副委員長 | 内山 真吾君 |
副委員長 | 柴崎 幹男君 |
理事 | うすい浩一君 |
理事 | とや英津子君 |
理事 | 福島りえこ君 |
林あきひろ君 | |
龍円あいり君 | |
あかねがくぼかよ子君 | |
鳥居こうすけ君 | |
斉藤まりこ君 | |
谷村 孝彦君 | |
大場やすのぶ君 |
欠席委員 二名
出席説明員生活文化局 | 局長 | 野間 達也君 |
次長 | 土岐 勝広君 | |
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 根本 浩志君 | |
都民生活部長 | 馬神 祥子君 | |
私学部長 | 濱田 良廣君 | |
男女平等参画担当部長 | 赤羽 朋子君 | |
教育庁 | 教育長 | 藤田 裕司君 |
次長 | 小池 潔君 | |
教育監 | 宇田 剛君 | |
総務部長 | 安部 典子君 | |
都立学校教育部長 | 谷 理恵子君 | |
地域教育支援部長 | 田中 宏治君 | |
指導部長 | 増田 正弘君 | |
人事部長 | 浅野 直樹君 | |
福利厚生部長 | 小菅 政治君 | |
教育政策担当部長 オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 小原 昌君 |
本日の会議に付した事件
教育庁関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 教育庁所管分
生活文化局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百六十号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出 生活文化局所管分
○内山副委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
議事に入る前に、委員の皆様に申し上げます。
星見委員長から、所用のため、本日の委員会を欠席する旨の申し出がありました。
委員会条例第十条に基づき、私が委員長の職務を代行させていただきますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、教育庁及び生活文化局関係の付託議案の審査を行います。
これより教育庁関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百六十号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、教育庁所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○安部総務部長 去る七月十五日の当委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の文教委員会要求資料の表紙をおめくりいただき、目次をお開き願います。今回要求のございました資料は、二件でございます。
一ページをお開き願います。1、都立学校における新型コロナウイルス感染状況でございます。
都立学校における令和二年六月一日から七月十五日までの教職員等及び児童生徒等の感染者数を記載してございます。
なお、児童生徒等の感染状況につきましては、当該児童生徒の人権等に配慮して、個別には公表しておりません。
二ページをお開き願います。2、新型コロナウイルス感染症対策に係る講師時数の措置状況及びスクールサポートスタッフの配置予定数についてでございます。
講師時数の措置状況につきましては、令和二年七月十日時点の校数及び週当たり時数を校種ごとにそれぞれ記載してございます。
また、スクールサポートスタッフの配置予定数につきまして、令和二年度当初及び追加募集により決定した配置予定数を含めた人数をそれぞれ記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○内山副委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○谷村委員 令和二年度七月補正予算案、教育庁所管分につきまして質問させていただきます。
まず、補正予算全体としては、国の第二次補正予算の対応や都独自の取り組みを迅速に実施するために、第一に、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止する対策、第二に、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実、第三に、感染症防止と経済社会活動との両立を図る取り組み、第四に、社会構造の変革を促し、直面する危機を乗り越える取り組み、この四本柱で構成されております。
教育庁所管分の区市町村立幼稚園における新型コロナウイルス感染症対策の拡充に関する予算案、七千九百万円は、第三の感染症防止と経済社会活動との両立を図る取り組みに位置づけられております。
この歳出予算につきましては、どのような使途に充てられるのか、具体的に明示をお願いしたいと思います。
○田中地域教育支援部長 今回の補正予算案は、国の第二次補正予算に対応するものであり、一園当たり五十万円を上限として、区市町村が行う新型コロナウイルス感染症対策としての保健衛生用品等の購入経費及び感染症対策の取り組み徹底による業務量増等への対応に要する経費について支援するものです。
対象経費の具体例としては、子供用マスク、消毒液等の保健衛生用品や感染拡大防止のための空気清浄機などの備品等の購入に要する経費、新型コロナウイルスの影響により生じた業務量増へ対応するために必要が生じた旅費、臨時に園からのお知らせをふやすことによって生じた印刷製本費、郵送費、教室等の消毒を行うための清掃業務委託に要する経費、預かり保育の実施に係る人件費などが挙げられております。
○谷村委員 ありがとうございます。ご説明にありましたとおり、対象経費となるものは非常に幅広く、一つの幼稚園につき五十万円の上限だとしても、使い勝手は大変よいものになっているのではないかと思います。
公立幼稚園分は教育庁所管で、私立幼稚園分が生活文化局所管となっており、予算額は、私立幼稚園、生活文化局の方が五倍となってはおりますが、一つの幼稚園に対しては同額となっております。園児の皆さんを感染させない、幼稚園をクラスターにさせないことに寄与すればと願っております。
今回の教育庁所管分につきましては、歳出予算が七千九百万円に対し、歳入予算は五億二千十一万八千円となっております。
この差異は何か、わかりやすくご説明をいただければと思います。
○小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今回の補正予算案は、六月十二日に国の第二次補正予算が成立したことを受けまして、予算措置が必要なものについて計上いたしております。区市町村立幼稚園における新型コロナウイルス感染症対策の拡充のための経費につきまして、国庫補助率十分の十の事業でございますので、歳出歳入予算とも同額の七千九百万円を計上いたしております。
このほか、今年度第二回定例会等で歳出補正予算を編成し、現在支出している経費に対しまして、財源として国庫補助金を活用できるため、歳入予算四億四千百万余円を計上いたしております。
具体的には、都立学校における新型コロナウイルス感染症対策としてのマスクやアルコール消毒液、サーモグラフィーやアクリル板等の整備に、財源として充当するものでございます。
○谷村委員 経理上の歳入処理といいますか、後追いの財源計上ということになるのかと思いますが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大につきましては、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で感染が拡大し、国内外からの批判あるいは不安が高まり、春節を迎えた中国からの入国制限も実施されず、水際対策に限界が生じ、同時に北海道での感染拡大が急速に始まった。
そのクラスターの一つとして学校が指摘され、国が最初に大きく動いた一つに、二月二十七日の安倍首相による、全国全ての小中学校や高校、特別支援学校を対象に、三月二日から春休みまで臨時休校を行うよう要請するというものでした。
三日間しか準備がなかったわけですが、この話を始めますと、何時間いただいても終わりませんし、また、藤田教育長にご答弁をお願いしても、何時間あっても足りないと思いますので、踏み込みませんが、十分な準備や法的根拠が不透明な中での休校要請が、学校現場や、あるいは各家庭などに相当な混乱を招いたことは間違いなく、二月二十七日の突然の臨時休校の要請から今日まで、現在もまだまだ続いているわけですが、都内百万人の児童生徒の教育を預かる教育庁の職員の皆様を初め、学校現場の方々のご苦労、ご心労はいかばかりかと思います。
緊急事態宣言下では、都庁でも八割の登庁抑制をしたわけですが、教育庁の皆様は、逆に八割増しのお仕事を現在もされているようでして、くれぐれも休養を交代交代でとっていただけますように、また、そのご配慮をお願いしたいと思います。
何よりも子供たちの健康、安全を第一に、感染リスクに備えなければならない。これは安倍首相が全国の学校に休業要請をした後の言葉ですが、この言葉自体を否定する方はいらっしゃらないと思います。
しかし、この子供たちの健康、安全を第一にすることと、長期にわたる学校休業による学習のおくれ、あるいは学びの保障に対する考え方は、保護者の方々の中でも個人差が相当ありまして、私のところにもさまざまなご意見が届くわけであります。これは、感染拡大防止対策の強化と社会経済活動の展開の両立と同様に、いつまでも答えが出るものではなく、絶え間なく模索し続けていくしかないものと受けとめざるを得ないと思っております。
そこで、公立学校に通う保護者の皆様から、学校での感染症対策に不安の声も寄せられておりますが、これまでの都教育委員会における感染症防止対策については、どのようなことをされてきたのか、お伺いをいたします。
○小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都教育委員会は、都立学校の再開に当たりまして、感染症防止と学習保障を両立した学校の新しい日常を定着させていくことを目的にガイドラインを策定いたしました。
具体的には、各学校における三密回避や正しい手洗い、せきエチケット、健康観察などの基本的な感染症対策に加えまして、教育活動を実施する上で必要な対策や、感染者が出た場合の休業措置の基準、第二波にも備え、オンライン教育の推進などを盛り込んでおります。
また、児童生徒等への家庭内感染を防止することも不可欠でありますことから、児童生徒等と同居する保護者など、家庭での対策の徹底を依頼することにも言及いたしております。
区市町村に対しましては、都立学校の対応を参考としてガイドラインを周知し、小中学校の参考となるポイントもあわせて周知いたしました。
先週十三日には、都立学校及び区市町村に対して、感染拡大を防止するための対策の徹底を改めて依頼したところでございます。
○谷村委員 ありがとうございます。
学校現場というよりは、まずは家庭での対策を万全にしていただく、そして、学校にウイルスを持ち込むことのないように各ご家庭で取り組んでいただけるのが何よりのことだと私も思います。
その上で、たとえ持ち込まれたとしても、絶対に学校をクラスターにしないという大変な毎日を送られているわけですが、このガイドラインに基づき、都立学校などでは、具体的にどのような工夫を行っておられるのか、お伺いをいたします。
○小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立学校は、六月一日から分散登校により段階的に再開し、二十九日以降は一斉登校としつつ、公共交通機関が混雑する時間を避けるため、時差通学を実施いたしております。
感染症対策としては、まず、三密の回避、正しい手洗い、せきエチケットといった基本的な対策を徹底いたしております。加えまして、毎朝の登校時の検温や健康観察及び登校前の自宅での検温によって異常のある場合は、無理せず休ませるように指導いたしております。
教室等におきましては、児童生徒等同士の間隔を一メートル以上確保し、列ができそうな場所には、立ち位置をマーキングしております。教室のドアは常時開放し、三十分に一回以上は、窓も開放いたしております。
消毒につきましては、手指消毒のためのアルコール消毒液の設置に加えまして、毎日、授業終了後に、教員等が教材や教具、ICT端末などを消毒いたしております。教室やトイレなど児童生徒等が利用する場所のうち、特に多くの児童生徒等が手を触れるドアノブや手すりなどにつきましては、一日一回以上、消毒いたしております。
小中学校におきましても、基本的な感染症対策の徹底に加え、例えば手洗い場の増設による登校時の手洗いの徹底、多目的室や生徒会室などを含みます特別教室を活用した密集の回避、昇降口での健康観察など、各学校がさまざまな対策を工夫して行っていると聞いております。
○谷村委員 ありがとうございます。通常でもといいますか、日常的にも、世界一、忙しい日本の教育者の方々といわれる中で、毎日の感染対策が長期にわたり、これでは既に疲弊し切っておられるのではないかと大変心配をいたしております。くれぐれもオーバーワークにならないように、いわゆる過労死ラインといわれるようなものを超えないように、重ねてになりますが、目配りをしていただければと思います。
ただ、学校でここまでしていただいていても、都内で感染者数がふえると、学校での感染拡大をご心配される保護者の方々も少なくありません。今、都が感染拡大警報を発し、これは、事実上、東京独自の緊急事態宣言と受けとめられております。こうした保護者の方々が、学校を再び休校にしてほしいとご心配をされている方もいらっしゃいます。しかし、これまでにご説明いただきましたように、二月二十七日の安倍首相の全国一斉休業要請という状況とは大きく異なっております。
そこで、お子さんの感染を大変ご心配されている保護者の方が児童生徒等を学校に登校させなかった場合、授業に出席しない場合、これはどういう扱いになるのか、教えていただきたいと思います。
○小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 感染症を防止するため、保護者が児童生徒等を出席させなかった場合は、校長の判断により、欠席扱いとしない柔軟な取り扱いができます。
なお、そのような場合、学校は、登校できない児童生徒等に連絡をとり、健康状態や学習状況を把握するとともに、オンライン等を活用して学校の学習内容や課題を伝えるなど、個別に対応を行っております。
○谷村委員 ありがとうございます。欠席扱いとしない柔軟な取り扱いをされた上で、さらに個別に対応を行っていただくという、こうした場合、これまでの取り組みに加えて、さらに個別の対応をしていただくということで、これもどこかに限界が来るのではないかと思いますが、今後の状況によっては、さまざまなご検討をよろしくお願いしたいと思います。
ただ、そういう扱いをしていただくことによって、保護者の方々が大変安心もされると思いますので、今後の推移を見て、さまざまなご検討を重ねてお願いしたいと思います。
また逆に、長期間の休業が続いた時期には、早期の学校再開を求める声も大変大きかったと思います。私の方にも寄せられました。
都の教育委員会には、保護者の方々からどのような声が届けられていたでしょうか。最後にお伺いをいたします。
○小原教育政策担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 分散登校が終了した六月下旬におきましては、臨時休業中の学習のおくれを取り戻してほしいという声が多く寄せられ、部活動や行事などの再開への期待も寄せられたところでございます。
現在では、都内の感染者が増加し、児童生徒等への感染を心配する保護者の声が増加しております一方で、児童生徒等の学習の保障を望む声もございます。
児童生徒等への感染防止は、学校での感染症対策の徹底に加え、家庭における感染症対策の徹底も不可欠でございます。
各学校は、保護者の理解、協力を求めながら、徹底した感染症対策と児童生徒等の健やかな学びの保障との両立に取り組んでおります。
○谷村委員 人類史に大きな傷跡を残すであろう、いや、もう既に残しているこの新型コロナウイルスの感染拡大問題は、我が国ではクルーズ船の対応をプロローグにして、二月二十七日の臨時休業要請という学校現場の対応、あるいは混乱から始まったと、後世の歴史家が語るかもしれません。
安倍首相の最初の記者会見は、よく見えない、よくわからない敵との戦いは容易なものではないという言葉から始まりました。しかし、今では、ウイルスの特性やその対処方法がかなり明らかになっており、これで絶対安心というものはありませんが、恐れるだけで、ただ立ちどまっているという選択肢は、私たちにはないのだと思います。
第二波かもしれないといわれております現在のこの感染者数の増加状況も、これまでに明らかになっている対処方法を決して否定するものではありません。
先ほどご答弁にもありましたが、新しい日常を東京の教育現場に展開をしていただき、ウイズコロナの時代を新たに開いていただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○斉藤委員 では、私からも質疑をさせていただきたいと思います。
資料のご提出、ありがとうございました。
まず、質問に先立ちまして、今回の臨時議会について述べたいと思います。
東京都では、七月に入ってから、連日、感染者が百人を超え、二百人を超える日も続き、感染の拡大が深刻な状況です。全国にも大きな影響を与える東京都の対策が厳しく問われています。
この状況下で行われる臨時議会において、小池都知事の答弁が一切ないという議会のあり方は、都民にも国民にも、到底、理解が得られないものだと思います。
文教委員会所管の補正予算も、国の補正予算に基づくものだけになっていますが、学校再開されたもとで教職員や児童生徒に感染者が出てきている状況や、不十分なアーティスト等文化芸術関係者への支援の問題など、都独自の対策が大きく求められています。
日本共産党都議団は、知事の出席のもと局横断的な質疑ができる補正予算特別委員会の設置を求めましたが、都民ファーストの会、公明党、自民党の否決によって実現しませんでした。これでは議会のチェック機能も大きく問われます。
本来なら、国の補正予算だけでなく、都の対策に知事がしっかり答え、都議会として審議することが求められていることを申し述べて、質疑に入ります。
区市町村立幼稚園における新型コロナウイルス感染症への追加対策ですけれども、国の補正予算に基づいて、総額八千万円の補正予算になっています。保健衛生用品等の購入や、感染症対策の取り組み徹底による業務量の増加への対応を支援するものです。
今回、公立幼稚園の方々にお話を伺いましたけれども、小さな幼児に対応する幼稚園では、今、感染の拡大防止のための取り組みで、日常業務が本当に大変な状況だということです。子供たちの手洗いやうがい、手指の消毒はもちろん、日常的に使うテーブルや椅子、ドアノブのほか、玩具や遊具も消毒による拭き掃除を頻繁に行っていて、特に消毒液や消毒剤の消費が大きいということでした。そうした中で、衛生用品等の購入等に要する経費について追加で支援が出るということは、現場の方々にも喜ばれているものです。
また、衛生資材だけでなく、幼稚園ではさまざまな経費が発生しているということも伺いました。
分散登校時には、遊具や玩具などの消毒作業が間に合わないため、子供たちの使い回しを防ぐために、同じ玩具や遊具を買い足したり、また、ことしの夏はプール遊びができないために、かわりに外で遊ぶ際の日よけの資材が必要だということもあるようでした。さらに、保護者と直接話すことができなくなったために学級通信を頻繁に出すということによって、経費がかさんでいるということもあるということでした。
今回の補正予算では、保健衛生用品等の購入のほか、感染症対策の取り組み徹底による業務量の追加への対応を支援するという説明になっていますが、保健衛生用品以外にも、先ほどご答弁もありましたが、どういったものが対象になるのか、改めてご答弁をお願いいたします。
○田中地域教育支援部長 今回の補正予算案は、国の第二次補正予算に対応するものであり、区市町村が行う新型コロナウイルス感染症対策としての保健衛生用品等の購入経費及び感染症対策の取り組み徹底による業務量増等への対応に要する経費を対象としております。
対象経費の具体例としては、子供用マスク、消毒液等の保健衛生用品や感染拡大防止のための空気清浄機などの備品等の購入に要する経費や、臨時に園からのお知らせをふやすことによって生じた印刷製本費、郵送費、教室等の消毒を行うための清掃業務委託に要する経費などが想定されております。
○斉藤委員 保健衛生用品のほか空気清浄機などの備品の購入や郵送費、また、教室等の消毒を行うための業務委託に要する経費などが想定されているということです。実際には、市区町村に申請して検討されるということのようですが、実際に現場でかかっている、こうしたかかり増し経費が幅広く認められるように、国と連携して、都からも周知を徹底していただきたいというふうに思います。
国の第二次補正予算を受けて、都としてこの時期に補正予算を編成するということですけれども、この補助事業の対象期間はどのようになっているのか、伺います。
○田中地域教育支援部長 補助対象期間は、本年四月一日から令和三年三月三十一日までとなっております。
○斉藤委員 今年度、一年間にかかった費用が対象になるということです。
先ほどのご答弁では、教室等の消毒を行うための清掃業務委託に要する経費も想定されているということでしたが、実際の現場では、委託をするということではなく、現状の人員の中で、日々の消毒作業を保育の後に行っているという話も聞いています。
また、休業要請時に家庭訪問を行っているということもあり、交通費が新たに発生しているということも伺いました。
こうした消毒の作業のために追加で発生している残業などの人件費に充てることも可能なのか、また、休業要請時等に行われた家庭訪問のときに発生した交通費など、対象になるのか、伺います。
○田中地域教育支援部長 国の補助要綱等によりますと、人件費については、預かり保育を実施したことに係る経費以外は補助対象にならないとされております。
また、休業要請期間等に行われた家庭訪問の際の交通費については補助対象になるとされております。
○斉藤委員 休業要請期間等に行われた家庭訪問の際の交通費については補助対象になるということですけれども、人件費については、預かり保育を実施したことに係る経費でなければ認められないというご答弁でした。
この点は、やはりちょっと腑に落ちない点があるんですけれども、今回の補正予算の中身は、衛生資材に加えて、感染症対策の取り組み徹底による業務量の増加への対応経費を補助するというものです。業務量の増加というのは、預かり保育をしているときだけに発生しているわけではありません。この点は、都として、現場の立場で国としっかり協議をして、柔軟に使えるように求めてほしいと思います。
さらに、国任せでなく、対象にならない部分に対して、今後、都として独自の支援を行うように強く要望をいたします。
次に、今回の委員会資料に基づいて質問をいたします。
今回、区市町村立幼稚園、小中学校、また、都立学校における感染状況について資料要求の方をさせていただきましたが、都立学校だけの状況ということで資料は提出をされています。都内の公立幼稚園での感染状況について、設置者は区市町村のため、都として、現段階で正確な数字を公表できないというお話を伺いました。
しかし、都内の公立幼稚園を所管する教育庁の立場として、また、今回のように感染防止のための取り組みを支援する立場として、現場での感染状況の全体を都が把握しておくということは重要なことだと思います。
私立ですけれども、都内の幼稚園で感染があったということも報道されています。
今後は、区市町村に対して、公立幼稚園での感染があった場合には、調査や対策を行った後でも報告をもらって、都教育委員会として状況を把握できるようにしておくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○田中地域教育支援部長 学校における感染症等については、区市町村は、都の事故発生報告等事務処理要綱に準拠し、報告に協力をしていただいております。新型コロナウイルス感染症についても、公立学校等の幼児、児童生徒及び教職員の感染の疑いや感染が確認された場合に、速やかな報告をお願いしております。
公立幼稚園は一部の自治体で設置しているものであり、事案の緊急度などに応じて、必要な範囲での調査を行っております。
○斉藤委員 都の事故発生報告等事務処理要綱に準拠して、区市町村立の小中学校や幼稚園等の感染状況について報告に協力してもらっているということ、また、事案の緊急度に応じて、必要な範囲での調査を行っているということですが、私は、積極的に感染状況について、都教育委員会としてつかんでいくべきだというふうに思います。
都内の感染状況は、冒頭で述べたとおり、非常に深刻な状況です。本来なら、PCR検査の抜本的な拡大や、補償とセットの自粛など、抜本的な対策が図られるべきですが、こうした対策がない中、大人から子供への感染の危機、さらには、園内に広がる危機にもさらされている状況です。都教育委員会として、都内の公立幼稚園に通う子供たちの状況を把握し、安全を守る対策につなげていくためにも、感染状況を確実に把握していくということを重ねて求めます。
続きまして、都立の高校での感染状況について伺いたいと思います。
こちらは資料要求で資料を出していただいていますが、改めて都立学校での新型コロナウイルス感染状況についてご説明をお願いいたします。
○谷都立学校教育部長 令和二年六月一日から七月十五日までの間における感染状況についてでございますが、教職員等は四名、児童生徒等については三名でございます。
なお、児童生徒等の感染状況につきましては、学校運営に影響がない限り、当該児童生徒等の人権等に配慮いたしまして、個別には公表しないことにしております。
○斉藤委員 ありがとうございます。都立学校での感染状況について今お答えいただきましたが、都立学校の感染の公表についてのお考えも、今ご答弁にありました。
私は今、区市町村立の幼稚園、そして小中学校の方もつかんでいくべきだというふうに申し上げましたが、都立学校でも同じようにきちんと、これはつかんでいただいていることだというふうに思いますけれども、あわせて、可能な範囲で正確な情報、対応について公表していくということも、必要なコロナ対策を議論する上でも、また、都民に無用な不安を与えないためにも必要なことではないかと思っています。
特に都立学校では、感染者が出たということで学校休業等にならなければ公表はしないという対応になっています。こういうことですと、うわさが先行して疑心暗鬼が広がって、学校に問い合わせが殺到するということにもなりかねません。
今、区市町村では、みずから所管する学校において感染があった場合には、自治体のホームページに必要最小限の経緯や対応について掲載をしています。そのことは、住民にとっても安心にもつながります。
私の地元の足立区でも公表していますが、その目的について、三つのことを示しています。一つは、区民に区内の感染症の発生状況を可能な範囲で正確に伝えること、もう一つは、正確な情報を共有した上で、区民一人一人の冷静な判断と適切な行動を促すということ、そして三つ目が、区と区民が一丸となって感染拡大防止の取り組みを促進するということです。どれも理にかなったものだというふうに思います。実際に、うわさや臆測だけが回って問い合わせが殺到するという事態も避けられる、安心して、かつ的確に恐れるという理性ある行動にもつながっていると感じています。
都教育委員会でも、公表しないというままでいいのかどうか、よく検討していただくことを求めておきたいと思います。
続きまして、次の質問ですが、今回の補正予算は国の第二次補正予算に基づくものです。さらに、この点と、今回の資料要求でも出していただきました資料に基づいて質問をさせていただきます。
国の第二次補正予算にかかわって、子供たちが学校でソーシャルディスタンスを図る上でも重要な少人数指導への取り組みについてです。
感染拡大防止の上でも、また、教育の質の向上にもつながる政策としても、少人数学級を求める世論の声が大きく上がり、我が党も国会、都議会で繰り返し求めてきた中で、政府は、第二次補正予算に三千百人分の教員を配置する予算をつけました。
六月の第二回定例議会では、我が党は、代表質問のほか、文教委員会にて、私も少人数指導を編制するための教員加配、三千百人分の予算を積極的に活用するべきと求め、代表質問に対しては、藤田教育長から、教科指導に必要な時間講師を追加で配置するなど校内体制の整備を図ることとした、そして、時間講師の配置に当たっては国の制度を活用していくというご答弁、それから、浅野人事部長さんからは、時間講師の追加配置について、都内公立小中学校のほか、都立高校等も対象として、既に各学校に周知しておりますという前向きのご答弁をいただきました。
特に、国が補正予算に組み込んだ小中学校への新型コロナウイルス感染症対策にかかわる時間講師の現在の配置状況についてどうなっているのか、説明をお願いします。
○浅野人事部長 都教育委員会は、学校が三密対策として児童生徒間の身体的距離を確保した教育活動等を実施する場合に、申請に基づき、必要な講師時数を措置することとしております。
講師時数の措置状況については、多くの学校が夏季休業前までの期間を申請しており、令和二年七月十日時点で、学校数では八十二校、週当たり時数では千百三十七時間でございます。
○斉藤委員 七月十日時点で、学校数では八十二校、週当たり時数では千百三十七時間ということですが、都内小中学校は一千九百校近くという中では、まだごくわずかな状況です。区市町村からの希望は、今後も随時伺っていくということですので、ぜひ加配を進めていってほしいというふうに思います。
国の第二次補正予算では、全国で三千百人分の教員の加配のための予算ということですが、対象は小学六年生と中学三年生に限られています。
都教育委員会では、国が定めている範囲にとどめず、必要な加配について区市町村の希望に応えていくということですが、国の定めた範囲で、現時点で国の予算がおりる分としては何人分になるのか。つまり、現在、東京都からは何人分を国に申請しているのかということを伺います。
○浅野人事部長 都教育委員会では、時数措置の対象学年を全学年とするとともに、グループに分かれた指導に限らず、土曜授業等での活用も対象とするなど、幅広く通知しております。
一方、国においては、対象を、原則、小中学校の最終学年に絞り、かつグループに分かれた指導に限ることとしております。こうした国への申請要件を踏まえ、六月二十二日時点における措置時数を常勤の教員の人数に換算し、一名分を申請しております。
引き続き、区市町村教育委員会に対して時間講師の活用を促し、講師時数の措置状況に応じて国へ追加申請を行ってまいります。
○斉藤委員 国の定めている範囲でいうと、つまり小中学校の最終学年分だけでいうと、まだ、たった一人分だということです。区市町村からの希望がまだまだ少ないということもありますが、国の定めている範囲が余りにも狭く、実際の現場からの希望とマッチしていないということもいえるのではないかと思います。
せっかくの国の補正予算も、使えないのでは意味がないので、今後の状況次第では、最終学年だけでなく柔軟に使えるように求めるなど、働きかけを行っていただきたいというふうに思います。
少人数学級の実現を求める声は、今、都民、国民の間で大きな声になっています。我が党は国会でも、六月十日に少人数学級の加速をと求めたことに対して、安倍首相が検討していきたいと答弁をしました。その後に全国知事会も、少人数編制を可能とする教員の確保を求めました。
そうした中で、政府は、骨太方針の中に、少人数指導によるきめ細かな指導体制の計画的な整備を盛り込みました。
先日は、東京都教職員組合からも、今後の補正予算にも反映しながら教員の加配を前に進めていってほしいという要望が都教育委員会宛てにも出されています。
子供の環境についても一番の過密状況になっているこの東京都こそ、その先頭に立って取り組んでいただくことを強く求めます。
また、今、学校現場では、教科にかかわる業務だけでなく、感染防止のための消毒作業や子供たちの誘導など、あらゆる場面で人手が足りないという状況になっています。教員以外でも実施可能な業務に対応していく人材が求められていると思います。
スクールサポートスタッフの配置状況について、委員会資料として提出をしていただきましたけれども、この配置予定数について、四月当初は一千四百六十四人だったところ、現在は全部で一千六百七十五人の配置予定ということで、当初よりも二百人以上の追加の配置予定になっています。
学校では、どういった作業に実際にスクールサポートスタッフが必要になっているのか、現状を伺います。
○浅野人事部長 スクールサポートスタッフについては、家庭学習に必要な教材の準備や校内の消毒作業など、新型コロナウイルス感染症対策により純増する業務に対応するために追加配置を行っております。
○斉藤委員 教材の準備や校内の消毒作業などの人手が求められているということでした。
私も学校現場の方々から、とにかく今、机やドアノブ、椅子など、消毒作業に追われて、毎日大変だというお話を伺っています。
今年度の配置予定は一千六百七十五人で確定というお話も伺いましたけれども、常に現場の声に耳を傾けて、追加での人員配置など、必要な支援を続けていただきたいというふうに思います。
以上で質疑は終わりです。
○内山副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内山副委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で教育庁関係を終わります。
○内山副委員長 これより生活文化局関係に入ります。
付託議案の審査を行います。
第百六十号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第七号)中、歳出、生活文化局所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしてあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○根本総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 去る七月十五日の当委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
お手元に配布の令和二年文教委員会要求資料をごらんください。
表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は、二件でございます。
一ページをお開き願います。1、都内配偶者暴力相談支援センターの相談件数でございます。
都及び区の配偶者暴力相談支援センターにおいて、昨年とことしの三月から五月に寄せられた相談件数について記載しております。
二ページをお開き願います。2、配偶者暴力被害者を支援している民間団体数でございます。
配偶者暴力被害者を支援している民間団体数を区市別に記載しております。
以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。
○内山副委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○福島委員 まず、私立幼稚園新型コロナウイルス感染症対策事業について伺います。
都においては、四月七日に緊急事態宣言が発出されましたが、それ以前より実施していた学校の休校措置に加え、外出抑制に対する都民の皆様の協力や、企業におけるテレワークや時差出勤の推進、対象事業者の営業自粛などへの協力による接触機会の削減が功を奏し、五月下旬には新型コロナウイルス感染症の感染者数が減少、緊急事態宣言が解除されました。
その後、例えば、企業においてはテレワークや時差出勤の継続、学校現場においては分散登校や時差通学などの感染症対策をとりつつ、慎重に医療崩壊回避と経済活動の両立を目指したところと認識をしています。しかし、ここに来て感染者数が大幅に増加しており、非常に憂慮しております。
さて、今回の補正予算では、私立幼稚園における新型コロナウイルス感染症への追加対策が提案をされています。
まず、その追加対策の概要についてお伺いいたします。
○濱田私学部長 今回の追加対策は、国の第二次補正予算に対応するものでございまして、私立幼稚園を対象に、保健衛生用品等の購入経費や感染症対策の取り組み徹底による業務量増への対応に要する経費等について、区市町村を通じて、一園当たり五十万円、補助率十分の十で補助をするものでございます。
○福島委員 就学前の子供たちに三密を回避せよといっても、難しいことは容易に想像はできます。子供たちを預かる先生方の緊張はいかほどかと思います。国の補正予算で、感染症対策のための物品だけではなくて、業務量増への対応に関する経費が補助される本事業の意義は大きいと考えます。
そこで、今回の追加事業ですけれども、追加対策は私立幼稚園を対象にした補助ということでございますけれども、一方、都では、昭和四十年代後半の幼稚園不足に対応するため、教員配置数や保育室、保健設備などの一定の要件を満たした施設を幼稚園類似の幼児施設として独自に認定、そして支援をしてきました。
このような経緯を踏まえると、地域において重要な役割を担ってきた幼稚園類似施設にも同様の補助を実施すべきと考えますが、都の見解を伺います。
○濱田私学部長 本事業は、国の補助制度に基づき実施するものでございますことから、対象施設も国の補助要綱等で定められているものでございまして、幼稚園類似施設は対象に含まれておりません。
一方、都が独自に認定する幼稚園類似施設については、地域において重要な役割を担ってきたこれまでの経緯も踏まえ、都独自に幼稚園と同等の支援を行う予定でございます。
○福島委員 類似園のこれまで果たしてきた役割を評価し、都独自にご支援するという答弁でした。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、感染防止に配慮した相談支援事業についてお伺いいたします。
外出抑制に伴い、自宅で過ごす時間がふえることでDV被害がふえているという報道がありますし、今回提出していただきました文教委員会要求資料の1におきましても、都区の相談センターへの相談件数が四月、五月で伸びている様子が数字で示されております。国の相談事業でも、二、三割、相談がふえているというふうに聞いています。
このような中、DV被害者への支援を行う民間団体の役割は非常に重要です。これまでも都は、一時保護や同行支援、自立支援や生活再建など、多岐にわたるきめ細かい取り組みを行う民間団体を支援してきました。
改めて、都がこれまで行ってきた民間団体への支援及び今回新たに取り組む支援の内容についてお伺いいたします。
○赤羽男女平等参画担当部長 配偶者等からの暴力被害者に対しまして、きめ細かい支援を行うためには、行政はもとより、民間団体が果たす役割は大きく、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に取り組む中、団体への支援の強化は大変重要と考えております。
都は、平成十八年度から実施している民間活動助成事業では、シェルターの安全対策や同行支援、講演会など、民間団体の自主的な活動に対しまして、経費の一部を助成しております。
今年度からは、セーフティーネット強化支援事業といたしまして、外国籍や若年層など多様な被害者に対する支援や、社会的孤立を防止するための退所者に対する自立支援など、民間シェルターにおける先進的な取り組みに対して助成を行ってまいります。
また、今回の感染防止に配慮した相談支援事業では、新型コロナウイルス感染症拡大防止に取り組む中、長期間の外出自粛等に伴う配偶者等からの暴力等に関する相談に対応するため、テレビ電話を活用した相談など、感染防止に配慮した体制の構築、強化について支援を行ってまいります。
○福島委員 ありがとうございます。実は、二〇一九年の七月に、同じ文教委員会のあかねがくぼかよ子都議を含む同じ会派の有志で、公設のDVシェルターを視察に参りました。
ここで、まさに若年層へのアプローチの拡充や退所者に対するフォローが課題であるというふうに伺っておりまして、令和二年のセーフティーネット強化支援事業の取り組みの中身を評価いたします。
加えて、補正予算で取り組む感染防止に配慮した相談支援事業については、コロナ禍で増加、深刻化するDV被害の相談をしっかりと受けとめられるように、感染症対策の拡充を支援する内容であるということを確認いたしました。
昨年五月に内閣府が実施した民間シェルター等に関する実態調査、これは九十五施設を対象にしたものですけれども、その時点でDV被害者支援を行う民間施設が百七団体と、三年前より減少傾向にあり、民間シェルターの八五・三%が財政難と回答したそうです。実際、東京の多摩地域でDV被害者の保護や自立支援に二十年間取り組んできた民間団体、多摩でDVを考える会は、財政難が理由で昨年度で活動を休止しています。
このタイミングでDV被害者への支援を行う民間団体を支援するのは、機を得た取り組みだと考えます。
加えて、導入部で述べたように、DV被害への相談が二、三割ふえているということは、DVシェルターの必要数も二、三割ふえることが、当然ながら予想されます。
DV被害は深刻化、長期化しやすいという性質があり、やっと声を上げた被害者を救い出すためには、相談事業のその先、DVシェルターも不足するようなことがあってはなりません。
政府のすべての女性が輝く社会づくり本部で今月一日に決定した女性活躍加速のための重点方針二〇二〇では、DV被害者の一時避難先として社会福祉法人を活用する方針を盛り込んだそうです。DVシェルターの開設には、場所の確保ももちろんですけれども、周囲の理解など、準備には時間を要します。
今回の事業で民間団体と接触する際には、シェルターの状況を初め、実情をヒアリングしていただき、安定的な受け皿の確保のために必要なことがあれば、先んじて取り組んでいただきたいと思います。
次に、先ほど触れた若年層へのアプローチについて取り上げます。
相談体制の強化に当たり、特に相談につながりにくい若年層に対する啓発や、相談しやすい工夫が必要と考えますが、都の取り組みについて伺います。
○赤羽男女平等参画担当部長 都は、若年層の被害が相談に結びついていないことが懸念されることから、パンフレットの作成や、高校生向けに相談先の電話番号などを記載したデートDV啓発カードを配布するなどして普及啓発に取り組んでおります。
今年度は、デートDV啓発カードの配布対象を、新たに大学生や専門学校生にも拡大いたしまして、記載内容については、配布対象者に合わせたものを検討してまいります。
また、若年層は、電話よりもSNSをコミュニケーション手段として使うことが多いため、今夏、LINEを活用した相談事業を試行実施し、運用方針等を検討していく予定でございます。
○福島委員 SNS、LINEを活用した相談事業の試行を行うことで、これは多分、恐らく若年層にとっては相談しやすい窓口になることが想像されます。しっかり評価していただき、必要に応じて拡大していただければと思います。
一方、若者に対して配る、携帯しやすいデートDV啓発カードが手元に届くことは、確かに大変意義があることだと考えます。ただし、ご答弁を聞いていて、議員一年目から訴えてきたこと、すなわち啓発事業の効果検証がなかなか浸透していないなということを改めて認識したので、しつこいとは思いますけれども、改めて問題意識を述べさせていただきます。
高校生向けに配っていたカードを大学生や専門学校生に配るということですけれども、そもそもこのカードが、高校生を必要な支援につなげるという目標に対して、どの程度寄与したのでしょうか。
例えば、支援につながった高校生に、何を入り口にその支援にたどり着いたかという調査は行っているのでしょうか。
社会人になると、我々、いろいろな講演会とかに行くと、何でこれを知りましたかとか、どれでつながりましたか、知人からとか、メールで聞きましたとか、そういうことをよく確認されるのですけれども、それはやっぱり、対象とする人にきちんと情報にアクセスしてほしいから、そういうことを重ねていくわけですけれども、ぜひこういうことを東京都にも取り組んでいただきたいというふうに思っています。
私は、令和二年の予算特別委員会で、啓発手段の一つである都のホームページについて、しっかりとアクセス解析を実施して、対象者に情報が届いているかどうかを評価する、そして改善していただきたいということで、今年度を初年度とする予算七千五百万円を初めて盛り込んでいただきました。
このDVカードにおいても、効果測定をしっかりした上で、必要に応じて対象者を広げる、そういった判断で進めていただきたいなと思います。
とはいえ、DV被害の課題というのは、被害の加害者、そして被害を受けている側、その両方の当事者が、自分事だとなかなか気づかない点にあるというふうに聞いております。その意味で、カードの配布に加えまして、このDVという問題をより広く、多くの人に正しく理解していただけるような、しっかりと社会の耳目が集まるようなムーブメントになるような工夫もぜひお願いしたいということを要望いたしまして、質疑を終えます。
○柴崎委員 私からは、私立幼稚園の新型コロナウイルス感染症対策支援事業の拡充についてというところでお伺いしてまいります。
初めに、まず、私立幼稚園では、園児や保護者、そして教職員を新型コロナウイルス感染症から守るためにさまざまな対策を進めておりまして、これまでにない新たな費用もかかっていると思います。
東京都に対してさまざまな要望も出ていると思いますが、幼稚園の現場からどのような声が寄せられているのか、まず、その点について伺いたいと思います。
○濱田私学部長 私立幼稚園からは、感染症対策を徹底するため、マスク等の保健衛生用品の購入経費を初め、保育室や遊具等を消毒するための経費が予想以上にかかって負担になっているといった声が寄せられております。
今回提案の追加対策は、そうした声に対応し、幼稚園の取り組みを支援する内容になっております。
○柴崎委員 今、部長から答弁をいただきましたけれども、今回の補正予算案で幼稚園に対する支援が拡充されたことは、現場の声にも応える内容となっておりまして、これについては評価できるものであると思います。
この新型コロナウイルス感染症対策は、当然、長期戦が予想されるわけであります。引き続き、現場の声に耳を傾けていただきながら、私立幼稚園をしっかりと支援していただきたいと思います。
また、あわせて、今回の補正予算案において、保健衛生用品等の購入に対して補助していくわけでありますが、購入経費を請求する際の書類の書式形式について、柔軟な対応が必要かと思われます。
と申しますのも、コロナ禍におきましては、例えば幼稚園では、消毒液が手に入らなければ、近所の病院等に依頼をして消毒液を手に入れたりしているわけです。したがって、領収書というのは病院等の領収書になってくるわけです。
したがいまして、都や区市町村につきましては、必要書類の簡素化を含め、柔軟な対応をしていただくことを強く求めておきたいと思います。
続きまして、幼稚園の感染拡大防止に向けた対策についてお伺いをしたいと思います。
都の感染者数も、ここのところ、非常に増加してきているわけでありまして、いつ、こうした幼稚園関係者へ感染をしてもおかしくない状況であるわけです。
こうした中、園関係者、つまり園児、教職員、それぞれの保護者に感染者が出た場合、当然のことですが、速やかに幼稚園に届け出るということが何よりも優先をされるわけであります。
しかしながら、保護者が陽性者になったにもかかわらず、幼稚園への報告がおくれてしまったために感染が拡大したことはもちろん、陰性の方にも、日常に戻るための時間が予想以上に費やされてしまった、こんな事例もあるようでございます。
したがって、関係者に感染者が出た場合の対応を含め、感染拡大防止について、都と区市町村、そして幼稚園との連携をさらに強化する必要があるものと思います。
現在の取り組み状況についてお聞かせいただければと思います。
○濱田私学部長 私立幼稚園における新型コロナウイルス感染症対策については、各園の設置者に対して、文部科学省が作成した学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルや東京都教育委員会のガイドライン等を通知し、取り組みをお願いしております。
万一、私立幼稚園で園児、教職員等の感染が判明した場合には、設置者は、これらのマニュアル等を踏まえて、保健所の指導のもとに、種々の感染症拡大防止のための措置を行うことになります。
また、感染等の情報を、設置者から所轄庁である特別区や市を通じて都に報告をいただく仕組みとなっておりまして、都は、設置者が保健所等の指導に従って適切に対応しているかを確認するとともに、必要な情報提供等を行っております。
○柴崎委員 今、部長から答弁をいただきまして、もう当然のことなんですね。ですから、当然のことではありますが、このルールの徹底を図るように、こうした幼稚園関係者にも十分に、そして理解いただくように、これからも取り組まれることを要望いたしまして、私からの質疑を終わります。
○うすい委員 私からは、令和二年度の七月補正予算における感染防止に配慮したDV等相談における支援体制の強化に関連をして質問させていただきます。
新型コロナウイルス感染症を防ぐために家で過ごさなければならない時間が大幅にふえてきたために、日本のみならず、世界的にもDV、家庭内暴力の被害がふえてきており、こうしたDV被害者を守るためには、相談体制が大変に重要な視点となります。
今回の予算で四千六百万円が計上されているわけでございますが、今回のコロナ禍において、緊急経済対策を含め、国も都も区市町村も、さまざまな対策を講じているわけでございます。
まず、お伺いしたいのは、一つ例を挙げますと、国の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策により特別定額給付金が支給をされているところでありますが、配偶者等からの暴力を理由に、住民票を移すことができずに避難している方が、加害者に住所が知られることがないように、支障なく給付を受けられるよう、周知を図ることが重要だと考えます。
そこで、都としてどのような取り組みを行っているのか、まず初めに伺います。
○赤羽男女平等参画担当部長 都は、配偶者等からの暴力を理由に避難している方が特別定額給付金を申請する際の必要な手続について、ホームページで情報提供するとともに、SNSで繰り返し発信するなど、必要な情報が適切に届くように取り組んでおります。
また、行政の窓口に加えまして、配偶者暴力被害者に対する支援を行っている民間団体も、避難している方に対し、手続に必要な書類を発行できることとなっているため、都は、そうした民間団体に対しましても、給付金関係の事務処理に関する情報を提供いたしまして、周知や協力を働きかけております。
こうしたことにより配偶者暴力の被害者の方にも適切に給付金が届くよう、取り組んでおります。
○うすい委員 ありがとうございます。今答弁いただいたとおり、国の緊急対策の一つである給付金の支給においても、民間団体が重要な役割を果たしていると考えますし、実際にそうだと思います。
配偶者暴力の被害者の支援に当たっては、相談から安全確保、自立支援など、息の長い取り組みが必要であるため、福祉事務所や警察、裁判所など多くの機関の連携が必要であり、その中においても民間団体の役割が大きいと思います。
民間団体は、配偶者暴力の被害者に対し、相談事業以外にもさまざまな取り組みを行っていると認識しているところでございますが、都は、財政的支援の対象となる民間団体の活動内容を把握しておく必要があると考えます。そうでなければ適切な支援はできないと考えます。
そこで、配偶者暴力の被害者への支援を行っている民間団体の活動内容について、改めて見解を伺います。
○赤羽男女平等参画担当部長 被害者支援に取り組む民間団体は、相談事業、配偶者暴力の被害者が行政機関や裁判所での手続等に出向く際の同行支援や、暴力から逃れた被害者を保護するためのシェルターやステップハウスの運営などを行っております。
また、そのほか、被害者の自立に必要なスキルアップのための講座等の開催や、配偶者暴力防止のための普及啓発に取り組むなど、被害者の立場に立った幅広い活動を行っております。
○うすい委員 ありがとうございます。
今答弁をいただきましたとおり、民間団体は、配偶者暴力被害者に対して、相談から自立支援まで多岐にわたる支援を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大防止に取り組む中で、これらの団体が継続して取り組みを行っていくためには、感染予防が大変重要であると考えます。
今回の感染防止に配慮した相談支援体制の強化、四千六百万円の予算で、大体、一民間団体に百万円と聞いておりますが、この事業により、民間団体においてどのような点が強化されるのか、都の見解を伺います。
○赤羽男女平等参画担当部長 本事業によりまして、新型コロナウイルスの感染防止措置等に必要な費用を補助することで、テレビ電話を活用した相談支援やオンライン会議による関係機関との連携、調整等を行うための機器導入等の環境整備が図られます。
また、感染予防のためのマスクや消毒液等の購入や、密を避けるためのスペース確保が可能となり、体制の強化が図られると考えております。
本事業が民間団体の支援体制の強化につながるよう、適切に対応してまいります。
○うすい委員 ありがとうございます。ぜひ今回の支援で民間団体の支援強化につなげていただくことを期待するところでございます。
これは、直接的にはDVには関係ありませんが、間接的に、回り回って起こり得ることでございますので申し上げたいと思いますが、都内の会社に勤務する若者から聞いた話ですが、コロナの陽性者が会社の中から一人出て、もし自分が感染したらどうなるだろうということを真剣に考えたということでございます。しかし、感染者が非難される社会の風潮には少し違和感を覚えたという話をお伺いしました。これは非常に大事な視点だと思うわけでございます。
今の東京都の現状において、誰もが感染するリスクはゼロではないわけで、こうした中で、感染者が非難される社会の風潮、感染者への差別は、決してあってはならないと思います。感染したら中傷される社会の状況は、感染したことをいい出せずに、さらなる感染を広げてしまう恐れもあります。もし自分が、もし家族が感染したらということを考えますと、誰でも非難されることは苦しいことだと思います。
そうした差別のない土壌づくりを、生活文化局の皆様とともに、民間団体の人たちにも協力をしていただいて進めていただくことを要望させていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○とや委員 共産党のとや英津子です。よろしくお願いします。
私からも、新型コロナウイルスの感染拡大防止におけるDVにかかわっての民間団体における支援事業について伺っていきたいと思います。若干重なりますけれども、質疑をさせていただきます。
新型コロナウイルスは、新たな問題を生むだけでなく、これまで見逃されていた格差や社会システムの欠陥といった既存の問題を、ほんの数カ月足らずで次々と浮き彫りにしています。そうした数多くある問題の一つが女性への暴力です。
国連のグテーレス事務総長は、ことし四月、新型コロナウイルスのパンデミックへの対策の一環に女性の保護を盛り込むよう、世界各国の政府に強く求めています。グテーレス氏は、暴力は戦場に限ったものではないと強調し、新型コロナウイルス感染症についての声明で、多くの女性や少女たちにとって最も安全であるべき場所に最大の脅威が起こっている、自宅の中でだと述べています。
また、国連女性機関からの報告書では、この一年間でパートナーからの性的、身体的暴力を受けた女性と女の子の数は二・四三億人に上るとのことです。窮屈で閉鎖的な環境のもと、安全、健康、金銭面の不安が家庭内の緊張感や重圧を増幅させる中で、この数字はさらに増加するとの見解を示しています。
諸外国を見ますと、例えばフランスでは、三月十七日のロックダウン開始から、DVの報告は三〇%増加しています。電話相談受理件数は、キプロスで三〇%、シンガポールは三三%増加となっています。アルゼンチンでは、緊急通報件数二五%、カナダやドイツ、スペインでは、DVの報告件数、緊急シェルターの需要が増加しているという報告があります。
日本は、全国の配偶者暴力相談支援センターに四月一カ月で寄せられた相談件数が一万三千二百七十二件、三割増です。諸外国と同じ傾向を示しています。
では、東京はどうかといいますと、人口も多く、他県と比較しても、DV相談は、大体、全国の一割以上を、この間、占めているのがこれまでの傾向でした。新型コロナの感染拡大で、これまで以上にDVや虐待の増加が懸念されます。
都としてこの状況はつかんでいるのか、あわせて、自治体に対する国の動きについても伺います。
また、DV被害の深刻な状況について、都の認識についても伺っておきたいと思います。
○赤羽男女平等参画担当部長 配偶者等からの暴力の状況を都内の配偶者暴力相談支援センターに寄せられている相談件数で見ますと、令和二年三月から五月の合計件数は六千百二十五件となっておりまして、前年同月期が五千四百八十件でございます。
国は、令和二年四月三日以降、各都道府県に対しまして、新型コロナウイルス感染症への対応に係るDV被害者に対する適切な支援等について、事務連絡を発出しております。
このような状況を念頭に置きまして、引き続き、適切に被害者支援に取り組んでまいります。
○とや委員 今ご答弁いただいた数字は、きょうの資料でもお出しいただいていて、東京都の配偶者暴力相談支援センター、そして十七カ所のセンターの数です。これ以外に、国のDV相談プラス、あるいは民間のシェルターへの相談を合わせれば、かなりの数に上り、その状況は大変深刻であることがわかります。こうした状況を背景にして、内閣府からの適切な支援についての通知が出たのだと思います。
今ご答弁いただいたように、適切に支援をしていくという、これはとても大事だと思いますので、ぜひ重視していただきたいと思います。
東京都は、配偶者暴力相談支援センターで相談を受け、一時保護や生活支援施設への入所措置、あるいは自立への支援という重要な役割を持っています。
一方で、数多く寄せられるDV相談やその支援を民間団体が担っており、支援内容も、相談にとどまらず、福祉事務所や裁判所、児童相談所への同行、教育や精神科プログラムの紹介や、DV経験をした女性へのカウンセリング、相手との交渉まで行うなど、多岐にわたると同時に、高い専門性も要求されるといわれています。
コロナ以前からDV等の被害者に対する支援は増加していましたが、コロナ感染が広がってからは、ますます民間団体の方々の負担は重くなっている、大きくなっているのではないかと思います。
こうした民間団体の皆さんの取り組みについて、都としてどのように認識しているのか、また、都における民間団体への支援はどのようなものがあるのか、お答えください。
○赤羽男女平等参画担当部長 民間団体は、相談、シェルターの運営、被害者の同行支援など、被害者に対してさまざまな支援に取り組んでおり、その役割は大きいと認識しております。
民間団体に対しまして、都は、民間団体の自主的な活動に対する助成を行うほか、本年度からは、民間シェルター等が実施する先進的取り組みに対する財政的支援を行ってまいります。
今回、新たに、感染防止に配慮した相談支援体制の構築、強化への支援も行ってまいります。
また、被害者支援に必要な人材育成のための研修や情報提供などにも取り組んでいるところでございます。
○とや委員 今ご答弁いただいたように、民間団体の皆さんは、東京都がなかなかできないようなことも、受け皿として、そのすき間を埋めていってくださっていて、その苦労ははかり知れないものがあります。
今回の補正予算に組まれた感染防止対策事業補助で、一団体百万円、区市町村に照会をかけた合計では、支援団体が大体四十六団体程度ということで、四千六百万円が計上されていますが、新型コロナウイルスの発生により、DV被害者支援の現場も困難な状況を抱えているとお聞きしています。
私が聞いた事例では、加害の夫が自宅待機、在宅勤務あるいは人員削減による失業で家にいることによる閉鎖的な空間に子供とともに押し込められ、被害女性は終始監視されて、暴言、暴力の環境下に置かれている、そのため、日ごろ電話での継続相談をしていた方たちの連絡が途絶えて、心配な状況が生まれているということでした。支援団体としてLINE相談を開始し、危機的状況にあった人たちを無事シェルターに避難させたという事例もありました。
これまで経験したことのないコロナ禍のもとで、その対策は大変急務ではないかと思います。しかし、電話相談にしても、相談者の負担は非常に厳しくて、フリーダイヤルを設置する費用は民間シェルターにはない、また、支援側の通信費もばかにならないという声もあります。
今回の感染防止に配慮したDV等相談支援体制強化事業において、フリーダイヤルの開設費用、通信費、人件費、来所相談に必要な感染防止グッズなど、必要なものが多くあると声が寄せられていますが、これらは補助対象となるのかどうか。
柔軟に活用できるよう配慮することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
○赤羽男女平等参画担当部長 感染防止に配慮した相談支援体制の構築、強化を図るための新たな取り組みに係るものでございましたら、対象とする予定でございます。
○とや委員 これから要綱をつくるということですから、ぜひ民間団体の方々のニーズに合った形での対象を盛り込んでいただきたいと思います。
相談支援も増加し、高いスキルも要求されるDV支援です。民間団体の皆さんは、長年、第一線でDV支援を開拓してきました。しかし、熱意はあっても、財政難や高齢化などで閉鎖を余儀なくされています。
先ほどお話がありました多摩のシェルターは、ことし閉鎖しました。都内では三カ所も閉鎖しているとも聞いています。
また、支援者がPCR検査の必要が生じて同行しなければならないという職員もシェルターの中にはあって、医療機関のような感染防止もできなくて、職員は命がけで同行支援に当たったという事例も聞きました。しかし、何の手当もないという訴えもありました。そこの団体は、そういった職員に対して、独自で賞与、ボーナスですね、手当を払ったといっておりました。
被害者は、DVによるものだけでなくて、メンタル的にも愛着障害など、複合的に傷ついている人も多くて、回復にも時間がかかるため、人の手当てが本当に重要だと語っています。
内閣府は、DV被害者を支援するシェルターなど民間施設九十五カ所が対象のアンケート結果を発表しています。先ほどもありました。問題、課題を複数回答で尋ねると、八割を超える八十一施設が財政的問題を挙げて、施設、設備の運営に限界が来ていると。ノウハウやスキルは蓄積しているけれども、運営のための資金は常に不足しているとおっしゃっています。
私、この質問をつくるに当たって、複数の民間団体の方々にお話ししましたが、その全てが同じ認識でした。支援体制を確実にしていくためには、百万円ではとても足りない、十人の相談員の増員を考えても、一千万円は必要だとおっしゃっております。今回の補正予算の増額、そして、現在の支援の拡充を求めておきたいと思います。
また、これは補正予算なんですけれども、ぜひ、今年度限りで終了するのではなく、来年度以降の継続も求めておきたいと思います。
東京都が民間団体と連携して、DV被害の防止や支援を進めていくことは大変重要です。同時に、東京都がみずからその役割を果たすことは、今一番求められているのではないかと思います。
第二回定例会の代表質問で、我が党の里吉議員が、外出自粛と生活不安のストレスがDVや虐待の危険を高めている、新型コロナウイルス感染症の及ぼす悪影響が、女性にとりわけ深刻になっていることを知事はどう認識していますかと、新型コロナ対策にジェンダーの視点を貫くことを知事に求めました。
これに対し、知事は、新型コロナウイルス感染症は多くの人に大きな影響を与えていますが、社会制度や慣習、そして慣行などもあって、特に女性は一層厳しい環境に陥りやすい状況になっていると認識を示し、困難な状況にある女性には必要な支援を届け、誰もが自分らしく暮らしていける社会の実現を目指してまいりますとお答えになりました。
東京都として、DV等の被害について、現在どのような支援を行っているのか、お答えください。
○赤羽男女平等参画担当部長 東京都配偶者暴力対策基本計画に基づきまして、相談事業、講座、研修、パンフレットの作成、配布や、ホームページ、SNS等を活用した情報提供に取り組んでおります。
○とや委員 大変簡単な答弁だったのですけれども、非常に重要な事業だと私は思っていまして、さまざまな事業をやっているんですけれども、現在、都の相談については、ホームページを見ましたら、都内在住、在勤、在学の方からの相談だというふうに書いてあったのですけれども、DV被害者の方というのは、住民票を置いたままで逃げてきている人もいらっしゃいます。現在、こういう状況ですから、ぜひこういった人たちについても柔軟に対応していただく、そして拡充していただきたいなと思っています。
国連女性機関の報告書や国際人権NGOは、国や地方自治体に対してDV等支援の強化を求めています。二十四時間対応の電話相談窓口の増設、SNSやメールなど、あらゆる手段で相談にアクセスできる体制が必要だと考えます。
代表質問でも、東京都が責任を持ち、メールやLINEでの相談対応を行うことを私どもは求めていますが、答弁では、ホームページやSNSを活用し、窓口相談に関する情報提供を幅広く行っているといっていらっしゃいます。
今年度予算で計上された、LINEでやられるということですが、その試行は、いつから、どのように行っていくのか、お答えください。
○赤羽男女平等参画担当部長 現在、今夏の試行実施に向けまして準備中でございます。
○とや委員 今夏って、もう夏なんですけれども、じゃ、もうあと一カ月ぐらいでやるという理解でよろしいですよね。
三月から新規感染者が増加し始めて、既に五カ月がたとうとしています。私はLINEが全てだと思っていませんが、潜在的にも広がるDV被害を未然に防止する、早期に解決していくための一つの手段である、ツールだというふうには思います。
一方、LINEやメールは、顔が見えない、あるいは声も聞こえないところで相手の状況を見きわめ、適切に支援につなげるという、大変高い専門性が必要とされる、求められるのではないかと思います。
LINE相談は、どのような人が受けるのか、また、その先の支援はどのように行うのか、お答えください。
○赤羽男女平等参画担当部長 LINEによる相談につきましては、専門的な資格を有する相談員が対応する予定でございます。
また、LINE相談からその先の機関等への連携方法などは、試行の結果を踏まえまして検討してまいります。
○とや委員 試行の結果を踏まえて検討するということですが、私は、その先が非常に大事だと思っております。
その意味で、このサービスは委託で行うと聞いていますけれども、パソナとかテンプスタッフなどの人材派遣会社が、各地で既にひきこもりの相談窓口の委託を受けていると聞いています。
都内のDV相談については、これらの派遣会社はまだ参入されていないようですけれども、これまでのひきこもり相談窓口については、クオリティーが確認できないという話も聞いております。
特に深刻で複雑なDV相談では、LINEの場合、先ほども申し上げましたが、高いスキルが必要とされます。場合によっては、直接会うことが必要であったり、緊急で一時保護が求められる人もいます。そのような状況を、可能な限りつかみ取ることが重要です。
全国女性シェルターネットからは、SNSでの相談を実施する場合は、直接、支援経験のあるスタッフや民間シェルターなどによって行われるべきであるとの要望書も出ております。
開始に当たっては、高い専門性を持つ人が相談に当たれるよう、要望しておきます。
最後に要望ですけれども、先ほどホームページのお話が出ていたのですが、私、ウィメンズプラザのホームページを拝見しました。
DV被害者は、自分が受けているパートナーからの暴力がDVなのかどうか、DVであっても相談をちゅうちょすることがあります。そういう人にとって、思い切って相談してみようと思うきっかけがホームページでもあるわけです。
いろいろ工夫してホームページをつくっていただいているとは思うんですけれども、例えばトップページで一番大きく表示されているのが、現在、施設の貸し出しになっています。相談するコンテンツもあるのですけれども、施設利用よりも小さくて、そこをクリックすると、連絡先がずらっと掲載されていますが、どんな相談が寄せられているのか、DVとは何なのかなどのコンテンツについては、またもう一本行かなければ、深く入らなければわからないと思います。今、本当に深刻になっているもとで、これらのコンテンツは、むしろトップページに持ってくるくらいの思い切った改善が必要ではないかと思います。
いろいろな自治体を調べると、例えば舞鶴市では、六月に改めて、DVの深刻化が懸念されているとして、ドメスティック・バイオレンスについて詳細にホームページに掲載しました。さらに、内閣府の取り組み状況についてもリンクを張っている。橋本大臣のメッセージも掲載しています。
東京都がDVについて真剣に取り組んでいることを都民に示すことは、とても大事だと思います。当事者が相談しやすくなるよう、改善を求めておきたいと思います。
女性への暴力は、新型コロナウイルスがやってくるずっと前から蔓延していた問題であり、今後も残る問題です。ウイルスによって浮き彫りにした現状を私たち一人一人が見詰め直して、今後の支援について生かしていくことが求められています。ぜひ東京都として、DV被害を根絶するため、力を尽くしていただきたいと強く求めておきます。
今回の臨時議会について、最後に述べます。
先ほど、文教の、教育のところでも我が党の斉藤委員が述べました。感染者が非常にふえているもとで、全国にも大きな影響を与える東京都の対策が厳しく問われます。
臨時議会において、今回、小池知事の答弁の場が一切ないという議会のあり方は、都民にも国民にも、到底、理解が得られるものではありません。
生活文化局所管のDV問題についていえば、児童虐待とも大きくかかわる問題です。一時保護もそうですけれども、他局にかかわるものも多くて、全庁横断的な対応が求められるとともに、知事の姿勢が大きく問われる問題でもあります。
私ども日本共産党都議団は、知事が出席して局横断的な質疑ができる補正予算特別委員会の設置を求めましたが、都民ファースト、公明党、自民党の否決によって実現しませんでした。これでは議会のチェック機能も大きく問われます。
本来なら、国の補正予算だけでなく、都の対策に知事がしっかり答え、都議会として審議することが求められていることを申し述べて、質問を終わります。
○斉藤委員 では、私からは、私立幼稚園における新型コロナウイルス感染症対策事業の拡充について、幾つか質問させていただきます。公立幼稚園のことについて、先ほど教育庁の方で質問させていただきましたが、重なる内容もありますが、よろしくお願いいたします。
私立幼稚園における新型コロナウイルス感染症への追加対策として、三億九千百万円の補正予算になっています。
今回、私は、私立幼稚園の方々にもお話を伺いましたけれども、小さな幼児に対応する幼稚園では、今、感染の拡大防止のための取り組みで、日常業務が本当に大変だという状況だということです。子供たちの手洗いやうがい、手指の消毒はもちろん、日常的に使うテーブルや椅子、ドアノブのほか、玩具や遊具も消毒による拭き掃除を頻繁に行っていて、特に消毒液や消毒剤の消費が大きいということを私立幼稚園の方々からも伺っています。そうした中で、衛生用品の購入等に要する経費について追加で支援が出るということは、現場の方々にも喜ばれています。
また、衛生資材だけでなく、私立幼稚園でもさまざまな経費が発生しているということも伺いました。
保護者との直接の接触の機会を減らすため、園児の日常の様子や保護者との細かいやりとりを保育後にオンラインで行ったり、オンラインでの会議や面談、動画づくりなどもふえているという声がありました。また、学級通信を頻繁に出すことによって経費がかさんでいるということもあるということです。
今回の補正予算は、保健衛生用品等の購入に加え、感染症対策の取り組み徹底による業務量の増加への対応経費を補助ということですが、こうした保健衛生用品以外に購入したものも対象になるという理解でいいか、確認のため、お願いします。
また、補助期間についてどうなっているのかも、あわせて伺います。
○濱田私学部長 本事業は、国の制度に基づき実施するものであることから、対象経費等も国の補助要綱等で定められているものでございます。
今回の追加対策におきましては、保健衛生用品等の購入経費に加え、私立幼稚園が感染症対策の取り組みを徹底する場合の業務量の増加に対応するための経費を対象としており、物品などの購入費用以外の経費も対象とすることができます。
具体的には、休業要請に応じて休園した場合に、臨時の園だよりの作成、発送に要した印刷費や郵送費などが想定されております。
また、補助対象期間は、令和二年四月一日から令和三年三月三十一日まででございます。
○斉藤委員 臨時の園だよりの作成、発送に要した印刷費や郵送費などが想定されているということを例示していただきました。そのほかにも、感染防止のために余分にかかっている費用というのは、先ほどのお話のとおり、さまざまな物品にわたっています。
実際には、区市町村に申請をして、この中身が審査されるということになるということですけれども、対象を広く認めるように、国と連携して、都からも申請先となる区市町村に周知を徹底していただきたいというふうに思います。
先ほどのご答弁の中で、物品などの購入費用以外の経費も対象というご答弁でしたので、ちょっと詳しく伺いたいのですが、現場では、毎日の消毒や清掃作業に追われて大変だという声がたくさんあります。こうした作業のために追加で発生している人件費などに充てることは可能なのか。
また、園によっては、休業要請時等に行われた家庭訪問のときに発生した交通費などもあるということを伺っています。これも対象になるのかということを伺います。
○濱田私学部長 国の補助要綱等によりますと、人件費につきましては、預かり保育を実施したことに係る経費以外は補助対象とならないとされております。
また、休業要請期間等に行われた家庭訪問の際の交通費については補助対象となるとされております。
○斉藤委員 先ほどの区立の方と同じだということですけれども、預かり保育を実施したことに係るものでは人件費でも認められるということ、また、家庭訪問の際の交通費も補助対象になっているということが確認できました。
また、先ほど教育庁からの答弁では、教室等の消毒を行うための業務委託も認められているということでしたが、これ、事前にお伺いしたところ、私立幼稚園でも同様に、消毒を行うための業務委託も認められるということを確認させていただきました。
しかし、人件費については、預かり保育の実施以外では補助対象とされないということです。
この点は、先ほども教育庁の方でもお話ししましたけれども、業務量の増加というのは、預かり保育をしているときだけに発生しているものではないわけです。しかも、業務委託をして消毒するというところまでいかなくても、現状の人員で増加した業務を負担しているという園が多いというふうに聞いています。
この点については、都として、現場の立場でしっかり国と協議をして、柔軟に使えるように求めていってほしいと思います。
また、あわせて、国任せではなく、対象にならない部分に対して、都としての独自の支援を行うよう、今後検討することを要望いたします。
東京都の私立幼稚園での感染状況について伺いたいと思いますが、都内の私立幼稚園を所管する私学行政の立場として、また、今回のように感染防止のための取り組みを支援する立場として、現場での感染状況の全体を都が把握しておくということは重要だと思います。
既に都内の私立幼稚園でも感染があったということが報道されていますが、生活文化局では、私立の幼稚園での感染状況について、設置者から報告を受ける仕組みはあるのか、伺います。
○濱田私学部長 私立幼稚園で園児、教職員等の感染等があった場合には、設置者から所轄庁である特別区や市を通じて都に報告する仕組みとなってございます。
○斉藤委員 区市を通じて都に報告することになっているということです。しかし、今現在、正確な数字を都として発表できる段階ではないということも同時に伺いました。
今回の新型コロナの感染の広がりは、まさに今、深刻な状況にあります。PCR検査の具体的かつ抜本的な拡大に加え、医療機関への減収補填、さらには事業者への補償とセットの自粛、そういうこともない中で、感染リスクというのは子供にも及んでいる状況です。都として、都内の私立幼稚園に通う子供たちの状況を把握し、安全を守る対策につなげていくためにも、感染状況の把握に努めていただくことを求めます。
次に、今回の補正の対象について伺います。
いただいている資料では、幼稚園型認定こども園を含む私立幼稚園七百八十二園が対象とされています。
先ほどの質疑の中でもありましたけれども、幼稚園類似施設については、今回の支援の対象についてどのようになっているのか、伺います。
○濱田私学部長 本事業は、国の補助制度に基づき実施するものでございますことから、対象施設も国の補助要綱等で定められているものでございます。幼稚園類似施設は対象には含まれておりません。
なお、都が独自に認定する幼稚園類似施設につきましては、これまでの経緯も踏まえ、都独自に幼稚園と同等の支援を行う予定でございます。
○斉藤委員 国の補助制度として幼稚園類似施設は対象に含まれていないということですが、都が独自に認定している幼稚園類似施設については、都独自に幼稚園と同等の支援を行う予定だということです。
では、都が認定していない幼稚園類似施設については、この都の独自の支援もないということになりますけれども、そうした施設がどのくらいあるのか、事前に伺いましたけれども、都としても把握をされていないということです。
しかし、コロナの危機は、施設にかかわらず、どの子供にも直面しているものです。知らないから仕方ないということではなく、今回の危機を契機に、区市町村と連携して把握していく必要があるのではないかと思います。
さらに伺います。
いわゆるインターナショナル系など、外国人学校幼稚園は対象になっているのでしょうか。
あるいは、都としての独自の支援はあるのでしょうか。
○濱田私学部長 国の補助要綱等によりますと、いわゆる外国人学校は対象に含まれておりません。
また、都独自に今回の幼稚園と同等の支援を行う予定はございません。
○斉藤委員 国も都も、外国人学校幼稚園は今回の支援の対象にしていないということですが、なぜ対象にせず、都からの支援もないという状況なのでしょうか。
○濱田私学部長 本事業は、国の補助制度に基づき、幼稚園を対象として行うものでございまして、各種学校である、いわゆる外国人学校は対象としておりません。
また、各種学校として認可された外国人学校につきましては、国の別の補助事業である学校保健特別対策事業費補助において補助対象となっており、都独自に今回の幼稚園と同等の支援を行う予定はございません。
○斉藤委員 今、学校保健特別対策事業費補助において補助対象にしているというご答弁でした。
私も、これは文科省にも確認しましたけれども、外国人学校が対象とされているのは第一次補正予算のときだけで、支援の内容は、マスクや消毒液など保健衛生用品に限られています。国の第二次補正予算の学校保健特別対策事業費補助では、外国人学校は対象から外されています。今回の補正予算で私立幼稚園が受けられる保健衛生用品以外のかかり増しの経費については支援がないということなんです。これをもって対象外とするという理由にはならないというふうに思います。
外国人学校の扱いについては、幼児教育無償化でも対象外になり、大きな問題になっています。昨年、我が党のとや英津子理事が質疑をしています。
私も、今回の件で朝鮮幼稚園の方々に伺いましたが、やはり衛生資材だけでなく、さまざまな物品が必要になっているということです。
先ほどは、公立幼稚園の質疑の中で、子供たちが同じ玩具や遊具を使い回すことにならないように、同じものを買い足したという園の話をしましたけれども、朝鮮幼稚園では、買い足す費用が出せずに、いつもの玩具や遊具を半分に分けて分散登校時などに使っていたということです。さらに、食事のときの感染リスクを抑えるためにアクリル板も買いたいけれども、支援がなければ買えない状況だということです。
私は、小規模でより支援が必要な施設こそ、東京都が目配りをして支援するべきではないかと思います。
さらに、外国人学校が支援の対象から外されているというのは、今回の補正予算や幼児教育無償化の制度だけではありません。ご存じのとおり、私立高校無償化の対象からも外されていて、幼稚園を運営している外国人学校法人は大変な経営状況になっているということです。
小池都知事は、誰もが生き生きと生活できる、活躍できる多様性、ダイバーシティーをうたっていますが、実際には、こうした差別的な対応が続けられています。
お話をしてくれた朝鮮幼稚園の関係の方々は、せっかく自分のルーツを大切にする多様な学びを受けさせたいと思っても、支援が少ない中で入学を諦めてしまう人もいる、ダイバーシティーを大切にした学びは、日本の中で育っていく全ての子供たちに多様な学びを保障するという観点からも大事なはずなのにとおっしゃっていました。
また、コロナの感染症への危機は、人種や国籍などと関係なく、全ての子供が直面しているものなのだから、同様に支援をしてほしいという思いを話してくれました。
世界的な危機の中で、新型コロナウイルス対策に各国や都市がどのように対策を実行していくのか、今問われています。
国連は、三月二十六日に、新型コロナウイルス対策に例外があってはならないとする専門家による共同声明を発表しています。この中で、全ての人に健康の権利があるとして、障害を持つ人々、高齢者、マイノリティーの集団、移民や難民、LGBTやジェンダーの多様な人々を含め、あらゆる人々や集団が政府から支援を受ける必要があるとしています。
政府はもとより、首都東京都にも求められている重要な視点だと思いますが、都として、この声明についてどう受けとめますか。
○濱田私学部長 本事業は、国の補助制度に基づき実施するものでございまして、対象施設も国の補助要綱等で定められているものでございます。
○斉藤委員 私は、この声明をどう受けとめるのかと聞きました。結局、先ほどと同じ答弁で、正面から答えないわけですね。国が決めていることだから答えられないということでは、私は、世界の流れに対しても、東京都として恥ずかしいことだと思います。それがダイバーシティーを掲げている小池都知事の都政の本性なのかというふうに問われる問題だと思います。
私は、ダイバーシティーを掲げている東京都として、この国連の声明にも学んで、支援が届いていないところに、都として目配りをして手を差し伸べていくことが必要だと思います。
誰も取り残さずにコロナの危機を乗り越えていくためにも、今後の補正予算等に、今回の対象から外されている幼稚園類似施設や外国人学校への経費の支援を検討していくことを強く求めて、質疑を終わります。
○内山副委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内山副委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で生活文化局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時五十四分散会
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