委員長 | 河野ゆりえ君 |
副委員長 | 早坂 義弘君 |
副委員長 | 田の上いくこ君 |
理事 | 伊藤こういち君 |
理事 | 内山 真吾君 |
栗下 善行君 | |
林あきひろ君 | |
斉藤まりこ君 | |
栗林のり子君 | |
大場やすのぶ君 | |
両角みのる君 |
欠席委員 三名
出席説明員オリンピック・パラリンピック準備局 | 局長 | 中村 倫治君 |
次長理事兼務 | 延與 桂君 | |
次長 | 小池 潔君 | |
次長理事兼務 | 福崎 宏志君 | |
次長総務部長事務取扱 | 佐藤 智秀君 | |
技監 | 荒井 俊之君 | |
理事 | 西村 泰信君 | |
理事 | 中澤 基行君 | |
調整担当部長 | 菅原 雅康君 | |
大会企画調整担当部長 | 中嶋 初史君 | |
自治体調整担当部長 | 小池 和孝君 | |
聖火リレー担当部長 | 田中 愛子君 | |
計画推進部長 | 田中 彰君 | |
運営担当部長 | 末村 智子君 | |
ボランティア担当部長 | 小高 都子君 | |
競技・渉外担当部長 | 川瀬 航司君 | |
事業推進担当部長 | 丸山 雅代君 | |
パラリンピック部長 | 越 秀幸君 | |
障害者スポーツ担当部長 | 加藤 みほ君 | |
大会施設部長 | 鈴木 一幸君 | |
開設準備担当部長利用促進担当部長兼務 | 柏原 弘幸君 | |
担当部長 | 松本 祐一君 | |
スポーツ推進部長 | 鈴木 研二君 | |
国際大会準備担当部長 | 篠 祐次君 |
本日の会議に付した事件
理事の互選
意見書について
オリンピック・パラリンピック準備局関係
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく議案の調査
・第八十九号議案 有明アリーナの公共施設等運営権の設定について
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 オリンピック・パラリンピック準備局所管分
○河野委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
初めに、委員の所属変更について申し上げます。
去る三月四日の本会議におきまして、谷村孝彦議員が本委員会から厚生委員会に変更になり、新たに、栗林のり子議員が厚生委員会から本委員会に変更になりました。
この際、新任の栗林のり子委員をご紹介いたします。
○栗林委員 よろしくお願い申し上げます。
○河野委員長 紹介は終わりました。
○河野委員長 次に、谷村孝彦議員の所属変更に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○栗下委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。
○河野委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認めます。よって、理事には伊藤こういち委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認めます。よって、理事には伊藤委員が当選されました。
次に、議席について申し上げます。
議席は、お手元配布の議席(案)のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。
○河野委員長 次に、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
お諮りいたします。
本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○河野委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
令和三年度予算は予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和三年三月十二日
東京都議会議長 石川 良一
文教委員長 河野ゆりえ殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十二日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十八日(木)午後五時
(別紙1)
文教委員会
第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中
歳出
債務負担行為 文教委員会所管分
第百一号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
歳出 文教委員会所管分
(別紙2省略)
○河野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、オリンピック・パラリンピック準備局関係の民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく議案の調査及び予算の調査を行います。
これよりオリンピック・パラリンピック準備局関係に入ります。
初めに、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく議案の調査を行います。
第八十九号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。−−発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
この際、本案に対して意見のある方は発言を願います。
○斉藤委員 では、第八十九号議案、有明アリーナの公共施設等運営権の設定について意見を述べます。
江東区有明一丁目に建設された有明アリーナについては、二〇一九年第二回定例議会で、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づいて、有明アリーナの公共施設等運営権の設定についての議案が提出され、議決されました。
今議会に出された議案は、二〇一九年六月当時の運営権の存続期間は、都が有明アリーナの所有権を取得した翌日から二十五年後の二〇四六年三月三十一日までとなっていたものが、東京二〇二〇大会延期が決定されたことによって、運営権存続期間を二〇四七年三月三十一日に延ばすというものです。
二〇一九年第二回定例議会で、我が党は、いわゆるPFI法によるコンセッション方式での管理運営委託を行うことに反対の態度を表明しました。
その理由は、第一に、有明アリーナは、東京都が施設整備費三百七十億円もの巨額の財政を投入して建設した施設であるにもかかわらず、都の条例上の位置づけが、体育施設でも文化施設でもなく、そもそも都立施設でもないために、事業目的にスポーツ振興の促進ということが明記されていません。
第二に、都民のためのスポーツ利用が極めて不十分であるということです。
メーンアリーナは、基本的に要求水準を満たすとしているものの、要求水準自体が年間六十日間としており、不十分であることは明らかです。
サブアリーナは、利用日を一定程度ふやすことや、都民のスポーツ大会の場合は優先予約を適用とのことですが、これは当然のことです。
都民スポーツ利用がどの程度保障されるかわかりません。
第三に、利用料金の問題です。
二〇一九年第二回定例議会の質疑では、アマチュアスポーツや障害者スポーツに配慮した提案にしているとのことでしたが、いまだに利用料金については都民に示されていません。
また、国のガイドラインでは、利用料金の上限や幅を規定するとしています。民間に施設の運営管理を任せれば、収益を求める料金設定になりやすいからこそ、都として上限額を定めるのが当然ですが、それすらもせずに、民間提案任せで二十五年間もの運営権を売るということは納得できるものではありません。
第四の問題は、運営権は、必要な設備投資や賃借料も不要、大規模改修費も負担しなくてよいというコンセッション方式の導入です。
東京二〇二〇大会は経費削減が大きな問題で、都民も注視してきました。都が都民に約束した経費縮減の立場に反する管理運営手法です。
第五に、施設運営に重要な変更があっても、議会がかかわることができなくて、都民の声を反映することができないものになっています。
以上、述べてまいりましたが、我が党は繰り返し、有明アリーナの管理運営は、東京都体育施設条例に基づく都立施設として位置づけ、都民利用を確保すべきと主張してきました。その立場から、第八十九号議案に反対を表明します。
以上です。
○河野委員長 発言は終わりました。
お諮りいたします。
本案につきましては、ただいまの意見を含め、委員長において取りまとめの上、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に基づく議案の調査を終わります。
○河野委員長 次に、予算の調査を行います。
第一号議案、令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、オリンピック・パラリンピック準備局所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○佐藤次長 去る二月十二日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
恐れ入りますが、お手元に配布してございます文教委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくりください。資料1、主な都立体育施設の稼働率でございます。
当局が所管しております主な体育施設につきまして、平成二十七年度から令和元年度までの五年間の稼働率の推移を記載してございます。
一枚おめくりください。資料2、主な都立体育施設の利用目的別件数でございます。
当局が所管しております主な体育施設につきまして、国際大会や全国大会など利用目的別の件数を、それぞれ平成二十九年度から令和元年度までの三年間の推移を記載してございます。
一枚おめくりください。資料3、都立スポーツ施設の指定管理料の推移でございます。
十四の都立スポーツ施設の指定管理料につきまして、平成二十九年度から令和三年度までの五年間の推移を記載してございます。
なお、平成二十九年度から令和元年度までは決算額、令和二年度から令和三年度までは当初予算額となっております。
一枚おめくりください。資料4、都立体育施設の指定管理者における利用料金収入の推移でございます。
十二の都立体育施設の指定管理者における利用料金収入につきまして、平成二十九年度から令和元年度までの三年間の推移を記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○内山委員 先日、我が会派の龍円議員の一般質問では、スポーツのインクルーシブということで質問をさせていただきました。我が会派も、スペシャルニーズのある方々が、より身近な地域で日常的にスポーツを楽しめる環境が東京中に整っていくことが重要との視点で、これまで、質疑を通して都の取り組みを確認させていただいてきました。
都立特別支援学校を活用した事業には、障害者団体等に優先的に体育施設を貸し出す施設貸出事業と、誰でもスポーツに親しめる体験教室があり、これまでも、随時、その実施状況をお聞きしてまいりました。
モデル事業は開始から五年がたち、昨年の事務事業質疑で、田の上議員からも本格実施について要望したところでございます。その際、今後の方向性については、利用団体や体験教室の利用者へのアンケート結果も含め、モデル事業の実施状況などを踏まえた上で検討していくとの答弁がありました。
そこでまず、都立学校活用促進モデル事業の施設貸し出しについて、これまでの実施状況を踏まえて、今後はどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、平成二十八年度から今年度まで都立学校活用促進モデル事業を実施し、実施校数を、五校から毎年五校ずつ二十五校まで拡大しながら、特別支援学校の体育施設の活用促進を図ってまいりました。
本事業の施設貸し出しを利用している団体のうち、障害者団体等は、事業開始時の十五団体から、現在は二百六団体と増加をいたしました。
また、昨年六月に実施いたしました利用団体へのアンケートによりますと、スポーツ活動の場所がふえたと回答した障害者団体等が約八割でございました。
こうした状況を踏まえ、来年度は、実施校数を二十五校から二十七校に拡大し、都立特別支援学校活用促進事業として実施することといたしました。
一方、課題といたしましては、貸し出しの利用率が五割未満の学校があり、十分に活用されていない状況も見られました。
そのため、さらなる利用促進に向け、引き続き、学校等との調整による利用可能種目の拡大や、地元自治体と連携した広報活動の強化、施設の空き状況の定期的な発信等を行ってまいります。
○内山委員 ありがとうございます。来年度から、施設貸し出しについて、モデル事業をさらに規模を拡大して本格実施することになったということが確認をできました。
スペシャルニーズのある人もない人も、誰もが気軽に楽しめる体験教室についても、同様に、これまでの実施状況を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都はこれまで、都立特別支援学校の体育施設を活用し、障害の有無にかかわらず参加できるレクリエーションスポーツなどの体験教室を実施してまいりました。
昨年度は、二十校において二十六種目、計百五回開催をいたしまして、実施校の在校生や卒業生、近隣の福祉施設等から、延べ約三千人の方にご参加をいただきました。
体験教室参加者へのアンケートによりますと、体を動かす機会がふえた、新しい仲間ができたとの回答が多く、また、障害の有無にかかわらず楽しむことができ、一体感がよかったなどの声もいただいております。
また、ボランティアへのアンケートによりますと、約四分の一の方が障害者スポーツのボランティアに初めて参加する方でございましたが、そうした方も含め、九割以上の方が今後も活動したいと回答いたしました。
一方で、実施校や時期によりまして、参加者等が少ない場合もあったことから、来年度は、障害のある方とない方の交流の促進やボランティアのさらなる確保のため、地元自治体や東京都障害者スポーツ協会とも連携し、近隣の福祉施設や自治会、大学等への情報提供を強化することによりまして、より多くの方の参加につなげてまいります。
あわせて、引き続き、地域スポーツクラブ等に対して、障害特性に応じた事業の企画運営方法などを学ぶ講習会等を実施し、ノウハウ向上に取り組むことによりまして、体験教室を身近な地域における障害者スポーツの場として根づかせてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。この体験教室に参加した方々のアンケート結果からも、今後もぜひ、特別支援学校が、スペシャルニーズのある方がスポーツに親しめる場として定着するとともに、近隣住民などの方々ともまじり合いながらスポーツを楽しむような、スポーツのインクルーシブの拠点として育んでくださいますようお願い申し上げます。
さて、スペシャルニーズのある方がスポーツに親しむためには、ボランティアの存在が重要です。先日の龍円議員の一般質問では、より多くの人にボランティア活動に参加いただけるように、今月中にボランティア募集情報に関するシステムを構築するとともに、今後は、ボランティアを希望する方々のニーズに応じて活動先を紹介するマッチングを行っていくとの答弁がありました。
多くの方にかかわっていただくことは、とてもよいことです。ただ、やる気がある方は、ご自身でスキルアップを図ったりしながら活動を継続していけると思いますが、経験の少ない方は、きちんと対応できるか、不安もあると思います。何かうまくいかないと、活動を継続することをためらうということもあろうかと思います。
そこで、ボランティア未経験者や経験の少ない方に、活動を始めたり、続けたりしていくための情報提供や工夫が重要だと考えますが、そのためにこのシステムをどのように活用して取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都は、東京二〇二〇大会後も、多くの方に障害者スポーツを支える活動に参加をしていただけますよう、ボランティア情報を発信するシステムを今月稼働する予定でございます。
来年度は、このシステムを活用し、初めて活動を行う方などに向け、経験者の体験談など、支える魅力を発信いたします。
また、本システムに登録された方と具体的な活動先とのマッチングを行いますとともに、知識不足などで不安を感じることなく活動を継続していただけますよう、障害特性に応じた支援方法等を学ぶ講習会やeラーニング講座を実施いたします。
さらに、本システムに登録してボランティアを募集する競技団体や区市町村等に対しては、ボランティアがやりがいを感じていただけるような業務内容や適切な配置等について助言を行いますとともに、活用の好事例を提供いたします。
こうした取り組みを通じて、障害者スポーツを支える活動を支援してまいります。
○内山委員 ありがとうございます。システムを使って、ボランティアの方々へ、支えることの魅力を伝えるとともに、障害特性に応じたeラーニングを提供していくのは、とてもすばらしい取り組みだと思います。また、ボランティアを必要とする団体の方にも、どのようにしてボランティアの人たちが楽しんで継続的に参加してもらうかの情報提供などをすることで、双方にとってよさそうなシステムだと思います。
マッチングにつきましては、一般質問でも龍円議員がご紹介いたしましたが、日本テレビが開発したドリームコーチングというシステムにとても注目をしています。
元プロや元オリンピアンの方々は、現役を引退した後になかなか活躍できる場がないということで、一般企業に就職するなど、アスリートの経験を生かす場が少ないということです。一方で、子供たちは、一流に教わる機会がそこまでないということに着目をして、そこをマッチングして、アスリートには充実したセカンドライフを、子供たちには夢を見ることを体験として促すというものだそうです。
ただ、スペシャルニーズのある子供たちの場合は、支える存在も必要になるため、なかなか民間のマッチングであると難しい面があると思います。今後、長い目線で見たときに、支える側と支えられたい側のマッチングがとても重要になってくると思いますので、民間のよい取り組みなども参考にするなどして、取り組みを積極的に進めていただければと思います。
次に、コロナ禍におけるスペシャルニーズのある方のスポーツについてお伺いいたします。
スペシャルニーズのある方々の中には、基礎疾患があることなどから、感染リスクを恐れ、外出を自粛、控える方がいらっしゃいます。ダウン症の長男がいらっしゃる龍円さんの一家も、まさにそういった状況であります。しかし、スペシャルニーズのある方々こそ、体を動かすことによる心身への影響が大きいと思います。
そこで、外出を控えがちなスペシャルニーズのある方でも運動できる機会を提供していくことが必要だと考えますが、都の取り組みがもしあるようでしたら、伺いたいと思います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 これまで都は、コロナ禍において、障害のある方が自宅等でも体を動かせるよう、オンラインによる参加体験型イベントを実施いたしましたほか、東京都障害者スポーツ協会と連携し、誰でも取り組みやすい運動動画の配信などを行ってまいりました。
来年度は新たに、さまざまな障害特性に応じて体を動かせるよう、障害の種類や動かしたい体の場所、運動の目的等に合わせた複数の動画を作成し、ホームページ上で配信をいたします。
また、動画を収録したDVDを作成して、障害のある方の日中の生活場所でございます福祉施設等に配布をいたします。
あわせて、動画の活用を促すため、福祉施設職員等向けに、障害特性に応じた安全な運動方法や、楽しみながら運動を行う工夫などを掲載したマニュアルを作成いたしますとともに、その内容について講義や実技研修を実施して理解を深めていただきます。
こうした取り組みを通じて、障害のある方が身近な場所で気軽に運動できる環境を創出してまいります。
○内山委員 ありがとうございます。スペシャルニーズのある方は、特性もさまざまでありまして、動かせる部位が異なったりもしておりますし、動画を作成される際には、きめ細やかに考えていただくようお願いしたいと思います。
また、ただ動画を配信するだけでは、見る方も限定的だと思いますので、多くの福祉施設や都立特別支援学校などでこの動画を周知するよう、福祉関係の部署と教育庁とも連携をしていただくようお願い申し上げます。
次に、競技スポーツに関する取り組みについてお伺いをいたします。
スペシャルニーズのある方の中には、特別支援学校などに在学している間は、体育の授業などで日常的に運動したり、スポーツに触れる機会がありますが、卒業した後は、これまでの質疑を通した取り組み等で、運動やスポーツを続けていただけるとうれしいです。
一方で、卒業後に、本格的な競技スポーツについては、関心があっても教わる機会が少なく、特に卒業後は、より一層情報を得ることが少ないというようにも聞いております。
そこで、より多くのスペシャルニーズのある方がパラスポーツの魅力を知り、競技スポーツの実施につながる取り組みが必要だと考えますが、都としてどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都はこれまで、パラリンピック体験プログラム、NO LIMITS CHALLENGEや、参加体験型スポーツイベント、チャレスポTOKYOなどで、幅広く障害者スポーツに触れる機会を提供してまいりました。
また、競技スポーツとの出会いの機会として、障害者スポーツ次世代ホープ発掘事業も行ってまいりました。
来年度は新たに、パラリンピック競技以外も含めた多くの競技スポーツの魅力や実践につながる情報を発信するホームページを開設いたします。
具体的には、競技内容やルールを、動画などを活用し、わかりやすく紹介いたしますとともに、競技団体等が実施する体験会の情報を掲載するなど、実際に競技を始めていただくための取り組みを行います。
あわせて、ホームページの概要をコンパクトにまとめた冊子を作成し、特別支援学校やリハビリテーションを行っている医療機関等に配布することによりまして、ホームページの閲覧につなげてまいります。
引き続き、より多くの障害のある方が競技スポーツを始めるきっかけづくりに取り組んでまいります。
○内山委員 ありがとうございます。前の質問と同様ではありますけれども、ホームページを作成しただけだと、見ていただける方が限定になってしまうかもしれませんので、あわせてホームページの存在を知ってもらえるよう発信をしていただき、スポーツに取り組む一歩を踏み出すスペシャルニーズのある人がふえてくれることを期待したいと思います。
東京は、二回目の夏季パラリンピックを開催する年となる予定です。大会のレガシーとしては、スペシャルニーズのある方々のスポーツを社会にしっかりと根づかせ、スポーツを日常的に楽しむ人の裾野を広げるとともに、東京から世界を目指すような次世代のアスリートを継続的に輩出できるよう、大会後もしっかりと取り組んでいかなければなりません。
世界で活躍するパラアスリートの存在は、一般の方々や子供たちのパラスポーツへの関心を高めるとともに、スポーツを始めるきっかけにもつながることから、パラアスリートの育成や競技団体の活動を支援することが重要だと思います。
そこで、パラアスリートの競技力向上に向け、どのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都はこれまで、障害者スポーツの競技力向上に向け、東京二〇二〇大会等の国際大会への出場を目指すアスリートの発掘や、東京ゆかりのアスリートの活動費の助成等を行ってまいりました。
また、都内の障害者スポーツ競技団体が競技の普及や選手の強化を目的に行う練習会や強化合宿等の経費などを支援してまいりました。
来年度は、これらの取り組みに加え、パラアスリート等が継続的に競技活動を行えるよう、東京スタジアム内の室内施設を新たな練習拠点として活用いたしますことを、今後実施予定の競技団体等へのニーズ調査を踏まえ、検討いたします。
こうした取り組みを通じて、一人でも多く東京ゆかりの選手が国際大会で活躍できるよう支援をしてまいります。
○内山委員 ありがとうございます。東京スタジアム内の室内施設を新たな練習拠点として活用することを検討するという答弁をいただきました。とても期待しています。パラアスリートを含め、さまざまなレベルでスポーツを楽しむスペシャルニーズのある方も使える場所となるよう要望しておきます。
話は変わりますが、最近、さまざまなSNSやサービスがふえてきておりまして、例えば、そのうちの一つに、音声のSNSといわれているClubhousというのがあります。そういった中では、現役のパラアスリートやアスリートたちを技術的に支える人たちがたくさん利用しておりまして、これまで遠くに感じられていたパラアスリートたちと直接会話をしたりすることで興味、関心を持てたりとか、観戦をしてみようという思いのある方がふえてきているように感じます。こういった、アスリートを身近に感じられるように対話できるような場もふえていくといいのではないかなというように思います。
アスリートの皆様のお話を聞くと、パラリンピックの開催に向けて、現在はパラバブルの状況にあるということです。それでも、パラスポーツの競技会場がいっぱいになることは、まれだというようにおっしゃっているのも聞きました。
スペシャルニーズのある人が観戦に行くのも簡単ではありません。パラバブルが終わった後もパラスポーツがきちんと継続していけるよう、今後とも、都としてしっかりと取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○大場委員 私からは、スポーツ振興全般にわたりましてご質問させていただきます。
初めに、スポーツ実施率についてお伺いします。
昨年秋に生活文化局が実施いたしました都民生活に関する世論調査の結果が、本年一月に公表されました。
この世論調査によりますと、週に一回以上スポーツを実施した十八歳以上の都民の割合でありますスポーツ実施率は六〇・四%と、前回調査から三・二ポイント増加しております。増加したのは大変すばらしいことでありますが、都としての目標であります七〇%には、まだまだ開きがある状況です。
特に三十代から四十代の働き盛り世代は、高齢世代と比較しますと、依然として実施率が低い傾向が見られます。また、スポーツや運動を実施しなかったということの理由に挙げられております中では、仕事が忙しくて時間がないからが最も多く、働き盛り世代において、その傾向が顕著となってございました。
そこで、スポーツ実施率七〇%という目標達成に向けて、実施率が低くなっております働き盛り世代などをターゲットにした施策の強化が必要と考えますが、都の所見を伺います。
○篠国際大会準備担当部長 都民のスポーツ実施率の底上げを図るためには、実施率が低い働き盛り世代に対してスポーツ実施のきっかけづくりを行い、継続的に取り組んでいただくようにすることが重要でございます。
都はこれまでも、働き盛り世代の運動習慣を定着化させるため、ガイドブックを策定し、企業等を通じて普及啓発を図ってまいりました。
また、昨年は、ホームページ上で、これらに加え、自宅でも気軽にできる体操動画を紹介するなど、テレワーク環境においても働き盛り世代が運動できるように取り組んでまいりました。
令和三年度は、民間事業者と連携し、忙しくて時間がとれないビジネスパーソンをターゲットに、仕事帰りに気軽にスポーツを体験できる機会を提供いたします。
具体的には、東京二〇二〇大会後の秋に、東京ならではの都市空間を活用し、オフィスビルの公開空地等でフィットネスマシンやヨガ等を体験していただくほか、会場での体験が継続的な運動につながるよう、身近なスポーツジムの情報提供やスポーツアプリの紹介等を行ってまいります。
こうした取り組みを通じて、働き盛り世代を初めとする都民のスポーツ実施率向上につなげてまいります。
○大場委員 スポーツ実施率七〇%の達成には、気軽に運動するきっかけをつくり、その後、継続的な運動につなげるアプローチを行うことが有意義だと考えます。引き続き、特に働き盛り世代をターゲットとした取り組みを推進していただくことを望みます。
次に、都民個人だけではなく、都内の事業者、企業を対象とした取り組みについてお伺いいたします。
都は、働き盛り世代のスポーツ活動を推進するため、働き盛り世代の多くが一日の大半を過ごす職場に着目して、平成二十七年度に東京都スポーツ推進企業認定制度を創設し、初年度、百二社を認定いたしました。
令和二年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もございまして、これまでのような形でスポーツをすることが難しい状況でございましたが、密を避けるなどの工夫をして、企業三百十九社をスポーツ推進企業として認定しました。
都は、認定企業数を二〇三〇年に一千社にすることを目標としておりますが、この制度をさらに進展させ、働き盛り世代のスポーツ実施率を高めていくためには、認定された後の企業のモチベーション維持なども大切であると考えます。
そこで、スポーツ推進に積極的に取り組む企業が、この認定を受けた後も、その取り組みを継続、発展させていくための都の仕組みについてお伺いいたします。
○鈴木スポーツ推進部長 都は、スポーツに対し積極的に取り組んでいる企業等を東京都スポーツ推進企業として認定し、ホームページ等で、職場でのスポーツの取り組みやアスリートへの支援など取り組み内容を発信することで、企業のスポーツへの取り組みの普及に努めております。
さらに、特に先進的な取り組みを行っている企業につきましては、モデル企業として選定し、表彰を行っております。
これらに加えまして、今年度からは、企業同士が情報交換し、好事例のノウハウなどを共有する場としてスポーツ推進企業交流会を実施しております。
令和三年度は、アイデアや情報の交換が常時効果的に行えるよう、企業同士の交流ウエブサイトを構築するとともに、新たな取り組みの立ち上げやメニューの拡充等をサポートするため、スポーツインストラクター等を認定企業へ派遣する事業を進めてまいります。
今後とも、推進企業制度を発展させることで推進企業のモチベーションを高め、より一層、働き盛り世代のスポーツ活動を推進してまいります。
○大場委員 コロナ禍という大変厳しい状況ではありますが、引き続き、個人と企業の双方への働きかけを行い、スポーツ実施率の向上に向けた取り組みをさらに進めていただきたいと要望いたします。
続きまして、障害者スポーツ振興について、何問かお伺いさせていただきます。
東京二〇二〇パラリンピックの開幕まで半年を切りました。組織委員会や区市町村などと密接に連携して、大会成功に向けた取り組みを着実に進めていくことはもちろん大事でありますが、それにも増して、大会を契機としてパラスポーツが社会に定着するようにしていくことが重要と考えます。
都では、パラスポーツのファンをふやすため、チームビヨンドの活動を二〇一六年から進めており、パラスポーツの応援や会場での観戦を促進する事業などに取り組んできました。こうしたパラスポーツの普及啓発に向けた取り組みを今後も継続して進めていくことこそが、スポーツを通じた共生社会の実現につながっていくものと考えます。
二〇二〇大会後も都民のパラスポーツへの興味、関心を維持、継続していくことが必要ですが、来年度のチームビヨンドの具体的な取り組みについてお伺いいたします。
○越パラリンピック部長 都はこれまで、パラスポーツに興味、関心を持っていただけるよう、チームビヨンドの取り組みとして、競技観戦会を初め、さまざまな事業を実施し、その魅力を積極的に発信してまいりました。
今年度は、コロナ禍のもと、オンラインにより、パラスポーツの魅力を体感できる普及啓発イベントや観戦会、企業、団体向けのセミナーなどを開催いたしました。
加えて、パラアスリートの卓越した技術を紹介した動画や、パラ競技の応援方法等をわかりやすく解説した冊子をウエブ上で公開するなど、工夫しながら情報発信を行いました。
来年度は、東京二〇二〇大会を契機として、さらに多くの人にパラスポーツへの関心を持っていただけるよう、積極的に取り組みを進めてまいります。
具体的には、普及啓発イベントにおいて、障害のある方もない方も広く参加できるボッチャ大会を実施するなど、さまざまな形でパラスポーツに触れ合える機会を創出いたします。
さらに、パラスポーツを支える企業、団体の先行的な取り組み事例をアップデートしながら広く紹介するとともに、企業同士の情報交換の場を設けることなどにより、パラスポーツに新たにかかわるきっかけづくりを進めてまいります。
大会後も、こうした取り組みなどにより、都民のパラスポーツへの興味や関心を継続的に喚起してまいります。
○大場委員 都民のパラスポーツに対する興味、関心を高めるため、二〇二〇大会後も、さらに取り組みを強化していく方向性であることがわかりました。いうまでもなく、こうした取り組みを地道に継続していくことが何よりも重要でありますので、都は引き続き、チームビヨンドの取り組みをとめることなく、前に進めていただきたいと存じます。
さて、パラスポーツには、障害の種類や程度に応じて、ルールや用具を工夫して楽しめるという特徴があります。障害のある人もない人もともに楽しめるスポーツとして、さらに発展する可能性を秘めており、スポーツを通じた共生社会の実現のため、誰もが楽しめるスポーツとして普及を図っていくべきと考えます。
そこで、障害の有無にかかわらず、都民がパラスポーツを楽しめる機会をつくるため、来年度以降どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○加藤障害者スポーツ担当部長 これまで都は、障害の種別や程度、年齢にかかわらず、誰もが楽しめるスポーツについて、普及啓発や理解促進に取り組んでまいりました。
具体的には、都立特別支援学校の体育施設を活用した体験教室や、参加体験型スポーツイベント、チャレスポTOKYOにおいて、障害のある方もない方も一緒に楽しめるレクリエーションスポーツなどの体験の機会を提供してまいりました。
来年度は、東京都障害者スポーツ大会におきまして、新たにオープン競技を実施し、障害のある方とない方が一緒に参加し、競い合う競技スポーツを導入いたします。
こうした取り組みを通じて、障害の有無にかかわらず、ともにスポーツを楽しめる環境をつくり、スポーツ都市東京の実現を図ってまいります。
○大場委員 引き続き、スポーツを通じた共生社会の実現に向け、障害の有無を問わず、誰もが楽しめるスポーツとして普及を図っていただきたいと存じます。
続いて、ラグビー振興についてお伺いします。
一昨年、ラグビーワールドカップ二〇一九が行われ、日本中が大いに盛り上がりました。
その後、行われたラグビートップリーグは、新型コロナウイルス感染症拡大により、残念ながら、シーズンの途中でリーグは中止となりましたが、今シーズンにつきましては、先月、開幕し、昨日、私の地元である駒沢陸上競技場で、ジャパンラグビートップリーグ二〇二一が、リコーブラックラムズ対神戸製鋼コベルコスティーラーズが開催され、ワールドカップを想起させるような白熱した試合が行われました。海外選手も含め、二〇一九年大会で活躍した選手が多数出場するなど、高いレベルの試合で、改めてスポーツの楽しさ、おもしろさを伝えてくれました。
ワールドカップ大会後は、ラグビースクールに加入する子供たちがふえたとの報道もございましたが、このコロナ禍で、子供たちがラグビーに親しむ機会も減ってきているところであります。
そこで、ラグビーワールドカップで盛り上がった機運を再び高め、子供たちがラグビーに親しめるような積極的な取り組みが必要と考えますが、都の所見をお伺いいたします。
○篠国際大会準備担当部長 都は、ラグビーワールドカップを契機に高まったラグビー熱を開催後も都内に広く継続させ、ラグビー文化の定着を図るため、今年度からTOKYO RUGBY MONTHを実施しております。
昨年十一月には、新型コロナウイルス感染症対策を徹底して行いながら、味の素スタジアムAGFフィールドと江戸川区陸上競技場でラグビー体験会などのイベントを実施いたしました。イベントでは、子供たちが元日本代表選手やラグビートップリーグ選手からパスの仕方を教えてもらい、コーチや選手と楽しく体験できたなどの声が聞かれました。
令和三年度は、ラグビー初心者を対象とした体験会を引き続き実施するとともに、都内ラグビースクールに通う子供たちの交流試合の対象を、小学生に加え、中学生まで拡大して実施してまいります。
実施に当たっては、東京都ラグビーフットボール協会を初めとする関係団体等と一層の連携を図りながら、東京におけるラグビーの普及と裾野拡大が持続的に行われるよう取り組んでまいります。
○大場委員 ラグビーワールドカップのあの熱狂は、今も私たちの記憶に刻まれています。東京のラグビー文化の定着に向け、多くの子供たちがラグビーの楽しさに触れ、楽しむ機会となるこうした取り組みは大変重要であります。都は、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。
次に、東京二〇二〇大会についてお伺いいたします。
局の令和三年度予算案には、二〇二〇大会の準備のため、都と国が費用を負担し、組織委員会が実施する共同実施事業等三千五百六十四億円の中に、新型コロナ対策関連の経費が計上されています。安全・安心に二〇二〇大会を開催するために、新型コロナ対策が最大の課題であることはいうまでもありません。
その新型コロナ対策につきましては、国や組織委員会などとともに、調整会議において幅広く議論が行われ、昨年十二月に中間整理が公表されました。
そして、その後、十二月四日の東京都、国、組織委員会の三者会談により、新型コロナ対策に要する経費を含む追加経費の負担について合意されたところであります。
これを踏まえて策定された大会経費バージョンファイブには、新型コロナ対策関連の経費として九百六十億円が計上されております。そのうち国は、水際対策など、安全面において国として担っている役割、責任を果たすため、五百六十億円を負担することとなっています。
こうしたことも含めて合意したことは、関係者が大会の重要性を十分認識し、大会の成功という共通の思いで取り組まれた成果であると考えています。
二〇二〇大会まで残された期間は四カ月余りです。都、国、組織委員会が一体となって新型コロナ対策を進めていかなければなりませんが、一口に新型コロナ対策と申しましても、その対象や、入国から出国までの場面に応じた対策が必要となることから、内容が多岐にわたっております。
大会経費バージョンファイブにおきまして、新型コロナ対策に係る経費負担については、国、五百六十億円、都、四百億円の分担とのことでありますが、それぞれの経費の具体的な内容についてお伺いいたします。
○菅原調整担当部長 大会経費バージョンファイブでは、新型コロナウイルス感染症対策関連の経費について、アスリート等を対象とした検査体制等の整備と、その他の感染防止のための対応の二つの区分で計上しております。
このうちアスリート等を対象とした検査体制等の整備では百六十億円を計上しております。
主な内容は、選手等に検査を行うための検体採取センターの整備や検査管理システムの構築、感染症対策センター(仮称)の設置、選手村総合診療所発熱外来の整備等となっておりまして、国が実施する水際対策と同様、大会の感染症対策の中心的機能を果たすことから、国が全額を負担いたします。
また、その他の感染防止のための対応では八百億円を計上しております。
主な内容は、選手等の輸送における対策、選手村宿泊施設における対策、飲食提供場所における対策など、選手等の行動に沿った対策や、リモート取材のための環境整備、検温、消毒、誘導等の対策、コロナ対策物品の購入など、大会運営にかかわる幅広い対策となっておりまして、国と東京都がそれぞれ二分の一相当額を負担いたします。
これにより、国が五百六十億円、東京都が四百億円を負担することとなっております。
○大場委員 二〇二〇大会の新型コロナ対策の中心的機能を果たすものについては、国が全額を負担することが改めて確認されるとともに、安全・安心な大会の開催に向けて、さまざまな新型コロナ対策が検討されていることがわかりました。
次に、二〇二〇大会における感染症対策についてお伺いします。
選手、大会関係者、観客、地域など、全ての人にとって安全・安心な環境を提供するためには、新型コロナ対策の実効性をいかに高めていくかが鍵を握ります。特に大会の主役である選手への対策は重要であり、競技会場や選手村等における環境を安全に保つための飛散防止の資機材の整備、消毒の徹底などの対策が示されています。
こうした環境整備とともに、選手自身に守っていただくべきルールや感染防止策をきちんと示していくことが重要であります。二〇二〇大会に参加する全選手は、定められたルールと対策のもとで行動することが、選手本人の健康を守ることはもとより、選手を迎える東京の安全と安心にもつながっていくと考えます。
二〇二〇大会に向け、選手へ具体的にどのような感染対策を講じる計画なのか、お伺いいたします。
○末村運営担当部長 選手や大会関係者、観客、都民など全ての方にとって安全・安心な環境が提供できるよう、中間整理に基づき、対策の具体化に取り組んでいるところでございます。
選手に対しましては、水際対策の徹底や、出入国時に検査を行い、入国後も、定期的な検査の実施や基本的な感染防止策の徹底とともに、選手等が行動できる範囲や移動方法を限定する等の行動ルールを策定するなど、場面ごとの対策の徹底を図ってまいります。
徹底した感染防止策を行った上でも選手に感染者等が発生した場合、選手村総合診療所内の発熱外来等で迅速に対応いたします。
また、保健衛生機能を強化するための拠点と組織委員会感染症対策センターとが連携し、大会に係る感染症対策を一元的に推進してまいります。
こうした大会に向けたさまざまな対策につきまして、組織委員会等がまとめたプレーブックを通じて選手等に周知徹底を図るとともに、都民、国民の安心に資するよう、国、組織委員会等との連携のもと、ホームページ、SNS等、さまざまな媒体を活用して広く発信してまいります。
○大場委員 ただいまご答弁のあったプレーブックには、入国前に準備することや、入国後、大会期間中に選手が守るべきルールが場面ごとにわかりやすく記載してあり、具体的な対策が選手へ伝わることで、選手自身も安心して大会に参加できるようでございます。こうした対策を確実に発信していくことが、地域の皆さんの安心につながっていくものと受けとめております。
引き続き、二〇二〇大会開催に向け、対策の具体化を図り、着実に準備を進めていただきたいと存じます。
次に、二〇二〇大会成功の二番目の鍵となる大会時の輸送についてお伺いいたします。
都は、先般、輸送運営計画バージョンツーを更新し、会場周辺交通対策の更新や交通マネジメントの考え方など、大会時に向けた輸送の取り組み状況を明らかにいたしました。
その一方、コロナ禍による都心部での人出が減少したことで、二〇二〇大会時における交通対策への関心が薄れているとの声も聞かれております。
二〇二〇大会の本番時には、選手や大会関係者は車両で移動することから、円滑な移動のためには、道路交通における一定の対策が不可欠であり、改めて周知や啓発が必要と考えます。
そこで、大会時に大会関係者の円滑な輸送を実現しつつ、都民生活を維持していくため、道路の交通対策について、企業や都民の方々に丁寧に周知を行っていくことが重要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○松本担当部長 国や首都高等の交通量データによりますと、関係者輸送ルートとなる首都高などでは、既に例年と同程度の交通量が発生してございます。
このため、更新した輸送運営計画バージョンツーでは、交通需要マネジメントや首都高の料金施策、交通状況に応じた入り口閉鎖などを行う交通システムマネジメントなどで構成する交通対策の考え方や実施方針等は、これまでと同様としてございます。
大会に向けましては、こうした交通マネジメントの取り組みについて、多くの企業や都民にご協力いただき、大会輸送と経済活動や都民生活との両立を図っていく必要がございます。
現在、約五万社を超える事業者にテレワーク事業導入支援の情報などをメールマガジンでお知らせしているほか、大会時の交通規制や混雑状況、それらを回避する対策等について、オンライン説明会を開催するなどして情報提供に努めてございます。
さらに、テレワークの定着や物流効率化など、これまでのコロナ禍で得られたノウハウの活用を含め、事業者や広く都民の皆様にご理解、ご協力いただけますよう、大会が近づくにつれ、テレビやデジタル広告など、目にする機会をふやしていくなど、広報を展開してまいります。
○大場委員 大会時の交通規制等は都民生活や企業活動への影響も大きいことから、正確な情報提供をできるだけ早く行うことが求められます。さまざまな方法で迅速、丁寧に周知し、それぞれ主体的にテレワークや物流効率化などの対策に取り組んでいただけるよう努めていただきたいと存じます。
東京二〇二〇大会開会まで、残すところ、あと四カ月となりました。この大会を契機に、都民のスポーツへの参加が進むとともに、パラスポーツへの理解が一層広がることが期待されます。また、ラグビーワールドカップ二〇一九のように、その感動は次の世代へと引き継がれ、東京のレガシーとなっていくでしょう。
コロナ禍におきまして、人と人とのつながりの大切さが改めて見直される中にあって、多くの方に勇気と希望を届けることができるスポーツの力が求められています。東京二〇二〇大会は、新型コロナにより失われたこの一年半を取り戻すため、東京に、日本に、そして、世界にとって不可欠であります。
懸案だった観客の取り扱いについては、三月中に海外からの取り扱いが、四月中に会場における上限が決まることとなりました。観客の取り扱いを踏まえ、各事業で必要な対応を行うとともに、最大の懸念であるコロナ対策を徹底し、安全・安心な大会に向け、最後の総仕上げに取り組んでいただきたいと思います。
東京二〇二〇大会の大成功と、二〇二〇大会を通じて都民のスポーツがより一層活性化することを心から期待して、私の質問を終えたいと思います。
○伊藤委員 それでは、私からは、コロナ禍における東京大会の開催と安全対策について伺ってまいりたいと思います。
東京二〇二〇大会オリンピックまで、あと百三十日、パラリンピックまで百六十二日。私は、大会成功のためには、開催都市である東京の新型コロナ対策が何よりも重要と考えます。
都は、専門家の知見を踏まえつつ、それぞれの場面ごとに手引やガイドラインをしっかりと整備し、事前に対策に着実に取り組まなければならないと考えます。そして、大会に向けて、さまざまな場面ごとに環境が異なることから、それぞれの事業、取り組みの特徴に応じた対策を見える形で示すことが重要と考えます。
以下、二〇二〇大会に向けての新型コロナウイルス対策について、場面ごとに伺ってまいりたいと思います。
まず、ラストマイル上でのコロナ対策であります。
会場の最寄りの駅から会場までのラストマイルにおいて、コロナ対策をどのように行っていくのか、伺いたいと思います。
○末村運営担当部長 大会時に多数の観客が利用するラストマイルにおきましては、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、観客と地域の双方の安全・安心の観点から、新型コロナウイルス感染症対策を実施いたします。
具体的には、マスクの着用など飛沫感染防止や、フィジカルディスタンスを確保するための三密の回避など、観客に守っていただくルール、マナーを観客の行動場面ごとに作成をするとともに、ホームページやSNS等のツールを活用して、わかりやすく周知を図ってまいります。
また、ラストマイル上では、交差点や会場の入場口等、混雑箇所でのスタッフによる注意喚起や、休憩所、仮設トイレ等、不特定多数が利用する設備の消毒など、観客へのルールの徹底と感染防止のための環境整備を行います。
引き続き、救急、感染症医療の専門家等の意見も踏まえまして、ラストマイルの状況と周辺地域の実情に応じた対策をさらに具体化してまいります。
○伊藤委員 次に、ライブサイトについて伺いたいと思います。
ライブサイトは、チケットの有無にかかわらず、誰もが出入りができる場所でありまして、今後、競技会場の観客数に制限がかかるとすると、観客等がライブサイトに集中をする可能性がある、私はこのように大変に心配をしております。
来場者が安心して会場内で楽しむことができるように、ライブサイトの感染症対策は重要と考えますけれども、どのような対策を行っていくのか、また、どのように周知をしていくのか、伺いたいと思います。
○丸山事業推進担当部長 東京二〇二〇ライブサイト等の感染症対策については、現在、国や組織委員会等のガイドラインを踏まえ、検討を進めております。
具体的には、十分なフィジカルディスタンスを確保し、混雑、密集が回避できるよう、来場者の事前申し込み制や会場レイアウト等について検討しております。
また、会場のエリアごと、入退場等の場面ごとに飛沫、接触感染防止対策や消毒の徹底を行うとともに、来場者に会場内で遵守をお願いする事項の検討を行っております。
事前申し込み制を含むライブサイトの感染症対策の広報は重要であることから、都及び組織委員会のホームページやSNS、「広報東京都」等を活用した来場向けの事前周知を行うこととしております。
また、会場内では、注意喚起の掲示や競技中継の合間の大型ビジョンでの周知、スタッフによる案内等を実施いたします。
来場者に安全・安心な会場で大会を楽しんでいただけるよう準備を進めてまいります。
○伊藤委員 先ほども申し上げましたけれども、もし観客数に制限をかけるということになれば、このライブサイト、本当に集中すると思います。事前申し込みをするという答弁でありましたけれども、周到に準備をして、国と連携をとって、周知もしっかりとしていただきたいと思います。
次に、ラストマイルとライブサイトについて、コロナ対策について伺ってまいりましたけれども、昨年の夏にも、コロナの陽性患者と熱中症の患者の症状の見分けがつきにくいといわれておりました。例えば、どちらも倦怠感があるとか、頭がふらつくとか、頭痛がするとか、また発熱症状がある、こんな症状も非常に似ているといわれておりました。
ライブサイトやラストマイルでは、しっかりと対策を講じておく必要があると思いますけれども、こうした事態にどのように対応していくのか、伺っておきたいと思います。
○末村運営担当部長 ライブサイトやラストマイルにおきましては、熱中症やコロナ感染症疑いの体調不良者等、傷病者が発生した場合を想定し、救護所を設置して対応することとしておりまして、具体的な対応について、東京都医師会、救急、感染症医療の専門家等と連携し、準備を進めております。
専門家の意見によりますと、臨床症状のみから熱中症と新型コロナ感染症を鑑別することは困難であるとされておりまして、熱中症症状の傷病者についても、コロナ感染の可能性があるものとして対応することを想定しております。このため、発熱症状等のある方につきましては、救護所内において、レイアウトを区分したエリアで対応いたします。
具体的なコロナ対策につきましては、医療スタッフの防護具の使用、適切に受診につなげる方法等、救護フローの策定を進めております。また、後から陽性が判明した場合にも的確に対応できるよう、救護所利用者の連絡先の記録を徹底してまいります。
今後とも、関係機関等と連携しながら、安全・安心な大会に向けた準備を着実に進めてまいります。
○伊藤委員 二〇二〇大会は真夏に行われるわけであります。近年では酷暑ともいわれる暑い日も想定をされます。
救護所の話がありましたけれども、医師や看護師などの医療人材は、病院において、新型コロナ患者への対応が、恐らくまだ夏も続いていることだろうと思います。そしてまた、ワクチン接種も、ちょうど軌道に乗ってきている時期になるのではないかというふうに思います。
都は、救護所における人材確保や周囲の医療機関との連携など、こうしたことについても、あらかじめ先手先手で準備を行っておくべきということを求めておきたいと思います。
次に、聖火リレーにおけるコロナ対策について伺いたいと思います。
聖火リレーは、路上での観覧と、セレブレーションなどの会場でのイベントに分かれておりますけれども、いずれも密集しない対策が重要であるというふうに考えますが、聖火リレーについての対策をどのように講じていくのか、伺いたいと思います。
○田中聖火リレー担当部長 聖火リレーの実施に当たっては、観覧客や聖火ランナー、運営スタッフなど、多くの関係者がかかわりますことから、感染防止の観点から、密集を回避することは大変重要でございます。このため、都は、組織委員会が公表した新型コロナ対策ガイドラインを踏まえた対策を実施することとしております。
まず、沿道での観覧に当たりましては、ランナーの走行の模様をインターネットのライブ中継により視聴できることを事前に周知する、また、混雑が予想される沿道では運営スタッフの重点的な配置など、安全対策の徹底を図ってまいります。
各日の最終到着地で行うセレブレーションにつきましては、会場内での適切な距離の確保に加えまして、入場者数の管理のため、事前予約制の実施を検討しております。
今後とも、安全・安心な聖火リレーの実施に向けまして、組織委員会や区市町村等と連携して感染防止対策を図るなど、適切に準備を進めてまいります。
○伊藤委員 次に、ホストタウンについて伺いたいと思います。
事前キャンプのホストタウンを担う区市町村は、これまでの準備に加えて、ホストタウンとして受け入れられるのかどうか、そしてまた、新たにコロナへの対応も求められておりまして、大変に苦労している、また、どうしていいのかがわからない、こんなお声も聞こえてくるわけであります。
財政面や関係者間での情報共有などが求められているわけでありますけれども、都として区市町村への支援をどのように行っていくのか、伺いたいと思います。
○小池自治体調整担当部長 事前キャンプを実施するホストタウンなどの自治体がアスリートを受け入れるに当たりましては、アスリートと住民双方の安全・安心を確保するため、新型コロナウイルス感染症対策を万全に講じることが重要でございます。
このため、各自治体は、国の手引をもとに、アスリートの健康管理や移動、宿泊など、場面ごとの感染防止対策を取りまとめた受け入れマニュアルを作成して、相手国と合意を図ることとなっております。
都といたしましては、区市町村がマニュアルの作成や受け入れ準備を具体的に進められるよう、受け入れ自治体の課題等への助言や、区市町村間で情報を共有し、相互連携を図るようにしております。
また、アスリートの検査や専用車両に要する経費など、自治体の感染症対策事業に係る経費につきましては、国の補正予算により措置されたことから、来年度、申請を受け付け、区市町村に交付してまいります。
引き続き、アスリートや住民にとって安全で安心な事前キャンプ等の実施に向けまして、国や組織委員会とも連携しながら、受け入れ準備を進める区市町村を支援してまいります。
○伊藤委員 競技にもよりますけれども、事前キャンプ、ホストタウンで新型コロナ陽性者が発生をしてしまったらば、大会全体への影響も懸念をされまして、大変なことになるというふうに思います。アスリートも住民も安心して過ごせるように、都は、国としっかり連携して対策を講じていただきたいと求めておきたいと思います。
次いで、シティキャストのコロナ対策について伺いたいと思います。
シティキャストについては、私は、昨年の決算特別委員会や事務事業質疑において、障害のある観客へのサポート、そしてまた、障害のあるシティキャストへの配慮について議論を重ねてまいりました。
ボランティアに参加する方々が、今、最も心配しているのはコロナウイルスであります。
特に、障害や高齢のため配慮を必要とするシティキャストへのコロナ対策はどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○小高ボランティア担当部長 都は、シティキャストに安全・安心に活動いただけるよう、コロナ対策調整会議の中間整理や専門家の知見等を踏まえ、感染予防マニュアルの作成を進め、今月一日、その概要を公表し、シティキャストの皆様にも送付いたしました。
マニュアルでは、参加者への検温や体調確認、マスクや消毒液の配布、人との距離を確保しやすい場所への配置や、参加者が体調を崩した場合の速やかな医療機関の案内等を行うこととしております。
シティキャストには、障害のある方や高齢の方など、活動に当たり配慮を必要とする方々も参加することから、本人の意向等を踏まえ、より密集を避けやすい場所に配置し、活動時間を短縮するなどの取り組みを行います。
さらに、表情を見せながら手話を使う方や、アレルギーのためマスク着用が困難な方にはフェイスシールドをお渡しする、介助者とともに参加する場合は、介助者にも必要な感染予防策を講じるなど、きめの細かい対応を行ってまいります。
○伊藤委員 ことしに入って、一月には一日の新規感染者数が二千人を超え、感染を心配して、やむなくボランティア参加の辞退を申し出た方もいるのではないかと思います。
辞退の連絡があった方にも、都として、コロナ対策をしっかり示して安心していただいて、シティキャストへの参加を改めて考えていただけるよう取り組んではどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小高ボランティア担当部長 活動に当たりまして、シティキャストにお願いする感染予防の取り組みとしては、日ごろの健康と体力の維持、活動時のマスク着用や小まめな手指消毒、ハイタッチなど観客との接触回避のほか、暑さ対策として、観客から離れた日陰での水分補給などがございます。
シティキャストには、こうした取り組みなどをQアンドAとともに丁寧にお伝えしており、引き続き、研修などを通じ、さらに詳しく説明してまいります。
今後、辞退のご連絡があった方を含め、シティキャスト全員に参加のご意向をお伺いすることとしておりまして、その際にも、感染症対策について丁寧に説明し、安心して参加いただけるよう取り組んでまいります。
○伊藤委員 きょうのニュースで流れておりましたけれども、昨日ですかね、大会ボランティアと都市ボランティア、オンラインで交流をした、また、海外からもオンラインでの参加があったというふうに伺いました。ぜひそうした機会を捉えて、都として、また、組織委員会、国としても、このコロナ対策をしっかりやっていくよということを示していただきたい、このように思います。
次いで、この二〇二〇大会のコロナ対策経費について伺いたいと思います。
大会経費におけるコロナ対策は、一つは、国が五百六十億円、そしてもう一つは、都が四百億円で、合計九百六十億円でありまして、全て共同実施事業として組織委員会が執行するという予定となっております。
都議会公明党は、コロナ対策を含め、共同実施事業については、これまで以上に厳しい審査、チェック体制とするよう求めてきましたけれども、この点、どのように対応するのか、伺いたいと思います。
○菅原調整担当部長 新型コロナウイルス感染症対策関連の経費については、全額を東京都と国が負担することになっておりまして、大会におけるコロナ対策は、公費をもとに組織委員会が事業を行う共同実施事業として実施いたします。
共同実施事業については、これまでも、コスト管理や執行統制の強化を図ることを目的として、東京都、国、組織委員会の三者により共同実施事業管理委員会を設置し、適切な執行を図ってきたところでございます。
今回のコロナ対策関連の経費については、新たに新型コロナウイルス感染症対策作業部会を設置して経費の精査と確認を行うこととし、第一回の部会を開催したところでございます。
今後も、国、組織委員会とともに、一つ一つの案件について経費の精査と確認を行い、円滑な事業の実施とコストの管理を図ってまいります。
○伊藤委員 大会経費V5において、都は、組織委員会の支出のうち、賄い切れない費用百五十億円を収支調整額として負担することとしていることからも、組織委員会の経費執行が適正に行われているのかどうか、厳しく確認をしなければ、都民、国民の理解を得ることはできないというふうに思います。
都議会公明党は、組織委員会の経費全体のコスト管理、執行状況管理を求めてまいりましたけれども、どのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○菅原調整担当部長 大会経費バージョンファイブにおいては、新型コロナウイルス感染症対策関連の経費を含む追加経費への都の負担に加え、組織委員会の負担のうち、その増収努力によっても賄い切れない費用について都が負担する収支調整額を計上しております。
このため、組織委員会においては、各事業の簡素化、効率化に引き続き取り組むとともに、経費の執行に当たっては一層の精査を行うなど、コスト削減に向け、不断の取り組みを行っていくことが必要であると考えておりまして、こうした点について組織委員会と共有を図っているところでございます。
とりわけ収支調整額については、組織委員会が経費削減や収入確保について、今後とも可能な限りの努力を行っていくことが必要でございます。
そのため、都が組織委員会の月々のキャッシュ・フローを継続的に把握するとともに、収入、支出両面における計画と実績を確認することとしておりまして、三月分からの実施に向けて調整してまいります。
○伊藤委員 都議会公明党は、今後も、大会経費について、しっかりと注視をしてまいりたいと思っております。今後、都は、追加負担が生じないよう、これから支出される経費を、大会終了後ではなくて、組織委員会と共同で毎月精査を行ってチェックをしていく体制を整えていくべきと改めて求めておきたいと思います。
次に、障害者スポーツについて伺います。
これも、私は昨年の決算特別委員会の質疑において、パラリンピックの機運醸成や障害者スポーツの振興に取り組むことは、大会の成功ばかりではなくて、大会後の障害者スポーツの発展にも確実につながるものであり、継続した取り組みが非常に大切であると指摘いたしました。そして、新型コロナウイルスの感染が拡大する状況においても、関心の高まりに水を差されるようなことがあってはならないと主張いたしました。
こうした中、夏の東京二〇二〇パラリンピックが安全・安心な環境において開催され、トップクラスのパラアスリートによる圧倒的なパフォーマンスなどを多くの人に見てもらうことは、障害者理解を深めるだけではなく、スポーツを通じた共生社会の実現に向けても、非常に意義深いことだと考えています。
世界で初めて二度目の夏季パラリンピックを開催する都市として、大会後もパラスポーツへの関心を持続させていくことが重要であり、そのためには、パラスポーツを身近で楽しんでもらえるような取り組みが必要であると考えます。
一度でもパラスポーツを観戦した方は、その魅力やおもしろさを知って、ファンになってくれると思います。
私自身も、目の前でブラインドサッカーの試合を、きょうも来ていますけれども、栗林議員を初め、会派のメンバーと一緒にこの大会を見に行きましたけれども、ものすごい迫力でした。
視覚障害のある方々でありますけれども、がゆえに、体と体が思い切りぶつかったりとか、また、ブラインドサッカーなりのルールがある。例えば、試合の最中、プレーしている最中については、指示が聞こえなくなってしまうので、声援を送ってはいけないんだということも、この会場で、しっかりとそれを肌で感じてきたわけであります。
こうした経験をしたことがある人は、絶対、そのパラスポーツのファンになる、私はこのように思います。
そこで、都民が気軽にパラスポーツを観戦できる機会を提供すべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○越パラリンピック部長 都はこれまで、初めてパラ競技に触れる方でも気軽に観戦を楽しめるよう、わかりやすい実況解説を取り入れるなど、さまざまな工夫を凝らしてパラスポーツの観戦会を実施してまいりました。
今年度は、コロナ禍のもと、オンライン配信によるリモート形式での観戦機会の提供に努めてまいりました。その際、遠隔操作で自宅等から応援を届けられる仕組みを活用したほか、大会後も視聴できるアーカイブ配信を行うなど、オンラインならではの特性を生かした取り組みを実施いたしました。
来年度は、これらに加え、東京二〇二〇大会を契機としてパラスポーツに関心を持った多くの人に競技観戦できる機会を提供していくため、都内やその近郊で実施されるパラスポーツ大会をケーブルテレビ等で中継する事業を新たに開始いたします。
本事業では、観戦を促進するため、ケーブルテレビの情報番組などで選手による大会のPRを行うとともに、ウエブサイトでは、競技やルールの紹介動画、注目選手の情報等をきめ細かく発信してまいります。
こうした取り組みを通じて、都民のパラスポーツへの興味、関心が大会後も維持向上していくよう積極的に努めてまいります。
○伊藤委員 東京二〇二〇大会を契機に、パラスポーツ観戦が多くの都民にとって身近で親しみのあるコンテンツとなり、社会に定着していくことを期待したいと思います。
都はこれまでも、パラアスリートや障害者スポーツ競技団体の競技力向上に向けた支援などに取り組んできており、国際大会等で活躍する東京にゆかりのある選手が誕生するなど、着実に成果があらわれてきていると思います。
東京ゆかりのパラアスリートが世界で活躍する姿、これこそが障害者スポーツへの関心を高めるということはいうまでもありません。
しかし、自分の地域にゆかりのある選手の卓越した技術、人間的な魅力などをもっと身近に感じることができたならば、パラスポーツの認知度はもっと上がり、自分もスポーツをやってみたい、世界を目指したいと考える次世代の選手や、選手を支える人が生まれ育っていくのではないかと考えます。
そこで、パラアスリートが地域のパラスポーツの普及においても活躍できるよう取り組みを行っていくべきと考えますけれども、見解を伺います。
○加藤障害者スポーツ担当部長 都はこれまで、競技力向上を目的として、パラリンピック等の国際大会を目指す東京ゆかりの選手の発掘、育成、強化などに取り組んでまいりました。
来年度は、都の障害者スポーツ施策で支援してまいりました選手等がこれまで培ってきた経験などを地域スポーツの推進に生かしていくため、新たにパラスポーツ人材地域活動促進事業を開始いたします。
具体的には、区市町村や学校等が行うパラスポーツに関する講演会や体験会の講師、指導者の選定の参考となりますよう、東京ゆかりの選手やパラスポーツスタッフ等の競技実績や強みなどの情報を紹介するホームページを新たに開設し、区市町村等に周知いたします。
また、区市町村等のニーズに応じて、地域にゆかりのある選手や都内で活動する競技団体等を紹介できるよう、相談対応や各種コーディネートを行います。
東京ゆかりの選手等が、地域において次世代を担う若者たちと交流することによりまして、パラスポーツの普及を図り、新たな選手の発掘にもつなげてまいります。
○伊藤委員 障害のある方がパラリンピアンの講演をきっかけに競技スポーツを始めている事例もあって、アスリートによる普及効果は非常に大きいと思います。都内でこういった機会を多く創出して、地域においてパラスポーツが定着していくことを期待したいと思います。
これまで都議会公明党では、障害者スポーツの場を確保できるよう、バリアフリー化の促進などに重点的に取り組んでまいりました。しかし、パラアスリートや競技団体は、練習場所の確保にまだまだ苦慮していると聞いております。
そこで、パラアスリートや競技団体などの活動の場をふやすべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
○鈴木スポーツ推進部長 都は、平成二十八年度から、都立特別支援学校の体育施設を、学校教育活動に支障のない範囲で障害者スポーツ団体が優先的に利用できる活動の場所として提供してまいりました。
また、今年度からは、区市町村に対し、スポーツ施設において、バリアフリーを初め、障害者スポーツを促進するための工事を行う場合等に補助を行っております。
来年度は、さらに障害者スポーツの活動の場を拡大していくため、バリアフリー設備が整備された東京スタジアム内の室内施設を新たな練習拠点として活用することを検討してまいります。
こうした取り組みを通じまして、パラアスリート等の競技力向上に向けた環境の確保に努めてまいります。
○伊藤委員 最後の質問のテーマに、昨年の事務事業質疑でも取り上げさせていただきましたけれども、東京マラソンについて伺いたいと思います。
東京マラソン二〇二一が、ことし三月、要するに今月から、ことしの十月、秋に延期となって、そして、例年どおりの一年後の三月には二〇二二大会が開催されることになるわけで、つまり半年の間に二回の大会を行うこととなるわけであります。コロナ禍であるがゆえに、自己との戦いであるマラソンのランナーは、心待ちにしていることと私は思います。
そこで、それぞれのランナーの募集をどのような時期に行っていくのか、伺いたいと思います。
○鈴木スポーツ推進部長 東京マラソンは、二〇二一年三月に予定しておりました大会を十月開催に延期いたしまして、二〇二二大会につきましては、通常どおり二〇二二年三月に開催する予定でございます。
ランナーの募集につきましては、東京マラソン財団は、二〇二一大会の要項を三月中に発表する予定としておりまして、募集の詳細は、この大会要項に定めることとなります。
また、二〇二二大会の要項発表の時期につきましては、財団におきまして、現在、検討を行っているところでございます。
○伊藤委員 東京マラソン二〇二一が延期になるということで、私は昨年の事務事業質疑の中で、延期になるんだけれども、都としてどうするのかというお話を伺って、都からは、バーチャルマラソンを開催するというふうに答弁をいただいたところでありますけれども、このバーチャルマラソンについて、この三月にどのような取り組みを行ったのか、また、この取り組みが今後の東京マラソンにどういうふうにつながっていくのか、伺いたいと思います。
○鈴木スポーツ推進部長 東京マラソン財団は、三月の東京マラソンを楽しみにしていた方々への取り組みといたしまして、また、十月開催の東京マラソン二〇二一の機運醸成を目的といたしまして、二月二十二日から三月十四日まで、バーチャルマラソンイベントであるROAD TO TOKYO MARATHON二〇二一を開催いたしました。
このイベントでは、フル、ハーフ、十キロなど財団が指定した距離を、一週間で参加者が自由に設定したコースで走り、アプリを使用して記録を登録いたします。結果は、ウエブサイトでランキング形式で公表されまして、ランナーが記録を共有して楽しむイベントとなっています。また、完走者には、抽せんで二〇二一大会の出走権が付与されることになっておりまして、大会への参加意欲を高めるイベントとなったところでございます。
三月一日から七日までに実施された一般部門では、合計一万人を超える参加がございました。アジア、欧州、アメリカ等、海外からも多数の参加がございまして、新型コロナウイルス感染症の影響がある中でも、世界各地の方々とともに楽しめるイベントとなりました。
時間や場所にとらわれず、気軽に参加できるバーチャルマラソンの取り組みは、ランニング文化の普及とマラソン愛好者の裾野拡大に寄与し、東京マラソンのさらなる発展につながるものと考えてございます。
○伊藤委員 昨日まで、このバーチャルマラソンが行われていたということでありますけれども、バーチャルマラソンが実施をされて、国内からも、また、アジア、欧州、アメリカ等、海外からも、合計一万人を超える多数の参加があったと。国境を越えて、このバーチャルマラソンに参加をされたということであります。新型コロナウイルス感染症の影響が世界中で脅威を与える中、世界各地の方々とともに楽しめるイベントであると、私は大変に評価をしております。
日本では朝に挑戦している人と、例えばニューヨークでは、同じ時間で夜に走っている人もいるわけであります。東京マラソンという一つの名前の大会のもとで、同じ目標に向かって、時間や場所にとらわれずに気楽に参加できるこのバーチャルマラソンの取り組みは、今後も世界中をきずなで結んでいける可能性がある、私はそのように思います。
今後は、東京マラソン二〇二一関連イベントで終わらせてしまうのではなくて、コロナの影響を大きく受けた二〇二〇大会のレガシーとして、そしてまた、三・一一東日本大震災の被災地支援として行ってきた青森−東京一千キロ縦断リレーとの関連も視野に入れながら、新たな事業として取り組んでいただきたいと要望して、質問を終わります。
○河野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時二十八分休憩
午後二時四十五分開議
○河野委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。よろしくお願いします。
資料の提出をありがとうございました。
まず、五輪大会の根本原則にかかわる問題について伺います。
森前大会組織委員会会長の女性蔑視発言から、日本のジェンダー平等に対する認識が大きく問われました。森前会長本人の理解がなかったことだけでなく、発言をとめられなかった周囲の問題や、ジェンダーギャップ指数で百二十一位と、世界の中でも後進国になっている日本の姿があらわになりました。このことを真剣に受けとめて、都としてジェンダー平等の社会を実現するための施策を前に進めていくことが求められています。
知事は、三月八日の国際女性デーに合わせた共同ステートメントで、多様性と人権尊重の理念を社会に一層根づかせ、それをレガシーとして、よりよい未来をつくり上げていきますとコメントしていますが、具体的にはどのような政策を行うのか、また、オリ・パラ局としてはどのような取り組みをするのか、伺います。
○田中計画推進部長 都は、大会を契機として、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を制定し、啓発や人権意識の醸成などの取り組みを行ってまいりました。
これまでも、スポーツの世界で女性がより一層活躍できるよう、女子アスリートや指導者向けの冊子を作成し、競技活動の留意点や適切な体調管理等の正しい知識の理解促進を図る取り組みを進めてきたところでございます。
また、差別やハラスメントの根絶などを図るため、都内競技団体の役員や指導者に対する研修などを実施しております。
大会を支えるシティキャストの研修では、性別などの違いを尊重し、受け入れることの重要性について理解を共有してまいりました。
大会の理念である多様性と調和を具体化するためにも、組織委員会と連携協力し、取り組みを進めてまいります。
○斉藤委員 オリンピック・パラリンピック準備局が現在行っていることについてお答えいただきましたけれども、私は、森前会長が女性蔑視発言を行った後の東京都の対応にも問題があったのではないかと思います。
森氏の発言があった二日後の二月五日のオリンピック・パラリンピック特別委員会で、我が党のあぜ上都議が辞任を求めるべきではないかとただしましたが、都は、辞任を求める姿勢を示しませんでした。
森氏は、二月四日に謝罪会見をしましたが、その姿勢がさらに批判を呼んで、三月一日の資料でもいただきましたけれども、辞任表明した二月十二日までに、東京都にも二千百十八件もの声が寄せられてきました。
森氏の辞任を求める市民の声が大きく上がり、変化を起こしたことは大きな希望ですが、世論が高まるまで辞任を求めなかった菅政権への大きな批判も上がりました。私は、東京都にもその姿勢が問われているというふうに思います。
さらに、我が党は、代表質問で、森前会長の女性蔑視発言をどのように受けとめているのかと知事にただしましたが、知事は答弁に立ちませんでした。こういう政治や行政の態度が失望を生み、ひいては日本のジェンダーギャップ指数の後退を招いてきたのではないかというふうに感じます。
東京都には、五輪の理念にふさわしく、あらゆる場面でジェンダー平等、多様性を認める社会の実現のために行動していくことを改めて強く求めます。
五輪大会について、そもそも大会がこの夏に開催できるのか、根本的なことについて伺っていきたいというふうに思います。
改めてですけれども、私たち日本共産党都議団は、新型コロナの現状を考慮すれば、ことしの夏の五輪は中止をしてコロナ対策に集中するべきだと、知事に申し入れを行っております。
その理由の一つが、ワクチンには頼れないということです。
このワクチンをめぐっては、ワクチンを選手が受けることは義務としないということでバッハ会長はいってこられましたが、しかし、その発言にも、今、迷走があるという状況があります。
まず、このワクチンですけれども、新型コロナ対策調整会議で今後の検討となっていたワクチンの活用についてどうなっているのか、現状を伺います。
○末村運営担当部長 コロナ対策調整会議における中間整理は、ワクチンを前提としなくても安全・安心な大会ができるよう検討し、取りまとめたものでございます。
ワクチンにつきましては、調整会議の中間整理において、利用可能となった場合の対応を、取り扱いの詳細を定める必要がある課題としているところでございます。
○斉藤委員 ワクチン接種を前提としなくても大会に参加できるということを示しているということですけれども、しかし、この間の報道の中で、それが揺らいでいるような状況もあります。
まず、ワクチンについてですけれども、供給について、要するに、まだ決まっていないということですが、日本においても、この供給はおくれが生じて、高齢者三千六百万人の二回分接種できる量を供給するのが六月末になる見込みになっているということです。
また、変異株の増加の中で、その変異株に対する現在のワクチンの有効性についても、まだ確定的なことがわかっていない状況です。
選手のワクチン接種については、発展途上国で供給がおくれているというだけでなく、ドイツでは、五輪候補の七〇%以上が優先接種に反対し、イタリアでは、NOCが選手に優先接種は要求しないということを表明しています。各国で、選手に優先的に接種を行うことに対しての疑問の声が上がっている状況です。
IOCのバッハ会長は、先ほどもありましたように、ワクチンの接種を選手に義務づけないというふうなことを示してきましたけれども、しかし、十二日の報道では、中国のオリンピック委員会から、東京大会と二〇二二年冬季の北京大会の選手や関係者に中国製のワクチンを提供するという申し出があり、バッハ会長が、IOCが費用の負担を行うと述べたということも報じられております。率直にいって、迷走しているという状況ではないでしょうか。
こういう状況の中で、この夏の五輪の開催が、コロナ感染を世界に広げてしまう契機になってしまうんじゃないかと危惧する声も上がっています。
ことしの夏の五輪開催が現実的ではない、私たちがそう考えるもう一つの理由は、医療体制の問題です。
大会を支える医療スタッフの体制について、そもそも、新型コロナの感染症が発生する前の試算で一万人のスタッフが必要といわれていますが、その確保の見通しはついているのか。
また、コロナ対策を含めて、一万人の医療スタッフで十分なのかと検討されているのか、伺います。
○末村運営担当部長 大会運営に係る医療スタッフの確保につきましては、組織委員会とともに、東京都医師会、救急、感染症医療の専門家等からもご意見を伺いながら、感染状況や地域医療への影響等を踏まえ、検討、精査を進めているところでございます。
安全・安心な大会に向けた準備を着実に進め、必要な医療スタッフが確保できるよう取り組んでまいります。
○斉藤委員 検討、精査をしているということです。この質問は、二月五日のオリ・パラ特別委員会でも、我が党のあぜ上都議が同じ質問をしています。このときも調整を進めているというお答えで、見通しがついていないという状況でしたが、それから一カ月たっても状況は変わっていないということが今のご答弁で明らかです。
新型コロナの感染は、ご承知のとおり、東京都では、下げどまりから増加傾向にあるんじゃないかという状況になっています。今は、変異株の増加も脅威になってきています。
大会を支えるオリンピック病院は、墨東や広尾、多摩総合の都立病院など、コロナ患者を受け入れて、対策の最前線に立っている病院ばかりです。ほかの診療科目を縮小してコロナの感染症対策に必死になって当たっている中、また、終息の見通しもできていない中で、大会に人員や施設を割くということは、見通しは立たない、これは当然ではないでしょうか。
さらに、アスリートファーストの視点からも、フェアな大会にならないということは明らかではないかと思います。
現時点でも、陸上のパラアスリートの伊藤智也選手は、難病を持ち、海外で行われるクラス分けの大会への遠征を、新型コロナの感染への懸念から断念したということが報じられています。出場のために命がけの行動を強いるパラリンピックが、選手ファースト、アスリートファーストの大会といえるのか、余りに無責任ではないか。この伊藤選手の言葉を、私たちは重く受けとめなければならないと思います。
こうした状況が、アスリートファースト、フェアな大会といえるのか、都の認識を伺います。
○川瀬競技・渉外担当部長 パラリンピックの代表選考及びクラス分けは、国際パラリンピック委員会や国際競技団体が定める基準に基づいて行われるものであり、各団体において適切に対応されるものと認識しております。
○斉藤委員 IPCや国際競技団体が定める基準に基づいて、各団体において適切に対応されるものと、私はすごく他人事の答弁に聞こえるのですけれども、日本のパラアスリートの切実な声に、東京都が向き合わなくていいのでしょうか。フェアな大会になるのか、関係機関と協議するべきではないかというふうに私は思います。
今後の動きについて伺います。
大会組織委員会は、新しい会長に橋本聖子前五輪担当大臣を迎えて、三月三日に、IOCとIPC、小池都知事、橋本大会組織委員会会長、丸川五輪担当相の五者協議が開かれましたが、そこでは、何が話され、どんな検討があったのか、オリ・パラ局は報告を受けているのでしょうか。本来なら、どんな議論が行われているのか、都民に公開する必要があると思いますが、見解を伺います。
○田中計画推進部長 五者協議では、安全・安心な大会運営を最優先とし、海外から来日する観客の観戦については三月中に、会場における観客数の上限については四月中に判断を行うことにつき、認識を共有いたしました。
また、大会の開催を通じ、ジェンダー平等、共生社会など、多様性と調和の一層の具現化に取り組んでいくこと等についても確認したところでございます。
会議の主な内容につきましては、終了後に報道機関に説明等を行うとともに、組織委員会のホームページなどで公開してございます。
○斉藤委員 海外からの観客を受け入れるかどうかは三月中、観客数の上限については四月中に決めるということは、私も報道でも見ましたし、ホームページでも確認しました。しかし、その議論の過程が明らかになっていません。
少なくともオリ・パラ大会における新型コロナ感染症対策調整会議については、議事次第や議事概要、資料などがホームページに掲載されています。
今回、そうした場での議論もなく、突然、五者会議を開催し、こうなりましたと結論だけを出されたということに、非常に違和感を覚えます。コロナ対策という科学的な判断が必要な事柄です。その根拠や議論の過程が都民にも見えるようにしていくことを強く求めたいと思います。
観客の受け入れについてどうしていくのかについては、そもそも、新型コロナ感染症対策調整会議の中間整理で、今後の検討としていくということになっていました。十二月以降、この会議は開催されているのでしょうか。
オリ・パラ大会における新型コロナ対策調整会議の開催状況や今後の予定について伺います。
○菅原調整担当部長 東京オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会議は、これまでに六回開催され、昨年十二月二日の第六回会議において中間整理を取りまとめております。
今後、必要に応じて会議が開催されるものと考えております。
○斉藤委員 今後、必要に応じて開催される予定ということですけれども、要するに、会議の開催予定は今決まっていないということだと思います。都民に開かれた議論を行うように強く求めるものです。
新型コロナの感染状況は、東京で下げどまり、先ほども申しましたけれども、さらに、増加の傾向へと転じているんじゃないかという状況の中、また、変異株の増加も懸念され、感染の終息の見通しが全くない、こういう状況です。
オリ・パラ大会の準備にしても、ワクチンの準備も、医療スタッフの確保も見通しが立っていない状況ですが、橋本組織委員会会長は、五者会議の後に、安全で安心な環境を確保した上で大会を開催するとコメントしています。
都は、どのように安全で安心な環境が確保できるというふうに考えているのか、改めて伺います。
○末村運営担当部長 全ての方にとって安全・安心な大会が実現できるよう、現在、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、国、組織委員会等と連携し、水際対策、入国後の移動、行動ルール、健康管理の徹底、発症時の対応など、対策の具体化を進めているところでございます。
これらの対策につきましては、組織委員会等が取りまとめたプレーブックを通じて、各国選手団や競技団体など大会関係者に周知を図ったところでございまして、今後、さまざまな知見も踏まえ、より実効性を高めるよう更新していくこととしてございます。
○斉藤委員 コロナ対策調整会議の中間整理、また、選手や大会関係者に向けたプレーブック、私も確認しましたけれども、ご答弁にあるように、まだこれから具体化を進めるという状況にあります。
これまでの質疑でも明らかなように、医療体制やワクチンの供給、さらには肝心かなめのコロナの感染状況の見きわめ、これが科学的に指針もない中で、安全・安心ということは、今から約束できないという状況ではないでしょうか。安全・安心と言葉だけでいっていても、何も保障がないというのが現状ではないでしょうか。そんな状況で開催ありきで突き進もうとすることは、無責任といわざるを得ません。
オリンピック・パラリンピック準備局として、新年度予算案では、大会準備のために三千九百八十三億円の予算を計上しています。しかし、まだ決まっていないことも多い中、それ以上の経費がかかるのではないかという声もたくさん上がっております。
観客についても、規模が決まるのは新年度の四月に入ってからということですが、それによっても費用が流動的になるということではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○菅原調整担当部長 五者協議により、海外から来日する観客の観戦については三月中に、また、観客数の上限については四月中に判断を行うこととなっております。
いずれにしても、大会経費バージョンファイブをもとにして、関係者と連携し、経費削減や収入確保などの努力を行うとともに、コロナ対策の具体化を図り、安全・安心な大会に向けて取り組んでまいります。
○斉藤委員 まさに収入確保の点も不確定ですし、これから東京都の負担がどうなっていくのかというのが見えていないという状況ではないかと思います。
先週開かれたIOCの総会では、海外からの観客を入れないということになれば、支払い済みのチケットや飛行機代はどうするのかという質問も相次いだということが報道されています。
さらに、海外からの一般の観客は入れない方向で検討する一方で、海外のスポンサー関連の招待客については大会観戦ができるように検討するという報道もありました。
こういうことで、公平性の問題からどうなのか、大きく問われています。誰のためのオリンピックなのか、結局、多くの市民は置き去りにされていく大会なんじゃないかという声が大きく上がっています。
基本的な確認ですけれども、今回の予算で示されている内容は、成立すれば、新年度の四月にはすぐにでも執行というふうになるのでしょうか。
○佐藤次長 令和三年度予算の執行につきましては、現在、この夏の安全・安心な大会の開催に向けまして、国や組織委員会などの関係者と連携協力いたしまして、準備を着実に進めているところでございます。
個別の事業の進捗に合わせまして、都議会の議決をいただいた後、四月以降、適切な時期に執行してまいります。
○斉藤委員 四月から、順次、適切な時期に執行するということです。当然のことだと思いますが、四月からは、事業によっては契約が始まり、予算の執行が行われるわけです。だからこそ、コロナ感染の終息の見通しが今なおない中で、ことしの夏のオリンピックは中止という選択肢について、早急に、この三月中にも関係機関と真剣に話し合う必要があるんじゃないかと思います。
新型コロナウイルス感染拡大を完全に抑え込むためには、今の東京都の持てる組織力、財政力をコロナ対策に集中するべきです。
世論について、東京都はどういうふうに受けとめているのか、伺います。
アメリカのPR戦略大手民間会社のケクストCNCが日米欧の六カ国に行った調査では、ことしの夏の大会の開催について、日本では反対が五六%で最も多く、イギリスとドイツでも過半数が反対と回答しています。
文春オンラインが行ったアンケートでは、中止、再延期すべきという回答が八七・六%にも上っています。世界的な規模のクラスターを東京で発生させる可能性がある、医療従事者にこれ以上負担をかけるべきではないという声が寄せられています。
東京都は、こうした世論をどのように受けとめているのか、伺います。
○田中計画推進部長 大会の開催につきましては、これまでもさまざまな調査が報じられていることは承知しております。
安全・安心な大会の開催に向けましては、現在、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、対策の具体化に取り組んでいるところでございます。
今後とも、国、組織委員会など関係者と連携協力し、安全・安心な大会の開催に向けて準備を着実に進めてまいります。
○斉藤委員 大会の開催については、これまでもさまざまな調査が報じられていることは承知しているということですが、それはつまり、ことしの夏の開催に反対の声が大きいということも承知しているけれども、その多数の国民の声は置き去りにしてオリンピックは強行しますというのが東京都の姿勢だということが今のご答弁だと思います。
都民、国民を見ていない、一体、誰のためのオリンピックなのかということが厳しく問われています。そんな姿勢で開催しても、喜ばれる大会にはならないんじゃないかと、私は本当に心配し、そして懸念しています。コロナ禍のもとで、本当に大会を開催できるのか、開催すべきなのかという議論が必要ではないでしょうか。
世論に基づいて、中止という選択について関係機関と議論するべきですが、いかがですか。
○末村運営担当部長 今夏の大会開催に向けまして、IOC、IPC、国、組織委員会等と検討、準備を進めているところでございまして、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、現在、対策の具体化に取り組んでいるところでございます。
引き続き、安全・安心な大会の開催に向けて着実に準備を進めてまいります。
○斉藤委員 あくまでも開催準備を進めていくという答弁ですけれども、本当に都民の皆さんの声、国民の声、そして、世界中の市民の声というものを、私は真剣に受けとめるべきだというふうに思います。
今、私も、まちに出れば、ことしのオリンピックはやめてほしいという切実な声をたくさんいただいています。なぜかといえば、コロナで暮らしも、仕事が減ったり、収入が減ったり、なかなか立ち行かない中で、何でオリンピックなのか、収入が減って生活するのに大変なのに、オリンピックを喜べない、また、お金がなくて困っている人がたくさんいるのに、都はどこを向いているのか、また、もしオリンピックで感染が広がれば、私たちの苦しみが続くことになる、こういう悲痛な声がたくさん届いているんです。皆さんもご存じではないかと思います。
多くの国民の命が脅かされ、暮らしが大きく傷ついているときに、その声を置き去りにしていくような五輪の開催は、その理念とも、平和の祭典とも相入れないものです。コロナの対策に集中して都民の命と暮らしを守るためにも、この夏の五輪の中止を関係機関と真剣に話し合う、そのことを私は東京都に強く求めます。
次に、スポーツ振興について伺います。
都民のスポーツの機会を保障し、その振興を図っていくことは、都民の健康と豊かな暮らしを支えていくためにも、東京都の重要な役割です。
都は、毎年、スポーツ実施率の調査を行っていますが、ことしの状況について一部質疑もありましたが、ことしの状況についてと、また、コロナの影響についても調査しているのか、調査していれば、その内容について伺います。
○鈴木スポーツ推進部長 昨年九月に生活文化局において実施しました都民生活に関する世論調査によりますと、週一回以上スポーツを実施する人の割合であります都民のスポーツ実施率は六〇・四%でありまして、平成三十年の前回調査から三・二ポイント増加をいたしました。
また、本調査では、新型コロナウイルス感染症によるスポーツ、運動習慣の変化についても調査をしておりまして、スポーツ、運動をする頻度が減ったと回答した人は四一・四%、変わらないは二五・三%、ふえたは九・六%でございました。
○斉藤委員 私も、この調査結果を確認しましたけれども、実施したスポーツの内訳を見ますと、ウオーキングや体操の実施率がふえています。私も、最初の緊急事態宣言のときは、地元の荒川の土手にウオーキングに行きましたが、新型コロナによる自粛の影響で、外でのウオーキングや体操の実施をする方がふえたのかなということが推測されます。
一方で、新型コロナ感染症によるスポーツ、運動習慣の変化という調査もやっていただいたということでしたが、ご答弁のとおり、スポーツ、運動をする頻度が減ったと回答した人は四一・四%にも上ります。
これ以上の詳細の調査はないので、正確なところはわかりませんが、私の身近なところでも、公共施設を使うスポーツクラブが自粛になったために、クラブ活動や大会ができなくなったという事態が広がっています。
また、民間のスポーツ団体や主催者の方からは、活動ができなくなったことで月謝が入らず、経営や活動維持が困難になっているという声も届いています。
こうしたことで都民スポーツの裾野が縮小してしまうことはあってはならないというふうに思いますが、都の認識を伺います。
○鈴木スポーツ推進部長 新型コロナウイルス感染症の影響により、スポーツを取り巻く状況は変化しておりますが、新しい日常におきましても、都民のスポーツ活動を推進することは重要と考えております。
○斉藤委員 都民のスポーツ活動を推進することは重要という、大事な認識だと思います。だからこそ、スポーツ活動の担い手を守るために、東京都が今、役割を果たすということが求められているというふうに思います。
都民のスポーツの機会を守るための取り組みについて改めて伺います。
○鈴木スポーツ推進部長 都は、新しい日常においても都民のスポーツ活動を推進するためのさまざまな取り組みや対策を実施しております。
具体的には、オンラインを活用したウオーキングイベント等を実施するほか、都のホームページにおいて、家でも気軽に取り組むことができる運動を紹介するなど、都民のスポーツ実施の機会の創出に取り組んでおります。
また、地域スポーツクラブ等がスポーツ教室等を実施する際に、東京都レクリエーション協会などの統括団体や東京都スポーツ文化事業団を通じて、感染拡大防止に必要となる消毒液等の消耗品や、オンライン教室の実施に係る経費を補助対象としまして、地域のスポーツ活動が継続できるよう支援しております。
○斉藤委員 個人向けに、都のホームページで、家でも気軽にできる運動を紹介したり、また、都と自治体で連携して行っている、地域スポーツクラブには支援をしているということですけれども、スポーツ活動の担い手はそれだけではありません。
私は、スポーツ団体のコロナ禍での現状について、十月の事務事業質疑でも取り上げましたけれども、東京都には、百四十四の地域スポーツクラブだけでなく、二万三千六百八十六件の民間のスポーツクラブ、団体があるということを、そのときに伺っています。
ことしからまた緊急事態宣言になり、さらに再延長で自粛が長引いている中で、活動の継続が難しくなっている、さらに経営が追い込まれているという声、切実な声をいただいています。
地域スポーツクラブや、そのほかの民間のスポーツ団体の現状について、都として実態調査する必要があると考えますが、いかがですか。
○鈴木スポーツ推進部長 都は、東京都レクリエーション協会などの東京都全域を対象とする統括団体や東京都スポーツ文化事業団、東京都スポーツ推進委員協議会などと連携しまして事業を実施する中で、地域スポーツにおける実情やスポーツ団体の現状の把握に努めております。
また、地域スポーツクラブ連絡協議会や東京都スポーツ推進委員協議会定例会などのさまざまな機会を通じまして、団体の代表者や現場の担当者から、具体的な課題やニーズ等の声を聞いてございます。
○斉藤委員 今、体育協会や、地域スポーツクラブなどについては、この代表者を通じて意見を聞いているということですけれども、やはり対象が限定的なわけです。民間のスポーツ団体の状況というのは、つかんでいないということだと思います。
私は、スポーツの裾野をなくしていかないためにも、都として広く実態を把握していくということが必要だというふうに思います。二万四千件近い団体全てから聞き取りするということは無理かもしれませんけれども、区市町村を通じて、少しでも現状をつかんでいくべきではないかというふうに思います。
民間のスポーツ団体主催者の方々は、文化芸術の方々と同様に、活動できないことによって収入も途絶える中で、新たな事業に対する補助だけでなく、何にでも使える給付型の支援が欲しいと切実な声を訴えております。
新年度予算案では、スポーツ推進費は前年比で三十一億円減になっています。施設整備が終わったということが要因だということですけれども、そのまま減らすということではなく、コロナ禍だからこそ、困難を抱えているスポーツ団体への支援へと踏み出すべきだということを今、訴えたいと思います。そのことを強く求めて、質疑を終わります。
○田の上委員 私からは、東京二〇二〇大会について伺いたいと思います。
コロナ禍の中で、今、この大会に関しては、残念ながら、地元でも否定的な声が聞こえてくるところでございます。都民から、中止、延期という声も聞こえてきます。
私たち都民ファーストの会では、アスリートファーストの視点で、たとえ感染状況によって無観客という選択肢があったとしても、競技大会を開催すべきであるというふうに考えております。そして、たとえ映像からであっても、スポーツの意義や感動を伝え、コロナ禍の中で困難な状況下にある都民を元気にすることができるのではないかというふうに考えております。
しかしながら、開催するのか否かもはっきりわからない、また、都民から見れば、IOC、JOC、都の役割、国の役割の区別がつきません。誰に最終の決定権があるのかもわからない。そんな中で、民泊を擁している施設や、例えば外国人観光客向けにメニューをつくっている飲食店や、また、外国人の対応をすることを楽しみにしていたボランティアの方、こういった方々からも不安の声が聞こえてまいります。
そして、新型コロナウイルス感染症の蔓延で自粛が迫られている中、事業がうまくいかない、先ほど来出ておりますが、生活もままならないなど、なぜ今、多額の費用を投じて大会が開催されるのかという疑問を持つ方もいらっしゃいます。
そこで、大会の意義に関して、一つ一つ確認してまいります。
まず、復興五輪です。
当時の石原東京都知事が招致に乗り出したときに、二〇一一年六月に、復興五輪と銘打って、東日本大震災からの復興をアピールしたと記憶しております。当時の安倍総理大臣も同様に、東日本大震災や福島第一原発事故からの復興した姿を世界に発信するというふうに述べておりました。
現在は、この復興五輪の意義はどのように生かされているのでしょうか。コロナに打ちかったあかしにという言葉も一方で聞こえてまいりますが、この復興五輪を含め、大会を開催する意義は何なのか、伺います。
○田中計画推進部長 東京二〇二〇大会の原点は復興オリンピック・パラリンピックであり、都はこれまで、被災地の現状と支援への感謝を世界に発信するため、組織委員会や被災県等と連携しながら、さまざまな取り組みを行ってまいりました。具体的には、海外メディアを対象とした被災地取材ツアーや、復興に向けて力強く歩む姿を伝える映像の発信等に取り組んできたところでございます。
最大の課題である大会のコロナ対策につきましては、国、組織委員会等とともに、現在、コロナ対策調整会議の中間整理に基づき、対策の具体化を進めております。こうした取り組みは、これまで大会に向けて進めてまいりましたTDMやテレワーク等のスムーズビズとともに、大会後の都民の安全・安心な暮らしの実現に寄与するものでございます。
さらに、世界で初めて二回目の夏季パラリンピックを開催する都市として、都は、障害者スポーツの普及啓発やバリアフリーのまちづくりなど、ハード、ソフト両面からレガシーを見据えた取り組みを進めており、共生社会の実現など、豊かな都民生活の実現につなげてまいります。
○田の上委員 開催そのものだけではなくて、さまざまな取り組みを今までやってきた、それから、ハード、ソフト両面から、さまざまな整備というものも進めてきたということでございます。
ちょうど先週の三月十一日で、東日本大震災から十年ということでございます。ぜひこの当初の意義というものを生かしながら、また新たな二〇二〇大会という意味も含めて大会意義を伝えていっていただきたい、そのように考えております。
そして、オリンピックの理念について伺います。
五輪憲章の七つの原則のうち、原則2では、オリンピズムの目的は、人間の尊厳保持に重きを置き、平和な社会を推進することにあるとされています。原則4では、スポーツは人権の一つであるとうたわれ、原則6では、人種、宗教、政治、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はオリンピックと相入れないとされています。
さきの森元組織委員会会長の差別発言は相入れないものであり、国内外の批判を浴びていることは周知のとおりです。大会トップの性差別発言に誰も反論せず、笑いが起きる。大会組織委員会にも、JOCにも、性差別を容認する風土があるのではないかという指摘があります。非常に厳しい指摘ではございますが、森元会長の発言を受け、人権後進国の日本には開催の資格があるのかという声も聞こえてまいります。
オリンピックムーブメントは、このオリンピズムを広げていく活動全般のことを指し、何も大会開催だけをあらわすものではありません。五輪憲章では、さまざまな活動を四年間かけて行うとされ、大会は、その中の一つとして一年目に開くよう定められています。日本では、招致から決定、準備の過程の中で、この五輪憲章が行き渡っていなかったと思われても仕方のない状況であります。
一方、都では、人権条例ともいえる東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を二〇一八年に成立させています。
多様性と調和という大会ビジョンを踏まえ、今後、都や組織委員会ではどのように人権尊重への取り組みを行うのか、見解を伺います。
○田中計画推進部長 都は、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を踏まえ、大会を契機に、啓発や人権意識の醸成などの取り組みを行ってまいりました。
これまでも、スポーツの世界で女性がより一層活躍できるよう、女子アスリートや指導者向けの冊子を作成し、競技活動の留意点や適切な体調管理等の正しい知識の理解促進を図る取り組みを進めてまいりました。
また、差別やハラスメントの根絶などを図るため、都内競技団体の役員や指導者に対する研修などを実施しております。
大会を支えるシティキャストの研修では、性別や性的指向、障害の有無などの違いを尊重し、受け入れることの重要性について理解を共有してまいりました。
組織委員会では、ジェンダー平等の取り組みとして、理事会における女性の理事の比率を四〇%以上とし、さらに、小谷実可子スポーツディレクターをヘッドとするジェンダー平等推進チームを設置し、さまざまな取り組みを進めることとしております。
組織委員会とも連携協力し、大会の理念である多様性と調和を具体化するよう取り組みを進めてまいります。
○田の上委員 条例を踏まえて啓発や人権意識の醸成の取り組みを図っていく、また、スポーツ界での研修やシティキャストの研修など、多様性と調和を具体化するというご答弁をいただきました。ぜひ、これからさまざまな機会を捉えて大会の信頼回復を図っていただきたいと要望いたします。
次に、国際交流についてです。
開催は、ホスト国や参加国、地域の人々が一堂に会し交流すること、異なる文化を理解し、平和な世界につなげる機会にスポーツが貢献するということにあります。
前回の事務事業質疑でも取り上げさせていただきましたが、各国の事前合宿を受け入れたり、交流事業を行ったりするホストタウンでは、感染拡大の影響で交流の難しさが浮き彫りになっています。この交流ができないのならば、大会意義の一つは失われてしまうのではないかというような声も聞こえてきます。
こうした大会を通じたホストタウンなどの国際交流の意義と現状について伺います。
○小池自治体調整担当部長 ホストタウンは、その地域の住民が東京二〇二〇大会に参加する国、地域のアスリートと交流できる貴重な機会でありまして、大会後も、スポーツ振興や地域活性化など、さまざまなレガシーが期待される取り組みでございます。
新型コロナウイルス感染症による制約がある中、各区市町村におきましては、受け入れ相手国とオンラインを活用した交流や、在留外国人の方とお互いの文化を理解する取り組みなど、大会に向けて、それぞれ工夫しながら交流を進めております。
また、大会時にアスリートを受け入れるに当たりましては、アスリートと住民双方の安全・安心を確保するため、区市町村が受け入れマニュアルを作成することとなっておりまして、移動や宿泊等の感染防止対策や交流方法などについて検討を進めているところでございます。
現在、都内では、二十九の自治体が国からホストタウン登録を受けておりまして、都といたしましては、区市町村がマニュアルの作成や受け入れ準備を具体的に進められるよう、受け入れ自治体の課題等への助言や、区市町村間で情報を共有し、相互連携を図れるようにしております。
○田の上委員 二十九自治体が取り組みを進めている、工夫をしながら、オンラインなどを活用しているということでございます。ぜひ今後とも、工夫をしながら国際交流を続けていただきたいと思います。
次に、透明性の確保についてです。
オリンピックといえば、莫大なお金がかかるまた、巨大マネーが動く招致疑惑というものもあります。前回の事務事業質疑でも取り上げましたが、こうした疑惑がある限り、都民の理解はなかなか得られないものです。都民からはよく見えないけれども、何らかのお金の動きがあるという疑惑から、単純にオリンピックについては反対という方もいます。
ロビー活動などにつきましては招致委員会が担当しており、都から公費も支出していないという見解かと思いますが、都民からすれば、招致委員会、組織委員会、東京都の区別はほとんどありません。
大会に係る経費の縮減はもちろん、可視化を図るなど、透明性の高い大会開催に向けて今後の取り組みを改めて伺います。
○菅原調整担当部長 大会経費については、都立新規恒久施設の整備費用の削減や、組織委員会と連携して、IOCに対し要件緩和を求めるなど、経費の縮減に取り組んでまいりました。
大会延期後は、全ての関係者と一体となって大会の簡素化に取り組み、縮減を図ってまいりました。
また、大会経費の総額については、追加経費や負担額等の精査を行い、毎年公表してきております。このうち、公費を充当する共同実施事業については、共同実施事業管理委員会において、計画、予算、執行の各段階で精査、確認を行ってきております。
今後とも、こうした取り組みをホームページで公表するなど、透明性を確保し、都民の皆様のご理解をいただけるよう努めながら、大会の準備を着実に進めてまいります。
○田の上委員 残念ながら、招致疑惑についての言及はありませんでしたが、都がホストシティーとなって開催する大会でございますので、ぜひ東京都が積極的に今までの招致疑惑を解明していくんだという姿勢を見せていただきたいと、要望だけさせていただきます。
そして、大会経費につきましては、引き続きの精査による縮減、公表による都民及び第三者の視点を取り入れることにより、一層の透明性を図っていただきたいというふうに思います。
次に、聖火リレーについてです。
組織委員会は、三月二十五日にスタートする聖火リレーに参加予定の全国の著名人ランナー約六百人のうち、百人以上について、日程や走行場所の調整が済んでいないということを明らかにしました。
著名人ランナーで辞退された方がいるとのことですが、この理由について伺います。
○田中聖火リレー担当部長 組織委員会によりますと、聖火ランナーへの内定の連絡は、昨年十二月二十五日に行っておりますが、著名人ランナーにつきましては、沿道に多くの観覧客が集まるおそれがございまして、お一人お一人に走行できる場所等を検討する必要があることから、この時点での連絡ができなかったとのことでございます。
走行場所等の調整がついた著名人ランナーに対しまして、二月二十五日以降、順次、日程等の内定の連絡を行ったところ、その中にはスケジュールの都合がつかない方があったと伺っております。
○田の上委員 昨日、たまたま同じような視点で、毎日新聞の記事が出ておりました。一般的には、こうやって著名人のランナーの方が辞退されると、一体、何が原因だろうと考えてしまいます。森元会長の発言が原因なのか、それともコロナ禍のことなのかというふうに考えてしまいますが、森元会長の発言がきっかけとなったのは一名だけというふうに記事にも書いてございました。ほかの方は、皆さん、スケジュールの都合ということでございます。
しかしながら、この大会を開催するのかしないのかわからない、また、いつになるのかわからない、聖火リレーをどうするのかわからないという不確定要素の中で生じた辞退ということだと思いますので、今後はなるべく、このコロナ禍の中で非常に難しい判断でもありますけれども、こうした事態がふえないように、引き続きのご努力をお願いしたいというふうに思います。
次に、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
まず、選手村でございます。
今までの大会では、選手に無料でコンドームが配布されていました。そしてまた、先日、東京二〇二〇大会でも、選手村で配られるコンドームの数が約十六万個に上ることが報道されました。
この間、局の皆さんとお話をしていく中で、これまでの大会での配布は企業寄附ということでございました。エイズ対策を初めとした性感染症予防啓発とのことです。そしてまた、今回は、組織委員会もこの配布自体をどうするかということを検討しているというお話でございました。
しかしながら、そのことというのはなかなか知られておらず、企業寄附ということがわからない都民からすれば、費用の使い方に疑問が持たれる、また、コロナ禍の中で、選手村から外出して使用するものであり、濃厚接触を推奨するのではないかというふうに捉えられる、こういった疑念もございます。
皆さん、都も含めて、コロナ対策で苦心しているものと存じておりますが、都民からすれば、長く続く自粛の中で、コロナ対策を最優先してほしいというふうに思うものでございます。
選手村を通しての感染拡大はこれまでにも懸念されてきたことであり、限定された域内にいることから、一国の選手団から、さらに別の国の選手団に感染する可能性があります。
例えば、国ごとに宿泊をする、そして、たとえ、どこかの国の選手団に感染が発覚したとしても、ほかの国の選手団には感染しない等、工夫していく必要があると考えます。選手村を利用するならば、コロナ感染症拡大を防ぐための徹底したルールが必要と考えます。
選手村の利用については格段の配慮が必要と考えますが、見解を伺います。
○末村運営担当部長 選手村は、多くの選手が共同生活をする場であることから、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底することが重要でございます。
このため、選手の感染症対策につきましては、選手が行動できる範囲を、競技会場、練習会場など用務先を限定するとともに、移動についても、原則として専用車両を使用することとしてございます。
また、選手村での滞在期間の短縮やマスクの着用、手指衛生などの基本的な感染防止策、選手の体調を定期的に確認するなど、行動ルールの徹底を図ってまいります。
これらの対策については、組織委員会等が取りまとめたプレーブックを通じて、各国選手団や競技団体など大会関係者に周知徹底を図ってございます。
こうした行動ルールの徹底を通じまして、選手村における安全・安心を確保してまいります。
○田の上委員 選手が行動できる範囲を、競技会場、練習会場など用務先を限定するとともに、移動についても、原則として専用車両を使用する等々、行動ルールも徹底されているということでございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
済みません、先ほど、一つ、聖火リレーの質問を飛ばしてしまいました。改めてさせていただきます。
聖火リレーにつきまして、都道府県をまたいでの応援は控え、沿道ではマスクを着用して、大声は出さず拍手だけ、密集が発生したらリレーを中止する、できるだけインターネットのライブ中継で見るようにという形で進めていて、いつ、どこを誰が走るなども三十分前まで発表しない、沿道でリレーができない場合は、点火セレモニーを無観客で実施するという報道があります。
沿道での聖火リレーができず、点火セレモニーを無観客で実施する場合であっても、聖火リレーの意義とはどんなものなのか、見解をお示しください。
○田中聖火リレー担当部長 オリンピック聖火リレーは、希望の道をつなごうというコンセプトのもとに、日本全国を隅々までめぐり、多くの人々に希望と勇気を与えるとともに、オリンピックへの関心と期待を呼び起こす重要な役割を持っております。
そのため、組織委員会は、新型コロナウイルスの感染状況により、都道府県ごとに、公道での聖火リレーを見合わせた場合でも、関係者による点火セレモニーを実施し、全国で聖火をつないでいくこととしております。
都は開催都市として、国内をめぐってきた聖火をしっかり受け継ぎ、大会の開催に向けて機運醸成を図ってまいります。
○田の上委員 ぜひ全国で聖火をつないでいただき、機運醸成を図っていただきたいというふうに思います。
最後に、大会の観客についてです。
本日の質疑の中でも、三月中に、海外からの観客についてどうするかが決定される、そして、四月中に、その他の観客について決定されるというくだりがありましたけれども、昨年の事務事業質疑の中では、無観客での開催も視野に、ゼロベースからの大会のあり方を考える必要があると、我が党の平議員が主張いたしました。
何のための開催なのかという大会意義を踏まえ、外国人観光客を受け入れないパターン、観客数を二分の一にするパターン、三分の一にするパターン、無観客の場合など、幾つかの想定をした上で準備をする必要があると思いますが、改めて見解を伺います。
○末村運営担当部長 大会の開催に向けましては、選手、大会関係者、観客、都民など全ての方にとって安全・安心な環境を提供することが重要であり、現在、コロナ対策調整会議の中間整理に基づきまして、対策の具体化に取り組んでいるところでございます。
海外から来日する観客につきましては、国内外の新型コロナウイルス感染状況や防疫措置、専門家による科学的知見を踏まえ、三月中に判断することとしてございます。
また、会場における観客数の上限につきましては、国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に、専門家による科学的知見等を総合的に勘案し、四月中に判断することとしております。
これらの状況を踏まえまして、中間整理の工程表に沿って、国、組織委員会等の関係者と連携し、安全・安心な大会の実現に向け、着実に準備を進めてまいります。
○田の上委員 どんな形になっても、リスクマネジメントということでしっかりとやっていただきたいと思います。また、既にチケットを買って、そのままどうしたらいいかわからない方もいらっしゃいますので、速やかに混乱のないような形で周知していただきたいと要望いたします。
私ごとではございますが、ずっと昔なんですけれども、三十代の前半のころに、私はナイキジャパンという会社におりまして、ランニングの担当の広報をしておりました。そのときにホノルルマラソンも担当しておりまして、そのころ、当時、もう二十年近く前なんですけれども、長谷川理恵さんというモデルさん、芸能人の方が、フルマラソンを始めたばかりだったのですが、その中でホノルルのフルを走ったわけなんです。
私はそのとき、ちょっと現地には行かれなくて、映像で見たのですけれども、ふだんはとてもきれいなモデルさんなんですが、もう化粧も落ちて、メークも落ちて、ぼろぼろで、汗だくだくで、すごい顔をしていたのですけれども、大変美しかったんです。そのことは本当に、二十年近くたった今も、あの顔は忘れることができません。
そういったスポーツの喜び、美しさ、走る楽しみ、こういったものを、映像であっても受け取ることができます。ですので、このコロナ禍の中で、大会を開催しない方がよかったといわれないように、そして、開催することによって、どんな状況であっても、よかった、感動を与えられた、そういった大会にしていただきたいという思いがございます。
ぜひとも引き続きのご尽力をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
以上でオリンピック・パラリンピック準備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時四十四分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.