文教委員会速記録第二十三号

令和二年十二月十一日(金曜日)
第三委員会室
午後一時十分開議
出席委員 十三名
委員長河野ゆりえ君
副委員長田の上いくこ君
副委員長早坂 義弘君
理事とや英津子君
理事谷村 孝彦君
理事平  慶翔君
内山 真吾君
龍円あいり君
林あきひろ君
斉藤まりこ君
伊藤こういち君
大場やすのぶ君
両角みのる君

欠席委員 一名

出席説明員
生活文化局局長野間 達也君
次長土岐 勝広君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務根本 浩志君
私学部長濱田 良廣君
教育庁教育長藤田 裕司君
次長松川 桂子君
教育監宇田  剛君
技監矢内真理子君
総務部長安部 典子君
都立学校教育部長谷 理恵子君
地域教育支援部長田中 宏治君
指導部長増田 正弘君
人事部長浅野 直樹君
福利厚生部長小菅 政治君
人事企画担当部長黒田 則明君

本日の会議に付した事件
意見書について
生活文化局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百七号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その一)について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第二十号 東京都学生応援給付金条例
教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百九十五号議案 学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
・第二百八号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その二)について
・第二百十八号議案 東京都立埋蔵文化財調査センターの指定管理者の指定について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第二十一号 東京都小中学校給食費の助成に関する条例

○河野委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○河野委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、生活文化局及び教育庁関係の付託議案の審査を行います。
 これより生活文化局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 初めに、第二百七号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○根本総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る十一月二十七日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布の令和二年文教委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は一件でございます。
 一ページをお開き願います。1、学校給食用食材の放射性物質検査を実施した私立学校数でございます。
 平成二十四年度と二十五年度に学校給食用食材の放射性物質検査を実施した私立学校数について、学校種別ごとに記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○河野委員長 次に、議員提出議案第二十号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○斉藤委員 日本共産党の斉藤まりこです。
 今定例会に提案しました東京都学生応援給付金条例案について説明をいたします。
 この条例案は、新型コロナの影響で経済的にも精神的にも大きな影響を受けている学生に対し、学資等に充てるため、緊急に今年度中に三万円の給付金を一律に支給するものです。
 対象は、都内在住もしくは親などの生計維持者が都内在住の大学生、大学院生、専門学校生などです。
 学生が経済的に厳しい状況に置かれている根底には、世界一高いといわれている学費負担があります。二人に一人が奨学金を借り、低所得世帯に限らず、アルバイトで学費を賄い、生活を維持している学生は少なくありません。
 その中で起こった新型コロナ感染症拡大の影響で、アルバイトの継続が困難となるケースや、親の失業や減収などによる家計の急変によって、学生を取り巻く環境は厳しさを増しています。
 都立大学の前期授業料全額免除は、昨年度の一・七倍にもなっています。
 朝日新聞と河合塾の共同調査では、中長期的に学生への経済的支援が問題になると予想する大学は八四%にも達していると報じられています。
 私たちは、学生や学生団体から直接声を伺ってきました。新型コロナのために学生生活が一変した、夜中に突然、涙が出る、鬱症状がひどい友人もいる、経済的な大変さに精神的な不安が上積みされ、積もっていく一方だ、あるいは、久しぶりに連絡をとった仲間の中に退学してしまった人もいるという深刻な状況です。
 政府は、学生に対し緊急給付金を支給しましたが、対象が限定され、煩雑な手続に申請を諦めてしまった、給付を受けられた学生と受けられなかった学生の間に分断が生まれた、一人一人取りこぼさない支援をしてほしいという声が寄せられています。
 今、都内の大学の授業はオンラインが中心で、パソコン機器の購入や通信費の増加、図書館の入館制限による貸し出し、返却の郵送費、書籍購入費など、新たな負担も生じています。
 我が党は、学生支援について、議会で繰り返し求めてきましたが、知事は、学生の皆さんの学びの継続、そして、未来への飛躍を後押ししていきたいと答弁しています。
 今こそ学生への具体的な支援を行うときです。全国の四割の学生が集まる東京都として、未来を担う学生を応援するためにも、その第一歩として、この条例案へのご賛同を心から呼びかけて、説明を終わります。

○河野委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で生活文化局関係を終わります。

○河野委員長 これより教育庁関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 初めに、第百九十五号議案、第二百八号議案及び第二百十八号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安部総務部長 去る十一月二十七日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回要求のございました資料は三件でございます。
 一ページをお開き願います。1、公益財団法人東京都スポーツ文化事業団東京都埋蔵文化財センター人員体制の推移でございます。
 各年度の職員数につきまして、種別ごとにそれぞれ記載してございます。
 その下でございますが、2、東京都立埋蔵文化財調査センター指定管理料の推移でございます。
 各年度の指定管理料につきまして、それぞれ記載してございます。
 二ページをごらんください。3、学校給食用食材の放射性物質検査を実施した公立学校数でございます。
 平成二十四年度及び平成二十五年度に検査を実施した学校数につきまして、区市町村立学校は小中学校別に区市町村ごとに、都立学校は学校種ごとにそれぞれ記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○河野委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○龍円委員 私たち都民ファーストの会ではこれまで、LGBTを初めとする性的マイノリティーの方々の差別を解消するために、会派を挙げて取り組んでまいりました。
 二〇一九年四月には、性自認及び性的指向による差別を禁止する東京都人権尊重条例が施行され、同十二月には基本計画が策定されました。私は、こちらの文教委員会で要望した、性的マイノリティーの児童生徒が利用できるようなLINE相談が実現したことは、大変ありがたく評価しております。
 さて、私自身、スペシャルニーズのある子の親としてよく感じるのは、差別をする側には、しているという意識さえないということが多くあります。それは差別ですよというふうに伝えても、差別なんてしているつもりはないと、理解してもらえないことが多々あります。
 これは、こちらは結構傷ついているのに、傷ついていることにさえ気づいてもらえないということで孤独な気持ちになりますし、時には希望を持ち続けるのが難しいなというふうに感じることもあります。
 都教委の職員も含めて、都の職員で同性パートナーがいる方々が、事実婚に相当する福利厚生を受ける権利があるとして声を上げられております。同じ都の職員でありながら、異性のパートナーとであれば受けられる福利厚生を、同性のパートナーであると受けられないというのは、性自認及び性的指向による差別であります。都は、きっと差別しているつもりさえないことと思いますが、自分の働いている組織から差別を受けている当事者の皆様は、とても悔しく、やるせないものだと想像いたします。
 そもそもこの問題の根っこには、日本に、同性であっても異性と同じように婚姻ができる制度がないことにあります。既に、G7の中で同性カップルの婚姻またはパートナーシップ制度も持たない国は日本だけになっており、世界から大幅におくれていることは、とても残念なことです。
 しかし、国が動かないからといって、都が職員に対して差別的な扱いを漫然と続けていいとは思えません。
 そんな中、さきの第三定例会の本会議代表質問で、LGBT等の方々を初めとして、全ての職員が安心して働くことができるよう、都職員の福利厚生を一層整えていくべきという私たちの会派の質問に対して、都知事から、性自認及び性的指向、育児や介護などの事情にかかわらず、これまで以上に生き生きと活躍できるような休暇等、福利厚生制度の見直しを検討する旨の答弁があったことは大変評価いたします。
 都では、まだ処遇の見直しに向けて調査や検討をしている途中とのことですが、今回の条例改正案では、介護休暇についてだけ先出しする形になりました。条例改正の文言に同性パートナーについて表記がなかったこともあり、当事者からは、やっぱり自分たちには使えない制度なのではないかという不安の声が上がっています。
 そこで、まずお伺いします。今回の条例改正により、介護休暇等の対象となる要介護者の範囲に追加する同一世帯に属する者には、同性パートナーも含まれていることと思いますが、見解を伺います。

○黒田人事企画担当部長 今回の条例改正により、介護休暇等の対象となる要介護者の範囲として拡大する同一世帯に属する者とは、休暇取得しようとする学校職員と同一の住所で、かつ生計を一にしている者となります。
 この要件を満たしていれば、介護が必要な同性パートナーについても介護休暇等の対象となります。
◯龍円委員 同一の住所で、かつ生計を一にしている者という要件を満たしていれば、同性パートナーについても対象になるとのことでした。
 同性パートナーがいる方々は、さまざまな理由から、住民票上では同じ世帯にしていないことが多いと伺っております。条例改正案では、同一の世帯に属する者という言葉が、ぽんと特段説明もなく出てきたこともありまして、住民票上で同じ世帯に属していることを要件とされているのではないかというふうに読み取れてしまい、ほとんどの同性パートナーが実際は利用できないのではないかと懸念されています。
 また、同性パートナーの方々は、婚姻制度がまだ整備されていないことや、都として同性パートナーシップ制度を実施できていないこともありまして、なかなか自分たちの関係性を客観的に証明するようなものがありません。
 しかしながら、お互いに大切に思い合い、カップルとして、パートナーとして、かけがえのない家族として、助け合いながら、ともに人生を歩んでいるのは、ごく普通の結婚している夫婦と変わりがありません。パートナーが介護を必要としているときに、離職をすることなく介護休暇が取得できることはとても重要なことです。
 そこで、同性パートナーのいる学校職員が介護休暇を申請する際に、この書類とこの書類がなかったらだめというふうに要件をあらかじめ定めて、それを満たさなければ休暇を取得させないという運用をせずに、職員の話をよく聞いていただいて、どういう書類があれば関係性を証明できるか話し合いながら、一つの書類では関係性が証明しにくいのであれば、複数を組み合わせるような形で柔軟な対応をしていただきたいと思います。
 そこで、改めて伺います。同性パートナーのいる学校職員でいらっしゃる方々が、同性パートナーのために介護休暇を取得する場合、どのようにして同性パートナーが同一の世帯に属しているかを確認するのか、お伺いします。

○黒田人事企画担当部長 同一の世帯に属する者であることの確認については、住民票や公正証書、またはその他の書類により、同一の住所で、かつ生計を一にしていることを総合的な観点で確認することを想定しております。
 なお、必ずしも住民票上の同一世帯であることまで求めるものではございません。

○龍円委員 必ずしも住民票上の同一世帯であることを求めるものではないということと、総合的な観点で判断するという答弁があり、柔軟に対応するということが確認できました。
 ただ、同性パートナーのために介護休暇を取得する場合、その職員にとっては、申請すること自体が、上司に対して、初めてご自身の性的指向や性自認についてカミングアウトすることになるケースが多いと思います。
 その職員にとっては、とても悩んだ上で、勇気を出して申請なさる可能性があります。それに対して、上司の方がどのように対応するべきなのか、よく理解していないと、不用意にその職員を傷つけてしまったり、人権を侵害してしまうような言動をとってしまう危険性があります。
 例えば、どう対応をとったらいいのかわからないため、ほかの職員に不用意に相談してしまったことによって、本人の意思に反して、その方の性的指向や性自認に関してアウティングしてしまう事態になることもあり得ます。
 また、皆様の大切な奥様やご主人が介護を必要としているのだと話をするときと同じように、大切なパートナーが介護を必要としているのだということをしっかり受けとめて誠実に対応せず、ただの同居人のように扱ってしまうことで、その職員の尊厳を傷つける可能性もあります。
 この制度を活用していくためには、管理職を初めとして教職員が今回の改正内容をよく理解することと、同性パートナーのいる職員から申請があった場合に、人権を尊重する対応がとれるようにしておくことが必要と考えますが、そのためにどのような取り組みをするのか、伺います。

○黒田人事企画担当部長 今回の改正内容を区市町村教育委員会や学校に通知する際には、介護休暇等の対象となる要介護者の範囲拡大について、わかりやすく説明した教職員向けの資料を作成し送付するなど、十分な周知を行ってまいります。

○龍円委員 改正内容をわかりやすく説明した資料を作成して、周知を図っていくとのことでした。
 ここで一つ要望があるのですが、その資料に明確に、同性パートナーについても対象に含むということをわかりやすく書き込んでいただけないでしょうか。
 性的マイノリティーの教職員の方々は、学校ではご自身の性的指向や性自認についてカミングアウトしていないことが大多数だと思われます。今回、処遇改善のために声を上げた都立高校の教員の方にもお話を伺いましたが、とても学校でカミングアウトできるような雰囲気にはないとのことです。
 もし、条例改正の資料を読んでも、同性パートナーが含まれるのかどうかわかりにくい表現だとしたら、その制度を利用できるかどうかを上司に相談するためだけにカミングアウトしなくてはならないということになりまして、かなりハードルが高いものになります。
 たとえ、ご自身が利用できるということをあらかじめ知っていたとしても、それでもなお、申請とともにカミングアウトしなくてはならないのは、大変戸惑うことだと思います。
 だからこそ、その資料に同性パートナーが利用できることがはっきりと明記されておくことが重要だと思います。そうすることで、まず相談するためだけにカミングアウトする必要がなくなりますし、当事者の教職員にとっては、私たちの存在が認められていると感じることで、カミングアウトして申請する勇気を出す後押しになると思うからです。
 どうか通達資料にはわかりやすく、同性パートナーがいる教職員も対象になることを明確に記していただきますようお願いいたします。
 また、先ほどの上司の方の対応によっては、尊厳を傷つけ、人権侵害してしまう可能性があるとお話ししました。
 都では、職員のための性自認及び性的指向に関するハンドブックを作成しまして、ことしの夏から秋にかけて、都内の各中学校と高校に配布しております。残念ながら小学校には届いていないようなのですが、ハンドブックは、総務局の「じんけんのとびら」というホームページにPDFが公開されています。
 この条例改正の資料には、管理職の方には、改めてこのマニュアルをしっかりと読んで理解しておくことが必要であることも記載していただくよう、お願いいたします。
 また、残念ながら、こちらのマニュアルなんですが、教職員の方々には、まだその存在があることさえも知らされていない学校があると伺っています。これを機に、このマニュアルについても全ての教職員が読むよう徹底していただくよう、要望させていただきます。
 総務局によりますと、同性パートナーがいる職員の福利厚生を改善していく検討の最中にありながら、この介護休暇の条例だけ先に改正したのは、中途退職した教員の退職理由を改めて全庁的に調べたところ、介護離職が想像よりもはるかに多かったことから、急いで改正する必要があるとの認識からとのことでした。
 私もコロナ自粛中に、父親の介護をする母を手伝いましたが、食べる、排せつする、寝るなどの介護は待ったなしで、一日だって放っておくことはできないものです。自分しか介護する人がいない場合、即、介護離職に追い込まれ、生活困窮につながるシビアな問題です。
 そういう意味では、同性パートナーのいる職員の福利厚生について検討や調査が終了するのを待たずに、同性パートナーがいらっしゃる職員も利用できるような形で介護休暇について改正したことは評価できます。
 ただ、同性パートナーがいる職員からすると、パートナーとの関係性を事実婚と同等の関係性であることを認め、ほかの職員の皆様と平等に福利厚生を利用できるようになることこそが差別の解消であり、権利を尊重されることになります。それが実現してこそ、性的マイノリティーの職員の皆様が自分の職場に誇りを持ち、輝きながら仕事をすることができる職場環境が整っていくことと思います。
 また、そういう性的マイノリティーの教職員が生き生き働ける職場環境を育てることは、同時に、学校で学ぶ性的マイノリティーの児童生徒に対する配慮を行き渡らせるとともに、差別を排除して人権を尊重する次の世代を育てていくことにもなります。
 その意味で、引き続き、性的マイノリティーの教職員が働きやすい職場環境を育てていただきますよう、要望させていただきます。
 最後に、総務局人事担当者とお話ししておりますと、同性パートナーのいらっしゃる職員について、どのように確認をとるかというところに苦心されているようです。パートナーシップ証明や宣言がある自治体に住んでいる方と、ない自治体に住んでいる方がおりますし、公正証書を求めるとしたら、その費用の負担に不公平感があります。
 となると、やはりこういう観点からも、東京都においてパートナーシップ制度を定める必要があると感じており、今後、都におけるパートナーシップ制度を実現するべく、私は取り組んでいくことを宣言しまして、ここで質疑を終えます。ありがとうございました。

○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いいたします。
 私からは、議案二百十八号について質疑させていただきます。
 東京都立埋蔵文化財調査センターの指定管理者の指定については、特命による選定で、公益財団法人東京都スポーツ文化事業団に二年の指定をするというものであります。
 この間、スポーツ文化事業団の一部門である埋蔵文化財センターは、都内の遺跡の発掘調査事業と埋蔵文化財調査センターの指定管理業務を主として行ってきました。
 きょうは、スポーツ文化事業団を事業者として選定するに当たりまして、運営状況、あるいは東京都の文化財への考え方も含めて確認をさせていただき、審査したいと思います。
 埋蔵文化財は、地域に根差した最も身近な存在であり、その土地の歴史や文化を明らかにしていく上で欠かせないものであります。
 また、遺跡は、土木工事などによって破壊されやすく、一度失ったら、ほとんど復元は不可能であるという性質もあわせ持っています。
 それだけに、埋蔵文化財調査センターは、都内で開発が進む中で、貴重な文化財を守って保護して、将来に都民の貴重な財産を継承するために、今後もますます重要な役割を持っていると思います。
 その施設を管理する事業者には、埋蔵文化財についての専門性や経験が不可欠であり、東京都の埋蔵文化財への考え方も問われてまいります。
 そこでまず、埋蔵文化財の保護について、東京都としての考え、方針をお聞きします。

○田中地域教育支援部長 文化財は、我が国の歴史、文化等の正しい理解のため、欠くことのできないものであり、かつ将来の文化の向上、発展の基礎をなすものであります。
 こうした認識のもと、都教育委員会は、埋蔵文化財保護を図るため、土地に埋蔵されている遺跡を周知しております。
 遺跡の現地保存が難しい場合は、発掘調査を実施し、記録保存を行い、発掘調査の成果を活用し、普及啓発を行っております。

○とや委員 今ご説明があったとおり、一般的には、遺跡保存のために、極力、事業区域から除外する、区域の除外ですね。また、やむを得ず事業区域内に含めているけれども、その場合、区域内で遺跡に影響を及ぼさないような工法に変更するとか保存を図るという現状保存のやり方。そして、発掘調査を実施して記録を残すという記録保存という方法があるというふうに聞きました。
 そもそも遺跡は、そのままの形で保存しておくことが望ましいというものですが、やむを得ない場合に発掘調査をすることになっているわけで、特に大都市圏では、開発が進んで、そのたびに埋蔵文化財は発掘をされてきています。
 その大きなものが多摩のニュータウンですね。埋蔵文化財調査センターは、その多摩のニュータウンの遺跡の発掘調査がきっかけでつくられたと聞いています。一九八五年に開設しており、二〇〇六年から、当時の財団法人東京都教育文化財団が指定管理者として運営してきた。その後、公益認定を受けて名称変更を経た公益財団法人東京都スポーツ文化事業団として今日まで運営されてきていると聞いています。長い歴史の中で、経験と専門性も培われてきたと思います。
 そこで、この間の埋蔵文化財調査センターの業務内容や実績について伺っていきたいと思いますが、多摩ニュータウンで発掘された出土品の量は、発掘前の見込みよりも、かなり多くの出土品があったと聞いています。
 こうして出土された埋蔵文化財は、どのように調査、保存、継承、活用などが行われるのか、埋蔵文化財の扱いについて具体的にお示しください。

○田中地域教育支援部長 埋蔵文化財調査センターでは、多摩ニュータウンの開発で出土した出土品を保管しており、そのうち、調査報告書に掲載した遺跡の特徴を示す遺物約二十二万点にバーコードを添付して管理しております。
 特に活用頻度が高い重要出土品約一万点については、検索を容易にするためにICタグを貼付して迅速に貸し出しするなど、有効に活用しているところでございます
○とや委員 私も先日、実は埋蔵文化財調査センターに伺い、館内を案内していただきました。縄文時代、縄文時期からの出土品や、その時々にテーマを決めて展示がされておりまして、私が訪問した際は、中学生かな、見学に訪れていて、学習している様子も拝見することができました。
 子供たちが歴史を振り返って、その時代に生きた人々の歴史や文化、暮らしを知ることは、社会の発展を知るチャンスが身近にあるということで、大変意義深いというふうに思っています。
 センターは、主に多摩ニュータウンで出土した遺跡が展示されているわけですが、都内には、大規模な遺跡から小さなものまで膨大な量の遺跡があると聞いています。
 多摩ニュータウンの発掘調査を終えて、一九九一年四月から調査範囲を都内全域に拡大したとのことですが、九一年から二〇一九年までの埋蔵文化財センターが行った埋蔵文化財の発掘調査件数についてお示しください。

○田中地域教育支援部長 発掘調査においては、発掘作業、整理作業、報告書作成までの一連の作業を行い、その都度、報告書を作成しております。
 平成三年度から令和元年度までの発掘調査報告書は、三百四十件でございます。

○とや委員 約三十年間で三百四十件の報告書を作成されたというご報告でした。私も少し見せていただきましたが、大変分厚い報告書が、立派なものができておりました。
 一方、発掘届でいうと、都の資料によれば、二〇一八年度は開発に関連するものを中心に四千四百二十件。そのうち、東京都、区市町村教育委員会、東京都埋蔵文化財センター及び遺跡調査会等によって、九百十七件、十四万九千三百四十二平米を、開発に先立って試掘、確認調査及び記録保存のための本発掘調査を実施していると資料にありました。
 緊急発掘調査で埋蔵文化財センターが実施している発掘調査は二十七件、これは二〇一八年の数字ですけれども、調査面積は四万六百二十一平米とありました。
 都によるもの以外でも、多くの発掘調査が行われているんだなと。あるいは、発掘届も含めて、緊急発掘など、たくさんの発掘のきっかけが都内にはあるということがこの資料でわかります。
 最近では、一八七二年の国内初の鉄道開業時、東京湾の浅瀬に線路を敷設するためにつくられた高輪築堤の遺構が、港区の高輪ゲートウェイ西側の再開発現場で出土しています。これは民間開発などで地元の区が所管するものですが、都にも発見届が出ております。たとえ民間開発であったとしても、埋蔵文化財は都民、国民共有の財産であります。
 文化庁は、一九九四年に埋蔵文化財発掘調査体制等の整備充実に関する調査研究委員会を設置して、埋蔵文化財に関する諸問題を検討し、その結果を報告しています。
 これらの成果をもとにして、各地方公共団体において埋蔵文化財を保存、活用していく取り組みを行ってきたわけですが、九五年の埋蔵文化財保護体制の整備充実では、埋蔵文化財保護について、文化財は国民共有の財産であること、地域固有の財産でもある立場から、国、都道府県、市町村が役割分担しつつ、相互に連携することを強化する必要があると記載されております。
 そこで伺いますが、文化庁からも国指定史跡との関連性が高い遺構との見解も示されている高輪の築堤ですけれども、こうした遺構については保護すべきものだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○田中地域教育支援部長 お話の事案は、民間開発事業であり、埋蔵文化財センターと直接かかわりはなく、事案の所在する自治体で対応するものでございます。
 現在は、港区がJR東日本の協力を得て遺跡の試掘調査を行い、今後の取り扱いについては両者間で協議していると承知をしております。

○とや委員 基本的には、地方分権が進む中で各自治体が対応するというふうになったという経過があるので、今、港区が対応しているということですけれども、私、申し上げたとおり、やはりこういった遺構、遺跡は国民共有の財産であって、国や東京都が、各自治体が技術的にもなかなか、遺跡を発掘調査あるいは保存していく技術が追いつかない場合、その支援も必要とされているというふうな考え方もあると聞いておりますので、ぜひ対応をお願いしたいというふうに思っております。
 両者で協議ということですが、この遺構については、地元港区民の要望を受け、港区教育委員会として、事業者には遺構の保存と見学会の開催要望が出ています。
 東京都は、今回の遺構の発見届を受けて、どのような対応をしましたか。

○田中地域教育支援部長 本件の発見の際、文化財保護法第九十六条に基づくJR東日本からの届け出を受けたため、都教育委員会は、高輪築堤跡として東京都遺跡地図に登載し、周知をしました。
 届け出受理により埋蔵文化財包蔵地として周知されるため、周知後の対応について配慮をお願いする旨、通知するのが通例であり、本件についても同様の取り扱いをいたしました。

○とや委員 今、私がご紹介しました文化庁の文書では、都道府県の役割として、大規模あるいは広域にまたがる埋蔵文化財の保存、活用を国、市町村と連携して行う一方、市町村の業務を総合的に指導、支援する必要があるというふうに書いてあります。
 現在、都において、そのような対応ができるのは埋蔵文化財センターと考えます。こうした役割も含めて、都内全体の埋蔵文化財の発掘調査、あるいは市町村への支援も含めて、センターの機能強化を図っていただくことを求めておきます。
 次に、埋蔵文化財センターの人材育成について伺っていきたいと思います。
 埋蔵文化財の調査研究、保存は、経験の蓄積と専門性が求められ、災害時の保護、継承も大きな課題でもあります。
 東京都埋蔵文化財センターで埋蔵文化財保護に携わる専門職員の役割は大変重要と考えますが、いかがでしょうか。

○田中地域教育支援部長 埋蔵文化財調査センターを適切に運営、維持管理していくためには、考古学の専門知識、技術等の専門性が必要であります。
 同センターの学芸研究員には、文化庁や独立行政法人国立文化財機構が実施する研修等への参加の機会をつくるなど、専門性の維持向上に努めております。

○とや委員 公益財団法人スポーツ文化事業団の経営課題の中では、調査研究員の育成及び技術継承の必要性で、現在、一つの現場に二、三人しか配置されない小規模な調査事業が中心となっていること、大規模調査現場で可能だった、若手からベテランまで一つの現場に一定規模の職員の配置ができたときは、若手の職員の皆さんが、さまざまな専門、経験を有する職員から知識や技術を得ることができたけれども、現在はきめ細かな知識、技術の継承が難しくなっている、また、若手のいる現場に指導に適した人材を配置することも困難ということが記載をされておりました。人材育成には課題があるのかなと思いましたが、そこで伺いたいと思います。
 埋蔵文化財センターの学芸員の体制と新規採用状況、人材育成の内容、そして、現在の人材育成プログラムはいつから行っているのかについてお聞きします。

○田中地域教育支援部長 東京都埋蔵文化財センターの学芸員の体制については、現在は常勤職員と常勤嘱託員で構成をされております。
 平成二十七年度から令和元年度まで、常勤学芸員を毎年採用しており、採用人数は累計十八人でございます。
 専門性を維持、継承していくための人材育成は従来から行っておりますが、新規採用を再開した平成二十四年度からは、発掘調査手続などの基礎的研修を実施した上で、最新の発掘情報や出土品の取り扱いを含む総合的な研修の実施や、若手職員とベテラン職員を組み合わせたOJTなど、新人研修にも力を入れております。

○とや委員 埋蔵文化財センターでは、一九九六年から二〇一一年までの十五年間、固有職員の採用がありませんでした。二〇二〇大会に伴って、調査事業の増に合わせて採用されてきたようですが、私、この質問をするに当たって、さまざまな国の資料とかを読ませていただいたんですが、その中では、新卒で採用された職員を自立させるまでには二年から三年の実地経験が必要であること、その間、都道府県の手厚い指導、援助が必要ともいわれています。そのため、育成も困難になっているところが多いということです。
 また、きょう、お示しいただいた資料を拝見させていただきました。ありがとうございました。確かに、毎年三、四名の採用で、五年間で十八名の採用がされておりました。
 しかし、二〇一九年、この年でいいますと、常勤学芸員三十七名のうち、五年に満たない人たちが十八名いて、残りの人たちの勤続年数もわからないのですが、約半数の十九名が五年以上の勤続年数の学芸員であるというふうになって、経験の浅い学芸員さんと経験を一定程度積んできた学芸員さんが大体半分ずつぐらいなのかなというふうに読み取ることができます。そして、この体制をカバーしているのが、さらに嘱託の十九名の学芸員さんだというふうに思いました。
 埋蔵文化財センターが新規採用しても、退職者がいて、その分を採用しなければならないという形で、固有職員はなかなかふえていない。結局、嘱託職員、それから、今いる、ベテランかどうかわからないのですが、固有職員の人たちが一生懸命、新規採用された経験の浅い職員を支え、育てているという状況で、嘱託職員の人たちに頼らざるを得ないという状況もあるのではないかと思いますが、認識を伺います。

○田中地域教育支援部長 東京都埋蔵文化財センターは、指定管理業務のほか、自主事業である発掘調査事業を行っており、この自主事業の方が事業規模が大きくなっております。
 これらの事業も含め、埋蔵文化財センターの運営に必要な体制が確保されていると認識をしております。

○とや委員 学芸員さんの経験の構成のバランスが余りよくないと、資料からですけれども、私は読み取りました。それは、やはり十五年間の新規採用をしてこなかったという空白期間が非常に大きかったのではないかと思います。
 埋蔵文化財の保護、発掘調査には、専門性と経験は欠かせません。今後は、計画的な採用をぜひ、さらにしていただきたいということを要望しておきます。
 次に、指定期間についてです。
 埋蔵文化財の保護には、事業の専門性、継続性が求められると思いますが、いかがですか。

○田中地域教育支援部長 埋蔵文化財調査センターの収蔵品や遺跡庭園の管理を遂行するためには、考古学の専門知識を有する者を従事させることができることや、四万箱にも及ぶ収蔵品の出土場所や考古学的分類、評価等に精通している必要がございます。
 また、都の埋蔵文化財調査研究を担ってきたことにより蓄積した独自の研究成果や、最新の発掘情報を保有していることなどにより、埋蔵文化財調査センターの業務を適正に行うことができると認識をしております。

○とや委員 専門性や継続性の必要性は明らかだと思います。そういう意味で、調査センターの業務を適正に行うことができる団体なのかなということは、私も認識しているところであります。
 埋蔵文化財事業を移管して、今回、スポーツ文化事業団の事業は、スポーツ振興施策に特化していく方向での再整理をされるということを聞きました。
 その準備のための二年間の指定管理ということですが、二〇二〇年三月に最終改正が行われて、四月に施行となった指定管理者の指針を、今回、私、読ませていただいたんですが、この中で、一五年に改正された部分で、指定管理期間は原則五年から十年に延長される、そういった文言がございました。
 十年に延長される要件は、東京都政策連携団体が管理する特に主要な政策等との密接な関連性を有する施設、あるいは利用者との関係で長期的に安定したサービスの提供が求められる施設であります。
 こうした指針を読みますと、今回の二年間というのは、方針と矛盾しているのではないでしょうか。伺います。

○田中地域教育支援部長 埋蔵文化財調査センターは、東京都指定管理者選定等に関する指針の中で、指定期間は原則五年としつつ、施設の状況に応じて最適な期間を設定することとなっており、原則は五年のままでございます。
 施設の状況に応じて、最適な期間として二年とすることは、指針に矛盾するとは考えてございません。

○とや委員 埋蔵文化財調査センターについては、公益財団法人スポーツ文化事業団の一部門である埋蔵文化財センターが担って、発掘調査、保管、系統的な学習材料の提供や効果的な展示も行ってきました。
 人材育成についても、職員の処遇についても、二年の指定管理期間終了後、どのようになるか全くわからない状況で、期間を切って指定管理期間を終了することが適切な対応といえるのかどうか、大変疑問であります。
 東京都政策連携団体活用戦略におけるスポーツ文化事業団の戦略の項では、これ、読ませていただきましたが、専らオリ・パラ大会に重点が置かれて、埋蔵文化財事業を移管し、スポーツ振興施策に特化するとしか記載されておらなかったわけです。そして、先のことは全く不明であります。
 二年という期間は大変短く、余りにも見通しがないといわなければなりません。事業者がかわることによるリスクを考慮に入れていないのではないかというふうにもいわなければなりません。
 先ほどの答弁では、埋蔵文化財調査センターの管理を遂行するため、考古学の専門知識を有する者を従事させることができること、当施設の収蔵品について、出土場所や考古学的分類、評価等に精通している必要があるとお答えになりました。これは、それなりの長い期間の経験、蓄積、育成がなければできません。それは、これからも同じだと私は思います。
 東京都は、埋蔵文化財調査センターについては、スポーツ文化事業団を今回特命で選定して、専門性を有する最適な団体として指定しているにもかかわらず、その先も見通さず、指定期間を二年で終了することには大きな矛盾があるといわざるを得ません。
 むしろ、こうした施設は、指定管理者として指定するのであれば、十年に設定してもいいくらいの施設だと考えています。東京都の埋蔵文化財研究を担ってきた埋蔵文化財センターの役割や機能を絶対に後退させてはならないと思います。これは意見として申し上げます。
 さらに、指定管理者制度そのものの問題点として意見を申し上げますが、指定管理期間の終了時に事業者がかわる可能性のある制度が指定管理者制度であります。事業の継続性や、都民の財産を扱って、人材育成に力を入れるべき施設は、むしろ直営とすることがふさわしいのではないでしょうか。
 今回の議案は、これまで運営してきたスポーツ文化事業団が引き続き指定されるということで賛成をいたしますが、そもそものあり方をぜひこの機会に検討していただくことを求めて、質問を終わります。

○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○河野委員長 次に、議員提出議案第二十一号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○とや委員 共産党のとや英津子でございます。提案理由の説明をさせていただきます。
 今定例会に提案させていただきました東京都小中学校給食助成条例案について趣旨説明をさせていただきます。
 この条例は、都内公立小中学校及び特別支援学校の小中学校に在籍する児童生徒の保護者に対し、児童生徒一人当たり月額二千円を助成するものであります。
 近年、さまざまな事情により朝食をとっていない子供がいるなど、成長期に十分な栄養の確保ができないことが問題になる中、学校給食は、子供の食のセーフティーネットの役割も果たしてきました。
 さらに、新型コロナウイルス感染症によって、休校や休業、外出自粛で、経済も家計も大きな打撃を受け、給食費の負担軽減の必要性はますます大きくなっております。
 もとより学校給食は、憲法二十六条に位置づけられた義務教育の一環であり、本来、無償にするべきものです。しかし、実際には、無償の内容は、公立小中、特別支援学校の不徴収と小中、特別支援学校の教科書無償交付にとどまっております。
 日本共産党都議団が、ことし四月に都内小中学校の学校給食費の改定や公費補助の状況を調査したところ、十九自治体が今年度値上げをしていることがわかりました。食材費の高騰などによって、献立の工夫も限界になり、値上げを決めております。
 一方で、保護者負担を避けるため、都内三十二自治体が公費補助を実施し、一町四村は全員無償化をしています。全国的にも七十六市町村が無償化を実施しております。
 この背景には、学校給食は教育活動の一環であり、食育としても重要性を増しているにもかかわらず、食材費を保護者負担としている限り、負担を抑えれば質が保てない、質を上げれば負担が増すという問題があります。
 東京の子供たち全員が安心して質の高い給食を食べられるようにするには、東京都の役割が極めて重要です。
 都として給食費の保護者負担を軽くすることは、子育て支援や教育の充実を進めることにつながります。この条例が成立すれば、都道府県レベルでは、給食費の負担軽減制度は初めて実現することになります。
 条例案へのご賛同を心から呼びかけて、説明を終わります。

○河野委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○河野委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で教育庁関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時六分散会

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