文教委員会速記録第十一号

令和三年十月八日(金曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長白戸 太朗君
副委員長斉藤やすひろ君
副委員長ほっち易隆君
理事内山 真吾君
理事風間ゆたか君
理事とや英津子君
もり  愛君
竹平ちはる君
土屋 みわ君
龍円あいり君
斉藤 りえ君
アオヤギ有希子君
清水 孝治君
谷村 孝彦君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長野間 達也君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
古屋 留美君
広報広聴部長久故 雅幸君
私学部長戸谷 泰之君
都政情報担当部長内山 裕道君
オリンピック・パラリンピック準備局局長中村 倫治君
次長理事兼務延與  桂君
次長総務部長事務取扱小池  潔君
次長理事兼務福崎 宏志君
技監荒井 俊之君
理事中澤 基行君
計画推進部長田中  彰君
パラリンピック部長丸山 雅代君
障害者スポーツ担当部長加藤 みほ君
大会施設部長鈴木 一幸君
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務柏原 弘幸君
施設整備担当部長草野 智文君
スポーツ推進部長鈴木 研二君
教育庁教育長藤田 裕司君
次長松川 桂子君
教育監増田 正弘君
技監矢内真理子君
総務部長安部 典子君
都立学校教育部長谷 理恵子君
地域教育支援部長小菅 政治君
指導部長藤井 大輔君
人事部長浅野 直樹君
福利厚生部長田中 宏治君
教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
新型コロナウイルスワクチン接種連絡調整担当部長兼務
稲葉  薫君
教育改革推進担当部長佐藤 聖一君
特別支援教育推進担当部長滝沢  毅君

本日の会議に付した事件
意見書について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
契約議案の調査
・第百八十二号議案 東京アクアティクスセンター(三)改修工事その二請負契約
報告事項(質疑)
・東京辰巳アイスアリーナ(仮称)の施設運営計画(中間まとめ)について
・東京都パラスポーツトレーニングセンター(仮称)の施設運営計画(中間まとめ)について
教育庁関係
契約議案の調査
・第百八十一号議案 都立南多摩地区特別支援学校(仮称)(三)新築工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百五十八号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出 教育庁所管分
・第百六十六号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
生活文化局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十八号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出 生活文化局所管分
・第百六十三号議案 東京都情報公開条例の一部を改正する条例
・第百六十四号議案 東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十五号議案 東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例

○白戸委員長 ただいまから文教委員会を開会します。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書四件を提出したい旨の申出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○白戸委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和三年十月六日
東京都議会議長 三宅しげき
(公印省略)
文教委員長 白戸 太朗殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百八十一号議案 都立南多摩地区特別支援学校(仮称)(三)新築工事請負契約
 第百八十二号議案 東京アクアティクスセンター(三)改修工事その二請負契約
2 提出期限 令和三年十月八日(金)

○白戸委員長 本日は、お手元配布の会議日程どおり、オリンピック・パラリンピック準備局及び教育庁関係の契約議案の調査、教育庁及び生活文化局関係の付託議案の審査並びにオリンピック・パラリンピック準備局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百八十二号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○もり委員 東京アクアティクスセンター改修工事について質問させていただきます。
 東京二〇二〇大会が終了し、恒久施設の大会後の改修工事の概要が発表されました。
 東京アクアティクスセンターは、大会時の水泳競技場として利用されましたが、もともと新規恒久施設の中で最も収支不足額が大きい施設であることが指摘をされており、できるだけ採算性を求めるべきであると考えます。
 今回の改修工事の費用三十三億八千五百八十万円は、当初予算に盛り込まれているものと伺いました。
 東京アクアティクスセンターのコストについては、本体工事費以外の経費も精査するなどして、整備費が六百八十三億円になったと承知しております。
 その後も、会場見直し等により整備費が見直されてきましたが、その経緯と、どのように整備費を圧縮してきたのかについて、改めて確認をさせていただきます。

○草野施設整備担当部長 東京アクアティクスセンターの整備費につきましては、招致決定後に行いました会場計画の再検討において、積算の精査や建設物価の高騰、周辺整備などを反映させまして、平成二十六年十一月に整備費を六百八十三億円とし、設計に着手することといたしました。
 その後、平成二十八年十二月の先行三施設の会場見直しにおきまして、建物規模の縮小や減築の取りやめなどにより、整備費を五百十四億円から五百二十九億円といたしました。
 そして、平成二十九年十一月、工事の進捗に伴いまして、地中障害物や汚染土の処理に要する費用が生じたことなどから、整備費の見込みは五百六十七億円となったものでございます。

○もり委員 当初の六百八十三億円から五百六十七億円に、都としても圧縮の努力をしたとご答弁いただきました。
 このような大規模な水泳場は、維持管理コストが多くかかることは理解をしておりますが、都民の税金ですので、やはりできるだけ都民に負担をかけることのないよう、収支改善のための工夫が求められると考えます。都の見解を伺います。

○柏原開設準備担当部長利用促進担当部長兼務 都が整備いたしました新規恒久施設は、公共的なスポーツ施設として、競技大会の開催はもとより、都民利用やアマチュアスポーツ、障害者スポーツへの配慮など、民間施設とは異なる役割も期待されております。
 こうした役割を果たしながら、可能な限り施設運営に係る運営コストを圧縮するとともに、収益を確保し、都民負担を低減していくことは重要でございます。
 東京アクアティクスセンターでは、メインプールとサブプールの独立した空間を活用し、複数大会を同時に開催することや、可動壁や可動床を活用した多様なプログラムの提供、隣接する公園と連携したイベントの開催など、収益向上にも資する事業を計画しておりまして、現在、指定管理者と定期的に利用促進会議を開催して、その準備を進めておりますとともに、省エネマネジメントによる光熱水費の縮減など、コストの削減にも努めております。
 今後さらに、各方面の専門家の意見も伺いながら幅広い活用方策の検討を深めるとともに、効率的な施設運営を実現し、新規恒久施設が都民のレガシーとなるよう取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。新規恒久施設の整備に当たっては、やはりその後の活用、外国では、そのまま草ぼうぼうになっている施設を拝見したりしますと、やはり、その後どのように都民の方に使用されていくかという視点が大変重要であると考えますので、ぜひその維持管理においても一層の努力をお願いいたします。
 座席等の撤去について、実際、無観客で開催され、未使用の座席であり、ほかに有用に使える公共施設はないのか、老朽化したバス停での活用や売却等、無駄にしない努力が求められると考えます。都の見解をお伺いいたします。

○草野施設整備担当部長 東京アクアティクスセンターにおきましては、東京二〇二〇大会後に一万五千席から五千席に改修することに伴いまして、大会に向けて設置した観客席について、その一部を撤去することとしております。
 撤去後の観客席につきましては、陸上競技場や体育施設等での再利用が可能と考えられるため、庁内をはじめ各自治体へ、再利用について意向調査を行い、幾つかの自治体から要望があったところでございます。現在、要望のあった自治体と、再利用に当たってのスケジュールや技術的な設置可能性などについて調整を進めております。
 引き続き、持続可能性に配慮する観点から、再利用に向け、取組を進めてまいります。

○もり委員 バス停や都営線での利用など、交通局にも働きかけをいただいていることを伺いました。幾つかの自治体から要望があるとご答弁をいただきましたので、ぜひ有効に活用されるよう、よろしくお願いいたします。
 また、改修工事の工期は令和五年二月二十八日までとなっておりますが、一年以上利用できないことに対して、できるだけ早く開設を望む声も聞かれます。現在は仮設となっている以上、法的な課題もあり、部分的な開設等は難しいとのことを確認いたしましたが、工期についても、できるだけ早い開設に向けたご努力を要望いたします。
 運営に際しても、できるだけ稼働率を上げ、維持管理におけるコストの圧縮に努めること。
 また、東京二〇二〇大会は無観客での開催となりましたが、国際規模の大会の誘致においては、都と共催の場合などにおいて、都内の子供たちがアスリートの生の躍動感に触れるような機会も期待されます。
 日本において最大規模の水泳施設であり、日本のスポーツ界に寄与するような施設となることを願い、また、先ほどご答弁をいただきましたように、都民利用やアマチュアスポーツ、そしてパラリンピックのレガシーとしての障害者スポーツの振興等、都が整備するからこその民間利用とは異なる役割が期待されますので、多くの都民に親しまれ、活用される施設となることを願い、要望し、質問を終わります。ありがとうございます。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 アクアティクスセンター改修工事について伺っていきたいと思います。
 オリンピック・パラリンピック大会が終わって、大会で使用した施設が改修に入ります。
 アクアティクスセンターは、今後、仮設施設の撤去工事に入っていくわけですが、新規恒久施設は特に、コンパクトな大会を目指すとして経費縮減が求められてきた施設の一つであります。本当にこれだけの大規模な施設が必要だったのかという声も、都民からは寄せられております。
 代表質問でも、私どもは大会経費については質問させていただきましたが、アクアティクスセンターについては、一体、これまでにどのくらいの経費をかけたのか、それに見合うだけの、都民に喜ばれ、健康とスポーツ人口増加に貢献できる施設として運営できるかどうかが問われていると思います。
 工事の経費について伺うということにしておりましたが、今、同じ質問がございましたので、割愛させていただきます。
 アクアの整備費は、立候補ファイルで三百二十一億円、招致決定後に会場の計画を再検討して、二十六年十一月に整備費を六百八十三億円とし、設計に着手したということです。さらに、二十八年十二月、建物規模の縮小や減築を取りやめて、縮減案の整備費が五百十四億円から五百二十九億円になったと。そして、二十九年十一月、工事の進捗に伴う経費が生じたため、整備費の見込みは五百六十七億円になったということでありました。
 アクアティクスセンターは、当初の予定金額を大幅に上回る工事費用がかかるといわれましたが、経費縮減されたということなんですが、コロナもあって、最終的には五百六十七億円ということになっています。
 現在、組織委員会が仮設オーバーレイなどの設備を撤去していると聞いていますが、それはどのような工事なのか。また、撤去費用などについても都負担となると思いますが、費用は幾らになるのか、伺います。

○草野施設整備担当部長 組織委員会が行っております撤去工事は、大会のために設置しました、メディアやスタッフ等が利用するためのプレハブやテント等の仮設オーバーレイを撤去するものでございます。
 この工事の契約につきましては、撤去工事のほかに、実施設計、大会前の設置工事、プレハブ等のリース料、大会中の維持管理等を含んだ契約となっておりまして、組織委員会ホームページに掲載されました第四十六回理事会資料、仮設オーバーレイ整備の契約状況によりますと、契約額は八十六億八千万円となっております。

○とや委員 組織委員会が行っている仮設施設の工事は、設置と撤去を含めて八十六億八千万円ということであります。これも都負担でありますから、五百七十六億円プラス八十六億八千万円、合計約六百六十二億円ということになります。計画段階で大きく経費増となった六百八十三億に近づく金額であります。
 ほかの新規恒久施設と合わせれば、莫大な都費を投入しています。収支も含めて、ほかの新規恒久施設と併せて、しっかり検証していただくことを求めておきます。
 運営についても伺います。
 二〇二〇年に竣工した施設ですけれども、できてから五年間は使えない。都民が利用できるのは二〇二三年春とお聞きしております。それまでは、アイススケートリンクとして整備される予定の辰巳国際水泳場が利用されるのかなというふうになるのですが、この辰巳の水泳場については、この間、いろんなことがありまして、以前から、混雑して大変だとか、料金が高くて大変だということで、アクアティクスセンターと比べても、辰巳を残してほしいということで質疑もさせていただいてまいりました。
 今お聞きしたように、高額な建設コストが投じられたアクアティクスセンターは、都民に十分活用されることが重要だと思います。特に利用料金については、前期の委員会で指摘させていただきましたが、都民からは懸念の声が寄せられております。
 そこで、アクアティクスセンターと辰巳国際水泳場の条例料金と実際の利用料金について、それぞれお聞きします。

○柏原開設準備担当部長利用促進担当部長兼務 指定管理者制度により管理運営を行う施設の利用料金は、東京都体育施設条例におきまして利用料金の上限額を定め、実際の適用料金につきましては、指定管理者が、都の承認を受けて、その範囲内において定めるということになっております。
 例えば、東京アクアティクスセンターにおきまして、入場料を徴収しないアマチュア利用で二時間専用使用をした場合、メインプールは、条例の上限額が二十三万六千五百六十円のところ、利用料金は十一万八千二百円、サブプールでは、条例の上限額が七万一千二百十円のところ、利用料金は三万五千六百円となっております。
 一方、東京辰巳国際水泳場では、同じ条件で、メインプールは、条例の上限額が七万五千円のところ、利用料金は六万五千円、サブプールでは、条例の上限額が二万八千九百二十円のところ、利用料金は二万五千九百円となっております。
 なお、個人の利用につきましては、プールのみを使用する場合の利用料金は、東京辰巳国際水泳場では、条例の上限額が千円のところ、時間にかかわらず六百円となっておりますが、平均利用時間が約二時間でございますことから、東京アクアティクスセンターでは、条例の上限額が千五百円のところ、二時間三十分で七百円としております。

○とや委員 今、二時間の数字を出していただきましたが、大会などで一日借りれば、さらに高額となるということは明らかです。
 アクアティクスセンターは、条例料金が非常に高いです。値上げをすれば、都民利用のハードルが高くなるのではないかと懸念があります。
 これまで辰巳国際水泳場を利用していた中小の競技団体からの意見もぜひよく聞いていただいて、都民が気軽に利用できる施設として、利用料金については値上げをしないで運営していただくよう求めますが、いかがでしょうか。

○柏原開設準備担当部長利用促進担当部長兼務 条例上の料金は、施設の整備や管理運営に要する経費、すなわち人件費、維持管理費、減価償却費を基に算出した原価を基本に上限を設定するものでございます。
 実際に適用する利用料金は、この範囲内で、指定管理者が、施設を安定的に運営するための指定管理料を含む収支計画や利用者の想定、類似施設の状況等を踏まえ、都に提案したものでございます。
 メインプール、サブプールともに、可動壁、可動床など最新の設備を備えており、利用者のニーズに細やかに対応することが可能であるほか、更衣室の面積も、東京辰巳国際水泳場に比べて増えているなど、快適なサービスを提供できる充実した施設となっております。
 こうしたアクアティクスセンターの施設の内容や規模、類似施設の状況などを総合的に勘案いたしまして、都としても、指定管理者が設定した料金を承認しているものでございます。

○とや委員 アクアティクスセンターは新しい施設ですし、様々な配慮もされているということでありました。
 ただ、そういったところだからこそ、利用しやすくしていただきたいなと思います。せっかく造った施設が都民利用のハードルが高くなるということであれば、それは本末転倒だといわなければなりません。
 さらに、やはり条例金額が非常に高いということは、値上げをしたときに、そこまでは可能であるということになりますから、公共施設として幅広い都民に利用していただくためにも、利用料金の値上げは極力しないということを求めておきます。
 アクアティクスセンターと至近距離にある辰巳国際水泳場は、大会後、アイスアリーナとして活用する方針が示されています。しかし、水泳施設が少なくて、多くの競技団体が施設を借りること自体が競争で、大会を開催できるのか、心配の声が寄せられてきました。
 東京都として、水泳施設は都内に十分だとお考えになるのか、お答えください。

○鈴木スポーツ推進部長 東京アクアティクスセンターは、メインプールとサブプールを別空間とすることで、大会利用と練習利用が同時にできるなど、より多くの利用を受け入れることが可能となっております。
 東京辰巳国際水泳場の後利用につきましては、プール、アイスリンク、アリーナ施設−−これは体育館ということでございますが−−この三案を総合的に比較しまして、利用ニーズが高いにもかかわらず、都内に施設数が少ないアイスリンクとして整備することとしたものでございます。

○とや委員 以前から申し上げてきたのですが、辰巳の国際水泳場は、多くのトップスイマーを輩出してきた施設です。競技団体からは、残してほしいという声が上がっていました。季節によって用途を変えるという方法もあったんじゃないかということも、私、指摘したことがあるのですが、アイスアリーナとして活用すると、本委員会でも報告されています。
 東京都が一八年に示した、レジャー白書に基づく都の資料では、水泳人口は約百二十四万人、アイスリンクについては約二十七万九千人とありました。
 アクアティクスセンターは国際大会のような大きな大会で、辰已は中小の大会と分けて活用する方法もあるので、ぜひ、季節を分けてとか、検討することを求めておきたいと思います。
 多額の都負担を伴ったアクアティクスセンターですが、多くの都民が公平に、気軽に利用できるよう、低廉な料金と、減免制度も拡充するなどして運営していただくよう求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、ご異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○白戸委員長 次に、報告事項、東京辰巳アイスアリーナの施設運営計画について外一件に対する質疑を行います。
 本件につきましても、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小池次長 去る九月二十二日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元にお配りしてございます文教委員会要求資料をご覧ください。
 表紙をおめくりいただき、資料1、令和三年度東京都障害者スポーツ協会登録競技団体及び日本パラリンピック委員会加盟競技団体一覧をご覧ください。
 令和三年九月一日現在の東京都障害者スポーツ協会に登録している競技団体及び日本パラリンピック委員会に加盟している競技団体を一覧で記載してございます。
 続きまして、資料2、障害のある都民のスポーツ実施率推移をご覧ください。
 障害者のスポーツに関する意識調査における、過去一年間に週一日以上スポーツを実施した障害のある十八歳以上の都民の割合を年度ごとに記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○ほっち委員 私からは、東京都パラスポーツトレーニングセンターについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 先日、幕を閉じました東京二〇二〇大会では、多くのドラマが生まれ、競技に真摯に取り組むアスリートの皆さんの姿は、我々にも多くの勇気を与えていただきました。私自身もバスケットボールをやっていたということで、バスケットボールをはじめ車椅子のバスケットボール選手の活躍に力を多くもらいました。次のパリ大会でも、選手たちの活躍を期待したいなというふうに思っています。
 今回の大会は、新型コロナウイルスとの闘いの中で、完全な形での開催はかないませんでしたが、アスリートの皆さんからは、大会を開催してくれたことに感謝しているなど、大会開催に対して多くのお声をいただきました。
 我が会派は、大会招致から今日まで、東京都、国、組織委員会と連携しながら、大会の成功に向けて全力で取り組んでまいりました。
 そして、東京二〇二〇大会をきっかけとして、都民の皆さんに障害者スポーツを楽しんでもらいたい、また、パラアスリートの活動を支援したい、そうした思いから、東京都の障害者スポーツ振興施策を後押ししてまいりました。
 この夏、テレビ越しではありますが、パラアスリートの活躍に対し、都民、国民の皆さんが声援を送られたことというのは、これまでの取組の成果だと考えております。
 こうしたパラリンピックムーブメントを一過性のブームで終わらせないためには、パラアスリートが継続して活躍できるよう、東京都としても支援を続けていくことが重要であります。
 本定例会の代表質問での我が会派の選手や競技団体を支援すべきとの質問に対し、アスリートの発掘、育成や競技団体への活動支援のほか、味の素スタジアム内の施設を練習拠点として整備していくとの答弁がありました。
 私も、車椅子のバスケットボールの選手から、練習の場所を確保することというのは難しいんだ、困っているんだと、そのようなお声も聞いております。
 パラアスリートが競技活動に打ち込める施設があることは、競技力を高めていくためにも、また、その競技の裾野を広げていくためにも重要というふうに認識をしています。
 そこでお伺いをいたしますが、今回の施設運営計画の検討に当たり、選手や競技団体の練習環境について、これまでにどのような声があったのか、お伺いをしたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 パラスポーツトレーニングセンターの施設運営計画の検討を進めるに当たりまして、パラスポーツの競技団体やチーム、選手へのヒアリングやアンケート調査を実施いたしました。
 練習環境につきましては、例えば、地域の体育館では競技用車椅子の利用を断られることがあるといった声や、地域の体育館だと、住民以外は利用できない施設も多く、メンバーが広域から集まるチームは利用できないなどの声が多くございました。
 そのほか、利用可能な場所があっても、思うように確保できず、週一回など継続的な練習ができていないなど、活動場所や機会の確保が課題との声が多くございました。

○ほっち委員 今の答弁からも分かるとおり、やはり東京都が行ったヒアリングやアンケート調査でも、パラアスリートが練習場所の確保について苦労しているということが分かります。
 施設運営計画でも、競技団体等が継続的、計画的に利用できる練習拠点の確保というふうにありますが、具体的にどのような施設にしていくのか、お伺いをいたします。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設は、競技団体等の定期的な利用のニーズがあることから、パラスポーツの競技団体等が優先的に予約できるようにすることで、継続的、計画的に活用しやすい施設としてまいりたいと考えてございます。
 また、ヒアリング等で、グループでの練習の際に筋力トレーニングも行っているといった声や、練習に合わせてミーティングや講習会も行っているといった声などがありましたことから、トレーニング室や集会室なども整備することといたしました。
 こうしたことにより、練習だけでなく、競技団体の継続的、計画的な活動に必要な機能を備えた施設として整備してまいります。

○ほっち委員 パラアスリートの皆さんの競技力向上には、やはり定期的な練習というのは不可欠であるというふうに思います。また、予約方法など手続についても、パラアスリートの皆さん、それぞれ様々な障害を持たれている方が多くいらっしゃいます。その方たちの負担にならないように、運営面の検討もしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 この施設では、パラアスリート等から使用料等の料金を徴収しないとのことであります。パラスポーツの競技団体の財政は、オリンピックの競技などの団体に比べて、やはりまだまだ厳しい財政状況だというふうに思います。
 この施設でパラアスリート等から料金を徴収しないのはどのような考え方によるものなのか、お伺いをいたします。

○鈴木スポーツ推進部長 東京二〇二〇パラリンピックで高まった機運をパラスポーツの振興につなげるためには、パラアスリート等の活動を継続的に支援していくことが重要でございます。
 パラスポーツの競技団体等へのアンケートでは、団体の財政は厳しい状況にあり、料金が高いと継続的に使用することは難しいとの意見が多くございました。
 障害者のスポーツ施設利用につきましては、現在、障害者手帳保持者個人が利用する場合は、都立スポーツ施設をはじめ、多くの公立スポーツ施設が利用料金を免除しているほか、他県の障害者優先スポーツ施設等では、団体利用においても免除している施設もございます。
 こうしたことから、パラアスリート等に係る利用料につきましては、東京二〇二〇大会後のパラスポーツ振興の視点や、類似施設でのパラスポーツの実施状況等を踏まえまして、当面、徴収しないことといたしました。

○ほっち委員 障害のある人においては、競技活動による経済的な負担が健常者の方よりも重い場合も多いというふうに聞いております。専用の器具の購入や、その購入した、仮に車椅子であれば、やはり車椅子等々のメンテナンス、このメンテナンスの部分でも、やはり金銭的な負担になる場合が多いというふうに聞いております。
 先ほど、当面という言葉はつきましたけれども、当面、無料で施設を利用できることというのは、パラアスリートの活動を支援するためにも重要であるというふうに思います。
 最後に、この施設の設備とスタッフについてもお伺いをしたいと思います。
 選手や競技団体を支援していくためには、施設、分かりやすくいえば、活動する箱を用意するだけではなくて、やはり専門的な競技備品、それぞれのパラスポーツにおいて、健常者の方がやるスポーツとまた違う部分の備品というものが必要になるというふうに考えます。
 そこで、この施設ではどのような対応を検討しているのか、お伺いをしたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 競技団体等へのアンケートでは、大会で使用可能な規格の備品や、ゴールボールのゴールといったパラスポーツ競技専用の備品を備える施設が少ないとの声がございました。
 また、民間の施設では、トレーニング器具の設置間隔が狭く、車椅子で器具にたどり着けない、あるいは、車椅子のまま利用できるマシンがあれば利用したいといったアスリートの声もございました。
 こうしたニーズを踏まえまして、本施設がパラスポーツ特有の用具等を備えた付加価値の高い施設とするため、競技の専用備品や、障害のあるアスリートでも利用しやすいトレーニングマシン等の設置について検討を進めるとともに、共同で利用可能な競技用具などの購入についても今後検討してまいります。

○ほっち委員 今回のパラリンピックを見て、多くの都民、国民の皆さんがパラアスリートから感動をもらったというふうに思います。今後、パラスポーツを始めたいと思われた障害者の方も多いと思います。そうした方が競技を始めて、その後、続けていくためには、安定して利用可能な練習環境がなければならないというふうに思います。
 この施設が次世代のパラスポーツのアスリートの育成、また成長の場となり、いずれは東京のパラスポーツの聖地となっていくことを、私自身、期待しまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○もり委員 東京辰巳アイスアリーナ(仮称)施設運営計画について質問させていただきます。
 都内にアイススケート場が少ないことは、以前から指摘をされております。日本のフィギュアスケート人口と地域別スケートクラブ人口の資料を参考に見ましても、都内では人口当たりでも圧倒的にリンクが不足をしており、人口百万人当たり全国平均〇・八六、約百万人に一つのリンクがあることが望ましいという資料がある中で、都内のスケート選手人口で換算すると、通年リンクをあと十個増やす必要があると指摘のあるような資料もあるぐらいなんですけれども、通年リンクは都内に四か所のみという現状があります。
 そして、なぜ名古屋にフィギュアのプロ選手が多いかというと、伊藤みどり選手をはじめ世界のトップアスリートを目標に、幼い頃からスケートを習う子供たちが多く、その背景には、アイスリンクが身近にあることが挙げられます。
 先ほどの次世代のトップアスリートの育成という視点からも、都内で多様なスポーツに親しむ環境整備が求められ、通年利用できるアイスリンクを造ることは、とても有意義な事業であると考えます。
 この施設が次世代の氷上スポーツ選手の育成に寄与する施設となるよう、役割が期待をされます。
 どのように次世代アスリートの育成に取り組んでいくのか、都の見解を伺います。

○鈴木スポーツ推進部長 次世代アスリート等の育成を図るためには、競技団体が行う強化練習や練習試合、講習会等の様々な利用を推進していく必要がございます。
 競技団体を対象に実施したヒアリングでは、フィギュアスケートやアイスホッケーなどで、夜間、早朝時間帯にも練習利用を行っている実態が確認できました。
 そこで、メインリンク、サブリンクのそれぞれにおいて、夜間、早朝の時間帯の団体利用枠を設定するなど、より多くのアスリートに施設を活用いただくための工夫を行っております。
 さらに、子供やジュニア世代を対象とした教室等を開催するなど、次世代アスリートの育成等につなげてまいります。

○もり委員 都内では、スケート選手の人口が多く、練習場が密になることも懸念されます。競技団体、アスリートのニーズに応じた夜間、早朝帯の利用など、アスリートのニーズを伺いながら、トップアスリートを育むような練習会場となることを心から願い、期待をするものです。
 一方で、年間運営費が約一億六千五百万円と試算されておりますが、民間のアイスリンクが運営されている中で、当初から施設の管理運営費に係る収支不足が生じていることは課題であると考えます。
 市民リンクとして誕生した神奈川スケートリンクは、現在は公益社団法人横浜市スポーツ協会により運営をされ、年間億単位の維持費がかかるとのことですが、自主財源として黒字化しています。
 私自身、幼少期、冬休みのスケート教室に神奈川スケートリンクに通っていた覚えがありますので、毎年、このスケート教室が大人気で、申込みが殺到し、すぐにいっぱいになるほどであったことを覚えております。
 こうした事例も踏まえ、より多くの都民が氷上のスポーツに親しむことができるよう、スケート教室事業等の自主事業の実施、国際、国内大会開催などを通じて収支の改善を目指すべきであると考えます。都の見解をお伺いいたします。

○鈴木スポーツ推進部長 都立体育施設の運営に当たりましては、収支の改善に努め、効率的な運営を行うことが必要でございます。
 例えば、メインリンクとサブリンクの動線を分離することで、それぞれのリンクで利用枠を設定できることから、メインリンクで大会を開催しながら、サブリンクを都民の一般利用とするなど、効率的な運用が可能となると想定をしております。
 また、こうした効率的な運用や、夜間、早朝時間帯の営業の実施などにより、収入の確保を見込んでいるところでございます。
 引き続き、施設運営計画の策定に向けまして、類似施設の事例等も踏まえて、興行利用等による収入増や光熱水費等の支出抑制等、コストの抑制につながる収支改善について、さらに検討してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひ、ただいまご答弁いただいたように、工夫やご努力をいただきながら改善に努めていただきたいと要望いたします。
 氷上のスポーツとして、フィギュアスケートはもちろん、カーリングの知名度と人気も向上しておりますが、競技できる場所が少ない現状がございます。
 また、パラリンピックのレガシーとして、パラスポーツのより一層の振興が期待をされる中、パラアイスホッケーや車椅子カーリングなど、パラスポーツも楽しめる場にしていく必要があります。
 パラスポーツも含め、誰もが氷上のスポーツを楽しむことができる場となるよう、都はどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○鈴木スポーツ推進部長 都立初の通年アイスリンク施設として、競技力向上に限らず、幅広い年齢層の都民が氷上スポーツを楽しめる場としていくことも重要と認識してございます。
 多くの都民に利用していただけるよう、日中の時間帯は、原則として一般利用に提供することを考えております。
 また、障害のある方をはじめ子供や高齢者など、様々な都民を対象として、スケートや車椅子カーリング、アイススレッジホッケーなど、様々な氷上スポーツの体験、入門教室を開催してまいります。
 加えまして、学校の校外活動等でご利用いただくことも検討し、東京の子供たちが氷上スポーツに親しめるようにしてまいります。
 さらに、大会やアイスショー等を開催することで、氷上スポーツを間近に見て楽しめる機会を都民に提供してまいります。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひ多くの都民に愛されるアイスリンクとなるよう期待をいたします。
 次に、東京都パラスポーツトレーニングセンター計画について質問させていただきます。
 二〇二一年夏、世界で初めて二度目の夏季パラリンピックを開催した東京二〇二〇大会の開催地として、パラリンピックのレガシーとして、パラスポーツの振興に寄与する施設となることが期待をされます。
 多くの体育館では、パラスポーツの方が使いたいと思っても、車椅子の利用には課題があるなど、地域のスポーツ施設を使うことにハードルがあると聞いております。パラスポーツの発展のためには、パラアスリートの方々が、常時、技術力向上のために、より安定して利用ができる環境整備が求められると考えます。
 スペシャルニーズのある方々のスポーツを社会にしっかりと根づかせ、東京から次世代のアスリートを継続的に輩出できるよう、大会後もしっかりとパラアスリートの育成と競技団体の活動を支援し、パラアスリートの競技力向上に向けて取り組んでいくことを求め、今年三月十五日の文教委員会において、我が会派の内山議員の質疑に対し、東京スタジアム内の室内施設を新たな練習拠点として活用していくことを、今後実施予定の競技団体等へのニーズ調査を踏まえ、検討するとの答弁をいただきました。
 パラアスリートが競技力向上の拠点とするため、ニーズ調査を踏まえ、どのような検討がなされたのか、都はどのような運営に取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○鈴木スポーツ推進部長 パラスポーツの競技団体やアスリート等に対するヒアリングでは、施設の定期的な利用ニーズが多いことが分かりました。そのため、パラスポーツの競技団体等が優先的に予約できる仕組みとすることで、安定的に利用できる施設としてまいります。
 また、利用者だけで競技コートの設営や備品の設置を行うことが難しいので、スタッフのサポートが必要といった声もございました。そのため、当局が所管する体育施設に配置される障害者スポーツ指導員養成講習会等を受講した指導員に加えまして、施設スタッフによる備品設置等のサポートが可能となるよう、スタッフの体制等についても検討してまいります。
 加えて、パラスポーツ特有の競技備品やトレーニング器具等の要望もあったことから、これらの設置についても検討してまいります。
 今後さらに、パラアスリートや競技団体等が使いやすい施設運営を実現できるよう検討を進めてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。ハードの整備はもちろんのこと、ただいまご答弁をいただきましたように、障害者スポーツ指導員や施設スタッフの整備、こういったことは大変重要だと考えますので、ぜひ取組をお願いいたします。
 我が会派からもかねてより、パラアスリートを含め、様々なレベルでスポーツを楽しむスペシャルニーズのある方も使える場所となるよう要望してまいりました。今回の施設運営の基本計画において、障害のある人もない人もスポーツを楽しむことのできる場としての機能が盛り込まれております。
 アスリートの方の競技拠点とするのはもちろんのこと、障害のある人もない人も一緒にプレーをすることで互いに理解し合うことこそ本当の意義であり、都民のパラスポーツ、ユニバーサルスポーツへの参加の機会を拡大することが重要であると考えます。
 東京都はこの施設でどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設は、競技力向上のための練習拠点とするだけではなく、障害の有無にかかわらず、スポーツを楽しめる場としても整備していくこととしております。
 具体的には、健常者を含むグループ等の利用を可能とするほか、障害のある方とない方とがパラスポーツを通じて交流することができるよう、パラスポーツの体験教室等を開催してまいります。
 また、競技団体等が本施設で行う、健常者も参加可能なイベント等についても協力するなど、障害のある方とない方が交流する機会の確保に努めてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひこのパラスポーツトレーニングセンターの取組が、特別支援学校活用促進事業など、ほかの事業とも併せて、誰もが一緒にスポーツへの参加ができる、都民のパラスポーツ、ユニバーサルスポーツへの参加の場の拡大につながるよう期待をしております。
 最後に、利用者の需要予測と施設経費についてお伺いをいたします。
 利用者の想定については、競技団体の専用利用、アスリート等の一般利用により、年間約三万人の利用者が想定をされておりますが、年間運営費の概算は約二・二億円と試算されます。
 今後、パラスポーツ、ユニバーサルスポーツの拠点として持続可能な経営を続けていくために、年間運営費を圧縮していく取組も必要であると考えます。
 パラアスリート等については利用料金免除がされており、パラスポーツの振興に寄与する施設として評価をいたします。
 一方で、より多くの都民の方に利用され、親しまれる施設とすることも重要です。
 イベントの開催等、パラスポーツトレーニングセンターでは、どのように多くの都民の方に利用され、親しまれる施設としていくのか、お伺いをいたします。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設は、東京から世界を目指すパラアスリートの競技力向上のため、パラスポーツの競技団体等が継続的、計画的に活動できる場として、多くのパラアスリートの方に活用いただけるよう取り組んでまいります。
 加えまして、パラスポーツの裾野拡大のため、障害のある方がスポーツのレベルに関係なく利用できる場といたします。
 さらに、施設の空き状況に応じて健常者のグループも利用できるようにすることで、多くの都民の方に利用いただける施設といたします。
 また、障害のある方はもちろんのこと、障害のない方にもパラスポーツの楽しさを知っていただく教室や、障害のある方とない方が共にパラスポーツを体験するような機会も設けてまいります。
 こうした取組を通じて、より多くの都民の方に親しまれる施設になるよう努めてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。ぜひ、このパラスポーツトレーニングセンターを通じて多くの都民の方がパラスポーツに親しみ、また、東京から世界を目指すパラアスリートを輩出できるような施設となるよう期待を込め、質問を終わります。ありがとうございます。

○斉藤(や)委員 都議会公明党の斉藤やすひろでございます。
 まず、繰り返しになりますけれども、今回の東京二〇二〇大会、大変長年にわたりまして、オリ・パラ局の皆様には本当にご尽力いただきまして、いろんな困難はございましたが、開催ができたこと、そして、本当は、パラなどは特にそうですが、多くの都民の皆様、国民の皆様、世界の皆様の観戦の中で大会を迎えたかったのですが、それはコロナのことでなかなかかないませんでしたが、そこも、何とか子供たちを少しでもということで、万全な安全を取りながらも観戦ができたことは、オリ・パラ教育のレガシーの一つの集大成として、非常に重要なことである。
 その評価は、今すぐではなくても、必ず後世の人たちがよかったなと、特にパリの人たちは、リレーのバトンをパリに届けてくれた東京に対する感謝、大会委員長のお言葉もございましたけれども、必ず世界にも響いていると思いますので、感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
 私の方からは、まず先に、パラスポーツトレーニングセンターについて質問をしたいと思うんですが、先日、十月五日に、我が党の代表質問で幹事長が、パラアスリートの競技力向上のレベルアップに向けて、アスリートのさらなる練習環境の充実等を支援すべきとの立場から都の見解を求めたところでございますが、障害者スポーツの場の確保に関する都の取組を確認しておきたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 障害者スポーツの場の確保に向けて、都はこれまで、障害者スポーツの拠点として、都内に二か所ある障害者スポーツセンターを運営してまいりました。
 障害者スポーツセンターでは、リハビリ層から競技力向上を目指す層まで幅広い層の障害者を対象としまして、スポーツに取り組める場を提供してまいりました。
 加えまして、障害のある方や障害者スポーツ競技団体等が身近な地域でスポーツに取り組めるよう、都立特別支援学校活用促進事業を実施するほか、区市町村スポーツ施設のバリアフリー化等の補助や、民間施設等における障害者の受入れ促進に向けたマニュアルの周知を行っております。

○斉藤(や)委員 今日のこの中間まとめは、過去に、前期から様々なご議論もあって、その一つの声も反映されてのものだというふうに認識しておりますけれども、この場の確保は極めて、パラの関係者、パラアスリートの皆様にとっては非常に重要なことであるということで、既に二か所あるのですけれども、その場の確保ということで、さらにこれを充実させていくという流れでございます。
 そして、今回、味の素スタジアム内の室内施設をパラスポーツの場として活用するとの報告が出されておりますけれども、この施設、三月の段階での質疑もあったということが先ほどありましたけれども、当該施設をパラスポーツの場に活用するに至った考え方、これはちょっと重複いたしますので、省略していきたいと思います。
 調布の味の素スタジアム内の施設会場を使うということにつきましては、競技団体へのヒアリングなどを経て取りまとめたという報告も伺っております。
 そして、東京二〇二〇大会、パラリンピックに向けて都が実施してきた競技力向上等の取組によって、この活動自体が従前より大きく進展をした、この結果が見てとれると思います。まさに東京二〇二〇大会のレガシーというものは、施設が増えることだけでなくて、その機運が非常に上がってきたということにも見てとれるわけでございます。
 この機運が持続していくためにも、こうした新しいトレーニングセンターなどは非常に重要でございますけれども、施設の内容ですね、どのような施設を目指すのか、これは重なってしまう部分もあると思いますけれども、簡潔にお伺いしていきたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設は、パラアスリートやパラスポーツの競技団体が継続的、計画的に活動できる場を提供するために整備をするものでございます。
 トップアスリートはナショナルトレーニングセンターを利用可能でございますが、トップアスリートを目指すアスリート層が利用可能な場所は限られています。そこで、こうしたアスリート層に練習拠点を提供し、東京から世界を目指すパラアスリートの競技力向上を図る施設としてまいります。
 加えまして、障害のある方がスポーツのレベルに関係なく利用できる場としても整備し、パラスポーツの裾野拡大につなげてまいります。
 このほか、パラアスリートやパラスポーツの競技団体の利用を優先しつつ、障害の有無にかかわらずスポーツに取り組める場としても活用してまいります。

○斉藤(や)委員 トップアスリートがいるから、それを目指して裾野が広くなるのか、それとも、裾野が広いから、高い頂点を目指すレベルが上がっていくのか、その相互の関係があるんだと思いますけれども、いずれにしても、そうした複数の視点からこの施設を活用していくことを考えているということでございました。
 そして、障害の有無にかかわらず一緒にやる。ボッチャなどは本当に感動的な場面がございましたけれども、私たちも、様々なイベントでボッチャのボールを持って、うまくその位置を決めるのが難しいなと思いながら、それを障害のある方が、トレーニングの結果、見事に有利なところに駒を進めていく、ボールを進めていくなどは、体験すればするほど、一緒にやりたいという気持ちが出てまいります。
 障害を超えて、そして言語を超えて、年齢を超えて、こういったスポーツをする場が新しくまたできることは、とても都民にとってプラスになるというふうに、これはPRをどんどんしていきたいと思っております。
 そして、本施設を様々な障害のある人が利用しやすい施設としていく必要がありますけれども、使う側の、利用するユーザー目線に立ったアクセシブルな施設となるように、利用が想定される方のご意見をしっかりと承りながら進めていくべきと考えますけれども、都の見解を伺いたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設は、多摩障害者スポーツセンターの代替施設として利用するに当たりまして、バリアフリー設備を一定程度整備したところでございます。
 施設の利用が想定される様々な方にとって、より使いやすい施設にしていくためには、アクセシビリティーを確保することは重要でございます。
 そのため、来年公表予定の施設運営計画の策定に当たりましては、現在実施中のパブリックコメントに加えまして、パラスポーツの競技団体やパラアスリート、有識者等からご意見を聞く機会を設けることを検討しております。そうした機会を通じていただいたご意見、ご要望に対しましては、ハード、ソフト両面で対応してまいりたいと考えております。
 こうした取組によりまして、本施設が障害のある方にとって利用しやすい施設となるよう整備してまいります。

○斉藤(や)委員 東京二〇二〇大会の都の競技施設に関しましては、アクセシビリティ・ワークショップ、これは大変すばらしいものが、五月にですか、公表されておりましたけれども、これは、今日、報告のある施設のことではないのですけれども、大会に向けて都が施設を造るに当たって、いかに参加型の、利用する側からの目線を、早い段階から意見を反映してきたかということが分かる、そうしたスケジュール、どこの段階でどの意見を入れたかが分かるような、こういった報告書も出ておりますので、こうしたこと自体も、単にオリンピックの会場を造るためだけじゃなくて、これは、これからの都の施設を造る上で、一つのレガシーとして、その手法を大事にしていくべきであると考えます。
 今回の施設は、その対象施設ということではなかったのですけれども、このような整備手法が今後標準化されていくというか、当たり前のようになっていくことが望まれるんだろうなと私は思います。
 今日のパラ施設の最後の質問になりますけれども、施設運営計画の中間まとめにおきまして、コストの話をちょっと一つしておきますが、このコスト試算がございますけれども、本施設の運営に係るコストについて、都の見解を伺いたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設の年間運営費は、概算で約二・二億円と試算しております。
 内容といたしましては、障害のある様々な競技団体の方が安全に利用できるような施設の運営に必要な人件費のほか、光熱水費など施設の維持管理に必要な経費を積算しております。
 また、障害のある方とない方とがパラスポーツを通じて交流することができるよう、パラスポーツの体験ができる教室等を行うための事業費も含まれております。
 今後、運営計画の策定に向けまして、引き続き運営費の内容を精査し、効率的な施設運営に努めてまいります。

○斉藤(や)委員 この管理運営については、詳細は今後計画策定されることになりますけれども、本日の報告によりますと、想定される年間運営費は、概算で二・二億円と試算されているということがありました。
 また、中間まとめを見ますと、約三万人の利用者数を想定しておりますので、単純に機械的に割り合わせますと、一人当たり七千三百円。コストを利用した人数で割ると、そういうことになりますけれども、とてもこれを利用する方が負担することはナンセンスなことでありまして、先ほど他の委員のご答弁にもありましたけれども、アスリート等に係る利用料については、当面、徴収しないという結論を持っていると。私は、これはとても大事なことだと思います。むしろ、そういう形で、パラアスリートを含めた、障害のある人もない人も使える施設を造ることに、都民にやっぱり共感していただくことが重要であろうと思います。
 出来上がった施設の収支を見て、数字だけを見て、無駄だとか、そういうような議論ではなくて、むしろ、都民全体がパラアスリートの支援を一緒にやっていこうという気持ちをやっぱりつくっていただくように訴えていくことが重要である。粘り強くそういうご努力を共にしていきながら、利用者の声を発信するなど、共感の得られる施設にしていくことが大事だと、これを提案していきたいと思います。
 次に、東京辰巳のアイスアリーナの施設運営計画について質問したいと思います。
 平成三十一年三月に、都立初となります通年のアイスリンク施設にするという方針が決まったわけでございますけれども、その後の、この施設運営計画に向けて、どういった検討をしてきたかということを伺いたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 平成三十一年の方針決定後、フィギュアスケート、アイスホッケー、カーリング等の競技団体のニーズ把握を行いましたほか、類似施設の調査、アイスリンク施設の事業者へのヒアリング等を行いました。
 その際、競技団体には、東京辰巳国際水泳場の施設を実際にご覧いただき、ご意見をいただいたほか、本施設で競技大会を開催する際に満たす必要のある要件等も伺いました。
 都は、本年三月に策定しました未来の東京戦略におきまして、東京辰巳国際水泳場を通年アイスリンクとして整備し、冬季スポーツでの活用に転換していくことといたしました。その後、競技団体等の意見を伺ってきたところでございます。
 ヒアリング等で伺いましたご意見や調査の結果を踏まえながら、施設の運営計画を検討し、このたびの中間まとめを取りまとめたものでございます。

○斉藤(や)委員 競技団体のニーズ把握や調査等を実施して、中間まとめを検討したというご答弁でございました。改めて、都内のアイスリンクの現状と、ニーズのそういったお声というものが分かったというふうに思います。
 これを踏まえて、どういった点を今回の中間まとめへ反映したかという点については、重なりますので、施設が四施設から三施設に減っているとか、それから、練習場所が不足しているとか、早朝の練習とか夜間の練習を希望する声が多いとか、そういうことに応えるような、そうした形にしていきたいということ、そして、四つの基本方針というものが大きくまとめられてありますけれども、国際大会なんかもしっかりやっていくということも、その中に入っているということを確認いたしました。これは省略をさせていただきたいと思います。
 競技団体等の意見を踏まえて検討を進めてきたことを理解したのですが、東京辰巳のアイスアリーナは、どういった施設の特徴というか、どういった施設を目指すのかを伺いたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 都立初の通年アイスリンク施設として、フィギュアスケートやアイスホッケーなどの氷上スポーツの大会開催に活用するほか、アスリートや競技団体の練習利用を通じて競技力向上の場として活用してまいります。
 加えまして、都民が日頃から利用できる場として、スケートやカーリングなどの教室開催等を通じまして、子供から高齢者まで、誰もが氷上スポーツに親しめる場としてまいります。
 さらに、大規模な競技大会やアイスショー等の開催により、冬季競技の見るスポーツの振興拠点ともしてまいります。
 こうした視点により、この施設が東京における氷上スポーツの拠点となるよう、施設運営計画の検討を進めてまいります。

○斉藤(や)委員 都民が利用できる場として、スケート教室なども開催する。立地場所に近い学校なども、もしかしたら、やってみようかという声も出てくるかもしれません。
 私自身、札幌に父の仕事の関係でいたときに、グラウンドにスケートリンクを造っちゃうんですね。スキー場は簡単にできませんけれども、当時、温暖化がまだここまで進んでいなかったので、消防車が来て水をまいて整氷すると、そこが一夜にしてスケートリンクになった。私も、都会に行ったり、北海道に行ったり、往復していましたけれども、小さいときにスケートを一回履くと、やっぱり自転車と一緒で、一生楽しめるスポーツになっていくということを考えますと、小さいときに慣れ親しむことはいいんじゃないかと思います。
 そして、東京は、東京生まれの方だけじゃなくて、そういうスケートリンクに親しんだ地域で生まれ育った親が、何らかの理由で東京に来ています。その親子が、お父さん、お母さんは、こうやってスケートをやっていたんだよということを、へえっといいながら、自慢げにお父さん、お母さんがいうのを子供が興味津々で見ていく中で、本当にすばらしいフィギュアケートのテレビで見る演技は、みんな誰もが、そういった小さいときにはこういうところから転びながら始めたんだよとか、そういう会話を都心のスポーツのエリアで冬季に行えるような会場ができることは、都民にとって大変プラスになるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 当然コストもかかるわけでございますが、時間を短縮する意味で、コストの話をしていきたいと思いますが、本施設の運営に係るコストについて伺っておきたいと思います。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設の年間運営費として、概算費用から概算収入を引いた金額は一・六五億円と試算しております。
 概算費用としては、アイスリンク施設の運営に係る人件費のほか、光熱水費など施設の維持管理に係る費用を積算しております。
 一方、概算収入としましては、大会利用や練習利用等の団体による専用利用の収入、都民による一般利用の収入、興行利用による収入等を積算しております。
 引き続き、類似施設の事例等を踏まえ、興行利用等による収入増や光熱水費等の支出抑制等、コストの抑制につながるよう、さらに精査を行い、施設の効率的な運営に努めてまいります。

○斉藤(や)委員 最後に残した質問は重複しますので、質問は以上にしておきたいのですが、最後に、要望というか、先ほどのパラアスリート用の施設とも関連するのですが、コストの考え方、都民の方にちょっと映像でも見ていただいていると思うので、ちょっと私の考え方を申し述べて終わりたいと思うんです。
 効率的な施設運営を行うことは当然です、それは税を充てるわけですから。民間にできることは民間にしてもらった方がいいと思います。
 しかしながら、なぜ都がその施設を造るのかというと、それは黒字にする施設を造ることがありきじゃなくて、必要だから行うわけであって、必要なものにお金を負担いただきたいということについてはお願いをしなければなりません。
 したがいまして、冬季にできるスポーツの場が辰巳にできるということのメリットを、都民の方が、自分にとって、本当に自分のものができてよかったなと、オーナーシップを持っていただくことが重要なんだと私は思っております。
 そういうふうに申し上げるのも、今回の東京オリ・パラ大会も、開催の準備では物すごい時間がかかりましたし、多くの知見を結集して臨む直前にコロナがありました。多くの方々が、その場にいれば、当然やってよかったということを体感できたのですけれども、それが必ずしも、やっぱり失われていることを考えますと、むしろ、これからが大事だと。
 オリ・パラが終わった後にいろんな数字が出てきて、いろんな厳しい目も入って、都民の方も、そんなはずじゃなかったじゃないかというお声もあるかもしれません。
 でも、そういったときに、いや、それは自分事として、皆様のものですよということを分かっていただくような、都民自身がオーナーシップを持つような、そういった努力を、造った側、都側も、議会側もそうですし、発信していく必要があるんだろうなと。
 どんな施設であっても、都民に愛されて親しまれて、多くの人に利用してもらえる施設にならなければ、それは無駄だということになってしまいますので、そうしたことにならないように頑張っていきたいというふうに思っております。
 そして、この冬季施設を造ることによって、未来の東京にも様々、スポーツ実施率の向上、六〇%ちょっとのものを七〇%を目指していこうとか、それが都民の健康増進になり、豊かな都民暮らしになるということが大事なことであって、黒字化になるとか、そういうことが目的じゃないわけです。そこを間違えないように、都民にとってプラスになるということを皆さんと一緒にお訴えしていきたいなと思います。
 未来の東京には、様々な戦略的な試みが書いてあります。する、見る、支えることができるスポーツフィールド東京は、二〇二〇年大会があったそのときに、こういうふうに勢いが増したんだということを子供たちに胸を張っていえるような、そうしたスポーツ施策をしていきたいと思います。
 質問は以上でございます。ありがとうございました。

○とや委員 私からは、東京都パラスポーツトレーニングセンター施設運営計画の中間まとめについて伺っていきたいと思います。
 九月五日にパラリンピックが閉会し、オリンピックも含めた東京二〇二〇大会が全て終了しました。コロナ禍で開催となったことも含め、大会そのものについては、今後、先ほども申し上げましたが、様々な角度からしっかり検証していく必要があります。
 大会に向け、障害者スポーツの振興やアクセシビリティーの改善、多様性の尊重などが取り組まれてきました。大会が終わっても、しぼませてしまうことなく、さらに発展させていくことが求められています。
 障害者スポーツの振興という点では、どんな障害でも楽しめるスポーツの普及啓発、場の確保や人材の育成などの支援を大会後も継続して強化することが重要ですが、改めて見解を伺います。

○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、障害の種別や程度にかかわらず、誰もが楽しめる参加体験型イベントの開催や、ポータルサイトによる大会や教室等の情報発信を通じ、広く普及啓発を図っております。
 また、都立特別支援学校活用促進事業を実施いたしますとともに、スポーツ施設における障害のある方の利用促進に向けたマニュアルを区市町村等に配布し、活用を促すなど、場の確保を図っております。
 さらに、区市町村職員等を対象としたセミナーや、障害者スポーツ指導員養成講習会等を開催し、障害者スポーツを支える人材の育成も行っております。
 今後とも、障害者スポーツの振興を図ってまいります。

○とや委員 今のご答弁、今後とも障害者スポーツの振興を図ってまいりますということでありました。
 今年三月に策定された未来の東京戦略では、パラリンピックに向けた多面的な取組を継承、発展させ、障害者のスポーツ環境を着実に整備していくことが示されております。
 継続させるだけでなくて、さらに強化、発展させることが重要だと思いますが、いかがですか。(資料を示す)こちらに書いてあるのですけれども、お答えください。

○加藤障害者スポーツ担当部長 先ほどの答弁とも重複するところもございますけれども、身近な場所の確保、支える人材のさらなる確保、それから普及啓発、様々な取組を行いまして、今後とも障害者スポーツの振興を図ってまいります。

○とや委員 こちらの未来の東京戦略を拝見させていただきました。ここには継承、継続。そして振興というご答弁があったわけですけれども、ここには多面的な取組を継承、発展させる、発展させるというふうに書いてあるわけです。
 ですから、継続し振興するということでなく、発展させるということでよろしいでしょうか。もう一度、お答えください。

○加藤障害者スポーツ担当部長 東京二〇二〇大会で盛り上がりました機運を消さないように取り組んでまいります。

○とや委員 パラリンピックに向けた多面的な取組を継承、発展させる、障害者のスポーツ環境を着実に整備していくということが未来の東京戦略で示されているんですよ。
 ですから、発展させるということが重要ではないかということをお聞きしているのですが、もう一度、お答えいただけますか。

○加藤障害者スポーツ担当部長 東京二〇二〇大会に向けまして、多面的に我々はこれまで取り組んでまいりました。それを消さないように、これからも取り組んでまいります。

○とや委員 未来の東京戦略に書いてあると申し上げているんですけれども、その継承、発展させるということがいえないということなんですかね。
 消さないということと発展させるということは同義語ですか。お答えください。

○加藤障害者スポーツ担当部長 消さないということは、根づいていくということであります。皆さんの心に残っていくということでございます。

○とや委員 皆さんの心に残っていくことも大事ですし、根づいていくということも非常に必要なことだというふうに思うんですけど、東京都としてつくった、パラスポーツを継承する、発展させるということは、東京都自らつくったわけだから、きちんとお答えいただきたいんですよね。発展させていただきたいということを重ねて申し上げておきます。
 東京都では、北区と多摩に障害者スポーツセンターを整備して、また、特別支援学校の体育館やグラウンドを、学校が使用しないときに障害者スポーツのために貸し出す施設を実施しています。
 障害者総合スポーツセンター及び多摩障害者スポーツセンター、また特別支援学校活用促進事業の二〇一九年度及び二〇二〇年度の年間利用者数は何人になりますか。

○鈴木スポーツ推進部長 施設の利用者は、障害者総合スポーツセンターでは、令和元年度が十六万六千百九十二人、令和二年度が七千三百五十四人、多摩障害者スポーツセンターでは、令和元年度が十万九千三百六十五人、令和二年度が七千百九十九人でございました。
 都立特別支援学校活用促進事業での利用者につきましては、当時はモデル事業期間でございましたが、令和元年度が六万二千六百九十六人、令和二年度が七千八十三人でございました。
 なお、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、休館や一部利用制限の期間があり、利用者が減少しております。

○とや委員 昨年度は、コロナによる休館や利用の制限があり、利用が大きく落ち込んでいますが、二〇一九年度は、全部足し合わせると、延べ三十四万人の利用があったということです。
 五年前から開始した特別支援学校活用促進事業は、二〇一九年度は二十校で実施していました。約六万三千人の利用があったとのことで、障害者スポーツの振興に場の確保は重要だと、改めて感じております。
 昨年度は二十五校、今年度は二十七校に増やしていますから、コロナでなければ、さらに利用者が増えていたのではないかと思いますが、一層の充実を図っていただきたいと思います。
 障害者スポーツセンター施設別の利用人数もいただきました。一番ピークというか、平成二十八年度には、十六万五千人余の東京都障害者スポーツセンターの利用がありました。多摩についても十六万九千人という人数となっています。ぜひ充実していただきたいなと思っています。
 東京二〇二〇大会も、障害者スポーツの場をしっかり確保して、パラスポーツを発展させていくために、今回のパラスポーツトレーニングセンター設置は重要な取組だと思います。
 私どもの会派でも、競技としてスポーツに取り組んでいる皆さんから、拠点となる場所があったらよいというお話を伺うことがありました。期待をされていると思います。
 この中間まとめでは、施設をパラスポーツの競技力向上の拠点とするとともに、スポーツのレベルに関係なく、障害のある人もない人もスポーツに親しめる場にしていくという基本方針が示されております。
 そこで伺うのですが、まず、競技力向上の拠点、あるいは競技力向上の練習場とは、具体的にどのような方が練習することを想定しているのか、伺います。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設は、競技力向上のための練習の場として、様々なパラスポーツのトップアスリートを目指すアスリートにご利用いただくことを想定しております。

○とや委員 中間まとめにも図が描かれていますが、いわゆるトップアスリートとして国の強化選手に選ばれると、先ほどもありましたが、ナショナルトレーニングセンターが使えたり、遠征費用などへの支援もあります。
 その次のレベルだと、練習場所や遠征費用の確保も大変だし、コーチやスポンサーも自分で探しながら頑張っているというお話も伺っています。同時に、これらの選手は、これから伸びていく大きな可能性のある選手でもあるということです。こうした選手を支える施設になっていただきたいと思います。
 また、本日、資料でもいただきましたが、改めて障害者スポーツは多種多様だと感じました。日本パラリンピック委員会加盟競技団体は六十二団体、東京都障害者スポーツ協会登録団体は二十二団体と、三分の一です。国と都、両方に登録しているスポーツは、約半分の十程度となっています。都の登録団体のうちの残りの半分は、国には登録していません。健常者の団体のように組織化されていないし、競技人口も、基盤も様々であることがうかがえます。
 都立施設として、都民が取り組むこれらのスポーツ全体への支援になるよう、試行錯誤はあると思いますが、取り組んでいただくことを要望しておきます。
 施設設備や実際の運営が障害者にとって利用しやすいものになるためには、当事者や当事者団体の意見を取り入れることが欠かせません。
 一つ一つ、具体的に意見を聞いていくことが必要ですが、どのようにしていくのか、お答えください。

○鈴木スポーツ推進部長 本施設の運営計画の検討に当たりましては、これまでもパラスポーツの競技団体やチーム、選手へのヒアリングやアンケート調査を実施してまいりました。
 来年公表予定の施設運営計画の策定に当たりましては、現在実施中のパブリックコメントに加えまして、パラスポーツの競技団体やパラアスリート、有識者等からご意見を聞く機会を設けることを検討してございます。

○とや委員 施設を造る場合、福祉のまちづくり整備マニュアルに沿って造ることは当然ですが、個々の施設について、利用する方々に、具体的に設計図や仕様を踏まえて指摘してもらうことで、より使いやすいユニバーサルな施設になることを実感しています。運営についても同様です。スポーツの施設なら、なおさら重要だと思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 あるスポーツクラブの方は、個人やクラブの練習用具などを置いていくことができ、安定的に利用できる練習場所が欲しいとおっしゃっています。他の会派からもお話がありました。
 用具を保管できるロッカーを備えるなど、こうした声に応えていただきたいと思いますが、いかがですか。

○鈴木スポーツ推進部長 競技の専用備品等の設置については検討を進めるとともに、共同で利用が可能な競技用具などの購入につきましても今後検討してまいりますが、個人等で所有する競技用具の保管などにつきましては、設置規模や設置スペースの制約などの課題もあり、慎重な検討が必要と考えてございます。

○とや委員 中間まとめにも、パラスポーツで活用可能な練習場所の選択肢が少ないとありますが、使える施設が健常者ほど多くないために、東京中や、場所によっては千葉や埼玉も含めて転々として、用具や荷物を担いで行って練習していると伺っています。継続的に使える拠点となる場所があって、団体や個人が持つ用具などを置いておけるとよいというお話でした。
 共同で使える用具をしっかり備えていただくのはもちろんですが、スペースの課題があると今おっしゃいましたが、ロッカーの設備などについても、競技団体の意見も聞きながら、ぜひ積極的に検討していただくことを要望しておきます。
 パラスポーツトレーニングセンターは、調布の味の素スタジアム内の施設を活用した屋内施設ですから、当然、屋内競技しかできません。
 プールを利用する水泳や陸上などの屋外スポーツのニーズもあると思いますが、どのように対応するのでしょうか。

○鈴木スポーツ推進部長 都は、障害者スポーツの拠点としまして、都内に二か所ある障害者スポーツセンターを運営してまいりました。
 障害者スポーツセンターでは、体育館やプール、運動場などの施設を有しまして、様々なスポーツや競技に取り組める場を提供しておりまして、今後もこうした施設を活用してまいりたいと思います。
 また、都では、障害者スポーツの競技力向上に取り組んでおりまして、アスリートへの支援や、競技団体が民間施設等で行う練習会や合宿などに対する経費の補助も実施しております。
 なお、本施設は、既にバリアフリー化された既存施設を有効に活用するために検討を行ってきたものでございます。

○とや委員 障害者スポーツ専用のグラウンドやテニスコートがあるのは、北区の総合スポーツセンターだけです。総合スポーツセンターを利用している方もいらっしゃいますし、一般の施設で健常者と一緒に練習することで、刺激を受けてレベルアップを図っている人もいらっしゃいます。
 特別支援学校に十分な敷地がなくて、子供時代は屋内のスポーツがほとんどである、あるきっかけがあって陸上競技を経験して、走ることの楽しさを知り、高校を卒業してから陸上競技を始めたという方もいらっしゃいます。屋外スポーツの環境を整えていくことも重要だと思います。
 水泳のできるプールも、現状では都立特別支援学校でも貸出しをしていません。
 今回の施設は、多摩障害者スポーツセンターの改修の代替施設として、整備した場所を活用するということですが、水泳や屋外スポーツの場の拡充も、ぜひ今後検討していただくことを求めておきます。
 障害者スポーツ施設には、障害者スポーツ指導員など、指導ができるスタッフの配置が欠かせません。
 パラスポーツトレーニングセンターには、どのように配置することを考えていますか。

○鈴木スポーツ推進部長 当局が所管する体育施設につきましては、施設ごとの管理運営基準におきまして、障害者スポーツ指導員養成講習会等の受講者を常時配置することを定めておりまして、本施設につきましても、こうした基準による取扱いとする予定でございます。

○とや委員 パラスポーツセンターは、競技力向上のための施設であるとともに、どんなレベルの人も利用できる施設となっています。専門的な指導員の指導があることで、スポーツの楽しさを味わえます。手厚い配置をぜひお願いします。
 また、競技力向上のための専門的な指導のできる人材育成などにも取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、施設へのアクセスについてです。
 近隣駅からのシャトルバスの運行も有効だと思いますが、いかがですか。

○鈴木スポーツ推進部長 最寄り駅から本施設までのアクセスにつきましては、点字ブロックやエレベーターを設置するなど、障害のある方へ配慮したバリアフリー動線を整備しております。
 また、障害のある方が自家用車でお越しいただく場合は、駐車場を確保していく予定でございます。

○とや委員 車椅子バスケの方などは、自家用車に競技用の車椅子を積んで練習にお見えになりますから、駐車場があることは必須条件ですし、重要です。
 同時に、幅広い利用をしやすくすること、また、働きながら週に数回、何回か通うとなると、最寄りの飛田給の駅だけでなく、特急が停車し、広範囲からの便のよい調布駅からのシャトルバスがあった方がよいなどのことが考えられます。ニーズを踏まえ、検討していただきたいと思います。
 私も、飛田給の駅から歩いて味の素スタジアムや武蔵野の森の施設へ行ってきましたけれども、健常者が歩いていくには、それほどの距離ではないのですけれども、やっぱり障害をお持ちの方があの施設まで行くというのは、それなりの障害があるのかなというふうに思います。ぜひそこら辺の配慮をお願いしたいと思います。
 この施設運営計画の中間まとめは、現在、パブリックコメント中ですが、幅広い当事者、関係者、都民の意見をよく聞いて、よりよい施設にしていただくことを求めて質問を終わります。ありがとうございました。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。

○白戸委員長 これより教育庁関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百八十一号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安部総務部長 去る九月二十二日の当委員会におきまして要求のございました資料のうち、契約議案関係につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をご覧願います。
 契約議案に関して、今回要求のございました資料は一件でございます。
 それでは、一ページをご覧ください。1、募集定員のある都立知的障害特別支援学校高等部の応募状況でございます。
 応募者数、募集定員、倍率等について、学校別、年度別にそれぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、契約議案関係で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○アオヤギ委員 それでは、都立南多摩地区特別支援学校新築工事請負契約についてお伺いします。
 私どもは、この間、特別支援学校の深刻な教室不足について改善を求めてまいりました。国会内外での教室不足についての改善を求める強い声があり、文科省がその声を踏まえ、特別支援学校設置基準を策定し、先日、公表しました。
 その中で、具体的な児童生徒数の上限数などは書かれていないものの、必要な教室が備えられ、図書室などもほとんどの学校で必要になるなど、一定の改善が示されました。
 この施設及び設備に関する基準は、令和五年四月以降に建設される学校に適用されるとしていますが、都立南多摩地区特別支援学校において、この文科省の基準に照らして、どの程度満たしているのでしょうか。面積もお示しください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 令和三年九月に公布されました国の特別支援学校設置基準では、特別支援学校に備えるべき教室などの施設及び設備や校舎、運動場面積などについて定めており、施設等の基準につきましては、令和五年四月一日以降に建設工事を開始する学校に適用されることとなっております。
 仮称でありますが、南多摩地区特別支援学校は、本年十月から工事に着手する予定であり、当該基準は適用外となりますが、この基準に本校の状況を照らし合わせると、教室などの備えるべき施設は基準どおりとなる見込みでございます。
 校舎の面積につきましては、約一万一千三百七十四平方メートルの予定で、基準により算出した面積五千六百七十六平方メートルを上回っております。
 また、運動場の面積につきましては、約二千百三十八平方メートルの予定で、基準により算出した面積四千八十平方メートルを下回っております。
 本校の設置に当たりましては、適切な教育環境を確保するため、中庭などの活用や運動施設借り上げ等の工夫を適切に行ってまいります。

○アオヤギ委員 校舎の面積は基準を上回っており、校庭は下回っているということでありました。今後造られる学校では、校庭も含め、基準内の校庭を確保しなければなりません。
 校舎は基準を上回った広さであるということでありますが、これは、文科省の基準には受入れ人数の上限が書かれておらず、面積に教室でない部分が含まれているため、基準を大幅に上回っているように見えるということを指摘しておきたいと思います。
 実際の教育環境の改善については、間仕切りなどが禁止されているわけではなく、教室がパーティションで区切られるなどがされていないか、確認していかなければならないと思います。
 それで、この学校は知的障害の高校となり、普通科、職能開発科を合わせて三十三学級となるとのことですが、この学校の設置によって、教室不足、パーティションで区切った教室などが近隣の学校で解消されることが望ましいと考えますが、どの学校の生徒がこの特別支援学校に通うことになるのでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 南多摩地区特別支援学校は、知的障害教育部門の高等部普通科及び高等部職能開発科を設置する学校とする予定でございます。
 普通科につきましては、多摩桜の丘学園及び町田の丘学園のうち、知的障害教育部門高等部の通学区域の一部を変更し、南多摩地区特別支援学校の通学区域とする予定でございます。
 また、職能開発科につきましては、東京都全域を通学区域とする予定でございます。

○アオヤギ委員 職能開発科は都内全域、そして、普通科は多摩桜の丘学園と町田の丘学園ということでありました。
 この学校には、それぞれパーティションで区切った教室は何教室あるのでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 令和三年度に間仕切りを行って使用している普通科教室の数につきましては、多摩桜の丘学園では九教室、町田の丘学園では四教室となっております。

○アオヤギ委員 設置によって、パーティションで区切られたこれらの教室は、どの程度解消されるのでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 南多摩地区特別支援学校は、知的障害特別支援学校の児童生徒数の増加等に対応するため、設置を予定している学校でございます。
 南多摩地区特別支援学校は、普通科と職能開発科を合わせて三十三学級の設置を予定しており、多摩桜の丘学園及び町田の丘学園の児童生徒数の増加への対応にも有効であると考えております。
 なお、多摩桜の丘学園及び町田の丘学園の学校規模は、今後、通学区域の詳細の決定や実際の児童生徒数の増加などにより決まるため、現時点では確定できないものでございます。

○アオヤギ委員 一定の学校の間仕切り教室が改善される見込みであるということでありました。開校時の学区の設定、普通科がどれくらいになるかにもかかっています。特別支援学校の増設は急務ですので、計画的に増設していくことを求め、質疑を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十七分休憩

   午後三時五分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出、教育庁所管分及び第百六十六号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求しました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安部総務部長 去る九月二十二日の当委員会におきまして要求のございました資料のうち、付託議案関係につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をご覧願います。
 付託議案に関しまして、今回要求のございました資料は四件でございます。
 それでは、二ページをご覧ください。2、チャレンジスクールの学校別長期欠席者、退学者の推移でございます。
 各年度における、(1)は長期欠席者数を、(2)は退学者数を、学校別にそれぞれ記載しております。
 三ページをご覧ください。3、チャレンジスクールの学校別入学者選抜応募倍率の推移でございます。
 各年度の募集人員、応募人員及び応募倍率について、学校別にそれぞれ記載してございます。
 四ページをご覧ください。4、立川学園の計画時の建設スケジュールと進捗状況でございます。
 立川学園の建設に係る当初計画と現在までの進捗及び今後の予定について、各年度の状況を記載してございます。
 五ページをご覧ください。5、立川ろう学校等の児童生徒数の推移でございます。
 立川ろう学校、羽村特別支援学校、武蔵台学園及び府中けやきの森学園における各年度の五月一日現在の児童生徒数をそれぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、付託議案関係での要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○白戸委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○清水委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 私からは、まず初めに、付託議案でございます第百五十八号、令和三年度東京都一般会計補正予算教育庁所管分について、一言申し上げたいと思います。
 本件は、都立学校及び区市町村立学校の学校内における感染拡大を未然に防止するため、児童生徒等の感染が判明した際に保健所により濃厚接触者の特定及び検査が即時に実施されない場合において、保健所に先行してPCR検査を実施するものと説明を受けたものでございます。
 私ども都議会自民党は、過ぐる本年八月二十六日に、小池知事に対しまして医療非常事態宣言における緊急要望等を行いました。
 その第一項目といたしまして、学校再開に合わせ、PCR検査、抗原検査など、必要に応じた検査を速やかに実施できる体制を確保することを求めてきたわけでございます。
 この要望に応える形で、都教育委員会では、二学期開始時から、児童生徒等の感染拡大防止のため、国から配布された抗原検査キットの活用とともに、都単独事業としてPCR検査キットを活用することといたしたわけでございます。
 今回の補正予算につきましては、この取組を十月以降も継続して実施するためのものであり、児童生徒が安全・安心に学校生活を送る上で大切な取組であると考えております。
 したがって、これからも学校における感染対策を徹底していただきまして、学校内で感染が拡大することのないよう取組を進めていただきますよう、まずは要望したいと思います。
 続きまして、付託議案でございます百六十六号議案であります。東京都立学校設置条例の一部を改正する条例でございます。
 本件につきましては、二つの特別支援学校の設置条例というふうなことでございますが、そのうち、私は、立川学園が立川市内ということで地元でございますので、こちらの方に着目をいたしまして、何点かお伺いをしたいと思う次第でございます。
 まさしくインクルーシブ教育が、全国的、いや世界的に進められる中で、東京都の方も、調査、アンケートですとか、そのようなことに取り組む中で、着実に進めていらっしゃるのかなというふうに思っているわけでございます。
 ただいま資料要求の方でも、その必要とされる児童生徒の数が示されたわけでございますが、私は、それとは別に資料の方を頂戴しまして、グラフでどのような状況になっているのかというのを出していただきました。
 そうしますと、大体、こういった形の傾斜になっているんですね。(資料を示す)これはまさしく右肩上がりの状況であります。
 調査を始めました平成十六年には五千百四十九名の方、そして、令和三年には九千七百四十九名の方という、この期間で、実に四千六百人もの在籍者が増えたというふうなことになっております。
 そして、ここから破線になっておりまして、それは推計でございますけれども、令和三年から令和十年、七年間の間には約千九百人増えるのではないかというふうな推計が示されているわけでございます。
 そういったことも含めまして、いよいよ、この立川の栄町という、これは立川の東端の方なんですね。国分寺境なんですが、そこにございます立川ろう学校に、今度は知的障害教育部門を併置するという形で、北多摩のニーズに応えていくんだというふうなことかと思います。
 私も、近所なものでございまして、よく車で通りかかるのですが、現在、仮囲いもしっかりとされておりまして、建設の車両が大分、頻繁に行き来するということで、工事の方も佳境に入ってきたのかなと思っております。
 これは、名称が立川ろう学校から立川学園特別支援学校というふうな名称に変わるそうでございますが、こういった特別支援学校は北多摩の拠点になるのかなというふうに思っておりますが、これから特別支援教育を求めている、あるいは必要としている児童生徒さんたちは、この開校を本当に待ちわびているんじゃないかと思うわけでございます。
 そこで、まず初めに、これは設置条例でございますので、概略的なことを聞いていきたいと思うんですが、今後のスケジュール、工事のスケジュールあるいは開校スケジュールについて、改めてこの委員会にお示しをいただければなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 立川学園は、児童生徒の障害の重複化や、知的障害特別支援学校の在籍者数の増加に適切に対応するため、立川ろう学校を改編し、聴覚障害教育部門及び知的障害教育部門を併置する学校として、令和四年四月に開校するものでございます。
 現在、児童生徒の安全を確保しながら校舎の増築工事を行っていますが、開校後の令和四年度には、既存校舎の改修も実施する予定でございます。
 このため、知的障害教育部門につきましては、令和四年度は小学部第一学年の児童のみが在籍し、令和五年度からは小学部及び中学部の全ての学年の児童生徒が在籍することになります。

○清水委員 ありがとうございました。令和四年度から段階的に開校していくんだということで、本格的には令和五年度だというふうなことでございます。本当に楽しみにしておりますので、また期待をしておりますので、しっかりとスケジュールどおりに開校できるよう、当局によろしくお願いをしたいと思います。
 それで、冒頭申し上げましたとおり、この立川学園は、私も地元でございますので、この開校に至るまで、様々な課題があったというふうに私も承知しております。この後は、その課題をどのように皆様方が乗り越えてきたのかというところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
 一番の課題は何だったのかといいますと、実はこれ、立川学園という名称でした。東京都は、特別支援学校の中で複数の障害種別を併置している場合は、〇〇学園というふうにつけることが習わしになっているそうでございます。それで、立川にあるから立川学園というふうなことだと思うんですが、実は立川市内には、以前から社会福祉法人が運営をしております武蔵立川学園という事業所、施設があって、それが非常に、立川の中では、市内の中では浸透しているわけでございます。そうしますと、武蔵というのがついている、ついていないという差はあるのですが、同じ立川学園というふうな名称が二校存在するというふうなことになります。
 そうしますと、利用者の方だとか、あるいは関係者の方が混同あるいは混乱するのではないかというふうな懸念の声が寄せられていたかと思いますが、前から武蔵立川学園という呼称を使っておりました社会福祉法人の方にはどのような対応をなさったのか、お伺いをしたいと思います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 お話しいただきましたとおり、武蔵立川学園は、障害者が入所する社会福祉施設でございます。
 立川学園の名称の検討に当たりましては、武蔵立川学園を運営する社会福祉法人に対しまして、施設を訪問し、学校の概要や名称等について説明の上、理解を得てきたところでございます。
 なお、これまでも仮称として立川学園特別支援学校を使用してまいりましたが、武蔵立川学園と特別支援学校は対象とする年齢も異なることから、名称に関わる問題は発生しておりません。

○清水委員 これまでは名称に関わる問題は発生していないというふうな部長からのご答弁でございましたが、やはり名称あるいは名前というのは、その個を他と分類するためにつけるものでございますし、何よりも設置者の強い思いがそこに込められているものだと思っております。
 大変申し訳ないのですが、東京都は立川学園という名称を使うのは後発組でございますので、ぜひそのところをこれからも意識しながら市内で活動していっていただければなと思いますので、これはよろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、やっぱり同じ、この名称のことでございます。
 立川学園というふうな仮称が示された中で、既存の立川ろう学校の関係者の方、特にOB、OGの保護者の方から、ろうという名称を残してもらえないのだろうかという強い要望が私ども都議会自民党にもございました。
 いろいろとお話を聞かせていただきますと、聴覚障害者の皆様方の中には、ろうという言葉に非常に強い思いを持っている方が多うございます。ろうという言葉は本当に、聴覚障害者の方のアイデンティティー、あるいは、ろう文化というものがその中にあるような話も熱心に聞かせていただきました。
 何とか、ろうという名前、聞けば、立川で七十年間、この立川ろう学校というのは存在しているというふうなことでございます。そういった、この立川にろう学校があったんだ、あるんだということを何らかの形で残すことができないかというふうなご要望があったわけでございます。
 この件につきましては、教育庁の皆様方も、もう既に取組をなさっているかと思いますので、そういった強い要望に対してどのように対応なされたのか、お聞かせいただければなと思います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 立川学園という名称は、七十年の歴史がある立川ろう学校の教育を継承するとともに、今後、複数の障害教育部門を併置する学校として、より充実した教育を推進していくことを表現したものでございます。
 また、名称の検討に当たりましては、立川ろう学校の保護者や卒業生などに対しまして、立川ろう学校の改編について説明するとともに、名称についても意見を伺うなど、丁寧に対応し、理解を得てきたところでございます。
 なお、立川学園には、立川ろう学校に関連する資料の展示スペースを設けることについて検討をしております。

○清水委員 ありがとうございました。理解を得られたということと、あと、展示スペースをこれから設けていかれるということをご検討いただけるというふうなことでございますので、ぜひとも前向きにお取組をお願いしたいと思います。
 それと同時に、実は立川ろう学校、もう一つ、伝統的な行事がございまして、近隣の立川市内の公立小学校との交流教育というのを実施されております。
 これは、例えばどんなことをするのかといいますと、お互い学校を訪問し合って、学校紹介をするですとか、あるいは、ゲームを通じて障害のことに対する理解を深めていただくとか、そのような、これは市内の小学校に通われている皆さんにとっても非常に勉強になっているというふうなことでございますので、こういった伝統も、ぜひとも立川学園に移行しても引き続き実施をしていただければなと思いますので、学校の関係者の皆様方にお伝えをいただければなと思います。
 続きまして、今後の教育活動についてお伺いをしたいと思います。
 ただいま申し上げましたとおり、立川学園は、聴覚障害教育部門と、今度は新しく知的障害教育部門を併置する学校となるわけでございますので、当然のことながら、これまで行ってきた教育内容をそのまま移行するというふうなわけにはまいらないかと思います。それぞれの特色を生かした教育内容を、学校の現場の先生方が工夫してやっていただけるのだと思います。
 当然のことながら、特別支援学校でございますので、同じ障害でも、例えば障害の程度によって児童生徒に対する対応は変わってくるんだと思いますし、それにも増して、複数の障害種別の違うクラスが今度は併置されるというふうなことになりますので、これは多分、なかなかご苦労が絶えないんじゃないかと思います。
 資料等を拝見しますと、今度、知的障害教育部門の校舎は、現在の校舎の南側に新しく新設をするということで、ある意味、学校の棟でゾーニングができるんじゃないかなというところは分かるのですが、例えば、知的障害あるいは聴覚障害の生徒さん、児童さんが共通して使ったり、行ったりするものというものがあるかと思うんですね。例えば階段ですとか、廊下ですとか、もっといったら、体育館等の体育施設などは共通して使わなければならないものなのかなというふうに思っております。また、運動会とかそういったものも、多分、これは一緒になさるんじゃないかななんて思っているわけでございます。
 立川ろう学校から立川学園に移行するに当たって、今後どのように学校の教育活動が変化していくのかというのが、概略が分かればお聞かせいただければと思います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 聴覚障害教育部門と知的障害教育部門を併置する立川学園におきましては、それぞれの障害教育部門の教育課程に基づき、日常の教育活動を行うことになります。
 また、聴覚障害教育部門と知的障害教育部門の教育活動につきましては、原則として、主に使用するエリアを既存校舎と増築校舎とに分けることとしております。
 なお、立川学園では、聴覚障害のある児童生徒と知的障害のある児童生徒との交流活動を行うことにより、互いの障害に対する理解を深めるとともに、将来の自立と社会参加に必要な社会性を育んでまいります。

○清水委員 ありがとうございました。交流活動も行っていくんだというふうなご答弁もいただいたわけでございまして、これは現場の先生方がしっかりとやっていただけるんじゃないかというふうに期待をしているわけでございますが、ぜひともその交流活動の中に、児童生徒さんだけではなく、保護者の方、PTA活動なんかも交流、これは一緒にやっていただいた方がいいんじゃないかななんていうふうに思っております。
 いろんな意見を聞かせていただくのですが、聴覚障害あるいは知的障害、両方の保護者の方、PTAの方から、やはり相手の障害のことについての理解が深まらないことがゆえんで、なかなか、心配をなさっているというふうなところがあるようでございますので、それは、お互い様々な形で機会を捉まえて交流することによって、お互いの障害の特性ですとかを理解していただいて、まさに一つの立川学園になるために、保護者あるいはPTA活動も、そういった交流の場に加えていただければなと思いますので、これは要望とさせていただきたいと思います。
 それでは、最後に一点お伺いしたいと思うんですが、スクールバスの安全運行についてお伺いしたいと思います。
 今までの立川ろう学校のときでも、少年部の方ですとか、あるいは重度の方に対してスクールバスを運行していたそうでございます。私もよく国立駅の北口を利用するものですから、立川ろう学校に通われる生徒さんによくお会いをしております。その方たちは、国立駅の北口から路線バスに乗って立川ろう学校まで通われている方がほとんどなのかなと思っております。
 しかしながら、今度は知的障害教育部門が併置されるわけでございますので、そうしますと、このスクールバスというのが、もう少し大々的に運行されるというふうに聞き及んでおります。路線バスと同じぐらいのバスが六台程度走るというふうに載っています。そうしますと、様々な面で安全管理を確保していかなければならないかと思うんです。
 それで、今日ちょっと、にわかにパネルを作っていただきましたので、皆さんに見ていただきたいと思うんですが、パネルというほどでもないのですが、分かりますかね、これ。
 立川ろう学校は不思議な形をしておりまして、まず、ちょっと理事者のほうの方に見てもらいます。この赤線、これが学校の敷地なんですが、車の導入部分というのは、ここの道路みたいな一本だけなんですね。こちらの方も、委員の皆さんに見ていただきたいのですが、敷地はなかなか広いんです。しかしながら、車が出入りするところが、ここに細長くあります。まるで油差しみたいな敷地形状をしているものでございまして、現在でも、私なんかは車でお邪魔するわけなんですが、もうちょっと幅員があった方がいいなと思っております。
 まして、このたびは、学校の敷地の中にまた新しい知的障害教育部門の校舎も建てると、その敷地もだんだん活用が活発になってきて、車の転回部分ですとか、そういった部分の心配がどうしても出てくるのかなと思っております。
 今まで以上に、これは安全管理を徹底しなければならないかと思いますので、今現在どのようなご検討をされているのか、お聞かせをいただければと思います。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 立川学園の知的障害教育部門では、一人通学が困難な児童生徒の通学手段を確保するため、スクールバスの運行を予定しております。
 スクールバスの運行に当たっては、同じ時間帯に徒歩で通学する児童生徒がいることから、公道から正門までの通路において車道と歩道を分離するとともに、敷地内のバスの動線を工夫するなど、登下校時における児童生徒の安全確保を徹底してまいります。

○清水委員 しっかりとした対策が取られることだと思っていましたし、ぜひともそれを実行していただければなと思います。何といっても、やはり事故が起こってからでは、こればかりはいかんともしがたいことでございますので、特に注意をしていただければなと思う次第でございます。
 それと、考えてみましたら、私、冒頭申し上げましたとおり、都内だけではなく全国的に、この特別支援学校に通いたい、そういったニーズがある児童生徒の方は、これから増加傾向にあります。
 ましてや、今回は、あえて、ろう学校に知的障害教育部門を併置するという形で、北多摩の核となる特別支援学校である立川学園をつくるというふうなことでございます。
 ぜひとも、この際、このような油差しのような形状になっている敷地を整形するぐらいな、つまり敷地の拡幅などもご検討していただく中で、これからも本立川学園の充実のために教育庁の皆様方の活躍を期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いします。ありがとうございました。

○内山委員 私からは、補正予算に関わるPCR検査についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 現在、学校現場には、国から既に配布をされている抗原簡易キットというものがあるかと思います。鼻で検査するやつですね。そういったものがある一方で、今回、東京都の方ではPCR検査のキットを配布するという補正かと思います。
 まずお伺いしたいのは、この抗原簡易キットと今回のPCR検査の違いと、恐らく、それぞれの意義があるからこそやられるということだと思いますので、違いと意義、こちらをまず冒頭にお伺いしたいと思います。

○谷都立学校教育部長 抗原簡易キットによる抗原定性検査は、出勤後や登校後に発熱等の症状が出たが、速やかに医療機関を受診できない者を対象に学校内で検査を実施するものでございます。
 有症状の者だけが検査対象で、約三十分と短時間で結果が判明いたしますが、検出には一定以上のウイルス量が必要でございます。
 一方、本件のPCR検査は、学校で感染者が判明した場合に保健所による調査が実施されるまでの間において、濃厚接触者の候補者のうち無症状の者を対象といたします。なお、有症状の者は、速やかな医療機関の受診を促します。
 本検査は、自宅で唾液の自己採取を行い、検査機関に検体を郵送して実施するものでございます。検体採取から結果判明までの期間は、郵送期間も含め二日程度となりますが、抗原定性検査より少ないウイルス量でも検出できます。

○内山委員 ありがとうございました。どちらも基本的には、速やかに医療機関を受診できないとか、もしくは、保健所による調査が実施されるまでのタイムラグがどうしても出てしまう、こういったところで行うということ、それと、国の抗原簡易キットに関しては、有症状の方に対してすぐ結果が出るものということ、そして、PCR検査の方は無症状の方、ただ、検査をしてから、郵送してから結果が出るので、どうしても二日前後かかってしまうということなんだと思います。
 その中でお伺いしたいのが、今回、都立校と都内の公立小中学校ということで、通常、結構、一緒くたに議論されることがありがちなんですが、都立学校と区市町村の学校では、この検査事業の流れが異なるのではないかというふうに私は認識をしているのですが、どこがどう異なるのか、まずご説明をいただければと思います。

○小菅地域教育支援部長 都立学校におきましては、あらかじめ各学校に配備している検査キットを対象者に配布いたします。児童生徒等は、保護者同意の上、自宅で唾液採取を行いまして検査機関に郵送します。検査結果は学校に通知され、学校から受検者に対して結果を連絡いたします。
 区市町村立学校におきましても、基本的に事務の流れは同様でございますけれども、区市町村教育委員会は、学校で感染者が発生した場合に、濃厚接触候補者分の必要数を都教育委員会へ申し込んでいただくというところが異なります。

○内山委員 ありがとうございます。
 ここで、今のご答弁で気になってくるのは、都立学校においては、既に一定数、学校に置いておいて、このPCR検査のキットをいざ使おうとなったときは、すぐ使うことができると。検査を送ってから、大体、二日前後、結果が出るまでかかるということなんです。
 区市町村の学校に関しては、必要になったら、一回、都教委の方に連絡をして、そこから送っていただく。ここまでやっぱり二、三日かかる。送っていただいて、そこから検査をして、検査をそのところに送って、またそこで二日ぐらい、送りますからね、タイムラグが生じるということで、実際、検査が必要だとなってから四日から五日かかってしまうというところが、ちょっとどうなのかなというふうに感じました。
 恐らく、もともとこれが出てきた前提というのは、八月の一日五千人、六千人という新規陽性者数が上がってきていて、保健所もなかなかうまく回らない、医療機関もなかなか回らないという中で二学期がスタートして、子供たちの中で、クラスターなり、検査が必要な子供たちが出たときに、保健所も医療機関も回らなかったら、これはどうにもならないじゃないかという中で、恐らくスピード感を持って教育庁さんの方で練られたものなのかなというふうに感じました。
 ただ、今、学校現場で話を聞いてみると、例えば、有症状であろうと無症状であろうと、検査が必要な状態になったらどうするかというふうに聞いたら、当然ですけれども、保健所に連絡をする、病院に行く。当然ですよね。学校内でやるよりも、その方が−−これが受けられないという前提で組み立てられたものなんですけれども、今はこれも、時々刻々と変わっていくこのコロナの状況の中で、八月はばあんと予想外に上がったものが、今は想定以上に数ががんと落ちてきた。
 本当にこれがなかなか、コロナ対策の難しいところかと思うんですが、そういった中で、その前提が変わってきている中で、果たしてこのまま行うのが妥当なのかどうかというのが、ちょっと一つだけ、疑問に思うわけです。
 そういった中で、次にお伺いしたいのが、この事業における人数の想定規模を、都立学校と区市町村立学校について、それぞれお伺いをしたいと思います。

○谷都立学校教育部長 都立学校におきましては、第五波の際の実績を踏まえ、一日当たり八十人の陽性者、陽性者一人当たり十人の検査対象者を見込みました。
 令和三年十月十四日から十二月三十一日までの七十九日間を事業期間としまして、一日当たり八百件の検査が毎日できるよう想定したものでございます。
 また、区市町村立学校におきましては、都立学校と同様の考え方に基づき、一日当たり二百人の陽性者、陽性者一人当たり十人の検査対象者を見込み、一日当たり二千件の検査が毎日できるよう想定しております。

○内山委員 ありがとうございます。
 先ほど申し上げましたように、約二か月前にあれだけ感染拡大が起きてしまったと。しかも、デルタ株に置き換わって、二学期を本当に始めていいのかどうかという議論というのはかなりあったと思うんです。
 そういう中で、無策で突っ込んでいくわけにいきませんので、やっぱり検査体制の強化だとか、いろいろな必要な予防線をしっかりと張った上で、二学期を始めるために、急遽、教育庁の皆さんが汗をかいて、こういった事業を用意していただいたことは、本当に敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、状況が、これは本当にうれしい誤算ですよ、うれしい誤算。状況がこれだけ好転していく中で、今ご答弁をいただいた、一日八百件の検査をする。これは都立学校だけですね。市区町村の学校で一日当たり二千件の検査をするだけのキャパシティーが必要なのかどうかというと、先ほど申し上げたように、ここはあくまで医療体制や保健所がなかなか回らないという前提においてですから、これは十二月末までに執行率がかなり、極めて低くなるのではないかという予想がされるんです。
 これはいいことなんですよ。執行率が低いということは、それだけ感染拡大がしていないということですから、これはいいことなのですが、せっかくこれだけの数のPCR検査のキットを学校側に提供できる体制を整えていただいたので、時々刻々と変わるコロナ体制に、やっぱり私たちも対応していかなきゃならないんじゃないかなというふうに思うんです。
 そういった中で、あくまで今回のものは、前提として、医療機関にかかる、もしくは保健所に行く、症状が出たりだとか、無症状だけど濃厚接触者に該当するだとか、そういう縛りがかなりあるので、先ほど申し上げたように、恐らく、ほとんど使われないだろうなというふうな予想がされるわけです。
 であるのであれば、できるだけ学校現場が使いやすいようなルールに変えていただくというのは、十二月までの期間を考えたときには、私は、柔軟な活用というのは学校現場にも感謝されるのではないかなというように思っています。
 一方で、我が会派の代表質問の中で、部活動や修学旅行、こういったところでも、行く前に−−義務ではないですよ。必要だったりとか、もしくは、あるといいなというところに関しては機動的に出していけるようにしたらどうかというものに対して、検討していくというご答弁をいただいたかと思います。
 ここでまた新規で予算をつけていくというのは、結構、大変だと私は思うんですね。ですから、そういった意味では、こういうもう既にあるものを、時々刻々と変わる状況の中で、併せて活用していくことができるといいのではないかなというふうに思っています。
 これは質問しませんが、強く意見として、要望として申し上げさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○竹平委員 私からは、本定例会で補正予算に上げました、都立学校、また区市町村立におけるPCR検査について質問させていただきます。少し重なる部分もあろうかと思いますが、ご質問させていただきたいと思います。
 この夏は、感染力の強いデルタ株によりまして、感染が急拡大し、子供たちへの感染が急増いたしました。
 夏休みが明け、感染拡大防止に向けて一層の感染対策に取り組んでいるかと思いますけれども、まずは、都立学校における感染対策の取組と、それから、現在までの感染状況についてお聞かせください。

○谷都立学校教育部長 都立学校では、都教育委員会のガイドラインに基づき、教室等の換気や、保護者等とも連携して、児童生徒等の手指の消毒、マスクの着用や健康状態の把握などの感染対策に徹底して取り組んでおります。
 九月には、不織布マスクの推奨や、二酸化炭素測定器、サーキュレーターの活用による換気の徹底等、デルタ株にも備え、対策を強化し、ガイドラインにも反映いたしました。
 感染状況についてでございますが、都立学校におきましては、一斉休業措置が終了し、学校が再開した令和二年六月一日以降、令和三年十月三日までの約一年四か月の間に三千七百三名の児童生徒等の陽性判明の報告がございました。いわゆる第五波のピークである令和三年八月十六日から八月二十二日までの一週間では四百四十七名の陽性判明がございましたが、直近の九月二十七日から十月三日までの一週間では十六名でございました。

○竹平委員 一方で、区市町村立学校の状況についてもお伺いいたします。
 区市町村立学校における感染対策の取組、また、感染状況もお聞かせください。

○小菅地域教育支援部長 区市町村立学校における感染対策ですが、各区市町村は、国の学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルや都教育委員会のガイドラインを参考にして、それぞれが手引等を作成し、対策を図っております。
 具体的には、教室等の換気や、保護者等とも連携して、児童生徒等の手指の消毒、マスクの着用や健康状態の把握などの感染対策に徹底して取り組んでおります。
 区市町村教育委員会からの報告によりますと、令和二年六月一日以降、令和三年十月三日までの約一年四か月の間に、区市町村立学校においては一万三百三十一名の陽性判明の報告がありました。いわゆる第五波のピークである令和三年八月十六日から八月二十二日までの一週間では一千百八十四名の報告がありましたが、直近の九月二十七日から十月三日までの一週間では三十八名の報告でした。

○竹平委員 今のご説明では、やはり第五波では子供たちの感染が増大していることが分かりました。また、ガイドラインも改定をされているということで、今回のデルタ株に備えた感染防止強化策も取って対応しているということも分かりました。このガイドラインが各学校では徹底されるよう、さらなる周知を求めたいと思います。
 さて、今回の補正予算には、都立学校におけるPCR検査の実施にあっては三億円が計上されました。その目的は、学校内での感染拡大を未然に防ぎ、夏休み明けから児童生徒の教育活動の機会の確保を図るための支援とのことでございます。
 先ほども検査の中身を伺っておりますけれども、もし、もう少し詳しくお伺いができればお聞かせいただきたいと思います。
 また、既に、執行でこのPCR検査を実施していると聞いております。その実施状況について伺わせていただきます。

○谷都立学校教育部長 検査の概要についてでございますが、緊急事態宣言期間中で保健所の業務が逼迫している場合などに都立学校の児童生徒及び教職員等の感染が判明した際、保健所による調査や濃厚接触者の特定等がなされるまでの間、感染者と感染可能期間中に接触していた者などに本件PCR検査を実施するものでございます。
 各学校におきましては、あらかじめ各学校に配備している検査キットを児童生徒等対象者に配布いたします。対象者は、保護者同意の上、自宅で唾液の自己採取を行います。これを検査機関に郵送いたします。検査結果は学校に通知され、学校から対象者に対して結果を連絡することとなっております。陽性疑いになった場合には、速やかに医療機関を受診し、医療機関等の指示に従うことで、陽性者を早期に把握し、感染拡大防止につなげております。
 都立学校におきますPCR検査の実施状況は、本年九月一日から十月五日までの間、実施校数が三十九校、実施検査数が四百四件、そのうち陽性疑いとなった者は五件でございます。

○竹平委員 ありがとうございました。
 一方で、また、区市町村立学校におけますこのPCR検査は、今回、八億円の計上がされておるところですけれども、どのような方法で行われるのか、先ほどのご説明の中で、ほかに、もしありましたらお聞かせください。
 また、既に、都立学校と同様に実施しているというふうに伺ってございます。その状況についてお尋ねいたします。

○小菅地域教育支援部長 都教育委員会は、希望する区市町村教育委員会に対し、PCR検査のキットを用意いたしました。
 各教育委員会は、保護者の同意を得た無症状の濃厚接触候補者を対象に、各学校の必要数を都教育委員会に申し込んでいただきます。都教育委員会は受託事業者に連絡し、その後、検査キットが送付され、PCR検査を受けることになります。
 本年九月一日から十月五日までの区市町村立学校におけるPCR検査の実績は、実施した自治体数が二か所、実施校数が二校、実施検査数が二十一件、陽性疑いとなった方はいませんでした。

○竹平委員 ありがとうございました。
 学校におきましては、特にこの第五波では児童生徒等の感染者が急増しておりまして、都内でも、この感染急拡大という中で保健所が逼迫をいたしました。そういった中で、今ご説明がありましたように、学校内での感染者が出た際、保健所は疫学調査ができない状況から、この九月から、直ちに都が、都立学校、また区市町村立学校でPCR検査の実施に取り組んだことは高く評価いたします。
 現在は、都内の新規感染者数は減少しておりまして、児童生徒等の陽性者も減ってきているようでございますけれども、やはり、いつ再拡大するか分からない状況だと思います。今後、再拡大をし、また、保健所の業務が逼迫し、疫学調査が行えない場合に備えまして、今からこのPCR検査の準備をしておく必要があり、本予算案は大変重要だというふうに思います。
 その上で、区市町村立学校への検査キットの配布について伺いたいと思います。
 先ほどの説明にもありましたように、都立学校においては、あらかじめ検査キットを各学校に配備しているために、すぐ検査ができる体制ができております。
 しかしながら、市区町村立学校においては、各学校への配備はされておらず、学校で陽性者が判明した際、都の受託事業者から検査キットが学校に届くまで数日かかっている状況でございます。学校現場からは、陽性者が出た場合、すぐに検査ができるようにしてほしいとの声を伺っております。
 そこで、希望する区市町村には、あらかじめ検査キットを各市区町村に配布しておくようにしてはどうかと考えますが、都の見解を求めます。

○小菅地域教育支援部長 学校現場で、より迅速に検査を実施できるように対応していくことは大変重要なことと考えております。
 今後は、希望する区市町村教育委員会へ、あらかじめ一定数を配備するなど、事業実施方法を工夫してまいります。

○竹平委員 迅速に検査ができますよう、よろしくお願いをいたします。
 この一年十か月、長引く新型コロナウイルス感染症によりまして、子供たちの学校生活は大きく変わりました。部活動が制限され、運動会や音楽会、また修学旅行など様々な学校行事が縮小または中止となりまして、子供たちからは、楽しみがなくなったとの声を伺っております。
 また、ある都立高校の先生からは、今の三年生は修学旅行には行かせてあげられなかった、思い出を残せなくて残念です、今、二年生には、年明けに、せめて近場で一泊だけでも行かせてあげたいというふうにおっしゃっておりました。
 現在、緊急事態宣言は解除となり、東京都では十月二十四日までをリバウンド防止措置期間とし、この間、都立学校においては、修学旅行は延期とし、学校での一層の感染対策を徹底することとしております。
 今後、子供たちが楽しみにしている学校行事等が再開できるよう、様々な方法を検討していただくよう要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からは、小台橋高校の新設について伺っていきたいと思います。
 都教委は、これまで五校のチャレンジスクールを新設してきました。しかし、入学希望者が増えているということで希望に十分応えられていないといった形で、都立高校改革推進計画・新実施計画において足立地区にチャレンジスクールを新設するということで、この基本計画検討委員会を設置されたと聞いています。
 そのとき、この方針では、同時に夜間定時制高校のことも論じられていて、同じ足立区内にあった夜間定時制課程のあった荒川商業高校を廃校し、代わって設置される都内六校目のチャレンジスクールとなったのが小台橋高校であります。同時に、江北高校夜間定時制課程も閉課程とするという方針が示され、計画も示されております。
 新たな実施計画は、新たなタイプの学校を設置する反面として、既存の夜間定時制について大幅な統廃合をしようとするものだといわなければなりません。そして、このことが果たして、東京都が新実施計画でいう子供の多様なニーズに応えるものだといえるかどうかについては、大きな疑問を否定し切れないのではないかと思います。
 江北高校夜間定時制は、約七十年の歴史を持つ学校でした。住民からは、閉課程にしないでほしいと、都議会にも陳情が出されていました。
 さらに、荒川商業高校については、一九一八年に夜間の商業の補習学校として開校し、一九六〇年に全日制が設置され、商業高校として、教室での座学だけでなく、近隣の商店会と連携をした実践的な活動を行ってきたと記録されています。全日制となって創立五十周年を二〇一八年に迎え、夜間部を含めると一万五千人を超える卒業生の巣立ちを見詰めてきた歴史のある学びやであります。
 どちらの学校も、東京の教育の貴重な財産でありました。
 こうした経緯があって新設する小台橋高校は、やっぱり生徒にとってよりよい教育環境を保障してほしいというふうに思っています。その立場から質問をいたします。
 まず、どのような生徒が入学対象になっているのか、年齢層も併せてお答えください。

○佐藤教育改革推進担当部長 チャレンジスクールは、小中学校で不登校を経験したり、高校において長期欠席等が原因で中途退学をするなど、これまで能力や適性を十分に生かし切れなかった生徒を主に受け入れております。
 既に開校しているチャレンジスクール五校に通う生徒の年齢層の割合は、十九歳までの生徒が約九八%を占めております。

○とや委員 不登校経験者や高校を中途退学するなどの生徒が主に通ってきているとのことです。年齢層は十九歳以下という生徒がほとんどということですが、それ以上の生徒もいるし、十九歳を超えても通える学校として運営をしていただきたいと思っています。
 次に、学校の規模はどのようになっているかについてお聞きしたいと思います。
 新たに設置される小台橋高校の定員、三部制を取っている学校なので、午前部、午後部、夜間部のクラス数など、規模をお答えください。

○佐藤教育改革推進担当部長 足立地区チャレンジスクール基本計画検討委員会報告書によれば、小台橋高等学校の修業年限は四年間を基本としており、全校の規模は三十六学級千八十人、各年次の規模は、午前部四学級百二十人、午後部三学級九十人、夜間部二学級六十人を想定してございます。

○とや委員 千人を超える規模というのは、チャレンジスクールとしては初めてです。他の五校は、全て六百人以下となっています。
 あるチャレンジ校では、不登校経験者が七割いて、中途退学経験者が二割くらいいる、発達障害の発達上の課題や精神疾患のある子供は二割在籍している、ひとり親家庭で経済状況が厳しい子もいて、親の病気で家事や育児が困難である家庭状況の厳しい子もいるというふうに伺っています。福祉との連携が必要な生徒も多く在籍していたという話も伺っています。
 落ち着いた環境でゆっくり考える時間と空間が必要な生徒が多いと思うのですが、なぜこのような大規模校としたのか。一人一人の生徒に寄り添った教育をどのようにしていくのか。学校としての一体感、午前と午後、午後と夜間と、入れ替わりの際の過密状態が懸念もされていますが、いかがでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 学校規模につきましては、平成九年のチャレンジスクール計画検討委員会報告書には、二十から二十四学級、六百から七百二十人とされており、既設校を改編して開校する場合、その規模等を十分考慮して決定する必要があると示されております。
 小台橋高等学校は、荒川商業高等学校の全日制課程及び定時制課程を改編して新設するため、荒川商業高校の学校規模を踏まえて計画されたものでございます。
 既存のチャレンジスクールでは、生徒に寄り添った教育を展開するため、義務教育段階からの学び直しや少人数での授業など、丁寧な指導を行うとともに、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーの活用、三者面談の実施など、様々な悩みや課題を抱える生徒にきめ細かく対応しております。
 また、集団への所属感や連帯感を深めるため、部活動の参加率の向上や学校行事の活性化を経営目標とし、入学生向けに動画等による部活動の紹介や、学校行事を生徒が積極的に企画、運営できるよう指導を行い、一体感の醸成を図っております。
 さらに、午前部、午後部、夜間部の三部制の学校につきましては、全校生徒が一斉に授業を受ける仕組みとはなっておらず、生徒はそれぞれに所属している部の時間帯を中心に在校するため、過密になることはございません。

○とや委員 荒川商業高校の全日制と定時制課程を改編するということで、荒川商業高校の学校規模を踏まえて計画したということですが、今のこうした答弁ですと、学校の大きさに合わせて生徒の数を決めるということになってしまいます。
 そもそも、夜間定時制と全日制の夜間併置校を二つも廃校にする、そして、チャレンジ校とは対象だって違うわけですよね。そうやって一つの大規模校をつくるということに無理があるのかなと思います。ぜひ基本の規模を守って、ゆとりある環境で生徒の学びを支援することをしていただきたいと求めておきます。
 ある既存校の先生からお話を聞きましたが、例えば、教員の数は学級数掛ける二で、教員に加えて、管理職や養護教諭、非常勤講師を加えると百人を超えているそうです。六百人以下の学校ですら、それぐらい先生たちがいると。各部の生徒が入れ替わる時間は、まさに過密だという声も聞いております。これは、足立地区のチャレンジスクールの計画段階から、過密状態になるんじゃないか、先生たちと生徒の関係についても指摘されていたと思います。
 この点でも、大規模校が生徒にとって最適な環境とはいえないと思います。生徒が取り残されることのないよう、環境を保障していただきたいと思います。
 学校生活で一番大切な学びについてもお聞きしたいと思います。
 チャレンジスクールの特徴として、必修科目が少なく選択科目が多い、大学のような授業形態ともいえると関係者からお聞きしました。
 小台橋高等学校のカリキュラムの特徴など、概要をお示しください。

○佐藤教育改革推進担当部長 これまで設置されたチャレンジスクールは、自らの興味、関心や進路希望に応じて幅広く学ぶことができる総合学科であり、普通科で学ぶ各教科、科目に加え、進路や職業に関する専門教科、科目等や、産業社会と人間を設置しております。
 各学校は、その特色を踏まえ、専門教科、科目を、生徒が進路希望に沿った学びができるよう、三つの分野の系列として体系化をしてございます。
 小台橋高等学校も系列を設置しており、入学した生徒は、情報・ビジネス系列、アート・デザイン系列、人文・自然系列の中から一つを選択し、ビジネススキルや豊かな感性と表現力、多様な進路実現に必要な学力を身につける学習を行っていくことを想定してございます。

○とや委員 今ある既存校の中でも、選択科目が多くて、それを保障するために時間講師を配置していると聞いています。学力が遅れている生徒に対して初歩的な講座を設けたり、少人数での授業も多いと聞いています。こうした点は、ぜひ充実していただきたいと思います。
 同時に、必修授業が少なくなる傾向があるとも聞いており、高校生としてのしっかりした教養を身につけるためにも工夫をしていただくことを求めておきます。
 さらに、チャレンジスクールの特徴の一つでもある三部制についてです。
 三部制は、教員の勤務が基本的にA勤務、B勤務と二通りある、あるいはA、B、Cと分かれていると聞いています。他の部の生徒としっかり話すことができなかったり、教員の負担も重たいといわれております。
 さらに、放課後の問題では、私ども、このチャレンジ校について、夜間定時制の問題での一八年の陳情審査でも指摘し、改善を求めていますが、足立地区チャレンジスクール検討委員会の報告書でも、この中に、部活動は、希望する各部の生徒全員が教員の適切な指導の下に参加できるよう工夫するとありました。
 部活動や委員会活動の困難さは、今回新設される学校でどのように改善されていくのでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 三部制は、生徒のニーズに合致した制度である一方、生徒が一斉に行う部活動や委員会活動を開催しにくいといった声もございます。
 各学校は、部活動については、昼休みや夕休みの一部を活用したり、施設や生徒、顧問教員の時間割を作成した上で活動できる時間を見出したりするなどの工夫の下で実施しております。
 都教育委員会は、小台橋高等学校においても、既存のチャレンジスクールの取組を踏まえ、学校運営の改善や充実に向けた指導助言を行ってまいります。

○とや委員 生徒も教員も負担のないように、部活動あるいは委員会活動に参加できるような工夫が必要です。この点も、今、学校運営の改善や充実に向け、指導助言を行うというご答弁をいただきました。ぜひ強化していただきたいということを求めておきます。
 様々な課題を抱える生徒が通うチャレンジスクールですが、既存校における退学者と不登校の資料もいただきました。資料の中を見ますと、連続または断続して三十日以上欠席した生徒は、例えば桐ヶ丘高校では、二〇一一年、平成二十三年度の三百四人から、十年間ほぼ減ることがなく、昨年度は三百十四人となっていました。退学者数は、十年間で六十一人から十四人と減りましたが、少なくない生徒が、一旦は高校で学ぶ意欲を持って入学してきたわけですが、不登校あるいは退学で学校生活が途切れてしまう、ほかの道を選ばざるを得ない状況があると思います。
 学校としてどのような支援をしているのか、開校する小台橋高校で、既存校の経験を踏まえ、どのような対応をするのか、お答えください。

○佐藤教育改革推進担当部長 不登校を経験した生徒の多くは、学校生活や家庭環境などに様々な悩みや課題を抱えております。
 都教育委員会は、チャレンジスクールに対して、スクールカウンセラーやユースソーシャルワーカーに加え精神科医を配置するなど、生徒からの教育相談に応じるとともに、専門的な知見や経験を有する外部人材を活用したサポート体制を整備しております。
 また、チャレンジスクールの特色を理解するための教員研修を実施し、参加した教員は、具体的な支援や指導方法を学び、学級経営の在り方や生徒への対応の仕方についての理解の促進を図っております。
 小台橋高等学校においても、既存校の取組を共有するとともに、不登校や中途退学の未然防止に向けた取組ができるよう指導助言を行ってまいります。

○とや委員 小台橋高校は、先ほど申し上げたように、大規模校であることに加えて、チャレンジ校の特色である三部制の課題も加わっています。
 埼玉大の齋藤千景准教授の論文を読ませていただいたのですが、学校における児童生徒の課題解決の基本的進め方ということで、対象者の把握や課題の背景の把握、支援方針、支援方法の検討と実施、児童生徒の状況確認及び支援方針、支援方法の再検討と実施をした上で、チャレンジスクールにおけるこれらのプロセスのコーディネートを行うのが養護教諭だと述べています。加えて、全教員が相談に携わるという理念が、生徒が安心して学校で過ごすために重要であるとも指摘しております。
 養護教諭も含めて、学校全体で生徒を見守る体制を組んでいただくことを要望しておきます。
 開校に向けて、準備室のホームページもできていました。拝見させていただきました。
 その中で学校のパンフレットがありましたが、表紙は、一見、私服の生徒もいるように見えているわけですが、ページを開くと制服となっています。
 以前、この問題を池川都議が質問した際、柔軟に対応するというご答弁があったわけですが、今年、十月になってから、三日に説明会が行われていますが、ここではどのような説明をされたのでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 小台橋高等学校では、制服として、黒を基調とした上着と濃紺のポロシャツを導入する予定でございます。この制服には男女別の指定はなく、性自認等によって制服の着用に困難を感じる生徒に対してもきめ細かく対応することができ、さらに、どの年齢層でも着用しやすいデザインとなっております。
 学校説明会では、制服については、ジャケットとポロシャツのみを指定し、通常の授業のときは、指定のジャケットまたはポロシャツ以外は自由であると説明を行っております。
 また、個別相談の中で、ジャケットに関しては、男性向けと女性向けがあり、どちらを着用しても構わないなど、丁寧に説明を行っております。

○とや委員 どの年齢層でも着用しやすいデザインということと、学校説明会でも、ジャケットに関しては、男性向けと女性向けがあるけれども、どちらを着用しても構わないと説明されたということでした。
 表紙を見ますと、先ほど申し上げたのですけど、ジャケットを着ていない生徒さんもいて、私服なのかなと、一見、見えたりもします。制服については自由な雰囲気があるように見えたわけですけれども、ぜひ表紙だけでなくて、幅のある年代の方の入学を想定した対応をしていただきたいし、生徒の意見もよく聞き、見直すべきは見直していただきたいというふうに思います。
 東京都教育委員会は、校則について新たな通知を出しました。
 通知の内容を示してください。
 また、この通知は既存校に向けたものですが、新設校にも生かすべき部分が多いと思います。どのように生かされるのでしょうか。

○藤井指導部長 学校は、生徒が規範意識を身につけ、他者と調和して安全・安心な集団生活を送り、よりよい進路実現を図ることができるようにするために、子供の人権を尊重する視点を踏まえ、学校の教育目標や生徒の実態等に応じて、校長の権限と責任において校則を定めております。
 校則は、学校の実情や生徒の意見、保護者の意識、社会の状況等を踏まえ、適宜、見直しを行うことが必要であることから、本年四月には、全都立高等学校等に対して、自校の校則等を点検し、必要な見直しを行うよう通知をいたしました。
 内容としては、生徒の人権を保障したものであること、社会通念上、合理的と認められる範囲であることなどを示し、各学校は、自己点検や必要な見直しに現在取り組んでおります。
 来年四月開設予定の小台橋高校についても、本通知の内容を踏まえ、現在、校則を検討中でございます。

○とや委員 ありがとうございます。ぜひ生徒の立場に立って校則を検討していただきたいと思っています。
 都議会は、今年の第一回定例会で、こども基本条例を全会派一致で可決しました。校則の見直しの通知も、こども基本条例の理念を生かして作成したとお聞きしていますが、子どもの権利条約の精神にのっとり、子どもの権利条約の定める子供たちが生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利をはじめとした子供の権利を規定しています。
 この精神で学校運営を進めていただくことを求めます。いかがでしょうか。

○佐藤教育改革推進担当部長 今般制定された東京都こども基本条例を踏まえ、生徒の権利を尊重するとともに、学校運営に対する理解を深めていくことは重要でございます。
 都教育委員会は、小台橋高等学校の開設準備室が行う様々な業務を支援する立場にあり、今後とも、こうした視点に立って日々の教育活動を行えるよう指導助言を行ってまいります。

○とや委員 私どもは、夜間定時制は、全日制でもチャレンジスクールでも受入れ困難な生徒を支援してきた学びのセーフティーネットとして必要な教育課程であり、夜間定時制についての募集停止については反対をしてきました。本来なら、江北高校の夜間定時制も、荒川商業も残した上で、チャレンジスクールを新設していただきたかったと思います。
 今回、四月にスタートするわけですけれども、入学してくる生徒にとって、居心地がよく、卒業まで通い続けることができる学校として、また、地域にも親しまれる学校として長く運営していただけるよう求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○アオヤギ委員 それでは、第百六十六号議案、東京都立学校設置条例の改正について、立川学園についてお伺いします。
 先ほども私が述べたように、都内の特別支援学校では、深刻な教室不足、間仕切り教室が多数存在していることが問題となっています。
 文科省の設置基準が示されたと申し上げましたが、これをこの立川学園に照らし合わせて、満たしていない部分はあるのでしょうか。こちらも面積をお示しください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 特別支援学校設置基準では、特別支援学校に備えるべき施設として、教室、保健室、体育館などを定めており、立川学園は、この基準どおりに整備してまいります。
 また、校舎の面積は約一万九千五百十二平方メートルとする予定であり、基準により算出した面積八千五十一平方メートルを上回っております。
 運動場の面積につきましては、約五千九百五十九平方メートルとする予定で、基準により算出した面積三千六百平方メートルを上回っております。

○アオヤギ委員 こちらは、校舎、校庭とも基準を上回っているとのことでした。
 先ほども申し上げたとおり、文科省の基準には、受入れ児童生徒数の上限がないこと、また、こちらは、ろう学校の寄宿舎を平成二十一年に廃止し、ろう学校と知的障害児の併置となり、大規模な学校となります。子供たちの増加に伴って、緊急的な措置と考えます。
 こちらの設置によって、どの学校の児童生徒が通うようになり、その学校には間仕切り教室の数はどれくらいあるのか、お示しください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 立川学園の聴覚障害教育部門の通学区域につきましては、立川ろう学校と同様に東京都全域としています。
 また、知的障害教育部門につきましては、羽村特別支援学校及び武蔵台学園の通学区域の一部を変更し、立川市全域並びに国分寺市及び国立市の一部を通学区域としています。
 令和三年度において間仕切りを行って使用している普通教室の数は、立川ろう学校が一教室、羽村特別支援学校が十三教室、武蔵台学園が九教室となっております。

○アオヤギ委員 知的障害の部門で、立川が一教室、間仕切り教室があり、羽村は十三教室と武蔵台が九教室ということで、近隣では児童生徒数が非常に多い状況だということです。
 そこで、新設される立川学園では、小中学校の知的障害児の学級が三十一クラス百四十人分増設ということになっております。もともとある、ろう学校は二クラス増え、四十三学級百九十人分となるということです。
 ろう学校については、かねてから保護者の皆さんからスクールバスの継続と拡充が求められています。
 知的障害児のスクールバスは、基本的に全員が使うということで、市内などを各地循環するということになりますけれども、ろう学校のスクールバスは、訓練の意味もあって、障害児の低学年の方は国立駅からバスを使うというルートだということです。国立駅から、今度は高学年になれば訓練しながら歩いてくるというようなことになっていますけれども、保護者の皆さんからは継続と拡充を求められていますけれども、いかがお考えでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 障害のある児童生徒の通学は、将来の自立に備えて一人通学が望ましいと考えていますが、都立特別支援学校では、一人通学への移行の配慮や通学手段の確保などを目的として、児童生徒の登下校時にスクールバスを運行しております。
 現在、立川ろう学校につきましては、JR国立駅から学校までの間にスクールバスを配車し、幼稚部の幼児及び小学部低学年の児童を優先的に乗車させています。
 立川学園の聴覚障害教育部門につきましても、引き続き、同様にスクールバスを配車する予定でございます。

○アオヤギ委員 継続されるということでした。
 もう一つの、ろう学校の保護者の方からの要望で、大塚ろう学校で試行的に導入されたデジタルワイヤレス補聴援助システムが大変効果があり、立川でもというお声がありますが、導入についてどのようにお考えでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都立聴覚障害特別支援学校では、補聴器や人工内耳を装用した児童生徒の聴覚の活用を補助するため、集団補聴システムを配備しております。
 近年、デジタル化の進展に伴い、既設のシステムよりも高音質、高出力な集団補聴システムが開発されています。
 このことから、立川学園の開校に当たりましては、現在、増築工事と併せて、デジタル式の集団補聴システムの整備を進めているところでございます。

○アオヤギ委員 デジタル式集団補聴システムの整備をする予定とのことでした。
 そして、保護者の方の一番の願いはUDトークの設置です。
 この設置計画についてはどのようになっていますでしょうか。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都立聴覚障害特別支援学校では、聴覚の活用や口話、手話、指文字など、児童生徒の障害の状態に応じて多様なコミュニケーション手段を活用し、指導を行っております。
 また、電子黒板や見える校内放送など、様々な機器を活用して情報保障の充実を図っています。
 既にUDトークにつきましては、一部の都立聴覚障害特別支援学校で活用しており、その活用状況を踏まえ検討するなど、今後も引き続き、デジタル化の進展に適切に対応してまいります。

○アオヤギ委員 ぜひ設置計画を持っていただきたいというふうに思います。
 九月二十四日の文科省の設置基準は、大きな第一歩であると考えます。大都市東京の課題である特別支援学校の教室不足をどう解消していくのかが問われています。
 開設時から立川学園では三百三十人という大きな学校になるわけですが、今後は設置基準に近づけていかなければならないものですから、どんどん受入れ人数を増やしていくのではなく、新たに子供の増加に見合った増設を急速に進めなければならないと考えます。
 これまで設置された都内特別支援学校についても、文科省の基準に照らすと、四十一校が校庭の基準を満たさない状況ということで、狭いということでありますが、これまで校庭を狭めながら増設してきた経過がうかがえます。しかし、今後は、新たに造る部分については、校庭も基準に沿った広さを確保しなければならなくなります。
 また、先ほどの南多摩特別支援学校についても、近隣にパーティションで区切った教室のある学校があり、すぐに埋まっていく可能性も高いと思われます。
 児童生徒数の増加を見込んで、それに見合った増設を確実に行わなければならないと考えますが、都有地や公有地の確保を早急に行って、スピードを上げ、特別支援学校を設置していく都の計画を具体的にお示しください。

○滝沢特別支援教育推進担当部長 都教育委員会では、現在、東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画に基づき、特別支援学校の整備を着実に進めているところでございます。
 今後は、特別支援学校に在籍する児童生徒数の将来推計に基づき、次期実施計画の策定に向け、特別支援学校の整備計画についても検討を進めてまいります。

○アオヤギ委員 ぜひ児童生徒の増加に見合った増設、良好な教育環境を障害児に保障するために、全庁的な課題として公有地を活用して特別支援学校の設置を求めて、次に移ります。
 次に、百五十八号議案、PCR検査についてお伺いします。
 知事の所信表明では、繁華街や高齢者施設等での戦略的検査を継続と述べられましたが、学校においても戦略的な検査は必要です。
 特に子供たちはワクチン接種もできないので、戦略的に無症状の感染者を把握し、保護、隔離でクラスターや家庭内感染を防いでいくことが今こそ必要です。
 八月中、夏休み中の部活での感染拡大など、第五波の中で子供にも感染が広がっています。二学期を開始する上で、PCR検査を幅広く実施して、学校での教育活動を保障していくことが求められています。
 そんな中、文科省は八月二十七日に、学校が保健所と連携しながら、学校で陽性者が出た場合に、濃厚接触者と濃厚接触者の周辺の検査対象者に対して検査を行ってよいと通知を出しました。周辺の対象者とは、クラス全体や部活全体などです。
 第五波のさなかだった九月には、保健所の積極的疫学調査が不十分な地域もあり、緊急的にPCR検査を行う体制が学校にも必要でしたが、教育庁では、九月の予算の流用で行ったPCR検査キットの配布数は、先ほど述べられました、都立学校では、三十九校実施し四百四件。陽性疑い、これはPCR検査が陽性になったという意味ですが、五件。区市町村では、二か所で二十一件、陽性者はいなかったということですが、区市町村の二か所というのは余りにも少ない印象であるのと、両方とも一校当たりの人数が十人前後というのも少ない印象です。
 私どもの代表質疑の答弁では、PCR検査の対象は、濃厚接触者の候補に限定せずに、必要な場合は、クラス単位、部活単位などでも実施可能とのことですが、都立学校や区市町村への通知では、そのことが分かりません。
 緊急時には、濃厚接触者の特定を学校がやるということは非常に大変な作業です。トレーサーが実際はやるべきものです。
 そうしたこととなっておりますが、問合せがあれば説明しているということでありましたけれども、改めて分かりやすく通知すべきです。いかがお考えでしょうか。

○小菅地域教育支援部長 九月一日からのPCR検査実施に当たりまして、都立学校及び区市町村向けの説明会をそれぞれ実施いたしましたが、当該事項に関する質問はありませんでした。
 今般の補正予算を組むに当たりまして、区市町村に対して要望調査を行いましたところ、PCR検査の範囲を広げてほしいという意見が出されたため、区市町村が定めた基準に基づき、検査対象者を選定することも可能であるということや、生徒間の距離や接触時間が把握できないといった対象者の選定が困難な場合には、クラス単位等、活動を共にしていた集団にPCR検査を実施することもできることを当該自治体に説明を行いました。
 今後、PCR検査期間を延長するに当たって改めて通知を行う際に、当該事項を説明することとしております。
 なお、都立学校については、当該内容について、既に通知に記載していることから、改めて通知を行う予定はございません。

○アオヤギ委員 区市町村からのPCR検査を広げてほしいという意見は大変重要だと考えます。通知がそれだけ狭めた範囲だったというあらわれだと思いますけれども、今後、改めて通知を行う際に当該内容を説明するとのことですので、今の通知では濃厚接触者の候補のみになると再三書かれていますので、分かりやすく検査の範囲を通知してください。
 また、都立校に対しても説明してきたということですが、実績を見ても十人程度となっており、学校が濃厚接触者かどうか迷ったら、クラス全員でよいと、改めてアドバイスしていただきたいと思います。
 教育庁の検査の流れでは、濃厚接触者の候補でない児童生徒がPCR検査を受けた場合に、陰性であっても二週間の出席停止となっています。それでは子供たちの負担が重く、検査の範囲を狭めることにつながってしまいます。
 生文局がやっているように、濃厚接触者の候補でない児童生徒は、陰性であれば出席停止にする必要はないと思いますが、いかがでしょうか。

○谷都立学校教育部長 今回の事業においてPCR検査の対象となる者は濃厚接触者の候補となる者であり、生徒間の距離が把握できないなど、対象者の選定が困難な場合や判断に迷う場合は、クラスや部活動の単位等、幅広く濃厚接触者の候補として検査対象としております。
 そのため、一旦、PCR検査で陰性が確認されたとしても、陽性者との接触後十四日が経過するまでの間は、発症したり、陽性に転じる可能性があるものとして、出席停止としております。
 この十四日間が経過する前に保健所による疫学調査が実施され、濃厚接触者でないという確認ができた場合は、出席停止は解除する運用としております。

○アオヤギ委員 十四日間が経過する前に保健所による疫学調査が実施され、濃厚接触者を保健所が特定したら、出席停止を解除するというお話でありました。こういったことは、文科省でも、そういった疫学調査を待たずに、二週間待機は必要ないというふうにいっておりますので、また、生文局もそういうことはしていませんので、陰性が確認されたら、検査結果が確認されたら学校に行けるようにすべきだというふうに思います。
 次に、都立学校では各学校に百セットずつキットを常備していますが、区市町村の小中学校などの場合は、保護者の同意を取り、必要数を確定した後、学校が区市町村教育委員会に連絡し、区市町村教育委員会が都教委に連絡し、都教委が検査業者に連絡し、検査業者が学校にキットを配布する仕組みで、学校にキットが届くまで最大三日かかるとされています。
 迅速な対応のために、例えば区市町村教育委員会にキットを一定数置いておいて、必要が生じたら、すぐに役所から学校に届けられるシステムをつくり、併用していくことが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○小菅地域教育支援部長 今後は、希望する区市町村教育委員会へあらかじめ配備するなど、事業実施方法を工夫してまいります。

○アオヤギ委員 ぜひ区市町村教育委員会に置いていただき、区市町村では、二千校余りある学校のうち、たった二校しか使っておりませんので、ぜひ活用を促進していただきたいと思います。
 文科省の通知では、迅速な対応のために、学校が濃厚接触者の候補やその周辺の検査対象となる者のリストを作成し、保健所が認めることにより行政検査ができることとなっています。
 都独自の検査では、保健所と連絡がつかない事態が急増した第五波を受け、リストの作成に加え、検査まで独自に行うとした点は重要ですが、行政検査ではないため、陽性になったら、医療機関を受診し、再度検査をしなければならないなどの負担があります。
 迅速かつ負担を減らすためにも、一回で済むようにできないでしょうか。

○谷都立学校教育部長 都独自のPCR検査は、緊急事態宣言期間中で保健所の業務が逼迫している場合などに都立学校の児童生徒及び教職員等の感染が判明した際、保健所による調査や濃厚接触者の特定等がなされるまでの間、感染者と感染可能期間中に接触していた者等に実施する検査でございまして、陽性疑いの者を早期に把握し、感染拡大防止につなげるための任意の検査でございます。
 本検査は、検査機関が直接行う検査であり、医療機関による検査ではございませんので、そのため、陽性疑いの結果となった場合は医療機関による受診が必要となります。

○アオヤギ委員 医療機関の検査ではないので、もう一度、受診して検査をやらなくてはならないということでありました。
 検査キットの性能をお聞きしますと、厚労省が通知をした、保健所でも使うような検査キットでありますので、こういったことは二度手間にならないように、しかも、感染拡大中になりますと医療資源を圧迫しますので、同じ性能のキットを使うのですから、一回で陽性を確定するのが望ましいと考えます。
 保健所側も、簡便なやり方で陽性者の届出を受け付けるように改善していただきたいというふうに思います。
 こうした幅広い検査を実施して、陽性者がスムーズに行政検査が受けられるようにしていくことを一定期間やり続けるということが必要だというふうに考えますけれども、確実にそういった検査を広げていただきたいと思います。
 現在、感染者が減少し、今こそ保健所との事前の打合せが不可欠です。
 文科省は、八月二十七日の通知の冒頭で、地域の感染状況や保健所の業務状況等を踏まえ、迅速に対応するため、平常時から保健所が連携を取り、初動体制についてあらかじめ整理していくことが重要ですと示しています。
 感染が減少している今のうちに、陽性者が出たときの初動の体制について、教育委員会や学校と保健所で相談しておいてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○谷都立学校教育部長 令和三年八月二十七日の学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応ガイドラインの送付についてという事務連絡に添付されております令和三年六月十七日の文部科学省の感染拡大地域における濃厚接触者の特定等の協力についての通知は、緊急事態宣言対象地域等において感染者が発生した際には、保健所に相談するなど保健所とよく連携を取り、保健所が示す一定の基準に基づく濃厚接触者等の特定や、保健所が示す検査機関等への検査依頼等にも、できる限り協力するよう求めているものでございます。
 各学校は、日頃より、濃厚接触者の候補となる者のリスト作成について、所管保健所と緊密に連携しております。
 都教育委員会も、都内各保健所と日頃より意見交換を行っており、今回の事業開始に当たっても、事業内容を説明し、意見交換を行っております。当時の状況下における保健所業務に対する学校側の協力として、理解を得られたところでございます。
 保健所から協力要請があった場合には、その内容を検討し、今後とも対応していく予定であるなど、保健所との連携については、引き続き取り組んでいくところでございます。文部科学省の通知にいう保健所への協力要請があった場合も同様でございます。

○アオヤギ委員 校外活動、修学旅行、行事などの前に検査することも有効です。パラリンピック学校連携観戦の前には検査が行われました。
 修学旅行などを子供たちに保障していくために、事前のPCR検査をできるようにすべきではないでしょうか。

○藤井指導部長 今回のリバウンド防止措置期間中は、都立学校では、集団で旅行することに伴う感染リスク等を踏まえ、修学旅行等は期間終了まで延期することといたしました。
 リバウンド防止措置期間終了後には、こうした教育活動を安全に実施できるよう、基本的な感染症対策の徹底のほか、宿泊を伴う場合に、密とならないための人数に配慮した部屋割りなど、特に配慮する点などを現在整理しております。
 さらに、近距離での実施や日程の短縮等の実施方法の工夫に加え、国において議論されているPCR検査などの検査活用を含めた様々な方策について検討してまいります。

○アオヤギ委員 ぜひ前向きにご検討をお願いします。そして、修学旅行というのは一生に一度のイベントですので、ぜひ全てのお子さんたち、区市町村に対しても支援を求めておきます。
 高齢者施設、障害者施設でのPCRの定期的な検査は、クラスターを減らすのに効果を発揮しています。ワクチンを打てない子供たちがいる学校でこそ、安心して登校ができるようにするために、戦略的に定期的な検査をしていくときです。
 今回のPCR検査費用は地方創生臨時交付金を活用するわけですが、この交付金は、地方がコロナ対策に対して自由に使える仕組みです。さらに学校での検査対象を広げることは、財政的にも十分可能だと考えます。
 足りなかった部分は後で補正するなどしながら、学校での定期的な検査をしていくべきではないでしょうか。

○谷都立学校教育部長 都立学校では、都教育委員会のガイドラインに基づき、手指の消毒やマスクの着用、教室等の換気、健康状態の把握などの児童生徒への感染症対策に徹底して取り組んでおります。
 また、陽性者が判明した場合には、学校において接触者情報を詳細に収集し、保健所に提供しており、感染の可能性がある対象者に保健所等によるPCR検査が実施されております。
 今後とも、保健所等との連携を図りながら、適切に対応してまいります。

○アオヤギ委員 世界的に見ても、日本は検査数が抑制傾向にあると報道されています。ブレークスルー感染や隠れ陽性の把握が課題だと指摘されています。
 一方、こうしたことを踏まえ、一部自治体では、自治体の努力でPCR検査キットを各家庭に配布するなど、事業を始めています。こうした先進自治体に学んで、ワクチンを打てない子供たちがいる学校でこそ戦略的に検査を幅広く行うことが、感染拡大防止の観点から不可欠であるということを指摘して、質疑を終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間の休憩といたします。
   午後四時五十四分休憩

   午後五時十五分開議
○白戸委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより生活文化局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算(第十五号)中、歳出、生活文化局所管分及び第百六十三号議案から第百六十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○土屋委員 自民党の土屋みわでございます。
 第百五十八号議案、令和三年度東京都一般会計補正予算、私立学校におけるPCR検査について質疑いたします。
 東京では、公教育の担い手として私立学校が重要な役割を果たしており、我が党自民党におきましても、公私間格差是正に向け、私立学校の振興に精力的に取り組んでまいりました。
 今、私立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校などでは、新型コロナウイルス感染症対策が求められる中で、教職員の方々が、児童生徒の学びを絶やさないために、大変なご苦労をされながら教育活動を継続されております。
 また、日々の感染防止対策をしっかりとやりながら、教育上、大切な対面授業を何とか続けていこうという意欲を持って取り組んでおられます。
 そして、デルタ株の蔓延で若年層への感染が懸念される中、学校の児童生徒や教職員から感染者が出てしまうことや、その感染がクラス内や部活動などで広がってしまうことを学校は大変危惧されております。
 そうした中で、我が党は本年八月下旬、学校が新学期を迎えるに当たり、PCR検査などの必要に応じた検査を速やかに実施できる体制を確保すべきということで緊急要望を出しました。今回の東京都のPCR検査の実施は、我が党の要望を受けての取組であり、私立学校にとって非常に意義のある取組だと思います。
 そこで、今回の私立学校におけるPCR検査の実施について、改めて事業の目的をお伺いいたします。

○戸谷私学部長 私立学校では、各学校において、コロナウイルス感染症対策を徹底するために様々な工夫を行い、児童生徒、教職員の安全・安心を守ってございます。例えば、生徒それぞれの机や教卓にアクリル板を設置いたしまして、それらを特別教室に移動する際には持ち運べるような工夫をしている学校もございます。
 本事業は、こうした様々な感染症対策を行っている学校を支援するため、私立学校において児童生徒や教職員の感染が判明した際に保健所による濃厚接触者の特定及び検査が即時に実施されない場合に、当該感染者と接触があった児童生徒等を速やかにPCR検査を実施することで、感染拡大を未然に防止するものでございます。

○土屋委員 ありがとうございます。学校で感染者が出た際、保健所による濃厚接触者の特定や検査を待たずに、周囲の児童生徒や教職員に対し、速やかに検査が行われることは、学校内での感染拡大の防止に大変有効であると考えます。
 そして、この取組の効果を最大限に発揮するためには、検査の実施について、学校がどのような要望を持っているのか十分に把握した上で実施方法を決めていく必要があります。
 既に私立学校のPCR検査の実施については、新学期が始まる本年九月上旬から使用できるようにしたと聞いております。
 そこで、現在実施しているPCR検査では、私立学校の要望も踏まえて、具体的にどのような方法で行っているのかをお伺いいたします。

○戸谷私学部長 現在実施しております私立学校のPCR検査では、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等を対象に児童生徒等に感染が判明した際に、学校からの希望に応じて都がPCR検査キットを渡し、学校が検体を採取、検査機関に郵送することで検査を実施しております。
 私立学校からは、児童生徒等の感染が判明した際には、周囲の感染の有無をできるだけ早く把握するために、迅速にPCR検査を行いたいという要望を受けてございます。
 このため、学校からの検査の希望があった際には、当日、都庁に検査キットを受け取りに来てもらい、直接対面で渡しております。

○土屋委員 ありがとうございます。
 現在は感染者も落ち着いてきておりますが、これから冬にかけて第六波が来ることも懸念されております。どのような感染状況であっても、私立学校が今回の補正予算の事業を活用しながら教育活動を継続していけるよう、都としてしっかりと支援していただきたいということを最後に改めてお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○内山委員 私からも、私立学校におけるPCR検査の件についてお伺いをしたいと思います。重複しているところもありますので、できるだけ端的にお伺いできればと思います。
 都立学校や公立学校に関しては教育庁さんの方で質問させていただいて、国が抗原簡易キットを使っている。鼻で検査するやつですね。一方で、今回、唾液を採取してPCR検査を新たに始めるというところに関しては、有症状者、無症状者で分けたりだとか様々やられているということは教育庁さんからもご答弁いただいておりまして、私学も同じだということでしたので、こちらの質問は割愛をさせていただきたいと思います。
 また、二つ目の質問をしようと思っていました、実際、私立と都立や公立とどう違うんだというこの質問に関しても、今ご答弁がありましたので割愛をさせていただきますが、都立校は、各学校に一定数常備していて活用する、公立の小中学校は、必要になったら連絡をして郵送してということでタイムラグが出てしまうと。今のご答弁がありましたように、私学は、その後タイムラグが出てしまうから、都庁まで取りに来てもらうんだと、こういうお話だったかと思います。
 ただ、私学の皆さんにお話を伺ってみると、前提がそもそも、今そんなに医療体制だとか保健所体制というのが、子供がいざ濃厚接触者に該当したというときに受けられないような逼迫体制ではありませんので、そういう中において、都庁までこのキットを取りに来てというのは、なかなか活用しづらいなというような意見も聞いています。
 そういった中で伺いたいのが、今回、四億七千四百万円の予算の中で、事業規模が十月中旬から十二月末までで九万五千人分というふうに見込んでいるということを伺いましたが、どのような積算でこの九万五千という数字が出てきたのか、まずはお伺いしたいと思います。

○戸谷私学部長 学校関係者の感染が判明した際の私立学校からの報告を基にいたしまして、まず、一日当たり三十件と見込みました。
 国のガイドライン等での濃厚接触者の範囲を参考として、一件当たり一クラス四十名を対象として検査することを想定いたしまして、日数を乗じた結果、約九万五千人分としたところでございます。

○内山委員 ありがとうございます。
 教育庁さんの方にも意見をさせていただいたのですが、この制度を組んだときの状況というのは、医療体制も保健所もなかなか逼迫をしていて、いざ二学期を始めたときに検査が受けられなかったら大変じゃないかということで組まれたという中においては、臨機応変な対応に敬意を表したいと思います。
 しかし、一方で、感染が急速に減少している中で、今のスキームというか枠組みだと、なかなか使いづらいというご意見も伺っています。
 ですので、そういった現在の感染状況に合わせて、学校ごとにフレキシブルに活用ができるような状態にできるように、ぜひ今後ご検討いただけると、せっかく用意したこの事業がさらに生きてくるのではないかなというように思いますので、ご検討の方をお願い申し上げまして、私からは終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○竹平委員 私からも、今回の補正予算に出ております私立学校等におけるPCR検査について質問させていただきます。
 かなり重複してございますので、省かせていただきます。かいつまんでいいますけれども。
 まず初めに、私学におきましての感染対策、また、これまでの感染状況について伺いたいと思います。

○戸谷私学部長 各私立学校におきましては、児童生徒の学びを継続するために、文部科学省の学校における新型コロナウイルスに関する衛生管理マニュアルを参考にいたしまして、三密の回避や手洗い、消毒、マスクの適切な着用などの日常における基本的な対策に加えまして、授業や部活動など学校生活全般における感染症対策にも徹底して取り組んでいるところでございます。
 東京都といたしましても、こうした各学校の取組を支援するために、感染防止等に関する情報を提供するとともに、教職員や生徒を対象としたワクチン接種の機会の確保ですとか、国が配布する抗原簡易キットの活用方法の周知などを行ってまいりました。
 一方、私立学校の児童生徒、教職員の感染状況でございますけれども、令和二年四月から令和三年六月までの十五か月で約千七百人、それから、デルタ株の影響で若年層にも感染が拡大した本年七月から九月までの三か月、ここで約二千人の陽性者が報告されているところでございます。

○竹平委員 ありがとうございました。今ご説明を伺いまして、いかに第五波で子供たちへの感染が急増していたかということがよく分かりました。また、感染対策についても徹底して行っているということが分かりました。
 今回のこの検査につきましては、先ほど来の質問、またご答弁の中で、目的、また実施方法等も分かりましたので、そこは省かせていただきたいというふうに思ってございます。
 そこで、今回、先行してこの九月からやっていただいたということでございますけれども、その実施状況等も詳しく教えていただきたいと思います。

○戸谷私学部長 現在行っているPCR検査でございますけれども、都内での感染が拡大する状況の中で、学校として新学期を迎えるに当たって、各学校では生徒や教職員の感染拡大を危惧する声が高まっておりました。そのため、新学期を迎える私立学校における感染防止強化の取組として、令和三年九月上旬から実施しておるものでございます。
 本年九月末までに、学校数では五校、人数としては二百六十二人の検査を行っておりまして、検査の結果、陽性の判定は出ていない状況でございます。

○竹平委員 現在、新規感染者数は減少しているものの、やはり、いつ再拡大するか分からないということもございますので、今ご説明がありましたとおり、このような検査は大変重要かというふうに思いますので、ぜひこの検査についてはしっかり行っていただくということが重要かなと思います。
 ただ、今の説明に、先ほど来お話がございましたけれども、キットを取りに、こちらの都庁まで各学校の方が来られるということでございますけれども、やはり即使うという部分では大変重要かというふうに私も思います。
 ただ、一方で、遠方であったり、また、陽性者が出たとなりますと、陽性者の方、また可能性のある方、それをリスト化していったり、様々、現場では対応が本当に厳しい部分もあろうかと思いますので、例えば配送していただく。
 今かなり、配送業者も即日で送れるところもございますので、ぜひ現場の状況も伺っていただきながら、即座に使えるような、また、現場の負担がないような形で進めていただきたいというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。

○戸谷私学部長 私立学校からは、児童生徒等の感染が判明した際には、迅速にPCR検査を行いたいという要望を受けてございまして、そのために、検査キットの配布につきましては、到着まで日数を要する配送ではなく、検査の希望があった当日に、速やかに都庁で学校に対面で渡す方法を取ってございます。
 また、対面で渡すことで、検査キットの使い方ですとか、検査機関への検体の送付方法などを丁寧に説明することができるとも考えてございます。
 ただし、学校ごとに事情も確かに異なります。事情も異なることから、検査キットの配布方法につきましては、都度、学校と相談いたしまして、柔軟に対応してまいります。

○竹平委員 ありがとうございます。ぜひそういった柔軟な対応でお願いをしたいというふうに思います。
 先ほど、感染対策の中で、文科省から各学校に抗原検査の簡易キットも配られているというふうにございましたけれども、こちらは、児童生徒、教職員が登校後に体調不良を来した場合に、すぐに帰宅することが困難なときに補完的に使用するものと聞いております。今回のPCR検査の活用と併せまして、学校内での感染拡大防止に努めていただくことが重要かというふうに思います。ぜひ両者を効果的に活用されますよう各学校に周知していただくよう要望いたします。
 最後に、現在は新規感染者が減少してきておりまして、感染終息の鍵となりますワクチン接種も進みつつあります。しかしながら、十二歳から十九歳の二回ワクチン接種は、今、四割程度ということでございますし、十二歳未満のお子さんはワクチン接種が行われておりません。また、私学の場合は、電車など交通機関を使って通学していることが多いかと思います。
 緊急事態宣言が解除となりまして人流も増えてきますので、一層の感染拡大防止策に努めるとともに、子供たちが安全に、そして楽しく学校生活が送れますよう、様々、工夫をしていただいて、学校行事についてもしっかり取り組んでいただきますよう要望して、終わります。ありがとうございました。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
 私からは、第百六十三号議案から百六十五号議案、情報公開条例、個人情報保護条例、特定個人情報保護条例それぞれの一部改正案について伺います。
 デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律及びデジタル庁設置法が国会で可決、成立いたしました。これらの法律が目指すものは、行政機関などが保有する個人情報を企業に提供しやすくする、自治体が独自に制定する個人情報保護条例も一旦リセットし、全国共通ルールを設定した上で、法の範囲内で、独自の保護措置は最小限で許容する。つまり、今後の自治体の条例づくりに、かなりの縛りがかけられるということに対して、非常に懸念があります。
 昨今では、個人情報の不正な流用や、本人の同意のない、得ないことで第三者提供が後を絶ちません。自己情報コントロール権、情報の自己決定権を保障することこそ急がれます。そうした意味でも、地方自治体の役割は非常に重要だと考えます。
 そこで伺っていきたいのですが、国の法改正による今回の都条例改正を踏まえ、共通ルールに合わせて、今後、都として必要な事務作業が出てくると思いますが、今後の進め方について確認をさせてください。

○内山都政情報担当部長 本年五月、個人情報保護法が改正され、国の行政機関及び独立行政法人の個人情報保護に関する法律が同法に統合されるとともに、独自の条例を持っていた地方公共団体に関しても、統合後の法律において全国的なルールが適用されることとなりました。
 地方公共団体に関する規定は、公布の日から二年以内に施行されることとなっておりまして、来年四月までに、地方公共団体等に係る政令、規則や公的部門に向けたガイドラインが国から公表されることとなっております。
 今後、都としては、こうした国の動向を踏まえ、東京都情報公開・個人情報保護審議会のご意見をいただきながら、改正法と都の条例との整合性を確認し、必要な対応を図ってまいります。

○とや委員 二年以内に施行されるということで、来年四月までにガイドラインが示されることになります。情報公開・個人情報保護審議会の個人情報保護法対応部会を開催して、必要な対応を図っていくとお聞きしています。
 この作業で全国共通のルールに沿った対応が求められることになるわけですが、では、全国共通のルール以上に、都の保護措置はかけられるのでしょうか。

○内山都政情報担当部長 国からは、法律の範囲内において、個人情報に関する必要最小限の保護のための独自の措置は許容されるとの説明を受けております。
 今後示される国の見解を踏まえながら、都における検討を進めることとなります。

○とや委員 事実上、かけることはできないと思います。
 今後の条例で許容される独自の保護措置は、一つは、本人に対する不当な差別や偏見などにより不利益を被り得る機微な情報−−いわゆるセンシティブな情報ですね−−である要配慮個人情報の対象の上乗せ、さらに二番目として、情報公開制度設置くらいであります。これは国会の審議の中で明らかになっています。都民が望まない規定に縛られ、自治体の自主性、自律性が侵害されかねないのではないでしょうか。
 今回の関連法案は、国と自治体の在り方を大きく変えることになります。自治体の多様性あるいは自律性を失わせることになりかねないと思います。
 今回の条例リセットの最大の目的は、いろいろ調べてみますと、匿名加工情報制度−−オープンデータ化ですね−−と情報連携、オンラインの結合を自治体に行わせることが目的だというふうに思います。自治体の様々な住民サービスに直結する個人情報の宝庫である自治体が保有する情報を吐き出させようということだと思います。これで本当によいのかと私は思います。
 そこで伺っておきたいのですが、個人情報保護条例、それから情報公開条例、特定個人情報保護条例に基づく事務執行は、法定受託事務か、あるいは自治事務か、どちらでしょうか。

○内山都政情報担当部長 自治事務でございます。

○とや委員 自治事務ということであります。
 地方自治法では、国は、地方公共団体が地域の特性に応じて当該事務を処理することができるように特に配慮しなければならないとなっています。
 東京の実情に合わせて独自の条例をつくることは、地方自治体の独自性を保つ意味でも重要ではないでしょうか。お答えください。

○内山都政情報担当部長 地方自治体は、法令に違反しない限りにおいて、地方公共団体の事務に関して条例を制定することができるとされております。
 今回の個人情報保護法の改正では、全国共通ルールを定めるという改正の趣旨に基づき、国において、条例で独自の規定を置くことについて検討されているところです。

○とや委員 部長は、そういいますけれども、私は地方自治法にも抵触する内容だといわざるを得ません。また、地方の権限拡大という地方分権の流れにも逆行するものではないかと思います。
 公的部門の個人情報は、公権力を行使して取得されたり、あるいは、申請や届出に伴って、義務として提出されたりするものがほとんどです。だからこそ自治体は、自らが保有する個人情報の適正な取扱いが確保されるように個人情報保護が必要とされる、求められてきたということだと思います。
 それを、自治体が保有する個人情報を、民間が保有する個人情報と同列に扱おうとする、これが関連法の狙いだと思います。
 東京都の個人情報保護条例は、個人の権利利益を保護することを目的としています。その立場を今後も堅持することを求めますが、いかがでしょうか。

○内山都政情報担当部長 改正後の個人情報保護法におきましても、個人の権利利益の保護が目的として掲げられております。

○とや委員 その改正された個人情報保護法自体に問題があるといっているんです。
 今回の関連法の成立は、先ほども申し上げましたが、国と自治体の在り方を大きく変えるとともに、デジタル化を推進するとして、税や社会保障、災害対策に限定されているマイナンバーの利用範囲の拡大も目的としています。関連法は、個人情報を保護するという観点が大きく欠落しているといわなければなりません。
 個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきものであり、プライバシーを守る権利は憲法が保障する基本的人権です。これらを守る保障がない個人情報保護条例、特定個人情報保護条例の改正には反対です。
 都として、都民の個人情報を守るために最大限の努力を払うとともに、国に対しては、自治体の自主性を尊重した行政運営を行うよう要請することを強く求めて、質問を終わります。ありがとうございました。

○アオヤギ委員 私立学校のPCR検査についてお伺いします。
 知事の所信表明では、繁華街や高齢者施設等での戦略的検査を継続と述べられましたが、私立校においても戦略的な検査は必要です。
 特に子供たちはワクチン接種もできないので、無症状の感染者を把握し、保護、隔離でクラスターや家庭内感染を防いでいくことが今こそ必要です。
 八月の夏休み中の部活での感染拡大など、第五波の中で子供にも感染が広がっています。今こそPCR検査を幅広く実施して、学校での教育活動を保障していくことが求められています。
 第五波のさなかだった九月には、保健所の積極的疫学調査が不十分な地域もあり、緊急的にPCR検査を行う体制が学校にも必要でした。
 生文局では、九月に予算の流用で先行し、私立学校のPCR検査キットを実施しています。
 対象は、文科省が八月二十七日に示した通知のとおり、濃厚接触者と濃厚接触者の候補とその周辺、つまりクラス全体分を上限として実施されたということであります。
 実績については、先ほど答弁があったとおり、五校二百六十二人ということで、一校当たり幅広く検査をしていることがうかがえます。幅広い検査をするというシステムは、引き続き必要だと思います。
 生文局で行っている今回のPCR検査キットは、性能としては十分なものだというふうに聞いております。
 文科省の通知では、濃厚接触者とその周辺の検査対象となる者の分類を設定しました。この通知の冒頭には、地域の感染状況や保健所の業務状況を踏まえ、迅速に対応するため、平常時から保健所が連携を取り、初動体制についてあらかじめ整理していくことが重要ですと書かれ、強調されています。
 そこでお伺いしますが、感染拡大防止のため、都の検査キットで陽性者が出た場合の初動の対応など、各学校と地元の保健所との連携状況はどのようになっていますでしょうか。

○戸谷私学部長 各学校は、児童生徒や教職員に感染者が出た場合には、必要に応じて保健所と連絡を取り合って対応しているところでございます。

○アオヤギ委員 これをさらに、初動の動きを全ての学校が保健所と確認しておく必要があると考えます。できれば、都の検査で陽性になった場合、行政検査としてすぐに保健所が積極的疫学調査に入っていくことが一番スムーズですけれども、先ほどの教育庁では、この検査キットが、行政検査とするには医師の判断が必要であるということを保健所からいわれているということであります。
 一方、感染が拡大すると、保健所は動きが取れなくなる、また、感染者や濃厚接触者に連絡が来ないなど、第五波のときには起きましたので、なるべく陽性者がPCR検査を二回やるような手間を省き、医療資源を圧迫しないことが望ましいと考えますので、感染者が少なくなった今、保健所と連絡を取り合って、陽性者が出た場合にどのように動くのか、動きを保健所と確認するよう、学校に徹底していただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

○戸谷私学部長 学校と保健所の連携につきましては、令和三年八月に発出されております文部科学省の対応ガイドラインに記載されておりまして、このガイドラインにつきましては、既に各学校に周知しているところでございます。

○アオヤギ委員 もう周知をしているということでありました。
 次に、定期的な検査についてお伺いします。
 高齢者施設、障害者施設での都の定期的な検査では、クラスターを大幅に減らすのに有効だったというふうに考えます。
 ワクチンを打てない子供たちがいる学校でこそ定期的な検査をしていくべきではないでしょうか。いかがお考えでしょうか。

○戸谷私学部長 今回の事業の目的につきましては、私立学校において児童生徒や教職員の感染が判明した際に保健所による濃厚接触者の特定及び検査が即時実施されない場合に、当該感染者と接触があった児童生徒等を速やかにPCR検査を実施することで、感染拡大を未然に防止するためのものでございます。

○アオヤギ委員 都がやっているのは、陽性者が出たときだというご説明でありました。しかし、学校でも戦略的な検査はもう不可欠だというふうに考えます。先ほどもいいましたけれども、世界と比べても、今、日本の検査数は著しく少なくなっている状況です。感染を抑え込むためには、定期的な検査は不可欠です。要望しておきます。
 また、校外活動、修学旅行などのイベントの前の検査をすることも有効ですが、これについてはどのようにしていますでしょうか。

○戸谷私学部長 各学校におきましては、行事を実施する際には、各学校の判断で感染防止対策を徹底して取り組んでいるところでございます。

○アオヤギ委員 感染防止対策を徹底しているということでありますけれども、都としても、やはりコロナ禍という、かつてない状況で行けなくなっているという全ての子供たちに教育活動を保障するために支援していくようお願いいたします。
 以上で終わります。

○白戸委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○白戸委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十三分散会

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