、令和二年度には少し上がってしまったということなんだと思います。
 先ほど申し上げたように、この令和二年度、二十二名だけが経済的な理由で学びを断たれてしまったのかということに関しては、少し私も、もっと踏み込んで調査をすれば、もっといるんじゃないかなというふうに思うんですが、一方で、傾向としては、当然、下がってきたものが少し上がってきた。これはある程度実態を表しているのかなというふうな気もするんです。
 そういった中で、コロナ禍によって、やはり、都立の方はゼロ名ということで、もう検証のしようがないぐらいな現状把握なんですが、私学の方では少しそういった数字が出ているという中において、これだけ対応してきたにもかかわらず、それでもやっぱり学びの継続を諦めてしまう。
 すなわち、公立の転学ではなくて、この二十二名というのは、そもそも学びを諦めてしまうという子供たちですので、そういった意味では、施策を十分に行いながらも、一方で、学びを諦めてしまう子供たちがいるというのも一つの事実だと思います。
 そういった中で、今、答弁にあった内容だと、制度を整備した学校に対する補助というのが大前提になっておりまして、学校自体がこの減免制度をしっかりと整えることというのが重要になってくるんだと思います。そういった中で、学校による制度整備の現状と都の今後の取組について伺いたいと思います。

○戸谷私学部長 現在、家計急変を理由とする授業料等の減免制度を整備して都の補助を受けている私立高等学校は百六十二校でございます。前年度と比較し二十一校増加しており、全体の約七割となってございます。
 さらに多くの学校において制度の整備や活用が進むよう、今後とも、私学団体と連携し、各学校に対して、より積極的な制度整備を働きかけてまいります。

○内山委員 ありがとうございます。私立学校ということで、十割というのはなかなか難しいのかなというふうにも感じます。各学校様々な考え方があろうかと思います。一方で、全体の七割ということであれば、制度整備に向けてまだ余地があるのではないかとも思いますので、ぜひ制度整備を促進して、生徒たちの支援につなげていただきたいなと思います。
 また、重ね重ねではありますが、まず、実態をしっかりと把握していく中で、子供たちの実態が把握できた中で、初めてさらに踏み込んだ支援というのもできると思いますので、先ほど申し上げましたが、経済的な理由というのが、中途退学の理由が一つの理由だけで語られるということがないように、また、転学というのも今、現状全く把握されていない状況でありますので、ここについても経済的な理由という切り口から調査されることを最後に望みまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○斉藤(や)委員 私の方からは、初めに、都民の声について伺いたいと思います。
 以前の事務事業質疑というか、毎回、私、できるだけ都民の声の窓口について質問するようにしております。それは、取りも直さず、都民の声をしっかりお聞きすることがよりよい都政にとって大事なことであることはいうまでもないわけですが、現場は様々大変な状況である中でコロナが起こったわけです。
 そこで、都民の声を直接キャッチする都民の声窓口は、寄せられたお声を事務事業改善に生かすという、都政と都民をつなぐ重要な役割を担っているということをまず確認したいと思うんですが、特にこのコロナ禍の中、様々な都民の不安や都政への要望がこれまで以上に多く寄せられていると聞いております。
 そこでまず、都民の声窓口事業の現状について伺いたいと思います。

○久故広報広聴部長 都民の方からの様々な声、ご意見は、生活文化局に設置しております都民の声総合窓口と各局の都民の声窓口で、メール、電話などにより受け付けております。
 昨年度、令和二年度の受付件数は、新型コロナウイルス感染症対策や東京二〇二〇大会に関する意見など、総合窓口には前年度の約三倍の約十九万八千件、各局の窓口の件数を合わせますと、前年度の二倍を上回る約三十一万五千件となっております。

○斉藤(や)委員 大変に多くの声が寄せられているということで、前年度を大きく上回る件数、大変厳しい意見や苦情も中にはあったと思われます。
 私たち都議会議員も現場の声を聞く力をしっかり磨かなければならない。これは都議会公明党のモットー、大事にしているところでございますけれども、今後とも、都民の声を聞く力のスキルアップに努めていただくとともに、担当者のメンタル面、これは聞く側は聞く力をつけなきゃいけないわけですけれども、心の面は非常に周りのサポートが必要な部分がございます。窓口に寄せられた声に今後適切に対応していただきたいと思うわけです。
 一方で、窓口に寄せられた声以外にも、様々な声を聞く力を身につけなければいけません。都政に反映させることがさらに重要であることはいうまでもないんですが、そこで、都民の声を広く吸い上げるための取組について確認しておきたいと思います。

○久故広報広聴部長 無作為抽出によります四千人を対象に世論調査を実施するとともに、都政に関心のある方を公募して、都政モニター五百人を選定いたしまして、アンケートを実施しております。
 また、効果的な事業実施につなげるため、新型コロナワクチンの接種意向や、緊急事態宣言解除後の若者の意識に関する調査をオンラインで実施いたしました。
 さらに、LINEの東京都公式アカウントの登録者を対象とした、より迅速かつ簡易なアンケートを毎月実施しております。
 今後とも、デジタルを活用し、都民の意見や意識などを的確に把握してまいります。

○斉藤(や)委員 LINEの都の公式アカウントは登録者数が二十万人を超えて、これまで実施したアンケートでは、多いときには一万人を超える回答があったと聞いています。メールや従来の電話に寄せられる意見とは異なる、そういった層からのお声がそこに寄せられていることを評価したいと思います。
 また、最近では、選挙の期間に各世論調査、これも電話での世論調査だけでなくて、LINEや様々なアンケートの聞き方によって、今まで聞こえなかった声が聞こえるようになっている。
 また、選ぶ側からも、そうした整理されたものを見ることで、選択しやすいというか、いろんな意見があることを、今度、寄せた人が周りの声を知ることで、より自分の考え方を深めることができたり、様々、こうした一方的な電話だけじゃなくて、LINEによるアンケートをみんなで見るなどということも重要になってくると思います。
 そうした都民とのつながり自体が東京都の大きな財産であります。都民の声を吸い上げるとともに、先ほど申し上げましたが、その結果を今度はしっかりと都民に伝えていく、広聴と広報の連動というものが大切になってくるんだろうと思います。
 LINEをはじめといたしましたデジタルの活用を進めまして、都民との双方向のコミュニケーションを積み重ねることで、幅広い都民の声を都政に生かしていっていただきたいと思います。
 さて、そうした声はまちの中にもたくさんございますが、かねてから東京都政は、一千四百万の都民の声を地域で集まりながら寄せ合っている町会、自治会という存在がとても大切にされてきております。
 都は平成二十九年度より、町会、自治会支援の一環といたしまして、企業で培った経験を生かしたボランティアによる支援、いわゆるプロボノ、ラテン語だと思いますが、プロボノ事業を行っております。
 プロボノとは、辞書的な説明ですと、各分野の専門家が職業上持っている知識やスキルを無償で提供して、社会貢献するボランティア活動全般のことを指す、あるいはその人を指すというふうにいわれております。
 分かりやすい点では、無料法律相談を行っていただいている弁護士の方などが含まれると思いますが、東京には多くの企業が立地いたしまして、ビジネススキル、単なる士業の資格だけじゃなくて、様々なビジネススキルや専門知識を持った人材が集積していることが強みでございます。
 この強みを生かして、これまで多くのプロボノワーカーが仕事での経験やスキルを生かして町会、自治会を応援して支援をしてきたというふうに伺っております。
 五年目となるこのプロボノプロジェクトについて、今年度の実績を伺いたいと思います。

○馬神都民生活部長 今年度につきましては、プロジェクトに参加する前に、町会、自治会が抱える課題の棚卸しや整理、解決策の検討を行う入門講座に六十団体が参加しました。そのうち十九団体が、実際にプロボノワーカーによる支援を受けながら課題解決に取り組んでいます。
 プロジェクトの内容といたしましては、地域住民の意識調査を実施し、事業の見直しを図ろうとする試みや、町会、自治会のホームページを作成し、活動情報を広く発信していこうとする取組等がございます。

○斉藤(や)委員 このプロボノ、私が一番最初にこのプロボノを知ったのは、高齢社会対策なんですね。高齢社会対策で本当にそういう高齢者に寄り添う施策の中で、プロボノワーカーの持っているスキルを生かすということが一つあったんですが、それが水平展開したというか、一番地域で、町会、自治会で取り組まれている様々なそういった課題に対して、様々な方がそこにつながりができていることはすばらしい取組だと思うんです。
 しかも、コロナ禍にもかかわらずというか、コロナ禍だからこそといった方がいいと思うんですけれども、現状をよしとしない六十の町会、自治会、これ本当に分かれてしまうと思うんです。祭礼もできない、集まることもできない、子供食堂を一生懸命やろうと思ったけど集まる場所もない。
 そうした中で、諦めてしまう方もいれば、何とかできないかということで知恵を絞っていかれる方と、大きく分かれるときを迎えているので、できるだけ多くの方に、自身が抱えている課題をそのままにしないで、ぜひプロボノワーカーのお力も借りながら、解決策を探っていっていただきたいと思うんです。
 また、六十の中、その三分の一の町会、自治会がプロボノワーカーの支援を受けながら現在動いておられるということですが、このコロナ禍では、町会、自治会が抱える課題も様々変化してきていると思いますが、それに対応して新たに行った取組があれば、コロナ禍の中で特に目立ったものがあれば、ご紹介いただきたいと思います。

○馬神都民生活部長 今年度は、コロナ禍で必要性が増したデジタル化を進めたい町会、自治会を対象に、新たにワークショップを開催し、三十六の町会、自治会が参加しました。
 これは、オンライン会議やインターネットを通じた情報発信などに必要なデジタルツールの基礎知識を得るとともに、各町会、自治会に適したデジタル化の方法やツールを選定し、利用に向けた一歩を踏み出せるよう、プロボノワーカーと一緒に検討を行うものでございます。
 デジタル化が町会、自治会にもたらす利便性を具体にイメージできなかった方々も、プロボノワーカーに相談することで考えが整理され、行動を起こすきっかけが得られた等の声をいただいております。

○斉藤(や)委員 この全体の町会、自治会の分母を考えますと、三十六、その数が決して多いわけではないと思います。なかなか爆発的にこの活用が広がりを見せていないのは、昨年の事務事業でも議論になったところだと思います。
 しかしながら、いずれも、いろんな新しいチャレンジをしておられる町会、自治会があるのは事実でございますので、ごく一部かもしれませんけれども、こうした先進的なやる気のある町会、自治会を支援していくことによって、ほかの自治会、当然目黒にも一か所ございました、一生懸命やっている自治会。私の事務所のある町会だったんですが、一か所そういうことができれば、ほかの町会にもそれが話題となって広がっていくということは当然ございますので、ほかの町会、自治会にも影響を及ぼす、リーディングをする町会、自治会をつくっていくことが重要であると思います。
 いずれにしても、町会、自治会のニーズを酌み取っていきまして、このプロボノを活用して効果的なプロジェクトを今後も推進していただきたいと思います。
 また、今ご答弁の中にもデジタルという言葉が五回出てきているんですね。町会、自治会の話題でデジタル化という言葉が出てくるということ自体が、やっぱり今新しい局面を迎えているまちの風景が実感できるわけですが、誰一人デジタル化から置き去りにされないように、DXの議論は、遠くにあるんじゃなくて、こうした身近なところにもありますけれども、スマートフォンすら触ったことがない。あのスマートフォンというのは電話の形じゃおかしいだろうということで、本当にガラケーというんですか、古いタイプのはお話ししやすいわけですけれども、そうした電話しか使えない高齢者の方もおられます。デジタル化とは無縁な町会があるというふうに実際皆さん思っていらっしゃるかもしれないし、町会の方もそのようにおっしゃいます。
 都議会公明党の提案によって、このデジタルデバイドの解消に向けて、都は現在、まち中でのスマホの相談会に加えまして、町会、自治会を舞台にしたスマートフォンの講習会の開催を支援していると思います。
 スマートフォンを使うこと自体新しい挑戦となる町会にとって、講習会の開催は率直にいってなかなかハードルが高い感じかもしれません。この開催の敷居を下げるような配慮が必要だと思われますけれども、どのような仕掛けというか支援を行っているかを伺いたいと思います。

○馬神都民生活部長 現在募集を行っているスマホ講習会は、デジタルサービス局と連携し、講師を派遣する仕組みとなっておりまして、町会、自治会は、会場を用意し、参加者を集めるだけで開催が可能でございます。
 講習会では、基礎的なスマホの使い方に加え、例えば、ワクチン接種の予約をするためのホームページの閲覧方法や、スマホを使った役員会の開催など、参加者の要望にも応えております。
 また、講習会の開催に当たっては、会場費や、感染対策を講じるためのアクリル板や空気清浄機等の経費も併せて助成しております。

○斉藤(や)委員 デジタルサービス局と連携して講師を派遣する仕組み、これは生活文化局の地域の底力事業でもあり、また、デジタルサービス局も同じように、都民向けというか地域向けの事業も行ってきています。
 現場で見る方からすれば、予算の出どころがどこかということと関係なくて、自分たちの暮らし、町会、自治会の皆さんにとって、それがいいね、楽しいねとなるかどうか、非常にそれが鍵だと思うんです。
 また、困り事があった場合に、それを解決するツールとして非常に便利でいいねというふうに実感を持ってもらうために、私の地元の目黒区では、今回ワクチン接種はLINEによる申込みを採用しました。まさにまち中で、LINEによる申込みは高齢者の方でも簡単にできるものの、やはり使ったことがないので実感が湧かない。そこをやっぱり若い方や、お子さんやお孫さんですね。高齢者の場合は、高校生や、場合によっては中学生など、家族の中でもつながりを持って、家族間で手助けしている姿がございました。
 一回、二回のワクチン接種のときに多くの高齢者の方がスマートフォンを使えずに困っているシーンに遭遇しましたけれども、町会、自治会、同世代の方々が顔を合わせている単位でのスマホ講習会を開くことで、ご近所同士の参加がつながりのきっかけになることが期待されます。
 募集の締切り、今やっている事業もまだあるんですが、締切りまであと日もないんですけれども、少しでも多くの町会、自治会が開催できるように、この講習会の周知に努めていただきたいと思います。
 続きまして、男性の家事、育児参画の促進について、重ならない程度で質問したいと思うんですが、共働き家庭が増加を続ける中で、女性も男性も、子育てや介護など、個人の置かれた状況に応じて、多様で柔軟な働き方が選択できるライフ・ワーク・バランスを推進する必要があります。私が二〇〇九年に当選して一番最初に質問したテーマの一つでもございます。先輩議員もずっと長く公明党でこれを推進してまいりました。
 それを実現するための重要な取組の一つが、男性の育児休業の取得推進であると思っております。自戒の念を持って、私はライフ・ワーク・バランスを推進してきた一人です。
 まず、隗より始めよとのことで、都庁職員の皆様の育児休業取得を推進してまいりました。これは総務局所管になるかと思いますが、そこで、都庁及び都内事業所における男性の育児休業取得率及び最近の状況についてお伺いしておきたいと思います。

○赤羽男女平等参画担当部長 都庁職員の男性の育児休業取得率は、令和二年度は三三・六%、前年度は一八・三%でございまして、一五・三ポイント上昇しております。
 また、都内の事業所は、令和二年度は一四・五%、前年度は一一・八%でございまして、二・七ポイント上昇しております。

○斉藤(や)委員 これは短いご答弁だったんですけど、さらっと、ああそうですかという数字じゃないんですよね。大変に効果が出ている。二倍近く増加しているわけです。眠たい目をこすって耳を傾けていただきたいんですが、三三・六%という数字はすごい数字だというふうに思います。
 都の取組は、民間の事業所においても−−なぜ私が都庁についてこだわったかというと、それがまさに民間に波及していく、そこがアウトカム、大事なことでありまして、都庁の中での職員の方の、男性職員の育児休業の取得アップは、国を意識しながら、先頭を走ってもらいたいという気持ちと同時に、東京都と関連あるところから、民間にもそれが波及していく、いわゆる先進的なロールモデルになるものと考え、一貫して応援してきたわけです。
 最近では、民間企業の中にも、男性の育児休業取得率向上に向けて様々な取組を工夫しているところも増えてきているというふうに聞いております。
 そこで、男性の育児休業取得の機運が高まりつつあるこの機を捉えて、男性の育児休業取得促進や、男性の家事、育児参画を促す取組をさらに進めるべきだと思いますけれども、重ならない程度で、都の取組について伺いたいと思います。

○赤羽男女平等参画担当部長 男性の家事、育児参画の促進につきましては、これまでセミナーやシンポジウムの開催、ウェブサイト、パパズ・スタイルによる情報発信など、取組を進めてまいりました。
 パパズ・スタイルでは、これまで家事、育児に関わってこなかった男性も気軽に取り組むことができるよう、親子で楽しみながら家事を行うノウハウやヒントなどを発信しております。
 さらに、先月、特設サイト、TEAM家事・育児を開設いたしまして、子育て中の夫婦だけではなく、民間企業のマネジメント層や若者からシニアまで、あらゆる人々に向けて、男性の家事、育児参画を促すメッセージを発信しております。
 こうした取組を通じまして、男性の育児休業取得及び男性の家事、育児参画の促進を図ってまいります。

○斉藤(や)委員 私も子育てしてきた家族でありますけれども、隔世の感があるというか、大変に男性の家事、育児に参画することがしやすくなるために、参考になる事例が、映像や様々なツールで出てきていること、これはぜひ使っていただきたいと思うわけですが、男性の育児休業取得及び男性の家事、育児参画の促進へ向けて様々な取組を行っていることが分かりました。
 しかしながら、社会全体の機運を醸成していくためには、より多くの都民にさらにさらに都の取組を知ってもらうことが大事であり、使ってもらうことも大事であります。情報発信の工夫とサイトへのアクセス数について、現状を伺いたいと思います。

○赤羽男女平等参画担当部長 都は、フェイスブック、ツイッターを活用いたしまして、ウェブサイトと連動したタイムリーな情報を発信しております。
 また、特設サイト、TEAM家事・育児では、インフルエンサーとして、新日本プロレスの人気レスラー、オカダ・カズチカさんの発信力も活用しております。
 サイトへのアクセス数は、パパズ・スタイルは平成三十年十一月から本年十月までの累計で二十四万回を超えております。
 また、特設サイト、TEAM家事・育児では、先月二十七日のサイト開設から今月二十四日までの累計で約四万回のアクセスがございました。

○斉藤(や)委員 サイトのアクセス数、二十四万回を超えたり、四万回。やっぱりインフルエンサーはとても大きな存在だと思うんですね。オカダ・カズチカさん、私もよく知っている方だというふうにいいたいんですけど、よく存じ上げておりませんが、この方のアクセスは大変に多い。そういうことなんですね。そういうことだと思うんです。
 本当に、伝わるときというのはそういう、ええっ、この方がという方が本当に伝える力を持っておられるので、このオカダ・カズチカさんの力は大変にすごい力を発揮していただいております。アクセス数もすごく増えているということです。
 引き続き、様々な工夫をしながら、広く効果的に都民、事業者に発信することを期待したいと思います。
 続きまして、消費生活に関して質問したいと思いますが、私はかねてより、十八歳成年、年齢が二十歳から十八、成年年齢の引下げが若い方々の暮らしにとても大きな影響を与えるので、何年も前から取組の準備が必要だということを訴えてまいりました。いよいよ来年の四月より、高校生、高校三年生の方でも十八歳で成人になる方が出てまいります。
 そうした時を捉えまして、令和二年度の都の消費生活相談概要によりますと、インターネット通販、先ほど斉藤議員のお話にもございましたけれども、SNSに関連した相談が大変に増加傾向にあることが分かります。分析されています。
 その件数も過去最高ということで、インターネット通販に関する相談件数は過去最高、SNSの利用が日常生活に浸透している若年者の消費者被害が懸念される中、いよいよ来年、今申し上げましたように成年年齢が二十歳から十八歳に引き下げられる。そうなった場合に取消し権が行使できなくなるということです。
 高校在学中に成人となって、親権者の同意がなくても自らの判断で高額な商品購入をしてしまう、お金を借りてしまう、そうしたことが出てくるわけです。十八歳、十九歳にあったこの未成年取消し権が行使できなくなることからも、悪い人は本当にそういうことにたけていますので、そこを狙った消費者トラブルが増加するおそれがございます。
 こうした若者の消費者被害の未然防止を図るために、成年年齢引下げに向けた消費者教育について、都における現在の取組状況について伺いたいと思います。

○工藤消費生活部長 都では、成年年齢の引下げに伴う若者の消費者トラブル防止を図るため、都内全ての高校二年生とその保護者に対して啓発ノート及びリーフレットを配布しました。
 また、若者からラジオCM用のコピーを公募いたしまして、優秀な作品をCM作品にする事業も実施いたしております。
 さらに、東京都教育委員会や私立学校団体の協力も得て、教員向けの消費者教育講座も実施しております。
 昨年度からは、消費者教育コーディネーターを消費生活総合センターに配置して、出前講座などを活用した授業等を高等学校に対して提案し、授業等の充実につなげております。

○斉藤(や)委員 若い方々にどうしたら消費者として大事なことを伝えていくのか、教育というふうになってしまうと堅いふうなイメージですけれども、様々な取組をしています。
 特にこの若者のラジオCM用コピー公募は大変な話題になったということで、そうしたことは、誰かが応募すると、誰かが聞いている、学校の中で話題になる、人気者になる。そういうところが渦となって、その学校でとても関心が高まっていくという、一人が物すごく大きな力を持つのが若者の世界だと思いますが、私立高校、今日は私学の皆様には質問しませんけれども、私立学校でも、ぜひとも取組にそういった例を参考にして取り組んでいただきたい。実際に私立の学校団体の協力ということを受けているようですが、消費者教育はとても重要であります。
 様々な工夫をされているわけですが、これからもその重要性は一層増していくと考えます。お伺いしますと、折しも今週の月曜日、十一月二十二日、いい夫婦の日ですね、十一月二十二日に行われた消費生活対策審議会。ここでは、まさに消費生活基本計画の改定に向けた中間まとめ案が議論されたというふうに伺いました。
 成年年齢引下げに対応した消費者教育の今後の方向性について、この審議会ではどういった提言がなされているかをお伺いしたいと思います。

○工藤消費生活部長 審議会の中間のまとめ案では、教育現場での啓発活動の強化や教育プログラムの充実などが課題として出されております。
 この課題解決に向けた今後の取組の方向性としては、消費者教育コーディネーターの活動範囲の拡大や、教育現場のニーズを踏まえた教材の作成、講座の企画などが提言されたところでございます。

○斉藤(や)委員 都内にはおよそ四百を超える公立、私立の高等学校があるというふうに伺っておりますが、そうした中にあって、学校の様々なニーズに応じてきめ細かい対応をしていくことがより求められてくると思います。
 さらには、より低い学齢から、十八歳になってからじゃ遅いというか、もっと前から、低い学齢のときから、消費者教育の推進も今後ますます重要になってくると思います。
 今年度中に答申があって、来年度に計画を改定する予定と聞いております。事務事業の中にもそこが明記されておりましたけれども、ぜひともこの計画に向けて具体的な施策を検討いただいて、消費者教育の一層の充実を図っていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 次に、様々委員から出ましたが、エシカル消費の推進について質問を私の方からもしたいと思います。
 SDGs、持続可能な社会の実現に向けて、人や社会、環境に配慮した消費行動であるエシカル消費は、賢い消費というか倫理的な消費というふうになると思いますが、フェアトレード製品や森林保全につながる木材製品の購入、地産地消など、日々の買物を通じて、SDGsの達成にも自分事として大きく貢献できる取組として、社会的にも注目されております。
 我が会派、伊藤こういち都議をはじめ、都議会公明党はこれまでも、一貫してこれを推進して、質問もしてまいりました。
 都では、消費生活に関する総合計画である消費生活基本計画の中で、エシカル消費の推進を重要な取組の一つと位置づけて事業を展開してきておりますが、これまでの取組状況について伺いたいと思います。

○工藤消費生活部長 都では、事業の初年度となります平成三十年度以降、PR動画のテレビCM放映、大学キャンパスでのチラシやグッズ配布、スーパーマーケットでの関連商品コーナーの設置などを実施してまいりました。
 今年度は、幼児とその保護者に向けたデジタル絵本の作成や、区市町村が実施する講座向けのカリキュラムを作成いたしました。
 これらを通じまして、広く都民にエシカル消費の理念を普及啓発し、理解の促進を図っているところでございます。

○斉藤(や)委員 今ご紹介があった、幼児とその保護者のデジタル絵本、大変な話題になっておりますね。私自身、このエシカルという言葉を聞く機会が最近多くなったというふうに感じております。認知度と行動する数のギャップの話は、先ほど他の委員のお話がございましたので割愛しますが、民間企業が本年三月に行った調査では、エシカル消費の名称認知数、知っているよというのが二四%。また、新型コロナウイルス対策の自粛期間によってエシカル消費に対する意識が高まったという回答は三割を超えました。三〇・九%でしたが、そのうち実際に行動しているという人は六・五%というギャップがあるという話ですね。
 認知度が広がることや意識が高まることは大変よいことなんですけれども、それが実際の行動につながっていくことが重要であります。そのため、都も、これまでの普及啓発から一歩進んだ取組が必要と考えます。
 先ほどの成年年齢の引下げに向けた消費者教育の充実と同様に、消費生活対策審議会の中間まとめ案では、エシカル消費の推進についてどのような提言がなされているのか、伺いたいと思います。

○工藤消費生活部長 審議会の中間のまとめ案では、エシカルな商品はどこで購入できるのかなどの情報を都民に分かりやすく伝えていくことや、エシカル消費に資する活動に取り組む民間企業等をさらに増やして、消費者の購入が促進される仕組みが必要とされております。
 そのための取組の方向性といたしましては、行政と民間企業等が協働して取り組めるプラットフォームを構築し、都民のエシカル消費の実践を促す取組を展開すべきとの提言がなされております。

○斉藤(や)委員 行政と民間企業が協働して取り組むプラットフォームを構築する。東京都が全部やるんじゃなくて、プラットフォームをつくることで多くの方をつなげていく。そういったことはとても重要であるというふうに思います。
 企業側がエシカルな商品やサービスの開発をして積極的に販売をする。それを消費者は、エシカル消費につながる商品ということで選んでいく。選びやすくなっていくことが重要であるというふうに思います。エシカル消費が進んでいく好循環、こういった環境をつくっていくことにつながる内容であるということで、まさに時宜にかなった提言を期待しております。
 審議会の提言に沿うような具体的な取組を期待して、次の質問、最後のテーマになりますが、移りたいと思います。
 文化の振興に関してなんです。私は特に、東京都の現代美術館の収蔵に関して、絞って質問をしてまいりたいと思います。
 現代美術の分野は、新たなアーティストが次々に生まれてくる注目の分野でございまして、東京都の現代美術館は、こうした日本の現代美術を中心に収蔵、展示をする施設として高い評価を得ている。これを知っている人を増やすことが大事です。
 世界的に評価の高い作品をこの現代美術館が収蔵することは、価値ある作品を都民に接しやすくする機会の提供だけでなくて、美術館自体の価値を向上させる、ひいては東京の都市としての魅力を高めることにもなっていくわけです。
 パリにはルーブルがある。再来年、例えば様々な国際大会、ラグビーのワールドカップもある。そして三年後にはパリ大会もある。オリンピック・パラリンピックもある。大体出てくるのはルーブルとかそういう美術の場所だったりします。世界中の方が知っている。そして名高い評価を得ているわけですが、この現代美術に関していえば、東京なんだということなんですよね。
 一方、アーティストにとって現代美術館に自分の作品が収蔵されることは、自分自身の評価が向上して、そこに収蔵されたという実績が一つの評価基準になっていくわけなんです。今まさに活動している、良質といったらちょっと失礼かもしれませんね、レベルの高い新進アーティストの作品の収蔵は、そのアーティストの支援にもつながるわけであります。
 二〇一八年からTokyo Contemporary Art Award、こういったものも未来の東京にも書いてございましたけれども、そうした若い方々に受賞後三年間、現代美術館で展示を約束して、その価値をたたえていくというか、そういう取組をしているということもございますけれども、東京都の現代美術館は、どのような観点からそういった作品を収集しているか、それをお伺いしておきたいと思います。

○石井文化施設改革担当部長 東京都現代美術館は、現代美術を中心に、優れた作品の未来への継承、東京の芸術文化の内外への発信、若手作家への支援、施設の魅力向上の観点などを基本的考え方といたしまして、計画的に収蔵品を収集しております。

○斉藤(や)委員 基本的考え方というのがあって、お金が必要ですから、それに基づいて計画的に収集しているということであります。こうして収集する美術作品を収蔵することだけでなくて、どこまでもオーナーは都民でありますので、そういった都民のために、この美術作品の価値を都民に還元していく、そのよさを分かっていただく、そうしたことも重要だと考えます。
 そこで、東京都現代美術館では、収蔵作品の価値をどのようにしてオーナーである都民へ還元しているのか、お伺いしたいと思います。

○石井文化施設改革担当部長 収蔵した価値ある作品による魅力的な展覧会を定期的に開催し、都民への鑑賞の機会を提供しております。
 また、収蔵した作品と他館の貴重な作品とを相互に貸し借りすることで、他館の魅力ある作品を展示する機会を創出してございます。
 さらに、収蔵品のデジタルデータ化も進めておりまして、国内外の人々に作品を楽しんでもらうために、インターネット上で多くの収蔵品を公開してございます。

○斉藤(や)委員 私は、現代美術というものについて本当に知らないことがたくさん多くて、何で東京都にこの現代美術館があるのかなというところからスタートしてまいりましたけれども、実は今、世界の中で、東京にある現代美術の価値が、評価が物すごく高まっているという事実があります。数年前まで数十万円だった作品が億の単位で評価されている。そして、メトロポリタンを擁するアメリカ、ニューヨークの方々も、作品を収集するために東京に来日している。
 そうした中で、やっぱり日本の国内あるいは東京に集まって、一生懸命、コロナ禍の中でも作品の活動をしながら、多くの方に見てもらいたいと思っている方に、いつそれが評価されるか分からないのが現代美術であります。
 亡くなった方々の作品をオークションを見ながらすごいなというんじゃなくて、まさに生きている、若い方々を含めて、今そこにいる、どうしてそういう作品をつくったのかを聞くこともできるところに現代美術のすばらしさがあると思うんですね。思想や考え方をひもとくことも併せて楽しむことができる。
 こうした世界の現代アートというか、物すごく評価されている今であるからこそ、東京の持てる力を集中して、本来国が主導すべきですよ、現代美術についても。私はここが抜け落ちているんじゃないかなとすごく思っておりますので、これは国会議員の公明党の議員に強く伝えていきたいと思っておりますけれども、本来国が主導的に施策を考えていくべきありますが、様々な芸術が集積する東京において、都が率先して、都民、国民の貴重なこの財産の散逸を防いで、災害にも備えなければいけませんけれども、そうした価値を守っていく、そうしたことを率先して、国内作家のすばらしい作品を都民がいつでも鑑賞できるように、価値の還元をしていくべきであると思います。
 引き続き、東京都現代美術館において、作品の収蔵や価値の還元に力を入れ、誰もがすばらしい作品に触れられる環境づくりに今後も尽力していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

○アオヤギ委員 日本共産党都議団のアオヤギ有希子です。
 私は、決算に続いて、配偶者暴力相談支援センターについて質疑をします。
 昨日、二十五日から、国連が制定した女性に対する暴力撤廃の国際デーがスタートし、十二月十日までキャンペーンが実施され、世界各地で行動が取り組まれます。昨日は東京で取組が行われました。参加者は、あらゆるハラスメントをなくし、ジェンダー平等の実現をと訴えていたそうであります。
 昨年来のコロナ禍の下で、女性への暴力が増大しております。全国的にもDV被害相談は前年の一・六倍、性暴力被害ワンストップ支援センターへの相談は昨年の一・二倍になっています。
 さきの質疑でもありましたけれども、都の配偶者暴力相談等の推移でも、令和二年度は六万一千五十七件と、前年の五万五千四百十件を超え、相談は急増しています。
 決算の第二分科会で私は、配偶者や女性や子供に対する暴力に加え、見知らぬ者からの暴力である痴漢被害や、あらゆる暴力やハラスメントに対する相談窓口を求めました。
 また、多摩地域に配暴センターの設置を進めるため、区市町村の支援を求めたところ、都は、令和三年度末までに二十の区市町村で整備されることを目標に働きかけを実施し、現在十七区に整備されていますが、多摩地域の市町村には一か所もないことから、配偶者暴力相談支援センターの整備については、区市町村がその責任において相談等それぞれの状況を踏まえ、機能整備の必要性を判断していると答弁されています。
 まず最初に、改めて、配偶者暴力相談支援センターの機能についてお伺いします。また、配暴センターだけにしかない機能についてもご説明ください。

○赤羽男女平等参画担当部長 配偶者暴力相談支援センターの機能は、相談または相談機関の紹介、カウンセリング、緊急時における安全の確保及び一時保護、自立生活促進のための情報、保護命令制度、保護する施設の利用に関する情報などの提供及びその他の援助でございます。
 保護命令への関与や配偶者暴力被害相談の証明書の発行は、配偶者暴力相談支援センターのみで行うことができるとされております。

○アオヤギ委員 先日は八王子市の男女共同参画センターに伺いました。市役所庁舎とは別の八王子駅に近いビルの一角に入っており、DV対策としては主に相談事業を担い、一時保護と自立支援、心身回復は、福祉事務所や住宅部門と連携して行っているとのことでした。
 しかし、裁判所から保護命令に従って証明書を発行し、保護する機能はないということでした。そういう場合、多摩地域の市町村の住民は、立川にある都の女性相談センター多摩支所で証明書を発行するしかないということです。この証明書で国民健康保険証を発行するなど、必要なものを改めて発行したり、住民基本台帳の閲覧に制限をかけたりするそうです。
 相談では、女性のための相談、カウンセリング、弁護士相談、総合相談など様々実施されており、一番多いのが総合相談であるそうですが、先ほどご答弁いただいた六つの機能を備えた配暴センターを設置するには、人員体制も財源も、相談者の安全を確保しながら相談支援ができる場所の確保も簡単ではない状況で、現在の相談のための人数分の予算を確保するので手いっぱいという状況でありました。
 配暴センターの設置は、法律では区市町村の実施で、国の補助も都の補助もありません。様々な機能を持つ配偶者暴力相談支援センターを設置していくためには、市の単独事業になるため、センターに対する都の財政援助が必要であると考えますが、ご見解をお伺いします。

○赤羽男女平等参画担当部長 配偶者暴力相談支援センターの整備につきましては、区市町村がその責任において相談等それぞれの状況を踏まえ、機能整備の必要性を判断しております。

○アオヤギ委員 決算のときと同じ答弁でありますけれども、DVなど増加傾向にあると指摘されておりますので、そういう時代に見合った配暴センターの増設が必要です。
 二十三区で配暴センターを設けている自治体では、工夫をして、相談者の身近な場所でワンストップで対応できるようになり、また、配暴センターの名前を掲げることで相談が進んだということで、相談件数も倍増したということを伺っています。多摩地域でも早急に増設するために、区市町村の状況を把握して、手だてを取っていただきたいと思います。
 設置した区も、相談件数が大幅に増えて、対応など大変な状況にあると聞いております。区市町村に対して、研修の充実や、人的支援など充実させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 被害者の生活再建までを視野に入れ、身近な地域できめ細かい支援を迅速、円滑に進めるためには、区市町村の役割が重要でございます。
 東京ウィメンズプラザでは、区市町村の関係機関の職員を対象とした研修や出前講座等を実施しております。

○アオヤギ委員 区市町村の役割が重要だということです。コロナで相談が増えていますが、突然DVが始まったというより、長年我慢していたが、コロナの影響で状況が悪化し、もう限界というところで相談に来られる方も多いということです。傷ついた方に丁寧に対応し、警察への同行支援などもしていますから、十分に相談に乗るには、やはり体制の拡充が求められていると思います。ぜひ支援していただきたいと思います。要望します。
 研修についても答弁いただきました。区市町村に伺いますと、少ない体制の中でも都の研修には必ず参加するようにしているとおっしゃっていました。ぜひこちらの充実も図っていただきたいと思います。
 次に、DV加害者の対策について伺います。
 加害者は、執拗に被害者を追いかけてきたり、役所に問合せをしたり、執拗に被害者を探そうとする。また、逆上するということがいわれておりますけれども、そういう加害者が、さらに被害者を突き止め、傷害事件や殺人事件になるなどの場合もあります。
 加害者が加害を繰り返さないために、加害者自身が気づき、自分を変えようとすることが大切です。加害者の心理は根深いものがあると聞いておりますけれども、再発も多い現状です。加害者に対する対策はどのようなものが必要と考えられますか。

○赤羽男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、配偶者暴力に関する相談を含め、様々な悩みに対応しております。
 加害者からの相談があった場合には、相談を通じて、加害者本人の行為が配偶者暴力であるという自覚を促すとともに、意向を尊重し、専門のカウンセリング機関など適切な機関を紹介しております。

○アオヤギ委員 配暴センターを設けているところも含めて、区市町村では男性相談までなかなか手が回らない。話は聞けても支援のメニューがないというお話も伺っています。加害者対策となればなおさらです。ここは東京都の役割の発揮が求められています。
 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律では、国及び地方公共団体は、加害者の更生のための指導の方法等に関する調査研究の推進に努めることとされています。都は、相談を通じて自覚を促し、専門のカウンセリング等にも紹介しているとのことですが、さらに積極的な対応を求めたいと思います。
 加害者の対策も今後は不可欠になってきます。八王子市では、加害者を生み出さないために、学校に出向いて、デートDVとはという講座を開いております。
 こうした取組をさらに進めるため、普及啓発に対しても人的支援、財政支援を行って、区市町村の取組を応援してほしいと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 東京ウィメンズプラザでは、区市町村の男女平等推進担当職員を対象にした男女平等参画に関する事業運営等の知識を提供する研修や、相談員等を対象にした相談の専門的知識を提供する研修を実施しております。

○アオヤギ委員 相談員のそういう研修をやっておられるのは分かるんですけれども、やはり具体的にそういったプログラムをやっている自治体のそのプログラムに対して財政支援していただきたいと思います。
 八王子では、市内にある都立高校九校、私立高校十校、大学二十三校の全校に、講座をやりませんかと連絡を取って、応じてくれた学校に職員と講師で行って、打合せをして、かなり積極的にやっています。
 講座を受けた生徒は、デートDVというのはこういう行為も入るんだということが分かったということで、感想をいただいているということでありますけれども、男子生徒も含めて真剣に受け止めてくれたということでした。
 十代の頃から相手を大切にし尊重するということはどういうことかを正しく学ぶことは本当に大切だと思います。こうした取組は各自治体で工夫をしていますけれども、できる範囲でやっているのも実情です。都として、ぜひ支援をお願いしたいと思います。
 次に、町会、自治会の支援についてお伺いします。
 東京都、特別区長会、市長会、町村会が設置した東京の自治のあり方研究会が二〇一五年に発表した調査結果では、東京都三十三区市町村の町内会、自治会加入率は、二〇〇三年から二〇一三年の十年間で約六一%から約五四%へと減少していることが明らかにされました。
 また、防犯、廃棄物処理、防災等を課題として考えている人が多い一方、これらの分野では、町会、自治会による活動が評価されております。また、東日本大震災を契機に、住民同士のつながりが大切だと自覚された人が増えていると報告しています。
 近年の大規模災害、また、昨年来のコロナ禍で、町会、自治会の役割は再注目されていると思います。住民自治を進める上でも、また、地域の課題解決のためにも、町会、自治会はなくてはならない役割を果たしています。
 一方、その課題が重くなっており、一部の役員の方々に負担が集中し、敬遠される傾向もあります。ただ、区市町村の助成制度が、例えば加入した住民の分だけ防災備品の助成を行うなど、加入されないともらえない助成金もあり、多くの方に加入してもらわないと対策を十分にできないという実情もあります。
 私は、八王子市内のUR館ヶ丘団地というところに住んでおりますけれども、そこの自治会は、電動自転車を使った団地タクシーを団地内で運行するなど、度々マスコミにも取上げられています。
 このコロナ禍で、八王子市は、ワクチン接種予約の混乱が当初ありましたが、この自治会をはじめ、多くの自治会、個人の方が、インターネットを使えないお年寄りに対し、接種予約の支援を自主的に行い、接種が進められました。この館ヶ丘団地自治会では百九十人以上の予約を取ってあげたそうです。
 この自治会は、初めからこういう身近で親身な支援ができたわけではありません。高齢化が進み、八王子市内でも一、二を争う状況で、高齢化率五〇%にも達しています。
 約十年前、休眠状態だった自治会を再結成して、東日本大震災の直後から自主防災組織を結成するなど、徐々に活動を発展させてきました。
 町会、自治会の支援は区市町村でも行っていますけれども、支援と同時に、防犯灯の管理など、役所から様々な活動を求められている場合も少なくなく、自治会役員の成り手がいないなど、深刻な状況もあります。
 東京都は、町会、自治会に対して、地域の底力発展事業助成という事業を行っています。
 まず最初に伺います。
 地域の底力発展事業助成における助成対象事業数を、コロナ前の二〇一九年度と二〇二〇年度についてお伺いします。

○馬神都民生活部長 令和元年度は五百八十五件、令和二年度は二百六十一件でございます。

○アオヤギ委員 コロナ前は五百八十五件で、令和二年度は二百六十一件であったということで、コロナで活動が大きく制約されていることが補助件数の低さに影響しているということです。
 昨年は、緊急事態宣言中の総会の実施がオンラインや書面で行われる町会、自治会も多数あったというふうにいわれております。活動をストップせざるを得ない中、支援を求める多くの町会、自治会がありました。
 都は、緊急的に昨年度、新型コロナウイルス感染拡大防止普及啓発事業助成を実施し、感染症対策に係る経費など、町会、自治会に助成をしました。町会役員の検査費用や衛生用品を住民に配布するなどに使える助成金でしたけれども、助成した件数をお伺いします。

○馬神都民生活部長 二千八百五十八件の助成を行いました。

○アオヤギ委員 自治会総数がおよそ九千自治会あるそうですから、約三分の一が助成を受けたということです。この感染症対策の助成金は各地でとても喜んでいるというお声も聞きましたけれども、都にはどんな声が寄せられているのか、お示しください。

○馬神都民生活部長 この事業を行うことで活動を再開させるきっかけとなったなどの声をいただいております。

○アオヤギ委員 大変歓迎されていたということであります。コロナが終息するまではまだ時間がかかり、引き続き感染症対策が求められています。地域の底力助成は、感染症対策としてPCR検査などの検査をしてよいということになっています。こうしたことも一層周知して、活動の支援をしていただきたいと思います。
 東京都町会連合会では、町会、自治会加入促進へのインセンティブとなる支援をと求め、そして、地域の底力助成の継続とデジタル活用支援を使いやすく改善し、Wi-Fi機器のレンタル期間の延長などを求めています。
 また、町会、自治会会館の耐震化も大きな負担となって、もっと多くの自治会が使えるようにと要望されておりますけれども、この制度の周知徹底と、地域の底力事業の上限額を引き上げるなど充実していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○馬神都民生活部長 年度当初に区市町村を通じて周知を図るとともに、東京都町会連合会の常任理事会等でも周知を図っております。
 今年度は、デジタル活用区分の新設、見守り活動の助成率を十分の十とするなど、拡充を行っております。

○アオヤギ委員 今年度も充実を図ったということで、重要ですけれども、町会、自治会の声も踏まえて、一層の支援拡充を要望しておきます。
 また、プロボノ事業も重要です。
 私の自治会で活動が発展したのは、外部の力を取り入れ、団地内にある高齢者見守り相談施設と共に連携して、団地タクシーの開始や、近隣の大学のボランティアサークルとの連携で企画を催したりということを実践してきました。
 その中で、都の地域の課題解決プロボノプロジェクトにも取り組んできたのが大変効果があったと役員さんはいっておられます。
 このプロボノ事業は、地域の課題を解決するために、都が募集したプロボノワーカーさん四名程度が、数か月にわたり町会の課題を洗い出し、具体的にどうやるとよいかなどを示して、最後に発表会を行うという事業です。
 館ヶ丘団地自治会がこの事業に約一年間取り組んで、最後に発表する会にも、数年前、私も住民としてお聞きをしましたけれども、プロボノワーカーさんは、職業も、住んでいる地域も、年齢も、性別もばらばらで構成され、そのときには、会報を、自治会に入ったらこういうメリットがあるということを具体的に示した方がよいというふうな指示で分かりやすいと思いました。こうした指摘された点について自治会では改善をして、自治会報も現在は充実をして、分かりやすい内容になっています。
 また、ワクチン接種の予約についても、いち早く住民に予約支援をしていることを知らせ、多くの方に支援をしました。それまで高齢化が進む団地で、施設入所などで毎月会員が減る状況だったのが、現在では、少しずつではあるけれどもプラスになっているということでした。
 このプロボノ事業について、実施した自治会では大変効果があったということですけれども、多くの自治会が利用してほしい制度です。今後どのように実施する自治会を増やしていくのか、お聞きをいたします。

○馬神都民生活部長 事例勉強会や成果報告会を開催し、実際に活用した町会、自治会の成果を広く周知することで活用を促してまいります。

○アオヤギ委員 この館ヶ丘団地自治会では、たまたま役員の方がこうした事業があることを知り、申し込んだのが経過です。
 多くの自治会の方々に、外部の力を借りて自治会の活動を発展させられることをお知らせいただき、支援を拡充していただくことを要望して、質疑を終わります。

○風間委員 用意していた質問が何点か、というか、かなり重複していますので、そういったものを省きながら話を進めていきたいと思います。
 まず、オリ・パラ準備局の質疑のときにも少し触れましたけれども、都民が手を携え合って、共に支え合って生きていく社会を構築していくということについては、東京都としても取り組んでいることかと思いますし、また、それもダイバーシティという観点から、多様性、国籍を問わず、出身国を問わず、多くの皆さんが手を携え合って、この社会をどういうふうに進めていくのかということについては、生活文化局の皆さんも日々取り組んでいることだと敬意を表します。
 私が質問することのまず一つは、こういった役割を団体として担っているのが、一つNPOという存在だと思っています。
 NPOも法律で認められてから、既に二十年少々たちますけれども、その中には、事業を継続することができずになくなっていったNPOもありますし、または、うまく後継者が見つかり、ボランティアの仲間が集まり続いているような団体、メンバーとしても増えていって、東京都だけではなく、全国的に取り組んでいるような団体も増えてきているという認識です。
 しかし、このコロナ禍によって、活動ができなくなってしまったと。ボランティアをしたいけれども、その活躍の場がないというような団体もあろうかと思います。
 本来、志を持って立ち上げたNPOがなかなか続いていくことが困難だと、そんな相談も受けることもありますけれども、東京都として、こういった事業継続が困難になってしまっているNPOだったりとか、連絡が取れなくなっているNPOだったりとか、どのような対応をしているのかをまずは教えてください。

○馬神都民生活部長 NPO法人には、毎年、事業報告書を提出する義務がございますが、未提出の場合、まず、督促を行い、それでも提出がない法人には過料を科しております。
 未提出が三年続いた法人に対しては聴聞を行い、特別な理由がなければ認証を取り消すということになります。
 なお、コロナ禍により活動できないなどの相談があった場合には、総会の開催や事業報告の方法などについてアドバイスを行っております。

○風間委員 継続の意思があるところに関してはサポートをしてもらえればなと思いますし、先ほどの質疑でもありましたように、ボランティアをしたい人たちとNPOとのマッチングということで、レガシーネットワーク、これで既にマッチングが成立しているケースなんかもあると。
 ボランティアの担い手がいなくてNPOを存続することができないだとか、資金難というか、事業費がないだとか、そういった相談も受けるところでありますけれども、東京都が行う事業をNPOの皆さんに協力をしてもらって進めていくというケースも多々あろうかと思いますので、寄り添って支援をしていってもらえればなと要望しておきます。
 このボランティアとのマッチングということについては、オリ・パラ準備局のときにも少し触れましたけれども、大人だけではなく、今、高校生もボランティアマインドというものが、学校が力を入れているということもあろうかと思いますけれども、かなり個人、高校生個人、中高生個人でもボランティア意識がある。そんな子供たちが増えてきているように感じます。
 私自身もボランティア団体に関わっていることがありますけれども、中高生からの問合せ、個人からの問合せなんかもあったりするわけですね。
 これは、大学の進学の際にボランティアの経験などがかなり問われる、そんなケースなんかも増えてきていますから、高校生が個人としてボランティアに参加したいと、そんなニーズが高まってきているかと思いますけれども、この中高生個人と、例えば、それぞれのテーマを持って行っているNPOとのマッチングというのも、NPO単体としては、ホームページで公開していてもなかなかたどり着けない中高生というのもいると思うんですね。
 学校単位でそういった情報を提供しているようなところもあるということは認識しておりますけれども、こういった中高生とボランティアのマッチングについては、東京都としてどのような取組をしているのか、教えてください。

○馬神都民生活部長 ボランティア団体などの関係者から話を聞くと、ボランティアに慣れていない若年層が個人でボランティアに参加すると、団体との関係や事故など、トラブルに見舞われることも多いと聞いております。
 そこで、高校生がボランティア活動を行う際に気をつける点や、生徒の活動についての教員の相談先を私立高校に周知するなど、高校生がボランティアに参加できるよう支援しております。

○風間委員 私も中学生と高校生の息子がおりますけれども、ボランティアに少し関心があるようで、自分で調べてボランティアに参加してきたなんていう話を聞いていますと、中高生を受け入れることに慣れている団体なんかも最近は多うございますし、まだまだそういったところに不慣れなところでも、高校生が来たということで珍しがって、かなり手厚くフォローしてくれるなんていう話も聞いたことがあります。
 東京都としては、こういった中高生の、ボランティアをやりたいという、こういったニーズをうまくサポートするような体制も今後は検討していってもらえればなと思います。
 子供の支援という意味でいいますと、先ほど、共生社会の実現という意味では、例えば、日本語を母語としない子供たちへのサポートということも、今日少しお話でも出てきましたけれども、こういった取組も重要なのだと思います。
 東京都としても、こういった多文化共生と外国人支援という観点から、在住外国人支援事業助成というものを行っているということを知り、こういったすばらしい取組、なかなかまだまだ知られていないのかなと思いつつ、NPOなどがこういったことを請け負ってやっているという話も耳にします。
 実際に、東京都としては、どういった趣旨でどの程度この事業が広がっているものなのか、教えてください。

○小野都民活躍支援担当部長 東京で暮らす外国人が安心・安全に暮らせる環境を確保するとともに、経済活動や地域活動への積極的な参加を促すため、民間団体等が実施する外国人支援事業に対し助成を行っております。
 令和二年度は、外国にルーツを持つ子供に対し、高校進学に向けて日本語学習等の支援をする団体など十五団体に助成決定をいたしました。

○風間委員 教育庁に対する質疑のときにも少し触れましたけれども、日本語を母語としないがために進学を諦めてしまっているようなお子さんもいらっしゃるだろうと。そういったところがしっかりとそういう支援をしている団体とつながっていけるような支援体制というのも、この生活文化局としても、さらに進めていただければなと思います。
 外国人への支援、サポートという観点から、先ほども少しお話が出てきましたけれども、語学ボランティアが制度としてはあると。一方で、この数値的なものを少し見てみると、東京都全体でこんなものなのかなと思ったこともありました。
 東京レガシーネットワークでしょうか、オリンピック・パラリンピックに関わったボランティアの皆さんの中には、語学にたけた方もいらっしゃるのではないかなということも想定できますけれども、こういった方とのマッチングといいますか、災害ボランティア、語学ボランティアというところに関わってもらうということは、非常に意義があるのではないかと。
 こういった語学ボランティアの方々を増やしていくということも今後重要な視点ではないかと思いますが、東京都の見解として、お伺いさせてください。

○馬神都民生活部長 東京ボランティアレガシーネットワークでは、様々なボランティア団体や活動情報を掲載しており、防災語学ボランティアも掲載しております。
 これにより、大会関連ボランティアの方などに防災語学ボランティアの活動を知ってもらういい機会と捉えております。

○風間委員 災害ボランティアのことに少し触れましたし、先ほども質疑がありましたけれども、災害時には本当にボランティアの方々の力が重要であるということは、私も災害ボランティアの団体に属していることもあり、行った際には大変感謝されたりもしています。
 東日本大震災のときにも、被災した自治体の皆さんと意見交換をしている際に、自助、公助、共助、さらにすごく役立ったのがN助だという話がありました。N助って何ですかと聞いたら、NGOだとかNPOだとかの災害ボランティア、ここはもう特に災害列島日本で次々と災害が起こり、そのたびに活動されている皆さんには相当なノウハウがあると。こういった方々の力が本当に助かったんだという話がありました。
 首都直下地震も想定されるこの東京都においては、こういった方々とのつながりというのは大変に重要になってくるんだと思います。
 そこで、東京都の災害ボランティアについて少し伺いたいなと思いますけれども、東京都では、東京ボランティア・市民活動センターと共同で行うというふうに少し伺いましたけれども、この意義はどういうことなのか、教えてください。

○馬神都民生活部長 発災時に被災地のニーズをまとめ、災害ボランティアを募集するのは、区市町村災害ボランティアセンターでございます。
 都災害ボランティアセンターは、区市町村災害ボランティアセンターの後方支援的な役割を担っております。
 そのため、都災害ボランティアセンターは、日頃から地域のボランティアセンターと連携している東京ボランティア・市民活動センターと共同で設置するとともに、その運営も担ってもらうことで、災害時の迅速な対応につながると考えております。

○風間委員 こういった災害ボランティアに関わっている皆さんは全国的につながってもいらっしゃいますから、首都直下が起こった際には、東京の方みんな被災者というような状況になろうかと思いますけれども、こういった全国的な活動をしている団体とつながっていることによって、首都直下の影響のなかった国内外のボランティアの皆さんが集まってくるような体制をつくっていくことも必要なのかなと思いますけれども、東京都として、この辺りどのように考えているか、お聞かせください。

○馬神都民生活部長 東京ボランティア・市民活動センターを運営する東京都社会福祉協議会では、全国社会福祉協議会の下、災害時の協定を結んでおり、被災した都道府県が災害ボランティアの対応ができない場合に備え、都道府県間で協力する仕組みをつくっています。
 このことから、東京に甚大な被害が生じても、他県からの応援により、災害ボランティアセンターの設置、運営は可能となっております。

○風間委員 災害時に自助、共助、公助という話を少し触れましたけれども、やはり共助は非常に重要であると思いますし、この共助を常日頃からやっているのが、町会、自治会をはじめとする地縁団体の皆さんなんだと思います。
 今日も質疑の中でかなり取り上げられておりましたけれども、高齢化ですとか、多忙化によって、町会、自治会の加入比率もなかなか上がらなかったりですとか、課題も多く抱えていることかと思います。
 こういった地縁団体の皆さんがより活動しやすいように、東京都としても様々な制度を設けているというようなことが、今日の質疑を通じても、改めて確認することができたわけですけれども、申請主義ということによって、なかなか手を挙げないと、東京都としてもサポートをしにくいというような状況も少し見えてきたところであります。
 高齢者支援ですとか、シングルの家庭の支援ですとか、地域の課題と併せて、それぞれのテーマで行っているNPO等もあるかと思います。こういった地域の課題だけれども、NPOが手を挙げることによって、地域や地縁団体と共に行っていくということもできるんだろうと思いますし、そういったマッチングの取組も、町会、自治会が手を挙げることによって可能だということが今日の議論でも見えてきました。
 これは逆に、NPO等も手を挙げられるようにして、共に手を組んで地域課題に取り組んでいくということも今後考えていけないものかと思いますが、いかがでしょうか。

○馬神都民生活部長 町会、自治会は、地域課題の解決のためには重要な存在でございます。
 しかし、お話のありましたとおり、高齢化や加入率の低下などから担い手が不足している町会、自治会も多くなっております。
 そのような町会、自治会を地元のボランティアなどが手伝うことで、活動も活発化し、地域の活性化につながります。
 そこで、今年度より、東京都つながり創生財団や区市町村と連携し、町会、自治会のちょっとした困り事を区市町村がマッチングした地元ボランティアが手伝う、まちの腕きき掲示板を試行実施しております。

○風間委員 こういった情報を収集するということも自ら行っているNPOも結構ありますし、NPOが手を挙げるなり、NPOから働きかけていけるような仕組みもぜひ今後検討してもらえればなと思います。
 NPO団体の中には、様々な取組、それぞれテーマによって行われているかと思いますけれども、子供たちに消費者教育といった観点で取り組んでいるような団体もありますし、今日話も出てきておりますエシカル消費についても、普及啓発をしているような団体なんかもちらほらと出てきたように感じます。
 東京都として、こういった子供たちへの教育、エシカル消費であるとか、消費者教育といったことに取り組んでいるとは思いますけれども、こういったNPO団体と共に、今後、このエシカル消費を普及拡大させていくことも必要かなと思うわけですけれども、東京都としての見解を教えてください。

○工藤消費生活部長 東京都はこれまでも、消費者団体と連携しながら、東京都の消費者月間事業などを展開しております。
 そうした中で、交流フェスタですとか、そういうところで、啓発ブースを設けたりして、啓発に努めているところでございます。

○風間委員 続きまして、私立学校に通う家庭の支援という観点から少し質問させていただきますが、保護者の負担軽減ということで先ほど質疑が幾つかありました。
 私からは、多子世帯への支援という観点で伺っていきたいと思いますけれども、通常、こういった私立学校に通う家庭への支援というと、私自身も三人子供がおりますけれども、これまでは収入制限があるものというところで、ある一定の収入のある家庭は、我が家は無理だなと、このように思っている話なんかもよく聞くところであります。
 しかし、東京都としては、こういった世帯にも新たに支援を始めたということですけれども、具体的にどのような条件で支援を行っているのか、聞かせてください。

○戸谷私学部長 多子世帯への補助でございますけれども、これは今お話のありましたとおり、収入制限なく扶養する二十三歳未満の子供が三人以上いる場合につきましては、公立高校授業料額の半額相当を補助するという仕組みで補助してございます。

○風間委員 ありがとうございます。
 これは、いつ頃から始まったものかということと、いつ申し込むことができるのかということを教えていただけますか。

○戸谷私学部長 ただいまの制度につきましては、令和二年度からの開始ということになってございまして、申込みの時期としては、七月末というのを一つの区切りとしてございます。

○風間委員 ありがとうございます。昨年度から始まった制度ということで、まだまだその認知がされていないのかなというところで、私のところにも相談が来たことがあるんですね。こんなのがあったんだけれども、知らなかったというようなことですね。
 これはどのように周知されているのかということをひとつ伺いたいのと、例えば、七月の申込みというお話でした。これ多子世帯ですと、例えば入学をしたタイミングで、学校からいろんな資料が来ると。その中にもしかしたら入っていたのかもしれませんけれども、例えば小学校の入学、中学校の入学、高校、二十三歳までということでしたから、もしかすると大学の入学というのも重なる家庭なんかもあったりすると、それこそ一気にいろんな資料があって、それを一つ一つ確認をしてということの中に、こういったものがもしかして含まれていたりすると、気づいたらもう期限が切れていたなんていうことで、相談を受けたことがあるんですね。
 こういったことを含めて、救済策等があるのかどうかということも、ぜひ教えてください。

○戸谷私学部長 ただいまの周知につきましてですが、東京都は、私立高等学校等の授業料負担を軽減するための支援制度について、広く都民の方々にお知らせするために、「広報東京都」や都の公式ホームページへの掲載、あるいはSNSでの発信などに加えまして、制度内容を記載いたしましたリーフレット等を作成して、学校を通じて配布するなど、あらゆる機会を活用いたしまして、ただいまお話のありました申込み時期なども含めまして、そういう機会に周知することで、周知に努めてございます。

○風間委員 先ほど申し上げたように、気づいたら期限が切れていたということで、資料をよくよく読んでいると、もらってから一か月程度ぐらいしかないんですかね。そうすると、期限が切れていたということで、たくさんのお子さんを育てながら、家計的にも、年収的には確かに一千万近くある家庭だと通常の補助はもらえないわけであって、ただ、必要だといったときに、申込みが遅れてしまったら、もうもらえないんですかというような相談を受けたりします。
 これは申請主義ということで、その期限が切れてしまうともらえないということなのだとすると、本来、東京都として取り組んでいるこの多子世帯への支援ということについて、目的が達成できないということもあろうかと思いますので、今後、こういったケースにも柔軟に対応できるような制度設計ということを考えてもらえればなと要望しておきます。
 続いて、私立学校のグローバル人材育成ということで少し伺いたいと思っていますけれども、東京都は、こういったグローバル人材育成支援事業費補助という制度を設けていると。すばらしいことだと思います。
 コロナ以前とコロナになってからということで、なかなかコロナ禍で海外に行けなくなってしまったということの話は耳にするわけですけれども、これは実際にどのような状況なのか、教えてください。

○戸谷私学部長 私立高校の海外留学を支援する補助制度でございます。
 本事業を利用した都内の私立高校生の実績につきましては、過去、二十九年度では五百五十八名、平成三十年度では七百一名、令和元年度は七百六十八名ということになってございますが、令和二年度は、コロナの影響によりまして、事実上、例外以外のところは止まっているという状況になってございます。

○風間委員 こういった中高生でも、高校生ぐらいからですよね、海外留学を目指してきたけれども、このコロナで行けなくなってしまった、残念だという声が届いてくるところですけれども、こういった支援制度を設けているというのは非常にすばらしいことだと思います。
 一方で、行けなくなっちゃったから、じゃあどうするかとなったときに、例えば国内にいる外国人の方とのコミュニケーションの機会を設けるだとか、そういったことで語学力を高めていこうと日々努力している高校生なんかも私立の中にも結構いるわけでして、こういった制度も幾つか私立高校向けに行っているということは承知しておりますけれども、こういった取組については、今後、コロナ禍が長く続くことも想定できますので、何か考えられているのか、教えてください。

○戸谷私学部長 ただいま申し上げたとおり、昨年度、令和二年度は、やはりコロナの影響によりまして、海外への渡航だとか現地の留学を安全かつ円滑に実施することが困難な状況でありましたので、そのため、安全確保、それから感染症の拡大防止を最優先する観点から、二年度については、既に留学先で学習を開始していた、あるいは完了していたプログラムを除いて、新規募集を中止したところであります。
 ただ、本年度もなかなか厳しい状況が続いているんですが、留学を希望する学校や生徒の要望に可能な限り応えられるように、最新の海外の状況等も踏まえまして、本年度の事業の取扱いについては判断してまいります。

○風間委員 ありがとうございます。
 次に、男女共同参画という観点で何点か質問していきたいと思います。
 今日も既に複数の会派から、この観点から質問がありましたけれども、私からは、そういう意味では、ジェンダー平等、私たちの斉藤りえ委員からもお話がありましたけれども、女性も男性もかかわらず、社会で活躍できるような基盤を整えていくということが大変に重要なことなんだと思います。
 十五年ぐらい前でしょうか、イクメンという言葉が出て、男性の育児参加、家事参加ということも十五年を経て当たり前になってきたようにも感じるところでありますし、私自身もその頃に子供が生まれてから、この十五年ぐらいそういったことも経験をしてきて、今の若い人たちから話を聞くと、男性も女性も関係なく、できることをお互いがやっている、そんな家庭も増えてきたということを耳にするところであります。
 東京都としても、この普及啓発にはかなり力を入れてきたと思いますし、私も、先ほどご紹介のあったSNS等での動画も見たりしましたけれども、こういったことを、例えばどれだけの変化があったのかということについては、検証する方法等は持っているのかということを教えてください。

○赤羽男女平等参画担当部長 都では、都内の男女の状況を把握するため、今年度、都内在住の未就学児を持つ男女等五千人を対象に、男性の家事・育児参画状況実態調査を実施いたしました。
 本調査では、夫と妻の家事、育児にかける時間、またその分担状況、また、男性の家事、育児に対する意識などについて聞いております。

○風間委員 普及啓発というのはなかなか検証をする方法も難しいかと思いますけれども、かなりこういった男性の育児、家事参加も進んできたと感じる一方で、例えば、保育園の送迎だとか、夕食を作るだとか、そういったものについては分担が進んでいるものの、細々としたいわゆる名もなき家事といったところについては片方に集中していると。こういったことももっともっと理解を進めてほしいという声も耳にするところですので、今後の男女共同参画というところでの男性の育児、家事参画ということについては、こういった観点も進めていくように要望をしておきます。
 続いて、DV対策について、既にもう幾つかの会派から話がありましたので、私の方からは要望だけしておきますけれども、先ほどLINE等での登録もかなりあるという話がありました。
 この男女共同参画ということと、DV対策ということを、対象が困難な状況にある女性を支援するという大きなくくりで見ますと、情報を提供していくですとか、チャネルを増やしていくということについては、連携をしながらやっていくことによって、実は家事で困っているという人も、少しDVの被害に遭った、そこにちょっと相談してみようみたいなことがあるように感じていますので、連携して取組を進めていくように要望をしておきます。
 最後に、配偶者暴力対策基本計画について伺います。
 現在、この東京都配偶者暴力対策基本計画の改定に当たり、基本的考え方について中間まとめがなされて、今後、審議会にて諮るということで、パブリックコメントもかなり寄せられているのではないかなと想定します。
 これまでのパブリックコメントがかなり寄せられていたということですので、現状どんな状況か、教えてください。

○赤羽男女平等参画担当部長 九月二十四日に開催されました東京都男女平等参画審議会におきまして、東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たっての基本的考え方中間のまとめが取りまとめられました。
 この中間のまとめにつきまして、十月十八日から十一月十六日まで、都民意見の募集が行われたところでございます。

○風間委員 これまでは、例えばその表現の自由というところに懸念を抱く方々からの意見というものがかなりあったというふうに聞いておりますけれども、今回はそういった意見等は寄せられているんでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 現在集計中でございますが、そのようなご意見もいただいているところでございます。

○風間委員 ありがとうございます。中間まとめの現状、課題という欄の冒頭では、これまでの基本計画に記載されていましたマスメディアや公共空間において不快な表現に接しない自由にも十分な配慮を払う必要がありますとありますね。
 以前は、国の男女共同参画基本計画にも同様の表記があり、東京都もこれに倣っていたものと認識しています。
 しかし、令和二年度の内閣府による第五次男女共同参画計画からは、性暴力表現など実在する女性の人権を侵害するような情報への対策をはじめ、男女共同参画に関する各業界における自主的な取組を促進するという表記に変わっているんですね。
 国も様々な議論を経て表現の自由を尊重した表記に変更しているということを考えれば、東京都としても、これに倣って、もう変更していく時期ではないかと考えるわけですけれども、東京都としての見解を問います。

○赤羽男女平等参画担当部長 国の状況も踏まえ、審議会において検討されておりまして、そのような議論がなされたものと考えております。

○風間委員 これまでの基本計画には、現状、課題に基づく取組の方向性として、メディア事業者自身による暴力や性表現の自粛など、自主的な取組を促しますとあるんですけれども、この四年間で具体的に何かこのことに関しては取り組んだんでしょうか。

○赤羽男女平等参画担当部長 都では、東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づきまして、著しく性的感情を刺激するなど、青少年の健全な育成を阻害する図書類の区分陳列を徹底しております。
 また、日本雑誌協会におきましては、東京都青少年の健全な育成に関する条例が遵守されるよう取組を実施しております。

○風間委員 陳列に関しては、メディア自身というよりも、小売店がやっている取組だと認識していますけれども、メディアに自主的に取り組むことを促していくとなりますと、メディア関係者にとっては、表現の自由を脅かすものであるという声が以前よりあるものだと認識しております。
 これまでにも、パブリックコメントでも多数寄せられていることだとか、計画に表記しながら、具体的にメディアに対して働きかけ等をしていないのであれば、この表現はそろそろ見直す時期ではないかと思いますけれども、東京都の見解を最後に問います。

○赤羽男女平等参画担当部長 パブリックコメントの結果を踏まえまして、今後、審議会等で議論されてまいりますので、その結果を踏まえた東京都の対応をしてまいります。

○風間委員 私たちの会派は、この審議会に委員を出すことができておりませんので、この場を借りて、改めて意見として表明をさせていただきましたけれども、審議会での議論も注視してまいりたいと思います。
 以上で終わります。

○龍円委員 こんにちは。龍円あいりです。
 私は、私学助成、それから、アート、広報についてお伺いしたいと思います。
 私は、誰もが自分らしく輝きながら、参加している実感の持てるインクルーシブな社会の実現を目指しております。
 この観点から考えたときに、子供時代から違いのある子たちが日常的に一緒に過ごして育っていくことで変えていく必要があると考えまして、遊びの場としてはインクルーシブ公園を、学びの場としてはインクルーシブ教育に取り組んでまいりました。
 インクルーシブ教育は、障害者権利条約の中で、万人のための教育というふうに表現されております。それは、スペシャルニーズの、障害のあるお子さんを健常者の中に入れてあげるというものではなくて、スペシャルニーズのある子もない子も共に学び育つことによって、全てのお子さんがその環境から教育的に得られるものが大きいというふうに考えられているものです。
 アメリカのケンブリッジ大学では、インクルーシブ教育が、全てのお子さんにとって、学力面でも、そして、心の発達においてもいい影響を与えているとの論文も発表されております。
 生活文化局は、私学助成をしております。私立学校は、学校ごとによって特色があり、個性豊かな教育をしているところが魅力の一つだと思います。
 ただ一方で、インクルーシブという観点から見ますと、同じような家庭環境や経済状況で、同じくらいの学力のお子さんが集うことから、インクルーシブな環境の学校は少ないのかなというふうに思います。
 特に幼稚園から大学まで持ち上がるような学校ですと、大人になるまで違いがある人たちと深く関わることがなく社会に出ていくことになります。
 私学にお子さんを通わせる理由として、そういう特別な環境がいいんだというふうに好んでいらっしゃる保護者さんがいらっしゃるのも分かりますけれども、私立学校においても様々な考え方の学校がありますし、望む学校については、今よりインクルーシブな取組を進めてほしいと考えております。
 そこで、今日は、私立学校におけるスペシャルニーズのあるお子さんへの支援について現状を整理、把握させていただきたいと存じます。
 まずは、幼稚園ですね。幼稚園に対しては、スペシャルニーズのあるお子さんに関してどのような補助を行っていますでしょうか。あわせて、昨年度の実績についてお伺いいたします。

○戸谷私学部長 都は、私立幼稚園における特別支援教育の振興を図るために、特別な支援が必要である幼児が在籍している場合には、私立特別支援学校等経常費補助及び私立幼稚園特別支援教育事業費補助によりまして、対象の園児数に補助単価を乗じた金額を補助しているところでございます。
 令和二年度の実績は、対象園児数が二千二百八十六人、補助額が約十七億九千万円でございました。

○龍円委員 ありがとうございます。
 この場合の特別な支援が必要である園児というのは、どのような基準で確認しているのか、お伺いいたします。

○戸谷私学部長 対象となる園児につきましては、身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳を交付されている者、または児童相談所や心身障害者福祉センター等で障害があると判定を受けた者、さらに、医師の診断で障害児と診断された者でございます。
 そのため、申請の際には、障害者手帳や医師の診断書等の写しを添付していただくことで、特別な支援が必要であることの確認を行っております。

○龍円委員 ありがとうございます。私立幼稚園については、スペシャルニーズのある園児の数に応じた手厚い補助をしていることが分かりました。また、手帳があるお子さんのみならず、医師の診断があれば対象となるということですので、これだと園としても安心していろんなニーズのあるお子さんを受け入れられることと思います。
 発達障害のあるお子さんの場合ですと、成長とともに少しずつニーズがあることが分かってくるケースもありますので、それにも対応できるいい取組だというふうに思います。
 こういった補助のおかげで、スペシャルニーズのあるお子さんを積極的に受け入れている幼稚園も各地にあると伺っております。
 また一方で、保育園でも医療的ケア児も含めて受入れが進んでおりますし、就学前については、東京都ではほぼインクルーシブな環境整備ができているというふうに感じました。
 次に、私立の小学校、中学校についてお伺いいたします。
 これらの学校に対してはどのような補助を行っていますでしょうか。また、昨年度の実績についてお伺いいたします。

○戸谷私学部長 都は、特別支援学級を置く私立の小学校、中学校を支援するために、私立特別支援学校等経常費補助によりまして、対象の児童生徒数に補助単価を乗じた金額を補助しているところでございます。
 令和二年度の実績は、対象児童生徒数が二百七十七人、補助額が約一億五千六百万円でございました。

○龍円委員 ありがとうございます。私立小学校、中学校では、スペシャルニーズのあるお子さんの数に合わせてではなくて、支援学級を設置する学校への補助ということで、いきなりハードルが上がった印象があります。
 私学において、わざわざ特別支援学級を設けたいという学校は、現在一校あるということですが、なかなかこれだと今後増えることはなさそうかなというふうに感じました。
 私としては、スペシャルニーズのあるお子さんについて、幼稚園と同じように、お子さんの人数に見合った補助をしていただきたいと思っております。
 発達障害のあるお子さんの中には、得意なことと不得意なことが著しく差があるお子さんも少なくありません。公立の詰め込み型の教育の中では、うまく適応できないのだけれども、創造的だったり、探究的な学びだと力を発揮するお子さんもいらっしゃいます。
 東京大学では、異才教育、異なる才能の教育として、ROCKETというプロジェクトをやっているんですけれども、そこでは、学校ではなかなかうまくいかなかったけれども、力を発揮して、今では世界で活躍しているようなお子さんも誕生してきているというふうに伺っております。
 スペシャルニーズのあるお子さんが、特色のある教育をしている私立学校を就学先として選択でき、そして、生き生きと学べるという可能性も広げていただきたいと思いますので、ぜひその辺の支援の在り方を検討していただけたらと思います。
 次に、私が今一番課題に感じているのが、中学校を卒業した後のことになります。
 スペシャルニーズのあるお子さんの学ぶ場としては、中学校までは、インクルーシブな環境を望むのであれば、地域の学校、そして専門的な支援がある特別支援学校という選択肢があったんですけれども、中学校を卒業した後は、知的発達の遅れがない発達障害のあるお子さん以外はほぼ都立特別支援学校一択という状況になっております。
 インクルーシブな環境を求めて、せっかく地域の学校に通っていたお子さんも、ほぼ選択の余地がなくて、分離された特別支援学校に通うことになっています。
 この分離された環境で学んだお子さんと、インクルーシブな環境で学んだお子さんを比較すると、学校に在籍しているときも、語学力とかコミュニケーション力で違いがあるのは分かっているんですけれども、何よりも、卒業した後に、就学先での定着率とか、うまくいくかというところにおいて違いが出てくるということが分かっておりますので、日本の都立特別支援学校でも就業訓練というのはしてくださっているんですけれども、それはあくまでも福祉作業所とかに行ってうまくいくような、分離された環境で働きやすい就業支援をしてくださっていますので、やっぱりインクルーシブな環境でということを望んだ場合において、まだちょっと足りていない部分があるというふうに感じております。
 これについては、都立特別支援学校でも取組を変えていただけるように教育庁の方でも質問させてもらっているところではありますけれども、それと同時に、私立において様々な選択肢があるのも必要だというふうに考えております。
 そこで、次に、中学を卒業をした後の進学先の一つとして、職業教育を特色としている私立高等専修学校に対してどのような補助をしているのでしょうか。また、昨年度の実績についてお伺いいたします。

○戸谷私学部長 東京都は、特別な支援が必要な生徒に対しまして、幅広い職業教育の機会を確保するために、私立専修学校の高等課程におきまして、特別支援教育を行っている場合には、私立専修学校特別支援教育事業費補助によりまして、対象の生徒数に補助単価を乗じた金額を補助しているところでございます。
 令和二年度の実績につきましては、対象生徒数が百七十二人、補助額が約一億三千二百万円でございました。

○龍円委員 今のは、例えば、目が見えないとか、目が見えにくい方が、あん摩マツサージ指圧師になる等の職業訓練として、私立専修学校において補助があるというふうなことだったと思います。これは一ついい取組だと思いますが、できればもっと幅広く高等教育レベルでも補助をしていただきたいなというふうに思います。
 私立高校においては、経費補助として運営全体を支援しているということですけれども、その中から特別な支援を必要としているお子さんに支援をするのは、そこまでは余裕がないんだというふうに私立高校の運営者からも伺っております。
 そもそも東京都がそのような支援を始めていたとしても、私立高校に一気にスペシャルニーズのあるお子さんがどどどっとやってきて、大幅に増えるという可能性はあまりないので、まずは門を開くというところから始めていただきますよう検討をお願いいたします。
 続いて、インクルーシブなアートについてお伺いします。
 現在、私は、アートを通して、地域のインクルーシブなコミュニティを育てていけないかなというふうに考えていろいろと活動をしております。
 先日、アール・ブリュットの総本山といえる渋谷公園通りギャラリーを視察し、アール・ブリュットの展示会、アンフレームドを拝見させていただきました。この展示会なんですけれども、すごくいいもので、いろいろ考えさせていただきました。
 誰もが自分を無意識にフレームというものに入れてしまって、そのフレームにとらわれてしまっている部分があるんだなというのに気がつかされました。
 私だったら、四十代の女性だったりとか、お母さんというところにフレームを入れてしまって、そこにとらわれているような部分があるんだなというのに気がつきました。
 一方、自分をフレームに入れて考える以外に、人をフレームに入れて考えているという側面もあることに気がつきました。
 スペシャルニーズのある人にとっては、障害者というフレームがあることによって、そのフレーム越しに見られることで、なかなかその人本人のことを見てもらえないような側面もあるんじゃないかなと思います。
 これは障害のある方だけではなくて、LGBT等の性的マイノリティーの方もそうかと思うんですけれども、ゲイの何とかさんとか、トランスジェンダーの何とかさんという感じで、どうしてもフレームにとらわれてしまうと、その人本人が見えてきにくい面があるかと思います。
 こういったフレームのものは、本当はハッシュタグみたいなもので、お母さんとか四十代の女性というのは、私にとって一つの側面でしかないので、このフレームを取り払って、それぞれがその本人と対峙するような関係性が築けたら、よりインクルーシブな社会になっていくんじゃないかなというふうに展示会を見ながら感じました。
 そんなとてもすてきな展示会を拝見したんですけれども、アール・ブリュットというのは、世間では障害者アートというふうに捉えられがちです。そもそも障害者アートと一般のアートを分けること自体がインクルーシブにはつながっていないというふうに思いますけれども、アール・ブリュットの本当の意味は、それとは違うんじゃないかなと思います。
 そこで、この渋谷公園通りギャラリーの意義、そして、これまでの実績についてお伺いいたします。

○片岡文化総合調整担当部長 東京都渋谷公園通りギャラリーは、アートを通してダイバーシティの理解促進や包容力のある共生社会の実現に寄与するため、専門的な美術の教育を受けていない人によるアートであるアール・ブリュットをはじめとする様々な作品の展示や交流プログラムを実施しております。
 昨年二月のグランドオープン以来、これまでに五つの企画展を開催しました。このほか、中野区、福生市、武蔵野市等と連携し、各区市の会場と本ギャラリーにおきまして、特別展を実施いたしました。
 企画展と特別展を合わせ、これまで約一万五千人が来場しておりまして、都民に多様な創造性と新たな価値観に触れる機会を提供してございます。

○龍円委員 ありがとうございます。このギャラリーが、アートを通じたインクルーシブな社会づくりにおいて、理解の促進などに向けて役割を果たしていることが分かりました。
 先日、このギャラリーが主催する子供向けのワークショップにも子供と一緒に参加させていただきました。
 残念ながらコロナ禍でオンラインとなってしまったんですけれども、スペシャルニーズのある子もない子も一緒に参加して、オンライン上でやり取りをしながら、同じアート作品をみんなで作るというものでした。
 私の息子はダウン症がありますけれども、ふだんは一つの作品を作るほど集中力が続かないんですけれども、オンラインでほかの子たちの様子を見たり、声が聞こえたりすることによって、すごく楽しそうに作品を作り上げることができました。
 また、オンラインならではのよさというのもありまして、スペシャルニーズのある子の場合、出先でこのような活動をしようとすると、親がいろいろと気を遣って、本当に終わる頃にはくたくたになってしまうような面があるんですけれども、自宅だと、子供のペースに合わせて、伸びやかに参加できたので、非常によかったと思います。
 コロナが終息したらリアルなインクルーシブイベントも開催してほしいとは思うんですけれども、スペシャルニーズのあるお子さんの特性を踏まえて、こういったオンラインを活用して、ハイブリッド型というのも検討していただけたらと思います。
 このアートギャラリーなんですけれども、近くに渋谷ネウボラという渋谷区がつくっている施設がありまして、そこの一階が実はアートが楽しめるような子供向けの施設になっているんですね。
 なので、コロナの後は、こういった地域の施設と例えば連携して、定期的に子供同士が交じり合ったアートイベントを開催することによって、この地域にアートを通じたコミュニティがつくられていくような取組も検討していただきたいというふうに思います。
 この公園通りギャラリーは本当にすばらしいと思うんですけれども、ここ一か所だけでやっていたとしても、東京全域にこのインクルーシブなアートの取組というのは広がっていきにくいのかなというふうに思います。
 そこで、東京都では、インクルーシブな社会につながるアートという意味で、そのほかにはどのような取組をしているのか、お伺いいたします。

○片岡文化総合調整担当部長 都では、背景や習慣の違いを超えた多様な人々の出会いが新たな表現を生み出すアートプロジェクトであるTURNを実施してございます。
 このほか、東京文化会館で、世代、障害を超えて楽しめる音楽公演やワークショップを展開するMusic Program TOKYOを実施するなど、都立文化施設におきましても、共生社会の実現などへの貢献を目指し、高齢者、障害者、外国人、乳幼児等を対象とした鑑賞、創作、発表機会の拡大等に取り組んでございます。

○龍円委員 ありがとうございます。公園通りギャラリー以外でも様々な取組を行っているとのことでしたが、今後も引き続き精力的に続けていただきますようお願いいたします。
 さて、現在、地元渋谷区では、アートの力を使って、社会課題を解決しようという動きもあります。渋谷区では、落書きというのがまちの景観を著しく壊して、その数が非常に多いんですね。
 渋谷区では落書き消し事業を立ち上げて、消す方は取り組んでいるんですが、どんなに消しても、再犯防止策を講じないと、再びそこに描かれてしまうということが数多くあります。
 その再犯防止策としては、ぴかっと光るライトをつけたりですとか、ここは落書き禁止だよという貼り紙を貼ったりという対策に加えまして、アートをそこに施すことによって、防止策としては非常に強い力があるというのが分かっております。
 特に、アーティストがぽんとそこに絵を描くのではなくて、その地域の方たちをたくさん巻き込んで、子供たちとか障害がある方とかが一緒に描いたようなアートについては、効果が高いというのが分かっています。
 今後、子供たちやスペシャルニーズのある方々も含めたインクルーシブアートを壁に描くことで、インクルーシブシティを育てながらも、落書きさせないまちづくりというのをしていきたいというふうに思っております。
 しかし、壁画となりますと予算がかかることから、クラウドファンディングを立ち上げるなどのケースも見られています。なかなか簡単には実現できないような現状があります。
 このように、アートの力で社会課題を解決したい場合、都の取組としての支援策があれば、その概要と、そして、実績についてお伺いいたします。

○蜂谷文化振興部長 都では、様々な社会環境にある人が個性を尊重し合いながら創造性を発揮することができる芸術活動や、芸術文化の特性を生かし、社会や都市の様々な課題に取り組む活動などに対する芸術文化による社会支援助成を平成二十七年度から実施しております。
 令和二年度は、演劇を通じたコミュニティづくりの取組や、まち中で障害者アートの魅力を紹介するイベントなど、十六件の事業を採択いたしました。

○龍円委員 ありがとうございます。こういった落書き消しそのもののための支援策ではないと思うんですけれども、こういった事業をもっともっと知ってもらって、活用してもらえるように今後も取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。
 続いて、話は変わりますが、都の広報についてお伺いいたします。
 私は元民放テレビに勤務しておりました。ありがたいことにテレビが高視聴率を取って、テレビ発信でいろいろな社会現象が起きるような、そんな時代を経験することができました。
 そんなテレビ出身者としては、残念なことではあるんですけれども、最近テレビの視聴率は著しく低下しております。
 私自身もなんですけれども、テレビをつけるのは月に一回くらいでして、見たいテレビニュースとかドラマとかがあったとしても、それがアーカイブ化されているアプリだったりとか、ユーチューブで確認しているような状況です。
 一方で、私の母を見てみますと、結構テレビの前に座っていて、一日の中でテレビを見ながら過ごす時間が長いようですので、年代によって、情報の得方が違ってきているんだなというふうに感じております。
 都では、テレビを活用した広報をしていますけれども、都民の皆様に効果的に情報を届けるために、テレビ番組のアーカイブを動画サイトに展開したり、制作費の高いテレビ番組そのものを減らして動画サイトで直接広報するなど、時代に見合った広報について、都度都度見直しながら進めていただきたいというふうに感じております。
 東京都のテレビを活用した広報についての現状と、そして、動画サイトでのアーカイブ活用などについて、どのように工夫しているのか、お伺いいたします。

○久故広報広聴部長 テレビは、多くの方に同時に情報を伝えることができる有効な媒体であり、都政の最新情報や、東京の魅力を発信するため、四つのテレビ番組を提供いたしております。
 一方で、お話のように、インターネット配信の増加や若年層のテレビ離れが進んでおりまして、都が実施した調査でも、今後力を入れてほしい広報媒体として、若年層からは、動画配信サイトの活用がより求められております。
 そこで、全てのテレビ番組を、放送終了後、動画ポータルサイト、東京動画に掲載することで、インターネットを通じて、より多くの都民に視聴いただけるよう取り組んでおります。

○龍円委員 テレビ番組については、以前はもっとあったものを現在は四番組に絞って放送を続けていて、アーカイブについては、東京動画に掲載しているとのことでした。
 答弁ではお触れになりませんでしたけれども、ユーチューブにも展開しているとのことで、評価できるなというふうに感じました。
 ただ、ユーチューブは、独特なカルチャーというのが育っていまして、そもそもテレビ番組が入ってくると、テンポ感が随分違うというふうにも感じます。ユーチューブは間をカットして早口の方がよくて、視聴者はさらにそれを一・五倍速で見て、時々早送りをするというスタイルで見ているようなんですよね。
 なので、テレビのシニア向けの番組がそのままインターネット、ユーチューブで配信されますと、なかなか視聴してもらえず、情報を受け取ってもらえないことも考えられます。なので、今後は、初めからインターネット向けの動画製作についても積極的に進めていただきますようお願いいたします。
 さて、動画だけではなくて、ウェブサイトでの情報発信も重要です。
 都では、各局が運営するウェブサイトがあって、昨今はあらゆる情報が掲載されており、その点は大変すばらしいと思います。
 ただ一方で、欲しい情報があるときに、その情報が掲載されているページにたどり着けないという課題があると思います。
 私自身、事業名が分かっていても検索エンジンでヒットしなかったり、事業名が分からない場合は発掘作業みたいになってしまって、最後は、分からないので、担当者様にお電話をして、電話をしながら、ここをクリックしてとかとご指導をいただきながら、そのページにたどり着くというようなこともあります。
 こういった状況を改善していくためにも、ウェブサイトの分かりやすい発信のために、アクセス解析をして、PDCAサイクルを回していく必要があると、私たちの会派の福島都議からも過去に質問をさせていただきました。
 都では、その後、アクセス情報を把握するための解析ツールを導入したというふうに聞いておりますけれども、現在の導入状況と、それから、解析情報を活用した改善の取組についてお伺いいたします。

○久故広報広聴部長 令和二年度は、都庁総合ホームページをはじめとします十九サイトにアクセス解析ツールを導入いたしました。令和三年度は、さらに約三十サイトに導入を予定しておりまして、現時点では、そのうち二十二サイトに導入しております。
 これらのサイトにおきましては、アクセス数や閲覧履歴などを分析できるダッシュボードを活用いたしまして、日々データ解析を行い、検索のしやすさや、目的ページへの回遊性の向上など、ユーザー目線での利便性の改善に取り組んでおります。
 また、分析ノウハウや改善事例につきましては、全庁で共有いたしまして、また、担当者向けの実践的な研修も実施しております。
 こうした取組によりまして、各局のホームページの効果的な改善につなげてまいります。

○龍円委員 アクセス解析をしながら、PDCAサイクルを回して改善に取り組んでいるとのことでした。
 ICTを取り巻く環境は目まぐるしい変化を続けています。本当に昨日まではバズっていたのに、今日は過疎化しているみたいな現象も多々見受けられます。
 そういった状況を把握しながら、都民に必要な情報が的確に届くよう、柔軟で効果的な広報を進めるためにどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

○久故広報広聴部長 都政に関する情報を分かりやすく発信し、伝えていく、伝わる広報が重要でございます。
 スマートフォンから情報を得る都民が増加するなど、情報収集の手段が多様化する中、都政情報を必要とする人へ的確に届けるため、様々な媒体を効果的に組み合わせるとともに、デジタルの力を最大限活用し、発信方法の改善を図っていくことで、伝わる広報の実現に取り組んでまいります。

○龍円委員 ありがとうございました。都においては、新型コロナに関するページがIT業界でも、驚かせるほどのクオリティーだったというふうに聞いております。立ち上げた後もどんどん改善されていって、大変使いやすいものになっています。
 今後、こういった好事例も広く都の中で展開できるように取り組みを進めていただきますようお願いいたします。
 以上です。ありがとうございました。

○竹平委員 初めに、東京都の多文化共生の推進についてお伺いいたします。
 都内在住外国人は、全国では最も多く、コロナ禍で一時的に減少しているものの、今後も増加が見込まれます。日本人と外国人がお互いの文化を理解し、共生していく社会の実現が重要であります。
 まずは、言葉の壁がある外国人が日本で安心して生活できるようにするためには、きめ細やかなサポートが大切だと思います。
 そこで、コロナ禍において、言葉が通じず不安を抱える外国人に対し、都はどのような取組をしているのか、お伺いいたします。

○小野都民活躍支援担当部長 東京都つながり創生財団の相談事業では、コロナに起因する在住外国人の不安にも対応し、情報提供や適切な機関へのつなぎ、区市町村に対する通訳サポートを実施しております。
 さらに、緊急事態措置の内容や、ワクチン接種などに関する情報については、都と財団が連携し、「やさしい日本語」や多言語版のチラシ等を区市町村や国際交流協会、外国人支援団体などに展開するほか、ホームページやSNSで発信しております。

○竹平委員 ありがとうございます。都が財団と連携をし、外国人の不安解消に取り組んでいることが分かりました。
 私は、江戸川区議会議員時代から、この「やさしい日本語」は大変重要だと考えておりまして、区にも取り組むよう訴えてきた経緯がございます。都が、多言語だけではなく、「やさしい日本語」でも発信していることは評価いたします。
 今後、行政からの「やさしい日本語」による発信や、都民の間での「やさしい日本語」の認知が広まっていくことが望ましいと思います。
 そこで、「やさしい日本語」が普及するよう、都はどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。

○小野都民活躍支援担当部長 これまで庁内各局や区市町村などの職員向けに、「やさしい日本語」に関する研修を実施し、活用を促進しております。
 また、「やさしい日本語」の普及啓発動画や活用事例リーフレット、つながり創生財団のポータルサイトなどを通じて周知を図っております。
 今後も、生活の様々な場面において活用が進むよう取り組んでまいります。

○竹平委員 分かりました。普及啓発ツールの作成、また、都庁内の各部局や区市町村などへの研修や、また活用の促進は、今後もぜひ続けていっていただきたいと思います。
 さらに、外国人が東京で安心して暮らせるようになるためには、外国人自身が日本語を習得することも大切であります。
 私の地元の江戸川区では、外国人を支援する団体や、日本語ボランティアサークルの皆様が、在住外国人への日本語教室を行っております。
 ボランティアの方などからお話を伺うと、ボランティアの高齢化による人材不足や、指導方法、開催場所、運営する費用の面で困っていると話されておりました。
 また、最近では、コロナ禍でオンラインによる開催をしているところもある一方で、活動を休止しているグループも多くあります。
 そのため、これらの活動を支援していかないと、外国人の学習機会が今後失われてしまうのではないかと懸念しているところであります。
 そこで、都は、地域の日本語教室が活動を継続していけるように、どのような取組をしているのか、お伺いいたします。

○小野都民活躍支援担当部長 都内の日本語教室を調査したところ、多くの教室が広報面など活動の継続に不安を抱えていることが分かりました。
 そのため、今年度、東京都つながり創生財団において、日本語学習を希望する外国人や学習支援のボランティア希望者に対して、都内の日本語教室の情報を周知するウェブサイトを構築いたします。
 また、コロナ禍でも日本語教室をオンラインで継続できるよう、日本語教室のボランティア向けに研修を実施したところでございます。

○竹平委員 先ほど在住外国人支援の補助事業の話が出てございました。実は私も一昨年、この外国人支援を行っている団体に、都が行っているこの在住外国人支援を行う団体への補助事業を紹介させていただきましたところ、無事に審査が通りまして、活用できたと大変喜んでおりました。
 ぜひ本事業を継続していただくとともに、事業について、やはり知らない団体もあろうかというふうに思います。ぜひ広く周知していただきますよう要望いたします。
 また、日本語を教える側のスキルを上げるための講座や、新たに日本語サポーターを養成するための仕組みをつくるなど、地域で活動する方々からの意見も聞きながら、ウイズコロナにおける新しい日本語教室への支援を進めていただきますよう要望いたします。
 次に、結婚支援についてお尋ねいたします。
 都の五十歳時の未婚率は、男性二六・〇%で約四人に一人、女性は一九・二〇%で約五人に一人と全国的にも高くなっております。
 また一方で、都民の結婚などに関する意識調査では、都内の未婚者の八割近くがいずれ結婚するつもりと回答しております。
 このような状況を踏まえ、都は、結婚を希望しながらも一歩を踏み出せないでいる都民の後押しをするため、結婚支援事業として、結婚に向けた機運の醸成に取り組んでいることは高く評価しております。
 我が党はこれまでも、結婚支援について、かねてより強く求めてまいりました。また、一貫して、結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援をしていくべきと質問を重ねてまいりました。
 結婚は、人生をより豊かにしてくれるものだと私は思っております。もちろん結婚観や人生観は人それぞれ違いますので、結婚を押しつけるものではありませんが、お一人お一人が生き生きと人生を歩んでいくために、結婚を希望する人には、東京都としても応援していくことはとても重要だと思っております。
 そこで、まずは結婚支援事業の一環として、都が実施しているライフデザインセミナーについて状況を伺います。

○小野都民活躍支援担当部長 ライフデザインセミナーは、これから就職、結婚、子育てなど、人生における様々な分岐点を迎える若い世代に向けて、どんな人生を歩みたいのか、受講生自身で考えるきっかけを提供することを目的に実施しております。
 毎年、一般公募のセミナーを含め、大学などで十講座開催し、昨年度の受講者は約七百人でございました。
 セミナー終了後の受講者アンケートでは、ライフデザインを学生のうちから考えることはとても大切などの感想をいただいております。
 今年度は、より多くの都民に機会を提供するために、新たに動画を製作し、公開する予定でございます。

○竹平委員 若い方々に向けて、結婚を含めたライフデザインの大切さを知ってもらう機会を提供していることが分かりました。
 若者が未来に希望を持ち、自分の人生のプランを描くきっかけになれるよう、今後も継続して取り組んでいただきますよう要望いたします。
 さて、これまで都において、結婚に向けた機運醸成に向けて様々な事業も取り組んでおりますが、今年三月から開始したTOKYOふたり結婚応援パスポート事業の概要と実績についてお伺いいたします。

○小野都民活躍支援担当部長 TOKYOふたり結婚応援パスポート事業は、婚約、新婚カップルが、このパスポートを提示することによってサービスを受けることができる取組でございます。
 現在、協賛店には、結婚や新生活の準備をはじめ、幅広い分野の約六百店に登録いただいております。
 協賛店は、自らの負担で、料金割引、ポイント付与、記念品プレゼントなどを行います。協賛店やサービス内容は、都のホームページでいつでも閲覧できるようにしております。
 現在、利用者は約三千八百組となっております。
 今後も、社会全体で結婚を応援する機運の醸成に取り組んでまいります。

○竹平委員 新たな人生の出発を皆で祝福し、応援できることはとてもすてきなことであります。
 長引くコロナ禍で、結婚のきっかけがつくれなかった方、結婚を控えた方、結婚式をできなかった方など、寂しい思いをされた方も多かったのではないかと思います。
 十一月一日に公表された内閣府の調査では、コロナ禍で未婚者の結婚に対する関心が高まっているとの結果が出ておりました。
 この機会を捉え、今後もコロナ禍で制約はあると思いますが、工夫をしながら、引き続き、他の自治体や民間企業や団体と協力して、都民の結婚支援を推進していただきますよう要望いたします。ありがとうございました。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会します。
   午後六時十七分散会

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