文教委員会速記録第十六号

令和二年十月六日(火曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長星見てい子君
副委員長内山 真吾君
副委員長柴崎 幹男君
理事うすい浩一君
理事とや英津子君
理事福島りえこ君
林あきひろ君
龍円あいり君
あかねがくぼかよ子君
斉藤まりこ君
大場やすのぶ君
鳥居こうすけ君
谷村 孝彦君

欠席委員 一名

出席説明員
生活文化局局長野間 達也君
次長土岐 勝広君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務根本 浩志君
オリンピック・パラリンピック準備局局長中村 倫治君
次長理事兼務延與  桂君
次長総務部長事務取扱佐藤 智秀君
教育庁教育長藤田 裕司君
次長松川 桂子君
総務部長安部 典子君

本日の会議に付した事件
意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百六十三号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)中、歳出 文教委員会所管分
・第百六十八号議案 東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
・第百六十九号議案 東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
・第百八十二号議案 東京都江戸東京博物館外六施設の指定管理者の指定について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○星見委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書中、意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

   私学振興に関する意見書(案)
 東京の私立学校は、それぞれ独自の建学の精神や教育理念に基づき、新しい時代に対応する個性的で特色ある教育を積極的に展開しており、東京都ひいては我が国における公教育の進展に寄与している。
 現在、都内の学校に在学する園児・児童・生徒のうち、私立学校に在学・在園する割合は、高等学校で約六割、幼稚園では約九割を占めており、私立学校が東京の公教育に果たす役割は極めて大きい。
 今後、Society五・〇時代を見据え、新たな社会に向けて、子供たちが情報活用能力を身に付けるとともに、情報モラルを理解していくことがますます重要となっている。今般の新型コロナウイルス感染症の拡大により、学校におけるICTの活用が進んではいるが、学校ごとの取組に差が生じているのが実態である。また、家計急変による就学困難への対応も課題となっている。
 こうした状況において、公立・私立あいまっての教育体制を維持し、各学校が新たな時代に対応した教育を実践していくためには、私立学校振興助成法第一条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高等学校等の経営の健全性を高めていくことが求められている。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、令和三年度予算編成に当たり、私学教育の重要性に鑑み、教育基本法第八条に規定される「私立学校教育の振興」を名実共に確立するため、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持するとともに、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 私立高等学校等の経常費助成等に対する補助を拡充すること。
二 私立高等学校等におけるICT教育設備の整備に対する補助制度を拡充すること。
三 私立高等学校等における耐震化、省エネルギー設備の導入、換気・冷房設備の整備など、施設・設備に対する補助制度を拡充すること。
四 より一層の保護者負担の軽減を図るため、私立高等学校等就学支援金制度を拡充改善するとともに、都道府県の行う補助に対する国の支援を拡充すること。
五 都道府県の行う私立高等学校等奨学金事業に対する国の支援を拡充すること。
六 私立専修学校については、専門課程及び高等課程に対する新たな助成制度を設けること。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  令和二年十月 日
東京都議会議長 石川 良一
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 宛て

○星見委員長 本件は、議長宛て提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。
 なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○星見委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百六十三号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)中、歳出、文教委員会所管分、第百六十八号議案、第百六十九号議案及び第百八十二号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○とや委員 東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例について意見を申し上げます。
 本条例案は、マイナンバー法等の改定に伴う規定の整備を行うものです。これらの改正は、昨年の国の法改定によるもので、条例で引用する法律名が変更になるなど、法と連動することから、やむを得ないものであり、賛成であります。
 一方、法令は、マイナンバー法、デジタル手続法、戸籍法の三つの法改定が関係するものであります。私どもは、国民に役立つデジタル化は進めるべきとの立場ですが、これらの法改正は幾つかの問題をはらんでおり、看過できません。
 一つは、通知カードが廃止になり、もともと任意取得だったマイナンバーカードが、事実上、強制取得となります。
 そもそも通知カードを導入したのは、国民が亡失しにくい、なくしてしまいにくいということが理由でした。また、全国民がマイナンバーカードの交付を受けるのは困難だと判断したと、マイナンバー発足時の政府担当も法解説書の中で書いています。
 ところが、その後、わずか四年足らずで通知カードを廃止し、カードがなくても不便を感じない住民にカードを取得せざるを得ない状況をつくることになります。
 今でもマイナンバーカードの取得率は低く、東京では、ことし九月一日現在でも二四%です。
 二〇一八年に内閣府が行った調査では、取得していないし、今後も予定はないが五三%でした。理由は、必要性が感じられないが六割、個人情報の漏えいやカードの紛失や盗難を心配する意見も、合わせて六割です。
 二つ目は、戸籍法改定により、新たに戸籍事務とマイナンバー制度を結びつけることになり、プライバシーの重大な侵害を引き起こす危険性が強いものです。
 番号制度の運用開始である二〇一五年以降、十八年度の上半期までのわずか二年半余りで、漏えいは七百七十九件に上り、うち十五件は、百人分以上の情報漏えいなどの重大案件です。
 また、個人の婚姻関係などのプライバシーを含む大量の戸籍情報が情報屋などの売買対象になっています。
 さらに、二〇二一年三月からは、マイナンバーカードを健康保険証として利用することが可能になり、運転免許証をひもづけする動きもあります。
 マイナンバーカードの強制取得による紛失などのリスクに加え、あらゆる個人情報が圧縮されて詰め込まれれば、さらなる個人情報を侵害するおそれも出てきます。
 今定例会に上程された条例改正案は、国民のプライバシーにかかわる深刻な問題が山積みしている法改定が背景にあるもので、都として慎重な取り扱いを求めて、意見といたします。ありがとうございました。

○星見委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百六十三号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)中、歳出、文教委員会所管分、第百六十八号議案、第百六十九号議案及び第百八十二号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星見委員長 異議なしと認め、よって、第百六十三号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十号)中、歳出、文教委員会所管分、第百六十八号議案、第百六十九号議案及び第百八十二号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○星見委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情及びお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星見委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○星見委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、藤田教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○藤田教育長 所管三局を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げます。
 ただいま本定例会でご提案申し上げておりました議案につきましてご決定を賜りまして、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえ、これからの事務事業に万全を期してまいりたいと存じます。
 委員長を初め委員の皆様方には、委員就任以来、ICTを活用したオンライン教育の推進、児童生徒の学力、体力向上の推進、学校施設環境の整備、また、私立学校への助成事業の拡充、芸術文化の振興、消費生活行政の推進、さらに、スポーツの振興、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催準備など、私どもが所管しております事務事業に関しまして、さまざまな視点から熱心にご審議をいただきましたことに心から感謝を申し上げます。
 皆様方には、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

○星見委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 今期の文教委員会は、新型コロナウイルスのパンデミックによる学校の休校や東京オリンピックの延期など、都民生活に重大な影響が進行する中で、教育庁、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局の議案、事務事業、請願陳情など、重要な案件をご議論いただきました。
 内山副委員長、柴崎副委員長を初め、理事の皆様、委員の皆様のご協力に感謝申し上げます。
 また、理事者の皆様におかれましては、当委員会の審議に当たっての資料の提供など、大変ご協力いただきましたことに厚く御礼申し上げます。
 新型コロナウイルスの感染終えんがいまだ見えない中で、本委員会でご議論された貴重な内容が、今後、都民の命と暮らしを守る都政運営に生かされるよう願っております。
 最後になりましたが、小林書記を初め、議会事務局の皆様に支えていただき、円滑に委員会運営することができました。心から御礼申し上げて、大変簡単ではございますが、委員長からの挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十分散会

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