文教委員会速記録第二十号

令和元年十二月十六日(月曜日)
第三委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長星見てい子君
副委員長内山 真吾君
副委員長柴崎 幹男君
理事うすい浩一君
理事とや英津子君
理事福島りえこ君
龍円あいり君
あかねがくぼかよ子君
鳥居こうすけ君
斉藤まりこ君
栗林のり子君
のがみ純子君
西郷あゆ美君
古賀 俊昭君

欠席委員 なし

出席説明員
生活文化局局長浜 佳葉子君
次長武市 玲子君
総務部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務根本 浩志君
オリンピック・パラリンピック準備局局長潮田  勉君
次長理事兼務延與  桂君
次長総務部長事務取扱中村 倫治君
教育庁教育長藤田 裕司君
次長西海 哲洋君
総務部長安部 典子君

本日の会議に付した事件
意見書について
付託議案の審査(決定)
・第百八十四号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為 文教委員会所管分
・第百九十五号議案 学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
・第二百二十六号議案 若洲海浜公園ヨット訓練所の指定管理者の指定について
・議員提出議案第十一号 東京都江戸東京博物館条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第十二号 東京都現代美術館条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第十三号 東京都写真美術館条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○星見委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書二件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○星見委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為、文教委員会所管分、第百九十五号議案、第二百二十六号議案及び議員提出議案第十一号から第十三号までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○西郷委員 栄養教諭制度の見直しについて、賛成の立場から意見を申し上げます。
 現行の栄養教諭制度については、食に関する指導と給食管理を一体のものとして行うことにより、地場産物を活用して給食と食に関する指導を実施するなど、教育上の高い相乗効果がもたらされるとされています。
 日本人の食の欧米化が進み、日本の食生活が変化していく中で、平成十七年に食育基本法が公布されました。
 この食育基本法は、近年の我が国の食をめぐる状況の変化に伴うさまざまな問題に対処していくためのものであり、これを契機にして、保育、学校教育現場で食育が重視されるようになりました。
 今では、食育に関連する資格や講座が増加し、食育という用語に対する一般的な認知度、関心度も高くなっています。
 食育基本法では、子供の教育領域において、食育を、従来の知育、徳育、体育の基礎となるべきものと位置づけるとしています。
 人をよくすると書いて食、人をよくすることと書いて食事です。研究によれば、食は子供の身体的発育のみならず、心理的な発達にも影響を及ぼすものと考えられています。
 長野県旧真田町の真田中学校では、過去に給食内容を改善し、米飯中心に変え、家庭にも協力を求め、加えて、授業改善や花壇づくりにも取り組んでいった結果、さまざまな変化があらわれたそうです。
 例えば、読書の習慣が広がり、全国作文コンクールで入賞者が出るようになったこと、校内のたばこの吸い殻がなくなったこと、非行、不登校、いじめが減ったこと、学力全般が向上したことなどの変化があったそうです。
 平成四年から真田中学校の校長、平成九年から真田町の教育長となり、栄養士の協力も得ながら子供の食と学校改革に努めた大塚先生の言葉をおかりすれば、食を変えれば子供が変わるそうです。
 このように、学校教育の現場で食育を担うのが栄養教諭であり、その重要性はますます大きくなっていきます。
 今回提案があった栄養教諭制度の見直しでは、栄養教諭から主任栄養教諭への昇任を可能とし、給料上の取り扱いも現行の主任教諭及び主任養護教諭と同様とするとのことです。
 このような見直しについては、先ほど述べたような学校教育の場における栄養教諭の重要性に鑑みれば、栄養教諭のモチベーション向上にもつながり、今後、学校における食育のさらなる推進が期待されます。
 一方で、民間では、複数の食品を同時に画像判別し、栄養素を自動計算するAIなども活用されています。経済産業省の補助事業である令和元年度健康寿命延伸産業創出推進事業で採択されたヘルスケアアプリ、カロミルでは、ユーザーが写真を撮るだけで自動的に食事の記録、集計がされるカロミルAIによって、高齢者でも簡単に記録ができ、その精度の高さが評価されています。さらに、食事履歴をデータと連携することで、データ予測分析技術をもとに、個人の食事、栄養管理をサポートするサービスも提供されています。
 このようなAI技術を活用すれば、児童生徒はAIの仕組みを学びながら食育を実施することも可能です。東京都が推進する5G事業とも連携することができるのではないでしょうか。学校給食の献立作成等においては、業務の効率化のために、栄養教諭等が既にさまざまな給食管理用ソフトを活用しているとお聞きしております。また、栄養バランスの整った食事を人工知能に提案してもらう技術も既に実用化されています。
 栄養教諭は、各学齢ごとに最適化された栄養バランスで、毎日の給食献立を限られた食材費の中で検討する必要があります。ICTやAI技術を活用することにより、栄養教諭の負担軽減も図られることにより、生徒一人一人と向き合う時間も確保できると思います。
 世田谷区桜丘中学校では、月に一度、十七時から二十時の間、生徒に校舎を開放し、夜の勉強会を行っています。運営を手伝うボランティアの方々は、学校の卒業生や地域かいわいで子供食堂を営んでいる方であり、地域の交流も生まれています。生徒たちは、百円玉を出して食事を受け取り、学年の違う生徒たちと一緒に勉強をします。
 例えば、このように栄養教諭が、民間とも連携し、機械ではできないこと、人間にしかできないことに力を入れるとともに、心も豊かになるような食育を推進していただくことが重要ではないかと思います。
 このたび、新たに設置される主任栄養教諭が、これまで以上に活躍の場を広げ、その職にふさわしい役割を発揮することで、東京都における食育のさらなる推進を図っていただくことを要望し、意見とさせていただきます。

○斉藤委員 日本共産党都議団を代表して、議員提出議案第十一号から十三号、東京都江戸東京博物館条例、東京都現代美術館条例及び東京都写真美術館条例の一部を改正する条例案について、賛成の意見を述べます。
 これらは、若者の美術館の観覧料を引き下げて、若者が芸術や美術に触れやすい機会を拡充するために条例を一部改正するものです。
 東京都文化振興条例の第十条は、都は、青少年が豊かな人間性を形成し、創造的な文化活動の担い手となることに資するため、青少年に対し、広く文化に接するための機会及び場を提供する等必要な措置を講ずるよう努めるものとするとしています。
 また、大学生や就職したての世代を含めた若者の支援の必要性が社会の共通認識となり、重要な課題となっています。
 若者の美術館料金を引き下げるための今回の条例改正案の発表後には、共感してくださる都民の方々の声が多く寄せられています。若い時代に名画、名作に触れることは、人間形成にとても大事ですよねという声や、学生のころは高くて諦めていたから、すごくうれしいという声、また、とてもすばらしいです、美術に触れることで心を育て、豊かに人生を過ごすことにつながってほしいです、条例改正案が採択されることを都民の一人として希望しますという声などが届いています。
 若い世代が芸術文化のすばらしさに触れ、自国の文化はもとより多様な文化の価値を理解するとともに、豊かな感性や創造力を育むことは大切であるという、第三回定例議会での我が党の質問に対して知事が答弁された内容は、まさにこうした都民の声や思いと一致するものではないでしょうか。
 今定例会では、小池都知事は、春休み期間中に、十八歳以下の方まで、常設展、企画展ともに無料で観覧できるようにすると表明をされました。若者が美術、芸術に触れやすい環境をつくっていくためのこうした取り組みは、条例で位置づけてこそ保障されていくものと考えます。
 来年は、いよいよ東京二〇二〇大会を迎えますが、オリンピック憲章にも、スポーツと文化、教育を融合することで、教育的価値、社会的責任、普遍的、基本的、倫理的諸原則の尊重に基づいた生き方の創造を求めることが根本原則として掲げられています。
 文化の振興や若者の豊かな人間形成の機会の創出に向けて、若者が芸術作品などに触れる機会を拡充していくことは、まさに後世につなげていくレガシーとしてもふさわしいものではないでしょうか。
 委員の皆様方に、ご賛同を心から呼びかけまして、議員提出議案第十一号、十二号、十三号の意見表明といたします。

○星見委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第十一号から第十三号までを一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○星見委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第十一号から第十三号までは、いずれも否決されました。
 次に、第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為、文教委員会所管分、第百九十五号議案及び第二百二十六号議案を一括して採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星見委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、債務負担行為、文教委員会所管分、第百九十五号議案及び第二百二十六号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○星見委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○星見委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○星見委員長 この際、所管三局を代表いたしまして、藤田教育長から発言を求められておりますので、これを許します。

○藤田教育長 所管三局を代表いたしまして、ご挨拶を申し上げさせていただきます。
 ただいま本定例会で提案を申し上げておりました議案につきましてご決定を賜りまして、まことにありがとうございました。
 委員長を初め委員の皆様方におかれましては、さまざまな視点からご審議をいただきまして、厚くお礼申し上げます。
 審議、調査の過程で賜りました貴重なご意見、ご要望等を踏まえ、これからの事務事業に万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
 簡単ではございますが、お礼の言葉とさせていただきます。大変ありがとうございました。

○星見委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時十三分散会

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